運輸委員会 第13号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/23
会議録
○古屋委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、道路運送車両法等の一部を改正する法律案及び久保三郎君外六名提出、交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律案の両案を議題といたします。 順次趣旨の説明を求めます。地崎運輸大臣。
○地崎国務大臣 ただいま議題となりました道路運送車両法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 近年わが国の自動車の保有台数は著しく増加し、また、輸送活動に占める自動車の役割りは、その活動の全国的な展開及び輸送数量のウエートの高まりから見ましても非常に重要なものとなっております。これに伴い、自動車行政の事務処理体制の整備を図ることが必要となっております。 現在、地方における自動車行政事務の処理体制といたしましては、ブロック単位の陸運局のほか、都道府県の機関として陸運事務所が設けられておりますが、その職員は昭和二十四年の設立当初より国家公務員でありながら都道府県知事の指揮監督を受ける地方事務官という特殊な身分とされ、予算、業務運営の面におきましても国の地方行政機関としての実態を備えていながら都道府県の機関であるという変則的なものであります。 このため、従来から陸運関係の地方事務官制度につきましては、いろいろな形でその廃止についての議論が行われてきたわけでありますが、昨年十二月の「昭和五十五年度以降の行政改革計画の実施について」の閣議決定におきまして、自動車の検査登録に従事する地方事務官を廃止することを内容とする道路運送車両法等の一部を改正する法律案を国会に提出するとの方針が決定され、本法律案を提出するに至ったものであります。 本法律案におきましては、自動車の検査登録に関する事務については国が直接処理するものとし、このため陸運局の支局等を設けてこの処理に当たらせること及びこれに伴い従来の陸運事務所の職員のうち所長、次長及び自動車検査登録特別会計に所属する職員は運輸事務官、沖繩県につきましては総理府事務官とすることといたしております。このため、道路運送車両法、運輸省設置法等の一部を改正するほか、これに関連して地方自治法の一部を改正する法律等の関係法律につきまして所要の改正を行うことといたしております。なお、この法律案は公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。 以上がこの法律案を提出する理由であります。 何とぞ、慎重に御審議の上速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○古屋委員長 次に、田畑政一郎君。
○田畑議員 ただいま議題となりました交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律案について提出者を代表し、提案の理由並びにその概要を御説明申し上げます。 従来から各交通事業者が行っております旅客貨物に対する運賃の割引については、その交通事業者が営業政策上の割引のほか、国の政策によるものがあり、その中には法律によるものもありますが、その多くは慣行により行われてきており、一部を除いて大半は、それぞれの交通事業の内部補助方式にゆだねられ、一般利用者の負担において実施されているのが実情であります。 しかるにモータリゼーションの猛烈な進展など最近の経済社会の激変により、公共輸送を担当している多くの交通事業者はその経営が悪化し、これを維持し継続することが困難になってきております。こうした経営の悪化している交通事業に国家政策上の責任まで背負わせることは、まさに不公正であり、また交通事業の健全な発達により国民の足を確保することにも支障があります。したがって、こうした国の産業政策、文化政策、社会政策等による要請のもとで行われる公共割引について、国庫負担の原則を打ち立て、費用負担区分を明確にする必要があります。これが本法案を提出する理由であります。 次にこの法案の概要でありますが、この法律の適用により公共割引を実施した場合に国庫負担の対象となる交通事業は、日本国有鉄道の行う鉄道、連絡船及び自動車運送の各事業、地方鉄道法、軌道法による交通事業、一般乗合旅客自動車運送事業、貨物及び旅客の定期航路事業並びに定期航空運送事業とします。そして国庫負担をする公共割引としては 一、国鉄が国鉄運賃法によって割引く身体障害者及びその介護者の割引額 二、交通事業者が通学定期乗車券の運賃を普通旅客運賃の三割以上を割引いたものについてその差額 三、国が運輸審議会に諮り、交通事業者に対し産業政策、文化政策、社会政策その他の政策上の必要から運輸割引を政令で定める場合の割引額 といたします。 なお、あわせて国会法の一部を改正することにより国会議員の交通費については別途国が負担することといたします。 これによって、交通事業の不当な負担を解消し、事業の健全な発展により公共交通を確保するとともに交通機関の機能を利用しての国家政策の円滑な遂行を期そうとするものであります。 以上、法案を提出する理由並びにその内容の概要を御説明いたしました。何とぞ慎重審議の上速やかに御可決くださいますようお願いいたす次第でございます。
○古屋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○古屋委員長 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。 —————————————
○古屋委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、航空に関する件について、新東京国際空港公団総裁大塚茂君を、また陸運に関する件について日本道路公団理事持田三郎君をそれぞれ参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○古屋委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水野清君。
○水野委員 航空局長と空港公団の総裁来ていますね。きょうは少し成田空港のことについて伺いたいわけでございます。 まず最初に、燃料輸送の問題について伺いたいのですが、御承知のように、成田空港の燃料は現在鹿島ルートといって鹿島港から鉄道の貨車で運びまして、成田市土屋の資材置き場から、パイプラインで空港の中へ運んでおります。これは御承知のように臨時のはずでございまして、本格パイプライン、花見川ルートと称しておりますが、その工事を現在やっておられることは御承知のとおりです。 まず最初に伺いたいのですが、本格パイプラインの工事の進捗状況を、現状をなるべく簡潔に御説明いただきたいと思います。
○大塚参考人 パイプライン建設につきましては、現在までにいろいろの用地買収とか行政上の諸手続あるいは地元に対する説明というような手順を大体全部終わりまして、まだちょっと二カ所ばかりボーリング中で本格的に工事に着手したと言えない点がございますが、その他は全部工事に着手をした。工区によってその進捗状況は非常に進んでいるところもあり、余り進んでいないところもあるという状況でございます。
○水野委員 公団の総裁に伺いますが、この本格パイプラインというのは、御承知のとおり空港の給油センターから始まりまして、成田市の資材道路を通って成田市の吉倉というところから千葉の花見川、それからさらに湾岸沿いの埠頭までが路線だと思うのですが、特におくれたところはどこですか、場所を教えていただきたい。
○大塚参考人 先ほど申し上げましたまだボーリング中というのは、四街道地区と成田の資材輸送道路の部分でございます。これが一番おくれております。
○水野委員 そうしますと、いまのお話の二カ所がうまくいけば大体予定どおり今年度中に完成できる見通しですか。
○大塚参考人 ただいま申し上げました二カ所はおくれておりますが、これから着工しまして来年の二月いっぱいには工事は完成をいたします。心配になりますのは、むしろ花見川ルート京葉道路、いわゆる隧道区間と申しますか、この区間が御承知のように地下三十メーターのところで三気圧を受けながらのわが国でも余り例のない工事でございますので、心配をいたしておりますのはその区間でございます。
○水野委員 そうすると、いまボーリングしているところは工事はおくれたけれども今年度中にできる、しかし花見川の周辺ですか、河床ですから地盤が非常に悪いのでしょうが、地下三十メートルのところを掘っている、そこがなかなか難工事で困っている、こういうようなお話だと思うのですが、その点についてもう少し細かくお話を伺いたいのです。私が聞いているところは、何か縦の穴を掘って、立て坑と言うんだそうですが、それを掘って、そこからまた横に掘っていく、その工事が非常に大変だというふうに聞いているのですが、その工事の状況について、総裁、もう少し詳しくお話をいただけませんか。
○大塚参考人 パイプラインにつきましては、御承知のように危険であるというふうなことで過激派等が地元の反対を非常にあおったわけでございます。したがいまして、私どもとしてはとにかく地元の住民の方々に安全感を与えるような確実な、安全な工法、工事をやらなければいかぬというようなことで、先ほど申し上げましたような隧道工事を計画をいたしたわけでございます。立て坑といいますのは大体縦十二メーター、横六メーターの穴を、場所によって多少違いますが、三十メーター前後深く掘りまして、それをすっかり鉄筋コンクリートで内側を固め、そしてその底の近くから隧道を掘る、こういう工事でございまして、この工事のやり方は泥水加圧式シールド工法という工法でやっておるわけでございます。
○水野委員 私の聞くところは、その立て坑を何か十カ所掘ることになった。十カ所掘って、そこから横に横穴を掘って、それをつないでいく方式だというふうに聞いているのですが、決まってからもう大分になるんだけれども、この間運輸大臣も現地を視察をされたと聞いておりますが、十カ所のうちまだ二カ所か三カ所しか手をつけていない、あとは何だか工事の請負人を決めたというだけであってまだ遅々として進まないというふうに聞いているのですが、その辺の事情は本当ですか。
○大塚参考人 十カ所の立て坑のうち四カ所は完全にでき上がりました。そのうち三カ所の立て坑からは横の隧道工事を発進いたしております。 それから、あと六つの立て坑のうちで大分進んだものと、工事に着手はしましたがまだ余り進んでいない部分、これがございます。
○水野委員 私、現場を見ないからちょっとわかりませんが、立て坑というのですから恐らく等距離に穴を掘るんだろうと想像しますが、十カ所お決めになって、もう大分できたところもあるしできないところもあるという理由はどういうことなのか。何か私の常識で考えると、できるところもあるしできないところもあるというのは、地盤が非常に悪いからできないのか、あるいは工事を受けた会社がその辺の設計か何かでとまどっているのかどうかというようなことなのか、あるいはもう一つ公団側に何か原因があるのかとというふうに思うのですが、どういうことなんですか。
○大塚参考人 おくれております部分は、結局地元との折衝でおくれたということが大部分の理由でございます。要するにそのうちで最も大きいのは工事用道路でございます。そこへ工事用の大型車とか何かが出入りしたり、あるいは掘削した土を運ぶ道路、一般の道路を使うことを地元の方々に公害ありということで断わられまして、特別の工事用道路をつくれというようなことにいろいろ折衝の結果なったわけでございますが、そのために用地の買収とか借り入れということをやって、工事用道路をつくるのに時間がかかったというのが、まあほかにもいろいろ細かい点はございますが、最も大きな理由でございます。 ただ、おくれております立て坑は比較的浅くて、先ほど私大体三十メーター前後と申し上げたのですが、深いものはもうでき上がっておりまして、これから掘るのは比較的浅い二十五メーターぐらいの立て坑が多いわけでございますから、おくれて発足してもでき上がるまでの期間はいままででき上がっている立て坑よりも短くて済むというふうに考えております。
○水野委員 何か私の聞くところでは、千葉市内のさつき団地と真砂町、その辺の町内会の説明会が非常におくれたのが原因だというふうに聞いているのですが、そのおくれた理由が、もちろん過激派の人たちが非常に危険だというような宣伝をしたのが大きに響いたというふうにも聞いておりますが、公団側にもかなり責任があるんじゃないかということが言われております。これは、総裁、そうであるかどうか、そこを承りたいのですが、まず第一は、空港公団の信用問題である。空港公団がいままで千葉市との間でいろいろないきさつがありましたが、余り約束をしたことを守らないからだ——私はそう思っていませんよ、思いませんが、そう言う人もあります。第二は、空港公団側の職員や皆さんの方もどうも余りやる気がないんじゃないか。これは千葉市の市役所の人たちなんかもそう言うのですね。どうやる気がないと言ったら、土曜日、日曜日は休みます、休むのはあたりまえかもしれませんが、有給休暇も全部とります、祭日もとります、突貫工事をやるというような姿勢は余り見えないということを言っている向きがあるわけですね。その辺はどうなんですか。
○大塚参考人 真砂町、さつき町の問題は、確かに地元に反対がございまして、説明会等についてほかの方と同じようにやったのでございますが、二回、三回やってくれというようなことでやった、そのために着工がおくれたということは確かにございます。しかし、最も反対の激しかった真砂町地区は、先ほど申し上げた立て坑のもうすでにでき上がって横の隧道に着工した部分でございますから、これが全体をそうおくらせたということにはならぬかというふうに考えます。 それから、公団にやる気がないんじゃないかというようなことをだれがおっしゃっておるのかわかりませんが、まことに私は心外でございます。それは、土曜は休んでおりませんが、日曜は確かに休んでおることは休んでおります。しかし、工事の方は公団の職員が直接やっておるわけではございませんし、われわれとしてはできるだけのスピードでやるように督励をいたしましてやらせておるわけでございまして、突貫工事といいましても、いろいろ工事によってそれができる工事とできない工事とがあるわけでございます。ところが立て抗とかあるいは隧道工事というのは、先ほど申し上げましたように、三気圧の気圧の中で仕事をやりますから、要するに密閉した部屋の中で三気圧の気圧をかけてやっておりますので、潜水夫と同じように適当な時間に交代をしないと潜水病みたいなものにかかる。それから、それがすぐ上に上がってというようなことは危険でございますので、途中で中間的な気圧のところを経由してというようなことで、一人の人が非常に長い時間働くというようなことはできませんので、適当に交代をしながらやらなければならぬというような面とか、そのほかいろいろ建設業の騒音防止に関する法律というようなものがありまして、夜間騒音を出すような工事はやってはいかぬとかいろいろの規制がございます。 そういうふうな面から、突貫工事をやっておるのでございますが、外から見ると、夜になると休んでおるじゃないか、昼夜兼行でやっていないじゃないかというような見方はあるいはあるかもしれませんけれども、われわれはそうした法規とか、それから地元との関係もございまして、夜間非常な騒音等を発することは法律に反するだけでなくて、地元から非常なクレームが出るわけでございまして、そういうふうな地元との関係その他を調整をしながら、できるだけのスピードで工事を進めておるというのがいままでの状況であり、また現在の状況であります。
○水野委員 それじゃひとつ、なお一層督励をしてやっていただきたいのですが、もう一度伺いますが、この立て坑の工事、要するに花見川の河床敷の工事を設計に入ったのはいつで、工事の発注をしたのはいつなんですか。それで発注したときに、大体工期はどのくらいかかるという見通しで始めた仕事ですか。
○大塚参考人 パイプラインのルートについては、御承知と思いますが、最初は千葉市内の水道道路というところを予定しまして、そこに大体パイプの埋設を終わった段階で千葉市との間に問題が生じまして、中止せざるを得ないということになったわけでございます。それから大分時間がたちまして、暫定輸送三年という約束をしたのが、御承知のように五十年の八月でございますが、その直前に、水道道路はもうまかりならぬというような千葉市からのお達しをいただきまして、それから新しいルートをどこにするかという調査研究に非常に時間がかかったわけでございます。そしてその調査の結果、なるべく地元民に影響を与えないように、地元の方々に不安感を与えないようにというようなルートを選んだ結果、現在の花見川−京葉道路というルートが決まったわけでございますが、それが決まると同時に、いろいろ関係方面とお話し合いをしまして、結局、先ほど申し上げました地下三十メートルのところを隧道を堀ってパイプを通すということに決まりまして、それから結局設計に着手をしたということでございます。そして契約をしたのが五十三年の三月、そして工事にかかったのが早いところが五十三年の五月ということでございます。
○水野委員 そうしますと、五十三年の三月に決まって、工事に着工したのが五月ということにしますと、そのときの建設業者との話し合いでは五十五年度いっぱい、御承知のようにいまの暫定の鹿島ルートというのは五十五年度、今年度いっぱいでこのルートからの輸送はやめるということになっていますね。そういうことは計算に入って間に合うということだったのですか。
○大塚参考人 お答えをいたします前に、私五十三年三月と五月と申しましたが、五十四年の三月と五月でございますので、訂正をさせていただきます。 それでこのパイプライン工事の契約と申しますのは、全部を一貫して契約しておるわけではございません。立て坑を掘る業者は立て坑を掘る業者、それから横の隧道を掘る業者は隧道を掘る業者、それからその中に配管をする業者は配管の業者というふうにそれぞれ工事の種類によって請負者が決まっておりまして、われわれはその必要に応じて契約をするということでございますから、現在、立て坑の契約がもうすでに終わって隧道の契約をやったところもありますし、また、立て坑の契約だけで隧道の契約までやっていないというようなところもあるという状況でございます。
○水野委員 そうすると、まだ部分的には工事業者の契約も終わっていないところがある、こういうわけなんですね。 そこで要点を伺いますけれども、御承知のように暫定輸送の鹿島ルートは、それを使用する時期についてはたしか五十六年の三月末、今年度末までだということを閣議で決定をして、茨城県の知事さんにも千葉県の知事にも、これはどういう形でやったのかはちょっと私わかりませんが、通達をしているはずですね。これは航空局長、ひとつ答えてもらえませんか。
○松本(操)政府委員 ただいま御質問のございました閣議決定でございますが、昭和五十年の八月に、新東京国際空港への航空燃料輸送は、暫定的に鉄道輸送による。鹿島港を経由するものについての期間は、当該輸送、つまり暫定輸送を始めてから三年以内ということを閣議決定いたしております。そこで、暫定輸送そのものが御案内のように五十三年三月に始まっておりますので、いま仰せられましたように、それから三年を足した五十六年三月というのが出てくるわけでございます。 それから茨城県と千葉県に対する通知でございますが、茨城県に対しましては、同じく五十年の八月に千葉港頭からのパイプライン、これは暫定輸送開始後三年以内に供用できるよう建設を進めるものとするというふうなことが書かれた運輸大臣名の手紙を出しております。さらに千葉県の方には、昭和五十二年の五月になってからでございますが、航空燃料の暫定輸送期間は当該輸送開始後三年間とし、この間において本格パイプラインの完成に努める云々というふうな、やや簡略化した形にはやっておりますが、同様趣旨の手紙が運輸大臣から知事へ出ている、こういうことになっております。
○水野委員 そうしますと、まだ工事の発注を部分的にしていないところがあるというので私はびっくりしたのですが、今年度じゅうにこのパイプラインの工事は完成できる見通しですか。これはひとつ総裁に伺いたいのです。
○大塚参考人 先ほど航空局長からお話ししたようないきさつになっておりますので、何としても完成させなければいかぬ、こういうふうに考えております。
○水野委員 完成させなければいかぬということはわかるのですが、それでは、必ず責任を持って今年度じゅうにやるということをここでお約束できますか。改めて伺います。
○大塚参考人 そういたすべく目下懸命な努力をいたしております。
○水野委員 ちょっと自信がないようなんですが、それでは総裁に伺いますが、これはどういう形のあれかわからぬけれども、成田周辺なのか、千葉の県庁の記者クラブか知らぬのですが、どうもできそうもないというお話をあなたが記者団の懇談でなすったというふうに私は聞いているのですが、そういう事実がありますか。 それからもう一つ、あなたは千葉県の川上知事のところへ行って、どうもこれはできそうもないという弱音を吹いておられるのか何か知りませんが、そういう発言をしておられる。その辺のことについて何かお話をなすったことがあるかどうか、ちょっと伺いたいのです。
○大塚参考人 記者との懇談で間に合いそうもないというようなことを言った覚えはございません。それから川上知事にお会いしたとき、大分前でございますが、なかなかむずかしい工事で困っておるのですというふうなことを言ったことはございます。
○水野委員 総裁、承りますが、いま大体千葉県ではできないだろうというふうにみんな思っているのです。あなたも何かできないようなムードを最近まで持っておられた。先般運輸大臣が成田空港を視察をされて、できないなんということはだめだ、ともかく来年の三月までに死ぬ気でやってみろという話をしたので、あなた自身がどうもお話を軌道修正をされたように私は受け取っているのです。むしろ事前にあなたはできないということをなし崩しで関係方面に説明をしておいて、どこかでできないということを表明されようと思っておられるのではないかというふうに私は曲解せざるを得ないほど、そういう話は広く流布されておった。それで千葉県知事に対してでも、どういうそのときのお話の仕方か知りませんが、千葉県知事にはどういうつもりで非常にむずかしいという言い方をされたのか、できないかもしれないと言われたのかよく知りませんし、余りそんなことを白黒つけてもしようがないでしょうが、お話しに行かれたのか。それはわざわざその話をしに行かれたのか、ほかのことをしに行ったついでに話されたのか、その辺をちょっと伺いたいのです。
○大塚参考人 わざわざそういう話をしに行ったというようなことはございませんで、何か行ったときにそういう話がたまたまちょっと出た、こういうことでございます。
○水野委員 それでは来年の三月末、今年度末までに必ず花見川ルートをやるべく努力をしておられるという努力は認めますが、万一できないときには、あなたは、いつ、どの段階で——これは公団総裁一人では判断できないでしょう、運輸省とよく連絡をとった上ででしょうが、関係の市町村、茨城県の鹿島港から陸揚げをして貨車で運んでいく途中の町村、千葉県に入って千葉県の佐原市から成田に至る町村あるいは千葉の方のルートから運んでいく関係町村、その町村に対しては、いつまでには必ずやります、御心配なくという回答かあるいはどうもできそうもないという回答か知りませんが、何カ月ぐらい前にはその辺の事情の説明をしていただけるのですか。
○大塚参考人 もしもおくれるというようなことになりました場合には、事前に当然何らかのお話を申し上げなければいかぬと思いますが、現在の段階においては、とにかく間に合わせるべくしゃにむにがんばっておるという段階でございまして、そういう間に合わなかった場合にどうするかというようなことは、いまの段階ではわれわれはまだ考えていないわけでございます。
○水野委員 逆に言うと考えていないでは困るので、関係の町村は燃料輸送に協力をしているわけなんでありまして、いきなり三月に入ってなお続けさせてほしいと言って、それを断られたらどうしますか。
○大塚参考人 来年三月までまだ一年近くございますので、とにかくいまの段階ではしゃにむにお約束を守るべく努力するというのが私どもの責務であるというふうに考えております。
○水野委員 それでは次の問題を伺いますが、第二期工事の問題について少し承りたいと思います。 第二期工事の用地の取得問題については、その後どういうふうになっておられますか、また用地の買収について努力をしておられるのですか。
○大塚参考人 第二期工事の用地につきましては、われわれとしましては適当な補償とそれから現在の経営規模に見合った代替地を、現在の地権者の御意向を尊重して代替地として提供する、そして将来の生活の安定を図れるようにするという方針で所有者の方々との話し合いをすべく努力をいたしておるわけでございますが、御承知のように、とにかく十何年も中心になって空港反対闘争を続けてきた方々でありますし、現在まだ反対同盟に所属をしておられる方々でありますので、この方々との話し合いをするということ自体がなかなかむずかしい問題でございます。そういうふうなことでございますが、われわれとしてはできるだけ努力をいたしまして、開港時に十七軒ありました民家が現在十五戸になっておるわけでございますが、なおひとつじみちな努力を重ねていきたいというふうに考えております。
○水野委員 これは余り深く触れるのはやめましょう。大塚総裁と私で二人でお話をしたこともあるわけですから。率直に言いますと、努力はしておられます、努力をしていないということは言いませんが、どうも努力のやり方が不十分だというふうに私は思うのです。何が何でも買いたいということではなくて、どうも何かあなた方の個人的なメリットみたいなことが先行しまして私はやっていないように思えてしようがない。特にあなた自身が私に非公式なところでおっしゃったように、いまそれよりもパイプラインが先なんだ、こっちの方は後回しなんだという言い方もなさったことがあるようですね。そういう姿勢がありますとなかなか二期工事にかかれないのですよ。空港公団というのはいま大変多くの方が働いていると思うのですが、パイプラインの方が大変お忙しくてそっちの方に手がかかっているものだから二期工事の用地買収は二の次でしばらくほっておいてもいい、そういうふうに考えておられるんじゃないですか。
○大塚参考人 先ほども申し上げましたように、パイプラインについてもいろいろむずかしい用地問題がございまして、面積的には合計して七・八ヘクタールくらいでございましたけれども、軒数としては二百十何軒かあってうちの用地部の方もそのパイプラインの用地に非常に精力を注いできて第二期工事用地内の方が二の次になったということは確かにございます。それから私どもも率直に言ってそういう考えで指導をしてまいったわけでございますが、パイプラインの方の用地関係はもう全部と言っていいくらい片づきましたので今後は二期工事内の用地あるいは騒音地域の用地という問題に用地関係としては全力を挙げて取り組めるというふうに考えております。
○水野委員 総裁、御承知のように二期工事の中でいろいろな地主さんがいますね。しかしいわゆる反対同盟に入っている純粋の農業をやっておられる方——国会議員でありながら一坪地主をやっているような人もいるわけですが、そういう人は別として、反対同盟の人たちはそんなにいまパイプラインで忙しいからこっちの方はしばらくさておいてという状況ではないように私は聞いております。具体的に申し上げると差しさわりがありますから申し上げませんが、実際十七軒と言われているのですが十七軒の人たちももうすでに十三軒になっているあるいは十四軒になっているという話も聞いております。その辺についてお話ができれば私はもう少しお話をしていただくし、それからパイプラインの用地買収がいま終わったんですから次はひとつ積極的にかかっていただきたいと思うのです。何か最近拝見していますと、どうもパイプラインが今年度末もできそうもない、一説によるとじゃ一年ぐらい延びたらできるのかと言ったらそうでもない、二年ぐらい先になるでしょう、だから二期工事の用地買収もそんなに急ぐことないんですというふうな気分が空港公団の中にあふれているんですよ。総裁は総裁室に座っておられてどう思っておられるか知らぬけれども、私は地元の成田に住んでいますし空港公団の中にはたくさんの知人がいますし、その人たちといろいろな雑談もすることがある。黙って聞いているとどうも二、三年延びてもしようがない、大変な事業なんですからというような大変親方日の丸みたいな感じがどうもしてならない。先般運輸大臣が現地を視察された際にも、運輸大臣から空港公団に対してもう少しのんびりしないでしっかりやれというお小言があったはずですね。そうでしょう。これはひとつ運輸大臣に恐縮ですが伺いたいんですが、いかがでしょうか。
○地崎国務大臣 先般成田のパイプラインを視察してまいりました。先ほど来総裁が御答弁申し上げておりますように非常に難工事でございます。特に千葉市内の花見川の地下三十メーター以下のシールド工法の工事に至っては全くかつて見たことのないパイプ敷設工事の内容でございます。私は大変この空港の油の輸送の工事というものを重要視しておりますので、それぞれの現場あるいは成田の公団事務所に参りまして業者の方々にお集まり願って早急に実現することを御要請申し上げ、また公団の職員の方々にもひとつ本格的にこの仕事に努力をしてもらいたいというふうな内容の話をしてまいりました。もちろん御指摘の二期工事についても意欲的に進めてもらいたいという話をしてまいったのでございます。
○水野委員 これはけさの毎日新聞見ましたら「今年度も赤字百二十三億 新東京国際空港公団解消するのは二十八年後」と書いてあるんですね。この新聞記事をお読みになった方も多いと思いますが、空港公団の累積赤字は今年度末四百五十六億円に上ることが明らかになった、こういうふうに言われています。いま国として行政機構改革だとか税金のむだ遣いだとかいろいろなことを言われておりますが、どうも成田空港に限っては余り急がなくてもいいというムードであっては私は困ると思うのです。成田空港は、一説によると、公共投資あるいは民間投資を含めて大体一兆円の投資をした、その中で有効に回転しているものもあるのでしょうけれども、無効な分も入れますと大体一日二億円はむだ遣いをしておると言われる。ほかに運輸省関係、国でも公団、事業団、いろいろなのがありますが、一日二億円、不正支出じゃないからいいのかもしれませんが、あれよあれよというふうに毎日むだをしているところというのは余りないと私は思うのです。これはひとつ委員長にもお願い申し上げたいのですが、当運輸委員会として、国会として、こういうことは私は許されるべきじゃないと思います。単に工事がどうこうということでなくて、私はきょうは地元の空港公団を余りいじめるのは恐縮なんですが、最近どうも関係の官庁間でも、あるいは率直に申し上げると千葉県庁でも、あるいは地元の周辺の市町村でも、きわめてのんきで、親方日の丸的な気分でやっておられるように思うという声が非常に高いのであります。これは当委員会としても空港公団に対してもう少し厳正な、昼夜を分かたず一生懸命第二期工事を完成し、パイプラインを完成して、成田空港を完全な姿で機能させるような努力をするように、どういう形になりますか、御決議でもいただければ大変ありがたいと思うわけでございます。 さらに、新高速鉄道というものについて少し伺いたいと思います。 御承知のように、田村運輸大臣のときに新高速鉄道構想というものがあらわれました。これは去年ですか、鉄監局を中心に協議会をつくられたところまでは聞いております。しかし、一体この新高速鉄道というのはいつになったらめどがつくのか、やることになっているのかいないのかというようなことについて少し事情を承りたいと思います。
○山地政府委員 成田新高速鉄道構想というのがいま先生御指摘のように田村運輸大臣のときにできまして、その後協議会というものをつくったわけでございます。この協議会というのは五十三年の四月四日に第一回の協議会を開催しております。このメンバーといいますのが、鉄建公団の副総裁、国鉄の副総裁、それから東京都の副知事、千葉県の副知事、それから帝都高速交通営団の副総裁、新東京国際空港公団副総裁、宅地開発公団副総裁、それから京成電鉄の鉄道本部長、北総開発鉄道株式会社の社長、これだけのメンバーで構成しております。その後、この協議会は三回開かれておりまして、第二回が五十三年六月、それから五十四年三月に開かれて今日に至っているわけでございます。 この協議会の中には部会が置かれております。この部会は企画部会、計画部会、財務部会と三つの部会に分かれておるわけでございますが、この部会を五十四年の三月以降三回開いております。 この部会においてどんなことを検討しているかということを御説明いたしますと、この田村構想というのは御承知のとおり成田から印旛松虫を通りまして宅地開発公団のルート、それから北総株式会社のルートというのを経て、高砂から今度は地下鉄の八号線を下りまして、それから新幹線ルートの方に入って東京に入る、こういうルートなんで膨大な資金がかかる。それから経営者というのが、いろいろな経営主体のところを通るから、そういったものをどういうふうにつなぐかということが問題になる。それからもう一つ問題になりますのは、空港から松虫の方に至るところは経営主体ができていないわけでございます。それから八号線のところからまた東京に入ってくる都心のところの経営主体というものも決まっていない。こういったものをどうやって決めていくかということで非常に複雑な利害関係といいますか問題が多いものですから、こういったところは部会——部会といいますのは大体部長ぐらいのクラスでつくっております。そこで詳細に検討を進めている段階でございます。 そこで、最後のお尋ねの、これは一体実現はどうなんだということでございますが、そもそも成田の新高速鉄道というのは何で考えたかといいますと、一つは成田の空港に対する東京の都心から行く優良なアクセスというものを考えなければいかぬ。それからもう一つは、成田と東京を結ぶ通勤といいますか、そういった旅客需要にこたえる。この複合的な目的で成田新高速鉄道というものは考えられたわけでございますが、成田新高速鉄道というものが片方で検討されている傍ら、アクセスというものについては一体どういうふうに考えたらいいだろうか。御承知のとおり、そもそもは新幹線というのが成田のアクセスとしてあったわけでございますが、それが、新幹線というものについてはなかなか御理解が得られないままに今日に至っているわけでございますから、いま御議論がありました第二期工事に備えてアクセスというものの必要性というのは依然としてある。これは従来の国鉄を使っていくのがいいのか、あるいは新高速鉄道みたいなものを使っていくのがいいのか、あるいは京成だけで十分なのか、いろいろな御議論があるわけでございまして、そういったものを、私どもは二期工事の完成の時期というものを頭に置きながら検討している段階でございます。
○水野委員 お話はよくわかるのですが、どうもこれも二期工事がいつ完成するかわからないのだから、そこへ焦点を合わせればいいということで、それから御承知の新高速鉄道というものがいきなり飛び出してきた事情もあるから、なかなか利害関係がうまくかみ合わない。まあ協議会というものをつくったから協議会は開いてはいるけれども、当分まとめるに至らないというのが世間の評判なんですよ。それでは困るのでございまして、現に成田の、土屋のところから、あれは国鉄成田線ですね、空港の中まで鉄建公団が用地買収をして、あの予算は新幹線の予算なんでしょう。どんどん工事を進めていますね。形もできてきている。あそこの完成の時期というのはもうあと一年か一年半でしょう。そうすると、いつでも鉄道は通るようになるわけですね。あの部分だけでも投資したものを有効に働かせていかなければいけないのだと私は思うのです。その辺についてもう少し早く決断をしていただきたい。 それから、余り時間がないものですからはしょりますが、聞くところによると、国鉄の内部でまだ新幹線にこだわっている方も一部いるように聞いている。それではだめなんでありまして、ひとつ鉄監局長さんとしては早急に関係者をきちっとまとめていただきたいとお願いをいたします。新幹線だけひとつ答弁を聞かせてください。
○山地政府委員 新幹線、土屋の交差部まで、これは高架の部分とそれから盛り土の部分とトンネルの部分、三つの構成ができているわけでございますが、この工事というのは新幹線の工事でございまして、新幹線の、法に基づくルートでございますのでその工事をやっているわけでございます。工事をやってはおりますけれども、これは新幹線しか使えないというようなことではございませんで、在来線にも使える。在来線には使えるのだけれども、よく新幹線の金を使っているのだから非常にぜいたくなことをしているのじゃないかということを言われるのですけれども、これは金額的にも在来線のものとそう変わらない。在来線の場合には、貨物を通したりするものですから、もっと丈夫にしなければならない場合もあるわけです。そういうものから比べると安いというような程度の路盤を工事しているわけでございます。 そこで、一体これを使うのはどうやって使うのだ、新幹線がなくなったらどうするのだということで、いま御指摘になったように成田線の、総武線からずっと入ってきて、それでちょっと首を振れば在来線がすっと入れる、これも非常に簡便な方法にはなるわけでございますね。ところが、先ほど御説明いたしましたように、この成田新高速鉄道にしろ、いろいろなアクセスの考え方というのは、やはり成田に優良なアクセスの鉄道をつくるということが問題になっている。 それからもう一つ、私があえて申し上げなかったのかもしれませんけれども、千葉県の方の千葉の開発ということも非常に重要なファクターになっているわけでございます。そういったいろいろな御要望を総合的につかまえていくのにはどうしたらいいかというので田村構想が生まれたわけで、その流れからいきますと、ひとつ、いまこれは別に固まっている案ではございませんが、いまの先生の御説ではございますけれども、新幹線ルートというのは新幹線じゃなくて通勤ルートに変えたら使えないかという考え方も一部にはあるわけでございます。これだとまた優良なアクセスであり、千葉の地元の方の御要望にもこたえられるとか、その副次的な目的を達成するということも可能かもしれないわけです。その場合も新高速鉄道も含めましていろいろなアクセスは土屋からいまのルートを通って空港内に入る、こういうことだけは間違いない。そういうことでいま工事が手戻りのない程度に、どんなものが来てもこれは使えるといべ程度までにつくるというふうに公団を指導してつくらしているわけでございます。
○水野委員 正直な話でいいのですが、工事現場へ行ってみますと、「成田新」と書いて「線」と書いてある。その間に字が一字書けるようになって白くしてあるのですな、工事現場の工事説明をね。一体これは新幹線なのか、新しい新線なのか、幻の新幹線なのか、これは非常に私は興味深く思って見ているのですがね。空港二期工事の完成がまだまだ先だからとおっしゃらないで、たとえば在来線の延長として使うのなら一年半か二年で使えるのでしょう。そうでしょう。そうすれば、当然いま京葉道路の混雑の状態その他からいって、ほかのアクセスがだんだんこれから年を追ってむずかしくなっていくわけです。ですから、私は、二期工事の終点を目標に置いておやりになるのではなくて、もう少しその辺は話をはっきりしてやってもらいたい、これは要望しておきます。 そこで、農林省の方にちょっとお願いをしたいのですが、実は成田空港の周辺対策で営農対策というものがあります。その中に非常に大がかりな成田用水というものが、いま着工して、水資源公団がやり、その周りをいろいろな県営事業とかあるいは団体営事業でやっております。私は実はその成田用水の理事長を自分でやって苦労しているのですが、この成田用水をやってみますと、水田地帯は非常に皆さん喜んで入ってくるのですよ。これはもうぜひやってくれ、これはたんぼですからお米は一俵二万円近くで買えますから、皆さんどんどん入ってくる。ところが、畑地帯の人はなかなか入ってこないのです。入ってこない理由は、そこでつくる野菜が、つくっても余り値がよくない。ことしはよかったのですけれども、値がよくない。暴落をすることがあるというのでなかなか畑地帯の人が入ってこないのです。 そこで私は、千葉県その他を通じまして、この畑地帯の人を引っぱっていくために、農林省でやっておられる野菜の価格安定事業というものをこれに導入したらどうであろうかということを再三申し上げているのですが、それについて、きょうは突然のことですから、あなたの方も、やれるとも、やれないとも、それに、来ているのが課長さんでしょう、ですから何とも言えないでしょうが、ひとつ回答をしてもらいたいと思うのです。
○鎭西説明員 千葉県につきましては、私から申すまでもなく、首都圏を初め全国的な野菜の主産県でございまして、大変な安定供給源という機能を果たしているわけでございますが、ただいま先生の御質問にございましたけれども、私ども、野菜につきましては、野菜供給安定基金が直接価格安定事業を行うものが十四品目、キャベツ、大根、白菜、タマネギ等ございまして、そのほかに、さらに二十五品目については、野菜供給安定基金が県の価格安定法人に助成するという形で価格補てん事業をやっております。 成田周辺の市町村につきましても、大根、ニンジン、ネギ、白菜、バレイショ等が非常に主産地でございまして、そこに野菜の集団産地を育成するという事業を私ども進めております。 こういうことでやっておりますけれども、野菜の場合は、御承知のように、無計画な作付面積の増大というのがたちまち価格の暴落にはね返るということでございまして、私どもは、県、地方農政局、全国の段階で生産出荷協議会という場を設けまして、計画的な生産、計画的な出荷ということを強力にやっていくということをやっておりますので、今後とも系統出荷を通ずる計画生産、計画出荷ということを強力にやっていきたい。そのために万が一暴落したときには価格補てん事業を引き続き強化いたしまして、それの補完的機能をこれに担わせたい、こういうように考えているところでございます。
○水野委員 課長さん、あなたちょっと聞いておいてもらいたいのですが、あなたのいまおっしゃっているようなシステムはよく承知して私は物を言っているのです。 そうでなくて、成田用水の中で、畑総という予算がついています。畑地総合開発事業というのですか、その畑総の中で、畑地灌漑事業がたくさんありますが、それをどう処理するかという各論で、これはきょうは突然私がこれも質問するから急いで来いと言っていったんだから、あなたの方も用意をしてないのだろうけれども、千葉県の農林部とよく連絡をとってもう少しやってもらいたい、こういうふうに思っています。 実はこれは運輸大臣にもお聞きをいただきたい、航空局長にもお聞きをいただきたいのですが、周辺対策で営農対策を一つ取り上げていただいたのは、騒音直下の農業をやっている人たちが、自分たちのつくっている野菜や、まあお米はこれはしようがないですが、野菜は、空港の中で将来使えるのだというような、非常にあいまいとした話でみんなある程度期待を持ったわけです。ところが空港の周辺でつくっている野菜が必ずしも空港の中の機内食やなにかで使えるというふうにはなかなかうまく結びつかない。結びつかない理由は、農林省だけが悪いと言っているのじゃないですから心配しないでもらいたいけれども、いろんなそういうシステムができていない、流通機構ができていないということもありますが、なかなかむずかしいのです。しかし、これをやっていくと、飛行機はうるさいけれども、自分のつくっている野菜がある一定した生活のできる価格で売れるのなら、まあ飛行場もそんなに悪くないということで、私は反対運動というものがそれほど熾烈にならないと思うのですね。いまお米だけは売れるからいいからやっているわけです。その意味で、もう少しこの問題を新しく考え直していただけないかというふうに思っているわけです。 さらに、これはひとつ運輸大臣、航空局長にお話をして、今後お考えをいただきたいのですが、この周辺対策として農業問題が取り上げられたのは、成田空港が決まりました最初の閣議ですから、たしか昭和四十一年の六月かなにかだと思います。その当時は、成田周辺も、いまから十五年前でございますから、ほとんど農業地帯でありまして、畑地灌漑事業をやる、営農対策をやるということでしか頭に浮かばなかったのでありますが、十五年という時代の変遷で、周辺のいろんなものが、社会情勢が非常に変わってまいりました。特に労働に対する一つの構造といいますか、労働のいろんな条件といいますか、こういうものも変わってきまして、たとえば農業だけでは間に合わなくなっているわけです。現に成田空港の中は現在二万人以上の人が働いているわけですが、二期工事ができれば将来三万とか四万とかあるいは五万くらいの人が働くかもしれないと言われています。その中に、周辺の人たちが溶け込んでいけるように職場を開拓できるようなシステムを一層考えていただきたいということなんです。 具体的にはどういうことかと言いますと、現在も地元の農協の関係者がつくった警備会社であるとかあるいは清掃会社であるとかいうものができております。この清掃会社や警備会社は空港公団の世話になってやっているわけですが、成田空港というのはもはや空港公団だけではなくて、日本航空も来ていますし、外国系のエアラインも来ております。そういうところにはなかなかそういうものが入っていけない。 それからさらに、私どもも不勉強だったのですが、成田空港が開港して中を見てみますと、もっと就労のチャンスというのがいろいろな職能であるわけです。具体的に私なんかが感じておりますのは、ポーターの会社、あの赤帽の会社ですね。お客さんが荷物を持ってバスに乗り込んだりバスからおりて飛行機へ持っていったりする間のポーターの会社なんかがあるのですが、これが日本航空の子会社か孫会社なんですね。そして実態は、行って調べてみますとその会社は事務だけの会社で、さらに下請の会社を使っているのですね。成田空港の労働構造というのはそういう下請会社が非常に多い。これは運輸省の行政の方針なのかなと思って私見ているのですが、そうしますと、私が調べてみますと、元は成田空港は大体時間給なんですね。ですから、千葉県なんかの労働構造とかなり違うのです。時間給で、元で幾らで出ているのかよく知りませんが、たとえば一時間九百円あるいは千円の人件費で出ているのでしょうが、それが下請の企業にいくと七百五十円だとか八百円だとかいって、一種の管理費も取っているのでしょうが、どうもピンはねが行われているわけです。そういうことは、やはり地元の人たちにとってはちょっと逆なでされるような気が非常に強いわけであります。 たとえば警備会社一つとってもわかるのですが、これは公団総裁もよくわかっているのですが、成田に成田空港警備という会社があります。これは公団から仕事をもらって直接人を雇っていますから、ほかの東京から来た警備会社より給料水準がいいのですね。同じ仕事をしておって給料水準がいい。なぜだと言ったら、よそから来ている警備会社は、プール計算で、もうけたものは持っていってしまうからだというようなことを聞いたので、なるほどなと思ったんです。 ひとつこれは運輸大臣にお願いしたいのです。あるいは航空局長にそういう方針をひとつ出していただきたいのですが、農業だけの地元対策だけでなくて、いわゆる職場をつくってやる、生活の場所をつくってやるという対策だけでなくて、地元のいま言ったような労務提供でできること、それはパイロットをやれとかあるいは航空管制官をやれといったって地元のお百姓さんにはできるわけはないのでありますから、これはできない。しかしポーターの仕事であるとか清掃の仕事であるとか警備の仕事であるとか、そのほか探せば幾らでもあると私は思うのです。そういうものをどちらかと言うと航空会社の子会社、孫会社なんかで次々と仕事を取って占領していきたい、これも航空会社から言えば自分たちの定年退職者の送り先がないからおやりになるのかもしれませんが、それが余り極端になっていきますと私は地元の人たちとの間の感情問題が出てくるように思うわけであります。ひとつそういう意味で、これは私の要望でありますが、運輸大臣に航空局あるいは日本航空、空港公団をそういうふうに御指導いただきたいと思っているわけであります。ひとつ大臣から御意見を聞かしていただければ幸いであります。
○地崎国務大臣 もとより成田空港が地元に溶け込んで地元とともに共存することが好ましいことでございます。そのためには地元の農業振興対策、すなわち用水問題とか、このような問題を解決し、あるいは騒音に対する対策に万全を期していくということも必要でございますが、先生おっしゃるように、地元の方々が就労する場所をつくるということもある意味においての大きな空港公団あるいは空港との共存対策になると思いますので、関係の向きに十分指導してまいりたいと存じます。
○水野委員 大変貴重なところ、質問の時間を与えていただきましてありがとうございました。これで質問を終わります。
○古屋委員長 午後雰時三十分から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十六分休憩 ————◇————— 午後零時三十五分開議
○関谷委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。田畑政一郎君。
○田畑委員 昨日は、私ども運輸委員会に、例の徳山丸の廃油不法投棄事件で、あの徳山丸に乗り込みまして廃油の投棄現場を目撃いたしました加藤邦彦さん、徳山丸の船主であるところの出光タンカーの長野専務、それからそうした海洋投棄を指揮したと見られる会社の内外産業の社長、さらに元海上保安庁のお二人、合計五人をお呼びいたしまして、われわれはこうした廃油の海洋投棄問題についていろいろと意見を聞き、また質問をいたしたわけでございます。先般、私もこの問題につきましては一回政府の方々に問題提起をしたわけでございますが、そうした参考人の御意見等も拝聴いたしまして、ここに改めてこれからの運輸行政のあり方について御質問をいたしたいというふうに思うわけでございます。 すでに概要につきましては御案内かと思うのでございますが、徳山丸におけるところのいわゆるスラッジの海洋投棄、この問題を考えてみますと、まず徳山丸の船主は出光タンカーでございます。そして、その出光タンカーがタンククリーニングを行う目的をもって山水商事という会社にこれを元請させておるわけでございます。山水商事は、これをまた内外産業に下請させておるわけでございます。それから内外産業は手配師を通じまして、名称は余り適当ではございませんが、アンコと呼ばれる日雇いの方々を二十三人でございますか雇用いたしまして、それを作業員といたしまして船に乗せておるわけでございます。一説によりますと、この内外産業が手配師を通ずるにつきましては、もう一つ介在するところがございまして、神戸、大阪方面から寄せておるわけでございますが、あるところでは内外産業がもう一つ別の何かを通じて集めておるということもございまして、非常に長い系列をつくって現場の作業員が集められておる、こういうことでございます。こういうことを考えますと、果たして徳山丸だけの特異的な現象としてこういう作業形態といいますか請負形態が行われているものであるかどうか、これは私非常に疑問に思うわけであります。ほかの大型タンカーにつきましては一体どういう形をとってこうしたタンククリーニングが実際に行われているのか、この点を運輸省といたしましてはどのように把握をされておるのか、まずもってお伺いをいたしたいと思います。
○永井(浩)政府委員 タンククリーニングの現状についてのお尋ねだと思いますが、わが国のタンカーのクリーニング作業は一部乗組員がみずから行うケースもございますが、その大部分は専業者に請負させるという形をとっていると考えております。 それで、これらの業者につきましては、専業者といたしましては、廃油処理事業協会というのがございまして、所属する会社が二十社弱あるわけでございまして、一応その限りにおきまして私どもも把握してあるわけでございますが、実際の作業が具体的にどのようにされているかということについては、いまのところ詳細には承知しておりません。
○田畑委員 率直に申し上げまして、実際の作業状況というのが最終的にどうなっておるかということを運輸省が、大まかでも結構でございますから、把握しておらないということはまことに困るわけであります。海上投棄が行われているのではないかという疑いは、もはや今日運輸委員会のわれわれこうした仕事に携わっておる者のみならず、広く全国民が疑いを持っておるのですね。それはもう数年前、あるいは十年前から、廃油ボール等が行楽地といいますか、海水浴地あるいは観光地等の沿岸に流れつきまして、いつもこれは問題になっておるわけであります。したがって、いま今日のこうした事態の中において、いわゆる最終のクリーニングとその廃油の処理について、どういう一般的な業務形態になっておるかということについて、運輸省は把握をしておらないということでは通らないと私は思うのであります。もし、真実十分な把握がないとするならば、これは直ちに調査をいたしまして、その結果を私どもの方に明らかにしていただく必要があると私は思うわけでございますが、よろしゅうございますか。
○永井(浩)政府委員 今回の事件にかんがみまして、私どももその実態の詳細を知る必要があると考えておりまして、近く実態調査を実施することを検討いたしております。
○田畑委員 さて、そういうお答えでございまするが、昨日も、実際に船に乗られましたルポライターでありまする加藤邦彦さん、この人のお話をお聞きいたしますと、いわゆる釜ケ崎といいますか、そういう人夫が集められる地域が幾つかあるそうでございますが、そういうところにおいては、過去十年やってきた、あるいは過去七年やってきたという多年のこうしたことに対する経験を持った日雇い労働者の方がおられまして、そうしてそれを聞き込みました結果、ぜひわしも乗せてくれと、こういうふうに頼みまして、実は乗ったのだ、こういうことを言っておられるわけでございます。そういたしますと、これは私の想定でございまするが、こうした最末端のタンククリーニング並びに廃油処理業者に渡すまでの間は、そうした日雇い労働者を中心にして行われておるのではないか、そういうことがずっと慣習として一般化しておるというふうに考えざるを得ないわけでございます。 そういたしますと、これは海を守る、海の清潔さを維持するという基本路線からいきますと、そういうような労働状態で果たしていいのかどうか。また、仮にそういうふうになるならば、そこにしかるべき監督者が必要なのではないかというふうな考えを当然持たざるを得ないのであります。その点に関しまして、政府側はどう考えておるかということをお答えいただきたいと思います。
○永井(浩)政府委員 タンククリーニングを専門業者に請け負わせる、あるいはその専門業者が日雇いの労働者を雇用してこの作業を行うということそれ自体は、別に、ほかのたとえば労働法令等に違反しない限り、問題はないと考えております。 ただ、一般的に申し上げまして、複雑な下請関係とかあるいは専門的知識のない日雇い労働者の方がこういった作業に従事するということについては、とかく責任体制が不明確になる、こういう点はあろうか、このように考えております。したがいまして、こういった体制についてどうしたらいいかということについて、現在私どももそういった実態調査とあわせまして、今後の対策を検討したい、このように考えておるわけでございます。
○田畑委員 私、深くは存じませんが、港湾の荷役関係の法律等によりましては、下請のまた下請、そしてまた、さらにその下請というような、二重、三重の下請行為というものを排除いたしまして、一次下請程度以上は及ぼしてはならないという考え方が出されているようにお伺いをしておりますが、その点は間違いございませんか。関係の方いらしたら、ちょっと御答弁いただきたい。
○鮫島政府委員 お答え申し上げます。 港湾運送事業につきましては、先生のおっしゃるような趣旨の規定が入っております。
○田畑委員 港湾運送事業というのは、大体において岸壁あるいはその付近におけるところの荷役事業でございますね。ところが、今回生じておりますところの大型タンカーのタンククリーニングというのは、洋上においてこういうクリーニングを行うということがどうも一般化しておるように見受けられるわけでございますが、その点、間違いございませんか。
○鮫島政府委員 お答えいたします。 一般に港湾外の海上で行われているのが通例だと承知しております。
○田畑委員 港湾内で行われておるところの港湾の荷役事業について、二次、三次、四次というような下請を禁じておるにかかわらず、外洋上において行われておるこうしたタンククリーニングにつきましては、これは無制限に下請ができる。こういうやり方をやっておりますと、今回の徳山丸事件のような問題が生じる可能性は非常に高いというふうにだれしも思わざるを得ないと思うのでございます。したがって、いまなるほど総務審議官の言われましたとおり、三次、四次にわたりましょうとも、そのこと自体は何ら労働法とかその他に違反するものではないということだけで問題を事足れりとするかどうかというところに、私は海運行政の非常に重要な分かれ目があると考えざるを得ないのでございます。単に責任体制を追及するということも大事でございますけれども、今回見られましたような四次、五次にわたるところのこうした下請を行うにつきましては、そこにきちんとした歯どめとかあるいは節度とかいうものをやっていかなければならないと思うのでございますが、この点について、再度御答弁いただきたいと思います。
○永井(浩)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、非常に下請関係が複雑になりますと、当然のことながら責任体制が不明確になりがちである、こういう点がございます。そういったところもあって、今回の事件の一つの原因になっておるのではないか、このように考えておりますので、その辺をどうするかということについて現在検討中でございます。
○田畑委員 ただいま申し上げましたことは、私の意見として強く申し上げておきたいと思います。 それから、これに関連いたしまして、いわゆる二重、三重の下請関係が生じておるわけでございますが、きょうは厚生省の環境衛生局の方からもお見えをいただいておるわけでございまして、ひとつ参考までにお伺いをしたいと思うのでございます。 陸上におけるこうした廃油等の廃棄物につきましては、こうした下請関係がたくさんある場合におきまして、事業者並びに下請関係の規制というのは今日どういう現状になっておるかということをお伺いしたいと思います。
○杉戸説明員 お答えいたします。 下請関係の規制は、廃棄物処理法におきまして、まず業の許可、その業の許可と申しますのは、収集、運搬、処分、それぞれの業の許可、それからあと都道府県等の監督、指導、そのような指導などをいたしております。
○田畑委員 事業者の責任はどうなっておりますか、厚生省。あなたにお聞きするのはちょっとどうかと思うのでありますが、私がいま問題にしておりますのは海上問題でございますから、この場合におきますと、徳山丸に例をとりますと船主、船の持ち主、これは事業者です。この事業者の責任はどうなっておりますか。
○杉戸説明員 お答えいたします。 廃棄物処理法で、海面に廃油等不法投棄いたしました場合、処理法上これは罰則がございまして、それは一つは、事業者が収集、運搬業の、これは許可業者でございますが、許可業者に収集、運搬、処分まで委託いたしました場合は、この事業者に対しましては委託基準違反、これは六カ月以下の懲役または三十万円以下の罰金でございますが、そういうような罰則もございまして、規制をいたしております。それから処理業者につきましては、これは不法投棄いたした場合は同様の罰則が科せられることになっております。それから別のケースでございますが、事業者が収集、運搬、処分の業の許可業者に収集、運搬、処分を委託する場合でございますが、この場合も、これは事業者は違反はございませんが、その処理業者に対しては、不法投棄となりますので、同様の罰則がかかることになっております。それからもう一つのケースといたしまして、事業者が無許可の処理業者に収集、運搬、処分を委託した場合でございますが、その場合は、これは事業者は委託基準違反で同様の罰則がございますし、また処理業者は不法投棄で同様の罰則が科せられます。また無許可営業ということで、これは一年以下の懲役または五十万円以下の罰金、そのような罰則が設けてございまして、いろいろ規制がなされておるのでございます。
○田畑委員 いまお聞きいたしました範囲内におきまして、すでに運輸省も御存じとは思いますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づきますると、陸上におけるところの廃油を含む廃棄物の処理につきましては、まず事業者責任というのが明確になっておりますね。いわゆる最終の処理をいたすまでの間において生じたことにつきましては事業者の責任というものが厳格に求められることになっておる。 ところが、今回の徳山丸事件でございますが、この場合におきましては、すでに新聞紙上等においても刑事事件に問われているわけでございますが、その船主であるところの出光タンカーについては海洋汚染防止法によっては責任が全く及ばないことになっておる。果たしてこれでいいかどうか。先ほども指摘いたしましたように、まことに複雑なる下請契約関係を持っておるこういう船会社の一般的傾向に対して、船主は知らぬ存ぜぬということで、法的にも何の規制も受けることがないということをもって海の汚染を防止することができるのかどうか。しかも、今日のタンカーはきわめて大型化されております。あるいはまた、小型タンカーにおきましても、すでに御案内のように、化学物質を載せるところの小型タンカーが非常にたくさんふえておりまして、これが非常に危険なものであるということを指摘を受けておるところでございます。そういうふくそうした状態にある。それにもかかわらず、結局のところ、事業者に対しては責任が及ばないということの法規制だけでもって足れりとすべきかどうかということは、今回の事件を契機にして十分考えてみなければならぬところじゃないかと思うのですが、いかがでございますか。
○永井(浩)政府委員 船舶からの油の排出につきましては、御承知のように行為者を罰するということで所要の規定が置かれておるわけでございますが、そのほかに船の中で、こういった油濁防止の責任者と、船長を補佐してその事務を取り扱うために油濁防止管理者が置かれております。また、船舶所有者は油濁防止規程を設けまして、これらの管理者の業務内容も規定しなければならない。さらに、油記録簿の備えつけ、記載の義務もございます。こういったことで、仮にこういった油濁防止管理者の油記録簿の適正な記載が行われていれば、あるいは管理者の業務が適切に行われていれば、こういった問題もかなり防げるのじゃないか、このように考えておるわけでございまして、仮にこういった油記録簿の備えつけ義務違反あるいは正しい記載がなされない場合にはこれらの罰則もございますし、また、油記録簿を記載する責任者である管理者の雇用者である法人も当然両罰規定の適用があるわけでございますから、そういった意味で、船主の責任が全くないということではない、このように考えております。
○田畑委員 これは、いまおっしゃったように船主の責任が全くないということではないというお話でございますが、今回の徳山丸事件を見ましてもそうでございますけれども、船主に共犯の意思があった、いわゆる油の海上投棄というものについて、船主自身がそれを勧めるような動向、あるいは黙認といいましても積極的な、期待する黙認があったという場合におきましては、なるほどこれは現在の海洋汚染防止法によっても処罰を受けることができるわけでございます。しかしながら、そういう意思を表明するということはなかなか困難なことである。 今回の場合を見ましても、山水という元請の会社、そして下請の会社の内外産業、この二つの会社は、きのう参考人をお呼びいたしまして事情を聴取したときにおいても明らかでございますが、それぞれの社長はそれぞれの会社の最高の幹部であり、だから一心同体、内容は全く同じ会社とみなしてもいいのです。だから、われわれに言わしめれば、山水という元請は単なるトンネル会社である、利益金をピンはねするだけの会社なんですね。 そういうような状況ではございますが、これを刑法上に適用することになりますと、結局内外産業の会社に対してのみ責任を追及して、第一次元請である山水に対しては責任を追及できない。しかも、その内外産業社長に対するところの、会社に対する責任の追及は、略式でもって三十万円以下の罰金でありますから、それから見れば相当高いところでございましょうが、二十万円の請求があり、直ちに会社は喜んでかどうか知りませんが、その場で支払って立ち去ったということでございます。果たしてそういうような状況のもとに今日の法規を放置しておってこの広大な海の中で行われておる問題に対処できるかどうかということは、私は大いに疑問に感じざるを得ないのです。総務審議官はいろいろお答えいただいておりますが、大臣いかがですか、対処できますか、法改正の意思はございませんか。少しは積極的にやってくださいよ。
○地崎国務大臣 先生御指摘のような疑問は、私も感じます。あの広い大洋で何が行われているか、なかなかつかまえるわけにいかないということで、この間の徳山丸事件が起きまして、省内において各担当の責任者を集めて、積極的にいろいろの調査あるいは防止、そういうものの対策を講ずるようにいま支度をさせておるわけでございます。これは私どもとしても、海洋汚染防止対策として大変真剣に取り上げてまいらなければならないものと存じております。
○田畑委員 大変積極的な御発言でございます。ぜひひとつ基本的にはそういう形でお進めいただきたいと思いますが、ちょっとくどいようでございますが、さらにこの問題について取り上げさせていただきたいと思います。 さて、いわゆる事業者責任の問題につきましてこれは陸上における問題と同等の、あるいはそれ以上の取り扱いをすべきであることを私は主張させていただいたわけでございます。 そこで、一般的な業務形態といたしましては、徳山丸で言いますと山水、内外、そして手配師といった複雑な機構を通って最終の作業実行行為者に及ぶということになってまいりますと、船主から最終の実行行為者に至るまでの中間業者が二段階あるいは三段階、あるところによっては四段階の経過を経ていると思うのでございますが、本来的に言うならば、こういうものに対しては何の追及もない。なるほどこの間の場合におきましては、内外産業が追及されましたけれども、これは現場監督が見ておって、投げよと指示した事実があって初めて責任の追及になったのであって、実はおれは船室にいて見ておらなかったのだ、雇った日雇いの人が勝手に海の中に足でけころがして落としたのだということになれば、この中間段階における業者は一切責任を追及されないというのが今日の海洋汚染防止法の内容になっておる。これも、広い洋上において行われるこの種の問題を考えてみれば、まことに手抜きというか実態にそぐわないものであると私は考えざるを得ない。 この点について、陸上における廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりますと、これらについては第十二条において、産業廃棄物の処理を業として行う者にこれを委託しなければならぬということが明確になっておる。それを知らないで、あるいは知りながら他の業者に委託をしたという場合においては、当然にこれは事業者の違法行為として罰せられるし、また資格のないものがそういうものを取り扱ったということになりますと、これまた罰せられるということに明確になっておるのです。そういう点の規定からまいりますと、海上の方は中間業者が複雑であるにかかわらず、どうもこれに対して手を抜いておるという感じを免れ得ないのであります。この点について、審議官いかがでございますか。
○永井(浩)政府委員 確かに陸上と比べまして、この処理業者の監督規定は廃棄物処理船とか廃油処理事業にのみ限定されておりまして、こういった作業に従事する、作業を行う事業の監督規定はございません。そういった点は陸上と異なるわけでございますが、これについてどのようにすればよろしいかということについてはいろいろな方法が考えられると思います。現行法令の中でさらに指導を強めるという方法あるいは御指摘のような新しい法制度を考えるという方法、いろいろあると思います。あるいはさらに監督、取り締まりを強化するとか、こういった公害防止の考え方を末端の労働者にまで普及させる、いろいろな総合的な対策が必要であろうと思いますので、そういった点について今後どのようにすべきかを目下検討しているところでございます。
○田畑委員 少し話が横道にそれるのでございますが、この徳山丸事件が発生いたしましてから、私の聞くところによると、新聞社等の報道機関には各所から連日のように、こういった問題は日常茶飯事のように行われているという投書が殺到していると聞いております。中には、後難を恐れて匿名で投書をされているというのも聞いておる。私のところにも、こうした関係者等から、こういうことは常時茶飯事のように行われているという投書が参っておるわけでございます。したがって、この問題は、いまお答えでございますけれども、かなり深刻な重要な問題であると私は考えております。そしてこれは五年、十年先に解決をすればいいというふうに、放置すればいいという問題ではないと考えております。速やかに対策を講ずべきであると思っておるわけでございます。 ところで、その後明らかになりました一つの事件として、これも同じ内外産業の手がけてまいりました明原丸事件というのがございました。これは明原丸という東亜燃料のチャーターいたしました船がやはり海上において不法投棄を行っておる。これについて関係者は、写真等を添付して海上保安庁に対して訴えに及んでおるということでございます。 くしくも同じ業者の内外産業によって行われている。きのう聞きましたところ、さようなことは一切ございませんという答弁であります。これは参考人に対する質問でございますから私どもとしてどうにもならぬわけでございますが、これは証拠書類もかなり詳細にそろっておるわけでございまして、私はこれは真実性を持っておると思うのでございます。 それはともかくといたしまして、この捜査状況は一体どうなっておるかを海上保安庁にお伺いいたしたいと思います。
○真島政府委員 ただいま御指摘の件は、明治海運所有の明原丸というタンカーについてのことだと思います。 私どもの方に写真その他の提供がございますが、明原丸は五十一年と五十二年とタンククリーニングをやっておるわけでございます。写真等いろいろ状況証拠的なものが提供されましたので、私ども、この二回のタンククリーニングのときの状況等について現在関係者その他にいろいろ聞きながら捜査を進めておるのが現状でございます。
○田畑委員 これを私はなぜお聞きいたしたかと申しますると、例の徳山丸事件が発生いたしまして、それを告発いたしました加藤ルポライターが徳山丸の検証を海上保安庁とともに行っておりますが、その同日の新聞、三月二十四日の読売新聞の夕刊によりますると、内外産業の山田という部長がこういうふうに新聞記者に答えておるのですね。事件が報じられた二十三日の朝「現場監督から事情を聞いたが、サビは投棄したものの、スラッジは捨てていないと聞いている。ルポライターが指摘したようなタコ部屋同様の職場環境ということは絶対にありえない。何なら一度、乗ってもらいたいぐらいだ。」こう言っているのです。ところが、この加藤ルポライターが指摘した作業環境は明原丸の写真には明確に写っておるのですね。廊下で毛布一枚敷いてみんな寝ている姿が写っておる。そうすると、これは下請会社が胸を張って、文句があるなら一遍乗ってみろ、こう言っているけれども、事実はそれと全く違うわけだ。その会社が二回にわたって、こういう行為を行ったということが新聞紙上に出ておるのです。出ておるにかかわらず、これに対して海上保安庁はどの程度の制裁を加えることができるのか、そういうことを考えてみますると、われわれとしては法律をもって規制するということはできるだけ避けなければならぬことではございまするが、こうした業界の状況あるいはそれが行われる場所の性質、そういうものをいろいろ考慮いたしますると、いまおっしゃったように行政指導もあるいは必要でしょう、行政指導がなくてはやれません、しかし行政指導でもって事足れりとするものではないのではないかというような感じを持つのです。したがって、少なくとも陸上並みのあるいは陸上以上の法的措置を明確にして、それを業界に徹底して、二度と再びかようなことが起こらないような厳格な姿勢を示すべきときが来ておるというふうに私は考えるわけでございます。したがって先ほど審議官言われたように、どちらにするかひとつ検討しているということでは困るのであります。いわゆる法的措置を行うという立場も含めて十分なる、積極的な態度をとってもらいたいというのが私の主張でございます。
○永井(浩)政府委員 油濁防止に関しまして、私どもは非常に重大な問題だと考えておりまして、当面の対策を、先ほど申し上げましたような実態調査もあわせて行いながら至急立てたい、このように考えておるわけでございます。その場合に、法律制度というのも当然検討の中に入るわけでございますが、どの程度の法規制をすれば有効であるかといったような問題もございますので、そういった面も含めまして総合的な対策の検討を早急に進めたい、このように考えております。
○田畑委員 それでは引き続いて運輸省にお伺いしたいと思うのでございますが、運輸省におきましてはこういう廃油の量をいかに把握されておるのか、またその流れはどうなっておるかということをどの程度把握されておるのか、これは実は私もわからないのです。油記録簿などというものがあるのだと先ほどからおっしゃるのでございますが、それはあるのでしょう。しかし運輸省はこれに一体どれだけ介入をし、これをチェックし、その行方に対して行政権を発動されておるのかということについて私は実は大いに疑問を感じておるわけでございますので、この委員会の席上においてこうした点についてお答えをいただきたいと思います。
○永井(浩)政府委員 本邦周辺におきます船舶からの廃油の発生量でございますけれども、これの実数をつかむことは非常に困難な問題でございます。と申しますのは、船によりあるいはエンジンの大きさによりあるいは積み荷の油の性質によりそれぞれ違うものでございますので大変に困難でございまして、私どもは現在推計値を使っておるわけでございますが、その推計の方法は、幾つかのモデルのタイプをとりまして、そこで原単位を作成する、それによって全体の量を推計する、こういう形で廃油の量を推計しておるわけでございます。
○田畑委員 わかりました。困難であるということだけを強調しておったのでは行政は成り立たないのですよ。だからいま審議官が後段でおっしゃったように、いわゆる一つのモデルのタイプをつくって大体どの程度かというめどをやはり押さえる必要があるのですね。それは有能な運輸省でございまするから、そのことについては万々抜かりはないと思うのでございまするが、私が聞きたいのは、そのモデルのタイプによってどれくらいの廃油が出ることになっておるかということであります。
○永井(浩)政府委員 五十四年におきます推計値は、油性汚水量といたしまして三千二百万トンを推計いたしております。そのうち日本沿岸で発生いたしますのが千二百万トン、このように推計いたしております。
○田畑委員 油性汚水というのはどういうことですか。
○永井(浩)政府委員 油性汚水と申しますのは、バラスト水、ビルジそれからタンククリーニングをした後の油のまじった水、そういったものでございます。
○田畑委員 それから千二百万トンは……。
○永井(浩)政府委員 いま申し上げましたバラスト水、ビルジ等の合計が日本沿岸で千二百万トン、それから外航タンカーは積み地に向けて油を取りに参ります場合にバラスト水を張る形になっておりますので、日本船が油の積み地まで行って排出しあるいは処理するバラスト水が約二千万トン、合計で三千二百万トン、このように考えております。
○田畑委員 そうすると、日本沿岸におきましては千二百万トンの油混合の排水を発生するということでございますね。 そういたしますとこの千二百万トンは油記載簿によりましてどのように処理されているのですか。
○永井(浩)政府委員 バラスト水、ビルジその他の油性汚水のうち油水分離器等によりまして一定の濃度以下に希釈したものは一定の条件に従って海面へ排出することができます。残りの残留物等につきましては廃油処理業者等によって焼却その他の処分をするわけでございます。
○田畑委員 今日、政府公認といいますか、届け出または政府の許可を受けてこういう船舶の廃油を処理いたします専門の業者が海洋汚染防止法によりまして設けられている、運輸大臣が許可をするあるいは届け出を受けることになっているのでございますが、この会社は日本の国においてどれだけありますか。
○鮫島政府委員 事業者数をいま調べておりますけれども、施設の数で百二十二カ所ということでございます。
○田畑委員 この百二十二カ所の政府公認の廃油処理事業者あるいは廃油処理施設、一日にでもいいし、一月でもいいし、一年でもよろしいけれども、この廃油処理施設の処理できる能力はどれくらいでございますか、そしてまた現実の廃油はどれくらいそこへ持ち込まれておるのか、この点について港湾局長、どうですか。
○鮫島政府委員 ただいま申しましたように、廃油処理施設は現在全国で百二十二カ所あるわけでございますけれども、これらの施設に受け入れました廃油の処理実績、昭和五十二年度約一千二百万トンでございます。これに対しまして、これらの施設の処理能力を一応計算いたしますと、年間約七千二百万トン程度と考えられます。したがいまして、稼働率一七%というような状況でございます。
○田畑委員 なるほど先ほどのお言葉のとおり、五十三年度においてわが国沿岸で生ずる廃油千二百万トン、その千二百万トンをわが国公認の廃油処理施設において処理しておる、したがって千二百万トン。しかし、それにもかかわらず処理施設能力自体を見ますとその約五倍、七千二百万トンあるということでございますね。そうしますと、せっかく廃油処理施設をつくりましてもそのうちの五分の一程度しか動いておらない、六分の一程度しか動いておらないということに相なるわけでございますが、なぜそういうギャップを生じておるのか、港湾局長、いかがでございますか。
○鮫島政府委員 お答え申し上げます。 全般的な事情といたしまして稼働率が非常に低くなっているというのは、第一次石油ショック以来実際油の動きが少なくなっているという面がございます。しかしながら、それと全く別のことといたしまして、こういう受け入れの施設につきましては年間コンスタントに入ってくるということではございませんので、集中して入ってくるものに対して受け入れられるというような余裕は当然必要なことがございます。その両方の面が重なってあらわれた結果が先ほど申し上げましたような数字になっていると御理解願ってよろしいかと思います。
○田畑委員 そういたしますと、運輸省はこの廃油処理施設を設置するに当たりましては十分な余裕を持って、五倍ないし六倍程度の施設ががらあきになる、そうした余裕を持ってこの施設に対して許可、認可を与えておられるのですか。いかがですか。どういう基準で施設を認可しているのですか。
○鮫島政府委員 廃油処理事業を業としていたします場合に、これは需給の関係のバランスを見なければいけません。そういう意味で、適正な需要とそれに対する供給という面で考えていくわけでございます。 それから別途、そういうようなことで民間で業として成り立つというような部分を除きましてい港によりましてはそういう民業として成り立たないというようなところにつきましては、港湾管理者等に処理の受け入れの施設をつくるようにという勧告をすることがございます。そういうような場合には、当然のことでございますけれども、施設の能力と実際の受け入れ量というのはさらに大きな隔たりが出てくる、これはやむを得ないことと考えているわけでございます。
○田畑委員 私の方に「廃油処理事業者の廃油の処理の料金の算定要領」という書類がございます。これにはいろいろ料金算定の方法も書いてあるわけでございますが、この港湾における廃油処理施設のいわゆる一つの設置基準といいますか、そういうものもこの書類から推計されるわけでございます。これを見ますと、いわゆる港湾別の油性汚水の量、油によって汚れた水、廃油の量が一日百トン以上と思われるところの港湾に設置をしておる。百二十二の港湾に設置をしておる。したがって、余り少量なところはこれは設置されておらない。大体一日百トンぐらい出るだろうというところに設置をしておるということに相なっておるわけでございます。また、この私の持っておりまするところの表によりますと、その末尾にこういうことが書いてある。いわゆる廃油処理施設というものは油性の汚水量の総量、すなわち百五十トン出るなら百五十トンを超えて施設をつくってはならない、また、それを下回るものであってもならない。大体それだけ出るといういわゆる量を査定いたしまして、その査定の上でも下でもないところの廃油処理能力が必要であるというのがこれに載っておるのです。これは運輸省で出されたものなんじゃないですか。これは海洋汚染防止法に基づいてこの方針が出ているのです。海洋汚染防止法第二十三条、いわゆるこういう廃油処理施設をつくるところの場所というものについて出ております。それは大体そのつくられる場所の海域において出てくるところの廃油の量の需要に適合するものであるということは明確に示されております。だから、出てくる量が六分の一、七分の一にしかならないようなところに巨大施設をつくっちゃならないのです。それが法律の精神であり、運輸省の基本方針なんです。だから私は不思議に思うのは、実際に六倍、七倍の処理能力があるにかかわらず、事実上の廃油処理というのはその六分の一にしかすぎないというところに私は疑問を感ずるのです。この点について港湾局の見解を求めたいと思うし、同時に、なぜこれをこのままに放置しておかれるのか、それも聞きたいと思うのです。
○鮫島政府委員 まず廃油処理ということに関しまして大体三つのタイプがあるわけでございます。第一のタイプは、石油精製業というような非常に大量の廃油の発生する可能性のある業種でございますが、それが自家用に設置するものがあるわけでございます。大量に発生する港湾において自分の用のために設置するものでございます。それから二番目に業として行おうというものがあるわけでございます。これにつきましては運輸大臣の許可を要するわけでございますけれども、それに関連いたしまして先生おっしゃいましたような需給のバランスということを見ていくわけでございます。これはそういうことをやりたいという業者の申請に基づきまして、それに対する審査をしていくわけでございます。三番目に、先ほどちょっと申し上げましたように、そういうことでは十分に需要に対して対応できない、しかも民間では成り立たないというところに関しまして港湾管理者等に勧告をしていくというやり方をとっておるわけでございます。
○田畑委員 結局当初そうした処理施設をつくられる、あなたおっしゃったように港湾管理者がつくるところの廃油処理施設については国は二分の一の金を出しておられるのです、援助を、そうでしょう。そうして機械はそのわりに動いていない。それから一般業者は、これはその港には港湾管理者の廃油処理施設がないから民間業者でやりたい、こう言うと、ここの港には百五十トンなら百五十トンの油が出るんだからそれだけの施設を持ってもらわなければ困るという注文をつけて許可していらっしゃる。これは金が出ない。そうですよ。よく見なくたってみんなそうなっている。だから民間の処理施設が港々によって違うんだ、それは油によってその処理能力というものは変わってきているのです。だから業者はそれだけ設備をしているわけなんです。しかし実際には油は五分の一しか、六分の一しか来ぬのでしょう。なぜ来ないのです。これは業者や港湾管理者に言わせますると結局来なければならない廃油が集まってこない、こういうことなんですよ。そうなってくると、そういう廃油が適正に正しく処理されているかどうか、いわゆる途中において適当にこれが処分されておるんじゃないかというような疑いを持つということに相なるわけでございます。私はこういうことであってはならないと思うのですね。だからこの辺について港湾局の指導というのは一体どうなっておるのかということを私は疑わざるを得ないのであります。いかがでございますか。
○鮫島政府委員 先ほども申し上げましたわけでございますけれども、まず自家用の施設というものがあるわけでございます。それで満たされない需要というものが存在してそれに対して業として成り立つというふうに考えました民間の業者が許可を求めてくるシステムになっているわけでございます。したがいまして、業として行っております民間の事業者につきましては自分なりに判断をいたしまして商売が成り立つという見込みで申請をしてくるわけでございます。それに対しまして私どもはそういうようなものが非常に過重に、たとえば一定の需要しか考えられない、海域で二つ以上のものが許可の申請を出してきたというようなことを防ぐという意味で審査、チェックをしていくわけでございます。それからもう一つ、港湾管理者等につきましては、先ほど申しましたような意味から、最初から採算を度外視いたしまして、とにかく自分の港湾区域というものをきれいにするというような精神からつくられたものが多数あるわけでございます。そして一般的に、それでは特に民間の事業としてやりたいと言ってきた施設についても大変稼働率が下がっているという実態が生じたという面につきましては、先ほどちょっと申し上げましたけれども、第一次のオイルショックというものが、たまたまそういう事業者が計画しておりました伸びというものをその時点から横ばいにしてしまったということで計画どおりにいかなかったというような面が一番大きく作用をしているわけでございます。なお、そのほかに幾つかの事情が考えられますけれども、近隣の諸国におきましてさらに安い料金で処理をするというところもあるようでございまして、そちらの方で処理をするというようなことも国内での処理量が最初に考えておりましたよりも低くなったという一因をなしているかと思われるわけでございます。
○田畑委員 運輸省の御答弁はきれいごとばかりですね。だから結局そういう廃油がよそに流れていることの疑いはないという前提に立ったあなたの御答弁なんですよ。ところが廃油処理業者に言わせると、運輸省はこれだけあるんだということでそれだけの設備をして、ところが廃油が回ってこないということになれば、これは海の上で投げているのは普通の常識じゃないかというふうに思うのですね。あなたの御答弁聞いているとまことに結構な話ばかりで万々歳ですよ。勝手に設備を大きくして申請をしてきて、おれは判を押したんだ、ないならこれは仕方がない、よそに安いところがあるからそこへ行っているんだろう、こんなことを言っている。それじゃ成り立ちませんね。 きょうは警察庁の刑事局から来ていただいております。警察庁の方にお聞きしたいのは、大阪に廃油処理業者、政府公認の認可を受けました民間営業者でございます高橋商会というのがございます。この高橋商会は昨年十一月に逮捕された。いかなる理由でもって逮捕を受けたかという理由をお聞きしたいと思います。
○斉藤説明員 お尋ねの事件概要を申し述べますと、高橋商会関係は代表取締役以下従業員含めまして七名を立件をいたしております。すでに五名は略式の罰金が確定いたしまして代表取締役と専務取締役が現在公判中でございます。適用法条は海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の二十八条第一項、制限区域外収集と同法の四条第一項、油の投棄禁止違反、さらに両罰規定、こういうところでございますが、あわせまして廃棄物の処理及び清掃に関する法律十四条第七項の再委託禁止、両罰規定、こういう法律を適用いたしまして検挙いたしました事件でございます。 以上でございます。
○田畑委員 もう一点だけ警察庁にお伺いしたいと思います。 この海洋汚染防止法二十八条一項指定地域外の油を集めたということの違反に問われておるわけでございますが、これは何か罰則があるんでございますか。
○斉藤説明員 この高橋商会は海陸両方から廃油を集めておりまして、したがいまして海の場合は運輸大臣、陸の場合におきましては関係都道府県知事の許可が要るわけでございますが、制限区域外につきましては、おおむねこの高橋商会は大阪湾に面したところに処理施設を設置をいたしておりまして、おおむね大阪湾一帯の許可をもらっておるわけでございますが、この業者が五十三年の二月から五十四年十一月までの間、三十九回にわたりまして、福井県のいわゆる日本海地域から約三十五キロリットルを収集運搬したということで、いわゆる制限区域外の収集違反ということで罰則は三カ月以下、二十万円以下、こういうことでございます。
○田畑委員 ありがとうございました。もう警察の方と厚生省の方もよろしゅうございます。 港湾局長、いまお聞きのとおりでございますね。いわゆる高橋商会は大阪近辺で油を集める業者、処理するわけですね。ところがその者が区域外の敦賀に行って油を集めたということによって逮捕された。私はけさ高橋商会に聞いたのです。あなたのとこは船舶から生ずる廃油は一体どれくらい扱っているのだ、ともかく処理能力の二割程度しか出ません、こういう話です。飯が食っていけません、こう言うのですね。敦賀には、御案内のとおり港湾管理者によるところの廃油処理場があるのですね。ところが運輸省は厳しくその区域を定めて、区域を定めるということは区域内で大体生活ができるということなんでしょう、あるいは処理能力のそれは一〇〇%までいかなくても、ほぼそれに近い処理量があるということを想定してなんでしょう、それが二割程度しかない。そこでよそへ行ってとったら、それが理由でもって逮捕をされる、こういうことなんですね。おたくが考えていらっしゃる以上にきわめて業者に対しては厳しいのです。そういうことで果たしていくのかどうか。それで運輸省の責任は成り立つと言えるのかどうか。あなたの方は月に一回ずつ油の処理について、どれぐらいの船舶からどれぐらいの油をもらったかということをちゃんと報告をとっていらっしゃる。一年に一回は定期検査があって、係員を出張させて設備のいい悪いを点検なさっていらっしゃる、そうでしょう。そうして、はやらぬのはこれは仕方がないのだ、これは船会社が悪いことしているんじゃないのだ、こういうことでいいのかどうかということなんですね。私は、その点運輸行政というのは、何か仏つくって魂入れずという言葉がありますけれども、なるほど廃油処理施設という仏はつくったのだが全然魂が入っていないのだ。あるべき油の量を調べて設置をされたにもかかわらず、その油を集めてやろうというか、集まらないのがおかしいという疑問を少しも感じていないのですね。そうして日本じゅうの廃油処理施設が遊んでおる。私はここをあなたのようにきれいには割れ切れないのですよ。非常に疑問に思うのです。この点いかがですか。
○鮫島政府委員 繰り返しのようになりまして大変恐縮でございますけれども、こういう主要な施設につきましては、先ほど申しましたように第一次オイルショックの以前につくられたものがほとんどであるわけでございます。最近さらに加えての申請というのはほとんどないという状態が続いているわけでございますけれども、ちょうどその間に例の第一次石油ショックがあったということで、見込みが非常に違ったということはまさに事実なわけでございます。 それで実際問題といたしまして、民間の業者が非常に苦しんでいることも私ども承知しております。しかしながら、これにつきましては、直接救済するという手段が大変むずかしい問題でございまして、全体の業者のうちで本当に深刻なところが数社あるということは承知しておりますけれども、今後に向かいましてどういうふうに利用量を把握して供給量と結びつけていくか、これは私どもなりにいろいろ権威者にお願いして計算などもしていただいておりますけれども、個々の具体的な例できちっとどういう基準で持っていくかということは大変むずかしい問題でございます。 先生のお話に対して直接のお答えになっておりませんので恐縮でございますけれども、やはり将来の利用量、特にこういう港湾におきます処理業者といいますか処理施設に求められる量というものを、もう少しはっきりと把握していくということを第一歩としてやらなければいけないというように考える次第でございます。
○田畑委員 そうおっしゃるならもう一つ申し上げましょう。運輸大臣、聞いてください。 私は下関の業者を調べた。下関には十五の造船所があるのです。その中で、政府公認の処理場に油の処理を委託している造船所は一つしかない。昭和四十四年操業以来一つです。他の造船所は全部油を委託しないのです。しかし政府が下関の港内に油処理施設を認可したのは、この十五の造船所から油が出ることを想定して、推計の上でこれをやっておる。しかし実際に出しているのは一つしかない。それは業者が仕事が下手だからとれないのだ、それだけで事が済みますか。だから、そういうところではどうなっておるか。当然、政府公認でないもぐりの業者があるということですよ。 先ほどの高橋商店の問題を言いましょうか。高橋商店は政府公認の商店であったればこそ、区域外で営業行為をやって逮捕された。もし大阪にあるところのもぐり業者が敦賀まで行こうと富山まで行こうと、逮捕されぬじゃないですか。そうでしょう。認可を受けていなければどこで商売やってもいいのですよ。認可を受けているばかりに、区域外で商売すると逮捕されるのです。いまの下関の問題なんかどうです。これは運輸省、行政指導を一遍でもしたことがありますか。温かい目をかけたことがありますか。ちょっと古い新聞でありますが、昭和五十一年九月七日の読売新聞を私持ってきております。ここで一番大きいのは三菱造船だが、三菱造船は佐々木小次郎と宮本武蔵が一戦交えた巌流島、この巌流島に油を投棄しておるということの大きな記事が載っている。ところが何と三菱造船はこう言っているのです。これは海洋汚染防止法が適用される前に投げた油で、あれから後は投げておりませんと言っている。しかし実際現場に行ってみるとじゅくじゅくになっておる。こういうことが地元新聞に大きく報道されておるのですね。本当に船舶の廃油というのは正しく処理されておるかどうか、そこの流れが明確に港湾局によって明らかになっているかどうかということについて疑問を持たざるを得ないのですね。日本マリンオイルという会社があるのです。これを私調べました。何でこの会社を調べたかというと、この会社は政府認可を受けているけれども倒産したのですね。だから調べたのです。そうすると、もう政府から持ってくるところの油というのはごくわずかですね。大体高橋商店ですと、一年間で処理能力の十日分しか来ていない。日本マリンオイル、これも非常に少ない。設備は昔の金で二十億かかっているというのです。しかしほとんど油を持ってくる者はないのですよ。だから油がどこへ流れているかわからない。そういう形のままに放任しておる、あるいは正規に流さないものに対して注意を与えない。私はほかにも十カ所ほど調べたんです。全部大同小異、これと同じです。実は正規の船会社、船主が持ってきてくれない、こう言っておるんです。ただつくるだけじゃいけませんね。廃油の流れというものを明確に把握できるような体制をつくらなければこの問題は解決しないと私は思うのです。いかがです。
○鮫島政府委員 まず最初に、許可を得ていない業者がやることは自由だというように受け取られかねないようなお話がございましたけれども、これはもちろん、許可を得た業者でなければこういう活動は禁じられているわけでございます。法律に違反しているごとに当然なるわけでございます。 それから、ただいまおっしゃいましたいろいろなところの業者が非常に苦しんでいるということにつきましては、先ほど一般的に、こういう状況があって苦しんでいることは承知しているということを申し上げました。なお、全く何もしていないかといいますと、非常に限られたことではございますけれども、できる限り運営の合理化に努めるように、あるいはみずからの施設を十分に周知徹底させるようにというようなこと、あるいは別途、たとえば造船業者等に対しましてそういう廃油処理事業者を使うようにというような指導はやっているわけでございます。しかしながら、先生が最後におっしゃいましたことと私全く同じように思うわけでございまして、先ほども申し上げましたけれども、まずこういうものの利用の発生というものを細かく厳しく調べて予測していくというところから始まりませんと、特に個々の問題に対する処置というのは非常にむずかしいと思います。それのために第一歩を踏み出したということは申し上げましたけれども、これはなかなかそう簡単に結論が出ない。もちろん急がなければいけませんけれども、まずそこから突っ込んでやっていくことがこの問題の解決の中心だと私も思っているところでございます。
○田畑委員 港湾局長、先ほど申し上げたのはもぐり業者がおるということです。もぐり業者がいなければこんなにならないですよ。それから、海洋投棄も行われている疑いが十分ある。この二つです。もぐり業者というのは廃油処理施設を持っていないで廃油だけ集めるのですよ。 私、ここに一つもぐり業者の五カ月間の受け払い簿を持っています。全部書いてあります。何なら後からお見せいたします。みんな船から引き揚げた油を受け取っておる。処理施設はないんです。どうするかというと、油の多い部分と水の部分とを多少分離いたしまして、これを全部ふろ屋へ売っている。ふろ屋の名前は桜湯とか何々湯とかこの中にたくさん書いてある。各地で聞くとこういうケースが多いんですね。そしてふろ屋へ売るんですから、ふろ屋自体もそんな処理をしないものですから、これは水分をよけい含んでいるので、ふろ屋でまた簡単な分離施設を置いて分離しているわけです。その油性を含んだところの水はどうするか、これはたくさん出るんです。燃えない部分が出てきますから、これはみんな下水管へ流すんですよ、どこへも流すところがないでしょう。もぐり業者といったらこれを言うんです。この人は大阪に住んでいて、敦賀へ行って買おうと富山で買おうとそれは違反にならないというんですよ。追及する法は何かあるのですか。結局ふろ屋にどんどん流している、こういう一般的傾向がある。それが港湾を汚染しているんですよ、下水から落とすから。正規の業者が機械を整えて待っていても持ってきてくれない。一流の造船所でさえも——一流はみんな持っているから一流というより中小企業ですね。中小企業でさえも持ってこない。運輸省は報告書だけ出させる、許可権は持っておる、査定はやる、検査はやる、しかしそれに対しては何の力もない、これが実態なんですよ。このままに放置しておけば、運輸省の許可したものだけつぶれるんじゃないですか。運輸大臣、いかがでございますか。こういう現状です。証拠書類はみんなあります。
○鮫島政府委員 ただいま先生おっしゃいましたような、船から受け取りましてそれをどういう形にせよ油分の濃いところと水分とに分離してというような行為をいたしますと、これは廃油処理の行為となります。したがいまして、これはこの法律で許されていない行為をやったということになるわけでございます。
○田畑委員 これはあなた、お調べになってもらうといいですよ。かなりの地域で一般化している。それは運輸省は知っておるのですか、知らないのですか、どっちです。
○鮫島政府委員 私としてはそういう事実は承知しておりません。そういう事実があれば、それは当然その方面で取り締まりの対象になることでございます。
○田畑委員 知っておらないということはまことに残念でございますが、港湾局長さん、ひとつ各地へ電話を入れて一遍調べてみてください。今日ではこの種の問題のところではこんなものは常識化しているんですよ。海で投げている、もぐり業者が引き取っておる、そしてそれを適当に売れるところに売ってあとを下水から流す、そして海面を汚しておる、これは常識化しているんです。それを厳格にやらなければ海を守る官庁とは言えませんよ。私はそのことを強く主張しておきたいと思うわけでございます。
○鮫島政府委員 先生おっしゃいましたいまのような事例を私承知していないと申し上げましたけれども、それがございましたら明らかに法律違反でございます。ただ、私ども港湾局では先ほどの正規の事業者に対するいろいろなことをやっておりまして、そのようなことと事業者の経営状態とを結びつけて先生おっしゃっておられるわけでございますけれども、そういうような事実がございました場合には当然取り締まり当局の手によって捜査されるべきものでございます。
○田畑委員 もう一つ申し上げておくが、造船所とか船会社とかに、正規の廃油処理施設に行ってちゃんと渡せということを言ってくださいよ。
○鮫島政府委員 先ほどちょっと申し上げたかと思いますけれども、そういうことは私どもの方から事実指導をやっているわけでございます。ただ、その効果が十分であるかどうかということをつけ加えて申し上げましたものですから印象は小さかったかもしれませんけれども、そういう指導は港湾局として実際にやっているわけでございます。
○田畑委員 やっている割りには先ほど申し上げましたような実例が下関であるわけですから、やはりこれからも十分注意してやっていただきたい、こう思います。 次に、海上保安庁にお伺いしたいと思います。 海上におけるところの海洋投棄でございますね、徳山丸事件、こういう事件はもう常識であるというふうに業界では申しておるのです。そうすると、海上保安庁の警戒体制というか監視体制が十分でないということになるわけでございますが、きのうの加藤参考人の言によりますれば、海上保安庁はよくやっておるということでございますので、私は余り文句は言いたくないのでございますけれども、たとえば夜間の投棄でございますね、今回のを見ましても夜投棄しておる。夜間の投棄に対しては一体どういう警戒体制、監視体制をしいておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○真島政府委員 確かに夜間の問題、非常に重要な問題でございます。私ども、最近、いろいろヘリコプターその他のそういう夜間赤外線で写真を撮れるといったような装置を備えまして、夜間もヘリコプターその他による監視ということをやっておるわけでございますが、まだまだ私どもの全体のヘリコプターの勢力等から言いまして、日本周辺の特に怪しいと思われる海域を一〇〇%常時監視するというところまでは体制が整っておりませんが、今後さらにこういうような方面の体制を充実強化してまいりたいと思っておるところでございます。
○田畑委員 私、実は海上保安庁内部の組織については余り詳しくありませんので、お恥ずかしい話ですが、油は大概南の方から入ってくるわけでございますが、大阪以南において、夜間においていわゆる油が出ているかどうかということを偵察する、そういう航空隊というものはどのくらいのものになっておるのでございますか。
○真島政府委員 非常に残念ながら航空勢力は少のうございまして、いわゆるYS11、私どもで言えば一番大型の飛行機でございますけれども、これは全国で五機保有しておりまして、南西海域方面ということで、那覇に一機配備をしておるという状況でございます。そのほかヘリコプター等は、海上保安庁全体の勢力、航空機全体の勢力、四十八機程度でございます。 こういう形で、実は公害だけでなくいろいろな業務をやらなければならないということで、必ずしも十分な航空勢力を保有しておるというわけにはまいらないのが現状でございます。
○田畑委員 西南海域といいますか、西日本海域、夜間においても油を出しておるところの状況を一目でわかるというところの赤外線写真ですね、これを備えた飛行機は何機です。
○真島政府委員 残念ながらいま一機でございます。
○田畑委員 運輸大臣、いかがですか。一機ですよ。これは乗務員のやはり勤務もあるでしょう。これだけの船が入ってくるのに、この広い西日本一円を警戒するに当たって赤外線写真機を備えた飛行機は一機しかない。これでもって夜間におけるところの海上投棄を防止できるのですか。これは運輸大臣の責任だと思いますね、そんな装備ぐらいをつくるのは。いかがでございますか。——まだ答弁求めていません。余りあわてなくていいですよ。これは大臣だ、金のことは大臣だ。 どうです。飛行機も一機なら赤外線の写真も一機ということでは、これはできないでしょう。これはみんな知っているのですよ。業界は全部知っています。運輸省の高官だけが知っているのじゃない。全部一機しかないことを知っているのです。天下周知の事実です。だから海洋投棄が行われるのだ。ここを私は見ていただかなければいけないと思うのですね。大臣としてのひとつ責任ある御答弁をお願いします。
○地崎国務大臣 四方を海に囲まれております日本といたしましては、海上保安庁の内容はまことに貧弱なものでございます。したがいまして、今後とも努力をいたしまして、強化を図ってまいりたいと存じます。
○田畑委員 大臣は、きのうの本会議の答弁にこりられたのか、きわめて慎重な答弁でございます。やはりもっと積極的な御答弁をいただきたいと思うのです。 これは海上保安庁にお伺いいたしますが、率直に言って一機だけでは無理でしょう。これは業界が皆そう言っているのですよ。一機しかないのだから大したことはないのだ、こう言っている。取り扱い業者に手のうちを知られているような警戒では、この広い海の上で、しかも油を生命としているわが国において、海を汚さないようにするという責務は果たせませんよ。どうせその一機が夜じゅう飛んでいるというわけにはいかぬのでしょう。日が暮れたらすぐ飛んで明け方まで飛んでいるというわけにいかぬでしょう。また天候にも左右されるでしょう。これでは絶対責任は持てないのじゃないですか。海上保安庁、いかがですか。
○真島政府委員 監視能力の増強の問題と絡むことだと思います。確かに、おっしゃるように一〇〇%監視をやるという意味においては、特に南西海域、フィリピン沖から台湾沖といったようなところまで監視をしながら、廃油ボールその他の対策を効果的にやっていくというためには、現在の体制でははなはだ不十分であることは私どもも承知しておりまして、これからそういう面についてもさらに強化を図ってまいりたい、このように思っております。
○田畑委員 次いで、審議官にお伺いいたします。 〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕 先ほどもお伺いをしたのでありますが、内外産業の会社はいわば会社としての責任を問われました。海洋汚染防止法違反ということで二十万円の略式の取り扱いを受けたわけですね。会社の言うところによると、即座に二十万円を支払う、その罪に服したということに相なっておるわけでございます。 ところで、今日、船の問題につきましては、なぜ洋上においてクリーニングが行われるのか。本来クリーニングなんというものは、これは停船しているときに行われるのが一番望ましいわけですね。しかしながら、運航中に、しかも遠く領海を離れてクリーニングが行われるという理由は一体どこにあるのかということを考えてみますると、これは船会社では船をとめるということを極端にきらうわけですね。合理化といいますか、営業政策といいますか、大型タンカーを一日とめれば幾ら損害を受けるというような試算表が出ておりまして、昨日の質問におきましては、出光タンカー社長は、一日徳山丸をとめれば五百万円の損害を受ける、こういうふうに答弁しています。 そういたしますと、今日三十万円以下の罰金、そして二十万円取った。一日とめたら五百万円損するのですよ。二十万円過料を払え、はいと言って払った。これは払いますね。ちょっとこれは、そういう大型の船を相手とするにつきましては、この刑罰はまことに軽いのじゃないかというような印象を受けるわけでございますが、あなた、どうお考えになりますか。
○永井(浩)政府委員 罰則の軽重につきましては、これは刑事政策全体の中で検討される問題だと考えておりますので、運輸省といたしましてその軽重を論ずる立場にないわけでございますが、ちなみに参考までに申し上げますと、海洋汚染防止法の油の排出禁止規定に違反いたしますと、六カ月以下の懲役または三十万円以下の罰金ということでございますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の投棄禁止違反にもやはり同じ罰則がついております。水質汚濁防止法においてもほぼ同様の罰則がついておる、こういうことでございます。
○田畑委員 これはなるほど、廃棄物の清掃法ですか、陸上の場合ですね、そうなっております。しかし、陸上の場合はいわゆる正規の処理業者等を経ずに故意にやった場合には、これは一年以下の懲役もしくは五十万円以下の罰金になっているのですよ。ちょっと重くなっている。だから、二十万トンとか三十万トンという大型タンカーあるいは船がそういう悪いことをした場合にも、これは六カ月以下、三十万円というのは私は安過ぎると思う。それも懲役ならいいけれども、二十万円の略式でしょう。海上保安庁いかがですか。そうでしょう。
○真島政府委員 内外産業に対する法人としての罰金刑はそういうふうになったと聞いております。
○田畑委員 結局、それでは罰金を払ってでもやろうということになるのですよ。まして、いまの法律では船主に対しては影響は持たないんだから。だから、この辺にも大きな問題があると私は思うのですね。もう少し実態に見合うところの処分ができるようにしておかないといけない。さっきこっちの方で声があったけれども、船を一カ月なら一カ月停船命令を食わせるとか、そんなような行政処分でもあるならいいですよ。そんなのは全然ないんだから。調べようと思ったときにはもうシンガポールに行っているので、そうでしょう、五島列島でおろさなければいかぬというようなことになっているのですよ。もう平気の平左でやっておる。これでは私は洋上投棄という問題について解決ができないのじゃないかというふうに思うのですね。そうした法改正に当たってはぜひ厳格に考えていただくように主張をいたしておきたいと思います。 それから、これは海運局でございますか、港湾局ですか、こういうクリーニングをやるときには船をとめたらどうですか。一定の期間停船をさせるということを行政指導したらいかがですか。船をとめないから、動かそう動かそうとするから結局洋上投棄が始まる。この点いかがです。
○永井(浩)政府委員 タンククリーニング作業は、大きく分けまして四つの作業から成っております。一つは、温水によりましてまずタンクを洗浄する、洗うということでございます。二番目は、この洗浄水の水切り作業でございまして、油分を除いた洗浄水を排出する。それから、タンクの中に残留油分から発生いたします有毒ガスがございますので、こういった抜き取り作業もございます。四番目が、今回問題になりましたような、スラッジを船底から甲板上へ揚げるという作業があるわけでございます。そのうち、タンクの洗浄とこれに伴う水切り作業でございますが、この油分を除いた洗浄水は陸岸から離れた一定の海域に捨てなければならないという規定になっております。そういった意味で沖合いでやらざるを得ないということが一つ。それから、有毒ガスの抜き取りにつきましても、過去に港内で爆発事故等もございましたので、なるべく外洋で行うように、こういう行政指導をいたしております。こういった前三者の作業についてはどうしても外洋でやる方が適当である。ただ、御指摘のようなスラッジ揚げ作業につきましては港内でできるわけでございまして、港内でやれば監視、指導の目も行き届くということであろうかと思います。この点につきまして、船の配船繰り等いろいろな問題があろうかと思います。したがって、一律に直ちに全部というわけにはまいらないと思いますが、可能な限り港内等でスラッジ揚げ作業をやるように指導してまいりたい、このように考えております。
○田畑委員 ぜひそういうふうに行政指導をお願いしたいと思います。 それからもう一つ。これもややこしい問題でございますが、こういう海上投棄を行うに至った原因といたしまして、この請負金額の問題というのがやはりあると思う。結局、余り安いと、海の中へほうり投げて、廃油処理業者に少なく量を渡した方が下請業者はもうかることは間違いないのですね。一体、廃油処理に対するクリーニング並びに廃油処理代、そういったものは運輸省として監督しているのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○永井(浩)政府委員 一般的には、こういった請負契約に基づく料金の問題は私どもとしては監督いたしておりません。
○田畑委員 これは監督する義務はあるのじゃないですか。
○永井(浩)政府委員 法令上監督する権限はございません。
○田畑委員 法令上はあるいはないかもしれませんですね。しかしながら、先ほど私が話に出しました廃油処理業者、これは政府認可でございます。この廃油処理業者が一体どの程度の料金で廃油処理を行うかということについては運輸省は一つの基準を定めておる。Aという廃油処理業者はビルジは幾ら、あるいはまたそのほかのものは幾らということで品目別に料金を定めている。これは初めてできてからもう十年以上たっているのですよ。どの業者といえども勝手に値上げはできないのです。運輸省の御許可がなければいわゆる値上げができないはずなんです。そして運輸省は値上げなんて認めていない。その間物価は値上がりしているけれども、これだけはどういうものか一向に許可しないのですね。先ほど言ったようにこれだけ仕事がないにもかかわらず許可していない。それによりますと、二十万トンタンカーではスロップが幾ら出るか、スラッジが幾らあるか決まっているでしょう。そして、その料金は大体この程度だということを運輸省は全部指導しているのじゃないですか。私の手元に「外航船廃油処理料金表」というのがあります。そして、これのあて先は「全国廃油処理事業協会殿」こうなっておる。これは全国廃油処理事業協会殿にいただいた料金一覧表です。一万トンタンカーならどれだけのものが出て、その料金は大体これぐらい、二十万トンタンカーならばどれくらいのものが出て、その場合の料金はこれぐらいと出ている。この一覧表は運輸省と船主協会が相談の上に出した資料と言われているのです。だから、廃油処理業者はみんなこれを見て大体どれくらいの量の廃油が出るかということを見定めて、そして料金は運輸省の許可を受けている料金表によって料金を受け取っているわけですよ。そうでしょう。そういうものが末端にあるのですから、だから、大体においてどれくらいのものが出てどうなっているかという下請の価格だってそれからおおむね推定できなければならないのですね。これはどうです、港湾局長、こういう資料を見たことないですか。大分昔にいただいたけれども……。
○鮫島政府委員 その資料については承知しておりません。 廃油処理事業の料金につきましてはすべて認可にかかわらしめておりまして、途中の段階で料金を改定するときも当然同様に認可にかかわらしめているところでございます。ただ、これは全国共通のようなものではございませんで、個々の事業者ごとに申請によりまして、見まして、そして認可をするということでございます。
○田畑委員 ただいま私が読みましたこの「外航船廃油処理料金表」というのは昭和四十七年六月二十五日付になっています。その時分の資料です。一遍調べてみてください。何もないのにこんなものが出るはずがないのです。個々の廃油処理業者がこんなものを受け取っているのに、何にもないのにこれが出ているはずはない。しかも、あて先は「全国廃油処理事業協会殿」となっている。これはみんな業界は運輸省が出したものとみなしていますよ。だからこれは一遍調べてみてください、きょうは結構ですから。 それと、これは申し上げておきますが、こういう一覧表によってやっている、それから個々の料金はみんなあなたのところの許可でしょう。さっき答弁があったとおり許可しているのでしょう。どこか一遍でも上げたものはあるのですか。
○鮫島政府委員 先ほど申しましたとおり、許可でございません、認可でございますが、途中で変更の認可をしたこともございます。
○田畑委員 私の聞いているのでは、申請しておっても認可はほとんどしないということですね。まあそれはいいでしょう。しかし、ともかくそれだけの権限を運輸省は持っておるのですから、力を持っておるのですから、やはりそういうものを設置した廃油処理業者に対しては一定の行政指導、手当てをしなければならぬということは先ほど繰り返して申し上げたとおりです。これはお願いしたいと思います。 それから、こういうところを見ますと、結局ある程度の下請料金、適正な下請料金というのは運輸省で大体わかるはずなんです。先ほどからこの問題を聞くというと、いわゆる積み荷の種類によって違うとか、いや何によって違うとかと言って、違う点ばかりを強調されるわけなんですが、私は一つの基準をつくろうと思えばつくれると思うのですね。だから、そのとおりにいかなくてもいいですよ。しかし、少なくとも余り安いと結局下請業者に海上投棄をやれと言わんばかりのものになるのです。その点はやはり行政官庁としてある程度目を光らせるべきじゃないのですか。どの程度に介入すべきかは別として、介入しなくても 一つの行政指導としてのモデルというものをつくっておくことは必要なんじゃないですか。私はそう思うのでございますが、いかがでございましょう。
○永井(浩)政府委員 まず最初に、先ほどの下請料金の件で若干補足をさせていただきますと、一般的にはタンククリーニング料金の監督、チェックする権限はございませんと申し上げました。と申しますのは、作業料金の中身といたしましては、たとえば労働者の賃金だとか食費、旅費、宿泊費あるいは資材の消耗費と非常にたくさん項目がございまして、その中の一つとして港湾における廃油処理料金というのがございます。その一項目たる廃油処理料金につきましては確かに私どもで承知しております、チェックしておりますが、全体としてはこのタンククリーニング料金というものはチェックしていない、あるいは法令上はできないという形になっておるわけでございます。 ただ、御指摘のように廃油の発生から処理までに至りますいろいろな実態を調べる上におきましてこういった契約書等による裏づけというものも一つの有力な調査の方法か、このように考えておりますので、私どもの検討の中でこれを取り入れていきたい、このように考えております。
○田畑委員 私が何でこのことをしつこく聞くかといいますと、きのう出光タンカーに聞いたのです。長野という専務さんは、この下請料金は何で決めているのかというと、これはそのクリーニングに何日かかるかという日にちを計算して、それで人夫は何人要るかということで決めているのだ、こういうことなんです。そうすると、この決め方はおかしいですね。なぜならば、これはいまさっき私が示しましたこの表によりましても、二十万トンタンカーでは大体スロップがどれだけ出る、十五万トンタンカーではどれだけ出る、プラス・マイナスがございまして、これはプラス・マイナスありますですね、ちゃんと示してあるのですよ。そうなると、スラッジが幾ら出るということも、これはその割合で出てくる。これはみんな専門家は全部大体大まかには知っているのですよ。だからその仕事の量によっていわゆるその出てくる廃液の量、廃油の量、そういったものをやはりひとつ前提にしないと、ただ人夫を何人使うかということだけで下請業の計算をしますと、あとの油の方は余り関係ないわけだからみんな海の中へほうってしまえ、こういうことになるわけなんですね。だから、いまあなたがおっしゃったように、これはスラッジの引き渡し料金だけじゃないのだとおっしゃるなら、そこでスラッジを含めてその他の混合水というものがどれだけ出てくるか、これだけのものは大体の基準として、プラス・マイナスはあるけれども、必ず二十万トンタンカーには出てきそうなものだ。それに要するいわゆる人夫賃、日数というものはどうなるかというようなものを加味したものはどんなものでございましょうねと聞きに来たときに、運輸省には一枚もございませんということでは困ると私は言うのですよ。押しつけというのではないのです。やはりある程度のモデルのようなものがあって初めて今度の徳山丸事件というようなものが防止される一助になってくるんじゃないかということを私は指摘しているわけでございますから、やはり前向きでやってほしいと思いますね。
○永井(浩)政府委員 徳山丸の例を申し上げますと、この料金の原価構成が大きく分けて二つございます。一つは先ほど申し上げましたようなタンク洗浄、ガス抜き、スラッジ揚げ作業、これはどちらかというと労働者の数によって計算されております。二番目が御指摘のようにスロップなりスラッジの廃油処理事業の処理の料金でございまして、これは確かに契約書上もある程度のトン数を予想いたしまして、それに料金を掛けている、それで実績によってそれを修正する、こういう形になっておるわけでございます。したがいまして、契約なり精算のときに幾ら処理したかということは書面でわかるわけでございますので、御指摘のように今後油の実態を調査するときの一つの有力なモデルとして検討してみたい、このように考えております。
○田畑委員 きょうは労働省の労働基準局から来ていただいております。基準局の方には、この徳山丸事件というのは、これは新聞で見た限りにおいてはまことに異例な、それは基準法にどの程度違反するかということは別としまして、ああいう閉鎖状態の中におきまして、言うならばちょっと労働酷使と申しますか、そういう疑いがありますよ、逃げていけぬのだから。陸上なら契約違反でもう私はいやになったと言うてうちに帰ってしまえばいいんだけれども、それを追っかけてきて殴りつければ、これは強制労働で一番重い罪に問われる。ところが、海の上は逃げていけないですね。ぼくの聞いた話では、これは徳山丸でありませんよ、おれはもうやめたと言ってひっくり返ってストライキを起こしたら、この辺はフカが多いんやというのはおまえ知っているか、こう言ったという話です。逃げられないのですよ。だから、労働基準法で一番重い罪になる強制労働だ、その疑いがあると思うのです。しかし、労働基準法は、最近はそこまでやられるほど過酷なやり方はやっておられないようでございますが、この事件は一体何の違反の疑いでどうなっておるのかということをきょうは中間的に聞きたい、こう思います。
○岡部説明員 この徳山丸の事件につきましては、兵庫労働基準局管内の神戸東労働基準監督署におきまして、海上保安部等と連絡をとりながら、労働時間の問題あるいは賃金の問題等々を初めといたしまして、労働者の安全衛生上の問題につきましても調査を実施したわけでございます。現在のところ、労働条件の明示がないという点につきまして、労働基準法十五条の違反がほぼ認められているところでございます。この事案につきましては、現在当該船舶がすでに出港しておるというふうなこともございまして、現場検証もなかなか困難をきわめるわけでございますが、さらに調査を続行いたしまして、労働基準法あるいは労働安全衛生法等々に照らしまして、違反する事実が確認されました場合には、速やかに是正させるなど、厳正な対処をしてまいりたいというふうに考えております。
○田畑委員 これもたくさんの問題があるわけです。四方海に囲まれている日本としては、ここに述べられた報告、それからまた先般の明原丸事件の写真、こういうのを見ますと、まことに前近代的である、明治の初めのタコ部屋を思わせるような情景ですね。こんなことが海洋日本に行われているとするならば、これはまことに恥ずかしいことだと私は思うのです。そういう意味では、労働省当局も、それからまた運輸省も、この種の問題については本当に厳正にやってもらうということを私はお願いをしたい。そして、二度と再びそんな廊下に毛布一枚にくるまって寐るあるいは立ったままで食事をする、そういうような劣悪きわまりない労働条件というものを一掃していただきたいと思うのです。 ところで、このクリーニング関係をやった労働者でございますが、これは船員ではありませんから船員法の適用を受けないわけだ。そうかといって、普通の陸上における労働者ともおのずと性格が違いまして、監督官が一々タンカーに乗って調べるというわけにもいかない、立入検査をするというわけにもいかない。そこで、一体これをどういうふうな基準によって規制して正していくかということが問題になるわけです。どうでしょう。一番近いのは港湾労働法なんですね。こういうものだけに別の法律をつくるかどうかということは、一これもなかなかむずかしいと思うのです。港湾労働法なら港湾労働法に基づくということで、ある程度この際きちんとされるという作業を進められたらいかがかと思うのでございますが——これはだれに聞いたらいいのですかね。
○岡部説明員 港湾労働法は、先生も御承知のとおり、いわば港湾におきましてその上屋から岸壁、岸壁からはしけ、はしけから船上、船上から船倉へというふうな一連の流れをとらえて立法したわけでございます。したがいまして、今回のような船内のクリーニング作業ということにつきましては、直接の適用がないところでございます。これを港湾労働法に含めるべきかどうかという点につきましては、私直接の担当ではございませんが、担当の職業安定局の方に、先生のそのお話を伝えたいというふうに考えております。 ただ、私ども労働基準局の立場といたしまして、このような非常に特異な、特殊な作業につきまして、従来目が届かなかったということは事実でございます。これを機会に実態をよく把握いたしまして、関係事業者あるいはその他の関係機関と連絡をとりながら、これの労働の適正化につきましてさらに努力をいたしたいというふうに考えているところでございます。
○田畑委員 この作業条件につきまして、これは特に危険物の取り扱いなんでございますね。したがいまして、こういう危険物の取り扱いについては、この前も申し上げましたが、危険物取り扱いの責任者といったようなものをぜひつくっていただくことにいたしていただきたい。きのうの参考人の発言によると、一等航海士は怠け者で寝ていたそうです。船長は見回る必要がないので、これまた寝ていた。それでだれも見ていなかった。そして、カナリアを飛ばせて、ばたっと落ちたら入るな、こんなことを言っているようなことでは問題になりませんわ。これも陸上と同じように、危険物取扱者というものをちゃんとつくって、そして講習を受けて、それを内外産業に置くのか、それとも徳山丸に置くのかは別といたしまして、そういう責任者がない限りにおいては、このタンクの中に入って、ガスの充満しているところでは作業をしないということは明確にしてもらわなければならない条件だと思います。だれも異論のないところです。ぜひ早急にそうした対策を講じていただきたいと思います。 時間が終わったそうで。ございまして、まことに申しわけありませんが、ひとつ大臣から、いま私が申しましたもろもろの問題について積極的に、前向きでやるという決意を披瀝していただきたいと思います。
○地崎国務大臣 ただいま海上汚染防止法案については、本国会で御審議をいただいておるところでございます。そのさなかに、この徳山丸事件等の海上廃棄の問題等が出ましたことは、まことに遺憾でございます。この事件を契機といたしまして、運輸省といたしましては、地方海運局あるいは海上保安庁等と連携をして、この体制をつくって厳しく調査をするということにいたしておるわけでございますが、何と申しましても海上保安庁の設備等も非常に不足でありますから、十分監視ができないわけであります。 しかし、海は人類の一番大切なものであるという観点からいきまして、船主あるいは運航当事者の人たちが海を大切にするという意識を十分高揚させることも必要でございます。その点の措置もいま十分とっておるわけでございますが、まず、先ほど来問題になりました焼却設備の活用、あるいは賃金、契約金が安くて、あえて海上投棄した方が得だというような感じを持たせるような内容、こういういろんなものをしさいに検討させまして、そして積極的に海上の汚染防止に努めてまいりたいと思いますが、どうしても海上汚染防止が進まないような場合になりましては、法の整備も考えなければならない、かように考えておる次第でございます。
○田畑委員 質問を終わります。
○古屋委員長 薮仲義彦君。
○薮仲委員 ただいま同僚委員が、昨日の参考人の意見聴取に関連して質問なさっておられましたけれども、私も二、三お伺いをしておきたいと思います。 ただいまの質疑の中にも出てまいりましたけれども、一番問題は、今回事件を直接的に起こしました内外産業、タンククリーニング業者にあるように思われます。それで昨日の参考人の意見を聞いてみましても、参考人は監督官庁から、今回の問題で何ら指摘を受けておらぬ、労働基準監督署から労働問題で調査を受けておるけれども、運輸省等、他の省庁からは何ら指導監督、行政指導等は受けておらぬ、ここに私は問題があると思うわけで、さきの委員会でも私は、この法の網にかからないタンククリーニング業者に、法の網か、もしくは報告義務を課するような何らかの措置を講ずるように指摘しておきました。それに対してどのような措置を講ずるお考えか、そこからまずお伺いしたいと思います。
○永井(浩)政府委員 タンククリーニング業者につきまして、御指摘のようにいわゆる事業監督法規はないわけでございます。それで、今度の場合にはタンククリーニング業者の行為によって海洋汚染のケースが出たわけでございますが、そういった問題を含めまして総合的に各種の対策を講じなければ海洋汚染は防げないのではないかと私どもは認識しております。とりあえず、早急にこういった廃油の実態をさらに精細に調査したい、このように考えておりまして、調査の結果に基づきまして総合的な対策を講じたいと思っておりますが、その一環といたしまして、こういった業者に対する何らかの法規制が要るかどうか、要るとすればどういう内容の法規制にするかを検討してまいりたい、こういうように考えております。
○薮仲委員 もう一つ指摘されなければならないのは、先ほど労働省の監督課長さんから、詳細に調べたいけれども当該の船舶はおりませんというような意味の御答弁がございました。しかし、当該の船はいないかもしれませんけれども、昨日の参考人の意見陳述の中で、非常に劣悪な労働条件のもとで作業をさせられました、睡眠時間が三時間でした、あるいはあのように海洋汚染防止法という法律をここでわれわれが真剣に審議しておりながら、実際海上で作業する方々が何ら海洋汚染防止法についての話は聞いておらぬ、海洋ヘスラッジ等は、もちろんスラッジ以外のものでも投棄しては相ならぬというような訓練は受けておらぬ、船は帰ってこないかもしれませんけれども、きょうも同じ作業が続けられているわけです。帰ってくるまで待てる問題ではないと私は思うのです。労働省として、一つは同じようなタンククリーニング業者に対して労働条件の改善命令をなさるおつもりがあるのか、あるいはもうすでになさったのか。 また、総務審議官にお伺いしたいのでございますが、何ら訓練は受けておらぬ、当然これは海上で行われる、本来なら運輸省が責任あるべき問題である、そこで働く人が何ら行政上の指導監督も受けずに作業に取りかかる、きょうも行われる、あしたも行われる。確かに詳細に調べてからが大事でしょう、でも、さしあたってこのような事案を起こさないために、作業に従事する方に何らかの対策を講ずる用意がなければ、幾ら法律が成立しても何にもならないと私は思うのです。しかも、さきの委員会で私はスラッジの流れについて正確に掌握しなさいと言いました。発生量もわからない。先ほどの同僚委員の御指摘では、専門家はわかる。私も聞いたところでは大体わかるという返事を伺っておりますけれども、運輸省がわからない。わからないのは運輸省です。わかるようにして、スラッジの流れを明確にしない限りだめです。いつごろまでにそれを明確になさるのか、労働省と審議官の御答弁をいただきたいと思います。
○岡部説明員 先生御指摘のとおりでございまして、このようないろいろ問題を含む作業形態、これが航行中の船の中で行われているということで、従来私どもの目の非常に届きにくいところであったわけでございますが、この事件を契機にいたしまして、私ども十分に実態を把握いたしまして、この業界につきましての十分なる指導監督というものをこれから実施してまいりたいと考えております。
○永井(浩)政府委員 運輸省といたしましては徳山丸事件が発生いたしました直後、運輸大臣の命によりまして各船主団体に通達を出しております。 その主な内容といたしましては、船内作業の適正な実施及び管理体制を確立すること、それから下請作業者を使用する場合には、その選任及び監督について万全を期すること、三番目には、この作業の作業員あるいは乗組員全体が海洋の汚染の防止に意を尽くすように注意を喚起しろ、こういう趣旨の依命通達を出しております。 それから調査の件でございますが、しばしば御指摘を受けておりますような推定値の数字は私ども持っておるわけでございますが、いろいろな方法によってさらにこの精度を高めたいということでございまして、いまその調査についての概案を作成中でございますので、近く調査の実施に入れる、このように考えております。
○薮仲委員 さらに、昨日私も出光の参考人の方にお伺いいたしました。私は、契約内容にまで立ち入って改めなさいということを指摘しました。改めますという御答弁がございました。先ほどの同僚委員の指摘もそのとおりでございます。契約内容が、作業内容を勤務日数と労働の人員だけで契約しておる。発生したスラッジの量について掌握がないところに問題がありますので、この点は今後の契約内容の中に、発生するスラッジについて、きちんと陸上の処理施設で処理しなければならない当該の物質でございますから、そのように単に労働時間と作業人員だけではなく、処理した数量について、どう処理されたか明確にするように、これはその検討の中身に十分含めておいていただきたいと思います。 労働省の監督課長、もう一度伺いますが、直ちにおやりになりますか。
○岡部説明員 直ちにやりたいと存じております。
○薮仲委員 それでは次の問題に移らさせていただく前に、ちょっと、きのう参考人からもう一つ指摘された点を大臣に伺いたいと思うのです。 各参考人の意見の中で一番出てきたことは、便宜置籍船、リベリアあるいはパナマ船籍の船を用船しているところに問題があるということでございます。やはりこれからは日本の船舶として、海洋日本として誇り得るような日本のそういう体制を築くためには便宜置籍船のような船はやめるべきだ、海運日本として誇れるような船員の質の向上を図っていかなければならない、あれはやめろという意見が数多く出てまいりました。同じように裸で用船する通称マルシップ、こういう船が日本の中には多い。旗だけは日本の旗を立てているけれども、無線士以外はほとんど外国船員です。これもしばしば指摘されております。便宜置籍船とかいわゆるマルシップ、こういう安易な用船を運輸行政の中で正す姿勢がなければいつまでたっても日本の国の船員の問題は解決しないと思うのですね。その点、大臣の御決意を伺っておきたい。
○地崎国務大臣 便宜置籍船のあり方については非常に残念なことだと思っております。今後できるだけなくなるような指導をしてまいりたいと存じます。
○薮仲委員 それでは船の問題が出ましたので、船員局長お見えだと思いますから何点かお伺いしたいのでございます。 船員の資質の向上ということは海運日本の将来にどうしても欠かせない大事な問題だと思います。最近は、残念なことに日本の海運は非常に不況でございます。そういうことで、すぐれた船員を養成するべき海員学校が近年になりまして募集人員を減らしておられる。五十五年度の募集も、十三校あるところを十校に減らされておるようでございますが、将来の日本のためには、先ほど指摘したような便宜置籍船、あるいはそういう問題を処理しながら、日本の優秀な船員の育成だけは今後とも努力をしていただきたい、こう感ずるわけでございますが、この廃止した三校はどのような利用をなさるのか。また、将来日本の海運を担う優秀な船員を育てるために船員局ではどういうお考えでいられるか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
○山元政府委員 御質問の三校の海員学校の活用でございますが、ただいま先生の御指摘のように、現在日本人の船員がかなり余剰の状況になっております。この船員の方々の職域の確保、拡大を図ると同時に、船員の資質の向上を図っていくということは非常に大事な問題の一つでございまして、この海員学校三校のうち七尾と児島の海員学校につきましては、中高年齢層を中心といたしました部員の再教育訓練というものを五十五年度から実施をいたしたいというように考えております。このための新規予算につきましても、五十五年度の予算におきまして八千七百万を計上している次第でございます。 それから、将来の日本人船員の資質の向上の問題でございますが、もともと日本人船員は世界的にもきわめて優秀な知識と能力を持った船員でございまして、これをさらに育て上げることは日本の国益にもつながるというように考えております。この点につきましては、先般先生から御指摘のありましたSTCW条約におきまして、国際的なレベルで船員の資質の向上を図ろうということでございますので、これの批准あるいはこのための国内法化につきまして、現在関係の審議会等で調査、検討をしていただいているところでございますが、その結論を踏まえまして所要の措置を講じてまいりたいと思っております。そしてその中で、船員の教育を新しい条約の体制にマッチするような、あるいは新しい船舶の技術革新の対応に適合するような技術の教育あるいは訓練をも推進してまいりたい、かように考えているところでございます。
○薮仲委員 七尾、児島は新しい体制で中高年の船員の方の教育機関にいたしますというお話でございますけれども、いわゆる船員の資質の向上という問題での教育訓練なのか。 それともう一つは、私も海員の方の多い地域に住んでいるものでございますから、船員の方の労働問題というものは非常に深刻な課題でございます。特に、船員の方は陸上の仕事につきたいという気持ちがございましても、これは通俗の言葉で言うとおかに上がったかっぱといいますか、ほとんど陸の仕事ができない、こういう問題を抱えているわけでございます。今度開かれる七尾、児島というのは、船員に乙種何等航海士とか、そういうような免許を与えるための勉強なのか、あるいは新しい陸の仕事にもつけるような教育訓練もあわせて行うのか、その辺はどうなっているのでしょうか。
○山元政府委員 七尾、児島の海員学校の施設を活用いたしまして行います船員の再教育は、ただいま先生の御指摘の教育内容の二つを同時に行うことを予定いたしております。 それで、その講習の内容でございますけれども、海技の講習につきましては、部員の海技に関する能力を向上させるための講習を考えております。それから技能の講習につきましては、船内において必要とされます技能で、しかも陸上においても活用のできる技能、たとえばフォークリフトの運転とか、玉掛けとか、はい作業とか、ガス溶接とか、こういった陸上でも活用できる技能、十種目程度でございますが、こういうものを習得させるための講習を行うことにいたしております。そこで五十五年度におきましては、九月からでございますので、先ほど申し上げました七尾、児島の海員学校におきまして、それぞれ海技講習を一回、技能講習を二回、受講生につきましては合計三百二十人を予定しているところでございます。
○薮仲委員 私は前にもこの委員会で質問させていただいたのでございますが、海の人が陸上の仕事につくときに必要なのはやはりライセンスだ、海の上のライセンスが陸の上でも使えるような互換性をとれないものか、こういうことを私は前に要望しておいたわけでございますけれども、今回行われるその教育訓練の中身の中で、当然陸上に関連のある作業があると思うのですが、そこで訓練を受ければ陸上のライセンスに等しいものが取れるのかどうか、その辺は労働省との話し合いの中ではどうなっているのでしょうか。
○山元政府委員 今回行おうといたしております船員の再教育訓練の中での最も重要なポイントは、ただいま先生が御指摘になりました技能講習について講習を受ければ陸上の技能資格が直ちに与えられるかどうかという点でございます。そしてその種目といたしましては、特にフォークリフトの運転、あるいは玉掛け、はい作業、ガス溶接の四種目の技能が最も重点的な項目になってまいりますけれども、これにつきましては現在労働省と協議いたしておりまして、教科目とか講習時間とか講師とか教材とか、そういうものを整備いたしまして、労働安全衛生法上の指定教習機関の指定を受けまして、この講習を終了すれば直ちに技能資格が付与されるように措置したいと考えております。また、指定教習機関の制度のない技能講習につきましても、試験に合格しますれば技能資格が取得できるように講習内容の充実を図ってまいりたい、このように船員局としては対処していく考えでございます。
○薮仲委員 それでは、労働省がお見えになっていると思うのでございますが、ただいまの船員局のお話では労働省の指定機関になればということでございます。労働省はこれについて相談を受けていると思うのでございますが、労働省として、このような指定をした学校で講習を受けた限り陸と同じようなライセンスを与えるということでよろしいのかどうか、また問題点があればそれを御指摘いただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○西島説明員 お答え申し上げます。 労働省におきましては、労働安全衛生法に基づきまして、危険有害業務につく人につきましては一定の技能講習を終了するというたてまえをとっております。いま運輸省御当局からもお話がございましたように、目下私どもと、この指定教習機関になっていただき、そういう方向で一定の教習をやっていただくということで協議中でございます。そして先生の御指摘がございましたように、私どもといたしましても、今後この運輸省管轄の学校を卒業した方が私どもの指定教習機関を卒業してそのまま就業の資格が得られるという方向に具体的に御協力を申し上げるという形をとっております。 以上でございます。
○薮仲委員 どうかそういうことで、せっかく予算をつけてそういう御努力をなさることでございますので、船員局、局長の方、また労働省とよく協議なさって好ましい船員教育ができるように御努力をいただきたい、こう要望しておきます。船員局と労働省の方、ありがとうございました。 問題を次の点に移らせていただきます。 道路公団お見えになっていらっしゃいますか。——では公団の方に二、三ちょっとお伺いしたいのでございますが、警察庁お見えでございますか。——高速道路上の安全走行の件で何点かちょっと御意見をお聞かせいただきたいのでございます。 高速道路の安全走行というのは、これから非常に大事な問題じゃないか、一年、二年の問題ではなく、今後将来にわたって日本の高速道路をどう管理し、どう安全に運行させるか、これが確立しませんとやはり高速道路上の事故というものは、先般の日本坂の事故に見られますように思いもよらぬ大事故に広がってまいりますので、やはり高速道路上の安全運行をどう確立するか、これは一般道路と違った意味で真剣に取り組んでいかなければならないし、またいただきたいと思うことでございます。 そこで私が何点かお伺いしたいのは、これは特にトラックを長時間運転なさる方々からの御意見もあるわけでございますが、夜間に高速道路上を走行しておる場合、尾灯が赤だけで、ずっと視界が狭まってまいります、そうしますとちょっと眠気が起きたとき、前の車がとまっているのか走っているのか、あるいはスピードがスローダウンしたのか非常に判断しにくい、また路肩へとまっている車、それもとまっているのか走っているのかわからず、それに吸い込まれて、はっとして、追突しそうになったことが何回かございます、これからわれわれが高速道路で安全運行する際に、現在の尾灯だけでは運転する立場にとっては非常に危険を感じます、この点何らか改善してほしいという要望が多いわけです。特にブレーキを踏めば赤いランプがつくのですが、ブレーキを踏まずにアクセルが離れそうになってスピードがスローダウンしたとき非常に危険を感ずるという意見が多々ございますが、この尾灯について警察庁としてはこれを何らか改善するお考えがあるかどうか、お聞かせをいただきたいのですが。
○榧野説明員 お答え申し上げます。 現行の保安基準につきましては、テールランプの関係につきまして夜間三百メートル先に先行車を視認し得るということになっておるわけでございますけれども、先ほどおっしゃいましたように先行車の走行状態まで認識できるものとはなっていないわけでございます。したがいまして、先生がいま御指摘になりましたような意見のあることにつきましては十分承知いたしておるところでございます。そういう意味で御指摘の点につきましては、今後実情をよく検討しながら主務官庁あるいは関係機関と十分連絡をとりつつ相談してまいりたい、こういう所存でございます。
○薮仲委員 この問題はいますぐ結論といっても無理でございましょう。私いつも言うのですが、トラックの一番前の方には三つランプがついておって、スピードが上がってくるとランプが三つつくよというような——変化しますね、あの三つのランプが。ああいうような形で後ろでもわかればなという意見もございますが、それは単なる意見でございます。トラックに長時間乗る運転手の方々が大変これは困っておる問題でございますので、何とぞ早急な結論を出していただくように要望いたしておきます。 それから二番目でございますが、特に危険を感ずる問題はどういうことか、その二番目は、パンクしたとき路肩へ寄ってパンクの修理をいたします。ところが現在の高速道路上にはパンクを修理するような避難場所が必ずしもございません。それで三角の表示板を立てておりますけれども、この三角の表示板につきましても、立て方によっては遠方から見えない。赤だけではなく色を変えて二枚ぐらい立ててほしいというドライバーの要望もございます。これは非常にむずかしい問題だと思うのでございますが、その掲示板だけではわからない、と同時に、あるいはそういうことが困難であるならば、パンクを修理するような安全な場所が何とか確保できないものだろうかという希望もございます。これは用地の取得等非常に困難だと思うのでございますが、こういう問題について警察庁と道路公団の御意見をお伺いしたいのでございます。
○榧野説明員 お答え申し上げます。 御質問のとおり、路肩におきますパンクの修理等高速道路におきます路肩部分での駐停車は、後続車両による追突の危険が大いにあるわけでございます。試みに昨年のトータルを見ましても、七件十名の交通死亡者がこの関係で出ております。本年に入りましても、三月までに一件一名の発生を見ておるような状況でございます。そういうことで非常に追突の危険があるわけでございまして、やむを得ず故障等で本線の車道や路肩に駐停車する際の安全措置といたしましては、先ほど先生御指摘ありましたように一昨年の道交法の改正によりまして、故障車両に対しまして停止表示器材による停止表示を義務づけ、これが励行と定着化に努めておるところでございます。 御指摘のとおり高速道路上の避難のための施設が特別に設けられれば、事故防止上きわめて有効であると考えておるわけでございますけれども、警察といたしましては、現状では停止表示の励行と、でき得ればドライバーが専門業者のサービスカーを積極的に利用されるというようなことを希望するとともに、これらの関係の広報に努めておるところでございます。
○持田参考人 お答えいたします。 現在高速道路上で車が故障した場合には、近所にございます非常電話から公団に連絡していただきまして、JAF、これは修理業者でございますが、JAFがまず飛び出していって修理するというようなことでございまして、修理車用スペースをつくってやるということについてはまだ検討いたしてございません。 以上でございます。
○薮仲委員 この問題はやはり今後長い将来にわたってずっと起きてくる問題でございますので、このパンクの修理が安全にできるような体制はどうあるべきかということを含めて、事故の発生もやはりそういうところから出ておりますので、検討いただきたい、この点も指摘しておきます。 それからその次に、高速道路上の表示の仕方についていろいろ御意見がございます。私が体験した例で申し上げますと、先日ちょうど新幹線がストップしておりましたとき、私も高速道路に乗りました。沼津から富士のインターを通り過ぎて清水へかかりました。そのとき表示が出ておりましたのは静岡−吉田間渋滞という表示だけでございました。ですから私の前の車も後ろの車もどんどんと突っ込んでいきました。ところが、行ってみましたらもう完全なるすし詰めの状態で、車は全然動きませんでした。数十分かかりまして、数十分といっても時間に近い方でございますが、ここはあえて数十分と言っておきますが、静岡のインターに参りましたら、ここでおりろ、こういう表示でございます。ところが、吉田から先に行きたい車がずっとおりないで並んでおりますから、高速道路上はもう路肩までいっぱいでございます。この高速道路上の表示の仕方、語彙といいますか、言葉の表現、もしも清水の時点で、先方渋滞、ここでおりなさいとかいうような適切な誘導があれば、もっと早目にインターから脱出して他の迂回路を通って通行できる車がある。しかし、私が行った限りではもう全部前へ突っ込んでいきました。ちょうど新幹線がとまっているから、単なる普通の渋滞だなと思って突っ込んでいった。ですから、これはやはり今後の研究課題として、標示板の表示内容についてはいろいろドライバーの方の意見も聞いて、アンケートをおとりになるとか、そういう形で改善なさってはいかがかと私は思いますが、公団の御意見いかがでしょう。
○持田参考人 お答えいたします。 ただいま御指摘のございましたように、現在公団としましてはインターの入り口ブースあるいは高速道路の部分に可変情報板で各ドライバーに情報を伝達するわけでございますが、事故の発生地点とか、あるいは事故の種類、そういったような細かい情報はまだできかねております。先生の御指摘のように、そういった細かい情報に対しまして直接各ドライバーのカーラジオに音声で利用できるような専用情報提供の方式を現在検討してございますが、今後とも十分に検討してまいりたいと思っております。
○薮仲委員 公団にもう一つお伺いしたいのは、これは先日わが党の西中委員からも指摘された点でございますが、新二・九通達、こういうことによりまして高速道路上の運行については非常に問題がございます。確かに高速道路上は十五キロごとにサービスエリアあるいはパーキングエリア等がございます。ですから、高速道路上大体三百キロ走行で、三百キロか四百キロぐらいになりますか、四時間ぐらいということになりますか、そういう距離になろうかと思いますけれども、いずれにしましても十五キロ区間にあると申しましても、利用するサービスエリア、パーキングエリアというのは、たとえば東京を出ますとちょうど休みたくなるのが静岡あたり、あるいは富士あたり、あのあたりまで走行して少し休みたい。あるいは逆に上ってきた場合は、また違った距離間隔のサービスエリアに入る。ですから、非常に利用したいサービスエリアと利用できないサービスエリア、しにくいといいますか、そこは元気に走っていってしまうサービスエリアがございますので、ただ数があるというだけではなく、特定の地域の、いわゆる休息できるようなスペースが欲しいという要請がございます。これも非常に予算がかかって大変だと思うのでございますが、やはり安全運行のためには努力していかなければならないと思うのでございます。公団のお考えをお伺いいたしたいと思います。 それからもう一点は、都内への大型車の、いわゆる入ってはいけませんよという時間の規制がございます。そういうことで、上ってきた車は都内へ入る時間まで時間待ちのために駐車する場合もございます。これは警察庁のそういう交通体系あるいは公団側のスペースの問題等兼ね合わせて、この二・九通達に見合うような体制というのはやはりトータルに考えておいていただきませんと、ただ労働省だけの通達だけでいきますといろいろ差しさわりも出てまいりますし、困難な問題が出てまいります。こういう点、いますぐにと言っても困難かもしれませんが、道路公団と警察庁の協議の中でいまどのような対応を考えていらっしゃるか、簡単にお答えいただきたいのです。
○持田参考人 お答えいたします。 東名を例に申し上げますと、パーキングあるいはサービスエリアが十五キロあるいは五十キロ間隔で設置してございますが、確かに先生御指摘のように、そのSA、PAの利用状況というものがまちまちでございます。特に都市周辺におきましては、いまお話がございましたように、都市内の交通規制というものに対して時間待ちするということで、当初考えておりました駐車時間というものが大幅にふえている。したがいまして、従来考えました駐車スペースでは足りなくて飽和状態になっているというのが実態でございます。 そういったようなことで、公団としましては四十八年から一次改良と申しまして、現在ございますSA、PAの中のレイアウトを変えて駐車スペースをふやしていくということで、五十四年度末では東名、名神におきまして、当初でき上がりました駐車マスにつきまして四四%の増加をいたしてございますが、それでも足りないということで五十五年度におきまして初めて二次改良と申しますか、新しく用地を買いまして駐車スペースを大きくするということを現在予定いたしてございます。 その中で、ただいまお話のございました、場所を考えて集約型と申しますか、そういったものをどうかという御質問でございますが、高速道路周辺は非常に開発が進んでいる。したがいまして騒音あるいは、そういった施設をつくりますとどうしても排水問題、そういった環境上の問題がございます。それとまた、なかなか用地の買収がむずかしいという問題がございます。また次に、やはり厳しい財政情勢でございますので非常にむずかしいわけでございますが、御指摘のそういった集約型と申しますか、地区によるSA、PAというものを、一つの方法であろうということでございますので、私ども今後研究してまいりたいと思っております。
○榧野説明員 いまの、スペースがないということで車道の路肩あたりに違法駐車する車が非常にたくさんございまして、これらの関係の事故防止という関係につきまして、私たち警察といたしましては非常に苦慮しておるところでございます。警察といたしましては、従来から道路管理者の施設の拡充等につきまして申し入れておるところでございますけれども、いまお話がありましたように、種々困難な問題があるやに聞いておるわけでございます。そういう面で、これらの問題、実態を踏まえながら積極的な相談をし、これらの解決を促進していくということに努力してまいりたい、このように存じております。
○薮仲委員 いま指摘した点は非常に困難な問題ばかりでございますけれども、高速道路がある限りこの問題は解決をしていかなければならない問題だと思いますので、どうか今後とも御努力をお願いいたしておきます。よろしくお願いいたします。 公団の方と警察庁の方、どうもありがとうございました。 それでは、次に国鉄の問題に入りたいのでございますが、その前にちょっと大臣にお伺いしておきたいことがございます。 昨日たばこ、そして二十日には国鉄運賃、公共料金が軒並みに上がっておるわけでございまして、国民の多くはもうそれぐらいにしてほしい、またそれ以上上げるのかという悲鳴に似た声もあるわけでございます。このように電力からあるいはガス、国鉄運賃、たばこと上がってまいりますと、まあ、これはある試算によりますと、電気料金を上げられただけでも家計には二万四百円の影響です、ガス料金値上げが四万八百円、その他もろもろ上げられますと、年間で二十万近い負担増ということが一つの家庭で考えられます、こういうような指摘もなされておるわけです。この運賃値上げは、やはり政府、行政機関、大臣の所管事項でございまして、大臣の認可料金でもございます。ここ過去一年間、国鉄が昨年の五月八・八%、国際航空五%から七%、区域トラック八月に一〇%、九月に六大都市のタクシー平均一四・四%、九月にまた国際航空欧州線六%、十月に京浜、大阪などのバス九・八から二六・三。ことしに入っても、日米航空、国内航空運賃、フェリー、高速バス、国鉄と、ずっと運輸省関係の値上げを見ましてもここ続いているわけでございまして、やはり国民の要望は、大臣に願うことは公共料金を極力抑えてほしいという期待だと思うのでございます。いま出ておりますのは、タクシー、私鉄、トラック、定期バス、海運、こういう問題がこれからメジロ押しに並んでおるわけでございますが、できる限り圧縮してほしい、こういう国民の期待に対して大臣はいかがお考えであるか、お答えをいただきたいのでございます。
○地崎国務大臣 運賃、料金は適正な原価に基づいて決められるべきものであります。具体的な運賃、料金の改定に当たりましては、このような原則にのっとりつつ、去る三月十九日の物価問題に関する関係閣僚会議の決定に沿い、経営の徹底した合理化を前提とし、物価、国民生活に及ぼす影響に十分配慮し、厳正に取り扱ってまいりたいという考え方でおります。
○薮仲委員 昨日の本会議の大臣のあの発言にありましたように大変慎重な御答弁でございますけれども、国民はそういう慎重な答弁よりも上げないでくれと望んでおりますので、そうかたくならずに上げないように努力を重ねて要望しておきます。よろしくお願いします。 時間がありませんので、国鉄の問題に入りたいのでございますが、大臣、総裁、お二人とも、これは私、前に会計検査院の方に指摘した点で、運輸委員会では取り上げておりませんので、赤字の国鉄の再建のためにこういうことはやはり好ましくないなと思いますので、指摘をしておきますから大臣にもよくお聞きおきいただきたい。 これは会計検査院が国鉄の東海道新幹線総局に対しまして、会計検査の結果こういう点は是正してほしいという指摘をされた内容でございます。 この中の一つ、二つ申し上げますと、この指摘の中で、トータルいたしますと金額にして約一億二千万ほどのいわゆる是正しなさい、むだ遣いですよという指摘になっておりますが、その中にこういうことがございます。その中の一つが、架線工法と言いまして、大臣も新幹線にお乗りになりますと、パンタグラフがすって走るあの電気の架線でございますが、あのトロリー線の架線張りかえ工事について指摘を受けたわけでございます。 これは新幹線総局の中で行った架線工事の中で、具体的に読みますと、「新幹線一キロメートル付近外二箇所トロリー線張替工事」を含めて四十七件の工事を丁電気工事株式会社ほか五社に請け負わせました。これは概算七千二百万ですね。この工事のことでございますが、この工事は従来ははしごを用いて架線の張りかえをやっておりました。その架線をはしごの工法でやりますと、計算した人工代は簡単にいいますと八十人工と計算しておりますけれども、これは機械化ができますので、機械化でやればその約半分の四十一人工で足りますよと、こういう指摘を受けているのです。半分で足りるのを倍でやっています。 〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕 それからもう一カ所は、もう少しこれを詳しく読みますと、やはり東京、名古屋両電気所で工事を行った四件、工事延長は八キロ九百九十六のトロリー線張りかえ工事を、同じように請負わせました。この工事は、この人工のところで申しますと、一キロメートル当たりの所要人工を百八十人工で算出しておりますけれども、これは四十六人で間に合いますよと、百八十人が四十六人ですから、四分の一ぐらいになりますか、の人工でよろしいのです。しかも、ここのところを読んでみます。「はしごを使用した人力作業により工事を施工することとし、所要人工を一キロメートル当たり平均百八十人工と算出している。しかしながら、両電気所ともすでに電気作業用軌道モーターカーが配置され、機械化工法による作業の実施が可能であったのであるから、本件工事の施工にあたっては、当初から機械化工法による実施を考慮すべきであり、また、本件工事は会計実地検査の際調査した結果、実際に施工した工法ははしごによる工法ではなく、電気作業用軌道モーターカーを業者に貸与し、機械化工法によって作業を行なわせているものであるから、この場合には遅滞なく実際に即応した契約内容変更の処置を講じて適正な工事経理を実施すべきであると認められる。」、これはどういうことかといいますと、はしごで見積もって百八十人工でやっておりますが、会計検査院が現地へ行ってみましたら、はしごではやっておりません、機械化工法でやって張りかえております。ですから、機械化工法に算出を変えたらいかがですか、そしてその算定がこういうことではだめですよと指摘を受けております。 これは前に私が委員会で取り上げておりますので、この問題、重ねて細かくは追及いたしませんが、このようにもっと適正な計算の仕方をしなさいよ、国鉄さんに言わせれば、当時ははしごからトロリー線の機械化工法に変わる過渡的な段階で、こういうこともやっておかなければなりませんでしたと、これがこのときの答弁でございますが、それはさきの委員会でやりましたので置いておいて、ここで私が、会計検査院お見えだと思いますので、ちょっとお伺いしたいのは、電力局長もお見えだと思うのですが、これは電力局からいただいた「トロリー線取替標準作業」この表でございます。それから、もう一つ、幹線総局電気部からいただいた「延線工法」ここにやはりトロリー架線の張りかえ、これは国鉄幹線総局からいただいたものでございますからお持ちだと思うのでございますが、ここで、私が現在のトロリーの人工はどうなっておりますかという説明を受けました。ちょっとこれは専門的な表現で恐縮なんですが、SW、TWという車がございまして、SWには七名、TWには六名を乗せております、千三百メートル以上の架線を張りかえるときには三十八名の編成で行います、そして、これから、こっちにいただいた表の方は、運転手を外注に出しておりますので、これは逆にSWは六名、TWは五名の編成で三十二名でございます、こういう説明を受けておるのです。 そこで、会計検査院にちょっとお伺いしたいのは、この時点で指摘されている人工は四十一人もしくは四十六人工で足りますよ、こういう人工の算定になっておりますが、ここで言う三十二名あるいは三十八名体制と多少狂いがあるわけでございます。当時のあるいは積算の方法が違う、歩掛かりが違うという問題等もあろうかと思いますが、四十六年以前と以後と変わったのかどうか。以前であるからこういう人数だった、以後は変わっておるなら変わっておる、その点この人数の積算の基礎となる件数について、会計検査院の御答弁をいただきたいのですが……。
○中村会計検査院説明員 お答えいたします。 昭和四十六年の四月に制定されました標準歩掛かりは、現在適用されております標準歩掛かりと基本的な点については変わっていないというのが実情でございます。したがいまして、現在の延線工法について見ますと、ただいま先生から御指摘いただきましたとおり、SWにつきましては運転士一名、作業員六名、計七名でございますし、TWにつきましては運転士一名、作業員五名、計六名となっておりまして、この点現在まで全然変わってございません。
○薮仲委員 そうしますと、四十六年以降は今日までSWが七名、TWが六名という編成は変わっておらない、しかしこの時点においては現在とは違うのでこのような歩掛かりが指摘された、こういうようなことでよろしゅうございますか。この会計検査院の四十一名というのは、四十六年以降の歩掛かり、積算の基礎と違うので、人数が変わっております、こういうことでよろしいのですか。
○中村会計検査院説明員 おっしゃるとおりでございまして、昭和四十五年の九月の本院の照会における所要人工数でございますが、これは四十一名、それからいまおっしゃいました四十六名、この数値でございますけれども、これは延線車あるいは作業車の搭乗員をそのままあらわしたということではございませんで、歩掛かり等を勘案した結果算出したものでございますので、この点につきまして先ほど私が答弁いたしましたように、現在まで変わっていないというところでございます。
○薮仲委員 いま会計検査院の明快な御答弁がございまして、四十六年以降SW七名、TW六名という編成は変わっておらない、こういう御答弁をいただいたわけでございますが、それでは、これは専門的なことでございますから、専門の局長さんでもどなたでも御答弁いただいて結構でございます。 これは国鉄さんがくださった「延線工法」でございますが、これにいわゆる「作業の分担」というのが十ページに載っておりますが、これについてちょっと御質問をさせていただきます。 ここにはこう書いてございます。「延線の場合は第十図に示すように通常延線車、作業車各一両の連結運転で施行し、作業員の配置は先頭車の運転室には運転者一、作業台には作業責任者一、連絡責任者一、架線案内装置操作二、ドラム監視一、作業班長一、計七名とし、」これはSWの編成でございますね。このうちの国鉄職員がおやりになるべき仕事、外注に出すべき仕事、それをちょっとお伺いしたいのでございます。
○藤田説明員 お答え申し上げます。 いま先生が申されました七、六、六の体制の問題でございますが、これは外注の職員の数を言っておる問題でございまして、それ以外に直轄で各車両にはいわゆる補助監督者として職員が六名乗っております。先ほどのSWの七名、TWの六名、これが標準の編成としては六両編成でございまして、その点、外注者がいま言ったような数で三十八名、直轄の方は各車両に一名で計六名というのがこの編成の中で乗っておる職員でございまして、それ以外に、総括作業責任者として職員が一名に、外注側で工事指揮者、また事故防止専任者、これが各一名、三名がおります。 以上でございます。
○薮仲委員 ちょっとよくわからなかったので、そこにいて御答弁いただきたいのですが、作業責任者というのは外注ですか、職員ですか。 ここにある作業責任者は外注か職員か、連絡責任者は外注か職員かというふうに私が指摘したのをすんなりそのとおりお答えください。
○藤田説明員 ここに書いてありますのは全部外注者でございます。
○薮仲委員 それでは、ちょっと質問させていただきます。 これは「東海道新幹線支社報」でございます。ここにこう書いてございます。「作業区間内において、架線延線車を解放して使用する場合は、延線車等にそれぞれの連絡責任者をおかなければならない。」「前項の連絡責任者は、電力関係の助役、電気技術掛、電気検査長、電気検査掛のうちから、そのつど支所長が指定するものとする。」明らかにこれは職員になっていますね。そうしますと、いま言った、ここに乗っているのは全部外注ですと、このほかにまた乗るんですか。しかもこのあれは、もう時間がないから続けて言っておきますと——時間がないからこの次の委員会でこれをやりますが、いま読み上げたのは、四十四年四月十五日の支社報です。この前の委員会でこれは変えましたという答弁が返ってきた。変えたのは五十一年の二月三日です。その間、六年間あるのです。六年間、職員でなければならなかったのです。先ほど会計検査院が指摘なさったのは、四十六年以降歩掛かりは変わっておりませんという指摘です。 それから、きょうは指摘だけにとどめておきますけれども、いま局長そうおっしゃったけれども、それでよろしいのかどうか、後でよく考えておいてください。 このトロリー張りかえは簡単にできることじゃないんです。ちょっと申し上げますと、「架線張替にするために、この新幹線の作業能率の向上のために、いわゆる架線張替の性能をよくしてなるべく安くしようということで、架線延線車による張替工法の研究開発を行いました。そして中央鉄道学園での運転及び機械操作員の養成を行って、昭和四十二年八月十八日を第一回として計十五回の訓練を行い、その後昭和四十三年一月十七日を第一回として昭和四十二年度第三・四半期の三ドラム、三キロメートルの本格張替を行い、この工事は完了し、確立しております。しかも昭和四十三年四月から昭和四十四年三月までは四十九ドラム、六十五キロの張替を使用材料支給でI建設株式会社に請負わせましたが」云々と出ておるんです。この時点で、すでに四十四年の時点で架線工法は完成をしております。これは正確な資料でございます。私の手元に資料があるのです。これは、皆さんからさきの委員会でいろいろ御答弁いただきましたが、いわゆる張りかえのための計画実績表、これでございます。 もっと詳細に申し上げますと——具体的に申し上げておりますからよく調べてくださいよ。四十三年度の「張替計画実績表」がございます。これは正確に申し上げますと「静岡電気作業支所」と書いてある。静岡作業支、第一号から五十二号まであるわけでございますが、その間に架線延線車を使って張りかえました。この実績表に、職員がだれで電工がだれか、全部載っております。 その中のたった一つを申し上げましょうか。この中の第四十号。「幹静電力第一五七号工事」、この工事調べてください。 行ったのは「昭和四十四年一月十七日金曜日、天候晴、温度二度」、全部書いてあるんです。そして行ったのは静岡−浜松間上り線、二百十八キロ、四百十メートルから二百二十キロメートルまで、この張りかえドラム千六百二十三メートルになっています。これは先ほど会計検査院の方あるいは局長が言ったSW、TWの実績がここに全部書いてあります。乗った人の名前まで書いてあります。SW、TW、TW、TW、TW、SW、これはいまおっしゃった千三百メートル以上の架線張りかえの標準の列車の編成でございます。ここで電工が何名使われておるか、ここに載っておりますが、車種、作業責任者、運転士、機械操縦者、そして電工となっているのです。電工のところの人数を申し上げますと、SW四名、TW二名、その次のTWは二名、二名、二名、最後のSWが三名です。これは私のところに全部資料がございまして、その実績の中には、少なくとも七名編成とか六名編成でやった作業は一カ所もございません。SW、TW、……TWが使ってあるときもございますが、TWでやっても同じ作業ができるのです。私は専門家によく聞いてみました。この作業表によって見ると、電工はせいぜい二名ないし多くて四名しか乗っておりません。最高四名です。しかも私のところには、いま会計検査院の方が四十六年から変わっておらないという「架線延線工法による積算要領」これは国鉄さんの延線の架線工法による積算要領でございますが、これも会計検査院の方に私は前回指摘をいたしました。この積算の方法は、ただいまの御答弁にあったとおり変わっていない。いま御答弁なさったこと、非常に重要なことでございます。 きょうは時間が来て、もうやめなさいということですからやめておきますけれども、この次の委員会で、ただいま私が指摘した作業内容、きっちり御答弁いただきたい。これをもっと具体的に言いますと、積算の方法がいかに水増しをされておるか、何倍か水増しされておるのですよ。これは大変な問題ですよ。そんな簡単なことじゃございません。 きょうは、残念でございますが、次の委員会でしっかりした御答弁をお願いして終わっておきます。 ありがとうございました。
○保岡委員長代理 三浦久君。
○三浦(久)委員 私は、引き続いてBG財団に対する問題について御質問を申し上げたいと思います。 BG財団に対する特別レースの実施期限が五十五年三月三十一日で切れておりますけれども、現在新たにこの特別協賛レースを実施する期限を延長しておりますか、しておりませんか。
○謝敷政府委員 延長しておりません。
○三浦(久)委員 この特別協賛レースというのは、競艇二十周年記念事業として始められたわけですね。そして、当初は三年の計画でやって、それをまた三年延ばした。この六年間にこの特別協賛レースでもってBG財団に行ったお金が三百三十四億円でございます。そして、そのうち使ったのは約百億円です。ですから、現在二百三十六億円というお金が、いわゆる現金、さらに株式という流動資産としてため込まれているわけであります。そうすると、運輸省が二十周年の記念事業として当初予定をした事業、これはこの二百三十六億のお金があればできるんじゃありませんか。いま新たに特別協賛レースというものを実施しなくても、いままでの記念事業は実施ができるのじゃありませんか。どうでしょうか。
○西村説明員 ただいま御指摘がございましたように、第一次協賛、第二次協賛のレースにおきます事業計画につきましては、これまでの収入によりまして達成できます。
○三浦(久)委員 大臣、ちょっとお尋ねしたいのですが、そうであれば、いまはこの記念事業のための特別協賛レースは必要がないというふうになると思うのですけれども、いかがでしょうか。
○地崎国務大臣 この事業の推進に対して各市町村団体からのいろいろ強い御希望がございますので、さらに検討してみたいと存じております。
○三浦(久)委員 要望がある、ないということは関係ないんじゃないですか。いまあなたたちが最初に計画をした記念事業をやるために必要な原資、財源というものがもう確保されているわけでしょう。そうであれば、現在はこの特別協賛レースは必要がないということじゃありませんか。必要がないから、いまあなたたちが通達でもって延長するとかしていないわけでしょう。いまの時点では心要ないじゃありませんか。どうなんですか。
○西村説明員 第二次協賛レースの事業計画の実施に当たりまして、きわめて多数の市町村から、地域海洋センターの建設の要望が出ております。私どもは、いまBG財団が、これらの多数の要望に対してどのようにこたえたらよいかということを検討していると聞いております。それは先生が御指摘のように、第二次協賛レースのときの目的そのものが、現在までの収入をもって達成できることはそのとおりでございます。ただ、このような新しい要望についてどのようにこたえるかということは、新しい問題として受けとめております。
○三浦(久)委員 だから、いままでの事業をやるためには必要がないわけだ。そして、新しい事業計画というものはまだ出されていないのでしょう、いまの局長の答弁によれば。新しい事業計画は、まだ出るか出ないかもわからないんだから、そうすれば当然いまの時点では協賛レースをやる必要性がないということははっきりしておるじゃありませんか。もしあなたたちが考えるというのであれば、そういう新しい事業が出てきた段階でどうするかということを考えればいいのであって、いまの時点では、何ら協賛レースをやる必要性というものはないじゃないですか。どうなんですか。
○西村説明員 先ほどお答えいたしましたとおり、BG財団側には、非常に多数の市町村から要望が出ているということもまた事実でございます。私どもは、先ほど申し上げましたように、第二次協賛レースにおきまして定めましたときの事業目的について、さらに延長する必要はない、そして、新しく延長する必要があるかどうかの判断につきましては、先生御指摘のとおり、BG財団側から新しい事業計画を提示して、やりたいというような意思表示があったら、初めて役所として検討する、そういう問題になろうかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、現にあるということ、そしてBG財団側が検討しているということ、それについては、その事実としては無視できないと思っております。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕
○三浦(久)委員 あなたたち、BG財団、BG財団と言うけれども、BG財団がやると言えば、あなたたちはそれをやらなければならないの。そんなことはないでしょう。もうすでに、あなたたちが当初計画したものは終わっている、その財源措置は終わっているんだから、BG財団に対する協賛特別レースをやれるという、大臣の告示第四百六十七号、あの告示、ここにありますけれども、これは私は当然廃止すべきだと思う。いまの時点で必要のないものをいつまでも温存しておくことはないんじゃないですか。この運輸省告示第四百六十七号、これを私は、いまの時点では必要性がなくなっているんだから廃止すべきだと思いますけれども、大臣の意見を聞きたいと思います。
○地崎国務大臣 先ほども申し上げましたように、いろいろ御希望がありまして、計画が出てまいりました時点において検討していきたいと存じております。
○三浦(久)委員 これは余り押し問答しても時間食うだけですから、次に行きますけれども、新しい事業計画が出てきた場合にどうするかという問題がありますね。私はこれは承認すべきではないと思う。大体この新しい計画というのは、いわゆる二十周年の特別事業と関係があるんですかないんですか、お尋ねします。
○謝敷政府委員 私どもは、現在行っていますBG財団の事業が当初、二十周年記念行事として行われたということはそのとおりでございます。二十周年記念行事の中の事業として、いま問題になっていますBG財団の体験航海とそれから実践的な海洋訓練、この二つがありまして、私どもとしては、体験航海の方は先ほど官房からお話しのとおりに終わっていると思いますが、実践訓練の中でブロックセンターのほかにあります地域センターの整備について非常に要望が出てきている、こういうことでございますので、記念行事の中の事業として終わっているか終わっていないかは、これは先ほどお答えがありましたように財団の事業計画がどういう形で出てくるかというのを見て検討をするということと考えております。
○三浦(久)委員 記念事業としての財源措置はもう現在終わっているわけだ。新しい事業計画が出てきた場合にこれをどうするかという問題がありますよ。しかし、それについてはBG財団がいろんな事業計画を立てるでしょう。それは結構なことです。しかし、それについて運輸省がいわゆる特別協賛レースという形で二十周年記念事業の延長としてそれをやらせて財源措置を講じなければいけないような、そういう事業なのかどうかということ、この判断はいまでもできるはずなんです。そうでしょう、事業計画が出てこなくても。そういう事業計画が出てきた場合に、それはBG財団が独自の財源でやるべきなんであって、いわゆる一時的な、臨時的な特別協賛レース、こういうものを承認をしてそこから財源を確保するというようなことは必要かどうかという、そういう判断はいまでもできるはずじゃありませんか。 ですから大臣、これは特別レースなんですから、特別にいわゆる臨時的に認めているものなんです。もうこれは六年間続いている。もしこれを二十周年記念事業の延長としてやるということになればあとまた三年間やる。そうなれば十年近くこれをやることになる。そうすれば今度は三十周年記念が来ますよ。こんなことをやっておったら、例外的に認められている特別協賛レースというものをずっとBG財団の事業のために永遠に続ける、そういう結果にもなりかねないじゃありませんか。BG財団がどんな事業計画をお立てになっても自由であります。しかしそれを、いま申しましたように特別協賛レースという形でもって財源を確保してやる必要はないというふうに考えているのです。大臣の答弁を求めたいと思います。
○地崎国務大臣 BG財団の事業につきましては、海事思想の普及等いろいろ青少年の海事に対する理解度を深める事業として大きな役割りを果たしておると思うものでございます。したがいまして、BG財団から計画が出てまいりました場合は、その時点において判断をして決めたいと思います。
○三浦(久)委員 そうであればなおさら現在の段階ではあの告示は廃止すべきなんですよ。そしてまた新しい事業計画が出てきた場合にさあどうするのかということを考えるべきでしょう。しかし、そういう時点で考えるべきではなくて、もうすでに六年も続いた協賛事業であり、特別協賛レースなんですから、もうこの辺で終止符を打って決着をつけるべきです。 先ほども申し上げましたけれども、この特別協賛レースというのは全く通常の開催日の例外的なものとして認められているわけですね。ですから施行規則の規定もまた日取りの特例ということになっているわけです。これを今後また十年間も続けていこうなんという、これは全く異常な事態だというふうに私は考えています。 運輸省自身も御承知のとおりに、昭和五十四年六月二十一日、公営競技問題懇談会、吉國座長ですね。それでこれは吉國意見書とも言われおりますけれども、総理府総務長官あての意見書が出ている。これによりますと、こういう特別協賛レースというのは、要するに「国民的行事に限る等基準を明確にした運用を行うこと。」と、こういうふうに指摘されているわけですね。そうすると運輸省は、このBG財団のいわゆるBGプラン、この遂行は国民的行事だとお考えになっていらっしゃるのですか。
○謝敷政府委員 BG財団の行っております事業は、私ども海事関係を所管する運輸省としましては、海洋国であります日本にとって特別の意義を有するということでこれまで協賛レースを認めたわけでございます。今後、BG協賛レースの開催期間の再延長をするかどうかという問題は、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、事業計画の検討結果を踏まえて検討することにしておりますが、その検討に際しましては、BG財団の行います事業の特別な意義を前提とするとともに、先生御指摘の公営競技問題懇談会の意見書の趣旨を尊重して検討したい、こう考えております。
○三浦(久)委員 いや、国民的行事と考えているのですかとお聞きしています。
○謝敷政府委員 公営競技問題懇談会の意見書では、先生御指摘のように「協賛レースの開催については、」「その対象を国民的行事に限る等基準を明確にした運用を行うこと。」と、こう書いてございます。私どもはBG財団の行っております事業の特別な意義を認めて協賛レースの特例をやってまいったわけでございます。したがいまして、今後これをどういうふうに取り扱うかという点については、内容を見、それからBG財団の行う事業の特別な意義を考え検討するということでございます。
○三浦(久)委員 そうすると、BG財団の仕事は特別な意義はあるけれども、ここの意見書に書かれている「国民的行事」ではない、そういうふうに承っていいのですか。
○謝敷政府委員 国民的事業と言い、あるいはほかの懇談会で国家的事業等と言っておりますが、私どもとしては、今後の基準づくりの上におきましてはこういうことを踏まえて検討してまいりますが、前から御答弁申し上げておりますとおり臨時特例であって、現在検討されておりますこの事業内容が前と同一プロジェクトの範囲に入るかどうかという点も十分検討してみたい、こう考えております。
○三浦(久)委員 どうも質問に答えてくれないのですね。この「国民的行事に限る等基準を明確に」——ですからこれは基準を明確にした一つの例示だと思うのですね。何か答えを避けられるのですけれどもね。ここで言っている「国民的行事」に該当するのかどうか、そういうことをお尋ねしているのですよ。どうなんですか。
○謝敷政府委員 従来の協賛レースの取り扱いにつきましてBGも含めて行ってきたことは事実でございますから、これが国民的行事であり、それに関連した事業であることは事実でございまして、それが全国的なつながりを持ち、海洋国家である日本にとって特別な意義を持つものを国民的行事と言うかどうかという点については定かに私答弁できませんが、従来はそういう範疇に入るものということで協賛レースを実施してきたものだと考えております。
○三浦(久)委員 認めたのか認めないのかわからないような、非常に歯切れが悪い。大体あなたたちは何か準国民的行事だみたいな言い方をして逃げるのだけれども、私は本当に冗談じゃないと思うのですよ。この吉國意見書が出されるまでの経過、この吉國意見書が出されるまでいろいろ議論があったでしょう。これが出された時点で協賛レースをやっておったのはどこですか。運輸省の競艇しかないでしょう。だから、結局は、こういうようないわゆる一民間の私的な公益法人に三百億円もの金を競艇の売り上げからどんどんつぎ込む。それで勝手に使わしておる。そういうような筋の通らないことはやめろ、そういう趣旨なんですよ。これが出てきた経過というのは、要するにBG財団に対する特別協賛レース、これをどうするのかということで論議をされて、そしてこういう表現になってきているのです。言葉は、BG財団はだめだとは書いていませんよ。それはあなたたちがやっていることだから、またこれもお役人ですから、だから、あなたたちがやっていることを名指しでもって言うというのは、それはちょっと控えておこう、これは武士の情けですよ。そういう武士の情けもわからぬで、いや国民的行事に入るんだみたいなそういうような言い方は私はいかぬと思う。あなたはさっきいみじくもこの意見書を尊重されると言った。尊重されると言ったでしょう。そうであればこれは「国民的行事に限る」ということになっているわけだから、そんなものは国民的行事じゃないんだから。そうでしょう。あなたたちが一般に国民的行事と言われているものがあります。たとえば海洋博とか万博、こういうものに幾ら金がかかっているか、私ちょっと言いますと、規模が全然違いますよ。海洋博の場合には政府の展示物、そういうものを入れて七百七十億円ですよ。そしてまた万博の場合は九百億円ですよ。これは一民間の私的な公益法人ですよ、笹川さんが会長で民法三十四条の、公の支配に属さない。それで六年間に使ったお金は百億円です。全然規模が違うのです。だから、笹川氏がやっているいわゆるBG財団の事業が国民的事業だなんというのは、全くこれはとんでもない議論だと私は思うのですよ。 そこで、通産省いらっしゃっておられますか。——私お尋ねしたいと思うのですが、また農林省にもお尋ねしたいと思いますが、いままでにどのような協賛レースをおやりになってきたのか。特別な協賛レースをおやりになってきたのか。それから現在そういう特別協賛レースをやっているのか、まずその点をお尋ねいたしたいと思います。
○三野説明員 お答え申し上げます。 特定の目的のために、法令に定められました開催回数等を超えまして競輪、オートレースを開催いたしましたものといたしましては沖繩国際海洋博覧会協賛レースがございます。具体的には昭和四十九年、五十年両年度におきまして、競輪につきましては延べ六十六競輪場、オートレースにつきましては延べ十の競走場において開催いたしまして、その収益の一部を沖繩国際海洋博覧会建設等の財源に拠出いたしております。この措置は五十一年三月三十一日をもって廃止いたしておりまして、以後協賛レースは開催いたしておりません。
○三堀説明員 私ども、地方競馬の場合におきましては競馬の開催日数あるいは日取りにつきまして特に協賛レースのための特例を認める規定につきましては設けておりませんし、これまでも設けられたことはございません。ただ地方競馬の主催者におきまして特別の行事等に協賛を行ったというふうな事例はございますけれども、この場合につきましては、年間の開催回数ないし日数の範囲内で行われました競馬の収益からその一部を協賛のために支出、充てておったというような形のものでございます。
○三浦(久)委員 いまお聞きになったとおりですよ。私はまた大変恐縮ですが通産省と農林省の方にお尋ねしますが、この吉國意見書で言われている「国民的行事」、この典型的なものはどういうふうなものが予想されるのか、ちょっとお尋ねしたいと思うのです。
○三野説明員 お答え申し上げます。 いわゆる吉國懇談会、総理府の公営競技問題懇談会の意見書の中にございます、協賛レースは「国民的行事に限る」とございますけれども、具体的に現在の段階では私の方にそういう案件が出ておりませんものですから、先ほど申しましたように、従来やりましたものは沖繩国際海洋博覧会のようなものであるということだけを一応申し上げます。
○三堀説明員 お答え申し上げます。 私どもの方も、これまでのところこうした協賛レースにつきまして特例的な規定は設けてなかった状況でございます。そういう状況の中で吉國懇談会の意見書での御指摘がございまして、昨年来総理府が中心になって関係省庁において、この意見書に対します対応等について検討されております段階でございまして、今後その中でこうした基準等につきましても私ども検討されていくものというふうに了承しております。
○三浦(久)委員 それぞれやはり運輸省をかばっているんですよ。これも私は武士の情けだと思いますね。ですから大臣、こういうように吉國意見書では「国民的行事に限る」と言っているわけですよ。そして私もいろいろ審議の状況を聞いてみた。そうすると委員の中からは、BG財団みたいにあんなにみだりにこの協賛レースはやっては困るんだ、オリンピックみたいなものに限らなければいけないんだ、そういう意見が出されているんですよ。そういう意見をまとめて、ここで国民的な行事八そういうものに限るんだというふうな結論が出ているわけです。だから運輸省が本当にこの吉國意見書の趣旨を尊重するというのであれば、私はいまでもこの告示は廃止すべきだ、BG財団だけに協賛レースを認める、そういう大臣の告示を私は取り消すべきだ、いや廃止をすべきだと思いますけれども、大臣の御答弁をお願いします。
○地崎国務大臣 海の行政を監督する運輸省といたしましては、海事思想の普及その他海洋の研究というようなものについての事業が伸びていくことは非常に歓迎すべきことでございますので、BG財団の財源で市町村の望むような施設をつくることはぜひやっていきたいという考え方でおるわけでございますので、御指摘の点ではございますが、十分検討さしていただきたいと存じます。
○三浦(久)委員 大臣、私も笹川良一氏が自分の金で自分の好きな事業をやるということになら何も干渉する必要はないと思っています。しかし一民間の公益法人ですよ。何の縛りもないのですよ。人事権も予算も握ってないのですよ。公の支配に属さないものなんですよ。そういうもの、公益法人だからそれは悪いことをするとは言わぬでしょう。しかしそんな公益法人は全国に何万とあるでしょう。運輸省の管轄だけだって数千あるはずですよ。海洋関係の問題だって海洋少年団というもの、同じ目的のものがあります。そういうものはそれぞれいい目的を持っている。海洋日本を育てるとかなんとかいう目的をみんな持っていますよ。しかしそのうち何でBG財団だけに金を出さなければいけないのかということですよ。それも運輸省が省令をつくり告示をやり、そうして一つ一つ特別レースを承認をしていくわけだ。そうやって、その売り上げを全部笹川氏に持っていくということですね。こういうやり方は私は行政を曲げていると思います。また後でもってどういう事業内容をやっているのかということについては私は指摘したいと思いますけれども、しかし大臣が考えているようなそんななまやさしいものじゃないということはいまここで申し上げておきます。 私は、いまも申し上げましたように、三百四十数億円の金を六年間に確保し、そのうち百億円しか使わない。現在ある流動資産だけで二百四十六億円もあるというような、こういうようなことに運輸省が手をかすというのはどうしても許せない。 たとえばこのBG財団の財産の推移、これをちょっと大臣聞いておってください。こんなにもうかる公益法人というのはないのじゃないですか。たとえば昭和四十七年ですよ。これは設立のとき、いわゆる資産が二千五百九十九万円ですよ。約二千六百万ですね。それが四十八年度には三倍の七千八百万、そして四十九年度はちょっとわからないのですが、五十年度、一年おいたら七千八百万の資産が昭和五十年には六十四億九千六百万、こうふくれ上がっている。さあ五十年度から五十一年に移りますと、これが倍になります。百三十一億円であります。五十二年度、百三十一億円から今度は二百十二億円です。五十三年度、二百十二億円から三百億です。こういうように驚くべき高度成長を遂げているのです。それじゃこれをみんな使っているのか、必要性があって使っているのかといいますと、使っていないのです。たとえば、毎年毎年言うとめんどうくさいから前期の方はちょっとまとめますが、第一期の四十九年度から五十一年度までこれの収入総額は百四十一億円ですよ。あなたたちがみんな一つ一つ承認をした協賛レースの水揚げです。百四十一億円で実際に使用した額は幾らですか、二十四億円じゃないですか。百二十一億円もため込んでいるのだから、現金とか株でもって。こんなに必要もないのに何で協賛レースをどんどん許していくのですか。五十二年度収入は、これは一年間で七十四億円です。七十四億六千五百万だ。実際に使ったのは半分じゃないですか。半分もない三十五億円じゃないですか。三十九億三千八百万が余っておる。要らない金なんだ、これは。五十三年度、収入が九十七億円であります。実際使ったのは幾らか、四十一億です。地域センターをつくるといったことでこのころ一生懸命つくっておるわけだ。それだってたった四十一億円しか使っていない。半分以上、五十六億四千三百万というのは余っておるじゃないですか。五十四年度はもっとひどいでしょうけれども、まだ五十四年度の決算は出ていないというから、これは推測しかできませんけれども、実際に収入の半分も使わない。最初の段階ではどうですか、ほとんど使っていないのだ。その事業をあなたたちが必要だと認めて、財源の確保をしなければならない、仮にそう思った場合でも、その事業に必要な限度に限るべきじゃないですか。ですから、あなたたち自身が事業の遂行状況を見ながら、協賛レースの回数をどのぐらいにしたらどのぐらいの財源が得られるということでもって調整をすべきでしょう。それを、たとえば昭和四十九年度はこの協賛レース百三十三日やっている。ところが五十年度は百四十四日、五十一年度は百五十六日だ。五十二年度は二百十六日だ。五十三年度は二百六十四日、五十四年度も二百六十四日、毎年毎年ふやしておる。何のためにこんなに特別協賛レースをやらせなければいけないのですか、何で必要な限度に抑えないのですか、その点大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○謝敷政府委員 ただいま先生数字をお挙げいただいて御説明をいただきましたが、私どもが協賛レースを開始しましたときは、先生おっしゃるような規模のものを事業計画として認めて、それに必要な金額を各施行者、船舶振興会等から協賛をするということでございますから、収入としてもうかるという表現とは違いまして、当然収入の予定をしております。したがって、あとは問題はその収入によって支出が適確に行われているかどうかという問題が残るかと思います。 この点につきましては、当初二つの大きな事業のうちで一つは体験航海、もう一つは先ほど来御説明しておりますブロックセンターと地域センターの整備、この二つでございます。体験航海は、当初は船を建造して自前の船で体験航海をするということを計画したのでございますが、検討してみますとむしろチャーターの方がいいということで、残っている金はこういったチャーターの基金とそれから実際の今後の運営の基金と、あとは問題は地域センターの整備がおくれていることは事実でございます。したがいまして、当初の計画どおり地域センターを進めるということで、発生する金利も含めまして適確に事業を遂行していく、こういうことを考えておる次第でございます。
○三浦(久)委員 そんなこと言いわけにならぬよ。六年間にわたって半分も使っていないのだよ。四十九年度から五十一年度までは、これは民法上の法人で一般的な監督権しかない。しかしあなたたちは五十二年度から、それじゃまずいというので通達を出しているのでしょう。これから事業計画は全部承認します、承認したものしかやってはいけないと。一体何を指導しているのですか。五十二年度だって、ちょっと予定が狂ったとかそういうような問題じゃないのですよ、謝敷さん。七十四億円も入っておって三十五億円しか使わない。五十三年度は、九十七億円入って四十一億しか使わない。調整ができるのじゃないですか。必要のないものに何でこんなに金を出さなければいかぬのですか。 たとえば基本財産でもそうだ。いま六十五億からあるでしょう。その利息でもって一般管理費賄うと言っているけれども、一般管理費は毎年毎年余っちゃっているじゃないですか。それが余るというと、今度は一般管理費の準備金か何かにまた突っ込んでしまう。用船の問題だってそうですよ。三十億円も基金をとる、その利息で用船するんだ、こう言う。ところがそれは余っているでしょう。余るとまたどこか準備金に突っ込んでしまう。一体これは何ですか。ということは、基本財産も多過ぎるし、また用船の基金も多過ぎるということなんだ。 私は余り細かいことを言っていると時間がありませんから、この経理の内容、そしてBG財団がこういうように物すごく金をため込んだというこの手口、運輸省のやり方、こういうものについては、また機会を改めてじっくり追及したいと思います。きょうはちょっと全般的な問題を触れさせてもらわなければいけないので次に移りたいと思いますけれども、これはあなたたちが事業に必要な範囲内に調整をするべきなんです。これは規則でもできることになっているでしょう。三条の四の二項では何々以内、たとえば六日以内とか十二日以内とするというふうになっているわけであって、十二日やらさなければいかぬとか六日やらさなければいかぬとかということにはなっていない。その範囲内で、あなたたちが事業の遂行状況を見ながら調整していけばいいことになっている。そういうことも何もやらない。あれは公金ですからね。地方公共団体のお金なんですから。そういうものを必要のないところにどんどん出す。いま地方財政は非常に逼迫しているでしょう。均てん化と言うのであれば、こんなことに金を使うべきじゃないと思うのです。均てん化としてはもっと有効な使い方があると私は思います。要するにあなたたちはいままでBG財団の言いなりになって、私に言わせれば、あなたたちは一体笹川さんの何なのさと言いたくなるような指導しかしていないということが言えると思うのですね。 先ほど大臣が言いましたけれども、大臣、あなたはBG財団がやっていることは大変いいことだ、こういうふうに言っておられるわけですね。確かにその目的は寄附行為に書いてありますね。「主として青少年を対象に、海洋性レクリエーション事業を軸とした実践活動を通して、海事思想の普及をはかる」とか、またそれを実行するためのBGプランとしては、施設の整備、指導者の養成、組織づくり、そして海洋レクリエーションの提供、この四つの柱から成り立っています。 ところが大臣、この組織づくりというのは、私もちょっと調べてびっくりした。九つのモデル都市をつくっているのです。これはBGプランの推進のモデル都市です。体育館をつくってやる、プールをつくってやる、艇庫をつくってやる、そういう総合グラウンドをつくってやるとか、テニスコートをつくってやるとか、そういうことをえさにして、そして、おまえのところはモデル都市になれ、こういうことです。九つ指定しています、もう組織づくりは終わっているようですけれども。ところが、その組織づくりの実態というのは、もう自治体ぐるみ巻き込んでいるわけです。 ここに広島県の府中市が出している府中市BGプラン実施計画書というのがあります。これの組織図を見てみます。そうしますと、まず府中市BG運動推進本部というのができます。そして、これは府中市議会から商工会議所、市内の事業所、それから、市はもちろん、教育委員会もこれに入る。その下に今度は府中市BG運動推進連絡協議会というのがある。そしてまた、その傘下に、PTAから、小学校、中学校、高等学校の体育連盟から、老人クラブから、町内会から、青年団から、婦人会から、全部組織しているのですよ、このBG運動の推進のために。こんなことが許されるのでしょうか、大臣。ちょっとこのコピーがありますか。ございますか。ごらんになってください。 これは社会教育です。社会教育というものは、これは地方自治体の仕事でもあるのですよ。そういう社会教育をやる地方自治体が、まるっきりBGの指導のもとにそういう社会教育をやらなければならないということです。こういうことは地方自治の本旨に反するし、また、地方自治法に、地方公共団体の事務はみずからの判断と責任において実行しなければならないという項目がありますけれども、そういう法律に違反すると私は思うんだな。何であなたたちはこんなことをさせなければいけないのですか、事業計画をみんな承認しているようですけれども。何であなたたちは、こんな自治体の教育委員会までも傘下におさめる、そしていわゆるBG運動に参加をさせるというようなことまでさせなければいけないのですか。大臣、答弁してください。
○西村説明員 広島県府中市におきます、BG財団が行いました組織モデルづくりにつきましては、ただいま先生が御指摘のように、その報告書に詳しく盛られております。私ども、この経緯につきまして考えますと、BG財団のそのような運動の趣旨に地方自治体としてきわめて強く賛同して、そして、みずからの発意で組織全体を挙げてやったもの、そして、これはまた、BG財団の活動が、特に海洋性レクリエーション、スポーツを中心にやるものでございますので、その点では、恐らく市の方としまして、社会教育の一環としてこれを市側は評価して、このような市全体としてやるという形になったものと思います。
○三浦(久)委員 だから、そこが問題じゃないですか、これはBGプランの推進なんだから。市とか教育委員会が一民間団体のそういう運動方針をそのまま受け入れて、BGプランの推進を教育委員会も市も挙げてやるなんて、そんなことは完全に違法行為ですよ。あなた、何を言っているんですか——何もあなたに答弁を求めてないよ。 大臣、これは非常に重大な問題だと私は思うのですよ。社会教育というのは、教育基本法の第七条に規定されています。国も地方自治体もこれを奨励しなければならないというふうになっている。しかし、そういうものをやる場合には、第十条で何て書いてありますか。教育というのは、不当な支配に服することなく、国民に対して直接責任を負う、こういうふうに書いてある。一体、このやり方は何ですか。BG財団の指導のもとにやるのですよ、BGプランの推進なんだから。これは完全に笹川の支配下に社会教育を置くということじゃありませんか。私はもう実際恐ろしいことだというふうに思っていますが、大臣、御答弁いただきたいと思うのです。
○西村説明員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、BG財団側が広島県府中市の教育を支配するというような事実もございませんし、市自身が主体的にそのようにBG運動を評価して行ったものであれば、地方自治の本旨に反するという先生の御指摘は当たらないと思っております。また、教育の中立性ないし不当な支配につきましても、BG運動が特定の政治的な立場を宣伝するものでもございませんし、また事実、教育の自主性について何ら干渉したという事実もございません。私どもは、この点については府中市が主体的に行ったものと理解しております。
○三浦(久)委員 では、あなたがそういうことを言うなら——もう時間が余りないのだけれども、いいかな、三十分ぐらい超過しても。 これは特定な思想の普及じゃないと、あなたはいま言いましたね。そうじゃないのですよ。たとえば「世界は一家、人類は兄弟」そういう思想に基づいてこのBGプランを推進するのですということを、ちゃんとこの「B&Gプラン」というのに書いてある。「世界は一家、人類は兄弟」、私は、このことは笹川さんの信念だから、そのことについてとやかくは言いませんよ。しかし、こういうものを公金を使った海洋センターにみんな石碑で打ち込んでいるじゃないですか。そしてまた、その後ろには水六訓が書いてある。そして、笹川良一の名前が書いてある。水六訓だって、生命の源は水だとか、いろいろ書いてあるでしょう。これだって特殊な思想でしょう。生命の源は火だと言う人がいるかもしらぬ。それからまた、海でもって子供を殺したりいろいろした人は、海を見たらいやな感じがするでしょう。ですから、海が必ずいいとか、海が何か生命の源泉だとか、水六訓をみんな読んでいると時間がないから言いませんけれども、「世界は一家、人類は兄弟」とか水六訓とかいうようなものは、これは笹川氏の個人的な思想なんです、個人的な考え方なんです。府中市でも、モデル都市はみんなこれに賛同させられているわけですよ、その体育館が欲しいがために。そんなことは、あなたが言っているようなきれいごとじゃない。それはモデル都市にしても本当に心から心酔してこんなものをやっているのじゃない。だれがこんな膨大な組織をつくりますか。施設が欲しいから、つくっているのですよ。われわれも調査しているから、きょうは時間がないからまた後でゆっくり別の委員会でも私はやるようにしておるから、別の委員会でもじっくりやります。あなたの得意な憲法問題もこれからまたじっくりやらしてもらうから……。しかし、これは特定な思想だということは間違いない。 そしてまた、BGクラブというのを組織しているでしょう。もうクラブ員が一万数千人おる。そして、組織づくりの基本は、こういうモデル都市をつくって都市ぐるみやるという問題と、もう一つは、個別にBGクラブをつくること。青少年をBGクラブに入れているでしょう。そのBGクラブの規約を見てごらんなさい。ここにありますけれども、「クラブ員は別に定める「B&Gクラブ訓」を守らなければなりません。」その「B&Gクラブ訓」というのはどういうものですか。ここに大きく黄色で書いています。これは「B&Gプラン」五十三年六月に発行されたものです。この「B&Gクラブ訓」というのは五つありますけれども、一番最後にはこれまた、世界は一家だ、人類は兄弟だ、クラブ員はこういうことを守らなければいけないのですよ。これはいわゆる海洋性レクリェーションの実践を通じながら、特定な思想でもってずっと組織をつくっているということなんですよ。こういう特定な思想の普及に自治体であるとか教育委員会であるとかが協力をしている。それもまた全部公の金でやっているんだ。公金でやっているのです。そういうようなことは私は絶対にやめなければならないというふうに考えておるのですけれども、大臣いかがですか。
○地崎国務大臣 世界は一家、人類はみな兄弟という考え方は決して悪い考え方ではないと思うわけであります。また、水六訓に触れられたわけでありますが、水の重要性、危険性あるいは水に対する物の考え方、こういうものに対して理解を示すということも決して悪いことではないと思うわけであります。したがいまして、それぞれの市民、町民がその考え方に賛成をするということについては、一々それを批判しあるいは否定するという考え方は持っておらないわけであります。
○三浦(久)委員 私はそんなことを言っているのじゃないですよ。世界は一家とか人類は兄弟という考え方が悪いとは言っていない。しかし、そういう考え方を持っていない人もたくさんおるのです。これは笹川さんの考え方なんだということ。そんなことを言っておる人間は笹川さんしかいないでしょう。笹川さんがどういう考え方をお持ちになるかは自由だ。それに多くの人が賛同する、それも結構なことですよ。それは政治活動の自由、また思想、信条の自由、結社の自由ですから、それは自由ですよ。だけれども、そういうものに公金を出してやっているのですよ。おんぶにだっこですよ。全部、振興会から行く金と、あとは特別協賛レースで行く金なんですよ。公金なんです。そういう公金でもって特定の人の信念、思想、それがいいか悪いかは別です、そういうことの普及のために公金を使っていいのですかと聞いているのです。特に、世界は一家、大臣はこれを何か大変いい感じとして受け取っているようですけれども、私たちは戦争の経験がありますから、やはり八紘一宇という考え方じゃないのかなとか大東亜共栄圏というような考え方じゃないかな、そういうふうなことをふっと連想しますね。これは連想しない人もいるでしょう。だから私は、その内容がいいとか悪いとか言っているのじゃないのです。こういう特定の思想を普及するために運輸省が何で公金を確保してやらなければならないのかということをお聞きしているのです。
○西村説明員 ただいま、「世界は一家、人類は兄弟」という笹川良一氏の常々提唱している言葉についていろいろと御示唆をいただいたわけですが、私どもこれを案ずるに、これは国際社会における協調の精神及び人類愛という普遍的原理を笹川氏固有、独特の表現で言ったものにほかならないので、それをもって直ちに特別の思想ないし信念の宣伝普及というようなふうには受け取っておりません。また、BG財団ということの活動から申しますと、これは広く海洋性のスポーツ、レクリエーション等海事思想の普及を中心としております。これはきわめて国際的な場において物を理解するという精神が必要でございます。そういう意味から言って、BG財団においてこのような言葉を取り上げたからと言って、それが直ちに不適当であるというような問題には当たらないと理解しております。
○三浦(久)委員 大分運輸省が笹川良一氏にいかれておるということがようくわかりましたよ。 もう時間がないから一問だけ聞きます。このBG財団というのは社会教育法にいう「社会教育関係団体」に該当するのですか。
○西村説明員 社会教育法にいう「社会教育関係団体」に当たるとは考えておりません。
○三浦(久)委員 その理由は。
○西村説明員 社会教育法におきまして、社会教育関係団体につきましては第十条で定義しております。そこでは「この法律で「社会教育関係団体」とは、法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。」というように定義してあります。そして、このBG財団が公の支配に属するか属さないかにつきましては、先般この委員会で議論させていただいたところで、私どもは、これについては、公の支配に属するか属さないかについては必ずしもよくわからないというような基本的な考え方で申し上げました。しかし、仮にBG財団が公の支配に属さない団体であるといたしましても、次の「社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とする」団体であるとは理解しておりません。すなわち、BG財団が行っております多くの事業、これらは社会教育事業に当たらないと理解しております。
○三浦(久)委員 なんでですか。理由を言ってもらおう。
○西村説明員 一つ一つ申し上げるのは非常にむずかしいかと思いますが、少なくとも教育というものは、教えられる者がその教えられるところに従って主体的に取得すべき知識とか体力の育成とか、あるいは人格の形成も含まれるかもしれませんが、それらが教えられる者にとって主体的に必要とされるものを教育する、こういうことに本質があると思います。 ところでBG財団の場合はどうかと申しますと、海事思想の普及のためにもっぱらこれを行うものでありまして、それが形式的に教育に類似するからと言って、これをもって社会教育事業であると論ずるには当たらないと思います。
○三浦(久)委員 全くの詭弁だね。あなたは憲法第八十九条にいう教育の事業に当たるかどうかということを念頭に入れてやっている。あなたのこの前の答弁で、社会教育というのはうんと広いんだ、だから社会教育の全部が憲法八十九条で禁止されている社会教育事業に当たるかどうかというのは問題があるんだ、限定されるべきなんだ、こう言っている。そのことをいま言っているわけだ。社会教育というのは社会教育法に書いてある。BG財団がやっているのは社会教育じゃないなんということは、これはどう見たって詭弁ですよ。あなたと一つ一つやり合っていると本当に時間がないので、また法務委員会ででもゆっくりやりましょう。 しかし、私の意見だけ申し上げておきますと、社会教育というのは「主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)をいう。」のですね。そうすると、BG財団は組織的でしょう。BG財団の活動が組織的でないなんて言ったら、組織的な活動は何もなくなってしまう。そして、組織的に行うレクリエーション活動、体育活動、こういうものは社会教育なんですよ。この「寄附行為」に何て書いてありますか。「寄附行為」自体を見たって、「海洋性レクリエーション事業を軸とした」でしょう、それを「通して」でしょう、「海事思想の普及をはかる」そういうことを言っているわけでしょう。そうすれば、これが海洋性レクリエーション活動を組織的にやっている団体だというのは、組織的にやっていることははっきりしているじゃないですか。そして、それを主とした目的としてやっているというのが社会教育関係団体。これは主としているでしょう。主としていないのですか。いいですか西村さん、海事思想の普及というのは海洋性レクリエーション活動を離れては存在しないでしょう。実際の事業を見たってそうじゃないですか。海洋性レクリエーション活動があり、それに付随して機関誌の発行とかその他の広報活動があるわけであって、その運動の主体は海洋性レクリエーション活動なんです。それが主なんです。海事思想の普及というのは、そのレクリエーション活動が即海事思想の普及という側面を持っているわけで、そんなことはあたりまえのことなんですよ。ですから、これは、時間がなくなりましたので、また法務委員会ででもゆっくり、じっくりやりましょう。 終わります。
○古屋委員長 次回は、明後二十五日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十一分散会