運輸委員会 第9号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/04/08
会議録
○古屋委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、船舶のトン数の測度に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 私は、船舶のトン数の測度に関する法律案の質問をいたすわけでございますが、外務省からおいでいただいておりますので、まず最初に伺いたいと思います。 今国会の外務委員会に千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約の締結について承認を求める議案が提出をされております。この条約承認の案件と今般運輸委員会で審査をするこの案件は、それぞれ相関関係があると思うわけでございます。 承りますと、国内法の整備を条件にして、すなわち国内法がこの条約の内容に伴った改正、整備が行われた段階で、外務委員会においてもこれを議決をする、どちらが先かといえば国内法の整備が先であって、これを待って外務委員会の議決が必要になり、初めて条約が発効する。発効にはまだ問題がありますけれども、条件が整うというように聞いておりますけれども、そのように解釈してよろしいか。
○関説明員 先生の御了解のとおりで結構かと存じます。
○斉藤(正)委員 外務委員会に提出されている条約の表題が示しておりますように、一九六九年、国際機関において調印がなされている内容でありますけれども、外務省側としてこの一九六九年からいま一九八〇年でありますが、今日まで約十一年の間、国内法の整備がおくれたために条約の国会議決ができないということについて、外務省として不満というとなんですけれども、そういう気持ちは毛頭ございませんか。いかがでございますか。
○関説明員 お答え申し上げます。 この条約の発効の要件といたしまして、国の数それから加盟する国の船腹のトン数、この二つの条件がございます。現時点におきましては、国の数につきましてはすでに四十一カ国入っておりますのでいいわけでございますが、世界の全船腹量に占める加盟国の保有船腹量がまだ要件に達しておりません。日本が加盟いたしますと、やっとそちらの方の要件も満されることになるわけでございます。主要海運国は大部分入っておりますけれども、まだフランスとかあるいはアメリカが未加盟でございますし、やはりこの発効要件が整うまでに相当時間がかかっておりましたために、日本だけが主要先進国としてこの条約の未発効について非難される、そういうようなことはなかったのではなかろうかというふうに了解いたしております。
○斉藤(正)委員 この種の条約の発効について、他の条約を見ても、わが国が承認をすれば効力を発生するというような場合が間々ある。キャスチングボートといいますか、いろいろな条件がありますけれども、わが国の承認によって条約が発効するようなケースが多いのだというように聞いておりますが、外務省としては、一般的にどういうように把握をされておるのでありましょうか。
○関説明員 最近の日本の国際的な地位の向上とかあるいは経済力の向上に伴いまして、いま先生御指摘のようなケースがふえてきつつあるわけでございます。本国会で御審議をお願いしておりますたとえば微生物の国際的な寄託に関しますいわゆるブダペスト条約というものがございますが、これもやはり日本が加入いたします五番目の加入国として発効するというような状況にございます。一般的には、日本が今後国際的な地位の向上、経済力の増大等の要因によりまして、そういうキャスチングボートを握るような条約とか協定がふえていく傾向にあるということは言えると思います。
○斉藤(正)委員 そのキャスチングボートという言葉は大変いいので、わが国の世界的な経済的あるいは政治的な地位の表現の一つの方法かと思いますけれども、しかし、必ずしもそうばかりは言えない。国際信義の上から言いましてもどうかなというような素人考えもあるわけでありますけれども、そういう点について外務省はいかがでございますか。
○関説明員 お答え申し上げます。 国際協力を推進する立場から、特に日本が最近国際的に大きな責任をいろいろな分野で持つようになってきておりますので、日本が加入を適当とするような条約とか協定がございました場合には、積極的にそれに加入して指導的な役割りを果たすということは非常に大事なことではないかと思うわけでございます。この条約につきましても、日本は一大先進海運国でございまして、外務省といたしましても、できるだけ早くこれに加わることが日本の国際的な立場上も非常に有益であるという考え方をとっておりまして、国内法制上の手当てが進み次第、できるだけ早くこれに加入いたしたいという希望を持っているわけであります。
○斉藤(正)委員 前段申し上げましたように、国内法の整備が条件であって、本法案が衆参両院を通過、議決をされた段階で外務委員会にかかっている条約案が批准をされると思うわけでありますけれども、外務委員会のことをあれこれ言うつもりはありません。外務省の考え方として、もしこの法案が今国会のある時期で成立をするということになりますれば、条約案の方の成立も間違いないのかどうなのか。これは外務委員会の問題でございますので外務省としてあれこれ言えないと思いますけれども、願望を含めて条約の成立の見通しについて御意見があったら伺いたい。
○関説明員 お答え申し上げます。 外務委員会の方では今国会で御審議いただくようにお願いしておりまして、外務省といたしましてはぜひとも今国会で御承認をいただき、日本の加入を実現させたいものと思っております。特に国内法制面の手当ても運輸省の御尽力のおかげで進んでおりますので、この機会を逃さずにぜひともこの条約に加盟いたしたいというふうに私どもは強く希望いたしております。
○斉藤(正)委員 続いて運輸省に伺います。 一九六九年以来十一年間慎重配慮をしたあげく今日の法案提案になったというように思いますけれども、一九六九年十二月十日にロンドンの国際機関で署名手続は終わっているというように思うわけでございます。いま外務省筋からもそれらしき説明がございました。しかし素人考えでは、十一年間も国内法の整備に費やしたことは長過ぎるのじゃないか、国の数あるいは船舶の総トン数に占める割合等々、条件はありますけれども、十一年間国内法の整備がおくれてきた理由というのは特に運輸省側にあるのでございましょうか。
○謝敷政府委員 お答えをいたします。 船舶のトン数を国際的に統一しようという動きは実はかなり古うございまして、戦前からあったわけでございます。もともとトン数のはかり方については十九世紀にイギリスが決めまして、それを基準にして各国やってきたわけですが、その間ばらばらになり始めてきたということで戦前から統一の動きがありまして、戦後間もなくオスロ条約その他を通じて国際的に統一しようという動きがあったわけでございます。わが国もこれに対応いたしまして、昭和三十九年に運輸省の造船技術審議会に諮問をしながら、具体的な技術的な内容の検討をして条約に対応したわけでございます。その結果、現在の条約に見られます決め方が定まったわけでございますが、これは言うなれば船舶のトン数のはかり方を内のりから外のりに変えるという画期的なことでございます。それと同時に、現在動いております船との均衡を保つという苦心の策でございまして、技術的には世界じゅうの船の資料を集めて統計的に処理をしたということが一つの問題になっております。統計的な処理をいたします場合に、少なくとも国際的航海に従事する船はこういった統計上に載るわけでございますが、各国とも国内を走っております比較的小型の船におきましては、船の構造の骨組みを形成しておりますはりとか肋骨とか、そういったものの寸法が内のりから外のりに変わることによりまして大型船に比べて影響が大きいということが一点ございます。したがいまして、こういった内のり寸法が船の構造なりによって影響されるものですから、船の種類なり船の構造なりによって変わってくるわけでございます。各国それぞれ小型船については国内の周辺の海域に適した船の構造、種類になっておりますので、ばらばらになっておるというのが実態でございます。わが国としましては、全体の条約の成立のために、大型船についてある一定の係数を掛けることによって合えば、あと国内を主として走る小型船については別途検討するというたてまえで、条約に署名をして帰ったわけでございます。 先生御指摘のように十一年間かかっているわけでございますが、これは同じように国内におきまして主として小型船の資料を一定の件数までまとめるのに数字を集め、統計的な処理をし、関係業界とのすり合わせあるいは関係省庁とのすり合わせに時間がかかったということでございまして、この間の資料の収集、統計処理、調整について、御理解をいただきたい、こう思うわけでございます。
○斉藤(正)委員 一九六九年ロンドンで国際会議が持たれて、わが国からも代表が派遣をされ、審議をし、調印してきているわけですね。当時の全権団というのはどういう方々であったのですか。
○謝敷政府委員 先生御承知のように、船舶のトン数は海事に関する制度の全般にわたるものですから、その運営を的確にするという意味で、先ほど申し述べましたように、日本におきまして広く各界の意見を聞いたわけでございます。したがいまして、代表団の構成といたしましても、これらが十分反映できますように日本におきます関係者を網羅したということでございます。会議の性格にかんがみまして代表といたしましては、在連合王国大使館の特命全権公使、当時の運輸省の船舶局長、それから代表代理、以下関係省庁、海運、造船界の代表を含みます十九名で代表団を組織をして、調印をしたわけでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、代表は、当時ロンドンに駐在していた公使、これを補佐する意味で当時の船舶局長、さらに業界といいますか、その代表も含め、全権団を組織し、各界各層関係者の意見をひっ提げて乗り込んだというように解釈してよろしいか。
○謝敷政府委員 そのとおりでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、その前に十分なヒヤリングというかワーキングというか各界ともやって、結論を持って乗り込んで、こういう内容ならば差し支えないという自信と確信を持って調印をしてきたということでよろしいわけですね。
○謝敷政府委員 条約の規定ぶりにつきましてはそのとおりと了解しております。
○斉藤(正)委員 この際、内のりから外のりに船舶のトン数の測度の方法が抜本的に変わったわけでございまして、関係者ではある程度の意見があったと思うわけでありますけれども、日本の全権団の発言によって条約の内容が変わったとか、あるいは、変わらないにしても確認をされたとかいうような面はあったのでございましょうか。もちろんこの国際機構そのものが各国の代表めいたものを含めて素案をつくっておったのではないかと思うわけでございますけれども、そこら辺はいかがでございますか。
○謝敷政府委員 先ほど冒頭にお答え申し上げましたように、国際的に総トン数を統一しようという動きは戦前からかなり長く続いておったわけでございまして、この国際会議におきましても前後二十数回の技術協議会が持たれたわけでございます。その中で、その前の一九四七年、昭和二十二年に締結されましたオスロ条約というのが、これは北欧の国々を中心とした条約でございますが、それが一つの素案でございます。それからもう一つ、各国ともそれぞれ技術的なあるいは統計的な資料をもとにして具体的な項目について、特に総トン数それから純トン数あるいはその決め方そのもの、いま私は単純に内のりから外のりと申し上げましたが、その過程では排水量等々のほかの基準も用いるような案が出てまいっております。わが国としては基本的には容積を基準にするということで日本側の統計資料をひっ提げて個々の具体的な係数あるいは方式については十分わが方の意見を申し述べたわけでございまして、そのもとになりましたのは、私が先ほど申しました造船技術審議会におきまして三十九年以来四十四年まで、条約の寸前まで議論を重ねまして非常に膨大な建議も受けて、それをもとに議論をした、こう御理解いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 先ほども説明がありましたように加盟国といいますか、締約国ではもうすでに条件が満たされているけれども、船舶の総トン数においてまだ不十分であった。わが国が加盟することによってトン数も満たされ、いよいよ二年後に発効ということのようでありますけれども、今回そうしたキャスチングボートめいた立場にあるわが国が批准に踏み切った理由というようなものは、いままでの説明からもほぼわかるのでありますけれども、もう一度御説明願いたいと思います。
○謝敷政府委員 船舶の総トン数あるいは純トン数等のトン数と申しますのは、海事行政のもろもろの法律の基準となる手法として使われておりますので、これが国際的に統一されますことは、少なくとも国際航海に従事する船が相互に利便を得るという意味では海運国であり造船国である日本としては一刻も早く批准し、発効することが望ましいわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、この法律案の成立によりまして、少なくとも国際航海に従事する船につきまして国際的に統一された基準でトン数がはかられ、また内航船等におきましても内のりから外のりに変わることによりまして外形上の大きさが総トン数なり純トン数をより的確にあらわすことが望ましい、こう考えておりますので、この際、私どもとしましては、国内の関係省庁、関係業界との調整を終わりましたので、ぜひこの法律案を成立させていただきまして、この条約が発効することは日本の世界におきます立場はもちろん、私どもの測度行政の上からも非常にメリットがある、こう考えております。
○斉藤(正)委員 わが国は実質的には世界最大の商船隊を持っているのでありますけれども、もしわが国が加盟しなくても、よその国が必要トン数を含めて加盟し、必要条件が満たされれば効力を発生するわけですね。その場合、わが国が正式な加盟をせずによその国が加盟をして効力を発生した、わが国は加盟していない、まだ承認をしていないという場合にデメリットみたいなものがわが国にあるのでございましょうか、いかがですか。
○謝敷政府委員 この国際条約の批准が日本がおくれて他の国が批准することによって条約に規定しております二十五カ国、六五%が満たされた場合を考えますと、まず条約によります国際航海船に対します国際トン数証書の発給が条約及び国内法の整備が終わっておりませんとできないということになります。この場合、外国に参りました場合に具体的には同条約のトン数の測度を外国の港で再度やり直すというようなことも起こることがございますが、基本的には、海運国、造船国としての日本の立場を考えますと、そういった具体的な問題のほかに、やはり日本の立場として余り望ましくない批判が出てくるというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 そうしますと、条約発効の寸前にきているこのチャンスをとらえて海運国日本もこれに正式に加盟し、そうした不利、不便さを排除することができるという意味でこの際踏み切ったというように解釈してよろしいか。
○謝敷政府委員 そのとおりだと考えております。
○斉藤(正)委員 次に、国際条約の締約国となっている諸外国において内航船舶のトン数の測度基準としてどんな方式を採用しているか。わが国は今度のこの条約に基づいて内航船舶についてもほぼ同じ方式を採用するというように思うのです、二つも三つも物差しがあったのでは不便でございますから。諸外国の例で違った内航船の測度法をやっているというような国があるのでございましょうか、その点伺いたい。
○謝敷政府委員 トン数条約のすでに締結国となっております諸外国におきましても、条約の国内法につきましては目下検討中のところが大部分でございまして、この点は、条約と国内法との関係が必ずしも日本と同じように同時にやられるということではないように聞いております。したがいまして、測度の基準については条約方式を採用することになることは当然でございますが、内航船舶のトン数を条約方式どおりのものにするかどうかについては、それぞれどうもまだ検討中という国が多いように聞いております。例を申し上げますと、オスロ条約にいち早く加盟し、言うなればオスロ条約のリーダーでございますノルウェーにおきましても、国内法の適用に当たってはわが国と同様に、内航船について条約方式によります総トン数を修正した総トン数を使うということを検討しておるというふうに聞いております。
○斉藤(正)委員 これは条約そのものには関係ないわけでございますけれども、この条約に基づくトン数測度が内航船においても当てはめられるということは、私は海運行政からいって当然なことだというように思うわけです。しかし、それについては関係業界の意見もありましょうし、一挙に一本にまとめるということの可否については問題もあろうかと思います。いまお話のありました海運先進国の一つであるノルウェー等においても、純粋にこの測度法に基づくものではない点も多少あるというように伺ったわけですが、わが国においては全く問題なく、この一本の物差しで内航船にも適用するということが可能である、関係方面の了解も得ているというように受け取ってよろしいか。
○謝敷政府委員 条約の国内法化に当たりまして、問題を国内のみに航行する船にしぼりました場合に、二つ問題点がございます。 一つは、測度の基準といいますか、測度のはかり方の方式を、先ほど御説明申し上げましたように、内のり方式から型容積、平たく言いますと外のり方式に変えるという点においては、これは関係の省庁、関係業界も原則的に全面的に賛成をしたところでございます。問題は、トン数を算出いたします場合に、型容積をはかってそれにある係数を掛けます。この係数につきましては、主として、国際的な統計処理をしたものですから、大型船については条約どおりの係数でよろしい、小型船、まあ四千トン未満というふうにお考えになっていただいて結構かと思いますが、それ未満につきましては、条約の係数どおりでは現行方式よりも大きく出てくるということでございまして、この調整を、現在の方式によりますトン数と条約方式によって出てまいりますトン数との間にどういう係数を用いれば現存船と条約発効後の新造船との間に著しい不均衡がないかという点が時間がかかったところでございまして、この点について、国内的に船の種類、それから大きさ別に資料を集めて統計的に処理をして、今回ようやくある一つの係数をつくり出しまして、それについて関係省庁、関係業界との間の説明、討議、話し合いのうちに調整ができた、こういうことでございまして、二つございまして、内のりから外のりに変える分については初めから原則的に賛成でございまして、あとは係数をどうするかというのが問題だったわけでございます。
○斉藤(正)委員 この資料によりますと、三千九百六十二総トンの場合が国際総トン数の対比においてもほぼ一〇〇であって、約四千トンを境に、それ以上の大型船とそれ以下の船では、今度の外のり方式によりますと、おっしゃったとおり違ってきていますね。百九十九トンの総トン数の船は二百九十六トンになってしまうし、四百九十九トンの船は七百二十六トンになる、六百九十九トンの船は七百九十八トン、九百九十九トンの船は千三百五十二トンになるということで、これでは四千トン以下の船に過酷だということで、それぞれ〇・六三とか〇・六七とか〇・七〇とか〇・七四とかという係数を掛けて、ほぼ現行総トン数になるような総トン数を出していますね。私は、これは作為的に係数をつくったと思うのです。だけれども、素人でわからないのですけれども、この条約の第三規則のGT=K1Vという数式があります。このKという係数を乗ずる理由というのは、いま説明をいただきましたことと同じなんですか、それとも違うのですか。これとは若干違うような気もするのですけれども、そのKという係数を出した理由、根拠をお知らせください。
○謝敷政府委員 法律では、先生御指摘のように第四条で「運輸省令で定める係数」ということで、条約の方に先生御指摘のK1Vというものがありまして、Kというのが国際的に検討いたしました係数でございます。 このK自身はどうやって出てきたかと申し上げますと、内のり容積から外のり容積に変えたことが一つと、もう一つは用途による控除をなくしたということで、したがいまして、型容積が内のりから外のりに変わりましたから、おのずからこのVという容積の数値が基本的には大きく出るわけでございます。これが現存しております船の総トン数と余り著しくかけ離れますとスムーズに新条約方式に移れないということで、国際的に申しましても——これは国際航海に従事します実船の資料を技術委員会におきまして各国から取りまして、それを統計的に処理をして、議論をした上でこの係数が出てきたわけでございます。 この係数で、先生御指摘のように四千トン以上は比較的合うということで、四千トン以上、主として国際航海に従事するものはこれだけでよろしいわけでございますが、四千トン未満の、主として国内を走ります内航船等につきましては、国際的にも統計資料がその時点では集まりにくかったということで、これはそれぞれ各国の判断にゆだねるというのが条約でございます。したがいまして、日本では、条約の二つの基本であります一つのはかり方自身は内のりから外のりに変える、もう一つは、国内船におきましても変えるべきでございますので、これをもとにして、K1掛けるVということで、条約で決められておりますものからそれではどのぐらい乖離するかということを、先ほど申しましたように国内船について資料を集めまして統計的に処理をした。統計的に処理したと申し上げますのは、簡単に申し上げますと、船の従来のトン数、それから外のり方式によるトン数を全部図画の上にプロットしてみまして、それで線を引いたら国内船においてはこういう直線的な係数でよかろうということになったというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 この際、船舶のトン数の測度についての条約加盟に当たって、国内法も同一基準で適用をしていくということから、主として四千トン以下の内航船に対しましても同じ方法をとる。その方法として、国内的な措置としてこういう係数が出てきたというように解釈してよろしいのですか。
○謝敷政府委員 国際航海に従事しない船につきましては、条約どおりということではありませんで、はかる方式は条約の方式を使いますが、係数につきましては、もう一つ係数を掛けて行なうということでございまして、国内を走る船につきましては、条約の基本的な要件の二つのうち一つの外のり方式を満足して、トン数の算定そのものはもう一つ係数を掛けるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 どうも専門的な係数であったり、あるいは表示であったりしてわかりにくい点がありますけれども、次に移ります。 船舶の大きさといいますか、トン数というのがいろいろあるんですね。私どもは海軍にいましたので、排水量という言葉を盛んに使ったし、排水量という船の大きさの表現も現在なおございますね。それから貨物の積載量からくるトン数というものもございますね。そして国際総トン数というようなものも出てきたし、こんがらがってはいないんですよ。国際的には国際総トン数でまとまったわけですし、国内法もこれを準用するということですからわかるわけですけれども、この国際総トン数と、俗に言われている総トン数というのが現存しているわけですけれども、その違いというか、その存在の意義というのはあるのですか、ないのですか。
○謝敷政府委員 基本的に、船の大きさをあらわしますいわゆるトン数と称されているものは、先生御指摘のように、総トン数あるいは純トン数、今回お願いをしております国際総トン数、こういった容積を基準にしたものと、それから船の排水できる量、すなわち船の重さからきます排水量とか、あるいはこの法律でも後段にあります載貨重量トンとか、こういった重量を基本にするトン数と二つございまして、同じトン数という名前を使っておりますものですから誤解を招きますが、大きく申し上げまして二つ、型容積をあらわすものと重量をあらわすものと二つに分かれているだけでございます。 それで、先生御指摘のように、総トン数と国際総トン数を併存させる必要があるのか、こういう御質問でございますが、私どもとしましては、今度の法律であえて二つにまとめましたのは、いわゆる条約どおりのものは、これは国際航海に従事する船につきましては条約どおりのはかり方、算定の仕方でトン数を要求されますので、これを国際条約トン数ということで、国際航海に主として従事するものに用いるということで一つ立てたわけでございます。それから総トン数と申しますのは、これは基本的には日本におきます海事諸制度の円滑な運用のためということで、別に総トン数を決めておりまして、非常にわかりにくくて恐縮でございますが、日本国内ではこれが国籍証書に書かれるということでございます。 それで、もう少し御説明を申し上げますと、日本船舶が持ちます国籍証書に書かれます総トン数というのは、四千トン以上は国際総トン数と同じで、四千トン未満がもう一つ係数を掛けたものでございまして、一応四千トンで係数が変わりますが、大きさのあらわし方としては統一的に一つの考え方でやっておるということで御理解をいただきたいと思います。たまたま四千トンを境にしまして係数がもう一つ掛かっているだけだ、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 どうもちょっとわからないのですが、外航船については国際共通の国際総トン数で証書を発行して所定の場所へ掲示をしなければならぬわけですね。ところが、外航船でない、いわゆる内航船については、やはり船舶法その他の規定によってトン数表示が必要なんでしょう。そうすると、国際総トン数と違った方法で、内航船については総トン数が認められ、表示をされるということでございましょうか。その辺もう少し
○謝敷政府委員 説明がわかりにくくて恐縮でございますが、およそ日本船舶は総トン数を持ちます。総トン数は国籍証書に記入されます。これが基本でございます。それから、今度は国際航海に従事する船は、条約の決めによりまして国際トン数証書を持たなければいけません。この国際トン数証書というものは、これは条約で決められたとおりにはかるわけですから、四千トン以上になりますと、国籍証書に書かれた総トン数と、それから国際トン数証書に書かれた国際総トン数とが同じ数字になります。そういう関係というふうに御理解いただきたいと思いますし、国内のみを走ります内航船は、国際トン数証書は持たないわけでございますから、国籍証書だけで二つ違った数字を持つということはないことになります。
○斉藤(正)委員 そうすると、外航に出ていく船と同じ——たとえば四千五百トンの外航船というのが国際総トン数で証書をもらった。しかし、外航につかない内航船の四千五百トンの船というのはどうなるのですか。それよりも大きくなるのですか、小さくなるのですか。
○謝敷政府委員 四千トン以上につきましては、国際的に統計処理したときに全部数字を集めておりますから、同じであるということでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、四千トン以下の内航船については、国際総トン数とは違ってくるというように解釈してよろしいわけですね。
○謝敷政府委員 内航船は国際総トン数を持たないわけですから観念的には一つしかない、こういうふうに御理解いただきたいと存じます。
○斉藤(正)委員 トン数測度につきまして、今回の条約方式と現行方式、いま大体理解できましたけれども、もし強いて言うならば、利害得失といったようなものがあるのでございましょうか。内航船については全く関係ないことでありますけれども、もしあるとするならば、どういうことが考えられるのかお示しを願いたい。
○謝敷政府委員 今度のトン数測度で条約方式と言われておりますものと、現在の現行方式とで一体どういう違いかあるか、こう申し上げますと、現行方式では、先ほど来申し上げておりますとおり、内のり方式ということになります。内のりというのはどこが違ってまいるかと申しますと、肋骨とかあるいは二重底とかあるいは肋板といいますか、要するに船の底を固めるために構造材を打ちますが、これは二重底の下についている、こうお考えになっていただきたいのですが、こういった骨組みの内側をはかってくるということになります。それから、今度の条約方式は、そういった肋板とか肋骨とか縦に走っております縦通材とか、こういったものの外側で型容積をはかるという、いわゆる外のり容積になりますので、基本的に船の構造とかあるいは船の種類によっていろいろなけた材の置き方が違ってまいります。そうしますと、同じ長さ、深さ、幅を持っている船がそういった構造によって容積が変わるというのは本当はばらばらになるもとでございまして、ややもしますと、船の構造とかそういったものに、トン数がそういうはかり方になっているがゆえに影響を及ぼしてくる、こういうことがありまして、先ほど申し上げましたように、条約の討議の際に、日本側でいろいろ検討した際も、少なくとも船の構造とかそういったものに影響を与えるようなはかり方から、与えないようなはかり方に切りかえるべきだ、こういう意見が基本的にあるわけでございます。したがいまして、内のりでございますから、船が小さくなればなるほど、肋骨とかそういったものがきいてくるわけでございまして、これをなるべく安全なりそういった面で構造をしっかりするためには、安全上の見地からだけ構造を検討すべきでございまして、総トン数を頭に置いて、総トン数を小さくするとか、幾らかにおさめようということで構造を考えるべきじゃないわけでございまして、その意味では、外のり方式というのは、構造その他について安全という別の観点、本来の観点から検討する上では非常にいいことでございます。 それからもう一つは、上甲板上で、従来貨物倉とか機関室とか操舵室とか、用途で除外していたわけでございますが、これもまた船の種類によってまちまちになってまいりまして、およそ外形が船のトン数をあらわさなくなってきているというような状態がありましたので、それが改善されるということは、少なくとも同じ外形、同じ長さ、幅、深さを持っておればほぼ同じトン数が出てくるということで、だれが見てもこの船は何トン、この船は何トンということで、画一的に船の大きさの基準として用いられることがメリットだろうと思います。
○斉藤(正)委員 先ほどもちょっとお尋ねしたし、説明もあったのですが、私は素人だからわからないのだけれども、四千トン以上の船は現行総トン数と国際総トン数がほぼ一致をし、四千トン以下の船についてはある係数を掛けなければ、国際総トン数に換算すると非常に大きな船になってしまう。いま御説明がありましたように、船体の骨格部分は小さな船になるほど占める容積というか割合が高いということからくるものだと素人考えでは思うわけですけれども、それにしても、四千トン以上の船は無制限に国際総トン数と総トン数がほとんど一緒ですね。ところが、小さくなればなるほど違ってくるかと思うとそうばかりではないし、四千トンクラスから千トンクラスあるいは七百トンクラス、五百トンクラス、それぞれ掛ける係数も減ってきていますね。どうして四千トン以上の船は国際総トン数と総トン数の差がないのか。いま私が素人考えで申し上げましたように、船体の骨格を占める部分の比率が小さくなればなるほど高いというように解釈すれば、小さい船ほど係数は大きくなっていいはずなのに、そうばかりではない。千トンクラスが〇・七四を掛け、七百トンクラスが〇・七〇であり、五百トンクラスは〇・六七であり、二百トンクラスは〇・六三という係数を掛ければいい。どうも、公式というか物差しがあるようにも見えますけれども、厳密に言えば必ずしもあるわけではないというようにもとれますし、なぜ四千トン以上の船は国際総トン数と総トン数の違いがないのか、もう一遍御説明ください。
○謝敷政府委員 これは四千トンのところが節目になっておりますが、国際的に、先生御指摘になりましたK1という係数がございますが、たとえば一番大きい船で、仮に百万立米の船を想定をいたしますと、これは国際的には〇・二足す〇・〇二掛ける六ということで〇・三二という数字になります。したがいまして、型容積をはかりまして掛け算をしますときに、大きい方が大きい係数になる。一番大きいのが百万立米ぐらいの船だと思いますが、だんだん下がってきて〇・二ぐらいになる。〇・二以下の船は、これは先生御指摘のように、たとえば現在百九十九トンの船は〇・二足す若干掛ける〇・六三ですから、大ざっぱに言いますと〇・二に〇・六三を掛けて〇・一二ぐらいになる。したがって、係数を違えておりますけれども、大きくなるに従ってこういうふうに上がっていくことでして、基本的には曲線で大きい方は上がっている、小さい方は直線で下がっているというふうにお考えをいただきますと、実際の船を統計処理しておりますから、そうめったに妙な数字が出てきているわけではございません。大きくなれば骨組みの割合は小さくて済みますから、したがって係数は大きくなる、小さくなれば骨組みのきき方が大きいですから小さい係数になるというふうに、内航船から百万立米の船まで思想的には統一されている係数だとお考えいただいてよろしいかと思います。
○斉藤(正)委員 いま百万立米というお話がございましたけれども、百万立米の船というのは、国際総トン数で言うと何トンぐらいの船になるのですか。
○謝敷政府委員 式が、K1が〇・二足す〇・〇二掛ける六になりますから、このK1が〇・三二になります。それから百万に掛けますから、約三十二万トンぐらいの国際総トン数になるということでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、このカーブが、四千トン以上の船になってくると全く変わらないといいますか、正常なカーブで上がっていくというように解釈してよろしいか。それとも、四千トン以下の船になってきますと、これも係数が順次小さくなってきていますから、一定のカーブを持っていてぴったりこれが適合された。それにしても、私は、四千トン以上の船についてはほとんど変わらないというのがまだわからないのですよ。もう少しわかりやすく説明してくれませんか。
○謝敷政府委員 国際会議では、主として資料を集めたのが外航船ですから、各国から持ち寄ったときに、四千トン前後から大きい船の資料を持ち寄ったわけです。それで、たとえば下の欄に新しいトン数、縦の欄に前のトン数をとりまして、一つ一つの船をその図面の中に置いていきますと、平均としてある曲線ができるということで、条約でむずかしい対数を使っておりますが、要するにしり上がりに大きくなるような曲線になった、それを採用したということでございます。 下の方は、こういった曲線を普通下の方に及ぼすときには、大体直線でゼロとつなぐわけでございまして、たまたま国内の内航船の数字を全部集めまして同じような作業をしてみますと、あえてカーブに引くまでもなく直線であらわせたということで、横軸にたとえば新トン数、縦軸に旧トン数を置きまして、ゼロから四千トンのところまでは直線でいって、四千トンを超えますと常用対数を使った曲線でうまくつながった、こういうことでございます。どうも恐縮でございます。
○斉藤(正)委員 わかったようなわからぬような、素人ですから余り専門的なお尋ねはその辺にしておきます。 新しい測度基準の導入について、先ほどもお話がありましたけれども、特に小型船舶関係者、漁業関係者あるいは船員等十分調整をされたというように聞いております。水産庁関係あるいは内航の船主関係あるいは労働組合の関係あるいは船主協会、造船工業会、大型、中型、小型を含めていろいろ調整の必要があったというように思うのですけれども、この関係者との調整についてどのような手だてを立てられたか伺いたいと思います。
○謝敷政府委員 先ほど申し上げましたような条約の内容でございますので、一つは内のり方式から外のり方式に変えるという点、それからもう一点は、どういう係数を条約から出てきますトン数に掛ければ現行の総トン数と大きな乖離を生まないか、こういう二つの点を主眼にして調整をしてまいったわけでございますが、先ほど来御説明申し上げておりますように、私どもとしては、条約が採択されましてから主として、外航船も含めて、日本の船の資料を再度検討いたしまして、条約のトン数と現在のトン数との差を数字的にチェックしたわけです。それで、四千トン以上につきましてはほぼ問題ないというのがすぐ出てきたわけですが、四千トン未満の船につきましては、そういう意味でいろいろな実際の船の資料を集めて先ほど申しましたような内容の係数をつくり上げたわけですが、その過程におきまして、主として内航船及び漁船でございますので、船主協会はもとよりでございますが、特に内航海運組合総連合会あるいは旅客船協会 それから港湾タグ協会 全国漁業協同組合連合会、漁船協会、全日本海員組合、全国漁船労働組合同盟、その他、パイロット協会と、あと造船関係のところの組織につきましてずっと協議を続けてきたわけでございまして、現在私どもが省令で予定しております係数であればこれで結構であるということが協議の結果出てまいったわけでございます。 なぜ時間がかかったかと申しますと、この数字をつくり上げ、これで影響がほぼ大きく出てこないということの確認のために時間がかかったと御了解いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 そうすると、関係筋はずいぶん多いわけでありますけれども、今日までの段階において関係団体との協議はすべて終わっておる、そして了解をされているというように解釈してよろしいか。
○謝敷政府委員 関係業界の意見、それは直接及び関係省庁を通じて、両方で確認しておりまして、異議はないということを確認をしております。
○斉藤(正)委員 この法律を適用するに当たって関係諸法律の一部改正がずいぶん必要になってきておりまして、大方は字句といいますか文字といいますか、その修正で足りるというような形になっておりますけれども、船舶法につきましてはそれだけではない、若干の違いもあるように思うわけでございますけれども、いただいた資料によりますれば、「船舶法の一部を次のように改正する。」ということでそれぞれ記載をされております。なお「船舶法の一部改正に伴う経過措置」としても五条で規定をされております。これはほかの関連法案とは若干違うようにも思うわけでございますが、船舶法との関係について、特にその一部改正について説明をいただきたいと思います。
○謝敷政府委員 船舶法の一部改正につきましては附則のうち第四条に関連して書いてございます。一つは先生御指摘のように、「積量」という言葉を船舶法で使っておりますが、これは、積量の意味には従来は総トン数と純トン数を含んでおりますが、日本船舶については積量のうち純トン数については用いることがほとんどございませんので、これを総トン数一本ということに直したということでございまして、「積量」という文字を「総トン数」に直したというのが附則の四条の関係でございます。それから附則の五条につきましては、船舶法で測度を受けなければならないという規定がございますので、その規定の中で施行前に行われました測度もしくは改測の申請もしくは嘱託等々、要するに手続を施行前にしたものについては前の法律でやられたものというふうにかえてよい、こういうことの二点でございます。
○斉藤(正)委員 この附則の第五条に、特に二項に「国際航海に従事する長さ二十四メートル以上の現存船に関する新船舶法の規定の適用については、この法律の施行後、条約第十七条(1)の規定により条約が効力を生ずる日から起算して十二年を経過する日一その日前に特定修繕が行われた船舶又は国際トン数証書の交付を受ける船舶については、当初改測日又は第八条第二項の規定による測度を受ける日のいずれか早い日一までの間においては、新船舶法第四条、第七条、第九条第一項、第二十一条第一項及び第二十一条ノ二中「総トン数」とあるのは、「積量」とする。」ということでやはり積量という言葉を扱っておりますね。長さ二十四メートル以上の船について、「特定修繕が行われた船舶」というように書いてございますけれども、これは二十四メートル以下であっても特定修繕が行われて二十四メートル以上になったという場合も含まれるのか、あるいは特定修繕とは何を意味するのか、お尋ねいたします。
○謝敷政府委員 特定修繕と申しますのは、基本的には現存船については十二年間従来どおりでよろしいとしておりまして、現存船から著しく変わったと認められるものについては新法を適用するという基本的な考え方でございまして、経過措置の三条に「特定修繕」という言葉を使っております。これは基本的には船の主要寸法、長さ、幅、深さの変更を伴う改造、たとえば船体延長とか短縮、あるいはかさ上げ、拡幅、こういった工事が一つでございます。 それから測度甲板というのが一つありまして、それの下の全部の改測を必要とするような内部構造の改造、これは先ほど申しましたように、従来の船は内のりでやっておりますから、中を変えられたらまた大きさは変わってまいります。そういう意味で中ががらがら変わったら新法によります。 それからもう一つは、上甲板上で構造物の改造をしますと、上甲板上も内のりではかりますが、言うなれば容積の中に勘定しておりますので、上甲板上の構造物で、たとえば船楼の新設、撤去とか、こういったものが特定修繕の範囲にかかるかと考えております。
○斉藤(正)委員 そうすると特定修繕という表現は別に条約で規定をされているのではなくて、国内的な手続としてこういう言葉が使われ、しかも遺漏なく特定修繕とは何かという規定が設けられているというように解釈してよろしいか。
○謝敷政府委員 条約の三条で決まっておりまして、条約そのものの字句で申し上げますと、主管庁が現行総トン数に重要な変動をもたらすと認めるような変更または改造が加えられたものということで、条約上の規定を国内法に引っ張ってきた、こういうことでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると大改造と見ていいと思うのですけれども、特定修繕というのは条約にも盛られているということでございますか。
○謝敷政府委員 はい。
○斉藤(正)委員 わかりました。 私は素人考えで、設計段階で詳細な設計図ができて、造船所が船をつくるわけだと思うのですけれども、設計段階でもうほとんど図面の上でその船は国際総トン数で言えば何トンかということはわかっているのじゃないかというように思うのです。しかし必ずしもそうではなくて、伺うところによりますと、もちろん図面でも検討をするけれども、実際造船台なりドックなりで造船の工程の進捗状況によって測度検査官が乗り込んで検査をするんだというようにも伺っておるわけなんです。どういう時期にどういう測度検査をするのか、その流れについてお答え願いたい。
○謝敷政府委員 御指摘のように基本的には設計図面で船の総トン数は勘定ができます。ただ、実際にそれが現場でそのとおりにつくられているかどうか確認しなければいけないわけでございます。そういう意味で現場業務が出てくるわけでございますが、まず測度に当たりまして事前に、先生御指摘のように設計図面で測度要領を検討いたしまして、それから造船所に出向いて測度を行うわけでございます。したがいまして、船のトン数が、従来でございますと上甲板下の全容積、それから上甲板上の貨物積載場所の容積を算定いたしますので、これをやりますのは進水の前にやる。といいますのは、艤装してしまいまして肋骨の外側に木で張ったり何かしますとこれまた厚さが違ってまいりますので、そういう意味で、主要な構造が完成する時点でございますので進水の前に、先ほど申しました上甲板下の全容積と上甲板上の容積を算定する、寸法を測度する、それから進水後におきまして、今度は各室内の内装工事に入ります前に、上甲板上の閉囲場所の容積を算定しますのに必要な寸法を計測する、こういうことが基準でございまして、これをもとに船舶のトン数測度表——トン数測度表というのは、これは大学の造船課程の初歩、一年生の最初に習うことでございまして、言うなれば立体の容積の勘定の仕方というものを数式に従って表にしてございますので、その表を作成すれば全容積が自動的に算定できるようになっております。それで算定をいたす次第でございます。 したがいまして、設計でまずおおよその見当をつけますし、それから、船をつくります前に設計図面から、曲面が三次元で曲がっておりますから、そういう曲面を平面に直すような作業をいたしますが、そこの段階でもそういった容積の基準になります数値はつかめます。それから、実際に船ができ上がったときに、確認のために所要の寸法をはかる、その確認した数字をもとにして、表を使って計算をしてトン数を出すというのが流れでございます。
○斉藤(正)委員 大体測度関係事務の流れはわかりました。まず図面で一応の検討をし、進水前に船内に入ってゲージを当てる。そして進水後もう一回、確認という意味も含めてやって最終的なトン数を出す。 造船工業が御承知のような推移をたどっております。しかし、船舶積量測度官という運輸省の役人は、造船工業の盛衰にかかわらずほぼ一定のように聞いております。各海運局あるいは支局等に配置をされていると思うのですけれども、本省にはもちろん首席測度官というのがいらっしゃるのですか、そんなのはいないのですか、本省関係では船舶局のどなたが、もちろん局長が最高責任者でありましょうけれども、やっておられるのか。そして、各海運局なり支局なりにどういう人数が配置をされているのか。統計的なことで恐縮でございますけれども、おわかりの方から御説明を願いたい。
○謝敷政府委員 現在船舶積量の測度を行います事務の体制といたしましては、船舶積量測度官、これは船舶法の施行細則に出てまいりますが、これを決めまして、船舶積量測度官が船舶の積量を行うというふうになっております。 そこで、現在の体制は、船舶積量測度官が五十六名、それから測度官併任者が三十一名、これは主として支局の船舶課長等でございますが、これが三十一名おりまして、合計で八十七名が配置されております。 それで、新造時及び改造時に測度を行いますので、主要な業務は新造及び改造のときの測度になってまいりまして、これが年間約三千隻でございます。 それから、本省におきましては検査測度課がこれの担当の課でございまして、検査測度課の中に船舶積量測度室という室を設けまして、室長が第一線で管理職として統括している、こういうことになっております。
○斉藤(正)委員 先ほども申し上げましたように、ドックも造船台も満杯であって、次から次へ新造船がつくられていった時代、閑古鳥が鳴いて造船工業は全く停滞していた時代があったわけですね。今日やや安定をしてきています。 この間、本官五十六名、補助員と言っていいかどうか知りませんけれども三十一名、都合八十七名で本省並びに各海運局、支局で賄ってきた、こういうわけですけれども、忙しいときには大変忙しかったと思うのです。ところが、暇になったといっては申しわけないけれども、かなり暇になったときもあると思うし、いま暇なりに安定してきたということだろうと思うのですけれども、この辺の人員の増減といったようなものは全くなかったのでございましょうか。専門的な技術屋でございますから、簡単に見つからない、簡単に採用することもできぬ、そうかといって余分な人間を抱えているわけにもいかぬ、いろいろジレンマもあったと思うのですけれども、その辺の流れはいかがでございましょうか。
○謝敷政府委員 私、先ほど年間の新造及び改造の測度の件数が約三千隻と申し上げまして、それから船舶積量測度官と測度官併任者の数を申し上げましたが、この測度官併任者というのは補助ではございませんで、測度官よりも偉い人だ、経験の豊かな、船舶課長経験者だとお考えいただきたいと思います。そこで、先ほど先生御指摘のように、確かに日本の造船業、きわめて繁閑が著しいものがあったわけですが、これは隻数に直しますと、合計で申し上げますと、たとえば、非常に船をつくりましたピークのときに、件数で言いますと、四十八年度が三千四百十七件でございます。それから五十年ごろは一時二千五百七件に下がり、五十一年が一番少のうございまして二千二百三十五件でございますが、現在は、五十三年度までしかちょっと手元に資料がございませんが、二千九百七件ということで、そう大きくトン数の割りに隻数が減っていない。これは主として、小型船等の隻数がほとんど変わらないで、大型船のトン数の増減が著しかったということでやってまいったわけでございます。もちろん非常に繁忙の時期もございましたが、私どもとしては何とか現在の人員でこなし得てきたということで、これは第一線の測度官にはかなり負担をかけた時期もございますが、先ほど申しましたような件数の推移でございますので、トン数ほどの著しい増減ではないというふうに御理解いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 直接この船舶のトン数の測度に関する法律とは関係ないと思うのですけれども、たとえば海上保安庁の船の測度はだれがやるのか、それから海上自衛隊の船の測度はどうしているのか、関連して伺いたい。
○謝敷政府委員 海上保安庁の船の測度は測度官がやっております。それから自衛隊の船ですが、海上自衛隊だけは、自衛隊法によりまして積量測度法の適用の除外になっております。 ついでに申し上げますと、先生御承知のように、海上保安庁の船のトン数の基準は排水トンを使っております。
○斉藤(正)委員 今回の測度基準の改正によって、測度官なりあるいは併任者なりの業務量について影響があるのかどうなのか、伺いたい。
○謝敷政府委員 今回の法律改正に伴いまして追加される新しい業務としましては、国際トン数証書、それから国際トン数確認書の発給に加えまして、載貨重量トンの、いわゆるデッドウエートの測度の実施を行います。したがいまして、測度の件数としては増加することになると思います。 ただ、一方におきまして、新法の測度方式によりますと、用途による場所の除外がなくなるということで、除外する場所をもう一遍はかって、それで個々の除外場所の容積を足し算して全体から引くという作業がなくなりますので、そういう意味におきましては減る面もございます。 したがいまして、私どものいまの見通しとしましては、全体の業務量としては従来の業務量と大差はないのではないかというふうに考えておりますが、今後条約の発効、新法の施行に伴ってこの点については十分私どもとしても検討を続けてまいりたい、こう考えております。
○斉藤(正)委員 造船界の、というよりも、海運界の実態についてもほぼ素人なりにわかるわけでございますけれども、いわゆる巨大タンカーなるものですね。一時はマンモスタンカーという言葉もありましたし、最近また巨大タンカーというような言葉もありますけれども、一体マンモスタンカーとか巨大タンカーというのは何十万トン以上の船を言うのですか。時代の変遷に従って対象も違ってきているようにも思うのですけれども、どういう物差しというか基準があるのですか、伺います。
○謝敷政府委員 マンモスタンカーとか、あるいは一時ちょっと使われたジャイアントタンカーとか、最近使われておりますVLCCとかULCC、これはいわゆる俗称でありまして、そのときそのときに一番大きい船のグループについて大きい名前をつけたというのが実態だと思います。 最近ではどうかと申し上げますと、最近いろいろな運賃市況の統計その他で一般的に使われておりますのは、載貨重量トン数が十五万トンを超えるものがVLCC、ペリー・ラージ・クルード・オイル・キャリアというふうに言っておりますし、それから二十五万トンを超えるものは、特にULCC、これは先ほどのベリー・ラージのかわりにウルトラ・ラージという言葉を使っておるわけでございますが、これはあくまでもそれらのグループに対して現在俗称として使われているというふうに御理解いただきます。
○斉藤(正)委員 わが国のタンカーのうち、二十五万トン以上のタンカーは現在何隻ありますか。同時に、最大のタンカーというのは正式に何トンあって何という船ですか。
○謝敷政府委員 一番大きいグループの二十五万トン以上の俗称ULCCと言われているものに該当する日本船は五十三年末現在で二十七隻でございます。それから、最大のものは昭和五十年に建造いたしました日精丸でございまして、載貨重量トン数が四十八万四千トン強というふうになっています。
○斉藤(正)委員 巨大タンカーは、さっき言った数式からいって、今度の国際総トン数に換算しても全く変わりがないと解釈してよろしいか。
○謝敷政府委員 先ほどの国際条約並びに私どもがいま国内法で考えております係数を使いますれば、総トン数は国際総トン数にほぼ同じになります。
○斉藤(正)委員 最近巨大タンカーの建造が下火になってきている。私は経済性からいったら、原油を運ぶのですから、大きければ大きいほど効率が上がるということで、競って巨大タンカーの建造に入ったと思うのですけれども、最近停滞しているという理由はどこにあるのでございましょうか。
○謝敷政府委員 これはいろいろ問題があろうかと思いますが、私どもなりに理解している限りにおきましては、四十八年のオイルショック以降、石油の海上荷動きが停滞して、荷動きのパターンが変わった。こういうふうに考えておりますが、これの非常に大きな変化と申しますのは、いわゆる一定の量が一定の港から長期的に安定して積み出されて、一定の港に陸揚げされる、こういうのがオイルショック前の状態でございました。したがって、四、五日もかかる超大型船を投入いたしましても、継続的に安定的に輸送できるという条件が整っておれば、先生御指摘のように大きい方が経済的に有利であるということであったわけでございます。ところが、最近の情勢を見ておりますと、必ずしも揚げ地において一定の品種の油が巨大船を全部満すほど継続的にかつ長期的に安定的に出てこないということがありまして、したがいまして、いわゆる超大型船の最近の建造の動向あるいは海運市況の動向というのはきわめて低迷して下火になっているというのが第一の原因ではないかというふうに考えます。
○斉藤(正)委員 際限なくというと言い過ぎかもしれませんけれども、巨大タンカーの建造が日精丸の約五十万トンを含めてずっと大型化の傾向にあったわけです。技術的に無制限というわけにはいかぬと思うのですが、日本の造船技術からいってどのくらいの船までは認可するつもりだったのでしょうか。これは局長に聞いてもちょっとあれかと思うのですけれども、技術的には、百万トンタンカーも、日本の造船技術から言えば可能であるというような論文も見たことがあります。特に、石油の問題が発生してきて、巨大タンカーへの移行の傾向は足踏みをしているというように思うわけでありますけれども、際限なく大型化していくという傾向はとめたのか、とまったのか、その辺いかがですか。
○謝敷政府委員 これは現象的にはとまったということでございます。 〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕 しからばとめるのか、こういうことでございますが、もちろんタンカーの大きさは、自然条件、先ほど申しました経済条件のほかに、航路とかあるいは積み揚げ地の港湾事情、こういった物理的な要件が基本的にございます。したがいまして、両方の端末におきます港湾事情、それから、途中の航路におきます物理的な事情が許せば、あとはスクリュー以下うまく操船できるかということで、タンカーの大きさというのは決まってくるかと思います。従来の造船技術は、大型化を目指して三十年代から四十年代とやってまいったわけでございますが、五十万トン・デッドウエートくらいまでは、言うなれば長さ、幅、深さ、これの相関関係が基本的には船の強さなりあるいは船の操縦性なり、そういったものに影響を与えます。したがって、こういった長さ、深さ、幅及び喫水の関連性を全部変えるというような形で大型化をやってきたわけではなくて、たとえば長さを一定にして深さを変えるとかあるいはその深さであるめどがついたら幅を変えたり、長さを変えたりするというようなことで、三次元でございますから、大きさが大きくなってくるということでやってまいったわけでございますが、先生御指摘のように、それじゃどこまでいくのかということがありましたので、運輸省としては、かつて百万トンタンカーということを頭に置いて建造技術上の問題点ということを諮問し、答申を得たことがございます。これでは、物理的にはできるけれども、周囲条件としていろいろ解明し、解決すべき問題があるというのが基本的な答申の骨子であったかと考えております。
○斉藤(正)委員 大体わかりましたが、巨大タンカーの利害得失ということは、安全あるいは環境汚染等々の観点から言いましても、いま運輸省がとっている百万トンタンカーなどについて御説明がありましたけれども、日精丸の約五十万トン程度が最大ではなかろうか。運んできた油を荷揚げするにはどうこうはないと思いますけれども、供給地における一定の油が長期継続的に供給できるような情勢に、特に中近東においてないということから、その必要性がなくなってきているというようなことは、一面、考えてみれば、先ほど申しましたような航海の安全あるいは環境保全といったような面から見れば一つの試練だというように思うわけでございまして、運輸省がこの程度にとどめておくということは賢明だろうというように思うわけでございます。しかし、世界の経済情勢というのは特に石油をめぐってどう変化するかわからないわけでございまして、また油の供給地も必ずしも中近東に限ったことではなくなってくるというようなことも考えるわけでございますが、その視点はあくまでも経済性に重点を置くのでなくて安全、環境保全といった面に重点を置いていくべきだというように思うわけですけれども、局長の見解を聞きたい。
○謝敷政府委員 先生御指摘のように、タンカーの大型化と並行してタンカーの安全上の問題、それから海洋汚染の問題がありまして、従来自由に設計できた大型タンカーに対して安全上の観点、主として防爆、防火の観点が中心でございますが、それと海洋汚染の観点から国際的にかなり制約が出てまいりました。したがいまして、私どもとしては、御指摘の安全と環境汚染の点に十分配慮をして大型船に対応すべきだというふうに考えております。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕
○斉藤(正)委員 この際、本法には関係ございませんけれども一言局長に聞いておきたいと思うのですが、保険金目当てだか何だかわかりませんけれども、世界各地で原因不明の船舶の沈没が続発をいたしております。これはおもしろおかしく報道関係か報道しているのか、あるいは実際そういう陰謀なり詐欺めいたことが計画されているのか、全くミステリーじみていてわからないわけです。こうした点について船舶局長何か情報を持っておられましょうか。同時にまた、日本の船舶もそういう対象にさせられている事故船もあるわけです。私にはわからないことで、専門家である局長、これは専門家と言えば船舶局長じゃなくて海運局長かもしれませんけれども、何か情報を持っておられたら伺いたい。
○謝敷政府委員 従来アフリカ沖で大型タンカーがかなり前の時期でも爆発して沈没したケースがあります。それは、私どもとしては、いわゆる空船時の船倉のクリーニングの際における静電気による爆発ではなかろうかというようなことで、技術的に検討した時期はございます。これは国際的にも技術的な検討は行われております。それ以外に最近船が沈没しており、いろいろのことが新聞紙上等では出ておりますが、少なくとも私の立ち場ではそういうことに関しては情報を全く持っておりませんで、私としては、詳細がわかれば安全上の見地から関心を持っておりますが、そういった具体的なケースについての情報は私自身は持っておりません。
○斉藤(正)委員 大臣せっかくおいでですから、一言だけ最後に聞きたいと思うのですが、これは常識的なことですから、何もむずかしいことではありません。 先ほど局長の答弁で、海上保安庁の船までは運輸省の測度官が測度をする、海上自衛隊の船は防衛庁がやっているということで、防衛庁というよりも海上自衛隊自体がやるんでしょうね。海上自衛隊の船だろうと海上保安庁の船だろうと一般民間の船だろうと運輸省の測度官が測度したらいいと思うのです。何も企業の秘密もあるし、運輸省の測度官だって機密を漏洩するなんということはあり得ないと思うのですね。むしろ防衛庁の方がスパイなどもあって危ない。あなたは、領分争いというわけではありませんけれども、海上自衛隊の船の測度も運輸省の測度官がはかるということで業務の移管を申し出るつもりはありませんか。私は、運輸省というのは長い伝統と歴史の中でベテランがそろっていると思うのです。変な防衛庁、海上自衛隊の測度官よりも技術は持っていると思うのですね。いかがでございますか。
○地崎国務大臣 運輸省の測度官は専門的でございますから、いいところもあると思いますが、自衛隊法で排水トンを中心として測度をしているようでございますので、一応自衛隊に任せておくべきだと存じます。
○斉藤(正)委員 排水トンからいけば海上保安庁の方にも先ほど局長が——そうじゃないですか、それでは海上保安庁は一般測度でやる——なるほど。それにしても自衛隊法で決められているからといって自衛隊法をつくるときにもこれは問題にすべきであったし、私は運輸省船舶局の権威からいっても海上自衛隊の船もやるべきだと主張しても当然だと思うのですよ。自衛隊法に決められているからということではなくて、もう少し配慮したらいかがですか。
○地崎国務大臣 検討してみたいと思います。
○斉藤(正)委員 終わります。
○古屋委員長 西中清君。
○西中委員 きわめて技術的な法案でございますので、細部にわたって若干の重複はあるかと思いますけれども、御答弁を願いたいと思います。 最初に、この法律のもとになっております外務委員会に付託されました船舶積量測度条約、これは十一年も前に署名されているわけですが、国会の承認を求めるのが今日まで遅延をしたというその理由は一体どういうところにあったのかまずお答えをいただきたいと思います。
○謝敷政府委員 条約そのものは一九六九年でございますので、ほぼ十一年間を費やしておるわけでございますが、条約の批准に当たりまして私どもとして一番検討をいたしましたのは二点でございまして、条約を批准しても国際航海に従事する船は、実態及び国際航海に従事する場合の利便から言いましても、これは条約どおりの方式でよろしいのではないかという点が一点と、それからもう一つは、国際航海に従事しない船について条約の適用、条約と同じような測度方式にすべきかどうかという点がかなり問題であったわけでございます。それで、主として国際航海に従事する船につきましては、繰り返し申し上げますが、実態上差し支えない、それから利便上差し支えない。国内を走ります船について従来の測度方式の内のりから条約方式の外のりに変えたい、それからまたこれについては、基本的に関係者の意見も賛意を示しておりましたが、では具体的に条約方式を適用します場合に、現行の測度によりますトン数と条約方式によりますトン数との乖離をどういうふうに調整するかというのが問題でございまして、私どもとしましては、同じく条約の国内法化を図るのであれば、両グループともに新しい条約のはかり方の方式によりたい、あるいはよるのがいいのではないかということで、同時に決着を図るということを考えて調整を図ってきたというのが、数年間の実態でございます。
○西中委員 いま船舶局長から御説明いただきましたが、外務省はまだ来ていないので、後でまたこの関係でお伺いをしたいと思います。 そこで、この国際条約の発効の見通し、これはどういうことになっておるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○謝敷政府委員 条約の発効の見通しにつきましては、現在条約自身が外務委員会にかかっておりますので外務省からお答え願うのが至当かと思いますが、私どもが外務省から聞いております限りにおきましては、条約の発効要件は二十五カ国、六五%の船腹量という国が締結国、締約国となるということが条件でございます。それから二十四カ月で効力を生ずるということが、条約の発効要件の内容でございます。現在は、五十五年の三月二十日現在で締約国の数は四十一カ国で、発効要件を満たしております。しかし、その船腹量が世界の船腹量の約六一%にとまっておりますが、幸いにして日本が条約批准についての承認が得られますれば、世界の船腹量に占める比率は約一〇%でございますので、発効要件を充足して、その後二十四カ月で効力を生ずることになるというふうに考えます。
○西中委員 これはきわめて技術的な問題なんですが、わざわざ法律でこういうものを決めていくという必要があるのかないのか。航空機であるとか、他のいろいろな問題もあると思うのですけれども、法律で定めようとされておるその必要性、それはどういう点にあるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○謝敷政府委員 確かに先生御指摘のように、内容はきわめて技術的な事柄を多数含んでおります。しかし、船のトン数といいますのは、船の基本的な特徴、あるいは大きさを中心とした序列をあらわすというふうなことで、海事の諸制度の全般にわたって運営の基準として用いられております。したがいまして、これらの制度におきましては船舶所有者、船長と関係者の権利義務が船舶のトン数を基準にして定められておるということでございまして、船舶のトン数が国民の権利義務に直接かかわる各種制度の運営の基準として用いられております以上は、船舶のトン数はそれぞれが有する指標としての意義がございますので、これは法の適用の安定及び公平の観点から、その数値か一義的に決まりますように法律をもちまして基準を確定しておく必要があるわけでございまして、これは従前の船舶積量測度法においても同様であったかと考えております。
○西中委員 条約の八条では、長さ二十四メートル以上の船舶は国際トン数証書を備えつけておかなければ国際航海に従事できない、こういうふうになっておりますが、この二十四メートルというのはどういうところから出てきた数字なんでしょうか。
○謝敷政府委員 二十四メートルという数字を持ってまいりましたのは、これは総トン数で約百トン前後の船でございますので、国際航海に従事する船舶に係ります国際条約では、二十四メートル以上というふうに決めている例が数多くあります。それからまた、国際的な船腹統計あるいは造船統計のもとになっておりますロイド統計も、百トン以上というような統計の下限を置いておりますので、大体国際航海に従事する船に関する取り決め、条約等を行おうとする場合には、二十四メートルというのがある一つの尺度として用いられております。
○西中委員 条約の適用がない内航船、それからただいま問題になりました長さ二十四メートル未満の船舶、これは適用外でございますから、本来ですと条約方式を必要としないとも言えるわけですが、条約方式によって測度基準をこういった小型船舶にも適用するその理由はどういうところにあるのでしょうか。
○謝敷政府委員 条約の適用を受けない国際航海に従事しない船、それから二十四メートル未満の船舶についても、私どもとしてはかねがね検討の課題であったわけでございます。旧法によります測度方式におきましては、内のり及び用途による除外をたてまえとした方式でございますので、外形上同一の大きさの船でありましても、種類とか構造とかが違いますと、総トン数の数値が違うということで、かねがね検討の課題であったわけでございます。したがいまして、外形上同じものは同じトン数が出てくるようにということを考えまして、この際条約の方式によって何らかの係数を掛ければ、関係業界、関係省庁としても現状を大きく混乱しないという観点から賛意が得られるということで、調整をして今回取り入れた次第でございます。
○西中委員 外務省おいでいただいたですね。 先ほども質問しておったのですが、国際条約は外務委員会に付託されておるわけですが、すでに十一年経過しておるわけですね。先ほど運輸省側から国会での承認を求めるのが今日まで遅延している理由をお聞きしました。外務省側として何か遅延する理由があったのでしょうか。
○関説明員 お答え申し上げます。 外務省といたしましては、この条約が国内の海事関係の法律制度その他の分野におきまして、あるいは関係業界に与える大きな影響等にかんがみまして、この条約が国際的に本当に定着する可能性があるかどうかという点をやはり慎重に見きわめる必要があるのじゃなかろうかという考えで、言葉は悪いのでございますがある程度様子を見ていたという面もございます。 ちなみに、先生御案内のとおり国の数では二十五カ国ございませんと発効しないわけでございますが、この条件は条約が採択されまして六年ぐらいですでに達成されているわけでございますけれども、船腹量の総トン数の六五%というのがまだ達成されていない。こちらの条件がまだ整っていないわけでございます。
○西中委員 条約の四条、ここには適用除外の規定がございますが、(2)の(a)、(b)、(c)の規定ができた経緯というのはどういうことなのか、理由をお聞かせいただきたいと思います。
○謝敷政府委員 条約の第四条「適用除外」の(2)に「専ら次の水域を航行する船舶には、適用しない。」ということで、北アメリカの大湖及びセント・ローレンス河の水域、それからカスピ海、それからラ・プラタ河、パラナ河、ウルグァイ河の水域、こういうことでございますが、これは基本的に河もしくは湖あるいはきわめて極端に閉囲された内海でございます。これらを航行しております船は、比較的構造が軽くて、何といいますか先ほど申しました構造材が軽減されているということがあります。したがいまして、国際的に先ほど申しましたような型容積をはかって係数を掛けますと、大きく外れることが考えられまして、まあこの種のものは外しているケースがトン数条約に限らず例がございます。
○西中委員 外務省、先にまとめてお聞きしてしまいますから。 法案の九条にありますが、「前条に規定する事務は、外国にあっては、日本の領事官が行う。」こういうことになっております。結局、こういった事務に関しては専門官とも言えないし、技官とも言えないわけですが、領事官が八条に規定するかなり広範な事務を行うことになっております。こういう事務を執行できるのかどうか、その面での対応は十分なされるかどうか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。
○関説明員 御指摘のとおり、在外公館におきまして領事がトン数の証明書などの発行をやっているわけでございますが、これは船舶法の三十二条に規定されておる権限に基づいて行われておるわけでございます。この権限を執行するに当たりまして、必要に応じまして運輸省の御協力を得ましてただいままでやっておりまして、特に支障があったというようなことは聞いておりませんので、今後も問題はなかろうかというふうに了解いたしております。
○西中委員 これはどちらの方の御質問になるのかわかりませんが、スエズ運河トン数それからパナマ運河トン数、これは国際条約が発効した場合はどういう取り扱いになるのか、お伺いしたいと思います。
○謝敷政府委員 トン数条約そのものが、国際航海に従事する船舶のトン数を画一的な原則及び規則で算定することを決めたものであります。したがいまして、各国が独自の判断によりまして、国内制度上に限って独自の船舶のトン数を設けることは、トン数条約に抵触するものではございません。ということになっておりまして、スエズ運河トン数及びパナマ運河トン数と申しますのは、それぞれ歴史的にスエズ運河及びパナマ運河を管理いたします管理者が、そこを通航する船舶から運河の通航料を徴収する目的で定められておりますので、この両管理者がそれぞれ独自のトン数のはかり方をもちまして従来のように運河通航料の徴収の基準にするということ自身は、条約そのものと相反するものではありませんで、これらの両当事者がトン数条約のトン数を採用するまでは存続するものではないか、こういうふうに考えております。
○西中委員 登録されていないバージは、新法の適用は一体どういう形になるのでしょうか。
○謝敷政府委員 バージは船舶法によって登録をしておりませんが、条約によりますと、国際航海に従事します長さ二十四メートル以上の日本船舶は、登録船舶であるかあるいは非登録船舶であるかの別に関係なく条約の適用がございます。したがいまして、国際トン数証書を受有する義務が登録、非登録にかかわらず出てくるわけでございます。その観点からバージ等で自航力を有しない非登録船につきましても、国際航海に従事する場合には国際トン数証書を受有しなければならないことになりますので、トン数条約を実施する目的で制定された新法の関係条文の適用があることになります。
○西中委員 現在わが国に登録されておる登録船舶の現況、これは一体どういうことになっておるか。 それから現存船は何隻、新造船は年間何隻ぐらいを見込んでおるのか。そしてまた、そのうち国際航海に従事する船舶はどれくらいあるか。そういった点について御説明を願います。
○謝敷政府委員 現状を御説明申し上げます。 五十四年十二月末現在におきまして登録されております総トン数二十トン以上の船舶は二万五千六百十一隻であります。 また、最近三カ年間の総トン数二十トン以上の新造船の登録状況を申し上げますと、年間平均約千二百五十隻でございまして、例を申し上げますと五十四年、これはまだ一月−十二月でございますが、年で申し上げますと、五十四年が千四百三十五隻、五十三年が千九十七隻、五十二年が千二百八隻ということになっておりまして、今後も同程度の新造船の登録は見込まれるものと考えております。 それから国際航海に従事しております一般船舶は昭和五十四年十二月末現在におきまして千九百四十八隻、漁船が千四百八隻、合計で三千三百五十六隻が在籍しております。
○西中委員 国際航海に従事する現存船については三条で十二年の猶予期間を設けておるわけですが、この理由はどういうところにあるのでしょうか。
○謝敷政府委員 条約の三条及び新法によりまして現存船についての取り扱いを決めておりますが、国際トン数証書はトン数条約の適用があります二十四メートル以上の国際航海に従事します船について交付をいたしますが、現存船につきましては、十二年間原則として、原則としてと申しますのは、特定修繕等の場合を除き十二年間適用を猶予しております。これにつきましては、基本的に現存船は法の適用関係が現在において確定しておるということでございまして、船舶の実体に相当の変化がない限りは従前の適用関係を維持することが条約上認められておるわけでございまして、この現存船についての猶予期間を短縮することは現状から見て適当でない、こう判断をしておるものでございます。 ちなみに、国際航海に従事します法定耐用年数は十五年なりあるいは短いもので十年というものがありますが、現存船についてはなるべく船の一生の間現在のトン数を変えるべきでないという意見と、早く新法による新秩序に移すべきであるという意見がかなりありまして、そういった意味で十二年というのが決まっておりますので、私ども国内法におきましても十二年を踏襲をして決めたい、こういうふうに考えております。
○西中委員 附則三条には現在船の総トン数について原則として「なお従前の例による。」こういうふうにしておるのですが、その理由はどういうことでしょうか。
○謝敷政府委員 新法で「総トン数」というふうに決めておりますのは、国際航海に行く船あるいは国内航海のみの船、全部にかかわるわけでございます。したがいまして、現存船について従来適法に測度を受けておるものでございますので、総トン数が適用されるものにつきましては実態上いじる必要がない、こういうことで「従前の例による。」としたものでございます。これが具体的に適用になりますのは、国内航海をするものについて「従前の例による。」ということで船の一生の間従来どおりの総トン数、それから国際航海に行くものは条約の決めがございますから国際総トン数を十年過ぎたらもらい直すということになります。
○西中委員 総トン数を使用している法制度において現存船と新造船の間に不公平が生ずるということはないのか。それからトン数の基準を変えることによって船舶に対する各種の手数料、そういったものが高くなったりする、こういうケースは考えられないのか、その点はいかがでしょうか。
○謝敷政府委員 条約方式によりますと、測度のはかり方が内のりから外のり方式に変わりますので、黙ってそのまま使いますと現行の総トン数に比較して数値が大きくなるということでございますので、国際条約におきましても一定の係数を掛けて現存船、現在走っております船と大きな乖離が生じないようにという工夫をこらしたわけでございます。それから先ほど国内船について申し上げましたが、国内船の場合でかつ四千トン未満の船になりますと条約方式によります係数を乗じましても現在の総トン数に比べて大きくなる傾向がありますので、これも実態に合わせて調整をした上係数を決めるつもりでございますので、新造船と現存船との間に不公平が起こることはないというふうに考えております。したがいまして、同様の趣旨によりまして、手数料につきましても現行方式の総トン数に近似した数値が出ますように基準を決めてまいりますので、トン数を基準とした諸手数料や諸税が高くなるというふうには考えておりません。
○西中委員 こういったトン数によりまして各種の手数料その他租税、いろいろ関係があるわけですが、わが国の開港に入港する外国商船に対してはどのような租税や手数料を徴収しておるのか。それから外国の港に入港した場合支払わなければならない租税、手数料、そういったものはどういうものがあるのか。さらにまた、わが国のこうした租税、手数料と諸外国の租税、手数料とどういう関係にあるか。要するに日本の場合、大体外国にならっての金額になっておるのか、手数料、租税等、そういったものはどういう形になっておるのか、比較を少し述べてもらいたいと思います。
○謝敷政府委員 一般的に外国貿易船が港湾に入港するに当たりましては、とん税それから入港料、水先料、引き船料、岸壁使用料等を支払うことになっておりまして、これらの徴収基準はすべてトン数を基準に定められております。諸外国におきます港湾においても大体同じもの——同じものと言いますのは、基準としてはトン数を使うということで、同じ体系になっておると聞いております。それから日本の開港に入港します外国商船に対して徴収します税金としましては、日本から出ていきます外国貿易船と同じでございまして、先ほど申し上げましたとん税それから特別とん税、その他の手数料として、各港におきます若干の差異はありますが、岸壁等港湾施設の使用料、それから給水業務に対する役務使用料、入港料等がございまして、国別に額が同等かどうかという点についてはつまびらかにしておりませんが、少なくとも日本に入ります国内船、外国船外国貿易に従事します船については内外による差別がないようにという配慮をしております。
○西中委員 トン数を使用している法律というのはかなり多いようでございますけれども、それだけ各省庁との調整といいますか、そういう点は十分なされたとは思いますけれども、問題はなかったのかどうなのか、そしてどの程度の法律が関係をしてきたのかお伺いをしたいと思います。
○謝敷政府委員 船のトン数が海事関係の諸制度において広く用いられておることは御高承のとおりでございまして、大別いたしまして安全等に関係する法律、それから海事関係の商業活動に関係する法律、それから先ほど出ました税法等のものと、大体三通りに分けられると思いますが、具体的には関係法律といたしまして四十の法律がございまして、たとえば海上運送法、船舶安全法、船舶職員法等と先ほどのとん税法等がございます。したがいまして、この制定に当たりましては各省庁それから関係業界といたしまして船主協会、造船工業会、それから内航総連、全漁連、全日海等の関係団体につきまして、条約の内容及び条約に盛られております実体上の係数の意味、それから係数そのもの、それから主として国内を航海します内航船、漁船等についての調整の実態をよく御説明しまして、これらの調整のもとになりましたいろいろな統計の処理の時期から協議をしてまいりましたので、十分協議は整ったもの、このように考えております。
○西中委員 法案の十条で規定しております国際トン数証書の交付を申請をする場合には、国庫に手数料を納入しなければならない、こうなっておりますが、それはどういうような基準で決めておられるのか、お伺いしたいと思います。
○謝敷政府委員 本法の規定によりまして、国際トン数証書または国際トン数確認書の交付、再交付、それから書きかえを申請した場合の手数料の徴収を決めておりまして、その額につきましては、「実費を勘案して運輸省令で定める額」と、こう決めております。したがいまして、私どもとしましては、これらのトン数の測度に要します経費とこれらの証書の交付等に要します経費を加えたものとする予定でございまして、測度に要します経費としては、現行の船舶法施行細則に規定されておりますトン数別の手数料に見合った額を予定しておりますのと、証書等の交付等に要します経費については、他の国際条約によります証書の交付等の手数料に見合った額を予定しております。
○西中委員 十二条でいう立入検査、その検査をする方は職員というようになっておりますが、どういう資格の人物を予定しておられるのか。それからその配置、各開港にどのような配置をお考えになっておるのか、お伺いしたいと思います。
○謝敷政府委員 十二条で立入検査を規定しておりますが、「この法律及び条約を実施するため必要な限度において、」こう規定をされておりまして、したがいまして、船舶が国際トン数証書を有するかどうか、あるいは内航船でありますと、トン数を記載した国籍証書を所有しているかどうか、あるいは船舶の主たる特徴、たとえば長さ、トン数等がこれら証書の記載事項に合致しているかどうかを検査するものでございます。したがいまして、これらの事項について的確な知識を有する者といたしまして、私どもとしては、現在船舶積量測度官という専門職員がおりますので、これを予定しております。配置につきましては、海運局及び同支局を含めて四十五カ所を予定しております。
○西中委員 最近の造船業界の不況、こういう関係で船舶積量測度官の方々、以前とは違う状況ではありますけれども、石油ショック以前の大変な造船ブームといいますか、多忙な時期におきましては、やはり仕事が非常に過重であったというようなことで、家庭へまで仕事を持ち込んで一生懸命計算をされる、そういう実態もお聞きをしたわけでございますけれども、現在の配置で十分なのかどうなのか。特にいま、支局によりましては一名というようなところが幾つかございます。測量するのに一名でどうしてやるんだろうなという疑問が素朴に出てくるわけですが、当然だれかに協力をしてもらっておられるのだろうと思いますけれども、そういう点で若干、測度官の皆さんとしては仕事の上では厳しいものがあるのではないか、こういうように私たちは考えておるわけですが、そういう点で運輸省としてはどういうようにお考えになっておるのか。 それから測度官という立場でありますけれども、どういう資格要件を備えておるのか、そういった点もあわせてお伺いしておきたいと思います。
○謝敷政府委員 造船の不況によりましていろいろ仕事の繁閑があったわけでございますが、基本的に、隻数におきましてはトン数ほど大きな上下の変動がなかったわけでございます。ただ、先生御指摘のように、大型船になりますと、同じ一隻でありましてもはかる位置の数がふえますし、はかること自身が、非常に大型船でございますから時間がかかり、むずかしいことになってまいります。そういう意味におきまして、第一線の積量測度官にかなり負担がかかったことは私どもよく知っておりまして、この点については遺憾のないように十分努力をしてまいったつもりでございますが、今後とも積量測度官の労苦に対しては十分配慮してまいりたい、こう考えております。 今度の条約の適用によりますと、プラスになります仕事が載貨重量トン数の測度等、それから国際トン数証書の交付等の事務が出てまいります反面で、除外場所等の考慮がなくなりますので、基本的には大体同一程度の業務量として推移するものと考えておりますが、確かに、国際トン数証書の発給等、国際的にも責任を持ってまいりますので、先ほど申しましたように積量測度官の処遇の改善あるいは業務の実態の改善については今後とも努力してまいりたいと思っております。 船舶積量測度官の資格につきましては、私ども基本的に、船の特徴をつかみ、設計図を判断し、船の現場に行きまして設計どおりのものが行われているかどうか、これを確認する必要がありますので、大学と高等学校におきまして船舶関係の技術系の学科を修業いたしました七等級以上の者を任用いたしまして、研修あるいは実務による測度技術の練磨等を図っておるわけでございますが、特に当初は関東、近畿、神戸の本局に配属いたしまして、十分な知識を持っている者と相連携しまして実地測度なり船舶トン数測度表の作成について十分修練をするということをしておりますので、今後とも測度官の技術の向上、練度の向上には、処遇の改善とともに努めてまいりたい、こう考えております。
○西中委員 仕事量が少ないときはいいとしても、多いときはかなり過重であるという、大体家庭を犠牲にして家の中で一生懸命計算機を回してやっていたんだというような話も聞いております。同僚議員からの質問の中にもありましたけれども、併任官が三十一名、測度官が五十六人、合計八十七人だという説明がありましたけれども、実態的に言いますと、三十一名のこの併任者というのは、ほとんどほかの仕事で手いっぱいでして、なかなか測度はできないというのが実態だと聞いております。この点の配慮は十分していただきたいと要望しておきたいと思います。 同時に、総トン数二十トン未満の船舶の測度、これは都道府県において行われているわけですが、この新法によりまして、船舶のトン数の測度は都道府県の職員で当然やるわけですが、十分対応できるのかどうなのか、これからの取り組みはどういうようになさっていかれるのか、仕事量はふえないのかどうなのか、その辺のところをお伺いをしておきたいと思います。
○謝敷政府委員 現在、総トン数二十トン未満の船舶につきましては、都道府県にお願いをしておるわけでございまして、これらの小型船舶の測度の方法に関しましては、政令及び省令によりまして、一般船舶の測度方法に比べて船体を区分をしないで、船の長さ、深さ、幅によりまして測度できる簡単な方法をとっております。したがいまして、新法におきましても、小型船舶の測度の方法につきましては、現行の方法に準じて外のり方式には変わりますが、現在の方式より合理的で、かつ簡便な方法を規定すべく検討をしておりますので、都道府県においても十分対応できるものと考えております。この新法の施行に当たりましては、先ほど申しましたような、新法によります小型船についての簡易な測度の方法については、検討をしてマニュアルをつくりたいと考えておりますので、これができましたら、事前に都道府県の担当職員については指導をしてまいりたいと考えております。
○西中委員 終わります。(拍手)
○古屋委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後四時二分開議
○古屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三浦久君。
○三浦(久)委員 港湾局の方にお尋ねをいたしたいと思いますが、本法案は国際的にトン数の測度を統一するということを目的にしているわけで、これはこれで大変結構なことだと思うのですけれども、トン数を正確にするということは何も国際間だけに限るものじゃなくて、国内的にも非常に重要な問題だというふうに私は考えております。そういう意味で、私は、はしけについて大きな問題がありますので、その点について御質問をいたしたいというふうに考えております。 はしけの個人船主及びはしけ業者は、海運の近代化、合理化の中で年々仕事がなくなっております。そういう意味では、合理化の大変大きな犠牲を強いられておるという状況にあると思うのですね。特に個人船主の場合には、法のらち外というようなことで、その犠牲も大変大きなものがあるだろうというふうに考えています。 はしけについては、御承知のとおり昭和四十九年と五十二年から五十三年にかけて、第一次、第二次のはしけの船腹量の調整が行われました。これは第一次が千百九十五隻で、十九万七千トン、第二次が千六百五十隻で三十六万四百五十トン、これだけの船腹調整が行われたわけですね。それにもかかわらず、はしけは全国的には五十四年の三月末で四千七百七十三隻、そして百四十五万七千トン、これだけの船腹量を持っているわけです。そういうわけで、港湾運送にはしけというのは重要な役割りを果たしているだろうというふうに考えております。そこで、はしけのトン数を明確にするということは、船腹量の調整、また買い上げ負担金、こういうものを適正にするために必要ですし、またはしけの表示というものを明確にするということはやみ船の横行をやめさせるためにも大変必要なことだと私は考えています。 そこでお尋ねいたしたいのですけれども、関東の海運局長が各支局長あてに出しました昭和五十三年三月二十二日の通達があるのですね。この通達によりますと、こういうように書いてあるのです。「登録積トン数と実測積トン数の相違が五〇積トンを超えない場合は、従来の積トン数をもつて今後の登録積トン数とする。」こうなっているのですね。いわゆる五十積みトン、このくらいの誤差はどうでもいい、こういうことです。そうすると、かなり大きな誤差じゃないかというふうに私は思っているのですけれども、こういう通達が出ていることは間違いありませんか。
○鮫島政府委員 間違いございません。
○三浦(久)委員 私の調査というよりも、運輸省の港湾局の港政課が出している港運統計資料ですね。これに基づきますと、はしけの平均トン数というのは機づきはしけでもって二百五トン、被曳はしけで三百五十一トンですね。そうしますと、何万トンのはしけなんというのはないでしょうけれども、何万トンの船で五十トンの誤差というなら大したことはないということが言えます。しかし、たかだか二百五十トンから三百トンぐらいのはしけ、これが五十トンの積みトン数の誤差はどうでもいいんだというような通達、私はちょっと不思議に思っているのですが、これはどういうことでこういう通達が出されたのでしょうか。
○鮫島政府委員 お答え申し上げます。 はしけの積みトン数につきましては、その測定というものを簡易化するためにいろいろ工夫をしているわけでございます。そのこと自体がはしけの種類といいますか、形によりましてまちまちになってまいりますけれども、それを簡単に測定するというために、各海運局長におきましてこういうような基準で積みトンをはかろうではないかということをしているわけでございます。これは繰り返しになりますけれども、実際にははしけはいろいろばらばらでございまして、したがいまして、現在使っておりますそういう測定の方法、測定と申しますか計算の方法というものには相当の誤差が入っていると言わざるを得ないわけでございます。 そこで、先生おっしゃいましたように、現在はしけの全体の平均は三百四、五十トンでございます。それに対する五十トンということは、一面からすれば大変大きな数字ではございますが、現在の実情から申しまして、海運局長の通達を出しました時点でも現在でもと申してよろしいかと思いますけれども、その程度の誤差というのはやむを得ないのではないかというふうに考えているわけでございます。
○三浦(久)委員 私、ちょっとはかってみたのですよ。たとえばこれは長さが十メートルで幅が七メートル、高さが六メートルのはしけを想定しますね。そうすると大体二百六十トンになるのです。ところが、長さが十メートルを十二メートルにはかったとします。そうすると三百十トンになります。五十トンふえるのです。しかし、十メートルのものを十二メートルにはかるというのはよほどずさんなはかり方だと思うのですよ。いまのはかり方はそれぐらいの誤差が出てもしようがないんだと局長さん言われるけれども、しかし三百五十トンぐらいの平均トン数で五十トン出るというと、一割以上ですよ。一割五分、一五、六%に当たるでしょう。ひどいのになると二〇%ぐらいの誤差になるのですよ。いまたとえば買い上げ負担金がありますね。一トン当たり四十八円という単価で出していますでしょう。五十トンで限定しで考えてみても、一月に二千円の金額になります。一年間に二万四千円の誤差が出ると思うのです。また、おたくの方で需給の見通しを立てるとか現状を把握するとかそういう場合にも、はしけの数はさっき言ったようにかなりたくさんあるのですよ。そうでしょう。四千七百七十三隻で百四十五万トンもあるのですから、これが一五%なり二〇%の誤差があるというのでは、いわゆるはしけ運送の実態を正確に把握して、そして運輸行政をやる、たとえば船腹量が多いから調整するとか、いろいろあるわけでしょう、そういうことをやるのに、大きな支障になってくるのじゃないかと私は思うのですよ。それで、おたくの方で調べている、たとえば四十九年と五十三年、関東海運局がそれぞれ、これは港運船番号の指定がえがありましたときに調べているのです。実測積みトン数を現認する作業をずっとしていますね。こういう二度にわたって実トン数の現認をしておる。にもかかわらず、また次にはかってみたら、その登録積みトン数と実測積みトン数が違ってくるということになっておるわけでしょう。これは一体どういうところに原因があるのですか。
○鮫島政府委員 ちょっと御質問と食い違っている面があるかと思いますけれども、先ほど私、誤差が大きいということを申し上げましたわけですけれども、実際の測定の場合に、直接積みトンをはかるということではなくて、長さ、幅、高さというようなものをはかりまして、それにある係数を掛けて積みトンを出すというやり方をしているわけでございます。したがいまして、本当の積みトンというものと、そういう計算をして出したものとの間に相当な誤差があるだろうということを申し上げたわけでございます。
○三浦(久)委員 しかし、縦、横、長さをはかって積みトン数を出すのでしょう。ところが、そうやって出したものが次にはかったときにはまた違ってくるということになっているのです。 これは、横浜の回漕協会の三十年史というのがあるのですが、それからちょっと持ってきたのですが、たとえば五十三年の表示がえのときですけれども、横浜港では各事業者から保有港運船調書を申告させた。帳簿上の大きさ——これは長さ、幅、深さでしょう。長さ、幅、深さをチェックしたところ、疑義のあるものが約五百隻も発見されたというのです。要するに、実測ではかったのじゃなくて、業者が申告をした、それとおたくの登録積みトン数とを帳簿上で比べてみた、そうしたら疑義のあるものが五百隻も発見された、こういうわけです。 それで、結局、海運局が二月十五日に「港運船番号の指定替えに必要な現認について」という通達を出して、当局の手で二月二十三日から三月十日にかけてずっと現認作業をした、こういうわけです。そうしたら、その結果、百二十隻が登録積みトン数と実測積みトン数との間にプラス・マイナス五十トンを超える相違が見られた、こういうことなんです。これは実際に帳簿上で突き合わせて疑義が出たものについてだけ調査してみたわけですね、五百隻を。そうしたら百二十隻あったということでしょう。実際に全部当たってみたら、私はもっとこの誤差があった船が多いのではないかと思うのです。何でこんな誤差が出るのです。これはもう誤差が出るようなはかり方しかしていないのですか。ちょっとお答えいただきたい。
○鮫島政府委員 いま先生がおっしゃいましたとおりのことをやっておりまして、帳簿上の突き合わせをいたしまして、疑義があるというものにつきましての現認ということをやったわけでございます。その結果といいますか、要するに、そういうはかり方に統一いたしまして誤差があったものがあって、そのうちで五十トンを超えるものについてはしかるべき処置をやっていったということでございます。いま先生のおっしゃいましたとおりの行為を行ってきておるわけでございます。
○三浦(久)委員 港湾局長、そうすると一そうについて五十トン、一五%から二〇%ぐらいの誤差が出てもしようがないということですか。そうしますと、全国に百四十五万七千トンあるのですよ、積みトンですか。これらのうちの一五%から二〇%はふえているか減っているかどっちかだ、こうなるわけでしょう。そんなずさんな積みトン数のはかり方でいいのでしょうか。それで、正確に実態を把握し、そして需給の見通しを立て、そして港運業界の円滑な推進をする、それからまた、港湾運送事業法の第一条に目的もちゃんと書いてあるでしょう、そういう目的を遂行する上からいって、こんなずさんなはかり方というのは改めるべきじゃないですか、どうなんでしょうか、もっと正確にできないのでしょうか。
○鮫島政府委員 ただいまの誤差というのはもちろんプラス・マイナス両方向に働くものでございますから、それを港ごととか、あるいは全国合わせたものにつきまして、それが一方的にプラスなりマイナスの方向に変わるとは思いません。 それからもう一つ。この積みトンの使い方の問題でございますけれども、これも先生おっしゃいますように、港湾事業者がどのくらいの荷物を運ぶ能力があるかというものをはかりまして、その辺で需給バランスあるいは事業計画の是非というものを判断をしていくわけでございますけれども、これにも実は、そういう積みトンに対しまして月間の航海数であるとかあるいは平均の積載量であるとか、そういうような要素を重ねまして、一応年間の能力というようなものをはじき出しているわけでございます。 そういうようなことで、どこまで厳密にすれば港湾運送の需給のバランス等に役に立つかということ、いろいろ問題があるかと思いますけれども、現在までの時点では、この程度と言うとおかしゅうございますけれども、比較的簡易な測定の仕方で一応目的は達せられるというふうに考えてやってきたものだと思います。 それから、先ほどから先生おっしゃっておりましたけれども、全体的にいろいろ業界等でも今後の方向につきまして検討しているところでございますけれども、漠然と考えますと、まだ相当の余剰があるのではないかというふうな感じがするところでございます。 したがいまして、そういうものの数字と、それからいま申しました一〇%を超えるような誤差というものが、どこまで厳しくやれば整合性がとれるかというのはこれから十分検討しなければいけないと思いますけれども、現在まではそういう状況でやってきたというのが事実であるかと思います。
○三浦(久)委員 私は、いままでそういうふうにやっているから、だから改めるべきではないか。簡易な方法でやってもいいですよ。しかし簡易な方法で統一してやれば、四十九年にはかったときと五十三年にはかったときと違うということはないでしょう、同じ船で、同じやり方で統一してやれば。それが、四十九年にはかったときと五十三年ではかったときとまた違ってくるという、そういうやり方というのはどこに原因があるのかということなんです。一五%ないし二〇%の誤差はあってもいいということにはならないでしょう。 たとえば、船舶局にちょっとお尋ねしますけれども、船舶法に基づいてトン数を記載したりしますが、これはどのくらいまでやるのですか。そんな、五十トンだとか百トンだとか誤差があっていいのですか。
○謝敷政府委員 船舶法及び積量測度法でやっております船舶のトン数の精度でございますが、これは基準になります長さ等の寸法についてはセンチメートル単位でございまして、結果として出てきます総トン数、純トン数、これはトンの下、コンマ二けたまでを出しております。ただし、私もちょっと検討してみますと、センチメートル単位でやって、総トン数、純トン数をトン以下二けたでやることの数学的あるいは物理学的な意味というのはまだ明確にされておりませんので、今後条約では寸法についてはセンチメートルではかります。したがって、あとの精度は、先ほど申しましたようにはかり方も違ってまいりますので、これを十分参考にして精度を出していきたい、こう考えております。
○三浦(久)委員 そうすると、大きな船でもコンマ二けたまで出すというのでしょう。ですから、はしけの場合にもっときめの細かい対策をとるという意味からいっても、私はこういう五十トンの誤差は容認するというようなやり方はやめるべきだというふうに思うのです。もっと正確に実態を把握すべきだと思いますけれども、運輸省のお考えはいかがですか。
○鮫島政府委員 先生のおっしゃっておられる意味は大変よくわかるわけでございます。ただ一方、実際に現存しますものをすべて測定をし直すというようなことは当然時間も経費もかかることでございますし、先ほどちょっと触れましたような、これをはかります目的というようなものと対比をいたしまして、いままではこういうふうにやってきた。しかし、これはいま申しました目的と、それから実際に正確にはかっていくという方法というものを兼ね合わせまして、当然検討していかなければいけない種類の問題かと存じます。
○三浦(久)委員 港湾運送事業法の三十三条に基づいて港湾運送事業報告規則というのがつくられていますね。これにはどういうことが書いてありますか。かなり正確にトン数の把握、これをしなければならないようになっているでしょう。たとえばはしけの使用者に対して毎年一回四月三十日までに十号様式でもって届け出ろというようになっていますね。そのほかにいっぱい毎月届けなければならない事項もあるけれども、トン数に関して言えば、十号様式というのは積みトン数をきちっと記載をして、そして報告しなければならないようになっているでしょう。毎年ですよ。それも法の三十三条に基づくいま言った港湾運送事業報告規則という、そういうものに基づいて、ちゃんと毎年はしけの積みトン数をあなたたちが報告させているのですよ。そしてまた、三十三条の二項、そういうことをやるために業者の事業所の中に立ち入ってもいいということになっているのですよ。 片一方でそういう立入検査まで含めた非常に厳重なやり方でトン数の把握に努めている。この三十三条に基づく報告、いわゆる規則に基づく報告、これに違反した場合、虚偽の申告をした場合には罰則があるでしょう。これは三万円以下の科料です。それほど厳重な義務を使用者に課して、それであなたたちが正確なトン数を把握しようとしている。それは正しいことですね。ところが実際の運用では一五%から二〇%ぐらい誤差が出ても構わないのだ。いいかげんにやっておけというようなやり方では、あなたたちのやっていることが法の趣旨とか規則の趣旨とかそういうものと離れているのじゃないかと私は思うのですね。ですから、私は、明解にもっと正確に把握するというふうに答弁をすべきじゃないかと思うのです。それはいかがですか。
○鮫島政府委員 繰り返しになりまして大変恐縮でございますけれども、このトン数のはかり方につきましては、海運局ごとにはかり方の基準というものを定めているわけでございます。それによりまして、そういう積みトンというものが、先生おっしゃいましたような報告書にも出てくるわけでございます。 ただ、いま御議論になっております法律のような意味の積みトンというものと、それから現在簡易な測定法としております長さ等を掛け合わせて係数を掛けるというやり方をしておりますものとの間に誤差があるということを申し上げておりまして、この港運業法の体系ではそういうはかり方をやってきているということでございます。それが厳密な意味の積載トン数というものをあらわしているかどうかということにおきまして、相当な誤差があると思われるということを申し上げたわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、港湾運送事業の目的を達するということでございますけれども、実際に主として使われておりますのが、港の事業者ごとに年間にどのくらいのはしけで運送できる能力があるか、それから、実際にどのくらい需要があるかということのつき合わせに使う種類のものでございます。 そこで、現在までの状況ではそういうようなやり方をしてきたというのが事実でございますけれども、繰り返しになりますけれども、そういう目的と、それから、実際にすべて測定をし直すということのいろいろな経費と申しますか、両方考え合わせまして、検討をしていきたいと考えているわけでございます。
○三浦(久)委員 いわゆる需給のバランスをとるとかいろいろなことをやる場合でも、それは何回行ったとか来たとか、何回稼働したかとか、そういうことはもちろん当然考えなければいけないことですよ。しかし、その基礎になるのは船腹量でしょう。その船腹量の把握がきちっとしていなければ、それは何回、どのくらい、稼働率がどうとかというようなことをやったって、それは砂上の楼閣ですよ。ですから、可能な限りやはり正確に把握するように私は要望しておきたいと思うのです。
○鮫島政府委員 できるだけ精度を上げていくという方向は正しいと思いますので、それをどこまで上げるべきかということを考えながら、先生の御趣旨を踏まえまして検討を続けていきたいと思います。
○三浦(久)委員 次に、はしけに関する表示の問題についてちょっとお尋ねしたいのです。 港湾運送事業法の三十二条の二ですね。ここに「はしけ又は船舶に、その氏名、名称その他運輸省令で定める事項を見やすいように表示しなければならない。」こういうのがありますね。そして、その施行規則の第三十三条に、その表示の方法が具体的に記載されています。それによりますと、まず「港湾運送事業者の氏名又は名称を船首両げんの外側に、番号を船尾の外側に、高さ及び幅が十センチメートル以上の字を用い、彫刻その他耐久的な方法でしなければならない。」こういうふうに述べられているのですね。ところが、五十二年の十一月十一日に関東海運局長から、はしけの保有全事業者に対して、これは外部に出すのですから、通達というのか、意見というのか、要望なのかわかりませんが、そういうものが出されているのですが、それによりますと、「表示方法は、次のとおりとする。」というのがありまして、「港湾運送事業者の名称及び港運船の船名については各港湾運送事業者において適当な方法で表示するものとする。」こうなっているのです。「適当な方法で」というのです。そして、「表示方法は、次のとおりとする。」という中にY1234、これは一つの例で、横浜の港運船という意味ですがY1234、こうなっている。そして、そのY1234の番号、このものにつきましては大変詳しく指示があるわけです。「文字及び数字の大きさは、たてよこ四十センチメートルとする。」とか、色彩はどういうふうにする、白にするとか赤にするとか、いろいろ詳しいことが書いてあるわけです。ところが、この事業者名と、それから船名、これについては適当にやれ、こうなっているのです。ですから、どういう事態が起きているかといいますと、ここに写真を持ってきましたけれども、でたらめですね。これしかない。ないのもあるのです。それからこういうものですね。これは昔の表示です。こういう状況です。ですからこれは法律どおりやられてないのですよ。船名も書いてなきゃ事業者名も書いてないのです。こういうはしけばかりなんです。それは関東海運局から各事業者に、そっちは適当にやれ、Y1234だけ四十センチ以上でどうのこうの、こう言っているわけですよ。そうするとこういう通達というのは法律に違反していると私は思うのですよ。 私は、なぜこの表示をきちっとしなければならないのかと言いますと、表示をちゃんとしませんとその船がやみ船かどうかわからないのですよ。そうでしょう。事業者名とか船主名とかトン数だとか、それから番号が入っていればあれはどこのやつだとか、そうするとあれはもう使っちゃいけなかった船だとか、登録されていないとかわかるわけです。たとえば、このY1234というものでもある使用者から別の使用者に変わる場合には、結局そのままでしょう。取りかえなくてもいいわけですね。ですから、いま使用されているのか使用されていないのかというのはこれを見ただけじゃわからないのですよ。ですから、社会的ないろいろな動きの中であの船はもう使っちゃいけない船なのに動いているぞということでやみ船の発見ができやすいと思うのです。それをこういう関東海運局長の通達で適当にやれと言うから、結局はしけにだれもつけていない、こういう状況です。私は、これはいま申し上げました法の三十二条の二、施行規則三十三条、これに違反していると思うのです、こういう通達は。その点についての見解はいかがですか。
○鮫島政府委員 お答えいたします。 船名等につきましては、適当にという表現が使われているといたしましても、これは施行規則というものを当然前提としているわけでございまして、これに違反して適当にしてよろしいという通達が出されているとは思えないわけでございます。 それから番号につきまして、先生がおっしゃいました、それを使用する事業者が変わったような場合には、その番号はそのままその船に残るわけでございます。しかしながら、これは港湾運送事業者の方の事業計画の方でA事業者が使用するということになっていた、それが今度はB事業者になるという場合には、A事業者の事業計画からその船の名前が消えましてB事業者の方に入ってくるということでございますから、そういう意味では先生のおっしゃいましたような御心配はないのではないかと思います。
○三浦(久)委員 これは、「適当な方法で表示するものとする。」というのが、法律や規則に基づいてやりなさいという意味だというのですか。港湾局長、それは余りにも詭弁過ぎるじゃないですか。適当な方法でやれというのですよ。では何で法に基づいてやれと書いてないのですか。そしてくお望の問題についてだけはえらい厳格にやっているのですよ。これが法律と規則に基づいてやれというふうにもらった方が受け取れますか。そういうふうに受け取れという方がよっぽど頭がどうかしているんじゃないですか。
○鮫島政府委員 申しわけありませんけれども当時のいきさつ、私は正確にキャッチしているわけではございません。ただ、この通達が出ましたのは、先ほど先生のおっしゃいましたはしけの買い上げ、廃棄に伴いまして表示がえをしようということで特に出された関東海運局の通達でございます。そして、元来の船名等の表示の問題につきましては、従来から施行規則に基づいて表示がされていたわけでございます。したがいまして、それを当然のことを破棄して適当にやってよろしいという意味の通達が出たはずはないと私思いますし、恐らく事業者の方もそのように受け取っていると思いますが、具体的に実際問題としてこの通達がどういう意味で出されたか、そして事業者がどう受けとったか、私は、いま申し上げたように思いますけれども、それを現時点で確認いたしておりませんので、それ以上のお答えはできない状態にございます。
○三浦(久)委員 だから、さっき局長さんに船を見せたでしょう。あなたも、横浜でもどこへでも行って見てきてくださいよ。はしけにこういう通達が出されたために、横浜だったらY何ぼとか、そういうことしかほとんどの船は張ってないのですよ。たまには以前のものを残しているのもありますよ。しかし、この通達に基づいてほとんど船名も業者名も船にはないのです。この通達で適当になんということを言っているからそういう結果になってくるのであって、それをあくまでもこれは法律に基づいてやれという意味だったんだということを言ったってそれは私は後からの弁解にすぎないと思うのですよ。こういうことが何で行われるのかというと、この四十九年の場合も、五十三年の場合もそうなんですが、全部表示方法に関する決定というのは業界が先にやっているのですよね。資料がありますけれども、全部業界が自分たちの会議で決めているのです。それを運輸省がただ追認をしているというようなやり方なんですね。そこに余りにも業界ベースになり過ぎているのじゃないかという気が私はするわけです。 それで、この表示の問題についても、あなたたちはいま法律どおりにやれという意味なんだ、こういうふうに理解していると言うんですけれども、表示の問題についても業界から陳情が出ているんですよ。たとえば横浜の港運協会が五十二年十一月一日付で要望しています。それから京浜船主事業協同組合も五十三年一月二十五日に陳情しています。それから全国港運船主団体連合会は五十四年十二月二十一日にやはり陳情しています。ですから法律どおりの表示に改めてくれということをあなたたちに言うているわけですよ。そういう時点でこういう通達が出ているんだから、あなたたちから言えば誤解されているというのかもしらぬけれども、誤解されてそういうふうになっていればそれを法律どおりに是正するとか、そういうような措置をとらなければいけないのじゃないかと思うのです。法律どおり表示をきちっとさせる意思がおありなんですか。
○鮫島政府委員 そういう船が発見されましたら、当然そのように措置をすべきだと思いますし、そういう措置をさせる意思は当然持っております。
○三浦(久)委員 いま船名の表示とトン数の問題についてだけ私申し上げましたけれども、この港湾運送事業に関しては第一種の事業者、第三種の事業者、それからまたこれは法のらち外になっていますけれども、個人船主、これは用船関係は大変多いんですね。そこでいろいろな問題が起きているでしょう。陳情書にもありますね。これを全部、十何項目かありますので私読みませんけれども、いま言った表示の問題トン数の問題も含まれていますけれども、その中にいっぱいありますね。賃金問題とかいろいろなものがたくさんあります。そうしますと、この個人船主というのは法のらち外だから運輸省は関係しないんだというようなことではなくて、港湾運送事業の重要な一翼を個人船主も担っているわけですから、私はこういういろいろな問題を解決していくためには運輸省も中に入って、第一種、第三種、個人船主、こういうのが一つのテーブルを囲んで山積する問題を一つ一つ解決をしていくというそういう努力をしなければいけないんじゃないかというように思っているのですよ。運輸省がそういう仲立ちをするといいますか、そういうことをしていただく必要があるんじゃないかと私は考えておるんですが、港湾局としてはどういうふうにお考えですか。
○鮫島政府委員 先生も触れられましたように、個人船主というのは、港湾運送事業法のらち外でございます。しかしながら、これは港湾運送事業者と非常に密接な関係を持って港運の事業を行っているものでございます。私どもといたしましてはそういう意味で、個人船主を使っております港湾運送事業者に対しまして、そういう方々のお話は私どもも承る機会は得ているわけでございますから、こういう点を踏まえまして十分に港湾運送事業者としても考えていくようにという指導を強くやっていきたいと考えておるところでございます。
○三浦(久)委員 じゃ港湾局関係はそれで終わります。 船舶局の方にちょっとお尋ねしたいのですが、BG財団に対する協賛レースの問題です。 前回、というよりも三月七日ですね、私が質問いたしましたら、謝敷局長さんが、自治体がBGに対して交付しているのは自治体が自主的にやっているのだ、任意にやっているのだ、こういうふうにおっしゃったわけですね。この意味をもう一度述べていただけませんか。
○謝敷政府委員 先日先生の御質問に対しまして、私が自治体と私どものモーターボート競走法の関係について述べましたところでございますが、私が若干言葉足らずだったかと思いますので、この際はっきりさせたいと存じます。 特別協賛レースは、モーターボート競走法の六条の二に関連しまして、競走法の施行規則で「競走の開催の範囲及び日取りの特例」という三条の四がございまして、これによりまして三条の二で掲げました一般の競走以外に日取りの特例を行うことができることになっております。これにつきまして、三条の四では具体的に、「国際博覧会に関する条約の適用を受ける国際博覧会」云々ということと、それから二号として「体験航海、海洋訓練」云々ということで、二つ書いてございます。したがいまして、これが「競走の開催の範囲及び日取りの特例」をすることができるものを規定しております施行規則でございます。それにつきまして、それでもう一つこの特例について三条の四の四項で、施行者として一項の特例による規定によります「承認を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を所轄海運局長を経由して運輸大臣に提出」するということで、その中に「協賛する事業」と書いてございます。この協賛する事業の指定といたしまして、四十八年の十一月にその指定の一つといたしまして、「五十年に開催される沖繩国際海洋博覧会」とそれから二号としまして「財団法人ブルーシー・アルド・グリーンランド財団が行なう海事思想の普及事業」、こういうことになっております。これによりまして、基本的には協賛をするために特例によって競走を開催しようとします施行者が協賛の意思と施行の意思を地方議会に諮って決めて申請書を出してくる、それを受けまして所轄の海運局長経由で運輸大臣に特例の承認を受けますれば、競走を開催し、協賛をすることができる、こういう意味でございまして、途中で私が任意と申しましたのは、協賛競走をいたします施行者である地方自治体の自発的な意思が個々の施行者でございます自治体の議会の議決を得て出てまいる、こういうことでございます。
○三浦(久)委員 自治体——いわゆる自治体というのは施行者ですね。施行者でもってBG財団に幾らやると予算で議決した。それからまた申請書に、BG財団に幾らやります、何の事業に協賛しますということで収支見積もりが出るでしょう。この収支見積もりでも、BGに対して何億円やりますと、金額で出てくるわけでしょう。そういうものを踏まえてあなたたちが承認するわけですよ。そうすると、それは自治体が任意でやっているのじゃないのですよ。自主的にやっているのじゃないのですよ。なぜ議会で議決するのですか。大体あなたたちがこの規則の三条の四の四項で、いまあなたがお読みになったけれども、要するに「次に掲げる事項を記載した申請書を所轄海運局長を経由して運輸大臣に提出しなければならない。」のです。協賛レースをやるかやらないかは、それは自由でしょう。その自治体の自由でしょう。やらなくったって、しかし寄付金は取られている。やらなくったって取られているけれども、やるかやらないかは自由でしょう。しかし、やる場合には、三条の四の四項に基づいて申請書を出さなければならないのです。出すことを義務づけられているわけですよ。その中身は何かといえば、BG財団の事業に協賛します、幾ら金を払います、こういうことでしょう。そういうことを書かなければ、あなたたちは承認しないわけですよ。だから、やろうとする側はあらかじめ議会の承認も得ておかなければならないし、こういう申請書を出さなければいけないのですよ。何が任意ですか。あなたたちが法律に基づいたこの規則で、そうしなさい、しなければだめなんです、こう言っているから、そういう手続をとってこざるを得なくて自治体がそういう手続をとっているのでしょう。 そして、そこで各海運局ではどうか。「海運局を経由して」だけれども、海運局長にあなたの通達が行っているでしょう。これは何も郵便ポストじゃない。ただ通過するだけじゃないでしょう。そこで受け付けるか受け付けないか、一定のチェックをするわけでしょう。船舶局長から海運局長あての通達がちゃんと行っている。この中には何と書いていますか。一番最初の四十九年の通達でも「次に掲げる諸経費を差し引いた金額を原則として全て協賛する事業に拠出させるものとする。」海運局長に対してあなたの方から、経費を除いたものは全部拠出させるものとする。だから、これは義務づけているのですよ。そしてまた五十二年の通達、ここでは「二年前の年度における一日平均売上額を基礎として、これに六パーセントを乗じた額」、いわゆる六%を「協賛する事業に拠出させるものとする。」させるのだよ、あなたたちが。こうやってチェックする。六%の収支見積もりができているかどうかあなたたちがチェックして、そして本省に上がってくる。そしてそこで承認するわけでしょう、それに合致していれば。あなたたちの通達によれば「承認基準」と書いてあるのだから。金を幾らBGに出すかということは承認基準になっているわけです。しかしそれはやっていないから、見積もりだから、終わった後二週間たったら、全部レースごとに報告させるでしょう、この三条の四で。そうでしょう。そして実際に幾ら現実に金が入ったか、それのうちの六%は出させるわけでしょう。そうすればあなたたちが承認した段階では、BG財団に六%の金を出すかどうかということは、その自治体の義務になっているのじゃありませんか。それでも出しても出さなくても自由だとおっしゃるのですか、どうですか。
○謝敷政府委員 これは先生御指摘の範囲及び日取りの特例という事項でございまして、あくまでも特例でございます。したがいまして、この特例ができ得るものとして、先ほど申し述べました、博覧会及び体験航海等という規定でございまして、したがってそれにはおのずから範囲が限定されてまいると思います。
○三浦(久)委員 いやいや質問に答えてください。質問は非常に簡潔なんですよ。承認をした場合に、BG財団に六%の金をやるということは自治体の義務になるのではありませんかと聞いているのです。
○古屋委員長 結論をはっきり。
○謝敷政府委員 特別協賛レースの開催の承認に当たりましては、まず基本的に協賛の意思が施行者である地方自治体の意思であることが確認されますことを前提にしておるわけでして、それは施行者協議会の総会でこれこれの事業に協賛しようという決議がまずあるわけでございます。それを受けまして、私どもといたしましては申請が出てまいりますから、その承認の基準はこういう場合に限って承認をするということになりますから、それに従って所轄海運局長に私の方から通達を出しているわけでございます。したがって協賛するかしないかは、これは施行者である地方自治体の意思である……
○三浦(久)委員 全然質問を理解していないじゃないですか。あたりまえのことでしょう、そんなこと。協賛レースをするかしないかが自治体の自由だと私さっきから言っているでしょう。協賛をする場合には、あなたいま全施協がどうのこうのと言ったね。全施協の決議が先にある。ちょっと話が横へ飛ぶけれども、言いますよ。そんなことないのですよ。まずあなたたちが出した省令が先にあるのでしょう。省令の改正がいつですか。省令が改正になったのは四十八年の十一月十五日でしょう。四十八年十一月十五日に省令を改正したんだよ、あなたたちが。それで大臣の告示がこれはあなたじゃないけれども、運輸大臣の新谷さん、この人がもう即座にその日、四十八年十一月十五日に運輸省告示第四百六十七号でもってBG財団を指定告示しているじゃないですか。四十八年の十一月十五日ですよ。そしたら、ここにあなたたちからもらったものがある。BG財団の事業に関する議決事項、これを全施協が臨時総会を開いて出した。BGプランに協力しますという決議ですよ、させられているわけだ。日にち見てごらんなさい、四十八年十一月三十日じゃないですか。これの後じゃないですか。 もう一つある。五十二年二月二十三日、全施協がやはり総会を開いて、あと三年間続けばBGに協力しますという決議をしている。みんなあなたたちのこの省令が改正されて告示になった後じゃないですか。だからそうやって自発的でも何でもない。あなたたちがBGに金を出さなければ、出すような計画を立てて持ってこなければならないというふうに省令を変えているでしょう、四十八年十一月十五日に。そうすれば、やる場合にはこの省令のとおりの書類をつけて収支見積もりをつけて、BGには幾ら金をやりますということをちゃんと約束をした文書をつけてあなたたちに持ってこなければ受けつけられないじゃないですか、そうでしょう。それは義務なんですよ、あなた、そうでしょう。申請をするときに収支見積もりをつけるとかBGに協賛をするとか、BGに対する協賛なんだからBGに金を幾らやるということを書いてこなければ受けつけられないでしょう。そういうことを書かなければならないようになっているのでしょう、申請書で。それは申請する義務があるんじゃないですか、どうですか。
○古屋委員長 はっきり結論を。
○謝敷政府委員 一点訂正させていただきますが、私どもの通達と省令改正、いま手元に持ってきておりませんが、議決は拠出するパーセントを決めたものでありまして、省令改正の前に全国施行者協議会からBG事業に協賛したいという陳情書が参っていると思いますが、これは日取りが先だと思います。
○三浦(久)委員 あなた、日にちが後だとか先だとかってあんまり関係ないのですよ。いいですか、あなた、運動というものと行政というものとを混同している。全施協が何を決めようと、運輸省が何が関係があるのか。運輸省はそれに拘束されるのか。そうじゃないでしょう。全施協が決める、どこかの団体が何か決める、あなたたちがそれに基づいて、こういう運動があるからそれじゃこういう省令をつくろうかと言ってつくったとしても、それはその省令が社会的に妥当だという一つのファクターにしかすぎないのですよ、そうでしょう。運動と行政とを截然と区別しなければだめですよ。どんな運動があろうと、あなたたちが自分の責任でもってこういう省令をつくったわけだから。その省令に基づけば、BG財団に対する協賛レースをやろうと思えばこういう申請を、いわゆる三条の四の四項に書いてあるようなことを記載をしてあなたに提出をしなければならない義務があるのでしょうと聞いているのです。どうなんですか。
○謝敷政府委員 これは申請書を提出する義務があります。
○三浦(久)委員 そうして、あなたたちはそれが……
○古屋委員長 三浦君に申し上げますが、約束の時間を過ぎておるものですから……
○三浦(久)委員 中途なものですから、済みませんが委員長、もうちょっと。これはもう少しで結論が出ると思いますが。 そうすると、申請する義務がありますね。それはBG財団に幾ら幾ら金を払いますから許可してくださいということでしょう。そうすると、あなたの方はそれを見て、通達に基づいてこういう承認基準に合致した、六%をやるようになっている、よし、それで承認、こうなりますね。そうした場合に、そのBG財団に自治体はお金を払う義務があるんじゃないですか、どうですか。
○古屋委員長 三浦委員に申し上げますが、時間か十分超過しましたので、適当な時期に——委員長として聞いておりますと、とてもこれははっきりした返事は出るかどうか、私も非常に……。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○古屋委員長 速記を起こして。 三浦久君。
○三浦(久)委員 ですから、さっきから言っているでしょう、こういう金を払うから承認してくださいと言った、それであなたたちが、よろしい、承認します、そういった場合に、施行者はBG財団にお金を払う義務が生じるんじゃないですかと聞いているのです。
○謝敷政府委員 これは何回も繰り返して申し上げますが、承認に当たって、協賛事業としてこれだけ拠出します、こういう計画書が出てくるわけでございまして、それを省令に従って、省令の三条の四に合致しておりますし告示にも合致しておりますので承認をいたします。しかしあくまでもこれは協賛でございますから、寄付金として私どもは扱っておりまして、その前に地方自治体が協賛レースをするに当たってBGに協賛をするということを決めておりますので、私どもとしてはその額が協賛金としてBG財団に寄付される、こういうふうに考えております。
○三浦(久)委員 また答えてないですね。義務になるのかどうか、支払う義務があるのかどうかということを聞いているのですよ。支払わなくていいのですか。承認という行為によって協賛レースが初めてできるんだ、そうでしょう。それ以前は幾らやりたいと言おうと、また協賛レースをやりたいと全施協が決議しようと、BGに金をやりたいと決議しようと、それはただ決議だけであって、何も実効性のないものですよ。この規則に基づいて申請するでしょう。あなたたちが承認をした段階で初めて協賛レースができるようになる。そして初めてそこで金が現実に入る、そしてそこで出せるようになるわけだ。あなたたちがBGに金を出すということを条件にして、そして許可しているわけでしょう。承認しているわけでしょう。そうしたら自治体はBG財団に支払う義務が生ずるのでしょう、あなたたちの承認という行為によって。そんなことはあたりまえのことじゃないですか。何年行政官をやっているのですか。そんなことはあたりまえでしょう。
○謝敷政府委員 たびたび申し上げますが、承認の条件でございますので協賛する事業として明記されたものが出てまいりますれば、私どもは承認をします。ただ、その承認されたものが義務として納付されない場合にどうするかということになりますと、これは私がいま義務かどうかということでちょっと検討しておりますのは、納めなかったときはどうなるのか、こういうことだろうと思いまして、これはあくまでも寄付金というふうに考えております。それで前提として、議会の議決によって出すという前提のもとに出てまいりますので、私どもは承認をする……
○古屋委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○古屋委員長 速記を始めて。 三浦久君の質疑は終わりました。 次回は、来る十一日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時八分散会