運輸委員会 第8号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/02
会議録
○古屋委員長 これより会議を開きます。 陸運、海運、航空、日本国有鉄道の経営及び観光に関する件等について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、陸運に関する件について、日本道路公団理事持田三郎君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○古屋委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
○久保(三)委員 まず、昨日、運輸大臣は運政審に総合交通政策についての諮問をなさったそうでありますが、それはどういう観点からどういう手続でなさったのか、一応お聞きします。
○永井(浩)政府委員 昨日運輸政策審議会を開催いたしまして、運輸大臣名をもちまして諮問をいたしました。 諮問は、長期展望に基づく総合的な交通政策の基本方向について、こういうことでございまして、諮問理由は、一九八〇年代を迎えて経済社会の変化あるいはエネルギー等の制約条件の変化によりまして、新しい時代の交通政策について総合的な観点から交通政策を確立する必要があるということで運輸政策審議会の御審議をお願いしたわけでございます。
○久保(三)委員 政府におけるところの総合交通政策を担当すべき担当大臣は経済企画庁長官、よって官庁の機構からいけば総合交通体系は従来のいきさつもあって本来ならば経済企画庁長官が諮問すべき事項と思うが、それといま諮問なさった観点はどういう違いがありますか。
○永井(浩)政府委員 御指摘のように交通政策につきましては、運輸省のほかに、道路行政は建設省、あるいは交通規制問題につきましては警察庁等、各省にまたがっております。したがいまして、政府全体として交通政策の基本方向を決める場合には経済企画庁が中心となりまして閣僚協議会で決定するというのが例でございます。四十六年にも運輸政策審議会において総合交通政策の答申をいただいたわけでございますが、それを踏まえまして、その年に閣僚協議会で政府としての基本的な考え方を決定したわけでございます。今回におきましても、昨年経済企画庁から四十六年の総合交通政策に関する決定について見直しをすべき点があるかどうかということが各省に問い合わせがございまして、運輸省としましてはその問い合わせに基づきまして、運輸省の立場から総合交通政策を検討するということで運政審に諮問をしたわけでございます。
○久保(三)委員 そうしますと、運輸省なり警察庁あるいは建設省、そういうものは経済企画庁の総合交通政策に対する一つのセクションというか部門を担当するものと解釈してよろしいか。
○永井(浩)政府委員 運輸省は当然その所管あるいは運輸省の任務の範囲内で行う、これがすべての交通行政を網羅しておるわけでございませんので、その範囲内ということでございます。ただ、運輸政策審議会そのものは広く一般に従来からも交通政策についていろいろ御審議いただいておりますので、当然そういったものも含めた御審議がある、このように考えております。
○久保(三)委員 経済企画庁と運輸省なりその他の関係省庁との間の職務というか、かなり整理しなければならぬようにも感じますが、どう考えます。いまのような形でいって運輸省は運輸省の立場から総合交通政策を考えていく、それはそれなりにいいと思うのです。調整だけが経済企画庁でやるのかどうか、経済企画庁そのものは単なる調整なのかどうか、そういう点についてはどういうふうに考えますか。
○永井(浩)政府委員 経済企画庁自体は固有の交通行政、具体的な交通行政を所管してはいないわけでございますが、当然各省との間の調整あるいは全体の立場からのビジョンといったものを策定する立場にあろうか、このように考えます。
○久保(三)委員 運政審に諮問をしたものは交通政策全体についてでありますか。
○永井(浩)政府委員 特に運輸行政の範囲内ということで限定はいたしておりません。
○久保(三)委員 限定はしていない。
○永井(浩)政府委員 限定いたしておりません。
○久保(三)委員 そうしますと、答申を受ける者は総合交通政策について答申を出してもらう、そういうことですね。
○永井(浩)政府委員 そのとおりでございます。
○久保(三)委員 それじゃもう一つ関連してお伺いしたいのは、去年の暮れの閣議了解事項の国鉄の再建について、その中では、従来も言っているのでありますが、五十二年の閣議了解事項と違っている点がちょっとあると思うのです。それは五十二年の閣議了解事項では、国鉄の再建の基本方針というのが五十二年の暮れに閣議了解されているわけですね。その中でのいわゆる「国の行財政上の援助」ということで、その一つには「総合交通政策の推進」こういうタイトルで挙がっているわけです。去年の暮れの国鉄再建についての閣議了解の中では、これは少し違う。どういうふうに違うかというと、お手元に持っていると思うのですが、やはり「行財政上の措置」として、そのうちの「1 運輸政策上の配慮」「運輸政策の推進にあたっては、」云々と書いてあって、総合交通政策とは書いてない。この中では「各交通機関の特性を生かした効率的な交通体系の形成を図る観点から、」云々と書いてある。これは文章上の問題ですが、言うならば総合交通政策なんですね。ところがタイトル並びにその頭の方は「運輸政策の」云々、こう書いてある。どういう変化があったのか。 それから今度の総合交通政策についての諮問との関連でこれが行ったり来たりしているのじゃないかという感じがしているわけですね。この辺の変化と言うか違い、これについてはどういう意味があるのですか。
○永井(浩)政府委員 五十二年の閣議了解と五十四年の閣議了解につきまして、基本的な考え方の相違はございません。五十二年を基礎といたしまして具体的になったのが五十四年、このように了解しております。したがいまして、当然国鉄の政策を遂行するためには総合的な見地からしなければならない、このように考えておるわけでございます。 それから、運政審の総合交通政策の問題でございますけれども、国鉄の場合には、当面昭和六十年までの政策については、この閣議了解でもって基本的な方向が示されたわけでございますが、これを踏まえましてさらに長期的なビジョン、私どもは二十一世紀をにらみまして今後十年ぐらいの長期的な政策の方向を示していただきたい、このように運政審にはお願いしておるわけでございます。
○久保(三)委員 文言にとらわれるわけではありませんが、厳密な意味でお尋ねしたいのですが、交通政策と運輸政策とはどういう違いがあります。
○永井(浩)政府委員 言葉の問題でございますが、運輸政策の意味といたしましては、私どもの運輸省の所管行政を中心とした政策、これを運輸政策、このように考えておるわけでございます。交通政策はそれよりやや広いのではないか、このように考えております。
○久保(三)委員 この国鉄問題は後から審議する機会もありますから深く掘り下げはしませんけれども、運輸省は交通政策については一つの部門の下請——下請と言ったら語弊がありますが、そういうものを担当する、交通政策全体は企画庁がこれはコントロールしていくというふうに考えていくべきなんでしょうか。運輸政策というのは交通政策よりちょっと狭い。ちょっと狭いというのは、どの程度狭いかわかりませんけれども、国鉄の再建についての閣議了解事項が、五十二年にできているものと五十四年の暮れにできているものと、向こうは総合交通政策と言い、こっちは運輸政策と言う、これはいかなる変化があるかということを聞いているわけなんでありますが、どうも、私の邪推かもしれませんが、運輸省の守備範囲というのは、最初五十二年のころまでは交通政策まで手が出せたんじゃなかろうか、ところが最近では大体運輸政策で限定されているのじゃないかというような感じがするのです。おまえら交通政策というのを出すのはおこがましい、運輸政策でいいのだ、こういうふうな表現じゃなかろうかと思うのです。ただし、それでは意味が通じないので、それぞれ各交通機関の特性を生かした有効な交通体系をつくるのだというようなことを中身には書いてあるけれども、タイトルとしては、どこからかそういう文句が出て、お許しがなかったのじゃないか。また、事実、最近における運輸省の傾向から見ると、そういうところへずるずる後退しているのではないかというふうにさえ思う場合がある。それについてどういう考えをしますか。具体的には五十二年の表現と五十四年の暮れの表現と大分違うのだが、それは変化は何かあるのか、もう一遍聞きましょう。
○永井(浩)政府委員 五十二年と五十四年、五十二年を基本といたしまして、それの一つの具体策として五十四年の閣議了解がある、このように理解しておりまして、しかも閣議了解でございますから、この内容の実施等につきましては、単に運輸省だけではなくて、政府全体の責任で遂行する、こういうことであろうと理解いたしております。したがいまして、そういった意味で運輸省が後退したとかいうことは考えられないということでございます。 特に交通政策と運輸政策というものを使い分けたというところは余り他意はございませんで、私どもの所管しておりますいろいろな具体的な政策を言う場合、通常、運輸政策、このように使っておるわけでございまして、繰り返しますようでございますが、五十二年の閣議了解を決して否定しているものではない。当然両々相まって国鉄の再建の政策というものが決められている、このように理解しております。
○久保(三)委員 いまの御説明では、余り変化がない、こういうことでありますが、変化がないのじゃなくて、私は変化があることを心配している。運輸政策と書かざるを得なかった変化を私は本当に聞きたい。本音を聞きたい。だから、そういうことでいいだろうかどうかという疑問を持っているのです。 それじゃ、その問題は後にします。国鉄の問題もありますから、そのときにまたやらせてもらいましょう。 きのう諮問された総合交通政策というものの中身は、一つは、最近やかましく言われているように、多少問題は違いますが、新しい制約条件が出ました。たとえばエネルギー、資源、環境、労働力、そういう幾つかの問題がある。そういう枠の中にどうやっておさめるかというのは、当然見直す時期に来ているから見直すということですね。これは当然です。ところが、その見直す中身で、どういう大きな項目について見直しをするのか。たとえばそういう制約条件の中におけるところの、先ほどの閣議了解事項にもあるそれぞれの特性を生かした交通体系をつくる、これはだれでもわかるわけなんだが、その場合に、従来持っている交通政策の基本は、言うなら競争の原理というものを中心にして展開してきているわけですね。あるいは利用者の選択、これも自由ですね。そういうフリーマーケット的なものを想定して交通政策を展開してきているわけなんです。その中から当然、いまの免許可の問題にも触れますが、そういうものへの参入、脱退の自由という問題も出てきているわけですね。そういう問題についてはどういうふうな諮問をされるか。 それからもう一つは、交通体系ができた、一応こういう交通体系にしましょう、その場合には、列島改造論では中心は、全国ネットワークについての投資計画をやってきた。今度の新経済七カ年計画も大体そういうものを基礎にしてつくられているようでありますが、かたがた新経済七カ年計画は、地方の時代ということで、地域における交通の問題を取り上げなければならぬ。ところが、ともすれば全国ネットワークというものの方に観点を置いてきた。そういうものについてどういう修正をしようとするのか、あるいはすべきだという、そういう検討の対象になっているのかどうか。 それからもう一つは、そういうものができた、それをそういう政策に基づいていわゆる発展させる。特にハードウエアについては投資計画というものがなければならぬ。いままでは込みで投資計画がある、あるいは個別の投資計画があるけれども、みんなばらばらだ。ばらばらの理由は何かというと、問題の一番大きいのは道路の問題がある。道路は御案内のとおり、最近は財政が非常に硬直化している、その中でも一番ゆっくりして、一番フリーハンドを持つのは道路なんですね。いわゆる特定財源の上に築かれた整備計画。だから、よく例に引かれますとおり、国道がある、その下を国鉄が通っている。道路の方は切り取りの上の方までしょっちゅう手入れをして、草刈りまでしている。ところが一方、下におりた鉄道の線路は犬くぎの頭を手で持ち上げればすっと抜けてくるような線路がある。これは一つの極端なたとえでありますが、そういうものが今日あるわけなんだが、それはあげてそういう整備——道路には道路の整備、しかも特別会計、港湾は港湾、空港は空港、それぞれの特別会計があるわけですね。そうでしょう。そういうものは特定財源に、全部であるとは言えないが大半は乗っかってやっているわけだ。それはそれなりの理由はあるけれども、総合交通体系をつくったならば、それに応じてやはりそういう特別会計あるいは特定財源というのは整理していかなきゃならぬだろうというふうにわれわれは思うのだが、そういうものまで考えてもらうのかどうか。 それからもう一つは運賃の問題です。運賃はいまは個別運賃ですね。個別原価主義を中心にした運賃だから、同じ路線を走っているバスでも、極端な例で言うと企業が違えば違うかもしれない。多少調整はしていますが、そういうものがある。ましてや輸送機関が違う場合は全然違う。しかも運賃の決定方式もそれぞれ違ってくる。積算の基礎も違ってくる。共通項というのはほとんどないぐらい。あるとするならば、どのぐらいありましょうか。余り競争していけないというようなことがあるかもしれませんね。航空運賃は航空法で決める。バスやトラックは道路運送法によって決められる。内航の運賃は海上運送法によって決められる、あるいは内航二法によって決められる。国鉄は国鉄運賃法。そういうことでみんなばらばらで、さっき言ったように個別原価主義でやっていくところに不均衡発展の問題も出てくるわけですね。この前も、国鉄の再建の閣議了解事項の中には総合運賃政策というのをうたってはいるけれども全然手をつけていない。手をつけていないばかりか、それに対する方針はないのですね。今度はそういうものを織り込んでいくのかどうか。 それからもう一つは、これから審議が始まりましょうが、国鉄のローカル線の問題がありますね。国鉄のローカル線ばかりじゃなくて、地域における交通、過疎地域における交通の問題もある、過密地帯における交通の問題もあるんだが、そういう問題について、先ほど言ったように地域の交通の問題について総合交通政策としてどうあるべきかを諮問していくのかどうか。大体そういう点についておおよそお考えがあればお聞きしておきたい。
○永井(浩)政府委員 御指摘の点はすべてこれから審議会において御議論をいただく問題でございまして、いわば事務当局でございます私どもの方からいまの段階でこうあるべきだというようなことは言えない立場でございます。 ただ、一般的に申し上げますと、最初に御指摘のように、四十六年の答申におきましては、各交通機関の競争と利用者の自由な選択というものを前提といたしまして、しかるべき政策介入を必要な場合にはするというような基本的な考え方がございました。これは大きな筋としてはそう変わらないのではないかと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、エネルギーを初めといたしますいろいろな制約要件がございますので、当然、シビルミニマムの確保とか、あるいは大都市の狭い空間を有効利用するというような見地から政策介入の幅が広がっていくであろう、こういう点が第一点でございます。 それから、地方交通問題についても当然御審議をお願いするということでございまして、これはいわゆる大都市のほかに、人口のUターン現象と申しますか、地方の中核都市が非常に発展してまいりまして、やはり都市交通問題が起こってきているという現実、あるいはいわゆる過疎地帯における交通弱者の足をいかに確保するかといったような問題、こういったものの基本的な考え方も当然御審議をお願いしたいと思っております。 さらに、運賃制度のあり方あるいは交通の維持あるいは施設の整備のための財源問題こういった問題も当然御議論いただく範囲の中に入ってくる、このように考えております。
○久保(三)委員 わかりました。 ただ、これは余分なことかもしれませんが、諮問という場合には、包括的にこれからの交通政策はどうあるべきか、そういう簡単なというか大ざっぱな諮問をしますね。大体役所はみんな大ざっぱな諮問をするのです。しかし、議論はもちろんしてもらうのですが、実際の作文は事務方でやる。そういう答申は、私は責任の分野が大変明確でないと思うのです。だから、議論は議論として公開されるでしょうが、あるいは結論ももちろんそうですが、事務方というか政府自体がどう考えるか、これはこういうふうにした方がいいと思うのだがこういうふうな考えはいいか悪いかという問題が審議の途中で示される必要があると思うのです。審議の途中では表面的には全然何も言わぬで、結論を書くときには事務方で書いて、先生方これどうですかということで答申が出ている。それは、言うならば隠れみのと言われるゆえんのものでありまして、政府の責任を他に転嫁するものであると思うのです。そして、何かというと錦の御旗のように、答申を受けましてこれはこういうふうですからこのとおりやりますと言うのですね。これは責任のあり方について非常に問題があると思うのです。 そういう問題について、運輸大臣、お尋ねしていいですか、責任の分界をもっとはっきりすべきだと思うのです。責任の分界をはっきりしないまま包括的に諮問をして答申を受ける。その過程では事務方が政府の考え方も入れてまとめていく、政府の考え方はそういうものが隠れみのになって出てきてしまう。出てきたものを今度は金科玉条のごとく錦の御旗として押しつけていく。こういうことがこれまでの諮問と答申のあり方になっていると思うのです。これはわれわれとしてはいささか承服しかねる、こういうふうに思うのです。 だからそういう点について、諮問することはいいことです。しかし、重要なことについては、おのれ自身の考え方がどうなのかということを示すのが一つです。それを全然示さぬで形の上でやるようなことは、私はやるべきでないと思うのですが、運輸大臣、政治家としてどうですか。そういう審議会なり何なりの答申を尊重することは結構だが、中途において政府自身の考え方は何にも言っていないということ自体は、私は責任の転嫁だと思うのです。そういうことはやめるべきだと思うのですが、いかがですか。
○地崎国務大臣 審議会を隠れみのではないかという御指摘でございますが、審議会の中で御論議をいただきます際にいろいろの資料を提出しておるわけでございます。その間において運輸省当局のいろいろな意見もおのずから反映できるものと私は考えております。
○久保(三)委員 反映できるかもしれませんが、政府の考え方自身が明確に示されない場合が多いことについて、私はいかがかと思う。 永井総務審議官、あなたがいま諮問する当面の責任者だろうと思うのですね。ついては私の言うような心配はありませんか。あなたは途中で、運輸省としての見解はこういうふうにすべきだと思うが運政審の先生方はどうですかというようなことを述べながら答申を受けることを考えますか、それとも私は全然何も考えはありません、どうぞお好きにお考えをまとめてくださいということでありますか、どっちですか。
○永井(浩)政府委員 審議会で御審議いただく方法としていろいろな形がございますが、この運輸政策審議会においては、従来から非常に審議会の自主性のある御審議というのが例でございます。ただ、その間におきまして、現実的な行政をやっております私どもの考え方というものは当然いつも述べあるいは意見を徴されておるわけでございまして、そういった意味で、十分今後も、行政の面からの意見、考え方も述べる機会があり、審議会の委員の方の理解あるいは議事の参考にされる、このように考えております。
○久保(三)委員 永井さん、私は審議会のメンバーの意見を拘束していい、拘束すべきだなんという話をしているのじゃないですよ。お互いに意見があるだろうから、あるいはわからぬだろうから、政府としてはこの点がわからないという意見を率直に出して、責任のありかを明確にしたらどうだろうかという話をしているのでありますので、誤解のないようにお願いします。 きょうはたくさん質問を持ってきたものですから、この問題は以上で打ち切りますが、各種の審議会あるいは諮問、答申というものが運輸省には数多くありますが、えてしていま私が指摘したような点がかなりあるのではないかと思っております。これはこれからの行政のあり方に関しても一考を要する点ではないのかという点であります。考えの相違があればまた別ですが、まあ先に行きましょう。 それでは、次に航空事故調査委員会。これはいまだ当委員会にお呼びしたためしがないのでありまして、きょうは委員長は所用のためにおいでにならぬそうでありますが、御案内のとおり航空事故調査委員会は、委員の皆さんは国会の同意を得て任命されるのでありますが、独立機関であります。しかし、事務局は全部運輸大臣の支配下にありまして、お仕事は非常にやりにくいのではないかとお察しを申し上げる次第であります。 しかし、その問題は別として、これまで航空事故調査委員会ができて以来、この調査委員会のねらっているようなところまでお仕事が余り伸びないのではないかという心配がありますので、そういう点についてこれから二、三お尋ねをします。 榎本委員は最近委員になられたばかりでありまして、詳細についてはまだおわかりにならない点もあるかもわかりませんが、大綱はもうすでに委員に任命されているのでありますからおわかりだろうと思うのです。所掌事務はどういうことでありますか。
○榎本説明員 お答え申し上げます。 航空事故調査委員会設置法に所掌の事務が規定されておりますが、第一に航空事故、これは細かくはまた別途申し上げたいと思いますが、その調査を行うこと。これは申し上げるまでもないことであります。次に、「航空事故調査の結果に基づき、航空事故の防止のため講ずべき施策について勧告すること。」第三に、「航空事故の防止のため講ずべき施策について建議すること。」「前三号に掲げる事務を行なうため必要な調査及び研究を行なうこと。」以上が設置法に基づきまして航空事故調査委員会に課せられておる任務でございます。
○久保(三)委員 その中で、やっているお仕事とやっていない仕事とありますね。やっている仕事は、航空事故の調査はどうしてもやらなければなりませんからやっている。しかし、不思議なことには、これまで必要な勧告もしていないし、必要と認めるような建議もしていない。四番目の調査並びに研究はどういうふうにしているか私はわかりませんけれども、勧告と建議はなぜ必要なかったのか、あるいはこれまでの事故調査の中ではする値打ちがないのかどうか。この点は榎本委員ではまだ御経験が浅いからおわかりになりませんから、そちらの事務方から聞きましょう。
○岡田説明員 御質問は、勧告あるいは建議等が行われていないのは委員会の機能として不十分ではないか、かように理解するわけでございますが、私ども委員会は、設置法の一条にもございますように事故の再発防止に寄与することが究極のねらいでございます。そのために、事故原因を確定することによって世人に今後の防止のあり方について焦点を提供するというところに大きな任務があるわけでございまして、事故調査報告書を審議し、これを公表するというところに私ども委員会の最大の機能があり、現実に果たしていると思っております。しかしながら、おっしゃいますように、勧告あるいは建議等についてはまだ行っておりません。私どもといたしましてはこれについて毛頭等閑視しているわけではございませんが、幸い当委員会発足以来、いわゆる非常に重大な事故というものはまだございません。もちろん重大な事故があったからといってすぐ勧告、建議になる、あるいはないからといって勧告、建議がないというわけではございませんけれども、私どもの委員会としてこれまでまだ勧告あるいは建議というものをするような事態を発見し得ないというところでございます。しかしながら、事故調査原因報告書の中で所見というものを時折付しております。これは、勧告は大臣に対する勧告でございます。しかし、私どもは当委員会の判断によりまして、所見というような形で、当委員会として多少問題となった事案について特に世人の注意を広く喚起する意味でこれを行っておるわけでございます。 以上であります。
○久保(三)委員 結論として、やらないということですね。勧告については、あなたの見解で、事故調査の結果、勧告の必要を認めないから勧告しないというなら、見解の相違でありますからそれまでの話であります。しかし建議は、あなたのところのいわゆる責任なんですから、航空機事故防止に関する施策についての建議をしなければいけない。事故があったから、その調査をした結果によって、この問題は勧告しなければならぬ、それは事故調査の、現実にあったものについての帰結としてやるものなんだ。だから、それはさっき言ったように、われわれと事故調査委員会の見解の相違でありますからこれを強要することはできませんけれども、あなたの方の所掌事務の第三番目は「航空事故の防止のため講ずべき施策について建議すること。」、四番目でそういう調査、研究をしているかどうか。していないのじゃないかということですね。航空事故が起これば、そのときに調査すればいいのだということで、その中で沈でんしているのではないかというふうにわれわれはとるのですが、どうなんですか。建議は一つもしていない。建議をしていないということは勉強していないということです。事故が起きたから駆けつけていって調べだけはしましょう、しかし何も考えることはないから勧告の必要はない、これは能力の相違ですから仕方がありません。いかがですか。
○岡田説明員 勧告は運輸大臣に対する勧告、建議につきましてはいわゆる全般の、必ずしも運輸大臣に限られない建議というような条項になっておるわけでございます。 そしていまふだんの勉強の不足から建議に至ってはいないのではないかという御指摘があったわけでございますけれども、私どもとしましては、日常の調査報告の作成の過程において、本当にこれはひとり運輸大臣のみならず各省庁にも申し上げるべき事柄である、かような判断に至ったならば当然これはいたしたいものと考えておりますが、まだ現実にそのような事例を見ていないというのが私どものこれまでの考え方でございます。
○久保(三)委員 独立機関だから、事務局長に余りお尋ねするのはどうかと思うので、榎本さん、あなたはこっちへ場所をかえてなったばかりだから仕方がない、ここで改めて勉強してもらう、そういうつもりでお聞きいただきたいのです。 いまの事務方の御答弁は苦しい御答弁だと思っています。これは別に責めるわけできよう質問しているわけじゃない。しかし、職務を十分にやっていなければ、国会は節穴じゃありませんから、国民の代表としてやはり御忠告申し上げなければならぬ。勧告は、さっき言ったように、失礼ですが能力の相違ですからこれはやむを得ません。そこまで気がつかぬと言うから。そこまで、調査の結果として勧告の必要があるかないかという判断ができないというのならばこれは別でありますが、建議の方はいろいろな建議があるはずですね。これはやって悪いことはないのです。事故防止のためにはこうだ。ところがいままでにないのかというと、そういうのが数多くありますよ。しかもいままでの事故調査というのは、言うなら、道路交通でも同じですが、一つはパイロットミスとかそういうものが中心になっていくのです。あとは飛行機機材だ。ところが飛行機を飛ばすというか飛行機が飛ぶことは、そういうことだけじゃないですね。そのパイロットの所属している会社の営業方針というか経営方針も大なり小なり責任としてかぶさってくるわけです。それからそういう人の労務管理そのものも問題になってくるのですね。ところがそういう問題は、いままでなかったのか知りませんけれども、調査の結果としては出てこぬ。それからもう一つは空港なり管制、そういうものについての総合的な調査をやっておられるのかどうか非常に疑問があります。航空事故調査委員会というのは、ただ単にできた事故を調査するだけのためにつくったわけじゃないのです。調査して、その原因を的確に把握して、事故を防止するためにできているのでありまして、航空事故ができたから調査すればいいんだという簡単なものじゃないのですね。だから、あなたはなってまだ幾月にもなりませんけれども、そういう問題についてあなたの方の委員会では委員長を中心にして御討議なさったことがありますか。
○榎本説明員 お答え申し上げます。 いま久保先生御指摘のとおり、航空事故につきましては、それに関与する原因が非常に多く絡んでおる場合が多うございますことは申し上げるまでもないところでございます。 航空事故調査委員会が設立されまして約六年でございますが、その間百数十のケースがございます。先ほど事務局長から御答弁申し上げましたように、幸いにして重大な事故はこの六年間にはございませんでしたけれども、個々の事故原因につきましてはそれぞれの調査結果が十分出ております。これらを、六年たちましたので、この際それぞれの事故の原因等をよく総合的に検討いたしまして、将来、場合によったら建議をする必要があるということを委員会として正式に——まだ私就任早々で過去のことは存じませんけれども、雑談的にはいたしておりまして、先生御指摘の点を今後十分研究、検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○久保(三)委員 お帰りになったら、ぜひ委員長に私からそういう話がありましたとお伝えください。私どもとしては、あなたたちがどういう対応をするか今後見ていきたいと思うのですが、いずれにしても所掌事務について遺漏なきを期していただきたい。そのためには事務局体制が弱いなら弱いように補強の要求を出すべきであるし、そうでなければそうでないような対応があると思うのです。それをひとつ……。 それからもう一つは、第十九条で聴聞の問題があります。聴聞はしょっちゅう開いていますか。
○岡田説明員 聴聞は、運営規則によりまして報告書の作成終了前に報告書の案を関係者に公示いたしまして、公述人から公述の申請書を取り、それに基づいてやる、こういうような仕組みになっております。現在までのところ、この聴聞は一度もやっておりません。しかしながら、法律によりましても、当然の義務ではございますが、報告書作成に当たっては必ず前もって原因関係者の意見を聞き取らなければいけないということになっております。そちらの方の手はずは、当然のことながら完全にこれを実施しております。
○久保(三)委員 公述というのはおっしゃるとおりあなたの方の任意によってお調べというか、どうなのですかという事情を聞く、聴聞というのは意見を聞くということですよ。そうでしょう。おのずから違うのですよ。しかも、第十九条に明記していながら一回もやったことがないというのはゆゆしき問題です。
○岡田説明員 第十九条の条文によりますと、聴聞を行うかどうかにつきましては、委員会が「必要があると認めるとき」ということになっております。もちろん、第三項におきまして、「旅客を運送する航空運送事業の用に供する航空機について発生した航空事故であって一般的関心を有するもの」については聴聞会をやらなければいけない、こう書いてありますが、私どものこれまでの解釈では、十九条三項のこの規定に該当するような事例は幸いにも発生していないという解釈をとっておるわけでございます。
○久保(三)委員 いままで扱った事故の概要というか、本当のリストだけきのう取り急ぎいただいたわけなのでしさいに検討していませんが、私が短時間の間に見る限りにおいて、聴聞の必要が全然なかったかというと、そうは言い切れないと思うのです。これははなはだしく独断ではないか。たとえば陸上交通というか道路交通のもので、処分をします。その場合には、公安委員会は必ず関係者の聴聞をするわけです。警察というのは、昔のイメージがありますとオイ、コラなのですが、いまはなくなってきたようですが、そういうところでさえちゃんと聴聞しているのですよ。あなたのような飛行機を扱うような先進的な機構が非民主的なやり方、余り必要ありませんでしたというのはちょっといかがかなと思うのです。
○岡田説明員 道路交通法の処分の場合は、個人に与えられております免許とかそういう権利の剥奪、そういう関係になるような事態のものでございましょう。私どもの事故調査報告は、あくまでも行政ベースとしての事故原因調査ということでございまして、大変釈迦に説法でございますけれども、そういう性質のものでございまして、しかも関係者のパイロットあるいはフライトエンジニア等の意見につきましてはよく聞いて報告書をつくっているわけでございます。したがいまして、わが方の聴聞が必ずしも道交法の場合のそういうものと同じような性格のものとはちょっと考えられません。
○久保(三)委員 そうですね、警察とあなたの方はずいぶん違うから、解釈はそれでいいです。ただ問題は、報告書をつくる前に話を聞いたからいいというのじゃなくて、報告書はこうですよ、結論はこう出しますが、あなたはどうか、これはどういうふうに聞くのです。
○岡田説明員 申しわけございません。私の説明が不十分でございまして、原因関係者の意見を聞く場合に、私どもといたしましては、報告書の概略を相手側にきちんと話をしながら相手側の御意見を聞いております。その点につきましては、現実にいま先生がおっしゃったようなことを実行上はやっておるわけでございます。
○久保(三)委員 そうですか。それじゃ、なお事故調査の中身について手前どもも調べまして、その必要がなかったかどうか、手前どもの判断もしたいと思いますから、これは後へ残しましょう。 そこで、時間がありませんのでまとめて聞きますけれども、一つは、事務局長と警察庁の刑事局長との間に覚書があるそうですね。この覚書は後から出してください。 中身については、いわゆる事故調査の結果についてそれを通報するということのようでありますが、それは行政庁同士のやりとりでそういうものが決められるものであるのかどうか。この事故調査委員会で調べる事故調査というのは、犯罪容疑の調べの材料にするわけではないのでありまして そうでしょう。目的は、原因を探求して事故防止に役立てるということです。犯罪を防止するとは書いてないです。そういう覚書があるとするならば、これはいかがかと思うのですが、これはわれわれとしてもちょっと関心を持つところであります。 それからもう一つ。これは航空局長にお尋ねした方がいいと思うのですが、航空法三十条に関係して、この法律の違反あるいは非行または重大な過失、そういうことをした場合には云々というのが第三十条のようですね。それに関連して航空従事者等行政処分審査会というのを航空局の中につくっているような話なんですが、これはそのとおりであるのか、その目的は何であるのか、構成は何であるのか、お答えをいただきたい。
○岡田説明員 初めの、警察庁刊事局長との間の覚書については、もちろんそういうものはございます。ただ、これはいま誤解がありますようで、私どもは公表された事故調査報告書を警察庁側にお渡しをすることをもって実行をしております。 なお、この覚書の本来の趣旨は、むしろ航空機事故という非常に異常なケースにありまして、やはり治安をつかさどる警察庁の御協力をいただきませんと、当初の初動の捜査に適切な対応を欠くわけであります。したがいまして、私どもの事故調査の円滑な推進を図るためにも警察庁の御協力をいただく必要があり、そのための手順等につきまして定めておるものでございます。
○松本(操)政府委員 お尋ねのございました件は、事故を起こした起こさないに必ずしもかかわりませんで、技能証明等を保有する者として非行がありました場合に、それに対して処分をする、その処分規定が三十条であったと記憶しておりますが、その場合には当然聴聞等を行いまして結論を出す、こういうことになるわけです。果たして当該者がこの処分に該当するのかしないのかということを、ほしいままにそういった結論が出てくることを防止するために、航空局の中に技術部長を長といたしまして関係の課長等をもって構成する審査会というものを置いてございます。そういったような案件がございまして場合に……(私語する者あり)
○古屋委員長 御静粛に願います。
○松本(操)政府委員 これは果たして聴聞にかけて処分をする必要のある案件であるのか、それともそれほどのこともないというふうな問題であるのかどうかというふうな点を調査して原案をつくるというところまでの段階にその権限をとどめてございます。
○久保(三)委員 いまの警察との関係は、後からそのものをいただいて、後にします。 航空局長のお話は、何に基づいてそういう委員会、審査会というのをつくるのですか。この法律にはそんなことは何も書いてないのです。これは民主的におやりになるというのは結構でありますが、しかも技術部門だけのメンバーによって審査会をつくるということは、いかにも何かどうも、技能証明というか、そういうもののことでありますけれども、それを取り消すか停止するかということですから、それは技能そのものに関係する場合もあるし関係しない場合もあるのですね、この法律から見ると非行とか何とかいうのですから。どうもその点で解せない点があるのです。しかも重大な過失という場合にそういうものを停止するという、これは法律そのものがそうなんですが、重大な過失といった場合には、これは別な面で処分されるものではないかというふうに思うのです。いかがですか。 〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
○松本(操)政府委員 まず、前段のどういう根拠かという点につきましては、特段法律等に根拠があるわけではございません。権限といたしましては、航空法の執行に当たるべき航空局の責任においてなすべきことでございましょうけれども、先ほども御答弁申し上げましたように、担当者の恣意によるということを防止するためにそういったような委員会組織というものをつくってあるということでございますので、あえて申しますれば、航空局内のそういった議論の場、こういうことでございますので、その結論が直ちに何らかの効力を持つということでは全くございません。 それからまた、必ずしも技術部関係だけでない案件もございます。これは仰せのとおりでございますので、必要により、あるいは監督課関係の人間でありますとか、そういうふうな者の参加を求めまして、妥当な結論を出すように運用を努力しております。 それから、これ以外に方法論があるではないか。これはもちろん罰則規定の適用につきましては論外でございます。行政処分といたしましての資格の停止等の三十条の範囲に限るということでございますので、重大な過失等が別途刑法上の問題あるいは航空法の罰則規定に直接的にかかわってくるような問題につきましては、かかわり合いを持っていない、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○久保(三)委員 この問題もなお検討の余地があるようでありますから、後へ残しておきましょう。 次に、先般田畑委員からもお尋ねしたと思うのですが、日米の航空協定の改定はいまどういう状態にあるのか、簡単に。 それと同時に、これを打開する、不平等協定だと言われる現協定を打開する構想は何を持っておられるのか。いまやカーター大統領は新しい立法措置もとって、運賃の自由化あるいはチャーター便の自由化、そういうものを基礎にして、米航空の優位の上にさらに制覇をしていこうというような考えもあるようでありますが、これに対する対抗措置としての構想はどんなものであるのか。 それからもう一つは、日中の航空路は沖繩の上空を通って上海に入っていくというような迂回路であることは御案内のとおりでありますが、ずっと前にも申し上げましたが、日中間の航空路を朝鮮半島を横断することによって短距離にしかも短時間に往復できるコースがあるはずなんであります。そのためには、特に朝鮮半島にあるところの朝鮮民主主義人民共和国並びに韓国、そういう両政府の合意も必要であろうかと思うのです。これはやっぱり一刻も早くやる必要があるというふうに思うのですが、これについての構想はいまあるのかどうか。あるいはあるとするならどういうアクションというか接触、そういうものをしているのかどうか。 それからもう一つ。三番目には、これは参議院でも先般質問をしているようでありましたが、成田の燃料輸送の問題であります。これは御案内のとおり、開港後三年間の日限ということで、関係の自治体その他については固い約束になっているわけなんでありますが、パイプラインの工事は、どうもわれわれが見る目では、そうスムーズにはいっていない。そうだとするならば、この見通しはどうなのか。あるいは工事の促進についてどんな手段をとっているのか。あるいは工事が必然的におくれる見込みならば、どういう手段方法をとろうとしているのか。個条書き程度の御答弁で結構でありますから、お答えをいただきたい。 以上です。
○松本(操)政府委員 まず第一の日米航空交渉に係る問題でございますが、先生御指摘のとおり、一九七六年にスタートいたしました日米交渉は、六回の議論をいたしまして、現在中断の状況になっております。中断されました以降、米側の国際航空に対する考え方というものが非常に激しく変わってきたことは、御案内のとおりでございます。たとえばショー・ゴーズ・オーダーの発出によるIATA否認の動きでありますとか、あるいはカーターのいわゆる新自由化航空政策の発表でございますとか、あるいはごく最近には国際競争法案に大統領が署名する、こういうふうな一連の動きがございました。 そもそもこの日米間の航空協定は、昭和二十七年にできたものでございますので、おっしゃるように、いろいろとふぐあいな点が多い。比較考量すれば不平等の面も多い。この点については過去幾つかの改定を経て、たとえば世界一周線の獲得とかやってきたわけではございますが、必ずしも満足する状態にはなっておりません。 そこで、現在中断されておるこの状態をどうやって打開していくかということでございますが、最近アメリカが幾つかの国と航空協定を結び直しております。その結び直した状況を見てみますと、大変残念なことに、米側の言い分をきわめて積極的に取り込んでいる国とのみ航空協定を結んでおります。米側の言い分と意見が合致しない国については、彼らもまた航空協定を結びかねておるようでございます。そういう状態でございまして、わが国の場合をこのパターンで分けますと、やはり後者の米側の言い分に必ずしも同意できないという立場のところに入るわけでございます。したがって、安易な形で米側と妥協すべきではない。その手段方法として、たとえば現協定を白紙に返すというふうなことも論じられておるわけでございますが、これも従前の例を見ますと、協定を白紙に戻した場合に、一年間はなお現協定が生きておりますし、さらに、十分に一年の間に新しい協定を結び得る目途がございませんと、かえって混乱を招くというおそれすらございますので、いずれにもせよ、最も有効適切な方法というものを今後積極的に取り込みながら、この問題については粘り強い交渉をしてまいりたい、このように考えております。 それから、第二点の日中の問題につきましては、御指摘のように、現在の航空路というものは、非常に込んだ航空路から分離をしておるということと迂回の形をとりますので航空路が長い、これを短縮すべきであるという点については御指摘のとおりであろうかと思います。ただ残念ながら、航空機を安全に飛ばしますためには単なる理屈だけではございませんで、技術的、実務的な問題が非常に多うございます。 そこで、たとえばいま御提案のありましたような北朝鮮の上空を、こういうふうなことになりますと、わが国との間にこういった技術的な取り決めもございませんどころか、具体的な通信設定の手段も欠いておるというふうな状況でございますので、いま直ちにこれを実行するということは非常にむずかしいわけでございますが、しかしこれは今後何とか解決をしていくべき問題であろうか、こういうふうに思います。現在までのところ公式的な接触を持ちがたい状態ではございますが、今後私どもとしても十分に研究をしてまいるべき問題ではないか、このように考えております。 最後に御質問ございました成田のパイプラインの問題は、現時点の状況は、大臣もしばしばお答え申し上げておりますが、五十六年三月、つまり暫定輸送開始後三年をもって打ち切るということでございますので、それに本格パイプラインが間に合うように全力投球をしておるわけです。大臣も直接公団の幹部職員等に対し激励をしておりますし、私ども事務方もまた、具体的な技術的な問題をとらえて全力を挙げてこの解決に取り組んでいる状態でございます。したがいまして、いまの段階で、予定がうまく進まなかった場合に云々というところまで私ども実は知恵が回らないわけでございます。何とかいまの状況を打開し、曙光を開いていくというあたりのところに全力を集中しておる、こういう状況でございます。
○久保(三)委員 燃料輸送の問題は、非常にむずかしいのかもしれませんが、抽象的な御答弁だけで済まされるものではないのでありまして、具体的に方針をお決めになることが私はやはり一番大事だと思っている。いい、悪いは別ですよ。抽象的に、いま一生懸命打開の方策を考えています、詰めていますというのは、どういうふうに詰めているのか。時間があれば一時間ぐらいかけて聞きたいところですが、時間がありませんから後にしますけれども、私はそういうふうに思う。これは実際政治問題です。運輸大臣にお聞きしても同じだと思うから聞きません。 日中航空路の問題は、航空局長の御答弁のとおり、北回りについては何にもないのでありますから、ないからできないのはあたりまえの話で、これはやろうとするならつくらなければいけませんね。つくるのはやはり政治家ですよ。運輸大臣、どうですか。日中航空路の短縮についてあなたはアクションを起こすつもりはありますか。いかがです。
○地崎国務大臣 政府の外交交渉を待つところでございますので、外交交渉の進展を見ながら対処してまいりたいと思います。
○久保(三)委員 外交交渉していないんじゃないですか。するのにどうしたらいいですかと聞いているのですよ。これはしていないのです。あなたが、運輸大臣がプッシュしなければだれもやる人はいませんよ。外務大臣などはこれは全然関心持ちませんよ。いかがです。——運輸大臣、責めるわけじゃありませんが、とにかくやはり運輸大臣ですからやってみなければいけませんよ。日米の航空協定改定についても、いまの航空局長の御答弁は早く言えば何もやらぬということなんですよ。結論的にはやれませんということだ。それじゃ困るんだ。何かアクションを起こさなければ向こうだって応答がありませんよ。これはやるべきだと思うのですね。航空協定を破棄したら一年間は現行どおり、その後、結べるかどうかわからない、結べないときは結べないときの算段をするほかありません、向こうに行ったら何が出るかわからぬから行けませんでは全然話にならないじゃないですか、向こうは優位にいるんですから。わが国が優位にあるんならそれでいいんですよ、何も好きこのんで先の方へ行くことはないのです。これは私は政治家の任務じゃないかと思うのです。日中と日米について簡単にお答えいただきたい。
○地崎国務大臣 日米の双方の立場は大きな隔たりがあることはよく先生御承知のとおりでございます。しかし、その前途に非常に厳しいものがありましても、わが国としても何とかして最近の国際情勢の変化等を勘案しながら、今後とも航空権益の不均衡是正に努力してまいりたいと存じております。 また、いまの北朝鮮の問題でございますが、自由民主党の中でも水かき外交のようなことをやっておりますので、その成果を十分ひとつ期待をしてまいりたいと思っております。
○久保(三)委員 運輸大臣、もう少し政治家らしい話をしようじゃありませんか。これは運輸省の中の話じゃないんですよ。ひとつ気軽にしようじゃありませんか。そういう話をしても別に責任問題になりませんから。私はかねがねそう思っている。運輸省のお役人の話はお役人の話で結構なんです。これはもう権威があるんですから、それはそれでいいです。しかしもう一方、運輸省のお役人以外にやらなければならぬことは政治家としての運輸大臣がおやりになるという積極性がなければだめだと思うのですね。説教しているんじゃないですよ。そういう考えを持っていますということを申し述べているだけでありますから、気を悪くしないでひとつお願いします。 じゃ時間がありませんから先に行きましょう。この問題も結論がつかないで、きょうは結論のついたものは何もありませんね。航空局長、いいです。飛行機の方はこの辺にしておきます。とんだ話になりました。 次は、先般出しました自動車運転者の労働時間等の改善基準、これはいままでの二・九通達を改善したということでありましょうが、改善したものもあるし何か後退したようなものもあるし、いろいろ問題があると思うのです。問題があっても、こういうものは最低限守らせるということでなければ安全が確保できない。安全ばかりじゃなくて、いわゆる公正競争ですね。いま特にトラックの問題あるいは自動車の問題は労働条件の不当な切り下げによって、いわゆるダンピングが行われている。これは自動車ばかりじゃなくて、最近ははっきり言うと造船の部門でもありますね。佐世保重工なんというのは大きな争議になりましたが、不当に労働条件を切り下げていく。あそこの社長さんの持っているいろいろな造船会社がこの不況にもかかわらず適当に船の受注を受けているというのは、言うならば不当な競争条件のもとで競争に勝っているということです。これはトラックの問題でも同じです。運輸大臣御承知かもしれませんが、いま言ったように公正な競争の一つのベースは、人間を人間らしく扱うという労働基準を守ることが最低だと思うのです。その上に立って、知恵を出し努力をして競争することはいいと思うのですね。ところが、最近は労働基準法を守らぬものが労働省の調査だけでも約八割ぐらいいるんですね。そういう中で、どれだけ道路運送の輸送秩序を確立しようということでいろいろな施策をやってもしり抜けなんですね。だからわれわれとすれば、最低限公正競争の条件として労働基準は守らせる。今度労働省が通達として出したこの運転者の労働時間等の改善基準は最低限守らせるということが必要だと思うのです。守らせるについては、守らせるための担保力がなければ、いまの場合は、なかなか良心的に守るような者ばかりではありませんから、そうでしょう。どこで担保するか、遵守させる担保をどこでつけるかというのが問題だと思うのです。自動車局長もおいでですが、あなたの御意見を先に聞いた方がいいと思うのです。労働省の意見は、こういう基準は決めましたということですが、この人たちは、決めて監督するという立場なのですが、監督が行き届かないのだ。ついては、行き届かないものを行き届くようにするのが、自動車局というか運輸省の責任でもあろうかと思うのですが、これを守らせる担保をするための考え方は何かありますか。
○飯島政府委員 新しい二・九通達の関連の問題でございますが、私ども運輸省といたしましては、この問題はいま先生御指摘のとおり、公正競争を確保するという観点からも大きな問題でありますし、また、安全の確保をする、あるいは過労乗務を防止する、それによって事故をなくしていくという観点からも非常に大事な問題だというふうに考えております。 〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕 従来からも労働法令等と整合性を図りながら、運輸規則に定めております各種の過労防止の規定について、遵守方の指導をいたしておるところでございます。新しい二・九通達を守るようにするためには、一つは、いろいろな施設の整備が要るというふうに考えられます。一番大きいのは、休憩施設の整備ではないかと考えております。それから、事業者自身におきましても、勤務割りとか業務割り、運行ダイヤを見直す、あるいは荷役作業と運転等を分離したり機械化を進める、乗り継ぎ地点を設ける、営業所の仮眠施設等を拡充する。さらに進んでは、共同一貫輸送を推進するというようなことも必要ではないかというふうに考えております。 それから、第二の施策といたしましては、新しい通達に違反した場合のことでございます。私どもといたしましては、従前から運送事業者に対します計画的な監査を実施いたしております。また、重大事故を起こした場合とか、二・九通達に違反する場合に、警察あるいは労働省と相互通報制度もございます。そういった場合には特別監査を実施するというようなことで、違反しております事業主、これは、二・九通達に違反しているからすぐに処分するというわけには道路運送法ではまいりません。そういう問題がある場合には、運行管理あるいは整備管理全般にわたりまして監査をいたしまして、各般の対応において適切な行政処分を行っておるところでございます。今後ともそうしてまいりたいと思います。
○岡部説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、新二・九通達の実効の確保というのは最重点課題として、私ども昭和五十五年度の行政運営方針にも掲げた次第でございます。そのやり方につきましては、ただいま運輸省の方からお話があったとおりでございます。私どもといたしましては、まずこの新通達を労使に徹底するということで昨年十二月に通牒を発しましてから現在まで、さらに今後今年度前半は周知徹底を図っていく、新しい運行ダイヤを組む必要がある企業も相当あるわけでございますので、そういった趣旨の徹底に努めていくということが第一点でございます。 それから第二に、荷主の協力を得なければこの新通達の施行はなかなかできないというのが実態でございます。したがいまして、私ども八十二の荷主団体に対しまして要請を行ってまいっておりますが、今後も強力に荷主団体への働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。 それから第三に、各省との連携でございますが、いま運輸省の方からお話がございましたように、相互通報制度というものを設けているわけでございますが、これをさらに充実したものにしていく、これはまた警察との関係で道交法上の問題にもつながるわけでございます。 結局これは通達であって罰則つきではないではないかという御指摘でございますが、先ほどのように、この基準に違反しておりますような業者というのは、やはりほかの面で労働基準法等にもろもろ違反しているというのが通例でございます。したがって、多少別件逮捕的な思想になるかもしれませんが、私どもの方の一斉監督等におきましてこの基準に違反しておるところが発見された場合、ほかの法基準によりまして、その是正を求めていくというふうなこともできようかというふうに考えておるところでございます。 それから公正競争の観点でございますけれども、言わばこの業界には、先生御承知のとおり、いろいろ白トラ、白ダンプというふうな実態がございますけれども、せっかくこの基準を守ろうという業界の姿勢ができているように私ども拝見するわけでございますが、正直者がばかを見るというふうなことであってはならないというのが私どもの考え方でございまして、運輸省とも連携をとりまして、そういうようなことのないように施策の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○久保(三)委員 お話がありましたが、法律でなくても、こういう基準に違反するような者はその他一般的な労働基準法違反が多いから、それでひとつ処分するというお話ですが、なぜ改善基準を法律にできないのか。それほどおっしゃるなら、改善基準を労働基準法の特例というか、きちっと取り組むなり何なりしてやるべきだと思うのです。これをやらぬところにどうもなめてかかると言ってはおかしいが、どうでもいいのだというふうな解釈さえ出かねぬというあんばいではないかと私は思うのです。あなたの御答弁だと、業界も守ると言っているから守るでしょう。人を信用するということは一番大事なことでございますけれども、信用し過ぎると、はっきり言って担保力になりませんから、これはいつまでも通達でおくべきではなくて、いずれの日にか労働基準法を改正してやるなり、いわゆる特別法をつくるなりして、これを規制する必要がありはしないかというふうに思うのですが、いかがですか。 それからもう一つは、どうしてILOの百五十三号条約は批准できないのか、できない理由は何なのかということを簡単にお答えいただきたい。 それから自動車局長に。お話しのとおり担保はいろいろあります。休憩所の話は後からしますけれども、しかしながら一つは、ある制度というか、法律にはこういう法令に違反した場合は新しい免許はやらないという法律さえあるのです。たとえば、思い出すと漁業法という法律があります。これは許可漁業については五年ごとの更新なのです。更新する際に、言うならば労働法令等に違反した場合は更新をさせない、許可をしないということがあるのです。私は処罰だけがいいこととは思いませんけれども、言うならば何か底上げをした形がなければなかなか守りにくいのが現状ではないかというふうに思うので、道路運送法の中に一項目加える必要がありはしないか。いま直ちに加えますというお返事はいただけないと思うのだが、これは検討をする必要があると思います。あなたの方でトラックのいろいろな取り締まりとか指導、監督をやっています。それも必要だが、そういうものを置くことによって自粛、自戒する手も考えられるというふうに私は思うのですが、そういう点でいかがですか。
○岡部説明員 ILO百五十三号条約の方からまずお答えいたします。 これは昨年六月にILOにおきまして採択されたわけでございます。現在のところ批准国数はまだございません。わが国における処理といたしまして、この条約は今国会、恐らく五月に入りましてから国会に報告が行われる、そういうような段取りになろうかと思います。したがいまして、現在のところ正確な翻訳、案文を詰めているというふうな段階でございます。 私ども、この条約に対しまして、昨年の総会におきまして政府といたしましては、条約に賛成の立場をとったところでございます。したがいまして、国内法令等とのすり合わせを考えながら、将来前向きに考えてまいりたいというふうに思うのでございますが、ILO条約の批准につきましては、従来から厳密に国内法とのすり合わせを行って、その後に批准をするというふうな慣行といいますか、閣議決定で方針も出ているわけでございます。したがって、これからこの条約の実施状況報告が各国から寄せられると思いますが、それがILOにおける条約勧告適用委員会においていろいろ審査をされる、そういう中でこの条約の法としての問題点が浮かび上がってまいろうかと思います。そういうものを見ながら私ども検討してまいりたいと思いますが、前向きに検討を進めてまいりたいという基本的な考え方でございます。 それから、いまございました新二・九通達を法律化できないのかという点でございますが、これもそういう御意見が労働団体から私どものところにいろいろ寄せられておるところでございます。内容は非常に重要でございまして、法律化ということも一つの研究課題であるというふうには私ども承知しているわけでございます。しかし、いまのところ、そこまでの国内的なコンセンサスと申しますか、そういうものがまだむずかしいのではなかろうかというふうに考えているところでございます。この問題もILO問題とあわせまして研究課題としてひとつ御了承をお願いいたしたいというふうに考えております。
○飯島政府委員 いま先生のお話は、他の法令に違反している場合に、道路運送法の免許を与えないように道路運送法の改正が考えられないかというお話かと思います。先生よく御存じなのでくどくど申し上げませんが、道路運送法にそういうたぐいの規定を入れますのは、立法技術上、かなり困難な問題があるというふうに現時点では認識いたしております。 ただ、道路運送法におきましては、先ほど申し上げましたように、安全の確保ということが事業遂行上大きな必要要件になっております。したがいまして、運輸規則におきましてもいろいろな規定を置いておるところでございます。また、免許の基準を適用するに当たりまして、適確に遂行する能力があるかどうか、あるいは適切な計画を有しているかどうかという基準がございまして、その運用に当たりまして当該事業者の免許を与えるべきかどうかについての判断を、他の法令違反等もある程度頭に置いて審査できるのではないか。 それから、増車の場合につきましては、まさに先ほど申し上げました三十条に基づきます運輸規則等に違反しているような場合は増車を認めないというような運用も考えられるのではないかと思います。 なお、本件につきましては、他の立法例等も参考にして、引き続き勉強してまいりたいというふうに考えております。
○久保(三)委員 いまのお話の中で一つ大事なことは、免許を更新するというか、免許をする場合だけじゃなくて、現に免許を与えている者の事業についても、営業の停止とかあるいは免許取り消しとか、そういうものも含めて担保力を持たせることが必要だというふうに私は考えていますので、あわせて御検討をいただきたい、こういうように思います。 時間がありませんので次へいきます。 いま自動車局長からお話がありましたように、長距離トラックの道路上におけるところのいわゆる休憩所、いわゆるサービスエリア、そういうものの施設というのがそう十分ではないというふうに思うのであります。これは、道路局長おいででありますが、道路をつくる場合に必ずしも義務的にはなっていないんですね。だけれども、こうなってきては、やはり道路を供用させる責任ということになれば、安全であり快適でなくちゃならぬということが——まあ快適の方は後からでもいいけれども、安全でなくちゃならぬということがやはり一つの条件になると思うんですね。ましてや有料道路である自動車道、そういうものについては、当然のごとくそういうものが義務づけられるべきだとわれわれは考えているわけだ。ところが、義務づけられていないんですね。この間、東名の高速道路で夜間、労働団体あるいは業界団体が共同でサービスエリア等の調査をしたとき、これはテレビでも放映されましたが、そういう施設が非常に不足するために、過労運転というか、無理な運転をしなければならぬということが実態調査の中ではっきりしました。だから、当然、道路の付属施設ということでサービスエリアなり休憩所の設置、こういうのは義務づけるべきだと思うのですね。ところが、当時の——公団来ていますか。あなたではなかったと思うのだが、テレビに出ていたのは。何とか課長さんというのがテレビの中で出て、そういうのが不足しているのはわかっていますと、こう言うんですね。それじゃ何か増設する計画はあるんですか、いや、計画はありませんというようなことで、余り痛痒を感じないような顔をして返事しているんですね。これは大変なことだと私は思うんです。お金を取って、それで通しているんですよ。安全に通すということが——ところが、眠い運転手がどこにも車の置き場所がなくて、それでふらふら運転している。これを助けてやることは当然です。これは助けることがその他のトラックの安全を確保することにもなるわけですね。そうすると、道路全体の安全確保ということになる。ところが、そのときの答弁では、何らの計画はありませんと言うんですね。ないのかもしれません、本当に。正直に答えたんだろうと思う。しかし、それは正直であることは結構だが、そうだとするならば、これは大変なことだと思うのです。いままでも実態調査を待つまでもなく、道路公団の関係者はそういう実態がわかっている。わかっていながら、計画を立てていかないというのは、これは不当ではないか。だから、私は、そういう関係法律をまずもって義務的に改正したらどうかというふうにも一つは思う。改正するしないは別としても、少なくとも道路の付属施設というか、そういうものとして義務づけていかない限りは、これはなかなか整備がむずかしいのではないかというふうにさえ思う。この点についていかがですか、局長さんと道路公団からお伺いします。
○山根政府委員 お答え申し上げます。 高速自動車国道につきましては、建設当初から道路の線形に十分配慮いたしますとともに、路肩の確保、中央分離帯、防護さくの設置といった安全に対しては、道路構造上十全の措置を講じているわけであります。 御指摘の休憩施設の問題でございますが、高速自動車国道につきましては、インターチェンジのみを通じてしか出入できない、こういうことでございますので、連続高速走行での疲労と緊張を解きほぐしまして、疲労による事故防止を図るための休憩施設を設置することといたしておるわけでございます。休憩施設といたしましては、駐車場、便所等の施設を備えたパーキングエリア、これを約十五キロメートル間隔、さらに給油所、食堂などの施設を加えましたサービスエリアを約五十キロメートル間隔に配置をいたしまして、走行車の利用に供しているところでございます。 近年東名、名神高速道路におきましては、利用交通量の増大に伴いまして、パーキングエリア、サービスエリアの利用度が高まり、特に都市近郊の一部の休憩施設におきましては、先生御指摘のように、飽和状態を呈している状況でございます。したがいまして、昭和四十八年度からこれらパーキングエリア、サービスエリアの施設内の園地の部分やアイランドを駐車マスに切りかえるという一次改良を実施してまいっておりまして、昭和五十四年度までには、東名、名神高速道路における駐車マスにつきましては、供用当初に比べまして約四四%の増設を行ってまいっております。 今後とも利用状況に応じまして、休憩施設の駐車スペースの増大に努める考え方でございまして、五十五年度におきましては、港北パーキングエリアにつきまして新たに用地を取得をして、二次改良を行うよう計画を進めておるところでございますが、時間帯、特に明け方にかけましての大型車に対する駐車スペースの確保、こういう点につきましては、需要がかなり多いというようなこともございますので、他の運行等とにらみ合わせまして、私どもとしても最善の努力を払いまして、駐車スペースの拡大には今後とも努めてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○持田参考人 お答えいたします。 公団の課長が、この間NHKのテレビで質問がありまして、考えていないということでございましたけれども、その課長は管理局、出先の課長でございまして、全体の実態をまだつかんでいなかったかと思います。また、やはり予算的な制約もございますので、はっきり申し上げなかったかと思います。 ただいま道路局長からお話がございましたけれども、公団としましては、昭和四十八年度から東名、名神の非常に飽和状態の激しいSA並びにPAの改良をやってきておりまして、東名で一例申し上げますと、トラックだけで申しますと、当初九百八十台くらいのスペースを、今年度末には千四百三十台というふうに、年々こういった休憩施設の改善をやっておりますし、先ほど先生のお話にございましたような実態調査もやっておりますので、こういったものにつきましては、建設省あるいは関係機関と協議して今後対応していきたいというふうに考えております。
○久保(三)委員 これまでやってきたことを聞いているんじゃないのです。実態調査の結果不足しているから、これからどうするのかと聞いているんですよ。だから、きょうは時間がありませんので、資料として局長さん、あなたの方からも、どういう計画であられるのか出してください、お願いします。 それと同時に、時間がありませんから次に言いますが、道路公団も、少なくともそういうふうに不足して困っているというなら、現有施設をもっと便利に、有効に使う方法を考えるべきだ。幾つかの指摘がありますね。照明が暗くて、奥まで詰まっているかどうかわからぬ、そこまで行かなければわからぬというので、うろうろする。これは危険なんです。そういう夜間において特に問題があるとするならば、そこに道路公団として、安全確保のためにも、そういうものの運営について管理者を置いて、指導者をして指導させるのがあたりまえだと思うのです。そうでしょう。それはやるつもりがありますか。
○持田参考人 確かに、夜間のSA並びにPAの休憩施設を利用される場合に、出入口にトラックが駐車するということになりますと、奥の方にせっかくすいているところがあってもなかなかできない。そういうことに対して今後検討して、十分利用価値が上がるようにしていきたいと考えております。
○久保(三)委員 きょうは急にお呼びしたので、いろいろ御用意もないようですから、いまぼくが指摘したような点、現にある施設を有効に、安全に使わせるような方途は、いつから、どういうふうにやるか、書面でお答えをいただければ結構です。 次は、自動車局長にお伺いするのですが、あるいは安全対策室長、長いことお待たせしました。いろいろお骨折りいただいて、ダンプの輸送秩序維持についていろいろ対策を練られてまいりました。 これはいまさら復習する時間もありませんけれども、一つは協業化の問題であります。間もなく実施に入るわけでありますが、これを関係者に周知徹底するのは非常にむずかしいのか知りませんが、先ほどの話のように、関係業者の協力がなければ、これはなかなかむずかしいんですね。ついては、関係業者に周知徹底するための努力、特に業者団体、そういうものに対する対策はどういうふうにおとりになりますか、これをお聞きします。 それからもう一つは、これは運輸省にお聞きするのがいいのか知りませんが、希望する者だけやってもらおうじゃないか、こういうことですね。大体輸送秩序を維持するためには三つに区分けしたわけですね。一つは、労働性のある者は、いわゆる労働者として雇用関係を明確にしてもらう。もう一つは、自家用車でそういうものを運んでいる者は、その事業の証明によって適確にこれをやってもらう。あと残った者は全部協業化によって、共同事業としてやってもらう、この三つなんですね。その中でも、協業化の問題が一番むずかしいと思いますね。 運輸省では、いろいろ対策を練られて具体的にやってきましたが、さっき申し上げたように、これは強制できるはずはありませんけれども、三つのうちのどれかにある程度入ってもらわなければ困るわけですね。それに対する指導を、関係業者を含めて強力にやる必要があると、われわれはいま思っているわけです。ついては、当面する問題でありますから、これはどういうふうにおやりになる考えであるか、一言お聞かせをいただきたい。
○飯島政府委員 ダンプカーの輸送秩序の確立の問題という点につきましては、従来から先生御案内のとおり、鋭意努力をしているところでございます。 第一点の、PRの方法はどう考えているのかということでございますが、まず陸運局あるいは陸運事務所の担当課にパンフレットを新しくつくりまして、それを常時備えつけております。東京陸運局の場合は「大型ダンプカー使用者の皆さんへ」ということで、できるだけわかりやすい内容というか、表現で書いてございます。それをもちまして、ダンプカー使用事業者等から問い合わせがあった場合に即応できる体制をとっております。 第二の方法といたしましては、関係都道府県のトラック協会あるいはダンプカー協会から説明会を開いてくれという依頼が多うございます。そういう場合には、協業化につきまして担当官が積極的に出席をして説明をするということを実施いたしております。 それから、次の輸送秩序の確立に関連して、三つの類型に整理すべきではないかということでございますが、第一の問題については労働省で検討いただく問題で、雇用関係を明確にするという点でございますが、労働省とも協力しながら検討してまいりたいと思います。 それから、自家用車であることを明確に何らかの形で証明をさせるという点につきましては、昨年の十一月に通達を出しまして、事業を経営するのに必要な資格を持っているかどうか、たとえば建設業とか砂利採石業というのは別途の許可が必要でございます。そういう許可証を添付させるとか、要するに経営する事業を証明する書類を添付させることによりまして、あいまいなダンプカー業者を排除してまいりたいというふうに考えております。 協業化につきましては、先ほど申し上げたような方法で業界を指導してまいりたい。 なお、関連いたしまして、中小企業振興事業団の高度化資金の低利融資を受けられる道も開きましたので、それ等も徹底させながら協業化を推進してまいりたいというふうに考えております。
○三島政府委員 ダンプカー事業者の協業化の促進等につきましては、ただいまお話がございましたとおり昨年十一月に運輸省の方から通達が出されまして、陸運局及び陸運事務所におきます周知徹底が図られているところでございますが、総理府におきましても、現在三十二都道府県に設立されておりますダンプカー協会を通じまして、当該通達の趣旨の周知徹底を期しているところでございます。 また、昭和五十四年度におきましては、モデル県十県を選びまして、当該通達の趣旨を踏まえまして協業化促進のポスター、ちらしを作成、配布したのを初め、関係事業者に対する説明会の開催あるいは意向調査等の協業化指導事業を実施しているところでございます。 なお、昭和五十五年度予算におきましては、協業化指導事業をすべてのダンプカー協会において実施できるよう措置しておるところでございまして、今後とも関係省庁と緊密な連絡をとりつつ関係業界に対する周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○久保(三)委員 時間もなくなったのですが、いまお話しの協業化の問題も通産省の関係の業界、こういうものに対して協力を求める必要があると思うのですね。そういうものを除いてはなかなかどうもうまくいかない、こういうふうに思うので、これについてはどちらでやるかは別にして、早急に接触を持ってもらいたい、こういうふうに思います。 それからもう一つ。これは総理府でおやりになるというのは、改めてダンプについては三つの区分けにするという政府の方針を明確に、ダンプを運転しあるいは営業している者に、あるいは関係業者に伝える必要があると思うのですね。これは自動車局長の責任でもあるかもしれませんが、三つに区分けする、その三つのうちのどれかに入ってもらわなければいけませんよという政府の方針を周知徹底する必要があると思うのです。改めてこれはひとつ対策をとってもらいたい。次の機会にどういう対策をとられたかをお尋ねをしますから、きょうはお話を申し上げるだけにしておきますが、早急にお願いしたい。 そこで、時間もたくさんなくなって海運局長大変失礼をしました。残りは後にしますけれども、海造審の答申がありました。この中身はもうすでに前の小委員会での答申というか中間答申が基礎になっておるようでありますから改めて新しいものはないのではないかと思う。この答申全体についてのお尋ねは、時間もありませんのできょうは大変失礼ですがやめさせてもらいたいと思うのですが、当面の問題として、先般田畑委員からもお尋ねしたと思うのでありますが、UNCTADの同盟憲章条約の批准の問題でありますが、これは先進海運国との調整もあってまだ若干の日にちが必要であるという。何で先進国の調整を待たなけれがならぬのか、われわれとしては非常に疑問があります。これはECではどういう態度になりましたか。それから、いつごろこれは入るのか。 それからもう一つは、いわゆる北米航路についてシーランドが御案内のとおり盟外ということで殴り込みをかけてきておるようでありますが、これはなかなか深刻な問題になってきている。これに対する対応策はいま考えておられるのかどうかですね。それからもう一つは、ソビエトを中心とする東欧諸国、これらにおけるところのいわゆる低運賃の盟外船の問題。これに対する対抗策というようなものは何か考えているのかどうか。 それからもう一つは、中小オーナーの対策ですね。先般中小船主協会が何か白書を発表したそうですが、オーナーの問題は中核体に集約する以前からの問題なんですね。日本海運の大きな問題と言えばあるいはオーナーの問題かもしれぬとさえ言われております。このオーナーの、特に中小オーナーの問題はどういうふうに取り上げていく考えであるのか、時間もございませんので粗筋だけで結構です。一番最後までお残りいただいて大変恐縮でありますが、いま申し上げたことをひとつお願いしたい。 同時に、できますれば一言外国用船、いわゆる便宜置籍船というか仕組み船やチャーターバック船の比重というのが非常に多くなってきた。五割以上にもなってきた。船腹構造を変えなければならぬというのは答申にもあったようでありますが、変える場合に問題が幾つかある。そういうものについて具体策をいまお持ちであるのかどうか。 以上の何点かについてさしあたりメモ程度で結構ですからお答えをいただきたい。
○妹尾(弘)政府委員 UNCTADの問題につきましては先生三つほど、ECの問題、それからシーランドの問題、盟外船の問題と御質問があったわけですが、海運局のここ一、二年の対応ぶりは、これは一括して対応したいと実は考えていたわけでございます。それは定期船同盟憲章条約に関しまして国際間のああいう合意ができたので、これにまず加盟したい。実はECは昨年留保づきで加盟するという結論を出しております。この留保はどういうことかといいますと、先進国と後進国との間の航路に関してのみ、そしてその場合に後進国にいわゆる四、四、二のシェア割りというのがありますが、後進当事国に四を与えるということだけを確保する、あとの六はいままでどおり自由にしたい、それから先進国同士の航路、こういったものに関しましては従来どおりこの条約は適用しない、こういう発想でございます。私どもとしては、せっかくこういうことで国際間定期船同盟秩序というものの一つの基準が国際的に合意されたのでございますから、できれば無条件で加入したい、かように考えているわけでございます。それで、その点に関しまして関係省庁との折衝をしておるわけでございますが、いまだ合意に達していないというのが実情でございます。それで私どもの考え方を率直に申し上げますと、こういう定期船同盟秩序というものを海上運送法の改正によりまして国内法化する、それでその同盟に対しまして条約の基準に従いまして一定の規制をいたしますと同時に、同盟加入船主だけを規制するということは片手落ちでございますので、あわせて盟外船に関しましても一定の規制をいたしたい。それによりましてこのたびのシーランドの問題あるいは東欧諸国のいわゆる商業ベースによらない海運活動、こういうものに対して一定の歯止めをいたしたい。これらを、いま申しました国際間のECの問題、シーランドの問題、あるいは東欧諸国の問題、これを一括してそういう方針で処理したいといま考えているわけでございます。 それから中小オーナー対策は、確かにこれは運輸省の戦後の海運政策の非常に大きな問題でございますが、昭和三十九年集約の際に、オーナーというものを中核体を中心としたそのグループの中でめんどうを見合うということで、それを中心として、あと政府が見定めて合意をする、こういった方策で対処してまいったわけでございますが、近年、後ほど申し上げますが、日本船の国際競争力の低下というような問題もありまして、中核体自身がかなり手いっぱいだった、そういったようなことでオーナー対策が中核体の中でもややおろそかになっているというような面がございましたが、私ども、昨年以来計画造船を中心といたしまして日本船の競争力強化方策をやっておりますが、この一環としてその集約グループの中のオーナーの起用ということもできるだけ積極的に行政指導をしてまいりたい、かように考えております。 それから最後に、外国用船、いわゆる仕組み船ないし便宜置籍船の問題でございますが、これは御承知のように今度の海運造船合理化審議会の答申の中心課題でございまして、昭和五十一年ぐらいをピークといたしまして日本船自身が減少傾向をたどっている。それでさらには、日本商船隊の中で外国用船と日本船の比率というものが五〇%、あるいは日本船の方が五〇%を割るというような事態まで生じてきた、こういうことでございまして、資源の大半を海外に求めているわが国にとってゆゆしき事態ではないか、こういうことで、何とかしてこの日本船の国際競争力をつけて日本船を確保していくということがわれわれに課せられた重大な使命だ、こういう観点に立ちまして、まずさしあたっては緊急整備三カ年計画ということでかなり手厚い利子補給という問題もございましたが、私どもとしては今後ともやはり国際競争力の確保につきましては、企業自身が労使の努力によって、後進国の船員を乗せて便宜置籍で運ぶという船以上の国際競争力をつけるための努力を行わなければならない。それで将来の展望といたしましては、いわゆる船員費の問題というものが、もちろん後進国海運の船員費に対抗ができるほど船員費を節減するということは不可能でございますから、船員費自体の運航コストに占めるシェアが少なくなるように技術集約的なあるいは能力集約的な、技能集約的な海運という、そういう先進国型の海運というものをつくり上げていかなければならないのではないか、そういう方向でわれわれとしては施策を進めていきたい、かように考えております。
○久保(三)委員 ちょうど時間でありますので終わりますが、運輸大臣、お疲れさまでした。いろいろな重要な問題がありますので、お役人との質疑応答もこれは専門家として大事なんです。しかし私が運輸大臣にお願いしたいのは、機会を改めて、重要な政策問題についてはひとつ与野党とか大臣とか議員というような壁を一遍外して、この場所でお互いに意見を交換してみたらどうかと思っているんですよ。いかがでしょうか。
○地崎国務大臣 先生の適切な御指導を賜りたいと存じます。
○久保(三)委員 いや、そういう御指導というようなのでなくて、お互いにやっぱり重要な問題についてだけはひとつ意見を明確にすべき時期だと思っているんですよ。立場の相違その他はありますから、それを直ちに一緒にしなければならぬなんというようなことは考えていませんけれども、そうでないと、この委員会というのはどうも議員とお役人とのやりとりだけで終わってしまって、ちっとも政治的に前進がないんじゃないかという感じがしているんですよ。もっとも賢明な運輸大臣でありますから、そのやりとりの中からおれのやることはこれだなということでお悟りいただいているとは思うのでありますが、一言申し上げておきます。 ありがとうございました。
○古屋委員長 午後一時から再開することとし、 この際、暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○古屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。西中清君。
○西中委員 先ほども議論がございましたが、自動車運転者の労働時間等の改善基準について私もお伺いをしておきたいと思います。 最初に労働省にお伺いをしたいのですが、新二・九通達が出されまして、昨日より実施ということでございます。これは昨年六月に採択されましたILO第百五十三号条約、同百六十一号勧告等に見られますような国際的な要因、それに加えまして、昨年の東名高速道路の日本坂トンネルにおける大惨事等、こういった事件も教訓としまして、以前の通達をさらに見直しをし、自動車運転者の労働時間についての新たなガイドラインを設定した、こういうことだろうと思います。この点では、労働省、運輸省、警察庁等が連携してこれを徹底管理していく、そして安全対策としていくということであろうかと思います。 そこで、当面、簡単で結構でございますけれども、こうしたILO関係の経過と、それに準じましての国内的措置、この経過について御説明をいただきたいと思います。
○岡部説明員 自動車運転者の労働条件につきましては、先生御承知のとおり、非常に長時間労働、それに伴うところの疲労ということが特色でございます。これは古くはいわゆる神風タクシー、あるいはいわゆる砂利トラ問題、あるいは暴走ダンプというふうな社会的な問題として取り上げられたわけでございまして、運輸省御当局の方でもいろいろと対策を講じてこられたわけでございますが、労働省といたしましては、やはり労働時間の適正化ということが施策の重点ということでございます。したがいまして、昭和四十二年にいわゆる二・九通達、四十二年の二月九日の通達を策定いたしましてその適正化に努めてまいったところでございます。 この旧二・九通達と申しますのは、ILO六十七号条約及び第五十一号覚書というものを下敷きにしてつくっておりまして、実作業時間の規制ということを中心にしたものでございます。ところが、実際施行いたしてみますと、監督官が参りまして非常に長い労働時間ではないかと指摘をいたしましても、いや、休憩がその間にたくさんあったから実作業時間は実は短いのだというふうな説明を受けますというと、それきりになってしまうというふうな点が問題点として第一線から上がっておったところでございます。そこへ、ヨーロッパにおきまして、ECの段階でいろいろな自動車運転者の労働時間についての規制がだんだんに形をなしてまいりまして、さらにILOの場におきまして、一昨年から自動車運転者の時間規制の問題が条約及び勧告の形となって論議をされるに至ったわけでございます。これは昨年六月ジュネーブにおきまして採択されたわけでございますが、百五十三号条約ということになっております。 その内容は、たとえばハンドルの連続ハンドル時間を四時間または五時間に規制する、あるいは一日のハンドル時間を九時間、週四十八時間に規制するというような具体的な形で基準が示されておるところでございます。わが国はこれをまだ批准する段階には立ち至っておりませんけれども、旧二・九通達をこの際廃止いたしまして、新しいこの条約に即した形で基準をつくるということで関係労使及び関係省庁の御協力を得ながら、昨年の十二月二十七日に新しい改善基準を通牒として流した、このような経緯でございます。
○西中委員 これはあくまでも通達ということでございますから、いわば指導基準といったようなものであろうかと思います。当然罰則等もないわけで、この通達をより実効あるものとするためには、今後の運用といった問題が重要ではなかろうかと思うわけでございます。少なくとも守る人は守る、守らない者はそれっきり、こういうような担保力のない形であっては、この基準というものが空文化する、こういうふうに思うわけでございます。そこで、各省としても当然この実施に当たっては、それなりのお考えがあろうかと思うわけでございますけれども、労働省そしてまた、こうした運輸行政に携わる運輸省、こういった方々から御説明をいただきたいと思うわけであります。
○岡部説明員 この二・九通達は、御指摘のとおり一つの通達でございまして、法令ではございません。したがいまして、それにたとえば罰則などはないわけでございます。しかしながら、この改善基準の策定に当たりまして、関係労使の方々の御参加を得まして一年にわたって討議してでき上がったものでございます。したがいまして、関係労使のこれに対する関心というものは非常に強いものがございます。したがいまして、労使の自主的な努力によってまずもってこれが施行されていくという姿をとろうかと思うのでございます。 ただ、そうは申しましても、たとえばまだ未組織のところもございますし、中小零細企業の方もおられるということで、現在、全国各県におきまして、この通達の内容の周知を行っております。労働基準局の職員が中心となりまして講習会あるいは関係の参考資料の配布ということで進めておるわけでございます。 それからまた、この改善基準、たとえば拘束時間を一日十三時間以内とするというふうなことが出てきておりますが、これを達成いたしますためには、やはり荷主の協力が必要でございます。荷主のところでちょっと待てということで長時間待たされますと、拘束時間も延びてしまうということでございます。したがって、全国八十二の荷主団体に対しまして、これにつきましての協力要請を行っているところでございます。 それからやはり実効確保ということでは、関係省庁の御協力をちょうだいしないことにはできないわけでございます。これにつきましては、運輸省に運送事業法の関係からいろいろの御協力をいただきたいと考えておりますが、さらに道交法の関係で、道交法上の疲労の概念につきまして、いま警察庁といろいろとお話を進めさせていただいているところでございます。 それから連続ハンドル時間四時間と申しましても、四時間たったところで休憩施設がないということになってまいりますと、これは大きな問題でございます。この点につきましては、建設省あるいは道路公団の御協力をちょうだいしなければならないということで、この面につきましてもいろいろと協議をさせていただいておる、こういう段階でございます。
○飯島政府委員 先ほども御答弁申し上げたところでございますが、公正競争の確保あるいは安全の確保、事故防止、特に過労な乗務を防止するという観点から、従来からも労働法令と整合を図りながら、勤務時間、乗務時間あるいは過労運転の防止、休憩施設の整備等について指導をしてまいってきておりますが、今後も新しい二・九通達につきましても、同様に努力してまいりたいというふうに考えております。 いま話がありましたように、長距離トラックにつきましては、いろいろな機関あるいは荷主業界とも協議しながら、まず休憩施設を整備する、それがこの通達を守る条件づくりになるのではないかというふうに考えておりまして、それについて関係方面と折衝もいたしております。また事業者自身も勤務割り、乗務割りを見直す、運行ダイヤを見直す、あるいは作業について荷役の機械化を図る、あるいは乗り継ぎ中継地点を設ける、それから営業所の仮眠施設を充実する、さらには鉄道とかフェリーなどを利用した共同一貫輸送を推進するというようなことで、新しい事態に対応すべきではないかというふうに考えております。今後とも、労働省、警察庁との相互通報制度等を活用して、運転者の過労防止を期するよう、事業者の監督、指導に努めてまいりたいというふうに考えております。
○西中委員 この通達の目的はあくまでも交通安全の確保という背景を持ちながら、なお自動車運転者の労働条件を改善していく、こういった意味があるわけでございますから、いまも御答弁いただきましたけれども、通達をすればそれでいいという問題じゃなくて、何といっても大事なものは環境づくりということではないかと思います。 そこで、具体的にお伺いをしてまいりたいと思いますが、この四月一日からこれが施行されるということでありまして、実施に当たっては六カ月間の指導期間を設けて十月一日からというように聞いております。その間に必要な対応措置を各省庁間でいろいろと御連絡をいただくわけでございましょうけれども、労働省として、たとえて言いますとモデル事業所などというようなものを設定していくというようなお考え、こういうものはないかどうか。その他何らかの具体案をお持ちか、いまお聞きした以外にありましたらばお教えいただきたいと思います。
○岡部説明員 現在、新基準につきましては、各都道府県の労働基準局におきまして集団指導を実施いたしておるところでございます。それから、たとえば全日本トラック協会、全国乗用自動車連合会等の事業者団体におきましても、自主的に傘下の事業所に対しまして周知、遵守方に努めているというふうなところでございます。 そこで、先生はモデル事業所、こういう御提案でございますが、当面このような指導あるいは研修といったものの浸透状況について見守りまして、さらにまたそういうふうなことにつきましても研究をさせていただきたいというふうに考えております。 なお、御指摘のとおり、この新基準につきましては本年の十月一日から個別監督を実施いたしまして、遵守方について強力な指導に入る所存でございます。
○西中委員 運輸省の方は先ほどちょっと施設の話等がございましたけれども、いま具体的に何か固まっておるものがあったらお教えいただきたいと思います。
○飯島政府委員 特に休憩施設が問題になると思われますが、先ほども申し上げましたように、たとえば路線トラック事業者などは路線網を広げるに当たって営業所を設け、そこで必要な仮眠あるいは休息施設を設けております。そういう場合は自分の力で対応できる場合もあると思います。また、これは手待ち時間の関係が非常に大きな影響を与えると思いますが、荷主の協力を得て何らかそういう施設を整備するという方法もあるかと思われます。また高速道路等で、後で話が出るかと思いますが、サービスエリアを拡張してもらうという方法も必要ではないか。また、私どもが関係しておりますいわゆる運輸事業振興助成交付金というのがございます。これでトラックステーションを幾つかの場所でつくっております。この制度は輸送コストの低減あるいは輸送力の確保、あるいは労働条件の改善に資するということで設けられた制度でございますが、現在交付金によりまして整備しておりますのは、すでにできているのは浜松、福島、建設中が北九州、尾道、計画中が東京というようなことでございます。ほかに情報連絡所として全国に二十カ所くらい設けております。そういういろいろな方法で施設を整備してまいりたいというふうに考えております。
○西中委員 本年どれほどの施設をつくろうとなさっておるか決まっておりますでしょうか。
○飯島政府委員 いまはっきり申し上げられるのは、運輸事業振興助成交付金によるトラックステーションの建設でございまして、ただいま申し上げたとおり建設中が北九州、尾道、計画中が東京ということで、既設のものと合わせまして五カ所でございます。
○西中委員 先ほども御答弁にありましたけれども、事業所で宿泊所をつくる等というようなお話もございました。さらに運行する時間、いろいろ運転時間の制限等が加わってまいりまして、これはやはりコストという点では非常に重大な問題ではなかろうかと思うわけですね。こうした今回の通達によりましてコストの面では一体どうなるのか。たとえばトラック事業者といった場合にかなりのコスト負担がかかるのではないかというように私は考えておるわけです。これは一つのある運送会社ですけれども、現時点の営業状態の中でこの基準に合わせていろいろ試算をした。それによりますと運賃コストが二四%アップする。これは全部が全部そうなるとは言いませんよ、一つの会社ですから。しかし少なくとも私たち、今度のこの改善基準というものを見ておりまして、これは相当人的にも施設の面でもやはりある程度の負担はいままで以上にかかるのではないかというように考えます。特に運送事業などということになりますと、公共料金的な色彩も非常に濃いわけでございますから、改善基準の実施によってコストがアップするということは国民に対する影響も大変に大きいわけでございます。こういう点で運輸省としてはどの程度の負担がこうした事業者にかかってくるというようにお考えになっておるか、この点はいかがでしょうか。
○飯島政府委員 この新しい通達が果たしてトラック事業のコストにどれだけ影響を与えるのかという問題については、先ほどるる申し上げたようにいろいろな方法があるわけでございます。公的あるいは準公的な資金で必要な施設を整備する場合もあるでしょうし、あるいは合理化によって対応するという方法もあるわけでございます。何分大きな問題でございますので、この十月までの指導期間について特に気をつけて、その後どのような徹底の仕方になる、あるいはどのような影響を生ずるか、業種あるいは取り扱いの品目、それから業態——業態と言えばたとえば長距離を中心にやっている業界と短距離だけでやっている業界とありますが、そういうようなことで一様でないというふうに考えられます。したがって、十月までの間よく実態を把握したいと考えております。コストの影響をもし事業者の内部努力で吸収し得ない場合につきましては、国民生活に与える影響あるいは最終的には物価に与える影響等も考えながら慎重に検討してまいりたいと考えております。
○西中委員 これからやっていただくのは当然でしょう。しかし、この基準をお出しになる時点で、労働省といろいろお話し合いになっておる時点で、当然これは一つの課題として真剣にお考えになったのじゃないかと私は思うのですけれども、そういう点のお話し合いはなかったのでしょうか。
○飯島政府委員 いま先生が言われたような点にしぼってというか、特に重点を置いて労働省との打ち合わせは実は余り詰めてございません。ただ、業界団体等からいろいろな観点で意見は伺っております。まだ具体的に、じゃ業界としても、どれだけコストが上がるかというような話はいただいておりませんし、われわれの方も、先ほどからるる申し上げておるように、もう少し実態を見る必要があると考えております。
○西中委員 基準を実効あるものとする。コストがかかれば、これはなるべく守らないようにしようというのは人情ですよ。ですから、その辺のところは運輸行政としてもしっかりしてもらわなければ、かなりのコストがかかるのだということになれば、現にある会社は二四%とはじき出しているわけですから、どこかでこれを圧縮するか運賃値上げか、こういうことになるわけでしょう。ですから、これは重大な問題で、いま大平内閣は物価に一番真剣に取り組むと言っているじゃないですか。もう少し真剣な姿勢でこういう問題について、運賃コストにどういう影響を与えるのか、事業者にどういう影響を与えるのか、そしてそれは運賃にはね返ってくるのかこないのか、こういう点でもう少し真剣な取り組みをしていただきたいと私は思うのです。大臣、いかがでしょう。
○地崎国務大臣 通達の厳正な実施が行われますと、やはりコストには相当影響するのではなかろうかと思います。企業努力でそれを吸収するという方法もあると思いますけれども、いま十分監視をして注視していきたいということでございますので、しばらく様子を見守ってまいりたいと思っております。
○西中委員 いままでやっていないというのはいささか不満でありますけれども、大いに真剣なる取り組みをしていただきたい、強く要求をしておきたいと思います。 さらに、道路公団、おいでいただきましたか。——先ほどもいろいろお話が出ておりました高速道路に設けておりますサービスエリア、パーキングエリア、こういったものについては、先ほどの議論のとおりに大変不足しているというのが現状でございます。運転時間を中断いたしまして休憩をする、サービスエリアやパーキングエリアに立ち寄っても、現状では満車でなかなか入れないというケースも多いわけでございます。結局、これは利用者の増加に比べてスペースが非常に少ないということだろうと思います。恐らく建設時点においていろいろ検討されて、そして将来こういうふうにふえてくるだろうということも予測しながら当初は計画されたのではないかと私は思います。しかし、その後の自動車の急激な増加ということでこういう事態になったのではないかと思います。その点は理解できますけれども、理解できるからといって、いまの状態でほうっておいていいわけではない。ですから、結局そこに入れない車は路肩駐車というような非常に交通安全上問題の多い形態が生まれてきておるわけです。そこへまた安全上パトカーが来て、こういうところへとまっちゃいけないよということになるわけですから、無理して走り出す、こういう実態が続いているのじゃないかと思います。 そこで、このサービスエリア、パーキングエリアについて今後の計画は一体どうなっておるのか、この点について公団から御答弁をいただきたいと思います。
○持田参考人 お答えいたします。 確かに先生のお話のように、一例を挙げますと、東名は全線が開通いたしましたのが昭和四十四年五月でございます。東名の全体の交通量を計画時点ではじきまして、それに対応できるような駐車スペースあるいはサービスエリア、パーキングエリアを計画してでき上がったわけですが、四十六、七年に非常に交通量がふえてまいりまして、場所によっては二倍、三倍という、そして休憩施設の利用も非常に高まってきた。それから本来的な休憩施設の利用以外に、大都市周辺、たとえば東京あるいは静岡、名古屋、こういった周辺の休憩施設におきましては、都市内の交通規制というものがございまして、やはり時間帯によりまして時間待ちと申しますか、調整の時間で非常に長い時間利用されている。そういったことで二重にふえてきたというようなことでございますので、そういったものに対応しようということで、四十八年から急遽必要なところにつきましては、従来ありました休憩施設の園地あるいは緑地とかアイランド、そういったものを壊しまして駐車台数をふやしたわけでございます。 先ほども御答弁ありましたけれども、東名におきましては開通当初から約二七%の増加率を示しておりますし、名神、東名合わせまして四四%というような増加スペースを考えたわけでございますが、まだそれでも足りないということで、いま申しましたのは従来の施設の中で利用できるものは利用して広げようということをやってまいりましたけれども、場所によっては、もうそれではとても手狭であるというようなことで、新しく用地を取得いたしまして、われわれ、二次改良と申しておりますが、そういった必要なところにおいては用地を買って大きく拡幅していこうというようなことで五十五年度から一応予定しておりますが、一番込みます東名の港北パーキングの用地を買って、これを広げていくというようなことを計画いたしております。
○西中委員 いま御説明いただきましたけれども、具体的にいまどの程度足らないと判断をしておられるか。これはやはり問題だと思うのです。かけ声はいいけれども、今度この新しい指導基本通達を守っていくとなりますと、休憩する車はなお一層ふえると見なければならない。現時点でどれぐらい足りないのかということをつかんで、その上でエリアを新しく取得するとか、または建物を建てて、そこでパーキングするとか、さらに仮眠のできる休憩施設をつくるとか、いろいろと新通達に対しての対応がやはり公団にはなければならないと私は思うし、運輸省もその点についてはバックアップをしていかなければならぬと私は思うのです。その点どういうように、実態をおつかみになっておるのかどうなのかがまず第一点。それから、その実態に即しての計画があるのかないのか、この点はいかがですか。
○持田参考人 お答えいたします。 過去数年にわたりまして各SA、PAの駐車利用状況と申しますか、そういった調査をいたしております。確かに非常にすいておるところと、非常に込んでおるところ、また時間帯によって込むところとすいているところとございますので、一番飽和度の高いところから今後やりたいと思っておるのですが、細かい数字につきましてはちょっと資料がございませんけれども、一応大ざっぱなつかみはいたしてございます。
○西中委員 説明できますか。
○飯島政府委員 計数的にはいま申し上げる資料を全然持っておりませんが、高速自動車国道の関連につきましては利用の円滑化に関する連絡協議会をことしの一月に設けました。構成員は運輸省の自動車局と建設省の道路局、それから日本道路公団、それに全日本トラック協会というメンバーでいま問題になっているようなテーマを取り上げて今後対応していくことにいたしております。
○西中委員 やはり通達を出される上においては実効がなければいけませんから、やはりそういった環境をきちっと整備する、こういうことは大事だと思うのですね。残念ながらいま実態を正確なというか計数的にはつかんでおられないというのが実情だという先ほどのお話ででございます。この点はもっときちっとした調査をしてそれに対してすぐにはいかないかもしれませんけれども、何年間でこれくらいのものをつくるというような計画を明確にされる。それでなければやいやい政策を守れなどと労働基準局で幾ら言ったって実態が伴わない。路上でとまれば危ない、大事故につながる、こういうことですから、調査をされて、それに対応して計画をお立てになる、これは私は大事だと思うのですが、そういうおつもりはありますでしょうか。また大臣はどのようにお考えになりますか。
○持田参考人 そのように検討していきたいと思います。
○西中委員 私は非常に素朴な質問をいたしますが、運賃について、この際トラック運賃と認識をしていただきたいと思いますが、公正取引委員会は昨年の区域運賃申請のころから運賃の一括申請はやみカルテルである、こういうような判断を示してきたようであります。そして一方認可運賃につきましては運輸省がまず決めるという順序なら問題はないということでありますけれども、昨年八月の運賃改定に当たりましては関係事業者は個別申請という形に切りかえて実施をしたわけですね。しかしその改定率は一律になっておる。個別申請しながら改定は実は一律である、こういう点ですね。認可運賃というのは一体何物なのかという疑問を私持っておるのですが、これは一部では目安運賃だという言い方もある、それからこの運賃は上限を大体決めたものであるというような認識もあろうかと思います。その料金の収受に当たりましては、荷主と運送業者の力関係というものは非常に大きな影響を及ぼすわけでありますが、実態は認可運賃を下回るものが少なくありません。そこでこの認可運賃というのは一体どういうものなのか、法律ではいろいろ規定もあるようですが、運輸省としてどういうお考えでこの認可運賃というものをお出しになっておるのかお伺いいたしたいと思います。
○飯島政府委員 いまお話しになりましたように、確かに申請は個別申請になっておるわけでございますが、トラック事業におきましても同一業種あるいは同一区域は同一の運賃でやりませんと公正な競争が担保できないという考え方で、認可の方は区域トラックにつきましては各陸運局ごとに若干の差はございますが、当該陸運局管内では同一の運賃を認可いたしております。運賃の審査に当たりましては、標準事業者を摘出して原価計算をいたしまして適正原価、適正利潤の原則で認可をいたしたものでございまして、区域トラックの運賃につきましては、御案内のとおり認可運賃には上下一割ずつという幅がございます。 トラック業界は、先生よく御存じのとおり非常に複雑に絡み合っておる実態でございまして、適正運賃の収受という問題が業界の経営基盤を確立する上にとても大事なことであるというふうに私どもも認識しておるし業界自身もそう考えておるものと思いますが、何分区域トラックの実態は二十両以下が八〇%以上という中小零細企業が多うございます。したがいまして、しばしば一般論としては荷主に対して経済的に非常に弱い立場に立たされているということでございまして、御指摘のような必ずしも決められた運賃がきちきちと取れないというケースも中にはございます。荷主の業種あるいは荷主の業界の好不況あるいは輸送技術を要するかどうかということで必ずしも一律ではございません。それで最も大事なのは、先ほど先生の御指摘になりましたように、まず業界自身が力をつけること、経営管理あるいは労務管理を適切に行って原価意識を持って荷主と折衝するということが第一でございます。 私どもといたしましても、このトラック事業については経営基盤を確立するという観点から四十一年以来近代化施策を推進し、四十八年からは中小企業構造改善事業を実施して事業の共同化等の施策を進めまして体質の強化に努め、業界が荷主に対する交渉能力を強めるように努めておるわけでございます。一方で、これと並行いたしまして各出先にあります貨物輸送監理官等を活用いたしまして、荷主あるいは協会と過積載のときにやりましたように適正運賃の収受についても懇談会等を持ちまして改善の方向で努力いたしておるところでございます。
○西中委員 先ほど目安運賃なのかどうなのか、上限なのか、いろいろの意見はあるけれども、本来法律によって運賃が決められる認可運賃と言われるものについて、この運賃だけが実はあってなきがごとき状況と言ったら言い過ぎになりますけれども、ほかのは全部決まったとおり大体いただくというような形になっている。そういう点で問題が多い。しかも確かに業界の経営基盤の確立であるとかそういった問題とあわせまして、運送事業者自身が経営努力をしていかなければならぬというのは言うまでもないことである。しかしそのためにはやはり適正な運賃というものの収受が行われなければこれまたむずかしい、こういう問題もあるわけでございますね。したがいまして、荷主への適正運賃を収受するということについて、一方的に法律でトラック事業者には罰則までついてちゃんと決められておる、しかし荷主の方はそれはついていないという状況でございますから、どちらからいってもこれは力関係の上で荷主の協力がなければ非常にむずかしい問題だろうとは思います。したがいまして、この点についてはいろいろな方策が言われておるのですけれども、一長一短ありまた法的な問題もありなかなかこれは解決がむずかしいということもよく承知はいたしております。しかし当局としてせっかく認可をした運賃ですから、荷主側にも守ってもらうということについての働きかけというものが十分なされなければならないと思うのです。そういった点で具体的に今日までどのような措置をとってこられたのか、今後もまた何か方策をお考えであるかどうか、この点をお伺いをしておきたいと思うのです。ぜひこういった点で、特に中小零細な企業が多いわけでございますから、そういう弱い立場の皆さんを守るという観点から真剣にこれは取り組みをしていただきたいと思っておりますが、どうでしょうか。
○飯島政府委員 先ほど施策については概括的にほとんど申し上げてしまったわけでございますが、まず業界の体質強化につきましては、構造改善事業を引き続き推進する。それから、荷主との関係につきましては、法的云々ということは、先生もいまお話がありましたとおり、なかなかむずかしい問題がございます。当面は実態的に解決することが一つの方策だと考えられますが、品目あるいは業種によって、一律にはなかなかいきません。LPGのような場合には、過去においても、役所も入りまして荷主と懇談会を設けて、適正運賃の収受に相当の改善を図った実績がございます。そのように、地方地方の実態に応じまして、今後もできるところからそのような方法で改善を図ってまいりたいと思います。
○西中委員 次に、日本坂トンネルの火災事故についてお伺いをしておきたいと思います。 事件発生以来、今日まで八カ月以上たったわけでございます。しかし、事故の全貌については発表はされておらない、こういうように考えておりますが、特にその事故の原因等につきましては、担当の静岡県警、それから焼津消防署等もほとんどノーコメントというのが実態だと思います。一体これはどうなっておるのか。調査結果はどのようになっておるのか。警察庁、それから建設省、公団側、それぞれ御報告をいただきたい、このように思います。
○斉藤説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘のように、日本坂トンネル事故につきましては、現在静岡県警察におきまして、検察庁と緊密な連絡のもとに、鋭意捜査を進めておるところでございますが、御指摘のような、段階的にはどんなところまで来ておるのかという点でございますが、すでに関係者約二百人でございますが、関係者の事情聴取、それから追突事故車両、それから焼けました車両等の実況見分、さらには押収いたしました関係資料等の検討等は、ほぼ終わっておるわけでございますが、追突車両相互間の衝突の形態、それから、発火原因等につきまして、科学的な鑑定を部外の、これは具体的には慶應大学の工学部の佐藤教授ほか、部外の権威者に依頼いたして、目下鑑定をしていただいておるわけでございますが、近くその鑑定結果が出てくるという見通しでございます。したがいまして、その結果を踏まえて事故原因の結論を出す予定にいたしておるという段階でございます。
○田中説明員 御指摘の日本坂トンネルにつきましては、建設省としましては、先ほど警察の方からおっしゃいましたように、車両追突事故と、それに伴って発生いたしました車両火災事故によるものであると考えておりますが、事故発生後、火災発生後、直ちにトンネルの被害状態等々をつぶさに調査いたしまして、関係機関と協議の上、復旧に努めて、先生御案内のように、昨年の九月九日に開通しております。 いま警察庁の方から御説明がございましたように、事故の原因の解明につきましては、関係当局の調査結果を待って、それについていろいろ検討さしていただきたい、かように考えます。
○西中委員 今日までの御努力は多とするわけですが、事故が発生してから今日までかなりの日にちもたつわけですね。当然データの分析をしてこられたわけですけれども、いまだに結論が出ないというのは何らかの理由があるのじゃないか、意図的におくらしているのじゃないかというような声も聞くわけですね。関係者の間では、日本坂トンネル火災事故全国トラック事業者の会等の結成をして、訴訟をしなければならぬとか、いろいろな動きも見られるわけですね。結局、いま近々にというお話でございますけれども、事故原因についても発表なさるわけですか。その点はどうでしょうか。
○斉藤説明員 大変時間がかかりますので、私どももあれしておるわけですが、世界に前例のない事故であるということと、私ども、これは刑事事件として処理する場合に責任の所在という問題等も絡みますので、非常に慎重な鑑定というものが必要だということで、先ほどお答え申し上げましたように、わが国での権威の方々にお願いしていろいろ鑑定をしていただいておるという段階でございます。その鑑定結果等を踏まえまして、事故原因を解明して送致するという段階を当然とる予定にしております。
○西中委員 先ほどから交通事故の問題について、特に高速道路における交通事故についていろいろな問題を出しているわけですが、同時に、この日本坂トンネルの教訓というものもこれは非常に重要なことですから、当然道路公団におきましても他のトンネルについても十分な施設の改善等がなされなければならぬと思います。 それに関連して、交通評論家集団シンポジウムというのが三月二十七日にホテルニューオータニで行われておるようでございますが、ここで議題となった主な点は一体どういう点であったのか。参加をされたところが運輸省、建設省、警察庁、道路公団でございますが、どこか、まとめてポイントの報告をしていただけるようなところがございますでしょうか。警察庁、どうでしょうか。
○斉藤説明員 いま先生お話のございました交通評論家集団のシンポジウム、実は御案内も私どもはいただいたわけでございますが、先ほどもお答えいたしましたように、例の日本坂の事件の捜査過程であるという状況から、交通局としてこれに参加していろいろ申し上げるのもいかがかということで、実は私どもは御遠慮申し上げたという経緯がございます。
○田中説明員 先生御指摘の三月二十七日に、交通評論家集団のシンポジウムが行われたわけでございますが、その主なる論点は、大型車両による追突に関連した道路運送車両の保安基準、それから車種別の速度制限、それから車間距離の問題等と聞いております。 それで、その中に東洋大学の石井一郎という教授が出席されておるわけでございますが、その方が、トンネル内に一定数以上の自動車が入らないようにするための交通管理の問題を提案されました。道路公団といいますか建設省としては、この問題が一番大きい。それで、基本的には高速道路上で車両を信号によってとめるということは好ましくないと私たちは考えておるわけでございますけれども、日本坂トンネルのような重大事故が発生しました場合には、トンネルの入り口で信号によってコントロールする、要するにトンネルの中にたくさん車が入らないようにする、そういう措置を考えざるを得ないというような段階でございまして、現在設置について公安委員会等々と協議中でございます。 以上であります。
○西中委員 いろいろな検討事項があったようでございますけれども、一つだけお伺いしておきます。 トンネル内の避難口についての議論もあったようでございますが、火災発生の場合、反対車線のトンネルへ通ずる避難道路が設置されておるが、停電のために所在がわからなかった。さらには、そういう避難口があることすら知らなかった、こういうようなことが問題になっておったようでございます。東名、名神には合計二十二カ所のトンネルがございますが、そのうち避難口を設置したトンネルは現在四カ所でございましょう、そう聞いておるのですが、そういった点で避難口の数量も少ないのじゃないかと思いますし、停電になっても所在が確認できる措置がやはり必要であろうし、さらには避難口についての一般のドライバーに対するPRも必要ではないかと思います。こういった点で、他のトンネルもあわせまして設備の改善、施設の改善ということは非常に重要ではないかと思いますが、公団はどういうようにお考えですか。
○持田参考人 日本坂トンネルを例にとりますと、あの中に五百メートルおきに上下線の避難誘導口がございます。従来は避難路の個所に避難誘導の標識がございました。しかし、非常な高熱によりまして電線が全部焼損いたしました関係上、その避難路の照明も消えてしまったということで、その後、日本坂トンネル技術検討委員会を設置いたしまして、専門家の方々に委員になっていただきまして種々御検討願いまして、そういう誘導口にすぐ避難できるような対策を講じようということで、高熱によりましても電線が切れないような耐火ケーブルをセットいたしました。それから、避難口にすぐ行けるように誘導標識を各避難口の前後に、矢印で何メートルというようなことで避難がしやすいような施設もございます。それから、その避難口の標識でございますが、耐火ケーブルで一応、ほかのケーブルが切れてもそこだけは切れないようにしておりますが、それ以上に、乾電池を入れまして、乾電池でもって万一の場合にも照明ができるというふうな改善をいたしてございます。将来そういったものを、交通量の非常に多いトンネルあるいは非常に長いトンネル、こういったものに対して検討していきたいというように考えております。
○西中委員 時間も大分迫ってまいりましたので、一応これでこの問題は質問を終わりますけれども、何といっても、世界で三番目とかなんとかいう大変な事故でございますから、その教訓は十分生かして、施設の改善等、早い措置を強く要望しておきたいと思います。 それで、あといろいろお聞きしたいのですが、二輪車の昼間の点灯について伺いたいと思います。これは春になってまいりまして新しい風景といいますか、私も最近びっくりしておるのです。私は選挙区は京都でございますけれども、京都でも非常に点灯が多くなってまいりました。これは交通安全のために非常にいいんじゃないかというようなことで試験的な実施をされているということで、各県警本部の自主的な判断で実施をしておられるということですね。それはそれでいいかと思うのですけれども、いろいろな問題もあるというようなことを聞いておるわけですが、警察庁並びに運輸省としてはこの問題についてはどういう判断をお持ちになっているのか、将来統一した見解をお持ちになって全国に実施をされるおつもりなのかどうなのか、その辺をお伺いしておきたいと思います。 それから、まとめて質問をしますが、さきの委員会で海洋汚染の関係でいろいろと議論がなされておりました徳山丸の投棄スラッジの問題でございますけれども、その後のニュースでは数量もふえておるというようなことでございますし、さらには、きょうの新聞によりますと、このタンカー清掃に携わっている人たち、こういう労働者がどうやら中毒死をしておって、乗ったときの人数とおりてくるときの人数が違うんだというような、こういう情報が出ておるということで、大変な問題だろうと私は思っております。これはいずれじっくり議論をしなければなりませんけれども、現状、調査の結果、いままでわかっておる範囲で、この前の委員会からその後わかった部分についての御報告をお願いしたい。 それからもう一つは、ソ連のアエロフロートの航空機が、去る三月十七日、十八日と、三月二十七日、二十八日にわが国の対馬上空を通過する新しい航路を往復したというような報道がございます。これはソ連当局よりわが国に対し事前に通告があったというように報道されておるわけですが、双方どういう関係者、当事者がこの問題に関係をされたのか、そして、その内容はどういうものであったのか、御報告をいただきたいと思います。それから、こういうケース、いままで幾つもあったのかどうなのか。さらには、定期航路化というような報道もありますが、その観点は一体どうなっておるのか。こういった点について御報告をいただきたいと思います。
○斉藤説明員 御質問の第一点の二輪車の昼間点灯の問題についてお答え申し上げたいと思います。 先生お話がございましたように、実は昨年中の交通事故による死者が八千四百六十一名あるわけでございます。その中で二輪車、これは原付も含めましてですが、それの死者の数が千五百三十六名、大体一八%を占めておる。年々他の死者が減っておるにもかかわらず、二輪車の事故者がふえるといったような状況で、私どものみならず、各県警とも二輪車の事故防止というのに非常に配慮しておるところでございます。要するに、そういう観点から見まして、昼間点灯をするということが、特に並んで走っておる大型車両やなんかに二輪車の存在をはっきり知らせるという意味で非常に効果があるんじゃないかということで、実は昨年の九月の秋の交通安全運動のときから熊本県が試験実施をしたわけでございます。その熊本の報告を聞きますと、実施前百十日間と実施後の百十日間の比較をしてみますと、全体の発生件数で約四割減少した、死亡事故は三分の一に減った、けが人も四〇%ほど減ったというような効果がございまして、これは非常に効果があるのではないかという点が考えられたわけでございますが、さらにこれを全国的に推し進めていくためには、やはりもう少し長期に効果のあれを見定める必要があるし、また、先生御指摘のように、この昼間点灯によってバッテリーだとかその他車両構造上の問題点というものが必ずしも解明されていないという問題等もございますので、九州管区内、また先生御指摘のような京都などで試験実施をいたしまして、その過程においていろいろな問題、現在時点では構造上の問題はさしたる問題はないようでございますが、そういった問題点を詰め、さらに効果を見定めた上で全国的なレベルでこれを推進していくかどうか決めたいということで、いま試験を実施しておるという段階でございます。
○小林(育)政府委員 昼間点灯して車両構造上の問題があるかないかというお尋ねでございますが、大きな方の小型二輪とか軽に属します二輪車、この辺は夜、昼つけっ放しでも問題はございません。ただ、原動機付自転車の範疇に入りますものの中には、現在の時点ではやはり連続して使いますとバッテリーの容量が落ちるとか発電機の容量が足りないというようなものがございます。ただ、最近製作されるものにつきましては相当部分改良されておるということでございます。 問題は、そういうふうに実施した場合にいまある車にそれが対応できるかということでございますけれども、技術的には対応は可能でございますけれども、相当なる費用がかかります。物によりますけれども、安いものでは千円ぐらいから、高いものは一万円程度の費用がかかります。こうした費用負担をどうするかというような問題があるわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、新しい車についてはそういうことで問題に対してメーカーも対応をしておりますので、ある程度の猶予期間がいただければ車両構造的な問題は十分対応できる、そのように考えております。
○真島政府委員 二十五日の当委員会で徳山丸事件の概要報告をいたしましたが、その後の経過でございます。 あのとき、たしか神戸における内外産業あるいは山水商事の支店を捜索、検証するとともに、徳山丸についても捜索をしたというところまでだと思いますが、その後捜査の進展によりまして、スラッジを投棄した実行行為者と思われる内外産業の柿田及び小島、この二名を二十八日に逮捕いたしまして、三十日には神戸地検に送ったわけでございます。さらに一昨三十一日、山水商事、内外産業、この二社の東京本社に対しまして捜索、差し押さえということで捜査を進めておるのが現状でございます。 先ほど先生の御指摘になりました、作業員が中毒死その他によって、乗船はしたけれども上陸しないという形になっておるのではないか、そういう情報があるということでございますが、これは直接には私どもではなくて労働基準局の方に入っておる情報と聞いております。しかし、この問題は非常に大きい問題でございますので、私どもも労基局等と協力しながら真相の解明に当たりたいと思っております。
○松本(操)政府委員 ただいまお尋ねのありました件は、三月十七、十八日及び二十七、二十八日、ソ連邦アエロフロート社に属しますイリューシン62が日本海から沖繩の南の方に抜けて往復を行ったということであろうかと思いますが、この件につきましては、それぞれの飛行につきましてソ連邦の側から事前に飛行の通告があったことは事実でございます。この通告は何に基づくかと申しますと、国際民間航空機構の中の決まりによりまして、わが国が日本海あるいは沖繩近辺を含めます広範な地域につきまして飛行情報区というものを持っておるわけでございますが、この日本の飛行情報区にソ連の飛行情報区から入ってまいりまして、日本の飛行情報区を抜けてフィリピン等の飛行情報区へ出ていく、こういう飛行情報区をまたぐ飛行の場合にはこういったフライトについて関係の管制機関等に通告する、こういう決まりがございますので、それに基づいて通告をしてきた、こういうことであると理解をいたしております。 現実の飛行経路は非常に慎重に選択をされておりまして、日本の領空にはかからないように、したがって対馬と壱岐との間に日本の領空に該当しない空域があるわけでございますが、この間をすり抜けます。それから南西諸島、琉球列島の場合にも島と島の間の完全に領空外のところを抜けまして飛んでおるわけでございます。したがいまして、これは航空法に申しますところの外国航空機の本邦外から内へ、または内から外へ、あるいは本邦領空を通過してのいずれにも該当しないということでございますので、ただ単にICAOの約定に従いまして、捜索、救難でございますとか、その他飛行に係ります情報の提供等について要請があればこれに応じるという程度でございまして、それ以上のことをわが方は行う義務はない、こういう形になっております。 これが定期便であるかどうかという点については私ども全く関知しないところでございます。まず第一に、このルートはいま申し上げました国際民間航空機構で認められております定期便のルートでも何でもございません。ただ単にこの特定の飛行のために日本の領空を通過しないように注意深く選定されて引かれた飛行経路、こういうことでございますので、この飛行の内容等につきましては私ども一切関知をしていないというのが実態でございます。
○岡部説明員 ただいま海上保安庁長官の方からお話のございました徳山丸事件でございますが、私どもも現地の大阪労働基準局に照会をいたしたわけでございます。しかしながら、その新聞報道に掲載されているような、まず労働基準局に電話があったという点でございますが、この事実は一切ございません。それから、大阪の労働基準局がこの電話に基づいて調査等を開始したというふうな記事がございますが、この事実もございません。 それで、この点につきまして大阪の労働基準局から当該新聞社に照会をいたしましたところ、これは新聞社の手違いでございまして、事実に基づかない報道であるという説明を受けております。
○西中委員 終わります。
○古屋委員長 四ツ谷光子君。
○四ツ谷委員 初めに労働省にお聞きしたいのですが、ただいま前の質問者の「タンカー清掃 中毒死者を水葬か 労基局“電話証言”を調査」、こういうふうな御質問に対しまして、労働省の方からこれは事実に基づかない報道であった、こういうお答えがあったので、この本日の新聞に載せられておりました問題については事実でなかった、こういうことになると思うのですけれども、実はこの問題につきましてはいわゆるスラッジあんこと呼ばれるやみ雇用者の労働内容については、徳山丸にもぐり込まれたルポライターの記事等によりますと、タコ部屋に等しいような非常にひどい労働条件の中で仕事をさせられている、こういうふうなことが記事として載せられておりましたけれども、確かに中毒死者を水葬したというふうな事実はなかったかもわかりませんけれども、こうしたタンカーの清掃業者の中における労働者の労働条件につきまして労働省としては調査をしていられるのか、それともある程度の事実をつかんでいらっしゃるのかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。
○岡部説明員 徳山丸の事件を契機といたしまして、そこに働く労働者の労働条件の問題が出てまいりまして、私どもといたしましても大きな関心を寄せているところでございます。港湾荷役の業務にこのようなスラッジの仕事は入るわけでございますが、港湾労働につきましては従来から大変な問題がございまして、労働基準行政の監督の重点の一つといたしまして行ってきたところでございます。しかしながら、今回の徳山丸の事件は一たん外洋に出まして、そこでそのような作業を行うというふうなきわめて監督のしにくいような場所における作業でございます。したがいまして、私どもこれを契機にいたしましてそのような作業形態、航行中の船における、しかも船員でない者によって行われるこのような業務というものにつきましてはさらに把握をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 なお、徳山丸の問題につきましては、御指摘のように、長時間労働等の問題があるということでございます。そうなりますというと、果たして労働基準法三十六条の協定があったかどうか。あるいはまた、所要の休憩が与えられていたかどうか。それからまた、割り増し賃金がちゃんと払われていたかどうかということが問題になるところでございます。これにつきまして、現在所轄署において結論の取りまとめを急いでいるところでございます。
○四ツ谷委員 海上保安庁にこの問題でさらにお聞きをしたいと思うのですけれども、この間、海洋汚染防止法の法案審議の場合にも、いわゆるタンカーの清掃業者の内容につきましては、いまのところ正確にその全容がつかめていない。スラッジを廃棄するというふうな問題が今後とも海洋汚染を防止するためには非常に重大な影響を与えてくると思うのです。ただいま労働省の方からは、中で働いている労働者の労働条件がきわめて劣悪である、これは衆目の一致するところだと思うのですけれども、それと合わせまして、タンカーの清掃業者の監督について、海上保安庁としては今後どういうふうにお進めになるおつもりですか。
○真島政府委員 海上保安庁の立場から申し上げますと、タンククリーニング業を業態として監督する、あるいは助成するといったような業務、これは海上保安庁の業務としてはなかなかなじまないものではないだろうか。また、現在、タンカーのタンククリーニング業について特別の業としての監督その他をやっておる役所がないという実情がもう一つ別にあるわけでございまして、海上保安庁としては、いろいろな立入検査、あるいは今回のような事件を契機といたしまして、業の実態にある程度断片的に迫ることはできると思いますけれども、やはり基本的にはトータルとしてとらえていく何らかの仕組みが必要ではないだろうか。それを一体どこがやればいいのか、これはまたむずかしい問題でございますけれども、これは私が申し上げると少し職務をはみ出すことになるかとも思いますけれども、運輸省全体としてとにかくできる限り早くタンククリーニング業の実態を明らかにしながら、そういうようなことについて運輸省としてはどういうことができるか、どこまでやれるかということを早急に検討することを、本日の省議でも議論が出まして決めておるというのが現状でございます。
○四ツ谷委員 その問題につきましては、今後ともこの委員会でも追及をしていくということで、海上保安庁の今後の御検討をお願いをしたいと思います。 それから、労働省につきましては、引き続きましてこうした不測の事故が起こらないように、ぜひ今後とも監督を強めていただきたい。そのことをお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。労働省どうも御苦労さまでございました。 関西新空港の問題についてお聞きをしたいと思います。 まず、関西新空港問題で、周辺整備の問題についてお聞きをしたい、このように思います。 昭和四十九年八月の航空審議会がお出しになりました答申によりますと、関西に新しくつくる空港は、公害のない、地域と調和のとれた空港にするという基本的態度で審議した、そういうふうな基本的な態度を明らかにされた上で、「環境の保全に留意しつつ、周辺地域を空港の建設とあわせて適切に整備するならば、両者の調和ある発展は可能となると確信する。」こういうふうに航空審議会の答申の主文の中に述べておられます。周辺整備のあり方は、確かに空港建設のあり方にとって重要な要素であるとともに、地元の人たちにとっても非常に大きな関心事である。このことは論をまたないと思うのですけれども、運輸省が関西新空港建設に当たって三府県に提示をすることになっております周辺地域整備計画の対象は一体どのように考えておられるのか。また、これに対する国としての対応、対策はどうされるのか、そのことについてお聞きをしたいと思います。
○松本(操)政府委員 いま御指摘ございましたように、空港というものは周辺地域と調和がとれなければ成り立たないというのはおっしゃるとおりでございます。したがって、関西空港については立ち上がりの当初からそのことを念頭に置いて、まず公害がそういった住民が多数密集して住んでおるようなところに及ばないようにするということを第一義に考えたわけです。したがって、その結論の一つが沖合い五キロというふうな空港の位置決めにも効いてきておるわけでございます。しかし、沖合い五キロに出たからといって、空港と地域との関係が全く断ち切れるというわけではございません。端的に言ってたとえばアクセスのようなものは、当然のことながら空港の側からの負荷という形で対岸地域に響いてくるわけでございます。したがって、そういったようなものについては空港の側において十分な精査をいたしまして、それに対応できるような形で諸般の施設を整えるということが当然必要になってくるのではなかろうか、こう考えております。 その次のステップの問題といたしまして、空港がそこに存在することによって、五キロ離れた沿岸地域部の社会的、経済的な発展が行われてくる。別途空港がそこにあるということによって起こってくるであろう問題につきましては、これは空港の側が積極的にと言いますよりも、むしろ空港のあることによってそれをどのように地域社会が活用していくかという問題ともうらはらで絡み合ってくるのではないか。したがって、そういう点について、私どもとしましては、むしろ地域の創意工夫というのを大いに承って、その中で国が対応できるものは積極的に取り組んでいくという姿勢を示すべきであろうか、こう思っております。 いずれにもせよ、地元の方からは、そういった地域整備についての希望がいろいろと強いということも承知をいたしております。空港の基本計画的なものと合わせて地域計画というふうなものも同時に提案さるべきであるという御意見のあることも十分承知をしておるわけであります。したがって、この場合には運輸省のという形ではいけないわけで、やはり政府全体のと申しますか、国の立場においてというところまでの詰めをしていかなければならないというふうにも考えられますので、現在までのところ、たとえば国土庁あたりとはいろいろと御相談をしてまいっておるわけでございます。それと同時に、地元の府県にもそれとなく御意見は承っておるわけでございますけれども、いずれこういったような問題をひとつ整理をいたしまして、きちっとした形で地元に対し提示できるような形にまとめていくということがどうしても必要ではなかろうか、こういうふうに考えて、今後の作業としては、いま個別的に話し合っております計画を、もう少し上のレベルでの詰めに持っていく方向へ向かって努力をしていくという段階にいまあるわけでございます。
○四ツ谷委員 航空局長の御答弁は大変高邁といいますか、抽象的といいますか、府民が聞いたら何のことを言うているのかわからぬ、こういうふうな感じじゃないかと思うのです。私が聞いているのは、運輸省が考えておられる周辺整備というのは、具体的に言えば一体どことどこのことを考えていらっしゃるのか。それについて国はどういうふうに対応しようとしておられるのか。もう少し哲学的表現ではなくて具体的表現でお願いをしたいと思います。
○松本(操)政府委員 具体的に考えられますのは、大阪湾の沿岸の中で北の方は恐らく神戸の近辺でございましょう。それから大阪湾に沿って南へ下がってまいりまして和歌山県の和歌山市の北あるいは和歌山市の中辺ぐらいまでかかりましょうか。奥行きの方は、いまのところ具体的に考えておりますのは、沿線各市の沿岸部に近いところ、非常に山の方へ入ったところというところまでが対象になろうとは私ども考えておりません。 具体的に何かという点につきましては、先ほどもお答えしましたけれども、まず私どもとしてはアクセス問題を第一に考えるべきではないか。それから先の問題になりますと、運輸省として具体的にどうするこうするということを考えるのではなくて、御意見を承りながらそれに対応する立場を固めていくという順序を踏みたい、このように考えております。
○四ツ谷委員 それでは次の問題に移ります。 空港ができますと、空港関係者等、たくさん従業員も来られる、その家族も来られるということで、十二万とも十五万になろうとも言われています人口増に伴いまして、教育、労働、民生、衛生などの新たな行政需要が生ずることは当然ですけれども、それによって生じます地方自治体の財政負担に対して国はどのように対処されるつもりなのか。国の財政もいま非常に苦しいというふうによく政府はおっしゃいますけれども、地方財政はまた非常に厳しい。そういうふうな中でこれらを整備するためには、国は一体どのような対策をお立てになるのか、そのことについてお聞きをしたいと思います。
○松本(操)政府委員 先ほど最初に私の御答弁申し上げた中で、抽象的というおしかりを受けましたけれども、いまの御質問も非常にむずかしい御質問でございます。と申しますのは、冒頭の私の御返事で申し上げましたように、公害等が及ばないということを第一に考えまして、空港の位置も沖合い五キロというふうに離した。したがって、現在ございますたとえば騒音防止特別措置法のような空港の騒音等が及ぶ範囲というものをめどにして、それをもって周辺の土地利用計画を立てていくといった手法はこの場合に適用できかねるのではないか、こう思います。いまお話にございました十何万と推定されております空港関係従業員及びその家族を含めた人たちも、沿岸都市の一体どこにどういうふうな形で集まろうとするのか、沿岸都市のAという市は望んでいるがBは望まないとか、いろいろ問題がございましょう。したがって、私の当初の御返答の中で、地域の創意工夫を受けて立たざるを得ないのではないかと御返事いたしましたのは、私どもがこれはどこの市へ持っていこうとか、どこの市とどこの市へ割り振ろうとかいうのではなくて、それに対する地元側の具体的な案が出てまいりますと、全体計画としては、実は国土庁などのおやりになっている近畿地方の長期計画というものがあるわけでございますから、それの修正なり、あるいはそれの繰り上げなりという形で対処をしていくのが具体的な手法ではないかと考えておりますが、いまの時点で御質問に直截的にお答えできるほどきちっと手段、手続等を詰め切れているというわけでは必ずしもございません。 〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
○四ツ谷委員 そういたしますと、そういう問題については地元の創意と工夫で地元が好きなように対応をしてくれ、こういうことですか。
○松本(操)政府委員 好きなようにと仰せられますといささか御返答に窮するわけでございますが、地元にはいろいろと計画もございましょうし、先ほど申し上げましたように、長期的な計画としては近畿圏の計画があるわけでございますから、それを母体にして関係市なり町なりがどのようにしたいのかという意向があろうかと思います。そこで問題は、隣り合って間口の狭い市がたくさんあるわけでございますので、それらの間の整合性がとれませんと全体的な計画としてはまとまらない。そういう点については、たとえば大阪府に例をとりますれば、府が広域行政の見地から取りまとめをしていただく、そういうところに私どもも積極的に参加をして、ああするこうするという議論を踏まえながら具体的な案を練り上げていくというのが妥当な方法ではないか、こう考えております。
○四ツ谷委員 いまのお話を聞きますと、地元の創意と工夫で近畿圏整備等の案の中での長期計画の見直しだとか、地元の市町村のいろいろな都合でというふうなことになってくると、これはいつから空港建設をしてというところには、運輸省が考えておられるような時期にはなかなか間に合いかねるような気がするのです。それはそれといたしまして、地元の創意と工夫で対応していく、それに国が協力をしていくというふうに答弁をいただいておりますが、国が協力をしていくというのは、どういう形で御協力をいただくわけでございますか。
○松本(操)政府委員 具体的な案が定まっていない時点で、しかも、国と申しましても運輸省の立場だけから断定的に御返事を申し上げるのは適当でないと思いますけれども、いまも申し上げましたように、たとえば近畿圏の整備計画があって、二十年かかってこういうふうにするというのがあって、それを多少繰り上げようではないかということであれば、仮にそれが道路計画であって、建設省の既存の計画であるといたしますならば、それに対応する方法論というものも出てくるのではないか。全く新しく何かを入れていこうということになるんだといたしますと、国と地元でどういうふうに負担をしていくかという問題が具体的な問題としてまた出てくると思うのです。これはこれなりにそれぞれの事業案件によりまして、負担の割合なり何なりの決まりがあるはずでございます。そういうふうなものとの対応をとりながら、それで十分に仕事がやっていけるのかどうかということを個々具体的に詰めていく。しかし私は、仕事ができ上がるまでの全体の流れを申し上げておりますので、もっと手前の段階で計画という形で取りまとめるということになりますと、具体的な事業主体あるいは手法あるいは経費の分配、そういったところまでが一〇〇%詰まらなければ大綱的な点で話が煮詰まらないかどうかという点になりますと、必ずしも一〇〇%煮詰まらなければ大綱的なものについてお話し合いがいたしかねるということでもないのではないか。大綱としては大筋を見通して、こういう考え方ならいけるのではないかという、そのレベルでのお話し合いというのはあり得るのではないかと私は思っておりますが、しかしそれはそれといたしまして、御指摘のように、なかなか大変な議論であろうという点については私どもも十分承知をしておるつもりでございます。
○四ツ谷委員 いまのお話でございますが、地方自治体の方がこれをお聞きになりますと、協議をしていく、協力をしていく、こういうふうにおっしゃいましても、また、国も財政がしんどいからというのはよくおっしゃいますが、地方自治体は それは、空港がお越しになる、その空港を使ってそれと調和のとれた町づくりをやってくれたらいいのだ、こういうふうに運輸省の方はおっしゃるけれども、しかし、従業員がたくさん来られて人口増になるとうちの市は大変だとか、いろいろな事情があると思うのです。これはどっちにしてもどこかで受け入れなければいけないけれども、そういうふうな問題が空港ができることによって起こっている。ところが財政負担は非常にしんどい。そのときに国が具体的にどういうふうに協力をされるのか、その具体的な協力の内容がわからなかったら地方自治体の方も、その計画を二十年のを十年に縮めるとか、いや、もっと三十年に延ばすとか、こういうわけにはいかぬと思うのですよ。だからその協力の具体的な内容、運輸省は具体的にどういうふうに財政的に協力をされるつもりなのか、それをお聞かせ願いたいと思います。
○松本(操)政府委員 大変恐縮でございますが、いまの御質問は非常に具体的な方策の話になってまいります。そういたしますと、先ほど来お答え申し上げておりますように、関係各省との話をいろいろとしてはおりますけれども、具体的にこういうふうにすると責任を持ってお答えできる段階まで現時点では詰め切れておるわけではございません。したがって、申しわけございませんけれども、ここで私が責任を持って、こういうふうな方策が考えられておりますとか、こういう方策をとりますとか、ちょっとお答えできない。ただ、基本的な考え方としては、先ほど申し上げたようなラインで具体化を詰めていきたい、こういうことでございます。 〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕
○四ツ谷委員 そういたしますと、地元の地方自治体が最も聞きたがっている点が、いまの段階では府民あるいは地方自治体に具体的なお答えでは何にも示されない、きわめて頼りない状況のままで話が進んでいる、こういうふうに私は思うわけでございますが、この問題はまた次の機会に詰めてお話をさせていただきたいと思いますので、次の問題に移らせていただきます。 次は、工法と環境問題について伺わせていただきます。 いまも、工法が埋め立て工法と浮体工法をめぐりましていよいよ工法の大詰めが来ているというふうに報道されておりますけれども、昭和四十九年の航空審議会答申のころにも埋め立て、浮体、それから桟橋方式、干拓方式と、いろいろな工法が出されましたが、その四十九年の航空審議会答申で浮体工法が落とされて結局埋め立てがあの時点では残ったわけですけれども、なぜあの当時浮体工法が答申の中で落とされたのか、その理由と経過はどうなっているのかお答え願いたいと思います。
○松本(操)政府委員 四十六年から四十九年にかけましての当時の航空審議会の部会での議論の中で出ました浮体工法と申しますものは、一般にポンツーン方式と呼ばれておりまして、底の平らな、要するに大きな箱を浮かべるというふうな考え方でございます。したがって、こういうふうな形にいたしました場合に、海洋特有のうねり、要するに風や波の影響その他を非常に受けやすい、工作的にも非常にむずかしいのではないか、これを係留するという場合にも浮体の側の動きが余りにも大きい、係留方式に異常な力がかかり過ぎるのではないかというふうな点が多く指摘をされました。その時点での議論におきましてはポンツーン方式というものを踏まえて浮体工法というのは適当ではないのではないか、時期尚早ではないかという結論になったと理解いたしております。
○四ツ谷委員 ただいま航空局長がおっしゃいましたとおり、確かにポンツーン方式というのが指摘されました「長大な浮体に働く波力等に関する設計方法を開発する必要がある。」こういうふうに当時の航空審議会の答申の中でも指摘をされて、その後セミサブ方式、技術開発が進んできた、こういう点もあると思うのですけれども、いずれにいたしましても桟橋方式にしろ浮体工法共通の弱点として指摘されていましたのは耐用年数が有限である、こういう問題があったと思うのです。これは浮体海上空港特別委員会、浮体海上空港に関する報告の中、これは去年出されておりますが、「六十年以上百年の間使用に耐えられるものと考えられる。」こういうふうに耐用年数は大体六十年から百年、こういうふうな有限であるということと、それから浮体工法の場合は浮体の下に日照がない、いわゆる暗黒海域と言われている問題ですけれども、こうした問題は現在でも解決できていない、こういうふうに思うのです。いわゆる四十九年の答申議題にも耐用年数があった、それから暗黒海面の問題があった、その後新しい技術が開発をされた時点でそういう問題についてもある程度解決のめどがついているのかというふうに私はいろいろ調べましたけれども、むしろこれらの耐用年数とか暗黒海面という問題は浮体工法などが持つ宿命的な問題ではないのでしょうか、いかがですか。
○松本(操)政府委員 おっしゃいますように、構造物でございますから寿命があるのは避けられない。ただし、私どもが承知しております限りで申し上げますならば、その後の諸般の技術開発によりまして、こういった海中構造物の寿命の延伸について、外部電源方式その他、かなり進歩しているということは言えるようでございます。したがって四十九年の時点において考えられておりましたのに比べれば寿命が伸びているということは言えるのでございましょうが、しかし新しく地盤をつくるというのに比べればやはりそこに開きがあるではないかという点は、おっしゃるように余りそういう基本的な議論では変わっていないかもしれません。 それから暗黒海面の問題につきましては、実はこれと同時に潮流の阻害という問題があって、埋め立ての場合に当然起こってくる問題でございます。しかもセミサブの場合には御案内のようなドラムかんのようなものが何本か浮いておりまして間がすいておりますので、したがって潮流の阻害に対する度合いは非常に少ないのではないか。潮流の阻害と、いまおっしゃいました暗黒海面との関連いかんというあたりになってまいりますと、これは決定的に生態学的なマイナスなのかそれともそれほどでもないと観念してよろしいのか、多少議論があるようでございますが、私どもまだ審議会の場でそこら辺の議論に到達しておりませんので、私がとやかく申し上げるのは差し控えるべきかと思いますが、おっしゃいますように暗黒海面が生ずるという事実はこれは少しも変わっていない、それは言えるかと思います。
○四ツ谷委員 そういたしますと、この暗黒海面の問題につきましては、これは航空審の方から届けていただきました資料でございます「浮体工法についての主要な検討事項と検討結果」のところで暗黒海面の問題が出ているわけです。いまいろいろと航空局長はドラムかんを浮かしているようなものだから潮流については余り変わりがない、こういうふうなことをおっしゃいました。そしてここにもいろいろと書いておられます。しかしまず一番初めに「不明である。」こう書いてあるわけです。「不明である。」、確かにこんな大きなものをつくって暗黒海面下の影響がどういうふうになるのか、こういうふうな実験はできないというのは、それは私のような素人の者でも常識的に判断をすることができるわけでございますけれども、そういたしますと、不明となっているままで浮体工法が採用される可能性もある、不明というままでお出しになるわけですか、いかがですか。
○松本(操)政府委員 暗黒海面の問題については先ほどもお答えしましたようにいろいろと御議論があるようでございまして、回遊魚については影響がないだろう、あるいは底にすみついている魚には影響があるのではないか、あるいは海草類はまずいかもしれないけれどもカキとかああいった貝類、こういうものについては影響がないのではないか、いろいろございます。したがって、大阪湾全体の生態学的な議論の中の一つの項目であろうかと思います。これがきわめて大きなウエートを持つかどうかという点については、先ほどもお答えいたしましたようにまだ審議会の場にこういった議論を上げて詰めるというところまで至っておりませんので、私が断定的なお答えを申し上げるのは差し控えるべきだと思います。よくわからないが先へ行こうという形は私どもとしてはやはりとるべきではないだろう、それはわかる限りのものを審議会のテーブルの上にのせまして、そこで十分御議論願った上で結論を出すという形をぜひとっていただきたい、このように考えます。
○四ツ谷委員 その暗黒海面の問題につきましては、それは確かに海というものはある一定の水深のところまで以下は太陽の光がだんだん届かなくなるというのは常識ですけれども、しかしあるところまで太陽の光が届くということはやはりそこの生物、とりわけ光合成が行われる、こういうふうな問題等もあって、やはりそれだけの広大な海面が暗黒になるということが大阪湾のいろいろな自然条件にどのような影響を及ぼすかこれは不明だけれども先へ進むんだ、こういうふうにおっしゃいますけれども、これは自然環境を考えている者から見ますと非常に重大な問題ではないか。不明というままでこのまま先に進まれるということについては非常に私たちとしては疑問を感じるところです。 そして不明の問題が一つある。それから耐用年数もある。そして一度四十九年の答申では落とされた浮体工法が、再び工法の選択が大きな問題になってくる。結局航空審で同じことを再度繰り返すんじゃないか。この状況を見ておりますと、われわれの目から見ますと建設土建業界と造船業界の権利争いというふうにしか映らない。こういう現状がいま工法をめぐって府民の目にはっきり映っているんじゃないかというふうに思うわけです。私はもちろん埋め立て工法についても後に述べますようにいろいろな問題点を含んでおりますので決して推進する立場ではありませんけれども、浮体工法が宿命的な問題点があるという理由で一度落とされたものが再び検討されている現状は業界の権利争いに振り回されているのではないか、こういうふうに考えるのですが、いかがでしょうか。
○松本(操)政府委員 冒頭の御質問にもお答えしましたように、四十九年当時の審議会で議論しておりました浮体と、現在論じられております浮体とは構造的にも非常に違ったものと見るべきであろうかと思います。したがって、御指摘のような関係業界の利権が絡むということは私ども毛頭念頭にないわけでございます。やはり国家としての長期的な観点から空港をつくるということであるといたしますならば、最新最鋭の技術を使って、そして後で悔いの残らないような形にすべきであるというのが一般国民の御納得いただけるところでもあるだろうと思いますので、したがって、私どもとして現時点においてありとあらゆる調査をし、収集し得る限りのデータというものを審議会のテーブルの上にのせて、そこで十分な議論を尽くした上で最終的な判断をいただきたい、このように考えているわけでございます。
○四ツ谷委員 運輸省としては業界の権利争いなどというふうなことは考えていないとおっしゃるのは当然だと思いますけれども、府民の目から見てそういうふうな感じを抱かせるような扱い方については、今後とも十分に御注意を払っていただきたいと思います。 それでは次に、埋め立て工法につきましてお聞きをしたいと思います。 埋め立て工法にもいろいろ問題点があるのですけれども、本日お聞きいたしますのは跡地対策がどういうふうになっているのか、それに焦点を当ててお聞きをしたいと思います。 土砂量にいたしまして五億立米というふうな大変な土砂が採取される。私の地元から申しますと、ちょうど守口市に匹敵するほどの土地の土が採取される。これにつきましては、環境への影響がきわめて重大だと、府民の関心は非常に高まっているところです。とりわけ大都市近郊、大阪のように非常に緑が少なくなってきて、いま大阪府が持っています緑というのは府民としては非常に大事にしなければならない。そういうときに、土砂の採取地がどこになるかまだ決定をしていない時点でとやかく言うのは問題だとおっしゃるかもわからないけれども、われわれ府民としましては、この土砂の採取問題については非常に重大な関心を持っていると言わざるを得ないわけです。 それで、この埋め立て工法がもし採用されました場合に、土砂取りの予定地選定の基準はどのようにしてお決めになるのですか。
○松本(操)政府委員 埋め立て工法といたしますと、おっしゃいますように五億何千万立米の土が要るわけでございます。この土を取ってくる場合に、その選定の基本的な考え方をどうするかということは、これも審議会の場に私どもの調査結果をのせて最終的にはお決めいただくことになるわけでございますが、事務的なレベルで現在考えておりますことを申し上げますならば、やはり沿岸からそう遠くないところ、非常に離れたところは避けるべきではなかろうか、それからそこがたとえば国定公園でありますとか、あるいは特別な自然の保護地域になっておるとかいうところも避けるべきではないだろうか、そういった避けるべきではないかと思われる理由のあるところは避ける。それから民有地、公有地の議論をいたしました場合には、可能な限り公有地比率の大きいところを見つけていくというのが、これもまた常識ではないだろうか。こういう形で適当な場所を決める。その適当なというのをどこら辺のところでレベルを引くかというのは、繰り返して恐縮でございますけれども、今後の審議会の議論なども踏まえて明確にしていきたい、こう考えております。
○四ツ谷委員 これだけの土砂を採取いたしますと、恐らく流域河川での水害、土砂流出、こうした災害が起こるだろう、こういうことが予想されるわけですけれども、そうした災害対策はだれの責任と負担で行うことになるのでしょうか。
○松本(操)政府委員 おっしゃいますように、土砂の採取の仕方、場所等にもよりますけれども、かなり治山治水的な面での配慮ということをいたしませんと、おっしゃるような問題が生ずるおそれがございます。したがって、私どもいま考えておりますのは、事業主体が土砂の採取に当たって適切な後処置をしていく、それによって災害をもたらすことがないように手当てをして採取をしていくというのが基本的な考え方ではないか、こう思っております。
○四ツ谷委員 そうすると、土砂採取については事業主体がおやりになる、こういうことですね。 そういたしますと、土砂の採取中におきましても災害が発生する危険性は高いと思うのです。河川改修などの災害対策は採取の工事前、工事中にもきちんと行われるのでしょうか、いかがですか。
○松本(操)政府委員 確かに土砂採取中にもそういった問題は生じてまいります。 そこで、まず先ほど申し上げました土砂採取地の選定の段階からその事業主体の考え方を実行に移していくステップに入ると思うわけでございますが、たとえば河川改修が必要になってくるという場合も当然ございましょう。その場合に、既存の計画として河川改修があったといたします。それをさらに修正をしなければならないというふうなことが明らかになってまいりました場合に、既存の計画と修正された計画との間にどういうふうな案分をしていくかということを含めて、土地の選定が終わる前、むしろ土地の選定をする段階で何をどうして、どのように手当てをしていくかということをはっきりさせる、それによって大方の理解を得て次のステップに入る、こういうふうな段取りになっていくのではないか、こう考えております。
○四ツ谷委員 先ほど、できる限り公有地をということでございましたけれども、もし公有地だけで足りなくて、民有地からも土砂を採取しなければならない、こういうときにはその土砂だけを購入されるのですか。それとも土地そのもの、全体を購入されるのでしょうか。
○松本(操)政府委員 これはちょっといまの段階ではっきりと御返事いたしかねるわけでございまして、たとえばどこかの山があって、その山は諸般の点から検討して十分取り崩すことが可能であり、あるいは取り崩しに伴う治山治水的なあるいは生態学的な手当てが十分できる、その山の持ち主も、それは当然売って結構ですという場合には全部山ぐるみ買うということもございましょうし、いま申し上げましたような治山治水的な手当ては別といたしましても、山自身を売る気がないという場合には、これはどろを取らせてもらうという別途の契約になりましょうし、個々具体的な案件が出てまいりませんと、包括的にどちらでいくかということはちょっと申し上げにくい問題ではないかと思います。
○四ツ谷委員 それでは、運輸省が空港計画案として提示される環境評価ですね。そうした中に土砂採取跡地の、たとえば緑化回復とか跡地利用計画についてもお示しになる御予定でしょうか。
○松本(操)政府委員 先生も先ほどお認めいただいたように、現時点あるいは近い将来においてどろをどこから取るかということをあらかじめ明らかにすることは非常に問題があろうかと思います。したがって、個々具体的な説明はいたしかねるのではないかと思いますが、基本的に、いまおっしゃいましたようなことをどういう手順でどういうふうなことをめどにしてやっていくかということは、当然あらかじめ明らかにしておくことが必要であろうと考えております。
○四ツ谷委員 それでは、少し細かい質問になるかもわかりませんが、緑化回復につきまして、これは山を切り崩した場合に、そこにせっかく生えている木をとっちゃうわけですから、緑がなくなる。その後の緑化回復につきましてはどのような手法でお考えでしょうか。
○松本(操)政府委員 これも私、決定的なお答えをいたし得る立場にございませんけれども、基本的な考え方といたしましては、山を取り崩していきます場合に、後で客土をするということを念頭に置いて客土用の土壌というものをリザーブしておく、それから植生の回復という場合にも、どの程度まで回復すればいいかということは、微気象の問題等を含めて、これも事前の検討の対象であろうかと思います。新しく苗木を植えるあるいは芝張りをするということで十分なのか、それとも相当程度成長した樹木を植え戻さなければならないということになるのか、そこら辺のことは具体的な土取り場によって変わってくるであろうと思いますので、どの場合にどうというところまで申し上げられるほど詰め切れているわけではございませんが、基本的にはいま申し上げました、たとえば必要により客土を行うとかあるいは植生の回復、つまり緑化という意味において苗木を植えていくとかいうふうなことによって、可能な限り現状の破壊にならないということをめどに措置をしていくということになるのではないかと思います。
○四ツ谷委員 その緑化回復は、いまどの辺を限度ということでしたけれども、緑化回復については、山が削られた、そしてとにかく緑を戻したい、何年ぐらいの計画で戻そうと考えておられますか。
○松本(操)政府委員 この緑化回復の問題については、二つの見方があるかと思います。 もとのとおりの森林状態に必ず戻さなきゃならないのかどうかという点が一つあります。ここら辺のところについては、私いまの時点で実はお答えできるほど詰め切れておりません。 もう一つの見方といたしましては、赤土露出のままであってはならないというのは当然でございますれども、跡地の利用との関連で、それを苗木を植えるあるいは緑地化する、つまり芝、雑草等を生い茂らせるというような形でよろしいのか、それとももう少しきちっと整地した形にして公園とかあるいは緑地公園とかいうふうなものを造成することによって別途の形での緑地回復をしていくのか、これはやはり個々の問題、個々の場所によって手当ての仕方が変わってくるのではないだろうか、こう考えております。
○四ツ谷委員 先ほど客土のためにリザーブしておくとおっしゃいましたが、そうすると、表面から大体五十センチから一メートルほどの表皮の土をどこかへのけておいて、こういう意味でしょう。そういうふうな土をのけておくためには、これがまた崩れて土砂崩れというふうなこともあり得るのじゃないかと思いますし、一たん削り取ったところに客土を置いて緑化回復というふうなことになりますと、これは私の地元でございますけれども、北生駒で、非常に乱開発がございまして、その後大阪府が客土を持ってきて植栽実験をやったわけです。松、ヒノキ、カシ、こういうふうな苗木を植えた。ところが、ほとんど若木のうちに枯れちゃった。ヤシャブシという非常に荒れ地に強い木だけしか残らなかった、こういうふうなことも言われているのです。ですから、こういうふうなところの緑地回復の問題については、確かに沿岸部のどこの土をとってくるかわからないといまおっしゃっていますけれども、大体想像はついているわけなんですよ。ベルトコンベヤーで土を運ぶというふうなことになってきますと、大体泉州沖に空港ができるのだから、どこの土をとってくるか、そこの土地はどんどんといま上がってきているというふうなことも——、これは国土庁にまたお聞きせねばいけませんけれども、上がってきているというふうな問題も起こってきていますでしょう。大体どこの土をとるかというのは、運輸省の頭にも埋め立てになったらこうだというのは決まっていると思うのですけれども、しかしこの緑地回復という問題、跡地をどうするのかという問題は、決まらないから具体的にならないというふうになるわけですけれども、これは緑の少ない大阪府民にとっては、とってしまった跡を一体どういうふうにするのか、これは非常に重大な関心事になっております。 また、仮に泉州、泉南の山、泉地の山でなくても、沿岸部のどこからか土を持ってくるということになりますと、そこの住民にとっても、そこの地域の緑化回復、跡地利用、防災対策というものは、これは空港の可否を判断する上に非常に大きな指針になる。 たとえば、先ほど河川改修のお話がございましたけれども、また自分の地元のお話で恐れ入りますけれども、北生駒で清滝川という川、河川改修をしたのです。ところが、年に二回ぐらい土砂を揚げないことには、やはり山の上で溢水が起こる、こういうふうな事実がございます。こういうふうな防災ダムだとか治水池だとか、こういうのをつくって土砂をおとりになるのがもういまは常識になっていますけれども、そうした後の管理、ダムの管理、河川管理、これは一体だれが行い、だれがその費用を受け持つことになるのでしょうか。
○古屋委員長 四ツ谷君に申し上げます。 後の関係とのお約束の時間がありますので……
○四ツ谷委員 はい、もうすぐ終わらしていただきます。
○松本(操)政府委員 非常にたくさんの項目の御質問でございましたので、あるいは漏れがあるかもしれませんが、先生も御質問の中でおっしゃいましたように、土地が決まるようなにおいがしただけでいろいろ問題が起こりますので、したがって土地をなかなか確定できない。したがって私のお答えも抽象的にならざるを得ない。もう一つはまだ審議会で十分議論が尽きていないという、両方から、大変抽象的なお答えで恐縮でございますが、たとえば最後におっしゃいました沈砂池をつくるなり何なりして適当な手当てをした後はどうなるかというのは、結局跡地が一体どういうふうに利用されていくのか、だれによって、どのように利用されるのか。それはそのままもとの山の一部という形で、山という形で残ってしまうのか、それともそれが何か、先ほどおっしゃいました新しい人口増もあるじゃないかという御指摘のあった、それの受けざらになっていくのかどうか、そこら辺によっても非常に変わってくるのではないか。また、どろの取り方によりましても、北生駒の話は私どももよく承っておりますけれども、そういったような問題を残した形での土砂の採取というものを、では避けることができないのかどうかといったような点も含めて、かなり具体的に詰めてまいりませんと、なかなか具体的にいまの先生の御質問にお答えできないわけでございますが、要はあとが、いまいろいろと論じられておりますような、土地の荒廃という形でそのままに放置されることがないようにする。この基本的な原則を踏まえて、個々具体的な問題をこれから十分に詰めていくようにしたい、こう考えております。
○古屋委員長 四ツ谷君、簡単にお願いします。
○四ツ谷委員 はい。 では、もう一問質問をさせていただきます。残る問題はまた次にさせていただきますけれども、いわゆる公害のない空港、こういうふうなことを言われているわけですけれども、現在関西新空港調査で進めていらっしゃいます大気汚染調査、これはどういうふうな内容で行っておられますか。そして、その公害のない空港としての判断基準は何に求められているのでしょうか。
○松本(操)政府委員 公害のうち大気汚染については、まだ最終的な取りまとめを私自身も見ておりませんので、基本的な考え方を申し上げるにとどめさせていただきたいと思いますが、単に航空機からの負荷のみでなくて、バックグラウンドを十分考慮に入れた形で全体的な大気汚染の度合いを判断する、こういう手順を踏んでまいりたい、こう思っております。 なお、その大気汚染にかかる判断の基準は、国が定めている基準による、こういう考え方でございます。
○四ツ谷委員 最後になります、もう一問……
○古屋委員長 では、もう一問だけ。
○四ツ谷委員 国の決めている基準、これは……(発言する者あり)発言中でございます。 判断基準ですね、国が決めている基準、これは一体何に基準を置いておられますか。
○松本(操)政府委員 私あるいは正確を欠いたら訂正すべきかと思いますが、環境庁の出しております告示によって決められている数字と私はいま覚えております。ちょっと自信がございません。
○四ツ谷委員 まだ大気汚染の問題アクセス沿線での問題等、いろいろ御質問をしたい、こういうふうに思っておりますけれども、まあ時間がないと委員長が大変困っておられるようですので、これで終わらせていただきますけれども、最後に運輸大臣に私御要望申し上げたいのですけれども、関西新空港の問題は、ニュースの伝えているところによりますと、いよいよもう大詰めに来ているように言われているわけなんですけれども、先ほどから私が幾つか御質問を申し上げますと、その内容は府民が知りたがっている問題についてはきわめて抽象的であって、本当に府民が知りたがっていることについて、ほとんど具体性がないというところに大きな特徴があると思うのです。これは一兆数千億に上るような大変な事業をやるわけでございますから、やるにしてもやらないにしても府民が本当に納得のいく結論が出るまでは、これは非常に重大な問題ではなかろうかというふうに思いますので、私は今後時間の許す限りこの関西新空港の問題につきましては市民の立場、府民の立場から徹底的に御質問を申し上げたい、このように思いますので、運輸大臣もよろしく御協力を願いたいと思います。 これで終わります。
○古屋委員長 青山丘君。
○青山委員 最初に二つばかり確認しておきたいのですが、いまやりとりを聞いておりまして、関西新国際空港の建設工法の選定に当たって業界の争いになってきておると聞きましたが、それは事実がどうか。 いま一つは、暗黒海面については海面下〇・八ノット、この潮流によって、水流によって約三時間たてば暗黒海面下の水はかわっていくと聞いておりますが、事実かどうか。
○松本(操)政府委員 まず最初の業界云々の問題につきましては、私はそういうお答えはしていないつもりでございまして、またそういうふうな事実があるというふうにも私は聞いておりません。 それから暗黒海面にかかる水流の問題については、これも私お答えいたしましたように、現在のセミサブの場合には潮流の阻害度は少ないであろう、こう見られております。それとの関連性において、いま私手元にデータは持っておりませんけれども、少なくともかつてのポンツーン型と同じような形での問題とは違う形であろうというふうに考えられますが、その具体的な詰めは今後審議会の場において議論を願いたい、こう考えております。
○青山委員 それじゃ、通告しておりました内容について御質問を申し上げます。 運輸大臣はさきの所信表明の中で交通安全に関して、「交通安全の確保は、運輸サービスの基本であり、運輸行政における最も重要な課題の一つであります。陸海空すべての分野において、交通事故の未然防止を図る観点から、今後とも、交通従事者の自覚と知識、技能の向上、安全管理体制の充実、交通安全関係施設の整備等の施策を総合的に推進し、交通安全の確保に万全を期してまいる所存であります。」こう述べておられます。まさしく私も同感です。交通手段や交通機関によって差別をするものではありませんけれども、とりわけ航空においては安全運航がすべてに優先をしていかなければいけない、安全が第一に確保されなければならないと私は受けとめております。またこれまでそういうふうに取り組んでこられたと思いますが、航空保安システムあるいは空港の整備などとこれに携わる航空従事者の人々とのいわばハードとソフト、物心一体の結果もたらされるものだと信じております。 そこで、これに関連して、去る三月から実施せられました国内航空運賃改定認可に際して健全なる労働者の勤労意欲を低下させてしまっているのではないか、ひいては安全の確保に阻害を来すおそれがあるのではないかと心配をしておるのです。その辺の御見解をまず伺っておきたい。 それから、航空運賃認可に当たって、大臣はどのような理由で一九・三%という人件費の圧縮査定をしてこられたのか、その理論的根拠を聞かしていただきたい。まず二点お尋ねいたします。
○松本(操)政府委員 第一点につきましては、先生御指摘のようなことが起こってはならないわけでございまして、したがって、今回の運賃の査定の場合にも、いろいろと運賃というものを出しますために一つのモデルを組む必要がございます関係上、いろいろなことを考えて一つのモデルをつくったわけではございますけれども、それが直ちに航空行政の中で具体的に働いてくるというふうなことを私ども考えているわけではないわけでございます。したがって、今回の運賃査定はあくまで一つのモデルに基づき必要経費は必要経費として認める、特にいま御指摘のありました安全の面について、たとえて申しますならば整備にかかわる経費のごときものはもう目いっぱい査定の中でも見込んで措置をした。ただ人件費に当たりましては、第二の御質問とつながろうかと思いますけれども、人件費の伸び率というものにつきまして一応五%というめどを置いたというふうなこととか、あるいは生産性の向上というものもいろいろと現実にあるわけでございます。たとえば機材が大型化するということによって同じキャプテン、コーパイ、フライトエンジニアのクルーでもはるかに多人数の旅客を運ぶというふうなこともあるわけでございますので、そういうふうな点については配慮をした。ですからいまおっしゃいました一九・三%というのは申請に対する結果の数字であろうかと思いますが、そこを目途としたわけでは毛頭ないわけでございまして、いまのようなモデルを積み上げていった中で結果の数字で割り算をしたらそういうふうなことであったというふうに御理解いただければと思います。
○青山委員 ところが結果は、答申が人件費一九・三%圧縮査定、そういう形で今回の運賃値上げ幅を二三・八%に平均して認可した、こういうことになっていますから、その根拠というのは人件費をまず圧縮していく、そして燃料費はむしろ増査定。そこから航空産業に働く人たちの勤労意欲が阻害されないと言われることはいささか当たらない。むしろ労働者の犠牲の上に今回の運賃値上げがあった。新聞論調あたりでは航空業界に働く人たちは比較的賃金が高い——だから下げていいということには私はならないと思う。今回の運賃値上げ申請に伴う要因というのは燃料費と公租公課の増大、こういうところに原因があったわけですから、人件費を圧縮査定することによって平均二三・八%の運賃値上げが認可されたという根拠が乏しいとまず言わなければなりません。どういうところから答申が出たのか、その辺をまず聞いておきたい。その根拠は一体何かということです。
○松本(操)政府委員 人件費を圧縮するということでは必ずしもないわけでございまして、先ほどちょっと申し上げましたように、五十五年度の賃金の上昇率を、これはたとえば経企庁あたりでは五・五という数字が一応のめどにあるようでございますが、多少丸めた形になりますが、五%ということで査定の勘定の中に入れた。あるいは乗務員等のいわゆる最低保障手当の問題でございますが、これは六十五時間というのが労働協約上の数字であると承知をいたしておりますが、現実には五十時間内外というのが事実でございますので、それに合わせた数字を積み上げの根拠に使った。先ほど申し上げましたように合理化係数、つまり機材の大型化等による要因をその中に取り込んだ。こういうことで、結局人件費だけで申し上げますならば、申請に対して六ポイントばかり効いてきておる。つまり、全体の二八・八%という運賃値上げを二三・八%に結果的にしぼったわけでございます。その五ポイントしぼった中で、人件費はマイナス六ポイントのファクターで効いてきている。そのほかにももちろん収入の方をいろいろと査定をしていくとか、つまり収入をもっとふやすべきではないか、営業努力によって旅客を運ぶべきではないか、それによって運賃の値上げが二・四ポイントぐらい削れるのではないかとか、いろいろなファクターがあるわけでございますが、おっしゃるように燃料については、これは確かに事実上がっておる、それを払わなければ買えない燃料でございますので、これは六・六ポイントばかり事実の数字としてつかんだわけでございます。それらの差し引き勘定の結果が総合的に五ポイントのマイナス、それで二八・八%が二三・八%になった、こういうことでございますので、繰り返して申し上げますけれども、特に人件費というものに対して焦点を当てて極端にここをしぼり上げるとか、そういう操作をしたわけではないわけです。ただ、一般的に言いまして、航空企業の従業員の賃金が一般の産業の平均値に比べますと高いことは事実でございます。ただこれを下げろと言っているわけではございませんで、伸び率は伸び率として五%は見るという考え方はとったわけでございます。それからさらに、先ほど前段のお答えで申し上げましたように、これは一つのモデルの計算として運賃をはじくための過程において出てきた数字、こういうふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
○青山委員 下げろとは言っていませんね。しかし、現実には下げる以外に道がないような圧縮査定であったと私は受けとめています。 一つずつちょっと触れていきますけれども、定期三社ベースで人件費に平均一一%の合理化係数を掛けた、そして人件費を削減していく方法がある。これは積算の一つの根拠になっているのでしょう。こういう内容で事を進めていく、二三・八%を認めていく、こういうことなんですね。合理化係数というのは、どういう根拠で一一%が出てきたのか。これまでのいろいろな実績で出てきたと私は受けとめていますが、いまここで出せなければ後でも結構ですけれども、実績の数表があったらひとつ出していただきたい。今回の一一%の合理化係数の根拠になっておるものは一体どんなところですか。
○松本(操)政府委員 合理化係数と申しますものは、五十一年と五十三年の両年度にわたりまして、どの程度生産性が向上していったかという比率を求めたわけでございます。これは実績でございます。この実績値の数字を、五十三年度を基準年度として五十五年度を平年度というふうに先ほどのモデル上の勘定をしておりますので、五十三年度の数字にこれを掛けていったということでございます。 個々の数字につきましては、ちょっと簡単に口で申し上げにくいのでありますけれども、職種別にいろいろ数字を出していきまして、その中の数字の平均的なものをとったり、あるいは合理化が逆行しているような数字に一時なっているものもございますが、そういうものは一というところでとどめるという操作をして、結果的な数字を出したわけでございます。ですから、一一%をカットするということではないのでありまして、係数の〇・幾つ、たとえば〇・八九とかそういう数字を掛けている。その数字そのものはいま申し上げましたように五十一年度から五十三年度にかけての実績ベースで出した数字、こういうことでございます。
○青山委員 各部門での合理化ですけれども、営業、運送、整備、間接の各部門で、たとえば日航ではすでに過去五年間に千二百名から千四百名くらい人員削減をして、そして生産性を向上させていくためにそこに働く人たちは大変な努力をしてきたわけです。そういう実績が今回の合理化係数にも含まれているのであろうと思います。しかし、今回果たしてこの一一%で係数を掛けていって、人員削減をさらにしないでやっていけるとお見通しですかどうですか。
○松本(操)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、賃金の切り下げとか、ましてや人員の削減とかを念頭に置いているわけでは全くございません。私どもが考えていった運賃査定のための一つのモデルに対して、結局今後の企業側のありようといたしましては、収入の増加を図っていくことによって、収入がふえますと、先ほど申し上げましたようにそれが運賃にどれだけはね返ってくるかという分で、それだけ軽減が効いてくるわけでございます。賃金そのものは労使間の協議によって決まっていくものであることは十分心得ておるわけでございます。それを直接的にとやかくしょうということでは全くございません。ましてや人員整理等を念頭に置いているわけでも毛頭ございません。いま申しましたように、確かにおっしゃるような第一次オイルショック等を踏まえた時点における企業の側の努力というものがいろいろな面にあったでございましょうが、今回の運賃査定に採用いたしましたこの係数なるものは五十一、五十三両年度の対比をとって押さえたという実績ベースの数字でございますので、それ以上のものを特にどうこうしようということでは全くないというふうにぜひ御理解いただきたいと思います。
○青山委員 三つの内容が示されまして、その第一に五十五年度のベースアップは五%へ圧縮する、これが一つの内容になっているのですが、今回の人件費の査定が、これは答申だということですけれども、たとえば全日空では昭和五十三年度の実績に比べて一・四%の減、日航では四・八%、東亜では一一・四%、平均しますと、定期三社では、五十二年度実績に比べて合計三%の増ということになってきますと、五十四年度ではすでに七%の賃金アップをしております。そうすると、五十五年度は実質ゼロにしろということになりませんか。こういう状況で働く人たちの賃金だけを抑え込んでおいて、他の要因による経営悪化を運賃値上げの認可のめどにしてきたということはまことにそこに働く人たちの勤労意欲、そして安全の確保について大きな障害になるのではないかと言わざるを得ません。その辺の御見解をまず伺っておくことと、航空産業に働く労働者の賃金が、他の産業に比べて高い、これは労使間の自主決定事項でして、いかなる職場においても労使で決定することであって、行政が介入することではないと私は思っております。そして、労働生産性の高い職場においては当然それに見合うものは支払われるべきですし、それがまたベースになっていくものです。そういう意味で、他の産業と比較して云々というのは当たらない、これはこれとして判断していかなければならないと私は思っています。とりわけ航空の安全確保というのは絶対至上命題だと思っていますので、それに伴う労働価値は非常に高いものがある、その辺の御見解を伺っておきたい。
○松本(操)政府委員 先ほど来繰り返し申し上げておるつもりでございますけれども、運賃の査定をいたします場合にはそこに一つのモデル的なものをおきませんといかぬ。そのモデル的なものの中でたとえば収入をどう見るか、支出をどう見るか、支出といっても大ざっぱな勘定ではなくて、もう少し細かな内訳をしていくことがどうしても必要になってまいりますので、そういったモデルを、勘定していくときの考え方として、先ほど来御説明してまいりましたようなことを設定して、それによる査定を行ったというのが実情でございます。したがってこのとおりにすべてが動いている、あるいは動かねばならないということではないわけでございます。 決まったことは何だといえば、運賃がたとえば東京−大阪で幾らになったとか東京−沖繩で幾らになったとかということは、これは動かしがたい認可運賃でございますけれども、それによってどれだけの人を運ぶのか、どれだけの収入を得ていくのか、またそうして得られた収入を労使間の協議によってどのように配分していくのかというふうなことについては、おっしゃるとおり行政が直接介入すべき問題ではないわけです。ただ、運賃の収入を焦るが余りに安全を阻害するとかサービスが低下するとかということがあれば行政としても見逃すわけにはまいらない、これは言えると思いますが、それ以外の、ましてや本来労使間の問題として取り上げられるべき問題について行政が直接介入をするなどということは毛頭ないわけでございます。したがって、結果を見なければよくわかりません。たとえば燃料費にいたしましても、一応私どもは私どもなりの見込みから、先ほど申し上げましたような、たとえばキロリッター当たり六万六千円であったと思いますが、そういう数字を査定の中に積み上げておりますけれども、それがどうなるのかということは、やはり今後のOPECの動き等も含めて現実に起こってくる問題として受けとめていかなければならないというようなことと全く同じだとは私は決して申しませんけれども、先生が繰り返し御指摘なさっておられる点につきましては、私どもの方は意図的な問題があったわけでは決してない。一つのモデルをつくり上げるときにそういう考え方をとってみました。 そこで、他産業との対比において航空の賃金が高いとすればそれはそれなりの理由があるのだとおっしゃるのは、それはそうかもしれません。またそういった賃金体系そのものが、企業の業績等を踏まえ労使間の協議の中から出てきて固定し、定着していったものでございますから、それはおっしゃるようにそれなりの理由があったものと理解すべきだろうと思います。ただ、であるから従来の実績どおり幾ら伸びていってもいいよというふうな形で、人件費が非常に膨張した形で全体のモデルを組むということになりますと、これはやはり国民一般に納得を得た形での運賃改定でなければならないという観点に立ちました場合に、人件費に対する何がしかの考え方というものは運輸審議会あるいは運輸省として当然示さざるを得ない。その場合に一つの考え方として、いままで申し上げてまいっておりますような五%の伸びとかあるいは実績に基づいた一定の比率を掛けるとかいう措置をとるというのにとどまっているわけでございますので、繰り返して恐縮でございますが、そういうふうに御理解いただきたい、こう思うわけでございます。
○青山委員 私は、航空局長がそう考えておられるのも無理からぬと思う点もあるのですよ。しかし現実には大臣認可で二三・八%運賃値上げがされた。その根拠が何かということになりますと、どうしたって答申の内容が云々ということになってくるのです。ですから、私は人件費を圧縮査定したわけじゃない、行政がそこに介入したわけではないとおっしゃるのですけれど、しかし現実にはその根拠がやはり数字として出てきているわけですからこれは見逃すことができない。それは運輸省、運輸大臣はそこまで航空各社に対して云々したことはないと言っておられるのでしょうけれど、現実には二三・八%が認可されているのですから、やはりその根拠に触れないわけにはいかない。とりわけ、航空産業に働く人たちの賃金が高い云々、こういう比判を受けても、それはある意味においては、新聞でも時に報道されましたあの殿様スト、お姫様スト、こういった争議行為に対する社会的な批判もそこには含まれているであろうと思うのです。しかしそういう人たちばかりじゃないのです。企業にあって産業民主主義の立場に立って生産性向上のために取り組んできた労働運動に対する評価は一体どういうふうにされておるのかと言えば、今回は圧縮査定ということになってくると、そういう運動の実績に対する評価、理念に対する評価はされていないと言わなければならぬのですけれど、運輸省の御見解はいかがでしょうか。
○松本(操)政府委員 もちろん、企業によりあるいは同じ企業の中でも職種によりといったようなことで、先ほど来御議論になっておりますたとえば生産性の向上の度合いでありますとかあるいは勤労の内容、その難易さ、そういったものはいろいろ違っております。そういうふうなものがどのように評価されるかということは、これも先ほど来申し上げておりますように、労使間の協議の場において決まっていく問題であるわけでございます。したがって私どもが申しておりますのは、人件費を見ました場合に、賃金水準が航空企業の場合、一般的な産業の水準と比較して非常に高い。その理由いかんを別にいたしまして、事実問題として、実際の数字としてそれはそういうことであると認めないわけにはいかないだろう。そういうふうなことを踏まえた場合に、運賃を値上げするという場合、やはり国民一般の納得を得ていきますためには、人件費というふうなものについて企業もあるいは査定する側におきましても安易な膨張という形をとってはいませんぞということははっきりとしておかなければならないと私は思いますし、その考え方自身はあながち非難さるべきものじゃないのじゃないかと思うのです。ただ、そういった議論を踏まえまして具体的に一つの運賃を査定するためにモデルをつくっていきました場合、私どもの考え方は先ほど来申し上げているとおりでございますが、先生はそれに対して、それは勤労意欲を阻害しあるいは安全にも悪影響を及ぼし、あるいはまたせっかくの努力を評価しない、そういった考え方が先立ち過ぎているのではないか、こういう御指摘でございますけれども、私どもはそういった深く立ち入ったことまでとやかくどうこうしよう、そういう議論をしてきたわけではないのでございまして、実績的な数字あるいは平均値的な数字、しかし一般的に非常に高いと言われ、かつそれも数字的にはそう認めざるを得ないのであるとすれば、一般の伸びよりは少し遠慮しておくかな、五・五%という数字と五%という数字でございますからはなはだしく違ったというふうな数字ではないわけでございます。そういった多少の修正を試みた形でモデルを組み上げた、こういうふうに御説明申し上げ、また事実そのように私どもは考えておるわけであります。 現実に決まったのは、先生のお説によりますとたとえば賃上げ率が五%に決まったじゃないかとおとりのようでございますけれども、そうは私どもは考えていない。決まったのは、先ほど申し上げましたが、航空運賃が決まったわけでございまして、その運賃の決まる過程でいろいろな議論もあったことも事実で、その議論について先生のような御指摘のあるのを私よくいま承ったわけでございます。しかし、私どもの意図は今後そういうことをねらってやっていこうとか、そういうことではないということは十分に御理解をいただきたい。ただ、いろいろと国民に納得を得るような形での運賃を決めていかなければならぬわけでございますから、その過程の考え方としていままで御説明したような形を積み上げたモデルによった、こういうふうに考えていただきたいと思うのであります。
○青山委員 ベースアップは、五・五が五%になった。〇・五%だけの圧縮査定だと航空局長はおっしゃるけれども、答申に示されております人件費の抑制内容は、申請に比較しますと全日空で二二・八%マイナス、日航で二・五%マイナス、東亜国内で二〇・二%マイナス、平均すると一九・八%のマイナス。今回人件費だけがそういう形で圧縮されて、果たして運賃値上げの原因というのは人件費だけだったか。むしろ、人件費がこういうふうに圧縮されてくれば、運賃値上げをしなくて、運賃を引き下げてやっていけるかといえば、実はそうじゃない。今回の運賃値上げの原因は燃料費の増高、これは局長さんおっしゃったとおりです。問題は、公租公課も非常に増大してきておる。基本的に公租公課のあり方については全く触れない形で、そして燃料費も増査定をして、結果は申請に比べて人件費だけを大幅に縮減した形で認可がおりた。いささか片手落ちだと私は思っております。たとえば公租公課ですが、運賃引き上げの原因が燃料費と公租公課の異常な増大であって、とりわけ公租公課の増大こそが問題ではないか。空港整備特別会計における受益者負担率が余りにも高い。企業の合理化努力だけではこれが吸収できなかったのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○松本(操)政府委員 公租公課と一般に言いならわされておるわけでございますけれども、航空運送事業を行います場合に、飛行場をつくり、整備し、あるいは航空路を整備し、各種保安施設を設定していくというふうなことのために使われる金額、それに対してたとえば着陸料でございますとか、航行援助施設利用料でありますとか、その他そういったたぐいのものがあるわけでございますが、仮にこれを公租公課と一般に言われているように呼ぶといたしまして、これが非常に高いかどうかという議論が一つあると思います。確かに個々の着陸料なりあるいは航行援助施設利用料なりの変遷を見てまいりますと、これはいろいろと改定をして上げてきております。そうしてそれはどういう形で企業の中に吸収されていたかといえば、先ほど来ときどき触れましたように、あるいは機材が大型化するとか、非常な勢いで需要が伸びたとかいうふうなことの対応において収入と支出の中に占める比率というものはほとんど変わらないできたということでございます。一番マキシマムになった時点で恐らく二〇%あるいは二一、二%という数字ではないかと私は思います。 ただここで非常に議論が残りますのは、そんな数字じゃないという説が実はございます。もっと大きいのだという議論がございます。これは通行税を入れるのか入れないのかというところで議論が分かれまして、やや技術的な話になりますが、私どもとしては、通行税は入れない、つまり通行税そのものは企業を素通りして税金として行ってしまうものでございますので、もともと収入たり得ないものでございますから、したがってこれは分母にも分子にも入れないという感じで勘定をしておりますが、今回の運賃査定のモデルで勘定してまいりますと、たしか一七、八%になっているはずでございます。ですから、一千億の収入があれば、その中の二百億足らずというところが着陸料なりあるいは航行援助施設利用料あるいは燃料税なりで出ていく、こういうふうに考えていただいていいのではないか。この部分を全く論外に置いたわけではございません。確かにその分が上がってきたという点は、認めざるを得ないところは燃料費と同じように率直に認めるということで、諸経費の中でこれの上昇分については現実どおりの数字で見込んだという形になっておるわけでございます。
○青山委員 通行税は収入たり得ないというのはわかりますけれども、受益者負担という立場からすると、利用者負担、これは運賃に入るわけですからこれも一般財源たり得ないのじゃないかと私は思っております。ただ、航空が国鉄からお客さんを呼び、自然増も加えてそれなりに伸びてきたから耐えられた。今日は日本の各交通体系の中で遠距離に占める航空の割合は非常に高くなってきておる。たしかけさの報道ですか、昨年一年間四千二百万人が飛行機を利用した。約二人に一人、もちろんこれは廷べの計算ですけれども、非常に飛行機が利用されるようになってきた。これは大衆化されてきたと受けとめるべきでしょう。大衆化されてくれば、なおインフラストラクチュアは一般財源で賄われるべきではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか、それが一つ。 それから空整特会、一般財源の占める割合、いまの通行税を含むか含まないかという問題がありますけれども、利用者の負担は一体何%になって、一般会計からの純然たる繰り入れというか、受け入れといいますか、これはどれくらいになるものか、いますぐ出なければ、一遍後で資料として提出していただきたいが、いかがでしょうか。
○松本(操)政府委員 航空におけるインフラストラクチュア的なものを一般財源から入れるべきではないかという御議論は、それは私は一つの御議論としてあり得ると思います。ただ、現時点におきましては、航空輸送というものは受益者負担の原則に立っていく、これはやはり確かに大衆化し、公衆が多く利用するようになったことは事実でございますけれども、比率的に見てみますと、まだ旅客の数でいった場合には一%までも来ませんし、〇・一%までも来ない、わずかに旅客キロを出しました場合に三、四%というオーダーでございますので、確かに公衆化しておりますし、またこれが公共性が高い乗り物であるということも全く事実であると私は思いますけれども、一般財源を投入するという財政論的な議論になりますと、いろいろと議論の分かれるところがあるように思います。 そうはいいながらも、現在、先ほど触れました通行税問題を除くと、受益者負担率というのは下がってくる、大ざっぱな数字で七五、六とか七、八とかいう数字になるわけでございます。通行税も確かに旅客が払っておりますので、これも受益者負担ではないかという数字ではじきますと九十数%のオーダーになってくる、これはおっしゃるとおりでございます。 今後の問題を考えました場合に、やはり受益者負担の原則とはいいながらもおのずから限度があるし、とりわけ今後空港の整備その他保安施設の整備等は大いにしていかなければならないわけでございますので、そうなった場合、これをすべていまの旅客から徴収していく、そして何年もかかる空港の投資にこれを充てていくという考え方が果たして妥当かどうかというのは、大いに議論のあるところでございましょう。したがって、今後の問題といたしましては、たとえば借入金の導入でありますとか、あるいは純粋一般財源と先生がおっしゃるのは、通行税でないいわゆる一般の、こういう御趣旨かと思いますが、そういったようなものの繰り入れ度合いの増加というものが大いに論じられていっていい問題ではないか、このようには考えております。
○青山委員 もう時間が来ましたので、最後に一言、もう質問ではありませんが、これからまだ航空需要が増大していきます。それに対応していくためにも、また航空の安全のためにも、ぜひひとつそこに働く人たちが勤労意欲を阻害されないような形で安全を確保していただけるために、最善の努力をしていただきたいと要望して、質問を終わります。
○古屋委員長 次回は、来る八日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十三分散会