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90回国会参議院1979/12/07

農林水産委員会 第2号

発言数
285
登壇者
23
会派数
5
開催日
1979/12/07

会議録

青井政美自由民主党・自由国民会議

○委員長(青井政美君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十一月三十日、小林国司君が委員を辞任され、その補欠として熊谷太三郎君が選任されました。  また、昨六日、下田京子君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。

青井政美自由民主党・自由国民会議

○委員長(青井政美君) 農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私は韓国漁船の北海道沿岸における無謀操業の問題について質問いたしますが、冒頭大臣にお尋ねします。  これは当然のことですが、前任の大臣が国会の中で答弁され約束された事項につきましては、同じ自民党の大臣としてそれを実現する責任があると思うのですが、これに対する御所見をいただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 政党内閣のたてまえ上、当然、私ども同じ政党がいま政権を担当させていただいているわけでございますから、前大臣のいろいろと国会に対してお約束をしておることに対しては、私もその線に沿って努力をすることは当然かと考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 大臣は岐阜県出身だとお聞きしておるわけですが、岐阜県には海がないものですから、したがいまして、水産の方については失礼ですが余りお詳しくないのではないか、こう思っているわけですが、しかし、農林水産大臣でございまして、大事な日本の水産の行政を担当される大臣として、やはり責任を持ってしっかり水産の問題も勉強していただかなければならないと思いますが、いかがでございますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 川村先生御指摘のとおり、私の県には海はないわけでございまして、そういう点につきましては、なかなかいままで御縁が薄かったわけでございます。しかし、農林水産大臣、特に過去においての農林省という言葉が農林水産省という、水産という言葉まで入れられたくらい、水産に対して現在の農林水産省が非常に重点的に考えて施策をやっていかなければならぬということはよく承知をいたしておりますし、また、国民の食生活、現在日本人のたん白質の約半分が魚によって得られておるということも承知をいたしておりますので、そういう点からいけば、水産業というものに対してより一層努力をしていくということはこれはもう当然のことだと考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 古くて新しい問題でございますが、昭和四十年代に入りましてからは、北海道の沿岸には、ソ連の漁船あるいは韓国の漁船が、しかもこれは大型の底びきトロール船のようなものが出てまいりまして操業して、沿岸に大変な被害を与えてきておったわけであります。ところが、これが二百海里時代に入りまして、ソ連の漁船についてはこの二百海里法の規制によってそういう事態が発生しないようになりましたが、韓国につきましては、規制がないものですから、依然としてずうっとこれが続いておるわけです。もう最近も全然やまっていないわけですね。韓国漁船の無謀操業の問題は、北海道沿岸漁業について、特に沿岸漁民の漁業並びに沿岸の資源の維持の上から言って大変な問題を起こしておるわけです。この韓国漁船の問題につきまして、大臣に就任されてから余りまだ時間がたっておらないのでございますが、事務当局の方から十分お話を聞いて認識されていると私は思っているのですが、いかがでございますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) この問題につきましては、もうすでに鈴木大臣のころからいろいろと問題が起きておりまして、川村先生が終始御熱心にいろいろこの委員会においてもあるいはその他の委員会においても御発言になり、また、現実の問題として、北海道の漁民と韓国の漁船との間においていろいろのトラブルが起きておることも承知をいたしておりまして、この問題が一日も早く解決をしなければならないのにいまなお解決を見ていないということはまことに遺憾に存じておる次第であります。

川村清一日本社会党

○川村清一君 大臣がそれだけ御認識いただいておればくどくどしく申し上げる必要はないかと思いますが、いろいろこれから御意見を承っていくにつきまして、一応筋道だけお話ししておきたいと思うのです。  特に、いま大臣、鈴木大臣以降というお話がありましたので、これが一つの出発点でもありますのでちょっと申し上げますが、鈴木善幸さんが農林大臣のときに、御案内の領海法、それから漁業水域に関する暫定措置法の審議をしたわけであります。このときに私が鈴木農林大臣といろいろ議論をいたしました。そこで鈴木大臣はどういうような答弁をなさったかというと、これは会議録にありますからぜひ読んでいただきたいのですが、「十二海里の外でありましても、わが国が資源保護上、また操業の秩序を確保する、そういう意味合いでオッタートロールあるいは沖合い底びき網漁業等の禁止区域というものを設定しておりますから、この禁止区域では外国漁船は絶対に操業させない、こういう方針でございます。」と、こう答弁されておる。そこで、いま大臣のおっしゃった外国漁船というものの中に韓国が含まれるかどうかということを私が重ねてお尋ねいたしましたら、この漁業水域に関する暫定措置法はこれは韓国に適用しませんので、この法律から言えば韓国船は外国漁船ということの中には入らないと、こういう答弁であった。そこで、それに対しまして私はいろいろ質問しました、議論いたしました。そして、最終的にこういうことになっておる。私が聞いたわけでありますが、「そこで韓国と日本との政府間協定をきちっと結んで、そして韓国も絶対ここへ入ってこないような処置をとる、これが大臣のいまのお答えですが、そう確認してよろしゅうございますか」、こう質問をしたのです。それに対して鈴木大臣は、「そのとおりでございます。」と、こういう答弁をしておる。それからさらに議論を進めてまいりまして、最終的に鈴木大臣は、「この問題は、御指摘のように日韓の間の民間取り決め、これが誠実に履行されていないということを私は非常に残念に思っておるわけでございます。したがいまして、この漁業水域法、これが成立いたしますればできるだけ早く政令も決定をいたしまして、直ちに韓国側と今度は政府間の協定を締結をいたしまして、現在のような無秩序な、履行されないようなことでなしに、この水域法の趣旨、目的が確実に実行されるように政府間協定によってそのことを確実にしたい、こう考えております。」と明確に答えられておる。これが昭和五十二年四月二十七日の当委員会におけるところの議論であったわけです。  ところが、その後、鈴木さんがおやめになって、中川大臣、それから渡辺美智雄大臣、こう経てまいりまして、そしてただいま武藤大臣が誕生された、こういう経過を経ている。これに対してどうお考えになりますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) この議事録も読ましていただいておりますし、当然そういうことで政府も、確かにいま御指摘のとおり三代大臣がかわっておるわけでございまして、結果的にはどうも努力が十分ではないという御指摘かと思いますけれども、私の承知しておる限りにおいては、政府においてはその後相手と何回も交渉を重ねてきておる、こういうふうに承って、それがまだ実を結んでいないということについては、先ほど申し上げましたようにまことに遺憾に存じておる次第でございますが、全く努力をしてこなかったということではないのではないかというふうに私は承知をいたしております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私も、政府は怠慢にしてちっとも努力をしておらないなんということは申し上げておるわけではありません。少なくとも行政府のトップクラスの岡安水産庁長官、その次の森長官、いまは今村長官——今村長官については私は存じておりませんが、岡安長官にしてもあるいは森長官にしても、何回も韓国へ行って韓国と折衝してきておる事実は知っておる。知っておりますけれども、いま申しましたように、問題はちっとも解決しておらない。政治は経過がどうであっても実が結ばなければこれは政治でないわけですよ。  そこで、これは先般大臣に会ったときもお話ししました。ごく最近の事柄を申し上げますと、ことしの三月一日に私ども社会党の北海道の選出議員団、衆参両院合わせて十五人おったんですが、この代表団が大臣室で当時の渡辺美智雄大臣とお会いいたしまして、この問題でいろいろと申し入れを行った。その説明は私がしたんですが、昨年の十月からことしの二月の末ころまでにかけて、北海道沿岸、太平洋岸、オホーツク海、日本海全部回りました。大方の漁業協同組合には全部立ち寄りました。そして、組合長などにお会いしていろいろと問題をお聞きいたしましたが、どこへ行っても、どの水域に行っても言われることはこの問題なんです。  そこで、もう組合長さん方はどういうことを言っておったかというと、いままで長い間私たちは何回も政府に陳情した、また、政治家の皆さん方に何回もお願いをしてきたと。しかし、今日いまだに何ら変わったことがなくて、こうして韓国船の無謀操業によって私どもは被害を受けておる。それだけでなくて沿岸の資源がなくなってしまうじゃないか。もう一千トンから三千トンぐらいの大きなトロール船がこの沿岸に来て操業しておる。全部資源をとられちまって、資源が枯渇してしまうじゃないか。それではもう漁業をやっていくことができない。われわれは死ぬほかにはない。そこでわれわれは決心した。今度そんな韓国の大型船がやってきたらわれわれ沿岸漁民の船でもってこれを取り巻いて、もう自衛手段を行う。自分のことは自分で守るより方法がない。もう政治に頼っていたってしようがないと、政治に対して全く不信感を持っています。ちょっと大げさに言えば、韓国の漁船にダイナマイトでもぶつけてやらんばかりの、そういうことを言われたんですよ。  そこで、そういう不祥事が発生したならばこれは大変なことであると憂慮いたしまして、政府は責任を持って早急に何かの措置をとらなければ大変なことになりますよということを渡辺大臣に申し上げましたところ、大臣は何と言ったかというと、わかったと、もう一回うちの長官を韓国に派遣して向こうの長官と話しさせて交渉させる。もし話がつかなかったら私が引き受ける、私が引き受けて国と国との外交ベースに乗せてこの問題を必ず解決すると渡辺大臣は明快にお答えになった。大変な勇気のある御発言と思って、われわれも敬服いたしまして、それじゃそれを確認して、帰りまして北海道の沿岸の皆さん方にお伝えしますと言って帰ってきたんです。  その後、森長官が大臣の命令を受けて二回訪韓したことも承知しております。しかし、訪韓をして話をしてもちっともらちが明かない。何にも変わってないじゃありませんか。どうするつもりなんです。このままにしておくつもりですか。私どもが心配したとおり、先月の十一月の十八日ですか、北海道の南の太平洋岸において韓国のトロール船に沿岸の漁船が約百六十隻海上デモを行って、その韓国船を取り巻いて韓国船帰れとこう絶叫した。中には、思い余ったんでしょう。まあ漁師のことですから気も荒い、石を投げたのがいる。その石が不幸にして韓国の漁船の一人に当たってその乗組員が負傷した。こういう不祥事が発生したんです。  私は、こういう不祥事が起きるおそれがあるから早く解決するように努力しなさいということを言ったのです。大臣は、わかった、やりますと胸をたたいて渡辺さんはお答えになっておる。その結果、私が心配したとおりにこういう事件が起きたじゃありませんか。この事件に対してどうお考えになられますか。そしてあなたはこういう事件が再び起きないとお思いになりますか。私はこのまま推移すれば、もっともっと大きな事件が発生することを心配しているんです。国際上の問題になると私は思うわけであります。  そしてこの問題につきましては、ことしの春の日ソのサケ・マス交渉の議定書を外務委員会で審議したときに、私はこの外務委員会に出て園田外務大臣にも質問している。園田大臣は、これは外交ベースに取り上げて必ずやるということを答弁されておる。こういうずっと推移があるんですよ。前の大臣の約束されたこと、答弁されたことは私も責任を持ってやるとお答えになった。大臣、こういう事態に対してどう対処しようとなされるのか、明快にひとつお答えいただきたい。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 大変御叱責をいただくそのお気持ち、十分私も理解ができるわけでございます。北海道の漁民にとってみれば、自分たちがせっかく魚族の保護という観点からしんぼうして禁止水域まで決めてやっておるにもかかわらず、そこへ来られて、しかも他国の船が入ってきて、またオッタートロールというのは大変すべての資源を枯渇させるような漁法でもってやられておるということに対して憤りを感じておることは、重々私もこちらへ参りまして説明を聞いて、その気持ちというのはよくわかりました。  いまの投石事件も大変残念なことでございますけれども、そのやむにやまれない気持ちというものは、まあ暴力というものは私はやっぱり否定をしなければいけないと思います。しかし、そういうことをやらざるを得なかった、その心情は私はわかるような気がいたします。今後二度とそういうようなことにならないように一日も早く解決をしなければならないということでございまして、私もこの役所に参りまして日が浅いんでございますが、できる限り努力をしたいということで、私は私なりの非公式の努力をいたしております。  また、水産庁長官も、国会の予算政府案が決まってから国会の再開までの間には時間があろうかと思いますので、その間にぜひ一回韓国へ派遣をいたしまして、いま御指摘のとおり、森長官時代うまくいかなかったという話でございますが、多少なりともこの間、先生御承知のとおりああいう自主規制の案を出してまいりました。もちろん不十分でございますけれども、多少なりとも少し進んできておるような感じがいたしますので、ぜひ、なるべく早いうちにひとつ私の手で本当に解決をして、漁民の皆さんに安心をしていただけるようにしたいというのがいまの私の偽らざる気持ちでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 解決するために全力を挙げて努力したいというお気持ちはわかります。そこで、そのために具体的にどういうことをなされるのかということがわからない。近いうちに長官を派遣するというお言葉ですが、私がさっき御指摘申し上げたように、いままでの長官も大変努力されているんですよ。岡安長官も訪韓されていろいろと折衝された。森長官は二回も行かれた。それから、さっきおられたがいまお見えになりませんが、初村さん、農林省の政務次官をされておったときに、初村さんは長崎の方であり、自分は漁業経営者ですから水産のことに非常に詳しい、私は、公式では長官や大臣と折衝していますが、初村さんとは同じ委員会の、党は違っても仲がいいですから、もうしょっちゅう彼には話しておった。彼もやるやると言うんですよ。初村さんもわざわざ韓国へ行って努力されてきたことも十分承知して敬意を表している。一向にこれは決まらないわけです。解決しないわけです。今村長官がこれから行かれるというんだが、一体どういうことをなさるのか。それでいま大臣は、先日、自主的に向こうの方は規制すると、その内容は十二海里の領海の外に二海里か三海里幅を広げて、そこからこっちへ入ってこないと、こういうような規制案を自主的に向こうは言ってきたと、こう言うんですが、そのことで問題が解決されるかどうか、多少なりとも解決できるかどうか、それは長官からでもいいです。お答えいただきたい。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 川村先生よく御承知のように、韓国は十二月一日から太平洋沿岸につきましては三海里、日本海とオホーツク海は五海里を領海から退いて、それから同時に、襟裳以西の海域につきましては、十二月と一月の間、ソ連協定のライン内では漁をしないということを自主的に実施をするということでございます。もちろん、これをもって十分であるとは私は決して思っておりません。やはり日本の漁民の方々が北海道で操業をしておる。それは一つには、やはり御指摘のように、資源を大切にしながらそういう操業をいたしておるわけでございますから、少なくとも日本のそういう操業の実態について韓国がよく理解をした上で、オッタートロールに十二海里の外に出ていってもらう、あるいはまた十二海里の外につきましても禁止期間があるわけでございますから、日本のトロール漁船が操業をしていないような期間においては韓国においても操業をしないというふうにしてもらう。あるいはまた大和堆でありますとか、武蔵堆等におきますそういう日本の禁止区域を設けておるわけでございますから、そういう禁止区域を設けておる地域につきましては、韓国もこれを守ってもらうということにつきまして、十分韓国と話し合っていきたいというふうに考えておるわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 長官にお尋ねします。長官が御承知なければ沿岸課長もおいでになっているようですから、沿岸課長から御答弁いただいても結構ですが、漁業法に基づいて、漁業協同組合に対しまして共同漁業権というものが免許されておる、その共同漁業権の海域というものは沿岸のいわゆる漁業協同組合所属の組合員——沿岸漁民ですが、共同のこれは財産であって、そこの中で、いわゆる組合がつくっておりますところの共同漁業権行使規則に基づいてその漁場を合理的に管理し、漁業を行っておる、そして資源の維持を図っておる、こういうことなんですが、その北海道の共同漁業権というものは、沿岸それから沖出しがどのくらいあるか、これ長官、御存じならお答えください。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 襟裳岬沖の共同漁業権につきましては、沖出しが大体三万三千メートル——十七・八海里ございますが、ないしは三万メートル、十六海里となっておりまして、カレイ、スケトウダラ等の刺し網漁業がその内容でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 いや、共同漁業権の沖出しというものは、いま襟裳岬とおっしゃったが、襟裳岬だけ——北海道全部がそういうわけではなくて、海域によって、その漁業協同組合員によって沖出しというのは違うわけですよ。大体平均して言えば、北海道の場合は二万五千メーターから、多いところは三万五、六千メーターまで沖出しがあるわけです。そうしますと、一海里は御承知のように千八百メートルですから、いわゆる共同漁業権というものは十七、八海里から二十海里ぐらいまであるわけでしょう。そこで長官が言われた、韓国が自主的に領海より三海里か、ところによっては五海里広げるといったところで領海十二海里、三海里広げたって十五海里、最高五海里広げて十七海里、そこでいま長官のおっしゃったカレイの刺し網だとか、スケソウの刺し網の漁場というのはどこにあるかということなんですよ。大体において襟裳辺ならば十七海里から十八海里、太平洋側は。この辺にあるわけです。ですから、領海より二海里、三海里、自主的に沖出しをそこを規制すると言ったところで何ら問題は解決されないわけですよ。そこで、これを解決するためには、先ほど、私が鈴木大臣と議論して大臣も確認されておるように、日本の漁業調整規則、これは北海道知事が大臣の認可を受けて決めるんですが、漁業調整規則によって、日本のオッタートロールあるいは底引き、これを規制しておる水域あるいはこの漁業を禁止しておる期間があるわけです。これを韓国にもしっかり守らせろということを申し上げて、鈴木大臣はこれは政府間の協定によってはっきりそうさせるということを答弁しておるわけですよ。だから、鈴木大臣のおっしゃったこと、私の要求したこと、そしていま長官が言われたことは一致するわけですよ。このことを、いままでの大臣あるいは長官が——長官は何度も訪ソしてこの問題を話してきたと思うんですが、それがらちが明かないで今日に至っておるということなんですよ。そこで今村長官、あなたは今度また大臣の命を受けて訪韓されるとのことですが、どういう提案をしてこの問題を一体決めようとして行かれるのか、具体的にひとつここで話してください。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 先ほども申し上げましたように、日本の北海道周辺におきますもろもろの問題、いま提案されておる問題を片づけるために、私は私なりに全力を尽くして努力をいたしたいと思っておりますが、まず第一に、韓国にやってもらわないかぬことは、日本の北海道漁業者が資源保護その他のために日本の国内的規制を守って操業しておる、そのことを韓国も同様にやってもらうということがまず第一ではないかと思います。北海道の漁民の方々にいたしますれば、自分の海であり、自分の資源であると考えておるわけでございますから、そこへもってきて、たとえ二百海里法がないとは言え、韓国漁船が、しかも大型の船を持ってきて底びきをやるということは、これは耐えられないことでございますから、そういうことでないように、日本の漁業者が守っておるその規制を守って操業してもらうということを韓国に要請することがまず第一義ではないかというふうに考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私が要請していることもそのことなんです。そのことが、昭和五十二年のこの法律案審議のときに大臣がやりますと言って確約して、ちっともやっていない。同じことをいま長官おっしゃっておる。歴代の長官が行って話ししてくるのもそのことなんです。それができないでいるんです。あなたそれ絶対にやってくれる自信ありますか。やってきてくれたら大したもんで、もう私は頭下げますよ。できますか、それ。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 最善の努力をいたしたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 大臣、オッタートロールって何だか御承知ですか、失礼ですが。とにかく海の底をちょうどブルドーザーかけると同じなんですよ。ブルドーザーかけて全部とってしまうという漁法なんです。そんなことをやられたら沿岸の資源はもう皆無になって絶滅しちゃうんですよ。そこで、そういう漁民の生活の場であり、共同の財産である共同漁業権を守るために、日本の、そのオッタートロールあるいは底びき船、これをやらせない地域があるわけです、規定してある。漁業調整規則によってそれを決めてあるわけです。日本の漁船が操業しないところに韓国の漁船が来て、めちゃくちゃにそのトロールで資源を取り上げてしまうということは、一体、大臣だってこれは大変な矛盾だとお考えになるでしょう。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私もトロール船というのは前からよく承知をいたしております。  いま御指摘のとおり、魚の資源というものをだんだん保護しなきゃならないときに当たって、そういう底から全部持ってってしまうというようなことは困るということで、私は北海道においてもその禁止区域が設定されておると承知をいたしております。そういう意味において、その禁止されておる地域へ入ってきて、オッタートロールという漁法でもってすべてをさらい上げていくというようなことに対しては、まことに私は遺憾なことだと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 長官にお尋ねしますがね。あなた、もうこういうことが長年続いて、幾ら政府に陳情しても、あるいは国会議員の皆さんに陳情してもらちが明かないで、そうして一方的に被害を受けておる北海道の沿岸の漁民の怒りというものは、心情というものは御理解いただけるでしょう。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 北海道漁民の方々のそういう心情は、私もよく理解をいたしておるつもりでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そのことを理解されておる長官が、先般北海道の漁民の代表の方々が、何とかこれをやってもらいたいということで、今村長官のところに代表者が陳情要請に参られたときに、あなたはその北海道の漁民の代表者に対してどういう応対をなされたか。まあ詳しくは申し上げませんが、その一項だけちょっと話ししてあなたの御意見を聞きたいんだが、あなたはその方々に対してこういう発言をしているんですよ。「水産庁は準禁治産者であり、禁治産者同士で話し合っても解決にならない。韓国に出てゆけというだけでは交渉にならない。私には交渉することはできない。北海道が二百海里をやれとこうやって言ってくるが、知事ができるというのなら、知事にやってもらえばよい。国会議員が選挙で五条二号の適用ができると公約したのなら、そういう人にやってもらえばよい」と、こういう答弁をあなたはしている。まだあるが、これは言わない、ここ一項だけだ。どういう神経なんだ、これはあなたは。知事がやるというのなら知事にやってもらったらいい、国会議員が選挙のときに五条二号の適用でもってこれを解決すると言ったのならその政治家にやってもらえばいい、水産庁は準禁治産者だとはどういうことなんだ。はっきりこれに対するあなたの気持ちを申し述べてください。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) その陳情の際に、私としても意を用いない発言をいたしましたことはまことに申しわけないと反省をいたしておるのでございますが、ただ、弁明がましくなりますけれども、一つは準禁治産者云々というのは、五条二号を発動するということで交渉をやるということであれば、それは一つの手段方法しかないわけでございますから、それはなかなか交渉としてはむずかしいことでございます。そういう意味で準禁治産者という言葉を使ったわけでございまして、その表現なり使い方なりあるいは物の言い方、その他至らないところは反省をいたしておりますが、五条二号を発動するぞということだけで韓国と交渉すると言いますと、それは交渉ということではございませんで、御存じのように、五条二号というのは一方的に農林大臣が告示をもって決定できることでございますから、それは交渉事項ではないので、それをもって交渉しろということであれば、それは準禁治産者、禁治産者のようなものではないかという意味を申し上げたつもりでございます。  後段の部分につきましては、これは弁明がましくなりますが、実は陳情者が来るのがおくれまして、陳情者が来る前に雑談として私が申し上げたのでございまして、そのとおりではないと思いますが、北海道の知事さんにも、韓国に行って北海道沖のいろいろの事情を話してもらわなければいけませんねというような話をしておりまして、そのときは陳情者の方々もそうですなというようなことでにこにこしておられまして、私としては陳情が始まる前の雑談として申し上げたことであると思っておりますが、いずれにいたしましても意を用いない発言を申し上げましたことについては、まことに申しわけないと考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 雑談もヘチマもないですよ。時間がないからその一節だけ私が言ったんで、これ全部読んだら幾らでも出てくるよ、あなた。それで前段、沿岸漁民の方々が、この怒っておる心情は理解できるかと、よく理解できると、あなたはそうおっしゃっている、大臣もそう言っている。その理解しているあなたが、その困っておる漁民の方々が、わらをもつかみたい、そういう気持ちで長官のところへ来て陳情をしたらこういう話をするという、そういう傲慢無礼な話はないでしょう。しかも、国会議員がやるというのならやってもらえばいいんでないかと、これはどういうことなんだ。冗談ではないですよ。歴代の長官でそんな話をした人は一人もいない。  そこで、私が少なくとも日本の漁業調整規則で禁止しておる底びきやオッタートロールのその線までは当然韓国漁船が入ってこないように規制すべきであるという、このことはいろいろの配慮の上に立って私は申し上げているんですよ。漁民の方もそういう配慮をもって申し上げているんですよ。これを抜本的に解決するためには、いわゆる昭和五十二年に決めたところの二百海里法、法律を韓国にも適用することなんですよ、この水域暫定措置法を。そうすると問題は解決する。  しかし、そうすると問題が出てくる。私も野党ながら政治家の一人ですからわかるわけです。日本が二百海里をしけば当然韓国も二百海里をしいてくる。二百海里と二百海里が重なる。そうすると、いわゆる——初村さんがおいでになられましたが、西の方の長崎県や福岡県、山口県、こういう漁民の方々にも影響があるだろう。また竹島問題というものが出てくるだろう。こういうことがあるので、外交的になかなかまとめることも困難だろうということを考えるから、そこまでは言っていない。これをやれば両方が二百海里をしきますから、そこで日ソと同じように、日ソの方はお互いに二百海里をしいているから、その二百海里内の操業として日ソ漁業暫定協定あるいはソ日漁業暫定協定というものを締結して、そしてその年々の漁業をやっておる。いまモスクワでは、水産庁の代表団が行ってやっているでしょう。五十五年度のクォータ交渉をいまやっているでしょう。だから、そういう形でこちらの方も日韓漁業協定を結んで、そうして日韓漁業暫定協定あるいは韓日漁業暫定協定をお互いが結んで、そうしてそれぞれの国の海域におけるところのクォータを決めてやっていったら一番いいところなんです。これが一番抜本的な解決ですよ。それがなかなか困難だから一歩譲ってこう言っている。  しかし、その中間に一つある。これはこの法律の中の五条二項、これを国が発動すればおのずからこの問題は解決する。最高は二百海里をしくこと、その次善の策として五条二項を発動すること、一番最後の三つ目が、わが国の調整規則によって規制しておる底びき、オッタートロールの禁止ラインの中に入れないという、第三番目のことを私どもは言っているのですよ。どうですか。大臣おわかりになるでしょう。第一、第二——第三番目を主張しているのですよ。それだけ配慮しているのですよ、私どもといたしましても。その三番目のやつさえ実現できないで、できるできるなんて言ったって、大臣、これは三番目の少なくともオッタートロール、底びき禁止ライン、この中には韓国を入れない、そういう措置を断然とる。  しかもこれは政府間協定でやる。自主協定ではだめなんですよ。なぜ自主協定でだめだかおわかりになりますか、長官。自主協定ではだめです。なぜ自主協定ならだめだかおわかりになりますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 自主協定ということでありますれば、それは韓国の意図によって行うわけでございますから、それが守られるという保証はないということが一点でありますし、もう少し詰めていきますれば、韓国船の違反に対する取り締まりの権限というものはどうなるのかと、こういう問題であるかと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 全くそのとおりですよ。自主協定、民間協定と言ったところで、確かに韓国と日本との間の民間協定では、夜間操業いたしませんといったような約束はあるんですよ。約束したけれどもちっとも守っておらないのが実態であるんです。そうしていまの自主協定で二海里だ、三海里だ、五海里だ、もう領海から離れてやりますと言ったところで、韓国がそれを守ってくれるという保証がないわけですよ、いままでの例から言って。私は信用できない、悪いけれども。そうすればやはりこれを政府間協定によって、そうして違反した場合の罰則、裁判管轄権、こういったようなものを明確にしておかなければ約束が守られないという立場に立って、自主規制ではだめだということを私は申し上げている。大臣おわかりになりますか。御答弁ください。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 民間による自主規制ではなかなか十分に担保しにくいということはいま水産庁長官も申し上げておりますし、先生御指摘のとおりでございます。でございますので、今回も水産庁長官を派遣いたしますのも、あくまで政府間においていろいろと協議をするという形で派遣をするわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 沿岸課長お見えになっておられますが、あなたは最近北海道の沿岸の方を調査においでになったように承っておりますが、どこへ行かれてどういう調査をなされて、その結果どういうような御理解を持ってこられたか、あなたひとつここへ報告してください。

窪田富水産庁振興部沿岸課長

○説明員(窪田富君) お答え申し上げます。  まあ韓国の自主規制も出た次第でございますので、その実施状況、あるいは漁業者の皆様方のこれについての受け取りぐあい、さらには本年における操業の状況等を調査いたしますために、今週前半に渡島、胆振の方面へ参りまして、さらには日高の漁業者の方々ともお会いして実情を調査してまいったわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 いや、そこへ行って調査されて、調査の結果どういうことを理解されて帰ってきたかということを報告してくれと言っているんです。

窪田富水産庁振興部沿岸課長

○説明員(窪田富君) 今回の調査によりまして、北海道の沿岸漁民の皆様方が現状ではとても耐えられない状況であるということを従来以上に認識いたしまして帰ってまいったわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そこで、沿岸課長は当然長官にその点は詳細御報告になられると思いますので、長官は十分お聞きなされて、その実態というものを十分認識されて、そうして韓国へ行かれるならば、先ほどあなたがおっしゃったようなことがぜひ実現するようにがんばってもらわなければならないと思いますが、いかがですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 担当課長からの報告は受けておりますが、なおよく十分それらの話を聞き、また北海道の漁業者の御意見も踏まえまして韓国へ参りたいと思っております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 この韓国漁船の問題はいまや単に北海道だけではなくして、もうすでに日本海全体に、特に長崎県から福岡県、山口県、島根県、鳥取県、あの辺の沿岸の方々も相当の被害を受けて、そうして何らかの規制措置をとってくれということを念願しておると、これが実態であることを私は聞いておりますが、ただ、反対されておるのは、西の方のまき網であるとか以西底びきを経営されておるそういう方々が反対されておる、そういうふうに私は聞いておるんですよ。こういう点は御存じかどうかということが一つです。  それからもう一点、これは事務当局に聞いたってしようがない。やはりこれは自民党の政府の行き方でありますが、大臣、ひとつ政治家としてあなたのお考えをお聞かせいただきたいんだが、私どもどうも腑に落ちない点がある。腑に落ちない、理解できないことがある。それは日本がいま抱えておる領土問題というのは三つあるわけです、御承知のように。北方領土、それから尖閣列島、それから竹島と、三つの問題がある。ところが、北方領土の問題等については実に自民党の方は反応が早いです。たとえば色丹島にソ連が何か軍事施設をふやしたとか何とかということがマスコミに出るなりいきなり党を挙げてわあっと出てくるわけですね。これは悪いと言っているわけじゃないです、それがそういう実態だということですよ。それから尖閣列島の領有問題についても相当の意見が出てくる。  ところが、竹島だけについてはどういうものか何にも声が出ないのは一体どういうわけなんだ。大臣ももう知っていると思うんですが、竹島はこれは明らかに島根県に所属するところの日本の固有の領土であること、もう日本の島根県の行政区域に入っていることは間違いない事実だと。そこに韓国がもう何というか、兵舎と言っては語弊があるかもしれないが、建物を建ててそこに警備兵が来ておる。日本の漁船が近づいてくると、これを威嚇してあっち行け、あっち行けといって近づけさせない、これが実態なんです。そうしてこの竹島の問題については、もう自民党周辺からもうんともすんとも何にも出てこないのはこれはどういうわけなんですか、これ。これは政治論議ですが、大臣ひとつ、ちょっと私が理解が足りなくてこういうことを言っているのかわかりませんから、私にひとつ教えてくださいよ。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもの党の中には、領土・領海に関する特別委員会もできておりますし、そこにおいては竹島問題も議論されておることは事実でございます。また党の総務会におきましても、尖閣列島が問題になりましたときに竹島問題も当然出てきた、その具体的な名前が出てきたことも事実でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 その二百海里水域法が韓国に適用できない理由、これにはいまの大臣の言われた竹島問題も一つの大きなウエートであることは間違いないでしょう。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 二百海里問題に関連をいたしましての問題点でございますので、私から御答弁申し上げたいと思いますが、二百海里は、一つは確かに御指摘のように竹島の領土問題がございます。それからもう一つは、将来の方向として二百海里をやるとしました場合に、どういうふうにうまくこれをまあ適用といいますか、していくかというそういう問題があると思います。  たとえば二百海里を日本がまずやったと、こういたしますと、いまの日韓漁業協定という基盤は当然なくなるわけでございますね。そうしますと、日韓の関係は、まあ言葉が適切ではないかと思いますけれども、李ライン設定のときのような形に戻るということも事態としてはあり得るわけでございます。したがいまして、二百海里を適用するとしますれば、そういう空白期間を置かないように、同時に韓国への日本の入漁をどういうふうにするか、あるいはまた韓国の日本の二百海里内における操業をどうするかということをお互いに話し合っておいて、二百海里を設定をするならばするということが必要ではないかと思うわけでございます。  そういう二点、操業問題と領土問題というそういう二つの問題があるかというふうに考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それは理解できます。  そこで、私が申し上げますように、本当は二百海里法を適用して、そうすると、当然日韓漁業条約はなくなって向こうも二百海里をしくでしょうと、そういう一つの同じ土俵の中で新たに日韓漁業暫定協定、あるいは韓日漁業暫定協定、ちょうど日ソ、ソ日のような、こういう協定を結んでやることが一番筋の通ったやり方でないかということを私は申し上げている。しかし、それがなかなかやるとしても時間がかかること、いろいろな問題が起きることはこれもわかるから、先ほどから申し上げているように、五条の二項、それもむずかしいならば最小限トロールの禁止区域の中に入れればと、こういうことを言っている。  そこで、第三番目の問題を抱えて今日まで歴代の長官が苦労されてきておる。何度も訪韓されていることも承知している。お見えになりましたが、初村さんも、政務次官の折にその仕事を持って訪韓されていることも承知して私は敬意を表しておる。敬意を幾ら表してもできないんだから、実現しないのだから敬意の表しようがないんだ、今度は。  そこで、北海道の漁民だけこんなに困っていてもいいのか、問題はそこにいく。北海道の漁民は、日ソ漁業条約が廃棄されて二百海里時代に入った。ソ連の二百海里の中で操業しておった北海道の漁船は全部締め出されてしまって、限られた者しか行けなくなった。おまけにもってその北洋から締め出された底びきが今度はまた沿岸に帰ってきた、Uターンして沿岸でやっておる。それだけ困っているところに、かてて加えて今度は韓国のトロール船というのは——日本の底びきは大きくたって百二十四トン、また九十六トン型ですよ——千トンから大きいのは三千トンの船が来るわけだ。その船に向かって怒りに燃えた日本の沿岸漁船がぶつかっていったって、ダンプカーに小型の車がぶつかっていくようなもので、はね飛ばされるだけだ。こういう状態、そういうことが続くならば、資源は全くなくなって、もう沿岸漁民はみんな死んでしまわなければならないんですよ。ですから、私の言うことに間違いがないと思うんだ。最小限の、いま長官がやろうとしておることはどんなことでもやってくださいよ。絶対にやってくださいよ。できなければどんな騒ぎが起きるかわかりませんよ。二度、三度と不祥事が発生しますよ。大臣、どうですか。あなたのひとつ決意を聞かしてください。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどから申し上げましたとおりでございまして、これまで長い間解決をしていないことに対してはまことに遺憾に存じておりますし、最大限の努力をして解決するように、本当に一生懸命やらしていただきたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 当分の間、それが決まるまでやっぱり北海道沿岸に韓国漁船がいるわけですから、私が聞いたところによれば、襟裳の沖にいま十三隻いると言いましたか、そうして韓国は、窪田沿岸課長、全部で二十七隻ですか、韓国のは。

窪田富水産庁振興部沿岸課長

○説明員(窪田富君) 二十一隻でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それは二十四隻のうち三隻減らすということだったんですな。そうですね。——韓国の漁船は全部で二十四隻来ている、北海道の沿岸に。そのうち自主的に三隻減らすというんだ。二十一隻残る。そしていま襟裳の沖に十三隻来ている。そうするとまだ八隻残っているわけですから八隻が来る。そうすると、二十一隻があの海域で操業されたならばこれは大変なことです。そうして、いま太平洋岸は抱卵スケソウの盛漁期なんです。これは御案内のように子を持ったスケソウです。産卵のために近づいてくるのですから、沿岸に来るときのスケソウが一番成熟しているわけですね。それが沿岸に来る前にその韓国のトロールによって沖合いで取られちゃう。沖取りされるわけですね。結局そうなればスケソウ資源の再生産ができなくなるわけでしょう、資源がなくなるということなんだから。こういう事態であるということをぜひ認識されて、少なくとも日本の漁船がやっておる刺し網とか、そういうものに被害を与えないような、そういう措置をこれは何としても韓国にとってもらわなければならないので、それを監視する、まあ巡視船といいますか、そういうものを北海道の海域に出して、そして沿岸の漁民を韓国の漁船の無謀操業から厳重に守ってもらいたいというのが私の最後の要求なんですが、これをやってくれますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 現在、御指摘のような事態でございますので、水産庁といたしまして、水産庁の取り締まり船を四隻沖合いに派遣をいたしておるわけでございます。同時にまた、海上保安庁側におきましても取り締まりを実施をしてもらっておりますが、御指摘のように、今後取り締まりの強化につきましては特に意を用いたいと考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そのことをもう厳重にやっていただきたいことを強く要求しまして、私に与えられた時間が切れましたのでこれで質問を終わりますが、ただ、約束しただけで何年たっても何にも実効が上がらぬということだけは、若い大臣としてひとつ責任を持ってこれを実施していくことを武藤大臣に本当に私は期待申し上げて質問を終わります。よろしくお願いします。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は畜産問題を中心として質問いたしますが、その前に基本的な問題について二、三主として大臣にお伺いいたします。  いま予算の編成の作業中でありますけれども、農林水産省は明年度消費者米価を上げるという方向を決めたということが報道されておるわけでありますけれども、いつから上げて、その上げ幅はどのくらいに考えておられますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) まあ新聞報道いろいろあるようでございますけれども、私どもといたしましてはまだ具体的に上げ幅も決定をいたしておりません。時期についてもまだ決定をいたしておりませんし、もちろん米審に御相談をする案もまだ決定をいたしておりません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 正式には決定をしておらないけれども、上げる方向、上げたいという意思は持っているわけですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) この間うち大変いろいろと御議論をいただきました水田利用再編対策、これは結果的には米の需給関係が非常にアンバランスになったがために私どもやむを得ず緊急措置としてやらざるを得なかったと、こういうことを申し上げておるわけでございまして、そういう点から考えますと、米の消費を拡大をしていかなきゃならないときに、簡単に消費者米価を上げるということはなかなかそういかないわけでございまして、しかしながら、一方財政上のいろいろの理由もございますし、また従来からいわゆる逆ざやの解消をしようということもやられてきておりますし、それらいろいろ踏まえていま正直苦慮しておるというのが実情でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 八〇年代の政治の課題の一つとして、物価を抑制するということがありますね。消費者米価を上げるということは物価の値上がりの引き金にもつながるものである。さらにまた、米がこんなに余っているのになぜ価格を上げるんだという偽らない国民の感情もあります。また、生産者米価は連続して据え置き実質値下げになっている。にもかかわらず、消費者米価を上げるということについて納得のいかない面もあるわけですよ。  ですから、私はこの消費者米価の値上げということについて納得がいかないと同時に、これも反対をするものでありますけれども、そこで食糧庁長官に聞きますけれども、現在生産者米価は平均すると一万七千二百五十一円、政府の卸売価格は一万五千三百九十一円で、差し引き千八百六十円がいわゆる食管の赤字だというふうに私どもは理解をしておる。しかし、生産者の立場に立ってみますると、この政府の卸売価格に小売り店マージンを加えると一万七千四百八円というのが、これが消費者米価になっていますね。生産者米価は先ほど申しましたように一万七千二百五十一円ですから、この差額つまり百五十七円はすでに生産者米価よりも消費者米価の方が高い、こういう形になっているんですが、それは認めますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ことしの生産者米価で正式に決定いたしました米価は、等級の平均等の計算がございまして、昨年よりも若干上がりまして、一万七千二百七十九円でございます。したがいまして、売り渡し価格の一万五千三百九十一円との差額は千八百八十八円になっておりますが、この逆ざやはいわゆる政府の売買の逆ざやでございますから、お話しのように、末端におきまして小売り段階の逆ざや、いわゆる末端逆ざやは平均いたしますと順ざやになっております。しかし、等級別に差がございまして、全体の等級では順ざやでございますけれども、三等から五等までの間につきましてはまだ若干小売り段階での逆ざやが残っておるのが実態でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いま答弁のように、若干私の申し上げた数字とは違っても、末端へいけば生産者米価よりも消費者米価の方が高くなっているわけですね。それでも消費者米価を上げなければならない。全く理屈にならないというようなものですね。それは今後まだ検討することだという大臣の答弁ですから、ぜひその辺も頭に置いてください。  そこで、大臣にお聞きをしますけれども、大臣はこの臨時国会の本会議でも、予算委員会でも、この農林水産委員会でも、米の生産調整を大幅に枠を拡大するということは食管制度の根幹を守るためにやむを得ないことだと、だからがまんしてくださいという答弁をしております。歴代の大臣が食管制度を守るということは言ってきたんですけれども、武藤大臣になって食管制度の根幹、根幹ということを非常に強調されているんですね。あなたの言う食管制度の根幹ということはどういうことなんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私が生産調整との関連で申し上げてまいりましたのは、結果的に非常に需給関係が米の消費の減退また反収の増加ということなどによりましてバランスが崩れてきたと。このバランスが崩れたままで今後また需要を供給が相当上回るような形になってまいりますと、結果的に、消費者側からは現在の食管法による米の統制というものに対しては必要がないと、こういう強い要請が出てくるであろうということを私は危惧いたしまして、全く米が自由になってしまった場合には、やはりいまのところ、正直、米の生産によって生計を立てておられる農家が多いわけでございまして、その農家の皆様方に対してそれは御迷惑がかかることになりかねないと。こういう判断のもとに、やはり現在の食管法の直接統制、少なくとも主食に対しては統制をしていきたい。  また、消費者のことを考えましても、いまは幸いにも米の在庫が多過ぎると、こういう形でございますが、過去においては農林省におきましては、やはり二百万トンの常にランニングストックを考えていかなければ、国家補償から言って問題である、こういう考え方もあるわけでございまして、将来にわたって米がいつまで——万が一将来米がやはり天候その他によって不作、凶作になることも全くないとは考えられないわけでございまして、そういう考え方から言っても、少なくとも主食である米の統制というものは続けていきたい、そういう意味において食管法を守っていきたい、こういう考え方で申し上げたわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣の言われる食管制度の根幹というのは、要約すれば、直接統制を守っていく、そのことですね。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) はい。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣は食管法を御承知だというふうに思うんですけれども、食管法の根幹というのは、法二条から四条あたりに大体規定をされていると思うんです。私は、このように理解します。一つは、米は政府が全量買い上げること、二つ目には、生産者米価と消費者米価の二重価格制であるということ、三つには、いま大臣が挙げた政府の直接管理であること、このように私は食管制度の根幹を理解しているんですが、大臣どうでしょうか、違いますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) この間も委員会で御議論がございました。いまの中で全量買い上げという問題が議論なされたわけでございまして、私ども農林水産省の考え方といたしましては、国民の消費に必要な数量はこれは全量買い上げる義務があるけれども、それ以上の分については私どもは買い上げる義務はないという形の上で生産調整をさしていただくという形をこの間申し上げたわけでございます。その辺がちょっと私は違うと思うのでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 第一点としての、米を政府が全量買い上げる、この辺の解釈が私と若干違う。あとはお認めになりました。この全量買い上げが食管法の規定であるかどうかということについては、私もたびたびこの委員会でも論議していますけれども、意見が対立して合いませんから、きょうここで論議してもまた時間がかかりますから、そのことは後日に譲りますが、しかし、生産者米価と消費者米価の二重価格制、これはお認めになりますね。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) これはそれぞれで決めているわけでございますので、二重価格そのままを認めるというわけにいかないと思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いかない——どういうことですか。お伺いしますが、つまり、食管法によっては、生産者は生産費の所得を補償する価格でもって生産者価格を決める、消費者価格は消費者の家計の安定を考慮して決めるという、こういう二重になっているんじゃないですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いまおっしゃるとおりで、それぞれに決めておるわけでございます。結果的に二重価格というのが出てくるのは、これはやむを得ないことだと思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食糧庁長官、結果的に出てくるんですか。法律のそういう決定があるから、そういうふうにやっているんじゃないですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま大臣がお答えいたしましたように、買い入れ価格、売り渡し価格、それぞれについて法律の規定がございます。それぞれの規定の趣旨に基づいて計算をした結果として価格が二重になることがあるということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは最初の質問に戻りますけれども、生産者価格よりも末端消費者価格の方が高くなっている。若干でもね。これでまた消費者米価を上げれば、もっと高くなるんですよ。消費者の家計の安定を考えて決めるんですか、消費者米価は。どうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) お話しのように、消費者の家計の安定を旨として定めるということでございまして、このことが直ちにいわゆる二重価格を意味するものとは考えておりませんけれども、できるだけ価格を安定させるというような必要から、従来は、価格におきまして売り渡し価格よりも買い入れ価格の方が高いという結果があったことは事実でございますが、この点につきましては、やはり食管の健全な運営という点を考えまして、従来から売買逆ざやの段階的な解消を図るという基本的な考え方が打ち出されております。したがいまして、売買逆ざやを解消していくということになりますれば当然に末端の逆ざやというものはなくなってまいりまして、消費者価格の段階が生産者価格よりも高くなるということは出てまいるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いまの答弁も納得がいきませんがね。それは、いままでは生産者米価の方が高かった、消費者米価の方が安かった。現在すでに消費者米価の方が高くなっている。これを値上げすればもっと高くなるんですね。こんなのは二重価格制ったって逆の二重価格じゃないですか。消費者の家計の安定なんか考えて決めた方向じゃないんですね。これはまだ政府が正式に方向を決めたわけではないというふうに言われますから、また、その段階でひとつ論議いたしましょう。  そこで大臣、いま農林水産省が農政の見直しということでもって農政審議会にいろいろと諮問をしている。これを契機として、各方面から農政に対して相当論議がされ、提言がされ、ときには批判も出されておるわけであります。その中の一つとして、財界が農業の現状、農政の転換について、提言というか、かなり厳しい批判をしておる。大臣は農林水産大臣に就任するまでは自民党の中にあってもっぱら経済通商政策を専門とされておったというふうにお聞きをしておるのですけれども、農林大臣に就任をして、この財界の提言や批判をどのようにお受けとめになりますか。私はいろいろ提言や批判をされておりますけれども、これを要約すると大体次のことを言われておると思う。  一つは、農業が過保護である、二つ目には農産物の自由化を促進しなさい、三つ目には、食料品の価格は高過ぎるから引き下げなさいということ、四つ目には、食管制度の抜本的検討をしなさいということ、そして五つ目には、土地政策の転換をしようということ、大体要約すると、こういうことだというように思いますが、これらについて農林水産大臣としてどのように考えますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いま五つの点についてのお話でございますが、私はこの中で農産物の自由化促進というものについては、就任以来一貫して、農産物というものについてはほとんどの国において自由化をしていないわけでございまして、日本においてもあくまで日本の農業の現状を踏まえ、また、将来を考えた場合にも自由化を促進すべきではないと、こういうことではっきり申し上げておりまして、私はこの点についてはその意見には同意をいたしておりません。  また、食料品の価格の引き下げにつきましては、私はやはり消費者のことを考えれば、できる限り食料品が安く手に入ることは当然いいことでございますから、これについては生産者もより一層努力をしていただきたいし、また私は参りまして感じますことは、食料品関係の流通というものが、一般の他の工業製品と比較をいたしますと、どうも流通経路が複雑なような感じがいたします。そういう点についてはできるだけ今後合理化を強力に進めていかなければいけないんじゃないか。それが結果的に生産者にもプラスになり、消費者にもプラスになるのではないか、こういう考え方を持っております。  それから、食管法の改正と土地政策でございますが、これは前の大臣が言っておりましたように、私もやはり米穀通帳の問題などについては余りにも現実とかけ離れておるという感じを持っておりまして、そういう点については前向きにできるだけ早い機会に食管法の改正に取り組むべきではないか、こう考えております。  土地政策については、やはり経営規模の拡大ということはコストの引き下げにもつながるわけでございますから、経営規模の拡大に努めなければならない。そういう点においては、土地政策というものを、特に農地法の改正などについては今後検討を加え、これも前向きで改正に努めなければならないのではないか。  最後に、過保護か保護かというのは、これはもう私はそれぞれ主観的な考え方があると思います。ある程度は、やはり私は農民の方々が努力をしていただく、その努力に対しては国が保護をする、これは当然のことだと、こう考えておるわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 確認をしておきますが、食管法の改定についても検討を進めていきたいということであったんですけれども、それは先ほども冒頭申し上げましたんですが、食管法の根幹は守る、このことを前提に置いての検討ですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いま申し上げましたように、前大臣のときにも話題になりましたように、もうほとんどの方が米穀通帳を使われていないのに、米穀通帳によって配給を受けなければならないというような規定については、余りにも現実と遊離しておるのではないかということが議論されてきたと私も承知をいたしておりますので、そういう点については食管法の改正が必要であるようでございます。そういう必要であるものその部分については、私は前向きで取り組むべきであるということであって、先ほど来申し上げておりますように、食管法そのものの根幹をゆるがせにするような改正は考えておりません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 農業が保護であるか過保護であるか、このことについて大臣の答弁は明快でないんですけれどもたまたま予算、編成のときですから、大臣がやっぱりしっかりした意志と考え方を持たなきゃ、予算の要求なんか強くできませんよ。私は申し上げますけれども、過保護だと言われておりますけれども、たとえば、外国と比べてみてどうか。これは私が調査したんですけれども、農業就業人口一人当たりの予算ですね、これは一九七六年で、日本は三十八万円、アメリカは七十二万円、フランスは百一万円という形になっている。大臣から先ほどお話があったように、どこの国でも農業は保護している。自由化をしないということなんです。農家所得だってずいぶん低いんですよ。どこを押して過保護だって言うんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は過保護と申し上げておるわけではございませんので、そういう過保護とか保護というのは、主観的なものがあるということで私はこういう意見が出てきておるのではないかと、こう申し上げておるわけで、私が過保護と申し上げているわけではございません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、大臣は何だと考えるんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は就任のときに申し上げましたが、農民もできる限り努力をしていただきたい、同時に、国はその努力をしていただく農民を保護するのは当然であると、こういうことを申し上げておるわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 農民が努力するのは当然ですけれども、しかし、いま農林水産省が、歴代農林大臣が進めてきたことが非常に農業に対して過保護になっている、あなたはそういうふうに考えるんですか、あなたの考え方。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) さっきも申し上げているように、私は過保護とは考えておりません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それで、この臨時国会でもって大平総理の施政方針の演説で、農政問題について一言も触れておらない。このことはきわめて私も不満であるし、国会のいままでの委員会でも指摘をされたところであります。そこで大平総理は、この臨時国会では触れておらないけれども、私の農政に対する基本的な考え方は、さきの八十七国会ですか、ここにはっきり言っておりますと、さらにまた、明年度の通常国会の施政方針演説にも申し上げますと、そういうふうに答弁しておるわけですね。そこで大平総理は、この八十七国会の施政方針演説で、「国民食糧の総合的安定的確保は、政治の基本であります」、こういうふうに強調しておるわけですね。武藤大臣はどういうふうに考えますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) そのとおりだと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食糧の安定的確保を図ることは当然のことでありますけれども、安定的確保ということは、外国から食糧を輸入して確保することも考え方によっては安定的確保になるというふうに思うのです。私は、安定的確保ということは、そうではなくて、国内の自給度を高めて、一億一千万国民の必要とする食糧をわが国で生産をするのだと、しかし、それでもなおかつ足らないものについては輸入もやむを得ない、こういうことが安定的確保だというふうに思いますが、大臣の見解はどうですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 国の基本が私はやはり農業政策——昔から農は国のもとと言われていることについては、これは古今東西を問わず大変大切な言葉だと考えております。そういう意味において、できる限り国で自給のできるものは、より国で自給をしていく。しかしながら、どうしても自給ができないもの、あるいは場合によれば、いま農政審議会に出しております中間見通しでもございますが、トウモロコシのように大変コスト的に問題があって、結果的には非常に日本の畜産業をかえって困らせるようなものについては、ある程度これは自給度がなかなか高まらない。これはやむを得ないけれども、そういうものを除けば、極力自給度を高めていくというのは私は当然のことだと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、国内で生産できるものについては自給度を高めていくということですね。同時に、そのものについては輸入をしないということにつながってきますね。  それからもう一つ、わが国の農産物の生産が高まれば、その分は、現在輸入しているものの数量を削減をする、これがあってしかるべきだと思うのです。第二点として。  第三点として、わが国の農産物と競合関係にあるもの、あるいはその製品、この輸入は極力抑えていく、このことがなくてはならないというふうに思いますが、大臣の見解はどうですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いままでの日本の農畜産物の中にはすでに自由化をしておるものもあるわけでございまして、そういう点については、結果的に日本における生産がより供給が過剰になったから、その分を自動的に輸入を抑えるというわけには簡単にいかないものも正直あると私は承知をいたしております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 自由化品目で簡単にいかないものもあることは事実ですけれども、私がお聞きをしたことは、一つは国内で生産ができる、そのものについては輸入をしない、このこと。もう一つは、現在輸入しておるものであっても、わが国の生産が高まってくる、その分だけは輸入を減らす、削減をするのか。このことをお聞きしているのですよ。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 個別の問題になりますと、私が先ほど申し上げたようないろいろな問題があるわけでございます。総合的に自給力を高めていくということでございまして、その中で農家の生産される自給力を高めていくということは、総合的に私は申し上げておるつもりでございまして、個別になれば、当然輸入の自由化されているものについて、それでは生産がより高まってきたから、その分を輸入をするなというわけにはなかなかいかない面があるということを申し上げているわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 個別的に問題を挙げればいろいろな形が、ケースが出てくるというふうに思うのですけれども、原則的に言って、いま申しましたような、国内で生産が高まってくればその分の輸入は減らしていくんだと、こういう総括的な原則的な考えを私は聞いているのですよ。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど来申し上げておりますように、総合的な自給力を高めていくことは、これは当然私ども今後努力をしていかなきゃならないことでございますし、しかしながら、大変同じようなことを申し上げて恐縮でございますが、個別の問題にいろいろ入ってまいりますとなかなかそうはいかない場合があるということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 国内の自給率を高めていこうとする意思のあることはわかりました。この自給率を高めていくことと輸入がふえてくるということとはまさにうらはらの関係にあるわけですね。わが国の農産物の自給率はだんだん低下してきて、特に最近の自給率の低下は著しい。申すまでもありませんけれども、食糧の総合自給率は七〇%、穀物自給率は三七%、皆さんがいま見直そうとする長期見通しによっても、昭和六十五年になっても穀物自給率は三〇%という数字が出ているんですね。逆に輸入の方はどうか、この五年間に三倍にもなっているんですよ。その金額は五十三年度で五兆二千億、貿易全体に占める割合は二七%という膨大な数字になっている。まさに日本は世界一の農産物輸入国なんです。こうしたことは、世界の食糧事情の展望から言っても、国の安全保障という面から見ても、きわめて憂慮すべきことだ。ですから、輸入は極力抑えなければいけない、そのことについて大臣はどういうふうに考えますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、正直たとえば最近の水田利用再編対策でお願いをしておりますように、麦とか大豆、こういったようなものについては極力自給率を高めていただきたいと考えておるわけでございまして、やはり国全体の農畜産物を見ますと、正直、より多くもっと自給率を高めていただきたいものと、あるいはある程度、これはもう非常に需給バランスが崩れてしまっておるのでできるだけ生産を抑制をしていただきたいものと、いろいろあるわけでございまして、その全体の中で結果的に日本の農業における自給度が高まる、こういうのが私は望ましい姿だと思っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 自給度が高まることが望ましいことはわかっているけれども、輸入がこれだけ増大をしている、そのことが自給率の低下につながっていくということ、これはどういうふうに考えるんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は今後も、結果的に輸入量が減るような方向にいくのが望ましいと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、若干個別的な問題についてお伺いいたしますが、いま畜産危機が叫ばれておるわけでございますけれども、このことは、なるほど国内の生産が高まった、ある面では過剰になったということもありますけれども、これまた輸入との関係を無視して考えることはできないんですよ。最も大きな問題になっている豚について見ても、国内の飼養頭数はなるほど前年対比で一一〇%の伸びですね。生産過剰に困っている。ところが輸入はどうか、ことしの一月から九月までの豚肉の輸入量は前年対比で一四三%も増加しているんですよ。国内で不足をするものを輸入するのならわかるんですよ。しかし、国内のこんなに生産が高まって養豚農家が困っているときに、たとえ自由化品目であるとしても、政府の施策として輸入を減らしていくようなこういう措置をとれないんですか、とる気持ちがないんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私が報告を受けておりますのでは、この十二月一日からは豚の輸入については新規契約はしない、こういう形でいまお願いをしておるようでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 関連して聞きますが、この豚肉過剰生産を切り抜けるために、農業団体の要請によって商社や加工団体が輸入自粛措置をとった、このことに対して、アメリカやデンマークなどがガット違反であるということで日本に抗議が来ている、こういうことを聞いているわけですね。自国の利益を守るために輸入を抑制するということは、農産物に限らず、どこの国でもどんな製品でもやっていることだというふうに思うんですよ。このような抗議が来るということはその国の事情によるものだ。アメリカにおいてもあるいはまたデンマークにおいても豚が過剰である。だから、そのはけ口をこの日本へ求めてきているからこういうことになる。わが国はわが国の先ほど申しました事情があるんですよ。ですから、こういう自粛をすることは大臣として望ましいことだと私は思うのでありますが、どうなんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもは望ましいことだと思っておりますし、いまお話ございましたが、デンマークの外務大臣がこの間私のところへ参りまして、輸入が抑えられるのは困るということでございましたけれども、私は、率直に言って確かに自由化品目ではあるけれども、日本の国内の養豚農家の実情を考えてもらえれば、あなたの方もオーダリーマーケティングに心がけてもらうべきではないかと、こういうことを強く訴えて自制を求めたわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 輸入を抑制することは望ましいという大臣の気持ちはわかるんですが、その気持ちを、農林大臣として豚肉の輸入を抑制をする、自粛をするという行政指導ができないんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 御承知いただいておりますようにガットがございますし、自由化品目について政府が正式にこれ乗り出してやりますと、いろいろまた提訴の問題が起きてくるのではないかと、こういう心配をいたしておりまして、実際の効果が上がれば同じことだと私どもは考えておりまして、先ほど御指摘のような形で自主的にお願いをし、両者の間で話し合っていただいて、先ほど申し上げたように、十二月一日から新規契約は一応しないと、こういう形になっておるということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 国際間の問題にも発展をするようなことですから、私はこの問題についてこれ以上は追及をいたしませんし、大臣の答弁の方も、行政指導という問題には表面的な問題もあろうというお気持ちもわかりますから追及はいたしませんけれども、しかし、これだけ豚の生産が過剰で困っているんですから、やはり業界が自主規制をする、そのことは農林大臣としてもむしろ望ましい方向である、そういう形で、行政指導という言葉がいけなければ、別な面でやっぱり手段を講ずるべきだというふうに私は思うんです。そのことを要請をしておきます。  それから、輸入が多くて困っているときに、わが国の関税を引き下げるということが日米交渉で合意をされたと、これまた報道されておるわけですね。このことは政府がいかに言い回しをしようとしても、こうしたことを契機として輸入が増加することは明らかなんです。これは自給率の向上に逆行するものです。伝えられておりますように、次期通常国会におきまして関税引き下げのための法律改正を提案するんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 提案の予定になっております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 なぜ引き下げるんですか、関税を。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 先般のMTN交渉におきまして、各般の農産物につきましての関税交渉が行われたわけでございます。その中で豚肉につきましては、御承知のように豚肉関税に定率関税と差額関税制度とございますが、一つは定率関税分を引き下げるべきであるという要求、それからもう一つは、差額関税制度を廃止すべきであるという要請がございました。  そこで私どもといたしましては、できるだけ国内養豚農家に影響がないようにこれは措置すべきであるということで、差額関税制度を守ることはこれは第一優先順位として考えなければならない。御承知のように、差額関税制度はわが国の指定食肉の価格安定制度とリンクをいたしております。その中心価格より以下で入ってくる場合に、定率分よりもさらにその差額が多い場合には差額関税で徴収をするということでございますので、わが国の養豚農家に及ぼす影響は、この差額関税制度を守ることによって保護することができるということでございました。  定率分につきまして現在一〇%を五%に引き下げるという方針にいたしておりますが、いまの差額関税制度のもとにおきましては、定率関税制度は価格が安いときには差額関税制度が働きますのでこれは防止することができる。価格が上昇した場合には従来一〇%の定率関税が五%に下がるということで、これは一般消費者のためにも必要なことではないかという、その両面から差額関税制度を守る、定率関税制度には大幅引き下げの要求がございましたが、五%にとどめたと、こういう経緯でございます。で、この五%分を引き下げるにつきましても、八年間で引き下げるということにいたしておりまして、来年の引き下げ額は影響はさほど大きなものではない。その引き下げによる影響は、この八年の間に養豚生産における生産性の向上によってカバーし得るという判断であったわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 関税の引き下げがいま答弁があったような形で影響がないなんということは私は言い切れないと思うのですよ。結果を見ましてまた後日追及したいというふうに思うのです。  豚に限らず、たとえば乳を見てもそう、ブロイラーを見てもそうですね。全部この輸入が増大をして日本の農産物を痛めつけておるわけですね。たとえば簡単に申し上げますけれども、牛乳なんかずっと五十年度から増加をし始めて、五十三年度は対前年比六・八%伸びて六百十二万トン、ことしはさらに伸びようとしているのですね。これに対して生乳換算にして四一%にわたる乳製品約二百五十万トンが輸入をされておるのですよ。牛乳は過剰だ過剰だといって困っているときに、外国からこんなに乳製品が入ってきておる。一体これはどういうふうに考えますか。  さらに続いて申し上げますが、ブロイラーもそうですね。ブロイラーも、幾多の試練を経てやっと経営が安定をしてきた。そこへもってきて、今度大量のまた輸入の波が押し寄せてきたのですね。五十二年度は四万六千トン、五十三年度は六万トンを超える輸入。特にその著しいのはタイですね。タイに対して日本の企業が進出して技術指導をする、合弁会社をつくって日本向けのブロイラーの輸出を始めているのですよ。これらについてどういうふうに考えますか。  もう一点申し上げましょう。最近生糸の価格が大変暴落して、生糸の基準糸価一万四千四百円すれすれのところへ落ち込んできて、せっかく意欲を持ち出した養蚕農家にも大きな影響を与えているのですよ。これは絹織物の消費が減ったから生糸の値段が下がったのじゃない。在庫が多くなった。なぜ在庫が多くなったかと言えば、これは外国からの輸入が多くなったからそういうことになったのです。なるほど、生糸については中国、韓国と二国間協定をしておりますけれども、これも枠が拡大をされてきている。さらにまた、これらの国の製品が他の国を通じて日本へ入ってきておる。その他の国の輸入を合わせれば昨年は七五%も輸入がふえてきておるのですよ。こうしたことを放任をして日本の農業の振興はあるのですか。  牛乳の問題、ブロイラーの問題、生糸の問題。時間がありませんから、簡単に答弁してください。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 乳製品とブロイラーにつきまして私からお答え申し上げます。  乳製品につきましては、これも大臣からお答えいたしておりますように、国内生産により、できるだけ安定的、効率的に供給することを基本にいたしておりまして、不足する分について輸入で賄うということにいたしておるわけですが、最近の生乳需給事情にかんがみまして、畜産振興事業団による輸入、これは一元輸入品目でございますが、これは停止をいたしております。そのほか、わが国で賄えない——価格的の問題もございますが、賄えられない飼料用脱粉につきましては、これも国産脱粉を一部置きかえるという措置を講じております。  現在、乳製品でたくさん入っておりますのは、生乳換算で見ますと、一つは飼料用の脱脂粉乳、これが全体の三六%を占めます。それからもう一つはナチュラルチーズでございまして、国産のみでは需要に十分対応できないものでございます。このナチュラルチーズが四二%でございまして、両者を合わせますと八割がそうしたもので占める。これは国内で生産するとしてもいま直ちにはなかなかむずかしいというものでございます。しかし、いずれにいたしましても、できるだけ国内産で需要を満たすようにするということで、チーズにつきましては国内の生産体制をできるだけ早期につくり上げるということで努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。  それからブロイラーについてでありますが、ブロイラーは三十五年から自由化されておりまして、豚肉生産と同様に、これは土地条件の制約も少のうございまして、わが国の経営規模も大型化してきております。一定の競争条件で国内の大半が供給できる態勢にございます。自給率は昭和五十二年で九六%でございます。国内生産と輸入品との調整の問題はございますが、ブロイラーにつきましては国際競争力が相当ある。今後も競争力を強化する方向で対策を講じてまいりたいということでございます。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 生糸及び絹織物の関係につきましてお答えを申し上げます。  生糸につきましては四十九年の八月以来一元輸入という措置を講じております。  それから絹糸並びに絹織物につきましては、輸入貿易管理令に基づきます事前許可あるいは事前確認、そういうような措置をとって輸入の秩序化を図るということをやっておるわけでございます。それとともに、大体輸入国というのが中国と韓国……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 知っているから簡単に答弁してくださいよ。そんなこと知っていますよ。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) これが大きいので、これにつきましては毎年二国間協定というのをやっておりまして、五十四年度におきましてはわが国の需給事情きわめて過剰傾向にもございますので、その協定数量を削減するということにいたしまして、その取り決めができたわけでございます。そういうことで極力輸入の秩序化を図っていきたいと、かように考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣、私は二、三の例を挙げて質問したんです。それで答弁あったんですが、お聞きになっていて輸入が非常に多い。たとえば牛乳にしても、生産過剰だけれどもこれだけ乳製品が入ってきておる。あるいはブロイラーは、国際競争力がついたといってもなおかつ輸入をしてくる。生糸だってそうですよ。輸入が多いということ感じませんか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどから話の中にございますように、たとえばナチュラルチーズの問題とか、そういうような問題については消費者の嗜好というものが私はあるだろうと思うんです。ですからこういう点については、もっと国内の技術をより高めていかなければならない問題も私はあるんではなかろうかというふうに考えておりますが、先ほど申し上げましたように、今後の方向といたしましては、やはり国内でできるものは極力自給力を高めていきながら、どうしてもしかしそれでも足りない分とか、あるいは先ほどちょっと触れましたけれども、日本の畜産業にとって非常にえさ代が高くなるようなトウモロコシを使えということもこれは無理だろうと思いますので、そういうようなものについては輸入をしていかなきゃならないんじゃないかと。しかし、できる限り輸入が結果的に総体的に減って、国内の生産が高まるということは大変望ましいことだと、こう考えておるわけで、どうもいまの御質問に対しまして的確なお答えになっているかどうかわかりませんが、私はやはりそういう方向でいくということでいけば、結果的にいつかは輸入は減っていくことになるのではないかと思っておるわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その程度の期待感では輸入が減らないんですよ。あなたは農林大臣ですから、農業を守るという立場に立ってひとつ前向きに検討してくださいよ、取り組んでくださいよ。  それから、次は豚肉の問題ですが、豚肉が非常に暴落して、養豚農家はまさに危機的状況にあるんですね。御承知のように、八月からほぼ連続してこの安定基準価格の六百一円を下回っている。それから、九月十九日にはついに五百九円。今日若干上がったとはいえども、この低迷は続いておるんですよ。今日豚生産者は豚を出荷するのに豚のしりに一万円札を張りつけて出さなければ合わないんですよ。こんな状況。こうした状況はかなり長期的に続くのではないか、かなり続くのではないかというふうに思われますが、その見通しはどうですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 御指摘のように、最近の豚肉の卸売価格は、東京市場で見ますと、八月下旬から安定基準価格を下回って、九月の下旬にはいま御指摘のような非常に安い価格になりました。  そういう状況を受けまして、私ども生産者団体と相談をいたしまして、対策を打ち立ててまいってきております。一つは、この豚肉の需給均衡とか……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ちょっと答弁中ですが、私はこうした状況が続くのかどうか、そのことだけを聞いておるんですよ。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 諸対策を講じておりまして、十一月以降漸次価格は回復をいたしております。この傾向が今後続くように私ども最善の努力をいたしておりまして、できるだけ速やかに価格が安定基準価格までに達するように心がけておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 豚がこんなに低迷しておるということは、国内の生産が高まったことも事実。先ほど申しましたように輸入がふえたということもこれも紛れのない事実なんですよ。そこでいまお話があったように、団体独自で自主調整保管をやっているわけでありますけれども、この自主調整保管でもってこの危機を乗り切れるというふうに考えていますか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) ただいまのところ完全ではございませんけれども、価格回復の方向に向かっております。現在は二十万頭の枠でやっておりますが、さらに今後の価格動向、需給動向を見ながら、この対策につきましても強化をしていく、必要があればさらに追加的に考える、それ以外の対策についても種々の対策を検討してまいるという考えでおるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私の聞いていることは、そういう対策をやっていることは承知をしているんですよ。いまやっている対策でもってこの安定価格の六百一円まで近づくことができるのかどうかということなんですよ。その自信があるかどうかということなんです。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 申すまでもないところでございますが、豚肉の市場価格は需要と供給の関係で決まってまいります。したがいまして、その動向がどうなるかによって価格が動いてくるわけでございます。そういうことから、価格がいつどうなるかということは的確に申し上げにくいのでございます。そこで、私がいま申し上げておりますが、生産者団体とも協議をいたしまして、各般の施策を講ずることにより、その需給関係によって価格が回復するように最善の努力を講じておるということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 豚肉の価格の低迷は今後もかなり続くであろう、こういうふうに私は思うんですよ、残念ながら。輸入の規制はなかなかむずかしい。これはいまやっている自主調整保管にも限度がある。来年からはえさ代も上がる。生産団体は豚の生産を調整をするためにいろいろな対策をやっておるけれども、この成果が出るのは来年の秋以降なんですよ。一体、この八方ふさがりの状態の中で、これでは養豚農家は参ってしまう。まさに豚死しちゃうんですよ。そこで、いろいろなことをやっていると言われるけれども、政府としてみずからやらなければならないことをやっていないじゃないか。私は、いまこそ畜安法に基づく調整保管、それから畜産振興事業団による買い上げ措置を講ずべきだ。これをやるつもりはありませんか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 先ほど申し上げましたように、当面の対策を講じておるわけでございますが、価格も上昇基調にあると考えております。また、年末需要も出てくることも考えられます。こうしたことから、需給及び価格の動向を見きわめながら、いまお話しのような畜安法に基づく措置も検討をしてまいらなければならぬと思いますが、ただ申し上げたいことは、需要と供給のバランス、これが図られるめどなしにこれらの措置を講ずることは、非常に養豚経営の将来にとってむずかしい事態を招きかねない。と申しますのは、いつまでもその需給均衡が図られないという事態になる危険性を持つわけでございます。したがいまして、いまお話しのような計画生産体制づくり——確かに効果は来年の九月以降でございますけれども、その体制づくりができることが現在の価格にも影響をしてまいるということを期待しておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 生産体制づくりでもって生産を自粛をしていく、こういうこともやっておる。それから、消費の拡大ですね。さらにまた品質向上、これもやっているわけなんですよ。こういうことをやっておっても、なおかつその成果は完全にあらわれておらないとしても、豚の価格は低迷をしている、こういう状態が——いまの答弁では価格もだんだん上昇機運にある、そういうお話だったんですけれども、今月いっぱいこの状態を続けてみて、どうしてもやっぱりこんな状態である、そうしたならば、私が要請した、いままたお話がありました畜安法に基づく措置を発動すべきである。そのことをやりますか。たとえば十二月いっぱいやってみて、やっぱり消費の関係もあったり、あるいは生産がだぶついて価格が上がらない。これでは養豚農家がまいってしまう。来年になったらその措置をとりますか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 先ほど申し上げましたように、需給価格の動向を見きわめながら検討をしてまいると申し上げております。この年末という時点におきまして価格、需給関係がどうなるか、それを見きわめなければ、いまの段階でお答えできないわけでございますが、私どもとしては、需要と供給の均衡を図るための計画生産体制づくりをいま真剣に取り組んでおる時期でございます。その時期におきまして安易に畜安法を発動するということは、かえってそれはマイナスになるのではないかというふうに考えておりまして、計画生産体制づくりをそのためにも早くつくり上げる必要がある、つくり上げるようにしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 計画生産体制づくりが成果を上げてくるのは、答弁にもありましたように、来年の少なくとも十月以降くらいだと思うんですよ。そこまでいまの情勢は待てないんですね。だから、養豚農家もあるいは畜産関係団体もひとつ自粛をしようと、そういう気持ちになっていますから、畜安法を発動したからそのことがだめになってしまうなんということはないわけですよ。また、そんなことがあっちゃいけないし、そのために行政指導を皆さん方は強めればいいことだ。だから、この畜安法の問題はいま始まったことじゃないんだ。過去に二回発動したことがあるんですね。なぜこういう時期にやらないのか。くどいようですけれども、重ねて、一月になって、年末を越して一月になっての情勢を見て発動すると、そういうふうに確認をしたいんですが、どうですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 先生御指摘のように、生産の調整をしようという機運になってまいっておることは事実でございますが、これをやはり組織的につくり上げる、これを年内にはそのようにいたしたいと私ども考え、生産者団体の中央の段階ではそのようなことに合意ができておりますけれども、まだ地方段階につきましては、各県ごとに地方会議を設けてやるという体制づくりを始めておりまして、これがまだ全国的に進んでいないという状況でございます。はなはだ繰り返して申しわけないんでございますけれども、その体制づくりをつくることが先決であるということで、畜産物価格安定法に基づく措置については、今後の、いま講じております消費拡大対策、あるいは自主調整保管の効果並びに価格、需給動向を見きわめながら検討をさしていただくということでございまして、先ほどの答弁と同じで申しわけないのでございますが、そういうことでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ぜひ、生産者団体だけに任せるんじゃなくて、せっかく法律があるんですから、この法律を眠らせておいちゃいけないんですよ。こんなときに発動しなきゃ法律をつくった意味ないんですよ。ですから、いま答弁もあったわけですけれども、大臣、こういう情勢ですから、私はあすからすぐ適用しろなんて言っているわけじゃないんですよね。これから十二月いっぱい推移を見て、一月の動向を見て、そうして政府としても手を打つ、そのことをひとつ大臣として御答弁をいただきたいと思うんですけれども。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いま局長から申し上げましたように、中央においては計画生産についての養豚経営安定推進会議が発足いたしておりますが、まだ地方にはできていないわけでございまして、これが近日中に各地方においてつくっていただけると承っております。そういうところで実際に、確かに計画生産をやった結果は御指摘のとおり来年秋以降しか出てまいりませんけれども、計画生産が軌道に乗った、軌道に乗ったときになおかつ価格が非常に低迷をしていくというようなときに私は発動を考えざるを得ないと、こういうふうに考えておるわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 時間が参りましたから、最後に一、二点伺って私の質問を終わりますけれども、豚の卸売価格がこんなに下がった、豚は安くなった安くなったと言うけれども、今度は消費者の側に言わせると、えらい安くなったような気がしないじゃないかということなんですね。だけど若干は下がっているというふうに思うんですよ。つまり、豚価の低迷が消費者価格に連動しておらない。このことについてはどのように判断をし、どのような指導をされていくのかということですね。そのことが一点。  それから、大変いま畜産農家は資金的にも苦しい状態に置かれておるわけなんですよ。そこで、こういう経営が苦しくなってきた養豚農家に対しての資金融通措置はどのように考えているかということ。  三番目には、来年からえさ代が高くなるということは、これはもう火を見るよりも明らかというか、そういうことになると私は思うんですよ。そこでえさ代が高くなってきた、それに対して何らかのやっぱり補てん的な措置を考えなければいけない、そのように考えますけれども、以上、三点について答弁をお願いしたい。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 消費者価格と卸売価格の関係でございますが、最近の趨勢からいたしますと、小売価格も漸次下がってまいっております。ただ、一般的に言えることでございますが、卸売価格と小売価格との連動は、一定のタイムラグがどうしても出てまいります。それから、変動の幅につきましても、そのまま上がるときには上がらないし、下がるときには下がらない。いわば卸売価格は大幅に価格に変動があるのに対して、小売価格の変動の幅は少のうございます。そういう傾向がございますが、豚肉について申しますれば、卸売価格の趨勢は小売価格に連動をしてまいっておると考えられます。ただ、そういう傾向だけではなしに、私どもといたしましては、できるだけ小売価格が引き下がるように、目下懸命の指導をいたしております。  一つは、消費拡大でございますが、その中で各県に設けられております食肉消費対策協議会というのがございますが、その中で、豚肉の特別販売、これは値引き販売、あるいは増量販売でございますけれども、そういう対策を講じておりますし、また、小売団体に対しましては、これだけ卸売価格が下がっておるんであるからできるだけ小売価格を下げるように、それぞれの所属団体、所属員に対して徹底をするように指導もいたしております。まあそういった効果も期待をしてまいりたいと考えておるわけでございます。  第二の資金の問題でございますが、養豚農家の現在の価格低迷下におきまして、資金繰りが非常に窮屈になっておる実情も考えられるわけでございますが、ことしの八月までの養豚農家の経営収支は非常に高収益でございまして、もう少し長い期間で、いまの一、二ヵ月ではなしに、数ヵ月単位で見ました場合に、どのように資金が逼迫をするのか、その辺の状況も見きわめながら必要な措置を講じてまいりたいと思っておりますが、さしあたって考えられますことは、制度資金につきましての償還期が来ておるものについて、資金繰りが窮迫しておることから支払いができないというような場合には、それぞれの資金種類、また借り受け者の実情等に応じて、個別にそれぞれの貸付機関が対応するように、これは現在の制度のもとで償還猶予あるいは中間据え置きといった措置が講ぜられることになっておりますので、それらの措置を個別事情に応じて対応してもらうように指導をしてまいりたいと考えております。  それから第三番目のえさの問題でございますが、御指摘のように、配合飼料価格につきましては、民間で決めることではございますが、コストの面で飼料穀物の国際相場が上昇しておりますし、円安、さらにフレートも高くなっておる、こういうことから価格の上昇要因が強くあります。したがって、今後の飼料価格はある程度は値上げせざるを得ないものだというふうな判断をいたしておりますが、いまこの時点でどの程度になるかということにつきましては、目下必要な資料を収集をいたしておるところでございます。もし値上げをせざるを得ないとなった場合におきましては、現在の飼料価格安定基金制度がございますので、この基金制度による価格補てんを行いまして、畜産農家の負担をできるだけ軽減をしていく、値上がりの負担の軽減を図るように検討をいたしたいと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 時間ですから終わります。

青井政美自由民主党・自由国民会議

○委員長(青井政美君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後一時再開することといたしまして、休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      —————・—————    午後一時十一分開会   〔理事片山正英君委員長席に着く〕

片山正英自由民主党・自由国民会議

○理事(片山正英君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 本日の質問に当たりましては、目下の農政の課題であります養豚経営の問題、豚肉の問題、さらに第二点としては、昭和六十五年農産物の需要と生産の長期見通しに対して、農林省側において作成の途中でありますこれらに対しての質問をいたしたいと思います。  養豚関係の問題の前に、米に関する問題、第一点だけお尋ねをしたいと思います。去る二十九日の本委員会において、わが党を代表されて岩上委員の方から、減反、転作、米問題、広範にわたってかなりの質問が開陳されたわけであります。補足的な意味で一点だけお尋ねをいたしたいと思います。  不日の新聞で公表された中に、きわめて米づくり農家の不安を誘っておる問題があるわけでありますが、これは財政制度審議会に対して大蔵省の意見書試案として出された中に、いま再び休耕的な手法というものを今後取り入れることの検討という事項の中で出てまいっておるわけであります。御承知のように、減反政策は心ならずも米の需給のアンバランスの傾向の中にあって、きわめて不満ながらもこれに対しての協調ということで日本全国の農民団体ともにその努力をいたしておるわけであります。政府にあっても、転作奨励という意味においてきわめて政策的にこれを取り上げながら、十ヵ年の計画の中でその実行に移されておるわけであります。そういう中に、全く休耕的手法の検討という新たな課題を出し、同時にこれが新聞に大きく公表されるという段階にあって、きわめて不安と不信を抱いておることに対しまして、本日、農蚕園芸局長に出席をいただいておりますので、農林省側としての意見を明確に答弁の中でいただきたい、かように思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 去る十一月の十五日ですか、財政審議会が開かれたわけでございます。この審議会は秘密会になっておりますので、議論の詳細は十分承知いたしておりませんけれども、水田利用再編対策の関連といたしましては、ただいまお話ございました休耕的手法の導入ということについても検討する必要があるのではないかという、そういう議論があったように聞いております。  そこで、この休耕的手法の導入について農林水産省の方でどう考えるかというお尋ねでございますが、いわゆる単純休耕といいますものは過去に実施したことがございます。四十六年度から四十八年度までの米の生産調整、稲作転換対策と言いました時代にその単純休耕を認めたことがございます。ただこれにつきましては、一つは農業サイドの方からは、農地だけでなしに農民の心まで荒廃をさせた、あるいはまたこれが病害虫の巣になったというようなことで、大分いろんな問題が提起をされております。それから農業以外の分野、一般的な国民の方からは、何もつくらずにたんぼを遊ばしておいてわれわれの納めた税金から奨励金というものをもらっておる、こういうのはどういうものだろうかというような御批判もあったわけでございます。  そういうことからいたしまして、五十三年度から水田利用再編対策というものをスタートさせました際に、この休耕という措置はとっておらないわけでございます。水田預託という、いわゆる保全管理といいますか、こういう制度は一応とってございます。これは農協等に水田を預託する、そういたしますと農協等におきまして草ぼうぼうにならぬようによくその辺の管理をするということでございまして、そしてさらに、転作したいという他の農家があれば、そういう農家につないでいって転作田にしていくというかっこうで考えたものでございます。したがいまして、五十五年度十四万四千ヘクタールさらに積み増しもいたしております。したがいまして、この水田預託というものは今後もふえようかと思います。  ただ、先ほどお尋ねございましたいわゆる休耕的手法ということでの単純休耕的なものは、これは五十五年度は考えておりません。水田預託制度の活用で対処したいということでございます。ただ、長期的な問題といたしましては、そういう休耕というのが財政負担の面からすれば非常にこれは安く済むのではないかという角度でのお話のようにも聞いておりますが、これは農業生産のあり方なり、あるいは土地利用のあり方というものと絡むものでございますので、これは今後の検討課題ということではあろうかと思いますが、五十五年度につきましては、少なくともこういう休耕的手法の導入は農林水産省としては考えておりません。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 今後の課題であっても、いま局長が述べられたとおりに、働ける農地を目の前にしてこれを荒廃化さしていくということに対しての国の補助というものは制度の上でも好ましくないことは、国民世論の中で過去において批判された事実であるということを思いますときに、今後の課題の中でも、ひとつせっかく転作に芽生えて勤労の中で耕地を維持していくというこの農民の精神というものを維持するためにも、ぜひ今時ある農林省の思想というものを今後とも永続さしていただきたい。御要望を申し上げます。  養豚の問題においては、午前中から社会党の代表委員よりも、きわめて豊富な内容の中で質問をいただいたわけでありますが、一貫して今日の豚肉低落と養豚経営の問題、そしてまた将来に対する問題をかいつまんで御質問を申し上げたいと思います。  いろいろと今日豚肉低落に対しての原因が言われておるわけでありますが、主たる原因というのは一体何なのか、これに対して、農林省側で掌握されている問題に対して畜産局長より御答弁いただきたいと存じます。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 最近の豚肉の卸売価格が安定基準価格を下回りまして推移しておることは御承知のとおりでございますが、その原因は、端的に申し上げますれば需給の不均衡ということでございます。需要が伸びてはおりますけれども、本年に入りましてのその伸び率は、この九月までの平均でいきますと約二%の伸びでございます。それに対しまして生産が大幅に伸びておりまして、同じ時期に対前年同期比で約一〇%の伸びでございます。そうした需給の不均衡から問題が出ておるわけでございますが、その背景として考られますことは、一つは養豚経営が非常に環境条件として恵まれたということで……

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 なるべく簡明にお願いいたします。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 生産意欲が増大をした。また、養豚経営の規模が大型化し、または専業化した。さらには繁殖肥育の一貫経営が進展をしたということから、経営の規模が価格に対して弾力性が少なくなってきておるということがその理由だというふうに考えております。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 ただいま需給の問題だけにしぼっての答弁があったわけでありますが、これに対して豚肉の輸入の関係というのが前年比一三〇%という数字で、発表だけでもそういう数字がとらえられておりますが、これらのことは今回の原因にはつながっていないのかどうか、お尋ねしたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 豚肉の輸入は確かにことしに入りまして急速に伸びております。輸入の豚肉の国内の供給量に占める割合は五十二年、五十三年、それぞれ約一割でございました。その一割の輸入の数量が本年に入りまして約一四〇%の伸びということで、伸びが非常に大きくなっております。したがいまして、その輸入の増大が国内の需給、特に加工用の豚肉の需給関係に影響をしておるということは事実であろう。したがって、それが価格の低落にも影響があったのではないかという点も考えられるというふうに思っております。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 いろいろと畜産局中心にこれらの対策に努力をされていることは、われわれとしても非常に今回の養豚問題の危機を感ずる者として喜ばしいことではございます。しかしながら、今日その対策というのがいつの時期にどういう効果をあらわしてくるかという見通しに対してあいまいな点があり、その不安、不信というものを払拭することができないという実情の中で、今日とられておる対策の二、三の問題に対してさらに質問をいたしたいと思います。  まず第一点は、調整保管という作業においてこれを回復したいということで努力をされておるようでございますが、二十万頭という目標の中でその調整保管というものがどういう時期になされて、その保管頭数においてどのような成果として見通しを上げるのか、これについての御答弁をいただきたい。  第二点は、輸入の急増に対して非常に市場の混乱等を見た場合においての農畜産物、これに対しては、農業基本法十三条において、いわゆる農林大臣は、関税率の調整等の措置をとることができるということが明記されておるわけであります。したがいまして、ただ一つの種別の豚肉ということではありますけれども、これまで低迷し、局長が申されたように、輸入というものも大きなこれに対しての原因につながっておるというならば、今日農林大臣は、これに対して国内産の豚肉を守るという立場においても、さらにこれらに対しての発動をすべきであるという考え方を持つわけであります。これに対して、局長の方から御答弁をいただきたいと思います。  さらに第三点。消費拡大に対しては、午前中の答弁の中で、あるいは各県別に豚肉値下げの小売の段階においての指導なりされておるようでありますが、やはり食生活において、特に肉食生活の中においての豚肉の位置、地位というものが今日日本の中でどんなものであるかと言えば、一部中華料理の中に入っておっても、日本料理の中での豚肉料理と言えば、われわれの不勉強な点もありますけれども、あるいは豚カツなり、あるいはショウガ焼きなり、豚汁というようなもの以外に出ていないという問題。これをどんなに掛け声を上げて豚肉を消費しろということを言っても、真の消費拡大にはつながらない。やはり消費者自身がみずからの必要の上で、嗜好の上でとらえるという改革をやっていかなければならないと思うわけであります。  この観点に立つときに、私は、少なくとも豚肉を世界的に最高の料理として、しかも肉を常食として使用している民族は、いわゆる中国系の民族であると思うわけであります。これに対して、今日中国は近代化の問題に対して、日本に学ぼうという努力をいたしております。この機会に、やはりこの中国の豚肉の料理というものを、日本の生活の習慣の中に思い切って勇気を持って取り入れるということがきわめて消費拡大につながる大きな要因であるということを確信いたすわけであります。たとえば、日本で捨てる豚の鼻にしても足にしても、中国ではこれが最高の料理として、恐らくわれわれの大平総理も、今回これらの豚肉料理を舌鼓を打ってお上がりになっておると思いますけれども、これらを考える場合におきまして、農林省の関係の皆様方がどのように、中国系統あるいは香港なりあるいはマレーシアなりシンガポールなり台湾等においての、この中国民族の生活の中においての料理の実態というものを把握されておるのか、きわめて不明確であります。  同時に、これらの問題に対しては、農林省が主体となって、あるいは日本の調理、消費者の代表等のチームをつくりながら、豚肉料理の導入のためにせっかくの努力をすべきだと思うわけであります。この機会に、消費拡大の最も将来に通じる大きな問題として、政務次官にあってはぜひこういう機会をつくりながら、日本の肉食生活の内容を変えていくということに対して努力される気はないか、お尋ねをいたしたいと思います。  第四点は、先ほど来の御答弁の中で、計画生産ということがしばしば言われております。もとよりこれは需給のバランスをとるということにおいて、厳しくとも苦しくとも、生産者自身も団体も考えなければならない問題として認識をいたしておるわけであります。この上で、養豚経営推進会議というものが農林省指導の中で発足を日本的にいたしまして、これを各県段階の中に入れていくということにおいて、自主的にひとつ団体も生産者もこの生産調整というものに参加してほしいということで、すでにスタートをされておるわけでありますが、まず今日のこの養豚経営推進会議のメンバーを見てみますと、おおよそ十三団体というのがこれに構成メンバーとして入っておるようであります。しかしながら、私どもが見る目においては、この入っておる構成メンバーにおいてこれが成功を見る、その範囲だけは成功を見るにしても、これに抜けている面というのが多分にあるんじゃないかというきらいを持つわけであります。  したがって、この経営推進会議があるいは雌豚なり飼養頭数なり、これらの問題に対して計画を実行していこうという場合に、まずどれだけの——量的なものが基準として出てくるわけでありますが、   〔理事片山正英君退席、委員長着席〕 この日本において、輸入量というものの基準というものをどこに置かれるのか、現状の輸入量が基準になるのか、あるいは昨年までの十万トンというものが基準になるのか、まずそのベースというものがはっきりしなければこれらのスタートが切れないということが思われるわけであります。したがって、これに対しての考え方。  並びに十三団体のほかに、日本の養豚の中に、きわめて肉の出荷に非常な影響力を持っておりますものはいわゆる商社系の問題になっておるところの養豚の事業であります。ところが、この中央においての十三団体にも、あるいは今後つくられようとする県内においてのこの推進会議の構成メンバーの中にも、商社系というものをどういうふうに生産調整をさせるかという意味において掌握されていないということ、これに対してきわめて不安を抱くわけであります。したがって、これらの商社系においてのいわゆる出荷肉豚の数字なり、今後これが全国的に推進会議に対しての発足を見て、よりよい計画生産というものを続けていくという場合において、一体この今日メンバーに入っていない商社系というのはどういう方向の中で生産の抑制等を図っていくのか、はなはだ疑問を持つ一人であります。したがって、これに対して畜産局長の見解をいただきたいと思います。  なお、この経営推進会議というのが県の段階で具体的に発足をし、実働を見ようとするとき、あるいは雌豚なり飼養しておる肥育豚なり、これに対しての調整がなされていくわけでありますが、これらに対してどのような目標を持ち、どのような政府の援助の中でこの開始がされるのか、ともに畜産局長にお尋ねしたいと思います。  以上の点について御答弁いただきたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 豚肉なり養豚の関係につきまして四点のお尋ねでございますが、私からは三点お答え申し上げたいと存じます。  第一は、調整保管の問題でございますが、今回の価格低落に際しまして、畜産局といたしましては、生産者団体と相談をいたしまして、当面の対策として、いわゆる対策の三本柱というものを決めてそれを推進をいたしておるところでございます。その一つはいま御指摘の調整保管でございますが、二つ目は、計画的な生産体制の推進、それから三番目が消費の拡大でございます。  で、計画生産体制づくりをしても直ちにそれの効果が出ない、また消費拡大の推進をいたしましても早急な需給の均衡を図ることができない、したがって、さしあたって、需給なり価格に一番影響を与えるとすれば、市場に流通しておるものを一時保管をして市場から隔離をするという意味でこの調整保管を取り上げておるわけでございます。  この調整保管につきましては、自主的な形で行っていただくということで、生産者団体、それから食肉の流通団体、それから加工団体、それぞれが取引量の中において一定数量を市場から隔離するという意味で保管をしていただく。その保管につきましては目標を定めてやっておるわけでございますが、九月の末からこれを実行に移しておりまして、最初は十万頭でスタートをいたしました。しかし、やってまいりましてさらにこの枠を拡大をするという必要性が生じましたために、十一月の十六日にこれをさらに十万頭追加をいたしまして、二十万頭で現在実施をいたしておるところでございます。  その効果でございますが、東京の卸売市場の価格におきましては、九月の下旬でございますが、五百九円という一番底が、一日でございますがございました。それを底にいたしまして漸次回復をしてまいっておりまして、現在までの推移で申しますと、九月の下旬が五百二十九円、旬単位の平均としてはそれを底にいたしまして、十一月下旬には五百六十円台となっております。調整保管の効果がそのような価格上昇をもたらしたすべてであるとは思われませんけれども、かなりの効果をもたらしておると。もちろん、六百一円に対してはまだ開きがございますが、なお調整保管を続けることによってできるだけ早く六百一円の線に到達するように努力をいたしたいと思っておるわけでございます。  それじゃいつごろそのような価格水準に達するか、見通しはどうだというお話でございますが、これは午前中お答えを申し上げましたように、価格はやはり需要と供給の関係で市場において自由に形成されるということから、そのめどを申し上げることは非常にむずかしいわけでございますが、年末需要に向けていま進行しておるという状況から、できるだけ早くその水準に向かって上昇するように私どもは期待をいたしておるわけでございます。  なお、そうした期待にもかかわらずなお十分でないということになりますれば、調整保管数量をさらにふやすとか、その他の措置をさらに検討するということも考えざるを得ないんではないかというふうに考えております。  それから輸入の問題でございます。  農業基本法十三条の規定に触れてのお尋ねでございますが、この十三条には、関税率の調整等の措置をとる旨が書かれております。この措置をとることは、もう私から申すまでもなく、諸般の国際的な情勢にも影響をいたすことでございます。日本が加盟をいたしておりますガットにおきましても、自由化された品目については、政府が名目のいかんを問わず輸入の規制をすることが許されない旨を規定しておりますが、輸入が増加をして国内に重大な影響と損害を与える、または与えるおそれがあって、国民経済上緊急に必要がある場合は緊急関税の措置をとることができる旨の規定が置かれております。このガットの規定に従って緊急措置を講ずるというのは、やはり大きな国民経済全体の問題として取り上げられるような事態の場合であろうかと考えますと、ただいまの豚肉の自給事情、大変深刻な問題ではございますが、これを持ち出すということはなかなかむずかしい問題ではなかろうかというふうに考えております。  それから消費の問題について政務次官にお尋ねでございますけれども、ちょっと私から補足的に前にお答えを申し上げておきたいと存じますが、豚肉の消費量が国際的に見てどの水準にあるかということでございます。日本の年間の一人当たりの豚肉消費量は十二・八キログラムでございます。中国は二十八・一キログラム、欧米諸国におきましてはさらにそれを上回る消費量になっております。そうしたことから、豚肉の消費をさらに拡大をするということは国際的な比較においても考えられるわけでございますが、これはそれぞれの国の食習慣ということもございます。なかなか一概に言い切れない問題がございます。これに関連して、現在消費拡大対策で取り上げている一つの項目といたしまして、農村部におきます豚肉の消費が都市地域に比べまして約六割の水準でございます。農村部においてもう少し豚肉を食べていただくということが消費拡大対策として必要ではないかということで、今回の消費拡大対策の一つとして農村向けの加工豚肉、農協ルートによる販売の促進につきましてその推進を全農が中心になって推進をいたしております。私どももそれについて十分御指導申し上げ、推進、援助をいたしたいということで進めておるわけでございます。  それから計画生産の問題でございます。確かに養豚に関する団体というのが非常に数が多うございまして、これが一堂に会するということはいまだかつてなかったことでございます。この養豚経営が非常にむずかしい状態の中にありまして、これを打って一丸として進めていく必要があるということで、今回はこの十三団体が集まりまして計画的な生産の推進を図ろうという体制づくりに、私どももいろいろ御指導申し上げ、去る十一月八日にスタートをしたところでございます。今後さらに地方におきましても地方の推進会議を設けていただくように、実は本日も全国の畜産課長を集めましてそのための対策の相談もいたしておるところでございます。私どもといたしましても、その体制づくりのための推進費用につきまして助成を行うべく、これはすでに年度途中ではございますが、特別の予算を設けまして計上をいたしておるところでございます。  さて、その中で生産規模をどのように設定をしていくかというお尋ねでございますが、この推進会議で生産の調整を図る場合の中心になるのは、御指摘にもございましたように、子取り用の雌豚、繁殖用雌豚の頭数の調整、これが中心になろうかと考えております。この雌豚の調整を全国でその縮減目標を決め、それを地方にそれぞれおろしまして、地方で御検討の上さらに全国に持ち上げていただいて、どのくらいの数量をやっていくかというのをこれは生産者の自主的な形でお決めいただくというふうに考えております。もちろん私どもも十分御相談に乗らしていただくつもりでございますが、そういうふうに考えております。  その場合に輸入数量をどう見るかということにつきましても、その御相談の中で私どもの考えも述べさしていただきたいと考えておりますけれども、現在輸入につきましては、先ほど一四〇%の増ということで申し上げましたが、生産者団体におかれましては、やはり自分たちの養豚経営を守るということで、輸入商社なり加工団体に当然要請をなさるべきではないかということを私どもも申し上げまして、そのように全農、全中の代表者が、それぞれの団体の代表者に現下のわが国養豚の現状を訴えまして、輸入の自粛をするよう訴えまして、その結果が、先ほども農林大臣の答弁にございましたが、輸入の新規契約を十二月一日以降は自主的に繰り延べるというようなことも決めております。そうした中でどのくらいの輸入が今後あるかということで数量をよく検討いたしまして、いまの計画生産の中で目標数値を決める場合に御参考として申し上げていこうということでございます。いまどのくらいであるかということをちょっと申し上げるだけのまだ検討ができる段階でございませんので、できるだけ近いうちにそのような検討も終えまして推進会議との打ち合わせにおいて御相談をしていきたいと、そのように考えております。

糸山英太郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(糸山英太郎君) 豚肉の消費拡大の件ですが、先生おっしゃるとおり、確かに日本人は豚肉がなかなか消費が進まない。私は、豚足と言って豚の足ですが、豚足などは大好物でございまして、これは今後やはり料理の方法あるいはPRなどをもう少しやって消費の拡大に一層努めていきたいと思います。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 この養豚経営推進会議は、いよいよ全国的に各県内においての養豚関係団体なり養豚者の自覚の中で普及をされていくということはわれわれとしても好ましい現象であると思います。しかし、いま言われたように、なかなか消費者なりの掌握ができないし、これらに対して、どこが担当をしてこういう自主的な申し合わせに参加できるようにするかというのは非常に重要な課題であると思われます。したがって、ぜひ畜産局等にあっては日本的段階あるいは県の段階において、これらの代表格の方々もこの会議のメンバーに入れながら、指導、助言というものに対して怠りなくやることにおいてこの計画生産の実がとられるように期待をいたしておるわけであります。この点についてはぜひ今後の指導段階の中で成果の上がるように指導を賜りたいと思います。  最後に、畜安法に基づいての事業団の買い上げ問題はしばしば論議の対象になっておるわけでありまして、今日政府として申される財源不足なり、あるいは非常に長期化するんだということの見通し、これらに対して、今日の即買い上げというものが功を奏しないという判定をされておるようであります。したがって、事業団においての買い上げというものを全く唐突として、ただ計画なしに行うということに対して、われわれとしてもそれが是である措置とは思えないわけであります。しかし、政府が事務費等まで出してこの計画生産等に対して日本的、各県的に踏み切られるということに対しては、かなりの反応をすでに見ておるわけでありまして、これが実施というのは、やはり十五万の養豚農家も参加してこれに対しての努力をすることが必要だと思われます。したがって、この推進会議というものがその実を上げていくということを前提に今後この問題を考えていかなければならないと思うのであります。  したがって、今日までそれではまあ生産者なり団体が、この法律なり制度というものに対してどのような評価をしておったかということに対して一、二申し上げますと、これは御承知の畜産政策企画なり、三月を中心としての各種の運動が取り上げられるわけでありますが、すべての養豚農家あるいは関係団体というのが、過去にあった三十七年あるいは四十一年、二年等においては、八十万頭というものを対象として対処されておるという既定の事実があります。したがって、前春の三月期においてのこの運動というものは、農政運動の積み上げというものは、やはり得た安定基準価格、いわゆる下限の価格というもの、これは少なくともこれまでにいかなかった場合は何とかしてもらえるんだと、買い上げの対象ということになるんだという一つの目標というのが今日まであったことは事実であります。したがって、ことし等においては、六百一円ということにおいて、昨年より二十六円という基準価格の引き下げが行われておるわけでありますけれども、それでも六百一円というものを一つの目標価格として、これから下がった場合には何とかできるんだということにおいての期待というものを持ってきたことは御承知のとおりであります。  われわれがまた、法律なり制度というものを考える場合において、れっきとして畜安法の三十九条においてりっぱな法律がありその制度というのがある場合に対して、これが運用ということに対して、いつの時期にこれをするかということに対しては、これをしないということはこれは政府側としても言い切ることのできない問題だと思います。したがって、これが運用のタイミングというのを一番政府としても考えておられると思うわけであります。しかし、もうすでにこの調整保管等においてもある程度の実効を見ておるということを畜産局長は言われておるわけでありまして、さらにまた、この計画生産ということに対しては、チームをつくり、かつ全日本的に取り組むという用意が出てきておるというときに対しては、この現実ある法律あるいは制度というものは運用されて、政府の信頼というものを保持し得る大きな問題だと思うわけであります。これらの観点からいたしまして、ただ事業団の買い上げ、いまある制度にのみ寄りかかるということでなくして、生産者自身、関係団体、あるいは消費者も含めて、みんなで需給に対しての現実を見詰めながら、これが計画生産への移行を、その実効的に成果を発揮しようとする段階においては、今日あるこの法の発動ということに対しての決意があるのかないのか、これについてお尋ねをいたしたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 畜産物価格安定制度が設けられ、そのもとで安定基準価格を初め各種の価格が決められておるということで、その制度の存在と、決められた価格があるということから考えてまいりますと、確かに現在の豚肉の状況は、この制度を発動することにつきまして当然予定はされておるものでございまして、私どももそれを検討をするということを申し上げておりますのも、その効果、時期についてどう判断するかということで申し上げておるわけでございます。  現在の状況に即して申し上げますと、一つは、各種の対策を現在講じておりますこの効果も出つつございます。で、この対策が、そういう自主的な対策も含めまして対策がさらに進められていくかどうか、その効果がもう期待できないことになるかどうか、それが一つの判断のメルクマールになると存じます。  それからもう一つの判断の材料といたしましては、ただいまも触れましたように、需給、需要と供給の均衡が図られるめどがあるかどうかということでございまして、幸い、生産者団体におかれましては自主的に計画生産体制づくりをしようという動きになっておりまして、その動きにつきましては私どもも大変な期待をいたしております。そういう体制づくりができて、需給の均衡が近い将来において図り得るめどがつくかどうかというのがもう一つの判断材料でございまして、現在そういう体制づくりが進められておりますが、まだ実際申し上げまして、中央段階でできて地方段階にそれが浸透していく、それが進行中の状態であるということでございまして、もう少しその体制づくりができ上がって、需給の均衡が近い将来においてでき得るめどができるということが必要であろうと思っておるわけでございます。  そういう二点の状況から申しまして、いま直ちに発動をするんだということを申し上げにくい状態で、はなはだ申し上げにくい状況にあることを御理解賜りたいと存じます。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 畜安法の発動に対しては、局長の答弁はきわめてまあ微妙な発言ではありますけれども、全体的にこの低迷する豚価の窮状というものを救済するために、計画生産とあわせてこれらの法律制度の運用というものは考えられるものだという前向きの答弁として聞きたいと思います。  第二点の問題でお尋ねをいたします。  「昭和六十五年農産物の需要と生産の長期見通し」という案について、政府側としては、農政審議会に対して十一月の時点においての試算の内容について報告があっておるわけであります。これについて主としてお尋ねをいたしたいと思います。  このいわゆる六十五年の農産物の需要と生産の長期見通しということが、いわゆる需給の問題と同時に、日本国内においての穀物を初めとした農畜産物の自給率、自給度というものをどのように扱うかということに対していわゆる非常な役割りを果たすものだと思います。これがまた設定をされたという時点においては、日本農政の将来の基本に対してきわめて強い影響を持つものだという解釈をいたしておるわけであります。  そこで、まずこれらの原案というものはいつの時期にでき上がるのか。不日の国会において前農林大臣は、九月にはこれを発表したいと、特に自給度の問題等に対して発表したいということも声明されたわけであります。まだその成果を見ていない。  第二点には、今後の日本農政展開の上に今回のまとめられた資料というものがどのような役割りを果たしていくのか、まずこの二点についてお尋ねをしたいわけであります。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 私の方から農政審議会の審議の状況並びに長期見通しの公表の関係について申し上げます。  当初九月に需給見通しを一応公表するという考えを持ってスタートいたしましたことは事実でございます。現在、そうしたことで作業をいたしておりましたが、内外の経済情勢かなり不透明な点もございます。エネルギー等の問題もございまして、全体にこの作業がおくれていることも事実でございます。ただ、そうした中にありましても、農林水産省としての第一次的な考え方はやはり秋に示すべきであろうということで、農政審議会に第一次試案といたしまして、いわば今後の御議論を願うたたき台という意味で先般公表いたしましたのが第一次試算でございます。これをもとにいたしまして鋭意御審議を詰めていただきまして、来年春にはこうした長期見通しを確定をいたしたいと、このように考えておる次第でございます。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 きわめて重要な問題だけに、かなりの日数をかけるということに対しては納得がいくわけであります。ただ、その中で第二点の質問の、これが今後の日本農政の上に示す役割りに対してどのような見解をお持ちですか、お尋ねをしたいと思います。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘のように、これからの八〇年代の農業につきましての重要な指針となるべきものだろうと、私どもも御指摘のような認識を持っておるわけでございます。そうした意味で、新しい長期の需給見通しにつきましては、需要の動向に見合って農業生産を再編成いたしまして、国内で生産可能なものは極力国内で生産する。まあ国内の生産によりがたいものは、これはやはり輸入あるいは備蓄等の措置を講じなければならないと考えますが、やはり原則は、国内で生産可能なものは極力国内で生産して自給度を高めるべきであろうと、こういう認識のもとに作業を進めたいと、こう考えております。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 この今日提出されておりますところの素案というものを見てみますと、もちろん途中の過程であると思われますように、きわめて不明確な面があるし、これが本当に農政審議会の資料なのかという疑いを持って見なければいけないような問題があります。  たとえば、第二ページの、「小麦については、日本めん用等需要のほぼ全量が充足される」という表現等がございますけれども、大体「日本めん用」というのは何なのかと私も自問したこともあるわけでありますが、うどんがあり、そばがある。それじゃラーメンは中国用のめんなのか、スパゲティは西洋式のめんなのかというようなことで、はなはだ内容をつかみにくい表現で出されておるようでありますし、これが農政審議会という権威あるトップの機関においての資料として検討されるということはきわめて遺憾であると言わなければならないと思います。やはり今日ある農民が考え、あるいは日本の食糧を世界の食糧と対比しながら憂うる多くの国民というものは、もっと深刻に自給率向上の問題等に対しての憂慮をいたしておるわけであります。私は今回需要供給という一つの数字の推移が出てくることは政府間においても十分掌握をされる問題であると思います。しかし、どうしてもその一国の食糧、特に主穀というもの等に対しまして、これだけの需要があり、これだけの単なる供給があるんだという数字的な推移の方向によってのみこれが決定されるということはきわめて不満であります。したがって、私は今回のこの調査あるいは目標ということに対して、きわめて日本農政の将来の路線をしく内容になるという考え方を持っておるわけであります。  そこで、お尋ねをいたしたいと思いますことは、この需給のいわゆるバランスあるいはその推移、その数字を頼ってのものから、その他どのような配慮をされるのか。たとえばわれわれの人口を見ましても、三十年に世界人口は一〇%の伸びを示しているという歴史的な事実がございます。あるいは食糧生産というものに対して、災害あるいは飢饉等の問題に対しては、いかに科学的な努力をしようともこれを防止するということはできない世界の農業生産の事実であることも御承知のとおりであります。特にまた輸入ということに対して、これを固定化するならば、いわゆる穀物市場に対しての価格のコントロールというのがなされる、同時に、今後漸次石油価格の暴騰等において輸送のコストというのがきわめて高くなっていくということも御承知のとおりであります。さらに、われわれが日本の国民である事実に立って、日本国の農民の手で生産される物が日本国民の需要を満たすということはきわめて国家的使命であり、政治的な使命の中で検討をされなければならないと思うのであります。  したがいまして、今日までいろいろと見てみますと、もうここでも、「大豆については食用大豆」、「小麦については」という表現がありますけれども、ビール麦というようなものは表現すらもしていない。これは今日転作の中においてビール麦がとらえられて、生産者はこれに対しての非常な意欲を持ったけれども、さて一年生産をしてみたところが、日本国にあるところのビール会社が、発芽の能力施設がないんだという理由の中でこれが買い入れの制限をするという現象が出てまいったわけであります。今日私は、政府の農民に対しての対策は、きわめて基本法制定とともにある一定の評価すべき成功を見られた例は多々あると思います。ところが、ビールにしても麦の加工品でございます。たとえば加工品の場合においても、ミカン関係において、政府は七、八年前において園芸局を中心としてあの諸メーカー、ジュースメーカー等が反対をする中において、きわめて厚い財源の中で、ミカン主産地に対しましてのいわゆる農民団体資本においての搾汁工場並びにジュースの小売り販売ということに対しての財政的な援助がなされました。当時におきましても全くメーカーは大反対をするという現象であったわけでありますが、いまはどんなものでございましょう。これが成功を見たということは断言できる。各種の、二大乳業メーカーにしても、ジュースメーカーにしても、製造と販売という中できわめてうまい提携をやっておるわけであります。  それでは、ビール関係において、今日あの莫大な利益を上げておるというビール会社が、発芽に対しての問題に対してなぜ準備しようとしないのか。もししないとするならば、全農なり県下農協なり、きわめて多い団体資本においてこれをつくり得るということもあり得るわけであります。  これらのことを考える場合において、この自給率の向上ということに対しては、需要供給の数字の推移だけでなくして、国家的使命の中で自給度の引き上げということに対して努力をしたいという要望をいたすものであります。所見を伺いたいと思います。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 基本的にはただいま御指摘のようなことはごもっともなことと存じます。多少この作業の発足しました経緯を申し上げますと、これから、いま検討しております構造政策、価格政策、自給対策等各種の施策を検討をしていかなければならないわけでございますが、そうした検討のまず第一次の枠組みといたしましてこの第一次試算を出したという前提がございます。したがいまして、第一次試算自体が、かなり整合性を持って完璧に近い形で私ども御提示したものではございません。むしろ、これをスタート台といたしまして御議論、御討議をいただこうということが私どもの関心事になっておるわけでございます。同時に、この試算自体につきましては、ただいま御指摘のような世界の食糧需給の状況、あるいはわが国における安全保障的な立場での自給度の問題、さらには国際情勢等からどの程度の自給度が果たし得るかという検討、そうした面におきます検討は、実は従来の条件において等しいという前提を持っておりますので、こうした点についての諸条件の前提を欠いた検討も当然進めるべきであろう、こういうふうに考えておりますが、中心とする私どもの考え方は、繰り返すようでございますが、国内で生産可能なものは生産していく、こういう立場に立ちまして、国民に食糧の安全的供給を果たす役割りを農業及び農村が果たしていく、こういう立場に立って今後の長期見通しを確立いたしたいと、御意見をいただいた点も十分参考にさしていただきましてこれからの作業に取り組みたいと考えております。

三浦八水自由民主党・自由国民会議

○三浦八水君 終わります。

原田立公明党

○原田立君 大臣にお聞きするわけなのでありますけれども、午後は衆議院の方に行かれたというので、ちょっと質問に窮するわけで、困るわけでありますが、しかるべき御答弁を願いたいと思います。  十二月四日の新聞報道によりますと、大臣は食糧管理法の改正法案を次期通常国会に提出方針を固めたというような記事がありますが、真意のほどはいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 食糧管理法につきましては、現在食管の実態が経済の動きと乖離しておるのではないかというような批判がございまして、制度のたてまえが必ずしも実施されておらないのではないかというような御批判もあるわけでございます。このような実態につきましては、私どもやはり改める必要があるのではないかというふうに考えておりまして、たとえば配給通帳の問題でありますとかいうような点について改善方を検討しておるわけでございますが、このような食管のあり方について検討いたすことになりますると、やはり現在の時点における食糧管理の果たすべき役割りにつきまして全体として検討をする必要があるというふうに考えておりまして、そのような食管の運営、改善全体の中において、いま申しましたような点も含めて検討いたしておるところでございます。

原田立公明党

○原田立君 改正の実施を考えるとすれば、食管法本体の改正にするのか、それとも特別法的なもので補うのか、その方向性はどうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま申しましたように、食管の運営改善全体にわたって検討いたしておりますが、法制の形といたしまして、本法を直すのかそれとも特別法にするのかというようなことについてまではまだ具体的に検討をいたしておりません。

原田立公明党

○原田立君 新聞がいろいろと報道するのはこれはしようがないことなんですけれども、大体、こういう正式な場でお伺いしたことにはっきり返答できないようなことがばらばらばらばらと新聞記事に出てくるなんというのは、政府のちょっと姿勢がおかしいのじゃないですか。何か、世論でリードして既成事実化してやろうというような感じがしてならない。そういう姿勢は改めてもらいたいと強く申し上げておきます。  先ほど官房長言いましたけれども、農相の表明の中の、米穀通帳を廃止するとか、あるいはお米を贈答用に使えるようにするとか、あるいは有事の際には米穀通帳などの購入券を復活できる余地を残すとか、こんなふうにありますけれども、改正を考えるとした場合、この程度なのか、まだほかにプラスするようなのがあるのか、その点はどうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) どの辺までが法律事項になり、どの点までが運用の実態になるかというような点は今後の検討にゆだねざるを得ないわけでございますが、私どもといたしまして、特に法律に関係をする部面といたしましては、いま先生がお述べになりましたような点が主たる内容になるものというふうに現在のところは考えておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 基本的には、安易な食管制度の改廃は当然避けるべきだと思うのでありますが、一方では、お米の贈答用の利用により消費の拡大につながる反面、米の自由化への方向性にもつながるそういう一面もあるわけでありますが、この点についてはどう判断されるのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど大臣もお答えいたしましたように、私どもといたしまして、食管制度の根幹を守っていくという考え方は堅持しておるつもりでございますので、今回検討しております内容が自由化の方向につながるというふうには考えておらないわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 そう思わないと言っても、そういう方向にだんだんと向かいつつあるというふうにわれわれ感触として受けるわけです。では、そういう方向はないと、現在の食管法を維持して自由化などの方向には向かわないと、こういうふうに理解してよろしいですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど申しましたように、制度のたてまえが、法制定の時代と現在の事態とで経済の実態が非常に変わってきておりますために、必ずしもそのままの形では実行することがむずかしい面がいろいろ出てきておる。そういうことでございますと、この制度を守っていくためにはやはりその内容を実態に合わせて運用し得るように改善を加えていくということが必要であろうかと思いますし、そのことがかえってこの制度をさらにしっかりしたものにするというために必要であろうと考えておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 米穀通帳を廃止した場合、食管法第八条三項の配給制度自体をどうするのかというふうなことが問題になるわけでありますが、FAOなどの長期見通しによれば、世界の穀物需給関係はますます逼迫することが予測されております。有事の場合いたずらに混乱を引き起こすことも心配されるわけでありますが、その点についての判断はどうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 国民の食糧を安全に確保するという形は、個別の米の買い取りにつきまして配給通帳を前提としなければできないということでは必ずしもないと考えておりますので、このような形で実態に合わせて米の消費者に対する結びつきを安定的にしていくということと、特にいまお話がございました、有事の際等に対しまして国として国民に対する安定的な供給の準備をしておくということは両立するものと考えておるわけでございます。また、そのような場合に具体的にどういうふうな形をとるかということも検討する必要があるだろうというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 前段の質問の、食管法第八条三項の配給制度自体をどうするのか、これについては……

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) やはり国が食糧を管理していくという観点からいたしまして、全体としての需給を管理をしていくということは必要でございますから、需要の内容、まあ言ってみれば従来配給と称しておりました需要の内容を計画的に裏づけていくということは当然必要であると思います。ただ、それが配給という言葉で呼ばれますと、必ずしも実態どおりには理解されないような点もございますので、この辺をどうするかというのは研究課題でございますが、考え方といたしまして、やはり需給の計画的な整合性をとるということについての計画は必要であろうと考えております。

原田立公明党

○原田立君 政府は昭和四十五年から第一次減反対策を進めてまいりましたが、転作の一環として田畑輪換のための土地改良事業を進めてきたと思うんでありますが、第一次減反対策での土地改良事業の当初目標と達成状況、五十三年度からの第二次対策での目標、これはいかがですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 御質問の趣旨は、全体的な土地改良の長期計画がどの程度進捗しているかというお尋ねのようでございますが、ちょっといま手元で資料を当たっておりますので……。  ただ、御趣旨にかなうような事業としては土地改良事業の中でも排水対策事業が特別重点として考えられるかと思います。従来から一般的に排水対策の関連事業、土地改良事業の中でも重点としてこれを実行してまいりましたが、特に最近におきます転作の事情を考えまして、五十四年度からは排水対策特別事業を興しまして、これを土地改良事業の特別な重点として推進することにいたしております。金額的にいま申し上げますと、これによる事業費は二百三十三億二千万ということになっておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 第一次減反対策の目標は三百二万ヘタタールでしょう。そうして、その中で土地改良事業の当初の目標は百七十七万ヘクタールでしょう。それでその目標はそこなんだけれども、じゃ達成状況は一体どうなのか、あるいは第二次対策での目標はどうかと、こういうことを聞いているわけです。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 長期計画についての投資実績を見ますと、これは四十八年度からの実績でございますが、五十四年度までの全体の合計額が、進捗率で申し上げますと六一・四%ということになっております。それから、今後の進捗につきましては、現在全体の需給の見直し等も行っておるわけでございますが、それにあわせて農地の需給事情も調査をする、そしてその新しい見通しに基づいて計画を立てるということで、土地改良長期計画の再検討をいま進めているところでございます。

原田立公明党

○原田立君 水田利用対策として、わが国の場合、恒常的な過剰傾向にある水稲作偏重を改める必要があるのじゃないかと、こういうふうな意見もありますが、そのためにも水稲と畑作物あるいは飼料作物等との輪作方式を積極的に推進することを考えるべきだと思うのであります。そのためにも、田畑輪換の可能な土地基盤の整備改良を強力に推進する必要があると思うのです。土地基盤整備の充実強化と、田畑転換の積極的推進に対する見解はどうですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 御趣旨のとおりでございまして、水田それを自体の整備はもとよりそれ自体として進めなければなりませんが、水田全体の面績は逐次これを減らして、農地全体の中では畑地及び草地の面積を逐次ふやしていくということで、最近におきます基盤整備の重点は畑地造成あるいは草地造成、さらにはそういったところの水利関係、要するに畑換といったような事業に重点を置いてまいっております。  それから、既存の水田につきましては先ほど御答弁申し上げましたが、既存の水田においても、畑作が可能となるようできるだけ水位を引き下げるということで、ここ近年は排水事業を重点に事業を実施してまいっております。特に五十四年からは排水対策特別事業を新たに興しておりまして、五十五年度以降もこれをさらに拡充するという方針で臨むことにいたしております。

原田立公明党

○原田立君 次に、転作補助金についてお伺いいたします。  六十年代における米の需給状況は非常に厳しい状況となっておりますが、長期見通しの試算でも、六十年代には八十万ヘクタール程度の調整必要面積をはじいているようであります。この点については生産者団体でも同様の見解を示してはおりますが、政府の基本的に取り組む姿勢として、八十万ヘクタールの減反をやるつもりでいるのかどうか、その点はどうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 先ほどから御説明しております第一次試案におきまして、これまでの米の消費の動向あるいは畜産物等に対する国民的嗜好の動向等から算定いたしてまいりますと、先ほど申しました第一次試案としての枠組みでは、六十五年目標年次におきます水田面積は約百九十万ヘクタール。したがいまして、その間に現状とは八十万ヘクタールのギャップを生ずるということに相なります。したがって、六十年までを見通していきますと、やはり八十万ヘクタール程度の水田は転換をせざるを得ないというのが私どものいま第一次試算におきます結論でございます。

原田立公明党

○原田立君 その中身は何ですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 何と申しましても、やはり中心になりますのは麦、大豆、飼料作物、これらわが国におきまして自給度の低い部分についてのいわゆる戦略作物といいますか、主要な作目を中心に転換を図らねばならないという考えでございます。

原田立公明党

○原田立君 六十五年見通しの試算では、麦類が五十一万ヘクタール、大豆が二十二万ヘクタール、飼料作物百五十六万ヘクタールの作付面積を見込んでおるようでありますが、しかし、実態は非常に厳しいんじゃないのか。たとえば水田利用再編対策以前の五十二年度ではどのくらいの転作ができたのか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 五十二年の転作ですか。  最近におきます転作の実績につきましては、農蚕園芸局の方からお答え申します。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 最近におきます転作の実績の面積でございますが、五十三年度におきましては、三十九万一千ヘクタールの目標に対しまして四十三万八千ヘクタール、一一二%の達成率と、それから五十四年度、これはまだ実施見込みでございますが、同じく三十九万一千ヘクタールの目標に対しまして四十七万二千ヘクタール、一二一%の達成見込み、こういうことになっております。

原田立公明党

○原田立君 麦類は十六万四千ヘクタール、大豆は七万九千ヘクタール、それから飼料作物の作付面積は九十一万二千六百ヘクタールで、転作奨励金を出して初めて麦が約五万三千ヘクタール、大豆が七万一千ヘクタール、飼料作物が十二万三千ヘクタールの転作が実現したと、こう資料で私は見たのでありますが、六十五年それだけでは、この目標に対して、すなわち麦が五十一万ヘクタールの目標に対して現在は二十一万八千ヘクタール、大豆は二十二万ヘクタールの目標に対して十五万ヘクタール、飼料作物は百五十六万ヘクタールの目標に対して百三万五千六百ヘクタール、こういうような状態では、六十五年見通しは夢のまた夢としか考えられません。具体的に今後どうこの目標を進めていくつもりでいるのか、所見をお伺いしたい。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) それでございますから、私どもはこうした目標はかなり意欲的な目標であろうと考えます。御指摘のような点もございまして、これからのこうした需給見通しに立ちまして施策の組み方を考えていく農政の見直しが必要だろうということで、ただいま検討をしておる段階でございます。

原田立公明党

○原田立君 いまやっているのに対していま検討しているなんて、そんなのんびりしたことをやっていて、本当に目標達成できるんですか。それじゃいま検討しているって言うけれども、いつどのぐらいになったら計画が成り立つんですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) ただいま申しましたように、六十五年におきます、十年後におきます作付の面積の目標を掲げておるわけでございます。これを達成するための政策手段、価格政策、需給政策、さらには構造政策等を踏まえまして、これらの目標を達成するための諸施策を検討いたしまして、来年春には農産物の長期需要見通しとともに各般の施策の方向づけを出したいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 転作奨励補助金は何年間支給するんですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 御存じのように、現在の転作奨励金は第一期三年間ということで、五十三年度から三年間を組んでおります。新たに始まります五十六年度以降については、また新たな観点から必要な奨励措置は考えていかなくちゃならないと、こういうふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 ここいら辺は重要な問題で、政務次官にお伺いするんですけれども、五十六年からはこの転作奨励補助金を下げざるを得ないというような農水省の見解があると、こう聞いておりますけれども、そういうことはあるんですか、ないんですか。

糸山英太郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(糸山英太郎君) 必要な奨励金は確保しておきます。

原田立公明党

○原田立君 前回の委員会で私が質問したのに対しては、奨励補助金の額は下げない旨の答弁だったと私は受けとめているんです。この点間違いないかどうか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 多少説明の点であるいはそういうお受け取りがあったかと思いますが、たしか大臣は、五十五年度、第一期の三年目に当たります五十五年度におきます奨励金は、単価におきましては変えないということで答弁したと思います。

原田立公明党

○原田立君 だから、三ヵ年間の話はいいんですよ、その次の三ヵ年間はどうするのかということを聞いているんです。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) その点につきましては、ただいま政務次官からお答え申しましたように、やはり米作所得との関連を見ながら、必要な奨励金は確保していくという方針で臨みたいと考えております。

原田立公明党

○原田立君 それは確保をするというのと、ちゃんと同額のレベルでずっといくというのとは意味がちょっと——答弁になりませんね、そこは。もう少しはっきりしてもらいたいと思うんですが。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 先ほどから申し上げて答弁の繰り返しになるかと思いますが、五十五年度をもちまして第一期の再編対策が終わります。第二期以降につきましては、先ほど来申し上げております農政の見直しの観点から、今後の水田利用再編対策の新しい展開と、それに必要な奨励金は当然組むべきものだと、こういうふうに私ども考えておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 組むのは当然なんだよ。だから、いまのをこう下げるんですか、下げないでこのままのことでいくのかということを聞いているんですよ。ただ全体の枠を確保しますとこう言うんじゃ、それだけでは答弁にならないんですよ。官房長、あなた専門家のくせに、同じことをぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ言ってはだめですよ。どうするのか、同じになるのかどうかとこう聞いているんです。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたしますが、同じになるかという御質問の、いろいろ転作奨励金にも計画加算その他いろいろ仕組みがあるわけでございます。どういう部分について同じにするかということはこれからの検討課題であろうと思っております。必要な奨励金を確保するというのは、私ども基本的には転作する農家に迷惑をかけないように、円滑に転作ができるような趣旨において必要な奨励金を確保していくと、こういう趣旨でございます。

原田立公明党

○原田立君 まるでわからない答弁ですね。具体的な一例として、昭和五十三年度の小麦、大豆と米との価格差を比較すると、米に対して小麦の政府買い入れ価格では約八万四千八百円、大豆は十万五千六百円もの価格差が生じております。十アール当たりの粗収入、米が十四万三千四百七十一円、それに対して小麦の場合には三百六十三キロ収量として五万八千六百三十七円、それで差額が八万四千八百三十四円とこういうことになるわけですが、そういう細々した仕組みのことは説明をさておいて、このような格差がある以上、どこの農家でも、奨励補助金なしでは生産は成り立たない。今後の転作作物の価格体系はどのように進めていくつもりなのか、お聞きするわけでありますが、この奨励補助金も、現在はあれでしょう、指定作物については約七万円、その他のものについて約五万円奨励金がついているでしょう。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 転作作物の奨励金の関係でございますが、これは、転作作物の水稲との相対収益性ということから見まして、その辺のバランスをとるという角度で、現在、奨励補助金というものを決めております。特定作物並びに永年性作物、これが平均的なものでございますが、五万五千円、それから、一般作物、通年施行、水田預託等につきましては四万円というふうに規定をいたしております。  なお、以上が基本額でございますが、これに対してさらに計画加算がございます。これにつきましては、転作率に応じてまた差がございます。したがいまして、平均的なことで申し上げれば、特定作物につきましては一万五千円、それから一般作物につきましては一万円というのが現在の奨励金の水準でございます。

原田立公明党

○原田立君 だから、そんなことはわかっているんですよ。わかって私は質問しているんです。必要だから奨励補助金というものが出されているわけだ。奨励補助金を出さないと小麦の場合が八万四千円も差がある、大豆の場合には十万五千六百円も差がある、大変な額だから奨励補助金を出しているわけだ。この奨励補助金を、私が聞いた農水省の説明では、五十六年度以降は何か下げるような話を聞いたから、それを心配して、本当は下げるようなことはしなさんな、現状維持でいきなさいよと、どうなのかということをさっきから何度も何度も聞いているんですよ。同じようにやりますか、やりませんか。どうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 同じように出しますかという、同じようなという点でございますが、私どもが、必要とする奨励金を確保すると申し上げましたのも、要するに、原則に立ち返りまして、米作所得と転作いたします所得とのバランスを考えて、農家が安んじて転作が可能になるような奨励金は当然確保していくと、こういう考え方で五十六年度以降も考えておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 さっぱりわからないね。要するに、五十三、五十四、五十五と、この三ヵ年間現行やっているでしょう。これを第二次の五十六、五十七、五十八の三ヵ年間も同じようにやりますかっていう質問をしているんです。それを低くするのか高くするのか、同じなのか、どうなのかと聞いているんですよ。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 大変くどいようでございますが、私ども、五十六年度以降について具体的なものをまだ決めておりません。これだけは申し上げておきます。  ただ、申し上げますのは、原則としてそういう立場で私どもは、必要な奨励金は農家に迷惑をかけないように奨励金を確保していく考えであることには変わりございませんから、御了承願いたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 じゃあ、決めてないなら決めてないで、最初から言いなさいよ。私の最初の質問は、何か下げるような話を聞いたから心配だからどうかって聞いたんです。ただいま検討中ですからまだはっきり答えられません、と言えばいい。じゃどうかひとつ、五十六年度以降も、そんな下げるようなうわさを聞いておりますけれども、そんなことはないように強く要望しておきます。  それから、小麦、大豆、飼料作物等については、自給率の向上を図る上からも、一応の目途として、数年後からは転作奨励補助金という形ではなく、米作収入に見合う新しい価格制度の確立を図る必要があるのではないか、こういう意見もあるわけでありますが、そうしなければ生産農家の方々も安心して転作に進めないと私は思うのであります。対応をどうなさいますか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 今後の転作作物の価格政策、あるいは奨励政策というものは、新しい観点から、先ほど来申し上げます長期見通しの見直しと関連しまして現在検討いたしておる段階でございます。

原田立公明党

○原田立君 どうかひとつもう早々と御検討、決定いただきたいと思うんであります。農水省でも、先ほども官房長いみじくも言った、農家の人たちが安んじて農業に専心できるようにしていくのが農水省の役目だ、まさにそのとおりだと思うんです。今後の計画がはっきりしないで、お先真っ暗でやったんじゃ何にもなりません。きちんと早急になさることを希望する次第であります。  飼料穀物及びカンショ、バレイショなどが転作奨励から外されているが、その理由は一体何か。これら作物を転作奨励に指定し、転作の積極的拡大を図るべきではなかろうかと、こう思うんですが、その点はいかがですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) まず、カンショ、バレイショの関係から申し上げますと、でん粉やアルコール等の原料用のカンショ、バレイショ、これにつきましては、近年過剰在庫にあるというような需給事情でございますので、五十三年度水田利用再編対策がスタートするときから対象外としておるわけでございます。現在もまたこの需給情勢は変わっておりませんので、五十五年度も対象外にしたい、こう思っております。  それから飼料作物でございますが、これにつきましては、生産技術上問題がなくて、かつまた食用など他用途へ供給されることのないというものだけを一般的な対象作物として定めておりまして、その中に飼料穀物といたしましては種実用の燕麦、これが対象作物になっております。以上が一般的な飼料作物の対象作物として認めておるものでございます。  ただ、そのほかに飼料作物について見ますと、知事と地方農政局長との協議によりまして対象作物を追加する道が開いてございます。このような規定を活用いたしましてやっておりますのが、具体的に申し上げますと、実取り用のトウモロコシあるいはヒエ、ハト麦、こういうようなものがございます。  そういうことでございますので、五十五年度もこういうような線で同じくやっていきたい、かように考えております。

原田立公明党

○原田立君 飼料米についてお伺いします。  ことし八月末の農政審議会がまとめた中間報告の中に取り上げられて、飼料米のことも検討すると、こうなっているわけでありますが、すでに全農が全国で三ヵ所の実験研究を進めているのを初め、一般農家でも実験栽培に取り組んでいるのでありますが、農水省はどの程度進めているのか、その点についてお伺いしたい。

川嶋良一農林水産技術会議事務局長

○政府委員(川嶋良一君) えさ米につきましては、全国的に農家段階はもちろんですが、いま御指摘の全農あるいは市町村等でいろいろと試験をしていることについては承知をしております。私どももその点についてはいろいろと現地を見ましたり、情報を得ております。このえさ米につきましては、いままでの米と違いましてたくさん取れるということはもちろんですが、従来の米と識別ができるとか栽培が簡単であるとか、いろいろの要素がございますので、そういった点については、従来とも稲の品種改良を行っておりますが、そういったような飼料稲の特性を含めましていろいろと研究を進めております。今年国の関係あるいは県の関係等でもいろいろと試験をしておりますので、その結果を踏まえまして、来年はさらにこういった点についての研究を進めてまいりたいというように考えております。

原田立公明党

○原田立君 飼料米が政府の転作作物に認知されれば普及性も十分可能であり、歓迎されるとの声もありますが、飼料米の転作認知作物の指定の見通し、今後の対応策はいかがですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) えさ米につきまして、これを転作作物として認知といいますか、認められないかというお話でございますが、一つはやはり転作といいますか、これにつきましては米から他作物への転換ということで考えております。したがいまして、もちろん主食用とえさ用ということで用途は違うわけでございますけれども、米は米なわけでございますので、その辺基本的にどうするかという問題、これを詰めなくちゃならぬかと思います。  それから、具体的な問題といたしまして、その転作作物ということで見る際にも、はっきり主食用と区別ができるのかという問題につきましては、これはさらにこの面も詰める必要があろうと思います。一般的には非常に主食用米に比べて収益性が極端に低い。むしろ費用との関係からいけば所得がマイナスに出るというような試算も出ておるような状況でございますので、今後の生産コストの引き下げの可能性等も詰めなくちゃならぬ、こういうようなこともございまして、現段階において直ちにえさ米というものを転作作物として認めるというにしては問題が多過ぎるというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 それでは、いま新聞紙上をにぎわしております日本発馬機の問題についてお伺いいたします。  国税局や警視庁の捜査を受け、社内では告訴事件にまで発展している日本発馬機の問題について、監督省庁の農水省はこの事件の内容についてどの程度承知し、責任をとるつもりでいるのか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 今回の発馬機の事件の発生を見ましたことは、日本中央競馬会を監督する農林水産省といたしまして大変遺憾なことに存じております。この事件が新聞報道されました去る十一月二十三日に、直ちに中央競馬会に事実関係の究明の指示をいたしまして、中央競馬会では調査委員会を設け、真相の究明に当たってまいっております。  ただいままで日本競馬会からの報告を中心に事件の概要について申し上げますと、この日本発馬機株式会社というのは、中央競馬会との間で発馬機の作業請負契約を毎年締結をいたしまして、この契約に基づきまして、競馬のレースに使います発馬機ないし練習用の発馬機の作業を請け負っておるものでございます。この契約の相手方の日本発馬機株式会社の小山専務及び菅沼常務は、会社に事情を隠しましてエス・イー・エスなる会社を設立をいたしまして、日本競馬会に提供をいたします発馬機の取引ないしその部品の取引につきまして、取引関係にこのエス・イー・エスなる会社を介入、介在をさせております。エス・イー・エスという会社は、日本発馬機への部品機材等の納入に際しまして水増し操作を加えまして日本発馬機に請求を行い、その水増し請求に対応して発馬機会社は支払いを行っておるわけです。五十四年一月一日からことしの十一月二十一日までの間に、この水増し額はおおよそ二億五千万円に上っております。なお、五十三年十二月以前におきましても、いま申し上げましたと同様の方法で水増し操作を行っていた疑いがございますが、これは現在調査中でございます。発馬機会社の三上社長は、いま申し上げましたような小山専務、菅沼常務のした行為は商法の特別背任罪を構成するものといたしまして、去る十一月二十八日に警視庁に告訴をいたし、事後、捜査当局において捜査が行われておる模様でございます。

原田立公明党

○原田立君 警察の方来ておられますか。  この問題について告訴があり、捜査に踏み切ったように聞いておりますけれども、現況並びに今後の状況についてはいかがですか。

加藤晶警察庁刑事局捜査第一課長

○説明員(加藤晶君) お尋ねの件は、十一月の二十八日に、警視庁が同社代表取締役の三上泰知という人から、同社の専務取締役であります小山一雄及び常務取締役の菅沼重遠、この両名を共犯とする特別背任罪の告訴を受けまして、目下捜査をいたしておるところでございます。それで、こういう告訴事実につきまして、同社及び関係会社の経理帳簿の検討、それと関係金融機関についての調査、それから関係者等の取り調べなど、現在鋭意捜査を進めておる段階でございまして、まだ具体的な内容その他につきましては、そういう捜査中でございますので答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 新聞報道では、警視庁の発表ということで約裏金七億というようなことが報道されているんですが、そこら辺は大体よろしいですか。

加藤晶警察庁刑事局捜査第一課長

○説明員(加藤晶君) 告訴の内容におきましては、先ほど御説明がありましたように、約二億五千万ほどでございます。そしてそのほかにあるかどうかということでございますが、新聞報道云々ということにつきましては、警視庁はまだ正式にそういう発表はいたしておらないところでございまして、その辺の捜査をこれからやっておるところでございまして、まだ明確に幾らと申し上げるような段階ではございません。

原田立公明党

○原田立君 中央競馬会は一〇〇%政府出資の特殊法人であり、日本発馬機は五〇%中央競馬会が出資し、昭和四十年八月に設立された会社でありますが、この発馬機株式会社に対して東京国税局では昨年六月ごろから税務調査を始めているやに聞いておりますが、この間、直接の担当である——直接の担当は中央競馬会だろうと思うんですよ。だけれども、農水省としては、畜産局長、あなたのところが監督の場所になるだろうと思うのです。どの程度の調査をし、実態をつかんでいたのか。時間がないから、ごく簡単に答弁してください。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 畜産局の方に中央競馬会から報告されたその税務調査の件でございますが、昨年の秋に税務調査を受け、大したことはなかったということが報告されております。中央競馬会に確かめましたところ、その時点において発馬機会社の方から同様の報告があった、それを畜産局に報告したということでございます。

原田立公明党

○原田立君 中央競馬会の理事長をやっている武田さんという人は、元農水省の事務次官、副理事長の増田さんという人は畜産局長というような方々であったやに聞いております。畜産局、農水省関係の幹部が全部入っているようでありますが、そういうようなところで、農水省として指導があいまいに終始したのではないのか、こういうふうに世間は疑っているわけなんだけれども、どうですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) この事件の発生の後を振り返ってみますと、発馬機会社と中央競馬会との契約の状況、その実行状況について、契約執行の管理が十分じゃなかったということがあるかというふうに考えられますが、確かにその点につきましては非常に遺憾であったというふうに存じます。

原田立公明党

○原田立君 こんな事故を起こした日本発馬機という会社などは、もっとしかるべきところに吸収し、そしてもっとすっきりとした体制にし、再出発させることがいいんじゃないのか、こういうふうに思いますけれども、その点はいかがですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 現在、中央競馬会で使用いたしております発馬機は、中央競馬会の行っている競馬の形態、規模からいたしますと、使える発馬機はこの日本発馬機株式会社のものだけでございます。したがって、現在競馬を行うにつきまして、直ちにこの会社との契約関係を打ち切るというわけにはならない状況にございます。そこで、この発馬機株式会社の行う請負が適正に行われるようにただいま中央競馬会からは応援態勢をとっておりますけれども、来年以降の契約についてどのようにするか、これは今後の検討課題だと思います。ただ、パテントの関係等もございまして、現在使っておる発馬機を他にかえるということは非常に困難であるというふうに報告が来ております。

原田立公明党

○原田立君 私、時間がもうありませんので、同僚の藤原議員が質問するようになっておりますので、これで私は終わります。   〔委員長退席、理事片山正英君着席〕

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 大臣がいらっしゃらないようなんで、特別国会それからの臨時国会を通じまして、きょう二回目ですか、私としては初めてのことなんで、当初、新大臣に、農水大臣になりましていろんな抱負を語っておりました、それらの中から基本的なことをお尋ねしたかったわけでありますが、衆議院の方に行っていらっしゃるようなんで、政務次官と言えばこれはもう副大臣ということで、同じ立場のうちに立たれるだろうと思います。  ただいままでの大臣の言葉の中に、農政も産業政策のらち外ではない、経済的な観念をさらに入れて国民的、国際的視野を進める必要があるのだという、産業政策のらち外ではないというような言葉を使ったり、通産行政に明るい方だということなんで、それならそれなりの考え方もありますけれども、しかし、何かいままでの農政とは違った物の考え方を持っているのではないか。現在の法体系の中で大きな変革はないとしましても、産業政策云々にということになりますと、これはもうほかの産業とは、農業というのは同一に——合理化にいたしましても、それから大規模経営云々ということにしましても、ほかの産業と同一に物を見てやるということになりますと非常に問題が起きる、そういうことで非常に私ども神経をとがらしておるんですけれども、この点については、副大臣ですから、大臣の意のあるところは十分にくみ取っていらっしゃると思いますが、いままでの農政の基本的な物の考え方と大きな相違があるのかないのか、この産業云々という言葉は一体那辺にその心があるのか。その間のことを、これは本人じゃないから厳しくは聞きませんけれども、まずひとつ最初にお伺いをしておきたいと思います。

糸山英太郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(糸山英太郎君) 大臣から報告を受けておりませんけれど、そんなに変わらないと思いますし、いままでどおりと大した変わりはないんじゃないかと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 全体的には変わらないといたしましても、この問題につきましては、大臣に基本的にまたいろいろ機会がありましたらお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、いま農業を取り巻く諸情勢につきましては非常に厳しい環境の中にあるという、こういうことを踏まえまして、ほかの産業と同一な物の見方では当然いけないだろうと思いますし、しかし、農業政策だけが孤立して、独立してあるものではございませんので、その点は私どもも十分に理解できるところでありますけれども、余り国民的、国際的視野云々なんというむずかしい言葉を使って、何か物新しいような言葉は慎んでいただきたいものだと、こう思うんです。  同僚委員からもいろいろお話がございましたのですが、食管法のお話がございました。農地法についても、大臣は、農地の流動化、これを図る大切な時期に来ているじゃないかというお話もあったようでありますが、確かに大規模経営といいますか、農業のあり方として一つの問題ではあるわけでありますが、具体的にはまだ固まっていないだろうと思いますけれども、基本的な考え方、そうして今後の法案との関係等について、概略で結構ですが、お尋ねをいたしておきたいと思います。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 農地制度につきましては、現在農政審議会におきましても検討をいたしている段階でございます。要は、お話のございました規模の拡大に現在の農地制度上検討をすべき問題はないか。特に、最近におきましては、所有権移転を通じます移動が非常に困難な状況から、賃借権あるいは利用権の流動化を図るという観点から、新しい流動化対策を現在模索しておる段階で、準備ができましたらまた通常国会へ関係の法案を提出いたしたい、こういうふうに考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 土地をめぐります問題につきましては、非常に農業の基本にかかわる問題でもございまして、これは各界各層それからまた、それぞれ実際農業に携わっている方々と十分な合意を得た上で物事を進めませんと、これは大変なことになるかと思います。具体的なことについてはお話はなかったようですが、しかし、通常国会云々というお話もございましたので、大分この問題点が集約されているのかどうか、その辺の進みぐあいはどうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 現在の進行状況を申し上げますと、先ほど申しました農政審議会におきます検討とあわせて、農地制度研究会というのが構造改善局にございます。ここで、ただいま申し上げました農地法自体が基本的な法律でございますので、慎重を期しまして各界の意見を求めておるのが現段階でございます。方向といたしましては、先ほど申しましたような今後の利用権をめぐります流動化対策をいかに図っていくかというような観点から、現行の農地制度並びに利用増進等の諸事業を中心にしました規模の拡大ないしは地域を中心にしました土地の集団的な利用の方向を現在検討をしておる段階でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この問題については、時間もございませんから長い論議はまた後日にしますが、いずれにしましても、ひとつ慎重を期して、それに対して私どもまたいろんな角度から検討していきたいと思います。   〔理事片山正英君退席、委員長着席〕  次は、ことしも秋口、春先、まあ秋は特に台風がひどかったわけですが、その被害も相当額に上っておりまして、せっかく一年間育てた農作物が大変な被害を受ける、農作物だけではございませんで、果樹また漁業、林業、それぞれ被害を受けておりますが、この過日来の災害に対しての激甚の指定とか、それからまた今回は長雨が続いたということで穂発芽の問題も起きまして、農水省としましてもこれに対する対処ということでいろいろ打ち出していらっしゃるようにも思いますが、この災害に対しましての激甚災等の指定等についての問題と、それから穂発芽等につきましての五十四年度産の規格外玄米、限度数量内で買い上げるという規格外米についての対処も現在どこまで進んでおるのか。こういうふうにしましたということは大体私ども聞いておるんですけれども、現実には、どこまでいま実際には買い上げ等についての問題が進んでおるか、こういう現状をお聞きしたいと思うんであります。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) お答え申し上げます。  台風二十号の被害でございます。十月十七日から二十日にかけましたこの台風の被害は、全国的に農林水産業関係でも大きな被害が発生いたしまして、被害の状況を簡単に申しますと、野菜、果樹、水産物を中心にいたしました農作物等の被害が約四百二十二億円、農地、農業用施設、林地を中心にしました施設関係の被害が約千四十億円、合わせて約千四百六十二億円という額に達したわけでございます。これに対しまして、今回の被害がきわめて甚大であるという状況にかんがみて、天災融資法の発動、激甚災害法の発動ということで十二月、今月の四日の閣議で決定しまして、本日七日に公布、施行することになりましたので、この点を御報告申し上げます。  なお、農地、農業用施設あるいは林地等の施設災害につきましては、早期に査定を実施いたしまして復旧に努めさせております。二次災害防止のための緊急治山事業も実施しておるところでございます。  特に御指摘のございました穂発芽によります規格外米の発生につきましては、自主流通米といたしまして卸売業者等に販売する道を開いておるところでございます。そのほか、特定低品位米といたしまして流通の円滑化に努めるよう指導もいたしておるわけでございます。あわせて、農業共済制度におきましても、これら穂発芽によります被害粒として共済金の支払い対象とするという損害評価の特例も講ずることにいたしておる次第でございます。その他、自作農維持資金の融通とか、既借入金制度の条件緩和あるいは農業共済金の早期支払い等の措置を講じまして万全を期している次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 農林省でいろいろ対策を講じているのは私どもいろいろお聞きいたしておりますが、それは農協を通じてまた具体的に個々の農家に対しての対処はいただくのだろうと思いますが、その徹底方を図って早期に対処していただきたいものだと思います。  それから果樹ですね、果樹共済。ことしも果樹は相当被害もございました。果樹共済の実態はどうかということで私も各地回りましたが、やはり非常に少ないようでございまして、非常に不評を買っておるわけでございます。これも四十三年に試験的に始めて四十八年から本格的にこれを始めたわけですけれども、やっぱり災害に対処しての災害収入方式といいますか、こういう形のものがやはり考えられなければ果樹農家もなかなか入れないのではないか、こういうことで、この果樹問題については、果樹共済については今日まで私も委員会で何度か申し上げておりますけれども、やっぱりこれ一つの検討するときに来たんではないかと思いますが、どうでしょうか。担当の方いらっしゃいませんか、ひとつ簡単でいいから。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 果樹共済についてはいろいろ問題がございます。加入率等あるいは逆選択等の問題がございまして、必ずしも有効な機能を果たしていないという御指摘がございます。そうした意味で、現在果樹共済をめぐります基本的な問題を見直しておりまして、制度改正を急ぐように現在検討しておりまして、でき得べくんばこの改正制度につきましても通常国会にお諮りして今後の対策に処したいというふうに考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 果樹も最近は非常に被害額も大きい、そういうことで、ぜひひとつこの制度の見直しというのは、地元でもいろいろ言われておりますし、せっかく制度ができましても、加入率が非常に低いというこういうことでは制度は生きているとは言えませんので、ぜひひとつ積極的な検討を加えていただきたいものだと思います。  過日、農水省から九月の農家経済の収支、農家統計が農家経済の収支について、九月の発表とともに四月から九月の上半期について発表がございましたが、五・九%農家の経済収支が落ちておる。その理由としてはいろんなことが挙げられておるわけでありますが、前年同月比で三万六百八十五円、二五・一%、大幅な減少、農家収入が減っておる。そういう一方では配合飼料がトンで一万円、それから円安とか原料とか船賃の値上げとか、それから全農からも農薬七・三九%の値上げ、農機具メーカーから三・五〇%の値上げ、こういうように諸物価の高騰に続きます重油及び軽油等燃料の値上げ、こういうことが軒並みにあるわけであります。短期的に対処しなければならないことと長期的に見なきゃならぬことといろいろあるかもしれませんが、いずれにしましても、農家経営が現在非常に大変なところに、統計から見ましても非常に厳しい状況の中にあるということは農水省としても十分に御認識をいただいていると思うのでありますが、そういう中で、ミカンの出荷調整とかまた豚肉の低落、こういうことで需給調整対策、こういうことも叫ばれておるわけであります。一方では、ソ連の小麦の不作等で、大量買い付け等によりまして世界の穀物が高騰しておる。先行きまことに予測というのは非常にむずかしい。長期的に見ましても、現状を見ましても、日本の農業というのは決して安からざる現況にあると私どもは厳しく見ておるわけでありますが、こういう中で、いままでのように円安、円高の時代とは違いまして、日本の貿易収支も赤字の傾向に転落をいたしておるようでございまして、安い穀物をどんどん輸入するという、こういういままでのような日本の環境ではなくなってきたようであります。そういう中で日本の農業をどう見るかということは、どう見守っていくか——先ほどお話ございました、農水省は農家の立場に立って希望の持てる農業ということでありますが、これ非常に短期的に見ましても長期的に見ましても楽観する要素というのは一つもない、こういう非常に厳しい状況にある。こういう中で、いま減反を初めといたしまして、豚肉の問題も非常な問題として地元では血の出るような叫びを叫んでおるわけでございまして、対処、対策を願っておるわけでありますけれども、政府としましても今日まで何もしなかったということではないのかもしれませんが、そういう非常に厳しい環境の中にあることを十分に認識して、新しい大臣のもとに対処していただきたいと思うのであります。政務次官のひとつ御所見をお伺いしておきたいと思います。

糸山英太郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(糸山英太郎君) 先生の言われたことは御趣旨ごもっとものことでございます。鋭意一生懸命努力して、大臣を補佐してやっていくつもりでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 短い言葉の中に実は深い意味があることを私は確信をいたして、話を次に進ませていただきます。ぜひひとつ、これは私が言うのじゃなくて、現況認識は同じだろうと思います。大臣にも十分にひとつ意のあるところをお伝えいただきまして、きょう各委員からいろいろお話ございまし諸問題につきまして、私も時間もございませんから長いお話はできませんが、これは通常国会になりましたらたっぷり時間をいただきまして、みっちりひとつやらしていただきたいと思っております。よろしくお願いします。  先ほど同僚委員からもお話あったわけでありますが、このたびの内閣が発足するに当たりまして、綱紀粛正ということが一つの内閣の大きな柱になっておるわけであります。各大臣が異口同音に綱紀粛正を誓い合ったその舌の根も乾かないうちといいますか、農林省にも大きな問題が持ち上がってまいりました。先ほどこの問題についてのお話もございましたが、農林省の最大の特殊法人であります中央競馬会、ここから問題が起きておるわけでありますが、私もちょっと一点だけお伺いしておきたいのであります。  中央競馬会では全国に十七ヵ所の場外馬券売り場があるわけですけれども、そのうち十五ヵ所、これ持ち主は、民間業者に賃貸しておるわけでありますけれども、これは総額どのぐらいになりますか。  それと、もう時間がありませんから一遍に言っておきますが、場外馬券売り場の建設についての施設業者に対する建設協力金、こういう名目で多額の金が貸し付けられておるわけですけれども、その総額は幾らになって、この返済条件とか金利とか、こういう条件は一体どういうことになっておるのか、この間のことについてお伺いをしておきたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 場外馬券の施設の賃貸料につきましては、いまちょっと書類を改めておりますので、後ほどお答えいたします。  二つ目の建設協力金でございますが、これにつきましては、何か競馬会の特別のもののようにいろいろ報道されておりますが、実は建設協力金というのは、民間でもビルを建設する場合、一般的に行われておるものでございます。それはビルを建設しようとする者が建設資金を確保するために、ビルに入居するテナントから長期低利の資金を借り入れるというものでございます。競馬会におきましては、いま御指摘のような場外馬券の発売所の新設の際に、この建設協力金を貸し付けをしておるわけでございます。  競馬会の場合の貸付条件でございますが、その金額は建設費の最高二分の一以内。民間の場合は七〇%程度が通例でございますが、競馬会の場合は五〇%以下。それから貸付期間は五年ないし十五年を原則といたしております。その返済につきましては、据え置き期間を三年ないし五年設けまして、その期間経過後残余の期間につきまして均等年賦返済といたしまして、金利は二%を付しております。民間の場合は通常は無利子ないし一・八%というもので、貸付条件としては民間よりかやや厳しい貸付条件になっております。貸し付けをいたしました協力金の保全対策といたしまして、貸付先が保有しております不動産に一番抵当を付するということで実施をいたしております。それから、協力金を支出した場合には保証金及び敷金は出しておりません。したがいまして、別の言い方をいたしますれば、通常の賃貸借の場合の保証金ないし敷金に相当するといってもよろしいかと存じます。  なお、競馬会における決算上の処理は、貸借対照表上その他の固定資産として取り扱っております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 もう時間がありませんのでお話しできませんが、いまお話しの賃貸料、およそ大体六十何億ですか、条件もこれは会計検査を通って法的には問題ないということなのかもしれませんけれども、五年間無利子、据え置き、二%ということですから、協力金というのも、いまのお話だとこれはもう何事もないなんというお話ですけれども、協力金というものの性格とか、こういう民間、ほかの金融機関といいますか、ほかの場合と兼ね合わせてみまして、ここの条件というのはちょっと異常なぐらい条件はよ過ぎると言わなければなりません。これは法律的には問題にはならないかもしれませんけれども、こういうやり方で物事を進めているというところに、やっぱりどうしても甘さ——それは先ほど同僚委員からお話がありましたように、天下りとかいろいろなことの中で厳しく物を見ていけないという要素が出てくるのじゃないか。これは他との比較でも、比較して云々するわけじゃ決してありませんけれども、やっぱりもう少しこういう中での特殊法人としてやっているこういう事業に対しましては、厳しく見ていく姿勢が必要ではないかと私は思うのです。この点について、最後に一言、ひとつ政務次官の御所見を承って私は終わらしたいと思います。

糸山英太郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(糸山英太郎君) 着任早々でいきなりこういう問題が出てまいりまして、非常に私も残念に思っております。ただいま先生が言われたとおり、あるいは以前先生が言われました役人の天下りあるいは同じこういう綱紀粛正の折に、こういう全く残念なことが出てしまいましたが、これは一応警察の手が入っているわけでございますから、その方法を待って、もしそれについて不正があるならば、これは正々堂々と公にしなければならないことだと責任を感じております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 まず最初に軽種馬問題についてお伺いしたいと思います。  軽種馬、御承知のように生産過剰になっておりまして、五十一年以降自主的な生産調整に努力をしてこられておるのは御承知のとおりだと思います。しかし、その金融面は非常に逼迫をしております。もうそちらにも軽種馬生産農家の経営安定に関する金融措置に関する要請書というのが届いていると思います。で、特に本道におきましては、その歴史的な、また気候的、土地的な条件の中で日高が主体となっておりまして、生産頭数全国八O%を占めておりますし、地域農業の基幹作物となっているわけでございます。しかし、先ほどの非常に金融が逼迫しているというような中で、その人たちの願いというのは、一般農家並みにこれも一つの農業の基幹作物と見ていただけるのならば、当然のこと、一般農家並みに公庫資金を借りられるよう適用の拡大というのを一番願っているわけでございます。政府内でいろいろ御検討していただけていると思いますけれども、軽種馬農家だからということで一般農家と差別をつけられてはこれは問題だと思うわけでございます。  また、軽種馬農家というものの生産の現状、これは一体どうなっているのかということが、日高の軽種馬農業協同組合、それから北海道など協力いたしましていろいろ数字が出ているわけでございますけれども、資金の需要の見込みというのはどれぐらいかと、ここで調査されましたのを見ますと、約九十億でございます。一戸当たりにいたしますと、約一千万にも上るというようなことになっているわけで、非常にいままでも自分で努力をしながらも、もうこれから先の打開としては大変な経費のしょい込みをしているわけです。先ほど申し上げましたように、何とか公庫資金の道を開いていただきたいという切実な要望でございますので、その辺について御検討いただいていると思いますが、その状況をまず伺わせていただきたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 軽種馬生産農家の状況にかんがみまして、関係団体から私どもの方に要請が上がってまいっております。われわれといたしまして現在検討をいたしております段階でございますが、軽種馬生産につきましては、いまお話しのように過剰生産基調にございます。五十二年に生産調整のための措置を講じてまいったのでございますが、しかし、過剰基調というのはまだ消えていない。それが一つと、それから生まれました子供の価格が非常にばらつきがあるというようなことから、経営指標というものが非常に策定しにくいという状況がございます。で、これを制度金融にのせる場合にそういったことが問題事項としてあるわけでございますが、そのほか、経常改善を図るために検討すべき課題もなおございまして、一般的に言いますと、制度資金の対象にすることについてはそういった問題点はございますが、今後関係機関と協議をしてまいりたいと考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いろいろの問題を御検討いただいていると思いますけれども、その問題の中に、たとえば農業者年金基金の融資という問題はどういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。地元といたしましては、せっかく農業者年金に入っていながら融資が受けられないということではこれはひどいじゃないかというようなことで、これも非常に農業者年金基金の融資を切望しているわけでございますので、これもひとつ御検討の重要な課題の一つとして検討していただきたいと思うわけです。  それから、御検討していただいておりますけれども、大体いつごろと——五十五年度をめどにというふうに考えさせていただいてよろしゅうございましょうか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在内部検討を行っておりまして、その一応の方向が出た段階で関係機関と協議をしてまいりたい。これは五十五年度にどうするかということで検討をしておるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いま申し上げました農業者年金基金の問題についても入っておりますか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 制度資金の中に含めて検討をいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 その中でもやっぱり一番大きな問題としては、固定化負債が大きな問題になっております。農協や一般市中銀行の長期、短期の資金を借りての苦労があるわけでございます。調整に当たりまして、昭和五十二年でございましたが、淘汰した廃馬一頭当たり二百万円の資金が出されて、その資金の八七・九%が負債の借入分に使われていたというようなことでございました。中央競馬会がこうした形で生産者への援助をやることは、年々競馬レースの賞金額に占める生産者への還元率が低められているというようなときでございますので、大いに考えられていいはずだと、こういうふうに思うわけでございます。こうしたものを含めて、固定化負債の解消の道をぜひ御検討いただきたいと思うわけですが、いかがでございますか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 軽種馬生産農家の資金状態につきまして、なお詳しく調査検討しなければなりませんが、現在の状況からいたしますと、外見的に見ますと生産された子馬の価格は最近上昇してまいっております。そういう状況がある中でどのように資金状況がなっておるかということを検討をいたさなければならないと考えております。価格の動向等を見ながら経営の実態の把握に努めてまいる、そういう考え方でおるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いま申しましたように、中央競馬会は非常にたくさんのお金が入ってくるようでございますので、ぜひそれも生産者へ還元するという立場での方策というものを考えていただきたいということを重ねてお願いをしておきたいと思います。よろしいでしょうか、それは。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 前回、五十二年に措置いたしました場合の資金の、基金の造成は、中央競馬会とそれから地方競馬全国協会両者でいたしております。いまの御趣旨を念頭に置きまして検討をさしていただきたいと思っております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 ぜひよろしくお願いをいたします。  大変時間がございませんので、次々移らしていただきます。  韓国漁船の問題についてお伺いしたいと思います。水産庁長官、韓国漁船の問題についてはけさ方からいろいろ問題が出されておりましたので、重複を避けまして、具体的な問題だけをお伺いしたいと思いますけれども、自主規制というものが出されまして、一つのこれは明るい解決の道につながるかなと、そう思うわけでございますけれども、いままでの例から見ましてこれは決して明るい見通しは私は持てないと思うんでございます。長官としてはこの点はどういうふうにごらんになっていらっしゃいますでしょうか。被害の減少が期待できるのか、資源は守られるのか、これで相当の効果があるというふうにお思いになっていらっしゃるんでしょうか。簡単に一言でお答えをいただきたいと思います。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 今回の自主規制におきまして、沿岸漁民の安全操業でありますとか、漁具被害の減少等にある程度の効果はあると思いますが、しかし、これではまことに不十分であるというふうに私たちは考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 長官おっしゃいましたように、この間私も地元をずっと回ってきましたけれども、非常に反応は冷やかでございます。なぜかと申しますれば、日本海の武蔵堆、それから北見大和堆、釧路沖の好漁場というものには触れられていないという点や、それから期限つきでございますね。そうすると、この期限つきというのはもう過去に日韓話し合いでも話題になりましたけれども、日本側が根本的な解決にならないとけったものでしかないじゃないかと。それからまた、資源を守るという立場から言っても、十二月から一月のスケソウというのは、産卵で接岸をしてまいりますので十二海里以内に寄ってまいります。そうすると、この二ヵ月間操業禁止と言っても韓国側には全く痛くもかゆくもないというような問題でございます。  それで、十一月十八日、御承知のように砂原の漁協などの方たちが海上デモをやりまして投石騒ぎが起きましたですね。ちょうど私砂原の方にも行きまして漁民の方々とお話し合いをいたしましたら、私が水産庁長官か農林水産大臣みたいな立場に立たされて、大変な攻撃を受けました。これは漁民の感情からして私は当然のことだと聞いてまいりました。韓国漁船に投げられた石というのは、決して韓国漁船に投げられたのではなくて、本当に日本の農林水産行政は一体どうなっているんだと、どうしてくれるんだろうというようなその怒りのあらわれではなかったかと、こう思うわけでございます。民間交渉が九月二十八、二十九というふうに札幌で合意されまして、いろいろこれまた夜間操業をやめるとか、日本側が監視船に連絡をして、そして韓国の当番船のルートで連絡するとか、一連の番号をつけるとか、いろいろ確かに前進の面があったと思われますけれども、九月二十八、二十九日で合意したにもかかわらず、その後十月、十一月と実に五十六件、千七百六十二万二千円というような被害がついに出てきているわけでございますね。そういたしますと、これはなかなか民間協定、そして自主規制で期待するということでは、先ほど長官おっしゃったように、非常に不十分だというふうに言わざるを得ないと思うわけでございます。  それで、ことしを見ましても長官会議というのが三月に行われまして五月に行われましたですね。やっぱり民間に任せておくわけにはいかない。これはここのところはひとつ政府が責任を持ってという立場になろうかと思います。  長官今度また訪韓なさる御予定と承っておりますけれども、いつごろ訪韓なさいまして、そしてその会議の中では、何を具体的に詰めてどういうふうな成果をもたらそうというふうに御準備なさっていらっしゃいますか。お伺いさせていただきたいと思います。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 私も長官に就任以来、できるだけ早く韓国と話し合いをいたしたいと思いまして向こうに連絡をいたしておったのでございますけれども、御存じのような政変その他ございまして、また、向こうも水産庁長官がかわりましてなかなか機会を得ませんでしたが、来年の一月の二十日ごろ韓国に参りたいと思っております。大体向こうもその時期は都合がいいようでございます。  その際に私の主張いたしたいことは、北海道の漁民の方々が、自分たちの資源を大切にするという観点からオッタートロール禁止ラインを設け、あるいは先ほど話がございました大和堆の禁止区域を設けて資源を守っているわけでございますから、あるいはまたオッタートロールの操業できる区域内につきましても、禁止期間を設けましてその間は操業しないというふうなことをいたしておるわけでございますから、韓国漁船におきましても、北海道漁民がそういう操業をしておるという、そういう操業の仕方をしてもらうということを強く主張いたしたいと思っているわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 本当にこれは北海道の漁民にとってはいつまで待たされるのかということで非常に深刻な問題でございます。そこで やっぱりこれは政府の姿勢というものが相当影響してくると思うのですけれども、先ほども川村委員が御指摘くださいましたけれども、五十二年の四月二十七日、農林水産委員会で私この問題を取り上げまして、時の鈴木善幸農林大臣が、この問題は非常に早く決断もしなければならないというような姿勢でございました。その中の答弁でも、日ソ間協定が結ばれ実施される段階までに日韓の協定もぜひ成立させるよう最善の努力をしたい、こういうふうにお考えを述べられているわけでございます。やはり政府の決断の時期であるというふうな御趣旨も発言をなさっているわけでございますので、やはり本当に政府の決断の時期でございます。  先ほども出ましたように、少なくとも日本側の漁船をオッタートロールの規制をしているところくらいは当然のことでございましょうし、五条による発動ということも考えられなければならない。やはり決断をしていただく時期が来たと私はそう思うのでございますが、いかがお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 五十二年の四月二十七日に本委員会におきまして、小笠原先生が御質問のありました議事録を私もよく読ましていただいております。  そこで、政府といたしましてその後鋭意努力をいたしてきたわけでございますが、なかなかその成果が上がっていないということにつきましてはまことに遺憾でございまして、私といたしましても全力を尽くしてこの問題の解決に当たりたいと思っております。  決断をして五条二号を発動すべき時期ではないかという御質問でございますが、御存じのように、五条二号は、日本国政府が一方的に告示をいたしまして発動いたしますと、そこからは全部韓国漁船を追い出せるわけで非常に効果があるのでございますが、これを実施をいたすということになりますれば、恐らく韓国もそれ相応の措置を講ずるという問題も出てくると思います。非常に極端に言いますと、日韓の現在の漁業協定の破棄問題ということにまで発展する可能性をもっております。その辺のところをある程度見きわめていかないといけないでありましょうし、また、政府間協議をさらにもっと精力的にやって実効が上がるように、そういう面から努力をしていきたいと現在考えておるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 ぜひ、何年もまた待たされるというようなことのないように、けじめをつけてきちっと時をはっきりさせての解決ということをみんな期待しておりますので、御苦労でございましょうけれども、成果の上がるような訪韓、そして会談の内容にしてお帰りいただきたいと思うわけでございます。  最後になりましたが、米の生産調整の問題についてお伺いしたいのですけれども、直接これは大臣にお伺いしようとは思っていた問題でございますので、その大臣の部分はまた後に譲りたいと思いますけれども、御承知のように、北海道は大変な転作の減反率というようなことになりまして、四三・六%というような数でございます。北海道の農民にとりましては、本当にやり切れないどころか、もう怒り心頭に発するというような事態だと思うわけなんです。  御承知のように、米というのは暖かいところの作物だと、しかし、これは食糧事情の中で北海道でもぜひつくれというようなそういう国策に沿って、もう開拓の時代からのその苦しみというのは大変なものでございました。その間にも三年に一回は冷害があるというような中でいまのように米作を発展させてまいりましたし、また、この減反の問題が起こりましたときも、北海道は非常によく協力してきたという場所だと思うのでございますね。本当に農民の方々は信頼して協力をしてきたのに、協力すればするほど上積みが重くなって、そしてあげくの果てには、そのときの農林大臣は、北海道の米は犬も食わないやっかい米だ、などという発言が出てまいりますし、それからまた北海道から農林大臣がお出になって、さあ、少しは北海道は考えていただけるのかと思いましたけれども、さっぱり北海道は考えられていないということで、ぎりぎりのところまでいま追い詰められているわけでございます。そういう中で、じゃ米でなくてもいいんだと、われわれは協力をいたしましょうと。じゃ、どうすればいいんだろうかということで、いろいろ転作をいたしましても、先ほどから申しますようにそれでは農家の収入は賄えないと。じゃ、酪農をやれと言われて酪農にいったけれども、今度は余り乳だと。赤い牛乳をつくりまして、牛の子供が牛乳を飲んで、人間の子供は脱脂粉乳を飲まされるという大変な事態も起こっているというような状態。じゃ、今度は豚はどうだと。豚もとんとんでございます。とんとんどころか、もう死ななきゃならない、もうだめだ、とんとんだというようなことで一体どうなるんだということなんで、この問題について私はここで御所見を伺っておきたいと思うんだけれども、本当に北海道の農民がこれから先展望を持って、どうやっていけばいいんだというようなことを、具体的に農民に向かってお話しくださるような一言をいただきたいということでございます。  それから、これは大臣がいらっしゃらなくて無理だとすれば、それはそれで後にいたしますけれども、具体的に今度はタマネギの問題です。このタマネギも大変今度は生産過剰になりまして、これもまた輸入との関係でいま押されまして暴落をいたしまして、これまた大変な問題になっております。具体的にはタマネギの問題をどういうふうに対処していこうとお思いになっているか、その辺のところを——時間がもうないんです、一分くらいで簡単にお答えいただきたいと思うわけでございます。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 北海道農業の今後の展望をどう考えるかというお尋ねでございますが、北海道農業につきましては、これは何といいましてもやはりわが国の食糧の重要な供給基地であるというふうに認識しておりまして、非常に大きな役割りを持っておるわけでございます。したがいまして、今後ともこの役割りというものは変わらないというふうに思っております。したがいまして、農業生産の再編成の重要な一翼を担いながら、恵まれました土地資源等を十分に活用していただきまして、生産性の高い農業を展開していただきたいというふうに考えておるわけでございます。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 御指摘がございましたタマネギの問題についてお答え申し上げます。  本年度の道産タマネギは、実は昨年対比で反収が一三六%という異常な豊作の水準になりました。約十二万トン……

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 時間ないから現状はいいです。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) そこで輸入の問題でございますが、昨年、タマネギの輸入は十万トンあったわけでございますが、本年は大体二万トン程度まで抑制される見込みでございます。しかし国産自体が過剰でございまして、この過剰対策は現在道及び農業団体と調整中でございまして、市況の回復に一月以降努めたいと思っております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 時間がないからこれでもう終わります。あとはまたの機会にゆっくりいたします。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 私も時間が余りありませんから、まず、大臣が留守なので政務次官に御答弁願いたいと思います。  先ほども話がありましたように、今回の日本発馬機事件は、健全な競馬の発展を願っている全国の多くの競馬ファンの期待を裏切るもので、日本中央競馬会の監督責任を持つ農水省の責任はきわめて重大である、こう思います。当局によって乱脈な経理問題を指導されているのは、中央競馬会が出資している日本トータリゼータ株式会社、共栄商事株式会社、日本競馬施設株式会社などがあるわけでありますが、いずれにしましてもこれらの最終の責任は、御承知のとおり毎年大臣に事業計画を出し、また収支の決算を大臣に報告しておるわけでありまして、したがって、これらの事業が平常これらの監査を十分にやるならば、世間がこんなに騒ぐほどの大きな問題にもならなかったろうと思うんです。  そこでごく端的ですけれども、これらの問題の一つには、事務が非常に細分化されておる、競馬会の下にたくさんな法人あるいは会社等がありますが、これらがありまして、そうしてそれがトンネルになったり何かして、非常に今日経理が乱れておるわけであります。ですから、この関連会社あるいは関連法人のあり方などについて、統一的な基準を明らかにすべきではないかと、こう思うわけですが、いかがですか。簡単に願いますよ。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 事務的なことでございますので、私からお答えいたします。  中央競馬会の今回の事件につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、監督の立場にあります私どもとして大変遺憾に考えておるわけでございます。いまお話しの中央競馬会の業務あるいは経理について、あるいは関連会社との関連についての御指摘でございますが、御承知のように、中央競馬会では巨額の金額を取り扱っております。それから競馬は多数の競馬ファンが集合する中で寸分のミスを許されない形で実施をいたしておりますので、常時厳正にこれらが行われる必要がございます。中央競馬会としても努力を重ねてまいったのでございますけれども、農水省といたしましても、そうした見地から厳正に業務監督を行ってきたところでございます。しかし、残念ながら今回のような事件が発生をしたということで、この事件を契機といたしまして、中央競馬会に対しましては、農水省といたしまして今回の事件そのものの事実関係の究明に努めて、その解明を待って所要の措置をとり、さしあたって、こうした事態の再発を防止するために、競馬会が出資をしておる法人との関係につきまして点検を行って、必要な場合には改善措置をとるように指示をいたしたところでございます。今回の事件を契機に、競馬会に対する批判の目が向けられておるわけでございますが、それに十分こたえ得るように措置していかなければならないものと考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 局長のいろいろ答弁は熱心なんですけれども、ふだんの監督にそのような熱心があったらこういう問題は起こらぬと私は思うのです。  御承知のとおり、中央競馬会の剰余金というものは非常に莫大なもので、第二国庫納付金を納付した後でも、昭和五十二年度では二百九十三億六千六百万、五十三年度では二百五十七億に達する純利益を計上しておる。しかもこの積み立てしたこれらの特別の積立金というものは、実に二千百九十四億円にいま達しているのです。農林省が何か事業をやるにしても、百億要求するにはこれは大変な大蔵省との折衝をやらなければならぬ。ところが、競馬会はどういう事情があろうとも莫大な積立金を今日持っているわけですね。だからこういう点でも、積立金以外にもいろいろ支出があるわけで、これらは後で私は詳しく調べたいと思うんですけれども、これらが資産の購入に充てられていると説明されているんですが、全額資産になっているとは考えられない。流動資本の、つまり現金として残されていることは明らかだと思うんです。第二国庫納付後の剰余金は特別積立金として法律に明記されたものでありますが、その会計運用基準は明確でなければならぬと思うんです。この運用基準を制定する必要があると思うんですが、この点はいかがですか。  それから中央競馬会は全体としては国民の財産です。不正の防止を図るために、収支計算書、財産目録、それから貸借対照表、損益計算書並びにこれらに関する説明書を公表して、そうして問題が起こらぬようにはっきりと責任ある態度で世間的に公表するということが必要ではないか、こう思うんですが、この点はいかがですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 特別積立金につきましてまずお答えをいたしますが、特別積立金は、剰余金の二分の一、これが国庫納付金になります。それから、損失補てん準備金の積み立てにも充てられまして、その残りが積み立てられた積立金でございます。  御承知のように、中央競馬会の会計経理は企業会計方式によっておりまして、事業年度ごとに損益の計算を行っておるわけでございますが、損益計算上算出されます剰余金は、当然それが固定資産に化体をされておるものが大部分でございまして、競馬会の資本金は四十九億でございますが、競馬会が現在持っております競馬場の施設等はそれを超えるはるかに膨大なものでありまして、それは特別積立金によって賄われておるという形になっておるわけでございます。  それから、財務処理についての基準、会計処理上の基準というのはつくっております。先ほど申し上げましたような巨額の金を扱うということから、厳正な処理が要請されております。そのための努力も行っておりますが、なお一層努力をして、財務処理上の取り扱いが明確に行われるように指導をしてまいりたいと存じます。  それから、決算書等の公表をしたらどうかという御提案でございますが、競馬会の会計決算につきましては、検査院の検査を受けて適正に実施されております。  それから、競馬会の決算の公表につきましては従来からこれを明らかにしておりませんが、競馬会におきましては、各種の取引先も当然あるわけでございまして、その決算内容のすべてを明らかにするということはなかなかむずかしい問題が含まれますが、その要旨等について必要に応じて内容を明らかにすることは従来もやっておりまして、今後も続けてやってまいりたいと考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 次の国会までに若干資料を要求しておきたいと思うんです。  まず第一に、中央競馬会が直接出資しているもの、子会社となりますか、そういうようなものの、この前役員の名簿は皆もらいました。しかし、そこにどれだけの職員がいるか、職員の数ですね。もしくは従業員といいますか、そういうものと職員と別々の場合は、これらの従業員の数をひとつ調べて報告していただきたい。  それから、剰余金のいろんな運用基準、これがあるはずでしょう。そうすると、これの運用方法や、これのいろいろなそれに伴う運用したものの内容を、大まかで結構ですから、これをひとつ提出してもらいたいと思うんです。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 競馬会の出資をいたしました会社、法人につきまして、いまお話しの職員の数、業務内容の要旨については御提出をいたしたいと存じます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 それでこの問題は打ち切ります。  次は林野庁関係ですが、マツクイムシの問題について若干お尋ねしたいと思うんです。御承知のように、去年は大分気候が暖かい、あるいは暑かった、干ばつなんかもあったというので、かなり被害が出ましたが、一体ことしは、五十四年度は最終がいつになりますかわかりませんが、どれだけの被害面積があるか、どれだけの容積が被害を受けておるかということについて、ちょっと数字をお聞きいたしたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) お答えいたします。  五十三年度の年度全部を集計いたしますと二百七万立方でございます。五十四年度におきましては、九月末現在で中間的に取りまとめた数字でございますが、約百四十九万立方でございまして、面積は民有林が五十三万ヘクタール、国有林が二万ヘクタールでございます。なお、この被害量は、昨年同期に比較いたしますと約一割の増ということに相なっております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 そうしますと、これは大変なことになるんですね。林野庁が昭和五十二年二月にお出しになった新しく空中防除をやる場合の趣旨説明の中に、被害材積が百万立方メートル。これは住宅建設で木造住宅の——これは材質も松とか杉とかなんとかでいろいろ平均にはとれませんけれども、五万戸分に当たるということを書かれておるわけですね。そうすると、去年あたりを見ますと二百ですか。そうすると倍ですな。そうすると五万戸でなくて十万戸。ことしにしましても、九月で百四十九万、百五十万ですから、大体七、八万戸近い家が建つわけですね。それだけ大きな被害を受けているんですから、これは何としても試験所やそれから農林当局、それから地方自治体等々が全力を挙げてこれを食いとめなければならぬと思うわけです。  しかし、このマツクイムシの問題については、林野庁が当時、マツクイムシの被害発生のメカニズムについては近年ようやくこれは解明されて、そして薬剤空中散布による防除がきわめて効果的であることが実証されてきた、それで、これを実施することにより、マツクイムシ被害を終息せしめる見通しが得られるに至った、こう五十二年には書いておられるわけですよ。しかし、その後、皆天候のせいになりますけれども、どんどん被害が増大しておる。そうして去年は二百万を超す。ことしは百四十九万、これは九月ですね。こういうように莫大なものになっていますね。ですから、これは全体としまして日本の国土の資源というものは、御承知のとおり、松ばかりではありませんが、杉やヒノキその他もありますけれども、とにかく森林資源というものは、国土のわりには森林資源が非常に多いのですけれども、しかし面積から言い、その収量から言いますと、そう大きくないわけですね。だから、どうしてもこういう問題に対して私はもっと改めて、こういう問題の世論を喚起する、また努力するということが必要だと思うわけです。  ですから、ことしもマツクイムシ防除緊急対策推進協議会というのを知事なんかもつくりまして、北海道を除く全都府県がこれに参加して、そして政府に御承知のとおり要求しているわけですね。そうしますと、この問題についていろいろ私たちも考えるんですけれども、時間の関係でもう質問をぐっと詰めますけれども、とにかくこういうふうにして、ことしのマツクイムシの防除対策等々は主として保安林と保安林の先端、こういう部分を含めておやりになって、しかもマツクイムシの出たのはそういう防除をしないところにたくさん出てきたと言われるわけですね。そうすると、もうこれを本当に早く防除するには、やはり相当な予算をとって、そして一気かせいにやるような、こういうあれが必要じゃないかと思うんです。こういう点で、京都のようなところは、御承知のとおり全然京都府は空中散布はやらぬことになっています。これは景勝の地があり、それからまた現在発生しているのは多く国道の付近であるとかあるいは海岸であるとか、非常に空中散布に適しないところで全部切り倒すと、こういうことを大体やっているわけですね。地上から散布するというきわめて手工業的ではあるけれども、これはまあやむを得ないわけなんです。こういう問題についてことしは相当——これはまだ予算が決まりませんけれども、大蔵省に概算を要求されておると思うんですが、これはどのくらい、こういうところも含めて概算要求で出て、どういう方向でおやりになるのか、それをお聞きしたいと思うんです。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいま先生御指摘のとおり、大変な県あるいは市町村の皆さん方の御努力にもかかわらず、このように被害が発生しておるということはまことに遺憾でございますし、担当といたしましてまことに申しわけない、かように考えておるわけでございますが、いまお話ございましたように、空中散布によります防除効果というのは相当に上がっておるわけでございますが、御承知のとおり、松林の周辺の自然環境でございますとかあるいは生活環境、農業、漁業等への配慮から、実施区域が限定されておりまして、五十四年度の民有林の特別防除、つまり空中散布によります実施面積が約十二万ヘクタールでございます。したがいまして、被害面積の五十三万ヘクタールの約二三%というような実施になっておるわけでございます。  したがって、この特別防除のできません林分につきましては、事後措置ということに相なりますが、被害発生後被害木に付着いたしておりますマツノマダラカミキリの幼虫を駆除する立木伐倒駆除ということをやっておるわけでございますし、また被害が著しい個所につきましては、感染源の防除帯という効果をねらいまして樹種転換等の跡地復旧をやっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、空中散布がいろいろな条件で制約されるという現段階でございますので、五十五年度といたしましては、立木伐倒駆除をもっと徹底してやるという方法しかないということでございまして、実は五十五年度の概算要求でも、特別防除につきましては従来どおりの方針で実施してまいりますが、立木伐倒駆除については大幅に拡大すべく要求をしておるわけでございます。  また、跡地の復旧造林なりあるいは国土保全上問題のある個所につきましては、跡地の治山事業なり、あるいは先ほど先生からお話ございました大量の松材でございますから、なかなか利用ができていないという状況でございますので、これらの利用促進等も含めまして総合的な対策を立てておる次第でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 こういう問題は森林組合あるいはその関係者だけで大体やるようになっているんですけれども、下へ行けば行くほど今日では——やはり都会の近辺であれば、まあ京都なんかは非常に周囲が山で、ここでどんどん松が枯れるというようなことは、京都なんかはいわゆる山紫水明の地ですから皆心配するわけですね。そうすると、やっぱり山を守ろうという近所の人やら、そういう団体とか、いろんなものを入れて、あるいはまた社会奉仕団体なんかもあるんですね、そういうものを切って自分ところのふろでたきたいとかいうようなものもあるわけです。ですから、やる場合に私は一つの方法として、できるだけ末端の市町村で実施するとき、そういう森林業者や学識経験者、あるいは所有者、あるいは防除の技術者、それに地域の人なんかも加えて、そのことをよく発表して、そしてできるだけ民主的に運営する。みんなが責任持つような気心を出さしていくというふうなやり方をやることが一つ。  それからもう一つは、これは一番昨年ひどかった茨城県ではこういう大きな広告を出していますね。(資料を示す)「前略お宅の松やまは元気ですか。」と。これは大きな広告なんですよ。なかなかこういうところはほかにないですね。これも一つの方法ですし、それからもう一つは、林野庁が各市町村に向かって広報紙というものを出していますね、大抵月に一回ぐらいは。そこに、松を食われるとだめになるということは、資源がだめになるだけでなく、人間で言えば伝染病なんですからな。人間ですと、伝染病にかかればすぐに病院に運んで特殊なあれを置くわけですが、こういう松でも一つの伝染病なんですから、こういうことをもっとはっきりと住民に認識させるために、地方自治体でやっているところがあるかもしれませんけれども、できるだけ広報なんかを運用して、そしてマツクイムシがどんなに大きな損害を与え、またみんなが損害を受けなきゃならぬかということを徹底させる、こういうことをひとつ林野庁あたりは、自治省あるいは各都道府県に向かってやられる必要があるんじゃないか、これが一つ。  それからもう続けて言いますが、とにかくさっきも言いましたように、被害の伐倒駆除あるいは空中散布、これらをできるだけ、ちょぼちょぼやるんでなくて、本当に現在の予防法である程度確率があるのなら、大臣あたりも、予算をことしは五十億だけれども今度は百億にする。そうしたら後はうんと減るわけですからな。そうすれば資産としてはこれは非常にまた残るわけですね。そういう点でもう少し予算の運用なんかについて、つまり腹を決めてやるべきときはどっと出す。こういうことをしませんと、ちびちびやっていたんではとても追いつかぬのじゃないかというのが一つですね。  それからもう一つ最後には、御承知のとおり、非常に広いところがあれば山を全部切っちゃって植えかえるわけですけれども、しかしそうでないところもあります。いろいろありますけれども、概して今日日本の山を見ますと、ことにすそ野は、いわゆる里山と言われるものの利用が非常に効率的になっていないわけですね。特に石油、プロパンなんかが入りましてからずっと家はガスに変わっている。それからまた、今日シイタケなんかのほだ木に使うものが、だんだん原木がなくなってきていると言われるんですから、もっと里山をある程度開拓し、そしてこういう松で被害を受けるようなところはだんだん樹種を変えたりなんかして、新しい地域を、分収林なんかをもっと都道府県に造成さして、相当資金も出して、公債なんかも発行さすとか、いろいろな手段をとって私は広げる必要があるんじゃないかと思う。そして、里山というものをもうちょっと一新するような林業政策を、これは地方自治体、都道府県やあるいは市町村なんかが真剣にやれるようなそういう方策に変えるべきではないか、こう思うわけです。  以上四点ばかりありましたが、これに対する御所見を承りたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいま先生御指摘ございました、一つの地域住民が本当にその気になってやるようにもっとやったらどうかというお話でございますが、私どもも全く同感でございまして、地域によりましては、地域住民がどうしてもこの松林を守るということになりますと、所有者もともども一生懸命やって守っておられる事例がたくさんあるわけでございます。しかしながら、この広大な面積でございますので、全部徹底していないといううらみはございますが、今後ともいわゆる他力本願ではなくて、やはり自分たちの環境を守っていくという方向にわれわれとしても慫慂していくということがぜひ必要だと思います。  またそのためにも、ただいま市町村あるいは県段階におきまして広報活動を活発にやっておりますけれども、いま先生のお示しになりました茨城県の例もその一つでございますが、なお、さらにこれも徹底していただくように、私ども政府の広報紙等も通じまして、今後さらにそういう広報活動を活発化していきたいというふうに考えております。  また、お話しのように、予算の問題ももちろんあるわけでございますが、残念ながらこれは前向きの予算ではないわけでございまして、私どもといたしましても、そういうことではございますけれども、事の重大性から、財政当局に対しましてもできるだけこの予算を獲得するように努力をしておるわけでございまして、最も効率的な予算の使用ということが大変大事でございますから、その辺につきましても今後さらに努力をしていきたいというふうに考えております。  また、里山の利用のことでございますが、お話しのように、松でなくても育つところもあるわけでございますから、そういうところにつきましては積極的に樹種転換を図っていく。松でなくてはどうしても育たないというところにつきましては、ただいま育種でいろいろ抵抗性の強い品種の開発も急いでおりますので、これは直ちに間に合うということではございませんが、そういう方面もぜひとも進めてまいりたい。  またそのほかに、お話がございませんでしたけれども、いろいろな防除の技術の開発を、試験場を通じましていろいろな方法をいま研究を進めておりまして、これも急いで成果が出るように積極的に進めてまいりたいと、かように考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 これで後は答えは要りませんが、去年奈良県、それから和歌山なんかをちょっと視察に回ったんです。あそこはもうひどいもので、和歌山なんかはどこもここも紅の山になっているんですね。あそこの農林部長さんなんかも、どうにも手がつけられぬ、しかし松が一本だめになったら十本植えようというようなことを言っておられるんですね。しかし、十本植えましても十本がずっと成長するものじゃありません。成長するには三十年や五十年じゃ本当に大した材木にはならぬわけですね。その一本だめになってもいいから十本植えようというのは、これは勇ましいですけれども、できるだけ一本でも枯らさぬようにやっていくということが特にいま私は必要だと思うんです。だめになったらつくっていくと言ったって、これはもう時間の問題ですからね。そういう地方の農林部長さんもおりました、見解が若干違いますけれども。とにかく、地方の農林関係でもいろいろまだ苦心はしておりますけれども十分でないように私らも見受けるんですね。ですから、こういう点はひとつ徹底して、林野庁が先頭を切って、毎年毎年多くの損失を与えるようなこういう林業政策をもう少し前進させるという意味でひとつやっていただきたいと、このことを申して、終わります。

三治重信民社党

○三治重信君 先日のときに、時間がないものですから、大臣の答弁をよう求めぬで終わっているわけなんですけれども、きょうまた大臣がいないということになると非常に質問の進め方が困るわけなんです。  稲転強化に関連してこの前もお話ししていたんですが、私は、この余剰の水田の利用の仕方というものに対して、農家の稲転のための財政の補償だけでこれをやっていくと日本の農業は滅びてしまうんじゃないか。みんな補助金、金をもらいさえすればいいので、本当に農業というものについて、農業生産に取り組むという姿勢がもう一人もなくなる農家になる。  これは私は、きょう偶然に机の上に乗っていたものだから中身を見ると、なかなかきょうの質問に関連のやつが書いてある。「食糧ジャーナル」という、これは農林省と余り関係のない雑誌のようですけれども、なぜ米が余るか。これはこの中で、結局、米というのは副業農家がつくっている。だから副業農家というのは、したがって一番簡単で一番収入があるからそれはやめようとしない。何だかんだと言ってもつくっている。農家といっても、所得の七〇%はもうほかから収入を得ているんだから、農林省の言うことをそうそう聞かぬでもいいじゃないかというようなことにとれる。  そういうぐあいになってくると、結局そういう第二種兼業農家の農地、ことに水田というものは、やはり農林省の稲転なりあるいは米の購入価格の補償、これが耕地、一定面積当たりでは一番収入が、何というんですか、労を要せずして、苦労しないで収入がある。本当に一生懸命やって苦労して生産性を高めて収入が高くなったりよくなっていくのは、労働者でも農民でもこれはその産業なりその就労による喜びというものが本当に出てくるけれども、そんなに努力しないで所得がどんどん補償される、そういうぐあいになってくると、これは一種の、何といいますか、寄生虫的な存在にならぬとも限らない。  こういう問題を考えると、私はやはり農水省のいままでの農地そのものの利用方法について、いろいろの補助金や施策が出ているけれども、経営というものについて非常に効率が上がっていないじゃないか。その大きな理由は、私は後でまた展開しますけれども、農地法のいわゆる完全自作自営主義、これが非常に災いをしてきたんじゃないか。戦後一時地主から小作農に、自作自営に転換したときには、これは非常に農民の自主努力が上がって生産性が上がった。しかし、これがだんだん拡張経済、長期成長経済に伴っていわゆる第二種兼業農家になって、これが非常に農地の、本当の農地を利用する農業経営ということから見ると、これはほとんど没落過程になってきているんじゃないか。  こういう認識について、基本的に、農地なりこういうものが農地法の現在の基本的な、いわゆる地主自営経営以外は認めないこの農地法というものが、いまの農業経営にマイナスになった作用をしているんじゃないか、こう思うわけですが、それに対する認識をひとつお願いしたいと思います。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) ただいま先生御指摘のように、稲作はほかの農作物に比べて比較的容易に耕作できる、そして収益性も高いということがあって、なかなかこの稲作から農家が離れがたい。兼業農家においても稲作が行われているという実態は確かにあるわけでございます。  私ども、できるだけ中核農家に土地を集積して規模拡大を図る、そして生産性を高めるということを政策の目標といたしているわけでございます。ことに、転作によりまして、稲作に比べて一般的に収益性の低い畑作にこれから入っていくということになれば、その必要性はますます高まると考えております。その場合、農地の集積、中核農家に有効利用を図るようにするためにはどういう手段を講じていったらいいかということの問題の一つとして農地法の問題があるわけでございます。  ただ、私ども、農地の所有権の移動というのは、日本のように国土が狭くて一般的に地価が高い、非常に強い土地需要があるという中では、実際問題としてきわめて困難であると考えております。そして、賃貸借による形での農地の有効利用ということを進めるべきだというふうに考えているわけでございます。その意味では、農地法の中にも、これは四十五年の改正でございますが、単なる、いま先生が完全自作農主義ということで表現されましたが、そういう自作農主義だけを至上の目的とするというのではなくて、農地の有効利用を図るという旨の趣旨が入っております。その後、こういった新しい情勢に対応して、私どもといたしましても、制度の運用、それからもろもろの施策を講じまして、賃貸借による農地の中核農家への集積、有効利用ということを進めているところでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、結局何と言いますか、前の渡辺農林大臣のときにちょっと私が質問をしたときも、いま御答弁のような賃貸借が容易にできるような農地法の改正については賛成だから、そういうことができるようにやりたいというふうなことの答弁があったわけなんですけれども、それは現実に農林省としては現在そのことについて行政措置がどの程度までいま進んでいるのですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 賃貸借を促進する有効な手法としては、実は五十年から発足いたしておりますところの農用地利用増進事業というのがございます。これの成果がだんだんに上がってきている。これは、市町村なり農業委員会が、その地域における農地の貸借関係、貸したいという人もあれば借りたいという人もある、そういう関係を掘り起こしまして、貸し手が安心のいくような形で、期限を切って、そして賃貸借期間が終わった後でも離作料を要求されることのないよういろいろ調整を図って、賃貸借の実現を図るというようなことを進めているわけでございます。これは、実はいわゆる農振法の改正によって行ったものでございますが、この方向を推し進めることが第一ではなかろうか。  そしてそれとの関連におきまして、あるいはまたそれと直接関連があるかないか別問題にいたしましても、農地法自身にも検討すべき問題はないかということで、内部的に事務的な検討を進めているわけでございます。その点、前大臣が答弁申し上げましたように、農地法も含めて制度の問題について私ども内部検討を進めており、しかも農政審議会に農産物の需要の長期見通し等もお諮りしておりますが、同時に構造を取り扱っております部会におきましてもこの問題を含めていろいろ御検討を願っている、ただいまそういうような状況でございまして、まだ内容的に何をどうするといったような結論まで出ておりませんが、事務的な検討を進めている段階でございます。

三治重信民社党

○三治重信君 言葉を返すみたいですが、事務的な検討とおっしゃるけれども、また審議会で、一部構造部会で検討しているという、これは自主的な検討なのか、農地法というものを改正するためにはきちんと大臣が諮問をして、それに対して答申をもらわないと法案の改正作業に進めぬのじゃないの。それはそういうことまでは踏み切っていないというのですか。農地法を改正しようと思えばそういうことが農林省としては必要じゃないのですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 農地法を改正するのに審議会に諮問して答申を得なければならないという制約はございません。  ただ、実際問題といたしまして、関係する面、影響する面も大きゅうございますので、学識経験者の意見も徴する、十分にそれらを配慮してということは行政の心構えとして要請されるところであろうと思っております。そういう意味で、現在審議会の御意見をいろいろお伺いいたしておる、その中の一つとしてお聞きしているわけでございます。並行いたしまして、事務的にもさらに個別の学識経験者、非常に権威のある専門家の御意見なども伺いながら検討を進めているというところでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 ちょっと、その農業経営の規模の拡大のために賃貸借を農地法の中へ取り入れるという一つのアイデア、これだけなんですか。まだほかに農地法上、何と言いますか、土地の流動化というのですか、所有権を移さぬで経営規模を拡大するいろいろの取り決めというものについての制約というものがまだ相当あるような気がするんですが、賃貸借条件だけと考えておる、やるならそれだけと考えているのか。そのほか重要なものが二、三まだあるんですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 賃貸借に関連する規定の問題が一番主要な問題点であろうかというふうに考えておりますが、検討している対象はその点だけではございません。広く農地法全般の問題についても検討はいたしておるわけでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 やるやらぬは別として、その検討しているものの問題点として、事務当局が改正をするというと、どこまで実際改正する点に入るかどうかは別として、検討の問題点をひとつ挙げてもらいたい。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 実は議論がたくさん出ておりまして、影響するところがあるものでございますので、大変申しわけないんですが、従来からいろいろ論議されている問題点はそれなりに取り扱っておりますけれども、どの点が論議されて私どもの具体的な日程に上ってくるかというような話になりますというと、いろいろ支障もございますのでいましばらく時間をおかしいただきたいと存じます。

三治重信民社党

○三治重信君 じゃそこでもう一つ。それはそれじゃ時期の来るまで待ちますが、武藤大臣の新任のときの記者会見として次のような抱負を語ったと、これは新聞にも出ていたと思うんですが、「渡辺前農水相とは同志の間柄であり、同相が八〇年代の新農業政策展開のため、食管法、農地法の各改正に取り組みたいとの姿勢だったので、私もこの線に沿って努力をする」。また、「日本の農産物は国際的にみて高いので生産性を高め、コスト低減に努めたい。コスト軽減のため、農地法の整理に重点的に取り組みたい。」と、こういうのがあるわけなんですね。この点は御承知ですわね。これについて、大臣の事務当局に対する、農地法の改正をやるんだからすぐ検討に取り組むと。具体的にどの程度まで——これは外への、一般国民に対する発言なんですがね。省内に対するこういうことについての発言はどの程度までになっておりますか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 農林大臣がそのような記者会見における発言をされたことは私どもも承知いたしております。その後、私どもそれぞれ各局事務的な問題点の説明、現況の説明等を申し上げました中におきまして、農林大臣はいまそこで記者会見で述べられたような趣旨のことを私どもにも申されております。私どもが先ほどから申し上げておりますような検討をしておるということは、そういう前大臣に引き続いての御意向を受けて検討をしているということでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 大臣が見えないし、新しく五十四年度のいろいろ取り組み方についていまは外へ出すとまずい、そこまで決まらぬところがあるようですから、この具体的なことはそこまでにしておきますが、意見として、この間も出たように、何か一つ過剰になるとそれを直すために補助金を出す、そうするとまた今度はほかのところへ、作物なり何なりを奨励すると、そこへまた補助金を出す。だんだん、一つの過剰物を処理するためにほかのものをまた、過剰物を処理するのに補助金を使う、ほかの作物をつくれと奨励するために奨励の補助金を出す、こう常に二重二重になっていくという、それでもいろいろいま一番問題になるのが、いわゆる価格もさることながら、農民にとってみれば、せっかくいいかと思って、これで生活を何とかできるかと思ってやって、技術も覚え、そうしてそれに取り組もうとすると、もう二、三年たつと過剰になってしまう。そこに農民としても、本当にいわゆる零細農だから、やる気といいますか、反政府的というんですか、反社会的な気持ちにならざるを得ないと、ここにもう私は農政の基本を置いていかにゃいかぬと思うわけなんです。農民が所得が少なくなる多くなるという問題もさることながら、その中の基本を流れる、やはり農家としてやる気を起こす農業経営というものは何かと、ここに焦点をしぼって、農林省が、補助金を出すにしても、金を使うにしても、また法律制度の改正をするにもしていかないと、食糧の自給率、自給率と言うけれども、食糧の自給率を高めていくためには、それ相応の生産の努力をし、生産コストを低め、いわゆる生産性を高めていくそれなりの努力をしていかぬと。制約はあるでしょうね、それは。やはりアメリカのように大平原のところで飛行機で米がつくれるようなところと、日本みたいに、機械化が進んだとはいえども、そんなに大きな平地がないところでの生産比較を同じように競争せいと言ったって、これはできないんだから、それはそれなりの農業保護政策は必要だ。しかしながら、それは農民がそういう生産性を高める努力をするような農業経営にさしてやらぬと——さしてやると言っては語弊があるわけなんだが、自主的にする体制にどういうふうに持っていくかと、ここに焦点を置かなくちゃいかぬと思うわけなんです。  そのためには私は、わずかの日本の農地なんで、だからそこに生産性を高めた農業経営が行われるような、いわゆる農場的な農業経営というものを本当になって考えぬと、みんな片手間の、副収入的な、ちょっといわば片手間的な生産でやって、食糧自給率、食糧自給率と、こう言ってやってみても、これは金ばかりかかって、いざといった時に本当に食糧自給率が達成できるような農業というものがあるかというと、これはあけてみたら玉手箱で、びっくりして、もう全然生産力がなくなった農業というものが結果として残ると、こういうことになると思うんです。それが自給率もずっと下がっている大きな原因ではないかと、かように思っておるんです。  もっと極端に言うと、農林省が、いわゆる現在の農民を一つも減らさぬための農民の生活保護的な政策をやるのか、やはり食糧自給率を高めるなら、農民の方のいわゆる転業も考え、そして専業的な農家ができる地域というものを、もっと食糧の自給率を高めるための農業経営というものをはっきり明示して、地域的な指定もし、そこの農民については、しっかりした農業経営ができるような経営面積を確保するような農地法の改正なり、そういうものをやっていくというふうに何かやらぬと、いわゆる農民の保護というものと食糧の自給というものが、あるところはかみ合い、あるところはかみ合わぬわけなんだ。と思うやつがみんなかみ合うような関係で議論されているところに問題がある。そこは、農林省の事務当局は専門家なんだから、そこを区別して国民に対していかぬと、この重大な八〇年代の転換期に、食糧問題は重要だということについては、国民が非常に関心を持って、ある程度税金を使っても食糧は確保してもらいたいという希望が非常にあるわけなんです。そういう点について、事務当局はいわゆる自給率と農民というものの関係をどういうふうに考えておられるか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 長々御答弁申し上げますより、いま先生がお述べになられた御意見、私ども趣旨において、方向において全く同様に考えておるわけでございます。ただ、それを認識して努力はいたしておるのでございますが、やはり事柄の複雑さ、むずかしさということのために必ずしもうまくいっていない面も多々あるわけでございます。今後一層そういう考え方のもとに政策面の努力を続けてまいりたいと考えます。

青井政美自由民主党・自由国民会議

○委員長(青井政美君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十六分散会      —————・—————

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