逓信委員会 第1号
- 発言数
- 262 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/12/06
会議録
○委員長(矢田部理君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十一月十五日、鈴木省吾君及び前田勲男君が委員を辞任され、その補欠として糸山英太郎君及び鍋島直紹君が選任されました。 また、同月十六日、鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として熊谷弘君が選任されました。 また、本日、案納勝君及び矢原秀男君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君及び原田立君が選任されました。 —————————————
○委員長(矢田部理君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に熊谷弘君を指名いたします。 —————————————
○委員長(矢田部理君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(矢田部理君) 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大西郵政大臣。
○国務大臣(大西正男君) ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 航海の安全を確保するために船舶の構造、設備等に関する安全措置を定める国際条約としては、現在千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約があり、わが国もその締約国として、この条約を忠実に遵守しております。しかし、その後の技術進歩等に適応させるため、この条約の改正の必要が生じ、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約が採択されました。この新条約につきましては、現在、未発効でありますが、明年五月二十五日には発効することとなっております。このような国際動向に応じて電波法の規定を改正する必要があります。 また、わが国の宇宙開発につきましては、実用化の方向に向けて着実に進展しておりますが、宇宙開発の進展に対処するためには、電波法に宇宙における無線通信に関して、所要の規定を設ける必要があります。 この法律案を提案した理由は、以上のとおりでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。 まず第一に、国際航海に従事する船舶の義務船舶局のうち、船舶無線電信局については、五百キロヘルツの周波数での無休聴守に加えて二千百八十二キロヘルツの周波数での無休聴守を義務づけております。 第二に、船舶安全法第二条の規定に基づく命令により、船舶に備えなければならないレーダーについては、郵政大臣の行う型式検定に合格したのでなければ施設してはならないとしております。 第三に、人工衛星局の無線設備の設置場所を当該人工衛星局を設置した人工衛星の軌道または位置とするとともに、人工衛星局の免許の申請書に添付する書類には、現行の記載事項のほか、その人工衛星の打ち上げ予定時期及び使用可能期間並びにその人工衛星局の目的を遂行できる人工衛星の位置の範囲をあわせて記載させることとしております。 第四に、人工衛星局は、電波の発射を遠隔操作により停止することができ、かつ、その無線設備の設置場所を遠隔操作により変更することができるものでなければならないとしております。 第五に、郵政大臣は、電波の規整その他公益上の必要があると認めたときは、人工衛星局の目的の遂行に支障を及ぼさない範囲内に限り、当該人工衛星局の無線設備の設置場所の変更を命ずることができるとするとともに、その変更によって生じた損失については、損失を受けた免許人に対して補償しなければならないとしております。 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大木正吾君 本法案は、前国会からの継続案件でございますと同時に、衆議院逓信委員会の方でも、これは討論がほとんどない中での成立でございますが、私、少しおくれている感じもしますので、そういったことやら、具体的な対応について二つほどお伺いしておきたいんですが、第一点は、まず今回この法案をつくりましてから来年の五月二十五日、条約の発行等ございますが、期間がきわめて短いわけでございますが、具体的に多くの船舶に対しまして緊急自動受信機ですか、こういった機械について準備といいましょうか、合格した機械がつけ得るかどうか、ここのところ、ひとつ担当の方から伺っておきたいわけです。
○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。 わが国におきましては、新たに無線電話遭難周波数での無休聴守の義務が課せられる船舶は約千六百隻の多きに上がるわけでございまして、この聴守に使用いたします無線電話のオートアラームは、郵政大臣の行う検定に合格したものでなければならないということに相なるわけでございます。また、このオートアラームを当該船舶に設置するためには、船が本邦に帰港した機会をとらえまして設置工事を行い、無線局の検査を受ける必要があるということでございますので、仰せのように相当の準備期間を要することになるわけでございます。 当省といたしましては、明年五月二十五日までに、該当いたします千六百隻に設置できるようにいたしますために、すでにオートアラームの型式検定を完了いたしました。八社ばかりのメーカーといろいろと打ち合わせをいたしました結果、それぞれの社が望ましい機能を持ったオートアラームをつくりまして、いわゆる郵政省に対しまして型式検定をしてもらいたいという申し出があったわけでございまして、それを受けまして、すでにこの八社につきましては型式検定を完了いたしました。したがいまして、無線機器のメーカーは、いつでも製造、販売ができるという実は体制に相なっておるわけでございます。 また、日本船主協会等を通じまして、該当船舶への設置についてできる限り行政指導を行ってきてまいっておりますので、明年の五月二十五日までには、オートアラームの当該船舶への設置が可能であるという見通しを持つに至っております。
○大木正吾君 このオートアラームの新しい緊急自動受信機でございますけれども、性能がいいということもありまして、結局敏感に音声等をキャッチする、こういうふうになっていくと思うんですが、いまの通信関係、無線関係は非常な混信状態が陸上でも多いわけですが、海上等でも類似の周波数を持ったものとの混信とか誤動作ですね、そういったことによりまして、実際問題、私の友人なんかもずいぶん船に乗って通信をやっている方がおるんでございますけれども、一人ぐらいしか配置されておりません中型以下の船舶など、混信等が起きた場合に非常に労働過重といいましょうか、睡眠時間不足とか、そういったことも起きることを、機械の性能がよくなるだけに実は心配しておりまして、そういったことについて今後結果的にはこういったオーバーワークによりまして疲れも出ますから、結局本来的な事故が起きたときに対応できないことが起きたんではこれは大変でございますから、そういったことに対して今後、トン数等にもよるかもしれませんけれども、無線通信士の定数を若干でもふやすお考えとか、誤動作等に対する機械的な対応、機械としての対応等ですね、お考えありますか。その二つをお聞きしておきたいんです。
○政府委員(平野正雄君) ただいま申されました五〇〇キロヘルツの電信のオートアラームが従来使われておったわけでございますが、この場合には警急信号が単純な一本の線といいますか、ツーというものの連続でございましたために類似の信号、雑音等による誤動作等が発生をすることがあったわけでございます。しかし、この問題につきましてもその後いろいろと改良されておりまして、非常に大幅に改善をされてまいっております。 また一方、無線電話のオートアラームにつきましては、二信号方式と申しまして、一、三〇〇ヘルツ、二、二〇〇ヘルツの二つの可聴周波数を一定間隔を置きまして送出をする、いわゆるピーポー方式と言っておりますけれども、そういうふうな方式でございますので、雑音等に起因する誤動作はまずほとんどないものというふうに考えておるわけでございます。 先ほど申し上げました型式検定を行うに当たりましても、雷による雑音が最も多発をいたします赤道付近におきまして収録をいたしましたテープを持って帰りまして長時間のテストを行ったわけでございます。また無線電話、警急信号に、先ほど言いましたピーポーでございますが、似通った各種の信号、これを周波数及び発射時間をいろいろと変化をさせてつくりまして、誤動作しないことを十分に確認するというようなこともやっておるわけでございます。これによりまして義務船舶無線電信局において五〇〇キロヘルツにあわせて二、一八二キロヘルツの無休聴守を仮に行うということになりましても、その誤動作によるオーバーワークというものはまず考えられないというふうに認識をしておるわけでございます。御理解をいただきたいと思います。
○大木正吾君 第二点の質問について要望だけ申し上げておきますが、いまのお答えで心配ないという感じもいたしますが、実は海員組合とか、その他電電公社などの無線局等の関係者から、変わったときに誤動作等が起きたときの問題について、大変オーバーワークになる心配の陳情等がたくさん私のところに参っておりますので、相当慎重なテストをしているようでございますけれども、仮にこれを具体的に施行しましてから、また施行するまでもなお綿密な、これは人命問題でございますから大変なことですから、そういう点について十分な本法案通過後におきましても対処なり研究等を進めてもらいたい。このことを要望として申し上げまして終わります。
○中野明君 今回の改正に対して二、三点御質問いたしたいと思います。 まず第一点は、この六十五条の改正規定によりまして、国際航海に従事する船舶の無線電信局に対しまして、無線電話の遭難周波数五〇〇に加えて二、一八二、これの無休聴守を義務づけておりますが、この周波数によるところの送信装置、送信の方はこれは強制をしておりません。となりますと、航海安全の確保のための改善策としては、聞く方だけで送信の方がないというのは不十分じゃないかというような気がするんですが、その辺はどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(平野正雄君) 先生御承知のように、今回の一九七四年の海上人命安全条約におきましては、先生がおっしゃるような態様になっておるわけでございます。いわゆる電信船側に送信機は持たないという態様になっておるわけでございます。これは現在の電信船と電話船との二つの方式がある状態よりは、たとえ電信船にいわゆる自動的な聴守用の機器がつくだけでも前進をしておるということは言えるかと思います。それで済むのかという問題かと思います。そのために、たとえば日本だけが日本の公海の中において新しい送信機も持たせるというような方式をとりますと、また各国の足並みがそろわなくなる、船の運航上差し支えが出てくるというようなことがございまして、各国が受け入れ可能な態様で一歩前進を図ったというのが今回の措置でございます。 しかしながら、先生のおっしゃるとおり、国際的な政府関係の協議機関——IMCOというのがございますけれども、このIMCOの中で、すでに日本国も参加をいたしまして、いま先生がおっしゃいましたように、電信船側にも送信機を持たせる方向で現在いろいろ検討が行われておるわけでございまして、いずれまたこの七四年条約の改正と申しますか、そういうことが行われるんではないかというふうに考えておるわけでございます。
○中野明君 いまおっしゃったように、確かに聴守体制が強化されたということは一歩前進であります。それは私どもも認めるのにやぶさかでございませんが、いま申しておりますように、中途半端な改善策はかえって弊害が出るんではないかという心配も一部にあるわけです。たとえて申し上げますと、海難の捜査、救助に出向いていったけれども連絡の手段がない、聞くばっかりだと。そのために遭難の船舶を捜しあてることができなかったとか、あるいは逆に数多くの船がそこへ集結してきたとか、そういうようなことが起こってトラブルが起こる原因にもなりかねない。そういうようなことをいろいろ考えますと、将来、いまの御答弁で大体理解できますが、この送信装置の強制ということについて大いに検討していただきたい。それが第一点でございます。その辺もう一度御答弁を願います。
○政府委員(平野正雄君) 確かに先生のおっしゃる点わかりますので、鋭意検討してまいりたいと思います。 なお、現状につきまして若干補足的に申し上げさしていただきたいと思いますが、今回オートアラーム設置の対象になりますわが国の船舶無線電信局、先ほど申しました約千六百隻ございますが、この千六百隻の中で千三百隻は電話をすでに併設をしております。したがいまして、これらのものにつきましては連絡手段をすでに持っておるということが言えようかと思います。義務づけではございませんがすでに持っておる。したがいまして、無線方位測定レーダー等によりまして遭難船舶の捜査は現状でも可能であろうというふうに存じております。 また、多数の船舶が救助に赴いた場合の問題でございますが、遭難船舶局がございますけれども、その遭難を発見をした船舶局が当然おるわけでございます。また、海岸局等がワッチをしておりますので、遭難の状況をよく知っておる、あるいはその遭難船からの電波を直接海岸局がキャッチし得なかった場合におきましても、それをキャッチした船がすぐに海岸局の方に連絡をしますので、その三者が、一応遭難状況に応じまして宰領局になる。海岸局がなる場合もございますし、あるいは現に遭難をしておる船が宰領局になる場合もある。あるいは、キャッチをしてくれた近くにおる船が宰領局になる場合も当然あるわけでございます。そのような宰領局をつくることによりまして、規定に定める手続、これは無線局運用規則第八十三条で一応規定をつくっておりますけれども、通信を統制することになっておりまして、従来の実例等によりましてもその辺がきちんと行われるならば、御指摘のようなトラブルは発生しにくいという状況になっておりますので一応現状だけ。 今後十分に、人命の問題でございますので、検討さしていただきたいと考えております。
○中野明君 次の問題は、今回の改正で、船舶無線局には五〇〇と二、一八二、このダブルワッチを強制しておるのに対しまして、この海岸局は海上移動業務の通信全般についてこれは指導的な役割りを果たすべき地位にあると思います。この海岸局は五〇〇だけでよろしいと、五〇〇の一波で十分だというふうになっておりますが、これは制度的に見て不合理ではないかと、こういうふうに考えるんですが、この点はどうお考えですか。
○政府委員(平野正雄君) 海岸局の聴守体制の問題でございますけれども、海岸局の種別によりましていささかの差はございますけれども、実は五〇〇キロヘルツだけではございませんで、たとえば運用規則の七十条の二という省令がございますけれども、五〇〇キロヘルツ以外の遭難周波数の聴守がそれぞれに義務づけられておるという状況でございます。たとえばこの二、一八二キロヘルツのほかに、赤道以北の第三地域につきましては二、〇九一キロヘルツという周波数、あるいは二七、五二四キロヘルツという遭難周波数でございますが、あるいはVHFにつきましては一五六・八メガヘルツ、それぞれの態様によりましてそのような海岸局の聴守の義務づけが実は行われておるわけでございます。 したがいまして、あとは船がどこまで出ていったときに日本全国の海岸局の状況がどこまで目が届くようになっておるかというような、網の目の細かさと申しますか、そういった問題でございますけれども、海上保安庁を初めといたしまして、各海岸局がせいぜい努力をしておりまして、現在のところまずまずその網の目は十分に目が届いておるというふうに考えておるととろでございます。
○中野明君 いまの説明は私もよく承知しているんですが、せっかく二、一八二を船舶の無線電信局に義務づけるんですから、やはり海岸局にもそういうことの網をかぶせてはどうかと、私少し、制度的に見て大したことじゃないんですから、やらした方がいいんじゃないかと、こういう考えを持ったものですから申し上げておるわけです。 それから、時間が制約を受けておりますので、最後に、今回の改正ではこの聴守義務の強化対象を国際航海に従事する船舶、これの無線電信局に限定されておるわけですが、この海上保安白書なんかを見てみますと、海難事故の発生というのは近海が非常に多い。その中でも小型船が多くて、その小型船の中の大多数は漁船ということになっております。こういう状況から見まして、将来の課題として内航船や漁船の船舶局についてもこの聴守体制を見直す必要があるんじゃないだろうか、事故が圧倒的に多いわけです。そういうことについて、今後の課題として私、問題点を指摘しているわけですが、御意見をお聞かせいただきたい。
○政府委員(平野正雄君) ただいま御指摘のように、わが国周辺海域における海難事故の発生の実態等からいたしまして、内航船であるとか、あるいは申されました漁船等の小型船舶が問題になるということでございますが、こういった内航船、漁船等の小型船舶も航海中は遭難周波数等を無休聴守することが望ましい、これは一つあるわけでございますが、漁船等の小型船舶の海難事故が多発をいたします海域でございますが、大体わが国の領海にきわめて近い海域でございまして、先ほども申し上げましたように、これらの海域における遭難通信等の重要通信につきましては、海上保安庁の海岸局が無休聴守を現在行っておるわけでございます。これによって十分対応ができるものというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、聴守の密度を増すためには、先ほども申し上げましたように、可能な限り船の側も聴守に参加する必要があるということは考えられるわけでございまして、これらの船舶局に対しましてもオールワッチといいますか、二十四時間の聴守ではないんでございますけれども、限定された時間ではございますけれども、聴守の義務を課しておるというのが現状でございます。 なお、今後とも人命問題といたしまして検討を継続してまいりたいと思います。
○木島則夫君 今回の電波法改正案は、一九七四年の海上人命安全条約の発効に備えての国内体制を整備することと、また、宇宙開発の進展に対処をして人工衛星局に関する規定の整備を図るものである。いずれもこれは緊急性を要するものであることを私どもは認識をいたしております。しかし、次の通常国会にも型式検定制度の改善を中心とした電波法の改正法案、あるいは放送大学学園法案の附則による放送法の改正が予定されているようでございまして、電波、放送両法の抜本改正を放置したままで何か次々と対症療法的に部分改革、部分改正が行われていくことに私はやはり大きな問題点を見出すわけでございます。 これをいまここで議論をしておりましても、制約された時間の中でこれは十分なお話や御説明を得ることはできないと思います。いずれこれは時間をかけて問題にするといたしまして、七十一条の改正規定におきまして、人工衛星局に対してその設置場所たる静止軌道、位置の変更を下命することができることとしておりますけれど、この規定を設ける理由、また変更下命によって生じました損失を免許人に補償することとしておりますけれど、この補償はどういう算定基準で行われるものか、簡潔で結構でございます、御説明ください。
○政府委員(平野正雄君) 人工衛星局は、御承知のように千キロメーターぐらいの上空を周回するか、あるいは赤道上空三万六千キロメーターの位置に静止をするか、いずれにいたしましても地表上の無線局の場合と異なりまして、たとえ電波の規整その他公益上必要が認められる場合でございましても、現行電波法第七十一条に基づく周波数または空中線電力の指定変更、あるいは指定変更等を命ずるといいますか、実施するわけにはまいらないわけでございます。その反面、宇宙にあるという特殊性から、人工衛星局の目的の遂行に支障を及ぼさない範囲で人工衛星局の無線設備の設置場所、これはまあ言いかえますと衛星の軌道または位置になるわけでございますけれども、設置場所をある程度変更するということが可能になるわけでございます。したがいまして、人工衛星局の場合に限りまして、電波の規整その他公益上必要がある場合であって、かつ当該人工衛星局の目的の遂行に支障を及ぼさない範囲内に限ってその軌道または位置の変更を命ずることができるということにいたしたわけでございます。 次に、変更命令を出した場合の損失補償でございますけれども、その変更によって生じた、通常生ずべき損失に対する補償を考える必要があるというふうに存じております。そして、その範囲はそれぞれの事例ごとに徹底をする必要があるわけでございますが、一般的にはまず変更するために直接必要となった、直接かかりました人件費であるとか、あるいはコンピュータープログラムの作成費であるとか、そういったものがまず算定されるということになります。また、変更を行うためには燃料——これはまあ最近では大体ヒドラジンを使っておりますけれども、燃料を消費することがあるわけでございます。この消費によって必然的に衛星の位置保持可能期間が短縮してしまうというようなことがあり得るわけでございますので、場合によりましてはそういったものも算定の基準の中に入れていく必要があるというふうに存じます。
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 電波法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 暫時休憩いたします。 午後二時十四分休憩 —————・————— 午後二時四十七分開会
○委員長(矢田部理君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、国際電信電話株式会社の不祥事件に関する件について、本日の委員会に、前国際電信電話株式会社取締役社長板野學君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(矢田部理君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、国際電信電話株式会社の不祥事件に関する件を議題といたします。 去る十月二十九日の委員会において、国際電信電話株式会社の不祥事件に関する件の報告を聴取いたしましたが、その後の調査結果等、明らかになった点について政府側の報告を順次求めます。大西郵政大臣。
○国務大臣(大西正男君) それでは、その後の経過について御報告申し上げます。 十月十三日の事件報道に接して以来の経過につきましては、さきに本委員会において御報告申し上げましたが、その後の状況について御報告申し上げます。 KDDにおきましても新しい執行体制のもとで、人事異動を実施するほか、経営刷新委員会の設置、その他各種の自粛、改善措置をとっている旨報告を受けております。 また、国際電信電話の料金問題につきましては、郵政省としてもかねて早急な検討を求めてきたところでありますが、去る十一月二十日、新しい料金改正案について認可申請がなされ、郵政省におきまして鋭意審査の結果、十一月三十日認可をいたしまして、十二月一日実施されたところであります。 郵政省といたしましては、できる限り事態の解明に努め、早急に改善措置を講じていく観点から、KDDの経営刷新委員会での調査検討の促進につき強く指導してきたところであり、また、郵政省のKDDに対する監督のあり方につきましても検討を進めているところであります。 なお、去る十一月十四日、今回の事件に関連して、税関当局からKDD及びその社員が告発を受けることとなり、またさらに十二月四日、警視庁による強制捜査が行われることとなりましたが、このような事態を生じましたことはまことに遺憾に思う次第であります。 今後、関係当局により、事態の解明が厳正に行われるものと思いますが、二度とこのような事件が起こらないような方策について十分検討いたしますとともに、一日も早く国際公衆電気通信事業の信用を回復し、今後ともなお一層業務の適正な運営が確保されますよう、適時適切な指導、監督を行ってまいる所存であります。 以上でございます。
○委員長(矢田部理君) 次に、青木大蔵省審議官。
○政府委員(青木英世君) 国際電信電話株式会社社員の関税法等違反嫌疑事件につきましては、十月二十九日の本委員会におきまして御報告を申し上げたところでございますが、その後の状況につきまして御報告を申し上げます。 本委員会での報告の後も鋭意調査を行ってまいりましたが、調査が終了したものにつきまして、十一月十四日とりあえず、国際電信電話株式会社社員佐藤陽一(五十三歳)、同浅野秀浩(四十一歳)、同佐藤信義(三十歳)の三名及び国際電信電話株式会社を関税法及び物品税法違反の事実があると認め、東京税関成田税関支署長名で東京地方検察庁に告発をいたしました。 告発内容は次のとおりであります。 最初に佐藤陽一氏に係るものでございますが、犯則年月日、昭和五十四年十月一日。犯則物件、外国製腕時計など十点、鑑定価格は百六十五万九千六百円。犯則の形態は、無申告による関税及び物品税逋脱。逋脱金額は、関税十五万六千七百円、物品税四十六万五千五百円、合計で六十二万二千二百円でございます。 二番目は、浅野秀浩氏に係るものでございますが、犯則年月日が昭和五十四年十月二日。犯則物件が、外国製のイヤリング等四十八点、この鑑定価格百八十四万九十円。犯則形態は、無申告による関税及び物品税逋脱。逋脱金額は、関税二十一万六千百十五円、物品税十八万八千九百円、合計四十万五千十五円。 三番目は、佐藤信義氏に係るものでございますが、犯則年月日、昭和五十四年十月二日。犯則物件、外国製ペンダントなど十八点、この鑑定価格四十八万七千二百九十円。犯則形態は、無申告による関税及び物品税の逋脱。逋脱金額といたしましては、関税八万九千三百三十円、物品税八万一一千百五十円、合計十七万四百八十円。 次に、国際電信電話株式会社に係るものでございますが、右の三名は、同社の業務としまして前記の各物件を輸入するに際して、それぞれ無申告による関税及び物品税の逋脱をしたものでございますので、同社については関税法第百十七条、これは両罰規定でございます、及び物品税法第四十七条、これも同様に両罰規定でございますが、この適用があるものと認め告発をいたした次第でございます。 なお、右三名の当該犯則年月日におきます低価申告分及び過去におきます右三名を含む同社社員などの関税法等の違反嫌疑につきましては引き続き調査中でございますが、今後鋭意調査を進めまして、調査結果を待ってしかるべき処分を行いたいと考えております。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(矢田部理君) 以上で報告の聴取を終わります。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○成相善十君 それでは、質問をいたしたいと思いますが、きょうは参考人の手はずが違ったようでございまして、後ほど一部の参考人が来られるということでございますが、これを待っておってはやたらに時間が過ぎるだけでございますので、まず郵政当局に対する質問から始めていきたいと思います。 ただいま、その後の情勢等の報告があったわけでございますが、新大臣の郵政大臣のもとでKDDの集中審議をするというのは今回が初めてであるわけですが、就任早々この大不祥事件に対処される新大臣の御心労のほどもお察しはいたしますが、何分にも郵政省の指導、監督のもとにある国策会社であるKDDで起こった事件である、こういうことからして郵政省の責任もこれまた非常に重いと言わなければならぬと思います。 そこで、まずこれに対処される新大臣のお考えと決意のほどをお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(大西正男君) お説のとおり、まことに公共性の強いKDDという会社が今回のような問題を引き起こしておりますことは、本当に残念でならないわけでございます。 そこで、事件そのものの内容等につきましては、ただいまも御報告を申し上げましたとおり、いわゆる司直の手によって厳正に捜査が進められることと思いますし、同時に、KDDの内部におきましても経営刷新委員会におきまして内部調査を進めておるところでございます。これらの調査の結果を待って究極的な原因というものは究明されることになると思うのでございますが、要するに、私といたしましては、この問題はKDDの経営陣における経営姿勢の問題が非常に大きな原因を与えておるのではないか、このように考えております。 したがいまして、KDDの内部において陣容を刷新をいたしまして、そうして経営倫理というものを確立をし、良識のある経営というものをしていってもらわなきゃならないと思います。同時に、そういった経営が担保されるようなそういう監督と同時に、制度の上でこれをどういうふうにしたら保障されるものかどうかということにつきまして、現在事務当局に対しまして法の改正をも含めまして検討を進めさしておるところでございます。まあそういうことでございまして、二度と再びこのような事件が起こらないようにこれからも監督、指導を十二分に行ってまいりたい、このように決意をしているところでございます。
○委員長(矢田部理君) 板野参考人が出席されましたので、この際、板野参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙のところ、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。板野参考人。
○参考人(板野學君) 一言申し上げたいことがございますので、お許しをいただきたいと思います。 本日は、参議院逓信委員会に私、出席をさしていただきまして、一言おわびを申し上げ、かついろいろ御説明を申し上げるような機会を得ましたことを、大変ありがたく感謝をいたす次第でございます。 先般の成田関税問題につきまして、大変不幸な、不祥なる事件が起きまして、私どもの、昔の私の会社のKDDのみならず、その職員三名が告発を受け、かつ昨日は家宅捜索を受けるというような、まことに遺憾な、残念な事柄となりまして、私は前社長といたしまして、深く監督の不行き届き、かつ部下に対するいろいろな指導、訓練の不足を感じておる次第でございまして、国民の皆様方、またきょう御出席の諸先生、それから利用者の方々、またKDDの職員に対しまして深くおわびを申し上げる次第でございます。
○成相善十君 続いて質問をいたしますが、私は先般の当委員会におけるKDDの集中審議の際に、その質問の中で、ここ数年の間のKDDの財務状況の推移を数字を示しながら、莫大な利益を上げておられるのではないかと、KDDが商法上の商事会社であるとはいいながら、高度の公共性と独占性を持つ国策会社であるということからして、この莫大な利益というものは利用者の負担と犠牲において、しかも、強引にこれが不当に利益を上げておるのではないかということを指摘をしたわけでございます。 で、そういうことから、料金も当然下げるべきであるということを主張したわけですが、十二月一日から早速一部の料金が値下げをされたようです。その料金値下げに至った経過を郵政省側の方からひとつ説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(寺島角夫君) KDDの料金につきましては、先般の委員会におきましても先生から御指摘のあった点でございますが、かねてから、昨年来、私ども郵政省におきましては、KDDに対しましていろいろな条件を総合的に考えまして、かつまた将来KDDの国際通信業務というものが安定的に良好な水準で維持されていくということを考えながら、料金問題について十分な検討をするようにということを繰り返しKDDに対して要請をしてまいったわけでございますが、その結果、先月の、十一月の二十日になりまして、KDDの方から料金の値下げ案の申請がございました。 これに対しまして、郵政省といたしまして内容を審議いたしました結果、十一月三十日にこれを認可いたしまして、KDDにおきまして翌日、十二月一日から実施に入ったと、かような、大変大まかでございますが、さような経緯でございます。
○成相善十君 そこで、大変大まかな説明だがというお話でしたが、その認定そのものも私は大変大まかなものであるのではないかというふうに推察をいたしております。と申しますのは、十二月四日付ですか、たまたまきのうの夕方でしたが、「日刊電波タイムズ」というのが出ておりますね。その中でKDDの上半期のやり直し中間決算が発表されておりました。それを見ますと、五十四年度の上期の経常利益は百八十四億百万円、当期利益が八十一億三千百万円、これを通期で見通した場合には三百二十九億の利益が予想される、それで税引きの利益が百四十六億見当にはなるのではないかというようなことが書かれておったわけです。 これを見ますと、大体KDDのここ四、五年来の財務状況の推移を見ますと、毎年経常利益の伸びというのは、昭和五十年あたりからずっと年を追うて計算してみますと三十億から四十億ぐらいが毎年の伸びということになっておるようですが、ことしは、先ほどお話があったように、後期においては値下げ分も含んだ見通しとなっておるだろうと思いますが、それでもなおかつ、五十三年度の経常利益は二百五十二億でございますから、三百二十九億との差額、一躍七十七億も増収になる。いわゆる値下げはしたにもかかわらずやはり七十七億——普通三十ないし四十億程度の伸びであったのが一躍これだけ大きな伸びが出てくるというようなことが考えられます。と同時にまた、五十四年度の税引き利益は、見通しでは期末になれば百四十六億は出るのではないかというふうに先ほどの記事の中で申し上げたとおりでございますが、この税引き利益の当期利益と言うのですが、これも約五十億の増という計算になるわけです。 いままで不正、不当な利益隠しが行われておったのではないかということを詳しく先般の委員会で私は聞いたわけですが、これに対して明らかな、私が納得するような参考人からの御返事はもらえなかったわけなんですが、これは何と言われても利益隠しが、利益が百億以上超さないようにいろいろな工作が行われておったと、それもいま問題になっておるような不正な手段で利益が隠されておったと言わざるを得ないわけでございますから、今回のやり直し決算の報告では、そういうような不正は今後ないということで報告されておるだろうと思いますので、利益が一躍五十億も伸びるということはうべなるかなといったような感じを受けるわけです。 ところで、莫大な利益が上がるということは、やはり値下げ幅が少ないんじゃないかということをこの中から私は察知をするわけですが、どうも郵政省側はどういうことでこの料金というものに対して対処されるか。ただ、そういう申請をしてきたからこれはそれでオーケーするんだという、ただ単純なそれだけのことで処理されるのか、私はそういうことであるから、こういうようないろんな不祥事件が起きる温床はそういうところにあったんじゃないかというふうに思うわけなんですが、まずこの問題について、一躍七十七億も去年に比べて大幅な利益が出る。こうした例年と違ったところの利益が上がるような背景が経済的あるいは社会的にあるとするならば、まずそれをここで詳しくひとつ説明をしていただきたいと思うんです。
○政府委員(寺島角夫君) ただいま御指摘のように、去る十一月の二十二日にKDDは取締役会におきまして中間決算、いわゆるやり直し決算でございますが、これを決定をしたわけでございますが、この決算を見ますと、本年度の上期におきまして前年同期との比較におきまして相当高い利益の計上が見込まれているところは御指摘のとおりでございます。またそのときに、本年度を全部見通しました現在のところにおきますと、一つの見通しになりますけれども、これにおきましても税引き後の利益で考えますならば、前年度、五十三年度が九十七億何がしでございましたから、これに対しまして百四十六億ということでほぼ五〇%というような利益の伸びが見込まれるという状況にあることは御指摘のとおりでございます。 それではなぜこういうふうに利益が伸びてきたのかということでございますが、十分な、きちっとした分析というのはなかなかむずかしゅうございますが、一つはやはり需要の伸びと申しますか、電話利用というのが当初の予想等に比べますと相当高い伸びがございまして、そういったいわゆる全体的なKDDの扱います業務量の伸びによりまして収入が増加したということは、これは否定できない面であろうかと思います。 また一面、費用の方につきましても、前年度の前期におきましては計上をしておった退職給与引当金繰入額が昨年で終わりまして、本年度はそれが必要でなくなった、この金額は大体三十三億と承知をいたしておりますが、そういう支出面で減ったものがあるということ、あるいはこれはKDDだけではございませんけれども、全般的にいわゆる賃金と申しますか、労務費の伸びが比較的低かった、そういったいろいろな収入、支出両面におきます要素の上から、こういう前期等に比較いたしまして大きな利益を計上するということになったのではないかと、かように考えておるところでございます。
○成相善十君 それはそれでいいわけなんですが、健全経営するということは、利益を上げるということは決して悪いことではないわけなんですが、先ほど申し上げるように独占会社である、国策会社であるというたてまえからいけば、その利用者あるいはユーザーのために還元するということを忘れちゃならぬと思うんですね、これは当然のことなんですが。それだけの大幅な利益を見込まなければ安全経営だと言われないという理由はどこにあるわけなんですか。これは倒れる会社じゃないじゃないですか。
○政府委員(寺島角夫君) 料金のことにつきまして先ほどお答えをいたしましたが、この十二月一日から対米二五%——電話料金でございますが、二五%下げを中心といたします料金値下げの実施に踏み切ったわけでございますが、この料金値下げによりまして生じます収入の減というものを現在の時点で見通しますと、平年度におきまして電話、テレックス合わせまして約年間百六十億と、かように見込んでおるわけでございます。現在の収入の中から百六十億の減収が平年度は見込まれるであろうということでございますが、それでもなおかつ経営にゆとりがあって、もっと料金を下げることができるのではないかという御指摘があることも事実でございます。 それに対しましてわれわれがいま考えておりますのは、この五十四年度におきましては、十二月からの実施でございますので、年度内にこの料金の下げがまるまる響くわけではございません、五十五年度においてはこれはまるまるかかってまいるわけでございますが。しかしながら、これから、十二月から来年三月までの四ヵ月間の動静、一体この減というのが大体見込みどおり出てくるのか、あるいは料金を下げたことによります利用の増加というふうなものが一体どの程度出てくるんだろうか。大変分析がむずかしい点もあろうかと思いますが、こういう傾向というものは、この五十四年度の決算が出てまいりますならばある程度把握できるのではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。 それで、大体来年の六月に決算が確定をいたしますが、それ以前に、五十四年度のそういった経営状況というものがある程度把握をできましたならば、それを十分考え合わせまして、料金問題につきましてさらに値下げということについて検討する必要があると、こういうふうに私ども考えておるわけでございまして、この旨KDDに対してもすでにそういうことを言っておるわけでございますけれども、今回の値下げですべて終わりというふうには考えておるわけではございませんで、今後のKDDの経営状況、さらには経済情勢の推移等を見なければいけませんが、できるだけ早く利益の還元ということを頭に置きまして、KDDの料金問題につきまして私ども今後とも指導に努めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○成相善十君 わかりましたが、来年のことを言っているわけではないんでして、もちろん安定的な経営をするためには長期の見通しを立てながら料金問題等は対処していかなければならぬことはわかっておりますが、ただ問題は、ことしの下期はもう値下げした分を計算に組み込んだ計算でこの利益というものが見込まれておるだろうと思います。余りにも利益が多過ぎるんじゃないかということを御指摘を申し上げますが、料金問題はいまで終わったということではないと、来年度、状況を見てさらに考えたいということでありますので、一応この問題はそこまでにいたしておきます。 続いてKDDの今後のあり方について伺いたいと思いますが、まず第一に、先ほど大臣のお話の中に、こういうような事態が起きたというのは経営陣の姿勢であると、そしてまた、経営の倫理であると、そしてまた、経営形態も考えなければならぬと、こういうようなお話、決意のほどを披瀝されたわけでございますが、もとよりそうだろうと思います。 そこで、まず第一に、先般新聞によりますと、新会長には日高さんが内定したというふうに報道をされております。そういう報道についての真偽のほど、あるいは経過等をひとつお聞かせ願いたいと思います。 なお、いままで郵政省のKDDに対する法に定めるところの監督権限、その内容から申しますと、その人事については郵政大臣の認可事項として首脳部人事ということになっておるわけでございますが、従来そういう範囲とか、また、どういう手続でそれが行われておったか、そういったようなことをひとつあわせて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(大西正男君) ただいまの御指摘の人物につきましては、いわゆる内定ということをどういう趣旨で新聞に報道されたのかは私どもにはわかりませんが、私どもの考えではまだ内定も何もいたしておりません。ただ非常に有力なお一人であるということは申し上げることができると思います。 御承知のように、KDDは特殊な任務と性格を帯びた会社でありますが、株式会社でありますことにはかわりはないわけでございます。したがいまして、人事の問題等につきましても、株主総会によってその役員が決められて、そして、その役員会においてあるいは会長あるいは社長とかいった人たちが決まるわけでございます。そういうことでございますが、その人事はまた法によりまして郵政大臣の認可事項になっておるわけでございます。 したがいまして、従来私はどういうようにやっておるかは実際に具体的には存じませんけれども、当然その人事が忽然として株主総会で候補者が決められ、そうしてまた、役員会において忽然として決められるというものではなかろうと思います。ですから、その間に監督官庁である郵政省との間に何か意思の疎通を求めながらその手続が進行されるものではなかろうかと思います。またそうしなければならぬのではないかと思います。ですから、そういう何といいますか、手続の進行の中で、株式会社であるという、KDD株式会社法にのっとって決められるものだというふうに理解をいたしておるところでございます。
○成相善十君 その辺のあいまいさというものが大変いろいろ問題を起こしたと思うんですが、国際電電法の第九条では、郵政大臣の監督権について規定しておるところですが、「この法律の定めるところに従い」という字句があるわけですが、与えられた権限の範囲内においてといったようなことに縛られ過ぎて指導、監督が行き届いていないと言わなきゃならぬと思うわけですが、したがって、ほとんど放任されておったと言っても私は過言でないと思います。そういうところにこの問題が起きたと言わなきゃならぬわけでございまして、KDDの営む事業が、申すまでもなく高度の公益性や独占性ということを考えれば、気まま勝手な、恣意的な経営などは許されるものでないことは当然のことなんであって、主務大臣が全般的な監督を行われるということが当然だと思うんですね。これが法の精神だと私は思うんです。そのことについて、私そう思うんですが、大臣はどう思われますか。
○国務大臣(大西正男君) 御指摘のように、このKDD株式会社法によりますと、第九条で「会社は、郵政大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。」とございまして、十条以下にそのことが決められておるわけでございます。したがいまして、私の解釈としては、郵政大臣がこの会社に対して全般的な、一般的な、包括的な監督権を持っておるというわけではなくて、こういうふうに具体的に決められておると思います。そのことはKDDの会社法ができましたときの経緯に照らしまして、この国際公衆電信電話事業というものは、国際情勢とかあるいは国際経済情勢とかいったものに即応していろいろ会社に対する需要というものが変化をしていくものでございますし、国際的な競争の場にもさらされる問題でもありましょうから、そういった点でやはり自主的な機能性を持った、そうして、民間の企業としての活力を持った企業形態でなければならないということがこのKDD株式会社法ができた経緯ではなかろうかと思っております。 したがいまして、その活力というものに対して、一方独占事業でもございますし、それから事業自体が非常に公共性を帯びたものでございますから、郵政大臣に対してそういった監督権を与えておると、こういう仕組みであろうと思います。ところで、その第一の柱であります民間企業としての活力を保持していくという面において余りにも政府が干渉してがんじがらめにするということでは、それは名があって実のない存在になるわけでございますから、その辺が大変むずかしいところではないかと思うわけでございます。そういうことで、いままでは法の趣旨、法の定めるところによって具体的な監督権のみを与えていると、こういうことではないかと思います。しかし、現実にいまこういう事件が起きたわけでありまして、そのことは、この法にとっては、よもやそんなことは起こるまいといって予期せなかったところではないかと思います。しかるに予期せざることが起こったわけでございまして、ですからこれを契機として、これから監督のあり方等につきましてもどのようにしていくのが適正であるか、適当であるかということを法の改正を含めていま鋭意検討を進めておるところでございます。
○成相善十君 いま言われますように、活力のチェックはできなかったと、してなかったと、野放しであったというところに問題があったと思うわけで、そうした反省を含めて今後のKDDのあり方というものを今後強力な対応をしていかなきゃならぬというふうにお考えであろうと思います。 KDDが、五十三年度の一例を挙げると交際費二十二億ということで大蔵省の方へは報告しておりながら、郵政省の方へは一億四千万円だというふうに報告されている。これは何か決算のやり方が違うんだとか、申告の仕方がいろいろあるんだとかいうような何かあいまいな説明であったわけですが、しかし、いずれともこういったようなことがまかり通ってきたということはいままでのあり方であったわけなんで、そこには役員会はもちろん、会社の監査役もおられるでしょうし、また、公認会計士の監査もあったことと思うわけでございますが、こうしたようなことがまかり通っておったということはいかに乱脈経営であり、また、その不正を見抜くことができなかったと。肝心の郵政省の監督権までがそういうふうに麻痺しておったといっては言い過ぎかわかりませんが、おろそかであったというふうなことでは論外であって、二十七年以来約四半世紀にわたって続いた国際電信電話株式会社法であるわけでございますが、断然この際、根本的に再検討しなければならないと思いますが、経営形態そのものも考え直していかなければならぬと思います。そういうことに対して、大臣のお考えのほどをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(大西正男君) 御指摘のように、経営形態をこのままにしておいてよいのかどうかという有力な御意見のございますことも承知をいたしておるところでございます。ただ、先刻来申し上げておりますように、私といたしましてはKDD法の二つの柱、この柱はやはりこれからの国際情勢あるいは経済情勢、さらにそれによって変化してまいりますこの業務内容に対するいろいろの需要の増加あるいは多様化、そういったことを考えますときには、やっぱり二本立てといいますか、株式会社形態はそのままにいたしまして、これに対して監督を十分にしていって、そうして再びこういう問題の起こらないような保証をしていきたい、していくべきである、また同時に、郵政省といたしましても、従来の監督のあり方について十分反省をしてこれからも努めていかなければならないということでございまして、私どもとしてはそのようにいたしまして国民の御期待にこたえていきたいと、かように考えているところでございます。
○成相善十君 これも報道によることなんですが、会計検査院の検査の対象のもとに置くというようなことが言われておりますが、大臣のお考えどうですか。
○国務大臣(大西正男君) これは現在のKDDの株主構成等から考えまして、会計検査院におかれてこの会社の会計検査をなさるということは現行法の上でも可能ではないかというふうに考えております。したがいまして、会計検査院の検査について特に法の改正を行ってやるべきかどうかという問題はいま検討中でございまして、私の方としてはまだ結論は出ておりません。そのほか、さらに経営の適正化を期する上においてはさらに法を改正すべき点があるのではないかという点につきましても、いま検討をいたしておるところでございます。
○成相善十君 それでは、最後に板野参考人にお尋ねいたしたいと思います。 再度の当委員会に御出席で、大変に御苦労なことでございますが、先般もいろいろ数字を挙げながら、莫大な利益を上げておられる、また、その利益がいろんな方法で隠されている、また、交際費も莫大な交際費が使われている、そういうことで作為して利益隠しが行われている、それから莫大な交際費が使われていると。また、それもいまいろいろその後新しい不正な問題も出てまいっております。こういうことは、もうけ過ぎているという世論から、料金を下げたくない、下げろというような世論が起きては困るというようなことから、主として料金問題からこの利益隠しが行われたというようなこと、あるいはたくさんの交際費が使われたり、諸方へ、何と申しますか、常識では判断できないような乱脈な贈り物等が行われておったといったようなことは、あなたの社長としての保身のためであったと、こういうようなことまで言われております。 こういうようなことを総括して、私はそのときもお聞きしたんですが、一体全体こういったようなことを行わなければならなかった背景というものは何だったかということをお尋ねしたんですが、それに対する的確な御返事はもらえなかったままに、その後毎日のように新聞等で不正、不当なことが報道されておるということでございますので、ここでもう一回その質問をあなたに申し上げて、明快なる、納得のいく御返事をちょうだいいたしたいと思います。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 KDDのその適正な利潤がどういうことであるかということにつきまして私どもはかねがね検討を続けておりまして、昨年、大体総資本利益率を見るのが一番妥当ではないか、こういうようなことを外部のある学者先生にも相談をいたしましてつくり上げたわけでございます。それによりますと、大体六%から八%の間、これは外国のいろんな例もございまするけれども、その辺がひとつ適正なところではあるまいかと、こういうことですでに昨年、郵政省の方にも大体私どもの検討の結果は出してございます。 昨年は大体固定総資本が千三百億近くかございましたので、六%といたしましても大体百億円ぐらい。そのぐらいの利益は、やはりこれは株式会社でございまするので、郵便事業とかあるいは電電公社と違いまして、万一赤字になりますと、どこからも無利子のお金を借りるということができない。会社の信用がないというとお金も借りることができないと、こういう点もございまするので、やはり経営をかたく見積もってやる必要があると、こういうことを私どもは考えておったわけでございます。 それに、御承知のように非常に国際通信の技術革新と申しまするか、ちょうど国際電気通信が昭和維新に当たるというような非常に大きな変換を遂げつつある時代でございましたので、これには相当いろいろな投資も必要とする。御承知のようにデータ通信あるいは高速度ファクシミリ、あるいは電子郵便あるいはキャプテンズというような、文字とか図形を送るようなそのようなものとか、あるいは海事衛星というようなものとか、あるいはもう光海底ケーブルも実用化していくと、こういうことになりまするというと、相当将来多額の研究なり投資の必要も生ずる、こういうような見当から、国際電気通信は長期の長い目で見た計画のもとにいかなきゃならぬ。 特に先ほども申し上げましたような技術革新によりまするというと、専用線というようなものを使いまするというと、電報やテレックスの二十分の一というような安い料金でこれが送られるようになる。現に電話におきましても、これが……
○成相善十君 簡単に。
○参考人(板野學君) はい。 そういうことでございましたので、私どもといたしましては、大体七%から八%のような総資本利益率を得るということを考えておったわけでございまするが、先ほど監理官から御説明もありましたように、ことしは相当の利益が伸びてきた、上半期に。そういうことでございまするので、私どもは最初からこの料金を下げないということではなしに、下げるについては相当前途の見通しをつけてそうして下げなきゃならぬ、こういうことで私どもはすでにこの上半期、六月ごろから料金値下げのいろいろな準備をしておったわけでございます。 私どもは決して利益を隠すとか、それからそれをむだに使うというようなことではなしに、利用者の方にも、それから株主の方にも、また、KDDの職員に対しても、これが公平なその利益が配分されるということを念頭に置いてきたわけでございまして、決して私どもはそういう利益を隠すとか、あるいは交際費をむだに使うと、こういうことではなしに、国際通信の非常に大きな曲がり角をこれからひとつ波に乗ってさらに発展させると、こういう意味におきましていささかそういうような経費の増高を来したと、こういう次第でございます。
○成相善十君 もう時間もありませんが、いまの御答弁はこの前聞いたとおりでございまして、それだけではいま報道されているようないろいろな事件があったということの説明にはなりませんし、また、それでは私もわからないわけでありますが、時間もございませんし、きょうはこれで終わっておきます。
○坂倉藤吾君 集中審議でありますからKDDの問題について質問をするわけですが、お許しをいただきまして、緊急に明らかにしなきゃならぬという立場から一問だけ他の問題をお許しを賜りたいと思うんです。 保険局長お見えですか。——最近郵政省の新種のいわゆる個人年金の構想というものがマスコミを通じて明らかになったわけですが、その結果、各方面で相当論議を呼んでいるさなかにありますね。それで、この構想について少し説明をしていただきたい、こう思うんであります。 なお、従来の当委員会の論議の中で、現在郵便年金の問題は額的な問題その他もありまして余り積極的な募集はやらないで控えている、こういう意向というものが伝わっておったわけでありますが、そうした傾向と、今回発表されております新種の個人年金構想とのかかわりというのは一体どうなのか。同時に、相当な各方面の論議を呼んでいるわけですから、たとえば大蔵省の見解であるとか、あるいは民間のそれぞれの保険会社がいろいろな意見をお持ちになっているとか、こういう形があるわけですが、その辺の意見調整の状況なりこれからの見通しの問題、ごく簡単で結構ですからひとつわかるように説明をいただきたいと、こう思います。
○国務大臣(大西正男君) お答えをいたします。 私どもの新種個人年金と申しますものは、今後の高齢化社会、これが日本の社会では急速に進んでおるというふうに言われておるわけでありまして、事実そうなっておるわけでございますが、といたしまして、ぜひ必要なこれに対する対応策の一環といたしまして、国民の安定した老後生活の確保に資することができるように考えたわけでございます。これを先日発表いたしましたところ、その後の反響は大変大きいものがございまして、ぜひ実現をしなさい、こういう激励の言葉を連日いただいておるところでございます。こうした国民の御支援、御期待を裏切らないためにも、皆様の御支援をも得てぜひとも実を結ばせたい、このように考えておるところでございます。 なお、この構想の詳細につきましては事務当局の方からお答えをいたします。
○政府委員(浅尾宏君) お答えいたします。 現在私たちの方で考えております新種個人年金の基本的な考え方は、いま大臣が申し上げたとおりでございまして、さらに具体的な構想をお話を申し上げますと、この新種年金の創設に当たりましては、やはりある程度の物価上昇にも対応し得るような仕組みにしておかなきゃならぬ、こういう意味合いから、資金を有利に運用することがまず第一点でございます。それから、せっかくそういう観点からつくりました年金をやはり国民の皆さん方の中に広めていくという意味合いから申しましても、税制面である程度の優遇措置が講ぜられることが必要ではなかろうか、こんなことを考えまして、この二本の柱をもちまして目下関係のところと折衝している段階でございます。 そこで、種類は二種類ございまして、終身年金というのと、それから定期年金とございまして、終身年金は御承知のように、もう終身間支払いをするものでございますし、定期年金というのはある一定期間、五年と十年を一応いま考えておりますけれども、その期間、年金をお支払いをする、こういうことでございます。 それから、年金額でございますが、これは年三%ずつの逓増制を押していこう、それから運用することによって発生してまいります剰余金を用いまして付加年金をそこにつけ加えまして、これもやはり同じ額の逓増制を押して複利で毎年増加していく、そういう年金の構想というものを掲げておるわけでございます。 以上がざっとした構想でございますが、次に、いままで郵便年金があったのを募集停止をしておること、もう御承知のとおりでございますが、現在取り上げる契機になりましたのは、当委員会におきましても昨年度、いまの郵便年金どうするんだという、そういうことがございまして、これを受けまして私たちいろいろ研究をしてまいったわけでございます。その結果、ある報告書をいただきまして、それをもとにしていま発表いたしました年金をつくり上げた次第でございます。 三番目に、これからそれじゃいろんな見通しでございますが、この点につきましては関係するところが主として大蔵省でございますけれども、そういうところと鋭意折衝を重ねておりますが、いろんな問題点が出ております。これから実現に向けて、先生方の御支持も得ながら実現方努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○坂倉藤吾君 KDD問題に入ります。 きょう大臣、一応の六日、本日付の報告があったわけでありますが、内容がきわめて抽象的でありまして、具体性が少しもないのであります。同時に郵政省の責任は「誠に遺憾に思う次第であります。」と、こう出ているだけでございまして、今日の状態を招いていることについてまことに遺憾という、これは正確な言葉からいけば少しも謝罪をしていることにもなりませんし、心残りの意思表明ではこれは困るのでございますが、具体的に指摘をしてまいりますが、まず郵政省が事件発生からこのことについての事態解明に努め、しかも「早急に改善措置を講じていく観点から」と、こうここでは出ているわけですが、一体どういう形で今日までKDDの中の刷新委員会のいわゆる調査検討に対して、具体的指導というのは行われてきたのか、これをひとつ明らかにしてもらいたいというふうに思うんです。「強く指導してきたところであり」とあるんですが、何をどう強く指導したのか、具体的にひとつお答えをいただきたい。
○政府委員(寺島角夫君) お答えいたします。 十月の十三日にこのことが新聞報道をされたわけでございますが、そのときの報道を私ども見まして、これが単にKDDの社員が税関で無申告あるいは過少申告等で問題にされていることでありますならば社員だけのことかとも思うわけでございますけれども、同時にいろいろな捜索も受けたような記事もございましたので、直ちにこのことの内容につきまして会社側の責任者に対しまして報告を求めたわけでございます。 自来ずっと会社側から報告を求めておりまして、二回ほど報告を受けたわけでありますが、その後十月の下旬になりまして会社の社長、副社長が退陣をされるという経営陣のいわゆる刷新があったわけでございます。その後、新経営陣におきまして、社長室の改組でありますとかあるいは人事異動でありますとかということも行われたわけでございますが、その一つといたしまして、十一月の八日に、社長を長といたします経営刷新委員会というものを設け、その中に四つの小委員会を設けまして当面の事態を調査し、さらに改善策を検討するという組織をつくったという報告を受けたわけでございます。 この四つと申しますのは、一つがいわゆる成田通関問題に関する小委員会でございます。二つ目がいわゆる交際費等の問題に関する小委員会でございます。三つ目が監査体制の強化に関する小委員会でございます。四つ目がいわゆる料金問題を含めまして経営組織の問題等に関する小委員会でございます。いずれも会社側の報告によりますと、常務を長といたしまして、それをさらに全体を社長が経営刷新委員会として統括をするということで活動が始まったわけでございますが、郵政省といたしましてはその活動状況等につきまして、逐次報告を現在まで求めてきたわけでございますし、また、その活動の促進ということにつきまして、折に触れあらゆる機会をとらえまして、その促進を求めてきたわけでございまして、それで現在に至っておるというのが現状でございます。
○坂倉藤吾君 どうも、形の上はいまあなたが答弁をされたかっこうになっていると思うんですね。しかし、現実問題としまして、いま事件になっていますのは、あっちこっちにいろんなものがばらまかれている。空港問題じゃない、問題の焦点というのは。そうなりますと、やった本人をあなた方がよぼって調べているという話なら、事件の内容というのは郵政省はお知りになっているんですか、全部。その辺は一体どうなっているんですか、具体的な問題に対しまして。その辺はあなた方は指導の中の分野には入らない、こう理解をされているのか。 それから、当初あなた方が事件発生で、そしてこれを調査検討という立場で指導をしたことに対して、郵政省は受けた報告が、その後いろんな状況で変化してきていますね。当初報告を受けられたことが、その後の事件の発展段階で、当初の報告と後の事実関係と違ってきているはずでありますから、その辺は郵政省としては一体どう考えておるのか、ひとつ明らかにしてもらいたい。
○政府委員(寺島角夫君) 御指摘の点は、先ほど申し上げました四つの小委員会のうちの、とりわけ交際費等の問題の小委員会にかかわることではないかと思うわけでございますが、この委員会の活動につきまして現在まで報告を受けておるわけでございますが、一つは、これからの将来の改善策といたしましていろいろな儀礼的なもの、あるいは年末始に対しますいろいろな会社としての対応等につきましての自粛策等について早急に取り決めたということに関する報告を受けております。 いま一つは、過去のそういった、たとえば交際費の使い方が適正であったのかどうかといった方の部分に関します内容につきましても早く報告を私ども求めておるわけでございますが、現時点におきましてまだ調査中であって、その報告をする段階に、具体的な形での報告に至っておらない、こういう段階で受けとめておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 やった当事者は明らかなんです。当事者が知らないことはないはずです。その関係は監督官庁として一体どういうふうな立場で今日それを明らかにさせようとしておるのか。第三者を通じて、そして聞いてもらいたいという話のことじゃなくて、郵政省が監督権行使の中で具体的にあなた方はどうやったんですかという話についての報告はどうなっているんですか。
○政府委員(寺島角夫君) 私どもといたしましては、現行法の範囲内で可能な限りの努力をしてきたと考えておるわけでございますが、現行法の枠内におきまして、ただいまお答えを申し上げましたように、会社側が現在そういう形で新しい組織をつくりまして、鋭意調査等にも努めておるわけでございますので、その活動を促進をし、そして、その報告を一日も早く求めるという形で対処をしてきたわけでございます。
○坂倉藤吾君 そうしますと、今日の法体系の中で、郵政省の監督権限としてそこまで事実究明に至るまでのものはできない、こういうふうに理解をしていいわけですか。
○政府委員(寺島角夫君) たとえば立入調査権とか、あるいはその会計に対します監査の権能でございますとか、そういうものは現在の法律においては私どもに付与されておらないわけでございまして、経理面について申しますならば、決算関係——決算そのものも現在認可の対象にはなっておらないわけでございまして、利益金処分のみが認可対象になっておる、こういうのが現行法のあり方でございますが、これに関しまして先ほど大臣からも御答弁ございましたように、現行法のあり方というのが株式会社という形、いわゆる民営形態と国のコントロールとの調和をどこに求めるかという観点におきまして一つの形が出ておるのが現在のKDD法だと思うわけでございますが、こういう時代の変化、あるいはまたこういう事件等を考えますと、果たしてそれでいいのかということにつきまして、大臣からもわれわれ事務当局に対しまして、法改正を含めて至急検討せよという指示をいただいておるわけでございまして、そういう点を含めて現在種々検討いたしておるところでございます。 また一点、私ども事務当局といたしまして反省をしておる点がございます。それは、やはり現行法の範囲内におきましていろいろなことを私どもはやってきたつもりでございますけれども、それが手落ちはなかったのかという点についても私どもは反省をしなければならないと考えておりますし、また、いま一点、われわれの監督姿勢と申しますか、気持ちの持ち方におきまして抜かりはなかったのかという点も反省をいたしておる点でございます。 従来、KDDが業績も順調でございましたし、赤字になるようなこともございませんでしたし、また、業務そのものも世界の水準から考えましても良好な高い水準で、世界に伍しましても決して劣ることのない電気通信サービスというものをしておったと考えるわけでございますが、そういうことが逆にわれわれの監督姿勢ということに対しまして安心と申しますか、そういったものを与えた点があったのではないかということを、私、責任者の一人といたしまして反省をしておる点でございまして、こういう点も今後気持ちを引き締めまして、法の定むるところに従い指導、監督に当たってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○坂倉藤吾君 この国際電信電話株式会社法、これの第十五条を見ていきますと、公共の福祉のための業務命令権、それから必要限度の業務報告命令権、これは郵政省がちゃんと法律的に保証されておるわけですね。そうなりますと、常態の場合はともかくといたしまして、先ほど板野参考人の方からも報告がありましたが、たとえば成田空港のいわゆる関税問題につきましても、これは後のいろんな形から言えば社命でもってやっておる、こういう話になっておるわけです。社命でやっておるということは、事のよしあしは別といたしまして、これは業務の中に当然含まれておるわけですね。業務行為でしょう。 そうすると、その業務行為の問題に対して郵政省が、それこそ必要な形の中でそれに対するところの報告を求めるというのは、この法のたてまえからいったって当然あっていいんじゃないでしょうか。その辺は、私は省としてももう少し明らかに強い態度というものをきちっとすべきじゃないか。郵政省は単なる監督権限、しかもきわめて弱いものしか持っていない、人がおやりになったことなんで、責任は感じてはおるけれども、それはそれなりによその問題だ、こういう受けとめ方ではないんでしょうか。私は、もっと省自体が、それこそ今日明らかな態度を持ってこれに臨む、こういうことが必要なんじゃないんでしょうか、こういうふうに思うんですが。 同時に今回の一連の不祥事態が発生をしておる一番の問題というのは、やっぱり私は人事の問題だろうと思うんです。人事の問題からいきますと、今日までの郵政省がKDDに、いわゆる俗に言う天下りをいたしました体制をながめてみましたときに、たとえば大野さんの場合、郵政の事務次官から二十九年に専務取締役に入られて、その後取締役副社長あるいは取締役社長、こういう形で十四年間、同時に十四年経過をして今日なおかつたしか相談役でまだ無縁の人ではない、こういう状況が出ておるんじゃないでしょうか。 それから八藤さんの場合にいたしましても、経理局長から三十二年の十一月に監査役で入られて、そして取締役あるいは常務取締役、取締役副社長、こういうふうに順次昇格をしながら十三年間。甘利さんの場合にいたしましても、電波監理局長から三十七年に入られて、そして四十七年まで十年間。参考人で御出席になっております板野さんの場合も、保険局長から三十七年の五月にお入りになって、そして今日まで。増森さんの場合にいたしましても、人事局長から三十九年に入られて五十二年の六月まで。これは全部、先ほどのお話じゃありませんが、郵政省自体が人事の問題について承認を求められる、いわゆる認可を求められて認可をしてきている一連の人事ですね。 とりわけこの中で私は問題にいたしたいのは、たとえば増森孝さんの中の経歴をながめていきますと、三十九年の五月から四十三年の五月まで監査役をやられておる。そして、四十三年の五月から四十五年の五月まで取締役をやられておる。そして、四十五年の五月から四十七年の五月まで常務取締役をやられておる。ところが、そこから普通ならば、これは副社長なり社長の方に上がっていかれる人なんでしょうが、これはいろんなうわさもお聞きをしておりますけれども、再び四十七年の五月から五十二年の六月まで監査役に戻っておる。これは常態ではありません。 そうなってまいりますと、一体郵政省は、この認可を求められた場合に、それが単なるおざなりの問題になっているんじゃないんでしょうか。いままで郵政省が過去に、たとえば人事案件についていわゆる認可の申請を求められて、それに対してこれは適当でない、こういう結論を下したことがあるんでしょうか。もしありましたらその例を聞かしてもらいたいと思います。
○政府委員(寺島角夫君) 申しわけございませんが、過去のことにつきまして、そういうことがあったかどうか、私、いま資料を持ち合わしておりません。
○坂倉藤吾君 いま持ち合わしてないということは、後ほど調べて、あったらお知らせをいただけますか。
○政府委員(寺島角夫君) 過去にこの取締役あるいは監査役の選任に関しまして、KDD側からの認可申請が認可されなかったという事例がございますならば、調べまして御報告いたします。
○坂倉藤吾君 それで、先ほど私全部お名前を言いましたが、これはすべて東大の法科卒業、そしてこの中で一人だけ、甘利さんだけいわゆる工科の卒業。それでしかも、たとえば東北大の御出身の方だとか、東大にいたしましても、法科以外の者のいわゆる郵政省からの下りと、いわゆる東大法卒の方々の下りというものは条件がまるきり違っていますね、今日まで。言いたいことをずばり言いますけれども。 同時に、今日の東大の卒業生の方々の各官庁における対応をながめてみたら一体どういうことになるんでしょうか。それぞれが学校を卒業して官庁に入られる、事務次官目指して一斉にスタートを切る。同級生の中で一人事務次官が発生をすれば、その同年の方々は一斉にやめられる、これがほとんどの官庁の通例じゃありませんか。 そうなりますと、具体的な指摘としては、たとえば板野参考人の場合は十一年に入省をされている。そうすると、あと、この十一年のいわゆる卒業生に対してそれ以降の卒業生が、たとえば板野社長に対して物を言いたくても言えないというような体制というものが確立をされていくんじゃないでしょうか。そこに他から介入のできないような一つの社長室の状況というものをつくり出してしまった。気に入らない者は少し落としてしまう、鼻息をうかがわなければならない、こういうところに大変ルーズな、しかもワンマン的な今日の状況というものが発生をしたんじゃないんでしょうか。その辺の見解はどういうふうに省としてはお考えですか。
○政府委員(寺島角夫君) 御指摘の中にございました、一般的に申し上げまして、省が法律によりまして監督権を持っておりますところに学校の、あるいは省の先輩という方が責任者あるいは役員として行っておられて、それを監督する方が後輩であるから監督が十分に機能をしないのではないかという御指摘でございますならば、私どもそういうことを考えたり、あるいはそういうことを顧慮したりして監督に当たってきたことはないということを申し上げておきたいと思うわけでございます。
○坂倉藤吾君 そうしますと、たとえば監査役というのはきわめて私は大きい責任があると思います。今日まで監査役は一体何をしておったのでしょうか。これは直接聞かなきゃならぬことであろうと思いますが、少なくとも監査役が監査役の役を果たしていなかった、こういうことは端的に言って言えると思うんですが、その辺は郵政省はどうお考えですかね。
○政府委員(寺島角夫君) 御指摘の点は大変重要な点だと私も認識をしておるわけでございまして、特に、年ははっきり覚えておりませんが、たしか四十九年ぐらいだと思いましたが、商法の改正がございまして、監査役の権限というものが強化をされております。そういうふうに監査役の果たす役割りというものが会社経営の中で非常に大きな役割りを占めてきておるという事態は十分に認識をして今後も対処していかなければいけない。そういう点は今回のいろいろな事柄に関しまして私が現在問題点の一つとして頭にある点ということは先生の御指摘のとおりでございます。
○坂倉藤吾君 先ほど人事の刷新という話がありましたが、その人事の刷新の問題についてまず頭に立つ方々について、先ほど私が例として申し上げましたような姿ですね、これに対して、これは大臣からお答えをいただきたいんですが、何かこの問題についてきちっとメスを入れる腹構えというのはおありなんでしょうか。
○国務大臣(大西正男君) ただいま事務当局からお答えをいたしました話の中にも出ておりましたように、もとの社長、副社長、それぞれ退陣をされたわけでございます。その後、その退陣に伴って、かねてから会長をされておられます古池会長がいま社長を兼務してやっておられるところでございます。一応事件後の人事といいますか、経営陣営が変わっておるわけでございますが、これはこのままでいいというわけではございませんので、新しい首脳陣人事というものを早急にやってもらわなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。そこで、KDDの内部におきまして主要人事について陣容を整えて、そうして新しい陣容のもとで心機一転をして本来の業務に精励をしてもらわなければならない、このように考えておるところでございます。
○坂倉藤吾君 きょうの新聞を読ませていただきますと、与党の方の大体の方向が報道されているわけでありますが、これは組織に対して会計検査のいわゆる対象に持っていこう、こういう話がされているようであります。具体的には、監視の方法として、会計検査院の検査を受けさせる。二つ目は、現在事業計画までを対象としている郵政省の認可権を予算、決算にまで広げる、そしてこれは蔵相もその合議に加わるのだ、こういうふうな形のものが出ていると思うのです。そうしますと、これはKDDがいわゆる株式会社であるという観点、それでもって、たとえば国際的な変化に対応のできるようなもの、こういうふうな形で今日まで進めてきたものが、今回の事件を契機にして大変、言うなら官庁並みの変化をしよう、こうなるわけでありますから、相当性格が私は異なってくるだろうと思います。 これは与党の方の論議でありますから、そのことについて文句をつけるわけではありませんが、これは一つの案として提起をされましても、性格づけの問題としてはきわめて私は根本的な大きな課題を含んでいるのじゃないか、こう思います。だから、相当これは慎重にこの性格の問題等について論議を必要とするだろう、こういうふうに私は考えておるのですが、その辺の見解をひとつ、あればお聞きをいたしておきたいのです。
○政府委員(寺島角夫君) 先ほどもお答え申し上げましたように、現在大臣から事務当局に対しまして、KDDへの監督のあり方ということにつきまして、法改正を含めて早急に検討するようにという指示がございまして、われわれも検討を急ぐ段階にあるわけでございますが、ただいま御指摘のとおり、株式会社という経営形態の中で、それをとります前提におきまして、国のコントロールというものをどの程度にするのが適当であるか。現行法がそれで十分なのか、あるいは足らざるところがあるのか、そういう点につきましては、おっしゃるとおり現在いろいろな御意見がございますことは承知をいたしておりますが、いろいろ重要な問題あるいは基本にかかわる問題を含んでおることは御指摘のとおりだと思います。 しかしながら、現在の事態というものを踏まえまして、現状におきまして国のコントロールのあり方というものをどの程度にするのが最も適当であるかという観点から、慎重かつ早急に私どもといたしましては検討を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○坂倉藤吾君 最後にもう一点だけお聞きをしておきますが、先ほども成相先生との質疑の中で出ておりますが、KDDのいわゆる中間決算、中間配当にかかわる認可申請が出ていますね。これに対して十月の二十六日に当初出てきたものが、いわゆる事件発生以来十七日に撤回をされて、そして新しい修正をされたものが十一月の二十二日に出てきて、そして十一月の三十日に省としては新しいものについての決裁を行った、こうなっているのですが、これは十一月の二十日のいわゆる国際電話料金、全体の大体六五%に当たるもの、こうなって、テレビ専用線の関係等から三回目の料金改定と、こうなるのですが、これとの絡みの中で、この中間配当についていわゆる決裁を行われた判断の根拠というのは一体どこに置かれているのか、最後にこれだけ明確にしてください。
○政府委員(寺島角夫君) KDDの本年度の前期の中間決算につきましては、ただいま御指摘がございましたように、十月の末に出てまいりましたものが審議の途中でKDDの方から取り下げがございまして再提出になったわけでございます。これを十一月三十日に申請どおり認可をいたしまして、年一割、半期でございますから五%の配当を株主にいたすことについて認可をいたしたことは御指摘のとおりでございます。この利益金の処分に当たりましては、従前からそのようにやっておるわけでございますけれども、営業活動の結果生じました利益金の配分、この際は株主への配当を幾らにするかということでございますので、従来からKDDに対しましてはその会社の性格等にかんがみまして年一〇%配当ということでずっとやってきたわけでございますので、今回それを変更する理由はないということで従前どおりの率で認可をいたしたということが一点でございます。 それからまた、なお、一般的に利益金の処分に当たってどういう観点で見ておるかと申しますと、これが郵政大臣認可にかかわります理由を考えてみますると、利益金の処分と申しますのは、営業活動の結果生じました金が社外へ流出をしていく金でございます。したがいまして、この社外への流出の限度と申しますか、その態様というものが会社経営というものから見て適切であるかどうか、それが国際公衆電気通信という重要な業務に悪影響を及ぼさないかというような観点から従来から審査をしてまいった、そういうことでございます。
○大木正吾君 関連いたしまして伺いますが、最初に大臣に、これは質問ということよりは要請的なことなんですが、きょう、前社長の板野さんおいでになっていらっしゃるのですけれども、実はKDDの古池さんその他二、三の関係者を参考人といたしまして佐藤君、保田君等も呼んでおったのですけれども、それに対して出席できないという断りがあったわけですね。その理由が、一つは、捜査当局の手が入りまして書類がないと。もう一つは、予算委員会等におきましていろいろ御答弁したからという、この二つが主な理由でもって、委員長の手元にきょう出席をしないと、こういう連絡があったのですが、これについて、前社長の板野さんも来ているのに、現KDDの首脳の方が出てこないということについて、大臣どうお考えでしょうか。
○国務大臣(大西正男君) 私どもといたしまして、これについては意見を申し上げることがいいのか悪いのかちょっと疑問に思うわけでございますが、御判断は、国会であります委員会の方でひとつ御判断をいただきたいと思います。
○大木正吾君 出席を断ってきました理由の中に、一つ、ちょっと委員会でも看過できない問題がございます。それは、捜査当局によりまして関係書類を持っていかれたから出席できないという断りでございますと、本委員会は、KDD問題を国民の方々が非常に関心を持って、どういうふうに決着を国会つけるかということについて見ている問題に対しまして、これは本当に審議ができない、質問ができない、論議できない。いえば政治に対する国民の不信感というものを助長してしまうんですね。 大臣、先ほどの中間報告でございますけれども、その中でいま厳しくKDDを監督する、こういう要旨もございましたけれども、いま私が申し上げた部分に対して、今後、捜査当局が書類持っていきましても刷新委員会等あるわけでございますから、その中で可能な範囲の答弁はできるはずなんですから、本委員会をいわば冒涜することは国民に対する冒涜でございますから、そういったことのないように御指導いただけますか。
○国務大臣(大西正男君) この問題は、参考人というものに対して政府が指導守できるかできないか、指導の範囲外ではないかと思うんでございますが、私どもとしては、国会という権威ある最高の機関でございますから、その御要求によって出席を求められた人はそれに極力応ずべきではないかと、このように考えます。
○大木正吾君 後段の方のお話は、極力応じなけりゃいけない、こうおっしゃいますから、趣旨は幾らかわかるんですが、前半の方のお答えがどうも気に食わないわけです。KDDは郵政大臣が監督している特殊法人の会社ですから、ですから参考人としての出席については、これは俗な言葉で申し上げますと、首に綱をつけて引っ張ってくることはできないという形の国会法の規定でございますから、私どもとしますれば、そういったことについて強制権はございません。しかし、もしもどうしても参考人として出席されないとおっしゃれば、そのことを理由にして私たちは証人としてでも——証人にはこれは拘束権がごさいますから、おいでいただくと。 しかし大臣、こういう問題について、やっぱりおっしゃっていることに対しての、いえば疑惑といいましょうか、お答えにうそ偽りがあれば別ですけれども、やっぱり大臣の前段のお言葉につきまして、監督官庁の大臣ですから、あなたを信頼してこの問題を解明するしか私たちはないわけだし、予算委員会でも決算委員会でもないんですよ、この問題の解決の場は。逓信委員会なんですからね。その責任者がもう少し指導という意味合いの立場について、ある程度責任といいましょうか、決意を持ってこういった事態が起きないように考えていただきたい、こういうふうに申し上げておきたいんですが、再度ひとつ御答弁いただけませんか。
○国務大臣(大西正男君) 私も先生と同じ国会議員の一人といたしまして、先ほど申し上げたような気持ちでございますが、政府という立場に立ちますときには、そういうことを参考人の人たちに私どもから何といいますか、働きかけるということはいかがなものか、私、いまちょっと即答を申し上げかねるわけでございます。 この問題につきましては、ひとつ当委員会におかれまして結論をお出しくださいますならば、私どもも十分に考えてみたいと思います。
○大木正吾君 いまの大臣の答弁、きわめてすっきりはいたしませんが、当委員会で合意があれば大臣もその方向に沿って努力をしていただけると、こういうふうに私なりに受けとめまして、これは時間がだんだん来ますので、次の問題に入らせていただきます。 やっぱりこれは、何だかんだと言ったって大西新大臣、KDD問題について本当に大臣は国民の前に疑惑を解明したいお気持ちが一〇〇%あろうと思うんですけれども、いまおっしゃった言葉を国民が聞いただけでもって、大臣は本気になってこれ、国民に問題明らかにする気持ちがあるだろうか、こういう疑問が沸いてきますから、その辺のことについて私は大臣を、とにかくきょうは信頼といいましょうか、いまのお言葉の中身をいずれ理事会でも議論いたしますけれども、期待しながら今後の対処について大臣にも直接、逓信委員長あるいは理事会の合意等についてはお伝えいたしますから、よろしくひとつお願いいたしたいんです。 板野参考人に伺いますが、会社をおやめになっているところを大変御苦労さんでございますけれども、KDD内に古池会長を中心とし、キャップとします刷新委員会が持たれたようですが、これに前社長といたしまして何か事情聴取をされたことがございましょうか。
○参考人(板野學君) この問題につきまして一回ほど私どもこの話し合いをしたことはございます。それ以外にはございません。
○大木正吾君 実は前回板野参考人においでいただいたときに、いろいろ購入、輸入——密輸もございますけれども、そういった問題について伺ったときに、板野参考人といたしましては、そういった指示をしたことがないというふうにおっしゃったんですが、どうもその後の、先ほどの大蔵省ですか、関税当局の告発の内容等を拝見いたしますと、断定的に私も言いませんけれども、板野さん御自身が指示をしたかあるいは決裁印を押したか、会社自身が告発されているということになりますと、どうでしょう、これは会社の告発でございますから、会社の定款上における最高責任者、権限者ですね、最高責任者たる者は、結果的にはやっぱり相当程度の責任をこの事件について負わなくちゃいけない、こういうふうに考えるんですが、前回の参考人としておいでいただいたときのお答えではどうもそういう節がなくて、いえば税関で密輸で捕まった二、三の方々の問題である、こういうふうにお答えを繰り返されたと思うんですが、その辺、最近のお気持ちはどうでしょうか。
○参考人(板野學君) 私が会社におりまして社長としてやっておりましたとき、こういうような事件が起こったわけでございまするけれども、会社といたしましては、決して関税法の違反になるような、いわゆるこの密輸と言われておるような、脱税をするとか無申告をするとか、あるいは価格を低く申告する、こういうことを会社の指令として出したことはもう一回もございません。そういう点はここで私ども確言をいたしておきたいと思います。 しかしながら、こういうような事件が起きてまいりますと、私ども平素からの指導、監督というものが十分でなかった、これがためにこういうような全く国民の皆様にも相済まないような事件となりましたことを私ども深く反省をしたしまして、副社長以上ひとつこういうような事件に対しまする反省の結果辞職をいたした、こういう次第でございます。
○大木正吾君 大蔵省から先ほど説明されました方と両者にお伺いいたしたいのでございますが、これは個人の関税法違反容疑の問題はさておきまして、「国際電信電話株式会社に係るもの」という部分にこういう言葉がございます。「右三名は、同社の業務として前記の各物件を輸入するに際し、」云々から始まって、そして「関税法百十七条、物品税法四十七条(両罰規定)」、これはどう読んだらよろしゅうございますか。 要するに、よく俗な言葉ですと、マスコミ等では会社ぐるみと、こう言いますが、この三人の方方は「同社の業務として前記の各物件を輸入するに際し」と、こうありまして、そうなりますと会社自身が告発されているわけですから、それに対してさっき説明した方、まだいらっしゃいますね。——これは板野さんの社長時代に起きた問題でございますから、板野さんと同社の業務というかかわりについてわかるように説明をしていただけませんか。答える方いませんか。
○政府委員(矢島錦一郎君) 国税庁の直税部長でございますが、ただいま関税局の者がおりませんので、所管外でございますのでちょっとお答えを差し控えさしていただきたいと思います。
○大木正吾君 ここのところは非常に板野さんの前回のお答えとの関係もあるし、いまのお答えとも関係あるから聞いているんですけれども、本件の今後の推移等を勘案するのに非常に大事な部分なんですよ。私たちはマスコミの情報等もずいぶんたくさん耳にいたしておりますけれども、「同社の業務」ですよ、業務ね。ですから、業務ですから、たとえば佐藤室長が命令下したのか、あるいは保田さんがやったのか、あるいはその段階でもって会社の内部の規定が決まっているのか。佐藤前室長の場合には、これはもう社長直属なんですから、そういう因果関係も出てくるから、ここのところ、もうちょっとわかりいいように説明してもらいたい。いまお答えがとぼけてできないのか、それとも担当者いないからできないのか、もし担当者いないのでできないんだったら、これは後ほどで結構ですから答えてもらいたいんです。
○政府委員(矢島錦一郎君) 大変恐縮でございますけれども、所管外でございますので、後ほど担当の者から答弁さしていただきたいと思います。
○委員長(矢田部理君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(矢田部理君) 速記を起こして。
○大木正吾君 いま五、六分で来るというので、その間別のことを、時間もったいないから聞いておきます。 郵政省の、いま坂倉委員も質問された問題でございます。監督責任についてなんですが、五十三年度の決算でしょうか、やり直しを、簿外資産の問題等も含めてやられた、こういうふうに新聞報道等で拝見をするんですが、これに絡んでの内容を若干監理官から伺いたいことと、それからこれは、もし簿外資産といえども仮に二億数千万あったとしますれば、法人税法の問題が起きてこないかどうか、ここのところを大蔵省の関係者の方と監理官の方からもひとつ監査をやり直した中身を要点的に話してください。時間も余りなくなってきましたから。
○政府委員(寺島角夫君) 本年度の上期の中間決算でございますが、一度提出をされまして、私どもが審査をしております途中にKDDの方から、中間決算対象期の資産内容に変更を要することが判明しましたということで、これを修正することにしたいということで取り下げがございまして、改めて十一月二十二日の取締役会の議を経て提出をされたわけでございます。 それでは、どの点が修正をされたかという点でございますが、修正されました内容につきましては十一月の十六日判明いたしました物品七百七十三点、八百六十七種ということにつきまして適正に評価いたしました結果、その金額が三億五千四百万ということで、この部分を修正決算として新しく計上したわけでございます。そのやり方につきましては、五十四年度上期に購入した分とそれ以前に購入した分とございますので、それぞれやり方が異なっておりますが、概要以上のとおりでございます。
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘の課税上の問題でございますけれども、個別の点につきましては、事実関係もまたつまびらかでございませんので必ずしも明らかでございませんが、一般論として考え方を申し上げますと、いわゆる簿外資産の取得が企業の経費支出によりまして購入しているものでございますと、その経費支出というものは税務計算上損金にならないということになりますので、その分だけその事業年度の課税所得が増加する、こういうことになるわけでございます。ただし、その経費支出が、たとえば税務計算上損金に算入されない交際費といたしましてすでに課税所得に加算済みである、こういうような場合になりますと、結果的にはその事業年度の課税所得は変わらない、こういうことになろうかと思います。 それからなお、進行中の事業年度内の問題でございますと、取得した簿外資産につきまして法人が適正な修正経理を行った上で確定申告を今後するということになりますと、その限りにおいてはその場合は税務上の問題はない、そういうような整理になろうかと思います。
○大木正吾君 ちょっと追加して申し上げて伺いますが、大体新聞報道以外、余り詳しい内部からの告発も手元にありませんのでわかりませんが、いまのお話ですね、たとえば簿外資産として云々といいましても、帳簿に載っている部分、載ってない部分ですね、相当いろんなものがあろうと思うんですよ、私の推測でございますけれどもね。そうしますと、法人税の、いまのお言葉ですと脱税ということはお使いにならなかったのですけれども、仮に交際費その他の諸経費でよくわからない不明金ですね、不明金なんかでもって処理しているものの場合には、法人税の脱税という問題についても生ずる場合がございますね。
○政府委員(矢崎新二君) ただいまの大木委員の御設例でございますと、仮にいわゆる簿外資産というものがすでに支出された時点で使途不明金という形で処理をされていたものである場合にどうであろうかと、こういう御質問かと思いますけれども、そういう場合でございますと、先ほどの設例と似ているわけでございますけれども、使途不明金として処理をした時点におきましては、その支出額はやはり損金を否認いたしまして所得に加算済みでございますから、そういう意味では簿外資産ということで確認された場合でも、その場合もやはり同様に新たな所得の追加という問題にはならないというケースかと思います。
○大木正吾君 あなたそうおっしゃって、非常に注意して発言する気持ちはわかるんですが、どうも簿外資産といってみても、九千点とか二億何千万とかたくさんございまして、そうして商品券だとか何だかんだとたくさん出てきますと、われわれも何か見当がつかないわけです。だから、どちらにも断定できないということはわかりますけれども、余りここでもって法人税の上積みなり脱税なりの必要性がないことを強調され過ぎますと、捜査当局なり検察のお調べの結果、あなた方の方で今度立場としてまずい答弁をしたということにならないように私はむしろ好意的に申し上げているわけだから、その辺はどっちでもとれるように答えておかないと後でもってまた問題になりますから一応そこでもってとめておきます。 次の問題に移りますが、実はこれも坂倉委員の質問と関係若干するんですが、大臣、KDD発足以来の社長名簿を実は私調べてみたんですが、初代社長澁澤敬三、二代目町田辰次郎さん——東京市議、協調会の出身の方です。それからその次また澁澤敬三さんと、これ民間人ですね。濱口雄彦さん——日銀かなんかの方ですね。ずうっと見ていきますと、結局坂倉さんがさっきおっしゃったけれども、まさしく大野さんが入ってからというものは、郵政官僚がずうっと役員に圧倒的な数を占めてきているわけです。そして今度の事件の背景の中にも、何かしらこれは一般の従業員のうわさ話を聞くんですけれども、やっぱり何か葛藤といいましょうか、中に非常に不明朗な派閥対立的なものがあると、こういう話も伺うんです。 しかし、それはさておきまして、先ほどお答えがあった中で新しい会長、社長人事のことが取りざたされておるし、恐らく経営刷新委員会、きょう実はKDDの現在の方がいませんから困っているんだけれども、とにかくだらんこだらんこしているんでしたら早く新会長、新社長を決めて、そして、やる気のない役員はもうかわってもらうということが必要なんです。ですから、そういうふうに考えていきますと、私はやっぱり民間人を登用した時期の方がKDDはわりあいに経営状態が健全だと、こういう感じがするんです。 ですから、新役員の問題等について、ここまで非常に好意的に申し上げているんですが、どこの場所でどういう相談で決めるかについて、もし大臣の所感があったら教えてもらいたいんです。官邸筋で決めるのか、あるいはついそこの本部でお決めになるのか、大西さんの意見が半分以上入ってお決めになるのか、その辺きわめて重大でございますから、感触でもいいし、所管大臣ですから、やっぱり決意をもってこれ人事に対して発言してもらわなきゃいかぬので伺いたいんです。
○国務大臣(大西正男君) いろいろと御心配をいただいておりますことは感謝にたえません。この人事の最終の認可をいたしますのは、法律にございますように郵政大臣でございます。したがいまして、大西が認可につきましては決定をいたします。
○大木正吾君 そこのところは入り口だったんですけれども、実は質問したいことは政界、官界との癒着の問題につきましてここに一つの時日経過がございますから、時間がありませんから余り詳しく述べられませんが、これは昨年の四月二十一日の参議院ロッキード問題に関する調査特別委員会記録第三号、これはお持ちでないと思いますけれども、後で見て結構ですけれども、この中の八ページに、わが党の寺田熊雄委員の方から当時の国税庁長官に対しまして御質問した事項がございまして、これは実は最近の新聞記事とも若干重なってくるのでございますけれども、KDDにたくさん入っていますいろいろな料理店とか飲食店がございますね。そういった中で出てきた政治家のお名前とも関係いたしまして、実は五十一年の総選挙の終了間際に、住友銀行岡山支店から同銀行中野支店に対しまして佐藤洋一——これは恐らく他人のそら似の名前じゃないと思うのですけれども、名義の口座に五千万円を送金したという事実、これは去年のロッキード問題に出ているわけですから、これは私が調べたわけではないんですから。 そういう関係と、問題は、そこで私が伺いたいのは、このときに磯邊さんが、国税庁長官がおっしゃっていることは、これについてこういう言葉を使っていますよ。先生の御指摘になりましたそういった資料というのは、きわめて重要な資料であると受けとめております、という答弁がございまして、これについて国税庁なりは、これは東京国税局かもしれませんけれども、調べることを注文つけられているわけでございますけれども、お調べになったかどうか、それを答えてもらいたいのです。
○政府委員(矢島錦一郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、五十三年四月二十一日の参議院のロッキード特別委員会におきまして、寺田先生の御質問に対しまして磯邊長官の方から、「ただいま先生御指摘になりましたそういった資料というのは、私たちきわめて重要な資料であると受けとめておるわけでございます。」という御答弁を申し上げております。こういう御指摘のございました架空名義預金につきましては、長官からそのとき御答弁申し上げましたとおり、確かに一つの資料、情報として受けとめたわけでございますが、その取り扱い等も含めまして、先生御案内のように個別の問題でございますので、どういうふうにしたかということについてはひとつ御答弁を差し控えさしていただきたいというふうに思うわけでございます。
○大木正吾君 去年はこのKDD問題が出ていなかったわけですけれども、あなたの御判断でどうですか、この佐藤洋一という名前ですがね、これは前KDDの社長室長の佐藤陽一さんと同一人という御判断に立たれますか。
○政府委員(矢島錦一郎君) ちょっと私には何ともお答えができませんが、個別の内容にわたることでございますので、ひとつお許しいただきたいというふうに思います。
○大木正吾君 お許し願いたいといって勘弁ならないんですよ、こっちから言わせれば。こういったことが、結果的には国際電電の中に店を出したりという、パーティー券を三枚買った、五枚買ったということじゃないですよ。一体これに対してKDD——板野参考人おられますが、伺いますけれども、この方々の代表取締役になっている三和物産、あるいはKDD内における喫茶店の経営、これについて一体KDDは家賃なり敷金なり取っているのですか、その金額なりを示してください。
○参考人(板野學君) 家賃その他は、周囲の他の、いろいろな建物にも入っておりまするそういう同種類の企業と同様な家賃を取っておると、こういうぐあいに私は考えておりまするけれども、その詳しい資料をただいま持っておりません。これはKDDの方からまた資料を提出するようにしていただきたいと、こういうぐあいに思います。
○大木正吾君 国税庁にもう一ぺん伺いますが、佐藤洋一さんという方との——私名前をあえてここでもって申し上げませんけれども、この方はかつての自民党さんの逓信部会長ですよね。ですから、関係がどうもぼくらもよく脈絡わかりませんよ、ルーツわかりませんけれども、そういうような関係についてもうちょっと国税庁の方でも、たとえばこういう資金が何で流れてきたのか、相当の額です、五千万ですからね、これは。それで、おたくは調べるという意味合いの答えをしているわけだから、記録にちゃんと残っておるんですからね。 時間があったらもっとぎゅうぎゅう言いますけれども、時間があと少ししかありませんからこの辺でやめますけれども、とにかくこれに対して疑惑がありますことは、脱税ということがないかどうか。同時に、いま板野さん答えたけれども、やっぱり政官界の癒着ということをマスコミにこてんぱんにぼくらはたたかれているわけですよね。私の友人もたくさんいますよ、KDDに。国際関係、無線通信関係の方行っておるわけですからね。だから、逓信族というのは家族ぐるみで歩けないんだ、世の中をですね。そういった問題について、もうちょっとあなた方しっかりやっぱりして、根元はどこにあるかということを調べてもらわないと、こっちは大変に迷惑をしておるんですからね。 そういったことを含めて、私の疑惑はきょうはこの程度にしておきますけれども、問題は二つあります。一つは、こういった資金の流れに関しまして脱税的なことはないのか、所得の申告の額も全部ここ出てますよ、記録に。去年四月の二十一日ロッキード特別委員会の記録に出ていますよね。ですから、そういったことの関係で、もうちょっと答えたものについて責任を持ってもらいたいし、同時に政官界のつながりについてはやっぱりお互いに考えて、皆さん方御自身が調べて、言えること言えないことあるでしょうけれども、しっかりした措置をとってほしい、こういうふうに考えるし、いずれこれはKDDの方のまた刷新委員会から聞きますけれども、その後家賃を取り始めたのか、前はどうなっているのか。ああいうあなた、りっぱなところへ出している店ですから、相当敷金も高かろうと思っているんだけれども、一体どうなっているかわかりませんからね。 きょうは答え、これは板野さん、なかなか資料ないようですから無理でしょうから、いずれ後で聞きますが、こういったことを、私は政官界の癒着というものの中の表に出ていることもあるけれども、もっと深い意味、同時に次の社長人事をめぐってまたまたいわばこういった疑惑が持たれては困りますからね。そういったことを含めてあえて申し上げているわけです。 最後に、時間が少し迫りましたけれども、今後の問題として大臣に一言だけ伺っておきますが、さっき坂倉さんもおっしゃったんですけれども、住宅公団とかそれから電源開発ですね、これが非常にKDDと似ていると思うんですね。KDDには政府直接の資金じゃなしに電電公社の資金等が若干入っているわけでございますけれども、いまの郵政省の監理官室には何人の人がおるのか。寺島さんの才能を認めてますけれども、あなたの部下が何人おって、本当に利益金処分だけというかっこうだけのことをやっているのか。平素から、いわば三月に一遍でも、毎月でも、監査役なりと連絡とりながらKDDに対する監査、監督はいまのままでできるかできないか、これを端的に答えてもらいたいですよ。これは今後の問題として私も意見がありますけれどもね。
○政府委員(寺島角夫君) 現在、監理官室は四十四人でございまして、その中で非常に多種多様な業務を行っておりますので、御指摘のとおりKDDのこういった、たとえば利益金処分とか、法律に命ぜられております監督を行っている人数というのはきわめて少ない人間でございます。この少ない人間で従来監督に当たってきたわけでございますが、いま考えてみますと、私どもといたしましてその中でいろいろ努力をしてきたというふうには考えておりますけれども、また一面、先ほどもお答え申し上げましたように、われわれの監督に当たります姿勢と申しますか、そういうものに甘い点はなかったかどうかという点もやはりわれわれがただいま検討をし、是正をする点があればしなければならないポイントの一つではないかと私自身は感じておるところでございます。
○大木正吾君 最後ですけれども、これは先ほどの質問、後で答えていただきますが、大臣に御参考に見てもらいたいものがあります。それは二十七年の五月三十一日、電気通信委員会と当時は申したのですが、記録三十三号の四ページの真ん中の段にございますが、わが党の石川金次郎君がこういうふうに申し上げています。要するに、利益があれば会社というものは御しがたい駻馬となるんですね。そして、いろんな不祥事を起こしてまいります、こういうふうにはっきり当時指摘しているんですね。 私は当時、電電公社の組合の書記長でございましたから、国内、国外分けている国は余りないんです、率直に申し上げて。ですから、私自身はこのKDDという会社を電電公社から切り離すの反対という立場でもって走っておったんですよ。わが党も走っておったわけですよ。この明確な「駻馬」という指摘ですね、「不祥事」という指摘が今日起きているわけですよね。 ですから、こういったことをよく読んでいただきまして、そうして、もちろん組織、機構についてもまた時間がある際に申し上げますけれども、ぜひ私は今回の不祥事のようなことがないような案をつくるための学者とか民間人、その他いろんな労組代表等も入ってもいいでしょうけれども、とにかく百十一の特殊法人があるわけですから、そういう中のものでもって済むのか、あるいはもっと遠距離、遠くを見まして、八〇年代のやっぱり電気通信あるいはコンピューター時代というものは大変なことですからね。そういった大きな視野でもって一体どういうふうに不祥事を起こさない、同時に国際競争にも負けてはいけない、あるいは日本の国民の通信を守る、毎外とか、国内と国外との関係も含めて、私はこういった記録等についても十分目を通していただきまして、目先の問題だけで始末しようと言ったってとてもできませんよ。 そういったことを私、最後に承りたいと考えておりまして、具体的に、時間がありませんからこれ以上言いませんが、大臣の、新しい役員の問題、同時にKDDの今後の組織、機構についてのポイントについて、どの辺に着目をして組織、機構の改廃——法的な改廃等も考えておるという話もございましたから、その辺についてもし構想があったら聞かしていただきたいのです。
○国務大臣(大西正男君) 第一点の人事の問題でございますが、これは五十二年の十二月の閣議決定というのがございます。この閣議決定の線に沿ってやりたいと思っておりますが、それは社の内外の有識者の中から、それにふさわしい優秀な人物を登用すべきであると、こういうことでございまして、その線に沿って、それとKDDの特殊性等考えながら、この問題を適切に解決をさしていただきたい、こう考えておるところでございます。 第二の点でございますが、先生のおっしゃる御意見もまことに傾聴すべき御意見の一つだと考えます。ただ、私どもといたしましては、KDDが独立をして、そしてKDD株式会社法ができて、それに基づいて設立をされました経緯というものがやはり今日もその理由があるのだし、さらにこれからの将来のことを考えましても、基本的には同じ考えに立ってやっていくべきではなかろうかと、こう私は考えております。 もう一点は、KDDとそれから電電公社とを統合ということになりますと、これこそ巨大な組織になるわけでもありますし、その辺やいろいろのことを考えまして、やはりKDDとしては現在の法律の基本的な考え方に立って、民間の株式会社として存続していくのが適切ではないか。しかし、いまこんなに問題になっておりますように、思いも寄らない事件が起こっているわけであります。しかもまことに残念な事件が起こっているわけでございます。 そこで、KDDの経営のあり方、経営姿勢の問題として、今後十分に経営倫理を確立をしてもらって、それの上に立って良識のある経営をしていくような、そういう部内における姿勢をとってもらわなければなりませんし、それから監督官庁である郵政省の監督のあり方についての過去を十分に反省すべき点は反省をしてやっていかなければならないと思いますし、さらにそういった好ましい態勢というものを常時維持していくについては、これが制度的にもこれを担保する何らかのものが必要であるかもわからぬということで、先ほど来申し上げておりますように、法の改正を含めて検討を進めておるところでございます。そういうことでありまして、KDDにつきましては将来再びこんな問題が起こってはならない、このように考えております。そういう意味から、これからも監督して指導をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○大木正吾君 いまの御意見に対しましても、私の方から具体的に実は幾つか注文等出したい点もありますが、時間がありませんから、ただ、いま大臣もおっしゃった民間会社のという話と、先ほどの新聞にありました会計検査院が結局入り得るということに対しまして、これは非常に法的には根幹的な矛盾が起きてくるとも考えられますので、いろいろ言いたいことございますけれども、いまの大臣の言葉を受けながら、なお私たちも本委員会であり方について追求してみたい、こう考えております。 先ほどの大蔵省の問題に対しましての答弁者参ったらひとつ、恐らく私の方から伺ったことについては知っているでしょうから答えてください。
○政府委員(青木英世君) 先ほど私どもの方から御報告申し上げました点と、板野参考人のお話とが違うんじゃないかというふうに承っておるわけでございますが、私ども、先ほど御報告申し上げました中で、実行行為者三名のほかに、国際電信電話株式会社も告発したと申し上げましたが、これは先ほど申し上げましたように、関税法の百十七条及び物品税法の四十七条の両罰規定に基づいてやったものでございます。この両罰規定と申しますのは、法人の従業者等が犯則行為を行いました場合に、その行為が、法人あるいは会社の業務とかあるいは財産に関します場合には、当該犯則行為者を罰するほか法人についても罰金刑を科する、こういう条文がございましたので、その条文の適用が認められるということで国際電信電話株式会社を告発したわけでございます。 したがいまして、この密輸につきまして、具体的に会社の首脳部から指示があったかどうかということは別の問題でございまして、もしそういう指示があったとすれば、別途共犯ということになろうかと考える次第でございます。
○大木正吾君 別の問題とあなたおっしゃるけれども、会社の業務に対する最高責任者が定款で決まっているわけですからね。ですから、やっぱり会社というのは役員がおり、同時に職員や社員がおりまして成り立っているわけですから、税法上は法人擬制説なんというまやかしがございますけれども、やっぱり会社を代表する方がこの業務、両罰規定に関して関係が、問題が全く別だという見解には私は同意しかねますけれども、余り法律をいわばかっこうよくというか、都合よく勝手な解釈をしないでもらいたいと思うんですがね。
○政府委員(青木英世君) 両罰規定が設けられております趣旨は、そういう行為についていわば法人等がその従業者等を選任すると、あるいは監督すると、こういった責任を問うという意味で両罰規定が設けられているものと解釈をされておるわけでございます。したがって、その意味では当然会社の社員がそういう行為を行ったことについての選任と申しますか、監督と申しますか、そういう責任を追及しておる規定だと、こう解釈いたしております。
○大木正吾君 実は、あなたいなかったかもしれませんが、前回板野さんに参考人としておいでいただいたときには、社員の個人ミスと、こういう話でもってずっと終わっていたわけですよね。今度は両罰規定ということになっておりまして、KDD——国際電信電話会社を告発したわけでしょう、おたくの方ではね。ということは、その代表、最高責任者はこの会社には全く無関係というふうに解釈していいんですか。
○政府委員(青木英世君) 私ども単純なミスとは考えておりませんし、したがって、両罰規定も適用しまして会社を告発しておるわけでございまして、会社を告発しておるということについては、当然代表者は責任があろうかと、このように考えております。
○大木正吾君 終わります。
○委員長(矢田部理君) 速記をとめて。 〔午後五時六分速記中止〕 〔午後五時十六分速記開始〕
○委員長(矢田部理君) 速記を起こして。
○中野明君 今回のこのKDDの事件は、私ども、一般の皆さんも、郵政省が監督をしている、そして株式会社であって監査もある、株主総会もある、こういう状況の中で、常識では考えられないような問題が起こって非常に驚いておるわけなんですが、今回のこの事件、改めて郵政省、監督をなさっておりますのでお尋ねをするんですが、この事件の原因がどこにあったと、このように郵政省としては理解をしておられるのか、最初にお答えいただきたい。
○国務大臣(大西正男君) 今回このような事件が起こりまして、国民の皆さんに大変御心配をおかけいたしておりますことは、私どもとしてもまことに遺憾にたえないことでございます。 その原因でございますけれども、いま検察当局によって事件は解明をされております。さらにKDDの内部におきましても、刷新委員会におきまして調査が続けられておるところでございます。そこで究極的にはそれらの捜査あるいは調査の結果にまたなければなりませんけれども、私どもいまこの問題についての認識は、経営陣における経営姿勢の問題がその原因であるということについては否みがたいのではないか、このように思うわけでございます。したがって、この経営の刷新と同時に、郵政省におきましても監督のあり方について、再発防止の資となるようなそういう態度で臨んでいかなければならないと思います。それにつきまして法の改正を含めて、先ほど来申し上げておりますように検討を急いでおるところでございます。
○中野明君 私、かねがねから非常にKDDがもうけ過ぎているということで、それにはやはりこういう公共的な強い性格を持っている事業ですから、適正利潤というものを決めなきゃいかぬと、何回も当委員会でも質疑を繰り返したわけですが、先ほど板野参考人から私、公式の場所では初めて聞いたような気がするんですが、昨年適正利潤を決めて、総資本の六から八と、郵政省に出したと、こういうことをおっしゃったわけです。 十月二十九日の委員会にもお尋ねをいたしましたが、そのときもまだ全然そんな話もないし検討中でございますと、こういう御返事が当局の方からあったわけでございますが、そうすると参考人が先ほどおっしゃった適正利潤の申請を郵政省へしたということとの間にずいぶんと私、食い違いがあるように思うんですが、郵政省は、参考人が先ほどお述べになったように、適正利潤は総資本の六から八で、この程度が妥当じゃないかと、学者の意見も聞いて郵政省に出したと、こうおっしゃっているんですが、どうでしょう。
○政府委員(寺島角夫君) 適正利潤の問題につきましては、かねがね中野先生から御指摘をいただいておりまして、KDDに対しましてもその点を検討を求め、また私どもといたしましても検討の勉強をいたしておるところでございますけれども、現時点におきましてこういう形になりましたという御報告を申し上げる段階にないことを申しわけなく思う次第でございます。 ただいま御指摘の点につきましては、私もそういう報告を聞いたということを耳にしておりませんので確かめましたところ、いろいろなKDDとしてそういうことについて勉強をしておる中で中間的なものとして、これはまだ会社の意見でも何でもありません、ただこういうことを一つ聞いておりますという程度の話を課長以下のレベルにおいて聞いたことがあると、かようなことのようでございます。
○中野明君 先ほど板野参考人がおっしゃったんですが、郵政省としては、KDDの当時の社長である板野さんから適正利潤をこうして郵政省に報告をしたということ、そんな大事なことが、課長とか課長以下の人、そういう人たちとのいつもの話なんですか。
○政府委員(寺島角夫君) 言葉の足りません点はおわび申し上げますが、私がいまお答え申し上げましたのは、KDDから正式にそういうふうに決めた、あるいはこういうふうに決めたいということで報告があったのではなくて、いろいろ検討している中の一つの中間的な、途中経過と申しますか、そういうことの報告と申しますか、話が課長レベルあるいはそれ以下のところに参ったと、そういうことで申し上げたわけでございまして、会社としてこういうふうにしたい、あるいはこれが適正利潤という問題を考える場合の一つの結論であるというふうな形で聞いたものはございません。
○中野明君 非常にその辺が私、あなたの御答弁納得できないんですが、先ほど板野参考人は六から八ということで、そうなるならば大体まあ百億程度ということをおっしゃったわけです。その辺・に私は今回の問題の一つのかぎがあるんじゃないかというような気がしてならぬわけです。 というのは、適正利潤がその辺に会社としては考えていると。だから、最終的に利益が税を抜いて百億以内におさめたいと、巷間もうほとんど常識的にそういうふうなうわさが流れているわけでしょう。それで、百億以下にもうけを抑えなきゃならぬから、それ以外のお金は美術品とかそういう物を贈答用にするとか、会社の備品にするとかいうことで買いあさったんではないかと、こういうような考え方も持てるんであります。 ですから私は、板野参考人が先ほどそうおっしゃったそういうことが意外に会社の中で常識化されて、そして、それ以上のものを何とか表面に出ないように、物を買ってでも利益を百億以内に抑えようとされたんじゃないか。そういうようなことをよくマスコミなんかでも論じられているわけです。その間——参考人、もし御意見がありましたら。
○参考人(板野學君) 先ほどちょっと私、言葉が足りませんで大変失礼いたしました。私の方で正式にこうだということを決めたわけではございません。外部の学者の方にも相談をいたしまして、大体こういうのが会社の考え方であるがどうであろうかということを、実は当時おりました鶴岡副社長がその会社の大体の案を持ちまして、そして郵政省の方に参ってその説明をいたしたわけでございます。しかし、これは正式にこうだ、ああだとするまでにはまだ至っておりません。その点、はなはだどうも私の説明が不足でございました。 そこで、私ども大体総資本利益率というものを一応考えたわけでございまして、アメリカその他の例をとりまして、大体最低六%、少しいけば八%ぐらい、アメリカの企業の例をとると大体九%から一〇%というのもございます。しかし、その辺がまあいいところではないかと、こういうことで私ども一応の会社の考え方を申し上げたわけでございます。 しかし、それ以上の利益を隠すと、こういうことでなしに、先ほど申し上げましたように、非常に経済も流動的でございまするし、また、非常に国際電気通信の革命的な時代でございましたので、私ども先行きそういうような技術革新によって収入がどうなるかということ、特に税金の問題もございましたので、その行く先につきまして私ども確信を持ってこれだけの利益は守れるんだというようなことが当時私どもの判断を決めるのにまだ十分な資料を持っていなかった、こういう次第でございます。
○中野明君 いずれにしても、社内でそういうふうに適正利潤ということを議論なさっておったことは事実のようでございます。その辺からやはりいろいろの疑いが持たれたんじゃないかというような気がしていけませんが、とにかく想像を超えるような多額の物品が購入されて、そしてそれを各方面にばらまいたと言われておるわけですが、実際にこの決裁をなさったのは、当時社長であった参考人の板野さんではないかと思うんですが、物を買ったりあるいは贈ったりするときの決裁はどういうふうになっておりましたですか。
○参考人(板野學君) 物品の購入につきましては、これはいまの外国の物品を購入すると、こういうような場合につきましていろいろの方法、経費の出し方がございまするけれども、この成田の税関等で問題になりましたそういうような物品につきましては、渉外費といたしまして決めたものを、海外でその目的——会議の目的とかいろいろな目的に使いますと同時に、それがまた物品の購入にもなったと、こういうことでございます。また、国内物品につきましては、資材部を通じてこれを購入するとか、あるいは社長室におきまする経費を使ってこれを購入するとか、いろんなやり方もあるのでございまするけれども、私はどうも経理事情に余り不案内でございますのでここではっきり申し上げられませんけれども、おのおのの、社長が決裁し得る金額、それから常務取締役、それから部長等が購入し得るそういう購入金額の高というものは決まっておるわけでございます。
○中野明君 それはいま覚えていらっしゃいますですか。社長決裁は幾らまでとか、部長決裁は幾らまでとか。
○参考人(板野學君) まことに申しわけございませんが、ちょっと私、いまここでその額については覚えておりません。
○中野明君 先ほど大木委員もお尋ねになっておりましたが、これはいずれ刷新委員会の皆さん方にもおいでいただいて、きょうは出てきておられぬので非常に残念なんですが、お尋ねをしなきゃならぬと思っておりますが、刷新委員会と一回だけ話し合ったと、このようにお話しになっておりましたが、それは刷新委員会の方から要請があってお行きになったのですか。それとも、元社長であられたあなたが自発的に説明にお行きになったんですか。
○参考人(板野學君) 刷新委員会の方から私に要望がございました。
○中野明君 それは一回だけですね。
○参考人(板野學君) そのとおりでございます。
○中野明君 それでは、さっきの適正利潤に戻りますが、郵政省としては、いま課長クラスにもそういう中間的な報告があったということなんですが、この適正利潤というもの、いつごろ結論をお出しになるつもりなんですか。これはもう会社の中でもずいぶん長く検討されていることだろうと思いますし、郵政省も同様に郵政省なりに検討されていると思いますが、その辺がはっきりしないと、こういう問題がまた起こらないということは断言できないかもしれません。ですから、適正利潤をはっきり決めて、そして、そこから一つの刷新の理由にしていくということも必要ではないかと思いますので、その結論をいつごろ出そうとなさっているのか。
○政府委員(寺島角夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、KDDにおきましても、また私どもにおきましても検討、研究をいたしておるわけでございますが、いま、いつまでに結論をということになりますと、私ども決していつまでも放置しておいていい問題とは考えないわけでございますが、内容的にいろいろむずかしい、あるいはきちっとした単一の答えが求められて、それを実際にいわゆる物差しとして適用することが可能かどうかということになりますと、いろいろ問題があろうかと思います。そういう意味で時間がかかっておるわけでございますけれども、私どもの気持ちといたしますと、できるだけ早く、完璧な答えでなくても、何らかの一つの試案程度のものでもまとめることが早くできればというつもりで取り組んでおるところでございます。御了解をいただきたいと存じます。
○中野明君 非常に私、その辺が郵政省の姿勢がすっきりしないと思うんですが、これは郵政省の方から、監督権を持っているわけですから積極的に——大体電力あるいは電電、こういうような類似の公共性の高い事業があって、そこはもうちゃんと決めているわけですから。それで、事情の変化によって、もし将来、適正利潤を下回って会社が経営ができないというような状態になれば、そのときは値上げを認可されればいいんでしょうから。何かしら適正利潤というものを決めることに非常にちゅうちょなさっているような気がしていかぬのですけれども、もう一度御答弁をいただきたいんです。
○政府委員(寺島角夫君) ちゅうちょしたり、あるいは何か別の含むものがあっておくらしているとか、そういうことは決してないわけでございますが、ただいま先生も御指摘のように、適正利潤というものをぴしっと決めて、それによってあるべき利益を算出する。そしてそのことは、非常に料金に与える影響が多いわけでございます。この問題の出てきます一つの根源は、料金問題を適正利潤という観点から会社の経営状態と絡んでどう考えるかという点にあるわけでございまして、その観点から申しますと、適正利潤で決めて、ゆとりがあればすぐその分は料金の値下げの形で還元をすると、しかし、そのかわりまたそれを、利潤がそこまで上がらないようになればすぐ値上げをすればいいではないかということも一つの御議論とは思いますけれども、現実問題として考えますと、なかなかいろいろ問題を含んでおると思いますし、そういう意味で相当幅のある形で適正利潤というものは考えていかなきゃいけない点も私は含んでおると思うわけでございます。 そういう意味では、先ほど成相先生にお答えを申し上げましたが、今回の料金改定を実施をいたしまして、次期五十四年度の決算状況、そしてまた経済情勢等を踏まえまして、料金も引き続き私どもは検討し、利益というものの還元に努めてまいりたいと、かように考えておるわけでございますので、そういう時期ということも頭に置きながら、できるだけ早く、たとえある程度大まかなものであっても、何らかのものをまとめることができたならばというつもりで取り組んでおるところでございます。
○中野明君 非常に何か私の趣旨が通じていないみたいな気がするんですが、利潤ですから、もう株主にも配当して残った利潤ですから、利潤のパーセントですから、そんなにちゅうちょされる必要はさらさらないような気がしていかぬのですけれども、それに関連して、先日参議院の予算委員会で大臣は、KDDは値下げの歴史であったので、料金決定についても公聴会とかそんなことは余りいままで、郵政審議会にも諮問したりそんなことはないというような答弁をなさっておったんですが、値上げも最近やっているわけです。ですから、そのときの御答弁というのは間違いじゃないですか。
○政府委員(寺島角夫君) ただいまの予算委員会におきますお答えは、私が申し上げましたのでお答え申し上げますが、そのときのお尋ねは、たとえば電力料金にあるような審議会とか、あるいは公聴会とかというものがそういう一つのシステム化されておりますような形と比較して、この国際公衆電気通信の料金はどうかというお話でございましたので、過去の相当いろいろ個別に各国との間で取り組みをいたしておるような事例もございまして、数も多い、あるいは大勢的に申しますと値下げの方が多かったわけでございますので、それで、過去においてそういうシステム的なものをこの料金について郵政省としてはつくっておらなかった、こういう御趣旨を御答弁申し上げたわけでございまして、今後値上げということもない方がよろしいわけでございますけれども、想定の中に入れるといたしますならば、いろいろな、たとえば郵政審議会の中に電気通信部会というのもございます。こういったものも含めまして、そういった部外の御意見等を聞きながら、認可という行政行為をなしていくということにつきましては十分に検討し、一つの研究課題としても考えてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○中野明君 あのときのやりとりを私もテレビで見せていただいたんですが、何かその場の言い逃れのように聞こえて……。つい一昨年ですか、二年前にはレンタル料とか設備料を認可で上げているわけですから、だからそういうことをもっと正確に、予算委員会だからといって、逓信委員会と違うんだからといっていいかげんな答弁をなさらぬようにされた方が私はいいと思います。
○政府委員(寺島角夫君) 言葉が足りませんでしたが、あのときお答え申し上げましたのは、国際関係の料金について申し上げたわけでございまして、国内関係の料金につきましては、主要なもの、基本的なものは法定されていることは先生御案内のとおりでございます。そのほかの認可にかかります料金につきましても、その影響の大きいもの、あるいは国民生活に非常に関係するもの等につきましては、随時郵政審議会等に諮問をして対処をするという方針を郵政省は持っておりまして、それでずっとやってきておるところでございます。
○中野明君 なお数点お尋ねしたいんですが、同僚委員も関連したいと言っておりますので、これで終わります。
○原田立君 いま中野委員からも指摘があったのですけれども、大臣並びに監理官、こんな大きな事件が起きる前にどうして一体これを発見し、とめることができなかったんですか。
○政府委員(寺島角夫君) 御案内のとおり、現在の会社法におきましては、会社設立のときの趣旨、株式会社、民間会社としましての機動性、創意性、そういった活力と申しますか、そういったものを十二分に生かす、しかしながら、同時にその事業の持っております独占性、公共性にかんがみまして、必要最小限度の国のコントロールというものをそこに加えるという形で、それに伴います監督権限というものが郵政大臣に付与されておる、かように考えておるわけでございまして、そういった法の趣旨に従いまして監督をしておったわけでございますが、今日このような事態に立ち至りまして、それに対して反省すべき点はないかどうかということ、それは先ほど大臣からお答えを申し上げましたように、制度として法律上それを担保するような制度に欠くるところはなかったか、新しく何かをする必要があるのかないのか、あるいはまた、現行法の枠内におきましても是正すべき点はないのかという点を含めまして現在検討いたしておるところでございます。 同時にまた、会社側に対しましても、こういう非常に公共性の高い事業に従事しておるということの責任感と申しますか、倫理観と申しますか、そういったものを強く持って、合理的かつ能率的な経営に当たっていただくことを強く期待をしておるわけでございます。 で、いずれにいたしましても、いわゆる独占事業というものにつきましては、その事業の性格上、独占にせざるを得ないような事業があろうかと思うわけでございまして、通信というものもその一つかと思うわけでございますが、この独占事業につきまして、その独占の弊害というのをいかにして除去し小さいものにしていくかということが、こういった独占的なものに対します一番の監督を考えます場合に頭に置かなければならない点だと思うわけでございます。 私もこの事件発生以来そのことが念頭を離れないわけでございますけれども、それじゃ、ただ口で言うのは簡単でありますけれども、その独占の弊害を防ぐ具体的な方法というのがぴちっとしたものがあるかということになりますと、なかなか具体的な、現実的な形として結論はこうだというところにまで立ち至っておらないわけでございますが、そういったことを念頭に置きながら、やはりこの事件に対します、これを一つのわれわれの反省の材料ともいたしまして取り組んでまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○原田立君 じゃ、寺島監理官、反省して、もうこういうことは再発しないようにすると、こういう約束できますか。
○政府委員(寺島角夫君) いろいろの面からわれわれとして可能な限り最善の努力をいたしたいと考えております。
○原田立君 最善の努力をして、また二度と再発したら、もう本当にあなたの首もんですよ。私が言いたいのは、先ほど、いまのあなたの話の中では、大臣がさっき言ったと。法律的な問題で何かやる手はないかということをあなた言っている。で、現実の問題いろいろと言って、こうごちゃごちゃ仰せになった。 だけれども、その前に大木委員に対する答えの中に、あなたの方の監理局ですかの中で、人員が、非常に監督する人数が少ない、そのために実は手が回らないんだということを仰せになっておったんです。それは本当の、正直の本音じゃないかとぼくは思うんですけれども、そこいら辺はどうですか。
○政府委員(寺島角夫君) 私どもの方の監理官室が決して多い人数でないことはお答えしたとおりでございますが、だからといって、人数が足らないから不十分であっても仕方がなかったんだというふうな意味で申し上げたつもりはございません。
○原田立君 そんな私も意地悪なことを言っているんじゃないですよ。あなたの味方になって言っているんですよ。人数が少なくて手が回らなくってこういう事件を見落としちゃって、起きちゃってから、はあ困ったと、こう言っているんじゃないかと。そうじゃないですか。
○政府委員(寺島角夫君) たとえ人数が非常に多かったと仮にいたしましても、私どもがいままで法律にのっとりまして行っておりました監督の態様等から考えまして、事前に発見と申しますか、こういった事件の発生を予想するということが可能であったかどうかと考えますと、大変むずかしいことではないかと思っております。
○原田立君 むずかしいだなんて、こんな問題を発見できないような監理官じゃ困りますよ、正直言って。発見してもらわなきゃ困るんですから、あなた専門家なんですから。それでね、もっと精励してもらいたいと思うけれども、もっと陣容の強化をした方がいいんじゃないですか、あなたの方で。
○政府委員(寺島角夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在法改正を含めまして監督のあり方というものについて検討を加えておる段階でございます。その結論がどういう形に出るかは、現在まだ確定しておりませんので、申し上げる段階にございませんが、一定の結論が出ました場合に、それが非常にいい結論が出ましても、果たして現実的にそれが現在の陣容で十二分にその機能を果たし得るかどうかという点もあるいは問題点の一つとしてあろうかと思いますが、私の立場といたしますと、現在の与えられた能力の中でとにかく最善を尽くしていきたいと、かように考えておるところでございます。
○原田立君 わかりました。あなたは本当はもっと陣容を強化したいと、こういうのが本音なんだ。だけれども、定員法や何かでそう言えないから、あなたがそう言い切れないでぐずぐずした返事をしているんだ。 大臣、どうですか、もっとこういう事件を再発しないように監理官以下その陣容をもう少し充実するための努力をなさるお気持ちはございませんか。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 先ほど来申しております法の改正を含めて監督が十分に行われて、しかも反面、株式会社であることの機動性、活力、そういうものを失わないようにするためにはどうしたらいいかということが一点と、それからその法改正をして何らかの監督権の拡大を行うとすれば、それに対するスタッフ、つまり監理官のもとにおける従来のスタッフでいいかどうかということについても私から検討してくれぬかということも申してございます。 しかし、現状は行政改革あるいは経費の節減ということが大変国民の方々から要請をされておるところだと思います。したがいまして、そういう観点からもこの問題を考えなきゃならぬと思うわけでありまして、そこに、言うなら一種のジレンマがございますけれども、国民から国の行政を預かっておる政府といたしましては、国民の御意思が至高の御意思でございますから、至高の何といいますか、命でございますから、その点について、その御要請に沿うように最大の努力を払わなきゃならぬ、こんなふうに考えております。そこで、そういう点を充足しつつやっていくには一体どうしたらいいかということで、いま鋭意検討しておるところでございます。
○原田立君 時間がありませんから、もうこの問題はこれぐらいにしておきますけれども、要するに、こういう事件が起きて、それで、ああしまった、ごめんなさいと、ただ謝ったって済まないでしょうが。ですから、そういうことが起きないような体制をするようにする。法的なことはそれは法的なことで研究しなさいよ。だけど、現実に先ほどちょこっと話の出た、実際少人数の人間でやっているんでなかなか大変だという意味のお話があった。で、そういう問題として聞いているわけなんです。まあよく十分受け入れて改革して、そして、こういう事件が再度起きないようにしてもらいたいと思うんです。 ところで、板野前社長、お伺いしますけれども、あなたの場合、十月二十五日に役員を辞任なさっておられるけれども、現在の身分というのは一体どういうふうになっているんですか。
○参考人(板野學君) 会社とは何らの関係のない地位にただいまおります。
○原田立君 そうすると、会社はもう退職したというふうに理解してよろしいですね。
○参考人(板野學君) そのとおりでございます。
○原田立君 いま司直の手が入っていろいろと調べられている問題でありますけれども、新聞報道等によりますと、贈答品の買い付け総額が七億九千万円という非常に膨大な金額になり、もう現在で四億三千万円も使われているということが報道されておりますけれども、それはあなたお認めになりますか。
○参考人(板野學君) この件につきましては、いわゆる関税法で国外で買い付けをした物と国内で買った物とがございまして、新聞報道等で聞いておりますというと、大体国外で買った物が一億五千万円くらいあると、それから国内で購入した物が三億四、五千万円になると、こういうぐあいに私は了解をしておるわけでございます。詳しい数字は私は持っておりません。
○原田立君 この今回の事件は、過去の炭管事件あるいは昭電事件、造船汚職、武鉄汚職、日通事件、ロッキード事件、こういうふうなものが過去にあった事件でありますけれども、KDDの疑惑はそれに匹敵するほどの大きな問題であると思うんです。あなたも社長の立場に立って、ただ単に三人の係官がこういうことをやったからというような問題でなしに、大きい政官界にわたる贈収賄疑獄というものにつながっているそういう重大な大きな問題であります。 で、あなた、金額がわからぬというお話であったけれども、新聞報道では、いまも言ったように七億九千万という多額な金が報道されております。それで、そういうようなのもあなたが社長に就任なさってからぐうんと贈答政策的な面で交際費が多くなった、こう報道もされ、また、板野前社長が社長の座を守るための保身工作だったという見方や、国会などでの料金値下げをかわすためだったとする見方もあると、こういうふうな報道がされておりますけれども、これは男としてこんなふうな評価をされるだなんというのは全く恥さらしなことだとぼくは思うんですが、あなたはどう感じますか。
○参考人(板野學君) このような事件は、私もまことに遺憾だというように思っておりまするけれども、これは決して、贈答作戦をして料金の値下げを食いとめる、あるいは私個人の保身のためにこれが行われておった、そういうことは全然私どもございません。 先ほどから申し上げますように、国際電気通信の非常に革新的な曲り角に来ておる、こういうことで私ども国際的なそういう一つの技術革新に対応するような政策をとるためにいろいろそれに重点を置き過ぎたというきらいがございます。先ほど大臣は経営姿勢の問題だと、こういうぐあいにおっしゃいましたけれども、それはまさしくそのとおりだと思います。私も少し、そういうような技術革新時代におきまする国際通信をどうしたらいいかということに非常に重点を置き過ぎて、内部のそういうようないろんな部下の監督、指導ということに欠くるところがあったというふうに、私ども大変に遺憾に思っておる次第でございます。
○原田立君 板野さん、司直の手によって調べられたと、聴取されたということはございますか。
○参考人(板野學君) ございません。
○原田立君 どうかひとつ、そういうような調査等、司直の手が伸びるようなことが新聞報道にもなされております。で、どうかそのときには、あなたも国会へ来て堂々とその所信を陳述したんだから、もっと十分にその意を伝え、そしてこの事件解明にしっかり前進するようにあなたも努力してもらいたいと思う。どうですか。
○参考人(板野學君) こういう不祥な事件を起こしましたことにつきましては重々私からもおわびをいたしたいと思いまするけれども、こういうことの原因ということにつきましても、私は私なりにも反省をいたしておりまするし、また、先ほどから大臣がおっしゃいましたように、いろんな制度の面もこれから考えていかなきゃならぬのじゃないかというふうに考えます。いわゆる経営姿勢の問題を含めまして、私はこういうような事件が再び起こらないようなふうに私ども非常に希望いたしておる次第でございまして、そういう意味で、もう私のいままでのこういうような非常に不祥な事件の経験がもし生きるならば、私ども率直にそういう点を申し上げて、そうして再びこのような事件にならないように念願をして、私も何がしかの、これが今後のKDDの正しい経営に役立つような方向で私も考えていきたいと、こういうぐあいに思う次第でございます。
○沓脱タケ子君 十二月の四日に警視庁はKDDの強制捜査に踏み切りました。密輸品及び国内購入の装身具、絵画、骨とう、それから高級インテリアなど、これは全部で幾らあるのか知りませんけれども、いろいろな報道を総合いたしましても一万点に近い品物の行方についての疑惑、これは依然として残されております。 十月の二十九日の本委員会での審議以来国会内外で取り上げられ、また問題になっておりますのをちょっと考えてみますと、一つは贈答品の行方、それからパーティー券の購入、三つ目は二千万近いと言われる商品券の行方、それから現金授受の疑い、さらには政治家への各種の便宜供与あるいは利益供与などが出てまいっておるようでございます。しかし、事態の複雑さというのは非常に複雑過ぎて、今日なお国民にとりましても、KDDが今度起こしている問題の全貌というのは、ああそんなことだったのかということで胸に落ちるところまで事態の解明というのは来ていないと思うわけでございます。 そこで、きょうは、実は私、きょうおいでの板野参考人を含め、佐藤前室長並びに保田参与、それから古池会長にはぜひ証人としておいでをいただきたいと思っていたのですけれども、残念ながらそういうことになりませんでした。そこで、板野さんにもきょうは実は証人としてお目にかかって、前回のときにお伺いをしていた白浜前郵政相に関する問題についても詰めてお伺いをしたいと思っていたわけですけれども、これは前回の参考人として来ていただいたいきさつからいいまして、ここだけに時間をかけるというわけにはまいらないと思うわけでございます。で、運よく証人としておいでをいただけるという時期にこれは譲りたいと思っているわけです。で、きょうは別のことで、せっかくおいでをいただいておりますので、板野参考人にお伺いをしていきたいと思っています。 私どもの調査によりますと、実は小宮山重四郎元郵政相のところに、現職当時にハンドバッグとかスイス製の時計などを保田参与が御自宅に届けているということ、それからことしの選挙、五十四年の九月十日過ぎ、保田参与がお一人で陣中見舞い百万円を、実は川越のお宅ではなくて、目黒のプレジデント目黒ハイツという大変りっぱなハイツですが、その十四階の御自宅に届けているという事実。しかも、このKDDの事件が発覚をいたしまして以後、十月の十六、七日ごろでございますが、郵政省から昨年天下りをしております高仲取締役が、深夜小宮山元郵政相のお宅に呼び出されまして、これらの事実を外に漏らしてはならないという御指示をいただいたというところまで実は調査が進んでいるわけでございます。本当は、きょう保田参与に証人として出てきていただいておりますならば、持っていかれた御本人だということなので、保田参与に確かめたかったわけでございますが、やむを得ませんので、当時社長としてお仕事をなさっておられた板野さんに、そういうことを御存じかどうかを最初にお聞きをしたい。
○参考人(板野學君) 私はそういう事実があったということを承知しておりません。
○沓脱タケ子君 前回の経験からいいまして、参考人の段階ではなかなか本当のことが言っていただけないという経験を十分しておりますが、特に板野さんは社長でおられて、あっちこっちへ物を持っていくのを一々承知はしておらぬと言われたらやむを得ないわけでございます。 さらに、私どもの調査によりますと、宮崎茂一元郵政政務次官、現在行管庁の政務次官の方でございますが、郵政省御在任中にスイス製の時計、ジャガールクルトと言うんだそうですね、六、七十万すると言われておりますが、この婦人用のものを贈ったということでございます。当時、宮崎夫人がKDDにおいでになって、その時計を見せて、これはおたくでもらったけれども、日本ではこんなもの修理できないよと言っておられたということを相当数の社員の方々が直接聞いて知っておられるわけでございます。 板野さんにお聞きをしたいのは、具体的なことは多分御存じなかろうと思うので、知ってたら言うてください。私は、政府高官に対して陣中見舞いだとか、あるいは贈り物だとかというようなことをやるように御指導をなさっていたのか、工作をやらせていたのか。その点は、これは当時の社長さんとして一番はっきりしているところだと思いますのでその点をお聞きしたい。
○参考人(板野學君) 私自身は、先ほどから申し上げますように、対外的な事務に専念をいたしておりまして、そういうようないろんな仕事ということにつきましては社長室長以下に全面的に任しておりまして、よくその間の事情を私は存じておりませんが、そういうことは恐らくないというふうに私自身は考えておる次第でございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、社長としては、そういう金品を贈って政府高官に政治工作をするというようなことをやらしていたということはないということですか。
○参考人(板野學君) そのとおりでございます。
○沓脱タケ子君 そうしますと、社長の知らない間に他の職員がやったというふうに理解していいんですか。
○参考人(板野學君) 事実、保田参与がそういうことをやったかどうかということにつきましても、私は存知しておりません。
○沓脱タケ子君 非常に重大なんですね。で、問題になっている特に物品の贈り物、私は幾ら贈り物をやったって何千点というようなものをまいて歩くようなわけにいかぬから、一ヵ所や二ヵ所が発見されたからそれで全部理解ができたと、納得して、ああようわかったというふうには言えるとは思っていないんですけれども、そんなにたくさん買い込んだ物を、だからやっぱり当初から指摘をしていたように、政治家に対する贈り物という形のものが出てきているように思うんですが、これは非常に後の審議で重大なので再度申し上げておきますが、板野社長は金品で政府高官の工作をせよと、やらせるというふうなことはやっていなかった。もしあったとしたらそれは部下の独自のやり方なんだと、こういうことですか。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 私自身も、そういう考えでそういう工作をやるようにということも指示もいたしませんし、また私のそういうような部下も、私はそういうことをしたんだということも私も聞いておりませんので、はなはだあれですけれども、私はもうちょっとのことも知っておりません。
○沓脱タケ子君 それでね、私は四人の方々はぜひ証人喚問をしていただいて、保田参与にこの問題についてはただしたいと思っておりますので、重ねて証人喚問についてのお願いを申し上げておきたいと思います。委員長、いいですね。
○委員長(矢田部理君) 後刻、理事会で協議いたします。
○沓脱タケ子君 それで、警察庁おいでになっていますか。——ちょっとお伺いをしておきたいんですが、警視庁としては強制捜査に踏み切ったわけですが、私、いま申し上げたことというのは大変に重大な問題だと思いますので、こういうことも含めて捜査がなされなければならないと思うのですけれども、警察庁としてはどういうお考えでしょうか。
○説明員(佐野国臣君) 警察の立場で申し上げますと、先般の十一月十四日に東京税関の成田税関支署長から告発がありましたその事件に関連してのいわゆる強制捜査ということにいま鋭意努力しているわけでございまして、証拠の点検だとか分析というものも、例の十月一日、二日のいわゆる密輸事件、これに焦点を合わせていま最大限鋭意努力をしておるということで、その余の事柄につきましては現段階では申し上げられないというふうなことで御了解いただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 まあ、追ってこれは国会審議を通じても明らかにしていきたいと思っています。 きょうは大変時間が少のうございますので次に参りますが、板野参考人にお伺いをいたしたいんですが、KDDには非常勤顧問という制度がございますか。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 副社長または技師長をいたした者につきましては顧問制度がございます。それは非常勤でございます。
○沓脱タケ子君 その非常勤顧問には郵政省の事務次官経験者が就任をされたことがございますか。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 非常勤顧問には確かにそういうような事務次官が就任されたようなことはなかったように私は記憶しておりまするけれども、その点は定かではございません。
○沓脱タケ子君 板野さん、当時から長い間社長をしておられて定かでないとおっしゃるので、この問題はこれにとどめます。 で、もう一つお聞きをしたいんですが、郵政省とKDDというのは大変密接な、親密な関係を保ってやっておられるということなんですが、これはKDDとしましては、郵政省の高級官僚の皆さん方を接待するというようなことはございませんか。
○参考人(板野學君) そういうような接待というようなことはいたしません。ただ、会合をするときに昼食を一緒にするというようなことはございますけれども、正式に接待をするというようなことはございません。
○沓脱タケ子君 これは板野さん、接待すると言ったんであれなんですが、やっぱり儀礼的な会合などというのはしばしばやっておられるようじゃないですか。私、内部の方々からの御意見も聞いているんですが、それじゃ寺島監理官ね、千代新だとか、環だとかという赤坂の料亭のようですが、ああいう赤坂の料亭で接待を受けたことはあったでしょう。
○政府委員(寺島角夫君) ただいま御指摘の料亭の名前につきましては、私は存じておるところと知らないところとございますが、そういうところでKDDから接待を受けたということはございません。
○沓脱タケ子君 これはいまも申し上げたように、KDDの内部の方々がすでに言っておられるんで、頻度はどの程度かという問題は別にいたしまして、儀礼的範囲のところは千代新だとか、あるいは千代新かあるその赤坂の周辺の——私は余り知りませんけれども、あの辺の料亭ではちょいちょい使っているということは内部の方々が言っておられるわけです。全然ないというのはおかしいですよ。本当にないですか。監理官、本当にないですか。
○政府委員(寺島角夫君) 私も赤坂の料亭へ全く行ったことがないわけではございません。ございませんが、KDDに関しましておっしゃるような疑惑を招くような行動をしたことはございません。
○沓脱タケ子君 疑惑を招くようなと言ってないんですよ。やっぱりあなたが御就任になったときには、就任のために就任祝いということで当然懇親会はやられるでしょう。これはまああれですがな、大蔵省の人たちが全部就任顔合わせなんとかいう形で常識的範囲と称される宴会がやられてきたというのは、もうあなた、他の省庁でも出ている。きのう私質問したら、環境庁だってやっていると言うんですよ。あなたが、あなた方郵政省とKDDが、そんなもの監理官がかわったけれども知らぬ顔しているというようなこと、だれが理解できますか。ないと一遍言うたから、ないで押し通そうとなさるんならなさるで、また別に機会を改めてやりますけれどもね、そんなのは率直におっしゃった方がいいですよ、それは。
○政府委員(寺島角夫君) 繰り返すようでございますが、KDDの関係におきまして疑惑を招くような行動をしたことはないことを確信をいたしております。
○沓脱タケ子君 まあそれで押し通されるなら、これは私、ほかの問題もありますので別の機会に譲ります。きょう時間が余りありませんので。 もう一つお聞きをしたいんですが、古池会長さんというのは、これは私、調査をしてみますと、ずいぶん御就任以来海外旅行をたびたびしておられるんですね。御就任以来ことしの四月までで六回海外出張をしていらっしゃるんですね。そして、そのうち三回は婦人同伴で行っていらっしゃるようでございます。それで念のためにお聞きをしたんですが、これは夫人同伴で行かなければならない。パーティーとか公式的な行事はなかったそうでございます。 一つずつお聞きをするというのは時間がかかりますので、そのうちの五十四年の四月ですか、夫人同伴でイランを中心に海外出張をされた時期がございます。このときにも同伴でございまして、これは私どもの調査では、御夫婦の旅費も交際費も社費で支給されてるというんですが、板野参考人にちょっとお聞きをしたいんですが、KDDでは大体そんなことになってるんでしょうか。
○参考人(板野學君) 当時、ことしの四月のことでございますけれども、私、そのときに夫人同伴の経費が出たかどうかということをちょっと私、記憶にございませんので、ここでまたKDDの方からその当時の資料を提出をされるようにお願いをいたしまして、ちょっと私も記憶がございませんので、はなはだ申しわけありません。
○沓脱タケ子君 細かいことですから御記憶がないのかもしれませんが、しかし、あなたが奥さんと御同伴で行くときはどうなのかということですからね。会長も社長もほぼ同格でしょう。むしろ会長よりも社長の方が実権が強いわけだから、あなたが奥さん同伴のときはどうなんですか。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 大体私が参ります場合、ことしの九月の場合にも、先方からの招待もございましたので同伴で参りました。招待がありますような場合、そういうときには旅費も持つと、こういうふうなことに——先方もそれをいろんな点で考えておられ、当方も考えると、こういうことになっております。
○沓脱タケ子君 そうすると、あなたが御夫人同伴でいらっしゃる場合には、社費で旅費とかその交際費、いわゆるお小遣いですか、そういうものは支給はしてなかったということですね。
○参考人(板野學君) どうも私その点、まことに申しわけないんですけれども、ちょっとそういう、どういうぐあいにそのときに、招待をされたときにどういうような経費の持ち方をするとかということにつきまして、ここで明確なお答えができないということはまことにどうも残念に思いますけれども、御了承いただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 まあこれは明確にならないようでございますが、この四月に古池会長が御帰国の際に、約一千万円の装身具や絵画、つぼ、そういうものを購入をされたようです。そして、それを二百万円しか申告をしなかった。だから、一千万物を買うて二百万しか申告しなかったら、この間告発されたように、その残りの八百万円というのは脱税の対象になるわけですが、そういうことが、しかも、随行の秘書役の方も、古池会長も、ともに税関でお取り調べを受けられて自供なさったというように私どもの調査ではなっております。 そこで税関にお聞きをしたいんですが、先ほどの報告書を拝見いたしましても、告発をした「三名を含む同社社員等の関税法等違反けん疑につきましては引き続き調査中であります」というのがありますが、これは、告発をされた方だけではなしに、そうすると、KDDの密輸に関する調査というのはずうっと調査を続行してるということですね。で、どこまでさかのぼって調査をやっているのかということをひとつ聞かしていただきたい。 それからもう一つは、この古池会長にかかわる問題については調査をなさったのかどうかということについてお聞きをしたい。
○政府委員(青木英世君) 関税法百十条の逋脱罪、この時効は五年でございまして、私どもできるだけさかのぼってやりたいということでやっておりますが、現在調査の対象としておりますのは、五十年の秋以降を調査の対象として現在調査をいたしております。したがいまして、これの秋以降国際電信電話株式会社に関連いたします関税法等の違反の嫌疑の役職員につきましていろいろ現在調査を続行中でございますが、調査の段階でもございますし、かつ守秘義務等の関連もございますので、個々の人についてどうかということは答弁を差し控えさしていただきたいと存じます。
○沓脱タケ子君 それで、大臣、私こういうのは非常に大事だと思うんです。これはぜひ調査をしてもらいたいと思うんですよ。税関は調査の都合があって個人については答弁を差し控えさしてもらいたいとおっしゃるから、私それ以上申し上げませんけれども、こういう疑惑が出てきているということになりますと、これは郵政省としても重大な問題なので、ぜひ調査をなさって明確になさっていただく必要があると思うんです。 といいますのは、これは板野さんがやめられた後、会長兼社長として就任をされており、いま経営刷新委員長でしょう。郵政大臣、人事権お持ちなんですから。そうでしょう。そうなのに、あなたそういう大問題が起こって会社のトップをかえるのに、同じような疑いのある人をつけたということになると、これはゆゆしい問題ですからね。これは私どもの調査ではこういうものが出ております。恐らくあなた方だったら税関はちゃんと言うてもらえるに違いないんだから、調査をして明らかにしてもらいたいと思うわけでございます。いかがですか。
○国務大臣(大西正男君) いまのお尋ねの問題でございますが、どういう根拠に基づいてそういう疑惑がありとおっしゃっておられるか私どもにはわかりませんけれども、いまここでそういう事実が先生によって述べられたことは事実でございます。そこで、こういう事実があるかないかについては私どもの力の及ぶ範囲において調査をいたしてみたいと思います。
○沓脱タケ子君 それから、余り時間がありませんのでゆっくりお尋ねできないんですが、報道によりますと次期社長候補に挙がっている増田元一元副社長という方がございますね。これは社長候補の一人ですか。ちょっとお聞かせください。
○国務大臣(大西正男君) まだそういうところまではいっておりません。
○沓脱タケ子君 新聞報道などによりますと社長候補の一人に上がっているようでございます。私はそういう観点、いまちょっと古池会長に触れる問題で申し上げたように、非常に経営の刷新体制をつくっていくということでは大臣としては意を用いなければならない大事な課題だと思うわけでございます。 たまたま増田元一元副社長についても、これは私どもの調査では昭和五十一年の四月と九月、五十二年の三月、これはKDD在任中ですね、副社長在任中海外出張を三回しておられるんですが、この方も高級装身具などをお買いになっているんですね。それでこの方の場合、私どもの調査では三回で六百万円ほど買って五十万円しか申告していない。成田税関で二、三回取り調べを受けているというのが私どもの調査でございます。 で、税関にちょっと関連してお聞きしたいんですが、五十年秋までさかのぼって御調査をなさる場合に、KDDの在職職員だけを調査の対象にしておられるのか。あるいは現在は退職をしておられる方々でも、その期間にそういう問題に関与しているという疑いのある場合には御調査になっておられるのか、どちらでしょう。
○政府委員(青木英世君) 元KDDの役職員でございましても、KDDに在職当時に関税法等違反をした疑いがある者につきましては当然調査の対象となると考えております。しかし、元KDDの職員が本件の調査の対象となっているか否かにつきましては公表を差し控えさしていただきたいと、このように考えております。
○沓脱タケ子君 私がいま指摘した方については公表を差し控えるということですね。そういうことですか。
○政府委員(青木英世君) 一般的には先ほど申し上げましたように、調査の時限の範囲内の方で在職当時の方は対象として私ども調査をしたいと。ただ、いま具体的に御指摘のございました増田元副社長を調査したかどうかとか、そういうことについては公表を差し控えさしていただきたいと、こういう趣旨でございます。
○沓脱タケ子君 それでは、これはぜひ御調査を賜りたいと思うんです。といいますのは、次期社長候補というふうなことですから、これはほうっておけない。 大臣、私もう時間がありませんので最後になりますが、今日KDDについて国民が大変注目しておるんですね。その国民の注目するところというのの第一点は、疑惑の全容を明らかにせよということが一つですよ。これが一つの中心ですよ。もう一つは、しかし国際電信電話という公共的な事業なので、この事業の再建というんですか刷新体制、これを確立して、国民の要求にこたえる経営にしてもらいたい。この二つが国民のいま注目をしておる最大の焦点だと思うわけです。 で、先ほども申し上げたように、たびたび大臣もおっしゃっておられるように、KDDについては法律に基づいて役員の認可権を大臣がお持ちなんでしょう。だから責任はきわめて大きいわけです。私は、国民の目から見ても、また、KDDの中で働いている六千人の内部の職員から見ても、こんなに天下に恥をさらしたKDDは、今度こそ公明正大、まさに清潔な人を中心にしての刷新体制づくりに乗り出したと、郵政省もそのために本腰を入れたなあということが認められるような体制の確立ということがいまきわめて重要だと考えているわけです。 もし私がいまちょっと指摘をしましたような、こういう疑惑のあるような方々が刷新体制という中で新たな経営担当をするというふうなことになりますと、これは国民から見ても、内部で働く職員から見ましても、全く一つ穴のムジナだと、これでは疑惑の根は絶てないと、やっぱり腐敗の歴史は繰り返されるということで、これは一層国民の信頼を裏切ることになると思うんです。そういう今後のKDDのいわゆる刷新体制を確立していくという点で、直接法律に基づく監督官庁である郵政大臣の責任というのはきわめて重大だと思いますが、その点についての大臣の御見解をお伺いをしたい。
○国務大臣(大西正男君) これから国民の御期待に沿うようにKDDの陣容を建て直し、同時に二度とこういう事件が起こらないように、こういう問題が起こらないようにやっていくということは、まさに国民の期待をされておるところでございます。したがいまして、この問題についてはわれわれもまことにその重大性を深く認識をいたしまして、その認識に立ってこれから対処していきたい、こういう決意でございます。
○沓脱タケ子君 時間ですから終わります。
○木島則夫君 KDDに対しましては、関税法違反事案をめぐる疑惑解明についての司直の手が入ったわけでございますが、あらゆる疑惑は法務当局の手によって厳正にただされようとしておりますし、また、そのことに対しての国民の期待は非常に大きいということは、当委員会を初めとする、衆参両予算委員会を初めとする論議の中でも繰り返し繰り返し強調をされてきているところでございます。私どもも不正、疑惑等について、わが国の法務当局がきわめて厳正であることに信をおきまして、法の定めに従って措置されるように期待をすると同時に、当委員会においてもその責を果たそうと、こういうことでいま努力が続けられているわけでございます。 そこで、板野参考人にしばらくおつき合いをいただきたいんでありますけれど、いま刷新委員会の責任者、委員長をされております古池会長の、国会の各委員会に参考人としておいでになっての御答弁を伺っておりますと、どうも会社のことについてはほとんどお知りにならなかったという状況にあるようでございます。 ちょうど五十年のたしか六月であったと思います。五十年の六月に古池会長が、四十一年から五十年までの九年間空白であった——会長の席があいていたわけでありますけれど、突如という表現は余りにも個人的表現過ぎるかもしれませんけれど、四十一年から五十年まで空白であった席に突如として古池会長がおつきになったわけであります。 そのときの当委員会における私の質問に——板野さんはそのときは社長さんでいらしたわけでありますが、こういう質問があります。古池会長さんがおつきになった理由は何ですかというふうにお尋ねをいたしましたらば、流動する内外の情勢に敏感に対応できる、そういう人事をする必要があるからだと、こういうふうにお答えになっておりまして、板野さんはさらにお言葉を続けて、会長に古池取締役を迎えたわけでありまして、私たちの会社の首脳として十分にこれからの会社の任務に耐えていくことができるわけであります、こういうふうにお答えになっていらっしゃいます。 しかし、現在、結果としては必ずしもそうではなくなってしまったということであります。つまり、あなたが国会の答弁でおっしゃいましたときには、古池会長を迎えて一生懸命にやって、揺れ動く内外情勢に対処をしていくんだということをはっきりこの議事録の中にもおっしゃっているわけでございます。結果してそうではなかった。そして、古池会長の御答弁を伺っておりますと、ほとんど何にもお知りにならないという、こういう状況でございます。そのことに対する参考人としての御意見はいかがでございましょうか。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 古池会長が御就任なさいましたときに、確かに先生の御質問に対しまして私はそのように御答弁申し上げたと思います。その後、会社の業績並びにサービスという点につきましては、私ども十分利用者、国民の期待に沿えるような方向で来たわけでございまするけれども、はなはだ不幸にしてこの内部のそういう業務の監督というような面につきましていささか欠くるところがございまして、今日の不祥なる事件と相なった次第でございまして、そういうことにつきましては、これは内政部門をあずかる私の不行き届きの面が私は非常に大きいと思いまして、みずから反省をしておるわけでございます。 先般、会長はもう株主総会、それから社長は社内と、こういうことを申されておりましたけれども、これは定款上の問題だけでございまして、私どもといたしましては、毎月一回副社長以上の四者会談というものを催しまして、会社の内外におきまする国際通信の情勢を十分話し合いまして、それに対する御意見も伺い、そうして会社の処すべき方向等もいろいろお話し申し上げておる次第でございます。 今日の、ただいまのまことに申しわけないような事件につきましては、これは社長として私も非常に大きな責任があるというふうに感じておる次第でございます。
○木島則夫君 KDDの業績については、会長をお呼びした意味があるんだという意味の御答弁がございました。しかし、業績が上がれば当然それを国民に料金値下げという形においても還元をしていかなければならない。そういうことは会長の権限外だとおっしゃられればそれまでであります。 私は、なぜきょう五十年の六月の時点のことをいまここで取り上げたかと申しますと、いまでも私は非常に疑問に思っていることがあるんです。それは、私は個人的にどうのこうのとここで申し上げているわけじゃないんですよ。板野さん個人についてとやかく申し上げているわけでは決してないんです。前の社長さんが、菅野さんという方でございましたね。通例ならば任期いっぱいおやりになるところを途中でおやめになったんです。そして、私も当委員会における菅野社長に対する質問で、非常にやる気十分の方であって、日中ケーブルのいわゆる何といいますか、保守協定の締結であるとか、これからやらなければならない通信衛星問題についてうんとひとつ取り組んでいきたいという御発言が随所に見えておったわけであります。 ところが、何か突如として辞意をお漏らしになって、それを板野さんにおっしゃる。当時の村上郵政大臣もそのことを大変素直にお受けになっているんですね。そして、私が不思議でならないことは、さっき申し上げたように、四十一年から五十年まで空席だったんですね、この会長さんのいすというものが。そこへ何か降ってわいたような形で古池さんがいらっしゃった。それに対する村上郵政大臣の認可というか、お認めの仕方というようなものも、当時の議事録を振り返ってみるとまことに不可解なんですね。まことに不可解です。 どういう点が不可解かというふうに申しますと、まず、やる気十分な方がいて、これから日中ケーブルの、さっき言った保守協定の締結、これは済んだことでしょう、あるいは衛星問題がある、KDDの今後の発展のために一生懸命やっているんだ、やるんだというお言葉があるにもかかわらず、突如として辞意が漏らされると、素直に、まことに素直にそれをお聞きになって、当時の村上郵政大臣のお言葉ではございますけれど、こういうふうにおっしゃっているんですね。「菅野前社長御自身が、どうしても途中でどうかと思いますけれども、後進に道を開きたいということで、御自身が本当に真心を込めてのあいさつでありましたから、私も御本人の御意思を尊重しておるわけで」——ここで言わずもがなのようなお答えがあるんですよ。「その間に、何らの私なり第三者との話は何にもないと、こう思っております。」と言われると、何か想像したくもないようなことまで私想像してしまいまして……。 大体普通会長さんにおなりになるというのは、社長さんをきちっとお務めになったその上のポストが会長さんというふうに民間では私は承知をいたしております。途中でおやめになった。健康状態を伺ってみても、余り健康を悪くされてないんですね。どうもその辺がよく私わからないんでありますけれど、何かその辺で思い出されることはございませんでしょうか。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 私の聞いておるところでは、ただいま先生がおっしゃいましたように、どういう事情か私はわかりませんけれども、菅野社長が一身上の都合といいますか、事情によって退任をしたいと、こういうお申し出によって当時の村上大臣がこれを受けられたと、こういうふうに私どもは聞いております。
○木島則夫君 いまKDDのこうした事件の中で、騒然たる中で四年前のことを確実に思い出してくださいとは、私も、あなたが人間である以上無理な要求かと思いますけれど、ひとつ当時の株主総会を思い出していただきたい。板野社長さんはそこでどういう御説明をされたわけでありますか。つまり会長さんが今度新しい九年間空白であったポストにいらっしゃる、そのときにどういう御説明をされたわけでありますか。いまのお話でございますと、よくわかりませんけれど何かおいでになったというニュアンスのことをおっしゃっておりましたね。どんな御説明をされて株主総会が納得をなさったのか。単なる民間の会社であればそこで終わってしまうわけであります。それからあと、郵政大臣の認可というものがなければ、この人事というものは、役員の任命というものは成り立っていかないという、こういうシステムも私は承知をしてのことでございます。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 当時株主総会で私が申し上げましたことの正確なことはどうも覚えておりませんけれども、私は菅野社長が自分からの発意で、そうして今回ぜひとも会社を退きたいと、こういうようなお申し出がありまして、そして御退任になるということになったというふうに、そういう事実を申し上げて、その内容といいますか、それはどういう意味なんだというようなことにつきましては、確かに私も説明をいたさなかったんではないかというふうに記憶いたしておる次第でございます。
○木島則夫君 株主総会でそういう大事な人事のことについて十分な説明が行われないままに人事案件が承認されるという、その株主総会のあり方自体も私は問題だと思いますね。 なお、当時の議事録によりますと、村上郵政大臣はまたここでおっしゃっているんですね。「決して第三者が何かそれらしきことによって菅野さんがやめられたんじゃない。菅野さんみずからがとにかく後進に道を開きたいというのは、やはり後進とは板野君初めそれらの人たちに道を開いていきたいという菅野前社長の非常な温かいお気持ちだと、こう思って私は受けとめておりますが、決して何者も、そこにだれかが何かそれらしきことを言ったり出したりしたことは何もないんです。」と、まあ実に丁寧にこの辺は繰り返し繰り返しおっしゃっている。 だけど、考えてみますと、私もよく株主総会というのは知りませんよ、知りませんけれど、余り理由をおっしゃらないで、そこでさっと決まってしまうというのは、まさに板野社長さんの御威光が余りにも大きかったのかどうか私もわかりませんけれど、それでよく通って、あとそういう状態の中で決まったことを郵政大臣に認可事項としてお持ちになるという、こういう私、行き方というのはよくわからないんでございますけれど、村上郵政大臣はもうここにいらっしゃらないし、いまとやかく——私は個人的にとさっき申し上げた、個人的にあなたのことをとやかく申し上げたり、前郵政大臣のことを私は個人的にとやかく申し上げているわけではないんですよ。郵政大臣はそこで何とおっしゃったのでございますか。
○参考人(板野學君) 私は、直接に村上郵政大臣と菅野前社長との間のやりとり、話し合いということにつきましては直接にタッチをいたしておりません。ただ、当時大臣から呼ばれまして、このたび菅野社長が退かれる、退任されるという決心をされたということで、後任は君がやったらどうかというふうな話を私は承っております。
○木島則夫君 まことに筋というか、論理が通ってないんですね。あなたのお言葉が論理が通っていないというお話ではないんです。当時決められた人事についてまことに論理が、筋が通っていないということなんですね。第一、さっき言ったように九年間空白であったところに突如として会長さんがおつきになったということ自体、私も非常に不思議ですよ。それから、これからやっていきたいんだという意欲十分で、それはもう議事録にちゃんと載っていますよ。そういう方が突然辞意を表明されて、それをまことに素直に受け入れてしまう。そして、言わずもがなのことを、それは第三者によって決められたり言い出されたりしたことではないんです、ないんです、ないんですということが、くどいまでにここで述べられておりますね。 大体十一条には、いわゆる業務運営の責任を負う役員の選任については、普通の株式会社であると株主総会の決議だけでいいわけでありますが、いま申し上げたような特殊性にかんがみまして、株主総会の選任の決議をさらに郵政大臣の認可にかかわらしめ、その万全を期するということになっていると、当時の政府委員はこういうふうに答えているわけですね。そうすると、そういう客観的な状況にありながら、それをいとも簡単にお許しになるという郵政大臣の行き方というもの、これは私、きょうこの項目についての質疑通告は郵政大臣にはお出しをしておりませんでしたけれど、どうでしょうか、私の説明は議事録によるものでありますから客観性を欠いてないつもりでございます。そういうときに、いとやすく十一条によって軽々と申しますか、簡単に人事というものが決まってしまうものなんでございましょうか。これは郵政省に私はお尋ねをしたいですね。 これは、なぜこういうことを私はお尋ねするかというと、これから新しくKDDがスタートをいたしまして、国民の疑惑の解明あるいは新しい経営刷新体制によって新しいKDDとして生まれ変わっていくその門出に当たって、やはり人事、こういうものが一番大事な要素であるという意味で私は申し上げているわけでありますが、大西郵政大臣、この間の真偽というものを一回ちょっとお調べいただけませんでしょうか。何か私は余りにもこれでは法律が空文化し過ぎまして、こんなことで一体決められていいんだろうか。私は当時いろいろ巷間言われていた俗説的なことは国会の場では申し上げません。それは私は裏を取っておりませんから、ここでは私は単なる評論的なことは一切申し上げない。事実関係に基づいていまここでお話を申し上げている。 これだけお聞きになっても、へえ、そんなことがあったのかと、きっと大西大臣は御不審に思わないわけには私はいかないだろうと思うのですけれど、どうでしょうか。これから新しくKDDが出発するに当たっての経営の形態あるいはその中での人事ということをお考えをいただいて、もう一回その辺のところを、大臣、ちょっとお調べいただく御意思はございませんでしょうか。KDDのためにも、郵政省のためにも、と、こういうことであります。
○国務大臣(大西正男君) これからの人事につきましては、この法にもございますように、株主総会を開いてKDD自身がそれらの役員を定めて、そして認可を受ける、こういう形になるわけですが、いまKDDが、先刻来問題になっております事件が起こりまして、そして、おっしゃいますように、これからどのようにKDDが新しい覚悟を持って出発するかということは、国民が注視もし、心配もしておるところだと思います。 そういう観点に立ちまして、人事の問題につきましては、私自身としても内外の有識者の中から、本当にいまKDDに国民から寄せられておる期待に沿うようなそういう陣容になることを心から期待をしているところでございますが、また、いまお話のございました過去の経緯につきましては、私はもちろん承知をいたしておりません。ただ、お話を伺いまして、この議事録にあらわれておりますやりとりはきわめて簡単なことのようでございますけれども、そこに至るまでにどのようなことがあったのか、あるいは慰撫をされたといったような事実もあったのかないのか、その辺のことももちろん承知をいたしておりません。そこで、事務当局でもしそれを承知をいたしておるならこの場からお答えをいたしますし、それからまた、承知をしておりませんでしたら、先生の御希望に応じてしかるべき機会にお答えをさせたいと思います。
○木島則夫君 じゃ、いま大臣がおっしゃったことは、この場で事務当局がもしそのことについて承知をしておるならば答えさせると、こういうことでごさいますか。——お願いいたします。
○政府委員(寺島角夫君) ただいま私の手元に資料はございませんが、帰りまして調べましたならば、役員の選任の認可に関します資料は当然残っておると思います。ただ、それ以外の資料があるかどうかにつきましては確たるものは、自信というか、そういうものはございません。現在そのことについて私は承知をいたしておりません。
○木島則夫君 板野参考人ですね、せっかくこうした場を私ども鋭意つくりましたんでございます。あなたもせっかく出ていらしったわけでありますから、さっき、これからのKDDのためにも私は努力をしていきたいという御発言がございましたね。どうなんでしょうか。何かこう、そこに暗い影というんでしょうか、政治によっておどかされたとか、政治の、いま大臣がおっしゃった慰撫と申しますか、そういうかけらでもお感じになったのかならないのか、その辺もひとつフランクに、どうでしょうか、おっしゃってみたら。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 私の感じております限り、そういう政治的ないろんな暗いと申しますか、先生がただいまおっしゃいましたようなそういうことは、私は、この私の経験から言いましてないというふうに申し上げていいかと思います。 このような事件にいろんなつながる原因につきましては、私どもが先ほどから申し上げまするように、経営者の姿勢という問題もございます。それから内部的ないろんな経理の手続という問題もございますから、そういう点につきましても、私は経営刷新委員会のいろんな求めに応じまして、私の経験してよかったもの、悪かったもの、特に悪かった点につきましても率直に申し上げまして、そして今後KDDが新しい道で、そうしてこれは国際競争力に負けないようなりっぱな国際通信が運営していけるようにひとつ私ども、もし微力があるならそういうことに尽くしたいと、こういうように考えておる次第でございます。
○木島則夫君 郵政大臣に重ねてお願いを申し上げます。 当時の、いわゆる会長御就任当時の人事、それを郵政大臣がどう御認可をなすったか、できればその背景、経過などについてもやっぱりこれからのためにそういうものを生かしていただく意味で、私お調べをいただきたいということと、もう時間がございませんから最後に一つだけお願いを申し上げておきたいんであります。 現在の株式会社の形体を残したままで法律改正をしていった方がいいとか、いや、そうじゃないんだと。私どもせんだって民社党の立場では、内外のこういう通信事業、こういうものを扱うものは一体化して公社の中に吸収をしてもらった方がいいんだという意味でも申し上げました。これにはやっぱり株式の買い取りとか、いわゆるKDDと電電公社との何というんでしょうか、労働条件の整合など非常にむずかしい問題があることは私どもよくわかっております。わかっておりますけれど、事がやっぱりこういう大きく深いだけに、そういう結論というか、そういう将来展望を出さざるを得ないと、こういうことでございます。どうでしょうか、率直にこれはやっぱり郵政省が主導的なお立場で、あるべき姿、日本の通信事業あるいはこういう事業の中で、通信行政の中でどういうふうな将来像をお考えであり、当面これにどう対処をしていくのか、そのことを伺って、私、時間でございますから質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 先ほどもそういう御意見が出されたわけでございまして、傾聴すべき一つの御意見として私も拝聴したわけでございます。ただ、私といたしましては、このKDDができました当時の経緯に照らしまして、KDDというものは、先ほども申し上げましたけれども、株式会社形態でいくのが今後の世界情勢あるいは経済情勢、そういったものに対してもやはりこの方がいいのではないかという基本的な考え方に立っておるわけでございます。 そこで、株式会社としての形態を保ちながら、同時に今回のようなことの再発を防止をするというためにはどうすればいいかという問題が残るわけでございまして、それについて事務当局に対しまして、従来の監督のあり方を含めて、法改正をさらに含めて検討を命じておるところでございます。 そこで、個々にいろいろ考えられるわけでございますが、それにいたしましても、基本的な態度がそうであるとすれば、角をためんとして牛を殺すといったようなことになってもいけない。長い目で見ますと、そういうことも考えなくちゃならないんじゃないかと思います。そこで、いろいろのことを考えながらこの問題をいま急いで詰めておるところでございます。
○青島幸男君 せんだっても当委員会で質問の機会を得ましたので、そのフォローからまずお伺いしていきたいと思うんですけれども、郵政省にお伺いいたしますけれども、先日の委員会でKDDから郵政省へ、省の方々に何かいろいろ贈られているんじゃないかという疑惑も一般にある、その点について調査をしたかという私の質問に、省ではその辺のところはいますぐ直ちにはわからないと、調べてお答えをいたしますと、そういうお答えをいただいておるんですが、その後の調査の結果をお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(小山森也君) 先生からの御指摘がございまして、私どもこれに対しまして真剣にこたえるという意味で、十一月の十二日に省内に綱紀点検委員会というものを設置いたしました。ここにおいて綱紀粛正に関して措置すべき事項、これを検討いたしまして、その中にはいろいろな、今後のわれわれの公務員としての綱紀というものについてのいろいろな通達、その他をやったわけでございますが、その一環といたしまして、御指摘の点につきまして目下調査中でございます。
○青島幸男君 お互い戒め合うというかっこうでそういう調査機関みたいなものをお設けになるのは当然だと思いますけれども、しかし、果たしてそういう事実があったかどうかと、何かもらったやつは申し出ろみたいなことになっても、当然出てくるわけはないような私、気がするんですけれども、その程度のかっこうで実際に綱紀粛正の実が上がるかどうかということは、これは疑問ですけれども、でもそういう姿勢を見せられたということは私は評価しなければならないとは思います。 この問題について、警察庁はもうお帰りになりましたですか。——そちらではどうでしょうか。
○説明員(佐野国臣君) 先ほど沓脱先生にお答えしたことと同じことを繰り返すようで恐縮でございますが、警察は現在捜査に着手して、鋭意努力しておりますのは先般の成田における密輸関係ということでございまして、いわゆるそれ以外の、世上取りざたされておりますいろいろな疑惑の問題という問題に関しては、警察的な面で申し上げますと、現在の段階ではいかんとも御説明のしようがないというのが実態、あるいは御説明を本来すべき立場にもないということで御了承いただきたいと思います。
○青島幸男君 これはこの程度で仕方がないと思います。これからますます事態が解明されまして、事が明らかになれば当然出頭を命じて事情聴取しなきゃならないようなケースも出てくるかもしれませんけれども、そういう事態に立ち至ったときに、物おじしないでてきぱきと事を処理していただきたいということを御要望としてまず申し上げておきます。 それから、綱紀粛正のための自主機関みたいなものを設けられたということにつきまして、私、評価申し上げますけれども、それが大いに実を上げることを希望したいと思います。 それから、政治家の励ます会のパーティー券などの購入関係ですけれども、郵政官僚が仲立ちをしている、あるいは口ききをしているんじゃないかというようなことの疑問が持たれているということも私指摘しまして、それについて調査をお願いしているわけですけれども、その後、その調査の結果はどうなりましたですか。
○政府委員(小山森也君) これにつきましては、新聞紙上でそういうようなのがあったかというようなものがありました。それで直ちにそのことにつきまして、事が事でございますので、私そういうような部署に、もしあるとすれば考えられる部署全員について私自身で調べてみました。この結果出てまいりましたのは、そういうあっせんの事実はないということ、これは非常に自信を持って申し上げられるわけでございます。無論私も司法権を持っているわけではございませんで、ただ、省内の一つのこういった地位にある者として真剣に、対象になった職員にもまじめな意味で答えてもらいたいということで調査した結果、そういうことはないということを申し上げられるわけでございます。
○青島幸男君 前に決算委員会のときにも私、そういう趣旨の発言をしたことがあるんですけれども、鉄建なんかでもそういうパーティー券なんかを持ち込まれて実に困って、その金を捻出するためにカラ出張まで手を出してしまったというような事実もあるやにも聞いておりますし、ですから、その後閣議などでそういうことのないように申し合わせをしようじゃないかというようなところまで話が発展したということも聞き及んでおります。もともとそういうものを自分の影響下あるいは力の及ぶ範囲のところに押しつけていこうという、押しつける側の見識のなさというものも実は問題になりますけれども、きちっとはねつけなきゃならないものをはねつけるという毅然とした態度がもっと望ましいんじゃないかという気もしまして、そういうことを申し上げたわけですけれども。 それから、もう一つ郵政省にお尋ねしたいんですけれども、これは一般の国民がこの問題について大方の方が疑問に思っておることだと思うんですけれども、KDDの料金問題がやかましく論議されておる折は何かと実が上がらなかったというのに、実際こういう事件が起こると、たちまちのうちに最高二五%というような値下げの案が出るというところから、どうも、それをしかも郵政省も了承するという余りにも見えすいているんじゃなかろうかと。二五%も値下げできるというのはそれだけもうけていたんだ、これだけのもうけた実が上がっていながら料金値下げに踏み切れなかったというのは、何かそこにつながりがあったんじゃなかろうかというのが一般の国民の方の疑問の一番一般的なところだと思いますね。で、こういう疑問に対してはどういうふうに省はお答えになるおつもりなんですか。
○政府委員(寺島角夫君) 私がただいまのポストに着任をいたしましたのは昨年の夏でございますが、そのとき以来引き続きずっとKDDに対しまして、あらゆる要素を総合的に勘案してこの料金問題について検討方求め続けてきたわけでございます。いろいろな機会を通じまして検討の促進を図ってきたわけでございますが、なかなか結果が出てまいりませんで、御指摘のように十一月になりましてようやくその検討結果が今回の引き下げ案として出てまいった、こういうふうに私は了解をしておるところでございます。
○青島幸男君 たまたま問題が明るみに出たので、急遽そうなったということではなくて、前からその線で検討していたんだけれども、たまたま時期が同じくなったと、こういう御説明でございますか。
○政府委員(寺島角夫君) たまたま一緒になったと申しますか、いつごろ出てくるかということが事前に予告があったわけじゃございません。予告があったわけじゃございませんが、昨年来の懸案でございまして、それがこの時期に出てきた一つの理由というのは、やはり五十四年度の前半の決算の状況というものが内容がほぼ会社側としてもつかめて、この経営状況ならば当然にこの程度の値下げはすべきであるという判断が固まったのではないかというふうに考えております。
○青島幸男君 その辺のところになりますと、先ほどもさんざん議論がありました適正利潤のいかんとか、そういう問題が当然基本的には考えられなければならないことだとも思うんですけれども、その辺を含めまして検討をお願いをしたいとも思うんですけれども、しかし、こういう事態が惹起しました背景にあるものは、国民の疑惑の基本的な背景なるものは四十九年、五十年には交際費が五億だったKDDが、五十一年から急速急増するわけですね。無論純然たる利益追求の会社じゃないんですから、この利益金の上昇と交際費の上昇というのがぴったり符合しなければならぬという筋合いのことはないとも思うんですけれども、この背後には実は政治資金規正法の強化があるわけですね。五十年に案がまとまって五十一年一月一日から施行になっているということですね。 そうしますと、政治資金規正法の強化とKDDの交際費の急上昇とが時を同じくしているわけですね。この辺もまた国民の一般の方々が疑問に思うわけでしてね。どうも利益が非常に上がっている会社に、金のゆとりがないのでどこかないだろうか、KDDが非常にもうかっている、じゃそこだというようなことに短絡に結びついたのではなかろうかという疑問が一般の国民の中にあると思いますけれども、そうでなければ、何十億というお金が何を買った、何をどうしたと、しかも、それがどこへ行ってしまったのか皆目見当もつかないというような実情と照らし合わせて、ぬぐい去れない疑問が国民の中に残るということもこれは否めない事実だと思うんですけれどもね。この辺のところは郵政省はどういうふうにとらえていらっしゃるわけですか。
○政府委員(寺島角夫君) 交際費の問題でございますが、昨年度におきまして二十二億円を超します交際費というこの実態につきましても、私どもは先般の国会におきまして、あるいはこのことが出ましてからKDDから報告を聞いて承知したわけでございます。と申しますのは、この二十二億何がしと申されておりますのは、いわゆる交際費的なものといった方があるいはいいのかと思いますが、税務の関係でいわゆる損費としてカウントされない交際費的なものの総額がこれだけあったという形で聞いたわけでございまして、私どもが従来利益金の処分ということに関しまして、いろいろな決算関係についても、マクロ的ではございましたけれども見ておったわけでございますが、その中に出ておりますいわゆる会社の経理科目上の交際費という項目の数字とは違う数字でございました。 そういう意味で、この実態を承知したのは、私どもこの事件が起こりました以後でございまして、現在それが、交際費の使い方等がこういった公共的な会社といたしまして合理的な線を超えておるといたしますならば、それは経営姿勢ということを問われる問題であろうというふうに考えておりまして、その点につきましていろいろな調査結果を会社に求めておる段階でございます。
○青島幸男君 いずれにしても経営姿勢の問題だということで、大臣も最前から繰り返し述べておられるのは、いまあるような株式会社のかっこうにしておいた方が事の性格上都合がよろしいのではないか、そういう基本線のもとに今後ともこういう経営上の問題でトラブルが起きないように監督していけば、疑問を持たれるような、あるいは二度とこういうような事態が起きないようにもできる手だても講じられるのじゃないかというお気持ちのようですけれども、それは承りました。私もそれで了承いたします。 さて、せっかくですから板野参考人にもお尋ねしたいのですけれども、前回私お尋ねいたしましたときにも、きょうもあんまり態度にお変わりがないようなんでちょっと不満なんですが、密輸事件の件でございますけれども、あれは担当の人間の単なる入管手続ミスだというふうにおっしゃられたわけでして、会社とはかかわりはないというふうな御発言でございました。その後さまざまな情報も出てまいりましたし、事実関係もかなり明らかになってきてはいると思うんですけれども、そのお言葉に全く変わりなくいまもそういうふうにおとらえになっていらっしゃいますか、この事件を。
○参考人(板野學君) 私は、最初この委員会で、青島先生のそういう御質問に対しまして、私はもう事情はさっぱりわからぬものですから、と申しますのは、先ほどから話がございましたように、もう税関当局に資料一切ございまして、どういう品物であって、だれがどういうことをしたかということは全然私どものところにはわかりませんでしたから、そのようなお答えをいたしたわけでございますけれども、その後調査も進みまして、私も連日いろんな話を聞いておりますうちに、これはもう単に個人的なミスだと、こういうぐあいに言われないようなものも中にはある。 と申しますのは、この品物につきまして、本人たちも、購入した者がその品物を持って帰るということになりまするというと、やはりその内容というものがわかっておりまするので、そういう申告の際に、これは無申告であってはいかぬとか、こういう品物はこういうぐあいにすべきであると、こういうぐあいに考えるのが私はもう当然だというふうに考えておったわけでございまするけれども、購入した品物を十分ロンドンから立ちますときにチェックする暇がなかったと、こういうところに、また申告につきましてそういうような間違った手続をする、こういうこともあったんじゃないかというふうに私もいろんな点を総合して考えておるわけでございます。
○青島幸男君 御意見、全然お変わりがないので、私もちょっと戸惑っているんですけれどもね。前回も申し上げましたけれども、ただ単に一回手続上のミスがあったということではなくて、何度も何度も行われておって、しかも先ほどの御報告もありましたように、業務としてもう常時行っておったというところまで明らかになっている事態で、まだそうおっしゃられるというのは、私ちょっと理解が行き届かないんですけれどもね。何か特別の意味を板野さんお持ちになっていらっしゃるんじゃないかという勘ぐりさえ出てくるような気がするんですけれども。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 前回におきましては、本人たちも非常にふなれな点があって、個人的な単純ミスであったというふうにお答えをしたように思います。いろいろな取り調べの過程におきまして、本人たちも、二、三回は海外に行って、そういうような手続上のこともかなりの知識があったんじゃないかというように思われますけれども、今回の事件につきましては、先ほど申し上げますように、相当承知をしておってやらなきゃならぬのでございましたけれども、何分とも品物自体が自分で買ったものではなし、ロンドンで、私聞きますというと、もうトランクの中に用意されてあったものをそのまま持ってきたというようなことでございまして、その間、本当に申告を漏らす意思で、無申告でやるとか、あるいは低額でやるとかという意思でやったのか、あるいはその持って帰った品物につきまして十分な知識がないためにその申告の間違いをしたのか、そういう点が非常に微妙な点がございますので、私自身としても、なかなかそのところの判断が非常にむずかしいと、こういうことを申し上げておるわけでございます。 確かに何回か、過去に二、三回行っておりますから、そういう経験はあったと思いますが、この成田のときにつきましては、その事実を示された者が、非常にその品物の中身の内容について知識がなかった、内容が何であるかということをつかんでいなかったというふうに私は聞いておりまするので、この間のどうも本人の気持ちということになりますと、非常に私も推測しかねる点もございまするので、ここで私がただ推測に基づいてこうだああだというふうに申し上げるようなことができないということをひとつ御了解いただきたいと思います。
○青島幸男君 いや、全然了解できないんですよ。本人たちのミスのことを言っているんじゃないんですよ、私は。本人たちも中に何が入っているかわからないトランクを持ってきたというわけでしょう。そのトランクはもうすでに用意されておったわけでしょう、向こうで。ですから、本人たちの意思でやったのではなくて、会社の意思で、本人たちはただ運び屋をやっただけじゃないかと、こういうことですよ。だから、やったのは会社ぐるみじゃないかと言われても仕方がないでしょう。 もうこの議論はやめますよ。ほかの議論にいたしますけれども、だれに贈ったとか、どこに保管してあったとかは別にいたしまして、かなりの点数の絵画をKDDでお求めになっていた事実は御承知ですね。いや、知っているか知ってないかだけで結構でございます。
○参考人(板野學君) 存じております。
○青島幸男君 それで、それのリストはあるんですか。それとも、リストにあるものもあるし、リストにないものもあるんですか。簡単にお願いします。
○参考人(板野學君) リストをつくるべく非常に努力をいたしておったようでございまするけれども、何分とも点数が多いのでなかなかリストを完成するまでに時間がかかる、こういうことでございます。
○青島幸男君 やたらに多い点数のものを買い上げるということ自体大変非常識だと思うんですけれども、その際の目ききなんというのはだれがなさるんですかね。 重ねてお尋ねします。古池会長によりますと、お言葉の中に、どうしてこんなものがあるのかどうも理解がいかぬというようながらくたもある。それからにせものも多かったと、こういう御発言でございますけれども、にせものにいたしましても何にしても、形があれば画商を通じてこれは実際手形の役になるんではないかという推測も成り立つわけです。 それからもう一つは、これは一点だけ情報があって申し上げるんですけれども、あらかじめ精巧なコピーがあった。それで、渡っているのは本物が渡っている。会社へ戻ったのはにせものだという。受け取ったものは即座に売って、コピーの中にあるものは、会社に飾ってある物でもにせもので、実は買ったときは本物だった、リストにも乗っておる。しかし、会社に置いてあるのはコピーであって、実際のものは売却されておる、あるいは人手に渡っておるというようなことで、という情報もありますが、その辺をお伺いしても恐らくそのままお認めいただくわけにはならないと思いますけれどもね。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。 先ほど、それだけの絵があったのか、知っておるか、こういうことでございましたけれども、私はその後の結果を、それがそんなにあるんだという結果を知ったということを申し上げたわけでございまして、その購入の時期において、どれだけのものを一体買うのだということにつきましては、私はその事実をよく認識をしておりませんでした。ただ結果を申し上げたわけです。 また、そうしてこんな絵とかということにつきましても、私も非常に絵の点につきましては余り知識がございませんので、こういうような絵の買い方につきましても、大体室長とかあるいは保田参与、そういう人たちが買った。会長もかなり目がございますので、中には会長のいろんな御意見を聞いて買った絵もあるというふうに私も聞いております。
○青島幸男君 あなたに伺っても何一つわかってないとおっしゃられるので、じゃ、私の方からもうたった一点だけお伺いしますけれども、あと一つだけです。佐藤さんや保田さんがやった、私にはわからないということを再三述べられているわけですけれども、あなたの了解なく、もしこのお二人がやったとしたら、それはどういう目的でなさったんでしょうね。
○参考人(板野學君) どっかの、いつかの委員会で申し上げたと思いますけれども、やはりKDDのああいう建物、それから今度できまする新宿の局舎とか、あるいは国際通信学園というものは、やはり何らかの気分をやわらげる——仕事自体が非常に機械的でございまするので、そういう必要があるんだということは、会長を初め私どももそういう認識でおりましたので、絵もその一助になるんだという考え方に立っておったわけでございます。しかしながら、あれだけの大量の絵をそういうぐあいにすぐ買うんだというふうには私も実は考えてもおりませんでして、後、聞きまして、えらい買ったもんだなあというふうに思ったわけでございます。 ここで私は弁解を申し上げるわけではございませんけれども、実は私、もう六月からヘルペスという非常に強い神経痛を患っておりまして、七月いっぱい入院して八月、九月、二ヵ月でようやく回復するというような状況でございまして、その間ほとんどもう私は、対外関係の重要な仕事を見るということはやりましたけれども、そういう対内の関係につきましてはいささか事務的に私ども非常に不注意な点にわたった点があると、これは個人的な問題でございまするけれども、そういうこともございまして、このような不始末になったというふうに考えております。
○青島幸男君 もうこれ以上お尋ねすることはございませんけれども、それにしてはあらしの晩に絵があっちへ行ったりこっちへ行ったりとか、いろいろな疑問の残る点もたくさんありますが、これ以上いまこの機会に御質問申し上げても何のお答えもいただけないと思いますので、機会を改めてまた質問さしていただくようにしたいと思います。 終わります。
○委員長(矢田部理君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 板野参考人に一言お礼申し上げます。 本日は、長時間にわたり本委員会に御出席を願い、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時二十三分散会 —————・—————