大蔵委員会 第1号
- 発言数
- 258 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/12/06
会議録
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 私、このたび本委員会の委員長に選任されました世耕政隆でございます。まことに微力ではございますが、委員各位の御指導、御協力を得まして、本委員会の公正、円滑なる運営を心がけてまいる所存でございます。 どうぞよろしくお願い申し上げます。 この際、坂野前委員長からごあいさつがございます。坂野君。
○坂野重信君 前委員長をやらしていただきました坂野重信でございます。 委員長在任中は、本当に各先生方のお世話になりました。今後ともよろしくお願い申し上げます。一音お礼申し上げましてごあいさつといたします。 ありがとうございました。(拍手) —————————————
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。 去る十一月十五日、糸山英太郎君及び梶木又三君が委員を辞任され、その補欠として私、世耕政隆及び中村太郎君が選任されました。 また、同月二十六日、戸塚進也君が委員を辞任され、その補欠として梶木又三君が選任されました。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 理事辞任の件についてお諮りいたします。 藤田正明君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ただいまの理事の辞任及び委員異動に伴い、本委員会の理事が三名欠員となりました。 この際、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に中村太郎君、細川護熙君及び中村利次君を指名いたします。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、租税及び金融等に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 当面の財政及び金融等に関する件について、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) わが国経済は、現在、内外両面にわたりきわめてむずかしい局面を迎えております。このような時期に、財政金融政策の運営の任に当たることとなり、その責任の重大なることを痛感いたしております。今後政策運営に誤りなきを期すべく全力を尽くしてまいる所存でございます。 最近の経済情勢を見ますと、個人消費、設備投資等の国内民間需要が堅調に増加しており、全体として経済は、着実な拡大傾向にあるほか、雇用情勢も緩やかながら改善が続いており、わが国経済は、現在のところ総じて順調に推移していると申してよいと考えます。 しかしながら、他方では、年初来再三にわたり原油価格の引き上げが行われ、供給面でも今後の見通しが明らかとは言えないことなど景気の先行きには必ずしも予断を許さないものがあります。また、消費者物価はいまのところ比較的安定しているものの、卸売物価は原油を初めとする海外原材料価格の高騰や、最近における為替相場の変動等により相当上昇しており、物価については、特に警戒を要する状況にあります。 さらに、国際収支の面においても、原油等の価格上昇や、景気回復に伴う輸入の増大を主因として、最近では、経常収支が赤字を記録するに至っております。 こうした情勢に対処し、従来からの景気と物価の両にらみという基本的態度のもとで、当面、物価動向を注視しつつ、適切な政策運営を行っていく必要があると考えております。 このような観点から、先般、政府は物価対策の総合的推進について決定したところであり、特に財政金融政策の運営に当たりましては、今後の公共事業等の執行について、経済の動向に細心の注意を払いつつ機動的に対処することにより、この面から物価上昇を刺激することのないよう配慮するとともに、引き続き通貨供給量にも十分注視し、適切な金融調節を図ってまいることとしております。 また、国際収支の動向についても、引き続き十分注意を払ってまいる所存であります。なお、最近の為替相場の動向にかんがみ、今般、為替取引に関する五項目の対策をとったところであります。 私といたしましては、これらの諸施策の効果の浸透を注意深く見守りつつ、経済の推移に応じ適時適切に対処してまいる所存であります。 次に、緊急かつ重大な課題である財政再建について申し述べます。 御承知のように、わが国の財政は、十五兆円を超える巨額の公債発行を余儀なくされ、実に歳入の約四割をこれに依存するというきわめて異常な事態に立ち至っております。 私は、この異常な事態が単に財政の破綻を招くのみならず、わが国経済全体に耐えがたいひずみをもたらし、経済の発展と国民生活の安定を図る上で重大な障害となることを深く憂慮しております。 このような財政の公債依存体質を改善し、財政の対応力の回復を図るため、私は全力を挙げて財政再建に取り組む決意であります。 このため、昭和五十五年度予算においては、公債発行額を本年度より少なくとも一兆円圧縮することを基本方針とすることとし、過日の閣議において了解を得たところであります。 この公債一兆円減額の方針につきましては、公債の消化面から見ても必須の要請であると考えており、いずれ予算編成方針にも盛り込み、財政再建の第一歩とする所存でありますが、この前提のもとにお示しした五十五年度の財政事情はきわめて厳しいものとなっております。 このため、五十五年度の予算編成に当たりましては、まず歳出面において、補助金等の整理を進めることはもとより、既定経費について既存の制度・慣行にとらわれず根底から見直しを行い、その削減合理化を図るとともに、新規施策については、真に緊急やむを得ないもの以外はこれを認めないこととする等、歳出規模を極力圧縮し、また歳入面においても、租税特別措置の整理等を通じ、税負担の公平確保をさらに推進してまいる所存であります。 しかしながら、これらの努力によってもなお最小限必要な歳出の増加を賄うのに財源が不足する場合には、国民の御理解を得て、負担の増加を求めることも検討課題とせざるを得ないと考えております。 皆様の御理解と御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
○委員長(世耕政隆君) ただいまの大蔵大臣の発言に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 大蔵大臣に過日、二十八日の決算委員会でいろいろの御質問をいたしましたが、その継続で本日若干質問を展開いたします。 まず、山口銀行の問題でありますが、銀行間で送金が行われたのでありますから、その記録は山口銀行の電算センターに記録されていることに私は間違いはないと思うんです。たとえ支店のこの端末機が、支店長の違法的といいますか、そういう操作によってオフにされていても、センターにはこの記録が残ります。つまり、今度の事件の場合で言えば、山口銀行の徳山東支店なり岬支店なりに事件に関する送金があった事実は、これはコンピューターに記録をされていますね。ここのところは銀行局長、頭取がまた体のぐあいが悪いとか何とか言ってきょう出てこないものですから、頭取に聞かなきゃわからぬところでしょうが、通告しておきましたから、克明にこの操作の問題、答弁をしてください。
○政府委員(米里恕君) お話しの山口銀行の件でございますが、おっしゃいますように、他行から山口銀行の支店に送金は行われております。これは正規に記録されております。その送金が行われました際に、山口銀行の徳山東支店あるいは岬支店の口座といたしまして、普通預金口座が開設されております。ここまでは正規の手続が行われておりますので、中央のコンピューターにも入っておりますし、普通預金口座も正規に設定されておるということでございます。問題は、その後でございまして、普通預金口座から一たん払い出して、それを定期預金口座に振りかえる際、ここからは支店の段階になりますが、支店の段階で、その定期預金口座を正規にコンピューターに入れずに処理したということでございます。 もう少し詳しく申し上げますと、まず当該ケースは、羽島あるいは中野の両名が、入金しました普通預金が定期預金に振りかわります際に、その資金を正規の定期預金口座に記帳しないで、それを国本の用途に資するために、その資金を手交してしまったというケースでございますので、こういった場合に羽島及び中野にとって必要なことは、まず中央にありますコンピューターの元帳に、その当該金額を記入させないことが必要である。これは記入させますと、後で現金と定期預金口座に入金しましたものとの不突合が起こるから、そこで中央のコンピューターにその金額をインプットしないことが必要であるということが第一点。それから第二点は、しかしながら、顧客、預金者でございますが、預金者に対して定期預金証書は交付しなければならないという問題が一つあると。 この二つを免れますためにとりました方法は、一たん少額の定期預金、これは正規のものでございますが、少額の定期預金をコンピューターに入力しまして、これをオンライン処理した。その場合に、一方で、先生御承知のように、コンピューターに記帳されるとともに、端末機では預金証書に同時にタイプイン、印字が打たれるということになるわけですが、その預金証書は、正規のものを端末機に挿入しないで、汎用カードを使って汎用カードに印字をした。それで、この汎用カード自体は廃棄してしまったということでございます。 それが第一段階で、第二段階が、端末機をオフラインにその後でいたしまして、中央との回路を断ちまして、その後でコンピューターに打ち込まれている少額の先ほどの預金と同じ番号の定期預金証書をつくりまして、これはオフラインになっておりますので、中央の元帳には記入されませんが、端末機のタイプで多額の定期預金金額を打ち込んだ、こういうことでコンピューターへの入力を防いだと、こういう手口だと聞いております。
○和田静夫君 いわゆる銀行間送金があったわけですから、いま言われるように銀行間勘定、つまり振り込み銀行と受け取りの山口銀行との間でこの銀行間勘定の決済が行われて、確かに山口銀行には金が入った。そして、山口銀行の本支店勘定で決済が行われて、徳山東支店なり岬支店なりに確かに金が入った、こういうことになる。コンピューターも帳簿上も入金があったことは記録されている。とすると、つじつまを合わせるには、入金に見合う額だけ出金があったことにするほかない。それが、いま言われたような操作でやられた。 そこで、大変不思議なのは、これが支店長だけでやれるだろうかということ、あるいは支店長と次長が組んだだけでやれるだろうかということをちょっと疑問に思うので、徳山東支店及び岬支店の人数、預金残高、規模、これはどのぐらいですか。
○政府委員(米里恕君) 徳山東支店は行員の数が十三名、うち役付が三名でございます。預金残高は、五十四年九月末現在でございますが、三十六億九千八百万円。それから岬支店、これは宇部市にございますが、行員の総数が二十七名、うち役付が六名、それから預金残高が百十九億八千九百万円ということになっております。
○和田静夫君 そこで、大蔵省に特に注意を喚起したいのは、今回の事件を銀行側がチェックできないはずがないということであります。 たとえば、私が知って、この間決算委員会でも問題にしました丸金商事のお金の入金は三十二回ありますね、これは資料全部おたくに渡してありますから。で、出金の方も同程度ある。これらの支店から丸金商事への払い戻し送金も行われている。 入金だけ簡単に言っておきますと、五十三年十二月二十三日徳山東支店一億五千万。五十三年五月一日徳山東支店二億五千万。八月九日同じ支店二千万、同日二千万、一千万と、これは計五千万。十月の九日に五百万、一千万、四千万、二千万、計七千五百万。十月十一日に二千五百万。十一月二十九日に五千万。十二月九日に一千五百五十万、三千四百五十万、計五千万。それから五十四年の二月の二十八日、岬支店ですが一億六千万、徳山東に八千万、これは二億四千万ですね。それから三月十二日岬支店が一億円、同じく岬支店が一億五千万、これは二億五千万。四月五日に岬支店で五千万。七月六日に同じく岬支店で五千万、五千万、一億五千万、計二億五千万ですね。八月十六日岬支店が二千万。八月二十一日同じく二千万。三十日同じく三千万。三十一日五千万、七千万、三千八百万、一千二百万、計一億七千万円ですね。九月二十八日二千万。九月二十九日二千五百万。これはずっと岬支店です。 大ざっぱに言って、こういう送金があった。合計十七回、延べ二十九回の送金で、一回につき二千万から二億五千万円の送金。これは、二つの支店の規模から言って、目覚ましい預金−払い戻しということが行われている。 そこで、たくさんの疑問が出てまいりますが、支店長羽島のいた両支店でどうして銀行は気づかなかったのか。さっきの確認をした規模から言っても、これだけの金が支店の中で動くんですから、十二、三名の行員がわからぬはずがない。実際問題として電話連絡は普通の行員に行われている、こういう形ですね。支店長、次長が何をやっているか、行員がわからぬはずがない。私は、警察はお調べになっているのだろうと思うんですが、支店長あるいは次長などという者以外にこれに関与しているところの行員があるのではないか。あるいは知っていた行員があるのではないだろうか。それから、銀行当局もこのことは知っているんではないだろうか。これだけの操作が行われているんですから、わからぬはずがない。 で、大変不誠実であるということは、古い昭和四十五年に三千万事件などという報告を怠っていた山口銀行、今回、何回も頭取に接触しようと思っても、病気でもない、自分の銀行の役員会には出ているが、病気だと言って院には出てこない、こういう不誠実な頭取、こういうような状態の山口銀行でありますから、私はどうも非常なたくさんの疑問を抱かざるを得ない。 どうして銀行は気づかなかったのか。いわゆるどういうチェックをしていたのか、ここのところは大蔵省、どうなんですか。あなた方もまた、監査の時にこれだけのことが全然気づかないというのはどういうことなんですか。
○政府委員(米里恕君) 御指摘のように、支店の規模に比べまして相当多額の金額が出入りしておりますことがなぜ気づかなかったのかということは、非常に遺憾であると思います。銀行自体のいわゆる相互牽制といいますか、インターナル・チェック・システムに問題があるのではないかという問題。それから、本部の検査部による検査について問題があるのではないかというふうに思われるわけでございまして、これらの再検討の早急な実施を命じたところでございます。 もう一つ、このインターナル・チェック・システム及び検査のほかに、最初にちょっとお触れになりましたオフラインの問題、これはオンをオフにいたしますと、当然本店のコンピューターには切りかえ記録が残るということでございますが、この切りかえ記録がしばしば出ておるはずなので、そこがどうしてチェックできなかったのだろうかと。及び、それに関連しまして役職者キーの保管管理、これは役職者キーを使う場合に、最終的には必ず支店長の承認を得なければならないということになっておるようでございますが、当該場合は支店長自体が使っておりますので、そういった支店長の承認だけではなかなか済まないのではないか。これは人事上の問題、そういうものを支店長はするはずがないというようなところから来ているのかもしれませんが、そうなりますと人事上の問題になりますが、支店長の承認だけでは済まないのじゃないだろうか。あるいはまた、定期預金証書等の重要印刷物の取り扱い管理の問題もあるであろう。こういったような問題がいろいろあるように思いますので、厳重にこの辺についてシステムを再検討するように命じておるところでございます。 なお、大蔵省の検査の際にこれがわかりませんでしたのはまことに申しわけないところでございますが、検査のときは、御承知のように、本店を中心といたしまして幾つかの支店をピックアップして検査するという体制でございまして、山口銀行も店はいろいろございますので、たまたまこの徳山東あるいは岬には銀行局の検査は行っておらなかったというような事情もあろうかと思いますが、いずれにせよ、銀行局の検査としても、これが早期に発見できなかったことは遺憾であると思っております。
○和田静夫君 コンピューターをオフにすることは一般に禁じられている。これはもう銀行局長、この間決算委員会で私に答弁されたとおりでございます。 オフにした場合に、銀行が調査をしなきゃならぬと。しかも、羽島のいた二つの支店でそういうことが起こっている。まあ山口銀行の支店はどこでもこういうオフで操作をしているというなら発見しにくいでしょうけれども、ここで特に起こっているということになれば、発見できるのが私は当然だろうと思う。経理上も二年間、安芸農協の件を含めますと、三年以上にわたって不正事件が発見できないでいるわけですよ。その間に決算が少なくとも四回、それから安芸農協事件からだと七回あったわけですね。決算及び行内の検査で発見されないというのは、どういう帳簿をつくっていたんだろう。どう考えても、銀行側は知っていたのではないだろうか、その疑いは、私はこの問題を調査すればするほど深めざるを得ない。したがって、幾ら事情を聞いてみてもこれは得心がいかないのであります。 羽島が、徳山東から岬に移ったのはいつですか。
○政府委員(米里恕君) 申しわけございません。ちょっと確実な日付はわかりませんので、追って御報告いたします。
○和田静夫君 それはもうわかっているからいいです。 転勤になった時点で引き継ぎがされているわけです。この転勤は、成績が上がったからということで転勤になっているわけですね。十三名のところから二十七名の支店に行っているわけですから、栄転ですよ。この引き継ぎでも発見がされなかったというのは、銀行の頭取なり専務なり——この間、決算委員会に専務お出ましになりましたが、これらの責任問題は当然残るでしょうな、これは。 当然、五十四億もの不正、背任問題ですから、これは辞任をされる。行政指導としても、そのことをあなた方は強く求められる。私は銀行局の行政指導そのものも問題だと思いますから、これは後ほどやりますが、栄転の勤務評定というのは山口銀行じゃどういうふうになっているんでしょう。引き継ぎのときに発見できなかったというのはどういうことなんですか。
○政府委員(米里恕君) 引き継ぎのときなぜ発見できなかったかという事情はつまびらかにわかりませんが、やはりその間の内部チェックが十分でなかったのではないかというように考えられます。 勤務評定につきましては、銀行の個別の内規のもとに適正に行われておるのだというふうに聞いております。 先ほどお話のございました異動の時期でございますが、徳山東支店長から羽島は五十四年の二月、ことしの二月に岬の支店長に変わっております。
○和田静夫君 責任問題触れられませんでしたが、私は同じこの場所で、たとえば富士銀行の十九億四百万円問題以下、金融犯罪に関するいろいろの問題を取り上げてまいりました。富士銀行の当時の岩佐頭取もここにお出ましになって、ついには十九億問題の責任をとっておやめになった。ところが、今度の事件は幾らあなた方に聞いても納得ができないのでありますが、合計五十四億円、二十億円の穴をあけた。これは少なくとも私が取り扱ってきた日本の金融犯罪の中では最高級の、最高額の事件ですよ。 これはもう当然いまごろ頭取をおやめになるのだろうと思うんですが、一向にやめない。ばかりじゃない、われわれの要請にもこたえない、逃げて歩いている。病気でもないのに病気だと偽る。そういう状態なんですが、これだけの事件が二年余にわたって発見できないというのは、これは銀行のチェックシステムが全く有効に働いていないということでありましょう。その結果、正規の預金証書を持った人が預金を払い戻しすることができない。そして、その人の企業は、このことによって年を越すことができなくていまつぶれようとしている。倒産をしようとしている。銀行はのほほんと存在をする。当然、この検査に大蔵省入られるのだと思うんですが、改善を指導されなければなりませんが、その前に、いままでの通達にあるとおり銀行の管理責任、これだけはやっぱりもう明確にされる必要があるんじゃないですか。 私があなたに求めてきたのは、臨時国会が開かれるまでの間にこれは解決しましょうということで、十一月いっぱいかけて銀行局に対してはずうっとこのことは調査を依頼してきたし、私が集めた情報のすべてをあなた方に手渡してきて意見をずうっと述べ続けてきているわけですからね。それが臨時国会までにあなた方は何もやらぬ、結果的には。これはどういうことですか。
○政府委員(米里恕君) 先ほどの御質問に対しまして、監督者責任のお答えをいたすというのを忘れまして失礼いたしました。 この問題、御承知のように、羽島及び中野についてはとりあえず懲戒免職にしたわけですが、私どもといたしましても、従来からの金融機関の不祥事件について、未然防止についても再三にわたり経営者に注意を喚起してきたところでございます。したがいまして、こういった不祥事故が起こりました際には、私どもは経営者の責任は問われるべきであるというふうに考えております。 山口銀行からは今後——まだ司直の手で全体像が明らかになっておりませんので、そういった推移も見ながら、具体的な監督者責任をも含めた責任の表明がなされるということになるかと思います。で、五十四年上期賞与の全額辞退及び月額報酬の減額等を内容とするとりあえずの自粛措置の表明が行われておりますが、監督者責任につきましては、もう少し司直の手で全体像が明らかになった段階で当局に意思表明がなされるものと思っております。当局としてはそれを受けまして、それが適正な監督者責任の表明であるかどうかということをチェックしてまいりたいというふうに考えております。
○和田静夫君 預金者が預金を払い戻してもらえないという点で、先日も伺いました。預金者は、通常きちんと帳簿に計上されているか否か確かめようがありません。この間、法制局長官と私がやりとりをしましたように、支店長そのものは預金者にとってみれば銀行そのものであるからであります。そこを信用するのは当然のことであります。そういう預金者というのは信用をしています。この責任はだれにあるかといえば、山口銀行ひいては私は大蔵省の責任であると考えています。ともかく大蔵省はこの事件を解明をし、改善を指導し、そして責任を明らかにさせる、このことを急がなきゃなりません。 それから、いわゆる預金者に対するところの救済の措置といいますか、預金者の求めにも誠意を持って応じさせる、そういうことがやっぱり必要でしょう。たとえば、越年のために預金者が資金を必要とするのならば、それに対するところの便宜を山口銀行は当然に払うぐらいのことは、あなた方の年末資金を貸し付けるというような形での行政指導なども、この問題によってはあってもいいのではないだろうか。大口債権者への支払いについて、たとえばいろいろと預金者の側が苦悩を一人でする。こんなばかげたことが起こっていいというふうには考えられませんので、その辺はどうお考えになりますか。
○政府委員(米里恕君) 当該ケースにつきましては、現在、銀行側といたしましてはこの導入資金——導入預金であるかどうかはまだよくわからないわけですが、導入資金がほとんど預け入れがなされると同時に払い出されている。その払い出しの経緯も必ずしも明白でないというような状況にございますので、現在司直の手で解明が行われておりますので、もう少しその解明を待たないと、いかなる責任関係になるのか明確にならないというようなことで、いましばらく全体の推移、司直の手によるこの事件の真相というものを見てまいりたいという判断をいたしております。私どもといたしましては、現段階ではそういった銀行側の経営者としての判断にゆだねておるという状況でございます。
○和田静夫君 大蔵大臣、ここでこのことをちょっと締めくくっておきたいんですが、いま私が申しましたけれども、山口銀行に対する預金者がいま被害を受けている。その会社が越年をすることができない。こういう事態で、善意の第三者が泣かなければならぬということにはならぬと思うんです。で、銀行局長が言われる捜査全体を見てからという理屈を私は全部否定をするつもりは一つもありませんが、しかしながら行政指導の面としては、年末資金の貸し付けぐらいのことは当然山口銀行が誠意を持って預金者と話し合う、これぐらいのことをやっぱり大蔵大臣の裁量で指導をされることが必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 私も事件の実態を完全に掌握しておるわけでもありませんが、和田委員と銀行局長との問答の中で、善意の第三者にこの事件が及ぼす影響というものはやはりネグレクトしてかかるべき問題ではない、こういう感じを深くいたしましたので、早急に検討をしてみたいと、このように思います。
○和田静夫君 警察庁、最後ですがね、私の調査では、その後、東京の松岡さんという人が徳山東で二億五千万、福岡の甲木さんという人が一億三千万、いずれも国本の紹介で預金をし穴をあけられた、こういうふうに調査結果が出ています。このことが確認できますか。 二つ目は、インドネシアヘの二億一千万の送金などの金の出について、どこまで解明ができていますか。
○政府委員(中平和水君) 現在、鋭意捜査中でございまして、ただいま御指摘の二つの業者でございますか、この関係につきましても、個々の問題でございますので、そういう事実につきましては今後十分解明をしてまいりたいと、こういうように思っております。 それから、インドネシアの問題につきましては、いま国本の金の使途につきまして全般的に追及をしているところでございまして、その問題につきましても現時点では私ども詳細な事実は把握してない状態でございます。
○和田静夫君 預金を払い戻してもらえなくて、捜査待ちというのが銀行局長の答弁。これはできるだけ早く結論を出して、関係ない人はないとはっきりあなたの方で言いませんといかないと思うんです。それは会社の経営がかかっているわけですね。もともと山口銀行の悪いことはこれは明確でありますから、この点は留意をして、捜査のめどというのはこの辺で明らかになりませんか。
○政府委員(中平和水君) 現在、関係の預金者が三十一名ございまして、そのうちの十二名の取り調べが終わりまして、残りの十九名を現在取り調べ中でございますが、率直に申し上げましてすでに決済を受けておる方もございますし、未決済の方もございます。私どもはそれを一つ一つつぶしてまいらなきゃならぬわけでございまして、決済の済んだ方々はかなり広域にもまたがっておりますし、比較的なかなか協力を得にくい事情もありまして捜査が若干停滞をしておりますが、なるべく早く一応この問題についてはけりをつけたいと、そういうつもりでやっております。
○和田静夫君 さっきもちょっと触れたんですが、銀行内部に——支店内部と言っていいですが、本店、支店を通じてやっぱり犯罪犯罪幇助をした者がいるんじゃありませんかね、これは。
○政府委員(中平和水君) 私どもは現在支店長、支店長代理、それと融資を受けた国本、この三名につきまして刑事責任を追及するという立場で捜査を遂げておりまして、そのほかに私どもは刑事責任をとらなきゃならぬような方は現在のところ把握してないと、こういう状況でございます。 なお、こういう問題につきましては、刑事責任の是非は別といたしまして、なかなか大変、ごく限られた人だけで長年にわたってやることにつきましては一般的には私ども疑問を持っておりますが、刑事責任の問題とはやや別だという考え方でございます。
○和田静夫君 次に、広島県の中国銀行の手形決済問題の信用調査問題ですが、この手形の決済見込みの確認のために銀行照会が行われているようであります。一般に信用照会と言われるのですが、銀行の秘密保持義務の例外として銀行間で事実たる慣習として存在をしている判決、たとえば東京地裁の昭和三十一年十月九日の判決や法律書にそういうふうに書かれていますね。果たして事実たる慣習なのかどうか。理論的に言って秘密保持義務に対してどの程度、どの範囲まで例外なのか、その限界、そして実態的に言ってどの程度、どの範囲で行われているのか、その実情。 これは私、後ほど中国銀行がやっている問題についてはここで明らかにしますが、銀行局にはすでに早くから通告してありますが、きょうここで取り上げようと思うのは、大臣、記憶していただきたいのは、銀行法の改正問題が日程に上っているわけでありますから、銀行法改正問題が日程に上っている今日、私は今度の中国銀行問題というのは、幾つかの金融における問題提起をしなきゃならない内容を含んでいると思うのであります。したがって、疑問についてきょう幾つか解明をしてみたい。 秘密保持と信用照会の問題をいま述べましたが、大蔵省の見解をまず伺いたい。 二つ目は、取引先の依頼に基づいて信用照会が行われて、そして回答結果が依頼者に伝えられる、こういうことはどの程度行われているのでしょうか。また、法的に見れば秘密保持義務の逸脱ではないかと考えられる。これも事実たる慣習と化してしまえば、法的に整備を考えてみる必要が私は銀行法の改正問題についてあると思う。これも資料や調査に基づいた見解を求めたい。 時間の関係がありますから求めていきますが、第三に、信用照会は紳士協定的なもので、この回答銀行の責任は問われないというのが学説、判例の大勢のように見えます。 ただし、判例は、たとえば東京地域、昭和三十九年四月二十一日の判決は次のように言っています。このような銀行間の照会及び回答は、回答銀行が回答の結果について責任を追及されないとの了解のもとになされているのが事実上の慣習であって、Y銀行甲支店の回答もこの慣例に従ってなされたものであることが認められ反対の証拠は何もないと述べているんですね。そうすると、反対の証拠は何もないということでありますが、恐らく事実上そういう立証はきわめて困難、不可能に近いでありましょう。問題はここにあると思うんです。判決は、信用照会は無責任だということを知って行っているのが通常の場合であると、消極的に無責任を述べているわけでしょう。 そこで、銀行間ではなくて第三者、取引者の依頼の場合ですね、信用照会は信用できると考えている人に対して、故意または重大な過失による誤った回答があった場合、学説ではこれは不法行為による損害賠償責任があると述べているのでありますが、立証が困難なため、こういうような学説になるんだと思うんです。で、判例はこれはないようであります。しかし、推測しますと、実際にそういうケースもあるのでありますが、信用照会の誤った回答で損害をこうむっている例がありますし、しばしばこれはあると考えられます。 中国銀行については、その実例をこれから挙げますが、これに対して法解釈の問題で逃げてしまって、行政的に何ら対策を考えないでいいものかどうか。私は、大蔵省からの先日来の私に対する返答を聞いて、ここが非常に疑問なんです。銀行法改正問題に直面をいたしまして、立法上も考えてみるべきテーマであろうと私は実は考え及びましたし、また、法的問題以前に行政上対処する余地が多分にあると考えるんですが、ここまでの見解をまず伺います。
○政府委員(米里恕君) 信用照会制度でございますが、これは銀行間のいまお話のございましたように、商慣習として慣行的に生じたものでございます。趣旨は、銀行相互の便宜と不良取引先の排除に資するという自己防衛上の必要から慣行的に生じたものであるというふうに聞いております。現在では全国銀行協会の申し合わせになりまして、その申し合わせのもとで、おっしゃいましたように、銀行間の紳士協定という性格のものであるというようなことで行われているわけでございます。 で、この場合の秘密保持の問題ということがございまして、いまさら申し上げるまでもなく、金融機関にとって秘密保持の問題ということは非常に重要なことであろうかと思います。そういったことで、秘密保持ということを照会に対しましては十分頭に置いて、その範囲内で銀行間の紳士協定に従うというような取り扱いになっているかと思います。したがいまして、たとえば問い合わせを受けた銀行で知っている事実をすべて回答しなかったとしても、それは慣習上許されているというような扱いになっているように聞いております。 この銀行間の信用照会制度が、次第に問い合わせをいたました銀行の依頼者にも伝えられるということが、これまた、慣行的にかなり広範に行われるようになってまいっております。そういたしますと、回答銀行といたしましては、それが相手の銀行からその取引先にインフォメーションとして伝わるというようなことが一応予想されるという状態になってまいりましたので、その意味で、銀行に対しても、あるいは取引先に対しても、そういった慣行上のことを頭に置いて連絡をしていく、回答をしていくというような必要性が実際上生じてまいっておるというふうに考えます。 と申しますことは、秘密保持の問題あるいは第三者に不測の損害を与えるかもしれないというようないろんなケースが慣行上考えられる、予測されるわけでございますので、そういったような意味では、法律上は、先ほどお話がございましたように、故意または重大な過失がない限り回答銀行の責任は問われないという説が強いようでございますけれども、今後の具体的な信用照会制度の運用に当たりましては、回答銀行の方も慎重で良識ある運用を図るように、われわれとしては指導してまいる必要があるのじゃないかというように考えております。
○和田静夫君 この中国銀行をメーンバンクとして、まあ人的にもいろいろないきさつがあるんですが、きょうはどういういきさつがあるか、知っていますけれどもここでは触れずにおきますが、中国銀行系の企業と言ってもよい会社、明治の明と太陽の陽ですが、明陽木材株式会社という会社、これは広島県福山市、川崎誠二社長でありますが、八月末に倒産をいたしました。銀行管理のもとに計画倒産をした疑いが強い、これは知らせてあるとおりであります。そうした疑問を抱かせるのも、実は信用照会に虚偽の回答をして、明陽木材との新規取引をした会社に大きな損害を与えているからであります。 明陽木材は、三月に不渡りをかぶって、そして主要取引先が手を引いたために、四月から数社と新規取引を開始した。それらに対する同社の振出手形は、結局一回も決済されなかった。しかも、同期間に加工能力を上回る売り上げを上げている。大量仕入れ、換金のダンピングをやっておる。銀行管理下にあると言ってもよい経営状態においては、きわめて異常であると考えられる。そういう経営状態において、五月、六月、七月と毎月のように行われた信用照会に対して中国銀行は、明陽木材には貸し出しはなく懸念はない、八千万円限度の取引はOKと住友銀行中之島支店、東海銀行桜橋支店、関西相互銀行梅田支店に回答している。回答は依頼者に伝えられ、それに基づいて資材納入が行われた。手形サイトは四カ月から五カ月である。ところが結果は、最後の信用照会から一カ月余りのうちに倒産をしている。貸し出しなしというのも著しく事実に反する。そういう相談が私にあって、大蔵省にはすでにこの件はずっと伝えて、かなり長い期間がたっています。 ここでもう一度伺っておきたいのは、中国銀行は何の釈明もない、道義的にも責任を負わないというのは、一体どういうことだろう。行政上は手の打ちようがなくて、その必要も大蔵省というのは考えないのか。これは、大蔵省から答えをもらってからずっと私は疑問に思ってきたことですが、いかがです。
○政府委員(米里恕君) 御指摘のように、中国銀行は明陽木材のメーン行として、可能な限りの資金応援を続けておったわけであります。で、これまた御指摘のように、ことしの五月及び六月になって他行から中国銀行に対して信用照会がなされた。中国銀行の方は、決済見込みの懸念は特にないという回答を担当の係の者が電話で御返事したということでありますが、八月になりまして、明陽木材が大幅赤字を支え切れずに会社整理を申し立てて事実上の倒産となったと、こういうことであります。 で、この五月、六月の照会があった時点では、中国銀行は明陽木材を倒産させるというようなことは全く考えておらなかったと。五月、六月から八月に至りますまでの間に、引き続き非常に資金繰りが悪化しておりましたので、貸出支援を続けております。もちろん、中国銀行が明陽に対しまして回収食い逃げというような事実もございません。最後まで、この企業を再建させるという意図を持っておったわけでございます。そういう段階におきましての信用照会に対しての回答でございますので、他行からの照会に対して中国銀行が、先ほどの言葉で申しますと、故意もしくは重大な過失があったということはなかなか判断しにくいのではないかというように思います。 ただ、御指摘のように、法律的には問題がなかったとしても、こういったインフォメーションによって一つの企業が非常な取引先の倒産によって損害をこうむっておるというような事実に対しては、それなりの道義的な責任と申しますか、そういうものがあるかないかという問題は残ろうかと思います。そういった意味で、今後このようなことがなるべく発生しないように、十分慎重に信用照会には応ずる。第三者に不測の損害を及ぼすことがあるというようなことは、私どもも指導していかなければならないというように考えております。
○和田静夫君 いずれにしても、銀行の情報によって民間の企業が誤った取引をしてしまうということは、好ましいはずがないと思います。しかも、私はこれは意図的だと思うのですが、意図的にそういうことがなされた可能性がきわめて強い。銀行局長、当該銀行から上がってくる報告だけをうのみにしていれば、あなたが言われるような前段の答弁になるでしょう、後段はまあよいとしても。そういう態度がやっぱり問題だと思うんです。私たちが疑問点をいろいろ素人なりに出してみただけでも、これぐらいの疑問が浮かんでくるんですから、あなた方銀行局の専門家は、もっと多角的に疑問点を掘り下げてみて、そして調査をされなければ、銀行の意図はこうでありましたというようなことをうのみにされれば、そういう通り一遍の答弁にしかなりませんよ。私は通り一遍のことではなくて、大蔵省としてはやっぱり事実関係を綿密に調査して、二度とそういうことが全金融機関で起こることがないようにすることが、あなた方の義務であるとも考える。 この点の行政上の今後の対応と、特に中国銀行に対する注意、指導について、これは銀行局長の答弁いただきましたから、大蔵大臣、いまの論議を聞きながら見解を承ります。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる銀行間の信用照会制度という問題は、私ども素人から考えましても、それがある種の意図を持って行われたような場合には、これは大変な企業等の信用ないし事業経営自体に重大な影響を与えるものであるという認識は持っておるものであります。 したがって、銀行局長からお答えしておりましたように、この相互の信用照会というものは、もちろん秘密が保たれることは当然のことでありますが、非常に慎重にあるべきであるということはお答え申し上げたとおりであります。 さらに、中国銀行そのものに対してどのような注意を与えるかということになりますと、具体的に私からお答えするだけの自信はございませんが、当然のこととして、指導していかなければならない点はあるような印象は、私も強くいたしました。
○和田静夫君 明陽木材は、過去三回にわたって巨額の不渡り手形を食っているわけです。一度は、総合大企画という明陽の社長の弟がやっている会社からの受取手形九千八百万円で、これは昨年五月。二度目は松永特殊合板、六千万円、昨年十月。三度目はケイセイという会社、これも明陽と関連のある会社ですが、一億四千万円、これは本年二月です。この三度の不渡りに対して、中国銀行はそのたびに支援融資をしています。ところが、担保不足は確実であります。私の調査では、個人保証を含めても融資額の三分の一程度であると思います。 で、大蔵省、この三度のそれぞれの融資と担保関係というものをお調べになりましたか。私の指摘するような疑問はないのかどうか。問題は、中国銀行の不正融資、まあ少なくとも不良融資といいますか、そういうことにかかわっているのでありますから、ここのところをちょっと具体的に答えてください。
○政府委員(米里恕君) まず融通手形の問題でございますが、中国銀行と明陽木材の間に融通手形の割引という事実はないということでございます。もちろん、これは金融機関が融通手形の割引などをやられたのでは、とても許すべき行為ではないというように考えておりますが、そういう事実はない。 それから担保につきましては、一応調べてございます。いろいろな担保がございます。商手、不動産あたりが大口でございまして、現在の貸出金に対してほぼ見合うと思われる担保が入っておるというように承知しております。
○和田静夫君 ここのところはまあ見解の問題ですから、私は、明陽木材に対する融資水準というのは、担保の点からいっても、売り上げに対する割合からいっても高過ぎる。私の調査結果ではそう判断しています。 そこで、明陽は、二月の不渡りの件で主要取引先が取引を停止したわけですが、それ以降に、先ほども述べましたように、中国銀行の誤った、うその情報で新規取引会社を数社見つけて、そして四月以降急速に売り上げを伸ばし、ぎりぎりまで伸ばしたところで、八月末の手形決済のラッシュ直前に会社整理を裁判所に申し立てた。これは、中国銀行をバックとして計画倒産したと見られてもやむを得ない客観的な経過であります。 大蔵省は、この経過、昨年五月の不渡りのときからの中銀との取引関係、逐一調べたと思いますが、中銀の支援融資姿勢、これは適切であったとやっぱり今日もお思いですか。 それから、警察もこの点関心を持って調査を一遍されるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(米里恕君) 御指摘のように、かなり積極的態度で当時の支店長がこの明陽木材の立て直しを図ろうと努力しておるようであります。明陽木材の販売先が再度にわたって倒産をいたしたということで、明陽木材がかなりの資金繰り面におきましても打撃を受けまして、そこを何とか立て直しをしようということで、前支店長がかなり積極的な支援態度で臨んだというような情勢であったかと思います。 この場合の判断が適正であったかどうかということは、これはそのときのいろいろな事情、関係を総合的に把握いたしませんと、必ずしもなかなか即断できない問題ではないかというように思います。
○政府委員(中平和水君) お取り上げの明陽木材の問題につきましては、すでに私どもの方に十月の二十六日、広島県警察本部の方に、明陽木材を被告訴人といたしまして、大阪にありますトランスワールドという会社を告訴人といたします詐欺の告訴が出てまいっておりますので、当然それの処理に関連いたしましてこういう関係も調べることになっております。
○和田静夫君 質問を通告してあった関係でしょうが、銀行局長は私が質問しないうちに融通手形のお話があったんですが、したがって、この融通手形を銀行が割り引いた場合には、銀行及び当事者の責任というのは一体どうなるんだろうということも含んで、答弁がなかったということを前提にして問うておきたいところですが、もうあったようでありますから、しかし私は指摘だけはしておきます。これは。 中国銀行で一億を超える融通手形を、恐らくそれと知りながら割り引いていると思われる節がある。明陽木材あての手形であります。不渡りになったものの中にあるわけでありますが、私の調査ではきわめて疑問な点が多い。したがって、答弁がありましたけれども、この点は指摘をいたしておきます。なお、継続的に私はずっとこれは調査も続けます。 ところで、中国銀行の本店前及び松永支店前に、明陽木材の件で座り込みをしている人たちがいます。これも大蔵省は、中国銀行の報告によればそんな事実がないということを、私のもとにすでに報告があったのでありますが、ところが、最近写真が届きました。やっぱりちゃんと何か要求を掲げて座り込んでいます。中国銀行はうその報告をしているということになりますが、そういう意味では、私は中国銀行というのは、大蔵省に対する報告上、不誠実であるということを指摘をしておきます。 この件の最後にいたしますが、明陽木材が倒産に関して、中国銀行の融資及び情報操作などの態度、これはきわめて疑問であります。大蔵省は通り一遍の報告を受けるだけではなくて、もう少し積極的に調査してみるべきだと考えます。銀行が、倒産までのプロセスを、私はどうも仕組んだような気がして仕方がない。客観的にはそう判断ができます。先ほど来述べてきているとおりであります。だから、座り込みをする人もいるということになるんでしょう。やはり被害を受けた人の立場から、こういう銀行介入による倒産劇を起こさないようにすべきだと思いますが、大臣いかがです。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる具体問題からの締めくくりとしての御質問でございますので、具体問題を詳細に把握していない私といたしましては、明快なお答えをするだけの自信はございませんが、いまの問題自体につきましては、和田委員の私に対する要望をも含めた御質疑というふうに受けとめさしていただきたいと、このように思います。
○和田静夫君 これは継続的に少しやりましょう。銀行法の改正に向かって大変私は重要な問題を含んでいると思いますので、事実関係の問題はもちろんありますが、論理的な問題としてもっと煮詰めてみる必要があると思いますから、私の方も勉強させてもらいます。 それから、先日の決算委員会で大生相互銀行の不正融資について質問をいたしました。決算がまとまったようでありますから、かなりおくればせでありますが、大蔵省の承認によるものと思いますので、ちょっと説明をしていただきたいと思います。 もう時間がなくなりましたから、質問をちょっと継続いたしますが、結局、償却はどれだけしているのでしょうか。 それからロイヤル興産、東亜企業の件、大蔵省は個々の件だからと言ってこの間答弁されませんでしたが、そういう態度が結果的に大光相互銀行になったのだということを私は申し上げておいたんですが、したがって、この大生相互銀行の問題、私は私が指摘し続けてきた大光相互銀行の問題と匹敵する、いや、それ以上にもっと重要だと思ってこの問題を取り上げ始めているんですが、どうも犯罪に当たる可能性があります。これは。それをかばい続けるということに大蔵省がなりますと、私は大光の二の舞になるだろうと思うんです。税務調査じゃないのですから、不正があれば警察、検察にやっぱり私は告発をすべきだと思うんです。その点をいまどういうふうに大蔵はお考えになっているのか。 それから警察庁、私が指摘したのは先日、二十八日ですから余り日時がたっていませんが、その後調査がもし進んでいるのならば、中間報告をこの機会にしていただきたいのであります。
○政府委員(米里恕君) 大生相互の九月決算の関係は、まだ私ども掌握しておりません。恐らく、月の中旬から下旬にかけての総会までの間に最終的な報告があろうかと思います。 この前御指摘のございましたロイヤル興産のお話でございますが、この前も申し上げましたように、ことしの六月から七月にかけまして検査を大生相互についていたしたわけでございます。六月九日から七月十二日ということで、検査の日数というのはあらかじめ機械的に決まっているものではございません。ケース・バイ・ケースで判断いたしますが、実情に応じまして十分深度のある検査をやるということで検査を行ったわけでございます。検査の結果は、個別銀行の検査の問題でございますので、差し控えさしていただきたいと思います。 ただ、ロイヤル興産とのいろいろ御指摘になりました点につきましては、もちろん検査の際にも一つの問題という意識を持って調べております。ロイヤル興産と大生相互の間に取引関係があることは事実のようでございます。ただ、いろいろの問題につきましては、検査の結果でも事実関係あるいは当事者がそのときどう考えたかというようなことも含めまして、必ずしも明確でない点も残されております。 それから、さらにもう一言だけ申し上げますと、ロイヤル興産に対します大生相互銀行の御指摘のありましたケース、案件にかかる融資は、現在もうすでにすべて返済されておるということだけ申し上げて、あとは個別の問題でございますので、差し控えさせていただきます。
○政府委員(中平和水君) 先般の決算委員会の論議を踏まえまして、この問題について関心を持つように、関係の府県に指示をいたしているところでございます。
○和田静夫君 新しい事実関係、それじゃ後ほどの展開のためにちょっと申し上げておきます。 大生相互銀行の飯能支店で秋本専務の実弟秋本雅生が経営する盟友総業、資本金五千万に、一億円を上回る担保の欠ける融資が行われておりまして、焦げつきました。これは警視庁も内偵を始めて、秋本兄弟が弁済したということでありますが、この捜査結果と、飯能支店に疑わしい点が多いのであります。 週刊読売などによれば、名義貸しがあったということなども書かれていますが、岸村商事、資本金一千万、それから峰電機、五百万、石井製作所、百万、飯能包装二百万などが名義貸しをやって、四億ないし二十億という不正融資をやったということでありますが、この件はどういうふうになっていますか。 それから大蔵省、大生の一連の件及び経営内容について、もう少し正確な情報を少しお知らせ願えますか。別にこの平生で、たってとは言いませんけれども。
○政府委員(米里恕君) 御指摘の点、いずれも個別の問題、特に検査の結果の問題になりますので、申しわけございませんが、当委員会では申し上げることを差し控えさせていただきたいと思います。
○政府委員(中平和水君) ただいまの問題につきましては、私ども報告を受けていない状況でございます。ただ、若干の関連情報といたしましては一、二ございますが、この席では答弁を控えたいと思います。
○和田静夫君 大臣、残されたわずかな時間で大臣の発言に関連をして二、三お聞きをしておきますが、一般消費税について、本会議を通じて衆参両院いろいろ論議がありましたが、大臣はどうお考えになっているんですか。方針を持っておられるのでしょうか。本年度導入は見送られましたが、それ以降についてどういう姿勢でおられますか。
○国務大臣(竹下登君) 私の発言が、各種の報道の中で非常に整理されていないような表現になっております。ことほどさように、私もこれに対しては、自分の考え方を明確に述べるほど今日詰めた考えを持っておりません。 五十五年度分はすでに何回かお答えいたしましたので省略するといたしまして、五十六年度以降の問題につきましては、どうしても新たな負担を国民の皆様方にお願いしなければならないという状態になりましたならば、当然これも検討しなければならぬ。そうすれば、私はかねて申しておりますのは、まず直接税と間接税の問題をどうするか、あるいは税目でやや対応的に申し上げますならば、所得税と消費税のあるべき姿をどうするか、その中でまた消費税と言えば個別的消費税と一般的消費税とでも申しましょうか、私も整理するためにいろいろ勉強してみますと、いわゆる使われた一般消費税というものは、財政学の中の一つの体系として位置づけられておるとも見える言葉でございます。しかし、いわゆる先般政府が新たなる税制というもので準備を進めたものを称していわゆる一般消費税と仮に申すといたしますならば、それも初めから検討の外に置くという問題ではない。 したがって、検討の対象になるべきものではございますが、私はその手法によって財政再建を図るべきかどうかというようなことを、すべてを総合してこれから検討していく問題であって、にわかに五十五年はやめましたが五十六年はやりますというような態度で取り組むべきものではないと、そういうふうに考えておるところであります。
○和田静夫君 そうしますと、この新経済社会七カ年計画は、一般消費税の導入を織り込んで策定しているように思われますね。財政当局はこの計画をまだ前提とした上で予算編成、財政運営に当たっているのでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) この経済社会七カ年計画というものは、私も、これが策定される段階でたまたま衆議院の予算委員長をしておりましたので、いろいろな角度から参画をいたしました。そこには確かに、新たなる国民の負担を前提に置いた一つの計画であるということはお説のとおりであります。 しかしながら、たとえば、その中で抜き出しますところの公共事業の二百四十兆というような問題が、されば昭和六十年度までの予算編成の中でどのような指標としてこれをながめるべきかというようなことにつきましては、やはり今日経済企画庁が中心になっておつくりになったものでありますから、これがすでに形骸化したものであるという認識にはいまだ立っておりません。 ただ、およそ緩急の度合いというものがあるというふうな認識で、全く外に置いてはおりませんものの、五十五年度の予算編成に際しましては、少なくとも緩急という言葉を使えば急の方じゃございませんが、緩の形の中で個別的に編成作業を行っていくということにならざるを得ぬではなかろうかと思っております。
○和田静夫君 一般消費税の導入を断念をされたその場合に、計画の修正はされるか。 それからもう一つは、財政収支試算も当然修正の必要が出てくるんでしょうね、これは。
○国務大臣(竹下登君) いまのところ、経済社会七カ年計画を修正するという結論には達しておりません。 それから、財政収支試算の問題につきましては、まさに機械的に一つの手がかりとしてお示ししたものでありますので、あくまでもあれは試算であって、新しい段階でまたそれはつくり直すべきであって、固定した一つの資料として存在するというようなものではないというふうに理解をいたしております。
○鈴木一弘君 歳出の削減についての大蔵大臣の考え方からまず聞きたいんですけれども、財政再建ということが、国民の理解を得ている大分共通の声になっておりますけれども、それは結局、国債費がございますが、そういう国債費の増大による財政の硬直化とか、財政インフレのおそれとか、国債の発行によって後の世代に対する過大な負担がふえてくる、こういうことを避けようということから、財政再建ということに国民の理解ができているんだろうと思います。 それで、政府が財政再建を現在最大の課題とし、緊急の課題としているというそういう理由の一つには、こういう国債等が債券市場のもとでは消化が非常に困難だということだろうと思います。 このことについては後から質問をしていきたいと思っておりますけれども、その問題はさておいたとしまして、十一月二十四日に読売新聞が財政再建の全国世論調査というのを発表しております。これに基づいて見ますと、財政を再建するには行政の改革と不公平税制の是正だということを要求する声が圧倒的に多い。そこで行政改革、つまり歳出面のことになるわけですね。この問題について、大蔵大臣としては行政運営面からどういうふうに改革していくのか、その歳出削減の方策というものをまず伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) 行政改革というものにつきましては、行政改革推進本部というものが政府部内にもございまして、いまその計画の策定というようなことを本年中に行うということで、鋭意作業が進められておるところであります。 これにつきましての方針は、およそ、まず特殊法人、公社、事業団体等の統廃合の問題、あるいは地方支分部局の整理の問題、もとより忠実に人員削減は実行していくという問題、そうして直接われわれの方にございます問題といたしましては、補助金等の整理というようなことが大きな柱となっておるところであります。 したがいまして、私どもといたしましては、財政面からの行政改革に取り組む姿勢といたしましては、補助金等の整理を進めていくことはもとよりでございますし、また既定経費についても既存の制度、慣行にとらわれることなく根底から見直しを行って、その削減合理化を図って、そして新規事業というものについては、まさに緊急やむを得ざるものに限ってこれを認めるという姿勢で取り組んでいく、こういうことになろうかと思うのであります。 ただ、特にこの補助金整理の問題につきましては、御承知のとおり、総予算の中の三分の一が補助金でございます。そうして法定されたものがおよそ八〇%であり、地方の事業に補助するものがまた別の角度から見ると八〇%であり、そして教育、福祉、公共事業というものをとってみると、またこれがおおむね八〇%になっておる。その中では、これは委員御承知のように、たとえて申しますならば、生活保護でございますとかそういうようなもので、一律削減するなんということはとてもなじまないものもございます。 したがって、およそ三つの考え方を持っておりますのは、一つは、五十五年度予算そのものの中で、すでにその目的を達成したもの等は当然のことでございますが、徹底的な削減合理化をやっていく。そうして次は、いわゆるサンセット方式とでも申しましょうか、奨励的な意味を持つものもそのおよそ終期を定めてこれに臨んでいこう、そういうようなことと、さらには運営費とかあるいは事業委託費などで、考えようによっては一律削減の対象になるものは、またそういう姿勢で臨んでいこうというようなことでいま鋭意作業を進めつつある段階であると、このように御理解をいただきたいと思います。
○鈴木一弘君 補助金の整理の問題で、いま詳しくお話しをいただきました。確かに三分の一以上ということでありますし、歳出のうちでかなりの分を占めている。しかし、補助金のうちの八五%がいわゆる高度成長期というときにつくられてきた法律補助ですね。現在は安定基調に入っているわけですから、本来ならば私は一つの考えとしては、そういう補助金のいわゆる法律、あるいは財政法それ自体から始まりまして、高度成長期のときにつくられた法制というものは一度改めるべきだろうと思うのです。そういうものを全部やり直ししないと、いわゆる十二年前に奇跡の財政再建をなし遂げた西ドイツのようなことはできないだろうと、こう思います。 だから、その点で、いわゆる高度成長期につくられたこういう法律補助の問題について、法律それ自体というものを見直していく必要があると思いますけれども、その点をひとつ伺いたいと思います。どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、いま鈴木委員の御意見のとおりの背景の中で立法されてきたものがございます。したがいまして、いわゆる法律補助と言われるものについては、なかなかむずかしい問題ではございますけれども、個々の補助金等について何らかの方法で整理合理化の余地はないものか、法律補助の中でも個々の分については何らかの余地はないのかというので、いま切り込み作業を、まあよくサマーレビューと言われますが、ある意味においてはサマーレビューからオータムレビューになって、ウインターレビューみたいな感じでいま鋭意作業をしておるという実態でございます。だから、御趣旨は非常によく理解できることでございますが、個々にわたってそれはやらざるを得ないということであります。
○鈴木一弘君 これは大蔵省だけの問題じゃないと思いますからね、法律の改正ということになりますと。容易じゃないと思いますけれども、まあそういう方向でないと困ると思います。確かに、八五%がいわゆる法律補助で、残りの一五%が予算補助という感じですから。 そうすると、いままでの大蔵大臣の補助金の整理、こういうことに対しての発言、こういうのを見ていきますと、一番わかってきたのはサンセット方式——先ほど言われたように、もう用のなくなってしまったものはやめてしまうという方式ですけれども、このサンセット方式は導入すると。予算補助についてはこれはしやすいだろうと思うんですね、一つの目的が終わってしまえばそれでもう予算をつけなきゃいいわけですから。しかし、法律補助ということになると、果たして目的が達せられたのか達せられないのかわからない。達せられたと思っていても、法律が残っていれば自動的に出していかなきゃならないという、先ほどはかなり強い御意見でサンセットのことも、法律補助も考えたいという考えありましたけれども、私容易じゃないだろうと思うんです。 その点で、あいまいなことよりも、よほど勇断をもって抜本的に期限到来のたびにやると。先ほどまあ終期を定めてというのはこのことだろうと思うんですけれども、終期以前からも、もはや目的を達せられたなと感じるものについては、法律補助については早々まあ一括して補助金整理か何かの法律をつくっちゃってやる必要があるのじゃないかと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) この一括整理法とでも申しましょうか、私も昭和四十六年ぐらいにこれを考えたことがございました、官房長官をしておった当時でございますが。ところが、今度は一括補助して、一つ一つを補助すべきものを全部法定していった場合、まあ膨大な——膨大なというより、数としては大変な数になっていくというようなことから、結局は当時は単なる議論倒れに終わったわけです。 で、大蔵大臣になってみてからそれをさらに考えてみますと、やっぱり一番よくできたのは昭和二十九年の一兆円予算のときであります。ただ、なぜできたかということを考えてみますと、地方交付税という新しい制度ができたために、国と地方の区分とかいろいろな問題で一括して御議論をいただける、そういう環境ができたわけでございます。今度はそういう意味においてはなかなかむずかしい点がございますけれども、しかし、私も半ば執念と言うと表現がおかしいのでありますが、どの程度のものがその一括の中へ入るものか、とにかく一本、二本——たった二本で一括というわけにもいきませんし、洗えるだけ洗ってみろというので、本当にむずかしい問題ですが、めどは立っておりませんけれども、作業は進めておるということは申し上げることができると思います。
○鈴木一弘君 そうすると、予算編成に伴って予算が確定をしてくると、そういう補助金を含んでいる法律を改正するという作業が出てきますね。これはかなりの数上がってくるだろうと、こういう予想をしてよろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) 法律で、法律改正を必要とするものがかなりの数上がってくるであろうという表現には、そのとおりでありますとお答えする状態にございません、まだ、どれだけのものがその対象になるのか検討中でございますので。
○鈴木一弘君 まあ、可能性があるということで伺っておきます。 その次に、具体的なことは後にしますけれども、国鉄とか健康保険、米といういわゆる三K赤字の解消についてですけれども、一番財政負担になっているのはこの三Kだと思うんです。この解消の具体策、当然大蔵省として予算編成に臨むに当たって各省と折衝しなければならない。 何にも大蔵省側に考えがなくてぶつかるわけにもいかないだろうと思うんです。協議もできないと思いますが、いわゆる食管の赤字と稲作の減反問題、これなんかもいままでのところでは大変な難問になっている。それから米の需給均衡の問題について、それから米価を一体どう決定すべきか。今回は消費者米価を上げざるを得ないというのが大蔵省の考え方の底にあるようでありますけれども、米価決定の問題、それから医療制度のあり方の問題、特に老人医療問題について、どうも老人医療の無料化については大蔵省としてはこれは患者一部負担ということを考えるということで、財政審にも出し、財政審も大体基本的な了解を得たというふうに報道されておりますけれども、これなんかはかなり大きな問題になってくる。 特に、国民健康保険を初めああいう保険なんかをはっきりさせて再建させていくには、老人医療制度を別の保険立てにしないとこれは無理だろうという感じがいたしております。その点に各保険の方からお金を出していくという援助の仕方がございますけれども、そういうように持っていこうとしているのか、そういうこと。薬価基準の問題等もあります。それから、国鉄の新幹線構想についての新幹線の建設ストップの問題、赤字路線の運営のこと、こういうようにずいぶんいろいろあるわけでありますけれども、こういうことについて、ひとつ大蔵大臣としての具体的な所見を伺いたいんです。
○国務大臣(竹下登君) いま、かなり具体的な問題になりますので、吉野次長からお答えいたすことをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(吉野良彦君) ただいまの三Kの問題でございますが、まず第一点の国鉄の問題から申し上げたいと存じます。 国鉄の問題は、先生御承知のように、五十四年度末にすでに六兆円という累積赤字というような現状になっております。この国鉄財政再建問題につきましては、すでに五十二年の十二月に閣議了解がございまして、五十四年度中に新しい再建対策を確立していこうということになってございます。 この新しい再建対策につきましては、本年の夏、いわゆるサマーレビュー以来、運輸省あるいは国鉄等と熱心な協議を続けているわけでございますが、私ども財政当局の立場からの基本的な考え方といたしましては、やはり国鉄自身の経営構造を基本的に改革をしていくということは必要であろう。これがございませんと、結局、国の助成が何らかの形で漫然と続いていくというようなことでは、やはり問題の根本的な解決にはならないのではないか。 そういう意味におきまして、基本的には国鉄のいわゆる要員の問題、どうやって合理化ができるか、あるいは可能か、それからまた運賃収入をどうやって確保していくか。それからまた、いわゆる赤字路線と言われております地方交通線を具体的にどうやって整理縮小をしていくべきかといった非常にたくさんの問題があるわけでございますが、いずれにいたしましても厳しい財政状況でございますから、特に三K問題の一つでもございますので厳しい態度で臨んでいきたいということで、鋭意、五十五年度の予算編成の過程でも現在運輸省、国鉄等と議論を重ねているというのが現状でございます。 それから次に、お米の食管の問題でございますが、これも大変な米の基本的な過剰基調のもとで大きな問題を抱えているわけでございますが、先生御承知のように、まず価格の問題につきましては、五十四年産の生産者米価の決定の際に、ともかくもその水準をいわば二年連続据え置きということで決定をさしていただいたわけでございますが、この価格を単に据え置くのみにとどまらず、決定に際しましていわゆる品質格差を導入いたしまして、価格の面での合理化にも第一歩を踏み込んだというふうに考えているわけでございます。しかし、もちろんこれにとどまるわけではございませんで、別途、これも御承知のとおり、食管そのものの赤字もさることながら、いわゆる水田利用再編対策ということでいわゆる転作の推進をいたしておるわけでございますが、転作の推進をすればするほど、財政面から見ますと、かえってまた赤字がそれに比例してふえていくというような問題もございます。 そこで、私どもはこれも農林水産省と先般来いろいろ議論をいたしておりますが、転作奨励の進め方につきましても、推進すればするほどいわば比例的に財政負担がふえていくようなことでは困る。ですから、いまの転作奨励の基本的な仕組み自体も抜本的に考え直してもらいたいということで農林水産省に臨んでいるわけでございます。 それからまた価格の問題、御存じのように、依然としてまだお米につきましては売買逆ざやが一二%程度残ってございます。そこで、私ども財政の立場から申しますと、何としてでもいわゆる消費者米価、米の売り渡し価格の引き上げをお願いをいたしまして、少しでもこの売買逆ざやの解消を進めていきたい、かように考えているわけでございます。 それから最後に、いわゆる健保の問題でございます。これも御承知のとおり、健保の問題につきましては、すでにその第一歩といたしまして健康保険法の改正案を国会にお出しをいたしましてお願いをしているわけでございますが、まず第一歩といたしまして、この健保法の改正案を早く成立さしていただくことを私どもは強く期待をいたしているわけでございますが、しかし、いわゆる医療問題と申しますか、この問題はひとり健保だけの問題ではございませんで、先ほど御指摘ございましたように、国民健康保険やそれからまた老人医療のあり方につきましても、私ども問題があると存じております。給付の水準が果たして適正かどうか、そうしてそれに要しまする費用の負担がもう少し適正な、あるいは合理的なものにならないかというような基本問題までさかのぼって、これも厚生省等と論議を進めているというような状況でございます。
○鈴木一弘君 大臣、これは基本的な問題がありまして、大体細かいことはわかってきたんですけれども、ひとつお伺いしておきたいのは、国鉄運賃は上げるのか上げないのかということが一つある。それから、消費者米価についてはいま上げたいということが出てきた。これはわかりました。それからもう一つは、老人医療について、負担がどうのこうのということがございましたけれども、これは無料化をやめるという、いわゆる福祉後退という線じゃないかと思うんです。教科書の無償もやめたい、それから児童手当の第三子以下は切り捨てたい、それから老人医療費の患者一部負担を復活したいという三つの問題があるわけでしょう。こういう福祉後退ということが出てきている。これは全部見てみれば、現在の日本の国の福祉というのが十分いっている国家というように大臣は認識しているのか、大蔵省はそういう認識なのかということを疑いたくなるわけです。 その点で、いまの三つの問題、値上げの問題が二つあります。それから福祉の後退の問題であります。大臣としては理解はどうなのか、お伺いしたい。
○国務大臣(竹下登君) 福祉というものが、政策遂行の上あるいは国民生活の上で大切な課題であるということは申すまでもないことであります。そうしてまた、社会保障制度は、制度的には国際的に見ても遜色のない水準に達しておると私どもは理解しておりますが、これからますます高齢化社会になりまして、現行の給付水準を維持するだけでも大変な問題だということになりますと、そこには費用負担が大幅に増大していくことが予測をされるということになりますと、やはりその制度の問題あるいは給付と負担の公平化というような問題を着実に進めていかなければ、将来に対応していけないという考え方は持たざるを得ないと思うのであります。 そこで、御指摘の五十五年度の予算編成に当たってということでございますが、基本的に国民福祉というものに配意しながら、制度、施策の適正化を検討しながら、そしてまた具体的に老人医療、児童手当、教科書無償というような問題の御指摘がございましたが、財政制度審議会でございますとか、あるいはまた、別の厚生省なり文部省の審議会ないしそれに類似するもの等のいろいろな意見が出ておりますので、それらの意見に耳を傾けながらこれに対応してまいりたい。 したがって、私は福祉というものを後退させようという——基本的に福祉というものが大事だという認識がございますけれども、事福祉と名のつくものは全部例外にして予算編成に臨むべき問題ではない、そういうふうに御理解いただければ幸いであります。
○鈴木一弘君 福祉聖域論ではないということはわかりますよ。しかし、目玉になっているのは、やはり老人医療の無料とか児童手当とか教科書無償という——教科書無償などは憲法二十六条に示されている精神から来ていますし、ベトナムよりも後から児童手当ができたという日本はお国でございますから、話にならないぐらいそういう点ではおくれていただけに、やはり児童手当も三子でとめておくとか四子にするとかということはあるかもしれませんけれども、これは削っていくという行き方については私はどうも納得ができかねる。 人口の中で五%がお年寄りだけれども、お年寄りの方が病院を一七%占領しているから困るなんというようなそういう変な物の考え方があって、老人医療の無料ということについて歯どめをかけようというような考え方はこれは賛成できない。この点は、ひとつよくわかっておいていただきたいと思うのです。 それから、いわゆる国鉄の値上げの問題はどうなりますか、運賃値上げについては。
○国務大臣(竹下登君) これは吉野次長からお答えいたします。
○政府委員(吉野良彦君) 国鉄運賃の問題でございますが、具体的にはいま五十五年度予算編成作業の一環といたしまして、どの程度の自己努力で再建が進められるかどうかを含めて検討いたしておりますが、私どもやはり場合によりましては、再び国鉄運賃の値上げをお願いをせざるを得ない場面になり得るかというような、目下のところの感じはそんなところでございます。
○鈴木一弘君 何%ぐらい。
○政府委員(吉野良彦君) 大変恐縮でございますが、ただいままだ具体的に何%程度というふうに申し上げられるほど計数的に作業が詰まっておりません。
○鈴木一弘君 五十五年度予算の骨格、増税、こういったことについて伺いたいのですが、サマーレビューを大蔵省がやられて、そして十一月三十日に五十五年度予算の骨格を閣議に報告するというような積極的な姿勢が出ている。この報告を見ると、ケースA、Bと二つになっておりますですね。 ケースAでは税制改正をやらない。自然増収の四兆五千億円を見込んで国債を一兆円減でしたか、とにかく表を見ながらじゃないから数字を間違えるかもしれませんけれども、そうして歳入増三兆五千億円のうち国債費と地方交付税の増加分が二兆四千億円ということになるから、一般の歳出は一兆一千億円の増しか期待できないというような、現実的には三・九%ですか、非常に厳しいそういう歳出の構造ということになっておる。 これに対してケースBの方は、増収分を五兆三千五百億円と、こう見込んでおります。税収増ですね、全体の税収増が。その中に新規の増税分が八千四百億円と、こうなっておるわけですね。その増収分が税の増収の中に含まれているわけです。 だから、この間の総選挙で、一般消費税については五十五年度中はとうとう実施を断念せざるを得ないというように、国民に全面的に総選挙の結果では否定されているわけです。だから、そこで大幅増税はできないと、こうなって、ケースBによるいわゆる八千億円の増税というのを企図しているというふうに思わざるを得ないわけです。と言うのは、A案が非常に厳しくて、恐らく実行ができないんじゃないかという感じです。そうすると、A、Bと示しているけれども、実際はBということだろうと私は見ます。 世論調査では、依然として増税による財政再建には難色を示している。そうすると、仮に増税を行うとしても、不公平税制の是正ということであれば文句はないけれども、大衆課税には反対というのがいま非常に国民の声として強いわけでございますが、そうなると、この八千四百億円という一体増税の対象はどういうところになってくるんだろうかということが考えられるわけです。どこへ行ってしまうんだろうか。その点は、具体的に八千四百億円というものを出されたときに、どうやって取ろうかということを考えなしに私はまさか計算したのじゃないだろうと思うんですね。具体的には一体どういうようにしようとなさっているのか、伺いたい。
○国務大臣(竹下登君) いま鈴木委員御指摘でございますこのいわゆる予算の骨格というようなお言葉でございましたが、A案、B案をお示しいたしましたものは閣議了解をいたしたものでございますけれども、「五十五年度財政事情の試算」と、こういう言葉を正確には使っておるわけであります。 したがいまして、ただいまA案についてのお話がございましたが、いま予想される来年度の自然増収というものを四兆円から四兆五千億円、こう申しておりますが、その上限を使ってみまして、そしてこのいわゆる新たなる負担というものが全くない場合に、まずなかろうとあろうと、一兆円は国債の減額をいたします。そうして、それを今度は支出の面で考えてみた場合には、いま委員御指摘のとおり、国債費と地方交付税というまさに当然増経費がこれだけかかります。そうなると、一般歳出というものは、差し引くと一兆一千四百億円しか残りません。こういうのがA案でございます。 B案の方は、いま若干誤解があろうかと思うのでございますが、今度は、他は別といたしまして、収入の方は一兆円の減額はこれはもう大前提に考えて、支出の方でおよそ当然増的経費というものが、先ほど来議論がございました義務教育——いわゆる第二次ベビーブームのようなものがちょうど到来したときでございますので、義務教育費国庫負担等のまさに当然増とかいうようなもの等を全部足してみますと、およそこの一兆七千億円が当然増のものとして必要ではなかろうか。そうなると、逆に今度計算いたしまして、いま御指摘になりましたその場合は、税収の場合で八千二百五十億円を賄わなければならないという結果になりますと、こう申しておるわけでございます。したがって、八千二百五十億円というものを増税のめどとして考えたものではなく、一兆七千億円を確保するためにはまさに八千二百五十億円の負担増が必要でありますという説明でこのB案を出したわけです。 したがいまして、われわれとしてしいて申し上げますならば、だから当然増と言われる一兆七千億円も、いろいろ洗い直しをしなければならないということを申し上げておるわけでございまして、結局ある程度の当然増経費につきましてもそれなりにいろいろ峻厳な査定をいたしまして、そうして結局できるだけ、トータルでいたしますならば、これは四十三兆百億と四十二兆一千七百億と、こうなっておりますが、結果としてはBとAの間に位し、財政当局としてはAに近づける努力をして、お互い知恵を出し合ったり工夫をしたりして各省の理解と協力を得ていかなきゃならぬ、こういうことでございます。
○鈴木一弘君 そのAとBの間にしても、やはり増税分が出てくると私は思うんです。いまの大蔵大臣の答弁は、話をトンネルのどちら側から、入り口から話をするのと出口から話をする差みたいなものですよ。結局、八千二百五十億円なら八千二百五十億円のお金が足らないということがB案ですからね。 それならそれで、こうこうこういうふうにしてその金はつくり出さなきゃならないというものがなきやならないでしょうというわけです。その中間で、半分で四千億円程度になったとするなら、その四千億円の増収分というのは、増税分というのは一体どうするのかということになるわけなんです。その点のお答えを聞きたいんです。
○国務大臣(竹下登君) 重ねて申し上げるわけでございますが、八千二百五十億円の増税というのは、実際問題としてわれわれいま期待できる状態にない。したがって、何としてもA案の方へ近づける努力をするわけでございますが、そこで安易に流れてはいけないがゆえに、一兆円の国債減額というものをまず閣議了解をしてもらって、そうしてこれからは、さすればどういうところからその財源を見出すかということになりますと、まず歳出の徹底的な削減合理化ということを図って、その上でお願いしなければならないという問題になりますと、まずはやっぱり租税特別措置につきまして抜本的な整理合理化を推進していこうということで、いま税制調査会等で作業を進めていただいておるわけであります。 それで、税負担の引き上げをお願いする必要がなおあるという問題になりましたら、いまそれはどの税目をもって充てますと、いわゆる一般消費税ではございませんが、どの税目をもって充てますということが言えるような段階ではいましばしないということでございます。
○鈴木一弘君 先ほどの大蔵大臣の発言のプリントの中に「公共事業等の執行について」とありまして「細心の注意を払いつつ機動的に対処する」と、こうあります。これは伸び率がゼロになるということではないということなのか、やっぱり伸び率はゼロということなのか、そこをちょっとひとつ、簡単で結構です。
○国務大臣(竹下登君) 委員長、一つだけ訂正させていただきます。 私の計算違いで、八千二百五十億八千二百五十億と言っておりましたが、八千四百億でございましたので、それをまず訂正させていただいておきます。 いま、公共事業の問題でございますが、いま公共事業そのものをいわゆる景気の下支えにするというような財政力はございません。したがって、伸び率ゼロという表現が——いかなる表現が適切かは別といたしまして、せいぜい今年度並みというような形でお願いするしかないではないかというふうに考えております。
○鈴木一弘君 私、ここでひとつ伺っておきたいんですが、先ほども銀行の問題が出ておりましたので、それに関連するのと、補助金のことで伺いたいんですが、福島交通会社の問題でございますけれども、この財務の実態について前回北東公庫のことで私は伺いました。 福島交通の問題でございますけれども、とにかく財務の実態を調べてみましてびっくりしたのは、借入金が長短合わせまして、四十八年九月の決算で百億円、五十二年九月の決算で五百億円、そして五十三年九月の決算で四百七十億円というふうに問題があるわけです。それに対して貸付金が百回で百二十億円、百四回で三百十億円、百五回の決算で三百六十億円、その他の投資が百四回の五十二年九月の決算で八十億円、百五回の五十三年九月の決算で二十億円というふうにございます。これは有価証券の報告書等から調べれば簡単に出てくるんですけれども、こういうように百五回の五十三年九月の決算期におきまして、資本金十三億五千万円という会社ですね、その会社に借入金が四百七十億円あるわけです。そうして、貸付金が三百六十億円。借入金の約八〇%が——正確には七六・五%ですけれども、いわゆるほかの会社に貸し出されているわけです。 こういうふうになって、しかもその貸付金の中に多額の未収益金、いわゆる貸付金利の利息に対する未収がありまして、これが四十八年九月の決算期では十四億円、四十九年九月二十六億円、五十年九月の決算で四十三億円、五十一年九月の決算で六十五億円、五十二年九月の決算で九十五億円となっております。五十三年九月は貸付金の操作をやりまして、この未収が減になって十八億円というふうになっているわけです。 こういう実態を見て、私はどうもこの会社はバスの会社なのか、それとも金融会社なのかわからないというふうに感じないわけにはいかなくなってくるわけです。これに対して、日本債券信用銀行、もとの不動産銀行でございますが、ここから福島交通に対しては多額の融資が四十六年六月以来ずっとされておりましたけれども、五十二年九月二十九日現在で抵当権設定件数が四十四件、三百五億六千万円、抵当権抹消件数が五十二年九月二十九日現在で六件で十億円ということで、常時三百億円程度の融資をしている。こういうことが私はどうも融資態度としていいんだろうかと。とにかく、年収で百二十億円の会社に対して一つの銀行の融資として常時三百億円程度出ているということは、正常な融資じゃないというふうに思わざるを得ないわけです。この点についての考えが一つ。 それから、昭和五十二年八月三十一日に一挙に百七十億円を突如として融資している。これについてこれは本当かどうか。それから、融資の目的が何だったのか、どこへどうなったのかわからないということがございますので、この点について伺いたいのが第二点。 それからもう一つは、この補助金の問題が先ほどから出ておりましたけれども、福島・郡山両自動車交通事業財団というものに対して国庫補助金が出ております。それは車の年齢が五年以上のものを対象としているのにかかわらず、購入後一、二年で主として過疎地のバスを売却しちゃっているというような事実がありまして、何か補助金の使い方がおかしいんじゃないかという疑惑が私どものところへ届いております。 そこで、いまの質問にまず答えていただきたいのと、この百七十億円の担保物件の一覧表、地方バス路線維持費補助金要綱に基づく必要な書類、この二点のひとつ資料をいただきたいと思うわけです。 だから、時間がありませんので、質問と要望と一緒にやっちゃったわけでございますけれども、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(米里恕君) 日本債券信用銀行と福島交通の間の融資の問題につきましては、ことしの三月の予算委員会で先生が御指摘になったということはわれわれよく承知しております。 この日本債券信用銀行の福島交通に対する融資が正常な融資かどうかということは、個別の取引の問題になりますので答弁を差し控えさせていただきますが、一般論といたしまして、私ども問題のある融資、特に金融機関の損益にも影響するような融資については、検査あるいは行政指導を通じて厳しくチェック、指導をしているところでございます。 御指摘のようなかなり巨額の融資があることは事実でございますが、これ以上の答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○政府委員(吉野良彦君) 先生御指摘の国庫補助金の件でございますが、ただいま具体的な内容、実情を承知いたしておりませんので、後刻御説明させていただきたいと存じます。
○鈴木一弘君 先ほど資料要求を二ついたしました。
○委員長(世耕政隆君) 資料要求の件につきまして、どうぞ。
○政府委員(米里恕君) 個別の融資の担保の問題でございますので、なかなか資料という形で提出するわけにはまいらないかと思いますが、検討してみたいと思います。
○鈴木一弘君 もう一つ運輸省に、地方バス路線維持費補助金要綱に基づく資料をいただきたいわけですが、その辺はどうですか。
○政府委員(吉野良彦君) 早速運輸省へ連絡をいたしまして、お出しできるものがございますればお出しするようにいたします。
○委員長(世耕政隆君) 時間がありませんので、ひとつ結論にお入り願います。
○鈴木一弘君 非常に時間をオーバーして申しわけありませんけれども、とにかく担保の一覧が出せないという話ですけれども、転がしたり分けたり、そうしてやっているということが、いろんなことで私どもの方へ報告がございます。その点で非常に出せないということは残念なことと、答弁から伺っていると非常におかしなものがあるんではないか、金融の態度としては芳しくないようなそういう答弁だと承りましたんですけれども、この点については再度もう一度検討していただきたい。お願いします。
○佐藤昭夫君 鉄建公団やKDDなどの不正経理問題に端を発して、予算や財政投融資の査定権を握る大蔵官僚が、特殊法人や他官庁から公費による接待を受けていた事実が明るみに出て、これが今日大きな国民的批判の的になっているということは、今次国会でもいろいろ議論をされてきておる問題だと思うんですが、この問題に関して幾つかお尋ねをいたしたいと思います。 大蔵省は、松下官房長をキャップとして綱紀総点検委員会をつくって、実情調査の結果と一定の処分を十月の二十九日に発表いたしました。その発表によると、五十三年四月から五十四年七月の間、鉄建公団について大蔵省が接待を受けたのは百二十二件、三十数人、約百三十万円、ほとんどが社会常識の範囲内のものだという発表になっているわけでありますけれども、まずお尋ねをしますのは、鉄建公団に限定をせず、大蔵省の幹部並びに職員が接待を受けておるその全貌について、その後も調査を続けているはずだと思うんです。 ところが、本日質問に関係をして資料要求をいたしましたところ、このいま私が引用をいたしました鉄建公団百二十二件、約百三十万円というこのことと、しかもこれはいただいた資料の表現によりますと、五十三年度、五十四年度についてと。ところが、あの発表は五十四年七月までということでありますから、この資料自身も非常に不正確だと思うんですが、ともかくこの鉄建公団の件数と接待を受けたその額の総額それだけと、それからもう一つは、十月十九日付の朝日新聞の記事については、経済企画庁のケースについてはそういう事実はないけれども、その他の十件のケースはおおよそそのとおりと、こういう資料をいただいているわけですけれども、これが発表になりましてもうすでに一カ月以上経過をしているわけでありますけれども、その後も調査を続けているのか続けていないのか、どこまで全貌が把握できているのか、その点についてまずお尋ねをいたします。
○国務大臣(竹下登君) 政府委員からお答えさせることをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) 綱紀の総点検委員会におきまして調査をいたしたわけでございますけれども、調査の範囲といたしましては、いまの鉄建公団の裏経理に関連いたします一連の問題がございます。これらにつきましては、ただいま御指摘がありましたような調査の事実を確認をいたしまして発表いたしておるところでございます。 そのほかに、一般的に高額接待の問題等で御指摘を受けている点がございます。これらにつきましては、私どもも事実の明らかなものは一応関係者の事情も聞いておりますけれども、私どもの委員会での検討いたしましたところでは、それらの会合は個別に見ますというと、まあ人事上の顔合わせ、あるいはこれに兼ねて行政上の意見交換をするというような、いわば儀礼的なものでございまして、個々には非常に過度な、あるいは問題とすべきだというふうな事案は見当たらなかったと存ずるのでございます。 ただ、私ども、この問題が起こりまして以後、虚心に反省をいたしまして、財政当局としてこの財政難の時期におきまして、やはりみずからの身を律することがもっともっと厳格でなければならない。従来、社会常識と考えられておりましたような種類の会食等も含めまして、今後に対しましては原則としてこれを一切行わないということで、姿勢を正す必要があると判断をいたしたわけでございます。 そのために、私どもは鉄建関係におきましては七人の職員の処分をいたし、またその他の種々の接待関係につきましては、個々の参加した人たちについては、ただいまも申し上げましたような事情でございますから、特段の処分をいたしてございません。しかし、これらの会食等あるいは接待に対して、大蔵省の職員として示すべき姿勢を厳格に示すことを怠っておったということで、官房の幹部につきまして処分をいたした次第でございます。 私どもといたしましては、今後に対して姿勢を正し、このような関係者間の接待、会食というようなことは行わないという方針を厳格に守っていくということで、この問題に対してお答えをいたしたいと存じております。
○佐藤昭夫君 ただいま長い御答弁をなさったわけですけれども、いろいろ調べてみたけれども社会的常識の範囲内がほとんどだという言い方でありますけれども、その問題はまた論ずるといたしまして、まずこの全貌を、その後の調査をして、大蔵省の幹部職員が鉄建公団に限らず接待を受けたという件数ですね、件数は総数何件あるのか。調査をやっていると言われているんですから、何件あるんですか。
○政府委員(松下康雄君) ただいまも申し上げましたように、鉄建公団の関係以外の問題につきましては、その個々の内容はともかくといたしまして、これを全体として見て姿勢を正すという対処をいたしておるところでございますので、個別に職員についての会食関係をこれ以上具体的に調査を行うということはいたしておりません。
○佐藤昭夫君 それでは説明にならぬじゃないですか。いろいろやっていますけれども、大したことはありませんと言う。なら、何件件数があったのか。そういう接待を受けたのは何件件数があったのかという数字が、ここで明らかにできないわけでしょう。この鉄建公団について百二十二件、約百三十万円と言うんですけれども、この大蔵省もお認めになっておる鉄建公団の関係の、経済企画庁との関係の問題は否定をなさっているけれども、少なくとも高級料亭大野を使って行われた接待十件、そのうち鉄建公団のものが二件ありますね。この二件で、大蔵省が接待を受けたために使われた費用というのはどれぐらいだと考えていますか。社会的常識の範囲内のものですか。
○政府委員(松下康雄君) この接待の金額につきましては、実は会食を受ける側の者が承知できないような事情もございますので、いろいろと接待につきましての相手方の顔ぶれでありますとか、あるいはその会合の目的でございますとか、あるいは回数でございますとか、そういうものを総合的に個々人に判断をさせて、お受けをするかどうかということを決めさせておりましたのがこれまでの実情でございます。 私どもは、ただいまも申し上げましたように、しかしそれは適当でない、また、やはりこの内容につきましても、非常に華美にわたるようなぜいたくなものということはこの際認めてまいるべきでないと、そういう反省のもとに立ちまして、ただいま申し上げましたような措置をとった次第でございます。
○佐藤昭夫君 大臣、お聞きになって、どういうふうに思われますか。この鉄建公団の関係について百二十二件、額にして約百三十万円だと言うんですね。ところが、百二十二件のうちのわずか二件、大野を使って接待を受けておる。これについて私少し計算をしてみたんですけれども、五十三年二月の十六日、人数十四人のうち大蔵省が六人、使われておる金額は三十九万五千九百四十五円、ですから頭割りでこれを割れば一人当たり約二万八千円。大蔵省はこの六倍ということになりますね。五十三年八月十七日、人数十四人、うち大蔵省六人、金額五十五万九千六百三十六円、一人当たりにすると三万九千九百円ぐらい。ですから、大蔵省は掛ける六。合わせたらこの二件だけで四十万ぐらい使われている。 にもかかわらず、百二十二件鉄建公団でのそういう接待がございます。それでも額にしますと、まあせいぜい百三十万ぐらいですということが、常識的に見て、そういうことかということで直ちに納得が得られる話だろうか。もっと徹底して鉄建公団の問題についても、果たして実情はどうかという深い点検がやられる必要があるんじゃないかという問題が一つ。 それから、鉄建公団以外のもっと全体として大蔵省が接待を受けておる全貌について、まず件数が幾らかと聞いてみたって、この件数もはっきりできない。こういう綱紀総点検委員会で、今次国会でも総理を初めとして大蔵大臣もたびたび徹底した綱紀粛正を図りますというふうに表明をされているんだけれども、こういう大蔵省の現状で果たしていいと思われますか。
○国務大臣(竹下登君) ちょっと先に官房長から。
○佐藤昭夫君 官房長、もうあなたいいです。
○政府委員(松下康雄君) 恐縮でございますが、事実関係につきまして私の説明が不十分でございましたので、一つだけ申し上げますが、最初に申しました百二十件、百三十万円は、これは鉄建公団が裏経理で浮かせました資金の中から受けました会食の額でございます。実はその後、御指摘の二件につきましては、表の勘定で公式に接待というか会食をいたした分がございます。それは以前にもお答えを申し上げたことがございますけれども、この同じ期間におきまして公式の関係での会合は約百十万円ございます。
○佐藤昭夫君 これにプラスというのですか。
○政府委員(松下康雄君) 別のものでございます。いま最初に申し上げましたのは、裏の経理での会合の費用でございます。後から申し上げましたのは、表のものでございます。
○佐藤昭夫君 ですから、ということは、百三十万円が裏経理から、それから公式の会計から百十万円これが使われておるという意味ですね。
○政府委員(松下康雄君) さようでございます。
○佐藤昭夫君 大臣。
○国務大臣(竹下登君) 私も一応説明は受けておりますが、いまいわゆる裏経理、いわゆる表経理ということからのお答えと、委員がおっしゃいますのは、それ以上に例示なさいましたものが社会常識の範囲を超えるものじゃないか、だから綱紀粛正の立場から好ましくないとは思わないか、大臣の所見やいかんと、こういう角度じゃなかろうかと思います。 で、裏、表の問題は別といたしまして、そういう反省から来て、結局、今後いかに儀礼的社会常識の範囲内といえども、その都度、各局でいえば総務課長が責任者になるわけでございますけれども、そうした会食への出席はまさにこれを慎むと、そして、本当に社会常識の範囲かどうかというのは個人的に判断のできる問題でございますけれども、それも最終的には各局の総務課長のところまで判断をゆだねると、そういう反省に基づいてそういうふうなことが決定されたというふうに理解をしております。
○佐藤昭夫君 いや、私が答弁を求めていますのは、その問題と同時に、全貌を全体として把握をするということで、単に鉄建公団との関係のこの問題点にメスを入れるということにとどまらず、あるいは朝日新聞で報道をされたからしょうことなしにその問題については調べたということではなくて、もっと全体として振り返ってみて、大蔵省がいろいろ酒席の席に接待を受けておったという状況が全貌としてどういう状況であったか、それを踏まえた上で、全庁的にこの綱紀粛正の徹底を図るという見地から、そういう問題をつかもうとしないんですかということを聞いているわけです。
○国務大臣(竹下登君) 私も実は大蔵省におったことがないものでございますから、どのような形で全貌がつかめるかということになりますと、にわかに自信がございません。ただ、綱紀粛正に臨む姿勢として、かくあるべきではないかという委員の御指摘の意味は十分理解できるところでありますが、具体的にどのようにしてやれるものかということに対して私、自信がございませんので、そのとおりいまやりますと、こういうお答えをするだけの自信がないというふうに御理解をいただきたいと思います。
○佐藤昭夫君 私は、少し推定の計算をしてみたんですけれども、大蔵省が接待を受けるのは、何も鉄建公団だけが大蔵省と特別の親密関係にあるというわけではなかろうと思いますね、これは公団について言えば同じような横並びの関係でありましょうし。 ところで、先ほど来問題になっています朝日新聞の報道によりますと、五十三年の一月から九月の九カ月の間に大蔵省が接待を受けた件数は朝日報道では十一件、大蔵省がお認めになっておるのでも十件、そのうち鉄建が二件だと、こういうことになっている。一方、大蔵省の発表で、鉄建だけについて五十三年四月から五十四年七月の十六カ月の間に百二十二件あったと言われております。額の大小を問いませんよ、いまは。百二十二件あった。 そうしますと、機械的にこれを、詳しい資料を御提示にならないから私は類推をするわけですけれども、この率で推定をしていきますと、五十三年一月から五十四年七月の十九カ月の間に、全体では大蔵省が接待を受けている総件数は七百十五件ということになる。これは簡単な算術ですよ。このくらいの接待が全体としてやられているんじゃないかという、算術的疑惑が出てくるわけですね。いや、そんなことは断じてありませんよ、鉄建だけが特別に多いんですと言うのだったら、そういう資料をお示しなさい。そうでない限り、七百十五件ぐらいのそういう接待にのうのうと出て行っているんじゃないかという疑いがきわめて濃い。 そういう点を、この国会なり国民の疑惑を解明をするためにも、全容についてきちっとせっかくの綱紀総点検委員会というものをつくったのだから、そこでもっと徹底した実情調査をやって、全貌はこういうことでございますということを発表して、信頼の回復に努めるということをやってしかるべきではないかという問題が一つ。 それからもう一つは、こういう全体としての接待を受けている中で、もちろん特殊法人とか事業団とか、こういうところから接待を受けるということも問題ですよ。しかし、とりわけ問題なのは、同じ政府関係機関内で先ほどの大野の料亭を使ってというあれでも幾つか出てきますね。同じ政府関係省庁間で、大蔵省が接待を受けておるという事例が少なからずある。これは皆さん調べようと思ったらわかるはずでしょう、政府関係機関内だから、文部省の関係どうだ、厚生省の関係どうだと連絡を取り合ったら。 とにかく、一番親分の総理大臣が、徹底してひとつ事実をはっきりさせて綱紀粛正を図りますという大号令をかけているんだから、いや総理、そんなこと言ったってわしのところは資料は言わぬというようなことで謀反を起こすようなどこかの省でもあるものなら大変ですわな。これは調べる気になったら調べられる。そういうことを調べ始めているのか、今後調べようという気はあるのか。まず最低、政府関係省庁間の接待の問題について、特に大蔵省サイドからは大蔵省がそういう接待を受けておるという件数について調べようという気はあるのか。この二つについて。
○政府委員(松下康雄君) ただいまもお答えをいたしましたように、会食、接待等につきましてはその内容も千差万別でございます。また、その経理の方法につきましても、それぞれ名前が出ておるものもあり、また名前が出ておらないものもあると思われます。そのような魚で、私どもといたしましても個別に問題がある、疑いがあると思われました鉄建公団等につきまして調査をいたしましたけれども、その他の会食の関係につきましては、個々の事例につきましてこの責任云々ということの処理をいたしますよりも、全体としてこのような会食を今後にわたって行わないということと、過去のそれらの個別の事情に対する指導監督の責任を問うということ、この二つでこの問題に対してお答えをいたしておるところでございます。 したがいまして、私どもも今後この問題についての全体の調査を行うということは、これはきわめて困難なことであると思っております。
○佐藤昭夫君 今後はこういうものは一切やめるんだという方針を決められたということは、額の多少にかかわらず、やっぱり国の財政問題が厳しく問われておる今日、国民の信頼を回復するために、額の多少にかかわらずそういうものはひとつやめようという大方針を打ち立てたというゆえんですわね、それが。片一方でそういうことを言いながら、果たして実情はどういうことになっておったのかということを把握しなければ、どうやって戒め合っていくかということについてのめどがはっきりしないじゃないですか。 私は重ねて言うんですけれども、大臣、もう官房長を相手にして話をしておっても官僚的答弁に終始をしておるんですけれども、繰り返し言っていますように、今度の国会でも、本会議、予算委員会でも一つの大きな議論の焦点になってきた、総理大臣としてもたびたび発言をしてこられたという立場から言って、一つは今日までの——何も私は件数が十件、二十件ぐらいの違いが出る、そこで目くじらを立てようということで申しておるわけじゃない。 大蔵省から資料として提出をされますのは鉄建公団の問題だけ、朝日新聞に出た料亭大野を使ったというものだけと、これはもうしょうことなしに出したということになっておる。こういうことでは、本当にひとつメスを入れようということで国民は納得しないでしょう、こんなことで。だから、可能な限りひとつこの全貌をつかんで、国民の信頼を回復するためにそれも発表をして、こういう実情にありましたけれども、ひとつこれは改善をいたしますということを、はっきりさせる必要があるんじゃないかということが一つ。 それからもう一つは、特に政府関係の省庁間で大蔵省が接待を受けておるというこの問題については、一遍十分メスを入れなくちゃいかぬ。特別その問題について、全貌を明らかにする必要があるということで申しているんです。大臣の答弁をいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) 委員のおっしゃる意味は私はよく理解できるのでございますが、まあ確かに推計七百何十回というようなのは、予算規模とか、公社公団のたぐいが百十一ございます。それらを推計しておつくりになったものではなかろうかと思います。が、私は、それは実際問題としてなかなかむずかしい問題じゃなかろうかと、まず一つは思います。 それから、省対省でございます。これを私どもいまお互いに戒めておりますのは、言ってみれば予算に際しても調整の権限を大蔵省は持っていると。俗な言葉で言えば、査定される立場と査定する立場にあるというようなことでありますだけに、なおこれは厳正に対応していかなきゃならぬ、それは政府全体の責任としてもまたそうである、こう理解しております。そういうふうに認識しております。 そこで、私は就任早々報告を聞きまして、いわゆる次官、官房長というような監督責任にある者を、国家公務員法上に照らした処分をあえてしたということが全体の姿勢に対してのあらわれ方ではないか、こういうふうに私自身は感じました。
○佐藤昭夫君 依然としてはっきりしないんです。全貌をつかむ作業がなかなか困難さがあると言われますけれども、政府関係省庁間のこれについては、ひとつつかもうという気になればつかめるはずですよ。大蔵省だけが一生懸命綱紀粛正をやろうというわけじゃない。全体として各省庁がやろうというわけでしょう。この話を突き合わせをしたら出てくるじゃないですか。政府関係省庁間の問題についてはむずかしいからつかめませんといったような理屈は、断じて通らないと思うんですよ。双方のやつを突き合わせをしたら、はっきりするじゃないですか。 官房長、それならついでに聞きますけれども、大野の関係で厚生省、農林水産省、事例が出てきていますね。これはもう隠しおおせない。そのほかにありませんか、一つも。大蔵省が他官庁から接待を受けた事例はありませんか。
○委員長(世耕政隆君) ちょっとお待ちください。時間が来ておりますので、もうそろそろ結論にお入りください。
○佐藤昭夫君 もう終わります。
○政府委員(松下康雄君) 私どもも、ただいま御指摘を受けました件以外には全く事実がないというふうには考えてはございません。ただ、申し上げましたように、それらの個々のもの、ことに官庁相互間のいろいろな会食等につきましては、それぞれの個々のケースを見ますというと、一定のところと非常に回数が多いとか、あるいは非常に内容に問題があるとかということでなしに、人事異動後の顔合わせでありますとか、予算作成後の意見交換でありますとか、そういった趣旨のものでございます。そこで、私どもはそれらを調べることをいたしておらないわけであります。
○佐藤昭夫君 もういいです。時間がないですから。 いままで調べた範囲では見つかりませんと、こういう言い方ですけれども、昨日の公害委員会で、環境庁がしつらえたその場へ、大蔵省を含む他官庁、大蔵省がそこへ接待を受けている、そういうものを厚生省はやっていますということをはっきり言っているんですよ。 だから、もうこれで午前の部の質問は終わって午後やりますが、こんなこと、昼の休みだけでも調べたらたくさんつかめるはずですからね。だめですよ。
○中村利次君 先日の大平総理の所信表明をお伺いいたしましても、あるいはまた、本委員会冒頭の大蔵大臣の御発言をお伺いいたしましても、これは当然政府として、あるいは国民課題として取り上げなきゃならないこと、やらなきゃならないことを述べておられるわけでありますけれども、はなはだこれは失礼ですが、身の引き締まるような緊張感を全く覚えないわけであります。 本当ならば、こういう大蔵大臣の発言の中にもございましたきわめてむずかしい局面の中で、どう財政を再建をし、どう経済のかじ取りをやっていくかという点について、これはもう国民も私どももかなりの緊張感を覚えるようなものであるのが当然だろうと思いますけれども、それを感じないということは、きわめて失礼でございますけれども、やっぱりおざなりであると申し上げざるを得ないような中身ではないかと思うのですね。 たとえば、これは総理以下全閣議が財政の再建について、行革等について、あるいは公社公団、特殊法人、そういうものの整理統合、見直し等について、きわめて積極的な国民課題であり、これは大平内閣の目玉であるというとらえ方をしていらっしゃるんですね。ところが、たとえば予算の編成方針、まだ細かなところは私どもも国民も承知するところでありませんけれども、その姿勢を拝見すると、ちっとも私どもが緊張して受け取るようなものはないんで、結局これは行革も、あるいは公団公社、特殊法人等の整理統合も大山鳴動ネズミ一匹で、やっぱり五十五年度の予算編成後、大蔵大臣の御発言にあったような通り一遍のことであろうという失望感が残るということですね。 私は、質疑時間が非常に短いですから、これはやっぱり大臣の御認識を伺う程度できょうはがまんしなきゃならないと思うのですけれども、いろんな課題が、そういう意味から当面あると思います。たとえば、大臣の御発言の中にありました国際収支の問題を取り上げても、何か外貨がたまり過ぎて心配だとか、日米の貿易関係のとがめに対してどうするか、対EC関係の貿易をどうするかということを、ほんのこの間まではああでもないこうでもないと言って、外貨減らしだなんて言っていたけれども、日本の貿易収支は全くこれはとんでもない心配をしなければならない状態になってきておる。なお原油の値上がりがこのままの状態で続いていきますと、国際収支の問題は、どうも私どもが認識する以上にきわめて深刻な状態になりかねないと思います。 ところが、たとえば貿易収支を悪化させ、それから円高の要因を日本政府がみずからつくっているんではないか。言葉をかえていえば、墓穴を掘るようなことをやっているんではないか。これは大平内閣の認識は一体どうなんだという心配を、私どもは実は持っておるんです。 短い時間で集中的に申し上げますと、アメリカの経済政策の失敗あるいはエネルギー政策の失敗で、ドルは大変に信用を失墜して下落をいたしました。しかし、日本の円はそれ以上にどうも売り込まれておる。これは、やっぱり石油エネルギーに対して日本が一番弱いんだということが、投機を含めて円安の一番大きな原因になっておると思うんですけれども、しかし大蔵大臣は、いや、それは通産省の所管だからおれのあれは関係ないよとおっしゃるかもしれませんけれども、たとえばIEAで決めた石油五%の節約あるいは当用買い——スポット買いの問題にしましても、アメリカと日本はやっぱりスポット市場でなりふり構わず高値買いをしておるという批判を国際的に受けていたと思うんです。 最近、通産省あたりがスポット買いについて商社あるいは石油各社等に対する姿勢を出しましたけれども、これは私は、ああいうかっこうのいい姿勢を出していいというものではなくて、本当に実効を上げることをやっぱり実行しなきゃ、効果を上げなきゃならないと思うんですけれども、私はなかなかこれは上げにくいのではないかと思うんですよ。スポット買いがいま石油輸入の一一%にほとんど近いようでありますけれども、仮にこの一一%のスポット買いを——二十ドル高く買っているわけですからね。二十ドルぐらい高く買っている、それだけで外貨の流出が円に直すと一兆円ぐらい出ていくはずですよ。 これは国際収支を悪化させ、あるいはインフレにつながり、景気対策上ゆゆしい問題だと思うんですけれども、私は石油の備蓄が百二日になったというのは結構なことだと思うんです。しかし、なりふり構わない高値買いをやり、OPECの値上げの要因をつくり、それから国際的な通貨問題、円問題を含めて悪影響を及ぼすようなそういうやり方が野放しされていいのかどうか、これはやっぱり大蔵大臣としては、そういうものを含めて、金融、財政、経済にかかわりのあるような大平内閣の大黒柱としての役割りを果たしてもらわなきゃ困ると思うんですがね。 どうも大変範囲の広いあれで、受け取りにくくて恐縮ですけれども、こういういろんな深刻な課題に対して、大蔵大臣はどういう御認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 広範にわたるお尋ねでございますが、まあ行革、なかんずく私の立場で申しますならば、財政再建に取り組む姿勢に厳しさが映らない。一つは、やっぱり顔の問題もあると思うのであります。大平さんも私も余り顔が厳しくないという気がしておりますが、一生懸命いま厳しくしておるところであります。 が、しかし、いま財政再建の問題で考えておりますのは、先ほど来御議論いただきました「財政事情の試算」というもので、ことほどさように厳しい状態であります。しかし、私けさ調べてみますと、いわゆる公債依存度の一番高かったのは昭和二十年でございます。まさに終戦の年でございますが、あのときで四二%なんでございますね。当時は、言ってみれば、国も借金をし国民もまた非常に貧しかったかもしらぬ。しかし、いまはまさに四〇%近くなって、当時の国民生活から見ればかなり違います。 が、しかし、それだけになおのこと、ここにこの「財政事情の試算」というものをお示しして、どうしても借金は減すんですと、一兆円は減さしてください、そして、新しい負担を求めないでやろうと思えばこれだけの努力が必要であります。どうしても新しい負担を求めなければならないとすれば、本当に国民の皆様方の協力をいただかなければなりません。こういう姿勢を打ち出して、この財政再建問題には取り組んでいこうということであります。 したがって、五十五年度予算というもののでき上がりとでも申しましょうか、その答案の中で、ひとつ厳しさがどれだけ出たかと——顔の問題は別といたしまして、御判断を賜れば幸いであるというふうに思います。 それから、特に行革等につきましては、確かに私ども先般もお会いしましたが、民間労組の提言などはまさしく——いわゆる民間の自力によって拡大された経済ですよね、ことしなどは特に。それだけに、自分らがかつて骨を削った時代の体験に基づくものだから、まさに厳しい御提言を、これは総評、同盟を問わず、できております民間労組の御提言も承りました。だから、私どももそのような姿勢の中で対応していかなきゃならぬと思います。 それから、多岐にわたりました貿易収支、これは確かに経常収支の問題ということになりますと、やはりこれが円安の動向の一番大きな原因であると思います。まあ幾らかは、イラン等の石油問題について少しナーバスになり過ぎた点もあろうかと思われますけれども。 したがって、私自身思い出してみましても、昭和四十六年にちょうど内閣官房長官をしておりました当時、初めてスミソニアンレートになり、そして初めてフロートしました。だが、あのフロートしたときには、少しでも介入しようというと、それをダーティーフロートだと、こういうふうに当時は言われたわけですよね。しかし、その後大蔵省へ来て国際金融を見てみますと、各国ともいま自国の通貨の安定ということになりますと、積極的介入をしております。だから、ダーティーとかなんとかいう言葉はもうないようになったと思って私、差し支えないのじゃないか。 まあ少しでもそれが影響があるではなかろうかということで、先般いわゆる五項目の措置というものをやったのです。それがどれだけの影響があるかということを数字で言うわけには、これは国際的影響がございますから、もちろん言えないにいたしましても、確かに一つの措置を行いました。 だから、いま委員が御認識のように、円安にしても、それは貿易収支の問題、そしてそのまた多くは原油の値上がりに原因しておるけれども、その原油の値上がりの措置を、スポット買い等でむしろそういう環境を日本が醸成しているのじゃないかと。佐々木通産大臣の言葉をかりますならば、スポット買いと言うのでございますが、確かに私も、その後の通産省の手で打たれておる姿勢というものはそれなりに評価しておりますが、日本経済全体の中で、まさに日本の国際市場における行為が、みずからの自縄自縛をもたらすような結果になることは極力戒めていかなければならぬ。そういう点では、委員と私は認識を一つにしております。 石油に弱い体質の日本経済です。しかし、幸いに民需によって拡大傾向に今日来て、雇用情勢もわずかながら伸びてきた。しかし、これだけの卸売物価の値上げの中で、来年これがどういうふうに影響してくるかというようなことを考えますと、本当に厳しい情勢であると思いますので、その認識の上に立って、経済、財政、金融、全般に対応していく。 非力にむちうってがんばりますので、御声援をお願いいたします。
○委員長(世耕政隆君) そろそろ時間が来ておりますので、結論にお入りいただきたいと思います。
○中村利次君 大臣、これで零細企業なんというのはもう質問時間はおしまいなんですよ。 いま大臣は風貌のことをおっしゃいましたけれども、これは決してマイナスじゃなくて、大臣の風貌なんというのは物すごいやっぱり政治家としてプラスになっていますよ。先ほど官房長官時代のことをおっしゃいましたけれども、私は大臣が佐藤内閣の官房長官時代、全く何かもうあしらわれたような経験を何回もいたしました。 それだけに、たとえばいまお答えをいただきました財政の再建問題につきましても、おっしゃることは確かにそれは行革あるいは補助金の見直し、あるいは公社公団、特殊法人等は、もうぴしり厳しく整理統合をやって、出すものはもうぴしりこれは厳しくやるんだよとおっしゃっても、結局はこの発言の最後の中にもあります。それでもどうにもならないものはやっぱり負担に御理解を賜らなければというのが、えらいそこだけがクローズアップされている。政府の姿勢は、あれは姿勢としてやっているのであって中身はないんだという、そういう国民の政治不信というか、そういうものを解消するところまではいかないと思うんです。これはもう時間も過ぎましたから、お答えは結構です。 この次にまた、どうせ本委員会で大臣にはいろいろお気に召さないことも申し上げなければなりませんから、あと議論は後ほどに譲りたいと思います。
○委員長(世耕政隆君) 本日の調査はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。 午後一時二分休憩 —————・————— 午後二時六分開会
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁前川春雄君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、最近における国際経済情勢及び開放経済を目指すわが国の基本的姿勢にかんがみ、対外取引を原則自由とする法制に改めるとともに、対外取引の一層の自由化と手続の簡素化を図ることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 このような趣旨から外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を第八十七回国会及び第八十八回国会に提出したところでありますが、遺憾ながら成立を見るに至りませんでした。しかしながら、わが国の置かれている国際的な立場等にかんがみ、この法律案を早期に成立させることが強く望まれるところでありますので、ここに外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を提出することといたした次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 第一に、対外取引が自由に行われることを基本原則とする旨を法律の目的に規定することといたしております。 第二は、資本取引の原則自由化であります。 資本取引につきましては、現行の原則禁止のたてまえを改め、特段の定めがある場合を除き、自由に行い得るものとするとともに、制限し得る資本取引の範囲及び要件を明確にするものといたしております。すなわち、わが国の国際収支の均衡を維持することが困難になるとき、円相場の急激な変動をもたらすことになるとき、またはわが国の金融・資本市場に悪影響を及ぼすことになるときには、このような事態に適切に対処するため、資本取引に対して制限を課することができることといたしております。また、一定の貸し付け、証券の発行・募集等特定の資本取引について事前届け出制とすることとし、国際金融市場に悪影響を及ぼし、またはわが国の国際的信用を失うことになるなど、一定の要件に該当する例外的なものに限り、その内容の変更の勧告等を行うことができることといたしております。 第三は、役務取引等の原則自由化であります。すなわち、現行の原則禁止のたてまえを改め、鉱産物の加工等ごく一部のものを除き、自由に行い得ることといたしております。 第四は、対内直接投資等の原則自由化であります。すなわち、現行の外資に関する法律を廃止して外国為替及び外国貿易管理法に統合するとともに、対内直接投資等及び技術導入契約の締結等につきまして、現行の許・認可制を改め、事前届け出制とすることといたしております。この場合におきまして、わが国経済の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼすようなもの等につきましては、その内容の変更の勧告等所要の措置を講じ得ることといたしております。 第五は、支払い等の原則自由化であります。すなわち、支払いまたは支払いの受領につきまして、現行の原則禁止のたてまえを改め、原則自由とすることといたしておりますが、勘定の貸記又は借記等特殊な方法によるものにつきましては許可を要することといたしております。このほか支払い手段等の輸出入及び債権回収義務についても原則として自由とすることといたしております。 第六は、外国為替等審議会の設置であります。すなわち、外国為替及び対内直接投資等に関する重要事項を調査審議するため、大蔵省の付属機関として外国為替等審議会を置くことといたしております。 以上、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容の大要を申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(世耕政隆君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○勝又武一君 ただいま大臣から提案理由の御説明がありましたが、本改正法案が八十七、八十八国会と引き続いているわけでありますが、二度国会に出る前、本法案が急速にクローズアップされてきた背景というのは一体何だったんでしょうか。
○政府委員(加藤隆司君) ちょうどこの法律ができましたのが昭和二十四年、それから外資法が二十五年でございますが、その後、国際経済の進展、わが国経済の発展というようなものを背景にいたしまして、五十二年ごろからわが国の経済がさらに強くなったわけでございますが、その間に、御承知のような国際間におけるいろいろな問題が出てきたわけでございます。 国際金融局といたしましては、その間、国力の進展に伴いまして自由化の方途を求めて、法律の範囲内でできるものを経常取引も資本取引も進めてきたわけでございますが、たまたまそういう時期に当たりまして、五十三年の一月に牛場・ストラウスの共同声明、あるいは三月のECとの間の議論、それから福田総理が日米サミットで行かれまして、国際協調の角度からの意図表明、あるいは本年の五月の大平総理のアメリカに行かれましたときのわが国経済の開放体制を進めるというような意図表明、そういうような経緯があるわけでございます。
○勝又武一君 お話しのように、昨年の一月のころですから、いわゆる貿易収支の黒字対策あるいは円高対策、そういうことがやはり一番そのときの背景であったというように私は思うんですが、現状はそれとちょっと逆になっているんじゃないか。円安傾向だし、収支が赤字だし、こういうときに、たまたまやや皮肉にも本改正法案がいまここにかかっているわけですけれども、そういう点については何かお考えになることはございませんか。
○政府委員(加藤隆司君) ただいま御説明しました前段で申し上げましたように、世界の経済の中におきます国際間の相互依存関係の高まりということ、それから、わが国経済の進展というようなことを背景にいたしまして、制度として開放体制を国際為替の面でとるという政策決定をいたしたわけでございます。 この場合、御指摘のように、確かに背景といたしましては、五十二年以来の黒字、それが一転いたしまして本年春ごろからの赤字、それから円高であったものが円安と、こういう、現象が全く逆転いたしておりますことは事実でございます。ただ、ただいま申し上げましたように、基本的な考え方において、わが国経済を開放体制の方に持っていこうということは、黒であれ赤であれ、あるいは円安であれ円高であれ、そういうことにかかわりなく開放体制に進もうという考え方を示したわけでございますし、それがひいては国益に合致するのだという判断をいたしたわけでございます。
○勝又武一君 午前中大臣の御発言がありました。このプリントも配られておりまして、まさにこの中でも「国際収支の動向についても、引き続き十分注意を払ってまいる所存であります。なお、最近の為替相場の動向にかんがみ、今般、為替取引に関する五項目の対策をとったところであります。」、こう大臣がおっしゃられました。そして、これは二十七日、二十八日、特に二十八日の新聞が大きく報道をしておりますね。この中で見ますと、いわゆるこの五項目の内容が、為替銀行の報告体制の整備強化あるいは外資の流入促進、特にそういう点を強調されているわけですが、そういう大臣の午前中の発言なり、いまの五項目対策、これと、原則自由化にする本法案とのかかわり合いですね、この辺はいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) ただいまの十一月二十七日の五項目の基本的な考え方でございますが、大体二つの柱から成っておりまして、いまお話しのございましたように為替銀行、それから証券会社、商社、こういう方々から為替取引の実情、輸出入予約の実情あるいは短期外貨証券の取得状況、こういうようなものを御報告いただくというのが一つでございます。もう一つは、いまのお話にございましたように、外資の流入を楽にするということでございます。 これを考えましたときの考え方は、今回、きょう御提案をいたしております改正法の趣旨を、言うならば、前取りと言いますとちょっとおこがましいのでございますが、日本の新聞は為替管理というような大きな字で書かれた新聞もございましたが、私どもの考え方はそういう考え方でなくて、この改正法案の趣旨が、為銀制度を中核にいたしまして有事規制というような考え方を貫いておるわけでございますが、その場合に、常時マーケットの情勢を把握していくという考え方が根底にあるわけでございます。 この十一月二十七日の考え方は、そういう考え方に沿った、情報を的確に把握しておくという観点からこの最初のグループは考えたわけでございます。もしも何かがありますれば機動的な体制をとるということを前提にいたしまして、マーケットの情勢を詳細に把握しておくという考え方をとったわけでございます。それから二番目のグループの方は、申すまでもなく、言うならばオープンの度合いをさらに広げようという考え方でございます。 したがって、国際的な反響を見ますと、私がいま申し上げましたように、これは為替管理ではなくて、情報を集めて監視体制を強化したというふうな記述になっております。そういうことで、今回の御提案いたしました改正法案の精神を踏まえた措置を考えたわけでございます。
○勝又武一君 二十一条の二項の三つの項目、いわゆる有事規制の問題につきましては後でいろいろお聞きをしたいと思いますが、わかりやすい意味で現状の円安の状況、これはたとえばいまの三つの項目に該当するんですか、しないんですか。
○政府委員(加藤隆司君) これは大変大事な問題なのでございますが、為替相場全般に通じての議論になりますが、通貨当局が何かある方向の発言をいたしますと、非常に反応が素早く出てくるという問題がございます。昨日も衆議院の大蔵委員会で御質問がございましたのですが、お許しをいただいて、明快な御回答を申し上げておりません。
○勝又武一君 ですから、いろいろ問題だと思うのですけれどもね。 それでは、具体的な法案について少しお伺いをしてまいりますが、第一条、これには目的が明記をされています。これを見ますと、この改正法案は、現行法からは百八十度転換をした完全自由化を目指したものだ、こういうように考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(加藤隆司君) さようでございます。
○勝又武一君 現在の原則禁止の法案で、いわゆる外為の完全自由化というのをやっている国はございますか。
○政府委員(加藤隆司君) 完全という意味でございますが、いかなる国といえどもいろいろそれぞれの事情があるわけでございますが、おっしゃるような意味で比較的近いのはアメリカかと思いますが、アメリカも、たとえば昭和四十二、三年ごろとか、適宜いろいろなレギュレーションをやる場合がございます。
○勝又武一君 イギリスはいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) イギリスは若干、最近時の問題点でございますが、イギリスの為替管理は一九三三年の戦争中の法律がありまして、それを戦後四七年に為替管理法をつくったわけでございますが、実際の運営を全部英国銀行に渡しておりました。今回のいわゆるイギリスの自由化というのは、その英国銀行のレギュレーションを全廃したということであって、私どものこの今回の提案法と比較しますと、私どもの方は法律そのものを開放体制に持っていっておりますので、形式論といたしますと、そういう意味ではイギリスよりはさらに踏み込んでいるというふうに考えられます。もちろん、個々の取引なり支払いなりについての規制の比較は詳細にはいたしておりませんけれども、基本的な考え方としては、わが国の今回の提案法の方が基本的な考え方として進んでおるというふうに考えます。
○勝又武一君 最初にお伺いをいたしましたように、本法案の作成の経過を見ますと、福田前首相発言から、昨年の八月からですか今回の外為法改正のための懇談会が開かれ、大体半年ぐらいの間でしょうか、六回ほどおやりになっているんじゃないかと思いますが、この間に大蔵省と通産省との利害の対立関係、あるいは大蔵・銀行対通産・商社というような書き方をしている雑誌なども目につきますけれども、このような状況を考えてみまして、これらの関係が十分この期間に協議をされているというようにお考えになりますか。その辺はいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) 二つ例を申し上げたらいいと思うのですが、形式論といたしましては、閣議で提案になりまして国会に御提出しておるわけでございますから、通産省ももちろん全面的に賛成いたしておるわけでございます。 それから御指摘のように、実質的な経緯でございますが、六回の懇談会の過程で端的に申して貿易の関係の方、為銀関係の方、証券業界の方々、こういう三者の、当然関係者の議論が大蔵省とか通産省とかということの前にいろいろ御議論があるわけでございます。それで、通産省と私どもと相当いろいろなディスカッションはいたしております。ただ、途中経過の議論でございますから、これはそれぞれの政策目標なり行政を抱えているわけでございますから、意見が相違する場合があり得るわけでございます。ただ、一年余に及ぶ前から議論をしてきておるわけでございますが、議論の過程で、今回御提出いたしました法案のかっこうに全くコンセンサスができましてまとまったわけでございます。
○勝又武一君 貿易収支なり円安等の状況、現状と法案作成経過の事情を局長からお伺いをいたしましたが、ここでひとつできましたら大蔵大臣と日銀副総裁に、いまの現状認識あるいは経済の見通しなりについて若干お伺いをいたしたいと思います。 最近のこの円安の傾向が輸出の数量の大幅な増加をもたらしておる、あるいは輸出依存型成長への傾斜を強めてきた、こういうように新聞などでも解説をいたしておりますが、物価上昇の加速を恐れて金融、財政両面から引き締め政策を強化をすればこの輸出の増勢はますます拍車がかかると、こういうようにも予想をされますし、十二月中旬のOPECのカラカス総会いかんでは円高に反転をする時期が大幅にずれ込むんじゃないか、こういう予想もされているわけです。特に、この対米貿易の黒字幅が五十五年度の後半に百億ドルに拡大する見通し、あるいは日米の摩擦が再燃するのではないかと心配される、こういう状況に対しまして金融経済政策等を打ち出す必要があるんじゃないか、そういう意味でひとつ御見解を承りたいわけです。
○参考人(前川春雄君) 前川でございます。 現在の国内の景気状況は、かなりいい状況が続いておるというふうに思います。国内の内需、いわゆる内需はかなり高い強さで推移している状況でございます。今年度全体の経済成長見込みがどのくらいになりますか、まだはっきりした数字はわかりませんけれども、おおむね政府見通しの線で現在は走っておるというふうに思います。問題は物価で、累次の石油価格の引き上げによりまして物価の上昇がかなり顕著になってきております。こういう物価の上昇が、ひいては経済成長全体を低くするというおそれもありますし、インフレのおそれもあるということから、現在金融面の引き締め政策を続けておるわけでございます。いま、これからどういうふうな経過になりまするか、いろいろ石油情勢その他不安定な要素がございまするので、なかなか見通しは困難でございます。 ただ、現在、先ほどからお話がございましたように、国際収支の面では、これだけ石油価格が上がりましたために、経常勘定はかなり大幅な赤字を続けておるわけでございます。この石油価格の上昇に基づく赤字というのは、ある程度これは甘受せざるを得ないわけでございまするが、これから来年、さらにその次にかけまして、そういう状態に対しまして内需並びに外需、いわゆる内外均衡というのをどういうふうに達成していくか、国際収支の調整をどういうふうに図っていくかということが、これからの財政金融政策の中心であろうかというふうに考えております。
○国務大臣(竹下登君) 財政当局からの経済の見方でございますが、いま日銀の副総裁からもお話があっておりますごとく、私どもといたしましても、いまはまさに民需に支えられて拡大傾向をたどっておる。そしてまた、少しずつではありますが、雇用の改善もなされておる。だから、総体的に今年度末ぐらいまでは、私どもは成長率の問題におきましても、当初の政府見通しはほぼ達成するでありましょうし、また、消費者物価の点につきましても四・九%という見通しの中でおさまるのではなかろうかというふうな期待をいたしておるところであります。 しかし、先ほど来のお話にもありますごとく、円安と石油の値上げから卸売物価は急激な上昇をもたらしておりますので、これが来年度の消費者物価に影響してくるということは、これは否定できない事実でございます。したがいまして、今日まで御質問を受けますたびに、物価、景気両にらみで適時適切なる運営をやっていくと答えておりましたが、いまの段階では、両にらみであることはもちろんでございますが、特に物価というものに関心を示しながら経済の運営、それに伴う財政の運営をやっていかなければならぬというふうな考え方が、いまのところ私どもの共通した見通しであると、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○勝又武一君 又ほどの大臣の本法律案の提案理由説明の中にも、「最近における国際経済情勢及び開放経済を目指すわが国の基本的姿勢にかんがみ」と、こうありますが、日本の金融業界ですね、非常にまだまだ閉鎖的ですし、複雑ですし、厄介な外圧に見舞われると行政指導等で保護されてきたという経緯があると思うんですね。 これは大蔵、日銀に対してもそういう意味で頭の上がらないという金融業界のこともあると思うんですが、今回の外為の原則自由化を契機に、そういう意味の金融業界の体質の改善と合理化、こういうことをより積極的に進めるべきだというように考えますけれども、これについて副総裁、大臣の御見解をお聞きをいたしたい。
○参考人(前川春雄君) 為替管理の自由化を図ってまいりますると、対外取引面で金融機関相互間の競争がある程度活発になると、促進されると、そういう効果を持つと思います。これは私どもといたしましては、そういう点はむしろその自由化のメリットであろうというふうに考えております。そういう事態によりまして、金融市場あるいは為替市場全体の機能がさらに高まるというふうに持っていくべきではないかというふうに私どもは考えております。以上でございます。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、いわゆる競争原理というものがそこに及ぶということは、私は全体からしていま日銀副総裁がお答えになりましたと同じ考えであります。
○勝又武一君 それでは、二十一条二項の三項目、これらについて少し具体的にお伺いをしてまいりたいと思います。 この三項目を設けられたのはどういう理由ですか。
○政府委員(加藤隆司君) 最近時点、まあニクソン・ショック、四十六年ぐらいからいろいろ考えてみますと、四十六年の八月の後、十二月に三百六十円が切り上がります過程で、相当大幅な黒字要因が発生したことがあります。それからその後、四十八年の二月にフロートに移りましたが、それはオイルショックが四十八年の秋であったわけでございますが、そのあたりに一つの国際金融の問題点がありました。それから、五十二年ぐらいから黒字の情勢が、円高と同時になるわけでございますが、ありました。それから、本年の春ごろから、ただいま御指摘のような国際収支の大幅な赤字傾向、もっぱら経常収支が中心になりますが、経常収支、それから今回の場合は資本収支もかなり大きな赤になっておりますが、それと円安と、まあ四つぐらいあるわけでございますが、こういうような具体的な現実面の動きがございます。 それで、ただいま御指摘の三項目でございますけれども、最初の国際収支の均衡維持というところは、わが国の経常収支なり、それから資本収支なり基礎収支なり総合収支なり、どの段階で考えるかという問題がございますけれども、それぞれの段階で、わが国のような加工貿易で生きていく国民経済の場合には、国際収支の均衡というのは非常に重要であるわけです。それから、最近時の経験からかんがみて、そういうような事態の阻害要因が出てきた場合には、いつまでも開放体制というままで放置することはできないわけでございます。これがまあ第一点でございます。 それから第二点の、為替レートの急激な変動ということでございますが、これはただいま申し上げました事例でもありますように、円高になる場合と円安になる場合とがあるわけでございます。こういうような場合には、それが非常に急激でございますと、全体の企業経営なり国民経済の運営に、円高であっても円安であっても衝撃が出てくるというようなことで、そういうような要件を一つ二番目に設定したわけでございます。 それから三番目は、国内の金融政策が引き締めの方向に向いている場合、あるいは緩める方向に向いている場合、海外の方から金が出たり入ったりしてそれと逆の効果をもたらすと。そのことによって、金融市場なり資本市場が非常に阻害されるというようなことがあり得るわけでございます。また、現にあるわけでございますが、わが国の場合にはいままでかなり管理が強かったのでそういうことがございませんけれども、ドイツの場合などはそういう経験をかなりしておるわけでございます。 まあ大体、国際金融の角度から国民経済との関係で撹乱要因というようなものを考えてみますと、歴史的にも大体この三つに集約される。それから、理屈の上で考えてもこういうような三つに集約されるというようなことで、この三つの要件があった場合には、一応自由化をやるわけでございますが、いわゆる有事規制というようなことをやれるようにしておこうというような考え方になっておるわけでございます。
○勝又武一君 なぜ設けたのかということをお聞きしたつもりなんですが、何か三つの項目の御説明のような御答弁で不満ですけれども、逆にじゃお伺いしますが、第一条の目的、完全自由化、これを大きくうたっている。このことからいってもこの二十一条の二項の一、二、三、この項目はその第一条の目的、趣旨に反しないんですか、いかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) 経済政策なり国家政策の場合に、マーケットを自由にするということが最終目的ではないわけでございますが、第一条の最後のところにございますように「我が国経済の健全な発展」ということが国家目標になるわけでございますが、その手段として、この法律の領域において国際収支の均衡と通貨安定という手段を考えるわけでございます。基本的には、そういうことをやる上でマーケットを開いていく、対外取引を自由にしていくという考え方がこれらに皆矛盾なくつながっていくわけでございますが、ただいま申し上げましたような三つの現象が起こりますと、とどのつまりは「我が国経済の健全な発展に寄与」しないことになるわけでございますから、そういう限りで有事規制というような方向性を考えているわけでございます。
○勝又武一君 ちょっとかみ合わないんですが、確かに一条の終わりにはそう書いてございますね。「我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」、このことと二十一条二項の三つとはそうでしょうけれども、私のお伺いしている意味は、完全自由化を目指すと、そのこととこの規制とはどうなんだというようにお伺いしているんですよ。ですから、もう繰り返してお聞きしませんが、ひとつ日銀の副総裁に、この完全自由化という観点と、いわゆる言われている有事規制の三つですね、これは日銀としてはどういうようにお考えになるか、お伺いしたい。
○参考人(前川春雄君) 国際経済の中で占めます日本の地位あるいは日本の経済力、そういう立場から考えまして、私どもも極力自由化を進めることが適当だというふうに判断しております。ただ、国際経済の中で、それでは完全自由化で裸でやればいいかと申しますると、私どもの立場から申しましても必ずしもそうではない。たとえば、非常に投機的な資金の移動というものは、膨大な資金がたとえばユーロダラー市場というマーケットにあるわけでございまして、そういう大量の金が投機的な目的だけで日本に流入してくるという場合もございます。また、それ以外でも、経済的な要因だけでは説明できないような撹乱的な資金移動というのは常に起こり得るわけでございまして、さっきのイランの問題なんというのも、まかり間違えば非常に大きな資金の移動というものを世界的にも起こす危険があるわけでございます。 そういう事態に対応いたしまして、そういう事態がもし起きた場合には、そういう有事の際にはそれに対応してそういう動きを極力モデレートするというために、有事規制というものは私は必要であろうというふうに思っております。この有事規制は、ここに限定されておるわけでございまするけれども、起こる場合というのは、そういうふうな投機的な資金移動あるいは経済状況をもって、経済的な理由をもってしては説明できないような資金移動が、撹乱的な影響を国内の金融市場に及ぼす場合というふうに考えられます。
○勝又武一君 これはたしか租特のときも、たばこ値上げ法案のときにも私は本委員会で質問申し上げたんですが、このことについても思うのですけれども、あまりにも法律の中の委任事項が多過ぎる。管理令だとか通達だとか、つまり立法府の権限ということより行政府の権能、そして、行政機構の中で進められる。つまり、簡単に言ってしまえば政府の乱用を危惧するわけですよ。 そういう意味で、この場合の有事規制といういわば伝家の宝刀、これがやり方次第では乱用されまして、そして、いわゆる本来の自由化とはほど遠い、従来の原則禁止と何ら変わらないという状況と同じようになるんじゃないかという心配を持つので、さっきからこの関連をお聞きしているわけですよ。ですから、その辺について、ひとつできましたらいわゆる有事規制の三つの運用といいますか、その辺についてはそういう心配はないんだと、こうやるんだということを、少し具体的にお聞かせいただけませんか。
○政府委員(加藤隆司君) 第一条の中ごろに、「対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより」と、ただいまの有事規制の運用のあり方についてのこの改正法案の基本的な考え方が述べられておるわけでございます。御指摘のように、有事規制をやる場合も、必要最小限度の管理と調整を行うということが基本になるわけでございます。 それから、ただいまの立法府と行政府との問題でございますが、一つは、国際金融が非常に通貨当局の動きに対してナーバスであることはよく御承知のところだろうと思うのでございますが、そういうことが二番目に、この有事規制をやる場合に、われわれがどうしても念頭から忘れられないわけでございます。したがって、こういう有事規制をやろうとする場合に、幾つかの立法府と行政府との間のバランスといいますか、そういうことは考えておりまして、たとえばこの法案の審議会のところでございますが、この審議会で有事規制をやる場合のいろんな基本的な考え方というようなものをつくっていただこうと。それから、その基本的な考え方によりまして、行政府がかなり弾力的にやらさしていただくわけでございますが、その後この審議会に報告するというような仕組みを考えております。 問題は、行政府が弾力的にやるというところにあろうかと思うわけでございますが、全体の考え方としては、いま申し上げましたような法律の精神そのものが必要最小限度にとどめろというような点、それから、国際金融そのものの性格がかなり機動的、弾力的にやらなければならないというような点、にもかかわらず審議会というようなそういう仕組みを考えているというような点、こういうところで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○勝又武一君 審議会のことはあとでお伺いするつもりでおりましたが、たまたまいま局長答弁にございましたので……。 審議会で事前にはやらないわけですね。ただ、基本的な考え方というのを審議会で決める、それは相当客観的な判断基準、こういうように考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(加藤隆司君) そういうことですと、先ほど申しましたマーケットの反応ということから考えまして、非常に問題が出てくるわけでございます。たとえば、御指摘のようなことを言いかえてみますと、為替相場がどのぐらい変動したら発動するのかとか、国際収支がどのぐらい赤字あるいは黒字になったら発動するのかとか、そういうようなことを決めるということは、全体の政策に対して非常にダメージを与えることになるわけでございます。したがって、具体的なそういう基準ではなくて、基本的な考え方というようなものをお諮りするというふうに考えているわけでございます。
○勝又武一君 そうすると、基本的な考え方というのはどういう内容なんですか。
○政府委員(加藤隆司君) 先ほど御答弁に申し上げましたが、すべてこういうものは歴史的なアプローチというのは一つあるわけでございますが、四十六年なり四十八年なり、五十二年なり本年の五十四年なり、こういうようなものについてどういうふうな角度から御議論をいただくべきであるかというようなアプローチが一つあろうかと思います。 それからもう一つは、先ほど御説明しましたが、法律に書いてございます三つの要件、これはそれぞれ具体的にどういうふうな内容で理解すべきであるかとか、こういうようなことを御議論いただいたらいかがかと思っておるわけでございます。
○勝又武一君 いまの局長の答弁のような基本的な考え方ということでは、どうも私の危惧は抜けません。むしろ、そういう審議会で有事かどうかの客観的な判断、そういうようなものを——そういう意味のいろいろな制約はあると思いますね。あるでしょうけれども、もっと突っ込んだ審議会でのそういう一定の基準みたいなものをすべきだというように考えます。 これはもういまやや平行線ですからおきまして、たとえそういう有事規制が必要な場合でも、この二十一条の場合、間接規制にとどめるべきだと、こういうようにも思いますけれども、この辺はいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) ちょっと、いまの前の方の問題で申しますと、仮に国際収支が幾ら幾ら赤になったら有事規制するぞというような基準を出してしまったら、それが増幅されるという問題があるわけです。 それから後の方の、ただいまの御質問の方でございますが、間接規制という考え方でございますが、いろいろ問題があるわけでございますね。経常取引の場合、それから資本取引の場合、対内投資あるいは対外投資、むしろ直接統制をやるべしという御議論もあるわけです。ですから、一般論として間接統制の方がいいとか悪いとかということでなくて、ケース、ケースに応じまして規制をやっていかざるを得ない。たとえば対内投資の場合、乗っ取りの規制というような問題をどうやってやるのか、間接規制ではなまぬるいではないかという御議論もある。あるいは対外投資の場合に、繊維業の投資をやりますとその製品が戻ってきて国内にダメージを与える、手ぬるいではないかという御議論も出てくる。ですから、この法案もそういうふうにできておりますが、それぞれの取引の性質なり性格に応じまして、規制のあり方というようなものを考えていくということではなかろうかと思います。 ただ、基本的な精神は、あくまでも御指摘のように、第一条にございますような、できるだけ必要最小限度にとどめるというような考え方であることは御指摘のとおりでございます。
○勝又武一君 調査室の参考資料の二十一ページにも「外為銀行の現状」、これは五十四年の五月二十日現在ですか、これが載っておりますが、そういう関連で信用金庫の扱いなんです。信用金庫に対しまして為替業務を認める方針とも聞きますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(米里恕君) 信用金庫に外国為替業務の取り扱いを制度として認めるべきではないかという御要望が、信用金庫業界からもかなり強く出されております。現在、中小企業金融専門機関につきましては、金融制度調査会でかなり幅広い検討を開始しておるところでございます。今後の安定経済成長のもとにおきます中小企業金融専門機関のあり方、あるいはまた、厳しい環境のもとにおける健全経営確保の方策、銀行法改正の横並び関係の問題、そういったことに加えまして、いま御指摘のありましたような点も信用金庫の業務として、制度として新たに認めることが適当かどうかということを今後検討することになっております。 したがいまして、金融制度調査会の今後の審議を待ちませんと、私どもとしては予測的なこと、あるいは断定的なことは申し上げられないわけでございますが、私ども行政当局あるいはまた金融制度調査会の事務当局としましては、現在の貿易業者の中にはやはり零細な企業の方の割合が非常に高いというような国民的な問題、そういったものが信用金庫業界の取引先の中にもかなり含まれておられるわけでもございますので、そういったニーズの問題、あるいは信用金庫の外国為替取り次ぎの実績などをながめてみますと、できればその実現の方向で事務当局としては努力して、今後金融制度調査会の審議の結果を待ちたいというふうに考えております。
○勝又武一君 これも新聞の資料によりましても、いまお話しがありましたように、信用金庫は本来がそういう「外国為替公認銀行を顧客に紹介する」という意味での「“仲介業務”しかできない」、こういう現状にありますが、その仲介業務が相当数、ここによりますと「業界筋によれば、全国四百六十余の信用金庫のうち、百五十近い信用金庫が仲介業務の実績があり、仲介した為替の売買実績も年間一億ドルを突破した」、こういうのもあるわけでありまして、そういう意味では、中小企業の業務の拡大それから信用金庫とのかかわり、こういうことからいって、相互銀行その他の銀行に中小企業の取引を奪われるといいますか、表現はややまずいわけですけれども、そういう関係からいきましても、やはりできるだけ早くこれは結論が出るように、信用金庫を為替銀行にできるように、こういうようにした方がいいんじゃないかというように実情から思うのですが、大臣はこの辺いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いまその中小金融のあり方ということを御審議いただいておるさなかでございますので、当然のこととして、御指摘のようなことがその審議の中で出てくるということは予測されるわけであります。 そもそも外為業務というものは、いま御指摘のように、いわゆる仲介業務等をかなりやっておるということでございますが、まさにそのとおりでございますものの、やはりそれに対応するだけの職員の資質の向上でございますとか、あるいは専門的な勉強でございますとか、そういう人材というものもおのずからそれについてくるものでございますので、そういうものが許可するときに当たっての一つの要素にはなるではなかろうかというふうにいま思っております。しかし、私どもといたしまして、そういうような方向に行くことを、大蔵省としてはむしろ期待をしておるというふうに御理解いただいて結構であると思っております。
○勝又武一君 通産省にお伺いをいたします。 経常取引関係、この法改正が今回全くなされなかったことにつきまして、どういう理由でやらなかったのか、通産省の管理監督権限の保持等、現在の国際経済に占めるわが国経済の地位に対するそういう意味での認識はどうなのか。二十四年にできた、ドル不足の時代につくられた、それから三十年間経過をしている、そういう状況なのに、なぜ今回全く触れていないのか、この辺はいかがですか。
○政府委員(宮本四郎君) 昭和二十四年にこの法律ができまして今日に至っておるわけでございますが、一つには、現行法の貿易に関する規定が原則自由になっているということが一つ。それからもう一点、日本の経済が正常な順調な発展に乗るようになってまいりましてから、輸出、輸入ともに何回か非常に広範な自由化が行われておったわけでございますが、したがいまして、今日、日本の輸出及び輸入に関する規制につきましては、若干の輸入の面におきますところのいわゆる残存輸入制限がございますけれども、大局的に申し上げますとほぼ先進国並みの水準に達しておる、こういうふうに思っておる次第でございます。 しかしながら、私どもさらに一歩歩みを進めまして、現在残っておりますところの、現在課しておりますところの輸出及び輸入に関する規制をももっと前進できないものであろうかということで考えておるわけでございまして、たとえば輸出につきましては、三つぐらいのカテゴリーで規制いたしております。 一つには、貨物あるいは仕向け地を限定いたしまして輸出の承認を求めることがある。たとえば、武器の輸出は禁止いたしますので、そのために武器を輸出する場合には承認を求めよ、こういう義務を課しております。さらには、委託加工貿易契約による輸出の問題につきましても問題があり得るので承認を課しておりますし、それから標準外決済方法による場合におきましても承認があるわけでございます。さらに、輸出の認証手続という問題がございます。これは外国為替銀行によって行われております。また、債権回収義務に若干の手続を要する面もございます。私どもは輸出の認証の問題あるいは債権回収義務の問題、これらについて、輸出関係では改正法によりまして大幅に自由化を進めたいと考えております。 また、輸入の問題につきましては、ほとんどの取引が外為銀行に届け出をすれば自由に行えるということになっているわけでございますけれども、さらに標準決済方法の拡大によりまして規制をもっと緩和することができないだろうか。また、先ほど申しました輸出と同じように、外貨債権の回収義務をもう少し緩やかに考えることによりまして自由化ができないものかどうか、こういったことを進めてまいるつもりでおるわけでございます。 さらに、国際経済との関係において非常に大きなウエートを占めるようになった日本の輸出入をどういうふうに認識しておるかという御質問でございますが、その問題につきましては私ども非常に大きな問題があると。したがいまして、国際関係を、国内も非常に大切でございますけれども、無視しては今後の貿易政策は進められない、かように思っておる次第でございます。
○勝又武一君 原則自由方式になっているというお話でありましたが、たとえば五十二条を見ますと「政令で定めるところにより、輸入の承認を受ける義務を課せられることがある。」、こうありますね。こういう条文のように、政令により何々することができる、何々することがある、こういう方式の、まさに原則自由の規定になっていない、五十二条は。そういう意味からいけば、やはりこういう改正法案の際ですから、いわゆる従来の原則禁止から原則自由に百八十度転換する法律案だと言うのなら、当然たとえばこういう五十二条などもその形式にそろえるのが当然だと考えますけれども、いかがですか。
○政府委員(宮本四郎君) 私ども今回の改正は、主として資本取引、外国為替管理部門原則禁止というたてまえを変更するところに主としてウエートを考えておりまして、もちろん貿易の面につきましても御指摘のようなところはございますけれども、基本的にはこれが原則自由のたてまえになっておりまして、業種、業態によりまして若干規制の対象が違えば、性格の相違等によりまして規制の仕方も若干の相違はやむを得ないかと、こう考える次第でございます。
○勝又武一君 日商岩井のアメリカでの隠し預金ですね、あるいは交互計算による資金操作、こういうようなケースは今後はどういうようになりますか。
○政府委員(加藤隆司君) 交互計算は、この十七条にございますように、「主務大臣の許可を受けなければならない。」という規定がございます。 それから、日商岩井の方は現行法の二十七条の規定でございますが、この方はやはり同様に十七条の規定で主務大臣の承認を経なければならないことになります。ただ、この条文にございますように「政令で定めるところにより、」というのがございます。したがって、日商岩井の方の貸借記の方は、基本的な考え方として現在よりは拡大する方向で検討するというような方向が出ております。
○勝又武一君 いま局長からありました交互計算上の規制を緩めますと、どういうような利点があるのでしょうか。 それから、お話のありました、いまの貸借記の規制緩和、上限が現在百万円ですか、これを拡大される御予定なんでしょうか。それはどの程度なんでしょうか。
○政府委員(加藤隆司君) ただいま申しましたように、拡大する方向というのは、現行の百万円をもう少し大きくしようという考え方でございます。
○勝又武一君 もう一つの交互計算上の利点の方はいかがです。
○政府委員(加藤隆司君) 交互計算の利点といいますか、これは利点とデメリットと両方あるわけでございます。この法律の全体系が通常の場合、為銀の確認というようなところで情報をできるだけつかまえておきたいというところから考えますと、この十七条の規定にございますように、特殊な支払い方法というものは狭い方がいいという問題がございます。ただ、そうしますと、全体の自由化というようなところから見ると若干問題が出てくるというようなことで、過去の経緯なり現状なりを踏まえまして、現実的なバランスをとるというような考え方が妥当ではないかと考えております。
○勝又武一君 日商岩井のような事件をなくすためにも、交互計算内容の報告責任者を明確にする、あるいは厳しい罰則をつける、こういう自由化することがそういう意味で最も健全な決済手段というようにも考えますけれども、この辺はいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) ただいまの自由化しろというような議論と、それから罰則を厳しくしろという御議論とがあるわけでございます。ただいま申しましたように、現実的な考え方をとるとすれば、各方面といろいろと協議をいたしまして具体的な金額を決めるというようなことなり、あるいはただいま御指摘のようなことを十分留意しながらやっていこうと考えております。
○勝又武一君 審議会のメンバーについてお伺いしたいんですが、これは構成というのはどの程度ですか。
○政府委員(加藤隆司君) これも法律に書いてございますが、構成は委員十五人以内ということでやろうと思っております。現在、まあ若干蛇足でございますが、外資審議会というのがございます。これも十五人になっておりますが、現在は十人。その辺をにらみまして、十五人以内という規定を御提案しておるわけでございます。
○勝又武一君 ちょっと質問がはっきりしないでごめんなさい。十五人ということは知っているんですが、そういう意味じゃなくて、構成の中身ですね。たとえば外為の原則自由の、いわゆる有事規制にするための、有事規制のことがさっきありましたね。基本的な考え云々という局長の答弁がありましたが、そういう役割りと対内直接投資なり技術導入、そういうことを中心に審議をする役割り、まあ二つあると思うんですけれど、その十五人の構成メンバーが両方ともその道のエキスパート、専門家、そういうことは考えられないんじゃないか。 そういう意味で外為の方の、つまり経済、財政を中心にした学識経験者、それからこの対内直接投資なり技術導入をやるいわゆるエキスパート、こういうような人たちとの二つの役割りを持つ構成メンバーというのをどういうふうに考えるのか、こういうことをお聞きしているんです。
○政府委員(加藤隆司君) まさにそれを踏まえまして、法律は第二項に「学識経験のある者」というような表現になっております。 これを具体的にどういうふうに考えるかという御指摘でございますが、ただいま御指摘がございましたように、対内直接投資の方は、従来のような考え方で選定するということになろうと思います。それから外為の方は、やはり御指摘のような専門的知識を有する人をやはり入れるということが妥当だと思いますが、それをどうやるかということでございますけれども、この法律の規定には部会とか何とかというのはございませんけれども、通常の場合、小委員会とか、あるいは分科会とかいうような現実的な運営の形態は考えようと思っております。
○勝又武一君 ぜひそこのところは、いまありましたように、私は本来は別にすべきだというぐらいにさえ考えるんですが、いまの法律の条文から見ますと、いまのような実質的な運営ということの局長答弁のようになる向きもあると思いますので、ぜひそういう点は十分配慮を願いたいと思います。 それで、時間がなくなってきましたので、最後に行政改革と本法改正との関連について、特にこれは大蔵なり通産なりにお伺いしたいのですが、手続の簡素化、これは相当の分野にわたってあると考えられますけれど、一体どの程度まで手続簡素化がされるのか、この点ひとつ大蔵なり通産なりで御答弁願いたい。
○政府委員(加藤隆司君) いろいろ計量的に何か表現できないかということで検討してみたのですが、なかなかむずかしいわけでございます。それで、抽象的な御答弁にならざるを得ないのでございますが、一つは、先ほども触れましたのでございますが、従来かなり政省令の範囲内で自由化を進めてきております。それから第二点には、為銀とか日銀の委託方式がかなり大幅に取り入れられてきております。それで、片や国際金融の領域で、いろいろいままで手薄でかなり無理をしてやっていかなきゃいけない領域、たとえばカントリーリスクの問題などは、率直に申してかなり弱い点でございます。 そういうようなプラス、マイナス両面の要素がいろいろあるわけでございますが、こういう観点から行政整理あるいは行政改革、行政の簡素化というような観点からどうするかということは、当然私どもの非常に重要な問題でございまして、この法案を御審議いただいている過程あるいはその前から、いろんな勉強をいたしております。 たとえば、諸外国の国際金融関係の組織なり機構なり、そういうものは一体どうなっているのか、われわれの場合にこの改正法案によってどういうふうに手がすくかというような勉強をいたしておりますが、ただいま申しましたように、マイナスばかりではなくてかなりプラスの要素もございまして、抽象的ではございますが、もちろんできれば簡素化するにこしたことはないわけでございますので、いろいろ検討いたしておりますが、目下のところは、どちらかといえばなかなか思い切った削減というようなことは無理のような感じがございます。 たとえば、三十九年に国金局の定員が百五十九名でございましたが、現在百五十一名になっております。この間、輸出、輸入の増大、あるいはインパクトローンの件数など、かなり相当でかくふえたりしておりまして、こういうようなものが許認可が要らなくなるという問題がございますが、ただいま申しましたような非常にプラスの要素などもありまして、できるだけ私どもとしても簡素合理化を図りたいと思っておりますが、実情はそういうところにございます。
○勝又武一君 できるだけ簡素合理化を図りたいのだけれど、実情はなかなか大変だという言い方なんですけれどね、どうも大臣の午前中の答弁からいきましても、いかがなんでしょうかね。 これは最後に大臣にお伺いしますが、国民の側から見ますと、いままでの原則禁止を原則自由化にしていくというような観点からいきますと、相当やはり手続的な点に簡素化されるところが出てくるというように受け取るわけです。 そこで私は、いま局長から具体的に人員の減少なり、それから浮いてくる人件費なり、あるいはそれに相当する節減できる経費なり、そういうものを具体的に大蔵、通産からお伺いしたかったんですけれども、心がけるけれどもなかなかむずかしいというような、やや心もとない答弁なんですけれども、先ほど私がイギリスのことをちょっとお伺いしましたが、やっぱりイギリスの場合に、外為法は原則禁止の国であった。サッチャー首相が就任をして間もなく、財政難を少しでも救うために外為の完全自由化を実施した。そして、イングランドを初めとする外国為替関係の経費の節減を行ってきたということが言われているわけですね。 そういう意味からいきましても、やはり本法案の成立を契機にしまして、午前中大蔵大臣発言という中に、徹底して、この時期にあるので、歳出の削減に努力をするんだという、非常に重要な項目がございますね。「歳出面において、補助金等の整理を進めることはもとより、既定経費について既存の制度・慣行にとらわれず根底から見直しを行い、その削減合理化を図るとともに」云々とあるんです。ずいぶん削られるところもあると思うんです。 そういう意味でいけば、むしろこの際えりを正して大蔵省こそが率先してやるべきじゃないか。この経費の節減を声高らかに各省に呼びかけるわけですから、まずもって隗より始めよ、大蔵大臣がこの際この改正法案の成立を契機に、そういう意味での経費節減に積極的に取り組むべきだというように私は考えますけれども、この点をお伺いをして、質問を終わります。
○国務大臣(竹下登君) 私も、大蔵大臣になりましてから、従来考えておった国際金融という、従来私が経験した当時の国際金融、まあ固定相場制の時代でございますけれども、そういう実態から見ますと、まさに東京市場が終わればロンドンが開いて、ロンドンが終わればまたアメリカが開くというような状態の中で、国際金融局の仕事というのはずいぶんふえたものだなあということをしみじみと感じております。 まあしかし、その中にも定員削減方針に沿ってとにかく人減らしに今日まで努力してこられたなというのが、実数で私も拝見します。 これからさてということになりますと、これに基づくところの諸政令の準備というような大変な仕事もございます。まあしかし、私はむしろ勝又先生おっしゃるのは、これによって幾らかでも簡素化されるものがあったらまずそこから手をつけろという、そういういわば政治姿勢のことを御鞭撻いただいたと思いますので、その政治姿勢の御鞭撻については、十分心して対応していかなければならぬというふうに感じさしていただきました。
○鈴木一弘君 冒頭に、せっかく日銀から副総裁においでをいただいていますので、伺っていきたいと思います。 最初に、先月二十七日に大蔵省・日銀で円安の対策として円安防止対策の緊急策を打ち出しております。「円転換規制緩める」という大きな見出しで出ておりますけれども、この効果はもうあらわれているかどうか、その辺からまず伺いたいんです。
○参考人(前川春雄君) 二十七日に出しました円安対策は、先ほど国際金融局長からも御説明がございましたけれども、一つは、資金の流入の促進を図るという点でございます。もう一つは、為替取引の実態を把握するという面でございます。実態把握の方は、報告をとりまして、大きな取引の内容についてどういう実体取引が裏にあるかということとの関連を調べていくわけでございます。流入の方は、いままで海外からの借り入れ等につきまして若干の制限がございましたのを取り払っていこうというわけでございます。 そういう点につきまして、すぐにはまだ大きな効果が為替市場あるいは為替相場には出ておりません。しかし、これは必ずやそういう効果が為替市場あるいは相場に対しても出てくるものというふうに見ております。
○鈴木一弘君 このときの報道の中では、さらに必要な場合は追加的な措置も考えたいということが出ておるわけですね。つまり、海外からの資本の流入やそういうようなことで、あるいはいまのように実態を掌握して投機的な動きを抑えようという、しかし、それでもまだまだ効果があらわれないときには、何か追加のものをやりたいということがここに出ているわけですけれども、大体いつごろになれば動きというものを掌握できるというふうに見ておられますか。
○政府委員(加藤隆司君) 日銀の方への御質問でございますが、私どもの関連なので最初に御答弁をさしていただきます。 二十七日にやりました措置の報告が出てまいりますのが、為銀の方からは翌日というようなことで集まってまいりますが、商社の方は、あのとき発表いたしましたように毎月になっておりますし、証券会社の方も十日ごとというようなことになっておりまして、そういうような段取りの問題がございます。こういうようなものを常時分析しながら考えるわけでございますが、先ほども勝又委員のときに申し上げたわけでございますが、大変マーケットの反応が早いわけでございますので非常に申し上げにくいと。ただ、あのときに新聞にも出ておりましたが、必要があれば適時適切に措置をとるという点は、御指摘のとおりでございます。
○鈴木一弘君 そこで、この一連の流れからいきましても、大蔵省の発表で、本年度の経常収支の見通しが、当初の七十五億ドルというような黒字から百億ドルの赤字へというふうになると、こう聞いております。 その実情はどういうものかちょっと伺いたいのと、その原因が原油価格の急上昇等によっていると、そういうことなんですが、それにしても、見通しの狂いが黒字から一転赤字、七十五億ドルのプラスからマイナス百億ドルということになると、百七十五億ドルという、これは見通しの狂いにしちゃ少しひど過ぎるくらいなんですけれども、この辺はどうでしょうか。
○政府委員(加藤隆司君) 全く御指摘のとおりでございまして、まあ、エクスキューズをするとしますと、四十六年以降どういうふうに間違ったかというのも分析してみたのですが、符合の間違っている年もあにことしだけではないのでございますが、ことしの場合は、石油情勢というのが、昨年十二月に確かに値段が上がるという問題があったわけでございますけれども、一月に七十五億の黒と言いました後、御承知のような六月の段階、それから最近時点の動向といたしましては、九月の中旬以降、かなりイランの問題をめぐるいろんな激変がございました。あるいはさらに言えば、十二月の中旬にございますOPECの問題、こういうような不確定要因がさらに大きいわけでございます。 さはさりながら、非常に間違いましたことは事実でございまして、過般IMFのコンサルテーションを受けたわけでございますが、IMFとこっちとの間違いぐあいを当事者と議論して、これからどうやったらこういう間違いが起こらないようにできるであろうかというような会話を重ねたところでございます。 大変むずかしい問題ではありますが、さらに一層推計方法なり見通し作業の資料なり、そういう点で改善を加えまして、こういうことができるだけないことが望ましいわけでございますので、努力をいたしたいと考えております。
○鈴木一弘君 その見通しが狂ったのは、いわば原油の価格の急上昇ですからね。一〇%ぐらい上がるだろうと見ていたのが、それ以上になったということが大きな原因ですから、その辺についてはこれは責めようがないわけですけれども、原油価格以外にはないんですね、大きいこういう原因は。
○政府委員(加藤隆司君) 一月から十月まで、あるいは四月から十月までの間違いぐあいを分析してみますと、致命的に大きな要素になっておりますのは石油の価格の上昇でございます。ただ、それ以外に次に大きな要因としては、木材価格の上昇、それから食料品の上昇、こういう点がかなり大きなミスをやっております。
○鈴木一弘君 これが一つは円安の大きな原因にもなっていると思いますが、もう一つは、外貨準備高も同じように、これは円の急落ということからどうしても日銀としてはドルの売り支えをしなきゃなりませんから、そういうことから、本年一月末の三百三十一億ドルから現在十一月末で二百一億ドルというように報道されておりまして、百三十億ドルも減ったということを大蔵省が三日に発表しておるわけですけれども、こういう外貨準備高の大幅な目減り、まあ円の急落を防ぐ際に仕方がないことだと思いますけれども、これから先、まだどんどんどんどんドル売りをしなきゃならないのかどうかという点、そういう問題があるわけでございまして、この辺はどういうふうな見通しを立てておられますか。
○参考人(前川春雄君) 円相場は、昨年末は百九十五円でございました。二百円を切っておったわけでございますが、それが現在は、本日は二百四十六円でございます。そういうふうに、きわめて大幅かつ急激な円安になってまいりました。 こういうふうな円安の基本的な背景は、もちろん経常勘定がかなり大幅な赤字を続けておるばかりでなく、資本勘定もかなりの流出状態を示しておるということが基本でございます。それ以外にも、そういうふうな実体的なこと以外にも石油価格の上昇ということから、日本はとかく石油に弱いという、必ずしも正鵠を得ない見方が市場にかなり強くございまするので、そういう実体関係以上に円が売られるという事態が起きておると思います。そういう状態に対応いたしまして、円安は国内の経済面、またあるいは物価面に非常に大きな影響がございまするので、余り大幅かつ急激な変動ということは適切でないということから、ただいま御指摘のようにかなりの多額の円の買い支え、ドルの売り操作をしたわけでございます。 その結果が外貨準備にも反映しているわけでございますが、これから先どうなるかという点につきまして、私ども通貨当局の者といたしまして、変動相場制のもとで余り相場の先行きに対しまして一つの見方を申し上げることは不適当でございまするので、差し控えさしていただきたいというふうに思います。 ただ、現在の円安の状態というものをどういうふうに判断するかということについてだけ申し上げますと、円相場は、ことしの十月の半ばぐらいに二百二十円になったと思いますが、十一月の末、下旬二十七日ぐらいでございますか、二百五十円ぐらいになっておる。わずか四十日ぐらいの間に三十円も円安にならなきゃならないような環境の変化というものは、私はなかなか経済的には説明できない、明らかに行き過ぎであろうというふうに思っております。 私どもはそういうことから、もちろん基本的には国際収支が順次回復に向かうということが大事な点でございまするが、円相場につきましては、できるだけ早く底値感というものが出てくることを期待しておるわけでございます。そういう事態が起こりまするのを一日も早く実現できますように期待しております。
○鈴木一弘君 いまの話から、円の相場について現状の二百四十六円とか、きのうあたり二百四十八円とか九円とかでしたですね、こういうような相場というのは日本経済の実力にそぐわない、いわゆる円の過小評価であるという声がございます。いまの副総裁の言われたとおりに、やっぱり一ドル二百円とか二百二十円が適正じゃないかということをさんざん言われてきたわけですね。ところが、現在もう二百五十円というような声も聞こえたわけでありますから、そういうことから考えると、今後もやはりかなりの売り支えをしなければいけないということになってくるんじゃないか。つまり、逆に言えば、円を買ってくるわけですけれども、こういうふうに思うのです。 その点で、過小評価という言葉はございましたけれども、適正な相場が二百円か二百二十円ではないかという声については、どういうふうに思いますか。
○参考人(前川春雄君) 円相場の適正水準というのはどのくらいであるかということにつきましては、私どもその衝に当たっておりまする者が幾らがいいということを申し上げることは不可能でもございますし、また市場に非常に大きな影響がございますので、これはぜひ御了解をいただきまして差し控えさしていただきたいと思います。 先ほど私が申し上げましたのは、円相場は国際収支あるいは市場のそのときの需給の状況からそういう相場の動きが出てくるわけでございまするが、そういう国際収支あるいは需給の関係を左右する条件、そういうものから見まして、十月の半ばから十一月の末までわずか四十日ぐらいの間、そういう短期間に三十円も上がるほどの動きというのは行き過ぎであるというふうに申し上げたわけでございます。水準がどの辺が適当かということは、ひとつ御勘弁願いたいと思います。
○鈴木一弘君 ここでわかることは、先ほどからの答弁全部を見ていきますと、原油の価格が上がったと、それから非鉄金属や木材、食料品の値上げ、こういうことから原材料が上がってきた。それが円安相場にもなるし、円安相場がさらに逆に言えば物価への影響、特に輸入品の価格が上がりますからこの影響は必至でありますけれども、もうすでに卸売物価等にも出ていますが、消費者物価についてもいよいよ影響が出てくるというふうに思われるわけですが、この円安による物価への波及、これについてはどういうようにいま認識していますか。
○参考人(前川春雄君) 日本の経済構造から申しますると、どうしても輸入原材料、燃料を輸入して経済運営を図っていかなきゃなりませんので、円安というものは直ちにそれだけ輸入物価を押し上げるという結果をもたらします。そういう意味で、ただでさえ海外価格が上がってそれが国内の物価に大きな影響を及ぼしておる際でございまするので、それに加えて円安がさらにそれを押し上げるということは、私どもの立場から申しますると、これは私どもだけではございません、当局全体といたしまして、こういう事態は極力避けてまいらなければいけないというふうに考えております。 輸入物価がこれ以上上がらないかどうかということにつきましては、OPECの総会がまた十七日にございます。それには、その価格ばかりでございません。量的な面についてもまだまだ不透明な要素がたくさんございますので、今後の物価情勢は決して警戒を怠れない情勢であろうというふうに思っておりまするが、そういう中でも、さらにそれを押し上げるような円安の状況というものを考えますると、私ども物価の前途につきまして、さらに警戒を強めてまいらなければいけない状態ではないかというふうに考えております。
○鈴木一弘君 卸売物価がずっと年率で一〇%を超えるような急上昇を続けておりまして、消費者物価は確かに前年同月比で月によってはずいぶん上がったり月によっては下がったりしておりますけれども、しかし、それも野菜が豊作であったとか果物が安かったとかという、おてんとうさま次第で上がったり下がったりしている感じです。石油関係とか工業用製品というものを見てみれば、間違いなく堅調になっているわけですよ。だから、そういうことからいくと、黙っていても今度は消費者物価がいやでもおうでも底上げをしてくるんじゃないかという感じがしてならないわけですね。そういう点で、いま副総裁言われた円相場の安定ということが、これから先さらに望まれてくるというふうに私は考えざるを得ないんです。 そういう点で、結局、先ほどもございました。一番冒頭に私が聞きましたときに、円についての規制、いわゆる今回の円安防止の対策について追加してということをやるとすれば、いま申し上げたような要因が余りにもうたくさんあって、もうやらなきゃならない、追加してというより、もう既定の方針としてやらなきゃいけないのじゃないかという感じがするわけです。経常収支がよくない、変わってしまった。それから外貨準備高も大幅に減ってくる、それから卸売物価から消費者物価へ今度影響が出てくるんじゃないか。円についての評価というものが、過小評価とは言えないかもしれないけれども、余りにも短期間の間に急落するなんということはおかしいとか、こういうような要素を全部つなぎ合わせていくと、やはり公定歩合の第四次引き上げということが出てくるんじゃないか。 いま副総裁の答弁の中にも、OPEC総会での原油値上げいかんということ、これは日銀総裁がすでに発言しております。そういう点から見ると、追加としての対策は、そういう五つ、六つのこういう大きな流れから見ていきましても、先月の二十七日に決めた円安防止対策だけではだめだと、もう一遍ここで通貨当局としても手を打たなきゃならないと、こういうように認識しなきゃならないというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょう。
○参考人(前川春雄君) 日本銀行は、本年四月以降、公定歩合を十一月まで三回引き上げてまいりましたが、そういう金融的な措置の主たる目的は、物価上昇を極力抑制するということを眼目にしてやってまいったわけでございます。しかも、前回の石油危機のときの経験もございまするので、私どもといたしましては、できるだけ早目早目に手を打って、その悪影響が物価に及んでくるのを極力防止するという考え方からやってまいったわけでございます。いまのような物価情勢から考えて、しかもOPECその他の値上げも予想されるようなときに、またそういう見地から言えば、公定歩合というものは当然上げるようなことになるのではないかという御質問であろうというふうに思います。 私ども現状では、先日上げました公定歩合の引き上げは十一月二日でございまするので、まだ一月ちょっとしかたっておりません。この影響も漸次金融市場にも出て、浸透してきておる状態というふうに判断しております。そういう見地から、現在のところは、その効果が自然に浸透してくるということを見守っておる段階でございまして、現在直ちに次の公定歩合につきましての引き上げ等につきまして考えておるという状態ではございません。
○鈴木一弘君 公定歩合の引き上げをしますなんということは、簡単にぽっぽと言える問題ではないことも十分承知した上ですけれども、いわゆる新たな金融措置を考えなきゃならないというようなそういう感じで、私は先ほどからの質問をしてきたわけです。どうもやはりいろんなこういう流れから見ると、黙っていても、卸売物価があれだけ強いですから、そうすれば間違いなくある程度のタイムラグを置いて消費者物価が来ますので、黙っていてもこれは対策をしなきゃならないんじゃないかということを思ったわけですが、それがいままでのように、先手先手と手を打ってきたから大丈夫ということでいけるのか、あるいは先手先手と打ったけれどもどうなのかということはわからない、とにかくOPECの総会を待たなければという、その言葉で裏のことは読んでいこうと思っておりますので、この辺でこの質問を終わりたいと思います。 それから次は、外為それ自体に移りたいと思いますけれども、今回出てきた外為法の改正法律案ですけれども、昨年の後半から今年の前半にかけて国際収支の黒字拡大、そういう中で、円高という問題と対米の、ヨーロッパもありましたけれども、貿易摩擦、そういう中で為替管理の自由化、こういうことが言われてきた、そうしてこういうふうになってきたんだと思いますけれども、この自由化を取り巻く環境が、当時の円高という時代と変わって、日本の努力で経常収支の黒字幅も減るというふうになってきましたし、そういう点で、は環境が大きく変わってきていると私ども思いますけれども、その為替管理を取り巻く情勢についてどういうふうに見ているか、伺いたいです。
○政府委員(加藤隆司君) 確かに、非常に激変をしておるわけでございます。ただ、御提案しております改正法案の基本的な考え方は、そういう黒、赤に関係なく、わが国経済の基本的な姿勢を開放体制に持っていこうということが根幹になっておるわけでございますので、心配な点が多々ありますが、それは政策の方の問題であって、法律の方の問題は、黒であれ赤であれ、あるいは円高であれ円安であれ、こういう開放体制を前進させようということで御提案をしておる次第でございます。
○鈴木一弘君 現在の対外取引について、原則禁止というのがいま施行されている外為法です。それが原則自由という方向に変わるわけでありますけれども、為替管理をいままでしてきたわけですが、その行う方としては、現状のように国際収支の赤字、円安、こういうような方向がさらにさらに拡大されるということになれば、この改正案の方が管理はむずかしいということになるわけですから、その点についてはどういうふうに考えていますか。
○政府委員(加藤隆司君) 原則の問題をまず申しますと、御指摘のように、現行法は原則禁止となっております。改正法を一口で言いますと、常時監視体制のものに有事規制という考え方が基本的な考え方でございます。 としますと、こういう円安、経常収支の赤という場合に、現行法の方がやりいいではないかという御指摘でございますが、先ほど申しましたように、一つは、基本的な開放体制へ持っていくということ。それから二番目には、常時監視体制で有事規制ということで、耐え得るだけのわが国経済の力があるというような考え方を持っておるわけでございます。
○委員長(世耕政隆君) ちょっと申し上げます。 日本銀行前川副総裁、どうもありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。
○鈴木一弘君 もう一つは、この原則自由という方向を打ち出して、そのために円相場の変動というものはさらに大きくなっていく、いわゆる逆に加速させられる、こういうような危険性、この辺も計算をされたと思いますけれども、どういうふうに思っておりますか。 〔委員長退席、理事細川護熙君着席〕
○政府委員(加藤隆司君) 円安の原因が問題であるわけでございますが、一つは、御指摘のように経常収支が非常に赤であると。もう一つは、日本の物価動向でございます。それで、円安を国際管理、為替管理の面だけでこれはとどめ得るというふうに考えるのかどうか。これは、学説的に言っても不可能であるわけです。で、国際為替の面でできることと、できないことがあるわけでございますが、この改正法案の趣旨というのは、第一条の目的にございますように、国際収支の均衡と為替相場の安定というようなことで、その限りにおいて機能するわけでございますから、たとえば介入であるとか、あるいは為替管理であるとかいうことだけで円安というようなものを防止できない。それからまた、円安というのは、そもそも行き過ぎた場合には問題になりますけれども、国力相応の相場というのもあるわけでございますから、そういう意味で、今回の改正法案で円安が加速されるというような認識は持っていないわけでございます。問題の側面が若干違うのではないかと。 御指摘のような点は確かに現実問題としてあり得るかもしれませんけれども、問題の整理の仕方としては、ただいま申し上げたように整理をして考えております。
○鈴木一弘君 先ほど円安の原因について、いろいろ対策を、緊急策をつけるについての当面の原因を言われたんですけれども、わが国の輸出業者などが輸出代金のドルを東京為替市場で売るのを延ばす、いわゆるリーズ・アンド・ラグズを行っているという、そういうことを言われていたり、それが原因であるとか、あるいは円高の当時から高金利のアメリカの債券をわが国の保険会社が買い急いだために円安が起きたのではないかとか、こういうように言われております。 先ほどはいわゆる油の急騰と、木材とかそういうものの急騰ということがあるというお話だったんですけれども、そうじゃなくて、実際にお金に携わっているところの話では、こういうような原因があるということを言われているんですが、その点はいかがなものでございましょうか、認識は。
○政府委員(加藤隆司君) 基本的な原因と、それからいま御指摘のようなリーズ・アンド・ラグズだとかスペキュレーションとかあるわけでございます。それで、この為替管理法がねらいをつけますのは、後の方のまさに御指摘のようなケースでございます。 それで、円安の場合で考えれば、御指摘のように輸出の代金はなかなか日本へ持ってこないと、そのかわり輸入の方の代金はできるだけ早く払うような体制をとると、いわゆるリーズ・アンド・ラグズが輸出入についてそういう現象が起こり得るわけでございます。それからもう一つは、将来円が安くなると思えば、円安の対策のヘッジの行動が起こってくると。そういうようなうちに、こういうリーズ・アンド・ラグズなりヘッジのアクションに伴って、投機的な行為によってもうけようというような動きが出てくると。こういうようなのが、まさにこの管理法がねらっておる経済活動であるわけでございまして、この場合、私どもとしては十一月の二十七日の措置というのはそこをねらったわけでございまして、こういうような各為銀なり商社なり証券会社の動きがどういうふうになっているのかということを常時監視するという意味で、ああいうことを打ち出したわけでございますけれども、十一月の最初のころ一日だけ一回やってみたわけでございます。 そのときの分析結果によりますと、実需原則と私どもの方で言っておりますが、背後に実需があって輸入予約をやったというようなことを把握しております。今回の場合、まだデータの分析が終わっておりませんけれども、一般的な印象を申しますと、大体通常の経済活動で許容されるような行動をとっているというふうに認識しております。
○鈴木一弘君 いわゆる実需というか、通常の経済活動が行われていて、そういうことがあって、しかも円安だということになると、これはちょっとよほど考えなきゃならないということになると思うんです。 先ほど日銀の副総裁は、円の適正評価額というのはどのぐらいかということは通貨当局だから言わなかったかもしれませんけれども、大蔵省としては一体どのぐらいだろうというふうに考えておりますか。
○政府委員(加藤隆司君) 普通、通貨当局と言う場合には——日本の制度が中央銀行と国庫当局に分かれておりますが、通常は通貨当局と言う場合には、大蔵省と日銀を合わせて言っておりまして、そういう意味で同じことを申し上げるしかないということで御容赦を願いたいと思います。
○鈴木一弘君 今度の法改正で為替管理はかなり自由化されてくるわけですから、短資の流出入もかなり激しくなるだろう、こういうことで、円相場が安定するというよりもかえって混乱をする、そういうふうにも考えられると思うんですけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(加藤隆司君) これも大変御説明が回りくどくなりますが、短資の出入りの理由としていろんなことが考えられるわけでございます。御承知のように金利水準、それからマーケットの資金需給、それからその国の通貨の先行きと、大体三つぐらいが通常言われておるわけでございますが、今回の改正法で開放体制をとった場合に、その中のどういう面に影響が出てくるかということを考えますと、基本的に申しまして現状と余り大差がないのではないか。ただ確かに、たとえばインパクトローンの取り入れなども自由になります。そういうような意味で、常時監視体制をとることによって、的確にマーケットの情勢を把握していくということをやっていけば、そう心配は要らないのではないかと思います。
○鈴木一弘君 この改正案の中で、原則自由ということから、資本取引等についても異常事態といいますか有事のときに規制すると、こういうことになるわけですけれども、原則禁止というものから原則自由に変わる、そして異常事態だからといって、有事だからといって当局が規制しようといっても、もういままでよりは規制がしにくくなるんじゃないかということが考えられるわけですが、その点どういうようなふうになっていくのか。 それから、異常事態での規制というのは大蔵大臣の権限で行うわけです。原則自由とうたえば、年がら年じゅう規制したんじゃ、もう原則自由じゃなくなってしまいますから、だからそうなると、有事という場合は短期に限られるでしょう。長期にわたっての規制はできるわけはないし、たびたびやるわけにはいかないというふうになってきます。そういうことが、いままで原則禁止でやってきた為替管理に比べると、大変今度は円相場の混乱そのほかの問題が起きたとき、それは国民生活への不安というものが与えられるか与えられないかということまで出てくるわけだと思うんですね。その点で、運用をどうしていくかということが大変重要な問題なんですけれども、この辺は大臣の考えをひとつ示していただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる有事の問題ということになりますと、実際問題として先ほど来の議論にもございましたが、審議会で原則を議論していただくにいたしましても、変動幅がこれだけあったときはどうだとかというような決定は、これは容易にされる問題じゃないと思うのであります。 まさに国際金融という流動的な非常に客観性を帯びた問題でありますだけに、私は有事という問題につきましては、まさにそのとき判断すべきものであって、私自身も先ほど日銀なり加藤局長からもお話がありましたが、これは鈴木さん、友人として聞いていただきますと、この間私が、当面平静に見守ると、こういうことを言いましたら、それに対して質問がありまして、平静とはどういうことかと、私は興奮しないことだと、こう申したのです。そうしたらそれがロイター電に載りまして、どう間違えられたのか、日本政府は何にもしないと、こう書いてあった。したがって、まさに国際金融に関する発電というものは、通貨当局として慎まなければならないということをしみじみと感じました。 したがいまして、これはまさに一つの出来事を御報告したにすぎませんが、有事というものの認識の問題についてもいろいろ審議会で御判断いただいて、後はまさにそのときどきの情勢に応じて決定すべきものであって、いまどのような認識を持つかということに対してのお答え自体も差し控えなければならない問題であるというふうに考えている。 実際問題、私もいつも思うのでありますが、財政民主主義とかいろいろなものの中において、いわゆる変動相場制以来の国際金融行政というものは、何だか非常にフリーハンドの多いものであって、したがって、少数の者の決断によって国損が生じたり国益が生じたりするようなことは、財政民主主義の中では非常におかしいじゃないか、こういう議論も従来ございますけれども、やはり事の性格上、私はまさにその都度環境に応じて判断するという以外に言いようはない問題ではなかろうか、このように思います。
○鈴木一弘君 もう一つは、やはりこの改正案が条件つき自由化という感じでございますけれども、本来言えば、金利の自由化を伴っていかないと本当の調整されたものというふうにならないのじゃないかという感じがしてならないわけです。金利の自由化についても外国からだんだん迫られてくるということは、開放経済体制になればなるほどあることだと思いますので、その点についてどういうように考えているか。これをお伺いをして、終わりたいと思います。
○政府委員(加藤隆司君) 先ほども日銀の副総裁が申しておりましたが、いろいろ国内の事情と海外の事情の接点に立っておる立場から申し上げてみますと、一般的に言われる自由化というのを完全にやっている国が一体あるのかないのかという問題が一般論としてございます。金融もその一環になると思うのでございますが、現在見てみますと、短資の市場、主として短資で見てみますと、わが国もかなり自由化されてきております。そうでないと、外からのインパクトが非常に強く出てくるわけでございます。 それで、話が余談になりますけれども、金利水準の差で短資が行ったり来たりしているのをどう考えるかというので、最近時点で分析してみますと、金利水準の差によって金が出ていくように見えますけれども、為替のヘッジということでディスカウント、いまドルのディスカウントになっていますが、そういうようなものを調整してみますと、金利の差が為替のディスカウントの方で調整されておりまして、九月ごろのスプレッドが十月ごろかなり開いたわけでございますが、公定歩合の引き上げによってそれが縮む方向にございます。資金の出入りを見ておりましても、大体そう大げさに考えることもないような状況にございます。 こういうような具体例から見ても、金利の自由化といいますか弾力化、これはさらに進められることが望ましいわけでございますが、目下のところで言いますと、現状についてはそういう金利の差のスプレッドで短資が非常に出ているというようなことはございません。 答弁になっておるかどうかわかりませんが、私の領域にかかわりまして現状を申しますと、そんな状況にございます。 —————————————
○理事(細川護熙君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、多田省吾君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。 —————————————
○佐藤昭夫君 法案を中心に質問をいたしますが、その前に午前中の質問との関係で、会計検査院と大臣にそれぞれ一問ずつお許しを願いたいと思います。 午前中も強調いたしましたいわゆる綱紀粛正の問題での大蔵省の実情調査というのが鉄建公団、大野の問題だけに限られているというのは不十分じゃないか、もっと全容にメスを入れる方向での実情の調査を十分やるべきだということを強調したわけでありますが、会計検査院にお尋ねをいたしますが、会計検査院としては、こうした立場での全容の把握の作業の努力をされておるというふうに聞いておりますが、そうですか。
○説明員(秋本勝彦君) お答えいたします。 先般来、鉄建公団あるいは一連の大野というところの接待というような問題、あるいは環境庁というようなことがございまして、それぞれ問題が生じましたところにつきまして具体的な事実があるものにつきましては、それぞれの担当検査課におきまして各省庁からの事情を聴取し、整理をし、あるいは説明をしてきているところでございます。 〔理事細川護熙君退席、委員長着席〕 しかしながら、そうではなくして、全容というようなことに相なりますと、これは各省庁非常に膨大なものでございます。それから、毎月私どもの方に、証拠書類として各省庁から上がってまいります書類でありますけれども、これで会議費等のものがわかる書類というのは、支出決議書と、それから領収書、請求書、この三通りでございます。それで、支出の決議書というものの中には科目とか、あるいは日付とか、あるいは金額、それから出席人数、こういうものはわかるわけでございますけれども、どういうところとどういう会議をやったかということになりますと、この支出決議書ではわからないわけでございます。 したがいまして、このようなものは何に使われたかということは、各省各庁のいわゆる会議費伺い、あるいは何と申しておりますか、そういう会議費伺いといったようなもののつづりを一々見せていただかないことには確認できません。したがいまして、私どもといたしましては、その全容について私どもの持っている証拠書類の中で事実調査をするということは、事実上不可能でございます。
○佐藤昭夫君 限界はあるけれども、問題として登場してきておるものについてはできるだけ把握しようという方向の努力をやっているんだというふうに伺ったわけですけれども。 それで大臣、検査院としていまのような答弁でございますが、もう理由は繰り返しませんけれども、午前中来指摘をしておりまする問題、特に本日冒頭の大臣の所信といいますか、大臣の発言を拝見をしましても、この綱紀粛正の問題についてくしくも触れられていないということを疑問に思うわけでありますけれども、ぜひとも国民の信頼を回復するという見地から、単に鉄建、大野にとどまらず、できるだけ全体的にはどういうことになっているのかということの把握の努力、これを大蔵省としては検討していただく必要があるのではないかというふうに思うのですが、最後に大臣にお尋ねをしておきたい。
○国務大臣(竹下登君) 午前中以来、信頼を回復するためにまず処分の問題をいたしましたと、そして今後の具体的な措置をいたしまして、かくして綱紀粛正を図っていく考えでありますと、このように申し上げてきたわけでありますが、実際問題としてこの全体をどう把握するかということになりますと、私がそれをお約束できるというような問題であるかどうか、私もにわかに決断するものではございません。行政機構のそれぞれの立場があろうかと思います。
○佐藤昭夫君 大臣としての政治姿勢をお尋ねしている。
○国務大臣(竹下登君) わかりました。 政治姿勢といたしましては、まさに国民の信頼を回復するという立場に立ちまして、厳粛にこれから対処していくということの一語に尽きると思います。
○佐藤昭夫君 時間がございませんので、法案の質問に移っていきたいと思います。 対外直接投資については、現在一部の取引を除いて、ほとんどの取引は届け出だけでできるということになっておりますが、今回の改正案は、これを法律上原則自由とするというものであって、日本の資本の海外への進出がさらに一層促進されることになるだろうと思うんです。 まず質問の第一は、通産省にお尋ねをいたしますが、この海外直接投資にかかわっての逆輸入の問題です。たとえば、日本の大企業が韓国へ資本投資をして合弁企業などをつくって、その低賃金を利用して日本の国内市場にどんどん割り込んでくるということが、たとえば日本の繊維の中小企業や大島つむぎ等々、これらの郷土産業、中小企業の経営を困難に陥れしめるという状況が起こっておるわけでありますが、通産省としてこの逆輸入の実態についてどのように把握をしているか、またその対策としてどういう手を打つのかということを、まずお尋ねをいたします。
○政府委員(宮本四郎君) ただいま御指摘の逆輸入の問題は、私ども非常にいろいろとむずかしい問題に直面しておる一つの問題点であることは御存じのとおりでございます。 この海外投資そのもの及びその逆輸入の問題につきましては、基本的に幾つかのむずかしい問題を根底にはらんでいるかと思います。たとえば、発展途上国が先進国に向かってキャッチアップをしてまいります。あるいは今度は、わが国の場合におきまして国際競争力が変動してまいりますし、それからその間におきまして産業構造が変化していくと、こういうふうな非常に大きな問題を後ろにはらんではおりますけれども、しかし、業種によりまして海外投資が一定の期間あるいはその量、いろいろ出方によっては問題を生ずる。特に繊維産業は、御案内のように脆弱な基盤に立っておりますし、今日構造改善、体質改善ということで鋭意努力しておる最中でございますから、その間に逆輸入が非常に大きく入りますと問題となることは当然でございます。 まず、お尋ねの第一点といたしまして、どのように私どもは実態を把握しておるかということでございますが、私ども最近これは五十四年の「我が国海外事業活動の実態」というレポートで調査いたしましたところによりますと、海外の日系の製造業の子会社でございますが、これがその売上高の中で一体どのぐらいどこへ出しているかということを調べましたならば、この売上高——金額ベースでございますが、現地の市場向けに八割出しております。それから第三国向けに一五%出しております。日本に持ってくるのは約六%、こういう数字が出ております。繊維業につきましてこれを同じように計算いたしましたところが、逆輸入と称せられるものは大体五%ぐらいではなかろうか。これは金額ベースでございます。もちろん、いろんなデータ必ずしも十分ではございませんけれども、実態につきましては現在のところそのように理解いたしております。 ただ、それが特定の分野に集中するというふうなことになりますとはなはだ問題でございますので、まず第一に秩序ある輸入が必要であろうということでございまして、輸入についての監視と申しますか、実態把握ということを十分にやらしていただいております。これが第一点でございます。 第二点といたしまして、海外投資を行う場合におきまして、繊維製品のような問題のある業種につきましては、現行法では事前調査、それから改正後の法案につきましては届け出になりますけれども、こういう業種につきましては実情に応じまして勧告、変更、そういった行政手段を構じまして十分指導してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○佐藤昭夫君 そこで、今回の法改正が、いま報告があったようなパーセントの比率いかんにかかわらず、個々の郷土産業等に深刻な影響を与えておる。こういう実態の中で、今回の法改正によって逆輸入の問題がさらに深刻化し、中小企業は窮地に陥るんじゃないかということが危惧をされるわけですけれども、その問題についてはどのように、今後のこの法改正によって予想される問題、逆輸入をめぐって予想される問題についてどう対処をするつもりですか。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として小巻敏雄君が選任されました。 —————————————
○政府委員(宮本四郎君) ただいまお尋ねの点につきましては、業種それからそのときの状況によりまして異なってまいるかと存じますけれども、一般的に申しますと、現在は事前チェックではございますけれども指導をいたしておりまして、指導ベースで著しい弊害の生じないようにいろいろ努力いたしておりますが、繊維製品などにつきましては、今後の改正後の状態におきましても、そういう指導を行うことによりまして大体同じような実を上げることができるのではないかと考えております。
○佐藤昭夫君 そういう果たして甘いものかどうかということなんですが、改正法の二十三条の二項で、特定産業に悪影響を与えるおそれがあるときには個別に変更、中止勧告ができるというふうにうたわれておるわけですけれども、この条文というのは、実際は飾り物になるんではないかという危惧が大いにあるわけです。現に、現行法のもとでも、国民経済の発展に悪影響を及ぼすおそれがあると認められる場合は自動承認しないことになっているけれども、一度も発動されていないという実情、こういう点で事前の措置、事前の審査、こういうものが全うされる保証は一体どこにあるのかという点についてはどうですか。
○政府委員(加藤隆司君) ただいまの二十三条でございますが、一件もないという点はそのとおりでございますが、先ほど通産省の方から御答弁がございましたように、事前にかなり現実的な事情聴取などを関係省庁でおやりになっておりまして、数字に出てこないというようなのが実情でございます。 改正法の場合、御指摘のように二十一条、二十二条で届け出を行います。そして、二十三条でただいまの御指摘のような条文があるわけでございますが、その際も関係省庁においてそういう現在と同じような指導が行われるというふうに思います。そうしますと、それにもかかわらずだめな場合には、いま条文をお読みになりましたように、内容の変更、中止の勧告、そういうような規定が取りそろえてあるわけでございますから、規定の状況としては現行とほとんど変わらないと。 運用の問題になりますけれども、運用の問題は、それぞれの省庁におかれて現実的な経済の動向の上に立って判断されるということで、決して改正法によって、いわゆるブーメラン効果で中小企業等が圧迫されるというような事態は、おそれはないと考えております。
○佐藤昭夫君 現行法でも改正法でも、そういう指導を適切にやればそういった危惧を防止することができるんだという御答弁ですけれども、現行法に比べて改正法になると、一層逆輸入を契機にして国内産業に対する圧迫が起こるおそれがあるという、これはひとしく認められると思うんですけれども、その点に対して、こういうふうにしてこれを防止をする具体策があるんだということが、どうも明示がないというふうに感ぜざるを得ぬです。 時間がありませんので、もう一つ別の角度からお尋ねをいたしますが、今回の原則自由にするというもとで海外直接投資が本格化をしますと、もう一つ国内に深刻な影響を及ぼす問題としての雇用問題が考えられると思うんです。で、いわゆる有事規制の発動基準の中にこの雇用問題も織り込んで発動基準をつくっていくのか、設定をしていくのか。こうした点についてはどうですか。
○政府委員(加藤隆司君) ただいまの有事規制の条文は、二十一条の二項に一、二、三と三つ、国際収支の均衡、外為相場の急激な変動、金融市場または資本市場に悪影響と、こっちに雇用が入っていないという御指摘かと思いますが、ただいま御指摘の二十三条の二項の三号でございますが、「我が国の特定の産業部門の事業活動その他我が国経済の円滑な運営に悪影飲響を及ぼすことになること。」と、その中に、私どもとしては当然のことながら雇用問題が前提になっておるというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 次に、対内直接投資に関して、特に外資によるわが国産業の乗っ取りのおそれの問題ですね、現行法では農林水産業、鉱業あるいは石油業、皮革または皮革製品業、こういう四業種を除いて、わが国に会社を新設するために一〇〇%以内の株式を取得する目的の申請は、原則として日銀が自動的に認可をするということになっているわけですが、また既存の会社の株式取得については、当該会社の同意があることが明らかな場合は日銀が自動的に認可をするというふうに定められているわけでありますけれども、なぜ今回の改正では、当該企業の同意を必要とせずというふうに定めたのか。逆に言えば、政府が認めればそれでいいんだというふうにしたことは、乗っ取りを政府として放任をするということになるおそれはないかという、この点についてはどうですか。
○政府委員(加藤隆司君) 確かに、条文上はそういう差がございます。これは考え方の差によりましてこういう文言になっておるわけでございますが、第一条の法の精神、こういうようなところから申しまして企業の同意の有無という観点よりも、国民経済に与える影響という観点が前面に出てきたためにそういうことになったわけでございますけれども、反面考えてみますと、制度上仮に企業の同意があった場合、その場合でも政府の判断でチェックできるわけです。それで、そうしますと、それじゃ同意の有無を問わなかった一面だけを言っているではないかという問題があるわけでございますが、先ほど来申しておりますように、事実上の問題として、前提に事前届け出義務があるわけでございますから、そういう過程でそれぞれの産業の関係省庁が事実上の議論はいたすわけでございます。 したがって、同意のない場合にむしろ政府がチェックする可能性が出てきているという点、それからあった場合でも政府がチェックできる。ない場合は従来のような取り扱いがなされるというような点で、法律の文言上はただいま申しましたように一条の精神からそうなっておりますけれども、実際の運営上は御心配要らないということを申し上げたいと思います。
○佐藤昭夫君 果たしてそうか、いまの御答弁では氷解いたしませんけれども、もう一つお尋ねをいたしますが、現在の外資審議会ですね、これの委員の構成メンバーはどういうことになっておりますか。
○政府委員(加藤隆司君) 法律の規定によりまして十五名以内ということになっておりますが、現在十名でございます。 それで構成は、学識経験者が十名のうち三名でございます。四十三年ごろは十五名で六名と四割だったわけですが、現在三名、それから金融界と申しますか、これが十名のうち三名、言論界が一名、学界が三名というような構成になっております。
○佐藤昭夫君 いま御説明がありましたように、かつての時期に比べていわゆる文字どおりの学識経験者代表の比重が低下をしているという問題もありますけれども、金融界を初めとする財界の代表がふえてきているという問題もありますが、問題は、きょう一貫して言っております。どうやって日本の国内の中小企業を守るかと、こういう見地から、この審議会の構成についても中小企業家の代表を構成の中に入れるという問題を積極的に検討していただく必要があるんじゃないかというふうに思いますが、その点どうですか。
○政府委員(加藤隆司君) 先ほども御質問がございましたのですが、従来の外資審議会系統の問題と、それから為替の方の問題とあるわけでございます。法律の考え方は学識経験者と、いま私がたまたま金融界とか学界とか色を分けて申しましたが、基本的な考え方は学識経験者、そういうことでございますから、いわゆる中小企業云々とかいうそういう角度で選んでいるわけではないわけでございます。法律の規定の考え方によりまして、学識経験者という点から公平を期したいというような角度で選定をさしていただいたらいかがかと考えております。
○佐藤昭夫君 答弁としては、構成についての公平を期するという答弁にならざるを得ないかと思うんですけれども、この問題をめぐってといいますか、たとえば逆輸入の問題一つとりましても、大企業は海外に資本投資をして、そこに会社をつくって逆輸入をする、こういう立場。一方、国内の中小企業というのは、そのことによって犠牲を受ける立場ということで、単に一般的に包括をして、学識経験者ということでその中に包含をするということについては、果たして日本の産業のあらゆる角度からの正常な発展をどういうふうに期待をしていくかという点で、私はどうしても中小企業家の代表を積極的に検討していただく必要があるだろうというふうに思うんです。 それで、審議会の構成メンバーの再検討の時期がいつなのかよく存じませんけれども、できるだけしかるべき近い時期に、いまここで入れますという約束はできないかと思うんですけれども、そういう見地からのひとつ検討をしていただくということをぜひお願いをしたいと思うんですが、そのことを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○政府委員(加藤隆司君) 私どもの考え方としますと、若干申しわけないのでございますが、中小企業とか大手の商社とか、業界の代表というそういう角度の選定というのはいかがかと考えておるわけでございます。先ほども申しましたように、学識経験者という立場から公平な選定をさしていただきたい、そういうことを申し上げたいと思います。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、吉田忠三郎君及び福間知之君が委員を辞任され、その補欠として小野明君、片岡勝治君が選任されました。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田君。
○和田静夫君 私は、ただいま可決されました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党及び新自由クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項について十分留意すべきである。 一、有事規制の発動について、外国為替等審議会の意見を十分尊重しつつ、その適正な運営を図ること。 一、対外取引の自由化に伴い、外国為替が企業等の不公正な取引に利用されることのないよう、本法律の運用について十分配慮すること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(世耕政隆君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 多数と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては、御趣旨に沿って十分努力いたしたいと存じております。
○委員長(世耕政隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回の委員会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十二分散会 —————・—————