決算委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 343 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/12/20
会議録
○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十九日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として柳澤錬造君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 次に、昭和五十一年度決算外二件を議題といたします。 本日は、外務省及び防衛庁関係の決算について審査を行います。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 最初に外務省関係についてお伺いをしますが、在外公館の経理に対します会計検査院の検査というのは余り聞いたことがないんですけれども、五十一年度を含めまして最近の在外公館の検査の状況ですね、検査体制なりあるいは検査の内容なりあるいはその結果、特別に何か考えなければならないようなことがあったかどうか、まず最初にその点をお伺いします。
○説明員(岩井毅君) お答え申し上げます。 まず、五十一年以降の検査個所について申し上げます。 五十一年度におきましては、二名をもちまして五十一年六月十八日から七月十六日の間におきまして計七ヵ所、すなわち在アラブ首長国連邦日本国大使館、在クウェート日本国大使館、在ブルガリア日本国大使館、在ユーゴスラビア日本国大使館、在ハンガリー日本国大使館、在ポーランド日本国大使館、これを検査いたしております。 また、五十二年におきましては、二名をもちまして五十二年六月十三日から五十二年七月十二日の間でございますが、同じく七ヵ所、在インドネシア日本国大使館、在マレーシア日本国大使館、在タイ日本国大使館、在インド日本国大使館、在シンガポール日本国大使館、在香港日本国総領事館、以上を検査いたしております。 五十三年度におきましては、五十三年五月九日から五十三年五月三十日まで二名をもちまして在トルコ日本国大使館、在イラク日本国大使館、在イラン日本国大使館の三ヵ所の検査を行いましたほか、さらに五十三年の七月十九日から五十三年八月の四日の間におきまして、同じく二名をもちまして在フィリピン日本国大使館、在ビルマ日本国大使館の二ヵ所を検査いたしております。 なお、五十四年度、本年度におきましては、この五月七日から五月三十一日までの間におきまして在インドネシア日本国大使館、在ジャカルタ日本国総領事館、在スリランカ日本国大使館、在ベナン日本国総領事館、在マレーシア日本国大使館の五ヵ所を検査いたしております。 なお、検査につきましての着眼点、それから検査の内容ということでございますが、在外公館の収入支出並びに物品及び国有財産の管理についてその適否を検討いたしております。検査の結果につきましては、特に違法不当と認めた事実はなかったと聞いております。 以上でございます。
○穐山篤君 いまお話がありましたように、外交関係を持っておる国が百五十幾つあるわけですが、二十年か二十五年ぐらいでようやく一回りするというような感じがするわけですが、特殊な会計検査でありますので財政上の問題や人員上の問題があろうと思いますが、私どもの感じていきますと、国内で検査をするようなそう厳密な検査ではないという印象を受けるわけです。 そこで、いま収入なり支出なり財産なりのお話があったんですが、どこに中心を置いて検査をされているんですか、そのことについてももう一度お伺いします。
○説明員(岩井毅君) 確かに限られた予算の範囲内におきまして効率的な検査を実施しなければならないという観点がございますので、海外経済協力関係の調査といったものとあわせまして、少しでも効率的に検査がなし得るようにというような見地から検査をいたします関係で、地域的にただいま御説明申し上げましたように、ここ数年では比較的限定された地域の検査にならざるを得ないというようなきらいはございます。 また、検査におきましてはやはり主として支出でございますが、支出、それも庁費的なもの、報償費、それから渡し切り費、こういったものの検査並びに在外公館の用地なり建物なりの取得といった国有財産の取得管理の面、こういったものが重点的な検査対象になっております。
○穐山篤君 さて、在外公館費用の決算を見てみますと幾つか特徴点がありますね。まず第一に目につきますのは人件費の不用額が非常に多いという点であります。これは昭和五十年、五十一、五十二年は欠員が非常にあったというふうに不用額の説明をしております。それから五十三年度の決算書ではそういうふうには記載がされておらずに、外国為替相場の変動だというふうに五十三年だけは変わっているわけです。 そこで、外務省にお伺いをしますが、出先の公館の――大使、公使は欠員がないんでしょうが、書記官なりあるいは理事官なりの欠員というのが非常に目につくわけです。最近の調べにおきましてもかなりベテランがやめているわけです。言いかえてみれば、本当に出先で仕事を一生懸命にやっている人が定着をしていないということが実績の上で明らかなんですが、外務省はこの点についてどういうふうにお考えですか。
○説明員(山崎敏夫君) 御指摘のとおり、昭和五十一年、五十二年の決算書の中で「在外職員に欠員があったので、」云々というふうなことが書いてございます。これは、実はこの予算は在外の定員数の在外におきます十二ヵ月分の手当を計上しておるわけでございますが、この年度におきまして本省におきまして各種の重要な国際会議がたくさん開催されたということもありまして、そういうわけで本省の仕事が非常に多忙をきわめておったために在外の定員を一部本省で活用したという事情がありまして、在外の諸手当が余り要らなかったというようなこと、あるいは交代の間に時間がかかりまして、在外の実員が定員を下回ったというふうなことがあって若干の手当について不用額が出たわけでございますけれども、これは本省と在外を合わせました外務省全体の欠員なりそういうものはそれほど多くございません。その点御理解をいただきたいと思います。 それから、いま委員から御指摘のございました外務省の人が途中で退職する場合が多いんではないかということでございます。これは専門職試験を受けてきた人が一時期かなりやめる人がいたということは事実でございます。これは日本の経済の高度成長期でございまして、そういう専門職試験を受けてきた人は特殊語学その他の才能を持っておりますので、民間企業からいわば引き抜かれたというふうなことがあったわけでございますが、しかし、われわれとしては国費をかけて養成した人がそういうふうに民間の方に行くということは大変不本意なことでございますので、この点については待遇改善その他を図りまして、最近は非常に減ってきております。また、日本経済も安定成長期に入ったということもあってそういうふうに転身する人も非常に減ってきておるわけでございます。 その待遇改善でございますけれども、この点は外務省ではほかの省にはない登用制度というものを実施しております。これは昭和五十年度からやっておりますが、これによりましてそういう専門職試験を受けた方々も優秀と認められる者は上級職に登用いたしまして、上級職の試験を受けた人と同様に昇進する道が開かれておるわけでございまして、上級職に登用された者はすでに十二名に上っております。また、そういう中級の方々でも試験を受けて優秀な人は本省ではすでに課長として四名、在外公館長としては大使あるいは総領事その他で合計三十六名登用をいたしておるわけでございます。その他研修におきましても、そういう専門職試験の方も上級試験出身の者も同様の研修期間をいま実施しておる次第でございまして、そういうことで現在途中でやめる者は減っておりまして、昭和三十八年以降を調べますと中途退職者は一五%弱というふうに減ってきております。 それから、もう一つちょっとつけ加えますのは、そういう中級ないし専門職試験の合格者の中には外務省の場合かなり女性がおりまして、これが結婚その他の理由でやめるということもございます。
○穐山篤君 外務省のこのパンフレットによりますと、業務量も非常にふえている、そういう意味で現行三千四百名の定員を五千名の台にしたい。五千名というのはこの表でいきますとイタリア並みということのようですが、業務量がふえているから要員をふやすということについての理屈は十分理解はできますけれども、しかし量的な角度だけで問題を解決するということは、事外交関係でありますので不可能だと思うんです。いまお話がありましたように、三千四百名のうちノンキャリアと言われる人が三十六名ほど課長その他大使、公使に登用されている、そういう道も開いたと、こう言っているわけですが、率で言えばたったの一%であります。 外務大臣にお伺いをしますが、最近「Voice」の十一月号に、「疲れ切った=日本の顔=たち」ということで外務省の批判が行われています。これはかつて外務省に籍のあった方の証言でありますが、外務大臣、これをお読みになったことがありますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私まだ読んでおりませんです。
○穐山篤君 機会があったら、これは現場の声の一部ということで読んでいただいた方がいいのではないかというふうに思うわけです。言いかえてみれば、この高柳芳夫さんの提案というのは、量の問題も当然考えなければならないが、質の問題を考えなければいけない。あと、さらにもっと基本的な日本の外交の姿勢について指摘をしているわけです。すべてが私はこのとおりであったとは思いませんけれども、かなり痛いところを突いた、文章としては一読の必要があろうというふうに思うわけであります。 この文章にもありますが、質の問題で一つ申し上げますと、日本の外交官の中でアラビア語も十分にできない大使、公使が多い。ですから両国の首脳というのは英語で話し合う。いい話は伺うことができるけれども、悪い話、きたない話、いやな話というのはどうしても耳に入らない、ですから高尚な外交になりやすい。実際、アラビア語ができる、ペルシャ語ができるという人たちは書記官なり理事官に多い。そういう人たちがいろんな情報を持ち込んできても採用されない、そういう愚痴も一つにはこぼしているわけです。言いかえてみれば、アンテナが非常に低い、日本外交についてはアンテナが低い、そのことを憂えて指摘をしているわけです。このことも私は当然だろうというふうに思うわけです。 そこで、いまもちょっとお話があったわけですが、質的な向上ですね、出先機関の質的な機能の強化ということについてはあらゆる分野から考えなければならないわけですが、たとえばどんなことをお考えでしょうか。 私は後ほど申し上げますが、昨年前総理大臣が中東を回ったときに、日本の総理大臣としては非常に赤恥をかいた事件があったわけですね。それから、つい最近も韓国で赤恥をかいた問題があるわけです。いずれもこれは情報の収集のまずさ、あるいは基本的に欠陥があったということが指摘をできるわけですが、そういう意味から言いますと、もっとどろ臭い外交があってしかるべきじゃないだろうか、非常に日本の外交はアンテナが低いということで有名なんです。質的に向上する、もっと外交の機能を高めるという意味で具体的に何かお考えになっていることがあるでしょうか。
○説明員(山崎敏夫君) 外務省の情報収集機能が十分でないという御指摘に対しましては、われわれとしても謙虚に反省はいたしております。まあ外務省、大使以下在外公館での大きな仕事の一つとして情報収集があるわけでございますが、これは任国政府の高官その他との接触を通じていろんな情報を収集しておるわけでございます。ただ率直に申しまして、まあ実は人手不足の点もありまして十分でなかったということはわれわれとしても十分認識いたしておりまして、特に重要な地域には重点的に人を配置したいと考えておるわけでございます。ただ、人手不足もありましてなかなか思うようにいかないということは事実でございます。 なお、その際に、特殊語学といいますか、そういう専門家の養成がまだ十分ではないんじゃないか、こういう御指摘でございます。この点も、たとえばアラビア語の場合、われわれとしてはその養成に努力しておるわけでございまして、最近は大分ふえてまいりまして、大体全部で四十二名の者がアラビア語を勉強して実務についておるわけでございまして、大使としても、もう二名の者がアラビア語の専門家が大使になっております。それから毎年大体上級、専門職合わせまして四名、アラビア語をやらしております。ただ、何分にもこういう言葉は非常にむずかしい言葉でございまして養成に時間がかかるものですから、各館に戦力として配置するに全部が至っていないということで、各館ごとに見ますと、アラビア語の専門家は一人しかいないというようなことが間々あるわけでございます。この点につきましては、われわれとしてもさらに努力して専門家の養成に努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○穐山篤君 たとえば、中東、イランというふうな特殊な地域においては、出先の商社その他から臨時に、たとえば一年間とか三年間というように臨時に協力を求めるとか、こういうやり方も一つの方法だろうと思うんですよ。それから一般の、民間商社なりその他在外に事務所を持っております公社、公団というのは、たとえばフランスに行く場合でもフランス語を半年間なら半年間あらかじめ研修を積んで出先に出向する、こういう方法を熱心にとっているわけです。 外務省の場合、予備定員というのはないから、理屈の上ではそう申し上げてもできない事情があろうと思いますけれども、しかし、これは日本が平和外交を進めようとする場合にどうしても考えなければならない問題でもありますし、経済協力を十分に円滑に行うためにも必要なことだと思うんです。そういう具体的なことを一つ一つ改善あるいは積み上げなければ、お話があったように、研修制度を強化しますとか、あるいはノンキャリア組を登用するとか言いましても、どうも成果は上がらないというふうに思うわけです。私は、一例を申し上げたわけですが、何かそういう意味で展望のある改善策というのはないんですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私も外務大臣に就任いたしまして一月半ばかりになりますが、やはり外交に対する要請というのはいろいろ変化してまいっておりますので、言葉の問題あるいは専門分野の問題を含めまして、一つにはやはり定員増加の増加分をできるだけ新たな分野に投入していく、外の人を活用するにいたしましても、やはり定員が必要でございます。この点で一般的な枠を広げて、その増加分をできるだけ新しい分野に投入していくということで御指摘のような点にもいろいろ配慮してまいりたいと思います。
○穐山篤君 その点しっかりやっていただきたいというふうに思います。 在外公館費の中で報償費、渡し切り費というのがあるわけですが、五十一、五十二年を見ますと、ほとんど不用額なしによく使っております。それから五十三年度は莫大に不用を残しております。説明では外国為替の変動に伴う不用額だということですから、それはそれでいいとしますが、風評によりますと、こういう話が出ています。この渡し切り費につきましては領収書をとろう、しかし報償費についてはあえて領収書なしの処理でも構わないという外務省の中の風評があるわけですが、外務省はそういうふうに御指導しているんですか。
○説明員(山崎敏夫君) 最初の点の不用額が五十三年度では非常に多く出たというのは、御指摘のとおり為替レートが変わりましたために不用が出まして、いわば予算の節約を図った次第でございます。 それから、いまお話しの渡し切り費等はちゃんと領収書をとっておるが、報償費については領収書をとらないで済ましておるのではないかというお話でございますが、報償費につきましても、もちろん領収書がとれる範囲のものは全部とっております。ただ、報償費というものは外交活動のための経費でございまして、その使途によりましては相手方から領収書をとりにくいものがございます。そういうものにつきましては一部簡易証明というものをやっておるわけでございます。
○穐山篤君 検査院にお伺いしますが、この報償費と渡し切り費についての領収のあり方、経理の処理の仕方はいまの外務省の答弁でいいんですか。
○説明員(岩井毅君) ただいまの答弁でおおむね妥当かと存じます。 渡し切り費につきましても報償費につきましても、これは原則といたしましては出納簿に記載し領収書も徴するというのが原則ではございますが、報償費はその経費の性格上領収書を徴し得ないという場合があることは外務省側からの御説明のとおり、事実やむを得ない場合があるわけでございます。しかしながら、その場合でも使用取り扱い責任者の支払い証明、こういったものを領収書にかえてとっておるというのが実態でございまして、これはやむを得ない措置だと存じております。
○穐山篤君 いずれも公金でありますので、正規の手続をとっていただかなきゃならぬわけですが、冒頭私は検査院の方に在外公館の検査の実情をお伺いしたわけですが、二名で大急ぎに、ときにはついでに検査しているわけですね。率直なところを申し上げまして課長とか局長という位の高い方が大体在外公館の検査に当たっているわけですね。KDDなりあるいは鉄建公団のように一枚一枚領収書を見ているわけじゃないんですね。 そこでお伺いをしますが、本年の四月にホノルル日本総領事館で、会計上の帳じりを合わせるために白紙の領収書を集めたということが報道され相当問題になったわけですが、この点について検査院が具体的にどういうふうに検査をして確認をしたのか、その点をお伺いします。
○説明員(岩井毅君) 新聞にこのホノルル総領事館におきます事件が載りまして、早速私どもといたしましても外務省の担当者を招致いたしまして説明を求めました。そして外務省におきましても直ちに在外公館課長を派遣いたしまして事実を調査し帰朝いたしまして直ちに私のところに報告があったわけでございますが、その報告によりますと、担当者の会計事務の不手際という点は確かにあったんでございますが、その結果違法不当な支出が行われたというような事実はないものと信ぜられましたし――これは白紙領収書の件でございます、その他新聞に二、三の点が載りましたが、これはいずれも事実無根であったということでございましたので、その報告を了といたしましたところでございます。 なお、この件につきまして実地検査というものはこの報告を受けました段階でその必要はなかろうということで見送っております。
○穐山篤君 具体的に検査院がみずから帳簿をごらんになったわけじゃないんですね。
○説明員(岩井毅君) さようでございます。ただし、その帳簿等の写しは在外公館課長が持ってこられましたので、それは見ております。
○穐山篤君 さて、外務大臣に、これは要望ということに多分なろうと思うんですが、在外公館の費用というのは予算に決められているとおりでありますね。総理大臣なり外務大臣一行が中国を訪問したりあるいはEC圏内なり中東を訪問することがあるわけです。そういう大がかりなものにつきましては、当然予備費の支出ということで多分処理がされるわけですね。ところがその予備費というのは本国政府が使う分だけの金でありまして、出先の機関には回らない金ですね、たとえば総理大臣がフランスを訪問するということになりますと、その近辺の在外公館から相当の人数の招集がかかりまして万遺漏なきを期すわけです。陣容の上でもそうでありますが、財政的な面でも結局それぞれの在外公館からの協力を得なければできないわけです。そうしますと、周辺の大使なり公使なり領事なりそれぞれの本来の活動というのは予算の上で現実に非常に制約を受けているわけです。会計処理もお伺いをしてみますとかなりやりくりをしているわけです。そういうものについて検査院が一々証拠書類を調べているわけじゃないんです。 そこで、こういうふうな大型の使節団が出るような場合についての出先の財政のあり方、経理のあり方というものについても工夫をしていただきたい。これはひとつ要望しておきます。 それからいまの報償費なり渡し切り費に関連をするわけですが、いつも問題になりますのは、経済協力関係についての検査というものが十分に行われていない。これは例の日韓癒着の問題でも厳しく指摘をされ、現外務大臣もそのときかなり厳しい指摘を受けたと思うわけですが、相手国の主権の問題も絡んでいるわけですから非常にむずかしいと思いますけれども、経済協力のあり方そのものについても見直しをしなければならぬときだと思うんです。心と心というふうな話で、ふところから何がしかの金を渡して政府借款にするようなやり方では、恒久的な堅実な外交を打ち立てるということは非常にむずかしいと思うんです。現にアメリカでは、多少時間がかかりましても将来展望を考えてみて対外経済協力についての国会の承認を一々求めているわけです。今後そういうふうにしなければならないと思うわけですけれども、そのことは別にしましても、対外経済協力の検査の問題について検査院の所見が多分あろうと思いますのでお伺いしたいと思うんです。
○説明員(岩井毅君) ただいま御指摘のございました政府借款等の海外経済協力に関する検査につきましては、従来からしばしば国会でも御質問を受けているところでございますが、相手国との友好関係を考慮せねばなりませず、また主権の問題というむずかしい問題もございまして、この検査といった面での改善策というものにつきましては、本院といたしましても苦慮をいたしておるところでございます。 しかしながら、私どもとしましても多額の国の資金が経済的にかつ効率的に使われるかどうかということは重大な関心を持っておるところでございまして、したがいまして先ほども申し上げましたように、在外公館検査の際にあわせてこの経済協力の実施状況、実態、こういったものを調査すべく相手国側の了解も求めた上で調査をいたしておるというのが実態でございます。なおまた、国際会議等の場におきましても関係国あたりともそういった話し合いも進めてはおるんでございますが、なかなかはかばかしい成果は得られていないということでございます。 たとえば、これはことしの話でございますが、私どもの首脳が国際会議で某国の検査院を訪れた際にこの問題を持ち出したわけなんでございますが、その際某国の検査院では、海外経済協力というのは金を出すことに意義があるので、その使い方まで一々うるさいことを言う必要はないじゃないかということで一笑に付されたというようなこともございまして、どうも国によってはこれに対する認識の度合いもかなり異なっておるというようなこともあったりいたしまして、私どもとしても今後の検査というものにつきましてはなお検討する余地があるであろうと存じております。
○穐山篤君 いずれその問題は非常に重要な課題ですから別の機会に改めてまた確認をしたいと思います。 外務大臣にお伺いしますが、この間大平総理が訪中をしまして、経済協力、文化協定その他いろいろな協議をして一応の成果を上げたわけですが、その際に旧満州地区への墓参団の派遣の問題が日本側から問題提起といいますか、お話がされたわけです。 報道によりますと、これは改めて外交ルートを通して協議をしましょうといういきさつになっています。昭和五十四年度の厚生省の予算にも、長い間の議論の末、七百万円余の旧満州地区墓参に対します予算が編成されておりまして、関係方面からも非常に熱望されているわけです。いつこれは実現をするかという意味で、関係方面からたくさん意見があるわけですが、現に折衝はどういう形で進められておるんだろうか。 それからもう一つは、年度内に派遣が可能であるかどうか。 それから三番目に、私は前回も社労委員会で申し上げておったわけですが、墓参団の編成のことについても各方面から非常に注文が多いわけです。それらのことにつきまして今日までわかっておりますことがあれば明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまのお尋ねの件につきまして、詳細は政府委員から返答申し上げますが、総理からも先方に申し入れがありましたし、私も黄華外交部長との話し合いのときにも取り上げたわけでございまして、先方の反応は好意的でございました。 お尋ねの件につきましてはアジア局長から答弁させたいと考えます。
○説明員(柳谷謙介君) この問題は、昨年日中平和友好条約ができました後の、当時の園田外務大臣と先方との会談において初めて具体的にわが方の希望として先方に伝えて以来、あらゆる機会にいろいろなレベルで中国側の返答を求めていたわけでございますけれども、最近までは先方の対応は、日本側の遺族の方々の事情はよくわかるけれども、中国側にも中国側の事情があるんだ、そういう中国の各地方の人々の気持ちもわかってもらいたいということで、いま地方にいろいろ相談しているんだ、返答はもう少し待ってくれということでずっときていたわけでございます。 他方、厚生省の方では本年度の実現を期待いたしまして、ただいま御指摘のような予算措置を本年についてとっていたわけでございます。 そのような中で今回大平総理の訪中がございまして、この問題を総理さらに外務大臣から御提起いただいたところ、初めて先方は、原則的に結構である、しかし時期とか対応については今後外交ルートで御相談したいということが初めて明らかにされたわけでございますので、私どもは早速厚生省等と御相談いたしまして、外交チャネルによる話し合いを始めようとしている段階でございます。 御指摘のように、どういう方々が何人ぐらい行くか、あるいはどこの地方に行くかという問題等いろいろ具体的な問題がございます。その点はこの間の訪中で初めて決まったことでございますので、現在のところまだ具体的には確定しておりませんし、特に関係者の非常に強い希望は旧満州地区、東北地方等に行きたいということでございますが、気候等の関係がございまして年度内に行けるかどうか、実はいまのところまだ最終的には詰まっておりませんが、できるだけ何とか年度内ぎりぎりにでも実現できればということで、これから時間も余りありませんけれども折衝したい、このように思っています。
○穐山篤君 防衛庁関係に移りますが、最初にFMSによりますアメリカからの納入の問題です。 これは昭和五十年度の決算の際に私は厳しくこの問題について指摘をいたしました。前渡金を渡してありながら、アメリカ側の都合でなかなか機材が納入をされない。御答弁としては促進をしてますということになってますが、昭和五十一年度決算、この段階でも約五百億近い前渡金が払ってありながら、まだ皆目見当がつかないわけですね。いま私が申し上げておりますのは装備品の関係であります。こういうふうにいつ納入されるかわからない、見通しのないものをいつまでもこういう契約で防衛庁が契約をしていることについて非常に疑義を感ずるわけです。それと同時に、防衛費をふやそうということでかねや太鼓でずいぶん皆さんがんばっておりますけれども、五百億近い品物といいますと、武器その他の費用の中ではかなり大きなウエートを占める金額です。そうしますと、防衛庁の防衛計画に重大な支障があろうと私は思うわけですけれども、どうも支障はないようなお話であります。そうなりますと、支障のないような品物をなぜこういう契約で甘んじているのか、別な方法がないのかということについて前回も指摘をしたわけです。今回も依然として、これだけ莫大に残っておりますと疑義を感じないわけにいかないと思いますが、との点についていかがですか。
○説明員(倉部行雄君) ただいま御指摘いただきましたFMSの関係でございますが、さきの通常国会で先生から御指摘がございまして、本委員会の警告決議がなされたわけでございますので、私どもはこのような御趣旨を体しまして、担当者を米国に派遣いたしましたり、あるいは日米関係の会議におきましてこの趣旨を強く申し入れをいたしまして、これに対しまして米国の方から至急に調査を行うということで、その調査をもとに改善を行っているという趣旨の回答が来ておりまして、実際にもその効果は逐次あらわれてきておると思っております。私どもはもちろんいま先生御指摘のように、あるいはこの委員会で警告決議をいただきましたように、予算の効率的使用という観点からもこの促進というものを今後一層図ってまいりたいと考えているわけでございます。
○穐山篤君 防衛計画なり装備計画にいささかも支障はないというふうに自信を持っているんですか。
○説明員(倉部行雄君) FMSの制度につきましては、納入といいますか、納入される予定の期日、この問題が従来からいろいろ御指摘をいただいているわけでございまして、この点は確かにFMS制度の短所ではないかと思うわけでございますが、FMS制度と申しますのはいろんな長所があるわけでございまして、たとえば非常に最新の装備あるいは非常に秘密度の高いそういったものの入手、調達が可能であるとか、あるいは米軍が多量に調達する場合に私どもの方の調達を一緒に一括いたしますと非常に安く早く調達できるというような問題もございまして、あるいはまた、前通常国会で問題になりました商社の手数料を排除するというような意味合い等もございまして、非常に大きな長所を持っておるために、私どもは物によりましてはこの制度をどうしても活用しなければならない、またしたいということで、最近FMS制度に対しまして利用度も高まっておるわけでございますが、いま御指摘いただきましたように、物によりまして、場合によりましてそういった短所がございましたので極力これは抑えていく、少なくしていくということをやっておりますが、そういう制度の性格といいますか特殊性といいますか、前提というものを私どもよく心得ながらこの制度を利用していくということで対処しているわけでございます。
○穐山篤君 また改めてこの点は別の機会に指摘をします。 最後に、過日、竹田統合幕僚会議議長さんが韓国を訪問されましたね。これはどういう目的で、どういう編成で行かれたのか、あるいは会見の相手はどなたであったのか、まずこの点からお伺いします。
○説明員(岡崎久彦君) 統幕議長の訪韓の目的という御質問だと存じますが、本年四月韓国合同参謀会議議長金鍾煥大将が防衛庁を表敬訪問をいたしました。その際、先方から高品統幕議長の訪韓の要請がございました。ただ、議長の都合上、訪韓の機会が延び延びになっておりまして、本年八月統幕議長が高品陸将から竹田空将に交替いたしました後に再度韓国側からの訪韓の要請がございました。当庁といたしましては議長の訪韓要請は従来からのことでございますし、また日韓間の友好親善という見地からこの招待を受けることにいたしました。
○穐山篤君 簡単で結構ですが、統幕議長は韓国のどなたと、いつ会う約束で出かけたんですか。
○説明員(岡崎久彦君) 簡単に申し上げます。 要人の会見は十二月十日に韓国合同参謀会議議長及び国防部長官と面会しております。
○穐山篤君 そうしますと、金鍾煥合同参謀会議議長と、盧載鉉国防相との会見でしたね。
○説明員(岡崎久彦君) さようでございます。
○穐山篤君 防衛庁長官にお伺いをしますが、韓国に訪問をする際には当然防衛庁長官の了解を得たと思うんです。それと同時に、韓国の政情から考えてみまして、外務大臣、外務省とも十分に相談をして韓国を訪問したと思うわけですが、結果として十分な成果を上げることができなかった、どちらかと言えば恥をかきに韓国に行ったような感があるわけです。通常――通常といいますか、特に韓国の場合には朴大統領が殺されて政情は非常に不安定です。だれが見ても安定しているとは思わないわけです。いずれ大統領が正規に決まって、大統領が首班を指名し、内閣が成立をする、これも常識論ですね。こういうごく常識的な事柄をあえて無視して統幕議長が赤恥をかきに韓国までなぜ行かなければならなかったのか。 私は先ほども指摘をしましたように、日本の外交陣のアンテナが非常に低いということを申し上げたわけですが、典型的な例ですね。この点について防衛庁長官は統幕議長が韓国を訪問するに当たってどういう認識でどういう情勢分析で許可を与えたのか、その点を明らかにしてほしいと思います。
○国務大臣(久保田円次君) まず第一番に、韓国訪問でございますが、それはあくまでも親善目的でございます。 同時に、長官に対しまして了解を得ておるかという点につきましては、了解を得て、了解を私は十分認識をしております。了解しております。 さらにいま一点といたしまして、外務省の方といろいろ話し合っておるかという問題でございますが、この点も話し合いをいたしております。
○穐山篤君 長官、どうも答弁があやふやですが、あなたは韓国に統幕議長が訪問することを許可をしたわけですね。
○国務大臣(久保田円次君) 許可をしております。
○穐山篤君 許可をするに当たって外務省とも十分に相談をされたと思うんですが、相手の国防大臣なり参謀本部会議議長が一晩でかわるというようなことは、情勢分析の中にはなかったんですか、あったんですか。
○国務大臣(久保田円次君) 政府委員をして答弁いたさせます。
○説明員(岡崎久彦君) 今回の訪問は国際儀礼上好ましいと判断した訪問でございまして、今回の事件は韓国の国内問題でございまして、関係ございません。
○穐山篤君 ずいぶん皆さんの認識というのはお粗末じゃないかと思うんです。現に盧載鉉国防相と会うつもりで行ったところ、しばらく待ってくれと、待っていたら御当人の国防大臣は首になっていた。これは実際の姿でしょう。いかに親善訪問とは言いつつも、これでは親善の意味をなしていないんじゃないですか。今回の韓国訪問というのは非常に適切ではなかったと思うんです。その点、長官いかがですか。
○国務大臣(久保田円次君) 議長の訪韓は予定どおり行いまして、その成果につきましては私も十分認識しております。
○穐山篤君 よく私の質問を聞いてもらいたいんですが、親善訪問というのは一般論としては結構な話ですよ。しかし、朴大統領が殺された後は当然のことながら新しい大統領ができる。新しい首班ができるし、新しい韓国の軍の組織が整備をされるわけです。どうしても表敬訪問をしたいというならば、それを待って行うのが国際信義というものじゃないんでしょうか。ちょっと待てと言って、待っている間に相手の国防大臣は首になっているわけです。それほど外務省なり防衛庁の認識といいますか、あるいは情勢の分析を集約した認識というものが非常に欠けている。物見遊山ならばいつだれが行こうとかまわないですよ。少なくとも日本の要職にある議長が行くわけですから、時期を適切に判断をするということは重要なポイントではないかと思うんです。その意味では今回の訪問というのは間違いであったというふうに私は考えますが、長官いかがですか。
○国務大臣(久保田円次君) その経緯につきましては政府委員から答弁いたさせます。
○穐山篤君 経緯のことを聞いているんじゃないんですよ。事務方の御意見を聞いているわけじゃないんですよ。政治判断として不適当ではなかったかと私は指摘をしているわけです。
○国務大臣(久保田円次君) 友好親善の目的は達したと思います。
○穐山篤君 時間が来ましたので終わりますけれども、そういう認識ではいかに装備を強大にしたりあるいは予算を獲得したとしましても、これは大変な問題だというふうに思うわけです。そういう情勢の分析に誤りがしばしばあって、それで国防だとかあるいは整備だということは言えないのではないだろうかというふうに思います。私は意見の違いがありますけれども、今回の訪問は非常に適切ではなかった、内閣の責任を大いに問わなければならないということを申し上げて私の質問を終わります。
○丸谷金保君 最初に外務大臣にお伺いいたします。 〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕 いまも問題になっておりましたように、きわめて海外の情報の把握が不十分だということについて私も痛感しております。二百億からの出資を政府が行ったイランの近況を通産大臣あるいは関係閣僚に聞きますと、イランの政情は安定しつつあるから、工事の再開はイラン石化については大丈夫だというふうなことを再三言っております。しかし、私の調べております情報では必ずしもそうでない。外務大臣はこの点についてどう認識しておるか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) イランは去る十一月にバザルガン内閣の総辞職による政権交代後、ホメイニ師を中心とする体制に基本的な変化は見られておりません。いろいろ情勢の動きはございますけれども、全体としては宗教的の色彩の強い内政の状態になっておるわけでございます。新憲法の投票が行われまして、二月には大統領選挙の投票も行われると言われております。 まあ情勢はかなり流動的であることは御指摘のとおりでございますけれども、ただ非常に国内が大きく混乱しておるという状態ではないように思います。このイランとアメリカの問題、これはまた一つ大きな国際的な紛争でございますけれども、国内情勢が現状においてひどく混乱しておるということではないようでございまして、わが方の進出企業、地方にあるものなども大体従来の操業を続けておるという報告も来ておるわけでございますが、この石油化学のプロジェクトにつきましては、これはいまの短期的な情勢と長期的な産油国との協力問題と二つの面があると思うわけでございますが、確かに短期的な情勢はかなり流動的なものがございますが、長期的には産油国に油を加工する工業を興すということは、これを通じて油で出していたものを製品で輸出するとか、世界の市場との結びつきもいろいろございますので、あのプロジェクトそのものが不要であるというふうには私どもも考えておりません。
○丸谷金保君 現況認識がどうかということだけを御質問申し上げたので、そのことにだけ答えていただければ結構なんです。 そういうことで閣議にも報告されるから大丈夫だ、年内に着工は可能だというような通産大臣の答弁が先日あったんだと思います。そのことについてはまた別途、この問題はこの問題として掘り下げて質問をいたしたいと思います。 次に、防衛庁長官、本日、医学部出身者のいわゆる医療職職員の公務員法違反というものが同僚の議員によってこの場で指摘をされるようでございます。その中身にいま入りません。しかし、何か防衛庁の歯切れの悪い新聞見解によりますと、給料が安いのでまあやむを得ないんだというようなことを言っております。防衛庁のお医者さんの学校を出た人たちに対しては、何年間か必ず勤めなければならないというふうなことにはなっていないんですか。
○説明員(野津聖君) 防衛庁の場合の義務年限というのは、一般の大学を出ました場合にはございませんで、四十八年に設置いたしました防衛医科大学校卒業生、これは来年の三月に第一期生が卒業するわけでございますけれども、その場合には一応九年間勤めなければいけないという形での義務がかかっているだけでございまして、一般の大学を出ましたいわゆる公募の医官につきましてはそういう義務はございませんわけでございます。
○丸谷金保君 防衛庁の学校を出た場合の義務、これはどうですか、憲法の基本的な人権というふうなものに抵触しませんか。
○説明員(野津聖君) 法律の記載としましては義務づけてはございませんで、努めなければいけないということでございまして、その間に御本人の意志で防衛庁、自衛隊を退官するということがございましても、それは本人の意思ということでございますので、憲法には抵触しないというふうに理解しております。
○丸谷金保君 そうですね。契約で、法律でもってそういうことを決めて縛ることはできないわけですね。そういうふうに確認してよろしゅうございますね。
○説明員(野津聖君) 一応法律には九年間自衛隊に勤務することに努力する規定になっておるわけでございますけれども、それは憲法に抵触する形でございませんで、本人の意思によりましてその間におきましても退官できるというふうな状況になっているわけでございます。
○丸谷金保君 労働法その他ではそうした拘束契約をはっきり法で否定しております。したがって、防衛庁といえども憲法なり他の法律等から言って契約の中で法的拘束力を持たせることはできい、あくまでそれは本人の意思に基づいて九年間はできるだけ勤務をしてほしいという希望的な条項でございますね。
○説明員(野津聖君) 一応法文上は九年間という形になっておりますけれども、それは決して本人を拘束するものでもございませんし、本人の意志によりましてその間退官してもかまわないということでございます。
○丸谷金保君 きょういただいたこの五十一年度決算によりますと、外務省の海外の開発技術協力その他についての予算の使用した説明がございます。 それで、これは外務大臣にお伺いいたしますが、外務大臣は海外技術者研修協会の講師をやっておられたことがございますね。
○国務大臣(大来佐武郎君) やっておったことがございます。
○丸谷金保君 それで、そのとき講師の連名で、研修協会に、日本に来る各国の研修生に対して、それぞれの国の日本進出関連企業が、いま防衛庁ではつけられないと言った、日本の国内では禁止されているペナルティーを含んだ拘束契約を行っておるという事実も御存じでございますね。
○国務大臣(大来佐武郎君) その点は余り正確に存じておりません。
○丸谷金保君 こういう文書があるんですが、「先進産業国である日本の一流企業の中で産業技術を身につけ、帰国後それを自国の発展に自由に役立たせることこそ日本としての経済協力の理念であるはずです。」と、「しかるに、日本の進出企業の利益を図るために、研修生をして日本の進出企業に一定年数拘束するがごとき、企業利益の立場からそのような計算はあるかもしれないけれども、この契約に違反した者から巨額の違約金を徴収することを進出企業が研修生に約束させるに至っては言うべき言葉もない」というふうなこと、こういう拘束契約は本来してはいけないんだという声明が出ておりまして、所見がある。主任講師の所見という中でおたくの名前で入っているんですが、知らないですか。大内一男さんだとか稲葉秀三さんだとかたくさんずらっと並んでおりますが、その中に、こういう所見として。こういう事実を知らないんですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私も年に一回ぐらい日本の経済事情について海外技術者研修協会で話をさせられたことがございます。いまお読み上げになったものについてのはっきりした記憶がございませんが、しかし漠然と記憶に残っておるように思います。
○丸谷金保君 これは文書ではっきり大臣の名前も出ているんです。海外経済協力基金総裁としてこの講師をやっておったと。そうすれば当然、その方が外務大臣になられたんだから、ここでこういう拘束契約をすること、しかもいまも質問したように、防衛庁ですら強制的なそういう契約はしていない、法律事項として希望的なものであって強制力はないという、日本の国内では禁止されている、こういうことが日本の進出企業で行われておるのはまことに遺憾だということに署名しておるわけです。いまどう思いますか、こういうことはやっぱりいけないと思いますでしょう。
○国務大臣(大来佐武郎君) いまお読みになった文章は多分三、四年前のものかと思います。私、協力基金におりました時期でございますので。まあお話で少しずつ記憶を取り戻しておりますが、私の考え方としては、そういうことは余り望ましくないという……。
○丸谷金保君 そこでいいです。考え方として望ましくないということで結構なんです。 現在、この種の関係で、イランから大体中近東の四割強の学生が来ております。最近はイランはこの拘束契約をしておらないようですが、以前はしておりました。そして、たくさん外国から来ておりますんで、こういう海外技術研修協力その他に多額の金を使ったのが死に金にならないように、海外協力の実が実際に上がるようにひとつ大臣としてこれから御努力をお願いしたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 御趣旨はよくわかりました。 ただ一つだけ、海外技術者研修協会は外務省所管でございませんで通産省所管でございますので、なおお聞き取り願いたいと思います。
○丸谷金保君 そのことは通産省所管ですけれど、外務省というのは全体的に海外の技術協力その他効果を上げるために努力をしなきゃならないところとしてお伺いしたんです。ですから、好ましくないという前の声明について記憶を呼び起こしていただいて、そういう御見解であればそれで結構でございます。 次に、北方領土と竹島の問題に入るわけですが、その前に大蔵省関係、関税の方おいでになっておりますんで、その点だけ一点先に質問しておきます。 関連ですけれど、関税法の中で、国後、択捉等については当分の間外国とみなすというみなし規定がございます。竹島はどうなんでございますか。
○説明員(岩崎隆君) 竹島に関しましてはそのような規定はございません。
○丸谷金保君 竹島についてもあるわけですね。ないんですか。
○説明員(岩崎隆君) ないんです。
○丸谷金保君 ないですか。それじゃどうぞ、大蔵関係よろしゅうございます。 実は先日、鳥取県の境港市の下西文雄議長さんから陳情を受けました。そして同議会の決議に基づく要望書をちょうだいして、それを読んでみましたところ、すでに五十三年の五月にも同様趣旨のものを出しているけれど、自後一年を経過するといえども、国並びに関係機関の、竹島における領土権の確立と海域の確保及び漁業の安全操業に関しては、積極的施策の実行進展を見ないのはまことに遺憾だと、このままにして推移すると、本市を基地とする漁業関係のみにとどまらず、本市と市民はまさに死活の関頭に立つと言っても過言でなく、逐年より深刻度を加えていく状況にあるので、昨年決議要望した件について早急に措置されるよう、こういうことでございます。これは漁業の最盛期の五月でございまして、当時大挙して陳情にも参っておるそうでございますが、その後依然として解決していない、だからそのときになってあわててこの問題を提起するよりも、いまからひとつ国会でも取り上げて何とか地域住民が安心できるような措置をとっていただきたい、こういうことなんです。 で、私はこの点についてその後調べてみました。国会の記録もずっととって読んでみましたが、ずいぶんたくさん論議されております。最初に韓国との基本関係条約の第二条には竹島は含まれないという政府答弁がございますし、あるいは昭和二十六年八月三十一日の外務省の正式見解、その後岸総理以下逐年の外務大臣等がそれぞれ、竹島は日本固有の領土だということを明言しておりますから、いまここでこの領土の問題については論及しないと思います。 ただその中で赤城防衛庁長官が昭和三十四年八月一日辻政信議員の質問に答えて、不法占拠という御指摘のとおりだとすればまさに韓国の侵略だと思うと、こういう言葉を国会答弁の中で使っております。その後、これらについては不法占拠だということを関係機関の方々が枚挙にいとまないくらい国会の中で答弁しております。 防衛庁長官、当時の防衛庁長官が表明したごとく侵略が行われておるというように現状の認識をしておるのかどうか。(「委員長」と呼ぶ者あり)長官、赤城長官が言ったことを聞いているんだからその答弁は長官以外だめです。――いいですか、自民党内閣がその後ずっと続いているんですよ、前の長官が言ったことを確認するのがなぜすぐ返事できないんですか。
○国務大臣(久保田円次君) 竹島はわが国の固有領土であることは間違いございません。現実にはわが国の施政のもとにないが、あくまでも平和的な手段によって解決を図らなければならないと思うわけでございます。
○丸谷金保君 そんなこと聞いてないんですよ、君、何を言っているんです。赤城防衛庁長官が国会で、そのような事実があれば韓国の侵略だと思うということを明白に言っているんですよ。そうして、そういうような不法占拠の事実があるとそれぞれ大臣が皆答弁しているのに、平和的解決がどうとかこうだとかいう問題はこれから質問することなんです。
○国務大臣(久保田円次君) 不法占拠であると思います。
○丸谷金保君 そうしますと、赤城防衛庁長官の答弁は否定はなさりませんね。できるわけないと思いますよ、同じ自民党内閣で、前の防衛長官の言ったことなんだから。―― 大臣、それじゃそのあともう一つつけ加えましょう。ただしこの解決については慎重な政治的判断のもとに行わなければならないと、こう赤城防衛庁長官の答弁は続いているんです。だからこれは二つ分けてくださいよ。私は前段をまず言っているんで、その後にこの政治的判断の慎重さが続いてくると、さっきのあなたの答弁でいいことになるんですよ。前段の方をまず認識してもらわないと困るんです。
○国務大臣(久保田円次君) 不法占拠という表現が一番よろしいと思います。
○丸谷金保君 だから、そういう不法占拠という事実があったら韓国の侵略だと思うと、こう言っているんですから、それは赤城が言ったことで、そんなことはうそだと、こう言われますか。どうなんです。
○国務大臣(久保田円次君) 不法占拠の表現がよろしいと思います。
○丸谷金保君 だから、不法占拠があったら、それは韓国の侵略だと思うと、こう、言っているんですから、どうなんです。
○国務大臣(久保田円次君) 不法占拠の表現がよろしいと思いますが、この点については外交的な問題もありまするので外務省からひとつお願いいたします。
○丸谷金保君 防衛庁長官が言ったことだから防衛庁長官に聞きただしているんです。じゃ、そのときになぜ外交的な配慮をして外務大臣が答弁してないんです。そのときにちゃんと防衛庁長官が答弁しているんですから、何で外務省に答弁させなきゃならない。
○国務大臣(久保田円次君) 私は不法占拠という表現が一番よろしいと思いまするので、今後におきましてもその言葉を使います。
○丸谷金保君 だから、あなたがどういう言葉を使おうかということを聞いているんじゃないんです。不法占拠ということは韓国の侵略があったと思うという赤城防衛庁長官の言葉をあなたは素直にそのまま認識しているかどうかということなんです。あなたにそう言えというんじゃないんですよ。―― じゃ、知っているかでもいいですわ。そうします。その方が答弁しやすいでしょう。そういう答弁があったことを知っているかと。
○国務大臣(久保田円次君) この問題につきましては条約局長の方から答弁さしていただきます。
○丸谷金保君 防衛庁長官が言ったことを防衛庁の長官は知っているかと聞いたのに何で条約局長が出てくるのや。防衛庁長官が言っているんですよ。だめだ、それは。防衛庁長官が言っていることを防衛庁長官に聞いて、ほかの者が答弁しますって、そんなばかなことがありますか。
○国務大臣(久保田円次君) いま赤城長官の言うたことを言うておるわけでございますから、私は、防衛庁長官といたしましては、いまの表現は不法占拠というその表現に尽きると思います。
○丸谷金保君 そうすると、自民党はこの認識について変わったというふうに理解してよろしいですか。はっきり言っているんですよ、国会で。そのことを知っているかという答弁もできないというのは一体どういうわけなんです。
○国務大臣(久保田円次君) 不法占拠だと言っておりますから、その認識におきましては同一のものと私は判断をいたします。
○丸谷金保君 私は何回か大臣がかわるたびに、先に、さきの大臣の言った言葉に責任を持ちますかと、同じ自民党内閣なんだから。きょうはそのことを先に聞きませんでした。もうたくさんの大臣が、それは政党内閣制で、自民党内閣であれば前の大臣の言ったことは私の言ったことと同じですと、こういう答弁を何度も聞いております、何人からも。 改めてそれじゃ防衛庁長官にお伺いします。防衛庁長官は自民党内閣になって以降の防衛庁長官の発言に対して責任をお持ちになりますか。
○国務大臣(久保田円次君) 事情の変更がなければ、そのとおりでございます。
○丸谷金保君 わかりました。 それで竹島の問題は、いろんな公的な答弁等を通じて、一昨日現地へ参りまして私自身も調査いたしましたが、当時の事情より変更はなくてさらに強化されているというように聞き及んでおりますが、この点について外務省は報告を受けておりますか。
○説明員(柳谷謙介君) 御承知のとおり、外務省は例年海上保安庁にお願いいたしまして竹島の巡視をしていただいているわけでございます。それによって竹島における施設の増設等の状況に変化があるかないかということを承知するつもりでいるわけでございますが、そして、それによる同庁からの報告を受けましてその都度韓国側に対して口上書によって正式に抗議をしているわけでございますが、本年につきましては去る十月の中旬に海上保安庁の方で巡視をされたわけでございます。とりあえず私どもが海上保安庁から伺ったところによりますと、竹島におきます各種施設の状況はほぼ昨年と同様であった、若干道路の整備等がなされている様子もあったというふうに聞いております。これについては正式な報告書を海上保安庁から受理した後に、近く韓国側に対しての口上書による抗議を行う予定にしております。
○丸谷金保君 昨日はまだ海上保安庁の報告がないというふうなことでしたが、それで海上保安庁もお呼びしておいたわけなんです。しかし、いまお聞きしたように外務省にはそういう報告がとりあえずなされたと。 それで防衛庁長官、事情の変更はないんです。おわかりになりましたね。昭和三十四年以降ますます強化されている、こういうことについては御認識いただけましたか。
○国務大臣(久保田円次君) 表現としては不法占拠という表現がよろしいと思います。
○丸谷金保君 いま外務省の方で状況の報告をしました、このことについて認識をしていられますかということを私は聞いておるんです、御了解いただけたでしょう、こういう状況だということを。何も不法占拠のことをいま聞いているんじゃないんですよ。よく聞いてください。
○国務大臣(久保田円次君) よろしいと思います、それで。
○丸谷金保君 そこで、今度は慎重な政治判断が必要になってきますね、その認識の上に立って。現地で聞きますと、いま外務省の方で言われたよりもっと生々しいんです。入っていくと鉄砲を撃たれた、機関銃もやられた、ただしどうも空砲らしい、こう言っております、音だけだと。とってもおっかなくて入っていけない、こう言っているんです。日本の固有の領土にですよ。このことについては地元ではこう言っております。何遍も陳情した。それから記録を読んでみましても本当に同じことを百万遍も言っているんです。検討する、積極的に交渉する――もう何回もそういう答弁をしていますからそこのところは抜きます。地元は、とにかく国の方では安全操業の確保がまず大事だ、そのためにできるだけ現地でトラブルを起こさないように自粛をしてくれ、三番目には補償の問題を考えてやろうと、地元の漁民にはそう言っているというんです。地元では、まず領土権の確立をしていただきたい、それから漁具の被害や資金の調達、そういうものについてひとつめんどうを見てもらいたい、特に漁業権はあるんですから。それから十二海里が設定される前の五十三年の四月三十日以前にとりあえず戻してもらうように交渉してくれと、こう言っているんです。 そこで外務大臣にお伺いしますが、前園田大臣は胸をたたいて、実は第十回定期日韓閣僚会議でこの問題については皆さんの期待にこたえるようにがんばりますと国会でも答弁しております。その後どうなっておりますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 第十一回の日韓定期会議、これは当初本月に予定されておりましたが、韓国の事情等もありまして将来に延期されております。その際の定期会談の議題等についてはまだ何も決まっておりませんけれども、この問題は当方としても先方に申し入れをいたしたいと考えます。
○丸谷金保君 これは事務当局に聞きますけれど、五十三年の五月二十六日の外務委員会で、同僚の土井委員に対して園田大臣は、「竹島の問題は、日韓条約を結ぶときに、これは両方が紛争地帯として認め、平和的な話し合いで解決するということになっているわけでありますから、平和的な話し合いをするのは当然のことでありまして、これを議題にするのはあたりまえのことであると考えております。」と。しかしそうは言っても、いままで何遍もやったけれどもなかなか議題にならぬじゃないかと言ったら、園田大臣はさらに、「私がいよいよ提案をして、議題とすることになれば、韓国側もこれに応ずるものと私は確信をいたしております。」と、こう言っているんですが、そのときどうなったんですか、第十回で。
○説明員(柳谷謙介君) この園田大臣の御発言の後、その年の九月に定期閣僚会議が開かれたわけでございますが、御存じのとおり定期閣僚会議はあらかじめ余り細かい議題を決めないで、全体会議を開くとともに随時出席の担当大臣間で個別会談を行うというスタイルで毎回進められておりますが、昨年の九月の日韓定期閣僚会議の席上では、その閣僚会議全体会議の冒頭に園田大臣の発言において竹島問題に触れられました上で、その後別途開かれました両国の外相の個別会談で具体的に取り上げられた経緯でございます。
○丸谷金保君 この会談のときには水産庁からも関係の方は出席しておりますか。
○説明員(今村宣夫君) 中川農林大臣が出席しておると承知いたしております。
○丸谷金保君 このときには一応竹島の安全操業で合意したというふうに日本の国内の新聞では発表されておりますが、その辺間違いございませんか。
○説明員(柳谷謙介君) これは当時、五十三年の九月四日と思いますけれども、明らかにされたとおりでございまして、この際竹島問題は日韓両国の長期にわたる善隣友好関係の確立という大局的見地から取り上げられて、両外相間双方とも誠意を持って話し合った。日韓両国の友好関係の維持、促進のための話し合いは、竹島問題に限らず他の問題についても続けて行う。竹島周辺の操業、すなわち安全操業問題については、両国漁業関係者の生活に直接かかわる問題であるので、漁業紛争防止の精神で対処することを確認し合った。これが当時の会談の内容でございます。
○丸谷金保君 しかし、その後直ちに韓国が竹島の安全操業というふうなことで合意したことはないという韓国側の発表があったということで、地域の人たちは前の日喜んで次の日かくんときているんです。韓国統一日報等においても、そういうことは大体議題にすること自体がけしからぬと韓国側の新聞は報道しております。このことについて直接関係のある水産庁としてはどのようにお考えになっておりますか。
○説明員(今村宣夫君) 私たちといたしましては、竹島の操業安全につきまして非常に心配をいたしておるわけでございますが、現在その操業状態が安定しておるとは申せませんので、私たちとしましては一日も早い操業の安全の確保が図られるよう希望をいたしておりますし、また水産庁としましてもいろいろの機会をとらえまして努力をいたしているところでございます。
○丸谷金保君 いまのような答弁ですね、ここの委員会の席上で、私が調べただけでも非常にたくさんあるんです。何といいますか、枚挙にいとまがないというくらい実は大臣答弁がある。まず、現地に対しては、慎重な操業をしていただくように御要望する、それから、政府としてまずとるべきことは、先方と外交ルートを通じて解決する努力はあくまでも続けるので漁民の諸君は不測の事態の起こらないようにというふうなこと。あるいはまた、決して漁民諸君に御心配をかけたり御迷惑をかけたりすることのないようにひとつやってまいりたいと思いますが、直ちにいま措置するのかどうかというお尋ねに対しましては、私が答弁いたしますようなことで御容赦願います。――これは今井政府委員――農林省の政務次官です――というふうなことを、これは至るところで同じような答弁が何年も続いているんです。結局最後は外交ルートで交渉する――一体それで外務省は水産庁のそういうあれを受けて外交ルートで最近どんな交渉をしておりますか。五十回くらい抗議したというのは聞いてますけれど、その後です。
○説明員(柳谷謙介君) 御指摘のように、外交ルートで努力するという点は、必ずしも巡視の結果を抗議の口上書によって先方に送達するだけではございません。先ほどの閣僚会議もそうでございますけれども、いろいろな機会に、韓国の外務部長官が日本を通過したときの外相会談とか、あるいはその他、韓国の要路が日本に来たり、こちらから向こうへ行ったときの会談その他においては、これは恐らくこの問題を取り出さないことはまずない、必ずこの問題についての日本政府の姿勢あるいは漁民の立場というものを説明するという努力は怠らずにやっているという状況でございます。
○丸谷金保君 水産庁長官にお伺いしますが、どうも、この問題を調べてまいりますと、水産庁は大変苦労しているけれど、水産庁段階ではどうにもならないことでないか。しかし漁民は水産庁をまず頼りにしてきます。で、歯切れのいい答弁がなくて、まあまあというふうなことで非常に不満を持っている。どうなんですか、水産庁長官は、この問題は水産庁に任しておけというふうに胸を張れますか。
○説明員(今村宣夫君) 本件の問題につきましては、外務省を中心にしていろいろ御努力をいただいておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、漁業の安全操業は確保されておるという状態ではございません。私たちとしましては、漁民の方々にできるだけ慎重な操業をお願いをすると同時に、いろいろな被害が起きました場合におきましては、その被害につきまして低利融資その他によって措置をいたしてきておるわけでございますが、先般の閣僚会議の席上におきましても、中川農林大臣から韓国側の張長官に対して安全操業の問題を提起いたしましたけれども、韓国としては、これはとても農林部の問題ではないという話でございまして、われわれの立場におきましてはなかなかはかのいく問題ではないというふうに考えております。
○丸谷金保君 同様に、韓国とのトラブルは北海道でもあるんです。これも水産庁に日参しております、北海道の漁民が。渡辺農林大臣のときに、おれに任しておけと――私もその席に立ち会いました。ちっともよくならないんです。現況もそうですね。そのことについての御認識はございますね、水産庁は。
○説明員(今村宣夫君) 韓国の漁船が北海道沖に操業をいたしまして、北海道の漁業者の方々と非常なトラブルを起こしておるわけでございますが、私たちといたしましては、北海道漁民が操業をしておると同じ状況のもとに操業をしていただかないと困るということは強く申し入れをしておるところでございます。最近になりまして、韓国は、太平洋沿岸におきまして沖合い三海里を――十二海里プラス三海里でございますが、そこまで沖に引く、それから日本海とオホーツク海側は五海里の沖に引く、それから同時に襟裳岬以西におきましては、十二月、一月はオッタートロール内では操業しないということを申しよこしたわけでございます。これは韓国側の努力としてはまあ努力をいたしたんでございましょうが、われわれとしてはとうていそれで解決すべき問題ではない。したがいまして、私たちとしましては、北海道の漁業者の方々が操業しておるようにオッタートロールの外で操業してもらう、それから同時に大和堆その他の禁止区域を守ってもらうということについて、今後さらに鋭意折衝をいたしたいと思っておるところでございます。
○丸谷金保君 外務大臣、実はいまの韓国と日本漁業とのトラブル、これは南北戦争と言われるように、北と南でまた大変違いますし、また竹島というふうな非常にむずかしい問題も中に介在しております。しかし、結局はこれは外交ルートを通じて外務省が本来もっとしっかり取り上げてもらわなきゃ困る問題なんです。漁民は農林省へ押しかけます、水産庁へ。しかし、なかなか水産庁だけでやれる問題でないんで、この種問題のトラブルについてこれも外務大臣が積極的に取り組むという姿勢を示していただかないと漁民は救われないんで、第十一回定期閣僚会議、こういう重要な問題についての外務大臣としての決意をひとつこの場で表明していただきたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 日韓間の紛争がございますことは承知しております、竹島問題、漁業問題。まあ私どもとしては日韓間の問題を平和的手段によって解決するという基本的方針を堅持しておるわけでございまして、御指摘のように、粘り強く繰り返し繰り返しわが方の主張をいたすという考え方でおりますので、第十一回の閣僚会議も、もし確定いたしましたらそのような方針でやってまいりたいと思います。
○丸谷金保君 これはただ繰り返し繰り返し五十何回も抗議しているんですから、このことではやはりわが方はわが方のカードを持って交渉しないとだめなんです。いま韓国に対する莫大な経済援助をやっております。こういうカードがあるんですから。そうでなければ口頭禅になってしまうんです。この点についてひとつ大臣の決意をお伺いしたい、閣内の各省大臣との交渉をしながら。
○国務大臣(大来佐武郎君) この問題につきましては、日本と韓国の間の全般的な関係の中で考えたいと思っております。
○丸谷金保君 結局、全般的な関係の中で解決しなければ、切り離してはできないんです。ところが、いつもこの問題だけ切り離して、何か水産行政の中で問題を解決できるような錯覚を起こさせているところに私は問題があると思います。やはり外務大臣が先頭に立ってやってくれないと困るんです。でないと、たとえば地方の新聞でございますけれど、竹島問題の陳情に東京へ行くと、非常に韓国への刺激を恐れて政府が煮え切らない。竹島陳情に肩透かしというふうなさみしい思いをして地元の連中は帰っております。どうして韓国への刺激を恐れるのか、非常に私どもはここら辺が不可解なんです。本年の五月、参議院の本会議場において私は大平総理に、非常に韓国に対していろんな点で遠慮している、具体的にいろいろ挙げました、金大中問題その他。ソウル地下鉄汚職に絡むような――これは本会議で言ったことを繰り返すんです。ソウル地下鉄汚職に絡むような黒い金がアメリカを通じて日本に逆流しているとのそういう報道さえも行われている。そういうことがあるから韓国に対しては刺激を恐れるということになるんでないのかなという疑点さえも起こさせる、これもその一つなんです、この問題はそのときは挙げませんでしたが。ここのところは政界出身でないフレッシュな外務大臣、あなたはそういう点では非常に人格高潔な人だと思いますので、勇気を持ってあなたの時代にやってもらわないと、これはなかなか、園田さんがあれだけ大みえを切っても――たくさん切っているんですよ、園田外務大臣は、国会答弁の中でも。やっぱりできなかったんです、刺激を恐れて。どうして刺激を恐れるんでしょう。ひとつもう少し歯切れのいい外務大臣の御答弁を期待いたします。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま丸谷先生のお話は十分承りました。外交政策の問題はやはり前内閣、前々内閣、継続性の問題もございますし、過去の経緯を踏まえて扱っていかなければならない点もございますので、必ずしも歯切れがいいということになるかどうかは個々のケースで問題ございますけれども、御趣旨はよくわかりましたのでできるだけの努力をいたしたいと思います。
○丸谷金保君 防衛庁長官にお尋ねいたしますが、実は前防衛庁長官、北方領土の問題のときにはきわめて対応早く進軍ラッパを鳴らしたんです、沖繩北方領土特別委員会等で。どうして固有の領土である竹島の問題についての対応、防衛庁のいろんなあれを読んでみますと、当然情報もとり対応もしておらなければならないと思いますけれど、ラッパが鳴らないんでしょうかしら。
○説明員(岡崎久彦君) 北方領土に関します防衛庁の扱い方を竹島の問題と比較しての御質問かと存じますが、いずれも不法によって占拠をされていることはきわめて遺憾であると存じている点は同様でございますけれども、これはわが国の実効支配下にない領土でございまして、その解決策はもっぱら外交的平和的手段によるということでございまして、防衛庁として最も関心を持っておりますのは、これはもっぱら防衛上の見地でございまして、近年極東ソ連軍の増強が著しい。これは従来北方におきましては沿海州、樺太にソ連軍があったんでございますけれども、その上に北海道の東部におきますわが国固有の領土である択捉、国後地域にもソ連軍が増強された。これはわが国の防衛の観点から重大な関心を持っておりまして注視しているところでございます。
○丸谷金保君 これは外務大臣所管ということにはいまならないと思いますが、ひとつ閣議で交渉する立場で積極的に進めていただきたいと思いますのは、実は北方四島、これの帰属、サンフランシスコ条約その他の問題については私なりに特別委員会でも意見を出しておりますし、問題もあると思いますが、北方問題のキャンペーンについては政府のお金が相当つぎ込まれて進められております。しかし、この間現地へ行きますと、「かえれ竹島」というような看板が二つあるんです、島根県で二ヵ所。ですから、やはり外務省が交渉をもっとしやすくするためには、しかも予算を調べてみますと、島根県あるいは鳥取県ではそれぞれ県費で、たとえば島根県の場合はここ三年で七百五十万近い金をこのキャンペーンに使っておりますが国からは何にも金が入っておりません。こういう点はひとつ、本来は外務大臣の所管あるいは防衛庁長官の所管でないと思いますが、両大臣、このことを記憶しておいていただきたいと思います。これじゃいけないんじゃないか、やはりこれも、国の方としてもこういうことだから黒いうわさがマスコミに流れたのがどうも本当でないのかなという気になってしまうんです。私はそんなことないと思いますけれど。そういう点をひとつ明らかにしていくということについて外務大臣並びに防衛庁長官に特にこの機会にお願いをいたし、お二人の見解をお聞きして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの御質問の前段の問題につきましては、総理府の所管になっておりますけれども、これは内閣全体の問題でもございますからよく相談をしたいと存じます。 御趣旨の点につきましては、先ほど申しましたように十分考慮いたしまして今後の方針を検討してまいりたいと思います。
○国務大臣(久保田円次君) ただいま外務大臣が申されましたとおり、十分御趣旨によりまして注視いたしたいと思うわけでございます。
○丸谷金保君 時間が参りましたので以上で質問を終わりますが、お呼びして御質問がいかなかった人たちも大分おいでになると思います。大変申しわけないと思いますが、御苦労さんでございました。どうもありがとうございました。
○理事(穐山篤君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時七分休憩 ―――――・――――― 午後一時四分開会 〔理事穐山篤君委員長席に着く〕
○理事(穐山篤君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、外務省、防衛庁関係の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○黒柳明君 防衛庁長官、大平内閣は行政改革それから綱紀の粛正、二本柱でがんばってこられているみたいですが、どうも行政改革の方はぱっとしない、こういう評価が高くなっております。せめて綱紀の粛正ということなんですが、これも粛正どころか、ますますいろんな痴態が出てくる。しかしながら、まあKDDがあるいは環境庁があったとしても、防衛庁だけはもうそういう綱紀の乱れがあっちゃいけない、こう私思います。しかも内局ならともかく、制服の人に国民からいまのこの綱紀の乱れ、それに準ずるようなものに批判が、疑いの目が向けられたら、これはもう日本の防衛、あるいは〇・八%、〇・九%だという予算の分捕り合いどころじゃなくなってしまうわけでありまして、私はどこの省庁よりも、どこのポストの人よりも、防衛庁、なかんずく制服の自衛官は綱紀問題についてはもう厳しくなきゃならない、こういうふうに思うわけであります。 まあ、あたりまえのようなことから冒頭御質問するのですが、ひとつ長官の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(久保田円次君) 黒柳先生の御指摘はごもっともでございます。その点につきまして長官といたしましては、隊員の綱紀については平素自衛隊の使命をよく自覚させ、厳粛な規律を保持するよう指導しておるところでございます。
○黒柳明君 それで、私きょうは、自衛隊の中で、充足率も若干問題の分野があります。しかし特に従来充足率で問題になっておりました医官の問題、この点を指摘したい、こう思うのです。 衛生局長の方から御答弁願いたいんですが、昭和五十年、五十一、五十二、五十三、ここらあたりを通じまして、いわゆる庁の方として、医官の通修制度ですか、こういうものがあると聞いておりますが、この制度にのっとって各方面、あるいは中央病院とか東部方面とか、そういう方面別でいいですから、民間病院ないしは大学病院等にいわゆる通修している医官の方の数、全体の数だけで結構でございます、お教えいただけますか。中央病院が幾らとかですね。
○説明員(野津聖君) いわゆる中央病院とそれから海上自衛隊、航空自衛隊、陸上自衛隊というふうな分類でございますので、その数について御報告いたします。 中央病院におきましては、昭和五十年度に五十四名、それから海上自衛隊におきましては二十一名、航空自衛隊におきましては十六名、陸上自衛隊におきましては四十名、合計いたしまして百三十一名。その内訳は、大学等に参っておりますのが九十七名、公的な病院に行っておりますのが十三名、医療法人等の病院に行っておりますのが十六名、そのほかが五名でございます。 五十一年度におきましては、中央病院の医師五十三名、陸上自衛隊の医師七十四名、海上自衛隊の医師十七名、航空自衛隊の医師十六名、合計百六十名でございます。その内訳は、大学等に参っておりますのが百二十三名、それから公的病院が一名、医療法人関係が十九名、その他が十七名となっております。 五十二年度におきましては、中央病院の医師四十三名、陸上自衛隊の医師五十五名、海上自衛隊の医師十八名、航空自衛隊の医師十四名、合計いたしまして百三十名が出ておりまして、その内訳は大学等につきましては九十七名、公的病院につきまして二十五名、法人病院につきまして四名、その他に四名ということになっております。 それから、五十三年の十二月末現在でございますが、中央病院の医師が三十二名、陸上自衛隊の医師が五十一名、海上自衛隊の医師十名、航空自衛隊の医師十八名、合計百十一名が出ておりまして、そのうち大学等に参っておりますのが九十八名、公的病院が十二名、法人病院が一名、その他がゼロという形で取りまとめた報告を持っておるわけでございます。
○黒柳明君 このいわゆる通修制度というのですけれども、これの法的根拠というのはどこにあるんでしょうか。
○説明員(野津聖君) 通修につきましての法的根拠としましてはございませんが、従来から自衛隊におきます医官が非常に不足している。現状におきましても九百五十一名の定員に対しまして二百二名、二一・一%というふうな非常な低充足の状況がございまして、これを充足しなければいけないということで、そうしませんと隊員の健康という問題に直接関与してまいるわけでございますので、そのためにできるだけ医師を確保するというための一つの便法と申しますか、一つの方法としまして、昭和四十五年以来この制度を取り入れて医師を確保するということに努めてきているところでございます。
○黒柳明君 私が言うまでもありません、ここは立法府です、法律に基づいて行政のいろんな処置ないし行動がとられるわけであります。冒頭に申しましたように、自衛隊はその中にありまして、長官、当然自衛隊法、設置法等によって厳重に、少なくとも国民の疑惑を招かないように厳しい行動をとらされている、とらされる面もある、こういうことであります。しかし、医官、歯科医官のこの通修制度というのは全く法的根拠がない。あるのはただ充足に対してこういう便法を講じなければ集まらないんだと、この面について、私決してわからないわけではないんですよ。わからないわけではないんですけれども、あくまでもやっぱり、法治国家ですから、その法治国家の中にあっての立法府の議員の端くれで、責任があります。さらに、自衛隊というのは、その法にのっとって厳しい言動というものを行わなければならない当事者ですから、それが確かに心情的にはわかるというものの、全く法的根拠がない、そして充足対策上こういう便法を講じてきた、こういうことなんですね、長官。長官は就任されて日も浅い。またその前から御関心あったからこういう状況はあるいは御存じだったか、あるいはいま初めてこういう状況を御存じになったのか、この点わかりませんけれども、まず法的根拠がない、医官が集まらないから便宜上やったものだと、これが衛生局長の一つの答弁ですね。 それで衛生局長、それじゃその次にこの実態についてお伺いするのです。この実態は、通修というのはいま数字をおっしゃいましたね。どういうことでこの取りまとめはなされたんでしょうか。いわゆるどういう方法というと、医官の方が町医者なり法人なり大学病院に行っている、そういうところへ行った者は申し出ろと、こう言うのか、あるいは申し出の義務があるのか、あるいは中央から、すべきであるという通達でも行っているのか、その点どうでしょうか。取りまとめ方ですね。
○説明員(野津聖君) 先生御案内のとおり、いまの医官の充足対策として実施しているわけでございますが、昨年の七月に次官から各幕僚長あてに通知を出しまして、通修をしたいという希望がありました場合には、それをそれぞれの任命権者の許可という形でこれを認めるということにいたしておるわけでございます。当然業務に支障のないという前提はついておりますけれども、そういう形で通修希望者からの申し出を受けているということでございます。
○黒柳明君 わかりました。 いわゆる希望者から申し出を待って取りまとめていると、こういうふうに理解していいですか。
○説明員(野津聖君) 申し出がございましたものにつきまして任命権者が認めるという形になっております。
○黒柳明君 そうすると、逆に言いますと、監督者の責任のもとにおいてこういう実態というものを調べ、あるいはいい言葉かどうかわかりませんけれども、究明したということはないんですか。
○説明員(野津聖君) ただいま申し上げましたような手続で、申し出に基づいての取りまとめをしているわけでございますものですから、その報告の数字につきまして先ほど申し上げたわけでございまして、究明という形での中身としては詰めていないというのが実態でございます。
○黒柳明君 わかりました。 そうしますと、いわゆる医官としての報酬体系がありまして、これは当然一般の制服の方よりランクが若干ですけれども――開業医やなんかよりは、これはもうずっと微々たるものです、当然自衛隊の医官として使命感も、義務感にも燃えてやはり任務を果たしているのだと思いますよ、それは私の心情的な問題です。それはもうここじゃさておかなければならない。そういう医官としての報酬、これは一般自衛官より多いわけですね、五万か六万くらいたしか多いと思います。その年齢あるいは階級において、多い。佐官の人ですと四十万前後だと思いますけれども、それをもらいながら、またその通修制度という中において、幾ら充足対策とはいえ、また出先で、いわゆる簡単に言うとアルバイトですな、報酬をもらっていた、こういうことがあったらこれは大変なことだと思うんです。いかに充足対策の上といえ、通修というのは便宜上の、幾ら便法といったってアルバイトの便法じゃなくして、やっぱり研究等の対象だと思うんです、技術向上等の対象だと思うんですよ。ところがいま聞きますと法的根拠はない、申し出によってどこへ行くか許可する、あるいは監督者のいわゆる調査とか究明はやらない、やると充足対策上うまくない。まして報酬をもらっているかどうか調べたことは私はないんじゃないかと思うんですが、医官が研究所、大学病院なり、法人病院、医療機関に行って報酬をもらっているかどうかということを積極的に、衛生局長が一番の取り締まりの中心者、最高責任者ですが、お調べになったというようなことがあるんでしょうか。
○説明員(野津聖君) 先ほど申し上げましたように、この通修についての制度を昨年の七月に手続につきましてはより整備したわけでございまして、一応この文書の中にもございますんですが、「通修の目的にかんがみ、通修先から報酬を受けてはならないことは当然」であるという形をとっているわけでございまして、実際問題としまして私どもは報酬はもらうべきでないというたてまえでまいっておるわけでございまして、具体的に私が直接どこどこへ行って幾らもらっているということにつきましては、こういうたてまえ論でございますので、調べるという形はとっていないはずだと思います。
○黒柳明君 もうちょっと突っ込んで言わしていただきますと、もし実際に報酬をもらっているかどうか、それを調べますと、充足率に、充足対策に――冒頭、充足対策上だ、便法だとおっしゃった、それに支障を来してくる、こういう結果になるような場合もあると、こういう配慮があるんじゃないでしょうか。
○説明員(野津聖君) ただいま申し上げましたように、通修先から報酬を受けてはならないのは当然であるというたてまえで私どもいっておるわけでございまして、これに基づきまして各幕僚長からそれぞれの機関に対しての通知も出ているわけでございますので、一応私どもの方としましてはこういう形での文書を出していることによりまして報酬は得ていないという前提でいるということでございます。 ただ、いま大変厳しい御指摘もあったわけでございますけれども、私はこういうたてまえ論からいけば、報酬はもらっていないという前提で考えておるわけでございますが、報酬をもしもらっているような場合がございましたら、これはいけないという形になるわけでございますし、また、報酬をもらいますならば、きちんとした兼業、兼職の手続をとるべきであるというふうなことにもなってまいるわけでございまして、ただ、いま厳しい御指摘があるわけでございますけれども、私の立場からしましては、やはり原則論的に通修先から報酬を受けてはならないというふうには思ってもらっているというふうに理解をしているところでございます。
○黒柳明君 そういうことしか言えないんじゃないかと思うんですけれども、いま申しましたように、法的に根拠がない、しかも充足対策上こちらから積極的に調べるわけにいかない――そういうお言葉の裏には、現に調べたら結局みんなやめちゃう、充足対策が全くどうしようもない、こういうことも言下に含まれていると、私はこう判断せざるを得ないんです。 そこで、具体的に病院名を挙げまして御答弁いただきたいんですけれども、中央病院が世田谷の三宿にありますね、その三宿の中央病院の隣、すぐそばに三宿の今度は国家公務員の共済病院がある。この中央病院、院長とは言いません、中央病院の副院長さん以下、相当多くの方がこの同じ三宿の――すぐそばなんですけれども、非常に便利がいいわけであって、自衛隊だって一般市民だって健康を保持することはこれはもう医者の役目なんですわ。こんなことは云々する必要はないんです。しかし、これはやっぱり法的には非常にうまくないと思いますんで、ひとついまの御答弁を踏まえた前提でお伺いしたいんです。 中央病院、自衛隊の中央病院ですよ、それから同じくその国家公務員の三宿にある共済病院、これは副院長以下何名ぐらいの方がこの共済病院のお医者さんとしていわゆる通修に出ていられますか。
○説明員(野津聖君) 中央病院とそれから三宿の国家公務員共済組合の病院が設置されましたときに両者の協定がございまして、その協定によりまして中央病院の医師を三宿病院に派遣しているという形をとっているわけでございますが、現在の派遣医官の数は二十七名でございます。それから、副院長は派遣医官の中に入っておりません。そういう状況でございます。 それから、先ほど私法的根拠と申し上げたんですけれども、一応防衛庁設置法の五条の二十一号に「教育訓練」という項目があるわけでございますが、それに基づいているということでは言えるわけでございますけれども、先生御存じのとおり、少なくともこれがきちんとした教育訓練という形でありますならば、さらに計画なり何なりに基づいてきちんと実施しなければいけないというところがあるわけでございますので、その辺の実態から言いますとちょっと根拠的には非常に不備なところがあるんではないかというふうに考えております。
○黒柳明君 後ろから紙が入ってきて教育訓練と、そんなことをやらない方がいいのよ。局長の方がよく知っているんだから、実態というものを。いま後ろから紙が入ってきて、そんな余分なの読んじゃったから、それはまた今度は大きい声を出す一つの原因になるんですよ。そんなことは話し合いの中に入ってなかったじゃないですか。全面的に悪うございます、ただしこの点だけは情状酌量と言うから――私、何も自衛隊を疎外しようと思う気はありません。まして特殊事情――長官、ここが大切なんですよ、人間の体ですから。自衛隊だって体でしょう。ある場合にはお国の先頭に立って働いてもらう、要するに一番大切な人であるかわからない。その健康を守る人なんですから、私はやぶから棒に、ただこれはだめなんだと言っているんじゃないですよ。まあ最後まで聞いていただければ、私のどれだけ荻生但徠的な苦しい心情かということはわかるんです。ですけれども、私はそんなものは初めから言うことできません。やっぱり法治国家です、自衛隊が一番厳しくならなきやならないんです。そういうことですから、ひとつ――長官、まだそこまで読むの早いから、時間があるんです、それは。五分前になったら読めばいいんですから、大丈夫だから上を向いてちょっと聞いていてくださいよ、これは笑い事じゃないんだから。それは五分前に読めと書いてあるんでしょう、ちゃんと。済みません、失礼なことを申しまして申しわけありません。 そんな法的根拠なんてとんでもない話であって、法的根拠なんかないです、そんなものは。教育訓練だったら、勝手に行きなさい、そんなことはありはしません。そんな余分なものを入れさすな、それも言っておきなさい。おれのときには余分なものを入れると黒柳が怒るからと言っておきなさい。だめですよ、そんなものは。法的根拠なんかないんですから、そんなでたらめなことは。 そこで、先ほどから何回も申しますように、報酬はもらうなと言ってある――たてまえですよ、結構。ぜひそうあってほしいですよ。ところが長官、お医者さんだってお忙しいんです。これは人道――医は仁術ですから、一生懸命自分の健康、財産もほっぽって健康管理をと思っているとは思いますよ。だけれども家族を抱えて経済的にもやっぱりある程度考えなきゃならない立場、たとえば自衛隊の中央病院で一生懸命働くんです。それでもお医者さんは足りないんです。充足率が足りないんです。近くの公務員の共済病院に行って二十七名の方がまた一生懸命病人のめんどうを見ているんです。報酬をもらってなきゃいいですよ、もらっているんです、これが。最低三万から六万。私個人的には言いません。 具体的に言いましょう。たとえば小平駐とん地のAと言いましょう、頭文字をとりましょうか、N三佐。それから中央病院、以下中央病院。この次はA、Bでいいです。A一佐、同じく中央病院のB一等海佐、同じく中央病院のC三等海佐、同じく中央病院のD一等陸佐、これは調べてみればすぐわかります、衛生局長、こういう人たちが、相手の病院は言いません、大学病院も含めてと、こう言いましょう。あと全部民間病院です。こういう実態というものを先ほど申したように、監督責任があるにもかかわらず調べない。申し出によってまとめている、おっしゃったとおり。だから出てきません。たとえば言うならば、ことし五十四年ですよ、民間法人の研修何名ですか。国立除いて、一名でしょう、さっきおっしゃったの、一名でしょう。
○説明員(野津聖君) 私どもの方に報告が来ておりますのは一名になっております。
○黒柳明君 ちょっと来てくださいよ。済みませんな、これを見てください。(資料を示す)これだけだって四名あるんです。一つだけですよ、国立は、いいですか、そういうことなんです。大臣、また後で教えてもらってください、お忙しいでしょうから。いいですね、衛生局長。ですから申し出、これは正面であってほしいですよ。自衛隊の方、まして医官の方は使命感もあると思いますよ。ですから申し出ろ、報酬をもらっちゃいけない、それにのっとってやってもらいたいですよ。ところが、やっぱり開業医の人は、大学や学校を出た同僚はどんどんビルも建て、それこそ日曜だってゴルフバッグを担いで、あるいは海外に遊びに行く。これは幾ら使命感があるといったって、お国のためといって自民党のためといったって、貧に甘んずるというわけにいかないですよ、医官だって。そうでしょう。だから申し出の中じゃたった一人じゃないですか。だからいかに申し出によって現状把握が不備であるか。まだいっぱいあるんですよ。ひょっとやっただけだって民間に四人も五人も行っています。金取っています。取るのはあたりまえじゃないですか。幾ら使命感があるといったって、充足率が足りない、てんやわんやで自衛隊の人をめんどう見て、それで木曜日なり火曜日なり水曜日なりその病院に行って、それでまた一生懸命めんどうを見て、ただですよと、それほど自衛隊の医官だって人はよくないと私は思います。それほど皆さん方が甘く見ているとすれば、これは大変なことだと思いますよ。そういう不備があるんです、二十七名の。長官、もっとこれを言いますと、実態はひどいんです、この共済病院と中央病院の関係というものは。近くにあるのが幸か不幸か、これは患者の方には非常に便利ですね。共済病院の方に行きます、自衛隊の先生がめんどう見ます、中央病院の方に行ってめんどう見る、何とか医者を紹介しますから、これは自衛隊の中央病院に行くんですから、これは自衛隊の先生が紹介してくれる。そのツケをどこで出すと思いますか。それを今度は共済病院の方で払うんです。そういうのが実態です。ひどいものですよ、これは。 ここまでちょっとやる時間がないので、きょうはこの具体的なでたらめな――患者の方は至極便利ですな。だけれども、いわゆる中央において、法的根拠がない、充足率が伴わないから便法上やっているんだ、たてまえ上は無収だと思うんだ、申し出制度でまとめているんだ――綱紀の面において法的には一番厳しかるべき自衛隊が一番でたらめという、一番という言葉が正しいかどうかわかりませんよ、こういうでたらめだ。あんまりひどいから、私がここでやりますと長官は潔癖な人ですから、おれは辞任せざるを得ないなんて言うとこれから大変です。〇・八と〇・九で、これは後、きょうあしたあたり大変なお仕事を抱えていますから、これはこの次に置きます。 そういうでたらめな実態があるわけであります。これは調べてください。一目瞭然、わかります。こういう実態の中において、あくまでもたてまえはこうなっているんです、申し出でとりまとめているんですということは、もう一歩言いますと、これをやらないとお医者さんが集まってこないんです、給料が安くて。だから、防大の医科生が五年たてば出るでしょう、十年たてば一人前になるでしょう、その間ひとつ目をつぶってくださいと。目をつぶってやりたいんです。ですけれども、こういう状態でありますと、この綱紀粛正という一連の大平内閣の政治姿勢の中で、余りにも自衛隊の監督ということが、もう全く国民に対して顔向けできないような実態、これは放置できない。これは別です、私の心情的な面と実態についてのある程度の認識の面と。こういう大平内閣の掲げた綱紀粛正の中にあって、しかも逆に言うと、人命を守る医官が、まあそれについてはでたらめをやってないと思いますけれども、しかし、こういう乱れ方だと、どうも診療の仕方だって何か誤解をされるような可能性も出てきたら大変なことになります。せめてそういう疑惑が出る前に、こういうでたらめな状態というものについてぜひとも知っていただきまして、こういうものをどう是正していくのか、これについても相当頭をしぼらないとならないんじゃなかろうか、こう思うんですが、長官、ひとつこの辺で――その紙を読んだってだめです、まだそれは最後の方だから。出ていますか、そこら辺の答弁。ひとつ答弁いただけますか。いま実態は相当おわかりいただきましたですね。その御感想です。
○国務大臣(久保田円次君) 大変な御指摘を受けたわけでございますが、十分調査をいたしまして処置いたしたいと思うわけでございます。
○黒柳明君 調査、はい、ここにありますから見てください。これは局長から出てきたものです。見せてやりなさいよ。局長からもらったものですから。調査しなくたって調査は終わっているんです。だから調査してからなんて――まあいいですよ、局長、時間がないから。長官、調査は終わって、具体的に指摘しているわけであります。それについて、調査してから実態をというのはちょっとおかしな答弁。局長だってそれについてもう認めているわけでしょう、充足上の便法だと。これについてどういう感想を、こういうことですよ。
○国務大臣(久保田円次君) 私がいま申し上げたのは、報酬をもらっているか否かを十分調査をして――言葉が足りなかったわけでございますが御理解を願いたいと思います。
○黒柳明君 だけど、いまの私の話の中で、また局長の答弁の中で、そういう矛盾というものは十二分に理解していただきましたか。現在の、どうしてもそうせざるを得ない充足率に対しての便法だということについての実態を私いま申しましたね、それは理解していただきましたね。認識していただけましたね。それをはっきりしないとうまくないですよ。
○国務大臣(久保田円次君) 実態につきましてはよく認識をいたしました。
○黒柳明君 わかりました。調査してください。それについて私の調査は決して誤りじゃありません。誤りだったら私こんなこと言いません。しかもこの資料は衛生局長からもらった資料です、長官。これは私が全部調べてやっている資料じゃないんです。ここに克明に出ているんです。全部私が一人一人、東京市谷駐とん地の一佐の何とか大学医学部の、場所が品川区旗の台の、それで五十一年八月から五十三年七月の、それからどこに勤務してなんて、こんなことを言っても一人一人のお名前を挙げたってしょうがないです、これは全体の仕組みの中ですから。だから言わないだけのものであります。この調査の実態というのは、私がみずから調査した部分よりも、防衛庁でまとめていただいた調査を先行してやっているわけですから、ひとつこのことについては十二分に調査してください。 ただ、長官、いまのその報酬の調査は結構です。私は時間がありませんので結論を急ぎますけれども、どうですか、いまくしくも充足率、その便法だと、こう局長がおっしゃいましたね、これはこのまま放置できないわけです。何とかこれを――局長、先に答弁してもらっても結構ですよ。いいですね。何とかこれを変えなければならない。そのためには、要するに経済問題ですよ。経済問題。確かに国立大学の先生もアルバイトをやってはいけないでしょう。同じでしょう、自衛隊の医官も。やっぱり同じ立場ですけれども、これは違うと思いますよ。国立大学の先生と自衛隊の医官と両方とも全部アルバイトをやってはいけないのだと、それは当然そうなんです。ですけれども、もう一歩、やっぱり自衛隊の医官というのは、充足率の問題も含めて、使命感や義務感や何かは違う面があると思います。そういう面というものはもうそろそろ考慮してやらなきやならないんじゃないでしょうか。いつまでたっても充足率だ充足率だ、だからこうやらざるを得ないんだ、そして、そういうことについて、アルバイトしなければならない状態に置かせてですよ、むしろ防衛庁が、自民党が、失礼ですけれども悪いのですよ、与党が悪いのですよ、こういうことをいつまでもほっておくから。それで野党に指摘される。もうそろそろそういう状態を脱皮する。そのために医学大学をつくった。将来の五年、十年先はいいでしょう。だけれども、五年、十年はいままでのようにするのか、これもそういうわけにいかないのじゃないでしょうか。 それじゃ残る手はどういうことか。私は何も法的にうまくないということを心情的にカバーするわけじゃありませんが、これを私が指摘して、呼びつけて、おまえは給料をもらっているか、アルバイトをやっているか――それはできない立場ですよ、さっき言ったように、やったことがないと言うのだから。やったら充足率でうまくない。もらっている、やめろ、こうなってしまいますから。そうでしょう。これをどうすればいいのか。 そうなりますと、やっぱり何らかの便法処置を講じてやるよりほかにないのじゃないでしょうか、長官、医官について法的に優遇措置を。いまでは若干高いのですが――そんなものは、もうだめなんです。だからアルバイトせざるを得ないような状況で、来てもらって、お願いしているんです、各駐とん地ごとに。大学病院を中心にして、コネ使って。五年たてば、十年たてばやがては解消するでしょう。その間をいまのままじゃだめです。どうすればいいのか。法的に何らかの優遇措置を講ずるよりほかにない。優遇措置を講じたって、町医者と同じに給料を上げるわけにいきません。そこはやっぱり自衛隊の医官としての使命感に燃えていただいて、責任感に立っていただいて、がんばってもらう。この両者を相待つよりほかないと思いますね。私がこんなことを言う必要はないと思いますよ。与党が考え、あるいは皆さん方がそれを考える役目です。ですけれども、私も現状をどうすれば改善できるのか、そこまで考えてみました、必要はないのですけれども。必要があるときが近々くるかもわからない、可能性として。考えてみました。そうなった場合には、全然どうしようもないとなると、法的に便法を考えてやるよりほかにないのじゃないか、こういう結論に達したのです。これは私の個人的意見で申しわけありませんね。 どうですか、衛生局長さん。長年この問題で苦慮されていたと思います。いまのこの実態というものをいただいたときから、非常にうまくないと、こういうことで、私も陰ながら御意見を承っております。また、いまここで、公式の場で指摘された、それに対して、たてまえだけはもう言っちゃいられない、こういう段階に来たと思うのです。どうですか、何らかのやっぱり改善策――ただ調べましてなんて、長官はあと数カ月で交代するかわからない。局長はそういうわけにいかない。そういう立場であります。これについてどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(野津聖君) 御指摘ございましたように、その他の医師とのいわゆる収入の均衡の問題等もあるという面もあるかと思いますし、また、自衛隊の医官におきましては、多くの人たちがまじめに一生懸命仕事をしているというふうな実態もあるかと思います。ただ、いま御指摘ございましたように、やはり処遇の問題も充足が悪い原因の一つということも言えるのではないかというふうに思っておりますので、何かの形で、いまの自衛隊の医官が充足されるように処遇の改善というものにつきまして積極的に考えていきたいと思っております。
○黒柳明君 先ほど長官が報酬についての調査をしてそれから云々とおっしゃいましたね。局長の方はもうそういうことをすでに御存じで、いま前向きにおっしゃって、実態というものを答弁していただいたんですが、長官の考え方もちょっと先ほどの答弁はおかしいんですよ。局長の答弁を聞いているとそれはできないわけなんです。長官、気づきましたか。まだ気づきませんか。給料の調査、もらっているかどうか調査してというのはできないんですよ、充足対策上。これは便法なんです。前に答弁が出ているわけでしょう。できないんです。やればもらっているからみんな逃げちゃうんです。それでもやりますか、長官。それは私は知らない、私の責任範囲じゃないから、長官が最高責任者ですから。 いいですか。もう一回言いますよ。やっていただいても結構、やるなら徹底的にやりなさい。それは私の関知するところじゃない。もう一回言いますよ。報酬について本当に全部調査しますか。私は責任を負いません。局長は、それはできないんです、充足対策上とはっきり言っているんですよ。やりますか長官。やってごらんなさい。全部お医者さんはやめますよ。あしたからどうしますか、自衛隊の健康は。あんまりうかつに発言しますとだめですよ。その一点だけ答弁いただきましょう。もう一回言いましょう。報酬もらっているかもらってないか、いまの通修に行っている全医官、お医者さん歯医者さん全部呼んで調べますか。イエスかノーか、それだけ。
○国務大臣(久保田円次君) 先ほど申し上げました報酬をもらっておるかどうか、しかし、いまこれを実際にやると言うとみんな退職してしまう心配がある、これは大変なことでございまして、ここらの点を勘案してよくひとつ調査をいたしたいと、かように思っております。
○黒柳明君 何を勘案するんですか、ここらの点を勘案するって。だってさっき長官――大丈夫ですよ局長、そんな心配しなくたって、打ち合わせどおりやりますから、大丈夫――だって報酬については調査しますとおっしゃったじゃないですか。どういう勘案をするんですか。何を勘案するんですか。調査すればみんなやめちゃう。だから先行して、便法上仕方がないんだと、局長は盛んに答弁した。これは冗談事じゃありません。私もその点は何回も申しますように、法については厳しくなきゃならない、そういう立場と、だけど現状をどう改善したらいいのかと、こういう立場も真剣に考えてきたんです、昨年の秋以来ですよ、局長と二人で。そのとき長官じゃありゃしないじゃないですか。だからのんびりしているんですよ。考えてきたんですけれども、どうしようもないんです。ですから局長がおっしゃったように何らかの法的処置を講じなきゃならない。ここじゃ具体的に言えないでしょう。それはわかります。もしこれを、給料をもらっているかどうか、長官が答弁したようにそんな単純なことでやってごらんなさい。自衛隊はお医者さんが全部いなくなっちゃいますよ。そのぐらいの認識はあるんでしょうね。何を勘案するんですか。済みません。もうこれが最後。それからもう一つ聞きます。そして最後にします。約束しましょう。もう一回答えてください。何を勘案するんですか。別に勘案すべきものなんかないじゃないですか。
○国務大臣(久保田円次君) 充足問題につきましては、先ほど局長からその比率につきましての答弁があったわけでございますが、なかなか充足をしない、その理由というものはいまいろいろ申されたとおりでございます。したがいまして、防衛庁といたしましても防衛医科大学を設置するとかいろいろな努力はしているわけです。しかしそれだけで充足するとは思っておりません。したがいまして、何らかの充足に対しましてできるようにとにかく制度をつくるとか、あるいはこれに対しましてどういうふうな処置をとったならば充足できるかということは真剣に取り上げていきたいと、こういうふうに思います。
○黒柳明君 いまの現状のむずかしさはお認めいただいたですね。それから局長がいまおっしゃったように、ひとつ長官の任期中に、これは長い問題だから、だれも解決しない問題だから、ここで正式に取り上げましたから、ひとつ任期中に、いまおっしゃったようにただ単なる、失礼ですけれども、この場逃れの答弁じゃなくて、本当にこれを真剣に考えていただけますか。きょうからでもあしたからでもすぐこの問題に取りかかってやっていただけますか。私はむしろこの現状に対して指摘することよりも改善しなきゃならないことについて私は考えを重くしているんです。そのためにはこういう問題を十二分に広く多くの人に知っていただかなきゃ、こんな問題は局長と私じゃ動かないんです。だから長官の目の前で、まん前でこの問題を取り上げさしていただいて、長官の大勇断をこの際やっていただかなかったら、いつまでたったってこれは改善できませんよ。かわいそうです、逆に言うと。使命感に燃えている人が、逆に言うとかわいそうな面があります。長官、いま言った答弁じゃ納得できません。納得できませんけれども、それでしょうがないでしょう。ひとつ長官の任期中に法的処置なり改善策なり真剣にやっていただいて結果を出すぐらいの前向きな仕事をおやりいただけますでしょうか。
○国務大臣(久保田円次君) 努力をいたします。
○和泉照雄君 私は関連で、環太平洋合同演習、リムパックへの海上自衛隊の参加についての法的根拠、手続等に重大な疑義があるので、去る十一月二十八日の本院決算委員会で私は政府に確認する質疑を行いました。その後国会において論議が続けられておりますが、リムパックへの海上自衛隊の参加の根拠や必要性などについてはいまだ十分に明らかにされておりませんので、本日はリムパック参加計画の実態を確認したいと思います。 そこで、第一に伺いたいことは、さきの決算委員会における答弁では、リムパック参加の根拠は防衛庁設置法第五条二十一の「所掌事務の遂行に必要な教育訓練」という条項であることが明らかにされました。これは昭和四十二年六月七日付の海上自衛隊の教育訓練に関する訓令において、第三節の「部隊訓練」に当たると理解していいのか、さらにその部隊訓練の中の四十五条の四のアメリカ合衆国軍隊との協同部隊訓練に当たるのかどうか、また四十六条の「演習」にも該当するのかどうか、訓令上の該当条項を示していただきたいと思います。
○説明員(佐々淳行君) リムパック参加の法的根拠につきましては、先般お答えをいたしましたとおり、防衛庁設置法の五条の二十一号「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を行うこと。」という防衛庁の権限に基づいて行っておるという点はただいま先生御指摘のとおりでございます。 さらに、訓令上の根拠を示せという御質問で、まず第一にこれは海上自衛隊の教育訓練に関する訓令の第四章第三節にございます「部隊訓練」に当たるかどうかという御質問につきましては、御指摘のとおり「部隊訓練」に当たるものと考えております。また、今回参加をいたしますリムパックは、同じくこの第四十五条の第四項「海上幕僚長は、アメリカ合衆国軍隊と協同して部隊訓練を実施し、」云々というこれでございますが、この第四項に掲げる「部隊訓練」に該当するものと考えております。 それから第四十六条の「演習」ではないのかというお尋ねでございますけれども、この第四十六条の「演習」は、この海上自衛隊の教育訓練に関する訓令の中で用いられております「演習」という用語に限って申し上げますると、これは自衛隊法の第六章に定める行動時におけるところの各指揮官の部隊の指揮運用、各部隊の連合、協同連係動作等に関するものということで規定をされておりますので、今回のリムパックは戦術技量向上のための部隊訓練でございますので、この訓令四十六条に言う「演習」には当たらないものと解釈をいたしております。
○和泉照雄君 では、四十五条の四のアメリカ合衆国軍隊との協同部隊訓練に当たるのであれば、この条項上、海上幕僚長から防衛庁長官に対する訓練の大綱の報告が行われたと思いますが、行われておりますか。
○説明員(佐々淳行君) リムパック参加につきましては、その都度必要な報告を防衛庁長官にいたしまして、その都度適切な御判断をいただいておるところでございますけれども、この訓令に申しまするところの正式な報告は、御指摘のとおり、海上幕僚長が長官に対して行うべきものであることはそのとおりでございますけれども、計画が現在のところ具体的にまだまとまっておりません、調整中の段階でございますので、この計画の調整が行われた時点で報告の上正式な御決裁をいただく、こういうことになろうかと存じます。
○和泉照雄君 次に、リムパックへの海上自衛隊の参加の決定は、新聞によりますと、異例の総理の決断によるものである、このように報道をされておりますが、参加目的が政府答弁のようにあくまでも米軍との間における戦技の向上である、四十五条の四であると言うならば、防衛庁長官限りで参加するかどうかを判断をするという従来の慣例に従えば私はいいんじゃないかと思いますが、このように従来の慣例と異なる扱いがなされた意味が理解ができないわけであります。すなわち新聞の記事によりますと、山下前防衛庁長官が四月の末、訪米直前の大平総理に判断を仰いだ、そして参加の方針に決断を得た、さらに外務省、内閣法制局との調整を終えて防衛庁が参加を正式決定した十月にも改めて総理の了解を得たと、こういうふうに載っております。しかも、この首相判断による参加については、さきの決算委員会において、リムパックの参加は総理が承知のもとで行われたと考えるがどうかと私が質問をしたのに対して、政府の答弁は抜けていたのでございます。これは論旨展開の便宜上かあるいは不注意かで抜かしたという単純なものとは考えにくいわけでございます。総理の決断によるリムパックへの参加と防衛庁長官の判断による日米合同演習への参加とは、その実体において異質のものであると思われるのでございます。リムパックへの海上自衛隊の参加をなぜ総理の決断によって決定をしたのか、以後は日米合同演習への参加、四十五条の四による協同演習も全部総理の決断によって実施をされるのか、防衛庁の見解を伺わしていただきたいと思います。
○国務大臣(久保田円次君) リムパックの参加は、防衛庁長官の責任と権限において長官が決定したものであります。しかしながら、リムパックに参加する点につきましては、初めてのことでもありまするので、総理の了解を得まして長官がこれを決定いたしました。
○和泉照雄君 先ほど申し上げたとおり、あなたの前任者の山下長官が四月の時点で決裁を仰いだ、そして十月にまた判断を仰いで決定したという新聞記事が事実であるとすれば異質のものではないか。それは事実ではないのですか。
○説明員(佐々淳行君) リムパック参加の経緯につきましては、本年の三月アメリカ側からこれに対して参加をしないかという打診がございました。海上自衛隊としてはかねてから、より程度の高い訓練に参加をすることによって高度な戦術技量を習得したいという希望を持っておりました関係上、海上自衛隊としてはリムパック参加を希望するという姿勢で防衛庁長官の指示を仰いできたわけでございます。防衛庁長官は、この段階におきましてこういう訓練に参加をすることの可否について、法的にもあるいは政策的にも十分検討をするようにという指示を私どもいただいたわけでございますが、総理の御指示をその際にいただいて決断を仰いだということではなく、私どもの承知いたしております限りでは、そういう参加の方向で検討を進めることについての御了承を得たと承知をいたしております。 なお、その後アメリカ側とこのリムパックの性格、目的等について、それがわが国の憲法以下の法律あるいは政策の許容する範囲のものであるかどうか、これについて十分打診を行うとともに、外務省等関係省庁とも十分な意見の交換あるいは確認を行って、その結果、本訓練に参加をすることは憲法上も政策上も問題はないという判断に達した時点におきまして、防衛庁長官が自衛隊法八条によって与えられておりまする権限によってこの決定をいたしたと。なお、先ほど長官答弁のとおり、本来ならば防衛庁設置法五条二十一号でもって防衛庁に与えられている権限を自衛隊法の八条によりまして防衛庁長官が行使をするわけでございますけれども、内閣総理大臣は内閣の長でもあり、また第七条によりまして、これはいわゆる防衛出動等の場合の権限、指揮命令権とは直接関係ございませんけれども、この七条によれば、内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権をお持ちの方でございますので、念のため御報告を申し上げ、その御了承を得たと、それが十月の時点における前山下長官から大平総理に対する御報告の内容だと承知をいたしております。決定をいたしましたのはあくまで防衛庁長官でございまして、防衛庁長官の権限と責任において決定をいたしたものでございます。
○和泉照雄君 だから、あなた方の所掌事務の戦技の向上の訓練であれば防衛庁長官限りでやればいいことで、それがなぜ総理に報告をしたりいろいろそういうようなことをされたかというところに非常な異質の今度の演習であるという疑問をわれわれは抱くわけでございます。 時間がありませんので、これはまた後日に譲りますが、それとあわせまして、リムパックの法的根拠は防衛庁設置法第五条の二十一号の規定による戦技訓練と、このようにありますけれども、十二月十一日に記者会見をした大賀海幕長は、朝日新聞の記事によりますと、「実戦さながらの総合的な演習が中心に」なると、海幕長が「演習」という言葉を使っております。毎日新聞では、「四ヵ国合同演習に合流する」と、ハワイで戦技訓練をして別途また合流するという前段と後段の演習のそういうような説明をしておるようでございますので、訓練はハワイで魚雷発射とかそういうような訓練をして、あと演習に参加をする、そういうようなことでございますので、四十五条の四ですか、これではなくて、四十六条の「演習」の適用をされるのではないか、そういうことになりますと、私たちはこれは指揮権にも重大な影響があるというふうに考えるわけでございますが、その辺のところを簡単にひとつ説明を願います。
○説明員(佐々淳行君) リムパックは、再々御説明申し上げておりますとおりに、ある特定の国が特定の国を攻撃した場合にこれを協同して防衛するとか、そういう戦略的な想定を持った訓練あるいは演習ではございません。この点については私ども十分アメリカ側の意向を打診し、確認をしておるところでございますが、その海幕長の説明が仮にそういうことになっておったといたしますれば、あるいはそれは、ハワイ派遣訓練の充実強化であるということを説明する過程における言葉の問題であろうかと存じます。先ほどお尋ねの海上自衛隊の教育訓練に関する訓令という、こういう法的な根拠で申しますれば、厳密に申せば、これは四十五条の「部隊訓練」と私ども解釈をいたしております。
○和泉照雄君 この問題は、実戦さながらの総合訓練というのはリムパックのことを指しておることははっきりしておるわけでございますので、これはまた後刻論議をすることにします。 次は、防衛施設庁来ていらっしゃいますか。――去る十二月七日、西銘沖繩県知事が記者会見で、伊江島の射爆場の代替地として鹿児島県大島郡徳之島の西方六十三キロの近くにある硫黄鳥島を指名して防衛施設庁と交渉していくと発表したということでございますが、十二日現在でも、鹿児島県には全然連絡もなく、特に同島を好漁場とする奄美圏漁協は大きなショックを受けておりますが、沖繩県は国と折衝中ということを申しておられますけれども、その経緯について御説明を願います。
○説明員(森山武君) 先生御承知のように、伊江島補助飛行場の移設につきましては、五十一年度十六回安保協において、移設措置とその実施にかかる合意の成立後返還されるというふうな安保協の了承がございます。それで沖繩県はその伊江島の伊江島補助飛行場の返還というものを非常に強く望んでおるわけでございます。私どもは、その安保協の了承に基づきまして、伊江島補助飛行場の代替施設として適地はないかということをいろいろ検討してまいりました。沖繩県の強い要望の一つとして、沖繩県の方の立場で、今回沖繩県知事の記者発表にあるように、硫黄鳥島を沖繩県が考えておる、こういうことだと思います。 それで、防衛施設庁との交渉云々につきましては、私どもまだそのような申し入れを正式に受けておりません。私どもはその新聞記事あるいは那覇防衛施設局の情報によって現在知っている状態でございます。 なお、那覇防衛施設局と県の方で、正式な申し入れはまだございませんが、どの程度の話があったかということについては存じ上げておりません。ただ、地元の沖繩県の強い要請でございますので、代替施設となり得るところであるかどうかということは調査いたしたいと思います。 なお、調査の際にはいろんな要件を調査いたしますが、先生のただいま御指摘のありました漁場調査というのは、どんな候補地を考える場合にも必ず行うことでございます。その点はつけ加えさせていただきたいと思います。
○和泉照雄君 正式な折衝はないけれども、調査をするときには漁場調査、そういうようなことも重点的におやりになるというお話をいま聞きましたが、ではそこで、新聞の報道によりますと、ここは無人島である、漁場としても余り利用されてない、それから反対運動もないという認識でお決めになったような報道がなされておったようでございますが、この硫黄鳥島周辺はきわめて好漁場でございます。それで奄美圏の漁協の中で五つの漁協、名瀬の漁協、瀬戸内漁協、徳之島漁協、奄美漁協、与論漁協と、この五つの漁協で影響を受ける漁船は、三トンくらいの漁船で、一本釣りの瀬物釣りでございまして百九十七隻。これは奄美圏の五漁協の所属の船で、一本釣りが百九十七隻、カツオ漁船が三隻。一隻当たりの平均年間の水揚げが一千万円で、そのうち半分ぐらいが影響を受けるということで、奄美圏の漁協の年間の損害額は推定十億円。それから鹿児島県本土の漁船が約百隻この周辺で操業するそうでありますが、推定の損害額は二十億円。そのほか、ここは熊本、大分、宮崎県のカツオ漁船の航路に当たっておるそうでございますので、航路上非常な制限も出てくる。こういうふうなことでかけがえのない好漁場で、射爆場となると漁場を失うということで、名瀬の関係の方を中心に奄美圏の方々は死活問題である。しかもまた、徳之島から六十三キロというわずかな距離しか離れておりませんので、非常に危険を感じまして、不安感に駆られておるということで、奄美水産振興協議会も代替地反対運動を展開し始めたようでございます。 そこで、防衛施設庁がこういう代替地を指定するときには、先ほどお話もありました漁場の関係を重点におやりになるということはわかりましたが、このような漁場の問題、それから漁民の生活権の問題、あるいは危害のそういう不安感の問題、そして盛り上がる反対運動と、そういうこと等を勘案されて今後はお決めになるかどうか、参考までにお伺いいたしたいと思います。
○説明員(森山武君) 先ほどお答えしましたように、県知事の正式の提案があった場合に、これを直ちに代替地として決めるということではございません。私どもは伊江島補助飛行場の代替地に苦慮しております。ですから、それの代替地となり得るかどうか、その代替地の一つとなり得るかどうかということを検討したいと思います。 なお、いままで全然検討しておりませんので、たとえば陸地の場合にどの程度のフラットな土地ができるかとか、そういう本当の基本的なものもまだ全然わかっておりません。ですけど、先生の言われます漁業関係につきましては、従来から、代替地を考える場合にはやはり基本的にはそういうものも調査する柱の一つでございますので、先生の御意見を十分考慮して、代替地となり得るかどうかという調査をやりたいと思います。
○和泉照雄君 沖繩県の県民の方々の苦慮というのもよくわかります。しかし、それで代替地でまた北上して、奄美の方々も大変に心配し、生活を脅かされるという状態が現出をするような代替地の決定には慎重に御配慮をされることを特に要請をして、私の質問を終わります。
○原文兵衛君 最初に、中東情勢を中心にお伺いいたしたいと思います。 一九八〇年代がもうすぐ来るわけですが、この八〇年代というのはいわゆる激動の時代だと言われておりますけれども、どうも、もうすでにことしの一月のイラン革命に始まって、激動の前ぶれが中東各地に広がっているんじゃないかというふうに感ぜられるわけでございます。テヘランでは、イラン人学生が例の米国大使館員を人質にする異常事態がもう一ヵ月以上も続いているわけでございます。そうして十六日にパーレビ前国王がアメリカを離れてパナマに亡命したのでございますけれども、どうもアメリカとイランの緊張状態というようなものはなかなか解けそうにもない。一方、サウジアラビアのメッカでは先月の二十日、これはイスラエル暦の一四〇〇年の元旦の前日だと聞いておりますが、ここで突然アル・ハラム大寺院で武装集団による占拠事件が起きているのでございます。そうしてその翌日は、この事件に触発されたように、パキスタンの首都イスラマハードで米大使館の焼き打ち事件が起きている。 とにかくイスラム圏内で反欧米、ことに反米といいますか、アメリカ排撃のうねりが非常に高まっているようにうかがえるわけでございます。アメリカは、そういうようなこともあるのでしょうが、シリア、イラクなど、サウジアラビアを除く中東自由各国へのアメリカ国民の立ち入り自粛を勧告するというような措置をとっている。まあいろいろどれを見ても、最近の情勢は本当に激動の一九八〇年代の前ぶれであり、そして激動の一九八〇年代の最大の震源地は、この世界で最も大きな産油地域である中東のように思えるわけでございます。 そこで、私は幾つかの御質問をしたいのでございますが、まずイラン情勢に対する外務大臣の御見解と、まあ将来の展望と申しますか、そういうようなことについてお伺いしたいのですがパーレビ国王が米国を出てパナマに亡命した。それを受けるように、イラン政府の外務大臣のゴトブザデ氏は、クリスマスまでに何か数人の人質の解放があるようなふうに受け取れる発言をしているようでございますが、最近ホメイニ師がこれを否定しているような発言をしている。何かさっぱりわけがわからないわけでございます。とにかくアメリカはこれに対して非常に強硬な、たとえば経済封鎖であるとか、いろいろなことも考えているようでございます。その問題について、いまサッチャー・イギリス首相がワシントンを訪問してアメリカのそういう措置を支持するような発言もしているという外電も入っておりますが、このイラン問題、ことに人質問題等に対する日本側の基本的な姿勢というのがいまひとつ私にはしっかりしているのかどうかという点についてどうも疑いを持たざるを得ないのでございますが、新聞などの報道によりますと、外務大臣がパリでバンス国務長官から、日本は無神経過ぎるんじゃないかというようなかなり厳しい批判を受けたというふうに報道されておりますし、それに対して日本の外務省は、米大使館事件は国際法違反であり、人道上の見地からも許せないというような見解を発表したとかいうことでございますが、何かこうしっかりと腰のすわった態勢というものがないんじゃないか。ある新聞では、外務省とエネルギーだけを考えている通産省としょっちゅう意見が食い違う、お互いに非難し合っているというようなことも報ぜられておりますが、この辺についての外務大臣の御見解なり、あるいはイラン、ことにイランとアメリカの間の大変な抗争が将来どうなっていくのかというような点についての御展望があればお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま御指摘のように、中東情勢はかなり流動的な面がございます。日本の外交の立場といたしましては日米関係、これは経済的にもきわめて重要でございますが、同時に日本の安全の問題にもかかわっております。日米関係をできるだけ損なわないようにしていかなければならないということは外交の基本的な柱の一つになっておるわけでございます。 同時に、資源外交と申しますか、食糧もエネルギーも諸原料もほとんど海外からの供給に依存せざるを得ない日本の現状を踏まえますと、資源供給、特に中東地域につきましてはエネルギーの問題がございます。この点から見ましても中東との友好関係を一面維持しなければならない。この両方の要請の間に日本は立っておるわけでございまして、その点から申しますと日本側の希望はイランとアメリカの紛争ができるだけ早い機会に平和的に解決してほしいということになるわけでございます。まあ日本としては、そういう立場からイラン政府にも申し入れをしてまいりましたし、アメリカ政府にも申し入れをいたしましたし、国連の安保理事会でも発言をしておりますが、一つには、イランとアメリカの関係が両方ともかなりむずかしい情勢になっておりまして、日本側としての希望にもかかわらず、容易に解決の情勢が出てこない。 一つには、日本のとっております対策と申しますか、特に石油輸入等の問題につきまして、多少これはアメリカ側にも理解不足の面があったと思いますけれども、これがアメリカの国内で非常に大きな問題になってまいりましたことは御承知のとおりでございます。そういう国内情勢を反映いたしまして、私パリでバンス国務長官に会いましたときに、先方からいま御指摘のようなかなり強い表現があったわけでございますし、私の方からは、また日本の石油情勢から見まして、メジャー、国際石油資本の日本の独立系製油工場に対する石油の供給が昨年の暮れから現在まで百万バレル近くも減っておる、この代替を見出さなければならないという事情なども説明したわけでございますが、現在までその後からやはり双方との友好関係を持続するという面でできるだけの努力をやってきております。 もう一つは、大使館を占領して人質をとるということは、これは理由のいかんを問わず認められないことでございまして、これに対しては従来からも意見を表示しておりますけれども、さらにはっきりした見解を出しておく方が現状においては日本のためにも必要だというふうに判断いたしまして、去る十二日にそういう見解を出したわけでございます。 基本的にいままで申し上げました情勢で、このイランの情勢がどうなるかという点につきましては、最近のパーレビ前国王のアメリカ出国もあり、イランの国内にも多少新しい動きが出てきておりまして、やや事態が緩和する徴候もございますので、私どもとしては十分その情勢を注目していただきたいと考えておるわけでございます。
○原文兵衛君 イラン革命以来、ホメイニ師が絶対の地位にあるようにも思えるのでございますけれども、どうもしかしイランの国内の事情も非常に複雑であるというふうに聞いているわけでございます。 今月の九日にはイランの東アゼルバイジャン州タブリーズ、ここでもってホメイニ派に対抗するシャリアトマダリ派がラジオ、テレビ局など、これを自分の手中におさめようというようなことで衝突があって相当な死傷者が出たというようなことも報道されております。一方でイランの国内でも中産階級以上の階層の人たちは、いまじっと黙ってはいるけれども、実はイスラム革命体制に非常に批判的であって、この時期が過ぎるのを待っているというようなふうにも伝えられておるのでございますが、さらにまた最近の報道で、何かイラク軍がイランの南西端のイラン領を攻撃したとかいうような報道もされております。 とにかくイランの国内情勢もなかなか複雑であり、また見通し困難なものがあると思うのでございますが、それであればあるだけに、また外務省として的確な情報を持ち、そして的確に将来を判断していかなくちゃならないと思うわけでございますが、イランのこういう国内情勢等についての何かお見通しなり、御見解があればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの国内情勢につきましては、中近東アフリカ局長から答弁させたいと思います。
○説明員(千葉一夫君) 原委員御指摘のような事態がイランの国内において進行していることは御指摘のとおりでございます。そこで、これにつきましてはできる限り情報も集め、またそれについての判断もいたしておるのは当然でございます。しかしながら、情報といいましても非常に突発的な、予測ができませんような、あるいはしがたいような事態の連続でございまして、この辺におきましてはときどきおくれがあることも事実でございます。またそれとは別に、この革命後まだようやく一年にもならないような事態でございまして、イランにおけるたとえば政治意思の決定機構あるいはその決定の過程といったようなものがまだはっきりと確立されていない事態でもございます。したがいまして、この辺の情勢の判断もきわめて困難であることは御理解いただけるかと思います。 そこで、そういう限定のうちでいろいろと考えてみますと、イランにおきましては、何といいましても宗教界が主導権を持っておることは御存じのとおりでございますが、この宗教界が何ゆえそれだけの力を持っておるかといった点につきましては、これも御案内のとおり、イランの国民の大部分をなす――先ほど中産階級についての御言及がございましたけれども、中産階級よりもっと下の階層の人々が非常に大多数をなしておるわけでございます。これは御存じのとおり、都市の貧民もおりますれば農村の貧民もおるわけでございます。この人たちは種々の理由によりましてイランの回教シーア派のお坊さんたちの、一口で言うと宗教界の影響が非常に強い。現にパーレビ王朝を打倒いたしました革命も、この階層の人々が何百万人といったようなデモを行ってやったことが結局その直接の力であったことは御存じのとおりでございます。 そこで、もう一つ革命を成功させました側面を申し上げますと、これは先ほど御指摘の中産階級以上の人々、この中にはたとえば工場労働者等もあの国では入れていいんじゃないかと思いますが、こういった人々があるいは油田地帯で、あるいは各官庁で、あるいは各主要産業におきましてストライキあるいは怠業等を行ったわけでございまして、これが結局前のイラン政府というものの機能を喪失さしたわけでございます。また、軍隊も石油の補給等がとだえたために非常に窮境に立って、あのとおりの結果になったことは御存じのとおりでございます。 そこで、このような状況でございますので、大衆行動だけでシャーは倒れたんではないということは申し上げられると思うんでございますが、今後シャーが倒れた後の新しいイラン国を運営していく上にもやはり大衆だけではだめであると、これは言えると思います。まさに中産階級以上が近代化と伝統的な価値との調和ある発展を目指して働かなければ、イラン国は今後新しい国づくりをしていくことは非常にむずかしいだろうと、こう思われます。 そこで、宗教界に戻りますが、宗教界の力は大衆動員力にあることはただいま申し上げましたけれども、大衆を動員するだけでは国を治めていくことはできないこともこれは御存じのとおりでございます。そこで、ときどき大衆がわっと沸くようなことも必要であるわけでございます。そうでないと、いろんな意味でグリップが少しずつ失われていく、こういうことが一方にはございます。他方におきましては、宗教界といいましても、特に一枚岩の組織ではございませんで、これはたとえばカトリック教会なんぞと比べてみますと、その組織はきわめてルーズな組織でございます。カトリック教会のような整々たる一つのヒエラルキーがあるわけではございません。これも御存じのとおりでございます。そこで、そういうルーズな組織の中におきましては種々の勢力がございまして、また種々の個人もおられます。こういう方々が皆ホメイニ師を中心におるわけでございますが、さっき申し上げましたような意思決定プロセスというものがはっきりしないのは、すなわちその組織のルーズさから出てきていると思います。そこで、いろんなことが起きますと、結局はホメイニ師が裁断されるわけでございますが、そこに至るまでがずいぶん時間もかかる。また、ホメイニさんもいろんな点はよくお考えになりまして、なかなかお決めにならない面もあるわけでございます。 こういったような非常に特異な体制のもとにございますので、なかなか確たることはわかりませんが、少なくも短期的には、ホメイニ師が非常に力を入れておられますところのイスラム共和国をつくるべき新憲法、これについての国民投票が行われたわけでございます。これにつきましてはいろんな報道がございますけれども、投票した人々の投票数の中では圧倒的多数でこれは採択されておりますが、先ほどこれも御指摘の少数民族あたりでは投票を忌避する地区も多々あったと聞いております。またシャリアトマダリ師はこの新憲法自体について反対の意向を持っておりましたので、同師の支持者も相当程度投票しなかったと伝えられております。そこで、この憲法というものが国民の大多数によって果たして支持されたかどうかという点につきましては疑問なしとしない面もございます。ただし一つ言えますことは、先ほど申し上げました国民の大多数をなしております貧しい人々はこれについて圧倒的に賛成した、こういうことが言えると思います。 そこで、このイスラム共和国の第一歩がここで踏み出されて、御案内のとおり来月になりますと大統領選挙等一連の手続が行われます。国民議会も選挙されます。そうなりますれば一応国家としての体制は整ってき、またその中で種々の意思決定プロセスもより整備されてくるということは必ずしも否定できないと思います。しかしながら、それじゃあ整備されて非常にうまく動き出すかどうかもそれはまだわかりません。この点、わからないことだらけでございますが、少なくも短期的にはホメイニ師の考えておられるような方向にいくんではなかろうか。 最後にシャリアトマダリ師について一口だけで申し上げますと、同師は、宗教家は政治に介入すべきではない、こういう主義主張の方でございまして、したがいましてこの新憲法におきましても、そういったような色彩が濃厚であることに反対されているわけでございます。そこで、その支持者がたくさんおられます。この人は非常な名僧知識として個人的な声望が非常に高いわけでございますが、シャリアトマダリ師はいま申し上げました主張からしてその支持者たちに、中央に盾突いてはいけないということを言っておられます。そこで御存じのとおり、あのタブリーズでいろんな暴動がございましたが、結局鎮静しておるわけでございます。そこで、シャリアトマダリ師のような方々が、宗教界の指導的な人々が団結を崩さずに保っていく、こういう態度をとれば少なくも短期的にはいろいろな体制も整備されてきて、その体制のもとでの運営ということが可能になるとは存ぜられます。
○原文兵衛君 次に、サウジアラビアについて若干お伺いしたいんですが、さっきも触れましたメッカのアル・ハラム大寺院の占拠事件、これはいわゆるマハディ――救世主と称した人はムハマドという人でカタン族の出身で二十七歳。また、この占拠事件を軍事的に指導したのはジュヒマンという元国家警備隊の大尉でやはり二十七歳、この人はオテイバ族の出身であるというように言われているわけでございますが、この事件も何かアメリカの報道では、国王誘拐の目的があったというようなふうにも報道されているわけでございますね。 そこで、サウジにもやっぱりそういうような動きがあるのかどうか、ことにサウジアラビアの場合は来年から第三次五ヵ年計画、サウジの大規模な近代化についても第三次の五ヵ年計画に入るんだけれども、その労働力が非常に問題である。いままでは七五%がイエメン人などの出かせぎ労働者に頼っておった。これはいろいろ問題がある。そこでサウジとしてはベドウィン、遊牧民の労働力に求めようというふうにいろいろやっているそうですが、これまたなかなか問題がある。都市では、都市のサウジ人と遊牧民であるベドウィン、これが労働力として入ってきた場合に大変な所得格差といいますか、そういうものが生じて大きな不満が出てくるんじゃないか、それが政府あるいは王室に向けられるんじゃないかというようないろいろまたサウジアラビアにもむずかしい問題が山積しておって、ある情報では数ヵ月以内にサウジで非常に大きな変革があるんじゃないかなというような情報があるということも私聞いてるわけでございますが、このサウジについての外務大臣あるいはまた局長でも結構ですが、そういう問題についての認識あるいは将来の見通しというような点について教えていただきたいと思うわけでございます。
○説明員(千葉一夫君) サウジアラビアにつきましては、御存じのとおりイランとは社会構造もあるいは政治構造も非常に違うわけでございまして、この点、イランとはまた違った意味での事態の展開ということは当然考えられるわけでございます。すでにイランの革命が成功いたしましたときに、サウジアラビアについてはどうかといったような疑問があちらこちらで提示されておったことは御存じのとおりでございます。そこで、そのときの大方の御意見は、やはりいま申し上げましたように両国とも違うし、それから一つは、宗教面におきましてもイランの方は国王が非常に世俗化といいましょうか、宗教勢力を抑えていくという方針をとったわけでございますけれども、サウジアラビアにおきましては逆に王家そのものが宗教の守護者としてやっておられる、またこれにはイランのシーア派とサウジのスンニ派との差ももちろんございますけれども、とにかくそういったようなことである。それから、王家も油から入ってきますあの莫大な収入をできる限り公平に国民に分けていこうという構えをしておられるといったふうなことでありまして、また御指摘のとおりの外国人労働者があちこちから蝟集してくるくらいに景気もよろしい、そういったようなことでイランのごとき事態はないんであろう、ああいうふうな大衆が蜂起して王制をひっくり返すといったようなことはなかろうというのが大方のその当時の判断であったわけでございます。 そこで、今回の事件も非常にわかりにくい面が多々ございまして、サウジアラビア政府自体もいろいろ発表はしてございますけれども、完全にすべてを明るみのもとに出したかどうかはよくわからないところでございます。 そこで、今度のような事件起きましたので、これは確かに大衆の蜂起とは言いがたいと思いますけれども、しかしながら、宗教的色彩があることは御指摘のとおりであります。と同時にやはり部族的色彩、それからただいまおっしゃいましたような石油の富を遊牧民も果たして享受しているのかどうかといったような疑問、これらがいろんな反響を呼んでいるわけでございます。先ほどのアメリカの雑誌に出ましたハリド国王誘拐のたくらみといったような点についてわれわれもいろいろ調べてみておりますが、何ら確証はございません。アメリカ側なんかとももとより意見交換をいたしておりますけれども、アメリカ側も、その点については非常に疑問である、ただしこれは何といいましても全容はわかっていないものですから、一時的ないまの段階ではという注釈つきでございますが、そういったようなことでございます。一口に言いますと、やはりイランとは違うけども、やはりあの国にはいろんな不満があるんであろう、それが宗教的な一つの問題を契機にああいうふうな形で出てくる。 それから、例のナショナルガードについて御指摘がございましたが、元ナショナルガード員か現在ナショナルガード員かは知りませんけれども、やはり相当そちらの方の関係者がおったんじゃないか、ただし、これは主流ではないようでございます。一口で言いますと、ベドウィン等、現在の体制のもとでも余り恵まれていない部族――そういったようなナショナルガード的要素も含めて――が何ごとかを訴えようとして、その宗教的な、発表されましたような狂信的な人々に率いられてやったんだといった程度しかいまわからないわけでございます。 そこで、将来いかにこれが影響していくかということを判断いたしますには大変材料が少ないわけでございますが、一つ言えますことは、やはりサウジ王家がこの問題について非常に真剣に考えておる、そういう徴候は多々ございまして、いろいろ物事を余り発表しないのもその一つのあらわれかと存ぜられます。これにつきましては今後改めるべきところは改めていくといったようなことをきのうファハド皇太子が記者会見で言っておられますし、皇太子は政府の門戸はすべてのサゼスチョンに対して開かれておるということも言っておられますし、やはり全体的な方角としてはそういったようなひずみを是正し、そういった不満を静めていく、こういう方に向いていくのではないかといまの段階では思われます。もしそうであるとすれば、いろんな破局というものがそう急に続けて起きることは防止されるんではなかろうか、こういうふうに判断されます。しかしながら、繰り返して申し上げますが、全容がわかっておりませんので、まだもう少し時間をいただきませんと確たることは申し上げかねるということでございます。
○原文兵衛君 実は中近東あるいはアフリカ等における大使館の配置とか大使館員の人員とか、あるいはまた大使館を置いてないで兼任しているところもたくさんあるので、そういうことをお伺いしたいと思ったんですが、時間がありませんので、それは取りやめます。 ただ一言要望しておきたいんですが、私どもちょっと回りましても、非常に大使館の陣容が足りないというか、ことに現地語ですね、それぞれの現地語に堪能な大使館員というのは非常に少ないんですね。それでは私は本当の情報というものはなかなかつかめないんじゃないかと思うんです。そこで、外務省はどうもそういう点で遠慮しているように思うんですが、やっぱり外交機能を強化するということは非常に大事だと思うんです。悪口を言う人は、もう中東なんか外務省の情報よりも商社の情報の方がずっと早くて生の情報が聞こえるというようなことを言う人もおりますが、情報機能を強化する意味においても大使館の陣容を、ことにまた現地語を解するような館員の養成等について一層ひとつ努力をしていただきたいということ、これは要望しておきます。 次に韓国の問題について若干お伺いしたいと思うわけでございますが、私自身は先般の事件による朴正煕前大統領の御逝去につきましては、もう心から哀悼の気持ちを持っているわけでございます。同時に政変後の韓国が一日も早く安定をし、そして安定のうちに発展されるということを心から望んでおります。日本にとっても非常に大事なことだと思うのでございます。 しかし、どうしても非常によくわかりにくい点があり過ぎるわけでございますね。十二日の夜に戒厳令下の韓国でその戒厳司令官が逮捕される、それを発表したところの国防長官が、これは何か米軍司令部にその当夜逃げていったとかいうようなことも伝えられておるし、そしてすぐそのポストを奪われるというようなことで非常にわかりにくいんでございますが、ただこの戒厳司令官の逮捕に関連して、第九師団、これは国境の警備にも当たっている、そしてまた米韓合同司令部の指揮下にあるといいますか、管轄下にあるこの第九師団も動員されたというようなこと、そんなことがいろいろあるわけですが、こういうようなことのさなかにおいて、いわゆる北からの南への侵入というような心配がないのか。また、そういう徴候が全くなかったのかどうか。これは日本にとっても非常に重大な関心事でございますので、これにつきまして外務省あるいは防衛庁の方からでもお答えいただきたいと思うわけでございます。
○説明員(柳谷謙介君) 確かに御指摘のように、最近の一連の韓国の情勢の中にはまだ不透明といいますか、はっきり事態の掌握がし切れない部分があることは事実でございます。他方では、崔大統領が十二月六日に第十代大統領に選ばれまして、憲法改正を含め秩序ある変革を遂げていきたい、なるべく平穏裏に混乱を起こさない形で必要な変革を遂げていきたいということを言っております。その混乱を起こさない形でという中には北の存在ということを念頭に置いている気持ちも込められていると思うわけでございます。そういう中で、いま御指摘の鄭昇和陸軍参謀総長が連行、拘束されたという事件が起こり、さらに盧載鉉国防部長官が職を去ったという事態が起こりました。このうちの鄭昇和陸軍参謀総長の連行については、金載圭元中央情報部長の裁判の過程でこの鄭昇和氏がこれに関連していたという自白があったということが一つそのときの説明としてなされているわけでございますが、それだけのことであるか、あるいはその背後に軍の内部のいろんな動きがあるのかという点はもう少し慎重に見きわめたい点でございます。 最後に御質問の、北からの脅威云々という点でございますけれども、これは一つには、あの朴大統領射殺事件の直後に米国側も積極的に、この事態に対して外部の勢力がこれを利用してはならぬ、それに対して米国はあらゆる義務を果たすということをいち早く声明を出したということは一つの要素であったかと思います。 それから、ちょっと違う側面では、大平総理が中国を訪問されて中国の指導者とこの問題が話題になりましたときに、中国の指導者は北からの南への侵攻のおそれはないんだということを中国の立場から述べていた経緯がございます。現地の事情につきましては、外務省といたしましても防衛庁と連絡をとりまして、現実に何か動きがあるかないかという点については、当然ながら十分注意して見きわめたわけでございます。あるいは防衛庁から御説明があるかと思いますけれども、私ども承知しておりますところでは、それは若干の通常の移動的なものはあったかと思いますけれども、この事件の直後以後今日まで特に危険な動きと申しますか、特段の動きは見られないというふうに承知しております。
○原文兵衛君 防衛庁、何かありますか。
○説明員(岡崎久彦君) ただいま外務省から御説明のあったとおりでございます。朴大統領射殺事件以後、一つは米軍の対応が非常によろしきを得まして、外部の介入に対して警告を発し、それから在韓米軍の警戒態勢をすぐに上げまして、また同時に機動部隊を派遣しております。現時点も米軍の機動部隊は主としてインド洋の方に行っておりますけれども、東海岸から新たに空母を一隻増強いたしまして、韓国を含む極東の地域に派遣しております。かかることもございまして、北朝鮮の動きにつきましては、われわれといたしましては確認に至るまでの特段の動きはないと考えております。
○原文兵衛君 次に、中国と日本の防衛関係の交流の問題でちょっとお伺いしたいんですが、先般大平総理が訪中した際に、鄧小平副首相から日本の自衛力をもっと増強すべきであるというような発言があったというふうに聞いております。それは新聞に報道されているわけでございますが、最近中国の方から、日本の防衛関係者、防衛庁の幹部あるいは前の、いまOBになっている幹部あるいは防衛評論家というような人に対して非常に接近をしてくる、働きかけが多い、また訪中を非常に招請するというようなこともあって、まあ交流がかなり盛んになってきている。日本側からももうすでに三十数名の人が、防衛関係者が訪中しているというようなふうにも聞いているわけでございます。 それはそれでお互いに親善交流を深めることはどうってことじゃないんですが、しかし同時にこの問題は、あるいはソ連、あるいは台湾というようなところでも非常に関心を持っているわけでございます。そういうふうなことで、よほど全般を見ながらひとつ慎重に対処をしてもらわないと、なかなかむずかしい事態が起きるんじゃないかなというふうに思いますので、時間がございませんので、この問題について簡単に御説明いただければありがたいと思います。
○国務大臣(久保田円次君) 外務省と協議しつつ、慎重に進めていきたいと思うわけであります。
○原文兵衛君 最後に、太平洋の島嶼国の問題についてお伺いしたいと思うのでございますが、実はいまAPU、アジア国会議員連合の総会が東京で開かれておりまして、私も日本の代表で出ているんですが、アジアだけでなくて、太平洋の島々の、島の国あるいはまだ独立してないところからもたくさん来ているんです。代表が来ているのはパブア・ニューギニア、ナウル、西サモア、ニューヘブリデス、グアム、ノーザンマリアナコモンウエルス、ミクロネシア連邦、パラオ、マーシャルというようなところからもみんな代表が来ているわけでございます。太平洋では一九六二年の西サモアが最初でございますが、それからすでに八ヵ国、たしか八ヵ国だったと思いますが、独立をしておるし、来年はニューヘブリデスが独立するというような予定になっていると思うわけでございます。それと同時に再来年、一九八一年になりますとミクロネシアに対するアメリカの信託統治が終了するということになるわけですね。このミクロネシアのアメリカの信託統治地域というのは、日本のかつての委任統治地域でございまして、私も何回か行っておりますが、アメリカはこのミクロネシアに対して――アメリカは資源が豊富な国だからそういうようなものに対する関心はないのかもしれませんが、もっぱら軍事的な価値というようなことで信託統治を進めてきてたように思うんです。日本の委任統治のときにはそういう防衛上の問題もあるけれども、現地産業を、これを自立産業を開発し指導するという態度をとった。そこでこの島々、ことに日本の委任統治領であった島々の国民は、やはり日本が現地産業、自立産業を指導してくれたのを非常に喜んでおる。それでアメリカの信託統治は解けるわけです。もちろん北マリアナのようにコモンウエルスはもうこれでできているわけですが、そういう形態でいくところもありましょうし、あるいはまた、その他のミクロネシア地域のようにアメリカとのフリーアソシエーションというような形態でいくところもあると思いますけれども、いずれにしても日本はこの地域あるいはこの島嶼国に対して、もっと経済的な協力あるいは産業の指導、援助というような面でやっていかなくちゃいけないんじゃないかなということを私は痛感するわけでございますが、それについて外務省としても――私はいつかナウルへ行きましたときに、ナウルはオーストラリア大使館の管轄だということですが、ナウルの帰りにオーストラリア大使館に行きましたら、大使館員でナウルへ行ったことがあるのは大使夫妻だけであとの人は全然行ったこともない、これは一例ですけれども、やっぱりこれから太平洋地域というのは非常に重要性を帯びてくる。これはいまの産業の問題あるいはそれぞれ独立して国連に加盟すればやっぱり代表権の行使の問題があるわけですね、一票の。国として一票を持つというようなこともある、あるいはまた防衛上の問題もある。ソ連の調査船などが頻繁にパラオ地域に出ていろいろな調査をしているというようなことも聞いているわけでございますが、そういうようなものを総合的に考えまして、太平洋に対する日本の外交あるいは防衛上の積極的な関心と協力援助というものがこれから非常に大事になると思いますんで、もう時間がありませんから、簡単に外務省、防衛庁からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私どももこの太平洋地域の動きは非常に重要視しておりますが、ミクロネシアについて八一年にアメリカの信託統治が終了いたしますんで、経済協力等についてはいま予備的な話し合いを進めております。 なお、多少もうちょっと具体的にはアメリカ局長から答弁いたします。
○説明員(中島敏次郎君) このミクロネシア地域と日本との関係が非常に深いということはまさに先生おっしゃられたとおりでございまして、私どもといたしましても、八一年のアメリカの信託統治の終了に当たってこの地域が独立に近いようなステータスをもって新しい出発をするということであれば、われわれとしても太平洋地域の安定と繁栄のために応分の協力をしていかなければならないというふうに考えております。現在はまだアメリカとのステータスの終了の交渉が続いておりまして、そういう意味では八一年以降のこの地域のステータスというものは必ずしもまだ最終的には固まっていない状況でございます。 他方、これらの地域の方々がわが国に対して経済的な協力を望んでおられるということも私ども重々承知をいたしておりまして、できる限りそれまでの間にこれらの地域との対話を深めていって、そしてこれらの地域が八一年になってほぼ独立に近いような地位を占めるということになれば、その際にわれわれとしての対応がおくれないように十分な話し合いを少しずつ静かに進めていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○原文兵衛君 最後に、御要望を一つ申し上げておきます。 実は、いまアジア国会議員連合の話をしましたが、北マリアナコモンウエルスからはサイパンの代表が来ているんですけれども、サイパンは昨年は日本から約二十万人の観光客が行っているし、ことしは一〇%ぐらいまだふえてくるんじゃないかということです。それからカジノをつくろうという動きがあって、島民の投票の結果それは取りやめになったんですが、そういう動きがありまして、日本のいわゆる暴力団系の企業が、いろいろと何といいますかカジノの――これは結局取りやめにはなりましたが、その当時営業権というか、利権というか獲得しちゃって大変な動きがあって、サイパンの当局者にそういう日本の暴力団系の企業からいろいろ賄賂を出したんじゃないかとかなんとかいううわさが流れて、FBIまで内偵したというようなことも聞いているわけでございます。 そこで、向こう側としてはぜひひとつ日本の領事館をつくってほしいという要望がありますので、そう簡単にはいかないかもしれませんが、これをひとつ御検討いただきたいということを要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(中島敏次郎君) ただいまの先生から特に御指摘のありましたサイパンにおけるわが領事代表の問題でございますが、私どももこのサイパン及び北マリアナ地域と日本との交流がものすごく進んでおるということをよく認識いたしておりまして、ただ御承知のように、現在はグアムにわが方の領事がおって領事館があるわけでございます。 そこで、他方こういう島嶼でございますから、かゆいところに手の届くようにというふうになかなかいかないということでいろいろ考えましたあげく、サイパンに、グアムにあります領事館の何と申しますか、出張所みたいなものを、いずれにしろそこの領事館の人間がサイパンに行っていつもそこにいるというようなことができないかということで現在考えておりまして、近く実現し得るんじゃないかというふうに考えております。
○降矢敬義君 私の時間はもうあと十分しかありませんので、できるだけ簡潔に答弁をいただきたいと思います。 八〇年代、もうすぐ目の前に来ておりますが、六〇年代に築き上げた経済、政治、そういう国際的な面における枠組みというものが七〇年代を通じて崩れてきたんじゃないか、そういう意味で八〇年代の展望というものが非常にむずかしい。大来大臣は国際人でありまして、実は時間があればもっとそういう状況の中で今後の国際展望をどう見ているのか、そういう中でどういう外交戦略を組もうとしているのかということをお聞きしたいんでありますが、そういう点は後日に譲りたいと思います。 いずれにいたしましても新しいものをつくり上げていかなきゃいかぬ、こういうことが一つあるわけであります。同時に、私たちは国際的に政治、経済ともどもにお互いに依存し合う関係が一層深まってまいると思います。 そういう二つの面から私がお伺いしたいのは、日本の外交の基本姿勢、それを一体どこに置いていくのかということであります。つまり、自分を見失ってしまってはどうにもならない。しかも同時に、御案内のとおり、どろどろした国益がこの八〇年代の間に衝突することは多くの方がみんな予想しているわけであります。そういう中で日本が自分の国益を守りながら独自の道を歩んでいくためにはやっぱり確固としたスタンス、そういう基本的な外交政策の構えというものが確立されてこなきゃならぬと思っております。そういう点について外務大臣の御所見をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 八〇年代、確かに世界の情勢に流動的な面がございます。私以前から、日本の外交につきましては、特に資源のない国でございますし、石油の八割近く中東に依存しておりますが、主要食糧輸入の七割はアメリカから来ておるというようないろいろな点を考えまして、日本の外交の重要な役割り、これは日本の国内について考えました場合には、やはり日本国民の生活と安全を守るということが外交の重要な柱でなければならないと考えております。 外に対しましては、ただいま御指摘もありましたように、日本の国際的な少なくとも経済面における比重が非常にふえておりまして、たとえば世界のGNPの中で日本の占める割合は一九五五年には三・五%でございましたけれども、一九七八年、昨年はまだ概算でございますけれども、ほぼ一〇%、一割を占めるというようなことになってまいりまして、これは日本人が好むと好まざるとにかかわらず、外から日本の役割りに対する期待が次第に大きくなってまいりまして、この面にも日本はこたえていかなければならない、その場合の外に向かっての日本の外交の役割りというのは、世界の平和の維持、いろいろな紛争についてできるだけこれが衝突に至らない、話し合いで解決することに少しでもお役に立つということと、建設的な役割り、日本の大きくなった経済力を活用しまして世界の経済の発展、特に貧しい国々の経済発展のために建設的な役割りを果たす、こういう点が外交の内外における役割りではないかと考えておる次第でございます。
○降矢敬義君 私は米国とイランの紛争に対するわが国の対応の仕方を通じて少し外務省の姿勢をお聞きしたいのであります。 紛争の問題につきましては、十一月四日の大使館占拠、人質監禁から今日までもう一月以上たっております。その間にいろいろなことがありましたが、十一月十二日に経済断交が両国の間に行われております。われわれは十一月二十七日に国会を開いて総理の所信表明演説を聞いたわけでありますが、あのときに見ますと、まあ率直に言って、ここで読み上げる必要はありません、人道的な点からも一日も早く解決することが望ましいということは言っておっても、国際的にどういう問題であるのかということは何ら言ってない。そして外務大臣がバンスさんとお会いした直後に、国際法違反、あるいは最近では国際法違反どころか国際法無視だというようなことをアメリカにお話ししているようでありますが、どうも私たちから見ますと、最初はまあ二国間の問題で、けんかをしている人はお互いに解決してくれ、われわれは静観するというか、あるいは時が解決してくれるというか、そういう選択をしたんじゃないかなと私は思っております。これは私の推測であります。その選択は、先ほども外務大臣からお話がありましたように、日本の外交政策から見ると全体が非常に狭い道、選択の幅が非常に狭い中で一つ の選択をされたんだと思っております。ところが、外務大臣がバンスさんとお会いした後の声明その他を見ますと、率直に言って何か外から言われた、そして大急ぎで形をつくった、日米摩擦を避けたい、こういうことで何かやったんじゃないかなという私の気持ちが抜け切れません。 そういう点で外務大臣、十一月二十七日の所信表明とそれから十二日に外務省見解を出されたときの国際法違反あるいはその他のもっと強い姿勢との間に一体どういうものがあったのか。私は、率直に言って外圧じゃないかなという気がして、その点は私の見解によればいかにも自主性のない対応でなかったのかなという気がしてなりませんので、その点についての御見解を承りたいのであります。
○国務大臣(大来佐武郎君) この点は先ほど原委員の御質問についてもお答えしたことでございますけれども、日本といたしまして対中東関係あるいは対イラン関係、対米関係、非常に歯切れのよい形で割り切るということが日本の国益に果たして合致するのかどうかという問題もございまして、ただいま御指摘にありましたように選択の幅がわりあい狭いという状況に置かれておると私ども考えておるわけでございまして、でき得れば当事国の間で一日も早く円満な解決が図られるようにということを念願してまいりました。しかし、もうすでに四十日を超えてまいりまして、未だに人質の解放が見られない。一方、アメリカ国内における世論の動きというものがかなり激しい勢いを見せておるわけでございまして、この点に対する考慮もしていかなければならない。バンス長官に私お会いしましたときに、かなり強い表現が使われたわけでございますが、それはやはりアメリカの国内の世論に押されてバンス長官の発言があったようにも感じられたわけでございまして、こういう点を無視してまいりますと、日米外交にかなりひびが入ってまいる。そういう点も考慮しながら、他方においてイランとの関係をまた余り極端な形に持っていってはならない。そういう配慮を払いつつ従来いろいろと手を打ってまいりまして、ごく最近のところではアメリカ国内で急激に燃え上がりました対日批判もやや鎮静化しかかってきておるようでございます。私ども情勢を注意深く見守りながら、やはり日本の基本的な国益を失わないように対処してまいりたいと考えておるわけでございます。
○降矢敬義君 選択の幅の狭いことは私も十分承知しております。ただ一月もたってからああいう見解を出したことが、実は私にはどうも次の点でなかなか納得しがたいものがあります。 というのは、アメリカの動きはすでに国際司法裁判所に提訴をしておるわけでありますし、十二月の四日になりましてからもいろんな動きがあることはすでに御案内のとおりであります。同時にアメリカが日本に対していろんな不満をぶっつけ始めているということも、いろんな意味で外務省としてはおわかりでなかったのかと思います。 先ほど穐山委員から外務省の情報のアンテナが非常に低いということの御指摘がありました。全体として私もそうだと思います。特に中近東につきましては私もそうだと思います。同僚の議員から先ほども何回か指摘がありました。今度はアメリカの中における問題でありまして、この点についてどうもこんなふうになるという前に何か手を打てなかったのか、打ってもどうしてもだめだったのか、その辺がどうしても私は納得できません。それが日本の外交機能というものを今後充実していく上におきましても今度の問題を一つの教訓としてやっぱりもっと情報のアンテナを深くする、早く手を打つ。いかにも私たちは言われたからやったんじゃないかという気が抜け切れません。それは選択の幅が狭いだけにむずかしいのでありますけれども、それならそれでもっと早く対日不満を把握し、それに打つ手がなかったんだろうかなという気がいたしてなりません。この点についての外務大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) この点はその後の一月余りの情勢を振り返って見まして、いろいろと情報をとってまいりまして外務省の幹部の間でも絶えず討議をいたしてまいりまして、中東の情勢、特にイランの情勢とアメリカの情勢あるいはヨーロッパ各国の情勢等をにらみながら、できるだけ日本の国益に合致するように、長期的にも大きな外交上の亀裂が日本とアメリカの間、それから日本と中東の間にも起こっては長期の利益に反する問題も出てまいります。 で、この状況につきましては、特にアメリカの国内の情勢につきましてはかなり注意してまいったつもりでございますけれども、まあ時期を多少見ておった点もございますし、総理と中国訪問がございまして、その後私パリのエネルギー会議に出席いたしまして、そこでバンス長官と会う。とのエネルギーそれからバンス長官との会見を踏まえて日本のとるべき手をさらに考えた方がよろしいんじゃないか、そういうような判断をいたしてまいったわけでございまして、多少その手の打ち方、特にアメリカに対してのおくれがあったという点も率直に反省いたしますが、同時に、アメリカの中からもエネルギー担当の部局の方からは、ある程度イランのアメリカの買い付けをとめた分について他の国々がこれを買い取ることは石油の世界的な需給関係からいってもやむを得ないんじゃないかという情報も出ておりましたし、それ以外のまたアメリカの政府当局の考え方もあったわけでございますけれども、こういうアメリカにおける対日批判が噴き出すと、できれば事前にとめ得た方が御指摘のように外交的には望ましかったかと思いますが、全体として見ますと、ある程度噴き出して、それがまたおさまってまいる方向にきておると私どもは考えておりますので、いろいろ私どもとしても今後の施策の面で十分御注意の点は考えてまいりたいと思いますが、いままでのところいま申し上げたような経過でございました。
○降矢敬義君 もう最後の私の質問にいたしますが、この問題を通じて、一つの問題としてわれわれは全方位外交、とにかく平和、こういうことでどこの国とも仲よくする、こういう友好の基本を持っているわけでありますが、今度のように友好国同士が紛争を起こしているというような事態に当面して、選択の幅がいよいよ狭くなっておる、こういうことが今後ともないとは限らぬし、私はやっぱり一番厳しい事態を予想していろんな準備を日ごろからしておかなきゃならぬのじゃないかと思っております。 たとえば、もっと私は質問したかったんですが、日米賢人会議というようなものも、牛場さんの話によれば、将来日米間の経済摩擦を予防的に何か対策を講じられればという意図を秘められてこの会議が運営されるようなことでありますが、何かそういうことで事前に手を打ち、また最悪の場合にはこうだというような、非常に私たちは選択の幅が狭いだけに、そういうことをずっとこれから続けていかないとその場限りの場当たり的なものになって、かえって国際的な信頼を失いはせぬかということを私は今度のイラン・アメリカ紛争に関するわれわれの示した態度を通じて危惧するものであります。それが杞憂であってほしいとは思いますが、こういう点についても今後外務省として十分に留意されて、ぜひわが国外交の基本を世界の方々に理解していただくような努力を重ねてお願いいたしたいと思います。 また最後に、例の中近東大使の提言というものは私は非常にすばらしいものだと思いますし、外務省当局としても素直に受けとめて、ぜひあれを実現するように重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま御要望の点は私どもも十分実行の面でも考えてまいりたいと思います。四賢人会議、やはり政府対政府の対話のチャネルのほかに、それ以外のいろいろな場面での対話が必要だろうと存じますし、また同時に、外務省自体の問題といたしましても、これだけ国際的な問題がふえてまいりますけれども、人員の問題も、十年間に電信量が九・五倍になるけれども、その間人員は二割程度しかふえておらない。これは現在非常に行政簡素化の問題がございますが、外交問題についてはやはり全体の外交要員がイタリーよりも少ない、インドよりも少ない、アメリカの四分の一というような情勢もございまして、外からの人を登用するにいたしましてもある程度の定員が必要だということで、いま今度の予算とも関連して政府内部でも極力努力をいたしておる次第でございます。
○沓脱タケ子君 それでは、私最初に防衛庁に環太平洋合同演習、リムパックについてお伺いをしたいと思います。 防衛庁がリムパックに参加をするという発表をなさって以来、国民の中では疑問が広がっておりますと同時に、反対の意見が大きくなっております。また、マスコミでもいろいろな批判が出るようになっております。 そこで、リムパックというのは一体どういうことをやるのかというのが国民の中に明らかになっていない、そういう点で私そのことについて簡単にお聞きをしていきたい、そう思うわけです。 最初にお伺いをしたいのは、過去六回すでにリムパックというのがやられておりますね。前回リムパックに参加をした国別の規模をお知らせをいただきたい、そういうことで実は資料をお願い申し上げました。ついさっきいただいたのを見ますと、七八年の各国別参加規模は艦艇がアメリカが三十隻、それからオーストラリアが七隻、カナダが四隻、ニュージーランドが一隻で合計四十二隻、それから航空機、人員については不明である、リムパック77以前については不明であるという資料をいただきました。 そこで、私はこういうふうに資料をお願いしたい。国別の規模というのは参加をした艦船の数、それから航空機の数、参加人員を教えてもらいたいと、こう言ったんです。これはすでに二ヵ月ほど前になりますか、わが党の山中委員がお尋ねをして佐々参事官が調べてみるとあのときおっしゃっておられるのだから、これはお調べになった結果これしかわからぬのですか。
○説明員(佐々淳行君) この前御答弁申し上げましたように、過去六回防衛庁、海上自衛隊はリムパックに参加いたしておりませんでしたので、公式の資料がなかったわけでございます。また、アメリカ側といろいろやりとりをいたしました過程におきましては、リムパックの性格であるとか目的であるとか、そういうことに重点を置いたやりとりをやっておりまして、参加艦艇の数あるいは艦長の名前とか司令官の名前とか、こういう細かい点は後回しにしておったわけでございます。 御指摘のようにまだ二ヵ月はたっておらないと思いますけれども、前回お尋ねがございまして私ども調査をいたしております。まことに申しわけございませんけれども、アメリカ側の資料でも、たとえばリムパック71、これは四十六年の十一月に行われたわけでございますが、リムパック72、四十七年、この二回のリムパックについてはアメリカ、カナダ、豪州、ニュージーランドが参加をしたということはわかっておるわけでございますが、何隻参加したか記録がもうすでにないというようなことで私ども回答に接しておりません。 なお、七三年以降についても調査をいたしておりますが、とりあえず二年前の七八年、これについていま私ども問い合わせをいたしておりまして、私どもが回答に接しましたものをとりあえず先生にお答えをしたわけでございます。なお、これもいろいろ発表もしておりますので、資料をちゃんとやれば出てくるんだろうと思います。資料のわかり次第、差し支えない範囲のものは当然この前も申し上げましたように、御説明をするつもりでございます。
○沓脱タケ子君 いや、リムパックにわが国の自衛隊が参加するということを決めたわけでしょう。私は、決めた以上は、大体いままで六回やっていたのがどういう規模でどういうことがやられているのかと。あなた、教育訓練だとかあるいは戦術技量の向上を図るんだとかなんとか言うて盛んに説明していらっしゃるでしょう。何をやっているのやら、どのくらいの規模でやっているのやらわからへんままで参加を決めるというようなことは、国民にとっては理解しにくいんですよ。それで資料をいただきたいと言うたらこんなことしか言わない。飛行機何台行ったか、参加した人員が何かわからぬ。こんなことで国民が納得すると思いますか。わからぬから言わぬのか、わかっているけど言わぬのか、どっちですか、はっきりしておきましょう。
○説明員(佐々淳行君) 78につきましては、艦艇につきまして、お手元に差し上げたとおり、アメリカ三十……
○沓脱タケ子君 それはわかっている。
○説明員(佐々淳行君) ということでございますが、航空機につきましては依然として回答に接しておりません。二百二十五機という参加総数は発表になっておるんでございますけれども、国別のがわかりません。しかし、察するにこのほとんどはアメリカであろうと考えております。それから人員も約二万二千という発表がなされておりますが、国別のブレークダウンがございませんで、これをいま照会中でございます。
○沓脱タケ子君 それじゃ調査が来ましたらひとつお知らせをいただきたいと思います。 で、来年のリムパック参加ですね、そういう状況、前の方がよくわからぬという状況ですから、来年のリムパック参加というのは、打ち合わせはすでにやったのか、あるいはやるのだったらいつどこでやるのか、そういうことをちょっと聞かしてください。ごく簡単で結構です。
○説明員(佐々淳行君) 先般十月の十六日に参加を決定いたしまして、アメリカ側に通告をし、二十三日に公表をしたわけでございますが、事の性質上、それまでの段階では基本的な性格、目的の打診、確認――従来申し上げておりますように、集団的自衛権を前提としたものではないんだろうな、あるいはICBMだとか核兵器を使うというようなそういう訓練ではないんだろうなというような点は十分確認をいたしましたが、細部につきましては参加の意思表示があってから具体的な打ち合わせをするというのが従来のやり方のようでございます。現に、たとえばカナダ、ニュージーランド、オーストラリアは過去六回参加しておりますから今度も間違いなく参加するんだろうと考えておりますけれども、まだいずれの国からも参加の意思表示の発表がございません。そういうようなわけで、これから細部を詰めてまいる。 またどういうレベルでやるかということでございますが、これはたとえば在日米海軍と海上幕僚監部、あるいは太平洋艦隊と海上幕僚監部、あるいは防衛庁内局とアメリカ大使館等いろいろなフェーズがございますので、それぞれのレベルに応じまして必要に応じやっておるところでございます。また関係事項に応じ、その都度、場合によっては口頭、電話等でのやりとりもございますし、だれが、特定の者と特定のチャンネルで、特定の場所でもって定期的にやっておるという状況ではございません。 なお、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアとは、従来申しておりますように、私どもは主催国アメリカの計画をしておる協同訓練に参加をするわけでございますので、これらの国とは直接コンタクトをとっておらず、また交渉もいたしておりませんので、これらの国とは打ち合わせはやっておりません。
○沓脱タケ子君 そうすると、来年二月と言われているリムパック参加の打ち合わせはこれからやる――ぎょうさん言うているんだけれども、私が聞いていることを的確に答えておらない。 いつやるんか、やったんだったらいつどこでやったんか、やってないんだったらいつどこでやるんか、そのことだけ言ってくれたらいい。
○説明員(佐々淳行君) 先ほど申しましたように、十月に参加を決定いたしまして以来、細部の打ち合わせを行っておるところでございます。現在進行中でございます。調整が進行中ということでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、だれが調整をしておるんですか。防衛庁の内局なのか、制服がやっているのか、それはだれがやってるんですか。
○説明員(佐々淳行君) これに参加をいたしますのは海上自衛隊でございますので、主として海上幕僚監部が実施をし、内局がこれをアドバイスをしたりあるいはその状況についていろいろ承知をしておる、こういうシビリアンコントロールの原則によって見ておる、実際の交渉は海幕がやっております。
○沓脱タケ子君 そうしますと、それは現在進行中なんですね。それで日本とアメリカ以外の参加の決定は確認をしていない、している、それはどちらですか。
○説明員(佐々淳行君) 先ほど申しましたように、まだ確認いたしておりません。
○沓脱タケ子君 それじゃリムパックに参加するいうて日本では大騒ぎして決定したでしょう、総理の了解もいただいて。さっきの答弁で言うてましたから。ところが関係国へ日本は問い合わせもしない。ほっとくんですか。
○説明員(佐々淳行君) 再々申しておりますように、主催国アメリカがそれぞれの国とそれぞれ違った条約に基づいてこの協同訓練を計画しているわけでございます。したがいまして、日本がそういう同盟関係にはないオーストラリア、ニュージーランド等と直接やるというのはいかがかということで、直接いたしておりません。アメリカを通じて承知をしておる、現時点においては主催国であるアメリカも参加予定国である他のカナダ、ニュージーランド、オーストラリアも、いまだ意思表示をしておりませんけれども、多分参加すると思います。
○沓脱タケ子君 意思表示をしてないけれども多分参加すると。実にあいまいですな。それなら余り時間がないので時間かけられませんから、それじゃもうちょっと具体的に聞かしていただきたいんですが、日本では十月十六日に参加をするという決定を正式になさった。それで五十四年度内にやると言うんですが、何月何日からやるかということは決まりましたか。それからもう一つは、決まったら海上自衛隊は何月何日に出発するか。
○説明員(佐々淳行君) 計画の細部につきましては現在日米間でもって調整のための交渉が行われております。この交渉がまとまり次第、最終的な案が参ります。主催国であるアメリカが発表をするであろうと存じます。この交渉の内容につきましては、再々申し上げておりますように、二国間で行われておる国際的な交渉事につきましては、その過程でもって一方当事国が勝手に発表するということは国際慣行に反しますので、これは差し控えさせていただきますが、アメリカが発表をする時期には各国とも同様の発表をするであろうと考えております。
○沓脱タケ子君 そうすると、わが国が参加をするということは決定したけれども、アメリカが発表するまではわが国の防衛庁は発表を国民にしない、そういうことですか。
○説明員(佐々淳行君) 先ほどの当委員会における御覧間でお答えをいたしましたように、海上自衛隊の教育訓練に関する訓令第四十五条に基づきまして、アメリカとの協同訓練は海幕長がシビリアンコントロールの原則によりまして大臣に報告をし、その御決裁をいただくことになっておりますが、まだ計画が完全にでき上がっておりませんので、いつ出発するかとか、そういうことがまだ決まっておりませんので、まだ決裁をいただいておらないという段階でございますので、発表はできないということでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、防衛庁から自衛隊のリムパックに参加をする護衛艦、それから艦船、航空機の数、参加人員、これはもう決まっているんですか。どれだけですか。
○説明員(佐々淳行君) 護衛艦DDH、これはヘリコプター搭載の四千七百トン級の船になろうかと思いますが、これとDDG、これはミサイル搭載護衛艦三千五十トンクラス、「かぜ」クラスも一隻になろうかと思います。この二隻。それから航空機は対潜哨戒機P2J八機、これは従来五十一年からハワイ派遣訓練でお認めいただいております規模と同一でございます。人員はおおむね七百名でございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、いわゆる対潜哨戒機八機と言うんだけれども、ヘリコプター搭載のいわゆるもうすでによく報道されている「はるな」ですか、「はるな」のヘリコプターの三機はどないするんですか。連れていくんですか、置いていくんですか。
○説明員(佐々淳行君) これは艦戦機であり、かつヘリコプター搭載護衛艦がヘリコプターを積んでおりませんと物の役に立ちませんので、対潜哨戒訓練用にこれは同行いたします。
○沓脱タケ子君 そこまで決まっておるとすると、自衛隊の指揮官も決まっておるでしょうね。どなたですか。
○説明員(佐々淳行君) 内定はいたしておりますけれども、まだ大臣の一般命令を受ける、すなわち決裁を受けておりませんのでまだ発表の段階ではございませんが、これは決まりましたら発表させていただくつもりでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、アメリカが中心でやるわけだからアメリカの指揮官、それから全体の今度のリムパックの指揮官というのはどなたですか。
○説明員(佐々淳行君) まだ正式発表になっておりませんので間違いましたら申しわけございませんが、従来の慣例で申しますと、主催国アメリカのハワイに基地を持っております第三艦隊、これは第一線配備になる前のアメリカの艦艇の訓練も担当しておる艦隊でございますが、第三艦隊でございますので、この第三艦隊がホストフリートと申しましょうか、主催者になり、その司令長官が責任者になろうかと存じます。
○沓脱タケ子君 それで、いわゆるリムパックというのはどないなことをするんだろうかというのが国民によくわからないので聞きたいと思うんですけれども、五つの国がそれぞれ艦艇とか兵員とか航空機とかを持ち寄ってやるということになりますと、やっぱり艦隊を編成して行動するんでしょうね。そうすると他の国、たとえば日米、日米が艦隊を組んで行動するということになるんでしょうね。それから、日本とアメリカとそれ以外の国とも組むということもあり得ますね。日米はもちろん組むでしょう。それから日米の上にさらに他の参加国のどれかが加わるという場合があるかどうか。それからもう一つは、日本と、アメリカ抜きで他の三国のどれかと組むというふうなこともあるかどうか。これはどうですか。
○説明員(佐々淳行君) 今回のリムパック参加が、再々申し上げておりまして繰り返しになりまして恐縮ですが、ハワイ派遣訓練の充実強化でございますので、アメリカとの訓練を念頭に置いて参加をするわけでございますので、アメリカと組んで艦隊行動をすることは当然あろうと思います。アメリカを抜きで他の三国と直接組むということはそれが目的でございませんので、今回はそういう計画はないことになっております。また、それではアメリカと日本とそのほかのと、さらにその上に組むかどうか、こういうことでございますが、日本側はアメリカともっぱら組むということで計画をお願いをしておるところでございます。 なお、ちょっと念のため申し上げますが、先ほど統一的な指揮官とおっしゃいましたようでございますが、これは主催者というふうに言わせていただく。かつ計画を策定し、かつその計画を運用するところの調整者、コーディネイターと呼ばれておるようでございまして、今回参加いたします各国は指揮権は対等ということで参加をすることになっております。
○沓脱タケ子君 それで、五つの国の軍隊が寄って訓練をするわけだから、どこかと組まないと意味ないわけですね。日米だけだったら――日米も私ども別に賛成じゃありません、反対はしているけれども、現にはやっているわけだ。それにさらにプラス五ヵ国とやるということになると、幾つかの国と国とが艦隊を組んで演習をするということが想定をされるというふうに思うんです、これは、全く国民の常識的感覚から。そういうことはやらないわけですか。日本とアメリカは組むけれども他の二国とは、これは標的、あなたの方が言ったターゲットサービスですか、そういうことはあるけれども組むということはないわけですね。その辺ははっきりしておいてください。
○説明員(佐々淳行君) 仰せのとおりでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、ターゲットサービスをやるということなんだけれども、アメリカとの間の通信連絡は日本の自衛隊はやる。他の二国との間には通信連絡も一切何にもなしにおやりになるんですか。
○説明員(佐々淳行君) 今度の訓練の目的がアメリカのすぐれた高度の戦術技量を習得することでございまして、アメリカともっぱら組む、通信系統もそういう組み方をするということで承知をいたしております。ただ、どうせハワイの沖で、同一海面でおりますし、たとえば訓練が終わってハワイのオアフ島ですか、どこかへ寄港するようなときに、すれ違っても全然あいさつしないのかと言えば、それは国際儀礼上手旗信号か発光信号か何かでこんにちはということは言うんだろうと思いますが、そういう程度のコミュニケーションはございますが、訓練想定上のコミュニケーションはないと承知しております。
○沓脱タケ子君 最後に防衛庁長官に言うておきたいと思うのですが、いや今度のリムパック参加は集団自衛権の行使ではないんだ、だから憲法違反ではないんだというようなことを盛んに国会論議の中でもやられているわけですよ。教育訓練だから問題はないんだと。ところが中身いうたら、いままでのリムパックもようわからぬと。今度の参加は、やっとこっちの状況はわかるけれども、他の二国、アメリカ以外の三国は参加するのかどうかわからぬ。いつから出発してどないするのかもようわからぬという状況では、これは国民は判断のしようがないんですよ。 ですから、これは基本問題に触れるのか触れないのかという基本的な論議というのはきょうは時間ありませんから別の機会に譲りますけれども、長官、少なくともこの全容というのは国民にわかるように明らかにしていくということがいま何よりも大事だと。判断のできる材料を国民に与えるということを一切やらずに進めていかれる。参加も決定をした、どうやら来年の正月過ぎたら出発するかもしれぬのに、いまだにはっきりせぬというようなことが国会の中でもまかり通っているということでは、これは国民が疑問を持ち反対をするのも当然になるんです。その辺をはっきりしてほしいんです。
○国務大臣(久保田円次君) リムパック参加については、すでに国会を初めとしてあらゆる場を通じてその意義等を繰り返し御説明しているところでございます。今後、主催国である米国との協議が調い、米国が公表した段階で本訓練の目的等について国民の十分な理解を得るため、可能な範囲でできるだけ御説明してまいりたいと思うわけでございます。
○沓脱タケ子君 それは特にお願いをしておきたいと思うんです。なかなか前のこともわからぬで決定するというのは国民にしては非常に不安ですよ。 時間がありませんから次の問題にいきますけれども、さきの五十三年度の決算検査報告を拝見いたしますと、防衛庁のところではカラ出張と備品の高価購入というところが指摘されておるんですね。ところで、十二月十二日の読売新聞だったかと思いますが報道されておりますが、陸上自衛隊の戦車用砲弾の欠陥、それから購入方法のあり方という問題についての問題点が指摘をされておりましたが、これに関する問題をちょっと簡単にお聞きをしたい。 時間を節約する上で、私若干説明をしておきますが、七四式戦車搭載の百五ミリ砲に用いられる国産開発された七五式百五ミリ粘着りゅう弾という弾だそうですが、これについてお聞きをしたい。 この資料等を見てみますと、まず五十年三月二十九日に契約をして五十一年二月に納入をされましたこの七五式百五ミリ粘着りゅう弾五千発のいわゆる第一ロットと言うんですが、この五千発の使用中に、五十一年八月九日に八百三十五発目が事故を起こしたということになっておりますが、そのとおりですか。
○説明員(倉部行雄君) ただいま御指摘いただきました七四式戦車の百五ミリ粘着りゅう弾の事故でございますが、第一回目……
○沓脱タケ子君 いや、起こったか起こらぬかです。
○説明員(倉部行雄君) 五十一年八月九日に第一ロットから砲身がふくらんだという事故がございます。
○沓脱タケ子君 その後、いわゆる第一ロットの使用を禁止して、第二ロットを使ったと言いますが、残りの四千百六十五発の処理をどうしたかということです。これをちょっと聞きたい。
○説明員(倉部行雄君) 第一ロットの事故が起こりましたのは五十一年八月でございますが、その後直ちに防衛庁といたしまして調査、検討を開始しまして、第一ロットの残弾について総点検をしたわけでございます。 その結果、格別に異常なものが認められないということでございます。しかし、これはそういった事故も起こったことでございますので、生産開始の第一ロットということで、量産初期の段階に起こりがちな何らかのふぐあいであろうというふうに考えまして、これに対処するため、たとえばエックス線検査というようなことによりましてさらに厳重な点検を特に弾頭炸薬部について行ったわけでございます。 そうしまして、異常でない弾薬というものを選び出しまして、具体的な原因の究明をこれと並行してやったわけでございますが、その後こうして選別を終えました弾薬の射撃を行ったわけでございますが、その中に砲身が損傷するというような事故は起こらなかったわけでございますけれども、技術的に検討を要するんじゃないかというような弾も発見されましたので、先ほど申しました弾頭炸薬部を中心に検討していたわけでございますが、炸薬部以外の面につきましても検討しようということになったわけでございまして、そのロットに属する残弾でございますが、これについて弾頭全体を交換することにいたしたわけでございます。 この結果、五十四年の三月に弾頭交換の完了したものが納入されまして、その後も逐次納入される予定であったわけでございます。ところが、この第一ロットの弾頭交換したものが順次納入されつつあったわけでございますが、五十四年、つまり本年の夏におきまして、第三ロットと第四ロットにつきまして事故がたまたま二回発生したわけでございます。こういったことから、私どもは本件弾薬の事故というものは第一ロットに必ずしも限定される原因ではないのではなかろうかということで、現在、全面的な原因の検討をしようということにいたしておりまして、鋭意やっておるわけでございますが、この原因の究明が済み次第、第一ロットの残っている残弾についても早急に改善したい、こういうふうに考えております。
○沓脱タケ子君 こういう砲弾というようなものを、言うたら税金のかたまりなんですね、だから、余りいいかげんに扱われると困ると私は思うんです。それで、第一ロットの五千発のうちの八百三十五発日に事故が起こって四千百六十五発が残っているけれども、その後いまだに全部処理がついてないと言っているんですけれども、その後五十一年十二月には五千四百発、五十二年十一月には八千三百発、五十三年十二月には六千発、五十四年三月には六千三百発購入をし、さらに五十四年は、五十四年度末までには一万五千発をもう契約済みと、こういうことになっているんですね。 それだけ見ても大体ざっと四十億です。それで、大体普通の商売ではこんな取引はせぬのですよ。商品に事故があって欠陥商品やということになったら、普通は原因究明をやるなりあるいは同じ物を次々毎年増量して購入するというようなことをしません。原因究明を必死になってやらなかったら、買うてもらう方だってストップされたら困るんですよ。ところがあなたのところのは、原因が一つも明らかにならぬけれども毎年毎年増量して買うていく。こういうことをやっておったんでは、これは防衛費を幾らふやしてもたまったものじゃないというふうに思うんです。その辺をはっきりしなければいかぬと思う。だからいまだに、三年以上も前に事故が起こって、それで小松製作所に引き取らして補修か何やらやらせるとか言うて、ぼつぼつやっていますねん、まだ片がついていませんねんというようなことは実際国民は理解しにくいんです。 それでこういう点について私は思いますのは、しかもこれは砲弾だからということで、こういうものの発注は小松製作所の随意契約でしょう。随意契約だということは砲弾の製造については独占でしょう、この部分については。これはもう大体独占で、しかもそういうことが平気でやられている。しかももっと見てみたら、あなたの方からもらった資料を見ても、防衛庁の陸将とか陸将補とか空将とか、技術研究本部技術開発官というような人なんかが顧問だとか何とかいうて天下っているんですよ。こういうことがやられているからこそ、大体取引で言うたら商取引の常識を超えるようなことが続けられていっているというふうにしか見られないわけです。これはもうきわめて重大だと思っているんです。 時間がありませんから細かく聞くのをよしますが、私ども党としては防衛費は不要だという立場をとっておりますけれども、現実にやられている税金の使い方について、これでは国民は納得できませんよ。長官どうですか、それは厳正にやるべきです。三年前に起こった事故のものを、原因がわからぬからまだ究明するのに置いてある、その後は、しかし買い入れはとめているんだとかなんとかというんならわかるけれども、毎年毎年ふやして買うているんです。いまだに原因は明らかでありませんと、それは二回、三回起こったんだからそういうことになったんだけれども、そういうずさんなやり方というのは困ると思う。一つは検査院に、こういう点について私はやはり調査をするべきだと思いますけれども、検査院の御見解と防衛庁長官の御見解を伺ってこの問題を終わりたい。
○説明員(倉部行雄君) ちょっと一つだけ触れさせていただきたいんでございますが……
○沓脱タケ子君 いやもう余分なことをあんまり言うてもらったら困る、長いよあなた。
○説明員(倉部行雄君) 簡単に申し上げます。 小松製作所を選びましたのは、実はこの弾薬の開発当時に、武器等製造法というものがございますが、それによる製造許可を有していたのは、実は小松製作所とダイキン工業の二社であったわけでございますが、小松製作所はこの同種類の百六ミリ無反動砲用粘着りゅう弾というものを製造しているという基盤と設備等がございましたのでそれを選んだわけでございまして、それ以外の理由はないわけでございます。 それからこの弾につきましては、粘着りゅう弾というのは非常に高性能のものでございまして、炸薬が非常に敏感である、それから弾殻といいまして周囲の鉄の部分でございますが、これが非常に薄くしてあるというようなことで、初期には非常に事故が起こりやすいという可能性があるわけでございますが、しかし、これまで試験的に撃ちました一万数千発のうちに砲身の破裂等を伴いましたのは三発でございまして、それは確率的に言いまして各国、これは必ずしも公式の数字はございませんが、いろいろなデータを見てみまして確率的には非常に低いというふうに考えておりまして、私ども現在演習を一部とめておりますのは安全第一ということでやっているわけでございまして、最近原因につきましてもおおむねめどが立ちつつございまして、それをさらに試験をいたしまして早急に原因を究明して対策を講じたいというふうに考えておるわけでございます。
○説明員(藤井健太郎君) お答えいたします。 先生御指摘の問題につきましては、私どもいままでの実地検査を通じまして事態がわかったものでございます。それ以来特に関心を持って検査を続行しているわけでございます。ただ、事故発生と同時に防衛庁におきましてはその原因究明に努力をいたしておりまして、その状況あるいは対応策、そういったものを十分見守りながら今後対処していきたいというふうに考えております。
○国務大臣(久保田円次君) 原因調査の結果を待って適切な処置をいたしたいと思います。
○沓脱タケ子君 それじゃあとちょっと外務省にお聞きしますが、KDDの例の贈り物作戦という中で、昨年の五月末にKDDがアメリカの政府高官と夫人に高級カメラやら高級ネックレスを贈ろうとして突っ返されたという事実があったという報道がございました。そのときになぜ返したかというと、アメリカには公務員は五十ドル以上の贈り物を外国人から受け取ってはならないという規則がある、もし儀礼上どうしても受け取らざるを得ないときには帰国後政府にその品を引き渡すようになっているということだそうですが、他の欧米諸国にもそういった取り決めがあるやに聞いておりますが、わが国は一体どうしているのか、少なくとも諸外国並みにきちんとえりを正してのりを決めるべきだと思うんですけれども、そういうお考えがあるのかどうか、それを最初にお聞きをしたい。
○説明員(山崎敏夫君) 諸外国におきましては、こういう外国政府等から贈り物を受けることにつきまして規制をしていない国も多うございますが、若干の国については規制を行っております。仰せのとおりアメリカとかイギリス、豪州、シンガポール、西独等は一定の規制をいたしております。 わが国では、従来はっきりした基準はなく、いわば各人の良識に任されていたわけでございますが、最近、十一月九日の閣議におきまして大平総理より、「公務員の外国政府及びその職員からの贈答品の受領については、外交儀礼上止むを得ない場合で、かつ、軽少なものに限る。」という御指示があったわけでございます。 そこで、あとは実は内閣がお答えになるべきことかと思いますが、便宜上私から答えさしていただきますと、これを受けまして十一月二十六日に各省の官房長等の会議の申し合わせといたしまして同一内容の申し合わせが行われまして、さらに外務省に対しまして具体的な基準案の作成方について御依頼がございましたので、わが方で一案を作成いたしました。それに基づきまして十二月十二日にこの申し合わせの細目について具体的な基準が各省庁間で申し合わされた次第でございます。もし御質問がございましたらさらにその点詳しく御説明申し上げます。
○沓脱タケ子君 その細かい取り決めは後で私に資料として下さい。 それから、もう時間がありませんので最後にお聞きをしたいのは、実はこれは皆さん御承知だと思うんだけれども、朝日新聞の方で発行された「公費天国」という本、あの巻末にずうっと列挙されている接待事例を見てみました。そうしますと外務省もなかなかたくさんお使いになっているんですが、調査によりますとこの事例というのは料亭「大野」だということでございます。外務省もこの料亭「大野」をたくさんお使いになっておるようでございます。で、これは後でお聞きをしますけれども、二十数件ございますが、もう時間がありませんので簡潔にしたいと思うんですが、これは私は、外務省の仕事の関係上、外国の大使だとか外国のお客様に対する接待で日本の一流料亭を使わなければならないということまで否定するものではありません。時によると必要かもしれません。しかし、その事例をずうっと引き抜いてみますと、昨年の三月十五日には外務省内の宴会とか、昨年の六月八日には外務省六人が午前一時過ぎまで、これは料亭「大野」ですよ。それから十月六日には外務省の歓迎会、十月九日には外務省が衆議院委員部幹部らを招待などというのもあるんですね。これは新聞社の調査ですから私、全部が全部正しいのかどうかわかりませんが、このうち外務省で、恐らく裏金ではなかろうからはっきりしていると思うのですが、外務省で支出をしておられるのは何件ありますか。
○説明員(山崎敏夫君) 仰せのとおり、外務省としましては広く外交活動を展開するに当たりまして外国要人等と接触し、ある場合には接待するということもあるわけでございます。ただ、われわれといたしましては、その外交という仕事の性質上、個々の行為について具体的に申し上げるということは差し控えさしていただきたいわけでございます。 御指摘の資料につきましては、私たちは、具体的にこれはどういう場合であるということは申し上げることは差し控えさしていただきたいのでありますが、御指摘の資料の中でどうも外務省に関係があるらしいということについて調査いたしましたところ、二十数件のうち半分ぐらいが外務省の方で支出いたしております。
○沓脱タケ子君 とにかく外務省の六人が午前一時までというのは、これは宴会を一時までしておることはないはずで、宴会が済んでそれこそ芸者をはべらしてマージャンしてたかもわからぬ。そういうことはやっぱりやめさせないかぬ。これは国民は了解しませんで。そのために予算配賦してないんだから。そうでなくても増税等が問題になっているとき。 特に、衆議院の委員部を招待したというのがあるでしょう、十月の九日。これは一体どういうことですか。何でも言うのは差し控えさしてもらいたいっておっしゃるんだけれども、これは外務省、事実ですね。何人をどんな目的で招待したんですか。
○説明員(山崎敏夫君) 最初に申し上げましたように、具体的な事例についてその日時とか場所とか目的を申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 検査院はどうですか。
○説明員(岩井毅君) 御指摘の件でございますが、先生から御指摘がございまして、私どもでも早速計算証明規則によりまして本院に提出されました証拠書類によりまして調べましたところ、確かに十月九日に「大野」を使用したということがたまたま添付されておりました請求書等によりまして認められた次第でございます。
○理事(穐山篤君) 沓脱君、時間ですからどうぞ。
○沓脱タケ子君 金額は四十万三千四百六十円と私どもの調査ではなっていますが、間違いありませんか。
○説明員(岩井毅君) 金額はおっしゃるとおりでございます。間違いございません。
○沓脱タケ子君 それで外務省、あなたは何でも言うのを差し控えさしてもらいますと言って言わぬけれども、去年の十月九日というのはどんな時期かというと、これは日中条約の衆議院での審議が十月の十三日からやられた。日中条約の審議の前に委員部を「大野」へ御招待になって、これまた外務省も予算使うて接待外交ですよね。しかも、私はこれはずいぶん問題だと思うですよ。委員部というのは大体どういうところですか。こんな招待する方もする方だし、される方もされる方だと思うんですがね。全く不見識だと思う。委員部というのは国会の各委員会の運営の円滑のために御苦労をいただく機関でしょう。こういうところを接待外交などをなさるといったら国会の正常な運営を冒涜するという結果になると思うんですよ。予算が、税金が足らぬで増税をしなきゃならぬという時代、しかも、福祉や教育までぶち切ろうという予算編成の中で大なたがふるわれようとするような時代に、私は大臣に最後に聞きたいんですが、「大野」をこんなにたくさん使うというのは私は差し控えるべきだと思うんです。「大野」のような一流料亭をこんなに頻繁にお使いになるということは差し控えなきゃならぬと思うことと、もう一つは、委員部を招待するというようなやり口というのは、これはおやめになるべきだと思うんですが、はっきり御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(山崎敏夫君) 個々の具体的な会合について申し上げることは差し控えさしていただきたいんでございますが、一般的に申し上げますと、われわれとしましては、外務省の方も国会の手続とか慣行については疎いところもございますので、まあ年に一回ぐらい、そういう方々をお招きしていろいろ御教示を受けるということもあります。それはわれわれとしましては、そういう条約とか協定を国会で御審議願うということもあって、それを通すことが一つの外交活動でもございますので、そういうことをいたすことはあるわけでございます。 ただ、その後、御承知のとおり官庁間の接待をやってはいけないという御指示もございますし、また現在の時点で考えますと、場所の選択その他において必ずしも適切ではなかったのではないかというふうにわれわれも思っておりますので、その点はわれわれとしても今後大平内閣の御指示に従いまして、そういう会議等の会食をする場合にも場所の選定については十分注意してまいりたいと考えております。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま官房長が申し上げましたとおりでございます。 最初にお話もございましたが、外国人の接待等でやむを得ない場合もございますけれども、できるだけはでにわたらないように今後気をつけてまいりたいと思います。
○柳澤錬造君 外務大臣、きょうは時間がないですから、インドシナの難民の問題だけにしぼって少しお聞きしてまいりたいと思っています。 その前に、大臣御就任になったばかりなんで、いまのわが国を取り巻く国際情勢――韓国、北朝鮮、ソ連、中国、インドシナ半島をめぐってのそういう情勢、それからまたイランとアメリカの関係が大分険悪な状態になっているんですけれども、そういう大変厳しいいまの国際情勢を見詰めまして、大臣として日本の外交姿勢をどういうふうにおとりになってこれからを進めようとしているか御所見をまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 日本の置かれました環境から考えますと、資源の点から申しましても世界の国々と友好関係を維持してまいりますことは、これは日本人の生活を守り、日本の経済を守る上にも絶対に必要だと考えるわけでございまして、外交の一つの重要な使命は、そういう意味での国民の生活あるいは安全を守るということだと思いますし、もう一つは、先ほども申しましたが、対外的に建設的、平和的な役割りを果たす、経済的にも大きな影響力を持つようになってまいりましたから、そういう心がけが基本になるべきだと考えております。
○柳澤錬造君 もう少し具体的にお聞きしたかったんですが、それはそれとして、ベトナムから流出をしてきておりましたボートピープルというものは最近二、三ヵ月ずっと減少をしてきているわけなんです。で、また今度はカンボジアの方の難民が大変にふえて緊急問題になっているわけなんです。このカンボジアの難民の推定数というものをどのくらいおつかみになっているのか。難民キャンプの数とかそれらに収容されている数とか、その辺のところをまず現状をお知らせいただきたいのです。
○説明員(柳谷謙介君) お答えいたします。 通常カンボジア難民と言いますが、この中に大きくわけまして二種類、いま御指摘のカンボジアからタイに出てきた、あるいは国境線上におられる難民と、カンボジア国内で苦しんでおられる方々。後者はややカンボジア被災民というような表現を使っておりますが、前者につきましては大体この国境周辺を含めて六十数万という数字が言われておりまして、そのうち明らかにタイ領内にすでに入った難民は四十万ないし五十万というふうに言われております。これらの者が、アランヤプラテートという町が国境にございますが、その北方並びに南方にそれぞれの数でこう集結しているわけでございますが、御承知のとおりタイは当初のころはこれを難民と認めませんで、不法入国者ということで数万入った時期がありましたが、これをむしろ追い返すというような姿勢をとった時期がございますけれども、やがてタイ側も諸般のことを考えまして、ことしの九月十八日以降は無制限に受け入れるという方針を決定いたしたわけでございます。 そのような状況下におきまして、タイはUNHCRあるいは国際赤十字、ユニセフ等との協力を得ましていろいろなキャンプあるいはセンターの設営に努力いたしまして、現在トランジットセンターが国境付近に一ヵ所、ホールディングセンターが六ヵ所、一部はまだ建設中でございますけれども、そういうような建設を行っておるのが現状でございます。 そのほかに、広い意味でカンボジア難民と申しますか、カンボジア被災民と呼ぶといたしますと、カンボジア国内で現に飢えとか病気で苦しんでおられる方々が通常二百五十万人と、こう言われているわけでございます。ただ、これは現地の状況が詳しくわかっているわけではございませんで、現地入りをしました国際赤十字とユニセフが大体の概数として把握した数字でございます。
○柳澤錬造君 これも大臣の方にお聞きしたいんですが、最近日本の政府もこのカンボジア難民についてはかなりお金も出してやっているんですけれども、ただ、私が前のベトナムのころから何回か取り上げてもきたんですが、日本の政府の取り組み方というのは、お金だけ出せばというか、お金を出してりゃこれだけやってやっているんじゃないか――この前も外務委員会でも、そういう点でもって日本が一番やっているんだと思いますから、そういう言葉は削除されたらどうですかと言ったんですけれども、ここでいま私がお聞きしたいのは、相手の方が何の援助を一番望んでいるんですかと、その辺のことを十分にとらえた上での援助でなければ効果がないんであって、いろいろそういう点でそういう情報の窓口がどうなっているのか、そしてまたわが国の協力の関係というものがどんなぐあいでいま進められているか、その辺のところをお聞きしたいです。
○国務大臣(大来佐武郎君) そういう避難民の実情把握ということで、十一月中旬にも緒方貞子さんを団長といたします現地の調査団を出しましてその報告も受けておりますが、やはり医薬品、医師、それから手術の施設、それからとにかく雨宿りの家が要るというような状況でございまして、たとえば自動車の中に手術台を設けた移動医療班、こういうようなものも現地は非常に強く期待しておるようでございまして、そういう点を踏まえまして、それから、タイの政府がある面積の土地を提供いたしまして、いまのサケオのほかに、新たにそれの集結地をつくる、この建設の協力をいたす――多少出おくれはございましたけれども、最近かなり急速にそのおくれを取り戻しつつあるように思います。 なお、諸外国は、早く出てきたこの医療団等は、民間の宗教組織その他自発的なものが非常に多いわけでございまして、こういう問題については、政府も努力すると同時に、民間の奉仕といいますか、自発的な救援活動が非常に貴重な意味を持つように考えます。この点についても、先月以来、民間の関心が急速に高まってきておりますので、私どもも非常に力強く感じております。昨日も三つの医療団の派遣の結団式が外務省でございまして、これは、民間の団体あるいは日本大学、さらにはボランティアだけの組織の医療班、これは年内に先方に参りまして、いろいろこういう動きが始まっておりまして、政府の施策と民間の自発的な活動をあわせてこの救援活動を強化してまいりたいと思っております。
○柳澤錬造君 その民間のボランティア活動のそういう希望者、最近かなり出てきたとおっしゃったんですけれども、そういう出てきたのに対しての政府側の対応というのはどういうふうにしているんですか。
○説明員(柳谷謙介君) これまですでに民間ベースのボランティア活動も若干はございます。これは大体タイのUNHCRの事務所の募集に直接応ぜられた方がすでに活動されておる。さらに、これもある意味で民間でございますが、日本赤十字社関係者もすでにタイに赴いておられるわけです。それから、いま大臣が申し上げましたように、これだけではなかなか一挙に大きく動きませんので、政府ベースといたしまして、国際協力事業団に本年度の予算をいろいろ差し繰ってもらいまして、三班、約二十名の医療チームを年内に派遣することになりました。大臣がいま申し上げました結団式はそのチームの結団式だったわけでございます。 そのほかに、これまでのところ約七十名の個人の方から、ボランティア活動をしたいという希望のお申し出がございます。医師が八名、看護婦十八名、その他という数字になっておるわけでございますけれども、これにつきましては、やはりそのボランティアを必要とする分野、あるいは勤務条件、あるいは経費の負担の仕方というようなことにつきまして、現在、逐次これをUNHCR等に照会するという労を政府としてもとっている次第でございます。 もう一つつけ加えますと、民間と政府との間の調整ということは日に日に必要が高まっておりますので、先般来、官民の連絡協議会というものを私どもの肝いりでつくりまして、関係各省庁、日赤のほかに、民間のボランティア団体、宗教団体の関係者の集まる会合を定期的に設けて、その間の意思疎通を一層十分にするという努力を払っている次第でございます。
○柳澤錬造君 七十名ぐらいの個人の希望者があった、医師が八名、看護婦が十八名、その他ということで、それは国連の難民の高等弁務官の方にいまのお話だと照会をしたというふうにちょっと聞き取れたんですけれども、そういう個人の団体がやりたいという希望が出てきて、そういう人たちを現地に送るについても、経費の関係とか、そういうことについてはどういうふうにお考えになっているのか。 それからもう一つは、いま官民協力機関が大分でき上がってきていろいろやれるようになりましたというお話があったんですが、その官民協力の機関というのをもうちょっと具体的に、どういう構成になっておって、どんなぐあいにこれからもそれが動いていくのか、その辺をちょっとお聞きしたいんです。
○説明員(柳谷謙介君) ちょっと重複いたしますけれども、実は先ほど大臣からも御披露がありました国際協力事業団ベースで三チーム送ったという御説明をいたしましたけれども、この内訳は、ある意味では民間の申し出と申しますか、呼びかけを受けた民間の方がこれに応じられたという性格があるわけでございまして、三チームの一つは全国社会福祉協議会チームというチームでございまして、もう一つは日本大学医学部のチームでございまして、三番目は一般ボランティア、これは日本シルバーボランティアズほかのボランティアの方々の合計七名のチームでございましたんで、これは本年度の予算を至急やりくりをいたしまして、技術協力のベースに乗せまして政府ベースの医療チームという形をとって民間の方に行っていただいたわけでございます。 そのほかにも、最近、先ほど御紹介しましたように、いまのほかに約七十名ほどのボランティアの方の希望が寄せられております。医師、看護婦以外の方につきましては、その需要等を確かめませんと、すぐに、ただ送り出せばいいということになりませんので、その点はやはり現地のHCRの事情、要望――いまのところは医療面が重要だということになっておりますけれども、場合によってはその他の一般的な支援活動というような需要もあるいは一定の技能を持った方についてはあるかと思いますんで、これはやはり個人ごとに何といっても現地の事情を確かめた上でさらに御活躍願いたい。その場合、さらに政府ベースの予算の経費に乗せておいで願うケースもあろうかと思いますし、あるいはボランティアによりましてはみずからの負担で行きたいというような意思のある場合はむしろそういうものにもなる。ただその場合も現地における受け入れをやはり相当いたしませんと、トラブルが起こってもいけないものですから、それはやっぱり一件ごとに十分詰めていきたいということで照会を行っておるというふうに申し上げたわけでございます。 なお、先ほどの協議会でございますけれども、ちょっと正確な全部の出席者のリストを持ち合わせませんですけれども、外務省、厚生省あるいは労働省、文部省等のほか、日本赤十字社、それから民間につきましては国際ロータリー会あるいは曹洞宗あるいは難民を助ける会――インドシナ難民を助ける会というのはまた別にできましたその会等の、すでに何らかの形で難民対策に非常に積極性を持っていらっしゃる方にとりあえずお集まり願って協議会を発足したわけでございます。
○柳澤錬造君 それから、現地では何か、品物もあれだけれども、お金を送っていただければミルクとかいろいろそういうものはわりあいに手に入るんで、お金を送っていただきたい、それから、人手が足りないんだといろいろ言われているように聞くんですけれども、その辺のお考え。 それからもう一つは、いろいろそういうお金をカンパして集めたりして送る場合に、えてして――これは一般のカンパする場合のことなんですが、一般国民が、間違いなくそれがちゃんとカンパで集めた趣旨のところへ行くのかどうかという不安を持つ人もおるわけなんですけれども、それらの点を含めてどういう御判断をしているかです。
○説明員(柳谷謙介君) 後の方の御質問でございますけれども、お金の集まりぐあいにつきましては緒方さんが団長でいらっしゃるということになりましたときに、全国地域婦人団体連絡協議会の方で、おやつを節約してというような運動でお集めいただいた一億円がございまして、これは緒方さんが持っていってタイ側に手交されたわけでございますが、そのほかにも民間のいろいろな方から個人あるいは団体から外務省にも二百万円に近い寄付が寄せられている事実がございます。 それから第一点のこととつながるんですけれども、現地ではお金があれば品物が買えるからお金の方がいいということでございます。これはもともとUNHCRに日本がいろいろな努力で拠出したものが現地タイ、あるいは以前はマレーシア等でございますけれども、そこに参りまして、そのお金によりまして食糧とか医薬品とか運送用のトラックとか、そういうものが買われたり、あるいは仮のキャンプをつくるお金になっているわけで、それにおいては日本の拠出金が物にかわり、難民の方々の救援に使われているというのがあるわけでございますが、さらに、いまのような民間の方から申し出のあった寄付金につきましては、現在のところ、私どもは、タイ政府の技術経済協力省、通常DTECと言っておりますが、この団体に供与する、この団体から領収書を受領するとともに、どのような使用ぶりであるかということの報告を受けて、拠出していただいた方、寄付していただいた方に対してその結果を御報告するという手だてを講じまして、間違いなく渡っているということは確保したいと思っております。
○柳澤錬造君 時間もないので、もうこれで最後にいたしますけれども、特に大臣にもお聞きをいただきたいんですが、ことしの三月二十六日の予算委員会でも難民問題を取り上げまして、時の外務大臣というよりかも当時総務長官の方から大変ないい御返事もいただいて、定住の枠が五百人にふえたわけなんです。その予算委員会でも、カナダの方からかなり権威のある手紙が世界的にばらまかれて――もちろんマル秘のアジアレターというんですけれども、私はそれを日本に関したところだけそこで読み上げたんですが、きょうは時間がありませんので、もう読み上げません、一度お読みをいただきたいと思うんです。そして先ほども言いましたように、このカンボジア難民の問題になってからは、確かに日本がいま盛んにむしろどこの国よりかもと、そういう傾向があるんですけれども、依然として諸外国には、日本の国は金は出すけれども難民は受け入れたくないという、そういう考え方に固まっているんじゃないかという非常な不信感があるわけですね。ですから、ことしの春のせっかくの五百名というのですらもこれはもうけたが違うわけなんです。その五百名に枠を広げたにもかかわらず、依然としてまだそれがやっと百二十名程度しか定住の受け入れがされてないという状態で、外国のように何万人も受け入れているのとわけが違う状態にあるんで、その辺のところについて、これから人道上の立場に立ってやりますという予算委員会のときの答弁もあったんですが、本気になってそうやっておやりがいただけるのかどうだろうか、お答えはその点だけしていただけば結構です。 それからもう一つは、これは御要望で、また別の機会に取り上げたいと思いますのは、ボートピープルなり今度のカンボジアの難民になるといってあちらの方で出てきて、いまそれを受け入れるかどうかというそれだけじゃなくて、ずっと前からもう日本に留学生なんかで来てしまって、南ベトナムなんかがああいう政変といいますか、国の体制が変わって、言うならばもう国籍もなくなってしまったような状態で、そのまま日本に居ついておるのが五百人か六百人おるはずなんです。どこへも持っていかれないわけです。そういう人たちの生活から何から、さらにその後いろいろ入ってきたのなんかを入国管理事務所ではどんどんと追い帰すようなことをいましているわけなんですけれども、これはきょうは御返事は後の方は必要ございませんので、御要望申し上げて、そういうことについても十分政府側として御配慮をしていただきたい。毛色や言葉が違っても同じ人間として人類愛の上に立って扱っていただきたいという要望だけ申し上げておきます。 前段だけはお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの点は私も同感と申しますか、常々感じておる点でございまして、ことしの七月にかなり居住の条件緩和が各省の相談で行われましたけれども、でき得ればさらに緩和が望ましい。日本は案外閉鎖的な国でございまして、従来から海外の移民を大量に受け入れている国々とその辺の事情がございまして違いがございますものですから、必ずしも順調にいかない、あるいは諸外国の批判に十分こたえられないという点がございますけれども、だんだんとその辺を開放的に、しかも入ってきた人たちが経済的に生活できないといけませんので、言葉の点、職業の点、その他の訓練も必要になりますので、できる限り国内諸官庁にも働きかけて、さらに緩和を図ってまいりたいと考えております。 最後の点、御返事必要ないということで、私もいまここに資料がございませんが、この元留学生等については八百七十八名のうち、十月末現在、五百九十七名の定着を認めたという数字になっております。
○喜屋武眞榮君 持ち時間が短うございますので、大変失礼ですけれども御返事を簡単にお願いいたします。 まず、第一に申し上げたいことは、外務大臣、国民が幸せになるか、不幸になるかということは内政の問題でもありますけれども、今日の時代では国際的な影響が非常に大きいということは申し上げるまでもありません。して見ますと、国際外交の窓口は外務省であり、また外務省の中核は外務大臣で中心があられますので、外務大臣の外交姿勢というものが国民生活の幸、不幸を決定する重大な柱になる、こう私は理解いたしております。 そこで申し上げたいことは、沖繩に関する限り、私は、もろもろの沖繩の問題はすべて基地につながりを持っております。そうすると、その基地から起こるもろもろの問題を突き上げていきますというと、その防波堤は、もう火の粉は決まっております、お気の毒だけれども安保地位協定がありましてね、提供する義務がありましてねと、こういうことをもう幾たびか聞かされております。これは国民に対する、わけても沖繩県民に対する一方的な姿勢だと思います。日本国憲法を忘れておられるんではないか。国民の生命、財産、人権、生活をよくし、守っていくことは当然過ぎるほど当然であります。このように戦後三十有余年、沖繩県民は一方的なこの安保地位協定のもとに差別され、押しゆがめられてきておる、犠牲を強いられてきておる、こういうわけであります。この観点から、きょうは時間がありませんので、具体的に二つの問題を申し上げます。 まず第一に、読谷村における補助飛行場の問題を申し上げます。 この問題はいまさら申し上げるまでもありません。過去十五年にわたって十七回の違法行為が行われて、事故が起こっておることは御存じだと思います。もう申し上げません。その中で最も悲劇的なのがあの喜名小学校の四年生の棚原隆子さんの圧死事件でありますが、もう二度と再び繰り返しませんとか、以後気をつけますということは通らないんです。そこで結論は、この補助飛行場における演習を即時中止せよ、基地を撤去せよということに村ぐるみ、そして県議会においてもいわゆる県ぐるみ、あわせて島ぐるみでそういう方向に結論づけられております。これに対して外務大臣そして防衛施設庁長官、防衛庁長官の御見解を承ります。
○国務大臣(大来佐武郎君) 読谷村の演習場のことについて私どもも報告を受けて承知しております。この最近の事故につきまして、その後、外務省からも米側に申し入れをする、いろいろな点についての注意を促しておるわけでございますが、米側からも、今回、今後十分な注意を行うという回答を得ておりますので、しばらくその実施の状況を見てまいることが必要だろうかと考えております。
○国務大臣(久保田円次君) この問題につきましては、施設庁長官から御答弁をいたさせます。
○説明員(玉木清司君) 御承知のように、十一月の六日に事故がございまして、その後、読谷村と米軍との間でいろいろの行き来が行われてまいりました。御心配をおかけいたしましたが、ただいま入りました報告では、昨夜、読谷村長さんが住民と対話をされまして、その住民の合意を得まして、本日早朝、施設局長に対して村側の見解が示され、その結果、アメリカ側の十一月六日の事故に対します陳謝、おわびの声明と事実誤認の声明とを受けまして、また、今後の訓練におきます事故防止対策についての趣旨を読谷村におかれましても了承されまして、本日の訓練も二時四十五分から三時半までの間に両者合意の上で平穏に実施することができるという運びになっております。 御指摘のように、読谷村の訓練は大変細心な注意をもって行われなければならないことは当然でございますが、訓練の方法等をしさいに検討いたしまして、二度と事故を起こさないように訓練上の注意を厳密にしていくということが大切であろうと私どもも考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 C・J・キリーン少将の回答を私もいただいております。陳謝もされております。ところが、問題は、それでよろしいということではないんです。 安全に行うということは、訓練をやめてもらうということであります、村民の意思は。だから、安全に再び事故の起こらぬようにということではなしに、そこは演習場として不適だから、もう理由は申し上げません、十分御承知と思いますから、不適であることは認めておられると私は信じます。米兵でさえも、そこは狭過ぎると言っております。だから、不適な場所であるということは認めておる。なおさら村民が認めないはずはないんです。しかも住民地域と入り込んでおる。こういうところが日本のどこにありますか、世界のどこにこういう状態の訓練の場所がありますか、あったら答えてもらいたい、なかったらないと言ってもらいたい。ですから、この場所を補助飛行場として直ちにやめて返還をする、この方向に具体的に日米合同委員会に提出する意思があられるかどうか、あるとすればいつ提案される予定か。以上、この問題について再び答えを求めます。
○説明員(玉木清司君) 十二月の十三日に、読谷村長から那覇防衛施給局長に対しまして、この読谷村の演習場が適当でない、したがって移設をしてほしいという公式の要請がございましたので、那覇からの進達を待っておりますが、これを受け次第、慎重に検討してまいりたいと思います。
○喜屋武眞榮君 その検討の結果のめども大体いまお答えできますか。いつごろまでにこうしたいと、できますか。
○説明員(玉木清司君) 御承知のように、この施設で行っております訓練は、人命救助のために欠かすことのできない、継続して行わなければならない落下傘降下訓練が行われておりますが、この訓練が在沖繩米軍にとりまして不可欠の訓練であるということを考えますと、この返還問題がしかく簡単に合意できる性質の問題ではないと私どもも推測いたしておるところでございますが、正式の要請に接しましたので、関係各省と協議の上で検討してまいりたいと存じております。
○喜屋武眞榮君 一日も早く結論を出してもらいたい。先ほど私は村ぐるみ、県ぐるみと言いましたが、その県ぐるみを集約してマスコミも社説にまで書き上げております、「村民の要求に誠意を示せ」こういった見出しで、これは当然であるという、いささかの疑問もはさまずに社説で堂々と書き上げております。このことをひとつ誠意を持って答えてもらうことを私は信じ、それを期待いたしまして、次の問題に移ります。 第二点は、沖繩における基地の目玉と言われておる嘉手納基地ですが、戦後、特に最近、基地が強化されておる。具体的に多くを申し上げませんが、工ンジンの調整が激しくなっておる。離着陸訓練がこれまた激増しておる。そして嘉手納町民の居住地域の上空を回旋飛行しておる率が激しくなっておる。これは爆音につながるわけでありますが、これが最近における嘉手納基地をめぐる周辺の怒りであります。 そこで、申し上げたいことは、F15イーグル戦闘機が沖繩嘉手納基地に配備される、こういう事実が九月二十九日からあったわけですが、これに対してまた嘉手納町議会はうろたえ、驚きをもって臨時議会を開いて、全会一致で、これまた即時撤去せよ、配備するなという全会一致の決議の裏には、欠陥があるということが海のかなたのアメリカで証言されておることはよく御存じだと思います。 そこで、嘉手納基地に現在二十機とか二十三機とか配置されておると聞いておりますが、正確に知りたいので、何機配置されておりますか。
○説明員(岡崎久彦君) 現在、嘉手納基地にはF15が一個飛行隊二十四機あるいは二十四機強配備されております。
○喜屋武眞榮君 将来、何機まで配置される予定ですか。
○説明員(岡崎久彦君) 来年の半ばまでに三個飛行隊、七十二機となる予定であると承知しております。
○喜屋武眞榮君 それでは、これ自体の配置も問題でありますが、F15イーグル戦闘機の、さらに欠陥であるということ、その欠陥を一つ一つ取り上げる時間を持ちませんので、まとめて申し上げますから、漏れなくまとめて答えてもらいたい。 まず、問いの一つは、F15イーグル戦闘機の工ンジン故障、プラット・アンド・ホイットニー社の製作のF100型エンジンと指定されておりますが、それに欠陥があるという指摘が昨年の四月の米会計検査院、それからことしの十一月二十七日の米上院軍事委員会でアルトン・スレー米空軍システムズ司令官の証言があったと聞いておりますが、これはどうかということです。これは確認しておられるかどうかが一つ。 次に、タービンの羽が壊れやすいと指摘されております。これも確認されておるかどうか。 第三、旋回した場合に失速状態になる場合があると指摘されておるようでありますが、これは確認されておるかどうか。 次に、燃料ポンプの流れが悪いという指摘もされておるようでありますが、これも確認されておるかどうか。 次に、加速及び耐久性に問題があると指摘されておるようでありますが、これいかに。 次に、米空軍システムズ司令官は、米上院軍事委員会で、その欠陥F15イーグル戦闘機は現在四十機ないし五十機のエンジンが故障し、飛行不能であると証言をされておるようでありますが、このことについて確認しておられるかどうか。 まず以上のことを申し上げて、もう一言、そのお答えによって私は結論を結びたいと思います。
○説明員(倉部行雄君) ただいまの御質問は、去る十一月二十七日のいわゆるスレー証言に関してであろうと思いますので、まずスレー証言の中味につきまして私ども詳細に分析いたしたわけでございますが、この中でエンジンに関しますふぐあいにつきましては、ただいま先生御指摘がございましたように、昨年の四月アメリカの会計検査院で指摘された問題点の一部分でございまして、それ以外の新しい問題は私どもは入っておらないというふうに考えております。そしてそれらの問題点につきまして、米空軍としては懸命な改善努力をやってまいりまして、その結果が着実にあらわれているというふうに私どもは見ているわけでございまして、先ほど御指摘のございました幾つかの具体的な点につきましても、私どもは、昨年のアメリカの会計検査院の指摘以来、米空軍から技術の改善状況につきましていろいろと資料等、情報等も得ておりますので、簡単に時間の関係もございますので申し上げたいと思うわけでございます。 一つは、スタグネーションストールの問題でございますが、これにつきましては、昨年の四月の会計検査院報告のころには、たとえば千飛行時間当たり二・三回起こるというふうなことであったわけでございますが、その後、エンジンの電子制御装置あるいは燃料制御装置あるいは燃料ノズルというようなものを改修いたしまして、この発生率が千分の〇・七まで減っておる。そしてさらにこれを今後千分の〇・五あるいはできれば千分の〇・一まで持っていく、またそれが近い将来可能であるというふうなことまで言っておるわけでございまして、着実に改善が進んでおると見ております。 それからタービンのふぐあいの問題あるいは耐久性の問題も御指摘があったわけでございますが、これにつきましてはタービンベーンにつきまして新しい材料を適用するとか、あるいはボアスコープと言いまして胃の中を調べる胃カメラのようなものでございますけれども、それによりまして事前に材料の疲労度というものを早目にキャッチして取りかえるとかいうようなことをやりまして、現在、ことしの六月以降、点検をそういった形で実施したものについては一件もそういうタービンの事故は起こっていないというふうに聞いておるわけでございます。 それから燃料ポンプの問題につきましても、ポンプの型式の変更をやるとか、あるいは先ほど申されましたいろんなエンジンの始動時の問題でありますとか、そのほか会計検査院でアフターバーナーの問題等もあったわけでございますが、それらにつきましてもエンジンを始動させる手順を変える等によりましてほとんど解決されたというふうに聞いておるわけでございます。 また、エンジンなしのものが四十機というようなこともございますが、これにつきましてはいろいろ整備上の問題もあるように聞いておりまして、このスレー証言にもありますように、ストライキが関連会社で起こった関係で部材の調達がおくれたということで一時的な問題でございまして、その後急速に改善を見ると、そのための対策も資材の割り当て等につきましてやっているというふうに聞いておりますので、これは一時的なものであろうというふうに見ておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 そうすると、沖繩に配備されたものについては、いまのところ欠陥はない、こう受けとめてよろしいのですか、まだそこまではいっていないと、こういうことなのですか、いかがですか。
○説明員(玉木清司君) 沖繩配備になっておりますF15につきまして、私どもの方からアメリカ側に照会をいたしましたところ、沖繩配備のF15の工ンジンは最新使用のものであるという回答でございますので、ただいま装備局長からるる申し上げました技術的改善を了したエンジンが装着されておるものと私どもは理解しております。また、米側の回答によりますと、沖繩におきまして百時間ごとに検査を行うという新しい安全措置を講じておるようでありますが、そういう安全措置も加えて管理しておるので、以来、一件のタービンの事故の問題も発見されておらないというふうに米側の方から回答に接しております。 なお、若干技術的問題以外の観点で申し上げますと、嘉手納にございますF15の運用につきまして、周辺住民の立場から考えますと、飛行場周辺におきます離着陸あるいは旋回運動等の際の事故が最も憂慮すべき問題であるわけでございますけれども、F15の欠陥と申しますのは、技術の立場からいろいろと徴してみますと、高高度におきます戦闘運動、格闘運動というような場合に欠陥が生ずる問題でございまして、平穏な離着陸及び場周飛行におきまして生起することは事故の技術的な性質上あり得ない問題であるという見解が技術的な見解でございますので、そういう確度を先ほどの米軍の努力その他とあわせ考慮いたしますと、嘉手納周辺の住民の側から見ました場合のF15の欠陥というものは、いわゆる欠陥機というような見方をする必要はないんではなかろうかというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 最後に一言。これで終わります、私の質問は。 海のかなたで、本拠地でこのように欠陥を指摘されたからには、県民、特に嘉手納基地周辺の村民、市民、県民の疑惑と不安は私はいまの御答弁の程度では消えないと思います。そこで申し上げたいことは、結論はエンジン欠陥の疑惑がこのようにまだ消えないわけでございますので、飛行を中止させよ、これが全会一致の町議会の決議であります、怒りを込めた強い決議であります、それこそ町ぐるみであります。これともう一つは、今後の嘉手納への配備計画を全面的に取りやめるべきである、取りやめてもらいたい、これが決議の結論であります。この二つに対するはっきりした答えを願いたい。 そして最後に、航空自衛隊が次期主力戦闘機としてF15イーグル戦闘機の導入を決定されておりますね。そして五十三年度予算で二十三機購入する、こういうことも報ぜられておるわけなんですが、いまのような欠陥問題とも関連して見直しをすべきであると思うが、これに対する見解はいかがなものですか。この見直し、再検討、この答えを求めて私の質問を終わります。
○説明員(玉木清司君) 町議会のF15欠陥問題に関します御決議その他につきましては、私どもも十分に承知しておるところでございますが、るる申し上げましたように、本件エンジン、特に沖繩に配備されておりますF15イーグルのエンジンにつきましては技術的な措置がすでに講ぜられておりますし、運用上の検査体系というようなものも十分にそれを配慮してやっておりますこと。また、さらにこの事故の技術的性質上の問題からの判断、これらをあわせ考えますと、直ちにこれの配備を取りやめるとか、撤去するとかいうふうな考え方をとることは、これは適切ではないんではなかろうか。私どももこれから町民の方々によく接触をいたしまして、この技術の立場からの見解の御理解を深めていただくことに努力をさしていただきたいと考えておるところでございます。 なお、次の質問でございました航空自衛隊関係の問題につきましては、防衛庁から答弁があると思います。
○説明員(倉部行雄君) 先ほど申しましたように、F15につきましては、改善措置が現在行われて基本的なことについては解決を見ておるわけでございまして、防衛庁が取得しますF15につきましても、そういった改善措置がとられるということになっておりまして、そういう意味におきまして現在の計画を変更する必要はないというふうに考えております。
○秦豊君 きょうはリムパックの問題に集中しようと思ったんですけれども、その前に防衛庁長官を含めてぜひともお聞きとめを願いたいことがあります。それは先ほど公明党の黒柳委員からいわゆる軍医のアルバイト問題についての指摘があったと思います。ところが、それについて申し上げるわけではなくて、直接でですよ、御注意を喚起したいことが一つだけあります。 それは私どもの楢崎弥之助委員がすでに昭和五十二年の三月十八日の予算委員会で、当時三原防衛庁長官に対しまして非常に具体的な事実関係を挙げて、たとえばただでさえ医官教官が少ないのに、東京の大塚病院で毎週水曜、木曜の昼間あるいは週末の夜間、職務を怠って内職をしている状態について具体的な指摘が行われているんですよ。さらに関東医師製薬株式会社、この毒性試験を衛生学校の化学関係の教官を使って、つまり国民の税金と資材を使って一民間製薬会社の便宜を図っているというふうな許されない事実についてはすでに楢崎代議士が二年九ヵ月前にこの問題を指摘し、当時の三原防衛庁長官はまことに遺憾である、厳格に調査をし対処をすると。二年九ヵ月前ですよ、先月の話じゃないですよ。ところが、二年九ヵ月たって、なおかつ同僚委員からあのような指摘がされるというこの現実とこの怠慢と紊乱を、もちろん給与の少なさ、暮らしの問題、それは掬すべき点があるとしても、防衛医務行政の一環としてとらえた場合には、いやしくも予算委員会でこれだけの追及がなされて厳として議事録に残っている、時の長官が約束をした、にもかかわらず繰り返されている。何ら改善をされないというこの現実と責任について、一体、防衛庁長官、新任早々でお気の毒にたえないけれども、これはやっぱり一局長じゃなくて、防衛庁長官としてどういうふうに受けとめておられますか。
○国務大臣(久保田円次君) 自衛隊の医官は、技術向上のために部外の医療機関に研修させているものでございます。本来、正当な訓練の性格を持つものでアルバイトではない、私はそう思います。しかし、いまの御指摘がございました万一この性格を逸脱しているようなものがあれば厳重に注意をいたしたい、かように存ずる次第でございます。
○秦豊君 急いで書いたメモみたいだけれども、あなたが一生懸命読んでくださったその労は多としますが、大変報酬の受け取り方、その他公の施設の使い方等については、いまのあなたに反論しているときょうの二十分が全部終わっちゃいますから、一応、次の機会にゆだねますが、訓練なんという便利な言葉をよくも考えたもんですな。リムパックも訓練、設置法の枠内、このアルバイトも訓練、大変結構、せっかく訓練にお励みをいただきたいが、決算委員会はそうはいきませんよ。 とにかく本題に入りますけれども、先般の委員会で原さんの答弁はあったんですが、どうも全編ことごとく満足できない、全部の質問を留保したんですよ。きょうは専門の佐々さんがいらっしゃるし、外務省の局長もいらっしゃいますから伺いますが、ちょっとその前に、概念として基礎的な数字として、海上自衛隊は、いまどうなんですか、いわゆる皆さんの用語で言う戦技訓練という名目、目的で使える予算というのは、この両三年、どうなっています。
○説明員(佐々淳行君) 戦技訓練だけの予算というのはなかなかつかめませんですけれども、平時の自衛隊の任務はすべて教育訓練でございますので、その意味で予算上明確に教育訓練の予算として計上されておりますのが昭和五十二年度約百十一億円……
○秦豊君 海上に限定してください。
○説明員(佐々淳行君) 海上がちょっとブレークダウンが出ておりませんが、教育……
○秦豊君 海上と言ったはずです。
○説明員(佐々淳行君) 失礼しました。海上自衛隊の五十二年度約百十一億円、五十三年度が百二十七億円、五十四年度が百二十八億円でございます。
○秦豊君 ちなみに今度のリムパックの予算はどれくらいですか。
○説明員(佐々淳行君) 約一億四千万でございます。
○秦豊君 そうすると、あなた方にはあれだな、まあ百二、三十億円分の一億数千万だから、一将功成って万骨枯ることはない、御安心くださいというふうな数字に印象づけられるようだけれども。 それからもう一つ、私と楢崎が今年の十月下旬に、いち早くこのリムパックについての資料要求をしたときに、十一月五日付の回答というのを――恐らく佐々さんもかんで、原さんもかんでおられるが、非常に詳細な資料をたった一枚いただいたんだ。これを見ると、想定未定、自衛隊の役割り分担等未定、全部未定、こうなっているんですが、もうはっきりしたんですか。
○説明員(佐々淳行君) 詳細について現在細部アメリカ側と打ち合わせ中でございまして、だんだん固まりつつあるという段階でございます。
○秦豊君 あなた方のことだから、オペレーションエクササイズ、演習するんだから、非常に緻密にこう積み上げて、日本独自のORもやり、ハワイに集結してさらに打ち合わせを重ねるというのがルールだと思うんだけれども、いつごろはっきりあなた方はつかめるんですか、それは。
○説明員(佐々淳行君) 現在、この打ち合わせは専門家でありますところの海上幕僚監部と大きく言いますとアメリカ太平洋艦隊、あるいは在日米軍と自衛艦隊等のレベルでそれぞれ所要の事項について打ち合わせが進んでおるわけでございますが、もう遠からずまとまるであろう。そのまとまった段階で、今度は、先ほど御質問がございましたように、海上自衛隊の教育訓練に関する訓令の第四十五条によりまして長官の御決裁をいただく、こういうことになろうかと思います。
○秦豊君 いまのあなたの答弁に触発されて聞きたくなったんだがね、和泉さんも聞いたらしいんだけれども、全部長官の決裁でいいのを何で総理だと言って和泉さんばっとやったんでしょうね、そうでしょう。ところが、それを今度海幕長がさりげなくああいうタイミングで発表したというのは非常に私計算がね、それこそオペレーションが上手だと思うんだな、ぼくは。事重大と思ったから総理のあれ意向を聞いたわけでしょう。聞いたというより、あなたが決めればいいんだけれども、長官が。そうじゃなくて、やっぱり事は重大になるかもしれぬ、野党はうるさくなるかもしれぬ、マスコミもねと。だから念のために総理というふうな政治配慮をしながら、さりげなく今度は発表というと海幕長だというこのみごとな使い分けね、いやずうずうしい使い分けと言いたいんだが、ドライというかね。これをぼくは許せないんだけれども、何で海幕長のああいうさりげない発表で切り抜けようとしたんですか、事そんなに重大にとらえながら。一点だけ聞いておきたい。
○説明員(佐々淳行君) 申しわけございません。それほど巧妙なオペレーションをやったわけではございませんで、実は、このハワイ派遣訓練が五十一年以来ずっと行われているわけでございますが、従来、海幕長が発表いたしておりました。今回も、解釈上、ハワイ派遣訓練の延長ということで、海幕長発表を防衛庁長官の指示と承認のもとに行ったわけでございまして、この問題が海幕長発表でおさまるとは私ども思っておりませんでしたので、当然、それに引き続き長官会見、防衛局長会見等があるであろうと、事実そういうことになったわけでございますけれども、第一次的な発表は担当者である海幕長が行ったものでございまして、これは防衛庁長官の指示と承認のもとでございます。
○秦豊君 訓練部隊はいつ出発するんですか。
○説明員(佐々淳行君) 訓練部隊は、五十四年度の予算の年度内にこの訓練予算を消化いたすことになりますので、明年春の訓練に間に合う時間に出発することになろうと思いますが、その出発の日時等につきましては、現在アメリカ側との細部の計画が整い、かつその計画について長官の一般命令をいただきましてから公表することになろうと。ハワイ派遣訓練の延長ということを申し上げましたが、ハワイ派遣訓練とオーバーラップしているところがございますので、ハワイ派遣訓練を兼ねて行く、こういうことになりますので、若干実際の時期よりは早く出ることになるのじゃなかろうかと思います。
○秦豊君 そのハワイの訓練というのはいつ始まるのですか。
○説明員(佐々淳行君) ハワイの訓練はリムパックとの関係と連動をいたしますので、リムパックの日時が決まった時点で決まることになろうと思います。もう間もなく決まるだろうと考えております。
○秦豊君 じゃここで長官約束をしてもらいたい。いまユニホーム同士がやっておる。まあ仕事だからいいでしょう。想定が決まる、自衛隊のいわゆる役割り分担等も特定されますね。その時期に、当決算委員会なり内閣委員会なり関連委員会を必ず開いて必ず国会に報告をします、こういう約束をぜひともしてもらいたい。また、さっと行って、いたずらに既成事実を積み重ねる、国会はつんぼさじき。こんなことはしていただきたくない。これは念を押しておきますが、長官どうですか。
○国務大臣(久保田円次君) 主催国である米国との協議が調い、米国が公表した段階で、本訓練の目的等について国民の十分な理解を得るため、可能な範囲でできるだけ御説明してまいりたいと思うわけでございます。
○秦豊君 委員会でね。 それから、ちょっとこれアングルを変えたいと思う。外務省、私が調べたところですと、最終的には、日米間で話が始まったんだけれども、実はリムパックなものだから、参加国の広がりがあったものだから、ANZUSの理事会にアメリカがかけたんですよね。ANZUSの理事会が日本の海上自衛隊の参加を承認という言葉になっておるんだが、そういう事実関係はどういうふうにトレースされました。
○説明員(中島敏次郎君) この問題につきましては、在京のアメリカ大使館を通じましてアメリカ側に照会いたしましたところ、そのような事実は存在しないという確認を得ております。
○秦豊君 そういうお答えだろうと思ったのですよね。もう何げない戦技向上の訓練だから大仕掛けなものはないと言うんだけれども、あなた方は主観的に、いままでハワイ沖では得られなかった、もっとレベルの高い、もっとトータルな最新の、あなた方のあれによると、最新のものを吸収できる、段が上がっていくという感じで説明されているんだけれども、向こうは違うのですよね、向こうは。 たとえば、じゃひとつ具体的に聞きますけれどもね、全体の中の一つなんですよ、ANZUSやアメリカの受けとめ方は。日本がたとえばきのうの報道でもあったんだけれども、アメリカのある軍事専門議員はこれをやはり将来のコンバインドフリート、合同艦隊創建のはるかかなたを目指した第一歩であるというふうに――これはオーバーだがね、われわれ野党はそんなことは絶対許さないけれども、まあまあそういうふうなはるかな道のりの第一歩が始まったという受けとめ方をしている。 それで今度のANZUSの場合も、米豪間のシーレーンが切断された場合の対応というわけだから、中部太平洋といったって広いんでね、佐々さん、ハワイ沖から始まるのが本当だけれども、どんどんANZUS海域に入っていくわけだ。自衛隊というのはどこからどこまで参加するの。どうなんですか、ここわからない。
○説明員(佐々淳行君) 訓練想定につきましてはまだ詳細を私完全に掌握しておりませんが、私の知っております限りで申しますと、78の場合も、むしろアメリカあるいはオーストラリア、カナダからそれぞれハワイに向けて航行をしてまいりまして、ハワイ沖の中部太平洋において演習が最終段階に達した、かように承知をいたしております。ANZUSの地域に近寄っていったということは承知をいたしておりません。また、今回のリムパック80も、ハワイ周辺の中部太平洋地域を訓練海域として行うというふうに承知をいたしております。
○秦豊君 それから、どなたの答弁だったですか、ちょっと議事録が間に合わなくてわからないのですがね、間違ったら指摘してください。たしかあなたかどなたか防衛庁側の答弁で、野党委員の質問に対して、他国、つまりアメリカ以外の国国、つまりリムパック参加の個艦が標的たり得るとありましたね。これはアメリカ軍部が発表した西側艦艇のジョイントエクササイズ、合同訓練で、原子力空母エンプラが真ん中にいる輪形陣、アメリカは非常に好きですね、これ。輪形陣の写真なんですがね。これを見ると、アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランドの艦艇がエンプラ中心にすっきり組んでいるわけですね。こういうふうな訓練には自衛隊のフリゲートはこの辺にはいないわけですね。それはあり得ないのですか、あり得るのですか。
○説明員(佐々淳行君) 今回の訓練の計画の策定に当たりましては、私どもは、日本の立場、これをもう十分アメリカ側に説明をし、アメリカも日本の立場を十分理解をいたしまして、アメリカと組むような計画になっております。 なお、そこの輪形陣でございますが、この前もどこかの委員会でそういう御質問があったのでございますけれども、これはどうも宣伝用の写真のようでございまして、現実の訓練の場合には、今日の海上における訓練の場合、各艦同士の距離は十数マイルに及んで、そういう輪形陣を組むということはないように承知をいたしております。
○秦豊君 それじゃあれですか、ハワイ沖のほんのちょっとワイドになっただけで、たとえばカナダやオーストラリアのクラシックな航空母艦がありますね、メルボルンというもうとても第一線では使えないようなああいうものは標的になり得るけれども、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、こういう輪形陣のような、複数の複数というふうな訓練には絶対に今度は参加しないんだということをいま確言できますか。日米間だけですね、じゃ。
○説明員(佐々淳行君) 艦隊のお互いに組み合う相手はアメリカでございます。しかしながら、先般来御答弁申し上げておりますように、アメリカが基軸になって、ほかの参加国との別のグループができる可能性はあろうかと思います。その参加艦艇の数にもよりますけれども、航空機等はほとんどアメリカのようでございますので、目標機あるいは目標となる潜水艦は多分アメリカのものであろうと思いますけれども、この訓練に関する計画の詳細ができ上がった段階で、先般申し上げましたように、アメリカ以外の国がターゲットサービスというような形で目標になることはあり得るであろう、こういうことでございまして、ほかのカナダ、オーストラリア、ニュージーランドと直接組むことはございません。
○秦豊君 それは非常に大事な点だからこだわりたいな、もっと。佐々さん、じゃあなた方は二段方式じゃないのね、今度のリムパックへの参加は。全部演習の最初から最後まで一段で終わる。つまりアメリカ・ハワイ沖と似ているから、アメリカの個艦との訓練、それから第三国のグループがあり得るかもしれぬが、その中には加わらない、はるか離れていると。だから、最初まずハワイ沖の延長のように始めておいて、永田町を横目で見る、予算委員会とかいろんなのを横目で見ながら、きわめて政治的な判断をしながら、それであんまりうるさくないようであれば、ちょっと際どい訓練もしてみるというのじゃなくて、非常に純粋にアメリカ相手の訓練だけに終始して帰ってくるということですか。
○説明員(佐々淳行君) 実は、そういう途中でもって応用動作をするような計画にはなってないようでございます。と申しますのは、この訓練が調整、コーディネーションのもとで事前に十分計画をされた計画に基らいて、その事前打ち合わせの手続に従って、いわば脚本どおり演ずる芝居のように行う訓練のようでございまして、応用動作というのはないと承知をいたしております。したがいまして永田町あるいは国会の状況を横目で見て、訓練の内容を変えるということはございません。 また、アメリカの個艦と組んでというお話でございましたが、アメリカのフリートと組むことになるであろう、今回のはフリートエクササイズでございますので、その意味で従来の個艦訓練よりはレベルの高いフリートエクササイズ、フリートレベルの訓練ができるという点に大きなメリットがあるわけでございます。
○秦豊君 私の手元に、アメリカ海軍のリムパック73に参加したロックウッド、これの出した公文書に出ているんだけれども、あれは横須賀がホームポートになっているんだが、はっきりとコンバインドフォーシズ、連合戦力という規定。それからオーストラリアの資料を引っ張って見たのだけれども、あなた方の表現と少し違いますのは、オーストラリアのいわゆる外交評論誌があるわけですね、ここに。これに七三年リムパックについて豪州海軍の参加のかかわりを書いてある。これを見ますと、明らかに――指揮権の問題を聞きたいのだけれども、統括責任者はアメリカ海軍のラップ海軍中将である。それからデービス海軍少将航空母艦キティーホークに乗艦、彼が作戦指揮官である、この連合演習においては指揮権は単一である、こういうことがあるんですね。 今度の場合は、フリートとはやるけれども、いわゆる大規模なグループとグループの間にインプットされて海上自衛隊がやる大規模な演習じゃないから、指揮権の問題などは全く起こらないというのがあなたの見解ですか。
○説明員(佐々淳行君) 当然、これだけの大きな規模の計画、訓練をいたしますので、事前に相当十分な調整を行う必要があろうかと思いますけれども、この指揮権の問題については米側に十分意向を確認いたしまして、参加各国は対等である、コーディネーションはあるけれどコマンドはないということを承知いたしております。 また、ただいまコンバインドという言葉が出たわけでございますが、「コンバインド」というのは、一九七九年、これは国防省の軍事用語のターミノロジーでございますけれども、これによりますと、二国以上の同盟国の間の関係を言う。「ビツイーンツーオアモアフォーシズオアエージェンシーズオブツーオアモアアライズ」という表現になっております。また、先ほどのジョイントでございますけれども、この「ジョイント」は、どうもよその国と組むことを想定している言葉ではないようでございまして、国防省のあれによりますと「エレメンツオブモアザンワンサービスオブザセームネーションパーティシペート」陸海空のようでございます、ある国のですね。どうもこういう用語でもって一応ターミノロジーはできておりますけれども、実際はマスコミその他ではかなりこんぐらかって使われておりますけれども、必ずしも軍事専門用語として、コンバインドと言うから、指揮権が統一で、統一の指揮官一人がコマンドするということではないように私ども了解をいたしております。
○秦豊君 最後に一問、委員長。
○理事(穐山篤君) まとめてください。
○秦豊君 それじゃ、こうしてくれますか、これは非常に佳境に入ったところで終わらねばなりませんな、やり直ししますけれども、あなたの言ったのはこの資料でしょう。これはぼくも勉強してみたけれども、同じ資料だと思うのだけれども、やっぱり納得できないから、アメリカ海軍からまさか口頭でいらっしゃいと言ったわけじゃないので、文書があるでしょう、それを見せてください、資料として。それが一つ。 それから想定が来たときに、やっぱりあなた方の答弁を一〇〇%信用しないとは言いませんよ、かなり信用していませんけれども、やっぱり全文を委員会や関係委員に全部出してもらいたい、対比したいから。 それでマスコミでいろいろ使っていると、用語を言うけれども、やっぱり常識によれば、ぼくはラロックにも電話したけれども、これは明らかにこの場合は指揮権は単一と、たとえばさっきの輪形陣の場合には、輪形陣の中枢にいる原子力空母搭載の将官旗を掲げた将官に指揮権が集約するのはネービーの常識で、それぞれが指揮権を持ち合っていて、しかもABCそれぞれに個々の指揮権がある、そうしてそれはコーディネートだと、単に。つまり最大公約数でしかないから、秀でた、非常に優越した指揮権をだれかが持つことはないというのがあなた方の言い方だけれども、それは海軍の常識でないと言うのですよ、専門家は。 そんなことをしたら一体どうなるの、一体。御随意に御随意にと、ハワイの太平洋軍司令部でうんとコーディネートのためのミーティングがある、それはありますよ。あなたは緻密なシナリオに従ってやるから全然問題がないと。けれども、役者が演ずるので、幾らシナリオがあったって大根役者ならミスばっかり、トラブルばっかり、衝突訓練はおろか、若干失敗の場合とかダミーのミサイルが間近なところに飛んできたり、大変ですよ、あなた。そんなのはコーディネートの段階じゃない。コンダクターがいて、こういうABCDEと五ヵ国が参加するのであれば、だれかが優越した指揮権を持って、その指揮のもとに統制に服さなかったら、これは子供の戦争ごっこですよ、ままごとですよ。そんなままごとをやるためにリムパック80が行われるわけじゃないんです。 だから、あなたの説明は、あなたから答弁を伺わなくても、「国防」なんという市販されている雑誌に某元海幕長が書いたような長い長い長い文章、あれに同じことが書いてあるからあえてあなたから伺う必要はないので、この点についてはやはり納得できないからまたやり直ししましょう。おっしゃりたいことがあったら、ちょっと委員長のあれをとって。
○説明員(佐々淳行君) まず、アメリカ側からの招待状と申しますか、文書の提出の問題でございますが、これはアメリカ側から秘文書指定をされた文書でございますので、提出は差し控えさしていただきたいと思います。 また、計画の細部にわたりましていずれ計画大綱が参ると思います。これにつきまして戦術訓練にかかわる部分でございますので、これは当然対抗措置をとられないように、その内容はアメリカ側も秘にしておりましょうし、わが海上自衛隊といたしましても対潜捜索技術等を公表するということはできないので、そういう部分については公表できないところがあろうかと思います。しかしながら、国民のコンセンサスと御理解をいただくために、また当国会におきまして国政調査権のあれとして十分御調査いただくために、私どもとしては、発表できる限界までできる限り発表をし、あるいは発表できない部分についても、その内容はできるだけ口頭で御説明をして、御理解を賜るべく努めるつもりでございます。
○理事(穐山篤君) 他に御発言がないようですから、外務省及び防衛庁関係の決算についてはこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十分散会 ―――――・―――――