決算委員会 第1号
- 発言数
- 353 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/11/28
会議録
○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十一月十五日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が選任されました。 また、十六日、下村泰君及び広田幸一君が委員を辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君及び安永英雄君が選任されました。 また、十九日、岩上二郎君が委員を辞任され、その補欠として坂元親男君が選任されました。 また、二十六日、野末陳平君が委員を辞任され、その補欠として藤井裕久君が選任されました。 また、二十七日、野口忠夫君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十一年度決算外二件の審査及び国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、必要に応じ政府機関等の役職員を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 次に、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、日本鉄道建設公団等の経理問題に関する件を議題といたします。 本件につきましては、先般来、本委員会において精力的に調査をし、その事実の究明、善後策等をただしてまいりましたが、遺憾ながら、特殊法人及び省庁の一部において公費の不正経理の事実が明らかにされました。 こうした事実を本委員会としても看過することなく、政府に猛省を促し、再度このような事態を惹起せしめぬようにするための方策を理事会等において協議いたしました結果、決議を行うことに意見が一致いたしました。 この際、便宜私から各派共同提案に係る公費の不正経理根絶に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 公費の不正経理根絶に関する決議案 日本鉄道建設公団の架空の命令に基づく不当支出等の乱脈経理が、会計検査院によって指摘された。また、他の特殊法人及び省庁の一部においても、類似行為が、慣例化している事態も明らかにされた。 これらの財源は、国民の税金、あるいは財政投融資資金によって賄われていることに照らし、極めて遺憾であり、強く指弾されなければならない。 政府は、直ちに、指摘された不当、不正経理に対する事後措置を的確に行い、さらに、かかる不正経理等の根絶を図るため、公務員等の綱紀の粛正、いわゆる天下り人事の弊害の除去、過度にわたる接待の厳禁、特定者主催のパーティ券購入、あっせんの禁止、予算査定の適正化、責任体制の明確化、監督、監査体制の強化等を厳正に行い、かつ、情報の公開と会計検査院の検査機能の充実に一層意を用い、いやしくも、今後一切、財政執行に国民の疑惑を招くことのないよう措置すべきである。 右決議する。 以上でございます。 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。 ただいまの決議に対し、伊東内閣官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。伊東内閣官房長官。
○国務大臣(伊東正義君) ただいま御委員会で御決議のありました公費等の不正経理の根絶の問題につきましては、政府としましては、まことに御趣旨のとおりでございまして、御趣旨に沿いまして、今後一層厳正な態度で財政執行に当たりたいと思いますし、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、誠意をもって努力してまいるつもりでございます。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) 次に、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、本日は総括質疑第一回を行います。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十一年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に株式会社山口銀行専務取締役菅博太郎君及び事務部長伊藤省三君、日本電気株式会社専務取締役大内淳義君、財団法人電気絶縁物処理協会理事長宗像英二君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(志苫裕君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 ただいま公費の不正経理根絶に関する決議が決定をいたしまして、なお、官房長官からも決意の表明があったわけですが、この問題に関連をしまして官房長官にお伺いをします。 官庁の綱紀粛正につきましては、すでに大平総理大臣からも再三指示があったわけであります。政府はそれに基づいて一昨日十一月の二十六日の日に官庁綱紀の粛正についてというものを申し合わせをいたしたわけですね、その申し合わせにつきましては、すでに一部新聞にも出ておりますし、いま私も資料を持っております。綱紀の粛正といいますのは、政治家はもちろんでありますが、公務員、地方公務員あるいはその他政府関係機関の役職員がきちっと姿勢を正していくということが必要であります。 そこでお伺いをするわけですが、この官房長の会議の申し合わせ事項について、これは一応官報などで明らかにされるものと思います。その限りでは公務員なりあるいは地方公務員は、どういうことが示されたか、あるいはどういうことについて姿勢を正さなければならないかということはよくわかります。しかし問題は、常に国民注視の中で、環視の中で仕事をしているわけですから、国民も十分にこの申し合わせを熟知する必要があるだろうと思うんです。そして国民の厳しい目の中で綱紀がきちっと粛正をされる、そうでなければこれはまた単にお題目に終わってしまうと思うんです。 そこで、私は質問と同時に提案をしたいと思うんですが、少なくとも内閣の責任においてこの申し合わせ事項を新聞など公器で内外に明らかにしていく、そして国民の期待と信頼にこたえながら綱紀の粛正を図っていくということがまず必要ではないかと考えますが、その点官房長官いかがですか。
○国務大臣(伊東正義君) いま御質問の点は、この前初閣議で、綱紀の粛正と行財政の刷新ということにつきまして特に大平総理みずから各大臣に強く指示をしたことがあったわけでございます。それを受けまして去る二十六日、各省の官房長の会議でいま先生御質問の申し合わせをしたわけでございます。 これは公務員の綱紀粛正でございますので、各省庁が自分のところの公務員に通達を出すということをやるわけでございますが、いま先生がおっしゃいましたように、それは綱紀粛正について省庁内部はわかるだろうが国民一般には十分わからぬ、国民一般にもそれを知らせることによって外からもまた公務員の綱紀粛正についての監視の目といいますか、そういうことを強くするために新聞その他何らかの方法で国民に周知させたらいいじゃないかというお話でございます。これは帰りましてさっそく各省庁と協議しましてなるべく御要望に沿うように、内閣でまとめてやりますか、やり方は別にしまして、御要望に沿うようにしてまいりたいと思います。
○穐山篤君 先ほどの決算委員会の決議というのは、決議がされますとこれで事は終わりだというふうに考えられてもらっては困ります。当然この決議は決議として十分に尊重してもらわなきゃ困るし、また今後も引き続いてこの種の問題の発生を未然に防いでいかなきゃならない。そういうことを考えてみますと、いま御答弁がありましたが、ぜひこれは実現をしてほしいと思うんです。そうでなければ単にお役人が申し合わせをしただけだということになったんではつまらない話でありまして、この際公器をもって公表をする、ぜひ実現をいただきたいと思うんです。 さて、綱紀の粛正と表裏の関係にありますのが行政改革であります。昨日の総理大臣の施政方針演説を聞いておりましても、どうも本当に行政改革に骨まで達するだけの努力を払うかどうかというのはやや疑問のような感じがいたします。行政改革の計画については年内に決める、こういうふうに言われただけでありますが、少なくとも内閣が発足してもう相当日数を経ているわけでありまして、行政改革の視点というのがなければならないと思うんです。単に三つある法人を一つにしましょうというような機械的なことではこれは納得できないと思うんです。また法律をつくって法人をふやしていくということもあり得ると思うんです。過去にそういうこともあったわけです。 宇野長官にお伺いしますが、行政改革をどういう立場で、どういう視点で、どういうふうにしていくか。行政改革は非常に幅が広いと思いますので、一概に全部の態度表明はむずかしいと思いますが、少なくとも肝心な問題についてこの際明らかにすることが必要ではないかと思いますが、お考えを伺いたいと思うんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 行革は歴代内閣が常に志しておるところでございますが、残念にいたしまして今日まではいわゆる総論賛成、各論反対というような姿で終わってまいりました。しかし今日はそうしたことに対して国民の厳しい要請がございます。それを受けて昨日総理大臣が所信表明でみずからの決意を明らかにされたと存じます。また初閣議におきましても、官房長官の申されましたとおり、全閣僚がその申し合わせをいたした次第でございます。 そこで、今日最大の課題である行革は、財政再建に関しましても寄与しなければならないし、同時に、いわゆる一九八〇年代の山積する諸問題に機敏に対応し得るまず体質を整えなければならないことはもちろんでございますが、そのためにはみずからぜい肉を切る、これに終始をいたしたいと存じます。したがいまして、その方法といたしましては、今日一応四つの部門に関しまして年内にプランを立てたい、そしてその第一ページは、明年度の予算編成――年内に編成されますが、それにあらわしたい、こういうことで進んでおるのであります。 第一点は、特殊法人の大幅な整理統合でございます。第二番目は、各省庁の出先機関がございますが、これの整理統合でございます。第三番目には、許認可、これも余りにも多くございますから整理をいたしたいと存じております。第四番目は、大蔵大臣の所管でございますが、補助金の整理でございます。 以上、四つを大きな枠組みといたしまして年内にそのプランをつくり上げる。昨日私は行革の面の第一着手といたしまして閣議で各大臣に要請いたしましたことは、すでに御承知のとおり、特殊法人の整理統合でございます。これに対しましては、各省庁に対しその基準も示し十二月十日までに答えをもらうように要請いたしておきました。本日は、政府に行政改革本部というのがございまして私が本部長でございます。これを午後開きまして、そうした万般の情勢に対する着手をいたします。もちろん、地方におけるところの出先機関の整理統合、さらには許認可の整理、こうした問題も同時に並行して行っていく所存でございます。
○穐山篤君 きのうの総理の施政方針演説、よく耳を澄まして聞いておったわけですが、言葉の上でニュアンスの違いを少し感じたものですから、もう一遍そこを確認をします。 総理は、いまお話がありましたように、特殊法人、政府の付属機関などの統合整理、これは年内に統合計画を立てると、こう言っているわけです。それから大蔵大臣、大蔵大臣にかかわります補助金の整理、合理化については年内に計画をしたいと言っているわけです。片方は計画を立てると言うし、補助金の方では計画したいと、こうなっているわけです。この意味はかなり違いがあるんじゃないかと思いますが、もう一度確認をします。 宇野長官の言われておりましたいわゆる四つのプランの中の前段の三つですね、特殊法人、出先機関、許認可の整理統合、これについては計画を年内に立てるというそのことでいいわけですね。 それから、大蔵大臣、補助金の整理、合理化について年内に計画したいというのはこれは願望であって、本当にやるかどうかという決意が込められていない日本語になっていますね。この点はどういうふうに確認ができますか。
○国務大臣(竹下登君) 昨日の総理大臣の演説でございますが、「特殊法人、省庁の付属機関及び地方支分部局等について統廃合に関する計画を年内に作成し、計画的にその実現を図ってまいります。」これが行革の方であります。 それから、「補助金については、年内に整理、合理化のための計画を作成し、その役割、効果等の総点検を行って、思い切った廃止、減額の実行に着手する考えであります。」。文字は「年内に整理」、そうして「計画を作成」ということは行革についても補助金整理についても同じ文字が使われております。
○穐山篤君 そうしますと、補助金の方の点についても前の三つのプランと同じような考え方でよろしいということでいいですね。
○国務大臣(竹下登君) この機会でございますので、若干の、いま先生がニュアンスの問題をおっしゃいましたが、まあ、あるいはこの総理大臣の所信表明演説の字句は別として、われわれが時折新聞記者会見等で申します感触が先生の御疑問になっておるかとも思われます。したがいまして、わずかな時間でございますので私の口からお答えをさしていただきます。 計画を作成するということは事実であります。ただし、いまテンポが行革、宇野大臣の方と私の方と二、三日ずれております。したがって、私もこれから詰めていかなければならないわけでありますが、計画の作成というものが二、三日のテンポのずれは出てくるのじゃないか、いろいろな作業上そうなっております。 いま一つは、御案内のように、補助金と申しましても総予算の三四%が補助金でございまして、たとえて申しますならば、義務教育諸学校の国庫負担の問題も確かに補助金と、こうなっておりますが、これらが一律な対象になり得るものでもありませんし、あるいは福祉関係、あるいはまた公共事業におきましても一応景気の動向等においておのずからの枠組みができますが、これは一律に削除するという対象にはなじまない、こういうことになります。そういたしますと、目で恐らく千数百だろうと思います。目細に至りますと三千数百、こう言われておりますが、これをいま一つ一つ仕分けをしておりまして、まず第一は五十五年度予算査定の際にカットできるもの、これはいま鋭意その作業を進めておるところです。そうして計画を作成し、その政策的効果がおよそこの辺で終わるであろうという想定に基づいて計画をつくるべきもの、あるいは基本的にそういういわゆる削減計画になじまないもの、そういうものを区分いたしまして計画をつくる、その中には事によっては一つ一つ選ぶことになかなか困難なものがあるとしたら、一応、今度宇野大臣の方で各省庁と協議に入られますような、まあ数の中で何%というものを省庁の考え方の中で切ってこいというようなのも一つの計画と呼んでいただけるようなこともお願いしなきゃならぬかなと、こういうことでございますので、この際、実情を正確に申し述べさしていただいたわけであります。
○穐山篤君 補助金の問題、いずれ別な機会にもっと細かく指摘をしますが、次に、昭和五十一年度の決算という立場で二、三の問題について指摘をしたいと思います。 具体的なことは各省庁の予算執行の点検ということで別途やりたいと思いますが、昭和五十一年度の決算を見ますと、収入の分野でも、歳入の分野でも、御案内のとおり、補正を行い修正を行ってなおかつ多少増収があった。それから歳出面の特徴を私調べてみますと、これは五十年度の決算のときにも指摘をしたんですが、大変な不用額が出ている。二千二百億円の予算不用が出ているわけです。これは節約をしたという意味で金が不用になったというものでなくて、毎回毎回指摘をしておりますように、見積もりが全く不確定、あるいは事業をするつもりがなかったにもかかわらず予算計上しておった。決算の立場から言いますと非常に問題のある不用額ばかりです。それから三番目は、昭和五十年、五十一年、いよいよ本格的に国債の発行が大きくなって、今日六十億と言われております国債問題の基盤がその当時でき上がった、そういう意味で昭和五十一年度の決算というのは特徴があるわけです。 そこで、全部例を出すわけにいきませんが、労働省と建設省、なかんずく住宅についてまず先に指摘をしたいと思うんです。 昭和五十年度の労働省の決算でも、私どもはこの不用額がどういう角度で出たのかということを分析をしまして具体的に指摘をしました。当時は雇用問題が非常に重視されておったわけでありますし、失業者も多いし、何とか失業の予防とかあるいは失業が出た場合の対策だとか、そういう意味で、労働省のこの種の予算がふえたことについてある意味で歓迎したわけです。ところが昭和五十年度の決算を見ましても莫大な不用額を生じておりますし、それから昭和五十一年度の雇用調整給付金を見ましても、何と三百八十九億円も残したわけです。雇用対策が非常に重要だという意味で、内外協力し合って予算化したわけですが、結果としては膨大な不用額が出てしまった。 労働省にお伺いをしますが、毎年毎年こういうふうな予算の執行では、これはわれわれも納得できませんし、国民は血税を回すわけですから、税金をお互いの共同連帯の立場から予算化したわけですけれども、これほど残すならばなぜ最初からそういうむだな予算を組んでおいたのかという指摘がされるのは当然だと思う。 まず最初に、労働省の雇用給付金、雇用関係の不用額がどういうわけで出たのか、その点をお伺いします。
○説明員(大城二郎君) 雇用安定事業の関係でただいま御指摘のございましたような不用額が出たわけでございますが、五十二年度の予算の積算に当たりましては、昭和五十年度及び五十一年度の前半における雇用調整給付金の支給実績等を踏まえまして、その後の雇用情勢の見込みで、今後もそういう雇用調整が進むであろうという見通しのもとに予算を計上したわけでございますけれども、その後の状況では一時休業等の雇用調整を実施する事業所が減少した、あるいは新しい卒業についても制度の発足後間もないこともあって十分に浸透しなかった、そういうような事情がありまして、制度の利用が当初の予想に比べて進まなかったというふうに理解しております。こういう点につきましては、制度がそういう雇用情勢の実態に即応して活用されるような形で整備改善をしていくということが必要であろうと考えておりまして、そういう努力を続けているつもりでございますが、御指摘のような点は、この時期における雇用情勢から見て、そういう対応の仕方が必要であったというふうに考えております。 以上でございます。
○穐山篤君 そういう御答弁は、昭和五十年度の決算でもお伺いしたんですよ。しかし納得ができませんね。約四百億に近い給付金を残すというふうな労働政策というのはうまくないと思うのです。昭和五十年度の完全失業者の率は多分一・九だったと思います。昭和五十一年度は二・〇%。当時の経済情勢を反映して失業者がふえるであろうという計算はよくわかるし、また対応もしなきゃならぬこともよくわかっているんだけれども、実際に予算が執行されてない。どこかに私は大きな欠陥があると思う。時間の関係がありますから、それ以上は別に譲ります。 さて、公共事業の中でも住宅建設は景気をある意味では引っ張り上げる、こういう意味もあって、かなり膨大な費用が昭和五十一年度は組まれた。これは住宅建設五カ年計画の一環で予算が組まれているわけですが、特に私が重視をしておりますのは、公営住宅の建設事業あるいは地区改良事業の計画と実績を調べてみました。八万五千戸の建設計画に対しまして、実績は六万九千九百五十戸、それから改良事業の方は七千戸に対し六千五十八戸、初年度からこの計画というのは大きく崩れたわけです。五十一年、五十二年、五十三年と見て、五十四年は推定で調べてもらいましたが、二つ問題点があるわけですね。一つは、公共事業を拡大をして景気を引き上げるという意味もありましたし、具体的に住宅が足りないということもありまして、せっかく公営住宅の予算をこれだけ組んだわけですが、初年度におきまして一万五千戸も公営住宅については建てられない、なぜそういうことになったのかということがどうしても疑問でならないわけです。用地の取得、いろんな理屈があるでしょうが、そういうことは全部あらかじめわかっていて五カ年計画というものが組まれていたわけですね。さて、いま私が申し上げましたように、毎年一万戸ないし一万五千戸ずつ残っていきますと、来年、昭和五十五年度は二年分を一遍にやらなきゃならないという理屈になるわけです。 そこで、問題がまたそこで二つ出ますね。実際に工事をやる能力がそれだけあるかどうか、消化し得るかどうかという問題点、それから財政的に言うならば、来年度一年で二年分の予算を組まなきゃならぬかどうかという問題点が出てくるわけです。まず、住宅局の方から、なぜ昭和五十一年度はこういうふうなずさんな住宅建設に終わってしまったのか。五十二年度もそうですよ。その点について明らかにしてもらいたい。
○政府委員(関口洋君) 公営住宅はいまさら申すまでもないと思いますけれども、いわゆる低所得者の方に対する賃貸住宅の供給として先生御指摘のとおりに非常に重要な機能を営んでおるわけでございますが、そういう意味から、五カ年計画におきましてかなり大きな役割りを期待し、それに必要な計上をいたしたわけでございますが、ただいま先生から御指摘をいただきました五十一年度、五十二年度においてなぜ計画と実績との間に乖離が生じたのかという点について御説明をさしていただきたいと思います。 公営住宅等の建設が東京、大阪等の大都市地域を中心として停滞しておることはいま先生御指摘のとおりでございますが、その主な原因といたしまして、私ども四点ばかり考えております。 まず第一は、いわゆる関連公共公益施設の整備に関する地方公共団体との調整に時間がかかったということが第一点でございます。第二番目は、周辺市街地の居住環境の整備保全に関する周辺の住民の方との調整が難航したということが第二番目の理由でございます。第三番目は、これらの大都市におきましてかなり建てかえ事業に力を入れる計画のもとにスタートしたわけでございますが、建てかえ事業は現に入居しておられる方との交渉を必要といたしまして、その交渉にも手間どったというのが実情でございます。それから第四番目に用地の取得難がございます。 以上のような原因によりまして、五十一年度、五十二年度は計画と実績との間に乖離が生じたわけでございますが、五十三年度におきましてこれらの点に関して所要の改善を行っておるような次第でございます。
○穐山篤君 昭和五十五年度に最後の締めくくりとして一年間に二年分の仕事をおやりになるんですか。できますか。
○政府委員(関口洋君) いまの、最後の年度で倍以上のものが行えるかという点でございますけれども、それは私どもも困難であろうかと、かように考えております。しかしながら、ただいま申しましたように、今後は住宅宅地関連公共施設整備促進事業あるいは公営住宅の建てかえ推進事業の活用等によりましてできるだけ努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○穐山篤君 大蔵大臣、いま私は労働省と建設省の住宅のことだけを時間の関係で取り上げてみたわけですが、やはり不用額を具体的に調べてみますと、大臣、納得のできない点が多いと思いますね。昭和五十一年度決算で見ますと、一つの項目で五億円以上の不用額を出した官庁が延べで五十五省庁にわたっているわけです。五十五省庁にわたっているわけです。これを調べていただきますとわかりますが、毎年同じ省庁が不用ということで残しているわけです。特別な事情があって、天変地変があってどうしても消化が不可能だというならばよくわかりますけれども、同じようなケースで毎年毎年これだけ莫大な不用額を残しているというのは予算の編成、査定上欠陥があったんじゃないか、そういうふうに思わざるを得ないと思いますが、この点大蔵大臣どんなふうにお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) まあ予算の査定全体から見てまいりますと、従来から厳正を期するように努めてまいっておると、こういうことになりますし、そうしてその都度、いわゆる不用額を生じた場合、その原因、予算執行の実態等を十分に検討いたしまして、それを新しくまた査定の姿勢の中へ深く認識をして対応しておると、こういうことであろうと思います。しかし、穐山委員の特に住宅の点についての御指摘がありましたが、五十一年度は竹下登が建設大臣でございましたので、そういう意味も含めて御指摘をいただいたかという感じは私もいたします。確かにあの当時、住宅というものが国民のニーズに沿うという意味において、その五カ年計画策定等については環境が整っておったと思います。しかし、現実これを執行するに当たりまして、われわれがやっぱり一番、当時、所管官庁としての立場で反省をいたしますならば、いわゆるそれによって伴う関連公共等に対しての手当てを建設省みずからが行うのではなく、自治省等にお願いしてかかろうというところに欠点があったと、これは深く反省をいたしております。五十三年からおかげさまでそういう予算もついておりますものの、私は当時の責任者として深く反省し、そしてその実態はやはり関連公共施設の問題に一番のネックがあったではないかというような反省の認識の上に立っております。
○穐山篤君 これほど財政再建だとか赤字解消ということが内外で叫ばれているときでありますので、やっぱり不用額については十分にチェックをしてもらわなきゃ困るということを一言注文をしておきます。 そういう意味でサマーレビューのことについてお伺いするわけですが、時間がありませんので、ごく簡単にお答えをいただきたいと思うんです。 それは、大平総理が本会議でもあるいはその他の各種委員会でも、サマーレビューを行って国の財政のどこにどういう問題点があるのか、あるいはその問題点を解消するためにはどういう手だてをしていいのか抜本的に研究をしたいということを繰り返し繰り返し言われたわけです。当時私ども聞いておりまして、福田総理とは違ったことをやるのかな、やるだろうなという感じでこのサマーレビューという言葉をある意味では信じていたわけです。そしてまた、サマーレビューの結果については、国会はもちろんのこと、国民の前にもある程度のことが明らかにされて、その上で国の財政再建について国民全体の協力を得る、その手法をとるだろうというふうに期待をしていたわけですが、いまだにサマーレビューの成果というものは全然公表をされていない。私ども大平総理の政治姿勢、公約から言うならば、公約違反ではないかというふうに指摘をしておきたいと思うんです。総理は、大蔵大臣ですか、衆議院の大蔵委員会でサマーレビューの問題について、いや、それは昭和五十五年度の予算編成の中に具体的に生かしていくということで、公表はしないんだというふうに答弁された模様でありますが、しかし国会の審議の経緯から考えてみまして、当然サマーレビューの成果、分析というものは国民の前に明らかにされるものであった、そういうふうに私どもは信じていたし、大平総理もそういうふうに答弁をしていたにもかかわらず公表されていないことについて、まず遺憾の意を表しておきたいというふうに思います。 さて、具体的に今日の問題に移りますが、昭和五十四年度、今年度の国の収入見込みについて、おおむね資料の上では八月ないし九月ぐらいまで出ているわけですが、これからどうなるか、どの程度の増収を見込むことができるかどうか、増収その他総体的な歳入の見込みについておわかりになっておったら明らかにしてもらいたいと思う。
○説明員(福田幸弘君) 五十四年度の税収の見通しといたしましては、当初予算額に比べまして約一兆八、九千億程度の自然増収がいまのところ考えられております。
○穐山篤君 結論だけのようですが、それはあれですか、具体的に九月までの租税、印紙収入などのものがはっきりわかった、それから収入ぐあいというものもわかった、それを延長して一兆八千億と、こういうふうに言われるんですか。それとも税外収入だとか、毎年出るであろう不用額、こういうものも含めて一兆八千億というふうに計算をされたのか。もう一遍その基礎を明らかにしてもらいたい。
○説明員(福田幸弘君) ただいま申し上げました数字は税収についてでございまして、税外は含まれておりませんが、税収の見込みといたしましては九月末の実績が一番新しゅうございまして、予算額が二十一兆四千八百七十億でございます。二十一兆四千八百七十億円に対しまして、九月末の実績が七兆八千億となっております。これは予算額に対しまして進捗割合で申しますと三六・三%が入ったということになりまして、昨年の三一・六%に対しますと四・七ポイント上回っておるということになります。また伸び率で申しますと、九月末のところでは二三・五%の伸びということで、いままでの実績の強さがわかりますが、それをそのまま見込めるかという点が非常に、問題が三つほどございますが、戻し税が昨年八月末までに集中して行われておるということが一つの違いでございます。それから昨年の後半に税収が伸び出したという問題があります。したがいまして、昨年の五十三年度の自然増収は結果的に七千七百五億円出ております。そういうことで、昨年の後半の税収の伸びというのが、ことしの比較で申しますと、ことし前半の伸びをそのまま伸ばせないという問題に関係するわけであります。 それから、今後の見通しの一番わかりにくい、不確定要因として挙げられることは石油の動向でございまして、石油がどういうふうに値段が決まるかということが企業の収益にも影響いたします。また金利の影響等もございますし、さらに円安の影響がどういうふうに企業収益にあらわれるか、この辺が不確定要因でございますが、いまの段階、いろんな実績を検討し、さらに五十三年度の七千七百五億という、すでに発生しました高さからの延長で考えますと、先ほど申しましたように、われわれの個別税目の検討の積み上げ的な感触だけで申しますと、一兆八千から九千億ということでございますが、経済見通しの方がまだ今年度の実績的な見通しがはっきりいたしませんので、その辺正確な数字は申し上げにくい段階にあるということでございます。
○穐山篤君 推定をすることはなかなか困難だと思いますが、収入ぐあいというものも一応見ながら、内外の事情を加味しながら出てくるんでありましょうが、大ざっぱな計算をしまして不用額、税外収入その他を含めると二兆円は超えるのではないかというふうに思います、金額は別にしまして。 さて、この取り扱いでありますが、最終的には予算の補正を行うということになるだろうと思いますが、御案内のとおり国債の発行についても問題点がいま十分指摘をされているわけですね。 そこで大蔵大臣、仮の数字でありますが、一兆八千億という近年にない増収が見込まれているわけですが、これらの金の処理をどういうふうにするかというのもまた国民の関心の的になっていると思うんです。われわれとするならば、従前から国債の発行について指摘をしているわけですから、思い切ってこれの返済に充てるべきだというふうに考えますが、政策の問題でありますので大蔵大臣から御答弁をいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) 穐山委員の指摘と同じような考え方で、どうしても必要なものを除いては全額を国債減額に充てるべきものであると、こういうふうに考えております。現段階では給与改善費の問題とそれから災害復旧事業等の追加財政需要がはっきり数字が固まっておりません。大ざっぱに申しまして給与改善の問題で現在の既定予算の中で見ますならば七百二十億円程度不足するかとも思いますが、これは既定経費の節減等をもって充てるということを原則といたしております。そして災害も不足するであろうと思われます。これを詰めまして、そうしたものをまず必要最小限に抑えたその後のものは国債の減額に充てたいと、こういう考え方は基本的に同じであります。
○穐山篤君 時間が来たようですから、最後に昭和五十五年度の予算編成の問題について二つほどお伺いします。 先ほどサマーレビューのことについて時間がありませんでしたので深い指摘ができませんでした。各省庁が大蔵省に概算要求しましたのは八月三十一日でありますね。大平総理はサマーレビューによって抜本的に歳入歳出について考える、こういうふうに御答弁をしているわけですから、各省庁の要求は要求としてあったにいたしましても、それにこだわらず大蔵省としては昭和五十五年度の予算の編成をする、そういう決意で作業を進めているかどうかということが第一です。 それから第二の問題は、大平総理は自民党のあのごたごたの中でも、公約を実行したいということをしばしば言われているわけですが、その公約の実行の中には、一般消費税とか大衆課税はいたしませんと、選挙のときに最終段階ではそういうふうなこともおっしゃられたわけですが、それをそのまま五十五年度の予算編成に当てはめるとするならば、直接大衆課税になるような増税はやらない、そういう立場で昭和五十五年度の予算を編成するというふうに受け取っていいかどうか、その二つについてお伺いをいたします。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど御指摘のサマーレビュー、いわゆる夏期事前点検作業と、こういうふうに申しておりますが、私の衆議院の大蔵委員会における答弁を援用しての御質問でありましたが、これの成果が形の上であらわれてくるのは五十五年度の政府原案そのものにあらわれてくるものである、引き続きその事前点検作業によって問題といたしましたものを、いま予算査定の段階で継続して厳しく対応しておる、こういうことであろうと思います。 そしていま決意の問題でございましたが、もとより各省庁それぞれの政策目標を持っての予算要求でございますので、これを全く問題にしないというわけにはもちろんまいりません。重要なる参考にすべき問題であるとは考えておりますが、すでに目的を終わったものの整理あるいは新規政策に対する厳しい抑制、こういう方針は貫いていかなければならない問題であるというふうに思っております。 それから大衆課税の問題でありますが、確かに昭和五十四年、税制調査会の答申をいただきまして閣議決定をして、五十五年に一般消費税を導入する準備を進めると、こういう閣議決定がなされておったことは事実であります。したがってその線に沿って諸般の準備を進めてきたところでございますが、過般の選挙等を通じまして国民の側から、必ずしも言葉が適切かどうかわかりませんが、言ってみればヘジテートされたというふうに理解をして、これは五十五年度予算編成に当たっては歳入の中で一般消費税というものは考慮の外に置くと、こういうことに方針が決定いたしておるわけであります。で、歳出から切り詰めていって、そうして公債を減額し、さらに新しい国民の負担、仮にもし――租税特別措置の洗い直し等をやっておりますが、どの税目でもってそれを補うかという点については、今日のところまだ言える段階でないということでございます。ただ、一般消費税をもって財源に充てるという考え方はないと、こういうことでございます。
○和田静夫君 きょうはかなり盛りだくさんに、予算編成の問題、あるいは日本電気のPCBの不法投棄の問題、あるいは山口銀行の背任の問題、大生相互銀行の融資をめぐる疑惑の問題、あるいは中国銀行の金融機関信用調査問題などというものを取り上げたいと思いますので、少し口早に質問をいたしますが御了承願います。 初めに、五十一年度の大蔵省の補助金監査の結果どれだけの不正、むだ、それから改善すべき事項があって、それを五十二年度以降の予算でどういうふうに生かしたのか、具体的に説明してください。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま和田委員御指摘の、五十一年度の補助金監査の結果をどのように予算編成に反映させたかという点でございますが、ただいま手元に具体的な資料を持ち合わせておりませんので具体的には申し上げられませんが、一般的に申し上げますと、これは例年そのとおりでございますが、補助金監査の結果実態的に不適当だというようなものにつきましては、それ以後の予算編成に的確に反映させるように毎年努力をいたしておりますので、五十一年度分につきましてもそのような処理がなされているというふうに私は考えております。
○和田静夫君 いや、なされていないから聞いているんで、これは決算の総括という話ですから、ここで答弁できないというようなことにはならぬのですが、きょうは限られた時間ですから、後でひとついま私が述べた額、指摘点、それらと五十二年度の予算との関係を私に教えてください。大臣いいですか。
○政府委員(吉野良彦君) 承知いたしました。
○和田静夫君 大蔵省には地方に財務局財務部があるわけですね。私はこれは二重行政のむだだと不合理をかねて予算委員会で論議をしてまいりました。で、私はある意味では大平内閣は正しくこれを受けとめたんだと思うんですが、いま補助金の問題の論議がありましたが、会計検査院と二重にこの補助金の監査をするだけの実績の根拠とはどうもなっていないように思うんですね。法的にも補助金等適正化法を根拠というそういうことは言えないと思う状態。ともかく行政改革のやり玉に私は上げてきたわけです。補助金監査はむだである。地方債許可の協議及び地方財政の調査というのはこれは言うに及ばないわけです。金融機関の検査を考えてみましても、現に中央から指揮官を派遣してやっているわけですね。地方機関が特に必要なわけではないわけです。一体この財務局財務部がどれだけ必要なのかはそういう意味でもきわめて疑わしい。大蔵省の幹部の方も、内輪の話だと、こういうふうにずっと最近になると言っているわけです。で、前の宮居長官が総選挙の告示の約一週間前に明確に、大平内閣の行政機構改革の第一弾として地方財務局財務部は廃止をいたします、こう報道機関を通じて公約をされました。 そこで、新大臣、非常に実行力があると思いますので、大平内閣の中の一番の実力者大臣でしょうから、具体的にこれを実施する方針、それを聞かしてもらいたいんです。これは私は一地方を削減するとかという問題ではない、存在そのものの再検討、廃止までを含めた改革が私は必要だと。まず隗より始めよでありますから、大臣いかがです。
○国務大臣(竹下登君) きょう宇野行政管理庁長官からお答えがございました行政改革の問題でありますが、伊東内閣官房長官、宇野行政管理庁長官と私とでいわゆる三閣僚会議というものを、これは公式なものではございませんけれども、行政改革を進めていくに当たっての基本方針を検討するという意味で重ねてまいっております。そこの議論の中で、いままず取り上げるものは、もろもろの客観性の中でいわゆる特殊法人、公社、公団というものから取り上げていこうと。で、省の本体に手をつけた場合に、それが先行して特殊法人等に手が及ばない環境が生じてはきわめて危険ではないかということから、この十日までに策定いたします問題はまずそこに一応限られるという方針になったわけであります。 和田委員のおっしゃいます財務局財務部というものが二重行政の最たるものであるとか、あるいは行政改革とはまず大蔵省自体が切らなければほかの省がついていけるものではないではないかと、そういうような御批判があることは承知をいたしておりますが、まずいまの場合、方針で決まりました特殊法人から手をつけ、これは第二ラウンドとでも申しましょうか、その中でそういう問題についての厳しい対応の仕方をしていこうという大筋の話になっておりますので、私がいま財務局財務部を直ちに廃止するというお答えをできる環境にはないと、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
○和田静夫君 新大臣、これは第一次大平内閣の末期における公約ですからね。田中官房長官は外に向かって明確に言われたわけですから、それはもう第二次大平内閣において完全に行われる、こういうふうに私たちは理解をしていますし、参議院予算委員会の私との討論を受けた大平総理大臣の私は決断だったんだろうと思いますので、これは十分記憶にとどめておかれて作業を進めていただきたい、そういうふうに思いますが、よろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) たとえ前官房長官の閣議決定等に基づく発言ではないにしても、公の発言でありといたしますならば、当然のこととしてわれわれ行政改革を進めるに当たり念頭に置かなければならないことであり、きょうの和田委員の御発言そのものも、ただ聞きおくにとどめてはいけない、このように考えております。
○和田静夫君 人事院総裁、人事院勧告実施のこの閣議決定で、昇給延伸、それから退職金制度の見直し等がうたわれていますが、これは人事院にも事前に相談があってのことでしょうか。
○政府委員(藤井貞夫君) 事前に相談はございません。
○和田静夫君 これは釈迦に説法ですが、人事院制度というのは公務員に対する労働基本権制限の代償措置である。その精神から言って、ようやく人勧完全実施というところにきている。ところが、またもや財政事情を理由にしながら値切られる。これはよく公務員労働者側が言う人勧体制、その人勧体制というものがある意味では崩壊の危機に瀕する。総理府総務長官が総裁に書簡を出して、そして人事院は定昇延伸の検討を開始をされたと最近報道されているんですが、これは事実ですか。どういう対処をされますか。それから延伸の内容、方法。それで人勧体制の原則が守られるとお思いになりますか。
○政府委員(藤井貞夫君) お述べになりましたように、人事院の給与に関する勧告というのは、これは公務員の労働基本権制約の代償措置として法律上認められておりまする大変基本的な制度でございます。で、この制度の実施に関しましては、いままでいろいろ過去において紆余曲折はございましたが、昭和四十五年以来、幸いに国会、内閣の深い御理解と御協力によりまして完全実施ということで今日に至っておるわけでございます。 人事院の立場というのは、いま申し上げました基本的な原則に立ちながら、要は給与に関しては官民比較という立場に立ちまして、これについて詳細な調査検討を遂げ、較差があればこれを埋めるということで従来やってまいったのであります。このたてまえは今後といえども変わるべきではなし、また私としては変わらせるような意向は絶対に持っておりません。 いまの昇給延伸の問題でございますが、和田委員専門ですからよく御承知でありますように、本年の勧告におきましていろいろな角度から検討いたしました結果、五十六歳以上のいわゆる高齢者につきましては、その実態に見合う措置といたしまして、やむを得ないものとして昇給延伸並びに昇給停止の措置を打ち出すことにいたしたのであります。これは勧告の一環として出しましたもので、その具体的な内容については法律改正案として御審議をいただくことになりますし、これを受けて具体的には人事院規則で制定をしてまいるということに相なろうかと思います。今回の閣議決定になりました昇給延伸は、それと違った、いわば気持ちとしてはこういう事情であるから一斉昇給延伸という可能性というものについての希望を表明せられておるのではないかというふうに私は理解をいたしております。 実はあの閣議の決定に基づきまして一昨二十六日、総理府の方から私あてに書簡が参っておりますが、この書簡の内容は、いまの点をいろいろ御考慮に相なりましたこともありまして、閣議決定があったからこの旨お知らせをしますという意味の書簡をいただいております。申すまでもなく、現在の昇給制度というものは給与制度の一環としてやってきております。官民較差の場合におきましても、これはいわば国家公務員の場合には較差の配分の問題、給与制度全般の一翼ということに相なっておるわけでありまして、まさしくこれは人事院のまず第一に申し上げなければならない専管的な事項に属するものであると私は理解をいたしております。そういうような中において、各種のいろんな複雑な背景がございましてこういう閣議決定があったものと思われますが、やはり人事院の与えられた職務と権限とその枠というものがこれは厳然としてございますので、それらをにらみ合わせながらどうこうするかということは今後の問題として対処していかなきゃならぬと思いますが、基本はやはり官民の較差の問題、その他やはり公務員内部における相互の均衡の問題、それが第一でございまして、財政の問題を人事院として考えていく、優先的に考慮するという立場をとることは私は間違いであろうかと思っております。ただ、背景としていろんな困難な事情があるということはいろんなことで見聞きもしたりしておりますし、私もそれなりに勉強いたしておるつもりでございますので、それはそれとして承知いたしておりますが、しかし、それとの絡み合いで人事院の制度、その枠組みというものを変えるつもりはございません。
○和田静夫君 竹下大蔵大臣、人事院勧告の完全実施に向かって大変努力をされた政治家でありますし、私たちはそのことについては忘れてはいないのであります。したがって大蔵大臣、いまの人事院総裁の財政事情が先行しないという部分については十分に考えておいていただかなきゃならぬと思うんです。これはいま大臣が担当でないと言われればそれまででありますが、もし人事院勧告体制が政府の手によって崩されていくんならば、大平内閣は謙虚に公務員労働者に対して基本権を返す、人事院もなくする、そして財政事情その他を含んで団体交渉の席上で賃金が決まる、そういう制度に持っていくのは当然でありますから、ここのところは十分にわきまえておいていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 和田委員御指摘のとおり、確かに所管大臣という立場にはございませんが、強いて言うなれば給与関係閣僚協議会のメンバーの一人であるという立場にあろうかと思いますし、人事院の勧告の実施についての閣議決定に参加をした責任はもとよりございます。したがいまして、いま人事院総裁が人事院総裁としての立場からお述べになった基本的に労働基本権の代償措置としての問題、そしてまず官民比較ということから今日までの歴史が継続されてきたということ、これらの基本認識は私も人事院総裁と違っておる点はございません。強いて申しますならば、財政を担当する立場から財政上の問題を閣僚協議会等において申し述べたということは事実であります。そして書簡という言葉でありますが、いま総裁からお述べになりました総務長官名をもっての書簡というものの表現の仕方についても、恐らく人事院総裁のお述べになった精神を踏まえてあのような書簡になったではないかというふうに理解をいたしております。
○和田静夫君 社会保険診療報酬について若干やりたいんですが、時間がありませんから詳しい質問は別の機会に譲るといたしまして、一つ二つだけ確認をしておきたいのであります。 それは、診療報酬の配分が適正でないことはつとに指摘をされてまいっております。たとえば薬品、検査はもうかって基準看護は赤字という片寄った報酬が設定されている結果、薬づけ検査づけと言われる危検な医療が増大する、その一方で正しい医療を行っている医療機関の経営が苦しくなっている、そういう状態に陥っています。診療報酬体系の改革が必要であると私は考えます。 ところで、現在は前回五十三年の二月一日に改定されて以来据え置かれているわけですね。この間にも特に基準看護料は労働賃金の上昇でその分だけ現行報酬ではやっていけなくなっている。経営にしわ寄せが多くいっている。したがって、賃金上身分の早急に改定する必要がある。この点を含めて社会保険診療報酬の改定を行うのか、そしてその時期はいつか、これのめどというものをお知らせください。
○国務大臣(野呂恭一君) 診療報酬の改定をいつ、どういう方向で行うのかということでございますが、御指摘のように、五十三年の二月に改定をいたしました。これは国民の経済力あるいは賃金、物価の動向、あるいは医業経営の状況等を勘案して、従来から必要に応じてその適正化を図ってまいったわけでございますが、今後ともそれらの要因を考慮して対処してまいるつもりでございますが、現在のところ診療報酬改定の時期等についていま申し上げる段階ではないというふうに私どもは考えております。
○和田静夫君 やられることはやられるわけですか。
○国務大臣(野呂恭一君) そういう諸要件が必要であるという情勢判断をいたしました場合においては、これは改定すべきであると考えております。
○和田静夫君 就任早々だからということなんでしょうが、大臣自身は専門家としてどうお思いになっているんですか。
○国務大臣(野呂恭一君) この点については一番基本に関する問題、医療行政の基本でございますので、慎重にそれらのいろんな情勢判断をもう少しさしていただきたい、かように考えております。
○和田静夫君 どうですか、政治家個人としてどうお思いになっていますか。私が指摘しているとおりだとお思いになるでしょう。
○国務大臣(野呂恭一君) 和田先生の御指摘の点は十分私も理解させていただきたいと思います。
○和田静夫君 十分に理解をされた以上、大臣に就任をされているんですから、したがって作業はやっぱり急がれるべきである、そういうふうに申し上げておきますが、よろしいでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど申しましたとおり、それらのいろんな要因、環境、そういったものについて十分慎重に準備を進めてまいりたいと思います。
○和田静夫君 元江戸川区歯科医師会長の武居歯科医院長ですか、歯科医院が、社会保険診療報酬の不正受給を行っていた件、これをちょっと御報告ください。
○政府委員(石野清治君) 江戸川区の武居理事長が所管しておりまする武居歯科医院でございますけれども、これは従事者が歯科医師四人で、技工士その他事務職員もおりますが、これの監査を行いました経緯がございます。これは、実は過去におきましても数度にわたりまして事故の調査を行ったわけでございますが、特に本年の六月の六日――これは社会保険でございますが、これは個別指導を実施いたしました。そうしましたところ、不正請求の疑いが出てまいりました。したがいまして、十月の十六日に監査を実施いたしたわけでございます。 で、監査をいたしました結果、人員、件数で申しますと、架空の人員が百八十名、件数におきまして千六百三十七件、金額にいたしまして三千二百十三万九千八百七十一円という架空の請求がございました。さらにつけ増しの請求がございまして、これは件数は二十五件でございまして、二十万七千三百三十円、そのほか事故によりまする件数を合わせますと、合計で二億七千三百四十一万四千二百四十五円というものが架空なりつけ増しなり、あるいはその他の事故というふうに調査をいたしました。 この保険医療機関につきましては、みずから十月の二十一日に保険医療機関としての辞退の申し入れがございました。実は武居理事長につきましての保険医の指定の問題について、今月の三十日に地方医療協議会で協議をいたす、こういうふうになっております。
○和田静夫君 余りにも巨額の不正受給がまかり通った原因ですね。江戸川区への債務弁済契約公正証書を見てみますと「誤って」と、こうなっているわけです。誤って受け取ったということになっているわけですが、その間の事情、いわゆるにせのカルテをつくって請求をしたということになりますか。
○政府委員(石野清治君) これも現在調査中でございますけれども、現在の調査の段階でわかっておりますのは、カルテを一応全部書き直したのではないかという疑惑がございます。どの程度いつの時期からやられたのかにつきまして詳細にいま検討いたしておるわけでございますけれども、理事長が全責任を持ってこれを書き直した事実があるというふうに証言いたしておりますので、その事実は間違いないと思います。
○和田静夫君 十年間もわからなかったというのはどんな原因ですか。
○政府委員(石野清治君) 従来までも指導監査につきましては、これは昭和三十六年の日本医師会ないしは日本歯科医師会等と厚生大臣の間に協議がございまして、医師会あるいは歯科医師会の保険担当理事を立ち会わせるという形になっております。 その場合に、できれば事前に、指導の面につきましてはそういう行政庁の指導が入る前に、できるだけ歯科医師会あるいは医師会内部で自己の指導を行ってできるだけ是正をするというまず基本方針がございます。それでなおかつ問題があるものにつきまして共同の指導を行い、そして監査をする、こういう段取りになるわけでございますが、確かに東京都の場合の歯科医師会の方ではなかなかその指導が行われていなかった、こういう事態がございます。 それはやはり従来からの経緯がございまして、たしか昭和三十六年の時点から、やはり先ほど申し上げましたように、できるだけ歯科医師会の内部で指導を行うという基本精神にのっとってそれに従わない者について行政庁が指導を行うというたてまえになっておりますが、従来でございますと、大体歯科医師会の幹部の指導に服してきたわけでございますが、たまたまこの武居歯科医院の場合につきましては、この人自身が江戸川区の歯科医師会の会長をたしかやっておられたと思いますが、そんな関係でやはりそこに十分な指導が行われていなかったことは事実でございます。
○和田静夫君 言ってみれば、監査機構が不備であるということですが、これは後ほどやりますが、警察庁、東京都の民生局勤務の元厚生技官との間に汚職容疑が持たれていますね。捜査に警察庁は入っているんですが、その結果どうなんですか。
○政府委員(中平和水君) ただいま御指摘の事項につきましては、ただいまのところ私ども報告を受けてないのが実情でございます。
○和田静夫君 これは報道もされたことですが、したがってこれは後でそれじゃ教えてください。 医療専門官を中央に二名配置をする、そしてプロジェクトチームをスタートさせるということでありましたが、もうこれは発足しましたか、どういう計画になっていますか。
○政府委員(石野清治君) 御指摘のとおり、指導監査体制の整備ということで、五十四年度予算におきまして医療指導監査官の二名の増員が認められまして、これにつきましてはすでに十月一日で発令をいたしました。すでに活動を始めております。
○和田静夫君 医療専門官は全国で百七名の定員ですが、現在二十八名欠員となっているでしょう。
○政府委員(石野清治君) いま申しましたのは中央の医療指導監査官でございますが、地方には御指摘のとおり定員百七名の医療専門官がおりますが、現実に配置されておりますのは七十七名ということでございます。
○和田静夫君 定員設定の根拠というのは何ですか。
○政府委員(石野清治君) これは、医師、歯科医師両方があるわけでございますが、医療機関の数とか、あるいは歯科医療機関の数によりまして全体の数を算定しておるわけでございますが、一つはできれば数は多いほどいいわけでございますが、実際に成り手がないという問題がございまして、定員を大幅に取りましても実際の充足はできない、こういうことでございまして、現在の段階ではいまの定員をできるだけ充足するように努力をいたしておるわけでございます。
○和田静夫君 私はこの定員及び機構で十分やっていけるのだろうか、大変な問題だろうと思っているんですよ。 これは厚生大臣に答弁いただきたいんですが、行政職でどれだけ一体専門的に立ち入りをすることができるのだろうか。身分保証も非常に悪い。端的に言って監査機構に私はなっていないと思うんです。これは再検討すべき点が非常に多いんですが、これは大臣お考えにならなきゃならぬところですが、お考えになりますか。
○国務大臣(野呂恭一君) 指導監査体制の整備につきましては、いま局長の方から御答弁申し上げたとおりでございますが、今後特に地方の技官の処遇改善を十分に体制を整えていかなければ御指摘のような心配がございます。指導監査体制というものが十分ではないということでございますので、この点については一層ひとつ改善について努力をし、定員百七名ということもあるわけでございますから、十分定員を満たし得るように処遇改善を進めてまいりたい、こう考えております。
○和田静夫君 まあ機構も、同時に今日この監査状況すら実は公表されなくなったんですね。行政監査は会計検査院であれ行政管理庁であれ公に報告が行われているわけですよ。捜査機関である国税庁、警察庁も白書を初めいろいろな形でもって報告を行っている。まあプライバシーは別でありますが、行政は国民に対して結果を公表するのは私は現代行政の原則だと思っているんですよ。で、五十二年度まで公表していてその後公表をしていない。これは厚生大臣何か原因がありますか、理由がありますか。
○政府委員(石野清治君) 五十二年までは公表しておりまして、五十三年度も大体まとまりましたので、近くこれについて数字を申し上げるつもりでおります。
○和田静夫君 いつですか。
○政府委員(石野清治君) 現在私の手元にございます数字で申し上げてよろしければそういたします。
○和田静夫君 じゃ資料でもらいますから。
○政府委員(石野清治君) わかりました。
○和田静夫君 昭和三十五年に事件があって、そして医師会の了解という申し合わせができたらしいが、監査件数が平均して六分の一程度に減っている理由というのは何かありますか。
○政府委員(石野清治君) 確かに医師会との立ち会いのもとで指導を行うという形になっておりますので、行政庁単独でやります場合よりもどうしても制約がございますので、件数の上では若干減ってくると、こういうふうになっておりますが、最近の指導監査の状況から見まして特に減っているということはございませんで、大体年間のベースでは同じことでございますが、一つには先ほど申しました医療技官、地方医療技官の配置が十分でないということも一つの原因であろうかと思います。
○和田静夫君 そうですね。 それからもう一つは、大臣は医師会と等距離という談話を発表されていますから、ある意味ではちょっと信用しますがね、しばらく見さしてもらいますけれども。私も社労の委員長をやっておっていろいろ皆さん方と医師会との間の壁というのを十分に感じ取りつつずっときまして、しかし質問する機会がなかったものだから、いまそのときに感じ取ったことをまとめてやっているわけです。これからもしばらくやらしてもらいますが。どうも医師会の横やりと言われても仕方がないんじゃないかという感じがするのですよ。厚生省は本年一月に監査強化の通達を出されました。ところが、どうも実際は本気で強化するような行動が見えない。いま指摘したように十年も不正が発見できずに基金の金が不正に支払われるという結果になっている。これは現状では相当あると考えられますね。支払い基金のチェックはほぼ物理的に不可能とされているわけです。それはそうでしょう、計算してみれば四、五秒で一枚のカルテを見るわけですから。不正をチェックする方法というのはやっぱりもう明確に再検討しなければなりません。これは大臣、もう一遍ですが、決意を伺います。
○国務大臣(野呂恭一君) 社会保険の診療報酬の審査、これはなかなか大変なことでございまして、とにかく限られた期間に膨大な件数の明細書を審査しなければならぬという状況にあるわけでございますから、審査員の増員を初めその方法を改善していかなければならないわけですが、こういったものを含めて御指摘のようにことしの一月に保険局長名で通知をいたしましたが、とにかくこの問題については医師会の合意の上でこのことを通達いたしておるわけでございますから、医師の方でも十二分に協力をいただいて過ちなき方向に進めていきたいと、かように思っております。
○和田静夫君 PCBの大量不法投棄の疑いで神奈川県警は横浜市緑区荏田町四八六九、ここの運搬業者を逮捕したようですね。この捜査、取り調べ状況をまず警察庁から伺います。
○説明員(塩飽得郎君) ただいま御指摘の件は現在神奈川県警で捜査中の事件で、横浜市緑区荏田町にあります環境総合整備株式会社代表取締役の富田雄司という者が違反をしたケースだと思います。 この件につきましては、この環境総合整備株式会社の富田という者が川崎市長の許可を受けないで、昭和五十三年の四月ごろから五十四年十月ごろまでの間の出来事でございますが、川崎市中原区下沼部にあります日本電気株式会社玉川事業場から排出しましたPCB入りのコンデンサーを三十七個、これを収集いたしまして環境総合整備株式会社まで運搬したという容疑でございます。これは廃棄物の処理及び清掃に関する法律の十四条一項に違反するということで、十一月の十七日に同人を逮捕して関係個所五カ所を捜索しております。現在鋭意捜査を続けておるところでございます。 このPCB入りのコンデンサー三十七個のうち警察では七個を押収しておりますが、現在までの捜査結果によりますと、残り三十個につきましてはこの会社の敷地内で焼却したと本人は言っておりますが、なお詳細につきましては捜査中でございます。
○和田静夫君 そこで、参考人、どうも御苦労さまです。 日本電気の大内専務にお聞きしますが、おたくの阿部昂公害防止環境管理部長、各事業所より相当の量のPCBが搬出されていますので早急に対策を検討します云々と、あるところで述べられています。で、各事業所より相当な量の搬出について、どこからどれだけ搬出されたのか、ここで明確にしていただきたい。 私が調査をしたのでちょっと数字を申し上げますと、大体十トンから二十トン搬出されたと思われます。で、日本電気の保管しているPCB使用部品の量と搬出の量ですね、これは資料に基づいて正確にひとつ答弁してください。
○参考人(大内淳義君) お答えいたします。 私どもの報告を受けておりますのは、玉川の事業場から変電所用の一〇〇kVAの進相コンデンサー二十三個、その他雑物若干という報告を受けている、それだけでございまして、いまその他の地区いろいろないか、さらに調査中でございます。 きょうつかんでいる事実はそれだけでございます。
○和田静夫君 最後のところちょっと何ですか、その他の地区から……。
○参考人(大内淳義君) その他の地区からは私どもでまだ報告を受けておりません。玉川事業場から進相コンデンサー二十三個、その他雑物と報告を受けております。
○和田静夫君 あなた専務ですから、報告を受けてないじゃ済まされないのでありまして、おたくの担当の部長が明確に各事業場より搬出をしていると言っておるわけですから、ここのところは明らかにしてください。で、決算委員会はきょうで終わるわけじゃありませんし、引き続いてこのことは……、PCBの流出問題ですから、人間の生命その他重大に影響するわけですから看過するわけにはまいりませんので、これはもう早急に報告をしてください。ないのならないでも結構です。ないという報告があれば私の方では事実関係に基づいてこうだというふうにしますから。 そこで、電気絶縁物処理協会ですが、参考人、大変御苦労さまですが、この日本電気のPCBの保存量、搬出量及びどこへ搬出したか、その場合に一番肝心なのは、おたくに手続をされたのかどうか説明してください。
○参考人(宗像英二君) 電気絶縁物処理協会はPCBの無害化処理をすることを目的でできておりまして、もう六年ほど前に創立されたんですが、創立の初めに日本でPCBを使っている状況を調べることはずっとしております。それを調べてどこにどうあるということをすっかり調べ上げまして、地方通産局を通しまして、こういう状態だから管轄してくださいということは申しておりますが、私の方で直接皆さんのところにあるのがどう動いているかということに手を出す、それだけの何といいますか組織の力もありませんし、またそれはとても三人や五人でできないことなものですから。いままだほんとに無害化処理の仕事が軌道に乗っておりませんで非常に困っているんですが、それですから、やっぱりまだそれに応じて組織をそんなに大きくしていくわけにいきませんし、そこまでは手が届かないんです。で、結局は地方通産局を通してどこにどうあるかということを聞いて、それをただ記録して確認しているだけなんでございます。ですから、いまどこに動いたかということは、そういうところまでは手が及びません。そういう状況でございます。
○和田静夫君 非常に危惧すべき状況なんですよ。したがって何も協会をいま一方的に責めようというんでなくて、協会がもっと権能を持てるような状態というものをお互いやっぱり検討するならしなきゃいかぬでしょうし、その辺のところの論議を将来はしたいと思っているんです。 日本電気は搬出した環境総合整備会社には金を支払ってますね。で、私は警察が何か運搬業者だけに疑惑があるのは不思議だと思っているんで、一番法律違反をやっているのは日本電気そのものですから、ここのところをはっきりしておきゃなきゃならぬのですが、報道では百四万七千七百円というふうに言われている。それからたしか通産省からは百四十万ぐらいのことを言われている。それから私の調査によれば六百万でありますが、支払い伝票に基づいて正確な金額と支出目的、責任者、部署を明らかにしてください。
○参考人(大内淳義君) お答えいたします。 日本電気から支払った総額は百二十四万三千五百円でございます。これは高和興業に支払っております。したがいまして高和興業がその富田の方にどれだけ払ったかはつまびらかではございません。 その理由は、これはいろいろPCB処理技術委員会でやる国の費用は八百万円ほどだと、要するに前処理の費用とかそういうのが足りないから国家目的のために協力してくれないかということでございまして、総額がいまの金額になっておりますが、その明細書はそれぞれ運搬費だとかどうこうとか詳細に番いたものは受け取ってございます。 以上でございます。
○和田静夫君 いずれにしても運送料にしては金額が大き過ぎますね、これは不思議にお思いになりませんか。
○参考人(大内淳義君) 運送料その他と申しましたので、いわゆる総合的にはむしろ前処理費だというふうな名目でございます。恐らく、これは私の想像でございますが、前処理費というのは、たとえばトランスをあけてどうこうする費用とか、そういうふうな解体費用とか、そういうことだろうと思います。焼却自身の費用じゃないという意味でございます。
○和田静夫君 その前処理にあなたの企業の外へPCBを出すことができますか。あなたには全然法違反という感覚がなくて答弁されているような感じがするのですが、日本電気はやったことについて自己反省はないわけですか。
○参考人(大内淳義君) そもそもこれを富田が依頼してきたところのいきさつをちょっと話させていただいてもよろしゅうございますですか。
○和田静夫君 余り長くならないように。
○参考人(大内淳義君) はい。結局これは昨年の一月十九日、いまの富田社長が参りまして、通産省、厚生省、環境庁の肝いりでPCB処理技術委員会が発足した、会長、理事長はこういう人だと、それでメンバーも全部紹介がありまして、その中の第二分科会の仕事としてこの実験をしたいと、その実験スケジュールも、省略いたしますが、詳細に説明は受けました。その炉というのも見せてもらったわけでございます。したがいまして、PCBを動かしてはいけないという法律はございますが、むしろそれを制定した環境庁も通産も全部入って国家目的のために協力してくれという話でございます。しかもその富田社長がそのPCB処理委員会の岩井委員長なんかと非常に面識もあることも知っておりました。要するに一面識もない者が名刺を持ってきたわけでございませんので、これはむしろそういうPCBの処理のための国家目的だということで当然むしろ協力したいと、そういうふうに考えたわけでございます。
○和田静夫君 じゃ、同じことを、きょう環境庁は呼んでありませんが、厚生省、それから通産省、いまそのことを国家目的のために処理をするような実験を依頼したわけですか、明らかにしてください。
○政府委員(栗原昭平君) そのような事実はございません。
○国務大臣(野呂恭一君) そういうことはございません。
○和田静夫君 ない。ない以上はあなたが得手勝手に判断しただけであって、あなたの会社か、あなたの社長か、あなたの方が法違反を犯していることは明確でしょう。PCBというのは使用部品はメーカーの責任において保管される、そうですね、厚生大臣。
○国務大臣(野呂恭一君) そのとおりでございます。
○参考人(大内淳義君) これは当時の、先ほど出ました阿部公害防止環境管理部長のところにその富田社長が来まして、先ほどの具体的な説明があって国家目的に協力しろと、しかも具体的な計画、その具体的な委員名も教えてくれたので、それをそのまま信用したわけでございます。
○和田静夫君 そうすると、警察、これはつかまっている本人はどういうことになるんですか。
○説明員(塩飽得郎君) 現在取り調べ中でございまして、逮捕した富田雄司の供述によりますと、利益を図る目的でというふうなことを言っておるようですが、まだ調べの段階でございますのではっきりしたことはわかりません。
○和田静夫君 いま私日本電気の参考人からお聞きをしている限りにおいて、日本電気がPCBを流出させたことは間違いありませんから、これはもうはっきりしましたから、そうすれば、これは日本電気それ自身が法違反ですね。
○説明員(塩飽得郎君) 日本電気がコンデンサーを運搬させたといいますか、そこら辺の経緯については現在逮捕されている被疑者の供述の中で、頼まれたといいますか、研究所の方から国の目的で頼まれた、そのために協力する意味で運搬をお願いしたのだというふうなことも一部会社側の方のお話にもあるようでございますが、その辺の詳しいいきさつはまだはっきりいたしません。ただ、そこら辺の事情の周辺部、まあいろいろ調べるうちに、過程として日本電気自体に刑事責任があるかどうかというふうなことも明らかになってくるかと思います。捜査の視野には入れていろいろと調査はしております。
○和田静夫君 PCBの使用部品、使用機器の処理は電気絶縁物処理協会が一元的に行うことになっている、通産省がメーカーを指導することになっていますね。これは厚生大臣、通産省それぞれ答弁していただきたい。私の言っていることは間違いないですね。
○政府委員(栗原昭平君) PCBの使用電気機器の処理保管につきましては、まず重電機器関係につきましては、これは厚生省の廃棄物の処理及び清掃に関する法律で一応規制されておるわけでございますが、通産省といたしましては、その上にさらに使用保管について万全を期するという立場から指導要綱を決めまして、そして保有事業所に対しまして管理責任者を置けと、あるいは管理台帳をつくれと、あるいはPCBが使用されている旨の表示を行え等々の監視指導を行わせる、こういった体制にいたしております。
○国務大臣(野呂恭一君) いま通産省がお答えいたしましたように、使用部品の保管についての業界指導は通産省がやる、そして厚生省は廃棄物の処理及び清掃に関する法律に従いまして主として安全性確保ということでその業務を円滑にやらせるようにいたしております。
○和田静夫君 日本電気さんね、業界に対してはPCBの処理について通産省、厚生省からたびたび要請が出されております。日本電気には公害防止環境管理部という部署もいま通産省側から答弁があったように設けられています。公害防止機器も製造している。当然PCBの毒性を知って、処理体制を知って、保管義務のあることを知って、そして今日の事態が起こっている。PCB使用部品の処理というのは一元的に、まさに一元的にですが、電気絶縁物処理協会にある。これも御存じですね、いま述べたことは。
○参考人(大内淳義君) 存じております。したがいまして、これはちょっとよけいな発言かもわかりませんが、第三者からこれを動かせどうこうしたら出すはずはないわけでございます。むしろPCBを動かしてないというのはその処理の方法がまだ国家的に発見されないからで、その国家を含めた機関が協力してくれという形で私ども話を受けましたので、疑いを持たなかったわけでございます。
○和田静夫君 さっき明らかになった通産省も厚生省も依頼はしてないと、これは明確なんですね。したがって、私はなぜ過大な金を払って業者に搬出させたのかというのは非常に疑問なんですよ。それはあなたの方からの依頼やあるいは研究機関がどこかでこっそりやってみようというような恣意やいろいろの動きがあったからということになりませんか。
○参考人(大内淳義君) いまの件に関して先ほども触れましたけれども、いまのPCB処理技術委員会のこの予算は八百万円しかない。八百万円だと焼却のところだけで、前処理どうこうに関しては国家の目的もあるからひとつ協力してくれないかと依頼を受けたので、私どももむしろその新しい処理方法の解決ならば国家予算が八百万円としてあとの百何十万円ぐらいは当然協力いたしましょうと、そういう考えを持ったわけでございます。
○和田静夫君 前提を間違っているので、あなたの方は動かして外へ出すことができないんですよ。まずそれが前提なんですよ。あとのことはあなた、どんな理屈並べてみたって通用する話じゃないんで、あなたが外に出したことはもう法違反なんだから、そしてこれによってカネミ油症その他でもって経験をしているようにPCBが人体にどういう影響を与えるか、横浜市緑区の住民というのはいままで知らない。しかし、そのそばに住んでいるところの住民は恐らく大変な不安の中に置かれるはずですよ。そこに対するところのあなたは一向に反省がない、あなたというよりもあなたの会社は。そういうことになりませんか。このPCBの処理には電気絶縁物処理協会に対して手続が必要ですよ、それをやられましたか。
○参考人(大内淳義君) 私どもは当然そういうところを含めた委員会からの指示でございますから、PCB技術処理委員会等でそういう手続は当然おやりいただけるものと考えておりました。 なお参考までですが、いまいろいろ公害どうこう言いましたけれども、また私どもは先ほどの富田から、その後六月三十日で日本電気から出した廃棄物は完全に処理したという報告書までもらっているわけで、最近問題になるまでゆめゆめそういうことを疑っておりませんでした。
○和田静夫君 どうにも話にならぬね。あなた、行為があって結果があったのだ、結果もないんですよ、ないんだからそのことは後から言いますがね。あなた方が最初に変な行為をしたからいろいろなことがあるということになっているんで、その行為があなた間違っていたんですよということを言っているんです。それは間違っていたことはいま認めているわけでしょう、お認めになるんでしょう。まずそこだけ認めてくださいよ。そこを何も抗弁する必要はあなたにはないんですよ。
○参考人(大内淳義君) 結果論で、完全な廃棄物の実験が行われてないということは最近知ったわけでございますが、その動機に関しましては、それを動かしちゃいけないと指示をいただいたお役所も全部一緒になった実験に参画してくれと言ったんで、われわれは疑ってなかったわけでございます。
○和田静夫君 そうすると、あなたは詐欺か何かにかかったという主張をするわけだ。
○参考人(大内淳義君) 簡単に言えばそうでございます。
○和田静夫君 どんなふうにかかったところで、日本電気がやっていけないものを出したことは間違いない、この事実関係は認めるわけでしょう。
○参考人(大内淳義君) 出したことは事実でございます。
○和田静夫君 わかりました、それでよろしい。 そこで、通産省、PCBのこの焼却処理場の開発状況を説明してもらいたいのですがね。通産省は機械振興補助金的なものですね、そういう金を協会にお出しになっている、その予算使用状況というのは……
○政府委員(栗原昭平君) 電気絶縁物処理協会に対しましては、自転車振興会の補助金でございますが、これが四十八年から出されております。毎年金額は多少違いますが、五十三年、昨年までに約九千万円ほどの諸般の研究開発の費用といたしまして助成が行われております。
○和田静夫君 開発状況というのはどうなっていますか。
○政府委員(栗原昭平君) これはなかなか技術的にむずかしい問題もございますし、また実際に焼却をすることにつきましては地元との関連等の問題もございまして、結果といたしましてはそれぞれ実験は行いつつございますものの、進捗状況は必ずしもはかばかしくないということかと思います。
○和田静夫君 先ほどから協会だとか委員会という、日本電気の答弁がたくさんありますので、協会の宗像先生にお聞きしたいのですが、電気絶縁物処理協会の中に処理研究開発のためにPCB処理技術検討会がつくられていますね。その組織及び委員長はどなたでしょう。
○参考人(宗像英二君) 技術処理委員会の委員長は京都大学のいまは退役されましたからなにですが、京都大学の岩井教授が技術委員会の委員長をしているわけです。
○和田静夫君 組織も聞きたいところですが、時間がありませんから。 ところで、日本電気ですがね、日本電気のこの阿部公害防止環境管理部長は、「なぜ搬出したかと言いますと、私の前任者が京都大学名誉教授岩井重久氏の同窓生でした。岩井氏はPCB処理技術検討委員会の委員長ですが、岩井氏の要請が前任者に対してあったので搬出いたしました。」、これはそこで先ほど来大内さんが述べていることとここで符節が合うのです。それがあなた方が正しかったということではありませんよ。その前任者、これは名前はだれで現在はどうなっているのか、これは日本電気から答えてもらえばいいんですがね、ともかくこの通産省の関与している資金が出ていて、PCB処理の研究開発を一元的にゆだねられている、そういう外郭団体の責任者、そしてPCB問題の権威とされている人物、岩井重久教授――いま名誉教授か何か知りませんが――が口ききをした、したがって、そういう口ききがあったから云々ということにおたくは具体的に言えば言いたかったんでしょう。この事件の教唆幇助はそうすると岩井教授にある、日本電気が答えるよりも警察が答えるんですかな、日本電気はどういうふうに考えているんですかな、これは。
○参考人(大内淳義君) 先ほども言いましたように、富田というのは一面識ない男じゃない、よく知っていると。それから公害防止管理部長の阿部も富田もその岩井教授ともよく知っているということはお互いに知っていたんで、よもやこれがだまされるような結果ではないと申したわけでございます。
○和田静夫君 私は、警察はここのところは十分調査をされる必要があると思うんですよ、いかがですか。
○説明員(塩飽得郎君) 岩井教授の研究所につきましては、先般捜索をいたしました。しかし事件に全く関係がないと思います。ただ、日本電気側からPCBの入ったコンデンサーを処分したことにつきましては、通常、そういった廃棄物を委託する場合には委託基準というものがございますから、それに該当しているかどうかという点はいずれは問題になるかもわかりません。そこら辺はこれからの周辺部のいろいろな捜査の過程で問題が出てくると思います。
○和田静夫君 これは、通産大臣、PCB処理の開発に重大な疑問を抱かせているんですよ、ここのところは。通産大臣としても通産省に調査をさせて、これは疑惑を残さない、そして責任ある措置をとられるべきだ、そういうふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 当然、そうあるべきだと思っております。
○和田静夫君 PCBの何といいますかな、焼却炉ですね、これがテスト段階にある。それからPCBを海中やあるいは埋め立てで投棄するということですね、こういうことは廃棄物の処理及び清掃に関する法律で禁止されています。で電気絶縁物処理協会にも保管倉庫がない。もちろん協会倉庫への搬出はできない。したがって、それぞれの工場において保管するほかはない、いまは。その保管義務がある。このことを日本電気が知らないはずはない、先ほど来知っていたとこう言われる。そうすると廃棄物の処理及び清掃に関する法律に違反する。その意味で、私は日本電気に対する捜査が行われないということは非常に疑問なんですよ。警察庁、これは罰則がありますね、二十六条罰則がある。それだけのものですよ。罰則がついている条項ですからね、これは。どうなんですか、ここは。
○説明員(塩飽得郎君) 日本電気につきましては、通常、こういった事件の場合、廃棄物を処理した方から捜査を進めていくという手法をとっておりますので、今回もそれに従って調べておるわけでございますが、日本電気につきましては、先般の捜索のときに川崎市にあります日本電気の玉川事業場、これを捜索しております。それで関連した資料も押収しておりますので、そこら辺の調べからおいおいと明らかになってくると思います。
○和田静夫君 この問題の最後ですが、PCB処理の開発状況が非常におくれています。開発を急がなきゃなりません。通産大臣、そのことを念頭に置いて十分対処してもらいたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 承知いたしました。
○委員長(志苫裕君) 大内参考人、宗像参考人、大変御苦労さまでした。
○和田静夫君 山口銀行の不正事件について、捜査状況をまず警察庁。
○政府委員(中平和水君) お尋ねの事件は、本年の十月の三十日に、山口県警が、山口銀行の幹部から、山口銀行の徳山東支店長らが預金を他に流用している疑いがある、こういう旨の情報の提供を受けまして捜査に着手した事件のことであろうかと存じます。 これまでに届け出を受けました元同行徳山東支店長、元同行徳山東支店長代理及び同人らと共謀のもとに不正の融資を受けました不動産業者一名を逮捕いたしまして、目下鋭意捜査中でございます。
○和田静夫君 山口銀行に預金をして、羽島それから国本に不正流用された会社ないし個人、これは新聞では五、六社と報道しておりますが、その名称及びそれぞれの金額は幾らですか。
○政府委員(中平和水君) これは現在捜査中でございまして、現在、事件として処理いたしておりますのは丸金商事という事件一件だけでございまして、その余につきましてはいま私どもは参考人という立場で逐次事情を聞いておりますので、ちよっといま捜査の進展の段階でございますので、具体的な名前につきましては差し控えさしていただきたいと思います。
○和田静夫君 会社数というのはわからないんですか。
○政府委員(中平和水君) 人数の方で申し上げますと、三十名少々出ておるようでございます。
○和田静夫君 おおよその金額はおわかりになりませんか。
○政府委員(中平和水君) これは刑事事件として確定いたします額はまだ未定でございますが、おおよそ話の筋から出てきておりますのは約五十四億円程度でございますか、そのうち実質的に穴をあけておるというふうに関係者が話をしておりますのは二十億円ちょっとでございます。おおよそそういうことになろうかと思います。
○和田静夫君 被害届なりあるいは申し出をしている会社というのはわかりますか。
○政府委員(中平和水君) この事件は、山口銀行の関係者からの届け出がございまして、当面問題になっておりました丸金商事というところの一億五千万の事実を固めている段階でございまして、その余の問題についてはちょっとまだ捜査進展中でございますので、先ほどの程度でとどめさしていただきたいと思っております。
○和田静夫君 捜査の端緒をちょっとお聞きしたいんですが、国税庁が被害者であるいまお話しの丸金商事に立入調査をした。で巨額の定期預金証書、山口銀行の証書が出てきたので発行した山口銀行に国税庁が問い合わせた、これが端緒になったと言われるんですが、国税庁そうでしょうか。
○政府委員(米里恕君) 山口銀行から聞いております報告によりますと、いまお話しのありました山口銀行の取引先の一法人の脱税調査に関連いたしまして、その調査の過程で不正処理による架空の定期預金証書の発行などによる事故内容が判明したものであるというふうに伺っております。
○和田静夫君 横道にそれますが、国税庁の突然の調査はどういう理由ですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 東京方面にございます他の法人につきまして調査を行いました関連におきまして、そういう問題が出たかと思いますけれども、いずれにせよ個別の問題でございますので、その調査、その他関連の内容につきましては、この席で答弁することを差し控えさしていただきたい、このように考えております。
○和田静夫君 山口銀行が国税庁に丸金商事について情報提供をしたという情報があるわけですがね、これは、国税庁、そういうことはありませんか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 個別の問題でございますので、答弁を差し控えさしていただきたい、このように思っております。
○和田静夫君 ちょっと、答弁を差し控えるのは幾らでもそんな答弁をしていりゃいいですがね、私は大光相互銀行を御存じのとおり五年間指摘をしてきまして、全部そういう答弁でした。 四十九年十月に、私がこの決算委員会で大光相互銀行問題を取り上げたときに、警察庁なり国税庁なり大蔵省が、一野党議員が何を言うかというような態度でなくて、まじめに取り上げておれば、あの状態にはいかなかったんですよ。ところが、あなた方は通り一遍の答弁をしておる。それが野党議員としては非常に困難な条件の中で五年かかって調査をすれば全部明るみに出るんですから。いいかげんな答弁で済ましたと思っておったら大きな間違いでしてね、ぎりぎりのところまでやっぱり答弁してもらいたい、するべきですよ。私は、大蔵の大光相互銀行問題のときにはずいぶん譲歩をして答弁を聞き流していましたよ。しかし、参議院にも大蔵省出身のOBの皆さんがたくさんいらっしゃいます。あんなけしからぬ答弁はないということをそのOBの諸君が言うぐらいの形であなた方が済ましてきた結果、ああいう状態が起こったんですよ。そのことだけ私は注意をしておきますよ、きょう。時間がないものですから、たくさんの突っ込みはやりませんがね。しょせんきょうここでやることは、山口銀行については次の大蔵委員会で継続的にやらしてもらいますので、そのことだけは申し上げておきますから、十分そのことを頭に置いて答弁しておいてください。 警察庁に伺いますが、捜査の端緒は何ですか。
○政府委員(中平和水君) 私どもの直接の端緒は、十月の三十日に山口銀行の幹部から届け出があったというのが端緒でございます。
○和田静夫君 大蔵省に伺いますが、中国財務局は、最初の新聞報道の時点で新聞に情報提供をしていますよね。この事件を知った時点はいつですか。
○政府委員(米里恕君) 中国財務局の問題につきましては、私ども中国財務局に問い合わせましたが、新聞にこういった情報を提供したことはないということでございます。
○和田静夫君 新聞に提供したことはないと言われますが、私は、きょう非常に不満なのは、大蔵大臣にもちょっと聞いておいてもらいたいんですが、きのうの午後四時に私は質問通告を各省にみんな集まってもらってしましたよ。そうすると、五時にもうつぶしの電話が入ってくるんですね。これじゃもう私たちは質問通告をしないという方がやっぱり正しい。どういうルートで漏れていくんだろうか、いま銀行局長が答弁されましたが、私は、内心じくじたるものがあるだろうと思って聞いていますがね。私の方はもっと早く銀行局に対してはこのことを申し上げた。そうすると、翌日の新聞にこう出てしまうという状態ですね。国会が開かれておれば当然委員会で私は取り上げたんです、これは、十月三十日の段階で。こういう仕組みというのは本当にわからぬです。私は非常に怒りに思っているんです。きょう後段で述べることなどというのはわずか一時間で漏れてしまう、部外に。大臣、この辺のところは、一遍総括的にどう考えたらいいのかというのをちょっと教えてもらえませんか。やっぱり通告しないのが一番いいというんなら、私は通告しないのが一番いいんですよ。
○国務大臣(竹下登君) 国政調査権と守秘義務の問題というものが一つあります。それからいま一つの問題は、国政調査を委員会等で行われるに当たりまして、政府側がその国政調査権に対応して正確なお答えをするために、事前に質問通告をいただくという慣習に今日なっておるんではないかと思うのであります。それが事前に関係者に、明日このような質問があるとかいうふうに伝わるということは好ましいことではないと私は思っております。したがって、あくまでも質問通告をいただく側にとってとるべき態度というものは、その質問通告を役所の機構の中で整理、勉強するのは結構でございますが、あくまでもその中の問題として処理すべき課題であるというふうに考えております。
○和田静夫君 私もそう思うのです。したがって役所間で若干の協議があったりしてもいいんですが、部外に漏れるということは許せないんですね、部外に漏れるということはもう許せない。 私は、たとえば四十三年に石原慎太郎参議院議員が出てきたときに、ある週刊誌――週刊現代でしたか、野党が事前に質問通告をするなどというのは、あれは八百長だということを書いて、しかし本当にあなたそれじゃイギリスの議会制民主主義というのはどうして成り立っているんだろうかということを反論として述べたことの記憶がありますよ。細かい数字や私たちの質問を通じて国民が真実知りたいものを丁寧に答えてもらう、そういう意味では、事前に私は通告してもいいと思っていますから、ある意味では懇切丁寧に通告をしているつもりです。ところが、利害関係にあるところの第三者、いわゆる政府機関以外にこれが漏れていく、しかも通告したら一時間もたたずに漏れていく。こういう仕組みというのは、これはきょうは決算委員会の総括でありますからね、大蔵大臣、閣議でやはり一遍きちっとしておいてもらいたいし、各大臣はそれぞれの担当官公庁に対して明確にここのところは筋道を立てておいてもらいたい、そういうふうに思いますが。
○国務大臣(竹下登君) 質問の内容によって、監督権限にある第三者にあえて正確な情報を提供さすための行為であったとしたら、私はそれなりに意義がある。が、しかし、そこから、言ってみれば利害関係者の利害に関する問題として、それが取り上げるような結果を招いてはいけない。したがいまして、いま和田委員の御議論は筋として私は賛成でございます。ただ、閣議でどのように取り扱いますかにつきましては私一存では決まりませんが、いわゆる質問通告に対して、それに正確なお答えをするための政府側の姿勢としては、利害ある第三者にこれが利害関係そのもので伝わっていくということは避けなければならない問題であると理解をいたします。
○政府委員(米里恕君) ちょっと事実の問題でございますので、私からお答えさしていただきますが、質問をいただきまして、それを部外に漏らしたということはございません。参考人の出席に関連して山口銀行に電話したことはございますけれども、それ以外に一切部外に漏らしたことはございません。
○和田静夫君 いや、いまのことは山口銀行に関して申し述べたんじゃないのです。後ほどの質問との関連でちょうどここであれがありましたから申し述べたんで、何もあなたを疑っているわけじゃありません。 山口銀行は十月二十三日ごろには事件をお知りになった。そうして羽島及び国本から事情をお聞きになった。その日時、話の内容をちょっと教えてください。
○参考人(菅博太郎君) 私、山口銀行の専務取締役をいたしております菅博太郎でございます。 一言おわびを申し上げたいわけでございますが、このたび私どもの銀行で発生をいたしました不祥事件につきましては、金融機関にとって最も大切な信用を傷つけたということになりまして、大変皆様に御迷惑をかけたわけでございます。深く深くおわびを申し上げる次第でございます。 また、本日は、頭取がみずから出席をいたしまして御答弁をいたすはずでございますが、現在健康を害しております次第で、私がかわりまして出席をしたわけでございますので、どうかまことに申しわけございませんが、御了承をいただきたいと思います。 ただいま和田先生の御指摘のとおり、山口銀行におきましては、去る十月二十三日、当行の支店に対して税務当局の某社に関する査察が行われました。二十三日から二十六日までの間、査察官によるお取り調べがございましたので、私どもの銀行として真相を大略承知いたしましたのは二十七日でございます。その問題は、某社の所有にかかわる定期預金証書が当行の記録に残ってないということがわかりまして、それに関連した問題が出てきた次第でございます。
○和田静夫君 そこで大変不思議になるのは、国本は銀行に事情を話した後に国外に出ていますね。これは重大であると思っているんですが、銀行が国本の犯罪性を知りつつ、警察への告発を故意か過失か怠ったということになりませんか、ここのところは。
○参考人(菅博太郎君) 先生の御指摘のとおり、国本は元当行に勤めておりました。そうしまして、警察の御当局には、二十九日であったと思いますが御連絡をいたしました。国本も二日までは東京におって、三日から行方がわからなくなった。二日の朝、朝日新聞の朝刊に発表されて、それから行方がわからなくなった。後日、国外に出ておったという報告を受けたわけでございます。
○和田静夫君 そこで、どうも犯罪性を知りつつ告発がなされていない。これは何か理由があったんですか、おたくは。
○参考人(菅博太郎君) 犯罪の実態を十分に承知いたしましたのが二十七日以降でございますので、弁護士とも相談をいたしました関係で若干告発手続がおくれたように思います。
○和田静夫君 重大なんです。十一月三日から十一月十二日まで彼は台湾に出ていって、そして帰ってきて、十六日に自首ということになるんですが、どうも銀行に相談しているんじゃないかという感じがいたしますね。この国外脱出で資金隠匿工作をした疑いがあろうと思うんですが、これは、警察庁、いまの捜査では、国本は国外では何をしていたんですか。
○政府委員(中平和水君) 現在、取り調べ中でございます。詳細はまだわかっておりません。
○和田静夫君 山口銀行に伺いますが、被害会社の丸金商事が、いまのままの状態だったら、というのは、いわゆる自社の預金を引き出せなかったならば会社がつぶれてしまうと言ったのに対して、応対に出た幹部は、つぶれても構わないと答えているんですが、これは山口銀行の方針ですか。
○参考人(菅博太郎君) ただいま先生の御質問でございますが、銀行といたしましては、そういうことは一切考えておりません。特に、銀行の本意と非常に異なる印象を与えたということにつきましては深く反省をいたしております。やはり警察当局の捜査が進んで、一日も早く事態が解明をして、預金の支払いに応じ得るということを期待しておるわけでございます。銀行の本意ではございませんので。
○和田静夫君 それじゃ早急に対処されると。 銀行局長に伺いますが、大蔵省は事あるごとに預金者の保護、それを行政の至上命題としているという発言をしてこられました。ところが、銀行でいまあったいきさつはいきさつのとおりなんです、深く言いませんが。預金者の保護、預金の保護、そういうことが念頭にないという感じがしたんです。代理弁護士を出してきて、で、つぶれてもよいという発言ですね。こういうことを――これは感想をお聞かせ願いたいんですが、ちょっと時間の配分を誤って、時間がなくなってきましたから、少し先を急ぎます。 丸金商事所有の定期預金証書というのは、用紙、印鑑など山口銀行のものですね。これは確認をされていますが、そうですね。
○参考人(菅博太郎君) ただいま先生の御指摘のとおり、定期預金証書は当行のものでございます。ただ、内部帳簿にはこれが記録されてないという関係でございます。
○和田静夫君 山口銀行への送金には銀行間振り込みが行われている。その証書の写しを私もここに持っていますが、山口銀行の債務残高にあらわれていない。これはなぜなんですか、いま答弁のことはなぜなんですか。それが一つ。 それから銀行振り込みはコンピューターで記録されるわけでしょう。
○参考人(菅博太郎君) 先生の御指摘のとおりに、定期預金証書は銀行にとりましては重要印刷物でございます。この管理も万全を期しておりますが、問題は、御指摘のように、現在ではほとんどコンピューターでやっております。コンピューター以外のいわゆるオフラインというものは厳しく規制をいたしております。しかし、今回は、コンピューターを扱うキーの所有者である役席、支店長、これが犯罪を犯しておりますので、いわばコンピューターの盲点を利用されて不正な証書を発行したということになろうかと思いますので、現在、コンピューターの管理、オフラインの扱いについては、さらに厳しく規制をいま検討中でございます。
○和田静夫君 これはコンピューターをオン・オフに切りかえられるキーを支店長が持っているというわけですね。なぜ支店長にキーを託してあるのか。キーを預けてオン・オフに切りかえる。オフにする必要は、これは銀行局長どんな場合に起こるんでしょうね、オフにする必要をちょっと。
○政府委員(米里恕君) 私も実は技術的なことでございましてよく知りませんが、コンピューター全体の稼働につきまして、一般的にはオンライン中にオフラインに切りかえるということは禁止されておるということになっておるようでございます。オフにいたしますのは、恐らく、私もよくわかりませんが、端末機の故障などがございましてやむを得ない場合だけ切りかえるというようなことではないかと思います。
○和田静夫君 そうですね。それだから、結局、悪事をやるためにオフにしたということなんでしょうが、どうもその記録が残らないというのは私にはわからないんですが、支店でもってオフにしたって中央のコンピューターに残るのではないか、中央のコンピューター、いわゆる本店のコンピューター、そこをこう行くわけですから。銀行のコンピューターの処理ですからバックアップもとってあるのが常識でしょう、そういうことだと思うんです。 そういう状態ですから、コンピューターセンターの記録で関係記録を摘出して提出しようとすればできるわけでしょう。全然おたくにないというのは解せない。支店長にキーを託してオフラインにしてそうして支店の記録を消すことができるようにする、その場合、その記録がないことの責任は銀行にある、これはもう明確だと思う。コンピューターの端末機をオフにして記録をしなかった支店長には事実上そうする権限が与えられていないでしょう、故障したときは別ですよ。銀行に第一義的な責任がある、いま山口銀行で起こっていることは、どんなに抗弁されようとも。支店には記録がないということだけでは言い逃れにならない。 参考人が認められましたように、ちゃんと定期預金証書はおたくの銀行の正確なものである、こういうところをひとつ考えると、いまその預金によって一企業がつぶれようとする場合、銀行は法律でもって保護されたり、いろいろなことがある。大光相互銀行はあんなことがあったってつぶれないんですから。おたくの銀行は五十億ぐらいでつぶれないかもしれません。しかし、一企業は、一億を超えて、そして他の金融機関から送らせているわけですから、その支払いの期限が来ればこの企業はつぶれるわけですよ。 その私企業の救済ということは預金者の保護でしょう、その預金者の保護に対してあなた方は全然やろうとしない、これは一体どんな感覚なんですか。
○参考人(菅博太郎君) 先生の御指摘に対しましては、コンピューターについては、ただいま銀行局長の御答弁のとおり、ほとんどこれは完璧に事務処理ができる。ただ、オフの場合に、あるいは切りかえた場合に、ここに非常に盲点があったということでございますし、後段の預金者に対する支払いにつきましては、先般来お話がありましたように、現在、捜査当局において調査が行われておりますので、いましばらくお支払いを御猶予いただきたいというふうに思っております。
○和田静夫君 預金者保護の立場に立って――その御猶予しているうちに企業がつぶれちゃうわね、銀行は何の責任も感じませんか。 法制局長官、銀行における支店長の地位、支店長の行為についての銀行の責任というのは、これはどういうものでしょうかね。
○政府委員(角田禮次郎君) 一般論として申し上げますが、銀行の支店長は、商法上の支配人である権限を有する場合には、もちろん営業主にかわってその営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をなす権限を有するということになっております。また、支配人としての授権のない支店長の場合であっても、いわゆる支店の営業の主任者たることを示すべき名称を付した使用人として、取引の相手方が悪意である場合は別でございますが、それを除きますと、営業主にかわってその営業に関する一切の裁判外の行為をなす権限を有するということにみなされております。
○和田静夫君 支店長というのはそういう存在ですよ。そして第三者の素人から言えば、支店長と言えば銀行そのものですよ。したがって支店長がつくったところの山口銀行の正規の書類があれば、それはだれでも預金者は信用しますよ。また、その信用の上に成り立っているのが銀行そのものでしょう。ところが、その信用はいま山口銀行に関する限り裏切られているわけだ。銀行自身が犯罪行為をやって、内部の問題を解決するまでは、善意の第三者が預金をしている金額について、言ってみれば支払うことができない、そんな態度というのはとてもわれわれアマチュアは考えることができません。これはもう少し誠意を持って応対すべきです。それから、私は、企業の責任者がたとえば頭取を訪れる、あるいは専務を訪れる、あなた方は当然お会いになるのがあたりまえです。何か法律事項のように弁護士を出してあしらってしまう。私は銀行局の行政指導としてもそのことを求めた、銀行課長はそのとおりだと言われた、山口銀行にそのことは当然伝わっているはずだ。ところが、責任者が行っても門前払いをする。それがきょうの平生で取り上げなきゃならぬ原因になってきたわけですがね。先ほど御了解願いますというお話があったから言いたくなかったんですが、おたくの頭取は決して病気じゃない。きのうの朝、事務局から参考人依頼をしたら、日程が詰まっているからという話だ。午後になって、だれかが出てこなきゃならぬことになったから、今度は頭取は病気だということになった、大変不誠意きわまりもない。 昭和四十四年には、おたくに三千万という不正事件があった。これは銀行局に届けてなかった。私は指摘をしようと思った。しかし、起こしたところの行員が結婚をされて、豊かな安定した家庭生活を女性は送られている、子供さんもできたというようなことがあったから、私は、当時の銀行局長との話し合いのもとで、そのことに深入りをしなかった。山口銀行が今日までとってきているところの銀行局に対する態度というのはもう一貫してそういう不誠実。今度は預金者に対してもそうだ。そういう状態にあることだけはきょう指摘しておきますよ。そして、その認識をずっと改めて、いま第三者の善意の預金者に対してもっと、たとえば丸金なら丸金に対して誠意を持ってトップ同士が話し合う、そして解決をする、そういうことがいま必要だと思いますが、そうお思いになりませんか。
○参考人(菅博太郎君) 先生の御指摘のように、頭取は最近心臓を非常に弱くしております。非常に低血圧であるということで健康状態は決してよくございませんので、その点は誤解をいただきませんようにお願いを申し上げたいと思います。 今後の、御指摘の監督官庁並びに顧客に対する対応については十分配慮いたしたいと思います。 〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕
○和田静夫君 十分配慮をするだけでは私はあれなんですがね。たとえば導入預金についての昭和四十九年三月一日の最高裁の第二小法廷の判決、これは、山口銀行、御存じですね。
○参考人(菅博太郎君) 先生の御指摘は承知いたしております。
○和田静夫君 預金等に係る不当契約の取締に関する法律の二条一項ですが、これは法制局ですか、大蔵大臣ですか、簡単にちょっと説明していただけませんか。
○政府委員(米里恕君) いま御指摘のございました、いわゆる不当契約取締法で導入預金ということになっております要件を申し上げますと、金融機関に預金をする場合に、まず預金者その他関係人が特別の金銭上の利益を得る目的――裏利などでございますが――を有するという目的を持って第三者と直接、間接通じておる、それでその場合に預金等に係る債権が担保として提供されてない、さらに金融機関との間に自己の指定する特定の第三者に対して資金を融通または債務の保証をさせることを誓約させるということが構成要件になると承知しております。
○和田静夫君 最高裁判決でも同じような形で述べられています。したがって、その導入預金に対しても銀行側はやっぱり十分に支払う対処をしなきゃなりませんね。そういうこともありますが、これは継続的に、きょうの参考人とのやりとりを通じながら、参考人の方がどういうふうな態度に出られるかを見て、次回の大蔵委員会でもう一遍山口銀行問題をやらしてもらいます。 最後に、業務上の横領であれ導入預金であれ、山口銀行の責任は逃れがたいと思うんですが、現在この当の支店長は懲戒免職になりましたが、預金した会社は預金が引き出せないというおかしな状態にあるわけです。これは、大臣、聞いておられまして、ここは山口銀行に対して、いやしくも預金者に迷惑をかけることがないようにしなくてはならない、それが金融行政を預かる者としての責務だと思うんですが、適切な処置、指導をとられるおつもりがありますか。
○国務大臣(竹下登君) 一般論として、善意の第三者、預金者に対して銀行の持つ責任というものは、私は、お説のとおりであると思います。 〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 ただ、具体的な内容について知悉しておりませんので、どのような行政指導をすべきかということについてはにわかに答えるだけの準備がございません。ただし、御趣旨の点は私にも理解できたというふうに御認識をいただきたいと思います。
○参考人(菅博太郎君) 和田先生御指摘の中の導入預金についての最高裁の判決はよく承知いたしております。ただ、私どもの場合の預金が正確な意味の導入預金であるかないかということにつきましては、現在、導入預金であるという断定はちょっといたしかねておるわけでございます。
○和田静夫君 どうも参考人、ありがとうございました。
○委員長(志苫裕君) 菅参考人、伊藤参考人大変御苦労さまでした。
○和田静夫君 あとちょうど五分ぐらいになりましたからあれですが、大蔵省が六月の九日から約一カ月、群馬県前橋市の大生相互銀行に検査に入られました。そして検査の最中にワンマン社長が交代をした。大蔵省OBの前田文雄氏が専務から社長に就任をされたのを初め、大幅な人事異動が行われています。なぜ長期の検査を行ったのか。検査の結果、異常な経理乱脈が発見されたはずでありますが、全店の不良融資額、三分類、四分類の額、それから改善勧告の内容。―― 実は、私は、大光相互銀行の問題と並行的に大生相互の問題については、銀行局長もおかわりになったし、係もおかわりになったからあれでありますが、当時からちゃんと調査依頼をしていました。それで、ちょうどこの検査が入っている時期に会ったんですが、資料要求をいたしました。しかし、今日までその報告をいただいていません。よって、きょう決算委員会で取り上げざるを得なくなってきたわけでありますが、大蔵省OBの新社長は元税務大学校長で、税金のことは御専門家でしょうが、銀行業務は素人だと言われている。まあ大蔵省の皆さんは大変な秀才ですから、どこへ行ったってみんなこなせるんでしょうが、とにかくそう言われている。なぜそういう方が乱脈経理の立て直しに指揮官となられたのか、私は、他の天下り問題というのはずっと取り上げてきていることでありますが、天下り問題と一緒に大変疑問なんです。検査と関係があると言われても仕方がないのではないだろうか。その点も疑問のないように、明白にする意味でもきちっと検査結果を説明をしていただきたい。これが一つです。 具体的に申し上げましょう、時間がありませんので。港区西麻布四-六-十一にロイヤル興産という株式会社がある。ここに異常な貸し出しが行われている。ロイヤル興産が山梨県南都留郡の山中湖村に山中湖ハイム、山中湖ビレッジという高層・低層の四棟の分譲マンションをつくった。で所有していますが、ここに昭和四十九年十一月から五十年十月の一年間に大生相銀が一件二千万、累計して約四十件、八億の融資をしています。ところが、実際には、この分譲マンションを購入する意思がない者、すなわちロイヤル興産の社員、出入業者――出入り業者ですね、それから子会社の役員、それから工事関係者などの名義で売買契約をつくり、銀行ローンを設定して金を引き出した、そういうふうな状態です。これは私が以前に大阪の実業信用組合の一連の不正融資事件、乱脈経理を取り上げた中に出てくるすでに起訴され裁判になっている大和ランド事件と方法は同じであります。実体は架空ローンであります。しかも、その後、ローンの契約はそのままにして、真正なる登記名義の回復という理由で所有権を全部ロイヤル興産に戻している。真正なる登記名義の回復とは一体何かについては以前に法務省と議論いたしましたが、この場合には悪用であります。その後日の処理でありますが、まず、この銀行ローンのことを伺いますと、名義人たちは、ただ名前を貸しただけだと証言をします。ほとんど全部が一律に二千万の住宅ローンを設定して、その後、名義書きかえされるようなローン設定、これは銀行と結託しない限り私は不可能だと思う。ちょうど検査の直後でありますから、この件を具体的に実は報告してもらいたい。 それから、五十二年の十一月には、まだ住宅ローンの返済は一年程度済んだだけですが、この時点で、一括して返済残が大生相互銀行に返済されている。しかも、この返済資金は、当の大生相互が保証をして、平和相互銀行が融資をされた。自分の銀行に返してもらうものを自分のところで保証しているというのも問題でありますが、これはどういう事情に基づくのか、これは検査の結果から第三に報告をしてもらいたい。 そうして、その後、平素にも返済をされています。そうすると、この金のからくりというのは、私はまだ調査を完全に終わっておりませんけれども、ここから推測ですが、どうもロイヤル興産は中央区銀座三-十-七の東亜企業の子会社で、ここには大生相互銀行からOB行員が二名行っている。大生相互の関連会社とは言えないかもしれないが、非常に親密な関係にあることは間違いない。大生相互銀行から約七十億円の融資が行われていますね、ここへ。これについてもいろいろ風聞がありますが、これは調査が終わった段階で取り上げるとして、ロイヤル興産の件は東亜企業がらみではないかと推察ができる、これも検査の結果の報告として第四にしてもらいたい。 これで検査報告が出ますが、そこで警察庁は、私がいま取り上げた論理に基づいて、大和ランド事件に酷似をしているわけでありますから、当然、これは調査をされるべきだと思うのですが、見解を承ります。
○政府委員(米里恕君) 同行の検査につきましては、御指摘のとおり、ことしの六月に検査を実施いたしております。検査の期間につきましては、そのときそのときの検査の進行状況等を見ながらケース・バイ・ケースで決めてまいりますが、御指摘のように、やや長期間をかけて検査をしたわけでございます。 検査の内容につきましては、これはきわめて個別の問題でございますので、おしかりを受けるかもしれませんが、私どもとしては、個別の銀行のことにつきましては、内容を申し上げることは差し控えさしていただくほかないというふうに思いますが、その検査の結果に基づきまして、大蔵省からは、同行に対しまして、経営姿勢を是正すること、経営体制を強化すること、融資姿勢を厳正化すること、審査管理体制の強化を図ること等々につきまして、厳しい指示を行いました。 同行は、それぞれの項目について、具体的にいかに改善すべきかという報告も提出しております。 ロイヤル興産以下のことにつきましては、申しわけございませんが、検査の結果の個別のマターでございますので、差し控えさしていただきます。
○政府委員(中平和水君) ただいまの御指摘は、架空ローンに基づく融資の問題だろうと思いますが、御指摘の事実に踏まえまして、私どもも関心を持って対処してまいりたい、こういうように考えております。
○委員長(志苫裕君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時四十五分まで休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ―――――・――――― 午後一時五十分開会
○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、総括質疑を続けます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和泉照雄君 私は、日本鉄道建設公団の不正経理問題に関連をして大蔵省の責任についてお尋ねをいたします。 大蔵省は、わが国の金融財政政策の総本山とも言うべきところであって、その金融財政政策を通じて日本経済と国民生活にきわめて大きな影響力を行使しております。各官庁の中でもきわめて大きな権限を掌握している官庁であります。そうした意味で、大蔵省の業務、またその責任はきわめて重大であると言わざるを得ません。このように重大な責務を負っている大蔵省はどのような心構えで業務を遂行しておられるのか、大蔵大臣はどのように職員を指導されておられるのか、まず、その辺のところをお伺いをいたします。
○国務大臣(竹下登君) 和泉委員が御指摘のとおり、大蔵省そのものの所管しておりますことからして、その責任がきわめて重大であるということは私どもも十分認識しておるところであります。したがいまして大蔵省が特に予算編成等の場合、他省庁と査定を受ける側と査定をする側、こういう立場にもなりますだけに、なおのこと峻厳に身を律して事に当たらなければならない、これが基本的な考えであると思っております。 したがいまして査定の問題一つについて見ますと、和泉委員御承知のように、私も大蔵大臣になったばかりでございますが、一つの参考としてなるほどなと思ったことがございましたので、蛇足になるかもしれませんが、つけ加えて申し上げてみたいと思います。 それは事務執行の参考資料とでも申すものでありますが、「執務十戒」というものがございまして「1いばっちゃいけない 2おこっちゃいけない 3甘くなっちゃいけない 4上を向いちゃいけない 5辛くなっちゃいけない 6まるく入れちゃいけない 7独断専行しちゃいけない 8ルーズにしちゃいけない 9嫌らわれちゃいけない 10遅くなっちゃいけない」。これは参考資料として、非常に表現はやわらかい表現でございますが、その姿勢を示す一つの御参考にもなればと思って、私はあえて披露した次第であります。私自身が珍しく感じましたので、披露申し上げた次第であります。
○和泉照雄君 次は、主計局次長に、主計局の職員の心構えについてお尋ねをいたします。 いま大蔵大臣の方から種々御答弁がございましたが、大きな権限を持っている大蔵省であるがゆえに、特に国家予算の編成等を主要業務とする主計局については、主計局にあらずんば大蔵省にあらずとまで巷間言われるように、大蔵省の中でも中心の存在であると言えると思います。事実、主計局長が事務次官昇進への最短コースであることは過去の実例の示すところであります。このように強大な権限を持った大蔵省の中でも、特に主計局の絶大な権限を感じさせるのは予算編成に関連する予算査定のときであります。国の行政はどのようなものでも予算が伴わなければ全く動くことができません。行政が動いていく原動力である予算を切り盛りするということは最も核心の部分で参加することであるわけですから、職務上とはいえ、主計官などはなかなか張り切っており、予算査定時における主計官は、他の省庁の役人から見れば、まさに国家財政という大きな財布のひもをがっちりと握って、にらみをきかす絶大な権力者と映ることもあると思います。 主計局の予算担当者の中でも、いま大臣がおっしゃったとおり「いばっちゃいけない」とか「おこっちゃいけない」などという予算査定に当たる心構えについての自戒を説いたものがあるそうでありますが、このこと自体、いかに予算査定というものに絡む大蔵省主計局の力が大きいかを示すものと言えると思います。主計局予算担当者は予算編成、査定などの業務遂行に際してどのような心構えで当たっているのか。いま大蔵大臣はおっしゃいましたけれども、もう少し具体的に主計局次長からその点をお述べ願いたいと思います。
○政府委員(吉野良彦君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおりでございますが、やや補足をさしていただきます。 私ども、主計局の業務として課せられておりますいわゆる予算査定でございますが、これは、これも先生御承知のとおりかと存じますが、財政法上に言う大蔵大臣の予算調整、概算要求を各省大臣からいただきまして、それを概算としてまとめるまでの大蔵大臣の調整権限を補佐する仕事であるわけでございます。したがいまして国家予算が国民経済あるいは国民生活にきわめて重要な影響を持つものでございますだけに、私ども、この予算を担当する部局の職員の責任はきわめて大きいわけでございます。責任が大きいだけに、私どもは、その責任の重さと引きかえに通常以上にみずからを律することがなければならないというふうに考えております。 そこで、先ほど大臣も御引用になったわけでございますが、たとえば「いばっちゃいけない」というのは、砕いて申しますと、予算査定の過程を通じましていろいろ要求官庁との間では激しい議論のやりとりをするわけでございますが、その過程で何がしか私どもが要求官庁側からある敬意といいますか、を持って見られるとすれば、それは私ども個人あるいは職員自体ではなくて、私どもに課せられた責任の大きさに敬意を表していただいているんだと、そういう意味で十分常に戒心をしなければならないというようなことを簡単に「いばっちゃいけない」というような表現で私ども日夜自戒をしているわけでございます。と同時に、責任が大きいだけに、したがいましてある意味で権限が大きいだけに職場の規律というものも通常以上に厳粛でなければならないと考えます。 そこで、私どもも――私個人について申しますと、三十年代から主計局の仕事を何回かやったことがございますが、先輩からも常に、日夜、業務を通じまして、そういうしつけと申しますか、教育を受けているわけでございますが、私どももいま幹部になっているわけでございますが、常に先輩からいただいた指導を引き継いでいって、より一層厳しい立場で与えられた仕事をこなしていかなければならないということで、日夜、いろんな意味で、意識的にせよあるいは無意識的にせよ、職員の研さんに努めているという次第でございます。
○和泉照雄君 いまおっしゃったとおり、予算の査定は国民の血税の使い方を決めるわけでございますから、そこには厳しさが出てくるのはあたりまえでありますし、また、あなた方が要求する側を上回る知識が必要であることも当然かと思いますが、やはり予算を要求し査定をお願いする側からすると、生殺与奪の権を握られておるという、そういうような感じは否めない事実じゃないかと思います。 そこで、これだけの権限を持っている主計局がその権限を行使するに際しては、かりそめにも私利私情をはさんではならないということは当然であります。また、そういうことがないことを信ずるわけでございますけれども、最近の新聞報道などを見ますと、予算獲得のために、あるいは予算配分のお礼とも見られる主計局幹部に対する接待が行われているなどと新聞記事が出るなど、とかくの風評があるのは一体どういうことなのか、この点について大蔵大臣の御所見を求めます。
○国務大臣(竹下登君) 大蔵省職員が他省庁等から接待を受けたというような事実が問題として指摘されたことは私も十分承知をいたしております。したがって、いま主計局次長からも申し上げましたとおり、それぞれが身を律していかなければならないことは当然のことでございますが、たとえば会食等の問題につきましても、まさに常識を越すようなことがあってはならぬ。で、いささか具体的に過ぎるわけでございますけれども、そういう各局の総務課長ということになりますが、どうしても行かなければならない問題等については、そこで判断をするポストをつくりまして、具体的にも厳重に身を律していかなければならない、このように考えております。
○和泉照雄君 私の聞くところでは、予算の折衝でいやな思いをしたというような他の省庁の幹部の話も少なくないようでありますが、主計官の傍若無人な態度が話題になることは幾らもあるようであります。しかし、各省庁の担当者は予算獲得のためにひたすらがまんをしている、それがまた大蔵官僚を錯覚させる結果となっているようなのも事実でございます。こうした予算配分に絶大な権力を握る大蔵省に対して、各省庁が宴会攻勢をかけていたのは公然の秘密ではなかったのでしょうか。この点について大蔵大臣はどのように受けとめ感じておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 世上言われる宴会攻勢というようなお言葉でございますが、私、就任して早々でございますが、過去においていわゆる宴会攻勢というようなものが日常化しておったとは私は思いません。しかし、具体的な問題がそれぞれ今日まで当委員会を初め国会等で取り上げられ、それに対して先ほど申し上げましたような会食等に出席する場合につきましても、具体的な、それが歯どめとでも申しましょうか、厳しい律し方でもって対応するような方向が打ち出されておる、このように理解をいたしております。
○和泉照雄君 やはり大蔵省の方は予算を握っておるわけですから、有利な予算の査定をしてもらいたいというようなことで、いま会計検査院の方でわかった範囲だけでも鉄建公団でいろんなことが挙げられておるわけで、あなたの省の中でも処分をされるようなことが起こっておるわけでございますが、こういうように予算の配分を有利にしてもらうために、あるいはまた種々の配慮をしてもらったということで宴会、接待が行われていたということは、これは明白な事実のようでございます。 かつて会計検査院の方では、受検官庁から接待を受けていた事実があったときに、会計検査院はその職責から見て接待を受けることは種々の疑惑を受けるとして厳しく非難をされたことがございます。大蔵省も予算配分という強い権限を持っているからには、各省庁から接待を受けることは、検査院と同様、いろいろの疑いをかけられるのは当然であると思います。厳重に身を慎まなければならないと思います。 これに関連して伺っておきたいのでございますが、一般論として、公費による官庁間の接待についての大蔵大臣の考え方をお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 官庁間の接待についても公費によって賄われているものであり、これは厳に慎むべきであることは当然のことであります。先般、総理大臣の官庁綱紀の粛正に関する指示もございまして、その趣旨を体しまして、今後も厳正に対処していきたい、このように考えております。
○和泉照雄君 去る十月二十九日、大蔵省は、日本鉄道建設公団から同省職員が接待を受けていた問題について、行き過ぎがあったとして長岡事務次官ら九人の処分を発表いたしております。この件について、過日、衆議院で質疑が行われたようでございますが、改めて伺いたいと思います。 報道されたところによりますと、この処分は去る十月十九日に発足をした松下官房長を委員長とする綱紀総点検委員会が十月二十九日に一応の結論を得た、その結果に基づくものとのことであるようであります。五十三年四月から五十四年七月までの間に最も問題とされている鉄建公団分に限って行われたものであって、長岡事務次官以下九人が戒告、訓告、厳重注意の処分を受けたとなっております。この経緯について大臣から詳細説明を願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) この問題は具体的にわたる問題でございますので、松下官房長から答弁さすことをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) 私から事実関係につきましてお答えを申し上げます。 この十月二十九日に行いました処分は九人に対するものでございますけれども、その理由は大きく二つございます。 第一は、御指摘の鉄建公団の裏経理関係でございまして、この公団の不正経理によって捻出された資金の中から大蔵省職員が接待を受けておったというものでございます。これは私どもの調査によりますというと、五十三年度、五十四年度につきまして、回数で百二十二回、金額で百三十万円。この接待全体に要しました経費は、相手方も入れますと、三百二十万円でございますけれども、この事実関係につきまして、私どもは、個々の内容はともかく、全体として見て明らかに行き過ぎがあったという判断をいたしまして、関係者の処分をいたしたわけでございます。処分に際しましては、特に監督の衝にある職員の責任を広くかつ厳格に問うという考え方で処分をいたしました。 ただ、この処分におきましては、もう一つの理由がございます。それは鉄建公団以外につきまして、料亭等におきまして高額の接待あるいは会食を受けておったという、いろいろの御指摘に関するものでございます。これらの事案につきましては、私どもが内々調査いたしましたところでは、その一つ一つは相手省とこちらの予算担当者のたとえば人事交代に伴いまして、両方の幹部が顔合わせのために会食をするというような事案が主でございまして、これらは従来漠然と慣例的な儀礼の範囲というようなことでお受けをしておったものでございますけれども、私どもも改めていまの厳しい財政事情におきまして、大蔵省職員の綱紀のあるべき姿勢を十分検討いたしまして、このような漠然とした社交儀礼といったものは今後に関しましては厳に慎むべきであるという結論に到達をいたしましたので、この旨を通達によりまして指示すると同時に、この点で従来の職員に対する厳正な指導に怠りがあったという理由で責任者でありますところの官房の幹部について戒告の処分をいたした次第でございます。
○和泉照雄君 それで官房長にお伺いしますが、今回大蔵省が処分を行った対象である鉄建公団分では、報告があったとおり、件数で百二十二件、金額で百三十万円とのことであるけれども、ほとんどが社会常識の範囲内であったが、反復継続していた点に行き過ぎがあった、このようにしておるようであります。 そこで、伺いたいのは、ほとんど社会常識の範囲であったということでありますが、そのことについて問題ではないような発表ではございますが、本当にそうだったのか。世間では、私たちもそう信じられない節が多うございますが、本当にそうだったのか。先日の衆議院大蔵委員会において明白になったところによれば、鉄建公団分では決して社会常識の範囲内とは思えない高額接待がされていたことが会計検査院からも指摘されていたようでございます。大蔵省の言う社会常識の範囲という接待はどの程度のものを言うのか、この会計検査院の指摘も含めてお示しを願いたいと思います。また、高額接待の事実が明らかになったことについて、これをどのように受けとめておられるのか。また、接待が反復継続した点について行き過ぎがあったと言うが、具体的にはどの程度の反復継続の接待に応じていたのか、官房長にお答え願いたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) 鉄建公団の関係につきまして申し上げますと、まず先ほどお答えを申しました数字は、不正経理によりまして捻出をされたいわゆる裏経理によります接待についてお答えをいたしたのでございます。その総額は先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、約三十人前後の職員がこの対象となっておりますが、その中で特に反復継続と申しますか、そういう事情のある者について処分の対象にいたしております。一つ一つにつきましては、お答え申しましたように百二十二回で約百三十万円ということでございますので、平均の一回当たりの価格につきましては、極端に高価なものあるいはぜいたくなものは含まれていなかったのでございますが、その態様につきまして非常に回数も多く継続的であるという点を問題にいたしたのでございます。 なお、別に御指摘の、高額の会食についてでございますけれども、これらは鉄建公団の場合で申しますと、公式の顔合わせのための会合というようなことで表の勘定で経理をされていたものがございます。それは五十三年、五十四年について見まして、私どもの方の職員の関係で約百十万円に上っております。これらにつきましては、いまの人事顔合わせ的な慣例的なものと認められるのでございますけれども、しかし現在の段階におきまして、現状におきまして謙虚に反省をいたしますると、やはり税金なり財投資金なりを投下されまして事業をやっておるこれらの団体から、この財政危機の時代において、たとえ儀礼的なものでありましょうとも、このような会食をお受けをするということはいたすべきでないということから、十月二十九日に大蔵省内で通達をいたしまして、会食等につきましては、職務上の関係者からの会食等への御招待は原則として応じないということにいたした次第でございます。
○和泉照雄君 大臣にお尋ねをしますが、前大臣のときでございましたが、当委員会でも、大蔵省の高級料亭、高級クラブでの接待は、追及に対して一切ない、一人一回三万円以上超える接待は一切受けたことはない、このような否定をし続けられたわけでございますが、先般の衆議院の大蔵委員会で追及されたことに対して、会計検査院がその事実を認めたということになりますと、この否定し続けたということは一切うそであったと言わざるを得ないと思いますが、その辺のところの認識はそのとおりだと思ってよろしいですか。
○政府委員(松下康雄君) 前大臣の委員会での御答弁でございますけれども、これも実は先ほど御説明を申し上げましたように、鉄道建設公団の裏経理によります会食の事実につきまして、当時調査中でございました。そして、調査の中間的な段階におきまして、私、前大臣に途中の御報告をいたしましたけれども、そのときに、個々の事案につきましては比較的単価等も軽微なものでございますということを御報告を実は申し上げた次第でございます。ただ、その後に御指摘のあります表勘定等を含め、また鉄建公団以外も含めましての高額の会食の問題につきましては、当時の御議論の外でございましたけれども、これらにつきましてもその後逐次事情が明らかになりましたので、それらを含め処分を行いますとともに、通達を発してそれらを禁止する措置をとった次第でございます。
○和泉照雄君 処分の対象者が処分対象期間中どのようなポストにいたかということを見ますと、処分者の九人のうち八人までが主計局関係であります。接待する方のねらいが主計局であり、主計局がそれに乗ったということは明瞭であります。先ほど来私が述べてきたように、主計局は大蔵省の中でも最も各省庁に対し権力を持った部局で、それだけにその行動は一層厳正なものでなければなりません。今回、このように主計局から処分者を出したことは、関係者は痛切に反省する必要があると思います。 ところで、鉄建公団以外には厚生省にもそうしたことがあったとのことでありますが、こうした問題はほかにも数多くあったのではないかと、このような疑問があるわけでございますが、綱紀総点検委員会はその後の調査を続けているのかどうか、その鉄建公団以外、厚生省以外にこのような事実の発見に努力をしておる、そういうような努力をしていらっしゃるのかどうか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) 先ほどお答えを申し上げましたように、鉄建公団以外につきましての会食に関しましては、委員会におきましてもその内容を審査をいたしたことがございます。その結果、個々の案件の内容は、それぞれについて見ますれば、その当時までの慣例と申しますか、通念と申しますか、そういったものによる社交儀礼の範囲ということで個々の人たちが受けられたものでございまして、これらにつきまして、非常に過度な接待というふうに判断をすることはできなかったのでございますけれども、これもお答えを申し上げましたように、これら全体を通じまして、この際私どもとしては、姿勢を正し、国民の信頼の回復に努めたいということから、従来の常識と考えられたものも含めまして、今後におきましては一切このような会食を行わないということでこの問題に対処をしてまいりたい、そのために通達を出しまして、この通達を厳格に実施をしてまいるように努力をしていく考えでございます。
○和泉照雄君 改めて大蔵大臣に。 いろいろと大臣が決意表明をされた後、また追及されるとぼろぼろ事実が出てくるというみっともないことは将来やめるという意味からも、ひとつ徹底的にこういうような種類のものは追及して姿勢を正していただきたいと、こういうふうに思うわけでございますが、大蔵大臣の再度の決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 先ほども申しましたが、昭和五十四年十一月九日、すなわち初閣議でございます。その「綱紀粛正と行財政の刷新に関する当面の方針について」というところで、「官庁(政府関係機関を含む。)間の接待と贈答品の授受は、厳に慎しむ。」、こういうことが決定をいたしたわけであります。したがいまして、和泉委員御指摘のような問題につきましては、この閣議の方針に照らし、特に御指摘の大蔵省の立場を認識しながら、きわめて厳粛に対応してまいる所存であります。
○和泉照雄君 次は会計検査院にお尋ねをしますが、今回の一連の公費の不正経理問題を今日までの時点で振り返ってみたときに、端的に申し上げますと、その端緒が内部告発で、内部告発が会計検査院として動き出す一つの要因であったわけでございますが、その後の展開が必ずしも国の会計の番人である会計検査院の積極的姿勢のもとに進められてきているとは言いがたい面が見受けられるのであります。 国会での質疑では、会計検査院としてはその全機能を挙げて解明に当たっていると答弁をされており、また確かに努力はしておられると思います。しかし重大な不正不当と思われるような経理の実態が新聞等で明らかにされ、その点について国会で追及があると、部分的に認めることがあるというようなところがあり、実際、未調査の部分もあるであろうし、未確認のものもあるであろうし、また立場上の慎重さによるところもあるとは思いますが、国民の目から見ると、同じ役所同士なのでかばい合っているところがあるのではないかというように映っていることは否めないことではないかと思います。これだけ大きな国民的関心が寄せられている重大問題であり、会計検査院のより積極的な姿勢が要求されているところでありますが、検査院長の御所見を伺いたいと思います。
○会計検査院長(知野虎雄君) お答え申し上げます。 会計検査院は、各般の検査に当たりまして、検査の結論が出ます前に検査中の案件につきまして途中でその計数や内容を発表することはいたしておりませんし、また、全体を把握しないで断片的に推測を加えて物を申すことをしないのをたてまえといたしております。このような態度がただいま御指摘のような感じを受けられたのかもしれません。 しかしながら、事実をもって申し上げますならば、このたびの鉄建公団の問題につきましては、内部告発が端緒ではありましたけれども、会計検査院では、ことしの六月に名古屋支社等の検査を通じましてその事実を把握いたしました。私どもは、他の支社等におきましてもこのような事態があるのではないかと感じましたので、ただすべきものは厳正にたださなければならないと考えまして、積極的に本格的な検査の体制をとったのでございます。その後、できる限りの努力をいたしまして、可能な限りの究明をいたしたと確信いたしておりまして、検査院の検査姿勢が消極的であったとは私は毛頭考えておりません。 なお、会計検査は会計経理の事実確認をじみちな努力で積み上げていくものでございまして、今後とも私どもは厳正にこのようなじみちな努力を検査の上で果たしてまいりたいと考えております。
○和泉照雄君 情報はできる限り公開をされるべきであると私は思います。特に公の場合はそうでありますが、現在公務員については、国家公務員法百条一項に「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」とあり、会計検査院職員としても秘密を守る義務が課せられていることは承知をしております。しかし、この守秘義務というものが、種々の問題が起こり、国会で事実の究明をしようとするときに大きな壁となっていることも事実でございます。 そこで、先般の委員会における日本鉄建公団の不正経理問題の審議の中で、政治家のパーティー券購入の内容について仁杉鉄建公団総裁は、答弁を控えさしてくれと答弁をしております。この政治家のパーティー券購入は、正規の交際費の中から支払われているもののほか、不正経理によって充当された交際費的支出の中からも購入されていることは前回はっきりしているところであります。正規の交際費の中からであるとしても、パーティー券購入が公費で賄われていることに問題があり、ましてや不正経理によって捻出されたものからこの種の経費が支払われていたことは看過できないものであります。 しかし、これまでに会計検査院からもこれらパーティー券購入関係政治家の名前や金額は一切公表されていません。このことは、調査したがわからなかったのか、現在調査中であるのか、わかったが公団と同様発表を差し控えているのか、右のうちどれに当たるのか。また、わかったが発表することは控えるとしたら、それは守秘義務に基づくものなのか、あるいはもっと何か別の理由があるのか。以上の点について検査院の御答弁をいただきたいと思います。
○会計検査院長(知野虎雄君) 検査結果の公表につきましては、本来会計検査院は、検査報告をもちまして検査結果の報告をいたすのがたてまえでございますけれども、このたびの鉄建公団の問題は、その経緯にもかんがみまして、また、当委員会からも検査の結果が出次第に中間報告をするようにと、また、政府の方からもできるだけ早くその内容を知らせてほしいというふうな要望もございましたので、さきに不当の決定をいたしますと同時に、政府当局にも、また当委員会にも中間報告を申し上げた次第でございます。 私どもが検査の結果確認をいたしました事柄で、申し上げられるものは申し上げてまいったわけでございますが、ただいま具体的に御指摘のありました政治家を励ます会の問題でございます。私どもが会計検査をやるに当たりましてできるだけの事実を究明しようといたします関係から、私どもは鉄建公団が励ます会に支出をした内容については承知をいたしてはおります。しかしながら、私どもは鉄建公団がこういう方面に出したということは承知しておりますけれども、その相手方につきまして一々確認をいたしておることはございませんし、また、励まされた方々は、励ます会に出席をしてくれた鉄建公団の人が、ポケットマネーで出られたのやら、あるいは正規の交際費で出られたのやら、まして架空に経理されたものから出されたものやら、そういうことはなかなか知りがたいことであろうと思うのでございまして、そういう性格を持っておりますものにつきまして一覧表をつくって氏名を明らかにするということは会計検査院としてはいたしがたいことでございまして、この点は御理解をいただきたいと存じます。
○和泉照雄君 ある新聞によりますと、会計検査院は、あなたがいま最後におっしゃった一覧表をつくって、政治家の数は四十五、六名であって、金額は二百万だったということが報道されておりまして、あなた方の方ではそれを回覧をしたというようなことまでありますが、それは事実なんですか。
○会計検査院長(知野虎雄君) 回覧をしたという事実はないと思います。ただ、検査の途中におきまして、担当いたしました局長等が私どもに、事態はこういうことであるという報告をいたします。そういう段階で私どもは承知しておらないということはないのでございます。
○和泉照雄君 次は大蔵大臣にお尋ねをしますが、去る十一月の十日に、毎日新聞とのインタビューで、財政再建のために鉄建公団の改組を検討する旨の発言をしておられるようでありますが、この御真意はどういうところにあるのでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 鉄建公団の取り扱いにつきましては、行政改革問題の一環として検討する必要があるではないかと、このような趣旨で発言をしたかと記憶いたしております。 そこで、先般来当委員会でも御議論いただいたことの一つでございますが、特殊法人、公社、事業団等の統廃合の問題が当面の課題になっておることは事実であります。ただ、鉄建公団そのものを指摘して考えました場合に、性急に事が運べるかどうかということが一番の問題点でございます。現在同公団は、上越新幹線と青函トンネルという二大プロジェクトを手がけておるさなかであります。そうして、一応昭和五十七年とか八年とか、言ってみればその完成年度というようなものが間近に迫っておるという状態にございますという事実が一つあります。それからもう一つは、仮にこれを国鉄に統合いたしました際、国鉄そのものが抱えております再建問題の中へ鉄建を含めて新たなる再建計画というものが一体できるだろうかどうだろうか、こういう問題点がございます。ただ、行政改革の一環として真剣にそれらの問題に取り組んでおるということだけは申し上げることができるではなかろうかというふうに思っております。
○和泉照雄君 官房長官にお尋ねをしますが、鉄建公団の大規模な経理の不正が、公団や監督官庁、会計検査院というチェック機関があるにもかかわらず見逃されたという、そして内部告発がその端緒であったということに私たちは着目しなければならないと思います。 そこで私は、十月十二日の決算委員会で、スウェーデンのオンブズマン方式という独特の国民監視員制度を採用すべきではないかと当時の田中官房長官にただしましたところ、十分検討中で、その方法、内容の多少の変更はあっても採用したいという方向で検討していると、このように答弁がございましたが、新長官はこれに対する御所信はいかがでしょう。
○国務大臣(伊東正義君) オンブズマン制度につきまして、先生から十月十二日ですか、御質問がありまして、前の長官が答えたことは私も承知いたしております。この制度は先生も御承知のように北欧、スウェーデンでできたわけでございますが、スウェーデンでは国政調査権がなかったということの補完と申しますか、そういうことを背景にして国会で任命をしてオンブズマン制度というのができたわけでございまして、国それぞれいろいろ違う背景があるようでございます。わが国では御承知のように検査院があり行政管理庁があって行政監察をするということが制度としてあるわけでございますが、その制度の中で今度のような事件が起きたというのははなはだ遺憾なことでございます。 実は内閣に航空機疑惑問題等防止対策協議会というのができまして、九月の五日に提言が内閣に対してあったわけでございます。その中で、わが国の風土にあったオンブズマン制度のあり方についても長期的な課題として検討することが必要であるというような意見が提言の中に実はあったわけでございます。それで、政府としましては、既存の検査院の機能、行政管理庁の機能ということがありますし、国会には国政調査権がこれは厳としてあるわけでございますので、その辺のところを頭に入れながらこういう問題、オンブズマン制度というものをやるかどうかということにつきましては、もう少し長い目で検討さしていただきたい。どうしたらいいかということはまた新しい見地で、私、かわりましたので検討させていただきたいというふうに思うわけでございます。
○和泉照雄君 官房長官、結構でございます。 次は大蔵大臣に財政再建への構想についてお尋ねをします。 国民がみずからのふところからしぼり出して納めた税金の使い方に厳しい目を向けるのは当然でありますが、その目は政府が財政危機を叫び一般消費税の導入を図ろうとしたことによってさらに厳しさを加え、加うるに、ここにきて官公庁における公費の不正乱脈経理が明らかになるに及んで怒りに変わってきております。こうした国民の怒りを財政の責任官庁である大蔵省は最も痛切に感じ取らなければならないと思います。そうした反省の上に立って、大蔵省としてはまず何よりも公債が歳入の四〇%にも及ぶ現在の財政状況を一日も早く改善しなければならない責任があるわけでございます。 去る十一月十日、竹下大蔵大臣は初の記者会見で、財政再建は勇断をもって実行しなければならないと述べておられますが、どのような点にポイントを置いて財政再建を進めようとされるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(竹下登君) 財政体質を改善して財政の対応力の回復を図るため、公債の減額を図ることが緊急の課題であるという御指摘でございますが、まさに私どももそのとおりに認識をいたしておるところであります。 したがいまして、五十五年度におきましては税の自然増収は優先的に公債減額に充てることといたしまして、公債発行額を前年度より相当程度まず減額することを基本方針とする、そういう考え方であります。その減額ということは、いま一方、この消化というものが大変厳しい状態にありますだけに、なおのことそのような方針であらねばならないと思っておるわけであります。 そこで、こういう観点に立ちまして、五十五年度予算につきましては、まず財政再建元年というような言葉も世上言われておりますが、それほど私に力があるわけでもございませんし、財政再建の第一歩を踏み出した、こういう形はどうしても御認識いただけるような努力をしなければならぬというふうに考えております。 そこで、そのポイントとなりますのは、まず行政改革の問題でございます。行政規律の厳正な遵守に努めるということがまず一つであります。 そして二つ目には、歳出面では経費全般にわたり徹底的な節減、合理化に努めて、抑制、削減を図るということであります。私どもが記者会見等で、入るをはかる前にまず出ずるを制しろ、ということを整理した言葉でございます。 三番目には、入る方でございますが、歳入面につきましては、租税特別措置の整理等を通じまして税負担の公平確保をさらに推進していく、そういう方針で対処するわけであります。 しかし、こうした努力において、なおかつ最小限必要な歳出の増加を賄うために財源がどうしても足らない。そういう場合は、国民の皆さん方の理解を得て負担の増加を求めることもまた検討の課題の一つとしておる、そのように理解をしていただきたい次第であります。
○和泉照雄君 財政再建は、大臣がおっしゃったとおり、入るをはかるよりは出ずるを制することにとおっしゃったその点は同感でございます。そのためには、行政改革というものは大変な抵抗があろうかと思いますが、勇断をもってひとつ推進をしていただかなければならない課題ではないかと思います。 そこでこの財政再建を、前の総選挙で大平総理は、国民の負担によってというようなことで一般消費税ということを提唱されたようでございますが、この問題は自民党の敗北ということで国民の答えは出たわけでございますが、昨日の総理の所信表明では、この一般消費税のことについては何ら触れておられませんが、やはりこの消費税の導入ということについて先般の記者会見で発表されたようでございますけれども、やはり導入をはっきりと断念をするということをこの際表明すべきではないかと思います。そしてまた、税制の改正要綱や新経済社会七カ年計画など、こういう導入を想定をしている政策を見直していく必要があろうかと思いますが、この点について大蔵省と経企庁のお考えをお述べ願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 財政再建の問題につきましては先ほど来申し述べておるところでありますが、確かに既定経費については既存の制度、慣行にとらわれることなく根底から洗い直すというのがいわゆるサマーレビューから今日までに続いておるまず一番大きな問題であります。その上で優先度というものを厳しく検討いたしまして、真に緊急やむを得ないもの以外は計上しないというような方針で節減を図ることに最大限の努力をしなければならぬ、これが一つでございます。 それから次に、いわゆる一般消費税問題でございます。当委員会でも申し述べましたが、一般消費税という問題が過般の総選挙において、言ってみればその中身の議論に入る前に国民の側からヘジテートされた、そういう認識のもとに、五十五年度予算につきましては一般消費税によらないで財源を求めてこれを編成する、こういう方針で今日に至っておるわけであります。 さて、いわゆる経済社会七カ年計画でございますとか、それらの計画が今年度予算とどのように整合するか、そしてそれらの計画は今日整合性を失っておるではなかろうかという背景からして見直しをすべきではないかと、恐らくこういう御質問であろうかと思うんでありますが、これは私どもの直接の所管ではございませんものの、きょう直ちに、なかんずく経済社会七カ年計画というようなものをいま改定をいたします、あるいはこれはないものといたしますという考え方はございません。私どもの念頭の中にも、これを国会の議論等を通じながら策定させていただきました当時、なかんずく公共事業の二百四十兆円というような問題が含まれておりますだけに、これは将来の課題として、本日のところは所管でない私のお答えといたしましては意見を十分に承らしていただいたと言うにとどめさせていただきたい、このように思います。
○説明員(戸田博愛君) 新経済社会七カ年計画におきましては、財政の再建ということを非常に重視をいたしておるわけでございます。その手順といたしまして、先ほど大蔵大臣から御答弁がございましたように、財政支出の洗い直しによる徹底した合理化をまず行う、さらに租税特別措置の見直し等によって租税負担の公平を図りながら税収の確保に努めていく、さらにそれでもなお不足する財源については租税負担の引き上げ措置が必要となるであろうという、いわば財政再建の道筋を示しているわけでございます。先ほど大臣からも御答弁がございましたように、現在財政再建の具体的内容について、こういう手順に従って検討が進められている段階でございますので、経済企画庁といたしましてはその成り行きを注視してまいりたいというふうに考えているわけでございます。 ただ、経済計画と申しますのは、中長期的な経済運営のあり方、基本的なあり方、基本的政策の方向というようなものを示すものでございまして、マクロ的手法によって描きました六十年度の経済の姿をフレームワークとして提示して、これを政策運営の指針としていこうということでございます。したがいまして、五十五年度に一般消費税の導入が行われなかったといたしましても、そのことは直ちに計画を改定しなければならないという性格のものではないのではなかろうかと、このように考えている次第でございます。
○和泉照雄君 大蔵大臣は、来年度は財政再建の元年にするんだという非常に意欲のある答弁でございましたが、入るをはかって出るを制するという、出るを制するということの中にいろんな削減がございますが、非常に国民が関心を持っておる中では、福祉、教育の削減ということが大蔵省あたりからいろいろと気球が上がっておるようでございますが、たとえて言いますと、老人医療の有料化、児童手当の廃止とか教科書の有償化、各福祉年金の抑制、このようなことが言われておるようでございますけれども、この長期の不況や高物価で最も打撃を受けているのは老人、身体障害者、母子世帯など社会的に非常に弱い立場の人々でございます。 金がないからといって何でも切るということで、そういうところに目を向けるところに非常に冷たい大蔵官僚の考え方があるんじゃないか、いままで営々として築いてきたこの福祉を、ただ金がないからといって、ほかのことをやらないでおってこういうようなものを削るということに目を向けるということは、非常に国民の反感をまた買うんじゃないか、こういうことを私は思うわけでございますが、まず不公平税制の是正とか租税特別措置の見直しとか、こういうことで入るをはかりそして行政改革の推進等あるいは補助金、こういうようなことに持っていくことが当然であって、こういうような、国民が非常に関心があって、弱い人たちが非常に助かっておる面を切るということはやめていただきたいと思いますが、お考えをお述べ願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず、いま委員御指摘の入るをはかるという問題につきましては、不公平税制、不公平感を是正するということからいたしまして、租税特別措置の洗い直し等作業を鋭意進めておるところであります。 そこで出るを制するということになりますと、これまた委員御指摘のとおり、まず財政再建のための行政改革というようなことが、これはすべて短期に行われるものではなく中期のものもございます。しかし、政治の姿勢としてもこれを優先さすべきであるということはこれまた御説のとおりであります。 さらに補助金についての御論及もございました。補助金というものは現に総予算の三四%を占めております。しかも、たとえばとして申し上げますならば、義務教育諸学校の国庫負担の問題などはいわゆる一律削減とかいう問題の対象になることは困難なものであります。これは一つの例として申し上げましたが、教育、福祉等にはそうした例のものが数多いわけであります。 したがいまして、ただいま御指摘になりました具体的な児童手当の問題でありますとか教科書の無償の問題でありますとか、あるいは年金の減額でありますとか老人医療の一部自己負担化の問題でありますとか、そういう問題は財政審等で論議されたということは私どもも承知いたしております。しかし、福祉といえどもまさに全く例外として扱うというわけにはまいりませんものの、福祉予算の中の補助金と称するものは一律削減とかというものになじまないものがある。そこで、中身の制度上あるいは政策上の補助金の中でどのように五十五年度予算の中へこれを組み込んでいくかという問題になりますと、具体的な事例についてはまだいわゆる予算編成の検討の段階でございますので、このものは対象にいたしませんというお言葉でもって御答弁申し上げるわけにはいかない。しかし、委員御指摘の趣旨は私どもとて理解のできるところであります。
○和泉照雄君 次は国税庁長官にお尋ねをしますが、最近の総理府の国民の世論調査によりますと、確かに国民の税に対する納税の意識は健全なようでございます。しかしその納税意識を非常に阻害しておる中では、特に新聞紙上をにぎわわしておる大企業あるいは高額所得者の脱税行為あるいは所得隠し、こういうことはまことにけしからぬことでございまして、国民もこれに対しては大変な怒りを持っておることは総理府の世論調査でもわかっておるところでございますが、特に高額所得者というのは、多くの有名人でございますが、税務署はそうした有名人や大企業に対して、脱税に対する取り扱い、対応の仕方というのがとかく甘いんではないかという印象を国民は持っておるわけでございますが、こうした不平不満、不公平を訴える国民の声に国税庁はどのような方法でこたえていくつもりなのかお伺いしたいのでございます。
○政府委員(伊豫田敏雄君) お答え申し上げます。 現在の申告納税制度のもとにおきましては、納税者の自主的な申告を前提として、税務の行政がそれを基礎として運営されております。そのために、われわれといたしましては納税者の適正な申告の実現のために、税務調査や納税者に対する指導、広報をできるだけ充実いたしまして申告水準の向上に努めているところでございます。 しかし現状を見ますと、大部分のものにつきましては適正な申告が行われているものと、このように考えておりますが、調査の結果を見ますと、残念ながら一部に過少な申告を行うものがあることは事実でございます。その点につきましては、今後も引き続きまして資料の収集、調査体制の整備等に努めまして、問題のある納税者について的確な調査が行われるよう処置していく考えでございます。 また、ただいま委員の御質問にございました著名人あるいは大企業あるいは高額所得者、こういうものに対する税務調査の問題でございますが、所得が高額なものや多額の脱漏があると認められるものにつきましては、優先的かつ重点的に調査を実施しているところでございます。したがいまして大企業、高額所得者等につきまして調査が甘いというようなことは全くないと、このように考えております。 なお、若干申し述べさしていただくならば、最近の納税者数の増加あるいは経済規模の拡大等に伴いまして、いろいろ税務行政にもむずかしい点が出てきております。 一番具体的な例といたしましては、実地調査率と申しますか、実調率とわれわれは申しておりますが、たとえば法人につきましてはすでに八%を割るような状態になっております。このような状態になりますと、申告所得税制度の維持そのものが非常に問題になってくるという状態になっております。われわれといたしましては調査体制を整備いたしまして事務の合理化を極力図りまして、すべての力を調査に向けていくというふうな手段を講じて納税者の気持ちにこたえるべく努力しておるところでございますので、この点について御理解賜ればと考えております。 以上でございます。
○和泉照雄君 次は防衛庁に、環太平洋合同演習についてお尋ねをいたします。すなわちリムパックへのわが国の海上自衛隊の参加についてでございますが、重大な疑義がありますので、この際、特に政府の見解を確認しておきたいのであります。 アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの四カ国海軍の恒例的な行事と見受けられる環太平洋合同演習が、来春、中部太平洋において実施を予定され、これにわが国の海上自衛隊が初参加をするというニュースが先ごろ伝えられました。これは去る十月二十三日、海上自衛隊大賀幕僚長の記者会見における発表によるものであります。これに対して、わが党の機関紙公明新聞は直ちに「危険な自衛隊の合同演習参加」と題する「主張」を掲げて、簡明率直な、素直な批判を展開し、世論も一斉に反発、異口同音に、リムパックの本質はソ連極東海軍の増強に対抗するアメリカの太平洋戦略の一環として行われるもので、有事における海上交通の共同防衛戦略につながる可能性があることを予告し、これへの参加の見直しを求めているわけでございます。 そこで、お尋ねをいたしたいわけでございますが、時間もありませんので、リムパックへの参加は安全保障上の取り決めのない諸国との合同演習を行うことになり、明らかに今回が初めてでありますが、この参加決定がいかなる手続と根拠に基づいて行われたものかを確認をしておきたいと思います。 今回のリムパックへの参加は、海上自衛隊がこれまでしばしば実施してきた米海軍との合同演習や海上訓練の延長にすぎないと弁明をしていると伝えられますが、安全保障上の取り決めのない諸国との合同演習が、どうして安全保障上取り決めのある米国との合同演習の延長にすぎないのか、その根拠が明らかになっておりません。防衛庁は、外務省や内閣法制局と協議して法制上問題はないと判断したと伝えられますが、この参加決定は、日米安保条約の枠を越えた新しい行動の決定でありますから、決定についての積極的な法律上の根拠を防衛庁長官、外務大臣及び内閣法制局長官に伺いたいのであります。 安全保障上の取り決めのない諸国との合同演習が法制上問題はないという判断に立つ限り、米国さえ中に入ればいかなる国とも合同演習ができることになり、歯どめのない軍事提携に進むおそれがあるとも言われるのは当然であります。これは、最近米国下院において提言された太平洋巡察艦隊設置の考えと基本的に同じものであると考えさせられるのであります。すなわちソ連の太平洋艦隊の増強、その脅威の増大等の情勢に対応するという観点からわが国のリムパックへの参加が歓迎され、さらに日米を中心に東南アジア諸国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど安全保障上の取り決めのない諸国を加えた各国によって太平洋巡察艦隊の設置が提案されているからであります。太平洋巡察艦隊の設置が実現される場合、わが国が加入することの是非について外務大臣及び防衛庁長官の見解を伺いたいのであります。 最後に、このようにわが国の防衛政策について重大な疑義のある新たな決定を、政府部内で検討したのみで国会には諮らず、問題なしとして憲法第六十六条第二項の文官でない海上幕僚長によって発表したのは事実かどうか。もし事実であるとすれば文民統制の基本をわきまえないゆゆしい事態と言わなければなりません。このことは、総理が承知のもとで行われたと考えるが、合同演習参加決定への手続の経緯と、この決定を見直す考えの有無についての防衛庁長官の説明を伺いたいのであります。
○政府委員(佐々淳行君) 海上自衛隊のリムパック参加について御説明を申し上げます。 海上自衛隊は、昭和三十一年以来日米共同訓練をすでに八十三回にわたって行っており、護衛艦は昭和五十一年から、潜水艦は昭和三十八年から、対潜哨戒機は昭和四十一年からハワイに派遣をいたしまして、米海軍の協力を得て訓練を実施してきたところでございます。特に、ハワイ派遣訓練につきましては、昭和五十一年から今日まで予算をお認めいただきまして、毎年護衛艦二隻と対潜哨戒機八機のハワイ派遣を行って訓練を行ってまいりましたが、従来の訓練では個艦の訓練に終わり、総合的な訓練が実施できないところから、わが方といたしましてはもう少し程度の高い訓練をやらしていただけないだろうかという希望を抱いておりました。 たまたま御指摘のようにリムパックと呼ばれる訓練の第七回目が明年春行われることになりまして、アメリカ側から、この訓練はアメリカ海軍で実施をしております外国艦艇の参加を認める訓練の場であるが参加の意思ありやなしやという照会がございました。御指摘のように、リムパックには過去六回、昭和四十六年以来カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの部隊が訓練に参加をいたしておりますが、御承知のように、これはそれぞれ条約が違いまして、カナダはNATO条約により、ニュージーランド及びオーストラリアはANZUS条約によりましてアメリカとの共同関係はございますけれども、カナダとニュージーランド等は直接の条約、同盟関係にございません。こういうリムパックの性格につきましては、アメリカ側はハワイにおります第三艦隊が計画をいたして実施をしておるところでございまして、参加艦艇の能力評価を行って練度の向上を図ることが目的でありまして、対水上、対潜、対空総合訓練並びに電子戦闘の訓練、洋上の補給訓練等を総合して行う訓練だということで承知をいたしております。 この訓練参加につきましては、ただいま御指摘のように、これまでアメリカとは八十三回やっておりますけれども、他の国が参加をする訓練の場に参加をすることは海上自衛隊として初めてでございましたので、このことの可否につきまして、ただいま御指摘のような集団自衛権行使を前提とするところの訓練であるのかないのか、もしそうだとすればこの訓練に参加することについてはいろいろ問題があろうということから、防衛庁といたしましては慎重に審議をいたしました。 特に、主催国であるアメリカに対しましてこの訓練の目的、性格等について問い合わせをいたし、確認をいたしましたところ、この訓練は、たとえばわが国の防衛政策上必ずしも容認されておらないところの攻撃兵器、これを使用しての攻撃訓練であるとか、あるいは特定の国が特定の国を攻撃するのに対して共同して守るという、いわゆる集団的自衛権の行使を前提とした訓練ではないと。先ほど申し上げましたように、アメリカ海軍の訓練には三段階ございます。個艦訓練、応用訓練、そうしてフリートエクササイズと呼んでおります総合訓練とございまして、このリムパックは、巷間言われておりますような太平洋諸国が集団的自衛権行使のための共同防衛をするための具体的なシナリオを持った訓練ではなくて、これらの個艦訓練、応用訓練を終えた米国の艦艇が、第一線の艦隊配備になる前にその練度の最終的な仕上げを行うための訓練であり、かつこれに外国艦艇の参加を認めておる訓練であるということでございます。 特にこの点、私どもといたしましては、これらの国々と、たとえば指揮権の問題等も含めまして十分検討いたしましたが、従来の日米共同訓練と同様、指揮権は対等でありまして、各国の参加練習艦の指揮官がそれぞれ指揮権を持ち、連絡調整によって行っておること、あるいは先ほど申し上げましたような一つのシナリオに基づいてやるものではないということを十分確認をいたし、戦闘技術の向上のための訓練であるという判断をいたしました。 わが国の自衛権は、御承知のように国連憲章五十一条の集団的自衛権と個別的自衛権のうちの個別的自衛権だけを前提として認められておる自衛力を整備しておるわけでございますが、この法的根拠につきましては、防衛庁設置法五条の二十一号「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を行うこと。」ということで防衛庁長官に権限が付与されております。それでは歯どめがないではないかというお尋ねでございますけれども、「所掌事務の遂行」というのは、解釈上、わが国に対して武力攻撃が行われた場合、個別的自衛権を行使する、そのための戦術技量の向上の訓練がこの五条の二十一号であろうかと私ども解釈をいたし、以上のような諸般の事情を主催国であるアメリカに十分確認をした上で、外務省等の関係省庁にも御連絡をした上で、防衛庁長官の責任において設置法五条二十一号を法的根拠として決定をいたしたものでございます。 またリムパックの参加が太平洋巡察艦隊の前提ではなかろうかというお尋ねでございましたが、多分、これは十一月の一日の毎日新聞の夕刊に出ましたアメリカ下院のポール・フィンドレー議員の発言であろうかと存じます。もし間違っておりましたらお許しいただきますが、もし、このフィンドレー議員の発言であるといたしますれば、このフィンドレー議員の発言は、米下院議員の一議員であるポール・フィンドレー氏、共和党でございます。野党共和党のフィンドレー議員の個人的な提案にすぎず、米国政府の正式な見解ではないと、さように承知をしております。 それから発表の手続でございますけれども、海幕長がこのような重大な発表をしたのは、文民統制のルールに反するのではないかというお尋ねでございますが、この決定は先ほど来申し上げましたように、防衛庁長官の責任において内局、海幕ともに十分検討をいたした上で決定をしたことであり、海幕長はたまたま海上自衛隊の共同訓練にかかわることでもありますし、昭和五十一年以来ハワイ派遣訓練を従来実施をして、その発表を海上幕僚長が行っておった経緯もございまして、防衛庁長官の指示により海幕長が発表をしたものでございまして、文民統制上の問題はないのではないだろうかと、かように考えております。以上。
○政府委員(中島敏次郎君) 今般の海上自衛隊のリムパック共同演習への参加につきましては、ただいま防衛庁の方から御答弁がありましたようなことでございまして、私どもといたしましては、防衛庁の方からただいま御説明があったような趣旨で今度のリムパック共同訓練に参加をしたいけれどもどうかと、こういう御相談がありました。私どもといたしましても、ただいま御説明がありましたように、この訓練そのものは、従来防衛庁、海上自衛隊がハワイ沖でやっておりますところの訓練の充実強化ということで、あくまでもアメリカとの、米海軍との共同訓練を目的として参加するものであって、その戦術技量の向上に資するということで参加するという考え方で、何らそこに問題はないのではないかというふうに考えまして、防衛庁に対しましては参加をされることについて特に問題とは考えない、結構ではないかということをお答え申し上げた次第でございます。
○政府委員(角田禮次郎君) 私に対する御質問は、自衛隊がリムパックに参加して外国の軍隊と共同訓練を行うことができる法的根拠いかんと、こういうことだと存じます。 先ほど防衛庁の方からも説明がありましたので簡単に申し上げますが、防衛庁設置法の五条二十一号には「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を」実施すること、こういうことが書いてありまして、「(防衛庁の権限)」として書いてございます。この所掌事務の遂行に必要な範囲内のものであれば、外国との間において共同訓練を実施することができるものと、こういうふうに解釈しております。
○和泉照雄君 最後に、運輸省来ておられますか、航空局長。―― 昨年四月、東亜国内航空がダブルトラックを申請して、鹿児島-東京直行便は昨年の四月許可をされたのは事実でございます。しかし鹿児島-大阪間は許可をされていないようでありますが、御承知のとおり、鹿児島空港は五十二年度で三百万人、五十三年度で三百七十万人の乗降客がある利用度の高い空港で、特に離島奄美大島から阪神方面への移住者も多く、利用率は年間平均七四%の高率であります。奄美大島からは、東亜国内はYSだけで、ジェット機に乗ろうとすれば、奄美から鹿児島まで来まして全日空に乗りかえざるを得ない、こういう不便さもあります。このことから、離島の人々や、あるいはまた関西奄美会、近畿鹿児島県人会の人々が、通し運賃あるいは通し運賃等で乗りかえても旅費が割り安になるような路線の新設を要望する声が非常に強いようでございますが、最近日航あるいは全日空がスーパージャンボを導入したので、大阪空港も便数に余裕が生じたのではないかと思うのでございますが、ここでダブルトラックの実施が可能になる、そのような条件が整ったと思うわけでございます。そういうわけで、通し運賃制度の採用という二本立て、ダブルトラックを早急に許可すべきであると思いますが、前高橋航空局長の場合は、条件が整ったならば早急に許可をするという答弁もあっておりますが、いま県人会、奄美関西会等が非常な要望をしておるようでございますが、航空局はどのようなお考えであるのでしょうか。
○政府委員(松本操君) お答え申し上げます。 ただいま御質問にございましたように、奄美大島方面から関西地区への航空便をもっと便利にすべきであるという点について強い御要望のあることは十分に承知をいたしておるわけでございます。先生からいろいろと御指摘がございましたが、実はこの内容はかなり複雑に絡んでおりますので、多少分けて御説明した方が御理解を得やすいかと思います。 まず、通し運賃の問題といたしましては、実は沖繩線の運賃というものが、諸般の事情によって非常に割り安に設定をされた経緯がございます。したがいまして、奄美大島、あの近所の運賃というものが沖繩の運賃よりもむしろ高目についてしまった、こういう現象が起こりましたので、まずそれを是正するという必要性がございました。そのために、いま先生のおっしゃいましたいわゆる通し運賃、つまり路線を持っている航空会社がそこを飛んでいないのに飛んでいると仮定をいたしましてそこに運賃を設定する、こういう形にいたしまして、沖繩の運賃と奄美群島との運賃との開きというものについての何がしかの調整をとったわけでございます。それとの関連で直行便の運賃というものも出てまいりました。そこで非常に運賃の体系が複雑になってしまったことも事実でございますが、理屈の上だけから申し上げますと、免許のない路線に運賃をつくるというのはちょっと理屈としてはむずかしい。ただ、いまいろいろと御指摘のございましたような問題点が多々ございますので、たまたまいま運賃改定についての申請なども出ております。そこで、航空法の枠の中においていろいろ工夫を行いますことによってこれらの遠隔、離島の地から、大阪あるいは東京等へ飛行機便を利用される方が、便を乗り継いでも乗り継がなくても、あるいは同じ航空会社の便で行っても、あるいは途中から他社の路線に乗りかえても、はなはだしい格差が出てこないようにするというふうな方向でせっかくいま研究をしている段階でございますので、いましばらく時間的な御猶予をいただいて、私どもとしてできる限りそういった方向に近づくようなやり方を考えたいと思っております。 次に、大阪空港におきまして、確かに大きな飛行機を最近入れることが可能となってまいりました。したがいまして、例として大阪-鹿児島の間に大型機を投入いたしますと、それによりまして提供座席数というものがかなりふえてまいります。しかし、一方航空機の便というものは、便数の効用というものもございまして、現在大阪-鹿児島間は一日六便でございますから、この六便が五便に減らせないのかどうかというふうな点、これが便数の効用であろうかと思いますが、そういう点を含めましていませっかく研究をいたしております。で、なかなか簡単に、その提供座席数だけがふえさえすれば便数は少しぐらい減っても満足してもらえるかどうかという点について、なお詰めなければならぬ点がございますけれども、先生おっしゃいますように、やはり大型機の導入の効果の一つとして便数を減らしていく、それによって枠をあけるという可能性も大いにあるわけでございますので、そのようにして浮いてまいりました枠ができました場合には、いまおっしゃいましたようなことを十分念頭に置きまして、効率的な便数配置ということをやりたいと思っております。
○和泉照雄君 委員長、最後に要望。 航空局長に特にお願いしておくことは、鹿児島と東京に直行便が出たでしょう。非常にサービスがよくなったのと、県民が非常に恩恵を受けておるということ、そのときに一緒にやっておるんですから、ひとつ前向きに早くやるようにしていただきたいと思います。 じゃあ、どうも。
○委員長(志苫裕君) 答弁ありますか。――いいですね。要望ですね。
○安武洋子君 私は、最初に国際電電をめぐる疑惑の問題についてお伺いいたします。 まず大西郵政大臣にお伺いをいたしますけれども、一昨日、衆議院の逓信委員会が開かれております。大臣も聞いておられたようでございますけれども、私どもの同僚の藤原ひろ子議員が、服部元郵政大臣とかあるいは園田前外務大臣がKDDの工事発注に介在し、関係ある企業に多額の発注がなされていた、こういうことを事実を挙げて追及をいたしております。KDDは、事実は否定なさったようでございますけれども、その中で板野社長は、常磐開発の木山茂彦社長とは園田氏の紹介で会ったと、こういうことは認めておられます。政治家の介在する企業に多額な発注がされるというふうな疑惑が持たれても仕方がないというふうな背景には、私は発注ということがすべて随意契約によって行われているというふうな問題があると思うんです。 KDDといいますのは、これはもう御存じのように、きわめて公益性の強い国策会社でございます。独占事業を行ってもいるわけですが、ここがこのような政界からの介在を生むというふうな契約方式がやられている、こういう点につきましては、私は行政上の適切な指導が求められていると思うんです。で、郵政大臣は監督官庁の長として、KDDの事業とかあるいは工事の発注について、競争入札が可能なものについては競争入札方式に改善をするというふうな指導をなさるべきだ、こういうふうに思いますが、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(大西正男君) 御承知のとおり、いまも御指摘がございましたが、KDDは非常に公共性を帯びた会社でございます。でございますが、やはり民間の株式会社として存立をいたしておるわけでございます。そこで、その会社がいろいろの工事を行うにつきまして、他の施行業者と契約を結んだりする場合におきましては、その会社の自主的な判断に従ってこれまでもやってきておるわけでございますが、そのことについては、その間にいまの政治家がどういうふうに働いておるかというようなことにつきましては、なるほど一昨日の衆議院の委員会におきまして委員の方から御指摘、御質問がございましたけれども、私といたしましては、まだ政治家の方が介在しておったかどうかもよくわかりませんけれども、その程度におきまして、まあ何といいますか、客観的な合理的な疑いの根拠があるかないかということについては、いまだもってそう言い得るかどうかについてはむしろ疑問であると考えております。
○安武洋子君 とんでもないことじゃありませんか。いまKDDの問題というのはもう非常な問題になっているわけです。いま国民が求めているのは、こういうKDDに対して政治的な指導を求めているわけです。ですから、いやしくも政治家が介存する余地をできるだけ少なくするようなというふうなことで、随意契約ではなくて、できる限り競争入札にしていこうと、こういう御指導をなさるのが私は当然だと思います。綱紀粛正ということを打ち出しておられますけれども、こういうところをないがしろにして何が綱紀粛正かと、こういうことを申し上げとうございます。 それで、大臣に重ねてお伺いいたします。本日の報道によりますと、KDDでは郵政省の職員に対して、局長とかあるいは参事官などの役職別にランクして贈り物を贈っていたと、実に重大な疑惑が提起されているわけです。大臣、このような事実がまかり通っているとしますと、公務員の綱紀にかかわる私はゆゆしい問題だと、こう思うんですが、大臣はいかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 けさの新聞、私も拝見をいたしました。郵政省におきましては、私が就任をいたしましてから直後に、官房長を長といたしまして綱紀点検委員会というものをつくりまして、自来鋭意その点検の調査を進めておるところでございます。 過去におきまして、私自身といたしましては、郵政省において世間の、国民からの指弾を受けるようなことがあってはならないし、ないものだとは信じておるところでございますが、しかし、こういうふうにKDDをめぐりまして、いろいろ国民の皆様方の御批判がいま非常に強く巻き起こっているところでございます。そういう意味合いにおきましても、どうしても、郵政省におきましても、いま申し上げましたように、私は信じてはおりますけれども、しかし、もう一度過去にさかのぼって洗い直せと、こういうことを申しておるわけでございます。そこで、きょうの新聞につきましても、こういう新聞が出ておるじゃないかということで、さらにその調査の促進を督促を申したところでございます。
○安武洋子君 こういう疑惑が生ずる必要性というのは私はあると思うんです。なぜかと申しますと、これは国際電電の国際電信電話株式会社法に基づく認可の問題なんですが、これを拝見いたしますと、何と五十三年度の認可事項といいますのが九十一件です。三日に一回認可がされている。こういう三日に一回の認可をスムーズに通すためにも、やはりKDDから郵政省の役職者に贈り物や接待を行う、こういう可能性が大いにあるわけなんです。ですから、この際徹底的に私は監査をやっていただきたい。いま部内で監査をやっているというふうにおっしゃいましたけれども、こういう点も含めて監査をしていただいて、その結果を発表していただけますでしょうか、おやりいただけますでしょうか。その点お伺いいたします。
○国務大臣(大西正男君) そういうつもりでけさも督促をしておるところでございます。
○安武洋子君 発表していただけるんですか。その結果は発表なさいますか。
○国務大臣(大西正男君) 結果はまだわかりませんので、結果がどういうものが出てくるかも私としては全然予想がつきませんので、それが出ましてから対処したいと考えております。
○安武洋子君 結果を発表なさるのはやっぱりやぶさかであってはいけないと思うんです。何もなければ非常に結構なことですが、何かあればそれにどう対応されるかというふうなことが政府がうたい出していらっしゃる綱紀粛正、それに対してまず第一にやるべきことじゃないんですか。
○委員長(志苫裕君) 郵政大臣、それぐらい打ち合わせなくても答弁できるでしょう。
○安武洋子君 郵政大臣に聞いています。
○国務大臣(大西正男君) いまここに私の方の、先ほど申しました綱紀点検委員会の長が来ておりますから、その方から郵政省の考え方をお答えいたさせます。
○政府委員(小山森也君) ただいま行っております調査は、当然職員の綱紀を粛正するための総点検活動でありますと同時に、当然方々から求められているそういった世論に対してのことを考慮してやっておるものでございます。したがいましてその結果につきましては、そのことを十分念頭に置いた上での処理をいたしたいと、こう思っております。
○安武洋子君 さっぱりわかったようなわからないような御答弁で、そういう結果についてやっぱり国民に対してちゃんとこたえようという姿勢が一体おありなのかどうか大変疑わしいわけです。 続けてお伺いいたしますけれども、私が提起いたしたいのは、やはり工事契約をめぐりまして、KDDと政治家との癒着に加えまして、KDDの事業上の決定事項に対しましても政治の介在が行われている、こういう疑惑についてお伺いいたしたいわけなんです。 昭和四十七年の九月に日中国交正常化に伴いまして日中間に海底電話ケーブルの架設が行われております。その事業の概要、取り決めから完工に至る簡潔な――日時的な、これを追いまして簡潔にお答えいただけますでしょうか。
○政府委員(寺島角夫君) お答えをいたします。 ただいまお話しがございましたように、四十七年の九月に日中国交正常化ということがなされまして、それに伴いまして日中間の通信需要というものが増大をするという事態に対処をいたしますために海底ケーブルを敷設することが適当であるということで、その件に関しまして日中間での話し合いが進められたわけでございますが、その結果、四十八年の五月に至りまして、日本国郵政省と中華人民共和国電信総局との間におきまして日本――中国間海底ケーブルの建設に関する取り決めというのがなされたわけでございます。この取り決めに従いましてこれが進められたわけでございますが、この取り決めの中にもありますように、このケーブルの建設につきましては、日本側におきましては国際電信電話株式会社、また中国側におきましては上海市電信局が建設当事者ということに決められておりまして、この両当事者の間でいろいろ協議をいたしまして進めていく、そういう形で種々の協議が行われたわけでございます。 その結果、日本側について申し上げますならば、この日本-中国間海底ケーブル建設並びに保守の協定についての、これは公衆電気通信法によりまして郵政大臣認可事項になっておりますので、このことについての認可申請がなされまして、四十九年五月一日にこの建設・保守協定の認可をいたしておるわけでございます。それを受けまして四十九年五月二十九日に協定が締結をされました。そういう経緯がございまして、翌五十一年の一月にケーブルの敷設工事が着工されまして、五十一年の十月二十五日にはこれが開通の運びとなって現在運用されておる。ざっとこういう経緯でございます。
○安武洋子君 いま御答弁のように、昭和四十八年五月の四日、これは日本-中国間海底ケーブル建設に関する取り決め、これが当時の久野郵政大臣と中国の電信総局長、これによって署名をされております。 その取り決めを拝見をいたしますと、中国は上海市の南匯という地点、ここから日本側は男女群島の近くまでルートが決まっております。しかし日本側の陸揚げ地点というのは未定のままでございます。この陸揚げ地については当時の久野忠治郵政大臣は、これは昭和四十八年四月四日の衆議院の逓信委員会でございます。ここでは「日本の陸揚げ地点がまだ決定をいたしていないのでございます。その決定をしていない一番大きな理由は、やはり陸揚げ地域の海底の事情によるのでございます。もちろんその近海の事情だけではございません。それは、中国と日本との間の敷設をいたしまする海底の事情等も調査をいたしませんと、これは陸揚げ地点をどこにするかということが決定をしないわけであります。」というふうに言っておられます。「でありますから、一刻も早くこの陸揚げ地点を決定するための基礎的な調査をする必要がある」と、また郵政省としても「この調査を一日も早く進めるように監督、指導をいたしておる」と、こういうふうに説明をなさっていらっしゃいます。さらに久野大臣は、四月五日の同じように衆議院の逓信委員会でも、「陸揚げ地の選定につきましては、在来沖繩、鹿児島、長崎地域、こういうような三地域が候補にあがっておる」、こう言われております。そして、これは政治的に決定されるべきものではなく、陸揚げ地域の近接地域の海底の事情など技術的に検討されるものだ、こういうふうに強調なさっておられます。そして、同じ年の四月の十七日の、こちらは参議院の逓信委員会です。ここでも久野郵政大臣は、沖繩、鹿児島、長崎を候補地としてお互いに話し合われている、このように御答弁をなさっていらっしゃいます。 そこでお伺いしたいんですが、これから二カ月後の六月の十四日でございます。これは衆議院の逓信委員会でございます。この衆議院の逓信委員会に当時のKDDの菅野社長が参考人として出席をなさっていらっしゃいます。ここのところでやはりこの日中の海底ケーブルの問題が問題になりまして、「日中ケーブルの日本側の陸揚げ地の問題でございますが、」ということで御答弁をなさっていらっしゃるんです。この御答弁は、「大体の候補地を長崎、鹿児島あるいは熊本、あるいは沖繩というふうにきめておるわけでございますが、そのためにはまず海洋調査、これは詳細な海洋調査をやらなければ、先ほど申しましたケーブルの構造等に非常に影響がございますので、どうしてもしなければならぬのでございます。」、こういう御答弁をなさっていらっしゃるんです。なぜここにきて新たに熊本が候補地の一つに突然に挙がってきているのか非常にわかりにくいわけです。なぜこの時点で急に熊本が候補地に挙がってきたのか、一体どういう理由があったのかということをお伺いいたします。
○政府委員(寺島角夫君) 先ほどお答えをいたしましたように、四十八年五月の日中間のこの件に関する取り決めの段階、この段階では、陸揚げ地についてはいまだ決定はなされておらないわけでございまして、この中に陸揚げ地につきましては両建設当事者が早急に協議、決定するんだと、こういうことで取り決められておるわけでございます。これに従いましていろいろ両当事者間で協議が行われ調査が行われました結果、中国側の陸揚げ地点につきましては四十八年六月に、日本側の陸揚げ地点につきましては四十八年十二月にそれぞれ決定をし両者の合意を見たと、こういうわけでございます。 ただいま御指摘がございましたように、いろいろな候補地の中から最終的に熊本の苓北に決定をいたしましたことにつきまして、KDDに対しましてその件をただしましたところ、KDDの報告によりますと、この陸揚げ地の選定に当たりましては、資料による予備調査を進める過程で鹿児島、長崎、沖繩に加えまして熊本も候補地の一つとして挙がってまいったということであります。そしてさらに調査の結果、海洋及び陸上の条件を総合いたしまして、熊本県苓北町が最適であるということでここを陸揚げ地に決定したと、こういうふうに聞いておるところでございます。
○安武洋子君 予備調査を進める段階って、どういう予備調査をなさって、なぜこの熊本が挙がってきたんですか。
○政府委員(寺島角夫君) 陸揚げ地を決定する基準と申しますか、こういうのもいろいろあろうかと思いますが、現在KDDが持っておりますそういう陸揚げ地選定についてのいろいろな考え方をただしましたところ、一つは、海岸が砂浜で岩礁等がなく、後背地に陸揚げ局を建設するのに十分な土地が取得可能であること、あるいは定置網、魚礁等の恒久的な漁業施設が沿岸部にないこと及び付近に港湾施設がないこと、あるいは良好な国内連絡線が得られること、あるいは地方自治体、漁業協同組合等の協力が得られること、こういったいろいろな諸条件というものを考えて選定をいたしておるようでございます。 で、具体的にこの日中ケーブルにつきまして苓北を最終的に決定したこと、これは先ほども申し上げましたように、KDDが建設当事者として決定をしたことでございまして、その結果につきまして、私どもは建設の指揮をとる認可ということでそれを認めておるわけでございますが、その間の経緯につきましては、現在私ども記録を調べましたが、その間の記録は郵政省には残っておりません。
○安武洋子君 結果的には日本側の陸揚げ地というのは、これは御答弁のように熊本県の天草郡の苓北町、こういうことが十二月に決定されております。十二月の二十日です。この十二月の二十日に衆議院の逓信委員会に当時のKDDの菅野社長さんが参考人として出席をなさって御答弁をなさっていらっしゃるんですけれども、しかし、私が先ほどから申しておりますように、この候補地としては、何よりも必要なのが海底の調査なんだと、このことは非常に力説されているわけです。この四つの候補地のうち苓北町がよいと、こういうことになるわけなんです。しかし、四月当時から陸揚げ地の候補として挙がっておりますのは三つなんです、沖繩、鹿児島、長崎と。そして、いきなり六月になってこの熊本が出てくるわけなんです。いま予備調査云々とおっしゃいましたけれども、この陸揚げ地付近の海洋調査が一番大事なんだということは、国会答弁の中で大臣も盛んにおっしゃっていらっしゃる。技術的にそれが決め手になるんだとおっしゃっているんです。との海洋調査の件なんですが、これは海上保安庁にお聞きいたしますけれども、海上保安庁は調査に協力をなさったというふうに聞いております。どのような調査をなさったのか、あるいはどのような援助をなさったのか、特に日本側の陸揚げ場の周辺の海域調査につきましてはどういうふうに援助されたのか、調査の時期はどうだったのか、そうした一応調査の時期ですね、それからどういうふうな調査、援助をなさったのかということをお伺いいたします。
○説明員(庄司大太郎君) お答えします。 日中間海底ケーブル敷設に伴う海底調査は、全体を三区間に分けて行いまして、そのうち中間部分、すなわち一番沖合いの部分については非常に大きな船が必要でございますので、私の方の持っております水路部の測量船「昭洋」によりまして昭和四十八年十月二十一日から同年十一月四日までの間、水路測量等の調査を行いました。また、その中央部分から日本側の部分のうち、九州西岸の沿岸部分の調査につきましては、KDDが三洋水路測量株式会社という民間会社に発注しまして調査を実施しました。これにつきまして海上保安庁の方は、KDDにかわりまして、この調査が適当に行われるかどうかということについて、調査の技術指導と調査結果の検査を行う、その作業を行ったわけでございます。 以上であります。
○安武洋子君 日にちが抜けております、三洋水路の実施の。
○説明員(庄司大太郎君) その委託の技術指導は、昭和四十八年十二月十七日から四十九年一月十五日までの間に行ったわけでございます。
○安武洋子君 おわかりのように、この苓北に決定いたしましたのは四十八年十二月二十日です。これは国会答弁の中に出ているわけです。で、いまのこの海洋調査ですね、これは深いところ――なるほどそれまでに取り決めのときから決定したところの海洋調査については、いま御答弁のように十月の二十一日から十一月の四日までにおやりになった、しかし、この陸揚げ地をどこにするかというその付近の海洋調査については、三洋水路測量がやっているというのは、この決定をした後じゃありませんか。十二月の二十日ですから、十七日から翌月の一月の十五日。ですから、要するに詳細な海洋調査をやらなければならない、こういうふうに御自分でもKDDの社長さんおっしゃっていらっしゃる。大臣も強調なさっている。陸揚げ場の周辺の海底調査は、もうこういうことと反して、決定後に行われているわけなんです。私が申し上げたいのは、海底調査こそが地域決定の大前提なんだと、こういう答弁をなさってきたことと全く相反する。最後に候補地として浮かび上がってきたそういう熊本の天草の苓北に陸揚げ地を決定したというのは、これはいかにも、どうにも不思議でたまらないわけなんです。一体これはどういうことなんでしょうか、御答弁願います。
○政府委員(寺島角夫君) 建設に当たりまして陸揚げ地の選定ということでございますが、先ほど申し上げましたように、陸揚げ地の決定につきましては、日中両国の合意が要るわけでございまして、その合意がとれまして決定いたしたのが十二月でございます。その決定に至るまでの間、KDDが建設当事者といたしましていろいろな調査を行った結果、苓北が最適である、こういう判断をいたしたものと考えておるわけでございます。
○安武洋子君 調査で、大前提だというのが海洋調査なんです、海底調査なんですね。それは苓北町に決定してからやられているわけです。おかしいじゃありませんか。そして、ほかの三つの候補地については全く何の調査も現在に至るまでなさっていらっしゃらないわけです。おかしいと思われませんですか。だから、私どもはおかしいと思って苓北町の調査に参りました。当時の町長さんをなさっていた森実さんという方にお会いしたんです。森さんの御記憶では、昭和四十八年五月ごろに上京なさったそうです。そうした際に、園田さんに会われたんです。そうすると、園田さんの方から、いまや国際化社会だ、国際電話もこれからは盛んになる、通信衛星を使っての電話ではスパイをされることもあるので海底ケーブルを使うような計画がある、陸揚げ場を苓北に持ってきてはどうか、こういう話を持ちかけられたというんです。この森町長さんというお方は、日中海底ケーブルをめぐってそんな話があるんだなということをこのとき初めて知ったと、こう言われているんです。御承知のように、苓北町といいますのは熊本県の天草郡で、園田前外務大臣の地元でございます。この天草郡の河浦町は園田さんの御郷里でございますが、苓北町というのはKDDとの間に問題にされております常磐開発の木山社長さんのお兄さんに当たられる方がおられるんです。この方は、園田さんの後援会である晃山会の天草郡の連合会の元会長さんなんです。で、園田さんにとりましては、まさにここは地元中の地元というところでございます。しかも園田さんは当時逓信委員をなさっていらっしゃるわけです。四十八年四月には候補地にもなかった、こういう熊本県が、六月には急にあらわれてくる背景、これにはこういうふうな園田さんからの働きかけがあったし、仕掛けがあったという疑惑がきわめて私は濃厚だと思うんです。一体苓北町に候補地として話を持ちかけていったのは、いつ、だれなんでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(寺島角夫君) 郵政省といたしましては、その間の陸揚げ地の決定に関します細かい経緯というものは何も記録に残っておらないわけでございます。したがいまして、これは建設当事者でございますKDDが、日中のケーブルということになりますと当然のことと思いますが、九州が第一候補地になろうかと思います。そういう意味で、九州の中の幾つかの地点を候補地に挙げまして、いろいろな条件を総合的に勘案いたしました結果決定をしたものと、かように考えておるわけでございます。 なお、ただいま御指摘もございましたように、当時の久野郵政大臣も、国会におきまして、こういった問題につきましては、陸揚げ地の決定については、政治的な対処をすべきではないということにつきましてしばしば言明をされておるところでございまして、KDDにおきましても当然ながらそういうことを十分頭に置いて選定いたしたものと、かように考えておるわけでございます。
○安武洋子君 いま私がいろいろ申し上げたわけですが、一番最後に候補地に出てきたところ、それが最終的には決定になる。しかも決定した後から海洋調査がやられている。これが大前提だとずっとおっしゃっていたんです。そしてその間に、六月にぽっと浮かび上がってくるその前の五月に、現地の苓北町長さんが園田さんの方から話を持ちかけられて、初めてそういう話を知ったと、こう言う。本当に不思議ですよね。不思議だと思われませんですか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(大西正男君) 経過につきましては、いま監理官からお答えをしたとおりでございますが、当時のことは私もちろん承知をいたしておりません。そこで、いま御指摘のようなことがあったかなかったか、これもわかりませんけれども、まあ私ども政治家として、衆議院も参議院も全国民の代表でございます、憲法上。しかし、地元の選挙民を通じてわれわれは選出をされてきておるわけでございまして、国会議員が地元の利益のために――私自身もそうでありますが、いろいろと政府に陳情をしたり、その他、地元のための何といいますか、政治的な行動をとるということは、私自身のこれまでの体験から見ましても、そういうことは大いにあり得ることだと思うわけでございます。しかし、そのことが直ちにいわゆる何らかの疑惑のもとになるのかならないのか、そういうこととは次元が違う話だと思います。したがって、御指摘のことによって、それがあるかないか知りませんけれども、仮にあったとしても、地元のためによかれとして、私であったらあるいはやっておったかもわからぬ、こう思うところでございます。
○安武洋子君 話を進めます。いまの御答弁も大変なことになります。ほかの三地点については、これは調査をしていないということをもう一度重ねて申し上げておきます。 そこでお伺いいたしますけれども、日中海底ケーブルに関しまして、陸揚げ地の整備等に要した費用というのは一体幾らでございましょうか。
○政府委員(寺島角夫君) 苓北の陸揚げ地の土地買収についてどれぐらいの経費がかかったのか、そういう御趣旨のお尋ねでございますならば、KDDから聞きましたところでは約二千三百万円であると聞いております。
○安武洋子君 KDD側の費用といいますのは、陸揚げ地の庁舎とか機材等に十二億、約十二億ですね。そのほかに私どもの調べといいますのが、苓北町から本渡まで、この間に専用回線を引かなければなりません、これに九億円、それから本渡から熊本までの間に基幹伝送路、これを建設しなければならないわけです。この費用が約二十二億円、合計四十三億円です。さらに専用回線を埋蔵するためにわざわざ道路をつくらなければいけないわけですね。ですから、こういう事業を全部総計いたしますとまさに数十億、こういう事業決定が非常に不鮮明なままで行われている、こういうことになるわけなんです。 そこで、さらに重ねてお伺いいたしますけれども、苓北町への陸揚げに当たりまして用地買収金額と、それから漁業補償の金額、一体幾らぐらいかお答えいただきます。
○政府委員(寺島角夫君) お尋ねの点でございますが、KDDに確かめましたところ、陸揚げ局の用地の買収代金約二千三百万円、また漁業補償金は関係する漁業協同組合に対しまして九百万円、かように聞いております。
○安武洋子君 ところがなんです、私どもが現地の町役場で資料をいただきました。これは日中海底ケーブル陸揚げ地の用地買収調書でございますけれども、いま土地の買収費というのが二千三百万円とおっしゃいました。ところが、私どもがいただきましたこの資料というのは千五百三十七万九千円です。二千三百万という金額とは七百六十二万一千円の差がございます。それから漁業補償でございますが、私どもは現地の苓北町漁業協同組合の組合長、理事さん、樋口さんといわれる方に聞いてまいっております。これはいま九百万円だとおっしゃいましたが、五百万円でございます。これにも四百万の食い違いが出ております。合わせますと千百六十二万一千円の違いがございます。金額的に見ますと、これはまさに三分の一のお金がどこかに行ってしまっている、行方不明である。これだけの食い違いがある。金額的に大きな額ではない。その中の三分の一もがどこかに行っている、行方不明である、食い違いがある、こういう結果が出てきております。こういう点について一体どういうふうにお考えでしょうか。御調査を願えますでしょうか。
○政府委員(寺島角夫君) ただいま御指摘の数字につきましては、初めて私耳にするわけでございます。私が先ほどお答えをいたしました約二千三百万と申しますのは、KDDの報告によりますと、約四千坪ほどの土地の取得のための費用でございます。なお、漁業補償につきましては、関係の漁業協同組合が五組合ございまして、その五組合に対するものが九百万円、かようなことを聞いておるわけでございまして、それ以外のことについては承知をいたしておりません。
○安武洋子君 どちらにいたしましても、この経緯の問題につきましては、いまそういうふうな御答弁でございました。しかし、国民の側から見たら、こういういまの御答弁というのは納得いかないわけです。KDDがいま盛んにいろいろ問題になっている。こういうKDDとの癒着の構造がここからでき上がっていく。というのは、これで園田さんはKDDと親しくなっていったということを秘書の方がちゃんと言っておられる。やっぱり癒着の構造ができ上がっていくわけです。ここが出発点になるというふうな問題であるだけに私たちは重要視をせざるを得ないわけなんです。やっぱり全体を、全容をはっきりさせていただきたい。金額の問題も含めて必ず調査をする、そして御報告をいただく、こういうことをお約束願えますでしょうか。
○国務大臣(大西正男君) ただいまのお尋ねに対しましては、再度調査をいたしたいと存じます。
○安武洋子君 最初のときも、点検の結果について発表されるのかどうかというのは非常にあいまいでした。ですから私はやっぱりこういう姿勢もちゃんとただされて、すべて国民の前に明らかにしていただきたい、そのことを重ねて御要望を申し上げます。 その次にダグラス・グラマンの問題について法務省の刑事局長にお伺いいたします。 これは十月十二日に開かれましたダグラス・グラマンの売り込みをめぐる日商岩井の不正事件の第一回公判の問題でございます。このときの検察側の冒頭陳述と国会での松野証言、これを対比してみますと、松野さんは五月二十四日衆議院航空機輸入特別委員会で、「あなたの方から日商岩井に対して政治献金をという要求をされたことは一度もなかった」か、こういう質問に対しまして、「要求ということは一度もありません。」こう答弁していらっしゃる。で、冒陳では「海部は、前記松野事務所で、松野から五億円の供与方を要請された」、こうなっているわけです。また五月二十八日の参議院の航空機輸入特別委員会では、五億円について松野氏は、「私は、政治献金として順次いただいた」、こう述べております。これに対しまして冒陳では、「海部は、松野がF4Eが採用されるよう種々政治工作をしてくれているものと認識していたので、その謝礼として一億円ないし二億円を供与せざるを得ないと考えていた」、こういうふうになっております。松野証言と冒頭陳述は、これはどう見ても客観的に見て食い違いがあると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(前田宏君) ただいまお尋ねの点でございますが、ただいまの御質問自体にもありますように、お尋ねの趣旨は松野氏の証言の内容の一部分について、いわゆる議院証言法違反が成立するんじゃないかという意味においての、刑事事件の対象になるかどうかというような問題にかかわるところでございます。したがいまして、この点についてそれ自体明確なお答えも申し上げかねるわけでございますが、一面、手続的に申しましても、この問題は証言法違反ということになりますと、御案内のとおり、議院または関係の委員会におかれてそれなりの御判断がなされるべき事項でございますので、その面からいたしましても現在私の立場でいずれになるかというようなことを明白に申し上げかねる次第でございます。
○安武洋子君 だれが見ても客観的に食い違っている。これはもう字が読める人ならだれでもわかるわけです。 さらに重ねて伺います。じゃ、こういうふうに両者に食い違いが明白であるという場合、国会が告発すればこれは偽証罪になるかどうか、このことをお伺いいたします。
○政府委員(前田宏君) 同じようなお答えになって恐縮でございますが、偽証罪になるかならないかということにつきましては、大変むずかしい微妙な問題でございますし、先ほど食い違いがあるということを御指摘いただいたわけでございますけれども、これは改めて申し上げるまでもないかと思いますが、両者の間に外形的に食い違いがあるというだけで直ちに偽証ということにもまいらないわけでございます。と申しますのは、やはり偽証ということになりますのは、証言をされた方が自己の認識されているところと違うことをあえて証言されたということになって初めて犯罪というようなことが問題になるわけでございまして、先ほどのお尋ねの中でも、政治献金であるとかあるいは賄賂であるとかいう問題も、それぞれの関係当事者のいわば主観の問題、認識の相違というような問題にもかかわることでございますので、直ちになるというようなことも申し上げかねるわけでございます。
○安武洋子君 大変あいまいな御答弁、私は大変不満なんですが、非常に時間が切迫しておりますので、通産関係にちょっと移らせていただきたいんです。 灯油の問題なんですけれども、いま灯油というのが私の兵庫県では一かん千三百円、こういうふうな状態が出ております。全国的にも千百円灯油というのが出回っているような状態なんです。私はこれは政府の値上げ放任がこういう結果をもたらしたというふうに思っているんですが、通産省はこれまで便乗値上げ、不当な値上げについては厳正な態度で臨むというふうなことで、石油元売り各社の値上げについて監視、チェックをなさっていらっしゃるんです。私はいまの千三百円灯油――輸送料が含まれますけれども、配達料が含まれますけれども、こういう灯油の値段について一体どうお考えなのかというふうなことをひとつお伺いいたします。 それで、私どもで灯油などの中間三品ですね、この中間三品の値段を、私どもは石油精製の卸売価格とそれから原油の値上がりと、これを比較してみたんです。そうすると、非常に不当な値上げというのがはっきりしているわけです。卸売価格につきましては日本銀行の卸売物価指数、これは四十七年十二月まで価格が公表されているのでこれに基づいて、この指数から試算をいたしました。まず灯油でございます。灯油は九月の卸売価格というのはキロ当たり四万四千百四十三円です。一月には二万八千七百八十九円です。この間一万五千三百五十四円も値上がりをしているわけです。軽油の方です。一月が二万九千八百六十一円です。そして九月には四万六千七円です。値上げは実に一万六千百四十六円になります。A重油です。これは一月には二万八千八百二円です。九月になりますと四万四千四百七十円です。一万五千六百六十八円の値上げでございます。 一方、この間の原油の輸入価格はどうなっているか、これを見てみますと、精製等の時間を見まして、五十三年の十一月、五十四年の七月、これを比較してみますと、キロ当たりですが、これは五十三年の十一月には一万五千九百八十二円です。そして五十四年の七月になりますと二万五千六百十六円。九千六百三十四円の値上がりなんです。これは日銀統計を利用した試算です。そして、各油種に原油値上がり分を平均に価格転嫁していく方式です。これをわかりやすく言いますと、一かん、灯油で十八リットルですけれども、原油の値上げというのは一かん当たり百七十三円であるのに対して、灯油は一かん当たり二百七十六円も値上げをされている。実に一かん百円以上の便乗値上げ、これは卸売価格の段階です。こういう計算になるわけです。どう見ても便乗値上げとしか言いようがないと思います。 しかも一方、産業用なんです。このC重油の値上がり幅、これを見てみますと、一月は一万八千六百三十四円です。そして、九月になりますと二万七千二百五円、これは八千五百七十一円の値上げです。ですから、さきに挙げた期間の原油の輸入価格の値上がり幅よりも小さくなっているわけです。原油の値上がり幅というのは九千六百三十四円ですから、それよりも八千五百七十一円と小さくなっているのです。 こういうふうに二つを比較してみますと、石油製品の値上げの仕組みがはっきりする。必要な原油価格の転嫁は認める、こういうふうに言っておられますけれども、その実態というのは国民生活とか民生用の灯油とか軽油とか、こういうところは値上げ分を過大にしているわけです。そして便乗値上げは放任している。産業用のC重油、これは原油値上げ分さえも上積みをしていないと、こういうふうな優遇措置をしているのです。これは石油会社の価格体系――民生用から利益を上げて産業用には安くするということを是認しているという政策から私は生み出されたものだと思います。これでは国民は納得できませんが、一体大臣はいかがお考えでございましょうか。
○政府委員(神谷和男君) まず、各油種の価格の問題につきまして私から御説明させていただきます。 ただいま灯油、軽油、その他の、原油の値上がりと製品の値上がりにつきまして、一定の期間をとった試算が御開示されましたが、御承知のように、原油の価格並びに為替レートといったものはこの間非常に大幅に動いておりますので、期間のとり方によりましてかなり数値に違いが出てくることは事実であろうかというふうに考えますが、大ざっぱに申し上げまして、十月の数字を見てみますと、前年同期に比べて原油は円ベースで大体倍になっておるということでございまして、灯油の卸売価格並びに末端価格、これを私どもの調査あるいは東京都の調査、さらには卸売物価指数による値上がり等の比率で見てみますと、六割前後の値上がり、こういう形になっておるわけでございまして、この実態そのものが特に不当な値上がりである――私どもはどれどれの価格が正当な価格であると言って価格の裏づけをするようなことは差し控えさせていただきたいと思いますが、不当、異常な値上がりであるというふうには考えられないのではないかと思っております。 ただ、御指摘のC重油と中間留分との差につきまして、日銀の卸売物価指数等の統計でC重油の値上がりがかなり低目に出ておることは御指摘のとおりだろうと思いますが、御承知のように、C重油は大口ユーザーとの取引というものが主体をなしておりまして、それらのユーザーとの価格交渉の過程においていわゆる暫定価格による取引――後ほど価格が正式に決定した際にさかのぼって支払うというような形態がかなり多くの部分を占めておりますのでこのような数字になっておるというふうに了解をいたしておりまして、私どもが得ておりますいろいろなデータからでは特にC重油のしわ寄せを中間留分に行っておるというような状況にはないというふうに考えております。
○安武洋子君 大臣、千三百円灯油は正当ですか。
○国務大臣(佐々木義武君) いま担当の部長から説明したとおりでございまして、私の持っておる資料も原油のCIF価格は一九九%、約十割アップでありまして、現実の十月の卸価格、小売価格も大体六割前後でございますので、別に大変不当な値段だというふうには考えておりません。
○安武洋子君 不当な価格でない――不当な価格でないとおっしゃいましても、私は国民は納得しないと思うんです。さらに、十三月から第六次の値上げをするなんて、これはとんでもないことだと思うんです。この価格が不当でないとおっしゃるなら、やっぱり価格構成――原油の価格とか、あるいは精製費とか、人件費とか、その他経費ですね、こういうものは明らかにすべきだと私は思うんです。企業秘密だといってちっともこういうところを明らかにしないで、これは便乗値上げでない、正当な価格だ、不当でない、こういうふうにおっしゃってもだれも納得しません。むしろ通産省と石油業界が結託して値上げしていると言われても私はしようがないんではないかと思うんです。 価格の問題ですけれども、いま灯油を便乗値上げしていると私は申し上げているわけですけれども、いまのままですと、販売店のマージンを現在のままにしておいても灯油というのは千円以下に下げられる。こんな第六次の値上げをするよりは、私は灯油は千円以下に下げると、こういうふうに対処すべきだと思うんです。 それから、供給の面でも問題があります。私、調査しましたけれども、販売店には相変わらず供給カットしている。これは灯油の在庫がないかといいますと、そうでなくて、十月末には流通在庫も含めて備蓄目標を上回る七百十万キロリットル、こういう在庫があるというふうに言われているわけです。供給カットというのはもう明らかに便乗値上げを浸透させるために政府・自民党、これまでも石油二法を発動してちゃんとやってくださいと国民が言っているのにそれを放置してきたわけですけれども、こういう一つ一つの問題には個別には対処されました。しかし、全体としては供給カットする。ですから、新しいお客さんに小売店は対応できない、しかも、こういうところでは、困るからお米と一緒に買ってくれとか、抱き合わせ販売をするというふうなことをやっているわけです。こういう現状については一体いかがお考えなんでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(神谷和男君) 確かに九月、需要期を迎えますまでは、私どもは需要期に備えての六百四十五万キロリットルでございましたが、これを目標に元売り、精製段階あるいは流通段階において備蓄を高めるように指導をいたしておりました。他方、供給そのものにつきましては、一定の節約を前提といたしまして策定いたしました供給計画に準じた生産並びに出荷は行うよう、これも別途指導をいたしてまいりまして、大きな筋においてそのとおり協力が得られておるというふうに考えられますが、やはり需給関係が供給超過と申しますか、そのような形ではなくしてタイトになっております際には、流通過程において一部フリクションが起こるということはしばしば予想されることでございまして、それらにつきましては個別に解決するよう地方通産局に指導いたしておりますし、地方公共団体の協力も要請をしておるところでございます。 御指摘の新家庭その他に対しての供給拒否というようなものは、これを行わないよう関係団体、さらには元売りを通じて系列の企業に指導を行うよう要請をいたしたところでございますし、抱き合わせ販売等につきましても適切な販売行為ではないというふうに考えておりますので、これも慎むと申しますより、そのようなことは行わないよう指導をしてきておるところでございまして、地方公共団体等の御協力も得ながら苦情については処理をしてまいり、現在までのところ順調に需要期に入ってきておるというふうに考えております。
○委員長(志苫裕君) もう時間です。
○安武洋子君 おしまいに通産大臣に。 私は価格構成――原油の価格とか精製費とか、それから人件費とかその他の経費とかいろんなことを企業秘密だ、企業秘密だといままで明かされないで、国民に対しては不当でない、不当でない、こうおっしゃる。しかし、いろいろおっしゃったって、C重油の方は原油の値上がり分も上積みしていない。そして灯油の方には不当に便乗値上げしている。千円以下に下げられますよ、いま、本当におやりになろうと思えば。そういうことは放置なさっていらっしゃる。この冬、皆不安に思っているわけです。本当に国民に対してどうおこたえになるのか、そういう点を後で御答弁ください。 そして、大蔵大臣に続いてお伺いいたしますけれども、いま灯油とかA重油の値上げで非常に大きな影響を受けている、これは国民皆ですけれども、その中で特に生活保護世帯とか保育所、老人ホーム、こういう福祉施設、それから小学校などの学校とか教育研究施設ですね、こういうところが大きな影響を受けているんです。ですから、既成の予算ではどうにもならない、予算を追加しなければならない、こういうところがたくさん出てきております。文部省とか厚生省とかは大蔵省と折衝中と、こういうことも聞いておりますけれども、こういう経費増というのは私は当然国が責任を持って対処すべきだと、こう思いますが、その点を大蔵大臣から御答弁いただきたい。 先ほどのは通産大臣から御答弁いただきたい。 御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(佐々木義武君) 御要求のございました原価構成あるいは元売りの仕切り値段、価格といったようなものは、もちろん各社からわが方でもちょうだいしておりますけれども、これはいまお話もございましたように、各社にとっては大変な機密事項でございまして、公表しないという条件で各社から聴取しておりますので、これは報告するわけにまいりません。
○安武洋子君 だから石油企業べったりだと言われるんですよ。
○国務大臣(竹下登君) 原油の値上がり、また為替レートの変動等によりまして国内の石油製品の価格が高騰して、ただいま御指摘のように、燃料費についても灯油、重油代等が値上がりしているということは承知いたしております。燃料費の値上がりに伴う経費の増加につきましては、まずこの既定予算の中で執行上の工夫によって対処していくことが一般的には望ましいと考えております。予算上特別の措置を要するものがあるかどうかなどの問題については、経費の性格や予算の執行状態を見た上でこれは今後検討していくことであると、まだ具体的には折衝に入っていないというふうにただいま報告を受けております。
○喜屋武眞榮君 私、通産大臣にお伺いいたします。 きのうの大平総理大臣の所信表明によりましても、経済運営とエネルギー問題が重要な柱の一つになっておりますが、それであらかじめお伺いしたいことは、一日五百四十万バレル消費すると言われておる石油の量、 〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕 それから産油国の政情の不安、あるいは国際的な石油需給の逼迫のことから、価格の問題が揺れてきておるわけでありますが、その価格の安定というか、需給の量の確保、これに対してきちっとした御見解を大臣に伺いたい。
○政府委員(神谷和男君) まず、事実関係について私から御説明さしていただきます。 国際的な原油需給は、これは一言で申し上げますとマクロ的には一応均衡と申しますか、少なくも大幅な需要超過になっていないというのが国際的コンセンサスでございますが、イランの革命前のように二百万バレル・パー・デー等ぐらいの余裕のあるような需給関係ではないというのが現在の状況でございます。ただ、しばしば説明されておりますように、原油の流通チャンネル、流れのチャンネルがここに参りまして著しく混乱をしておる。 〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 具体的に申し上げますれば、産油国がメジャー等に対する供給をカットいたしまして直接自己で販売する、あるいはスポット市場で販売するというような形になってまいっておりまして、そのために、メジャーはそれらをいわゆる非系列のサードパーティーの会社に対する供給カットという形で調整をいたしておるわけでございますが、日本はこのサードパーティーの比率が非常に多い国でございますので、この影響を非常に大きく受けておるわけでございます。このカットを穴埋めすべくDD、GG、いわゆる直接取引の原油獲得に努めておるところでございますが、年の途中、期の途中において新しい道をつけるというのは非常に困難でございますので、ある程度スポットに依存せざるを得ない、こういう状況になっております。したがいまして、一音で申し上げますと、国際的並びに日本の直面しております原油需給の状況というものは比較的タイトぎみな需給の中で、流通チャンネルの乱れからくるフリクションというものを非常に大きく受けておるという状況でございます。 こうした状況のもとで、現在下期の輸入について種々データを集めておりますが、下期全般についてはまだ十分見通せません。ただ十-十二月期につきましては、すでに発表いたしておりますように、一応十月時点の調査で七千万キロリットル程度の確保は可能というふうに考えており、締めて見ますれば、私どもはもう少しこの数字は上がっていくのではないかというふうに考えております。 ちなみに、上期は一億三千四百万キロリットルということでございまして、予定の一億三千二百万キロリットルを二百万キロリットル程度オーバーいたしておりますので、事、本年内に関しましては、ある程度の原油獲得の見通しは、十分とは申しませんがついておるわけでございます。一-三月は直接販売取引の契約の更改期であるとか、あるいは産油国の生産動向が不透明であるということからまだ確定的なことは申し上げられませんが、一定量の輸入は私どもとしては確保せざるを得ないし確保できると考えておりますので、現在かなりシーズン的に高い水準にございます備蓄をある程度弾力的に運用いたしますれば、国内に対する石油製品の供給は、供給計画どおり供給することは可能であると、このように考えております。
○国務大臣(佐々木義武君) ただいまの説明のとおり私も理解しております。
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいことは、経済基盤の浅い沖繩のいま直面しておるいわゆる島ぐるみで揺れ動いておる問題が三つありますが、一つは電力料金の値上げ、次は航空運賃の値上げの問題、次は基地にかかわる落下傘投下によるところの生命財産にかかわる重大な問題、この三つがいま沖繩を直撃しておる重大な問題でありますが、私はきょう持ち時間がわずかでありますので、問題提示の形でできるだけ簡潔に申し上げたいと思いますので明快に答えていただきたい。 まず、電力料金の問題についてお尋ねいたします。 北海道電力と沖繩電力が十一月の十六日に通産省に対して電気料金の値上げを正式に申請されておるようでありますが、その申請に対して検討をして、その結論がどうなっておるのであるか、検討されておるのであるかどうか。また、値上げ申請ですから値上げの理由は何なのか、それを簡潔お聞きしたいと思います。
○政府委員(安田佳三君) ただいま先生御指摘になられましたとおり、北海道電力及び沖繩電力からは十一月十六日に申請が正式に出てまいりました。この値上げの申請の理由といたしましては、両電力とも従来現行料金の維持に努めてきたわけでございますが、最近におきます原油価格の引き上げ、それからまた最近の円安傾向等から見まして燃料費が非常に高騰してきたということをその 一つの理由。また、設備投資が非常に拡大しておりますが、それに伴う資本費の増加というのが第二番目の理由。その他、経費の増加等によりましてその経営努力も限界に来たという理由で、このままに推移いたしますならば電気の安定供給に重大な支障が生ずるおそれがあるということを挙げまして、それをもちまして料金改定の申請に至ったというふうになっております。 これに対しまして、通産省といたしましては、現在その申請内容を十分審査いたしておる段階でございます。
○喜屋武眞榮君 結論を先に申し上げますが、その上げ幅の圧縮、それから実施の時期をずらす、こういうことに対する御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(安田佳三君) 特に沖繩電力の料金値上げにつきましては、沖繩におきます産業活動あるいは住民生活への影響というものを十分考慮する必要がございますが、同時にすでに沖繩電力は巨額に上る累積赤字を抱えております。その財政を悪化させることも、また沖繩県におきます電気の安定供給を図る観点から望ましくないというふうに考えております。したがいまして、沖繩電力の申請につきましては今後厳正かつ慎重な査定を行うことといたしておりますけれども、その値上げの幅につきましては、その査定の結果として出てくるものでございますので、現状ではまだどういう数字が出てくるか申し上げられないことを御理解いただきたいと思います。 また実施の時期につきましては、これは沖繩電力株式会社の収支の実態に応じて判断しなければならない問題だというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 まあ詳しい数字的なデータを持っておるわけですが、きょうは次にまた移らねばいけませんので、いまの一つの基本方針で、特に沖繩の特殊事情から生まれた沖繩電力でありますので配慮をしてもらう。まあ上げる方向に行くということは間違いありませんか、どうですか、その点だめを押したいと思うんです。
○政府委員(安田佳三君) 査定の方法につきまして厳正に実施しろという御指摘でございますが、その点につきましては十分先生の御意見を踏まえまして厳正かつ慎重に査定を実施いたしたいと思います。 それで、現在の段階においては上げるかどうかについて申し上げるのはいかがかというふうにも思いますが、ただ、沖繩電力の経営の現状から判断いたしますと、相当に経営が苦しいということも実情でございますので、そういう点からひとつ御判断賜りたいと存じます。
○喜屋武眞榮君 その運営の困難を受益者にしわ寄せが多くかからぬようにいろいろ配慮していただいて、納得のいく値上げならこれはやむを得ぬかもしれませんが、要望といたしましては、特に沖繩の特殊事情からして上げぬでほしい、これが県民の切なる要望でありますので、それも強く申し上げておきたいと思います。そういったいろいろの特殊事情を配慮してくださって、上げ幅を圧縮し、そして実施の時期をおくらしてもらう、この要望が非常に強いということを申し添えて、制限時間がありますので、次に移りたいと思います。あと次の機会にまたその問題はいたしたいと思います。 次に、防衛施設庁長官にお願いいたします。 読谷飛行場における最近のトレーラー投下事件ですね。これは最近の近因と言えばいいんですが、その前に金武の演習場における落下傘の照明弾投下事件があります。さらにさかのぼると、一九六五年六月十一日の、当時喜名小学校四年生の棚原隆子さんの庭先にトレーラーが空から落下して圧死した事件があります。その間にさらに、死傷までは至らぬけれども、米兵が空から屋根に落ちてきたとか、あるいは落下傘による器物が投下されたとか、こういった数々の投下事件、落下事件がありまして、生命の危険、不安、これを耐え忍んで今日まできたわけですが、もうがまんならないという直接の立ち上がりが去る十一月六日のあの投下事件です。 それに対して、これもまた結論的になると思いますが、県議会でも与野党通じて全会一致で決議し、読谷村におきましても村ぐるみの総決起大会をやって決議をして、きのう、きょう、あしたと、要請の代表団が見えておりますが、その要請の結論は、降下演習の即時中止、そして基地の撤去、この二つにしぼられているようですが、これに対する見解はいかがですか。
○政府委員(玉木清司君) 御指摘のように、この二十日の日に読谷村におきまして、落下傘の降下訓練をめぐって村民と海兵隊の演習人員が直接に小競り合いをするという事件が起こりまして、またその前十一月六日に、観測用のパラシュートの落下地点が、米側から見ますと場内に入ったものをだれかが持ち去ったと言いますし、住民側で見ました場合には、明らかに場外の住宅地の近くに落ちたというような事件がございました。 いま先生御指摘のように、この結果、即時演習を中止し基地を撤去せよというような主張が私どものところにも届いております。しかし、本件につきましては、私どもの見解としましては、読谷村の住民の方々のこのような激しい動きの原因は、十一月六日の観測用のパラシュートの事故の実態につきまして、住民側と米軍との間で同じ事故に関する見解が違いまして、そこに両者が大変感情的に興奮をしてこの問題を取り扱っておる、直接の原因はそこにあるように私どもは理解しております。したがいまして、現段階におきましては、ともかくも六日の日の事故がいかなる事態で生起したものであるかということについて正確にこれを追求し、そして米側の主張することが間違っておりますならばこれを是正させて、そして真実を把握した上で両者の対話によってこの問題を解決をしていくことが当面の課題であろうかと思います。しばらくその解決のために冷却期間を置きつつ、真実の追求をしていこうということによってこの問題の対処に当たろうとしております。 なお、結論としまして、即時中止もしくは基地撤去という御主張がございますけれども、御承知のように読谷村の飛行場のみならず、全国にあります提供基地につきましては、安全保障条約に基づきます地位協定により米側に提供する義務のあるところでございますし、また演習を実施しておりますのは駐留目的を達成せんがための演習でございますので、これを中止させ、かつ基地を撤去させるということは考えられないところでございます。
○喜屋武眞榮君 この基地問題は、何か沖繩に基地をめぐる問題が起こると、もうそれは安保による地位協定による提供義務があるんだと、こうおっしゃるわけです。ところが地位協定の三条、二十三条と安保の六条といえども、県民の生命、財産、人権にかかわる侵害を無視してやってよろしいというふうに理解しておられるのかどうか、これが第一点。 あの地位協定は、基地内における自由使用ということは、これは百歩譲ってやむを得ない。ところが、基地の外に起こったところのその事象が、現象がたびたびあることは、あなた方は認めておられぬかもしらぬけれども、現場の、現地のわれわれはよく知っております。今度の問題でも、あの落下傘は基地の中に落としたのを県民のだれかがそれを外に持ち出したんだと、このような欺瞞的な――金武におけるあの照明弾の落下も同じことを言っておりますね、基地の中に落ちたものをだれかが持ち出して外に置いておるんだと。それを認めるんですか、認めないんですかということになりますがね。 そこで、その調査は防衛施設庁に、出先の施設局にその調査の結果を任されている。二十七日にはその結論を持ち寄って米軍の責任者と会うということになっておる情報がありますが、その結果はどうなっておるか、また会った結果、調査の結果はどうなっておるか、お会いした結果は相手はどう出ておるか、そのことをひとつ……。
○政府委員(玉木清司君) 第一点の問題でございますが、いかなる場合におきましても、事故が発生していいという考えを持つものではございません。どのようなことがありましても、周辺の住民の生命及び財産の安全は、われわれとしましても守り抜かなければならないと考えておるところでございます。したがいまして、事故が発生しましたときには、その発生原因を追求し、それに対する安全措置を十分に講じていくということがこれからなすべきことであろうかと思います。 二番目のお尋ねの、二十七日、現地局長と沖繩海兵隊司令官との間の話でございますが、昨日遅く現地局長が海兵隊司令官と会談をいたしまして、施設局が独自の立場で十一月六日以来調べてまいりましたこの事故に対するいろんなデータを提示いたしまして、そして米側の場内に落ちてだれかに持ち去られたという見解に対して、その見解は、このようなデータから見ると、もう一度調べ直すべきであるということを申し入れました。それに対しまして四軍調整官のキリーン海兵隊少将は施設局長に対して、十一月六日の演習実施部隊であります嘉手納にあります空軍の責任者との間で協議して回答をするということに相なっております。昨日の夕刻はそのような状態になっております。
○喜屋武眞榮君 もう一カ月にもなんなんとしまして、まだ……。われわれから見ますときわめて明白な事実関係を、それに対して余りにも弱腰であることに憤りを感ずるんです。沖繩県民も日本国民でしょう。アメリカの立場が大事である以上に、日本国民の沖繩県民の立場をなお大事にしてもらうことが憲法のもとの平等ではありませんか。それを、アメリカに何か遠慮しいしい、一カ月もたってまだ合意を得られぬというところにあなた方の弱腰だと私はきわめつけたいんです。もっとしっかりして早く結論を出してもらいたい。そのことを強く要望いたします。いかがですか。
○政府委員(玉木清司君) せっかくの御指摘ではございますが、事人命の安全にかかわる問題でございます。したがいましてわれわれといたしましては、何よりも人命の安全を第一に考えて、腹を据えてこれに取り組んでおるところでございまして、決して軽視するとか遠慮しておるとかいうような立場にないことを御理解いただきたいと思います。 なお、六日の事件が起こりました後、そのような立場に立っておるものでございますから、われわれといたしましては、現地局長及び私自身、それぞれの米側責任者との間で、調査結果がはっきりして、その対策が立てられるまでは演習を中止の上、精力的に真相の解明をしてほしいということで強硬に申し入れ続けてきたところでございますが、アメリカ側におきましても、先ほど申しましたような一つの事実に対する、先ほど申しましたように、アメリカ側はアメリカ側なりの理解をしておるところでございますから、その理解に対して十分な事実関係を提示して、先方の理解の不自然であることを立証しつつ主張していかなければなりませんので、今日のような時点にまで時間が経過したことは御理解いただきたいと思います。 その間にありましたことは、落下傘そのものの運動の諸元を精査すると同時に、目撃者の方々に当たりまして施設局の現場職員は一生懸命にこれを調べて、先ほど申したような二十七日の会談にまで持ち込んだという事情でございますので御了承を賜りたいと思います。
○委員長(志苫裕君) 喜屋武君、時間です。
○喜屋武眞榮君 重ねてひとつ、この問題は早く結論が出ますように、そうして県民が納得のいくように早く結論を急いでもらいたいということを強く要望いたします。 最後に大蔵大臣にお尋ねいたします。 いま申し上げます読谷飛行場跡は、一部は開放になっておるんです。その開放にならない地域も含めて、その所有権の問題がずっとこの数年来続いてきておることは御存じかと思いますが、最近、結論的にはそれは国有地であると、こういうことに一応なっておるわけでありますね。ところが、国有地ではあるけれども払い下げることにやぶさかではないと、こういうことも私の質疑の中でも答えは出ておりますが、その開放された土地は払い下げる意思があるかどうか、これが一つです。 それから防衛施設庁に、未開放の土地は、その近くに民家が点在してあることは御承知でしょう。そういう状態の中で演習訓練場としては不適である、これはアメリカの兵隊も指摘しておるんですよ、こんな狭いところでこれはやることは不適であると。だから、結論としては、ここを早く開放して、返還して、その投下演習場を他県に持っていってほしい、県外に持っていってほしいと、こういうことを、新聞社も社説を挙げてこれを強調しておりますよ。この問題の解決は、結局は、投下演習を狭いところで、民家の中でやることは無理だから、どうしてもこれを他に代替地を求めて県外に移していく以外に解決の方法はない。これが実現すれば結局開放ということになりますから、返還ということにつながるわけであります。こういった二重の構造の中で四苦八苦しておるわけでありますが、以上申し上げまして、大臣とそれから防衛施設庁のお答えをお願いします。
○国務大臣(竹下登君) ただいまの問題につきましては、経過等については喜屋武委員の方が私よりもはるかに詳しいわけでございます。そしてまた大蔵省の方針についても御理解をいただいておりますので、ここで政府としての統一した考えというものを仮にもしまとめるといたしますならば、本件跡地の払い下げにつきましては、本年六月一日の参議院沖特におきまして三原前沖繩開発庁長官が答弁いたしましたように、地元地方公共団体から振興開発計画にのっとった利用計画を出していただければ、関係省庁とも十分協議して、沖繩振興開発特別措置法、国有財産法等現行法に沿ってできるだけ早く地元地方公共団体等に対し払い下げる等の処置を行ってまいりたいと考えております。これが統一したお答えになると思います。
○政府委員(玉木清司君) この施設を県外に移設することによって解決せよという御指摘でございますが、移設ということになりますと、大変広範な、しかも一朝一夕にまいらない大きな問題でございますが、この種の落下傘降下訓練は、人命救助、災害救助のための降下訓練でございまして、練度維持のためには大変頻繁に行っていかなくちゃならないという事情がございますので、当面、御指摘のことはよく承り、心にとめておきまして、事故が発生しないように私どもとしましても努力をし、かつ米側におきましても万全の努力をしてもらいたい、このような努力を続けていきたいと存じます。
○秦豊君 私は、大蔵省に集中をしたいと思います。 昨今の一連の不正事件の中で、またその処理をめぐって、たしか私の知る限りでは、防衛庁が下総の部隊に関連した不正経理があったわけだが、それは一応工夫して一たん国庫に返還したということに私は承知しているんですけれども、防衛庁は一体どんな費目から、どんな返し方をしたのか、まず伺っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま御指摘のございました、これは、あの航空自衛隊の第一補給処におきますいわば不正経理に係る問題かと存じますが、私どもが防衛庁から聴取をいたしましたところによりますと、金額は約二百三十万円であったそうでございますが、その後、その当時の責任者でございました、これは歴代三名の方でございますが、三名の第一補給処の処長が個人負担の形におきましてその全額を国庫に返納をされたというふうに承っております。 なお、返納の細かい手続でございますが、これも、申し上げますと、いわば、資金前渡官吏といたしまして第一補給処の会計課長が資金前渡官吏になっているわけでございますが、この資金前渡官吏が債権発生の通知を防衛庁の航空幕僚監部の監理部長、これが歳入徴収官になっているわけでございますが、この歳入徴収官あてに債権の発生の通知をいたしました。この通知を受けました歳入徴収官が、先ほど申しました歴代の三人の処長さんに対しまして、これを債務者といたしまして納入告知書を発行をされた。で、この三人の方々が告知書を受けまして国庫に納入する、具体的には日本銀行に払い込みをされた、そういうふうに聞いております。
○秦豊君 たしか、十一月十五日だと思いますが、前回の決算委員会で、その席に仁杉氏が座って、私が質問をしたときに、仁杉新総裁は、少なくとも――検査院からこの三億九千五百七十一万円が指摘されたわけだが、その中で、あとう限り、いわゆる不正支出と言われたんだから、これについては十二月中には何らかの方法で国庫に返戻をするということに最大限の努力をするという意味合いの答弁を、しかと私にいたしておるんですね。だから、私は関連があるから防衛庁のケースをあえて伺っておいたわけなんですが、金額が二百三十万円、鉄建公団の場合には、公団独自の調査でも一億二千二百万円になっているから、いわばけたの違う話なんですね。しかし私は、そのときには予備費絡みで方法があり得ないかと。予備費も税金であるという点ではやや処理が甘いと言われるかもしれぬが、たとえばという提案をして、竹下大蔵大臣も慎重な答弁であのときには終わっている。その後ずいぶん日にちもたつから、鉄建側と大蔵省との間にどんな話し合いが行われたのか、一体道筋がつきつつあるのか、とまっているのか、その辺ちょっと伺わしてください。
○国務大臣(竹下登君) ただいまの問題につきましては、鉄建公団とその主管官庁であります運輸省の間でいま詰められておるというふうに承っております。 なお、具体的な返還の方法等になりますと私にはわかりませんので、事務当局からお答えさすことをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(吉野良彦君) 大臣からお答え申し上げましたとおり、いま、鉄建公団に係る事後処理の問題につきましては、公団自身と監督官庁であります運輸省におきまして、どのような事後処理の仕方があり得るか検討を進めているというふうに承っております。 ただ、秦委員に御理解を賜りたいと存じますのは、秦委員も防衛庁の先ほど申しました事後処理の仕方との対比において、いろいろ御意見がおありのように存ずるわけでございますが、ただ一つ基本的にと申しますか、違います点は、これも秦委員よく御存じかと存じますが、防衛庁の場合には、防衛庁という国それ自体の歳出にかかわる問題でありますのに対しまして、鉄建公団の件は、少なくとも鉄建公団は鉄建公団法に基づきまして……
○秦豊君 それはわかってる。
○政府委員(吉野良彦君) 国以外の法人格を持ちます独立の法人でございますので、鉄建公団が仮に何らかの形で返還といいますか、不正経理にかかわる金額を受け入れました場合におきましても、それが直ちにまた再び公団と国との間でどういう処理がなされるべきかというのはまた別の問題として生じてくるという点が違いがあるということは御理解いただいていると存じます。
○秦豊君 そんなあなた、くだくだとおっしゃらなくても、ずばりわかるんだから、鉄建と防衛庁の立場というのはあたりまえの常識ですよ、大きな前提ですよ。 私が聞きたいのは――あなた方は非常に専門家だから慣例とか、ぶ厚い六法とか財政関係の法規とか、規矩準縄の中でがんじがらめなんだ。ところが、問題は鉄建公団も何とかして返したいと、ねばならぬと、ねばならぬところまできているわけですよ。問題は手順、方法なんですよ。納税者感覚というのは、使い得じゃないか、けしからぬ、あの程度の処分でと、これは常識ですよ。それにどうこたえるかは行政の姿勢の問題、大平さんが本会議場で幾らお述べになってもむなしい言葉、それは。一つ一つどう積み重ねるかが問題なんだ、だから聞いているんだ。だから――じゃこう聞きましょう、ちょっと言い方を変えて。 主務官庁運輸省、そして鉄建の仁杉さんが話し合う、これは当然ですわな。けど、いやしくも国庫の最高責任監督権を持っている大蔵省として、じゃ聞きますけれども、大蔵省として望ましく、かつ現実的可能性のある返戻の方法というのは、たとえばどんな方法があり得るか、それについてはどうですか。
○政府委員(吉野良彦君) これもあるいはさらにおしかりをいただくかとも存じますが、法律上の問題でございますので申し上げざるを得ないわけでございますが、鉄建公団を監督をしておりますのは運輸大臣であるわけでございます。大蔵大臣はいわば国庫の総括大臣としての立場がございますが、それはたとえば財政法上に基づきまして支払い計画の承認をするとか、あるいは鉄建公団につきまして申しますれば、運輸大臣が鉄建公団についての予算を承認するに当たりまして協議を受けるというような立場にあるわけでございます。そこで大蔵大臣が直接に鉄建公団に対して、これこれのような処置をすべしというような指揮、命令をする権能を法律上与えられていないわけでございます。それも秦委員よく御承知の上でお尋ねかと存じますが、そこでしからば、それはそれとして、大蔵省としてはいかなる事後処理の仕方が、本件の場合望ましいと考えるか、大蔵省の意見があるだろうと、こういうあるいはお尋ねかと存じます。 そこで、これも一般論になりまして恐縮でございますが、このような不正経理の事後処理につきましては、やはり不正経理の具体的な支出の仕方、あるいは支出されたものの消費された具体的な事実関係に即応してやはり考えていかなければならないだろうと、こういうふうに考えるわけでございます。 そこで、その事実関係がまだ具体的に究明し尽くされていない点がございますので、そういう事実関係に即してこういう処理の仕方がいいんだという御意見を申し上げられるような状況になっていないと、こういうことを御理解賜りたいと存じます。
○秦豊君 あなたのような日本語の使い方もあるんですね。勉強になる、大変。いわゆるティピカルな官僚答弁としてね。まことに典型的、模範的であると申し上げておきたい。 ただ、大蔵大臣ね、そろそろ来年度予算の骨組みはおろか、ディテールまで決めなきゃならぬ。それはあの方の言うとおりなんだけれどもね。しかし、やっぱりわれわれは政治家なんだから、六法全書の虫じゃないんだから、会計検査院でもないんだから、十二月じゅうにはきっぱりとした一つの処理をしなければ、せっかく仁杉氏もそう言っているんですよ。余りらちが明かなかったら、監督権限論としてじゃなくて、竹下さん大物の大蔵大臣なんだから、それはそれ、これはこれできっぱりしたまえというぐらいのサゼスチョンはしてもちっとも越権とはだれも思わない、よくぞなされたとは言ってもね。そういう点では竹下大蔵大臣としてはどういうお気持ちでいまおられますか、この問題について。
○国務大臣(竹下登君) いま吉野次長が申し述べましたように、現実問題どのような性質のものをどのような形で返還なり、あるいは公団に留保さすかということについては、具体的な事実がわからなければ明快にはお答えできないと思います。まあしかしながら、国民感情を背景にし、また総裁の答弁等からいたしまして、当然のこととして私ども御協力をいただいて年内に予算編成をしたいという立場をとっております限りにおいては、その予算編成の際は査定の対象に十分なり得る課題であると思いますだけに、急いでほしいという気持ちは十分に持っております。
○秦豊君 余り変わらない答弁だな、余り。 今度あなた方のずばり責任範囲の問題を聞きましょう。時間がないから、なるべく吉野さんの精密なごつごつした御答弁じゃなくて、ずばりでお答えだけいただければ私どもはよろしいんであって、そのことをお願いしておきます。 補助金なんですけれども、一ころ大蔵省では、特に竹下蔵相が就任されてから三分類であるとか、補助金全般の見直し論があって、穐山氏もちょっと触れておったようですけれども、一ころ補助金整理法的な新たな立法さえちょっと観測されたんだが、これはもうないんですか。一言でいいですよ。
○政府委員(吉野良彦君) 一言で申し上げますと、できれば補助金整理の一括法というような形にまとめ得ることを私どもも希望して作業をいたしておりますけれども、しかし、いまのところ一括整理法にまとめ得るだけの法律、法条の整理が可能であるというような見通しを持つにはまだ至っておりません。したがいまして、そういう法案の提案をいたし得る状況になるかどうかはまだ何とも申し上げられないということでございます。
○秦豊君 大分短く答えていただいて恐縮です。大臣は三分類でずっと見直しされていまして、結局ずばり申し上げるとね、時間がないから。たとえば五十四年度でも何にも整理しなかったんじゃなくて、千二百十七件、千二百七億円は削っているわけですよね、補助金を。そうすると、これ、だれが考えても結局削りやすいところから削る、抵抗の少ないところから。なぜなら時間との競争という要素もあるからね。立法をあきらめた、ならば個々に対処する以外にないでしょう、大蔵省は。ならば、結局この削減の対象というのは、いろんな凡百の団体への運営費、補助金ですね、事業費の補助、この辺はやっぱり削りやすいから全部洗ってみよう。いまどの辺まで煮詰まっているんですか、金額的には。
○政府委員(吉野良彦君) 補助金整理の作業は現実問題といたしましては、予算査定あるいは各省との予算折衝の過程を通じて固まってまいる性質のものでございますので、現在秦委員御言及になりましたが、昨年は千二百億に上る整理合理化ができたわけでございますが、いまのところ五十五年度予算でどの程度の金額まで整理合理化ができますか、これも申しわけございませんが、数字を申し上げられるような状況にはまだなってございません。
○秦豊君 それはある程度そうかもしれませんね。だけど、たとえばサンセットローじゃないが、習慣で、惰性で出した、もう使命は終わっている、つまり不要になっていると。砂漠に水を注ぐようなもの、注いだって意味がないからというような場合、たとえば新農村何とかとか、新生活運動とかいろいろ凡百積んでありますな。一つ一つは余り大きくない、合わせると大きいというのはありますよね。そういうものは当然、たとえば十年以上たっているものとか、これだってばかにできないんですよ。やっぱり九十五件で一千五十九億円なんという金がばらまかれていますからね。そういうものはしかし削減対象としてはきわめて適切だと考えても間違いじゃないでしょう。
○政府委員(吉野良彦君) 基本的には御指摘のとおりでございまして、すでに奨励目的を達したとか、あるいはまた社会、経済情勢の変化に即応しなくなったとか、そういったようなものがやはり整理の対象として考えるべきものであろうと存じます。そこで、私どももそういう考え方で各省と折衝に臨んでいるわけでございますが、それぞれ各省にはまたそれぞれの政策的なお立場から御主張、御意見がございまして、なかなかこれが財政当局と所管官庁との間に合意が見られない、見ることが非常にむずかしいということもまた実態でございます。そのむずかしさを乗り越えて私どもは何とか整理合理化を一歩でも進めていきたいということで努力をしているわけでございます。
○秦豊君 この部分は竹下大臣にあえて伺いたいんですけれども、吉野さんの言われるようにそれはむずかしいですよ。しがらみ、政治家のいろんな隠微なプレッシャーもあるかもしれぬ、迫力に満ちた。しかし、やっぱりこの補助金というのは行政改革と同じで、ある程度大なたを――カミソリでやったってなかなか集まらない、成果は上がらない。なたでずばっというふうな感じで、迫力をもって単位面積当たりの圧力を加えなきゃだめ、切れませんよ、削れませんよ、こんなもの。吉野さん式の発想なら、気がついたら一千何十億、去年と同じでした、ごめんなさいと、こうなりかねない、これは。だから、今度は幸い竹下さんだから大蔵大臣が、私も長いジャーナリスト時代を通じて知る限り、竹下さん何かやるだろうという、いまは淡いけれども、淡い期待を持っているんですよ。しかし、同時にあの人ならやってくれるだろうというあれもある、複雑なんですが。 私の提案を含めてぜひお答え願いたいのだが、やっぱり蛮勇をあえてふるってもらいたいことが一つ。それから、補助金の将来方向を私は次のように考えているのですけれども、もちろん地方交付税の税率との相関関係がありますから単純な問題でないけれども、私は、総合補助金というふうなことがある過渡期には必要ではないだろうかと。つまりメニュー化するわけですよね。総合メニューというのがあって、メニューをまず第一義的に開くのは地方自治体なんですよ。どうメニューを選ぶか、フルコースとかアラカルトとかは食べる人、つまり地方自治体の裁量権を拡大するという方向が、私は補助金行政を考えた場合にはある程度大蔵省が勇断を持って飛び越える、実施する時期があらねばならぬというのが、これは実は私の補助金についての私なりの考え方なんですよ。だからそういうこと、いずれにせよ大蔵省がもうがんじがらめですきがないというのじゃなくて、自治体の裁量権を拡大するには私はメニュー化、総合化をどうしても一度くぐり抜けないと口頭禅に終わるというのがぼくの考えなんです。だから、当然初歩的にはまず零細過ぎるもの、類似性のあるものはもう削るか落とすかどっちかだと私は思っているのですが、竹下大蔵大臣は私の申し上げたことについてはどうお考えでしょうね。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる補助金の一括整理法というようなものでやりましたのが、いま御指摘の背景にあるいはあったかと思うんでありますが、昭和二十九年の地方交付税が制定されたその時期であります。したがって、私は考え方としては秦委員のお考え方というのは理解できます。ただ、いまの場合、地方との権限問題なり地方に関する補助金等の問題を指摘してみましたときは、必ず財源をつけてそれでは権限を委譲しろと、こういう議論になってきがちなものであります。したがって、私はその問題については昭和二十九年のときのような形ではやることは困難だという認識に残念ながら今日立っていることは事実でございます。 さらに、立ったついででございますが、三分類とかいいましたのは、社会保障、文教、公共事業等、いわゆる何といいますか、義務教育国庫負担金というような全く一律削減になじまないのと、そしていま第二分類とでも申しましょうか、あるいはいま御指摘もありました運営費の補助とか調査委託費とか、そういうようなもので一律の対象になり得るものがありはしないか。そしてまた三分類とでも申しましょうか、これにつきましては先ほどおっしゃったように奨励的意味があって、それぞれある時限をつけてこれを整理する目標に置いたらどうだと、こういうような考え方でございますので、とにかく期待に沿えるかどうか、もとより非力でございます、体も小そうございますけれども、お考えの趣旨に沿って精いっぱいやってみたいというのが今日の精いっぱいの私の気持ちであります。
○秦豊君 いまはそれしかお答えできないかもしれませんね。ただやる気はひそかにうかがえるから仕上げを見ましょう、一応ね。 それで、いま予算編成で夜遅くまで明かりがついて、大臣もいろんな現場に激励に行ったりして御苦労さんだけれども、たとえば来年の予算編成を考えた場合に、だれでも考えるのはたとえば円高、円安のこのサイクルの問題ですよね。つまり、どんな指標を踏まえて作業に入っているのかということをちょっと参考のために聞いておきたいんだけれども、たとえば民間のいろんなシンクタンクの予測を見ましてもシミュレーションが幾通りもあって、二つぐらいに結局しぼっている。そのしぼり方というのは、経済予測をする場合に、いま円安ですよね、かなり日銀が焦って買い支えやっているんだけれども、いつから円安が円高に転ずるのか、そのタイミングはいつごろかというふうなことは相当やはり大きなファクターになるんじゃないでしょうか。だから、景気全体の動向を、たとえば国際収支なりあるいは消費者物価、卸売物価を含め、実質成長率の策定を含めて、予測を含めて一体どんな計数を踏まえて大蔵省はいま予算編成の作業に入っているのか、進めているのか。これはそれだけで一時間ぐらいの問題ですから、私の残された時間はあと三分だからとってもこれはかなわないと思うけれども、不可能だと思うけれども、あとう限り、まず円高、円安の見通しをどうつかまえていらっしゃるか。卸売物価、消費者物価の問題をどう予測しておられるか。実質GNPはたとえば一・六から一・八くらいで踏まえてやっていらっしゃるのか。消費者物価も八・七あるいは八・三くらいに踏まえ、卸売物価も七・七五から八・〇ぐらいに見通しておもむろに作業に入っていらっしゃるのか。具体性のある答弁をちょっと伺っておきたいと思いましてね、どうでしょう。
○説明員(岸田俊輔君) 御指摘の点でございますが、現在御承知のように基礎作業には確かに入っております。ただ、現在の状況でございますと、四-六のいわゆるQE・GNPの実績はもう出ておりますんですが、七-九はまだ出ておりません。で、見通しにつきましては、でき得る限りのデータをそろえましてぎりぎりまで作業をいたします、予算編成と並行いたしまして。それからもう一つのファクターといたしましてはOPECの値上げ、その他もございますし、私どもといたしましては最終の予算編成に影響いたしますファクターはそのぎりぎりまで作業したいと、現在のところは大蔵省でやっておりますが、企画庁とも通産省ともまたすり合わせをしなければいけない段階でございますので、そういうことを含めまして現在作業中で、具体的な数字につきまして現段階で申し上げるわけにはちょっといかないということでお許しをいただきたいと思います。
○秦豊君 私が部分的に引用した数字はそれほど度外れてはいないと私は思っているんだが、どうですか。
○説明員(岸田俊輔君) 具体的な数字につきまして現在のところ私どもの方も漠然としたところは持っておりますが、確たるところは申し上げられない状況だもんでございますので、お許しをいただきたいと思います。
○秦豊君 まだ二分くらい、一分半ぐらいかな、あるかもしれませんから、竹下大蔵大臣ね、私はあなた方の作業がまだこれは浮かび上がってないから私自身の主観をあなたに聞くんだけれども、やっぱり思い切った予算編成というのは、メルクマールになるのは公共事業費だと思うんですよね。公共事業費を前年度並みにしておいて思い切った予算とか、財政再建元年の予算なんというのはぼくはおこがましいと思う。最後は、補助金ももちろん大事ですよ、財投、ワンパッケージにした運営も大事だけれども、やっぱり公共事業費を思い切ってたとえば一〇%減すというふうな、まず最初に目標ありきでやってみて作業をすり合わせていくというふうな発想は、私はあなたの場合にはごくふさわしいと思うんだが、そこまで行き着かないと、来年の予算も硬直をしたままですよ、変わりばえがしませんよ。その点基本的にあなたはどう考えていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 今日民需を中心として比較的経済の拡大は順調である。そうしてまた一方、雇用の問題もまあ逐次改善されつつある。しかし、卸売物価等の状態からして物価等に大変警戒を要する。したがって、景気と物価の両にらみの中であえて問われれば、物価というものに傾斜をかけざるを得ないというような統一した答弁を申し上げておるわけでございます。したがって、その公共事業ということになりますと、景気の下支えとしての役割りという場合はこれはまた大変な力を持つものであり、そして、かつてのごとくいわゆる総需要抑制策によって冷やしたときのまた力も相当なものであったということは私も認識をいたしております。ただむしろ、秦委員から御指摘を受けます以上に、私は建設大臣をやっておりましたので、あれはどうも公共事業をうんとふやすんじゃないかというような批判もときたま承っております。したがって、いまの段階で公共事業をどうこうするという状態にはまだないわけでございますけれども、予算編成の大きなファクターとして十分認識しておるということで御勘弁をお願いしたいと思います。
○秦豊君 終わります。
○委員長(志苫裕君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時十分散会 ―――――・―――――