議院運営委員会 第3号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/12/07
会議録
○委員長(中山太郎君) ただいまから議院運営員会を開会いたします。 国務大臣の発言に関する件を議題といたします。 倉石法務大臣の十一月九日の記者会見における発言に関し質疑を行います。 なお、政府側から内閣総理大臣臨時代理伊東正義君及び法務大臣倉石忠雄君が出席されております。 それでは順次御発言を願います。片岡勝治君。
○片岡勝治君 それでは、まず最初に私の方から一、二お伺いをいたしたいと思います。 今度の倉石法務大臣の発言につきましては、すでに衆参両院の中で論議をされた段階であり、また倉石法務大臣自身もあの発言を取り消されたということであります。こうした段階でありますけれども、その所信をこの際お伺いしたいと思います。 法務大臣は、日本の裁判、検察は不偏不党、厳正公平な立場を堅持していることを確信している、こういうことを繰り返し申しております。私もそのとおりだろうと思うわけでありますが、なおつけ加えて法務大臣は、この裁判、検察の活動を助けるようにしていくのが法務大臣の任務だと、こういうふうにおっしゃっているわけであります。 さて、そこで、そういう裁判、検察の活動を助ける法務大臣であるあなたが今回の発言をしたわけでありますが、この発言が果たしてこの裁判あるいは検察活動を助ける役割りを果たしたかどうか、この点をしかとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私が、ただいま御指摘のように、去る十一月九日法務大臣に就任いたしました直後の記者会見におきましてロッキード事件の裁判について感想を求められましたことについて申し述べたわけでありますが、そのためいろいろと御批判を受け、世間をお騒がせいたす結果となりまして恐縮いたしておりますが、このようなことを申し述べましたのは、質問者が、法務大臣と現に進行中の裁判とは直接関係がないがという前提のもとに、個人的な感想あるいは印象といったものを尋ねられたからでありまして、私といたしましては、法務大臣の立場から具体的裁判について所見を申し述べることは毛頭なかったのでございます。しかし、私がいま申し上げましたように、個人的な気持ちが先行いたしましたというにいたしましても、このことについて、私は、公正無私の伝統のございます上に、制度的にもおよそ法務大臣が現に係属中の事件について裁判所の判断を左右するようなことはできないと存じておりますが、しかし、省みますというと、決してこれは妥当な発言ではなかったと反省をいたしましたので、私自身がこれをみずから取り消すという決意をいたしたような次第でございます。
○片岡勝治君 つまり、法務大臣の発言は、公正な裁判あるいは検察活動に結論からすれば有害な発言であったということをみずからお認めになって取り消されたと思うわけであります。私は、今後のこともありますので、いかに個人的な見解であれ、あるいは個人の感情であれ、政府機関の大臣の職責にある者がこれを発言するということは、これは単なる個人としての発言にとどまらないわけであります。そういうことでありますので、しかも、裁判あるいは検察、これに関しましては、国民の信頼、そういうものが基本であります。権力の座にある者がそうした問題に対していささかも疑惑のある発言を個人的な感情とはいえ発言することは許されないと私は思うわけであります。このことを今後もひとつ政府におかれましても厳重に守っていただきたい、このことを申し上げて、発言を終わりたいと思います。
○委員長(中山太郎君) 中野明君。
○中野明君 倉石法務大臣は非常に経験豊かな方で、前回も大臣として発言をめぐって辞任なさったという経緯を私どもも承知しております。それほど大臣としての発言というのは非常に重要な意味を持ち責任もあるということをよく御存じのあなたが、就任早々にああいう発言をなさったということ、これは事の重大性は国会のみならず全国民の厳しい批判を受けたわけであります。 そういうことにつきまして、あなたは、反省をして取り消すと、こういうことでございますが、事の内容は辞任に値すると私どもも強く主張はいたしておりましたが、改めてあなたの方から発言の取り消しと、そういうことでございましたので、取り消して済むような問題ではございませんが、この機会にもう一度、法務大臣として反省の言葉と、そして決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私は、このたびの私の発言がもとになりました状況等を考えまして、法務大臣の言動というものがいかに重いものであるかということを痛感いたしておる次第でございます。したがって、今後、法の最高責任者といたしまして、国民のために裁判並びに検察の権威を高揚し得るように最善の努力を払ってまいりたいと決意している次第でございます。
○中野明君 この際、これを任命された総理大臣——きょうはいらっしゃいませんが、代理で官房長官が見えております。任命者としての責任、そしてまた反省、今後の決意、これをおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) すでに法務大臣が心から陳謝され、二度と再びこういうことがないようにということにして取り消されたわけでございますので、内閣としましては、今後一層言動を慎みまして、職責が厳正かつ公正に遂行ができますように全力を挙げてまいりたいと思う次第でございます。
○委員長(中山太郎君) 佐藤昭夫君。
○佐藤昭夫君 法務大臣、あなたもよく御存じのとおり、ロッキード事件は政・財・官界の非常に醜悪な癒着関係が生み出した刑事事件であったわけでありますが、検察当局も繰り返し明言をしているように、田中被告らの有罪性については確信をもってその立証作業、公訴の維持に全力を挙げているというふうに言っていると思うのです。のみならず、当時の稻葉法務大臣自身も、両院ロッキード特別委員会等で、検察の行った田中の起訴処分を当然のものとしてその有罪性について繰り返し答弁をなさっているわけでありますが、また当局の見解もその後変更されていない。こうした確信をもって起訴した事件について、検察行政の頂点に立つべき法務大臣があえて無罪を願うと述べたことは、まさに国会と国民に対する重大な背信行為であるというふうに考えざるを得ないのであります。友情の発露という言いわけでごまかすことはできません。真の友情というのであれば、犯した罪を認め、潔く刑罰に服すべきだということを、個人としても法務大臣としてもそのことをこそ田中氏に対してそうした態度をとるというのが当然の法務大臣の態度でないかと思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私は、いま行われております裁判の内容については事務当局から概略の報告は受けておる程度でございますが、裁判の内容につきましてはとかくのことを申し上げることを御遠慮いたしたいと思っておりますが、検察並びに裁判所が不偏不党、厳正中立の立場でその持っておる責任を果たし得るように全力を挙げるつもりでございます。
○佐藤昭夫君 ロッキード事件田中被告にかかわるあなたの発言をもってこれだけ紛糾してきたにもかかわらず、その後よく勉強していないというのは、もう何たる発言だろうというふうに思うのですが、さらに、あなたの、先ほど来他党の同僚議員の質問に対しても陳謝をするという表現は使っておられますけれども、発言の内容的重大性について何の反省——それにメスを入れてその反省、取り消しをやるとか、こういう明確な表明はありません。あなたは、以前に、めかけ憲法発言についても、衆議院の予算委員会でのわが党代表の質問追及に対して、記憶をしていないと、こういう言い方をされている。こういった点から言って、果たして本当に反省をされているのか、発言について内容的に反省をされておるのか、重ねて伺います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 言葉が足りなかったかもしれませんが、私といたしましては、個人的なことをああいうような場合に申したことも間違っておりますし、要は、法務大臣として、その職責を果たすために全力を挙げて、検察、裁判がやりよくなるように全力を挙げてまいると、こういう意識で申しておるわけであります。
○佐藤昭夫君 承知できませんが、終わります。
○委員長(中山太郎君) 藤井恒男君。
○藤井恒男君 すでに本件につきましては衆議院の段階でもわが党の同僚議員から質疑が行われておるところでありますし、この参議院におきましてもただいま他党の同僚議員からも質疑が行われておるところでございますから、私はあえて質疑の形はとらずに、強い要望だけを申し上げておきたいと思うのです。 つまり、裁判、検察の権威というものは、私はやはり国民の信頼の裏打ちによって保たれるものだと思っております。そういった中で、現に進行中の裁判に重大な影響を及ぼすと懸念される、国民が当然疑惑を抱く発言を、所管大臣、つまりわが国の裁判、検察があくまでも厳正、不偏、そして公平に運営されることを促進する立場にある所管大臣がなさったということは、国民に多くの疑惑と失望を与えた、このことはぬぐうことのできない重大な問題であり、倉石法務大臣個人の進退問題じゃなく、わが国の裁判そして検察の権威のためにまことに残念なことだと思うのです。したがって、このことは総理並びに所管の倉石法務大臣はよく肝に銘じて、再びこのようなことのないように厳重な注意を払って今後国のために活躍をしていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
○委員長(中山太郎君) 以上をもって本件に関する質疑は終了いたしました。 暫時休憩いたします。 午後四時二十四分休憩 —————・————— 午後四時四十一分開会
○委員長(中山太郎君) 議院運営委員会を再開いたします。 税理士法の一部を改正する法律案につき本会議においてその趣旨説明を聴取する件についてお諮りいたします。 本法律案の趣旨説明を本会議において聴取することに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中山太郎君) 少数と認めます。よって、本件は否決されました。 これにて散会いたします。 午後四時四十二分散会