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90回国会衆議院1979/12/07

文教委員会 第2号

発言数
220
登壇者
17
会派数
5
開催日
1979/12/07

会議録

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出があります。順次これを許します。木島喜兵衞君。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 きょうは最初でありますから、そしてまた大臣のお考え等がまだ必ずしもよくわかっておらないものでありますから、御質問する姿勢も決まっておらないのです。  ですから、先般ごあいさつなさいましたこと事大臣が就任以来新聞社等にお話しなさったようなことをもとにしてお聞きいたしたいと思うのでありますが、その中で大臣は農林行政出身の素人大臣だと謙遜をなさいました。私は元来政党人大臣の否定論者ではあります。その理由は言いません。しかし、じゃ玄人だからいいかというと、たとえばいままで文部省の事務次官から大臣になられた方がお二人ございますが、官僚支配の今日の中で、その文部省の官僚が大臣になられるということの弊害もまたきわめて大きかったような印象も受けます。だから、その限りでは素人大臣なんという御謙遜をなさらないで結構なんであります。  同時に、文教行政における素人の大臣の過去を見ますと、ここにまた二つあります。すなわち一つは他の省庁の官僚であった方ですが、これは私の印象では、官僚支配の中にまた多少他の省の官僚の空気が入ってどうもならなかったということもありました。ですから、そういう意味では、むしろ素人の方、つまり党人ですかな、選ばれた者という意味においての国民的な感覚の持ち主、党の大臣のよさというものも、その政策を全面的に私は肯定するわけじゃないのでありますけれども、いまのあり方とすれば、中にはむしろそういう点ではおもしろいという要素がある。これはたとえば教育委員会ですが、本来教育委員というのは素人から、それで教育長は玄人からということは、その上下の関係では逆ですけれども、そういう思想というものがあってしかるべきだと思うのでありますから、そういう意味では素人としての御謙遜は不要だと私は思うのであります。  ただ、私は、懸念をするといいましょうか、希望を申し上げるとするならば、あなたも先ほどおっしゃったように農林行政出身という官僚出身でいらっしゃいますけれども、そのことはもはや政治生活も長いのでいらっし早いますから、すでに官僚からの脱皮をしていらっしゃるのでありましょうが、その辺、素人であるからすべていいということではなしに、教育行政の基本というものをきちっとお持ちになって、そして同時に素人としての立場からの大臣の任務を果たしていただきたいということが、私はあなたにまず最初に御要望したいところでございますけれども、何か御所見がございますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 木島先生から非常に、何と申しますか、一面激励を受けると同時になかなかに厳しい御指摘も受けまして、恐縮をいたしております。  御指摘がございましたように、私は、大学を出てすぐ農林省へ入ったわけでございますので、まさに農林省の役人でございますが、その時期から、政治家といたしまして衆議院の方にお世話になりましてからおよそ二十年に近い年月が流れておるわけでございます。したがいまして、私が社会へ出ましてから、役人の生活と政治家としての生活はすでに相匹敵する年限を経ておるわけでございますので、官僚のいいところも悪いところもわかっておるつもりでございます。しかし、新しいこういう文教の責任者という形になりましたので、ことに当委員会の先生方の十分なる御指導、御協力を得て仕事をやってまいりたいと考えておるわけであります。  農林行政と申しましても、私がやってまいりましたのは農民の問題が主でございまして、教育の問題ともかなり連関の多い部門があったように考えております。ぜひ当委員会の皆さん方の今後ともの御指導、御協力を期待いたしてお願いをいたしたいと考えておるわけであります。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 そういう私の希望を申し上げただけでありますが、第一に、大臣が大臣に就任されるまでの新自由クラブとの関係でありますけれども、このことはもう申しませんが、ただ、文教族の中には大変怒りがあることだけは御承知おきください。結果的には文部大臣のいすを私物化したり、文教を犠牲にしたりおもちゃにしたりという印象を与えたわけでありますから、そういう点では、まあ自民党さんは別でございましょうけれども、文教族全体は怒りを持ったのですが、それはしかし言いません。  ただ一つ言いたいことは、新自由クラブとの四項目のあの合意メモですか、これは現在どうなっているのですか。  というのは、総理が総理になられてからの記者会見では、その政策を拝見すると、われわれと基本的に変わるところがないからそういう方向で努力しようということです。ところが、新自由クラブの文部大臣はだめになった。そのときに伊東官房長官は、四つの緊急かつ重要な政策実現という約束に基づいて首相指名で支持してくれた新自由クラブに重い信義を感じておるとも言っていらっしゃるわけね。そこで、大臣はだめになったし、連合はだめになったけれども、その協定のメモの四項目というものはいまどのように位置づけられているのですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 十一月十九日であったと思いますが、私が文部大臣に任命される以前の問題でございますが、大平・河野会談の中でいわゆる四項目の政策の実現への話があったことは私も新聞で承知をいたしております。しかし、その性格及び具体的内容については私は実は承知をいたしていないのであります。  それで、私自身はこういうふうに解釈をしておるわけであります。これは党と党との話し合いという形にならなければならない案件であったと思いますが、自民党の方ではこの問題について否定的な回答と申しますか、態度であったと思っております。したがいまして、この案件について、ことさらに、新しい文部大臣としての私の方に積極的な内容、問題等についての指示、御連絡がなかったのはそういうことであろうと私は考えておるわけでありまして、内容とかその性格について詳しいものを承知していない。こういうことでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 それじゃ四項目は御破算なんですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 連絡その他がその後ございませんしいたしますが、私はいま内容については存じていない、そういうふうに考えております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 存じていないとかなんとか言ったって、四項目には「教育」があるのですよ。前総理大臣であり、そのとき候補者であった現総理大臣が、一党の党首と合意メモをなさってきたのですよ。なさったのでしょう。それが「教育」の一項があるわけですよ。  それを連絡がないから知らないということでいいのか。あなたの方からそれはどうなっているのかということでなければ一さっきも言いましたように、大平さんは、その政策はわれわれと基本的に変わるところがないから合意したのだとおっしゃるのですよ。このときの「われわれ」というのは何かわかりません。あのときの大平主流派なのか非主流派なのか、自民党全体なのか知りませんよ。だけれどもいずれにしたって、あなたは総理のもとにある閣僚の一員なんです。その中に「教育」の一項があるのです。それをあなたは、連絡がないから知らないで済むのですか。基本的な問題だと私は思っているのです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 政治腐敗の問題、行財政の改革問題、それから綱紀粛正、それに教育、文化政策の見直しと申しましたか、そういうような四点についての政策実現についての話があったということは、先ほど申しましたように新聞で私は承知をいたしております。(木島委員「だから、それだけでいいかというのです」と呼ぶ)  そこで、この問題がどういうことになっておるか、これからが私の一つの感じになるわけですが、党と党との政策の協定あるいはそういう問題は、党としての正式な議論があるべきだという形で、これは党の方の意見を総裁として総理としてお聞きになったと思います。この案件は否定的な返事が出てきたというふうに私は感じておるわけであります。したがいまして、あえて私も積極的にこの問題についての取り扱いその他について総理にお聞きただしはしておりません。いまだしておらないのです。  大変不満足な返事になるかもしれませんが、そういう状況でございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 まあ、これ以上確かめるのは大変ですが、しかし、いずれにしてもこのまま放置はできませんね。現総理大臣が合意したのですし、その閣僚の一員なんですから、これはやはり確かめておかなければいかぬですな。それはそうしていただきましょう。  そこで、われわれと基本的に変わらないと先ほど言った「われわれ」というのは何だかわかりませんけれども、その中にあるのは何かというと、私が重視するのは、「現状にそぐわなくなった教育制度」という言葉がその第四項目にありますね。四項目目というのはそうでしょう。(谷垣国務大臣「教育、文化政策の見直し、と書いてある」と呼ぶ)だから、教育だけに限定すればですね。現状にそぐわなくなった見直し、だから見直しでしょう。という点については、大臣、どうお考えなんですか。大臣個人で結構です。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 もちろん現在の教育政策、文化政策の中でいろいろと検討し、あるいは検討の結果見直していかなければならぬ問題が全然ないとは考えておりません。その意味におきましては、これがたとえ新自由クラブとの間の合意であろうとなかろうとにかかわらず、文部大臣としては検討されなければならぬ問題であると思います。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 もちろん、その教育、文化等の制度やあり方の見直しというものは常にありますね。しかし、四つの中に、総理大臣が、われわれと同じ考え方だ、そういう現状にそぐわなくなったものを見直すというのは、ただこれから見ていって——それは細かく言えばいろいろあります。教育制度一つにしたって、それは六三制という、いわゆる区切りの問題あるいはその後の細部の問題もありましょう。あるいは入試制度もありましょう。あるいはいまの六日制を五日制に一これはフランスなんか日曜日と水曜日は子供は休んでいます。西ドイツは日曜日と木曜日は休んでいますよ。そういう制度のことがありましょう。あるいは幼児教育、中教審なんかで言っている幼年学校なんという制度のこともありましょう。  そういうようにいろいろありますけれども、ただ、少なくとも総理大臣のメモの四つの中で、現状にそぐわなくなったところのそういうものというのはもっと大きいものでしょう。その中で言われているのは、一つにはきっと区切りの問題があると想像もするのですが、大臣は、いわゆる六三制についてはどう思っていらっしゃいますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 他の部門の行政もそうでありますが、ことに文教の分野においては、かなり長期にわたる見通しと、それに対する対策として進められていくのが当然のことであろうと私は思います。  現在の六三制の制度が長い経過を持って今日に至っておるということも承知をしておるわけであります。したがいまして、それが現在まで続いておるということにはそれなりの秩序と評価があるわけだと思います。  ただ、それがすべていいのかというような問題につきましては、これから常に新しい問題として考えていかなければならぬ。これもまた当然だと思いますけれども、いま木島先生が御指摘になりました六三制についてどう思うかという、こういう御質問であれば、すでに長い経過を持ち、終戦後の状況の中で発足いたしましたこの制度としての大きな流れはそれなりに評価をしていくべきものであると、こういうふうに私は考えておるわけであります。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 先ほどから質問していますのは、少なくとも総理大臣がわれわれと同じ考え方だというような協定があり、メモがあるが、では、その現状にそぐわないものは一体何かという中にはいろいろあろうという意味でお聞きしたわけです。それで結構です。  しかし、そうは言っても、今日教育の荒廃が叫ばれて久しい。教育の荒廃の一番大きな原因はどういうところにあるとお考えになりますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 なかなかむずかしい問題で、どれからお答えしていいかわかりませんが、やはり、何と申しますか、学歴尊重の社会の空気の中で現在のいろいろな教育が行われておる。したがって、受験の問題にいたしましても過度の競争が持ち込まれておる。それに対していろいろな対策を考えなければならぬということは当然あると思います。  そしてまた同時に、大きな社会の変化がございますから、家庭生活におきましても、あるいは社会生活におきましても大きな変化がございまして、いま荒廃という表現がございましたが、果たして荒廃という言葉の持つ意味のところまでの状況になっておるかどうかは別といたしまして、非行少年の問題とかいろいろな問題が出てきておって、それに対しての対策を考えなければならぬ。こういう状況であることは私もよく痛感をいたしておるところです。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 いまおっしゃった学歴社会が荒廃の主要な原因だということは私も同感であります。まさにそうだと思うのです。もちろんそれだけではありませんがね。おっしゃるように、学歴社会の中では、その壁は入試にある。だから学校は受験教育が中心になる。塾が栄える。学校はテストを繰り返して、テストで点数をつけ、テストで順番をつけ、その順番によって学校へ配当する。そこには人間形成が成り立っておらない。  大臣は、一昨日のごあいさつの中で、「たくましく、かつ創造力のある国民」ということをおっしゃいました。入試というのは、過去の文化をより多様により正確に記憶した者が勝利をする。それが東大出であり、官僚がそのトップをいっておるということかもしれません。しかし、人間の脳は三歳にして六〇%、十歳にして九〇%、二十歳で大体脳の構造は完成するということとを考えますときに、脳の完成時において記憶だけに集中した、その最高の勝利者がもし日本の政治を支配するとするならば、そこに一体日本の未来の創造というものがあるだろうか。大臣は「創造力」とおっしゃいました。「たくましく」とおっしゃいました。しかし、いまの受験教育中心、学歴社会を背景としたところの教育全体は、私は、大臣が描かれている国民像、人間像というものと大きくかけ離れたところのものだという感じがいたすのです。そのためにどうあるべきか、どう解決すべきか、これは非常に大きな問題でありますが、きょうはもうそんな時間はありませんから、後日またそういう問題は議論したいと思うのであります。  そこで、あなたは家庭教育の中でしつけのことをおっしゃいました。あなたは大臣になられてからの記者会見とかいろいろなところでおっしゃっている中で、しつけについていろいろ言っていらっしゃいます。これはそうでいいのでしょうが、しつけという中に、一つは教育勅語の問題を言っていらっしゃいます。  教育勅語については、「子供のとき習っていることで、いいことをいっていると思う。「父母ニ考ニ兄弟ニ友ニ」など人のしつけというか、日常の行動の基準であり当然のことをいっている。しかし、そういうことを文部行政の中心とするとの考え方をいっているわけではない。」と言っていらっしゃるわけですね。これは長くおっしゃったことの一部分かもしれませんけれども、われわれは新聞で知るしかありません。  そこで、この新聞の面から言うと、教育勅語というのは日常の行動の基準というように御理解なさっていらっしゃるという感じがするのですが、それでよろしゅうございますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 そういう趣旨のことを記者会見のときに申したわけでありますが、これは当然の認識だと私は思うのです。  教育勅語が出されたのは旧憲法のときであります。新しい憲法との間に格段に質の違いが出ておる。したがいまして、新憲法下において教育勅語は廃止されておると申しますか、これは当然のことであります。教育勅語の出ますそのもとが新憲法と旧憲法とにおいては質的に違っておる。これはもう言わずもがなの前提だろうと私は思っております。したがいまして、その前提のもとでの記者諸君の質問であったと私は思ってもおるのです。  そこで、教育勅語の中にある、いま申しましたような項目、「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ」ですか、そういう問題の点のみを取り上げて考えてみますと、それは家庭教育の中においても大切なことではないかということを私は申し上げておるわけでございます。いまの家庭に教育勅語そのものが生きておるとか、そういう前提で話を申し上げておるわけでもなければ、御質問の方もそういう意味で御質問された雰囲気ではなかった、私はこういうふうに了解をしてお答えをしておるのです。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 わかりました。新聞社の方も、歴代の総理大臣とか歴代の文部大臣がこういうことでもっていっでもごちゃごちゃ新聞をにぎわしているからお聞きになったと思うのですよ。そういう感覚に立つならば、文部大臣として、「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ」というのは、それは行動基準でいいのだ、だけれども文教行政の中心じゃないのだということでなしに——いま大臣のおっしゃるように両院でも失効の決議をしておるが、これは「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ」が教育勅語じゃないのですよ。しかし、それだっていいのです。だから、あなたがいまおっしゃった新憲法のことは違うのだということをずばっと言って、しかし個々にはそのことだけで言えばと言うならば誤解を招かないのです。そうでしょう。「爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ」なんです。そして「斯ノ道ハ」「皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ」なんです。これは何か。臣民の道徳ですから基本的人権から来るものじゃないのです。  あなたのおっしゃったとおり、新しい憲法は三つの特徴を持っている。「一旦緩急アレハ」は平和主義に反する。そして、「以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」というのは主権在民を否定する。そして、「爾臣民」「皇祖皇宗」は臣民の道徳、「皇祖皇宗ノ遺訓」は人権上の道徳ではない。という意味では、これをまず否定をしておかなければならぬ。歴代の内閣の総理大臣や文部大臣がときどき新聞をにぎわすところの問題の、一番基本的な認識の違いがそこに出てきているものですから新聞をにぎわすことになったと思うのです。  あなたの御答弁は、私がいま言ったような立場で理解をしてよろしゅうございますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 先ほども木島さんにお答えをしたとおりでございまして、いま木島さんのおっしゃったことも、私がお答えしたのと同じ立場の議論だと私は了解しております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 先ほど大臣もおっしゃいましたように、戦前の教育というのはこの教育勅語が基礎になって教育行政が行われました。法定主義じゃなかったから、勅令主義だったからね。しかし、戦後は法定主義になりました。  そこで、先ほど申しましたように、大臣の教育行政をなさるところの基本をどこに依拠なさって政治をなさいますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 木島さんに大変基本的な問題をお聞き願いまして恐縮に存じておりますが、教育基本法あるいは学校教育法、その他憲法に基づいて制定されておる教育部門の法律があるわけでございます。もちろんそれでやっていくべきが当然のことだと思っております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 結構でございます。まさに憲法、基本法というものを基準にしていく。  そこで、教育基本法の十条は、「(教育行政)教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負う」「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」とありますが、この「教育は、不当な支配に服することなく」という「不当な支配」とはどうお考えになりますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 これはずいぶん議論のあったところだと思いますが、まさに「不当な支配」の、その表現で十分わかるのじゃないかと私は思いますが、政治的にももちろん不当な問題が起きてくるでしょうし、結論的に言うと、やはり政治的な不当な支配ということに尽きるかもしれません。ただ、その政治的な不当という、不当という言葉は、言ってみるとかなり常識的な判断の幅の広い問題だろうと思いますが、私はまさにこの言葉だと思います。  私は素人なものだから、先生のように玄人の議論がいままでわかりませんけれども、私はこれでよくわかるような気がいたしますがね。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 大臣、私もトウシロウなんですよ。だが、私は最初に申しましたように、素人は素人であるが、基礎だけはきちっとしてと言って、だから余り細かいことを聞いているつもりはないのです。  いまおっしゃるように、「不当な支配」という中には、確かに学者によっては説がいろいろあります。いろいろありますけれども、括弧にくるめれば公権力の支配ですよ。ですから、大臣が素人とおっしゃいましたけれども、まさにそれが当たっておるのです。そう思うのです。そのことをきちっと踏まえてこれからの大臣の任務を果たしていただきたいと思うのです。  そこで、ちょっと具体的なことを聞きます。これは後に湯山さんがこのことは触れるのでありますけれども、都道府県の教育長の承認に当たっての面接、あれは大臣も何か言っていらっしゃった。「面接するということは承認の前に候補者を呼びつけて人事に干渉するようにみえるが、私はそうは思わない。」と言っていらっしゃるわけでありますが、元来教育委員会というのは——これはお聞きしませんで、私の方でしゃべりますけれども、中央からの分権、県で言うならば知事からの独立、これが教育委員会の性格です。ですから、そういう意味では四権分立的な思想を持っております。これはこの基本法をつくったときの田中耕太郎先生なども著書にそういうことを書いております。  だからそういう意味では、上下で言うならば上下の関係ではない。文部省は監督、命令ではなくて指導、助言というものが原則であって、教育委員会が服従するところのものではない。だから、そういう意味では、先ほど申しましたところの、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負う」の「直接」というのは、本来これは公選制を意味したものであります。だから、いま任命制になっても、直接住民から選ばれた知事が住民から直接選ばれた県会なら県会の同意を得ておるんだからという理屈づけをせねばならないようなことなんだろうと思うのでありますけれども、そういうことが元来です。  しかし、現在承認事項というものがあることは確かです。それを内藤さんは、これを始めるときにこう言ったのです。文部省の意見をよく聞く人でないと困る、と。私はこの一項にこだわっているのです。現在の法律では大臣の承認事項です。だが、面接を再開するのに、教育長は文部省の意見をよく聞く人でないと困る、だから面接をする、まさにこれは不当な支配の思想から出ているんじゃないのか。大臣はそれを肯定していらっしゃる。いま大臣は、不当な支配というのは政治だとおっしゃった。ことに教育委員というのは上下の関係はない。中央からの分権、知事からの独立、四権分立的なところの教育委員会の教育長、実質的に中心になるところの教育長が文部省の意見をよく聞く人でなければならぬという発想に立ってこのことが始まった。  このことは後に湯山先生がゆっくり質問なさいますけれども、私はいま不当な支配とは一体何かということから具体的なことを言うならば、それを大臣は肯定していらっしゃる。私は、あなたのさっきの答弁と違うと思う。「不当な支配」に対する答弁とそういう具体的なことは違うと思うが、どうお考えですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 内藤さんという具体的な名前を挙げられての御質問でございますので、私も実はその話は存じていないものですから、そのことについてはちょっと避けさせていただきたいと思いますが、いまの教育委員会の制度が置かれておって、承認制度が行われておるということ自体、この立法のときに恐らくずいぶん御議論があったのではないかと私は想像しておりまして、この承認制度があることを前提にしながら記者会見のときそのお話をしておるわけでございます。  ですから、やはり、その面接をするしないというようなところがたしか問題の提案だったと思います。(木島委員「提案の動機です」と呼ぶ)動機だったと思います。記者会見のときの、いまの記事の出るもとだったと思います。私は、確かに、承認をする場合に面接をすることがいいか悪いかという問題は、その方法、手段よりも、それを実際行っていく諸君の心構えの問題だと思うのですよ。  承認の面接という手段、これも一つの方法としていま文部省がやっておるのではないかと思いますが、その方法、手段を運営する気持ち、そこに問題があるとすればある、私はこういうふうに思いますね。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 ですから、動機なんですよ。私は、いま、承認は現在法律があるのだから認めておるのですよ。その手段として面接が仮にあっても、文部省の意見をよく聞く人という動機、それが不当の支配じゃないのか。動機が悪い。一たんやめて、それから新しい立場でやるということなら、それはまたそれで相談に乗りましょう。そうじゃないかと思うのです。いかがですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 言うことを聞くというその話し方、それは少し不適切な発言だと思います。しかし、承認をするというこの制度の中において、どれだけの範囲で問題を判断していくかという、これはあると思うのですよ。その際に、右向けと言えば右を向くという形の、そういうことをずっと長い歴史を持ったこの文部行政の中でやっておるとは私は考えたくない。もっとそこに幅の広い解釈をしておるんだというふうに私は思います。  文部省の言うことを、それは仲よくやっていくようにならなければ困るのは当然でありましょう。承認ということの範囲の判断、そういうところに問題があるのじゃないか、こういうふうに私は思いますね。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 だから、私は、その承認やさっき言った面接を全面的に否定した議論をしているんじゃなくて、文部省の言うことをよく聞く人間でなければだめだということを、それをいまあなたは長い伝統の中でとおっしゃるけれども、今日までたとえば文教行政というのはイデオロギー論争だと盛んに言われました。だから、かつて三木さんは政争の場から静かな場へと言って永井さんを持ってきました。これは一体何か。この委員会もまさにそういう議論だけが中心であった時代が長く続きました。一言で言えば、私は、これが不当の支配である、不当の支配でないという議論に尽きると思うのです。だから、文部省と日教組、自民党と社会党なんというのは、その対立がそこにあった。私は一言で言えばそう思う。  昭和三十一年の公選制から任命制、その年の校長の管理職、教頭法制化、主任、すなわち政府、文部省の物の考え方が、県の教育委員、市町村の教育委員、そして校長、教頭、主任へと、不当の支配ではないのかというその危倶が——不当の支配とは戦前の教育の反省から生まれたところの言葉でありますから、そこが一番基本でありますから、それを静かな場にするときに、またあえて面接の中でもって文部省の意見をよく聞く人というその発想が一番問題ではないかということで、私は、面接だとか、それを否定しないとしても、そういう発想だけをいま取り上げて申し上げておるのであります。  そういう観点からすれば、大臣は、日教組については、「教員の団体として存在している当然の理由がある。今までいろいろな経緯はあったろうが、同じ教育に携わる者として共通の意見があるはずだ。そうした意見をよく検討する必要がある。」とおっしゃっていらっしゃいますが、気楽に会いませんか。現場の教員の集まっているあれなんですからね。いいはいい、悪いは悪い、いろいろ入れるのはだめ、素人の政党大臣であるならば、むしろそういうことを率直にいろいろな方から——それは日教組だけという意味じゃありませんよ。もっといろいろな方と気楽に会うという姿勢ですね。いまいつ会えとかなんとかというのじゃないですよ。そういう基本的な姿勢ですね。不当の支配という中で長いそういう抗争があったわけです。そんなものをぶち破るためにも気楽に会いませんか。方針として、そういう気持ちになりませんか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いろいろな経緯があってのことと思いますが、経緯があった末に一つの両方の了解がまたできてきておるのではないかというふうに私は思います。  承認をする場合等における判断、そこらのところは、何と申しますか、全然お互いの意思が合わぬようなぐあいに承認をするということ、これは承認の上から言っても無理があると思いますが、やはり、これは一つの大きな教育という問題、あるいは教育の基礎になります諸法律の精神の中からくみ取って判断をしていく、こういうことじゃないかと私は思うわけであります。  それから、日教組の問題その他お触れになって私の発言を言われておるわけでありますが、やはり、存在をしておりますそうした団体あるいは日教組とは考えを少し異にしておられる職場の団体もあると思いますけれども、それはそれぞれの存在理由があってのことである。また、そのほかにずいぶん考え方の違ったものもそれはあったと思いますが、大きく教育というものをよくしていこう、お互いに教育に携わっておる者だという広い意味の共通感というものはあってしかるべきものじゃないか、こういう感じを申し上げておるつもりでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 結構です。時間がありませんから急ぎます。  先ほど、憲法、基本法をもとにして教育行政をなさるとおっしゃいましたね。先ほど言いましたように、教育行政の教育基本法第十条によると、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負う」ということで、その自覚のもとに条件整備をせねばならぬ。そこにこれからも予算折衝が大変になってくると思いますけれども、条件整備は教育行政の中心であります。不当の支配の中心じゃございません。  ところが、今日まで、予算もいよいよ大詰めになりますけれども、財政困難だということを大臣も言っていらっしゃるが、これはどうなんでしょうか。たとえば、今回の選挙でも増税論が一つ中心になりましたね。この増税論というのは一体何か。いままでどおりやりたい、あるいはいままでどおり以上にやりたい、けれども税収がない、だからその帳じりが合わないから増税だということだと思うのです。帳じり合わせが増税論だと思うのです。しかし、これを国民は否定しました。だが、その物の考え方がそのままでいいのかどうかに一つ疑問があると思うのです。  高度成長の時代というのは自然増収がありましたから、いろいろ補助金なら補助金を出す、だが、その補助金はまた国民のたかり思想と相まって、政治家はその補助金をやることによって集票の手段に使ったりするということがありましょう。しかし、いずれにしても、そういう意味ではサマーレビューというのは全く洗い直して、高度成長から今日の低成長にいくときの、その仕組みの洗い直しでなければならないだろうと思うのです。ただ、いままでの高度成長のときの延長上の物の考え方というものではないのだろうというのが増税論だと私は思うのです。ところがそれが一律、たとえば行革なら行革は、各省法人一つ減らせみたいな一律でしょう。そういうことでいいのだろうか。私は、増税論というのはそう考えておるのです。いまのは御答弁要りませんが、そうでないと、教育と他の行政とが同じく一律だとか、混同されていいものだろうかどうか。そういう点を私は大変疑問に思うからです。  あなたは、一昨日のあいさつの中にも、「私は、いかなる社会、いかなる時代においても、すべての事柄の基礎となるのは人間であると考えております。経済や社会の発展も、科学や文化の進展も、その根本において人間という問題を抜きにすることはできません。」と言っていらっしゃいます。まさに人間はそうだと思うのであります。地球上に生命が起こってから三十二億年、サバンナから二つ足になって出てきたときから五、六百万年、産業革命から三百年、日本の近代は明治から百年、最近の石油技術革新から三十年、そう考えると近視眼的に物を見ることはできないだろうと思うのです。食糧は時の天候にも左右されましょう。資源はだんだんと枯渇するのかもしれません。しかし、そういう中で人間の英和こそ——そこまで大きく言わなくたって、高度成長のときには、ややもすると人間の価値観を金が最高の価値というものに仕向けてきたんじゃないだろうか。手段たるべき金が目的のような、そういう人間像をつくってきたけれども、これからの低成長時代はそうではなくなるだろう。それがまさに二十一世紀あるいは八〇年代の政治の中心たらざるを得ないだろう。  そういう人間そのものが政治の中心であるという理念に立つならば、今回の行管の行革であらわれる一律という物の考え方は、そういういままでの政治の仕組みというものにメスを入れることなくして、教育基本法をもとにして政治をなさるとおっしゃるあなたの最大の任務である条件整備はいまの財政事情の中でできないんじゃないか、そしてあなたがここであいさつでおっしゃっていることのそのことが実現しないんじゃないか、そのことを基本的に考えなければならないのじゃないかという感じがするのでございますが、簡単に御所見をいただければありがたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御指摘のように、非常に激しく経済なり社会の状況が動こうとしておりますし、現実には非常な財政的な再建をいま考えなければならぬ事態も生じておりますのもその一つのあらわれであろうと思います。もちろん、いろいろな政治、行政の対象になります場合に一律論が絶対にいいなんてことは考えられないことでありまして、一つ一つの案件にそれぞれの価値判断をしていかなければならないということはもう当然のことだと思います。その中で教育のように基本的な問題を担当しておる部門がもっと高く評価されてしかるべきだということは、私は木島先生と全く同感でございます。  ただ、現実に来年度の予算編成あるいは今日の財政の窮迫状況の中でどうやっていくかという具体的な問題がいま生じておるわけであります。少なくとも文部大臣、文部省といたしましては、教育の持っておるそういう重要性というものを閣内においても強く主張していかなければならない。そういう当然の立場があるわけでございます。財政当局は財政当局としての立場があることは、これはもう当然のことでございましょうけれども、しかし、私たちは、その中で、教育の重要性というものは、一つの大きな流れの中にあるものをそう簡単に目の先だけの考え方でいじることができるものではないということは主張していかなければならないと、そういうふうに考えて実は腐心をしておるわけでございます。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 たとえばあなたは米飯給食のことをよくおっしゃいますね。私は米飯を否定するのではないですよ。ただ、教育は他の財政あるいは経済の手段ではないのです。教育そのものが目的である。米が余るから米飯給食ではないのです。教育に必要であるから米飯なんです。米飯を否定するのではない。ミカンを否定するのではない。ミカンが余るから給食に、米が余るから給食にというのは、それは逆であります。手段じゃないのです。教育そのものが人間にとっての目的なんです。そのことを確立することが条件整備の基本だと私は思っておるのです。財政や経済のそれに左右されたくない。教育そのものが手段じゃないのですから、目的なんですから、そのことをぜひ踏まえていただきたい。これは要望だけしておきます。もう時間がありませんからこれだけにしておきます。  それから、先ほど一本化と言いましたけれども、どうなんですか。一つはオリンピックセンターの統合、あれは行革だと思いますか。それからまた一々言うと、そのほかにまた一つなんですか。新聞なんかで見ると、今度給食会と安全会か、これはいいんだが、そうすると、今度放送大学の法人をつくるということになるとまた一つ、こう出るのですか。それから一律案というなら、教育振興事業団みたいに、十の法人を全部一本にして、総合商社みたいに何々部、何々部と一本にしてしまったっていいですな。オリンピックセンターなら貸し出し事業部とか、育英会は学生に対する資金融資部だとか学資融資部だとか、それで天下りは部長さんで行かれたらいいですわ。取締役部長とか取締役工場長とかいうことでね。そうすると、今度あと法人をつくるときに、みんな事業部をふやせばいいんだから法律は要りませんな。そして行革なんか一本にしてしまって、このように協力するから予算よこせと、こういう手もありますな。  文部省の行革に対する基本的な物の考え方をお聞きしたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 行政改革、機構の簡素合理化ということをいま政府としては大きな柱にして進めようとしておるわけでございます。  行政改革とは何だ、その目的は何だということは、これはいろいろなことがあると思いますが、いまお願いをいたしておりますオリンピック記念青少年総合センターの問題、これは確かに一つには行政改革の要請にこたえるという面を持っておると私は思いますが、文部省自体の立場から考えてみましても、青少年の指導育成あるいは研修等の機能を強める方向に考えていく必要は当然あるだろう、機構の簡素化その他を整理するという要請ももちろん考えていかなければならぬと、こういう両方をにらんだと申しますと、両方をにらんでどうするんだということになるかもしれませんが、文部省といたしましてはまさにその両方をにらみながらこれをやっていく、こういうことであると私は考えております。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 きょうは最初の質問で総括的にやっているわけなんですが、ただ、いまおっしゃったオリセンならオリセンは行革かというとこれは行革じゃないですわな。それから、これは青少年のやつを文部省自身でやること、そこがまた問題なんです。これを法人にするときに、時の愛知文部大臣は、社会教育は自律的、自発的のものだから、文部省が直轄したらそれは不当支配になるんだ、だから法人がいいとおっしゃったんです。いまあなたのおっしゃったのは逆なんです。しかし、まあいいですよ。きょうは大ざっぱに言っているんだから。  その次に、条件整備の中での最大の問題、いわゆる四十名学級、これについては先般大臣にも直接お会いしましたし、大蔵省にも会いましたからきょうは私はあえて大蔵省を呼ばなかったのでありますが、大蔵省と白熱の状況が生まれるだろうという大臣の覚悟のほども新聞で了解をし評価をしておきます。問題は結果によって判断しますがね。  ただ、非常に困難な条件もまたあるだろうと想像もします。けれども、これはもう何回も言っていることでありますが、この委員会は一年間小委員会をつくって一つの結論を出しておる。その委員会の権威の問題にも絡んでまいります。大蔵省は財政審議会か何かでもってわんさか上げているけれども、こっちはそれが一つの盾ですわな。だから、ある段階では大臣は委員長に要請をして、閉会中であろうとあるいは臨時国会が始まるときでも委員会を開いてもらって中間の状況を報告し、ときに協力をいただくか——このプロセスでは内示があってから局長、次官、大臣となるんだけれども、だんだんあれは金が減っていくのね。残りが少なくなっていくのね。だから、最初に前文部大臣の現総理大臣に初めぽんとこれを枠を取ってしまってしまっておいたら得かもしれませんな。  ひとつこれに対するあなたの決意だけを聞いておきましょう。(「もう時間だ」と呼ぶ者あり)

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御指摘がありましたように、状況はなかなか楽観を許さないものがあることは篤と承知をいたしております。しかしまた同時に、当委員会を初めこの問題に対しての要望、しかも長い教育行政の立場から見ましての要望が強いことも十分に承知をいたしておりますので、皆さん方の御協力も仰ぎながら努力をしたいという決心を持っておるわけであります。

木島喜兵衞日本社会党

○木島委員 いま森さんから時間が来た、やめろという声がありましたからやめますが、教科書の問題もあります。憲法の「義務教育は、これを無償とする。」というのは基本的人権の中の生存権的基本権であります。その自覚のもとに大蔵省に屈しないでいただきたいと思います。  予算折衝で放送大学のことが問題になると思いますが、これは放送というものがなければ放送大学にならないのです。放送法あるいは電波法の規定と学校教育法の規定とは、原理は一つなんだけれども現象的に矛盾するものがあるわけです。不特定多数を対象とするところの放送は、国民の思想統制を避けるために、たとえば放送法では、対立する意見があるときにはその両者をやらなければいかぬ。それは憲法二十一条の言論、表現の自由を確保するためです。学校、大学は、教官が研究をして、その研究の成果を率直に学生に伝えるところの教育で、だからそれは対立するものの両方じゃないのです。自分の研究なんです。これは憲法二十三条の学問の自由に発します。ともにこれは一つの原理に貫かれておる。それが郵政の逓信委員会との間に意見の一致が得られておらないものでありますから、それが一番大きな問題になっておるのでありますから、予算査定でとって、提案をされたときには少なくともその辺のところをきちっとしていただかないと文教は大変困るのだと思うし、大学局長もお困りになるのだろうと思いますので、その点を要望いたしまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。  どうも失礼いたしました。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 高橋繁君。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 公明党を代表しまして質問をいたしますが、いずれ通常国会で所信表明があると思いますので、基本的なことにつきましては後に譲るとして、いま予算の編成段階にありますので、具体的な二、三の問題を挙げて質問をいたしたいと思います。  まず、最初に、去る五日に文部大臣が簡単にごあいさつをいたしましたが、あなたが文部大臣になりまして、マスコミやいろいろなものから拝見するところによると、私は素人であるからというようにやや控え目のような発言をしていらっしゃる。しかしながら、文部大臣になられて、こうしていこう、これだけは努力してまいりたいといまお考えになっていることがあればお聞きをいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 この前に、簡単に私の考えておりますことを抽象的でございましたけれども申し上げておいたわけでございます。  ただ当面すぐに五十五年度の予算編成という具体的な仕事が待っておるわけでございまして、これは長い経緯を踏まえて文部省としては要求をしており、文部行政を進める上の大きな手段でございますから、私としましては、いろいろ新しい考え方その他先ほどもお話がございましたが、問題を新しくつけ加えるという時間的余裕よりも、いま要求をしておる、すでに蓄積されたいままでの文部行政の具体的な要求そのものをどう実現していくかというところにまず当面は精力を注いでいくべきであろうと、こういうふうに考えております。  もちろん、さらにいろいろな新しいことその他をやらなければならぬということもあると思いますけれども、いま時間的にその余裕がありませんので、当面の問題に精力を使いたいと考えております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 予算獲得に最大の努力を払うということであれば、その面に最大の努力を払っていただきたい。  あなたがおっしゃったかどうかよくわかりませんが、従来文部省の予算のとり方はきわめて下手だ。あなたは前に農林省におられましたが、農林省関係が予算獲得が大変上手だというのはちまたで言われていることでありますけれども、そういう認識の上に立っておられますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私は、文部省も予算獲得は相当に上手だと思っております。非常に広範な方々の御協力も得ながら、また長い文部行政の経過の中で一つ一つ重要な案件をこなしてやってきたと思っております。  ですから、各省の行政はそれぞれ違いますから、私は文部省の予算獲得が拙劣であるという感じは持っていない、それぞれの省の性格によっての問題がある、こういうことを申し上げておるわけであります。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 最大の努力を払ってほしいのです。  今度の総選挙で、増税の問題、それに加えて教科書の無償制の有償化の問題、それから児童手当とか老人医療の有料化、また年金の支給開始年齢の引き上げ等、そうしたことに国民が大きく反応を示したという認識の上に立っておりますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 高橋先生、ちょっと私いま先生の御趣旨を聞き違えるというか、うっかりしておりましてあれですが、一般消費税の問題はずいぶん論議されました。これに対しての国民の反応ははっきり出てきておると私は感じております。  そのほか、いま具体的な福祉行政あるいは教育行政の問題も中にお含みになったかと思いますが、福祉行政の問題についての国民の反応がはっきりしたというふうに御質問があったのかどうか、そこがちょっとはっきりしませんので、もう  一回済みませんが……。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 増税はもちろんのこと、そのほかに、大変問題になりました教科書の無償を有償にするとか、あるいは福祉の問題にしても、児童手当を廃止するとか、老人の医療を有料にするとか、年金の支給年齢の引き上げをするとか、いろいろなことを含めて、国民は今度の総選挙で大変厳しい反応を示したと私は理解するのですが、大臣はいかがですかと聞いたのです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 財政が非常に苦しい中で、いまいろいろ言われましたような要望を実現するためには財政が不足である、そこで一般消費税というような具体的な問題を訴えて、それが否定された、こういうことだと私は思うのです。  それならば、一般消費税によらないほかの財源の拠出法はどうするのか、あるいは既存の経費をどういうふうに切り込んでいって、その中に新しい財源と申しますか、節約による財源を見つけるかという問題が財政再建としていま苦労しておられるところだと思います。  したがいまして、先ほど仰せになりました社会福祉の関係とか教科書の無償の問題を存続するかどうかというような問題も、言ってみますと、要望のたくさんある中で財政が苦しくなっておる。そういうところからいろいろな問題が生じてくると思います。これはこれからの問題になるわけですけれども、こういうものは全部やりたいということと、片一方の財政収入の枠に対する否定的な結論というものとの間で財政当局が非常に苦しんでいることは私もよく想像できるわけであります。  それならば、文部行政がどうだということを議論になれば、これまた立場を違えてこの議論をせざるを得ぬと私は思っておるわけです。こちらは文部省でございますから。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 福祉の問題とか、そういうことを問う考えはないのです。中でも、いま無償になっている教科書を有償にするというのは逆戻りすることになるのですよ。  この一点に限って質問しますが、無償を有償にすることについて国民の反対がかなりあったことを認識していますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 よくわかっておるつもりです。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 義務教育の教科書の無償制度というものは、これは憲法二十六条の義務教育無償の理想に向かって昭和三十八年に発足をいたしました。それが現在に至って国民の間に定着をしてきました。  その中で、大蔵省が財政再建といいますか、財政逼迫というか、そういう理由でこれを有償にしようとか貸与制にしようということを考えているようでありますが、大蔵省、実際のところそうなのですか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 御承知のように、いまの財政事情は大変厳しい状況でございまして、私どもといたしましては、財政再建というのは大変喫緊の課題であるというふうに考えておるわけでございます。  五十五年度予算につきましても、教育予算とか福祉予算に限らず、すべての財政支出につきまして厳しい見直しをしていかなければいけないのじゃないかという観点から、現在五十五年度予算の編成作業をしておるわけでございますけれども、このような観点から義務教育の教科書の無償につきましても見直しをする必要があるのではないかということで、現在政府部内で検討を行っておるところでございます。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 見直しをしたいということで文部省にも要求しておるということですが、では、教科書がもし有償になった場合に、単価でも結構ですが、父兄負担に及ぼす影響は一体どれくらいのものが上乗せされるのか、大蔵省としてそういう試算はしたことがありますか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 ただいまのところですと、教科書の価格と申しますのは、平均で小学校で千八百七十一円、中学校で三千九十七円ということでございます。  これを有償化いたしました場合にどの程度父兄負担の増加が生ずるかということでございますけれども、少なくともこの価格は父兄負担の増加につながってくると考えるわけですけれども、若干の流通経費等の手数料等もかかるかと思いますので、これに若干の上乗せのある価格が父兄の負担になってくると考えております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 流通の問題や何かが考えられるけれども、それがどれくらい上乗せされるかということは計算したことはありませんか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 内部的に若干の試算をしてございますけれども、いろいろと想定がございますから一概にどの程度の父兄負担の増加になるということは申し上げにくいわけですけれども、単純な試算によりますと数%程度の増加で済むのではないかというふうな考え方を持っております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 数%というと、五、六%という意味ですか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 何%ということははっきり申し上げるわけにはまいりませんけれども、大体その程度のものじゃないかと思っております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 では、その数%上がる条件は、何が上がる条件になるとお思いですか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 たとえば流通、これはどういうふうに教科書を父兄の手元にまで供給するかという想定の置き方によって違ってくるわけでございますけれども、現在国の一括払いになっております金利の影響あるいは供給代理店の流通の経費等の影響を試算してみたということでございます。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 金利は何%ぐらいだと思いますか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 いまのところそこまで手元に持っておりませんけれども、通常の金利だと考えております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 数%ということはあり得ないことだと思うのですよ。  いままで文部省が十月ごろから印刷工場等に概算払いをやっているわけですが、それが全然なくなるわけですから、もし有償にした場合は、五十五年度の教科書は来年の四月以降にならなければ現金が入ってこないのです。それと流通の問題、本屋さんが一々行って売らなければならない代金回収の問題、また、概算払いをすれば、最初に紙を買っていくとかいろいろな材料を買っていくことができるけれども、それが全部——もちろん銀行に借金して買うでしょうし、また、小さな工場は銀行にも借金できないという状況にもあろうかと思うのです。そういう計算はきわめて甘いと思うのです。物価の高騰もあるでしょう。  大体、今年度改定の要求をした価格は、すでに先年度より四%増ですよ。物価の高騰が多大な影響を及ぼしていると思うのです。それだけでも四%です。それに金利、流通あるいは代金回収の手数料を含めれば一割以下なんということは絶対にあり得ない。その計算をしたものははっきり出ませんか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 もちろん、教科書の価格につきましては、物価水準等も織り込みまして毎年毎年改定をしているわけですけれども、それ以外に考えられます有償化した場合の流通経費につきましては、いま先生がおっしゃいましたようないろいろな要素を加味して試算した結果が先ほど申しましたようなことでございます。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 有償制になった場合はそれでいいが、貸与制になった場合はどうなのですか。教科書代というものはさらにアップすると思うのですが、その辺の試算をしたことはございますか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 貸与制にいたしました場合の教科書の単価はどれくらいになるかということにつきましては、私どもとしては試算はいたしておりません。  ただ、先般教科用図書検定調査審議会で御検討いただいた結果が文部大臣に提出されておりますけれども、その中では、約三年使用するという前提で製造価格を試算いたしましたところが、現在の教科書の価格の三倍以上になるのじゃないかという試算があるわけでございます。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 三倍以上になる。これは大蔵省もそのように御認識でしょうか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 その製造原価の試算につきまして、私どもつまびらかにしたわけではございませんけれども、そういう試算があるということは承知してはございます。  ただ、必ずそうなるかどうか、あるいはもっと製造原価を下げられる余地があるのではないかということについての問題意識は持っております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 私は、大蔵省が教科書を有償あるいは貸与制にしようとする場合に、もっと科学的なしかもそうした確実な資料をつかんで私たちの前に提示しない限り、これは全く無責任な発言であると思うのです。父兄に対する教科書代の負担というものはもちろんもっと高くなるであろうし、仮に貸与制にして三倍になったとすれば、何も貸与制にする必要はない。三カ年で一巡していくというならば同じ額を出すことになる。そういうことも考えてもらいたい。しかも、そうした次代を担う子供たちにそういう財政難のしわ寄せをさせる。  大蔵省の皆さんはこの教科書無償制度の趣旨というものを本当に理解しているのかどうか。これは御理解をしていますか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 教科書の無償制度が発足いたしました経緯等につきましては十分承知しております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 よく理解しているならばこんなことを言うはずがないと思うのですよ。  ここに、「教科書無償制度は、義務教育諸学校の児童生徒が使用する教科書を無償で給与する恒久的な制度である。」と書いてあるのですよ。「恒久的な制度である。従来、我が国における義務教育無償の具体的内容としては、国立及び公立の学校における義務教育について、授業料は徴収しないということが定められていたが(教育基本法第四条第二項、学校教育法第六条ただし書)、義務教育について、父母が負担している費用をできるだけ軽減することは望ましいところであり、教科書が学校教育における主たる教材として、その使用が義務付けられていることにかんがみ、この義務教育諸学校の教科書を無償とすることにより、国が自ら積極的に憲法に掲げる義務教育無償の精神を、より広く実現しようとしたものである。」と、こういう趣旨で、しかも恒久的な制度としてこの無償制度ということが昭和三十八年に実現されて今日に至って、国民の間に定着をしておる。  そういう趣旨をあなたも国民の一人ですから本当に理解すれば、これはわずか文部省予算の一%に満たないのですよ。〇・九%です。国全体からいけば〇・一%です。こういうものを財政難を理由に子供たちにそういうしわ寄せをする。また、この教科書無償制度ができた趣旨を理解しないでこれをやろうとすることに私は大変な疑義を生ずるわけであります。  これを大蔵省として撤回をする御意思はありませんか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 最初に申しましたように、いまの財政は大変厳しいものですから、この問題に限らずすべての経費につきまして見直しを行っておるというところでございます。  今後各界の皆様の御意見を十分聞きながら検討してまいりたいというように考えております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 きょうは余り時間もありませんので申し上げられませんが、有償にした場合の父兄にかかる負担増はどれくらいになるのか、貸与制にした場合にどれくらいの教科書代になるのかという試算をできれば提出をお願いいたしたい。これはできますか。

新藤恒男大蔵省主計局主計官

○新藤説明員 いまのところ、貸与制にした場合の試算が大蔵省でできるかどうかということになりますと、私どものところだけでその試算はできないだろうと思います。  有償制にした場合にはこうなるであろうという、ある程度の試算はできるかもしれません。検討させていただきたいと思います。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 できれば提出をいただきたい。  そこで、初中局長にお願いをいたしますが、ある雑誌でしたか、パンフレットでしたか、インタビューの中で、この制度あるいは趣旨については大蔵省にできる限りの誠意をもって理解させるとおっしゃっておりますね。それができない場合には全面的に戦争になる——戦争という言葉かどうかわかりませんが、どこまでもやるという決意を述べられておるようでありますが、その初中局長の決意をひとつ……。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ただいま大変御理解あるお話がありましたとおりでありまして、個人的なことを申し上げますけれども、この無償制度は三十六年から八年にかけて義務教育教科書の無償措置に関する法律を担当課長として私はやってまいりましたから、おっしゃるようにいまでもこの措置、制度をぜひ恒久的なものとして残したいという強い希望を持っておりますので、その趣旨に沿って努力をしてまいりたいと思います。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 努力するというより、断じてこれは有償制にしない、貸与制にしないという方針でがんばりますね。  では、大臣に聞きますが、あなたも新任の文部大臣として先ほど発言しておられましたが、とりあえず予算の獲得に専念すると、このように申しておりました。確かにこの教科書の無償の問題は、そういう経緯、趣旨があって実現したことはもう御理解をしていると思います。したがって、この教科書が有償になるということは、ある一面からいけば教育が約十数年逆戻りするのだと言っても過言ではないと私は思います。  したがって、あなたの最大の問題として、この有償、貸与制になるということについて、無償制度を持続する、恒久的な制度として継続するという立場に立ってどれだけの努力をする決意があるか、これもお伺いをしておきます。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 高橋先生の御指摘のように、これはもうすでに憲法等で言っております義務教育無償の原則、その精神を広げていこうという中に出てきておるわけでありますし、すでに定着をしております。これは非常な重みのあることだと私は思うのです。  ことに教育関係において定着をしておるという事実は、これは財政当局も、単に財政支出の削減とか、そういうこと以外に十分考えていってもらいたいことだというふうに私は思っておりますので、ひとつ十分なる努力をしていこうと考えております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 もう一度。十分な何ですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 努力をいたします。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 努力をするとともに、断じてこれを逆戻りさせないという御決意ですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 そのとおりであります。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 大蔵省、結構です。  次は、これも来年度の予算編成に絡みまして質問をいたしたいと思いますが、幼稚園の問題で、これは地方自治体が大変困っている問題が一つある。その前に、四十七年から幼稚園振興十カ年計画というものを出しました。しかしながら、これが余り計画どおり順調に進行していないですね。その理由というものは一体どこにあったのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 先生も御承知のように、四十七年から五十六年までの十カ年計画で、五十七年度の当初までには四、五歳児の希望する幼児全員が幼稚園に入れるように施設の拡充整備を図るというのが十カ年計画の内容でございます。  そこで、その前提としてもう一つ、それでは四、五歳幼児の何%ぐらいが志望する全員であるかという、その推定でございますが、これは計画推定時も現在もほぼ同じ考えを持っているわけでありますが、四歳児にしても、五歳児にしても、大ざっぱに申しますれば約七〇%、あとの残りの二十数%は保育所、それから非常に障害の重いお子さん、こういうふうな数字でございますから、つまり四、五歳児の七〇%が就園できるような施設ができれば、一応希望する者が全員入園というようなことになろうかと思うのです。  そこで、毎年施設の助成等を通じまして整備の促進を図ったわけですが、五十三年までの実績、つまり五十四年の五月一日現在では、五歳児については計画では六六・五%ということをねらったわけですが、実績は六五・四%と、一%の差でありますが、残念ながら四歳児については五七・七%の目標に対して五〇・三%、つまり四歳児の方が計画より大分おくれておるということでございます。  この原因はどこにあるかということでございますが、各年度の実績と計画の違いを見ますと、一つは、五十、五十一年度あたりにおきましては、特に地方財政との関連があると思うのですけれども、公立幼稚園の設置が計画どおり進んでいないという点がございます。  それから、もう一つは、やはり幼稚園の教育というのは私立がかなり大きなウエートを占めておるということがあって、まず人口棚密の地域から整備が始まってきておる、そして人口過疎地帯になりますと、私立幼稚園等は経営上の問題もあってどうしても計画どおりには設置していただけない、こういうこともあろうかと思うのでありますが、その結果として、まず五歳児というようなことになって、四歳児の方が立ちおくれておるというのが現況かと思います。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 いま申された中で、地方財政の逼迫から来ている原因が多いということは、まさしくそうだろうと思うのです。たとえば私立の幼稚園の場合は建設費三分の一ですね。文部省の場合は急増地については二分の一ですか。ところが、運営経常費については、私立の方はやはり約三〇%補助がございます。ところが、公立の市立の場合はこれは全然ないわけです。人口に応じて交付税の中に多少積算基礎があるようでありますが、それは知れたもので、市町村が一生懸命やってつくった市立の幼稚園、こういう市町村については、人件費から運営費から莫大なものになるわけですね。これは非常に不公平な問題になっていると思うのです。たとえば、私たちの近いところで伊東市は、約三億近い人件費を幼稚園の先生に払わなければならない。ところが、人口四十万以上を擁する静岡市なんかは市立はたった二校しかないのです。あとは全部私立と保育園です。  そういうこともあって、市立でつくるならば幼稚園より保育園の方が財政的に楽だ、幼児の教育とかそういうものを度外視して、ということから保育園の方に走ってしまう場合があると思うし、市町村長が抱えている行政の立場から言うと、市立の幼稚園を抱えていることは大変な財政面の重荷になっているということがあるわけです。一生懸命やった市町村長はそういう保育園を抱えて大変苦労しておる。幼児の教育に熱心でないと言えば語弊があるかもしれませんが、そういうことを余りやらなかった市町村は案外私立に頼って、平たい言葉で言えば楽だということが言えるので、そういうことを考えて、公立の幼稚園について文部省はもう少し考えなければならないと思うのですが、いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは非常にむずかしい課題でございまして、高等学校、幼稚園につきましては、これは義務制でないということがありまして、施設、設備の面での国の助成が三分の一ということでやっておりますし、一方保育所の方は措置費等も国が八割程度まで見るというような現状からして、施設としての保育所と幼稚園の設置について市町村の負担という点から見ますと、確かにそこに差があるというようなことで、これらも含めて、いま幼保懇談会というようなところで検討いただいているわけでございます。  一方、私立幼稚園と公立幼稚園のあり方につきましても、それでも私立幼稚園と公立幼稚園の幼児一人当たりの父兄の負担の割合を見ますと、公立がたしか三万円ぐらいの年額であるのに対して私立は十四、五万になりますから、その負担の均等化を図るということが非常に大事な仕事ではないかというような意味で、私立幼稚園に対する運営費の助成と同時に例の就園奨励費の拡充を図って、少しずつ公私の父兄負担の軽減を図っておるというような現状でございますので、率直に申しまして、公立幼稚園の施設費の助成等についてさらに助成率を高めるとか、そういったようなことは非常に困難でございますが、先ほど申しましたように、五十一、二に比べますと五十三、四あたりは公立幼稚園の設置の数等も少しふえておりますので、こういう機会をつかまえまして、苦しい財政の中でありますけれども、できるだけ助成金の増額を図って公立幼稚園の整備を図ってまいりたいというのがいまの率直な考えでございます。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 地方財政も逼迫しておりますので、お考えになっていただきたいと思うのです。  それから、私学振興助成法の附則二条の五項、これはたしか五十一年のときにあっという間に成立をした法律でありまして、それに基づいての私立の幼稚園の補助の問題ですが、これによりますとこの五年間で法人化を進めなければならない、来年で個人立の幼稚園に対する補助は打ち切られるということに一応なるわけで、その間に法人化を進めなくてはならなかったわけでありますけれども、現在五十三年度までには三百九十五しか進んでいない。まだ四千三百七の学法以外の私立の幼稚園があるわけです。  来年一年でこれらの幼稚園に対する補助も打ち切られるということも考えられるし、あるいはその後の措置についてもいろいろ取りざたされているようでありまして、法人化についてはなかなかむずかしい問題もあることは私も承知をいたしておりますが、その法人化が進まなかった理由というものは一体何でありましたか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 私学振興助成法が五十一年から施行されまして、五十一年のときに補助を受けた個人立幼稚園が千ちょっとございますが、こういった幼稚園にとりましては、その翌年度の四月一日から五年以内に法人化の措置をとるということになっておりますので、五十六年までがその法人化の努力の期限、最初の年に補助を受けた園にとってはそういうタイミングになるわけでございます。  ただいま御質問の学校法人化の進捗のぐあいでございますが、徐々にではありますけれども法人化する園がふえてきてはおりますが、御指摘のようにその進み方が徐々であるということでございます。  理由としてはいろいろ考えられると存じますが、やはり、一番主な理由の一つとしては、いわゆる幼稚園の財産、これを幼稚園をやめましたときにその残余財産の帰属者が学校法人になりますと、学校法人その他教育の事業を行う者に限定されまして、個人立幼稚園の設置者が御自分の財産の保全という観点から踏み切るのにかなりの決意ないしは決断を要するといったことがあるかと存じます。  そのほか、現在あります幼稚園が当該の所轄庁である都道府県で決めております法人化の場合の基準まで至っていない場合になお時間をかけて充実をしていく必要があるとか、あるいは財産に抵当権その他の負担がついておったりというような理由もありましょうし、それから全体の児童数の推移、幼児数の推移等も考えまして、先行きの幼稚園の経営の将来性について十分な自信が持てないといったようなこともあろうかというふうに考えております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 余り論議をする時間がありませんが、要するに来年度でもうそういう時期に来ますから、これも大変重要な問題になってくると思うし、幼稚園の振興計画の見直しもしなくてはならない時期に来ていると思うのです。  いわゆるあの振興計画、どっちかというとこれは量的なものに重点があったように私は思うのですが、だんだんと子供の数が減っていく、したがって幼稚園と保育園が園児の争奪合戦になる、こうなってくると三歳から始めようとする幼稚園もなきにしもあらず、ということになってくると、やはりここで考えなければならないのは質的な問題なんですね。  こうしていかないと幼児教育というものは個人立、学校法人、市立というふうにきわめて大変な問題にぶつかってくると思いますので、そういう意味を含めての見直しと、そういう幼児教育に対する考え方をこの辺で改めていく意思はないか。初中局長。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 量的拡充とともに質的な見直しとおっしゃいます先生の御趣旨、あるいは私が多少取り違えているかと思いますけれども、たとえば高等学校も、その進学率が九五にもなりますと子供の能力や適性が非常に多様化する。同じような意味で、幼稚園も量的に拡充するようになってきますといろいろなお子さんが来る。しかも三歳まで下げるということになりますと、それがまたいろいろだ。それで、特に最近は障害を持った軽度の障害児も幼稚園に来るというようなことがありますと、ただ数をふやせばいいというのではなくて、幼稚園の先生の資質といいますか、やはり、これをよほど考えていかなくてはいかぬ。  そういう意味では、現在のわが国の幼稚園の教員の平均的学歴を見ますと、小学校は九〇%以上大学卒ですけれども、幼稚園の場合はかなり短大卒の方がおられるというようなこともありまして、そういう意味での教師の質の向上のための研修会とか、それから子供を扱う上での参考資料の作成とか、私はいま検討して進めるようにいたしておるわけでございますが、そういう意味での幼稚園における教育内容の充実ということは一層考えていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 厚生省と文部省に所属するものでありますからいろいろな面があると思います。幼稚園は学校教育にウエートを置いたものでありますから、ひとつ十分お考えをいただきたい。  それからあと、養護学校に伴う特殊学級の問題について一点だけお聞きいたしますが、養護学校が義務化になりましていろいろな問題があることは文部省も承知をいたしておると思いますが、遠隔地の場合に特殊学級は教育的な措置として認められておる。そうした場合に、養護学校に行くべきか特殊学級に残るべきかという、いわゆるボーダーライン層の子供たちはそのまま特殊学級に残っている場合が多いが、校長さんの考え方で、特殊学級の十二名一学級では教育ができない、そこで養護学校並みの八名にして教育している、そういう特殊学級が実際にあるわけです。これは市の教育委員会の努力もあってですが、そういうところについては教員の配当はないわけですね。市が独自で採用して特殊学級を運営しているという場合が間々あるわけです。  こういう遠隔地の場合、もちろん養護学校のバスが行きますけれども、それは駅までしか行かない。そういういろいろな理由がありまして、養護学校の分校を、私は校舎をつくる必要はないと思うのですが、そうしたことにして教員を獲得していくような措置というものは考えていないのかどうかということです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるように、障害が本来なら養護学校に行くような程度のお子さんが通学の関係で余り遠くへは行けない、それをどうするかということはこの春の義務制実施のときにずいぶん具体的な問題を提示されまして、私も率直に言ってどういうふうにしたらいいのかということでずいぶん相談したり意見を聞いたりしたわけです。  正確ではありませんけれども、記憶としては、いま先生がおっしゃるように、近くの小中学校の特殊学級に通っている子供さんはそのままにしておいて、それを養護学校の分教室にするというようなことをやったこともあるはずでございます。ただ、その場合に、養護学校の方は県立ですし、中小学校の方は市町村立ですから、その辺の合意を取りつけてきちんとやるというような問題はございますけれども、おっしゃるようにそれも一つの方法だと思います。  それから、一学級の最高を養護学校の八人並みに、養護学級も八人にという御指摘でございますが、これは制度としてはやはり障害の違いを前提にしておりますから八人、十人ということになっておるわけであり、今後もそういう考え方は一方できちんとしませんといけないかと思いますけれども、ただ、全般的に見まして養護学級の十二人はちょっと多過ぎるからもう少し下げたらどうかという御意見もいただいておりますので、今回の改善案ではそれをもう少し下げたいということで考えておりますので、そういう方面での工夫もあわせて考えていって、障害者の教育について現実に支障がなるべくないようにしたいというふうに考えておるわけでございます。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 あと、大学局長並びに文部大臣に質問して終わりたいと思いますが、大学における単位の互換制、これはもちろん文部省でも推進をしておるようでありますが、その趣旨はよくおわかりになっていると思いますので御意見を申し上げることは別にして、大学間の単位の互換制について、来年度、さらに今後の取り組み方について大学局長にまずお答えをしていただきたい。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 四十七年に学部あるいは大学院間の単位の互換の道を開きまして、以来逐次この制度は実施に移されつつございます。現在、国公私立を通じまして、大学間あるいは大学院間の単位互換を実施できるような学内諸規程の整備をしている大学、つまり大学でやろうと思えばできるようにしている大学はいずれも百を超える状況になっております。  しかし、実際にこの制度によって他の大学院あるいは学部で単位を取得した学生の実態を見ますと、国内の大学院の間あるいは海外の学部、大学院で単位を取得した者、これはかなり活発になってきています。しかし、国内の学部間の交流、学部の間の単位の互換というものはまだ十分に行われていないうらみがございます。  学部、大学院あるいは海外の大学との交流を含めて、やはりそれぞれの大学がより積極的に対応していただくように、私どももできるだけ大学側にお願いをしていくということで対応してまいりたいと思っております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 さらに一歩進めまして、将来、専修学校と大学間の互換ということについては考えを持っておりませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御案内のように、大学、短期大学あるいは専修学校とはいわば制度を異にしているわけでございます。単位を互換するという場合の基盤になる単位制度をお互いにとっているものではないということももちろんございます。したがって、専修学校との間で単位を互換するということは当面なかなかむずかしいわけでございます。  しかし、大学に学生が入ってきた場合に、他の教育機関で履修をした事柄をどのようにそれぞれの大学が評価をするかということは専修学校についても考えていい事柄でございます。もちろんそれが現在すぐに制度的にできるというわけではございませんけれども、方向としては、ほかの高等教育機関で勉強した事柄をその大学がどのように評価をするかということで、検討できる余地がございます。  大学がすでにほかの大学で勉強したものをどのように評価をするかというような点であるとか、あるいは編入学の場合の既修の学習の内容をどのように評価をするかというようなことについては道が開かれておりますし、各大学が対応しようとしておるわけでありますが、専修学校の場合には制度が異なるという点でもう一つむずかしさがございますけれども、しかし、方向としては、高等教育の制度のあり方をできるだけ弾力化するという方向で考えていくべきメリットを持った方向でございますから、私どももさらに大学関係者に対して問題提起をし、検討していきたいと考えております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 最後に文部大臣にお伺いしますけれども、教員養成をしておる大学あるいは教育学部、短大を含めまして私立の大学等があるわけですね。それらの学長あるいは教育学部長が懇談をぜひ持ちたいという希望もあるわけですが、大臣はそれらの方々と直接お会いして懇談することを拒みませんか。できたらそういうふうにやりますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 できるだけいろいろな御意見を伺わせていただかなければならぬと思っております。  ただ、いまは全く試験勉強をして、一生懸命予算の対応その他をやっておる最中でございますので、篤と日程その他も考え合わせて、させていただきたい、このように思っております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 現在は予算獲得で大いにがんばっていただきたいのですが、将来そういう機会があれば、いまも考えてみると言われたのですから、お会いする意思はおありですね。その点だけ聞いておきたい。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 できるだけ早くそういう時間を生み出したいと考えております。

高橋繁公明党・国民会議

○高橋(繁)委員 以上で終わります。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ————◇—————     午後一時二十七分開議

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 大臣に最初に伺いますが、きょうの朝日新聞の「声」の欄ですが、「教育軽視の政治に不安」ということで、この十数日間にわたる文部大臣の空席といいますか、総理大臣兼務でございますから空席とは言えないと思いますが、この事態に対してこういうふうに書いております。「教育は、」「人間形成の大本をなす重要な事柄で、」「これを統轄する閣僚のいすが政争の具に供せられるということは、いくら金権政治のイメージが浮かぶ大平政権の下とはいえ、許されるべきことではない。」「教育の重要性を認識しない金権政治が諸悪の根源をなすとは言い過ぎだろうか。」というふうに出ております。  これは一つの投書だと思いますけれども、そうではなくて、今度の文部大臣のいすをめぐりましての空白の問題は国民に相当大きな影響を与えております。また、文部省におきましても大きな焦燥感を持ったと思いますし、また、教育の威信の問題からいいましても、何で文部大臣のいすがこういうふうな形で選ばれたかという点におきましてもきわめて重大な問題でございまして、これに対してこの教育の威信をどう回復するかということが新しい文部大臣に課せられた任務ではないかと私は思うのでございますが、この点について谷垣文相がどういうふうにお考えになっておるか、最初に伺いたいのです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 第二次大平内閣の発足に当たりまして、文部大臣の地位が専任の大臣を置くのがおくれましたことは、文教行政また教育関係の方々は非常に焦燥感を持ち、また残念に思っておられたことと私も推察をいたしておるわけでございます。また、ことに時期的にいろいろな問題の処理を非常に急いでいく必要がある時期でございましたから、文部当局自体もずいぶんと早い時期の専任の文部大臣の就任を願っておったことと私は考えておるわけであります。  いま委員から御指摘のありましたようないわば一種のハンディキャップがあるわけでございますので、新しく任命をされました私といたしましては、そのおくれを取り返していくこと、また将来に対しましての教育行政をより強く推し進めていきますことが私の心がけなければならないことだというふうに考えておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 歴代の総理も、また歴代の文部大臣も教育の重要性ということについてはどなたも触れられるわけです。しかし、何となく教育という仕事が一般の行政分野に比べてやはり軽く見られておるのではないかということがいままでもあるわけですが、それが今度の場合に、他の大臣のいすではなくて文部大臣のいすが、言うならば新自由クラブとの連合の道具として与えられた。これはぬぐいがたいものがあるのです。そういう意味で、私どもとしても文教委員会に所属をして今日まで来まして、今度の大平政権のとった大臣、閣僚の指名に当たりましてのこの事態というものには非常な憤りを感じております。重大だと言うならば、他の幾つかの閣僚のいすのどれかを選ぶことだってあるでしょうし、そういう点でこれは全くぬぐいがたい汚点を残したと思うのです。  私も調べてみましたが、いままで総理大臣が文部大臣を兼務した事態というものがないわけではありません。戦前においては東条英機がやっておるとか、戦後におきましても吉田茂が短期間やっておるような事態もあるわけですけれども、その後こういうことは全くないわけです。それがこういうことになったということにつきまして、しかもその十一日目に文部大臣になりました谷垣文相としては、これに対しての相当の決意といいますか、これは単に時間的な問題を取り返すなどという問題ではなくて、私がいま言いましたように教育行政あるいは教育の威信といいますか、それを取り戻すための大臣としての決意は特別なものがなければならぬと私は思うのです。だから、いままで大臣が任命されてきまして、いろいろ所信表明に対する質問を行ってきましたけれども、今度の谷垣さんが文部大臣になったということにつきましては、異例の事態の中での文部大臣就任でありますから、それなりの決意が聞かれるべきであるというふうに私は考えておりますので、もう一度あえて問います。  これは毎日新聞でございますが、これに「記者の目」、「文相のポスト」という記事がございまして、この中に港区高輪の芝長沢学習塾の小中学校生徒四十八名の作文が紹介されております。その中に、子供なりに非常に敏感にこの事態をとらえておるということは非常に大事だと私は思っておるのです。たとえばこの見出しだけを見ましても、「首相は、この子らの声を聞け」という見出しがありまして、その作文の中には、一人二役では不安だ、その影響はいつか裏目に出るだろうというふうに書いてあって、こういう目で子供たちが見ておるということを考えますと、まさに教育行政の立場からこの子供たちに対して、文部大臣のいすがこういう取り扱いを受けたことに対してしかるべき見解が表明されていいと私は思いますが、この点について改めて伺いたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 このたびの文部大臣の問題につきまして、国民各層から非常に残念であるという趣旨の表明がありましたことは、新聞記事その他を通じましてもよく存じておるところでございます。  言うまでもございませんけれども、教育は人を対象としておる問題であり、また、長い将来に目を通してやっていかなければならない問題でございますので、ことにその責任は大きいことを痛感いたしております。  また、そういう経緯の上に任命をされました私といたしましては、極力全力を尽くして威信の回復とまた将来への文部行政の発展のための組織を築いていかなければいかぬ、こういうふうに考えておるところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 大臣のそういう御答弁でございますからこれ以上お聞きしませんけれども、異常な事態の中で出てきた大臣として、いまおっしゃったように威信の回復に努めるということと同時に、大変失礼ではありますけれども、それだけにむしろ他の大臣よりも勉強も必要だと思いますし、また、日本の教育を今日のような荒廃から救うという面でも、それだけに相当の決意と同時に具体的な政策が出てくるべきだというふうに私は思いますので、この点よろしくお願いします。  次に、就任されたあいさつの中で教育勅語の問題に触れられております。これは木島議員の方から質問がございましたのでこれにこだわっては聞きませんけれども、この教育勅語問題というのは、文相が就任されるたびにもちろん新聞記者からも聞かれますし、また、教育関係者の一つの関心の多いことなのでございます。私は、先ほどの質疑応答の中で文部大臣のお話しになった趣旨はそういうことかということを了解しましたが、これはあいまいな態度をとってはならぬということです。  御承知のように、教育勅語は衆参両院におきまして、指導原理としてこれを排除し廃棄されたものでありますから、その点ははっきりと認識していただいて、そしてもしそういう問題について聞かれるならば、先ほどもお答えがありましたように、文部大臣としては今日の憲法と教育基本法に基づいて教育行政をやっていくのだということが強調されなければならぬと思うのです。ところが、この間の新聞を見ますとその言葉はないわけですね。これは私ははっきりさせておかなければならぬと思いますが、この点誤りなく、憲法と教育基本法に基づいて教育行政を進めるという御決意があるのかどうか、伺っておきます。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 午前中の委員会におきましてもそういう趣旨の御質問に対してお答えをいたしてまいったわけでございますが、教育勅語の出ましたゆえんの旧憲法の時代と新しい憲法の時代とは質的にすっかり変わっておるということを私は前提に申し上げておったつもりでございますが、舌足らずのために誤解を招くようなことがございましたならばまことに残念で遺憾であると考えております。  もちろん、新憲法及びそれに基づいて制定されました教育基本法、またそのもとによってできております諸関係法律、それに基づきまして当然文部行政が進められていくべきもの、そういう認識を持っておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この点は、たとえば「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ」という言葉はよかったなどということではなくて、先ほども御質問がありましたように、「爾臣民」から一連の脈絡があって、それが指導原理としても否定をされ廃棄をされたという国会の決議というものははっきりとつかまえていただいて——これがはっきりしていないと、あそこの言葉はよかったのだなどというあいまいさがいつも文部大臣の口から出まして、そういうあいまいさから、たとえば本年の六月のことでございますが、奈良市の当局が市の職員の研修会をやっておりますが、その際に職員に対して配付されたものが教育勅語であったということです。これが問題になりまして、助役の方から適切でなかったということで回収をしておりますが、そういう政府当局者の最高幹部の発言をもとにして、こういう事態でまたあわよくばそれをどこかで復活しようとする動きがあるわけです。  これは撤収されたからよかったわけでありますけれども、しかし、そういうものを復活することを防ぐということまできちんと書いた衆参両院の議決が満場一致であるわけですから、この点は認識していただいて、やはり今後の教育は憲法、教育基本法に基づいてやっていくのだということをもう一度はっきりおっしゃっていただきたい。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 旧憲法の時代と新憲法の時代とが世を画しておることは明らかなことでございます。  したがいまして、今日の文部行政が立脚しておりますゆえんも、また進めていきますゆえんも新憲法並びに教育基本法に基づいて行われていっておるし、行うべきである、こういう考え方でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 内藤誉三郎文部大臣が就任しましたときにもこの問題が問題になりまして、この場合は非常にはっきりした発言があったために、予算委員会、本会議等でも問題になりまして、内藤さんは最終的に、私は憲法と教育基本法に基づいてやっていくのだということを表明されております。そういう経験もありますから、どうぞ新文部大臣もその見解に立って教育行政に携わっていただきたいということを要請しておきます。  その次に、大臣になられましてから総理大臣からも要請があったと思いますが、それは綱紀粛正と行政改革の問題です。  行政改革の問題については申し上げる時間がございませんが、綱紀粛正の問題につきまして、現内閣がこの観点から見るならばどうなのかという問題があります。数々の問題がいまも出ております。たとえば国家公安委員長の選挙買収事件です。私は隣の県でございますからよく知っているわけでございますが、これが国家公安委員長という選挙取り締まりの大元締めになるなどということは、きょうの新聞の主張などを見ましても、全く異常な内閣の様想を示しておると思うのです。  こういうことで真の綱紀粛正ができるのかということと、今日の高級官僚あるいは政治界におけるさまざまな綱紀の紊乱ということが子供たちに対してどういう影響を与えるのか。閣僚の一人として、文部大臣としてこれに対しては特別な閣議に対する提案があってしかるべきだと思うのでございますが、それにつきましては何かお考えになっておりますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 さまざまなことが起きておりまして、それに対しまする対策として、新大平内閣としても綱紀粛正の問題を一番大切な問題として掲げておると考えておるわけであります。そういう世の中の状況、またそういう事件がことに感受性の強い青少年に与えます影響というものは、これは文教の立場から見ましても非常に遺憾なことだと考えております。  これに対しましては文部の内部におきましても自戒をしていかなければならぬと考えますし、また、大きく世の中の青少年に対しましての悪影響を少しでも防ぐために努力をいたさなければならないことだと、ことに教育の立場にあります者としてはそういうふうに痛感をいたしておるところであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 前のロッキード事件が起こりましたときに、これは総理大臣まで関係したという問題がありまして、これが教育に与える影響というものはずいぶん取り上げられたこともあるわけですが、今日の事態というものはさまざまな形で出ておりまして、綱紀の粛正というのは、ただ国民に呼びかけるというよりも、むしろ隗より始めよで、閣議において本当にやるのかどうかという閣僚の人選からして、そういう点について国民の中には不安があることはもう事実なんです。だから大平内閣は金権政治と呼ばれるわけでございまして、この体質を改善しない限り、綱紀粛正だと言っても本当にだれも信用しないということがまた教育にはね返ってくるわけでございまして、この点でも十分文部大臣として言うべきことは言って、やはり、閣議の中で綱紀粛正の面でも奮闘していくということをぜひやるべきだということを申し上げたいと思います。  次に、大臣に就任されたこの季節は一番困難な季節に就任されたような気もします。文部大臣になられましてから、たとえば予算の面から見ましても、福祉、教育に対するしわ寄せというのはもう新聞にもどれも書いております。そして、教育予算総枠がじりじりと二、三年来パーセンテージから見ましても減っていっておる。こういう事態がございまして、予算総枠に対する教育予算をどこまで踏みとどめ、拡大をしていくかということも大臣の任務になってきたと思います。  また、おのずから大きな課題が浮き彫りにされておりまして、たとえば教科書問題、あるいは私学助成の問題、あるいはいわゆる四十人学級の問題など、大きな問題がぐっと浮き彫りにされているわけです。こういう事態の中で、文部大臣が本当に文部大臣として、首をかけてもと言えばぎょうさんな言い方になりますけれども、本当に文部大臣としてこれだけは貫いてみせるというものがございますか。そういうものをいまお考えになっておりますか。これを伺っておきたいのです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 教育の問題が国の将来に対しまして基本的な重要な意味を持っているということは、これはどなたでもおわかりになっておると私は思います。ただ、それがいま直面しておりますような財政の非常に困難なときにどういうふうに評価をし、順位をどういうふうにつけるかというところに問題の具体的な解決の場合の難問が生じてきておると考えております。私は、文部行政というものは少し長い目で見ていかなければならないと思っておりますので、したがいまして、そのときどきの財政状況、経済状況というものももちろん大切なことではありますけれども、いわば文部行政の流れの中の発展していく筋を通していく必要がある、こういうふうに考えておるわけであります。  御指摘になりましたような重要な諸案件が具体的に問題になっておるわけであります。これはそれぞれの経緯があって、文部当局としては財政当局に交渉をいたしておるわけでございますので、個々の問題について、これはいいけれどもあとのものはだめだというようなことをいま財政当局と交渉しておる最中に言うべきものではないと私は思います。  ただ、教育の問題というものは日本の将来を考えた場合に非常に重要な問題であって、他の評価よりも少し別の観点からこれを考えていかなければならないのだということは、これは文部大臣の立場として強く主張していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この問題で、特に教員定数の問題を含めまして、藤田議員の方から関連して質問をさせていただきます。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。藤田スミ君。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)委員 私は、学級編制基準の改善についてお尋ねをしたいと思います。  予算の編成の大詰めを迎えた非常に大事な時期になっておりますので、短時間ではありますけれども大臣にお尋ねをしたいと思うのです。午前中も出ておりましたし、この委員会ではすでにもう長い歴史を持ってこの問題は十分論議をされていると思いますけれども、私も初めてですし、大臣も初めてということで、どちらも新しい者同士で、私は特に子供を二人育ててまいりまして、長い間子供を守る母親運動に取り組んでまいりまして、その母親運動の中でも特にお母さんたちの痛切な願いとして、一クラスの子供の数を減らしてほしいという声が一番大きく高まっておる中で私はこの場に立っておりますので、ひとつ大臣もそのつもりで私の発言を聞いていただきたいと思います。  いま、子供たちの問題では、自殺がふえるとか非行がだんだん低年齢化するとか、あるいは授業についていけない子供がどんどんふえてきているとか、本当に深刻な問題があります。それを解決していくためには、もちろん学校教育とそれから子供を取り巻く環境、文化の問題まで触れられていくと思いますけれども、しかし、その中でも子供たちに一番大きなウエートになっているのが学校教育であり、そういう行き届いた教育というものがどう保障されていくかということが今日子供を守る上で大事なかなめになっていると思うのです。  私の住んでおります大阪堺というのは特に過密の非常に激しい地域ではありますけれども、とにかく四十人という子供の数が、それを上回っていきますと、一体授業の内容がどういうふうになっていくのか、学校でどういうことになっているのかという点では大変生々しい例がございます。たとえば期末の懇談会がございますが、これに行きますと、机の上に砂時計を置かれまして、そして先生との懇談をやるわけですが、そういう状態の中で、本当に親が先生に言いたいこと、先生が親に話しておきたいことというものがとても十分詰められないままに終わってしまいますが、しかし、それは先生が悪いのではなしに、後ろに並んでいる親の頭数を見ましたら、やはりこれも仕方のない実態ということになるわけです。子供たちにしてみたら、一日のうちで先生に何遍声をかけてもらったか、授業の中で当ててもらったかということが非常に大事な問題になってくるわけですけれども、一日じゅう声をかけてもらえなかったという状態がずっと続いていきますと、それがさびしいとか腹が立つとかというようなことではなしに、ごくあたりまえになっていく中で、学校というところが大変おもしろくない場所になっていくわけですね。  こういうことは私が改めて言うまでもなく、大臣もよく御承知のことかと思いますけれども、テストを返してもらっても作文を返してもらっても、マルはついているけれども、よくがんばったねとか、よく書けているわねとかいう一言がないがために励みになっていかない。だけど、先生の方を見てみると、給食時間を削って一生懸命点つけに夢中になっている姿というものは、親としてはそれ以上のことを先生に要求できないのじゃないかという気分にされていくわけです。ある先生は、児童数が多ければ多いほど教師は子供一人一人をじっくりと見る機会がなくなり、その子の持つ能力を引き出すことが非常に困難になってくるのだというふうに率直に訴えておりますけれども、きょうは後ほど大臣にもぜひ見ていただきたいと思います。  これは大阪教職員組合が千二百名の先生方に調査をした「学級規模と教育活動に関する調査」というものなんですが、この調査を見ましても、四十四人以上担当している教職員は、「児童・生徒数を多すぎると感じているか。」というところでは、一〇〇%多過ぎるということを言っておりますし、「どういうときに多すぎると感じるか。」ということに対しては、これは小中とも、「個別指導が必要なとき」あるいは「理解の遅れ勝ちな子供がいるとき」に多過ぎると感ずるのだということを言っております。また、「ゆきとどいた教育をすすめるために、何が必要だと考えられているか。」ということに対しては、「クラスあたりの生徒をへらす」ことだというのが小、中ともトップに上がっているわけです。  子供たちの減少によって、教職員の行き届いた教育のための要求はどういうふうに変化をしていくかといいますと、四十四人以上の学級担任と三十五人以下の学級担任との要求を比較すると、三十五人以下の方では、生徒減の要求よりも、研究時間、内容精選などの要求が相対的に率を高めてきているわけです。特に中学校では、生徒減の要求が四十四人以上では八三%ありますけれども、三十五人以下になりますと二九%とうんと減ってきまして、それに対して研究時間の要求というものが二八%から五三・八%に増加をしていくというふうに、これが全うな教師の姿に戻っていくという点で、いまこの問題は非常に大事だと私は考えます。行き届いた教育を子供たちに保障することが文部行政の最も基本的な任務ではなかろうかと思います。  大臣は、この間毎日新聞の中でも書いておりますけれども、親が、一体何人にすればいいかだれも言えないだろうと言われておりますが、だれも言えないだろうというのじゃなしに、本当にだれもが、一クラスの数を一日も早く減らして、行き届いた教育条件整備を進めるべきだということを訴えているわけなんです。  内藤前文部大臣も、御自身が、学級規模をなるべく適正にしなければいけないし、少し多過ぎるとそれだけ子供のめんどうが徹底しないと思うので、国会の決議を踏まえて最善の努力をしていきたいということで約束をしておられますし、先ほどのお話にもありましたように、四十九年五月の附帯決議、五十三年十二月のそれへの再確認ということからも、首を長くして親も教師も子供も待っておりますので、もう一度大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 現行の四十五人の定員基準を四十人にするという問題につきましては、いま御指摘がありましたように、文教委員会におきましてもそういう決議をいただいておるという経緯を十分承知をいたしておるわけでございます。この四十人の学級編制問題につきましては、そういうような経緯を踏まえた懸案でございます、、また、四十五人になりましたときの経過も含めましての長い文教行政の歩みであろうと考えておるわけであります。  文部省といたしましても、御存じのとおりに、これらの点につきましての計画を立てまして、来年度の概算要求に所要の経費を要求いたしておるわけでございますが、その予算折衝がどういうふうにまとまるかということがもう旬日の近い間に起きてくるわけでございまして、そのために総力を上げて文部省の考えておりますものを実現したい、こういうふうに考えておるわけでございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)委員 努力をしているという点では御信頼を申し上げて、努力じゃなしに、先ほどの木島議員じゃありませんけれども、この委員会の権威にかけて必ず実現をするようにがんばっていただきたいわけです。  そこで、私たち共産党といたしましては、再三文部省の方にも要求をいたしましたように、四十人学級というのはこの五年間で計画を行うべきだということで要求をしております。これは欧米諸国と比べましても、文部省の計画からしましたら二十年以上の大きなおくれになっていくという点で、一番深刻な過密地域の問題を解決するためにもこの計画は一層早めるべきで、財政を盾にしてこの計画がおくれ、教育の機会均等に反していくというようなことのないようにこの点については要望にとどめておきます。  もう一つお尋ねをしたいのですが、高校の問題についても、附帯決議の中には、「高等学校設置基準甲号実施のために必要な法改正を行うこと。」ということになっておりますけれども、この問題についてはどういうふうに取り組んでおられるのか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 高等学校の教員の配置基準なり学級編制の問題は小中と同時に検討はいたしておりますけれども、過去のこの問題の改善の仕方も、まず小中をやってそれに続いて高等学校、こういうやり方でございますので、今回もそういう方式でまいりたいということで、いま検討いたしておるわけでございます。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)委員 大体いつごろその計画が発表さ  れることになるのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ごく近いうちに発表いたしたい、かように思っております。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)委員 もう少し明確に言ってもらえませんか。こく近い——大体附帯決議は同じようにスタートをしていけというふうになっていますね。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ごく近いうちでございますから、来週中にでも発表できるようにしたい、かように思っております。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)委員 重ねてお尋ねしますが、それは四十人学級にしていくという立場でその計画を考えておられるのか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ただいま九カ年は長過ぎるという御指摘もございましたけれども、文部省のわれわれの詳細に検討したところでは、これから先の児童生徒の増減の傾向、それに伴う財政負担の問題というものをやはり重要な要素として考えなければならない。そうしますと、中学校の四十人学級がわれわれの計画で実現いたしますのは六十三年でございます。そして、その時点における高等学校の生徒と現在の高等学校の生徒を比較いたしますと、高等学校の生徒はわかりませんけれども、中学校の生徒でいけば、現在五十四年度で一年から三年までは四百八十万、六十一年度の生徒は五百九十万、約百万以上ふえる見込みでございます。  そして、これに伴ってどういうふうに高等学校を整備していくかという、その対応も現在のところ各県一生懸命に取り組んでおりますけれども、まだ完全にできていないという状況でございますから、それらの状況を踏まえますと、高等学校の四十人学級という問題は、中学校が終わりましたその後で考えざるを得ないのではないかというふうに現在思っております。

藤田スミ日本共産党・革新共同

○藤田(ス)委員 私は、それはおかしいと思うのです。大体高校の学級数は、小中学校の場合は過疎と過密によってずいぶんいろいろアンバランスがありますけれども、高校の場合は過疎であっても過密であっても全国一クラス四十五人というふうに決められているために非常に大きな教育の弊害が出ていると思うのです。それなのに、この四百八十万と五百九十万の数の問題も地域によって相当違いがあると思いますし、計画がここまでおくれていくということは決議に反しているというふうに私は考えます。ただ、きょうはこの問題で十分論議をするというわけにはいきませんし、改めて追及をさせていただきたいと思います。  ただ、大臣、大体この附帯決議は五十三年までに法改正をやれ、五十四年度から実施するということになっていたわけです。遅くともそういうことで出発をしていかなければならないのにそれがおくれて、そして今日こういう状態になっているわけです。しかも、この附帯決議の中で、高校問題というのはセットで出されているということを御認識いただいて、この点についての問題は今後改めて論議させていただくということで私の質問を終わります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 引き続いて、予算の問題で、教科書問題、それから文化行政の問題について栗田議員の方から関連質問をさせていただきます。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 栗田翠君。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは、関連して質問させていただきます。  教科書の無償制度を有償化するという問題ではすでに午前中も討議がありまして、大臣も十分努力をするとお答えになっていらっしゃいますので、私は、十分努力をなさるその中身についてもう一歩踏み込んで伺いたいと思います。  改めて伺いますが、この教科書の無償制度の趣旨の基本はどこにあると大臣はお考えになっていらっしゃいますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 財政当局と予算の問題で折衝をしなければならないわけであります。したがいまして、私が十分と申し上げておりまして、もう一歩内容という御質問なんですが、これはひとつ御信頼をいただきまして、十分な努力をするということで御了承を願う以外に——どこまで踏み込んでというよりも、現状はずっと続いておるわけでございます。定着をしておるわけでございますから、この制度を続けていくことに力を尽くすということ。踏み込んでと言われましても、何と申しますか、具体的なあれになって、どこをどう削るか、あるいは果たして貸与制を向こうが提案してくるのか、いろいろな問題がまだ明確に、交渉の本当の本番になっていないことでございますので、すでに定着をしたこの教科書の無償制度の持っていき方を続けていく、ひとつ努力をするというふうに御理解を願いたいと思うのであります。  それから後の方の——これはよろしゅうございますか。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 ちょっと大臣のお答えが私の伺ったことと違っておりますのでもう一度言いいますが、無償の制度がつくられた趣旨ですね。教科書が無償にされたという、その趣旨の基本はどこだとお考えかと伺ったのです。制度の趣旨でございます。かつてそういう制度がつくられた趣旨はどこにあるか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 憲法に義務教育は無償であるという条文がございます。その条文の精神を踏まえまして、さらにその精神を拡充していくというところに教科書の無償供与制度の問題の出発点があったというふうに理解をいたしておるのであります。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 義務教育の無償制、これは確かに大きな基本だと私も思います。当時この法がつくられましたときの趣旨説明、提案理由などを見ましても、かなり文部当局は格調高いことを言っておられます。ちょっとその一部を読んでみますと、「このたび政府は、義務教育諸学校の教科書は無償とするとの方針を確立し、これを宣明することによって、日本国憲法第二十六条に掲げた義務教育無償の理想に向かって具体的に一歩を進めようとするものであります。このことは、同時に父兄負担の軽減として最も普遍的な効果を持ち、しかも児童生徒が将来の日本をになう国民的自覚を深めることにも、大いに役立つものであると信じます。またこのことはわが国の教育史上、画期的なものであって、まさに後世に誇り得る教育施策の一つであると断言してはばかりません。」と言っているわけでございます。また、その後の法案の審議の中でも荒木文相がいろいろ述べておられますけれども、その一つをとりますと、「たとえば国費、地方費の分担の問題にいたしましても、慎重審議することが必要であるとしましても、方向としては国費一本でやるということで、文部省としては少なくとも将来にわたって永久に押していきたい、こういうような考えでおりますし、その実現をはかりたいと思っておる」云々とおっしゃっておられるわけでございます。そこで、大蔵省がもしいま有償化せよと言ってきまして、それに従うということになりますと、これはその法の精神を無視して法改正までしなければならないということに直接なると思います。  私が十分な御努力ということで伺いましたのは、大臣はこの法がつくられましたときの法の精神を遵守して、法改正はあくまでも阻止していく、そして無償制度を守っていくと決意しておられるのかどうか、そのことを伺いたいのでございます。いかがでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 大蔵省とまだ決着をつけていない段階でありますので、私としましては、それがだめになった場合にどうするんだということは、いまこの段階では、もう少し後で議論していい問題ではないかと実は思っておるわけであります。私としましては、無償の現在のやり方が削減されたり、あるいは廃止されたりすることのないように努力を尽くすべきであるという考え方に立っております。  もし不幸にしてこの制度が有償というような形になるなり、あるいはまたほかのやり方になるとすれば現在の法律を改正するということになるのではないかと思いますが、そういう問題を腹に含めながら交渉をしていく必要が現在のところあるんじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 重大な御答弁をなさっていますけれども、そうしますと、十分努力をなさるけれども、大蔵省との話の成り行きでは有償ということで法改正も考えているとおっしゃるのですか、それとも、あくまでも精神を遵守なさるという立場でいかれるのか、どちらですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 先生がそういう法改正の問題を言われましたから、法改正になるようなことをいまここでお話を申し上げる時期ではない、いまは財政当局がいろいろ案を出すかもしれぬが、現在の無償の制度を推し進めていくことに力を尽くす、こういうことを申し上げておるわけであります。  ただ、御質問のことがそこに触れておりますので、もしそういう有償のような問題になるなり、今日の制度を改めるという結果になった場合には法改正は必要である、こういうことをお答え申し上げておるわけであります。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 時間がありませんので余り長く伺っていることができないで残念なんですけれども、しかし、大臣、そういたしますと、最初この法案が出されたときの精神、この精神をどう考えていらっしゃるのか。これは憲法に保障されている義務教育無償の精神であり、それからその他さっき読みましたとおりですけれども、父母負担の軽減、国民としての子供たちの自覚を高めるものであり、わが国の教育史上画期的なものなのだということを高らかにうたっているわけです。そうしますと、大臣の代になりましてこの精神を曲げて、画期的であったその方向を後ろに向けるということになるわけですね。もし有償化されるとかなれば、ですね。ほかのやり方は有償にするか貸与にするかしかないわけですね。  ですから、そのことについて本当に十分努力をなさるということであれば、あくまでこの精神を遵守してがんばるということでありまして、法改正も頭に置いてなんということになりますと、これは余り十分な御努力、決意ではないと思いますが、もう一度伺います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御質問がありましたからお答えをしておるわけでありまして、私は、現在の無償を進めていくために全力を尽くす、こういうふうにお答えを申し上げておるわけであります。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 今後の問題にもなると思いますが、そういう方向で本気で努力をしていただきたいというふうに思っております。  それでは、次の問題に移りますけれども、文化予算の問題ですが、現在文化関係の予算というのは文部省予算の中でもわずかしかございませんのに、このたび、予算削減に沿って、大蔵省からの依頼を受けまして行政管理庁が文化団体の調査に入りました。聞きますと、この中で民間の文化団体十四団体ほど調査に入りまして、かなり削減とか補助廃止などの意見が出されているというふうに聞いておりますけれども、その意見の主な点はどういう点でしょうか。

別府哲文化庁次長

○別府政府委員 お答え申し上げます。  先生の御指摘のように、ことしの春以来行政管理庁が補助金の整理合理化という観点からの調査を行っておられます。文化庁で関係をいたしております民間芸術団体に対する補助金につきましてもこの調査の対象になりまして、文化庁からの説明を聴取する一方、行政管理庁が先ほど御指摘のございましたような十四カ所の団体に対して実地の調査を行ったわけでございます。  そしてそのまとめが、先般行政管理庁から各省庁に対してお知らせを受けたわけでございますけれども、その内容といたしましては、補助事業が相当長期間にわたって行われており、補助の目的を達成したと認められるような事業がある、あるいは、たとえば入場料を現在無料にしておるところが、それを有料にすることによって自主財源を確保することができて、補助金の削減を行うことが可能であるといったような御指摘をいただいて、団体によってそれぞれ違いますけれども、民間芸術団体の補助金交付の対象になっておる団体に対しまして補助金の削減をすることができるはずだという御指摘を先般いただいたわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 この行管庁の指摘について、大変問題が多いと私は思います。特に文化団体の事業の中身を見ますと、たとえば高等学校へ演劇を持って巡回をしているような劇団などもございますけれども、その目的を達したといっても、子供たちに演劇を見せるということは、子供は年々成長して顔ぶれが変わるわけですから、一回やって終わりましたというものではなく、何度でもやらなければならないし、現在の状態ではもっともっと多くの学校に行かなければならないけれども、それも十分果たせない中で、わずかな予算で苦しみながら献身的に巡回している団体などもございます。  それから、いま入場料を取ればよいというような意見もありましたけれども、アマチュアの団体などが全国大会などを開いた場合、これは入場料を取るという性質のものではないわけで、そういうさまざまのことを考えますと、文化団体にいままでもわずかながら出ていた補助金さえ削減するという行管庁の意見というものは非常に実態に合わないものだと私は思うわけでございます。  総理大臣も所信表明で文化の時代ということを言われましたし、文部大臣も教育、文化の向上ということを最初におっしゃっておりましたけれども、そういう立場から考えまして、文化団体への補助金を削減、廃止する傾向と闘って、これを守っていく立場をぜひともとっていただきたいと思うのですけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

別府哲文化庁次長

○別府政府委員 まず、私の方から先に答えさせていただきますが、文化庁といたしましては、行政管理庁の御指摘の中で傾聴すべき点につきましては、今後補助金の取り扱いに当たって十分考えまして、この補助金が有効に活用されるよう配慮していかなければならないと考えている次第でございます。しかしながら、潤いのある豊かな国民生活を実現していくためには、もっともっと芸術文化の活動あるいは青少年に対する芸術文化の普及活動を推進していく必要があると考えております。  そして、これらの活動は民間の芸術関係団体に負うところが非常に大きいわけでございますし、また、商業ベースで行うということがきわめて困難な事業でもあります。したがいまして、この芸術文化関係の団体に対する助成金についてはさらに一層増額する必要があると考えまして、現在予算要求を行っておる最中でございまして、その実現のためにさらに一層努力をしてまいりたいと考えております。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いま文化庁の方から御答弁をいたしたわけでございますが、民間の芸術等の振興をいよいよ図っていくということの重要性の認識は、これは私たち少しも変わっていないわけであります。  ただ、行政管理庁の調査自体は、その中で先ほど御指摘がありましたように、補助目的を達成したものがあるじゃないか、その他有効でないものがあるじゃないかという、そういう指摘でございまして、全体の芸術振興その他に対しまして文部省としての重要性を感じておりますことは、これは何ら変わりはない、というよりも、むしろ前年以上にそれを拡大して具体的にも予算を要求していかなければならないし、またそうしている、こういう状況でございますので御了承をいただきたいと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 時間がありませんので、まだまだ伺いたいことがありますがこれで終わりにいたしますが、ただ、いま最後に大臣のおっしゃられましたことでも、補助目的を達したものという行管庁の言い方の中でも、具体的に一つ一つ詰めていけば、まだこれは継続しなければならない、達したと言えない性質のもの、そういうものがたくさんあるということを私は指摘したわけでございまして、今後そういう内容もよく踏まえていただき、予算の削減、廃止のないような方向で大臣が先頭に立ってがんばっていただきたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 関連質問が時間の関係で十分なことを尽くせませんでしたが、大臣はいまは一番答えやすい時期に立っているわけですね。本当にまだ予算の闘いがこの前にあるわけですから、だからその辺もうちょっときっぱりと、栗田さんが何と言おうが、たとえば教科書無償を法律まで変えてやるのは断じてやらぬと言ってもらいたいのですよ。それがいまの、きょうの文教委員会の任務じゃないかというふうに思うのです。  谷垣文部大臣、あなたは谷垣專一でございますから、私はいま聞きながら、「谷を越え垣根を越えて専一に教育の道ひた行くや君」と、ひたすらに行くかどうかあなたに聞きたいと歌をつくったわけです。歌にもなっていないですが、まあ狂歌のごときものですけれども、花もあらしも踏み越えてやるのだという決意で大臣のそのいすに座っておられると思います。  したがって、先ほど藤田さんから御質問のありました四十人学級の問題にしましても、ただ要望があるということじゃなくて、この委員会が去年一年間必死の努力をして、小委員会もつくって、そして最終的に、みんながなかなか意思統一できないところを三項目、とにかくかつての附帯決議を満場一致で議決したわけです。これを大平さんに会いましたら満場一致ですかと言うのですね。自民党を含めて満場一致で決めたのが四十人学級の問題なんです。中身についてはいろいろ問題はありますけれどもね。でも、これは文部大臣谷垣專一としてやるのだということをここで決意を表明していただきたい。  それから、また、教科書の問題なんか、こんなところでいじましく教育の問題でこれを有償にするなんということ、そんなことは許さぬ、法改正は絶対にしないのだという決意を私は披瀝してほしいのですよ。それでこそこの委員会が、全員がこういう問題については文部省のやろうとすることに対しても努力もできますしね。そういう点で最後にお答えをいただきたいと思います。  また、教育の問題につきまして、日教組その他の団体とも話し合うことにつきましても、話し合ったらいいのですよ。大学の先生方とも話し合ったらいいですし、そうしてこそ初めて文部大臣としての知識が出てくるわけでございます。また、その中から知恵も出てくる。そして、大衆の多くの人たちの力を背景にして文部行政を前進させることができるわけですから、そういう気持ちに立っていただきたい。「谷を越え垣根を越えて専一に」ということをもう一回申し上げまして、大臣の決意をお聞きして私どもの質問を終わらせていただきます。どうぞよろしゅう。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 山原委員から非常に温かい激励をいただきまして、恐縮に存じております。  非常に重要な時期でございますので、いささか慎重な答えをしている傾きがあるかもしれませんが、決意を固めてやるつもりでおりますので、どうぞひとつまた皆さん方の御指導、御協力をお願いいたしたい、かように考えます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 終わります。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 谷垣文部大臣も教育は素人だそうでございますけれども、私も文教委員会は全くの素人でございます。素人ですけれども、大事な教育の問題ですから、ひとつ一生懸命これから努力をしてみたいと思っております。  大臣のごあいさつを承りました。その中で、「学校、家庭、社会を通じて教育の機能を充実し、たくましくかつ創造力のある」という言葉があるのですけれども、現在の日本の特に青少年を見て、大臣は、たくましく、創造力が横溢しているというふうな判断をしておられるのか、あるいはそれとは逆の状態にあるのじゃないかと判断しておられるのか、いずれでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いろいろな見方があると思いますけれども、そこで私がごあいさつのときに触れておりますように、私といたしましては、もっとたくましい、しかも豊かな、国際性も十分に整えた、そういう一つの人間像を描いておるわけであります。そういうふうにあってほしい、いまの現状ではそこらのところがもっと伸ばして考えていかないといかぬのじゃないかというふうに思ってごあいさつを申し上げた、こういうことでございます。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 最近総理府から出た「青少年問題の現状と対策」というものがマスコミをいろいろにぎわしておりますけれども、この問題について、大臣はお読みになりましたか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 まだ、その総理府の報告は十分に読んでおりません。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 ごく最近出た、マスコミではいろいろと論評されておるものでございますけれども、その中に「子どもの生活と意識」という項目がありまして、いろいろと中にありますけれども、将来どういうふうな生活をしたいのかという子供の率直な気持ちを調べた資料なんです。  これは文部省の統計数理研究所というところでも、子供ではなく、これは成人の二十歳から二十九歳までの二十代の人たちの「成人の生活意識の推移」という調査があるのです。これはずっと継続した調査なんですけれども、この二つの調査は私は非常に興味深く見ているのですけれども、まず、この「将来の暮らし方の希望」という問題について、総理府の方からその骨子を要約して申してくれませんか。

佐藤欣子青少年対策本部参事官

○佐藤説明員 昭和五十四年版青少年白書「青少年問題の現状と対策」の第百六十三ページをお開きいただきますと、そこに最近の子供の「将来の暮らし方の希望」というものが出ております。  それによりますと、「将来の暮らし方の希望」を一応「個人生活型」「社会生活型」「名誉型」の三つに分けますと、この「個人生活型」と申しますのは、「金や名誉を考えずに、自分の趣味に合った暮らし方をすること」、「その日その日を、のんきにクヨクヨしないで暮らすこと」、また、「社会生活型」を、「世の中の正しくないことを押しのけて、どこまでも清く正しく暮らすこと」、「自分の一身のことを考えずに、社会のためにすべてを捧げて暮らすこと」、「名誉型」を、「一生懸命働き、金持ちになること」、「まじめに勉強して、名をあげること」となっておりまして、こういうようなことに分けて見ますと、小学校五年生ごろでは個人生活型は四〇・七%でございますが、中学三年生では五七・五%、また同じく社会生活型は、小学校五年生では三二・八%でございますが、中学三年生では二八・七%、また同じく名誉型は、小学校五年生では二八・一%でございますが、中学三年生になりますと八・五%というふうになっております。  これを成人と比べますと、ただいま御指摘のとおり成人の場合は、成人の中の二十歳から二十九歳までの者は七七・〇%の者が個人生活型を希望し、社会生活型は七・五%、名誉型が一一・八%となっております。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 この調査そのものにもいろいろと問題はあると思いますけれども、いまの小学校、中学校での調査、それと二十代の人たちの同じような問題についての調査、年配になれば——年配といっても二十代ですが、子供から年配になればなるほど個人生活型がふえてくる、社会生活型が減ってくるということで、二十代になると個人生活型というのが七七%に対して社会生活型というのは七・五%。  つまり、これが現在の二十以下の若い人たちの、特に義務教育年齢の人たちの考え方だということになると、いかがでしょうか、大臣の言う「たくましくかつ創造力のある」というイメージとは全く違った状態が現にあるというふうにお思いになりませんか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私も不勉強で、いまこの報告を初めてお聞きしたようなことで、正確なお答えになるかどうか疑問に思う点もなきにしもあらずでございますが、個人生活型というものが私は必ずしも悪いこととは思いませんけれども、しかし、何と申しますか、社会生活と申しますか、公の場における一つのエチケットと申しますか、そういうものが希薄になってしまって、ただひたすら個人生活、私だけのことにとどまっておるというふうに青少年がなっておる状況がここで示されておるとすれば、これはやはりもう少し反省をして是正をしていくような方向を考えなきゃいかぬのじゃないかというふうに思います。それがすぐにたくましさその他と関係がどうあるかということにつきましてはいろいろ議論もあると思いますが、そういうふうに感ずるわけであります。     〔委員長退席、石橋(一)委員長代理着席〕

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 いまの義務教育の項目を拝見しておりまして、特に学校教育法の中にも、そうしてまた学習指導要領の中にも、国家の形成者として有為な人材を養うということがどの項目にもあるのですね。したがって、国家というものの内容についてはいろいろありますけれども、国家の形成者として有為なる人材を養成するということが学校教育法の一番の中心点で、そしてまた学習指導要領の中にも、社会科あるいは道徳教育という問題を通じて、国を愛する、社会生活を大事にして正しく生きていこうという趣旨を指導要領の項目としてはかなり強調しておるのです。ことに最近実施されようとする指導要領の中においては、ですね。  だから、こういうふうな学校教育法の一番大きな目的になっておる国家の形成者という意味は、ともかくりっぱな平和的で民主的な国家をつくって、その中で有為なりっぱな働きのできるような人間をという意味になっている。むろんそのほかに大事な要素としては、個人の自由、自主性という問題も強調されている。しかし、その場合の個人と言っても、やはり利己的な教育はなされていないはずなんですね。にもかかわらずいまのような結果が出てくるということは、現在の学校教育の中に問題がある。あるいは学校教育だけではなくて家庭の問題もありますけれども、世の中一般のいろいろな風潮、そういうことについてもやはりかなり大きな問題点がありはしないかと私は思うのだけれども、大臣、いかがでしょうか。     〔石橋(一)委員長代理退席、委員長着席〕

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いま和田先生の御指摘された問題につきましては、私も同感でございます。  これは家庭のしつけから始まりまして、学校教育もそうでありましょうが、個人個人の自分だけの立場に閉じこもってしまって、社会生活における一つのルールあるいは社会生活の構成員であるということの自覚というものが希薄になっていく状況が出ておるのがこの調査だといたしますると、これはやはり深く反省をしていかなければならぬ、そういうふうに感じます。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 総理府のこれをやっているところは広報室でしたね。この社会という言葉だけになりますといろいろ内容が広過ぎるわけです。個人と対比されるものには社会というものがあり、そしてこういう特に学習指導要領にしても、学校教育法にしても、国家という問題が出ており、あるいは公共という概念もあるわけですけれども、こういう調査を今後なさる場合に、社会というものと別に国家という項目をつける必要がありはしないかと思うけれども、「国家に対して」という子供たちの気持ちというものがわかるような、そういう調査が必要だと思うけれども、それはいかがでしょうかね。  これは文部省の統計数理研究所の方、見えていますね。この場合でも同じですけれども、国家に対する気持ちというものを取り出して調査する必要があると私は思うのですけれども、どうしてそういう項目がこの中に抜けておるのか、あるいは他の調査項目の中にそういうことを調べたものがあるのか、いずれか、両方からちょっとお答えいただけません。

山田昭三内閣総理大臣官房参事官

○山田説明員 広報室の世論担当といたしましては、従来国家についてやっております調査といたしましては幾つかございまして、国や社会に目を向けるべきか、個人の生活に専心すべきかという調査、それから国民としてのまとまりが大事か、個人としてのまとまりが大切か、国を愛する気持ちはどうか、強いかどうか、自分を犠牲にして社会のために尽くすのはどうか、と、こういうふうな質問で社会意識として毎年調べてございます。

鈴木達三統計数理研究所第六研究部長

○鈴木説明員 統計数理研究所の調査の項目の中には、いま和田先生から御指摘がありました暮らし方の質問のほかに、国家あるいは公共あるいは日本人と、そういうようなことに関係のあります質問項目が幾つかございます。  たとえば日本のことと個人のことを関連させましたものでは、個人が幸福になって初めて日本全体がよくなるのか、あるいは日本がよくなることも個人が幸福になることも同じであるのかというような質問項目、あるいは公共の利益のために個人の権利を、公共の利益と個人の権利がどうであるかというような設問、それから日本人の長所、短所、あるいは日本人と諸外国の民族を比べてすぐれているのはどういう民族であるかということ、これは比較ではなくてすぐれたものをすべて挙げさせる、そういうような項目が含まれております。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 きょうは時間もありませんから、後で続けてそういう問題についてずっと私はただしていきたいと思うのですけれども、私もその調査を拝見しました。拝見しましたけれども、いま問題にしたこの数字、資料とは若干違ったニュアンスが出てくる場合があるのです。国に対しての青少年の気持ちなんかは、ですね。  これはいろいろ統計のとり方ということも問題になりますけれども、学習指導要領というものをもって、それを基準にして教育をしている文部省としては、その教育態度でどういうふうな効果が教育の結果あらわれておるかということを確かめる義務があると私は思うのですよ。文部省として学習指導要領というものを出しておるのです。そして、国の歴史とか国に対する愛情とかという問題を厳しく教えるようにと言っている。その成果がどうなっているかということを文部省としては調べてないでしょう。やりっ放しでしょう。  これは文部省としては、その教育の成果がどういうふうにあらわれてきているのか、あるいは他の要素とまじってこれがどのような混雑した形になっているのかという問題を文部省として調べてみる一こういう調査でもいいのですよ。もっと工夫をこらした調査がいいと思うのですけれども、そういう必要があると思うのですけれども、大臣、大体の感じとしていかがでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いまの和田先生の御指摘は私はもっともだと思います。  従来から文部省がどうしておったか、私はちょっとそこらのところはまだ勉強が足りておりませんけれども、担当局長から答えさせますけれども、確かに、そういう問題について、教育の科目に関してやった、それがどんな結果、どういう影響、どういう効果をもたらしているか、これはなかなか具体的につかむのはむずかしいかもしれませんが、それなりの経験を文部省としては持っておるわけでありますから、捕捉する必要があると、私もそう思っております。ただ、現状はちょっと私はまだ不勉強なものですから、局長の方から……。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 この問題は、青少年に関する行政のセクション一がずっと分かれていますから、それを総理府がまとめてこういうふうな青少年白書も出しておるのです。やる場所は文部省で、そういう行政上のいろいろな問題もありますから御検討賜りたいと思うのですけれども、教育の結果がどのように出ておるかということについてはぜひともある程度の検討をしないと、文部省の、国民の教育をあずかる大臣としてはいささかその責任は果たされない。やはり、文部省としての一つの成果みたいなものを確かめるという努力が必要である。  これはいまの統計をとるところが文部省自体にもあるのですし、そしてその他のところにも、これはもうほとんど各省にまたがっていると言っていいほどたくさんあるのです。そういう問題を含めて、ひとつぜひとも検討する場を持っていただきたい。総理府の方も、その問題はぜひとも検討してください。

佐藤欣子青少年対策本部参事官

○佐藤説明員 まことに適切な御指摘であると思います。  すでに青少年対策本部におきましても、先生の御承知のとおり、昭和五十年度に実施いたしました世界青年意識調査等におきましては、たとえば「国のために役立つと思うようなことをしたいか」ということを青少年に聞いております。また、そのほか、青少年の連帯感などに関する調査も昭和五十年度に実施いたしておりますが、このような調査におきましても、青少年の国家意識、愛国心等についての質問等を行っておりますが、今後とも一層先生の御指摘のような点について十分留意していきたいというふうに存じております。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 いまの先進国あるいは中進国等と比較した青年の国際的な調査を、昨年でしたか、やっていますね。日本が主催して、項目をつくって、そして各国と同じようなテーマでやっている。その場合でも、一番目につくのは、国に対して、つまり体を張っても守っていくとかいう感じが一番少ない。問題にならないほど少ない。そういう資料があるのです。  そのことと関係して、先ほど申し上げたように、学校教育法の小学校、中学校、高等学校のところにも、学習指導要領にも国という問題が非常によく出ているのです。国の形成者としてのりっぱな素質とか、これはもう全部の法律の中に入っている。学習指導要領の中にも、特に中学校のところには——小学校にもあり、中学校、高等学校にもありますけれども、中学校のところには、その問題についての社会科の教育でも道徳教育でもあるのです。一つないのが、国を守るという言葉がない。これはどうしてなんでしょうか。  大臣が答えられなければ文部省の他の方でいいですが、国を大事にしなければならぬという言葉はあるけれども、国を守るという言葉がどこにもない。ぼくはあちこち全部探してみたけれどもほとんどない。法律の文言にもなければ学習指導要領にもない。どういうわけでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるように、現在の小中高等学校の社会、道徳等につきましては、歴史、地理の分野における日本国に対する理解とか愛情の教育、あるいは政治、経済等の分野における国家の成り立ち、機構等の問題がございますが、国家の問題としては、国の主権の問題あるいは領土の問題、そして今日の国家というものが国際社会の中における存在を無視しては考えられないという意味において、国際間のあるべき姿ということで、いま先生がおっしゃったような防衛といいますか、そういうことが出てくるかどうかということですが、いまの指導要領で考えられておりますことは、要するに国家として存立していくためにはやはり国際協調というものが非常に大事である、そのためには国連のような組織があったり、あるいは集団安全保障というようなものがあり、それらをひっくるめて国の安全に関する意識を十分に持たせるようにするのだという、広い意味での防衛を含んだ書き方というものがいまの小中高等学校を通じての指導要領の記載の仕方であるというふうに私は認識しております。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 それでいいとお考えですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 そこで、これはいろいろ議論のあるところだろうと思うのですけれども、私は、その指導要領のそうした精神を十分理解していただければ、いま先生がおっしゃるような問題も子供らの心の中にしみ込ませることは十分できると思うのですが、ここで一つ問題は、具体的に教育活動を展開するのは指導要領そのものではなくて、いまは民間で著作する教科書でございます。その教科書は、一つの教科について幾種類もございますけれども、要するに、指導要領のその趣旨を体して著作者が教科書をつくって検定を申請してくる。  そこで、指導要領自身のその内容ですが、いま申し上げましたように、大体抽象的でかなり範囲の広い、あるいは解釈の幅の広い内容でございます。したがって、そのできます教科書について、ただいま先生がおっしゃったようなきわめて端的な、極端に言えば国に殉ずるというような精神の教材というものがそこに載せられてくるかどうかということでございますが、現在までの教科書検定の実態を見ますと、たとえば社会科の教科書をとりましても、私の知っている限りで見ますならばいま言ったような精神で書かれてありますものの、見る人によってはこういう教材では物足りないということが確かにあろうと思うのでございます。  確かにそれはあろうと思いますけれども、いまの検定制度のたてまえとしては、それが指導要領の大綱的基準に反していない限り、これを不合格にする理由はないわけでございますから、そうしますと、そういう教科書を通じて今度は具体的教育活動の場で教師がいかに教育活動を展開するか、そういう課題になるというのがいまのおっしゃるような点についての現実の教育活動のあり方だろうと思うのでございます。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 もっと私は端的に聞いているのです。平和な民主的な国家を守るという言葉がどうして入れられないんだということです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私は、守るという趣旨は、いま申しましたように、総合的にこの指導要領の文言を読んでいただきますならば十分出ておるのではないかというふうに考えるわけでございまして、今回の改定に当たりまして、各学校等の専門の先生方を協力者にお願いしていろいろ議論していただいた結果がいまのところこういうふうになっておる、こういうことでございます。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 大臣、いかがですか、いまの問題は。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 これも全く、私も文部行政の中に入っての議論にならなくて、お答えにならぬかもしれませんですが、みずからの自分の国を愛していくという、大事にするということはこれはもう当然のことで、現在の教育の中にもそういうものは当然入っておるし、入らなければならぬものだと思います。  ただ、いわゆる戦前の教育理念の中のものが混同したようなかっこうで入ってくることを恐れる余り、そこらの表現が和田先生に言わせれば端的なものになっていないというもどかしさが出ておるのではないかと私は思うのでありますけれども、しかし、国民がみずからの国を愛してこれを大事にするということは、これは当然のことだと私は思います。国を守るという言葉、守るという言葉があるかないかという端的な御指摘がございますし、私はまだそこらを指導要領等でよく存じておりませんからお答えにならぬと思いますけれども、国を愛していく、また大事にしていく、これはもう当然のことだと私は感じておるわけであります。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 いや、先ほどから言っているように、法律の中にも国というものが非常に大きく位置づけられておるのです。大事にするという言葉もある。愛するという言葉もある。しかし、守るという言葉だけがないのです。「ほほう」じゃないですよ。大臣、これは大事なことなんです。戦後のある相当長い時期は私もよくいろいろ理解できます。しかし、八〇年代へ向けての日本というのは独立国家としての責任感を問われるときですよ。判断を問われるときですよ。その問題を特にひとつ検討していただきたいと私は思います。  だから、言っているように、戦争前の間違った愛国心とかいうことを言っているんじゃない。平和的な日本、民主的な日本を愛する、守るということがどうして言えないんだということなんです。そうでしょう。それをどうして言えないかとぼくは言っているわけだ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまの指導要領は、先ほど申しましたように専門家の御意見等も聞いて考えたわけでございますけれども、私も率直に言って、もっと守るというような表現にしたらどうだろうかと個人的には思っております。  ただ、こういうことを申し上げていいかどうかわかりませんけれども、国を守るという場合に、それぞれ国民の一人一人が守るということでありましょうけれども、具体的にはやはり自衛隊問題になるかと思います。そこで、この自衛隊の性格は何だといえば、現に国会においても、自衛隊というのは国を守るに必要な最小限の実力であり、戦力ではないというふうに与党はおっしゃいますが、しかし、野党や民間の学者にはそうでないという意見の人があるわけでありまして、これは教科書に書かざるを得ないのです。私は、どこの国の教科書であっても、自分の国の自衛隊について、これは違憲と言いこれは合憲と言うというように、意見が両論ありますなどと書いてある教科書のある国はないと思いますけれども、現実にそうならざるを得ないのです。  だから、そういう意見がありますと、教科書、指導要領をつくるについても、この協力者の方はやはりためらうだろうと私は思うのですね。だから、この辺の問題がやはり関連してまいりますから、私としては、現在のところは国を愛するという程度でがまんせざるを得ないと思っているわけでございます。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 非常に率直な御答弁だと思うのですけれども、そこで私は申し上げておるのです。  いろいろな調査を見ても、約八〇%の国民は、国を守る、あるいは自衛隊は必要だという感じの調査があるでしょう。政府は堂々と国の税金を使って、費用を何兆円か使って自衛隊を強力に進めようとしているんでしょう。反対は何でもありますよ。反対する者は何でもあります。だから、戦後のある時期、私はそういう問題は慎重になったなという感じはするけれども、いよいよもう八〇年代というのは、先ほど申し上げたとおり、日本の独立国家としての意思を明らかにしなければならない、国民も自分の判断をしなければならない時期に次第次第になりつつある。そういうことを含めてなぜ自衛隊のことが書けないんだ。郵便局の配達の方々のことはちゃんと書けと書いてあるけれども、自衛隊という言葉がどこにも出てこないというのはどういうわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 先生、それは誤解でございまして、中学校、高等学校の教科書に全部書いてあります。ただ、その書き方が問題で——問題といいますか、自衛隊については、戦後の警察予備隊からいろいろ変遷があって今日は自衛隊になっているという歴史的変遷が書いてあって、その次に、この自衛隊の性格はというので、先ほど申し上げましたように、政府は合憲と言っておりますけれども、野党や学者の間では違憲と言う人がありますと、そういうふうな説明になっております。これはごらんになっていただけば全部書いてある。  教科書の性格として、一つの意見だけを載せるわけにはいかない。こういう立場があるわけでございますね。これのよしあしはともかくとして、現実にはそうしているということです。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 それは小中学校の教科書にありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 小学校は大体ありますが、中高は全部あります。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 中学校はありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 はい。あります。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 高等学校の指導要領を私は見たんですけれども、中学校にはどうも見当たらなかった。——ありますね。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私の記憶している限りでは、中学校の歴史的分野か社会的分野か、どっちかに入っているはずでございます。  後ほどお届けしてもよろしゅうございます。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 私は素人なものだから、こういう国民の相当数が大事だと思っていることがどうして義務教育の中に入っていないのだろうということを率直に疑問に思っているんです。世界百六十カ国のうちで、自分の国を愛するとか守るとかいうことを義務教育で教えていない国は恐らく日本だけじゃないかという感じがするものだから、そのことをきょう公式の場で率直にお伺いをしているわけです。  もう一つ教えてもらいたいのは、学習指導要領というものの性格ですけれども、これは義務教育において義務的なものですか。これを守っていかなければならないものですか。小学校、中学校の教育の場で……。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 学習指導要領というのは、法令的に言うと、いまの学校教育法の施行規則、文部省令、これで小中高等学校の教育課程——つまり、教育活動のプログラムは「文部大臣が別に公示する小学校学習指導要領による」と書いてあるわけです。だから、それは一つの基準になるわけでありまして、それに基づいて学習指導要領というのは文部省告示になっているわけです。一番程度は低いのですけれども、法令であることは間違いない。そういう意味で、法令解釈として学習指導要領は一つの法令である、下級の法令である、だからそれは書いてあることは拘束力があるというのが法的解釈でございまして、これについては長い間論争があったわけでございます。そういう点は野党の先生からはけしからぬということをしょっちゅう私ら言われておったわけですけれども、しかし、そういう法律論争をやっておってもこれは決して実りはない、学習指導要領というのはできるだけ大綱的な基準にした方がいいということで、今回の改正法では大分簡単にしたわけです。  それで、これをごらんいただけばわかりますけれども、したがって法的拘束力があるといっても、指導要領自体に書いてある目標なり内容というものはかなり抽象的であり、裁量の幅があるわけでございますね。しかし、そうかといって小中高等学校の教育は全国的なレベルにおける水準の維持というものがありますから、三年で五年のやるようなことをやったり、そういうような教科書であっては困りますけれども、大体その指導要領の範囲内で教科書をつくっていただくということにはそう制肘はないというふうに私は考えております。  したがって、法律論として拘束力があるかどうかということは、現在一部の学者などは言っておられますけれども、余り皆さんおっしゃっていないんじゃないかというふうに私は考えております。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 これも端的にお伺いしますけれども、学習指導要領の、特に社会科あるいは道徳教育等に書いてある国の位置づけの問題、これを素直に教えていないところがどこかありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 国の位置づけといいますか、日本国憲法の三原則といいますか、そういうことは小学校の段階からずっとやることになっております。  ただ、それを具体的にどの程度に、あるいはどういうふうに教えているかということになりますれば、これはまさに教育活動の本質として個々の先生がやることであって、一々全部追求できるものではございませんから、われわれとしては、先ほどお話に出ましたけれども、各教科の研究団体等を通じて、県なり国の段階での検定集会等の報告の際における問題点とか改良意見とかいうものを聞きながら、専門家がそれぞれ手直しをいたしておるわけでございますので、大ざっぱに言えば、私は大体その指導要領の趣旨に即して教えていただいておると思いますけれども、個々の学校になりますれば、それはちょっと首をかしげるようなケースもあるいはあるかもしれませんということでございます。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 いまの指導要領の精神に従って実際にどのように学習が実施されておるかということを調べることは、法律上めんどうなことがありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 法律上めんどうというよりも、教育活動は毎日の積み重ねでございますから、いろいろなポイントがあって教育をしておるわけで、それを全部の学校について一々チェックをするということは事実上不可能だと思います。  そこで、いま申しましたように、現実には、たとえば社会なら社会の教科の研究グループなり研究会というようなものがございまして、その会において実際にこういう点に問題があるという報告があるとか、あるいは自分らはこう考えるとか、そういうようなものの積み重ねの中に、現在の社会科におけるこういう点の問題があるというような指摘がなされてきておるわけでありまして、一般的に言えば、その追跡というものはその程度のことではなかろうかというふうに思うわけでございます。

和田耕作民社党・国民連合

○和田(耕)委員 最初に私が教育の効果というものがどうなっておるかということを調べてくださいと文部大臣に言ったのは、そういうことを含めてなんです。  先ほど言ったのは、世論調査のような形でその成果をもっとちゃんと調べてくれということですけれども、それは教育基本法の問題あるいはその他の問題点でいろいろあると思うし、御苦労なさると思うけれども、しかし、いまもうすでに学校教育法の中にもあるいは学習指導要領の中にも決めておる問題ですね。これをそういう方向で実施されるようなことにもっと文部省は責任を持たなければならぬのじゃないか、それを国民は望んでおるのじゃないか、そういうふうに私は思うのですけれども、きょうは時間もありませんから、こういう問題について今後ともひとつ……。  私自身も、具体的にどういうふうに行われておるか、各学校学校をよく調べてみます。つまり、これがはっきりしませんと、現在の段階では抽象的に物を言ってもしょうがないわけですよ。だから、文部大臣も、大事なときの文部大臣でございますから——まあ、いろいろな事情で総理が文部大臣代行をしたということについて私どもかなり厳しく苦言を申し上げました。木島君と一緒に申し上げましたけれども、しかし、非常に大事なときの文部大臣だし、また非常に適した大臣だと私も判断を申し上げておりますので、転換期のこの文教行政を、谷垣時代のものはこれだというふうなことがあるようにぜひともがんばってやっていただきたいと思います。  以上で終わります。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後三時十分休憩      ————◇—————     午後三時五十二分開議

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出があります。順次これを許します。湯山勇君。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 ただいま議題となりました略称私学年金についてお尋ねいたします。  この法律は、従来であれば公務員に準じて年金の額を改定するということが主であったにもかかわらず、今回制度を改正するという非常に重要な問題を抱き合わせにしておるというところから、今日までいろいろ論議がなされてきたという経緯がございますので、私は、給与の引き上げの問題については、これは簡単ですから質問をいたしません。今度国家公務員共済に準じて改定になる部分については、国家公務員と私学教職員は、これは非常に違ったところがたくさんございますので、その準用によって改正される部分に限って御質問をいたしたいと思います。  その第一点は、今回退職金の支給開始年齢を六十歳に引き上げるということが提案されております。これは、高齢化社会に対応してそういう六十歳に引き上げるということはそれなりの意味を持っていることは疑いませんけれども、しかしながら、問題は、退職して給与ももらえなくなったという人が、退職金の給付年齢が引き下げられたといいますか、引き上げられたために退職と年金受給との間に切れ目ができるというようなことになれば、これはきわめて重大な問題であると考えます。  この点につきましては、たとえば国家公務員、地方公務員であれば定年制でこれを切れないように措置するということもできましょうし、あるいはまた人事院勧告等もございますし、あるいはまた行政指導もそれぞれの系統機関として強力に行われるということも考えられますが、私学の場合は学校法人がこういうことをやってまいりますから、極端に言えば学校それぞればらばらになっているという状態で、そういう雇用保障をどうしていくかということが私学にとっては非常に重大な問題ではないかと考えます。  これについて文部省としては一体どのような対処をされるか、承りたいと存じます。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 ただいま湯山委員がおっしゃいましたように、年金の支給開始年齢を引き上げますと、退職の年齢との関連が問題になるわけでございます。  年金開始年齢の引き上げは、年金制度としての検討の結果、そういう必要があるという判断で御提案申し上げているわけでございますが、一方、私学におきます定年と申しますか、退職年齢の状況というのは、これはまたそれぞれの学校法人の置かれておりますいろいろな条件でございますとか、個々の事情によって決まってまいる事柄でございます。  したがいまして、両者は一応関連はありますが、それぞれ別個の判断なりあるいは検討なりの結果状況が決まってくる問題でございますが、ただいまのところ、現実の私学共済の年金の新規裁定年齢というものを見てみますと、六十歳以上で退職したものが約七八・五%という状況でございます。したがいまして、現実には六十歳になる前に退職している方々がおられるわけでございます。  私立学校の教職員の定年と申しますか、あるいは勧奨退職と申しますか、そういった年齢につきましては、私ども現時点では一々についてその実情は必ずしも十分に把握しておらないわけでございますが、六十歳未満で定年を定めている学校法人もあろうと思います。  したがいまして、私どもといたしましては、今回の支給開始年齢の引き上げにつきましては、御承知のように経過期間がおおむね十五ないし二十年というふうなことで定められておりますし、一方、今後の高齢化社会へのいろいろな対応というものもあろうかと思いますし、それから民間企業におきましても定年延長の動きがあるわけでございますので、学校法人というものは、それぞれが独立してそれぞれの定年とか人事等についてのシステムを決めるというのがたてまえでございますが、そういった全体の動きをにらみながら、私どもは、六十歳未満である学校法人については、こういった状況について十分に理解をしていただくようにいろいろな機会をとらえ、あるいは私学団体などにもお話を申し上げて、定年ないし勧奨退職と申しますか、それと年金の支給開始年齢とができるだけマッチするような方向に行きますように働きかけをし、お願いをしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 御答弁の趣旨はよくわかりましたが、ひとつなるべく簡潔に、こちらも簡潔に聞いておるつもりですからお願いいたしたいと思います。  いまおっしゃったように、私学の場合は比較的数は少ない。けれども、これはグループの問題じゃなくて一人一人の生活の問題ですから、そういうことで生活に困るというようなことのないように、これは万全を期していただきたいと思います。御答弁はただいまの答弁で結構です。  第二の問題は、現行では五十五歳から年金支給になっております。しかもいろいろな都合で早くもらいたいという人は年に四%減額したものを十年前からもらえるという制度になっておるわけで、これが減額年金の制度ですが、今回改正になった場合には、保険の数理計算でいくと、これは七%から九%の減額をしないと数理上は合わないというようなことが説明されておりました。中間をとって八%としても、十年早くもらえば八〇%引かれる。そうすると年金は、現行で計算しますと五十五歳から受ける人の二〇%しか受けられない。しかし、二〇%しかもらえない年金というのは、もはやこれは年金としての性格を失っているということになるわけです。  この点については、六十歳定年になっても、非常に困難なたとえば国鉄の機関士とか、そのほか身体条件でその年齢までは勤まらないという人もあるでしょうし、さっき問題になりました自衛官も、そう六十まで自衛官でおってもらったのではこれは役に立たないというような特別な配慮もあるわけで、この減額の率が既得権としては年について四%引く、これを六%とか八%とかということにするということは、いまのように年金の性格、本質にも反するわけですから、私は、当然現行の四%というものが維持できるというように信じておりますけれども、この点はいかがでしょうか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 現行の減額率四%は、これは湯山委員は御承知のことと思いますが、保険数理に基づいた減額率に比較しますとかなり低くなっておるということでございまして、したがいまして、今回これを改めようということでございますが、急激な変更を避けるために、先ほど申しました支給開始年齢について、経過措置の適用を受けるものについては現在の四%ををそのまま続けて据え置くという取り扱いにいたしておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 結構です。  それから、第三番目に、長期給付に要する費用の国庫負担のことにつきましては、この法律がかかるたびに申し上げますし、附帯決議がなされていて、今日まで実現していないことはまことに不満な点でございます。しかし、今回の改正に伴って、二〇%の国庫負担を持っておる厚生年金等との整合性を考慮して、各年金ともに、いろいろ段階や方法はあるにしても、大体二〇%にまで持っていこうというような意図があるやに聞いております。  そこで、文部省としては、従来の当委員会の決議を尊重して、二〇%国負担実現に今後もなお努力をする意思があるかないか、これを伺いたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 明年度予算にも二〇%ということで要求をさせていただいているわけでございますが、先生がおっしゃいますように、今年度の予算におきましても、全体の年金制度間のバランスというものの検討が必要ではございますが、仰せのような趣旨も反映いたしまして、従来ありました財源調整費百分の一・七七を百分の一・八二ということで実質近づける努力はさせていただいたということでございます。  明年度につきましては、百分の二十ということでこれから折衝をいたしたいというふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 せっかくですから、大臣にもお尋ねしておきたいと思います。  いま局長の方から御答弁のありました国負担二〇%というのは当委員会の長い間の懸案でもあるし、全会一致で要望を重ねてきたところです。国家公務員、地方公務員等については現行一五%を今度一六%にする。では、ここには私学の方がいいのじゃないかというような考え方もあるいはしておる人があるかもしれませんけれども、これは年金の性質、それから今日まできた経過、そういうものから見て決して有利じゃないのです。これは大臣も農林年金でよく御存じのとおりですから、農林年金で大臣が御努力になったのと同じように、私学年金の国負担を二〇%にするために大臣の御尽力を要請したいと思いますが、大臣のお考えを承りたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御指摘のとおり、そこに問題があると思います。その実現をいたしますために努力をさせていただきたいと考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 次に、私学年金では懲戒処分者に対して年金給付の制限の規定というものがありますか。あるいは該当がございますか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 制度としては国共済と同様に定めがございますが、これまで事例は見ておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私学には該当者はないということですから、この際関連してお尋ねいたします。  公立学校にはこの規定の適用者がございますか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 正確ではございませんが、年に一、二件というようなことで事例はございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 これらについては、今回、この共済年金についての政府との折衝の過程において、関係省としてその措置の緩和の方向で再検討するという申し合わせがなされておると思いますが、これは管理局長の御権限ではないと思いますけれども、公立にも同様に緩和について再検討なさるという御用意がおありになるかどうか、伺いたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 ただいま御指摘の給付の制限が無期限であるということと、一般の刑事犯罪者の刑の執行の場合のやり方といったようなものと比較いたしまして厳し過ぎるというようなことなど、かねてから議論があるところであったわけでございます。  ただ、公立共済の場合は、必ずしも御質問にあったわけではございませんが、いわゆる労働運動による処分者というものは余りないようではございますけれども、しかし、他の共済なんかの場合も含めまして、共済制度そのものの所管省間でも、そういった処分者も含めて、今後給付制限の緩和の方向をどういうぐあいにとったらいいかということにつきましては、先ほど申しましたように、刑事処分の場合等の兼ね合いも考えながら前向きに取り組んでいこうというふうな話になっておるというふうに聞き及んでおります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 以上で終わります。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いよいよ臨時国会も、本委員会としては定例日はきょうだけという段階を迎えまして、この法案が審議されるということでございますが、政府としては本当に長期間にわたる政局の空白があり、そして特別国会が開かれ、また臨時国会につきましても自民党自体は九日間というようなことを主張されてきておりましたが、そういう中で、この会期末にこういう問題が出てきた出し方について私は非常に不満を持っています。しかも、重要な中身を持っておりますから、委員会として当然十分な議を尽くすべきものであると思いますけれども、事態はこのような状態を迎えておりますので、大変やむを得ない気持ちで質問をするわけでございますが、この点は厳重に今後とも注意をしていただきたいと思うわけです。  今回の法改正の主点は、何といっても支給年齢の六十歳への延伸という問題があるわけですが、まず第一番にお伺いしますけれども、昨年十二月にまとめられた共済制度懇談会の共済制度改革構想のうち、いわゆる制度上の改善部分をたな上げにいたしまして、財政面から政府、大蔵省の都合のよい部分のみを一方的につまみ食いした形で、この法案が出てきておるのではないかと思うのです。  これはまさに組合員の意向を無視する結果になりはしないかと思いますが、この点についてどういうふうな御見解を持っておるか、伺いたいのであります。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 前通常国会にこの法律改正案を提出しますにつきましても、それぞれ必要な手順は各共済ないしはそれを所管する省庁で踏んできたというふうに考えております。  それから、今回の制度改正につきましては、御承知のとおり、先ほども申し上げましたが、十五年ないし二十点年というかなり長期の経過期間を設けてその目的を達成しようという配慮もしておるということで御提案をさせていただいているわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そうではありますけれども、たとえば支給年齢あるいは雇用保障の関係におきまして、今後十分検討しなければならない課題を残したままこの延伸という問題が先行するということについてはどうしても納得いかないわけでございますが、その点は文部省の方はどういうふうにお考えになっておりますか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 やはり、年金制度の成熟化というものがかなり進んでおるということがあるわけでございますし、それからいわゆる平均余命と申しますか、平均寿命と申しますか、これがいま非常に伸長してきたということで、今後費用負担の面で避けられない増大が予測されるわけでございます。これにどうしても対処することによって年金財政の健全化の方向へ持っていく必要があるということが非常に重要になってまいっておるわけでございます。  それから、一方、これまた御承知のことでございますが、厚生年金の方の支給開始年齢も六十歳となっておりまして、これらとの均衡を考える必要があるということでございます。  それから、これは先ほどの湯山委員の御質問にも申し上げたわけでございますが、私学共済について見ますれば、現実の年金の新規裁定年齢については、これが六十歳以上というのが七八・五%と、かなり高い率を占めているということを考えますと、従来から私学共済も国共済並みにすべて水準を引き上げていくということで参ってきた制度でございますので、今回の支給開始年齢の引き上げについても国共済と合わせた同様の措置をするということにしたいと考えた次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 その点も重要ですが、本年四月に厚生大臣に対して年金制度懇談会が報告書を出しておりますが、その中に御承知のように「今後長期的に六十五歳に引き上げる」とうたっている部分があるが、これはすなわち厚生年金、国民年金というところへ波及をしていくという意味で、公的年金制度の本格的な改悪につながるのではないか、その一里塚になるのではないかという心配があるわけでございます。  いまの局長の御答弁を聞いておりましても、財政事情の問題はわかるといたしましても、そういった含みを持っているのではないかという点で私どもは非常な危惧の念を持っておりますが、この点についてあなた方の方の解釈はどうなっていますか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 厚生年金の方の状況は私は必ずしも詳細に承知しておらないわけでございますが、しかし、そちらの方の現在六十歳についても、なお引き上げということが検討を必要とする問題になっているようでございますから、なおさらのこと、現在それよりも低い五十五歳という私学共済につきましては、先ほど申し上げました事情も勘案して、この際やはり十五年ないし二十年という経過期間を設けますけれども、六十歳というところを一つのポイントにした改正に持っていきたいということでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 御答弁はそういうことだろうと思いますが、いま私のお尋ねしましたことにつきましては、当然文部省が答えるべき内容ではないと思います。でも、今度の法改正が年金額の引き上げ——この金額はわずかでございますけれども、また、長期給付に対する国庫負担率の改善の問題なども改善がされていないという点では私どもも不満は持ちますけれども、この支給年齢の延伸以外の部分については私ども賛成する気持ちを持っております。でも、ここの延伸の部分については当然切り離してもっと検討すべきではないかという考えを持っておりまして、そういう意味で御質問しているわけです。  もう一つは、長期給付に対する国の負担率の問題ですが、もう毎年のごとく附帯決議につけてまいりましたけれども、これがちっとも動かないということについて、当然努力されておると思いますが、このことについての見通しをかなりもうここらで持つのかどうかという点を伺いたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 先ほども御質問がございましたが、厚生年金の方が百分の二十という補助率になっておりますので、それを一つのめどとして、私学共済につきましても百分の二十の国庫補助を計上すべきであるという御意見なわけでございますが、これはやはり、申すまでもなく、各年金制度間に、支給開始年齢の相違でございますとかいろいろな実態上の相違がありますために、これまでのところはそういったそれぞれの年金制度の状況を見ながら極力バランスをとっていくということで、現在は私学共済は百分の十八、これは農林年金の場合と同じ率でございます。  国共済、地共済は百分の十五ということになっておるわけでございますが、いろいろな要素を勘案して、従来財源調整費という形で百分の一・七七をその上に乗せておりましたものを、今年度は百分の一・八二ということで、若干ではございますが増額の措置をとってきたわけでございまして、今後もそのような努力は続けてまいりたいと考えている次第でござます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 運営審議会の問題ですが、これも毎年取り上げてきたことでございますけれども、こういった重要な事態を迎えまして、運営審議会の民主化と申しますか、たとえば日教組であるとかいう団体をやはり運営審議会の中に入れてやるべきではないか、それもちっともむずかしいことではないじゃないかということを主張してまいりましたが、これにつきましてもほとんど改善されていない。  いろいろな理由をつけておるわけでございますが、共済組合の運営を本当に民主化し、組合員の要請が反映されるような体制にするための努力は必要だと思いますので、あえてこの際、この点についても改善をする意思があるかどうか、伺っておきたいのです。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 これは前にも山原委員から御質問のあったところだと存じますが、運営審議会は現在も組合員関係として各大学の教職員の方々、それと経営者と申しますか、学校法人の役員の立場にある方々、それに第三者と申しますか、学識経験関係ということで、そういう意味の三者構成にしておりまして、そして学校法人の役員関係と教職員関係は、それぞれ私立学校の方々を構成員とする私立学校の教育関係の団体である諸団体から御推薦をいただいて、その方々に委嘱をしてお仕事をしていただいております。  でございますので、私どもは、推薦団体である全私学連合に対しまして、組合員関係の候補者の推薦に当たっては、十分に各組合員の意向が反映されるように、代表者としてふさわしい人を推薦してくださるように、今後もその線でお願いを続けてまいりたいというように考えておる次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 確かに、そういう団体に委嘱して人選をすることは私は否定しておるわけじゃありません。けれども、いままでの、国の機関などがたとえば審議会をつくる場合にしましても、何となく政府などの息のかかった、いわば体制側とでも呼びましょうか、そういう者が集まっておるところに汚職が出てくる、あるいはいろいろな問題が出てきておるといういまの時点ですよ。KDDの問題にしましても何にしましても、そういう本当に国民に開かれた体制でないところからこういった問題が出てきているわけでございまして、この点は確かに特別な配慮をしまして、私学団体の幹部の方たちが出ることも結構ですけれども、しかし、それに対して共済組合を民主化していこうという考えを持った人も少しは入れたって、その方がむしろ運営を円滑に進めるためにいいんじゃないかという考えは私はいまもなお持っています。したがって、この点についてもさらに努力を続けていただきたいと思います。  最後に、現在三十九歳以下の私学の教職員あるいは事務職員の皆さんのことを考えましても、いまの私学の実態から申しまして、これが六十歳まで本当にその仕事が保障されるような状態にあるのかといいますと、なかなかそうじゃないと思います。そういう不安定な状態に私学の教職員が置かれておることが実態なんでして、そして私学の非民主的な運営のためにあちらこちらで首切りが行われるような事態も起こっておるわけですね。だから、そういう不当な解雇が行われました場合に裁判が行われておる。その裁判の期間は少なくとも共済組合員としての資格を失わせてはならぬというような問題が出てくるわけです。そういったことから考えまして、私学の置かれておる実態から見ましても、この私学共済の問題は本当に重要な課題として、ぜひ文部大臣としましても勉強していただいて、検討して、内容を充実させてもらいたいということを要請したいと思います。  また、私学助成の問題もありますし、今度授業料もどんどん上がるというようなことで、私学自体もいろいろな努力をしまして、賃金の面などについても相当圧縮しなければならぬというような、自分たちみずからの経営努力なども払われておるという状態の中でございますから、そういった点も総合的に考えまして、この私学共済についても今後対処していただきたいと思いますが、その点大臣の御所見を承りたいと思います。  そして、私は、いまの段階ではこの法律改正案に対しては賛成できない立場を持っておりますが、なおまだ最終的な議決の段階まで時間がありますから検討していきたいと思います。その点大臣の御見解を伺います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いま御指摘になりました点をひとつ十分頭の中に入れまして検討もし、また勉強もさせていただきたい、かように考えております。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議

○谷川委員長 以上で、本案に対する質疑は終局いたしました。  次回は、来る十日月曜日、午前十一時二十分理事会、午前十一時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十五分散会

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