農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1979/12/05
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。武藤農林水産大臣。 ————————————— 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○武藤国務大臣 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 この法律案は、恩給制度、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度に準じて、既裁定年金の額の引き上げ、最低保障額の引き上げ等により、給付水準の引き上げを行うとともに、農林漁業団体職員共済組合制度の現状にかんがみ、退職年金等の支給開始年齢の引き上げ、高額所得者に対する退職年金の支給制限、退職一時金制度の廃止等の措置を講じようとするものであり、さきの通常国会及び臨時国会に提出し審議未了となった法律案と同一の内容でありまして、法律案の附則につきまして若干の条文の修正を行っております。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明を申し上げます。 改正の第一点は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、退職年金等の年金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昭和五十四年四月分以後、昨年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として引き上げることにより年金額の引き上げを行おうとするものであります。 改正の第二点は、退職年金等についてのいわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、恩給制度の改善に準じ、退職年金、遺族年金等に係る絶対最低保障額を引き上げようとするものであります。 改正の第三点は、遺族年金についての寡婦加算の額の引き上げであります。これは、六十歳以上の寡婦又は子がいる寡婦の遺族年金に加算されるいわゆる寡婦加算の額を引き上げようとするものであります。 改正の第四点は、退職年金等についての支給開始年齢の引き上げであります。これは、年金受給者の高齢化等に対応する共済組合の将来にわたる年金財政の健全性の確保を図ること等の見地から、退職年金等の支給開始年齢を現行の五十五歳から六十歳に引き上げようとするものであります。 なお、支給開始年齢の引き上げにつきましては、組合員の老後の生活設計等も考慮し、段階的に引き上げていくという経過措置を講ずることといたしております。 改正の第五点は、高額所得を有する退職年金受給者に対する年金の一部の支給を停止することであります。 改正の第六点は、減額退職年金制度の改正であります。これは、減額退職年金の受給を選択できる場合を、原則として退職年金の支給開始年齢の五歳前からに限定するとともに、減額率についても、保険数理に適合するものに改めようとするものであります。 なお、これらについても、所要の経過指貫を設けることといたしております。 改正の第七点は、退職一時金の廃止等であります。これは、通算年金制度がすでに樹立されておりますことから、この際、退職一時金等を廃止することとし、別途、六十歳を超えても年金受給権を有しない者につきましては、厚生年金の脱退手当金と同様の制度を設けようとするものであります。 以上のほか、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げ等、所要の改正を行うことといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
○内海委員長 引き続き、補足説明を聴取いたします。塚田審議官。
○塚田政府委員 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 まず第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、昭和五十三年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金、減額退職年金、障害年金、遺族年金、通算退職年金及び通算遺族年金につきまして、その年金額の計算の基礎となった平均標準給与を、昨年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として、平均三・六%程度引き上げることにより年金額を引き上げようとするものであります。 なお、その改定時期につきましては、昭和五十四年四月といたしております。 第二は、いわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、退職年金、障害年金及び遺族年金につきまして、年齢及び組合員期間の区分に応じ、その絶対最低保障額を昭和五十四年四月分から引き上げるとともに、遺族年金については同年六月または十月にさらに引き上げることといたしております。たとえば、六十五歳以上の者の退職年金については、絶対最低保障額を昭和五十四年四月分以後六十二万二千円から六十四万七千円に引き上げることといたしております。 第三は、いわゆる寡婦加算の額の引き上げであります。これは、六十歳以上の寡婦または子のいる寡婦の遺族年金について、子の数等に応じて加算される寡婦加算の額を、昭和五十四年六月分からそれぞれ年額一万二千円引き上げようとするものであります。 第四は、退職年金等についての支給開始年齢の引き上げであります。この措置につきましては、組合員の老後の生活設計等を考慮して段階的に引き上げていくという所要の経過措置を講ずることといたしておりますが、これによりますと、退職年金の支払開始年齢は、原則として昭和五十五年一月一日現在満五十二歳以上の者については現行どおり五十五歳とし、満四十九歳以上五十二歳未満の者については五十六歳とし、以下同様にして満四十歳以上の者については三歳の年齢差ごとに一歳ずつ引き上げ、満四十歳未満の者から六十歳とすることといたしております。 第五は、高額所得者に対する年金額の一部の支給停止であります。この措置は、百二十万円を超える退職年金を受ける権利を有する者について、退職した日の属する年の翌年からの各年における年金以外の給与所得から所得控除の額を控除したものの金額が六百万円を超える場合に、その超える年の翌年六月から翌々年五月までの分として支給される退職年金について適用することといたしております。 第六は、減額退職年金制度の改正であります。この措置は、減額退職年金の受給を希望する者の年齢を原則として退職年金の支給開始年齢の五歳前までとするとともに、減額率についても保険数理を基礎として算定する率とすることとするものであります。 第七は、退職一時金等の廃止及び脱退一時金の創設であります。この措置は、通算退職年金制度が創設されてからすでに二十年近く経過しておりますことから、退職一時金、返還一時金及び死亡一時金の制度を廃止することとし、六十歳を超えても通算退職年金等の年金受給権を有しない者に対しては、その者の請求に基づき脱退一時金を支給することとするものであります。 以上のほか、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額につきまして、その下限を農林漁業団体職員の給与の実態等を考慮して六万六千円から六万七千円に引き上げるとともに、その上限を国家公務員共済組合制度に準じて三十八万円から三十九万円に引き上げる等の措置を講ずるほか、所要の規定の整備を図ることとしております。 以上であります。
○内海委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○内海委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。片岡清一君。
○片岡委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま提案になっております昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆる農林年金法の改正法案について、若干の御質問をいたしたいと思います。 本法案は、例年行われておりますところの既裁定の年金受給者に対しますところの年金額の引き上げ、あるいは最低保障額の引き上げ等のベースアップ措置のほかに、新しく問題になります点を含んでおるわけでございます。これはいわゆる年金の支給開始の年齢の引き上げの、制度の改定でございますが、この措置については年金受給者にとっては大変不利益であるということで、反対の動きもあるやに聞いておるわけでございます。 しかしながら、わが国の最近の平均寿命が非常に延びてまいりまして、昭和五十三年度の厚生省の白書によりますと、男は七十二・六九歳、女は七十七・九五歳と、急速度に年齢の高齢化が進んでおるわけでございます。したがいまして、人口構成が非常に大きく変わってきたというわけでございまして、こういう問題と関連いたしまして、将来の就労の確保の問題、さらに定年の延長というような問題がいま問題になっておるわけでございますが、こういういわゆる雇用のあり方の問題をどう処置していくかということが大変むずかしい問題になっておるわけでございますし、これと連動いたしまして、この年金の問題のあり方をどう求めていくかということも大変大きな問題になってきておるわけでございまして、こういうことをめぐりましてこの年金支給開始年齢の引き上げの問題が論議せられるわけでございます。 わが国の年金制度は、いわゆる高齢化社会へだんだん移行していくということと、年金制度の成熟化などから、制度を健全に維持していくということが非常に大きな問題を抱えておるわけでございまして、したがいまして、こういう立場から支給年齢の引き上げもある程度やむを得ないと考えざるを得ない次第でありますが、しかし、これらの問題が非常に重要な問題でありますだけに、この点について政府の見解をこの際ひとつはっきりお聞きしておきたいと思います。
○近藤(鉄)政府委員 ただいま片岡先生からお話があったわけでありますが、まさに人口が全般的に老齢化いたしておりますので、農林年金におきましても、受給年齢に到達される方々の数が非常にふえつつございまして、したがいまして、年金制度において加入組合員に対する年金受給者の比率がこれまた増大をしております。こういうことで、いわゆる年金制度の成熟化が進展しておりまして、年金の給付額が急速に増大をしておるのが現状でございます。 したがいまして、こういう現行の仕組みをこのままにして推移いたしますと、年金財政が今後急速に悪化に向かうことが憂慮される次第でございます。したがいまして、こういう動向に対処いたしますために、一つには将来にわたって年金給付と掛金負担との均衡の維持に努めますとともに、掛金率が急激に上昇するような事態が将来起こることを避けることが必要でございます。同時にまた、農林年金制度が発足いたしましてすでにもう二十年を経過いたしておりますので、この平均寿命の増大その他社会経済情勢の変化に即しまして、制度の再検討を行うべき時期にも現在来ている、こういうふうに考えるわけであります。 これらの事情を考慮いたしまして、各共済年金横並びの措置として、経過期間を設けつつ段階的に支給開始年齢を五十五歳から六十歳に引き上げることといたしたい、こういうふうに考えているものでございます。
○片岡委員 そういう立場から今回こういう改正できるだけ有利に展開されていくようにひとつ考えていただきたいものと思います。 それでは、その次に、支給開始年齢につきましては、農林年金の置かれている事情もさることながら、他の年金制度と対比いたしまして支給開始の年齢がどのような地位にあるのか。この引き上げの問題を論ずる上で非常に重要と考えるのでありますが、いろいろの年金で差があるようでございます。それらの差がどうなっておるのか。また、欧米各国の、いわゆる国内の他の制度との比較の問題をひとつお知らせ願いたいと同時に、欧米諸国の被用者年金において支給開始年齢がどうなっておるのか。これは国々によってそれぞれ違うようでありますが、これらの問題についても、ひとつこの際検討したいと思いますので、お知らせいただきたいと思います。
○塚田政府委員 お答えいたします。 まず、支給開始年齢につきまして、わが国の場合は農林年金制度を含めましていわゆる共済年金制度につきましては五十五歳でございます。厚生年金につきましては、女子が五十五歳、男子が六十歳でございます。国民年金は六十五歳ということになっております。 次に、欧米諸国の実情を見ますと、支給開始年齢は国によりその状況は一律でございません。しかしながら、主な国について申し上げますと、アメリカとスウェーデンが六十五歳ということになっております。それから西ドイツとイギリスでございますけれども、これは男子が六十五歳、女子が六十歳ということになっております。フランスにつきましては六十歳、こういうふうになっております。 そこで、次に、わが国におけるこれまでの動きといたしましては、厚生年金がかつて昭和二十八年度までは五十五歳であったものがその後六十歳に引き上げたという経緯がございます。共済年金につきましても、最近における平均寿命なり雇用の動向、さきに申し上げました西欧諸国の状況かつ、六十歳に引き上げていくというふうにしておりますが、これは私どもとしては、国際的に見ても妥当な方向ではないだろうか、このように考えております。
○片岡委員 いま伺いますと、国際的にも外国の方でも、福祉政策の非常に進んでおる国においても六十五歳までというようなところもあるようでございますが、わが国においては、ことにこの農林漁業の問題について五十五歳から六十歳に引き上げるということも、これはいまの措置としてはやむを得ないと存じます。そういう意味で、今後はできるだけそういう点において不利にならないように、ひとつだんだん御検討願いたいと思いますが、ただ、問題は、農林年金制度の財政収支がだんだん悪化しつつあるということを聞いておるわけでございますが、年金財政は何と言っても掛金と給付との均衡を図るということがきわめて重要な問題であり、この年金制度が長続きしていくというためにも大変大事なことでございます。このだんだん悪化しつつあるというような状態がどういうふうになっておるのか、こういうことが、この間のひずみは後の世代にまで影響が及ぶという意味で社会的にもきわめて重大な問題と考えられるのであります。そういう意味で、わが国の農林年金の財政収支の現況がどうなっているのか、今後の見通しはどうかということが非常に憂慮せられるわけでございますが、その点をひとつ、どうなっているかお聞きしたいと同時に、他の年金制度との対比においてその状況を御説明いただければ大変ありがたいと思います。
○近藤(鉄)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、農林年金の総給付額は近年著しく増大をしておりますが、今後さらに、御指摘がございましたように、人口の老齢化や年金制度における加入組合員に対する年金受給者比率の増大等が進展しております中で、さらに一層給付額は急速な増大を続けるものと考えられます。このため、今後、年金財政収支の改善に積極的に努めていく必要がございますし、今回の支給開始年齢の引き上げ措置もこの一環としてお願い申し上げる次第でございます。 また、掛金負担の面でも、前回の四十九年度末を基準といたしました財源率再計算期においては、一部後世代の負担に後送りされている面もございまして、現行と同等の給付水準を維持するものといたしましても、将来大幅な掛金の引き上げをせざるを得なくなると予想されます。したがいまして、世代間の公平を保つ見地からも、五十四年度末を基準として五十五年度に検討し、五十六年度当初に掛金等の改定を行う予定でございます次期再計算期に、年金財政上さらに十分な検討が必要であると考えておる次第でございます。 そういう次第でございますが、なお詳しくは塚田審議官に説明をしてもらいます。
○塚田政府委員 ただいまの御質問に対しまして、数字を交えて若干御説明申し上げます。 農林年金における総給付額は、近年急速に増大してきておりまして、掛金収入額に占めます総給付額の比率を見ますと、昭和四十五年には三一%でわりあい低かったわけでございますが、わずか五年後の昭和五十年には五一%、五十三年には六八%というふうに急速に上がってきております。 そこで、現在の仕組みでこのまま推移いたしますと、わずか三年後の昭和五十七年には掛金と総給付額が同じ水準になるものと見込まれます。それ以後は給付額が収入を上回る事態が進展することになります。このような事態を改善していくためには、農林年金において、原則として五年目ごとに行っております財政再計算期を機会に、新たな計算基礎のもとに掛金その他財政仕組みの改定を行っていくことが必要ではないかと考えております。 次に、次の財政再計算の時期は昭和五十五年度、明年度でございますが、行いまして、五十六年度に再計算結果に基づく所要の措置をとることを予定しております。この時期までは現行の掛金率、御案内のように給与の千分の九十八でございますが、現行の掛金率で対応していくこととなるわけでございます。 農林年金の財政収支状況、成熟率等が近年急速に悪化しつつあることにかんがみまして、農林水産省といたしましても、鋭意今後のあり方の再検討を進めてまいる考えでございます。 次に、先ほど御質問いただきました他の年金諸制度との比較でございます。昭和五十二年度末における農林年金制度の財政状況を他の制度のそれと比較してみますと、成熟率、これは組合員の数に対する年金受給者の数の比率でございますが、その成熟率、それから年金の収支比率、給付費に対する積立額の倍率などは、私学共済、厚生年金に次ぐ順位でございます。現時点におきます財政指標の水準から見ますれば、各年金制度の中でさほど財政悪化が進んでいないように見受けられます。 しかしながら、農林年金にありましては、掛金について過去においてほぼ十年にわたり据え置き同様としているという中で、各年金制度の中でもとりわけ急速に成熟率が高まっております。過去五カ年で六割くらいの成熟率の高まりを見せております。それから先ほども申しましたが、年金の収支比率の悪化が著しい部類に属しておりまして、今後の年金財政の健全化については、私どもとしては真剣に検討していかなければならない事態になっているものと、このように考えております。
○片岡委員 ただいまのその年金財政のことを聞きますと、いまのところは積立金を食っていくというようなことで何とか間に合うとしても、近い五十七年度には支払いと収入がとんとんになるという状態がくるということでありますが、これはやはり大変気になることであります。五十七年以後においてはその改定がどういうふうになるかということは、職員にとっては非常に大きな関心事であると思いますが、そうかと言って、これは一つの客観的な事実としてどうしても免れることができないわけでございます。高福祉高負担といいますか、給付をよくすれば掛金の方もおのずからある程度増加していかなければならぬということはやむを得ぬことかと思いますが、その運営については、ひとつできるだけ健全に運営をしていただくように、今後とも十分配意をしていただきたいと思います。 農林年金は、従来他の制度に比べて給付の水準が低いと言われてきたのであります。ことに市町村の職員その他から比べまして、これはいろいろの歴史的過程もありましてある程度はやむを得ないにいたしましても、最近だんだん給付の水準も上がってきたということであります。現在では共済制度としては各制度と横並びの状態にあるものと聞いておりますが、現時点では他と比較してどのような状態にあるのか、また、掛金負担についても他の年金制度と比べていかなる水準にあるのか、この点が非常に気になるのでありまして、率直にお知らせをお願いしたいと思います。
○塚田政府委員 お答えいたします。 農林年金の年金額を五十二年度の受給者全体の平均額で見ますと、率直に申しまして、他の年金制度に比較しまして最も低い水準にございます。しかしながら、毎年毎年新規の受給者が出てまいりますが、ここで昭和五十二年度の新規の受給者のみについて比較してみますと、農林漁業団体の給与改善等があったことを反映いたしまして、他の年金との格差が改善され、国家公務員共済、私学などよりは劣るものの、厚生年金よりは商い水準になっております。 農林年金は、制度の仕組みとしましては他の共済年金と同等でございます。仕組み上は厚生年金よりは高い給付を行うことができる制度となっておりまして、現行の農林年金の給付水準のおくれは、組合員の年金加入年数等が他の制度に比較して短いということなどによるものでございますが、これをやや具体的に申しますと、なぜ給付水準のおくれがこのように出ているのかと申しますと、第一は、退職年金受給者の平均組合員期間が国家公務員や地方公務員に比べて七年程度短いということがございます。これが給付水準に反映していると見ております。数字的なことで恐縮ですが、農林年金は組合員期間が平均で二十三年でございますが、国共済、地共済は三十年でございます。私学共済については二十五年でございます。そこで、組合員期間が似ております私学共済と比べてみますと、農村部、都市部という立地条件から、地域差による給与水準格差が影響しているのではないかと思います。農林年金の場合は、大体農協等は農村部にございます。それから、私学は大体都市に立地しておりますので、そういう地域差が給与水準に反映しているということでございまして、そこに給与の格差が出ることから年金の給付水準にも差が出てくるというふうにも考えられます。 主な原因といたしましては、以上の二点がございます。 次に、御質問いただきました農林年金の掛金率水準の他制度年金との対比はどうかということでございます。これにつきましては、農林年金の掛金率は、御案内のように、現在千分の九十八でございます。この掛金率は、現行の被用者年金の中にありましては、国鉄の共済、これは千分の百二十四でございます、及び国家公務員共済千分の再三よりは低い状況にございますけれども、地方公務員共済千分の九十四及び厚生年金男子は千分の九十一、女子は千分の七十三よりは高い水準にございます。特に掛金負担の一部、二二・五%でございますけれども、それを後代に後送りしている年金財政の現状、それから掛金率を昭和三十九年から昭和五十一年まで十年以上も据え置いているというようなことなどを考慮いたしますと、農林年金の掛金率は給付水準を反映した財源率から見て高いものではなく、今後年金財政の状況等を考慮いたしまして、次期再計算期に向けてこの水準を再検討していくということが考えられております。
○片岡委員 もう時間が余りありませんので、最後にもう一つの問題についてお伺いしたいと思います。 今回の制度改正の一環として退職一時金等が廃止されることになっておるのでありますが、これはどういうような理由によるのか。掛け捨てのようなかっこうになるので、何か非常に気になるのであります。年金加入者にとって不利益な扱いが生ずることとなるのではないかというふうに思うのですが、これはなぜ廃止をするのか。そのかわりに脱退一時金を設けるというようなことにもなっておるのですが、これはほかの年金との関連から、年金加入者にとって何か非常に不利益な扱いになるのではないかと心配せられるのでございますが、このことについて最後にお伺いして、私の質問を終わります。
○塚田政府委員 お答えいたします。 退職一時金は、御案内のように組合員期間が二十年未満で年金の受給権が生じない者に支給されるものでございます。これは掛け捨て防止等のねらいをもって設けられたものと私ども考えておりますが、現在では、御案内のように、強制加入であります国民年金がもうすでに実現しておりまして、通算年金の充実した今日におきましてはその意義が失われたということから、今回廃止することとしたものでございます。 なお、返還一時金、死亡一時金についても、退職一時金の廃止に伴ってこの機会に同様の趣旨から廃止することとしております。しかし、こうした一時金は廃止いたすわけでございますけれども、新たに脱退一時金を設けております。これは六十歳に達しても年金の受給権を取得できなかった者につきましては、その者の希望によりましてこの措置による一時金を支給するということとしておるわけでございます。そういう次第でございますので、私どもは、特に不利益な取り扱いとなるものではない、このように考えております。
○片岡委員 終わります。
○内海委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時二十四分休憩 ————◇————— 午後一時四十二分開議
○内海委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場昇君。
○馬場委員 日本社会党の農業、林業、水産業の基本政策に基づきまして、来年度の予算において大臣にぜひ実現していただきたい、こういう事柄につきまして、先ほど大臣に申し入れをしたところでございますが、ぜひ社会党の意のあるところをくんでいただきまして、実現するように最大の努力をお願いしておきたいところです。 きょうは、特に養豚経営の危機的状態でございますので、その点にしぼりまして、大臣並びに局長等に御質問申し上げたいと思います。さらに、時間がありますれば、水産行政の一、二の点についても質問いたしたいと思います。 そこで、まず、養豚経営の危機の問題でございますけれども、大臣も御承知のとおりに、現在非常に豚価は暴落をしておるわけでございまして、上物がキロ五百四、五十円というところで張りついて動かないような状態がずっと続いております。実は私の熊本では、上物のキロで四百三十円程度なんです。実は、私この前の日曜日に帰りまして、養豚農家を多く回ったのですけれども、その中の一農家、これは熊本県の下益城都城南町というところの堀江さんという人ですけれども、毎月の動きをグラフに書いて、私ここへ持ってきているのですが、後で大臣に見せたいと思います。熊本の場合、九月が四言九十円ぐらいですが、十月から十一月、四百三十円、四百三十円とずっと続いてきているのです。このような状態でございまして、すでに安定基準価格の六百一円を割ってから五カ月くらいになっておるわけでございます。 この暴落状態についてまず第一にお聞きしたいのですが、このような状態は今後どういうぐあいに推移していくと、大臣でなくても畜産局の方でも結構ですけれども、この豚価の今後の推移について農林省はどう見ておられるのかということをまず聞いておきたいと思います。
○犬伏政府委員 御指摘のとおり、最近の豚肉の価格は、八月の下旬以降下落をいたしまして、安定基準価格を下回る形で推移をいたしております。八月から十月までにかけては低落の一途をたどりましたけれども、その後自主調整保管の実施あるいは消費拡大の推進等によりまして上向き状態に入っております。 いまお尋ねの今後の見通しでございますが、豚肉の国内生産の状況を、私ども先行指標といたしまして、子豚の生産の動向、それから子取り用雌豚に対する種つけの動向、これらを見て、いろいろ推定をいたしておるのでございますが、現在把握しておりますデータから見ますと、急激な生産の縮減というのはなかなか見込みがたいというふうに存じております。ただ、現在進めております計画生産の推進によりまして、徐々にではありますが、適正な水準になるということを期待しております。 一方、需要につきましては、各種の消費拡大対策を講じておるところでございますが、最近、小売価格も、卸売価格の動向を反映して若干下がってまいっております。それによって直ちに消費が増大するというふうには見がたいのでございますが、年内明けて来年一月から三月になりますと例年季節的に需要が少ない時期になりますので、需給関係はその時期には軟調になるのではないか。しかし、四月以降になりますと、季節的に需要期となりますので、需給関係のかなりの改善が見通されるのではないかというふうに考えております。しかし、現在の豚肉の生産状況から判断して、このままの状態でいきますといたしますと、来年の八月過ぎた秋口からまた再び大幅な下落があるということが懸念され、そのために計画生産体制をつくって、子豚生産用の雌豚の頭数調整等を中心とする計画生産の推進を自主的に進める、それを政府としても支援をしていくということを考えておるわけでございます。
○馬場委員 非常に生き死にの状態に養豚農家はあるのに、何かいま聞いていますと、他人事みたいにすぱすぱっと答えられて、もう全然かみ合わないような気がしてしようがないのです。 具体的に聞きますけれども、今度のこの相場の下落というのは、通常上がったり下がったりするというような言い方をされるわけですが、私は、過去の暴落と質的に違うのじゃないか、こういうぐあいに思っているのですよ。 そこで、六百一円の基準価格にいつ上がると思っておられるのか。私のいろいろ聞くところによりますと、どうもこの状態は来春だけでなしに来年の秋まで、さらにその先まで続くのじゃなかろうかと心配をしている向きもあるわけですよ。こういう点で、六百一円の基準価格にいつごろ上がると思っておられるのか、いや、それは絶対上がらぬと思っておられるのか、枝葉は要りませんから、端的にひとつ答えていただきたいと思うのです。
○犬伏政府委員 安定基準価格の六百一円に達する時期についてのお尋ねでございますが、私ども、十月以降養豚農家の非常に苦しい経営の状況等も当然理解いたしておりまして、生産者団体とも相談をしながら、当面とり得る最大限の対策を講ずるということで、先ほど申し上げました自主調整保管、計画生産の推進、消費拡大、これらの対策を推進しております。これらの対策によりまして、できるだけ早く六百一円の水準、これは東京芝浦の皮はぎの価格でございますが、その水準に到達するように懸命の努力をいたしたいと存じておりますが、ただ、その時期がいつ来るかということになりますと、需給関係、出荷動向等から見て、的確にこの時期までということはなかなかお答えしにくい状況でございます。
○馬場委員 これは後でほかの部分を質問してからまた戻りたいと思うのですが、大臣、後でちょっと苦しい経営状況も申し上げるのですけれども、一日も早く安定基準価格に回復するような措置を農林省はとるべきだ。それに向かって最大限の努力をやるのだという意気込みというのですか、そういうものについての大臣のお考えはどうですか。
○武藤国務大臣 いまなかなか議論がかみ合わないように私も承るのでございますが、やはりこういう問題は、確かにえさの価格が非常に安定して安くなってきた、そういうところに大変増産意欲が出てきたということがあったのじゃなかろうか。もちろん消費が伸び悩んでおるということもございますが、その辺に非常に需給のアンバランスが起きてきたのではなかろうかと私は判断しておるわけでございます。確かに畜安法で買い上げの項目もございますが、それはやはり最終的な手段ではなかろうか。その前に、農業団体を含めて、この需給環境をどういうふうに持っていったらいいのかという形において、調整保管を自主的におやりをいただいてまいりましたが、それに加えて、やはり将来の計画的な生産というようなものもひとつお考えをいただいて、そういう中で御努力をいただくのを見守りながら、しかし、それでもどうしても、いま御指摘のとおり、まだ六百一円になかなかいかないのだというときには、もちろんわれわれが、最終的には調整保管の問題についても、畜安法の認可に基づく調整保管がいまの自主調整保管よりも強くなるであろうと思いますし、あるいはその次には買い上げという問題も起きてくるのではないかと思いますが、いますぐ六百一円になかなかいかないのだからひとつ買い上げをする方向に行けと言う前に、もう少しそういういろいろのことを自主的におやりをいただき、また場合によれば調整保管を私どもの方で認可させていただくということも、まだその前の手段としてやるべきではないか。こういう判断をいたしておりまして、その辺多少かみ合わないものがございますが、これは認識の違いかもしれませんけれども、最近多少なりとも上向きの傾向を示してきておりますので、ひとつそのようにやらせていただいたらどうだろうか、また、そういう形で自主的により一層強力な形でお進めをいただけないものであろうか、こう考えておるわけであります。
○馬場委員 大臣がいま言われましたように、全く認識の違いでございます。私はずっと養豚農家をもう二、三回も回ってきているのです。私が行くと、瀕死の状態にあるわけですね。だから、ここで瀕死の状態にあるものに対する対策ということで私は質問をしておるのに、まだぴんぴんしているじゃないかというような感じの答弁が行われておるのでかみ合わないのですが、後で具体的なことを言いますけれども、一日も早く安定基準価格にするようにしなければならぬということは、大臣思っておられるのでしょう。どうですか。
○武藤国務大臣 安定基準価格というものが畜産審議会の議を経ていま現実にあるわけでございまして、それよりも非常にかけ離れたもの、いま五十円近い違いがあるわけでございますが、そういうものがいつまでもあってもいいというような判断は決していたしておりません。
○馬場委員 そこで、認識が違いますから、認識を新たにしていただくために、養豚農家の経営状況というものについて私はいまから申し上げますから、認識を新たにしていただきたいと思うのです。 先ほど私がお示ししました、私の県の下益城郡城南町の堀江さんというところの毎月の経営状況の一覧表がありますけれども、大体一頭出荷するごとに一万二、三千円の赤字でございます。それから、私の県の天草郡天草町大江というところでは養豚業が盛んですけれども、そこの大江養豚グループというところは、実はいま十三名でやっておられるわけでございますが、総頭数は五千頭ぐらいでございます。ここでは一カ月に五百頭ぐらい出荷しておりますが、一頭に対して一万一千二百五十円の赤字が出ておりまして、毎月五百七十二万五千円ぐらいの赤字が出ております。ここのもう一人の森下さんというところにも行ってきたのですけれども、ここは一頭当たり一万二千五百四十六円の赤字でございます。月に三十頭ぐらい出しておられるわけですけれども、合計三十七万六千三百八十円、これが毎月の赤字でございます。千葉養豚というところがございますけれども、ここは一頭当たりマイナスの八千円ぐらいで、八十五頭ぐらい毎月出しておられますが、毎月六十八万円の赤字です。川畑さんという人がおりますけれども、ここは両親と高等学校三年、高等学校一年、中学一年の家族総出でがんばって、五人でやっておられるのですが、一頭出荷いたしますと一万一千円の赤字です。毎月四十五頭ぐらい出しておられるのですけれども、毎月四十九万五千円の赤字でございます。毎月このくらいの赤字がウナギ登りにふえているので、このままの状態が長く続けば、もう廃業どころか一家心中をしなければならぬ、こういうような状態に実はなっておるわけでございます。 熊本の例を申し上げましたけれども、十五万六千戸にも及ぶ養豚農家、この養豚農家というのは、一兆円産業という形で日本の産業にも物すごく貢献していると思うのです。国民の食糧にも命の糧にも協力しておるのですが、すべてほとんど同じような状態がある。このままの状態でこれがもうちょっとでも長く続けば、養豚農家は死ねということと同じような状況になるわけでございます。さっき大臣も生産過剰というような言葉を言われましたが、つくり過ぎたのは養豚農家に責任があるとは言われなかったのですけれども、政府の言葉なんか聞いておりますと、つくり過ぎだというようなことで、対策が手ぬるいように私は思うのです。しかし、こういう人たちは減反政策をやらされて、養豚でもって生活を補おうという形でこういうぐあいに頭数もふやしてきたわけでございます。このままの状態が続けばあしたにも一家心中をしなければならぬ、こういう状態が今日の状態ですよ。 そういうときに、大臣は、一日も早く安定基準価格というものに政府は全力を挙げて取り組む、本当に養豚農家の人をそうしますよと言って勇気づけるという態度をとってしかるべきじゃないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○武藤国務大臣 先ほども申し上げましたように、安定基準価格が畜産審議会の議を経て現在あります以上、それに近づけるというか、結果的にそれに近づく形になることに私どもが期待することは当然でございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、畜安法に基づいて買い上げをできると書いてあるわけでございますから、それでは私どもがすぐ買い上げをするかどうかということについては、これは最終的な手段ではなかろうか。いませっかく自主的な調整保管もおやりいただいておりますし、また、前向きに、それこそ企業養豚の方も含めて生産の計画をより調整をするという意味において進めていただいておりますし、そういうものをもう少し見ながら、豚価がこれでどうなっていくのか、それでもなおかつ低迷するときには考えなければならぬのではないかと思いますが、いまはまだちょっとその時期ではないという判断を私どもはしておるものでございますから、その辺の判断が少し認識が違うわけでございますけれども、私どもはそういう認識の上に立っておりますので、もう少し時間をかしていただきたい、こういうことでございます。
○馬場委員 いまお話を聞いておりますと、たとえば一家五人、両親と子供と一緒にやって毎月四十九万も五十万も赤字を出している。それがずっと八月、九月、十月、十一月、十二月、さらに年を越して続こうとしている。この状態がそのまま続いていっていいというような考え方ですね。 そこで、事業団の買いの問題について、いまが時期だと私は思います。これをしないと、死ねということとほとんど同じですよ。瀕死の重体の状況にいまあると私は思うのです。そこの認識が違うというのは、血も涙もあるのだろうか、あるいは行政の責任を感じておられるのだろうかと私は思うのです。 そういう点について、結局これは私だけの話ではないわけですから、たとえば全中にしたって、十一月十五日にこういう危機突破大会みたいな大会を開きまして、あなた方の方にも事業団の買い上げで自主調整保管をやれという申し出が来ていると思うのです。そしてまた、十二月三日には養豚関係の団体が集まってそういうことを決議をしてきている。いま各県、各市町村で物すごい問題になって、そういうところからもあなた方農林省の方に来ていると思うのです。 そういう意味で、いまが畜安法に基づく事業団の買い入れ、調整保管、そして安定基準価格のところに持っていく時期で、この時期を失したら大変なことになると私は思うのですが、なぜいまそれを発動して養豚農家を救おうとしないのか、どうしても私にはまだわからない。そういう点について、なぜいま発動しないかということについてお聞きをしておきたいと思います。
○犬伏政府委員 事業団の買い入れの問題について、大臣からお答えいたしましたが、補足して、いまなぜということで、その点についてお答えを申し上げます。 御承知のように、現在の豚肉の生産状況は、昨年からことしにかけて対前年比大体一〇%ないし一一%の増加でございます。それから消費の方は、全国の消費世帯一人当たりで見ますと、同じ時期に対前年比二%の増でございます。もちろん外食で食べる分とか加工に回る分とかというのがございますが、それらについても、いまの消費と生産とのギャップを埋めるほどの増加というのは必ずしもないものというふうに見られます。 そういった消費、需要に対応する生産が非常に増大をしてきておる。これはもちろん、養豚経営が五十二年以来非常に好条件にあって、収益性が高い、そのために生産意欲が増大する、規模拡大へ向かうというようなことが背景にあるわけでございます。しかも、その生産の増大のテンポが現時点で衰えていく傾向があるか、需要の状況に合わせた生産が行われる傾向にあるかと見ますと、なかなかそういう動向にはない。したがって、需要に見合った生産が行われるという体系を一日も早くつくり上げることが、今後の養豚経営を安定的に発展させるために重要である。 ただ、いま直ちに買い入れを行うということになりますと、その生産が超過した供給過剰分を市場で一時たな上げするわけでございますが、それが次から次へと続くということでたな上げが累積をするということになりますと、養豚経営の将来のことを考えますと、非常に暗い将来を考えざるを得ないということでございます。要するに、計画的な生産体制がつくられている状況に現在はないという点でございます。
○馬場委員 大臣、いまの局長の話を聞いておりますと、もう倒産している者もおるわけですから、倒産する者はどんどん倒産させる、弱い者は切り捨てて強い者が残るわけですから、そうすると生産と消費のバランスがとれる、そういう政策をいまとっておられるような気がしてならない。 私はそれはいけないと思うのです。弱い者、瀕死の状態の者をいまは救っておいて、その中で後、計画的に生産と消費をどうバランスをとるか。死ぬ者は殺してしまっておいて生産と消費のバランスをとろうというようないまの考え方。とにかくいま救っておいて、その後で皆さんで話し合って生産と消費のバランスをとっていく、その方が血も涙もある農林行政ではないかと私は思うのですよ。 具体的に言うと、いま事業団の買い上げを発動していただいて、瀕死の状態の人に注射あるいは手術をして生き返らせておいて、さあ今度はこういうことにならぬように今後お互いにどうしましょうか。たとえて言うと、たくさん食うて体を壊した、おまえたくさん食ったのだから死んでしまえではなくて、それは助けておいて、今後たくさん食うなよと指導して話し合えばいいのです。そういう意味で、まず救って、そして具体的なことを話し合ってやるべきだと思うのですが、いまは逆です。需給のバランスがとれなければ発動しないというのは、もう死んだらいいという考え方ではないですか、どうですか。
○武藤国務大臣 畜産局長の説明をそうお受け取りになったのかもしれませんが、私は必ずしもそう受け取っているわけではなくて、結局、いま自主的な調整保管をお考えをいただいた、そして今後は生産についても計画的にやろうという話をいまお進めをいただきつつある、こういうことは、いわゆる養豚をやっている方々がお互いに、それじゃおまえは弱いからつぶれろということでは決してないのであって、みんなでお互いにこの際しんぼうし合ってひとつやっていこうじゃないか、こういう御判断のもとにやっていただいていると私は判断をいたしておるわけであります。 そういう意味合いで、せっかくいまおやりをいただいているので、もう少しその様子を見守らせていただきたいということでありまして、決して私ども責任を逃れるつもりはないわけであります。その様子を見た上で、最悪の事態がまだ出てくるというようなときには、私どもが考えざるを得ない時が来る、こういうふうに判断をいたしているということを申し上げておるわけでございます。
○馬場委員 そこが私とは食い違っているのですよ。たとえば、自主調整保管を十万頭やった。さらに十万頭追加した。しかし、これでも余り効果が上がっていない。だから、実際、養豚農家の方方はいま言われましたようなこと——計画的というのは、当面の緊急対策と長期対策ということを業界がつくっておられるのを私は知っているのです。それで、計画的な養豚経営安定推進会議というようなものをつくってやっておられるのですが、これは長期的なものだ。短期的には、すべての業界での人たちが、いま事業団の買いの発動をやってくれ、そして緊急対策をしておいて、将来われわれもそういう経営安定推進会議等で計画的なことを考えますよというようなことをやっておられるのです。だから、皆さん方はその長期的なものと短期的なものとこんがらかって言っておられるのですが、私は、業界すべての人たちが、発動していただいて、その後推進会議等でそういうことを長期的に考える、こういうことでございますから、これを待っておったらいつまでも発動できないし、みんなつぶれてしまう、死んでしまうという形になるわけでございますから、これはもうその辺こんがらからずに、すべての人たちがいま発動してくれと全部要望しているでしょう、これにこたえていただきたいと思うのですが、どうですか。
○武藤国務大臣 いまの議論は大変平行線をたどっているわけでございまして、大変馬場さんには申しわけないのでございますが、私どもはどうしても、もう少し様子を見れば安定基準価格に近づくのではないかという判断をいたしておるわけでございまして、その辺が大変平行線で申しわけございません。ひとつもう少し時間をおかし願いたいわけでございます。
○馬場委員 安定基準価格に近づけばもう事業団の買いの介入はせぬでもいいわけですから、そうしたらやらないということですね。それでは、大臣、これはこれだけ議論しておってもしようがないわけですけれども、本当に、いま現場の切実な養豚農家から言いますと、もう首をくくって死にたいような状況なんですよ。それにもうしばらく様子を見ます、もうしばらく様子を見ます——死んでしまいますよ。これについては、ぜひ一日も早くあの事業団の調整保管の買いを発動して、注射をして緊急を救っておいて、そして長期的に考えていただきたい。切に要望しておきたいと思うのです。 そこで、今度はまた、輸入豚肉の規制の問題ですけれども、こういう状態になっておりながら、輸入豚肉はことしの場合去年よりもちょっと、もうこの一月から九月までの間で去年の輸入量の十四万トンを超しています。だんだんこういう状態の中で輸入の豚肉がどんどんふえてきておる、これは私は非常におかしいと思うのですよ。そういうことで、農林省が輸入豚肉についてのいろいろの指導をなさっているのは私は知っておりますが、このこともいままだ効果を上げていないのです。だから、私は、自由化の品目でございますからいろいろあると思うけれども、やはり行政指導でもってきちんと、商社とかメーカーとか、こういうものについて輸入豚肉の一時凍結の問題も指導なさっております。ハム、ソーセージのこういうところに対しても、日本産の豚肉を使えという指導をされていることを知っているのですけれども、輸入は減らない。そういう指導も十分実行されていないというのが現状ではないかと思うのです。この輸入豚肉の輸入規制について、大臣、どのような態度でございますか。
○武藤国務大臣 実はこの間もデンマークの外務大臣が、月曜日でございますから一昨日参りまして、日本は豚肉の輸入をどうも規制をするようだけれども、けしからぬじゃないかという話がございました。私は率直に言って、日本の養豚農家が非常に困っている実情を率直に、いま——そのとき私はちょうどあなたと同じような気持ちで、デンマークの外務大臣に、大変なんだ、もうそれこそあすの命もわからないくらい苦しんでいるのが多いんだということを現状としてよく説明をいたしておきました。 そういうことで、政府がやるわけではないけれども、これはやむにやまれないという気持ちを輸入商社の連中もよく理解をしたのであろうということで、自主的にやっておるんだということで私は話をしておきましたが、十二月一日から新規契約は一切応じないという形でいま進めておるようでございます。 そういうことで、これはいま御指摘のような政府でもって輸入規制をやるというわけには、御承知のとおりもう自由化しておりますのでできませんけれども、お互いに話し合ってもらって、結果的には新規の契約は十二月一日からしない、こういうことでやっておってくれるようでございますから、私は、豚肉の輸入についてはこれからそういう面で相当抑えられるという方向で期待ができるのではないかと思っておるわけでございます。
○馬場委員 なかなか、自由化品目ですから答弁もしにくいようでございますけれども、結果的にはやはり法的とかあるいは諸外国との関係とかあるでしょうけれども、私は、やはり畜安法を見直して、輸入豚肉の合法的な規制というふうな措置でもとってしかるべきだ、こういうぐあいに思いますけれども、きょうの場合は、やはりいろいろな方法をとりながら、輸入抑制ということでもってこの畜産危機、日本の養豚危機を切り抜けるとか、あるいは将来の養豚産業の安定的な発展とか、こういう方向に、いろいろな施策をとって、結果として輸入抑制がされて、そして日本のそういう養豚産業の発展に資する、そういう姿勢で大臣がこの行政をやっておられる、こう理解してよろしゅうございますか。
○武藤国務大臣 いまおっしゃられたとおり、自由化をしておる品目でございますから、その辺のところは大変、私の方からは御期待いただくような言い方ができないのでございますが、先ほど申し上げましたようなことで実効の上がるような形になるのではないかと私は期待をいたしておりますので、そういうことでひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○馬場委員 局長、やはりいま商社とかメーカーに対して、いろいろなこういう過剰の中における輸入問題についての行政指導をなさっておりますね。だから、こういう点については、さらにあなたの方の行政指導も強化してもらいたいということをつけ加えて申し上げておきたいと思うのです。 次に、豚肉の消費拡大の問題ですけれども、問題は、消費者の価格というのがほとんど下がらないと私は言っていいと思うのですよ。もう買い値はどんどん下がっておりながら、消費者の豚肉はほとんど下がらない。これでは消費拡大にもならないわけですよ。こういう点について、小売価格というものを下げるという行政指導はどういうぐあいになさっておるのか。そしてまた、下がっているのか。それなしには消費拡大はできないと思うのですが、どうですか。
○犬伏政府委員 豚肉の小売価格が、卸売価格が低落したにもかかわらずそれほど下がってないということがしばしば指摘をされておりますが、従来の小売価格と卸売価格の連動性を見ますと、その幅については必ずしもストレートにつながるものではございませんけれども、傾向としては連動をしておる。最近の小売価格も漸次引き下げ方向に向かっております。 私どもの豚肉の消費拡大対策としては、そのような小売価格をできるだけ下げるための対策を講ずるということで、一つは特別販売事業なるものを進めております。これは生産者団体、食肉の流通団体、それに消費者団体も加わった食肉消費対策協議会を各都道府県に、現在は二十七都道府県に設けられておりますが、この対策協議会によりまして、値下げ販売あるいは増量販売、さらには料理講習等の啓蒙普及、こういうことを推進をいたしております。 それからもう一つは、農村地域におきます豚肉の消費量が都市地域に比べまして一人当たりで約六〇%程度と消費水準が低うございます。そういうことから、農村地域の豚肉消費の促進特別対策事業を全農等の系統団体が主体となって進めるよう指導をいたしております。それからそれ以外に、私どもの持っておる各種のPRの予算がございますが、これにつきましても、豚肉を重点的に取り上げて、新聞、テレビ等で消費の拡大を図るというようなことを進めておるわけでございます。
○馬場委員 食肉の消費推進事業だとか、あるいは農村地域の豚肉消費促進事業とか、こういうものでやっておられるのはわかる。 ここで、時間も余りないのですけれども、さっき言いましたように、基本的には、卸売価格が下がっているのですから、小売価格を下げる、消費拡大をする、その行政指導を強めなければならぬわけですが、さっき言いましたような推進事業、これには去年の予算ですが十億か二十億くらいしか予算がついてなかったのじゃないかと私は思うのですが、五十五年度の予算でこの消費拡大というものについて積極的に取り組んでもらいたいと思うのです。大臣、五十五年度の予算で豚肉の消費拡大に取り組むような大幅な予算の獲得というものに力を入れてもらいたいと思うのですが、これはどうですか。
○武藤国務大臣 いまの概算要求は、御承知いただいているように、大体五十四年度とそんなに違わない形でどうも出ているようでございまして、大変残念に思って、これは私が来る前の話でございますので、こういう財政状態でございますが、少なくともそれが減額にならないように、私はできるだけ努力したい、こう考えております。
○馬場委員 概算要求が出されたときは八月くらいじゃなかったかと思うから、そのときから暴落が始まっていたわけですね。そういうことですから、緊急事態がきたわけですから、私は、概算要求は去年の額とは余り変わらないのじゃないかということは知っているのですけれども、こういう事態になったのですから、格段の努力をぜひ大臣にもお願いしておきたいと思うのです。 そこで、次は飼料の問題ですけれども、飼料が来年一月以降値上がりする、こう言われておるわけでございますが、農林省はこの飼料の値上げに対してどう対応されようとしておるのか、こういうことについて一点伺っておきたいと思うのです。 それから、時間がございませんので、もう一点あわせて申し上げておきたいのですけれども、この養豚経営の危機を乗り切るための当面の資金対策でございます。これについて緊急な資金対策をやっていただきたい。極端に言うと、さっき言ったようにもう破滅寸前、一家心中に追い込まれているというような状態、そういう状態の中でこの年末を迎えるのです。そこで私は、そこだけでも越年資金でも何とか手当てをするとか、そういうようなことでも緊急にやるべきだというようなことも思いますし、さらには、少し長期になりますけれども、政府借入資金の返済というものは一時凍結をするとか、そういう緊急的な資金対策というのもする必要があろうと思うのです。一月から値上がりが予想されるえさの問題、当面の経営危機を乗り切るための資金対策、これについての方針を聞いておきたい。
○犬伏政府委員 明年一月以降の飼料価格についていろいろ懸念される問題がございます。御承知のように、配合飼料価格は民間価格で決められるものでございますけれども、最近の状況からいたしますと、国際価格が高水準に推移をしておる、それに加えて、御承知のような円安傾向、さらにはフレートが高騰しておるといったコスト要因から見まして、値上げ圧力があるというふうに考えざるを得ない。そういたしますと、配合飼料価格のある程度の値上げはやむを得ないものであろうというふうに思われます。ただ、値上げをされました場合には、まだどの程度値上げになるか、いま直ちに申し上げられる段階ではございませんが、配合飼料の価格安定基金制度の適切な運用によりまして、農家負担への影響をできるだけ抑えるということで、私どもとしては努力をしていきたいと考えております。 それから、資金の問題でございますが、最近の豚価の低落から当然農家の資金繰りその他が非常に苦しくなっておるという状況はあることが推察されますけれども、私どもとしては、豚肉の需給改善によりまして、一日も早く先ほども申し上げましたような安定基準価格に向けて価格の改善が行われるよう努力をし、その推移を見守ってまいりたいと考えております。したがって、資金の問題についても、それとの関連においてどのような措置をとる必要があるかどうか、その辺の検討をしていきたい。 ただ、制度資金の問題につきまして、償還期が来ておるということから、融資の償還が困難であるという状況にあります場合には、これは現行制度のもとで、資金の種類あるいは借り受け者の個個の事情に応じて、必要な償還猶予の措置がとり得るわけでございますので、これについてはケース・バイ・ケースで対応するような指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○馬場委員 時間が来て、この問題についての時間は余りないのですけれども、いろいろなことを申し上げましたけれども、やはり認識が違うようでございます。だから、ぜひ養豚農家の現状を本当に見ていただいて、はだで感じていただいて、いまの資金対策というものも考えていただくし、とともに、私は事業団の買い入れによる調整保管というのを直ちに発動していただきたいと思いますし、また、長期的にはいろいろ対策もあられると思うのですけれども、こういう要望を申し上げながら、大臣に最後に経営問題についてお聞きしたいのですけれども、鶏のときも、生産調整いたしましたら商社系がやみ増羽なんかしてしまってなかなか困ったことがあるのです。私は、養豚農家の経営安定ということを考えた場合に、商業資本、企業、そういうものが農家養豚というものを圧迫してはならぬ、農家養豚というものこそこの養豚産業の主であるべきだ、こういうぐあいに思いますから、商業資本によるところが、たとえば皆さんの協調を破ってみたり、あるいはまた、政府の指導も農家養豚を主にして、そこが栄えるように安定するように指導していただきたいと思うのですが、この点についての大臣の見解を聞いておきたいと思うのです。
○武藤国務大臣 いわゆる憲法上の営業の自由ということもございますが、御承知いただいているかと思いますけれども、私は中小企業事業分野法をつくった男でございまして、養鶏にいたしましても、養豚にいたしましても、そういう商社系が大変進出をして、そのために従来の農家の皆さんが非常にお困りになっているということについては理解を示しておるつもりでございます。その辺について、先ほどちょっと触れましたが、今度の計画生産には幸い商社系も乗ってきておるようでたしまして、農業基本法にございますように、いろいろの選択の中で農家の収入がより高まっていくようにするのが農業政策だと私は考えておりますので、そういう意味合いで、商社糸よりは当然養豚農家、いわゆる本当に養豚を一生懸命やっていただいておる農家がよりりっぱになっていただけるようにすることが私は当然の方向だと思います。そのような形で今後できるだけ施策を充実をしてまいりたいと考えております。
○馬場委員 いろいろまだ言いたいことはあるのですけれども、養豚の経営危機の問題については以上で終わります。 もう一点、私は遠洋カツオ一本釣漁業従事者の失業対策についてお尋ねをしたいのですが、その前に、農林大臣の水産行政に対する政治姿勢といいますか、水産庁長官の行政姿勢といいますか、そのことについて、最近起こりました一つの事例を挙げながらお尋ねしておきたいと思うのです。 農林大臣、御承知と思いますけれども、北海道沿岸などで韓国漁船との紛争が起こっております。これも大臣御承知だろうと思うのですが、わが党は、この韓国の大型トロール船による底びき網で大量漁獲をする問題だとか、たび重なる日本側の漁具被害などの紛争があるものですから、この委員会でも質問をいたしましたし、また、大臣交渉等もわが党はいたしたわけでございます。そういう中で、その都度、鈴木善幸農林大臣、中川一郎農林大臣、渡辺美智雄農林大臣等も、このことについて善処を約束してこられました。当然、新大臣も、この韓国と北海道を中心にする漁業者との紛争問題、これについては前の大臣の方針を貫かれることだろうと思うのですが、それはそう理解してよろしゅうございますか。
○武藤国務大臣 北海道沖の韓国船の問題は、オッタートロール漁法を禁止しておる地域に対して勝手に入ってきてやるということで、大変北海道の漁民の皆様方との間にトラブルが起きていることは承知をいたしておりまして、何とかこれを一ついては、私は全くその考え方で、就任以来、まだ十分効果は上がってないかと思いますが、できるだけ努力をいたしておりますし、今後もできるだけその方向で努力をし、努力をするだけでなく解決がなされるように一生懸命やってまいりたいと思います。
○馬場委員 わかりました。実は十一月の十八日でございましたか、韓国の一千トン、二千トンの漁船のまわりに、北海道の二十トンくらいの漁船が百五、六十隻、五、六百人の漁民が乗りまして、海上デモをやりまして、投石事件などがあって韓国の乗組員が一人けがをした、こういう事件が起こりまして、韓国側から日本に対して反省を促しておるわけでございますが、こういう事件があったのは御承知のとおりだと思います。 そこで、こういうことが起こりかねない状況がある中で、実は北海道の水産関係者が、十月三十一日に水産庁長官に対して善処方を求めて要請に来られました。そのときの水産庁長官の態度というものについて、実は要請に来ました漁民の方が物すごく怒っておられるのです。水産庁長官としてあるまじき暴言じゃないか、こういうぐあいに怒っておられることがございます。ここにそのときの話し合いの模様を記録した文書があるのですけれども、一々きょうは読み上げはいたしませんが、二百海里問題なんかは北海道の知事がやればいいじゃないかとか、あるいは暫定水域法の五条二号、こういう適用なんかを約束した国会議員がやればいいじゃないかとか、いろいろなことを実は言って、暴言じゃないかとトラブルを起こした事件がございます。これについて詳しく内容を読み上げるのは時間がありませんから私は省略いたしますけれども、こういう状況の中で、困って来られた漁民に対して、憤激しトラブルが起こるような応待は、行政官たる者してはならない。本当に水産行政というのは漁民の心になって行政をすべきだと私は思うのです。 このことについて、大臣の御見解と水産庁長官思うのです。あともう一問ございますので、簡単にお願いしたいと思うのです。
○武藤国務大臣 これは私の就任前の話でございまして、私はつまびらかには承知をいたしておりませんが、たまたまこの間、北海道の社会党の議員団の皆様方がお見えになりましたときに、そういう話が私にございました。もしそういう不穏当な言動があったならば、それは十分注意すべきでございますので、水産庁長官にも、少なくとも今後そういう非常に憤激を招くような言動のないように私からも注意をしておいたところでございます。
○今村政府委員 北海道の韓国漁船問題の陳情の際におきまして、私としては十分意を用いない発言をいたしたことはまことに申しわけないと思って深く反省をいたしております。
○馬場委員 最後に、私は、遠洋カツオ一本釣り漁業の問題について尋ねて終わりたいと思うのですが、これはカツオの魚価が非常に安いのと燃油の高騰でもって、ほとんど遠洋カツオ一本釣り漁業というのは経営的に破綻を来しておるような現状でございます。そういう対策の一環として、日鰹連や関係業者で、カツオ一本釣り漁船を廃船して、海外まき網に転換する整備計画を現在立てておるようでございますが、その際問題になりますのは、減船対象となる経営者の補償と、離職して失業する乗組員の救済問題でございます。経営者の補償の問題はきょうは時間がありませんからお尋ねしませんけれども、離職者の救済措置として、やはり漁業再建整備特別措置法、こういうもので救済するなり、あるいは国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法等で緊急にこういうものを救済すべきだ、こういうぐあいに私は思うのですが、この救済について政府はどう考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
○今村政府委員 カツオの一本釣りの経営は、御指摘のとおり非常に悪うございまして、これに対応いたしまして、業界におきましては、これの対策としてのまき網等への転換につきまして、現在いろいろと検討をいたしておるところでございまして、私の方としましても、これに対応して十分対処していきたいと思っておりますが、この際におきます、あるいはまた枕崎その他におきますいろいろな一本釣り漁業の経営問題に関連いたしまして、漁業再建整備特別措置法を適用するかどうかという問題でございますが、この法律は、御存じのように、国際環境の変化等に対応するために実施された漁船の隻数の縮減に伴い離職を余儀なくされた者に対して、職業転換給付金を交付するということでございます。この法律の適用をするかどうかにつきましては、私たちとしましても、十分今後運輸省とも相談しながら検討してまいりたいと思っておる次第でございます。
○馬場委員 終わります。
○内海委員長 新村源雄君。
○新村(源)委員 いま北海道の農民は、先般農林省が指示されました生産調整の面積が十万九千九百八十ヘクタールでございまして、これは実に北海道の水田総面積の四三・六%に相当する面積でございます。したがって、北海道の水田農業というのは半身不随になっている。このことによって農民は、この政府の措置に対して非常に強い憤りを持っていると同時に、将来の経営に対して非常に不安におののいておるわけでございます。 さらにまた、北海道の農業の一つの柱であります酪農におきましても、これは昭和五十年に政府の主要食糧の長期需給見通し、これによりまして第三次酪農近代化計画というものを求めてきておるわけです。この内容は、昭和五十五年に約六十四万三千頭の乳牛を六十年度までに百万頭にしろ、そして乳量も百五十万トンから三百四万トンに上げろ、こういう計画を持ってきておるわけです。しかし、昭和五十四年度はまだ定かでございませんが、五十三年度の乳量が百九十三万トン、こういう情勢の中で、今年度の加工原料乳の限度数量というのは前年度に据え置かれた。そういうことから、酪農の現状では、いま町村によって違いますけれども、生乳に食紅を入れて食用にしない、こういう措置がとられて、政府の無計画といいますか、そういう措置に対して強い憤りを持っておりますときに、これまた主として政府の助成事業で酪農近代化事業の一環として行っておりますサイロの建設につきまして、FRP、ガラス繊維によるところの合成樹脂の素材を使って建設をしたサイロでございますが、このサイロが倒壊をするということが起きておりまして、いま北海道では、この問題をめぐって大変な問題になっておるわけです。こういう実態について農林省はどのように把握をされているか、そしてその原因はどこにあったか、こういうことについてまず答弁をいただきたい。
○犬伏政府委員 去る九月十九日から十月十九日の一カ月の間に、北海道におきまして五つの大型サイロ、いま御指摘のFRP製のサイロでございますが、倒壊事故が発生しております。このうち三基が補助事業で建設したものでございます。 この事故は、コーンサイレージの詰め込みの数時間後から翌日までにかけて発生しておる事実が認められます。こうした事故発生の通報を受けまして、私どもといたしましては、北海道庁を通じて事故の原因を明らかにするように、さらにその対策についていかなる対策を講ずるか、相談もしてまいったわけでございますが、この事故につきまして北海道庁ではFRPサイロ検討委員会なるものが設置されまして事故原因の究明を急いでおります。また、事故の起きたサイロのメーカーにおきましても原因の究明に当たっておりますが、現段階におきましては事故原因というのはまだ十分明らかになっていない状況でございます。 この対策といたしまして、まず応急対策といたしまして、事故の被害を受けた農家の代替飼料の確保と、それから応急補強工事がメーカーの手によりまして行われ、これは十月中に完了いたしております。なお、メーカー側からは、原因究明の結果を待って責任をもって対処するという報告が出てまいっております。 さらに、今後の問題でございますが、こうした事故発生原因を究明した後に、その原因に対応した安全対策が講じられるように十分指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○新村(源)委員 この問題は今年突然起きた問題ではなくて、昭和五十一年度にすでにこれと同じような状態で倒壊をしておるわけです。そしてさらに昭和五十二年、五十三年に建築したもののうち約四〇%、五十三年度末で九十基あるうち三十五基が張りかえその他補修を行っておるわけです。したがって、この問題がいまだに解明されないということは一体どこに原因があったのか。特にこのサイロは建築基準法によりまして八メートル以上のものは建築確認を受けなければならぬ、こういうことになっておるわけですが、この点についてはいまだにわからないというのはちょっとおかしいと思うのですが、いままでわからなかった原因はどこにあったのですか。
○犬伏政府委員 これまでの事故発生につきましては、このサイロが御承知のように新しい形のものでございまして、建設段階における施工ミスがあったということがしばしばあり、それに対応した措置が講ぜられてきたというふうに承知をいたしております。
○新村(源)委員 私が調査しましたところでは、このFRPのサイロというのは世界で初めて採用した工法でございます。そして財団法人日本建築センターから評定書というものが出され、そして本格的に五十一年から建設をした。そしてその年に倒壊をしておる。こういうように世界で初めての工法であって、そして建築センターから評定書が出されたその年に倒壊をする。そしてまた翌年、その翌年にわたって建設したものの三五%も四〇%も補修をしなければならないという、こういういわゆる不完全製品に対して、本格的にこういう問題が起きてくるまで放置をしておいたという責任は一体どこにあるのですか。
○犬伏政府委員 先ほど御指摘がございましたように、建築基準法の許可が必要な大型サイロでございます。それで、その建築基準法で許可をするに際しての基準といたしまして、日本建築センターが技術的な意見等を出しておるということを承知いたしておりまして、それらのところから事情聴取をしておるところでございます。ただ、本年の事故は別といたしまして、これまでの段階の事故の発生につきましては、まだ新しい施設であって施工上なれない点があるということで施工上のミスがあったということで、施工側が十分そのことについて対応策を講じてきておるというふうに承知いたしております。
○新村(源)委員 昭和五十一年の四月十日に建築センターから評定書が出ておる。そしてその年にすでに倒壊をしている。そのような事態が起きたのを、ただ単に工法がまずかったからというだけで、これを評定した建築センターそのものに対して再度伺いを立てるとかなんとかというものが出てきておるのですか、どうですか。五十一年四月の評定書をもって、その以後全部いまのやつを建築されておるのかどうか。その間にもう一度建築センターに対して再調査をするとか再評定をするとか、こういうような措置がなぜとられなかったのか。この点について何か事情があったのかどうか、お伺いしたい。
○犬伏政府委員 そのような事態が出ておるもとで、このサイロの建設について十分な対応がされなかったのではないかという御指摘のように承りますが、私どもとしては、建築評定等につきまして、これまでの時点におきまして特別の事情があってやらなかったということではないと存じております。ただ、今回の事故の発生につきまして、私といたしましては、これだけの事故が次々に起きるということについてはやはり技術的に何らかの欠陥があるのではないか。それにつきましては建築基準法に基づく措置の中で技術評定があるわけでございますので、その技術評定そのものについて十分再検討をしていただきたい、こういう趣旨で、私どもの方から財団法人の日本建築センターに対しまして申し入れを行ったところでございます。 その中で、評定委員に畜産関係の施設に明るい専門家をやはり加えてやるべきではないか、単に建築面からの問題ではなくて、後の使用、それをどう使うかという使用との関係においてその施設が安全で十分であるかどうかという点を十分検討をする必要があるのではないかという点を強調いたしまして申し入れをしたところでございます。
○新村(源)委員 もっと端的に御答弁をいただきたいと思うのですが、世界で初めてこういうことを始めた。そして建築センターは中国工業ですか、ここからの申し出によって評定をした。そしてその年すでに倒壊をした。さらに翌年もその翌年も約四〇%も手直しをしなければならないという事態にありながら、建築センターは、それまで申請をした業者、いわゆるメーカーと建築センターとの間に何のやりとりもなかったのかどうかというのを聞いているわけです。それはどうなんですか。
○犬伏政府委員 建築センターの所管は建設省でございますので、私どもの方としてはそのようなことを承知をいたしておりません。
○新村(源)委員 私初めてでございますので、質問を通告をするときに建設省の担当官の出席も要請をしておったわけですが、きょう出席されておりますか。
○内海委員長 来ております。
○新村(源)委員 それではお願いします。
○上田説明員 サイロの建築基準法上の問題についてでございますが、事故につきましてわれわれが聞いたのは、五十一年にもあったという先生の御指摘でございますけれども、五十一年の問題につきましては聞いておりませんで、ことしの九月十九日から十月十九日までの一カ月間に五基のサイロが相次いで倒壊したという報告を受けております。 私ども建築基準法を所管する立場で重大問題でございますので、農林省とも連絡をとり、いま御指摘のような建築センターの評定に間違いがあるかどうか、この点については当然見直しをやっていくべきものと考えておりますが、現在これら今回倒壊したサイロにつきまして地元に検討委員会をつくって検討している最中でございまして、その結論が出るのが来年の一月ということでございますので、その結果を十分参考にして必要な措置をとってまいりたいというふうに考えております。
○新村(源)委員 この問題は、いま建設省の方からお伺いをしますと、建設をした農民以外の関係者というのは非常にふまじめな姿勢でこの工事を行ってきたと断定せざるを得ないわけです。先ほど申し上げましたように、評定を出した年にすでに倒壊をしている。連年にわたって補修をしている。そして今年五基倒壊して、いま悉皆調査をしているところでは、早急にこれ以上の被害を起こさないということで対策をしなければならぬのが実に七十一基にも上っている。こういう大問題を引き起こしておるわけです。しかもこれは農家にとっては、一基安いもので一千万、高いものは一千八百万もする金をかけて建築をしている。しかも地上十四メーター、十八メーターという高いものが、もしこれが倒れたなら、場合によっては人畜にも被害が及ぶし、あるいは畜舎その他の施設にも大きな被害を及ぼすことは明らかなんです。そういうのに、こういうように問題がここまで破局的な状態のところまで追い込まれて初めて調査をする、こういうことについては、私はまことに遺憾の意を表明しなければならぬと思うわけです。 次に、いまこの悉皆調査をやっておるわけでございますが、早急に応急処置というものはやってありますけれども、これがもし地震等が来た場合に一体どのくらいもつだろうか。ただでさえも破裂をするわけですから、そういう大自然の変化に対応する力というものはどのくらいあるか、こういうことについて建設省からちょっと伺いたい。
○上田説明員 建築センターの評定段階では、一般的に地震に対しまして当然安全性はチェックしているわけでございます。ただ、いま御指摘のように、現実に施工が不十分であったために、その後補強を要するようなものが大丈夫かというお話につきましては、実態を検討しなければ何ともお答えいたしかねるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、倒壊したものにつきましての対策とあわせて、最終的にはそれら全体について何らかのもっと抜本的な補強策が必要かどうかということもあわせてその中で検討したいと考えます。
○新村(源)委員 それでは、この問題につきましては、先ほども申しましたように非常に危険を伴う、こういうことでございますから、万遺憾のない措置をとっていただきたい。このことを要望いたしまして、次に、この事業が酪農近代化事業等で大体八〇%以上が補助事業。そういうふくらんだりなんかしていろいろ故障はあるけれども、曲がりなりにも一応ことしは使っている、こういう状態の中で代金の支払いをどうしていくか。たとえば補助金はどうする、あるいは農民負担の分はどうする、こういう点について農林省としてはどういうようにお考えになっているか。
○犬伏政府委員 補助事業で建設したものが多いわけでございますが、サイロに万一事故が起きました場合には、第一次的にはサイロ建設業者がその損害につきまして賠償する必要がある。補助事業の場合におきましては、そのようなメーカーとの契約の中に損害賠償条項を織り込むように指導をいたしております。またそれ以外の、サイロ自体の損害だけではなしに、それに伴って生ずることとなる農家のいろんな影響についても円満な解決が図られるように行政庁といたしましては指導をしてまいりたいと存じております。
○新村(源)委員 そうしますと、サイロがふくらんでおったり、あるいは取り出し口がゆがんでおったり、いろいろ補修をしながら使っておるわけですが、そういう形であってもこの事業は完成をしたんだという認定をされるということですか。
○犬伏政府委員 その場合の第一次的な認定を行う者は道庁でございます。道庁におきましてそのような形のものが認定されるかどうかを聞きました上で対処をいたしたいと存じます。
○新村(源)委員 もっと質問をしたかったわけですが、時間がないのでこの問題につきましては特に要望をいたしておきますが、サイロというのは三十年程度の耐用年数を持って使われるものなんです。しかし、これがもう建築当時すでに倒壊をする、あるいは早急に手直しをしなければならぬ。一体先何年もつかということがきわめて問題になる。そういう場合に農民に負担をかけないように農林省としては道を十分指導して、遺憾のない措置をとっていただきたい、こういうことを要望して、この問題については終わります。 次に、韓国漁船の問題でございますが、これはもう先ほど、馬場委員の方から御質問がありまして答弁をいただいたわけですが、北海道沿岸漁民にとっては、あるいは漁業関係者にとっては死活の問題であるわけです。そして、いままで再三にわたって国の措置を要望してきたわけですが、なかなからちがあかなかった。しかし、一日でございますか、韓国が自主的に規制をする、こういうように言ってきたわけでございます。しかしこの問題は、日本海側とオホーツク海側は五海里、太平洋側は三海里あるいは襟裳岬については十二月と一月だけを操業規制する、こういうものでございますので、根本的にはこれは解決されていないわけです。こういう状況になって、もしこういうことで一つの問題が解決されたんだというような印象が出るとすれば、いまの状態というのは固定化されて、もっともっと長く問題が尾を引いていくような気がしてならないわけです。 そこで、そういう状態ではありますけれども、農林大臣としては、この問題解決に対してどのように理解され、これから進めていこうとされているか、所信を伺いたい。
○武藤国務大臣 いまお話しのとおり、この間、自主的な向こうの一つの規制案が出てまいりましたが、北海道漁民の皆様方のことを考えた場合には、まだ禁止区域、全面的に自主的にそこにおいては遠慮をするということではございません。その意味において、私どもはある程度そういうものが出てきたということについては評価をいたしておりますが、それで十分だとは考えておりませんので、今後とも従来と同じような考え方に基づいて、少なくとも禁止区域であって漁民の皆様方がごしんぼう願っておるところへ韓国側がまだ入り得る余地があるわけでございまして、そういうことについては、やはりいままでと同じように強く韓国側に対してより自粛をしていただくように努力をしてまいりたい。でき得るならば、この国会の状況もございますが、国会の許される時期に水産庁長官を韓国に派遣したい、こう考えておるわけでございます。新村(源)委員 もともと韓国漁船が北海道沿岸で操業するようになってきたのは、ソビエトが二百海里を実施したことによって韓国漁船がだんだん北洋漁業を南下してきた。それがいま北海道近海でこういう大きな問題になってきている。したがって、この問題の根本的な解決ということになりますと、いますでに国際的に定着してきた二百海里、これを速やかに実施する、こういうことがこの問題の基本的な解決であろう、こういうように存じますので、この点についてもう一度農林大臣の所信をお聞きしたい。武藤国務大臣 確かに二百海里時代に参ったわけでございますが、二百海里の設定をいたしますときにも、いろいろと日本と韓国との間において二百海里を設定するかどうかについては議論があったようでございまして、また現実に、いま北海道沖にはそういう問題が起きておりますし、あるいは韓国船が北海道以外においても、山陰地方なりあるいは福井、京都沖といったようなところにも出てきておるようでございます。こういうことも考えていかなければなりませんし、一方わが国の漁船が相当韓国の水域にも入り込んで漁業をしておるようでございまして、その辺をいろいろと判断をしながらこの問題については考えを固めていかなければならないと思っておりまして、いま御指摘のように、直ちに二百海里を設定したらどうかということについては、私ども、いま現実にここで、それじゃ二百海里を設定しますというような御返事を申し上げるまでには至っていないということを御理解をいただきたいと思います。新村(源)委員 それでは、ただいま提起いたしました北海道沿岸における漁民が実質的に安心をして操業ができるような体制を速やかにとるということを強く要望いたしまして、質問を終わります。柴田(健)委員 議事進行について発言を求めたいと思います。内海委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕 内海委員長 速記を始めて。 柴田健治君。柴田(健)委員 この際、参考人出席要求について決議すべしとの動議を提出いたします。 すなわち、農林水産業の振興に関する件について、明十二月六日、日本中央競馬会理事長武田誠三君、同副理事長増田久君及び日本発馬機株式会社代表取締役社長三上泰知君の三君に参考人として本委員会に出席を求め、その意見を聴取するよう決議されたい。 右、動議を提出いたします。内海委員長 本件の取り扱いを理事会において協議するため、休憩いたします。 午後三時十二分休憩 ————◇————— 午後四時二分開議
○内海委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産業の振興に関する件について、明六日午前十時、日本中央競馬会理事長武田誠三君、日本中央競馬会副理事長増田久君及び日本発馬機株式会社代表取締役社長三上泰知君に参考人として出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、明六日木曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三分散会 ————◇—————