内閣委員会 第2号
- 発言数
- 495 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/12/06
会議録
○木野委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 今会期中、国の行政の改善を図り、公務員制度及び給与の適性を期する等のため、 一、行政機構並びにその運営に関する事項 二、恩給及び法制一般に関する事項 三、国の防衛に関する事項 四、公務員の制度及び給与に関する事項 五、栄典に関する事項 以上の各事項について、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査を行うこととし、議長にその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○木野委員長 次に、上原康助君外五名提出の国家公務員法の一部を改正する法律案、内閣提出の附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理等に関する法律案及び内閣提出の許可、認可等の整理に関する法律案の各案を議題といたします。 順次趣旨の説明を求めます。岩垂寿喜男君。 ————————————— 国家公務員法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○岩垂議員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました国家公務員法の一部を改正する法律案に対する提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 ロッキード事件に続いて生起した、さきのダグラス、グラマン等航空機輸入に伴う疑獄のみならず、戦後日本の汚職事件の主要なもののいずれもが、保守政界、大企業を中心とした財界、そして官界が三位一体となった構造汚職であることに対し、今日、国民の厳しい批判の目が向けられております。この政・財・官が一体化した構造汚職こそ、日本を深部からむしばむ病根であると断言できるのであります。 中でも、高級官僚を中心とした官界と大企業の黒い癒着は、官界からの天下り人事がその基盤となっております。それは単に、癒着だけでなく、汚職の要因になっており、さらに行政の本来の使命である公正さを欠く原因になってさえおります。ことに指摘されるべきは、離職前と関係のある大企業への天下りであります。 現在、国家公務員法百三条は、私企業からの隔離として、「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」と定めておりますが、「人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」こととなっており、現実にはこの項を巧みに利用して天下りの就職がなされているのであります。このような悪弊をなくし、現行法の不備を改正するのが本法案の提出理由であります。 次に改正点の主要な項目について申し上げます。 まず第一は、事務次官、局長など人事院規則で定める官職にある職員は前項を「離職後三年間、離職前五年間」とし、例外なく「規則に定める営利企業の地位についてはならない。」とするものであります。 第二に、右の職員以下については「離職後三年間、離職前五年間」の禁止規定はありますが、承認を受けた場合は、就職は認められるものとしております。 以上が本法案の要旨であります。 本法案は、航空機等の汚職防止に関する総合対策の一環として提出いたしました。そうでなくとも、行政上の綱紀を厳正にいたします重要な事項でありますから、何とぞ慎重な審議の上に速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○木野委員長 次に、宇野行政管理庁長官。 ————————————— 附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理等に関する法律案 許可、認可等の整理に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○宇野国務大臣 ただいま議題となりました附属機関、地方支分部局等に関する規定の整理等に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 先般、政府は、行政の簡素、効率化の一層の推進を図るため、新たな行政簡素化方針を決定いたしました。その一環として、行政組織に関する規制の形式を整序し、あわせて、行政需要の変化に即応した機構の合理的再編成の基盤を整備する等のため、各省庁設置法等における附属機関、地方支分部局等の設置等に関する規制の内容を改める等の措置を講ずることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の内容について御説明申し上げます。 第一に、地方支分部局のうち府県単位機関以下の機関については、各段階の機関の総称は法律で定め、個別の名称、位置、管轄区域及び内部組織は政令または府省令で定めるよう統一することといたしております。これにより、地方行政監察局等十一種類の機関について、所要の改正を行うことといたしております。 第二に、地方支分部局のうちブロック機関に置かれる次長及び部の設置は、政令で定めるよう統一することといたしております。これにより、現在次長または部の設置を法律または府省令で定めている管区行政監察局等二十三種類の機関について、所要の改正を行うことといたしております。 第三に、附属機関等のうち、同一類型に属する機関が複数設置されているものについては、機関の総称は法律で、個別の名称、位置、内部組織等は府省令で定めるよう統一することといたしております。これにより、監獄等二十二種類の機関について、所要の改正を行うことといたしております。また、これら以外の附属機関等については、その位置は府省令で定めるよう統一することとし、所要の改正を行うことといたしております。 以上のほか、各省庁設置法等の規定について所要の整備を行い、また、関連する諸法律についても所要の改正を行うことといたしております。 なお、これらの改正については、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。 次に、許可、認可等の整理に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 政府は、かねてから行政の簡素化及び合理化を促進するため、許可、認可等の整理を図ってまいりましたが、さらにその推進を図るため、一昨年末に決定した行政改革計画において整理合理化することとしているもの及びその後政府において検討した結果改善することが適当と認められるものを取りまとめ、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の内容について御説明申し上げます。 第一に、許可、認可等による規制を継続する必要性が認められないものにつきましてはこれを廃止し、第二に、規制の方法または手続を簡素化することが適当と認められるものにつきましては規制を緩和し、第三に、下部機関等において処理することが能率的であり、かつ、実情に即応すると認められるものにつきましては処分権限を委譲することとしております。 以上により廃止するもの三事項、規制を緩和するもの十五事項、権限を委譲するもの六事項、計二十四事項について、十二法律にわたり所要の改正を行うことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○木野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
○木野委員長 この際、ただいま議題となっております各案中、許可、認可等の整理に関する法律案について審査に入ります。 これより質疑に入るのでありますが、本案に対し別に質疑の申し出もありませんので、直ちに討論に入ります。 討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 許可、認可等の整理に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、行政管理庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。宇野行政管理庁長官。
○宇野国務大臣 ただいま許可、認可等の整理に関する法律案を可決いただき、ありがとうございました。 本法律案に関しましてこれまでに承りました貴重な御意見を体し、一層の行政の改革、合理化に努めてまいる所存でございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○木野委員長 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木野委員長 御異議なしと認めます。よって、 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○木野委員長 次に、公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。 去る八月十日の一般職の職員の給与等の改定に関する勧告及び職員の週休二日制に関する勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。藤井人事院総裁。
○藤井(貞)政府委員 勧告を出しましてから、大分時間がいろんな情勢でたっておりますが、勧告の内容の概略について簡単に御説明を申し上げたいと存じます。 まず第一に、給与勧告の問題でございます。 これは、恐らく人事院が勧告制度に取り組んで以来、本年は最低であるということが第一の特色でございまして、その結果官民較差が三・七ということに相なったわけでございます。したがいまして、その配分につきましては、大体俸給、本俸というものに主体性を置きまして、その他の諸手当等につきましては、配分についてそれほどの力点が置き得なかったという状況でございます。ただ、諸手当につきましても、生活関連の手当について重点を置いて配分をしたという結果に相なったわけでございます。 俸給表の問題につきましては、配分傾向においては、とかく従来まで問題がございました世帯の形成層あるいは中位等級というものに重点を置いて、ここには相当の重点配分をやるということにいたしたことが一つでございます。 指定職の俸給表については、御承知のように、昨年は各種の状況がございましたので据え置きをいたしました。例年、これについては民間の動向等も留意して調査をいたしておりますが、かなりの程度に民間との間に較差が出てまいりました。これを放置しておきますと、要するに、一等級から指定職に上がるというような場合にかえって俸給が減るというような変な逆転現象も生じるということがございますので、そういう点を配慮いたしまして、ことしは最小限度の引き上げはやむを得ないのではないか。これでも、民間と比較いたしますと大変遠慮をしたかっこうになっておりますけれども、そういうことでお願いを申し上げた次第でございます。 それから、大変組合の方からも御批判をいただいております高齢層職員の給与でございますが、この点、官民の比較の問題、公務員の実態というものから見まして、やはり延伸なり停止の措置というものはやむを得ないことではなかろうかという結論に達しまして、これについては従来よりも若干強化をするという方向で方針を打ち出しております。 そのほかは、いま申し上げましたように、手当については、扶養手当、通勤手当、住居手当等について措置をいたしましたほか、従来からいろいろ問題にされております俸給の調整額等についても、一歩前進の措置を講ずることにいたしました。 実施時期は、いままでと同じように四月一日現在で官民の較差を出しておりまする関係上、従来の方針に従って四月一日からこれは適用していただくことが適当であろうということを申し上げた次第でございます。 次に、週休二日制の問題でございます。 これも御承知のように、二回にわたってテストを実は実施いたしました。テストの結果は、それぞれ各省庁がいろいろ工夫、努力を重ねられた結果、大体においてはまずまず円滑に実施ができて、将来の本格実施に道を開いたというふうにわれわれとしては受け取っておるわけでございます。 この間、民間におきましても、週休二日制の普及率というものはだんだんと上がっておりまして、大企業等を中心に見ますと、大体八割方以上は週休二日制を実施しておるというような状況に相なってきておるわけでございます。こういうようなことから、年間の休日数をとりますと、大分公務員との間に開きが出ておる。民間企業は八十七・一日ということになっておりますが、これに対して公務員は六十八日ということで、かなりの差ができておるというような実態も考慮しながら、一歩前進の措置を講じたいというふうに考えた次第でございます。 ただ、週休二日制というのは、何しろ公務のことでございますので、これをやったがために公務の運営に非常な差し支えが生ずるというようなことになりましては、これは国民のためにもならないので、その点との調和というものが大変むずかしいことで、人事院としてはいろいろ苦慮をし、調整も図ってまいったわけでありますが、今回の場合におきましては、いろいろ総合勘案いたしました結果、四週五休ということで月に一回程度は土曜日を中心にしてひとつ休む、これがやはり世界の大勢にも合致したことではないかという結論から、まずこのあたりから実施をお願いいたしたいというふうにいたしておるわけでございまして、この点は制度の大変な変革でございますので、勧告という形をとった次第でございます。 以上、本当に概略で恐縮でございますが、八月に出しました給与勧告と週休二日制に関する内容の概略について御説明を申し上げました。
○木野委員長 これにて説明は終わりました。 ————◇—————
○木野委員長 次に、上原康助君外五名提出の一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出の一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出の特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び内閣提出の防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 順次趣旨の説明を求めます。岩垂寿喜男君。 ————————————— 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○岩垂議員 私は、日本社会党を代表し、ただいま提案のありました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について提案理由の説明を行います。 本年八月十日、人事院は衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣に対して、国家公務員法第二十八条及び一般職の職員の給与に関する法律第二条の規定に基づき、一般職の職員の週休二日制について、一般職の給与に関する法律を改正する旨勧告いたしました。 この人事院勧告に基づき、政府は直ちに所要の法的措置をとることが必要であるにもかかわらず、本臨時国会において、政府は何らの施策をもとっていないのであります。よって、わが党は、この人事院勧告に基づく措置をとるために本法案を提出いたしました。 改正点の内容は以下のとおりであります。 一、当分の間四週につき各庁の長が職員ごとに指定する一の土曜日には勤務を要しない日とすること。 二、勤務の特殊性により、または官庁の特殊の必要に応ずるため、一によりがたい職員については、各庁の長は別に勤務を要しない時間を指定することができるものとする。 三、一及び二による勤務時間に関する措置は勤務一時間当たりの給与の額の算出に影響を与えないものとすること。 以上が本法案の内容であります。何とぞ慎重な審議の上に速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○木野委員長 次に、小渕総理府総務長官。 ————————————— 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○小渕国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、一括してその提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本年八月十日、一般職の職員の給与について、俸給及び諸手当の改定等を内容とする人事院勧告が行われたのでありますが、政府としては、その内容を検討した結果、指定職俸給表の改定を昭和五十四年十月一日に繰り下げたほかは、勧告どおり同年四月一日からこれらの改定を実施することとし、このたび、一般職の職員の給与に関する法律について、所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、全俸給表の全俸給月額を引き上げることといたしております。 第二に、五十六歳以上の職員のうち人事院規則で定める年齢を超える者は、特別の場合を除き昇給しないものとすることといたしております。 第三に、初任給調整手当について、医療職俸給表(一)の適用を受ける職員に対する支給月額の限度額を十八万五千円に引き上げるとともに、医療職俸給表(一)以外の俸給表の適用を受ける職員のうち、医学または歯学に関する専門的知識を必要とする官職を占める職員に対する支給月額の限度額を三万六千五百円に引き上げることといたしております。 第四に、扶養手当について、配偶者に係る支給月額を一万円に引き上げるとともに、配偶者以外の扶養親族に係る支給月額を二人までについてはそれぞれ三千円に引き上げ、この場合において、職員に配偶者がない場合にあっては、そのうち一人について六千五百円に引き上げることといたしております。 第五に、住居手当について、月額七千円を超える家賃を支払っている職員に住居手当を支給することに改め、その支給月額は、月額一万四千五百円以下の家賃を支払っている職員にあっては家賃の月額から七千円を控除した額とし、月額一万四千五百円を超える家賃を支払っている職員にあっては家賃の月額から一万四千五百円を控除した額の二分の一を七千五百円に加算した額に引き上げ、この場合においてその加算する額が五千五百円を超えるときは、五千五百円とすることといたしております。 第六に、通勤手当について、全額支給の限度額を超える部分の二分の一加算の限度額を二千五百円に引き上げ、最高支給限度額を一万七千五百円に引き上げることといたしております。 第七に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について支給限度額を日額二万三百円に引き上げることといたしております。 以上のほか、附則において、この法律の施行期日、適用日、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定いたしております。 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職の職員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、内閣総理大臣、国務大臣等の俸給月額は据え置くことといたしましたが、その他の特別職の職員の俸給月額についてはこれを引き上げるとともに、大使及び公使並びに秘書官の俸給月額についての特例を定めることといたしております。具体的には、内閣法制局長官等の俸給月額は九十八万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、八十四万円から七十二万三千円の範囲内で改定することといたしております。また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使の俸給月額は据え置き、大使五号俸は九十八万円とし、大使四号俸以下及び公使四号俸以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、八十三万円から六十四万五千円の範囲内で改定するとともに、特別の事情によりこれによりがたいときは、五十三万七千円とすることができることといたしております。また、秘書官については、一般職の職員の給与改定に準じてその俸給月額を引き上げるとともに、特別の事情によりこれによりがたいときは、八号俸の俸給月額にその額と七号俸の俸給月額との差額の三倍の額を加えた額とすることができることといたしております。 第二に、委員手当について、委員会の常勤の委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を三万五千三百円に、非常勤の委員に支給する手当の支給限度額を二万三百円にそれぞれ引き上げることといたしております。 以上のほか、附則においては、この法律の施行期日、適用日等について規定いたしております。 以上が両法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○木野委員長 次に、久保田防衛庁長官。 ————————————— 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○久保田国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、このたび提出された一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員の給与の改定等を行うとともに、予備自衛官手当の月額を改定するものであります。 すなわち、改正の第一点である防衛庁職員の給与の改定等につきましては、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を一般職の職員の給与改定の例に準じて改定するとともに、営外手当についても改定することとしております。このほか、一定年齢を超える職員の昇給に関する規定についても一般職の職員の例に準じて改めることとしております。 なお、事務官等の俸給のほか、扶養手当、住居手当、通勤手当及び医師等に対する初任給調整手当等につきましては、一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用し、またはその例によることとしておりますので、同法の改正によって一般職の職員と同様の給与の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。 改正の第二点である予備自衛官手当の月額の改定につきましては、その月額を現行の二千円から三千円に改定することとしております。現行の月額は、昭和四十七年に定められたものでありますが、その後の経済情勢の変化等にかんがみ、これを改定することとしたものであります。 この法律案の規定は、公布の日から施行し、昭和五十四年四月一白から適用することとしてお与ますが、指定職の職員の俸給の改定部分については、昭和五十四年十月一日から適用することとしております。 また、昇給に関する改正規定及びこれに関する経過措置の規定については、昭和五十五年四月一日から施行することとしております。このほか、附則において、俸給の切りかえ等に関する事項について一般職におけるところに準じて定めております。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○木野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○木野委員長 以上の四法律案についてこれより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢沢英雄君。
○逢沢委員 人事院の方へお尋ねをいたしたいと思います。 先ほど、今次勧告の概略について説明がなされたところでありますが、三・七%の較差、要するに、民間給与の実態の調査の方法はどういうふうにしてやっておいでになるのか。その調査の方法の内容についてひとつ詳しく御説明をお願いいたしたいと思います。
○長橋政府委員 民間給与実態調査につきまして御説明申し上げます。 人事院は、四月現在におきまして、民間の事業所、企業規模百人以上、事業所規模五十人以上の事業所約七千余りにつきまして、四月に払われました月給について詳細な調査をしております。これは、各事業所に参りまして、賃金台帳を見せていただきまして、賃金台帳からつぶさに転記して調査をしております。 官民の比較をする場合においては、結論的には官民比較のためのものでございますので、したがいまして、各職種別に学歴別、年齢別、地域別、そういう条件を設定いたしまして、約七千余りの事業所について詳細な調査をいたしております。
○逢沢委員 その調査のあり方というのが非常に大きな影響をもたらしますのでお尋ねをしたわけなんですが、そういうやり方は過去何年ぐらい踏襲しておいでになられましょうか。
○長橋政府委員 こういった調査をいたすようになりましたのは、昭和三十四年以来でございます。
○逢沢委員 その勧告を受けて、さきに総務長官の方から今次改正の内容、一般職、特別職含めて概略の説明がなされたところであります。今次の一般職、特別職あわせましての改正の特色というものは、どういうところに重点を置かれたか、改めてひとつお尋ねを申し上げたいと思います。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 本年の人事院勧告は、改善率が三・七%と大変低額でございまして、私どもとしましても、どういうものについてどういう改善をするかということにつきまして大変苦労したわけでございます。 俸給表の改定について申し上げますと、三・七%と改善率が低い割りには、配分上やや重点を置きまして、そのうちの約三%分を俸給表の改善に充てております。それから、俸給表の改善に当たりましては、世帯形成時、二十歳の後半から三十五歳ぐらいのところまでやや重点を置きまして改善をしております。たとえば、これを行政職俸給表(一)を例にとってみますと、行政職俸給表の改善は平均いたしまして三・五%でございますけれども、いま申し上げましたような三十五歳あたりのところになりますと、五等級七号俸のあたりで約三・九%ということで、その辺の中堅どころにつきましては、平均の改善率よりも〇・二%から〇・四%ぐらい高い改善をいたしております。 それから手当関係でございますが、手当関係につきましては扶養手当の改善に重点を置きまして、現在配偶者九千円でございますけれども、これに千円加えるということで一万円に改善してございます。それから扶養親族たる子につきましては、二子まで三百円改善ということをやっております。なお、通勤手当、住居手当につきましては必要最小限度にとどめております。 それから指定職の給与につきましては、昨年改定を見送っておりますけれども、これは民間の役員の給与を参考にしておりますが、昨年約五%較差がございまして、ことしも九%ほどございましたので、これ以上このまま放置しておきますと、いろいろ給与上問題も出てまいりますので、ことしは改定に踏み切った次第でございます。指定職の俸給表の改善率は平均いたしまして約三・七%ということでございますが、これは一般職の、一般の職員の給与改定を上回らないという範囲内で改善いたした次第でございます。 それからそのほかに、給与の配分の適正化という観点から、五十六歳以上の年齢の職員の昇給につきまして適正化を図っていく措置を勧告してございます。五十六歳以上の職員につきましては昇給を停止するという線を勧告してございます。 このほか、俸給の調整額でございますが、これは法律改正事項ではなく、人事院規則事項でございますけれども、従来調整単位四%となっておりましたものを、やはり適正化を図っていくという観点から、調整額の改定につきまして予定を御報告申し上げておる次第でございます。 以上がことしの給与勧告の特色かと思います。
○逢沢委員 ことしの十一月二十二日に閣議決定されました公務員給与改定に関する問題の中で、「人事院の民間退職金等実態調査に基づき国家公務員等の退職手当制度の見直しを行う」といったような趣旨の事柄がございますが、これによりますれば、人事院は民間の退職金等の実態調査をすでにやっておられるということだと思いますが、その調査の結果は概略どのような姿のものになっておりますか、御説明をお願いします。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 退職金制度そのものにつきましては、法文上人事院の権限につきまして特段の規定をした法律はございません。しかし、広い意味で考えますと、退職金制度と申しますのは国家公務員の勤労条件の中で大変に重要な事項ということもございまして、人事院としましても関心を持っておるということで、昭和三十六年以降ほぼ五年ごとでございますけれども、民間の退職金の動向等について調査をしております。これは特段の意図、目的があってやっているわけではございませんで、大体動向はどうかなという概要を把握するということでございます。 今回の閣議決定で出ております退職金調査の問題でございますけれども、これは従来からの五年ごとの調査の一環といたしまして、昨年、五十三年に民間におきます五十二年の退職金の支給状況につきまして調査をいたしました。調査の結果はまだ最終的に集計等まとまっておりませんし、まだ分析も行われておりませんので、現在段階で調査結果につきましてちょっと申し上げるわけにはまいらない、そういう細かいデータを持ち合わせておらないということでございます。ただ、作業過程におきまして、一部参考程度の資料は総理府の方にお見せいたしておるというような状況でございます。
○逢沢委員 今次改正で当然経費が要ることになるのですが、今次改正に伴う所要金額あるいはそれの処置の方法、これについてお尋ねを申します。
○日吉説明員 今回の人事院勧告の実施に伴います所要額は、一般会計で申し上げますと約二千百四十億円でございます。そのうち、予算上給与改定費としてすでに措置されております金額が約千四百二十億円でございますから、差し引き約七百二十億円の不足を来すということになります。この不足額につきましては、他の追加財政需要がどういうふうになっているか等々を検討いたしまして、補正措置を要するかどうか現在検討中でございますが、別途既定経費の節減等もどれだけ図れるかというふうなこともあわせ総合的に検討いたしまして、しかるべき措置をとりたい、こういうふうに考えてございます。
○逢沢委員 十月十二日に閣議決定されたものの中に新定員削減計画というのがあるようですが、この定員削減計画の内容につきまして概略御説明をお願いします。——それでは次に移ります。 さきに人事院の総裁の方から週休二日制につきまして概略の説明がなされましたが、政府側といたしましてはこれについてどのような対応をされるか。本委員会におきましても、過去何回かこの問題に対しまして議論がなされたところでありますが、政府側としても恐らくいろいろ検討をされておると思うのです。検討されましての結果と将来の見通しにつきまして御説明を願います。
○亀谷政府委員 国家公務員の週休二日制につきましては、先ほど人事院総裁のお話にもございましたように、人事院勧告を受けまして以来、基本的には、この人事院の勧告を尊重するという姿勢で慎重に検討を重ねてきておるわけでございますが、これに関連をいたしまして、定員の問題等なお調整をしなければならない問題が残されておるわけでございます。政府といたしましては、過去二回にわたりまして試行を行いました結果、これらの従来の検討の結果もさらに踏まえながら、あわせて国民世論の動向あるいは社会経済情勢等を十分に配慮しつつ、関係の省庁間で早急に検討をいたしまして、できるだけ早く妥当な結論を得るように努力をしてまいるつもりでございます。
○逢沢委員 どうも非常に簡潔なお答えのようなのですけれども、もう少し詳細にひとつお話しを願いたいと思います。
○亀谷政府委員 お答えを申し上げます。 先生も御案内のように、この週休二日制の体制の問題につきましては、昭和五十一年に人事院から週休二日制の試行につきまして政府に要請がございまして、これに関連いたしまして、五十一年の十月から翌五十二年の九月にわたりまして試行を実施いたしたわけでございます。ただ、この試行につきましては準備その他各関係省庁の意見もございまして、全省庁の参加というわけにもまいらなかったのでございますが、さらに五十三年一月に人事院から再度週休二日制の再試行を行うよう政府に御要請がございました。これに伴いまして、再度五十三年の四月から五十四年の三月にかけまして再試行を実施したわけでございます。この試行には全省庁が参加いたしまして一応行ったわけでございます。先ほど人事院総裁からもお話がございましたように、この二回の試行を受けまして、本年八月十日に人事院の勧告をいただいておるわけでございます。 勧告の内容につきましては、私がここで詳しく申し上げることは差し控えたいと思いますが、先ほどのお話にもございましたように、人事院の御意向としては、開庁のまま職員が四週に一回の割合で交代で土曜日を休みとするという原則のもとに御勧告があったわけでございます。先ほど私が御答弁いたしましたように、この問題につきましては、八月十日の勧告をいただいた直後、関係閣僚会議も持ちまして、以後関係省庁間の研究等も数度にわたって行ってきておるわけでございますが、何と申しましても、開庁の原則で現在の行政サービスを低下させない、しかも定員等の増高を来さないという前提、これは御案内のとおり人事院の勧告にも含まれておる前提でございます。 そういった前提でこれを実施するということに関連をいたしまして、関係省庁、主として現業部門を持っておられる省庁でございますが、これらの関係機関から、そういった定数増というふうな問題をどういうふうに処理するかということについて各般の意見が出ております。こういう問題を調整する必要がございまして、私どもは現在これらの問題の調整に全力を尽くしておるところでございます。 そういった観点から、先生の人事院勧告に関連した御指摘でも御言及がございましたように、昨今の厳しい経済社会情勢といった観点を踏まえながら、そういった人事院勧告の原則の中でこれらの週休二日制をどういうふうに円滑に行い得るかということで、現在関係省庁で鋭意詰めておるというところが現況でございます。
○逢沢委員 非常にむずかしいところもあると思いますけれども、ひとつよく研究をしていただきたいと思います。 さきに防衛庁の職員給与法について概略説明がありましたが、今回の防衛庁職員給与改定におきます改定内容の特色について御説明を願います。
○久保田国務大臣 今回の法案は、一般職の国家公務員の例に準じて防衛庁職員の給与の改定等のほか、予備自衛官手当を改定しようとするものでありまして、その詳細につきましては政府委員から説明を申し上げます。
○夏目(晴)政府委員 防衛庁職員給与法の改正内容のあらましについて御説明申し上げます。 御承知のように、防衛庁職員は特別職の国家公務員でございまして、その給与改定は、例年一般職の職員の給与改定に準じて行っております。今回の改定もこの例にならっておりまして、そのあらましを申し上げます。 まず第一は、参事官等及び自衛官の俸給を一般職の職員の給与改定の例に準じて改める。いわゆる俸給表を直すということでございます。 それから第二番目は、防衛大学校及び防衛医科大学校の学生手当、現行五万三百円でございますが、これを五万二千円に改める。行政職俸給表(一)の八等級三号俸に準じて改めるというのが例年の例でございます。 それから三番目は、営外手当を現行の四千八百五十円から五千四十円に改める。御承知のように、曹士の隊員は原則として営内居住でございますけれども、特別の理由のある隊員につきましては営外居住を認めている。そういう隊員につきましてはこの営外手当を支給しております。この手当の改正でございます。 それから四番目は、一定年齢を超える職員の昇給を一般職の例に準じまして延伸もしくは停止する、いわゆる高齢者の昇給の制限でございます。 次に、本改正案は一般職の例に準じまして本年の四月一日から適用するわけでございますけれども、指定職の分につきましては、これも一般職と同様本年十月から適用することにしております。 それから、改正の大きな二番目は予備自衛官の手当でございます。これは御承知のように、昭和五十四年度予算においてすでに認められたものでございますが、過般の通常国会以来廃案になっておるものでございます。これを、今回の防衛庁職員の給与改定を行うに際しまして一括して法案の中に盛り込んで改定をお願いしておるわけでございまして、現在の月額二千円を三千円に改めるというのがこの内容の骨子でございます。 以上でございます。
○逢沢委員 予備自衛官のいまの手当の過去の経緯について御説明を願います。
○夏目(晴)政府委員 予備自衛官手当は昭和二十九年に設定されたわけですが、その際は千円で決められまして、その後昭和四十二年に千五百円、それから昭和四十七年に現行の二千円に改められて自後七年間にわたって二千円で来ております。今回三千円に改めたいと考えておるものでございます。
○逢沢委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○木野委員長 次に、岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 最近の財政再建論議の中で、公務員の問題が大きくクローズアップされていることは御理解のとおりです。たとえば、KDDや鉄建公団の不正経理から始まって、行政改革や空出張と言われるものに関することまで含めて、解明の迫られている問題が山積していることは、私が指摘するまでもないところであります。私は、公務員が国民の期待や要求に誠実にこたえるために常々みずからの姿勢を反省することが大切であり、公務の能率的な運営に努めることが必要であることを改めて強調したいと思います。ただ、その場合に、公務員諸君に一方的な自己犠牲や公僕精神を押しつけても問題は解決しないことを指摘をしておかざるを得ません。そこでは、これらの諸君の労働条件を含めたいわゆる人事行政の安定的な確保が重要であることは申すまでもないところでございます。 その点で、最近若干気がかりなのは、何でもかんでも親方日の丸、公務員で切り捨てればいいという感情論が、たとえば人事院勧告制度を無視して、あるいは無理解のままに論議に花を咲かせていることについて触れてみなければならぬと思うのであります。こうした傾向は決して理性的ではございませんし、正当ではないと言わざるを得ません。 さらに指摘したいのは、こうした雰囲気を利用して、そしてまた財政再建の名のもとに人事院の存在や勧告制度を踏みにじって、公務員労働者に一方的な犠牲を強要する傾向が見られることを危惧せざるを得ないのであります。このような点に配慮しながら、私はこの機会に人事院勧告制度についてやや原則的な質問をいたしておきたいものだと考えます。 第一点は、人事院の勧告は労働基本権制約の代償機能であるということについてでございます。藤井総裁も、ことしの勧告に当たっての談話の中で「一般職国家公務員については人事院の勧告が労働基本権の制約に対する代償措置であることについて、この際、十分な御理解をお願いしたい。」と述べておられます。この点は人事院の確立した立場であると理解してよろしいかどうか。さらに、人事院の勧告制度が持っている制度上の意義はこれにとどまるのかどうか。国家公務員法第二十八条の情勢適応の原則との関係で、さらに別の意義を有しているのであれば、その点も含めて総裁から御答弁をいただきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 お答えをいたします。 人事院の職責、使命というものについては、ただいまお述べになりました原則的な問題が第一の基本でございまして、これは踏み外さないように従来もやってまいったつもりでございますし、今後ともその基本原則というものの枠を踏み外さないように極力努めてまいらなければならぬ、それが人事院の第一の使命であり原則であるというふうに私は考えておる次第でございます。 いまもお述べになりましたように、人事院というのはいろいろな役割りを持っておりますが、その基本はやはり職員の利益を保護していく、公務の公正な執行を確保していく、また、公務でございますから、これにどこから言われても問題のないような人材を確保していかなければならぬという基本的な問題がございます。これにこたえるようにやっていくのが人事院の最も重要な姿勢であるというふうに私は認識をいたしておるのでありますが、その中の大変重要な問題は、やはり何と言っても労働基本権というものが、公務員の特色から言いまして、任務の特殊性からいって制約を受けております。その制約を受けている代償的機能というものを人事院が果たしている、果たさなければならぬというのが大きな使命の柱の一つであるということは申すまでもないところでございます。 この点は、実は国会において、また世間一般において大変御理解、御協力をいただきました結果、たとえば人事院の給与引き上げ勧告等につきましても、すでに完全実施ということがここ長きにわたって定着をし、慣熟をした制度になってきておるのであります。この点がやはり公務員の労働関係その他についても大変いい影響を与えておることは私たちも認めざるを得ないし、これは誇ってもいいことではあるまいかというふうに考えております。 この基本はやはりあくまでも崩せないのでありまして、財政状況その他について厳しい環境にあるということを、いろいろわれわれはわれわれなりに厳しく受けとめて検討はし、頭には入っておりますけれども、この点は、官民較差というものがあればそれを埋めるということがあくまで第一の原則でございますので、人事院自体が、財政状況が厳しいからその観点に立っていろいろなことをやるということは、私はこれは本末転倒であろうかというふうに理解をいたしておりまして、今後どのようなことでありましょうとも、そういう点については頭に入れていろいろ考えていくということはいたしますけれども、そのことのために、財政状況から公務員の待遇その他の点について何らかのことを配慮していくということは、人事院の立場としてはやはりやるべきことではないという強い確信のもとに今後とも仕事を進めてまいる所存でございます。
○岩垂委員 一九六五年、昭和四十年五月十日の参議院の国際労働条約第八十七号等特別委員会でわが党の小林武委員の質問に対して、当時の増原総務長官は「人事院の勧告は、これを完全実施をする、そういう意味で、人事院が十分に代償的機能を発揮をしていただくということに、政府としても協力をしなければならぬ」ということを答えておられます。また、完全実施の実現した四十五年十二月三日の衆議院本会議で、これもわが党議員の質問に対して、当時の佐藤内閣総理大臣は「今回、ようやくにして実現を見た完全実施のたてまえを、今後とも実施してまいりたい、」と答えておられます。同時に、当時の山中総理府総務長官は、人事院勧告の完全実施については、ルールが確立したものと認識していると答えておられますけれども、その点について、政府の見解に変化はないかどうか、これは総務長官、そして大蔵省にお尋ねしたいと思います。
○小渕国務大臣 お答えいたします。 政府の基本的な考え方に変わりはございません。
○日吉説明員 人事院勧告を尊重するという政府の基本的な考え方につきましては、財政当局としての大蔵省といたしましても基本的には変わりはございません。
○岩垂委員 これは人事院総裁に伺いますけれども、人事院勧告が完全実施されてからすでに九年を迎えているわけですが、ことしの勧告の完全実施の是非が問題とされて、指定職の実施時期を六カ月繰り下げるとの政府の方針が示されております。この点について人事院としてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、御所見を承りたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 率直に申しまして、人事院勧告の完全実施というものはここ長期間にわたって定着し、慣熟した制度として安定をしているというふうに考えております。また、それが正しいことであろうというふうにわれわれは自信を持って申し上げたいと思っております。 今回の場合、そういう観点から申しまして、指定職について実施時期が繰り下げられたということは、率直に言って私は大変残念であるという感じを持っております。申しわけではございません朴が、これが一般職の問題にまで及ぶようなことになりますれば、これは人事院の立場として大いに論議をし、また意見も申し上げ、国会においても御論議をいただかなければならぬというふうに考えておるわけでございますが、指定職というようなことでございますので、これは基本的には非常に残念である、遺憾であるという基本原則は変わりはございませんけれども、これは一般職の問題とはやや趣を異にするというような受けとめ方は申し上げておいてもよかろうではないかという感じはいたしております。 ただ、完全実施ということが一部でも無視される結果になっていること、なお、指定職につきましては、われわれも諸般の事情を考慮して考えておりますが、去年は御承知のように据え置きをしたわけです。手をつけなかったわけです。その間、官民の較差というものは大いに開いておりまして、去年分を合わせますと一四%程度の開きが出ておるということでございますけれども、それをあえて今回は一般のベースアップ率程度にひとつ御勘弁を願いたいということで、非常に控え目な勧告を出したことでもございます。そういう点につきましては、やはり人事院の立場としては非常に残念であり、遺憾であるということの態度は変わっておりません。
○岩垂委員 先ほど総裁が言及されましたけれども、もう一遍きちんとしておきたいのですが、民間給与追随の原則のもとに官民給与較差の解消を図ることが目的で、そのために勧告を行ってきたわけですね。つまり、勧告内容というのは財政事情に左右されることはないと先ほども言われました。この点は今後もいろいろ問題になってくると思うのです。私は、財政再建という形で起こってくる議論の中で、どうもそういう圧力というか、そういう影響が及ぶ危険性というものを避けることはできないだろう、その点で、再度で大変恐縮ですが、もう一遍財政事情に左右されないというポイントは確かめておきたいと思うのです。
○藤井(貞)政府委員 人事院の基本的な姿勢は先刻申し上げましたとおり、また、いま岩垂委員が再度お確かめになったとおりでございまして、その基本姿勢は今後とも絶対に貫くという態度でもって臨んでまいる所存でございます。
○岩垂委員 人事院は、しばしば勧告は年一回の公務員給与についての総ざらいだと、議事録などにもそういう言葉が出ていますけれども、そういう説明をされております。ことしの場合は、高年齢者の昇給の取り扱いについて勧告で取り上げているわけでございます。この内容の是非のことは後からまたやりとりをしたいと思うのですが、それは別として、こういう例から見ると、昇給期間の改正などの問題は本来勧告の対象事項と考えるべきだというふうに思いますが、この点はどのようにお考えでございましょうか。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 昇給制度は、現在の国家公務員の給与制度の中できわめて重要な役割りを果たしております。そういうことから申しますと、昇給制度の中身でございます昇給期間をどうするかということについても、これは大変に重要な事項というふうに考えておりますので、当然この改正問題は人事院の勧告に係る事項というふうに考えております。
○岩垂委員 いま御答弁がございましたが、人事院の勧告は財政事情に左右されるべきでない、また昇給期間の改正などは本来勧告事項である、こういう明確な御答弁をいただいたわけですが、今回閣議決定で「現下の厳しい財政状況等にかんがみ」というまくら言葉で、昇給期間の延伸について人事院に検討を依頼することとなりました。これは一体どういう形式で内閣が人事院に求めたのか私もよくわかりませんので、その形式なるものをひとつ御説明願いたいのです。 それと関連して、これは人事院の第三者機関としての地位をないがしろにするものである。つまり、人事院というのは政府の従属物みたいな形になってしまう。これは現行制度の基本を揺るがしかねない重大な問題だというふうに強調せざるを得ません。この点について、人事院と総理府と大蔵省のそれぞれから御答弁をいただきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 今回の閣議決定につきましては、いまお述べになりましたような条項が含まれておることはそのとおりでございます。ただ、政府におかれましても、いまお述べになりましたような問題点、背景等についていろいろ考慮された結果だろうと思いますが、結果的にわれわれの方に参っておりますのは、人事院の公務員給与の勧告に関する取り扱いについては別紙のとおり閣議決定があったからお知らせしますという内容の書簡であります。この点、いろいろ人事院の立場その他も御考慮になりました配慮がありありと見えておるという感じもいたさないわけではございません。 ただ、私といたしましては、いまお述べになりましたように、人事院としては、いまの法律のたてまえ、制度のたてまえから言えば一つの筋道、枠というものがございます。これはやはりあくまで堅持をしてまいりませんと、根本的に公務員制度自体について大変な問題が起きるという可能性があるわけでありまして、その点のめど、節度だけは絶対に守ってまいりたいというふうに私は考えております。 政府の意図されること、また閣議決定でいろいろお考えになったその背景というような事情は十分考慮はいたします。考慮はいたしますけれども、やはり人事院のやるべき使命から考えてやっていかなきゃならぬことの筋道というものははっきりいたしております。そういう点を踏まえながら今後とも対応していくというのがやはり基本的な人事院の姿勢でございますので、そのらち外に出るようなやり方というものはやはり限界があって、絶対にそういうことはやれないという一つの枠があるという立場は堅持をしてまいる所存でございます。
○亀谷政府委員 人事院の勧告制度につきます基本的なスタンスは先ほど長官が御答弁申し上げたとおりでございますが、今回の人事院の給与勧告の取り扱いにつきましては、現下の厳しい財政状況等にかんがみまして、完全に実施を行うといたしましても、財政再建期間中の昇給延伸等の措置をとるべきであるとするなどの種々の議論が行われたわけでございます。政府といたしましては、定期昇給の延伸といった給与制度にかかわる事項につきましては、この給与制度を所掌しておられます人事院の検討にゆだねることが適当であるという結論に達しましたので、人事院にこの検討を依頼することといたしたわけでございます。 なお、この閣議決定につきましては、先ほど総裁から御答弁ございましたとおり、十一月二十六日付の書簡をもちましてこういう閣議決定があった旨をお伝えしますという形で人事院にお届けをしておるところでございます。
○日吉説明員 人事院勧告の趣旨を尊重すべきことは先ほど申し上げたとおりでございますが、その実施に当たりましては、それを受けまして給与法をこのように国会で御審議をいただくという手続になっております。その点では、やはり財政民主主義というような観点から、財政上の観点も御考慮いただきまして総合的に御審議をいただいて、国民の税金によって賄われております国家公務員の処遇についての御判断をいただくということであろうかと思います。 ところで、御存じのように、現在の厳しい経済社会情勢のもとで財政は危機的な状況になってございます。したがいまして、こういう状況を踏まえまして、人事院勧告を実施するに当たりまして、給与制度につきましても、種々民間におきまして減量経営等に努力しておりますのに見合うような措置を政府におきましてもすべきではなかろうかという議論がございます。しかしながら、この点につきましては、やはり昇給延伸措置というふうなことになりますれば、これは先ほどもお話がございましたように給与制度の基本にかかわる問題でございますので、その点は中立的な専門的な第三者機関であります人事院の方で慎重に御検討いただくべきであろう、こういう点の御検討もお願いできないかというふうなことで、私どもといたしましてはその点の御検討を提案いたしたわけでございます。
○岩垂委員 いま三人が答えたのを大蔵省の方から言いますと、大蔵省がそういう提案をした。要するにそういう議論があった、それを議論があったから閣議として取りまとめて人事院に検討をお願いする。人事院の方は、これは定年制のときの書簡の形でもないし、いわんやどういうふうにしてほしいものだということも主体的に判断せざるを得ないわけです。総務長官、この報告というのはどういう性格を持っているのですか。少なくとも人事院を拘束するものじゃないですね。その点ちょっとお答えください。
○小渕国務大臣 今日この法律案を提出いたしますまでに至る経過の中で、政府部内におきまして種々議論のありましたことは事実でございます。その過程におきまして、財政当局から先ほど御答弁のありましたような趣旨の御発言もありまして、その結果、最終的に関係閣僚間での話し合いがまとまり、そして閣議の決定に至ったことでございます。したがいまして、私といたしましては、人事局を所掌する総理府といたしましては、この問題につきましてかねて来人事院の勧告というものを尊重してまいっておる立場でございまするので、閣議におきまして決定をいたしましたことに対しましての責任も負っておりますが、同時に、人事院の尊重ということば当然のことでございますので、閣議におきまして決まりましたことをそのまま人事院にお伝えして、人事院の御判断をいただいたらよろしいかと思いまして書簡を差し上げたことになっておるわけでございます。
○岩垂委員 それは書簡ですか。こういうことをお知らせしますという書簡、つまり私の言いたいのは、定年制と同じような書簡の意味を持つのですか。
○亀谷政府委員 先ほどお答えをいたしましたように、過ぐる十一月二十二日の閣議決定の事項そのものを、人事院に対してそのままをお伝えするという書簡になっております。 ただし、御質問に関連すると思いますが、ただいま大臣が答弁申し上げましたように、閣議決定に至る経緯につきまして、詳細にやはり人事院にはお伝えする必要がございますので、御質問に対する答弁が重なるかとは思いますが、先ほど申しましたとおり、今回の給与勧告の取り扱いに関します政府の方針の決定に当たりまして、実施時期の繰り下げを行わず完全実施をするとしても、現下の厳しい財政事情並びに民間における減量経営等の状況にかんがみ、定期昇給の延伸等の措置をとるべきであろう等、種々論議が行われましたけれども、政府としては、定期昇給の延伸といった給与制度にかかわる事項については給与制度を所管する人事院に検討をゆだね、その意見によって行うことが適当であるという結論に達したという事情につきましては、私から口頭をもちまして人事院にお話をいたした次第であります。
○岩垂委員 どうもわからないのですよ。閣議の議事録みたいなものですわな、こういう御意見がございましたと。まあ一種の議事録だ。それを要するに人事院だけでなしに、まあ新聞にも発表した、新聞持っているから。そういう形で人事院にもお知らせをしたというものだというふうに理解をしてよろしいのですか。そうでないと、ここのところのやりとりというのはおかしくなるのですよ、正直なところ。第三者機関としての人事院の性格についてどういう配慮が行われてそういう手続がとられたのか。もう一遍総務長官、ちょっとお答えください。つまりもっとはっきり言うと、人事院を拘束するものじゃないというふうに理解していいですね。するとしたらおかしな話ですよ。
○小渕国務大臣 公務員の給与に関しての延伸の問題につきましては、政府として法律を提出をし、国会でお認め願えれば法律的にはそのまま執行できるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、政府としては、従来からこうした問題については人事院の考え方をお聞きした上で措置すべきであるという考え方に基づきまして、この問題については人事院のお考えをいただきたいという趣旨から政府の考え方をお伝えし、御検討願った、こういうことでございます。
○岩垂委員 あなたはさっき人事院と私のやりとりを聞いていたでしょう。昇給問題というのは勧告の対象事項だ。総裁もお答えになっていらっしゃるのですよ。そうでしょう。それを待たずして政府で昇給の延伸などはできるのだ、それは法律にして国会に出せば出せるのだ、あなたここが問題なんです。あなたさっきのやりとり聞いてなかったのですよ。そこにずれがあるから、問題がこれから生ずるおそれがあると私は言っているのです。 もう一度言いますよ。昇給事項というのは勧告事項だ。勧告なくてやるのですか。それから、財政事情というものにとらわれないで勧告をせざるを得ないというのは、この制度が持っている基本だと言っているじゃないですか。それはおかしいですよ、総務長官。いまの発言取り消しなさいよ。昇給の問題まで政府で勝手に法律つくって出せばやれるのだ。この論理はいままでのやりとりと違いますよ。いまのを長官訂正してくださいよ。暴言ですよ。
○木野委員長 人事局長。
○岩垂委員 ちょっと待ってよ。総務長官の言葉ですから、総務長官がやはりいまの言葉取り消してくださいよ。これは将来に残るのです。昇給問題の取り扱いは勧告事項だということをあなた認めているじゃないですか。それをあなた、いま政府でもって勝手に、昇給の延伸でも法律つくって出せばやれるけれども、こうおっしゃった。ここが基本的な違いなんです。いまの発言取り消してください。
○小渕国務大臣 お答えいたします。 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、純法律上の考え方を申し述べたことでございまして、現実問題としては、人事院の勧告を待たなければその実効性を上げることはできないことでございますので、人事院の勧告を待って措置をすることとなろうかと思います。
○岩垂委員 実効性というよりも、制度がある以上はできないのだ、こういうことなんです。いいですか。それでいいですね。
○小渕国務大臣 この延伸の問題は給与制度の根幹にかかわることでございますので、人事院の勧告を待って措置する方向で参ることは当然のことと存じます。
○岩垂委員 ちょっと言葉が、方向でとかなんとかじゃないのですよ。制度がある以上は人事院勧告を待ってやるのだ、これがなければできないのだ、こういうことなんです。またやるべきでないのです。そういうふうに私は理解をいたします。よろしいですね。そうなんですよ。あなたが言っている意味も、言葉を変えて言えばそういうことなんですよ。よろしいですね。——お答えをいただきましたから、そのように考えます。ここは申しわけないのですけれども、いいかげんなことではごまかせないのです。 したがって、私の言いたいのは、総理府が人事院にお知らせしたのは人事院を拘束するものではなくて、閣議の意向を一般的にお伝えしたのだという意味ですね。それはそうですよ。いいですね。
○小渕国務大臣 拘束するものではありません。が、政府の意向の存するところをそのままに伝えたものでございます。
○岩垂委員 どうも時間をとってしまって困るのですが、その点ははっきりさせていただきましたから、次に移ります。 人事院は、今度の勧告の中で五十六歳以上の昇給延伸と五十八歳以上の一律昇給ストップということを勧告されたわけですが、これは公務員労働者に一方的に不利益を強制する重大な問題だということは御理解のとおりだと私は思うのですよ。特にこの年齢層というのは、戦争中は戦争に駆り出されて、戦後も官民の較差、つまりそれは、民間の方が高くて公務員の方が低いという状況のもとでいわば低賃金、そして戦後のインフレ、そしてその中で成長期の子供たちを養育するという非常に苦労した人々であることは御理解のとおりです。民間の場合は定年、昇給ストップになってもその後の職場の保障があるわけですね、つまり定年後の。そういうことなどを比べてみると、やはりこれは機械的に比較をすることができない性格のものだとも思うのです。つまり、それは個々の職員について言えば差別であり、既得権の剥脱だと言わざるを得ません。 そこで、具体的に伺いますが、勧告はこの点で「なお、これらに伴う所要の経過措置を併せ講ずることとしている。」と述べていますけれども、これは、高齢者の昇給延伸については個々人の昇給の時期によって職員間に不均衡が生まれたり、ある人はここでとまっちゃって、ある人はこっちから延びちゃってというようなぐあいになるわけですが、この不均衡を生じさせないように、あるいは経過措置などの面でも考えなければならぬことがあると思うのです。それは勧告の中にも述べられていますが、職員間の均衡、あるいは経過措置などにおいて適正な措置を講ずることをあらかじめ配慮しておられるかどうか、お答えをいただきたいと思うのです。
○長橋政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のとおり、ちょうどその昇給延伸あるいは昇給停止のところにかかる年齢層のところが戦中、戦後を通じまして大変御苦労された世代でございまして、その点まことにおっしゃるとおりわれわれとしても忍びがたいものがありますけれども、公務員給与を民間給与に合わせて改善していくということを大きな柱としておりますので、したがって、その水準についてまず合わせるということ、さらに配分につきましても、一々機械的にぴったり合わせるというわけにまいらないかもしれませんけれども、大体の傾向としましては、民間に合わせるということでいかざるを得ないと考えております。ところで、ちょうどその辺の年齢層のところは大変逆較差が大きく出ているものでございますから、このまま放置しておくことば問題であろうということで今回の措置に踏み切った次第でございます。 お尋ねの経過措置の問題でございますけれども、御指摘のように、昇給時期はいろいろ職員によってまちまちでございますし、年四回昇給時期がございますから、したがって、その職員層のところで少なくとも逆転現象が生じないようにということは最低限措置したいと思います。 それから、五十六歳を超える職員につきましても急激な処遇上の変化を来すことのないように経過措置を設けまして、その間期間の延伸したかっこうの昇給をやらせるというふうに考えております。 なお、これは改正法案の附則にも出てございますけれども、五十五年四月一日前の人につきましても、その経過措置との関連で均衡上ある程度の措置は講じなければならぬのではなかろうかと考えております。具体的内容につきましては、今後また検討させていただきたいと存じます。
○岩垂委員 いまちょっと正確なメモができなかったのですが、念のためにもう一度確めておきますけれども、高齢者の昇給延伸については職員間の均衡、経過措置などにおいて適正な措置を講ずるよう配慮するというふうに私は受けとめて、これを確認したいと思いますが、よろしいですか。
○長橋政府委員 そのとおりでございます。
○岩垂委員 ここのところちょっとくどくなりまして恐縮ですが、「五十六歳以上で人事院の定める年齢を超える職員については、特別の場合を除き、昇給を停止することとした。」というふうになっておりますね。この「特別」というのはどういうことなんでしょうか。たとえば殉職とか表彰とかいうふうなケースになるのですか。ぼくはそういうふうに余り狭く考えないで、普通の特別昇給まで一律にストップさせてしまうというのは、仕事の励みというようなことから考えても必ずしも適切でない、この点で幅を持たせるべきだという考え方を主張したいと思うのですが、その点は人事院勧告の意味をどのように理解していいかわかりませんけれども、その点ちょっとお答えをいただきたいと思うのです。
○長橋政府委員 今回の昇給制度の適正化の問題は、いわゆる普通昇給についての措置でございます。普通昇給につきましてこういう措置を講じたということは、やはり何らかの形において昇給制度についても関連はしてまいると考えられますけれども、しかし、高齢者の方につきましても大変良好な勤務実績を上げられるということもございますので、いま御指摘になりましたような、特に表彰を受けるというか功績顕著な方、あるいは職に殉じられたという方たちの特別昇給は当然のこととして考えております。 それから、その他の特別昇給の問題でございますけれども、単に高齢者ということのゆえをもってそれだけで特別な扱いをこの際することは、現在のところは考えておりません。
○岩垂委員 さらに行(二)関係職種など、給与表を見ると、皆さん御存じのとおりに給与も低いわけですね。これらの点についての例外というか、これらの問題についての配慮というものはすべきだと思うけれども、いかがでしょうか。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 今回の昇給停止措置は大変に大きな問題でございますので、でき得べくんば給与法の適用を受ける職員には原則的に統一した線でいくのが筋ではなかろうかと考えております。ただ、御指摘のように、行(二)の職員につきましては、いろいろな事情がありまして給与が低くなっておるという方もおられると思いますけれども、そういう場合に、大もとになる給与決定自体が一体適正なのかどうかということを個別に検討して対処していきたいと考えております。
○岩垂委員 昇給自身についての例外というようなことは余りお考えになっていらっしゃらないのですか。
○長橋政府委員 今回の措置自体は、四十五年に導入されました昇給延伸措置、さらにこれを一歩進めまして、適正化を図っていこうということでございますので、したがって、四十五年当時と若干事情は違っておりますけれども、そういう経緯がございますので、今後御意見を拝聴して検討さしていただきたいと考えております。
○岩垂委員 この際大蔵省に伺いますけれども、大蔵省が非常に強く主張した、政府と先ほどやりとりした、人事院に検討を依頼した定期昇給の延伸措置によって、国家公務員についてどの程度経費節減ができるのか、計算されたことがございますか。
○日吉説明員 非常にラフな計算でございますが、たとえば現在定期昇給の期間といいますのは十二カ月でございますが、これを六カ月延伸するといたしまして、定期昇給はそれぞれ四月、七月、十月、一月というふうに四半期に分かれておりますので、それらの職員に一応平等に一巡するようにいたしますと二年かかるわけでございますが、もしこれを現在の財政再建期間にある程度合わせるというふうなことで、とりあえず二巡させるというふうなことで、四年ないし五年という考え方で計算いたしますと、約千六百億円程度の節減になるのではないか、こういう試算をいたしておりますが、これはきわめてラフな概算でございますので、念のため申し添えさせていただきます。
○岩垂委員 千六百億なんというふうにはならないことも承知しているでしょう。だって、二年で一巡というようなことを簡単に割り切って、そんなことできるはずないじゃないですか。まあそれをやりとりしてもしようがない。とにかく千六百億というのはオーバーである、これだけははっきりしています。もう一遍私はその辺のところを大蔵省とやりとりをしてみたいと思います。ただ時間が余りありませんから、その点は飛ばしますけれども、何かこれで幾ら浮かせることができるというような形を強調することは余り正確でない。これだけは申し上げておきます。 それから、勧告が調整額について「その一部を定額化する措置を講ずることが適切であると考える。」となっていますけれども、定率、定額の関係はどのようになさろうとしておるのか。特に高齢者にとってそれが実質的な調整額の引き下げにならないかどうか、実はこういう危惧があるわけですが、これについて人事院はどのような回答を用意しておられるか、お聞かせをいただきたいと思うのです。 なお、それに関連をして、実施時期や経過措置について、さっき言ったような職員間の不均衡という問題をぜひ配慮願いたいというふうに思いますが、この点はもちろん組合の意見も十分反映させていただきたいものだということも含めて要望をいたしまして、その点についての御答弁をいただきたいと思うのです。
○長橋政府委員 調整額の適正化の問題につきましては、組合の皆さん初め関係者といろいろ御相談を申し上げてきたところでございます。中身につきましては、現在調整額は四%を単位にいたしまして二四%まで俸給の調整ができるということになっております。ただ、この四%と申しますのは、大変に俸給の上下格差が縮まってきておるということもございますし、また、昇給率が低くなっておるということもございまして、単位としては現時点で考えますとやや大き過ぎるのではないだろうかということから、さらにはまた、新しく調整額をどこか支給する場合につきましてもなかなか踏み切れないという面もございますので、したがって、この際、従来やっておりました号俸調整ということも考えまして、これを三%にしたらどうであろうかということでございます。ただし、現在単位が四%になっておりますので、三%にそのままいたしましたのでは金額の切り下げになるということでございますので、三%分は定率で、一%分に相当するものは今後定額化していこうということでございます。これは来年一月一日から施行を予定いたしております。 なお、定額化するに際しましては、その等級の中位号俸のところをつかまえまして、その辺のところの金額を基準にして定額化したいというふうに考えております。したがって、若い号俸のところですと若干間差額を上回るところが出てくるかもしれませんし、また高位号俸のところの方ですと現在の四%を下回るということが出てまいります。したがって、その辺のところは現在の金額を下回らぬように保障措置を講ずるつもりでございます。
○岩垂委員 一時金の問題で、ことしまたカットされなかったという点では、数字ですからいろいろ言えませんけれども、御同慶の至りだと思うのですけれども、ことしの民間の一時金というのは、毎勤統計で見ても、夏冬にわたって明らかに昨年を上回っているというふうに考えます。まだこれはラフで、私の感覚もラフですが、人事院は去年に比べてよくなっているというふうな実感を持っておられるかどうか。この点はちょっと感じ方の問題ですが、お答えをいただきたい。
○長橋政府委員 新聞報道その他の経済関係の雑誌から得た知識でございますので、正確には民間企業を調査してということになるわけでございますけれども、私の率直な感じとしましては、来年は切り下げということの事態を生じないのではないだろうかというような期待は持っております。その程度でございます。
○岩垂委員 週休二日制についても人事院の勧告が行われています。私どもは、今日の国際世論や、民間では、さっき総裁も言われましたが、従業員の八割以上に達しているという実施状況から見て、四週五休ではきわめて不徹底だと実は言わざるを得ません。しかし、二回にわたった試行を経て、法改正を速やかに実施することとされたいという勧告が行われたことは現実でございます。 したがって、政府はこの人事院勧告を——これを見れば大体四月一日実施ということを期待した勧告だと私は受け取るわけですよ、二回も試行をやっているのですから、猶予期間を与えているわけですから、私どもから言わせれば引き延ばされたのですから。これに対して総務長官、どのようにお答えできますか。四月一日施行を目指して努力をしていく、あるいはしたいというふうにお答えいただけますか。 それに関連して言えば、私がさっきそこへ座って、なれない手つきで提案理由を説明いたしました社会党の提案についてどんなお考えを持っていらっしゃるか。これはあなたをバックアップしているのですよ。その点を含めてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○小渕国務大臣 週休二日制の問題につきましては、先ほども人事局長から答弁をいたしましたが、私からも同様な趣旨になるかと存じますが、現在、勧告を受けまして関係閣僚懇談会を開催いたしまして、すでに数次にわたって各省間との話し合いを進めてきておるところでございます。しかし、現下の厳しい財政事情等にかんがみまして、予算、定員の増を厳に慎むという基本的な方針のもとに今日まで政府部内の調整を進めておるところでございますが、まことに残念ながら今日までまだ結論を得ておらないということでございます。 なお、先ほど社会党法案の御提案がございましたが、週休二日制の人事院勧告を制度化するためには、現段階では政府部内でなお調整が残っておることはいま申し上げたとおりでございます。御提案をいただきました法案につきましては、現在ちょうだいいたしたばかりでございますので、内容につきましてまだ検討いたしておりません。まあ人事院の勧告の考え方と必ずしも同一でないところも、べつ見いだしましたところあるかとも見受けられますが、政府といたしましても、御提案されました法案につきまして十分勉強させていただきたいと思います。
○岩垂委員 人事院の勧告に実は合わせてつくったのです。だから、人事院の勧告とそう違うものでないとは思うのです。だけど、まあそこのところは結構でしょう。ただ、二回にわたって試行をやってきたでしょう。それで目標を定めてやっていかなければならぬことは事実でしょう。どうですか長官、四月一日ぐらいのところをめどにして法改正の手続をとりたいというぐらいのことまではあなたの立場で言ってくれないと、あなたの指揮下にある全国の公務員はがっかりしますよ。あなたが人事院勧告問題で奮闘なさったことに対しては敬意を表する。しかし、勧告は二つあるのです。給与だけじゃないのです。ほっかぶりしちゃいけないですよ。だから、四月一日を目標にして法改正の手続をとるために努力をする、そのくらいのことはお答えいただけませんか。あなたの努力ですよ。いかがですか。
○小渕国務大臣 勧告をしかと受けとめておることは事実でございますし、いま御答弁申し上げましたように、各省庁間の調整について鋭意努力をいたしておるところでございますので、いましばらくその結論を得ることについての御猶予をいただきたいと存じます。
○岩垂委員 私くどく言いますけれども、調整といったってやはりどこかが推進力にならなければ調整の案は前へ進まないのですよ。勧告というのは毎年行われてきたのです。二回試行やってそしてことし、長い期間があるわけです。どうなんですか。これは定数をどのくらいふやさなければいかぬということの検討をなさっていますか。
○亀谷政府委員 先ほど現業部門に関連して一部お答えをしましたが、開庁方式で窓口を閉ざさないで現在のサービスを低下させないという前提でこれを行う場合に、若干の省庁で定数増等の問題があるということを申し上げたのでございますが、具体的にどの省で現在の定数に何名をふやさなければならぬというところまで厳格にははじき出しておりません。しかし、そういう強い意見も一部の省庁にあるので、先ほど大臣が申し上げましたように調整中でございます。したがいまして、何名ということについてはっきり申し上げられない段階でございます。
○岩垂委員 そこなんですよ。何が不可能、何が前へ進まないのですか。やはり厚生省とか郵政省とかというところがあるわけでしょう、抵抗するのが。その人たちをどれだけふやす必要があるのかということさえ検討しないで、鋭意検討中でございます、協議中でございますという言葉にはそぐわないですよ。何にもやらないのに、調査しないでおいて鋭意と言ったって、それは鋭意じゃないのです。少なくともどのくらいの——いま人事局長がおっしゃった立場でもいい。その立場に立ってだけでも、つまり勧告の筋についてだけでもどの省はどれくらい要るのかということも検討しないで、大変むずかしい問題でございますと言っていたのじゃ、一体何やっているかと言いたくなるのですよ。総務長官、これで努力していると言えますか、どうです。——私は総務長官に聞いている。
○亀谷政府委員 先ほど大臣並びに私からもお答えしましたように、人事院の勧告の中にも、今回の週休二日制の前提としまして行政サービスを低下しないという前提は当然でございますが、定数増等を伴わないでこれを行うということも指摘されておるところでございます。当然政府としましてもこれを前提にしまして、現下の厳しい財政経済情勢もございますから、そういった前提でこれをいかに関係省庁とうまく調整をし、お互いの理解と納得の中でやろうか、こういうことで、せっかく数次にわたり会合を行っておるところでございまして、もちろん、その中で個々の省庁の具体的な問題としての定数の問題は出ておるわけでございますが、基本の方針としては、そういうことで、せっかく関係省庁との調整になお努めておるということを申し上げたところでございます。
○岩垂委員 それでは結論の方から言いますと、四月一日は無理ということですね。総務長官、お答えください。
○小渕国務大臣 できるだけ速やかに結論を得たいというふうに存じております。
○岩垂委員 通常国会が開かれて四月はすぐ来てしまうのですよ。四月一日を目途にしてという努力の目標というのはあなたはお立てになれませんか。あなたがそのくらいの努力をしてくれなかったら——勧告があって、結果的には三年もたっているわけだ。努力目標としてそういうあなたの気持ちを率直におっしゃってください。
○小渕国務大臣 四月一日を目途にして努力せよというお話、よくわかります。しかし、私も就任いたしまして以来、週休二日制問題について私なりに勉強いたしてまいりますと、各省庁間の調整は、先ほど人事局長が申されましたように、人事院からの勧告の中にもありますように、サービスの低下とか人員とか予算とか、こういった制限があります中で結論を得るということにつきましては、はなはだむずかしい問題であると正直申さざるを得ないと思うのです。しかし、やはり目標を定めてという御主張の筋は至極わかりますので、ぜひ速やかに結論を得ますように最大の努力を払ってまいりたいと思います。
○岩垂委員 そういうやりとりをいつまでもしているわけにはいきませんので、ぜひひとつ私どもの気持ちを御理解いただきたいと思うのです。そして私ども社会党が案を出しております。それらのことも含めて、四月一日実施というための所要の法手続を、私どもも出していますが、政府の側からも賛成をいただければそれで成立、こうなるわけでございますので、その点も御考慮賜りたい、このように思っております。 それから、退職手当の見直しの問題は、総理府はどんなお考えでお知らせをしたのですか。どういう根拠とどういう背景で、そのタイミングなどについてもどんなことをお考えになっていらっしゃるか。
○亀谷政府委員 退職手当の問題につきましても、先般の閣議の中で退職手当の見直し、検討を行い、次期通常国会をめどに成案を得るという基本的な方針が決定されたところでございます。この問題につきましては、かねがね人事院に私の方から、民間の水準等を十分考慮する必要がございますので、昭和四十八年度の改正の際と同様に民間退職金の実態について調査を御依頼したところでございます。 そうして、この調査の報告をいただいておりますので、現在この結果の分析に着手しておりますが、こういった民間の給与の実態と国家公務員の給与の実態とを対比、解析をした上で比較検討の上、ただいま申し上げましたような方向で作業を進めてまいりたい、かように考えております。
○岩垂委員 人事院の調査の報告というのはいつのものですか。
○亀谷政府委員 いま申し上げました依頼につきましては、五十三年の二月に人事院に対しまして民間退職金の調査を依頼したところでございまして、これは先ほど人事院も若干の関連で御答弁がありましたように、昭和四十八年度におきましても国家公務員退職手当の法改正が行われたのでございますが、その際の基礎調査として四十六年に人事院にも委嘱したことがございますが、人事院におきます民間企業退職金等の実態調査に基づきまして、長期勤続後勧奨により退職した者の退職手当を、それぞれ民間の調査によります内容との対比等を主眼に今後解析をして、これに基づいて所要の措置をとるように進めたい、こういうことでございます。
○岩垂委員 質問と答えがチャンポンになっているんですよ。いつのデータですかと聞いているのです。それだけ答えてください。
○亀谷政府委員 大変失礼いたしました。五十二年でございます。
○岩垂委員 五十二年というのはもうかなり時間がたっていますね。その古い資料でおやりになるおつもりですか。
○亀谷政府委員 ただいま申しましたように、この調査の依頼の時期としましては五十二年度を実態調査の対象にお願いしておるわけでございます。御承知のように、昭和四十八年度の退職手当の改正、その際の人事院に対する御依頼も、昭和四十六年度につきまして民間の給与の実態調査をもとにお願いしたところでございます。
○岩垂委員 今度のものを言っているのだよ。まあいいです。時間がございませんからあれしますけれども、この点も、人事院という第三者機関に対して政府の介入だと言われても弁解の余地がないと私は思うのですが、それはこっちに置いておきましょう。 時間がございませんからはしょりますが、私は去る七月十日の本委員会で、寒冷地手当について前の給与局長の角野さんとやりとりをいたしました。加算額について角野さんはこう答えておられます。 「その六月一日から灯油価格が、石炭に次いでちょうど上がるスタートの時期と一致しているような感じであることは、新聞等で言うておるとおりだと思いますが、それ以後石油については、価格だけでなくてさらに需給の全体の構造変化が非常に起こっておりますので、そういう点で、これにつきましては、六月に調べました価格だけでは、ここから先のことはわかりません。どんな変化を遂げるかとは思いますけれども、状況を見て、再調査しなくちゃならぬという事態もないことはないなと思っております。しかし、調べました六月のものがまだ集結できておりません。それをまず見たいと思っておりますが、それから今後の石油をめぐる客観情勢の中の価格の問題も見ていきたいと思います。それからことしの冬、大変寒いとか暖冬であるとか、いろいろなこともあろうかと思いますが、そういう客観情勢も踏まえながら調査もあるいはしてみたい、こういうように考えております。」 もう私が言うまでもないと思うのですが、灯油が異常な値上がりを示しています。昨晩、私、原稿をまとめながらNHKのテレビを見ておりましたら、NHKの調査の結果がテレビで報道されていましたけれども、関東一都六県で平均で十八リットル一かん千百七十八円、全国平均では千二百十六円、第六次のこれからの値上げで千三百円台、つまり、春先の約二倍になることが必至だというようなことも報道されておりました。どうです。八月支給という問題もあったわけですが、再調査をなさるおつもりはございますか。
○長橋政府委員 寒冷地手当の問題につきましては、制度改正、つまり基準額の問題から世帯主の変更に伴う措置、いろいろ問題がございまして、従来から検討を続けておるところでございますけれども、特に最近の灯油の値上がり状況につきましては、いまお示しのとおりであろうと思います。つきましては、六月に一応調査をいたしましたけれども、それは数字としてはいまと大分違いますので、この点につきましては今後検討させていただきたいというふうに思っております。
○岩垂委員 もう時間がオーバーしておりますので最後に一つ。 陸海軍従軍看護婦の処遇について総務長官に伺いたいと思います。 この問題は、内閣委員会では請願の採択だけではなしに、去る通常国会あるいは特別国会で超党派で取り上げて、政府にその具体的な措置を迫ってまいりましたけれども、この際、その後の経過及び予算要求でどのような措置をなさろうとしておられるか、これは長い懸案でございますので、御答弁を煩わしたいと思います。
○関(通)政府委員 旧陸海軍の看護婦の方々につきましては、日赤の看護婦の方々の場合と異なりまして、個々の看護婦さんの方々の記録が著しく不十分であるという状況でございます。本委員会でも御審議がございまして、総理府といたしましても、厚生省その他関係の省庁と御相談してまいりましたが、日赤の看護婦さんの場合は、日赤の本社に個々の看護婦さんの方々の記録があったわけでございます。それに基づきまして本年度初めて慰労金が給付できるということになったわけでございますが、陸海軍の看護婦さんの方々の場合は、終戦前後の留守家族名簿あるいは復員のときの名簿がどうも唯一の手がかりだということが明らかになってまいりました。このため、個々の看護婦さんの方々の調査をする必要があるということで、厚生省がその調査を御担当していただくということにいたしまして、明年度その調査費の要求を厚生省がいたしております。総理府といたしましては、その調査の結果を待ちまして対処してまいりたい、かような経緯でございます。
○岩垂委員 厚生省、おられますか。
○石井説明員 お答えします。 予算額といたしましては、それらを調査いたすために千七百万円を予算要求いたしたところでございます。
○岩垂委員 総務長官、この問題は前長官からも引き継がれている事項だと思いますので、この厚生省の調査費を含めて、省庁は違いますけれども、バックアップしていただきたい。そして何としても、もう年をとっちゃっているのですからできるだけ早い機会に、名簿の集め方だっていろいろ方法はあるのです。これはもうここでは言いません。ですから、そういうことについて全力を挙げて取り組んでいただいて、来年度から、再来年度になりましょうか、具体的な援護のための予算措置をとっていただきたい。これはそういうふうに考えてよろしゅうございますね。ちょっとお答えください。
○小渕国務大臣 最善の努力をいたしてまいります。
○岩垂委員 以上で終わります。午後は防衛問題を中心にしてやります。
○木野委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 午後二時六分開議
○木野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 最初に、防衛庁の給与法の関係と予備自衛官の問題というのを勝手にくっつけて出してきているのですけれども、これは立法技術の上から言っても私はいろいろ問題があるように思うのですが、その点については防衛庁はどんな気持ちで、時期が一緒になったからたまたま出してくるというしろものではないような感じがするのですが、その点ちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。
○久保田国務大臣 今回の改正はいずれも防衛庁職員の給与の改定に関するものでありまするので、一つの法律案としたものでございます。 なお、細部にわたりましては政府委員から答弁をいたさせます。
○夏目(晴)政府委員 今回の給与法の改正につきましては、防衛庁職員のいわゆるベースアップにつきまして一般職の例に準じて上げると同時に、予備自衛官手当の改定についてもお願いしているわけでございますが、先生御承知のとおり、この予備自衛官手当の改定につきましては、先般の通常国会においてもこの委員会で審議され、一たんは衆議院を通過しまして参議院で廃案になったわけで、その後も臨時国会において廃案になったまま今日に至ったわけでございます。私どもとしましては、こういった経緯、それから同じくいま大臣がおっしゃったような、いずれも防衛庁職員の給与というか手当の改定に関するものであるということが一つと、改定の時期がたまたま一緒になって、しかもその法律が一本の法律であるということから、私どもとしては、一緒に一本にしてまとめて法律改正をお願いするのが最も素直な考え方ではないか、こういうふうに考えてお願いしているわけでございます。
○岩垂委員 そうしますと、これからもできるだけこういう形で出してくるということを意味しますか。つまり、参議院で廃案になってしまったから、時期的に重なったからやむを得ず一本にして出してきたというふうに理解してよろしいか。
○夏目(晴)政府委員 今回、いま申し上げたとおりたまたま臨時国会でベースアップをお願いする、それから従来廃案になってきた法案もお願いする、しかも、この法案はいずれも防衛庁職員給与法という同じ一つの法律であるということから、むしろまとめてお願いした方が常識的であろうというふうに考えたわけでございます。
○岩垂委員 これからは……。
○夏目(晴)政府委員 これからなるべく予算成立と同時にその国会において成立をするように努力したいというふうに考えております。
○岩垂委員 予備自衛官の手当の改善というか引き上げというものがいつも出てくるものだとは思わないけれども、その辺はもうちょっと整理しておかないと、防衛庁職員と予備自衛官と全く同じものとして、一心同体のものとして理解していくというやり方はいろいろ問題があると思いますので、その点を最初に指摘しておきたいと思います。 その次に、七月十日の本委員会で、私は山下前防衛庁長官との間で有事法制の問題についてやりとりをいたしました。その機会に、有事法制の研究の経過について最寄りの機会に中間報告をいただけるというふうに理解してもよろしいかという、そういう要求に対して長官は、「機会が与えられますならば、その段階におきまして申し上げられることは御報告させていただきます。」という答弁をいただいているわけでございます。これは防衛庁御存じのとおりでございます。本日その約束を果たしていただけるかどうか、その点について御答弁いただきたいと思います。
○久保田国務大臣 防衛庁におきましての有事法制の研究は、昨年九月の統一見解で示した考え方に基づいて行っておりますが、まだまとまっておる段階ではございません。ある程度まとまってから中間報告をしたい、かように存じておる次第でございます。
○岩垂委員 これは防衛白書の中で、すかっと整理してまとめてしまっていますけれども、現行憲法の範囲内で、しかも国民大多数の理解と支持が得られるものであることを前提として進めており、旧憲法下の戒厳令や徴兵制のような制度、言論統制などの措置は研究の対象としない、実はこうなっているわけでございます。そういうことを書かれていますけれども、私ども、それなりに過ぐる国会でのやりとりを振り返ってみますと大変心配なんです。目に見えないところで一体どういう研究が行われているかということについてかいもくわからぬ。かなり時間もたっている。遊んでいるわけではない。だから、まとまり次第という議論もございますけれども、やはり機会を得て、こういうことをやっているんだということを国民の前に明らかにする、このことを私も求めたわけでございます。しかも、「最寄りの」というところで特別国会もあり、そしてこの臨時国会になっているわけですが、大体いつごろ御報告なり中間報告というものをなさるおつもりか、あるいはそんなやりとりができるか、そんなことをちょっとお答えをいただきたいと思うのです。
○久保田国務大臣 これにつきましては政府委員から答弁をいたさせます。
○佐々政府委員 有事法制の研究の進捗状況について御報告をいたします。 現在、有事法制は、昨年の九月の統一見解の線に従いまして慎重に時間をかけて研究をしておるところでございますけれども、これまで一体どんなことをやっておったのかというお尋ねでございますが、外国の法制が一体どういうことになっておるのか、実はこの点の研究が十分でございませんでしたので、本年に入りましてから、外務省を通じまして主要な西欧諸国八カ国に対しまして有事法制の実態を調査をしておるところでございまして、一部回答の来たところもあり、まだのところもございますけれども、なかなかこれも、それぞれの国情によって法律が違いますので、必ずしも直ちに日本の参考になるかどうか疑わしい点もございますけれども、こういう外国の法制調査を進めております。 また、昨年来有事法制の問題についてお尋ねがございましたときに御答弁を申し上げておりますように、有事の際に自衛隊が円滑にその任務を遂行できるような状態にするために、関連法令の除外規定あるいは例外規定を設ける必要があるのではなかろうかということで、航空法であるとかあるいは道路交通法であるとか、こういう関係法令の研究を行っておったわけでございますが、よく考えてみますると、自衛隊の行動を規定しておるところの防衛二法、防衛庁設置法あるいは自衛隊法、これのまず法的な不備がないかどうか、不備があるとすれば一体どういう点に問題があるかを研究する方が先決事項ではなかろうかという見解に達しまして、現在これと並行いたしまして、防衛二法の問題点を内部で研究をしておるところでございます。 この研究の過程におきましては、立法の段階でこれに携わられました当時の関係者あるいは学識経験者等からいろいろ御意見を賜るということで研究をしておるわけでございますが、この研究の頻度がおおむね二週間に一度程度でございまして、関係法令等につきましては関係官庁もなかなか多うございまして、十分な調整を行う必要があろうかと存じます。 その意味で、御懸念のように徴兵制度であるとかあるいは戒厳令であるとか、そういう問題を研究しておるのでは決してございませんで、基本方針どおり、憲法とわが国の政策の範囲内におきまして、現行の法制の範囲内における問題点の洗い出しをやっておる段階でございまして、まとまるまでにはなお若干の時日を要するかと存じます。先ほど防衛庁長官答弁のとおり、まとまり次第国民の前に明らかにしてまいりたいと存じておりますけれども、なおもうしばらく、かすに時をもってしていただきたいと存じます。
○岩垂委員 佐々参事官の答弁を聞いていますと、どうも有事立法という形で出してくると余り評判がよくないから、防衛二法の改正という形で、事実上のそういう体制を整備していくような方向へ防衛庁は方向転換をなすったという感じがいたします。まさに感じでございますが、そういう感じしかないのです、これは中身がわからぬのですから。そういうふうに解釈をしてもよろしいかどうか。
○佐々政府委員 国会の総理答弁にもございますように、防衛二法が実はいわゆる有事のための法律でございまして、この防衛二法によりまして有事の際の自衛隊の行動の根幹はおおむね定められておるところでございますが、御承知のように、たとえば百三条の関係等、土地あるいは家屋の使用というような問題につきまして政令でこれを定めることになっておりますけれども、政令が未制定であるというような問題点がございます。 そういう意味におきまして、防衛二法を改正すると申しますと何か大変物々しいような印象を与えますけれども、いわゆる有事法制の根幹であるところの防衛二法の問題点の見直しをやっておる。直ちにこれを改正するための立法の準備をしておるというようなことではございませんので、念のため申し添えます。
○岩垂委員 いずれにせよ、私どもには全くわけのわからぬ形でございますので、国民の前に——過ぐる国会、去年あたりからそうですが、非常な不安を持っている要素も非常に強いわけですから、何かまとまってしまったものを出すというのではなしに、こういうことを検討しているということなどについて、完全にオープンにというわけにはいかないかもしれないけれども、できるだけ早く国民の前に明らかに示すような努力はなさるべきだと思いますので、注文をしておきたいと思います。 それから次に、リムパックの問題についてお尋ねをいたします。 四日の参議院の予算委員会で大平総理は、自衛隊はこれまでも米国の演習に参加してきた、今回のリムパックもその延長線上にある、なるほど豪州、ニュージーランドも参加するが、わが国としてはあくまで米国との演習に参加するのであって、これまでと性質を異にするものではないと答弁しておられますけれども、防衛庁はそれと同じ主張だというふうに理解してよろしいかどうか。
○佐々政府委員 リムパックの問題についてお答え申し上げます。 海上自衛隊は、御承知のように、昭和五十一年以来護衛艦二隻と対潜哨戒機八機を毎年ハワイに派遣をいたしまして、ハワイ周辺におきましてアメリカ海軍の協力を得まして対潜、対空あるいは誘導武器の評価装置等を使い、あるいは地上施設等を使いまして訓練をしてまいったわけでございますけれども、これは従来基礎訓練あるいは応用訓練の範囲にとどまっておりまして、総合訓練を行う機会がございませんでしたので、かねてから総合訓練の機会があればという希望を抱いておりましたところ、本年三月、一九八〇年の春行われますリムパック80に参加をしてはどうかという意向打診がございました。 従来、ハワイ派遣訓練を行っておりますが、今回、リムパックの性格をいろいろ調べてみますと、過去六回やっておりますけれども、アメリカ海軍以外のカナダ、ニュージーランド、オーストラリアがこれに参加をしております。もちろん条約がそれぞれ違います。カナダはNATOにより、ニュージーランド、オーストラリアはANZUSによって参加をしておりますので、カナダとニュージーランド、オーストラリアとは同盟関係にございませんが、こういう外国艦艇の参加を認めておる艦隊訓練に参加をしてはどうかという誘いがございました。 それで、このリムパックの性格について私どもは事前に十分打診をしたわけでございますが、このアメリカの第三艦隊が行っておりますリムパックと申しますのは、ある特定の国が特定の国を攻撃したときにこの訓練参加国が共同してその国を防衛するというような訓練、そういう集団的自衛権の行使を前提としたものでは決してないということ。また、この訓練が戦術技量の向上を目指す訓練であるということ。すなわちアメリカの海軍の訓練には三段階ございまして、個艦訓練、応用訓練、総合訓練とあるようでございますが、応用訓練まで終えた艦艇を第一線に配備する前にこの総合訓練でその能力評定を行い、戦術技量の向上を行う訓練である。それは二年に一度程度行われておる訓練であって、外国艦艇の参加を認めておる、機会を与えておる訓練である、こういう説明がございました。 訓練の目的、性格等をいろいろ検討いたしましたところ、防衛庁設置法五条二十一号「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を行うこと。」によりまして、防衛庁長官に与えられておる権限の範囲内の訓練であるという判断をいたしました。この「所掌事務の遂行」と申しますのは、言うまでもなく個別的自衛権行使を前提とするところの教育訓練でございまして、このリムパックの性格をいろいろ分析をしてみても、自衛隊法あるいは防衛庁設置法もしくは憲法の精神に反するものではないという判断をいたしたわけでございます。 この訓練に参加することによりまして、海上自衛隊は従来得られなかったところのより高度な戦術技量をアメリカ海軍から学び取ることができるのでございまして、訓練への参加の目的は、アメリカ海軍との共同訓練を総合的に実施いたしまして、そのすぐれた戦術技量を学び取る、こういうことでございます。 したがいまして、ハワイ派遣訓練の充実強化という性格を持っておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような設置法五条の「所掌事務の遂行に必要な教育訓練」すなわち個別的自衛権行使を前提とした戦術技量向上のための訓練であるならば、仮にリムパックの同じ訓練の場所に他の国が参加をしておっても、これは必ずしも憲法違反であるとかあるいは防衛庁設置法違反であるとか、こういう問題にはならないであろうという判断をいたし、防衛庁長官の責任において参加を決定したものでございます。
○岩垂委員 それならば、新聞に伝えられているようになぜわざわざ首相に承認を求めたのですか。その辺の関係はどうなっていますか。
○佐々政府委員 お答えいたします。 自衛隊法七条によりまして、総理大臣は内閣を代表して自衛隊、防衛庁の最高の指揮監督を行うということになっております。いわば自衛隊の最高司令官でございます。したがいまして、今回のリムパック参加につきまして、従来アメリカとの共同訓練をつとに実施しておるところでございますけれども、先ほど申し上げましたような諸点について慎重に検討いたした結果を報告いたし、その確認的な意味での御了承をいただいたものでございます。その意味で、自衛隊の運営、指揮監督の最高指揮官であるところの内閣総理大臣の御指示を仰ぐということは当然のことであろうかと存じます。
○岩垂委員 いままでやっていないのにとりわけいろいろな問題があるから慎重にということでやった、だから、いままでとちょっと違うのじゃないかと私どもは考えざるを得ない。率直なところ、アメリカとだけの演習に参加するということを、アメリカはもちろんだけれども、オーストラリアやニュージーランド、カナダと合意を見ていますか。
○佐々政府委員 リムパックの主催国はアメリカでございまして、アメリカの誘いに対しまして総理を初め関係方面の御了解、確認を得て、防衛庁長官の責任において参加を決定したわけでございますが、現在までのところ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、いずれも参加の意思表示をまだ公表いたしておりません。恐らくこの第七回リムパックにも当然参加することになるのだろうと思いますけれども、その意味で、私どもは主催国であるアメリカに対していろいろな連絡調整を行っておりますけれども、他の国とは連絡をいたしておりません。
○岩垂委員 アメリカとの間で連絡をとっているということの中には、アメリカとの演習だけに参加をするということが含まれているのですかどうですか。その点が一点。 それから、周知のようにアメリカ、カナダは、佐々さんも言われたようにNATOの構成国です。オーストラリア、ニュージーランド、アメリカというのはANZUSの加盟国であります。それぞれはアメリカを中心としていわゆる集団的な自衛権を行使する態勢をとっているわけでしょう。日本だけが、個別的自衛権の枠の中で、こういうことを言ったって通用しないと私は思うのですよ。 同時に、いままで日米安保条約のやりとりの中でやってきたことと考えてみれば明らかな逸脱だと言わざるを得ないのですよ。しかも、海の上でどうやってそういう区別を明らかにすることができるのですか。そういう問題点をどのように整理されて、どのような対応をなさるかということについて、国民の前にきちんと明らかにしてください。海の上で船が行ったり来たりするときに、いや、これは日本とアメリカだけですよ、そういう器用なやり方ができるのですか、実際問題として。
○佐々政府委員 先ほど申し上げましたように、日米安保条約も個別的自衛権を前提とした条約でございまして、アメリカはこのことを十分理解し、承知しておるところでございます。 その訓練の具体的なやり方につきまして、実はこの参加を決定いたします以前に、わが国の諸般の事情から、今回参加をする目的は、アメリカ海軍との共同訓練を行って、アメリカ海軍のすぐれた戦術技量を学び取ることであるので、訓練の具体的な計画の編成に当たっては、アメリカ海軍との連携をとって訓練を行う計画を策定していただくようお願いをしてございます。したがいまして、現在の段階でまだ訓練の細部のところまでは未定でございますが、基本方針としては、先ほど申し上げました集団的自衛権行使を前提としないということ、日本国憲法あるいは政策上使用が認められておらない核兵器であるとかICBMであるとか、こういう兵器を使用したあるいは使用することを想定した訓練は行わないというような諸点について十分その意向を確認し、その確認を行った上で参加の意思決定をしたところでございます。
○岩垂委員 アメリカの軍隊がいわゆる核戦略を中心として装備されて戦術配置についているということは御承知のとおりです。それが中心、軸になった演習、演習と言ったって、つまり戦争準備ですよ。それに教育訓練の名で参加するというようなことが合理化されていいものだろうか。事実上の海外派兵の布石だという心配は決して杞憂ではないと私は思うのです。 それでは伺いますが、リムパックの演習の概要を、いままで基本的なものだとおっしゃったが、詳細を明らかにしてください。
○佐々政府委員 リムパックの演習の内容につきましては、先ほど申し上げましたように、現在細部、詳細な打ち合わせを行っておるところでございまして、まだ確定したところではございませんが、来年の春、中部太平洋におきまして第三艦隊の主催のもとに、対潜、対潜水艦、対水上艦艇、対空、対航空機等の訓練を総合的に実施をする、また、あわせて魚雷等の誘導兵器の能力測定装置を使用した訓練あるいは洋上における補給訓練等を行う予定でございまして、日本の海上自衛隊といたしましては、従来お認めいただいておりまする護衛艦二隻、DDH一隻、DDG一隻並びに対潜哨戒機P2J八機をこれに参加させる予定でございます。 なお、訓練の詳細につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ決まっておりませんけれども、対潜訓練あるいは対空訓練等の戦術技量の部分に関しましては、仮にこれが全部明らかになりましても、主催国のアメリカの了解なしにこれを発表するというのは、私ども国際信義からいっていかがかと存じます。現在のところ、アメリカあるいはカナダ、オーストラリア、ニュージーランド等参加が予想されておる国の艦艇が何隻、航空機が何機参加するか等につきましては、主催国のアメリカも参加予定国のカナダ等もいまだ発表をいたしておりませんので、私どもは承知いたしておりません。いずれ主催国であるアメリカからその内容についての発表があろうかと思います。
○岩垂委員 それは佐々さん、あなた幾ら頭がいいと思っていろいろ説明しても、どだい無理だよ。集団的自衛権を行使する軍事同盟と、個別的でございます、私たちはこういう立場ですからと言っても、船が別々に行動するのじゃないのですよ。いまあなたが指摘したように、アメリカが軸になって、そしてしかも、アメリカは特定の仮想敵国を持っているわけです。ソ連を相手にしてやっているわけでしょう。それを特定の仮想国は持ちませんとか言ってみたところで、そんなことどうやって区別するのですか。それは幾ら何でも日米安保条約というものの逸脱である、憲法違反である、この批判というのは免れないと私は思うのです。ですから、その資料がきちんとまとまった段階で国民の前にそのことを明らかにしてください。そうして、この問題について国民の前に批判を仰ぐことが必要だと私は思う。私はやめるべきだと主張したい。そんな子供だましみたいなことをいろいろ継ぎ合わせてみたって、それはしょせん子供だましなんです。いろいろなことを合理化するために継ぎ合わせてみても、それはだめなんです。だから私は、リムパックというのは非常に危険な内容を持っている、事実上の太平洋全域の、いわばアメリカの戦略体制の中に日本が非常に重要な位置を占めていくための布石だ、こう言わざるを得ないです。その点は強調をしておきたいと思います。 では、伺いますけれども、いま佐々さんが言われた政府の統一見解、防衛庁設置法五条二十一による「必要な教育訓練」の範囲なら、法的にはいかなる国とも共同訓練が可能だという統一見解をいまなぜ改めて出したのですか。
○佐々政府委員 新聞の報道等に一部新解釈ということが示されたわけでございまして、そのために、なぜこういう解釈をいま新たにしたのかというお尋ねであろうかと存じますけれども、実は従来、日米共同演習、共同訓練の根拠法規は何かという御質問に対しましては、常に設置法五条の二十一号「所掌事務の遂行に必要な教育訓練」に関することである、こういう御答弁を申し上げております。また、従来練習艦隊が遠洋航海で世界を巡航いたしました際に、カナダあるいはアルゼンチン、チリ等におきまして、その国の艦艇と共同訓練をやったことがございますが、これの法的根拠も従来五条の二十一号でございました。たまたま、今回リムパックという問題でこの点について大きく報道をされましたので、クローズアップされたわけでございますが、従来、私どもが法的根拠として御答弁申し上げておること、カナダその他につきましては実は法的根拠についてのお尋ねがございませんでしたので、御答弁の機会がなかったようでございますけれども、従来とも変わらない解釈でございます。 〔委員長退席、逢沢委員長代理着席〕
○岩垂委員 その設置法五条二十一による「必要な教育訓練」の範囲内ならば、率直なところ、ではNATOとやってもいいのですか。これは法制局長官に最初に伺います。
○角田政府委員 御指摘のように、防衛庁設置法の五条二十一号には「所掌事務の遂行に必要な」という縛りがかかっているわけでございます。したがって、法律解釈としては、その必要であるということが合理的に説明されなければならないわけであります。同時に、それをもって足りるわけであります。したがって、NATOとの場合という御質問でございますけれども、そういう必要性の範囲内にあればできるし、必要性の範囲内を超えていればできないということになるわけであります。したがって、具体的に当該演習参加の、共同演習の目的なり内容によって判断しなければならないと思います。しかし、恐らく御質問の要点は、集団的自衛権の行使なりあるいは個別的自衛権の行使であっても、ある範囲で認められたものを超える可能性があるということを前提としてお尋ねになっておられると思います。したがって、具体的な演習の目的なり内容というものが前提になるわけでございますけれども、できない場合もむろんあり得るというふうにお答えできると思います。
○岩垂委員 これは非常に重要なことですね。合理的に必要性の範囲内ならNATOとやってもいい。しかもそれは、要するにアメリカとだけやるのだということで日本の自衛隊が出かけていくというようなことも可能だ。理論上はそれでは米韓合同演習、たとえばチームスピリットに参加することもいいのですね。理論的なことですよ、そのあとの政策的な縛りは別ですよ。
○角田政府委員 先ほどのお答えをちょっと誤解しておられるように思いますけれども、いまのNATOだとか米韓合同演習というものの内容というものを恐らく前提として御質問だと思いますけれども、わが国は、いずれにしても、わが国以外の特定の国を共同して防衛するというような訓練に自衛隊が参加することは許されないわけでありますから、理論的にNATOでもできるというふうには私は申し上げたつもりではございません。
○岩垂委員 合理的に必要性の範囲内とあなたはおっしゃっている。それはだれが判断するのですか。自衛隊が判断するのでしょう。そうでしょう。だれが判断するのですか。
○角田政府委員 まず、憲法の集団的自衛権を前提とする外国との共同訓練には参加できないという大きな枠があります。さらに、その上にいま申し上げたように、防衛庁設置法の五条二十一号に「必要な」という枠があるわけであります。その「必要な」というのは、ただ必要だと口で言いさえすればいいとか、防衛庁長官が言いさえすればいいというわけでは決してなくて、そこにおのずから法律解釈としては合理的な判断がなされなければならないと思います。しかし、第一次的にだれが判断するかと言えばそれは防衛庁長官が判断すると思います。それは先ほど防衛庁からも答弁がありましたように、防衛庁の事務を統括する第一次的な責任者は防衛庁長官でありますから、防衛庁長官が判断すると思います。しかし、その判断が正しいかどうかについては、むろん最高の責任者である内閣総理大臣も当然それに加わるでありましょうし、あるいはまた国会においてシビリアンコントロールの立場からも十分御論議があるわけで、防衛庁長官が判断するからといって防衛庁長官の判断が常に正しいとか優先をするという意味で申し上げたわけではございません。
○岩垂委員 結局ANZUS、NATOそれ自身は集団的自衛権の行使をすることを前提としてあるわけでしょう。それに個別でございますよ、アメリカとだけですよ、こう言って行くわけですね。その論理でいけば、あなたが御答弁をいただいた筋道で言えば、NATOともできるということになっちゃうのです、いまのようなかっこうだけとっていれば。そのことをもっとはっきり言えば、チームスピリットだって参加できるのですよ。しない、するの問題とは違いますよ。違いますか。法制局長官、その点は御答弁いただきたいと思います。
○角田政府委員 私は必要な訓練というのを非常に厳しく解釈しているつもりで先ほど来申し上げているわけです。ただ、そのNATOとか米韓合同演習というものの内容について私が断定する立場にございませんからそれを申し上げてないだけであって、そういうものが特定の外国を防衛するという目的なり、あるいはその演習の内容がそういう内容であるとすれば、それは必要な訓練という範囲内には入らないということに理論的にもなり得るわけでございますから、その点は決して政策的な問題ではなくて、理論的にできないということを申し上げているつもりです。
○岩垂委員 そこのところの区別というものが実際問題としてつかないのですよ、いまあなたが言った合理的に云々というところ。時間がないから私もうやめざるを得ませんけれども、後の質問者の日程もございますので、これは後でもう一遍また議論をさせていただきます。いずれにせよこれはいろんな問題を含んでいる。その意味で、法制局の見解も私は非常にあいまいだと思うのです、率直なところ。そして新解釈じゃないと言っても新解釈だと私受けとめざるを得ない。そういう点についてこの際、時間が来てしまいましたからやめますけれども、御検討を煩わしておきたい、また質問をさせていただきたい、このように思います。 以上で終わります。
○逢沢委員長代理 新井彬之君。
○新井委員 官房長官に来ていただいておるのでございますが、官房長官の談話について、何か時間があと五十分までしかないようでございますけれども、一言聞いておきたいと思うわけでございます。 この官房長官の談話の中で、給与に関しまして「人事院勧告の尊重は公務員制度の適正な運用にとつて重要なことでありますので特段の配慮をもつて指定職を除く一般職公務員の給与改定を人事院勧告どおり実施することといたしました。」こういうぐあいに言っているわけですね。いままでの経緯等も官房長官としては御存じだと思いますけれども、この「特段の配慮」というのは一体どういうことでございますか。
○伊東国務大臣 お答えいたします。 国家公務員の給与の問題については、広く国民の納得を得ることが必要であると思うわけでございまして、政府としましては、中立的な第三者機関であります人事院によって専門的な調査、研究をしてもらって、それに基づいた勧告を待って措置するということが最も適切だということで運用しておるわけでございます。 それで、今度も人事院の勧告に基づきまして給与法をお願いしているのでございますが、人事院の勧告を尊重することは、当然公務員の制度の運用を適正にするということで重要なことでございますが、他方、近年、特に経済社会情勢がきわめて厳しいことは御承知のとおりでございますし、また財政状況も逼迫しているということでございますので、公務員の給与につきましても、これは国民の負担で行われておりますので、国民の皆さんの理解と協力を得ることが必要だということでございまして、一段と厳しい情勢の中で今度の措置をやりましたので、政府の見解として私の談話を発表したわけでございます。 その中で「特段の配慮」ということを言っておりますが、これはことし初めて言ったことではなくて、実は昭和五十年から談話でこれを使っているのでございますが、実はこれを決めますまでにいろいろ議論があったわけでございます。財政当局の議論とかあるいは一般の国民の世論、批判とかいろいろあったわけでございますが、そういうものも頭に置きながら、しかし、人事院の勧告というのは極力尊重しようということで、一般職についてはそのままということでやったわけでございまして、そういう意味で「特段の配慮」と申したわけでございます。これはことしだけのことでなくて、従来もこういう言葉を使っておりますことだけを御参考に申し上げておきます。
○新井委員 官房長官は、この人事院の勧告制度ということについて何か半分わかっているような答弁で半分わかっていないような答弁ですね。では、変な話ですけれども、国の財政がものすごく黒字になった場合は何か特別に特別賞与でも出すなんということを考えられることもあるのですか。
○伊東国務大臣 私どもは極力人事院の勧告を尊重するということでやっているわけでございますが、過去におきまして、あれは教員の俸給の問題でございましたか、たしか勧告よりも少し優遇して考えるというようなことをやった事態があったような記憶が私はあるのでございますが、しかし原則としては、人事院の勧告を極力尊重するというのが公務員制度を適正に運用する基本だというふうに考えております。
○新井委員 いまの制度からいけば、尊重することが当然、あたりまえのことでございまして、もしもそうでなければ、人事院をなくして、やはり労働基本権に基づく交渉をやるというような形にするか、またもう一つ別の方法を考えるか、何かなくちゃいけないわけですね。そういう意味から、やはり人事院という公平な、公正な立場に立って見ているという一つのものがある限りにおいては、特段とか特段でないとかにかかわらず、それについては法律を守ってきちっとこれを実施するのだ、これであたりまえだと私は思うのですね。これが一つです。 それからもう一つ、この昇給延伸についての人事院への検討依頼というようなことがありますけれども、こういう問題についても、少なくとも人事院というのはだれからも左右されないんだ、要するに、労働基本権とかそういうものを奪った代償としまして公平な立場に立ってそして裁定をする、その中でそれをみんなが守るということがやはり一番基礎になくちゃいけないと思うのですね。そういうわけでございますから、この官房長官の談話については、公務員制度の適正な運用にとって重要なことだということで人事院を評価しておるわけでございますけれども、そういう認識というものをもう一度ここで改めて明確に答弁をいただいておきたいと思います。
○伊東国務大臣 お説のとおりでございまして、もう極力人事院の勧告は尊重していくという態度でございまして、これは第三者機関であることをよく承知しております。ただ、片一方で、公務員の給与というものは国民の負担でございますので、やはり国民の理解、納得を得なければいかぬということも、これはあるわけでございますので、そういう面で彼此勘案しまして今度の法案をお願いを申し上げ、談話を発表したということでございまして、われわれとしましては、人事院の存在は第三者中立機関であるということはもうはっきり認識をいたしております。
○新井委員 いま官房長官、ああいう御答弁でございましたが、人事院総裁、この官房長官の談話を読まれてどのようにお考えになりましたか。
○藤井(貞)政府委員 いま官房長官からもお話がございましたように、今回の談話というものは本年特別のものというふうには理解をいたしてはおらないわけでございますが、朝来申し上げておりますように、私といたしましては、人事院というのは、やはり公務員制度の現在のたてまえから申しまして、第三者機関という厳正な立場が要請をされておるわけでございます。したがいまして、その点については政治的な考慮あるいは財政的な配慮というようなものの制約を受けてはならないという一つの厳密な限界がございます。その点を崩すということになりますれば、これは本来の人事院の使命自体の問題にかかわる問題でございます。私はその限界というものは十分わきまえながら、今後とも厳密な意味での人事院の使命達成のために渾身の努力を払ってまいりたい、かように考えております。
○新井委員 私が申すまでもなく、人事院というのは法律にのっとりまして、いま人事院の総裁が言われたように、これは本当に公平なんだということの立場でいままで勧告をされてきた、こういう立場で私もおりますし、その一点が崩れればこれはめちゃめちゃになるということですね。そういう意味におきまして、国民の皆さんに対して、公務員の給与制度は官民の比較の中にあってちっともおかしくないんだということをやはり明確に言う必要があると思いますね。公務員の方々そのものが給料が安いとか高いとかということは一切言われないような制度になっておるわけでございますから、その代弁として、当然やはり人事院が高いものは是正する、低いものは高くする、こういうような形でやってあげなければならない、こういうぐあいに私自体は考えるわけでございます。 そういうわけで、きょう順次質問をしてまいりたいと思いますが、いま国民世論といたしましては、特に公務員の綱紀粛正と申しますか、それに絡んでのいろいろな問題が国会にも出ておりますし、そういうような一部の問題から、公務員というのは非常に批判をされている立場にあろうかと思います。私もいろいろな公務員の方にお会いいたしましても、非常にまじめな、それこそ公僕として一生懸命おやりになっている方がたくさんいらっしゃるわけですね。そういう綱紀を乱すような者は、これはもう断固処分もしなければいけませんし、直さなければいけませんけれども、ほとんどの、多くのまじめな公務員については、これはやはりよく考えていかなければならない、こういうぐあいに考えているわけでございます。 一つは、最近やみ休暇あるいはまた空出張など、公務員の綱紀の乱れが非常に問題になっているわけでございますが、こういう問題について人事院総裁の所見をお伺いしておきたいと思うわけでございます。それに関連いたしまして、勧告との関係についてもどのようにお考えになっているか、お伺いしておきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 公務員のあり方、また、公務員をめぐる最近のいろいろな諸情勢というものにつきましては、私自身も大変な深い憂いを持ってその動向を見守っている一人でございます。 いま先生お話しになりました公務員に対する基本的な姿勢、考え方というものは私も全然同感でございます。いろいろな批判なり問題の指摘はなされておりますけれども、私自身も、大部分の公務員というものはまじめにその職責を遂行しておるということは信じて疑いません。ただ、いろいろ世上流布されております問題点につきましては、それなりに謙虚に耳を傾けて、これに対して正すべきは正す、姿勢を矯正すべき点は矯正していくということ、これは謙虚に受けとめてやっていかなければならぬという考え方を持っております。 この点につきましては、服務の関係は総理府の人事局というのがございまして、これが実際上の指導督励にも当たっておりますけれども、全体の服務の枠その他については人事院がむろん責任を持っておりますし、細かいことその他については人事院規則等でもって規制をいたしておる点もございまして、大きな関心を持っております。これの周知徹底のためには、あらゆる機会をとらまえて、その浸透のためにいままでも努力をしてまいりましたが、今日こういうような事態になりました上からはさらにもっと押し詰めて、この周知徹底、督励ということには力を注いでまいらなければいかぬということで、自粛自戒を心にかたく誓っておるつもりでございます。 ただ、いまお話しになりましたように、大部分の公務員というのは本当にまじめに、その日その日の職責遂行に当たっておるものであるというふうに私は考えておりますし、また、一番処遇の中心になります給与問題等につきましては、これは従来から確定をされ、慣熟した制度になっております官民較差の比較ということを基点にいたしまして、較差があればその穴埋めはしていただくという基本姿勢でもって今日までやってきており、しかも、この点は大方の賛同を得まして、いまや制度的には定着をしていることに相なっておるのではないかというふうに考えております。 したがって、これはこれ、あれはあれということで、綱紀の粛正というものはなおさらに浸透させて徹底を図ってまいらなければなりませんけれども、それはそれといたしまして、そうだから給与の問題について手心をするとかなんとかということは、これは筋違いでございまして、本来の制度決定の要因でございます官民較差というものは厳密に比較をいたしましてあくまでやってまいるという姿勢は今後とも崩したくない、かように考えておる次第でございます。
○新井委員 また、公務員の給与について非常に高いという国民からの批判といいますか指摘があるわけでございます。たとえて言えば民調の対象企業規模ですね。現在は企業規模で百人以上、それから事業所規模で五十人以上、こういうことになっておりますが、それをもっと下げて調査をすべきではないか、こういう意見があるわけでございますが、人事院はどのように考えているか、お答え願いたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 民間企業について調査をいたしますその対象規模につきましていろいろ御議論のあることは十分承知をいたしております。過去におきましてもいろいろな論議がございまして、従来五十人以上ということで大分続いてきたこともございますけれども、いろいろな意見等もございまして、企業規模を、いまお話しになりました企業規模百人、事業所規模五十人ということに改めましてからもうすでに長い間経過をいたしております。 この点につきましては、いまお話しになりましたように、もう少し規模を下げたらどうかという意見もございます。重々承知をいたしております。またしかしこれとは反対に、国家公務員というような大きな組織のものは、むしろ民間の大企業と言ってもこれに匹敵するものが恐らくないぐらい大きなものではないか、したがって、少なくとも千人以上の規模ということにするのがやはり比較としては正しいのだというまことに真剣な御議論も別にあるわけです。しかし、いろいろな点を考えまして、一種の労働慣行に相なっておりまする勤務条件の問題を、そう簡単に毎年毎年変えるとかいうようなことは適当ではないという立場から、いろいろな議論はございますけれども、まずこういうところで適正なのではあるまいか。何よりも国民一般の御理解を得ますためには、この現在やっております比較対照というものが、これで大体民間企業の従業員で申しますと六割以上になります。それであればまず過半数以上のものを代表しているわけですから、世間並みということで御理解がいただけるのではないかというふうな立場に立って現在までやってきておるわけでございます。 これに関連して、最近、特に生涯給与というような点、具体的に申せば年金の問題とか退職手当の問題、これらをひっくるめて総体的に高い低いという議論がなされております。また最近、いろいろな報道がなされておりまして、そういう点から、何か官の方が高くて民の方が低いのだということも常識であるかのごとき風潮すらでき上がってきておりますけれども、これは私は間違ったことだと思っております。あくまで官民較差ということを厳密に調査して、その結果を打ち出しておるわけだと考えておる次第でございます。したがって、いま御注意もございましたように、私たちといたしましては、事あるごとに、やはりもっと実態なり制度のあり方なりを、国民の一般の方々にももう少し御理解をいただくというための宣伝活動と申しますか、そういう周知徹底の方策をさらにもっと精力的にやっていかなければならぬ。それでないと、一般の公務員も迷惑いたしますし、そういうような気持ちを持っておることは事実でございます。 それとともに、やはりよく言われますように、生涯給与がどうこうという比較の仕方自体にも問題がございますし、そういう生涯給与の立場からいって、給与を民間との対比で毎年上げるのはけしからぬではないかという御議論はやはり若干、本末が間違っているのではないか。これは毎月の給与でございますので、いわば生活費の本体でございます。これを基礎にして退職手当をどうするか、退職年金をどうするかというのは別個の立場から厳正に調査をして、それとの比較検討で是正すべきことは是正していただくことが本来的なやり方ではあるまいか、こういうふうに考えている次第でございます。
○新井委員 私もデータを労働省とかいろいろいただいて見てみたのですけれども、若年労働者については大体一致しているといいますか、ちょっと違いがあるのは年がいってからの違いというのが若干あるようでございますね。そういうこともいろいろな御議論があろうと思いますけれども、人事院でいろいろ検討なさった中で一番これが大勢を占めているのだということを取り上げて明確に判断をしていただきたい、このように思うわけでございます。ただ、いろいろ批判があった場合に、違う場合に、データ的にそうじゃありません、こうですよというものを示さないと、ただ違う違うだけでは国民の方は納得されない、こういうぐあいに思うわけでございまして、極力そういうデータについても発表していくということが必要ではなかろうかと思います。 それから、いまもお話があったのですけれども、生涯給与で官民較差というのは非常にあるのだという御議論、退職金の場合は総理府の人事局ですかおやりになっているわけでございますが、この有利であるということも、いろいろのことをひっくるめましてきちっと国民の皆さんに納得していただく必要があると思うのです。後で年金の問題等についても質問したいと思いますが、とにかくそういうわけで、退職金なんかは一体どういう規模の会社を対象にしてそういうものを算定しているかというようなことがまだまだ明確でない部分があります。したがいまして、そういうようなことについて明確にすることが非常に大事ではなかろうか、こういうぐあいに思うわけでございます。順次そういう問題についても聞いてまいりたいと思います。 もう一つは、今回の勧告で聞いておきたいことは、本年の民間の賃上げは、昨年に比べて、やや昨年を上回る感じであるわけであります。労働省の発表によりますと、民間平均が定昇込み昨年が五・九%、本年が六%、こういうことになっておるわけでありますが、ことしの勧告率が史上最低で、昨年を下回る三・七%である。これは本来、五%以上は絶対に勧告しなければならないわけですけれども、それにしても三・七%という一応の勧告が出たわけでございますが、この内容について一言説明をお聞きしておきたいと思います。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 最初に、労働省調査による賃上げ率との関係で御指摘がございましたけれども、人事院の勧告に際しましての民間調査は、四月時点で実際に支給された金額を対比しておりまして、民間の場合ですと対前年度の伸び率で出しますので、若干食い違いがあるかと思いますけれども、水準の差として前年度の調査時点後のいわゆる給与変動要因というものが織り込まれているということもございまして、今年民間におきます上昇率と比較しました場合に若干の差が出ていることであろうと考えております。 次に、ことしの三・七%の改善の根拠でございますけれども、本年も例年どおり民間事業所につきまして調査をいたしました。その結果、現在の大変厳しい社会情勢を反映いたしまして、低位にとどまるという結果に終わったわけでございますけれども、一人当たり平均にいたしまして、民間給与が職員の給与を六千百八十一円、率にいたしまして三・一%上回っておるということになっております。これにいわゆる四月遡及改定分と申しますか、実際に四月時点で支払いは終わっておりませんけれども、改定が確定しておるという事業所につきまして調査いたしました。その遡及改定分を加味いたしますと、それにプラス〇・六%ということで三・七%、合計七千三百七十三円という結果になっております。
○新井委員 今回の勧告では、一律に五十八歳になれば昇給を停止するということになっておりますね。そして五十六歳から五十八歳の間は一年のところを一年半に昇給延伸ということが言われているわけでございますが、こういうぐあいにやった場合に技術的には問題はありませんか。
○長橋政府委員 特に問題はないと思っております。
○新井委員 現行の給与体系における俸給表のつくり方から言いまして、第一条第三項、第四条あるいは第六条第三項で言っておりますように、職務と責任の度において俸給表を定めなければならないというふうになっていますね。それから、年齢が五十八歳に来たからということで一律に昇給を停止するといった場合に、職務と責任の度というようなことから考えた場合どうなるのかということですね。だから、そういうようなことについてはどのような検討をされてそのようになったのか、お伺いしたいと思います。
○長橋政府委員 現在、国家公務員の給与は職務給の原則をとっております。したがいまして、俸給表は職務と責任の度に応じまして、要するに等級分類ということをなしております。各等級ごとに俸給月額の金額の幅を決めておりますので、したがいまして、原則的にはその等級に属するという評価を受ける職務につきましてはその金額の幅の中でおさめるというのが筋道だろうというふうに思っております。したがいまして、その等級に示された俸給月額を超えて昇給等によって俸給月額を変更するということは原則的にはできない、これは法律上できないたてまえになっております。しかし、そうは申しましても、昇給制度それ自体には一つの意義があるわけでございますから、最高号俸に達した人についてさらに一切俸給月額の変動がないということになりますと、人事管理上いろいろな問題が出てまいりますので、最高月額に達しました人につきましても十八カ月あるいは二十四カ月ということで昇給制度を認めております。 今回、高齢層の職員につきまして昇給停止という措置を勧告申し上げた次第でございますけれども、しかしこれは、あくまでも、高齢層の職員の給与というものを官民で比較しました場合に大変に逆較差が生じておるということを踏まえましてやった措置でございまして、先ほど申し上げました俸給表の構造上からの措置、いわゆる昇給期間の延伸と申しますか、それとはまた別な性質のものでございます。
○新井委員 いま公務員には定年制というのがないわけでございますから、各省によって退職年齢がわりかた違っているようなところがありますね。そうしますと、お年が五十八歳以上になられて、それだけの責任ある立場に立たれている方が案外いらっしゃるわけですね。民間と比較して高い場合というのは当然切らなければいけないわけでございますから、それがどういう形で今後なっていくかわかりませんけれども、それが変わった時点、民間との比較でなった時点においては、当然これは今後また考える余地がある、こういうようなことでございますね。
○長橋政府委員 昇給延伸制度を初めて導入いたしましたのは昭和四十五年でございます。以後こういった現象につきまして関心を持って注視してまいったわけでございますけれども、最近いろいろな社会情勢の影響もございまして、民間におきます高齢層の職員に対する給与管理ということについては一段と厳しいようなものがあったのではないかと思いますけれども、逆較差の拡大というような傾向がうかがえる次第でございます。したがいまして、昨年の報告の際にもあらかじめこのことは申し上げたような次第でございますけれども、今回これ以上放置しておきますと将来に問題を残すというふうなことで踏み切った次第でございます。 いまのお尋ね、将来民間の給与、高齢層職員の給与状況につきまして変化が出てきて、公務員と比較してみた場合にいままでと違った、いわゆる逆較差というものがなくなってきた場合どうするかというお尋ねでございますが、その点につきましては、私どもは、やはり民間でそのような変化がくれば、私どものとりました措置についてまた検討し直すということについてはやぶさかではございません。 ただ、傾向といたしましては、今日の時点で考えますと、かなり近い将来そういうようなことは期待できないのではないだろうかという感じはいたしますけれども、そういう事態が生ずればそれなりにまた再検討をしなければならぬと考えております。
○新井委員 それから枠外の給与職員等の問題、これは何回も論議されておりますけれども、こういう状況になってきたときには、やはりこの枠外の給与職員の方についても明確な号俸等を設けて是正していかなければいけないのじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
○長橋政府委員 現在、各俸給表の枠外の職員、枠外という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、この職員がかなりございますので、私どもとしましても、その点は大変気になるところでございます。 そこで、そういった職員につきまして一体どういう状況になっておるのだろうかということでサウンドいたしましたけれども、大体が五十歳を超える高齢層の職員が大部分を占めておるというような状況でございます。それから中には、たとえば降格等の特別な事情がございまして、たまたま一段下の等級の枠内におさまらなかったという事情で枠外に出ておる人もございます。 今後、号俸の増設とも関連いたしまして、こういった職員に対してはどういうような適切な処置を考えるべきであろうかということも出てくると思いますけれども、いま申し上げましたように、枠外職員の実態と申しますのが高齢層の職員が大部分であるということもございますし、また、今回高齢層職員について昇給停止という措置も講じておりますので、そういう事情を考えますと、枠外号俸の増設につきましては、特に今日の段階ではその必要性というものを認めるわけにはいかぬのじゃないだろうかということでございまして、そういう状況で、今年度も枠外の増設は見送ったというような状況でございます。
○新井委員 私がそういうぐあいに言いますのは、いまの答弁というのは何回も委員会で言われている答弁ですけれども、これから定年制を設けようというようなことになってまいった場合、ちょうどいま五十一歳から五十二歳の方々は、あと五年後ということになりますと当然五十六歳とか七歳ですね。それからあと三年延びて六十歳ということになった場合に、これは八年間もこういうような状況でほっておくということはどうなのかということを、やはりそれとあわせて明確にしておくべきではないか、こういうぐあいに考えたからでございますけれども、そういう点については問題ありませんか。
○長橋政府委員 今回の措置は、一応定年制とは切り離しまして、給与制度それ自体の合理化という観点から措置したわけでございますけれども、御指摘のように、将来定年制が実施されるということになりますと、やはり在職管理という長期的な観点からそういう問題についても考えていかなければならぬというふうに思っております。 ただ、民間における状況を調べますと、給与のピークといいますか、大体四十歳から五十歳にかけてその辺のところがピークになりまして、以下下降線をたどっております。これは民間の各規模別の状況を見ましても一応そういう傾向にございます。定年制というものが導入されますと、定年制の導入、つまり職員の長期在職管理ということとも関連させまして、現在の俸給表、その等級構造あるいは号俸構成というものが現状で妥当であるかどうかということも十分検討してまいりたい、このように考えております。
○新井委員 定年制の問題についてお伺いしますけれども、公明党は、御承知のように、定年制というのは六十五歳、当面経過措置として六十歳、これはだんだんと高齢化社会になってまいりまして、その形態がどうなるかということからこういうことを主張いたしておるわけでございますが、民間でも、労働省が主導で昭和六十年には六十歳定年ということを目指しているわけでございます。今回も、人事院の見解として、公務員においても五年程度の準備期間を設けて定年制ということが言われておりますけれども、これらについて見通しはどうなっているかということをお伺いしたいと思うのです。特にこういう問題というのは、経過措置等がありますから、早目に法案を出しておかなければいけない、こういうことで、次期の通常国会あたりに出さないと混乱するのではないかということも考えられますけれども、そういう面についてはいかが考えておられますか。
○藤井(貞)政府委員 定年制の問題につきましては重要な事柄でございますが、御承知のように、閣議で国家公務員についても定年制を導入するということが決まりまして、これを受けて総理府の方から私どもの方に、事は公務員の分限に関する重要な問題だから、ひとつ人事院の意見を聞きたいという、これは正式の文書が参りました。従来もこの問題については人事院として大変関心も抱いておりましたこともありまして、いろいろな角度から調査検討を行ってまいりました。また資料も集めてまいりましたが、正式にこういう依頼の書簡が参りましたので、これを受けて本格的な検討を始めた次第でございまして、これについての答えは、この間の給与勧告の時期に返書という形で総理府総務長官にその見解を申し述べた次第でございます。 この内容は、いまお話しになりましたように、要約して申せば、六十年を目途にして大体六十歳の定年ということがしかるべき措置ではないかということを申し上げた次第でございます。ただこの点は、一般職の公務員だけに限る問題ではございませんので、当然に特別職あるいは三公五現の関係にも影響をいたします。また地方公務員につきましても、過去においてすでに定年制法案というものが提出をされたといういきさつもございます。当然地方公務員についても方針を決定しなければならぬ、そういう総合的な検討が必要であるということもございますので、人事院といたしましては、余り一般職について独走的なことになるのもいかがかという配慮から、かなり弾力性のあるようなことで大きな方向をお示しするという形の報告にいたした次第でございます。 これを受けて総理府では、目下いろいろ多方面にわたって御検討をしておられるということを承知いたしております。法案の提出その他につきましては、総理府の方から御答弁があると思いますが、われわれの方といたしましても、報告を申し上げた後は知らないというようなことでなくて、やはり公務員の人事管理についての大変重要な問題でございますので、今後とも総理府等からいろいろ御連絡もございましょうし、われわれとしても、われわれの立場からいろいろ御意見等も申し上げて調整をとりつつ、この重要な問題の対処に遺憾なきを期したい、かように考えております。
○新井委員 そのときに、人事院の見解では、「定年制度実施後も、退職勧奨を行う必要のある場合も見込まれるので、この点について引き続き配慮することが望ましい。」こういうことを言われているらしいのですが、これはどういう根拠なのか、お伺いしたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 定年制は定年制でございますが、これを完全に実施するまでにはかなりの時間的な経過が必要でございましょう。また、やっていく順序といたしましては段階ということも考えてまいらなければならぬと思っております。 御承知のように、現在一般の公務員については定年制はございませんけれども、それにかわる措置として勧奨退職ということが行われて、これが一つの有効な退職管理の方法として作用をいたしておる面がございます。これは各省庁ともそれぞれの独自の職員構成その他特殊の事情がございまして、一律的に決まっておるわけではございません。そういう意味で幅がございます。また、職種についてもおのずから幅があるということで運営をいたしておりまして、それはそれなりに相当の効果を上げておるというふうに私は考えるわけでございます。 したがいまして、定年制という制度は一つの大きな枠として設定をしながら、その枠内におきまして退職勧奨ということも並行して実施をしていく。定年制をしかれたからもう退職勧奨は一切やめだというふうなことをやりますよりも、これはあくまで勧奨ですから、本人の納得が得られなければできないわけです。これは強制的に退職を迫るというわけにはいかないものですから、あくまで本人の御了承が必要でございます。そういう意味で、それとの兼ね合いでもって退職勧奨というものも各省の実情に合わせて並行してやっていくということは、やはり公務員の職場の活力の保持というような点から申しまして、有効に作用していくものではないかと考えておりますので、並行してこれは存置していく。運用については強制にわたらないように、実情に合った適切な運営を期待する、こういうことでやってまいることが適当ではないかという配慮からこういう措置を講じた次第でございます。
○新井委員 昭和三十九年の臨調答申では「定年制の実施とともに勧奨退職の制度は廃止すべきであり、経過期間においてもその運営は最小限度にとどめられなければならない。」こういうぐあいに言われているわけですね。 私が考えますのに、定年制というのは当然その年が来た場合に退職をするんだ。これは勧められてやめるとかそういうことではなくて、やはり生活設計という一つの考えからも、定年制を設けない場合はある意味ではいつやめなきゃいけないかわからないということがありますね。あるいはまた、年金との絡みにおいてどこまで自分が努力したらいいんだろうということがありますね。そういう中で、いま各省確かに定年がばらばらみたいなところがありますから、六十歳に区切るということは、これがいいか悪いかはわかりませんけれども、とにかく定年を決めたということ、になれば、勧奨退職というものはやはり廃止すべきじゃないか。この臨調の答申のとおりじゃないかと思うのです。ただ、そのときに、経過措置もありましょう。それからもう一つは、現在の退職制度からいきまして、どうしても勧奨退職にしないと民間とのバランスがとれないんだというなら、そのときに明確に国民の皆様のわかるような形でそれを手直しするということが大事なことじゃないか、こういうぐあいに思うわけでございますが、いかがでございますか。
○藤井(貞)政府委員 臨調の答申がございましたことも、私たちといたしましては十分承知をいたしております。ただ、その後のいろいろな情勢、また民間における動向等詳細に資料も点検をいたしました結果、今回出しました書簡の内容が適当であろうということで、そういうふうに御提出をいたしたような次第でございます。 実はこの点は、定年退職の場合の退職手当あるいは勧奨退職の場合の退職手当、これをどういうふうにやっていくかという問題とも大変深いつながりがございます。勧奨退職についてはいろいろ時間の批判も非常に強くて、論議をされております。したがって、今回の給与勧告の取り扱いについても、退職手当についても人事院の資料等に基づいてひとつ具体案をつくるんだということを申されておることにもはっきりあらわれておるわけでございます。 そこで、それらの問題を総合的に考えてこれから対処していかなければならぬ、また、内閣においてもそういう点は十分検討をしていかれるものだというふうに考えておるわけでございますけれども、しかし、やはり現実の問題といたしまして、定年まで全然例外なしにそのまま存置していく、これはあくまで一つの目標ですから、いまお話しになりました人生設計というか、そういうもので一つのめどがつくわけですから、これはそれなりに大変有意義な制度だと思いますけれども、役所のいろいろの構成の都合あるいは本人の事情等々考え合わせた結果、勧奨というものも定年制ができたら全部認めないんだ、廃止するんだということよりも、やはり実情に応じて並行していくということがむしろ妥当な結論ではあるまいかというふうに考えた次第でございます。 ただ、お話にもございましたように、勧奨退職の持つ意味から申しまして、強制にわたるようなことはいけません。また、今後民間の事情がどういうふうになってまいるかということについても、われわれといたしましても十分配慮しながら、情勢に適応した妥当な方針を今後とも打ち出していくように努力を続けてまいる所存でございます。
○新井委員 いまの説明ではちょっと納得しませんけれども、時間がありませんから、よく研究していただくということで、民間等の状況もよく調査をしていただいて、どういうことが一番国民の皆さんが納得できるものか、こういうことでお願いしたいと思います。 それからもう一つ、ことしは給与の勧告と同時に週休二日制のことについて勧告しているわけでございますが、週休二日制との関係で給与上はどのような配慮をされたのか、お伺いしておきたいと思います。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 週休二日制と給与との関係でございますけれども、週休二日制の問題は勤務時間ということでございまして、勤務時間の観点から取り上げたわけでございまして、特に週休二日制との関連で給与制度をどうこうということは考えてはおりません。
○新井委員 次に、時間がありませんから総理府にお伺いをしたいと思いますが、さっきも官房長官に来ていただきまして人事院勧告に対する考え方、そういうことをお伺いしたわけでございますが、総理府総務長官は、人事院勧告を守らなければならぬのだと言って、いままでの経過措置等も一生懸命閣議で発言をされてやられたそうでございますけれども、今回の改正案では、人事院勧告のうち指定職の給与改定は勧告と異なる十月一日となっておりますが、それはどういうことでございますか。
○小渕国務大臣 本年の人事院給与勧告につきましては、正直種々議論のあったところでございますが、特に厳しい財政事情等にかんがみまして、指定職について十月実施となったわけであります。しかし、人事院勧告を尊重するという政府の立場には変わりないわけでございまして、申し上げましたように、いろいろの議論をいたしました上、一般職と異なり指定職につきましては、民間でたとえますれば役員に値するかと思いますので、この方々には、今回半年のベアについてこれを繰り延べることとしてこのような措置をさせていただいた次第でございます。
○新井委員 人事院勧告というのは当然完全実施をしなければいかぬということがたてまえですね。この指定職なら指定職を人事院勧告の中に入れている以上は、もしも勧告どおりやらなければどうしても問題になるのではないかと思いますよ。だけれども、指定職というのは民間の役員の給与に匹敵するんだ、とにかく会社が赤字で、そういうことを一番もろにかぶるのは民間でも役員の給与カットであるとかボーナスカット、そういうことがあるわけでございますから、それならそれで指定職というのを人事院勧告の対象外に外しまして、別にまた交渉してやるということも考えられるわけですね。だから、これも何かそういうような形にしないと、いまの人事院勧告制度、法制上からいきまして完全実施はしなければいけないんだ。これは、いまのところはまだ指定職の場合ですからある程度御理解もいただけるし、そういうことなのかと、財政の問題等も絡んでそういう理解をされる方もたくさんいらっしゃるでしょうけれども、これが一つ崩され二つ崩されて、一般職にも及ぶというようなことになった場合、そういうようなことをやろうというようなことになった場合には、人事院というのは全くなくていいわけですね。そういうようなことも考えられるわけでございますけれども、そういうことについてもう一度御答弁を願いたいと思います。
○小渕国務大臣 先生御指摘の、御主張の存するところは理解するところでありますが、今回の人事院勧告につきまして政府の中で種々議論する過程の中でこのような政府の方針を定めたわけでございまして、政府といたしましては、公務員の給与に関しては常々納税者たる国民の理解と協力を得るという立場から人事院の勧告を尊重いたしてきておるのでございますが、御指摘にありましたように、指定職を給与勧告の対象から除外すべきかどうかという議論にまで発展いたすことにつきましては、これは人事院の専門的な調査研究に基づく判断を待って総理府としては検討いたすべき問題でございますので、本問題はさようなことまで踏み込んだ形でなくて、今回は政府としての判断で決定させていただいた次第でございます。
○新井委員 これは、今回の場合が一つのきっかけになりまして、一般職の給与の問題についても、後でどんどん出てきますけれども、延伸の方向に向かうとかいろいろなことが言われているわけですね。どう考えても、いま法制上人事院という中立な公平な立場にあるところにゆだねている関係からいきまして、やはりこれは守るべきなんですよ。そう思われませんか。どうですか、総務長官。
○小渕国務大臣 お説ごもっともと思っております。
○新井委員 だから、それは守るのは当然ですということがまずなくてはいけないのですね。ところが、今回の閣議決定を見ますと、言ってみればここには人事院のことは何にも書かれてないのです。ただこうだああだと言って、これじゃ人事院がなくてもあっても同じようなことになっておるわけですね。政府みずからが、財政赤字についてみんなで協力してそれを直さなきゃいかぬということはあたりまえのことなんです。だけれども、そういう一つのたてまえの中に何か不合理があれば直したらいいじゃないですか。法律を直せばいいじゃないですか。不合理が何にもない、そしてみんな一生懸命やってもらっているのだというたてまえの中で、一つのそういう形であるならば、これをぼかすということ自体は、どう考えたって政府としておかしいじゃありませんか。いまそのとおりだと言っているからそれ以上言ったって仕方がないが、長官とすれば閣議の中で大分お話しにもなったのでしょう。ただ、いまの状況で押し切られてやった。 そこで、もう今後は必ず人事院勧告というものは守っていくのだというひとつ決意発表でもここで私聞いてみたいと思うのですね。これがなし崩し的にされていった場合の後の混乱ということを考えた場合に、どれほど国益を損なうかということが考えられるわけですよ。それは逆に言えば、自由にやってくださいということになりますからね。それが法律をみんなが守っている立場から言えばあたりまえになると思うのです。 〔逢沢委員長代理退席、委員長着席〕 そういう意味で、今後法律を守るという決意、人事院の勧告を守るのだ、こういうことを明確にしていただきたいと思う。 特に、昭和四十五年から現在に至るまで、今回まで、人事院勧告というのは極力実施するのだということで、ようやく四十五年からなっていますね。そのときの、当時の官房長官の談話なんかにおきましても、政府はもうどんなに苦労してもこれだけは実施するのだというようなことを言っているわけです。だから、状況がどうであれ何であれ、とにかく財政を立て直すということについては全部が協力をしてやっていかなければいけない問題でございますけれども、その一つの活力を生むためにも、やはり法律を守り、みんなが元気が出るような仕事をしてもらわなければいけないということも考えられるわけですね。そういう意味からもひとつ決意をお聞きしておきたいと思います。
○小渕国務大臣 人事院が中立的、第三者的な立場において勧告をいたすことに対して、政府がこれを尊重いたしておりますことは申すまでもないことでございます。過去においても、四十五年以来これは慣熟したこととして処置してきたことは御存じのとおりでございます。したがいまして、今後とも同様の姿勢で対処することは言うまでもないことでございます。
○新井委員 同様の姿勢じゃだめなんです。同様というのはこれと同様になるんだから。この閣議決定を見ると、これをいつも出してくるようではだめなんだ。人事院勧告というものをそのとおり受けていくというのが人事院勧告なんです。 それを、この閣議決定を読みますと、何かこういうことをやるということを前提に条件をつけて、それで完全実施しましょうと言っているわけでしょう。人事院の方だって、それは、いまの世の中のいろいろの景気の動向からあらゆることを判断しながらこれが適切であると言っているわけですね。それを条件をつけてやる、あるいはまた一〇〇%実施しないという考え方、これはよくないと言うんです。だから、その辺のところをぼやかさないで、人事院の勧告は今後は一〇〇%実施に全力を尽くすということをやはり言うべきだと思いますが、いかがですか。
○小渕国務大臣 もうしばしば申し上げておりますように、人事院勧告につきまして完全実施をいたすように努力をしてまいることは当然でございます。
○新井委員 これは最高裁判所の昭和四十八年四月二十五日の判決にもあります。あるいはまた、政府も、ILOなんかの労働基本権の問題に絡んでの答弁におきましても、当然、やはり人事院制度があります、それを完全実施するからスト権というのは与えないのですということを明確に言っているわけですね。だから、それを一つ間違えばやはり大きな問題になろうかと思います。 それで大蔵省にも聞いておきますが、今回の政府の閣議決定を見ますと、財政状況ということを三カ所で強調しておるわけでございますが、財政状況というのはだれでも理解をしているところでございます。しかし、これと対比すべき勧告制度の趣旨、労働基本権の制約との関係を一言も言っておりません。こういうことについて大蔵省としては一体どのように考えているのか、お伺いしておきたいと思います。
○日吉説明員 大蔵省といたしましても人事院勧告を尊重するという考え方には基本的に何ら変わりはございません。ただ、人事院勧告に基づきまして給与の改定をいたしました場合に、それは国民の負担によって賄われなければならないということも事実でございます。なお、申すまでもなく現在の経済社会情勢は非常に厳しゅうございまして、その中でも特に財政はきわめて危機的な状況に直面しております。そしてその財政再建ということが政治に課せられた緊要な課題となってございます。こういうふうな経済社会あるいは財政状況のもとにおきましての人事院勧告の取り扱いにつきましては、やはり国民の理解が得られるように各般の方向から慎重なる検討が必要であろう、かように考えております。
○新井委員 いまも私は言いましたけれども、現下の財政事情というのはみんなわかっていますね。そうすると、こういう人事院勧告というものについては状況が変われば守らなくてもいいということを大蔵省は言うのですか。いかがですか。
○日吉説明員 先生御指摘のように、人事院勧告は、国家公務員の労働基本権の制約との関係におきまして設けられております人事院の勧告でございますので、それはそれといたしまして尊重しなければならないという考え方は、全く私たちも先生と同じではないかと思います。ただ、その実施が国民の負担において行われるという意味におきましては、やはりそれらの点も総合的に勘案いたしまして検討していかなければならない、かように考えておるわけでございます。
○新井委員 だから、人事院勧告がどのように出ようとも、それについては結局状況が違えば完全実施しなくていいとあなたの答弁は言っているわけでしょう。一言で言ってくださいよ。いいのか悪いのか言ってください。
○日吉説明員 その点は、そのときの経済社会情勢等全般的な判断を、やはり財政民主主義の立場からも、踏まえまして、人事院勧告を受けて提出いたしました給与法の国会におきます審議の過程等も経まして、国民の理解が得られるような形で処理、判断されなければならないものだと考えております。
○新井委員 いまあんな答弁をやっていますけれども、人事院総裁、ああいうことで人事院というのは成り立っているのですか。いかがですか。
○藤井(貞)政府委員 先刻来お話がございましたように、人事院の給与勧告の制度というものは、もう長年にわたって定着をし、また慣熟をしたものになっておるというふうに考えております。また、たてまえから言ってもそれが正しい姿であるというふうに考えております。したがって、あくまで人事院の勧告というものはそのままで尊重されることがたてまえである、この点は毫も疑いがないというふうに考えております。
○新井委員 いま答弁された人も、あなたも公務員の一人ですね。立場上、こんなところで余分なことを言ったんじゃ問題になるということでそういうことを言っていると思いますが、あなただって、いま財政再建だから一生懸命働いておられると思うのですね。その中で、赤字だから当分の間、一年でも二年でも給与をストップしましょう、こういうぐあいになった場合に、それじゃ公務員の方というのは一体だれを頼りに話せばいいのですか。団体交渉権はないんですよ。それで、自分たちがこれは高いとか安いとか全然言えないのですよ。そういう場合は一体だれが、たとえて言うならば人事院なら人事院が、これが最高に正しいんだということは言えないまでも、一つの裁定機関として明確に法律で規定をされてあるわけですね。したがって、そこが裁定したことを守るということはあたりまえのことじゃないですか。そんなあたりまえのことがわからない、これはもうとんでもないことですね、総務長官、いまの話を聞いていてそう思われると思いますよ。だから、これは本当に大蔵省としても、そういう考え方を、もう一度法律を基本にして考え直していただきたい、こういうぐあいに思うわけですね。だから、この人事院勧告についてはまだいろいろありますが、本当にいまだかつてない閣議決定みたいなものが出されているということを感ずるわけでございます。 これについては、総務長官、あなたは一番よくおわかりになっていると思いますから、ただ、ここではこういう状況になっているから何とも言いようがないのでしょうけれども、しっかりがんばって、あなたが人事院総裁のことを受けてがんばる以外にないのですよ。一人で双肩に担っているわけですから、そういうことにひとつ力を入れて、しっかりやっていただきたい。そして批判があった場合は、明確に官民較差の問題、これはこうなっているんだということをやはり国民の皆さんによく知っていただいて、そして極力、人事院が一生懸命調べてやってくれたことについてやらなければいけない、こういうぐあいにひとつお願いをしておきます。 それからもう一つ、閣議決定の中にありますが、この閣議決定の3の(1)に言う「人事院の民間退職金等実態調査」はいつ、どのような形で実施されたのか、また、その結果はどのように出ているのか、お教え願いたいと思います。
○長橋政府委員 人事院といたしましては、退職手当に関しましては、別にこれといって明確な法律上の権限規定はございませんけれども、やはり大きな関心を持ちまして民間におきます退職手当の動向というものを把握するように努めております。昭和三十六年以降、ほぼ五年ごとに調査をしておりまして、昭和五十三年に民間の事業所約千五百社につきまして、五百社は実地調査をいたしましたけれども、あとの千社は通信調査でございますが調査をいたしまして、その回答を寄せられております。最終的にはまだ集計、分析が終わったわけではございませんけれども、その過程におきまして、参考となる資料をそれぞれ退職手当の所管省庁であります総理府にお届けはしておりますけれども、まだ最終的な結果等についてかくかくでございますと言って申し上げるような資料はまとまっていない、そういう状況でございます。
○新井委員 この閣議決定を見ますと、まだ十分なそういう結果が出ていないにもかかわらず、「退職手当制度の見直しを行うこととし、」「改正案は次期通常国会に提出する」こういうことを言われているわけでございますが、何か特別の目的、特別の意図、そういうものを考えているのか、総理府にお伺いしたいと思います。
○亀谷政府委員 人事院の方からただいまお話がございましたように、私どもの方に、五十二年度におきます民間退職金の実態につきまして昨年の十月から本年の初頭にかけて実施されました結果につきまして、一応の御報告を本年十月にいただいておるわけでございます。 私どもとしては、これだけで完全とはもちろん思っておりませんが、政府の基本的な方針としまして、これらの調査の分析をすでに始めておるところでございまして、こういった民間との対比を進めていきました結果、その内容に基づきまして、先般閣議決定がございましたように、民間との水準の較差が明確になりました時点で所要の改正の手続をとりたい、かように考えております。
○新井委員 退職手当制度、いま総理府でやっておりますけれども、これが民間と大分違いがあるということが言われておるのですが、どうですか、それは大分違いがありますか。いまの状況でどうですか。
○亀谷政府委員 ただいま資料の御提出をいただいた内容について国家公務員との比較対照、解析を始めたばかりでございますので、しかとした見通しでは申し上げかねるのでございますが、私どもが概括的に見まして、国家公務員と民間の同等のレベルの水準の検討をします上で考えられますのは、若干国家公務員の方が上回っておるのではないか、こういう感触を得ております。
○新井委員 あなたは担当者として、これはある意味では国家公務員を守る立場として、やはり高いと言われたらそれについての分析というのは当然行わなければいけない問題ですね。それで、どこがどう高いのかと言われた場合は、こうですということもやはり明確にしなければいかぬ問題です。いいことも悪いことも明確にしなければ、国民の皆さんだって言いようがないわけですね。 そこで、一つ言われておりますのは、勧奨退職制度があって、ほとんどが勧奨退職だ。五割増しですね。またそれプラス二〇%というようなものがつきまして、私のいろいろ聞いた範囲では、大体それが全部伴って民間と同じになるのです、こういうぐあいに言われておるわけですけれども、そういうような調査の内容、一体どういうところをどう調査して官民較差というものの比較をしたのか、そういうものをちゃんと公表する気はありますか。
○亀谷政府委員 先ほど人事院からも御答弁がございましたように、退当手当の改正につきましては、過ぐる四十八年度におきましても、これは改定によってアップをしたわけでございますが、やはり同様、昭和四十六年の時点から民間企業退職金等の実態調査の結果に基づきまして、長期勤続後勧奨等により退職した者の比較検討の上で改正が行われたのでございます。 今回も、人事院に調査をお願いしました手法は、ほぼそういう観点から、民間の同等の対象となります、先ほど御報告がございましたような抽出による調査に基づきます実態としての退職手当支給額の調査及びモデル手法等を駆使いたしまして、現在これの解析をあわせて行っているわけでございます。 先ほど私が国家公務員の方がやや高いのではないかという感触を得ていると申し上げましたのは、そういった解析、分析の過程でそういった感触も若干あるという意味で申し上げたのでございまして、確定的に現在どの程度高いとか、絶対にこの程度の水準の差があるという意味で申し上げたわけではございませんので、誤解を招くと困りますから申し添えさせていただいておきます。
○新井委員 だから、私の言っているのは、一つは、常日ごろからそういうぐあいに退職金というものは官民較差の中にあって高いと言われているならば、あなたの立場だったら、いや、これは公平でございます、同じでございますという言い方もできるし、高いなら高い、低いなら低いということは言えますね。それからもう一つは、とにかくそういういろいろやる場合の資料をこういう形で分析した結果こういう結果が出ておりますということを明確にする、これが今後大事なことだと思うのですね。そういうことをひとつお願いをしておきたいと思います。いかがですか。
○亀谷政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、目下そういった諸資料の解析、分析をやっておる最中でございますので、そういった問題が明確になった時点において、改めてそういった問題についての見解を申し述べさせていただきたい、かように考えております。
○新井委員 それからもう一つ、閣議決定にありますが、「現下の厳しい財政状況等にかんがみ、財政再建期間中、国家公務員の昇給期間の延伸等採るべき措置について、人事院に対し、早急に検討を依頼する」こういうことになっておりますが、この「依頼」というのはもう行いましたか。
○亀谷政府委員 十一月二十二日の閣議決定後、十一月二十六日の日付であったと記憶いたしますが、総務長官名をもちまして閣議決定の内容を別添にいたしまして、右のような閣議決定があったのでこの旨を御通知申し上げる、こういう形で人事院総裁に御送付を申し上げた次第でございます。
○新井委員 「昇給期間の延伸等採るべき措置」ということが言われているわけですが、これは具体的にどういうようなことですか。
○亀谷政府委員 先ほど来総務長官からも御答弁がありましたように、今回の人事院の勧告に対します基本方針の決定に当たりまして、種々閣内で論議があったのでございますが、その中で、朝来申し上げておりますように、社会経済及び財政状況の厳しい中で、財政再建期間中において定期昇給の延伸等の措置がとられないものかどうか、こういう御議論がございました。具体的にこれをどういう形でどういうふうにやるかという詰めた議論をどういう形でしたかということについては申し上げかねますけれども、御承知のように、現行のたてまえでまいりますと、いわゆる定期昇給は、十二カ月を超えた場合良好な勤務をした職員に対しましては一号俸の昇給ができる規定になっておりますが、これをたとえば六カ月延伸をいたしまして十八カ月とする、こういうふうな議論も行われたことは事実でございます。 しかしながら、そういった具体的な方法を提示して今回人事院に書簡を差し上げたわけではございませんで、先ほど来申し上げておりますように、こういった厳しい状況の中で、定期昇給の延伸等の措置をとれないものかどうかという議論があったということを含めまして、人事院に書簡をもって御送付申し上げた、こういう次第でございます。
○新井委員 依頼された人事院は、この問題はどのように対処しようとされていますか。
○藤井(貞)政府委員 この問題は大変重要な事柄であるというふうに受けとめておるわけでございます。先刻来からも申し上げておりますように、人事院の立場といたしましては、その職務権限なり使命から申しまして、官民較差というものを詳細な手法で調べて、較差があればそれをひとつ埋めていただくという方針をとってやってまいっておりまして、これが大体制度として定着をしてきている、大方の御承認をいただいておるということで今日まで至っておるというふうに理解をいたしておるのであります。 その中で昇給制度というのも、これははっきり申し上げまして給与勧告の内容でございます。御承知のように、毎年四月一日現在でもって官民の比較を詳細にやって、その結果について措置をお願いいたしておるということでございまして、その中には、現在の昇給綱度というものもその一環として入っております。すなわち、ことしの場合で申しますれば、去年以来のことで積算をした上で三・七%なら、三・七%の中には定期昇給というものも含まれておるわけです。特に最近は、これも釈迦に説法でございますけれども、民間の場合も春闘ということで大変統一されたといいますか、全部が全部そうではございませんが、大体春闘という時期にこれは集約をされておる。その場合にも、定昇込み幾らということが普通のしきたりとして行われておるわけであります。これに対応いたしまして、公務員の場合におきましても、これは一つの較差の配分の技術的な方法として、定期昇給も当然中に入ってくるというたてまえになっておるわけであります。 したがいまして、人事院としての立場をはっきり申し上げますならば、財政が大変厳しいから、そういう意味からひとつ昇給延伸等について考えてもらいたいということは、人事院としてはまともに受け取りかねます。その背後にあるいろいろな情勢、むずかしい事情というものはひしひしと私も感じておりますし、われわれはわれわれなりにそういう勉強もいたしておるつもりでございますけれども、しかし、筋は筋として踏み越せない、踏み破れない一つの枠がございます。その範囲内において物事を考えていかざるを得ないということになるわけでございます。 したがいまして、今後のことになりますけれども、仮に民間においても、そういうようないろいろな配慮から昇給についても年一回ということでなくて、その点いろいろな配慮が行われておるということが現実の姿となってこちらの調査で浮かび上がってまいりますならば、その時点においていろいろな角度から検討するということはあり得ないことではございませんけれども、しかし、発想の手段といたしましては、やはり官民較差を埋めるということ、これが最も基本的な態度でありまして、これは繰り返して申しますように、労働基本権の制約に見合う代償措置ということからそもそも由来するものであるという大きな原則は、踏み外さないようにしなければ大変な問題になる、かように私は認識をしております。
○新井委員 この延伸の問題は、いまも人事院総裁からもお話がありましたけれども、これはどんなやり方を考えて言っているのか知りませんけれども、毎年一回春闘を中心にして官民の比較をして出すというたてまえになっておるわけでございますから、よしんばこれを半年間ずらしたとしても、来年度はまたそれを補っていくということになりますね。そんなことですから、結果的に見て半年間がたまたまおくれたのかなということになるのですけれども、そういう一番の基本にかかわる問題は人事院の判断に任さなければならないと私は考えるわけでございます。したがって、こういうことについては、これだけはどうしても撤回しろというような強いいろいろな意見も、私のところへ陳情とか請願の形で来ておりますけれども、それはいまの閣僚の方が、いまの法体系というのは当然知っておいてもらわなければ話にならないわけです。だから、財政再建については全力を挙げなければいけませんし、幾らでもやらなければいけないことはたくさんありますが、こういう基本的な、何も悪くもない、制度としてもきちっとしておかなければいけない、こういうことについてさわるべきものではない、こういうぐあいに私は考えるわけでございます。 まだ幾らでもあるんですけれども、時間が来ましたからやめなければいけませんけれども、せっかく来ていただいておりますから、最後に一つだけ質問しておきたいのですが、国家公務員の方というのは、基本的には、一人一人が国民の皆さんにこたえる仕事と責任をお持ちだろうと思います。その仕事と責任を果たさなければ、それは全く存在価値がないということを私は思うわけでございます。それにはやはり一つの機構がございまして、その人が一生懸命働いているけれども、法的に不備でだめなのか、そういうことも検討されなければいけないと思うのです。 行政管理庁にお伺いしたいと思うのですけれども、これは会計検査院であるとかあるいはまた行政管理庁であるとかいろいろのあれがありますが、たとえて言いますと、KDDの一つの問題を見ましたときに、ここに監督事項というのがいろいろありますが、こういうめちゃめちゃなことが、時間がないから余り長いこと言いませんけれども行われておった。そのことについて行政管理庁としては何かやる方法があったかなかったか、まずお伺いしたいと思います。
○加地政府委員 ただいまKDDの例をお出しになりまして、政府側の、特殊法人その他団体等の監督のやり方の問題について御質問がございましたが、御承知のように、特殊法人だけに限って見ましても、特殊法人それぞれのあれによりまして監督の仕方というのは異なっておるわけでございます。こういった監督のやり方というのは、一つはやはり監督する側の体制の問題がございますし、同時に、監督の権限、それからその権限を行使する問題、こういうふうに分かれますけれども、少なくともいま御指摘のKDDの問題につきましては、御承知のような情勢の中で、この監督の問題については真剣に関係省庁の間で検討されていく問題であろうと思います。KDDの問題に関して申し上げれば、監督する体制の側に欠陥があってそういう問題になったことであるというふうに私ども考えませんが、権限なりそういう行使の問題についていろいろ問題があったんじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○新井委員 いや、私の聞いているのは、行政管理庁としてはこれはどういうぐあいにやれるのか、やれない場合は機構的にどうなっているのかと聞いているのです。
○加地政府委員 御承知のように、特殊法人の中には公社とか公団とか事業団、さらにはああいう特殊会社、こういうように種類がございますけれども、それぞれ法律に基づきまして設立されております。その法律の中に、いま申し上げた権限の問題でございますとかあるいはそういった運用の問題についての規定があるわけでございまして、その規定を直す必要があるかどうかという問題であれば、そういう問題を詰めた上で、法律なら法律を改正するならば改正をする方向に持っていく、こういう形になろうかと思います。
○新井委員 質問の仕方が悪いのかどうか知りませんが、さっぱりわからない話です。少なくとも国民の皆さんは、行政管理庁なり会計検査院なりいろいろな監督機関があるために、そういうような問題があったらそこが動けば安心だということにならなければいけないのです、本来のことを言いまして。
○佐倉政府委員 行政監察の立場から申し上げますと、特殊法人百十一あるうち、監察の対象になるのが四十八でございまして、公社、公庫、公団、事業団というように限られているわけでございます。KDDの場合には、これは特殊法人ではございますけれども、行政監察の対象にはなっておりませんので、行政管理庁としては、郵政省の監督行政がどうであったかという立場からは調べることができますけれども、非常に間接的になるということになります。 以上でございます。
○新井委員 郵政省の監督的立場というのは何ですか。
○佐倉政府委員 KDDの問題は、KDDを監督しているのが、直接には郵政省の監督部局、電気通信監理官がやっているわけでございますけれども、その監督が不十分であったかどうかという点については、その郵政省の監督行政について私どもが監察を行うことはできるということを申し上げたわけでございます。KDDに直接私どもが監察を行うことはできない、そういうふうになっております。
○新井委員 そこで、行政管理庁としていまの権限を用いていろいろ調べたところはどうですか、監督はうまくいっておりましたか、いかがですか。
○佐倉政府委員 現在問題になっているような点につきまして、行政監察でKDDを中心に調べたことはございません。
○新井委員 では、郵政省電気通信監理官、お見えになっていますか。 いまのお話によりますと、監理官が監督をすることができるようになっておりますけれども、こういうようなめちゃめちゃなことが行われておったことについて監督ができなかったということは、それはやはり法律を変えなければいけないのか、それともその人がやる気になればできたのか、サボっておったのか、いかがですか。
○塩谷説明員 国際電気通信事業といいます非常に公共性の高い事業を営みます国際電信電話株式会社が、今回あのような関税法違反容疑という不祥事を招きまして世間からいろいろ疑惑を招いている、この点につきましては、監督する郵政省といたしまして非常に残念なことだと思う次第であります。 先生お尋ねの監督につきまして手抜かりがなかったかどうかというその辺でございますけれども、現在、国際電信電話株式会社と申しますのは、これはいろいろ技術的にも進歩いたしますし、また、諸外国との通信サービスの競争の激しい事業でもありますので、そういう理由で民営にいたしておるわけですが、その民営と、しかし公共性、独占性という観点からの国のコントロールと、その両方を調和して現在の監督がありまして、これは主として認可にとどまっております。財務、経営等についての認可あるいは電気通信サービスの面での認可、この認可について、私どもはいろいろ現行法の範囲内でそれなりにやってきたつもりではありますけれども、なお御指摘の点につきまして、もっとやれることがなかったかどうか、あるいは現行法がもし不備であれば、その点改正する余地がないかどうか、そういった法改正も含めて、鋭意検討してまいりたいと思います。
○新井委員 私は、国民の皆さんというのは、やはりそういう一つ一つの立場を非常に信頼していると思うのですね。検察なり警察なりあるいは行政管理庁なり会計検査院というのは、われわれのために、逆に言えばきちっとした行政をやってくれているんだと。その中で、公務員の一人一人がそういう立場に立っていろいろ仕事をされているわけです。これだけ問題になっておりながら、本人がなおかつまだ、これはこういう法律さえ適用しておいてくれればうまくいったんだけれども、これはもう権限に限界があって、こういうことを幾らやられてもいまの法律では直せません、あるいはいや、そうじゃなかった、自分がもっと調べていればよかった、これで解決した問題ですということを言わなければならないのは、これは言ってみれば、さっきから何回も出ていますけれども、国民の税金をもらっている公務員として、いてもいなくても同じじゃないか、幾ら組織をつくって機構をやったって同じじゃないか、こういう批判というのが出てくるのではないかと思います。 そういうわけで、自分の職務については、国民の側に立って奉仕をするという精神こそ公務員にとってなくてはならない考え方ではなかろうかと私は思うわけでございます。国際電信電話株式会社法とかいろいろの法律があって、ちょっとだけ見せてもらったのですけれども、たとえて言いますと、主要認可事項の中には法定料金以外の料金、こういうことも入っております。今回問題になったら一遍に二五%ばっと下げたり、基本的に言えば独占企業じゃありませんか。そうしてぼろもうけしているわけでしょう。その認可のときに、これではよろしくないと。普通の民間会社と言えば民間会社みたいなところがありますから、当然ある程度の利益というのは考えなければいけませんけれども、こんなにぼろもうけして独占企業でやっているなんて、国際時代ということで考えたら国民が怒るのはあたりまえじゃありませんか。そういう権限を持って、まじめに国民の側に立つような公務員であっていただきたいと思います。そういう意味で、これは法律が不備なのか、人がたるんでいるのか、そういう点についてもひとつきちっとやっていただきたいと思いますが、総務長官の答弁を聞いて、質問を終わりたいと思います。
○小渕国務大臣 お説のとおりと存じます。
○新井委員 終わります。
○木野委員長 次に、中路雅弘君。
○中路委員 時間が限られていますから、きょうは三点について御質問したいと思うのですが、給与法と関連した高齢者の昇給停止の問題と、予備自衛官の手当の問題、三つ目にリムパック問題を中心にした防衛問題の三点で御質問をしたいと思います。 最初に高齢者の昇給停止問題ですが、今回の一般職職員給与法の改正で、五十六歳以上の職員のうち人事院規則で定める年齢を超える者は、特別の場合を除き昇給しないものとしていますけれども、この人事院規則で定める年齢、いわゆる昇給停止の今回の仕方、あるいはここで言っている「特別の場合」というのはどういう場合なのか、こうした問題について最初にお尋ねしたいと思うのです。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 今回の高齢者の昇給停止の問題でございますけれども、公務員の中には大変多種多様な職種がございます。また、昇給問題と申しますのは、給与制度の中で大変大きな事柄でございますので、公務部内の秩序というものを考えますと、なるべく統一した原則的な年齢でいくということが基本ではなかろうかというふうに考えております。したがいまして、法律上のたてまえとしましては五十六歳ということになるわけでございますけれども、そうは申しましても、職員の処遇の変化というものが急激に参りますとやはり問題でございますので、当面のところは昇給停止の年齢は一応五十八歳という線を考えております。 なお、その場合に、職種等についての特例ということについてあるいはお尋ねかと思いますけれども、今回の措置は、従来の四十五年に導入いたしました昇給延伸制度という延長線で考えておりますので、冒頭申し上げましたように、現在のこの時点では特にこれこれという特例は考えておりませんけれども、しかしそういうことでございますので、経緯を踏まえた上で大方の御意見等を拝聴しながら検討してまいりたい、このように考えております。
○中路委員 いまの、後でおっしゃった問題については、もう少し後でお尋ねしたいと思います。 このような昇給停止措置というのは、昇給制度全体に大変大きな影響を及ぼすわけですが、この措置をとられた理由について簡潔にお伺いしたいと思います。
○長橋政府委員 昇給制度そのものは、やはり給与の配分という一面を持っております。昨年の報告でも指摘いたしましたけれども、高齢層の職員の給与というものを民間と比べました場合にどういう状況にあるかということで調査したわけでございますけれども、大変に逆の較差を生じておるということでございます。つまり民間よりも、その辺の年齢層のところは公務員給与が上回っているということでございます。ことしと昨年と調査結果を対比してみますと、若干その率は小さくなっておりますけれども、しかし、その範囲は五十歳代まで広がっておるというような状況でございます。 それから、民間におきますいわゆる給与がどういう状況になっておるかということをいろいろ人事院の調査以外の調査で調べましても、大体四十歳の後半から五十歳の前半のところを一つのピークにいたしまして、後は下降線をたどっておるというような状況にございます。それからさらには、現在の昇給延伸制度、これは五十八歳からしておりますけれども、この状況を見ましても、現状では必ずしも期待したとおりの配分の適正化ということにもなっておらないという状況もございますので、さらにこれを一段と適正化していく必要があるのではないかということを考えまして、五十六歳を超える職員につきまして、この際昇給停止措置を導入したらどうかということで勧告申し上げた次第でございます。
○中路委員 いま理由で挙げられました、高齢者職員における官民の逆較差を適正にするということだとおっしゃったわけですが、先日、高齢者における給与の官民逆較差と言われる実態を示す資料をいただきたいということでいただきました「官民の年齢階層別給与較差」これを見ますと、六十歳以上では、確かに逆較差が五十四年で二五・四%を示しているわけですけれども、逆に四十歳未満については、官廃校差が九・五%にもなっているわけです。若干是正されたと言っても、民間に比べるとまだ九・五%低いということになっています。そして五十六歳から五十八歳までで逆較差が九・一%ということですが、四十歳未満の著しい官民較差がまだあるわけですから、年齢階層別の官民較差のみで高齢者の昇給停止をいますぐ行うという、民間より高い給与である高齢者の昇給停止はすぐやっても、民間より低い給与の年齢階層についてまだこれだけ大きな較差があるわけですから、公務員全体の賃金体系が民間と違っている歴史的な経過もあるわけですから、こうしたことを無視していま一律にやられるというのは大変問題だと思うのです。 国家公務員の労働組合から出されています請願の中にも「公務員の給与体系は、明治以来民間と比べ「若いうちは低く、年配者は高い」とされ、これは習熟度を重視する公務にあっては当然ともいえる特徴の一つである、この給与体系をにわかに一変させるような業務上の事情の変化は存在しない、」ということで、高齢者の昇給停止措置はやめてもらいたいという、反対する請願が出されているわけです。いま出されました資料を見ても私はそのことを思うのですが、まず、中だるみ、前だるみと言われている給与、こういった給与体系全体の改善とにらみ合わせながら、給与体系全体をどうしていくかという慎重な検討が必要なのじゃないかと思うのですが、高齢者の昇給停止の問題だけ取り出されてきているということはどういうことですか。
○長橋政府委員 御指摘のとおり、給与全体につきまして適正化を図っていくということは俸給表全体を通じての話でございますが、現象面について見ましても、御指摘のように給与の適正化ということになりますと、一つには民間と水準を合わせるということでございます。また一面においては、合わせ方につきましてもやはり合理的な合わせ方をしなければならぬ、民間の実態というものとはなはだしく乖離した状態にしておくことは納得いただけないということであろうかと思います。 御指摘のように、四十歳未満のところにつきましては較差が九・五%ということになっております。高齢者の逆較差の状態をこのままにしておきますと、俸給表の改善に本来回すべき原資、あるいは昇給制度によって給与の適正を図っていくという場合に、やはりどうしても若い人のところに行く分が抑制されてしまう、圧縮されてしまうという結果になるものでございますから、したがいまして、高齢者のところの給与月額の改定ということをやや抑制ぎみで臨まなければならないだろうという考え方に立ちまして、高齢者の給与昇給ストップ措置については、このままの状態にしておきますと、やはり給与管理上大きな問題が出てくるだろう。この現象というものは、きのうきょうの話ではございませんで、昭和四十五年にこの制度を導入してから今日に至るまで、大体同じような逆較差の傾向を示しておるということに基づくものでございます。
○中路委員 逆較差自身も六十歳以上になりますと大分ありますけれども、それまではまだ一けた台という較差ですが、特に問題になると思われるのは、行(二)の場合です。行(二)の問題で具体的な職種、特に民間との比較が行いやすい代表的な職種について年齢階層別の平均給与額、こういうものがわかるような、五十六歳以上でいいのですが資料を出していただけますか。たとえば、比較しやすいもので言いますと、電話交換業務における電話交換手、自動車運転業務における車庫長、運転手、ボイラ技士、こうした行(二)の具体的な職種別での資料を出していただきたいと思うのです。
○長橋政府委員 各職種別の詳細な資料はまだちょっとできておりませんけれども、お尋ねの趣旨に沿いまして、四歳刻みぐらいにあるいはなるかと思いますけれども、作成いたしましてお届けしたいと考えております。
○中路委員 ではお願いしたいのですが、余りたくさん出してもあれですから、いま言いました自動車運転業務における車庫長、運転手、電話交換業務における電話交換手、庁務における守衛長、守衛、それから用務員、もう一つは一般技能におけるボイラ技士、これだけ後で資料を出していただきたいと思います。 私の手元にも若干その関係の資料を持っているのですが、それで見ますと、たとえば電話交換手で見ますと、五十六歳から五十七歳で平均給与額が三等級で十五万四千八百二十四円。民間が十八万二千四百三十二円と、平均では公務員の方が低いのですね。それから自動車車庫長で、たとえば五十六歳から五十七歳をとりますと、平均給与額で、公務員が一等級で二十一万八千四百六十円、民間平均給与額二十四万一千六百十一円、これもやはり行(二)の方が低いわけなんです。だから、皆さんから資料を出していただけばもっと詳しくわかりますが、職種の中には、いま挙げましたように、高齢者であっても民間よりもはるかに低い給与というのが現にあるわけですね。そういったものも今度一律に昇給停止ということでもし対象になるとすれば、これはまた大変不合理な問題になってくるというふうに私は思うわけです。従来も、人事院規則で医療関係あるいは行(二)関係については、先ほどおっしゃったように特例も設けてあるわけですね。こういった点は今度の処置の中でも十分配慮が必要だろう。昇給停止そのものも不当ですけれども、しかも一律にこれを行うということになると、いま一例を挙げましたけれども、大変な不合理が起きてくるというふうに私は思うわけです。 もう少し具体的に私は聞いてみたのですが、私の地元の川崎の公務員の皆さんに若干聞いてみました。たとえば川崎の職安に勤めている方で、これは相当の年齢ですが、昭和三十七年四月一日に入職された方で、行(二)四等級二十三号の方ですが、現在、改定されて十四万千二百円だそうですね。あるいは同じ川崎の北職安で、大正九年生まれですが、昭和三十七年十一月十六日入職の方で、行(二)三等級十七号で十五万五千四百円、建設省の国道事務所の川崎の事務所にお勤めの方で勤続二十年か二十五年だと思いますが、二等級十九号で十八万千七百円という状態が何人もあります。これも皆さんからお聞きした資料で、この年齢、たとえばいまの場合六十歳以上ですが、五十四年でとりますと平均給与額が二十一万九千八百四十三円ですから、この低い平均給与額よりもまたはるかに低い人たちがこのようにたくさんおられるという状態です。 こういう状況ですから昇給停止ということはもう大変な状態になるわけです。余り目六体例をたくさん挙げませんけれども、いま挙げたような事実についてどのように今度の処置の中でお考えですか。
○長橋政府委員 今回の昇給停止措置を打ち出すに際しましては、行(二)、行(二)も含めまして、私どもも適用を受ける人たちがどういう実態にあるだろうかということで大変心配をいたしまして、全部ではございませんけれども、二、三当たってまいったわけでございます。いろいろな事情がございまして、その方々の中には、たとえばすでに民間をやめられた後に公務員になっておられる方というものもございますし、あるいは非常勤から常勤になりまして在職期間がまだ二、三年しかたっていないという人、いろいろございます。いろいろございますけれども、全部網羅したわけではございませんので、先生御指摘の趣旨に沿いましてさらに検討いたしたいと思います。 なお、俸給月額が低いということにつきましては、そのそもそもの俸給決定自体が正しかったのかどうかということも含めまして、個別的に調べてみたいというふうに思っております。 なお、御指摘ございました職種についての特例ということでございますけれども、御意見を踏まえて検討さしていただきたいというふうに考えております。
○中路委員 いま御答弁ありましたけれども、従来とられてきた昇給延伸の措置でも、人事院規則で、行(二)等についてはその処置を延長しておられたわけですから、今度の昇給停止の場合も、その職種の実態によって、先ほど御答弁のような処置が当然とられるべきだと私は思いますので、強く要請したいと思いますし、特に高齢者、この年齢になると、今度は扶養家族を含めて生活の負担が若干軽減されるという意見もあるのですけれども、これもやはり公務員の組合の皆さんの請願の中に出ていまして、私も当然だと思うのですが、現在の中高年公務員の中には、第二次大戦の影響により行(二)職員など、中途採用のため給与が低いとか、子弟がなお独立していない、結婚も非常に遅く、戦地から帰ってきて、住宅等の生活基盤の弱い職員が少なからず存在し、昇給は不可欠の勤務条件となっていますということで、要請文も出ているわけですが、重ねてこういった点の十分な配慮をお願いをしておきたいというふうに思うわけです。 あと公務員給与の問題については、同僚の辻議員が幾つか御質問することになっています。 次に、予備自衛官の問題について御質問したいのですが、今度、防衛庁職員の給与法改正案に予備自衛官の問題が抱き合わせで出ているわけですが、月額手当二千円から三千円ですね、引き上げようとしているわけですが、予備自衛官は特別の事情がない限り、他の職業について収入を得て生活をしているわけですが、この予備自衛官の手当をさらに五割アップするというこの根拠、また、予備自衛官に支給される手当の根拠は何ですか。
○久保田国務大臣 予備自衛官手当は、昭和四十七年四月に月額二千円に改定されて以来、長期間据え置かれて今日まで至っておるのであります。経済情勢の変化等にかんがみ、これを三千円に引き上げることにいたしたものでございます。 詳細にわたりましては政府委員から答弁をいたします。
○夏目(晴)政府委員 予備自衛官というのは、御承知のように防衛出動あるいは訓練招集に応ずる義務を負っているわけでございまして、この予備自衛官手当というのは、この義務に応ずるためのいわゆる精神的拘束料、そういった性格のものでございます。したがって、一般の給与とは若干性格を異にしますけれども、昨今の物価の上昇その他を考えまして、何とも四十七年以来、七年間にわたって据え置かれたままでございますので、この際、三千円に上げていただくというふうに考えているものでございます。
○中路委員 現在も予備自衛官は毎月二千円の支給があって、訓練に招集された場合は、当然訓練の応召手当が別に四千円出るわけですね。一般の非常勤の国家公務員あるいはこれに準じた人たちで、私も調べてみたのですが、こうした手当がついているのはどこもないわけですね。たとえば、行政管理庁所管の行政相談委員ですか、これも全くこういう手当はありませんし、法務省の関係の人権擁護委員もみんな実費弁償の処置だと思います。あるいは法務省登記所の職員で臨時に雇用というのがありますけれども、仕事をやる場合、これも給与法の二十二条で、働かないときはもちろん手当は出ない。参与とか顧問の場合も、給与法の二十二条で、いずれも一日の仕事をした場合の実費弁償ということですし、たとえば保護司ですね、非常勤公務員の保護司の場合は保護司法で給与は支給されないということですが、予備自衛官以外にこうした手当が——職業を持って仕事をやっている。応召されたとき、訓練のときはもちろん手当が出ますし、ふだん仕事を持って収入を得ているのに手当が出ておるというのはほかに例がないと思うのですが、防衛庁いかがですか。
○夏目(晴)政府委員 私、寡聞にしましてこの種の手当がほかにあるかないかということをつまびらかにしませんけれども、先ほど来申し上げているように、予備自衛官手当というのは、予備自衛官が有事の際は防衛出動に応じなければならないという義務を負っておるわけです。一般自衛官と同じように身を挺して国防のために働かなければならないというふうなことの義務を負っておるわけでございまして、その義務に対する一種の精神的拘束料という性格のもので、この手当は昭和二十九年以来設定していただいて、その間二回にわたって改定をお認めいただいているものでございますし、そういう従来の経緯等も考えまして御理解いただきたいと思います。
○中路委員 私は、今度の手当の増額というのは物価、経済状況の変化ということが理由に挙げられていますが、こうした問題よりも、もっと別なところに本当のねらいがあるように感じるわけですけれども、その前にひとつお聞きしておきたいのですが、いま民間企業から自衛隊に体験入隊ということで社員教育をする企業が相当ふえてきていると聞いていますけれども、五十三年度にどのくらいの会社が何人くらい体験入隊をしたか、御存じだったらお願いしたいと思います。
○塩田政府委員 お答え申し上げます。 昭和五十三年度、民間会社からの生活体験入隊者は約六百社、人員にいたしまして約一万九千名でございます。
○中路委員 小さい企業等で体験入隊もありますね。いまの六百社というのはそこまで入ってないでしょう。大体大きな企業の総計じゃないですか。
○塩田政府委員 民間企業のすべて入れた数字でございます。
○中路委員 いまお話しのように、五十二年度で体験入隊という形で入っていられる方が年間一万九千人あるわけですが。私、先日見たのですが、自由民主党の国防問題研究会、代表世話人は箕輪さんがやっておられるのですが、五十三年十月二十日にまとめました「有事法令研究」というものの中を見てみますと、この予備自衛官の問題に触れておられるわけです。 この「有事法令研究」の二十二ページで「人的構成」という項があるのですが、「予備自衛官は、旧自衛官以外の者の志願を認める」べきだということを提言されているわけです。そしてその事由として「出動時自衛官の補充および新部隊編成要員としての予備自衛官は、元自衛官から志願した者を採用しておりますが、これでは採用人員数に限界がありますので、元自衛官でなくても若い人が志願できるようにして、予備自衛官を増加できる制度が必要であります。」ということで、防衛二法の改正の必要をこの点からも指摘されているわけです。 さらに続けて「たとえば現在でも、自衛隊の施設を利用して射撃をやりたいとか、あるいは空挺降下をやりたいとかの希望があるわけですから、有半法令ではなく、平時から採用資格条件を改正して、希望者を予備自衛官として採用し、年に数回かかる課目の訓練をするということにすれば、若い方は案外志願するのではないかと思います。」ということまで述べておられるわけです。いま民間企業等から年間一万九千人自衛隊に体験入隊と称して訓練をされているわけですが、いまのこの「有事法令研究」の指摘を見ると、予備自衛官というのをもっと広げて、元自衛官だけではなくて、こういうところまで拡大しようという提案もされているわけですが、こうしたお考えは防衛庁の中にもあるのですか。
○夏目(晴)政府委員 予備自衛官は、御承知のように、現に自衛官であった者の中から一定の年齢の範囲内、すなわち士の隊員にあっては三十七歳未満の者、幹部、曹につきましてはそれぞれの停年に二歳を加えた年齢未満の隊員の中から志願によりまして、選考によって在隊中の勤務成績その他を勘案して採用することにしておりまして、いま御指摘のような、現に自衛官であった者以外の中から直ちに予備自衛官を採用するというふうな計画は、いま持っておりません。
○中路委員 いま持っておらないというお話ですけれども、現にこうした提案がいろいろの形で出されているわけですし、今度の手当の増額を含めて、予備自衛官の増員の体制づくり、こういった点のまた道を開きかねない問題でもあるわけですし、手当の増額という以前にこうしたものを出す。 そしてこの手当に相当の費用がかかるわけですが、これもお聞きしておきたいのですが、予備自衛宵に今度の改正でもし五割アップになるとすると、どのぐらいの予算がかかるわけですか。
○夏目(晴)政府委員 予備自衛官手当の予算額は、陸海合わせまして十六億二千八瀞万円でございます。
○中路委員 現在でもそれだけの費用がかけられるわけですし、さらに防衛二法の案の中では一千名の予備自衛官の増員もされようとしています。先ほどのような予備自衛官の枠を広げようという話も出てきている中ですし、予備自衛官に、訓練招集手当以外に職業を持って生活をしている人たちに毎月手当を出す、こうしたこと自身に私たちは反対であります。 予備自衛官の問題が、この防衛庁の職員給与の改正案に、先ほども質問がありましたけれども抱き合わせで出ている。防衛庁職員の給与の問題では一般職と変わらないという場合に、自衛隊の性格もありますから賛成というわけにもいきませんけれども、現実に家族を抱える職員の皆さんがおられるわけですから、私はこれまでもこうした問題については反対という態度はとってこなかったのですが、こうした非常に不当なものが一緒に抱き合わせで入っているという中では、この防衛庁職員の給与の問題では賛成するわけにいかないわけですね。 こうしたことを強く指摘をしまして、あとの時間でリムパック問題について、先ほども若干御質問がありましたけれども、時間の範囲でお伺いしたいと思うのです。 このリムパックの問題は、いま中身についてどういう演習に参加するのかという本当のことが何も言われないまま、余り知らされないまま既成事実がどんどん進んでいくという危惧を私は持つわけです。これまでのリムパックが、いろいろの報道等を見ましても、アメリカを中心にしてカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの海軍が、太平洋上の輸送や補給線を共同して防御する形での軍事訓練が大規模にやられてきたことは事実ですし、こういう点からも、リムパック参加問題は非常に重要な大きな問題だと思うのですが、きょうは本格的な防衛の論議をする以前に、まずその前提になる問題について、時間の範囲で幾つかお聞きしていきたいと思うのです。 まず、リムパック演習参加について、先ほど岩垂議員の質問に、打診があったという話があったのですが、先日、私のところに説明に来られた方は、アメリカ側から防衛庁に招待状が来たという話もしておられました。招待状が来たという人もあるし、照会があったとかあるいは先ほどのように打診があったということも言われておりますが、アメリカのどの機関から、どういうルートを通じて、日本のどの機関に送られてきたのか。打診なのか、招待状が来たのか、まず第一にこのことを聞きたいと思うのです。
○佐々政府委員 お答えいたします。 アメリカ側からのリムパック参加についての打診は、本年の三月ごろ太平洋艦隊から防衛庁に対してなされたものでございます。
○中路委員 いまお聞きしておるのは、太平洋艦隊から防衛庁に文書で招待状の形で来たのですか。先ほど、岩垂さんへのお話だと打診という話もありますけれども、どういうことなんですが。
○佐々政府委員 招待状という形であったかどうか、いま私ちょっと確認いたしておりませんが、私どもの要求に対して文書の意向打診があったというふうに承知しております。
○中路委員 いまおっしゃった文書は提出していただけますか。
○佐々政府委員 現時点、私申しわけございませんが、どういう形の文書であるのか。つまりクラシフィケーションのある文書なのかないのか、ちょっと承知いたしておりませんので、検討させていただきます。
○中路委員 文書で来ているということはおっしゃっておるわけですから、この文書を資料として出していただくように要請しておきたいと思います。 それから、参加されることを決められておるわけですから、およそ来年の春と言われていますけれども、何月なのか、来年のいつ行われるのか、期間はどのくらいの期間なのか、あるいは参加艦艇についても要請があったのか。こちらの方で自主的に決めておるとすれば、参加の艦艇あるいは指揮官についてお聞きしたいと思います。
○佐々政府委員 時期につきましては、現在実施計画の細部についてアメリカ側と打ち合わせ中でございましてまだ未定でございますけれども、明年の春ということでございまして、期間もハワイ派遣訓練の延長ということでおおむね一カ月程度、そのうちいわゆるリムパックの総合訓練に参加する部分が何日間になるかは、計画の詳細が決まった段階で明らかになろうかと思います。 護衛艦二隻を派遣するかどうかについてアメリカ側の要請なり打診なりがあったかというお尋ねでございますが、これは先ほども御説明いたしましたように、昭和五十一年以来護衛艦二隻と対潜哨戒機八機を毎年ハワイに派遣をいたして、米海軍との共同訓練を実施しておるところであります。毎年行っております派遣の艦艇、航空機と同じ規模の護衛艦二隻並びに対潜哨戒機八機を今回も派遣するということでございまして、日本側が自主的に決めた規模でございます。
○中路委員 どういう演習をやられるのか、参加するにはやはりおおよそ細かい点のまた協議が必要でしょうけれども、どういう演習をやられるのかということは承知していなければ参加することの返事もできないわけです。それからアメリカを含めて各国の参加規模、それからアメリカの場合に航空母艦が参加するのか、ひとつ一緒に聞いておきます。 それから、これは十二月二日の朝日新聞等でも出ていますが、アメリカ以外の航空機を仮想敵にする、オーストラリアの戦闘機を仮想敵に見立てて共同対処するという訓練の記事も出ていますけれども、こうした訓練のおおよその中身について、参加されるについては検討されたと思いますので、お話をしていただきたいと思います。
○佐々政府委員 参加の規模につきましては、実はまだ主催国のアメリカも発表いたしておりませんし、参加が予定されておりますカナダ、ニュージーランド、オーストラリア、いずれもまだ参加の意思表示もいたしておらない段階でございますので、一九八〇リムパックの規模がどの程度になるものか、まだ承知をいたしておりません。 御参考に過去の実例を申し上げますと、たとえば昭和四十八年二十三隻、航空機約二百機、人員一万四千、昭和五十年度は艦艇三十一隻、航空機約二百機、人員約一万七千人、五十二年度艦艇三十八隻、二百二十五機の約二万人、七八年度は四十二隻の二百二十五機、約二万二千人が参加をしたと承知をしております。これらの艦艇のどこの国がどれだけ参加したかという資料、ちょっといま手持ちをしておりませんが、この期間につきましては、一カ月程度の場合もございますし、十一日間というような例もございますので、一概には言えないかと思いますが、一九八〇年リムパックもおおむね同じような規模で行われるのではなかろうかと思います。 訓練の内容でございますが、まず洋上における陣形運動あるいは洋上における補給訓練、それから誘導武器評価施設によるところの魚雷等の発射訓練、それから対空、対水上、対潜総合訓練、電子戦訓練等が行われる予定になっております。
○中路委員 いま輪形訓練ということをおっしゃったわけですが、輪形訓練になりますと当然航空母艦が中心になるわけですね。たとえば前回の第六回の場合に第三艦隊の空母は何隻参加をしていますか。あるいはアメリカの空軍は参加しているのですか。
○佐々政府委員 答弁漏れで失礼をいたしました。空母は参加をいたしております。
○中路委員 何隻ですか。
○佐々政府委員 陣形運動ということを申し上げたのでございまして、輪形陣ということではございません。必ずしも空母がなくてもやれるわけでございますけれども、間違っておりませんでしたらアメリカの空母一隻だったと思います。ちょっと空母の数をいま承知しておりませんが、空母は参加しております。恐らく今回も参加するであろうと思います。 それから先ほど答弁漏れをいたしまして失礼をいたしましたが、オーストラリアの戦闘機が云々という御質問がございましたが、これはオーストラリアのそういう航空機が参加するかどうか、まだ明らかではございません。いずれ明らかになろうかと存じます。ただ、戦闘機は足が短いですから、対潜哨戒機になるのかどうか、この機種等は現時点、明らかでございません。 それから空軍が参加するかというお尋ねでございますが、これは先ほど来申し上げておりますように、アメリカの太平洋艦隊の第三艦隊が主催をして行います海軍の訓練でございますので、空軍は参加いたしません。
○中路委員 防衛庁は、これは日米の共同訓練であって、ハワイ派遣訓練の充実を図ることだという趣旨のことをお話をされておるわけですが、しかし、若干いまお話しになりましたこれまでの、七六年以来だと思いますが、ハワイ行き、毎年ハワイへ行って日米共同訓練を実施されてこられたわけですが、今回の場合、海上自衛隊のハワイで例年行われる日米共同訓練に参加するのか、それともアメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア四カ国参加のリムパック合同演習に参加するのか、この辺がどうも話の中ではっきりしないのですね。いまおっしゃった、過去六回やりましたね、このリムパックに参加するのでしょう。ハワイ訓練の延長じゃないのでしょう。ハワイにおける日米共同訓練の延長じゃないのでしょう。いまさっきおっしゃった、六回まで四カ国でやった、これに参加をするのでしょう、今度は。そこを明確にしてほしい。
○佐々政府委員 自衛隊は外国の軍隊と共同訓練ができるかどうかということにつきまして、今回リムパックという他の国の艦艇が参加をしておるアメリカ海軍の総合訓練に初めて参加をするわけでございますので、その点実は十分検討をいたしました。今回の派遣規模は、先ほど来申しておりますように、二隻の八機ということで、ハワイ派遣訓練と同規模でございます。また、ハワイ派遣訓練の充実強化というふうに私どもは解釈をいたしておりますが、今回の訓練は、先ほど来申し上げておりますように、アメリカ以外の艦艇が参加をしておりますので、その意味では、大きな意味ではリムパックという過去六回行われ、今回七回目が行われようとしておる訓練に参加をするものと言って差し支えないと思います。ただし、派遣の規模であるとか予算であるとか、そういう実務的な面ではハワイ派遣訓練の強化であるというふうに言えるかと思います。 その意味で、先ほど同じことをお答えをいたしましたが、本演習参加の目的は、アメリカ海軍との共同演習によってアメリカ海軍の最も新しい戦術技量を学び取ることが目的でございまして、リムパックに参加をしておる他の第三国との訓練を目的とするものではございません。
○中路委員 しかし、いまおっしゃったように、明白にこれまでのリムパックに参加をするわけですから、他の各国、アメリカ以外の国の艦艇も参加するわけですね。その艦艇との関係というのはどういう関係になるのか。
○佐々政府委員 この演習の主催国はアメリカでございますので、アメリカの計画に従ってこの訓練が行われるわけでございますが、私どもはアメリカとの連携による共同訓練を申し入れております。したがいまして、他の国の艦艇と直接組んでの共同訓練というのは今回は計画をいたしておりません。
○中路委員 共同演習ですからね、当然指揮官あるいは調整官ですか、皆さんの用語で言えば、この場合は調整ですね。指揮というのは人事権まで握るわけですから、各国が集まった場合にはこれは調整と言っていますね。連合してやる場合はいわゆる調整じゃなくて指揮ですよね。いままで四国でやっている場合に当然第三艦隊の司令官が調整官を務めたのじゃないですか。今度の場合も日米だけじゃなくて各国の艦艇も参加するわけですから、この合同演習の調整官は要るわけでしょう。第三艦隊の司令官が調整官を務めるのじゃないですか。
○佐々政府委員 御指摘のように、本演習の参加国はいずれも対等でございまして、一国の指揮官が他国の艦艇を指揮するということはございませんで、おっしゃったとおり調整、コーディネーションでございますが、コーディネーターはまだ決まっておりません。
○中路委員 いまおっしゃったコーディネーターが当然要る、まだ決まってないにしても。 これは元海幕長をやられた内田さんが一番最近の雑誌「国防」に「海上自衛隊の「リム・パック」参加の意義」というのを書いておられますが、その中で、指揮と調整の問題について元海幕長という立場でお話をされています。「その指揮官が麾下部隊の任免・賞罰等人事取り扱い上の権限を持ち、作戦や訓練はもとより、あらゆる指揮命令権を行使できることを一般に指揮統率という。」ということを言っていますね。そしてある場面、ある期間、一定の行動についていろいろの部隊が共同で演習等をやる、その調整できる権限を調整権と呼ぶ。そしてたとえば、例で「スクランブル部隊を敵機に誘導する任務を与えられた地上の管制官の権限も、この範ちゅうに入れることができるであろう。」これは事実上指揮権の委譲ですね、ここで言う調整というのは。だから、リムパック、たとえば五カ国共同で演習をやるとすれば、もちろん各国の艦艇は指揮官がいますけれども、合同演習ですから調整官が要るわけですね。それはまだ決まってないとしても、当然第三艦隊の司令官がなるのではないかと思いますけれども、これはそういう演習ですね。だから、明らかに日米の訓練じゃないですね。いま言いましたように、調整官が要る五カ国の合同の訓練、演習に参加をされるわけでしょう。
○佐々政府委員 ただいま御指摘のとおり、コーディネーションの言葉の解釈でございますけれども、今回の訓練は、事前に十分打ち合わせを行った、ある意味では十分に行われた打ち合わせに基づいて、調整官の調整権に基づいて行われる訓練でございます。特定の国の指揮官が他の国を指揮するそういう指揮権、ただいま内田元海幕長の文章を引用して御指摘になったような指揮権というものは持っておらないというたてまえと承知をいたしております。
○中路委員 いずれにしてもこれは共同演習ですから、調整官がいてやるわけですから、当然アメリカだけじゃなくて各国の艦艇との関係も調整しなければやれない演習なんですね。 例を挙げましたから、同じこの「国防」の雑誌で元海幕長の内田さんはこう言っているのです。私もこのとおりだと思うのですが、海上自衛隊の今度のリムパックの問題で、いままでのハワイの訓練と二つに分けているわけですね。「訓練は、艦隊レベルの対潜戦、対空戦、対水上戦、電子戦等を総合的に実施するものであるという。このほか、従来、米海軍の施設を利用して行っていた魚雷の能力試験等、日本周辺ではできないものを、この機会に実施することが考えられる。」そうやるのだということを言っている。だから、リムパック参加という問題といままでのハワイ訓練というのと二つあるわけですね。リムパックに参加して、それは前段です。後段でハワイ訓練もやるのだということを内田さんがおっしゃっているのですが、皆さんはハワイ訓練の充実だとか、それならばいままでのと同じなんですね。訓練充実、何が充実なんですか。新しいのは、各国を含めた共同の演習をやっていく、ここにこのリムパック参加の違いがあるでしょう、そうじゃないですか。
○佐々政府委員 先ほど申し上げましたように、このリムパック参加は二つの性格を持っているわけでございます。ハワイ派遣訓練であると同時にリムパックという訓練に参加する、こういう二重の性格を持っておることを申し上げましたが、ハワイ派遣訓練の演練内容とリムパックの演練内容が重複している部分が確かにあるようでございます。しかしながら、このリムパックに参加しなければ得られないわが方の費用対効果と申しますか、訓練に参加することの意義は、これが総合訓練であるということでございます。 総合訓練とは、従来二隻の護衛艦が参りましても、個艦訓練、せいぜいアメリカ側からは、たとえばターゲットとして航空機が一機出てくるとか、あるいは潜水艦が一隻出てくるというようなことで、同時に対空、対水上、対潜という立体的な総合訓練を、艦隊エクササイズ、フリートエクササイズという形でやるのは今回が初めてでございまして、これから得られる戦術技量の向上が今回のメリットでございます。そういう意味で、従来のハワイ派遣訓練の充実強化と言っておる意味は、総合訓練に参加をし、高度の戦術技量を学び取ることができるということでございます。
○中路委員 いまも言っておられますように、いままでやってきたハワイ訓練とリムパックというのは時期的に重なっているのですよ。だから、ハワイ訓練の充実という言葉で言っておられますけれども、リムパック、この五カ国の共同の演習に参加するというところに新しい意義があるのです。これをはっきりしないと、何かいままでの日米間の訓練の、少し戦技の向上とか、それを充実させるんだということになりますと、そう変わらないような問題なんですが、明らかにアメリカ以外の艦艇も参加をするこの合同演習、もちろん合同演習ですから、さっき言いましたように調整が必要なんです。調整官も要るわけです。その演習に参加するんだということがはっきりしないまま論議すると、この問題はやはり中身が明確にならないんじゃないか。 きょうはもう少しこのリムパックの中身のことで、まだ質問の始まりで、詳しくお聞きしたいのですが、時間がもう来ているようなんで、これは引き続いて他の機会にこの問題の論議は進めていきたいと思うのです。 もう一つ、このリムパックの問題と少し関係はあるのですが、先ほども岩垂さんの質問ですか、お答えになりましたから、私はもう一度確認しておきたいのですが、海上自衛隊の練習艦隊が遠洋航海の際に、アメリカ以外の国と共同訓練をしたということがいろいろ報道されたことがありますが、先ほどカナダ、アルゼンチン、チリというのをお答えになりました。こういう事実がアメリカ以外の国といままで何回、どの国とどういう訓練をやられたかということを、ひとつこの機会に簡潔に御答弁願いたいのです。
○佐々政府委員 これまで、遠洋航海に行った練習艦隊がアメリカ以外の国と共同訓練を行ったのはチリとアルゼンチンとカナダでございます。それぞれ一回ずつでございます。
○中路委員 時間が少し限られちゃって申しわけないのですが、このリムパック問題はまだ質問の最初のところなものですから、防衛問題論議の機会に続けさせていただきたいと思うのです。 これはいまのリムパック問題とは全く別ですが、あと二分ですから一問ずつ御質問しますから、端的にお答え願いたいのです。 先日、十一月二十一日に防衛庁に参りましてお話をして、十一月中にはっきりけじめをつけるというお約束が、十一月中にはけじめがつけられなかったので、この場所でお聞きをしておきたいのですが、これは、岩垂議員もこの委員会でたしか取り上げられた問題ですけれども、鎌倉−逗子の間の名越の史跡の保存に関連して、地元の悪徳業者が史跡を破壊する。その土地が防衛庁の共済組合の所有する土地で、防衛庁が侵略されているのに、専守防衛の防衛庁が何しているのだというので夏以来問題になった問題ですが、すでにもう業者が居座っていて、侵略されているということが明白なのに、まだ保存の法的な措置もとられていないということでしばしば要請があった問題ですが、いまこれはどうなっていますか。
○夏目(晴)政府委員 神奈川県の逗子にある土地は、昭和四十七年の六月に防衛庁の共済組合が、組合員に対する分譲住宅用地として取得したものでございますが、地元関係者との話し合いもつかないでまだ開発はしておりません。この土地につきまして、ことしの夏以来、いわゆる防衛庁共済組合の持っている土地の中に入り込んで工事をしておるというふうな情報をキャッチしまして、私どもとしましては、いわゆる売り主その他の契約書面を根拠にしまして専門の測量業者に調査さしたところ、確かにそういうふうなことが見られるということで、種々相手の、いわゆる越境している相手方と折衝してきたわけでございますけれども、なかなか実は話がつかなかったわけでございます。しかし、最近に至りまして、旧地主の方々あるいは逗子市、それから鎌倉市からの非常に有力な資料が見つかりまして、私どもの主張が正しいというふうな方向がほぼはっきりしてきましたので、今後訴訟の手続も含めまして強硬に相手方と折衝したい、こういうふうに考えております。
○中路委員 もう一問だけですが、川崎の防衛庁の、私も一度中を視察に行かしてもらったのですが、第五研究所の川崎支所でいま増設計画があるわけです。ここは住宅、病院あるいは老人ホーム等集中しています第一種の住宅専用地域であって、増築については川崎市の特別許可が必要なんですから、いま建築審査会の方に出されていると思うのですが、周辺の住民の人たちからは数千に上る増築反対の請願も出されている問題なので、きょうは論議するあれはないですが、周辺の住民の人たちからも、こうした市議会に三千四百という人たちの反対の請願も出されていますし、市の方でも慎重に検討するということになっていますので、やはり関係の住民の皆さんの意向も十分聞きながら、この問題については慎重に対処をしてほしいという要望をひとつ述べておきたいのです。一言でいいのですが、この問題についてお答えできる方いますか。
○大迫説明員 お答えいたします。 いま先生がおっしゃいましたように、船体磁気処理実験室につきましては、建築審査会の開催を当庁としては要望いたしておりますが、いずれにいたしましても、本件の建設工事につきましては、建築基準法の法令に従いまして必要な手続を順序を踏んでやっていきたいと思っております。現在当庁としては、先ほど申し上げましたように、建築審査会の開催について市当局とお話し合いをさせていただいておりますが、地元の御理解を得てぜひ実現をしたい、かように考えております。
○中路委員 これで質問を終わりますが、先ほどのリムパック問題では、この前の第六回目のリムパックを見ましても、期間約一カ月、最初アメリカの西海岸、それからハワイ、オーストラリア、三方から出て対潜訓練やミサイル発射訓練を繰り返しながら中部太平洋に集結していくという訓練が行われていますが、アメリカは以前から日本が太平洋の輸送、それから補強の意義について大きな責任を持つように要請してきていることは御存じだと思います。今度のリムパック参加というのが単に技量の向上が目的というのではなくて、まさにこうした要求に沿う具体的な一歩を踏み出したものだという点では、私、大変重要な問題だと思うのです。また、こうした演習自身が周辺に対する一つの大きな軍事的な脅迫にもなるわけですし、先ほど他の議員の質問にもありましたけれども、海外派兵にもつながる問題だと思いますので、こうしたリムパックヘの参加の中止を強く要求して、改めてこの問題についてはまた御質疑をさせていただきたいと思います。 きょうは時間ですのでこれで終わります。
○木野委員長 次に、吉田之久君。
○吉田委員 初めに、総務長官にお伺いいたしますが、あなたは全官公という労働組合と申しますか、労働組織について御存じでございますか。
○小渕国務大臣 承知しております。
○吉田委員 どういうふうに承知していらっしゃいますか。
○小渕国務大臣 先般の人事院勧告に当たりまして、私の総務長官就任に際し、組織としての考え方を私あて持参していただきました。
○吉田委員 じゃ、おおよそ全官公の人たちがどういう組織であり、どんな考え方を持って官公労関係の労働運動を進めているか、また、この人たちが今度の人事院勧告の問題についてどういう厳しい不満と申しますか、意見を持っているかということにつきましては御存じいただいていると思いますが、実はこの全官公、正式に申しますと全日本官公職労協議会の議長福井秀政さんから、きょう付の要請書が私たちの手元に参っております。あるいは長官もごらんいただいているかもしれませんけれども、人勧実施に当たって昇給延伸を指示した閣議決定を撤廃せられたい、こういう意味のものでございます。 その内容については逐次申し上げてみたいと思うわけでございますけれども、今度の十一月二十二日に閣議決定なされました人事院勧告に対する政府としての実施の態度と申しますか、今時点における人事院勧告に対して対処しようとする考え方、この閣議決定というものは一体どういう権威を持っているものであるか、閣議決定というものは一体どういう実施力あるいは強制力、執行力というものを持っているものであるか、ちょっと御参考までにお教えいただきたい。
○小渕国務大臣 先般の人事院勧告を実施するに当たりまして、政府として決定をいたしましたことにつきましては、基本的に、人事院勧告を実施することとして基本線を定めておるものでございます。なお、政府としての考え方がその他述べられておりますが、これは人事院勧告を完全実施するに当たりましての政府の付随的な考え方だろうと思っております。
○吉田委員 「公務員の給与改定に関する取扱いについて」この種の内容の閣議決定が、きょうまで、人事院勧告がなされた際に行われた例はございますか。
○小渕国務大臣 毎年、人事院勧告を実施するに当たりましては同様の閣議決定がされておったと承知しております。
○吉田委員 その内容において、これほど、人事院勧告の内容をとらえて閣議そのものが一つの牽制的な意味を含めた決定をなさったことは、私どもにとりましては初めてのことだというふうに思うわけですが、そうじゃございませんか。
○小渕国務大臣 お答えいたします。 今回の閣議決定の中におきまして、特に逼迫する財政状況に対する認識、それに関連をいたしまして定昇延伸に関する部分を除きますれば、従来と同じものだという認識でございます。
○吉田委員 さらに、この閣議決定で一、二、三ということに項目が分かれて書かれておりますけれども、その一番につきましては、「八月十日の人事院勧告どおり昭和五十四年四月一日から改定を行うものとするが、指定職俸給表の適用を受ける職員については、十月一日から改定を行うものとする。」かなり目新しい一つの決定だと思うのです。 それから二番目の、「特別職の国家公務員の給与については、」云々、これは特に内閣総理大臣とか国務大臣の給与のことに触れているわけでございますから、われわれは言及するつもりはございませんけれども、次の三番の中に(1)から(5)まで各項目に分かれていろいろな意見が述べられております。この(1)は、特に退職手当制度の見直しを行うこととするということのようでございますが、この(1)の項目はだれに対して指示しておられるのですか。
○亀谷政府委員 国家公務員等の退職手当の見直しにつきましては、かねて来人事院にお願いをいたしまして、民間におきます退職手当支給額の実態の調査の御報告を御依頼を申し上げたところでございますが、これらの人事院からの、御依頼を申し上げた調査の検討の御報告等を待って種々検討をするということは、かねて来政府の基本的な方針の一環でもありましたので、今回給与改定に関係しました閣議決定の中で、先ほど長官が申し上げましたように、現下の厳しい経済社会、財政状況等にかんがみまして、これらの実態の調査の検討の上で、民間における退職手当の水準との較差が明確になりました時点でその是正を図る意味で、これらの所要の措置を早急に講ずるという趣旨の閣議決定が行われたものと考えております。
○吉田委員 それはわかるのですけれども、これは内閣が自分に言い聞かしているのか、あるいは人事院に対して何らかの意見を申し述べているのか、その辺はどうですか。
○亀谷政府委員 もちろん政府の方針でございますから、だれにと申します場合よりも、政府みずからその方針を決定する場合も多々あるわけで、退職手当、すなわち退職手当法の運用権限は政府にございまして、当然政府みずからがその意思を宣言した、こういうことでございます。
○吉田委員 じゃ、二番目の「現下の厳しい財政状況等にかんがみ、」「昇給期間の延伸等採るべき措置について、人事院に対し、早急に検討を依頼すること。」これも自分に言い聞かしておられるのでしょうけれども、これは(1)よりもさらに具体的に人事院に対してこういう依頼をしようということですね。いわば人事院向けにこういう指示をするんだという内容と判断してよろしゅうございますね。
○亀谷政府委員 朝来御議論がありましてお答えを申し上げたところでございますが、今回の政府方針の決定の過程におきまして、先ほど来繰り返し申し上げておるところでございますが、現下の厳しい社会経済情勢及び逼迫した財政状況にかんがみまして、財政再建期間中における定期昇給の延伸等の措置をとるべきであるといった議論が行われた経緯がございまして、こういった議論を踏まえ、もちろん定期昇給の問題等は人事院の勧告制度の基本にかかわる問題でもございますので、政府みずからがこれを一方的に決定し得べき問題ではございません。したがって、そういう論議を踏まえて、そういう経過のありましたことを人事院に御通知申し上げたという趣旨でございます。
○吉田委員 あと(3)から(5)までは、これは別にだれに対して通知するとかいう性格のものではありませんね。これからこういう方針で臨むんだという政府みずからの姿勢を確認したというように受け取ってよろしゅうございますか。
○亀谷政府委員 (3)以下のところといいますと主として地方公共団体に関連した部門だろうと思いますが、先ほど大臣がお答えしましたように、従来国家公務員の給与の決定に伴います政府方針の関連で、地方公共団体もその趣旨、精神に準じて所要の措置を講ずべく、所管は自治省でございますが、自治大臣を通じ、地方公共団体に所要の措置を講ぜられるよう要請が行われると、こういうふうに解しております。
○吉田委員 そうすると、大体その中に盛られている意味、性格というものが大分わかってまいりましたけれども、まず退職金そのものについては、これは政府みずから決定するものである、人事院は政府と国会に対して意見を申し述べることができる、こういう仕組みになっているようでございますね。それでそれなりにわかります。 (2)につきましては、単に内閣がみずから自問自答しただけではなしに、何らかの意味において人事院に通知をした。こういうことですか、人事院勧告の取り扱いについて「去る八月十日貴院から出された一般職の職員の給与改定に関する勧告の取扱いについては、十一月二十二日別添のとおり閣議決定されたのでお伝えする。」お伝えするという程度の意味で人事院にお伝えなさったと受け取ってよろしいでしょうか。 それから、(3)から(5)までは、いま御説明のとおり地方公務員の給与の中身に触れる問題でございまして、これは自治省に当然お伝えされたのでしょうけれども、自治省から地方公共団体に対してはどういう手続をとるものでございますか。一般論としてこういう閣議決定の通知の仕方についてお教えをいただきたい。
○亀谷政府委員 私、先ほどの御質問で若干補足をさしていただきますと、注のところで、地方公共団体について、今回の政府の給与改定に伴う基本方針の決定に準拠して地方公共団体についてもしかるべき措置が要請されていることは先ほど申し上げたとおりでございますが、(3)、(4)、(5)の間に、これは従来からも政府方針の決定でうたわれた件でございますが、行政事務の簡素合理化、あるいはそこにうたわれておりますように定員の削減等の既定の方針の実施、あるいは新規増加を来すような定員増等を伴うところの施策を抑制する、こういった措置がとられている個所がございますが、これは当然政府部内における決定という趣旨でございます。したがいまして、この面は落ちておりましたので補足させていただきますが、御質問のように、地方公共団体に対しましては、当然この二十二日の閣議決定に基づきまして、自治大臣よりこの閣議決定の趣旨に準じて地方公共団体においても適切な措置がとられるよう通知が発せられたと承知いたしております。 なお、この書簡の問題でございますが、先ほどお答えいたしましたように、この閣議決定を別添といたしまして総務長官の方から人事院総裁に文書を差し上げたわけでございますが、それに関連しまして、私から人事院の担当部局長の方に、今回の給与勧告の取り扱いに関します政府の方針の決定に当たりまして、実施時期の繰り下げを行わず完全実施をするとしても、現下の厳しい財政事情並びに民間における減量経営等の状況にかんがみ、定期昇給の延伸等の措置をとるべきであろう等種々議論が行われたところであるが、政府としては定期昇給の延伸といった給与制度にかかわる事項については給与制度を所管する人事院の検討にゆだね、その意見によって行うことが適当であるという結論に達したという経緯を御説明申し上げた上で、先ほど申し述べました書簡を伝達申し上げた、こういうことになっております。
○吉田委員 ちょっと先ほどの御答弁で私も勘違いしましたが、確かに(3)、(4)は、これは政府の直接の各機関ですね、部内でございますね。それから(5)は地方公共団体に対して。 そこで問題の、(1)も私どもはいろいろ問題点を感ずるわけなんですが、特に(2)について、こういう財政再建の重要な時期にあることはもう国民すべてが承知しているところでございますけれども、来年の勧告というのはまだ全然出ていないわけでしょう。勧告がこれから先になされるのであるにもかかわらず、いまの時点でこういう制限というか示唆を与えてしまうということは、これはどう考えたって人事院が完全に第三者機関として独立しておるということに対して不当な、例のない干渉や制約を加えることにならないか。この点については総務長官、どうお考えでございましょうか。
○亀谷政府委員 ただいま申し上げましたように、今回の公務員の給与改定に関係しまして、閣議決定に至るまで種々論議が行われたわけでございますが、もちろん先生のお話のように、人事院の持ちます第三者としての中立的な機能、このもとにおきます人事院の勧告制度といいますものは、本日も朝来長官からしばしば御答弁申し上げましたように、政府としては基本的にこれを尊重する、こういうたてまえを崩すつもりはないわけでございます。 ただ、先ほども申し上げましたように、今回の給与改定に当たりましては、政府を取り巻く厳しい社会経済情勢あるいはまた政府みずからの厳しい財政状況にかんがみまして、公務員の給与自身もこの厳しい環境のらち外にはない、こういう論議があったことは事実でございます。と同時に、先ほども触れましたように、こういう厳しい社会情勢の中で民間の事業所自身も減量経営で非常に苦労しておられる、こういう事態を踏まえた場合に、政府としてはこの財政再建の期間中、定期昇給を延伸するという措置がとられないものかどうか、こういう議論が起こりまして、この議論につきまして、先ほど申し上げましたように、この問題は本来給与制度の基本にかかわる問題でございますので、政府のそういう議論のあるところを率直に人事院にもお伝え申し上げる、そうして御検討をお願いする、こういう結論に達したところでございまして、先生の御指摘のように、本質的に人事院の持つ給与に関する基本的な制度を損なう、あるいはこれを侵すという気持ちはないわけでございます。
○吉田委員 どんなに上手に説明されても、やはり政府自身としてこれは一種のジレンマなんでしょう。絶対に人事院勧告を尊重し、きょうまで培われてきたこのよき慣行というものを崩すつもりはない、一方でそれを確認しながら、しかし、財政再建を図らなければならない重要な事態の中にあって、やはり意見を申しておきたい。 これは気持ちとしてはわかりますけれども、しかし、そういうものであってはならないのがこの人事院制度だというふうに、私たちはこういう事態の中であっても厳然としてそれを確認しなければならない。私たちは、あくまでもこれは厳正な中立な第三者機関であって、どんなに財政が苦しくとも、人事院勧告が出されてくる過程の中にあって、事前に政府といえどもそういう制肘を加えるべき立場にはないし加えてはならないのだ、そういうものがあることを前提として、国家公務員に対しましてはあるいは公共企業体に対しては労働基本権というものを取り上げてあるわけなんですね。そういう仕組みになっているのですから、いま全官公の労働組合が私たちに要請をされ、当然政府にも要請され、また、わが党からも政府に対しまして強くこの問題を問題としたゆえんのものは、泣くほどつらくても、人事院勧告というものに対しては事前にくちばしを入れてはならないし、また、勧告されたものに対しては、それはどんなにつらくともそれに従ってついていくのだ、この保障がないと、これからの国家公務員を中心とする人たちの労働者の立場、根本的に保障されている大事なものが失われていく、私はこういうふうに思います。そのことを非常に懸念しているわけなんです。その点は総務長官、重ねて私どもの考え方とあなたの考え方との間に違いがあるのかどうか、はっきりと申していただきたいと思います。
○小渕国務大臣 給与担当に責任を持つ所管の総理府総務長官としては、人事院勧告を完全実施していくという立場を貫いてまいりますことは当然のことであり、御主張のことはそのとおりと考えております。
○吉田委員 くどいようですけれども、われわれの立場から申しますと、今度のこの閣議決定というものは、明らかに人事院に対して一つの難題を持ちかけているのではないか、あるいは場合によればいままでの人事院のあり方に対して一極の挑戦を試みているのではないかというような懸念さえ感じている今日の事態でございます。いま総務長官が御説明のとおり、断じてそういう考え方は持っていないということであるならば、この閣議決定は、人事院に対して若干制肘を加えているかに感じられるその条項については、取り消すものであるということをはっきり言ってもらわなければならないと私は思うのです。いかがでございます。
○小渕国務大臣 いま申し上げましたように、私、給与担当大臣としての立場は明確に申し上げたとおりでございます。しかし、公務員の給与が国民の税によって賄われておるという立場から考え、現下の厳しい財政状態のもとでいかにこれを考えるかという政府全体としての考え方をまとめたのが閣議決定の趣旨でございますので、種々議論をいたしました上で決定をされたことでございますので、その点については取り消しすることは不可能かと存じます。
○吉田委員 いろいろ、経過の中での担当大臣としての総務長官の御苦心はわかりますけれども、特に、先ほどの新井委員の質問に答えておられました大蔵省自身の考え方、これはなかなか容易ならぬものがある。非常に大胆不敵な言い方をなさっておる。 国民の負担によって賄われるものである以上、国家公務員に対する給与の内容については慎重なる検討が必要である、この席上でそこまで言い切られるとするならば、政府部内が人事院の制度そのものを誤って認識している。あるいは今日特殊な労使関係にありながら、公務員の立場を自覚して、ルールを守りながら、法律を守りながら本当にまじめにがんばっている労働者がたくさんいるわけでございまして、全官公の諸君なんかはまさにその代表でありますけれども、そういう人たちに対して根底から、これから一体何を信じていいんだろうか、それならばおれたちも場合によっては非合法な態度をとってでも対抗せざるを得ないのではないかというふうな不安をもたらすに十分だと私は思うのです。そういう点につきまして、重ねて大蔵省の方から、絶対にそういう意思を持っているものではない、ただ財政上言ったまでなんだというあたりのきちんとした説明がなければ承知できないと思います。
○日吉説明員 財政当局たる大蔵省といたしましても、人事院勧告の趣旨を尊重するという基本的な姿勢、態度は、総務長官がおっしゃられます基本的考え方と全く異なってはおりません。したがいまして、四十五年までの間に完全実施へ向けての努力を財政当局としてもしてきたわけでございますし、四十五年以来完全実施の実績が続いてきておるわけでございます。 ただ、人事院勧告を尊重すると申しましても、先ほども申しましたように、それを実施する場合には国民の負担にかかってくるものがある、しかも現在は未曽有ともいうべき危機的な財政状況にある、そういうことでございますので、それは財政民主主義の立場から申しまして、やはり人事院勧告を受け取りました後、給与法という形で国会の御審議を仰ぐという場合には、人事院勧告を尊重するという基本的考え方と、その他もろもろの情勢との総合的な調整の上に立って判断をしなければならないという点を申し上げたわけでございます。先ほど私が、慎重に検討しなければならないと申し上げましたことは、決して消極的なニュアンスで申し上げたということではございませんで、総合的な判断が必要であろうということを申し上げたわけでございます。
○吉田委員 いまの御説明で少しわかるようにもなってまいりましたけれども、しかし、それでもやはりこの種の問題では、受け取り方によっていろいろ揣摩憶測が加えられて、それがかなり今後にいろいろ影響を及ぼす、労使関係の根底を揺さぶる重要な問題でございますので、今後は篤とこの種の問題については発言に御留意をいただきたい。それは、人員を削減したり、配置転換をやったり、新規採用をとめたり、統廃合したり、やるべきことはいっぱいあります。しかし、やりたくとも、給与の中身そのものについては、これは人事院の聖域でありまして、これに対してはいかに内閣といえども、干渉したり命令したりするべきものではない。 改めて、総務長官に、今度の閣議決定というものはいろいろな背景を述べたまでであって、人事院の独立に対していささかもそれを侵害するものではない、閣議決定はそういう意味で決して命令でも指示でも干渉でもないということだけは私は言い切っていただきたいと思うのです。
○小渕国務大臣 繰り返して御答弁申し上げますが、私としては、過ぐる閣議決定、特に第二項に対する考え方といたしましては、給与制度の根幹にかかわることでございます。給与制度を所掌する人事院の検討にゆだねることが適当であるという結論に達しましたので、その検討を依頼いたしたということでございまして、人事院を拘束する趣旨のものでないという認識をいたしております。
○吉田委員 最後に、私は総裁に重ねてあなたの決意をお聞きしたいわけでございますけれども、私どもとしては、幾ら地球が回っても、どんなに晴れても曇っても、いつも人事院というものは公正中立な立場におられなければならない。そういう点では、北極星のような存在で、きちんとやはり全般的な洞察を行いながら、正しい答えを出していただかなければならない。これが崩れたのでは、大変な問題がこれから惹起せざるを得ないと思いますけれども、その辺いかがでございましょうか。
○藤井(貞)政府委員 先刻来の切々たる御見解に対して私は全面的に賛成でございます。閣議決定であのような条項が入りましたことは、なるほどよくよくのことであって、恐らく政府部内でもいろいろな論議があったということは十分私も承知いたしております。その間において総務長官も大変御心労いただいたということも十分承知をいたしております。 ただ、人事院としては人事院としての立場がございます。閣議決定もさることながら、やはりこちらは法律というものがあって、その趣旨に従って運営をしておるという基本的な姿勢の問題がございますので、その枠を踏み外すということは許されないという感じは確固としたものとして私は持っていきたいと思っておりますので、いまるるお述べになりました点は、その姿勢を体して今後とも努力をしてまいりたい、かように考えます。
○吉田委員 総裁のただいまのその信念を今後とも堅持されまして、公正なる立場を断じて貫いていただきたいということを申し添えまして、私の質問を終わります。
○木野委員長 次に、上原康助君。
○上原委員 けさほど来、同僚議員の皆さんから、公務員給与の件につきましてはすでにいろいろお尋ねがあったようでありますが、できるだけ重複を避けて、私も若干まず公務員給与の関係から入っていきたいと思います。 お忙しい中官房長官においでいただきましたので、冒頭官房長官にお尋ねをさせていただきたいのですが、ただいまも御質疑のやりとりがありましたように、今回、人事院の勧告に対して、厳しい行財政状況であるということ、あるいはまた後ほど少し議論したいと思うのですが、公社、公団なり、二、三の省庁あたりで綱紀が紊乱している、公務員というか、職員の不正経理事件などもあったということで、公務員に対しての厳しい国民の御批判があるということ、また、当面の最大の政治課題になりつつある行政改革問題等と関連づけて、給与問題について人事院の権限を非常に侵すかのような政府の権力介入といいますか、悪い表現をしますと横やり的なものがあると私たち見ているわけですね。それは、先ほども引用がございましたが、十一月二十二日の閣議決定の内容、またそれと不離一体の形で出された官房長官談話、これはまさに、スト権といいますか団体交渉権、団体行動権を法律で規制をされ剥奪をされて、その代償機関というか制度として設けられた人事院制度そのものを否定をすることになりかねない内容だと私たち見ているわけですね。行財政の逼迫状況、近年非常に苦しいということはわかるわけです。それはさておいて、こういう形で人事院勧告というものに対して内閣の強制力といいますか、政治力、圧力というものが加わるということに対して私たち納得いかないわけですよ。改めて官房長官の明確な答弁を求めておきたいと思うのです。
○伊東国務大臣 お答えいたします。 国家公務員の給与については、広く国民の納得を得なければいかぬということで、政府は、第三者機関であります人事院の専門的な調査研究に基づいて勧告が出ますので、それを守って措置することが最も適切な方法であるということでございまして、人事院が第三者機関であるということは、十分私どもは尊重していくつもりでございます。 いま先生がおっしゃいました、今年の給与改定に当たりまして閣議決定をしたわけでございますが、閣議決定に至りますまでは実はいろいろ中で議論をいたしました。国民の負担で賄われるわけでございますので、どうしてもやはり国民の納得がないといかぬということを念頭に置きましていろいろ議論をしたのでございますが、先生から何かねじ曲げるのではないかというお話があったのでございますが、われわれはそういうことは全然考えておりませんで、政府としまして、あの閣議決定の中に定期昇給の延伸のことを挿入したのでございますが、これはことしの勧告にも、高年齢者につきましては延伸のことは関係あるわけでございます。 それで、給与制度にかかわる本当に勧告の内容のマターだというふうに考えまして、これは給与制度を所掌される人事院に検討をお願いすることが妥当じゃないかという結論に達しましたので、私どもは人事院にひとつ検討してみてくださいということをお願いしたわけでございます。過去においては定年制の検討や何かもお願いしたことがあるわけでございますが、そういう意味と同じ意味で検討をお願いしたのでございまして、これで人事院を拘束するのだとか第三者機関の性格を変えるのだとか、そういうような意思は毛頭ないということを明瞭に申し上げておきます。
○上原委員 そこで、高齢者の定昇停止、ストップの問題とか、あるいは調整額の是正というような改悪の問題については後ほど進めてまいりますが、そうしますと、いま官房長官おっしゃるように、今回の「公務員の給与改定に関する取扱いについて」というこの閣議決定は、人事院の権限なり性格なり勧告というものを一切拘束するものでない、また、政府としては、人事院の勧告については従前どおり成熟した慣行ということで実施をしていく基本的姿勢は変わりはない、まずこの点から確認できますか。
○伊東国務大臣 いまおっしゃいました点は、四十五年からでしたか、ずっと完全実施をしているわけでございます。ただ、今年は指定職につきまして勧告とは若干内容を変えた実施をお願い申し上げているところでございます。一般職につきましては、おっしゃるとおり完全実施をしようということでやったわけでございます。これは検討を御依頼しているということでございまして、その検討の結果どういう勧告が出ますか、これは来年以降のことでございますが、私どもとしましては勧告を極力尊重するという態度は変わっていないということをはっきり申し上げます。
○上原委員 特に官房長官談話の中で問題にしておきたいことは、三行目の中段以降「人事院勧告の尊重は公務員制度の適正な運用にとつて重要なことでありますので特段の配慮をもつて指定職を除く一般職公務員の給与改定を人事院勧告どおり実施することといたしました。」非常に恩恵がましいですね。特段の配慮をもって一般職の給与については完全実施するようになった、それを受けて、ここにいま問題にしているこの閣議決定というものがあるわけです。 この点だけに深入りしようとは思いませんが、特に、定昇ストップの問題もさることながら、この「人事院の民間退職金等実態調査に基づき国家公務員等の退職手当制度の見直しを行うこととし、これに伴う関係法律の改正案は次期通常国会に提出するものとすること。」これは時期まではっきりしてますね。ここまではっきり明言なさるということになると、いまさっきの長官の御答弁とは矛盾する。これはどこがやるのですか。そう簡単にできる問題じゃないでしょう、これは。
○亀谷政府委員 先ほども御質問にあったところでございますが、いま上原委員御指摘の退職手当の見直しの件につきましては、これは人事院の勧告に係る範囲ではございませんで、御承知のように、政府みずから国家公務員退職手当法を直接所管をしておりまして、政府が決定をするところでございます。ただし、先生も御案内のように、この決定は慎重を要する重要な問題でございますので、昭和四十八年の退職手当の改定の際と同様、昨年来人事院にお願いをいたしまして、民間における退職手当支給額等の実態調査を御調査を願って、その結果をいただいた上でこの検討を行うという手順で現在行っておるところでございます。
○上原委員 そうしますと、いろいろ民間の資料を収集して検討することは、それはいわば総理府人事局としては所管事務ですよ、総務長官。 これは人事院はどうお考えなんですか。こういう枠をはめられたことを依頼をされて、さっきの総裁の御答弁からすると、いささか迷惑千万だというふうに私は私なりに受け取ったのですが、これはそういうふうに受け取っていいわけですね。そう簡単に——公務員の皆さんの既得権でしょう。それを、閣議決定をして来年の通常国会までに法律改正するので出せなんて、これはまさに越権ですよ。その点ははっきり人事院としての見解をここで明らかにしておいてください。
○藤井(貞)政府委員 退職手当、退職金の問題は、いま総理府の方からも御答弁がありましたように、直接には人事院の所管ではございません。ただ、やはり公務員給与全般の一環としては、大変これは重要な位置を占めておる問題でございますので、人事院としても大変重大な関心を持って今日までこれに対して対処をしてきておるつもりでございます。 今度の閣議決定で、いまお話のあるような点が出されましたが、この点については、私の方で一つの調査の組織を持っておりますので、そういう意味で、総理府の方から従来も、民間の退職手当はどうなっておるかということについての調査をしていただきたいという依頼がございました。それに従ってこちらも調べてまいりまして、その結果を総理府にお知らせをしているわけです。最近は、先般もお話が出ておりましたように、昭和五十二年度の民間の退職手当の実態について五十三年度に一応調査をいたしました。その結果は現在収集し、分析検討をやっておる段階でございまして、まだ最終的な結論は出ておりません。ただ、中間的な経過というような意味で、一応入手した資料についてお伝えすることができる範囲内のことを、ごく大ざっぱでございますが総理府の方に連絡をいたしておるということはございますけれども、まだ全般の集計等は行っておりませんので、その結論は申し上げる段階には至っておりません。したがいまして、この点も大変重要な問題ですから、慎重にしかも総合的に判断をいたし、分析をいたしまして結論が出たものでないと、いつこれを申し上げるという段階にはなかなかいかないと思います。 大体これは給与の勧告、給与の実態調査と違いまして、先生よく御承知のように大変ばらつきがございます。その基礎がどうなっているか、仕組みの問題ですね、それらの点から言いましても大変これはむずかしくて、どれに焦点を当てて比較検討するかということ自体もまたなかなかむずかしい。よく世の中で、民間では俸給が上がったところで、それは全部退職手当にはね返らないのだ、その何割かしか反映しないということを言われます。そういう形をとっておるところもございますけれども、またそういうところはそういうところで換算乗数といいますか、掛けます比率でもってその分をカバーするということをやっているところも多々ございます。そこらの点をある程度平らに並べて、これならば比較対照にたえるということを相当慎重にやっていかなければならぬというふうに私も認識しております。 それから、いまお話しになりましたように、なるほど一般の批判としては、公務員のやつが非常に高いのだとかなんとかいうような議論が大変盛んに行われておりますけれども、これは既得権という面もあることは事実ですし、これは一般職公務員だけじゃなくて、三公社の関係とかあるいは特別職ですね、こういうものにも全部関係をしてまいる重要な問題でございます。そういう点は総理府としても、大変重大なことで、慎重に検討をしていかれるものであろうというふうに私なりに理解をいたしておるわけでございます。依頼の趣旨はわかりますけれども、現在これは調査をし、分析し、検討しているという段階でございまして、いつどういう形でということは、まだ本日の段階で申し上げる立場にはなってないということだけははっきり申し上げておきたい。
○上原委員 大体人事院のお考え、それから政府のやろうとしていることはわかるわけですが、そこで問題は、確かに、綱紀の粛正なりいろいろ不正や国民の批判を受けることについては、これは改めていかなければいかぬし、私たちもその点は別に反対するわけではないのです。 後ほどもう少し明らかにしますが、官房長官、いま人事院総裁から御答弁があったように、これはそう簡単に作業が進む問題じゃないわけですよね。総務長官もそうだと思うのです。ですから、この種の制度の改正とか、働いている労働者、職員の既得権とか、給与なり生活に著しく影響を及ぼす問題については、総理府も当事者同士、関係者ともよく話し合う、最低限度そういう積み重ねをやった上でやる。これまでも私はそうだったと思うのです、公務員共闘の皆さんとか職員団体の方々とか。われわれはこの閣議決定そのものに非常に不満です。撤回してもらいたいと思うのですが、当事者同士、関係者とよく話し合って、その積み重ねの上で高齢者の定昇延伸問題あるいはストップ問題、あるいは退職手当のこういう問題等についてはやっていく、そういう姿勢は政府全体としてございますね。この点は官房長官と総務長官からひとつ御見解を承っておきたいと思うのです。
○小渕国務大臣 法律に中身はすべて織り込んでおるところでございますが、その法律によって待遇が変化する方々もおられるわけでございまして、そうした方々の立場は十分理解をいたしまして処置をいたしていきたいと思っております。
○伊東国務大臣 いま総務長官がお答えになりましたとおり、法案作成その他は慎重にやっていくということでございますので、私どももそれはそのとおりだというふうに思っております。
○上原委員 どうも総務長官のお答え、何を言っているかよくわからなかったんだ。問題は、だからこういう閣議決定をやったけれども、これはなかなかむずかしいと、実際に依頼をされた人事院がおっしゃっているわけですよ。一方にはまた当事者の方々も関係者もいらっしゃるわけですよ。そういう話し合いをもやりながら、相互理解の上でこういうものはやっていかないといかないですよ。何でも権力で押さえつけたり、もう財政がないから、赤字だからやっちゃえということでは、やろうとしたって事は進みませんよ。少なくともそういう柔軟な態度でこの種の問題をやっていく姿勢は、大平内閣としてあるのですかと私は聞いているのです。
○伊東国務大臣 退職手当の見直しの問題は、あくまで基礎は人事院にお願いしております資料がもとになるわけでございますから、これは総理府で法案は作成されるわけでございますが、その場合に慎重に、丁寧にいろいろな手段も考えていかれるのは当然だと思いますし、われわれとしましても、内閣全般としてそういう態度で臨んでまいりたいと思っております。
○上原委員 官房長官のお時間の都合もありますので、これと少し関連はしますが、次に進めます。 最近、指摘するまでもないのですが、KDD問題あるいは鉄建公団その他の不正事件が次から次とあらわになって、ますます国民のひんしゅくを買っているわけですが、同時に政府でもあるわけですね。たとえば大蔵省の高級官僚がいろいろ接待を受けたとか、防衛庁にも、ぼくは空出張とかやみ給与というような表現は、どうもこれはいろいろ内容を分析しなきゃいかない面もあると思うのですが、そういう表現が適正かどうかわかりませんが、新聞の報ずるところではそういう問題が出ている。環境庁にもあった、たしか総理府にもありましたね、一々挙げませんが。こういう政府の不正経理といいますか、綱紀の紊乱を政府全体としてどう掌握したのか、これが問題だと思うのですよ。 確かに、去る十一月の二十六日、各省庁の官房長会議をやって、官庁綱紀の粛正についてという申し合わせをやっておられる。いろいろ書いてありますね。「不正経理の根絶」とか「厳正な勤務体制の確立」「官公庁間接遇等の自粛について」その他いろいろありますわな。ここでこういう申し合わせをして公にすることも結構なんですが、問題は、いま幾つか挙げた省庁におけるそういった不正行為というか不正事件、公務員としてあるいはその省庁としてあるべきでなかったことの実態はどういうふうに掌握したんですか。まずこの点を明らかにして、その反省の上に立ってこういう申し合わせをやるのが私は通常だと思うのですね。私がいろいろ聞いてみると、総理府にもそういう総括されるものはない、内閣官房にもない、行管にもないと言う。どこがやるんですか。新聞で書かれているやみ給与とか空出張とか、いろいろ言われていることの実態は一体どうであったかということを内閣官房が、官房長官が中心になって各省庁に至急指示をしていただいて、それをわれわれ内閣委員会にも資料として提示をして、その上に立って綱紀の問題とか行政改革の問題というものを進めていかぬと、何かこれまでの悪かったものはみんなふたをして、これから勤務時間や一生懸命やりなさいと言ってみたって、私は職員も納得しないと思うのですよ。どうなっています、そこは。どのようにやっていかれようとするのか。
○伊東国務大臣 いま上原委員から御指摘の点は、いままでの各省庁の全部のいわゆる不正経理その他をまとめて、一括してたとえば国会にお見せするとかそういうことをやってなかったのは確かでございます。 第二次大平内閣ができました第一番の初閣議で、綱紀粛正の申し合わせを閣議決定をしまして、それに基づいて、いま先生のおっしゃる十一月二十六日の各省の官房長の申し合わせができたわけでございますが、おっしゃるような一括してまとめてはございませんので、どこの省がやるか、それはいまここでどの省ということを申し上げかねますが、あるいは私の方でやるのが一番適当な場合には内閣官房でやりまして、適当な機会に一括してこういうことがありましたということを御報告申し上げます。
○上原委員 それで、これはいろいろ特殊法人と言いましても大蔵省が絡んで——絡んでというか、大蔵省の間接的指揮系統にあるもの、あるいは各省庁の縦割りの面、公社、公団を含めていろいろありますね。だから、そうなりますと、やはり各省庁にまたがっているものは閣議なり官房長官なりが——総理でしょうね、総理が各所管大臣に指示をしていただいて、一体どういうことがあったのか、この際ふたをするなと。それはまとめていずれの機会かに内閣委員会にも資料として提出しますね。お約束しますね。
○伊東国務大臣 おっしゃることはわかりましたので、なるべく早い機会に御希望に沿うようにいたします。
○上原委員 それで、官房長官お約束の時間ですので、さっきの談話の問題とかあるいは閣議決定の内容等については、何も社会党だけが反対を言っているのじゃないのです。さっきの御質問の方もそうだ。また、関係の職員団体なり労働組合もこれにはきわめて厳しい不満を持っておられる、反対の声を上げておられる。そういうことをひとつ十分御理解の上で、御認識の上で、この種の問題については当事者の要望、また、各職員団体から総理府なり人事院に要求されているいろいろの要求事項等も参酌の上で今後慎重に進めていかれる、こういうふうに理解してよろしいですね。最後に……。
○伊東国務大臣 取り扱いの問題につきまして御注意があったわけでございます。先ほどから何回も答弁をしておりますが、慎重にまた丁寧な手段でいろいろ考えていくということは行政として当然なことでございますから、私どももその点は十分注意してこの問題と取り組んでまいりたいというふうに思います。
○上原委員 官房長官、どうもありがとうございました。 それで、いま特殊法人の問題に少し触れましたので、大蔵の担当が来ておられると思うので、まずそれから入りますが、私は、行政改革とか、何回も言いますが、いろんな改めるべき点をそのままにしなさいという立場で話をしているわけじゃないので、その点は一応踏まえて受け取っていただきたいと思うのです。確認しておきたいのだが、本来、特殊法人の職員の賃金の問題とかあるいは労働条件というものは労使間で決定すべきことですね。これは確認できますね、大蔵省も。
○日吉説明員 特殊法人の職員につきましては、三公社は別といたしまして、労働三法が適用されることになっておりますので、労使間の交渉によって決められるというふうな仕組み、たてまえになってございます。
○上原委員 これはいずれ相当議論を深めていかなければいけない問題がありますので、きょうのところは多くは触れられませんが、いまの立場からすると、一般職の給与の問題等についてまで大蔵がとやかく言う筋合いでない場合もあり得るわけですね、基本的には。ないですね、これも。
○日吉説明員 一般にいわゆる特殊法人と称されますもの、百十一ございますが、百十一の中にはいろいろな性格の相違がございます。それを法律上給与という処遇面で見てまいりますと、そのうちの六十につきましては、その特殊法人の性格に基づくものだと思いますが、法律上その給与の基準につきまして主務大臣の承認にかからしめられております。それ以外に、いわゆる政府関係機関としましてその予算が国会で御審議をいただいておるものがございますが、これにつきましては、予算でございますので、給与費も含めたところで行政府及び国会で御審議をいただくような形になってございますので、法律上あるいは予算上の関係から七十五の法人の職員の給与につきましては、行政府でもって何らかの形でチェックと申し上げてよろしいのかは別といたしまして、関与し得るような法律上の仕組みになってございます。
○上原委員 私もそこはわからぬわけじゃないのです。予算との関係、いろいろ補助、助成との関係で間接的に関与というかチェックできるという、あるものはあると思いますよ。そういうことは、これからの特殊法人の実態なり行政改革の問題と続いていきますので、われわれも勉強したいと思う。しかし、ここも問題があるのは、特殊法人の役員の給与については大方わかる、大体これだけ問題が出てきて、これも言葉がどうかと思うのだが、天下りの渡り鳥的な役員の給与がべらぼうにいいというのはわかるが、全体像というのは依然としてわかりませんな。したがって、三公社五現業を別として百十一の公社、公団の役員の給与がどうなっているのか、一般職の給与がどうなっているのか、大蔵省の所管なりあるいは大蔵省でできない各省庁でやっているものの資料を全部出していただきたい。これはいいですね。何ぼ要求してもなかなか出してくれない。どうしてそういうふうに不問にしようとするの。この際、洗いざらい全部出してください。
○日吉説明員 いま私が申し上げましたのは職員の給与についてでございますが、役員につきましてもおおむね同じような形で政府が関与し得る形になってございます。したがって、上原先生の方からいままで御要求いただいたのかどうか、私定かに記憶いたしておりませんが、役員の給与の基準について資料の御指示がございました場合には、私どもの方で取りまとめまして、統一的な上限の限度額の表を差し上げておりますのでそれは提出できると思います。 もう一つ、職員の方でございますが、予算上あるいはまた給与の基準を主務大臣が承認するに当たりましてひとしく大蔵大臣に協議に来ることになっておりますので、協議を受ける立場として私ども知っておりますけれども、先ほど先生御指摘のように、これらの法人の職員の給与については、労働三法が適用されまして労使間で決められることになっております。そういう制度上の調整を図る意味ではできるだけ双方でお話をいただく場面も残しておいた方がいいだろうということで、私どもが一種の基準及び予算の総額について提案をいたしまして、その中で労使間でお話し合いでお決めくださいということになってございますので、七十五あるいはまた六十の法人の個々の職員の給与の実態についてはつまびらかにしておりません。そういう意味で、資料の提出も残念ながらいたしかねるということでございます。
○上原委員 出せるだけは出しますね。この際大蔵で出せるものは全部出しますね。出せないものはやむを得ないじゃないですか。
○日吉説明員 役員の給与につきましては、その法人の事業規模等によって類型化いたしておりますので、その基準を提出させていただきたいと思います。
○上原委員 それで、もう少し給与の問題でお尋ねしたいのですが、今回、高齢者が昇給ストップになるわけですね。これもいろいろ配慮というか、運用の面で若干、延伸なりあるいは著しく損失をこうむらないような処置を講じたいというような話も聞いているわけですが、実際問題として昇給時期は個々人ばらばらなんですね。グループでは一緒かもしれませんが、非常にむらが出てくると思うのです。そういうものについては、人事院としても十分な配慮をなさるという立場で、当事者間のお話し合いを進めていきますね。
○長橋政府委員 お答え申し上げます。 確かに、昇給時期は年四回ございまして、人によってまちまちでございます。その辺につきましては、著しい不均衡を生じないように経過措置等で十分調整したいと考えております。
○上原委員 ぜひそういう措置も配慮しながらやっていただきたいと思うのです。 あと一点、例の調整額の問題ですが、これもこの勧告内容なり人事院月報で一問一答方式で皆さんいろいろ出してあるのを読ませていただいたのでわからぬわけでもないですが、職務分限から言うと対象職種の皆さんは同じなんですね。四%を定率にするのは著しい不均衡の面が出てきているので、そのうちの三%は定率にして一%を定額にするように改める、簡単に言うとそういう勧告の内容なんだ。受ける側からするとやはり給与体系、制度の改悪ですよ。ここいらもいろいろ情勢変更というか事情変更があるようなんですが、もう少しこの種のことについても配慮すべきじゃなかろうかという感じがするのですが、どうなんですか。
○長橋政府委員 調整額の適正化問題につきましては、四十七年の給与勧告の際にこの適正化について検討する必要があるということを指摘いたしまして、自来関係団体との間にもいろいろ協議を進めてまいりまして、大体おおよそのところは了解がついておるということでございます。 内容といたしましては、御承知のことと思いますけれども、調整単位四%というのは、現時点で考えますと、俸給表の等級の中における上下格差といったようなものも縮まってまいっておりますし、さらには、当初昇給率四%でございましたのが、現時点ですと三%になっておりますので、調整する単位としては大き過ぎるということでございまして、それを定率三%にし、しかし、現在四%になっておりますので一%相当分は定額にしたらどうかということでございます。
○上原委員 その内容はここに書いてあるから読めばある程度わかるのだが、いろいろ問題があるという点を指摘をしておきたいと思うのですよ。 そこで、人事院総裁にも総務長官にもぼくは申し上げておきたいのですが、どうも最近、公務員が非常に優遇されておるというので寄るとさわると公務員攻撃をやっているわけですね。給与も非常にたくさんもらっているような印象を与えかねない。それに政府やまた一部の動きが悪乗りをするあれさえ見られるので、私はやはり慎重を期していただきたいと思うのです。不正とか、やるべきことはやらなければいけないですよ。だが、公務員賃金について言っても、前から私は言っているのだが、たとえば全体で一・五くらいいままでに切り捨てましたね。去年も期末手当を〇・一切り下げた。昭和四十年代、民間が高度成長のときに公務員の皆さんは〇・二とか〇・三とか、きょうその表は出しませんけれども、切り捨てがたくさんあったのです。非常にいい景気の場合は、民間の方が期末手当でも何でも高くても公務員の方は余り問題にされない。しかし不況になると、何か公務員だけが悪者にされる。私はやはり正しいことは正しいという主張も必要だと思うのですよ。ぼくは行政改革についても定年制の問題についても反対じゃないですよ、これからいろいろ議論をしてみたいと思うのですがね。 ここでなぜ私がこういうことを言うかといいますと、やはり国民に真実を知ってもらわなければいけない問題があるわけですよ。たとえば基本給の問題にしましても、これは人事院月報の十月号の七ページに出ていますよ。四十一年以降のベアのあれが出ていますな。これは労働省の調査ですね。民間企業と人事院勧告。四十一年は民間が一〇・六、公務員は六・九ですよ。 〔委員長退席、逢沢委員長代理着席〕 四十二年は民間一二・五、公務員七・九。四十三年は一三・六、八・〇。四十四年は一五・八、一〇・二。四十五年一八・五、一二・六七。四十六年一六・九、一一・七四。四十七年一五・三、一〇・六八。四十八年二〇・一、一五・三九。四十九年三二・九、二九・六四。ここは一番インフレが高じておったころです。五十一年八・八、六・九四。五十二年八・八、六・九二。五十三年五・九、三・八四。五十四年六・〇、五十四年だって民間のあれは六・〇ですよ。公務員は三・七。こういう皆さんが実態調査をしたものによっても、実際問題として、公務員は必ずしもその年々優遇されてきたのじゃないのですよ。もちろん、数字をどういうふうに使うかは、いろいろ仕法の問題なり組み合わせの問題等があるかもしれませんが、実態としてはこういう面もあるのだということをもう少し人勧なり総理府もやっていただかなければ、まじめに働いている公務員の皆さんまで何か矢面に立たされてやられる、そういう風潮というのは私はよくないと思う。だから、四十一年から五十四年までトータルしても何と三・八二%依然として低いのです。金額にしても千円近くなる。こういう計算をしてみても、もちろんこれだけが科学的な数字とは言えないかもしれませんが、そういう点があるということは私はぜひ申し上げておきたいと思うのです。 だから、さっき総裁がおっしゃいましたが、退職手当の官民較差の問題にしたって、公務員の職務分限のあり方あるいは賃金体系と民間と比較対照できない面があると思うのですね。そこらはぜひ今回はやるべきじゃないか、これが一つです。 さらにもう一つは、これもいろいろありますけれども、公務員の賃金の問題にしましても、御承知のように、一番多いのは一般行政職の五等級でしょう。七万九千十八名いる。今度の勧告で大体二十万平均になるにしても、二十万円になるには何年かかりますか。そこまで行くには、行政(一)の五等級で十三年から十五年かかるのですよ。これはベアだけ、基本給だけですね。こういういろいろな年齢分布、勤務年数、職務内容、家族構成、こういうことなどについてももう少し検討に値するのじゃないか。ベアの問題だけで余り議論できなければ、内部の調整において、どういう面が一番生活面において苦しいのか。今回の勧告においては、それが重要視されたということは指摘されておりますが、そこらの問題と、やはり等級アップの問題とか横滑りの問題とか、渡り廊下をつくってあげぬと、上の方だけうまくやられて、みんなだんだん詰まっていくのじゃないですか。ここまで年月がたちますと、私はそこにいまの公務員賃金の改善すべき基本があるような感じがしますね。 そういう二点についてぜひやっていただきたい。御見解を承っておきたいと思うのです。
○藤井(貞)政府委員 御指摘がございました基本的な考え方というものは、私も同感でございます。大部分の公務員は非常にまじめに職務に精励をいたしております。その点はわれわれも確信を持って申し述べることができるわけでございます。したがいまして、それに焦点を据えて、たとえば給与の問題については毎年実態調査をやりまして、官民の較差があればこれを埋めるということでお願いをしてきておるわけでございます。この点は、実はわれわれといたしましても、啓蒙宣伝といいますか、そういう点についてはできる限りの努力をいたしております。機会あるごとに申し上げておりますし、また、ときどき、論説委員の方々等にもお集まりいただいて、いろいろ問題の所在等について御説明をしておるつもりでございまして、これは総理府としても同じような立場で努力をいただいておるつもりでございます。 ただ、われわれの力も足りないというような面がございまして、国民一般に十分に真相が伝わらないというようなもどかしさを感じることもまたそのとおりでございまして、これらの点についてはさらに今後もわれわれとしても努力を傾けていかなければならない。そうでないと、公務員自体についても、一般にまじめにやっている人が肩身の狭いような思いをすることがあってはなりませんので、そういう点の配慮は十分にいたしてまいりたい、かように考えております。 なお、先刻ちょっと民間と公務員のベースの問題について御指摘がございましたが、これは御承知のように、民間の方は大体春闘という形で定昇込みということに相なっております。その点、公務員の場合は年四回ということでばらばらになるものですから、そういう意味では、それを込みでやれば大体均衡がとれておる。それを四月時点において調整をとっているというたてまえでございますので、御了解を賜りたいと思います。 なお、御指摘になりましたような世帯形成時の方々の問題等につきましては、実は従来から十分の手当てができないことについて、われわれも残念に思っておったことでもございますが、大体世間の相場も落ちついてきたということもございまして、最近では、特に世帯形成時その他については十分の配慮をしていくというたてまえで配分をいたしております。今後ともその点についてはさらに努力をしてまいりたい、かように考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○上原委員 次の点はお尋ねするまでもないとは思うのですが、たしか大蔵省でしたか、一部に全面的な定昇延伸の意見などがありましたね。来年四月から、いま基本的に十二カ月のものを十八カ月にせよとか、あるいは十八カ月のものは二十四カ月にするとか、人事院としてはよもやあれを崩していくお考えはないですね。それははっきりしていただきたいと思うのです。
○藤井(貞)政府委員 この点は、朝来繰り返し述べておりますように、昇給の問題はやはり給与制度の一環、勧告の内容をなす一環でございまして、きわめて重大な問題であるというふうに理解をいたしております。したがいまして、閣議決定に至るいきさつ等につきましてはそれなりに承知をいたしておりまして、よくよくのことであろうとは思いますけれども、それと制度のたてまえと筋というものとは、そういう客観情勢を頭に置きつつも、その限界というものを踏み外してはならないところがあると思いますので、その点は、われわれとしても信念を持って、適正な運営ということにつきましては、人事院勧告の持ちます使命、意義等から申しまして踏み外すことのないように十分注意をしていくつもりでございます。
○上原委員 総務長官、いまお聞きのとおり、人事院は並み並みならぬ決意を持っておられるわけです。今回も総務長官と労働大臣ともう一人だれか、完全実施を強く迫ったとか迫らなかったとか書いてあったのですが、これからも、人事院勧告制度というものは、公務員の労働基本権が規制されている、著しい制約を受けている、その代償機関として設置せられている、一つにはここを踏み外してはならぬと思うのです。もう一つは、やはりわれわれも、若干矛盾点もあるかもしれませんが、この間公務員共闘の代表の皆さんとお会いしたときにも申し上げたように、勧告制度の完全実施ということは、成熟したというか慣熟した一つの慣行になっているわけですよ。この基本は、総務長官、担当大臣としてこれからも、先ほどから議論されている定昇の問題とかあるいは退職手当の問題その他のことも含めて、踏み外してはならないと思うのですが、決意のほどを伺っておきたいと思うのです。
○小渕国務大臣 しばしば申し上げておりますように、給与担当大臣としての立場は、明確に人事院勧告を完全実施する方向で対処いたしてまいりたいと思っております。
○上原委員 だから、いま勧告にあるものはやらないで、勧告にないものをやろうとしている。総理府は何で週休二日制は法案として出さなかったのですか。
○小渕国務大臣 御指摘にありますように、週休二日制について人事院勧告を受けておりますことは承知をいたしております。しかしながら、国家公務員の週休二日制につきましては、勧告を受けて以来、基本的に人事院勧告を尊重する姿勢で努力をいたしてまいりましたが、定員問題等なお調整すべき問題が残されておりますために、このことを法律案として提出するまでに至っておらないわけであります。政府といたしましては、過去二回の試行の結果と従来の検討結果を踏まえて、あわせて国民世論の動向、社会経済情勢等に十分配慮しながら、関係省庁間で早急に検討し、妥当な結論を得るように努力をいたしておるところでございますが、御指摘にありましたように、この勧告に対しましても早急に結論を得るべく努力をいたしてまいりたいと思っております。
○上原委員 御承知のように、これは完全週休二日制じゃないわけですね。どうも世論というのもなかなか冷たいもので、かつては、今年の四、五月の春闘時代は週休二日制の問題についてもみんなやる気を出しておったのだが、もちろん、先ほどから指摘をしたようないろいろな好ましからざる問題が出たからそういうふうになっているとは思うのだが、最近は何か週休二日制はけしからぬというような言い分も一部にはあるようです。私は、やはり従来から持論としては、週休二日制完全実施しなさいと言うのです。これは、何かやるときには必ず障害がありますよ。省エネルギーの面からしたって、一時はいろいろトラブルがあるかもしれぬが、二、三カ月ないし六カ月ぐらいで私は完全にそういう方向になれると思う。いまやろうとしているのは四週五休でしょう。 これは人事院にお尋ねしますが、勧告は、来年五十五年四月一日から実施しなさいということですね。この基本方針には変わりありませんか。いま、なるべく早くやりたいということなんだが、まだ若干調整することが残っているからできないということなんだが、勧告をされて何のあれもないというのは人事院にとってきわめて不満だと思うのです。どういうお気持ちですか。どういうふうにやっているのか。ここで何も総務長官に遠慮する必要はないですよ。あなた、人事院総裁というのは三番目くらいに偉いんですよ。それだけの権限を持っていらっしゃるのです。これは指摘するまでもない。ぼくは、やはり人事院としてはそういうものは権威あらしめていただきたいですね。どうですか。
○藤井(貞)政府委員 そういう考え方でもって実は今度勧告に踏み切ったわけでございます。ただ、総理府の方からも御説明が累次ございますように、この問題につきましては、各省庁がこれをやってもらわなければならぬわけです。それの前提としていろいろやはり問題があることも事実でございまして、われわれとしてもやる限りは、いまのこの厳しい状況ですから、予算、定員等について負担をかけないような方法で工夫、努力でやってもらいたいという基本姿勢でもってやっているわけです。過去二回にわたるテストの結果は、大体においてそれでやれるというわれわれも自信を持っておりますので、今度正式に勧告を出したわけです。 ただ、調整を要する面が、全般ではございませんが一部の省庁においてあることも事実でございますので、その点についてのやはり調整の時期的な配慮をやっていただくことも必要であろうかということで、実施時期についてはあえて触れず、できるだけ速やかな時期にひとつやっていただきたいという気持ちでもって勧告をいたしておるつもりでございます。恐らく、今後いろいろ関係の機関もございますので、そこでだんだん煮詰まっていって、早急に実施の段階に至ることを心から祈念をいたしておるという状況でございます。
○上原委員 この件について私はかねがね取り上げてきたのでもうこれ以上触れませんが、後で総務長官に、なるべく早目にというのだが、関係者からたしか五十五年四月一日を目途にというあれがありますよね、いつごろできるのか聞きたいのですが、確かに、この勧告にもありますように「税関の取締り業務、刑務所等の矯正業務、病院の病棟関係業務、航空管制業務、海上の警備救難業務、気象予報業務等二十四時間業務を停止することができない部門において交替制により勤務する職員については、」云々、こういう現業部門は大変むずかしい面もあると思うのです。ここは人事院としても、また各省庁としてももっと配慮しなければいかぬですよ。 大体人員も一人もふやさない、予算も一切ふやさない。いまの状況では人員をふやすとか予算をふやすということは言えないかもしれぬが、幾ら不景気だろうが何だろうが、ふやすべきところはふやさなければいかぬですよ。そんなきれいごとだけ言うからにっちもさっちもいかないときがあるのです。政治家も役人もみんないい子になろうとしている。それはだめなんだよ。ぼくに言わせれば前進しない。やるべきことはばちっとやりながら、やっていけないことは戒めていくという役人にも指導者にも毅然たる態度、リーダーシップがないといけないですよ。それを私は前から言っているのです。こういう現業部門、しかもいま四十八時間でしょう、こういう方々は。勤務は三交代制。ですから総務長官、これは各省庁で努力をしていただかなければ実施できない、そうかもしれないですね。いつごろ大体実施なさろうとするあれですか。どういう計画がありますか。総務長官、これはもうあなたの御決意いかんですね。
○小渕国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたように、人事院からの勧告も予算、人員あるいはサービスの低下を来さないというような前提もございますので、そうした事柄につきまして各省庁間の協議が残念ながらまとまらない、御検討いただいておるというところでございますので、いつまでにという明確な日にちは設定できませんが、速やかに勧告を実施できますように私としては最大の努力を払ってまいりたいと存じます。
○上原委員 定年制についてはどうお考えですか。これは総務長官、人事院総裁のお二人から聞いておきたいと思います。
○小渕国務大臣 定年制につきましては、政府といたしましては、すでに昭和五十二年十二月に閣議決定をいたしまして、その導入についての基本的な方針は確立いたしておるわけでございます。その後、人事院総裁からも今年八月九日に書簡をちょうだいいたしまして、その内容は、六十歳定年を原則としておおむね五年後に実施しようというものでございます。 政府といたしましては、申し上げましたような過去の閣議決定も踏まえながら、同時に、人事院からいただきました書簡の中身を十分受けとめまして関係省庁間で検討いたしておるところでございますが、この点につきましても速やかに結論を得た上で導入を図ってまいりたいと考えております。
○上原委員 人事院の場合は、総務長官からの書簡が出て、それに対してまた回答なさったわけですね。人事院としては、人事行政の立場で、この定年制の問題について、あの書簡に述べられてあるとおりと言えばそれまでかもしれませんが、いまの総務長官の御答弁を含めて、もっとこれが促進されるような努力をなさるのか、あるいはもうあの書簡を、今度政府にボールを投げたのだから総理府がやるのを待つというお立場なのか、そこらの御見解をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 これは総理府の方から御依頼がございまして、こちらの鋭意検討した結果を御返事申し上げたのでありまして、人事院としてかくあるべきという確信を持って出した一つの見解でございます。したがいまして、返事を出したからもう後は知らぬ、そういう冷淡なまた無責任な態度はとりません。でき得る限り機会をとらまえて、これの促進方については今後ともわれわれなりに努力はしてまいる所存でございます。
○上原委員 一般職の給与の問題は、ほかの問題もありますのでこの程度にして、防衛庁の方に少しお尋ねしてみたい。これも中身についても若干勉強したい面もあるわけですが、時間もありませんので簡単に触れさせていただきたい。 今度の給与改正で、本来基本給与というかそういうものになじまない予備自衛官の問題が入っている点が、たまたま時期が一緒だったからそうなったと言うかもしれませんが、われわれ非常に不満なんですね。通常ならこの法案と一緒に出すべき性格のものじゃない、その点はお認めになりますか。
○久保田国務大臣 今回の改正は、いずれも防衛庁職員の給与の改定に関するものであるので一つの法律案としたものでございます。 その詳細につきましては政府委員から答弁をさせます。
○夏目(晴)政府委員 いま大臣から答弁申し上げたとおり、この予備自衛官手当の増額につきましては、先般の八十七通常国会において衆議院のこの委員会でも御審議をいただいて通過したわけですが、その後参議院で廃案になっているわけでございます。また、その後の夏の八十八臨時国会においても同じく廃案になって現在に至ったわけでございます。私どもとしては一刻も早く成立を期したかったわけでございますが、そういうわけで、今回のベースアップによる給与法の改正とたまたま一緒になってしまったということでございます。 いずれもわれわれ防衛庁職員の給与といいますか、手当の改定という性格的に同種のものであるということが一つと、それから法律はいずれも防衛庁職員給与法であるというようなことから、同じ国会に提出するのであれば一本にする方が自然であり素直ではないかと考えてお願いしたわけでございます。 いま先生御指摘の本来ならばどうかということでありますが、私どもとしてはこの予備自衛官手当を過去二回改定した例がございますけれども、いずれも予算をお認めいただいてすぐ後国会へ諮っていただいて、去る四十二年には、たしか通常国会で成立したように記憶しております。 私どもとしては、できればこの春の通常国会で成立をさしていただければ結構だったのではないかと思いますが、そういう意味で、この手当の性格としては通常国会で成立を図るべきが自然であったというふうに思います。
○上原委員 私がお尋ねしているのは、時期の問題ではないのですよ。本来これとはなじまない性質のものではないかということを言っているわけで、お答えしにくければいいですよ。 そこで、営外手当ですが、これはどのくらい支給されていますか。どのくらいというよりは、対象人員とか年間の予算額はどの程度になっていますか。
○夏目(晴)政府委員 営外手当は、御承知のように曹士隊員のうち営外に居住する隊員に対して支給するものでございますが、対象人員は約八万二千人くらいだったと思います。
○上原委員 八万二千人で予算は大体幾らくらいになるのですか。
○夏目(晴)政府委員 いま手元に資料がございませんので、後ほど御説明いたします。
○上原委員 われわれも自衛官個々の立場で議論をすると、組織そのものを否定をしても、生活という面からはいろいろありますから、給与という観点からすると議論のある向きもあるようです。 これはきょうでなくてもよろしいですが、「別表第二 自衛官俸給表(第四条、第五条、第六条、第二十八条の三関係)」という表がありますね。これは陸海空共通適用給与表になっているようですが、これの等級別の分布状況を資料として出していただきたいのです。よろしいですね。それが一つ。 あと、中身は言うまでもないと思うのですが、たとえば扶養手当、住居手当、通勤手当、医師等に対する初任給調整手当等は、一般職公務員の勧告に準じてやったということですね。この二点。
○夏目(晴)政府委員 まず通勤手当、住居手当、扶養手当等については、一般職と全く同様でございます。 それから、いま先生御指摘の階級別の人員でございますが、後ほど提出させていただきます。
○上原委員 これは陸海空別の、ちょっと時間がかかるかもしれないが、後で資料として出してください。よろしいですね。
○夏目(晴)政府委員 提出いたします。
○上原委員 人事院にちょっと聞いてみたいのですが、この自衛官の給与のあり方について、人事院で何か御研究なり調査なりやったことございますか。
○長橋政府委員 特に研究しておりません。
○上原委員 わかりました。 〔逢沢委員長代理退席、委員長着席〕 次に、防衛施設庁長官いますか。 駐留軍従業員の給与の問題、これも関連しますので若干お尋ねしておきたいのですが、例年公務員関係給与が国会で決まりますと、それに準じてといいますか、駐留軍従業員の賃金が改定をされてきたわけですが、公務員の皆さんも先ほど来議論をやってまいりましたように、大変厳しい経済社会環境に置かれておりますが、それ以上に駐留軍関係は厳しいですね、依然として。公務員の場合は生首を切られるということはよほどのことでないとあり得ない。またあってはいかぬと思うのですね。しかし、基地で働いている労働者、駐留軍従業員の場合は、本土であろうが沖縄であろうが、生首をどんどん切られているという実態が依然として続いている。そういうことも、給与あるいは労働条件を改定をしていく場合には考えなければいかない重要な要素だと私は思うのです。それも踏まえて、本年も、駐留軍労働者の賃上げについても無条件といいますか、公務員と同時同率の原則を踏まえて対米交渉をなさって決定をしていくという御方針には私は変わりはないと思うのですが、その決意と、これまでどのくらい日米間の話し合いが進んでいるのかということ、これが二点ですね。 三点目に、きょう衆議院で給与法案が委員会で審議を終わりますと、明日本会議、参議院に送付ということになると思うのですが、少なくとも十日ないし十一日までには給与関係法案も上がるということになると私は期待しているわけです。それを受けてなさると思うが、今後の見通し、もっと端的に言いますと年内、年内と言ってもあとわずかしかありませんが、日米間の合意に達するような作業の進展、進捗はなされているのかどうか。この三点、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○玉木政府委員 御指摘のように、駐留軍従業員は一般職の公務員とは格別の勤務環境の中にございまして、制約するたくさんの条件の中に勤務をしておるわけでございます。したがいまして、私どもの立場といたしましては、そういう格別の条件の中で勤務しておられる方々に対しまして十分な努力をして、給与関係の条件の確保に努めるという基本姿勢を貫かねばならない、こういう考え方で対処しております。 御承知のように、昨年の十二月二十八日に日本政府が新たに給与の一部を負担するという決意をいたしましたときに、日米の間で合意が調いまして、先ほど上原委員御指摘のように、日本の国家公務員と同時同率で改定をしていくという方針を相互に合意をしたところでございます。したがいまして、私どもとしましては昨年のこの合意の線を貫いて、この線がはっきりと確保できるように努力を続けていきたいと思っております。 なお、本年の給与改定の状況でございますが、考え方としましては先ほど申し上げたとおりの考え方で、人事院勧告が出まして給与改定の時期に参りましたので、九月の二十五日に所要の改定の提案を米側担当部局に対して行いました。それ以来、正式のやりとりというのではございませんが、給与法の立案の過程あるいは国会提案への状況、これらをながめながら、目標は給与法成立と同時に公式協議に入りまして、少なくとも昨年同様年内の妥結を完成するという目標で努力をしておるところでございます。
○上原委員 ぜひ年内妥結、年内合意、日米間の合意ですね、それからまた全駐労さんとの交渉もあるわけですから、そこを踏まえてやっていただきたいと思うのですね。 そこで、いま御答弁がありましたように、日米間の基本的な合意ができたのは昨年十二月のたしか二十八日でしたか、それを踏まえてやるということですね。そうしますと、ここで問題なのは、たとえば今回、公務員の皆さんにも大変残念なんですが、高齢者への定昇ストップというか停止なり延伸なりの措置がとられた。しかし、御承知のように駐留軍の場合以前からとられている面もあるわけですね。すでにとられている。あるいは定昇期間も五十八歳ですか、それ以上は延伸をされてきているわけですね。そういうことなどについては、アメリカ側は、持てる国はなかなかけちということもあって、この公務員と同時同率というか、人事院勧告なり改悪されたものは一切そのとおりやれという姿勢にまた出てくる可能性もあると思うのですね。そこいらに対する歯どめは、私はやはりさっき申し上げましたように、置かれている条件が違うんだという面でがんばっていただきたいということ。 もう一つは、先ほどお聞きになったかもしれませんが、退職手当の見直し問題は慎重にやらねばいかない、また、そう簡単に官民比較をして法律をつくれるものではないんだというような御趣旨の御答弁も人事院総裁からもあったわけですが、私が指摘をするまでもなく、従前から退職手当の改悪問題はアメリカ側は大変固執してきた一つの懸案だったわけですね。そこいらのことが起こらないような歯どめをしっかりやっていただきたいということ。ですから、対米交渉をなさる場合は、この全駐労の方から九月二十日ですか、かなり以前に出されている、これは読み上げませんが、四項目でしたかありますね、この要求事項というものをあくまで十分踏まえて、その基本的な要求内容が少なくとも後退をすることのないような対米折衝をやっていただいて、それを目標に年内合意というものを取りつけていただきたい、こういうふうに思うのですが、これはそういう御決意でなさいますね。
○玉木政府委員 高齢者の定期昇給の延伸の問題につきましては、先生の御指摘をいただくまでもなく、駐留軍従業員の給与関係は、必ずしも細部まで一般職の俸給表及びその実施基準というものと同一になっておるわけではございません。したがいまして、同じものを使用し実施しておる場合には、昨年の十二月二十八日の合意の一つでございます国家公務員に相当する給与を基本労務契約のもとにおいて保障するという考え方に準ずると思いますけれども、同じものでない場合には軽々しく適用すべき問題ではないと思います。したがいまして、定期昇給の延伸の問題につきましては、まず第一には、人事院の方でお定めになります一般職の場合の実施基準というものができ上がりましてからこれを十分に検討し、それを駐留軍従業員の俸給表の適用の実態に合わせまして、よく比較検討した上でなければいかように対処するかという具体的なものはできませんけれども、いずれにいたしましても、日米交渉の到達すべき目標というのは、一般公務員におきまして確保されておる給与条件、これに名実ともに少しずつでも近づけていくことが終極の目標になろうと思いますので、考え方としてはそういう考え方で対処してまいりたいと思います。 なお、御指摘の退職手当関係の問題につきましては、現在におきまして駐留軍従業員に関します限り全く話題となっていない段階でございます。 それから、昨日も全駐労の幹部の方々と対話をする機会を持ちましたし、今月に入りましてから、全駐留軍労働組合と私どもの方とで数次にわたる団体交渉等を続けておりますので、駐留軍労働組合が考えておりますわれわれに対する要望につきましては十二分に承知しているつもりでございます。したがいまして、これらの要望をよく理解した上で、政府としましては政府としての見解を確保して、日米の交渉に臨みたいと考えておる次第でございます。
○上原委員 確かに、五十二年、五十三年、五十四年、三カ年くらいですか、円高ドル安でアメリカ側もいろんな改悪条件を出して、その反面政府の負担も拡大をされてきたわけですね。われわれ不本意な点もあるわけですが、しかし、雇用主である日本政府の立場からすると、働いている労働者の生首をどんどん切っていく、あるいは既得権は一つ一つはぎ取られていくということであってはいかぬ、これは何回も強調しました。ただ今回は、御承知のように逆に円安傾向というのが出てきているわけですね。そういう面では、交渉の条件としては過去二、三年より私はいいという感じもしますけれども、余り変動があってもいかぬと思いますが、これは交渉事項にとってはあり得ることですね。 そこで、いまのような基本線を踏まえて駐留軍労組の皆さんとも交渉なさるでしょうが、ぜひ年内決着ということをやっていただきたいということと、もう一つは、労務や関係施設に相当日本側が財政負担をやっているということについて、ここは忘れていただきたくないと思うのですね。アメリカは取るものは取って自分たちの出し前を出さないというのでは、本当はみんな出ていってもらいたい。そこいらはぜひ政府としても、それなりの国民の税金をアメリカのために、米軍基地維持のために使っているわけですから、そういう面は政治的に十分アメリカ側に強調していただきたいということ、年内決着はずばり言って可能ですか。
○玉木政府委員 先生御承知のとおり、駐留軍従業員に対します給与改定の問題は、過去におきましては大変惨たんたる歴史を持っておりますけれども、そのゆえにこそ昨年十二月二十八日にあのような解決を図ったところでございまして、その解決の直後の昭和五十三年末におきます給与改定は、御承知のように整々と実施することができました。その環境条件はことしにおきましても変わるところはございません。ただ、昨年に比べますと給与法の成立がおくれておるということがございますが、いずれにいたしましても、給与改定そのものにつきましては格別のトラブルがあろうとは思いませんので、私どもとしましては年内決着を目指して努力をしてまいりたいと思います。
○上原委員 ぜひそういうことで御努力を強く求めておきたいと思います。 そこで、時間もだんだんたちますので次に進みます。次も防衛庁、施設庁と関係ある問題ですが、緊急な問題ですので、関連をさせていただいて二、三取り上げてみたいと思うのです。 例の沖縄県読谷村におけるパラシュート降下訓練の問題ですが、これは去る十一月六日に事故があって、それ以来今日までいろいろ現地でも、また私も施設庁なり防衛庁長官にもお会いしたり、かけ合ってきたのですが、基本的な解決方向は見出されていません。 たまたま、きのうから沖縄で護憲集会が持たれておって、私もぜひ地元へ帰ってこいというものですから、きのうの昼行って、先ほどまたトンボ返りみたいにやってきたのですが、わが党の飛鳥田委員長も集会に御出席なさったので、この問題についても読谷村の村長さんからもいろいろ事情を聞いてまいりました。 同時に、外務省も来ていると思うので、本論に入る前に、事もあろうにB52が昨日また飛来してきたわけですね。われわれは、いかなる理由があろうがB52の飛来はまかりならぬ、絶対だめだということをその都度強く要求してまいりましたし、これは単に社会党の私らだけではなくして、沖縄の県議会も嘉手納町議会も全会一致でこの飛来の反対決議というもの、意見書というものを出してきた。事もあろうに飛鳥田さんが沖縄に行かれるというときにたまたま、政治的に勘ぐれば私はいろいろなことを推測できると思うのです。断じてそういうことには私は承服できない。基本的な立場は踏まえながらも、安保の問題や基地のあり方についても、もう少しわれわれもいろいろ努力をしたい。しかし、殺し屋B52が出迎えるなんて、こんなことではだめなんだ。 このB52の問題については一体どういうアメリカ側からの報告があったのか。きのうの段階では、台風もグアムのはるか二千キロ先じゃないですか。しかも速度は十五キロ以内です。まずこの点から答えていただきたい。
○中島(敏)政府委員 ただいま先生御指摘のように、B52が三機すでに嘉手納基地に行っているわけでございますが、台風が遠いにもかかわらず云云という御指摘でございますけれども、事実、今度の台風二十三号ですか、非常に進行速度が遅いということで、本日正午ではグアム島の東南東約九百キロメートルの地点ということでございまして、いま御指摘の三機が来る前はもう少し遠かったことは事実でございます。ただ、その台風の進路及びその速度が、当時の状況から見ましてグアムに帰投することは危ないということでその三機が嘉手納に参った。後に、あとの十一機につきましても、本日六時以降台風避難のため嘉手納飛行場に飛来することにはなっているわけでございますけれども、いま申しましたように、台風の進行速度が落ちているという状況で、最終的にどういうことになるかという点はまだ確定していないというふうに承知しているわけでございます。 先生の御指摘のように、沖縄県民の方々のB52に対する感情というものがあることは私どもも重重承知いたしております。そしてアメリカ側も、従来より日本国民のB52に対する感情は十分承知しておる、ただ、悪天候その他緊急事態を避ける場合にはグアムに避難の施設がないので飛んでこざるを得ないので、その点は了解してくれ、こういうことを言っているわけでございます。今回の場合にも、いま申しましたような台風の速度との関係で、その三機が飛来するのが早過ぎたじゃないかという御指摘かとも思いますけれども、当時の状況から見て、やはり飛来することはやむを得なかったというふうに考えているものだろうと考えます。
○上原委員 私はいまの御答弁納得しがたい。それは明らかに帰投しようと思えばできたであろう、またほかの方にも行けたであろう。そのくらいの配慮もしないでやるということに問題が一つあるということ。いかなる理由があろうが、あの飛来はわれわれは認めるわけにはいきません。ですから、皆さんこういう基地の態様については少し考えてくださいよ。 そこで、パラシュートの問題に入りますが、これは十一月六日に事故が発生をして、当時アメリカ側はアメリカ側の演習による事故でないと言い張っていましたね。きょうキリーン少将に会ってみましたがね。彼は、しかし依然として事故を積極的に、積極的というか認めていませんね。認めたのですか。米軍演習による事故であったということを認めたのか、アメリカ側は。
○玉木政府委員 十一月六日の夕方起こりましたパラシュートの投下の問題につきまして、米軍の方は、場内に投下したものが何者かによって持ち去られたと思うという見解でありましたし、住民の方の意見としましては、場外に落下してわれわれは非常に驚いたものであるということで対立しておりました。その後、防衛施設庁の調査及び勧告等がございまして、十一月二十八日であったと思いますが、米軍キリーン司令官から、場外に落下したことを認め、住民に不安を与えたことに対する陳謝の意の声明が施設局長と沖縄県当局に届けられた次第でございます。
○上原委員 米側は独自の調査をなさったのですか、この事故について。
○玉木政府委員 私どもの承知しております範囲では、米軍の司令官は、この十一月六日の事故は在沖米空軍によって起こされた事故でございますけれども、海兵隊少将であります司令官も空軍からの報告を徴して発言をしておりますので、軍内部におきます本件に関するできる限りの調べは行った上の見解であっただろうと思います。
○上原委員 それは違うのですよ。いまあなたがおっしゃったのは、十一月二十八日、確かにキリーン在沖米海兵隊司令官がこの事故について認めた。認めたというか、事故を起こした、遺憾に思います、本事故が読谷村の住民に不安を与えたことを遺憾に思いますということは言っている。しかし、これは那覇の防衛施設局がそういう文書をつくって、皆さんが調査をして、それは場外に落ちたものだからあなた方認めざるを得ないのじゃないかと言ったら、彼らは渋々認めた。きょうも独自の調査はやらなかったと彼ははっきり言明した。防衛施設局が場外に落ちたということだからそれを認めましたと、まさに間接話法、間接的ですよ。こういう態度をあなた方は本当に黙認するのですか。なぜアメリカ側に独自の調査をさせない。アメリカが落としたのでしょう。そこいらの点、もう一遍解明しないとだめなんだ、こういうことでは。まさに間接的に、これだけ大問題になったから、防衛施設局が演習場外に落ちたんだからということをやったら、あなた方が一々調査して文書もつくっていったら、それにサインをしてそう発表しただけにすぎないんだ。こういうなまぬるい態度でいいのですか、こんな人命にかかわる問題を。そこいらの点、はっきりさしてください。
○玉木政府委員 本日、上原委員その他に対しましてキリーン少将の使われた言葉がどういう言葉であるか、うかがい知ることはできませんが、私どもに参っております限りにおきましては、米側としましては、当初事故発生直後に、事故調査を実施するようにという日本側からの指摘に応じまして対応しておりますし、それから私どもが行いましたのは、米側が、われわれの指摘にもかかわりませず、なお場内に落ちて何者かに持ち去られたものだという主張を変えておらなかった期間がございますので、その間におきまして、これは現場にいなければわからない問題でございますから、われわれとしましては、日本人の目撃者の証言を徴し、あるいは落下しました落下傘の偏流軌跡等を計算しながら、これは読谷村の方々がおっしゃるように、場外に落ちたものと施設局としましてはどうしても認めざるを得ないではないか、こういう事実の確認の上に立ちまして、米軍に対してそれらの参考資料を見せて、あなた方の主張は間違っておるからもう一度調べ直せということを申し入れた次第でございます。 それに対する十一月二十八日の先方の回答が、施設局の調査結果を拝見いたしますとわれわれの方が間違っておって、まさしくそのようであったでしょう、それを認めます、お騒がせをして申しわけなかったという意思表明をしておりますので、米側としましても、自分たちの調べが不十分でありたということを深く反省しておると認識しております。
○上原委員 きょう那覇の防衛施設局の代表も向こうで入っておったから、後で聞いてごらんなさい。はっきり言っている、独自調査しなかったと。防衛施設局の調査で場外に落ちたものという主張があったのでそれを認めた。そんなにアメリカを甘やかすからいろいろなことをやっちゃうんだ。何が落ちたと思う。 委員長、私がこういうふうに取り上げると、皆さんはどういうものが落ちたかわからぬでしょう、恐らく国民も。私ここにパラシュートの実物を持ってきたので、大臣にお見せしますから、いいですね。
○木野委員長 はい。
○上原委員 皆さん、一体何キロあると思う。きょうは私は被害甚大ですよ、こんな重いものを担いで。冗談じゃないんだ、本当に。こんな怪物みたいなものが空から民家に落ちてくるのですよ。見てごらん、皆さん、こんなの。この鉄筒だけで七キロ余りある。これを入れますと十一キロありますよ。約二十斤くらいになるのかね。これが民家に落ちてきた。 防衛庁長官、これをこの間も持たせたらあなたいやな顔したけれども、もう一遍持ってください、いいですね。アメリカ局長もみんな、あなた方もう一遍これ持ってごらんよ。こういうのが民家へ落ちてきたんだ。もしあなたの頭へこれが落ちたらどうなる。施設庁長官もこれ持ってごらん。(玉木政府委員「持ちました」と呼ぶ)ですから、普通の状態じゃないのですよ。こういうものを民家の近くに落としておって、演習場内に落ちたのだがそこまで持っていったなんてそういうことを言い張って、だれがそんな重いものを……。施設局がいろいろ調べて、あれだけ問題になっているんだから認めてくれやと言って、渋々自分たちが事故を起こしたんだというようなことを言っている。これじゃおさまらぬじゃないですか。今後この件についてどういう対策をおとりになられますか。 私たちは、そこではこういう無謀な演習やめなさいと——何回ですか、十七回も起きている。もちろんそれは一九六三年以降ではありますがね。角材が落ちたり、一九六五年の六月十一日には、小学校四年の女の子供が空から降ってきたトレーラーに押しつぶされて死んでしまった。ぼくはあえてお名前はいいません。読谷村はそういう過去の苦い経験もあるのです。B52の問題にしたって嘉手納の弾薬倉庫近くにおっこちた。ぼくもあのときは本当に死んだと思った。六八年です。戦場でもあるまいし、日本は主権国家でしょう。あなた方そういうことに対してはどうなさいますか。これについてはっきりお答えください。読谷村の村長は、もうみずから立ち上がらなければ自分たち村民の命や財産は守れないということで、抗議行動を展開しているじゃありませんか。そこまでやらぬと日本政府はアメリカに物を言えないのですか。
○玉木政府委員 御指摘のように、読谷の事故と申しますのは、事人命にかかわる重大な内容を含んだ事故でございます。防衛施設庁といたしましてこういう種類の事故に対処いたします場合、単に基地の安定的提供を確保するというような一般的任務のほかに、基地周辺に居住される方々の安全につきましては何物にもかえがたいということで対処してきておりますが、ことに人命にかかわる問題につきましては、施設庁としまして確固たる考え方のもとで人命第一主義を貫いてきたつもりでございますし、今後におきましても、事故の防止に際しまして、人命にかかわるものにつきましては考え得る最大限の安全対策を講じていくという考え方でございます。 なお、具体的に本件読谷におきますこれからの訓練につきましては、今回の事件について日米間でいろいろと食い違いもあり、長い時間をかけて相互に反省するところがございましたので、先般、十一月二十八日にキリーン少将から声明を発しましたように、今後におきましては人員の降下訓練だけに限りまして、万一風に流された場合に人命に影響があるような物量の投下ということは、これから読谷では一切行わないということを先方からすでに申し出ております。われわれとしましては、これをさらに日米間で詰めてまいりまして、本当に人命の安全については支障のない対応策であるかどうか検討を進めてまいりまして、対策を講じていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○上原委員 そんな抽象論で納得できますか。防衛庁長官、あなた、これを持った感じをどう思いますか。これが空から本当に降ってきているんだ。人の新興住宅の庭ですよ。防衛施設庁長官も基地の責任者かもしれないが、あなたがより最高責任者だ。こういう事故に対して日本政府としてどうやっていくか、まずあなたの御見解を伺っておきたい。
○久保田国務大臣 どのような理由にせよ、事故はあってはならないと思うのであります。その前提に立ちまして、米側においても、沖縄住民の立場を配慮しつつ演習の安全性に努力を払っているが、政府としてもさらに事故絶滅のため努力を続けてまいりたいと思うのでございます。
○上原委員 事故絶滅のためなら演習をしないことしかないのです。よう言ってくれた。約束しますか。
○玉木政府委員 確かに、演習をしなければ物が落ちてこないということは物理的に言えると思いますが、現在の日米の関係におきましては、提供して演習をさせていくということ、そのことにもまた別の角度におきましては重大な意味合いを持っておることでございますので、事故を絶滅しつつ演習を確保させていくということが今後とるべき道であろうかと思っております。
○上原委員 それはできない相談ですよ。 そこで、もう一つあります。皆さんそうおっしゃいますが、たとえば復帰前の一九六五年六月十七日に、かつての空軍のクラーク少将から当時の読谷村長さんと議会議長さんにも書簡が行っているのです、こういうトラブルがあって、事故が起きたりして。そこでも「この読谷飛行場で一切の降下演習は目下停止されている」とか「読谷飛行場での降下演習はあらゆる安全措置が再検討され、また私からもあらゆる予防措置をとるようになるまで始めないことを確約する」とか、「読谷飛行場でいかなる演習を行う場合でも、前もって村長と協議をする。さらに、物体の降下演習はしない」というようなことも言ってきたのですね。だが、いつの間にかやった。トレーラーを落としてみたり、こういうものを落としてみたりして。これは読谷村の方からでも県の方からでも、演習場の撤去なりあるいは移設をやれという要求が正式に出ると、日米安保協議会で御検討なさいますか。外務省、施設庁、両方答えてください。
○玉木政府委員 そういうような要望が出されました場合には、村当局からの公式の意見でございましょうから、改めて検討さしてもらいたいと思います。
○中島(敏)政府委員 私どもも、そのような正式な御要望があれば、十分に検討さしていただきたいと思っております。 ただ、先ほど施設庁長官からもお話がありましたように、米軍をして必要な訓練を行わせて、即応態勢を十分にとらせておくということも安保条約上非常に重要な意義を有するものでございます。他方、その場合に、その施設、区域の周辺の住民の方々に不安を与えないよう安全確保については重々の努力をしなければならない、そういうことをすることによって、周辺の住民の方々の御協力と御支持を得られるように努力をしていかなければならないということが私どもの基本の考え方であるわけでございます。そういう考え方に立ちましてその問題を考えさせていただきたいというふうに考えます。
○上原委員 これはまた議論が続きますが、少なくとも検討はしてみたいということだったので、これは、この種の演習をする基地としてはアメリカ側は適格と言っている、演習したいと言っているかもしらぬが、実際住民に何回か被害を与えているわけだから一切やめてもらいたい。 そこで、恐らく、やめなさいと言っても、いまの答弁のように、安保条約とか地位協定を——だから私はこれは要らぬと言うんだ。——云々されたんじゃかみ合わない。かみ合うのは、少なくともまだ読谷村はこの件について納得してないし、現地米側との話し合いももう少ししたいと言っている。その期間中は演習再開させないこと。演習再開を強行したら、これは不測の事態が起きますよ。同時に、こういう物騒なもの、物体とかあるいは角材とかトレーラーとか、そういうものの降下訓練は一切やらない。これだけは約束できますか。はっきりしてください。
○玉木政府委員 先ほどお答え申しましたように、米軍当局におきまして、物量の投下訓練は今後読谷におきましては実施しないと申しておりますので、私どももその線が今後におきましても貫かれるように十分に留意してまいりたいと思います。 なお、そういうような条件を付しました演習そのものの必要性につきましては、格段にまた大事なことでございますので、その大事なことと、現在の読谷と私どもとの話の進行状態、これをよく勘案しながらこの問題の解決に当たりたいと思います。私どもとしましては、演習の継続の重要性も考慮いたしまして、速やかに読谷村との間の交渉を推進したいというふうに念願しておるところでございます。
○上原委員 この種の問題でなかなか議論がかみ合いません。やめなさいと言ったってやめないと言うし。しかし、もう一度こういう事故が起きた場合は、いま絶滅なんて簡単におっしゃいますが、これは絶滅できっこないのです、これは恐らくもうただごとでは済みませんよ。そこは篤と含んでおいて、読谷村も納得はしないでしょうが、もう少し話し合いを続けていく、それまでは少なくとも留保していただくということを重ねて求めておきたいと思います。 そこで、時間も残り少なくなってまいりましたので、最後に、最後になるか、F15のこともあるのだが、若干時間をオーバーしますので頼みます。リムパックの件についてお尋ねをしておきたいと思うのです。 まず、来春行われようとするリムパック演習の日時、演習期間、あるいは演習海域、参加各国、アメリカ、豪州、ニュージーランド、カナダでしょうが、この各国の兵力はどういうふうになっているのか、規模、それを明らかにしてください。
○佐々政府委員 明春行われます予定のリムパック80は、先ほど御答弁申し上げましたように、まだ主催国であるアメリカがその内容を発表いたしておりませんので、あるいはただいま御指摘のカナダ・オーストラリア・ニュージーランドは、過去六回の訓練に参加をしておりますので多分今回も参加をするであろうと存じますけれども、まだ参加の意思表示をいたしておりませんので、参加の規模等は不明でございます。時期は明年の春、場所はハワイ周辺の中部太平洋海域と承知をいたしております。 海上自衛隊の参加規模は、五十一年以来実施をいたしておりますハワイ派遣訓練の強化充実という意味で、従来も護衛艦二隻と対潜哨戒機八機でございますけれども、この規模は同じでございますが、このリムパックに参加をいたしますことによりまして、総合的な訓練に参加をし、それによって戦術技量の最新のレベルのものを習得をしてくる、こういう計画で、対空、対水上、対潜という立体的な訓練、あるいは洋上の補給訓練、あるいは魚雷等の誘導武器の評価施設を利用しての発射訓練等を実施する予定でございます。
○上原委員 そんなとくとくとおっしゃいますが、それがおかしいと言うのです。海上自衛隊が参加をするその根拠については、すでにほかの委員会でも議論されて明らかになっているし、私もまた前に資料も要求してそのときもちょっと伺ったのですが、何か五条の二十一号だというのですが、これもなかなか疑問のあるところですね。今回の演習参加の最終決定はだれがやったのですか。海上自衛隊が参加するということはだれがやったのです。どこで、いつ、どういう手順を踏んでやったか、明らかにしてください。
○佐々政府委員 今回の演習に参加をするに至りました経緯を御説明をいたします。 本年三月ごろアメリカ側から、かねて日本側が希望しておりました総合的な訓練に参加をさせる機会といたしまして、八〇年に予定をされております第七回目のリムパックに参加する意向ありやなしやの打診がございました。これに基づきまして、防衛庁長官から、このアメリカのリムパック80という訓練の内容について詳細に調査をし、その目的、性格等がわが国の防衛政策あるいは憲法上問題がないかどうか十分に検討をするよう指示がございまして、私どもアメリカとその点十分検討したわけでございます。 その結果、先ほども申し上げましたように、この訓練はアメリカの第三艦隊が第一線配備直前の各艦艇に対してその最終的な総仕上げの訓練を行いまするところの総合訓練の一つであり、その目的は、たとえばある特定の国、訓練参加国の特定の国に対する攻撃を他の国が共同して防衛するといういわゆる集団自衛権の行使を前提とした訓練、あるいはある特定の国に対する攻撃訓練、または日本が憲法上あるいは政策上許容されておらないところの核兵器あるいはICBMのような兵器を用いての訓練、こういう性格のものではないということが明らかになり、また、その訓練は参加国いずれも対等でございまして、対等の資格において参加をし、訓練主催国であるアメリカのコーディネーションのもとに訓練を行う、こういう性格のものであることが明らかになりました。 この点外務省とも十分協議をいたし、さらに最終段階におきまして、念のため法制局にも、確認的な意味におきましてこの防衛庁の解釈が正しいかどうか照会をいたし、その上で、先ほど申し上げましたように、自衛隊法七条によりまして自衛隊の最高指揮権を持っている内閣総理大臣の了解を受けまして、防衛庁長官の責任において、本年の十月参加を決定したものでございます。
○上原委員 最終決定は内閣総理大臣がやったわけですね。参加することを決定したのは総理大臣が指示したということですね。
○佐々政府委員 防衛庁設置法五条の二十一号によりまして、「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を行うこと。」は防衛庁長官の権限と定められております。したがいまして、今回の参加につきましては、最終段階におきまして総理を初め関係閣僚等の十分な意思疎通を図ったわけでございますけれども、決定をいたしましたのは防衛庁長官でございます。
○上原委員 あなた、いまの答弁ちょっとおかしいんじゃないの。さっきは第七条に基づいて、内閣総理大臣の指揮監督権のもとに自衛隊はあるから、それに基づいて内閣総理大臣の判断を得たと言ったじゃないか。第七条はあなた、何なんだ。防衛出動、だからこれはおかしい。あなたはいまぼろを出したんだ。防衛出動じゃないでしょう。私が聞いているのは、だれが最終決定をしたかです。くどくど回りくどいことを言わなくていいですよ。
○佐々政府委員 第七条によりまして内閣総理大臣が最高の指揮権を持っておるということを申し上げたのでございまして、八条によって防衛庁長官は自衛隊の隊務を統括いたしておりますので、防衛庁設置法の五条並びに自衛隊法の八条によりまして防衛庁長官が決定をいたしました。
○上原委員 ですから、出動でない、監督権ですね、内閣総理大臣の最高指揮権。だから、内閣総理大臣の指示を仰いだわけでしょう。出動していいのか、このリムパックに海上自衛隊を参加させていいかどうかは、防衛庁長官が内閣総理大臣と協議して、内閣総理大臣がオーケーを出したわけでしょう。そうじゃないんですか、経緯は。それをはっきりさせなさいと言うのです。
○佐々政府委員 内閣総理大臣の了解を得て、防衛庁長官が決定をいたしました。
○上原委員 防衛庁長官、何で内閣総理大臣の了解を得たのですか。防衛庁長官として御答弁ください。
○久保田国務大臣 内閣総理大臣の了解を得まして、防衛庁長官が決定をいたしました。
○上原委員 それはさっき聞いた答えなんだ。ですから、何で内閣総理大臣の了解を得たのですかと聞いている。了解を得る必要があったから了解を得たわけでしょう。その内容を明らかにしていただきたいということです。
○佐々政府委員 日米の共同訓練は、昭和三十年以来八十四回すでに実施をいたしております。しかしながら、今回はハワイ派遣訓練の充実強化ではございますけれども、アメリカ艦隊の主催をする総合訓練に他の国、カナダ、これは条約が全部違いますので、必ずしも全部集団的自衛権によって結ばれているわけではございませんが、NATO条約によるカナダ、あるいはANZUSによるところのニュージーランドとオーストラリアの艦艇が参加をしておるということでございますので、この訓練に参加をすることの可否について十分検討いたしたわけでございまして、念のため最高司令官である総理大臣の御了解を得た、こういうことでございます。
○上原委員 そこで少なくとも一つ疑問がありますよね。そこで総理大臣の了解まで得た、得る必要があったという訓練に参加する、これが明らかになったわけです。さっきあなたは、この演習はある状況を設定したとか、あるいは特定の目標というか目的の問題でないと言ったが、目的のない演習ってあるの。何を想定してこの演習に参加するの。リムパックというのは本来どういう目的で合同演習をやっているわけですか。
○佐々政府委員 リムパックの目的は、先ほど申し上げましたように、アメリカの太平洋艦隊所属第三艦隊が第一線配備になる直前の最終段階における艦艇の能力評価、戦術技量の向上を図るために、フリートエクササイズと呼んでおりますけれども、艦隊レベルでもって総合的な訓練を施す、これがその目的でございまして、その訓練内容は、洋上の補給から対空、対水上、対潜、立体的な総合的な訓練であり、電子戦訓練も含み、さらには誘導武器評価施設によるところの魚雷等の発射訓練等も行う、こういう戦術技量を第一線配備になっても大丈夫なように最終段階に高める、こういう訓練だと承知をいたしております。
○上原委員 そこは私もある程度わかるのですよ。だから、そういう総合訓練、総合演習をするということは何か目的があるわけでしょう。単なる戦術技量を向上するということじゃないわけでしょう。明らかにその訓練を生かすための何か目的があってやるわけでしょう。それになぜ自衛隊が参加をするかというのが問題なんです。 それで、もっとわかりやすく言えば、ここに米海軍横須賀基地から発行したパンフがありますが、横須賀を母港とする米第七艦隊の駆逐艦ロックウッドというものに関するプレスリリースがある。それの説明によりますと、ロックウッドは一九七三年に実施されたリムパック73に参加している。当時はこのロックウッドは横須賀には在泊していないのです。それはコンバインドフォース、つまり連合戦力ですよね、あるいは統合戦力と言ってもいいかもしれない。統合戦力による演習であり、ベトナム戦争終結後、太平洋における最大の艦隊戦闘訓練であったと記されているのです。これは英文のもありますよ。 このときリムパックに参加したのは、艦艇が二十二隻、航空機二百機、人員一万四千人とされております。さらに、昨年実施されたリムパック78では、艦艇四十二隻、航空機二百二十五機、人員二万二千人、あのときはより規模は小さいのですが、はっきりと艦隊戦闘訓練であると米軍自体が公文書の中で言っているのですよ。 こうなりますと、やはりアメリカだけが参加するわけじゃないでしょう。あなたはさっきは豪州とかあるいはカナダとかニュージーランドの規模もわからぬとか、参加するかどうかもわからぬとか言ったが、これはあくまでも集団訓練です。だから、皆さんがどう詭弁を弄してどう解釈をしようが、そういった総合戦力演習に対して自衛隊が参加をしていくことは、明らかに集団自衛権の行使になるのじゃないですか。しかも、こういう経緯からしても、何か参議院かどこかでは、アメリカ側としか相手をしないということらしいのだが、あなた、演習の中でこれはアメリカ、あれはカナダ、これはニュージーランド、これはオーストラリアだ、こんなことで演習になりますか。そういうことだけでいつもなし崩し的に皆さんやっていく。自衛隊法からしても、後で少し触れますが、日米間の安保の適用範囲からしても、ここまで海上自衛隊が足を伸ばすということは私たちは合点ならない。これは法制局長官がどう言おうが、理解できませんよ。いま私が指摘したことについてどうお考えですか。
○佐々政府委員 確かに、これは共同訓練の一種であろうと思いますけれども、それは直ちに集団自衛権行使を前提とした共同訓練とは言えないであろうと存じます。共同対処と申しますか、いわゆる集団自衛権の行使というのは、他の国に加えられた攻撃を自分の国に加えられた攻撃とみなしてその国と共同して防衛あるいは排除に当たるという自衛権の行使でございまして、今回の訓練は、アメリカ側が従来も説明をいたしておりますように、第一線の艦隊に配備される寸前の艦艇の戦闘技術を向上させるための訓練でございますから、当然艦隊の戦闘訓練になろうかと思いますが、訓練を行うことと、何か有事の際に条約のない国まで助けに行くということとは別であろうかと存じます。 日本の海上自衛隊がこれに参加をいたします目的は、防衛庁設置法五条の二十一号「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を行うこと。」ということで参加をするわけでございますが、それではこの「所掌事務」というのは条理上何であろうかと申しますと、自衛隊法三条であろうかと思います。すなわち、わが国の平和と独立を維持し、国の安全を保つため直接、間接の侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とする、すなわち、個別的自衛権の行使に必要な範囲内の訓練でございます。 先ほど来御説明をいたしておりますように、日本の自衛隊のこの訓練参加の目的は、アメリカを助けに行くことでもなく、カナダ、ニュージーランドとともに共同防衛をすることでもなく、日本防衛のための戦術技量を向上させ、この限られた防衛力でもって自衛隊に課せられておりますところの日本防衛の任務をより有効適切に果たそうという目的にほかなりません。
○上原委員 それはあなた一人がそう解釈したって、聞けば聞くほどますますおかしくなるじゃないですか。共同訓練はしたがって集団自衛権の行使じゃない。それはいまおっしゃるように、説明上そういう論理は成り立つかもしれませんよ。しかし、アメリカは有事の際にはそういうことがあることを想定しての訓練でしょう、リムパックというのは。明らかにそういう範疇に自衛隊が入るということじゃないですか。しかも三条であるとするならば、これは日本防衛に対する侵略云々という、日本の国の安全を保つため直接侵略及び間接侵略に対して、この基本は専守防衛でしょう。専守防衛と言ったら、ハワイくんだりまで、南半球、赤道近くまで行く必要がありますか。実際そういう論理の飛躍をやってきて安保問題、自衛隊問題というものが今日の状態に来ているんです。 それじゃもう少し聞きますが、これはさっきは対等の立場で行くと育ったのですが、演習であろうが訓練であろうが、自衛隊は他の外国軍隊の指揮下に入ることはできないわけでしょう。できますか。
○佐々政府委員 独立国である以上他の国の指揮、すなわちコマンドを受けるということはない、あってはならないと考えております。これは有事の際におきましても、共同対処行動に際しても、指揮権は対等というのが現在の日米安保の精神と承知をいたしております。
○上原委員 もし来春行われるとすると、これは明らかにアメリカの指揮下に入るのですよ。それが全体的のこれまでのリムパック像なんですよ。ここまで来ると何をか言わんやですね。さっき言いましたように、専守防衛の立場からしたってこれは問題だ。 きょうは、時間だという声もありますので進みますが、これと関係がありますが、沖縄との関連においては、リムパック演習はオーストラリア−アメリカ大陸間のシーレーンを確保するための海軍演習に主たる任務というか一つの目的が置かれていると思うのです。その他にもちろんANZUS条約がありますね。米、豪、ニュージーランド三国安保。この中でカンガルーとかトライアッド、こういう演習が行われてきていることは御存じですね。
○佐々政府委員 御指摘のカンガルーワンと申しますのは、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、すなわちANZUS加盟国三国で集団自衛権の行使、共同防衛を前提として行っておる訓練かと承知しております。
○上原委員 トライアッドはどうですか。
○佐々政府委員 トライアッドもそういうANZUSの同盟国相互間の訓練と聞いております。
○上原委員 そうしますと、当然これには参加できませんね。
○佐々政府委員 先ほど来申しておりますように、この根拠法規は防衛庁設置法五条の二十一号でございますが、それではどんな訓練でもやっていいのか、歯どめがないではないかという御議論があろうかと思います。ただいま御指摘のとおり、集団的自衛権行使を前提とした共同防衛を具体的なシナリオとして持った計画に参加することはできないと考えております。
○上原委員 その点ははっきりしましたね。しかし、われわれが懸念をするのは、言うまでもないと思うのですが、御承知のようにカンガルーはネービーの上陸作戦ですよね。トライアッドは空軍ですよね。今度のリムパックが海軍。今度もしこのリムパックに参加すると、次はカンガルーだ、次はトライアッドだと必ずこういうものがいままでは出てきたわけですよね。航空自衛隊の幕僚長はB52を対象に訓練してみたいと言う。陸上の幕僚長は沖縄の海兵隊、第三海兵師団と一緒にやってみたいとすでに花火を打ち上げている。そういう懸念が今回の問題にあるということを指摘しておきたいと思うのです。 そこで、きょうは時間がありませんが、もう少しお尋ねしたいのですが、さっきのに返って、リムパックというのがどういう規模で、あるいはどういう訓練であるかということを詳細に調査した、そのことについて防衛庁長官にも総理大臣にも報告して、参加してもいいということになったと言う。どういう調査をしたのですか。中身と規模、さっき参加をする人員は聞きましたね。これについて具体的に明らかにしていただきたいと思うのだが、同時に、いつの時点までにそれははっきりするのか、具体的にいろいろ調査したというその中身はどうなのか、それをもう少し説明してください。
○佐々政府委員 参加決定前に十分調査をいたしましたのは、リムパックという訓練の性格、目的等でございます。訓練に参加をする各国の艦艇、人員、航空機の数あるいはその具体的な訓練内容等につきましては、現在細部にわたって打ち合わせを行っておるところでございまして、いまだ明らかではございませんが、主催国であるアメリカが、例年の例を見ておりますと、演習実施前には演習の概要を公表をいたしております。 ただし、これはお断りをいたしておきますが、アメリカの最新的な戦闘技術にかかわる部分等につきましては、当然これは秘密事項といたしましてアメリカは発表いたしません。また、わが国といたしましても、主催国が発表をしない、発表を許されておらない事項については、資料提供を求められましても残念ながらこれに応じかねる、差し控えさせていただくということをあらかじめ御了解いただきたいと存じます。
○上原委員 あなた、それでは納得できませんよ。そういう何でも秘密事項にして、防衛秘密にしてどんどんエスカレートしていく。(「時間、時間」と呼ぶ者あり)時間、時間という声もありますので、きょうはその程度にとどめますが、それでは了解できませんよ、防衛庁長官。これからいろいろこの問題は続きますよ。 最後にお尋ねしておきたいのですが、最近の中近東情勢、イラン情勢が非常に緊迫していることは御承知のとおりです。どうも沖縄のキャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブに駐留する海兵隊が沖縄から韓国に移動している、情勢悪化に伴って韓国からイランへ派遣されるという見方、情報があります。そういうことを防衛庁なり外務省は御存じですかどうですか。場合によっては直接移動するということもあり得るかもしれませんね。そうなりますと、わが国と中近東との関係、軍事行動という面できわめて重大な問題になりかねない事態だと思うのです。政府としてはアメリカ側と協議をして、そのような事態が起こらない予防措置をとるべきだと私は思う、もしあるとすれば。これについての御見解を求めて、きょうのところは質問を、答弁いかんによっては終えたいと思うのです。
○岡崎政府委員 さような情報には接しておりません。
○上原委員 では、もしあった場合は政府はどういう対処をなさるのですか。
○岡崎政府委員 それは、さような場合の具体的なケースによると存じます。
○上原委員 これで終えますが、ことほどさように、こういうことでは納得しがたいわけです。したがって、沖縄基地がどういうふうに使用されようとするのか。そのとばっちりはいろんな事態で全部県民におっかぶされてくるわけです。そこのところを篤と外務省も御理解の上で今後やっていただきたいことを強く求めて、終えたいと思います。
○木野委員長 次に、辻第一君。
○辻(第)委員 まず、人事院勧告、給与改定に関連して何点か質問をいたします。大変時間も遅くなってお疲れだと思います。すでにお答えになったことを再度お尋ねするかもしれませんが、御了承いただきたいと思います。 わが党はすでに、本年の人事院勧告及び定年制についての書簡に関して、定年制の導入の方向は公務員労働者の生活と雇用に重大な不安をもたらすものであること、勧告は、昨年をも下回るアップ率とともに、高齢職員の昇給停止や調整額の定額化など一連の賃金改悪を打ち出していることなどを批判し、高級官僚優遇にメスを入れることを要求してきたところであります。 ところが政府は、今回の人勧実施に当たり、人勧実施と引きかえに、退職手当の見直しや定昇延伸についての人事院への検討依頼など、制度改悪を打ち出しました。こうした改悪は行うべきではないと考えるわけであります。 そこで、お尋ねをいたしますが、定昇延伸問題について、政府はいかなる考え方でこの問題を打ち出されたのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
○小渕国務大臣 今回の給与勧告の取り扱いに関する政府の方針決定に当たりましては、申すまでもありませんが、完全実施をすることといたしておるわけであります。しかし、現下の厳しい財政事情並びに民間における減量経営等の状況にかんがみまして、定期昇給の延伸等の措置をとるべきであろう等種々議論が閣内において行われましたが、政府といたしましては、定期昇給の延伸といった給与制度にかかわる事項については、給与制度を所掌する人事院の検討にゆだね、その意見によって行うことが適当である、これが結論でございます。
○辻(第)委員 それに関連いたしまして、特に大蔵省は定昇延伸を強く主張しておられましたが、その理由はなぜでしょうか。
○日吉説明員 いま総務長官からお話がございましたように、大蔵省といたしましては、人事院勧告の趣旨を尊重する立場に立ちましたといたしましても、財政がこういう危機に瀕してございますので、その負担をお願いいたします国民の理解が得られるためには、やはり民間企業等におきましても減量経営をとります場合にいろいろとられております給与上の諸制度、そういうふうなものにつきましても、国といたしましても努力をしているというふうな姿勢が示されなくてはならないのではないか、こういうことを考えまして、一つの提案といたしまして、定期昇給制度の延伸についての検討を提案いたしたわけでございます。
○辻(第)委員 財政再建は重要な課題でありますが、不要不急の事業の見直しなどが緊急に求められており、一般国民に負担を強いる措置をとることはやめるべきであると考えるわけであります。財政問題を理由として職員の労働条件、給与を改悪することは、公務員労働者の生活を脅かすものであります。人事院はこれが妥当なこととお考えでしょうか。
○藤井(貞)政府委員 いまの件につきましては、朝来繰り返し申し上げておりますように、人事院の立場というものはきわめて明確でございます。いまお話しの閣議決定の背景、経緯等につきましては、よくよくの事態が背後にあるということは私自身も承知をいたしておるわけでございますけれども、しかし事柄は、昇給問題と申しますのは、給与勧告の一環でございます。給与制度全体の中の一環で、しかもそれば非常に重要な要素を持つ問題でございます。 そういうこともございまして、いまお話しのように、財政が逼迫しているからその見地からいろいろ検討するというのは、これは私は、人事院の立場としては、おいそれとそうですかと言うわけにはまいらない。これは筋の問題がございます。減量経営その他のことはよく言われますけれども、そういう点は、四月における民間の給与調査でもってその分はやはりよくよくこちらも調査をしているわけでありまして、その反映というものがおのずから勧告の基礎になってあらわれておるということで、織り込み済みであるという解釈をわれわれとしてはいたしておるわけでございます。そういう意味で、人事院の立場上あるいは使命からいいまして、おのずから譲るべからざる限界というものはあるわけでありまして、その枠はやはり厳然と堅守してやっていかなければならぬものではないかと考えております。
○辻(第)委員 人事院勧告制度の仕組み上、定昇延伸で抑制された給与が官民較差としてベア率にはね返ることになると考えるが、どうでしょうか。
○藤井(貞)政府委員 これはお話しのとおりの結果になると思います。要するに、四月時点における官民較差というものは、その時点における官民の断面における比較ですから、これでもって定昇というものも中に組み込まれて調査がなされておるということでございます。したがいまして、四月において民間を調べまする場合には、公務員の場合においても、四月に上がるべき人は上がるということを織り込んで比較対照をいたしております。その後における三回にわたる定期昇給がございます。これは来年度の時点において全部それが基礎になって比較の対象になってくるということに相なるわけでございます。したがいまして、定期昇給その他について、仮に何らかの延伸措置等が一斉に講じられたといたしますと、時期はずれます、時期はずれますが、これは来年の四月時点における調査においてその分が明確に較差の点に影響してくる、そういうことは数理上明確であろうと思います。
○辻(第)委員 労働者にしわ寄せを与える定昇延伸、また、このようなベア率にはね返る、役に立たない側面がある、こういう措置を実施することに強く反対をするものであります。 この問題は引き続き追及することを明らかにいたしまして、次に移りたいと思います。 また、退職手当の見直しについても不当な措置であると思います。このことを打ち出した政府の考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○亀谷政府委員 国家公務員等の退職手当法の改正につきましては、ただいま御質問にございましたように、先般の給与改定にかかわる閣議決定の中で、現行の国家公務員等の退職手当につきまして見直しを行い、必要な措置をとるということを前提に次期通常国会を目途に準備、諸般の措置をとるという決定を見たところでございますが、われわれといたしましては、現在の国家公務員等退職手当と、民間企業の退職金との比較を検討いたしておるところでございます。この検討につきましては、昭和四十八年に、人事院の民間退職金調査結果に基づきまして、長期勤続後勧奨等により退職した者の退職手当を、当分の間二〇%引き上げる等の改正を行った経緯がございます。今回も人事院の調査結果に基づきまして官民比較を行った上で、その検討によりまして所要の措置をとることを考えておるところでございます。
○辻(第)委員 官民較差の是正とおっしゃるのなら、その実態を具体的に明らかにしていただきたいと思います。また、できれば資料として提出をいただければ結構だと思います。
○亀谷政府委員 ただいまお答えをいたしましたように、民間の退職金の実態につきまして人事院当局にも調査をお願いし、その御報告の内容を目下検討しておりますし、国家公務員との対比等もやっておるところでございますので、そういった内容の検討が終了いたしました時期において、国として所要の改正の必要がある場合そういう措置をとるわけでございますので、そういう時点において明らかになり次第全体の見通しが御報告できるかと思っております。
○辻(第)委員 一部高級官僚に莫大な退職金をもらった人があり、さらに公社、公団役員に天下り、いわゆるたらい回しで二度、三度退職金をもらい、社会的批判を浴びる例がたまたま見受けられますが、多くの公務員労働者はそういう状態ではありません。政府が企図している高齢職員の昇給停止などの措置、影響はさらに拡大されることになります。こうした措置には反対であり、撤回を強く要求するものであります。 次に、週休二日制について若干お伺いをいたしたいと思います。 人事院勧告では、いわゆる四週五休方式で週休二日制を速やかに実施することとしております。勧告では勤務をしないことができるとしておりますが、これについてはどんな意見か、またどんな性格の休みなのか、お答えいただきたいと思います。
○金井政府委員 一般に週休二日制と申しますと、日曜日、公務員で申しますと勤務を要しない日というふうに制度上なっておりますが、この日曜日に接着した土曜日を、日曜日と同様に休みにするということでございます。これが普通でございますが、今回の勧告におきましては、四週に一回土曜日を休みとするということを基本型にはしておりますけれども、過去二回の試行の結果から見まして、交代制勤務を中心とするような官署におきましては、事務処理体制全般につきましてもう少し検討していただく必要もあるという面も若干ございます。そういうことを考慮いたしまして、週休二日制の内容といたしましても、土曜日に休むことが業務に支障があるというような官署、部門におきましては、これを他の休みやすい日時、時期、あるいは土曜日をまとめて休む、こういうように大幅に弾力的な内容のものにいたしております。 そういう関係がございますので、それらの日は、全部まる一日日曜日と同じようにするわけにはまいりません。したがいまして、そういう土曜日に休む者と、それにかえて休む者と、それらの方々の均衡ということも考えますと、これを勤務を要しない日という言い方をするよりも、「勤務を要しないこととする」こういう表現を使ったわけでございまして、土曜日に休むことにつきましては、土曜日を勤務を要しない日とするのと実態的には同じ考えでございます。ですから、いわゆる試行の際に行いましたような、職員に対して専念義務を免除するという形ではございません。勤務時間を減ずるというようなことを内容としておるわけでございます。
○辻(第)委員 いまのお答えの中でもあったわけですが、勧告は弾力性のある運用を言っていらっしゃるわけでありますが、具体的に本当に全公務員に実施できる保障があるのでしょうか、もう一度お聞きをしたいと思います。
○金井政府委員 過去二回にわたりまして試行を行ったわけでございますけれども、各省庁におきまする業務の合理化につきましていろいろ工夫改善が行われました。その実行率につきましても、いずれの回も九三%以上ということになっておりまして、全体といたしましてはおおむね順調に行われたものと考えております。しかし、一部の省庁におきましては、再試行あるいは前回の一回目の試行を実施しなかった若干の部門、あるいは実行率が低かった部門というものも多少ございます。 これらにつきましては、さらに事務処理体制全般につきまして御努力を願う必要があるかと思っておりますけれども、人事院としましても、こういう点を考慮いたしまして、先ほど述べましたように、画一的な土曜日を休みとするという方法によらず、弾力的な内容のものにいたしたわけでございまして、これら各省庁の努力と、こういう弾力的な内容のものと相まって運用いたしますれば、さしたる支障はなしに大体実施できるものというふうに考えております。
○辻(第)委員 政府は、速やかな実施を求められておりますが、いつから実施をされるのでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
○小渕国務大臣 勧告を受けまして以来、政府としては、速やかな実施のために各省庁間の調整を図っておるところでございます。ただ、人員、予算等の増高なく、しかもサービス低下を図らずにということの前提で処理をいたしておりますために、各省庁間との調整がまだ不十分でございます。 なお、政府といたしましては、過去二回における試行をすでにいたしておりますので、世論の動向等も十分勘案しながら、速やかにその実行のために努力を図っていきたいと思っております。
○辻(第)委員 いま大体いつごろから実施されるのかとお聞きしたわけですが、速やかに実施するということではお答えになっていないように思うのですけれども、もう少し、無理でしょうか。
○小渕国務大臣 大変申しわけありませんが、何月何日までという確定した日にちをここで申し上げることはできませんけれども、全力を挙げて結論を得ることのできますように努力します。
○辻(第)委員 それでは次に、定員削減と行政需要に対応した職員配置という問題について質問をさせていただきたいと思います。 政府は、来年度から第五次削減計画により、五カ年間で三万五千人の削減を行おうとしております。言うまでもなく、行政改革の推進に当たっては防衛庁関係を減らし、国民サービス部門の人員確保が必要であるとわれわれは考えておるわけでありますが、こうした点を無視して、国家公務員を削減しようとする第五次削減計画を承認できるものではありません。 さて、すでに今年まで第四次削減が行われる中で、行政需要に応じ切れない、人員不足によって十分な行政サービスが行えない実態が出てきております。当然公務員労働者にとっても深刻な事態であります。たとえば、地方法務局、国立病院、労働基準監督署などでは、すでに深刻な事態になっているところがあるわけでございます。労働者にとっては、人員不足で大変なオーバーワークであります。あるところでは、職員を配置すべきところに賃金職員と言われる定員外職員を配置せざるを得ない状況にある、こういうことがあるわけでありますが、この点についてどのように認識をしておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○加地政府委員 いま御指摘のように、第五次の定員削減計画が、十月の半ばに関係省庁の御協力を得まして策定できたわけでございます。定員削減につきましてはすでに従来からやってまいりまして、四次の計画をさらに繰り上げた形で実施をするわけでありますが、考え方は、先生御承知のように今日の非常に厳しい財政状況の中で、しかも行政全体の簡素化、効率化を図っていかなければならないということで、現在、政府部内におきまして新しい行政改革の計画の策定に努力している状況でございます。 御質問の点に具体的にお答えいたしますと、確かに、この第四次までの定員削減の期間におきまして、いま御指摘のような部門において定員事情が相当厳しい状況にあるということは私ども重々承知をいたしております。しかし、一方におきまして、増員の問題になりますれば、やはりこういった国民生活に非常に密接な関係のある部門には重点的な増員配置をやってまいっておるわけでございます。 いままでの実績をごく簡単に申し上げますと、国家公務員全体といたしまして約十二万八千人の削減をやったわけでございますが、その間に約十二万人の増員をしてまいっております。その中で、特に増員という形で相当の数の増員をやってまいっておりますのは、いま御指摘のような学校でございますとか病院、登記所、そういったところは実は純増という形でふやしてまいっておるわけでございます。そういった国民生活に非常に密着した部門には重点的にそういう配置をし、そういう要望にこたえていくべきであろう、こういう考え方は従来も変わっておりませんし、今後の増員につきましてもそういう考え方でやってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○辻(第)委員 いまお答えのとおり、この間の定員削減の中で一定の増員はありました。その大部分は自衛官ではないかと私は思うわけであります。次いで国立学校や国立病院であったと思います。しかし、一般行政官庁、特に国民サービス部門における行政需要を賄い切れない状態であるということであります。一定の増員がありました国立病院でも深刻な人員不足であり、その他行政官庁でも労働強化に伴う健康破壊が進み、他方では行政事務を手抜きしなければ業務が処理できない、このような状況を生み出しているわけでございます。このような行政需要に対応するために必要な増員を速やかに行うべきであるというのが私の考えであります。 次に、その具体的な問題についてお聞きをしたいと思います。 まず、地方法務局についてでありますが、奈良の法務局では、全国で一、二を争う人口急増地域に奈良県はなっているわけでありますが、それに伴いまして宅地開発や住宅建設が進んでおりまして、登記業務を主といたしましてその事務量の増大は顕著なものがあるわけであります。たとえば登記事件数で見てみますと、昭和四十二年から五十二年までの十年間、その指数で申しますと、十年前、四十三年を一〇〇といたしますと、甲号が一三六、乙号は三〇六という大きな伸びを示しているのでございます。一方、人員を見てまいりますと、行政(一)のみで見てみるわけでありますが、十年前は百二人でございました。それが百十九人と十七人ふえているわけでありますが、仕事の量は約二倍以上三倍近くふえているにもかかわりませず、人員は一七%しかふえていない。このような状況の中で、奈良法務局長が関係大臣に増員要請をされたというふうにも聞いているわけでございます。このような状況の中で、労働者はもうそれこそ大変な状態になっておるわけでございます。 私、先日も奈良法務局の登記事務のところを見てまいりましたけれども、それはそれは大変な状況でございました。そして利用しておる地域住民にとってもこれまた大変で、窓口ではトラブルが絶えないという状況であります。むろん、それは仕事が遅い、またできておると思って行ってもまだできていない、また丁寧な応対がされない。こんな忙しい状態ですから、丁寧に応対できるはずがないと私も思うわけでありますが、そういう状態であります。また、登記事務が遅延をいたしますと大変な支障を来すことがあります。これは売買だとかあるいはお金を借りるというようなことにも当然関係してくるわけであります。本来、登記というのは申し込んだ日にできるのが本筋ではないかというふうに私は思うわけでございますが、このように大変おくれているという状況であります。そして労働者への労働強化が、単に肉体的なものだけでなしに、精神的な過労もまたはなはだしいと言わなくてはならないと思います。こういう状態の中で、またミスも起こりやすいという状況であります。 昨年の十二月三日の朝日新聞にこういうことが書いてあるわけでありますが、大阪法務局では、大変マンションなんかができて多忙だ、きわめて多忙だということで、行政書士ですか、そういう人の部外応援を得ているということであります。そしてミスも非常に多い、こういうことになっているわけであります。そしてわずかばかりの増員がされても登記部門に吸収されるために、他部門への増員は皆無の状態だ。そのために、どうやら公害など国民生活に重大な関係のある人権擁護業務や、あるいはまた市町村の戸籍事務に大変な支障を来している、こういう状況であります。これは、特に人口急増の奈良だけではなしに、大都市周辺は皆こういう状態にあるというふうに聞いておりますが、このような状況をどのようにお考えになっているのか、お聞きをいたしたいと思います。 そして登記事務で一人の職員が担当できる事務量は一般にどの程度なのか、それと比較して奈良の実態はどうなのか、お答えをいただきたいと思います。
○藤井説明員 法務局の所掌いたしております事務のうち、特に登記事件につきまして事務量の増が顕著であるということは御指摘のとおりでございます。ただいまお示しになられました奈良局におきます事件の増加の指数、それから人員の増加の状態というのは、これはそのとおりでございまして、五十三年の数字でございます。これは、全国の平均の数字と比べてみますと、全国平均で申しますと、登記の甲号事件は四十四年を一〇〇といたしまして二九、乙号事件は一九六、こういう状態でございまして、それに対しまして、人の増加は一〇〇に対しまして一一三、こういう数字になっております。このことからもわかりますように、奈良局では全国平均をはるかに上回る著しい事務量の増があるということが言えようかと思います。 そこで五十四年度には、私どもの方でいただきました増員のうち四名を奈良局に増員するという措置を施しまして、少しでも職員の負担の緩和、事務処理の促進に努めてまいったところでございます。さような状況にございますが、法務局におきましては、全国的に事務量と人員と非常にアンバランスな職員の負担過重の状態になっておりまして、これを何としても解決しなければ、サービス官庁としての務めが果たせないというふうに考えておりますので、昨今の大変厳しい定員事情のもとではございますが、引き続いて増員につきまして極力お願いをしてまいっておるところでございます。さらに、増員だけでは十分なものが得られない昨今の事情でもございますので、いろいろ事務の能率化を図るための経費あるいは合理化を図るための経費などを要求いたしまして、この面の解決に努めたい、このように考えておるところでございます。 なお、職員一人がどの程度の事件を処理するのが適正な処理量であるかということにつきましては、いろいろ考え方があろうかと思いますが、私どもは、大まかに申しまして、甲号事件につきましては大体一人二千五百件程度、乙号事件につきましては五万件程度というふうな考え方をいたしております。
○辻(第)委員 それで、私どもは奈良法務局の増員必要数を調べてみますと、まず二百六十四名必要だと思うわけでございますが、現在は百二十六名でございます。亘一千八名不足。登記部門で言えば、必要な人員は百八十七人に対して現在八十人、百七人不足、こういうふうに考えているわけであります。本当に大幅な増員を早急に行うべきであるというふうに考えるわけでございます。 次に、国立病院、療養所についてお尋ねをいたしたいと思います。 すでに第四次にわたる定員削減によりまして、病院機能が麻痺の危機に瀕しております。これは本年度、全国国立病院長協議会とかあるいは療養所所長連盟とか、国立病院副院長会とか、看護婦さんだとか、レントゲン技師とか、臨床検査技師とか、栄養士さんというような十の団体が「国立病院、療養所における第五次定員削減に関する要望書」というようなものを出しておられるわけでございますが、これをちょっと読ましていただきますと、 国家公務員の第五次定員削減の実施計画が報道されていますが、これまで四次にわたる定員削減により、病院機能が麻ひの、危機に瀕しています。 国立病院、療養所に対する国民の期待は大きく、これに応えるべく、より充実強化を必要としながらその現状は、他の公的医療機関と比較して、職員数は極めて少なく、これまでの定員削減のあおりをうけて、特に、看護助手・調理師・医事関係職員等は不足しており、このため看護職員に著しい負担をあたえ、本来の看護業務に重大な支障をきたしています。 このうえ、第五次削減をうけますれば、私たち国立病院・療養所は、もはやその機能を維持することは不可能となります。 こういうふうに、国立病院にお勤めになっている医師、看護婦その他の方が連名でこういうことを言っていらっしゃるわけであります。 私ども、奈良の国立病院また国立西奈良病院などを訪ねまして実態を調べてまいったわけでございますけれども、深刻な状態であります。第四次にわたる定員削減で看護婦さんは看護行為を十分に行えない。いわゆる処置とか雑用に追われている、こういう状態。受付でもスムーズに行えずに患者とのトラブルが絶えないというような状況になっております。また、救急センターを新設されたわけでありますが、人員不足のため、夜間や休日の診療に活用できない、救急患者を受け入れられないというような状態にもなっております。また、重症者や手のかかる患者には付き添いをつけなければ、患者の要求を満たし安全を守れない。また、職員は休憩や休息も守られず、忙しいときには昼御飯を立ったまま食べる、こういうこともあるということであります。超過勤務が強いられて健康が破壊され、病休者が続出をしている、こういう状態でもあります。奈良の国立の三つの施設では、療養所のほとんどが一人夜勤という状態、奈良病院でも完全二人夜勤は半数しかない。もし患者さんが急変をして重い状態に変わった場合、あるいは重症患者に十分にこたえることができない、責任を持った看護をしたくともできない、このような状態になっているわけであります。 こういう状態を厚生省はよく御存じなのでしょうか。また、このような状態についてどうお考えになっているのか。そして人員を増加する点について積極的な御対策があるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○田中説明員 国立病院あるいは国立療養所の定員事情でございますけれども、先生御承知のとおり、出発したのが旧陸海軍の病院等から引き継いだものでございます。もともと人員配置が非常に少なかったという出発点の問題と、それから総定員法の影響で、ただいま御指摘のように四次にわたって削減を受けてきた、こういう経緯から、ほかの公的医療機関と比較いたしまして、先生おっしゃいましたようにかなり人員配置が劣っているというのは確かでございます。そういうことで、先生がいまお話しになられましたような非常に運営が苦しい事情にあるということも確かでございます。 疾病構造がいろいろと変化をしておりまして、あるいはまた医療内容が非常に高度化している、こういう事情もいろいろございまして、そうしたことに対応するために、これまでも看護婦さんの夜間の看護の体制の問題を初め、そうした観点からいろいろと関係当局にも増員の要求をいたしまして、私どもとしては増員を図ってきたところでございますけれども、おっしゃるようにまだ十分ではございません。今後とも関係行政機関といろいろ御相談しまして、医療需要に対応した職員の確保に努めていきたいと存じておりますけれども、来年度もそうした観点から、夜間看護体制の充実、看護体制の強化あるいは難病対策の充実あるいは脳卒中リハビリテーション対策の充実等を中心にいたしまして、私どもは千八百人余りの増員を要求しておりまして、関係当局といろいろ御相談の上、その増員が図られるように努力を続けていきたい、かように考えております。
○辻(第)委員 いま私は地方法務局並びに国立病院についてお尋ねをしたわけでございますが、また昭和二十三年から五十二年の間に、奈良労働基準局では百七人だったのが八十八名に減っておるわけであります。ところが、事業所は七千四百六十五から二万七千五百十一、約四倍になっております。そこへ勤めておられる方は八万五千二百三十六人だったのですが、二十三万四千六百七人、このように事業所では約四倍、そこにお勤めの方では約三倍になっておるのに、人員は百七名から八十八名に減っておる、このような現状であります。これでは労働基準局としてまともなことがやり切れないというような現状であります。お勤めの労働者にとっては大変な労働強化あるいは自分の使命がやり切れないということで、大変な精神的な負担になっておる、こういう状況でもあります。 こういうふうに、私はいまの三つの役所についてお話しをさせていただき、またお尋ねをしたわけでございますが、ほかにもこういうところがたくさんあるわけでございます。私どもは、削減できるところはきちっと削減をしていただく、しかし、必要なところには十分な人員の配置をしていただかなければならない、こういうふうに思うわけであります。実態をきちっと見きわめて削減計画をやっていくことが本当に必要ではないかと思うわけであります。先ほど申しました奈良法務局あるいは奈良の国立病院や療養所に代表されるような全国的な国立病院、療養所、それからいま奈良の法務局だけのような表現をしましたけれども、全国的にこういう法務局の状態になっているわけであります。行政管理庁とされては画一的な人員削減ではなしに、このようなところには十分な人員配置をされる意思があるのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
○加地政府委員 定員の削減と、それから削減をいたしました人員を原資にいたしまして現実に増員を図っていくというのが現在の定員管理の仕組みでございますが、まず削減の問題について申し上げますと、いま先生は一律的な削減ということをおっしゃいましたが、実は現在の削減計画を仕組む場合には、いまお話のございましたような病院でございますとかあるいは登記所でございますとか、そういうところに従事されておる職種につきましては削減の率を非常に薄めておるわけでございます。つまり、国家公務員全体につきまして職種分類をやりまして、たとえばわれわれのようなデスクワークについては一番きつい削減率を課する一方、お話しのような現場の職員については非常に削減率を低くしております。現に、たとえば国立病院におきます医師とか看護婦は削減対象としておらないわけでございます。そういう意味におきまして、高いところと一番低いところの比率で見ますと、三倍ぐらいの一つのばらつきを考えまして、全体として省庁の削減をお願いしておる、こういう状況でございます。 一方、増員におきましては、そういう削減率の薄い部門にまさしく重点的な配分をやってきておる、これが現在の定員管理の仕組みでございまして、おっしゃるように削減できるところから削減をし、増員をする必要があるところは重点的に配置していく、こういう考え方でやっておるわけでございます。
○辻(第)委員 いま私は一律的な削減と申しましたのはちょっと誤ったと思います。おたくのおっしゃったとおりだと思うわけでございますが、わずかの増員では、いま私が申し上げました法務局あるいは国立病院では十分なことはとてもできないということだと思うわけであります。わずかな増員しかできないわけでしょうか。もっと十分な仕事ができる増員をしていただきたいと私は思うわけです。
○加地政府委員 先ほど来、病院とかあるいは特殊の場合の実情のお話がございましたけれども、まさにそういう重点的な配置を実はやっておるわけでありまして、数で申し上げますならば、削減の部分が非常に薄くて一方増員をしてまいるわけでございますから、十年間余りの中で、たとえば国立病院で申し上げれば、増員と削減を差し引きいたしまして約七千人がネット増になっておるわけでございます。ただ御承知のように、非常に厳しい状況の中で、国家公務員の数が幾ら多くてもいい、こういうわけにはまいりませんので、全体の中でそういう効率的な配分を図っていく以外にないというふうに私どもは考えているわけでございます。
○辻(第)委員 いまのお答えでは納得できないわけでございますが、何回申し上げても御返答はいまのところ同じだと思いますので、これをもちまして私の質問を終わりたいと思います。どうも御苦労さまでした。
○木野委員長 内閣提出の一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○木野委員長 これより一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 私は、日本社会党を代表して、給与法案に対する党の態度を表明して、討論に参加するものであります。 まず初めに、社会党としては一般職職員給与法の一部を改正する法律案に賛成、特別職職員給与法の一部を改正する法律案に賛成、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に反対の立場から、特に、人事院勧告から給与法の決定について、この際、幾つかの要望と問題点を指摘しておきたいと思います。 まず第一に、人事院勧告に対する政府の態度決定についてであります。 ことしの人事院勧告は八月十日になされたにもかかわらず、三カ月余にわたって政府の態度決定を放置し、局間、三公社五現業の職員と比較し片手落ちになっていることを指摘せざるを得ません。このこと自体、政府が公務員の使用者としての責任を十分に果たしていると言えず、早期に閣議決定をして公務員労働者の要求にこたえるべきだと考えます。 第二に、今回の閣議決定では、人事院勧告の完全実施、指定職は十月実施と引きかえに、定期昇給の延伸措置の検討、退職金の見直しを閣議決定し、人事院にその検討を強制していることは人事院勧告制度から見て本末転倒であり、第三者機関に対する政府の介入と批判されても弁解の余地がありません。 大平総理は、人勧完全実施は慣熟したものであるとの発言を閣議でなされたとも聞いておりますが、私どもは、財政再建を理由に人事院勧告制度とその内容に政府が介入することを容認することはできません。この際、本来賃金は労使交渉によって決定すべきであるという原則を冷厳に想起すべきであります。 第三に、政府は、公務員賃金を早期に解決するための方策を検討すべきであります。 今日の公務員賃金制度が給与法定主義をとっているためとはいえ、春闘時点から見ると、年末になって新賃金が支払われる現状は決して好ましいことではございません。公務員賃金の早期支払いの方途を真剣に考えることが重要であります。 第四に、勧告内容に伴う高齢者の定昇延伸とストップの措置についてであります。 官民比較の結果であるとはいえ、今日の民間の実態は、雇用の保障との関係で高齢者の賃金が意図的に抑制されていること、景気、不景気によって民間の賃金に変動があることなどなど、給与法定主義の公務員賃金を完全に連動させることには矛盾を感じざるを得ません。今日の高齢者層の労働者が戦前、戦後を通じてどのような労働条件や低賃金時代を経て今日に至っているかを考えるとき、手厚い配慮があってしかるべきだと考えます。 高齢者の定昇延伸措置は、具体的には人事院規則の規定をまつこととなりますが、その経過措置、運用に当たっては、適正な措置と特段の配慮がなされることを希望するものであります。 第五は、調整額の適正化についてであります。 人事院も指摘しているように、給与法十条による調整額の制度化された昭和三十二年当時と今日の状況には変化があります。そのため、従来の人事院の構想を具体化されたものでありますが、結果的には高齢者の給与ダウンを招くものであり、その実施時期、経過措置についても職員間の不均衡を生じることなく配慮されるよう望むものであります。 私は、一般職職員給与法に関連し、政府原案に賛成しながらも、幾つかの問題点を指摘してきましたが、要は、今日公務員労働者が行政目的の達成に向けてみずからの力を十分に発揮するためには、夢と希望のある賃金体系と水準を保障されるべきであって、いたずらに適正化の名による合理化策をとるべきでないと考えます。 最後に、政府、人事院に対し強く要望をしたいことは、春闘で民間や公労協の労働者の賃金が決定されている現状に照らして、人事院勧告の時期を早め、毎年の通常国会最後のころに給与法改正が提案できるようなパターンの変革を行い、新賃金の早期支給が実現できる方策を真剣に追求されることを望むものであります。 以上で終わります。
○木野委員長 次に、中路雅弘君。
○中路委員 私は、日本共産党・革新共同を代表しまして、ただいま議題となりました一般職職員給与法改正案に賛成、特別職職員給与法改正案及び防衛庁職員給与法改正案に反対の討論を行います。 一般職職員給与法改正案は史上最低の賃上げ率、一般職員を上回る指定職の改善率などの問題はありますが、公務員労働者の要求にこたえ一定の改善を行っており、給与改定を早急に実施することが強く求められています。 本改正案で強く指摘しておかなければならないのは高齢者職員の昇給停止措置についてであります。 この措置は、高齢者職員の生活を脅かし、一方的に犠牲を強いるものであることは言うまでもありません。いま必要なのは、こうした賃金体系の改悪ではなくて、中高年齢職員の昇給等の処置について、生活の実情はもとより、長年の勤務による経験と能力が十分発揮されるようその改善に努めることであります。 日本共産党・革新共同は、本改正案の高齢職員昇給停止部分には反対であることを明確にし、給与改定に必要な本改正案に賛成するものであります。 あわせて、本改正案と引きかえに打ち出された定昇延伸、退職手当の見直しや定年制の導入に反対し、上厚下薄の賃金体系、高級官僚優遇に抜本的にメスを入れることを強く要望いたします。 特別職給与法が一般職給与法と相まって特権的高級官僚を不当に優遇しており、今回の改正によりさらに高額給与を引き上げるものであり、国務大臣等の給与引き上げの据え置き、一般職の指定職相当の特別職職員について実施時期を六カ月繰り下げたとしても、上厚下薄の給与体系を温存しようとする点は変わらない。現下の経済、雇用状態や国民の生活水準及び国民感情などから見て、賛成できるものではありません。したがって、本案に対して反対の態度を表明するものであります。 最後に、防衛庁職員給与法改正案についてであります。 給与改定全体について見れば、対米従属、憲法違反という自衛隊の基本的性格から言って単純に賛成し得るものではありませんが、しかし、一般職に準じた給与の引き上げとなっており、インフレ高進の中で自衛隊員とその家族の生活もまた脅かされている事態を考慮するならば、特に反対すべきものではありません。 ところが本案には、給与改定とは全く性格の異なる、危険な自衛隊増強路線の一環として予備自衛官増員体制づくりに道を開くねらいと結びついた予備自衛官手当の増額が不当に盛り込まれているのであります。したがって、今回わが党は、予備自衛官問題が抱き合わせられている本案に対しては反対の態度を表明するものであります。 以上で討論を終わります。
○木野委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○木野委員長 これより採決に入ります。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、総理府総務長官及び防衛庁長官から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。小渕総理府総務長官。
○小渕国務大臣 一般職及び特別職の給与改正法案につきましては、ただいま御議決を賜りましたことを深く感謝申し上げます。(拍手)
○木野委員長 次に、久保田防衛庁長官。
○久保田国務大臣 ただいま防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして御可決をいただき、まことにありがとうございました。(拍手)
○木野委員長 なお、ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○木野委員長 次回は、来る十一日火曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時二十一分散会