商工委員会 第1号
- 発言数
- 361 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/12/05
会議録
○塩川委員長 これより会議を開きます。 まず、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 通商産業の基本施策に関する事項 中小企業に関する事項 資源エネルギーに関する事項 特許及び工業技術に関する事項 経済の計画及び総合調整に関する事項 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項 鉱業と一般公益との調整等に関する事項 の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成及びその手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○塩川委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。 先国会どおり、小委員二十名よりなる エネルギー・鉱物資源問題小委員会 及び 流通問題小委員会 を、それぞれ設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 両小委員及び小委員長は、委員長において追って指名し、公報をもってお知らせいたします。 次に、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任並びに両小委員会におきまして参考人の出頭を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出頭を求めることとし、日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○塩川委員長 次に、通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。
○松浦委員 通産大臣がおくれておられるそうですから、長官にお尋ねをいたします。また、長官も外務大臣兼務だそうで、お仕事が非常に多いそうですから、できるだけ簡潔に質問をしますので、的確に御答弁いただきたいと思います。なお、明日物価特別委員会が開かれますから、きょうここで御答弁できない場合は、ぜひひとつ政府部内で調整をして御返事をいただきたいと思います。 そのまず第一点は、昭和五十四年度の経済見通しでございますが、これは五十四年の一月二十五日に策定をされておるわけです。こういった経済見通しを策定する場合、円対ドルに関しての円レートは、通常その時点で換算をするということがいままでとられておる内容だったと記憶するのです。間違いなければ、当時、この経済運営の基本的態度を決めた場合の円レートは二百六、七円程度だったと記憶をするのでありますが、間違いありませんですか。
○正示国務大臣 まず最初に、委員長を初め当委員会の委員の皆様方に大変お世話になります正示啓次郎でございます。よろしくお願いします。 いま松浦委員から御質問がございましたが、当時はまだ円が大変強くございまして、たしか百九十円ということで算定をしておると承知しております。
○松浦委員 そうしますと、これのフレームそのものがすでに大きく狂っておるわけですから、この経済見通しそのものを早急に改定をしなければ、その円レートに合わせた国際収支その他の計算をもう一遍し直してみないと、来年度の予算編成に私は障害があるような気がいたします。ですから、来年度の経済見通しを立てる場合にも、今年度のこの大きく食い違った内容については当然精査して、もう一遍正確なデータを把握した上で来年度の経済見通しを立てられるべきだ、こう思うのですが、この見通しの修正というのはなさるお気持ちはあるのでございますか。
○正示国務大臣 いま松浦委員のおっしゃることは大変大事な点でございます。ことしの経済見通し、これは五十五年度の予算と非常に密接にかかわり合うことは御指摘のとおりでございます。ただ申し上げたいことは、私どもの当初の見通しに対しまして大きくいま移動しておるというか、変化のあったのは、円とドルとのいわゆる為替相場、それから卸売物価、この見通しでございまして、卸売物価が大きく動いたのは、海外からの石油あるいは原材料価格、そして円安、こういうふうな関係が大きく動いたわけであります。しかし経済成長の見通し、これは御案内のように六・三%という成長率を見込んでおります。また一番大事な、いわば私どもの生活に直接かかわり合いのあるのは消費者物価でございます。これは当初の見通しは四・九%、こういうことになっておるわけでございます。この二つにつきましては、ただいままで非常に大きな変化の要因がございましたけれども、一応私どもとしては本年度の見通し、すなわち経済は六%程度の成長を遂げる、消費者物価は四・九%程度でおさまる、これに対しましてはあらゆる努力をいたしました結果、いま通産大臣お見えでございますけれども、特に原油の確保、また原油の価格をできる限りモデレートなところに抑えるというあらゆる努力の成果が実りまして、ただいまのところはいま申し上げた二つの見通しは大体達成しそうだ。そのほかに、一番大事な雇用の確保につきましても、雇用情勢はまだ十分改善したとは申し上げられませんけれども、これも緩やかな改善の状況をたどっておるわけでございますので、私どもとしては、この五十四年度の経済の見通しは大筋において達成することができる。 そこで、大事なのは来年度予算の基盤をなす五十五年度の経済見通しの問題でございますが、これはやがて私どもが取り組まなければならぬ五十五年度の予算編成の過程において、本年度の実績についてもひとつしっかりした御報告を申し上げるものをつかみますと同時に、来年度についてもできるだけ的確な見通しをつくりましてまた御報告ができればと考えておるような次第でございまして、目下のところ五十四年度の見通しを改変するというふうなことは考えておらないわけでございます。
○松浦委員 時間がありませんから、これはまたあした議論しますけれども、逆に言うと、いま言われたように確かに卸売物価を除いては、経済成長あるいは物価指数等もこの枠の中に入ることは間違いありませんね。しかし、率直に言って、急激に上がっておる卸売物価の内容を精査しますと、生産財が非常に上がっておって、消費財がゆっくりしておるというところに歯どめがかかっておる理由があるのです。しかし、生産財がずっと上がっておるということば必ず消費財にじわじわと影響を及ぼしてくるわけですね。かてて加えて、五十五年度予算編成の過程で大蔵大臣は公共料金を一斉に引き上げると言っておるわけです。きのうの参議院の予算委員会等で言っておられるわけです。ですから、そういったことを考えると、やはりある意味では五十四年度の見通しを踏まえた上で来年度の経済見通しを立てられるべきだと思いますので、いま言われたように、これを全然修正せずにこのままいかれるのだというのはどうも理解できない。ですから、この点についてはもう一遍お聞かせいただきたいと思うのです。 それからもう一つ。きょうNHKでしたか、あるいは読売新聞にも記載をされておりましたけれども、来年度の経済成長は五%、物価も大体六%というような来年度の経済見通し、どこから出たのかわかりませんが、きょう経済企画庁に闘い合わせしてみましたら、そういう発表は出しておらぬということでしたけれども、来年度の経済見通し、特に成長率あるいは消費者物価について、いま大体どのくらいになるというお気持ちを持っておられるのですか。その二つをお聞かせいただきたいと思います。
○正示国務大臣 まず最初の問題でございますが、昨日の予算委員会の質疑応答を私もずっと聞いておりましたが、大蔵大臣も決して公共料金を野放しというか大いに上げるというふうなことではなくて、公共料金についてはいわゆる経営の合理化を厳しく徹底していただいて、そして原油等の値上がりがコストに響いておりますが、これをどの程度吸収できるか、通産省では電気、ガス、運輸省では航空料金というふうにいろいろございます。学校の問題、また農林水産省では米麦の問題等いろいろ報道されておるわけでございますが、私の方へはまだ通産省からもどこからも御協議はいただいておりませんが、大蔵省も私の方も、御協議があれば厳重な内容の審査をいたしまして、ルーズに公共料金を上げるというふうなことは毛頭考えていない、このことをまず最初にはっきり申し上げておくわけでございます。 そういうふうにいたしまして第二の問題に移るわけでございますが、来年度は厳しい内外の情勢に対処しながら、物価、成長率、こういうことが非常に重要な問題でございますから、予算編成の過程におきまして財政はどの程度に抑えられるか、また税収はどうか、金融の方はどうか、国際収支はどうだというふうに、いろいろな要素を練り合わすという考え方を私は持っておりますが、練り合わせまして来年度の経済見通し、物価の見通しもつくっていかなければならぬ。その節はぜひとも皆様方にもよく御理解をいただけますようにまた申し上げたい、こういう考え方をしておるわけでございまして、そういうファクターが未決定の今日の段階で、松浦委員が御指摘のように確かに卸売物価、国際収支の面に大きな変化があったからといって、いま直ちにそれを修正することは言うべくして実行はなかなかむずかしい、こういうことを実は申し上げたわけでございますので、何とぞその辺については御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○松浦委員 来年度の見通し等について、NHKなり何なり各報道機関が報道されたのは正確な数字でございますか、来年度の経済成長は五%、物価は六%という数字ですね。
○正示国務大臣 これは各報道機関が、実は私どもが最近までの国民所得の状況を発表いたしましたのを基礎にしていろいろの推定をされた結果でございまして、私どもは成長率にいたしましても物価にいたしましても、来年度の見通しは、今日は先ほど松浦委員が経済企画庁に問い合わせたところ、経済企画庁はそう言っておると言われたとおりで、決していまのところはっきりしたものを持っておるわけではございません。これから予算の編成過程でいま申し上げたように決まってくるわけでございます。ただ報道機関としては、従来のいろいろなデータから推定をされましてああいういろいろの観測が報道されておると承知をいたしております。
○松浦委員 それでは、経済企画庁からは出ておらぬということを前提にしますが、大体正確な、ほぼ妥当な数字が出ておると理解するのですが、来年度の経済成長大体五%、消費者物価大体六%というのは、感触としてはほぼそのあたりじゃないですか。大臣、どうですか。
○正示国務大臣 松浦委員の判定といいますか、勘で大体妥当なところではないかと仰せられますが、私の立場といたしましてはそういう考え方で、いまあの報道を否定もまた肯定もできない立場であることを御了解願いたいと存じます。
○松浦委員 次に、また予算編成に関係のあります新経済社会七カ年計画について担当の大臣にお尋ねしておきたいと思うのですが、実はこの中にもう修正していただかなければならぬ部分があるのです。それは「負担の適正化」というところで、明確に一般消費税は昭和五十五年度中に実現できるようにするということがうたってあるわけですね。ですから、昭和五十五年から一般消費税を導入するという前提で、その枠組みでこの七カ年計画ができておるのです。しかし、すでに総理大臣が五十五年度は導入しないと言っておられるわけですから、ここの文言は当然修正されるべきだと思うのですが、これは修正なさる意思があるかないかということをまず第一点お尋ねいたします。 それから第二点といたしましては、ここに一般消費税そのものはこういうふうにして地方財源としても区分するのだという区分帯まで出ているのです。ということになれば、一般消費税というものは将来にわたっていつの日か導入するという前提があるから、たとえば五十五年度導入を消したといたしましても、後の方には一般消費税はこういう形のものだということが明確にうたってあるわけです。ということになれば、一般消費税の導入というものについて、五十五年度はあきらめたが、五十六年度からはどうしても導入せざるを得ないのだということにもなるわけですね、これが残れば。ですから、この新経済社会七カ年計画というのは、一般消費税をいつ導入するか、仮に五十五年度から導入するとしても相当違いが出てくるわけですね。これが仮にまた五十六年度で導入するということになれば、五十六年度導入にかかわるように修正しなければいけない、あるいは五十七年度といえば修正せざるを得ない、全然入れないということになれば全く初めから修正せざるを得ないということになると思うのです。この問題が二番目。 それから三番目の問題は、これはたくさんのプロジェクトが書いてあるのです。ですから、各省庁がこの経済七カ年計画を基礎にして大蔵省なり何なりに予算要求いたしますと、それこそ膨大な資金が必要だということになるのです。初年度の五十五年度においてももう公共事業については相当なブレーキがかかってくるわけです。ですから、これに従ってやらすとすれば、後で通産大臣にも質問いたしますけれども、財源そのものに対して大きな狂いが生じてくるのですね。ですから、大平総理が五十五年度導入を見送ったという前提があるとするなら、この新経済社会七カ年計画というのは基本的に改めていかなければならぬ。その点について、長官の明確な御答弁をいただきたいと思います。
○正示国務大臣 三点にわたって御質問でございます。 まず第一点の、昭和五十五年度に一般消費税を導入できるよう、諸般の準備を進めるという文言は確かに書かれておるわけでございますが、基本的に申しましてこの経済社会七カ年計画は、七カ年間のいろいろの問題を受けまして、またその計画の最後の年における一つのフレームワークとでも申しましょうか、そういうものを示しまして、それへの過程においていろいろと考えられることを、財政、金融また経済の各般、内外にわたるいろいろな問題を取り上げておる、こういうことはもう申し上げるまでもなく御理解を願えるかと思うのであります。 そこで、そういうふうに五十五年度において導入できるよう諸般の準備を進めるという点に、確かに大きな変化が出てきたことは仰せのとおりでございます。したがって、そこの文句はどういうことになったかというと、事実上はこれは消されておるような、現実にはそういうことはないわけでございますから、これはそういう結果になっておるという点は、委員御指摘のように、私もそう考えます。 問題は、この一般消費税に多くを期待してつくり上げられた七カ年計画というものがこれからどういうふうになっていくかということでございますが、これは総理が本会議あるいは予算委員会でもたびたび申しましたように、昭和五十五年度を初年度とする財政再建の大きな仕事がございますが、それの過程におきまして、五十五年度は一般消費税によらない財政再建に取り組むのだ、これはもう徹底した歳出の削減をやりまして、また行政機構の改革をやりまして一兆円の国債減額をやるのだ、こういう意思をはっきりお示ししておるわけでございます。これは大きな意味を持っておることはもう委員も御承知のとおりでございます。 それじゃ五十六年度以降どうなるかという点については、総理も申しておりますように、より広い見地で歳入歳出全般を見直すのであって、この際一税目である一般消費税をどうするのだというところまではいま議論する立場にはないのだというのが率直なところでございます。 そこで最終的に、松浦委員御指摘のように、この七カ年計画というのはそれじゃつくり変えるのかということになりますと、これは単にいまの税収の問題あるいは財政再建の方途といいますか、一つの手段としての一般消費税の問題だけではございません。歳出を思い切って整理するということは当初の計画にもありましたけれども、それをさらに徹底してやるという姿勢がいま政府全体にあるわけでございます。そのやり方、それからまたエネルギーの問題、石油その他の大きな変化がございました。そういうものが一体どうなっていくか。確かにいまのところは五十五年度の見通しさえもなかなか定かに定めかねるという状態でございます。そこで私どもとしては、この計画をつくり変えるというよりは、いわゆるフォローアップと言っておりますが、計画が動き出したその初年度の五十五年度は一体どういうことになっていくか、これを見直しをする必要は確かにあるわけでございますが、さりとていろいろと不透明な、また確定しがたい要素がたくさんございますので、そういう確定しがたい要素をにらみながらこういうふうに計画をつくり変えるのだというところまでは、実はまだなかなか見通しが立たないわけでございます。これは、いま申し上げたように、どこまでも各年度年度の実情を検討することによって見直すことはいたしますが、新しい七カ年計画のあるべき姿をつくり上げるためには、いま申し上げたようないろいろな要素がもっと的確に見通しがつくということが前提条件ではなかろうかと実は考えておるわけでございます。それらの点につきましてもいろいろと国会の御意見等も伺いながら、また経済調査会においてもフォローアップをやっていただくわけでございますから、そういう各方面の御意見を参酌してこれから検討してまいらなければならぬ。いまのところ、これをすぐ改定するというふうなことは考えておらないわけでございます。
○松浦委員 いま抽象的に言われることはよく理解できるのです。しかし、これは少なくとも閣議決定した、将来展望した非常に重要な経済計画です。この「負担の適正化」の中に、一般消費税が五十五年度中に実現できるようにと書いてあるのです。ところがこれは実現できないわけですね。ですから、これは削除ですね。そうすると、その中に一般消費税にかかわる文章が書いてあるのですね。これは残すのですか。経済企画庁としては、いま言われたように、これもつくってはあるのだけれども全く実態にそぐわないから、当面は修正しないけれども実質的にはもう凍結と同じ状態だ、第二次大平内閣で財政再建を含めて新たな立場、観点で年度年度で対応していくのだというふうにお考えになるのか。それとも、時と場合によっては凍結したものがひょっと出てきて、ここに一般消費税のあれがある、これがまた利用されて一般消費税の導入、しかもこれは地方に分配する分まで明確に書いてあるのですからね。一般消費税というのはこういうふうにして分配しますということが書いてあるのです。ですから、いま言われたことは、具体的に言ったらこの部分を修正する、修正するというかもうなくしてしまう、あるいは全体を凍結してしまう、そういうふうに理解をしてよろしいですか。
○正示国務大臣 積極的にこれをどう改める、書き直すというふうなことは、いま申し上げたようにいろいろの要素が見通しもつかない、確定もできないという点もございますので、これは私どもとしてはいまのところ考えていない。しかし、事実をもってこの文章と比較いたしました場合に、この文章のとおりいっていないじゃないか、松浦委員御指摘の点はそのとおりでございますから、これはいわゆるフォローアップといいますか、見直しの過程においてこういうふうに最初は書かれておるけれども、その点については、一般消費税の導入ということは五十五年度に関する限りは行われなかったという事実は残るわけでございますから、私どもとしてはそういう事実に即して計画をこれからどう進めるかについて考えていかなければならぬ、こういう考え方でございます。 重ねて申し上げますと、ここで新しいものをつくり上げるという段階にまではまだ至っておりませんが、そういうふうに事実上変わってきた点については率直にこれを認めてまいらなければならぬ、こう考えております。
○松浦委員 非常に微妙な言い回しですけれども、それじゃ五十五年度に導入することはなくなった、実質的にないわけですね。しかし、一般消費税という文言は残るわけですよ。ということは、逆に言うと、五十六年度からは導入する場合もあるというふうに考えられますね。
○正示国務大臣 五十六年度につきましては、大平総理がたびたび申し上げましたように、これは歳入歳出、内外の情勢、そういうものについて広く検討した上でやがて結論を出さなきゃならぬときがありますけれども、ただいまのところ、そこに書かれたような一般消費税という特定の税目についてどうこうするという議論をする段階ではないという考え方で対処しておるわけでございます。決して松浦委員がおっしゃるように、五十六年度にはそれを導入するんだというふうなことを決めたわけでもございません。その点についてもこれからの大きな検討の中でさらに考えていくんだ、こういうふうに御理解を願いたいと思います。
○松浦委員 言われることはわかるのですけれども、ただ私が非常に心配するのは、そういうふうに一部分だけ一般消費税の導入というものを残すとすれば、いま言われたように五十六年度か五十七年度かわかりませんけれども、この中に残すということは、逆に言うと一般消費税をいつの日か導入するという根拠をつくっておくことになるのです。そのことと、いま一生懸命財政再建だということで歳出を抑えておりますね。逆に言うと、この中に十二プロジェクトあります、大きなものが。今度はこれを根拠にしてどんどん予算要求を各省庁がしたら、これは歳出を抑えるどころか、この部分で要求をどんどん出されたときには、これはもう財政当局はたまったものじゃないですね。これは財政再建どころじゃないですよ。歳出を抑えるどころじゃなくなるのです。ですから、国民の側に向かって一般消費税の導入を残すということになれば、逆に言うと各省庁にもそういう要求を残すということになるわけですからね。そうすると、現在やっておる財政再建第一年度目というそういう構想とは、これはイコールで結ばれなくなるわけです。 だから、矛盾から矛盾を呼んでくるから、これは当面凍結をするという方向で、先ほど大臣が言われたように年度ごとに検討を加えるんだという発想の方が、当面前がわからぬのですから——きょうの新聞を見ますと、原油のスポットが非常に上がる上がるという話だったけれども、一バレル当たり四十ドルから三十九ドルに下がりましたね。上がる一方だろうと思ったのが下がるという状況も生まれてきておるわけですから、そういうふうに非常に先がわからないのです。そういうわからぬ段階でこの七カ年計画というのは実態にそぐわない。だから、せっかくつくられた、フォローアップされた内容だから、これを破棄せよというんじゃない。これは当面当然すべてを凍結するという前提で財政運営その他をなさらないと非常に問題が起こるんではないかという危惧もある。ですから、これはつくったことは事実、閣議決定したことは事実、しかし、当面は見通しが立つまで凍結をするということぐらいはちょっと言ってもらわないと、都合のいい部分だけが残されますと、各省庁の要求するところは査定していこう、閣議でやったからそれはだめだめとこう言って抑えることはできるけれども、一般消費税の方だけはこれに載っておりますからと言って国民にツケを回されたんじゃこれはたまりません。ですからバランスして、当面はすべてを凍結する、いつ解除するかは別です。これは当然当面は凍結すべきです。その凍結が一年になるのか二年になるのかそれはわかりません。それぐらいのことは大臣やはり考えられないと、国民の方はたまったものじゃないです。これは閣議決定ですから、生きておるわけですから。
○正示国務大臣 財政再建の問題で歳出をどの程度に抑制し、国債を一兆円以上減らす、また税収をどうするかということは、これはもう経済企画庁の仕事というよりは、むしろ大蔵省の主管事項でございますことは改めて申し上げるまでもございません。ただ、私として新経済社会七カ年計画を主管する立場から申しまして大きな事情の変化があった、それはまず財政を再建するためには、ここにもちゃんと書いておるわけでございますが、歳出を徹底的に洗い直す、また不公平税制も徹底的に洗い直す、補助金の整理もする、行政機構の改革もする、こういうことが書かれておったのですが、それが表に余りはっきり出なかったという点は、確かに松浦委員のおっしゃるように、一般消費税というものが先に大きく国民の前に出てきたということは事実だったと思うのであります。しかし、いまはそれがあるべき姿になりまして、五十五年度に導入すべく諸般の準備を進めるというその文章に関する限り、これは事実に合わなくなっておるという点は委員御指摘のとおりだと思います。 そこで、これから五十五年度の予算編成の努力のおてまえを、われわれとしては一生懸命に国民に評価せられるように、成果を上げていくことに、これは内閣全体が大蔵省を中心といたしまして取り組むわけでございます。そういう成果をひとつごらんの上で、五十六年度以降の問題についてもいまいろいろ御意見がございましたが、さらに来年度以降の問題として改めて御議論を願う機会もあろうかと思いますが、いまのところはこの計画を改めてこうするんだという新しい構想まではお示しできない、こういう立場でございますので、御理解を願います。
○松浦委員 大臣、言われることはよくわかっておるのです。簡単なんですよ。だから、これを何もなくせと言うんじゃないのです。当面はすべて凍結する、そして先ほど言われたように、歳出を見直さなければいかぬということも年度ごとにされているわけですから、行政整理をしなければいかぬということも年度別にされるわけでしょう。ですから、そういうことは年度別にされるとさっき言われたから、それなら凍結したらどうですか、これは解除できる条件が出るまで当面凍結して、そしてされるものはなさったらどうですか、そういうことを申し上げておるので、言われていることはよく理解しておるつもりです。その凍結をひとつお願いしたいと思うのです。当面は凍結する。
○正示国務大臣 大変御理解をいただいてありがとうございます。凍結ということになりますと、この七カ年計画全体が余り意味がないというふうな解釈になりますと、これはまた非常に困るわけでございまして、先ほど申し上げたように、七カ年間のいろいろな問題について、たとえばいま申し上げたように国際収支は大きく狂った、あるいは卸売物価はどうだ、しかし成長率と消費者物価に関する限りはわれわれはあらゆる努力を払ってこれを達成していく、雇用についてもまたそうだというふうな、フレームワーク自体の目指すところに従って努力を傾倒していくということも一つの意味がございますので、これはここでもう凍結だというふうに結論を下すことは時期尚早ではなかろうか。なおこの上事態の推移を見ながら、新しい事態で将来の展望が的確にできるような状況になりまして、初めてこういうふうに計画を改めるんだということが正しいやり方ではなかろうか、こう考えておるわけであります。
○松浦委員 最後のところでどうも理解できないのですよ。このことで余りこだわってここで長い時間議論するつもりはありませんけれども、やはり各省庁はこれに根拠を置いて来年度の予算要求をすることは間違いないのですよ。 たとえば新税構想という中で代替エネルギーにかかわる新税構想というのも「長期エネルギー需給暫定見通し」中間報告の中で出てきますね。そういうことも当然この中に盛られておるのですね。それでは通産省なら通産省、エネ庁がその問題について、代替エネルギー税というものをどうするんだということで要求してくる、これが根拠になってくる。これが生きておるということになれば、その新税構想というものもまた当然議論されてこなければならぬ。あるいは大蔵当局が、一般消費税なら一般消費税の導入をするとこれに書いてあるからと根拠を持ってやってくる。そういうことになってきて、都合のいい部分だけは政府が利用して、悪い部分については政府がコントロールする、閣議でコントロールする、これには書いてあるけれども、年度を繰り越せということでコントロールできる。しかし国民の側はコントロールできない。その点は私理解していただけると思うのです。だから、俗に言うとつまみ食いというのですね。この七カ年計画のつまみ食いが行われたら困るという前提なんです。現に五十五年度に一般消費税を導入することまで書いてあるのを本当は消さぬといかぬのです、公式文書ですからこれは。結果を見て、なかったからいいではないかでは済まされない問題なんだ。ですから、そういうつまみ食いができないようにするためにも、しかも、これができたのが五十四年八月ですね。状況は非常に大きく変化をしてきていますね。だから、そういう前提を考えるなら一歩譲って、修正ではない、修正せよと言うつもりはありません。要するに見通しが立つまで当面はこれは、凍結という言葉がいいのかどうか別ですけれども、何らかの方法でこれは一応置いておく、それぐらいのことをしておかないとこれからの経済運営だって財政運営だって、これを根拠に各省庁が暴れ出したら収拾がつかない。逆に言うと国民の側も大変。それはどうなんですか。いまは総理大臣が中国に行ったですから、総理大臣代理は官房長官ですか。ですから、一遍長官どうですか。総理大臣が留守ですけれども、その間に、長官が主管大臣ですから、そういう問題についてもう一遍検討して、あしたどういうふうにするのか御返事いただけませんか。
○正示国務大臣 委員のおっしゃることはよく理解できるわけでございます。私の申し上げておることも先ほど来御理解をいただいておるようでございます。ここに書かれておることと事実とが違ってきたことをどういうふうに、松浦委員は凍結というふうな言葉で、私は事実がそういうことになっていけばおのずからその文章というものは、文章はあるけれども事実はそういうことではないということになって解決していく、こういう見方でございます。来年度の予算につきましては、いずれ総理以下全閣僚が集まりまして予算編成の基本的な方針が定まるわけでございます。そのとき経済の見通しもできるわけでございます。また、与党はもとより野党の御意見もいろいろ伺ってそういう基本方針を決めるわけでございます。その基本方針とこの七カ年計画の五十五年度との関係、それがいま松浦委員の御指摘のような点においてどう調和されていくか、こういう問題になっていくわけでございます。したがって、私は全体の七カ年計画の凍結ということはもとより考えておりませんけれども、五十五年度に関する限りはそういう新しい方針によって、事実上計画のいま書かれておる部面と矛盾するものは、新しい五十五年度の予算の方針あるいは経済の見通し、そういうものによって置きかえられていくという結果になることは松浦委員御指摘のとおりだろうと思うわけでございます。
○松浦委員 それは表現が悪かったのですが、検討するじゃなくて、ほかのやわらかい表現があればそれで結構ですけれども、一遍ひとつ具体的に考えていただいて、そしてあした物価の委員会が三時から長官をお呼びしてあるそうですから、そこでひとつこれの扱いをどうするか、考え方をもう一遍整理して御報告いただきたいと思います。
○正示国務大臣 松浦委員はこの問題について大変御熱心に御検討された結果のきょうの御質問でございます。私もそういうことを十分考慮に入れましてよく考えてみまして、明日また御質疑にお答えいたしたいと思います。
○松浦委員 それでは大臣、外務大臣の職責があるそうですからどうぞ。 今度は通産大臣にエネルギー問題をちょっとお尋ねしたいと思うのですが、IEAに御出席になるという前ですから、この委員会で言いにくい面があると思うのですね、やはり国際的な問題がありますから。だからそういう問題については、もしそういう部分に触れましたときには御答弁いただかなくても結構だということを前提にしてちょっとお尋ねをいたしますけれども、要するに原油の輸入見通しです。今年度が二億八千万キロリットルですか、これの見通しはもうすでに通産省の方では立ったのでございますか。
○佐々木国務大臣 御承知のように、上期、下期に分けて計画を立てておりますけれども、上期の分に関しましては大体予定を若干上回る程度の実績でございます。下期の第三・四半期、すなわち現在、十月から十二月まででございますけれども、ほぼ七千万キロリットルは確保できるものと見ております。そこで、残された第四・四半期、来年の一月から三月まででございますけれども、産油国の生産水準あるいはスポットに対するシェアと申しますか、ふえてくるというふうな状況、言うなれば流通ルートの変革がいろいろだだいまございますので、そういうアンノーンファクターが相当ございまして、第四・四半期に対しましては確実にこのくらいであろうということはちょっとまだ申しかねますけれども、しかし一生懸命供給源の新しいルートあるいは従来の直接取引の確実な入手等を通じまして、大体いけるのじゃなかろうかというふうに考えてございます。
○松浦委員 大臣は、もし第四・四半期で見通し、需給計画が狂った場合は、現在手持ちの備蓄を取り崩すということを言っておられましたですね。そういうお考え方はお変わりありませんか。
○佐々木国務大臣 御承知のように第四・四半期になれば冬場でございまして、一番燃料が貴重なときでございますから、いささかなりと民生に不安を持たしてはいかぬと考えておりますので、もしお説のような事態が、私発生しないとは思っておりますけれども、そういう事態が参りますれば、備蓄はそのための備蓄でございますので、これを割いても民生に不安のないように措置したいというふうに考えてございます。
○松浦委員 大臣、最悪の場合は備蓄を取り崩すというお考え方はわかるのです。それじゃその取り崩した備蓄をさらに積み増しする、使った分は当然また積み増しせにゃいかぬわけですから、その備蓄を使った分だけ積み増しをするという見通しが立たないままやってしまったら、結局今度は来年の秋、来年の需要期に困るという状態になるのですね、備蓄の積み増しができない状態、見通しが立たなければ。ですから、当面は原則としては備蓄を取り崩さずに手当てをするという考え方の方が、見通しの立たないエネルギー政策のときには得策ではないのですか。
○佐々木国務大臣 お説のようにできれば一番これにこしたことはございません。
○松浦委員 それでは、御承知のようにイランの石油ですね。いまイランと米国は経済断交に入っている状態ですが、米国に回っておる原油をスポット市場に流して、それを各商社なり輸入業者が手当てをして買うという行為そのことは、そういう現在の見通しの立たない条件の中では、ある意味では許されていいんじゃないですか。
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり、イランとアメリカの紛争によりまして宙に浮いたといいましょうか、七十万バレルがアメリカ向けの供給をカットされておるわけでございまして、その七十万バレル、一日当たりでございますが、この取り扱いにつきましては、私どもは、価格の問題さえなければ買うことについては差し支えない、こういう気持ちでおります。ただし、若干その価格がロッテルダム市況よりも高い値でオファーされている形跡がございますので、その部分につきましては、従来の行政指導方針によりまして、高値買いの自粛を要請しておるという、こういう現況でございます。
○松浦委員 いま言われたのは、イランの原油に限らず、高値の原油にスポット市場で飛びつくことについては慎めということで理解できるんです。それはイランの石油に限ったことじゃないでしょう、あなたはいまイランに限定したけれども。高いものに手を出すなというのは当然の商行為なんです。しかし、問題はイランのものについてそういう指導がなされておる。特にイラン原油についてはそういう指導がなされておる。これは対米感情がありますからわからないことはないです。しかし、いずれにしてもいま言ったように、商社の方でせっかくの備蓄を取り崩さなくて済める状態をつくり出すことがよりベターなんですから、そういう意味で、たとえばスポット市場である程度のものを、イランの石油であろうと手当てをするというのは、何も行政当局が規制をする必要はないと私は思うんです。むしろ国策に沿っているような気がします。今度、さあ手当てができないから買えと言ったときには原油価格が上がっておるんですね。わが国がスポット市場に手を出さなくても原油市場は上がってきたわけですから。たまたまきょうの報道では四十ドルから三十九ドルに一バレル当たり下がっておりますけれども。そういう点については、明確に、イランの石油とかなんとかは別にして、高値で全体的に原油価格をつり上げるような行為だけはやめてくれという指導をしておるのか、それとも意識してイランの原油だけは買うなという指導をしておるのか、その点をひとつはっきりしてください。
○森山(信)政府委員 私はイランの原油を買うことにつきまして問題があるというような考え方は全く持っておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、一般論といたしましてスポット物につきましての高値買いの自粛は従来から要請をしておるところでございますので、その方針に従いまして業界にいわゆる秩序ある原油の購入をしていただきたい、こういう願望を持っておるわけでございます。ただし、昨今の動きといたしまして、特にイランの原油につきまして高値で買ったところが幾つか見られますので、そういうところにつきましては、イランの原油を買ったということではなくて、高値の商売をしたということにつきましての遺憾の意を表明した、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○松浦委員 それから、これは大臣にお尋ねをするのですが、東京サミットで五%の節約ということが同意されたわけです。ただ省エネだ削減だということを、言葉としては理解できますけれども、それでは具体的にどれくらい東京サミット以降わが国で原油の使用を節減できておるのですか。数字をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○森山(信)政府委員 五%節約の実施状況につきましては、今年の上期に行いました調査結果を申し上げますと、ほぼ八割程度達成しておるということがわかっております。それから、個別の対策といたしまして、たとえばガソリンスタンドの日曜休日休業につきましては約九割程度、あるいはネオン等の点灯時間の短縮につきましては七五%程度の達成率を上げている、こういう数字が出ております。 それから、お尋ねの燃料油がどうなっているかということを総計で申し上げてみますと、上期つまり四月から九月までの数字で申し上げますと、供給計画が昨年同期に比べまして一〇二・三%でございます。この供給計画は五%の節約を見込んだ計画が一〇二・三%でございまして、それに対しまして実績が一〇一・九%でございますから、五%の節減がこれによっても燃料油で見る限り達成されている、こういう数字が判明いたしております。
○松浦委員 これは大臣にお尋ねいたすのですが、今度のIEAの会議で、聞くところによるとさらに節約という問題、省エネということが議論をされて、消費国の一律削減ということが議題になるだろうということが報道されていますね。それに対して、わが国から事前の会議に参加しておった審議官は一律削減に反対だというようなことを言っておるという、これは新聞報道ですが、そういうことが出されておるのですが、今度のIEAに臨む態度として、一律削減というようなことに対してはどういうふうに判断されますか。
○佐々木国務大臣 IEAの閣僚理事会でございますか、近く開かれまして、私もできますれば出席したいと思っておりますけれども、主な議題は節約問題あるいは輸入目標の問題等だと承知しております。ただ、そのアイテムに対してさらにどういう提案が各国からなされるかということはまだつまびらかでございませんので、向こうへ着きましてからいろいろ考えてみたいと思っております。
○松浦委員 これも十二月三日の新聞の報道するところです。海外のことですから全部新聞に依拠して質問しますから御理解いただきたいと思うのですが、OPEC側では従来の方針を改めて、八〇年代は石油を武器にするという方針が今度のカラカスの会議に提案されるだろうということが言われておるのです。そうすると、消費国がたとえば五%なら五%節約しますと、今度OPEC諸国がまた五%生産を削減するのですね。ですから、いままでは価格カルテルだったものが、生産カルテルまで進んでおるのですよ。いままでは価格カルテル。今度は消費国側が、IEAが対抗して節約をするという方針を出せば、それだけ供給するパイプを縮めるというそういう方針を実質的にとってくるのですね。ですから、従来の節約をしさえすれば、どんどん節減をして、もちろん節減はしなければなりませんけれども、節減をしていくということでは将来八〇年代に向かってはOPECの戦略には対抗できなくなってくるのではないか、そういう気がしてならないのです。新聞の報道するところによると、生産カルテルまで間違いなくもう行くわけですから。ということになれば、わが国とヨーロッパでは全然エネルギーの条件が違うわけですね。西ドイツとかEC諸国というのは削減しても余りこたえない、ほかに石炭など代替エネルギーを持っておりますから。あるいはイギリスは北海油田を持っていますから。ところがわが国は、現在のところ長期エネルギー計画によってすらもなかなか代替エネルギーに転換するということはむずかしい。ですから、IEAに行ってOPECに対抗するために、ただ単なる節約だ節約だということだけでは今後のエネルギー政策というものは曲がり角に来るのじゃないかという気がするのです。ですから私は、そういう意味では今度のIEAの会議というのはわが国にとっては非常に重要な意味を持つ会議になると思うのですが、そういう問題についてひとつ大臣の方から明確にお答えいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 お話のように十二月十七日にはOPECの総会もございますので、その直前の会議でございますから、いまおっしゃるような点等ももちろん考慮しつつ議論が進んでいると思います。
○松浦委員 そうすると、この「長期エネルギー需給暫定見通し」中間報告によりますと、現在の七五%の石油依存から六十五年度までには五〇%に下げる、大体こういう方針ですね。この十年間に七五%石油に依存しておったものを五〇%に下げるということは、大変急激なエネルギーの転換ですね。後からいろいろと御質問しますが、わが国の場合は原子力に傾斜しております。代替エネルギーの中心は原子力に傾斜しておる。しかしそのほかに、凍結するかどうかわかりませんけれども、いろいろな代替エネルギーの開発計画というのが、具体的には石炭の液化問題等が出されておりますね。現にアメリカと日本では石炭液化にかかわる技術協力の協定まですでに結んでおる。ということになってまいりますと、代替エネルギーをこの十年間に五〇%にするためには、通産省が言うところの代替エネルギー導入促進税といいますか、そういった税を五十五年度に新設するという方向が私は出されておると思うのです、通産省の考え方としては。それは大臣としては来年度の予算要求の中で、そういう意味で長期展望に立って実現要求する、そういう新税構想というものはお持ちですか。
○森山(信)政府委員 ただいま松浦先生から御指摘のございました長期エネルギー需給見通しでございますが、昭和六十五年までにエネルギーに占めます石油の比率を七五%から五〇%にしたいというのが私どもの願望でございまして、これを達成するために五十五年度から代替エネルギー対策を推進したいということを考えております。 その財源といたしまして、現在要求を出しておりますのは、石油及び電力関係から新税をちょうだいしたいということでございまして、石油につきましては一・一%、これは従価でございます。電力につきましては一キロワットアワー当たり四十銭の新税を新設させていただきたい、こういうお願いをしておるわけでございます。その税制が認められますならば、およそ十年間に約四兆円の財源を調達いたしまして、先ほど申し上げました六十五年までに石油の依存率を五〇%に引き下げる、こういう代替エネルギー対策を推進したいというのが私どもの考え方でございます。
○松浦委員 いま言われたことと関連をしてくるのですけれども、後でまた電灯料金のときにお話をしますが、今度の査定をするときには、これはここでお聞きしておきますが、佐々木大臣は、御就任のときに記者会見で、たしか北電はもう経営不振だから早急に値上げを認めざるを得ないということを言われたわけです。早急にというと年内にも認めなければならないというような御発想もあったようにお聞きしておるのですが、そうなると、いま言われたような税というものを前提にして、根拠にして料金算定というものはなさっておられるのですか、全然頭に貫いておられませんか、どっちですか。
○森山(信)政府委員 電力料金は、先生もよく御承知のとおりいわゆる原価主義に立っておりまして、現在北海道電力及び沖縄電力から申請を受けておりますのはこの原価主義にのっとる申請でございます。したがいまして、その申請の三八・八三%のアップの分にはいま申し上げたものは入っておりません。したがいまして、税は別の体系で議論されるべきであろう、こういうふうに考えております。
○松浦委員 そうしますと、やはり払うのは国民の側ですから、確かに代替エネルギーというのは国民にとっては重要なものですから避けては通れません。しかし実質的には料金値上げした上にさらにこの新税が出ればそれが加味されていくわけですから、相当大きな家計負担ということになるわけですね、なければいいのですけれども。私は、そういった意味では、後で議論しますけれども、この電気料金の問題については、それは北海道電力の苦しさもわかりますけれども、ある程度こういった新税構想というものが財政当局との間で通るのか通らないのか、あるいは最終的に政治判断、閣議決定になるかもしれませんけれども、そういった問題を含めて、大臣の言われる気持ちはわかります、北電の経営状態から見て早期にということは。しかし私はやはりこの新税構想から見ても、ある程度時期を見られた方が賢明ではないかという気がするのですがね。結果的に二度値上げみたいなことになるわけです。その点についてはどうですか。
○佐々木国務大臣 北海道と沖縄両電力からただいま料金改定の申請が出ておることは事実でございまして、いま長官からもお話がございましたように、わが省といたしましては原価主義がその根拠でございますので、厳密な査定と公正な態度でただいま査定をしてございます。電力料金が決まるまでには御承知のようにいろんな過程を経まして、念には念を入れまして決めるのでございますから、上げねばならぬ必要性が仮にあっても申請どおりそれでやらねばいかぬというものでもございませんので、厳重な審査の上決定したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○松浦委員 こだわるわけじゃございませんが、北電については早期に認めなければならぬという御発言がありましたので、大臣のお気持ちとしてはいつまでにそれでは北電のあるいは沖縄の認可を与えられるのですか。
○佐々木国務大臣 いまのお話は私の就任当時ですから一月ぐらい前でございますけれども、実は去年、御承知だと思いますが、私自由民主党の資源・エネルギー調査会会長というものを仰せつかっておりまして、その際に北電の石炭——国産の石炭と油のギャップと申しますか、そういう点が主で経営が大変苦しいというので、北海道のいろんな人たちから、特に国会議員の皆様から強い要請がございまして、何か国で補助金でも出して救えないか、そうでなければ料金値上げ以外に方法がありませんよという話がございました。私は、その査定をすると申しますか、それを片づける一つの役目を持っておりましたのでいろいろ勉強いたした次第がございます。そういうことが記憶にございましたので、北海道電力の経営状態等もいささか承知しておりましたので、そういう発言になったことと思いますが、しかし早急にと言ったからといってあすにでもというわけではもちろんございませんし、向こうのいついつまでに御許可いただきたいという希望の年月がございますから、できればその御希望に沿うてあげたいとは思いますけれども、しかし先ほど来くどく申しますように、これは大変反響の大きい、波及効果の大きい問題でもございますので、念には念を入れて決めてみたいと思います。
○松浦委員 北電の場合は御承知のように国が指導をして石炭火力、石炭産業を——北海道は非常に石炭の産地ですから、それを前提にして火力発電の指導をして、そして石炭中心の火力をしてきたという経緯があると私は思うのです。そうしますと、安い原油中心の火力に比べてコストの高い石炭では北電の経営が苦しくなるのは当然だと思いますね。たまたま最近の原油価格の高騰が何か石炭とクロスして、逆に石炭の方が安くなってきたのだということを通産の方で言われましたけれども、しかしいままでの実態というのはそうだったと思うのです。国民の側にしてみれば、確かに電気会社というのはたくさんありますけれども、選択できない地域独占なんですね。北電の電気は高いから関電の電気を買いましょうというわけにいかないのです。ということになれば、そういう燃料、しかも国の指導によって格差が出てきておるという条件があるとすれば、やはり燃料をプールしてやるというような発想というのは、地ならしをしてやるというような発想というのが当然いままであってよかったと思うのですが、そういう問題についてはこれからもそういう発想というのは考えられませんか。
○安田(佳)政府委員 電気料金は御承知のように原価主義に基づいて定められておりますけれども、ただ、電源構成とか地域的特殊性が各電力会社によって異なります。その点先生の御指摘のとおりでございます。その結果ある程度各社の電気料金に差が出るということはやむを得ないと考えておりますが、ただ、基本的に申しますと、料金格差が拡大するということは好ましくないというふうに考えております。この料金格差の拡大を少なくするように、たとえば広域運営に心がけるとかいたしておるところでございまして、現在料金の格差は比較的少なくなってきているという現状でございます。先生御指摘の、燃料を全国プール制にいたしまして、料金の均一化を図るという考え方につきましては、経営の合理化とかあるいは電源開発の効率的な推進ということを図るためには、私ども必ずしも得策ではなくて、むしろ私企業といたしまして経営効率を最大限に追求するという行き方の、現在のやり方の方が適切なのではなかろうかというふうに考えております。
○松浦委員 そうすると、いまちょっと重要なことを言っておられるのですが、そういう行政的な指導、たとえばこれは一つの仮定の問題としていま提起したのですが、燃料のプール制というものについては現状の方が妥当だということになってきますと、結局プライスリーダー的な役割りを北電が果たす。本当は経営が悪化しておるから上げなければならぬのだけれども、実質的にはプライスリーダー的な形で北電を上げた。さあ北電、沖縄が上がった、この料金格差をなくすために全部が追随をするという結果になるのです、格差をなくすという考え方は。結局高いところに格差を合わせていく、低い格差に合わせるのじゃない、高い格差に全体を上げるという、結局沖縄と北電が上がれば、全体の電力会社が料金値上げ申請をしてきておりますが、恐らくするでしょう。全部それに見習って右へならえすることになるのですよ。これはイタチごっこですよ。だからそういった問題について、原価主義と言われたこともわかります。それじゃ原価主義なら、円高差益が出たときには当然原価主義で、料金というのは、KDDではありませんけれども、通産省に値下げの申請をすべきなんです、原価主義で言えば。ですから、自分の都合のいいときには原価主義をとらずに悪い部分だけ原価主義をとるということについても消費者は納得しておらないです。ですから、そういった意味では、漫然といままでのようなやり方でいきますと、こういう先行きが非常に見通しが立たない状況ですから、そういった問題については、いま言ったようなことは一つの例として、やはりこれからのあり方としては、国民のサイドに立ったとすれば考えていい発想じゃないですか。私の言ったのは一つの提案ですけれどもね。それはだれでも考えることなんです。そういうことについては一べつだにせずに、従来どおりのパターンで見通しの立たない八〇年代に向かってもやはり行かれますか。
○森山(信)政府委員 ただいま先生から御指摘のございました方法論、確かに一つの方法論だと私も思います。ただ私どもが現在考えておりますのは、電力の供給体制をいわゆる九電力体制でやりたい、こういうのが根幹でございまして、その九電力体制のもとにおきましていかに料金格差を少なくしていくかという問題に取り組んでおるわけでございますので、恐らく松浦先生から御指摘のございました点も、そういう点に着目した場合に、できるだけ料金格差を少なくするための方法論として燃料のプール制などを考えてみたらどうか、こういう御提案だと思うわけでございます。しかしながらやはりそこに電源の構成別の差異が相当ございますし、たとえば北海道で言いますと、先ほど御指摘のございましたように、原産地としての石炭の取り扱いの問題等もございますので、必ずしもプールすることが妥当であるかどうかという問題がございますので、私どもは先ほど申し上げましたように九電力体制、現在のパターンで対応していくという姿勢をとっておるわけでございます。御指摘の点はよくわかりますので、一つの方法論として検討はしてみましたけれども、現段階におきましてはやはりいまのパターンで進ましていただきたいということが私どもの基本的な姿勢でございます。
○松浦委員 そうしますと、今後やはりこれは、公正取引委員会の委員長はきょうはお呼びしなかったのですけれども、常にプライスリーダーというのが存在をして、そしてその者が料金値上げを申請すればあとは全部ついていくという、確かに九社体制だけれども、内容的にはそれぞれ違いがあっても、事料金に関する限りは一つの一社独占みたいな形で上がっていくというような形態が、いつまでもとどまるところなく続くと思うのですよ。私は北海道ではありませんけれども、特に過疎地帯ですよね。非常に面積の広い北海道とかそんなところの住民というのは、過疎なるがゆえに高い料金の負担をさせられる、そういう矛盾した形態というのがいつまでも残るのです。そしていつまでも不満が残るのですね。ですから、私が言ったように燃料プール制というのはただ単なる素人の一つの考え、思いつきですね。私は全く素人ですから。こういうものはあなた方は専門家。素人の発想としての考えを一つの問題として提起をしただけであって、やはりそういう問題については九社体制を是認した上で、ある意味で経営コストというのが平均化するような方法というのは考えられてしかるべきだと私は思うのですよ。それを称して行政介入と言うなら、通産省はどんどんそれをなさったらいい。そういう努力がないままただ放任しておる形で料金が上がってきたから、さあ原価主義で計算をしたら、なるほど北海道電力は上げざるを得ない、沖縄は早急に上げます、申請した日にちどおりに上げてやりましょう。これは上がったとたんに後からさあっと九社が全部右へならえして料金の値上げで、いつの間にか上がってしまう、そういう形態はやはりどこかで歯どめをかけなければ、先ほど言うように国民は地域独占で選ぶ権利がないのですから、あそこの電気は安いからといってそこの電気を買う仕組みになっておらないのです。そういう競争条件があればいいですよ。北海道の人は北電から供給を受ける以外に方法はないわけでしょう。だからそういう点を考えればもっとやはり、それは電気事業法等あるからいま直ちにということを言うつもりはありませんよ。しかしそういう発想の転換というのは、これからエネルギー問題がどういうふうな価格になるのかわからぬ、一キロワットアワーどれくらいになるかもわからない、そういう条件の中だから、ある程度八〇年代に対応する電気行政、電気料金のあり方あるいは電力会社に対する指導、こういうものがなければ、余りエネルギー庁というのは、石油公団もあることだし、ということになってくるのじゃないですか。エネルギー庁というのはそのために必要な機構じゃないですか。
○佐々木国務大臣 電気料金の決定の要素は、根本的には企業の経営努力というものは一体どうなっているのだというところが根本でございまして、燃料あるいは資本費等それを構成している各ファクターはそれだけのものだと思います、重い軽いはございますけれども。根本は、やはり企業努力を払うだけ払ってもどうにもならぬという、しかも経営が成り立っていかぬという状況を見ての判断になると思います。したがいまして、お話のように一つが上がれば全部上がるという、必ずしもそうはならぬと思いますが、しかし、日本の特殊性として、油のようにほとんど全部他国に仰ぐという状況でありますと、やはりそれが激変動した場合には、それについて何もプライスリーダー、下からどうというのじゃなくて、やはり上がる傾向にあることは、これは否めないことだと思いますが、ただお話のように、たとえば石炭のように国内炭もあれば海外炭もあるというふうな、そういう点に関しましては、あるいは一本の価格にできるのであればする努力というものはしてみてもいいのじゃないかという感じもお話のとおりいたします。そういう点はもう少し研究してみたいと思います。
○松浦委員 それじゃ経済企画庁の審議官、済みませんでした。時間がないそうですから、ちょっとその分中断をして、そちらの方に質問させていただきます。 いま盛んに灯油価格の問題等をめぐりまして例の国民生活関連法ですね、二法。緊急措置法、買い占め売り惜しみ法、こういったものについてある程度考えたらどうかという消費者の声が非常に強くなってきておるのですが、いまできるだけ市場価格にお任せする、行政が介入する条件はない、だから標準価格の設定とかそういったことはやらないということが盛んに言われているのですが、それじゃどういう状態のときにこの二法を発動なさるおつもりでしょうかね。それだけお聞きしておきます。
○藤井(直)政府委員 お答え申し上げます。 現在の灯油の価格については、まず何と申しましても供給が十分に、十分にといいますか、ある程度の需要に応じた供給を確保するというところに主眼を置いてやっておるわけでございます。その関係につきましては、九月末に灯油の在庫六百四十五万キロという目標を達成して、現在さらにその積み増しが十月末には七百十万キロリットルということになっております。そういうことでございますので、全体としてそういう需給状況のもとにおきましては、元売り、それから小売段階につきましての便乗値上げを厳重に監視するという形で対応していくのがいいのではないか。いま御指摘の生活二法の関係につきましては、これは石油について非常な不足が生じてくるというようなことで、供給に非常に問題がある場合にはそういう二法の発動も当然考えていいかと思いますけれども、現在のように、当初予定いたしました石油供給計画の線に沿って全体の需給状況が推移しているという場合には、当面私どもの従来やっております便乗値上げの監視体制を強化していくということで対応できるのではないかと考えております。
○松浦委員 それじゃ何か急ぐそうですから、経済企画庁の方は経済見通し関係の会議があるそうですから、どうぞ離席ください。あしたわが党の小野委員が質問をすることになっておりますから、そのときに譲ります。どうぞ。 それと関連して、これは通産大臣にお尋ねしますが、緊急措置法にかかわる措置として、今年度、五十四年度予算に六億九千万の予算が計上されておるわけです。主として石油が不足した場合の配給制度というものを考慮して予算措置がされておるのですが、たまたまいま経済企画庁がお話しになったような状況ですから、そういう状態は当面ない、パニック状態はないんだということを前提にして私は質問をしておるわけです。ですから、これは予備的な行為として予算措置がされておるんだと思うのですが、それじゃこれは具体的にどういう形でどういうふうになるものなのか。そういうこともちょっと質問をしてお聞かせをいただいておきたいと思うのです。
○森山(信)政府委員 通産省といたしましては、前回の石油危機の体験を踏まえまして、再度石油危機による混乱を最小限にとどめようという目的のために、石油需給適正化法を中心といたしました対策の検討を行ってきたところでございます。その一環といたしまして、先ほど先生の御指摘になりました配給割当制の運用等につきましても検討を行ってきております。 具体的に申し上げますと、昭和五十二年度に緊急時対策研究委員会をつくりまして、学識経験者、需要業界、石油業界、消費者団体等から成る委員に配給割当制につきまして検討をしていただいたわけでございます。この検討期間は約二カ年かかっております。その結果、民生用石油製品の配給割当につきましては、切符制による配給制が妥当であるという結論をちょうだいいたしたところでございます。 以上の検討結果を踏まえまして、昭和五十四年度の予算に切符の印刷費、保管費等が計上された次第でございます。ただ、先ほど経企庁の方からも話のございましたように、現段階におきましては直ちにこれを発動するという段階でもございませんので、慎重に扱ってまいりたい、かように考えております。
○松浦委員 これはくどいようですが、いま長官が害われたとおりだと思うのです。発動する前提はないと思った上で、準備しておくことは大切なことですから。 〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕 内容についてちょっとお尋ねをしたいのですが、この切符は、ガソリン自動車及び灯油を消費する一般家庭、準備する枚数は七千万枚、それから制度の概要は、配給量は月単位に公表する、それから三カ月ないし六カ月分の切符をあらかじめ用意をする、切符は市町村から交付をする、消費者は切符と引きかえに販売店から灯油等を購入する、こういったことがある程度議論をされたやにお聞きをしておるのですが、この六億九千万の切符七千万枚の内容についてはほぼこういう内容だった、ですから、そういう状態が仮に遠い将来発生をした場合には、それに対応する準備としてこういうことが概要議論されたというふうに理解をしてよろしいですか。
○森山(信)政府委員 ただいま先生から御指摘のありましたとおりでございまして、予算額六億九千百二十一万六千円でございます。それから対象といたしましては、ガソリン自動車及び灯油を消費する一般家庭、準備する枚数約七千万枚ということでございます。そういうことで一応予算的な措置だけつけてあるということでございます。
○松浦委員 これは年内に執行する必要は——もう執行されておるのでしょうかね。執行はしないで済むのでしょうかね。済むのじゃないかと思うのですがね。
○森山(信)政府委員 今年度、五十四年度についておる予算でございますので、来年の三月までの間に準備をしたいというふうに考えております。
○松浦委員 じゃ、そういう準備をするということは理解いたしました。 それじゃ先ほどの電気料金に戻るのですが、電気料金算定要領というのですか、正式名称は何というのですか、要するに原価主義に従って、料金の算定要領によって査定をしていかれるのだと思うのですが、その料金査定の中に若干消費者にとって不利な部分があるのですよ。そういう部分については見直していくというような考え方はございますか。もう時間がありませんから具体的には省略いたしますけれども、いずれにいたしましても通産省の方にも消費者の方からいろいろな形で陳情、請願が出ておると思います。ですから詳しくは申し上げませんが、要するに消費者が、特に電灯を利用しておる人たち、何といいますか大口使用じゃなくて家庭的に本当に小口で使用しておる人たちが非常に不利な状態で査定されておるという、そういう陳情が出ておるのですね。 たとえば、電気料金を三段階に分けて、そしてそれは従来百二十キロワットアワーまでが第一段階、第二段階は二百キロワットアワーまで、それ以上が第三段階ということで、たとえば百二十キロワットアワーまでの人を一と仮定した場合には、二百キロワットアワー以上を使う人は経費負担というのはその一・四倍、非常に格差が少ないわけですよ。だから省エネルギーという立場で考えていくと、むしろ大量に消費する側はもう少し負担増加を図って、そして下の方を緩くする。だから第一段階を福祉型と言い、第二段階を平均型と言いますか、そういう部分については負担をある程度抑えて、よけいにエネルギーを使う人たちに対して逓増していくというような、そういった体系には改められませんか、これが第一点。 それから第二点は、従来の三段階区分というのが百二十キロワットアワーで一つの区分がされておったと思うのですが、実態にそぐわなくなってきておりますからこれを改めて、大体一家庭当たり百四十キロあたりは使うのじゃないのでしょうか。ですから、百二十キロ時代の生活実態と今日とで比較した場合には変わってきておりますので、百四十キロまでが第一段階という形に改めるわけにはいかないかという、これが二番目。 それから三番目には、御承知のように電気税というのは地方税ですね。価格が上がっていきますと、それにはね返っていくわけですね。いま免税点が二千四百円ですね。ですから、価格が上がっていけば当然地方税の負担増加というものも出てくるわけです。二千四百円で免税点を固定しますから、電気税は。そうすると全体的に料金が上がれば各家庭の税の負担は逆にふえていくわけです。結果的にいままで負担しなかったところまで負担させられるわけです。そういった意味でもって抜本的に、ただ経営者側の経営サイドだけで見るのじゃなくて、算定要領の中の矛盾点もひとつこの際検討を加えて、改めて消費者の問題についても国民の側の立場に立ってもう一遍ちゃんと精査する。何か十二月十二、三日に北海道なんかはもう公聴会をやるというような話をちょっとお聞きしておるのですが、そんなに早々と企業サイドに歩調を合わせてやるのではなくて、上げることもそれは場合によっては必要だけれども、やはり国民全体の理解を得るためには、そういった算定要領といいますか、基準の矛盾点を直した上で電気料は査定をしていくべきだ、私はそう思う。その点について部長さんどうですか。これは技術的な問題ですから、まず部長さんでいいです。
○安田(佳)政府委員 電気料金につきましては、これは国民の非常な生活必需的なものでございますから、できるだけ安くするという御趣旨は私どもも十分体してやってまいりたいと思います。 幾つかの御指摘があったわけでありますが、まず、電灯料金につきまして三段階を設けまして、そしていわばナショナルミニマムといったようなものにつきましてはこれを安くし、他方、多消費の分についてはこれを高くするという点については、現在これを行っておるわけではございますが、その差は、言ってみますと、一番真ん中のところを一といたしますと、百二十キロワット以下が大体〇・八くらい、それから二百キロワット以上が一・一くらいでございますから、上と下を割りますと、大体先生御指摘の数字に近いところになると思います。 〔中島(源)委員長代理退席、委員長着席〕 この点につきましては、私ども生活最低限度のものにつきましては、これをなるべく安くするというような考え方をとってまいりたいと思っております。ただ、他方比較的多く使っている部分の中には中小企業者とかそういう方もおられますから、これだけを高くするというわけにもまいりません。したがいましてバランスをとりながら、しかもその電力消費量の少ない部分につきましてはできるだけ安くするという方向はとってまいりたいと思っております。 それから第二点の、言二十キロワットが現在一番安い料金の限界になっておるわけでございますが、これを百四十キロワット時くらいに引き上げたらどうかという御提案でございます。まず現在、百二十キロワット時につきまして、これが定められた根拠といたしましては、標準的な家庭の生活必需的な電気使用量というものを想定いたしまして、これが四十九年当時百二十キロワットアワーでございました。最近の状況もまた検討してみたわけでございますが、省電力型の機器の普及もございまして、当時とほとんど変わってないというのが現状でございますので、この点につきましては御指摘の御趣旨はよくわかるのでございますが、やはり百二十キロワットアワーとするのが適当ではないだろうかというふうに考えております。また、これは省エネルギーという面から見ましても、そういう面がどちらかというと望ましいという観点も別にあろうかとも考えております。 それから第三点の電気税でございますが、これにつきましては、御指摘のように二千四百円以上のものにつきまして五%の税率で電気税が課されております。この点につきましては、私どもかねてから電気税につきまして撤廃を関係方面にいろいろお願いしておるところでございますが、いまのところまだ撤廃されておりません。この次に仮に電気料金が上がるといたしますと、この電気税がさらに大きな税額となってかかってくるわけでございますが、私どもとしましては引き続き電気税の撤廃をお願いいたしたいというふうに考えております。ただ、過去の例で申しますと、四十九年及び五十一年に料金改定が行われました場合におきましては、電気税につきましてやはり同様な御議論があったかとも思うわけでございますが、四十九年には税率の引き下げが行われたという例がございますので、この点につきましては御参考までに申し添えさせていただきます。
○松浦委員 電気料金について、減価償却の方法等についても若干問題があるのですけれども、もう時間が来ましたから省略いたしますが、いずれにいたしましても、いま申し上げた内容でも通産省の感覚と国民の感覚ではこうすれ違いがあるわけですね。ですから、そういった意味では早期に、申請されたいついつまでに料金の認可をもらいたいというような業者の方針に顔を向けた電気料金の決定ではなくて、むしろもう一遍そういったものを洗いざらい見た上で、急がずに検討を加えるということについて、大臣の記者会見の発言というのはこの際ひとつ御修正をいただきたい、これは非常に誤解を招いておりますから、大臣の本意でもなかったと思いますので、改めてそのことが一つであります。 それから第二番目の問題は、仮定の問題として料金値上げが行われた場合は、いま部長さんからもお話がありましたように、大臣の責任において、もう電気税などというのは撤廃せよという通産側ですから、仮に残ったとすればやはり課税の免税点というのは引き上げる。免税点が二千四百円というのを三千円なり四千円なりに上げるというようなことをやはり通産の側は強硬に主張してもらう。その二点について、大臣からひとつ御答弁いただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 料金問題に関しましては、先ほど申しましたように、厳正でしかも慎重にというのが私どもの態度でございまして、もしその態度にいささかでも御不審の点があれば御訂正申し上げます。
○松浦委員 それでは、大臣の御答弁で訂正されましたから、慎重に御配慮いただけるというふうに理解をいたします。 それから次に、先ほど新経済七カ年計画、それからエネルギーの長期見通し等について経済企画庁長官等とも議論をいたしましたけれども、わが国の場合は代替エネルギーを原子力中心に傾斜を始めておるのです。いまわが党の原子力関係の専門家である石野先生がおいでになっておりますが、私は全く素人なんです。ですから素人のたわ言というふうに聞かれても結構ですけれども、私は素人なるがゆえに非常にこわいんですね。 それで、実はこれはある本で読んだのをちょっとぱっとメモしたのですけれども、例のTMI事故が起こりましたときに、カーター大統領がTMI事故の現地調査で行かれるその五分くらい前——事故が発生したのは三月二十八日、カーター大統領が現地に行ったのが四日後の四月一日でありますが、その五分間くらい前までは水素爆発が起こるかどうかということで現地では非常に意見が分かれた、激論を闘わしたということが報道されておる。カーター大統領が来る五分前までは、あのスリーマイル島の事故というのは水素爆発が起こるかもしれぬという、そういう真っ二つに分かれて議論をしたという条件があると言うのです。それは私は素人なりに考えてみますと非常に恐ろしいわけですね。 東京電力株式会社、東電の資料ですから余り正確でないのかもしれませんけれども、出所が出ておるから正確かもしれませんね。原子力開発の現状を見てまいりますと、実は昭和五十三年度末の総発電量に占める原子力発電の割合というのは一億一千二百一万キロワットの二・三%、東電の試算ですよ。それから五十八年度、これも東電の計算でありますが、現在の計画その他も含めて総量一億四千七百五十万キロワットの中の一三・九%。それから六十三年度は二億二百五十一万キロワットの一九・七%。ですから、来年度、五十五年度ですが、これからわずか八年くらいの間にわが国の発電総量の二〇%は原子力になるということがこの東電の資料でも明らかになっておるわけですね。 そこで、私は皆さん方にまず一番先にお尋ねをしたいのは、現在十九基の原子炉が稼働いたしておりますが、仮に事故が起こった場合、スリーマイル島のような事故が仮に——ないと言われるかもしれませんが、仮定の問題の議論には答弁できないということになると思いますが、現実にTMI事故があったわけでありますが、仮にこういう事故が発生した場合の防災体制というのはでき上がっておるのでありますか。それのある地方、県、国、会社、こういったところで直ちに原子力事故に対して、こういう問題については対応できるという準備体制はすでに終わっておるのか、現在検討中なのか、あるいは終わっておるとすればどういう内容なのか、その点を概要御説明いただきたいと思うのです。
○安田(佳)政府委員 まず、先生に先回りされましたが、私ども、安全性につきましては、安全審査、使用前検査あるいは定期検査等を実施しておりまして、TMIのような事故が発生することはほとんどないというふうに考えております。
○松浦委員 先ほど言ったように、答弁もわかっているのです、あなた方の答弁は。しかしアメリカのTMIのような事故が仮に起こったとしたらだれが責任を持つのですか。そういうことがあるから、絶対一〇〇%安全でない場合は、そういう事故に対応して準備をしておりますかということをお聞きしておるのですから、その点間違えないようにしてください。
○安田(佳)政府委員 いま先生の御指摘のように、万一そういう事故が起こったらどうするかということにつきましては、事故を最小限に食いとめるために保安規定あるいは運転要領等を整備いたしまして、それに基づきまして必要な対策に全力を挙げるというふうに考えております。そういう事態が起こりましたら、発電所からは直ちに国と地方公共団体に連絡することになっております。また、万一事故が外部に影響を及ぼすおそれがあるというような場合におきましては、災害対策基本法で定めるところに従いまして、必要な災害応急対策というものがとられることになっております。 ただいま御指摘になりましたTMI事故の経験を踏まえまして、ことしの七月に中央防災会議が開かれましたが、そのときに、当面とるべき措置というものを決定いたしました。私ども、これに基づきまして緊急時の連絡網あるいはモニタリング要員、それから機材の動員等につきまして整備を進めつつあるわけでございます。これによりまして、原子力発電所等にかかります災害応急対策というものは一層改善が図られたというふうに考えております。 さらに、現在原子力安全委員会におきまして審議、検討いただいております防災対策というものにつきまして、専門的あるいは技術的事項に関する検討結果がまとまり次第、これをさらに十分尊重いたしまして、防災対策につきまして一層の充実、整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
○松浦委員 これから八年間の間に総電力量の二〇%を原子力に依存しなければならぬということで計画されておる中で、いま仮にどこかの原子炉で事故が発生した、部外に放射能が漏れるような状態になった、そういう場合には、周辺におられる人たちに対してはどういう措置をするように決まっておるのですか。そういうものに対しては直ちに準備されるように、もう国、県、市町村、そういったところで話ができて、そういう事故が発生した場合にはこういうふうな応急措置、何キロ以内は避難させるとか、あるいは避難場所はここです、そういうふうな具体的な措置というのはやられておるのかということを聞いておるのです。もしそれがあるとすればここに出してください。しかし、それがまだ安全委員会等で現在検討中なら現在検討中ですというふうにお答えをしていただきたいと思うのです。
○安田(佳)政府委員 具体的な避難計画等につきましては、それは地方公共団体が作成することになっております。ただ、その発動要件その他につきましては、現在国において、安全委員会等において検討中でございます。
○松浦委員 大臣、いまお聞きのとおりだと思うのです。大臣は原子力の専門家ですからね。技術的なことについては私は全くの素人ですけれども、ただTMI事故を経験として見た場合に、八年間で先ほど言ったように二〇%近くも原子力に依存する状態の中で、実際に国民に対しての防災体制というのはいま言ったようなことなんですよ。それは地方自治体がやることでございましてというようなことでしょう。それでは、実際いまTMIのような事故が、仮に高浜なりどこかで起こったとすればやりようがないのですよ。要するにパニック状態が起こるだけなんです。ですから、こういった問題について、通産省はただ原子力をつくる指導をするという技術的な発想じゃなくて、やはり国民の生命にかかわる重大な問題でありますから、その部分についての問題を早急に、いつまでという期限は切りませんけれども、次の通常国会に間に合うように、そういう緊急時における国民に向かっての避難体制、防災体制、こういったものについて具体的な資料を本委員会に提出することをお願いいたしたいと思うのですが、大臣どうでしょうか。これは非常に大切なことです。
○佐々木国務大臣 もちろん私どもの態度といたしましては、そういう事故は起こしちゃいかぬということでやっておるわけでございますけれども、お話のような万々一の事故、ほとんどあり得ないことだと思いますけれども、それに対して防災等の用意ありやという問題でございまして、私の承知する限りでは、たしか内閣で、各省にまたがる問題でございますから、消防等が中心になりましてその計画を進めておるやに承知しておりますので、その点もよく調べまして、できますれば資料を提出したいと思います。
○松浦委員 それでは、現実にもう十九基稼働しておるわけですから、そういう点についてはいま大臣が言われたように、内閣で各省にまたがる問題について調整しておられるなら早急に調整して、本委員会に提出を求めます。委員長、お願いします。
○佐々木国務大臣 どの程度作業が進捗しておるかつまびらかでございませんので調べますけれども、できるだけ希望に沿えるように努めてみます。
○松浦委員 できるだけでなくて、ぜひ出していただきたいということをあわせてお願いをいたしておきます。 それからもう一つ、これはまた本当に素人ですからそういうふうに理解していただきたいと思うのですが、原子炉の耐用年数が三十年になっておるわけですね。耐用年数が三十年ということは、三十年たったらもうその原子炉は発電できなくなる、ゼロになるわけですね。耐用年数が三十年——いや耐用年数は三十年でなくて十五年になっておるとお聞きしましたが、三十年でなくて十五年ですね。その点はどうですか。
○安田(佳)政府委員 法人税法に基づく耐用年数につきましては、十五年ということになっております。
○松浦委員 それでは、税制の措置としては、この原子炉は十五年たったらもうパアだ。ですから、電気料金の方には十五年で定率か定額か、かけておるわけです。ところが、原子炉の専門家に聞きますと寿命は三十年あるというわけです。十五年でパアになるのじゃなくて三十年はもちますと言うから、電気料金から、国民の立場で言わせてもらえれば、三十年使えるものを何で耐用年数十五年で固定部分をそんなに国民にたくさん割りかけるのかという不満はある。実際は三十年使えるのです。その点はどうですか。
○安田(佳)政府委員 現実の設備の物理的寿命と申しますと、先生御指摘のような時間になろうかとも思います。ただ原子力発電設備につきましては、現在日本におきまして、設置後の経過年数が短くて十分なデータが入手できませんので、発電パターンが類似しております汽力発電設備と同様の耐用年数をとっておるわけでございます。ただ、物理的な耐用年数につきましては先生御指摘のとおりだと思います。
○松浦委員 ですから、ほかの火力とか水力とかとの見合いで、計算上耐用年数は十五年と換算しておるということですね。ところが、科学的には三十年は使えるのだというお話です。そうしますと、三十年たったらこれはどういうふうになるのでしょう。三十年たったら放射能をたくさん持った大きな原子炉が美浜とか高浜に残るわけです。三十年たったら更新しなければいかぬわけです。そういう問題について、要するに原子炉が使えなくなった後の措置というものについてはお考えになっておられるのでしょうか。第一号の原子炉が活動を始めたのは四十八年でしょう。一番最初は四十八年ですな。そうしますと、三十年といったってもう間もなく来るのですよ。それは一体どうしますか。そういうことについても、ただつくるばかりで、使わなくなった部分についての検討というのは全くないのじゃないですか。その点について明確に答えてください。
○安田(佳)政府委員 日本で最初に設置されましたものは昭和四十一年でございますから、現在すでに十五年近くたっておるわけでございます。日本におきましては、その最終処分というものはまだ具体的問題となっていないわけでございますが、原子力の先進各国におきましてはそういう時期に達しまして、これまでにも小規模ではございますが、廃炉の実績を持っております。これに関する技術もかなり蓄積されていると考えられます。それらの技術につきましては、大容量の発電用原子炉にも適用できるものと考えられる点はございますが、当庁といたしましては、この問題は大変重要であるという認識のもとにおきまして、発電用原子炉の解体等に関します技術的手法につきまして、それを確立いたすべく所要の調査、検討というものを現在行っている段階でございます。
○松浦委員 まだ廃炉になるまでに時間的余裕がありますけれども、これからつくる部分については、そういう状態になったらこうしますという条件がなければ、地域住民とのコンセンサスなどというものは、得ようと思ったってなかなかむずかしいと思うのです。だから、そういう問題についても早急にやらなければ、ただ代替エネルギーだから原子力だ原子力だと言って原子力に傾斜していくと、そのことのツケがまた国民の側に回ってきます。いま検討中ということですが、なるたけ早い機会に外国の例等も見習って検討してもらいたい。しかし、実質的には、石野さんたちの説明を私聞いておりませんが、大体こういうものについてはもう処理する能力はないのじゃないかという気もするのです。ただ、そういう問題もあるわけですから、ぜひ早急に検討を加えていただきたい。大臣、どうですか。
○佐々木国務大臣 長い間使いました原子炉の中には高レベルの廃棄物がたくさんあることは事実だと思います。したがいまして、これに対する処理をどうするかということは御指摘のように大変重要な問題でございます。各国でも余り研究は進んでおらぬと思いますが、わが方もこれはどうしても早急に研究を進めまして、各炉はまだ廃棄するところまではいっておりませんから時間はありますけれども、重要な問題ですから真剣に検討させてみたいと思います。
○松浦委員 いま大臣が言いましたように、後処理の問題についてはまだ世界で最終的に方針やら方向がないわけです。そういうものがない間にどんどんつくっていくということの危険性が非常に強いですね。もう時間が来ましたから、この問題はまた次の機会に議論を譲りたいと思いますけれども、そういう点についてはお互いに十分な検討を加えた上で方針というものを出しておかないと、つくった後で国民にツケを回したって、これは死の恐怖ですからね。ですから代替エネルギーとして、われわれは社会党の立場でいろいろ意見があります。しかし、通産省なり政府は代替エネルギーとして二〇%の原子力発電という方向に傾斜していくわけですから、これから傾斜がさらにさらに強くなっていくわけですから、そういう基本的な問題をおろそかにしてはわれわれは国民に安心した電力を供給することは非常にむずかしい。安心して供給できない。ただ供給すればいいという発想は、私はこの際検討を加えておく必要があるのじゃないかということも一応申し上げておきたいと思います。これは意見です。 もう時間がなくなりましたので、最後に一つだけお尋ねをしておきます。 いま東京電力が二基、福島第二の三、四号炉を計画中です。この以降の原子炉は改善されたという御宣伝を東電がなさっておるのです。これは通産省にお聞きをしましたら、なるほど原子炉が従来のものよりも大きくなっているそうですね。大きくなっているという話を聞きました。そういう設計になっているのだそうです。そして何て言ったかというと、この改善によって百十日間の定期検査が義務づけられておりますが、その定期検査で作業する労働者の被曝量が、従来の原子炉に比べたら七〇%減るようになりました、こういうことを東電の幹部が言っておられます。実質的に実用に供しておる東電の幹部がそう言っておられる。いま計画しておる第二の三、四号機については、従来型よりも定期検査作業員の被曝量が七〇%低下をしますということは、逆説的に言うと、「原発ジプシー」という本も読ましてもらいましたが、現在の原子炉で定期検査の作業をしておる労働者の被曝量が大変なものだということになる。こういう旧来型の定期検査作業員の被曝量についてのデータを通産省はお持ちですか。
○安田(佳)政府委員 福島第二の三号機、四号機については、先生御指摘のように改良標準化を実施いたしました結果、従業員被曝について見ますと、従来の軽水炉に比べて六五%から七五%ぐらい被曝量が少なくなるというような目標になっております。この福島第二の三、四号機ばかりでなしに、ほかの発電所についても従業員被曝の低減化を図ることはきわめて大切なことでございますので、私どもといたしましては、この改良標準化の成果をできる限りほかの発電所においても取り入れるようにいたしたいと考えまして、制御棒駆動機構交換の自動化とかあるいはバルブの遠隔操作等を導入する等を進めているわけでございまして、それによりまして従業員被曝の低下を図れるものと期待しております。 それで被曝状況につきましては、放射線管理等報告書によりまして報告をとっておりますが、そのほか、さらに行政上の通達に基づきまして、従事者被曝放射線量等報告書というものもとっております。それによりますと、五十三年度の実績で申しますと、許容量は三カ月で三レム、年間で五レムということになっているわけでございますが、この調査によりますと、その許容量を超えておる人員はゼロということになっております。
○松浦委員 そう言われるだろうと思ったのですが、しかし、実質的に定期検査作業員の皆さん方の報告を聞くとそんなものではないのです。結局被曝した実態を隠さなければならぬという現地の状況です。ですからそれば正確な数字ではないと思うのです。ただ単に報告を求めてあらわれてきた数字ですから。 しかし、私は端的に言って、東電の福島第二の三、四号炉が明確にしておるように、いま被曝量が七〇%減ると言っておるその裏側には、いままでは被曝量が非常に高かったという問題があると思うのです。百十日間の定期検査というのは安全のために義務づけられている行為ですから、そういった意味ではこの際もっと真剣に、旧来の型についても被曝量が減るように早急に改善措置等を行ってもらいたい。現実にあるものについては作業員が定期検査に入らなければいかぬわけですから、その点について大臣、ひとつそういう指導方をお願いいたしたいと思うのですが、どうでしょう。
○佐々木国務大臣 東電の新型炉というのはどういう構造になっているか私まだ聞いておりませんけれども、しかしお話を聞いておりまして私ドイツのビブリスの炉を思い出すのです。あれはドイツでアメリカの軽水炉を入れて、独自に完全に安全なように自分でやりかえたものなんです。ですから、同じ国産でも非常に自信を持った国産でございます。それによりますと、定期検査の期間等ももちろん短うございますし、事故によっては炉をとめないで修理するというふうなやり方をとっておりますので、恐らく東電の今度の炉もそういうものを参照して、いままで安全に対してはずいぶん研究も積みましたから、またデータもたくさんできましたので、そういうものを参照しての改善炉だと思います。でございますから、その炉をよく調べてみませんと何とも言えませんけれども、しかし被曝そのものの、一日における被曝量等は、御承知のように完全に調べ上げて記録にとってありますので、危険でありますれば入れないのは当然でございますから、そういう保健管理は十分できているものと思います。いまのように新しい炉で被曝量が減るというのは、恐らく作業日子とかあるいはいままでの修理の仕方に対して改善を加えたといったようなことだろうと思いますので、もう少し調べてから御返答したいと思います。
○松浦委員 終わります。ありがとうございました。
○塩川委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 午後一時四分開議
○中島(源)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。深谷隆司君。
○深谷委員 私は、いわゆる中小企業の密集する東京の下町に住んでおりますので、中小企業に関してはきわめて大きな関心を持ち、また中小企業の実態を一番はだで感じている一人だと思っております。 日本が第二次世界大戦に敗れて、あの敗戦の廃墟の中から立ち上がって今日の大きな発展に導いたのは、中小企業の大きなたくましいエネルギーがその基盤になっていると思っている一人であります。この何年かの日本経済の歩みを見詰めてまいりますと、石油ショックに始まって、あるいは円高、円安といった目まぐるしい不安定な状況が続きまして、日本の経済は何回となく行き詰まるような状態を呈したのであります。しかし、それをみごとに克服して、今日世界の経済大国になっているのであります。さまざまな見方はあると思いますけれども、わが国の企業の構造をながめてまいりますと、たとえば大企業である親会社があり、子会社があり、孫会社があり、ひ孫会社があるといったような、いわゆる重層構造ででき上がっております。外部からの大きなショックがありますと、それぞれの構造の分野で応分のショックを受けて、それがためにその困難を乗り切ってきたと言えるのではないかと思うのです。しかし、企業の重層構造を綿密に見詰めてまいりますと、下部にまいればまいるほどより多くの犠牲を強いられてまいりまして、言いかえれば中小企業者は大きな負担の上に毎日の営みをしていかなければならない、そういう状態になっております。中小企業者の大きな犠牲の上に、涙ぐましい努力の上にわが国の経済が支えられていると言っても私は過言ではないと思っているのであります。 こうした私どもの認識について、きょうの質問の一番大事なポイントでありますので、通産大臣のお考えをまず承りたいと存じます。
○佐々木国務大臣 お説のように、中小企業はわが国におきましては量的にも質的にも非常に重要な役割りを果たしておりまして、これは深谷先生の申すとおりだと存じます。したがいまして、通産省といたしましては御承知のように中小企業振興対策というものが最重点施策の一つになってございます。特にお話のような急激な経済情勢の変化によりましていろいろ被害をこうむる中小企業に対しまして、最近では御承知のように特定不況地域中小企業対策臨時措置法あるいは産地中小企業対策臨時措置法等を制定いたしまして、金融とかあるいは税制上の優遇措置を講じてきたところでございますが、今後とも適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えてございます。
○深谷委員 ただいまの大臣のお答えで、中小企業がわが国の経済を支える大きな基盤であるという点についての御認識が十分おありであることに満足をいたしていますが、しかし、それではそれだけの大きな貢献をいたしてまいりました中小企業に対して温かい手だてがどれほどあったかと考えますと、私はまことにお粗末であったと言わざるを得ないと思っているのであります。むしろ中小企業対策というのはいつも後手後手に回されてしまいまして、きわめて公平を欠く扱いを今日まで受けてきた、このように思います。中小企業庁長官、その点についてどうお考えでしょう。
○左近政府委員 いま大臣がお答え申し上げましたように、中小企業というのは日本経済の基礎をなしておるということで、しかしながらこの経済発展の中で大変むずかしい立場に置かれておるということもわれわれは十分認識をしております。したがいまして、この対策につきましては極力機動的にやりたいということでございまして、かつての円高の問題が起こりましたときに早急に対策を実施いたし、緊急融資制度というものをまず実施いたしまして、それから時を移さず、国会の開会に間に合うように円高対策法を通していただいたというようなこともございますし、最近におきましては、特定不況地域対策につきましても緊急融資制度を先行させまして、特定不況地域の法律の出る前に事実上融資制度を発足させたという点もございます。したがいまして、末端の中小企業の方々にはなかなか手が届かないというようなうらみもあろうかと思いますが、われわれといたしまして極力臨機にその時期に応じた対策を進めるように努力をしたつもりでございますが、もしまだ行き届かない点がございますれば、今後われわれとして十分その点について臨機に措置ができるように努力をいたしたいというように考えております。
○深谷委員 よく言われることでありますけれども、日本の政治や行政というのは農村型だという言い方をされます。いま長官のお話ではかなりのことをやってこられたというお話でございますが、それでは農村に対する諸施策と比較した場合どうでしょうか。つまり、たとえば農村に災害が生じた場合、農業災害補償制度あるいは天災融資制度、補助金による助成措置または税制の減免措置など非常に手厚い保護があるわけであります。お米に関して申し上げるならば、どんなに余剰米ができても農民がつくり上げたお米は全部国が買い取る、あるいは減反というようなことを行おうという場合には助成金でこれを十分に保護する、至れり尽くせりであります。そういう農村対策と比べた場合、いま中小企業対策が行き届いているようにおっしゃったけれども、一体どうでしょうか。率直な御意見を伺いたい。
○左近政府委員 御指摘のとおり、農業対策は非常に行き届いておるというふうなことはわれわれも事実だと思います。それに比べて中小企業対策がどうかということでございます。たとえば一般会計の予算だけを見ますれば、農業予算というのは現在の一般会計の大体九%ぐらいを占めておるように承知しておりますが、残念ながら中小企業関係予算はわずか〇・六%というようなことになっております。したがいまして、一般会計予算等を見ればまだまだ不十分であるという御指摘もごもっともだと思いますけれども、われわれといたしましては、中小企業というものは数も非常に広範でございます。また自主的な経営活動をしておるという点で農業よりはより企業としての立場がございます。そういう点を勘案いたしまして、予算のみならずほかの対策によってこれを補完していきたいということを考えておるわけでございます。したがいまして、先生の御指摘のようなお話につきましては、まだまだ十分だとは申し上げかねると思いますけれども、従来の政府の施策というのはそれなりに相当努力をしてきたものというふうに評価していただきたいというようにお願いを申し上げるわけでございます。
○深谷委員 たとえば農村の場合、長官、災害というのは言ってみれば天災だ、自己の責任でない。したがって、これに対する国の施策というものが非常に手厚くなる。それじゃ中小企業は苦境に追い込まれる原因はいろいろありましょうけれども、たとえば自己の事業の経営手腕であるとか見通しだとか、さまざまな問題で中小企業が立ち行かなくなるケースももちろん多いと思いますけれども、石油ショックであるとか円高とか円安といったような事柄で起こってくるような苦難、私どもに言わせると、それは中小企業自身の経営能力とか見通しの甘さとか、そういうことではないように思えてならないのであります。外国の予期せざるさまざまな事情から起こってきた問題というのは、一種の災害、天災と同じように扱ってしかるべきではないだろうかとかねがね思っていますけれども、この点についていかがでしょうか。
○左近政府委員 御指摘のとおり中小企業みずからの努力ではなかなか解決しない問題があるということは事実でございます。一昨年から昨年にかけて起こりました円高の問題などもその典型的なものであろうというように思います。したがいまして、そういう時期には中小企業のみずからの力だけでは何ともできないという事態でございますので、円高対策というふうな政策を考えまして、まず先ほど申しましたように緊急融資をし、しかる後緊急措置法を制定していただきまして、緊急融資のほかに税制上の特別措置というようなものも講じたわけでございます。 緊急融資につきましては、一昨年の十月創設以来現在まで大体四千億の貸し出しをいたしております。これは政府系の金融機関の通常貸し出しの中でも相当大きな部分を占めておるわけでございますので、われわれといたしましても中小企業がみずからの力ではいかんともしがたいというようなことが起こりますれば、時を移さず対策を講じていきたいというように考えておるわけでございます。
○深谷委員 たとえば倒産防止対策の場合、いろいろな施策はありますけれども、倒産というのは、あるいは関連倒産もそうですけれども、緊急を要する出来事であるわけですね。そういう場合に、私どもが調べてみますと、スピーディーな措置があまりなされない。そういう厳しい状態の中でも、たとえば担保の問題であるとか利子の問題であるとかあるいは期間の問題であるとかさまざまな要求があって、その対策が敏速になされないといううらみがあるわけですね。こういうことについて、今後の対策も含めて何か新しいお考えを用意しておられるか、伺いたいと思います。
○左近政府委員 確かに倒産、ことに関連倒産に瀕するというような事態に対しては、時を移さず金融措置を講じなければいけないということは御指摘のとおりでございます。われわれといたしましても倒産関連の緊急融資制度というのを設けましてその措置を考えておるわけでございまして、たとえばこの中小企業に関連をする親企業等が倒産いたしますれば、時を移さず通産局に対策本部を設けまして金融のあっせんその他をやることにいたしております。しかしながら末端の中小企業の方に行きますと、なかなかそれがまだ迅速でないというような事実もあろうかと思います。しかし、われわれといたしましては今後も極力迅速な処理をいたしたいと思っておりますし、従来もこういう倒産関連融資については審査を迅速にするようにとか、あるいは担保の徴求についても過大なことを要求しないようにというふうなことを金融機関には指導いたしておりますが、今後もその趣旨を十分徹底させるようにいたしたいというふうに考えておりまして、この倒産に瀕する中小企業の方がそういう融資の手おくれによって重大な結果を引き起こすということがないようにいたしたいというように思っております。 それから、ことしからやり始めた制度といたしまして、倒産に瀕するといいますか、非常に経営がうまくいかない企業のまず相談に乗るということにいたしまして、各商工会議所に相談員を設置いたしまして相談に乗り、倒産の悲劇に至らないうちに問題を解決するというふうな相談制度も実施を始めております。こういうものを行き渡らせまして問題が起こる前にも何か手を打てたら打っていきたいというように考えておるわけでございます。
○深谷委員 長官のおっしゃったような制度の上で、あるいはたてまえとしてはきちんとやっておられるというのは認めるわけですけれども、いまお話があったような、末端における問題が実は一番の重要なポイントでありまして、たとえば商工会議所での相談も結構ですけれども、そういう事柄すらも知らないような末端のさまざまな苦難の道を歩んでいる小規模の事業を行う人々というのは非常に多いわけであります。特にわが国の中小製造業のうちで考えてまいりますと、六〇%近い数は下請取引でありますね。そういう親会社が倒産をした場合にそのまま金繰りに困って倒産をする、間に合わないという現実があるわけです。だから、制度とかたてまえというのは大いに結構だし、これからも鋭意努力していただきたいけれども、末端に対する行き届かないその姿をむしろ私は指摘して、これに対する配慮を求めたいと思っておるわけですが、いかがですか。
○左近政府委員 御指摘まことにごもっともでございます。制度がござ小まして馬、それが適宜適切に運用されなければ意味がないわけでございます。御趣旨を体しまして今後十分努力をいたしたいと思っております。
○深谷委員 中小企業倒産防止共済制度というのがありますね。これは大変大事なことだろうと思うのですけれども、いままでどのくらい活用されてきたのでしょうか。つまり加入者はどのくらいいるのでしょうか。そしてそれはこの制度をつくったときの趣旨と比較して一体満足すべき状態にあるのかどうか。
○左近政府委員 倒産防止共済制度は昨年四月発足いたしました。現在まで大体一万八千件強の加入がございます。御指摘のとおり、われわれといたしましてはもっと多くの加入をしていただきたいということで発足をしたわけでございますが、やはりわれわれが想像したほどには達していないのが率直に申しまして現実でございます。 これにつきましては、われわれもこの倒産防止共済制度というのは初めての制度でございますので、とりあえず発足をして、必要があれば適時制度を見直していこうという態度でやってきたわけでございますが、およそ一年近くの実績もございますので、この実績を踏まえて、実はもう少し皆様方に利用していただきやすいような形に改正をしていきたいということで現在鋭意検討中でございます。したがいまして、今後につきましては、もっとこの制度が利用しやすいようにわれわれとしても手直しをしていきたい、かように考えております。
○深谷委員 いま長官言われましたように、倒産防止共済制度が十分に活用されてないのは、たとえば限度枠の問題とか手続の問題とか、いまおっしゃったPRの問題とか炉ネックになっているわけですね。これについて具体的にではこれからどういうふうな改善をお考えになっていらっしゃいますか。
○左近政府委員 この改善をどういうふうに持っていくかということでございますが、これにつきましては、実は法律改正、それから予算についての新しい追加という点もございますので、これから年末にかけて政府の部内で検討し、その上でまた国会で御審議を願わなければいけないということでございますので、いま確定的なことはまだ申し上げられませんけれども、われわれとして一般の方々からの要望の強い点を極力実現したいと小うことでございます。 要望の強い点と申しましては、一つはやはり掛金額が低いということでございまして、現在の制度でございますと、掛金を満額にいたしましても百二十万円でございますので、その十倍ということで千二百万円しか借りられないということがございます。ところが、現在の倒産の実情を見ますと、もっと金が要るということもございますので、この千二百万円という額をもっと大きくしたいというのが一点でございます。それから、これは現在は月額二万円でございますが、これを五年間掛けまして百二十万円になるわけで、五年間にならないと満額にならないということでございますが、こういう時代でございますから、五年も待てない、もっと早く満額にしてほしいという御要望もございます。したがってその二つを解決するためには、月々の掛金を現在の二万円をもう少し上げて、そして早く満額にしかつ貸付金も大きくしたいと考えております。そういう点が一番の問題であろうかと思いますので、そういう点を中心に、その臓かいろいろふぐあいな点も指摘されておりますので、そういうもの竜頭に置きながらいま案を練っておりまして、これで関係の各省とも御相談をした上で予算を成立させ、またこの法案も提出したいというふうに考えております。
○深谷委員 せっかくできた共済制度でありますから、これが十分に活用されて危機に瀕している中小企業者が救われるように鋭意努力を願いたいし、私たちもそういう動きに対して御協力することをお誓いしたいと思っております。 それから次の質問ですが、各地に地場産業というのがたくさんありますね。私が住んでいる東京のたとえば台東区というところでも、皮屋さん、くつ屋さん、かばん屋さんあるいはぞうり屋さん等々、長年にわたってその地域で地場産業として栄えてきたそういう分野があるわけであります。それは各地とも同じであろうと思うのです。しかしそれがいまそれぞれの分野において、長年の歩みの中から比べるとかなり行き詰まった部分が出始めております。たとえば皮革関連で申し上げるならば、今年の五月に原皮の値段が相当に上がりまして大騒ぎをしておりましたら、今度はたちどころに暴落する、わずか数カ月の間にそのような大きな変動がありまして、地場産業が危機に瀕するというような場面が目にとまるのであります。あるいはぞうり業者等に聞きますと、時代の推移もありまして、地場産業としてのこれからの動きに非常な心配を抱いているという向きもあります。地場産業はその地域の発展にも衰退にもつながるわけでありますから、これに対して温かい政治、行政の手を差し伸べるということは非常に大事であろうと思いますが、現在まで地場産業は一体どのような形でこれを支えてこられたか、今後はどのような方向で地場産業を守っていこうとお考えか、具体的にお話しいただきたいと思います。
○左近政府委員 地域の経済を支える意味での地場産業というのは非常に大きな意味がございますし、また今後の産業を振興するにおいて、業種別に振興するほかに、各地、各地の特徴に応じた産業を伸ばしていく必要が十分に考えられますので、そういう意味で産地振興対策を考えておるわけでございます。それで、すでに産地を形成しておるような中小企業につきましては、ことし御審議いただきまして成立させていただきました産地対策法によりまして現在対策を講じておるわけでございまして、この趣旨は、産地を形成している中小企業が集団で、産地ぐるみで新しい製品を開発したり、あるいは新しい技術を開発するということで時代の流れに適応しようという事業をやる場合に、中小企業庁が組合については補助金、個個の事業者については低利融資というもので応援していくという制度でございますが、これにつきましては現在初年度、本年度七十七カ所指定をいたしまして、現在その対策を進めつつあるわけでございます。 なお、地場産業の中には現在まだそういう産地を形成するに至らないような、いわば産地の芽というふうな産業もございます。ところが、これからの地域経済を振興する意味においては、そういう地場産業の芽を育てていくということが非常に重要であろうというふうに考えておりまして、これについては各都道府県がいろいろ対策を考えておりますけれども、これを国としても後押しをいたしまして、そういう地場産業の芽を開かせるという対策を来年度から講じていきたいというふうに考えておりまして、以上のような二つの対策を合わせまして、今後の地場産業の発展というものを大いに期していきたいというように考えております。
○深谷委員 ただいま申し上げたように、たとえば皮革の問題で言えば、原皮が暴騰したり暴落したりするそういう状況というのは、その地域の業界、地場産業全体の力の範囲ではなかなか予測しがたい部分があるのですね。そういうようなことについての適切な予測とアドバイスといいましょうか、そういうようなことも含めた地場産業対策というものをお考えでしょうか。
○左近政府委員 いま申し上げました産地振興対策では、やはり地域地域がいろんな情報を集めまして、そういう事態に適応しなければいけない、そういう意味において、産地振興対策の中にはそういう情報収集というような点も事業の一つに加えていっておるわけでございますし、今後もそういう意味において、御指摘のように産地だけでなかなかわからないような問題についてアドバイスができるというような制度も、その組合の自主的な事業の中に組み込んでいく、これをまたわれわれが補助金で応援するという形で実施をしていきたいというように考えております。
○深谷委員 地場産業の育成といいましても、本当に各種各様でございますから容易なことではないと思いますが、ぜひひとつきめの細かい配慮とあるいは分析、応援をされるように心からお願いを申し上げる次第です。 それで、たとえば具体的に、国家全体の中での地場産業育成という方針はよくわかるのですけれども、具体的な地域に分かれた場合には都道府県の応援をするということにとどまるのですか、それとももっと積極的な、直接的な配慮というものも考えられるわけでしょうか。
○左近政府委員 これは先ほど御説明した二つの種類によって若干異なってくると思います。産地振興法の対象になっておるような地域は全国的にも認められた産地でございますので、これについては国自身もいろんな意見を言う、しかしながら、実際に細かい実態を知っておるのはやはりその産地の組合であり、かつまた都道府県でございますので、産地の組合あるいは都道府県が自主的に計画をつくるということをしていただきまして、これを国が応援するという形になっております。しかしながら、応援だけじゃなくていろいろアドバイスするということも含まれておりまして、その産地については国も相当関与していきたいと思っております。 それから、その芽を育てる方でございますが、これについては、やはり地方地方の実態というのが一番重要でございますので、この点についてはむしろ府県に自主性を持たして考えていただく。しかしながら、府県だけではなかなかいきにくい点もございますので、これの方は応援という形で実施していきたいということでございまして、前の産地は、いわば地場の府県と国が共同して産地振興をやる。それから芽を育てる方は、主体は県にお願いをしてこちらが応援をしていく、こういう形になろうかと思います。
○深谷委員 どうぞひとつ地場産業の実態をしっかり把握されて、適切な処置をとっていただくようにお願いいたします。 先ほど、私は冒頭に、日本の政治並びに行政の仕組みから見るとどうしても農村型で、農村に偏って力を入れ、都市の、特に中小企業者に対する手の施しようが足りないということを申し上げたわけでありますが、これは税制の上でも明瞭にあらわれているわけであります。クロヨンと言われますように、給与所得者は納めるべき税金の九割をまず源泉徴収で取られます。商工業者は六割まで厳密に取られるわけであります。農業者の場合には四割。クロヨンと言われるように、税制の上でも私は差があるというふうに思うのでありますが、そのようなアンバランスの上に、今日のように一たび財政が苦しくなりますというと、一般消費税といったような、目に見えて中小企業者が困るであろう発想というものが実に軽々しく出てくるようなところがあるように思えるのであります。大平総理は、一般消費税の導入は五十五年度は断念した、こうおっしゃっておられますけれども、大蔵省の考え方の中には五十六年以降の導入はむしろ考えているといったような、そういう動きがあるように私には思えてなりません。 通産省として、この一般消費税が仮に導入されるとしたならば、中小企業者がどのような影響を受けるとお思いでしょうか、御見解を伺いたいと思います。
○左近政府委員 一般消費税の導入につきましては、中小企業の方々からいろんな御意見をいただいております。ことに大変心配しておられるというのは事実でございまして、その心配の主な点は、やはり価格の転嫁ができなくなって、結局税を中小企業者がしょい込むことになるのではないか。本来なら一般消費税でございますから、価格転嫁が十分にいくという前提になっておるわけでございますが、それが実際上なかなかうまくいかない。そうすると、結局この課税が中小企業者にしわ寄せになるのではないかというのが一番大きな御心配であろうと思います。こういう点につきましては、われわれも中小企業の方々の御意見まことにごもっともだと思っております。したがって、今後この一般消費税の検討に当たっては、やはりこういう税制が中小企業にしわの寄らないような形でなければ絶対行うべきではないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。したがって、税というものはやはり公正でなければいけない、公平でなければいけないということをわれわれは考えておりますので、そういう点今後も検討に当たっては十分注意してまいりたいというふうに考えております。
○深谷委員 ただいま長官が言われたとおり、一般消費税が導入されて一番困るのは、もう価格に転嫁できないというまさにその一点であります。中小企業、とりわけもっと零細な企業をながめてまいりますと、現在でも非常に弱い立場にあって、品物をつくって上に持っていきましてもかなり値段が抑えられて、競争が激しくて無理して低い価格を甘んじて受けて商売をやらなければならないというのが実際の姿なんですね。ですから、一般消費税という形でこの税制が導入されて、一つ一つの価格に上乗せができるというものの、実際にその品物を何社か持っていって買ってくれと言った場合に、おまえのところは一般消費税の分は価格に上乗せしているが、ほかはがまんすると言っているよ、こうなると、結局はやはり自分でこれを負担していかなければならぬということは目に見えているわけであります。しかも、現在の中小企業の実態をながめてまいりますと、大企業が考えるような週休二日制などというのは全くもう夢物語でありまして、八時間という労働時間が決められているにもかかわらず、九時間、十時間働いているところがざらであります。しかも、手が足りませんから、家族、親戚の協力まで得て物をつくる仕事をいたしているというのが現状であります。ですから、一般消費税などというものを導入するとすれば、もう本当に中小企業は行き詰まって大変な混乱になると私は思っています。 中小企業者の、そういう週休二日制なんか考えられない、価格はいつも抑えられる、弱い者がいつも不利な状態に追い込まれるという実情について、どんなふうに御認識でしょうか。
○左近政府委員 実は中小企業庁で零細企業、ことに下請企業の状況を知る意味におきまして、範囲は広くないのでございますが、毎月アンケートをとっていろいろ伺っております。そういたしますと、御指摘のように、景気が悪くなり始めるとたちまち下請代金のカットというのが出てまいります。それから、ことしの春以降景気がよくなりましたけれども、そのカットというものがまだ続くというふうな実情が出ております。そして、ようやく最近になってある程度下請代金などを少し見てもらったというのがぽつぽつ出てくるというような状態でございまして、景気が好転をしてもなかなか下請企業の地位がよくならないというような実情をわれわれも常に目にしておるわけでございます。したがいまして、そういう意味において、この中小企業の立場というものを今後も十分考えていきたいし、われわれとしてもそういう中小企業の苦しみというものは毎回の調査で十分認識をしておるわけでございます。
○深谷委員 一般消費税導入の場合にもう一つ重要なことは、書類づくりが大変繁雑なんですね。まだいまでも末端の零細企業、小規模企業をながめてみますと、書類づくりだけでも大変で、むしろどんぶり勘定がそのまま残っているようなぐあいですね。こういう中で、繁雑な事務手続が当然予測されると思うのですが、この点についてはどうでしょうか。
○左近政府委員 税の徴収に当たって、極力繁雑にならないようにするということは当然必要でございます。何分この一般消費税については、まだそういう細部の事項の検討は政府部内でもなされておりませんので、われわれといたしましては、そういう事態が出てまいりましたときには、事務の繁雑というものを極力避けるという趣旨も意見としてまた申し上げたいというふうに考えております。
○深谷委員 重ねて申し上げますが、財政が足りなくなったら物言わぬ中小企業者から取ればいいという考え方というのは、私は間違っていると思います。家族の手をかりて、労働時間も非常に長く、そして一人一人の努力で辛うじて生きてきた中小企業の実態を十分に考えて、私も一人の政治家として、一般消費税導入のようなことがあれば、体を張って阻止しようと思っていますが、いわば中小企業を守る側に立つ通産省は、よほどの決意を持ってこれに当たっていただきたい、そう思うのであります。 実は、通産大臣にも御意見を伺いたいとは思ったのでありますが、何しろこれは政府でまだ決まっていないことでありますから、ここで大臣のお言葉をお聞きすることは遠慮しなければならぬと思いますが、どうかただいま私が申し上げたようなことを踏まえて、十分にお考えいただくように要望させていただきたいと存じます。 次に、今日の日本の財政状態というのは非常に不健全であることは私どもよく承知しております。ですから、税金以外で財政を肥やすことは不可能でありますから、さまざまな検討を要することは当然のことだろうと私は思います。しかし、同時にもっと大時なことは、むだな経費をできるだけ省くという、いわゆる行政改革というものが非常なポイントだろうと思うのですね。増税問題に関して言わしていただくとするならば、まず政府並びに行政官庁がみずからのむだを排除して、出るを制するということから始めていかなければならぬ、私はこう思うのであります。行政改革を行うとともに、いま問題になっております外郭団体の統合整理、むだを総点検してこれをなくしていく努力というものを十分にやった上で、国民に向かって、なお財政が厳しいから協力してくれまいか、そういう話を進めるべきではないだろうかと思うのでありますが、最近の傾向をながめてまいりますと、出るを制するということのために、またかえって中小企業にしわ寄せが来ているような部分もあるようにどうも思えてならないのでありますが、そういうことをお感じになっておられましょうか。
○左近政府委員 政府の財政を健全化するということは当然必要なことでございますし、その辺について出るを制すということが必要であるというのは御指摘のとおりでございますが、一方、われわれの立場からいたしますと、先ほどから先生がるるお話しになりましたように、中小企業は弱者でございます。そういう弱者である中小企業を、むしろ公平に発展させるという意味でのいろんな施策が考えられておるわけでございますので、そういう施策については、もちろん政府の支出は節約をいたしますが、必要なものは出していただきたいというふうにわれわれは念願をしておるわけでございます。予算の問題等はこれから政府折衝が始まるわけでございますので、われわれとしてはそういうふうな傾向があるかどうかということはまだ具体的にはわからないわけでございますが、われわれといたしましては、そういう時代であっても、効率的に使用するという前提の上において、やはり必要な経費は確保していきたいと考えております。
○深谷委員 たとえば去る十一月十七日の某新聞にこういう記事が載っています。「中小企業の海外市場開拓準備金 今年度限りで廃止 不公平税制是正へ第一弾」、こういう記事をごらんになりましたでしょうか。
○左近政府委員 新聞の記事は知っております。実はこの租税特別措置につきましては、現在不公平税制是正という趣旨から検討が行われておることは事実でございます。しかしながら、個々の案件についてはまだ検討中でございますので、意見を申し上げることを差し控えさせていただきたいと思うのですけれども、全般として中小企業行政として考えるならば、われわれといたしましてはこの不公平税制に当たるものはほとんどないのではないかと思うわけでございますので、個々のことを審議しながら、不公平税制でない、中小企業を公平に扱うというようなものについてはやはり維持していただきたいということでお話を進めていきたいと考えておるわけでございます。
○深谷委員 ただいま長官が言われたように、まだ煮詰まっていないような話がもう十一月十七日の新聞に載っているわけであります。私はまことに遺憾だと思います。一体どういうところからこういうニュースが流れるのだろうか。ニュースソースは一体どこなんだろうか。いま私はそのことをせんさくするつもりはありませんけれども、うがった見方をすれば、不公正な税制であるという印象を国民に与えて、これはむしろ中小企業救済のための制度であるにもかかわらず、世論操作によって、いかにも正当であるかのように切り捨てを行おうとする考え方ではないだろうか、そんなふうに私には受けとめられてならないのであります。そうお思いになりませんでしょうか。
○左近政府委員 新聞の記事につきましては、事実不公平税制というふうな趣旨があるのかどうかという点について、われわれとしても疑問に思っております。したがいまして、これについてはやはり政府部内でもっと意見を闘わして、そして、そういう中小企業の公正を保つためになされておる税制というものは、極力維持していくということに努めていきたいと考えておるわけでございます。
○深谷委員 すでにこのような新聞報道がなされておりまして、私どもにとっては大変ショックな話でありますから、この機会に改めて海外市場開拓準備金制度についてお考えを承りたいと思います。どうぞ中小企業庁長官でなくても結構でございますから、わかる方から御説明いただければ幸いであります。 私は、そもそもこの準備金制度というものができたのは昭和三十九年と心得ておりますが、海外との貿易を行うに当たって、大企業にはかなりのゆとりがありますからさまざまな分野で有利な面が多い、しかし、中小企業の貿易に携わる業者においては、資金力、人材その他さまざまな分野で力が足りない、そういう大企業と中小企業との格差を埋めていこうということのためにこの制度ができ上がった、そう私は記憶しているのであります。とすれば、この新聞報道とは全く反して、むしろ不公平な立場に置かれている中小企業を救うためでありますから、この制度は公平な制度であると言わなければならぬと思いますが、でき上がった経過を含めてどうお考えになっているか、御説明願いたいと思います。
○村井説明員 御説明申し上げます。 中小企業等海外市場開拓準備金制度は、ただいま先生御指摘のとおり昭和三十九年に、その当時にございました輸出所得控除制度の廃止されますのに伴いまして新設された制度でございます。 〔中島(源)委員長代理退席、野田委員長代理着席〕 確かにただいま先生御指摘のとおり、大企業あるいは大商社でございますと海外に大きな現地会社もございましたり、あるいは駐在員事務所、支店等々のネットワークがございまして、これを通じますテレックス網等も整備されております。それを通じての商売、何か現実に商売がございましたら直ちにそこへ駐在員が飛んでいって商売をつかむということが十分可能なんでございますが、中小企業になりますとこれがなかなかむずかしゅうございます。大きな商売がございましたら一々日本から飛んでいかなければならない。あるいはそうでなくても通常のメールで商売をするとかあるいはカタログをただ配って商売をするとか、いろいろな意味でハンディキャップが大きいわけでございます。また、為替リスクヘッジでございますとか、そういう手段にも非常に限度がございます。あるいは信用力、資金調達力の点でも問題があることは申すまでもございません。そういう点でハンディキャップを負っておりますことを重視いたしまして、この面につきまして税制上の配慮を加えることにしたわけでございます。 具体的には、一定の海外取引をいたしました資本金十億円以下の企業につきまして、輸出取引高のうちの一定の比率を準備金として積み立てることを認めまして、この積み立てました準備金を五年間にわたって均等に取り崩す。したがいまして、減税と申しましてもいわば税の繰り延べでございまして、絶対的な減税ではないわけでございます。こういうような手段を通じまして税制上の配慮を行うことによりまして、中小貿易業を中心とする企業の経営の安定を図っておるわけでございまして、まさに先生御指摘のとおりの、大商社あるいは大メーカーと中小貿易商社との格差を是正する税制であろうと私ども理解している次第でございます。
○深谷委員 あくまでも新聞報道に基づいて論議をしておりますので、本当からいうと大蔵省のだれかに来ていただこうと思ったのですけれども、ニュースソースが明らかになっていませんので、この新聞で報道されたものを土台にして聞いているんだということを御承知おき願いたいと思うのですが、その文章の中に、この準備金制度というものがもはや時代にそぐわなくなった、こう書いてあるのであります。ところが、私どもが考えてみますと、石油ショック以降円の不安定な状況等等、とみに最近国際的な変動が大きいわけであります。その上、いわゆる発展途上国の追い上げもますます厳しくなってまいりまして、中小企業の貿易関連業者にとりましては、むしろいまの方が厳しくなる、あるいはこれからの方が厳しくなるという時代に差しかかっているように思えてならないのであります。マスコミの報ずるところによれば、時代にそぐわない、こう書いていますが、私どもから言わせれば、逆に今日の時代にこそこのような準備金制度は堅持されるべきだ、こう思いますが、いかがでしょうか。
○村井説明員 まことに御指摘ごもっともでございまして、私ども、この制度は中小企業と大企業の格差を是正するという意味におきまして、とりわけて先生御指摘のとおり、繊維、雑貨というような業種、特に中小企業性の高い業種におきまして、発展途上国の追い上げが非常に厳しくなってきております環境のもとで、また、現段階では若干円のレートは安くなっておりますけれども、基本的には円高が取りざたされているような環境のもとにおきまして、非常にこういう制度のメリットがある現状であろうと考えております。
○深谷委員 ただいまお話のありましたように、この準備金制度の趣旨というのは大企業と中小企業との格差を埋めようということのためであると思います。ところが、一方においては東京ラウンドで合意した輸出奨励制度の制限規定に抵触するという主張もあるやに聞いています。私はこれはおかしいと思うのですが、これについての明確なお答えをいただきたいと思います。
○村井説明員 御説明申し上げます。 東京ラウンドで問題になりましたガット上の条文はガットの十六条の四項という規定でございますが、ここでは輸出品と国内品との間に価格の上での差を生ずるような輸出奨励のための補助金、こういうものを禁止しているわけでございます。したがいまして、昭和三十九年以前にございました輸出所得控除制度はまさにこれに該当するおそれがあるということで、昭和三十九年に廃止をいたして、それにかえましてこの制度を創設したわけでございまして、大企業が売りますものにつきましてはもちろんこの制度の適用がございませんから、したがいまして国内と国外との間でこの制度によります値段の差というようなものが何ら生ずるわけがないわけでございます。この制度はあくまで大企業と中小企業の格差是正ということでございますので、ただいまのカットの規定に——ガットの規定で私ども俗に価格差要件と申しておりますけれども、これに抵触しない次第でございまして、さような意味で国際的にもいまだ問題になったことは全くございません。
○深谷委員 アメリカにDISCという制度があります。これはわが国の準備金制度と大変似ておりますけれども、わが国の場合には五年間を限度として取り崩していくわけでありますが、アメリカの場合にはこれは無期限だと聞いておりますが、ちょっとそのDISCの中身と準備金制度の中身とを比較して、その差異をきちんとお話いただきたいと思います。
○村井説明員 アメリカのDISC制度でございますが、これはドメスティック・インターナショナル・セールス・コーポレーション制度と申す制度でございます。簡単に申しますと、アメリカのいずれの会社でもよろしいわけでございますが、輸出専業の子会社をつくりまして、その子会社を通じて輸出をいたしまして、その輸出をして得ました収益をこのDISCと申します子会社にとどめおきますと、その二分の一につきましては、いわば準備金と同じことでございますが、税がかからない、こういう仕掛けでございます。この会社は大企業でも中小企業でもだれでもつくることができるということでございまして、そういう意味ではこの市場開拓準備金のごとく、中小企業のみに適用があるような制度ではまずないわけでございます。 それから第二に、同じような税の繰り延べという意味では市場開拓準備金と類似の制度ではございますけれども、市場開拓準備金の方は五年間で必ず均等に取り崩さなければならないという強制が働きまして、最終的には必ず税が課税されるという形になっておりますのに対しまして、このDISCの場合には無期限でございまして、そういう意味で市場開拓準備金に比較いたしまして税制上の恩典としましてはかなり強度が強い、こういうふうに申すことができるかと存じます。
○深谷委員 この準備金制度ができる前には輸出所得控除制度で、これは確かにガットに反すると私は思うのですが、わざわざ準備金制度に切りかえて今日に至っている。それから、先ほど申したように東京ラウンドでの合意にも反していない。にもかかわらず、このマスコミの報道によるとガットにも抵触するし、東京ラウンドの合意にも抵触して海外からも批判があるかのごとき報道がなされているわけであります。まことに不可解であります。もう一回この点についてお話を承りたい。
○村井説明員 若干補足して申し上げますと、ガットの規定上本則の上ではこれは明らかに抵触しないと私ども考えておるわけでございますけれども、実は東京ラウンドに際しまして若干の補足的な取り決めが行われまして、その際にこういう課税の繰り延べというものにつきましても今後慎重に議論をしようというような新しい了解ができておるわけでございます。しかしながら、この点につきましてはあくまで研究をしよう、検討をしようという段階でございまして、このために市場開拓準備金が直ちに問題にされるというような状況ではないと私どもは判断しているわけでございまして、さような意味で私先ほど、国際的な場において市場開拓準備金が明確に問題にされたことはない、かようにお答えを申し上げた次第でございます。
○深谷委員 積み立てた額を必要経費か損金として算入して、五年間で均等に取り崩すという税制上の優遇措置なわけであります。したがいまして、これは免税でも何でもないわけなのですね。この制度を廃止することによって年間七十億円以上の増収を見込むとありますけれども、そうなってくると、単年度で見れば確かに七十億円入ってくるけれども、実際には五年間で取り崩すわけでありますから、全くの増収になるわけではなくて、先ほどから出ておりました租税特別措置についての見直しという点からいくと、全く関係ない話だと言わざるを得ないと私は思うのであります。こういう言葉の上でのごまかしで中小企業が助かっている制度を廃止しようという考え方は非常に間違っていて、このようなことを発表し、新聞に報道させて世論形成を行うということは断じて許しがたいことだと思っています。そういうことに対して当局としてはそうではないのだ、免税措置でも何でもないのだ、ガットにも抵触しないし、東京ラウンドの合意にも抵触しないし、中小企業を守るためなのだというような主張、PRというものをもっと積極的にやらなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○村井説明員 まことに先生の御指摘ごもっともでございまして、私どもとしましてもこの制度がただいまるる御説明申し上げましたような本質を持つものであり、また目的を持つものであり、本質的には余り問題のないものではなかろうかという点につきまして、いろいろな機会をとらえましてPRに努めているつもりでございますが、まだなかなか力足らざるところがございまして、今後ともせいぜい努力をさせていただきたいと思います。よろしくひとつお願いいたします。
○深谷委員 この制度については、昨年度の税制改正においていろいろな討論がなされたと聞きます。そして昭和五十六年三月三十一日までこれを延長すると決めたわけであります。ところが、まだ一年残しているのに、ここで廃止というのはますますもっておかしい話で、私は、言いかえれば中小企業が今日軽視されている端的なあらわれだろう、そのように思っております。 冒頭に申し上げましたように、わが国の政治、行政は農村に偏り過ぎております。都会の方を向いていないのであります。中小企業を大事にしてその努力に報いようという姿勢がないということであります。そういう事柄が先ほどまでさまざま私が申し上げた現象の上にあらわれているのであって、その認識の上に立って、よほどの覚悟と努力をこれからやっていただかなければならないと強く思います。 最後に、通産大臣に重ねてお伺いいたします。ただいままでお聞き取りをいただいたような状況を踏まえて、今後の中小企業に対する積極的な姿勢、取り組み方について大臣の決意をお伺いして質問を終えたいと思います。
○佐々木国務大臣 中小企業問題に関しましては、私も深谷さん同様、選挙区では一番重要な拠点になっておりますし、その重要性と申しますか、身をもって体験しているところでございますので、お説を踏んまえまして今後とも一生懸命努力してみたいと思います。
○深谷委員 重ねて準備金制度の廃止などにならないように全力を挙げていただくことを申し上げまして、以上で私の質問を終えます。ありがとうございました。
○野田委員長代理 渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 いま深谷さんから中小企業問題についていろいろお話ございましたが、私も最初に大臣にお伺いをしたいと思います。 各種の中小企業に対する財政的な助成、補助、こういう制度がたくさんあるわけでありますけれども、財政再建との関連で、五十五年度の予算編成、こういう状況の中でいま言った制度はどのように推移をするのか、その見通しをひとつお聞きをしたいと思います。
○佐々木国務大臣 予算はまだ折衝中でございまして、もちろん決まっているわけでもございませんから確かな判断はできかねるのでございますけれども、しかし、先ほど来深谷先生の御質問にもございましたとおり、中小企業の重要性はいささかも変わっておりませんので、いままで以上に財政の援助が必要かと考えております。
○渡辺(三)委員 私は制度上の問題についていまお伺いをしたわけですが、さらに金融面の措置もここ数年来特に不況の問題と関連をしてずいぶんいろいろなされてきたわけであります。その幾つかはいままだ継続中でありまして、こういった面でのいわゆる利率の問題なども含めて、大臣としてはここ数年来行ってきた中小企業対策についてはそれを守り通す、こういうふうな決意がおありかどうか、最初にお伺いします。
○佐々木国務大臣 お説のような決心で当たりたいと思っております。
○渡辺(三)委員 私の時間は余りありませんから、具体的に一つだけお伺いをしてまいりたいと思います。 それは、今年度実施をされました産地中小企業対策臨時措置法、この運用の実態についていろいろお伺いをしてまいりたいと思います。これは七月の二日に法律五三号で公布の日から実施をされておるわけでありますけれども、言うまでもなくこれは七年の限時法であります。いま緒についたばかりであります。今年の八月十日には七十七の産地が指定をされまして、いまその計画が進行中だと思いますけれども、まず最初にこの問題についてお伺いをしてまいりたいと思いますのは、都道府県に対する助成としては、産地中小企業振興ビジョンの作成についての一つの補助制度があります。これは現段階でどの程度具体的に策定をされているか、この数をお伺いしたいと思うのです。
○左近政府委員 都道府県が策定いたします産地中小企業振興ビジョンにつきましては、国が補助をすることになっております。現在補助を受けてこの作成作業を進めておりまして、大体五十ぐらいの産地がほとんど成案を得て、最終的な完成に向かっておるということでございます。
○渡辺(三)委員 これはあくまでも一つの当初の見通しでありましたが、中小企業庁の考え方としては、五十四年度中には大体七十五産地ぐらい予定されておったと思うわけですね。それに伴う予算措置もすでに施されておるわけでありまして、いま現在大体五十でありますから、七月に実施に移されてから進行速度としてはそう遅くはないと思いますけれども、大体年度中、三月末までにどのぐらいになるのだろうか、こういうことが一つ。 それからもう一つ、具体的な財政上の助成措置、都道府県との関連になりますけれども、これはいまどういうぐあいに措置されておりますか。
○左近政府委員 本年度中には七十七産地全部ができ上がるというふうに考えております。ただ、予算的な措置といたしましては、実は七十七産地のうちの一産地はすでに実質的に計画ができ上がっておりましたので、つまり昨年度にでき上がっておりましたので、これには補助はつけられないということになりましたので、結局七十六産地について補助をいたしました。結局でき上がりとしては七十七産地全部でき上がるということでございます。この点について府県の財政上の措置も十分できておりますので、問題なくでき上がるというふうにわれわれは見ておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 ただいまのは国から都道府県に対する助成の問題でありますけれども、産地組合に対する助成としていわゆる活路開拓、つまり産地組合が中心になって振興計画を作成するために必要としておる調査研究であるとか、あるいは組合が教育等を行う場合にも、これは三百五十万程度の交付でありますけれども、一組合当たりそういう措置になっておるわけであります。これは当初の計画としては八十五組合、こういうふうな計画になっておるようですけれども、いま段階で何組合から助成の申請が出されておりますか。
○左近政府委員 組合に渡ります活路開拓調査指導事業費補助金につきましては、現在、これは産地以外の組合にも渡る枠がございますが、今回、いま御指摘のものは産地枠ということで特に助成を厚くした分でございますが、これについては七十六組合について配分が終わっておりまして、現在産地組合の振興計画の策定にこの経費が利用されておるということでございます。当初、御指摘のような数を予算的に準備をしたわけでございますが、実は先ほど申しましたように七十七の指定ということで現在までとどまっておりますので、七十六というのはつまり必要な産地組合全部に配られたということでございます。
○渡辺(三)委員 先ほどの関連で、一つの産地についてはすでに従前から対策をされて準備をされておる。したがってこれは助成の対象にならなかった。ですから、今年度じゅうには七十六というふうに最初おっしゃいました。いまの場合も七十七の産地の指定があって七十六ということでありますから、最初長官がおっしゃった一産地といいますか一組合、これが補助対象から抜けるというふうにお考えでいまの数字が出されたと思いますけれども、これはたくさんあれば別でありますが、一つでありますが、これはどこですか。
○左近政府委員 すでにできております計画を持っております産地と申しますのは、実は繊維業に属する産地でございまして、繊維業につきましては実は繊維の構造改善対策でいろいろ国が助成をしておるわけですが、その助成を活用いたしまして昨年度につくりましたので、これについては本措置の対象からは漏れて補助対象外になっておりますが、国がその繊維対策ということで援助をしてつくったということでございますので、国からの援助はその組合にもなされておるということでございます。
○渡辺(三)委員 それから、ちょっと戻ることになりますけれども、当初この法案を私どもがこの委員会で審議をしておった段階では、大体五十四年度といいますか、九十産地ぐらい何とか対象にして計画を進めていきたい。ですけれども、たとえば八月十日に七十七やった、そしてその後の進行ぐあいを見ながら、場合によって必要とあれば五十四年度じゅうにはさらに第二次の追加指定ということがあり得る、それから、その後の状況いかんによっては五十五年度、次年度になってもこれは当然追加指定をしてこの法律の趣旨を生かしていく、こういうふうな御答弁があったわけであります。 いまの段階では七十七でありますけれども、今年度内にさらに追加指定ということをお考えになっておるかどうか、あるいはもしないとすれば、それはどういう理由によってか、振興計画がまだそこまで行ってない、こういうふうな状況なのか。それから重ねて、五十五年度中についての基本的な考え方をもう一回ここで確認をしておきたい、こういうふうに思うのです。
○左近政府委員 前回われわれが申しましたように、七十七というのは当初われわれがいわば募集をいたしまして、こういう産地を指定してくれという都道府県の要望に応じてわれわれが審査して決めたわけでございます。 われわれの態度といたしましては、現在ももし追加指定があれば組み込みたいというふうに考えておるわけでございますが、現実には府県といろいろ相談をしてみますと、産地の振興対策を産地自身として講ずるためにはやはりいろいろな準備が要ります。したがって、その準備がなかなか本年度は完了しないというところが、当初やりたいという希望があってもそういう段階までにまだ立ち至ってないという組合が幾つかございますので、本年はわれわれの見通しとしましてはどうも七十七組合で終わるのではないかというふうに考えております。しかしながら、これはわれわれの方で七十七で終わりと言っているわけではございませんので、そういう申し入れがあればわれわれも検討してみたいと思っております。 なお、そういうことでございますので、残念ながら五十四年度に指定されなかったところは、ひとつ五十五年度でなるべく早く指定していきたいということでいろいろまた府県とも御相談をしております。来年度は予算要求としては百三十産地を指定をするという要求をいたしておりますので、こういうことで五十四年度に指定されなかったところは、来年度はなるべく早く指定をできるように事務的に取り計らっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 ちょっといまの御答弁の中で確認をしておきたいのですが、五十五年度百三十産地というふうにいま長官が言ったのは、七十七を除いて、それ以外にですか。
○左近政府委員 さようでございます。ですから、来年度また七十七の上に上積みとして百三十産地を要求をしておるところでございます。
○渡辺(三)委員 それからもう一つ、これは大事な問題ですから確認をさせていただきたいと思いますが、先ほどの一組合一産地といいますか、繊維関係にこだわるわけじゃございませんけれども、これは別な形ですでに行われている国の助成が現にあった。したがって、この新しい法律に基づく活路開拓の助成というものは二重になるから行わないんだというふうな御趣旨だと思いますけれども、これは今後これを進めていく際に、たとえば具体的に都道府県段階あるいは産地段階の意見を聞きますと、計画をある時限を切って早急に進めなければならない、そういうふうな観点から、実際時間をかけてそっちの産地も見たり、あるいは新しい海外市場を確立するための研修とか現地出張とか、こういういとまがない。したがって、いままでそういう面での乏しい中からたくさん金を出し合って、そして蓄積した一つの見通しといいますか計画といいますか、これを基礎にして早急に振興計画をつくるという準備を具体的に進めているところがたくさんあるわけですね。そういった作業の進行上の関係から、いままでの蓄積というものを基礎にして振興計画をつくる、そうすると新たに海外派遣とか、あるいはそういう費用が具体的にかかってないじゃないかというかっこうで、活路開拓面の助成措置というものがカットされる、こういうふうなことが具体的にありますかどうか、あるいは今後の振興計画の中でそういう事態ができるかどうか、技術的な問題でありますけれども、この点は少し明確にしておいていただきたいと思います。
○左近政府委員 御指摘のような、活路開拓の経費の中ですでに前の年度に実施をしたものを補助するということは、会計法のたてまえ上不可能でございます。しかしながら、これについてはいろんなわりあい幅の広い使い方をわれわれは見ておりますので、当年度に実施をしたものは全部これに入れて、そしてこの枠を十分使えるようにしたいと思っておりますし、来年度につきましてはさらにまた使い方も十分考えたいと思いますので、結果としては枠全体が余り使えないことのないような配慮に持っていきたいというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 さらに都道府県の施策に対する協力の一つといいますか、特定地域振興診断、この際の助成がまた別にあるわけですね。これは金額は一産地当たり八十万円でありますから、個々に言えば大した額ではないと思いますけれども、この都道府県が行う診断、これはどのぐらいいままで実施をされておりましょうか。
○左近政府委員 特定地域振興診断の産地診断というものは、現在七件実施をしております。東京管内で一件、大阪管内で四件、広島管内で二件、それぞれ通産局管内でございますが、そういうことでございます。
○渡辺(三)委員 これは、先ほど申し上げましたあれから見ますと、診断の速度が少し遅いように感ずるわけですね、数字的にも。大体初年度の計画としては、三十産地ぐらい都道府県段階では考えておったんだろう、こういうふうに思われますけれども、いま七件というのは、いまの時点ではそうだけれども、五十四年度じゅうには大体都道府県でもそのぐらいの、三十近いような診断の準備といいますか、検討が進められているというふうに通産局を通して把握されておりますか、どうですか。
○左近政府委員 実は、この特定地域振興診断は、産地の分と、それから特定不況地域の分と両方入れておりまして、特定不況地域の振興についての診断というのも一つの項目になっております。したがいまして、両方合わせたのが予算上の件数になっておりますので、実際上産地の方はそれほど件数が出なかったということでございますが、われわれとしても、これは計画をつくるのに必ず必要だというふうな義務づけとか、そういうことを別にしておるわけではございませんで、むしろこういうことは相当府県では把握しておられるという前提だけれども、しかし、なおかつまだもう少し府県が実態把握をしたいという場合にこの診断をやるということで、むしろ補助的な観点で考えておったものでございますので、現在のところ、やはりことしはこの七件にとどまるのではないかというふうに考えております。 ただ、来年以降になりますと、つまり問題となる産地が、従来都道府県がそれほど調べてなかったというものもだんだん出てまいると思いますので、もう少し利用度が高まるのではないかというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 内容としてはもう一つお伺いしたいのですが、さらにまた産地組合に対する助成として新商品の開発能力育成事業、この補助制度も当然非常に大きな項目としてあるわけであります。これも五十四年度の当初の考え方としては七十組合ほどを一応の対象としてこの助成については考えられておるようであります。一番最初に長官が答えられた七十七のうち七十六、一つは先ほど説明いただいてわかりましたが、この新商品の開発育成というのは、指定をされておるすべての七十七の組合に対して今年度じゅうに実施が予定されるかどうか、この点もあわせて具体的な問題としてお聞きしておきたいと思います。
○左近政府委員 新商品開発能力育成事業等補助金、これは組合に渡る補助金でございますが、これについては六十八の産地組合に対しまして現在補助金の交付の準備が整っておりまして、これは都道府県が振興計画を承認いたしました上で支出するということになっておりますので、まだ具体的な支出はできておりませんが、承認ができ次第この補助金は交付できるようになっております。 それから当初の予算上の件数との相違は、七十七ということで九十よりも減ったということでございまして、現在の組合の中で六十八ができたということでございますが、残りのものについては来年度にこの補助金を、でき次第交付するということでございますので、その分については一年ずれるというだけで、交付はできたときにはするということで考えております。
○渡辺(三)委員 それからこの法律に伴う事業推進に当たって、法律制定の際にこの委員会でもずいぶん議論をしたものの中の一つに、国公立試験研究機関の活用といいますか、この問題は新商品の開発に当たっても、あるいは技術開発、人材育成、こういったものとの絡みにおいても、ここでずいぶん時間をとって議論された内容であります。 そこでお伺いをしたいと思いますのは、国は具体的にこの問題についてどういう施策を行われたのか、財政的な面もあればそれも含めてお伺いをしたいと思います。
○左近政府委員 この法律制定のときに附帯決議で、公設試験研究機関の充実と活用ということを御指摘いただきました。その趣旨を体しまして、来年度予算にはやはりこの産地の技術振興というものの中核体として、公設試験研究機関対策というものを充実いたしたいということを考えておりますので、産地の中小企業者向けの技術指導事業というもの、それから技術開発研究事業というものについて、それぞれ産地については充実するような予算措置を講じております。 これは継続的な事業を増大するということでございますが、さらに新規の事業といたしまして、実は産地などの中小企業者の新技術の開発を指導するという意味におきまして、いま技術アドバイザー制度というものを予算要求しておるところでございます。これは必ずしも産地だけではございませんが、産地に重点を置いてやりたいということでございまして、公立の試験研究所に、民間の技術についての知識の深い方、これはたとえば大学の先生だとかあるいは大企業の技術者で定年退職された方とか、そういう方を嘱託としてお願いをいたしまして、そういう方に絶えず中小企業の相談に乗っていただくというふうな制度をやりたいというふうに考えております。また、そういう相談に乗った上で、必要な資金が要る場合に技術向上奨励費の補助金ということも、これは従来も技術対策の補助金がございますが、従来の技術対策の補助金というのは非常に高度の発明とか何かに対する援助でございましたが、本件については産地企業がもう少し一般的な技術改良ということをやる場合においても助成ができるような対策を講じたいということで、いま予算要求をいたしまして検討を進めておるところでございます。 こういうことによりまして、今後も産地における技術指導というのはやはり公設の試験研究機関が主体になってやれるようにいたしたいと思いますし、それをまた国の試験研究機関も応援ができる体制というものを整えていきたいというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 法律の趣旨から申し上げますと、いわゆる公設の試験研究機関、各都道府県ごとにそれぞれあるわけでありますけれども、これは国の場合には、国がいまおっしゃったような一つの予算の裏づけを持った活用の充実、それから、都道府県の場合には、都道府県それ自体が予算措置を行いながらこの法律の趣旨を満たせ、こういうことなのか、あるいは国全体が産地を抱えておるそれぞれの都道府県の公設の試験研究機関に対して、面接どういう形をとるのかわかりませんけれども、何がしかのそういう技術アドバイザーに対する予算措置を行う、全額でないにしても行おうというお考えなのか、その点は予算要求中でありましょうからまだ決定したものでないにしても、できるだけ詳しく御説明いただきたいと思います。
○左近政府委員 国の試験研究所につきましては、国費をもってそういう産地対策もできるような拡充を図っていくということでございますが、府県につきましては、やはり国が府県の公立の試験研究所の運営を援助するという意味において、各種の補助金を出しております。これは技術指導をするための施設の補助とか、あるいは技術アドバイザーでございますと、嘱託を雇うための謝金の援助とか、そういう施設と具体的な経費の援助を考えております。また、一般の試験研究を産地対策ということで公設の試験研究所がやる場合には、その試験研究の経費の補助も考えております。したがいまして、公立の試験研究所につきましては、産地の対策を実行するに当たっては国も十分な援助をしてまいりたいということで、そういう設備費あるいは経費というものについて、今後も十分援助を進めていくという方針で、現在来年度予算の要求をしておる最中でございます。
○渡辺(三)委員 時間が迫ってまいりましたので、あとは大臣から最終的にお聞きしたいと思いますが、産地中小企業対策臨時措置法は、これまで相当長期間にわたっていろいろな、特に不況や円高に対するいわば緊急避難的な措置がずっと行われてきた、その上に立って、今度はやや中長期にわたって産地の非常に弱い立場にある中小企業を体質改善する、ある意味では非常に前向きな立法措置として強く要望されてきたことが今年度実施されたと私どもは認識をしておるわけであります。初年度の九十産地指定という目標があったにしましても、いま大体長官から、総括的に運用の内容を細かに詰めてまいりますと、初年度としては、私はやはり相当進んだ形でいま実施に移されつつあるのじゃないかというふうに考えております。ただ、これはほとんど全国の都道府県にわたっておりますから、いろいろな産地や都道府県から意見を聞きますと、冒頭申し上げましたように財政再建という状況の中で、とりわけ来年、五十五年度以降、これが非常に産地にとっては、いろいろな企業が集まって組合をつくるわけでありますから、そういう困難な状況の中でようやく一つの振興計画というものをつくれる確信ができた、あるいはそういうふうな組合の組織ができつつある、そういう状況になっていく段階で、財政再建の大なたで、せっかくつくられたこの制度というものが停滞する危険があるのではないかという危惧、これがやはり少なからずあるようです、私ども具体的に聞いてまいりますと。そうなると、繰り返すことになりますけれども、いわば前向きの施策として産地のひ弱な中小企業の体質というものを向上させる、こういう踏み込みを一歩やったのが、また後退してしまって一とんざを来すということになれば、これはわが国の中小企業政策からして大変だと思うのです。したがって、いろいろな財政事情の制約はあっても、これはでき上がったばかりのいま申し上げたような趣旨の法律でありますから、断じて後退させない、当初の約束どおり五十四年度においてもあるいは引き続き五十五年度においても、これを大きく前進させるというふうな形で通産大臣はがんばってもらわなければならぬというように考えておるのですが、それについて重ねて考え方をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 先ほど長官からも御説明ございましたように、五十五年度におきましては五十四年度の円高対策というだけではなしに、もっと範囲を広めてただいま予算要求しておる最中でございますので、それも踏んまえまして、少なくともことしよりも少なくなるなんということがないようにできるだけ努力していきたいと思います。
○渡辺(三)委員 終わります。
○野田委員長代理 近江巳記夫君。
○近江委員 きょうは両大臣、公取委員長も御出席でございますが、公取委員長、後の委員会の関係もおありのようでございますので先にお伺いしたいと思います。 OECDの方から九月二十五日に政府規制産業に対して勧告が出されたわけでございますが、この勧告につきましてどのように受けとめておられますか、まず初めにお伺いしたいと思います。
○橋口政府委員 本年の九月二十五日にOECDから加盟国に対しまして勧告が出されたわけでございますが、その内容はかなり長文のものでございますが、「競争政策及びその適用除外分野または規制分野に関する理事会勧告」というのが正確な名称でございまして、これは長年にわたりましてOECDの下部機関でございます制限的商慣行専門家委員会が、政府規制産業あるいは独禁法適用除外領域につきまして各国に照会いたしまして検討いたしてまいりましたものを踏まえての理事会の勧告でございます。 〔野田委員長代理退席、堀内委員長代理着席〕 専門家委員会で検討の対象になりました業種としましては、エネルギー、運輸、金融等でございまして、これはあくまでも勧告でございますから、各国政府はそれに従うという義務はございませんけれども、従来のOECDの勧告の例にならいまして、それぞれの政府はこれを尊重して検討を進める、こういうことでございますので、競争政策を担当いたします公正取引委員会といたしましても本格的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 私は今回のKDD事件等を見ておりまして、いわゆる政府規制産業と言われるそうした産業は非常に問題が多過ぎると思うのです。先般の予算委員会におきましても、わが党の二見君が、会計検査院のそうした検査につきまして今後やるようにということで、総理の方からは十分考えたい、こういう答弁もあったわけです。かねがね公取委員長は、この政府規制産業に対しまして洗い直しをしなければいかぬという発言もなさっておられるわけです。 そこで私は、目に余る最近のこうした事件を見まして、OECDのこういう勧告が出ておるわけでございますから、公取委員会としても当然そこに目を向けて、十分な監視をしていく必要があるのではないか。これは国際的な非常に権威のあるOECDの勧告でございます。したがいまして、わが国としては、これだけの事件が続発しておるわけですから、当然OECDの勧告に従って、公正取引委員会としては重大な決意を持って臨まれる必要があるのじゃないか、このように思うわけですが、公取委員長の決意をひとつお伺いしたいと思うのです。
○橋口政府委員 OECDの勧告は、政府の規制領域並びに独禁法適用除外領域全般について問題にいたしておるわけでございまして、当面の業種として挙げておりますのが、先ほど申し上げましたようなエネルギー、運輸、金融等でございます。もちろんいま御指摘がございましたような政府の持つ独占体につきまして、現在の独占禁止法はいわゆる自然独占という性格のものでございますから、これは当然に適用除外ということになっておるわけでございまして、実はOECDの勧告を作成します過程におきまして、政府による国有化企業の割合の高いイギリス等は、こういう勧告に対しまして反対をいたしたわけでございます。したがいまして、当面の考え方としましては、政府の持つ独占体には当面は手を触れない、それ以外の政府によって規制された領域やあるいは独禁法の適用の除外領域についてまずメスを入れるということでございます。その過程におきまして、将来果たして政府によってそういう独占体を所有することが適当かどうかという問題についても、あるいは議論として展開する可能性があるということも言えようかと思います。ただ、繰り返して申し上げますと、当面は政府によって規制された広範な領域につきまして、まず見取り図を作製いたしまして、どこに問題があるかということの分析から始めたいというふうに考えておるところでございます。
○近江委員 確かにKDDの問題等は、公衆電気通信法ですか、こういう適用除外ということになっておるわけでございますけれども、OECDの勧告というのは、いま公取委員長もおっしゃったように、別にそういうきちっとした規制はないわけですね。政府全体としてやはりこういう規制産業に対しては目を向けて厳しい監視をしていかなければいかぬ、こういう勧告なんです。ですから、ひとつ全般をよく見て今後対処したいという、かなり前向きな発言をされておられるわけですね。そこで当然KDDなどは最も注目すべきところなんですね。こういうところがたくさんあるわけですよ。そういう点で今後十分ひとつメスを入れていただきたい、このように思うのです。特にKDD等について今後やっていただけますか、もう一遍お聞きします。
○橋口政府委員 先ほども申し上げましたように、国際電信電話株式会社は特別法によって設立をされておるものでございますし、国際間の協定とかあるいは料金につきましては主務大臣認可制ということで法律で決まっておるわけでございますから、したがいまして、これは当然適用除外ということでございまして、したがいまして、現在の制度のもとにおきましては、公正取引委員会としては発言をするという立場にないわけでございます。したがいまして、いまおっしゃいましたような問題につきましては、将来の展開によりましては立法的な判断を国会に仰ぐということが必要になってくるわけでございまして、一般的に申しまして政府規制産業あるいは適用除外領域につきましては、例外なしに国会の立法的判断を仰ぐことが必要になるケースばかりでございますから、それだけにまず問題の所在を解明することが先ではないかというふうに考えておるところでございます。
○近江委員 公取委員長としては、これだけ世間を騒がしておるわけですから、これはやはりOECDの勧告も出ているわけですから、今後国会の了解も求め、いろいろな手続があろうかと思いますけれども、あなたのお気持ちとしてはやっていきたいという希望は強くお持ちでございますか、もう一度重ねて聞いておきます。
○橋口政府委員 政府の持つ独占体の弊害として一番指摘されておりますことは、情報が独占体からしか入らないということがあるわけでございまして、政府は監督すると申しましても、やはり適切な情報を政府みずからが得ることなく、相手方に依存するというところに実は最大の弊害があるというふうに言われておるわけでございまして、そういう独占体のあり方それ自体も競争政策の立場から当然に問題にする必要があるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、何分にも大変に広範な範囲を含む問題でございますから、まず鳥瞰図と申しますか、見取り図と申しますか、全体の位置づけを十分把握した上で問題にアプローチするのが適当ではないかということで、最初から初めにKDDありきという考え方をとることは適当ではないというふうに考えておるわけでございます。
○近江委員 そうすると、公取委員長のお考えは、閣議にも上げていただいて、公取委員会としては積極的に今後そういうところについてタッチをしていく、こういう姿勢で臨んでいかれるわけですね。どうなんですか。
○橋口政府委員 規制分野の検討につきましては相当な時間がかかるというふうに考えております。したがいまして、五十五年度予算で要求をいたしておるわけでございまして、作業といたしましては許認可の整理ということが当面の対象になると思われますので、行政管理庁と共同作業をするということで、行政管理庁の方からも実は予算要求をしておるわけでございまして、五十五年度予算で予算化されました場合には、その予算をもちましてまず実態の把握をしたいというふうに考えております。したがいまして、現実のスタートは昭和五十五年度以降になるというふうに考えておるわけでございまして、また昭和五十五年度一年ですべての問題を把握したりあるいは処方せんをつくるということはむずかしいと思いますので、かなり長い期間かけて中長期的に問題に対処していきたいというふうに考えておるわけでございますから、したがいまして、いま先生のおっしゃいましたような問題を最初に問題として決めてかかって処理をするということではなくて、まず全体の見取り図を作製して、どこに問題があるかということにつきましてまず合意を形成するということが必要ではないかというふうに考えております。
○近江委員 こういう勧告が出ておるわけでございますから、これは強い意欲をお持ちになって今後努力をしていただきたい、これは強く要望いたしておきます。 次に、改正独禁法が施行されましてちょうど二年が経過しておるわけでございますが、これまでの経過を踏まえまして何点かお伺いしたいと思うわけです。 まず最初に、最近の状況というものは通産大臣、経企庁長官もよく御承知のとおりですが、国民生活がいま非常に不安にさらされております。御承知のように原油の値上がりが引き金となりまして、卸売物価にいたしましてももう前年同月に比較しますと一四・五というような、非常に各産業とも値上げの機会をねらっておるような状態です。そういう中でいま公共料金が引き上げられようとしておるわけでございますし、そういう中でまた独禁法違反のようなことが非常に起ころうとしておるわけです。人為的なそういう引き上げが始まろうとしております。こういう点については十分な監視をしなければならぬと思うのです。 そこで、まず初め、私は同調値上げの問題についてお伺いしたいと思っておりますが、これは十八条の二によりまして公取委員会は監視をすることになっておるわけですが、今日までの運用状況についてお伺いしたいと思います。現在まで公取委員会がこの十八条の二に基づきまして報告を求めた品目は何と何であるかということを、まずお伺いしたいと思うのです。 二点として、今後報告を受けようとしている品目はどういうものをお考えになっておるか、またそれにつきまして、値上げの状況等につきましても御説明をいただきたい。 まずこの二点、お伺いしたいと思います。
○橋口政府委員 法十八条の二の規定に基づきまして、現在までに価格の同調的引き上げの理由の説明を求めました品目は二件でございまして、二輪自動車と特殊調製粉乳でございます。 それから、現在報告を求めておりますのも二品目でございまして、乗用車と普通板ガラスでございます。普通板ガラスにつきましては、昭和五十三年の十二月から五十四年の一月にかけて約一一%から一四%の値上げを行っております。乗用車は、五十三年の八月から十一月までにかけて約三・五%程度の値上げをいたしております。したがいまして、この二つにつきましては現在その理由につきまして報告を聴取しつつある段階でございます。
○近江委員 聞くところによりますと、現在インスタントコーヒーだとか、カラー写真フィルム等の値上げ等がうわさされているわけですが、こういう品目については調査する用意があるわけですか。いかがでしょうか。また、ほかにどういうような品目があるのですか。
○橋口政府委員 同調的値上げの対象品目につきましてはガイドラインで明らかにいたしておるわけでございますから、行政当局といたしましても、また対象業者におきましても、自分は対象になるかどうかということにつきましては認識をお持ちでございます。いまおっしゃいましたインスタントコーヒー、それからカラーフィルム等は当然該当する案件でございますので、法律の規定に該当するような内容の値上げが行われました場合には、当然に報告を聴取するということになると思います。 ただ、手続といたしましては、同調値上げに該当すると思われる値上げがございました場合には、予備的な調査をいたしまして、しかる後に本格的な調査を行うという段取りでございまして、現在予備調査をいたしておりますものにはタイヤがございます。
○近江委員 改正独禁法におきまして、私もそれにタッチさしてもらったわけですが、今後はこういうことに対してやはり非常に厳重な監視等をしていかないと、これからもそういういろんなことが行われまして、非常に物価高騰に拍車をかけるという心配をするわけです。こういう点につきましては、今後さらに公取委員会としましては、十分ひとつ力を入れて取り組んでいただきたいということを強く要望いたしておきます。 次に、課徴金の問題でございますが、課徴金制度をこの改正でつくったわけでございますけれども、この運用状況についてお伺いしたいと思います。いままでこの課徴金を取ったものは何と何があったか。金額は大体どのぐらいであったか。また審査中のもの、対象となっているものはどういうものがあるか。まずこの点についてお伺いしたいと思います。
○橋口政府委員 課徴金をすでに徴求をいたしましたものは二件でございまして、群馬県所在の生コンクリート製造業者四社に対しまして総額約五百万円、それからコーンスターチの製造業者十六社に対しまして総額約四億円の課徴金をすでに徴求いたしております。 それから、現在手続中のものといたしましては四件ございまして、岐阜県並びに岐阜市に対する空調工事業者に対する課徴金、これを二件と計算いたしました。それから、水門工事業者に対する件、道路舗装工事業者らの団体に対する件が合計二件でございました。したがいまして、合計四件が目下手続中ということになるわけでございます。
○近江委員 特に空調関係なんかは大手業者が入っているわけですね。大手業者が中心に入っておるわけですが、これなどは前回、四十九年にも勧告を受けているわけです。今回またこういう悪質なことをやっているわけですね。私は、かつて予算委員会でもやみカルテルの実態というものを明らかにしたわけでありますけれども、こういうことがまた次から次へということになってきますと、これは非常に大変な問題を引き起こすわけです。ですから、こういうことにつきましてはさらに今後厳重な監視をしていただいて、公取委員会としての使命を果たしていただきたい、このように思うわけです。今後頻発するおそれがありますので、この点を特に申し上げておきたいと思います。 それから、同じく改正法案の中で、独占的状態に対する措置、株式保有の総量規制等が盛り込まれておるわけでございますが、これらの運用状況につきまして、現在までのところの状況についてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○橋口政府委員 独占的状態に対する監視の体制の問題といたしましては、これまたガイドラインを公表いたしておりますから、どういう業種が該当するかということにつきましては業者のサイドにおきましても十分わかっておられるわけでございます。公正取引委員会といたしましては、これらの対象事業者からもろもろの資料をいただいておるわけでございまして、問題は、市場構造要件に該当した後でいわゆる弊害要件に該当しているかどうかが問題になるわけでございますから、したがいまして弊害要件に該当しているかどうかについての実態の究明を急いでおるところでございまして、ただ、独占的状態に該当するかどうかはかなり長い期間をとって判断する必要がございますので、たとえば利益率の問題にしましても、価格動向にいたしましても、あるいは経費の内容の問題にいたしましても、相当の期間にわたって把握する必要がございますから、短兵急に結論を急ぐということはできないわけでございますけれども、いずれにいたしましても対象事業者から必要な資料なり情報を得まして、現在監視の体制をとっておるところでございます。 なお、株式の処分状況につきましては、計数の問題でございますから、経済部長から答弁をさせたいと思います。
○伊従政府委員 お答えいたします。 昭和五十二年の改正で九条の二が新設されまして、株式の総量規制の制度が導入されましたが、昭和五十二年十二月の時点で、この九条の二で予定しております大規模会社に該当しますのは二百五十七社でございます。基準時点で九条の二で制限しております株式を所有しています会社が十八社でございました。これにつきましては、現在のところ十八社のうち十三社につきましては特例基準額を超えて株式を所有しており、その部分に相当する株式は法施行日以降一年以内に処分すべきでございましたが、それにつきまして処分させております。現在改正法は適正に運用されていると考えております。
○近江委員 そういう点におきましてもひとつ十分よく法の運用を図っていただきたい、このように思います。 それから、改正独禁法のさらに重要な改正点は、申告に対する公取のいわゆる通知義務じゃないかと私は思うのですが、最近申告がふえてきておるように私は思うのですけれども、改正前と改正後はどういう状況であるか、まず状況について御報告をいただきたいと思います。
○妹尾(明)政府委員 独占禁止法違反事件の申告の件数的な状況でございますが、改正前におきましては、大体年平均千件前後の水準で最近まで推移してきておりましたが、昨年暮れあたりからかなりふえてまいっておりまして、本年度はすでに千件を超えまして、このままでいきますと、年間のペースでは千五百件ぐらいに達するのではないか、こういうふうに見込んでおります。
○近江委員 この報告につきまして、この通知義務の問題についてなんですが、条件ということをよくおっしゃっておるわけですね。そういうことがありますから、実際どの程度通知なさっているかわれわれわからぬわけですが、そのくらい来ましてどの程度の通知をされているわけですか。
○妹尾(明)政府委員 四十五条の三項で、書面によって違反被疑事実の具体的な内容を示して情報の提供が行われたものについては、その処理の結果について通知するということになっておりまして、現在はその結果をまず御通知申し上げまして、電話等で照会を受けた場合にはさらに必要な事実について御説明いたしておるということでございます。 なお、件数的な状況でございますが、五十三年度は八十四件、五十四年度は十一月までに百二十二件という状況でございます。 〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕
○近江委員 これもきわめて重要な項目でございまして、盛り込むのに非常に苦労したわけでございます。こういう点は非常に大事なことでありますから、大変かと思いますけれども努力していただきたいと思います。 それから、抱き合わせ販売の問題について私はお聞きしたいと思うのですが、例の四十八年の狂乱物価のときには、トイレットペーパーを買いに行けば何を買え、洗剤を買いに行けばこれを買わないと売らない、むちゃくちゃなことが行われまして、私も狂乱物価のときにはそういう事実をずいぶん指摘して政府の姿勢をただしたわけでありますが、最近また灯油との抱き合わせ販売であるとか、そういうようなことがちらほら出てきておるわけです。 そこで、四十八年の狂乱のときに抱き合わせ販売についてはどういう処理をなさったか、これをお聞きしたいと思いますが、その前に、抱き合わせ販売はいわゆる独禁法違反であるかどうかについて、基本的な点でまずお聞きしたいと思います。
○橋口政府委員 抱き合わせ販売一般ということよりは、当面の問題といたしましては、生活必需品である灯油について抱き合わせ販売が行われている場合に、それが独禁法違反に該当するかどうかという問題としてお答えいたしたいと思いますが、生活必需品でありますし、また冬場に向かって国民が最も必要としている商品でございます。そういう商品につきまして、供給不足を理由として他の商品を抱き合わせて販売するということは、当然独占禁止法に規定する不公正な取引方法に該当すると考えておるわけでございます。不利益強制というかあるいは利益誘導と申しますか、いずれにいたしましてもどちらかの条文に該当すると考えておるわけでございます。したがいまして、現在の措置といたしましては、すでに八つの地方事務所に対して通達を出しておるわけでございまして、八つの地方事務所を含めて公正取引委員会に対して申告がありましたのが四件ございます。それについてはすでに指導して是正させておるところでございまして、詳しいことは審査部長からお答え申し上げますが、昭和四十八、九年ごろの狂乱物価に比べますと、まだ件数的に申しても大変に少ないというのが実情であろうかと思います。
○近江委員 こういうことはよく周知徹底させないとすぐやるのですよ。だから、その点は特に申し上げておきます。 それから一つは、こういうことをやる人は独禁法に違反しておるのですから悪いわけですよ、すべてそれに帰するとは思いますが、しかしそういうことをやらざるを得ないような状況もあるのじゃないか。狂乱のときにはそういう言いわけといいますか、そういうことをよく言ったわけですね。いまもそういう言いわけみたいな状況が、決してそういう言いわけは通りませんよ、通りませんけれどもできかけているのじゃないかという心配をしておるのです。 そうしますと、私はまずエネルギー庁長官にお聞きしたいのですが、灯油の場合こういうようなことをやらなければならないような、量が不足しているのですか。今年度の見通しはどうなんですか。
○森山(信)政府委員 灯油につきましては、今年度の供給計画が二千七百万キロリットルでございます。それで生産は順調に行われておりますが、問題は需要期を迎えての在庫でございます。そこで私どもといたしましては極力精製会社を督励いたしまして生産に努めていただいたわけでございまして、九月末の在庫が大体六百六十万キロリットルになりました。供給計画での在庫見込みは六百四十五万キロリットルでございますから、これよりかなり上回った量がストックされたわけでございます。なおその後も在庫は順調に積み増しをいたしておりまして、十月末に七百十万キロリットルの在庫が積み上がっております。したがいまして、私どもといたしましては、この需要期に際しまして、マクロ的に申し上げますと量的には問題は全くないのではないかと考えております。ただ、一部末端におきまして流通形態が若干乱れたこともございまして、各地でトラブルが起こったということは承知いたしておりますけれども、マクロ的に見ますと量的な問題はございませんから、今後逐次そういうトラブルは解消に向かっていくのではないかと考えております。
○近江委員 こういうことをよく国民に知らさないと、不足ぎみだとかなんとかということがあるからすぐ商売人が乗じてこういうことをやるのですよ。政府としてはもっとPRをして、灯油も心配ないのだということもよく言うと同時に、流通系統に対して末端にまできちっと行き届くような指導をよくしておく必要があると思うのですよ。この指導についてはどのようになさっていますか。
○森山(信)政府委員 近江先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも全く同感でございます。通産省におきましては、従来から元売会社及び石油商業組合連合会等の団体を通じまして、そういう売り惜しみあるいは抱き合わせ等の不正販売が行われないような指導をいたしておりますが、特に需要期を迎えまして、ことしの十一月十六日に重ねて通達を出しまして趣旨の徹底方を図っておるところでございます。
○近江委員 それは十分にやってもらいたいと思うのです。 灯油の問題はそうですが、LPGにつきまして、一部産油国において流通チャンネルの変更があったことから、量の確保に問題があるのではないかということも言われておるのですが、LPガスは灯油と同じように今日大変な普及をしておりまして、なくてはならぬエネルギーになっておるわけですね。こういうことになってきておる。このLPGにつきまして、量の確保について心配があるのかないのかということが一つと、またその指導等についてどういう手を打っておるか、灯油と同じケースで御説明いただきたいと思うのです。
○森山(信)政府委員 LPガスの供給につきましては、石油供給計画に沿いまして実需に応じた供給の確保に努めておるわけでございます。したがいまして、灯油と同じく量的な問題といたしましては私どもは余り心配をしていないわけでございます。しかしながら価格面におきまして先生御承知のとおり、海外のガス価格がことしの中ごろより急上昇してまいっておりまして、輸入価格が十月の通関統計で見ますと対前年同月比一八四%となっております。八四%のアップでございます。一方小売価格を見ますと、通産省で実施いたしております消費者価格モニター調査によりますと、五立方メートルで五十四年十月は対前年同月比一一五%でございます。ガスの輸入価格が一八四%、小売の方が一一五%ということでございますので、LPガス輸入価格の上昇に比べますと不当な便乗値上げはないのではないかというふうに考えております。しかしながら、御指摘のとおりLPガスの普及度は大変上昇いたしておりますので、今後におきまして輸入価格動向あるいは小売価格動向等に注意しながら、不当な便乗値上げが行われないような監視を続けてまいりたい、かように考えております。
○近江委員 LPGの供給量について、あなたは抽象的に余り心配してないということをいまおっしゃったのですが、そんな抽象論ではだめなのです。余り心配してないというようなことでなくして、もう少し数値に基づいて国民が心配ないようにしておかないと、また抱き合わせ販売だとかそういうことになってきますよ。それを言ってください。
○森山(信)政府委員 五十四年度の供給計画で申し上げますと、千四百十八万九千トンの計画でございます。これに対しまして、下期の需要がまだ完全にわかりませんけれども、現在私どもの見通しでは千四百十八万トンが順調に入荷できる、こういうふうな考え方を持っております。
○近江委員 順調に入荷ができる、こういうことをよく本当に国民に不安がないようにきちっとしてあげてくださいよ。乗ずるすきをつくらないようにしてもらいたい。 それで、灯油の問題もいま十八リットル千二百円でしょう。こういう価格が消費者には非常に敏感に家計に響いてくるのです。千二百円というのは、私たち地元におりましても非常に高い、むちゃくちゃな値上がり方だと主婦が皆泣いているのです。この価格はどうなんですか。政府としては価格の指導ということにつきまして、前は標準価格であるとかいろいろなことがあったわけですね。いまこういう価格は、この千二百円というのはあなた方は適正だと見ておるのですか、どうですか。
○森山(信)政府委員 私どもが調査いたしておりますモニター調査によりますと、十月の平均価格が店頭売りで千八十四円でございます。この上昇率を考えますと、確かに昨年に比べまして六十数%の値上がりが行われておるわけでございまして、大変問題があろうかという気持ちは持っておりますが、一方原油の輸入価格の推移を見てまいりますと、先生御承知のとおり、昨年の十月とことしの十月を比べてみますと約倍、九八・九%の上昇になっておるわけでございます。したがいまして、私どもはこの原油価格をできるだけ吸収をうまくできるような指導はしてまいっておりますので、先ほど申し上げました数字から見ますと、現段階における灯油価格は確かに昨年に比べまして高いという意識はございますが、不当な便乗はないというふうに考えております。
○近江委員 あなた、価格をそんなこと言っていますが、千二百円ですよ、現実に。それは地域で千八十四円ですか、こういうところもありますけれども、これからだんだん寒くなってきたら千二百円ですよ。こういう価格のことについてもっと真剣に、これは一番消費者に密接しておる問題ですよ。 そこで、今後、量の問題は心配ないということをおっしゃったわけですが、価格ですよ。だから、当時の山下次官ですか、あの狂乱のときに諸悪の根源である、こういう石油業界に対する発言もあったわけですが、少しそういう監視の目を緩めますとこういう便乗で引き上げをしたりいろいろなことをするわけですよ。あの石油危機のときにわれわれは石油需給適正化法あるいは国民生活安定法、買い占め売り惜しみ防止法等を整備したわけですが、こういう三法を発動する事態、要件というものにつきまして政府はどのようにお考えですか。
○森山(信)政府委員 いま御指摘の法律の発動につきましては、私どもは基本的にまず需給のバランスが崩れるという前提が一つあろうかと思います。それからもう一つは、著しく物価が上昇するということがございますし、さらに国民生活に必要な物資と一般物価とのバランスの問題、こういう問題等々がございますので、そういった問題をベースに考えてみますと、現在の、特に灯油について申し上げますと、先ほど申し上げましたように量的な確保はできておるというふうに考えております。したがいまして、需給バランスは崩れておりませんので、いまそういう法律関係の発動を考えますと、国民の皆様方に対しまして著しく需給が乱れておるのではないかと不安の念を起こしかねないという問題がございますので、現段階におきまして私どもはそういったいわゆる石油二法の発動は考えていないというのが実情でございます。
○近江委員 灯油等につきましてこういうように政府が把握しておる価格と実態、私は千二百円と申し上げたわけですが、そういうような乖離があるわけですね。そういうことがすでに出ておるわけでございますので、標準価格を設定するとか、そういうようなお考えはないのですか。
○森山(信)政府委員 標準価格の問題は確かに一つのアイデアとしてあろうかと思いますが、現在の原油の輸入状況を見ますと、御承知のとおり大変な格差が出てまいっております。これは特に中近東各産油国別の輸入に依存しておる会社別に原油輸入価格が大変な格差が出ておるわけでございますし、また、流通形態が変わったことによりまして、いわゆるスポット物を買わざるを得ないというような企業もあるわけでございます。したがいまして、ますますその格差というものがふえてまいっております。私どもは、その輸入された原油の価格に応じた価格指導を行っておるわけでございますので、結果的には灯油の価格につきましてのかなりなばらつきが出ておるというのは実情だと思うのでございます。先ほど私が全国で平均千八十四円とお答え申し上げましたけれども、先生御指摘のような数字も地方によっては確かにございます。そういったふうに大変なばらつきがあるわけでございますので、これを一定のところに標準額として設定いたしますと、それよりも安いものは標準額まで値上げをいたしますし、なかなか統一が取り得ないというのが実情じゃないかと思います。したがいまして、先ほどお答え申し上げましたように需給バランスが大変とれておるわけでございますし、もう一つは、灯油の量を十二分に生産することが、ある意味では価格政策にもつながってくるというのが私どものいま基本的な姿勢でございますので、標準額につきましてはいまのところ設定をする考え方は持っておりません。
○近江委員 それはひとつ政府で、両大臣もいらっしゃるわけですから、よく一遍討議していただきたい、このように思います。 公取委員長、御予定があるようでございますから、最後に公取委員長にもう一問聞いておきたいと思いますが、来春、都市バンクは現金自動支払い機のオンライン提携に踏み切るということが伝えられておるわけですが、その際、利用者から手数料を一律に五十円徴収することが大蔵省と都銀との話し合いでほぼ固まっておるのではないかということが言われておるわけです。これは、利用料を取られるということになってくると預金者のサービスにはならないわけです。そこで、この問題については公取委としてはどのように見ておられるわけですか。
○橋口政府委員 オンライン提携につきましては、現在までのところまだ都銀相互間には認められておらないようでございます。これは銀行局長通達によりまして、オンライン提携をいたします場合には当局の承認を必要とするということになっておりまして、現在までまだ都銀に対しては承認は与えられておらないようでございますが、いまお話がございましたように、内々準備は進めておるように私どもも承知をいたしております。その場合の料金の問題でございますが、他行の勘定を利用いたします場合には当然コストがかかるわけでございますから、そのコストにつきまして応分の負担を消費者である預金者に求めるということは、基本的にはやむを得ないことではないかと思います。ただ、いまお話がございましたように、都銀相互間で話し合いをして料金を決定するというようなことは、これはあってはならないことでございます。それぞれの銀行が自主的に判断して料金を設定すべき問題でございますから、この点につきましては大蔵省に対しても十分注意を喚起しております。また、そういうことが万一行われれば当然問題になるわけでございます。そういう点につきまして十分な理解を持っておられる都市銀行でございますから、万々そういうことはないというふうに考えております。 ただ、そこまで申し上げればそれでよろしいと思うのでございますけれども、しかし定型的な金融サービスの提供でございますから、内容的に全く違いのない業務に対する料金が各行ばらばらであっていいと申し上げるのも少し言い方としては強過ぎるのではないか。逆に申しますと、結果的におよそ同じ程度の料金体系になりましても、それはやむを得ないのじゃないかという感触は持っております。しかし、それはあくまでも各行が判断しての問題でございまして、当事者間で話し合いをして決めるということは、これは絶対にあってはならないことだということでございます。
○近江委員 では、まだちょっと関連であるのですけれども、時間でありますから、一応きょうは公取委員長は結構だと思います。 いまの質問の中で、エネルギー問題も灯油、LPG等の問題に入ってきたわけでございます。そこで、私はエネルギー問題に入っていきたいと思いますが、通産大臣はIEAの閣僚会議に八日に出発されるわけでございますが、非常に御苦労さんであると思います。今回の閣僚理事会におきましていろいろ話し合われること、新聞等でも報道されておるわけでございますが、それに臨まれる大臣の抱負なり、議題に対するわが国の考え等につきましてお伺いをしたいと思います。
○佐々木国務大臣 十二月十日にパリでIEAの閣僚理事会が開かれまして、私もできれば出席したいと思っております。この会議の議題はまだ最終的には固まっておらぬようですけれども、おおむね輸入目標とかあるいは節約問題等が主たるテーマになるのじゃなかろうかというふうに観測されております。 いずれにいたしましてもわが国の石油の供給安定というのが現在一番緊要なことでございますので、そのためにはどうしても各国との協調を保っていくということが大変必要な条件でございます。したがいまして、主要消費国の首脳の皆さんと一緒にこの問題についてディスカッションし、ある程度の結論を得るということは大変重要なことだと思いまして、そういう認識で会議に臨みたいと思っております。
○近江委員 大臣は輸入目標だとか節約問題ということをおっしゃったわけですが、これはそれだけですか。大体いろいろ常識的に考えても、たとえばスポット物に対して非常に日本が買いあさっている問題だとか、これは当然議題に上がって日本は集中攻撃を受ける可能性もあるわけでしょう。そういう中身をもう少し、日本政府としてはこういう問題を重要な問題として考えておりますと、きちっともっと詳しくお答えいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 失礼しました。スポットの問題は当然議題になるのだろうと思います。
○近江委員 私がパリへ行くのと違うのですよ、あなたがパリへ行かれるのですから。だから、当然問題になると思います、それはなるでしょう。だから私は、私からそういうことを言わなくとも、政府としてはこういうことが当然議題になるだろう、このように考えております、それをここで言ってもらいたい、こう言っているのです。ぼくはあなたを、出発なさるのに激励をしているのですよ。御苦労さんですと私は申し上げているのです。
○佐々木国務大臣 わかりました。御指摘のとおりでございまして、いま考えられておりますのは輸入の目標の問題とかあるいは節約の問題とかあるいはいま御指摘のございましたスポットの価格あるいは扱いの問題等が中心議題になるだろうと想定いたしまして、それに対する考え方等ただいま検討中でございます。
○近江委員 女房役としてエネルギー庁長官が行かれると思うのですけれども、行かれるのですか。——まあ行かれないにしてもいろいろ大臣と用意をなさっていると思うのですけれども、担当の最高責任者としてエネルギー庁長官から同じ問題についてひとつお伺いしたいと思います。
○森山(信)政府委員 先ほど大臣からお答えがございましたように、現段階におきましてはまだ議題が決まっておりません。したがいまして、大臣からまだ検討中というお言葉があったわけでございますが、一応予測されます議題を申し上げますと、一つは輸入目標でございます。それからもう一つは石油備蓄対策あるいは石油市場対策、こういうものが予測されます。さらにもう一つの議題といたしましては消費節約対策、この三つがポイントになるのではないかというふうに考えられます。 そのうちの第一点の輸入目標につきましては、アメリカでいろいろ意見があるようでございますけれども、先般の準備会合等でまだ完全な一致を見ておりませんので、議題として果たして上程されることになるのかどうか、はっきりしてないというのが実情でございます。 それから第二点の石油備蓄対策及び石油市場対策と申しますのは、御承知のとおり、各国九十日備蓄体制で進めておりますけれども、国によりましては政府が、つまり公的な機関が備蓄に対してコントロールシステムを持っていないような国が若干ございます。日本は備蓄法をつくっていただきましたので、ある程度コントロールする機能を持っておりますからこれはよろしいのでございますけれども、国によりましては、そういった機能を持ってない国は公的な介入を強化するような方向を検討したらどうかということが議題になる可能性が強うございます。 それから石油市場対策と申しますのはいわゆる登録制の問題でございまして、それぞれのIEA加盟国が石油の取引をしました実態をIEA事務局へ通報するというシステムが十二月からスタートすることになります。それにつきましての具体的な問題等が議論されるのじゃあるまいか。これはあくまで私の予測でございまして、冒頭に申し上げましたように、現段階におきましては議題が決まっていないというのが実情でございます。
○近江委員 国民が非常に心配しておりますのは、いわゆるカラカス会議なんです。これはあくまでわが国としては予測しか、予測もそれは当たるかどうかわからぬですけれども、これで一体どうなるのだろうかとみんな注目しておるわけです。そこで当然あなた方がどのくらい見ておるかと言ってもお答えにくい問題だとは思いますけれども、値上げ幅というものはそれはもう何とかなくさなければいかぬわけです。しかし、伝えられるところでは一〇%だとか一五%だとかいろいろ言っておりますが、こういうことについて推定されておりますか。
○佐々木国務大臣 お話しのように、カラカスの会議に対しましていろいろうわさがございます。しかし、近江さんも御承知のように、産油国の皆さんが生産量、生産計画と申しますかあるいは価格政策に対しまして、それぞれの国で公表等はもちろんしておりませんので、このカラカスの会議で価格の問題が主になると思いますが、それがどれほどどういう程度で落ちつくのやらという点に関しましては、政府としてはまだはっきりした見通しを持っておりません。
○近江委員 イラン問題というものが非常に大きな波紋を投げておるわけでございますが、そういうようなことから特にメジャーの供給削減ということもございまして、いまスポット買いが非常に高値に推移しているように私は思うのです。こうした原油の確保競争というものが国際的な石油摩擦という問題を生じかねない問題じゃないかと思うのですが、この問題について政府はどういう具体策をお持ちであるのか、これが一点であります。 それから、イランをめぐる最近の取引状態及び政府の基本的な対応策等につきまして、二点目としてお伺いしたいと思います。エネルギー庁長官からお願いしたいと思います。
○森山(信)政府委員 まず第一点からお答え申し上げますと、メジャーからの輸入の形態がかなり変わっておりまして、御承知のとおり五〇%近くまでメジャーの依存率が低下してきておるわけでございます。具体的な数字で申し上げますと、ことしの一月時点におきまして、メジャー合計で日本のサードパーティーに対する供給契約が百四十万バレルあったわけでございます。これは一日当たりでございます。来年の一月になりますと、これが七一%カットされる、実数で申し上げますと百万バレルになるわけでございます。したがいまして、一日当たり百四十万バレル契約しておったものが来年の一月には四十万バレルしか入ってこない、こういうことになりますと、百万バレルをどこかほかの流通形態で調達をしなければならないわけでございます。 そこで、私どもが考えております対策といたしましては、まず第一に直接取引、いわゆるDDと言っておりますが、この直接取引を増大したいということでございます。現実には百万バレルのカットをいたしましたもののほぼ半分がイランの直接取引、DDでカバーしておるわけでございます。それから、その次に考えておりますのは政府間取引、いわゆるGGと言っておりますが、どちらがプライオリティーが高いという問題ではございませんで、DDとGGを並行的に対策として推進しているということでございまして、先般来メキシコとの間で長期の取引契約を結ぶべく話を進めておりますのもそういった一環でございます。 それで、百万バレルカットされました分を、いま申し上げましたDDとGGでカバーし切れますと、大体穴が埋まるわけでございますが、必ずしもカバーし切れない面がございます。そこで、そのカバーし切れないものをいわゆるスポット市場で求めるということでございまして、一般的に言いますと、従来の日本のスポット物の比率は、全原油輸入量のうちの四%ないし五%であったわけでございますが、いま申し上げましたような取引形態が変わってきたことによりまして、ことしの十月−十二月のスポット比率が大体一一%ないし一二%になっておるというのが実情でございます。こういうふうに大きく流通形態が変わっておりますことが、今回のいわゆる石油ショックの大きな特徴ではないかと私は思うわけでございます。 そこで、第二点に御指摘のございましたイランの取引の実態でございますが、先生御承知のとおり、アメリカとイランの紛争が起こりまして、従来イランがアメリカに供給いたしておりました七十万バレル・パー・デー、これがアメリカに行かなくなったわけでございます。これの取り扱いをめぐりましていろいろ論議が交わされておるわけでございますが、日本といたしましては、私どもはこの油を買ってはいかぬ、こういう指導は全くいたしておりません。ただ、こういう際に従来のいわゆるスポット価格よりも高い値段で油を買うことは大変困るんだ、こういうポジションを持っておりまして、そういう観点で業界を指導してまいっておるわけでございます。ただ残念なことに、一部の企業がやや高い値段で買ったという実績がございましたので、私どもは厳重に注意をいたしまして、その取引についての是正を求めておるところでございます。
○近江委員 非常に暗いというか、心配な種があるわけですが、たとえばメキシコとの日量十万バレルですか、年間六百万キロリットル等は非常に明るいニュースだと私は思うのです。こういう明るいニュースはほかにはどういうところがあるのですか。
○森山(信)政府委員 来年からイラクとの長期契約が、いま五百万トンございますが、それにつきましてプラス四割という話をまとめまして、年が明けますと、プラスいたしまして二百万トン入ってくるということが考えられております。
○近江委員 メキシコは、私が言った数値は合っておるのですか。
○森山(信)政府委員 明年度中にパー・デー十万バレルということでございまして、明年早々から十万バレル入ってくるわけじゃございません。四半期ごとに逐次増量してまいりまして、できるだけ早く十万バレルに到達するというのが現在基本契約でございます。まだ契約の調印はいたしておりませんが、大体そういうことで合意を見ております。
○近江委員 前に江崎さんでしたか、イランに行かれたとき三〇%の増量を要請されましたね。あの話はどうなっておるのですか。
○森山(信)政府委員 三〇%増量の問題は、御指摘のとおり江崎前大臣がイランへ行かれたときに話を出したわけでございます。これは御承知のとおり現在イランから直接取引で買っておりますのが四十六万バレルでございますから、それに対しまして約十五万バレルほどの増量の要請を行ったわけでございます。その後アメリカとイランの紛争が起こりましたけれども、私どもは、その紛争よりも前に前通産大臣からいわゆるGGベースの一環といたしましての増量の要請をしておるわけでございますので、この要請はまだ生きておると考えております。
○近江委員 メジャーのそうしたカットあるいは民族系と外資系との差も出てきておるように思うのです。 そこで、これからGG原油であるとかDD原油、いろいろあるわけでございますが、私は、石油公団のあり方というものは非常に注目しなければいかぬと思う。このまま放置しておいていいのかどうか。公団をもっと育てて、言うならば和製メジャーといいますか、強力な力を持ったものに将来していった方がいいのじゃないか、そういう意見も非常に強いわけですが、石油公団につきましてはどういうような構想をお持ちでございますか。
○森山(信)政府委員 石油公団につきましては、御承知のとおり現在大きく分けまして二つの仕事をしていただいておるわけでございます。一つは探鉱投融資でございますし、もう一つは備蓄の仕事でございます。私どもが基本的に考えておりますことは、石油企業のあり方は民営を主導型とするのが一番いいのではないかと考えておりますので、石油公団はその民営企業の補完的な作用を行ってもらうのが一番いいのじゃないか、こういう考え方でございます。 そこで私ども、現在の石油政策で一番ポイントは、先ほどからお話のございます原油の調達がごく短期的に見ました場合の石油政策の根幹になる、こういうふうに考えておりまして、いま原油調達につきまし七の政策努力を鋭意傾注しているととろでございますので、そういった民間の企業の方々がおやりになる原油調達につきましての補完的な作用を今後石油公団にやってもらいたいという気持ちを持っております。具体的に申し上げますと、民間の石油関係の企業の方々が原油の調達につきまして長期契約等をいま結ぼうとしております。ところが、世界の原油の需給状況が緩んでまいりますと必ずしもその引き取りが実現できないケースがございます。そしてまた需給関係がタイトになってまいりますと再びそういう問題が起こってまいりますので、どうしても民間の企業の方々が契約等の行為をしまして、何らかの事情でそれをキャンセルせざるを得ない、日本に持ってこれなくなったという場合に、それを石油公団が代替して引っ張ってくる、こういうような機能を新しく石油公団に付与したらどうか、こういうような考え方を持っておりまして、来年度の予算要求の一環といたしまして公団の機能拡充をお願いしているところでございます。
○近江委員 そうなってくると当然これは法改正しなければならぬですね。そうでしょう。法改正をする。そこで、いまおっしゃったのも一つの構想でしょう。ですからやる以上は、これはちょうどいい機会でございますから、さらにひとつ衆知を集めてわが国の供給の中で公団の果たすべき役割りというものを本当に重視して、それにこたえられるものに、機能を持つものにやっていただきたい。私も具体的にこうせいということは、まだそこまでは言いませんけれども、私なりにいろいろな構想は持っておりますけれども、十分ひとつ検討していただきたい。その法改正も含めてもう一遍答弁をしてください。
○森山(信)政府委員 石油公団のあり方につきましてはきわめて大事な問題だと受けとめております。そこで、私どもの基本姿勢は先ほど申し上げたとおりでございますが、各方面の御意見を十分に聞かしていただきまして検討してまいりたいと思います。
○近江委員 法改正をするということですね。 それから石油代替エネルギー開発、導入の促進問題でございますが、当初、政府としては開発公団等をつくってやるんだ、また新税をつくるんだというようなお話があったようでございますが、これはもう政府としてあきらめたわけですか。これはどういうように考えておられるのですか。
○森山(信)政府委員 私どもが中長期のエネルギー政策の根幹として考えておりますのは、現在一次エネルギーの中に占めます油の比率七五%を十年後に五〇%に引き下げたいというのが根幹でございます。そのためには相当な決意と情熱を持って代替エネルギーの開発に取り組まなければならないことは当然でございます。そこで通産省といたしまして、五十五年度予算に当たりまして新しい代替エネルギーの対策を推進する中核母体をつくらしていただきたいということと、その中核母体をつくるための財源といたしまして新税をお願いしているわけでございます。石油につきましては従価で一・一%、それから電力につきましては従量でキロワットアワー当たり四十銭の税金をお願いしているということでございます。これによりまして十一年間、昭和六十五年までの間に約四兆円の財源を調達さしていただきまして、代替エネルギーの推進を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○近江委員 たしかあれはNHKのテレビだったですかな、通産省発表でこれは何かあきらめた、それでかわりの処置をするんだというように報道されたと思うのですけれども、それは記者発表してなかったのですか。
○森山(信)政府委員 私どもの方からそういうことを申し上げた事実はございません。
○近江委員 それは大臣から出たのですか。
○佐々木国務大臣 ただいま大蔵省と折衝中でございまして、折衝中に態度を変えるということはございません。そのままで進めております。
○近江委員 しかし、言ってないことがそういうように出るのですね。ということは、これは非常に見通しが暗いということですね。 そうすると、あなた方はそれを強く希望なさっているわけですが、もしもこれがだめになった場合、次善策はどういうものを考えておるのですか。
○佐々木国務大臣 恐らく近江さんのおっしゃるのは、石油新税、いままで石油税を去年御承知のようにつくったわけですけれども、輸入価格が非常に上がっておりますし、また円安の最中でございますから、そういう面で税収がふえているのじゃないか、そういう面で石油対策に関しては別に新税をつくらぬでもいいじゃなかろうかという議論が新聞等で出たような記憶もございます。その話ではなかろうかと思いますが、それこれあわせてただいま大蔵省と折衝中でございます。
○近江委員 それは折衝中はよくわかるのですよ。だから、それでもだめな場合はどうするかというのです。 大体、簡単に税金かけると言いますが、代替エネルギーの開発ということは、私も科学技術も商工も長いことやっていますから、これは力を一番入れなければならない。いまごろ政府がばたばたこういうようなことをやることはおかしい。私らはこれはもう十年、もっと前から代替エネルギーの開発については総力を挙げなさい。ほとんどやってないのですよ、形だけで。いまになってばたばたしている。これが政府の姿勢なんですね。だけれども、こういう原油をめぐる税金というものはかなり上がっているわけですから、その使い方、道路税にほとんどこれはいっておるわけですから、そういう中でまたどういうように振り分けていくか、代替エネルギーに振り分けていくとか、いろいろな考え方もあると思うのですよ。結局はこれは消費者がかぶってくるわけですから、そういうことも十分お考えになってこの対処をしていただきたい、こう思うわけです。 そうすると、通産省としては当初のそういう計画は強い意欲を持っていま交渉している、こういうことですね。 それから、あともう少し聞いておきたいと思いますが、イランの石油化学コンビナートの建設問題です。これは三井グループが民間事業として行っておった事業をナショナルプロジェクトに格上げをして、二百億の政府出資を決めたわけですが、これはちょうど総選挙にかかった時点だったと思いますが、国会論議もほとんどなかったのですね、あれは。政府の間だけでこれは決めてしまったのですが、その間のいきさつについて簡潔にひとつお答えいただきたいと思います。
○宮本政府委員 イランの石油化学事業でございますが、御案内のように相当前から三井グループがイランのNPCと合弁事業を行っておったところでございます。それが昨年の秋以降のイランの革命によりまして一時とんざしておったわけでございます。これをどうするかということでございましたが、本プロジェクトにつきましては、イラン政府から工事再開、それから早期完成を強く要請してまいりました。日本の立場に立ちますと、この推進を図ることがイランの経済発展及び日本とイランの両国の経済交流を促進し、かつは重要な産油国であるイランとの友好関係の増進に寄与することが大きい、こう考えた次第でございます。したがいまして、先般十月十二日に閣議了解を得まして、このプロジェクトに政府としても所要の支援を行うということが決定された次第でございます。
○近江委員 時間があればもっと論議したいのですが、余り時間がありませんので、この点に関してちょっと聞いておきますが、イランの情勢がああいう情勢ですから、工事再開の見通し、特に技術者、労働者の確保、工業用水道等の基盤整備の状況、原料の安定確保等についてどういう見通しをしておられるかということが一つ。二つ目は、また事業が稼働した場合の採算性に関する見通しの問題ですが、このイランでの事業と三菱のサウジアラビア石化事業と住友のシンガポール石化事業が稼働した場合の、世界の需給構造への影響についてはどういうふうに把握されておりますか。以上二点、簡潔にお答えください。
○宮本政府委員 ただいまの第一の点は、たとえば本事業に必要な水はどうなるか、ガスはどうなるか、こういった問題でございますし、さらには労働者の確保がどうなるか、日本側からの技術者の渡航がどういうふうになるかという問題でございます。 これらの点につきましては、十月十二日に閣議了解を得ました段階で、前通産大臣の江崎先生がイラン政府と接触されまして、日本政府の意向を伝えると同時に、先方の政府が従来からの態度を確認をいたしました。と申しますのは、水、それからガス、住宅その他のインフラストラクチュアに対する支援をイラン政府としては継続をして何ら変更がない、それから日本からの技術者の渡航につきましても最大の便宜を与える、こういう次第でございまして、こういった状態がなお続いているものと私どもは理解いたしておる次第でございます。 第二点の、この事業に関する採算性の問題でございます。 確かにこの採算性の問題につきましては非常にいいとはとても申せないような状態でございますけれども、原料ガスがいままでフレアガスとしてただ燃しておるガスでございますので、それをこちらの方に、このプロジェクトに回してまいりますと、ここでまず最初にLPGができるわけでございます。LPGを日本に持って帰る。それからその先はかなりの年月を要するかと思うのでございますけれども、製品価格がどういうふうになるであろうか。原料との関係におきましてこのプロジェクトの採算性が大きく動くところでございまして、私どもは場合によりますと採算性が向上する条件も持っておる、かように存じておる次第でございます。 第三点につきましては別途お答え申し上げます。
○尾島説明員 イラン石化計画ができた場合に、シンガポールあるいはサウジアラビアの同様の計画ができた時点において、世界の需給状況がどうなるかという御質問でございますけれども、この石油化学製品は、現在世界におきまして一九七六年でエチレン換算で二千七百五十万トンぐらい生産されておりますが、仮に年率六%の伸びが期待できるといたしますと、年間百六十万トンないし百七十万トンの増加が見込まれるわけでございます。わが国におきましてもエチレンの生産は、五十年から五十四年をとりますと年間約三十万トンぐらいずつ伸びてきております。このような状況で世界の需要が伸びるといたしますと、各プロジェクトにおきます製品は十分世界市場におきまして吸収することができるのではないかというふうに考えております。
○近江委員 答弁を聞きますと私からはちょっと甘い感じがしますけれども、これだけ、ただ政府がつぎ込む二百億だけ違うのですよ。御承知のように政府系の輸銀であるとか、時間があったらもっとやりますけれども、莫大な金を入れているわけですから、ひとつその点を十分成功させていただきたい、このように思うのです。 それから、あともう一つ非常に心配なのは、本年度下期の石油の需給問題でございますが、いま、私も先ほど申し上げたように、灯油が上がるとかいろんなこと、そういう不安を一面から考えますとかき立てて、そしてつり上げをやるという、そういうことがあるとかないとかいうことは私申し上げませんけれども、それが非常に大きな要因になってくるということです。したがいまして、心配はないのだということをきちっと国民が納得するということになりますと、そういう石油業界の大衆に押しつけるというような行為はだんだん影をひそめてくると思うのですね。それは原油が値上がりしてくれば若干のスライドということはやむを得ないでしょう。しかし、それに上乗せをした便乗、これは悪らつな行為なんです。ですから、そういう点で国民の不安にこたえるために、この下期の石油の需給動向、これについては心配ないのですか。心配ないとすれば、こういうわけで心配ありませんということを御答弁いただきたいと思うのです。
○森山(信)政府委員 五十四年度年間を通しましての供給計画は、備蓄部門を除きまして二億八千万キロリットルであることは先生御承知のとおりでございます。上期は一億三千四百万キロリットル実績として入っております。計画に対しまして二百万キロリットルほどオーバーして入ってきております。下期は一億四千八百万キロリットルほど入るのが計画でございまして、それを仮に十−十二、一−三と分けてみますと七千四百万キロリットルずつ入ればよろしい、こういう計算になるわけでございます。現在十−十二月が進行中でございますので私どもは見通しを考えておりますが、現時点におきましては七千万キロリットルは間違いなく入ってくる、こういう数字がつかめております。私は、七千万キロリットルよりも実績におきましては、結果におきましてはもっとふえてくるのではないかな、こういう気持ちを持っておりますが、現時点で数字としてはっきり把握しておりますのは七千万キロリットルでございます。そこで、先ほども申し上げました七千四百万キロリットルとの乖離があるではないか、こういう御指摘があろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように上期におきまして二百万のオーバーサプライがございます。これが調整財源になりますし、また、七千万キロリットルより実際には上がってくるという可能性がございますから、それを見込みましても若干足らないところがあるといたしますれば備蓄を取り崩す。現在御承知のように民間備蓄は九十五日分ございますし、政府備蓄は七日分ございます。百二日分がございますので、若干の需給アンバランスを生じた場合は、備蓄を取り崩してでも五十四年度の二億八千万キロリットルの供給計画にそごを来さないというのが私どものポジションでございますから、原油の輸入状況と備蓄状況というものをリンクして考えますれば、五十四年度中は私は大丈夫だというふうに考えております。
○近江委員 このエネルギーはきわめて重要な問題でございますから、どうかひとつ政府としては力を入れて心配ないようにしていただきたい。いま心配ないという御答弁でございましたから、一応お聞きしておきます。 それから、国民生活で一番大きな問題は物価の問題でございますが、原油の引き上げ、カラカス会議等でまた上げてくるというようなことも予想されるわけですが、そういうことが引き金になってまた便乗。各産業にしましても、卸売物価だけでも年率一四・五。そうなってきますと来年度というものは非常に心配になってくるわけですね。一〇%には間違いなくいくのじゃないか。政府は六%台に抑えたいということを発表しておるようでございますが、実際に消費者物価は一〇%ぐらいいくのじゃないかと非常に心配されているわけです。その一番大きな原因は、そういうような産業界こぞって値上げをしてやろう、先ほど私が公取委員長にも聞きましたああいうような悪らつなこともすでに始まっておりますし、そこへ持ってきて公共料金の値上げラッシュです。たばこでしょう。健保、国内航空運賃、電力、ガス、国鉄、消費者米価、麦価、郵便、NHK受信料、国立大学授業料、いろんなことが予想されるのですね。その中で特に電力やガスの値上げというのは大変なものです。狂乱物価のとき以上の値上げをしようという動きがいまあるのです。それは燃料が上がれば上がってくるということも考えられますけれども、こういう大幅な引き上げですよ。それに対して国民生活を守る立場において政府は一体どう考えておるのですか。その点についてひとつ経企庁長官からお伺いしたいと思います。
○正示国務大臣 御指摘のように非常に大事な、また重要な問題であることは近江委員と全く同感でございます。 いまだんだんお話がありましたように、まず今年度の問題につきましては、当初の見通しに対しまして、卸売物価が非常に上がっておることはいまお話のとおりであります。この原因は、原油その他のいわゆる海外からの原材料というものの騰貴と、最近の円安、為替相場が大きなファクターになっておることも御承知のとおりでございます。そこで卸売物価については、見込みに対する相当大きな実績の食い違いがあります。また、国際収支も大きく変わっておることはこれも御承知のとおりでございます。しかし、私どもとしては、何としても経済の安定に全力を尽くさなければならぬという考え方から、先ほど来通産当局からお話のように、いろいろの大事な資源につきまして、まず需要と供給を適合させるということを基本にいたしまして物価対策を推し進めてまいりました。 そこで、卸売物価は相当見込みよりも大きく上がっておるようですが、消費者物価に関する限り五十四年度の当初の見通し、すなわち四・九%、これは何としてもその目標どおりにおさめたい。とれが今日の一番大切な問題として私ども去る十一月二十七日に物価関係の閣僚会議を開きまして、ここで決めましたのは財政、金融の運営の適正化、これは公共事業等の実施を含めてでございます。また、国際収支についても資本の収支、そういうものについて大蔵省あるいは日本銀行において同じ日に措置をいたしました。また、一番大きな問題としては、公定歩合を三度にわたって日本銀行が引き上げたことも御承知のとおりでありまして、これもまた物価には相当よい影響を与えておるわけであります。そのほかに、いろいろと通産当局その他にお願いをいたしまして、個々の重要な生活物資というものについて全国的に監視の網を張りめぐらしまして、先ほど来公取委員長や通産当局におただしになりました不当な便乗値上げ、そういうことのないように全力を尽くしておる。その結果、四・九%は必ず達成できるものと私は考えております。 なお、経済成長の見通しの六・三%でございますが、大体六%程度は五十四年度に関する限りは達成できるものと考えております。問題は、来年度の問題でございますが、これはこれから予算の編成の過程におきまして、関係当局がそれぞれの見通しまたはデータを持ち寄りまして、いわゆる練り合わせといいますか、いろいろな見地から総合的に判断いたしまして経済の見通しをつくっていくわけであります。先ほど近江委員から、来年は六%くらいとかあるいは一〇%に近いとか、いろいろなお話もあったようでございますが、私どもはただいまのところ決して物価なり成長のめどというものに見通しをつけておるわけではございません。これは本当に予算の編成の過程で、各省庁がそれぞれの見地から十分打ち合わせをしました結果として出てくるものでございますので、今日マスコミがいろいろ報道しておりますが、これは私どもの方で出しました最近までの国民所得に関する資料からのそれぞれ鋭敏なる記者諸君の推測、観測記事でございますので、その点ははっきりと御了解を願っておきます。
○近江委員 もう時間がありませんから最後に一つだけ質問して終わります。 特に電力とかガスの問題につきましては、これは新聞でも伝えられておるわけですが、参議院選があるから、参議院選が終わるまではしないのだというようなことも伝えられておるわけですが、その辺について政府としては国民生活を守るために腹を決めてやっておるのか、ただ単なる選挙対策でそういうことを言っておるのか、その辺についてどう考えておるかということが一つ。 最後に中小企業問題で、中小企業は私もうんとやりたかったのですが、時間がありませんから一点だけ聞いておきます。 従来からやっておりました中小企業倒産対策緊急融資制度、この十二月三十一日で期限切れになるわけですが、これは半年ごとに延長されておる制度ですが、これについては恒久化する必要があるのじゃないかと思うのです。倒産も千五百件の大台に来ておるわけですね。ですから、この点についてどう思うか。以上二点、時間がありませんから簡潔にお答えください。
○佐々木国務大臣 電力の料金でございますけれども、私どもは原価主義に基づきまして、厳正、慎重に経済、科学的のあらゆるファクターを動員しまして結論を出したいと思っておりますので、政治的な要素を加えるなんということはゆめゆめ考えてございません。
○左近政府委員 御指摘の倒産対策緊急融資制度でございますが、これはお話しのとおりこの十二月三十一日に期限が切れますが、とりあえずこれを延長する方向で関係方面といま相談しております。しかしここ当分倒産件数が非常に減るということは見込めないというふうにわれわれも考えております。したがいまして恒久対策にするように、いま予算要求と絡めてわれわれ要求しておるところでございますので、その実現を期すべく努力をいたしたいと思っております。
○近江委員 もうこれで終わりますが、いずれにしてもこの公共料金の引き上げにつきましてはきわめて重大な影響を与えるわけですから、これは本当にシビアによくやっていただきたい、これを強く要望しまして終わります。
○塩川委員長 これにて近江巳記夫君の質疑は終わりました。 神崎敏雄君。
○神崎委員 初めに大蔵省に伺いますが、大蔵省は来年度の税制改正で中小企業等海外市場開拓準備金制度を廃止する方針のようです。この制度については五十六年三月末までの存続を決めていたのであります。一年早めて途中で打ち切るということまであえてやらなければならない理由は一体何なのか、その根拠についてひとつ明らかにしていただきたいのであります。
○内海説明員 お答え申し上げます。 現在の非常に厳しい財政状況のもとにおきまして、企業関係の特別措置につきましては現在徹底的な見直しを行う必要があるという観点に立ちまして各省と折衝をしております。これが見直しの理由でございます。
○神崎委員 各省と交渉しているというのはどういうことですか。
○内海説明員 企業優遇と言われております企業関係の特別措置につきまして、各省と折衝をし、来年の税制改正までに結論を出すということでございます。
○神崎委員 大蔵省は、海外からも輸出補助金である、こういう批判が強いということも言っておられます。海外からこの準備金に対して、名指しで日本のこの制度が批判されたという事実がありますか。
○内海説明員 この問題が国際取り決めとの関係でどういうふうに考えられるかということにつきましては、私どももそれなりの考え方は持っておりますが、これをこの場で表明いたしますことは今後の国際交渉にいろいろな影響もあると思いますので差し控えさせていただきたいと思います。そういう事実はあるというふうに外務省から伺っております。
○神崎委員 それでは通産当局はどうですか。海外から批判された事実がありますか。
○宮本政府委員 先般妥結いたしました東京ラウンド、多角的貿易交渉の場でずいぶん議論はいたしましたけれども、名指しでこれがガット違反であるというふうなことは私どもは聞いたことはございません。
○神崎委員 そうでしょう。そうしたらいまの大蔵省の答弁と違うじゃないですか。そもそも不公正税制の是正、これは企業関係の租税特別措置の見直し、優遇税制の見直しという作業の中から第一弾にこれが出てきて、そうしてこの制度の廃止が打ち出された。私は大蔵省の認識と発想は、との制度を不公正なものとしてとらえているというのだったらこれはやはり大きな間違いだ、こういうふうに言わざるを得ません。二十年前とは違って、今日では輸出市場で中小企業製の製品は大きな後退を余儀なくされているのです。しかし、発展途上国の工業化あるいは近代化が進みまして、次第に工業製品の輸出環境にも変化が生まれている、海外摩擦を少なくした輸出という点で、中小企業製製品と中小貿易商社の役割りはむしろこれから増大するであろうと、その方向が望まれているのであります。そういうふうにわれわれは思います。大企業に比べてとかく不利な立場にある中小企業、これに対する助成が、これを守るということがかねてからの中小企業に対する政策の大きな一つの柱ではなかったのか、通産省としてはこの制度の廃止にどういう考えをお持ちなのか、ひとつ大臣から伺いたい。
○宮本政府委員 輸出貿易における中小企業のウエートが下がっておるという事実もございますが、同時に大企業の方も下がっておりまして、両業種共存の業種の方が最近統計によると少し伸びておるということもございますけれども、しかし私ども、先ほど御指摘のような中小企業等海外市場開拓準備金などを通じまして、このような状況にあります中小企業がさらに競争力をふやしまして、輸出にもっと深くかかわり合うことを願っておる次第でございます。したがいまして、このような制度が貿易に携わりますところの中堅中小企業の経営の安定を図るという観点からは必要な制度だと私どもは思っておりますので、大蔵省にもよくその辺の事情を理解を求めまして、制度の存続について努力をしたいと考えております。
○佐々木国務大臣 ただいま担当局長からお話のとおり、大変重要な問題でございまして、どうしても廃止ということには私どもは同意できません。
○神崎委員 いま非常に心丈夫な大臣の御答弁をいただいたのですが、大蔵省の考え方は通産大臣とは真っ向から違うわけなんです。一つの政府が一つの政策をやるのに、大蔵省と通産省がそれほど真正面から対立するような行政のあり方というものは、国民から見たら納得できないと思う。ひとつ通産当局はこのような中小企業育成の一部である問題についてよくがんばっていただいて、そして大蔵省当局のそうしたやり方とやはり闘ってもらわなければいかぬ。財政再建だとか、何かというと一番先に目につくのは弱いものからいじめていくという、これが一つの顕著なあらわれだということを言っておきたいのであります。 もう一つ、全く別の問題なんですが、対中国関係の特恵供与についてであります。 従来も特恵枠を超えて輸入されているという事態がありました。この結果関連産業は大きな被害を受けました。したがって、特恵供与による国内関連産業に重大な影響を与えることがないように、輸入業者別に枠を決めるなど万全の処置を講じていただきたい。この点を先ほどの制度廃止問題を含めて、これはいま通産大臣からきわめて明快な答弁をいただきましたから、ひとついま申し上げた点をもう一回大臣から答えていただきたいと思うのであります。
○宮本政府委員 ただいま御指摘の中国への特恵供与につきまして、品目によりますと打撃を国内産業に与えることが大なのではないか、そのためにどのような措置をとるかという御趣旨かと存じますが、私どももそのように存じておりまして、現在の特恵制度をそのまま中国に適用するということになりますと、品物によりましてはそのシーリング枠が急にふえたりあるいは国内産業への影響が懸念される、こういうものも出てまいるわけでございます。したがいまして、こういう品目につきましてはシーリング枠の急増を抑えるような、現行でも幾つかの組み合わせがございますので、そういったものを十分活用いたしまして、国内産業に与える影響を十分配慮して、この供与の仕方につきまして検討してまいりたいと考えております。
○神崎委員 そうすると、いまの答弁からは、輸入業者別の枠というものを決めるというふうに理解してよろしいか。
○宮本政府委員 業者別の枠をつくるかどうかという点につきましては、現行の法律に定められております特恵の制度がございますので、それを基本といたしまして、私どもできる限り先ほどのように国内産業に影響のないような方策を考えてまいりたいと考えております。
○神崎委員 きょう大平さんは中国へ行かれましたね。もう行かれたのですか、これから行かれるのですか、とにかくきょうなんだね。この大平さんの訪中と今度のこれとは関連あるのですか。
○宮本政府委員 中国側が先般来この特恵についての適用を受けたいということを申し出ているのは事実でございます。実は、これは昨年の秋の事務局の話し合いのときにも正式に表明をされております。それで、そのとき以来検討を続けるという姿勢になっておりますので、もし先方から話が出れば当然お答えがあるものと存じております。
○神崎委員 大体それで、お答えになっておらないところにそういうニュアンスが含まれているように理解しておきます。 さて次に、私は石油問題について、価格の点に限定いたしましてお伺いいたします。 まず大臣、あなたは石油業法を改正する必要があるとお考えになっておられるか、それとも現在のところ改正の必要はない、こう考えておられますか、一言で結構ですからお答え願いたい。
○森山(信)政府委員 石油業法を制定さしていただいた当時と現在、客観情勢がかなり大きく変わっていることは事実でございます。しかしながら、私どもが石油行政を推進していく上におきまして、特に業法の改正を必要とすることは考えておりませんので、いまのところ業法の改正をする意思はございません。
○神崎委員 大臣も考えておられないのですね。エネルギー庁長官と同じですね。
○佐々木国務大臣 ただいまの答弁と同じように考えてございます。
○神崎委員 そこで、石油業法第一条に、この法律の目的について、「石油の安定的かつ低廉な供給の確保」、こううたっております。つまり値段の安い石油製品を安定的に供給するということが石油業法の目的なのであります。石油業法を尊重して、いま変えようとは思っておらないということを明確に言われたのですから、したがって、石油業法を尊重した通産行政とは、石油の安定供給とともに値段も安いということに絶えず努めなければならないと思います。これはもう議論の余地のない点であります。 ところで、大平総理も佐々木大臣も、石油製品の価格について行政介入はしないということをたびたび言明しておられます。先ほどの答弁を聞いておりましたらそういうことをおっしゃっているが、言うまでもなくこの言明の意味は、いかなる状況があろうとも介入しない、そういう意味ではない、必要な場合は行政介入をする、石油業法を無視しない以上介入はあり得るということだと理解いたしておりますが、そのように理解してよろしいでしょうか。相違ないでしょうか。
○森山(信)政府委員 石油業法の目的はただいま先生から御指摘のございましたとおり、「石油の安定的かつ低廉な供給の確保」ということでございます。私どもは石油を安定的かつ低廉な状態で供給するということは当然の責務だと思っておるわけでございますが、政府側といたしまして再三お答え申し上げております価格介入につきましてはできるだけこれを行わないという趣旨は、供給をまず確保するという観点がとるべき政策の第一次的なものではなかろうか、こういう判断をしておるわけでございます。これは当然に価格政策につながってくる問題でございまして、需要と供給の間にアンバランスが生じますと価格が不当につり上がるという危険性がございます。そこで、まず第一に需要に見合う供給を確保するのが先決ではなかろうかということでございます。そのまた淵源をたどってまいりますと、供給に必要な原油の調達を十分しなければならないという問題につながってくると思います。そこで、私どもが価格につきまして著しく介入しないという趣旨は、原油の調達につきまして支障を来さないような状態に置く必要がある、こういうことからできるだけ市場メカニズムに任せる、こういうことを申し上げているわけでございます。しかしながら、価格が不当につり上がるということに対しまして介入をしないという意味では全くないわけでございます。私ども資源エネルギー庁におきましても、それぞれ価格もチェックをいたしておりますので、不当な便乗値上げがないような介入は続けていかなければいかぬだろう、こういうことでございまして、市場メカニズムに任せるという原理は尊重しつつも、そこに便乗値上げがないような形での介入は続けざるを得ない、こういうことでございます。
○神崎委員 長官のは少し論理に矛盾を感ずるのです。価格の介入に対して供給確保が優先しているということですね。そうすると、一般と余り変わらないですね。政治力とかそういう問題は一つも入らないで、巷間油が欲しい油が欲しいということが優先すると、少々高くてもやむを得ない、こうなってくるから、先ほどからおっしゃっているいわゆる便乗値上げというものが派生してくるのですよ。国も石油業法を尊重される立場からいって、そういうような次元の常識的な形でやっていいだろうか。いま長官おっしゃったように、供給確保が非常に大事だから、価格に余り介入したりごちゃごちゃ言うたら供給がうまくいかない、そういうことになってくるのですね。そうすると客観的には政府がやっているようなことじゃなしに、一般市民がいま苦しめられている同じような立場の次元に立ったような論理の展開だと思うのですが、これは矛盾ありませんか。
○森山(信)政府委員 先ほどお答えいたしました中で、原油の調達が再優先である、こういうふうに申し上げましたが、そこにおのずから価格の限界があることは当然でございます。 そこで私どもといたしまして、原油の調達をするに際しまして、価格がいわゆる公示価格で入ってくるものは全然問題ないわけでございますが、特に問題になりますのはいわゆるスポット価格でございます。先生御承知のとおりロッテルダム市況というものがございまして、世界におけるスポット価格の相場的なものが立っておるわけでございますが、その相場をつり上げるような、日本がスポットを買いに出たことによってそのロッテルダム市況の相場をつり上げるような買い方をしてはいけませんよ、こういう行政指導はいたしておるわけでございまして、そこに原油の調達を再優先と考えながらも、できるだけ安い、より安い価格で買ってくることを期待するという行政指導をしておるわけでございますので、その点をぜひ御理解賜りたいと思うわけでございます。
○神崎委員 そこでまたいよいよやっておられることや答えておられることに私は矛盾を感ずるのです。 というのは、最近通産省が、先ほどからもいまもおっしゃっていたのですが、高い値段のスポット原油を買うことを自粛せよ、こういうように輸入業者等に指導をされているのですね。高いスポット買いはするなという形で輸入業者に指導を強化されておる。これはもう話題になっておりますね。そもそもスポット原油はいま始まったことじゃないのですよ、昔からあるのです。スポット原油買いはいままでは問題なかった。今回それが問題にされるのは、価格が問題なんです。つまり日本がいまおっしゃったように石油の国際相場高騰の、国際的に石油の相場を高く上げる、これの推進役だという石油消費国の各国からの批判をこれでかわそうとしているということなんですね。そしてまた、さきの東京サミットでも高値スポット原油対策として、その購入自粛が合意されているという事情もあります。要するに、石油大量消費国である日本が、石油の価格に対してどういう方針であるかは国際的に大きな影響がある。 そこで伺うのですが、高いスポット原油を買うなという指導も、厳密に言えば私は価格への行政の介入だと思うのです。いかがですか。
○森山(信)政府委員 高いスポット原油を買うなという目的は二つあると思います。 一つは、国際的な紛糾を避けるという目的がございます。もう一つは、日本は大口の石油の輸入国でございます。そこで、みずから価格をつり上げるようなことをしますとそれだけデメリットを背負うことになりますので、そういったことをしなさんなよというのが目的でございまして、この二つが目的でございます。 そこで、私どもがそういった観点から輸入をされる方々に対しまして指導をしているわけでございますが、それはいわゆる価格の介入という意味には解釈していないわけでございまして、広い意味での介入ということは確かに言えるかもしれません。それはまあ国家的観点と、ひいては消費者の立場と申しましょうか、不当に高いものを買いますとそれだけ経済的なデメリットが出てくるわけでございますから、それに対する一般的な注意事項といたしましての配慮要件を、輸入される方方に対しましてお願いをしているというのが実情でございます。
○神崎委員 広い意味の価格介入と狭い意味の価格介入という形にとれるようなお答えがあったわけですが、中身はよくわかるのです、長官のおっしゃる中身は。しかし広い意味ではなしに、非常に基本的に、価格介入ということは買う場合でも売る場合でも価格に関連することに対してくちばしを入れるとか、あるいはそれに対して行政的な指導のような側面を及ぼすとか、影響を与えるということは、ひいては価格介入になっていくことは避けられないですね。だからスポット買いの場合はそういう指導をしたって私はいいと思うのですよ。悪いとは言っていないのです。ところが国内のものについては絶対に介入しないというところに矛盾があるのと違うかという観点を論理として展開しているわけですね。 そこで、なぜ価格に対してだけそうかたくなに言うのだろうか、こういうふうに思うから聞いているわけです。つまり、いま国民の重大な関心事の一つはやはり石油、エネルギー問題なんですよ。これの姿勢として、石油問題を正しく解決していく上で、やはり国民の理解と納得、支持、共感を得ることなしには不可能です。たとえば一般消費税の問題にせよ石油問題にせよ、国民の関心は高い、またその疑問も多様です。率直なところ、学者や専門家、マスコミ関係者に政策を理解してもらうことの方がはるかにたやすいという面があるでしょうけれども、しかし家庭の主婦の方方などの非常に素朴で率直な疑問にこれでは答えられておるだろうか。やはりいまの話は通用しない。だめなんですよ。専門的な人にしか理解されない、そういう姿勢、政策では結局実を上げることができないのです。 そういう意味でエネルギー庁長官にもう一回聞くのですが、いまの石油価格問題での主婦の方々の受けとめ方を、私は聞くと同時に紹介をしておきたいと思います。その上で答えていただきたいのですが、いまの事態を家庭の奥さんの感覚で見ますとどうなるかと言えば、いわゆる奥さんの感覚といったら、言うことは台所の経済論法というのですか、そういうことで言いますと、通産省は高い原油を買ってはいけないと言っている、そうして日本国内で製品にして高く売ることについては口出ししない、こう言っている、これは石油会社に対して安く買って高く売りなさいよと言っていることだ。これが先ほどから言っている国民や、特に家庭の奥さん方が受けとめられ、また上げられている声だ、こういうふうに紹介をいたしたいのですが、これについて奥さん方が、なるほど森山長官のおっしゃるとおりだというように納得されるような御回答をひとついただきたいと思うのであります。
○森山(信)政府委員 大変貴重な御意見をいただきまして感謝にたえないわけでございますが、私といたしましては、くどいようでございますけれども、まず量を確保することが最優先だ、こういうふうに考えております。したがいまして、量を確保するための手段といたしまして原油の調達を図らなければならぬわけでございますが、それはやはり国内に持ってまいりまして製品にする際に、日本の国内におきます価格構成ということを考えますと、どうしてもそこにおのずから限界があるわけでございます。原油の量の調達と価格のバランスというものを適正に考えざるを得ない。そのバランスの指針として私どもが示しておりますのが、先ほどお答えいたしましたロッテルダム市況価格より幾らか安い原油でなければなりませんよ、こういうことでやっているわけでございまして、これはいわば買い手に対する注文をつけておる。買いに行く方の人に対しまして、買い手に対する注文をつけておるという立場でございます。それを一たん国内に潤沢に原油を——潤沢と申しますとちょっと語弊がございますが、需要量に見合う量を輸入してまいりますと、そこに需給のバランスがとれるわけでございます。そこで私どもは、需給のバランスのとれました価格というものがそこに形成されなければならぬでしょうということを申し上げておるわけでございまして、灯油につきましてある程度政策的な手段をとった時期がございます。いわゆる市場価格よりも下回った価格で灯油の価格を安定させた、一定させた、こういう時期に比べまして現在は市場メカニズムに任しておる。こういう考え方は、いま申し上げました需要と供給のバランスをとった中におきましておのずから形成される市場価格メカニズムを尊重いたしましょうということでございまして、灯油の値段を高くしろ、こう言っているわけじゃないわけでございます。 そこで、灯油が石油関連の油種の中で比較的品薄感のある商品でございますから、市場原理だけに任しておきますと高くなる危険性がございます。いわゆる不当便乗というのが出てまいる危険性がございますから、その分につきましては十分なるチェックをさせていただきたいということでございまして、全く市場原理に任せっきりで、つまり品薄感に便乗して値段を適正価格より上げるということのないような指導はやっているわけでございます。高い原油を買うな、国内では製品を高く売れ、売っても構わない、そういうふうに言っているわけでは全くございません。その点につきましての御理解をぜひ賜りたいと思うわけでございます。
○神崎委員 話としてはよくわかっているのです。まさかあなた、政府が高く売れなんというようなことを直接に発表などしたらそれこそ大変だと思うのです。 いま長官の話を聞いておったら、需要と供給がバランスをとれること、先ほどの話に戻っているのですね。いまあなたはその考えから出ていないから、そこである意味ではあなたの論理は一貫しているのです。しかしながら需要と供給のバランスということは、灯油がいま問題になったが、たとえば灯油が家庭に入ってくるというバランスはとれるでしょう。しかし家計のバランスはパニックになるということなんです。そこを言っているのですよ。だから家計のアンバランス、パニックを、石油業法を尊重されるのだから、石油業法から見たらこれでいいのか。そこで違ってきている結果が出ている。これがいま出ている具体的な事象なのですね。そういうふうに思いませんか。やはりそこからもう外れんと、そればかり一貫してやられますか。石油業法の関連から見たら少し違った行政の姿勢にならなければならぬと思うのですが、どうでしょう。
○森山(信)政府委員 先生のおっしゃる石油業法の観点からと言われるのは、恐らく低廉なる価格の供給という問題だろうと思います。私どもが考えていますのは、その低廉性という問題は相対的な問題ではないかと思うわけであります。先ほどからたびたび申し上げておりますように、スポット物を買う場合には、世界で一応客観性のあると言われておりますロッテルダム市況価格よりも下回って買わなければならぬということは、低廉性を求めておるということでございますので、私どもは現在の石油業法の立場に矛盾はないのじゃないか、こういうふうに考えております。ただ、絶対量といたしまして原油の価格の上昇に伴います灯油価格の上昇につきましては、これは私も国民の一人として、実感といたしまして非常に高くなったなという気持ちは持ちますけれども、その原油につきましてまあ九九%近い値上げがこの一年間に行われたということを考えますと、まことにやむを得ないものがあるのではないか。ただ、原油がむちゃくちゃに高くなって、それに対しまして少しでも安く原油を調達する努力を怠っておりますと、先生の御指摘はまことにごもっともだという点もございますけれども、私どももそうでございますし、各企業もできるだけ安く原油を買おうという努力をした上で原油があの程度の値上がりをしておる、こういう現実を踏まえますと、いまの灯油の価格体系は私はやむを得ない状況ではないか、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。
○神崎委員 もうこの点については深追いしません。すでに広く知られているように、わが国の石油会社はその力に差があります。原油を買う能力、製品を販売する能力、それぞれ同じではありません。そして現在の石油事情では原油の値段もかなり違う。どこの国から、どういう経路で、どんな油種の油を、どんな支払い条件で買うか、それによって原油の購入価格はかなり違うはずなのですね。この点は認められますか。
○森山(信)政府委員 御指摘のとおりだと思います。
○神崎委員 では認めていただいた上で次の三つの問題について、その差だけで結構です。全部は必ずしもお答えにならぬと思うので、答えやすいように差だけひとつ答えてほしい。 まず第一は、原油購入価格、全油種平均で一番高い会社と一番安い会社の差はキロリットル当たり幾らか。二つ目は精製コスト、これの差はどうなっているか。三つ目は諸経費を差し引いた利潤の差はどうか、一キロリットル当たり利潤の高い会社と低い会社の差は幾らになるか、幾らくらいであるか。差だけで結構です。会社名とかそんなのはむずかしいでしょうから。
○神谷政府委員 御指摘のとおり原油の購入価格に差がございますが、私ども手元にその資料を持っておりませんし、各社も購入原油の差を公表はいたしておりません。ただ、最近の価格形成におきまして、販売価格において上下二、三千円のばらつきがあるというような状況がコストを反映しておるものと思います。 精製コストにつきましても、これは外資系あるいは民族系というような形ではなくして、古い設備、償却のかなり済んだ設備であるかあるいは前回の第一次オイルショック前後に完成した設備であるかによって、精製コストに若干の差が出ておることと考えられます。
○神崎委員 どこの会社がどのくらいの値段で購入しているか、どのくらいの値段で販売しているか、たとえば製品別にして、そういうことも通産当局は掌握してないんですか。
○森山(信)政府委員 各企業の協力を得まして全部掌握をいたしております。
○神崎委員 掌握しておったら、いま私が聞いたことについてなぜお答えにならないのか。
○森山(信)政府委員 いま石油部長からお答え申し上げましたように、私どもは協力ベースで情報をとっておるわけでございます。つまり公表しないというたてまえで、私どもの行政の判断を的確にするために情報をとっておるわけでございまして、これを公表いたしますと今後の情報把握に支障を来すおそれがございますので、御勘弁をいただきたいということでございます。
○神崎委員 いよいよ中身がずっと国民の前に浮き彫りになってくるんですね、こういうやりとりをやっておると通産当局の行政のあり方というものが。これはいまの値段が、規制をされてないんだから、標準価格というたってどこが適切かわからないですね、何を基準に標準価格というものがいまやられているか。先ほどからも、いわゆる便乗値上げもいろいろあるだろうけれども、余りそうすぐいろいろと言うべきような状態でないという一つの物差しがあるわけですね。その物差しをわれわれは聞きたいわけですよ。それを公表されない。そうするといま出ている値段というものが適正かどうかというのは判断ができない。だから国民は納得しないと思うのですね。 そこで、まあ掌握はしているけれども発表できない、発表しないということが前提である、そんなことをいま発表しておったら次からまた物を聞いたときに言うてくれないから、信義の問題だというふうな感じで聞こえるのですが、これは信義というような問題じゃないんですね。独占資本の大企業の石油業界のあり方、それと政府の姿勢とが、そういうものを国民の前に公表させない、しない、こういう関係に入るわけです。 そこで、石油会社に格差があることを先ほども認められたのですから、だから製品価格に先ほどから言われるように行政介入しない、格差があっても行政介入はしない、もう挙げて市場機構にゆだねる、言えば自由競争原理で処理をする、こういう方針でいきますと、やがては原油調達能力の劣る会社が競争に敗れるのです。こういう事態になっていくということはもう明らかなんですね。つまり経営の安定に支障が生じる、すると石油の安定供給を果たせない、そういう石油会社が生まれてくるということになるんですね。それはまたやむを得ないと言うのかどうか知りませんが、通産省の方針というのは一体そういう方針でいまやられているのか。国内における石油製品の販売価格には行政介入はせない、市場機能にゆだねる、こういう方針は石油会社間の自由競争を促進させる、こういう意味でもあるんですね。そこで、原油購入価格等に違いがあるのですから、結果としては競争に敗れる会社がつくられていく。つまり、価格政策を通じてわが国の石油業界の再編成、再々編成、これを結果としては促進するというねらいもあるんではないかというふうに思うのですが、こういうことは完全に否定されますか。
○森山(信)政府委員 価格政策を通じて日本の石油業界のあり方、つまり、いま先生の御指摘になりました再編成を進めるかという問題につきましては、そういう気持ちはございません。ただ、御指摘のとおり原油調達の価格の状態がまちまちでございます。これはOPECの価格形成をごらんいただきましてもおわかりのように、価格体系が全部違っておりますし、それから購入先のルートによっても調達の方法が違いますから価格が違うわけでございます。原油の価格そのものあるいは調達の方法そのものが違っておるという観点からいたしますと、日本の企業がそれに対応して、できるだけ安い物を買う能力を持っている企業と、高い物を買わざるを得ない企業とあることは当然でございまして、そういう状態が長く続いてまいりますと、御指摘のようなものが結果として生じてくるおそれはございます。ただ、それにつきましては別の観点からの政策判断が必要だということでございまして、直ちに再編成あるいは再々編成というものに結びつけて考える政策意図はございません。
○神崎委員 直ちにはそういうことは考えられないが、こういうような方針はある意味では結果としてそこへ落ち込んでいく延長線上にある。もしそれが目的意識的にやられたり計画的にやられたら大変なことであって、先ほどから言われているようにいわゆる需要と供給とのバランス、それを最優先にすることによって価格に介入しない、野放しにする。そうすると安く買える能力のある会社と安く買えない、力の弱い会社、だからといって、高いからということでいま売っているのよりも高く売ることはできない。むしろそういう弱い会社はまだ下へ行かなければ自由競争には勝てないのですね。そうすると、極端にいくと出血サービスでもしてやっていかぬと企業は維持できないということになる。倒産につながっていく。そうするとやはり強力なところに集中化するという原理原則なんですね。その道もいまあなたの——あなたと言えば通産省のエネルギー政策といいますか、こういう政策はそういうところに派生、波及していく。そのことをわれわれはいま感じているから、いまのままいったら結果としてはこうなります、大変なことになりますよと。にもかかわらず、なぜ価格に対して、この前やったのにやれないのだろうか。こういうようなことで、先ほど家庭の婦人の素朴な感情まで御紹介しましたけれども、そういう目に見えた問題、現象上の問題と基本的な問題とが深部でずっと筋が通っている。それがやはり石油業界の中でも大石油業界は、そのことについていまの自民党政府の通産行政、特にエネルギー政策に対するやり方は笑いがとまらぬぐらいに歓迎しておるだろうと思う。もうしばらくしたらおれのところへ皆ずっと寄ってくるわい。小さいのはつぶれますよ。こういうような問題も提起しておきますから、よく一遍考えてもらっておきたいと思います。主観の違いだとかいうような形に考えられないように考えてもらいたい。 次に、経済企画庁長官いらっしゃいますのでお伺いしますが、政府は今年度の消費者物価上昇率を先ほどちょっとおっしゃっておられたですね、四・九%程度としておりますね。この目標を算定する際には、先ほどからやかましく言っております石油の大幅な値上がりとか円安とかというものは考慮に入ってなかったはずだ。考慮に入ってなかったはずなんですね、四・九%程度を維持するというときは。いわばいま不測の事態というようなものが物価の関係から見たら生じておる、そう言えると思うのです。 そこで経企長官、あなたはこのような今日の、先ほどから言っているようないわゆる原油、それから石油製品の高騰の問題、電力あるいはガス、いろいろ出ていましたね。私もそういう立場で言っているのですが、そういうようなものから見て、本当に四・九%というものが、この目標が達成できるのだろうか。いまでもそう思っていらっしゃるかどうか、これを伺っておきたいのであります。
○正示国務大臣 先ほど来いろいろ石油の問題、特に灯油等について非常に御勉強の御質問を伺っておりました。実は私どもは、いま神崎委員がいろいろ御指摘になったような点について関係各省庁、特にエネルギーの関係、石油の関係、灯油の関係については、これはもう通商産業省、エネルギー庁に非常なお骨折りをいただいて、何とかして——卸売物価は相当目標よりも大幅に上がっております。また、国際収支も確かにアンバランスで、円安はいま当初よりも非常に大きく出ております。にもかかわらず、消費者物価については当初の見通しの四・九%を何とかして確保していこう、これを実現していこう、こういうことでございます。また、経済の成長も当初の見通しの六・三%、大体六%程度は達成しよう、こういうわけでございます。 それで、いま御質問の点に関連をして少し申し上げますと、やはり市場原理といいますか、これが非常に大きな役割りを私は果たしておると思います。灯油あたりに一応しぼって申し上げれば、元売りといいますか、そこで仕切り価格を出されるときに、先ほどエネルギー庁長官が申されましたように、業界の協力のもとにどの程度にそれが末端価格へ波及していくかということをいつもトレースして、そしてそれを末端の方で見張っておる、監視をしておる、こういうことは卸売物価と消費者物価との間の遮断に非常に大きく役立っておる、こういうふうに、先ほど来お話しでございますから、特にその点を強調いたしておきますが、幸いなことに、私どもがこの目標を達成できるのは、石油その他の輸入原材料、これは相当上がっておることはもう御案内のとおりでございますけれども、その中で生産財それから消費財、これを区別して見ますと、前の四十八年の石油パニックのときには生産財も消費財も非常に上がっておったですね。今回は生産財の方の上がり方が消費財の上がり方に対してずっと大きい、消費財はそれほどでもないということが一つ言えるかと思います。それからもう一つは、何としても、これは私は日本の労働界の方々に感謝をしなければならぬと思うのでございますけれども、雇用を重点とした賃上げ率というものが非常にモデレートであったというふうなことから、サービス料が非常に落ちついておるのですね。これが大きなファクターとなって、私どもは、卸売物価は相当上がっても消費者物価については当初の目標を必ず守っていける、こういうふうに結論として申し上げておきます。
○神崎委員 精神主義的にお考えになっていただいてはおらないだろうけれども、事は重大なんです。いまたまたま前回の石油パニックのことをおっしゃったので、そのときの各国の事例を御紹介しようと思っておったのですが、時間が切迫してきましたので、この問題について最後に、いまの政府の石油価格についての方針は、先ほどからいろいろ言っていますように国民の支持、理解と納得が得られない、近い将来必ず破綻する、しかもそれが表面化してくる、これは前の経験からいってもはっきり申しておきたい。すでにわが党はこれの便乗値上げがどれだけあるかということで、事実に基づいて計算したものを発表しております。今日の不当な高騰を抑えるためにも、先般から出ておりましたように速やかに石油二法、買い占め売り惜しみ防止法を発動することを強く私は要求をしておきたいと思うのであります。 そこで、第三の問題に入りますが、私は、いま国政の争点の一つになっている綱紀粛正の問題について伺います。 大平内閣成立直後の十一月九日、閣議決定を経て綱紀粛正の七項目の方針が各省庁に出され、また十一月二十六日、官房長等の申し合わせも行われております。これらの通達文書等を見て私が感じる第一の印象は、最も重要な問題の解決からこれは逸脱しているということであります。もっと言えば問題のすりかえがある。巷間批判されてひいるやみ給与とか空出張とかがなぜ起こるのか、その根源、そういう社会的にも法的にも許されない事態が生ずる構造にメスを加えるという点は全く見られておらぬ。これでは通達を出し、会議を開いて申し合わせをしても根絶されない、そういう感じを強く持ったのであります。 私は、そういう問題意識から若干の点を質問してみたいと思うのですが、藤原官房長にお聞きいたします。あなたは、過去本省の局長、課長として地方通産局などに行かれて、通産局の接待を受けられたことは一度もなかったのか。地方通産局が本省の幹部を招待するということがなぜ生ずるのか、なぜそういうことになるのかを検討されたことがありますか。あなた御自身そういうことを考えたことはないのでしょうか。この点ひとつ伺いたい。
○藤原政府委員 お答え申し上げます。 私の個人的な経験としての御質問であるかと思いますが、私、中央におりまして、いまおっしゃいました接待というお話でございますが、地方へ出張いたしますと、当地の方々と懇親の意味もございますし、また自主的な打ち合わせ事項等もあるわけでございまして、会合を持つことはございます。特にいまおっしゃいましたような趣旨で疑問を持ったことはございません。
○神崎委員 通産省が大蔵省の幹部を招待するとか、通産局が通産省本省の幹部を招待するとかは不必要なことですね。しかし、だからやめましようと申し合わせをする、本当になくなるのか、私は疑問を持っております。一言で言えば権限が中央に集中している、徹底した中央上位の仕組み、そういう点に根源の一つがあると思います。 次に伺いますが、交際費といいますか、接待費というのは私はゼロにするわけにはいかないと思っているのです。たとえば外国のお客さんを迎えることもある。一定程度の交際費は必要だ。ところで、予算上交際費はどれくらい計上されているのか。先月不正経理が明るみに出た札幌鉱山保安監督局の場合、年間三万二千円です。通産局で年間九万五千円です。本省でも大臣、事務次官、政務次官、審議官、官房長、それと七人の局長、この人たちは一体一カ月どれだけの交際費をもらっているのですか。
○藤原政府委員 当省の交際費でございますが、五十四年度について申し上げますと、本省分で二百八十五万九千円でございまして、大臣、次官、各局長等の交際費はここから必要に応じて配分をいたしております。
○神崎委員 そうなりますと、一人当たり一カ月二万円切れます。それで、慶弔費を出す、お客さんにお茶を出す、コーヒーを出す、こういうことをやっておるからほかから何か埋め合わせをしなければだめになるのです。たとえば二百五十円するコーヒーを五十円ぐらいの予算でやれと言われておったら、五人来られたらどういうことになるか。千二百五十円要るのに、大蔵省は二百五十円と言う。だから、五人しか飲まぬコーヒーが五十人飲んだことになったり、そういうような形になってくるところにも問題がある。 時間がないのでどんどん言いますから聞いておいてください。最後にひとつまとめて答弁していただきたい。 通達で予算の適正な執行を強調されている、それは当然のことです。空出張、やみ手当は批判されなければなりません。しかし、違法手段に訴えて費用を捻出しなければならないというこの実情をつぶさに検討することも忘れてはならないと思うのです。そうでなければ綱紀粛正の七項目の方針が実行されないばかりか、逆に汚職がふえるおそれがあります。必要なものは正々堂々と予算化して、ガラス張りで、裏金をつくる必要のないような状況にすることがまず第一だ。執務時間の厳守、超過勤務の適正な管理と通達には書いておりますけれども、通産省をどういうふうに言っているかといったら、通常残業省と言っているのですね。通産省と言わないで残業省と呼ぶ人があるくらいに通産省は多忙なところです。この間なんか朝の四時まで残業している人がおる。そして九時十五分に出てこいと言う。むだな居残りはしてはいけませんけれども、こういうのが現状だ。通産省の場合は重労働のために、超勤がふえたために、かつては死人まで出た。なぜそうせざるを得ない状況があるのか。これが恒常化している課もある。実際のところこういうことについて展望があるのかどうか。気の弱い官僚は——私はここで官僚を擁護する論理を展開しているのじゃない。もっと堂々として、悪いことをしたりしないでやれるようなそういう保障をなぜ打ち出せないのか、そういう構造になぜ甘んじているのか、こういうことを強調しておきたいのであります。 両大臣からこのことについての意見を聞いておいて、私の質問を終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 私もかつては官僚の一人でございましたが、お話をちょうだいいたしまして、まことに肯綮に当たる面もございます。そういう点も踏まえまして行政管理庁長官等にもよくお伝えしたいと思います。
○正示国務大臣 いまお話しのように、予算を適正に計上し、適正に執行する、これが非常に大事な点かと思います。私もかつて大蔵省で予算の編成に携わったことがございますから、これからそういうふうに、これは総理もたびたび本会議、予算委員会でも言明をしておるところでございますから、申し添えます。
○塩川委員長 これにて神崎敏雄君の質疑は終わりました。 宮田早苗君。
○宮田委員 通産大臣、せっかくお見えでございますから、最初にお聞きしておきますのは、代替エネルギーの開発推進が今後のエネルギーの確保の上で不可欠であるということは御存じのとおりです。そこで、代替エネルギーの中でも最も実際的な原子力の開発利用の推進が肝要と考えておりますが、この点についてまず大臣の所見をお伺いいたします。
○佐々木国務大臣 私はかつて初代の原子力局長をやったからということではないのですけれども、御承知のとおり、いま代替エネルギーの本命と見られるものは何といっても原子力発電が一番だと思います。
○宮田委員 そこで、一方では原子力発電の凍結という説もあるわけでございますが、原子力が代替エネルギーの主役であるということはいまおっしゃったとおりでございますが、もう一遍確認の意味でお聞きしますが、大臣もそのとおりにお考えかどうかということです。
○佐々木国務大臣 凍結ということは考えてございません。
○宮田委員 もう一つは、国際核燃料サイクル評価等の、原子力をめぐります最近の国際情勢に対しまするわが国の対応ぶりについて、長官でもよろしいですが、お答え願いたいと思います。
○佐々木国務大臣 燃料サイクル問題に関しまして、御承知のようにアメリカの新しき政策が出まして、わが国でもずいぶん波紋を描いた問題でございますが、幸いINFCEで大体わが国の主張のように最近結論が出たように聞き及んでおりますので、大変喜んでおるところでございます。
○宮田委員 次に、関係があるわけですが、使用済み核燃料の再処理についてお伺いするわけですが、国際的な石油需給の現状及び長期的なエネルギー需給の安定の観点からも、代替エネルギーの主力でございます原子力発電の重要性は、いまも大臣おっしゃいましたとおり今後もますます増大しつつある、こう思います。 この原子力発電の健全な推進に伴って、欠かすことのできない使用済み核燃料の再処理について、これから二、三質問をするわけでございますが、まず、本年六月に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正が成立したわけです。動力炉・核燃料開発事業団だけでなしに、民間でも使用済み核燃料の再処理が可能となったわけでございますが、民間再処理事業はいまどの程度進展しておるかということをまずお伺いいたします。
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり原子力の開発利用の推進のためには、核燃料サイクルのバックエンド部門のかなめでございます再処理事業の確立が緊急の課題でございます。このため、わが国といたしましては昭和六十五年度運転開始を目標に、民間による大型商業プラントである第二再処理工場の建設を行うことといたしております。現在、電力業界を中心といたしまして民間再処理会社の設立のための準備を行っておるところでございますが、今月の十三日に設立発起人会を開催いたしまして、五十五年の早期に再処理会社を設立する計画である、こういうふうに承っております。
○宮田委員 次に、わが国におきましてすでに相当の原子力発電所が稼働しておるわけでございますが、これらの使用済み燃料の再処理の現状はいまどういうふうな形になっておりますか、御説明願いたいと思います。
○児玉(勝)政府委員 現在、原子力発電所から生じます使用済み燃料の再処理に関しましては、一部動力炉・核燃料開発事業団の東海施設で処理をすることにしておりますが、そのほか、昭和六十五年までは英国並びにフランスヘの海外再処理委託によりまして対処することとしておるわけでございます。この英仏再処理委託契約につきましては六十五年までということになっておりますので、第二再処理工場が建設され、運転開始いたします六十五年にはこの第二再処理工場が主役を務めるということに相なるわけでございます。
○宮田委員 説明によりますと英仏に委託をしておる、それも契約として六十五年までということなんでございますが、六十五年以降、いまも御説明なさいましたが、当然わが国独自でやらなければならないということですね。
○児玉(勝)政府委員 先生おっしゃいますように、まさに日本独自で、独立独歩で核燃料サイクルを形成するということでございます。
○宮田委員 そうすると、設立準備会あたりで今度検討されるということですが、それはわが国としても民間の処理工場を建設するということになるわけでございますが、この建設に当たりましては相当長い時間、さらには多くの資金を要すると考えられるわけです。そうすると、期間的に果たして間に合うかどうかという懸念も一方ではできてくると思いますが、その点についてと、それから現在抱えております問題点が非常に多いと思いますけれども、いま想定されております問題点、なかなかむずかしいと思いますが、どういうものをお考えになっておるかということと、その問題点に対しまする解決策がございましたら御説明願いたいと思います。
○児玉(勝)政府委員 御指摘のとおりこの第二再処理工場の建設というのは、運転開始が昭和六十五年ということで非常に長いように見えますけれども、その前段にかかわりますいろいろな技術開発なり用地問題等を考えますと、決して長い期間ではないわけでございます。そういうことで、ただいま直ちにその問題に着手するといたしましても、資金面、技術面におきまして多くの問題が山積しておるわけでございます。しかしながら、核燃料サイクルの自立ということで、一九九〇年までにはどうしても第二再処理工場をつくらなければならないという命題が一方ではあるというわけでございます。 そこで当省といたしましては、まず資金面といたしまして、第二再処理工場の建設に必要な資金に関しましては、開発銀行からの長期低利の融資を財政当局にただいま要求中でございます。また技術面におきましては、再処理会社の行います再処理主要機器プロセスに関します確証試験等に対しまして助成を行う方向で、やはり財政当局に二十数億円の要求をしております。動燃事業団からの技術成果の移譲につきましては、すでに電力を初め各社から動燃事業団に技術者を派遣しておりますので、その技術者を中心といたしまして技術陣を組みたい、こう考えております。
○宮田委員 膨大な資金が必要ということで、いまおっしゃったようなことも当然考えてもらわなければならぬわけでございますが、もう一つは、技術者をいま派遣して技術習得ということ、それが帰ってきてということなのでございましょうが、今日まで持っております技術、この技術の移譲、やはり建設の暁にスムーズに稼働させるための技術の移譲という問題について、企業間の関係とかなかなか問題のあるところでございますが、スムーズに移譲するという措置も考えておかなければならぬのじゃないかということ。 それから同時に、開銀を通じての低利の資金融資ということでの支援ということでございますが、それだけで果たしてこの建設が十年以内で完成するかどうかということも一つ。そのために、もう一つの大きな問題は、いま発電所建設に当たりましてもろもろの問題が起きておるところでございますが、それに対するPR等の関係ということも当然に十分考えておかなければならぬというふうに思いますが、そういう問題について何か持っておられましたならば御説明願いたいと思います。
○児玉(勝)政府委員 先生ただいまおっしゃいましたように、ただいま私いろいろな施策を申し上げましたが、どれをとりましても非常に重要な、かつ大変な問題を控えておるわけでございます。 それで技術の問題につきましては、これはフランスからの技術導入によりまして動燃事業団の東海再処理工場ができたわけでございますけれども、第二再処理工場におきましては、その技術を発展するということだけじゃなくて、さらにスケールアップしなければなりませんので、新しい分野の開拓というのが実は大事なわけでございます。そういうことにつきましては動燃事業団におきましての技術開発に依存いたしますし、また動燃事業団に出向しております各社からの技術者はそういう技術を身につけた形で、体化された形で新しい第二再処理工場の建設に当たる。そういうことで技術のノーハウと、それからその技術を体得した人の集団によって技術を移転させよう、こう考えております。 それから先ほど申されましたように、この事業はまさに国家的大事業でありまして、約七千億近くの金を投じる問題でございます。そういうことで国民の理解と協力なくしてできる事業でもございませんので、そういう意味におきまして国からもその事業の意味合いにつきまして十分な国民の理解が得られるようなPRをしたい、こう考えております。
○宮田委員 この問題については本日のところこの程度でとどめておきますが、まず大臣に要望しておきますのは、この再処理の問題については石油にかわる非常に重要な問題である、しかもこれに当たりますについては非常に困難性もついて回るということでございましょう。そういう場合に政府がよほどきちっとした方針、計画というものを立てなければ、十年という期間、長いようですが、答弁にございましたように非常に不足する面もあるのじゃないかと思いますので、こういう点については政府自身としても十分に配慮した方法をひとつ樹立してほしいということを要望しておきます。
○佐々木国務大臣 ただいま児玉君から御説明があったとおりでございますけれども、さらに付加いたしますと、立地の面をどうするかとか、あるいは廃棄物の中に高レベルの放射能を含んだものがございまして、それの処理問題あるいは廃棄問題も大変重要な問題でございます。そういう点等いろいろこの建設にまつわるむずかしい問題もございますけれども、御承知のように日本としてはどうしてもやらねばならぬ問題でございますから、官民挙げましてこれを貫徹したいと思っております。
○宮田委員 次に石油問題についてでございます。 十二月十日にIEAの閣僚理事会が開催されるという報道を聞いておるわけでございますが、この閣僚理事会に対しまして、アメリカが輸入抑制のより強化策を提案するのじゃないかというようなことも言われておるわけでございます。この強化策をさらに突っ込んで見てまいりますと、消費国がそれに対する法までつくって強化しようじゃないかというような提案も出るやに聞いておるわけでございますが、わが国におけるこのIEAに対します考え方ということをまずお聞きしたいと思います。
○森山(信)政府委員 まず、私からIEA閣僚会議の概要につきまして御説明申し上げたいと存じます。 十二月十日にパリで行われるわけでございます。議題につきましては現在調整中でございまして、まだ正式に決定いたしておるわけではございませんが、現在予測いたしておりますものといたしましては、先生のいま御指摘の輸入枠の設定を含めまして三つぐらいの議題が考えられるわけでございます。もう一つは石油の備蓄対策及び市場対策、それから消費節約対策、この三つが考えられるわけでございます。 そこで、いま先生からアメリカが輸入枠の削減を提案するのではないか、こういう御質問がございました。私どもも薄々そういう動きがあることは承知いたしております。これはことしのOPECの生産水準が大体三千百万バレル・パー・デーぐらいの動きを示したわけでございますが、現時点におきまして予想されます来年、一九八〇年の見通しはかなり悲観的な説をなす人が最近おります。そこで、そういう来年のOPECの生産見通しをめぐりましていま御指摘のございましたようなことが議題になる可能性はございますけれども、これは結局主観的な問題が多分にございますので、客観的に来年のOPECの生産がどうなるであろうかという見通しはなかなか困難でございます。それから、もう一つの観点から申し上げますと、十二月十七日にOPECの総会があるわけでございますが、御承知のとおり、最近のOPECの動きを見てまいりますと、価格カルテルのような動きと並行いたしまして生産カルテル的な動きが出てまいっておりますから、この動きがどうなるかということがこれはまだアンノーンファクターでございますから、そのアンノーンファクターが強いときに来年のOPECの生産見通しをすることはいかがかな、こういう観点もございます。そこで、今回この輸入抑制、輸入枠のカットというような問題が果たして議論になり得るかどうかというのは大変疑問のあるところでございまして、先ほど言いましたようにまだ議題が確定してないということでございまして、会議が始まります前、十二月九日にもう一度準備会合、事務レベルの会合を行いまして議題の調整をする、こういう段取りになっております。
○宮田委員 もう一つお聞きいたしたいのは、その後すぐおっしゃったようにOPECの会議がある。多分にこのIEAの会議ではOPECの会議というものを前提にした討議ということが考えられると思うのですが、そのOPECの会議を牽制する意味のいろいろな対策というものが出されるのか。あるいはまた、そのOPECの会議を牽制するということになると、逆にまた妙なことになるおそれもあるので、ただ消費国がその消費に対しまする対策を中心にしての会議であるものか、その性格をもう一遍ひとつおっしゃってくれませんか。
○森山(信)政府委員 基本的には昨今の石油の緊迫した状況下におきます消費国の立場といたしましては、協調いたしまして消費の節約を行い、輸入枠を設定をし、さらに備蓄を積み増す、それとまた別の観点で代替エネルギーの開発を行うというのが基本的な先進消費国の立場であろうかと思います。したがいまして、そういう観点のもとに今回もIEAの閣僚理事会が開かれるということでございますから、OPECに対する配慮ということは当然あると思いますけれども、直接的には先進国間の協調をより強化するという観点の会合になろうか、こういうふうに考えます。
○宮田委員 経済企画庁お見えですね。石油製品がことし六回目の値上げということですが、十二月一日一斉に上げられたということでございまして、問題は、この値上げに基づいて起こります市況商品の騰勢ということに続くんじゃないかというふうに思われるわけでございますが、本日のところは余りたくさんの商品についての動向というのはよろしいですが、主要商品別にその動向といいますか、影響といいますか、その面についての説明ができますならばお願いしたいと思います。
○正示国務大臣 具体的に商品別の一応の資料をつくっておりますので、政府委員から御説明いたします。
○藤井(直)政府委員 卸売物価の動向に即して御説明申し上げたいと思いますが、十一月中旬までの数字が出ておりまして、これは御存じのように前年同月比一六%の上昇でございます。このうちいまおっしゃった石油関係の製品については六三・五%上がっております。それで、同時にまた石油を使って生産されますものとして代表的な石油化学製品につきましては、全体として二三・七%上昇いたしております。それで、石油及び化学製品だけで合計いたしてみますと七・五%程度になりますので、一六%のうちに占める両製品の寄与度と申しますのは七・五ということでございます。 それで個別的に申し上げますと、石油商品では灯油、それからC重油、ガソリン等がございますが、灯油は五八・四%、ガソリンは四一・〇%でございます。それから石油化学製品ではナフサが大分上がっておりまして、これは国産ナフサと同時に輸入ナフサも使われておりますので、それを合計いたしますと約八三・六%でございます。それから石油化学の系統といたしましては、これは一次から二次、三次、四次というふうにだんだん川下に行くわけでございますが、一次製品でございますものとしての実例といたしましてはエチレンがございます。これが七五%でございます。それから二次製品で見ますと、有機工業薬品、これが適当かと思いますが、四三・四%、それから三次製品ではプラスチック類になりますが、四八・四%、こういうようなことでだんだん完成財といいますか製品になってまいりまして、プラスチック容器等を見ますと一三・二%というふうになっております。 それでこういう流れを見ますと、石油とか石油関連商品というのは原油の値上げ、それからナフサの値上げの影響を受けて、川上の方の値上がり率が高くて、当然のことですけれども、原材料比率が下がってまいりますので、川下へ行くほど上昇幅が小さくなってきているわけでございますが、ただ、こういう価格形成の過程で問題になりますのはやはり需給関係でございますので、果たして石油精製業者、さらには石油化学製品のメーカー等が値上げをしたいということを申し出ても、なかなか物によって需給事情から見て通らないというものもかなり多く見受けられるわけでございます。ただいま御指摘になりました六次値上げの関係というのはついこの二、三日来のことでございます。これがどういう形で実現されて、そして各製品に波及していくかということになりますと、まさにこれからの各物資についての需給関係によるものでございますので、にわかにその影響というのを私ども把握いたしかねるわけでございますが、いままでの状況について申し上げますと、以上のとおりでございます。
○宮田委員 このお答えについては、それはにわかに判断するというのは困難と思いますが、いずれにいたしましてもこのことが結果として消費者物価にはね返るおそれというものが非常に強いわけでございまして、問題は五十四年度掲げております経企庁の目標、これを上回るということにならないように十分にひとつ大臣の方で配慮していただかなければならぬ、こう思いますので、大臣、所見を一つだけお聞きします。
○正示国務大臣 大変適切な御忠告をいただいたわけでございまして、先ほど来お答え申し上げておりますように関係省庁一体となりまして、需給の関係、特にエネルギーについては強力な消費節約運動を展開いたしておることは御承知のとおりでございます。どこまでも需給を節約ムードでできる限り緊迫させないように持ってまいりまして、消費者物価の当初目標を達成するべく全力を挙げて努力をいたしたいと思っております。ありがとうございました。
○宮田委員 石油消費節減についてこれから少し質問をいたしますが、まず第一に省エネルギー政策についてです。この省エネに対します技術開発の促進が行われていると思いますが、この促進の状況についてひとつお伺いしたいということと、特に当面民生部門の節約状況が関心の的になっておりますが、どういう傾向になっておるかということ、またエネルギー消費全体の六割を占めます企業の節減の強化が図られておるわけでございますが、この実態について、わかっておりますならば御説明願いたいということ。それからもう一つは、金融、税制面から助成措置はとられているのかどうかということについて。もう一つ、指導、啓蒙、普及のための措置というものがやられておると思いますが、これに対する成果といいますか、どういう傾向になっておるかということ、この点についてまずお伺いいたします。
○森山(信)政府委員 省エネルギーの対策は大きく分けて二つあると思います。一つは当面の対策でありますし、もう一つは中長期の対策であろうかと思います。 当面の対策につきましては、今年の三月のIEAの決定に基づきまして、日本におきましても五%の節約をするというのが目標でございます。エネルギー対策閣僚会議を通じまして、この五%の対策を推進しておるわけでございます。現在のところ、ことしの上期におきましてはおおむね八〇%ほど当初の目標に対しまして達成をしておる。省エネルギー達成率は八〇%程度というのがアンケート調査によって判明しております。 それから、燃料油の消費節約の状況を見ますと、ことしの上期の目標が供給計画ベースで一〇二・三%という数字になっております。燃料油の合計の昨年同期に対する伸び率でございますが、これは五%の節約を織り込んで一〇二・三%になればよろしい、こういう計画を出したわけでございますが、これに対しまして実績が一〇一・九%という数字を示しております。と言いますことは、五%の節約が達成されてなおかつもう少しおつりが来たということでございます。したがいまして、上期で申しますとこの達成状況は大変好調であったと言えるわけでございますが、問題は下期でございまして、特に石油の需要期と言われております下期におきまして達成ができるかどうかということに、今年度の達成のいかんがかかっているわけでございます。 そこで、政府といたしましては、先般、十一月二十二日に再度エネルギー対策閣僚会議を開きまして、五%の強化と申しましょうか、一層の施策の強化の申し合わせをしたわけでございます。施策の内容を一、二申し上げますと、特に暖房を室内十九度C以下にするということが一つございますし、それから暖房をつける時間をできるだけ短くする、こういうことを中心にいたしながら、下期のなお一層の徹底を図りつつある、こういうことでございます。 以上が当面の対策でございますが、中長期の対策といたしまして省エネルギー法、正式に言いますとエネルギーの使用の合理化に関する法律、これを先般通さしていただきまして、六月に成立を見たわけでございますが、この施行を半年ほど繰り上げまして十月一日から施行をしておる状況でございます。 なお、先生御指摘の機械器具等の省エネルギー型の機器開発につきましては、開発銀行等を通じまして、あるいは税制等の優遇措置を通じましてなお一層の進展を図りたい、かように考えておるところでございます。
○宮田委員 次にお聞きいたしますのは、輸入原油の多面的確保についてお伺いしたいわけですが、一つは原油の供給源、供給ルートの多角化についてでございます。石油供給が中東地域に偏重し過ぎるのではないかと思うわけです。この際これを改めて、メキシコとか南米地域を初めとして中国、東南アジア、すでにやられておると思いますが、そういうところなどの多面にわたります供給地域を確保することが重要であると思いますが、その点の実態はどうなっておりますか、お聞きしたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のように、供給源の多角化と供給ルート、チャネルの多角化、この二つを並行して進めていく必要があろうかと思います。供給チャネルの多角化につきましては、むしろメジャーサイドからの非系列会社に対するカットというような現象が進んでおりますので、これも外的な必要性からもDDあるいはGGをできるだけ確保していく、こういう方向で政府並びに主として民族系の石油精製会社を中心にいたしまして努力が払われておるところでございます。御指摘のように中東依存度を分散していくというのは非常にむずかしい問題でございますが、ただいま先生からも御例示になりましたように、メキシコにつきましては来年、立ち上がりは若干下の方から上がってまいりますが、秋には十万バレル・パー・デーということでメキシコ原油を輸入できるめどがついておりますし、新会社がすでに政府の敷きましたレールの上を契約固めという形で現在進んでおるところでございます。中国につきましては、御承知のようにすでに長期輸入契約が結ばれておりまして、明年度は八百万トンという形で進んでまいりまして、千五百万トンまで進み、その先もさらに拡大しようという基本的合意ができておりますし、さらには渤海湾の開発について、現在石油公団が中心となりまして鋭意折衝が進められておるところでございます。またインドネシアの石油開発にも積極的に協力をいたしますために、日本インドネシア石油協力株式会社という会社を設立いたしまして、この会社もすでに発足し、インドネシアと有望な開発地点あるいは探鉱地点のすり合わせを行っておるところでございまして、このような形で中東以外の原油獲得にも官民一体となって努力をしてまいりたいと考えております。
○宮田委員 いまおっしゃいましたメジャー経由の原油の輸入、だんだんに少なくなってはおると思いますが、いまどういう傾向になってあらわれておるかということですね。そうすると、当然さっき言われましたDD原油とかGG原油の政策原油、さらには自主開発、あわせて石油所要量の確保を考えていかなければならぬと思いますので、その点についてお考えがありましたらお知らせ願いたいと思います。
○神谷政府委員 御承知のようにメジャー経由の油は昨年ちょっと減っておりますけれども、従来七割がメジャー経由であると言われておったわけでございますが、その中にはメジャーの系列会社、いわゆるアフィリエートと言われております会社が購入しておるものと非系列会社、サードパーティーが購入しておる油とがあるわけでございますが、御承知のようにイラン・ショック以降、メジャー、特にイランに依存の大きかったメジャーが、サードパーティーに対しての供給を逐次削減してまいっております。現時点ではメジャー経由でわが国に入ってまいります油は五割程度になっておるかと思いますが、年が明けますればさらに削減あるいは既契約の消滅といったものも出てまいりますので、この状況は進展をすると思います。ただ、基本的にはいわゆるアフィリエート、外資系の会社と民族系の会社が五割五割というのがわが国の精製能力、販売能力のおおむねの比率でございますので、これを大きく割ることはないと思います。 他方メジャー経由の油をカットされましたものは、御指摘のように直接取引、DDとかあるいはGG原油でこれを埋めなければならないわけでございますが、期の途中、特に年が押し迫ってまいりましてから削減を受けました場合には、産油国と交渉をして新しくDDのルートを確立するというのは非常にむずかしいわけでございます。明年以降これらの努力が鋭意続けられていくことになるわけでございますが、現時点の状況を申し上げますと、メジャーからカットされたもののおおむね半分程度をイランとの直接取引四十五万バレル・パー・デー程度、これで埋め合わせておりまして、残りを非常に細かなDDあるいはスポットによって穴埋めをしておるという状況でございます。スポットの穴埋めという状況は必ずしも好ましいと思いませんので、明年以降これをDD、GGの拡大あるいは新しい道づけという形で逐次安定化させていきたいと考えております。
○宮田委員 もう一つお伺いしたいのは、政策原油の問題でございます。政府間の話し合いによります原油供給の確保の問題について、従来大臣あるいはまた政府使節団という形で向こうに行かれていろいろな約束をなさるわけでありまして、帰って、報告を聞いてまいりますと、私ども自体も非常に期待を持つわけでございます。ところが、結果を見ますと、なかなかそれが実現をしていないという結果に終わっておるというふうに思うのです。せっかく閣僚なり政府使節団がお行きになってそういう話し合いをなさるならば、量とか価格とか、最後の最後までいわゆる結末をつけて、結果としてそれが実現をしたということにしないことには何にもならないのじゃないかというふうに思うわけでございますが、この問題についてはどのようにお考えになるか、これからもあることと思いますので一応お聞きしておきたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のように、わが国におきましては、いわゆるステートカンパニー的なものがございませんので、GG取引と申しましても基本的には政府ベースで大枠を決めまして、価格その他の条件あるいは実際の引き取りは、場合によりましては民間が組織をつくり、あるいは事実上の集合体となって先方の公社等と折衝をする、こういう形をとっております。したがいまして大枠の話と、その後で実務的に詰めていきます場合に、実務面ではいろいろむずかしい条件が出てくるということは先生御指摘のとおりでございますが、私どもメキシコにつきましては一応十万バレルというラインは確保できたというふうに考えておりますし、その後の増加につきましては、メキシコの産油量の増量に従って増量が期待できるというふうに考えております。また、イラクにつきましては、その後同国で若干の政変がございまして事情の変更がございましたが、公社段階におきまして一応その約束と申しますか、話を受けて厳しい交渉を行った後、現時点で着々と入港しておる、こういう状況でございますので、御指摘のように実務面になりますと非常に細かいところでむずかしいことがございますが、やはり大臣に出向いていただいて大きな道をつけていただいた効果はあるというふうに考えております。ただ、訪問の時期等が年の後半でございますので、産油国に無理を要請するような形になっておりますので、常時密接なコンタクトが必要であろうかと考えております。
○宮田委員 次に、重質油対策の問題についてですが、さっきも説明の中にありましたように、今後中国原油の輸入がふえると思われるわけでございますが、この原油供給の重質化に対処するための分解精製等の改善、さらには技術開発という問題が出てくると同時に、設備自体もまだなかなか本格的なものになりそうにないわけでございます。こういうことについては早急に手がけなければならぬと思っておりますが、その点通産省はどのようにお考えになっておるか、お聞きいたします。
○神谷政府委員 御承知のように本年度から重質油対策の予算をつけていただきまして、現在石油業界、鉄鋼業界、電力業界、その他関連業界が一体となりまして、四カ年計画で総事業費約百八十億円という規模で、重質油対策の技術開発のための組織をつくりまして取り組んでおるところでございます。 この技術開発は、御高承のとおり、わが国の実情に最も適した重質油開発技術を生み出していこう、こういうことで幾つかの方向に分けて分担をしながら現在進めております。これができ上がってまいりました段階、四カ年計画でございますが、めどのついた段階で、やはり本格的な設備導入が必要かというふうに考えておりますが、それまでの間も重質化は逐次進んでまいりますので、すでに手がけております製品規格の変更であるとかあるいは既存の分解設備の活用であるとか、それらを併用しながら現在進めております技術開発の成果につなげていきたい、このように考えております。
○宮田委員 海外及び国周辺の海底石油確保の問題についてはさっきもちょっとおっしゃいましたが、一つだけお聞きしたいのは、日韓大陸棚の開発はすでに始まっておると思いますが、どういう状態であるかということを、わかっておるならば説明をしてほしいと思います。
○神谷政府委員 日韓大陸棚につきましては、本年五月、日本側では日本石油開発株式会社と帝国石油株式会社の二社を共同開発の実施企業として、すでに事業契約の認可あるいは探査権の設定登録等を行ってございます。その後、主として日本側企業が責任を持ちまして漁業調整を行っておりまして、これにかなりの時間をかけましたが、十月までに一応の話がつきましたので、十月末から韓国サイドと共同いたしまして、第五及び第七小区域、これは一番大きな区域でございまして、かつ最も有望な二つの区域でございます。この二区域について物理探査を始めまして、現時点で探査船の仕事は終わりました。これからその結果の解析に入りまして、解析の結果を待って、明年暖かくなったころ試掘の段階に入りたいと考えております。
○宮田委員 韓国との関係でございまして、なかなかむずかしい面もあると思いますが、言うならば至極順調にいっておるというふうに思ってよろしいですね。 それから、ボーリングあたりが始まりましても、相当の技術者がそこに従事すると思いますが、韓国、日本共同でございますだけに、その辺についても何しろ国際間のことでございますので、不安はないということですね。
○神谷政府委員 技術面につきましては、日本では私どもも指導をいたしまして、各社の有力な技術者をできるだけ協力させるように集中をさせておりますので、この点の心配は万々ございません。 また、共同開発に伴いまして生じます法律上の問題、その他いろいろな問題につきましては、御高承のとおり日本国政府と韓国政府との間に共同委員会がございますので、この委員会には各省からも責任者すべてに出ていただきまして、すでに二回開催をいたし、作業の進捗に従っておのおのの段階での問題点を両者で研究し合い、解決を進める、こういう方向で進めてまいっております。
○宮田委員 最後にもう一つだけお聞きしたいわけですが、備蓄の問題についてでございます。民間備蓄については九十日以上ということでございまして、問題は国家備蓄について、一応目標ということで決められておるわけでございますが、いまのところタンカー備蓄だけで、タンカー備蓄そのものというのは本格的な備蓄じゃないというふうに思いますが、改正されて本格的な備蓄ということがいろいろ考えられておりながらなかなかそれに着手できない、こういう傾向にあると思いますが、石油公団の話によりますと、昨年ですか四カ所の地域を設定した。ことしもまたあと二カ所か三カ所かということになりますが、これの着手が果たしてできるのかどうか。そうしないと、タンカー備蓄そのものというのは限定された期間でございますだけに、そのタンカー備蓄の油をどこに持っていくかということになるとなかなか問題の起きるところと思いますので、備蓄基地の問題についてどういうお考えを持っておいでになるかということをひとつお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○神谷政府委員 陸上備蓄につきましては、御指摘のとおり四カ地点を候補地といたしまして、それらについての調査を終わり、地元とのもろもろの折衝を行ってまいりましたが、御承知のようにむつ小川原地区につきましては、十月一日に立地決定を行いまして、現在用地の造成工事中の段階になっております。本年度内にもタンクの建設工事の発注を行う、こういうことが可能かと考えております。もう一つの陸上地区の福井地区につきましては、漁業関係者との調整の段階でございます。また洋上方式の上五島と白島の両地区につきましては、これは何分にも初めてのものでございますので、できるだけ慎重にやりたい、こういうことで補完調査中でございますが、海底のボーリング等の現地調査はすでに終わっておりますので、来年の一月ごろには最終的な結論が得られるのではないかと考えております。漁業調整の問題がございますので、できるだけ速やかにこの調整を行い、本年度内にも立地を決定いたしたいと考えております。またこれらの地区以外につきましても、さらに候補地を選定しながら、二千万キロリットル、さらには三千万キロリットルの備蓄の目標は堅持し、遂行していきたいと考えております。
○宮田委員 終わります。
○塩川委員長 これにて宮田早苗君の質疑は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三分散会