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88回国会参議院1979/09/07

本会議 第4号

発言数
50
登壇者
19
会派数
7
開催日
1979/09/07

会議録

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)  昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。白木義一郎君。    〔白木義一郎君登壇、拍手〕

白木義一郎公明党

○白木義一郎君 私は、公明党を代表して、大平総理の所信表明演説に対し質問をいたします。  総理は、所信表明において、一連の航空機輸入に絡む疑惑に対し、政治倫理の確立を呼びかけておられますが、いまや国民の大きな関心事ともなっているこの航空機疑惑解明に積極的な姿勢で臨むことが政治倫理の確立への基本であると考えます。ところが、総理の所信には、疑惑解明への言葉だけあって、具体的内容が全く述べられておりません。ある世論調査では、国民の実に七一%が疑惑解明に対する政府の姿勢に対し不満を持っていることが明らかにされております。私たち公明党を初め野党が具体的提言を発表し、その実現を強く迫っている以上、政府みずからが全力で取り組むことこそ総理の言う政治倫理確立への第一歩であると思うのでありますが、総理の御決意を伺いたい。  次に、このような贈収賄事件の温床ともなっている政治資金の問題についてお尋ねいたします。  政治資金規正法は、運用の理念として、政治資金は民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であるから、国民の疑惑を招かないよう公明正大に収受しなければならないとあります。政治資金は全部が全部浄財とは言えず、特定かつ具体的な目的のもとに授受されるものも少なくないというのが実態であります。たとえば二千万円以上の大口献金は従来から鉄鋼、銀行、商社、私鉄などの業種に限られております。これは民主政治の健全な発達を希求するという無色な献金とは言えないことを示しております。いわば色のついた政治献金であって、これを調査し排除する機能を現行の政治資金規正法は持っておりません。これについて総理はどのように考えられているのか、お伺いいたします。  さらに、このひものついた政治資金の授受は賄賂性を持ってくることも少なくないのであります。このような政治資金が日常一般的に行われているということは、政界に連続する贈収賄事件、選挙における熾烈な買収事犯と表裏一体の構造をなしていると思うのであります。したがって、当面の最大の課題は、現行規正法に政治資金の授受における社会的な責任を明確化し、政治資金の授受を浄財に限り、賄賂性のものは排除するという機能を持たせることであります。  具体的には、まず企業献金の禁止を早急に実現すべきであります。また、何らかの形で政治資金の授受を調査する機能が社会的に要請されていると同時に、賄賂性の政治献金に密接にかかわる個人の政治家の政治資金収支の届け出、公開についても調査と排除の機能を設けることは必要不可欠の措置と考えますが、これらの具体策について総理は次期国会に提出することを約束できるかどうか、伺っておきたいと思います。  さらに、今国会でも選挙浄化特別措置法案の提出は遺憾ながら見送られるようでありますが、巷間では選挙法や政治資金規正法改正のために総理の諮問機関である第八次選挙制度審議会を発足させる意向と言われておりますが、総理の真意をお尋ねいたします。  次に、財政再建についてお尋ねいたします。  昭和五十年度以降、毎年財政特例法による赤字国債を発行し続け、本年度においては実に国家予算の三九・六%を国債発行により賄うという重大な事態に立ち至っております。財政再建は、総理の言われるような行政経費の節減、すなわち福祉の見直し、切り捨てを含む安上がり政府の推進や、一般消費税を初めとした国民負担増によって再建するやり方は疑問を持たざるを得ません。政府は五月中旬からサマーレビューと銘打って華々しく財政再建作戦を展開しておりますが、ひっきょう、サマーレビューは、財政再建を旗印とした大増税導入のためのキャンペーンとデモンストレーションであり、政府が経費節減に努力したことをPRするためのものとしか言えません。  そこでお伺いいたします。  第一に、現在の財政危機から脱出するには、戦後の財政運営を規定してきた財政法を初め、一連の法律と制度、さらには運用の枠組み等、広範囲にわたる総点検と改革を行い、財政再建の国民的コンセンサスを得るといった財政改革の土台づくりをまず前提条件に予算編成過程の合理化を行わないと実行不可能と思いますが、総理の財政再建への具体的手順を示していただきたい。  第二に、わが国財政の国債依存率は、昭和四十年代は四%から一〇%台であったものが、本年度は約四割の借金依存であります。国債利払いを含む国債費は四兆七百八十四億円となり、一般会計歳出予算の一割以上を占めるに至っております。このような国債の巨額発行が行われた原因は、政府の財政政策の失敗にほかなりません。したがって、国債発行下での財政では、歳出要因の積み上げによる増分的予算編成ではなく、租税収入と消化可能な国債発行による歳入の額を最優先に決定し、その歳入の範囲内に歳出を削るという歳出削減の年次計画をつくる方式にすべきではないでしょうか。総理のお考えをお伺いいたします。  第三に、わが国の財政悪化の三大要因と言われる国鉄、健保、食管、つまり三Kについてであります。  国鉄は、年間の収入で人件費と動力費を賄うのが限界であり、減価償却費も支払い利息も出せない、企業としては破産状態にあります。また、政府管掌健康保険についても、本年度末には五千六十億円、日雇健保を加えると八千八百五十三億円の赤字になります。食糧管理特別会計においても同じように巨額の赤字が出ています。この三Kの三大赤字要因の解決は、従来の増分方式による予算編成では不可能であり、抜本的改革なくしてはできません。三K赤字解消についての総理の具体策をお伺いしたい。  関連して、陸上公共輸送整備特別会計についてお聞きいたします。  この特別会計については、昨年の要求の際、受益者負担の原則からは逸脱しているとの批判もありましたが、五十五年度より新しく特別会計を設置するかどうか、明確にしていただきたい。  第四に、税制についてであります。  大平内閣は「信頼と合意の政治」をキャッチフレーズに登場いたしました。しかし、この言葉とはうらはらに、財政赤字解消のために、政府の歳出削減への怠慢と無策をたな上げし、国民に一般消費税か所得税増税かの二者択一を迫るとは、断じて許すことはできないのであります。総理は、七月二十四日の記者会見で、国債にはこれ以上依存するわけにもいかず、結局は一般消費税か所得税かということになると発言し、さらにその前にも、二百万円ないし四百万円の所得者層や農家に対する増税を強調し、国民を不安と増税不可避の環境に追い込んでおります。しかし、先進国に比べ、住宅、老後の問題が解決されておらぬ現状を考えた場合、一般国民に対する増税を図ることは大問題と言わざるを得ません。歳入増を図るためには、まずわが党がかねてから繰り返し主張しております不公平税制の抜本的改善を行うことが先決であります。総理は、国民生活の現実を無視し、財政再建のための一般消費税導入に血道を上げられておりますが、まず利子・配当所得、租税特別措置等の不公平税制を洗い直すべきであります。総理の取り組みへの決意を明確に述べていただきたい。  第五に、行政改革についてお尋ねいたします。  総理のさきの所信表明の中で、行政の簡素化と行政費の節減はさらに一歩進めると言われておりますが、その決意ははなはだ疑問であります。それは、総理の「私の履歴書」の中で、「もともと公務員制度や行政機構にまつわる大きい改革意図などは、お持ちにならない方が無難である。その改革意図をふり回すなどということは、なおさら危険である」と、全く正反対のことを言われております。総理は、一体行政改革に対して本気になっておやりになる意思があるのですか、明確にしていただきたい。  さらに、行政改革の表裏の関係にある補助金整理についてであります。  五十四年度においては、政府は、合理化廃止の補助金三百三十三件、合理化減額の補助金は五百三十四件、統合した補助金は七十九件となっており、本年度においては補助金の整理は相当進んだようでありますが、政府発表の一般会計予算の補助金調べによりますと、五十三年度は十一兆五千九百五十八億円、本年度は十二兆八千八百五十一億円と件数では相当の減少になったにもかかわらず、金額では逆に約一兆三千億円も多くなっております。一体、政府の補助金整理とはいかなることか、全く理解ができないのであります。ともかく、国家予算の三分の一を占める補助金の整理、減額なくしては財政再建はできません。総理の決意をはっきりと示していただきたい。  次に、エネルギー問題についてであります。  これまでも、政府は、昭和四十八年の三木特使を初め、歴代通産大臣が中東産油国を訪問し、資源外交を行ってきました。しかし、いままで何ら成果が上がっていないのが現実の姿であります。しかし、日本経済発展の命綱とも言える原油の必要量を確保することは、国民に対する政府の責務と言えましょう。しかるに、このような状況では、政府の長期的かつ総合的なエネルギー政策がデスクワークに終わってしまうことになり、国民の不安を増幅させるものと言わざるを得ません。一方、本年六月ジュネーブで行われたOPEC総会で、原油一バーレル当たり二十ドルを超える高騰を示し、品質も重質化し、良質の軽質原油は入手困難になってくることも容易に予想されます。いまこそ政府は国民に対して積極的かつ適確なる資源確保のための努力をすべきであります。  そこで、総理並びに関係大臣にお伺いしたい。  第一に、江崎通産大臣は、七月に中東諸国、八月にはメキシコを訪問されましたが、その成果のほどはいかがでしたか。さらに、他の先進諸国同様に、消費国と産油国の積極的対話を推進すべきときに来ておりますが、政府としてはどのように考えておられるのか、その所見をお承りしたいと思います。  第二に石油製品についてであります。  石油製品の高騰は余りにも異常であります。わが党がこの八月に実施した実態調査では、昨年末の価格に比べてガソリン三二・九%、灯油四〇・三%、軽油四五・九%、農林漁業用A重油に至っては実に五四・九%にまで値上がりしております。国民の最も身近な灯油を例にしてみれば、ある県の平均では、昨年末六百三十一円で買えた灯油が現在では千十六円、千円以上の県も数多くに上っており、国民生活に深刻な影響をもたらしております。このような状況に加えて、通産省は石油製品に対する行政介入はやらないとの発表をしておりますが、これは実質的な石油製品値上げの公認につながるものと受け取れますが、政府の石油製品に対する価格政策はどうされるのか、見解を伺いたい。  また、この冬の灯油価格はどの程度が適正と考えているのか、明らかにしていただきたい。  価格の高騰とあわせて心配されるのが製品の先行き不安であります。本格的な需要期を迎える灯油について、実態調査では、寒冷地の北海道や東北方面では八割以上の人が供給状況の悪化を訴え、全国平均でも七割以上の人たちが不安を強いられております。秋口以降の供給量は完全に確保できるのかどうか、明確なるお答えをいただきたい。  あわせて、漁船用燃油やハウス、イグサ、たばこなどの農業用燃油、さらにはバス、トラック等の運搬用燃油の供給確保についても、その見通しをお伺いしたい。  次に、国民が当面する生活の諸問題についてお伺いいたします。  第一に、物価の問題であります。  物価は、昨年十一月より今日に至るまで卸売物価の高騰が続いており、本年七月は、対前月比一・九%、年率にして二五・三%という高い上昇率を示しております。あの狂乱物価を招いた石油危機以来の上昇率となっております。このような卸売物価の上昇は工業製品の価格の上昇を通じてすでに消費者物価に波及しており、日本経済の先行き不安を助長する結果となっております。  昭和四十八年の石油危機に際しては、国際収支の大幅黒字による外貨の流入と財政金融政策による過剰流動性の発生により、物価は先進国中最高の上昇率を示し、狂乱物価の発火点となりましたが、現在、景気は上昇過程にあり、緩和された財政金融政策に加えOPECの原油値上げが行われ、しかも相次ぐ大量公債の発行で財政インフレの危惧されている今日、狂乱物価が再現する危険性はないのか、政府の明快な御見解を承りたい。  さらに、卸売物価のこうした上昇は、消費者物価にも及ぶとともに、原油が値上げされることにより輸入面の支払いが増加し、国際収支の赤字幅が拡大することが予想されます。したがって、今年度の政府経済見通しは大幅に修正が必要になってくると思いますが、いかがですか。  また、伝えられるところによりますと、卸売物価と経常収支については手直しを必要とするが、成長率と消費者物価については目標値を達成することが可能だということでありますが、だとすれば、その根拠は一体何なのか、改めてそれを明確にしていただきたい。  次に、公共料金の値上げについてお尋ねいたします。  今年度に入り、すでに国鉄、公立学校入学金、高速道路料金、タクシー料金の値上げが実施されております。さらに、秋から冬にかけては、健保、たばこ、航空運賃、消費者米価、郵便料金等の値上げが予想されております。こうした公共料金の値上げは、物価の高騰を誘発し、国民の生活に深刻な影響を与えることになります。したがって、公明党がかねて提案をしておりますように、生活必需的なサービスの最低保障、所得応能負担、受益者負担という三原則を適用、組み合わせた国民福祉料金体系を確立すべきだと思いますが、いかがでしょうか。  第二は、雇用の問題です。  わが党は、不安定な女子労働者の就労状況について政府に追跡調査するよう要望してまいりましたが、一日でも早く女子労働者の就労機会の改善、均衡化を図るため、単なる行政指導だけではなく、もっと思い切った年齢差別禁止や性差別禁止法等の法制化を急ぐことが大事であると思いますが、深刻な問題を抱える女子労働問題についてどう取り組んでいくつもりなのか、明確なる対応策を示していただきたい。  第三は、福祉の問題です。  わが党は、去る八月十三日、母と子の健康確保増進を図るため、母子保健法全面改正を広く国民に訴え、百万人の署名運動を行いました。現行法は、社会保障制度審議会の「引き続き改善する」との条件つき答申で認められて法制化されたように、きわめてずさんなものであります。たとえば、母親と児童の健康診査について、法律上は三歳児健診に限定され、母親の検査に至っては実際にはほとんど行われていないのが現状であります。また、妊娠した婦人に対する国の補助は、母子手帳一冊と無料診察券二枚だけというまことにお粗末な対応であります。わが党は、さきの八十七国会において、出産費十五万円を限度として、社会保険と調整して支給する等の具体的措置を盛り込んだ母子保健法一部改正案を提出したのでありますが、政府・自民党のごり押しとも言えるあの異常な幕切れにより一切が水泡に帰してしまったのであります。先進諸国の中でもわが国の妊産婦の死亡率はきわめて高く、この現状を見るとき、現行制度をこのまま放置しておくことは人命軽視のそしりを招くことにもなると思うのであります。このような現況を認識の上、早急に母子保健法の改正に着手すべきであると考えますが、総理並びに厚生大臣のお考えをお尋ねします。  次に、スモン訴訟についてでありますが、全国におけるスモン訴訟の判決は、すべてが判で押したように国と製薬会社の非を戒めております。しかし、国及び一部の製薬会社は、患者の救済を行うことと法的責任を認めることとは別であるとの考えで、この判決に不服を唱え、控訴しております。これでは弱者切り捨ての政治姿勢そのものではないでしょうか。政府のこのような態度はまことに遺憾であり、速やかに控訴を取り下げるべきだと考えますが、総理の明快なお答えをいただきたい。  次に、日本型福祉社会についてお尋ねいたします。  日本型福祉社会は、総理が提唱し、さらに、さきに発表した新経済社会七カ年計画の中でも、国民の負担増や国民の自助努力、地域社会の協力が不可欠であると言い、その福祉社会実現をうたっております。一体、日本型福祉社会とはいかなるものか全くわからず、政府の責任を国民に転嫁する何物でもありません。総理は日本型福祉社会の具体的青写真を国民に示す責任があると思いますが、いかがでしょうか。  次に、年金についてお尋ねいたします。  近年、高齢化社会の急速な進行が叫ばれている折から、年金は安心して老後の生活が送れる所得保障でなくてはなりません。それには、まず食べられる年金制度の確立が必要ではないでしょうか。  そこで伺います。  第一に、年金の制度格差と年金水準を明確にするために、わが党の主張する国民基本年金制度の早期実現を図り、老齢・寡婦年金は勤労者の賃金を基礎として所得を保障すべきである。  第二に、老齢福祉年金はわが党の主張により先月から月額二万円の支給が実施されておりますが、今後の改善計画はいかがですか。  第三に、遺族年金は現在老齢年金の五割支給でありますが、今後支給率の引き上げないしは増額のための改善策を充実すべきであると思いますが、いかがですか。  第四に、年金に対する非課税を目指し、さしあたり老齢年金特別控除額を百二十万円に引き上げてはどうか、政府の見解をお伺いしたい。  第四に、住宅の問題です。  政府が効果的な宅地供給策を実施しなかったため、地価は宅地需給事情の逼迫を背景にますます上昇傾向を強めております。そのために、すでにわが国の宅地価格は西ドイツの六倍、イギリスの十七倍、アメリカの九倍にもなっており、もはや都市のサラリーマンにはゆとりあるマイホームの取得は絶望的であります。  そこで、まず、住宅金融公庫の融資限度額を個人住宅建設、宅地取得ともに七百五十万円に引き上げるとともに、土地つき融資に傾斜的に配分すべきであります。  また、既存の中古住宅融資はその対象地域を全国に拡大し、木造の一戸建て住宅も融資対象に加えるとともに、住宅取得控除、不動産取得税の課税標準の特例を適用するなど、流通促進のための施策を講ずべきではないでしょうか。  さらに、ひとり暮らしのお年寄り、婦人などの単身世帯に対して公営住宅を開放するよう法改正を求めます。  なお、計画的な宅地供給を推進するため、その指針となる宅地供給長期計画を地域別に策定するとともに、住宅、宅地開発に伴い必要とする義務教育施設、公立の幼稚園、保育所、上水道、公共交通機関の整備費に対し別枠補助制度を創設し、家賃と分譲価格の引き下げに役立ててはいかがですか。  最後に、一言総理に申し上げておきたい。  あなたが大蔵大臣当時われわれの強い反対を押し切った赤字国債の発行が大きな財政破綻を招いてしまいました。みずからが招いた失敗を国民への増税という形で補おうとしておられます。骨の髄まで合理化すると大みえを切られた総理の意図は、このたびも人員の配置転換程度でお茶を濁そうとしておられます。これで新たな負担を求められる国民が納得すると本当に考えておられるのでしょうか。長期の政権担当で揺らぎ出した政権の基盤を必死に支えるため、無謀とも言える膨大な補助金の給付や租税特別措置を断行して特定集団の利益供与を行って、その財源確保のため中低所得者の増税か一般消費税か、つまり国民を踏み台にして権力の延命を図ろうとするその姿は、まことに悲しいと言うほかはございません。国民に対しまことに不誠実に満ちたものであり、あたかもネコがネズミをねらうがごとき細視徐行の政治姿勢と言わざるを得ません。  いまこそ、八〇年代に向けて、財政、エネルギー、食糧、人口等の諸問題を抱え、国を挙げて一致協力せねばならぬときに出たり、大平内閣は、その発足当時あなたみずからが言われた「国民と苦楽をともにする」との政治姿勢に立ち返り、だれもが納得する政治を実行されるよう猛反省を促して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 白木さんの第一の御質問は、疑惑の解明と政治不信との関係についてでございました。疑惑の解明に熱心でなければ政治不信を解消することにならぬじゃないかという御指摘でございました。  私も全く同感に存じております。したがいまして、政府の立場において可能なことはあらゆることをやったつもりでございまするし、国会の国政調査権の発動につきましては政府の立場で協力を惜しんだことはないわけでございます。今後もこの態度は堅持して究明に当たりたいと考えております。  第二の、白木さんは政治資金規正法は色のついた政治献金を排除する機能は持っていないという御指摘でございまして、それを改正する意図はないかという意味の御質問でございました。  政治資金規正法というのは、私の理解するところでは、政治献金の公開制度をとり、一方、寄付金の制限を通じまして政治活動の公明を保障しようという立法趣旨に出たものと思うのでございまして、あなたが言われるような政治献金の一つ一つに色合いを規制するという精神は含まれていないと思います。わずかに政府と関係の深い企業からの献金を禁じておるとかあるいは赤字会社からの献金を禁じておるとかいうところに片りんが出ておりますが、趣旨は公開と寄付金の制限というところに力点が置かれた制度であると思っております。したがって、そういう色のついた政治献金の規制という問題は、政治資金規正法ではなくて、他の立法に期待すべきものではないかというように私は考えます。  それからあなたは、これに関連いたしまして、企業献金を廃止すべきでないかという従来の御主張をきょうも強調されたわけでございます。  私は、企業といえども社会的存在である以上、企業が政治献金をして悪いという性質のものではないと思います。ただ、これは漸次企業から個人献金に移行するように努力すべきであると考えまして、わが党におきましてもそういう方向に鋭意努力をいたしておることは、御理解をいただきたいと思います。  それから選挙制度の改正のために第八次選挙制度審議会の発足を考えているかということでございます。  この間も政府の協議会からもいろいろ御提言をちょうだいいたしておりまして検討を進めておるわけでございますが、あるいは検討の推移によりまして選挙制度審議会を設けまして御議論をいただく必要が出てきょうかと思いますけれども、どの段階でいたしますか、まだ具体的な考えは今日持っておりません。  それから財政再建の具体的な手順を示せということでございます。  財政再建は、この間も演説で申し上げましたとおり、いま巨大に抱えておりまする赤字国債というものをここ四、五年の間に解消していくということを通じまして財政の体質を改めて、これから先財政が担うべき役割りを十分果たせるだけの健康体に取り戻したいという趣旨のものでございます。その具体的な手順といたしましては、来年度を第一年度といたしまして公債発行の絶対額を圧縮して、五十九年度には赤字公債は少なくともない状態に置きたいということを第一の原則にしておるということを申し上げておるところでございます。そのためには、現行の税制につきまして綿密な見直しをやらなければならない。とりわけ租税特別措置の見直し等、租税負担の公正を図るように努めますということが第二でございまして、第三は行政費の節減を図らなければなりませんで、行政機構、行政定員の厳しい抑制、概定経費の見直し等によりまして極力歳出の消滅に努めますが、そういったことにさらに年々もし経済が好調に推移いたしまして自然増収が期待できますならばそれも加えてこの財政再建の目的に充当いたしたいと考えております。そういうことをあらゆる手順を尽くした後でなお足らないという財源につきましては、国民の理解を得て理解するやり方で調達をさしていただくよりほかに道はないじゃないかということを申し上げておるわけでございます。御理解をちょうだいいたしたいと思います。  それからそのためには白木さんは歳入の範囲内に歳出を消滅するという一つの歳出消滅の年次計画をつくるべきでないかという御指摘でございました。  われわれといたしましては、きのうも竹入委員長から衆議院におきまして中期財政計画というものの策定を通じてやるべきじゃないかという同じ思想に乗った御質問もあったようでございます。われわれは、いま申しましたように、五十九年度までに赤字公債を持たない財政体質にさしていただくということを目標といたしまして、各年度の経済情勢、財政需要、税収等を勘案しながら総合的に決めてまいるつもりでございまして、御指摘の年次計画をきちんと決めてやるべきでないかという御趣旨に可能な限り沿うように努力したいと考えております。  その次に、いわゆる三Kの赤字解消について具体策を示せということでございました。  まず、国鉄でございますけれども、国鉄再建問題につきましては、七月二日、国鉄より国鉄再建の基本構想案というものが出てまいりまして、関係者の間で目下それを軸として鋭意検討を進めております。このほど運輸省からもその考え方を踏まえて大蔵省に対し五十五年度概算要求が行われたと承知いたしております。今後五十五年度予算編成の過程におきまして国鉄財政再建の抜本策を見出していきたいと考えておりまするけれども、現下の財政事情等にかんがみまして、国鉄に対しましては徹底的な経営改善を求める必要があると考えております。  健保関係でございますが、医療保険につきましては、今後の安定成長経済下における人口の急速な老齢化、医療の高度化の伸展等に対応いたしまして給付と負担の両面にわたりまして制度の基本的な改革を進めなければならぬと考えております。その第一歩といたしまして、給付と負担の適正化、家計の高額な負担の軽減等を目的といたします健保法の改正を提案いたしておりまして、その早期実現を図りたいものと考えております。  食管につきましては、逆ざやの解消ということを目標にいたしましてこれまでも年次的に努力をしてまいりましたが、多少この年次計画はおくれておりまするけれども、鋭意この逆ざや解消の方向に進めてまいること、それから米の需給均衡化への努力というものを通じて食管への負担というものの軽減を極力図ってまいらなければなりませんし、そういった観点からことしの米価の決定に当たりましても品質を加味するというような新たな工夫もこらしておるわけでございまして、今後鋭意この食管負担の軽減という方向に努力をしてまいるつもりでございます。  それから不公平税制の抜本的改善をやらなければならないではないかということでございます。  この不公平税制という言葉でございますが、これにはいろいろなとり方がございまして、私は、これは特定の政策目的のために課税の原則を犠牲にする税制を言うのだと思うのでございまして、企業会計の原則上認められたいろいろな引当金、準備金等に非常に重課していくというようなことがいろいろ云々されておりますけれども、それは不公平税制の是正とは言えないと思っておりますが、いずれにいたしましても、不公平税制の是正というのは、これまでも政府は毎年毎年鋭意やってまいったわけでございまして、ことしも、御案内のように、社会保険診療報酬課税の特例の是正でございますとか、有価証券譲渡益課税の強化でございますとか、価格変動準備金の段階的整理等も含めましていろいろ進めてきたわけでございます。今後も私どもはこの方面には相当思い切って周到な切り込み方をしていかなければいかぬといろいろ考えておるわけでございます。たとえば、利子・配当の総合課税の問題につきましては、いま税制調査会で総合課税移行について御審議をいただいておるわけでございます。ただ、世上、大口資産家に対する課税あるいは富裕税、大企業に対する重課というような点について御指摘がございまして、われわれは皆さんの御指摘を受けるより前にこういう問題については十分な検討を加えまして、他の諸外国には類例を見ないだけの急速な累進課税をいたしておりますことも御理解いただきたいと思いますが、それでもなお切り込む余地がないものかということで鋭意検討を重ねておりますが、何さま数が少ないことでございますので、巨額の財源をこれに期待して財政再建はこういう税源からくみ上げる金で十分賄えるでないかという大まかな見通しにつきましては賛成いたしかねるわけでございます。  それから行政改革を本気でやる意思があるかということでございます。  私はかねがね行政改革というのは非常にむずかしいということを申し上げたのでございます。行政改革には非常に牢固たる官僚組織というものが背後にあるわけでございまして、これはなかなか手に負えない存在でございますので、これが簡単にやれるような安易な取り組み方をやっては行政改革などというものは結実するものではない。これまで日本の歴史を見ましてもそのことは皆さんよく御承知のことと思うのであります。非常にむずかしいことだということを頭に置いて真剣に取り組むことでなけりゃ政治にならぬと思うのでございます。行政改革をやるやると言うことはやさしいのでございますけれども、われわれは政治の責任として実効を上げてまいらなければならぬのでございますから、どのようにして実効を上げなければならぬかということにつきましていま鋭意苦吟を重ねておることは御理解をいただきたいと思います。  ことしは、第一には新しい人員削減計画を明年度を起点として始めようと考えておりまして、いままでの規模を上回る定員の削減をやりたい。いろいろな行政機構の改革にいたしましても、行政の簡素化にいたしましても、収斂するところはやっぱり定員の削減に帰一してまいるわけでございますので、それについては新しい計画で臨みたい。それからいままでいろいろ計画はしてみますけれども、実効が十分でなかった行政需要に応じた人員の配置転換、これを本当に具体化していきたい。これもやさしく具体化できるようなしろものではございませんけれども、少なくとも相当いままでよりも進んだ具体化をいたしまして皆様の期待にこたえなけりゃならぬと思っておりますけれども、これはわが党ばかりでなく野党の皆様にも御協力をいただかなけりゃならぬと考えております。それから認許可事項の整理を初めとする各種の行政簡素化を鋭意進めてまいるつもりでございます。  それから補助金の整理でございます。  これは絶えず見直しを行っておりますが、そのやり方がまだ足らないという御指摘でございますが、私どもを五十五年度予算の編成に当たりましても、このサマーレビューを通じまして、補助金の役割り、効果等を総点検をいまいたしておるところでございます。従来の制度、慣行等にとらわれることなく、従来にも増して積極的な廃止、減額、整理、合理化というものを進めてお目にかける用意をいたしておるところでございます。  それから石油製品に対する価格政策でございます。  これは、私、両院を通じて申し上げておりますのは、根本はやっぱり原油並びに石油製品の需給の安定を図ることが価格政策の根本ではないか。そのために周到な用意をしておりまするし、上半期も事なく過ぎたわけでございますが、下半期も恐らく必要とする石油需要は充足されるものと配慮いたしておりますし、万一何らかの事情で多少の落ち込みがございましても、民間八十六日の備蓄を持っておりまするし、政府備蓄は一週間ございまするので、多少それを崩しても供給に不安がないようにいたしていきますから、そういたしますと何も買いあさる必要もないわけでございますので、皆様が心配するような、価格が高騰するというようなことは御懸念がないことと思うのでございます。したがって、原油の輸入高というものだけはしかしながらぎりぎり消費者が負担せざるを得ない状況にあるわけでございますけれども、それを超える部分につきましてはわれわれは厳重な監視態度を崩していないわけでございますので、御理解をいただきたいと思うのであります。  それから物価でございますが、物価は、いま言われましたような石油を初めといたしまして、木材でございますとか、皮革でございますとか、海外の商品が高値をつけてまいりました。その影響もありまして、卸売物価の上げ足はことしに入りまして相当速まっておりますることをわれわれは憂慮いたしておるわけでございますが、このところやや小康を得つつあります。しかしながら、われわれが当初経済見通しで申し上げたようなアップ率にとどめ得るということにつきましては、遺憾ながらこれは相当大幅の改定をせざるを得ないということを申し上げなければならぬことを非常に残念に思います。けれども、これは確かに消費者物価にこれから徐々に影響を及ぼしてくるでございましょうけれども、物価政策の総合的な推進によりまして五十四年度の消費者物価の年度平均上昇はほぼ当初見込みのとおり四・九%程度に抑えていけるのではないか、そのようにやっていかなければならぬといま考えておりまして、四十八年当時のような狂乱物価が再現するとは考えていないのであります。  また、最近、演説でも申しましたように、経済情勢は個人消費や設備投資を中心に拡大を続けておりますし、雇用も改善を見つつあるわけでございますし、輸出も順調でございますので、わが国の経済はおおむね当初予定いたしました成長率は達成できるのではなかろうか、いまこれを改定するつもりはありません。  公共料金につきまして公明党の言う三原則の適用によって国民福祉料金体系を確立すべきでないかということでございました。  一つの御意見であろうと思いますけれども、しかし、福祉の向上や社会的公正まで公共料金に含めるということに対しましては必ずしもにわかに賛成できないのでございまして、私どもといたしましては、経営の合理化を進める、最小限度必要な受益者負担を求めていくという従来の態度を堅持して公共料金の安定に努めたいと考えておりますので、御理解を得たいと思います。  日本型福祉社会とは何ぞやという御質問でございました。  一口に言いますと、これは自助努力と地域社会の連帯を基礎といたしまして、内需中心の成長パターン、効率的な社会保障政策、生活基盤に重点を置いた社会資本の整備等に支えられた社会であるというようにお答えを申し上げておきます。  それから年金制度につきましては厚生大臣からお答えをいただくことにいたしたいと思いまするし、宅地供給等につきましては建設大臣からお願いをすることにいたします。  いずれにいたしましても、財政再建について、政府の施策による責任を安易に国民に転嫁するようなことはいけないではないかという最後の御警告がありましたが、政府も好きこのんで積極財政を展開して赤字をふやしたわけではないのでありまして、石油危機を克服いたしまして国民の経済と生活を守るためにどうやるかというあらしを一たん財政で受けとめさせていただきまして、経済が回復する過程で財政の体質を漸次もとに戻していただこうということをお願いしているわけでございまして、すべてが国民のためであるということを御理解いただきたいと思います。(拍手)    〔国務大臣江崎真澄君登壇、拍手〕

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 第一点は、中東諸国並びにメキシコ訪問の成果いかんと、こういうお尋ねでございます。  私は、七月中旬から約二週間、第二回日本・イラク合同委員会に出席いたしました後、クウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦など、いわゆる湾岸諸国を訪問して各国首脳といろいろ意見の交換をいたしたところであります。  各国首脳の意見を結論的にまとめて申し上げまするならば、熱心な回教徒でありまするから、要するに、われわれに与えられたこの石油というものは神様の物だ。したがって、その石油を使って経済を繁栄させ、幸せになる、高度な技術を開発して近代化ができる国があるとするならば、その国々に油を提供することは神のおぼしめしであろう。ところが、それによって経済力を拡大し、高度な技術を開発した国が、またその燃料を供給した国に技術移転をしたり経済協力をしてくれることも神のおぼしめしだと思うがいかん、こういう一言に尽きると思うのです。  そこで、イラクにおきましては、最近ソ連寄りをすっかり改めまして、いま現在自分たちは脱石油五カ年計画というものを計画しておる。五カ年で脱石油などということがとうていできるものでないことはよく知っておるが、本当に日本が技術協力をしてくれるならば、日本の技術、それからそのアフターケアのよさ、そういったものに信頼を置いておる。したがって、日本が油を必要とされるならば自分たちは幾らでも油の協力をしようではないか。非常に積極的な姿勢を現在大統領になられたサダム・フセイン氏などは表明をされておったところであります。私ども九九・八%石油を海外に依存する国としては、当然技術協力は積極的にしよう。これはもう言われるまでもなく大いに進んで協力をするということでこの合同会議に臨んだところであるというので、大いに意気投合したわけでありますが、その結果、とりあえず本年二百万トンの増量、これは従来は五百万トン供給でしたから、四〇%増であります。ちょうどフランスのバール首相がそのとき国賓として三日間来ておられました。これも来年から四〇%増にしたということでありましたが、技術協力の前提のもとに本年度三月までを目途に二百万トンを増量しようということで約束をしてくれたわけであります。その後イラクに政変がございましたが、現在事務的にこの問題は継続をしておりまして、大変その点では力強く思っておるわけであります。  それからOPEC諸国の穏健派と言われるサウジアラビア、それからア首連等々におきましても、対日輸出についてきわめて好意的な姿勢を確認することができました。これは本当によかったと思いますが、これらの国々のもう一つの言い分は、節約をしてもらいたい。自分たちは地下資源として子孫に本来残しておきたいものをイランの政変以来増産をして消費国の需要にこたえておるではありませんか。それを節約もしないで、日本もその国の一つですよと言われたから、私なりに日本の節約状況は説明しましたが、いや個々のことを言っておるのではない。アメリカでも日本でも西ドイツでもわれわれの節約の要請に十分こたえもしないで需給のバランスを乱してしまう。本当に五%節約をやってくだされば需給バランスは乱れないじゃありませんか。需給のバランスが乱れるからわれわれ供給国としては値段を上げることにもなるし、どうぞ節約を続けてもらいたい、できるだけ私どもも消費国の経済に激変を与えないように増量しましょうと、こういう思想ですから、私はやっぱり節約を徹底することは今後といえども消費国日本の大きな命題であるというふうに思います。  それから八月の中旬にメキシコなどを訪問しました。メキシコにおきましては、ポリテーリョ大統領を初め、オテイサ国有財産・工業振興大臣、あるいはモクテスマ経済発展計画調整委員長等々といろいろ話し合いをいたしました。これは油ごいというよりも、やはり関係を深めようということで出かけたわけでありまするが、メキシコ原油の対日輸出を明年以降開始するということで合意ができました。これは新聞等でも御存じのとおりでありまするが、八〇年から十年間にわたる長期契約で、とりあえず八〇年は一日十万バレル提供をしましょう、八一年からは増量を前向きに検討しようということで合意いたしました。さるかわり、わが方としても、鉄鋼プロジェクト、臨海工業地帯の開発、それから国鉄の電化――あの国は御承知のとおりアップ・ダウンの非常に多い国で、日本とやや地形も似ております。それからその他の日墨合弁事業の協力プロジェクト等についてもよく話し合いをしたところであります。  この訪問を通じて私が気がつきましたのは、いま白木さんがおっしゃるように、産消対話というのはやっぱり必要なことである、これはもう言うまでもないことでありまするが、特に、通産大臣は毎年一遍ぐらいはやっぱり経済安全保障と言うならば中東なりそれぞれの産油国を訪問してコミュニケーションを深めることは本当に必要だということを痛感した次第であります。私が行っておりまする間にも、イラクにはバール首相が来ておりました。クウェートにはフランスの国防相、サウジにはアメリカのストラウス、ア首連にはジスカールデスタン大統領が給油に事寄せて四時間ぐらい話し合いをするというわけであります。大平総理にも私は帰りまして申し上げたことですが、機会を得てぜひひとつまた訪問をしていただくことができるようにお願いをしておるところであります。総理においても検討を願っております。  さて、第二の灯油の問題でありますが、灯油の小売価格が、現在、八月の時点で、東京都内ですが、これは十八リットル当たりで配達が平均千四十円になっております。これは昨年の暮れに比較しまするというと約四〇%程度の値上げであります。ところが、御承知のとおり元売り企業による石油製品の値上げ、これは対外要因でありまするが、これは四五から五〇%程度外的要因で上がっておるわけであります。これは円ベースの変化も入れております。それから見ればまあまあ妥当な線をいっておるというのが今日の状況であります。  灯油についての価格介入をなぜやめたのかという御質問もございましたが、これは御承知のように、A重油とか軽油とか灯油、これは中間留分と言っておりますが、非常に燃料として似ております。そこで、灯油だけが不当に政府介入によって安いということになりますと、軽油に灯油をまぜて使う、A重油と一緒にたいてしまうということになりまして、本当に冬の最需要期に灯油が要るというときにA重油や軽油より安い灯油が別なところに向けられるというようなことになりますと、これは需給を根本的に乱すことになります。したがって、市場の自然に任せる、やっぱり市場メカニズムに任せることが大切であるということで先ごろ政府介入をやめたわけでありますが、しかし、冬場に向けての灯油は北海道及び日本海側においては生活必需品であります。したがって、現在私どもは、上期においては石油供給計画上のいわゆる所要在庫水準、これは灯油の六百四十五万キロリットル、これは去年よりも多い在庫の積み増しをして最盛期に備えておるわけであります。特段の買いだめだとか買い急ぎなどする必要はありません。そういういわゆる仮需要が起こらない限り絶対不安はないと言って私ども約束をしておるところでありまして、十分これには責任を持って今後とも対処してまいりたいと思います。節約の大切なことは申すまでもございません。  それから漁船、農業、運搬用燃油の供給確保の見通しいかん。  これにつきましては、先ほど総理からもお答えがありましたように、やはり石油供給計画に近い量を確保することが何よりまず大切であります。上期においては、幸い積み増し分を除けば前年よりも相当量を輸入することができたわけであります。下期におきましても、中東等国際情勢は必ずしも安定しておるとは言いがたい状況ではありますが、しかし、穏健国を初め誠意を持って、サウジアラビアなども百万バレル、ア首連なども五十万バレル程度の増量をしながら今後需要にこたえようという姿勢を示しておってくれます。したがって、私どもも、この輸入量で、やや値段が上がりましたことはまことに遺憾なことでありまするが、そうかといって、この値が上がったことによって比較的いま量は順調に確保されつつあります。今後といえども、漁船、それから農業、運搬用燃料などに不足を来さないように十分責任を持ってこれらに対処してまいりたいというふうに考えます。(拍手)    〔国務大臣栗原祐幸君登壇、拍手〕

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私に対する御質問は、女子労働者の問題につきましては、行政指導だけではなしに、法的な措置を講じろと、こういうように承りました。  政府といたしましては、雇用における男女平等を確保するために、同一労働男女同一賃金、この思想を徹底してまいっておりまするし、また、昭和五十二年度から、若年定年制あるいは結婚退職等の制度を解消するためにいま鋭意努力中でございます。  なお、いわゆる男女平等法の制定につきましては、労働基準法研究会から報告がございまして、その提案に基づきまして目下関係審議会で審議中でございます。この審議を見ました上で対処いたしたい、こう考えております。(拍手)    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点に御指摘を受けました母子保健法の問題でありますが、確かに制定後十数年を経過し、非常に状況の変わってきた中で、現在のままでいいとは私どもも考えておりません。そこで、各分野の専門家の協力を仰ぎまして、本年六月に家庭保健基本問題検討委員会を発足させ、二十一世紀を見通した多角的な観点からの母子保健の新しい制度、施策の検討をお願いいたしております。  また、スモンの訴訟判決につきましては、主として薬事法上の国の責任のあり方につきまして上級審の判断を仰いでおるわけであります。並行して、私どもとしては患者の方々との全面的な和解に現在全力を尽くしておる最中でございます。  また、世界に類例のない高齢化社会を迎えようとする今日、国民の年金制度に対する期待というものはきわめて大きなものがあるわけでありますし、政府としても老後の所得保障の中核となる年金制度につきましては従来からその改善を図ってまいりました。今後の年金のあり方につきまして公明党を初め各方面から種々の御提案をいただいておりますが、政府としては、現行の個別制度を前提としながら、年金制度が全体として整合性のとれた発展を遂げるように全体としての改善を進めてまいりたいと考えております。  そこで、老齢福祉年金の今後の水準についての御指摘を受けましたが、本年度の改正によりまして、御承知のように、経過年金の一つであります五年年金との間が百八円の差しかなくなっております。この老齢福祉年金を初めとした経過年金のあり方につきましては、かねてから年金制度基本構想懇談会におきましても検討をお願いをしておりましたが、当面の重要な政策課題としての対処が必要であるという御指摘をいただきました。来年度に予定しております国民年金制度全体の再検討の中で経過的年金全体の水準の問題としてこれは取り組んでまいりたいと考えております。  また、遺族年金の支給率引き上げあるいは増額という観点での御指摘を受けたわけでありますが、確かに国際水準に比して遺族年金の水準が低いことは私どももそのとおりであると考えております。夫の死亡により残された遺族の生活の支えとしてのその意義はきわめて大きいわけでありまして、かねてから、基本構想懇談会、また社会保険審議会の厚生年金保険部会からも、次回の再計算においてこれに対処するようにという御指摘をいただいております。私どもとしては、その際特に年金による保障の必要性の高いと思われる子供のおられる寡婦の方、また高齢の寡婦に重点を置いた引き上げを図ってまいりたいと考えております。  最後に御指摘を受けました老齢年金の非課税の問題について、ことに老齢年金の特別控除額の引き上げという点についての御指摘をいただきましたが、私どもは、年金だけではなく老人所得全体の問題として、また高齢者扶養控除その他を組み合わせた中で、将来に向かって努力をしてまいりたいと考えておるところであります。(拍手)    〔国務大臣渡海元三郎君登壇、拍手〕

渡海元三郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(渡海元三郎君) 住宅問題についてお答えを申し上げます。  国民の根強い持ち家取得に対する希望にこたえるために、本年度におきまして、住宅金融公庫の貸付限度額を、個人住宅建設は八百五十万円から九百五十万円に、分譲住宅の購入につきましては七百五十万円から九百五十万円に、それぞれ引き上げを行うなど、土地つき住宅の融資に特段の配意を行ったところであります。  また、中古住宅につきましても逐年制度の改善を図ってまいりましたが、本年度におきましては、貸付戸数の増加、貸付対象地域の拡大及び貸付限度額の引き上げを行ったところであります。  一方、税制面におきましても、本年度から新たに登録免許税について、中古住宅に係る特例を設けることといたしております。  次に、公営住宅への単身者入居については、地方公共団体、学識経験者等の協力を得て、供給対象住宅、入居対象者、住宅の管理体制、入居継続の条件等について調査を行っておるところでありますが、その調査結果を待ちまして、関係行政機関、地方公共団体と十分協議し、鋭意検討を加えてまいる所存であります。  宅地供給長期計画につきましては、建設省といたしましては、昭和五十六年度を初年度とする第四期住宅建設五カ年計画の策定とあわせて地域別の宅地需給長期見通しを策定するため、現在その作業を進めておるところであります。  また、義務教育施設を含め、宅地開発に伴って必要となる関連公共公益施設の整備につきましては、従来から立てかえ施行制度を初め各種の施策の活用によりまして促進を図ってきたところでありますが、今後ともその適切な運用により宅地開発事業の円滑な推進並びに開発者の負担軽減に努めてまいる所存であります。(拍手)     ―――――――――――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 上田耕一郎君。    〔上田耕一郎君登壇、拍手〕

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。  本臨時国会は、慣例を無視して、政府による一方的な早期召集という異常な事態のもとで開かれています。それが党利党略的な衆議院解散のためであることは周知のところであります。衆参両院の代表質問も示しておりますように、国会が論議すべき問題は山積しているのに、本日衆議院解散を強行しようとする計画が進んでいる理由は何なのですか。  許すことができないのは、今回の異例の早期召集の真の動機が、総選挙の投票日をあの日商岩井の海部八郎の初公判の日十月十二日よりも前に設定することによって、航空機疑獄と金権政治に対する国民の怒りを少しでも避けようとすることにある疑惑がきわめて強いことであります。ここには、自民党多数支配の復活強化のためにはいかなる策略も恥じないという総理の政治姿勢が隠しようもなく浮き出ているではありませんか。そうでないと言われるのなら、直ちに党略的解散を中止していただきたい。いわれなき誹謗だと言われるのなら、あなたが強行しようとする総選挙の投票日を海部初公判以降とすることが李下に冠も正すべきでない政治家の最小限のモラルと言うべきでしょう。  しかも、もし投票日が十月十日以前になると、公選法第二十二条の規定によって、憲法で保障された選挙権を行使できなくなる新有権者が十五万人も生まれるという重大事態になるのであります。こういう行政権の乱用は当然避けるべきであります。政治倫理の確立を第三の課題と述べた大平総理の、もって範とするに足る倫理的な答弁を強く求めるものであります。  さて、総理は、所信表明の冒頭、「八〇年代を展望する曲がり角に立つ」云々の時局認識を示されました。振り返ってみますと、一九五一年の講和問題、六〇年の安保改定、沖繩返還にかかわった七〇年問題と、くしくも日本の政治はほぼ十年ごとに鋭い選択を問われてまいりました。八〇年代を迎えようとして、いままた日本は歴史的な選択に直面しております。インドシナや中東での新たな緊張、第二次石油ショックに見る資本主義世界の深刻な危機、インフレと財政破綻、子供たちを襲っている不幸な教育環境、そういう情勢の中で、総理は国民に八〇年代の明確なビジョンと政策、具体的プランを示すべきでした。ところが、あなたの所信表明で明確なものと言えば、日米安保体制の強化と国民の新たな負担、増税意欲だけではありませんか。  日本共産党は、すべての事態は、自民党が一部野党の協力で進めてきた路線と政策の完全な破綻と危険を示しており、その根本的転換の必要をいよいよ焦眉の急にしていると考えるものであります。危機の中で政策選択の幅が狭くなったという一部野党の主張は、自民党政治を補完しようとする新与党化の口実でしかありません。そうではなく、今日の危機の中から一層鮮明になってきたものは、腐敗し反動化した自民党政治をやめさせて、八〇年代に国の政治を革新するという歴史的事業の必要であります。すなわち、すべての革新勢力を結集して、一、大資本中心でなく国民本位の経済政策、二、軍国主義復活反対と民主主義の確立、三、日米軍事同盟と手を切った中立化という革新三目標を実行する国民的課題であります。  総理の言う曲がり角とは一体何から何への転換なのか、日本の政治の方向を息を詰めて見守っている国民に対し責任ある構想を明らかにしていただきたい。  大平内閣が目指す曲がり角とは、たとえば安全保障、外交問題では、軍事大国と米日中韓の四国同盟への曲がり角にほかなりません。今日、インドシナを新しい焦点としてアジアの緊張が激化している根源は、山下防衛庁長官が時に訂正しながら強調し続けておられるソ連の軍事的脅威なるものではなく、米日中に韓国を加えた反動的四カ国同盟の危険な策動にあります。ベトナム侵略戦争で敗北したアメリカ帝国主義は、その大失態を取り戻すべく、米日中同盟を背景にして、中国のベトナム侵略を利用し、さらにいま難民問題の政治的キャンペーンを展開して反攻作戦に出ております。  ジュネーブでのインドシナ難民問題国際会議の際、わが党が派遣した監視団の橋本敦参議院議員に対して、園田外相は政治的キャンペーンの場にしないことに賛成されました。アメリカと中国のベトナム侵略こそインドシナ難民をつくり出した歴史的原因であるにもかかわらず、逆に難民問題を利用してベトナム非難のキャンペーンを行っているアメリカや中国の行動に対し、政府は一度でも抗議と反対の意思表示を行ったことがあるのか。また、カンボジアの大量虐殺に対する見解、そのポル・ポト派を政権として承認し続けている理由についても外務大臣の見解をお伺いしたい。  ところで、日本国民にとって重大なことは、四カ国同盟の軍事的な柱として日米安保体制が急速に強化拡大されつつあることであります。たとえば、昨年十一月二十七日、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインが合意されて以後、米軍の指揮下で自衛隊に実戦的能力を身につけさせるための日米共同演習が一斉に拡大されてまいりました。従来、海上自衛隊と米海軍とのみだったものが、航空自衛隊と米空軍の共同演習が開始され、本年七月には月例化されました。訪米した山下長官とブラウン国防長官との間で共同演習を陸のレベルにも広げることが確認されております。フォートレス・ゲールという戦後最大規模の米軍の沖繩上陸演習には、陸海空の自衛隊制服幹部が見学と称して参加しました。米政府は日米の陸海空の三軍統合演習を希望していると報道されています。  自衛隊増強も急ピッチです。七月十七日、防衛庁は、五十五年度から五十九年度までの中期業務見積もりをまとめましたが、これは事実上の第五次防衛力整備計画にほかならないではありませんか。永野陸幕長は、すでに五十一年に閣議決定した防衛計画の大綱は修正すべきだと公然と講演しています。  そこで、自衛隊の最高の指揮監督権を持つ大平総理と防衛庁長官にお聞きしたい。  第一、総理は、これら日米共同演習をどういう方針のもとに承認しているのか。  第三、沖繩県民は、三十四年前、米軍上陸による沖繩戦という、十万の犠牲を出した悲惨な体験を背負っています。総理は、沖繩県民の気持ちをどのように理解して今回の上陸演習にイエスを言ったのか。  第三、政府は従来集団自衛権の行使は憲法上許されないという見解をとってきていますが、安保条約に基づく日米の陸海空統合演習は当然集団的自衛権の行使を前提としたものではないのか。  第四、防衛計画の大綱は修正する方針なのか。一体どこまで自衛隊増強を推し進めるつもりなのか。  戦前の日本は、一歩一歩軍国主義の道を進んで太平洋戦争に突入しました。有事立法、ガイドライン、君が代と軍人勅諭、元号法制化、沖繩上陸演習と、中国や一部野党の安保条約支持への態度変更をも利用しながら、憲法をじゅうりんして、異常なテンポと規模で進んでいる軍事大国への歩みは、いまにして阻止しなければ再び取り返しのつかない事態を招きかねません。日米安保条約がある限り、こうした事態は避け得ません。日本共産党は、日米安保条約廃棄による日本の平和中立化、日米軍事同盟から非同盟への転換が切迫した国民的課題となっていることを強く指摘するものであります。  次に、当面する経済問題について質問します。  第一に、石油の値上がり問題とエネルギー政策です。  きわめて異様なことは、第一次石油ショックのときと異なって、今回は総理が政府の介入はしないとして大企業の便乗値上げを野放しにしていることです。わが党の試算によると、一かん八百円前後以上は便乗値上げというのに、早くも一千円灯油が普通です。消費者も中小企業も農漁民も悲鳴を上げています。他方、元売り十三社のぬれ手にアワの大もうけは、二カ月余で八百億円に達するとも報道されています。消費者を犠牲にし大企業の暴利に奉仕するこの野放し政策をなぜやめられないのですか。その理由の大きな一つに、去る六月にIEA国際エネルギー機関が日本に対して行った、灯油価格の引き上げを含めエネルギーの節約や燃料転換を促す価格政策をとるべきだという勧告があるのかどうか、明確にしていただきたいと思います。  エネルギー問題の八〇年代の展望について触れれば、要請されているのは、大企業に対する政府の介入を放棄するのではなく、逆に、メジャーのエネルギー支配を抑制し、国家百年の計に立って、石油、石炭、電力、ガス、原子力など、主なエネルギー産業の私的大企業を国有化して、民主的に管理される総合エネルギー公社設立を図ることにあるとわれわれは確信するものであります。  第二は、財政再建と増税問題であります。  総理の所信表明は増税計画の中身に触れませんでしたが、財政収支試算で言う五年間に新規増税だけでも九兆一千億円、累計では二十八兆二千六百億円という大増税計画の中身が、一つは一般消費税であり、もう一つは年間所得二百万円から三百万円の低中所得者層への課税強化であることは、すでに総理自身が明らかにしたところであります。まことに戦後最悪の苛斂誅求内閣と言わなければなりません。  わが党は、すでに、一般消費税が財政再建の切り札として何ら役立たないことを具体的に指摘してきました。今回発表した「徹底研究 一般消費税と国民生活」では、さらに、導入時の物価上昇により、平均世帯で約十万円の貯蓄の目減りが生まれること、低所得者ほど負担割合が大きいこと、売り上げ一千万円当たりで資本金二百万円未満の零細企業は約十二万円納税しなければならないのに、資本金十億円以上の大企業は合理化が進んでいて人件費比率が低いため約半分の六万六千円の納税で済むというように驚くべき逆累進課税となり、転嫁の困難な中小零細企業は大きな打撃を受けることになることなどを明らかにしました。これらの新しい問題点について大蔵大臣の答弁を求めます。  日本共産党は、このような最悪の大衆課税によるのではなく、不要不急経費の削減と、大企業、大資産家優遇の不公平税制の抜本的見直しを断行して約四兆円の新財源を生み出し、国民本位の財政再建を実行することを強く提唱するものであります。  第三に、外国農産物の輸入規制について。  総理は、需給動向に即して農業の再編成を図るとしておりますが、さきの日米農産物交渉や東京サミットで約束した農産物輸入拡大を前提にした需給動向のもとでは国内農業の縮小再編成にしかならないではありませんか。四〇%にまで低下した穀物の自給率を高め、日本農業を再建するには適切な輸入規制はどうしても必要だと考えますが、真剣に自給率向上に取り組む気があるのかどうか、総理の決意をお聞きしたい。  第四に、スモン問題について。  薬事二法の成立で一定の前進は見られることになりますが、行政の責任はいよいよ大きくなっております。重症者への介護手当、健康管理手当を初め、すべての被害者の恒久的救済対策についてどのような方針で臨むのか、厚生大臣の具体的な答弁を求めるものであります。  最後に、私は、政治倫理と民主主義の問題を取り上げたい。  総理は、航空機疑惑問題等防止対策に関する協議会について触れられました。しかし、一昨日発表された提言には、諸悪の根源である企業献金の廃止について一言も触れられておりません。反対に、企業に対する監視は自主的にやらせるなどという余りに安易な内容をも含んでおります。日本共産党は、先日、企業献金の廃止、行政監視院、企業監査委員会の設置、情報公開法制定など、十二の法案大綱を再発防止策として公表しました。再発防止も政治倫理の確立も、航空機疑獄の徹底解明なしには、また大企業の政治献金の廃止を軸として金権政治の根絶なしには、紙の上の欺瞞となってしまうでしょう。齋藤自民党幹事長は反対に企業献金の規制緩和を述べておりますが、総理の見解を重ねて問うものであります。  さらに、所信表明には、金のかからない選挙実現という口実で選挙制度の検討が取り上げられています。これはきわめて重大な発言であります。あなたは疑惑隠しの上にファッショ的な小選挙区制までねらおうというのですか。本年の通常国会で、総理は、わが党の宮本顕治議員の代表質問に対し、小選挙区制は考えておりませんと答弁されました。いまも将来もこの態度に変わりはないか、国民の前で明確にすることを求めるものであります。  総理はまた、田園都市国家の構想についても述べられました。この構想は、総理が七月八日高松で、大都市は余り住むに値するところではないようだとして述べた東京三代目白痴論、すなわち東京で育った人が東京で生まれ育った人を嫁にもらって子供を産むと三代目には白痴の子ができるそうだという認識と結びついているのですか。私は、東京地方区選出の議員の一人としても、大都市の深刻な環境の改善を放棄し、都民を怒らせた、一国の首相としてあるまじきこの暴言の正式な取り消しと謝罪を求めるものであります。  以上、一つ一つ問題点を取り上げていくとき、総理が目指す八〇年代の構築とは、文化の時代でも地方の時代でもなく、落ちつきと思いやりに満ちた家庭基盤充実でもなく、それらを根底から崩していく危険な軍事大国化と反動化、国民生活圧迫以外の何物でもないことが浮き彫りになってきます。大平内閣が圧倒的大多数の国民の心を踏みにじるこのような道を進むのは、大平内閣と自民党が、安保条約の誠実かつ効果的な運用をアメリカに誓っているからであり、大資本、財界の代弁者であるからであります。深刻な危機を克服して八〇年代の希望に満ちた日本をつくる道は、対米追従と大資本擁護と縁を切った政権、日本共産党が提唱している革新統一戦線の結成と民主連合政府樹立以外にありません。そのために国民とともに奮闘する決意を表明して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 国会が論議すべき問題は山積しておる、衆議院の解散を急ぐべきでないじゃないかという御意見でございました。  私は、国会に論議すべき問題が山積しておることも、われわれが解決しなければならない問題が山積しておることも、よく承知いたしておるわけでございます。これに対処いたしますためには、それ相応の対応した姿勢が確立されなければならぬと考えておりまして、政局の転換もそういう観点からいたしますならば国民の理解が得られるのではないかと考えております。  航空機疑惑の隠蔽でないかというようないわれない批判が寄せられましたけれども、私ども長期にわたりまして日本の政治を預かっておるわけでございまして、終始国民の厳しい監視のもとで選択をいたしておるわけでございまして、一時の安易につこうとは考えていないのであります。航空機疑惑の解明につきましては、先ほども白木さんにもお答え申し上げましたとおり、いままでやるべきことはやってまいりましたし、今後もやるべきことはやってまいることに変わりはないことを御理解いただきたいと思います。  第二の問題は、八〇年代の展望、八〇年代を展望する曲がり角というのはどういうことを意味するのかということでございました。  私は、来るべき八〇年代というのは、八〇年代における内外の状況を考えてみますと、世界経済は多極化していくであろう、複雑化していくであろう、資源エネルギー供給事情は制約が厳しくなっていくであろう、人口の急速な高齢化は国内に進んでいくであろう、国民の価値観も多様化するであろう、社会、経済の両面におきまして大きな構造変化に直面するのではないかと考えておるわけでございます。こういう時代におきまして中長期の展望に立ちまして内外の課題に果断にこたえなけりゃならぬのがわれわれの責任ではなかろうかと思っておりまして、このためには、エネルギー問題の制約を克服しながら、内需中心の安定した成長パターンを確実なものにすることによってわが国経済を新しい安定した成長軌道に乗せなけりゃならぬのではないかと考えております。  また、国内におきまして、新しい日本型福祉社会の実現を目指しまして国民生活の質的な充実を図ってまいるとともに、国際社会の名誉ある一員といたしましてわが国の国際的地位にふさわしい責任と役割りを果たしつつ八〇年代の挑戦にこたえていかなければならぬと考えております。  第三の問題は、日米共同演習についてのお尋ねでございました。  一般的に申しまして、日米共同訓練というものは、自衛隊の練度の向上の面から申しまして望ましいことと考えております。  それから沖繩の演習に自衛隊が参加したではないかという御指摘でございますが、そうではなくて、これは米側の御招待を受けて見学をいたしたにすぎないわけでございます。  米軍の沖繩上陸演習をなぜ了承したかということでございますが、私も上田さん同様、沖繩がさきの大戦におきまして痛ましい戦禍の犠牲を受けておることに対しまして十分同情もし、これに対しまして政治が責任を持ってこたえなければならぬ多くの課題を抱えておることを承知いたしておるつもりでございます。しかし、悲劇は二度と繰り返してはいけないのでございまして、われわれは国際紛争を防止いたしまして安全で平和な日本を築いてまいらなければならぬわけでございまして、日米安保条約はそういう紛争の抑止力としてあるわけでございまして、こういうことのために即応能力を維持する意味におきまして米軍が演習をしておるということ自体は、沖繩県民も含めて日本国民の理解が得られるのではないかと思います。しかしながら、この演習につきまして、国民生活への影響を最小限度にとどめてもらわなければならぬわけでございまして、政府は安全面等から最大限の配慮を米軍に求めてあったわけでございますが、幸いに事なく演習が終わりましたと承知いたしております。  石油の価格政策につきましては、白木さんにもお答え申し上げましたように、需給の均衡をいかにかして確保しなければならぬ、それを価格政策の基本に据えなければならぬと考えておるわけでございまして、石油三法を発動する、行政が過剰に介入するというようなことをもって石油の価格政策が周到を期せられると私は考えていないわけでございまして、需給が均衡がとれたならばそこに価格問題は発生する余地がないようになるわけでございますので、そういう状況を招来するために政府は鋭意努力をしていることを御理解をいただきたいと思います。  それから四〇%まで低下した穀物の自給度を高めて日本の農業を再建するためには適切な輸入規制が必要でないかという御意見でございました。  国民に食糧を安定的に供給することは政治の基本的な課題でございまして、このため、政府としては、国内で生産可能なものは極力国内生産で賄う方針のもとに、輸入制度につきましては国内農業の健全な発展と調和のとれた形で運用してまいりましたし、今後もそういう趣旨でやってまいるつもりでございます。  それから企業献金を廃止すべきではないかということでございますが、白木委員にもお答え申し上げましたとおり、私は、最高裁の判決にもありまするように、企業も一つの社会的存在である以上政治活動の自由を持っておると思いますので、その政治献金を一切禁止するということは必要はなかろうと思います。しかしながら、方向といたしましては企業献金から個人献金に移していくということはしなければならぬと思いますし、事実、わが党もそういう方向で努力をいたしておるわけでございます。企業献金の規制を緩和するというような考えは毛頭持っておりません。  それから選挙制度でございますけれども、さきの国会で私が述べた考えに変わりはございません。私は、選挙制度の改正というのは、各政党の間で、これは選挙の共通のルールでございますから、御相談の上、公正なルールをつくるべきものと承知いたしておるので、政府がイニシアチブをとるような性質のものではないと承知いたしておるのでございます。小選挙区比例代表制につきましても、各政党の話し合いの中で、これが是という結論が出ましたらそれは尊重せなきゃならぬと考えておりますけれども、政府がこれを構えて求めるというような考えは持っておりません。  それから高松での私の発言についての御批判でございました。  私は、東京ばかりでなく、大都市の生活は三代目白痴論が出るほどの用心すべき事態であるということを警告したわけでございまして、われわれは、そういう厳しい環境下でございまするから、都市政策については十分の配慮をしなければなりませんし、環境政策についても緊張した対応をしなければならぬということを申し上げたわけでございますので、そういうことを非常に憂えておる大平の気持ちを御理解をいただかなければならぬと思うのであります。  たとえば、低額所得者に私が増税を考えておるとか、農業者に増税を考えておるとかいうようなことも先ほど白木さんからも言われたわけでございますけれども、私はそんなことを言うた覚えはないのです。日本の税負担が諸外国と比べてどうかということ、各階層別の負担が諸外国に比べてどうかということが問われたから、必ずしも高くはありませんよということを申し上げたら、私は増税をねらっておるというようにとられたのでございます。大変迷惑なんでございます。でございまするから、民主主義というものはやっぱりお互いの立場を尊重しながら正確なデータを基礎にして公正な論議を交わしたいものでございまして、高松の私の発言につきましても公正な論議をお願いしたいものと思います。(拍手)    〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。  難民問題に関するジュネーブの国際会議で日本共産党の橋本議員の意見に賛成したが、それにもかかわらずという話でありましたけれども、少し違うわけでありまして、私、ジュネーブに到着いたしまして、ベトナム、中国、ソ連その他の国々と全部お会いして相談したわけであります。そこへ橋本議員がおいで願いまして御意見を承りました。いま監視団というお話でありましたが、私はそうではなくて、難民問題が非常に大事であるからこの会議で実効が上がるように共産党からおいでになったのだと感謝をしながらお話をいたしました。非常にまじめな建設的な意見でありまして、だれが悪い、かれが悪いという意見はございません。  そこで私は幸いファーストスピーカーとして基調演説をいたしましたので、私の演説によってこの国際会議の方針が大体決まる。そこで、各方面からいろいろ意見を承ったわけであります。EC、それからASEANその他の国々ではベトナム追及の声は相当強うございました。しかし、私は、この会議で政治論争をするならば、結局は責任追及に終わり、この重大問題に即効、実効性のある会議にならない。そこで、お互いに、ベトナムの方は自粛をする、自制をする、また他の国々はそれぞれ政治的な論争はやめて人道上の問題でこの会議が実効性のあるように進めていきたい、こういう意見でありましたが、橋本議員も同じような意見でありまして、私が賛成したわけでではなくて、両方の意見が合ったわけであります。その後、橋本議員は、リップサービスではなくて、それぞれの関係諸国を非常に熱心に回られて、非常な成果が上がったと私は判断をしておりますが、また、私は私で、EC、それからASEAN、ソ連その他の国々といまのような方針で、もちろんアメリカ、中国とも会い、要請をいたしました。  そこで、会議は若干のさざ波は立ちましたけれども、ごらんのとおりに会議は成功裏に終わり、いまのところ難民はやや縮小したかっこうであって、わが党の橋本君もよくやったが、園田外務大臣も相当なものであったという御意見が質問の中で出るかと待っておったぐらいな成功でございます。ただし、この問題はこれで解決したわけではありません。ジュネーブの国際会議を成功に導き、とりあえずの実効性を上げたいというのが願いでありまして、やはりこの問題の根本的の解決は、インドシナ半島の平和、ベトナムの動向、こういうことが大事であって、この根本的解決をせざるわけにはまいりません。そこで、私は、この問題についても、だれが悪いという責任追及だけしておってはならぬので、お互いの立場で相互の理解をしながら関係国が集まってインドシナ半島の平和のために相談しようじゃないか、こういう提案をしておりまするが、いまなお機熟せず、だんだんと熟しておるところでありますから、その方針で努力をする覚悟であります。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 園田外務大臣。    〔国務大臣園田直君登壇〕

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 申しわけありません。落としたそうでございまして、カンボジアの国民が打ち続く戦禍で食糧飢饉と医療品に非常に悩んでおって、想像以上な悲惨な状態にあることは御承知のとおりであります。その中にあって、ポル・ポト、ヘン・サムリン両方がお互いにやっておるわけでありますけれども、率直にわが方から言えば、ヘン・サムリン政権というのは、都市は占領しておるが、人民の掌握はほとんどない。どう考えてみてもこれが全土を支配する政権とは言いがたい。一方、ポル・ポト政権についてもいろいろな悲しい情報が入っております。私は、直接、ポル・ポト政権の方には、政権を維持し、真にカンボジアの独立を図るためには、相手はベトナムでもなければどこでもない、カンボジアの国民自体だ、それについて遺憾な話を聞くことはまことに残念である、注意されたらどうかと、こういう申し入れをしております。  なお、正直に言いまして、ポル・ポト政権の方も、これまた全土を支配する政権とはなかなか言いにくいことは、これは事実でございます。しかし、わが方はいままで法的にこの政権を承認し、その法的関係がいまなお続いておる段階であると御理解を願えれば幸いであります。(拍手)    〔国務大臣山下元利君登壇、拍手〕

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) お答え申し上げます。  御指摘の日米統合演習が何をお示しになっておるのか定かではございませんが、仮に沖繩におきまして行われました米軍の演習をお指しになっているのであれば、これは総理も先ほどお触れになりましたが、統合演習といった性格のものではございません。  ところで、集団的自衛権につきましては、わが国は集団的自衛権の行使は憲法上許されておらないのは御指摘のとおりでございますが、わが国に対する武力攻撃を排除するための個別的自衛権の行使は当然許されております。現在実施いたしております日米共同訓練も、御指摘のような集団的自衛権の行使を前提としているものではございませんで、わが国による個別的自衛権の行使を前提として実施しているものでございます。  次に、防衛計画の大綱についてのお尋ねでございますが、わが国を取り巻く国際環境には流動化の要因が見られ、厳しいものがございますが、いま直ちに防衛計画の大綱の修正を必要とするとは考えておりません。当面の防衛力整備は、防衛計画の大綱に従いまして、装備の更新、近代化を中心とする防衛力の質的な充実向上が主体となると考えております。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣金子一平君登壇、拍手〕

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 上田さんの御質問の第一点、導入時の物価上昇によって貯蓄が目減りするじゃないかという点につきましては、まさにそのとおりだと思います。利率の半分ぐらいの物価上昇が起こりますが、それは一時的なものとお考えいただきたいのでございます。それはたとえば利子・配当の総合課税によって資産課税の重課をいたしましたならば貯蓄の目減りをいたします。同じことでございまして、基本的な変わりはございません。ただ、私どもの一番恐れておりまするのは、今日のような大量の国債発行を今後も続けますると、それこそ財政インフレの大きな要因になりますから、それをぜひひとつこの際回避することを考えなきゃいかぬという点でございます。  それから第二点の、低所得者ほど負担が大きいじゃないかという点でございますが、これは食料品を非課税にすることによりまして相当緩和できるものと考えております。  また、逆進性があるかどうかというようなことは、一般消費税だけで考えないで、歳出の面で社会保障の費用がどの程度その方面に流れておるかという財政全体で御判断いただきたい、かように考えるわけでございます。  それからまた第三点の、零細企業が困るじゃないかという点でございますが、これはやり方によっていろいろ考えられるのでありまして、たとえば政府税制調査会の案では、年間売り上げ二千万円以上の零細企業者につきましては納税義務を課さないというようなことを考えておりますし、あるいはまた、四千万円以下の売り上げの中小事業者につきましては税額を軽減するような措置を講じたらどうかという提言も出ておりますので、こういった点で大企業に比べて中小零細企業が非常にいじめられるというようなことは十分私どもは防止できると考えておる次第でございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 健康管理手当につきましては、すでに製薬会社の負担によりまして月額三万円の支給を予定しておるところでありますし、また、重症者の問題につきましては、今後介護の問題として真剣に取り組んでまいりたい旨すでに患者の代表の方々にも申し上げておるところであります。  また、スモンのいわゆる恒久対策につきましては、すでに五十三年度から一部を実施してきておるところでありますが、患者の方々から出ております御要望等私どもも拝見をし、今後とも早期救済の立場に立って円滑な実施に努めてまいりたいと、そのように考えております。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 答弁の補足があります。大平内閣総理大臣。    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 答弁を補足させていただきます。  上田さんの御質問の中で、伝えられるような手順で伝えられるような期間に衆議院の総選挙が行われるということになりますと、十五万人もの新有権者の投票権が奪われることになるのではないかという御指摘でございました。  なるほど、仰せのように、公選法によりますと、定時登録直後の一定期間は選挙時登録が行われないことになっておるわけでございます。しかし、この規定は、選挙人名簿の正確性を保持して選挙の管理の適正を保障しようとするものでございますので、そのような結果になりましてもやむを得ない措置であると御理解をいただきたいと思います。(拍手)     ―――――――――――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 和田春生君。    〔和田春生君登壇、拍手〕

和田春生民社党

○和田春生君 私は、民社党を代表し、もっぱら大平総理の所信表明演説に焦点を合わせて質問いたします。  その第一は、自民党大平内閣の政治姿勢についてであります。  大平総理、あなたは「当面する緊急課題への対応」と題して、エネルギー問題への挑戦、財政の対応力の回復、政治倫理の確立の三つを取り上げられました。そこに盛られた内容の当否は別とし、民社党を初め、野党もまた問題意識の点では共通の認識に立つものであります。にもかかわらず、せっかくここに臨時国会を召集しながら、このような当面緊急とする政策課題に対し、大平総理、あなたはなぜ具体的な提案を行おうとしないのですか。国会の場を通し与野党間の論議を深め、課題解決の方策に関してコンセンサスをなぜ求めようとしないのでしょうか。  今夕にも衆議院解散は既定の事実とされていますが、緊急かつ重要な課題についての国会審議をたな上げし、ひたすら解散、総選挙への道を急がなければならない理由は何か、全く理解に苦しむところであります。大平総理初め与党首脳部では、早期解散によって総選挙を有利に取り運び、自民党が安定多数を制することすなわち政局の安定につながると唱えているようであります。もしそれが真意であるとするなら、長期政権の権勢に目がくらみ、眼中党略あって国民の利益なく、国会の責務を放棄して党利に走る自民党の独善ここにきわまると言わねばなりません。  解散と総選挙で緊急課題に対応するタイミングがずれ、加えて航空機疑惑に対する究明さえもこれをうやむやにせんとする底意が読み取れるとあっては、大平総理の所信表明中にある謙虚、信頼、合意といった言葉とはおよそ似ても似つかぬ党利党略本位の政治姿勢ではありませんか。単に政局一新といった抽象論ではなく、納得できる説明をお聞かせ願えれば幸いであります。  質問の第二は、エネルギー対策と財源問題についてであります。  総理の所信表明のごとく、十年後に第一次エネルギーの石油依存率を五〇%以下とする目標達成のためには、原子力、石炭、地熱、太陽熱など、そのいずれにつきましても、単に技術や安全の面だけではなく、環境問題、立地条件、廃棄物による第二次公害防止問題等々さまざまな難関が横たわっております。しかも、たださえ財政危機に直面している今日、先立つ資金動員をどのようにするのか、まずそれが重大な問題であります。多くのリスクを伴う石油代替エネルギーの開発について、もっぱら民間資本にのみ頼るわけにはまいりません。財政投融資や政府助成に当然大きなウエートがかかってまいりますが、その財源としてエネルギー新税などの構想が浮かび上がっているようであります。政府がこのエネルギー新税を考えているとするなら、それはいかなる内容で、どれほどの税収を見込み、その使途をどのようにするつもりか、あらましの構想をこの際明らかにしていただきたいと思います。  また、伝えられる一般消費税や所得増税とエネルギー新税との兼ね合いをどのように考えているのか、その点もただしておきたいと思います。  さらに、エネルギー対策の財源調達に関して、たとえば公共事業投資などの面においても、これまでは景気対策やそれらに関連する問題に重点が置かれていたため、土木建設を中心とする大型プロジェクトにとかく比重がかけられておりました。しかし、これからは省エネルギー産業構造への転換や代替エネルギーの開発など、八〇年代を展望し財政投融資のウエートを振りかえていく必要があると考えますが、具体的にどのような方策を考究しているのか、あわせてお答え願いたいと存じます。  質問の第三は、増税問題についてであります。  政府と与党の方針が昭和五十五年度中に一般消費税の導入を意図していることは、この国会における政府答弁がどうあろうと、これまで発表された文書などによって疑う余地はありません。政府・与党の思惑どおり一般消費税が実施され、消費者に税負担がすべて転嫁されるならば、紛れもなく物価上昇、インフレ促進の要因となります。税の逆進性と相まって弱者に負担を加え、不公平を助長するでありましょう。企業の競争条件のもと、購買者に転嫁できなければ、損益にかかわらず税は企業者負担となって、これまた弱い立場の企業をより一層痛めつける第二法人税的性格のものとなりかねません。また、価格体系や取引条件や流通過程においても収拾困難なさまざまの混乱を招くおそれも多分にあります。加えて、税務職員の大幅増員で行政改革に逆行する事態も生ずるわけであります。したがって、伝えられる一般消費税は、理念のみならず実施の面においても天下の悪税と考えられますので、これを断じて実施すべきでないと考えますが、いかがですか。  たとえ総選挙後であろうと、必要によってこれを実施したいとする考えがあるならば、この税制を可とする理由並びに必要とするゆえんを今次国会で明らかとすべきであります。それによって国民に信を問うのではなく、新たな負担というようないいかげんな表現で焦点をぼかしたまま総選挙に臨み、あわよくば国会の過半数を制し、白紙委任を取りつけたつもりで一般消費税の導入を図る魂胆であるとするなら、これほど有権者を愚弄する為政者の思い上がりはありません。  そもそも、一般消費税なるものは、従来なじんできた税制の手直しや上積みではなく、わが国税制の中に全く新しい体系を持ち込むものであって、シャウプ勧告以来の直接税中心、個別物品税等の間接税体系にもいわば革命的な変化をもたらすものであります。国民の納税義務と負担のあり方に直接結びつくようなこの重大問題について、あいまいな対応を許すわけにはまいりません。  そこで、明確にお尋ねします。大平総理、あなたは一般消費税を実施するつもりか、それとも実施しないつもりか。あなたの所信表明演説の結びにある「率直に真実を国民に語る」という言葉どおりに答弁していただきたいと思います。    〔議長退席、副議長着席〕  質問の第四は、不公平税制の是正についてであります。  総理の所信表明の中では、「租税特別措置の見直しを行うなど税負担の公平化を進める。」とただ一行だけ触れているにすぎません。  そこで、具体的に伺います。あなたが見直すと言われる租税特別措置などは、何と何を指すのか、その主なものを例示願いたいと思います。  それとともにぜひ伺っておきたいことがあります。最近、大平総理は、一般消費税がいけないなら、年収二百万円から三、四百万円の中堅所得層の所得増税を考えたいと言われました。わが国の税負担の対比において、都市勤労者が圧倒的多数を占める年収二、三百万円クラスの所得者が、賃金俸給生活者以外の他の諸階層に比べて低過ぎる税負担で不公平に優遇されていると大平総理あなたは本気でお考えなのでありましょうか。総理は、税制や社会保障や住宅費負担など、比較条件において当然考慮すべき諸要件を度外視し、為替相場で換算した外国の同水準所得層の税負担率を例に引いておられました。大蔵省御出身の首相とは思えぬとんでもない見当違いと言わねばなりません。税負担の公平化は国内における対比の問題であります。特に年収二、三百万円の勤労者サラリーマンをねらい、ことさらに増税の対象として取り上げた意図を納得できるように説明してほしいと存じます。  質問の第五は、行財政の改革についてであります。  大平総理、あなたは増税か国債かの選択を国民に求めるということを解散をもくろむ臨時国会前にたしか口にされたはずであります。これはまさに不当きわまる政治的恫喝以外の何物でもありません。累増し過ぎた国債依存のゆえに、もうこれ以上国債の増発はできないし、それに頼ってはいられないというのが財政危機の命題ではありませんか。その国債を引き合いに出し、増税との選択を迫るというのは、いかにせっぱ詰まったとはいえ、一国の総理として断じて口にすべきことではありません。私に言わせれば、財政危機に直面している今日、行財政の改革か増税かが当面の中心的な命題であります。  第一次オイルショック以来五年越しの不況の中で、民間企業は減量経営の合理化のために血のにじむような努力を払ってまいりました。減収や雇用不安にさらされた多くの民間勤労者家庭においては、家計費の切り詰めに苦心惨たんしてきたのであります。いま財政危機に直面する政府においてもその例外たることは許されません。一口に言えば、減量行政、減量財政に身を削る努力を行うのが先決であります。行財政の改革にベストを尽くし、しかる上で必要とする行政サービスや国民の利益のための政策財源についてどうしても不足するものがあれば、その事実と理由を明らかにして国民に応分公平な負担を訴えるのが政治の筋道であると思います。増税論の先走りは、財政を国民生活よりも重しとし、官を民より上にしようとする、まさに逆立ちした官僚的発想の典型であります。大平総理は、このような批判をかわすためか、肉を切り骨に達する行政改革を行うと言われましたが、どこまで本気で取り組むつもりなのか、はなはだ疑問であります。  そこで、抽象論を避けまして、具体的に質問をいたします。  行政改革を行おうとする最高の責任者総理自身が肉を切り骨に達すると言われる以上、どこの肉を切ってどの骨にメスが達するのか、当然に見当をつけておられるはずであります。行政改革や歳出の見直しについて、末梢的なひげや爪先や皮の部分ではなく、切る肉と刃の達する骨の部分が一体どことどこなのか、この際その三、四をぜひ具体的に例示していただきたい。もし総理のそのような説明を聞かれれば、恐らく大多数の国民も大平総理のやる気を信ずるものと思います。  また、その一々を列挙するいとまはありませんが、私たち民社党は、地方財務局など国の地方出先機関の廃止、公社公団の統廃合、補助金の徹底的な見直し、公務員の定年制実施や配置転換合理化など、行政改革の具体的な方法を掲げ、その実現を主張してまいりましたが、わが党の行政改革案と照らし合わせ、大平総理の説明がありますならは与野党の立場を超えて協力すべき目標が定かとなり、施策の実行にとってもプラスとなるでありましょう。ぜひこの際、大平総理並びに関係閣僚の誠意ある所見を承りたいと存じます。  以上取り上げた以外にも、外交、防衛を初めただしたい課題がなお山積いたしておりますが、きわめて限られた時間がすでに尽きようといたしております。なお、私のこの質問は、昨日の衆議院本会議でわが民社党佐々木委員長が行った質問と重なる部分があります。しかし、そのいずれについても、大平総理は、レトリックで事の本質をはぐらかそうとしたり、まともには答えていないものばかりであります。  大平総理、あなたは数時間の後には衆議院を解散し、ともかく国民に信を問おうとしているのではありませんか。それならば、なぜもっと率直に、もっと具体的に、本院議員のみならず、耳目をそばだてている国民の皆さんにもよくわかるように語ろうとしないのですか。それが語れないとするならば、国政の最高責任者でありながら真の抱負経綸なく、政権の延命を図らんとする権力欲がもっぱらあなたの心を占拠しているとしか考えられません。大平総理が所信演説の結びで用いた謙虚、信頼、合意という美しい言葉は、不遜と不信と、そして対決の政治と読みかえなければなりません。  自民党の長期政権がもたらした政治の退廃にどっぷりとつかりながらそれに気づかず、政治不信を一層助長するような姿勢に強く反省を促し、的確な答弁を重ねて求め、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、政局転換は勝手過ぎるではないかという意味の御批判でございます。  私も和田さんと同様に、山積する課題に責任を持って政治は対応せねばならぬことは十分承知いたしておるつもりでございます。問題は、これをいかに有効に対応し適切に処理していくかということは常に政局を担当する者として考えておかなければならぬことと存じます。政局の転換ということも、より適切に山積する課題に取り組むに当たっての態勢を整えるという意味でございますならば国民の理解が得られるものと判断をいたしております。  第二に、エネルギー問題につきまして、代替エネルギーの開発との関連で資金対策が一番重要ではないか、その場合のエネルギー新税というものを考えておるかということ、また、財政投融資計画はこれに関連して重点の置き方を変えなければならないのじゃないかという御指摘でございました。  エネルギー対策といたしまして、とりわけ代替エネルギーの開発、活用という点には、仰せのように、資金の対策が一番力点になるものと私も承知いたしておりまして、これに対しましてはあらゆる手だてを講じて充足を図らなければならぬと考えておりまするけれども、エネルギー新税というようなものをいま政府が具体的に構想をいたしておるわけではございません。  財政投融資計画につきましては、仰せのように、重点の置き方がその時点における経済の全体との関連におきまして考えなけりゃならぬことは当然であろうと思うのでございまして、エネルギー政策がこのように日本の経済の死活を左右するような課題になってまいりました以上、財政投融資計画もこれを念頭に置いて充実した編成をやらなければならぬと考えております。  第三の問題は、財政再建の問題でございます。  一般消費税を実施するつもりか否か率直に真実を国民に語れと。私は真実を国民に語っておるつもりでございます。政府は一般消費税というものを場合によって考えなければならないのではないかと。もっとも、これは国民の理解を得て必要である場合には考えなければならぬのではないかということで、二、三年前からこういう案を提示して各方面の論議を招いてまいったことは御指摘のとおりでございますが、一般消費税をやるという決定はまだいたしていないのであります。これは、まず財政再建に当たりましては歳入、歳出全体にわたりまして徹底した見直しをしなけりゃならぬことは和田さんの仰せのとおりでございまして、そのようにやってまいるつもりでございます。また同時に、いまのような赤字国債を多く出しておるという事態は早く解消いたしまして、財政体質を改めなけりゃならぬこともまたわれわれの任務であろうと思っておるわけでございます。それに必要な手だてがつくのでございますならば、一般消費税その他増税に訴えなくて済むのであれば、それは非常に結構なことだと思っておるわけでございます。しゃにむに増税を主張しているわけでは決してないのであります。どうしても必要な場合にはあるいはそういう新たな負担を国民に求める場合があるかもしれないということは申し上げなけりゃならぬ立場にあるわけでございますが、それをどのようにするかは五十五年度の予算の編成で具体的なお答えを申し上げますと申し上げているのでございまして、いまそれが具体的にどのぐらいの金額になるかならないか、それに対しましてどういう税目を選択するかということは、いろいろな手順を経て決定しなければならぬことでございますので、いまの段階で申し上げることができないことは和田さんもよく御理解いただかなければならぬと考えておるわけでございます。  一般消費税というのはわが党内外におきましても非常な批判があるものであることは政府もよく承知いたしておるわけでございまして、われわれといたしましては、財政再建ができるだけの財源の手だてがつきますならば何も一般消費税に固執する必要はないと初めからそう考えておるわけでございまして、そのことは御理解をいただきたいものと思います。  それからその次に租税特別措置でございますが、これは一般の課税原則を犠牲にして特定の政策目的、たとえば少額所得者の保護でございますとか、あるいは社会保険診療報酬でございますとか、そういうものに特別の税率を考えるということあるいは非課税にするというような措置が特別措置というものだと思いますけれども、そういうものは最小必要限度にとどめなければならぬわけでございまして、いま政府全体で特別措置によりまして一般の課税原則が曲げられておる部分が三千億ぐらいあると思うのでございます。これは鋭意毎年精力的に切り込んでいっておりますことは和田さんも御承知のとおりでございまして、今後ともそれに努力をしてまいるつもりでございます。  私が年収二、三百万円の所得者の増税を考えておるというのは非常に迷惑でございます。わが国の低額所得者は諸外国に比べて決して高くはないと、課税最低限も一番高く設定してあるじゃありませんかと、そういう事実を申し上げると、ああ大平君は二、三百万円の所得者に課税を考えておるんだというようにすぐおとりになることは、私にとって非常に迷惑なんでございます。もっとも、私の立場から申しますと、非常に言葉に注意せにゃならぬわけでございまして、そういうことを言えばすぐ、これは必ずしも外国に比べて高くないと、それから農業者の所得は他の産業に従事する方々と比べて高くありませんということを申し上げると、今度は農業者に課税するのじゃないかととられるわけですから、こんなことを言っておったら私なんかは物を言えなくなるわけでございます。だから、先ほども上田さんにもお願いしたように、正確なデータを基礎にいたしまして公明に議論していただかないと、こういう偏見を交えて議論を吹っかけられることは大変迷惑なんでございます。そのことについて特に御理解をいただきたいと思います。  次に、行政改革でございますが、これは先ほど申しましたように、明治、大正、昭和をかけまして行政改革の歴史というのは大変むずかしい苦難の道を歩んでまいりましたことは和田さんも御承知のとおりでございまして、容易ならぬことだと思うのでございます。容易ならぬ問題だと考えまして、私は気軽に行政改革を言うことを遠慮いたしておるわけでございますが、このように財政再建につきまして国民の御理解を得なけりゃならぬときには、いままでより一歩進められないかということを骨にまで達する、肉を切って骨に達するような気概でもって当たらなけりゃならぬじゃないかというわけで、いま各省に私はハッパをかけておるところでございます。  いまここで具体的に言えという、言えるところまではいま皆さんに申し上げているわけでございますが、それは定員削減も従来の計画を上回る規模で来年を起点といたしまして新定員削減計画を策定して実行いたしますということを申し上げておるわけでございまして、従来の計画を上回る規模で、それは何万人になるかというところをいま盛んに部内を督励いたしておるところでございますけれども、少なくともこれは現行の規模を上回るものでなけりゃならぬということを国会を通じて公約をいたしておるわけでございますし、配置転換の具体化に努めますと、配置転換を言うだけでなくてこの具体化をやりますということも相当思い切って言っておるつもりでございますし、許認可事務の整理その他につきましても誠実にいま当たっておるわけでございます。そういった点は御批判もあろうかと思いますけれども、政府といたしましては精いっぱいのところを申し上げて、この具体的な答案は、五十五年度の予算を通じて御審議をいただかなければならぬわけでございます。それまでに正確な答案を出す以外に道はないわけでございます。そのことを御理解いただきたいものと思います。(拍手)     〔国務大臣金子一平君登壇、拍手〕

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 和田さんにお答えいたします。  租税特別措置法の改正について何を明年度は考えておるかということでございますが、御承知のとおり、利子・配当の総合課税の問題が残っております。これを明年度の税制改正までにまとめたいということで鋭意政府税調で検討してもらっておるということを申し上げます。  今日まで、特別措置につきましては、診療報酬の問題を初め幾つかの大きな問題を片づけてまいりまして相当圧縮されたと思っておりますが、なお期限切れの到来のもの、効用を果たしたもの等がございますので、今後も鋭意この圧縮に努力をいたしてまいるつもりでございます。  エネルギー対策の財源をどうするか、一般消費税の扱いをどうするかということにつきましては、いま総理からお答えがございましたので、私もそのとおり考えております。  以上でございます。(拍手)     〔国務大臣金井元彦君登壇、拍手〕

金井元彦自由民主党・自由国民会議行政管理庁長官

○国務大臣(金井元彦君) 和田さんの行政改革に対する御質問にお答えをいたします。  先ほど来総理が御答弁申し上げましたように、定員の削減につきましては、従来を上回る計画をもって昭和五十五年を起点として五年計画でやるようにということでただいま鋭意その作業をやっておるような次第でございます。  なおまた、配置転換につきましては、研修その他の方法を加えることによりまして配置転換がスムーズにいくようにということでいまその取り組みをいたしておるようなところでございます。  なおまた、事務等につきましては、過剰介入になっておるような許認可等あるいはその他の事務についてもできるだけこれを整理するということでその具体化にいま取り組んでおる次第でございます。  また、機構につきましては、民社党からも御提言がございますが、これらをやはり参考にいたしまして取り組んでまいるつもりでございますけれども、公社公団等特殊法人につきましてもこれを洗い直しをいたしまして、できるだけ整理合理化に努めたいと、こういうことでいまその作業を進めておるような次第でございますので、新年度予算に間に合うようにとにかく少しでも実現するようにいたしたい、かような覚悟でやっておる次第でございます。(拍手)     ―――――――――――――

秋山長造各派に属しない議員副議長

○副議長(秋山長造君) 野田哲君。    〔野田哲君登壇、拍手〕

野田哲日本社会党

○野田哲君 私は、日本社会党を代表して、大平総理並びに関係閣僚に対し、緊急の課題にしぼって数点にわたって質疑を行います。  大平総理、異例な形で召集された今回の第八十八回臨時国会での代表質問は私が最後です。私のこの質問が終わると衆議院に解散詔書が提出されるという風聞がちまたにあふれています。もしそうであるとすれば、国民の審判を受ける前の公的な場での論戦は、この野田・大平論争が最後の機会となります。それだけに、問題点の是非について国民各位に率直に理解が得られるよう端的なお答えを希望して、質疑に入ります。  私は、まず、去る七月二十四日に発表された防衛白書と大平内閣の外交政策との関連について、総理、外務大臣、防衛庁長官にそれぞれ見解を伺います。  総理は、今回の所信表明において、「ソ連は重要な隣国であり、同国との間に相互理解と信頼に基づく真の友好関係を発展させていくことは、日ソ両国の利益であるのみならず、アジアの平和と安定に寄与するものであります。」と、こう述べています。園田外務大臣も機会あるごとに全方位外交を強調されています。私たちもこの方針を支持するにやぶさかではありません。しかし、去る七月に発表された防衛白書は、ソ連との友好関係を発展させていこうとする総理の所信とは全く相入れない、ソ連敵視、ソ連の軍事的脅威の誇張に終始しています。そして、八月の山下防衛庁長官の韓国、アメリカ、NATO訪問においても、ソ連の軍事的脅威を誇大に強調し、これに対する西側の対ソ戦略強化を訴えたと報じられています。報道によると、山下長官の行き過ぎたソ連脅威論は、アメリカのブラウン長官からさえたしなめられ、また外務省からもクレームがついたと言われています。総理の所信表明や園田外務大臣が常に主張している全方位外交が政府の対ソ政策の本心であるとするならば、防衛白書に表明されている対ソ認識とは全く相入れないものであり、当然修正されるべきではありませんか。総理大臣、外務大臣、防衛庁長官、それぞれの明確な見解を伺うものであります。  次に、山下防衛庁長官の訪韓、訪米について、総理並びに防衛庁長官にその見解を伺うものであります。  今回の山下長官の訪韓、訪米の一連の行為は、北東アジアにおける日米韓の軍事的結びつきをますます強め、実質的な日米韓三国の西太平洋における集団安全保障体制を目指す危険な行為として大きな危惧を抱いています。去る八月二十日付のアメリカのニューズウイークは、日本は最近アジアでの防衛力を強化するために一層緊密な軍事的な提携を結ぶことをひそかに韓国側に提起をした、こう報じています。一体、山下長官は韓国との間にどのような軍事的提起をしてきたのか、明らかにされたい。  チームスピリット78、79に見られるように、日本を発進基地とした米軍の朝鮮半島における軍事行動の展開や、ますます頻繁になりつつある日韓制服幹部の往来、そして日韓両国の与党国会議員による日韓安保議員連盟の動向などの既成事実の積み重ねの上に、いよいよ公式に政府レベルによる共同防衛体制の協議へとエスカレートしたものという危惧を抱かざるを得ません。この点について総理並びに防衛庁長官の見解を伺うものであります。  次に、フォートレス・ゲールと呼ばれる先般沖繩で展開されたアメリカ第七艦隊、第三海兵水陸両用部隊の合同演習について伺いたい。  今回の演習が沖繩県民に与えた影響は、本土に住む者にははかり知れないほどの大きな不安と恐怖感を与えています。第二次世界大戦で日本の国土の中で唯一の直接の戦場となって、婦女子から老人に至るまでことごとく死と直面する悲惨な体験をし、その後二十数年間日本から切り裂かれて異民族の支配を受けた沖繩県民に、なぜいままた演習とはいえその町や村が戦場となる体験を強いなければならないのでしょうか。  まず、政府がこの演習計画を了承した際にどのような認識を持っていたのか、伺いたい。  また、この演習はアジアのどの地点でのどのような状況を想定をして行われたものか、あわせて伺いたいと思います。  次に、今回の演習は、道路の交通制限や騒音による県民への直接被害はもとより、沖繩県民の恐怖感、不安感など精神的被害を含め、その影響は施設提供区域をはるかに超えた広範なものとなっており、地位協定の範囲を逸脱したものと言わなければならないと思います。外務大臣の見解を伺うものであります。  次に、きのうの小野議員の質問、そして本日の質問に対しても、総理や防衛庁長官は、自衛隊員はこの演習には参加していない、招かれて見学をしただけだと答えておられます。果たしてそうでしょうか。この演習の具体的な作戦行動の中に尉官クラス十数名が戦闘服を着て直接行動に参加していた事実は、防衛庁でも現に私に対して認めているではありませんか。いかなる理由と法的根拠に基づくものなのか。また、この演習の無線交信を自衛隊が担当したと言われていますが、その事実と、それが行われたとするならばそれはどのような根拠によるものであるのか、防衛庁長官の答弁を求めます。  大平総理は、昨年の自民党総裁選挙に際し、有事立法には否定的な態度を表明されました。大方の予想に反しその予備選挙で圧倒的な勝利をおさめられた大平総理の支持者の中には、その有事立法に否定的なあなたの良識に賛意を表した自民党員も相当いたはずであります。しかし、総理が自民党総裁選挙で述べられた所信とはうらはらに、防衛庁内での有事立法制定作業は着々と進んでいると言われます。自民党の総裁選挙においてさえ有事立法に否定的な態度をとった大平さんが選ばれたのであるから、国民の大多数が有事立法に反対であることは明らかであります。それにもかかわらず、防衛庁が有事立法の作業を急いでいるのはいかなる理由によるものなのか、また、その作業は現在どのような段階まで進んでいるのか、防衛庁長官の答弁を求めます。  さらに、大平総理、あなたの有事立法に否定的な態度は、単なる福田さんの積極論に対抗するためのスローガンであったのか、それともあなたの政治理念として国民に訴えたものなのか、端的な所信を伺うものであります。  さらにもう一点防衛庁長官に伺います。いま国民は石油製品の入手困難に直面しています。農業用の灯油、重油、漁業用の燃料など経営に支障を来す状態が出ています。ところが、自衛隊内には莫大な備蓄が行われていると言われています。防衛庁だけは国民の困難をよそに省エネルギー政策とは無縁の存在であっていいのかどうか、防衛庁長官の見解を伺います。  総理はその所信の中で政治倫理の確立を強調し、航空機輸入に絡み、世上とかくの疑惑を生み、政治への不信を招いたことはまことに遺憾であるとして、その政治的道義的責任について国会あるいは幅広い世論の中でその究明が続けられることについては、政府としてできるだけの協力を行うと述べています。このようなそらぞらしい総理の態度こそ国民の政治不信をなお一層増幅させる大きな要因となっていることを私は指摘いたします。  ロッキード事件、グラマン・ダグラス事件と二回にわたって、政府・与党の要職にあった人が航空機の輸入に関連してそれぞれ五億円もの金を受け取っていたという事実について、自由民主党の総裁として国民にどのような責任を感じておられるのか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。  国会での真相究明に消極的な態度を取り続け、うやむやに葬り去ろうとしているのは、総理、あなたが総裁を務めている自由民主党そのものではありませんか。私たち社会党や野党各党は、すでに前国会においても今国会においても、航空機疑惑の真相究明のためには、松野頼三氏が国会で行った証言は明らかに偽証であり、法的措置を講ずる必要があること、また、今回の航空機疑惑の当事者である海部八郎が記した幾つものいわゆる海部メモに常連のように登場する岸信介氏に国会において証人として証言を求めることが不可欠として、関係委員会にその手続を求めてきたところであります。これを否定し続けてきたのは、総理、あなたが総裁の座にある自由民主党ではありませんか。前国会の最後の一週間を混乱、空白に陥れて生活関連法案を廃案にまで至らしめたのは、航空機疑惑の解明を拒否し、解散への舞台づくりを行うことによってこの解明を途絶させようとする疑惑隠しの党利党略そのものであると言わなければなりません。  大平総理、あなたがその所信表明で述べられた国会での疑惑解明に協力する、この言葉が真実であるならば、直ちに私たちがいま求めている国会での必要な措置に自由民主党が応じ、関係委員会での審議を行うよう総裁としての責任あるリーダーシップをとるべきではありませんか。自由民主党総裁である総理の見解を求めるものであります。  次に、内政上の当面の問題について二、三点関係閣僚に伺います。  その一つは、去る八月十日に内閣と衆参両院に対して行われた公務員給与の勧告の取り扱いについて総理府総務長官の見解を伺います。  新聞報道などによりますと、政府はこの取り扱いの閣議決定を、伝えられる総選挙後まで延期したとのことでありますが、勧告後すでに一カ月近くになろうとしているにもかかわらずこの決定が行われないというのはいかなる理由によるものですか。政府は、毎年の公務員給与法の審議に際して、その法改正が著しく遅延することに対して、勧告後可及的速やかに国会に法案を提出することを言明してきておりますが、このたび重なる政府見解は一体どうなっているのでありましょうか。  この問題については、一九六九年十一月十一日の佐藤内閣の閣議決定以降今日まで十年間、勧告の完全実施は制度として定着しています。また、政府はILOの場においても公務員のスト権の代償機能としての人事院勧告は完全実施することを国際的にも公約しているではありませんか。人事院勧告の完全実施はすでに国内的にも国際的にも日本政府の公約済みのことでありますが、一体本年度の勧告をどう取り扱うつもりなのか、総務長官の明確な答弁を求めるものであります。  次に、政府の過疎地域対策について伺います。  総理はその所信で八〇年代は地方の時代と述べていますが、単なる抽象論では今日過疎地域の抱えている問題の解決にはなりません。過疎地域対策緊急措置法は本年度をもってその期限が終了することになっており、過疎地域の町村にとっては深刻な問題となっています。いまこの緊急措置法に基づく措置が打ち切られることは、過疎地域を抱える自治体の行政水準を大きく後退させ、過疎地域住民に深刻な打撃を与えることは火を見るよりも明らかであります。大平内閣の田園都市構想のバラ色の夢よりも、過疎地の住民は当面の具体的な救済策を切望しています。この緊急措置法の延長は当然のことと思いますが、国土庁長官の見解を承りたいと思います。  次に、今後の税制について、多くの質問者に続いて私も重ねて総理の所信を端的に伺いたいと思います。  総理は、その所信で、財政再建のために国民の理解を得て新たな負担を求める、こう述べています。国民の理解を求めるためには、その新たな負担というのはどのような税制であるのか、国民のどの階層にどのような税負担を求めるのか、その内容を具体的に示すことが国民の理解を求める道ではないでしょうか。  巷間伝えられるところによると、総理は衆議院の解散を決意していると言われております。もしそうであるならばなおさらのことその具体的内容を明らかにし、まず国会でその是非、疑問点について審議を行ってその問題点を明らかにすることが先決ではないでしょうか。  さらに総理に端的に伺います。いま国民に新たな負担を求めようと考えておられるのは、一般消費税の導入でしょうか、それとも所得税の引き上げでしょうか、あるいはそれ以外の手段を考えておられるのか、端的にお答えをいただきたいと思います。  次に、昨年、同和対策事業特別措置法の三年間延長決定の際、関係団体の強い要望によって三項目の附帯決議が採択されました。政府にはこの三項目の決議を完全に実施していく姿勢なりあるいは熱意が全然示されておりませんが、部落問題を根本的に解決していく具体的な計画を明確にしていただきたい。  また、数兆円という膨大な残事業について、残る二カ年の間に完全消化するための具体的な計画を明らかに示していただきたいのであります。  さて、大平総理、私がこれから伺うことが衆参両院における代表質問の最後であります。  あなたはすでに解散を決意していると言われています。大平さん、あなたが本当に解散を決意しているとすれば、その理由は一体何ですか。  いま日本の政治にとって必要なことは、あなた自身もその所信で述べられた当面する緊急課題への対応、すなわちエネルギー問題、財政再建対策、航空機疑惑の徹底解明、そして迫り来るインフレへの対策、これらの課題に適切に対応することが政府並びに与野党に課せられた共通の任務ではないでしょうか。総理自身が当面する緊急課題への対応としてその所信を述べながら、その具体的な審議の道を封じて衆議院解散の挙に出ることは、憲法第七条に基づく解散権の乱用であり、政治の私物化と言わなければなりません。  ロッキード事件、グラマン・ダグラス事件が公判においてその深層部が一層国民の前に露呈される中での国会での解明を逃れるための疑獄隠し、これから国民生活を直撃するインフレ、物価高による国民の批判を事前にかわそうとする失政隠し、国民に大きな税負担をもたらそうとしている増税の内容をあいまいにしたままの増税隠し、そして来年の自民党総裁選挙を目指しての大平派の基盤づくり、このような名分なき解散、党利党略、派利派略の解散という指摘、批判に対して、大平総理、あなたがそうではないと言われるならば、その大義名分を明快に答えられることを最後に求めて、私の質疑を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 野田さんの第一の御質問は、防衛白書についてでございます。  私は防衛白書は最近の国際軍事情勢とわが国周辺の軍事動向等を冷静客観的に分析したものであると思っております。したがって、ソ連との友好関係を発展させる外交とは何ら矛盾するものではないと評価いたしております。  それから山下防衛長官の訪韓、訪米時に三国間に軍事提携というような約束がなされたのではないかという御懸念を表明されました。  私も山下長官から御報告を受けたわけでございますけれども、韓国との間におきましては相互理解の増進であり、訪米につきましては国防長官との間の定期協議が目的でございまして、御質問のような軍事的提携という約束がなされたとは承知いたしておりません。  第三の御質問は、有事立法についてのお尋ねでございました。  私が否定的であるという御意見でございますが、正確ではございません。実は私は自衛隊法自体が有事立法だと思っておるのであります。相当周到に立法された、有事における対応できる立法だと思います。したがって、この有事立法というものにつきまして、社会経済情勢が変わってきた場合に、防衛庁がその改正を必要とするかしないかについて検討することは当然だと思っておるのでございます。そういうことをしちゃならぬというのは少し乱暴じゃないかという見解を持っておるわけでございまして、また、いまの自衛隊法自体が有事立法でございますので、そのほかに有事立法を必要とするというようには考えていないわけでございます。  それから航空機輸入に絡む疑惑が起こりましてわが党関係者にも関連者が出てまいりましたことは、自由民主党総裁として大変残念に思っております。こういうことの起こりましたことの反省に立ちまして、われわれは、まず第一に、わが国の開かれた民主制度というものをあくまで堅持してまいりまして、どういうことが起こりましても事態が明らかになるような体制をわれわれの責任で体を張って維持していかなければならぬということをまず痛切に感じております。  それから第二には、起こりました不幸な事件は真相の究明はされなければならぬと思いまするし、その真相の究明は、刑事責任を問うばかりでなく、政治責任、道義責任も当然問うべきであると思います。したがって、国会等におきましてこの究明がなされておるわけでございますから、政府は誠意を持ってこれに協力してまいるのは当然のことと考えております。  同時に、こういう事件の再発をいかにかして防止しなければならぬ。そのために今日なすべきことがありはしないかということで政府の立場において検討いたしましてなすべきことをなそうといたしておるわけでございまするので、政府の立場、政府の真情につきましては御理解をいただきたいと思います。  それから財政再建に絡んでの新たな負担というのを明確にせよということでございます。  財政再建というのは、私は、赤字公債を膨大なことになっておりますけれども五十九年までにはなくさしていただきたいということでございまして、そのためには、歳入、歳出全般を通じまして極力見直しを行いまして必要な財源の調達を図りたいと思っておりまするけれども、それでもなお足らない部分につきましては、事が起こりましたならば、それについてどういう税目でどの程度お願いするかということは五十五年度の予算の編成のときに具体的な答案を出させていただきたいということを申し上げておるわけでございます。  最後に、政局転換についてのお話でございました。  経済はおかげをもちましてだんだん回復の軌道に乗りました。内需に支えられまして景気も回復し、雇用も改善してきております。輸出も順調でございます。物価は、卸売物価につきましてやや警戒すべきものを持っておりますけれども、全体としていま落ちつき傾向を示しておりまするし、消費者物価につきましては目標を守り切ることができそうな形勢でございます。しかしながら、エネルギーの制約、財政事情というのは厳しさを増してくるわけでございます。したがって、これからわれわれが対応しなけりゃならぬ問題はますます厳しさを加えるであろう、国民生活を守り抜いていくためにはよほどの決意を持って当たらなければならぬと考えております。かたがた、前の総選挙をやりまして三年たったわけでございまして、このあたりで政局を一新いたしまして新たな体制で新たな勇気を持って事態に有効に対応すべきであるという見解も国民の間にだんだんと理解を得つつあるように私は判断をいたしております。(拍手)    〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。  ソ連が世界的軍備増強の一環として極東の軍備を増強しているという客観的事実、この事実に基づいて極東の平和のために非常な影響と注意をすべきであるということは、私も防衛庁長官も一致した意見であります。ただし、これに対応する処置というものは、あくまでこれは冷静を失ってはならない。少なくとも極東の平和、アジアの平和というものは、抑止力を維持しながら、その平和を維持しながら、ソ連の国との友好関係を逐次進め、安定の方向に持っていくということがきわめて大事であり、これが日本の外交の基本であるということは御発言のとおりであります。  沖繩における演習は、訓練によって対応する能力を維持し向上するという日米安保条約の抑止力による目的から逸脱するものではないと考えております。ただし、演習実施に当たっては、諸規則を遵守し、その上、かつ、地域住民の生活に与える影響、安全、こういうことについては細心の注意を払われるよう強く米軍には要請しているところであります。  御発言の中の道路の横断、これは交通安全を確保するための調整の範囲内で行われたものと解釈をいたしておりまするし、農地の立ち入りは、施設区域内のいわゆる黙認耕作地域内の立ち入りであると解釈しておりまするので、地位協定に違反するものではないと考えております。(拍手)    〔国務大臣山下元利君登壇、拍手〕

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) お答え申し上げます。  防衛白書につきましては、総理大臣、外務大臣からすでに御答弁がございましたが、これは防衛庁といたしましては最近の国際軍事情勢とわが国周辺の軍事動向等を冷静に客観的に分析したものでございまして、ただいますでにお述べになりましたようにソ連との友好関係を発展させる外交とは何ら矛盾するものでないと考えております。したがいまして、防衛白書の記述、表現を改める必要はないものと考えておる次第でございます。  次に、私は七月に韓国を訪問いたしましたが、これは一番近い隣国であります韓国との相互理解の増進を図るためのものでございまして、また、八月の米国訪問は、これはアメリカの国防長官との定期協議が目的でございまして、それぞれそういう目的で参りましたわけでありまして、御指摘のような三国の軍事提携とかあるいは秘密協定などというようなことは全くございませんので、その点は御理解を賜りたいと思います。  なお、沖繩において行われました米軍の演習の目的は、水陸両用船上陸演習を通じまして第七艦隊の海軍及び海兵隊の部隊並びに指揮官、幕僚を演練することにあると承知いたしております。本演習は特定の地域での紛争を予想して行ったものではございません。そのように御理解を賜りたいと思います。  なお、この演習に自衛隊関係者が参加したじゃないかということでございますが、これは繰り返し御答弁申し上げておりますとおりに、米側からの招待を受けてこの演習を見学しただけでございます。ただ、尉官クラスの者は、その第一線指揮官の指揮ぶりをつぶさに把握するために、ヘルメットに「見学者」と明示した上で迷彩服を着用してともに移動したものでございまして、その自衛隊関係者らが演習の無線交信を担当したじゃないかということでございますが、そういう事実は全くございません。  なお、有事法制の研究につきましては、これは昨年九月の統一見解で政府が示しました考え方に基づいて行っているところでございます。現在、防衛庁所管の法令を中心といたしまして、その他の関係法令につきましても、自衛隊の行動にかかわる事項について有事の際不備があるかどうか、慎重に検討を進めているところでございます。  なお、石油の問題についてお答え申し上げます。  防衛庁といたしましては、有事に備える目的でございますが、平素から石油を貯蔵することは御理解を賜れると思う次第でございますが、防衛庁といたしましては省エネルギー・省資源対策推進会議の決定に従いまして各種の節約措置を厳重に励行するほか、教育訓練用の燃料につきましても可能な限りの節約に努めている次第でございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 私に対します第一のお尋ねは人事院の給与勧告についてであります。  この点につきましては、従来同様にこれを尊重してまいるという考え方に立っております。そこで、具体的には国民の理解もこの厳しい財政状態でございますので受けてまいりたいとも考えておるわけでございまして、関係省庁におきまして鋭意総合的な判断、それから諸般の事情検討などをいたしておるところでございます。この結果が出てまいりますれば早急に結論を出してまいりたいというところでございます。  次に、同和対策についてのお尋ねでございます。  同和対策事業特別措置法が三年間延長されまして、その際三項目の議決を衆参でなさったことは承知をいたしておりますが、その線に沿いまして本年度の予算も計上してまいっておることはすでに御承知のとおりでございます。特段の予算増加をお願いしてまいったところでございます。今後におきましても、御決議の線に沿いまして、いまきわめて財政的に厳しい状態の中にはございますが、同和問題の緊要性等にかんがみまして、速やかな問題の解決を目指して特段の配慮をしてまいる所存でございます。(拍手)    〔国務大臣中野四郎君登壇、拍手〕

中野四郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(中野四郎君) 今国会最後の御答弁を申し上げます。  御質問は、過疎地域対策緊急措置法を延長する意思はあるかというお尋ねでございます。  全国市町村の三四%を占めておりまする過疎地域の振興につきましては、昭和四十五年以来、過疎地域対策緊急措置法に基づきまして計画的にその対策を講じてまいりましたが、道路の整備など相当の成果を上げてきたと思います。しかし、他地域との間に依然として格差が存することは事実であります。なお残されました課題も非常に多いのでございますから、この法律が明年三月末をもって効力を失うこととなっておりまするが、当然延長すべきと考えておりまするけれども、この法律制定の経緯にもかんがみまして、関係各方面と十分御相談の上、御質問の御趣旨に沿うようにしてまいりたいと存じております。(拍手)

秋山長造各派に属しない議員副議長

○副議長(秋山長造君) これにて質疑は終了いたしました。  休憩いたします。    午後一時十三分休憩      ―――――・―――――    午後四時三十七分開議

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、宇宙開発委員会委員に山内正男君を、  国家公安委員会委員に今井久君を、  中央社会保険医療協議会委員に高橋勝好君を、  日本電信電話公社経営委員会委員に横田郁君、吉國一郎君を任命することについて本院の同意を求めてまいりました。  まず、宇宙開発委員会委員、中央社会保険医療協議会委員の任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもっていずれも同意することに決しました。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 次に、国家公安委員会委員、日本電信電話公社経営委員会委員の任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、いずれも同意することに決しました。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 日程第二 医薬品副作用被害救済基金法案  日程第三 薬事法の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告をへ求めます。社会労働委員長久保亘君。     ―――――――――――――    〔久保亘君登壇、拍手〕

久保亘日本社会党

○久保亘君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、医薬品副作用被害救済基金法案の主な内容は、医薬品の副作用による健康被害を迅速に救済するため、医薬品の副作用による疾病、廃疾または死亡に関して医療費、障害年金、遺族年金等の給付及び保健福祉事業を行うとともに、これに必要な費用の徴収を行う医薬品副作用被害救済基金の設立、管理等について定めるほか、基金が当分の間既発生被害の救済についても必要な事業を行い得るようにすること等であります。  次に、薬事法の一部を改正する法律案の主な内容は、医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保を図るため、日本薬局方収載医薬品についても製造の承認を要することとする等により製造承認の制度を整備するとともに、医薬品等につきその適正な位相のための規制措置を整備すること等であります。  委員会におきましては、以上二案を一括議題として審議を進め、製造物責任制度の薬害救済への導入、スモン患者に対する恒久対策の具体化と充実策、副作用情報の収集体制と伝達方法の整備、中央薬事審議会の組織、人員の強化策等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終了し、討論なく、順次採決の結果、二法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり、可決すべきものと決しました。  なお、両案に対し各会派共同の附帯決議案が片山理事よりそれぞれ提出され、いずれも全会一致をもって本委員会の決議とすることに決しました。  以上御報告いたします。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、  恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長桧垣徳太郎君。     ―――――――――――――    〔桧垣徳太郎君登壇、拍手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○桧垣徳太郎君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、現行の恩給年額を昭和五十三年度における国家公務員給与の改善を基礎として、本年四月分以降平均三・六%増額するとともに、普通恩給等の最低保障額の引き上げ、旧軍人等の加算年の年額計算への算入要件の緩和、八十歳以上の高齢者に対する算出率の特例措置の改善、短期在職者並びに旧海軍特務士官等の仮定俸給の改善等を行うほか、所要の措置を講じようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は、会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わりましたところ、野田委員から、国家公務員共済組合法等の規定による既裁定年金の額を恩給の改正内容に準じて引き上げることを主たる内容とする修正案が提出されました。  別に討論もなく、採決に入りましたところ、野田委員提出の修正案は否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、林理事より恩給受給者の処遇改善に関する各党共同提案に係る附帯決議案が提出され、全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 日程第四より第一八までの請願を一括して議題といたします。     ―――――――――――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) この際、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。     ―――――――――――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 本件は、各委員長要求のとおり決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、本件は各委員長要求のとおり決しました。  これにて休憩いたします。    午後四時四十八分休憩    〔休憩中衆議院が解散され、同時に本院は閉会となった〕      ―――――・―――――

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