予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 181 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/03/28
会議録
○八木一郎君 ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。 これより主査及び副主査の選任を行いますが、選任は投票によらず、主宰者の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木一郎君 御異議ないと認めます。 それでは、主査に瀬谷英行君、副主査に下条進一郎君を指名いたします。 ————————————— 〔瀬谷英行君主査席に着く〕
○主査(瀬谷英行君) ただいま皆様の御推挙によりまして主査を務めることに相なりました瀬谷でございます。皆様の御協力を得ましてその責務を果たしたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。 審査に入ります前に、議事の進め方についてお諮りいたします。 本分科会は、昭和五十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、通商産業省、経済企画庁、防衛庁、外務省及び大蔵省所管を審査することになっております。 来る三十日の委員会において主査の報告を行うことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日は通商産業省、明二十九日は、午前、経済企画庁、午後、防衛庁及び外務省、三十日の午後、大蔵省の順序で進めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(瀬谷英行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(瀬谷英行君) この際、お諮りいたします。 各省庁予算審査の冒頭、各省庁から聴取する予算の細部にわたる説明は、これを省略し、それぞれの審査日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(瀬谷英行君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○主査(瀬谷英行君) 昭和五十四年度総予算中、通商産業省所管を議題といたします。 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○大木正吾君 私は主として最近問題になっています東京ラウンド関係について伺う予定でございますけれども、そのことに入ります前に、きのうOPECの総会で問題になりました原油値上げ問題につきましての通産省の対応の仕方について伺っておきます。 一つは、物価に対する影響が最大の問題でしょうが、これについて関連業界あるいは便乗値上げ抑制等に関しましての御指導等をされる準備がありますかどうですか、その辺の御返答をお願いします。
○国務大臣(江崎真澄君) 御承知のように、昨日、OPECの総会の値上げ結果が明らかになってまいりました。これはすでに気構えられておりました一〇%値上げ、十月に複式計算で一四.五%程度の値上げ率と言われておったわけでありまするが、これを四月に繰り上げ実施する。これだけならばまだしも、あと各国の事情によって適宜プレミアムをつけることができる。最初は二ドルから四ドル程度というような話もあったそうでありまするが、結果においては上限は決めない。その面から言うならばまことに乱暴な話でありまして、相当大きな値上げ幅ということが言えると思います。当然これは世界経済の発展にも影響しましょうし、わが国経済にもやはり影響なしとしないというので、昨夜来通産省としてはいろいろ協議をしておるわけであります。いま経企庁側もちょっとまだ、これが急なことなものですから、さてGNPにどの程度の影響をもたらすかという点については、私も午前中の予算委員会でもお答えしておりましたが、なかなか定かなことが言いにくいということを言うのですね。直接効果としては、すでに御承知のようにこの一〇%の値上げ率というものは織り込み済みですから、これが半年繰り上がっただけであるならば直接効果としてはGNPを〇・〇五%程度引き下げるであろう。ところが一方、プレミアム一ドルついたものがどういう形で入ってまいりますか、これも速度の問題があります。四月から値上げをするといっても、商品に回転するまでは普通四十五日間がランニングストック分と、こう言われますが、石油会社の商習慣などで七、八十日先にその値上がり分の影響を出してくる、こういうわけですから、恐らく六月ごろと見ていいわけですね、従来の習慣から言うならば。ところが、そのプレミアムが一ドル上がるごとに〇・一五%程度今度はGNPを引き下げることに作用してくる。したがって、高い油がたくさん入ってまいりまするというと、これはどうしても国内生産に大きな影響をもたらすということが見通されるわけでありまして、今後とも極端に高値づかみをしないように各商社に要請をしていくことも私は必要なことだと思います。これは大体油というのは御承知のように長期取り決めでやっておりますから。 それから、とりあえずこれが卸売物価にどの程度影響をするかというと〇・六%、消費者物価には〇・三%から二%程度の引き上げ効果をもたらすのではないかということが言われておる次第であります。したがいまして、今後、いま申し上げたような経過でこの値上がり分が消費者に転嫁されてくるわけでありまするので、かりそめにも便剰値上げということになりませんように、石油及び関連製品というものはもろもろの物価に大変な影響を及ぼすものでありまするから、十分私ども通産省としてはこの値段の動向を注意してまいりたいというふうに考えております。
○大木正吾君 要望だけ申し上げておきますけれども、いずれにしましても、成長率に対する影響、物価その他景気等に対して影響が出てきますから、いま大臣がおっしゃった最後に注意、注目という言葉がありましたけれども、ぜひ適当な時期に、やっぱり一番の問題はインフレ問題ですから、そういったことについて厳重な注意をしていただきながら、行政指導等をぜひお考えおきいただきたい、このことをお願い申し上げておきます。 さて本論に入りますが、牛場代表がきょうアメリカに立ったわけであります。どの程度の政府調達物資の開放の腹構えで立ったものなのかどうなのか。これは外交問題でもございますから余りはっきり伺えないかもしれませんが、もし支障がなければ外務省の方が来ているはずですからお答えいただきたいと思います。
○説明員(池田廸彦君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、ただいままさに交渉中の案件でございますので、細部につきましては言及を差し控えさせていただきたいと思いますが、しかし、この問題は東京ラウンドの早期妥結及び日米経済関係の円滑な発展というこの二つの側面におきまして非常に重要な意味を持っております。したがいまして、何とかこれを早く解決したいという方針で対処いたしております。他面、たとえば電電公社問題をとりますと、技術的に非常に複雑な問題、それからさらに政府調達分野の中でのバランスの問題、それからより広くは東京ラウンドの交渉全体の中でのバランスの問題、このような問題点が含まれております。こうした問題点を踏まえまして、私どもといたしましては、主にアメリカ側に対しまして日本側の主張を強力にかつ説得力を持って交渉を進めている次第でございます。 ただいま御指摘のように、牛場代表は本日夕、アメリカに向かって出発いたします。他方、東京ラウンド交渉は、恐らくは四月上旬に実質的な交渉を締めくくる段階に達すると思われます。この日程をにらみまして、政府調達問題につきましても早急な収束を図りたい、かような方針で対処いたしております。
○大木正吾君 仮定の問題としまして、五十五億ドルとか五十億ドル強とかいう話がマスコミの紙上等に出てまいりますが、こういったことを頭に置きながら伺いますが、電電とか中央官庁、国鉄等を含めて、専売さんもそうですけれども、関係官庁との話はコンセンサスは得られておるわけですか。
○説明員(池田廸彦君) この問題は主管官庁が多岐にわたりますので、常時関係のあります官庁間で、また各レベルにおきまして密接な連絡をとりつつ対処してきております。
○大木正吾君 それでは、大臣にちょっと関連して参考に見てもらいたいのですが、四十一年にできました法律で、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律、こういうのがございまして、これが四十八年に改正されまして現行になっておるわけですが、実は電電関係といいますと、私の立場から、セクトになってもいけませんから余り言いたくはないのですけれども、中央官庁分三十五億ドルというくだりになりますと、三十五億ドルは、約二百円強としまして一兆一千億くらいになりますかね、そういったものが七千億ぐらいですか、仮にアメリカ調達物資という形でもってアメリカから入ってきますと、実際この政府関係、中央官庁へ入っています品物は恐らく中小企業製品が多いというふうに感ずるのですけれども、この法律からしますと、中央官庁に納入します中小企業者の立場ですね、これは中央官庁三十五億ドルということを新聞紙上で拝見するのですが、その関係では法律との関係を議論された経過はございましょうか。
○政府委員(左近友三郎君) それでは数字の問題がございますので御説明をさしていただきます。 現在、いま御指摘にありました法律に基づきまして、毎年この官公需に対しまして中小企業向けの比率を増大させるような努力をいたしておりますが、昭和五十二年の実績で国と公社、公団、これは当然電電公社も入るわけでございますが、含めましてこれは物品の調達、役務の調達、工事というようにいろいろございますが、主として問題になります物品につきまして申し上げますと、大体この五十二年の実績は、中小企業製品の発注比率が物品につきましては二八・七%ということになっております。したがいまして、政府といたしましては、この比率を増大することに毎年努力を傾けておるわけでございます。そういうことでございますので、今度の調達問題でどの程度の影響があるかということでございますが、これはいま各国で検討の行われております政府調達コード問題というのがございまして、その中で政府調達の重立ったものについて国内と国外との差を設けないという方針の議論がなされておるようでございます。ただ、その発注の小口なものについてはある程度線を引いて除外をしようという議論もあるやに承っております。これがどの程度になるか、これは今後の交渉問題でございますが、そういう形を推進いたしまして、この中小企業向けの物品の調達については影響が来ないような形で処理をいたしたいということで政府部内でもいろいろ御検討願っておるというのが現状でございます。
○大木正吾君 これについて具体的に関係官庁の関係者が集まって相談をされた経過はあるわけですか。
○国務大臣(江崎真澄君) これは関係官庁が集まって具体的にどうするということは、まだ交渉中ですから、これはやはり手の内を見せるようなものですからね、いよいよこれだけ譲ることになったかと。先ほどの外務省側の答弁で事は尽きておるわけでありまするが、私はたまたま関係者の一人でもありまするので、きのうも総理ともお話をしておったことですが、やはり牛場特使が向こうへ行かれた、向こうは競争入札ということを非常に強く言っておるんです。ところがATT、アメリカの民営の電信電話会社の場合は競争入札はやっぱりやっていないそうです。随意契約という形で、その中に日本及び諸外国を取り入れて指名をして入札に参加させる、こういう形をとっておるわけです。そうして、調査によりますと、おおむね一五%から二〇%近くをそういうやり方にゆだねておるということだそうです。欧州諸国の国営の場合も同じようなことが言える。言うならば、これはアメリカ側の言い分かもしれぬが、互恵平等の立場からいっても日本のそういう政府調達コード作成に当たって、その点だけは努力する必要があると思うということを強く意見として私は申し上げておきました。まあこれからどういうことになりますか。 それで、中小企業に対する影響という面はこれは全然ないなどと言ったら言い過ぎだと思います。しかし世界的なレベルにもう達しておる。むしろ電電公社に言わせると、一位と言われるというくらい故障はないしサービスはいいというこの日本の電電の危機でありまするので、世界の競争の場面にさらされても相当競争には耐え得るというわれわれは自信を持っておるのでありまするが、そうかといって中にはやっぱり弱小なものもありまするので、もとより決まりました場面においては十分ひとつ責任を持ってこれらの中小企業対策には努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○大木正吾君 総額が五十億ドルを超えるわけですから、その意味合いで大変日本の中小企業等の雇用関係に影響が大きい、こう考えまして伺うのですけれども、いずれにしましても、外務省の側に無理に数字を言わせるつもりはございませんが、まあとにかく国鉄、電電関係の方は少なくても戦略的な未来型産業についての随意契約や競争入札については余り賛成していないと思うのですが、そのことは別にしまして、いま私が伺っていますことは、通産省のこの法律、四十八年の十月十五日、法一〇五号、これに関しまして中小企業の発注を拡大する、確保するという法律がございますから、このことをごらんになった上でもって中央官庁分についてお話を進めたかどうか、そこのところを聞いているのです。
○政府委員(左近友三郎君) 毎年この官公需の中小企業向け受注増大につきましては、各省と御相談をしながら進めてまいっておるわけでございます。したがいまして、今後、何と申しますか、国際的な問題が影響を及ぼすようであれば、われわれとしても各省とも御相談をしたいと思っておりますが、今回のいろいろな問題について、ことに国際的な高度の議論については、むしろこういう法律の運用については中小企業庁がいわば中心になってやっておりますので、中小企業庁として関係方面にいろいろ御意見を申し上げて、この中小企業への影響を極力少なくするように努力をしておるというのが現状でございます。
○大木正吾君 余り詳しく検討してないようですが、これはおきます。 電電関係について、予算委員会の一般質問で大臣の方からお答えがあった記録を拝見いたしましたものですから、ここで再確認の立場でちょっと申し上げさせていただきますけれども、大臣の御答弁の中には主として技術問題についての御理解もいただいているようですし、同時に先進工業国並みぐらいの比率ではという話もあったようですし、同時に無理をして云々という話もあったようですし、そういった意味では相当程度御理解が進んだと、こう考えるわけなんです。ただ、外務省が出しました経済局の文書との関係でいきますと少しくこの辺がひっかかるのですけれども、外務省の御認識がその後においても変わっているかどうかなんです。要するに、電電関係の発注問題が市場閉鎖についてシンボル的な立場でもって理解をされたと、こういう文書が出ていますね、経済局の方から。知っておるはずですけれども、その考え方はいまでも変わっておりませんか。とにかく大臣がいまおっしゃったアメリカのATTでも、まあ企業の形態は違いますけれども、ほぼ特別の会社に対して随契的にやっておる、こうおっしゃっているわけですね。そうしますと、この外務省の経済局の文書、二月二十六日ですけれども、この内容については変えるなり理解が若干違っておったと、こういう御理解はできませんかね。
○説明員(池田廸彦君) まずシンボル、象徴という点につきましては、私どもがそのように考えているということではございません。客観的に各種の資料を収集いたしてみますと、往々にしてシンボルという字がアメリカ側において使われておる。この事実をお知らせするという趣旨でそのような表現をとったのでございます。それがもっともであるとかそのとおりだというような考えはいままで持ったことはございません。
○大木正吾君 それでは、アメリカがそう言っておるということですから、外務省自身は、私の勝手な取り方とおっしゃるかもしれませんが、江崎大臣とほぼ同じような見解と受けとめてよろしゅうございますか。
○説明員(池田廸彦君) 先ほども申し上げましたとおり、常に関係の各省庁との、この場合にはもちろん電電公社を含みますが、密接な連絡をとりまして、わが方としての考え方をまとめ、それをアメリカ側に強力にぶつけていく、こういう姿勢で交渉をいたしております。
○大木正吾君 それでは逆に、電電と国鉄関係の方がお見えと思いますから伺いますけれども、まず国鉄関係はこれははっきりまだしませんけれども、一つ問題になりますことは、コンピューターを含めるかどうかということについてだけ伺ってみたいのです。 それから電電関係につきましては、電電の方は随契に、どうしても公衆通信設備等については競争入札はできないという理由について、再確認する意味でもって少し述べてみてもらいたい、こう考えておるわけです。国鉄、電電にお願いします。
○説明員(馬渡一眞君) コンピューターのお尋ねでございますので、その部分について申し上げますが、現在国鉄が使用しておりますコンピューターの使い方といたしましては、たとえば旅客の切符の販売をいたしておりますみどりの窓口のようなシステム、あるいは新幹線の運転を全部つかさどっておりますシステムというようないわゆるオンラインでつながっておるような形で使っておりますもの、運転あるいは営業に直接関連があるというもので申し上げた方がいいのかと存じますが、それと、それから経理、資材の仕事、これをいわゆる単順な企業計算のようなものから統計類を作成するところまで、その場合におきましてはむしろ地方と本社が直結をしておる、これもシステム化されたかっこうで使っておると申し上げられようかと思いますが、その部分と、それから技術研究所のように単独でそこで使っておるというかっこうのものとあるわけでございますが、いずれにいたしましても、現在私どもの考えております考えでは、それぞれのところにシステムとして使っておる部分が大部分でございますので、一応ある部分だけを取りかえるというような場合におきましても、やはり現在あるものとの調和を考えて発注しなければならぬという考え方から随意契約ということを原則にいたしたいというふうに考えております。先般ちょっと問題が出ました点につきましては、実は外国製品を技術研究所で使うということで入れたわけでございますが、その場合でも随意契約によって入れた、私どもは外国製品を使うことあるべしとは思っておりますけれども、契約方式としては随意契約を原則にしてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(山内正彌君) 先生御質問の件につきましてはしばしば予算委員会等においても公社から態度を表明しておりますので、簡単に申し上げたいと思いますけれども、電電公社といたしましては前から申し上げておりますように、国民に対しまして良質で安定な電気通信サービスを経済的に提供するということをその責務としておりますけれども、競争契約で物品を購入いたしますとそれが守れなくなる危険があるというふうに心配しておるわけでございます。 まず経済性の問題でございますけれども、一般に競争契約で物を買いますと安く入るというのが常識のようになっておりますけれども、電気通信設備のように非常に特殊なものにつきましてはその原則が必ずしも貫徹しないということでございます。つまり、電電公社で使っておりますような電気通信設備というのは非常に特殊なものでございまして、特注品でございますために、計画生産によって多量に生産しておいて注文があったらそのときいつでも出すというものではございません。したがって、これを競争入札にいたしますと、ある時期に多量に注文が来るかと思うと次の時期にはなくなるというようなことでございますと、大きな製造設備を持っておってもそういうものがみんな遊んでしまうというようなことで、結果としては調達物品のコスト増を招くというようなことになります。また仮に安い品物が買えたといたしましても、製造会社によってまちまちの機械を通信の現場に入れますと、これを保守する場合あるいは建設する場合等でそれぞれの会社によりまして設備が違いますものですから、保守者もそれ相当に会社別に分けなければならぬとか、保守用の装置であるとか部品であるとかというのを別々に用意しなければならぬというようなことで、結果といたしましては業務の著しい能率低下を来すというようなことで、結局はコストアップにつながるというようなことでございます。また、多数の応札業者に対しまして十分な工場調査等ができないということのために、こういう設備に必要な高い信頼性を確保することが困難であるというようなこともございます。それから、これも競争契約の場合には、会社といたしましてはそういう注文が来るかどうかわからぬわけでございますので、注文が参りましてから生産準備をして生産するということになりますので、調達期間が大幅に延びるというような心配もございます。現実の問題といたしまして、現在電電公社では注文いたしましてから主要な品物が入ってくるまでに大体六カ月から七カ月ぐらいで入っておるわけでございますが、国際的な慣例といたしましては、競争入札にした場合には大体三年ぐらいの期間を要するのが普通だというのが常識になっております。イギリスの電電公社が発足当初競争契約という制度を採用したことがございますが、約三年ぐらい後にこれを取りやめまして、わが国と同じように随意契約に直したわけでございますが、そういうこともいま私が申し上げましたような理由を、やはりイギリスも実際にやってみまして痛感いたしまして取りやめたというふうに伺っております。
○大木正吾君 電電に対して、特に私の方から注文なんですけれども、やっぱり大臣にも御理解いただいたようですけれども、技術の面から統一的にシステム的なことはわかるわけだし、同時にいま話がありました三年間云々ということからコストのアップ問題も出ましたけれども、やっぱり国民が理解のできる、なぜ随契で行わなくちゃいけないか、ここのところの説得力がどうも電電の方々の発言の中にはちょっと薄いのですね。ですから、サービスが低下をするとか、あるいは地震とか災害があってもしも寸断されてしまったときには、どうしても関係部品が要るといったとき間に合わぬことが起きてしまうとか、もうちょっと国民に対して、サービスの面からこういったことはかえって問題が起こる、こういうふうに話してもらいたいと思うのですが、そういったことについては余り電電の側としては考慮していないのですか。
○説明員(山内正彌君) 大変先生から鋭い御指摘を受けまして申しわけないと思っておりますが、そういう点につきましてもわれわれは大変心配をしている点でございます。いま先生から御指摘がございました災害というような例を挙げてまいりますと、たとえば日本のように地震が多いというような国におきまして、ある地域で大きな地震が起きたというような場合には、現在の体制でございますと、全国各地から保守者を集めまして、その各地に分散して持っております保守用の部品なり装置なりをそこへ集めて直ちに修理をするというような体制ができ上がっているわけでございますが、いま申しましたように、競争契約等によって品物が入りますと、そういう装置、方式の統一が図れなくなりますので、せっかく保守者が参りましても自分のところで保守している品物とは全く違う物品ではそれを直しようもない、あるいは持っていった保守用の部品もそこに合わないとか、保守用の装置もこれに適合しないというようなことになりまして、修理に非常に時間がかかってお客様に御迷惑かけるというような事例が生ずるわけでございます。
○大木正吾君 大体形はわかりました。 大臣に伺いたいのですが、きのう実は官房長官にお会いしたのですけれども、無理はさせない、同時に国民の立場に立って物を考えたい、こういうお話が要点としてございましたが、やはり貿易収支問題の赤字から結局アメリカがいろいろと言ってきたわけでしょうけれども、最近の円の相場を見ていますと、きのう二百五円か六円ですね。OPECの動向に絡んでこれはどういうふうになりますか、円安傾向がもう少し進むのかもしれませんが、そういったことの関係等もございますけれども、やっぱり各国が国によって経済の手法が若干違いますから、雇用重点にしていきますと、やっぱりアメリカの場合に去年は大分インフレ傾向が強かったわけです。日本は逆に、大臣が政調会長の当時ですか、長期の引き締め政策をやってきたわけですね。そういった国々のとってきますところの経済政策の形でもって貿易のバランスが変わってきますから、私はやっぱりアメリカの言ってきているアンバランスを埋めたいという気持ちはわかるけれども、要するに個別の商品なりをここでもっと洗ってみることも必要でしょうけれども、その国のとってきた経済政策、こういったことを東京ラウンドあるいはその後のサミットの会議等におきましても問題にされる用意が多分あると思うのです。やっぱり経済の先進国同士のやり方についての調整等がないと、実勢以上に円が評価され過ぎまして、そしてまた大変な押し込み的な輸入を受けて倒産が起きたり失業が起きたりしますと問題が起きますから、そういったことについて、やっぱり貿易収支だけで物を見るのではなく、その背景ということをしっかり見てもらいたい、こういった気持ちがあるのですが、その辺、大臣どうでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) おっしゃるとおりだと思います。私どももアメリカ側にも、いつも日本のよって来る立場、特に輸出立国で来ておる無資源国のあり方、輸出によってある程度外貨をかせいで、また原材料を入れて、そして国民が生活をしていかなければならぬという立場などをよく説明するわけですが、何といっても七十五億ドルからまた、まあこっちでは通関ベースで百一億ドルと言っているが、日米関係の貿易インバランスだけでも百十六億ドル——百二十億ドルというイメージで、アメリカの赤字の半分は日本だ、しかも日本のことしの国際収支の黒字残はアメリカでもうけたそのものにぴしゃりと当てはまるといったような形で、アメリカの議員が特に声を大にして日本に迫ってくるわけですね。 ですから、私は今後ともやはり日本の特殊事情、日本の特に経済の根のまだ浅いこの経済構成、それから社会資本の投下程度に至っては中進国並みですね、アメリカなどに比較すれば。そういった形などについても、よく議員対議員という形で説明をする必要がある。かつて日本が占領を受けておったころの議員というものはやや日本人及び日本の傾向というものに理解を持っておりましたが、もうそういう人がほとんどリタイアしておりませんですね。マンスフィールド大使なんかもその一人であったわけですが、もうこれもおやめになって、たまたま日本の大使になられたというような形でありまするので、特に今後、この局面の打開という当面の処理と、それから中長期に立っての処理というなら、私は、経済計画で数字で示すことも大事ですが、やっぱり日本の立場を十分アメリカの議員を中心に理解を深めるということも必要だというふうに考えております。 まあしかし、何といっても年を追うてアメリカとのインバランスが増大するという、ECの場合も同じですね。四十億ドルからまた六十億ドル近いインバランスを示すということは、これはやはり相手方にとっては一つのいらだちになるわけでありまするので、安くていい品物がどんどん売れていくということはこれは水が低きに流れるようなものなのですが、しかし、それだけでは説明になりません。相手方の雇用にもこれは影響をするわけでありまするから、まあ内需を振興してもう少し日本が国内消費を活発にし、また一方物を輸入するというようなことも、これは一つの国際間のたしなみとしては大事なことだというふうに考えております。
○大木正吾君 大臣のおっしゃったことはもっともな話なのですけれども、大体六年ぐらい続きました長期のデフレ政策ですね、その関係もございまして、相当無理をして生産性を上げてコストを抑えましたね、そして円を強くしてきた、こういう経過もあると思うのです。ただ心配なことは、この間に日本の産業が、恐らくいまから五、六年前には、貿易の黒字というものは年間、経常収支、総合収支等でもって十億ドルか二十億ドル前後だったかと思うのですが、しかし福田さんのときというと非常に言いにくいのですが、大臣はちょうど政調会長を長くやっていましたからね、その当時にどんどんいわば黒字がふえていったわけですよ。ですから、その状態の中で国民が苦しんだのは、失業とか大変苦しみがあったのですけれども、産業全体は輸出依存型になっているという感じがどうしてもするのですが、資源がない国だからということはわかりますが、ある程度バランスのとれた経済に立て直しをすることが私は大事な問題だと、こう考えるのです。 その辺について大臣に先ほど申し上げた、たとえば中小企業の受注に関する保護的な法律が通産省の所管下にある。しかし、三十五億ドル開放する中央官庁関係分のときにはそういった法律があることについても、どうも答弁では深く検討していた様子がないというと言い過ぎかもしれませんけれども、そういう感じもしますので、むしろその国々の経済事情、性質は若干違いますから、そういうところを見ながら、いま日本で一番大事なことは輸出依存型経済からの脱皮、結局は内需の拡大ですね、そういったことにサミット後にでも通産省としてされる気持ちがあるかどうか。同時に関連しまして、五十億ドルを超える政府調達物品がアメリカから入ってくると仮定しますれば、これは労働者の雇用問題には恐らく二十万人以上の雇用に影響が出てくるのじゃないか、こういう心配も私はしているわけですけれども、そういう点を含めて大臣の所見を少し伺っておきたいのです。
○国務大臣(江崎真澄君) さっき中小企業庁長官が申し上げました意味は、交渉中ですし、それから電電の方はお聞きのとおりまだ何をどうしてこうして、これは随契で外国を入れるとか、そういうことを決めた段階じゃないのです。外務省が矢面に立って交渉をしておる。そして政府調達コードができてさてというわけですね。腹づもりはあるかもしれませんが、まだ電電公社としてはこの程度は譲りましょうとか、国鉄にしてもこの程度はどうも仕方がないですなあなんというようなことは言えない段階です。もう一歩も二歩も譲りませんと、あれはうそだったそうですが、ぞうきんとバケツ以外は買えないというくらいのやっぱり意気込みですから、そういう段階で転ばぬ先のつえですが、さてということを関係省庁で協議するということにはちょっと無理があるということであって、決してこれは怠慢ではないというふうに私は考えております。 それから今後しからばどうなるか、これはやはりいよいよ決まりました暁は、これは国際外交の問題というのは、特に経済問題の場合はこれはみんなやはり妥協ですから、したがって、その妥協の結果何十億ドルか日本に課せられるということになれば、その段階では具体的にこういうもの、ああいうものという品目も挙がってくる、当然その生産企業体の実情などを十分調査いたしまして、いま仰せの雇用の問題とか、また企業そのものの将来の経営の問題等についても、私ども通産省としては十分相談に乗ってもいかなければならないし、万全を期さなければならないというふうに考えます。
○大木正吾君 技術の問題等についての御理解を、福間委員がたまたまおられますけれども、一般質問の中でもってされたときに、大臣の答弁を後でちょっとお聞きしまして御理解を願っておるという感じを持ったのですけれども、同時に入札問題につきまして、やっぱりこの種のものは私が一番心配しますことは、災害対策あるいはコスト問題、そういったことによりましてサービスが低下するということが、一番国民の理解というものを得るためには大事な問題ですから、そういったことをぜひ通産省も電電公社等も理解していただきたいというふうに考えておりますし、同時に大臣、一つの大事な問題は、これは確かに現在では自動車とか鉄とか家電関係の品物等について、これは非常に貿易関係でも力を持っておる技術なんですけれども、未来産業という立場に立ちますと、航空機同時にエネルギーですかね、核を含めた考えがあるのでしょうけれども、同時にコンピューター等もその中に入ってくるわけですね。そうしますと、不況時代にできてしまった輸出依存型経済ですね、その中の八〇年代には陳腐化するかもしれないというものを量的に確かにたくさんためておきましても、新しいその次の八〇年代を支配するような産業がもし経済的に支配される状態になってしまったのでは、これは日本民族的にも大変な問題ですから、私はコンピューター問題について、航空機問題を見て裏の話があるとは考えておりませんけれども、とにかく八〇年代の戦略的な産業部分についてはしっかり押さえておく、こういう政府の姿勢なり各省の大臣の御姿勢がどうしても必要であると考えておるわけですが、その辺についての所見はどうでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) これも御指摘のとおり、私は一番大事な問題だと思うのです。日本が従来型で安易についておりますと、これはすでに中進国の追い上げが厳しいわけであります。したがって、どうしてもすべての製品を川下部門といいますか、言うところの知識集約型の製品に切りかえていかなければなりません。そのために政府は四〇%近い、それだけでもありませんが、四〇%近い公債を発行して不健全な財政事情にもかかわらず内需を喚起しながらその間にひとつ企業の体質改善を図ってもらおうという、これも大きな目的の一つであることは言うまでもありませんね、それだけじゃありませんが。ですから、私は企業家も、いまおっしゃるような高度な本当に付加価値の高い知識集約型の製品をつくり出す努力というものをしてもらいたい。特にこういう時代にもっと購買意欲をあおるような製品を出してもらいたいものだなあということをしきりに思っておるわけであります。 政府としても、御承知のように、あの次期YXの問題にはこれは多額の開発費を出しておりますし、それから次期の電算機などについても、研究開発費を今度通産省においても予算の最終折衝で確保するというような形で努力はしておりますが、これは国際的な水準からいくというとこれも微々たる金額でございまして、こんなことではとうてい足りないというふうに思いますが、おっしゃる意味は絶えず意を用いておるところでありまするし、今後も盛んにしていかなければならぬ。もう知識集約型というならおっしゃるように、私は航空機だと思いますよ、エネルギーの問題を除外して申し上げれば。ですから、その航空機をライセンス生産が中心であって、ほんの微々たる開発ということではこれはやはり足りない。やっぱり今後とも日本としても航空機産業が本当に自前で成り立っていくような形にまで持ち上げていくことは当然必要なことだと思います。
○大木正吾君 時間が参りましたから余り多く申し上げられませんが、最後にこれはお願いといいますか、要望的に申し上げておきますけれども、いずれにしましても、この貿易収支の黒字がアメリカに対してふえた理由というものについては、さっき申し上げました五、六年間のデフレ政策、そういった背景があったことは間違いありませんから、依存型脱皮の問題も大事な問題でしょうし、同時に私は、量的にアンバランスのある問題を今度は質的に、日本には金塊も少ないですし、同時に石油資源もありませんしね。アメリカはまだ輸入していると言いながらも結構たくさんの資源を持っていますからね。そういう点で考えたときに、何のことはない、ペーパードルだけをかせぎまして、そして肝心なこの戦略産業を、いえば次第に向こうにとられていくといいましょうか、譲っていくといいましょうか、そういったことはゆゆしき問題ですからね。おっしゃるとおり、航空機、加えて私はコンピューター関係の基幹的な問題といいましょうか、そういったこととか、同時にエネルギー問題等も戦略産業でしょうけれども、エネルギーはどうにもなりませんから、結果的にはそういった日本的にやはり八〇年代産業の中心的な分野については確保していく、こうしませんと、まさしく陳腐化した経済の産業分野だけを一生懸命追っておりましても問題を残します。そのことについて通産大臣のこれからの御努力を篤とお願いいたしまして終わります。
○下条進一郎君 けさほどの一般質問から始まりまして、いわゆるOPECの値上げがわが国の石油状況に対して大きな影響を与えているということで新聞等に取り上げられ、また、一般国民も大変に心配していることだと思いますし、大臣からもたびたび概括的な御説明をいただいておりますけれども、こういう場合に私たちの認識を正確に持つことが前提として必要だと思いますが、一般の消費というふうなとらえ方の中でいわゆる工業用、生産用の石油関係の消費と、いわゆる一般の消費者の段階に至るところの消費というものがそれぞれ違う角度で見直されなければならない、このように考えるわけでございます。すなわち生産の方の問題につきましては、やはり国際収支のインバランスを直すためにもある程度の内需を喚起するというようなことから、やはり成長の関連がございますので、そうむやみにこれを抑えていくことができないけれども、一方のむだな消費というものはこれは慎しんでいかなければならない、こういうことでございますので、そこらの分け方の問題でございますが、一体どのようにその両者に対してこれから取り組んでいかれますか、まあおよその考え方をお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) もう予算委員会でもしばしば申し上げておりまするので、詳しい話は差し控えて簡潔に申し上げますと、とにかく世界で五%足りないというのですから、五%節約というものをまず日本としては守る。この徹底の仕方がまだなまぬるい点があると私は思います。したがいまして、総理府の省エネルギー・省資源対策推進会議を中心にもっと関係機関、これは数百ありまするから、全国に向けて十分あの五%節約で決めた条項がそれぞれ国民的協力で達成されるようにこれが努力をしていくことが第一だと思います。 それから、これもしばしば申し上げておりまするから数量は省略いたしまするが、一−三月も四−六も前年同期よりはどうやら多少でも上回る量だけは確保できた。問題は値段の問題ですね。したがって、値段が便乗値上げとか、また産業に大きな影響を与えるようなことのないように私どもとしては十分注意を払っていく立場にありますし、また払わなければならぬいろいろな問題が山積しておると思います。しかし、量そのものはあるからこの場面はとりあえず景気をやはり持続していく、景気の持続は油代が高くなることによってもある程度、さっき冒頭に大木さんに答えましたように、足を引っ張られますので、したがってできるだけ景気持続を図る、そしてことしの大課題である雇用の安定を確保していくという意味で大口規制はしない、しかし五%節約は十分徹底して守ってもらいたい、また、大口需要者に対してはたとえば石炭の混焼であるとか、原子力への転換であるとか——石炭の混焼は直ちに右から左へお願いできますが、原子力とかLNGということになりますと、これは中期的な展望に立って徐々に徐々に転換をしていくということだと考えます。十分努力をしてまいります。
○下条進一郎君 全体的な御説明はきわめてわかりやすく拝承いたしましたが、さて、それではその中で石炭問題一つ取り上げますと、日本の場合は先進国の中でも一番石炭の消費と申しますか、燃料の中に占める割合は小さいわけでございます。これはもうすでに発電の場合に通産省の従来の御指導で石炭から重油へということでどんどん変わってしまった、それを今度またもう一回戻すというわけでございますけれども、これほうっておいて戻るものかどうか。いまのように予想した以上に、たとえばOPECの値段がさらに追加されて値段が上がったというような別の要件が入ってきたわけでございますから、そういう場合に石炭に転化する方法として、通産省としては少しタイミングを繰り上げなきやならないし、それに対して何かもう少し方法を考えなきゃならない、それはどう考えていらっしゃいますか。
○政府委員(豊島格君) 石炭については、先生御指摘のようになかなか困難な問題があるわけでございますが、最近のイラン情勢等によりまして電力会社の方でもむしろ石油が今後そう期待できないということで積極的に前向きの姿勢で取り組んでおるわけでございます。もちろんこれを推進するために何らかの政府の助成ということで、現在開発銀行等で石炭火力につきましては、御承知のように開銀の特利融資というものを行っておりますし、さらに、国内炭を使う場合においては石炭特別会計からの補助金というのが建設費に出されます。また国内炭の引き取り増加につきましては交付金制度ということの運用を図っておりますが、さらに今後の問題としましては、やはり何らかのインセンティブということを考えていく必要があるのではないかと思います。 なお、石炭を使いますときに一番問題になりますのは公害問題でございまして、この点につきまして、すでに石炭液化、ガス化等の技術開発等についても鋭意進めておるところでございます。
○下条進一郎君 ただいまの御説明は、ことしの予算の中に大体入っていることから御説明なさっただけなんです。私はそういう御説明では十分じゃないと思うのです。というのは、先ほどのようにOPECが当初予算を編成される場合には一四・九%の値上げということでわれわれは理解しておったわけですけれども、それ以上のものが起こってきたわけですから、どうしたってそれに対して即応するようにテンポを速めるなり、あるいはいまおっしゃったような融資だけで進むのかどうか、あるいは通産省が主導型でやはり電力会社の許可をされる場合にはどのくらいの比率で今度は油と石炭を分けて指導されるのか、そういうところへもっときめ細かく、やはりこの事態が変わったことに対して即応するようにしていただかなければならないと思うのです。そうでないと、従来の説明のままではこれはやっぱり油を使う方が楽なんだから、どうしたってそっちへいってしまって、幾ら金をつけようと融資の制度を設けようとしたって、なかなかそっちへはいかない。そうするとやはり石油の消費というものはどんどん伸びていくということになるんじゃないかと思うのです。その点いかがですか。
○政府委員(豊島格君) 今回の事件を契機にいたしまして、私どもといたしましてももちろん何らかの対策がさらに必要かということはわかっておるわけでございますが、まず毎年十年計画ぐらいの電源開発の施設計画というものを出させておりますが、その中におきまして何とかもう少しピッチが上げられないかということは強く業界に要請いたしておりまして、たとえば従来中央三社といいますか、大都市の周辺にございます東京、中部、関西というところはとても石炭火力どころではないということでございましたが、そういう各社も最近になりまして新しく石炭火力を六十五年までには何とかつくっていきたいという計画を出してきております。 さらに、助成の方法としましては、これはいろいろな問題があると思いますが、やはり何といいましても経済面で見ますとやっぱり高いものを避けて石油に走るということをなくするためには何らかの電源多様化のための対策が財政面あるいはその他の面からできないかということを目下鋭意検討しておるところでございます。
○下条進一郎君 大臣、いまのようなお答えでございまして、そうぱっとした方向転換も出ていないような感じがいたします。 そこで、大臣は率先して何でもやっていただける大臣で、この前、予算委員会の温度が高過ぎて、これは下げたらいいだろうということで下げた結果、大臣が一番先にかぜを召されたそうでございますが、あれなどもやはり率先してやるということは非常に大事なことだと思います。したがって、たとえばこういうところの暖房の燃料もみんな油でやっておりますけれども、率先して官庁ぐらいは石炭をたく、その公害の対策については何か方法を考えなければならぬと思いますけれども、やはり何でも役所が率先してやると、こういうことから始めないとこれはみんないやがってやらないわけです。その点ひとつ大臣は勇気を持って臨んでいただきたいと思います。お願いいたします。 それから、これに関連いたしまして、やはり通産行政の中で大変に大事なのは技術の研究開発という問題ではなかろうかと思います。絶えず将来の産業の構造を夢みながら、それに向かっての技術改革、研究、これはおさおさ怠らないということが非常に大事だと思うのです。 そこでお尋ねしたいのは、いわゆる大型プロジェクト制度というものができております。これは国民経済上きわめて重要な技術を開発していくということでありまして、国が全額資金を負担しているという研究開発でございます。これは昭和四十一年から行われ、十三年間続いている、この間すでに一千億の金を国はもうすでに消費しているわけでございます。それで、五十四年度からはさらにまた十五テーマになるわけでございまして、その予算総額は千六百億に上るというような大変に巨額なものでございます。このようにたくさんのお金を使ってやっていらっしゃる研究の成果は一体どの程度上がっているのか、これを大変に危ぶむものがあるわけです。研究というものはやったからすぐに成果が出るものではございませんけれども、しかし、これまで長い時間をかけて、そしてこんなお金を使って一体どの程度できたかということはやはり国民の関心の深いことでございます。ひとつその点を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり、大型プロジェクト制度というのは大型の工業技術の研究開発で、しかもその先導的な波及的効果を期待しておるものでございまして、昭和四十一年度から発足いたしまして、私どもの判断では鉱工業技術全般の水準の向上に大きく貢献しているというように考えているわけでございます。 現在まで終了いたしました大型プロジェクトの成果につきまして若干整理して御説明申し上げたいと思いますが、たとえば先導的技術のパイオニアといたしまして、民間の研究開発を促進したという性質のもので申し上げますと、一つには超高性能電子計算機の研究開発というのがございます。本プロジェクトはIBMのようないわゆるワールドエンタープライズと申しますか、そういったものに対抗いたしまして、わが国の電算機産業の研究開発力を高め、あるいは市場を確保する足がかりを与えるというようなことで、現在わが国の電算機技術の基礎になっているというように考えるわけでございます。もしよろしければ少し詳しく申し上げますが。
○下条進一郎君 時間がないから端的に成果がわかるように説明していただきたい。
○政府委員(石坂誠一君) たとえば電算機で申しますと、現在、五十二年度末におきまして一兆四千五百八十億の機械が稼働しているわけでございますが、台数で申しますと、二万六千六百八十基ということになっております。このうち、いわゆる何といいますか、国産化率というようなことで整理いたしますと、五七%が日本では国産化率が達成されているというように判断されるわけでございまして、この数値は毎年上がっているわけでございます。これをたとえば、ほかのヨーロッパの国と比較いたしますと、英国におきましては六二%は米国のシェアにとられてしまっておる。あるいは西独でも八三%とられている。フランスにおきましては九三%までアメリカがシェアをとっておりますし、イタリアは九八%でございます。そういったことから考えまして、電子計算機の研究開発を促進した効果がいかにあらわれているかという立証の数字になるのじゃないかというように考えるわけでございます。 二番目に脱硫技術の研究開発について申し上げますと、これは公害問題が社会的にいろいろ注目を受け始めたころ、四十一年でございますが、国が率先して公害防止技術の研究開発に取り組んだわけでございまして、その後、民間におきまして同じような種類の公害と申しますか、脱硫装置が非常な勢いで発展したわけでございます。今日SO2の濃度が非常に下がってきたということの一つの決め手になっておるというように思うわけでございます。 それで、私どもの具体的な成果というものでは、たとえば中部電力の四日市とか、東電の鹿島、この二つの発電所に生かされたわけでございますけれども、それ自体は小さいのでございますけれども、いろんな意味の波及効果が多かったというように判断しているわけでございます。 それから第二のカテゴリーといたしまして、研究成果が直接活用される、あるいは今後活用が期待されるものといたしまして、海水の淡水化と副産物の利用の研究開発というのがございます。本プロジェクトを遂行いたしまして現在海水淡水化の技術レベルに関する限り世界最高の水準にあるということが言えるかと思います。しかも、造水コストの低減ということも可能になったわけでございまして、国内でも小さいものでございますけれどもかなり稼働しておりますし、特に中東向けに関しましては日本が非常に大きなシェアをとっているわけでございます。そういった意味で、この研究開発の成果というものは非常に大きいと私どもは考えているわけでございます。 それから電気自動車を例にとりますと、この電気自動車の開発というのは、もともと性能的にガソリン車に匹敵するものを開発しようじゃないか。しかも、これは電気で動かすということで公害防止にもなりますし、エネルギーを有効に使う、たとえば深夜電力をうまく使うというような目的をもって開発をしたわけでございます。現在問題点はまだ量産化に入っておりませんものですから、電気自動車の値段が、コストが高いということもございまして、まだ十分普及しておるというようには申し上げられませんけれども、非常に静かであるとかいろいろな特徴がございます。しかも、たとえば速度にいたしまして一時間に百キロメーターとかあるいは……
○下条進一郎君 それはみんな知っている。それだけでいい。
○政府委員(石坂誠一君) そういうことでかなりの成果が上がっております。
○下条進一郎君 成果が上がっていないということをこれから言おうと思っているから。
○政府委員(石坂誠一君) あとオレフィンあるいは大深度等につきましてはあるところまで目標を達成いたしましたけれども、これらはむしろ現在開発を行っております重質油を原料とするオレフィンの製造法あるいは海底石油生産システムの研究開発の基礎として活用されている、こういうように申し上げられるかと思います。 以上です。 —————————————
○主査(瀬谷英行君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、大木正吾君が分科担当委員を辞任され、その補欠として安恒良一君が分科担当委員に選任されました。 —————————————
○主査(瀬谷英行君) 質疑を続けます。
○下条進一郎君 私もいま御説明の内容の節々は理解するのでございますが、たとえば大深度遠隔操作海底石油掘削事業でございますが、こういう装置は一体どの程度進んだのか、えらい金がかかったじゃないか。そうして、これもこの間日韓大陸だなの法案を通していただいたということもありますのですが、そういうものにすぐ役立てるように恐らくあらかじめやっておられたと思うのですが、これが成果が出ているのかどうか、私はまず問題があると思います。 それから、いまおっしゃった一つを取り上げますが、電気自動車でも、おたくの方の研究は電気自動車のボデーと電池を一緒に研究していらっしゃるのですね。ボデーなんて後でいいのですよ、研究しなくたって。問題は電池なんだ。スタートのときのあの高い力が出る電池が一体できましたか、できていないでしょう。だから連続するデュアラビリィティはあるけれども、しかしながら、スタートのときのぽんと出る力の電池まではできていないところに欠陥があるわけなんですから、それならそれに集中してやるとか、何でも手を広げてやるというところに私は問題がある。いま電気自動車の問題をおっしゃった、たまたま私はそれを言おうと思っていたから、いますぐ申し上げるのですけれども、深海の問題と電気自動車の二つについて簡単におっしゃっていただきたい、余り時間がありませんから。
○政府委員(石坂誠一君) 最初に、後の方の電気自動車でございますが、いま私どもがやりましたのは、ハイブリッド型と申しまして、最初に非常に力が要りますから、そのときに適する電池と、それから一般の走行に使う電池と二つ組み合わせるというようなことによりまして、一回の充電で四百五十キロ走れるという技術まで到達しているわけでございます。 それから、大深度掘削の技術でございますが、これは現在、海中の深いところにあります石油をどうやって海底で集めるかという技術の開発にいわば転換したような形で研究を進めておりまして、従来の技術というものはいろんな面で活用されていくというように考えているわけでございます。
○下条進一郎君 そこで、ちょうど運輸省からも来られましたので、省エネルギーという問題に関連して、いまの石油関係でお尋ねしたいのですが、従来日本の自動車産業の指導は運輸省と通産省でそれぞれやっていらっしゃるわけですけれども、能力の問題とあわせて、排気ガス規制というものを非常に重視され、それが五十一年規制、五十三年規制と来たわけです。ところが、調べてみますと、アメリカのロサンゼルスの一番厳しいところでもまだ五十一年規制まで到達していないわけですね。まあ向こうは広いからということもありますけれども。こういうようにエネルギー問題が非常に大事になってきたときに、アメリカですら自動車の構造は、もうやはり省エネルギーのことを重点とした指導をしていらっしゃる。こちらは省エネルギーの指導なんということはまだやっていないで、排気ガス規制の方の指導をやっている。これは通産省の方も運輸省の方もそうなんです。そうすると、いまのように非常に厳しい省エネルギーの時代になったときに、何かちょっと時代おくれのような指導をしていらっしゃるのじゃないか、こう思うのですが、通産、運輸の両方から御回答をいただきたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) 自動車を所管いたしております私からお答え申し上げますが、ただいま下条先生の御指摘は、全く私も同感でございます。ただ問題は、排ガス規制というものを省資源の、あるいは省エネルギーの立場から完全に無視してしまうということはなかなかむずかしい問題でございますので、私どもはいかにそれをうまく関連づけるかということでございまして、現実にはただいまの国会に提出さしていただいております、いわゆる省エネルギー法におきまして、自動車の省エネルギーにつきましてのいわゆるガイドライン的なものをつくりまして、業界を指導してまいりたい、かように考えております。
○政府委員(小林育夫君) 私ども、実は公害規制が始まりまして、テンモードで公害の排ガスのテストをしておりますけれども、その際に、このテンモードの値から逆に計算値で、年度消費量というものを計算で出しております。それで、テンモードにおきます値とメーカーの出しました、六十キロにおきます平地走行の値とを一冊の冊子に、これを一冊のものにいたしまして、燃費の一覧表というものをつくりまして、五十一年から一般に公表しております。それで一般のユーザーの方の乗用車の選択の一つのガイドブックというような形で出しております。そういうことで、燃料消費について何も指導していないじゃないかという先生の御指摘でございますけれども、私どもは私どもなりにそういう面を通じて指導してきたつもりでございますし、それから現実に五十年規制、五十一年規制の車に比較いたしまして、五十三年規制の車の方が燃料消費は少なくなってきておるわけでございまして、今後もそういう意味で、さらに燃料消費の面においても、公害ともども少なくなるように指導を続けてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○下条進一郎君 それでは、それに関連して技術院の方にもう一つお尋ねしたいのですが、いまのような石油を使っての自動車というものは、経済的な面と、それから公害の防止という面と両方の接点で、いまや非常に苦労していらっしゃる段階だと思うのですが、将来は水素のメタルまで圧縮した、あれを使っておやりになると公害が出ないというふうに聞いておりますが、そういう問題については、工業技術院はどこまで研究が進んでいるのですか。
○政府委員(石坂誠一君) 水素に関しましては、一つは水素を安くつくらなければいかぬという問題がございます。もう一つは、どうやって使うかということでございまして、その両面からいま研究をさしていただいておりますが、いまの段階はきわめて基礎的であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○下条進一郎君 私はこういう省エネルギー、また公害の問題が非常にむずかしいときに、電気自動車の研究も結構でございますが、やはりそれからもっと先に行けば、水素を利用した形での実用化をやはりいまからの大きな計画としておやりになる必要があるのじゃないか、こう思うわけでございます。 なお、大型プロジェクトに関連いたしまして、そのサブジェクトの選定の問題と、それから実施の問題と、この二つがあると思うのですよ。先ほど来の御説明にありましたけれども、いま十分な成果が上がったということには私は受け取れない、その金額と年限から考えまして。そういう意味において、テーマの選定というものはどのようにして行われるか。 それからまた、それの実施について伺いますと、組合を通していらっしゃるということでありますけれども、これは私は非常に無責任な体制になりやすい。これだけ大きな金をかけ、これだけ大きな事業を国がやっていて、さっきおっしゃった程度の効果しか上がってないということは、これはやっぱり投資効率からいけばよくないのじゃないか。その原因としては、やはりテーマの選定と、やるところの主体の組合のやり方であると私はそう思うのでございますが、その点いかがでございますか。
○政府委員(石坂誠一君) ただいまの大型プロジェクトを選定するに当たりましては、各現局からのいろいろな案をお聞きしたり、あるいは直接大学の先生とか、大ぜいの方からいろいろなテーマを出していただきまして、それを整理して、その中から選定していくわけでございますけれども、産業技術審議会の大型技術開発部会というものがございまして、そこで最終的にお決めいただくということでなくて、その場でさらにいろいろ御意見をお聞きしまして決定をしていくという形で進めております。
○下条進一郎君 選定の方はそういうことだと思いますけれども、実際にやるのが、業界が集まった一つの組合というものに一つ一つおろしていく、そうして今度の新しい五十四年度の計画についても、すでに組合とは話が行われているらしいのですけれども、サブジェクト自体がしっかり決まらない間に、もうどこでやるのかと、それには見え見えの姿があるというような感じもありまして、非常にまずいのじゃないかと思うのですね。しかも組合にやらせるのが本当にいいのか。むしろやはり利用というか、担当する者でもっと適当な人があればその人にやらせる。もっと焦点をしぼって、絶えず相手が変わるのじゃなくして、じっくり落ちついて同じ一つの問題に取り組んでいけるようなスタイルのどっちがいいのか、私はこれは大変問題があると思うのですよ。通産本省としても、工業技術院の方の指導をやっていられるものと、また、おたくの本省の方の予算について、業界を指導していらっしゃる技術の開発もあるわけですが、その点どのような連携をとりながら、どのようにこれからそういう大きなナショナルプロジェクトというものを指導していかれるのか。その点についてどのようにお考えでございますか。
○政府委員(森山信吾君) 先ほど工業技術院長から答弁申し上げましたように、工業技術院で大型プロジェクトをお決めになります場合には現局に御相談いただくわけでございます。現局と申しましても、過去の例を見ますと、私どもの局が大変多くプロジェクトを選定していただいておるわけでございます。これは、まあ機械情報産業局という局の性格からいたしまして、比較的未来産業を多く分担いたしておりますので、そういうことになっているのじゃないかと思います。 そこで、いま先生お尋ねの大型プロジェクトの研究開発と具体的な私どもの行政との関連いかんということでございますが、研究開発が一応完了いたしますと、それを私ども現局の立場で受けまして、さらにこれを実用化するということが原則でございます。先ほど先生からいろいろ御批判をいただいたわけでございますけれども、私どもの立場で申し上げますと、工業技術院の関係の方々に大変りっぱな研究をやっていただいたと思います。むしろ、私ども行政の立場からこれをまだ完全にデベロップしていないところに若干問題があるのではないかという批判を私ども自身で反省をしておるわけでございまして、お話のございました電気自動車等につきましては、現在電気自動車協議会を私どもの局に設置いたしまして、五カ年計画で今後推進をしていこうと、こういうことを考えておりますし、先ほど例に出されました高性能電子計算機等につきましては、これは四十一年から四十六年までで工業技術院で開発をしていただきましたので、それを受けまして私どもは三つのグループ、これは日本のコンピューター業界を三ブロックに編成をした一つの契機でございまして、いわゆるIBMの三七〇対抗機種の開発をこれによって実行したということでございまして、近年日本のコンピューター、ハードウェアがIBMに対抗できるようになったと言われるのは、この研究成果の結果であろうかというふうに考えておるわけでございます。
○下条進一郎君 もう時間ございませんのであと一点だけでございますが、確かに私は全面的にどうこうと言っているのじゃなくて、やはり金額と年限に相応したところの効果が上がっていないじゃないかという批判があるということを申し上げて、一つの項目を取り上げてお話ししたわけでございますが、この五十四年度の予算につきましては、光応用計測制御システムというのが当然入っております。これの取り扱いについては、従来のそういう投資効果の上がらないという批判のないように、たとえば組合などということではなくして、もっと高級な一つの引き受け母体というものを確立された上でしっかりこれはやる。そうでないと、これからの将来産業に対してのあれが間に合わなくなるということでは大変じゃないかということを特に要望するわけでございますが、これらについて、最後に大臣から御回答をいただきたい。
○国務大臣(江崎真澄君) 私、大変一生懸命な御質問を傾聴しておりました。一々もっともな御指摘だというふうに思います。したがいまして、われわれ通産省としては、通産省そのものが国家的な見地から研究開発をするもの、これはやはり成果を期待してしっかり技術開発をしなければならぬと思います。同時に大事なことは、やっぱり民間の技術開発というものをどういうふうに誘導していくのか、どうまた政府が助成措置を講ずるのか。これらもむだのないように効率的に指導していかなければならぬ。指導、というより協力でしょうね、協力しなければならぬというふうに考えます。御趣旨の点については十分含みまして、将来に資したいと思います。
○安恒良一君 私は、通産大臣初め通産省の関係局長、それから労働省の関係局長に対してわが国のゴム履物産業問題について質問をしたいと思いますが、昨年の三月三十日の予算委員会の第二分科会におきまして、当時の河本通産大臣を初め所管の生活産業局長、それから労働省の審議官に対して種々お尋ねをいたしました。 大臣がおかわりになりましたので、そのときの問題点をちょっと整理してみたいと思います。 第一点は、ゴム履物産業は典型的な労働集約型産業である。ゴム履物産業が発展途上国の追い上げによって国際競争力を失いつつある。そして輸入が非常に急激に増大をしている。さらに今日の円高が輸入促進に拍車をかけており、ゴム履物産業の存立が危ぶまれている、これが第一点です。 第二点目は、そしてこのことがゴム履物労働者の上に大きな雇用問題となって発展をしておる。雇用人口で言いますと、昭和四十三年に五万二千人おった労働者が昭和五十三年には二万人強ということで約半減をしている。 第三点目は、ゴム履物というものは国民の生活必需品であるから、一定量はわが国の国内において生産をし安定供給をさせる必要がある。 第四点目は、ゴム履物業界は企業規模、経営形態、内容等において非常に千差万別である。また業界もまとまりぐあいの悪い業界である。そこで構造改善の諸作業を進めるに当たって、政府は受け身でなくわが国のゴム履物産業を存立させるために、また、どうしても存立ができない企業に対してはスムーズに事業の転換を図るようにする。これらの具体策を討議し方向づけさせるために、私は政府、使用者、労働者、学識経験者等による作業委員会の設置を図るべきであるというような、以上のようなことを実は指摘をさしていただきました。 この指摘に対しまして、当時の河本通産大臣は、具体的なやり方は別といたしまして、御趣旨はよくわかっておりますので、実効が上がるような方向で進めますという前向きの御答弁をいただいておるのであります。これはおさらいになりますが、新大臣に状態を御認識いただくためにあえておさらいをさしていただきました。以上の前提の上に立ちましてこれから質問をしたいのであります。 まず私が質問をしたいのは、昨年当委員会で問題にいたしました以降、今日までのゴム履物産業の国内生産、輸入等の状況がどう具体的になっているのか、また、今後の生産の見通し及び輸入増加の傾向をどのように予測をされているのか、このことについて御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 最近のゴム履物業界の動向でございますが、まず第一点の生産について申し上げますと、昨年五十三年でございますけれどもゴム履物全体、これは地下たび、ゴム底運動ぐつ、総ゴムぐつの合計でございますが約六千六百万足、この数量は前年比八六・八%ということで一三・二%の減少ということに相なっております。 それから一方輸入でございますが、これはゴム履物全体で五千二百四十七万足ということで、その増加は対前年比一二〇・一%、引き続き増勢を示しております。 これからの輸入の増加あるいは生産の動向をどう見るかということでございますが、昨年特に輸入増の原因として考えられますのは、やはり昨年、年央来の非常な円高ということが一つの原因として挙げられようと思います。と同時に、特殊な事情といたしましては、御承知のように韓国でチェックプライス制というものが十二月から実施されることになっておりまして、それを目前にしました駆け込みというようなことも一つの輸入増加の原因となっているというふうに承知しております。今後どう見るかという問題でございますが、業界の一部におきましては、円高も一段落という状況もございますし、チェックプライス制も導入されたという状況もあるということで輸入メリットが減少するのではないかという議論も一部にはございます。また、量販店等がスポットで輸入するような品物については、これはやはりメーカーが輸入するものとは違いましてなかなかブランドが通らないというような問題がございまして、なかなかその販売量をそうふやせないということ、そういったような事情から輸入増加が鈍化するだろうという見通しもございますけれども、この問題は、先ほど先生御指摘のように、国際競争力の点で非常に問題のある履物でございますので、私どもといたしましては、これからもこの動向につきましては十分留意をし注視をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○安恒良一君 数字と見通しを言われましたが、たとえばこのゴム底布ぐつがすでに輸入比率が四三・八%に、大臣実は上がっているわけです。これが五〇%を超えるとその産業は壊滅する、こう言われていますから、私は輸入増加の傾向というのは十分注目をしてみなきゃならぬ重大な問題だとまず思っています。そこで、そのように輸入が増加してまいりますと、必然的に国内の生産が減少してまいります。そうしますと、いま大平内閣が一番重点的に取り上げている雇用問題へとこれが発展をしていくわけであります。そこで、私が昨年質問をしました後、最大の大手で実は千八百名の労働者が離職を余儀なくされました。そして残留した労働者も賃下げ、労働時間の延長等々過酷な条件が課されているわけであります。 そこで、きょうは労働省もお見えになっていますが、これは両方の省に関係があると思いますが、現在のゴム履物産業の雇用状態がどうなっているのか、さらに問題は今後も雇用に相当影響を与えるというふうに私は予測をしておりますが、いわゆるその見通しと、それから雇用安定に対するいわゆる具体的な対策、こういうことについて両省の方からお聞かせを願いたいと思います。まず労働省から。
○政府委員(細野正君) いま先生から御指摘がありましたように、いろんな原因が重なりまして、ゴム履物業界の従業員数は減り続けているわけであります。五十二年と五十三年を比べましても従業員数で約二千六百人ほど減少をしているわけでございますが、この対策としましては、先生も御案内の安定資金制度を適用する、あるいは特定不況業種離職者臨時措置法を適用するというふうな形でその失業の予防と再就職の促進に努めているわけでございまして、現在のところ手帳の発給件数は、ゴム底布ぐつ製造業で七百三件という状況でございます。今後もいま申し上げました諸制度のほかに、今度は来年度から大幅に拡充いたします開発給付金等を活用しましてその再就職の促進に努めてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○政府委員(栗原昭平君) ゴム履物業界でございますが、非常に国際競争力の点で問題のある品物をつくっておりまして、先ほど御指摘のように労働集約的な産業でございまして、私どもといたしましては、もちろんこれから業界としても品質の点で、あるいはデザインの点ですぐれた付加価値の高い物に移行していただくという方向での御努力をいただくと同時に、企業といたしましても経営の多角化というような御努力をいただく必要があるのではないかというふうに考えておりますけれども、なお輸入の動向につきましてはなかなかむずかしい問題もございますので、事業転換等の面につきましても労働省とよく御相談をいたしまして遺憾なきを期していきたいというふうに考えております。
○安恒良一君 大臣、いまお聞きのような状況なんですがね、私はやはり去年も言ったのですが、これは後で総括的に触れますが、輸入問題自体もやはり考えなきゃならぬところに来ていると思うのです。いま新しい産業局長からそのことをむずかしい問題だとだけ聞いたことは大変実は遺憾なんですが、私はやはり雇用政策の問題から、それから国内産業の問題からいっても、輸入政策自体についても考えなきゃいかぬと思います。これは後で聞きます。ただ、いまの答弁は輸入問題について全然お触れくださらなかったことを遺憾に思いますから申し上げておきます。 そこで、私はいま通産省側からお答えのありましたように、ゴム履物の産業政策問題をどう解決するかということで、実は私の質問に応じて通産省が行政指導をされまして、昨年の五月に業界内にゴム履物産業政策研究会、こういうものが設置されたのであります。そして作業が推進されたと聞き及んでいますが、まずその作業内容がどのように進んだのかということが一つと、また通産省所管でありますから、その結果に対する見解をどのようにお持ちなのか、一応ゴム履物産業政策研究会の結論が出ているとも聞いておりますから、そういうものに対して監督官庁といいますか、所管庁としての通産省の御見解をぜひひとつお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 昨年の先生の御指摘もございまして、私どもといたしましては業界を指導いたしまして、いまお話しの研究会を昨年の五月に設置をさせまして、検討を行うようにした次第でございます。この研究会は五カ月ほど検討を進めまして、昨年の十月に中間的に検討結果をまとめてこれからの具体的な対応策を考えると、こういうことにスケジュールとしてはなったわけでございます。 この研究会の中間的な検討内容でございますが、全体といたしまして大きく分けますと二つの分野に分かれておりまして、一つは業界自体のとるべき対策ということ、それから二番目は政府に対する要望、大きく言ってこの二つに中身は分かれております。 詳しくは申し上げませんけれども、この第一点の業界自身の対策につきましては、主としてコスト低減対策というものが述べられておりまして、この中身といたしましてはインジェクションマシーンによる省力化、あるいは流通段階のいろいろな配送も含めました流通経路の短絡化等々コスト低減策が述べられておるわけでございます。それから政府に対する要望といたしましては、やはり業界全体といたしましての要望として、ゴム履物業界としてこれは国内産業としてぜひ保護をしてほしいというようなことで輸入制限に対する要望が触れられておる、こういった中身の研究会の中間検討結果が出ておるわけでございます。これらにつきましてはまだ中間的な段階での集約でございますので、私どもとしましては、今後さらに研究を深めていく必要があるんではないかというふうに考えております。まあこの点につきましても、私どもとしても積極的に業界の動きについては支援するつもりでおります。
○安恒良一君 どうも私どもが非公式に聞いていることといまの局長の、いわゆる私はざっくばらんに言って、中間報告にしてもどうもやはり検討の結果がやや片手落ちといいますか、まあ通産省から言わせるとちょっと困ったものだと、なかなかこのままではいただけないなどということをざっくばらんに言って聞いているわけですね。ですから、そこのところをもう少し通産省側として、いま議事録に残るからということだろうと思うけれども、えらいきれいごとで答弁されていますけれども、本当にあの答申を読まれて今後さらに研究を続けていけばということなんですか、ざっくばらんに話を聞かしてくれないですか。
○政府委員(栗原昭平君) このゴム履物業界でございますが、先生も御案内のように非常にまとまりの悪い業界でございまして、なかなか業界としての思想統一がむずかしいという実情にあるわけでございます。まあそういった状況にあればこそ、なおのことやはり業界自体としてこういった研究会をつくっていただいて、業界としての思想統一をしていただきたい、かような趣旨も含めて研究会の設置あるいは検討の開始ということに相なったわけでございますが、でき上がりましたものは先ほど申し上げましたように、中間報告と言いながら必ずしも私どもから見て十分にまとまって、業界全体としてこれで取り組む、あるいは政府に対する要望といたしましても、本当に業界全体のまとまった具体的な動きとしての検討の結果というふうには若干考えにくい点もございまして、まあそういった意味におきまして、私どもはこの研究会の中間検討結果をさらにもう少し詰めていく必要があるのじゃないか、かように考えておる次第でございます。
○安恒良一君 実は私も中間検討の結果を業界の方から入手して読んだのです。ところが、私はもうざっくばらんに言って、この研究会の内容では、いま遠慮しがちに局長が指摘をされたように種々の私は問題があると言うんです。それはなぜかと言うと、ゴム履物産業の再生につながるかどうか私も非常に実は疑問に思います。それはなぜかと言うと、大臣、いわゆる輸入規制の問題を議論をするときに考えなきゃならぬことは、いわゆる業界自体の輸入とアウトサイダーと二つがあるわけですね。ところがどうも業界自体の輸入よりもアウトサイダーのことにやや重点が置かれる、それは私はいけないと思う。両方まずみずからが姿勢を正すところは正さなきゃいかぬと思うので、そういうこれは一つの例ですが、そういう研究成果の報告を見ると、私はどうもいわゆる業界や経営者側だけで物事を考えるのには限界点に来ているのじゃないか。そこで、私は去年提案をいたしましたように、構造改善作業委員会には業界や経営者だけでは限界に来ているから、通産大臣の諮問機関といたしまして政・労・公・使の四者構成による政策研究委員会を早急に設立をさせる。そしてできれば向こう十カ月程度の作業期間を置いてOMA協定のような、たとえば二国間における貿易調整策やさらに業界が生き残るための自助努力の検討または輸入契約段階におけるチェック、すなわち需給の検討、さらに雇用問題などについて審議し作業を促進させることが急務であるというふうに私は思います。でありますから、この点はやはり大臣に答弁をお願いをしたいのですが、以上のようなことについてひとつ大臣の御見解、前向きの御答弁をぜひお願いをしたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 昨年恐らく安恒議員が非常に熱心に御質問になり、それからまた相手が中小企業である、零細なまた企業もまじっておるということから研究会が設置されたというふうに私は理解をするものであります。いま新しい御提案でありますが、これは通産省といいますと実に各種の業界に関係しております。したがってその一々の業種ごとに大臣が諮問をする委員会をつくるということになりますと、これまた相当煩瑣なことにもなりますし、実はかえって実効が上がらないというようなことになってもいかがかと思います。しかし、安恒委員のせっかくの御質問でありますから、いまおっしゃるように業界、そして労働者側、学識経験者、こういった人たちが一堂に集まって十分協議できるような何らかの議論の場といいますか、協議の場を十分検討してみたいと思います。そしていまの問題についてできるだけひとつ配慮をいたしていきたい。ただ問題なのは、韓国が日本に逆上陸してくる製品の一番大手なわけでありますが、アウトサイダーの買い付けもありましょう。それからまねしやすいというか、同じような製品をつくりやすいというようなことなどで、これもまた貿易インバランスが年を追うて多くなっておるというような実情に照らしますと、なかなか実際問題としてこれを完全にシャットアウトしてしまうなどということは、ちょっと考えてみてもなかなかむずかしい問題だというふうに思います。したがいまして、これはこういう業種こそ今度の中小企業振興の臨時措置法を適用して、そうして何らかのやはり新しい商品を考案してもらうようにするとか、何かやはり次の段階に進む方途もいまから産地組合などを通じてお互いが検討していかれることも大切ではないかというふうに私はいまの質疑応答を傾聴しておりましてしみじみ思うわけでございます。
○安恒良一君 大臣、去年から私はこれを提案しておりまして、まず大臣がとりあえず使用者、労働者、学識経験者、そういうものに政策研究委員会をつくらせるということはいいことだろうと、ただこれは大臣、担当局長にもお聞きくださればいいと思いますが、やはり通産省、労働省が一緒にかまないと、たとえば特定不況産業の指定を受けさせるのに大変苦労したわけです。これはもう通産省は一生懸命やってくれたけれども業界のまとまりが悪い。しかし最終的には通産省と労働省の御協力を得て、特定不況産業の指定を得て、去年のわずか一年間に約二千名からの首切りについていろいろな救済措置がとられたわけです。 そこで私は、大臣がいまとりあえず使用者側、労働組合それから学識経験者、こういうことでありますが、私はつくり方はいろいろあると思いますが、そこだけに任しておったのでは私は進まないと思います。どうしてもやはりこれには通産省、それから雇用が絡みますから労働省までかんで、そしてその政策研究委員会の作業が進む、その中には大臣が御指摘されたようないわゆる近代化、構造改善ということも含んで私は議論する必要があると思いますから、どうか三者構成ということじゃなくして、三者構成が基本でしょうが、それに通産省、労働省も積極的にやはり参加するといいますか、介入するといいますか、そうしてやっていただきたいと思いますが、どうですか、でないとこれは進みません。
○国務大臣(江崎真澄君) よくわかりました。ただ大臣の諮問機関ということにすることにはまあ各種の業種がいっぱいありますので、一々それをつくることはどうか、これはまだ検討の余地があると思いますが、御期待にこたえるような何らかのひとつ議論の場をつくるように努力をいたします。
○安恒良一君 ですから私は、私もかなりこういうことは知っていますから、審議会ということになりますと、これはまた行管の方からやかましく言われますから、あえて私は大臣の私的諮問機関と言ったわけです。これは大臣の私的諮問機関というのはかなりあっちこっちにできているんです。ですから、私は大臣の私的諮問機関ということで注文を申し上げておきますから、どうかそれらを含めてぜひいま言った角度からこの点については御検討していただきたい、こう思います。 そこで今度は、この問題のいま一つの問題といたしましてお聞きしたいのですが、今日わが国の国際貿易面におきます収支の不均衡、累積的な黒字体質が批判をされておりますし、その是正のために緊急輸入対策がとられている、このことは私も周知をしておるところであります。しかし、果たしてそういうフリー貿易だけでいいのかどうかという分野があると思うのです。たとえば私が今日問題にいたしましたゴム履物がそうでありますが、私はゴム履物だけではないと思う。たとえば他の生活必需品におきましても、輸入の拡大によって壊滅的な打撃を受ける業種がほかにも多いと思います。しかもその業種はほとんどがやはり労働集約型産業であります。そして多くの労働者を抱えています。そしてそういう業態でありますから、構造改善の自助努力にもおのずから限界が出てまいります。ですから、私はそういう産業を、いまここで一々産業名を挙げる時間がありませんが、それらの産業を包括して最低限度国内産業の保護、労働者の雇用確保のために国家による一つの新しい法律の制定、こういうことが望ましいと思われます。そしてこういう保護をされた業界、保護された場合に業界がそれに甘えるのではなくて、やはり厳しい国際競争に打ちかてるような業界の努力、それから企業の努力、そしていま御指摘のあったような新しい付加価値を生み出す、そして文字どおり国際水平分業が打ち立てられるようになるのではないかと思います。でありますから、そういうふうにしていかないと、今日のわが国が非常に貿易収支面で黒字である、だからできるだけあらゆるものをフリーにしろと、こういう諸外国からのかなり厳しい要求があることは知っています。しかし、それだけではやっぱりいけないのじゃないか。たとえばきょうたまたま私はゴム履物産業を取り上げたわけですが、これもじゃフリーにすればいいのかということだけじゃないと思うのですね。やはりある程度輸入規制問題を含め、さらに産業の構造改善をやっぱりやっていく、こういうことがないととてもどうにもならないと思いますので、これらの問題点について大臣並びに通産省がいかなるお考えをお持ちなのか、ひとつ聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 私から申し上げるのも何でございますけれども、現下のわが国の置かれました国際収支の状況、これはもう製品輸入をむしろ大いに促進すべきだという傾向にあるわけでございますが、と同時にわが国を取り巻きます韓国、台湾等の近隣諸国、これはゴム履物につきましてもわが国に対する主要輸出国でございますが、こういった国とわが国との貿易収支、これを見ますとわが国がむしろ大幅な出超になっておる、こういった国際的な環境を踏まえまして、私どもといたしましてはゴム履物に限らず、繊維等も含めまして非常に問題を抱えておる産業でございますけれども、この際輸入制限ということを取り上げていく段階ではなかろう、こういう感じを持っておるわけでございます。しかしながら、このまま放置しておってよいというものではございませんので、やはり業界といたしましてもいろいろな面で構造改善を進めていただきまして、またその前提といたしましては、業界自体がまずまとまっていただくということがぜひ必要であると思いますし、特にこのゴム履物業界につきましては、輸入の六割を御承知のようにメーカーが輸入しておるという状況でもございますし、そういった特殊な事情も踏まえながら、業界自体としてこれから付加価値の高い品質なりデザインのすぐれた分野にひとつ生きる道を見出していただく、こういった方向で御努力をいただけないだろうか、そのためにはやはり役所といたしましても、行政指導も含めましてひとつ必要な支援もいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○安恒良一君 いや私は、私たちも業界を呼んだときに、いま局長が指摘をされたような、輸入の六割をあなたたちということの指摘はしているわけです。しかしそのことと、いわゆるたとえばOMA協定を行うとか二国間における貿易調整政策をやること等が消されることじゃないのですよ。ゴム履物産業の場合に近代化、構造改善をやるにしてもある一定の年数がかかるわけですね。その間に、私が一つの例を挙げたように、もうすでに四三・八%一年で輸入されている。これは五〇%超えたら企業は壊滅だと言われているときに、いかにわが国の貿易の黒字が多いからといって、いやとにかく構造改善だけはやりなさいやりなさいということだけでは大臣、これはやっぱり救われないわけですよ。だから、私はやはり業界みずからも姿勢を正すところは正さなきゃならぬということは言っているわけです。 しかし少なくとも、私から言わせると、このOMA協定をつくっていくとか二国間における貿易調整等をさせるとか、そういうことを一方でしながら、やはり構造改善を付加価値の高いものにしていかないと、何万という労働者が働いておるわけですからね。そして、御承知のようにこのゴム履物産業の労働者というのは今日では年齢もかなり高くなっているわけです。それがどんどんどんどん吐き出されるということにこれはなるわけですから、私は、やはり通産省の立場でいま局長が言われましたが、そこのところもある程度お考えを願っておかないと、おわかりになっていると思いますが、どうもあなたの答弁を聞いていますともっぱら付加価値の高い構造改善に切りかえていけばいいんだと。それはわが国と隣の韓国なら韓国とか台湾との輸入、出超の関係はこれはもう全体の製品の問題ですから、ですからその点はどうもあなたの答弁を聞いていますと、かなりそこのところが気になりますから、そういう点はぜひ大臣、いま言ったカテゴリーを経ながらやっていくということについてぜひ御努力をひとつお願いをしておきたいと思うのです。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は私も全くよくわかるのです。よくわかりますが、ちょうど同じような議論がやっぱりアメリカの議会で行われておるのですから、日本の議会で安恒さんの議論が出るのは私は当然だと思うのですね。まだゴム履物業界、その他たとえば綿織物とか繊維の関係が一番多いわけですが、何といっても韓国にしろ台湾にしろ日本の給料の六分の一というんですね。ちょうどけさも私は労働省のごく最近の統計を見せてもらったわけですが、これは単純な製品ですと全く競争力がありません。一昨年、御承知のようにカーター大統領にアメリカの労働組合が、日本は製品輸出をしてくるだけじゃなくて失業まで輸出してくるのだということで問題が大きくなり、にわかの円高を招いたというあれに徴しましても同じようなことが言えるわけですよ。これは同じことが日本の業界にじわじわじわじわと迫ってきておるわけであります。 そのために、政府も無理な財政事情下で構造改善を図るために事業を増す政策をとったり苦労をしておるわけですが、これをただ、なるほど中小企業振興対策臨時措置法で救いましょうとか、構造改善をしましょうというだけでは本当に解決しませんね。そうかといって、この日本が貿易立国で将来とも貿易で、輸出で立っていかなければならぬというときに、これをまた水際でシャットアウトするというようなこともこれはちょっととりにくいと思うのです。そこで、いまさっき御提案のあった学識経験者とか労働者とかいろんな人の知恵を出し合い、われわれや労働省も話し合う場をつくって、何かやはり生き伸びる道を講ずることはやっぱり大事なことだと思います。御指摘の御趣旨はよくわかりまするので、いま直ちに明快な答弁ができぬのをまことに遺憾に私自身思っておりますが、できるだけひとつ細心の注意を払いながら、この転換方途について努力をしてみたいと考えます。
○安恒良一君 大臣、私も決して単純な貿易制限論なんか言っているわけじゃないのですよね。私はやっぱり秩序ある輸入なら輸入、輸出なら輸出ということがいま国際的に求められておること、私は単純な保護貿易論者ではありません。ですからその点はひとつ誤解がないように……
○国務大臣(江崎真澄君) わかっています。
○安恒良一君 秩序あるやっぱり輸出入ということを考えていかないと、わが国の立場が世界的にもアメリカ側から攻撃されるし、今度は逆に経済未開発国からもまた攻撃される。だから私はやっぱり秩序ある輸出輸入体制というものをとる中で、こういう問題をぜひ考えていただきたいということを言っているわけです。 それから労働省にちょっとお聞きをしておきたいのですが、いま言ったように、去年、私は政策委員会の中には政府は通産省、それからいま一つは経営者、労働組合、それからいま一つは学識経験者と言いましたが、どうしてもやっぱり雇用問題が入ってまいりますから、どうか労働省も通産省と連絡をとって、やはりまずこのような政策研究委員会の中に入ってぜひやってもらいたい。それはなぜかというと、どうもきょうの局長の答弁を聞きましても、労働省の主要な雇用政策というのは、まあ失業が出たと、出たものをどう新しく失業期間中のいわゆる労働者の生活を保障するのか、もしくはどう新しい職業へ転換をしていくのかということに重点が置かれている。私はもう今日はそれだけでは済まないんだ、特にいま百三十万人という失業者の中の六〇%は中高年層なんですよね。そうすると、中高年層をそう簡単に、たとえば一つの例を挙げますと、よく教育産業へ転換をさせるとか医療産業へ転換をさせる、第三次産業へと、こう言われますね。ところが、教育産業と言っても先生になるためには資格が要る、医療産業も資格が要るわけですよ。そうしますと、そう簡単に四十五歳を過ぎた中高年層が資格が取れるかというと取れないんですよ。で、四十五歳以上の人が就職するときにはいままでの半分の賃金で労働条件を落としてやっと就職しているという現状です。 そうすると、このゴム履物産業の場合でもかなりこれ年齢が高くなってきてますからね、いわゆる失業した人をどう救済するかということも大切だし失業した人をどう転換させるかということも大切ですが、失業自体を出させないというところに重点を置かないと、私はもう今日の雇用問題というのは解決できないと思うのです。そういう角度から、やはりこの政策研究委員会の中に、雇用問題というのが一つの重要な問題でありますから、ぜひ労働省側も積極的にひとつ参加されて雇用政策についての前向きの指導をしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(細野正君) 今後の雇用問題を考えます場合に、先生御指摘のように、失業の予防というのは非常に重要な問題があるわけでございます。そういう意味で、先ほど通産大臣からお話もございましたような議論の場というものが設けられました場合に、私どもも積極的に御協力してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○安恒良一君 きょうは労働大臣は忙しくて局長においで願いましたから、お帰りになったら労働大臣の方にもお伝えを願いまして、ぜひ通産大臣と御協議の上前向きにこの事態が進むことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○市川正一君 江崎大臣にお伺いしますが、ゆうべ午後十一時十五分からNHKのテレビで「日米摩擦を解消する方法」という番組があったのですが、ごらんになりましたですか。
○国務大臣(江崎真澄君) きのうはOPECの値上げの問題などに取り紛れておりまして、まだ見ておりません。
○市川正一君 まことに連日御苦労さまですが、その番組を私は拝見しまして非常にいろいろ考えさせられるところ多かったのですが、愛媛のミカン農民の方、それから鹿児島の畜産農民、牛を飼っておられる方ですが、この農民が、わしらテレビと車、要するに自動車でしょうね、の犠牲、しわ寄せを受けるというのはもう実際がまんできぬということを非常に怒りをもって言っておられたのですが、こういう農民の声をお聞きになったらわかるのですけれども、どういうふうな感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) まあ物を単純に判断しまするというとそういう言い方になるかと思いますが、これは国家として、いい物ができて、しかも世界の購買意欲をそそってそれが売れていくということになる。もともとわれわれは、アメリカからは小麦粉を初め飼料等々相当の農産品を買っておる国であります。したがいまして、当時自民党の議員も野党の議員も打ち連れてアメリカに行って、議員との間でいろいろ理解を深めた。一体オレンジの輸入額がどれだけになりますかと、牛肉をそちらの期待どおりに輸入するとして本当に貿易のインバランス解消にどの程度役に立つかということで、日本の苦しい農業事情などもよく説明をしてまあ最小限に食いとめ得たと。で、貿易というものはこれはやっぱり国家の相対的な上に立っておるものでありまして、自動車とか弱電製品がたくさん出ていったからそれでインバランスが起こりそこで農産品の輸入を迫られるという、ただ短絡的なそういうことだけではないのでありまして、やはりそこには産物のいい物や値打ちの物があれば、それはやっぱり水が低きに流れるように、自然の原則によって入れたり出したりということになるわけであります。したがって、日本のそれぞれの産品というものが必ずしも国際的に見て安くないということなどもありましょうが、これは消費者の側から言うと、輸入をもっと多くしてもらって安い輸入品の均てんに浴したいという要望もまた一面から言うと出てくるというふうに思うわけであります。そのあたりをどうバランスをとっていくのかというところに通商産業省の行政的な措置もありましょうし、いま御指摘のオレンジであるとか牛肉は農林省の範囲でありますが、そのあたりにまた農林省としての行政指導の仕方、それからまた輸入に対応する仕方というものがあろうかというふうに考えます。したがって、その恨みの声は素朴な声として私ども政治家ですからわかりますが、ただそういうふうな仕組みのものではないということは御理解いただけると思います。
○市川正一君 いま経済的にそういう流れ、要するに経済法則という面を非常に強調されたのですが、私は必ずしもそうは思わないのです。言いかえれば、非常に経済外の強制的な、いわばまさに人為的な政治の力でこういういわば破局が出ている。ただ時間が限られておりますので、私は江崎節を誘発する気持ちはさらさらないので、できるだけ簡潔に進めたいと思うのです。 そこで、先ほど同僚議員も触れました政府調達物資の問題であります。この問題は私はその問題のやっぱり一翼をなすものだというふうに思っておるのでありますが、結局、いまの貿易収支の不均衡を理由にして、アメリカ側がわが国のいわば先端的な技術分野、あるいは電気通信にしろ国鉄にしろ、日本の基幹的な部分ですね、こういうところを市場としていわば国際的な圧力によって介入しようとしているというところに本質があると思うのですが、先ほどの江崎大臣の御答弁でも、当のアメリカのATT自身がこれは競争入札をとっていないということもおっしゃいましたし、ヨーロッパの各国の例を見ても例外的な例を除いてはそうではないと。としますと、今度の特に国鉄あるいは電電公社等々に対するアメリカの門戸開放要求というのは具体的にはどういう内容を言ってきているのか、それをひとつ改めてお聞きしたいと思います。
○政府委員(宮本四郎君) 私どもがたびたび米側と接触いたしておりまして向こう側の言い分を聞いておるところによりますと、非常に大きなインバランスが現在存しておる、もちろんこれについては内需の拡大、製品輸入の促進その他いろいろ方策を購じ政策を展開してインバランスの縮小に努めておるところでございますが、先方の言い分は、そういう努力もさりながら、もう一つ日本の国内にいろんな形の障害がある、市場が完全に開放されていない点がある、こういうことを主張いたしているわけでございます。それにつきましては、もちろん農産品あるいは農産加工品などの問題もございます。しかしながら、それだけではございませんので、こういう政府調達の関係のことも指摘しておるということでございまして、本質的にはインバランスの問題から出てきておりますけれども、現象的にはもう一つ開放されていない分野があるというふうな先方の主張によるものと理解いたしております。
○市川正一君 その場合に具体的な金額もいわば提示しているのですか。
○政府委員(宮本四郎君) 私どもが接触しておる限りにおきましては、具体的な金額は出ておりません。ただ先ほど先生の御質問の政府調達につきましては、外務省が先方と接触いたしておりますので、そこのところは私は存じません。
○市川正一君 そうしますと、伝えられるところでは牛場代表がたとえば電電とかあるいは国鉄に対して要請という名ではありますけれども金額を指定する発言をなすっている、そうすると当然そういう金額というものは一体どこから出てくるのですか。それをひとつはっきりしてほしい。
○政府委員(宮本四郎君) 米側と日本側との交渉においては、政府調達に関しては恐らく金額は出ていると思うのでございますが、私どもは直接の交渉に参加いたしておりませんので、私どもはそれ以外のところでいろいろ接触いたしております。
○市川正一君 大臣、その点はどうなんですか。金額はどうなんですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 私も正確に存じていないのです。それはやはりわれわれも関係閣僚ではありますが、直接の折衝は外務省が責任を持って当たっておる、こういう仕組みになっております。しかも交渉というのは、最後の時点でいろいろ妥協があったり、歩み寄りがあったりという場面ですから、したがって、そういう数字などについて具体的に他の閣僚に説明をしたり了解を求めるというようなことはいたしておりません。
○市川正一君 そうすると、牛場代表といいますか、外務省の筋では金額が出ているというふうに理解できるわけですね。そうしますと、たとえば仮に門戸開放された場合に競争入札になると思うのですが、競争入札になって結果として入札したけれどもアメリカ側はアウトであったと、要するにゼロだったということも理論的にはあり得ると思うのですが、そういう場合でも、それはもうアメリカはやむを得ぬということで納得されるわけですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 当然そういうことはあり得ると思うのです。私が聞いておりますところでも、欧州などでも競争入札という形ではなくて、国営の場合やはり随契で日本を指名する、日本の札がなかなか落ちないという場面もあるようであります。
○市川正一君 そうすると、牛場代表が言っている、いわば相手に言うのじゃなしに、日本の国鉄とか電電におまえのところは何ぼだという金額は一体どういうことになりますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 一つの目標でしょうね。ですから、どの程度のものを開放できるのか、それは金額的にはどの程度のものであるのかというあたりを押さえませんとこれは話し合いにも何にもなりません。したがって、その話し合いについて先方が本当にいい物を安く的確に、後処理を含めて入れてくれるということになればこれは落ちましょう。しかし、そうでない限りは落ちないということだって当然あると思います。
○市川正一君 そうすると結局、たとえば国鉄に二千億円とかいうような数字は単なる目安であって決して拘束力を持っているものでないというわけですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 私は、拘束力という言葉がおかしいので、安くていい物があれば必ず大体その程度までは向こうも品物を出し得ると、さっきの牛肉、オレンジといったような日本の製品と価格が全然違うものであったならば途端に何十%でも入ってきてしまう、だからわれわれは農民のために制限しておる、また国家の長期的目的のために制限しておる、こういうわけですが、今度の場合でも、国際競争というものはやはり競争にたえなければ、これは幾らわれわれの方が門戸を開放したからといってどうもだめですねということを言わざるを得ませんね。それは向こうが輸出努力をしたりまた競争にたえるものを開発するという原則に立つことは当然だと考えます。
○市川正一君 そうしますと、私は牛場代表の発言というのはまことにそういう立場を侵している、言いかえれば国鉄に対して、たとえば二千億円とかいうふうな言い方で問題を提起するというのは、これはいわばのりを越えていると言わざるを得ぬわけですが、私があえてこれを聞きますのは、いままでの事態が、冒頭おっしゃったように、単なる経済的な法則的流れ、いわば競争入札によってどうこうということでなしに、政治の力、いわば日本の経済外交における自主性にかかわる問題としてこの問題についてはとらえる必要があると。事実また動きがそうなっているわけでありますが、論を進めてみますと、たとえば電電公社のいろんな資料をこの問題に関して拝見しますと、通信事業の安定性あるいは信頼性の問題として、あるいは国鉄の場合も輸送の安全性、確実性の問題として強調されておる。さらに欧米諸国でも先ほど申しました例、これは電電代表の答弁の中で、イギリスの場合は一たん開放したけれども、再度もとへ戻したということもお答えになりましたが、そこでお伺いしますが、電電公社と国鉄は今回のこのアメリカの要求に対して、その経営の本来的なあり方から見て開放を受け入れられる立場なのかどうなのか、この点をひとつ基本的姿勢としてお伺いしたいのです。
○説明員(前田光治君) お答えいたします。 電電公社の使命は良質で安定な電気通信サービスをなるべく安いコストで国民にあまねく提供していくということでございまして、その目的を達成いたしますためには、電気通信に使います設備というもの、これが入札という手続で購入をするということでは、先ほども大木先生の御質問に当方からお答え申し上げておりますいろいろ薮理由がございまして、そういった理由で非常に安定した電気通信サービスを安いコストでやっていこうということに支障がまいりますので、公衆電気通信設備につきましては随意契約という形で購入を今後とも続けてまいりたい。これは先ほど先生もおっしゃいましたとおり、自国で十分な生産能力を有しております先進国においては現在どこもとられておる方策でございますので、われわれ特段に世界的な常識と変わったことを主張しておるというふうには考えておらない次第でございます。
○説明員(馬渡一眞君) 基本的に申し上げますと、ただいま国鉄では年間お客様の数で延べ七十億人のお客様をお運びしておるわけでございまして、その意味から品物のよしあしは直ちに人命にもかかわるということが出てこようかと思う次第でございます。現在におきましても、そういう意味において直接運転保安に関しますものあるいはかかわるものが相当部分を国鉄の調達する資材の中で占めております。これらはいまのような理由であるとかあるいは経験を積み重ねて総合的な技術開発をやってまいりましたというようなこともありまして、また一方では保守ということを考えなければならないわけでございます。そういう面におきまして、やはり現在実際上も随意契約の金額が大変多くなっておる次第でございます。その基本的な考え方は今回の場合でも変わらないというふうに思っております。
○市川正一君 わかりました。 ところで、通産省にお伺いしますけれども、先ほどの御答弁の中で官公需の中小企業への発注比率が五十二年度二八・七%というふうに伺いましたが、今年度の、要するに昭和五十三年、一九七八年度の目標及びその遂行状態はいかほどになっていますか。
○政府委員(左近友三郎君) 五十二年度の実績でございますが、先ほどお答えをいたしましたのは、実は調達のうちの物品の調達だけでございます。それで当然工事をするとかあるいは役務を調達するとかいろいろございまして、合わせました実績は、五十二年度は官公需総額のうちの中小企業向けの発注額は三四%ということに相なっております。 そこで、五十三年度でございますが、これにつきましては、目標額としては三五・五%という目標を掲げて現在鋭意実行中でございまして、関係各省と連絡をとりながら進めておりますが、まだ年度中でございますし、実はやはり三月ぐらいの発注といいますか、工事実施が多いものでございますから、まだどうなるかわかりませんが、極力この目標に到達するように努力をしてもらうように御連絡をしながらいま詰めておるところでございます。これは年度が明けますと集計をいたしましてごらんに入れることができるかと思いますが、もう少し時間をいただきたいと思います。
○市川正一君 大臣この官公需における中小企業の発注の比率をできるだけ高めていく、年々引き上げていきたいというのは私も本会議でも御質問をしたことがあり、政府の一貫した御方針だというふうに理解しておりますが、そのように理解してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) どうぞ御理解ください。
○市川正一君 鋭意その方向での御努力をこの機会に重ねて要望いたしたいと思うのであります。 そこで、電電公社と国鉄にお伺いしますが、いまも政府の方針として確認いたしました官公需の中小企業向け発注比率については、それぞれ公社としても御尽力をなすっていると思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(小原明君) ただいま中小企業庁からお話がございましたが、私ども電電公社におきましても官公需につきましては、日ごろから協同組合の一括調達でございますとか、あるいは大企業から中小企業への発注切りかえ、こういうような施策を通じまして中小企業の発注増を考えておるわけでございますが、御案内のように、五十二年度におきまして私どもの建設を含めました全体でございますが、二一・九%、五十三年度では二二.八%ということで上げるように現在努力をしている次第でございます。
○説明員(馬渡一眞君) 国鉄の場合もまず比率で申し上げますが、中小企業が受注をいたしております割合は、五十一年度二一・八、五十二年度が二二・一とわずかではございますが、ふやして努力をしておるというつもりでございます。実は国鉄が直接資材購入のための契約をいたしております会社の数にいたしますと、約一万三百社ございます中で二千七百社が大企業、一億円以上の資本金で従業員三百人ということで考えました場合に、それが二千七百社、それから中小企業が約七千六百社ということでございまして、実際の契約に当たりまして、たとえば車両のようなものをとりますと、相手は確かに大企業と言われますものが対象で契約をいたしておりますが、その車両会社につながっております関連会社はやはり中小企業関係の業者も大変多いというふうに思っております。その意味では最初に申しました数字以上に実際には中小企業の方に仕事がいっておるというふうに考えておる次第でございます。
○市川正一君 そこで、これは仮のと申しますか、仮定の話ですが、先ほど伺った際に、たとえば公衆電気通信施設とかあるいは直接の輸送関係などについては技術的問題等で開放されないが、仮に開放された場合に、結局技術的にそれほど高くない市場性のある物品ということになりますと、結局中小企業関係の品物がまず開放されるというおそれなしとしないのでありますが、そうなったときに、先ほど来の中小企業の発注をいわば確保し、保証し、拡大していくという見地を貫いていかれるかどうかという点についての基本姿勢ですね、これを電電公社並びに国鉄に再度お確めさしていただきたいのです。
○説明員(小原明君) お答え申し上げます。 私どもは先ほどお話しいたしましたようなことで、国の方針でございます官公需につきましても、中小企業者の受注の確保に関する法律というものの趣旨を踏まえて、先ほど申しました協同組合の一括調達あるいは中小企業への発注がえというようなことでその育成に鋭意配意しておるわけでございますが、仮に公社がそのような物品が国際規格の対象になった場合には競争契約が中心となる、またこのようなコードの中にいわゆる大企業あるいは中小企業というような受注先のいろいろ規定等がございませんので、きわめてこのような従来の施策が困難になるんではないかというふうに考えております。
○説明員(馬渡一眞君) ただいま先生がおっしゃいましたように、確かに運転保安に関するようなものを一応除くということになりますと、対象としてはそのような物品のものが可能性があるわけでございますが、現在まだ品目その他について国鉄として最終的な態度を決めたわけではございませんので、御折衝を待つというかっこうにもなっておりまして、中小企業に関しまして私どもも非常に心配を持っておりますので、その点はぜひこれまでの政府の御指導も受けまして、なお配慮しながら対処してまいりたいという気持ちでございます。
○市川正一君 私、冒頭来電電あるいは国鉄に、アメリカの物資調達開放について、それはまさに不当なものであり、国民のいわば真の国益に反するという立場からいろいろ申してまいりましたが、同時にこのことは現在の公社の随意契約のあり方そのものをそのまま是とするという立場でないということもこの際ちょっと触れたいのであります。 たとえば、公社が大企業との随意契約で調達しているものの中には、かなり分割してたとえば中小企業に発注できるものも少なくないわけであります。これは去年の予算委員会で私どもの内藤委員が国鉄の新幹線の建設工事の約九二%が大企業に発注されている。たとえばこれは一例でありますが、排水設備のようなものは地元の中小企業にだって十分できるということを指摘いたしまして、国鉄も入札に参加できるようにその後いろいろ改善を図られておるというふうに伺っておりますけれども、実は私は国鉄の出身で、国鉄の施設畑におりました関係で、先ほどの大木さんは電通でございますが、主査もこれは余談でございますが、国鉄の瀬谷さん、いろいろいらっしゃるのですが、そういう意味から見ましても、少なからずの部分で国鉄でも中小企業がやっていく分野というもの、お仕事はあると思うのですね。そういう点で可能な限り中小企業にも発注をふやす特別の努力が求められているというふうに私思うので、重ねて電電公社並びに国鉄のお考え方を確認いたしたいと思います。
○説明員(小原明君) ただいまの御質問についてお答え申し上げたいと思います。 私どもも、先ほど来の国の方針に従いまして、中小企業におきましても、単純なものを中小企業がやるというのではございませんので、むしろ高度なものを十分こなせる技術を中小企業としてもつけるというようなことから、私ども例年やっておりますのは、御案内のように、交換機につきましてもその一部につきましては中小企業にこれを発注する、あるいは搬送の機器にいたしましてもこのようなものを中小企業に分割して発注するというような施策を例年続けてきておるような次第でございまして、ぜひともそういったようなことで中小企業の育成を今後ともすそ野の広い発注をやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○説明員(馬渡一眞君) 先ほど全体の率でお答え申し上げましたように、こういうかっこうで努力をしてやはり中小企業の仕事を確保するということをぜひ考えてまいりたいと思っております。
○市川正一君 大臣、以上のような立場に立っておりますので、公社関係も含む一連の政府関係の中小企業の官公需拡大のために一段の御努力、御尽力を賜りたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(江崎真澄君) これは非常に重要なことだと思っております。外国商品との競争に、電電の場合ももちろん世界的な成果を上げていますし、国鉄だって経営内容こそ悪いが、技術はもうこれは世界一ですからね。ですから当然競争にたえ得ると私は思いますけれども、しかしもし犠牲が出るというようなことがあれば中小企業庁を中心に十分配慮をいたします。
○市川正一君 同時に大臣にぜひお聞き願いたいのですが、昨日これは全日本電気機器労働組合連合会、電機労連というふうに俗に言ってます。それから全日本電線工業労働組合、全電線と申します。全国金属労働組合、全金と申してます。それから全国電気通信労働組合、全電通。この四単産の組合の委員長の連名で大平総理大臣あてに要請書が出ています。この中身は情報通信産業に関連している労働者が今度の門戸開放に対しまして、これは雇用不安に拍車をかけ、そして労働不安を惹起させるものであり絶対に反対である、政府は毅然たる態度で交渉に当たってほしいということを要請されております。また、全電通の組合試算によりますと、もし発注の五割がアメリカに行くというふうになると関連業界で十万人からの失業が出るというふうにも言われております。私は、こういうやっぱり労働者の声、そこの家族の声、また関連のいろんな業者の声に対して政府が毅然とした態度でこれに責任をもってこたえられるべきだというふうに考えますが、御見解を承りたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) 私は通産省で機械を担当しているわけでございまして、ただいま先生の御指摘のございました各単産の関係の業種を所管しているわけでございます。 そこで、私どもの基本的な考え方を一言申し述べさしていただきたいと思いますが、各単産の方から絶対反対という声が私は当然起こってくるだろうと思うわけでございます。しかしながら、一方におきまして私どもの所管しております業種の方々は電電公社との取引だけでもない方もたくさんいらっしゃるわけでございまして、全体のレベルアップを図らなくちゃならぬというのが私どもの立場でございます。したがいまして、先ほど来電電公社の方から御説明のございました問題のないような開放の仕方をする必要はあると思います。私どももそれをバックアップしたいと思うわけでございますが、仮にこの問題が国際的に摩擦を起こすようなことになりまして、その他の事業を営んでおる方々に逆に迷惑がかかるようなことになりますと、これまた大変な問題にもなりますので、その点に十分配慮をしていわゆる接点を見つけていただきたい、国際摩擦も回避でき、かつ国内的な問題も起こらない、こういうような接点を早く見つけていただきたいというのが通産省のそもそもの基本的な姿勢でございまして、そういう方針のもとに私どもといたしましても全面的な御協力をしたい、かように考えているところでございます。
○市川正一君 時間が参りましたので最後に一言要望とそれから大臣の御所見も承って終わりたいと思います。 私は、この問題を通じて今度の日米間の摩擦の大きな要因になった貿易黒字、これのいわば真の原因といいますか、これについて、やはりいまこそメスを入れるべき時期だというふうに考えております。私は貿易黒字の最大の原因は結局自動車だとか電機だとかあるいは鉄鋼だとか、冒頭に言いました農民のいわば素朴であるが、しかし同時に私に言わせれば核心をついた疑問ですね、そういう一部の大企業、結局低賃金とか長時間労働、それから殺人的な労働密度、そういう中で、やっぱり下部の下請をもたたき上げて異常なまでの国際的競争力を高めたと。で、賃金の問題、先ほど大臣は韓国が日本の六分の一だということをおっしゃったけれども、じゃあ日本はどうかというと、アメリカの四割、西ドイツの約五割、イギリスの約七割であります。これはきのうの予算委員会で私の方の渡辺委員が質問して、日経連の資料にもそうあり、そして政府自身もお認めになったところであります。 こういういわば国際的に非常な低賃金、そして実労働の一週間当たりの比較でも、これは非常に長時間労働をやっている。そこにやっぱりメスを入れて、先ほど内需を高めるということを大臣もおっしゃったけれども、内需を高める最大の問題の一つはやはり国民の購買力を高めていくというところにあると思うのですね。そういう国民の購買力を高めていく上での大きな要因として、私は労働者の賃金の問題、労働条件の問題、不破書記局長が衆議院でも申しましたが、住友銀行の調査によると、たとえば残業をなくすだけで九十九万人の雇用増が図られるということ、民間のそういう統計でも出ている。とすれど、その問題にやはり真剣に私はメスを入れ、あるいはそこにてこを入れるというところに今度のこの門戸開放問題をめぐっても決着してくると思うのでありますが、こういう点で通産行政の上で大臣がやはり毅然たる態度をとって臨まれることを私は要望もしますし、こういう点での御所見も承れれば幸いであります。
○国務大臣(江崎真澄君) よく御意見の存するところは傾聴いたしました。
○市川正一君 終わります。どうもありがとうございました。 —————————————
○主査(瀬谷英行君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、安恒良一君及び多田省吾君が分科担当委員を辞任され、その補欠として粕谷照美君及び馬場富君が分科担当委員に選任されました。 —————————————
○主査(瀬谷英行君) 質疑を続けます。
○井上計君 先ほどお配りをいただいておりますところの各資料の中で、五十四年度の通商産業省予算案等についてというふうな文書もあります。その中にも記載されておりますけれども、中小企業関係の政策の充実につきましては、通産省、中小企業庁に特段に御努力いただいておりますことについては評価をいたします。ただ、中小企業関係の対策費は対前年度比一二・七%増でありますけれども、一般会計の前年度比に比べますと、伸び率もそれほど多くないというふうなことを感じますし、また、長年にわたって全体の予算の中で占める中小企業関係の予算は千分の六弱でありますから、中小企業関係の予算としては長年言われておりますが決して多いとは言えない。やはり少ないといういろいろな声が大臣も長官も御承知のとおりずいぶん高まっておるわけであります。江崎通産大臣に御就任をいただきましてから、江崎通産大臣は中小企業のことについては大変お詳しい、中小企業の多くが大臣に期待をしております。今年度五十四年度の予算は通産大臣御就任前にすでにできておったものでありますから、通産大臣の御意向は余り入っていないというふうに思いますけれども、ぜひまた五十四年度予算の執行に当たって、さらには五十五年度予算の編成等に当たりましては、ぜひひとつ格段のまた大臣に御努力をいただきますように、これは最初に要望いたしておきます。 そこで、このようにいろいろと御努力をいただいておりまして、中小企業のことをずいぶんお考えをいただいておるわけでありますけれども、他のいろいろな関係の法律あるいは行政という中で、中小企業に対する助成あるいは指導というふうなものとの整合性を欠くというものが非常に多いと思うのですね。きょうはそれらの問題等につきまして、主として公正取引委員会にひとつお伺いをいたしたいというふうに思います。 実は、中小企業が圧倒的に多い印刷業界の問題でありますけれども、印刷業界の中の印刷業者の仕事の中に、広告チラシ、宣伝物のチラシ印刷というものが大変多いわけですね。特にこのような不況の状態が続いてまいりますと、また特に中小零細企業が宣伝媒体としてチラシ、新聞の折り込みを使うことが非常に多い。いわば大企業と違いまして、中小企業の場合では新聞の折り込みチラシというのが重要な宣伝媒体でありますので、それらのものを非常に多く使うわけであります。ところが、この新聞の折り込みチラシの料金は新聞販売店が取るわけでありますけれども、この料金が明らかに協定されておると、こう思われる節が長年続いておるわけであります。新聞の販売店の経営内容というのは千差万別でありますし、また地域差もあります。それから販売店によっては新聞の取り扱いの量のまた違いもあります。したがって、同一であるのはおかしいということは私ども長年感じておりますが、実際には事実上統一されておる、明らかに独禁法違反の疑い、あるいは違反しておるのではなかろうかと思う節があるわけでありますけれども、それらの点について公正取引委員会としては承知をしておられますかどうか、まず最初にお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(妹尾明君) 広告のユーザー等から独占禁止法に違反する協定があるのではないか、そういうふうな形で出てまいるものもございますけれども、一般的に常時私どもそういう関係の仕事を担当しておる人員にも限りがございまして、特定の業界が常時価格決定の状況をおとりするというわけにもいきませんので、一般的にはなかなかちょっと把握しがたいという実情でございます。
○井上計君 ごもっともだと思います。 そこで、委員長、資料をちょっとお配りしてよろしいですか。
○主査(瀬谷英行君) はい、どうぞ。
○井上計君 いまお配りをいたしましたのはごく東京都内の一部の例でありますけれども、ここにありますように、これはある団体で実は各新聞販売店に直接電話で聞いた価格であります。これは新聞の折り込み料金ですね、地区としては東京都内の青山、大泉学園、あるいは本郷、方南町、亀戸、五反田というふうに大体ずっと都内いろいろな地域差を考えながらいろいろな方面で実は問い合わせをした。ここでまず一番多いB3とB4、後でまた申し上げますけれども、B3というのはこの大きさがB3というんです。これは大臣よく御存じですからね。
○国務大臣(江崎真澄君) いや、余りよくわかりません。
○井上計君 そうですか。新聞一ページ大、これをB3と言うのです。このB4というのは、俗に言うタブロイド判と言いますが、これの大きさをB4と言いますね。ほかにもサイズがありますが、二つのまず料金を調べた。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の三社の販売店で調べたと、こういうことであります。ここをごらんいただきますように、これは千枚単位になっておりますけれども、一枚当たりがB3が三円四十銭、朝日新聞も全部一緒、ただ本郷が三円なのはちょっとこれは少し応対した人のなにで、あるいは間違いかというふうに思いますけれども、三円四十銭、読売新聞も毎日新聞も全部三円四十銭であるということになっております。それからB4は若干実際との違いがあります。これも大体全部二円五十銭であるということでありますから、明らかにこれは私は協定されておると、こういうふうに実は考えざるを得ないわけでありますけれども、公正取引委員会はどのようなこの資料によって御判断をされますか、ひとつ御所見を承りたいと思います。
○政府委員(妹尾明君) 法律的に言いますと、価格が同一であるということだけをもって、団体の行為でございますと、独占禁止法の第八条第一項一号に、事業者団体は一定の取引分野における競争を実質的に制限してはならないと、平たく言いますとカルテルをやってはいけないということでございますけれども、このカルテルがあると断定するのはむずかしいわけでございます。問題はこの価格がどうしてこういうふうに斉一になったか、その経緯にかかわるわけでございまして、これに団体が関与しているかどうか、団体でたとえば決定されてそうなったのかどうか、そこら辺のことが問題になってきます。 もう一点は、これは恐らく私いまここで初めて伺ったわけでございまして、具体的に事実関係を私どもの方で調べたわけではございませんので、にわかに意見を申し上げるのはむずかしいのでございますけれども、料金表を作成してその料金表の価格をもし言ったとしますと、その料金表が実際の取引の場合にどのように適用されておるか、実勢価格との関係はどうなっておるか、その辺の関係を調べてみませんと、これだけでにわかに違法なカルテルありと断定することはちょっとむずかしいのじゃないか。ただ、非常にこういうふうにそろっているものをよく見ますと、一部たとえばB3ですか、本郷は三円であるというふうなちょっと違った値段も出ておりますし、なかなかよく見ませんとあれでございます。法律論といいますか、一般的に申し上げますと、そういうことでございます。
○井上計君 いま初めてごらんになったわけでありますから、公取としてもこれについては明確なお答えはもちろんおできにならぬということは承知をいたしております。ただ、先ほど申し上げた本郷についてはやや逆に向こうの説明が若干違っておるのではなかろうか。というのは、B3とB4が同じということはあり得ませんので、それらの点についてむしろこれは向こうが間違いだと、すべて統一されていることは間違いなかろうかと、こう思います。ただ、どこで協定をしているのか、またそういう事実があるのかどうか、あるいはその協定によってこれらの料金が実際にこれ以外のものは受け付けていないということ等の事実はおわかりにならぬことでありますけれども、ただ事実としてはこの料金を持っていかなければ新聞の販売店が印刷業者なり広告代理店業者なりが持ち込んだ新聞折り込みチラシを扱ってくれないということは事実でありますから、ぜひひとつ御調査をいただきまして、実はこれが非常に高いわけですね、この料金が。極端な例を申し上げますと、紙質等によりますし、また印刷の内容等によりますけれども、折り込み料と紙まで含めたそっくり印刷したチラシ一枚の価格が同じだという事実もあるんですね。だから、小さな小売商店等につきましては、実は折り込み料が高いのでもっと売り上げをふやすために宣伝をしたいができないのだというふうなことも事実方々で聞いておりますので、ぜひこれについては御調査をいただきたい。これはひとつお願いをしておきます。 そこで次に、日刊新聞社というのは本来どのような業務を営むべきかということについてはいろいろと定義があるわけでありますが、特に一つは、地方税法の第七十二条の四第二項第一号の新聞業とはという中のこれを見てみますと、「時事の報道を目的とする新聞」とは、一般人に対して政治、経済、文化、社会等に関する日々の事象を報道するということが一つ新聞の定義づけだということになっておりますがね。ところが、最近では日刊新聞社が民間の一般印刷業と競合するような営業活動をずいぶん行っておるんですね。 そこで、新聞業というのは、先ほどの新聞定義からいきましていろいろな優遇措置が各面でなされております。私の調べたところによりますと、まず事業税は非課税である。それから固定資産税が設備の中で一般の印刷業者等は法定耐用年数が大体十一年でありますが、新聞社の設備については全部ではありませんけれどもかなりのものが五年というふうなものがあると、こういう事実もあります。それから郵便法によりまして第三種郵便ということによって非常に低廉な郵便料金になっておる。あるいは鉄道輸送においても優遇措置がとられておる。そのほか、建築基準法あるいは首都圏整備法等につきましても新聞社は除外されておるという面もあるんですね。だから、一般の印刷業ですと、仮に建築基準法からいきますと商業地域等におきましては百五十平米ということで制限がありますけれども、新聞社については制限がないとか、そういうふうな優遇措置があるわけですから、したがって、新聞社と一般の印刷業者というのはやっぱり対等の地位にはないということが言えると思うのですね。ところが、対等の地位にない、すなわち有利な状態にありながら、一般の印刷業者と競合するような営業活動、果たしてこれが妥当であるかどうか、こういうことを私自身感じざるを得ないわけであります。 もう時間がありませんから引き続いて申し上げますが、いま申し上げたようなこと等から考えて、これから申し上げることが直ちに独禁法あるいは中小企業の分野法等に違反とは言えませんけれども、やはり法の精神からいってもやや問題があるのではなかろうか、こういうことを感じております。 そこで、例を一つちょっと申し上げますと、最近ごらんになったことがあると思いますけれども、新聞社が、本紙の一部であるというふうなことで、こういうふうな新聞の中にずいぶんチラシが出ておる。これは朝日新聞であります。こういうものがあるわけですね。これはもう全面チラシなんです、どう考えましてもね。ところが、これがどう考えても本紙とは言えないわけですよ。事実その証拠にはページ数が一ページ、二ページとこうなっておる。新聞の一ページは政治面であり、二ページは御承知のようにやっぱり政治面ですが、これは一ページ、二ページということはあくまでチラシだということになる。ただ、上に、何年何月何日朝日新聞、それから地域広告版と、こう入っておりますが、これはだから本来もうチラシであると、こういうふうなことが言えるというふうに思います。この場合は大体本紙と似たような紙であるということが言えますけれども、まあしかしこれはあくまでもチラシである。 それからさらにこれは最近の例でありますが、熊本日日新聞が出しておりますこういうふうなチラシがあります。これはもう紙も全然本紙とは全く違う紙。これらのものがただここに題字が入っておって熊本日日新聞何年何月何日地域広告版と入っておりますが、これは新聞と一緒に折りたたみをしないで別に新聞販売店に納めて、そして新聞販売店が折り込みをしておる。したがって、駅頭販売だとかなんかには一切これは入っていないわけですね。明らかにチラシであると、こういうことが事実出ておるわけでありますけれども、これが先ほど申し上げたように、直ちに独禁法あるいは分野法等に抵触するということではありませんけれども、やはり精神からいうとおかしいと、こういうふうに考えておりますけれども、これについてどうでしょう、公取としてはどういうふうな御感触をお持ちでありますか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(妹尾明君) 新聞社がそういう先生先ほど御指摘になったような形で事実上チラシ広告と同じようなビラの印刷を行うということが独禁法上問題であるかということでございますと、新聞業がほかの分野に手を出してはいけないという話になってまいろうかと思いますけれども、そのこと自体では直ちに独禁法との関係を云々するということはむずかしゅうございます。
○井上計君 私は、独禁法違反であるかどうかということでなくて、精神からいってやはり自粛すべきではなかろうかと、こういう考えでいるわけですね。これらについては独禁法上の問題がいろいろありますので、またひとつ十分御検討いただきたいと思いますが、大臣、中小企業庁長官、大変むずかしい問題でお答えにくいかと思いますけれども、中小企業対策という面で考えますとどういうふうな御所見をお持ちでしょうか。
○政府委員(左近友三郎君) 実は、いまお話しになりましたような案件につきまして、やはり地方の通産局にもいろいろ相談が来ておるケースがございます。ただ、分野調整法にはなかなか該当しにくいという新聞自身のまた大きさの問題もございますのでございますが、やはり中小企業の方としてはこれでいろいろな脅威を受けておるということもわれわれもよくわかるわけでございます。 そこで、通産局といたしましては、やはりよく当事者同士でお話をなさいと、そしてまた、そういう点でお話が進むような点でわれわれが出る必要があればまたよく実際問題のお話としてやろうじゃないかというふうな話をしておるということを報告を受けております。したがいまして、当面そういうふうな当事者同士のお話し合いを促進をしていくということでこの問題の解決を図っていきたいと考えております。もしそれがなかなかむずかしいことになればまたわれわれも考えたいと思いますが、いまのところはそういう形でやはり各地の実情に応じて中小企業の印刷業の方がお困りにならないような解決策を見出していきたいというふうに考えております。
○井上計君 長官、ぜひそういう面で、やはり中小企業対策というふうなことからしてそういう面につきましては余りそれらによって対立が起きないように、また紛争が起きないように、いろいろな面で今後とも十分ひとつ御指導、御配慮を願いたいと思います。 そこで、それに関連をいたしますけれども、実はきょう私が入手したものでありますけれども、名前はっきり申し上げます。朝日新聞の業務局長、広告局長名で各方面に配られたあいさつ状があるんですが、ここで直接朝日新聞社が今回いままで二つあった広告媒体の直系会社を合併して新しくまた会社をつくった。その会社は、「各新聞への折込広告の取扱い 折込広告の企画、制作、印刷、配布の全段階にわたって」云々というふうなあいさつ状が出ておるわけですね。これは資本等からいきますと、やはり分野法にも抵触するということになりますし、またこういうことがふえてまいりますと、一般の中小零細な、特に御承知のように印刷業というのは中小零細が圧倒的でありますから重大な問題になってまいりますので、今後とも十分ひとつ長官、また大臣、大所高所からこの面についての御指導をお願いをいたしたいというふうに思います。 それから、もう一つこれは公取にお伺いしたいのでありますけれども、昭和三十七年の九月十四日に日本新聞協会というところが「新聞折り込み広告基準」というふうなものを定めて発表しております。この折り込み広告基準とは、まあ折り込みの扱いですね、販売店の扱い、これについて、「日本新聞協会に加盟する新聞社とその販売店は、折り込み広告の社会的影響を考慮し、つぎのような折り込み広告は取り扱わないものとする。」と、こういう前文がありまして、幾つかの制限を設けております。「責任の所在のはっきりしないもの」とか、「虚偽誇大なもの」とか、「せん情的なもの」とか、「招待券等を刷り込んだもの」とか、そういうのがありますが、そのほかに「大きさ」として「新聞半ページ大を超えるもの」は取り扱わないことになっております。新聞半ページ大というのは、さっき申し上げましたけれども、この大きさなんですね。この大きさを超えるものは取り扱わない。したがって、これは取り扱わないということなんです。したがいまして、印刷業者側は営業活動をやるスペースの関係からいって最近いろいろ宣伝もかなり広範囲にわたりますから、これなら注文しよう。ところが、この注文を受けても、印刷業者が新聞社、新聞販売店へ持っていったら、これは拒否されるんですね。この大きさはだめです、規定がありますと。したがって、この大きさまでしか取り扱ってくれない。ところが、いえばそういうふうな制限を利用してと言うと言い方がどうかしりませんが、利用して新聞社が自社のものであればこういう大きさの物を出すと、こういう事実なんですね。だから、これは私はこれまたいろいろと御検討いただきたいと思いますけれども、やはり不公正取引ということに、いささかそういう面に抵触をするのではなかろうかと、このように考えますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(妹尾明君) この点につきましてもただいま先生の御指摘によりまして承知したわけでございますが、事実関係がちょっといま御指摘になった点だけで、結局問題は競争に対してどういう影響があるかということでございまして、法律的に言いますと独禁法八条の一項の四号に事業者団体は事業者団体の構成員の事業活動を不当な制限を加えちゃいかぬという趣旨の規定があるわけでございます。これとの関係でその不当とは何かといいますと、結局自由な競争を制限したり公正な競争を阻害するということで判断されるわけでございまして、仮にもし先生御指摘のように新聞社がおやりになっておる、そういう大きさの新聞大の広告、チラシなら印刷する、ほかの印刷所に印刷させた物を持ってきたら扱わないというふうな形になってまいりますと、これはやっぱり競争との関係で非常に問題があるとも考えられます。ただ、ここで一応決めてございますのはそこまではちょっといっていないようでございまして、それからどうも先ほどの例の新聞折り込み広告料金の方でもB3の料金も出ておるようでございますし、その辺実情を少しどういう実情になっておるのか見てみませんと、独禁法との関係の問題はなかなか判断はむずかしかろうかということでございます。
○井上計君 おっしゃるとおりなんです。そこで、東京では、これはB3ですね、これも半分に折って持っていきますと扱ってくれているんです、東京では。大体東京でしょう。とにかく東京は非常にこれが多いですよ、大きいのが。ところが、現実にいま例として挙げました熊本では、熊本日日新聞の販売店におきましては全部拒否しているんです、もう三年ほど前から。だから、したがって熊本市内の宣伝媒体としては一般の印刷業者が受注できるのはこの大きさまでしか受注できない。したがって、この大きさのものをぜひ出したいというスポンサーは熊本日日新聞に発注する以外に方法はないと、こういう事実があるわけですね。もちろんこれから今後の御調査をいただくということを要望しておきますけれども、そういうふうなことで、せっかく通産大臣、中小企業庁長官等が大変お骨折りいただきまして、中小企業対策等につきましては鋭意御努力をいただいております。これについては私ども大変感謝し、また評価をいたしておりますが、しかし、逆にまたそういう面で中小企業の正常な競争が制限される、あるいは中小企業が不利な状態に追いやられておるというふうな事実も各所で起きております。たまたまきょうは印刷のことだけで申し上げましたけれども、印刷以外の分野におきましてもこういうふうな事実がたくさんありますので、こういう面につきまして公正取引委員会も、従来とかく公取はとにかく自由競争、したがって値段は安い方がいいんだと、安い競争をしていれば公取に一番優良児としてどうも公取からほめられておるようでありますが、しかし、安い競争が必ずしも公正な秩序を維持しておるということは言えないわけであります。まして、こういう面で片方で制限され、片方では一般の業者がいろいろな面で制約を加えられているということについてはずいぶんと矛盾が起きておりますので、十分にひとつ御配慮をいただきたい。これは最後に要望しておきます。お差し支えなければ大臣の御所見を承りまして、質問を終わります。
○国務大臣(江崎真澄君) 私、いま御指摘の問題は初めてここで承知したわけでございますが、現実に即しまして十分今後配慮したいと思います。
○主査(瀬谷英行君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○主査(瀬谷英行君) 速記をつけて。 質疑を始めます。
○馬場富君 新聞等でも発表されておりますが、昨日のOPEC総会の閣僚会議の実情を説明してもらいたいと思います。
○政府委員(神谷和男君) 昨日、二十六日、二十七日、ジュネーブでOPECの協議会が開催されましたが、御承知のとおり途中で全会一致で臨時総会に変更がなされたわけでございます。 会議におきましては、発展途上国に対する考慮であるとか、あるいはメジャーの動向についての問題等が議論されたわけでございますが、一番重要な問題は、OPECの公式販売価格の問題でございまして、まず基本的には四月一日から——従来の三段階値上げでございますと一番最後の期に適用されるバレル当たり十四ドル五四六というマーカー原油の価格を繰り上げて四月一日から適用する。こういうことになりまして、さらに加えて、この調整のほかに加盟国は自国の状況に応じて正当と思われる範囲内でプレミアムを加えることができる。こういう価格についての決定がなされたわけでございます。 以上でございます。
○馬場富君 発表等によりますと、九・〇五%、一バレル十四・五四ドルが四月から実施されるということでございますが、昨年末のアブダビ総会で決定された今年の段階的値上げですね、これが予定分を半年間早く繰り上げて実施するというような形になるわけですけれども、この早まった大きい理由はどんなところにあるのでしょうか。
○政府委員(神谷和男君) すでに昨年のアブダビ総会の時期におきましても、イランの動乱というものは起きておりましたが、まだそれほど深刻な影響、あるいは影響の真価というものがあらわれていなかった段階でございますので、ただいま先生御指摘のような段階値上げが決議されたわけでございますが、その後イランの動乱の激化並びに生産の低迷と申しますか、混乱あるいは輸出のストップという状況が続きまして、国際的な原油市場の需給関係というものがきわめてタイトになった。そのためにスポット価格その他の原油価格が高騰し、一部の国ではOPECの十三・三四ドルという一月一日からの値上げに加えてサーチャージ等も独自に加えるというような動きが出てきた。こういう実勢並びにそれを反映した各OPEC加盟国の動向といったようなものから価格についての見直しが行われたというふうに考えております。基本的にはイランの動乱による原油需給の逼迫、それによる実勢価格の高騰というものが今回の決定を導き出したことになっておると思います。
○馬場富君 その大きい要因の中の一つにイランの生産及び輸出政策に係る点がずいぶんある、こう考えるわけですが、同国は日量四百万バレル生産を目指すと、こう言って一つの方針を表明しておるわけでございますが、果たしてこれが早期に実現できるかどうか、そういう保証というようなこと、この点を政府はどのように見ていますか。
○政府委員(神谷和男君) 現在、最近のイランの生産状況につきましてはNIOC等が正式に発表いたしておりませんので、正確な数字というのは把握できませんが、一般的には二百万バレル前後、人によりまして、あるいはニュースソースによりましては二百五十万バレル・パー・デーというような見方をしておるところもございますが、あるいは二百万を若干切ったようなところであろうというような見方もいたしております。ただ、いずれにいたしましても、一時期の六十万バレル・パー・デー、七十万バレル・パー・デーといったようなレベルからはかなり回復してきておることは事実でございます。ただ、まだ本格的な輸出を再開していないという段階でございますので、現時点においてイランの原油生産がかなり回復したと断定することは早計であろうと思います。しかし、いずれにしても徐々に上りつつある。 一方、イランの責任ある筋からは折りに触れ四百万バレル・パー・デーぐらいまで生産するとか、あるいはできるとか、あるいは三百五十万バレル・パー・デーぐらいの生産をするとかいうような表明がなされておりますが、外人技術者の手をかりなくとも四百万バレル・パー・デーぐらいまでは生産ができるだろうというのは、世界の経験者、あるいは知識者の一応の見方でございます。したがいまして、イラン政府がその辺までできるというような発言を公式あるいは非公式にすることは考えられると思います。ただ、そのレベルまでに早急に戻り得るかどうかという点に関しましては、現時点におきましては油田地帯の状況並びに油田関係の従業員等の服務状況等われわれが十分承知し得ない事項が多いと思いますので、早急にいけるということを余り期待することはやや危険であるというふうに考えております。したがいまして、ある段階までは出てくるのではないか、あるいは出てくることを期待する、こういう状況でございます。
○馬場富君 きのうの会議でイランの代表が日量四百万バレル生産を目指すということを表明しておるのだ。そのことについて、日本政府としてはその点を信用するかどうかということなんだ。
○政府委員(神谷和男君) 公式の場で、日本政府としてイランの代表の申したことを信用するかしないかというふうに設問されますと、非常にお答えしにくいわけでございまして、信用しないなどということを申し上げれば国際的にも非常に大きな影響が出てくると思いますが、われわれといたしましては、イランの代表がそういうふうに表明したことに大きな期待を持ちたい、こういうふうに考えております。
○馬場富君 次に、イランの増産に対して、同じくこれに同調してイラク、アルジェリアが三国間で生産調整を行うという動きもいま新聞等で報じられておりますけれども、これは将来できるかどうか、その見解を伺いたい。
○政府委員(神谷和男君) 会議の途中での情報で、ただいま御指摘のようなニュースが入ってまいりまして、この点にきわめて大きな関心とある意味では不安を持っておったわけでございますが、最終の決定にはただいま御指摘のような量の問題というのは入っておらないわけでございます。これ以降は推察になりますが、やはりサウジアラビアの八百五十万バレル・パー・デーという水準を九百五十万バレル・パー・デーまで引き上げているというこの政策、これが一番大きな注目をせねばならない事項でございますが、まず量的な問題、あるいは減産問題に関しては、サウジのほかいま御指摘のイラクその他の国々も含めて必ずしも足並みがそろわなかったのではないかという推察も可能でございまして、その根拠になりますのは、むしろサーチャージ等を各自の状況に応じて加えることができるという、ある意味ではOPECというカルテルの中ではその結束を乱すとまでは申し上げませんけれども、統一的な価格を設定できなかった、あるいはしなかった、こういうことで量の面においての主張と妥協をしたのではないかという推察は可能でございます。 ただ、以上申し上げましたことは推察でございまして、結論は量の点に関しては今回の決定では何ら触れられていないので、今後の状況を注視してまいりたいと考えております。
○馬場富君 きのうも質問したことでございますけれども、今回の値上げについてはやはり石油業界は予想どおりの大幅値上げだ、こういうような意見も出ています。やはり今後とも原油価格の上昇は避けられないというのが実は見方でございますけれども、この点について、政府としてはどのように考えていますか。
○政府委員(神谷和男君) まず四月一日から十四・五四六ドル、これはマーカー原油でございまして、それ以外の原油はこのサウジアラビアの原油に一定の格差をもって値段を決めていくことになると思いますが、ここまで上がることは確実でございますが、問題はプレミアムというものを各国がどのぐらいつけていくかということが非常な関心事でございますし、また影響も一部の国が声明したり、あるいは一部の報道で出ておるようなレベルになりますと、この繰り上げ引き上げにまさるとも劣らない大きな幅になってまいりますので、これがどの辺に落ちつくかという点を注視していかなければならないだろうというふうに考えております。
○馬場富君 聞くところによりますと、一バレル当たり二十ドルぐらいの原油が出現するのではないか、そういう可能性も考えられるのじゃないかという一つは見解もあるようですけれども、この点はどうでしょうか。
○政府委員(神谷和男君) 一バレル二十ドルという数字は、この総会の前のスポット価格、これが二十四ドルぐらいから二十二ドルぐらいまで、ちょっと一時イランが少し出しましたので下がっております。したがいまして、二十ドルというレベルはスポット価格に現時点では近いレベルと思いますので、すべての国の油がここまで上がるということは現在の需給状況、すなわちサウジが九百五十万バレル・パー・デーを出し、イラクその他も増産をそのまま続けるという前提に立ちますと、私は需給関係からあり得ないと思いますが、ただ、十四・五四六ドルでとどまるかどうかに関しましては今後さらに慎重に状況を見る必要があろうかというふうに考えますし、先生が先ほど御指摘の量的な問題で新しい動きが出てまいりますと、これはなかなか予断を許さないものではないかというふうに考えております。
○馬場富君 そうしますと、日本は昨年の原油輸入額が約二百三十四億ドルということですね。今回の値上げによる増加額は五億ドルなんです。日本の金額にして一千億強になるということになるわけですけれども、これはやはり一キロリットル当たりにしますと三百七十円程度アップするということになるわけです。この点につきまして、わが国石油業界はこの三日から七八年の第一・四半期の五%アップを織り込んで一キロリットル当たり三千七百円前後の値上げを実施しておるわけでございますが、これをさらに、先ほどの値上げが上乗せされるのかどうか、こういう点ですが。
○政府委員(神谷和男君) 一部の新聞等でも今回の値上げによる原油代金の支払い増、さらにそれを石油製品キロリットル、あるいは原油キロリットル当たりに換算した報道がなされておりますが、私が読みました新聞の計算というのは、余り合ってない計算でございまして、ある程度の額というのは計算できますが、ただ、これを私どもが公式の場で申し上げるということは、それだけの値上げをオーソライズするようなことになりますし、価格というものはやはりコストによって影響もされますが、需給関係によっても決定されるべきものであるという現在の社会経済体制に勘案いたしますと、今回の値上げがどのぐらいになるかということは公式には表明させていただくのは控えさせていただきたいと思います。ただ、先生御指摘のように、私どもの計算では、原油代金の支払いはアブダビ決定のときはそれまでより年間二十三億ドルふえるだろうというふうに考えておりましたが、今度の決定をそのまま引き延ばしまして、その後六月その他の引き上げがないと、それからプレミアムもつかないという仮定で計算いたしましても、二十九億ドルでございますから六億ドルばかり支払いがふえます。先生の御指摘の五億ドルと余り違わない数字だろうと思います。 あとこのほか、これに伴って石油税も従価税でございますからふえますし、フレートあるいは保険料等々もふえてまいりますので、コスト計算というのは非常に複雑になってまいりますが、六億ドルあるいはそれに類するものを二百円の円換算いたしましても千何百億円というものでございますから、一業界が負担し得る幅ではないということは申し上げられるだろうと思います。ただ、これに基づいて企業がどういう行動に出るかどうかというのは、まだしばらく先のことだろうと思っておりますが、状況は慎重にウォッチしてまいりたいと思っております。
○馬場富君 この原油値上げに対して通産大臣はどのように考えておるか、またどのように対処されるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) かねてから言われておった値上げでありますが、相当大幅な値上げであるという受け取り方をいたしております。 きのうの段階では、まあ十月のを四月に繰り上げるというような段階で新聞記者などから意見を求められまして、多少違った見解を述べたわけでありますが、後からプレミアムなどの話を聞くにつけても、これは相当な値上げであるというふうに思います。したがって、きのうも予算委員会でいろいろ議論もありましたように、この石油が諸物価に与える影響、特に関連製品などの諸物価に与える影響、これは相当大きなものがあります。したがいまして、当然値上がり分については正常な評価をしなければなりませんが、こういう時期にかりそめにも便乗値上げなどがあってはならないということで、今朝石油部長初め関係者ともよく相談をいたしまして、従来以上に監視体制を厳しくしていくということで、価格の動向には細心の注意を払いたいと思っております。
○馬場富君 次に、イランや中近東等の原油等の輸入がそういう状況で厳しい状況にあれば、当然やはり日本のエネルギー問題を通してもここに一つの焦点となるのは中国原油じゃないか、こう思うわけです。その点について、日中貿易の中でもそのポイントは経済面から推したら、やはりこの原油輸入が一つはなされなければ振興しないのじゃないかというふうに考えられるわけですね。だから、この中国原油の輸入についてはどのようになされていますか。
○政府委員(宮本四郎君) 日中貿易に占める中国原油の重要性をどう考えるかという御質問でございますが、御案内のように一九七二年の日中国交正常化以降、貿易は非常に順調に伸びておりまして、昨年は輸出が三十一億ドル、輸入が二十億ドル、合計五十一億ドルということになっております。その中で輸入の方の大宗は原油でございますが、これまた七三年初めて三千万ドルの輸入をしたところでございますが、昨年は七億六千万ドルで二十億ドルの約四割近いものが原油で占められておるわけでございます。 もう一つ、昨年の二月に中国とわが国との間で長期貿易協定を締結いたしましたが、その中で日本側から百億ドルのプラント資材を中国側に提供し、中国側からは原油、石油、石炭などを引き取ることになっておりますが、輸入のところで一番ウエートが大きいのが原油でございまして、一九八二年には千五百万トン引き取る、こういうことがうたわれておりまして、私どもこの中国原油の役割りというものは今後一段と高まるものと考えております。
○馬場富君 中国原油の輸入の量については最初の計画どおり進められておりますか。そして量的に言ってどの程度の量が輸入されましたか。
○政府委員(神谷和男君) 七八年、暦年でございますが、中国原油の輸入は七億五千八百万ドル、約七百万トン強でございまして、協定の想定しておりました数字を若干上回る程度でございます。七九年度につきましても、先般交渉が行われましたが、やはり協定のほぼ数字どおりのものが約束をされておる状況にございます。
○馬場富君 この中国原油の輸入につきましては、御存じのように前の大臣の河本さんが中国まで行って相当情熱を燃やし、日本のためにもやるという意気込みで相当力を入れられたわけですけれども、その後、結局新聞や業界等の話を聞きましてもいろいろな問題点があって、これは遅れておるということが言われておるわけです。まあ河本さんのあの当時の見解なんかでいけば、これは増量を考えていくことが日本においては可能だと。その中で具体的にいけば電力等の生だき等も考えられて、六〇年には二千万トンをひとつ目指してやっていきたいというような意見も河本さん自身の声の中から出ておるわけですけれども、そういう点で、いまちょっと進まない状況はどこらあたりに問題点があるか、ひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(神谷和男君) 御承知のように、八二年に年間千五百万トンということでございまして、協定を締結いたしましたとき、向こう五年間の数字は決定いたしました。この千五百万トンについて政治加算があるとかないとか、引き取れるとか引き取れないとかいう議論もございましたが、現時点において、われわれこの千五百万トンは引き取れるものというふうに考えております。これを前河本大臣が中国でお話し合いになりまして、さらに拡大していこうと、一説には三千万トンとかあるいは四千万トン、もっと長くすれば五千万もいけるのじゃないかというような話が非公式にあったことは事実でございます。この基本的に、要するに拡大しさらに協定の期間を延長していこうという件につきましては、現在取り決めの定期協議のために訪日しております中国の劉希文対外貿易部次長と日本側当事者の間で話し合いが進んでおりまして、期間の延長その他については、内容はほぼ合意に達したと聞いておりますが、油の数量につきましては、中国側はもう少し先に具体的な話を進めましょうと、こういうことになっておりますので、八一年までに話をしよう、こういうことになっております。 中国原油がなかなか引き取れないという具体的な原因はこれが重質油であるということでございますが、さらに具体的に申し上げますと、大慶原油をいま入れております。これも相当重質なのでございますが、大慶並みのものが今後もずっと供給されるのであるとまだいろいろ考え方が可能でございますが、それよりもっと重いような油が出てくるかもわからない。どういう油がどのぐらいの値段で出てくるのか、その辺がわかりません。したがいまして、中国側の供給体制等についてもさらに今後話し合いを進めていかなければならないわけでございますが、中国側としても、その点の話についてはもう少し先の方がよいという判断で、今回恐らく油の話はもう少し先にしましょう、ただ、基本的には拡大という考え方を確認しましょう、こういうことになったと了解いたしております。
○馬場富君 私どもでいろんな状況を調査した結果では、やはり中国原油が進まない理由は一つは業界に強い反対がある。あなたがおっしゃったように重質のためだと、そこからくるコスト高の問題、分解に金がかかるというような問題が挙げられておりますけれども、これについても、実際、現在重質油というのはかなり輸入されてきておるわけです。アメリカ等についてはこの重質油の分解というのは常識になってきておるわけです。だから、アメリカにおいてはかなり重質油の分解が具体的になされておるわけだし、やはりインドネシアの原油等についても重質なわけですし、それから日本においても日石あたりがインドネシア原油を輸入して、現実に日本の中でも粘質油製油所でこれを精製しておるということで、技術的にも非常に中国原油を日本に持ってきて精製することは可能だ。いわゆるコストの問題とそういう設備の問題に焦点が当たってくるのじゃないか。ここで日本のエネルギー対策、そして世界の情勢の変化等についても、ここらあたりでほかのエネルギー対策というのがまず早急に考えられない以上、ここらあたりに国が力を入れるべきだ。やはりそういう分解設備等について思い切った国の補助体制というものをとって、ここでそういう重質油に対して日本業界も使うという姿勢を示さなきゃいかぬ。先ほどのいいか悪いかの問題、また重質油の中の濃度の高いか低いかという問題は別としても、ずっと私どもが調べてみても世界の埋蔵量の石油は軽質油から安易にみんな掘られて、そしていま残ってきたのは重質油の系統が多くなってきておる。こういう観点からも、これは日本がエネルギー策と取り組んでいく場合に、ここに焦点を置いた対策を考えないと、いつまでも業界任せにしておってはいかぬのではないか。この点どうでしょうか。
○政府委員(神谷和男君) まさに御指摘のとおりでございまして、重い油は使いにくいとか、重いのを分解しておると高くなると言っておれるようななまやさしい情勢ではないと思いますし、今後はさらにこの傾向が激化してくるだろうと思います。他方、国内の需要の面で見ますと、原子力発電所その他がスタートしますし、LNG等も導入いたしますと重油の使用量は相対的に減ってまいりまして、中間留分あるいはガソリン等、白油分がどんどん伸びてまいります。原油は重質化し製品は軽質化するというギャップにまず第一に遭遇いたしますので、重質油問題というものは真剣に検討すべきと考えておりまして、私ども、大臣の諮問機関といたしまして重質油問題懇談会というものを設けまして鋭意検討を進めております。その中心になりますものは御指摘の重質油分解技術、これを完成せにゃいかぬということでございまして、この分解技術というのも、御指摘のようにアメリカ等でかなり進められております。分解技術には熱分解、接触分解、水素化分解と、こう三つございまして、熱分解がいま一番一般的でございます、接触分解も一部ございますが。問題は、アメリカで実用化しております分解技術というものはガソリンをつくる分解技術になっておりますので、これをこのまま使いますと日本の中はガソリンがあふれてしまって、いまでもガソリンは過当競争で灯油が足りなくて困っておるときに、この技術を導入いたしましても日本の実情にはそぐわない。これで灯油をつくればべらぼうに高い灯油ができてしまう、しかも余りたくさんできない。こういうことですので、わが国の需要に適合した、すなわち中間留分の得率の高い分解技術をどうしても開発しなくちゃいかぬ。これは日本の需要の特性でございますので、日本に適合したもの、それは大体水素化分解と接触分解のうち直接残油からやる技術、こういうまだ未開発の分野でございます。ここを解明することが一つと、その残りがどうしてもかすみたいな非常に粘着力の高い黒いものができますので、これを公害なしに燃焼できる技術、こういうものを有効利用いたしませんといけませんので、その技術を開発しよう、こういうことで本年度から予算案に計上していただいておりまして、トータル百八十億円の事業規模におきまして四年間ということになっておりますが、できれば三年くらいに繰り上げたいと思っておりますが、三、四年がかりでわが国に適した分解技術を完成したいと思っております。 さらに、それに至る間、あるいはそれと並行いたしまして生だきを転換していくとか、さらには、石油製品は相当昔の石油がまだだぶついておるころにつくった石油製品の規格でございますので、現時点の石油需給の非常に逼迫した状況を反映してこの規格をもう一度見直す必要があるのではないか、そういうことによって中間留分をさらに得率を高めていく、こういうことも検討せねばならないと思いますので、総合的に今後検討を進めてまいりたいと思っております。
○馬場富君 特に私どもが調査した結果では、技術的にはできるという点が確定的だと思うのです。ただ、予算の面なんですけれども、そういう点で一つは業界等にもしり込みがあるのではないか。この点、国策上ひとつ思い切った考え方を予算の上に持つべきではないかという点で大臣の所見をお伺いします。
○国務大臣(江崎真澄君) これは御承知のように、ことしの予算にも十七億円、これは国の純粋補助率、したがって事業規模は二十三億円ということになるわけですが、そのメリット炉業界としても少ないので、この研究開発のために四分の三の助成をする、助成率としては相当なものであるというふうに考えます。また業界自身も、今後いま馬場さんお示しのように、だんだん重質油に取ってかわってくるのですから、やはり業界そのものも努力をしてもらうという意味で四分の一ぐらいは当然負担していただかなければならぬ、協力でやりたいと思っております。
○馬場富君 次は省資源の問題からひとつ。 いまナフサやLNGが生だき等に使われております。原油の生だきはある程度まで理解できるわけですけれども、この点について、ここらあたりでこれは考えていく必要があるのじゃないか。非常に資源があり余っているときなら別といたしましても、公害等の関係はございますよ。ございますけれども、考えていく必要があるのじゃないか。特にNGLについてはこれはかなり精度のいいものが入ってきておるわけです。これは俗に言う天然ガソリンですか、そういう点で、関税の点も問題はありますけれども、これは輸入国の関係もございますので、これは別にいたしまして、やはりNGLというものが現在相当量日本に入ってきて使われておりますが、この量はどのくらいに推定しておりますか。
○政府委員(神谷和男君) 手元に正確な数字はございませんが、現在二百数十万キロリットルというふうに考えております。三百万キロリットルに近くいくというふうに覚えておりますが、将来の見通しといたしましては四百五十万キロリットルぐらいのところまでは上がっていくのではないかと思います。御指摘のように天然ガソリンでございますので、天然ガスが出ましたときに一緒に出てくる随伴物でございますので、それを目的の生産というのは余り行われておりませんので、それほど大きな量にはならないと思っておりますが、やはり有効な資源として貴重なものとしてわれわれは使用していかなければならないと考えております。
○主査(瀬谷英行君) 馬場君、予定時間を経過しております。
○馬場富君 量が少ないとおっしゃっておりますけれども、私どもの調査ではナフサとこのNGLの、いわゆる生だきの量というのはほとんど一緒なんですよ。それほど量的に使われています。そういう点で、これからの対策なり考え方の中で、ここらあたりをやっぱり焦点に考えないと、これは一つは各界からも問題が出てくるのじゃないか。特にその点については原油並みの関税で現在日本に入っておるわけでございます。品物は高度なエネルギー、火力を持ったものですから、そういう点ではやはり考えていかなければならぬと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(神谷和男君) 御指摘のように、ナフサとNGLの生だきは重油その他重いものを薄くして公害問題に対処するため、薄める材料として使っておるわけでございます。これはともに石油化学の原料としても恐らく使用可能だろうと。NGLはまだ一回ぐらいしか石油化学会社が使ったことはないと了解いたしておりますが、理論的には使えるというふうに私ども考えております。同質のものと考えますので、この種の軽質の油ないし軽質の石油製品というものをできるだけ生だきしたくない。ということは軽質原油の生だきもできるだけ遠慮していただきたいという気持ちと全く同じで私ども石油を扱うものは考えておりますが、いかんせん公害問題が非常にやかましいわけでございますし、これはやかましいだけではなくて、やはり地元の点を勘案いたしますと無視はできませんので、この点一つ一つつぶしながら、さらには公害防止設備を導入していただく努力をユーザー、電力業界等にもお願いしながら今後できるだけ減らしていくような方向で関係者と話し合ってまいりたいと思っております。
○主査(瀬谷英行君) 以上をもちまして通商産業省所管に対する質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十四分散会