予算委員会 第17号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1979/03/28
会議録
○委員長(町村金五君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和五十四年度一般会計予算 昭和五十四年度特別会計予算 昭和五十四年度政府関係機関予算以上三案を一括して議題といたします。 それでは、喜屋武眞榮君の一般質疑を行います。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 私は、初めに緊急質問ということにもなりかねませんが、石油値上げの問題に関連してお聞きしたいと思っております。 きのう二十七日に、石油輸出国機構、いわゆるOPECの原油価格は四月から九・〇五%、これは昨年末比の一四・五%の大幅値上げになります。経済企画庁の試算によると、原油価格が一〇%上がると卸売物価が〇・七%、消費者物価が〇・三%上がる、経済成長は〇・五%ダウンする、こう言われております。原油価格は今後も値上げされることが十分予想されます。 そこで第一問、大蔵大臣にお聞きしたいことは、政府はこの値上げを予想どおりの値上げととられておるかどうか。日本の景気、物価にどのような影響を与えておると考えておられるか、このことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 昨晩おそくOPECの臨時総会の結果が入ってまいりました。新聞などの情報の方がどうしても公式の電報などより早うございまして、私どもも最初聞いたときは、十月に気構えられておるいわゆる一〇%値上げ、複式計算で一四・五%程度の値上げを四月に繰り上げるのだということで相当な値上げ、それはそれだけですと約九%程度ですが、この程度ならばまあまあよかった方かと思っておりましたところが、そのほかに、それを原則としていわゆるプレミアムもつく。それになお上積みを二ドルとか三ドルとか四ドルとか上限はなしで、買い方があれば高くてもいいではないかといったような、何かスポットもの扱いみたいな話もその後になって入ってまいりました。全体を総合しますと、これは予想外の値上げでありまして、世界経済はもとより、わが国経済に及ぼす影響も相当なものであるというふうに考えられるのであります。 問題は、今後の値上げがどうなるか、これであります。これをやはり抑えていくためには、どうしても五%節約は今後といえども国民的レベルで徹底して行っていかなければならぬということを考えます。それから石油代替エネルギーの開発を促進しなければならぬ。これは残念ながらすぐというわけにまいりませんので、中長期の視点に立ってということにならざるを得ません。とりあえずと言えば、やはり足りない分の五%というものは、本当に徹底しなければならぬということを痛感するわけでございます。 さてそこで、今度の値上げがどの程度国内経済に影響をするのか、いま数字のお示しもありましたが、私どもがとりあえず計算したところによりますと、四月一日以降、いままで十三・三四ドル、これはアラビアン・ライトの値段でありまするが、これが十四・五四ドル、すなわち九・〇五%の値上げ、四月一日現在で。いまもうすでに一月から五%上がっておりますから、そういうことになります。そうして、それにいま申し上げました各国それぞれの事情によりましてプレミアムをつける、こういうわけです。したがって上積みがイラクの場合は一・二ドル程度と言っております。六月にもう一遍OPECの総会を開くと言っておりまするから、またそこで値上げがあるのかどうなのか。そういうことを考えますと、これはどうしても節約を実行して、もう本当に高いものはボイコットできるくらいの体制を今後とっていくことが必要である。 これは量的には現在心配は要りません。イランも日産四百万バレルぐらいは産出したいということでOPECで約束したもののようです。これは政情が本当に安定するかどうかということによって、その態勢も変化を来しましょうが、当面、そういう計画が立てられたことも事実であります。ですから、本来ならば一方で五%の節約をする、一方では北海油田が開発された、アラスカ石油が開発された、メキシコがもうすでに輸出こそしておりませんが国内需要に充てておるというような場面ですから、人気以外の実勢力から言うならば、まさに産油量というものは、今日イランの減産分を数えても、とんとんだということが言えるのです。 それが足りないというために大変なあおりがあるということ。ですから、私は、IEAで言っておりますように、世界的に、特にわが国においては冷静に対処する、これをあわてればまさに産油国を初め石油関連業者に利せられるだけで、一般消費者は犠牲者になる。今度の場合は、特に量的にはどうやら前年同期並み以上の確保ができつつありまするので、私ども十分今後冷静に対処をしながら、そうかといって便乗値上げなどのありませんように、やはり相当なこれが諸物価に与える影響は大きゅうございます。たとえばいまお示しのように――GNPは〇・五と言っておられましたが、これはちょっと計算違いじゃないかと思いますが、私どもがいま積算したのでは〇・二%程度ですね、これはGNPを引き下げる、足を引っ張る。それから卸売物価は〇・六%程度、これは上がる方ですね。それから消費者物価は〇・三%程度の影響を受けるのではなかろうか。とりあえずの積算でございますが、そういうふうに考えておるものであります。したがって、いま申し上げましたように、先行き便乗値上げなどのありませんように、十分値段は監視していかなければならないということを痛感いたします。
○喜屋武眞榮君 いま約五%の節約を考えておると、こうおっしゃいますが、その五%の内容はどのように考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 内容につきましては、すでに先ごろ発表をいたしたところでありまするが、冷暖房温度の調整、もうすでに今日この部屋も暖房は切れておるわけでございますが、今後とも、従来二十二、三度だったものを十九度、いわゆる三度低く抑える、これで約六百十万キロリットル――これ少し詳しく申しますか、後から資料で差し上げますか。
○喜屋武眞榮君 資料で。
○国務大臣(江崎真澄君) それじゃ後から資料で申し上げますが、当面、たとえば冷房の温度調整、特に沖繩県などは暑いところでありますが、二十八度ぐらい、三度これは高くして、ノーネクタイ、ノー上着のような形でこの夏は過ごすことによって百三十万キロリットルぐらいの節約を図ろう。そのほかエレベーターとか官公用車の節約であるとか、あるいはマイカー使用の自粛、あるいは経済速度、高速道路では八十キロ以上にはしないといったようなこと。そのほか生産分野における節減措置としては、電気事業の原子力等への燃料転換、LNG、石炭への転換、それから特に重油を燃やしておりますところへ石炭の混焼、いまでもやっておりますからこの石炭混焼の比率を高めるとかいうような形で節約を願いたい。大口規制は、景気持続、雇用の安定というような面から、量だけは確保できておりまするので、とりあえずはいたしませんが、大口需要者はそういう混焼、転換というような面で十分協力を願おうということで徹底して行政指導をしておるわけであります。 そのほか、サマータイムの実行であるとか週休二日制であるとか、いろいろ言われておりますが、これはただ燃料節約というだけの見地からは結論を出しにくい問題でありまするので、これは内閣全体として今後どうするかということは検討問題として検討をしてまいる予定でございます。
○喜屋武眞榮君 いま述べられたことは、協力を求めるという、極端に言いますとペーパープランであります。現に実際の底辺に密着しておるか、各業者にあるいは関係者に実行が伸びておるかどうか、その点の判断はいかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 御質問の点は、私も重要だと考えております。したがって、これは各関係省庁のそれぞれの機関、数百の関連機関がありまするから、これを通じて地方末端にまで徹底させる努力を、省エネルギー・省資源対策推進会議、これは総理府総務長官が主宰しておられますが、総理府からいま号令を出しております。それからモニター制を採用いたしまして、その実行の成果については絶えずチェックをしていくという態勢でおります。 なお、これは協力を求めるという形でありますが、なかなか徹底しにくいところが確かにあると思います。したがって、今後、折あるごとにそういったあらゆる機会をとらえまして十分徹底を図っていくようにしてまいりたいと考えます。
○喜屋武眞榮君 一例を申し上げます。たとえばガソリンスタンドの土曜、日曜休む、こういうことも言われております。これを守っていないんじゃないかといううわさもありますが、いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 現在は、そこまで実はまだやってないわけなんです、自粛を求めている程度ですから。したがって今後の推移によってはそこまで行かなければならない。それから、たとえば深夜テレビの放送の打ち切り時間の繰り上げとかいろいろございますが、これも半年以上もう波を売ってしまっておるといったような業界事情などもありますし、ムードづくりには大いに役に立つわけでありまするが、実質の節約にはさしたる大きな影響もないということで、量が確保できるということで見ておるわけです。 それから産業界などは、前の石油ショック後石油が四倍になった、あの時点から相当な節約はなされておるわけです。その現実の証拠は、あの四十八年のピーク時からずっと今日まで、石油消費量というものはほぼ同じレベルで推移してきておる。これはまさに企業がコスト切り下げのためにも相当な節約努力をしたり燃焼の合理化を図っておるということの一つの証拠として言えると思うんです。ただ言えるのは、民間消費が、電気の消費量などをめぐりまして、家電製品の発達と相まってこれが約四%近く伸びておるわけであります。したがって今回の節約も、一般国民の協力、まず隗より始めろで、官公庁が中心になって節約の模範を示そうということで節約方途を立案した、こういうわけでございます。
○喜屋武眞榮君 高度成長時代の、いわゆる消費は美徳なりというその意識がまだ国民にあるのじゃないか。いわゆる節約は美徳なりという、こういうまず精神的な転換、そうしていまおっしゃるように、かけ声に終わらずに、本当に徹底さしてもらうように、ひとつたがを締めてかかってもらいたいと強く要望いたします。
○国務大臣(江崎真澄君) 御要望は全く同感であります。今後とも十分配慮しまして、また喜屋武議員などの御協力も得ながら、ぜひひとつ実効の上がる節約を続けたい。 これはドイツなどの場合は、値段が上がれば上がるに任せておけ、値段が高くなれば自然に節約するじゃないかと、いわゆる価格メカニズムに依存するという傾向で、IEAなどでは非常に代表が力説したと、こう言います。日本の場合は、そんなことはちょっとまだ考えられないですね、傾向として。ですから、今後、値段の動向などに私ども通産省としては十分配意をしてまいりたいと思います。
○喜屋武眞榮君 文部大臣にお尋ねしますが、文部大臣は、沖繩独特のこの芸能文化についてどのような御認識を持っておられるか、お伺いしたい。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は沖繩へもたびたび参りましたが、私が非常に印象に残っておるのはやっぱり蛇皮線ですな。そのほかにもたくさんいいものがありますが、私の印象に残っておるのは蛇皮線でございます。
○喜屋武眞榮君 ずばり当てていただきましたが、蛇皮線じゃなくて三味線と言いますが、三線とも言いますが、これが五百年来の沖繩の伝統芸能の中核をなすものであります。その三味線はいかなることがあってもこれを変革してはいけない、こう思っていらっしゃいますか、どうでしょうか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 私はこれだけは何としてもやっぱり保存したいと思っています。それが蛇皮線を中心に沖繩の舞踊とか文化が非常に楽しく発達したと、こう思っております。
○喜屋武眞榮君 その三味線に関連することでありますが、外務大臣にお聞きいたしますが、例のワシントン条約、すなわち野生動物及び植物で絶滅のおそれのある種の国際取引に関する条約、ワシントン条約が四十八年の三月に一応調印されておりますね。今度の国会でこの条約が批准されるようなことも聞いておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおり、この条約の趣旨にはわが国は賛同をいたしておりまして、署名をいたしております。そこで、場合によっては、今度の国会でお願いするかもわからぬということで準備を進めてはおりますものの、いま御承知のとおりに準備会等をやっておりまして、世界各国が相談をしているところでありますが、この都合によっては必ずしも今国会にお願いするという段取りにはいけないわけでございます。 かつまた、その趣旨には賛同でありますが、付表のIとIIがありまして、この付表のIIにいまのヘビの皮等が入れば大した影響がないわけでありますが、付表Iに入りますると、絶滅に瀕するものの保護ということでこれは非常に影響を受けるわけで、そうなってくると、養殖をするとか輸入を減らすとか、あるいは別個の方法を考えなきゃならぬということで、いまのヘビの皮も付表Iに入るかIIに入るか調査をし、何とかIに入らぬように努力をしているところでございます。したがいまして今国会に必ず批准を願うというところまではまだいっておりません。 いずれにいたしましても、先ほど言われたとおりに、伝統芸術というものは民族主義の出発点であり、すべての問題がそこから出てきているわけでありますから、これは何とか保護ができるように外務省としては各種の配慮をする覚悟でございます。
○喜屋武眞榮君 ちょうどタイミングがいまのお話からも大変よかったと思っておりますが、実は、この条約が批准されるのではないかということでいま沖繩では大騒ぎをしまして、このように毎日の新聞にもそれを取り上げておりますし、また沖繩芸能連盟会長あるいは沖繩の自然と文化を守る十人委員会代表とか、沖繩文化協会長、沖繩芸能協会長、沖繩民芸協会長、こういったすべての団体が総立ち上がりをしておるのでありますが、これが規制になったら、沖繩の五百年来の文化のみならず、将来に向けても日本的な世界に誇る沖繩の芸能文化、この中核が三味線であります。 それで、御参考までに陳情の一例を読み上げれば御納得がいくのじゃないかと思いますので、「野生動物の国際取引に関する条約の輸出入規制にインドニシキヘビが含まれた場合、沖繩の三味線製作は不可能となり、五百年の伝統を持つ伝統芸能音楽、舞踊は根底から破壊される心配があります。ついては同条約規制から問題のニシキヘビを除外していただくよう、ぜひ貴殿の御理解ある処置を衷心から願い上げます」という、これは電報の一例でありますが、このように騒然となっておるのであります。それは伝統文化を、芸能文化の破壊につながるということでありますが、最も重視しておる点であります。 さらに、このヘビの皮が一万六千六十八枚年間輸入される。これが三メートルの長さを単位にして一万一千円。これは経済面からも貿易面からも非常に重要な意義を持つのであります。通産大臣とされましても、これは御理解ある御協力を賜りたいと思うのであります。 そこで一つ、これは私も素人でありますけれども、専門的な分野からのことを聞きましてなるほどと思いましたが、インドニシキヘビには通称三種類ある。インディアンバイソンとダイアモンドパイソン、モラルスパイソン、この三つある。このヘビ皮はこれでありますが、これが三味線の材料であります。これがハンドバッグになる材料でありますが、御参考までに。 それで、付表を見ますとIとIIに分類されておるようでありますが、もしこれがIであると完全に規制になり、IIであれば心配ないと、こう言われておりますが、その辺の情勢はどうなっておりますか。
○国務大臣(園田直君) 御発言の趣旨は私も十分理解しておりまして、いまの第一に条約を結ぶかどうか、第二番目には結んだ場合に付表Iに入るかIIに入るか、このところは調査もし、いま努力をしているところでございます。
○喜屋武眞榮君 それじゃひとつ、この県民の切実な要望を、県民の運命にかけてというところまで非常に心配しておりますので、ぜひ要望にこたえていただきますよう、将来にも不安の残らないようにひとつ万全の策を講じていただきたい、こういうことを要望いたしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(園田直君) 十分理解をして全幅の努力をいたします。
○喜屋武眞榮君 それでは次に、航空機騒音環境基準、四十八年十二月に告示されておりますが、改善目標達成率を運輸省と防衛施設庁は告示後五年目に、昨年の十二月十五日に発表しておられます。運輸省所管の特定空港は幾つありますか。
○政府委員(松本操君) 御指摘の特定空港の数は十五でございます。
○喜屋武眞榮君 その中で対策が不十分な空港だと認めておられるところはどこどこですか。
○政府委員(松本操君) 先日、私ども五年目標の評価をしたわけでございますが、その中でやはり特に問題が大きく残ったというふうに考えておりますのは大阪、福岡、この二つについては非常に遺憾な状態にある、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 成田、函館は十分だと認めておられるのですか。
○政府委員(松本操君) 成田につきましては、やはり現状では満足すべき状況と思っておりません。大阪あたりに比べますと、まあまあかとも思いますけれども、数字のとりようによりましてはあるいは大阪よりも悪いというふうに評価できるかもしれません。それから函館につきましては、これは必ずしも数字的な性能はよくございません。数字的な評価はよくございませんけれども、わりあいに便数が少ないというふうなこともございますので、周辺に住んでおいでの方の現実の希望等を突き合わせてみますと、まあ七割程度はいっているんではないか。ですから、これもほめた部類には入らないかもしれませんけれども、特段に悪いという方から入れると四番目ぐらい。大阪が一番ぐあいが悪いというふうな感じではないかと思います。
○喜屋武眞榮君 環境基準によると五年後、いわゆる五十八年にはうるさ指数七五を達成することになっていると発表されておりますね。運輸省の五十四年度予算五百六億円となっておるようですが、これで十分だというおつもりですか。
○政府委員(松本操君) 五十八年目標の達成の方法といたしましては、音源対策と周辺対策と二つに分かれるわけでございまして、音源対策の方につきましては大型低騒音機の導入あるいは運航方法の改善等をもって対処してまいりたい。周辺対策といたしましては移転補償及び民家防音工事でございます。いま先生おっしゃいました五百六億円というのは、その中の民家防音工事につきましての五十四年度の予算でございますが、これは五十四年度を取っかかりといたしまして民家防音の質的な向上を図ろう。従来一室、二室の防音にとどまっておりましたものを世帯の家族人数に応じまして、いわゆる全室防音というふうに言われておりますが、そういうふうな方向で質的な改善を図ってまいりたい。その最初の立ち上がりとして五百六億を計上したわけでございまして、したがいまして今後作業を逐次進めながら今後の五カ年間において十分に目的が達し得るように最大限の努力を払っていきたい、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 特に、年次計画もわからぬわけではありませんが、この騒音の苦痛というものは、これは痛めつけられておる、騒音に苦しんでおる人間でなければわからぬ。それゆえに一年でも一カ月でも早く解消をしていくという、こういう努力が最も大事である。健康、生命につながる問題を最優先すべきであると思うが、いかがですか。
○政府委員(松本操君) まさに先生御指摘のとおりでございまして、したがいましておっしゃいます五十八年目標、五年先のことでございますが、その時点において七五WECPNLということになるわけでございますけれども、私どもとしましては、その中間的な数字八〇、現在が八五でございますので、八五から七五へいきます途中の八〇という中間的な目標を来月中には設定をいたしまして、これによる線引きをいたしたい。その線引きをもとに可能な限り早く、ともかく八〇のところまでたどり着くようにいたしたい。八〇までいきますと、八〇から七五までというところは音のエネルギーもある程度下がってまいりますので、そういうふうなことで、わりあいにエネルギーの高いところを先に早く手をつけるというふうなことでせっかく努力をしていきたい、こういう心組みで取り組んでおる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 特に市街地の中心に近い大阪、福岡、この二港の解消については対策を特にひとつ重点的に取っ組んでもらうことを強く要望いたしておきますが、いかがですか。
○政府委員(松本操君) 冒頭の先生の御指摘に対して、私もオウム返しのように大阪、福岡と申し上げましたのは、いま御指摘のようなことがあることを私どもがよく認識しているからであったわけでございますが、そのために大阪と福岡につきましては、御案内のように、周辺整備機構というものを設けまして相当の予算額を投入いたしまして対応してきてまいったわけでございますけれども、遺憾ながら意に任せない点もないわけではございませんでした。しかし、問題の重要性は先生御指摘のとおりでございますので、さらに、この両整備機構を督励しつつ、私どもも一層の工夫をこらし、地元と十分な相談を詰めながら、なるべく早く先ほど申し上げました八〇WECPNLの目標に到達できるように全力投球をしていきたい、このように考えます。
○喜屋武眞榮君 それじゃ次に、米軍、自衛隊基地の航空機騒音に関する環境改善目標達成率についてお尋ねしたいと思いますが、その達成率は現時点ではどうなっておりますか。
○政府委員(玉木清司君) お答えいたします。 米軍及び自衛隊関係の飛行場、このほかに私ども射爆撃場を持っておりますが、これらを含めまして現在の達成率は四七・五%になっております。
○喜屋武眞榮君 その対象の航空基地は幾つですか。
○政府委員(玉木清司君) 中間改善目標の対象となります飛行場は第一種空港相当といたしまして十三個飛行場、第二種空港相当といたしまして五個飛行場を目標として実施しております。
○喜屋武眞榮君 その中で特に施設のおくれておる、改善のおくれておる基地はどこだと認めておられますか。
○政府委員(玉木清司君) 四七・五%と先ほど申し上げましたのですが、その中で一番低いものは埼玉県の入間基地が一番おくれております。続きまして浜松基地、横田基地及び沖繩の嘉手納基地と、こういうものが三〇%前後の進捗でございます。
○喜屋武眞榮君 いまおくれておる四つをおっしゃったんですが、その四つのうちで一番おくれておるところはどこだと思っておられますか。
○政府委員(玉木清司君) 数字の上で私どもはじいておる状況で申し上げますと、先ほど落としましたのですが、岐阜県の各務原にあります岐阜飛行場、それから埼玉県の入間飛行場、この辺が一番おくれております。
○喜屋武眞榮君 それじゃ沖繩の嘉手納基地については、どう対処しておられますか。
○政府委員(玉木清司君) 沖繩の嘉手納基地につきましては、騒音問題で最も重要視しておるところでございますけれども、私ども八五WECPNL以上を当面の中間改善達成目標としておりますが、その八五以上ということになりますと対象戸数が五千五百戸と見ております。その中で当面工事を希望しないものが約六百ぐらいあるという見込みをしておりますので、実際に実施しなければならないと考えておりますのが四万九千戸という予定でおります。それに対しまして現在まで完了しておりますのは千五百五十七戸でございまして、三一・七%の達成状況ということになっております。
○喜屋武眞榮君 そのパーセントからしましても、どうも私の確認しておるパーセントと違いますが、とにかくおくれておることは間違いありませんが、それを認めておられるでしょうか。そのおくれておることを認めておられるならば、おくれておる理由はどこにあるんでしょう、それをお聞きします。
○政府委員(玉木清司君) 先ほどのお答えで嘉手納の対象戸数四万九千と申し上げましたが、四千九百でございます。訂正させていただきます。 なお、おくれておる理由でございますが、実は五十二年、五十一年、五十年と三カ年間実際にはやってきたわけでございますが、その間におきましては沖繩の特殊事情もございまして、やはりだれかがやって効果があるかどうかをながめてから希望を申し出られるというふうなことがございまして、沖繩におきましては、本土におきますように当初から順調に希望者が出て、それを実施することができるというふうな運びがうまくいきませんでして、そのために五十二年までの達成が非常におくれてきたという理由が一つあろうかと思います。 もう一つ、さらに、これらにつきまして、私どもの周辺住民に対します積極的な態度にも反省をすべきところもあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、立ち上がりの状況におきまして、やや期待したように伸びなかったというところが一つの原因かと思います。もちろん、私どもは全体といたしまして大変たくさんの工事をしなければなりませんので、それに嘉手納に充当し得るわれわれの努力も、過去におきましては、ある程度制限があったということも一つの理由かと思っております。
○喜屋武眞榮君 達成はいつまでの予定ですか。
○政府委員(玉木清司君) 今日の予定では、昭和五十四年度予算をいま御審議いただいておりますが、それを実施しましたならば、大体六五、六%まで持っていけると思いますので、昭和五十五年に完成することができると、八五WECPNLまでは昭和五十五年に完成することができるというふうに見ております。
○喜屋武眞榮君 これはぜひひとつ完全解決を急いでいただきたい。 それでは、この伊江島の射爆場、キャンプ・ハンセン、それから普天間基地がこの対象から外れておるんですが、それはどういう理由ですか。
○政府委員(玉木清司君) お答えします。 御指摘の伊江島、普天間、キャンプ・ハンセン、こういうところも含めまして騒音対策を検討しておりますが、いままで計測をいたしました段階ではWECPNL八五以上の数値がこの周辺では出ていないというところに当面の実施範囲から除かれてきた理由がございます。ただ、嘉手納に隣接いたします普天間の場合はWECPNLの数値はそれほど出てまいりませんけれども、飛行回数が非常に多いということを考慮いたしまして、昭和五十四年度予算におきましては、この範囲におきましても手をつけたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 ぜひひとつ、この四基地は特に最近非常に爆音が激しくなっておることはよく御存じだと思います。これを含めて考えていただきたいということをもう一遍確認をしておきます。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
○政府委員(玉木清司君) 飛行場周辺の騒音防除対策と申しますのは、私どもの最も緊急にして大事な仕事であると心得ておりますので、御指摘の点は十分踏まえまして対処する所存でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、この施設内容になりますが、防衛施設庁の防音工事は全室防音ではなく、四人家族までは一室、五人以上が二室と、こう限定しておると聞いておりますが、そうなんでしょうか。
○政府委員(玉木清司君) 現在の実施基準として、御指摘のような考え方で対処しております。
○喜屋武眞榮君 その根拠はどこにありますか。
○政府委員(玉木清司君) 一般的に申しまして、なるべくたくさんの世帯を、なるべくたくさんの室数をということは私ども同様に考えておるわけでございますが、民間空港に比べまして、私どもの対処します自衛隊、米軍飛行場の周辺の要対処戸数は大変に数が多うございますので、限られた予算の中で対処いたしますので、当面、まず多きよりも等しからざるを先に対処すべきであるというふうな考え方で律しておるような次第でございます。
○喜屋武眞榮君 それは機械的ではありませんか。と申しますのは、運輸省のこの防音工事との比較はどうなっておりますか。
○政府委員(玉木清司君) 先ほど運輸省からもお答えがございましたのですが、いままで実施してきました範囲に関します限りは、同じようにやってきておるわけでございます。一室ないし二室を実施基準といたしまして、また個々の部屋の防音の技術的基準、こういうようなものも運輸省と同様に実施してきておるところでございます。 ただ、五十四年、五十五年という将来のことになってまいりますと、私ども先ほど申しましたように、軍事用の航空機は音源対策によって対処する範囲が非常に限定されるものでございますから、防音対象住宅数が大変多くなってくる。そこで、その多いものを昨年に比べまして五〇%も増額した予算で対処しようとはしておりますが、それにしましても一挙に全部を賄うわけにはいかない。したがいまして、その予算執行方針としましては、なるべく早く運輸省の実施されておる基準に近づけたいと思っておりますけれども、当面は、まず等しからざるを先に対処しようという考え方でおるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 私が機械的だと言いたいのは一家族構成というのは一つのハウスを単位に、家庭を単位に生活しているのでありまして、四名以下は一室、五名以上は二室ということは、その家族をその一間に追いやるようなものである、軟禁するようなものである、こう理解したいのでありますがね、それを私は機械的だと、こう言うのでありますが、被害者の立場からしますと、これは国の立場での国民の幸せをひとしく考えることが当然でありまして、それをただ一室や二室をつくってパーセントを上げるということに対しては、断じてこれは承服なりません。建物、住まい全体を基準にして防音装置をやるべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(玉木清司君) 防音工事の最終の理想の姿と申しますのは、確かに先生のおっしゃいますように、建物全体が防護されるということが理想であると思います。しかし、ただいま短い期間に大変たくさんのものを同時に実施しなければならないというところから、現在の実施基準としてそのような尺度を持って進んでおるという次第でございますので、御了解を賜りたいと思います。
○喜屋武眞榮君 完全解決を強く要望いたしておきます。 次に、文部大臣にお聞きしますが、航空機米軍演習から生ずる騒音と教育の立場から、学校環境衛生基準によると騒音上限は六十五ホンになっておりますね。防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律及びその施行令の音響強度及び頻度、こういう長たらしいむずかしいのがありますが、これは幾らになっておりますか、文部大臣にお聞きする前に防衛施設庁にここまでは一応お聞きしておきたいと思います、この頻度は。
○政府委員(玉木清司君) 大変恐縮でございますが、もう一度お尋ねをいただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律及びその施行令の音響強度及び頻度というのがありますね、それ幾らになっていますか。
○政府委員(玉木清司君) お尋ねの施行令で言うところの頻度でございますが、これは総理府令でその頻度につきましては定めておりますところでございます。
○喜屋武眞榮君 どうもあいまいでありますが、沖繩嘉手納基地の調査の報告によると最高百八ホン、それから六十ホン以上の騒音が一日平均七十三回発生しておる。一時間に二十一分五十五秒の累計時間という、この間は授業が断絶しておるという、中断しておるという、これは極端な例でありますが、そこまで高まっておるんです。このことを文部大臣としてどうお考えですか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 沖繩の学校が航空機の騒音対策で悩まされていることは私もよく現地に参りましで存じております。そこで文部省としても、騒音対策がどの程度影響があるか、心理的、生理的に影響がありますし、それが学習効果にも影響があるから、それを定量的にどの程度だと言われてもそれはむずかしいのですけれども、ともかく学習効果に影響のあることは明らかでございますから、文部省も関係各省と連絡してこれの改善のために一生懸命努力していますが、詳細は政府委員から説明させます。
○政府委員(三角哲生君) ただいま大臣から申し上げましたとおりでございますが、先ほど来の御質疑にもございましたように、公共用飛行場周辺の対策は運輸省で、それから防衛施設周辺の対策は防衛施設庁でそれぞれやっていただいておるわけでございますが、私どもが五十三年に調査したところによりますと、全国的に見てまいりました場合に何らかの影響がございます学校が約千七百校余りございますが、これらにつきまして全部または一部の防音対策の実施をいたしましたところが全体の約八〇%余りになっておる次第でございます。 なお、ただこれらの対策につきましても、やはり学校の設置者が計画をおまとめになりまして、そして申請をいただくということがまずそのスタートになるということでございますので、御指摘の沖繩県につきましては、全国的なこの進捗に比べますと相当おくれておって、約半数がこれから手をつけるという状況で残っておるというふうに理解しております。
○喜屋武眞榮君 その弊害はお認めのようでありますが、沖繩弁護士会の調査報告から見ましても、その爆音の影響として、一、児童生徒の集中力、注意力が散漫になっている。二、防音教室では生徒が外に出なくなり、運動量が不足し貧血で倒れる生徒が多い。三、情緒が不安定になっている。四、テレビ音声が聞こえなくなるためテレビに近づき視力の弱った生徒が目立っている。こういう実態が浮かび上がっておるのであります。 そこで、文部大臣にお聞きいたしますが、このような弊害を抜本的に解決するにはどのようなことがよろしいとお考えでしょうか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 抜本的に改善するということは非常にむずかしい問題ですけれども、ともかく騒音による、いまお話しのような弊害をなくすことが大事でございますから、防衛庁と協議いたしまして、なるべく早く騒音対策の実施校をふやして、そして学校の子供たちがのんびりと勉学ができるようにいたしたいと思います。
○喜屋武眞榮君 いまおっしゃることもよくわかるんですが、私が抜本的とあえて言いましたのは、結局この学校周辺、一般住民の近くから基地をなくする、それから演習を中止する、このことが抜本的な対策ではないでしょうか、どうでしょうか、大臣。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御意見の点はよくわかりますけれども、飛行場があるということはこれは私やむを得ないと思うのです。やっぱり飛行場があって、そして防音対策をしっかりやることが私は解決策ではなかろうかと思うのです。
○喜屋武眞榮君 当面の解決策として、抜本的とあえて申し上げましたのは、飛行場があるからという――これは基地の整理縮小ということはこれは国の大方針で、沖繩返還の際の条件ですよ。だから、そういう立場から私は申し上げておるので、そのように理解を願いたい。 それからもう一つ文部大臣、この基地周辺の対策は前から問題になっておりますが、これは文教予算でやるべきものではないかと、こういう声が非常に強いんですが、大臣としていかがお考えですか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 飛行場による騒音でございますが、やっぱり防衛庁の方でいままでやっていただいておりますが、もちろん国の責任でもありますから、防衛庁とよく協力いたしまして、騒音対策の実施校を早くふやして弊害を除去するように私どもも一生懸命努力したいと思います。
○喜屋武眞榮君 それでは大臣の御意向はよくわかりました。 次は特定疾患対策、いわゆる難病対策についてお尋ねいたします。 現在、難病として指定されておるのは幾つありますか、また何々ですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、難病として国が指定いたしております公費負担医療の対象としておりますものは、ベーチェットあるいは重症筋無力症等を中心として、患者数にして約三万四千名でございます。
○喜屋武眞榮君 現在その難病に指定するか指定しないかと検討中のものもございますか、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) たとえば現在追加を考えておりますものは、五十四年度予算が成立をいたしました段階におきましてアミイドージスという病気を追加いたしたい、そのように考えております。
○喜屋武眞榮君 医学の発達した今日でもいろんな原因不明の病気が次々と出るようでありますし、今後も出てまいると思いますが、私はその一つのこのパーキンソン病について特にお尋ねしたいと思います。 この病気は、特定疾患治療研究事業についての第五次改正、五十三年九月一日に対象疾患に加えられ十月一日から実施となっておりますね。全国のその患者数は調査の上でどれぐらいになっておりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘のとおり、パーキンソン氏病は四十三特定疾患のうちの一つでありますが、特定疾患調査研究班の調査の段階では大体患者数は二万一千名というふうに推計をされております。そのうちで日常生活に介護を必要とする、さらに健康保険等の自己負担が必要であろうと思われる患者の数はまあ数千名と言われております。これは数千名と俗に言われておりまして、医療費の補助対象の患者数と考えて、実はいま御指摘になりました昨年十月の段階におきまして、予算措置で五千六百名分の準備をいたしました。しかし、現在まで各都道府県において医療受給者証を交付いたしました実数は三千百八十二名であります。
○喜屋武眞榮君 これは調査中の段階ということのようであります。これを上回った場合に、この予算措置はどうなさるつもりですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま申し上げましたように、現在において医療受給者証を交付いたしておる数は三千百八十二名でありますけれども、五十三年度の時点におきましても五千六百人分を対象として一億八千万円の予算を計上しておりました。五十四年度におきましては四億円の予算を計上いたしておりまして、現在の状況でいく限り十分に対応できると私どもは信じております。
○喜屋武眞榮君 この医療補助を与えるのは一期から五期まで分かれていますね。その医療補助の対象になる内容はどうなっていますか。
○政府委員(田中明夫君) 治療研究の対象といたしまして扱っております患者は、先ほど大臣から申し上げましたように、日常の生活に支障のない者を除きまして、ヤールという学者の分類法によります症度の三以上で特定疾患調査研究班による生活機能症度の二度以上の者を治療研究の対象としております。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕
○喜屋武眞榮君 私が申し上げたい点は、一期から五期までの各期、いわゆる患者すべてがその補助の対象になれば別ですが、重くなってからこの補助の対象にするということはこれはどうかと、矛盾しておるんじゃないかと思います。病気は早いほど早くその補助を与えて治療すればよかろうものを、重くなった、悪くなったら補助を与えるという、このことはどうもいただきかねますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは喜屋武さんから御指摘のような御意見というものも私は当然出てきて不思議はないお考えの一つだと思います。ただ、これはもうよく御承知のように、現在の医学の水準の中において、医薬品の効果によって進行を停止することは可能でありますが、完全に根治するというところまで残念ながら至っておりません。そういう中におきまして軽症の患者の方々をどこまで今度は取り込んでいくか、これは逆に他のいろんな特定疾患との関係もあろうかと思います。御承知のように、中年以降に多く発病し徐徐に進行していく神経性の疾患でありますから、むしろその早い時期に発見をした場合には薬でそれを抑えることによって、進行をとめることによってある程度日常生活に不自由のない状態が維持できるわけでありまして、そうした対策が確立をいたしますまでの間に相当程度に病気が進行してしまった方に対して、日常生活にすでに支障が起こる、また医療費扶助が必要な状態になっておる患者の方々、まずこれに対応して対策を立てた、そう御理解をいただければ幸いであります。
○喜屋武眞榮君 予算の制約もあるかと思うのですけれども、お聞きしますとこの病気はだんだん進行していく、だから軽いうちに歯どめをしておくということがむしろいいのではないか、そういう立場から、私はこの病気と判定された方に対してはすべてにそれを施すことがいいのではないか、こう思うからあえてそう申し上げるのですが、その立場から、まあ予算のこともあるかもしれませんが、ぜひひとつ全面適用、全員適用、この線でひとつ御要望をしたいのですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) その御意見はよく理解のできることでありますけれども、現状としてはいま申し上げたような状態で対応せざるを得ないと思います。むしろ私どもとすれば、この難病と言われるいわゆる特定疾患、これはそのパーキンソン氏病だけの問題ではなく、全体についてむしろどうやってその発生原因の究明を行い、同時に治療方法を確立していくかということがもう一つの大きな問題でありまして、いままでの縦割りの研究方式から今度は横断的なプロジェクトによる治療研究、原因の究明といった対応もとりつつあるわけでありまして、これは特定疾患対策全体の中の一つの重要なポイントとしていまの御意見はちょうだいをさせていただきたい、そのように理解をいたしております。
○喜屋武眞榮君 ひとつ御検討をお願いいたします。 次に、沖繩の不発弾の処理についてお尋ねいたします。先ほど来申し上げますように、沖繩は空からの爆弾、それが戦後三十四年になりますけれども埋没した不発弾がいっぱいあります。その埋没した不発弾の実態調査が政府として実施されておりますかどうか、そのことをお尋ねしたい。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 不発弾の処理につきましては二つのケースが考えられるわけでございまして、一つは偶発的に発見をいたします弾薬の処理、それから一つは、大変な数の不発弾があることが予想されておるわけでございまするが、その状態をよく御存じの県民の方々から情報をいただいて、その情報に基づいて処理をするという二つのケースがあるわけでございます。第一のケースの場合は、道路工事でございまするとか、あるいは団地の造成等をやっております際に出てまいります不発弾、これはその実態を見て、たとえば信管がついておるというようなもの等につきましては非常に危険でございまするが、そういう点で信管を除去をし、そうしてそれを処理するということでございます。一方の情報によりますものは、県民の方々でここにどうも不発弾が埋没しておることが予想されるという、予想をされた連絡を受けましてそれを処置するというようなことでやっておるわけでございます。 そういうことで対処してまいっておりますが、細部の処理方法なりあるいは今日までの経過等につきましては、政府委員に御要望があれば説明をさせたいと思います。
○喜屋武眞榮君 もっとその以前に、いわゆる戦争中に落ちた爆弾が不発となって地下に埋没しておる、それを県民自体が発見したらということじゃなしに、国自体で、いま沖繩にどれだけの不発弾が埋没しておるかという調査をやっておられますかということです。
○政府委員(亀谷礼次君) お答えいたします。 先生も御案内のように、復帰後那覇市で不発弾の爆発事故がございまして県民の方に御不幸をかけたわけでありますが、沖繩全体におきます不発弾の埋蔵量と申しますのは、先生も御案内のように、戦時中における米軍の爆弾、艦砲射撃ないしは飛行機によるところの爆弾、あるいは旧日本軍の使用しました弾丸の不発弾等いろいろ想定されるわけでございますが、これらのものは現時点において必ずしも全体でどの程度のものが埋没されておるということは、非常に探査及び推定が困難なことでございます。ただ、戦後沖繩が本土に返ります前からの現地におかれます不発弾の処理及び復帰後の現時点までの処理の推移から見まして、毎年度四、五十トン程度の処理がここ十数年続けられてきておる等の事実にかんがみまして、もし現時点で推定をいたしますとすれば、かなり今後長期にわたってこれらの処理の期間を要するのではないか。これは申すまでもなく不発弾処理の能力という問題もございますけれども、現実にそれらの推定されます地点との関係もございまして、先ほど大臣が御答弁いたしましたように、現実には各種の公共事業あるいは各種の事業の際に発見をいたしたものを逐次処理するか、いろいろな方法によります情報を集めまして計画的に現在行っておりますようないわゆる処理、こういう態勢でやらざるを得ないのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○喜屋武眞榮君 今日までに処理された実態はどうなっておりますか。
○政府委員(亀谷礼次君) 先ほどもちょっと触れましたように、昭和五十年度の政府予算から沖繩県等の協力をいただきまして、先ほど大臣が御指摘のような計画的な処理といたしまして、県民の方々等の情報を集めまして毎年度行ってきております。当時、件数にしましては約二百六十件私どもはそういった埋没個所の情報提供を受けてきておりますが、その後、毎年度新たな追加提供等も受けまして、昭和五十三年度末ではおおむね当初情報提供のございました二百六十件程度の件数の個所の処理は終わる予定になっております。ただ、いま申し上げましたように、毎年度新規の情報の御提供等もございまして、現時点ではいわゆる計画的な処理の埋没地点の予想としては約四、五十件程度、五十件弱でございますが残っております。ただ、自衛隊におきましては、冒頭に申し上げましたように、公共事業その他土木工事等で発見されます個所が非常に多いわけでございます。この方は実際には千件から千四、五百件もございます。これらのものを含めまして、私がいま申し上げましたように、五十三年度まで逐次処理をいたしてきたわけでございますが、すでに情報提供の個所数で残っておりますのは四、五十件程度でございますけれども、これらのものを含めて当分、計画的な処理もあわせて毎年予算の執行を伴いますが、県の協力を得ながら処理していくつもりでございます。
○喜屋武眞榮君 あらわれたものの処理というのは、これはもう当然の話でありますが、問題は埋没しておるものです。私が調査なさいましたかどうかと聞きましたのは、困難であるということですが、いつも申し上げるのですが、困難ではあるが不可能ではない。専門家の調査集計によりますと、復帰直前に沖繩に埋没した不発弾が四千トンと発表しております。大変なものであります。それが宅地造成やいろんな機会に県民が発見をして大騒ぎをして、それを処理するために今度は地域住民がどっと避難をするような、今日まだそういう状態を繰り返しておるんです。 そこで聞きますが、これを処理するための予算措置は十分なされなければいけませんが、最近の状況として、警察署や派出所に、市民が発見した不発弾を持ち込んで山積みにしておる。こういう危険な、いつ爆発するか知れない危険と不安にさらされておる実情が現にあるんです。このように新聞報道で報道されております。なぜ持ち込んだ危ない爆弾と同居しなければいけないかということ。私は、これは命にかかわることですからし決て待ったは許されぬはずであります。そういうことで、なぜこれがそのように未処理に置かれておるか、その理由は何なのか、それをはっきりお聞かせ願って、時間が参りましたので、その他の質問のためにおいでいただいた大臣の皆さんにはまことに申しわけありませんが、後日に譲りたいと思います。その持ち込まれた不発弾の処置、これをどうしてそのまま放置しておるのか。その原因は何か。これをはっきりひとつお答え願いたい。
○委員長(町村金五君) 喜屋武君、時間が参りました。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えいたします。 先ほど政府委員からお答えいたしましたように、情報の収集によって全体の埋没の状態等も把握することに努めておりまするし、実際にいま御指摘の不発弾を見つけ出したものの処理でございますが、実はここ数カ月処理場が工事のために使用できなかったという事情があるようでございました。その工事も大体終わりましたので、これから先は、いま不安な状態に置きましたそうした事情を至急排除できるような処理の進行が行われるものと思うわけでございまして、したがいまして予算上のことではございません。予算はございまするが、不発弾処理場の整備がおくれておったということでございまするので、今後はそういう状態を再度起こさないようなことに相なってまいると思うわけでございます。
○喜屋武眞榮君 防衛庁。
○国務大臣(山下元利君) ただいま三原国務大臣からお答えがございましたが、防衛庁といたしましても、もう住民の皆様の御心配はまことにごもっともでございます。したがいまして、いろいろな事情がございましたけれども、不発弾の処理、除去につきましては、今後できるだけ努力したいと思っております。
○委員長(町村金五君) 以上で喜屋武君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(町村金五君) 次に、野末陳平君の一般質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 環境庁長官に緊急質問させていただきますが、水俣病の民事訴訟の判決が先ほど出たと思われますが、どんな結果になっていますか、ここで報告していただきたいと思います。
○国務大臣(上村千一郎君) 先ほど水俣病第二次の訴訟事件につきまして熊本地裁で判決が言い渡されました。先ほど言い渡されただけでございますので詳細なことはわかりませんが、ただいま私のところでわかっておる点を簡単に御報告させていただきます。 判決の骨子は、原告は患者側、被告はチッソ株式会社でございますが、 一、被告が廃水を流出した行為についてば終始過失がある。 一、水俣病をハンター・ラッセルの主症状を具備したものとする狭い範囲に限るのは相当でなく、各人の症状につき有機水銀の影響によることが否定できない場合には水俣病と判断するのが相当である。 一、原告主張の一律請求は採用しない。 一、水俣病の症状を重度、中程度、軽度の三段階に区別し、各段階に応じて慰謝料を算定すべきである。 こういうのが判決の骨子のようでございます。 具体的に申し上げますというと、水俣病第二次訴訟というのは、四、五件が併合審理になって判決されておりますが、一番最初の訴状提起は昭和四十八年でございますので、この判決に至るまでには六年有余審理の経過があるわけでございます。そうして、一律の訴訟請求というのは、一律一人二千八百万円請求をしておるようでございますが、ただいま入手しました判決の内容を見ますというと、一千万円という方が非常に多くございますが、しかし、その中には、五百万円の方もあれば、二千八百万円の方もある、こういうふうでございます。請求は一律二千八百万円請求しておりまするので「原告主張の一律請求は採用しない。」と、こういうことになったと思います。が、これを見ますというと、原告の請求が大体その主張が通っておるような形に見えます。けれども、そのうち二名の方が棄却されておるような様子になっておりますから、どういう理由でどうなったかということがまだ現在のところわかりません。 判決の大体の内容というものにつきましては、以上のような次第でございます。
○野末陳平君 その骨子を伺いますと、原告に非常に有利な判決のように思われますが、環境庁としては、きょうのこの内容については、予想されたものなんですか、それとも意外な点が多かったのか、その辺のことも感想をつけ加えてください。
○国務大臣(上村千一郎君) 実は、環境庁としましては、本件については当事者にはなっておりませんけれども、水俣病をどういうふうに認定していくかということが争点になっておるようでございますので、環境庁としましては重大な関心を持って見守っておったわけでございます。それで、この認定につきましては、水俣病の判断条件というものを環境庁は出しております。その判断条件というものにつきましては、過去の学識経験者の学識の集積、それから経験の集積に基づきまして環境庁が昭和五十二年の七月にまとめて出したのがございます。この点とこの判決の判断というものがどういうふうにかかわってきているかということをいま重大な関心を持ちまして検討を進め、それから水俣病というものにつきましてはいわゆる公害の原点でございますし、世界的にも注目をされておる公害でございますので、きわめて幅も広いし深さも持っております。そういう意味で、環境庁といたしましては、今後水俣病対策につきまして万遺漏のないように、またこの判決の趣旨というものをよく検討いたしまして謙虚に受けとめていきたい、こういうふうな姿勢でございます。
○野末陳平君 そうすると、重ねてお伺いしますけれども、いままでの環境庁の水俣病に対するいろいろな対策は、これを受けてかなり影響を受ける、あるいは変えなきゃならないというようなニュアンスとお答えを受け取ってよろしいですか。
○国務大臣(上村千一郎君) 水俣病の認定関係につきまして判断をいたしております。そうして、御承知のように、水俣病また公害というものは、公害対策基本法第九条第三項にもありまするように、科学的判断を非常に重視してやるべきだという精神になっております。特にこういう問題でございますので、専門家の意見を徴しながら重要な判断として受けとめてまいりたい、こういうふうに思っております。
○野末陳平君 それでは、長官に最後に一問だけ個人的にお伺いしますが、この判決を聞いたときに、ショックを受けられたか、それとも冷静に受けとめられたか、その辺の個人的な感想で結構ですからお答え願ってお帰りいただいて結構でございます。
○国務大臣(上村千一郎君) 非常に重要な判断が示されたというふうに受けとめております。
○野末陳平君 ありがとうございました。 まず、大蔵大臣にお伺いしますけれども、本来は、一般消費税、それから例の開業医の優遇税制についてと思っておりましたが、あした大蔵委員会がありますので、そちらにそれは譲りまして、ここでは、補助金の問題と、それから公務員に関する行政費の一般的なかかり過ぎ、その辺のことを中心にお伺いしていきます。 大蔵大臣、補助金の整理縮小という面から、今度の予算をどう自己評価されているか、その辺を……。
○国務大臣(金子一平君) ことしは、予算規模を圧縮しなきゃいけませんので、極力補助金の整理や圧縮に努力をいたしまして千二百億ばかり縮めたのでございまするけれども、やはり公共事業を中心にいたしました景気の維持政策に重点を置かざるを得ないというようなことがございます。あるいはまた社会福祉を大いに伸ばさなきゃいかぬというような政策目的による補助金が増加いたしております。そういうようなことで、まあ私どもの考えておったほど十分の圧縮はできなかったと、率直にそういう反省をいたしております。
○野末陳平君 それでは、事務当局に再確認しておきますが、大臣のいまのお答えは十分でなかったということなんですが、五十四年度の予算で補助金総額がどのくらいになっておって、前年に比してどれだけふえているか、それを数字で再確認さしてください。
○政府委員(長岡實君) お答え申し上げます。 補助金と申しますときには、負担金、交付金等も含めまして広い意味で私ども補助金と申しておりますけれども、総体といたしまして五十四年度の予算額は十二兆八千八百五十一億円、これは予算全体の三分の一、三三・四%になっております。それから前年度に比べましては一三・八%の増加になっております。
○野末陳平君 まあいろいろ理由はあって十分でないということですが、それにしても、いまの数字を聞きますと、補助金の合理化は少しも前進してないという印象を国民が持つのは当然だと思うんですね。私もこんな厚い補助金のあれの中身を見ましたけれども、切るべきものを切るという大なたをふるったという感じは全くしませんでしたので、ここで具体的にいろいろな補助金についてピックアップして御意見を伺いたいと思うのです。 目についたものだけやるわけですから、これが運が悪くたまたま目についたということで受けとっていただいていいんですが、まず、厚生省の所管に健康づくり振興財団というのがありますね。ここに補助金を幾ら出しているのか、それからこの健康づくり振興財団というのはどういう事業目的で、その目的に沿ってどんな活動をしているのか、この辺を簡潔に教えてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 健康づくり振興財団は、五十三年度十億、五十四年度十二億の委託費を予算計上いたしております。これは御承知のように健康は国民福祉の原点であるという考え方から各種の施策を国としても進めてきたわけでありますが、何よりも健康の問題というのは国民一人一人がみずからの健康は自分で守り育てるという自覚と認識を持っていただくことが私どもは一番大切だと考えております。ところが、ここ数日間本委員会におきましても問題になりましたように、たとえば三歳児の健康診査、あるいは一歳半児の健康診査等、国として全員を対象にしてやりたいと努力をしておりながら、自治体段階において隘路がありましたり、あるいは逆にお母さん方が子供さんを連れてきてくださらなかったりということで、それぞれ実施率が七〇%台、あるいは七八%台といったような状況もございます。こうした点に対して健康づくりに関する啓蒙普及の事業というものをどうやったらいいかということで私どもこれを考えてまいりました中でこうした財団を考えました。五十三年度にスタートいたしまして、実質活動としては昨年の七月から「健康づくり」という図書の発行に入り、また、十月からテレビ広報等を始めておるわけでございます。私どものねらいとしては、今後における国民の疾病予防、また保健衛生の向上というものに対してどうやったら御理解をいただけるかということを考えると同時に、こうした施策についての知識の普及等も図り、御利用いただける制度はぜひ御利用していただけるように、同時に、個々の国民の方方におかれてもみずからの健康の維持管理というものに自覚をお持ちいただき、疾病の早期発見とか早期治療、あるいは高血圧であるとか肥満であるとか貧血であるとかいった半病人状態というものを克服していくための啓蒙といったようなことをぜひ進めていきたい。私どもとしては、いまスタートをいたしたばかりでありまして、これについてテレビあるいは図書といった普及啓蒙の方法を中心に考えておりますが、むしろ積極的にこうした活動についてもっといいアイデア等があれば私どもぜひお教えをいただきたいと考えておるところであります。
○野末陳平君 今度総理府の方には同じ所管の補助金団体でもって国民健康・体力つくり運動協会というこういうのがあるわけですね。厚生省の方と部分的に似ているのですけれども、この団体には補助金を幾ら出して、同じく事業目的、それから活動の内容、そういうことについてもお伺いしたい。
○政府委員(松浦泰次郎君) 国民健康・体力つくり運動協会への昭和五十四年度の補助金額は一億三千三百九万九千円を予定いたしております。この協会は、三十九年の「国民健康体力増強対策について」という閣議決定に基づきまして体力健康つくり国民運動を展開することになっておりますが、その中で中央レベルにおきます民間の運動推進の実施体でございます。 具体的な事業といたしましては、体力つくり運動普及推進事業といたしまして、全国大会の開催、それから優秀組織の表彰、トリムマラソン大会を全国で三カ所、オリエンテーリング大会を全国で五カ所、それから運動指導者の養成事業を約二百七十名五十三年度に行っております。それから指導者講習会をそれ以外に全国で五カ所行っております。また、実際の活動につきまして講師の要請がありました場合に九回以上二十五名の講師を派遣いたしております。それから体力つくり運動啓発活動事業といたしまして「体力つくり」を毎月三万部発行いたしております。それからその他体力つくり運動関係資料の作成配付、それから体力つくり運動の研究開発事業等を行っている次第でございます。
○野末陳平君 たまたま法務大臣がそこの理事長をなさっておるようですが、いまの説明ですと、厚生省の所管の方の協会と総理府の方とそれぞれ別に補助金が出ているのですが、似通った面もあるし、どこがどう違うのか具体的にわかりませんが、法務大臣、あなた理事長さんですから、いまの一億三千万幾らの補助金にふさわしい成果をその協会が上げているのかどうか、厚生省の活動とどこがどう違うのか、端的に説明していただきたいと思うのですがね。何となく重複類似したような団体に別々のところが金を出しているという印象を持ったものですから。
○国務大臣(古井喜實君) 所管外でありますけれども、せっかくのお尋ねでありますので、お許しを得てお答えしたいと思います。 いま健康・体力つくり運動協会のことをお尋ねでありますが、これをつくったのもまたほかの体力つくり国民会議をつくったのも私がその元凶でありまして、いまから十八年前、昭和三十六年四月に私が厚生大臣をしておる当時に、どうしたら国民の健康が守れるかと、こういうことで十八年前に自分で守ることをやってみようというので健康体操クラブというものを同友の人々でつくったのが初めで、それから自分でやってみて、これはよいと、こういうことで民間運動として普及運動を始めようと今度は普及運動を始めたんです。政府は一つも金を出さぬ。やればやるほど貧乏するというのでまいっちゃいましたよ。しかし、がまんしておるうちに三十九年の東京オリンピックがありましたでしょう。あのときに少し世論も起こってくるし、それから政府と語らって、少しこういうことには政府も金を出したらどうだというので、翌年から一億三千万円金を出してもらってそうして体力つくり国民会議をつくることになり、それからまた関係の協会の事業もこの国民会議と関連を持ちながら実施面を担当するというようなことになり、そういう経過を経まして、そうしていまの実施団体のような意味で総合的な体力つくり国民会議の実施団体の意味で健康・体力つくり運動協会というものをつくると、こういうことになってきておるのであります。 そこで、一口だけつけ加えてと思いますが、十八年前には顧みるものがなかったんですね。私は気違い扱いされましたよ、当時。今日、当時を振り返ってみると、本当に夢のように思います。今日は機運がこれほど国内に広まり、高まり、もう健康づくりだと言ったら言わぬでもわかっておるというぐらいになりました。問題は実行しておらぬ。わかっておるだけでは健康づくりにならないので、実行しなけりゃ何にもならぬのです。しかしながら、機運が起こりましたから、総合的なそういう機構もありますけれども、関係各省も競ってまあ名目を立てたりして事業を拡大してきました。厚生省もさっきのようなわけであります。それだけじゃない、建設省だって公園であるとか広場であるとか、各省が競って事業をやってくれるようになって非常に拡大してきました。しかしながら、あなたが御指摘になるように、全体的な調整ですね、調整というものが十分にいかないでおるのが現状です。これは総理府がまとめて、ダブったり欠落したり、そういうことがないように効率的にやるようにこれから仕上げをしていただくべき段階に来たと、私は長い経過を見てそういうふうに思っておりますから、今日一時点だけとらえるのでなく、発展しておる段階をながめていままでどうであったか、今後どうしたらこれが発展するかと、こういう観点からこの問題に対しては批判をしていただいたり指導していただく、こういうことが私は必要だと、もう仕上げの時期にそろそろ来たと、こう思っております。
○野末陳平君 いまのお話を聞いていますと、ますますその観点に立ってこれから私も質問さしていただこうと思うわけです。法務大臣も現にいまのお答えの中で、健康づくりという言葉と体力づくりという言葉を一緒にごちゃごちゃお使いになったくらいに、どちらも同じようなものなんですね。ですから、ここで所管が違う団体が二つありまして、事業内容もそれから団体名も、片や健康づくり片や体力つくりと非常に似かよっておる。ここに金が出ている。これをもっと有効に成果を上げるようにしなきゃいけないだろうと、こう思うわけですよね。 そこで、いま厚生大臣の話もありましたけれども、いろいろと健康、体力の意義は認めますが、これはどうです、片っ方は「健康づくり」という雑誌ですね、片っ方は「体力つくり」というんです。同じような内容をどうして別々の団体が補助金をもらって出さなきゃならないのか。内容を見たってそんなに特別変わってはいませんよ。私は、健康とか体力をつくるという運動に政府が補助金を出すことに文句を言うのでなくて、ばらばらにやっている、何でこういうばらばらなことをやらなきゃいけないのか、ここにむだがあると、こういうふうに考えるわけですよ。 厚生大臣は大分詳しいようで力説なさいましたからお聞きしますが、厚生省所管の健康づくり振興財団ですね、さっき新聞広告を出しているとおっしゃいましたが、新聞広告をごらんになっていますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 新聞もテレビも、広告といいますか番組を提供いたしております。 これは一つの例でありますが、確かに、体力づくり、健康づくり、ダブる面はございます。しかし、ごらんになりましたかどうか、けさのある電波の中で、貧血の一つの予防として、たとえば現在の食器あるいは調理用具、それがステンレス製あるいはアルミニウム製というものに変わってきた過程の中で、従来、鉄鍋、鉄のフライパン、鉄の包丁というものを使っていたときには、自然にその鉄がある程度調理されたものの中に加わっていくことによって、それが自然に体力を補っていた、貧血を防止していた。それが今日調理用具が変わってきた中において、自然にそうして体の中に入っていくべき鉄分が補給されなくなったために、ことに婦人の中に貧血症状がふえている。それの対応として、改めてそうしたものを見直して調理の中にも取り込んでいくべきだというリポートが出されておりました。これはたしか愛育研究所のリポートだと思います。こういうものが電波あるいは報道のマスメディアを伝わって国民に流れていくことが、どれぐらい国民の健康管理の上に、また健康の維持増強の上に大きな役割りを果たすかということは、これはもうマスコミ御出身の野末さんとすればよく御理解がいただけることだと思います。 従来、体力づくりということで古井先生初め大先輩の方々が非常に御労苦をしてこられたその中においても、先ほど申し上げましたような三歳児健診あるいは一歳半児健診を例にとりましたようなこうした問題が現に残っておるわけでありまして、私どもはむしろ健康づくり財団というものをますますそういう意味で活用していく、そうしてもっと努力をしてもらい、国民の方々に知識を普及し、御協力をいただける体制をつくってまいりたいと、そのように考えております。
○野末陳平君 ちょっと私の聞いているのと違ってくるのですね。健康づくり、体力づくりが必要であって重要であるという哲学は聞いていないので、それは私もわかっている。しかし、そのために補助金として出された金が有効にその目的に沿って使われているかどうかということをお聞きしたわけで、たとえば健康づくり振興財団が出している新聞広告をずうっと見ますと、結局隣に薬の広告とかジュースの広告までくっついていますけど、まあごらんになっているかどうか知りませんが、これは自分の健康は自分でつくろうと書いてあるのですよね。結構なことです。だけども、この程度の新聞広告を出したり雑誌をつくるために、あるいはテレビ番組のために、十二億円という金を使うということになると、これはもうちょっと頭を使って有効にという意見が出てくるのあたりまえですよ。あなたは基本の哲学を言うけれども、具体的に使われ方についてこちらは聞いているわけですから。 そこで、私はさらに、厚生省と総理府がそれぞれまた別に補助金をこの二団体のほかに健康とか体力に関係して出している。これは幾らぐらいずつそれぞれ出していますか。この二団体に出しているのとは別にですよ。
○政府委員(松浦泰次郎君) 総理府としましては、体力つくり運動関係の補助金は、中央事業の補助と地方の事業費の補助がございます。中央事業は、先ほど申し上げました協会に対するものでございますが、地方事業の補助といたしまして五十四年度は二億一千三十八万五千円を予定いたしております。その内訳としましては、都道府県の体力つくり運動推進事業関係が九千八百万円、体力つくり運動啓蒙活動が四百四十万円、体力つくり運動地域指導事業に対しまして三千三百万円、合計いたしまして都道府県関係が一億三千六百万円でございます。それから市町村事業に対しましては、モデル市町村の指定事業といたしまして七千四百万円を別途に出しております。 以上でございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 厚生省自身が計上いたしております健康づくり関係の予算の総額は、振興財団に対する助成を除きまして百六十六億九千万円であります。その内容は、生涯を通じての健康づくりの確立ということから、都道府県・市町村が実施しております妊産婦・乳幼児の健康診査事業、こうした母と子の健康確保事業、また、主婦の貧血・肥満対策等家庭婦人の健康づくり事業、また、がん及び循環器疾患等成人病の予防事業、老人健康診査及び老人機能回復訓練など老人保健事業などを拡充して、地域住民にもっと身近な市町村段階での保健サービスを提供するために、市町村保健区の設置等を推進していくと同時に、健康科学研究体制の整備についての検討を加える費用、また、都道府県及び市町村における健康づくり推進事業の実施、また、地域住民にもっと密着した健康診査でありますとか、保健相談でありますとか、保健指導、健康教育等、総合的な対人保健サービスを行ってまいりますために、健康づくり事業の拠点としての市町村保健センターの整備を五十四年度は百八十カ所整備を図ろうとしております。
○野末陳平君 大蔵大臣ね、いまもお聞きになったとおりなんですが、健康と体力というこれを目的にして非常に膨大なお金が使われているんで、これはそれなりの意義はあると思いますが、しかし、その内容を一々検討する限りにおいては、どうもむだが多いのじゃないか、少なくももっと効率的に目的に沿ってお金を使うためには、各省庁にわたって配分しているというようなことをやめて一本化していくというような見直しを当然すべきではないか。ぼくはこの問題についてはこれが一番大事だと思うのですが、いままでの話を聞かれてどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(金子一平君) これは体力づくりだけでなくていろいろな問題についてやはり各省庁にまたがっておるものが相当数あると思います。今後、こういった点につきましては、関係省庁とそれぞれ連携いたしまして、なるべく補助金の効率的活用を図っていただくように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○野末陳平君 それを具体的に厳しく見直していかなきゃならないんで、そこがむずかしいのだろうと思いますが、たまたま厚生大臣は積極的にお答えになったから強いて言えば、この健康づくり振興財団は目的はとてもいいけれども、十二億円もらって新聞広告、テレビ番組をやっているけれども、これが何でいまこういうのができなきゃならないか必然性のようなものを考えてみたら、振興財団の幹部というか、えらい人はみんな厚生省出身なんだね。天下り対策とは言わないけれども、本当に健康・体力という目的で必然的に生まれた財団でなくて、別の目的があるんじゃないか。少なくも頭に並んでいる人たちを見ると厚生省出身が多い。そのためにできたのと違うですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど一番最初に私申し上げましたように、この財団がこれから行っていきます活動については、私どももっといいアイデアがあればぜひ野末さんからもそのほかの方方からもちょうだいいたしたいと考えております。これは最初に申し上げたとおりであります。ただ、いまお話しになりましたけれども、私は実はそうは考えておりません。と申しますのは、昨年度ですでに医療費の総額が十兆円を超える状態、本年は十一兆になるであろう、五年後には二十兆になるであろうと言われておるような情勢の中で、私どもとすれば、国民の健康を保持し、そしてより早い時期に疾病を発見し予防することができれば、それにこしたことはないわけでありますが、そうした状況が、先ほども例示で申し上げましたように、すでに三歳児健診一つをとりましても、相当長い年月を実施してきながら、七八%、七九%という受診率にしか至っておらないわけであります。そうして、こういう情勢の中で、私どもは、より効果的に国の施策というものを使っていただいて、国民がみずからの健康というものの必要性を自覚していただくと同時に、いま申し上げましたような貧血でありますとか、肥満でありますとか、あるいは高血圧の問題でありますとか、こうしたものにどんどん積極的に対応していただけるその知識の普及その他についての手法をいろいろいままでこらしてきました。そうしてなかなかそれが十分に実施し切れていない状況の中でこうした民間側からの協力体制を推進していくためにもこういう財団が必要ではなかろうかということで設立をし、ようやくそれが活動を始めたばかりの段階でありまして、新聞に対する広告の問題でありますとかそうした点についてはむしろ私どもは今後なお一層研究の必要もありましょうし、またもっとよりよい方法があればそれを採用していくことに決してやぶさかではありませんけれども、この財団の行おうとしております事業そのものについてはこれは御理解をいただきたいと、本当に心からそう思います。
○野末陳平君 いまの時点では、まるで広告を出すための補助金団体のような印象しかありませんから、あえてこれを例に挙げたわけなんです。当然、効率的に、しかもいいアイデアがあればとおっしゃるけれども、いいアイデアが余りないのに十何億もついているということ自体が不審だったものですからお聞きしましたけれども、大蔵大臣、私が言いたいのは、補助金のいろいろなパターンを調べてみますと、いまのようにまだたくさんあるんですよ。似た名目でいろいろなところにまたがって、重複類似型の補助金、それからばらまき補助金、これから例を挙げますけどね。それから既得権・惰性型というか、そういうのがいろいろあるんです。そういうのを一つ一つ見ると、どれもいまみたいに、いまの厚生大臣にしろ、絶対にそれは必要だと、たてまえは必要でわかるけれども、しかし、本当に生きた金が使われているかどうかということになると、非常にむずかしい。 そこで、一つ一つ洗い直していくというよりも、まず目標をどのくらい削るんだとこういうふうに決めて強引にやっていくということしかもうないのじゃないかと、そう思っているわけですよ。どうでしょう。そういうふうにしないと、一つ一つやっていたら、どれも必要になってきて、結局は削れなくて、十分な成果が上がらぬという毎年の繰り返しになるのじゃないでしょうか。
○国務大臣(金子一平君) 野末さんの御提案、これも一つの手かと思うのでございまするけれども、やはり政策の重点をどこに置くかということを考えますと、一律にカットということも必ずしも徹底してやるわけにいかぬ場合が多かろうと思います。そういう意味で、私どもは、おおよその目標を決めながら細かい中身について、明年度につきましてもある程度やりましたけれども、思い切った見直しをやって補助金の合理化に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○野末陳平君 文部省関係でばらまき補助金というような感じのものを質問しますが、文部大臣、科学研究費補助金という名目で五十四年度が幾ら計上になっていましたか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 三百五億円でございます。
○野末陳平君 学問とか科学の研究に補助するのは非常にいいことだと思いますから三百五億円も結構なんですが、事務当局に聞きますが、このお金を多くの研究テーマに配分してしまうわけですから、幾つのテーマに分けて結局一テーマ当たり幾らの補助金になってしまったのかというのを最近の実績で具体的に教えてください。
○政府委員(篠澤公平君) お答え申し上げます。 五十二年度のケースでお答えをさしていただきたいと存じますが、五十二年度の予算は二百二十六億円でございました。採択件数は約一万五百件でございます。したがいまして、一件当たりの平均の金額は二百十万円となると思います。
○野末陳平君 ぼくらも学者といろいろ交流がありますけれども、この金はわずかであっても非常にありがたいお金ではある。ありがたいけれども、しかし、これのお金でどれだけの、つまり一テーマ当たり二百万ぐらいのお金でどれだけ研究が進むかということになると、非常に疑問なわけですね。そこでばらまきたるゆえんが出てくるのですが、たまたま素人にもわかりやすいような生物に関する研究を幾つか調べてみましたので、それで質問しますけれども、五十二年度の話で結構なんですが、文部大臣、サルとかイヌとかそういう生物に関しての研究にもお金が出ていると思いますが、どんなテーマの研究に幾らお金が出ているか、ちょっと参考までにここでお答え願えますか。
○政府委員(篠澤公平君) サルとイヌのお話がございまして、五十二年度の科研費の補助金を交付したうち、イヌを直接の対象といたしまして補助金を交付いたしたものは五件でございます。実験用イヌに関する基礎的研究外、それを含めまして五件でございます。また、サルについてでございますが、ニホンザルの寒冷適応というようなテーマその他を含めまして十二件でございます。
○野末陳平君 それからゴキブリとかザリガニの研究もあるでしょう。
○政府委員(篠澤公平君) ゴキブリにつきましては、五十二年度は、ゴキブリ体内時計の神経機構解析、ゴキブリに対する病原性ウイルスに関する研究の二件であると存じます。ザリガニのことについてはちょっと調べておりませんです。
○野末陳平君 いまのゴキブリの二件の研究の内容というのはどういうものですか。
○政府委員(篠澤公平君) 専門でございませんので十分なお答えができるか存じませんが、先ほど申し上げましたゴキブリ体内時計の神経機構解析ということにつきまして申し上げますと、ゴキブリは、日没後一、二時間の間に非常に活発な運動を開始するということでございます。これはゴキブリは通常暗いところに生息しておるわけでございますが、暗い中におきましても日没という時点におきまして活発に運動を始める。それは体内時計ということが一般的に言われるわけでございますが、内分泌器官と関連しているということでございます。それと神経がどういうふうに関連しておるのかということの研究と承っております。
○野末陳平君 文部大臣、学者にとっては非常に重要なテーマだと思いますからいいんですが、補助金を出す方としては、いろいろな研究をどういう形でその成果の報告を受けているのか。どうなんでしょうか。
○政府委員(篠澤公平君) 科学研究費を交付いたしまして実際に研究が行われ終了いたしますれば、文部省の方にも研究の進め方あるいはその成果等についての報告もございます。これはきわめて簡単なものでございます。 なお、研究は、必ずしも科学研究費を交付しているたとえば単年度、あるいは二年度という場合もございますけれども、それだけで研究が完結するものでもないと思います。文部省といたしましては、科研費による研究の成果につきましては、でき得る限り学会その他の機会をつかまえてそこで積極的に発表していただきたいということを希望しているわけでございます。
○野末陳平君 これについて文部大臣にお尋ねしたいポイントは、こうやって百万、二百万、あるいはものによっては三百万というようなお金が補助金として出ている。学者が一生懸命それをやっているけれども、それが果たして成果を上げているのかどうかということをきちっと検討して、それをもっと重点的にやるべきかとか、あるいはこのばらまきのままでは余り効果がないとか、そういう判断というものをなさりながら毎年補助金を交付しているのかどうか、その辺なんですね。やはりこれがないと、合計では三百五億円というような補助金であっても、一件ずつは結果的にはばらまきでむだになってしまう、成果が十分に上がらないんで、もっとこの配り方を研究しなきゃならぬところが出てくるはずなんですね。それが一向に出ないで、毎年その成果を簡単に四百字詰め原稿用紙でレポートにもらってという程度の受け取り方というのは、もうこれから考え直さなきゃならぬというふうに思っているんですが、どうですか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御指摘の点はまことにごもっともでございますけれども、日本は資源がないんですから、人間だけですから、これからの日本の発展というものはやっぱりあらゆる面の科学研究を充実していくことが大事だと思うのです。いま御指摘の点は今後よく検討して、ただ一片の報告書だけで済ませるようなことをしないように、それが国民のために、あるいは国際的にも日本が評価されるようなそういう研究成果になりますように私も改善に努力いたしたいと思います。
○野末陳平君 少なくもいまのような配分の仕方を続ける限りは、合計金額がいくら何百億になっても、学問の進歩、科学の進歩というものにはそれほどの効果がない、お金を出すほどの効果がないというふうに考えて、今後配分その他も学術審議会の決定一任ということでない、効率を考えた配分ということをお願いしておきたいと思います。 大蔵大臣ね、科学研究、学問のためにお金を政府が出している、まあまだ足りないと思いますが、出しているというこれは結構な印象はあるけれども、しかし、その中身はいろいろなものがあるんですね。緊急性のないものも、それからまた別に日常生活に必要でなくても学問として重要なものもあります。いろいろなものがありますけれども、ゴキブリの研究に百万円出した、サルの研究に百五十万円出したとかというようなばらまきを続ける限りは、やはりばかばかしいことに使うなよという声が出てくるかもしれない。だから、これはやはりもう少し補助金の性格を突き詰めて考えて、これはどうなんでしょう、文部大臣はそれなりにお考えでしょうが、今後大蔵省としても学問のため科学のために出すお金というものは配分というものをいかにしたら効率的になるかという点を考えた補助金洗い直しをやるべきじゃないかと思うんですよ。どうですか。
○国務大臣(金子一平君) 私も中身についてはよく存じませんが、科学学術の振興のために補助金を出すことはそれなりの意義があると思うのでございますが、中身、使途等につきましてはさらに文部省とも十分詰めて検討さしていただきます。
○野末陳平君 いずれにしても、削るべきを削らなければ何にもならないんですが、どうも、あれやこれや補助金の厚い本が来ますね、あれを見てみますと、人件費だけでほとんど補助金が消えているようなところもあれば、いまどき時代が変わったのに何でこれが続いているんだというようなこともありますよ。具体的に言うのはその担当者に対して何か意気阻喪させるようなことになるから余り言いませんでしたけれども、一、二、ここでピックアップしたのは典型的なものというつもりでやったわけで、これがいかぬと言っているわけじゃありませんから、ひとつ検討の材料にしてほしいと、そう思うのです。 補助金については大蔵大臣も今回は十分ではなかったがこれからということでやや前進的なお答えをいただきましたので、この補助金に関するむだと並んでもっと大きい問題は行政費のむだですね。この行政費のむだもいろいろな角度から指摘できると思うのですが、公務員の制度そのものが甘いためにここにむだな金が出ているのではないかという観点から質問をしたいと思うのです。 まず労働省に聞きますが、民間サラリーマンの定年退職による退職金が平均幾らになっているか、これは大企業の数字を聞きたいと思います。
○政府委員(関英夫君) お答えいたします。 昭和五十年に実施いたしました退職金制度総合調査がございます。また、最近五十三年度に実施いたしておりますが、現在集計中でございますので、昭和五十年の数字でお答え申し上げたいと思います。 定年退職時の退職金の額は、退職一時金のみを支給する企業で常用労働者数千人以上の企業をとりますと、大学卒で千三百三万円でございます。それから高卒で千二百二十三万円でございます。なお、退職一時金と退職年金とを併給する企業におきましては、退職一時金の額と、それから退職年金現価額――何年にもわたって支給されます年金額の総額から利息を引いて現在の金額に換算したもの、それを足しますと、合わせた額は、千人以上の規模の企業で、大卒で千四百八十七万円、高卒で千四百四十一万円、こういうことになっております。
○野末陳平君 中小企業の場合はこれを当然下回ると思いますが、半分ぐらいになるのでしょうか。
○政府委員(関英夫君) 規模のとり方はいろいろあるかと思いますが、三十人から九十九人の規模の企業で申し上げますと、退職一時金のみを支給する企業で、大卒七百四十万円、高卒七百三万円になります。それから一時金と年金とを併給する企業で同様規模の三十人から九十九人の企業で、大卒千二十九万円、高卒千八十五万円、こういうことになっております。
○野末陳平君 次に、国家公務員について聞きますが、これは定年制がないですから、勧奨退職の場合の退職手当というものをお聞きするわけです。いま労働省にお答えいただいた民間サラリーマンにほぼ見合う年代を設定するとしまして、勤続三十年で、退職時のポストが局長クラス、それから課長クラス、係長クラスと、この三者をモデルにして、それぞれの退職手当金をお答え願います。
○政府委員(菅野弘夫君) お答え申し上げます。 国家公務員の場合には、先生十分御存じのとおり、退職手当の計算の基礎になりますのが最終俸給月額ということでございまして、それぞれのポストによってそれが全く同じではございませんのでその辺に違いがございますけれども、典型的といいますか標準的と申しますか、そういう例でお答えをさしていただきます。 本省の局長でございますと、人事院規則で指定職の七号ということになっておりますので、三十年という設定でございますれば、約三千五百万、それから課長級でございますけれども、行政職(一)の二等級十一号というところに設定をいたしますと約手七百万、それからその下の課長補佐のところでお答えをいたしたいと思いますが、課長補佐で同じく三十年、行(一)の四等級十五号でございますが、それで設定をいたしますと約手四百万というのがおおむねの数字でございます。
○野末陳平君 課長補佐と係長クラスというのはほぼ同額と受け取っていいですか。
○政府委員(菅野弘夫君) 係長の場合でも同額の場合もございますけれども、やや下というのが普通でございます。
○野末陳平君 ついでに、地方公務員の場合もまあこれは参考までですけれどもお聞きしますが、地方公務員といっても自治体によっていろいろ違いますから、学校の先生を例にとりまして、勤続二十五年以上になりますが、六十歳で勧奨退職をした場合の教員が全国平均でどのくらいの退職手当をもらっているか、これをお答えください。
○政府委員(砂子田隆君) お答えいたします。 お尋ねの勤続二十五年以上で六十歳勧奨退職の教員にかかります退職手当の平均額は、昭和五十一年度で二千七十三万三千円でございます。
○野末陳平君 いま数字を並べていただきましたが、条件が違いますし、計算法その他それから調査の年月も違いますから、これだけで単純比較をするというわけにはいきませんが、それにしても数字を見た範囲では公務員の方がやっぱりいいなという印象は当然持つわけですね。 そこで、具体的に公務員の退職手当の計算についてお聞きしますが、公務員の場合はいま言った最終俸給月額ですかを基礎にということをお答えになりましたが、国家公務員の場合、退職の日に給与が上がる、人によっては一ランク、二ランクあるんだそうですが、とにかく退職の日に特別昇給するという制度があると聞きましたが、これは本当ですか。
○政府委員(角野幸三郎君) 人事院からお答え申し上げます。 長年勤務をいたしまして退職する人に対する特別昇給の制度があるかというお尋ねでございますが、現在の一般職給与法の八条に特別昇給についての規定がありまして、それの関連いたします人事院規則の中で規定を置いてございまして、長年勤務いたしまして勤務成績が優秀で退職する人、二十年以上というような最低限がございますが、それに対して勤務成績の優秀な場合に限りということで特別昇給をしておる、そういうことでございます。
○野末陳平君 そうすると、くどいようですが、その退職の日に特別昇給が上がるというのは、たった最後の一日だけ特別昇給と、こういう意味ですね。
○政府委員(角野幸三郎君) 退職時の特別昇給でございますので、一日でございます。
○野末陳平君 そうしますと、退職手当の計算の基礎となる最終俸給月額というのは、いま最後の一日に特別昇給をした、その特別昇給した後の給与、これを基礎に退職手当を計算すると、こういうことになるのですね、結局は。
○政府委員(菅野弘夫君) 最終俸給月額でございますから、そのとおりでございます。
○野末陳平君 そうしますと、最後の日の一日だけの特別昇給のおかげで、これがしないときと比べてその人がもらう退職金がどれだけふえるのか、これは課長クラスで試算をしていただいていいんで、一号俸アップと、それから二号俸アップと、この二つの場合においてモデル計算で特別昇給のおかげでこれだけ退職金が幾らふえていると、これをちょっと数字で示してください。
○政府委員(菅野弘夫君) お答え申し上げます。 最後の一号俸でございますが、これも号俸によってそれぞれ間差額が違いますので一概に申せませんけれども、先ほどの例で申し上げますと、約四十九万強でございます。
○野末陳平君 二号俸上がった場合は。
○政府委員(菅野弘夫君) 二号俸上がるというのは退職勧奨の例の場合にはないわけでございますので、その計算はいたしておりません。
○野末陳平君 はい、わかりました。 一号俸アップで、課長クラスですか、五十万円退職金がふえると聞きましたが、どういう根拠で特別昇給を退職の日にするのかが、先ほどは二十年以上で勤務成績優秀というお答えでしたけれども、この根拠をひとつ示してくださいよ。というのは、何か退職金がふえるための特別昇給みたいに思えますからね。
○政府委員(角野幸三郎君) お答え申し上げます。 長年勤務いたしましてその長年の勤務に対して労に報いるという趣旨でございまして、これは一般的に申しますと、公務員ばかりでなく、一般にわが国の企業内雇用のそういう民間の中にも大変昔からあるそういう考え方の一つであろうと思っておりますが、長年勤務してその退職時点にその労に報いるために一号俸、しかもそれは特定年数以上であって、しかも在職中勤務が非常に優秀であると、こういう条件でそれにお報いすると、そういう考え方でございます。
○野末陳平君 一種のごほうびみたいなニュアンスもあるようにいまのお答えを受け取ったのですが、強調された勤務成績優秀というような点ですが、どの辺が優秀なのかしりませんが、特別昇給で退職した人のどのくらいが、じゃ勤務成績優秀だったことになりますか。どういうんですか、つまり、やめた人の中で、勤務成績が優秀だから特別昇給したんだと、この人は余り優秀でないからしなかったんだという、はっきり言ってこの比率というか、区別ですが、どのぐらいの人が特別昇給するんですか一優秀という理由で。
○政府委員(角野幸三郎君) 特別昇給の規定はもともと一般の昇給に加えまして特に優秀ということで運用いたしております、その規定の根拠を申し上げたわけでございますが、実際の運用として考えてみましても、長年勤務してそれで退職いたします人ということでございます。それから長年勤務してという前提でそれで勤務が特に優秀であると、こういうことでございますので、長年勤務した人の中ではかなりの数の該当者がおるということは事実でございます。大体一号俸特別昇給という例が約六割ぐらいはあると、そういうふうに考えております。これは正確に調査いたしたことはございませんので言い切るわけにはまいりませんが、ざっとそんなものでないだろうかと思っております。
○野末陳平君 具体的に数がつかめないのはやむを得ないと思いますけれども、何かいまの説明だと、特別昇給は勤務成績が優秀なんだと言いながら、ほとんどの人が優秀と認められてこの制度の恩典に浴していると、こういう印象になるんですね。 事実についてお聞きをしたら、数字をつかめてないということですから、これはこれ以上は聞きませんが、総理府の方に別の角度から聞きます。退職公務員の数というのは大体最近の一年でどのくらいなものでしょうか。
○政府委員(菅野弘夫君) お答えをいたします。 毎年若干違いはございますけれども、五十一年度の例で申しますと、約三万九千人が退職手当をもらって退職いたしております。
○野末陳平君 そうすると、ざっと四万人としましょうか、三万九千幾らですね。その中で、たとえば特昇した人の数はこれだけだとが、そんなのはわかるんですか。わからなかったら、たとえば勧奨退職をした人は大体このぐらいとか、何かその内訳で私のいまのテーマに少し関係した数字が出ますか。
○政府委員(菅野弘夫君) 特別昇給をした人の数は、先ほど人事院の給与局長からも申されましたけれども、そういう感じだと思いますが、私の方でわかっておりますのは、その三万九千人のうちのいわゆる定年とか退職勧奨とか、そういう形の御高齢になっておやめになったという数は一万九千人ぐらいでございます。
○野末陳平君 これは数字がないからもう荒っぽく質問してしまいますが、いま、たとえば、たとえばの話ですよ、二万人の公務員が特別昇給を受けて退職したと仮にしますと、金の問題を言っているわけじゃないんですが、仮にこういう設定をしますと、一人が一号俸最後の日に特別昇給すると五十万円退職金はふえるというんだから、これが二万人だとすれば百億円になるわけですね。この特昇の制度がもしなければ百億円というものは出ていかないし、もちろんあるんですからこれが出ていって当然なんでしょうが、ここなんですね、長官にお聞きしたいんですが、金の話で言いたくはないけれども、ただでさえ公務員は非常に優遇されているではないかと。それから人事院の方も、高齢になるほど公務員は給与の面でよくなっている、民間よりも、というふうなデータも出されているくらいなんですが、この時点で退職の日に勤務成績優秀であるという理由をもってかなりの人が特別昇給して、それをもとに退職金が計算されるというのは、どうもこの制度は甘いと疑問を感ずるのですが、長官はどうですか。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、現在、現行の手当法というのは御承知のように五、六年前四十八年に実施されておるわけでございます。しかし、その際にも当然民間の給与との関係を調整しながらやるわけでございますが、ここ数年という日子を経過いたしておりまするし、現状におきましては見直すべき時期が来たのではないか。それは、公務員が高いとか民間が低いとかいうようなこととは、そういうことも一つの問題ではございましょうけれども、そういうことだけではなくして、五年という日子が経過をいたしましたし、こうした経済状態の中でございまするので、退職手当それ自体を見直すべき時期であろうということで、ただいま人事院にこのことを依頼をいたしまして調査をお願いいたしておるわけでございます。その調査に基づいて再度検討をいたしたいということをただいま考えておるところでございます。
○野末陳平君 じゃ、いまの長官のお言葉を受けて人事院総裁に聞きますが、やはり世間の常識から見ると、どうも過保護というか、甘いと。別に金額のことを言っているわけじゃありませんが、退職手当を計算するに当たって、こういう最後の日にかけ込みで特別昇給するというのは、どう考えても疑問だ。そうでなくても、特別昇給の制度は公務員にまた別にあるわけですからね。それを踏まえて改めて聞きますが、この人事院の規則はこれはもう変えるのが当然じゃないか。別に官民較差があるからこれを変えろと言うのじゃなくて、こういう甘い制度をそのまま何のために公務員に残しておかなきゃいかぬかという意味で言うんですが、変える方向の検討というのはなさいますか。
○政府委員(藤井貞夫君) 退職時におきます特別昇給の問題をいろいろ御論議をいただいておるわけでございますが、これは過去のいろいろないきさつ、実績というものもございますし、また、私どもといたしましては、公務員だけを特別にというようなことではなくて、給与と同列一体の問題でございますので、民間の状況等も十分検討いたした上でいまの制度ができ上がっておるというふうに考えておるわけでございます。このことは、従来の一種の労働慣行と申しますか、そういういきさつの上に成り立っていることでもございますし、それなりの効果あるいは実績というものが今日まで発揮されてきておったのではないかというふうに思っております。これはお詳しい先生ですからくどくどしく申し上げることは差し控えたいと思いますが、私は、公務というものが、民間と同列と申しますか、人並みの処遇をしないと、行政の安定性というものが将来に向かって確保できない、いい人にやっぱり公務員になってもらいたい、これが基本的な原則であろうというふうに思っております。それだからと言いまして、先生もおっしゃっておりますように、公務員に甘やかせるというようなことは、これはやはり国民の血税でもって賄われていく行政でございますので、そういう点は十分配慮はしなきゃならぬと思いますけれども、人並みのことはやっていかないと、将来の行政の安定性、継続性というものは確保できないのではないか。そういう基本的な考え方に立って今日まで人事行政の処理に当たってきているつもりでございますし、そういう点、世間の一般の批判なり何なりというものについては謙虚に耳を傾けてまいりたい所存でございますけれども、基本線はそういうことに置きながら今後も公正な人事行政の運営に当たってまいりたい、かように考えております。
○野末陳平君 総裁のお答えにこちらが反論するとすれば、人並みでなくて人並み以上の処遇を受けているということでこれからは見直すべきじゃないか、いままでとは事情が違うんだと、こういうふうに言いたいと思いますね。 最後に、大蔵大臣ね、公務員の問題はいろいろありまして、いまでも定年制がないための勧奨退職、勧奨退職すれば五〇%割り増しになるというような退職金の問題だけじゃありません、すべてにおいて公務員には非常にいまやですよ、昔はいざ知らず、いまや甘い制度があって残っている。もう時代が変わったのに既得権のようになって残っている。こういうものにもメスを入れていかないと、行政費のむだというのは省けないと思うんですよ。ですから、まだほかにもむだはあるんでしょうが、制度そのものから来るむだをやはり見直すべきである、大なたをふるうような考えをこれから政府が持たなければ、とても総理大臣の言う効率的な政府なんてのは、あんなものはお題目に終わってしまう、そういうふうに思うんです。公務員制度そのものの甘さについてどういうお考えで、今後それをどう検討されるのか、最後にお聞きして終わりにします。
○国務大臣(金子一平君) 公務員の給与全般につきましては、これは専門の機関でございます人事院と総理府が中心でいままでいろいろ御苦労いただいておる次第でございまして、いま御指摘のいろいろな問題があることもまさにそのとおりであろうと思います。今後関係方面とも十分連絡をとりながら適正な給与体系をつくるように努力をしてまいりたいと、かように考える次第でございます。
○委員長(町村金五君) 以上で野末君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(町村金五君) この際、御報告いたします。 昨日、委員長に一任されました分科担当委員の選任につきましては、お手元の分科担当委員氏名表のとおりに指名いたします。 なお、本日午後一時三十分から各分科会を一斉に開会いたしますので、御協力をお願いいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会