予算委員会 第15号
- 発言数
- 668 件
- 登壇者
- 62 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/03/26
会議録
○委員長(町村金五君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和五十四年度一般会計予算 昭和五十四年度特別会計予算 昭和五十四年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 それでは、一昨日に引き続き吉田忠三郎君の一般質疑を行います。吉田君。
○吉田忠三郎君 大蔵大臣、一昨日の私の質問に対して、国債発行によるインフレは極力抑える、また要警戒であると、これは私の認識も一緒でございますがね。そうだとすれば、これから具体的ないろんな施策を施すわけでありますが、たとえば去年の場合は景気を刺激する、こういう立場で大型の公共投資をした。今年も相変わらず大同小異ですが、その場合具体的に、去年は公共投資の前倒しをしましたね、ことしの場合はインフレの傾向を警戒していく、抑える、こういうことになりますから、それと逆になるわけですけれども、私は、この公共事業の支出を後倒しをするというようなことは、余りにも強過ぎますと刺激してかえってハレーションを起こす、こういうふうに考えるわけで、この政策はできるだけ避けるべきではないか、こう考えていることが一つであります。 それから、もう一つは、ヨーロッパ、アメリカなどでは通貨供給量に対して一つの指標というものを発表して、国民全体がそれを知る、こういうことになっていますね。ですから、わが国もこんなに大量国債発行、これは来年度やらないという保証は一つもございませんからね。連年、そういう国債政策をとっていくとすれば、この施策を重視していく、わが国でもですね、このことが大切でないかと、こう考えるんですがね。 それから三つ目には、わが国の国内だけのインフレ要因ではございません。御承知のように、国際的に大変石油問題等々がありまして、国際的にも海外からのインフレというものの波及をやはり抑えていくということにならなければ、国内的な政策だけとりましても意味がないわけです。ですから、こういう問題については、あるいは円高あるいは円安――いまは円安の方向でありますけれども、こういうものについても機動的に対処していくということにならなければ意味がない、こう私は考えるわけです。 それから、昨年もそうでありましたが、特に注意を払わなきゃならぬのは企業に対する過度の減量態勢ですね、これはどうしても雇用との関係がありますからね、私は避けてまいらなければならないと思うんです。やはりおとついも申し上げましたが、価格の景気ということじゃなくて数量の景気を持続さしていくということに大蔵大臣としても、これは通産大臣にもあわせて伺いますが、そういうやはり施策を中心に行政として努力する必要があるんじゃないか、こう私は思うんです。これがためには政府はやはり前もって具体的にこういうことをやりますということを先手先手に手を打たなければならぬではないか、こう私は思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子一平君) 第一点の公共事業の扱いでございますが、本年度は御承知のとおり前倒しをやりましたけれども、新年度は、これからの景気の様相をにらみながら方針を決めなきゃならぬわけでございますけれども、本年度のような前倒しをやる必要は私はないと、むしろ、後倒しということではなくて、やっぱり年を通じてなだらかな公共事業の執行を一応考えてみたらどうか、これは現在の段階でそういうふうに考えておる次第でございまして、景気の動きいかんによってはもちろん機動的に運用をせざるを得ないと考えておる次第でございます。 それから景気の警戒を要するような一応の指標を考えてみたらどうかという御指摘でございますが、これはアメリカあたりでもいろんな指標を取り上げて、マネーサプライの何割増しになったらどうだというようなことを言っておるようでございますが、なかなかやっぱり機械的に指標を固定的に決めるということは専門家の間でいろいろ議論してもらってもむつかしいようでございまして、私どもはマネーサプライのGNPに対する比率の何%増しになれば大体要警戒かなというようなことで、日銀ともその点は十分連絡をとりながら、今後も対処してまいりたいと考えておる次第でございます。しかし、マネーサプライだけじゃございませんで、ほかにいろんな指標を十分こう取り上げながら、実際の財政、金融の運営はやっていかなきゃいかぬと考えておる次第でございます。 それから三番目は……
○吉田忠三郎君 海外のインフレ要因。
○国務大臣(金子一平君) 海外のインフレ要因が日本の卸売物価、消費者物価に影響を及ぼす度合いが特に今日のような時代にだんだんと強くなってまいっておりますので、これは主要各国とのインフレの度合い、経済成長の度合い等に大きな差がまだあるものですから、やはり私どもとしては、たとえばアメリカに対して物を言いまするときは、あなたの方のひとつインフレはしっかりおさめてくれよと、昨年の十一月の総合対策でずいぶんと私はその点は変わってきておると思うんですけれども、いろんな機会を通じまして強くこの点は今後も申し入れてまいりたいと思いますし、サミットの会合等におきましても、やはりこういった点が今後の国際協調の上において一番大事なことであるということが恐らく再確認されると私は考えておる次第でございます。 特に、為替レートが変動相場制になっておるものですから、これが昨年中のようにこうしょっちゅう大きくぶれますと、それが国内産業に及ぼす影響というのは非常に大きくなるものですから、特にこの点につきましては、アメリカ、西ドイツ、スイス、日本等で、あるいはイギリス等も入って、スワップ制度を設けまして、事があるたびには緊密な連絡をとりながら、大きな変動によってそれぞれの国に対する影響を最小限度に食いとめるような努力をいたしておる次第でございますが、これは今後におきましてもしっかりやってまいりたいと考えておる次第でございます。 以上でございます。
○国務大臣(江崎真澄君) 私ども通産省におきましては、公共事業関連諸物資の価格の動向を常に監視する委員会を設けまして、つぶさに監視しておるわけであります。 御承知のように、過積み規制の問題などが建設資材の直接値上がりの原因になったりしたわけでありまするが、国際的にはいま大蔵大臣からお話がありましたように、非鉄金属などはまさに写真相場という言葉があるくらい敏感に国際価格を反映いたします。ただ、国内的な建設資材関連物資におきましては、まだ需給ギャップは相当ございます。生産余力もありまするので、適宜、高いものについては十分行政指導をして、一挙に価格が上がるというような事態は極力避けていく行政指導を徹底したいというふうに考えます。
○吉田忠三郎君 次に、中小企業のことで伺いますが、中小企業庁の長官おいでですか。――わが国の中小企業といいましても法律で決まっていますが、資本金一千万以上一億以下、こうなっていますが、この法人と事業所の数はどのくらいになっていますか。
○政府委員(左近友三郎君) 中小企業の事業所数は大体五百四十万程度というふうに考えております。従業員は、大体、中小企業全体で三千万というふうに考えております。
○吉田忠三郎君 これはその他の企業との比率で何%になりますか。
○政府委員(左近友三郎君) 事業所では大体九九%以上が中小企業でございます。
○吉田忠三郎君 こういうものの生産高はどのくらいになっていますか。
○政府委員(左近友三郎君) 生産高と申しますと、サービス業その他がございますのでちょっと申し上げかねますが、製造業における生産高の比率は、大体半分が中小企業、半分が大企業という比率でございます。
○吉田忠三郎君 それから、最近は景気はやや回復したと、こう一般的には言われていますね。私ども見ましてもその傾向はやや出ておりますが、しかし、依然として倒産件数はかなり出ていますね、どのくらい倒産件数があるのか。
○政府委員(左近友三郎君) 倒産件数は一昨年が一番高かったわけでございまして、年間で一万八千件ぐらいでございました。昨年は、若干倒産件数が減少いたしまして一万五千件ぐらいでございまして、月平均で申しますと、一千件から一千五百件ぐらいの間でございまして、大体通常千五百件を超えますと危機ラインと言っておりますが、現在は、大体、千件から千百件ぐらいの間になっております。そしてこれは大と中小と比較いたしますと、ほとんどが中小。大は負債金額は多うございますけれども、件数は比較的少ない、こういうことに相なっております。
○吉田忠三郎君 零細企業の数はどのくらいになっておりますか。
○政府委員(左近友三郎君) 零細企業は、大体、四百三十万ということになっております。
○吉田忠三郎君 そこで通産大臣にお伺いいたしますが、いまお聞き及びのとおり、これは数字的にも中小企業あるいは零細企業というものがわが国の産業の中に、経済の中に占める位置というものはかなり高いと思うのですね、生産高にして五〇%を上回っているわけですね、こういう状況なんであります。 しかし、依然として倒産件数が、減ってはきておりますけれども、いまの答えと私の調べでは若干違います、違いますが、最近またふえてきている。しかも、この大半が中小零細企業なんですね。ですから、一面景気がやや回復基調にある、こう言っていますけれども、中小零細企業にとってはこれは長い間の不況続きでございまして、むしろ深刻な状態にある、こう見なくてはならないと私は思うのです。したがって今日的な状況の中では、通産省といたしまして、中小企業庁といたしましても、抜本的に中小企業全般の見直しが必要ではないか、こういう感じが実はするのであります。で私もささやかであるけれども、中小企業を組織をいたしまして指導を実はいたしておりまして、いろいろな問題に直面をいたしておりますが、そういう意味で伺うわけであります。 通産省は、円高あるいは輸出の関連につきましても、最近、これがための中長期の対策要綱なるもの、法案を出すとか出さないとかといって、まとまったようでありますが、中身は別として、私はいい傾向にあると思うのですが、こういう問題は、いま大蔵大臣も答えたように、依然として為替変動相場になっていますからね、こういう問題だって中小企業というのは直ちに波をかぶる弱い組織になっていますから、こういうことについてやっぱり緊急の融資をそのときどきに機動的にしていくということだって考えなければならぬことではないか、こう思うのですね。 で、私、具体的に、これは通産大臣、あるいはお金のことでありますから大蔵大臣に提案をいたしますが、従来も幾つかの制度がございました。ございましたけれども、すべてが満点だということにはなっていないと私はこう思うのです。ですから、この際は、一つには、これが対策のために貸し付けの限度額というものを引き上げていく。それからもう一つは、利率の問題、利子の問題ですね。これは旧債の場合は九・二から、いまでは六・二くらいまでになっていますね。しかし、いま金利動向というのは下がってきていることは御承知のとおりです。こういうものだって書きかえするとか手直しをする必要がありますから、この際、やっぱり利率を引き下げる、これが第二番目の私は対策だと思う。 それから、第三番目は、その取り扱いであります。ここに問題があるのでありますが、通産大臣、この取り扱いは、いま変動制でありますから、円相場が固定する間はしばらくそういうそれぞれの措置というものを延長する必要があると私は強く感ずるわけです。この点どうでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 日本の中小企業というのは、もともと非常に基礎の浅いものでありますから、景気の動向によって、お話のありましたように、すぐ影響を受けやすい、これはもう敏感に影響を受けるわけですね。確かにこういうふうにだんだんこの景気の動向が動きかけますと、やっぱり敏感に反映しますね。ただ、いままでのところは、中小企業庁長官も言いましたように、構造不況業種を除きますると、国民の一般消費は現実に伸びておりまするので、五十二年よりは五十三年度はよかった、これは言えると思うんですね。したがって、これをやはり五十四年度も続けなければならぬ、この問題が大いにあるわけです。 いま円高対策については、円高対策法によって金融の面、税制措置の面、いろいろ配慮をいたしておるわけでありまするが、いまは小康を得ております、しかし、今後不安定要素なしといたしません。やはり状況によっては延長することもあり得るというふうに考えます。
○国務大臣(金子一平君) 中小企業に対する貸付金利でございますけれども、吉田さんから九%、何%というような高い金利のものという話もございましたが、一時、そういう時代もございましたけれども、いま民間の優良企業に適用される長期プライムレート、五十三年三月から七・一%に下がりまして、それに合わせて中小企業金融公庫、国民金融公庫の金利も下げておりますし、それからお話のございましたような円高対策や不況地域の対策に必要な政策目的のための金利は特別金利ということで、円高の場合は五・三%とか、不況地域対策の場合は六・一なり六.六というように極力実情に応ずるような金利を設定して努力をしておることを申し上げておきたいと思います。
○吉田忠三郎君 旧債の書きかえはどうですか。
○国務大臣(金子一平君) 旧債の借りかえの場合は、これはなかなか資金コストの関係で正直言って簡単にいかないので、もっと早く借りかえをさしてくれよという御要望をいただいていることは事実でございます。御承知のとおり、郵便貯金、簡易保険等の原資のコストぎりぎりのあれを出しておるものですから、簡単にいかないことだけを申し上げておきます。しかし、民間の金融機関等の金利に比べれば、全般としては相当下がってきていることは事実でございますので、その点は御了承いただきたいと思います。
○吉田忠三郎君 大蔵大臣は、民間金融との比較で若干下がった、こうおっしゃっていますけれども、中小企業というのは一体何が問題点かというと、第一番にやっぱり金融ですよ、金融金利ですね、それに受注量の拡大です。もう一つは、売り上げ高を確保する、この三つなんですよ。その中でいま一番中小企業が悩んでおりまするのは金利負担なんです。これは金利のコストの面だけ、大蔵省から見ればそういうふうになるでありましょう。しかし、先ほども申し上げておりまするように、わが国の生産高の五〇%を超えているわけです。数にしたら九九%ですよ。 仮にこの企業が、幸い倒産というのはやや少し横ばいになってきましたけれども、それがどんどんどんどんなっていくということになると、日本の産業、経済に重大な影響を及ぼすということははっきりしていますね。その中で一番問題になっているのは金利なんですから、政府は、金利政策上、しかも旧債が、大臣、やっぱり九・二から一割二分までいっているんですから、こういう高い金利負担にいま耐え抜いて、そうして長い間の不況を克服しようということで中小企業の人々が努力しておる実態をもう少し把握をして、そういう面に政治の光というものを与えることこそが政治の使命であると私は思うんですがね、どうでしょう。
○国務大臣(金子一平君) 円高不況で困っておるとか、そういう関連のものにつきましては、極力、実情に応じたように手配をいたしております。何というか、普通でうまくいっている企業のやつまでを金利を下げるわけには簡単にいかないことは事実でございますけれども、いろいろな関係でお困りになっているやつの金利の分につきましては、十分に実情を見てやっておるということを申し上げておきたいと思います。
○吉田忠三郎君 通産大臣に伺いますが、事業転換、これは幾つか施策を施してやっていますね、大変結構なことだと思いますが、私は、ようやく景気が少しよくなってきつつある段階に、もう一歩進めて、事業転換施策の強化あるいは拡充というものをやる必要があるのじゃないか。そういう意味から考えてみますと、幾つかの税制がございますね、税金の制度ですね、それと既存の設備を買い上げる、こういう制度も通産省はやっていますね。やっていますが、このやり方についてもそろそろ抜本的な改善をいまこそする必要があるんじゃないか、私はこういう感じがするんですがね、どうでしょう。
○国務大臣(江崎真澄君) お説のとおりだと思うんです。そこで、従来の対策も継続的にやっておりますが、今度産地中小企業振興対策臨時措置法という法律案をこの国会に出しまして、そうして新たに販路を開拓しようとしたり、あるいはいまの事業転換を産地組合単位で考えまして、方針を決めようというような場面には助成措置までとっていこう、そうして最も低金利の融資もしていこうということで、今後のための対策を建設的にとろうではないかということでこの法律案を出したわけでございまして、お説の存する点は、今後も、十分ひとつ中小企業政策の上に取り入れたいというふうに考えます。
○吉田忠三郎君 それと関連いたしまして、倒産の対策ですね。これも幾つかございますが、私は、たとえば中小企業の倒産防止共済制度の特別前納制度というものがございますが、これなどはやはり延長の措置をとったらどうかと思う。 それから二番目は、中小企業の倒産防止共済制度の共済事由の認定の問題がございます。この認定の対象の中に、一回目の不渡りはいま含まれていない。そうですね。ですから、一回目であろうと二回目であろうと三回目であろうと、不渡りを一たん中小零細企業が受けた場合、もう大変なこれは企業に打撃を与えることは想像にかたくないわけです。ですから、一回目から不渡りというものは含めていくものではないのかと、そう考えるわけですね。 それから三つ目は、中小企業の倒産の共済制度の加入者は、共済金の範囲内で不渡り手形というものの買い戻しの義務をつけられているんだけれども、これを免除したらどうかというような、これは極端なぼくの意見かもわかりませんが、そういう感じを持っています。 それからもう一つは、小規模の企業者でございますが、この場合の経営の改善策というのは余りないように私は感ずるんです。ですから、こうした小規模の経営の改善施策というものをもっと強化をして充実をしたものにいたすお気持ちがあるかないかということなんです。
○政府委員(左近友三郎君) 若干技術的な問題がございますので、私から先に御説明申し上げます。 倒産防止共済制度でございますが、これは中小企業者が連鎖倒産に巻き込まれるということを避けるために昨年から開始したものでございます。それで第一年度は、一般に普及することを、一生懸命にこちらが普及に努めておりますけれども、なかなか徹底しないということで、特例前納制度というものを設けたわけでございますが、ただ、この共済制度の中で前納というのは非常に異例中の異例の措置でございますので、やはり共済制度の趣旨から言うと、一定の期間掛金を掛けるということが必須条件でございます。したがいまして、これは三月三十一日で切れますが、三月三十一日で切れたものを延長することははなはだむずかしいかと思っております。ただ、この特例前納制度を理解していただくために、昨年末から十分にPRに努めておりますので、その期間の中で御利用願えるようにいま至急にやっておるところでございます。 それから後の、この制度の内容でございますが、この点についてはこの倒産防止共済というのが初めての経験でございまして、ほかの国にもございません。したがいまして、とりあえずやってみた上で、その経験の積み重ねの中で改善をしていきたいというふうに考えております。この四月で満一年を迎えますので、その実績を見ながら、ひとつより有効に働くような検討を進めたいというふうに考えております。 それから小規模企業につきましては、商工会議所、商工会を通ずる経営指導事業というものがございますし、その指導事業に関連をしてマル経資金の融資というものがございますが、ただ、経営指導につきましては、やはり業種業種、この小規模企業もいろんな業種がございますので、それに適切な指導をするという点について、もう少しこの実態に即した指導をやるべきであるということで、実は、これにつきましても現在学識経験者を集めまして検討を始めております。したがいまして、この検討の結果でより行き届いた指導をしていきたいというふうに考えております。
○吉田忠三郎君 大臣ね、いまの答えのこの前納制度を延長したらどうかと、今月で切れるんですね。せっかくここまでいい施策として取り入れてきたわけなんです、この問題はね。どうもいまの答えでもこれはちょっと不可能で、では不可能であれば、次のそのかわりの手だてをどうするかということは何も答えてないね。だから、ぼくは、中小企業庁のこの行政のやり方というのはウサギ政策だと、こう言っているんです。つまりウサギというのは生みつ放しで育てることをしない、中小企業庁のやり方というのはそうですよ。これはひとつ、大臣、改めることをあなたから答えてくださいよ。
○国務大臣(江崎真澄君) 先ほどの、たとえば手形の問題などがございましたが、やはり私は、日本のいわゆる企業の数としては九九%までを占めておる中小企業というものが従来のような商習慣を守ってきっちり生きてきたというところに、一面から言うというと日本の産業の発展があったと思いますね。やはり中小企業といえども、これは企業ですから、自己努力ということが根底になければならぬと思います。 それにどの程度協力をするか、そこでいろいろ中小企業対策があるわけですが、日本の中小企業政策というものは、何といっても世界的に見て一番か二番かと、相当行き届いておるとは私は思います。ただ、おっしゃるように、何といっても数が多いですから、行き届かない面も確かにあることは否めません。したがって中小企業そのものにももっと力をつけるような政策展開ということが今後の問題として大切だと思います。御意見としていまいろいろ御指摘になりました点はよく承りまして、今後の政策展開に十分反映さしていただきたいというふうに思います。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
○吉田忠三郎君 大蔵大臣ね、金融の問題で、これをお伺いしますが、むしろ私の方の提案とでも言ったらいいんじゃないかと思いますが、政府系の金融機関の資金量を中小企業のためにもうちょっと拡充すべきじゃないかと思う。たとえば政府の出資をいま二百二十七億円としていますが、これを商工組合中央金庫へ百億くらい、それから国民金融公庫へ五十七億、中小企業金融公庫七十億、こういう割り振りと、こう私は思うのですがね。それから貸出金利、先ほども申し上げましたが、これは新たに行うわけですから、この貸出金利についても、現行七・一%でございますが、六・八%ぐらいにしてはどうなんだと、こう思うんです。 それから既往の貸出金利と――先ほども触れましたが、新規の貸出金利では余りにも格差が多い。これは何としても、大臣、重ねての質問でありますが、是正をしてまいる、こういう姿勢にならないものかどうか。それから政府系金融機関の既往の融資のやはり改善というものも、その中には当然含まれますが、そういう点ですね、こういう点を考えてもらいたい。 それから円高法がございますけれども、その認定中小企業に対しては、やっぱり特別の金利というものを制定していかなければならないのじゃないでしょうか。これは特殊な円高というものから出てきた影響なんですから、こういう点ですね。それから、これはおしなべてそうでありますけれども、市中金融機関もそうでありますが、それと別に、政府の金融三庫ございますが、これに対するそういう利子を下げるということになると、当然、利子間の差異が出ますから、政府がかわって利子補給する、こういうことだって考えていいんじゃないか、こう思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(徳田博美君) 政府関係の中小金融関係三機関に対する出資でございますが、五十四年度は、政府出資として八十五億円を商工中金に対して予定しているわけでございます。 それから先生御指摘の既往金利が非常に高いではないかという問題でございますが、これは御承知のとおり、不況業種に属する赤字企業につきましては八・一%を超えるものについては八・一%までの引き下げを行っているわけでございまして、十二月末、昨年いっぱいで三万五千件についてこれを実施しているわけでございます。この結果、八・一%を超える貸し出しの残高は五十三年三月には政府系中小三機関のうち四三%を占めていたわけでございますが、五十三年十一月には二二%に低下しております。この点につきましては、そういう不況業種に属する赤字企業、あるいは赤字企業に限らず、先ほどから大臣が申し上げましたように、個々の事情によりまして、さらに個別にいろいろ詮議をいたしまして、必要な条件改定を行っていく、このようなことをいま実施しております。
○吉田忠三郎君 もう時間があと六分ですから、たくさん金融の問題等々ございます、それと中小企業の経営改善資金問題もございます、あるいは高度化施策の改善の問題もございます、信用補完の問題もございますが、時間もございませんから、私は追って関係の委員会でこういう点を尋ねていきたいと思います。 ただ、ここで一つ触れておきたいと思いますのは、福利厚生対策でございますが、中小企業の退職金共済制度の拡充強化を図っていただきたい。これは大変立派な制度でありますが、これも、私ども中小企業を扱ってみまして、つくり上げるだけつくり上げて余り手を染めませんね、具体的に。どっかできた団体が、たとえば私なら私ができましたら、おたくさんの方に何がしかちょっぴり補助金をやりますからこれを扱ってくれと、こういう程度のものなんですよ。ですから、私はあえてこれを聞いているわけです。ぜひひとつ積極的にそういう扱いをしていただきたいというふうに思うんです。 それから厚生年金の還元融資でございますが、いまの制度は企業主に貸し付けすることになっていますね。ですから、これは私は従業員一人一人にも直接貸し出しのできるように制度を新設したらどうか、改めたらどうか、こういう考えを持っているんでございますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(左近友三郎君) 退職金共済につきましては、御指摘の点もございますので、われわれとしても今後より充実するように持っていきたいと思います。 それから厚生年金につきましては、実は中小企業庁の所管ではございませんが、所管のところとよく御相談をして検討をさしていただきたいと思いますが、現在では、事業所主体ということになっておりますので、その辺どういうことになりますか、関係の主管官庁とよく御相談をしていきたいというふうに考えております。
○吉田忠三郎君 通産大臣、どうですか、さっきの。
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は、ひとつ充実するにこしたことはありませんが、何せ対象が多いものですから、滑り出した以上やはりきっちりした形にしていかなければなりません。現に行われておるものも、全くいま御指摘のように、なかなか理想的にという運営になっておりませんので、今後、十分ひとつ検討をしながら充実したものにしていきたいというふうに思います。
○吉田忠三郎君 下請中小企業対策の強化というものを私はやはり考えていかなきゃならぬ、こう思います。 時間がありませんから、一つは、下請取引の適正を確保するために下請契約というものをしておりますが、この作成を徹底的に普及させる、そのために必要な措置をやっぱり通産省としてとるべきじゃないか、これが一つであります。 それから不公正な下請の契約に対する監視体制を強化してもらいたい。いまの体制では、全くやっていないとは私は言いませんけれども、不足であります。そのために必要な専門の要員というものをやはり通産省として、あるいは中小企業庁として確保する必要があるんじゃないか。そうでなければいつまでたっても下請関係のこういう不正な契約というのは解消されませんから、そういう点。 それから三つ目は、下請代金支払遅延等防止法の運用を、ありまするけれども、もっともっと強化をして下請企業というものを保護していく必要がある。幾つか保護政策がございますけれども、この代金の支払いが問題になるわけですから、そういう点を私は考えております。 それから下請代金のうち労賃部分は手形でなくて現金でやはり決済するようにしてまいらなければなりませんね。いまの法律、法規ではそうなっていません。ですから、私は、ここでこの労働者に対する賃金の代金は規定なり法律事項とすべきではないか、こう強く感じていますが、どうですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は全く理想的なことだと思いますが、日本の企業そのものが御承知のように多額な銀行融資の上に形成されておるという形、自己資本比率が世界の経済大国の中では最も低いことも御存じのとおりであります。そういうのが下請にどうしてもしわ寄せになる。それが過度であることについては、従来の法律などを駆使しながら私どもも下請の保護に当たっておるわけでありまするが、今後、やはり日本の企業そのものが充実することが大切だと思います。従来のような形をだんだん変えまして、自己資本比率をもっと伸ばしてくれることが下請の保護にも役立ってくるわけであります。 これはもう企業全般の問題から言えることと、それから下請企業に対する個別の対策、これは従来ともいまの法律、その他によってわれわれとしてもできるだけのことはしておるわけでありまするが、今後といえども、企業の責任者がやはり十分その辺の社会的意義を考えながら、長い間の習慣を改めていく努力を続けるように、十分通産省としても行政的な指導をしていく必要があるというふうに考えます。
○吉田忠三郎君 時間があと二分ですから、実は一般消費者税の導入に伴って中小企業者に一体どういう負担がかかるかということについても、これは関係大臣にお伺いしたいと思いましたが、時間がありませんから、私は、最後に、この中期展望に関してどういう対策が必要か。これは通産省といたしましても中長期の施策として産地対策法というものなんかをまとめ上げて大変結構なことですが、やはり私は、この場合、中小企業の基本法というものを見直す時期に来ている、このことをひとつ指摘をしておきたいと思うのです。 それから次に、やはり中小企業に対しては調査研究機関が必要であります。したがって産業技術センターなどというものをこの際設置をして、中小企業を正しい方向に指導していく、こういうこと等が必要ではないか、こう思うのですが、通産大臣のお答えをお願いしたいと思います。
○理事(嶋崎均君) 時間が来ました。
○国務大臣(江崎真澄君) 中小企業基本法につきましては、やはり基本法ですからそう常に変えるものではありませんが、実情に沿った形で絶えざる検討をしていくこと、これはもとより必要だというふうに考えております。
○理事(嶋崎均君) 以上で吉田君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○理事(嶋崎均君) 次に、柳澤錬造君の一般質疑を行います。柳澤君。
○柳澤錬造君 通産大臣のお時間が、何かちょっと退席になるというものですから、先に取り上げてまいります。 エネルギー問題で、まずお聞きをしてまいるんですが、最近、世界的に大問題になっているわけです。それで政府としてエネルギー、特に油の問題なんですが、備蓄についての基本的な姿勢はどういうものをお持ちなのか。また主要な外国が現在どの程度の備蓄を持っており、日本がどのくらいかという、その辺からお聞きをしてまいります。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕
○国務大臣(江崎真澄君) 石油備蓄の基本的考え方いかんというお話でございまするが、御承知のように、国家備蓄は、従来の一千万キロリットル、これを二千万キロリットルにこの五十四年度予算で増量するということをお決めいただいたわけでございます。これはイランの問題が起こりまして、計画はできたが、さて実行がどういうことになるのか。いま一千万キロリットルについては、御承知のように、洋上備蓄、タンカー備蓄とも言っておりますが、タンカー備蓄を中心に五百万キロリットル、その他恒久的な備蓄施設の建設に日数を要しまするので、この計画はすでにでき上がっております。あとの一千万キロリットルの備蓄候補基地をどう調査、検討するかというのが今度の予算に盛り込まれておることは御存じのとおりであります。これは鋭意ひとつその目的完遂に向かって進めていきたいというふうに考えます。 それから、五十四年度、IEAの話し合いに基づきまして九十日を目標とする民間備蓄を行う、これをぜひ進める予定で来たわけでございますが、今度こういうことになりまして思うに任せません。したがって上積みができない分については、IEAにおいても、そのための民間備蓄でもあり、火急の場合にはある程度の取り崩しはやむを得ないのではないか。特に日本とかドイツとか、産業の振興をしきりに言われ、国際的に要請されておる国においては、ある程度の備蓄取り崩しもやむなしということで理解をされておるわけでございます。
○柳澤錬造君 外国の備蓄。
○政府委員(神谷和男君) 外国の備蓄状況でございますけれども、OECDの主としてヨーロッパ諸国でございますけれども、これらの備蓄は、平均いたしまして前暦年の内需量の約百九日分の備蓄を保有しております。こういう状況を勘案いたしますと、わが国の民間備蓄の増強の目標が九十日でございまして、ほかに国家備蓄二千万キロリットルになりますと、大体二十日分になりますので百十日分に近いものになる、こういう観点から国家備蓄の増強も考えておる次第でございます。
○柳澤錬造君 アメリカの備蓄はどのくらいですか。
○政府委員(神谷和男君) 一九七八年の七月一日におきます備蓄日数が純輸入量の百三十一日分という数字が出ております。
○柳澤錬造君 通産大臣、日本の場合、ことし政府備蓄を一千万キロリットルふやすと言うんだけれども、それができるのはまだ二、三年かかるわけです。そうすると、現在、いまのお話のヨーロッパでも百九日分ある、アメリカは百三十一日分。いかに少ないかということなんです。その辺について、通産大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 確かに備蓄の世界的水準に比較した場合、これは低いというふうに考えます。ただ、言えることは、消費量から言いますと、この日本の九十日余の備蓄量というものは相当な量にはなるわけであります。しかし、それぞれの国々がいまお話し申し上げましたように、相当な日数になっております点から言えば、確かに低い。なお、今後とも、鋭意備蓄に努力をしなければならないというふうに考えます。
○柳澤錬造君 大臣、確かに低いんじゃなくて、低いことはもう数字ではっきりしているんだから、その辺、どういう計画をお持ちになっておるか。 それからもう一つ大事なことは、この備蓄の方法なんですね、タンカーがやられておる。それから、今度、洋上備蓄が上五島のように行われる。それから陸上の基地といろいろあるんだけれども、それらをいま具体的にどういうプログラムを持って、どういうふうに進めようとしているかということをお聞きするんですけれども。
○政府委員(神谷和男君) 備蓄方式と今後の備蓄拡大の進め方に関連して御説明さしていただきます。 御承知のように、民間備蓄九十日目標と申しますのは、五十四年度末を目標にいたしております。五十四年度は八十五日で推移し、末に九十日、五十五年度に入りますと九十日に持っていきたいと考えておるわけでございますが、現在のような状況でございますので、八十五日に四月一日から直ちに積み上げることはむずかしいと思っておりますが、事情が許せば、このプロセスと申しますか、段階は踏んでまいりたい、こういうふうに考えております。 他方、これを補いますといいますか、さらにこれに加えるための二千万キロの国家備蓄の進め方でございますが、現在、御承知のように、一千万キロリットルの候補地点というものを四カ地点選定いたしまして、石油公団で外部の専門機関に委託してフィージビリティースタディーを行っております。このうち陸上につきましては、従来経験の多い方式でございますので、技術的にも経済的にも問題がない。したがって地元の調整のつき次第進めることが適当であろうという専門家の意見が出ておりますので、公団でしかるべき審査を行った後、地元の調整がつき次第、早急に地点決定を行いたいというふうに考えております。 洋上備蓄につきまして、この四カ地点のうち二カ地点が洋上備蓄方式で現在いろいろな検討が進められておりますが、先般のフィージビリティースタディーの結果では、基本的には非常に結構な考え方であろうけれども、何分にもわが国では初めてのことでございますので、慎重の上に慎重を期すことが適当であろうということから、さらに補完的な調査を進めることが要請されておりますので、この補完調査を進めた上で、この洋上備蓄方式も今後の備蓄方式としてはできるだけ早く着手し、実現していきたいと考えております。 タンカー備蓄は、御承知のように、つなぎのものでございますので、これらの陸上備蓄基地あるいは海上基地が決まりました後は、これに移したい、こういうふうに考えておりますし、そのほか地下備蓄方式等についても技術的な検討を進めたいと考えております。
○柳澤錬造君 もう少しお聞きしたいんだけれども、通産大臣の時間の関係があるので、大臣がいる間に、もう一つ聞いておきたいことは、イラン情勢がああいうぐあいでもってかなり変化を来しておるんですが、カリンガス計画がどういうふうになってしまうか、カリンガス計画が当然変更せざるを得ないということになるならば、それのかわりとしていま政府はどういうことを考えておるのか、そこをお聞きしたい。
○国務大臣(江崎真澄君) イランからのLNG開発輸入計画につきましては、イラン側と日本側の当事者間で導入のための交渉が進められ、LNG売買契約、液化基地建設契約、諸契約が御承知のとおり昨年六月に締結されました。その後、日本側から供与する金融の条件等につきまして、日本及びイラン当事者の間で数次の協議が行われております。ところが、こういうことになってしまいましたために交渉が中断しておるというふうに報告を受けております。したがって、政府としましても、この情勢の推移を的確に把握いたしまして、今後とも十分この事業には、重要でありまするだけに、協力をしていきたいというふうに考えております。
○柳澤錬造君 大臣、その先のこと、交渉が中断をしてしまった、当然計画どおりにはLNGが入ってこないわけなんです。それじゃ、それだけのものを輸入はとめておくのかどうなのか。当然それだけのものが必要ならば、どういう手を打つのか、それに基づいて、これは運輸大臣の方にいくんだけれども、LNGのタンカーの問題をどういうふうにお考えかということ。
○国務大臣(江崎真澄君) これは御承知のような国情でありまするので、いま私がここで確実にこうなるという見通しを述べることはいささか困難と思いますが、ただ、言えることは、政局が安定すれば、バザルガン政権そのものが非常に日本に対して好意的であるという点ですね、これは御承知のように石油の輸出再開に当たっても、まず第一船は日本へと、その後四十万バレル、一日分を出そうと。これは恐らく倍ぐらいになるであろうということが石油の面でも言われております。倍ぐらいになれば、一九%依存しておりまするものの一〇%程度がこれによってカバーされることができるわけでありまして、そういうふうにこれはケース・バイ・ケース、一つずつ前進していくことを考えるよりいたし方ないという状況でありますが、十分ひとつこれは軌道に乗せるべく、いま現地の大使館筋とも緊密に連絡をして、今後に備えておるというのが現況でございます。
○柳澤錬造君 じゃ運輸大臣、そのLNGのタンカーの関係の方について。
○国務大臣(森山欽司君) いまお話がありましたイランのカリンガスに関連しまして、カリンガスプロジェクトを想定して五隻の液化天然ガス運搬船、LNG船が建造されるものと見込んでおります。カリンガスプロジェクトについては、イランの政情不安によりまして、いま通産大臣のお話がありました、場合によってはプロジェクトに遅延が生ずることも考えられる情勢にあることは事実でありますが、仮にカリンガスプロジェクトに大幅な遅延が生じた場合でも、日本船による液化天然ガス輸送の機運が高まっておりますので、現在検討されております幾つかの液化天然ガスの輸入のプロジェクトにおいて日本船が活用されるということを考えているわけであります。そういうふうに考えております。
○柳澤錬造君 通産大臣、もうよろしいです。 じゃ外務大臣がいらっしゃっているんで、最初に国の安全保障について取り上げてお聞きをしてまいるんですけれども、昨年のこの予算委員会で、私が、日中条約を大変お急ぎになっているんだけれども、中ソ等距離外交を崩されるんですかといって聞いたときに、大臣は、中ソ等距離外交なんてありませんと、日本は全方位外交ですとお答えがあった。私は全方位外交なんかないと思うんですけれども、それはそれとして、現実の問題として、昨年の終わりごろからことしにかけまして、アジアの情勢というものはかなりの変化を来していると思うんです。しかも、その変化というものが予想のされ得ないような事態があちらこちらに起きているわけなんです。その辺をどういうふうに把握をされて、これからどうなっていくという御展望をお持ちなのか。 それからもう一つは、ちょっと離れているけれども、いまも出たイランですね、あれも予想外の方に発展をしていったわけですけれども、この辺をどういうふうに把握をされておって、これからの見通しというものをお持ちかというものを含めまして、お答えをいただきたい。
○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。 日中友好条約締結後、アジアでは確かにいろいろ激しい事件が起こりました。まず、朝鮮半島から言うと、朝鮮半島は日中友好条約締結、これを契機にして世界の雰囲気、アジアの雰囲気は南北対話の機運をつくってきたことは否み得ない事実であって、ソ連は韓国に対して一貫した厳しい姿勢を見せながらも、この対話は歓迎をする、こういうことで韓国の閣僚を招いたり、あるいはスポーツ大会に対する招待の姿勢を示しておるわけでありまして、この雰囲気を通じてわが方もこの環境づくりに努力をしたいと考えております。 インドシナ半島においては、これまた御承知のとおりに中越の対立、中ソの対立が絡みましてああいう事件が起きたわけでありますけれども、ベトナムがそういう関係上ややソ連寄りになったと世間は評価をいたしておりますが、それも決定づけるようなものではなく、平和会談にどうやらこぎつけたわけであります。この前途はなかなか容易ではないと思いますけれども、一応大規模の戦闘が中止をして、平和会談に進んだことは歓迎すべきことだと考えております。このベトナム、インドシナ半島を契機にして、ラオス、カンボジアは省略をいたしますけれども、中ソの対立が激しくなったことは事実でありますけれども、しかしながら、かといって中ソの対立が激化をして大規模な紛争が起こるとは考えられませんし、また起こしてもならぬと考えておるわけであります。 なお、日本と中国の関係で日中提携をしてソ連に対抗するものであるという誤解はいろんな事件が起こるたびごとに現実をもって示しておりまするので、日本と中国の協力のもとにソ連に対する抵抗、あるいは協力をしてソ連に対する牽制、あるいはさらに米国を含めた米中日のソ連の包囲網などという印象は逐次具体的に、日本も注意をしておりまするし、米国も注意しておるというのが現状でございます。 イランの現状は、通産大臣から申し上げましたけれども、いまの新政権とそれからホメイニ側近のグループとのいろんなあつれき、それから治安回復の問題あるいは経済再建の問題等いろいろ困難でまた流動的ではありますけれども、安定の方向に羅針盤は向かったんじゃないかと想像されるわけでありますが、このイランを中心にする米ソというものは両方とも直接力を強く中に押し入れるという情勢にはないような気がいたします。こういう情勢を踏まえまして、日本は、重要な隣国であるソ連との友好関係というものも現実の問題を積み重ねつつ一つずつ友好関係を深めていく努力をしたいと考えております。
○柳澤錬造君 外務大臣としてのそういう御答弁は生まれると思うんですが、けさのサンケイ新聞の「主張」なんかでも「日中条約とはなにか」ということを書いているわけなんですね。「日中条約がアジア安定に役立つとの願望的期待から出発した」というんだけれども「見通し違い」じゃなかったのか。「日中条約締結-ソ越条約締結-中越紛争という〃玉つき現象〃」を与えた、もう一回ここで考えてみた方がいいというふうな意見も、別に私は日中条約がいかぬとかなんとか言っているんじゃないんですけれども、対ソ連との関係がかなり厳しくなったということは私は事実だと思うんです、いろいろな角度から。その辺の点に外務大臣としてどういうお考えをしているかということをお聞きしたい。
○国務大臣(園田直君) 直接対立しているソ連と中国でありますから、その一方である中国と先に友好条約を結んだことは感情的によかろうはずはございません。そこで、私は、昨年正月堅頭に、まず就任直後モスクワに行って、中国との条約は結びますよということを一番最初に言ったのはソ連でございます。しかし、中国と友好条約を結ぶのは中国と提携をしてソ連に対抗するとか、一方的な外交を進める意味ではないと、こういうことはよくよく理解を求めたところであります。ソ連との間は北方四島の問題がありますから、なかなか厳しいことではありますけれども、中国との問題がありましたから一時足踏みをした傾向はありますけれども、日本と中国がインドシナ半島の問題でも同一行動をとらなかったこと、同じ判断をしなかったこと、こういうこと等もあって、北方四島の問題という大前提がありますから、厳しいことではありますが、実務的には逐次話は進んでいるわけであります。甘く見ないで、その実情を正確に判断しながらソ連との間の関係を打開したいと考えております。
○柳澤錬造君 そうすると、外務大臣、そのソ連との関係を打開をしていく、具体的に言えば、やはりソ連とも日ソ条約をどう扱うかということになると思うんです。だからその辺が、日程をどういうふうにお考えになって、いま舞台裏というかで進めておられると思う。そして表のテーブルにいつごろ上がってきて、その問題の交渉に入るというようなことが構想の中でお考えになっているか、その点をお聞かせいただきたいんです。
○国務大臣(園田直君) 御承知のごとく、事務会議あるいは経済会議等は順調に進んでおるわけであります。今後とも、実務的な両国に共通の利害を持った問題は逐次展望は開けてくると考えております。そういう両方で話し合いのつくものから一つずつ積み重ねていって、そしてソ連との友好関係を進めていきたいと存じますけれども、やはり四島返還が大前提でありまして、平和条約も善隣友好の問題もすべてはこの北方四島に対する、領土問題に対するソ連が話し合う態度を見せるか、あるいはこれに対する誠意ある態度を見せるか、そういうことであれば、いろいろ話し合う方法はあると考えておりますが、まだそういう態度を見せておりませんので、そういう方向に向かって努力をしているところでございます。
○柳澤錬造君 余り突っ込んでいっても、別に外務大臣を困らしてどうということはないですから、その辺にして。 防衛庁長官、いま外務大臣の方からアジア情勢のお話があったんだけれど、それにつけ加えて、朝鮮半島も確かに対話の出ていることも事実です。同時に、あそこの三十八度線の下のまた第ミトンネルが発見されたことも事実。択捉、国後の基地が強化されている、これはもう十分おわかりのとおり。そういう中で、日本の周辺をソ連の艦艇が毎日のように動き回っている、飛行機も飛び回っているという状態なんですから、その辺を防衛庁長官としてどういうふうにお考えになっているんだろうか。それで、いまソ連の太平洋艦隊というのはどのくらいの戦力をこちらの方に持ってきて配備をしているか、その辺を少し詳しく聞かしてください。
○国務大臣(山下元利君) お答え申し上げます。 わが国周辺の北東アジアの情勢でございますが、ただいま外務大臣からも御答弁がございましたが、中ソの対立とそれから米国のプレゼンスとによりまして大規模な武力紛争が起こることは抑制されていると思う次第でございます。しかしながら、最近のソ連の著しい軍事力の増強に伴います米ソの軍事バランスと申しますか、そのバランスの変化につきましては、情勢は従来よりも厳しさを増していると考える次第でございます。いずれにいたしましても、わが国周辺の軍事情勢といたしましては中ソの対立、またいま御指摘のございました朝鮮半島の南北対立、あるいは極東ソ連軍の顕著な増勢等の注目すべき要因がございますので、これらにつきましては、わが国の安全保障にとって大きな関心事でございますので、引き続き注視の上、分析検討を行ってまいりたいと思っております。 なお、ソ連の太平洋艦隊の配備の現況でございますが、これは、現在、原子力潜水艦五十隻を含む潜水艦百二十五隻、巡洋艦十隻、駆逐艦級八十隻など、総隻数七百五十五隻、総トン数百三十三万トンの勢力を有しております。
○柳澤錬造君 防衛庁長官、そういう大変な艦隊がこの日本の周りにいるわけなんで、それに対して日本の海上自衛隊の勢力というのはどの程度の規模にいまなっているんですか。
○国務大臣(山下元利君) 昭和五十三年度末におきますところの海上自衛隊の主要艦艇の保有状況は約百五十隻でございます。対潜水上艦艇が五十九隻、潜水艦十三隻、その他でございます。
○柳澤錬造君 トン数。
○国務大臣(山下元利君) トン数は約十七万四千トンであると承知しております。
○柳澤錬造君 防衛庁長官、日本の海上自衛隊から見れば、ソ連のいまの太平洋艦隊というのは約八倍いるわけです。それで防衛庁長官としてまくらを高くして寝ていられるんですか。
○国務大臣(山下元利君) ソ連の極東勢力の最近の増強は、先ほど著しいものがあると申したとおりでございます。私どもとしては十分監視を怠れないわけでございますが、わが方の海上勢力につきましては、いま申しましたとおりでございますが、現在、御承知のとおり、防衛計画の大綱に従いましてその整備を図っておる次第でございますが、その大綱の示す中におきまして近代化、装備の整備を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○柳澤錬造君 さっき、日本の海上自衛隊十七万四千トンと言われたんだけれど、私がもっと聞きたいことは、その中に、言うならばもう定年過ぎて退役させなくちゃいけない船がたくさんあるわけでしょう。そのことはまあさておいて、そういういまのような状態で防衛庁長官としてまくらを高くして寝ておられるんですかと聞いているんです。
○国務大臣(山下元利君) 不断に情勢を注目しながら、この整備に努力いたしておる次第でございますが、しかしながら、御指摘の点につきましては、最近のわが国周辺の情勢は厳しさを増しておる次第でございますので、その中にどう対処するか、十分注意しながら分析検討を行ってまいりたいと思っておりまして、分析検討を不断に行い、決してまくらを高くして寝ておるわけではございませんです。
○柳澤錬造君 長官、本当に真剣に考えていただきたいと思うんです。それで、こういうようないまの現状というものを国民が知ったならば、それこそ国民が安心してとてもじゃないけれども寝られないと私は思うんです。 そしてこの前のE2C機が問題になったとき、長官は、あの凍結というときに、凍結は困りますと、いまこの予算が決まってもあの飛行機が手に入るのはたしか昭和五十七年と言われたですね、予算で決まっても。だから凍結は困ります困りますと言っておったのです。五十四年度の予算に計上されている護衛艦がどうやったって五十七年じゃできないわけですよ。やっと五十八年になってでき上がって、そして就役が可能になる、よほど早くやって。ということは、それはE2C機の問題どころではなくて、いまの時点でこの昭和五十八年になり五十九年のそういう日本の警備といいますか、そういうものを考えて、どの程度の艦艇の配置をということをやらなければならないんです。そういう点から考えていったときに、私はもう少しその辺が整備をする必要があると思うんだけれど、その辺についての長官のお考えはどうですか。
○国務大臣(山下元利君) 私ども、先ほど御答弁申し上げましたことについて、これは最近の情勢は、米軍のプレゼンスと申しますか、そうしたことにもよりまして大規模な紛争は起こらないと申しておりますが、外交努力、あるいはそうしたことを通じまして、わが国独力だけでは可能でない点もございます。そうした点の努力も必要でございますが、ひとつ、その中におきまして、われわれのすべきことにつきましてはまさに御指摘のとおりでございまして、護衛艦艇でもE2Cにいたしましても、いま御審議願っておる予算で御承認願いましても、それから手続を進めましてもこれは五十七年、五十八年でございますので、その間のことを考えますならば、私といたしましてはできるだけ早期にこうしたことの進められますように御理解を賜りたいと切にお願いをしておる次第でございます。
○柳澤錬造君 私に御理解賜りたいのじゃなくて、長官、私が長官に御理解を賜りたいと言いたいんですよ。本気になって、そしてみんなが安心できるようにやってください、それ以上私は突っ込んで言いませんから。 次に、昨年の三月十七日、ソ連の軍用機が日本の領空侵犯をした事件があった。そのほかにもあるはずですけれども、それについてどういう扱いをして、どういう結末をいまつけているのか。
○国務大臣(山下元利君) その点につきましては、政府委員の方から御答弁いたします。
○政府委員(原徹君) 五十三年の三月十七日に領空侵犯がございました。その他にも過去に約七回ほどございます。五十三年の場合には、もちろんわが方が緊急発進、スクランブルをいたしまして、またレーダーサイトの方から領空侵犯になりそうだから注意しろという警告をいたしたわけでありますが、対馬海峡におきまして領空侵犯になったということでございます。わが方といたしましては、その事実がございますので、それを外務省に連絡いたしまして、外務省の方からソ連に抗議をいたしてもらっております。
○柳澤錬造君 その先それからどうなったか。
○政府委員(原徹君) その本件五十三年のケースにつきまして抗議を外務省からいたしましたが、ソ連側はそういう事実はないということを言ったというふうに聞いております。
○柳澤錬造君 これは外務大臣にも一緒になにしておってほしいのですけれども、領空侵犯したのはソ連の軍用機なんですよ。日本の漁船が戦後から昭和五十一年までにソ連に拿捕されたのは千五百三十三隻ある。一万二千七百二十五人が逮捕されて連れていかれているんですよ。しかも、その中で三十五人もあの地にあのまま命を落としているんです。これは民間じゃないですか。私は、その漁船も、恐らくあちらの領海侵犯か何かしたから連れていかれているのだと思うのです。しかし、これは民間、ソ連の方は軍用機ですよ。抗議をいたしましたと言って、その先、その点について私は外務大臣にお聞きしたい。
○政府委員(宮澤泰君) ただいま防衛局長から一部御答弁がございましたが、三月十七日の領空侵犯につきましては、モスクワにございます日本大使館を通じましてソ連側に厳重に抗議をいたしました。これに対しまして、四月十一日、ソ連の外務省は、同じく日本大使館を通じまして、ソ連機による領空侵犯の事実はないと、こういうふうに回答してまいりました。日本政府は、その後四月二十日に、日本側の精細な調査の結果に基づきましてさらにソ連側に抗議を行うとともに、このような侵犯の再発は厳に防止するためにソ連側として必要な措置を講ずるべきであるということを申し入れたわけでございます。ソ連側は、これに対しまして、さきに回答した以上につけ加えることはないという態度をとっております。
○柳澤錬造君 外務大臣、私は一番心配するのは、そういう片手落ちな扱いなんですね。抗議はしました、向こうは事実はないと言った。ところが、わが方は民間の漁船の一万何千人もそうやって持っていかれちゃう。恐らくそれも抗議はしたと私は思うんですよ。何でそうやってみんな逮捕されたりあちらで命を落とすようなのをほうっておくのですか。
○国務大臣(園田直君) 逮捕された漁民については釈放要求を行い、そして逐次釈放されているわけであります。ことしに入ってからはこの逮捕は減っているわけであります。確かに、一方は侵犯をすると拿捕する、片方は領空侵犯でも抗議をするということで片手落ちかもわかりませんけれども、しかしそれ以上にやるべき手段はないわけでありまして、こちらは厳重に抗議し、世論に訴える以外には手段はございません。
○柳澤錬造君 じゃ、またもう一度防衛庁長官の方、これは外務省も両方なんだけれども、二月の二十一日、参議院本会議で、国後、択捉の軍事施設撤去の決議をしたわけです、全会一致で。この扱いをその後どういうふうにソ連にしたのか、それからソ連の方からどういう返事が来て、いまどうしているのかということをお聞きするわけです。
○国務大臣(園田直君) これは外務省の所管でございますが、事実でございますから事務当局から報告をいたします。本朝新聞に載っておった、国会の決議文がソ連が受けつけないで宙に迷っておるという記事が載りましたが、これは誤報でございます。
○政府委員(宮澤泰君) 北方領土問題の解決促進に関します衆参本会議の決議につきましては、二月二十六日、ソ連駐在の魚本大使からソ連外務省のフィリュービン外務次官に、その決議が行われました事実及びその内容を伝達したわけでございますが、その申し入れの内容は、この決議は直接的には日本政府に対するものであるが、このような決議が行われた事実及びその内容をソ連政府に通報するということが第一点。それから第二点は、本件に関する日本政府の立場は、二月五日の対ソ申し入れ、これは東京におきまして高島外務審議官からポリャンスキーに対して行われました政府の対ソ申し入れないし抗議でございますが、改めてソ連政府がこの申し入れに真剣な考慮を払うことを要請するというのが第二点。それから第三点は、このような衆参両院の決議は、北方領土の返還要求が日本国民の総意に基づくものであるということを改めて確認するものであるから、ソ連側がかかる事実を正しく評価認識するように期待すると、こういうことを申したわけでございます。これに対しましてフィリュービン次官の反応ぶりは、決議についてはすでにその事実を承知しておるが、北方領土問題というのは元来ソ連側の見解では存在しないものであるから、この問題について日本側と話し合う意図はない、本決議は日本政府に対するものであるから、決議が採択されようとされまいとこれは日本の国内問題であって、ソ連側の関知するところではない、それからこの問題をめぐる最近の日本側の動きは日ソ両国間の友好関係の発展に逆行するものである、このようなことを述べましたので、魚本大使からさらに日本側の立場を再度強調いたしたわけでございます。 ただいま外務大臣が触れられました今朝の新聞の記事でございますが、この中には幾つかの誤った叙述がございまして、たとえば魚本大使に決議の内容を朗読させなかったというようなこともございますが、魚本大使はフィリュービン次官の前でこれを朗読いたしたわけでございます。それからソ連側がこれを受け取らなかったというようなことでございますが、元来これは国会決議でございまして、日本政府に対して行われたものであり、これはソ連側に手交すべきものではございません。ただ、魚本大使は、ただいま私が御説明申し上げましたように、その内容を朗読いたしまして、もしソ連側が必要とあればこの決議文を置いていくと申しましたときに、ソ連側は、いやそのようなことはもう承知をしているので別にいただく必要はないと言ったと、こういうことでございます。
○柳澤錬造君 じゃ、その決議は持って帰ってきたわけですね。これはまた委員会の方ででもやる形にしまして、ここではこれでやめておきますが、これは防衛庁長官だけでなしに政府の大臣皆さん方に私は聞いていただきたいことだが、さっきから言っていることは、軍備の拡張をせいと言っているのじゃないんです、私は。何とかして戦争というものは避けたい。避けたいと思えばこそ、相手がよけいなおちょっかいしたらやけどをするぞと思って、そういう下手なおちょっかいをしないだけのものはこちらが持つ必要があるのじゃないんですか。そこの辺が大事なことであって、向こうと同じだけの物を持たなきゃいかぬなんて、そんなことを言っているのじゃないんです。その点は十分考えてください。そして、大事なことは、戦争を避けたいという気持ちというか願望と、戦争に巻き込まれるかどうかということ、これは全く別個の問題なんです。一億国民がみんなが戦争反対だ、戦争は御免こうむりたいと言ってその決議をし署名をしたからといって、そのことは何にも日本が戦争に巻き込まれない保証にはならないんですよ。そういう点から防衛庁におきましてもいろいろのことについてお考えを賜りたいということを申し上げて、この点は終わります。ただ、防衛庁長官が、長官として、あるいは個人的な見解でも、それについての私の決意といってあるならばお聞きしたいと思う。
○国務大臣(山下元利君) 御指摘の点については、御趣旨は十分承りました。今後とも努力してまいりたいと思います。
○柳澤錬造君 私は、海上保安庁の皆さんには、大変感謝をしたいというか、敬意を表したいと思うのです。これは本当に大変な活躍をしておって、昭和五十二年なんかでも犯罪防止その他の立入検査を十三万九千隻もやっているという大変なことだと思う。海難救助だけだって二千三百六十九隻もやっているんですよ。非常な働きをしているんで、そういう点から私は敬意を表して、同時に、これは大蔵大臣にもお願いをしたのだけれども、二百海里体制へ入ってかなり範囲が広くなったんですから、ことしの予算でもまたヘリコプター搭載の巡視船を一杯つくる、あれができて五杯目なんです。せめて保安庁の、十一管区あるんだから、そこにヘリコプター搭載の巡視船が一杯ぐらいずつ持てばもっともっといろいろやれると思う。この間、静岡県の伊豆半島の沖で漁船が遭難をした。とうとう飛行機が一度も出ていかれなかったそうです。十六人が全部遭難して死んでしまった。ですから、いままでも大変な働きをしているんで、そういう点敬意を表するが、同時に、もっともっとそういう点で安全のための活躍をしていただくためにやっていただきたいということをむしろ私は要望しておきますし、長官から何かそれについて答弁があれば聞かしてください。
○政府委員(高橋壽夫君) 領海の十二海里への拡大、あるいは二百海里の漁業水域の設定等に伴いまして、海上保安庁の任務が非常にふえております。これに対応するために、二、三年前から特段の御配慮をいただきまして増強をさしていただいております。おかげさまでかなり増強されつつございますけれども、しかし、任務の重さ、大きさから考えますと、なおやはりがんばる必要があるということでございますので、よろしくお願いします。
○柳澤錬造君 長官、瀬戸内海のことを時間があればまた後でなにしますけれども、一応時間もあんまりありませんので次へ進ましていただいて、雇用創出政策に触れて、特に造船産業の問題を運輸大臣にお聞きをしてまいります。 造船産業の状態はもう私が言わなくても十分御承知をなさっていると思うのです。かれこれ下請、関連を含めまして約十万ぐらいの人たちがいま職場を失っているわけであります。昨年、これは大蔵大臣がいるから聞いていただきたいのですけれども、円高差益の還元をおやりになった。造船産業が、あのドルショック、次の円の切り上げ、これらでもって受けた損失というものは七千億もあるんです。逆に言うならば、あの円高差益でああいうことをやって戻せと言うのならば、そういう円高の差損を七千億から受けているんならこれはどうしなくちゃならぬかと、そういうこともお聞きをしたいと思うのですけれども、まず具体的には、世界の主要な造船国では、需要確保のためにいろいろの建造補助なんかやっている、その比較をひとつ発表してください。
○政府委員(謝敷宗登君) お答え申し上げます。 国際的に造船不況に対応しますためにいろいろな問題を各国で検討しておりますが、国際的な討議の場としてOECDの場がございまして、そこで基本的には正常な競争条件を歪曲するような助成措置は極力縮小廃止するということでございます。しかし、昨今の世界的な造船不況を反映いたしまして、西欧の主要造船国も、一つは造船業の構造改善、あるいは事業転換等を前提といたしまして、その間、建造需要が極端に落ち込んで雇用不安を起こさせないという趣旨から、短期的に新規の助成措置の導入、または既存助成措置の拡充を図っているのが実情でございます。たとえば、イギリスにおきましては、造船業の集約化計画がECに承認をされることが前提でございますが、新しく船価の二五%から三〇%程度を限度とする建造補助金を交付しておりますし、また、西独におきましても、五十三年末から三年間、船価の二〇%を上限とする建造補助政策を新規に打ち出しております。その他、各国とも国有化もしくはその他の措置によりまして、海外調達資金に政府機関が保証するとか、その他の造船国も補助あるいは融資等の形で助成策を実施しているところでございます。
○柳澤錬造君 ヨーロッパの方では船価の二〇%なり二五%なりの補助をしているということになるんで、日本も今度やっと利子補給が復活してやられることになるのだけれども、この計画造船の見通し、それからこれから先どういうふうにやっていこうとしているのか、その辺をお聞きしたい。
○国務大臣(森山欽司君) 五十四年度の予算では、計画造船の規模を百万トンと見込み、これを達成するため開銀融資比率を五%に引き上げる、そのほか百万トンのうち七十万トンについては船種別に三・五%ないし二・五%の利子補給を行うこととしておりますが、これにより日本船の国際競争力は相当回復することが可能と考えられ、目標の百万トンに近いものが建造されると考えております。また、新船建造需要の落ち込みが継続すると見られる五十六年度までは同様の措置を講ずる所存でありまして、各年百万トン程度の建造量が確保できると考えております。
○柳澤錬造君 わかりました。 次に、お聞きしたいのは、昨年の二月のIMCOの政府間海事協議機構でいろいろ決められている決議があるわけなんです。日本からは十九名の大代表団が行ったのですが、この海洋汚染防止の決議の批准というものはいつごろをお考えになっているかということをまず最初にお聞きをしておきます。
○政府委員(賀陽治憲君) この決議でございますが、議定書の発効目標を一九八一年六月とするということになりますので、その前のできるだけ早い時期に加盟する方向で運輸省とも御協議をしておる段階でございます。これは御承知のように汚染防止についてさらに厳しい規則が出てまいりましたので、これに伴う国内措置がそれだけ努力の目標になるわけでございますが、この辺の方向と見合わせまして批准を急ぐということでございます。現在、いまだ批准国数はゼロでございます。
○柳澤錬造君 その答弁は昨年のことの答弁なんです。昨年の秋の臨時国会のときの答弁からむしろ後ろへ下がっちゃっているんです。明年六月、そんなことはわかっていることなんで、私が言いたいのは、日本が世界一の言うならばリベリアを除いて実質的な世界一の海運国だ、さらに世界一の造船国であるのだから、そういう点から立ったならば、率先してあの決議に盛り込まれたことを実施をすることが必要ではないかと言いたいんですよ。現実にいま造船産業は仕事がないのですから、そういうことも含めて運輸大臣の御見解をお聞きをしたい。
○国務大臣(森山欽司君) 分離バラストタンクというんですか、貨物油タンクと分離した専用のバラストタンクとか、あるいは原油洗浄方式、原油を噴射させ貨物油タンクを洗浄する方式、そういうものを設置するほか、軽質油有害液体物質の排出規制を含む広範囲の内容の条約でありますから、この条約を実施するために、技術的、経済的諸問題を十分検討し、国内の受け入れ体制を整備する必要がありますので、これらの準備も進めて、できるだけ早期に批准できるように努力してまいりたい。既存のタンカーへのただいま申し上げましたSBT、COW等の設置につきましては、五十四年度から日本開発銀行海運枠の融資を行うことにしており、その条件等は、融資比率六〇%、金利六・〇五%、五十四年度の財投額はその他の改造と合わせて四十八億円を予定をしておりますから、昨年よりは前進はしておると思います。できるだけ進めたい、そういう考えであります。
○柳澤錬造君 それにつけ加えて、運輸大臣、船主の方にすれば、遅かれ早かれ工事はやらにゃいかぬのだから、それでいまの分離バラストタンクなりCOWはやるということになると、ともかくそれで積み荷が減る。お金をかけて工事をして、結果的には積み荷は減るのですから、そういう点ではなるべくやりたがらない。しかし、やりたがらないで済むわけではないので、そういう点から、いま造船が仕事がないということから考えれば、むしろ早目にやることの方が全体的に雇用の面からもいいのではないか。そういう点で、低利の融資をしてやるとか、あるいは税法上の特別償却を認めるとか、何らかの特典を考えてやらないとなかなか進まないと思うのだけれども、その点はどうですか。
○国務大臣(森山欽司君) そういうことで、開銀の融資枠の拡大とか、融資条件についてできるだけ考慮する。財投額を先ほど申し上げたとおりというようなことで前進はしておると思うのですが、そういう方向で努力をいたしたいと思います。
○柳澤錬造君 それはその辺にして、次にお聞きしたいのは、アメリカとソ連が宇宙開発をやったんですから、GNP世界三番目だとか経済大国だと言っている日本のことなんで、せめて海洋開発ぐらいやったらどうなんでしょうかということです。具体的にはいろいろあるけれども、もう時間もございませんから単刀直入に申し上げて、関西新空港の問題はいよいよ五十四年度に結論を出さなければいけないのだけれども、浮体工法で建設をすると、そういうことについて何らかのお考えがないかどうかということです。
○国務大臣(森山欽司君) 関西新空港はそろそろ結論を出さなきゃならぬ時期でございますから、柳澤先生にすぐお答えできればいいのでありますが、そして現在造船業界が不況であります。いわゆる浮体工法によって関西空港を建設するようにしてはどうかという御意見はよくわかるわけでありますが、浮体工法は技術的に興味深い工法ではありますが、まだ技術上研究開発されるべき点も多く残されておりますし、また経費も相当かかる。目下関連する技術上の問題について鋭意検討を行っているところでありますが、昭和五十四年度にはこれらの点を含めて諸般の調査を終わる予定でありますので、これらの結論を踏まえて判断することにいたしたい。いまこの段階で柳澤先生の御質疑の線にすぐにお答えできる段階に遺憾ながらないということで、ひとつもう少し先までということでお許しを願いたいと思います。
○柳澤錬造君 大臣ね、結局埋め立てかいまの浮体工法かということになると思うんです。それで、日本の埋め立て技術というのは私は世界一だと思うのです。いままでもかなりの規模でやってきているし、これからもそういうものは出てくる。確かに、浮体工法は、これは初めて、世界でどこもないのですから。しかし、そういう新しい技術の開発という形でもって、もうそういうものがやれるだけのいま技術を持っているし、そういう点からいくならばここでもってやらせていくということがいろいろの面においての開拓に通じるのではないか。そうして、成田は新しい外国から飛行機が乗り込みたいと言ったってもう入れられないのですから、早くやはり関西の方を整備をしなくちゃいけないし、そういう点で、いまここでもって私がすぐ結論を求めても、それは確かに大臣はお答えができる状態にまでいっていないと思うので無理だと思うのです。十分にその辺をいまの日本の経済全体の中でもっていい結論が出されるように御要望しておきたいと思います。 それから次に、ベトナム難民の問題へ三番目の点ですけれども入っていきたいんです。 外務大臣、これは一九五一年でしたか難民条約、まだ批准していないと思うのですけれども、それはどういう理由があるのか、何かむずかしい点があるのか、そこからまずお聞きしていきたい。
○国務大臣(園田直君) ただいま御指摘の難民の問題では、各所で日本は立ちおくれを非難されているわけでありますが、難民高等弁務官に対する寄金は応分に出しているわけでありますが、これに伴う国内法、批准というものがおくれておるわけであります。したがいまして、難民の問題は、非難されるからということではなく、人道上の問題であり、かつまた東南アジアについては安定要因が壊される一つの大きな要素でございます。したがいまして、おくればせではありますが、いま御指摘の問題で関係各省と相談をしながら国内法及び早期批准の検討をやっているところでございます。
○柳澤錬造君 見通しでいつごろにその批准ができそうですが。
○国務大臣(園田直君) 私の目標は、次の国会に出すべく……
○柳澤錬造君 通常国会……
○国務大臣(園田直君)通常国会に出すようにぜひ何とかやれということで各省と協力、研究をしているところでございます。
○柳澤錬造君 ともかく、これは外務大臣というよりかも、総務長官の方になるんだけれども、一言で言って、ベトナム難民に対する日本の扱いというものは冷たいという一語に尽きると思うのです。それで、総務長官、ベトナム難民を各国がいろいろ受け入れていると思うんですよ。その受け入れている数をまず発表してくれませんか。
○政府委員(清水汪君) 数についての御質問でございますので、国連の統計によりましてお答え申し上げますが、国連の統計によりますと、ボートなどで海上に脱出いたしましたベトナム難民は、当初の昭和五十年から昨年末までで約十万七千人でございます。これらの難民のうちで、再定住のために米国その他の国に引き取られた難民は約四万二千人でございます。その四万二千人の主な内訳でございますが、米国が二万三千人、オーストラリアが一万一千人、フランス二千七百、カナダ千八百、西独千三百というような、以下、ノルウェー、ニュージーランド、スイス、英国等が何百という台でございます。 これに関連しまして日本の場合でございますが、わが国にはこのボート脱出のケースといたしましてこれまで千九百人余りの難民が到着をいたしまして、それぞれ一時滞在の許可をいたしております。そのうちで約千五百名程度の者は米国等に再出国をいたしまして、わが国には現在四百七十七名が滞在しているということでございます。
○柳澤錬造君 難民というか、定住を認めて日本が受け入れた数はどのくらいですか。
○政府委員(清水汪君) わが国で定住と言う場合は、一年あるいはそれ以上にわたる長期の滞在許可を与えるという入管法上の状態を指すものと申し上げてよろしいかと思いますが、そういうケースといたしましては一家族三名というのがこれまでの実績でございます。他に希望がありあっせんをしているというケースもございますが、まだそこまで成功しておりません。
○柳澤錬造君 もう一回外国のを言ってくれませんか。さっきの外国の場合、定住で受け入れている数でしょう。もう一度挙げてください。
○政府委員(清水汪君) 先ほど申しました数字でございますが、これはボートで脱出をいたしました者がその中のあれでございます。
○柳澤錬造君 ともかく出てくるのはどういう形で出てきてもいいから、受け入れた……。
○政府委員(清水汪君) その中で言えば、米国は二万三千、オーストラリアが一万一千、フランスが二千七百、カナダが千八百、西独が千三百等々を申し上げましたが、念のため申し上げますと、アメリカ自体でベトナム難民を受け入れている数はもっとはるかにたくさんございます。これは、海上脱出で一時上陸した者を後で受け入れたということでなくて、直接受け入れているケースがたくさんあるということでございます。
○柳澤錬造君 その数は。
○政府委員(清水汪君) その数でございますか、ちょっと資料を持ってまいりますから御猶予いただきたいと思います。
○柳澤錬造君 総務長官、この前、日航機がハイジャックされたとき、福田前総理は、人命は地球よりも重いと言って、あの六百万ドルのお金と、なにしておった凶悪犯人を放してやったわけです。その六百万ドルが、日本では簡単になにしたけれども、バングラデシュじゃあれでクーデターが起きそうになったことも御存じだと思うのです。あの福田前総理が人命は地球よりも重いと言ったのは、日本人だけのことなんでしょうか。これはあなたに聞くのも無理だと思うのだけれども、特にことしは国際児童年だと言って毎日テレビでいろいろなことをPRしている。それだったら、せめてあのベトナムの子供たちだけに対してでももう少し温かい手を差し伸べるお考えがないものかどうか、その辺はいかがですか。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。 私は、このベトナムの難民問題は、先ほど外務大臣が人道上の問題であるというお言葉がございましたが、実はこのベトナム難民に対する日本のまず受け入れる発想から、また、この事業を推進する姿勢、これを根本的に考え直す必要がある。これは先ほど外務大臣もやはり私と同じようなお考えだと思いましたがそれに触れられました。私も今回この問題を検討いたしまして、本質的にはそこに問題がある。言葉で人道と言うことは簡単でございまするけれども、実際は人間愛、人類愛というようなものは国境を越え、民族を越え、そして本当にその国の法律などを越えてどう対処してやるか。生きんがための移動でございますから、それをどう受けとめるかというところに実は思いをいたさなければこの問題の処理はできない。五十二年にああして閣議で必要条項を御決定願い、閣議了解で決定願いました。数項目にわたります問題点を指摘されて、そうした処置をせよという御指示があっておるわけでございまするが、しかし、実際上はどこにこれを担当させるかということが明確でないものですから、総理府に一室を設けて、ベトナム難民対策室というのを設けて数名の職員をそこに配置いたしておるということでございます。ただし、実際上は行政措置としては限界がある。そこで、御指摘のございましたように、国連で決まりましたそれぞれの国はできることをやれというということであるからということで、財政的に国連に処置をいたしておるというのが現況でございます。 なお、入ってまいりました千九百名の方々の処置につきましても努力はいたしておりまするけれども、結果的には定住者が三名に終わるということ、それを実際掘り下げて検討してみますと、私は根本はみずからの姿勢にあるぞということにおそまきででございまするけれども反省をいたしておるわけでございます。したがって、先ほど外務大臣も申されましたように、そういう立場に立って再度見直さなければならない。そして、これにこたえ、処置をしなければならぬといういま考え方に立ち、外務大臣も申されましたように、関係省庁が改めてこれの取り組み方、処置について再検討をする必要がある。 なおまた、問題は関連いたしますが、時間もございませんので率直に申し上げますけれども、政府は、いま申し上げましたように関係省庁といえども処置ができません。そこで、やっておられるのは宗教団体の方々にお願いをする、日赤にお願いしなければならぬ。私はそれはそうであろうと思います。本当に人類愛なり人間愛に根ざして事をやろうといたしますれば、現行の法律などではできません。そういうことをどう処置するか。先ほど言われましたように、地球よりも人命は重い、と言われた、その心境に真に立って処置をせざるを得ないということでございます。それでなおかつ、定住者が三名なのかどうかということを見直すべき時期に到達した。そういうことで今後は対処いたしたいと考えておるところでございます。
○柳澤錬造君 長官からそういう御答弁をいただけば、本当にもうありがたいです。そして、いまもお話があったように、民間の施設にお任かせしておくのじゃなくて、もうちょっとやっぱり私は政府が考えていただいて、そして施設の問題もやっていただきたいと思うのです。 それからいまのような長官の御答弁からいけばもう言う必要もないと思うのですけれども、これは昨年の十二月の五日でマル秘の扱いの手紙なんですが、世界じゅうに主要なところに送られて、私のところも来ているんです。時間もございませんから私はその大事な点だけちょっと読みますからお聞きをいただきたいと思うのです。私は正直言って本当に胸が痛んだのです、この手紙を受け取ったときに。何と言っているかと言いますと、 日本はアジアの難民、特にベトナムからの難民 に関しては、援助の手をさしのべる国の中で最 も恥づべき記録をもつ国である。日本ほどベト ナム戦争で利益を得た国はない。また、一九七 五年の戦争終結以来、日本ほど何十万のベトナ ム難民に対する援助が少なかった国はない。し かも、日本は最大の援助を行う余裕のある国で あった。ところが、日本が南ベトナム陥落以来 三年半以上の間に永住権を与えた難民の数は総 計二人、たった二人にすぎなかった。そして、 今なお毎日千人近くの割合でベトナムから難民 が流出しているにもかかわらず、日本がそれ以 上の難民を受け入れるという意志を示す何らの 証拠もない。ベトナム戦争でほとんどあるいは 全く利益を得ず、また、日本ほど提供すべきも のを所有していないヨーロッパ諸国でさえも、 人道上の関心から現在多くの難民を受け入れて いるのである。と言っているんです。私は本当に胸が痛んだのですけれども、その点を十分にお考えになっていただいてこれから対処していただきたいと思うのです。政府の関係者に聞けば、いや、日本にいたくない、外国に行きたいと言うから送っているんですと。私はお金を出せばそれでいいものじゃないと思うのです。お金はそれはかなり国連を通じて出している。お金は与えているけれども心は与えていないから、結局そうやって来た人たちがここにはいづらくなって出て行ってしまうのであって、そういう点でもって十分御配慮を賜りたい。 それから長官、もう時間がないので、同じベトナムの留学生の問題、あれについてはどうお考えですか、これもいま大変な問題ですが。
○委員長(町村金五君) 柳澤君、時間が参りました。
○政府委員(清水汪君) 留学生問題につきましては、文部省を中心にいたしまして何とかもう少し事情に応じた措置をとる方向で、すでに多少の滞在の延期のような措置も講じておりますし、その他の措置についても検討しておる段階でございます。
○柳澤錬造君 それだけですか。そんなことだったら聞かなくたってわかっています。
○国務大臣(園田直君) いま御指摘のベトナムの留学生の問題は、いろいろ問題があるわけでありますが、特にありますのは統一前のかつての南ベトナムの留学生が非常に苦労をし、いろいろな問題があるわけであります。そこで、外務省としては、文部省とも連絡をとって、国に帰りたい人は新しい政権のベトナムが受け入れてくれるように、あるいはこちらに残りたい人は残って就職その他ができるように、それぞれ努力をいたしているところでありますが、まだ実績が上がらないところであります。これは非常にむずかしい問題でありますが、何とか解決をしなきやならぬと努力をしているところでございます。
○柳澤錬造君 終わります。(拍手)
○委員長(町村金五君) 以上で柳澤君の一般質疑は終了いたしました。 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後一時から委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時一分休憩 ―――――・――――― 午後一時四分開会
○委員長(町村金五君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十四年度総予算三案を一括して議題とし、矢田部理君の一般質疑を行います。矢田部君。
○矢田部理君 最初に、通産大臣に伺いたいと思いますが、通産大臣としての見解ではなくて、昨年五月十八日に、大臣が自由民主党の政務調査会長時代でありますが、アセスメント法についていわゆる政調会長見解なるものを発表されたと思うんですが、その中身についてお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 私が政務調査会長をいたしておりますころに、アセスメント法案について、環境部会その他関係部会の意見を徴しまして、一つの見解を示したわけであります。もとより環境アセスメント制度の確立というのは党の既定方針であります。今後は、党及び政府が一体となって、わが国の風土に適した実効のある制度の確立のため、さらに精力的に検討を進めるべきであるという結論にしておりまするが、党として、その時点では政務調査会を中心にいろいろ検討いたしましたが、法制化については直ちにいますぐということは時期尚早であるという一応結論に達したわけでございます。
○矢田部理君 環境庁長官に伺いますが、いま最後に述べられた、アセスメント法の法制化については時期尚早であるという政務調査会長の見解をどのように受けとめられましたか。
○国務大臣(上村千一郎君) 昨年の五月十八日に、現在の通産大臣が当時党の政調会長をされておりまして、ああいう結論が出たことは間違いございません。私、昨年の暮れに環境庁に参りました際に、時期尚早ということは、あの当時各省庁間の意見がまだ調整が不十分であった、また関係諸団体との間の調整が不十分であったと、こういうふうに受けとめまして、そのときの政調会長、現在の河本政調会長にお目にかかりまして、そのことをお確かめいたしましたら、そうだということになりまして、それでは私の方は精力的に開始をいたしますということで、現在、その後からずっと各省庁間、団体間の調整に入り、また党の方としましても精力的に御検討を開始しておったといういきさつになっております
○矢田部理君 現段階でも、時期尚早と考えておられますか。
○国務大臣(上村千一郎君) 私の方は、とにかく時期尚早という内容は、各省庁間あるいは団体間の調整がまだできていないというふうになって、ですから、ぜひひとつこれの調整を早期に図って、そうして法制化をいたしたい、こういう方針のもとに、私の方としましては、党はいま環境部会が扱っておりますが、その方へ環境庁としましては法案の考えておる内容、あるいはいろいろ問題になっておりましたいわゆる科学指針というものをも提示いたしまして、そうして早期に御結論が出るように努力をいたしておる段階でございます。
○矢田部理君 私が伺っておりますのは、五十年の末にすでに中公審から環境影響評価制度のあり方についての検討結果のまとめが出ておるわけですね。その後、間もなく法案化に着手をしているわけですが、現在、時期尚早と考えているんですかと。
○国務大臣(上村千一郎君) 実は、環境アセスメントの基本的な考え方その他につきましては諮問を中央公害審議会にいたして、それで環境評価部会が審議されておることは間違いございませんが、まだ答申が出ておりません。近いうちに答申が出る、こういう段階でございます。私どもは、その時期尚早というものは、各省庁間あるいはその他の調整が不十分であるという党のお考えと思いまして、一刻も早くこれを調整を図りたいということで努力をしておるわけでございます。
○矢田部理君 こう伺ってよろしゅうございますか。環境庁としては、すでに法案化を何度かやっているわけです。四度目の失敗かなどと言われるぐらい回を重ねているわけですから、すでに法案そのものの時期は熟している、ただ調整そのものは残っている、こういうふうな受けとめ方ですか。
○国務大臣(上村千一郎君) さようでございます。
○矢田部理君 通産省は、この時期尚早というのはどのぐらいの期間を考えているのか、あるいはどういう受けとめ方をされたのか、お伺いいたします。
○国務大臣(江崎真澄君) 環境影響評価の重要性につきましては、通産省としましても、十分認識をいたしておるつもりであります。これはすでに電源立地等に関しまして環境影響評価を御承知のように実施しておるところであります。これの円滑な実施を図っていくために当面必要なことは、事業の特性に応じたアセスメント手法の確立を図ることが大切であるというふうに考えております。また、地元住民の理解を十分得るように、また協力を得るその手続等についてもいろいろな経験を積み重ねて、わが国の実情に適した方式を求めることがこの段階では適切ではないか、そういう観点から関係省庁と協議をしたり、調整の過程において検討を加えていこうと、私もできるだけこういった面の検討については努力をしてまいりたいというふうに考えます。
○矢田部理君 環境庁は、すでに五十一年に要綱をつくり、五十二年には法案を策定しているわけです。それに対して時期尚早だというのはどういうことでしょうか。通産省の見解は、政務調査会長の言う時期尚早というのはどういう意味でしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) どうもこれは政調会長当時の場面でありますが、十分理解を示してきておるわけでありまするが、そうかといって環境影響評価の客観的科学的基準というものが定かでないと、現時点で全国一律、一様に統一的に適用をされるルールを法律で決めるということはいかがであろうか、こういう見解があの当時時期尚早ということにした中心の議論であったというふうに記憶をいたしております。 当時でも、問題はあるが法制化に踏み切るべきだという環境庁長官が言われるような意見の人もありました。また一方では、先ほど申し上げたような、根本的な問題を未確実なままで法制化するということはいかがであろうかという慎重に構える議論、これもありました。そこで行政指導による環境影響評価をこの際は一層確実なものにして徹底することが大切だと、そこで不明確な点を極力明確になるよう今後努力を続けることは必要だということを当時まとめの意見ということにいたしまして、時期尚早と、こういうことになったわけでございます。
○矢田部理君 通産省としては、いつごろになれば、どういう状況になれば時期尚早論は消えると見ますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 目下、関係省庁と鋭意検討をいたしておりまするので、もうしばらく時間をいただきまして、その結果を待ちまして結論を得たいというふうに考えます。
○矢田部理君 現時点では、この時期尚早論はまだ消えていないというふうに伺ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(江崎真澄君) どうも残念でございますが、そういうふうに認識しております。
○矢田部理君 ここで、官房長官に内閣を代表しての見解を伺いたいと思いますが、すでに環境庁は五十二年段階で少なくとも法案をつくって提案の準備をした、この段階でもう時期尚早論ではない、出さなきゃならぬと考えておられた。通産省はいまもって時期尚早論の立場をとっておられる。閣内不統一です。どういうふうに考えられますか。
○国務大臣(田中六助君) これはいま通産大臣と環境庁長官が答弁をしておるのがそのままその差となって浮き彫りにされておるような気持ちがいたしますが、やはり電源開発とかいう公共事業あるいは事業の開発ということと、自然環境保護というような観点に立つ環境庁の立場というようなものが対立する結果になって、それが手法とか一つの基準あるいは住民参加というような問題が起こりまして、法案は一応できておっても、その内部の調整というのが、いま二人の大臣から答弁がありましたように、なかなか困難じゃないか。しかし、これは閣内不統一というようなことじゃなくて、一つにまとめようという努力の調整中ということで御判断いただいて、私もこの調整が何とかうまくいくようにということを願っておりますし、そういうような調整を待ってはっきりした態度を決めたいというふうに考えております。
○矢田部理君 官房長官ね、五十二年にすでに法案ができているんですよ、その前に要綱もできている、四度目の流産かと、どこまで安売りしたら通産省は買うのかとまで言われている問題について、単なる調整中では説明がつかぬのじゃないでしょうか。もう一度内閣としての、むしろやっぱりこれは統一見解を求めなきゃならぬような事案だと思うんですが、しかも、内閣はどちらの立場に立つのか、大平内閣は環境を守る立場あるいは健康を守る立場が基本的にあるのかどうかが試される試金石だと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 私の担当ですから、私から先に答えさせていただきたいと思いますが、国民が安んじて協調したり協力できるようなわかりやすい環境づくり、これが必要だと思うんですね。それをめぐっていま各関係省庁が十分話し合いをしておるわけでありまするので、できるだけこの調整を急ぎたい、調整に力を入れたい、こういう立場でございまするので、もうしばらくひとつ時間をおかし願いたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) ただいま通産大臣がいみじくも申しておりますように、調整にしばらく時間をかしてもらいたいということが本音でございますし、それはそのまま政府全体の願いでもございます。
○矢田部理君 また後でいろいろ伺います。 ところで、通産大臣あるいは環境庁長官、この問題で大臣同士で話し合ったことありますか。
○国務大臣(江崎真澄君) ございます。これはたまたま環境庁長官は私と同じ愛知県出身でもありまするし、顔を合わせる機会がしばしばございます。そのたびにいろいろお話がございます。そうかといいますと、また参議院の山東昭子さんが政務次官でございまして、特段の用事で会いたいということですから、私は何のことであろうかと思って待ち受けておりましたところ、実はこのアセスメント法案についての御説明であったり、環境庁のお立場の話であったということもございまして、しばしば連絡はとられております。
○国務大臣(上村千一郎君) 通産大臣が申されたとおりでございます。
○矢田部理君 中身はどうなっているのか、どういう点で一致し、どういう点で一致しないのか明確にしてください。
○国務大臣(上村千一郎君) 実は、いまこれを精力的に調整なり論議を進めておるのは自民党の環境部会でございます。そして環境部会は、各省の意見も聞いたり、それから精力的にいま進めておるわけでございます。 論議の問題につきましては、いろいろ私ども出席しておりまする局長なり担当の者から聞いておりますというと……
○矢田部理君 大臣間の話。
○国務大臣(上村千一郎君) 大臣間の話は、いま局長関係で強力にお互いに話し合っておるし、党が精力的に進めておりますから、基本的な姿勢としてよく話し合いをして、そして早期に話が進むようにということで、現実にいま党が細かい問題について精力的にやっておりますので、そいつを踏んまえましてからということでございます。
○国務大臣(江崎真澄君) いま環境庁長官からの説明で尽きておるわけでありまするが、事務段階で鋭意すり合わせをしておるから全面的に協力をしてもらいたい、いやよくわかったと、話はわかったが環境基準の影響評価の科学的根拠とかそういうことについてももうちょっと具体的にされる必要がありますねと。それから、これはお互いに政党内閣だから党側の意見を速やかにまとめるように、これはあなたの方の守備範囲だから党側とよく話し合っていただきたい、などなど話し合ったわけでございます。
○矢田部理君 何度もやっているわりには、きわめて抽象的、一般的でわかりにくいのでありますが、各論に入ります。 政調会長見解の時期尚早論の最大唯一の根拠は、少なくともこの文書を見る限り科学的基準が未確立である。いつになったら確立するんでしょうか、どういう段階をこの確立の時期と考えているんでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) そのあたりがむずかしいところでございまして、速やかに調整してくれと言うて環境部会の諸君にやかましく言っておるところであります。また、これは当然環境庁が責任官庁として具体的な説得できるような基準を決めていただくこともやはり大切だということを当時要求したりしたわけでございます。
○矢田部理君 自民党の環境部会で科学的基準が確立するとは思わないですね。学問的水準、技術的レベルの問題ですから、それをどう考えておられるか。
○国務大臣(江崎真澄君) これはやはり諸外国の例もありますから、そういう諸外国の例などと符節を合わせまして、大体この程度という数値は出てくるわけでありまするので、そういうものを環境庁においてよく検討をして結論づけてもらうようにと、こういうことを要望しておるわけであります。
○国務大臣(上村千一郎君) いま矢田部委員、すべてずっとこういう問題については御造詣が深いと思います。また、公環特の委員もなさっておられたから御承知だと思います。 この科学的な基準、指針というやつはなかなかむずかしい問題があります。それで鋭意環境庁もこれにずっと取っ組んでまいりまして、この三月十三日の党の環境部会に正式に提示をいたしたわけでございます。
○矢田部理君 環境庁としては、現時点あるいはすでに何年か前に法案を出された時点で、少なくとも環境影響評価をする基準として相応な科学的客観的基準は確立できたというふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(上村千一郎君) この三月十三日にまとめて全部出したというようなところまでは至っていなかったと思います。けれどもが、委員も御承知のように、この基準は学問的な分野とそれから経験的な積み上げ、いろいろなものが合わさってきております。それで五十二年の法案当時も、私はある程度の基準ができておったと思います。けれどもが、昨年の五月十八日の党の政調会の結論のときの段階では、この点がまだ未確立であるというような御判断になったと思います。環境庁としましては相当できておると思っていたんでし ようけれどもが、御判断はそうなった。それで、その後も鋭意ずっと環境庁はこれに取り組みまして、この三月十三日にまとめ上げたやつを公表した、こういうことでございます。
○矢田部理君 三月十三日にまとめたものを公表した。それについて通産省はどう評価されておられますか。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) ただいま御答弁がございましたように、十三日の日に私ども初めて取りまとめられました技術手法というものを拝見したわけでございます。目下、それについて検討をいたしておる最中でございます。
○矢田部理君 通産大臣が科学的、技術的水準をどういうふうに考えておられるか知りませんが、それが確立をしなければ公害対策はできぬという性格のものじゃないんですね。それも一つ重要な部分ではありますけれども、いま環境庁からも指摘がありましたように、現場における経験とか知恵とか、あるいは実際に職業上携わっている人たちの、たとえば漁民の人たちの長い間持ってきたいろんな歴史的な経験といいますか、その積み上げとか、そういうものをやっぱり大事にしながら、全体として評価をしていくというのがこの制度だと思うのです。その辺をどういうふうに考えられますか。
○国務大臣(江崎真澄君) その辺はきわめて大事だと私も思います。やはりそういうところに生活の知恵というか、経験の生んだ一つの標準があるわけですからね、そういうものはもとより尊重しなければならないと思います。
○矢田部理君 もう一つやっぱり指摘をしなければなりませんのはNOxの五十一年規制です。あのときに、財界はあるいは自動車工業会などを中心にして、科学的技術的にそういうことは不可能だと。にもかかわらず、当時五十一年規制をやったわけでしょう。不可能だ不可能だという物すごい巻き返しの中でやった。そして五十一年規制をやったがゆえに、実は不可能だと言われたやつが到達をした、まさに行政はそうあるべきなんです。そうしなければ環境行政は進まないというふうに考えるのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(江崎真澄君) もとより産業界の言い分だけで決められるものでもありませんし、また、そういうことでは困ると思います。したがって適切妥当な、全く国民的に理解、協力できる数値はどのあたりであるか、これはやはり科学的にも検討しなければなりませんし、先ほどお話のありましたような長年の経験に基づく一つの工夫の結果というものも参照しなければならないというふうに考えます。
○矢田部理君 ここでも、もう一回切り込まなければならぬのですが、現段階で科学的客観的基準が確立した、あるいはしているというふうにいままでの総合的な議論を踏まえてお思いになりますか。
○国務大臣(江崎真澄君) まだ本当に納得できるところまでいっておるだろうかという点については、私は、率直に言って、まだ疑問を持っております。十三日に一つの基準をお出しになったそうですから、目下、事務当局で鋭意検討中と、こういうところであります。いずれ検討の結果は私に報告があるというふうに思っております。
○矢田部理君 環境庁としては、政調会長見解で出された科学的技術的基準は少なくとももう到達している、十分やれるという自信をお持ちですか。
○国務大臣(上村千一郎君) いま矢田部委員もおっしゃったように、環境行政、特に公害対策でもそうでございますが、環境行政の場合におきまして、科学的指針というやつがいつ確定するかということはなかなかむずかしい問題です。ですから、その時代の最高の科学的指針というところへ判断を置かなけりゃならぬ。また、日本の環境行政というものが進展したのは、先ほど御指摘のように、相当政治的行政的な配慮によって前進したことはOECDのレポートの中にもうたわれておるわけでございまして、おっしゃるとおりだと思います。ただ、私どもといたしまして、これで現在のところ最高のものだという意味でやっておりますが、御承知のように、各党を中心とします調整というものがなければ、一つの法案提出にもプロセスがございますので、それを鋭意努力をいたしておる、こういう段階でございます。
○矢田部理君 ここでまた官房長官にお出ましをいただかなきやならぬのですが、いま環境庁は、科学的基準とか客観的基準というのは、現在の科学が到達をした最高水準で対応するということを基本に考えるしかないんだという言い方をされている。その限りで受けとめれば、もうここで指摘をされているようなものは確立をしているという前提を踏まえて法案提出に持っていっている。ところが、通産大臣は、いまだそういうところまでは至っていないと、ここでも見解が食い違うんですが、官房長官どうしますか。
○国務大臣(田中六助君) 両省庁の見解が違っているところが、法案をいままでたびたび出してもなかなか調整がつかないところでございます。長い間かかって調整がつかないということ自体が、やはりそこに大きな問題が介在しているという証左にもなろうかと思います。しかし、いろいろ良識者が検討していることでございますし、何とかこれを調整しようという考えには両省庁もお変わりございませんし、懇談会とかあるいは審議会、そういうものもございますので、あらゆる角度から御意見を聞いて、一日も早く調整することを願っております。
○国務大臣(上村千一郎君) 通産大臣と私とのお話では、別段、意見が違っておるというわけでございませず、ただ、党が中に入りましてあらゆる調整を進めて事務段階でやっておるということでございまして、再三、私どもいつもお目にかかる機会が通産大臣とありますが、私どもの間で意見が違っておるというようなかっこうにはなっておりませんことだけを申し上げさしていただきます。
○矢田部理君 この一月の十六日だと思いますが、通産省はこの問題について統一見解というふうにも言われるんですが、何かをまとめられたという話がありますが、いかがでしょうか。その内容も含めて答弁をいただきたいと思ます。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) そのようなことが新聞紙上に報道されたことはございますけれども、私どもは、その時期において、当省の統一見解をまとめたり、あるいはそれを外部に対して配ったということは全くございません。
○矢田部理君 ある自民党の議員さんから聞いたんですが、もらったと言っていますよ。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 同じ御答弁を繰り返すわけでございますが、私どもは、そのような文書を通産省の統一見解として外部の方々に直接お渡ししたことはございません。
○矢田部理君 先ほど説明に来た政府委員も、ある部でつくりましたという話をしましたが、配ったかどうかは別として、内部でつくったんでしょうか、中身も含めて。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 内部の検討用の資料として作成したということはございます。
○矢田部理君 いかなる内容のものでしょうか。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 実を申しますと、この作成をいたしましたのは、通産省ではございますが、私の手元ではございません。どのような内容かと言われますが、どの資料であるかということを拝見できますれば、それに基づいてもう少し明確にお答えできるかと思いますが。
○矢田部理君 私が聞いているのに、そっちが私に聞くという話はないでしょう。
○国務大臣(江崎真澄君) 私が通産大臣として正式に報告を聞いたものではありません。また、そういう記憶も私ございませんから、そうだとすれば、それは全く関係者というか、係が意見をまとめた程度のものであって、通産省がなどと上に冠せられるような責任のある文書ではないと、少なくともそんなふうに私思います。聞いておりません、そういうのは。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 御質問は、その資料の内容はどういうものかということではないかと思いますが、ちょっと私いまあの新聞に出ました資料を手元に持っておりませんので、明確にお答えできない状態であります。
○矢田部理君 内部にはあるんですね。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) 内部の資料でございますから、内部にはもちろんございます。
○矢田部理君 その資料提出を求めたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) いま局長が私に申しますには、事務的にはいろいろな資料がたくさんありまして、国会に提出するような権威のある資料ではありませんので、できればお許しを願うように私からお願いをしてくれと、こういう耳打ちでございました。御理解いただきたいと思います。
○矢田部理君 権威があるかどうかは私どもが判断をいたしますから、ぜひ出してほしいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) よく私も部内で調べてみますが、どうぞひとつ、そう言っておりまするので、またこれは個人的なお話にでもさしていただいて、公に国会に出すということはちょっといかがでしょう。正式文書でないものをこれからでも出すということになりますと、これはやはりいろいろな検討もできないということになっても困るかと思いますが、いかがなものでしょう。
○矢田部理君 これは単に内部の検討資料というようなものではなくて、通産省がアセスメント法にどう対応するかという中身を検討した結果の統一見解と言われているんです。しかも、その中には、政調会長が出した昨年の見解以後何らの事情の変更がないのに環境庁が法案提出を云々するのは大変問題だ、おかしいと、こういう記載があるはずですが、いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) それは容易ならぬ見解を示しておるわけで、そういうものはそれは恐らく部内の検討資料と。それは部内にはいろいろ意見あると思いますよ。まあ党の話をして恐縮でございますが、政務調査会でも反対の意見の強硬論者もおります。ですから、やはり通産行政を預かる者の中にもいろいろ意見はあると思うんです。したがって一つの意見をまとめたものはあるかもしれません。私は正式に見たわけではありませんが、しかし、あくまでもそれは検討資料と。正式に国会に提出ということになりますと、これは通産省として責任のある書類ということでありませんと、ちょっと御期待にこたえかねるということを申し上げてお許しを願いたいと思っておるわけでございます。どうぞひとつ御理解願います。
○矢田部理君 これは単なる内部の検討資料ではなくて、通産省としての統一見解をまとめたもの、しかも自民党の環境部会その他の議員に配付をしているものというふうに私どもは調査の結果聞いているわけであります。したがって委員会として正式に通産省に提出を要求していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(町村金五君) いまのお話は、通産大臣は部内の検討資料だというふうに言っておられるわけですし、矢田部さんは多少違った見解をお持ちのようでありますが、いずれにいたしましても、理事会でひとつ十分協議をして決めることにいたしましょう。
○矢田部理君 環境庁長官に伺いますが、去年から事情も変わっていないのに法案提出はとんでもないという話について、どう考えられますか。
○国務大臣(上村千一郎君) そういうふうにどうなっておるか私よく存じませんが、時期尚早という内容は、各省間なりあるいは事務当局あるいは党関係、団体関係、そういう方面の意見調整がまだ成り立っていない、こういうふうに時期尚早というものをとっておりまして、そして環境庁としては、もう考えておること、準備しておることを全部出して、そしていろいろな資料不足とかいうようなことのないように進めて、鋭意早く結論を出していただきたい、こういうわけで進めておるという次第であります。
○矢田部理君 環境庁が法案提出を前にして、同じ一月十六日に経団連の環境安全委員会が出した文書、御存じだと思いますが、その内容はどんなものだったのでしょうか。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) これを私は新聞紙上で拝見しておりまするけれども、その内容については正確には存じません。
○国務大臣(江崎真澄君) いまお答えしたとおりだと思います。 経団連としては、環境庁がアセスメント法案をぜひ提案したいというときに経団連に正式に説明をしておられることがあるようですね、したがって、その説明を受けた関係業者を代表してというような立場から意見を申し述べたということじゃないかと思います。ですから、その意見はいろいろきっとあるだろうと思います。
○矢田部理君 その中に、アセスメント法をつくることによって訴訟が頻発する、ますます必要とされている電源開発に手かせ足かせになる、こういう趣旨の文章があるんですが、いかがですか。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) お答え申し上げます。 そのようなことはあったかと思います。なお、敷衍いたしますると、アメリカにおきまして、アセスメント法ができました後、訴訟件数が多発しておることは明らかであろうかと思います。
○矢田部理君 こういう経団連の見解と通産省は同じ見解に立っていると言われますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 検討をしておる段階でありまして、そういう意見を通産省としては検討することはもちろん検討します。しかし、全く一緒であるか、私、それはいま定かな記憶もありませんが、そういうことはございません。
○矢田部理君 先ほど出した通産省の統一見解なる文書、メモかはともかくとして、その中に同じ趣旨のことが書いてありませんか。
○国務大臣(江崎真澄君) 委員長。
○矢田部理君 いや、あなたはわからないでしょう。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) まことに申しわけございませんが、目下手元にございませんので、明確にはお答えできません。
○矢田部理君 資料の提出は要求しましたからいいですが、手元にないから答えられないんじゃなくて、持ってきて答えなさい、それは。
○国務大臣(江崎真澄君) いま局長に、何かここの権威のある場でうそを言っておるような、それはよくないんだが、どういうことだと言って、いま私が聞いてみたのですが、全く局長として知りませんと、それは賛否いろいろな意見を部内でも検討させておりますと、したがってそういうような文書が何かまことしやかに新聞に流れたことがあったような気がしますと、しかし、外部にそういうものを通産省の責任文書として配ったり、たとえば責任文書でなくっても、一つのまとまった試案というような形で配ったりとか、そんなことは一切ございませんし、また、そのこと自身も私は見ておりませんと、こう言います。 私、信頼する局長ですが、あの顔つきを見ていただいてもそんなにうそを言っておるとは私思えませんので、十分私自身がよく内部のそういう文書がどういう位置づけのものであるかを含めまして検討したいと思います。あくまで非公式だと言っておりまするので、ぜひ御了解願います。
○矢田部理君 大臣、いまの答えは、文書の存在を認めたけれども、その文書が手元にないから答えられないという答えなんですから、それなら文書を取り寄せて答えなさいということなんです。いま手元にないというだけの話です。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) お尋ねの資料は、二月一日の読売新聞に一月十六日付として写真が載っておるわけでございます。この新聞の記事によりましても、この内容につきましては書いてございません。ただ、先ほど、もう一つ先生から御質問のありました経団連の資料もこの写真の上に載っておりますが、これにつきましては、この中に内容として、いま先生がおっしゃいましたようなことが若干コメントとして書いてあるということでございます。したがいまして私が先ほど御答弁申し上げましたようなことになるわけでございます。
○矢田部理君 新聞の説明を聞いているんじゃないよ。こっちの文書の内容を聞いている。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) そこで、この文書は、私ども、この新聞はこうやって手元に持っておりますが、このものにつきましては目下手元にございません。したがいまして、これを手元に取り寄せまして御答弁申し上げようかと思いますが、いかがでございましょうか。
○矢田部理君 手元へ取り寄せて答えてください。
○政府委員(伊勢谷三樹郎君) それでは手元へ取り寄せることにいたします。
○委員長(町村金五君) 矢田部君にちょっと申し上げますが、時間が多少かかると思いますから、その間、ほかの御質問をお続け願いたいと思います。
○矢田部理君 それじゃ委員長の御指示でもありますから、環境庁長官に伺います。 アセスメント法をつくると訴訟が続発をして電源開発が阻害される、景気対策の重要な時期に何だ、という向きの、少なくとも経団連の指摘があるんですが、これについてどう考えられますか。
○国務大臣(上村千一郎君) アセスメントの法案の内容によりましていろいろなことは起きるかとは思いますけれども、いま環境庁が示したのは一つの手続的なものでございますから、環境庁としましては、法案がその内容で法制化したからといって訴訟が多発するというようなことはあるまいという考え方です。けれども、これは実際の問題でございますからどういくか、その内容、いろいろな問題がございましょうと思いますが、手続的な問題ですから、それがオーソライズされていくならば、特に訴訟が多発するという心配はないであろうというような考え方であります。
○矢田部理君 去年までは科学的技術的水準の未確立が最大の理由だったのですが、ことしは電源立地阻害論がむしろ中心になってきている。そこでも、その阻害の最大の理由は、そういう法律をつくると訴訟が多発するというのが口実になっている。しかし、いま環境庁長官も、法律の専門家であられると思いますが、そういうことはないと言っている。ここでもう少なくとも経団連と環境庁はぶつかる。その経団連側に通産省は立っていると思われる。 官房長官、もう時間もないようですから、最後にまとめとして伺いたいのですが、少なくとも私が指摘もしましたように幾つかの食い違い、際立った食い違いが環境庁と通産省との間にある。何年も前から通産省はこのアセスメント法に反対をしてきて、そのたびごとに流産をさせられた。これで内閣としていいんですか。むしろ、この際、統一的な見解を出して事の是非をやっぱり明らかにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと先に。 これは同じことの繰り返しになって恐縮でございまするが、誠意を持って検討いたしておりまするので、もうしばらく時間をおかしいただきたい。それからまた、政党内閣でありまするので、やはり党側を一本にまとまるような形にしていくことも、これは法案提出の性質柄から言いまして度外視できないところもあると思いまするので、そのあたりもひとつ御推察を願いたいと思うわけであります。もうしばらく時間をおかしいただきながら十分検討してまいりたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) ただいま通産大臣が答えましたように、何とか政府の調整あるいは統一的な見解をやるべく一生懸命目下努力中でございますので、その間の調整の時間をかしてほしいということは、そのまま私のお答えになろうかと思います。
○矢田部理君 もう一問だけ官房長官に伺います。 一月のたしか二十三日でしたか、政府提出の予定法案に環境庁は登録した。三月十六日がたしか今国会に提出する法案の最終期限。間に合わなかった、遅刻届を出している。今国会でどう扱いますか、出すんですか出さないんですか。その点、官房長官に責任ある答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(上村千一郎君) その前に。 実は、予定法案にリストアップさしていただいたことは間違いございません。そして環境庁としましては、鋭意これを推進をして何とかまとめていただきたいという姿勢であることに間違いございません。けれどもが、ずっと党の方の結論も一まだ出てまいりませず、それから中公審の方の答申もまだちょっとおくれておるというような状態になっておる。で予算関連法案以外のものは大体三月十六日をめどに提出するなら提出するようにという大体の政府の方針でもあるということで、それを見まして、どうも三月十六日までには党の結論もまだ出てこないであろう、それから答申も、もうじき出ると言ってまだ出ておりませんから、しばらくその間を延期さしてほしいということを私の方から申し出たという経過になっております。
○国務大臣(田中六助君) 法案の提出を国会の方にお約束申し上げましておりますが、その約束どおり鋭意一生懸命努力をしておることは事実でございますし、これからもこの法案の調整のつき次第提出することには間違いありませんし、調整が一日も早いことを願っております。
○矢田部理君 官房長官に、本来はもうひとつ議論をした上で最後の見解を伺いたかったのですが、大幅後退の最大のポイントは住民参加の拒否なんです。あれは物すごい住民参加の縮小なんです。大平総理は田園都市構想をうたい上げられ、その中で郷土愛であるとか心豊かな人間関係などと言葉では語っているのですが、本当に地域住民参加なくして、それを拒否するような通産省の対応で、できるんですか、大平内閣のいま述べたような言葉の実現は。それについてどう考えられますか。
○国務大臣(田中六助君) 委員御承知のように、大平内閣は信頼と合意、合意ということはパーティシペーション、つまり参加ということが大きな底流にあると思います。したがって、この法案についても調整を鋭意進めておるのは、やはり一つの住民参加ということが問題意識としてあるからだと思います。私どもも、この調整の一日も早からんことを祈っておりますし、委員御指摘のような提出ができることを努力したいと思います。
○矢田部理君 環境庁長官に伺いますが、五十一年に要綱を策定して以来、あるいはまた五十二年に正式に法案をつくられて以来、各省折衝の中で後退に後退を重ねてきたということが指摘をされておるし、現に法文を見ればそのとおりなんでありますが、どういう点が各省折衝の中で問題になり、どういう下がり方をしたのか、どこがどう後ずさりをしたのかということを、具体的に経過を追って御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(上村千一郎君) 具体的ないろいろな問題につきましては、担当局長から御説明した方が事務段階でいいかと思いますが、いわば住民参加という一つのものにつきましてはアセスメントの一つの大きな柱である。ですから、それは話し合いを進めていく過程におきましても、環境庁としてはおのずから限度があると思うのであります。けれどもが、できるだけアセスメントの法案につきまして合意を図りたいということでございますので、最初よりも多少その形が変化をしてきておる、それが後退というような御批判に当たるような節々もあるかと存じますが、具体的にどういうふうになっていったかということにつきましては、折衝いたしました担当局長から説明をさしていただきます。
○政府委員(上村一君) 現在の法案が、当初考えられたものから比べますと、相当その内容に違いがあることは事実でございますが、それをもって後退という評価が当たるかどうかにつきましては、私自身当たらないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。 それで、昭和五十年の暮れに用意いたしましたのは、法案ではございませんで、御指摘になりましたような要綱でございました。それが五十二年、五十三年と一応環境庁としましては法案をつくりまして、各省庁といろいろお話し合いを進めてまいったわけでございますが、やはり条文にあらわれたものでの変化が大きゅうございますのは、何と申しますか、一つは、環境庁の関与の仕方が一つございます。それからもう一つは、環境影響評価をしました内容というものを住民に知らせて、その意見を聞く手続に関する部分でございますが、私自身、いまあります条文に即して判断しますと、その環境アセスメント制度のエッセンスそのものは今日まで十分保持されておるものであるというふうに考えるわけでございます。
○矢田部理君 長官、先ほども出ておりましたように、科学的水準とか技術的評価とかというのはある意味じゃむずかしいんです。しかも研究室の中じゃなかなかできない。やっぱり現場を中心にして少なくともそれを補強していく、あるいは現場の人たちの意見を重視していく、こういうことが非常に大切なのがアセスメント法だと私は思います。 その点で、住民参加が極端にやっぱり狭められてしまっている。公聴会の規定が切除をされ、意見書の提出できる範囲が狭められ、説明会が事業者側の責めに帰すことのできない事由によって行われることができないときにはやらなくてもよろしいと、骨抜きになっちゃっているんですよ。そのほかいろいろあります。地方自治体の条例の上乗せ規定を抑えるとか、あるいは環境庁の主体性が法案が出るたびごとに後ずさりをしていく。アセスメント法は環境庁発足以来の悲願だったんじゃないんですか。だから環境庁に物申しおきたいのは、ここまで下がって、ここままで安売りしても通産省が買わないんならば、原点に戻りなさい。原点に戻って突っ張るべきだ。通産省を介して結局環境庁も屈服させられていく、こういう状況にあるんです。 最後に、環境庁長官としての決意と、これからの考え方について伺って終わりたいと思いますし、それから通産大臣については、衆議院のたしか予算委員会で、できるだけ緊急にやる、早急にするということでの答弁があったようですが、ここではいましばらく待ってくれ、いましばらく待ってくれというお話がずいぶん多いんで、その辺、最終的に通産大臣の腹はどうなっているのか、今国会の提出の問題も含めて両大臣から伺って、これに関する質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(上村千一郎君) 環境を保全するということは、私は、崇高な使命だというふうに存じ、そして守るべき限度というものは心得ておるわけでございますが、しかしながら、何せ法制度化を図るにはプロセスもございますし、いろいろと関係官庁その他団体、もちろん党を中心としまするところの合意というものが得られませんというと、円滑にこの制度が推進できませんので、その意味におきまして、いろいろとその当時当時の責任の方々が苦慮されたと思います。しかし、御指摘のように、一つのその環境アセスメントというものの守らなけりゃならぬ限度というものにつきましては承知をしておるわけでございます。 しかしながら、この環境アセスメントの問題につきましていろいろ論議がありますのは、大きく流れるものは、一つの法律で統一したところのものをつくっておった方がいいのか、まだ待てと、それよりも、各公共事業につきましては昭和四十七年に閣議了解が委員の御承知のようにもうできておりますし、各方面、大きな開発事業その他につきましてはそれなりのアセスメントを行っておるんだから、それの積み上げをやっていった方がいいんじゃないかと、大きな流れ方があると思います。それとともに、住民参加の問題につきまして、私は、日本の公害関係、また環境行政の出発点を考えますというと、非常に刑罰的と申しましょうか、クリミナルな状態で進んできたそのいきさつがある。そうするというと、理屈じゃわかっているけれどもが、現場ではどうも割り切れぬところがあるというようなものがあるんじゃなかろうか、こういうようなところがどうもすっきりいっていない点があるんじゃないかというふうに思っておりますが、しかし、何としてもこの環境アセスメントというものは重要な課題であるし、解決しなけりゃならぬ。 この五月の六、七ぐらいにかけましてOECDの環境委員会、閣僚レベルの会議が行われまして、そして私どもの方も参加を要請されておるわけです。国会の都合でお許しができるというような実情でございますれば私も参加をするというような段取りに相なるかと思うわけでございます。そうしますというと、国際的レベルにおきましても、この環境評価の問題ということは大きく国際的に論議をされるというのがもう目の先に迫っておるというものを踏んまえながら、日本の環境行政なり環境のアセスメントの関係につきまして一歩でも前進をさせたいという意味で、鋭意努力をいたしておるわけでございます。
○国務大臣(江崎真澄君) 環境アセスメント法案を成案を得て国会審議に供するということは、これは一つの政府の方針であります。したがって、私も、事情は賛成といい反対といい、たまたま政務調査会長当時によくわかっておるつもりでございますので、したがって検討に当たっては成案を得るように努力したい、こういうことを衆議院で申したわけでございまして、これは既定方針をできるだけ早くきっちり決着をつけるようにしたいという自分の努力目標を率直に申したところでございます。 今後といえども、やはりいまお話しのように環境庁側は一生懸命でございますから、これはいつまでたっても平行線ということでは責任が果たし得ないと思います。双方話し合いの上で妥協できるものは妥協する、歩み寄るものは歩み寄るという形でなければ成案は得られないというふうに考えます。したがって今後とも検討を続けたいというふうに考えております。
○矢田部理君 今国会は提出するんですか、しないんですか。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっとこれはなかなか事実上会期から言いますと骨の折れることだと思いますが、今後検討を続ける時間をどう縮めることができるかということによって左右されるわけでありますが、私がいまここでとやこう言う立場ではないように思います。
○矢田部理君 もう一点そうなると聞かなきゃなりませんがね、もともとは四日市公害判決で立地の過失が指摘をされ、自治体の落ち度が問題にされ、そしていままた水俣病の判決で、公害はやっぱり犯罪だと、こういう刑事責任を問う最もシビアな問題にまで発展をしてきておるわけですよ。ここでもう一回後追い行政ではなくて――いままではどちらかというとそうでした。幾ら処罰をしても、損害賠償を取っても、失われた命や壊された環境は戻らないんです。どうしても予防、事前の規制というのが非常に大事になってきていることはもう改めて指摘するまでもありません。 今国会の提出は、私は、どう考えても環境庁これでいいのかということをやっぱり問い直さなければならぬ、存在理由そのものを問い直さなきゃならぬような状況に立ち至ってしまっている。そのところはやっぱり環境庁としても考えてほしいし、通産省ももう三年越し、四年越し、財界と一緒になってずいぶん後ずさりさせてきたんですから、これで通産省の態度はいいんだろうかということを指摘せざるを得ないのです。環境庁長官にもう一回だけ答弁を求めて終わります。
○国務大臣(上村千一郎君) いま江崎通産大臣も言われておられますが、何とかこの調整、一刻も早くこの調整ができて、結論が出るように全努力を挙げてまいりたいと考えます。
○矢田部理君 提出できないの。
○国務大臣(上村千一郎君) これは、御承知のように、いま党が調整しておりますし、そうしてそこの結論を待っておりませんというと、私どもだけの決意だけではなかなかプロセスがございますから、その点だけは御了承を賜りたいと思います。
○矢田部理君 了解はできませんし、また、いまのような法案でいいのかどうかも大変問題であります。 次のテーマに移ります。両大臣は結構でございます。 外務大臣にまず伺いたいと思いますが、先般、私はこの委員会で、一九六五年七月、岸元総理の訪米の状況について幾つかの指摘をし、かつ外務省に調査を依頼をいたしました。その調査結果について、おわかりでしたらお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 御指示に基づきまして直ちに調査をいたしました。その結果は、間違いがないように事務当局から御報告をいたさせます。
○政府委員(中島敏次郎君) お答え申し上げます。 まず、先生からの御質問は二点、シアトルにおける関係とサンフランシスコにおける関係とがあったと存じます。 シアトルにつきましては、当時の奈良在シアトル総領事から聴取し、また現在のシアトルの総領事館にも記録その他を当たらせたわけでございますが、それによりますれば、まず記録の方の関係につきましては、この前お答えいたしましたように、本省におけるものも、それから在外公館におけるものも含めまして、来訪者の接遇に関する関係の記録は廃棄されておりまして、もっぱら見つかるものはない、こういうことでございますが、シアトルの当時の総領事から聴取いたしましたところによりますれば、岸元総理一行は全く非公式にアラスカ州を訪問の後シアトルに来訪されたものでありまして、一九六五年の七月十九日ごろ、岸元総理一行の歓迎のためにシアトル日米協会がレセプションを主催した、こういうことでございまして、そのレセプションは総領事館からは総領事夫妻以下館員の夫妻が出席いたしましたが、そのレセプションにボーイング社側の出席者がいたかどうかにつきましては、ボーイング社はシアトルの日米協会の会員であったというふうに記憶しているので、同社からだれかが出席したとは思うけれども、それがだれであったかということは全く記憶にない、こういうことでございました。 それから岸元総理一行の顔ぶれといたしましては、岸元総理夫妻、それから令嬢、それから笹山忠夫アラスカパルプ社長、それから林一夫帝国石油社長及び松根宗一同社顧問を記憶するだけである。岸元総理の一行の宿泊先はオリンピックホテルだったと思う。それからシアトルでは日米協会の歓迎レセプション及び総領事公邸での夕食会以外、特に便宜供与をした記憶はない、こういうことでございました。 それからサンフランシスコ関係につきましては、当時の和田力総領事から聴取したものでございますが、その同じ年の七月二十三日に和田総領事が主催した岸元総理一行のための公邸での朝食会への出席者氏名は、正確に記憶していないけれども、海部氏など日商岩井関係者は岸元総理一行の中には含まれておらず、昼食会にも参加していないということを記憶しておるということでございます。 それから、その二十二日夜の御一行の宿泊先については、余りはっきりした記憶がないけれども、恐らく総領事館で常用していたマーク・ホスキンスホテルではなかったかと思うということでございました。 それから二十三日午前中の岸元総理の日程については記憶が全くない、こういうことでございました。ただ、岸元総理一行の接遇については総領事がみずから担当して、一行をペブルビーチ近辺まで自動車で案内したことは覚えているけれども、それがいつであったかというような詳細については記憶していない、こういうことでございました。
○矢田部理君 現在、大使をやっておられる奈良さん、和田さんにだけお聞きになったのでしょうか。当時、シアトルなりサンフランシスコに在勤されておった、しかもかかわっておった館員などからは状況は聴取されておらないんでしょうか。
○政府委員(中島敏次郎君) 先ほどお答え申し上げましたように、各総領事館の記録がどうなっておるかということを現在の館に尋ねたわけでございますが、その結果は先ほどお答えいたしましたように、記録上申し上げるようなことは出てこなかった、こういうことでございます。 あと個人につきましては、当時、いま申し上げました各総領事が全体の状況を掌握しておるはずでございますので、その総領事に聞きましたが、それ以外の館員が個々にこの関係の接遇をだれがどういうふうにやっていたかという点は、詳細がわかりませんでしたので、特に尋ねてはおりません。
○矢田部理君 一応、報告としてはありがとうございました。 ただ、さらに、たとえば二十三日の午前中の日程が掌握できなかった、あるいはわからないということがございます。それから出席メンバー等についても、たとえば中村長芳氏の参加の有無というようなことについても話がわかっていないように思われますので、あと何点かございますが、委員会外でもお願いをしたい部分もございますけれども、さらに当時の総領事館に勤務されておられた方々等についてもぜひお調べをいただきたいと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 御趣旨の点は、さようにいたします。
○矢田部理君 法務省などを中心に伺っていきたいと思いますが、最初にボーイングの百五万ドル、これを中心にお聞きをしたいと思います。 国税庁、先般いただきました調査状況なる文書によりますと、この百五万ドルは追加手数料となっておりますが、そうだとしますと基本手数料があったはずだと思われますが、この点はどうなっておられるか、まず説明をいただきたいと思います。
○政府委員(磯邊律男君) 過日の新聞でボーイング747SR七機の購入に絡んで、百五万ドルとは別に正規の手数料として約二百五十万ドルの手数料が入っておるという報道がございましたけれども、おおむね正確な報道だと私は考えております。
○矢田部理君 公取にお聞きをしたいと思いますが、この基本手数料の基礎となる契約、それから追加手数料の基礎となる契約は、両方とも届け出がなされているでしょうか。
○政府委員(橋口收君) 日商岩井とボーイング社との間の代理店契約は、国際契約として公正取引委員会に届け出がなされておりますが、契約の内容につきましては開示権は与えられておりませんので、いわゆる守秘義務がございますので、内容についての答弁は御容赦をいただきたいと思います。
○矢田部理君 具体的に指摘をしたんです。両契約は届けられていますか。
○政府委員(橋口收君) 締結の年月日と対象品目について申し上げますと……
○矢田部理君 まず、両契約とも届けられているかということです。
○政府委員(橋口收君) 契約締結年月日と契約名、契約対象品目を申し上げますと、昭和五十年一月一日コンサルテーション契約、契約の対象品目としましてはボーイング727、737、747、これは契約の期間としましては五十年の一月一日から五十二年の十二月三十一日となっております。 それからもう一つございまして、契約の締結年月日は昭和五十三年の十一月一日でございまして、契約名としましては同じコンサルテーション契約でございまして、契約対象品目としましては、先ほど申し上げましたもののほか、ボーイング757を追加いたしております。この契約は昭和五十四年の十一月一日までになっております。 それからもう一つございまして、これは昭和五十三年の十一月一日に契約されたものでありまして、契約名はコンサルテーション契約でございまして、対象機種は第二番目に申し上げましたものと内容は同じでございます。これはボーイングの兵たん用給油用輸送及び運用活動用航空機関係というふうになっておりまして、契約の期間は五十三年の十一月一日から五十四年の十一月一日まででございます。
○矢田部理君 そうすると、いまのお話で、基本手数料の基礎となった契約はあったかのように思われますが、百五万ドルの追加手数料の基礎となった契約はあったのでしょうか、届け出はなされているのでしょうか。
○政府委員(橋口收君) 契約の内容につきましては、先ほど申し上げましたように守秘義務がございますので、事業者の秘密にわたる事項でございますから、お答えは御容赦をいただきたいと思います。
○矢田部理君 内容について聞いているんじゃない。そういう契約が、届け出があったかどうかと聞いている。
○政府委員(橋口收君) 内容にかかわるお尋ねでございますから、お答えは御容赦をいただきたいと思います。
○矢田部理君 守秘義務というのは、一般的あるいは全面的一律に律し切れるものじゃないんですよ。そのときの公益性や必要性によってケース・バイ・ケースで考えるというのが守秘義務問題の扱いなんですから、いま私が言った程度の質問に答えられないということはないでしょう。
○政府委員(橋口收君) 独占禁止法の規定によりまして、事業者の秘密にわたる事項につきましてはお答えができないことになっておりますから、御容赦をいただきたいと思います。
○矢田部理君 秘密も全面一律ではなくて、ケース・バイ・ケースによって、状況によっては解除される、あるいは調整の問題だと、こう言っているんですよ。
○政府委員(橋口收君) 先ほどお答えしたとおりでございます。
○矢田部理君 いまの答弁には納得できない。 まだ私は了解はしませんがね、国税当局なり法務当局では、この点をどう押さえていますか。
○政府委員(磯邊律男君) その前に、先ほどの御答弁で私は基本手数料一機二百五十万ドルというふうに御答弁したんじゃないかというふうに控えの方で言っておりますが、これは七機でございますので、その点訂正させていただきます。 ただいま先生御指摘になりました百五万ドルの追加手数料に関する問題でございますけれども、これはアメリカのIRSからの方の照会によって私たちが調査したものでございまして、契約書と言っていいのか何かその辺はよくわかりませんけれども、その支払った、それからまた受け取ったということを証するに足るような資料がございましたので、私たちはそれを端緒として再調査をしたということでございます。
○矢田部理君 法務省は。
○政府委員(伊藤榮樹君) いまお尋ねは、端的に言って百五万ドルの支払いの根拠になった契約が公正取引委員会に届け出られていたかどうかということになるんだろうと思うんですが、その辺は公正取引委員会が一番御承知のところであろうと思いますが、私の感じでは多分届け出られてなかったんだろうと思います。
○矢田部理君 公取はそのぐらいはっきりしなきゃだめだよ。 大蔵大臣に伺いますが、外国とのお金のやりとりというのは、為替銀行を通してやる方法と、今度問題になっている交互計算勘定にする方法と二通りしかないと思いますが、そのとおりでしょうか。それから外為銀行を通じて送るお金については大蔵省としてチェックできますか。
○政府委員(宮崎知雄君) まず、外国との間の金銭の受け払いの問題でございますが、一つのルートは外国為替公認銀行を通じるルートがございます。それから、そのほかには銀行を通じない方法がございますが、たとえば御指摘の交互計算勘定を通じる貸借記の方法ということもございますし、それからそのほかためにする支払いという形で行われる場合もございますし、それから、そのほかには支払い手段を携帯輸出入するという方法で支払いが行われるということもございます。 それから第二番目の、外国為替公認銀行を通じてお金が受け払いされる場合の銀行の確認の問題でございますが、これは外国為替公認銀行は、外為法の適用のある業務について顧客と取引をする場合には、その取引について顧客が承認等を受けているかどうか、あるいは承認を受けることを要しないことになっているかどうかということを確認した上で取引をする、こういう仕組みになっております。
○矢田部理君 仕組みはいいんですけれども、ボーイングとのお金のやりとり、子会社を通じる場合もあるでしょうが、動きについてチェックすることが可能かどうか。
○政府委員(宮崎知雄君) ただいま御答弁申し上げましたように、外国為替公認銀行を通じてお金が日本と外国の間を出入りするという場合には、銀行を通じてそういうチェックをする仕組みができております。それから銀行を通じない場合、たとえば先ほどの交互計算を通じて貸借記で決済が行われるという場合につきましては、これは外為法上はそういう仕組みについて許可を与えております。で、その許可の条件におきまして一定の要件、たとえばその貸借記はきちっと適正に記帳しなければいけないとか、あるいはその裏づけになる証憑書類は整備していなきゃいけないというふうな仕組みになっておりますので、そういうところを通じてチェックができる仕組みになっております。
○矢田部理君 外為銀行を通じる場合と交互計算勘定の場合はできると、それ以外の方法が今度のボーイングとの取引では考えられますか。
○政府委員(宮崎知雄君) 先ほどお答えしましたように、もう一つの取引といいますのは、恐らく通常の場合ですと対外支払い手段を携帯輸出入するという場合であろうと思います。しかし、携帯輸出入する場合には、原則としてこれは税関を通るわけでございますから、理論的には税関でチェックし得るという、そういう仕組みになっております。
○矢田部理君 大臣にお願いをしたいんですが、疑惑となっている問題の航空機の輸出入に関するお金の動きについて、大蔵省の権限でチェックできるはずでありますから、それをチェックして全貌を明らかにしていただけませんか。
○政府委員(宮崎知雄君) 私どもも本件が国会で問題になりまして、関係の日商岩井からいろいろ事情は聴取いたしました。しかし、何分にもその関係の証憑書類というものがただいま検察当局に押収されていてよくわからない、それで担当者自身もわからないところがございますし、それから私どもがいままで調査しました段階で、その担当者の説明が正当かどうかというのもいまわかっていないという状況でございます。
○矢田部理君 ずいぶん立ち上がりが遅いですね。しかし、押収されたとしたって外為銀行には記録が残っているはずでしょう、そこを調べればチェックできるじゃありませんか。
○政府委員(宮崎知雄君) 御承知のように、本件、現在問題になっているものにつきましては、大多数のものが商社の交互計算勘定を通じて処理されている、こういうことでございます。で商社の交互計算勘定といいますのは、先ほど申し上げましたように、為替銀行を通じないで貸借記で処理がされる、こういうことでございますので、その取引につきまして外国為替銀行を通じてチェックするということはできないと思います。
○矢田部理君 交互計算勘定は、また日銀に委託したり、それから通達を出したりして証憑書類を整備していることになっているわけでしょう。だからできるんですよ、チェックが。
○政府委員(宮崎知雄君) 交互計算勘定を通じる取引につきましては、御指摘のように証憑書類を整備するという要件は課してございますので、その点を通じてはチェックができる仕組みになっております。それから現に先ほど申し上げましたように、私どもとしてできる範囲の調査はしたつもりでございます。しかし、何分にもいまのところ関係の証憑書類が会社の方にないものですから、それ以上調査が進んでいないという状況でございます。
○矢田部理君 大臣ね、大蔵省としてできる範囲のことがいま幾つか問題になりました。これは緊急に調査をして、資料がないのはある程度やむを得ないかもしれませんが、やっぱりこの国会に明らかにしてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子一平君) 何分事件が捜査中でございまして、関係資料を会社の方のは全部押収されているものですから、その裏づけがなかなかできないという点に問題があるんだろうと思います。私どもの方といたしましては、国税当局も全力を挙げて解明に努力していることは申し上げるまでもないことでございます。
○矢田部理君 私が申し上げているのは、国税当局もそのなわ張りだし、それから国税当局以外に貸借記の関係の調査もできるはずだし、外為銀行のチェックもできるはずだから、それを通してお金の動きを押さえて報告をしてほしい、こういうことですよ。
○国務大臣(金子一平君) できるだけのことはいまやっておるつもりでございますが、御承知のような……
○矢田部理君 調査して報告していただけますね。
○国務大臣(金子一平君) ええ、結果につきましては御報告を申し上げます。
○矢田部理君 もう一点伺っておきたいのは、先般の山村証言によりますと、百五万ドルの行方について、七六年の一月に疑問を持って調査を始めた。二月に島田氏を問い詰めて、本社経理に戻すように指示をしたというふうに言っております。問題は、検察庁でとられているアンゴラ航空の偽造文書あるいは貸借記の交互計算勘定、これはそれ以後に起きているわけですね。つまり社内で山村氏が指摘をし、正常なルートに戻せということで指摘をしてから後、偽造だとか外為法違反が行われている、これが不思議でならないのです。どうしてこんなことが戻す過程、正常なルールに戻す過程で行われたのか、国税当局なり法務省にお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(伊藤榮樹君) そこの理由というのが明らかにされなければならぬところだと思います。
○矢田部理君 私は、そのことはわかっているから明らかにできないかと、こう聞いています。
○政府委員(伊藤榮樹君) 言葉が足りなくて申しわけございませんでした。現段階ではちょっと明らかにするのを差し控えさせていただきたいと思います。
○矢田部理君 ボーイングからJAL分の追加手数料として入れることに不都合でもあったのでしょうか、何か説明できない事情でもあったのでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 御指摘のとおり、恐らくボーイングからの747の追加手数料ということで、いまさら表金に入れることができない事情があったものと思われるわけでございまして、その辺はただいま拘束をして調べております二人の関係で、これから捜査上詰めなければならぬところでございますので、いましばらく御容赦をいただきたいと思います。
○矢田部理君 百五万ドルがいつごろだれの手にボーイング社から支払われたか、その辺はいかがになっているでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) その辺も大体明らかに検察当局としてはしておるようでございますけれども、百五万ドルの一連の流れに関しまして、現在、身柄を拘束しております二人の人を含めまして、鋭意、詰めておるところでございますので、しばらく御容赦をいただきたいと思います。
○矢田部理君 それは個人に払われたのでしょうか、子会社であるアメリカ日商を通して払われたのでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) その辺がなかなか複雑でございまして、なかなか単純明快にお答えをいたしかねるところでございまして、百五万ドル全体の解明ということに関しまして、いずれ御説明ができる時期が来ると思いますけれども、しばらく御容赦をいただきたいと思います。
○矢田部理君 山村氏が指摘をしてから後、お金を戻す過程で外為違反なり偽造なりが行われたということになりますと、山村氏自身もその捜査の内容について知っておったのではないか、かかわっていたのではないかという疑いがありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) これも私自身の推測にすぎませんけれども、山村氏が果たしてそういう技術的な細部のことにまで指示をされたのかどうか、ちょっと私もよくわからないんでございますが、いずれにいたしましても二人の者がやりましたこと、これにつきまして、どういう動機で、あるいはどういういきさつでそういうことになったかと、これは捜査上非常に重要なところでございますので、その辺を現在鋭意詰めておるところである、こういうことでございます。
○矢田部理君 これまでの捜査状況として事情聴取をされた人の数はどのぐらいか、どんな人たちが中心であったか、それから今後の捜査の展開についてどんなふうに考えておられるか、二点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(伊藤榮樹君) まず、これまでにこのダグラス・グラマン事件で事情聴取をしたり、あるいは取り調べをした人の数でございますが、何分まだ二人の人を逮捕勾留をして調べておる段階でございまして、毎日、きょうは何人調べた、きのうは何人調べたと数を数える段階でございませんので、調べた方、事情聴取をした方の数は明らかでございませんが、先ほど念のために検察当局に問い合わせてみましたら、検察当局でも数を数えていないからわからぬと申しますので、非常に大ざっぱなけたでも言えないかと言って聞きましたら、まだ三けたにはなってないと思う、こういうことでございました。 今後の捜査でございますが、現在、容疑事実ということで明らかにされておりますのは、いまの百五万ドルの関係とRF4Eの関係の二人に関するもの、それに衆議院の予算委員会から告発のありました有森氏に関するもの、それから福田赳夫氏の告訴されました氏名不詳者に対する名誉棄損事件、これらのものがあるわけでございますが、検察当局といたしましては、本件の問題にかかわる諸問題を非常に広い角度から網羅的に洗ってみよう、こういうことで、いわばいろんな観点から事象を分析しながら、俗な言葉で言いますと、白くなったものから捨てていって、最後残るところまで捜査を尽くしたい、こういうふうに考えておりますので、今後の捜査の手順ということをまだ申し上げる段階ではございませんが、その一端としては、先ほど申し上げましたように、現在拘束されています二人の被疑事実、これをめぐる諸問題、これは当面解決を要するところである、こういうことでございます。
○矢田部理君 告発人である――告訴人になりますか、福田さん、あるいは海部メモに出てきます松野さんなどについてはお調べになっていますか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 個々の方について、どういう方を調べたか、あるいはどういう方から事情聴取をしたかということにつきましては、明らかにするのを差し控えたいのでございますが、私が報告を受けております範囲では、いまお挙げになりましたお二人ともまだ事情聴取をするというようなことはしてないのではないかと思います。
○矢田部理君 時間がありませんので、あと集中審議等に譲りたいと思いますが、一点だけ伺っておきたいのは、八万ドルを米国日商に寄付をしたということでありますが、これはどういう意味なんでしょうか。なぜ寄付をする必要があったのか、いかなる理由で寄付をしたのか、両当局から伺いたいと思います。
○政府委員(磯邊律男君) 寄付という言葉は、これは税務上の言葉でありまして、二つの法人がありまして、一つの法人から他の法人に支払うべき義務がない、また受け取る方も受け取るべき権利もないにもかかわらず、資金の移動が行われました場合に、これを寄付という言葉を使う、そういった意味で寄付と申したわけでございます。
○矢田部理君 その寄付の使途なり中身は、それ以上わかりませんか。
○政府委員(磯邊律男君) 百五万ドルのうち、日本の法人の方に来たものと、それから現地の法人に行ったものと、それから使途不明になったものというふうに分かれるわけでありますけれども、この百五万ドルのうちに、日本法人に参りましたのが五十万ドル、それから使途不明金として流出いたしておりますのが四十七万ドル、で残りが八万ドルというところで現地法人の方に入っておるわけでございまして、そこまで私たちは税務上調査をいたしたわけでありまして、そこで税務処理は、一応、それ以上はわからないというところで処理したわけでございます。
○矢田部理君 法務省はいかがでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 非常に大ざっぱな話で恐れ入りますが、結局、何らかの事情で表の金でないものを表の金に仕立てかえる作業を行うことであったんだと思うんでございますが、そのとき、表の金に仕立て直すのに理屈のつきにくい半端な金というものが出たといたしますと、めんどうだから現地法人でしかるべくというようなことが考えられるわけでございまして、恐らく私がいま申し上げたようなところが当たらずといえども遠からざるところではないかと思います。
○矢田部理君 じゃもう一、二点。 四十七万ドルの使途不明金、この使途についてどの程度解明できていますか。
○政府委員(磯邊律男君) これはたびたび申し上げますように、中近東におけるもろもろの工事を受注するための工作資金に使ったという話は聞いておるわけであります。この前のたしか証人喚問のときでも、日商岩井の責任者の人がそういうふうな答弁をしておられたように聞いておりますけれども、私たちの知っておる段階では、この前の集中審議で日商岩井の会社の方からお答えになった、その程度でございます。それ以上われわれがわかりましたら、またそれに応じまして、日本の国の課税権の及ぶ範囲で追及するということになるわけでありますけれども、何分、われわれのわかっておる範囲内では、それが全部わが国の課税権の及ぶ範囲外のところに流れておるということしかわからない。しかも、それは何らそれを証拠立てる明確な資料もないというところで、やむを得ず使途不明ということで、日商岩井の方の税金に加算しまして重加算税を徴したということで、それ以上はわかってないわけであります。
○矢田部理君 法務当局は。
○政府委員(伊藤榮樹君) 先ほど来申し上げておりますように、百五万ドル全体につきまして解明をすべく努力をしておるわけでございまして、課税上の措置と異なりまして、検察当局としては、行方がわからないということで引き下がるわけにはいきませんから、やはりその行方につきまして刑罰法令に触れるものがありはしないかと、そういう観点から十分入念に調査をしておるところでございます。
○矢田部理君 もう一点。 海部氏は、営業のトップとしてこの問題にかんでいた可能性、それから山村氏は、隠す過程ではなくて、回収の過程でかかわった可能性、それから植田氏、社長でありますが、は当時アメリカ日商の社長であったというようなことで、いずれも直接、間接かかわっていた可能性があり得るのですが、その点捜査の観点からはいかがでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 第一義的には、航空機を担当する営業関係のセクションにおきまして、いろんなはかりごとが行われたりしておるわけでございますから、その辺にまずもって関心を払うべきでありましょうし、それからそれに関連して、いま名前をお挙げになりましたような方々がもし何らかの関連があるといたしますと、これも念頭から外すわけにはいかないわけでございまして、それらのこともいろいろ頭に置きながら現在検察当局は事実関係を詰めておる、こういうことでございます。
○矢田部理君 法務省、グラマン等の関係は終わりまして、時間がなくなりますから、郵政当局にお尋ねをしたいと思います。 郵政当局として、今日の全逓との労使紛争について郵政側としての反省点、行き過ぎ、過ちはなかったでしょうか。大臣に伺います。
○国務大臣(白浜仁吉君) お答えいたします。 郵政省として過ちはなかったかというお尋ねですが、私どももいろいろ検討して、過ちがないだろうかということは心配をいたしておるところであります。したがいまして、労使の間で十分話し合いをしながら、過ちがあるとすればそういうふうなものをお互いに正していこうという方法でいま進んでいるところであります。
○矢田部理君 こんな点は当局としてもまずかった、行き過ぎだったという点は何かお気づきになりませんか。
○国務大臣(白浜仁吉君) いろいろ、六千件とか七千件とかという膨大な数に上るような指摘が組合の方からは話をされておるし、現実に公労委に申請をされているというふうな点もあるわけでありますが、私ども、不当労働行為などになるようなことはなかったろうというふうに私は信頼をいたしておるわけであります。
○矢田部理君 数千件もあるというのに、全然そちらには問題はなかったということはないでしょう。
○国務大臣(白浜仁吉君) 全然なかったかどうかということを、先ほどお答えしましたようにいま労使双方で話し合いをしながら、反省すべきものは反省していくべきじゃないかということで、いま詰めている最中であります。
○矢田部理君 七三年の五月に日本弁護士連合会の会長名で重大な警告が郵政当局に行われていることを御存じですか。それをどのように大臣として受けとめておられますか、大臣の認識を伺います。大臣がどう知っているかどうかということと、その受けとめ方について伺っているんです。――あなたに聞いているんじゃない。
○政府委員(守住有信君) ちょっとお答えいたします。
○矢田部理君 いやいや、大臣が認識があるかどうか聞いている。
○国務大臣(白浜仁吉君) 私、承っておりませんので、局長からお答えさせます。
○矢田部理君 ちょっと待ってください。私は局長の知識を聞いているんじゃなくて、大臣の認識を、受けとめ方を聞いている。きわめて重要な人権侵害が幾つかあって、日弁連に調査が付託をされ、相当の弁護士が長期間かかって調査した結果、大変重大な警告をしているじゃありませんか。そんな話もあなたは知らないんですか。
○国務大臣(白浜仁吉君) まだ承知いたしておりません。
○矢田部理君 ブラザー制度というのは御存じでしょうか、大臣。
○国務大臣(白浜仁吉君) 承知いたしておりません。
○矢田部理君 人権侵害の大もとだということで、廃止すべきである、少なくとも改善すべきだと、それはいまどうなっていますか――いや、大臣の認識を聞いているから郵政省はいいんだ、知っているんだ。
○国務大臣(白浜仁吉君) 事務当局からお答えさせます。
○政府委員(守住有信君) 御指摘の点はブラザー制度であるわけでございますけれども、その後ブラザー制度につきましていろいろ御指摘、御批判がございましたのでこれをやめまして、特にまた経費の使用関係、やり方等につきましてもこれをやめておるところでございます。したがいまして、現在では職場リーダーということで、小グループの主任クラス等々の職場リーダーで、やはり現場の中での指導性あるいはチームワークということを期待していく、そういうやり方をやっておるわけでございまして、御指摘のブラザー制度については、御批判によってこれを改善したということでございます。
○矢田部理君 このとき同じように監視労働や生理管理についてまで指摘をされましたが、日弁連から指摘された内容はどういうことだったんでしょうか。
○政府委員(守住有信君) その中で監視労働という言葉で御指摘もあったわけでございますけれども、私どもふだん、たとえば百名ぐらいの郵便局で管理者は課長、局長でございますが、五、六名ぐらいで多数の人間を指導、指揮しているわけでございますので、監視ということはございませんけれども、ただそこの、たとえば極端な能率ダウンその他の行為等が行われる場合ということになりますと、やはり一人一人の職員あるいは現場の全体ということを把握しなきゃなりませんので、それがややもすれば組合あるいは組合員の方から監視的ではないかと、こういう指摘を受ける場合が間々ある、こういうことでございますが、ふだんの状態でそういう監視という言葉が出ることはないものと理解をいたしております。
○矢田部理君 日弁連から指摘されたのはどういうことかと、こう言うのです。
○政府委員(守住有信君) 日弁連の中での監視労働ではないかという御指摘については、たしかそういうふうに記憶をいたしております。 また、現在の段階でまた監視労働ではないかといういろんな組合側からの批判、指摘がある、こういうことについては、いま御答弁申し上げたとおりでございます。
○矢田部理君 日弁連は、ストップウォッチで一つ一つ時間をはかって監視をし、遅いとか早くやれとかという指示をしている、こういうことは人権侵害だと。それだけじゃありません。言うのも恥ずかしいぐらいでありますが、大便は自宅にいるうちにしてこいと生理管理までやっているという事実を厳しく日弁連から指弾されたのじゃありませんか。どうですか。
○委員長(町村金五君) 矢田部君、時間が参りました。
○政府委員(守住有信君) 先ほど出ましたトイレの話なども、売り言葉に買い言葉の中でたまたま出た言葉でございまして、私どもふだん、勤務時間中あるいは休憩時間中にそれぞれそういうトイレに行くということを一々指摘しているわけではございません。中にたまたまよく離席をするということで、理由を聞いてみるとトイレに行く、調べてみると実はソファーで寝ておったとか、いろんな例があるわけでございまして、そういう極端なことをやっておるわけではない。また、そのように管理者も指導しておるところでございます。
○矢田部理君 日弁連から事実を調査の上指摘をされたことぐらいはまともに認めなさいよ。同時に、指摘をされたその結果、なるほどブラザー制度は名前を変えた。形はなくなったが同じような状況が引き続き行われているんです。ストップウォッチはやめたけれども、腕時計をわざわざ反対側に回して締めて、ずっと時間監視をしている。あるいはまた大小便に三分か五分立つのにも一々許可を求める、便所までのぞきにくる、みっともない話じゃありませんか。どうしてこんなことを行わなきゃならぬのですか。私は数千件ある事例の中で最もひどいものの一つとして見ましたのが監視労働、課長監視の重要な一つでありますけれども、次のようなことであります。 これは各務原郵便局、岐阜県でありますが、八時から九時まで郵便外務の人たちが道順の組み立てをやります。その組み立ての作業場、三十数名いるそうでありますが、実に一時間前後の間に、たとえば五十三年八月二十四日には二十七回、二十六日には二十九回、三十日には二十五回、局長、庶務課長、郵便課長、郵便副課長が回ってくる。そして、仕事が遅い、組み立てが遅い、早く出るべきだと。こういう監視というのは一体どういうことなんでしょうか。これがまともな人間のやることでしょうか。郵政大臣はどう思いますか。
○委員長(町村金五君) 矢田部君、時間が参りました。
○矢田部理君 もう一、二問で終わります。
○政府委員(守住有信君) 先ほど各務原郵便局の例をお出しになりましたが、この年末闘争の中で、能率ダウン、帰省闘争ということでいろんな怠業行為が行われたわけでございます。中には東京都内のように一通も配達しない、何時間も配達しないという……
○矢田部理君 各務原を言えよ。
○政府委員(守住有信君) 各務原につきましても、帰省闘争、能率ダウンの中で、半分も配達しないとか、半分程度しか配達しないとか、いろいろなスローダウンが行われたわけでございますので、そういう極端な怠業に対しましては、やはり勤務時間中は仕事にふだんと同じように能率を上げてやるようにということでいろいろな指導もし、指示もし、また命令もしたと、こういうものでございます。
○委員長(町村金五君) もう矢田部君どうですか、時間が参りました。
○矢田部理君 私は去年の八月という日時を指定したのに、あなたは年末闘争の話をしている。ばかみたいな話です。そのほかに、たとえば町田の郵便局では、超勤命令が出た、体調が悪いと言って申し立てをしたら、体温計を持ってきて熱をはかれ、はかったら三十六度二分しかなかった、だめだと、こう言う。熱だけで体調を見るわけじゃないでしょう。こういうやり方は、いかにも、どうでしょうか郵政大臣、局長レベルの答弁じゃなくて、もう一回、郵政当局としても本当に労使関係を確立するためにどうあるべきなのか、反省点が相当あるのじゃないでしょうか。その点郵政大臣の見解を求めると同時に、先ほど申し上げたような監視労働、これは私は率直に言って労働基準法五条違反だと思うのです。五条の内容を一々説明している暇はありません。憲法十八条にすら違反する疑いがある。日弁連も先般の勧告でそのことを厳しく指摘をしておりました。郵政大臣と、いまの問題にかかわる労働大臣の見解を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(白浜仁吉君) いろいろな点が御指摘されたわけですが、先ほどから申し上げますように、そうした行き違いがある、少数の管理者が多数の職員を指導監督していかなければならないという過程においてはいろいろなことが起こり得るというふうに思うわけであります。特にこの前からのいろいろな不当労働行為と思われるような、そういうようなものが起こったか起こらぬとかという問題も起こっておりますので、私はやっぱりこれは話し合って解決していく以外にはない。それで正すべきものは正して、お互いが国民に対する義務としてこれを直すものなら直していこうではないかということで、いま話し合いを進め、そういうふうなことで解決をしていきたいと考えておるわけであります。
○国務大臣(栗原祐幸君) 個々の事例につきましては、私は当事者じゃございませんので詳細なことは承知いたしません。また、これについて私がいまの段階でコメントすることは適当でないと思います。ただ、一般論として申し上げますと、元来労使の間に不当労働行為というようなものはあり得べからざるものであります。また、郵政当局もそういうことのないように私は努力をしておる、そういうように信じております。ただ、具体的にはいまいろいろの問題が出ておりまして、それが公労委の方へ審査の申し立てがございますので、私どもはそういう問題につきましてはその過程を見ながらいろいろ判断をいたしたいと、こう考えております。
○委員長(町村金五君) 以上で矢田部君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(町村金五君) 次に、藤原房雄君の一般質疑を行います。藤原君。
○藤原房雄君 今日までも同僚議員から各方面からいろいろな問題が提起されましたが、私も国際問題として一点だけお尋ねしたいと思いますが、最初に対外経済政策、なかんずく民間対外融資のあり方について若干質問したいと思うのでありますが、まず昨年一年間の長中期融資額はどうなっているか、これはドル建て、円建てに分けてそれぞれ報告願いたいと思いますが。
○政府委員(宮崎知雄君) 昨年一年間のドル建ての中長期の貸し付けでございますが、これが九十二億ドルでございます。それから円建ての貸し付けは七千四十九億円と、こういうことになっております。
○藤原房雄君 合わせますと百五十億ドルにも達するというような状況ですが、対前年比の伸び率について、また世界の中長期融資総額に占めるシェア、とりわけ昨年十月から十二月期に増加しているということがいろいろ見られておるわけでありますが、この期間におけるシェアはどうなっているかという点。
○政府委員(宮崎知雄君) 国際的な総貸し付けの全額がどれくらいかという正確な統計がございませんので、はっきりした数字は申し上げられないわけでございますが、昨年の貸付額がその前年に比べましてどれくらいふえているかと、こういう数字を申し上げますと、外貨建ての方が約一〇三%の増加、ですからこれは二倍ということでございますね。それから円建ての方が四〇七%、約五倍と、こういう状況でございます。
○藤原房雄君 世界じゅうに占めるシェアは。
○政府委員(宮崎知雄君) 先ほど申し上げましたように、シェアは世界全体の取引量というものの正確な統計がございませんのでわかりませんが、いろいろ外国の銀行等が出している資料によりまして概算をはじいてみますと、昨年の一年間の日本の銀行の貸付額というのは大体二割ぐらいのシェアを占めていたのではないかというふうに私ども推計しております。
○藤原房雄君 十月-十二月は。
○政府委員(宮崎知雄君) 十月-十二月期はちょっと手元に資料はございませんが、一年間の合計は大体そういうことでございます。
○藤原房雄君 十月から十二月期のドル建て合わせて六十億ドル、シェアでほぼ三分の一というこういうデータが出ておるわけですが、まさに驚異的な急増であって、今後もこうした貸出競争の激化と言えるような状態が続くならば、国際金融市場で米国の銀行や欧州の銀行などとの間に摩擦が起こる、こういうことは必至だと、こういうふうに心配するわけでありますが、これに対して政府はどのような指導を行い、またどういう処置をとろうとしているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) ただいまのところはまだ国際的に大きな摩擦を起こす段階までいっておりません。まあある意味において、日本の銀行が中長期貸し付けを伸ばしておることは国際金融市場における日本の地位向上という点から好ましいことであると判断しておるわけでございますけれども、ただ、考え方として、国際金融市場の秩序と慣行に沿った活動をしてもらわなきゃいかぬということが第一点。それから貸付期間等十分配慮した資金調達を行うことを考えてもらわなきゃいくまいということが第二点でございます。それからやはりこれは銀行の自主的な判断によって行っておることでございますので、カントリーリスクなどについて慎重に判断してもらいたいと、こういった点につきまして極力指導を行っておるような状況でございます。
○藤原房雄君 円建て融資の場合には、これは資本輸出ということで黒字減らしには一役買うことになるわけですけれども、国際的な貸出競争が激化すれば、利ざやの縮小とか、また銀行経営の健全性を損なう、こういう心配も出てくるわけですが、また、一たん国際的な金融不安が起これば日本の経済全体に混乱を巻き起こすという、こうしたリスクの回避あるいは軽減のために措置をある程度考えておく必要があるのじゃないか、こういうことで申し上げておるわけですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(宮崎知雄君) 長中期の外貨貸し付けに当たりましては、ただいま大臣から御答弁がございましたように、その資金調達の面におきましても短期の資金を借りてこれを長期のものに回すというようなことは、健全性という観点からもこれは一定の限度を置くべきだというふうな考えで指導をしておりますし、それからまた貸付競争が余りひどくなって金利のダンピングというようなものを招いて、それが対外的な批判につながるとか、あるいは銀行の健全性にまた影響してくるというようなことがないように、そういう点につきましては十分注意をして、従来から貸し付けの内容について私ども聴取をしている、そういう状況でございます。
○藤原房雄君 基本的には、いま御答弁もありましたが、危険負担というのは、これは銀行の企業責任でやるのはもちろんだと思いますけれども、政府としても万一のときに備えて何らかの用意をしておく必要があるのじゃないかということで申し上げておるわけです。 カントリーリスク情報については、政府が年二回程度国別の情報一覧を作成して提供するという、こういう考え方はどうですか。
○政府委員(宮崎知雄君) カントリーリスクの問題につきましては、基本的にはこれは取引の当事者の判断すべき問題だと思います。ただ、それがなかなか全般的にわからないというような場合もございますので、そういうようなことにつきましては政府としてもいろいろいままでに情報を集めておりまして、そういうものがある程度利用されるということは結構なことじゃないかというふうに考えております。
○藤原房雄君 次に、エネルギー問題についてお尋ねしておきたいと思いますが、東京サミットについて二、三質問するんですが、一部の報道によると、これはエネルギー開発投資としてGNPの〇・五%を振り向けるという構想をサミットでわが国は提案するというように報じられておりますけれども、この具体的な中身についてはどうですか。
○国務大臣(江崎真澄君) まだそういう具体的な案になるには至っておりません。それは先ごろわが天谷エネルギー庁長官がサミットの理事レベルの会議に出ましたときにサロンで出た程度の話で、したがってアメリカなどへ回りましたときに一つの案としてこんな考え方もありましょうということをシュレジソジャーエネルギー省長官に話をしたと、こういう報告は聞いておりまするが、権威のあるものではございません。まだこれからの問題でございます。
○藤原房雄君 まあいろいろなことがありますが、今日まで議論もありましたので何点かにしぼりますが、東京サミットで代替エネルギーのことについては相当論議されるのじゃないかと思うわけでありますが、代替エネルギーとしての石炭の見直し、それから石炭火力発電所の増設、石炭貿易の拡大、これらと関連して国内石炭の二千万トン体制、こういうものについては政府はどういうふうに考えておりますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 当然見直しを進めなければならぬと思います。そのほか、原子力への移行であるとか、LNGの輸入の増量であるとかあるわけです。わけても石炭の問題がありまするが、二千万トン体制をやはり持続するということが中心になると思います。御承知のように、わが国の石炭は、外国に比べますると、やはり値段、また埋蔵量、品質等々の上から言いましても遜色があることは否定できません。そうかといって、貴重なエネルギー源でありまするので、十分利用されるように進めてまいりたいと考えます。
○藤原房雄君 国内炭の話が出ましたが、資源エネルギーということで、エネルギーには直接関係ないかもしれませんが、いまの大臣のお話の中にもございましたように、国内石炭のことについては、いろいろ隘路はあるだろうと思いますが、それを乗り越えてやはり貴重な国内エネルギーとしての位置づけというものはこれは明確にしなきやならぬだろうと思いますが、それとともに、非鉄金属の自給率もいまやもう六%台という。業界からこういう状況の中で国内の貴重な資源として最小限度を守るために鉱山基本法のような形のものをつくってぜひこれは最小限度のものは守らなければならないのじゃないかというこういう要望も非常に強いわけでありますが、政府としてはどうお考えですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 非鉄金属の備蓄につきましては、昭和五十一年の銅、鉛、亜鉛及びアルミの地金を対象として備蓄制度を発足させております。現在、銅が四万三千トン、亜鉛が十四万五千トン、アルミが二万二千トンの数量に達しております。銅につきましては、市況、需給動向等をにらみ合わせまして過ぐる二月二十八日に約二万九千トンの放出をして値段調整を行った。今後といえども備蓄制度の運用につきましては弾力的、機動的に運用をしてまいりたいというふうに考えております。 基本法についてはいままだ決定はいたしておりません。
○藤原房雄君 決定というより、考え方として政府としてはどうなのかということですが。
○国務大臣(江崎真澄君) よく検討いたします。
○藤原房雄君 次に、国内エネルギーについてですが、政府の長期エネルギー需給暫定見通しでは、これは昭和六十年で今後最大限の省エネルギーの推進、代替エネルギーの開発、こういうものを前提としても輸入石油量は四億三千二百万キロリットル、こうなっているわけですけれども、現在の石油状況から見てこの確保についてはどうですか。
○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。 現在の見通しにつきましては二年前に策定されたものでございまして、これを硬直的に考えておるわけではございませんが、一応当時考えられました線はいま御指摘のように四億三千二百万キロリッターということでございまして、わが国の成長の問題、それから省エネルギーの推移等々から見まして、現在すぐこれを幾らに変えるという点については若干不透明な要素が多うございますので、直ちにというわけにまいりませんが、弾力的に勉強してまいりたい、このように考えております。
○藤原房雄君 政情不安とか諸情勢によりまして長期的な見通しというのは非常に困難な状況にあるだろうということだと思います。そのためにも、輸入石油の三割をアジア地域に求めたいという通産省の考え方があるように聞いておるわけですが、供給源の多角化によって確実に供給できるような考え方のためには非常に大事なことだと思いますけれども、現状と見通しについてはどうですか。
○国務大臣(江崎真澄君) お説のように、昭和六十五年を目途として中国を中心としたアジア地域で三〇%強確保したいというふうに考えております。昨年度の実績は、インドネシアの石油等々をひっくるめまして総量でアジア地域は二二%ということになっております。現在、劉希文氏が訪日いたしまして、日本側の稲山さんとともに日中長期貿易取り決めを交渉中でございます。これには中国の原油の問題も当然入っております。また、渤海の探鉱の件とか、いろいろ問題がございます。この渤海の探鉱段階が終わりまして開発に手を染めるについては、両国の間でもう数次にわたって相当具体的な詰めの段階に入っておるということは御承知のとおりでございます。
○藤原房雄君 近い将来、主要産油国の原油需給の逼迫、こういうことから、輸入原油の重質油傾向というのは、避けられないだろうと、こう思うわけですが、重質油対策懇談会の中間報告にも重質油分解設備建設の促進ということが述べられているわけですけれども、この点についてはどうですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 石油製品の需要の方は、だんだん生活水準が上がりましたことによって軽質油を求める傾向がございます。このままの現状でまいりまするというと、たとえばサウジアラビアなんかでも重質と軽質油を何%かずつ抱き合わせでなどというような話し合いもあります。中国、それからアラスカ石油、こういつたところは、アラスカはまだ輸入の具体化には至っておりませんが、ほとんどが重質油である。メキシコは軽質油でありまするが、重質油対策というものは今後きわめて重要であるというふうに考えておるものであります。 一方、また、重質油対策をどうするかという問題に二つありまして、一つはこれを分解して需要の多い軽質性のものをどう抽出するかという問題、それから一つは重質油を石油であるとか鉄鋼あるいは電力業界などのそういった関連業界で直接使ってもらう生だきの問題、これがございます。前段の重質油対策につきましては、鉱工業技術研究組合を鉄鋼であるとか電力であるとかこういつた関係者で現在つくってもらいまして、一体となって重質油対策の技術開発に取り組んでもらう。五十四年度この予算案にも十七億円を計上しておるところであります。これは企業側にはメリットのない研究開発でありまするので、研究開発費の四分の三を政府が助成しようと、こういう対策に立っておるわけであります。今後の技術開発の見通しとしましては、おおむね五十四年度から五十七年度約百八十億円の事業規模でこれを達成しよう、できれば五十七年度を五十六年度に繰り上げてでも早期にひとつ目的を貫徹したいというのが私ども通産省側の今日の立場であります。
○藤原房雄君 技術開発についての補助金がことし十七億ついたわけですけれども、いまのお話にもちょっとございましたけれども、具体的にはどこが研究するのか。いまのお話を聞くと、企業というようなお話のようですが。 それから開発成果を踏まえて北海道の苫小牧に重質油分解設備を建設するなんという話もちらほら聞いておるのですが、その点はどうですか。
○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。 実際の技術開発の担い手でございますが、研究組合をつくらせまして、そこで問題解決を図るということでございます。また、その重質油分解装置の技術開発の場所でございますが、これは研究組合を組織いたしまして具体的に決定してまいりたいと、このように考えております。
○藤原房雄君 重質油で知られておる中国石油ですね、さっき大臣からちょっとお話がございましたけれども、輸入状況と今後の見通しはどうですか。
○政府委員(児玉清隆君) お答えを申し上げます。 一九八二年に千五百万トンということを決めておりまして、その後できるだけ大きくふやしていくという基本方針が出ております。これにつきましては供給サイドと需要サイドに実際の面ではもっと詰めるべき問題がございますので数量は確定いたしておりませんけれども、たとえば渤海湾の南部開発、これは日本側が主体となりました合弁――合弁と申しますか、共同開発になってまいります。その他内陸部の中国側の新しい開発、あるいは奥地におきますところの開発等々ございまして、今後の開発されるべき原油にリンクする分が相当多うございますので、はっきりした供給の見通しという点で若干今後にまつべき問題がございます。かたがた、国内の輸入の問題といたしまして、これをどう使うかという点につきまして、御存じのように、価格の面あるいは油の質の面等々について問題がございますので詰めてまいりますが、主たる問題でございました重質油対策については、いま御答弁いたしましたような線で着実に昭和五十七年度までにこれを解決するというスケジュール的な作業によって解決してまいりたいと、このように考えております。
○藤原房雄君 供給地の多角化の方針からも今後の中国原油というのは非常に大きな期待が寄せらるわけでありますが、かつて前河本通産大臣が、中国原油を昭和六十年ころには五千万トンほど輸入したいという、こういうことが報道されておったわけでありますが、江崎通産大臣はこういうお考えについてはどのような御構想といいますかお考えを持っていらっしゃるか。
○国務大臣(江崎真澄君) これはまだこれから開発をして、それから産した石油をわが方に出したいというわけですから、今後やはり共同開発を含めまして鋭意協力をしてまいりたいというふうに思います。そして、その実現をわれわれも期待するものであります。
○藤原房雄君 いろいろな諸条件のあることはわれわれも十分承知するわけでありますが、多角化ということの中で中国に非常にウエートをかけなければならない時点になっておるのじゃないかということでいろいろお聞きしているわけであります。 今回の石油問題は慢性的に長期化すると言われておるわけでありますけれども、一次的には民生部門の節約でいいのかもしれませんけれども、しかし根本的な解決にならぬ。そういうことから大口規制についてもいろいろ検討しなければならぬ。それは当然代替エネルギーとか省エネルギーとかこういう問題についての対策を講ずるとともに、日本の産業構造を省エネルギー化するということもいままでも論じられておるわけですけれども、長期的展望に立ってこういう問題についての政府の考え方をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) これは御承知のように昨年の国会にエネルギーの使用の合理化に関する法律案、この御審議をいただいて現在継続審議になっております。これが私どものエネルギーに対する一つの将来構想といいますか節約構想、こういったものを蔵しておることは御存じのとおりであります。したがいまして、ぜひこの法案が早期に成立しまするように私どもとしては望んでおるものであります。当面、いろいろな情報が乱れ飛んでおります。まさに石油不足の状況が慢性化するであろう、この見方も確かにあります。案外早く回復するのではないかという見方もあります。しかし、もともとそのほとんどを海外に仰いでおるわが国としては、むしろ節約を慢性化するというか、長期化する、このことの方が必要でありまして、余り現在の国際情報に一顰一笑しておるようなことではいけないので、やっぱり節約を国民的レベルにおいて徹底することが今後応対していく上に最も重要な問題であるというふうに踏まえております。したがって、なるべく早くエネルギーの使用合理化法案も成立をいたしますようにこの機会をかりましてお願いを申し上げておきたいと思います。
○藤原房雄君 産業用についてはそういうことですが、それと民生用についてもきめ細かにいろいろ対策を講じなきゃならぬと思います。 省エネルギーと言われ、また暖冬と言われておりますが、北海道における灯油の消費量及び年間トータルで前年比どういうふうになっているか、昨年のやつが資料がありましたらお述べいただきたいと思います。
○政府委員(児玉清隆君) お答えを申し上げます。 数量につきましていまちょっと資料をあれしておりますが、量の伸びは、ほかのあれと比べまして、ほかはほとんど横ばいないし一けたぐらいでございますが、灯油につきましては大体一〇%前後の大幅な伸びになっております。
○藤原房雄君 三百四十七万七千五百二十六キロリットルで、九・一%、一割近い伸びということになっているのですが、大幅な増加の原因を一体どう見るかということです。地元でもいろいろな立場によっていろいろ言われているのですけれども、これは十分検討しなきやならない問題だと思うのですが、通産省ではどういうふうにお考えですか。
○政府委員(児玉清隆君) 現在いろいろその原因等についても勉強いたしておりますけれども、一つはやはり価格体系の点で相対的に灯油がほかの暖房用の燃料に比べまして非常に安いということによりまして灯油需要というものが大幅に伸びておると、このように考えております。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっとここにそういう資料がありますが、北海道において灯油の小売価格が安いと。この理由としては、一世帯当たりの消費量がやっぱり非常に大きいということなんですね。
○藤原房雄君 安い高いじゃないんです。消費量がふえたんです。
○国務大臣(江崎真澄君) これはまあそうでしょう。灯油そのものがやはり暖房用としては非常に低価格、安定をしておるということ、そういうことが勢い消費量がもう非常な増高を示しておると、こういうことだと思います。
○藤原房雄君 その立場立場によっていろいろなことが言われておりますので、十分ひとつ検討していただきたいと思います。 今年の二月の上旬に札幌で北方圏ジャーナリスト会議というのが開かれたのですけれども、ここで各国の特派員の方々の指摘した点は、暖房を保つための断熱材を含めた住宅の設備、これが非常に北海道の場合劣悪だというようなことが言われて、これはやっぱり省エネルギーという立場からも二重窓、三重窓という提案もあったようでございますが、断熱材の設備とか住宅、こういうものに対して政府もいろいろ考えているようでありますけれども、 〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕 十分な公庫融資、こういうものを考えて省エネルギーに対処するということが必要ではないか。三全総からいいましてもこれは人口増というのが見込まれるということ等を考え合わせますと、これは省エネルギーの上において非常に重要なことだと思いますが、大幅な融資を検討してもらいたい。
○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。 現在エネルギーの使用合理化法案を御審議をお願いしているところでございまして、その法律のあれとともに、特に建築物の断熱材の利用高度化というような面、その他も含めまして金融面それから税制面の助成等について関係各省一体となりまして実現に努めてまいりたいと、このように考えております。
○国務大臣(渡海元三郎君) 住宅の省エネルギーは、建設省としましても重点事項に取り上げまして鋭意研究をしております。 ただいま御指摘のございました住宅金融公庫の貸し付けでございますが、五十三年度からは改良住宅に対しまして割り増し貸し付けも実施し、五十四年度からは新築に対しましてもこれを実施いたしたいと、このように考えております。 また、建設省が持っております総合技術室のプロジェクトにおきましても、省エネルギーの住宅の開発システムを重点事項といたしまして五十一年度から五カ年計画で鋭意その開発に努めておるところでございまして、ただいま資源庁から言われましたエネルギーの使用に対する合理化の法案が通りましたら、これに基づきまして積極的に取り組んでまいりたいと、かように考えております。
○藤原房雄君 今日まで北海道価格という言葉があるのですけれども、これは主に灯油、プロパン、自動車、こういうことでいろいろ論議されておるのですが、これらに対しての実態と政府のとってきた対策についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。 御指摘のプロパンガスと灯油でございますが、プロパンガスにつきましてはモニター調査を現在実施しておりまして、北海道のLPガスの小売価格につきまして本州と小売価格につきまして依然格差が存在しておりまして、たとえて申しますと、十キログラム当たりの小売価格につきまして、消費者モニター調査によりますと、五十四年ことしの二月でございますが、北海道が千八百九十六円、それに対しまして全国平均は千六百五十円ということで二百四十六円の格差が現在も存在しておるということを承知いたしております。これにつきましてはLPガスの元売仕切り価格が北海道向けと本州向けと同じでございますので、これについては何らか特殊な事情があるということでその問題を解明したいということでございまして、現在北海道庁が中心になりまして、北海道のプロパンガス問題協議会という場を持って鋭意検討中でございます。さらに、販売の量が少量である、あるいは配送距離が長いという一般的な原因も考えられますので、これらの問題の解決のためにも中小企業の近代化促進法の改善等に待って実現を図りたいと、このように考えております。 なお、灯油につきましては、北海道におきますところの小売価格、これはモニター調査によりましても、先ほど大臣もお触れいただきましたように、店頭価格で前年同月に比しましてことしの二月で六十一円の値下がりをしております。この分につきましては逆に六百八円ということで、全国平均価格の六百三十二円に比べますと割り安というような事情にございます。プロパンと灯油につきまして若干様相が違っておりますけれども、問題は御指摘のようにプロパンガスの点について今後も考えていかなければいけないだろうと、このように考えております。
○藤原房雄君 道内でも価格差がいろいろあるようで、行政指導によって離島、僻地、こういう格差をぜひひとつなくしていただきたいものだと思います。 いろいろ問題がありますが、時間がございませんので次にいきますが、いまお話がございましたように物価には輸送コストも大きな影響を持っているということがあったわけですが、私は航空貨物という問題について具体的にお話聞きしたいと思うのですが、これは運輸省になると思いますが、航空貨物とはどういう貨物なのか、どういう業者が扱うことができるか、これらの業者は運輸省の認可事業かどうか、業務システムはどういうふうになっているか、御説明いただきたい。
○政府委員(松本操君) お答え申し上げます。 航空貨物の輸送に当たりましては、航空貨物を航空機によって貨物を輸送する、法体系としては航空法の中にこれがとらえられております。 貨物が荷主から荷受け人に届きます間に幾つかの過程を置くわけでございますが、基本になりますのは、荷主とそれから航空会社の間の契約がございます。航空会社は直接間接を問わず荷主との契約で運賃を収受いたしまして、A地点からB地点へ貨物を運ぶ。それに当たりまして二つ関連してまいりまして、直接荷主が契約を結びませんで契約の代行を頼む場合がございます。これが航空運送の代理店業務でございまして、これは荷主にかわって航空会社との間に運送契約を結びまして、その代行いたしました業務に関する手数料というものを別途収受するという形になるわけでございます。そのほかに利用航空運送事業という形がございます。この利用航空運送事業といいますものは、個々の荷主から別々に荷物を集荷いたしまして、それを混載貨物という形に取りまとめます。取りまとめました貨物を自分のみずからの荷物であるというふうにいたしまして、そういう形で航空会社との間に運送契約を締結する。その場合には航空運賃が割引になりますので、その割引になった点がこの利用航空運送事業者の利益となると同時に、荷主に対しましても直接に航空運送を契約いたしますよりもそういった混載契約の場合には多少運賃が安くなる、こういう三つの方法によって運送が行われておるわけでございまして、監督権限は、航空貨物の輸送でございますので、運輸省航空局及び関連の部局において所管すると、こういうことになっております。
○藤原房雄君 定期航空事業者と利用航空運送事業者、これはどういうように仕事の上で違うのかということをもう一回ひとつきちっとお話しください。 それから具体的にどういう会社がまた現在何社こういう仕事をしておるかということも明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(松本操君) まず利用航空運送事業でございますが、これは航空法にその定めがございまして、定義といたしましては、みずからの名において他人の荷物を航空運送する契約を結ぶ、これが利用航空運送事業でございます。 具体的にどういうことをするのかと申し上げますと、一例で申し上げますならば、これは幾つかのケースが具体的にございますので一例で申し上げますと、四十五キロ未満の荷物が幾つかあったといたします。こういうふうな荷物を利用航空運送事業者は複数の荷主から集めてまいります。それを混載という形、たとえば一つのコンテナの中に入れまして、たとえば東京、大阪と荷主はいろいろ違いますけれども、それを一つのまとまった荷物に取りまとめます。そのようにいたしますと、運賃が安くなってまいります。運賃が安くなってまいりました分を荷主に還元する意味で、通常直接的に航空会社と荷主が契約しますとキログラム当たり百十円になりますものが、まとめて混載で頼むと九十五円になると、こういう形で荷主の方は安く運べる。それから利用航空運送事業者の方はこれをまとめて運送会社と契約をするということによってまた割引運賃の適用を受ける。したがって、荷主の側も安い運賃で荷物を運ぶことができる、こうなるわけでございまして……
○藤原房雄君 いま運賃のことを聞いているのじゃない……。
○政府委員(松本操君) 現在この運送事業者が幾つあるかという点は、数字をいますぐ調べて御返事申し上げますが、このような免許を持っております者は、国内だけに従事する者と国際線に従事する者と合わせて、ちょっと記憶が定かでございませんが、十数社あるように記憶をいたしております。
○藤原房雄君 たとえばどういう会社か、われわれわかりやすい形でひとつ御説明いただきたいと思うのですけれども。 それから航空貨物は近年非常にふえているようですけれども、五十年から五十二年までの数量と金額、それから利用航空運送事業者別に、これはお願いもしてあったんですけれども、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(松本操君) まず数の方でございますが、私が十数社と申し上げましたのは大変な勘違いで、三十数社でございます。 それから具体的にどういうところがあるかと申しますと、日通でございますとか、近鉄航空でありますとか、そういった名前で、非常に数が多うございますが、取り扱い業者としてはわりあいにトラックと一緒になったような形でやっております。 それから日航、全日空、東亜を入れまして最近の国内航空の輸送量でございますけれども、五十年度に十六万五千トン程度でございましたものが、五十二年度には二十万三千トンまでふえております。したがって、航空企業の貨物による収入は、五十年度に百五十億八千万円程度でございましたものが、五十二年度には百七十三億六千万という程度まで増加をいたしております。
○藤原房雄君 利用航空運送業者別には出ませんか。
○政府委員(松本操君) ちょっと申しわけございませんが、個々の利用航空運送事業者についての分は資料をいま持ち合わせておりません。
○藤原房雄君 これはもう前から資料をちゃんと言ってあるんですよ。それから混載するから安くなる安くなるって聞きもしないことを一生懸命宣伝しているけれども、質問したことに答えてくださいよ。 それで、航空貨物運賃はどういう基準で計算されるのですか。
○政府委員(松本操君) 航空貨物運賃は、距離別、重量別によって決められております。これは航空法の百五条の運賃の認可の手続によっております。
○藤原房雄君 百五条を踏まえて約款でこれは定められているんでしょう。
○政府委員(松本操君) これは運輸大臣の認可運賃でございます。
○藤原房雄君 たとえば釧路から仙台まで貨物を運ぶという場合には、どういう中継をして、そしてまたその料金体系はどういうふうになりますか。中継はどういうふうになって、どういうふうに運賃を計算するか。
○政府委員(松本操君) 御質問の釧路-仙台の場合には、釧路-千歳、千歳-仙台、それぞれの運賃の合算になると思います。
○藤原房雄君 局長、たとえば釧路の場合は羽田へ行くんですよ。 航空貨物として受付して航空貨物としての料金を払っていながら、経路の変更等があって航空機を使用しなかったというようなときには、料金は一体どうなるか、これは約款上どういうふうになっているか。
○政府委員(松本操君) 航空貨物として収受したものは当然航空貨物として運ばるべきでございますが、欠航あるいは積み損ないというふうなことで航空機に載せられなかった場合に、普通、特約をもちましてそういったような場合にも必ず荷物は届けますということにはなっておりますが、運賃については現在の約款では必ずしも明確でございません。その点は多少の問題があろうかと思います。
○藤原房雄君 特殊なことがあった場合ということですね。まあこんなことはめったにないわけです。 利用航空運送事業者がこういう約款に違反して、飛行機で運ばなければならないものを飛行機で運ばなかったというこういうことがあったときには、どういうことになりますか。
○政府委員(松本操君) もちろん、運送契約を結んでおるわけでございますから、目的のところへきちっと運ぶべきでございますが、その場合、責任上の問題といたしましては航空貨物として運ぶという責任であります。運賃の方につきましては、航空で運びました部分と航空以外の手段で運びました部分とに分けまして、それぞれについての運賃を収受するというのが適当であろうと思います。ただ、その場合に差額が一体どういう形になるかという点でございますが、実は自動車の運賃体系というのはかなり複雑でございますので、実際問題としては、きちっとそこを詰めまして、こういう輸送手段で運んだのでこうなりますということを荷主との間で話をつけて、よけい取ったものについては返す、足らないものは取らないというふうにすべきであろうかと思いますが、現実にはそこら辺のところが多少乱れておるというふうに考えております。
○藤原房雄君 乱れておるからそういうことがあっても別に法上は何もないということですか。
○政府委員(松本操君) 放置しておいてよいというふうな趣旨ではございませんので、現実に多少乱れておるということを私ども最近承知をしたわけでございますが、この点については、先ほどお答え申し上げましたような趣旨も踏まえて、何せ約款が非常に古いということもございますので、それの訂正なり、あるいはそれに至るまでの間の積極的な行政指導なりというふうなことで、現実に航空輸送というものがもっと活用されるように、それと同時に、荷主のいささかも不便あるいは不利益になることがないようにという方向で指導してまいりたい、こう思っております。
○藤原房雄君 なぜ私がこういうことを尋ねるかというと、航空運送事業に大きな疑念を持っておるんですけれども、それは、利用航空運送事業会社が航空貨物として受け付けて、その分の運賃を取っておりながら実はトラックで陸送しているという、これは非常に多い。そしてまた多額の収益を上げているという疑惑があるんです。こういうことについて、今日まで運輸省にもいろいろ資料要求いたしましたが、運輸省に確認するように提供してある資料がございますけれども、この資料によって、航空貨物として航空運賃を取っていながら実はトラックで陸送した、こういう実例について原票をお渡ししたんですけれども、ちょっと調査した結果を報告していただきたいと思います。
○政府委員(松本操君) 御指摘のように、航空輸送ということで契約をしておきながら航空輸送をしなかったというふうな点で御指摘を受けました十八例について逐一調査をしたわけでございますが、その中で、 〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕 十八例中、予定どおりすべてを航空輸送したものが五例でございます。それから一部地上輸送したもの、たとえて申し上げますと、福岡から花巻に運ぶというふうなものを、福岡-羽田間を航空輸送し、羽田-花巻間はトラックによったもの、このたぐいのものが十件でございます。それから理由についてはまだ的確に把握しておりませんが、全区間を飛行機によらずトラック輸送によったものが三件、こういうことになっております。
○藤原房雄君 航空運賃を取っていながらトラック便を利用しているというこういう事実はお認めになるわけですね。
○政府委員(松本操君) 航空輸送ということで契約をし、航空輸送としての運賃を収受しておいて、いま御報告申し上げましたように、その何がしかがすべて航空にはよっていなかったという事実は、確かに御指摘のとおりでございます。
○藤原房雄君 公正取引委員会にちょっとお尋ねしますが、航空会社のパンフレットは、早く、確実、破損もなく空輸と、こういうことでアピールしているわけです。一般国民は、航空貨物というと、全部飛行機で安全に早く着くものという、こういうイメージがあるわけですよね。ところが、実際は、航空貨物運賃を取っておりながら陸送をしておる。理由はいろいろあるんです。私も承知はいたしております。早く着くとか差額がどうとかということももちろんあるのですけれども、こういうパンフレットや一般概念からいきまして、これは非常に問題だと思うのですけれども、公正取引委員会の見解はどうですか。
○政府委員(橋口收君) 航空輸送で運送するということを明らかに表示をしておいて、実際には陸送で輸送すると、それで運賃差額について業者の利益になると、こういう形は決して好ましいことであるとは思いません。先生の御質問に関連しまして私も一そういう事実を承知いたしましてびっくりしたわけでございますが、私自身も航空輸送を活用したことがございますが、あるいは陸送されておったのではないかというような疑念を持つわけでございまして、そういう。パンフレットとかあるいは宣伝文言におきまして空輸であるということを明示しながら陸送するということは、これは明らかに不当表示に該当するというふうに考えます。
○藤原房雄君 約款が非常に古いというお話ですが、確かに現在こういう多様化する中で合わなくなった、これはぜひ改善しなければならぬですけれども、それを悪用して、早く着くからいいのだとか差額がどうだとか、そんな不当利益を得るようなことでは、これはもう国民をだますものであり、特に北海道とか東北とか僻地、九州、こういう方々の運送費、これがみんな諸雑費として諸物価高騰の因になるわけです。先ほど北海道価格のことを申し上げましたが、こういうものが積もり積もって大きな犠牲を強いるというこういうことになるので、これはもう絶対軽視できない問題だと思います。まあいろいろな試算があるかと思いますけれども、羽田で一日六十トン貨物が運ばれておるというようなことをいろいろ計算いたしますと、また、先ほどの報告の中で百七十億、その一割と見ましても十七億、十数億というものがこういう金額になるのじゃないかというような私ども計算をいたしているわけですが、いずれにしましても、事実は事実としまして徹底的に調査をいたしまして、こういう時に合わないものであるならばそれを改善する、こういう行政指導とともに改善をしっかりやってもらいたいと思いますが、どうですか、大臣。
○国務大臣(森山欽司君) 航空運送受託貨物について何らかの理由によって航空による運送ができない場合、他の運送機関による振替輸送を行うことはやむを得ない面もあると考えられますが、その際の責任関係あるいは運賃の収受等の問題は、関係法令及び商慣習に照らして適切なものでなければならないことは当然であります。今後ともさらに実態をよく調べた上、利用者に不利益となることのないように関係業界を厳正に指導してまいりたいと思います。 なお、一般にわが国経済の発展に対応して、物的流通の高度化に伴い、航空機を利用した高速貨物輸送に対する荷主の要請が高まっていることは御高承のとおりでありますので、今後地上輸送手段をも含めたいわゆる複合一貫輸送体系の確立など、総合的な物流体系の中での航空貨物輸送の適切な位置づけについて検討を進めてまいりたいという所存であります。
○藤原房雄君 実力大臣がそんなのを読んでいるようじゃだめなんで、事実は事実ではっきりしたんだから、きちっと行政指導し、そしてまた約款等、時代おくれのものについてはきちっとすると、はっきり言ったらどうですか。
○国務大臣(森山欽司君) そのとおりであります。
○藤原房雄君 次に、国土総合開発についてお尋ねしたいのでありますが、国土総合開発について資源開発と地域住民の生活向上の観点から、東北、北海道のことについてお尋ねしたいと思いますが、初めに北海道開発法の今日までの役割りについてどう評価するか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中野四郎君) 北海道東北開発公庫法に基づいて設立されました北海道東北開発公庫は、産業の振興開発のために資金供給を通じて本地方の開発促進に多大な貢献をしておるものと考えております。
○藤原房雄君 北海道開発法全般について申し上げたんで、北東公庫のことだけ言っているのじゃないんで、総括的な話をしているんですよ。大臣様だから、そんな個々の小さいことを聞いておるわけじゃないんですよ。
○国務大臣(澁谷直藏君) 北海道開発法は、戦後のわが国の困難な社会経済情勢の中で、北海道の豊富な資源を国民経済の復興に役立てようという観点から、国土総合開発法とは別個に制定されたものでございます。このような体制のもとにこれまで四つの開発計画が実施され、北海道の国土環境は著しく改善され、将来への可能性を一段と高めるまでに至りました。たとえば篠津原野、根釧原野、の大規模な農業開発、苫小牧臨海工業地帯の開発など、わが国の地域開発においても画期的な総合開発事業を実施し、国土開発への新しい方式、手法を生み出してまいりました。このような実績から見ると、北海道開発法は北海道の開発及び国土開発の上に十分その機能を果たしてきたと考えております。
○藤原房雄君 戦後、北海道の資源開発を中心に、開発は道路、港湾などの開発基盤の整備に重点を置いて進められてきたわけですけれども、地場産業の育成ということに関しましては北海道開発法というのはどのように機能したか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、開発法の仕事は、確かに社会基盤の整備といったようないわゆるハードの面における点に重点を置いてやってまいりました。そして、産業の開発という面においてはいささか不十分な点があったわけでございまして、そのような観点から現在の北東公庫法というものも制定されたわけでございますが、今後はそういった面により重点を置いて対処していくべきものだと考えております。
○藤原房雄君 地域住民の教育、文化を含む福祉の問題、あるいは住民意思の反映という点から、この北海道開発法というのはどういうふうに受けとめればよいか、問題はないかどうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 今後の進め方としては、御指摘のように、社会福祉あるいは教育、文化、こういったものに重点を置いていくべきだと基本的には考えております。今度つくられました新しい北海道開発総合計画では、まさにそういったような構想で計画がつくられておるわけでございます。 なお、地元の意向の反映という点では、北海道庁の意見を総理大臣に出していただいて、それを十分に私どもは取り入れて総合計画をつくり実施の面に反映しておると、こういうことでございます。
○藤原房雄君 運用面ではいろいろ工夫しているということなんですけれども、道路、港湾、河川、農業基盤、漁港などの産業基盤の整備が一段落したところで北海道開発庁を統廃合すべきではないかというこういう意見もあるのですけれども、こういうことについては開発庁としてはどう考えておりますか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほど来からお答えいたしておりますように、北海道開発の仕事は確かに軌道に乗ってきたと、こう言って差し支えないと思います。しかし、御承知のように、新しい北海道総合開発計画というものはようやく実施に入ったばかりでございまして、これを完成するまでにはまだまだたくさんの仕事が残されておるわけでございまして、こういう段階において北海道開発庁というこの役所の機能はますますその重要性を増してきておる。そういう点で、現在の段階でこれを統廃合すべきだという意見には私は賛成いたしかねます。
○藤原房雄君 開発法の目的であります一条の資源開発、また二条の国民経済の復興については、戦後約三十年の今日で目的を達成したと考えますが、今後の北海道開発についてどう考えているか、お伺いしたい。 さらに、北海道開発局は、業務執行のため多数の非常勤職員を雇用しておるようですけれども、今後の対策はどうですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 河川、港湾、道路、そういったものの基盤的な仕事は、ただいまもお答えいたしましたように、軌道乗ってまいっております。今後の北海道開発としては、こういった基盤整備の上に立って北海道の土地に適合するような地場産業というものの育成、こういったものに重点を指向していく段階に来ておると、このように私は考えております。 なお、北海道開発局がいわゆる非常勤職員をたくさん抱えておるという御指摘はまさにそのとおりでございますが、これは北海道のああいう特殊な気候というものの背景から生まれてきたわけでございますけれども、このこと自体は決して望ましいことではございませんので、できるだけこれを直営方式から請負に切りかえるというような工夫をいたしまして、漸次非常勤の職員の数は減少さしていきたいと、このように考えております。
○藤原房雄君 非常に重大な問題ですからこれは慎重な取り運びが必要だろうと思いますが、以上、いろいろなことを申し述べてまいりましたが、いずれにしましても、北海道開発法を、今日及び将来のわが国の進むべき道、また北海道民の生活、文化、福祉の向上を目指す、こういうことで、二十五年にできたときの当時の法の目的から大きく変わっているわけで、こういうことから北海道開発法というものは改正すべきではないかと、こういうように思うのですけれども、これは検討する気持ちはございますか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、現行の北海道開発法は昭和二十五年に制定された法律でございますから、その後日本全体においてもまた北海道においても社会経済全般において大きな変化が行われてきたというのはもう何人も認めざるを得ません。そういう点から考えますると、昭和二十五年に制定された開発法がそのままでいいのかどうかという点につきましては、今後の展望もあわせて考えた場合に、私は諸般の情勢を踏まえて総合的な立場からこれの改正について十分検討を要する段階に来ておると、このように考えております。
○藤原房雄君 改正の方向で検討するということですね。
○国務大臣(澁谷直藏君) 方向としては改正という方向でございますが、いま直ちにということにはまいりませんけれども、私はやはり諸般の総合的な情勢を踏まえて十分に検討を要する段階に来ておると、このように考えております。
○藤原房雄君 次は国土庁にお伺いしますが、過日閣議で決定いたしました五つのブロックの開発促進計画、これは相当年月をかけ、またいろいろな論議を踏まえてつくられたわけでありますが、これを実効あらしめるということは大事なことだろうと思いますが、国土庁としては、この計画の推進に当たりまして、どのような手だて、そしてまたお考えでいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中野四郎君) お答えをいたします。 東北を初め北陸、中国、四国、九州の五地方の開発促進計画については、長期間にわたってそれぞれの審議会で御審議を願っていたところでありますが、その報告を得まして去る三月二十日閣議決定されたところであります。今後、政府としては、各計画で示されました開発整備の方向に従って、活力のある豊かな地方を実現するために関係省庁協力して極力配意してまいる所存でございます。
○藤原房雄君 これはいろいろ決定もなされているわけでありますが、とにかく絵にかいたもちではなくして、実現方が大事なわけですから、これは国土庁が相当力を入れてやっていただきませんとならぬと思います。 それから東北開発促進法、東北開発株式会社法、北東開発公庫法、この東北開発三法ですね、これができてから二十年たつわけですけれども、今日までそれぞれどういう成果を上げてきたか、それについて具体的に御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(中野四郎君) 東北開発促進法、北海道東北開発公庫法及び東北開発株式会社法のいわゆる東北開発三法、これは昭和三十二年に制定以来東北地方の開発に関する基本法としまして重要な役割りを果たしてきたところであります。 東北開発促進法に基づいて昭和三十三年及び三十九年には東北開発促進計画が策定されまして、本地方の開発に関する諸施策の指針が示されました。また、北海道東北開発公庫法に基づきまして設立された北海道東北開発公庫は、産業の振興開発のための資金供給を通じて本地方の開発促進に多大な貢献をいたしてまいったわけでございます。さらに東北開発株式会社法に基づく東北開発株式会社は、本地方の殖産興業に必要な直営事業及び投融資事業を行うことによって産業の振興に大きく寄与しているところであると存ずる次第であります。
○藤原房雄君 会社については今後のこともいろいろあるようでございますが、これは地域に相当根を張っておりますし、慎重な対処が必要だろうと思います。そういうことで今後、評価と今後の課題ということがいろいろ論議されるのだろうと思いますけれども、それはさておいて、北海道開発法の場合には、行政機能を持ち、予算及び実施機能を持つ、さらにその成果に対しての責任を持っておるわけですけれども、その点からすると、東北開発についてはこういう形で進められてきたということでありますが、いろいろ今日までも議論があったわけです。澁谷長官は東北出身ですからいろいろなお考えを持っていらっしゃるかと思います。また、国土庁長官としましても、東北の問題について、各ブロックもあれですが、東北にはこの三法あるわけなんでお話するわけですけれども、お考えをお伺いしたいと思うのですが、まずは澁谷長官、どうですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 日本のこれからの将来の展望を考えますると、三全総でも指摘しておりますように、これからの開発の重点は北海道、東北、こういった地域に重点を集中すべきである、こういうふうに指摘されておるのは御承知のとおりでございます。私はまさしくそのとおりであると考えておりまして、今後とも政治家としては出身である東北の開発にひとつ真剣に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(中野四郎君) 国土庁としては今後の東北開発については最善を尽くし、その所期の目的を達成するように努力をいたしたいと考えております。
○藤原房雄君 いつどこでだれがどういう努力をするのかということになると、全く雲をつかむような話ですけれども、いずれにしましても重要な今後の課題でもございます。これからまたいろいろな議論がなされるだろうと思いますけれども、ぜひひとつ御努力いただきたい。 次の課題に入りますが、環境緑化事業について二、三点お伺いしたいと思いますが、いまさら緑化事業の重要なことは私が云々するまでもないと思いますけれども、建設省に植樹等五カ年計画があるようですが、概況と実績についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林幸雄君) お答え申し上げます。 都市緑化のための植樹五カ年計画におきましては、五十二年度から五十六年度までの五カ年間に都市公園等の公共用地約一万八千ヘクタールを緑化するとともに、道路につきましては延長約四千キロメートルを緑化することとしております。なお、これらの措置によりまして植樹される高木――高い木でございますが、この本数は約千三百万本と見込んでおります。
○藤原房雄君 建設省が昨年十一月に全国的に街路樹等の緑化木に関する枯損調査を行ったようですが、データを詳しく御説明いただきたいと思います。
○政府委員(小林幸雄君) お答え申し上げます。 五十三年度について申し上げますと、高木が枯損の本数約千八百三十本、パーセンテージにいたしまして六%、中木が枯損本数二千七百八十一本、同じく六%、それから低木が二万四千三百六十本余り、これも六%程度でございまして、合計いたしまして植栽本数四十九万本余りでございますが、このうち枯損しましたものは約二万九千本弱、六%程度でございます。
○藤原房雄君 詳しくと言ったんだが、高木、中木、低木とあるんですけれども、これはデータをもらいましたからあれですけれども、枯損率は大体七、八%というところでしょう。これは植栽一年以上のものも相当枯損していると思うのですけれども、それは恐らくデータ等をとってないのかもしれません。いずれにしましてもこの枯損という問題について余りきちっとしたデータがないのが実態で、これは、建設大臣、ひとつしっかりやってもらいたいと思うんです。この枯損に伴って植えかえのために要する費用は、一年間は業者が補償することになっています。その時点でも相当枯損する、その後も相当枯損しているという、この六%いうのはその一年過ぎたやつだ。ある学者に言わせると、一千億近い被害というか金額になるのじゃないかということも言われている。これは非常に重大な問題でして、歳出問題についてはいまいろいろな角度から検討されておるのですけれども、表面にあらわれない問題としてこれは重要視しなきやならぬと私は思うのですけれども、どうですか、建設大臣。
○政府委員(小林幸雄君) 昨年の異常渇水時に枯損の問題が非常に大きく取り上げられたわけでございます。私どもの方におきましてもいろいろ調査をし、かつ関係業界等の陳情、意見等も詳細に聴取したわけでございますが、率につきましては先ほど申し上げましたような程度でございまして、かつ実態についてこれをある程度調べてみますと、やはり土質の状況、それから木の種類、また実際に植栽した場合の適・不適等、いろいろ原因がございます。そういうことでございまして、関係の業界団体の方も当面昨年度の問題につきましては今後の問題として業者持ちということで当面これは了承をしたわけでございます。 なお、しかしながら、御指摘のとおり緑化木の選定及び生育に関する技術の向上が今後きわめて大きな問題でございますので、都市緑化対策事業調査の一環といたしまして、都市緑化技術開発調査の中でこれを財団法人日本緑化センターにこの調査を委託いたしまして、昭和五十三年度におきましては約二千八百万弱の予算でもちまして都市緑化基準案の作成を委託しておるところでございます。なお、このほかに、緑化用樹木の品質管理の基準調査等につきましても同じく財団法人日本緑化センターに委託をいたしまして調査研究を進めさせておるところでございます。今後とも十分にこの辺につきまして検討を進めまして枯損等の率を極力減らすように努めてまいりたい、かように考えております。
○藤原房雄君 緑化木の品質の問題になると、苗木育成を指導しているのは農林省で、消費者的立場にある建設省から、苗木の品質が悪いために枯損が多いという、こういうことが指摘されておるわけですが、こういう問題について農林省は一体どういうふうに考えているか、さらに緑化問題についてはどういうふうに対処する気持ちなのか、ひとつお考えを伺いたいと思うのです。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま建設省の方からお答えございましたけれども、林野庁といたしましては、緑化事業に使われます緑化木の生産につきましては鋭意関係方面並びに都道府県を指導しておりますけれども、先ほどもお話しございましたように、建設省、通産省、農林水産省の三省共管で財団法人日本緑化センターというものをつくりまして、鋭意ここあたりを中心に技術開発なり調査研究を進めております。そういう意味からも今後それぞれの緑化事業の目的に沿った苗木の生産ができるような指導を今後とも十分してまいりたいというふうに考えております。
○藤原房雄君 建設省も通産省も相当な量を使うわけですけれども、ここでいろいろ問題になるのですが、現実建設省の出先では、農林省の造林的な発想で育成された苗木は使えないというこういうことを言われているんですね。多くの苗木生産農家は、減反のためにいろいろ植えている方がおるのですけれども、苗木を育成したが売れなくて、田畑が林になってしまったなんというそういうところもあるのですが、苗木生産者側の農林省と、使用する側の建設省、通産省、これはお互いに連携をとり合っていかなきゃならぬ。さっきも申し上げたように、道路がどんどん建設される、それに伴って緑化が十分に進まない、枯損した率が高くなるということは国家的に大変なことでして、やはり土壌とか品質とか、その土地に合ったものをきちっと研究開発していくということが必要じゃないかと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全く私はそのとおりだと思います。やはり木というのは天然自然の条件に合ったところに生えるわけですから、南の方から北海道に持っていったらいいとは限らない。したがって、木の種類、いろいろそういうことも検討することが必要だし、もう一つは、何といいますかな、業者間のなわ張りみたいなのがあるらしいんだね。そういうようなために適当な木が適当な場所へ行かないというようなこともときどき耳にしておる。したがって、そういうことのないようにきめ細かくこれから指導していきたいと、そう考えております。
○藤原房雄君 一説によると、官房長官、数百億、まあ一千億にも近いのじゃないかと言う方もいらっしゃるほど大変な問題なんです、枯損率が多いということは。道路がどんどん延びる、通産省でもどんどん植樹する、緑化に使う、こういうことから環境緑化というのは国民生活にとって重要であることは一々私が述べるまでもないと思うのですけれども、各省連携を密にして、さっき農林大臣がおっしゃったようにしっかりひとつ連携プレイをとり合ってこれを推進するようにしてもらいたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(田中六助君) 御指摘のように、緑化事業というのは非常に多様化しておりますし、したがってこの研究調査あるいは情報の収集、情報の提供というようなことを十分考えてやらなくちゃいけませんし、したがって各省庁との関係も十分連携を保たなければいけませんし、そういうことを十分考えて万遺漏なきよう努力していきたいというふうに考えます。
○藤原房雄君 水不足とか省エネルギーなんて言われてしますが、都市の緑化というのは都市の温度を二、三度下げる、また冬は上げるという、こういうことも言われております。長期的にはこういう緑化事業というのは、総体的に国土全体の推進のためにはもっと力を入れてもらいたいと思うのですが、ひとつしっかりやってください。 次に、地震のことを、もう時間がございませんではしょってやりますが、一つは地震保険についてはどうですか。
○説明員(貝塚敬次郎君) お答えいたします。 地震保険の制度の全面的見直し作業は、昨年の秋以来大蔵大臣の諮問機関である保険審議会で審議されておりまして、主たるテーマは分損の担保でございます。全損しかいま担保されておりませんので、分損を導入する方向でいま審議が進んでおります。まだ一、二細部において詰めなきゃいかぬ問題もございますが、その他分損以外でも、契約の方法をどうするかとか、それから支払い条件がいま本契約の三〇%でございますが、それを上げる問題であるとか、いろいろ総合的に審議していただきまして、ただいまの方針といいますか、行政の期待でございますが、審議会の日程を拘束するわけではございませんが、五月ころには何とか結論をいただきたいと、これは行政の期待でございますが、そういうふうに考えております。 以上でございます。
○藤原房雄君 避難地とか避難路の周辺の建物を不燃化するという防災建築事業、これは仙台市の場合は行われるようになっておるようでありますけれども、もう一歩進めて、防災都市づくりという防災モデル都市というようなことでこれは総合的にしなきゃいかぬ。このたびの宮城沖地震の教訓というものは、都市型災害、個人災害、いろいろな角度からライフライン、こういう問題等を総合的にやるべきだという、地元でも私もそう思うのですけれども、これはどうでしょう。
○委員長(町村金五君) 藤原君、時間が参りました。
○政府委員(小林幸雄君) 都市防災の問題、特に地震災害に対します防災対策の推進につきましては、御指摘のようにあらゆる角度から総合的な観点からこれを進めなきゃならぬというふうに私どもも考えておるところでございます。特に仙台につきましては、国土庁等の関係省庁とも緊密な連携をとりながらモデル的な防災都市というふうな形になりますように進めてまいりたい。建設省といたしましては、五十四年度におきまして防災建築事業計画作成費補助を新たに対象に加えまして進めてまいりたいと考えます。
○藤原房雄君 さっき私言ったんだけれども、それをもう一歩進めて、町全体の防災……。
○政府委員(小林幸雄君) その辺の問題につきましても、計画の作成とあわせまして十分に指導してまいりたいというように考えております。
○藤原房雄君 時間がありませんから、最後に、多くの教訓をここから学び取らにゃならぬと思いますが、建築構造とか宅地造成地の耐震基準とか、こういうことについての基準等についての検討、またこれを生かして改正をする、こういうことについて建設省としてはお考えになっていらっしゃるのですか。
○政府委員(救仁郷斉君) 建築物等の耐震基準につきましては、宮城沖地震、その前の十勝沖地震等の経験にかんがみまして、建設省の中で五カ年計画でずっと検討を進めてまいりました。ようやく結論が大体出てまいりましたので、それをもとに現在耐震基準の見直しの作業をやっているところでございます。
○委員長(町村金五君) 時間がまいりました。
○藤原房雄君 いろいろ質問さしていただきましたが、時間になりましたので、以上で終わります。(拍手)
○委員長(町村金五君) 以上で藤原君の一般質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(町村金五君) 次に、小巻敏雄君の一般質疑を行います。小巻君。
○小巻敏雄君 通産大臣にお伺いをします。 電力会社、これは言うまでもなく公益事業である。だからこそ昭和四十九年に各電力会社は政治献金の中止を表明しました。特に、東電の水野社長は記者会見までして、一切の政治献金を取りやめることが公益事業としての責任を全うすることだと、ここまで言ったわけであります。まことに当然のことであります。公益事業である電力会社は、その政治活動においても中立公正の立場を企業みずからが守らなければならない、そう思うわけですが、いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 企業そのものはもとよりそういう性格があると思います。企業の内部の人々が政治活動をする、これは本人の自由であろうかというふうに思います。
○内藤功君 関連。
○委員長(町村金五君) 内藤君の関連質問を許します。内藤功君。
○内藤功君 通産大臣に関連質問でお伺いいたします。 いまの御答弁なんですが、政治的に企業が中立であるべきだというお話です。ところが、積極的に特定政党の政治活動に乗り出して、その活動を業務の一つにしているような企業の一つが実は関西電力なんですね。関電は昨年の十月三十日に出身議員約九十人を招待しましてパーティーをしました。このパーティーには会長の芦原さんがあいさつをしているんです。ここにそのテープがあるんですが、芦原会長は次のように述べている。「議員の皆さん方は常に当社事業を陰に陽にバックアップしていただき感謝する。それは当社の発展にとっても非常に大きな成果があったと確信する。今後も後継者を育成して当社出身議員をふやす必要がある。」こういうふうにこの中で述べているんです。聞かしてあげられないのが残念なんですが。さらにことしの一月八日には、出身議員新年懇談会というものを開きまして、この席でも小林社長が、皆さん方、つまり出身議員の方は政治を担当する部門――セクションですね、部門として活躍しているというふうに激励をしておるわけです。これでは、まるでいわば関電党のようなものがここにできていると言わなきゃならない。こういう実態を通産大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(江崎真澄君) どうも私は具体的にその事態を知らないものでございますから、まあ企業が、特に公益事業関係の企業が選挙活動をする、これは恐らく企業としてやっているとは思えませんですがね。
○内藤功君 会長が言っている。
○国務大臣(江崎真澄君) ですから、まあ組合の人たちがその個人の立場で立候補したり活動をしたりと、ちょうどこれは公営企業の場合も同じようなことが言えるわけじゃないかというふうに考えますが、いかがでしょう。
○内藤功君 それは実態をよく調べてもらいたいと思うのですが、会長、社長の発言ですから、これはもう企業のものであることは明らかだと思うのですね。そういう意味でいまのはちょっと納得できません。 ここに私、関電の道路占用料改定に関する動向調査書という資料を持ってきたんです。この中に、地方議会で占用料を関西電力に不利に改定する動きがあるから、対策として当社出身の在職議員は減免措置をこういう地方議会で要求せよということまでここに書かれているわけですね。指示のようなことが入っている。しかも大多数が、これは出身議員というのは特定の政党の所属議員であります。これは関電が自己の企業利益のために特定の政党の議員をあたかも手足のように動かしているということでないかと私は見るのです、実態として。大臣は、あなたの監督下にある公益事業でありますから、その最大のものでありますが、こういうことが行われていてよいと思うかどうか。さっきの組合員個人とかなんとかじゃないんですね。会長、社長の発言として行われている。こういう点、もう一遍どうお考えになるか、お伺いしたい。
○国務大臣(江崎真澄君) 実態を私自身もよく調査してみたいと思います。いま私が申し上げたのは、公共企業体などにおいても議員がずいぶん出ていますね、国鉄にしましても、どこにしても。ですから、そういう議員が同じような共通の問題に向けて歩調をそろえるということはしばしばわれわれも見聞きして経験しておるところでありますね。
○内藤功君 ちょっと違うんです。
○国務大臣(江崎真澄君) そういう性質のものなのか、またいまお示しのように、それが一体会社ぐるみの利益というふうのものであるのか、それが労働組合として労働組合推薦の議員に特に要請された動きであるのか、その辺はやはりこの要請の仕方によって微妙な判断のしどころのように思います。したがって、私もよく実態に即して調査をしてみます。
○小巻敏雄君 続いて、大臣に聞いてもらいたいと思うわけですが、関電は明らかに社の業務として政治活動をやっているんですよ。だから、その結果として一体どのようなことが起こっておるか。第一に、出身議員の会社給料ただもらいといいますかね、こういうことがある。たとえば大阪の岸和田市にはYという市会議員さんがいますが、当選後十七年間会社の仕事は何もやっていない。通常、朝会社に顔を出して出勤簿に判こを押してすぐ帰る。仕事机はない。仕事は全然ない。ところが会社はこの議員に昭和五十二年度においては四百六十四万円の給与を払っております。もちろん議員ですから歳費も四百八十七万円受け取っております。調査したところですから間違いありません。泉佐野市でも同じことがあります。Tという市議の例ですが、昭和五十二年において議員歳費は三百二十一万九千円入っておりますが、その上に関電から四百二十七万円の給料が渡されておる。関電出身の議員においては――まあわが党の議員もあって、これは例外のようでありますけれども、ほとんど他は同様であります。職場では、会社は幽霊社員に給料を払っている、こういうふうに大体言っております。これでは名目は給料だが事実上は会社が特定の政党に金を出しておるようなものではありませんか。これも公益事業の関電としてはあるまじきことであります。このような実態を大臣は御存じですか。
○政府委員(豊島格君) ただいま先生の御質問の点につきまして、関西電力から調べたところによりますと、関西電力としては就業規則によると、国会議員、知事、市町村長に就任したときは休職扱いとする。それから地方議会の議員の場合は、六カ月以上にわたって公務に専念することが明らかな場合には休職にしますが、それ以外の場合には休職扱いにしない。ただし、実際に働いておらないわけですから、その分については欠勤または有給休暇の消化ということで、実際上の給与上の取り扱いは差し引いておる。このようにわれわれは聞いております。
○小巻敏雄君 表向きと内幕、この実態についてはよくもっと内容を知ってもらいたいと思うのです。 ここで自治省にお伺いしますが、公職選挙の候補者が選挙期間中において会社から施設、社宅、寮などの提供を受けて使用する、あるいは社員の応援を賃金カットもなしに会社勤務として提供されるという場合には、公選法上は寄付その他の収入になると思いますが、いかがですか。
○政府委員(大橋茂二郎君) 公選法上の収入になるかどうかということは、かなり具体的な事実に即して判断しなければいけませんが、ただいまの場合は、いわゆる会社の職員という立場で支給するものであるとしますと、一種の会社の内部関係のものであるというふうに一般的には考えられるのではないか。ただ、さらに具体的にいきますと、実態の中に入らないと個々には判断できない問題ではないかと思います。
○小巻敏雄君 施設の提供について答えてないですね。
○政府委員(大橋茂二郎君) 施設の提供につきましても、先ほど申しましたと同じでございまして、会社の職員という立場において提供するものであれば、内部限りでの問題であろう。しかし、それ以上ということは、事実関係として一体いかなるものであるかということは、そこらあたりはもう少し実態を深く入って判断しなければ何とも言えない問題であろうと思います。
○小巻敏雄君 職員として提供すればなるということは明らかなことです。答弁もそのように受け取ればいいものだと思いますが、法務省にお伺いするわけです。私の調べたところでは神戸市、伊丹市、西宮市、尼崎市の四カ所で関電から社宅、寮などの使用供与を受けておる。便宜供与ですね。さらに社員が賃金カットもなく会社の勤務として応援に行っております。これは幾つかの資料がございますが、これはまさしく会社による便宜供与であって、したがって、法に従って報告しなければ公選法百八十九条違反になる、寄付その他の収入行為になると思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(伊藤榮樹君) いまお伺いした限りでは、どうも実態がよくわからないので何ともお答えをしかねるわけですが、その施設供与というのはどういうことだか、ちょっといまの御質問ではわかりかねるように思いました。要するに一般論として、会社に勤めている人が特定の選挙運動をするということ自体、別に公選法違反の問題は起きないんじゃないか。選挙運動なのか、労務の提供なのか、あるいは実際に会社から得ておる利益が雇用関係を外れた何か特殊なものであるのか、その辺の前提条件がきちっとしませんと、軽々に公選法違反になるとかならないとか、そういうことはちょっとお答えいたしかねます。
○小巻敏雄君 具体的に明らかになればまさに該当する、こういうことになると思うのですが、その点間違いないですね。
○政府委員(伊藤榮樹君) 具体的な事実関係が明らかになれば、公選法違反にならないかなるか、どちらかが明らかになります。
○小巻敏雄君 そして、なった場合には、当然公選法相当で寄付その他の収入として届けなければならぬわけです。当たっておる場合に届けていなければ、これはまあ処罰の対象となる、これも法のたてまえ上明らかなことでしょう。
○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまの御質疑は、若干どうも恐縮ですが、論理の飛躍があるわけでして、私が申し上げるのは、具体的事案に即して選挙運動に関する収支として報告すべきものであるのに報告がなされないということであれば公職選挙法違反になるし、そうでなければならないと、こういうことを申し上げておるわけです。
○小巻敏雄君 私の申し上げている例は、これは社宅の供与であります。もとから職員として社宅をもらっておって、さらに選挙の間だけは別のあいた社宅とかその他を提供を受けて使い、そこには会社員が賃金カットも受けないで選挙期間中応援に行くぐるみの形が出ておるわけですから、その点については事実を見ていただきたいと思うわけであります。 続いて御質問をいたしますが、大企業が不当な企業ぐるみ、この選挙について具体的な中身について聞きたい。 去る三月十九日に、これは松下電器であります。その社内で事業本部長、営業所長が出席をする経営懇談会というのが開かれたのでありますが、すなわち会社のトップ会議であります。この席上で松下幸之助さんが、大阪府知事選挙について、どうしてもKという人を当選させたい、私は今度初めて選挙の後援会長になった、メンツを立ててもらいたいと訴えておられるわけであります。周知のとおり、松下さんは会社の神様的存在でありますから、人事、給与は言わずもがな、会社に全体として大きな影響力を持つ方であります。訴えの内容はすぐさま管理職全体に伝えられた。社員に対しては、最終的には一人当たり二十票ないし三十票の票読み、これの押しつけが出てきている。下請業者に対しては、後援会入会と票読みの強要が始められております。 また、久保田鉄工でも同様なことがある。下請業者に対して、同社出身の地方議員候補への票集め強制がやられておる。企業の経済的な影響力を利用して、下請業者に対し推薦紹介名簿を送りつけるということ。同社の枚方機械製造所の担当部に集中せよと、その送りつけた文書には付記されておるのでありますから、まさにこれは会社業務であります。 こういう状況についての法務省の見解を聞きますが、公選法第二百二十一条に言う特殊な利害関係を利用して誘導行為をなす、これに該当するのではありませんか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 公選法の二百二十一条一項二号と申しますのは、なかなかむずかしい構成要件を書いておりまして、まず「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって」という要件、それから「選挙人又は選挙運動者に対し」という要件、それから第三に、いま御指摘の、会社等に対する「債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して誘導」云々と、こういう三つの構成要件を書いておるわけでございまして、何か会社の一番トップの方が号令をかけて、これに従って会社の方々あるいはその関連企業の方々が一生懸命選挙運動あるいはこれに似たような行為をされること自体特に公選法に触れるとは思いませんが、具体的な、何といいますか、会社関係者あるいは下請関係者に対してどんな利害誘導をしておられるか、それが直接利害関係を利用したものであるか、その辺をよく見きわめませんとなかなか軽々には即断できないところと思いますが、会社ぐるみの問題につきましては、以前にも問題になったことがあると思いますが、率直に言ってなかなか公選法違反になりにくい性質を持っておるということだけ申し上げておきます。
○小巻敏雄君 私の手元の方に下請業者からの手紙が寄せられておりますが、これでは切々と訴えておりますよ。 松下から私ども出入り業者へ「岸さかえ後援 会入会申込書」が来ました。そして仕事の担当 者から期日までに頼むと言われました。後援会 の入会申込書の知人、友人紹介欄に名前を記入 して提出せよというわけです。私ども松下さん に仕事のすべてを握られている下請の立場の者 にとっては、この頼みを断るなどということ は、後の仕事への影響を考えるととてもできる ものではありません。 以下るる述べておるわけでありますが、具体的には、特殊な利害関係で誘導しておることは明白であります。これらの問題について、全国至るところで出てくるから、呉の市議会では、全会一致で石川島播磨重工にかかわる企業ぐるみ選挙をやめるように申し入れておりますし、姫路でも同様な申し入れが行われております。 そこで、自治大臣に再度聞きますが、あなたは公正な選挙を保障する責任を持つ担当の大臣であります。関電、松下、久保田、これらのやり方は、憲法、公選法などの趣旨からながめて、少なくとも好ましくないと思われるのではないでしょうか。結構です、もっとおやりくださいとはとうてい言えないものじゃなかろうかと思うのですが、その点の意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 企業が企業として政治活動なり選挙活動を行うことは別に違法ではないわけであります。そこで、御指摘のような案件につきましては、企業ぐるみのいわゆる選挙活動というものは全くこれは千差万別でございます。したがって、それが法に触れるかどうかという点につきましては、まさにその具体的な事例に即して判断をしなければこれは軽々な結論は出すべきではないと考えております。もし具体的なケースで法に抵触するというような事例があれば、これは法に照らして厳正に対処すべきことは当然であります。
○小巻敏雄君 続いて文部大臣にお伺いをします。今回の共通一次テスト、これの中で特に試験問題にかかわってお伺いをしたいわけです。 日本史の問題でありますが、江戸時代に設けられた糸割符制度というものに加入をしていた五カ所商人、五カ所とはどこどこかという問題が出ておるわけです。文部大臣、これは何のことだかわかりますか。
○政府委員(佐野文一郎君) ただいまの御指摘の問題について私は答えることができません。
○小巻敏雄君 正解は、五カ所商人というのは京都、堺、長崎、江戸、大阪である。平戸だとか、こういうことを答えたら間違い、こうなっているんですが、高校の日本史の教科書を見ると、本文の中にはこの五カ所なんというのはないのですね。ただ注に出ているんです。これはぼくも調べてみましたけれども、注に地名が載っておる。制度自身は幕府が生糸輸入のために設けた制度であって、この趣旨を聞くのなら一つの意味もあるかと思いますが、枝葉末節の問題が、こういう問題が本人の学力をはかるのにいい問題だというふうに大臣は考えますか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 実は私もいまあなたから御指摘を受けて初めて知ったわけですが、やっぱり問題というものは普遍的妥当な問題でないといかぬと思いますので、今後出題については十分慎重に検討するように大学センターに私もお願いしたいと思っています。
○小巻敏雄君 こういう例が一つならいいんですけれども、たくさんあるわけなんです。まさに暗記ものになっておる。教科書の注までまる暗記してないとできない、こういうのが多いのですから、これは一つのルールのようになっておって、前大臣の永井道雄さんが国土社出版で「これからの教育を考える」という本におもしろいことを書いていますね。それによると、試験問題の作成というものはふるい分けに都合よくやるためには教科書の本文から問題を出しては皆知っておるから注から出せばよい、そのかわり注まで暗記していないような学生は合格できませんと、こういうことを書いておって、一つのこれが常識になっておるらしいんですね。高校教育を正常な方向へ持っていこうというので共通一次テストもやったのですけれども、これが受験本位の詰め込みを逆に進めるものになっているという例が非常に多いというようなことは大問題だと思うのです。高校関係者からもいろいろ危惧の声が出ております。この点については検討の上に改善を図るという点でもう一遍御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 共通一次テストの問題は、私はあくまでも基礎的普遍的な問題であって、そう何か特殊な問題を出して、それで子供を評価するというのはこれは非常に私は間違いだと思って、あくまでも子供たちの基礎的基本的な能力を見るというのが共通一次の目的でございますから、その目的に沿った出題であってほしい、こういうふうに考えておるのであります。
○小巻敏雄君 あらかじめこういうことを危惧したから、文教委員会の附帯決議でも各般にわたり、まさにこの問題にも触れておるわけですね。検討結果については国会にも報告をすることと、そしてそれに先立って高校側の意見をよく聞いて問題作成に反映をさせることと、この二点について約束できますか、文部大臣。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 国会の附帯決議はもちろん尊重します。当然また国会に報告いたしますが、報告の時期につきましては、いま終わったばかりでございますので、いましばらくお待ちいただきたいと思います。
○小巻敏雄君 それは来年に間に合うようにやってもらう必要があると思いますから、念を押しておきます。 次に、第一次試験の結果を本人に知らせるという問題なんですね。試験結果が知らされないということは受験産業に依存するということと大きな関係がある。足切りとともに関係がある。砂田文部大臣は、第一回目だけやらしてもらいたいと、その後のことはまた検討をし、再考の可能性があるというような答弁を去年やっているのですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) あなたのおっしゃるように、やっぱり試験受けたから、その結果を全部知らせろということは、これは私はなかなか大変なことだと思うし、それが果たしていいかどうかも疑問でありますので、その問題についてはいま検討さしていただきたいと思います。
○小巻敏雄君 検討するという答弁はいただいておきますが、最後に一次の入試期日についてであります。一月に行うために高校教育は大きな悪い影響を受けておる。この点について入試期日の問題、これも検討を加え、そして後の方へ持っていく方向で努力をされるのかどうか、この点をお伺いします。
○政府委員(佐野文一郎君) 共通入試の実施期日につきましては、御案内のように、当初十二月末を予定をしておりましたのを、高等学校関係者等の意見を入れまして一月の中旬にずらしたわけでございます。この期日についても高等学校の関係者からは、共通一次については二月の上旬、二次試験については三月の下旬というような形での改善ができないかという御要請があることは私も十分承知をしております。しかし、国公私を通じた入学試験のスケジュールということを考えました場合に、やはり三月二十日の二次試験の結果の発表のデッドラインというのは非常に重要な意味を持つわけでございます。それから逆算をし、さらに二月の上旬ごろにおける気象の条件等を考えますと、共通一次の実施期日、それ自体はもちろん検討課題でございますけれども、この時点で一月の中旬から二月の上旬にさらにずらすことができるかどうかについては、私はきわめて慎重に検討を要する問題ではなかろうかと考えております。
○小巻敏雄君 代々の大臣は常識的な答弁をされるのですが、どうしても実際の実務の進行者からは、これは大学側の希望、選ぶ方の都合を中心にして出されておって、問題の重要性が指摘されながら反映をされにくい、こうなっておりますから、今度の報告事項の中の一つの重大な柱であるということを確認したいと思うのですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御指摘の点は報告事項の重要な柱にいたします。
○小巻敏雄君 先天性色覚異常という問題についてまず厚生省にお伺いしたいのです。これは全国でどのくらいの人数があるのか、それからこれはどのようなものであるのか、先天性色覚異常についてお伺いをしたい。
○政府委員(田中明夫君) お答えいたします。 先天性色覚異常とは、伴性劣性遺伝という形式の遺伝性の疾患でございまして、色盲と色弱を総称して呼んでいるわけでございます。 わが国におきますその発生頻度は男で約四%、女では〇・二%前後と言われております。したがいまして、全体で約二%ということになるわけでございまして、わが国の人口にこの率を掛けますと二百数十万人の障害者がいるのではないかと推計されます。
○小巻敏雄君 これは別に病気だというわけじゃない、軽いものは日常生活にも差し支えない。これが色覚異常という名のもとに大学の受験資格さえも奪われているというような例があります。国立大学であります。文部省は実態をつかんでおりますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 色覚異常者の場合について、全大学の実態を十分には把握をいたしておりませんけれども、教員養成学部なりあるいは理工系の学部の一部の学科におきまして、専攻との関係で履修上色覚が非常に大事である、そういうことから募集要項で色覚異常者の入学について、これは記載の態様は必ずしも一様ではございませんけれども、一部制限をするような記載をしている大学があることは事実でございます。
○小巻敏雄君 それに対して文部省ではどういう考え方を持っていますか。
○政府委員(佐野文一郎君) そういう記載をしている大学について、実際に入試の実態を聞いているわけでございますが、実際には色覚異常者がこれらの学科等に志願した場合でも受験を拒否するということはない。大学で色覚を再検査した上で、学力検査の結果等も考えて、総合判定をしていく、そういう構えではいるわけでございます。
○小巻敏雄君 これは大学によって幾つか差がありますけれども、東北大学のように入るときには区別をしないところ、あるいは門前払いをかますところ、東京学芸大、群馬、千葉、三重、こういうところは非常に厳しい態度をとっておりますが、ぜひともよく調べて機会をふやすように、これらの一面的なものは是正するように御指導いただきたいと思うのですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 私もあなたの趣旨はよくわかるのですけれども、たとえば色覚異常者が先生になった場合、図画なんかかけないんですよ、色を間違うから。ですから、私はその職にもよると思うのです。ですから教員養成学部あたりは私は無理だと思うので、その他適当なところがあればふやすことに私も賛成でございます。
○小巻敏雄君 ことしの大学入学者選抜実施要項の障害者についても触れているでしょう。どう書いていますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 身体に障害のある入学志願者の取り扱いにつきましては、従来から御指摘の大学入学者選抜実施要項等におきまして、できるだけ受験の機会を確保するように各大学を指導しているところでございます。
○小巻敏雄君 この領域でその点をよく見直してもらう必要があると思うのです。戦前から一律一様に、いわば偏見に満ちたものがそのまま残っておるというような要素が多いのです。何も学校だって中学校であれば学科担任制ですからね。それを一様に禁止する必要なんか毛頭ない。それもやっているところがある。知らないというのはおかしいと思うわけであります。その点については前向きの方向で指導されるのかどうか、さらにお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、色覚異常ということで大学入学について安易に道を閉ざすというのは適切でないと思います。やはり異常の程度、それからその学生がどういう専攻を選んでいるのか、それとの関連等について科学的な検証に基づいて慎重に判定をする必要がある事柄でございますし、そういう配慮の上に立って、大学が可能な限り障害のある者もその道を選ばせて受け入れるように、私の方は積極的に指導をしてまいりたいと考えております。
○小巻敏雄君 十分積極的指導をお願いしたいと思うのですが、この制限は進学でなくて就職の場合にもあるわけです。教員採用に当たって一切締め出しているというようなところがあります。実態つかんでいますか。
○政府委員(諸澤正道君) 各県の教員採用に当たっては、御承知のように、採用試験をやりまして学科試験に通った者について身体検査をやるという手順を踏んでおりますが、教員の募集要項の中にはっきりと特定の教科の担任をする教員については、色覚異常者は採用されないことがありますよというふうに断っておる県もありますし、ただ身体検査もやってその上で採用するかしないかを決めますというふうな書き方のところもございますが、私どもが承知しておる限りでは、いずれにしましても身体検査をいたしまして、色覚異常者についてもその異常の程度、態様といったようなものをよく見きわめて、たとえば化学の担任であるとか美術の担任であるということになりますと、これは先ほど大臣もお話のようなこともございますので、一般的に採用できないと思いますが、そうでない他の分野における教育を担当する場合には、これはその色覚異常を理由として採用をしないというようなことはないように聞いております。
○小巻敏雄君 もしあればこれは是正させるように指導するということですね。
○政府委員(諸澤正道君) 御指摘のような事例がございましたならば、私の方といたしましてもよく調査をいたしまして適切な指導をいたしたいと思います。
○小巻敏雄君 続いて乳幼児対策、障害児問題について厚生大臣にお伺いをしたいわけです。 ことしは国際児童年に当たってわが国の乳幼児、母親に対する福祉政策ば飛躍的な強化が望まれるわけですが、どういう施策を考えておられますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ことし国際児童年に当たりまして、厚生省としては児童年特別対策として、特に心身障害児対策と母子保健対策を中心にして施策を組み立てております。新しい事業といたしましては心身障害の発生予防対策の推進のためにクレチン症検査、これは甲状腺の機能障害を判定するものでございますが、このクレチン症検査を実施いたしまして甲状腺機能障害からくる精神薄弱等の発生防止を図ることを一つ目標に置いております。同時に分娩周産期の母子保健医療を強化するために、母子保健対策の中核としての総合母子保健センターを整備することといたしております。これは従来から実施してきたものの延長線でありますけれども、妊産婦、乳幼児の健康診査、一歳六カ月児健康診査、先天性代謝異常検査あるいは小児慢性特定疾患治療研究対策等につきまして、それぞれ大幅に拡充をいたしております。
○小巻敏雄君 先天障害その他については学術進歩の成果を反映されるので貴重なことだと思うのですが、私はこの年を特に母子保健の画期的な年にするために乳幼児健診において健診漏れをなくするということを徹底的にやっていただきたいと思うわけです。特に心身障害児の早期発見、治療軽減のためには全員漏れなくやるということが大きなかぎになると考えるわけですが、その点どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう御説のとおり、妊産婦及び乳幼児の健康保持増進のために、専門医師による定期的な健康診査というものの必要性は幾ら強調しても強調し過ぎることはありません。私どもとして現在行っております妊産婦、乳幼児の健康診査、一歳六カ月児の健康診査また三歳児の健診等につきましてまだ必ずしも全員漏れなくという実施体制までに到達しておらないということは非常に残念でありまして、これからも私どもは完全実施に努めてまいりたいと考えております。なお、医師とか保健婦等によります保健指導、保健相談、また家庭訪問指導等についても現在行われておりますし、また母子保健推進員の活動とかその他の活動によりましての母子保健そのものの知識の啓蒙、普及というものにも私どもは努めてまいり、その中においての全員の受診体制というものの確立に努めていきたい、そのように考えております。
○小巻敏雄君 大臣はいい答弁をされるわけですが、現状はなかなか問題が多いと思うのです。行政管理庁の行政監察の結果、昨年六月の勧告があるわけですが、その内容についてひとつ行管庁の方から説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(佐倉尚君) ただいまのお話の心身障害児の教育及び保護育成に関する監察では心身障害児の早期発見、それから療育指導体制等について勧告をしたわけでございます。私どもが部分的ではございますけれども保健所を中心にして調べたところ、乳幼児健康診査の実施状況は地域によってかなり格差がある。それから保健所あるいは児童相談所等の療育指導状況を見ると、関係機関の連絡協議体制、これがやはりもっとやった方がいいのじゃないかというような状況が見られました。そこで当庁としましては、厚生省に対しましてただいま申し上げましたような点について効果的な方策を検討するように勧告申し上げたわけでございます。
○小巻敏雄君 よくやっているところと漏らしているところというのはパーセントで言えばどんなものになっているのでしょうか。
○政府委員(佐倉尚君) 私どもの調査は全国を全部調査したわけではございませんので、事例的に調査したわけでございますけれども、ただいまお話のありました三歳児健康診査の受診率で申し上げますと、全国平均は大体七七%という数字が出ております。それから最高は九四%で、低い方では約三〇%といったような数字が出ております。
○小巻敏雄君 三歳児健診というのは法定化されているのですが、何を目的に法定化したわけですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもとしては、ちょうど幼児の心身の発達の面からいって最も重要な時期であるというところへ着目した三歳児健診、同時に幼児の心身の発育の基礎がちょうどでき上がる、同時に先天性の障害等の発見に一番タイミング的にも合わせる一歳六カ月児の健康診査というものを行っておるわけであります。
○小巻敏雄君 その肝心の節になるところで、いま言われたようにかなりの落ちこぼれがあるわけであります。これが最終的には猶予、免除を残したり、障害児の義務制化に対しても、重度の子を生み出しておる原因になっていると思うわけであります。漏れなく、そしてさらに回数をふやしてやるということが必要だと思うのですけれども、そういう決意と努力を大臣はお持ちですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いま行管の方からも御返事がございましたが、ようやく五十三年度には一歳半健康診査につきましては約七五%まで、三歳健康診査につきましては、五十二年度の実施状況でありますけれども、七八・七%まで伸びてきたところでありまして、これからも一層そういう方向に努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○小巻敏雄君 回数の問題に加えて健診の質の問題があると思うのですが、厚生省研究班の平山報告書というのを見ますと、脳性麻痺の早期発見、早期療育について、またボイタ法による診察等、いろいろ興味ある内容があるのですが、その内容を説明してもらいたいと思います。
○政府委員(竹内嘉巳君) お答えいたします。 脳性麻痺についての、いわゆる平山報告書は昭和五十二年度に行われましたもので厚生省の心身障害研究のうちの「脳性まひの早期発見、早期療育に関する研究、3ケ月検診におけるスクリーニング法を中心として」という表題のものでございます。この報告書は、脳性麻痺など発達障害を来す疾患のスクリーニングが容易にできるようにという、その方法を探るということのために基礎調査を行い、その結果を報告したものでございます。ただ、まだ予備調査の段階でございまして、私どもは五十二年度だけでなく、五十三年度、そしてこの五十四年度にも引き続きこの調査を進めることにいたしておりますので、五十四年度の調査結果を待ってその成果を十分行政の中に取り入れてまいりたい、かように考えているわけであります。
○小巻敏雄君 これを見ますと、今日の学術進歩であれば非常に幼いときから、以前は発見できなかった障害を発見することができる。そのためにはここではボイタの方法というのを取り上げておられますけれども、さまざまな成果を行政が取り込まなければならぬというようなことを書いておるわけであります。現代科学と技術の成果の行政に取り入れられるべきことは、行管庁の勧告も指摘をしておったと思います。この点について努力をされるのかどうか、どういう考えを持っておられるのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 基本的に、医学医術の進歩というものを行政に取り込んでいく努力を私どもはしていくことは当然のことであろうと思います。ただ、たまたまいまボイタ法の導入について興味をお持ちのような御発言があったので、一つの例としてこれを申し上げますと、ボイタ法自身が早期診断また治療方法として、現在も重症心身障害児施設等におきまして一部試みにリハビリテーションの一療法として取り入れられているのは御承知のとおりであります。ただ同時に、相当効果のある療法であるというお話も私ども伺っておりますけれども、同時に、学問的にまだ確立した療法というところまで来ていないというようなお話も伺っておるわけでありまして、私どもとしてはこういうものの有効性について、さらにやはり専門の学者の方々の研究成果というものを十分検討させていただいた上で、これはもう必要なものはどしどしと採用してまいりたい、そのように考えております。
○小巻敏雄君 確かに全国各地の行政の取り組みを見ればかなりの水準差があるわけですね。この中で私は滋賀県の大津市の取り組みについて触れ、調査もして、行って中身を知ることができたんですが、ここでは乳児健診を全員対象に一〇〇%達成をするというところから成果を上げて、障害児の義務化のことしを前にして、就学免除のゼロというのはもう数年前から達成をしておるというような状況があります。これはどうしてつくられたのか、全国からも行って調査研究にやってくる方もあって、そういう対象にもなっているようです。大津市の一九七四年方式というようなものを大津市の行政が積極的に取り上げた。第一に全出生児の登録というのをやりまして、そしてこれに赤ちゃん手帳というのを渡して、第二にはこれに対して零歳児で四回、一歳児で二回、二歳児で二回、三歳児で一回、これは健診と相談、ペーパー管理などの方法をあわせて九回にわたってコネクションを持っておるわけであります。フォローもよく行われておる。こういう状況でなし遂げられていったものだ。赤ちゃん手帳というようなものを見ましても、非常に項目も進歩しておりますしよくできたものだと思うのです。こういう点があります。さらに三番目には、そのためにチームをつくって、第一線で活躍するそのチームに対して医師、保健婦はどこでもあるわけですけれども、これを充実するとともに、心理専門職というのを配置をいたしまして、――児童相談所に来てもらうなんていうことは健診の中ではとてもできないのですから、これを定員化して配置をしてチームを編成しておる。こういう状況の中で成果を上げたわけであります。この点については、当然、福祉の第一線である各市町村が、かような取り組みが全国的に進んでいくことによって目的は遂げられるんじゃなかろうかと思うわけですが、大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) その大津市の赤ちゃん手帳という方式、これはなかなか大変よくおやりだということを私どもも聞いております。ただ現実に、小巻さんもうすでに数字も挙げられた御承知のとおりに、現在の一歳半児健診、三歳児健診もなお完全にできていない地域が現実にあるわけでありまして、私どもは、どんどんそれこそ進んだやり方を地方自治体が創意工夫の中において採用していかれるということについては大変結構なことだと存じますけれども、私どもとしては当面とにかく一歳半、三歳のこの両時期の健診についても一〇〇%受診というものを目指しての努力を進めていきたい、そのように考えております。 なお、現在の母子健康手帳におきましても、乳幼児の発育状態でありますとか健康の診査の結果等について、保護者や医師あるいは保健婦の方々等が記載できる欄を設けておりまして、必要事項としてはこの母子健康手帳の活用で一応対応できる、そのように私どもは考えております。
○小巻敏雄君 当然、漏れこぼれなく全国を一〇〇%に引き上げていくということと、水準を向上させるということは並行して行われなければならぬと私は思うわけです。その点、順番、段階論のように言われますと、これはむしろ進んだところを停滞させ、問題があろうかと思います。 そこで、その柱についてお伺いをするわけです。乳児の健診指導には従来からお医者様がついておることは、それがなければできないということになっておったわけですが、心理専門職による心理的な発達の追跡というものがいまは不可欠だということになってきておると思うのです、特に発見から療育全般にわたって。その点はどうお考えですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) お答えいたします。 現在私どもの行政の対応の中で、心理判定員が置かれておりますのは児童相談所、精神薄弱者更生相談所、身体障害者更生相談所で、児童福祉施設の一部にも指導員として心理を専攻した職員を置くというようなこともやっております。ただ、こうした機関の心理判定員を増員するということについても、私どもも努力をいたしますけれども、一面的に、先生のいま御指摘のような心理判定員というものの水準と申しますか、いわゆる身分法がまだ確立いたしておりません。またその心理判定員の能力問題につきましても、先生御指摘の主軸になる医師のいわばかなり主観的な指導と申しますか、判断も横に左右されるものですから、なかなかその心理判定員というのを一つの方式で養成をするというのが非常にむずかしいわけでございます。私どもとしては何とか、先生の最初に御指摘のように国際児童年でもございますし、こうした障害福祉面における心理判定員というものの一つの基本的な技能水準というようなものをぜひ整理をいたしまして、こういった方々の職場を確保するというだけでなくて、これからの養成というものに積極的に取り組みたいと思って、私どももいま検討さしていただいておるところでございます。
○小巻敏雄君 それは増員するという努力ということではもう一つ締まらないわけですね。これの定数化を検討されることと、これを先進的に設置をしておるところに対しては補助を行っていくというようなことは早急に行われなければならぬと思うのですが、いかがですか、その点は。
○政府委員(竹内嘉巳君) 五十四年度予算の段階でまだ実はそこまで進んでいないのはまことに遺憾でございます。ただ、私どもはいま申し上げましたように、この心理判定員を含めまして障害福祉関係のいわゆる専門職種というものの確保といいますか、確保するためにはそれなりの一つの水準なり技能のレベルというものを維持しなければならない。そういった意味で専門の方にお集まりをいただいて、いわばこうした専門職種というもののあり方論について検討しておる最中でございまして、できるだけ早い機会にこれが行政の実体として適用され、予算的にも措置されて、こういった職員の確保が進められるように積極的に進めてみたい、かように考えております。
○小巻敏雄君 さきの平山班の研究報告の中でも、保健婦にいろいろ指導を行ってその資質を向上させることが一つのかなめになるというようなことが書かれておりますし、数の問題もあります。保健婦の充実というのが、これがこの政策遂行上の一つの大きなかなめになろうかと思うわけです。第一は人数の問題であります。市町村に対する配置基準を検討中と聞いておりますが、どういう体制でいつまでにつくりますか。
○政府委員(田中明夫君) 保健婦につきましては、御案内のように、現在保健所の保健婦とそれから市町村の保健婦と両種類があるわけでございますが、市町村の保健婦につきましては五十三年度、すなわち本年度におきまして従来の国保保健婦を市町村の保健婦に移管したところでございまして、その移管を円滑に行うために、五十三年度におきましては従前の配置基準をそのまま踏襲しております。で、新しい市町村の保健婦の配置基準につきましては、保健所と市町村の役割り分担、配置の実態等を現在検討中でございまして、この検討調査の結果に基づきまして、適正な配置基準をできるだけ早急につくりたいというふうに存じております。
○小巻敏雄君 いつごろを目安にやっておりますか。
○政府委員(田中明夫君) 現在調査を実施中でございますので、いつというはっきりとした期日はお答えできませんが、できるだけ早くやりたいというふうに思っております。
○小巻敏雄君 大臣にここでお尋ねをするわけですが、在任中にひとつこの問題については目鼻をつける、あわせて新しい学問技術に対して保健婦の研修を強化する、あるいは養成計画を立てるという点では飛躍的な前進をかち取ってもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 在任中と言われましても、いつまで首があるかどうか自体がよくわからぬわけでありますから、その期間中ということが私お約束ができるかどうかわかりません。 ただ、いまもうよく御承知のように、私どもは市町村保健センターの設置というものを進めておるわけであります。この保健センターの目的は、一つは地域住民に密着した保健指導、衛生教育を提供する拠点としての役割り、また同時に健康診査でありますとか、予防接種、栄養指導等を実施する場所としての役割り、また住民の方々が自主的な保健活動を行われるその利用の場としての役割り等をこれに置いておるわけです。そして現在、五十三年度で八十八カ所整備をしましたが、五十四年度におきましてさらに百五十カ所の新設、増設三十カ所等の整備を図るわけでありまして、ここを中心にして市町村保健婦の方々がより大きな活躍、活動ができるような体制を私どもは整備してまいりたい。最終的にはこれは全市町村に配置をしていきたいわけでありますけれども、その過程においては母子健康センター等類似の保健関連施設の活動等の問題も当然出てくるわけでありまして、いま御指摘のように、保健婦さん方が本当に地域の住民の方々と密着した活動ができる場としての市町村保健センターの整備というものをそういう観点からも進めているということについては、御理解をいただきたいと思います。
○小巻敏雄君 時代の要請に対して制度はもはや立ちおくれていると言わざるを得ないと思うのです。母子保健法で義務づけられているのは三歳児のみである、これに対してせっかく御指導になっておる一歳半はもちろん明記すべきだと思いますし、そのほかに早期に障害を発見するに必要な時期を明らかにして、そして全員の受診をやり遂げていくというような上では、厚生省においては、新聞等の伝えるところでは法の見直しも検討されておるやに聞くわけでありますけれども、その点を最後にお伺いをして終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもいま御指摘のように、母子保健法といいますよりも、母子保健体制全体を現在見直したいと考えております。そして国際児童年というものをお祭り騒ぎにしないためにも、私は、それこそ私の在任中とか一年とかというつまらない時間を切るつもりはありません。二年なり何なりかかっても、本格的に腰を据えて、それこそお母さん方の健康の保持から始めて、妊娠中の健康管理、さらには産まれてきた子供さんたちの心身障害の発生予防等を含めた健全な心身の発達というものに合わせた母子保健体制というものを、本当に根底から調べ上げようとすれば私は一年や二年の歳月はかかるものだと思っております。 厚生省としてはそうした構えで、本予算が成立をいたしました後に、できるだけ早く専門家の方方にお願いをいたし、それこそ医学とかだけではなく、社会心理の専門家も児童心理の専門家も、さらには宗教家や哲学者の御意見までも入れた検討というものをしたいと、そのように考えております。
○委員長(町村金五君) 以上で小巻君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(町村金五君) 次に、安恒良一君の一般質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 まず運輸大臣に御質問を申し上げたいのですが、昭和四十六年の七月三十一日の日に、運輸政策審議会から総合交通体系に関する答申が出ていると思いますが、一言でこの答申の重要的な部分について御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(森山欽司君) 総合交通体系につきましては、御指摘のとおり昭和四十六年十二月、臨時総合交通問題閣僚協議会における報告で基本的な考えが示されております。 その内容は、各交通機関の競争原理を活用しつつ、それぞれの特性に応じた分担と連携の関係を確立して、効率的な交通体系を形成しようとするものであります。 その特性と申しますのは、たとえば鉄道で申せば都市間旅客輸送、大都市圏旅客輸送及び大量定形貨物輸送の分野であります。航空では長距離都市間直行輸送及び海峡や山派越えなどの時間短縮効果の大きい中距離都市間の直行輸送の分野、自動車で申せば域内輸送や機動性、速達性を要求される分野、海運で申せば臨海区間の大量貨物輸送等の分野、これらの特性に応じてそれぞれ分担をし連携を保って効率的な交通体系を形成しようとするものであります。 その基本的な考え方につきましては、今日も尊重されるべき部分が多いのでありますが、その後の経済情勢の変化、特に最近におきまする省エネルギーの要請等を考えますと、すなわち安い石油がふんだんに入った時代と今日とは大いに趣きを異にしておりますから、政府としては、各交通機関の適切な分担のあり方について早急に再検討をする必要がある、そういうふうに考えております。
○安恒良一君 四十六年答申で昭和六十年を目標にしておりますが、四十五年価格でどのくらいの資金を投入するという計画だったのでしょうか。
○政府委員(杉浦喬也君) お答えいたします。 本答申の六十年目標でございますが、国民総生産全体二百兆のうちで、交通関係公共投資を、用地費を除きますと八兆円というふうに見込んでおります。
○安恒良一君 私がお聞きしましたのは、昭和六十年を目標に、昭和四十五年価格で総額幾ら投資をする予定だったのか、こういうこと聞いている。
○政府委員(杉浦喬也君) その間の総合計につきましては数字を答申には出しておりません。昭和六十年時点でどのくらいの投資額かという数字だけでございます。 〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
○安恒良一君 総額約百兆円を昭和四十五年から六十年まで投入して、総合交通体系の整備を図る、こういうふうになっておりはしませんか。
○政府委員(杉浦喬也君) 失礼いたしました。全体の姿といたしましては、昭和四十五年価格で昭和六十年までおおむね百兆円、ただいま先生がおっしゃいましたような金額の投資ということを本文でうたっております。
○安恒良一君 それから、体系を大きく四つの柱に分けられておったと思いますが、その四つの柱、いわゆる総合交通体系を整備する大きな四つの柱というこの柱はどういうものでしたでしょうか。
○政府委員(杉浦喬也君) この答申におきましては、まず総合交通体系の基本的な考え方、これがどういうものであるかということをまず考えたわけでございますが、いわゆる市場原理による競争原理であるというところでございます。ただ、それだけでは交通体系ができにくいという面がありますので、いわゆる政策介入というような観点からしまして、第二点としましては、総合交通施設整備計画というものを想定をいたしたわけでございます。この前提となります輸送需要想定というものをもとにいたしまして、各交通機関別の全国施設整備計画というものを考えたわけでございます。それから、第三番目の問題といたしましては、こうした総合交通体系形成のためのいわゆる行財政上の措置いかんということでございまして、これには運賃料金問題というものもあわせてそのあるべき姿を考えておるところでございます。
○安恒良一君 私がお聞きしましたのは、以上のようなことのほかに、総合交通体系を整備をしていくに当たっての四つの柱というのが、大体大きく四つに分けられていると思いますが、いまあなたが言われたことは、これは前段の問題として基本的な考えの方ですが、交通体系を整備していくための四つの柱というもので組み立てられていると思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(杉浦喬也君) 総合交通体系の中身の問題といたしましては、一つの問題といたしましては、利用者の費用負担の原則の問題、それから環境保全の必要性の問題、それから安全性の確保の問題というような観点をそれぞれ基本といたしまして考えておるわけでございます。
○安恒良一君 いま言われたのは基本ですね。私は、体系整備には全国幹線交通と国際輸送と、それから大都市交通と地方交通、こういう四本柱が立てられておったと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(杉浦喬也君) 交通機関別、あるいは地域別のとらえ方といたしまして、ただいま先生御指摘のとおりの分け方をいたしております。
○安恒良一君 そこでお聞きをしたいのですが、ことしはもう五十五年なんです。六十年までということであと五年ありますが、この中でまず財政投資について、当時約四十五年価格で百兆という投資計画を立てられておったのですが、今年度までどのぐらいその百兆のうちの投資がされているんでしょうか。
○政府委員(杉浦喬也君) ちょっといままでの総合計の数字を手元に持っておりません。至急に調べたいと思います。ちょっとお時間をいただきたいと思います。後でまた提示いたしたいと思います。
○安恒良一君 それではこの点は保留しまして、後でまた残った時間のところで聞きますが、ぜひこういう問題は調べておいていただきたいと思います。 そこで、その次といたしまして、数字が言われないということになるならば、あとこれの具体化について、本年度までこの部分について、特に国際輸送は結構ですが、大都市交通体系、それから旅客輸送、これについては今日までどの程度具体的に実現をされたんでしょうか。
○政府委員(杉浦喬也君) 大都市交通体系につきましては、この答申におきまして、大都市交通の中の交通手段としまして、鉄道、モノレール、バス輸送等の大量の公共交通機関の整備を図れ、それをもちまして、総合的な整備計画を策定して、その実行を図っていけというような趣旨のことが書かれております。これにつきましては、その後の研究的な課題といたしまして、各都市の規模別の交通機関はどうあるべきかというような研究をいたしたこともございます。ただ、具体的な実行といたしましては、各都市ごとのあり方といたしまして、都市交通審議会があった時代はその審議会、それからその後におきましては地方陸上交通審議会、各陸運局にございます審議会で個別の事案を検討をいたしたものでございます。 〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕 なおまた、これらの公共交通施設に対する助成制度の拡充につきましても、その後次第に充実をしてきたわけでございますが、具体的なあり方につきましては、いま申し上げました二つの審議会で各都市別に検討をした。 それから具体的な事案につきましては、それぞれの許認可によりまして実行したというのが一つでございます。大都市交通につきましては以上のような状況でございます。
○安恒良一君 私は大変答弁には不満なんです。私は答申書を持っておりますし、審議官もお持ちだと思うのですね。そこで私がお聞きをしていることは、この答申の中で数々のやるべきことが指摘されてますから、その中で何と何とはやった、何と何は残っていると、こういうことですね。それと同時に、まあこれもまた、財政はまた調べてということになるかわかりませんが、こういう問題についても、どの程度財政投資をしてきたか、そしてここまででき上がった、これとこれは将来だと、こういうふうに分けてひとつ答弁をしていただきたい。
○政府委員(杉浦喬也君) まず高速鉄道でございますが、高速鉄道につきまして特に問題のございます地下鉄のネットワークの形成という点につきましては、地下鉄助成制度を漸次高めまして、現在のところ建設費の七割に相当する金額の助成を十年間に分割いたしましてこれを促進するというようなことで、各地に地下鉄のネットワークがつくられつつございます。 それからバス輸送につきましては、都市のバスにつきまして、特に最近の混雑に対応いたしまして、これを効率的に運用するという必要性がございます。運輸省だけではできません問題でございますが、たとえばバス専用レーンの設置等交通規制の面からのアプローチ、あるいはバス路線網の再編成というようなことで、都市のいわば幹線でございます高速鉄道と、それからそれに結びつきますバス輸送網というものをうまく結びつけまして、大量輸送に対応するように努力をしておるところでございます。
○安恒良一君 地下鉄建設にはかなりの効果が上がっていると思いますが、これは運輸省が無理ならば、たとえばいま言われましたバスに関して、この答申書の十九ページに、専用レーンやバス優先レーンの問題、その他いろいろなことが書いてありますが、これはどの程度進行しておるのか、具体的な数字ですね、この十年間、この答申を受けた後どの程度できて、どういうふうになっているのか。ここにいろいろなことが指摘されていますが、関係官庁の方で答えてください。
○政府委員(杉原正君) お答えをいたします。 バスの優先対策につきましてでございますが、バスの優先レーンにつきまして、ちょっとここに四十六年のが具体的にございませんが、四十八年を例にとりますと、一〇〇の指数に対しまして五十三年は四〇三という指数で進捗をいたしております。
○安恒良一君 指数だけではわかりませんからね、バス優先レーンを、四十六年にこの答申を受けた以降、どれだけのキロ数ならキロ数、バス優先レーンがどれだけ今日までできたのかということを教えてください。
○政府委員(杉原正君) 四十六年の数字がちょっといまここにございませんが、四十八年のバスの専用レーンを例にとって申し上げますと、全国で延べが百五キロでございます。これに対しまして、五十三年は八百三十八キロということになっております。
○安恒良一君 いまの数字は、いま議論しているのは大都市交通ですが、大都市交通でいいわけですね。いま議論しているのは大都市の交通体系を議論しているんですよ。
○政府委員(杉原正君) 大都市交通として御理解いただいて結構でございます。
○安恒良一君 次に道について質問しますが、答申書の十九ページに道について「自動車交通需要の激増に伴って」云々、いわゆる自動車の法的なまたは経済的な規制を強化すべきである、こういうふうに書いてありますが、この点はどういうふうになっていますか。
○政府委員(杉浦喬也君) 自動車といいましても自家用自動車あるいは大型トラック、いろいろとございますが、大都市におきまして特に問題になりますのは自家用乗用車はかなりの数がふえております。こうした点を今後どうしたらいいかということになりますと、先生おっしゃいました法的規制という観点からいたしますと、道路交通法によります各種の規制、駐車規制なりあるいはバス優先レーンの誘導というような形での規制ということになりますが、端的なそうした自家用乗用車の規制につきましては、現在のところまだ法的な規制はございません。そのあり方といたしましては、今後の交通を考えますと、これ以上自家用乗用車が大都市の中心部に乗り入れるということは避けたいという気持ちでございますが、これに対して直接的な法的規制、たとえば乗り入れを直接的に制限するというようなことをやることはなかなかむずかしいというふうに思います。あるいはまた、前に検討したことはございますが、乗り入れについての賦課金を課することによりましてこれを規制するというような方法等につきましても、なかなか技術的な困難性がございます。私ども考えておりますのは、やはり先ほど来申し上げましたように、地下鉄等の高速鉄道網の整備、それからバス路線網の再編成というような公共交通機関の整備によりまして、おのずから自家用自動車をこちらに誘導していくという政策を今後とってまいりたいということでございまして、こうしたことのための予算上の措置その他につきまして、今後努力をしてまいりたいと思います。
○安恒良一君 運輸省だけでも無理だと思いますが、ここに書いてありますのは、「道路の効率的な利用を図るため自動車の使用についての法的または経済的な規制を強化すべきであり、」と、こういうふうに書いてあるんですが、その点についてどうなんでしょうか。いま言われたように私は誘導という問題だけでは片づかない段階に来ていると思う。だからこそ、すでにもう四十六年の答申でこのようなことが指摘をされているんですが、この点について、これはひとつ、官僚の皆さんじゃ無理だと思いますから、実力ある運輸大臣としてどうお思いになり、法的、経済的規制ということについてどのようにお考えになるか、運輸大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(森山欽司君) ただいま運輸省の官房審議官からお答えしました以上の具体的なものは、いままでの段階ではなかったのではないかと思うのです。 しかし私は、先ほども申し上げましたように、たとえば省エネルギーという観点から見ますれば、安い石油が幾らでも入ったという時代、それはまあマイカーで突っ走っていっても、個人としても国としてもいささかも問題はなかったと思いますけれども、こういう時代になってまいりますと、果たしてそれでいいのかどうかということになってくると思います。ですから、こういう時代にはそういう点も考え直していかなければならないのであるということを提唱している、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○安恒良一君 次に、時間が余りありませんから急いで聞きますが、地方交通体系の整備についてはどうでしょうか。
○政府委員(杉浦喬也君) この運政審の答申によります地方交通体系の確立につきましては、原則としましては国民経済上最も効率的な輸送手段、これを選択したらどうかというふうなことが基本的な考え方かと思います。 その効率的な交通手段を選択するという方向につきましては異論のないところでございますが、ここで問題になりますのは、従来の鉄道網というものをどう扱ったらいいか、単純にこれをやめるという政策もなかなかとりにくい面がございます。 しかし、まあ地元の方々との十分なるお話し合い、連携のもとに、いま申し上げました最も効率的、なおかつ、また地元の人にとっても便利である、そういうような交通体系をつくっていくべきであるというふうに思うわけでございます。 そこで、それらの考え方の中心になりますのは、この答申によりますと、第一次的には地方公共団体が考えるべきであるというふうに書いてございます。私どもそういうことが理想であるというふうに思いますが、これもなかなか現実にはそういう方向に向かうにはなお若干の問題があるというふうに思うわけでございますが、なお検討を続けておるということでございます。
○安恒良一君 地方公共団体が第一次的に考えるべきだというのは、私は非常に重要なことだと思います。 そこで自治大臣にお聞きをしたいんですが、いわゆる自治大臣として地方交通の整備についてどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 総合交通体系は閣議了解の線に沿って各省で協議しながら進めておるわけでございますが、自治省は自治省の担当する分野において自分のなすべき役割りを果たしてまいりたい、このように考えております。
○安恒良一君 私の質問を正確に聞いておられなかったのじゃないかと思いますがね、いま一遍よく事務当局から聞いて答えてください。
○政府委員(森岡敞君) 基本的な考え方といたしまして、地域の実情を最も熟知しております地方公共団体がその意思を反映していただいて地方の交通体系の整備をしていただく、これは私ども絶対に必要だと思います。そのための事務配分の問題でありますとか、いろんな関連する問題が実はあるわけでございますけれども、現段階では、やはり地元としては地域の実態に合った意見を政府に強く求めてその地域の交通体系の整備を進めていく、こういうことで努力をすべきものと、かように考えております。
○安恒良一君 そこで経企庁長官にお伺いをしたいのですが、いま運輸大臣も言われましたように、これを立てたときはまだ高度経済成長政策のさなかだったわけですね。その後オイルショック、世界的なパニックが起こったわけですが、現在経企庁といたしまして総合交通体系についてどうするのか、長期的な計画をどのようにお持ちか、それから現状の問題点とその解決策について、経企庁長官からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 交通体系の問題は市民生活にとりまして非常に重要な役割りをしていることはわれわれも決して認識を欠いておるつもりはございません。そしてまた、先ほど来言われておりまする交通体系そのものについての四本の柱、私はやはりこれはそれなりの意味を今日もなお十分持っていると思います。 ただ、その運用の中におきまして、先般来石油問題に関連し省エネルギー、こうしたことをわれわれも非常に重視しておりまして、過般運輸大臣からそうした意味を含めての交通体系全般に対しての見直しをしたらどうかという御提案がございました。私も、現状の中でやはりそうした一つの対応をなすのがいわゆる政府として重要であるという考えに立っておりまして、運輸省並びに関係省庁にお願いしまして、まずその基本的な骨組みというものとは別に、現時点においていかなる対応をなすべきか、また、いま委員がいろいろとお示しになりましたバスの問題から始まりまして、通勤の問題いろいろございますが、そうしたことについて、すでに示された骨組みの中で改善すべき問題をひとつ改めるということで、過般来検討に着手したところでございます。
○安恒良一君 それじゃ運輸大臣にもお聞きしますが、やはり私は、この答申は答申としてのあれがありますが、運輸大臣自体も省エネルギーその他で見直しということを言われていますが、一遍ここらでこれを全体的に見直しをして、実行できたもの実行できないもの、さらに今日の時点において手直しをすべきもの、こういうものを関係大臣なり関係審議会なりに諮問なりをして組み立てられるお考えがあるのかどうか、お聞きしたい。
○国務大臣(森山欽司君) 先ほど経済企画庁長官からこの問題の取り扱いについていろいろ前向きの御答弁がありましたが、私も全く同感でございます。ただいま安恒さんお話しのような意味において、昭和四十六年の交通体系がその計画と実施の過程においていかがなものであったか、また今日の段階においていかがあるべきかということについては、真剣に運輸省としても検討いたしたいと思いますが、よく経済企画庁長官と相談をいたしまして、この問題を私どもの立場で全力を尽くしたいと思います。私どもの立場だけではなかなかむずかしいわけでございまして、たとえば道路交通については建設省の問題があり、また交通問題としましては警察庁があり、それから地方の問題としては自治省あり、非常に広範でございますから、そういう意味の重要なる部分を占める運輸省としての全力を経済企画庁等と相談いたしましてやってまいりたい、そういうふうに考えております。
○委員長(町村金五君) 先刻答弁を留保してありました部分について、運輸省より答弁を求めます。
○政府委員(杉浦喬也君) 昭和四十六年から五十三年度、これは一部予定がございますけれども、予算がございますが、この八年間の合計を単純に総計いたしました金額は約四十兆円でございます。 内訳といたしましては、道路が二十六兆円、そのほか国鉄、民鉄、港湾、空港等合わせまして十四兆円、合わせて約四十兆円ということでございます。
○安恒良一君 内訳は後で正確なものを下さい。 それにしましても、いま聞きますと、当時昭和四十五年の価格で約百兆円という投資が、現在実は四十兆しか進んでないというところにも私は問題があると思います。 そこで、次にお聞きしたいのですが、輸送分野の明確化ということがいろいろ言われておったのですが、どうもいまお聞きをする限りにおいて十分でありません。その結果、最近、既設の交通機関、たとえば地下鉄、モノレール、デュアルモードバスなど新交通システムが出てきておりまして、これが既設の交通機関との間にかなり問題を起こしているようですが、それらの状況についてまず説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(山上孝史君) まず新交通システムでございますが、これにつきましては、大阪市の南港地区、それから神戸のポートアイランド地区につきまして昭和五十二年の十二月に免特許を行い、現在五十六年度を開業目途に建設が進められているところでございます。それからその他の新交通システムにつきましては、東北、上越新幹線の建設と関連しました埼玉県の大宮市と伊奈町間における計画、あるいは愛知県の桃花台における計画、あるいは神奈川県の金沢八景付近における計画等が関係者によりまして検討されております。 それからモノレールでございますが、これは北九州市の小倉地区につきましても昭和五十一年の十二月に特許を行って、これも五十六年度開業を目途に現在建設中でございます。 それから千葉市につきまして、昭和五十三年十一月に千葉県の方に、これは運輸大臣権限でございますが、経由庁として特許の申請が千葉県にあったところでございますが、現在同県において特許申請についての審査に必要な所要の調査を行っているという現状でございます。 それから、先生御指摘の既存の交通機関との調整の問題でございます。 これにつきましては、一般的に申し上げますと、新交通システムも含めまして鉄軌道事業の免許とかあるいは特許の申請がございますと、路線の採算性、それから申請者の事業遂行能力、安全性の確保等のそういう視点のほかに、既存の鉄軌道事業あるいは自動車運送事業に及ぼす影響を十分配慮いたしまして処分を行っているところでございます。このような見地から、たとえばさっき申し上げましたけれども、北九州市におけるモノレールの建設に当たりましては北九州市とそれから建設主体であります北九州市が中心となっている第三セクターと既存の交通事業者との間で調整が行われまして、この調整を踏まえて特許をしたものでございます。それからまた、現在免許申請のあります仙台市の地下鉄の建設、これも御承知だと思いますが、これにつきましても、地元の仙台陸運局のあっせんによりまして申請者であります仙台市と既存のバス事業者との間におきまして既存バス事業に与える影響につきまして話し合いが進められているところでございます。また、先ほど申し上げました千葉市におけるモノレールの建設につきましても、千葉県が中心となりまして既存のバス事業者との間で調整を目下進めているところでございます。今後とも、これらの建設計画の免許あるいは特許の申請に対しましては、このような話し合い、調整を十分踏まえまして、それから運輸審議会の答申を得て慎重に処分する所存でございます。
○安恒良一君 建設省関係はどうですか。
○政府委員(小林幸雄君) ただいま運輸省の鉄監局長からお答え申し上げましたこととほぼ一緒でございます。 御承知のように、軌道法によりまして特許をして行わせるところのモノレールあるいは新交通システムは、運輸、建設両省の共管でございまして、現在実施中のものにつきまして、あるいは実施、特許に当たっての既存の交通機関との輸送施設との調整等につきましては、鉄道監督局長からお答え申し上げたとおりの方針で建設省といたしましても対処をしておるところでございます。
○安恒良一君 それでは、両省にお聞きしますが、たとえば沖繩のモノレール、広島市内の新交通システム、岡山の倉敷市のデュアルモードバス等々の問題はありませんか。
○政府委員(山上孝史君) 沖繩でございますが、沖繩におけるモノレールの計画につきましては、沖繩開発庁が中心となられまして建設省とか地元の県、市を含めていろいろな角度から予算を確保して調査中であると承っております。運輸省といたしましては、計画が具体化し、関係者からの事前の御相談があり、あるいは免許、特許の申請があった場合には、先ほども申し上げましたけれども、路線の採算性、申請者の事業遂行能力のほか、既存のバス事業者に及ぼす影響等を十分に検討して対応したいという考えでございます。 また、広島地区における新交通システムの計画の御指摘でございますが、これにつきましては、私どもは県、市等が連絡協議会を設けまして調査を行っているとの実は新聞報道を承知している程度でございますが、県、市当局からこのような計画の建設を進めるか否か、またその内容につきましてまだ私どもとして直接事情を聞くような段階になっておりません。
○安恒良一君 建設省にお聞きしたいのですが、岡山市内に共同溝を掘る、それがために現在走っております岡山の市内交通、岡電――電気軌道ですが、工事期間中に営業停止をしてくれとかもしくは片側通行にしてくれなどという経営の危機に関するような申し出がされていると思いますが、その点はどういうことになっていますか。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 先生御指摘の共同溝の計画でございますが、これは岡山市におきまして、一般国道五十三号におきまして岡山市の大雲寺町六十一番地から野田屋町一丁目十一番まで約一・一キロメートルの区間を共同溝の整備等に関する特別措置法に基づきまして共同溝整備道路の指定を行いまして、大雲寺町から七百五十メートルの区間について現在計画を進めているものでございます。ちょうどこの計画の区間にいま御指摘のありました岡山電気軌道清輝橋線と合致をいたす区間がございます。現在この事業を進めてまいります場合に、ちょうどこの共同溝自身が岡山市の水道、岡山ガス、電電、中国電力といった専用地下埋設物を収容する関係上、ネットの断面で幅が十メートル弱、こういうことになりますので、私どもといたしましては、道路を占用して共同溝を施行いたします場合にどうしても片側単線運行を行っていただきませんと、この共同溝の施行ができないといったような事情から、そういった観点から実は現在協議を進めているところでございます。共同溝自身道路の掘り返し防止等々のことがございますので、今後引き続きこの軌道の経営者の方と工事中におきます軌道の運行問題について十分協議を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○安恒良一君 そこで、最後に運輸大臣、建設大臣、いろいろ例をお聞きしたのですが、私は新しく新交通システムができて国民の足になることについて異存はないんですが、問題は既設の国鉄や私鉄、その他関係の産業との調和ということでなければ、率直に言って、いま雇用問題が重大なときに、労働者の解雇という問題にも一部つながりかねないわけです。時間がありませんから細かく数字は聞いておれませんが、そういう点については、これはひとつ運輸大臣のお考え方、労働大臣、それからいま岡山の問題なんか私は建設大臣だと思う。その間片側通行をしろということを要請するにはどうするのかということに、雇用に直接関係してまいりますから、それぞれ新しい交通体系と既存の交通関係における雇用問題、労働条件問題についてのお考えをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(森山欽司君) 既存の交通機関に対して新しい交通機関が並列した場合、既存の交通機関にある程度の影響がある場合、これは新しくやろうというときにはよく調整してやってもらうということだと思います。調整がつかなければ認可をしないということでこれはできると思います。どうしてもやらにゃいかぬというときには、それなりの対策もまた立てていかなきゃならぬわけであります。すでにできたものについてはやっぱり影響がありますから、その影響に対しては、これは個別的にケース・バイ・ケースだと思いますが、それに対して配慮をする必要がある、そういうふうに考えております。
○国務大臣(栗原祐幸君) いま政府側からいろいろお話のあった中で大体わかるわけでございますけれども、こういう新交通体系をつくるときには、既存の路線あるいは既存の交通機関との間にいろいろ摩擦も起きる、その結果、失業ということが考えられるんじゃないか。しかし、いまいろいろお話がありましたとおり、こういうことをやる場合には、国、地方自治団体等関係機関でよく調整をして、そして交通量なんかかにつきましても考えるということでございます。ですから、その段階で離職者の出ないように労働省としても万全を期したい。関係者とよく相談をいたしたい、こう考えております。
○国務大臣(渡海元三郎君) 現代の交通事情から混雑、公害等を緩和するために新しい交通機関を取り入れなければならないという点は、私たちもそれにおいてやりたい、こう考えておりますが、これに伴う既存の交通機関との調整につきましては十分配慮し、軌道法にも、関係地方公共団体が十分それらの関係者と協議の上で意見を付するということにもなっておりますので、今後とも十分その点は配慮して進めてまいりたい、かように考えております。
○安恒良一君 それでは、運輸大臣としてはできるだけ調整をするし、調整がつかない段階では簡単に認可をしない、やむを得ずやった場合でも、三大臣からは雇用の確保、そういうことについては十分配慮する、こういうふうに承っておきます。 そこで、次の問題に行きますが、運輸大臣それから大蔵大臣にもお聞きしたいのですが、「地方陸上公共交通維持整備に関する件」が昨年の十月十八日衆議院の運輸委員会で六派共同で決定したことは御承知でしょうか。
○国務大臣(森山欽司君) 承知をいたしております。
○安恒良一君 それから、当時の福永運輸大臣が決議の意を体して速やかに処置をするように努力したい、こういうことを表明されたことも御承知ですね。それならば、その後五カ月たっておりますが、現在具体的な動きがない。私はどうも決議のしっ放しになっておりはしないかと思いますが、それはどうした理由によるものでしょうか。
○国務大臣(森山欽司君) 地方陸上公共交通維持整備に関する総合的な施策を確立するためには、決議にも述べられておりますように、まず安定的な財源を確保することが必要であります。このため、昭和五十四年度予算編成過程において地方交通対策を含む特別会計の設置に努力をいたしましたが、種々問題があり、その創設は見送り、継続審議になっておるわけであります。しかし、今後とも引き続きさらに検討を深めることにいたしたいと思います。なお、昭和五十四年度予算案におきましては、地方バス、国鉄地方交通線、地方中小施設に対し所要の助成措置が講ぜられております。今後、決議の趣旨に沿って速やかに総合的な施策の確立を進めてまいりたい、そういう考えでございます。
○安恒良一君 この決議というのは財政措置だけではありませんね。安定的な財源確保を初めとする所要の立法行政措置を講ずるべきであるということで、それを受けてやりたいということですから、私はその立法化すべきものが何なのか、政府の責任において立法化すべきものが何であるか、財政措置すべきものは何であるのだろうか、なぜそれが進まないのか、原因がどこにあるのか、問題がどこにあるのか、たとえば財政問題では種々のことがありましてと、こういうことですから、どういうところに問題があったのか、立法化の上、さらに財政措置の上でどこに問題があるのか、ネックは何だろうか聞かしてください。
○政府委員(杉浦喬也君) 立法を含めました制度上の問題につきましていろいろ検討をいたしておるところでございます。 ここで問題になります諸点を申し上げますと、県知事に、先ほど申しましたような責任分担ということになりますと、何らかの交通に関する計画策定権、こういうようなものを与えるという問題と、それから一体行政上の許認可、処分権限というもの、これは道路運送法等でございますが、そうしたものとでどのようなかかわり合いが出てくるのかどうか、この辺が非常に微妙な問題でございます。それから同じように、こうした知事を中心とします交通計画というものが国鉄の地方交通線というものとどういうかかわり合いが出てくるのか。これは片方では国有鉄道でございますので、そうした点での問題が生ずるかと思います。それらを含めまして助成問題は後ほど大蔵省からも御答弁があると思いますが、地方公共団体のいわゆる責任と権限との関係、それが、いままであります行政上の処分権限、こういうものといかにかかわり合いを持たせたらいいかという点で非常にむずかしい問題がございます。引き続き検討を進めているところでございます。
○政府委員(長岡實君) 財政面の問題につきましてお答え申し上げます。 安恒委員御承知のように、五十四年度予算の要求の際には、運輸省案として公共輸送整備税というものを財源として特別会計を設置するという御要求が出たわけでございますが、この公共輸送整備税につきましては、自家用車の保有という事実に着目いたしまして、従量税に若干似ておりますが、たしかその輸送のキャパシティーに応じて税を取るというお考えだったと思います。この点につきまして、その新税についてその受益者または原因者負担としての説明が十分できるかどうか。もう一つ非常に具体的な問題として、現行の自動車関係諸税がいろいろございまして、そういうものとの関係を一体どういうふうに位置づけるのかといったような問題がございました。それから特別会計につきましては、財政法によりますと、特別会計は国みずからが特別の事業を行う場合と、それから国が特別の資金を保有いたしまして、それを運用する場合と、それから三番目に特定の歳入をもって特定の歳出に充てる、これを一般の歳入歳出から明確に区分をして経理する必要がある場合、この三つの場合に限定されておるわけでございます。この特別会計は恐らくその第三番目に当たるものだろうと思うのでございますけれども、御要求の内容を見まして、その特定の歳入で特定の歳出に充てるという事実関係でございますけれども、その関係がたとえばいま申し上げました新税の歳入と一般会計からの受け入れが半々ぐらいであるとか、それから行う事業も、その歳出で賄ってまいります事業の範囲が非常に広範であるといったようなことから、果たして財政法で言う特別会計設置の条件を備えておるかどうかといったような点にも議論の余地がございまして、十分に両省間では議論を尽くしたわけでございますけれども、結論を得るに至らなかったという事情でございます。
○安恒良一君 問題点がわかったのですが、それならばやはりこれは決議のしっ放し、しかも六与野党全部で決議しているわけですから、どういうふうにして、これは大蔵大臣、運輸大臣にお聞きをしたいのですが、それから自治大臣にも関係しますが、どういうふうにしてこの問題の解決をこれからされようとするのか、立法、行政上の処置をどうするのか、また具体的な、いままでのものはわかりましたが、今後の構想をひとつ、これは決議のしっ放しでは困るわけです。過日安井議長にお目にかかったら、一番いけないのは決議のしっ放しだと参議院議長も言われておりましたが、その点について三大臣の御見解を聞かしてください。
○国務大臣(森山欽司君) 昭和五十四年度予算編成に際していろいろ問題があったことは、ただいま主計局長が申したとおりであります。したがって、それらのお話を十分勘案いたしまして、黒字、やっぱり実現するためにはいろいろ中身もありますが財源も大事でございますから、したがって私はその問題だけ先ほど御答弁申し上げたわけでありますが、いろいろな意見を参酌いたしまして、さらに検討を進めてまいりたい、そういう考えでございます。
○国務大臣(金子一平君) 総合交通体系の見直しが必要なことは、まさしくそのとおりだと思いますけれども、なかなかこれ財源問題となりますと、今日の一般会計の財源でももうぎりぎりのところへ来ておる状況でございますことは御承知のとおり。 そこで、さらに自動車諸税中心の財源を求めるとなると、これはまた大変なことになりますので、事業体系、先ほども安恒さんお話しのように、高度成長時代から低成長時代に来ておりますこういう際ですから、もう一遍やっぱり実態を見直し、それにふさわしい財源をどう調達するかにつきまして、関係の省庁でひとつ十分詰めてまいりたい。運輸省を中心にいろいろ御検討いただいておりますけれども、私どももできるだけひとつ検討をさしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(澁谷直藏君) 事情は両大臣から答弁いたしたとおりでございまして、何分金の問題、それから事務権限についてもいろいろ入り乱れておるわけでございまして、そういったものも整理をしていかなくちゃならぬ、そういうことでございますので、関係省庁と協議しながらひとつ十分に検討してまいりたいと考えております。
○安恒良一君 特に自治大臣と運輸大臣にお聞きしたいのですが、私はそのネックの一つとして責任分担論、なわ張り論がどうも自治省と運輸省にあるように聞いておるわけです。そういうところをどういうふうに解決するか。それがため、私が前段で聞いたのは、たとえばこの答申の中に、公共交通については、地方交通については地方公共団体の第一次的責任負担ということもこれは聞いているわけですね。ところが、どうも私が聞きますと、財政的なネックもあるが、責任分担論に自治省と運輸省になわ張り争いがあるような気がしてならないのですが、その点はそれぞれの大臣どうでしょうか。
○国務大臣(森山欽司君) 先ほど来の財源論は頭の最も痛いところでありまして、いままでの惰性ではなかなか解決し得ないところだと思います。しかし、権限論の問題になりますれば、私どもは十分今日の交通というきわめて国民生活、国の経済活動に関係の深いことでございますから、これは十分話の方法をつけることは可能である、そういうふうに考えています。問題は私はやっぱり金の方がなかなか、一般財政も先ほど大蔵大臣がお話がありましたように容易ではない、特に来年は一般消費税等の問題が議題になっておりますから、そういう非常にむずかしい財政事情のもとでこの問題をこなしていくということは、これはなかなか容易なことではない。しかし、すでに先ほどの御決議もございますし、私どもも一度不十分ながらトライをしたことでございますから、先ほど申し上げたようなことでさらに検討を進めてまいりたい、そういうことであります。
○国務大臣(澁谷直藏君) 運輸省は運輸省の立場もあり、また地方公共団体は地方公共団体の立場ももちろんあるわけでございますが、だからといって両省のなわ張り争いでこの大きな問題が暗礁に乗り上げると、こういうようなことはもう断じてあってはならないことでありまして、私どもは同じ政府の中でございますから、これは話し合って理解、合意に達しられないというようなことはまずないというふうに考えておりまして、今後とも運輸省とは十分ひとつ意を尽くして協議をしてまいりたいと考えます。
○安恒良一君 それぞれ三大臣からお答えがありましたが、来年の予算委員会で再び私がこのようなことを聞かなくて済むように、福永元運輸大臣が所要の立法、行財政措置を講ずるように努力しますと、こう言い切っているわけですから、どうかそういうふうにしていただきたい。このことはよろしゅうございますね、三大臣。
○国務大臣(森山欽司君) 五十四年度予算につきまして大いに努力をしたことはもう間違いございません。しかし、なかなかむずかしい問題ですからね。それがうまく解決したかというと、遺憾ながら継続審議になっている、そういうふうに御理解願いたいと思います。
○安恒良一君 いや、五十四年度はそればわかりました。来年度ですね、五十五年のこの予算委員会の席上で私がまた再びこういうことを質問しなくて済むようにきちっとしていただけますねと、こう聞いているわけです。
○国務大臣(森山欽司君) できるだけの努力をいたします。
○安恒良一君 三大臣に聞いています。
○国務大臣(金子一平君) 何とかしなきゃいかぬという気持ちは十分あるのでございますが、明年度は御承知のように、明年度と申しますか、五十五年度は一般消費税の問題もこれあり、財政事情がどうなるか、とにかく私どもその責任の衝にある者といたしましては最善の努力を尽くしてみるつもりです。
○国務大臣(澁谷直藏君) 最善の努力を尽くしてまいりたいと考えます。
○安恒良一君 三大臣が約束をされましたから、私は来年の予算委員会が大変楽しみです。 次に、交通事業における公共割引の国庫負担に関する問題についてお聞きをしたいのですが、これはすでに数年前から国会で議論をされまして、関係閣僚協ができているというふうに聞いてますが、関係閣僚協をこれまで何回やられたのか、それからその議論の進行はどのようになっているのか、こういうことについてお聞かせください。
○政府委員(山上孝史君) 先生御指摘の公共割引関係の、公共負担関係の閣僚会議は昨年の六月に一回行われております。このときには運輸省といたしましては、運輸大臣といたしましては、このような趣旨の要請を行いました。国鉄財政の危機的な現状にかんがみ、各種割引制度について見直しを行っていきたいので、関係省庁の御協力をお願いしたいということでございます。これに対しまして、関係の各大臣からは各種の割引制度はそれぞれの歴史を持っており、各種割引制度の性格をも勘案して検討していくべきであるという旨の御発言がありました。運輸省といたしましては、国鉄の公共割引制度につきまして、今後ともこれらの問題点を含めまして、関係省庁と協議をしてその軽減を図れるような方向で引き続き努力をしてまいりたいということでございます。
○安恒良一君 これはすでに、五十二年の秋の国会に、田村元運輸大臣が発言をされ、この参議院だけでも五十三年六月一日、五十三年八月十八日の運輸委員会でいろいろ福永大臣は決意のほどを言われているわけです。で、それがたった一回しか開かれてない、今日までたった一回しか開かれてない。それはどういうところに理由があるんですか。
○政府委員(山上孝史君) ただいまお答え申し上げましたとおり、また先生の御指摘のとおり、昨年一回行われたままでございますが、その事情につきましては先ほども御答弁申し上げましたとおり、その後事務当局間で協議を重ねてまいっておりますが、やはり各種の割引制度はそれぞれの歴史を持った制度でありまして、関係省庁との調整といいましてもなかなか壁が厚いという状況でございます。そこで、今後関係省庁と種々問題点を詰めまして争点を整理をいたしまして、そのような整理ができました段階で関係の閣僚会議の開催をお願いしたい、そのようなことで事務的になお関係省庁間で検討を進めているところでございます。
○安恒良一君 関係大臣を挙げてください。
○政府委員(山上孝史君) 関係大臣は大蔵、文部、厚生、農林、通産、運輸、労働の各大胆と経済企画庁長官、それから内閣官房長官でございます。
○安恒良一君 それじゃ運輸大臣の御見解を承りましたが、以下各大臣、この公共割引の国庫負担に関する御見解を聞かしてください。
○委員長(町村金五君) 官房長官にひとつ統一してやっていただきましょう。よろしゅうございますね、官房長官にまとめていただいて。
○安恒良一君 いや、関係大臣の御主張にいろいろあるように聞いておりますので、それで承っておるわけです。それで最後に官房長官に聞きますから。
○委員長(町村金五君) それでは大蔵大臣。
○国務大臣(金子一平君) 公共運賃の割引につきましては国鉄、私鉄それぞれございまするけれども、やはり長いそれぞれの歴史的な経過の中で実行されておるものですから、それはそれなりに尊重しなきゃいかぬと思いますけども、だからといって、これを全部財政でめんどうを見ろと言われましても、簡単にこれはいくものでないので、やはりある程度受益者負担の原則で漸次その幅を縮めていくことをお考えいただきたいというふうに率直に私は考えておる次第でございます。
○国務大臣(江崎真澄君) 通産省は紙関係で二品目ございます、新聞の巻き取り紙とか故紙。それから化学肥料関係等十三品目、これは硫安とか石灰窒素といったような品目が対象にされております。これはいま大蔵大臣から話がありましたように、長年の慣習でありまするから、慎重にやはり検討を要するのではないかというふうに考えます。 それからまた、にわかにこれを撤廃いたしますと、たとえば過積み規制が物価にはね返りましたように、いろいろ物価にも影響少なしといたしません。したがいまして、今後どうするかという点については十分閣内において検討を要するかというふうに思考いたします。
○国務大臣(内藤誉三郎君) 文部省は学割でございますけれども、これは長年の長い歴史を持っておりまして、これが上がりますと非常に父兄の負担が多くなりますので、私どもはやっぱりこの制度は維持していただきたい、こう思っています。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは身体障害者関係の割引を持っておるわけでありますが、これも安恒さんよく御承知のとおりに、身体障害者対策というもの自体がこれはもう厚生省だけの体系でできるものではなく、国も地方公共団体もさらに国民各層の社会的な連帯の中で前進を図っていかなければならない性格のあるものであると私どもは理解をいたしております。ことに国鉄につきましては、それこそ超党派で立法されました心身障害者対策基本法の中におきましても運賃等の軽減に努めなければならないと規定をされておるわけでありまして、私どもとしては国鉄の身体障害者割引というものは身体障害者福祉の国民的協力の象徴的なものである、そのように理解をいたしております。
○国務大臣(森山欽司君) この公共割引で一番問題になっているのは定期の割引、特に通学定期の割引であります。 御承知のように、国鉄は助成前の赤字が一兆二千億円に達しております。すなわち赤字が九千億それから助成が三千億、一兆二千億に達しておる。国鉄の財政再建をやらなきゃならない、こういうことから一つは国鉄の力をもってしてはいかんともしがたい欠損、それは別途考えてもらわなければ困る、そういうことの中に地方ローカル線の問題だとか、あるいはいまの学割の問題等が含まれるか含まれないかという議論がある。国鉄の経営努力をもって、あるいは労使の協力によって能率を上げていかなきゃならないということが中心になると思いますが、国鉄の努力をもってしてもいかんともしがたいということの中にこの学生割引が入るかどうか。昔は国鉄が八割程度の割引をやりましてもそれを消化できたわけです。こなすことができた。しかし今日のような状態になってまいりますと、これをこなすことができない。しかしその額は昭和五十四年度予算で六百億円ぐらいといままでの割引でいくと試算をされるのです。それは国鉄運賃法によりますと一カ月の定期は五割引き、三ヵ月以上の学生割引は六割。その五割とか六割を超える上積みの分だけで六百億円を超えるというようなところに大きな問題があるわけでございまして、私どもは先ほど大蔵大臣からのお話もございますから、その割引率を、これは本当なら学生割引率をできるだけ割り引いて、安い運賃で勉強できれば一番いいわけでございますが、背に腹はかえられぬということで多少割引率の縮減を今度の五十四年度では七割七分ぐらいまでやって大蔵省の御趣旨に沿うようにも努力はいたしておるのでありますが、それにしても六百億円程度の運賃法の割引率を上回る分だけでもそれだけの額になるものですから、これをどう処理したらいいか、国鉄内部の企業努力によってこれをこなすことができると見るべきか、あるいは国鉄内部の企業努力をもってしても、これは前はそれでこなしたわけであります。消化したわけであります。消化できない構造的欠損と見るべきか、いまその判断をどういうふうにしたらいいかということを私は考えているところでありますが、事情こういうことでございますから、そう簡単に学生割引率を下げることは反対だとこう言われても困るわけでありますが、しかし、やはり学生の立場のことも考えなきゃならぬ。そうかといって昔はやれたことでありますから、いまこれができないからといって、これが国鉄の企業努力を超えるものと見るべきかどうか、そこのところはどういうふうに判断したらいいかというのがこれからの私どもの判断の対象になる、そういうふうに考えております。
○国務大臣(栗原祐幸君) いま運輸大臣からもいろいろお話がございましたが、国鉄の政策的な運賃割引という問題は、国鉄の財政と大きなかかわり合いがあるということは事実だと思います。そのことは私どもよくわかっておりまするけれども、できることならば、公共職業訓練校の訓練生あるいは勤労青少年については考慮してもらいたいというのが私どもの考え方でありますが、この問題は労働省だけで改定できるものじゃございませんので、関係各省とよく協議をして対処しなきゃならない、こう考えております。
○安恒良一君 私は、全部これが国が持てなどということを言っているわけじゃないんです。受益者負担の要素もあります。ただ国家政策的な性質のもので、それぞれの企業が持っているものがある、これは国鉄だけじゃない、都市交も私鉄も。たとえば一番わかりやすい例で言うならば通学ですね。これは必要なことなんだ。そういうものに対しては、ヨーロッパではいわゆる国の責任で行う。たとえば厚生大臣が言われたような障害者の問題は受益者負担じゃ片づかないわけです。だから、私はそれがそれぞれの企業が持っている、国鉄、都市交、私鉄が持っているそういう問題について、国家政策的なものについては、ヨーロッパの常識化しているものに従って国で持つべき段階に来ておりはしないか、こういうことで、もう時間がありませんから官房長官どうでしょう、いまの問題を総合的に、あなたが議長でありまして、一回しかまだやってないということですから、一遍精力的に開いて当然国家政策的で国の持つもの、たとえば文部省から言うと学割をやってくれ、しかし負担は困ると、それは国鉄で持ってくれと、こう文部省は言っているというわけですから、そこらの問題点について、この閣僚会議の議長としての官房長官のお考えをひとつ聞かしてください。
○国務大臣(田中六助君) この問題は国鉄の財政赤字、国鉄の再建というような問題が一つの大きな課題として考えられると同時に、発生したのじゃないかという気もいたします。しかし、運輸大臣が指摘しておりますように、構造的なものあるいは財政再建をどうするかということと、他の五人の大臣が答えられておりますように、受益者負担とかあるいはいろんな身体障害者あるいは学生の割引というような、ちょうど対立したような問題がございます。したがって、国家的に総合的にどう考えるかという安恒議員の質問でございますが、やはり私どもは身体障害者とかあるいは学生とか、そういう者への配慮はやはりどこかで社会保障的なもので考えなくちゃいかぬというふうに思っております。しかし、これが受益者負担というような考えとどういうふうに結びつくかということも大きな問題でございますし、何しろその底流に国鉄再建という問題が控えておるだけに、非常にこの調整は困難ではないかと思いますが、いずれ閣僚懇談会でも、大平内閣になって一度も開いておりませんし、開いて、皆さんの御意見を聞いて整理しなければならないというふうに考えております。
○安恒良一君 これで交通関係を終わります。
○委員長(町村金五君) 安恒君の残余の質疑は明日行うことといたします。 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十分散会