予算委員会 第14号
- 発言数
- 430 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/03/24
会議録
○委員長(町村金五君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和五十四年度一般会計予算 昭和五十四年度特別会計予算 昭和五十四年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(町村金五君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十四年度総予算三案審査のため、本日の委員会に京都腎臓病患者協議会相談役芦田武一君及び日本銀行総裁森永貞一郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(町村金五君) 御異議ないと認めます。 なお、出席時刻等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(町村金五君) それでは、広田幸一君の一般質疑を行います。広田君。
○広田幸一君 私は、国立の病院と療養所の現在の運営の実態と、それから、それを強化するためにはどういうふうにしたらいいのかというようなことを中心に、厚生大臣と関係各大臣に御質問申し上げたいと思います。 そこで、御案内のように昨年の七月に問題懇談会が発足いたしまして、去年の十二月の二十日に答申が出ておるわけですけれども、この答申に沿って五十四年度の予算にどのように反映されたかということが一つと、それから今度の計画、そういったことについて、厚生大臣にまず御質問申し上げます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 広田委員御承知のように、国立病院・療養所問題懇談会の昨年の十二月の二十日に出されました提言は、この懇談会としてのお仕事の中間的報告と私どもは受け取っております。 その中におきまして、当面講ずべき処置として幾つかの点についてのお考えをちょうだいをしたわけでありますが、私どもとしては、五十四年度予算の編成に当たりまして、この中で専門的な機能の充実、また臨床研修機能の強化等をその趣旨を体して予算化に努力をいたしてまいりました。脳卒中リハビリあるいは臨床検査部、また国際医療協力センターなどの構想が緒についたこと、また療養所に僻地中核病院の機能を付与するようになりました一部の地域、こうしたものも、この御報告を受けてのものだと御理解をいただきたいと思います。 で、これから先、引き続いて国立病院・療養所のあり方についての基本的な問題についてのメスを入れていただくわけでありまして、その結果を踏まえ、ますます国立病院・療養所がその機能を充足するように私どもとしては努めていきたい、そのように考えております。
○広田幸一君 私も予算案を勉強させていただきまして、確かに前進の跡は私も認めるわけですけれども、ただ、この懇談会が提起されておりますところの一番の中心は、非常に職員が少ない、その中でも看護婦が非常に少ない、そういうことが指摘されておるわけでありますけれども、その職員の面からいきますと、どうも余り進捗の後が認められない、こういうふうに思うんですが、ひとつ職員の面で数字を挙げて御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 数字につきましては医務局長から御説明をさせたいと思いますが、基本的にぜひ一点御理解をいただきたい点がございますのは、御承知のように、国立病院・療養所というものが、旧陸海軍病院などを引き継いだ。そのため、当初においては衛生兵等が多数配置をされておりました上に、軽症患者に病院作業の一部を行わせてきたといったような経緯がありまして、発足当時から実は非常に医療従事者の数、特に看護婦等の配置は少なかったわけであります。その後、看護婦等を中心にして増員を図ってまいりましたけれども、総定員法というものの枠の中において一定の限界を与えられたという条件が一つ基本的にありまして、私どもとしてもその対策に苦慮しているところでございます。今後におきましても、この懇談会の検討を踏まえながら、将来あるべき国立病院・療養所の進むべき方向と、その中に必要な医療需要に対応する増員態勢というものを図りたい、私どもとしては基本的にそういう考え方を持っております。 実数につきましては、医務局長から補足して御説明をさせます。
○政府委員(佐分利輝彦君) 現在、御審議をいただいております明年度の予算案におきましては、国立病院・療養所の定員は五百六十七名の増員となっておりますけれども、そのうち二百四十二名が看護婦でございます。先生の御存じのように、第二次の看護婦充足計画が本年度でもって終わりまして、国立病院は複数夜勤の体制が七五%、療養所は五〇%ということになったわけでございますが、明年度の予算案が議決成立されますと、病院では七七%、療養所では五一%に上がる予定でございます。
○広田幸一君 いま局長から説明のありました五百六十七名のうちの中身を見てみますと、新しい医療分野の開発によって当然に必要な人間が大半というか、組まれておりますし、それから療養所が病院に転換したことによってふえた人間、これは当然療養所の方が減ってくるわけですから、これはプラスという数字にはならない。としますと、私の勉強した範囲では、先ほどから申し上げておりますところの夜勤体制の緩和のための看護婦というのは、国立病院の場合は六十一名、療養所の場合は、同じような形で計算をしますと五十二名、わずか百十三名しか一年間にふえていないというのが実態でありますが、この点、私の計算は間違っておりませんか。
○政府委員(佐分利輝彦君) 狭い意味の複数夜勤の解消の定員といたしましてはただいま先生がおっしゃったとおりでございますけれども、そのほかに重症病棟とか産科病棟、小児科病棟等の特に看護婦を必要とするところでも定員の増を図っておりますから、先ほど申し上げたような結果になると考えておる次第でございます。
○広田幸一君 いや、局長、それは違うですよ。たとえば新しい施設で救命救急センターが三カ所設置になっておる。去年も二カ所設置になっておるわけです。一カ所の定員が三十八名で、去年は七十六名、定員いっぱいこれは出ておるわけです。ところが、ことしは三カ所で、一カ所が三十八名ですから三カ所とすれば当然百十四名ということになる。ところが、定員としては二分の一の五十八になっておるわけですね。さっき大臣がおっしゃったように、やっぱり総定員法によって人間が削減されているんですよ。私はそのことを申し上げたい。これは厚生省だけに言ってもいけませんので、これから行政管理庁長官に申し上げたいと思うんですけれども、そういうふうに私は理解しております。 そこで、ちょっと書きものを配ってください。——いま関係大臣あるいは局長にお渡ししました参考資料というのは、先ほど来から申し上げておりますところの懇談会が出しました資料なんです。これを見てすぐわかると思うんですけれども、これは入院患者百名に対する医療従事者の推移でございます。出発が四十三年になっておりまして、五十一年で締めくくっておるわけでありますけれども、四十三年の出発点で、国立病院は六十七名、それに対して都道府県が七十八名、日赤が八十四名、それから済生会病院等が七十三名で、出発の時点においてこれだけの開きがあるわけです。ですから、われわれの考え方としますと、大体この関係が圧縮していく、縮まっていくというのが本来の姿であるというふうに考えるわけですけれども、五十一年になってみますと、逆にそれが四倍ぐらいにふえておるわけです。都道府県の場合が百十一名、国立病院の場合が六十九名ですから四十二名の開きがあるわけです。他は推して知るべしで、日赤の場合にしても九十九名、市町村も九十七名、済生会も九十三名、こういうふうな開きがあるということを約半年間かかって懇談会の皆さん方がいろいろと全国の実態を御調査になって、だからこの差を縮めなければならない、こういうふうに私はわざわざこういう資料がついておると思うんですけれども、この点、厚生大臣、この表についてどのような感じをお持ちになりますか、御答弁願いたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 正直を申しまして、大変頭の痛い思いを再確認をさせられるという感じであります。現実問題として、私ども考えてみまして、国立病院・療養所が果たしている現在の医療に対する機能、こうしたものから見て、なお定員配置に余裕を欲しいということは、これは本当に切実でありまして、その与えられた条件の中で現実に業務を遂行しております第一線職員に対して、むしろ激励の言葉を世間からもちょうだいをしたいという担当大臣としての気持ちと同時に、もう少し何とかならぬものだろうかという気持ちは、これは率直に感じております。
○広田幸一君 大臣、大変深刻な御答弁であって、私もそういうふうにあってほしいと、こういうふうに思うわけですが、そこで、私だけが言ってはいけませんので、実はこういう実態になっておるということが一つの新聞の記事に載っておりますので、これをちょっと御紹介申し上げたいと思うんですけれども、これはことしの一月の二十八日の朝日新聞の「論壇」に載せられました一文でございます。群馬県の高崎市の医師会の前の会長の村田さんという人がこの「論壇」に載せられておりますので、ちょっとこれを紹介したいと思うんです。 いろいろ言っておられますが、国立病院と地元医師会との疎隔がとやかく言われますけれども、高崎市の場合は平素交流を深めてよくやっている。自分は胆石症のために二カ月間国立病院外科病棟に入院をして、自分の見たままを実感として書く。外科病棟は、五十二床で医師が四名、看護婦が十二名、この人数で、年間手術の数が六百、うち全身麻酔が四百、このほかに外来診療を毎日行うなど、外来患者の中から手術を要する患者の入院、手術、退院、そういったパターンを繰り返しておる。救急車で運ばれる緊急手術は日程外である。私の体験をした外科病棟は悪く言えば戦時中の野戦病院であって——私も野戦病院に入院したことがありますから、よくわかります——野戦病院であって、看護婦さんはまなじりを決して、口をつむぎ、速足で駆けめぐっている、そうしないと、この激務にたえられない。救急医療などをいまの体制のままで受け入れるということは混乱を招き、医療事故にもつながることになろう。さらに、医師の意欲的活動にブレーキをかけることになる。こういうふうにおっしゃって、結びが、結論的に言えば独立採算制と総定員法を表裏とし、地域の特殊性を無視した画一的な厚生省の指導が地域住民のための医療確保のネックになっている、こういうふうに結んでおられるわけです。 私は、この村田先生というのは、この一文から見まして、地域の医療にも公的な病院とつながりを持ちながら非常に一生懸命におやりになっておる、きわめて良心的なお医者さんだと思うんですが、こういうふうな一文が書いてありまして、私は、これが今日の全国の——確かに国立病院として世界的な水準に達しておるようなりっぱなところもありますけれども、大方の国立病院と療養所の実態というものがこういうものではないか、こういうふうに理解をするわけでありますが、この点について、厚生大臣、あなたはお忙しかったからこういうものを見ておられないかと思いますけれども、これについての感想を……。
○国務大臣(橋本龍太郎君) むしろ国立病院の第一線業務に対して、非常にそこまでよく観察をしていただき、そうした御意見をおまとめいただいたということに対して、私は、敬意を表したいと思います。 ただ、その中で、ちょっと私はひっかかりましたのは、いわゆる国立病院特別会計というものが、いまのそうした第一線の国立病院・療養所の医療の上に、非常に大きな影響を投げかけているんじゃないだろうかという、そのお考えについては、私は実は必ずしも同意をいたしません。と申しますのは、確かに国立病院特別会計というものの性格からしまして、その歳入は、基本的には診療報酬から賄われることが当然でありますけれども、それ以外に、国立病院また療養所というものが性格的に必ずしもこれは収支の相償わない医療に対しても積極的に取り組んでいく責務があるわけでありまして、こうしたものに対する収支差額については、一般会計からの繰り入れをいたしておるわけでございます。この一般会計からの繰り入れそのものにつきましては、これは歳出面においては事業の増加でありますとか、また歳入面におきましては診療報酬等の改定等が行われるか行われないかといったようなことによって年々変動するものではありますけれども、事業を実施するために必要な歳出というものについては一応の確保が図られておりますから、そうした面から国立病院・療養所の実態について御議論になるところは私は必ずしも正確ではない。むしろいまの御意見を伺いますと、地域医療機関との連携も非常によくいっておる、その中において最大の業務をこなしている、そしてそれについてベッド数、また、その中における患者の増というものに定員配置が必ずしも一致しておらない、定員の増加、その他について十分な配慮がなされておらないという点についての御指摘であろうというふうに私は理解をいたします。 そうした点につきましては、私どもは、今後ともにできるだけの努力をしてまいりたいと思いますし、その観察そのものについては、私は、敬意を表したい、そのように思います。
○広田幸一君 いま大臣が国立病院の特別会計のことでおっしゃったわけですけれども、私は、いま大臣がおっしゃったこともよくわかるわけですけれども、特に国立病院の場合は、最近は難病を扱いまして、民間の病院とかあるいは自治体の病院等で扱えない難病等を扱っておりますから、特にそういうところには一般会計からも補てんをするということになっておるわけでしょう。ですから、私は、実は最近のこの国立病院にしましても、格別療養所の場合、そういう考え方が生かされていない、こういうふうに思うんですよ。 ですから、いま大臣がせっかくおっしゃったわけですから、さらに私の方からそれではいまの問題について質問をいたしますけれども、これは大臣でも関係の局長でもいいんですが、国立療養所の一年間の使う金と、その中に占める一般会計、いわゆる繰入率ですね、このものと、それから一年間の療養費の中の経費の面、この率ですね、それをちょっと説明してくれませんか。
○政府委員(佐分利輝彦君) 国立病院の、現在御審議をいただいております予算案の予算規模は二千五百三十五億となっておりまして、前年比一六・二%の伸びでございます。それに対する一般会計からの繰入額でございますが、二百三十六億となっておりまして、繰入比率は九・三%でございますが、前年の繰入額が百六十六億でございまして、七・六%でございます。
○広田幸一君 局長、大体十年間ぐらいの繰入率の変動、推移を教えてくださいよ。
○政府委員(佐分利輝彦君) わかりました。 療養所の場合でございますけれども、十年を持ち合わしておりませんが、五十年度は二二二%、五十一年度は二二・八%、五十二年度二七・六%、五十三年度二六・九%、五十四年度二二・四%となっております。
○広田幸一君 これは厚生省からもらった資料なんですけれども、私の申し上げたいというのは、さっきから厚生大臣とやりとりしておるんですけれども、四十三年の場合は、一般会計からの繰り入れというものが五〇%であったわけです。それが十一年たった五十四年が二二%、半分以下に下がっておるわけですよね。私は、これがいわゆる、後から大蔵大臣にも申し上げたいと思うんですけれども、独算制の方向にぐうっといっているんですよ、この数字から見まして。そういうことがいわゆる人間を切り詰めていくという結果になっておって、先ほど申し上げたような、これは各自治体の病院だって財政は非常に厳しいんですよ。しかしながら、住民の福祉にこたえなければならないということで、あんなに人員がふえておるのにもかかわらず、国立病院の場合はこういうふうに締めておるわけですよ。私はそのことを指摘したいんですよ、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょっといま私正確な年次は確認いたしますけれども、たしか四十三年に非常に大きな繰り入れをいたしました。また、それから後しばらくの間にそういう大きな繰り入れをしております一つの理由は、その時点から、いわゆる国立病院特別会計というものに、独立採算制の特別会計に移行したために、その移行時期において繰り入れをふやしたのではなかったかと思うんですが、ちょっといま私もとっさの御質問で、そこのところの記憶が定かでございません。調べてまた後ほどお答えいたします。
○広田幸一君 これは絶対間違いありません。診療収入とそれから療養所の経費との比率というものがだんだんと率が高くなってきておる。要するに医療収入とそれから支出の金のバランスをとろうとしておるわけですよね。そういうところにやっぱり何といったって無理があるということはこれは絶対間違いありません。後で私の言っておることが違っておれば反論してください。 時間がありませんから、私、行政管理庁長官にここで御質問申し上げたいと思うんですけれども、私がいま申し上げておるところのこの国立の医療機関に対する人員が少ないということは、昨年のこの委員会でかなり論議がございまして、わが党の高杉委員がいろいろ言っておるわけですね。そのときに当時の荒舩長官も、この問題は確かに国民の健康に関する問題である、命の問題であるから誠意を持って、これは別枠としてでも善処しなければならないという御答弁をいただいておる。それから、当時の村山大蔵大臣も、厚生省の方からそういう要求があれば十分に誠意を持ってこたえるというふうにおっしゃっておるわけですね。一年間たった。特に私が強調したいのは、先ほど来から大臣に申し上げておりますように、厚生省が実態を調査してもらうための懇談会というものが発足をして、そしてわざわざ提言をされておるわけですから、私は一年前の時点と一年たった今日とは非常に情勢が違うと思うんです、そういう意味で。 それからもう一つは、私は、昨年の八月に社会労働委員会で、当時の藤井労働大臣に対して、雇用創出のためにはもう製造業ではだめなんだと、福祉と文教方面に力を入れなければならない、私は何日の日に厚生大臣と会うようにしておる、通産大臣と会うようにしておる、こういうふうに言って、五十四年には必ず福祉のおくれを雇用創出の面でやりますということを答弁をされておるわけですね。大臣はかわられたわけですけれども、しかし、考え方というものは、私は、そういうふうに残っていなきやならぬと思うんですね。ですから、確かに総定員法というものがあることは私もわかるわけですけれども、さっきから申し上げておるような、せっかくのこういう諮問機関をつくり、そこで出たものがこういう数字になってあらわれておる。とすれば、さっき申し上げましたような、わずか百十名ぐらいの実質的な増ではいけない、こういうふうに私思うんですが、ひとつその辺、長官の今後の方針、もうこういうものがあってだめなんだと、いつまで待ってくれということなのか、もっと具体的な御答弁がいただきたいと思います。
○国務大臣(金井元彦君) ただいま御質問の点ですけれども、なるほど総定員法の枠というものはあるわけでございますが、年々やはりかなりの人数を生み出しまして、それで必要な方面に回す、こういうことをいたしておるわけでありまして、したがって総定員法があるからすぐ御要望の点がチェックされておる、こうはなっておりません。昨年も当委員会でいろいろ御論議があったようでございまして、私どもといたしましては、こういう性質のものにはできるだけひとつ人を回すようにする、こういう努力をいたしておるような次第でございます。
○広田幸一君 いまの長官の答弁では私はやっぱり納得できません。 そこで、長官、いまの総定員法というのは五十五年度までで第四次計画があるわけですね、あれから先どうなるかということがあるわけですが、いずれにしましても、さっき言いましたように、こんなに開きがあるわけですから、だんだん開いておるわけですから、それを、結局、私は、もう五十五年度が済むまではどうもしようがないんだと、こういうふうに理解してよろしいんですか。
○国務大臣(金井元彦君) いまの御質問の趣旨が、五十四年度が済むまではしようがという意味がちょっと……。
○広田幸一君 こういうことでございます。私は、とにかく総定員法があるために人間がふやされないというふうに見ておるわけですわ、大臣がどうおっしゃろうとも。そこで、本当は、やっぱり五十五年度までの計画が済まないと本格的な増員はできないんだと、こういうふうに理解してよろしいか、ということであります。
○国務大臣(金井元彦君) それは年々限られたものの中で増員をするということではありませんで、第四次の計画というもので四年間に二万八千人というものを生み出すわけなんです。そうすると、その年その年によりましては、その年に生み出したものよりもよけいに増員しておるということもあり得るわけでして、五十四年度におきましては、五十四年度に削減をした数よりも増員をした数の方が多いのでございまして、それは結局いままでに総定員法の枠内にある程度の人を持っておった、こういうことであります。
○広田幸一君 時間があれば、もっと細かく長官ともやりとりしていいんですが、それでは具体的に私は厚生大臣にお尋ねいたします。 問題は、もう看護婦の補充ということがこの懇談会でも非常に強く指摘されておるわけですから、それはいわゆる夜勤の緩和ですね。そこで私の厚生省からもらった資料によりますと、国立病院の場合が六八%で、一般の自治体の病院の場合は九六%、すでにここで二十何%の開きがあるわけでしょう、療養所の場合は四四%ですからね。ですから相当な開きがあるわけですけれども、せっかくこれは十三年前に人事院が判定をしておりますし、私はきのうちょっと勉強しておりましたら、昭和四十四年には、この人事院の判定に近づけるんだということが国会で議決になっておるわけですね。それから四十四年ですからかれこれ十年になるわけですが、一体、いつごろを目標にして、そういう決議なり人事院の判定に対して対応していこうとされるのか。ですから、何年でやりますと、むずかしいと、そこのところを具体的に話してくれませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは大変実はお答えのしづらい点でありまして、確かに国立病院・療養所のいわゆるニッパチ体制の強化ということで国会においても御決議をいただき、それを踏まえて今日まで努めてきました結果として、重篤患者の収容病棟あるいは産科病棟、小児科病棟等についての複数夜勤体制の整備というものだけはようやく一応の形が整ってきたわけであります。ただ、これが決して十分だとは申せないことは間違いがありません。いまおしかりを受けましたけれども、ことしにおきましても新規需要の分はもちろんありますが、二百四十二名の増員を行ってきたわけでありまして、私どもとしてこれを一〇〇%に一日も早く持っていきたいということには間違いがありませんが、いかんせん総定員法というものの中で増員枠そのものが年々動いております中で、私どもとしても、いつまでという年次計画を策定し得ないのが実情であります。 なお、先ほどのお尋ねの点につきまして、医務局長から補足して御答弁を申し上げたいと思います。
○政府委員(佐分利輝彦君) 先ほど先生が御指摘になりましたように、確かに収支率から見ますと、まず診療収入の割合が七六%というふうにだんだん上がってまいっております。また、繰入率は二二%というふうにだんだん下がってまいっておりますが、まず第一の理由は、先ほど大臣が御説明いたしましたように、四十三年度から国立療養所も特別会計になったということがございますし、また、その後、結核患者が大変減少いたしまして、難病を初めとして一般患者が非常にふえてまいりました。結核患者と一般患者では医療費が違うわけでございます。また、もう一つの理由といたしましては、四十四年度以降、社会保険診療報酬の引き上げ、いわゆる医療費の改定がしばしば行われまして、国立療養所におきましてもかなりの診療収入が入るようになった、そういった患者の変化と医療費の値上げ、こういったもので、先ほど申し上げましたように、比率が変わってきたものでございます。
○広田幸一君 いまの件ですね、私も一つの見解を持っております。だんだんと難病もふえておるわけですし、やっぱり療養所ではそれだけ経費もかかっておるわけですから、いま局長がおっしゃったような比率で、そういうふうにならないと思いますけれども、時間がありませんからこの辺で終わりまして、そこで、私、管理庁長官に申し上げたいんです。 私がさっきからやりとりしております意味はわかっていただいたと思うんですけれども、これは政府の政策ですから、長官に申し上げたってそうすぐいい返事はないと思いますけれども、やはりこの現状からして、こういう人間の健康、命にかかわる問題は特別な扱いとして除外をするという、増員にしても減員にしましても、そういうことを検討してみるというような私は配慮が必要ではないか、こういうふうに思うんですけれども、長官、いかがでございましょうか。
○国務大臣(金井元彦君) ただいまのお話ですけれども、とにかく総定員法というのは全体でいっておりますので、その中で賄える限りはこれで私は賄うようにすべきじゃないか。やはり全体の員数というものをできるだけ肥大化しないようにしていくということが目的で出ております。だから、どうしてもそれで賄えないという場合が起こった場合にはまたそのときに考えてしかるべきじゃなかろうか、かように思う次第であります。
○和田静夫君 ちょっと関連。 いまの論議を聞いておりまして、行管庁長官、われわれの主張でも総定員法の枠をいますぐこういう形に破りなさいと言っているわけじゃなくて、御趣旨のような形でもって、中におけるところの配置というものについて、もう少し人命尊重の職場については重点的に考えるとか、言ってみれば、増減員について画一的にやるのではなくて、国立病院なり療養所なりの看護婦の体制というのは、自治体病院と考えてみても民間と考えてみても、大変悪くなっている、悪く推移していることは間違いがないわけですから、そこのところは重点的に配置をする。言ってみれば、昨日、私は、たとえば財務局だとか財務部だとかいう不要の部分がある、これだけの定数をたとえば国立病院に回すということは行管の全体の配慮の中ではできることですから、そういう意味のことをやっぱりもっと真剣にやるべきだし、厚生大臣もやはりそういう立場から求められていいんじゃないかということを主張しているわけです。
○国務大臣(金井元彦君) 大体におきまして、いまお話しのような趣旨で、一方で削減をし一方へ回すということをやっております。ですから、いま病院については削減は課しておらないんです、これは。一律にずっとどこも削減率を課してそれで生み出してやるというんじゃなしに……。
○和田静夫君 業務量のぶえに対して人員がふえていないことが大きく問題なんです、ふえてないということ。
○国務大臣(金井元彦君) 増加分が少ないという意味ですね。
○和田静夫君 そうです、増加分が少ないんです。
○国務大臣(金井元彦君) ですから、その点は内容によって十分配慮するようにいたします。
○広田幸一君 余り時間を気にしておってあれですけれども、たとえばさっきも言ったんですけれども、新しい医療分野として去年からもあるわけですけれども、救急のセンターにしましても、定員がことしの場合、私の勉強したところでは、定員の半分しか見てないわけですよ、それは。衆議院の答弁なんか聞いておりましても、きょうは関係各大臣がおられるので、厚生省も少し遠慮して言っておられるんじゃないかと思うんですけれども、やっぱり総定員法にぶつかってこの人員の充足に一番苦労しておりますということがいみじくも出ておるわけですよ。 そういうことですから、とにかく私は総理大臣がチープガバメント、安い政府というのはけちん坊ではないんだと、要るところにはやっぱり要るし、こちらの方は節約しようというのが私は大臣の政策だと思っているわけです。それから家庭の生活を充実することがもう大切だと言っておるわけですね、それは病人がいないということなんですよ。病人がおっても大切にするような医療行政をやれというのが私は総理大臣のいままでおっしゃった方針だと思うんですよ。官房長官、そういうことですよ。だから私はそういう意味でどこがいいとか悪いとかということではなくて、要るところにはやっぱりやる、こういうふうな考え方でこれから長官取り組んでもらいたいと思いますし、官房長官、私総理大臣がおられませんので、せっかく長官にも出てもらったんですけれども、私が言っておるそういう考え方で人間の命を大切にする、健康を大切にするという趣旨から、もっと国の政策としてこの総定員法については、前向きに私はもうこの部分は枠内から外してもらいたいというぐらいに言いたいんですけれども、そこなんかのところを政府の政策として御答弁願いたい。
○国務大臣(田中六助君) お答えいたします。 先ほどから行政管理庁長官が言っておりますように、総定員法という原則はどうもゆるがせにできない、しかし、内容において弾力的なことは考えるということを言っておりますが、私はまさしくその点でいいんじゃないかと思っております。委員のおっしゃるように人命に関する問題でございますし、総理も簡素にして効率のある政府ということでございますので、簡素でしかも効率のあるというのは、そこに弾力性を持っておる、つまり一律という原則があってもやはりそれぞれの場において効率的なことを考えるということは委員の御指摘の線にも沿うんじゃないかというふうに考えております。
○広田幸一君 大蔵大臣、私がいろいろ話をしておることをじっと聞いておられたと思うんですけれども、お金を持っておる財政当局としてどういうふうにお考えになるか。
○国務大臣(金子一平君) 国立病院・療養所は、これは難病を中心にして地域医療に従事していただいておりますし、特に民間の医療機関でなかなか手のつけられないような特別の研究事業もやっていただいておりまするから、私どもといたしましても、できるだけの予算上の配慮はいたしておるつもりでございます。 厚生大臣からも話がございましたように、基本的には診療報酬から財源を賄うことにしておりますけれども、足りない分は一般会計でめんどうを見る、これはそのとおりやっておるつもりでございまして、ただ、広田さん御指摘のように、年によって繰入率がばらつきがございますけれども、これは聞いてみますと、医療費の改定や給与の改定率で年によって左右されておるということでございまして、それで数字的にもちょっと私チェックしてみたんです。国立療養所の五十三年度の繰入率と五十四年度を比べますと、ちょっと五十四年度落ちていますけれども、それは給与改定費の計上方法が五%から二・五%に下がったとか、計上方法がですよ、それから剰余金からの受け入れが五十三年度に比べてうんとふえたというようなことが理由のようでございまして、必要なものにつきましては、厚生大臣とも相談いたしまして、極力手当てするつもりでおります。
○広田幸一君 えらい時間を急いで恐縮ですが、賃金職員が六千四百六十四名おりますが、これの定員化についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(加地夏雄君) 現在の国立病院・療養所に賃金職員がいま御指摘のように六千でございますか、私ども必ずしも六千という数字は確認いたしておりませんが、それに近い方がいらっしゃるということは承知いたしております。 もともとこういった賃金職員は、これは病院・療養所に限らず、一般の行政機関の中でいわゆる恒常的な常勤職員で処理する業務と、それから一時的な、たとえばパートでございますとか、そういう臨時職員という形で処理する場合があるわけでございまして、各省とも、そういった意味で予算の計上もございますし、賃金職員の採用は一向に差し支えもありませんし、事実やっているところでございます。ただ、この国立病院……
○広田幸一君 看護婦の場合を言ってくださいよ、看護婦の場合。
○政府委員(加地夏雄君) かつて、これは先生御承知だと思いますけれども、三十年代の後半から恐らく四十年代の初めだと思いますが、看護婦の需給関係が非常に厳しい時期があったわけでございます。急遽、厚生省で看護婦の需給計画をお立てになって、相当看護婦の数を数多く養成されたわけでございますが、その当時、いわば潜在看護力の活用ということで、看護婦の資格を持っておられる方——家庭に入っている方ですね、そういう方をパートの形で御協力をいただこう、こういう形で、実は、看護婦の方を臨時職員として病院・療養所にお願いをしてきたというのが始まりでございます。 その後、いま申しましたように、需給計画が非常に改善されまして、看護婦さんの養成も軌道に乗ってまいりまして、そういう意味で、今日、一部の中にそういう看護婦で賃金職員の中に入っている方がいらっしゃることだと思いますけれども、一方におきまして、先ほどから御説明申し上げておりますように、大体年間五百人から六百人ぐらいの増員が行われております。したがって看護婦さんも確かにふえてまいるわけでございますから、仮にそういう賃金の形でお勤めになっておる看護婦さんについては、これはいわゆる病院・療養所の運営の問題として任用の形で定員化していくことも可能でございますし、そういう処理は十分できるわけではないかというふうに考えておるわけでございます。
○広田幸一君 その論議は、後で時間があればやります。 そこで、私は、そういった総定員法とかいろんなことでしわ寄せをされておる実態をこれからひとつ皆さんに話をしてみたいと思うんですが、参考人にちょっと質問をいたします。 参考人に御質問申し上げますが、あなたはどこで人工透析をお受けになっておりますかということと、福知山の国立病院で五十一年から五十二年にかけまして透析患者が五名死亡しております、そのときの事情と、それから福知山地区一帯の透析患者がどのぐらいおって、その受け入れ態勢がどういうふうになっておるのか、そういうことをお答え願いたいと思います。
○参考人(芦田武一君) 私は、福知山の出身でございまして、昭和四十五年の二月から京都の第一赤十字病院へ透析に通っておる者でございます。ただいま、まる九年余り透析をやっております。 それで、福知山の五十一年から五十二年にかけて亡くなられた人についてお尋ねですが、この五名につきまして、五十一年の二月から五十二年の六月にかけて五名の方が透析しながら亡くなられました。それから、八名透析しておりましたうちの五名が亡くなられて、二名はよその病院へ転院され、最後に一名だけが残って継続透析されておったわけであります。 その実情は、医師の不足と看護婦の不足のために、週三回透析をする必要があるというふうに患者自身も考え、また患者も医師にそういう要求もしましたが、手不足のためにその要求は聞き入れられずに、結局、週二回しか透析できず、体調が悪くなって亡くなられたというふうに受け取っております。それで、その転院された二名もどうも週二回では命が持たぬというので、三回透析やれる病院へかわられたというのが実情であります。 それから医師の不足と看護婦の不足に、同時に祭日があれば、祭日は、医師の都合で、勤務者の都合で透析は休む。京都の場合では、民間あるいは私は第一日赤でやっておりますけれども、ことしの元日なんかは月曜でしたけれども、元日でも透析をやったわけですが、国立病院の場合は、五月なんかだったら三日あるいは五日の祭日なんか、四日が日曜だったら三日間ぶつ通しで透析を休むというような実情で、勤務者本位で患者は二の次という形で透析をやっておるのが実情であります。そうしたわけで、三回せんならぬ透析が二回になり、あるいは祭日は飛ばされ、そしてどうも体調が思わしくないという、それは医師の不足が大きな原因であったということが考えられます。 それから、もう一つには、いまだに厚生省からも指示のあったような透析中の食事については支給されておりません。いまだに昼の食事時間にはそれぞれ弁当を持参して、冷たい弁当を食べておるような実情で、カロリーの点から、栄養の面からも十分でないということもありますし、また医師不足、看護婦不足のために、そういう生活管理の指導あるいは栄養の面の食事指導、そういう面の訓練指導も十分に行われておらないというような面も大きな欠点かというふうに受け取っております。 それから、もう一つ、現在の福知山あるいは綾部、それから宮町、夜久野町、大江町のこの三町を含めた福知山近辺の透析人員は、いま京都へ通院しておる者が九名、それから舞鶴へ福知山、綾部から通院しておる者が十名、それから綾部から南丹病院へ、八木町ですけれども、通院しておるのが四名、それから綾部から小浜へ通院しておる者が一名、合計二十四名、他の都市へ通院して透析を受けております。それから福知山では現在国立病院で六名透析しておりますので、これを合わせますと合計三十名おるわけですが、その福知山でやっております六名のうちの三名は兵庫県の人がやっております。福知山は、兵庫県に接しておりますので、兵庫県の影響を相当受けまして、入院患者、透析患者すべて兵庫県の人が国立病院へそうした影響をしてくるということがあります。三十名の透析患者が現在おります上に、京都で透析しておる中にあと三名ほど福知山へ転院したいという私の方へ希望の申し込みも聞いておるわけで、現在私の手元には三十三名が福知山付近で透析したいということになっておりますけれども、実情は福知山に透析機械が四台しかありませんし、医師は内科の先生が兼務で外来の患者を診ながら片手間にやっておるように私たちは受け取っておるわけですけれども、内科の先生が、透析機械は入ったけれどもその時点で定員は一つもふえておらぬので、仕事だけふえて人がふえておらぬということで、その内科の先生が片手間に透析をやってくれておるというような私たちは受け取り方をしておりますが、そういうことで人手が足らぬので指導もできぬということで、朝の透析の針を刺す時間にも、先生がどこへ行ったかおらぬので探してこなんだら針を刺す先生がおらぬというようなことで、九時ごろ針を刺す時間が来てもその内科の先生を探して歩かんならぬような実情もあったように聞いております。 以上、お尋ねの点はその点だったでしょうか。
○広田幸一君 厚生大臣、あるいは局長、いまの参考人のおっしゃっておることをよく聞いておいてください。 それから参考人にお尋ねしますけれども、私の承知しておりますのは福知山市が人口が六万、その隣の綾部市が四万、それからほかの二つの町で全部合わせて十二万二千人おるわけですけれども、ここには透析機械が幾らあるんですか。
○参考人(芦田武一君) 二市三町を含めてこの周囲には福知山の国立病院に四台あるだけで、全然ほかにはないです。
○広田幸一君 増設を要求してこられましたか。その経過をお話ししてください。
○参考人(芦田武一君) 私は、すでにもう五、六年前からもちろん福知山の市会に出し、京都の府会に請願書を出し、あるいは国会の先生にもお願いしたこともありますし、また、もちろん病院の院長を通じて病院にもお願いして、病院からは近畿地方医務局を通じて厚生省の方にもそうした要請書を出したというふうにも聞いておりますし、三十人程度の透析患者の収容できる設備をつくるように厚生省にお願いしたということは聞いておりますし、そういうことで何回もそうした要求はいままでに重ねてきたつもりです。
○広田幸一君 さらに御質問しますけれども、結局三十名ばかりの人がその地区に透析を必要とする患者の方がおられて、福知山病院には時にはわずか三人、四人しか行かない、死亡するから恐ろしくて行かないと、そういうふうに聞いておるわけですけれども、結局あとの二十何名とかいう人は京都とかよその地区に行かなければならない。 参考人の芦田さんは、京都に通っておられるわけですね。週に何回通って、何時間かかって、しかも通院費は幾らぐらいかかっておるか、ほかの人のも含めてひとつお知らせください。
○参考人(芦田武一君) 私は月、水、金と週に三回通っておりますが、いま福知山から九名が京都のそれぞれの病院へ、私は第一日赤ですが、第一日赤へ二名、西陣病院へ二名、あるいは右京病院へ一名、東脇台へ二名、馬杉医院へ二名、そうして皆が京都市内の病院へ通っております。 それで、時間は普通急行に乗りまして一時間五十分から二時間近く汽車だけでかかりますが、家から病院へたどり着くということになりますと二時間半ないし時には三時間かかるということになります。 それから通院費の問題ですが、一週三回通いますと平均して月に十三回、一月には元日から行きましたので一月については十四回通ったわけですが、こうして十四回通いますと、バス賃と汽車賃とを含めまして月額四万五千三百六十円、それから十三回で四万二千百二十円という金額、これが総額です。それは市バスあるいは普通の最低料金のバスとかあるいは国鉄の運賃、それから普通急行の料金で勘定した分でそういうことです。
○広田幸一君 参考人は結構でございますから。
○委員長(町村金五君) 芦田参考人には御多忙中のところ御出席いただき、ありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。御退席いただいて結構でございます。
○広田幸一君 私は、福知山の国立病院の問題をここの委員会で取り上げて厚生省を別につるし上げるという意味ではないわけですわ。こういう実態があるということを私は関係の省庁の皆さんに知ってもらって、やはり地域においてはこういう医療の谷間にあるという実態を知ってもらいたい。そういう意味で、私は、参考人本人が言われましたように、週に三回福知山から往復四時間かかって京都の病院に通っておられる。そういうふうな人がたくさんおるわけですね。しかも、福知山地区には、さっき申し上げましたように人口が十二万ある、二市三町で。そこにたった四つしかない。しかも、国立病院の透析患者の取り扱いというものは非常にずさんである。後から答弁をいただきたいと思いますけれども、いま参考人の話を聞いておりまして、私はうそではないと思います。いままでも、何回となくそこに増設をしてもらいたい。たくさんの時間かかって、金を費やして行っておる。私は、そういうところに、人間の命を尊重する、大事にすることに対して冷たい医療行政があると思うのです。大臣もそこまでは見ていられなかったと思うのですけれども、そういう意味で、なぜ福知山病院においてそのように死亡者が多いのか。私も昨年京都の三つの透析の病院を見て回りました。りっぱなところがあるわけです。なぜそういうふうになっておるのかですね。 それから夜間透析の問題が余り進んでいない。夜間透析というのは、日中に働いて夜間透析すれば働きながらできるわけですから、これがいわゆる包括医療で社会復帰ができるというわけですが、そういうことには余りこたえていない、こういうふうに私は思うわけであります。そういうことを含めて、なぜこういうふうな実態になっておるかということを御答弁願いたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いまの参考人のお話を私もそれなりに真剣に拝聴しておったわけでありますが、この中には幾つかの問題点が包含されておるような気がいたします。 一つは、国立福知山病院の透析患者の死亡率についてのお話がございました。この数字は事実でありますが、国立病院としての性格上重い患者の方からある程度優先して透析を行ってきた、そして、亡くなられた方の中には、がんでありますとか、心筋障害をお持ちの方でありますとか、あるいは脳卒中等の重篤な合併症状を持っておられる方を優先してきたということが一つの原因ではないかと思います。これは事実関係としてそういう数字もあるわけでありまして、だから、それで現状がそのままでよろしいと申し上げるつもりはございません。 実は、私どもとして大変頭が痛い問題は、日本全体としてはむしろ人工透析に対する機器の整備は必要以上に多くなっておりまして、むしろ海外諸国から日本は人工透析のやり過ぎではないのかというような批判も浴びておるという実例がございます。その中で、四十七年度から四十九年度にかけまして、地域性を考慮しながら、国は、国立病院、また公立病院及び公的医療機関を中心といたしまして、約七百台の透析機器を整備いたしてまいりました。ところが、その後におきましても、いま申し上げましたように、人工透析の普及率が非常に高くなりまして、昨年の六月末の状況で十一万七千台、そして必要人員に比べて約一万人分オーバーという透析機器の状況になっております。ただ、その中における地域的な偏在が確かに一つの問題点でありまして、これは今後私どもも十分に考えてまいらなければなりません。 その中で、福知山地区における透析の状況は、御指摘のとおりに福知山市に国立病院で四台を設置いたしておるのみでありまして、また、これは中丹いわゆる中部丹波地域の広域市町村圏におきましても十四台という整備状況でありまして、これは人口十万人対比の台数といたしましてはいずれも全国平均をはるかに下回っております。ところが、京都府としては、これはまた全国平均から見て非常に高い整備台数でありまして、京都府内におきましては実は三百十九台の人工透析機器装置、これは全国平均から見ましてむしろはるかに高いという結果になります。それだけに、民間病院をも含めた配置状況をどうとっていくかというのは、これからの私どもの一つの確かに宿題であろうとは思います。 ただ、夜間透析の体制につきましては、これは今後の一つの課題でありますが、御指摘のように、確かに日常の業務を昼間に遂行されて夜受ける、それが便利であるという点から言えばそのとおりでありますけれども、これは実は必ずしも患者さんの健康の上からいけば望ましい姿ではございません。むしろ夜間はそのまま普通に休養される、昼間透析を受けられる状態をつくる方が実はよりベターなことは間違いないわけでありまして、むしろ患者さんの健康上のことを考えればこれは必ずしもお勧めのできることではないと基本的には思います。ただ、生活の実態から見てそうしなければならない方があることもこれは事実でありまして、今後における体制整備につきましては私どももまじめに研究をしてまいりたいと思います。ただ、できればやはり昼間の透析をお受けいただく、またこれはたとえばお勤め等の場合には、雇い主の方々にも配慮していただくことによりまして一日入院といった形で透析を行っていただく方がよりその方の健康の維持のために必要なことであることは間違いありません。ただ、そうした状態も踏まえて、今後の検討課題として私どもはなお努力をしてまいりたいと思います。 また、もう一つの通院のための運賃の負担、これはいまの方の場合でも、福知山から京都への通院ということで大変負担がかかられる、これは事実問題としてそういうことであろうと思います。また、心身障害者対策基本法の趣旨からいきましてもそうした点についての配慮規定が設けられておるわけでありますが、私どもとしては厚生省の立場でありますので厚生省として申し上げさせていただくならば、身体障害者に対する国鉄の運賃割引制度というものがその事業の公共性にかんがみて可能な範囲での実施ということで、福祉的な配慮として実施をされているものでありまして、これがその配慮の一環として内部障害者まで拡大することが身体障害者福祉の観点から見て望ましいことであることは間違いがありません。ただ、これは現実の国鉄財政その他の点からの隘路があることもまた事実であろうと考えておる次第でございます。
○広田幸一君 いまの大臣の答弁の中で、二つ私は問題を出します。 全国的に透析機器が多いというのは、原因は、これはもうかるからそういう施設をやったんです。医師の所得の億以上は透析を扱っておる病院が多いんですよ。だから、もうかるからどんどんやったということであって、これはもうかるような仕組みにしておる、薬価基準と実勢価格の間が倍、半分も違う、そしてダイアライザーを何回も使う、そういうものを見逃しておった政府の方に責任があると私は思うんですよ。ですから、その問題は問題にならない論議である。ですから、大臣がおっしゃったように、とにかくこういう適正な配置については、私は、都道府県の知事と連絡をとりながら、とにかく大変むつかしいことですけれども、ひとつ適正配置の方向に向かってぜひやっていただきたいというふうに思います。そのことについての、いつごろまでにやるかというようなことも期限をつけませんが、ひとつそのことについての考え方を聞きたいと思います。 それからもう一つ、透析の問題は、私は京都の病院で透析ばっかしやっている病院に行ってみました。そこはもう十年間やって、十年ずっと生き長らえておるのは透析をやった患者だと。いまおられた芦田さんの顔は黒いでしょう。そこの病院の人は本当にぼくらと同じように非常にきれいな顔をしておるわけですよ。ちょっとおかしいですかね、健康そうな顔をしておるわけですよね。ですから、それはちょっと実態は違う。それは間違いない、私がやってみたんですから。ですから、そのことについて反論をするわけじゃありませんが、過去は過去として、とにかくだれでもどこでも、いわゆる政府が言っておりますように医療の供給と負担の公平ということを言っておられるわけですから、私はやっぱりどこでもだれでもが本当に受けられる、それがいわゆる国民皆保険である本当の姿だと思うのですね。そのことはもう私が言わなくても大臣の方がよく御承知になっておりますので、そのことについて。 それから運輸大臣、えらい長いことお忙しいのに待っていただきまして恐縮でございますが、さっきの通院費の問題ですけれども、身体障害者には割引券が出るようになっているわけです。ところが、内部疾患の身体障害者には割引が出ないわけです、心臓病とか人工透析の身体障害者には。そこに問題があると思うんですね。厚生省もそのことは努力されておることは私知っているわけです。ですから、そういう一応政策として身体障害者には割引をするという制度があるわけですから、内部疾患の場合でも同じように適用してもらえぬだろうか。特に、透析患者の場合は、雪が降ろうが雨が降ろうが、どんな台風の日でも医療機関に週に三回行かなければ命がないわけですから、特別に考えてあげなければならない、そういう点を強調したいと思うのですけれども、運輸大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、人工透析に対して営利を目的とした設置が行われておったという事実は私も決して否定はいたしません。そこで、ことしの一月の末に厚生省から出しました新たな診療報酬の適正化に対する指導監査の強化という中でこの腎透析につきましては特に一項を設け、これについては財務監査、経理監査までを併用してチェックを行うという厳しい体制をしいたわけでありまして、御指摘の点については今後の体制として私どもはこたえていけると考えております。 なお、今後における透析機器の適正な配置というものには、国公立病院、また公的医療機関を含めまして、できるだけの私どもも努力をしてまいりたいと思います。
○国務大臣(森山欽司君) 先ほど来、大変お気の毒な方々がおいでになる事情はよく伺いました。しかし、御承知のとおり、国鉄の現在の財政状態は非常なピンチでございまして、この段階で内部疾患まで適用を拡大するということで色よい返事を申し上げる段階にはないということだけを申し上げておきたい。しかし、いずれにいたしましても今後の検討事項とさしていただきます。
○広田幸一君 まあ国鉄も大変赤字のときですから、私もよくわかりますし、学割りの問題も出ておりますし、構造的な赤字の原因がそういうことにあることもわかるわけですけれども、先ほど来からいろいろやりとりをしておりますように、本当に気の毒な人工透析の患者だと私は思っておるわけです。ですから、将来の問題としていずれ国鉄の赤字再建の場でそういう話も出ると思いますので、ひとつ善処してもらいたいと思いますし、きょうはだれに言うか、官房長官はおられませんので、これは政策的に、そういう身体障害者に対する割引というものはあるわけですから、ある以上は内部疾患のそういった身体障害者にも適用ができるようなひとつ配慮をしてもらうように厚生大臣の方に特にお願い申し上げておきます。 時間がございませんので、私、厚生大臣に申し上げたいと思うのですが、これは私も昨年から国立病院を回ったり、先月は岩手県の沢内村に三日間入っていろいろと地域の実情を調べてみたのですけれども、この医療問題は大切な問題だと思うのですが、国立病院の場合、こういうちょっと隘路があるように思うのですよ。といいますのは、地域の病院は住民と直接結びついておるわけですね。それから地域の住民からいろいろな意見が出ると、そこでわりに問題が解決がつく。ところが、国立病院・療養所の場合は、一応事務長、病院長が聞いてそれを今度は厚生省の方に持っていく。厚生省の方は、金の問題とか総定員法の問題とかなかなか通らない。いわゆる下意上達が通っていない。そして、事務長の人事権というものは厚生省が持っておる。余り上に言ってもあれだというふうなそういう感じが、いい悪いは別として、やっぱり現場にあると思いますね。ですから、もっと素直にそういう住民の声が事務長等から通して上の方に出るような、私はそういう配慮というものをお願いを申し上げたいと思います。そういうことを含めて、最後に厚生大臣の、日本の医療行政の最高の責任者でございますから、きょう私がいろいろ質問しましたことに対して、あなたのこれからやろうとする決意をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 少なくとも実は私は国立病院・療養所の所長さん方、院長さん方、また事務部長さん方とよくお目にかかっている方ではないかと思います。そういうことを抜きにいたしましても、国立病院長会、また療養所長会議等の席上相当程度のいろいろな議論を遠慮なく交わしておるということも間違いがございません。そして、御指摘のような問題点があるとすれば、これはなお一層気をつけていかなければならぬことだと思います。本質的に国立病院また療養所というものは、本当に民間の医療機関等ではなかなか困難な非常に骨の折れる、また費用のかかる、より高度な医療を提供する責務を持っておるわけでありますし、それに関連しての民間医療機関との連携その他につきましても、これは私どももなお一層努力をしていかなければならぬと考えます。本年度から、地方に、全国各ブロックに、地方循環器病センター等を整備していこうと、また将来におけるプライマリーケア等の指導体制をも機能としてあわせて持っていこうということを私どもは考え、また、現在療養所の中から僻地中核病院に機能を変換するものもスタートをさせようとしておりますのも、そうした国立病院・療養所というものの持つ将来の使命というものを考えてのことでありまして、今後も本日のような観点からの御指摘はぜひちょうだいいたしたいと思います。
○委員長(町村金五君) 以上で広田君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(町村金五君) 次に、立木洋君の一般質疑を行います。立木君。
○立木洋君 防衛庁長官にお尋ねしますが、いまの自衛隊は天皇の軍隊だというふうにお考えになっているかどうか。
○国務大臣(山下元利君) 戦後の自衛隊はそのようなものではないと思っております。
○立木洋君 それじゃ改めてお尋ねしますが、軍人勅諭の冒頭はどういう書き出しで始まっていますか。この軍人勅諭はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(山下元利君) 軍人勅諭は、戦前の軍隊におきまして天皇から軍人に賜った勅諭であると考えております。
○立木洋君 どういう書き出しか忘れましたか。
○国務大臣(山下元利君) 徳目といたしまして、忠節、礼儀、武勇、信義、質素ということは記憶いたしておりますけれども、冒頭の書き出しにつきましては直ちにいま……。
○立木洋君 それじゃ、現在の憲法のもとでこの軍人勅諭は法的にはどうなっておるでしょうか、法制的には。
○国務大臣(山下元利君) これは戦後効力を失うことになっておったと思います。
○立木洋君 大臣が言わないから私が言いますが、この冒頭の書き出しは、「我國の軍隊は、世世天皇の統率し給ふ所にそある。」——思い出しましたでしょうか。この軍人勅諭を自衛隊の基本精神あるいは規範とするようなことがいまの憲法のもとで許されるというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(山下元利君) いまの自衛隊におきましては、自衛隊法の精神また自衛隊の心構え等を決めておりますので、戦前のものとは違っております。
○立木洋君 許されるかどうか。
○国務大臣(山下元利君) 軍人勅諭そのものはすでに現在の自衛隊にはその効力を持たないと思いますが、そこに示されております徳目の普遍的なものにつきましてはそれはそれなりに評価せられるべきものであると思いますが、現在の自衛隊は戦後の民主主義を守る立場におきましてその立場に立っての心構えを決めておるわけでございます。
○立木洋君 徳目が許されるなんというようなことは大変なことですよ、天皇の軍隊という精神があの軍人勅諭なんですからね。その基本的な点はどうなんですか。
○国務大臣(山下元利君) ただいまの自衛隊は国民のための自衛隊でございまして、天皇のための軍隊ではございません。
○立木洋君 それじゃ、過日の防衛大学の卒業式ですね、ここに元号法制化実現国民会議の議長を務めておる石田和外氏を来賓として招いてあいさつさせられましたが、これはどういう基準で来賓として選んだのでしょうか。
○国務大臣(山下元利君) 防衛大学校の卒業式にはいろいろの来賓の方に来ていただきまして、そして卒業生に来賓を代表して祝辞をいただくことになっておりまして、従来、外交官でありますとか文化人であるとかいわゆる学識経験者の方を選びましてお願いいたしておりますが、本年に当たりましては、防衛大学校におきまして十分部内で相談いたしましたところ、従来法曹界からどなたもやっていただいていないというので、元の最高裁長官であられる石田和外氏を来賓としてお招きして、それにまた代表として御祝辞をお願いしたということでございます。
○立木洋君 ところが、この石田氏のあいさつの中できわめて重大なのは、かしこくも明治天皇が軍人に賜りたるお諭しは時代が変わってもいまも生きておるという趣旨の発言をされていますが、これは自衛隊は天皇の軍隊ではないと、先ほど長官が言われたとおりですが、この防衛大学の卒業式という正式の公的な行事に、こういうようなかつての軍国主義、これを賛美し、そして憲法違反の発言を許すというふうなことは重大なことだと思いますが、こういうようなことを許してよいのかどうなのか、長官はどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(山下元利君) 元最高裁長官という高い地位におられた方を防衛大学校の来賓としておいでいただいたということにつきましては、私は防衛大学校が選んだことにつきましては十分に理由があり、御了解を得られるものだと思います。また、そのときの御祝辞は、いろいろいま現在御指摘になっているわけでございますけれども、これも実は石田元長官は、先ほど申しました国への忠節であるとか、あるいは礼儀とか、あるいは武勇、信義、質素という、こうした徳目につきましてお触れになっておるわけでございまして、その軍人勅諭という言葉自体も直接にはお使いになっておらないと思うわけでございますが、私どもは、たとえば信義とか質素とかいう徳目自体は普遍的な概念でございますので、いまの自衛隊は天皇の軍隊ではございません、国民のための自衛隊でございますし、軍人勅諭はもちろん失効いたしておるわけでございますけれども、そうした普遍的な徳目について石田元長官はお触れになったと思う次第でございます。
○立木洋君 それは大変なことだと思うのです。忠節だとかなんとか言われていますけれども、事実上天皇に対する忠節ということで、あの第二次世界大戦の中で日本の人々がどれだけ犠牲になったか、これはもうおわかりだと思うし、ああいう戦争については反省しなければならないというのが政府の立場じゃないですか。ここで述べられているのは、まさに「義は山嶽よりも重く、死は鴻毛よりも軽し」というふうに述べられているわけでしょう。天皇の軍隊であるという観点から述べられている徳目なんですよ。そういうふうなことを述べてそれを構わないというふうにそれで済ませるわけですか。
○国務大臣(山下元利君) 軍人勅諭自体につきましての私の見解はすでに申し上げましたとおりでございまして、私は、その石田元長官のお触れになりました徳目でございますね、その中には普遍的なものもございますと、こう申しておるのでございまして、私どもは、その軍人勅諭そのものがただいまの立場においてそっくりそのまま自衛隊に当てはまるというようなものでございませんので、ただ、普遍的な徳目につきましてはこれはそれなりに考えていい問題もございますし、またそうしたことについて来賓としてお触れになった、このように思う次第でございます。
○立木洋君 これは天皇の軍隊だという観点から述べられている徳目なんですよ、あなたの言われている。それでもいいんですか。
○国務大臣(山下元利君) 私どもといたしましては、あくまで国民のための自衛隊でございまして、現在は天皇のための軍隊ではございません。それはもうはっきり申し上げているとおりでございまして……
○立木洋君 いや、公式の場でそういうことを述べていいかどうか。
○国務大臣(山下元利君) これは私がそのようなことを申し上げたとするならば問題であろうかと思いますけれども、そのような学識経験者をお願いしている、その方が祝辞を述べられたときに普遍的な徳目についてお触れになったことにつきましては、私はそれはそのこととして受け取っていいと思います。
○立木洋君 好ましいと思われるのですか。
○国務大臣(山下元利君) それは来賓の方々の一つの御判断でそのように御祝辞をいただいたわけでございますので……
○立木洋君 大臣としては好ましいと思われるのですか。
○国務大臣(山下元利君) 私は、先ほどから申しておるように、普遍的な徳目としては、たとえば信義とか質素ということは、これはその徳目として受け取っていいものだと思います。ただ、おっしゃるとおりに、軍人勅諭の性格につきましては、冒頭申し上げているとおりの私どもははっきりとした見解を持っておりますけれども、そうした普遍的な徳目として来賓の方がこれから卒業する卒業生にお触れになったことは、私はそれはそのこととして伺っていいと思います。
○立木洋君 長官の発言というのは私は重大だと思うのですよ。あなたが管轄している防衛大学という公式の行事の場において、すでに法的には廃棄させられたこの軍人に対するお諭しというものをかしこくも明治天皇のというふうに述べられているのですよ。それ以外の軍人のお諭しってあるのですか、天皇の軍隊という以外に。そういうことを長官が認めるということは、これは重大な問題ですよ。もう一遍その点を明確にしておいてください。
○国務大臣(山下元利君) 石田元長官がいろいろと御判断によりまして、かしこくもかつての明治天皇の軍人へのお諭しというふうにお触れになっていることは、そのとおりでございます。その中の忠節、礼儀、武勇、信義、そして質素という、そうした徳目は時代が変わっても忘却してはならない金言でありますと、こう申しておられるのであります。したがいまして、こうした徳目につきましては、私は、時代が変わりましても忘れてはならない点もあると思います。しかし、そのことが決して現在の自衛隊が国民のための自衛隊であり天皇のための軍隊ではないということばもうはっきりいたしておるのでございますが、私どもはそうした中においてもやはりこうした徳目については徳目として受け取るべき問題もあると思います。
○立木洋君 私は長官の発言は詭弁だと思うし、私はいただけない。大変重大な政治的な問題としてこの際指摘をしておきたいと思います。 次に、仙台で行われた第十三回建国記念日奉祝宮城県大会という集会で、どういうスローガン、どういう決議、またどういう性格の集会であったのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(山下元利君) 本年の二月十一日宮城県で行われました建国記念の日の奉祝宮城県民大会のことを御指摘ではないかと思うわけでございますが、その宮城県民大会は、国民の祝日でありますところの建国記念の日を祝っての行事であったと承知いたしております。
○立木洋君 スローガンと決議。
○国務大臣(山下元利君) それは承知いたしております。
○立木洋君 長官はお答えにならなかったので、事務当局でもいいから、スローガンと決議について述べてください。
○政府委員(夏目晴雄君) 本年の二月十一日に、自衛隊の東北方面総監の柏葉陸将が、宮城県の建国記念日奉祝宮城県民大会に、この大会の会長である宮城県議会議長からの招待を受けて、出席しておりまして、その際、この東北方面総監は国民の祝日を祝うという意味で出席したわけでございますが、この会場において、案内されたときに、その会場のホールにスローガンがかかったということは後で知ったようでございますが、そのスローガンを申し上げますと、「ゆがめられた日本歴史の名誉を回復しよう」「一世一元制の法制化を実現しよう」「自由憲法を制定しよう」「われらの国民はわれらが守ろう」「北方領土返還を要求しよう」「靖国神社は国家で守ろう」、こういうような趣旨のスローガンが掲げられていたようでございます。
○立木洋君 このスローガンの内容から見ても、これはまさにきわめて政治的な集会だ、このいま掲げられているスローガンの内容は、いま国論を二分にするかのような重大な政治的な問題であって、これはやっぱり特定の立場に立った政治的な集会だというふうに考えざるを得ないわけですが、どういうふうに長官はお考えでしょうか。
○国務大臣(山下元利君) この集会は、いろいろ先ほど申しましたように国民の祝日である建国記念の日を祝賀する宮城県民の集会である、そしてまたその大会委員長の名前で御案内があったように聞くのです。それは県議会議長さんのお名前であったと、非常に公共的な集会であるというふうに聞いておりますし、また総監はそうしたことのために御案内に応じて出席したと思います。ただ、いま政府委員が申しましたように、その式場へ参りましたところがそのようなスローガンが掲げられていたようにも聞いておりますが、そのことは出席して初めて承知したというふうに聞いておりますので、決して意図して政治的な集会に出席したものではない、あくまで県民の代表の方から御招待をいただいた県民の集会に出席した、このように考えておる次第でございます。
○立木洋君 いま問題にしましたように、一世一元制の法制化の問題あるいは自主憲法の制定あるいは靖国神社を国家で守ろう等々のスローガンですね。これはもちろんこういうもので集会が開かれるというのは私たちは賛成でありませんが、もちろんそう考えている方々もおられるだろうと思うのですよ。だから、集会そのものに云々するのではなくて、そこに先ほど言われました自衛隊の東北方面総監が来賓として制服のまま出席をした。これはやはり公務員の幹部として、こういう不偏不党、公正に職務に当たるべきであるという趣旨から考えてみて、こういうことは好ましくないことである、こういう趣旨にもとるものではないかというふうに考えますが、どうですか。
○国務大臣(山下元利君) あくまで自衛隊の幹部といたしまして、政治的なことにつきましては慎重であらねばならないと思いますが、しかしこの場合でございます、先ほどからも申し上げておりますとおりに、国民の祝日である建国記念の日を県民が祝われる、そしてそのときの案内状も私は見ました。そのときにはすでに県の有識者の方々も御出席をされるようでございますし、その案内の方々がやっぱり県民の代表である方であるし、それにやはり公式の式に総監が出席するということは、これは私は決して悪いことではないと思います。しかももしそれで出席するとなれば、これはもう当然制服があるのでございますから、制服で出席するのはこれは私はそのこととして決して悪いことではないと思う。ただ、その式場にスローガンが掲げられてあった、それを向こうへ行って承知した、このように承知しておる次第でございます。
○立木洋君 最初からこういうスローガンが明確に掲げられておる集会であるというふうにわかっておった場合には当然慎重に対処しなければならないことだろうと思いますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(山下元利君) 私は先ほども申しておりますとおりに国民の祝日を国民が祝う、そして県民が祝われる。したがって、その代表から御案内いただいたときに、それに参加するというのはこれは私は許されていいことだと思う次第でございます。またこのたびの集会もその御案内によりますると、そうした国民の建国の記念の日を祝うということでございますので、それに当然出席いたしたと思うわけでございます。
○立木洋君 このスローガンがあったことをわかっておった場合——委員長ちょっと質問に対して答えていないんですがね。このスローガンが事前にわかっておった場合どうですか。
○国務大臣(山下元利君) 私は、これは一概にいま申し上げることができないと思います。それはやはりそれぞれの主催者の立場というものがありますときに、御案内をいただいたときに、それはあくまで建国記念の日を祝うのだというふうな御趣旨であります場合に、これに出席するのは、これは判断によりますけれども当然でございます。そのときにそういうスローガンがあるかないかなんということを一々あらかじめ精査をするということは、これはいかがかと思いますし、われわれは純粋にそういう国民の祝日を祝われるところに参加するということは、これは私はあたりまえと言えばあたりまえのことでございますし、そうした中において、その会場にそれらのスローガンが掲げられておったということは向こうへ行って初めてわかったわけでございますし、私どもはその目的が那辺にあるかということによりまして判断すればよろしいのであって、それが国民の祝日を祝うということであるならば、これはその判断で出席してもいいと思うわけでございます。
○立木洋君 じゃあ公務員が公的な立場で不偏不党、公正に職務に当たるべきであるという趣旨は大臣は賛成でしょうか反対でしょうか。
○国務大臣(山下元利君) もとより賛成でございます。
○立木洋君 そうであるならば、こういう政治的な集会に、特定の政治的な方針を掲げた集会に公務員として公的な立場で出席するということも、これは結構だということですか。
○国務大臣(山下元利君) それは公務員でございますから、公務員としての趣旨を逸脱してはならないと思います。
○立木洋君 今回の場合、逸脱していないのですか。
○国務大臣(山下元利君) 先ほど申しましたとおりに、国民の祝日を祝う県民の集会に出席したのでございますから、これは趣旨を逸脱しておらないと思います。
○立木洋君 私は防衛庁長官のそうした姿勢を厳しく指摘しておきたいと思うのです。これは重大な問題です。そういうふうなことを述べるということは、この内閣の政治姿勢の問題として私は厳しく指摘しておきたいと思います。
○委員長(町村金五君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(町村金五君) 速記を始めて。 午前の質疑はこの程度にとどめます。 零時五十分から委員会を再開し、立木君の質疑を続行いたします。 これにて休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(町村金五君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十四年度総予算三案を一括して議題とし、午前に引き続き立木君の質疑を行います。立木君。
○立木洋君 雇用失業問題の一つであります季節的失業者対策についてお尋ねしたいと思うのですが、まず季節労働者とはどういう性格の労働者なのか、それから全国的にはどれぐらいおられるのか、お尋ねします。
○政府委員(細野正君) 季節労働者につきましては、非常に固まった一般的な定義というものがあるわけではございませんけれども、私どもは一応季節的な業務に一定の期間を定めて雇用される方、あるいは季節的な時期を利用して臨時的に就労する方、そういう方を一般的に季節労働者と言うのじゃなかろうかと、こう考えているわけでございます。 なお、その数がどうかというお尋ねでございますが、季節労働者そのものについての調査というのはいまのような定義に基づいて行われているわけではございませんが、そのほとんどが御存じの雇用保険の短期雇用特例被保険者という形で特例一時金の受給をしておられるわけでございますが、その受給の状況は調査でわかっておりますのでそれを申し上げますと、五十一年度におきましては受給者の数が六十九万一千人、それから五十二年度におきましては受給者の数は六十九万三千人というふうになっておるわけでございます。
○立木洋君 季節的にこういう失業する状態でどういうような問題が生じるのでしょうか、労働省と開発庁にお願いしたいと思います。
○政府委員(細野正君) 問題としましてはいろいろな角度からあるわけでございますが、まず労働者のサイドから見ますと、やはり一定の時期に失業されて、それがたとえば積雪寒冷地帯等でございますと、なかなか就職が困難であるという、そういう問題が生じますが、また行政的な問題としましては、これは各国とも悩んでいるわけでございますけれども、こういう毎年毎年予定失業的に失業を繰り返される方についての保険の受給問題というのが各国ともその取り扱いについて悩んでいると、こういうふうに両方のサイドでもいろいろ問題があるわけでございます。
○政府委員(吉岡孝行君) ただいま労働省の方からお答えがありました答えと同じことになるわけでございますが、北海道は特に積雪寒冷地の代表的なところで季節労働者の数が非常に多いわけでございます。それで、やはり一番の問題は、何と言っても雇用上の問題でございまして、冬期間雇用の場がないということでいろいろそういう問題、それからわれわれの立場からしますと、いろいろ工事をやっていく、年間を通じて工事期間が限られているために夏期に事業が集中する、そういうことで仕事の平準化という点から問題が生じてくるということでございます。
○立木洋君 そういう問題があるわけですが、これらの季節労働者の雇用保険給付はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(細野正君) 保険給付につきましては、現在のところ受給要件を満たした方につきまして五十日間の一時金を支給するという、そういう形をとっているわけでございます。
○立木洋君 これは五十年度からそういうふうになったと思うのですが、これ以前は九十日の給付であったわけですが、これが五十日の特例一時金という形で切り下げられた。そのために、いままでの一カ月間の給料で三カ月間生活をしなければならなくなるという状態になるわけで、これらの労働者の方々が、食事を二食に切り詰めるとか、あるいは電気代や暖房費を節約するために夕食が終わったら早く床につくというふうな大変な状態があるわけですが、こういう状態について大臣がお知りになっておられるのかどうか、またそういう状況をどういうふうにお考えになっておるのか、建設、労働、お願いします。
○政府委員(細野正君) 先ほど申し上げましたように、季節労務者の方の保険の扱いというのは各国とも非常に悩んでおるところでございまして、いま一番厳しい国におきましては、こういうふうに毎年予定的に失業される方については、たとえば過去において受給をしておられるということが一回でもあれば、その後は二回目から以降はもう支給しないというふうな厳しい制度をとっておるところもあるわけでございます。それからそこのところを余り気にしないで対象としてやっておられる国においては保険制度が赤字になって財政再建で非常に苦労したというふうな国もあるわけでございます。そういう意味で、わが国の制度が各国に比べてみて特に過酷な制度であるということはないというふうに考えておるわけであります。
○立木洋君 そういう労働者の状態を大臣はお知りでしょうかという質問です。
○国務大臣(栗原祐幸君) 所管の局長から聞いております。
○立木洋君 つまり、季節労働者というのは、いま御説明がありましたように、冬期間事実上仕事がないということなんですね。もちろん、これについては、冬期でも雇用の場をつくり出すために通年施工ということでいろいろ研究がなされておるというお話も聞いているのですが、その通年施工の問題でどのような体制でどういう研究がなされておられるのか、それからその点がどの段階までいま進んでおられるのか、これは建設省の方でしょうか、お尋ねします。
○政府委員(粟屋敏信君) 建設省におきましては、昭和五十一年十二月に通年施工化技術研究協議会を設けまして、その構成員は、建設技監が会長でございますが、その他技術担当の責任者、土木研究所長、東北・北陸地方建設局長、北海道開発局建設部長、積雪寒冷地域の北海道、東北、北陸の各県の土木部長でもって協議会を構成をいたしまして通年施工化対策を研究しておるところでございます。 現在の段階でございますけれども、公共土木工事の執行状況調査でございますとか、冬期の施工実態調査、気象特性調査、冬期施工対策工法調査等基本的な調査を実施いたしまして、その調査結果をもってそれを分析し、新しい施工技術を開発しょうとしておるところでございます。
○立木洋君 これは大体見通しはいつごろまでにできるのでしょうか。
○政府委員(粟屋敏信君) 全体の完全な姿といいます場合にはまだここ三、四年かかると思いますが、調査結果が出たものについて分析をいたしまして、着手できるものは順次着手をしていきたいと考えています。 なお、昭和五十二年度におきましては、新しい通年施工化工法についてのモデル実験を全国において十二カ所実施をして、さらにそういうことを繰り返しながら対策を固めていきたいと考えております。
○立木洋君 通年施工を進めていく上でどういう障害があるでしょうか、いま研究されている内容として。
○政府委員(粟屋敏信君) 問題は、やはり技術開発の問題が第一番であろうかと思います。これは北欧等と違いまして、わが国の積雪寒冷地は、北欧あたりでは五メートル程度の風だそうでございますが、二十メートル程度の強風が吹く。さらに、積雪の状態を見ましても、北欧が五十センチに対しまして二メートル程度の雪が降るし、また雪の性質が非常に重いというような問題がございまして、こういうものに対してどういうふうな工法を採択すべきかという点につきまして、技術開発の点で相当問題がございます。 それから第二番目は、そういうふうに技術開発をしてやります場合に工事費の増高の問題がございまして、これをどういうふうに積算していくかというような問題もございます。 三番目は、労働者対策でございまして、そういう通年施工の際に、特に冬期における条件の悪い職場でございますので、それに対してどういう対策を講ずべきかと、そういうふうな問題があると思っております。
○立木洋君 いま三点を挙げられたわけですが、ところで昨年ですね、通年施工が定着していると言われておる北欧圏にいろいろ研究に行ってこられたということを聞いているわけですが、これらの調査した各国で、冬期施工についてどういうふうな考え方に立って進められているのか、また、具体的にはどのような手だてをこれらの国では行ってきたのか、そこらあたりをお尋ねしたいのですが。
○政府委員(粟屋敏信君) いまお話しございましたように、昨年の一月二十三日から二月十二日まで北欧諸国に調査団が参りまして調査をいたしたわけでございます。これは団長は北海道大学の工学部の山岡教授でございまして、公共事業関係各省並びに建設業界からも参加をいたしておるわけでございます。そこで調査をいたしたわけでございますが、技術上の施策と制度上の施策と両方問題があると思います。 技術上の施策といたしましては、先ほど申し上げましたような、冬期に通年施工をするためのいわゆる寒冷あるいは強風に対する施工対策というものの開発状況について調査をしてまいったわけでございます。 第二番目は、制度上の問題でございますが、これは主として労働者対策というのが主なようでございます。 さらに、冬期工事を発注いたします場合には、建設業者にとりましてもかなり費用の増高がございますので、その増高に対してどういうような援助がなされているか等について調査をいたしたわけでございます。
○立木洋君 その内容です、調査の。
○政府委員(粟屋敏信君) 内容でございますが、技術開発の点は、たとえばコンクリートなんか打設をする際の保温をどうするかという問題、また工事をする場合に囲いをつくって強風を避けたり保温対策を講ずるわけでございますが、その囲いの状況がどうかという点が技術上の主な点でございます。 それから制度上の問題といたしましては、たとえば西ドイツにおきましては事業者から一定の分担金を徴収いたしまして、冬期に工事をやる事業者に対して冬期に必要な仮設物とか機器の購入に対する補助金を出しておるとか、あるいは冬期には休みの日も多いわけでございまして、そういう場合で労働者や機械が遊休する場合があるわけでございます。そのような費用の増高に対する補助金を出しておるということがございます。 さらにまた、これも事業者に対して支給するわけでございますけれども、労働者の冬期手当、悪天候手当、あるいは別居手当、旅行手当等について助成を政府がいたしておるというようなことがございます。
○立木洋君 調査された北欧圏諸国では、冬期施工の問題については、非常に積極的に、これはどうしてもやらなければならない問題として取り組んでいるという私も調査の結果内容を見ているわけですが、特に西ドイツの場合は重点的に研究されてきたと。ここにおける通年施工あるいは通年雇用促進の問題について、国の制度として法律できちっと制定をしてやっておると。いま一部ちょっと触れられましたけれども、その国の制度としてあるいは法律としてどういうふうな内容が定められているのか、もう少し具体的に説明していただきたい。
○政府委員(細野正君) 私から西ドイツの雇用促進法によります雇用関係についての通年雇用促進のための施策について申し上げます。 先ほど建設省の官房長からお話しございましたように、この促進法に基づきまして事業主から特別の分担金を徴収しまして、これを原資としまして事業主に対しまして通年雇用に必要な設備施設の補助または融資をする、二番目に冬期工事による増加費用に対する補助をするというのが事業主に対する施策の主なものでございます。 それから労働者に対しましては、厳冬期間に就労した場合における冬期手当を支給する、それから厳しい気象条件のために家族と別居しなけりゃならぬと、こういう場合につきましては遠隔地手当というものを支給するというふうなことをやっておりますほかに、悪天候によって休業した場合に悪天候手当を支給するというふうな施策を講じているということでございます。
○立木洋君 これらの各国では、先ほど開発庁が言われましたけれども、発注の平準化という点ではどういう努力をされておるのか、それから平準化の状態がどういうふうになっているのか、ちょっと御説明いただきたい。
○政府委員(粟屋敏信君) 先ほど来労働省からも御説明がありましたし、私からもお話し申し上げましたように、西ドイツは雇用促進法によっていろいろな手当てを講じて通年施工体制がとりやすいようにしておりますし、さらにフィンランド、スウェーデンあたりでも、先ほど申し上げましたような技術開発の研究を進めておるところでございます。北欧諸国においては冬期間が長いということで、やはり冬期間仕事をしないと全体的な仕事が進まないという関係もありまして、大体平準的な施工がなされておるように考えております。たとえて申し上げますと、西ドイツでは一−三月に二一%一、デンマーク二〇%、フィンランド一二・七%というようなことでございまして、比較的施工の平準化がなされておるというふうに考えております。
○立木洋君 いま言われたのは一月から三月ですね。
○政府委員(粟屋敏信君) さようでございます。
○立木洋君 これらの調査された結果、北欧圏諸国では、先ほど言った国の姿勢としても積極的にこれを冬期間施工しなければならない、雇用状態を改善せぬといけないということから、技術上の検討もされ、国の制度としてもいま述べられた事業者向け、事業主向け、あるいは労働者向け等々いろいろと手配がされ、発注の問題に関してもこれは十月からの期間をとるともっと高くなっておるわけですが、そういう努力をして、いわゆる夏の最高の雇用状況に比べて冬の最低の雇用状態がどういうふうな比率になっているのか、スウェーデンや西ドイツ、あるいはフィンランド等々の状況についてお尋ねしたいのですが。
○政府委員(粟屋敏信君) 建設省でわかる範囲内で恐縮でございますが、スウェーデンでは夏期七月の建設労働者の就業率は二%程度でございますが、冬期には約六%でございます。西ドイツ、バイエルン州でございますが、十一月から三月までの五カ月間の建設労働者の就業時間は、年間の就業時間の約四〇%、それからフィンランドでは二月の就労建設労働者は最盛期六月の約七〇%ということでございます。先ほど申し上げましたように、工事の平準化を図りながら通年施工の努力をされておるようでございますが、雇用状況といいますものは最盛期に対して冬期はやはりかなり落ちているというような状況でございます。
○立木洋君 北海道の場合には、季節労働者の状態はどうなっていますか、開発庁、どうですか。
○政府委員(吉岡孝行君) ただいま建設省の方から御説明ありましたが、大体建設業関係のそういう季節労働者の数で見ますと、たとえばピークの五十二年度について見ますと、短期のが約二十万の労働者が従事しておるわけで、これがたとえば十二月になりますと二万二千というふうに大変減少いたしております。
○立木洋君 いまのお話でもあれですが、昨年調査してこられたこの資料によりますと、最高時の雇用状態に比べて最も低い時期の状態が、スウェーデンの場合ですと九五%という雇用状態、つまり最高時に比べて九五%がやっぱり雇用しておる。それから西ドイツの場合が七七%、フィンランドの場合が七一・六%。いまの北海道の季節労働者の場合見ますと、これはもう一〇%そこそこという大変な状態だと思うのです。 それで次にお尋ねしますけれども、このように冬期施工ですね、いずれの国でも北欧圏諸国においては積極的に努力をし、雇用対策や経済的な効果を図っているわけですが、この通年施工化技術研究協議会でも、冬期施工をやれば、ただ単にいま言ったようなマイナス点だけではなくしてプラス効果も上がるんだということも積極的に指摘されている点だろうと思うのですが、このプラス効果の面についてはどういうふうに検討なさっているのか、お答えいただきたい。
○政府委員(粟屋敏信君) 技術開発がやはり私は基本であると考えております。先ほども申し上げましたように、気候状態が寒冷とはいえ状況が多少異なるわけでございます。もしその技術開発が完成をいたしまして通年施工が図られることになりますれば、発注の平準化が図られまして、工事の的確な施工の確保の上からもいいという点があると思います。さらに、建設労働者の冬期の雇用が図られまして、積寒地方に労働者が定着するというメリットもございます。さらに、冬期に現在施工が少ないために材料の出荷などがその間に余りないわけでございまして、そういう点で通年施工が図られますれば地域経済に与える影響も非常にいいというふうに考えております。
○立木洋君 大臣、お聞きのような状態はすでに御存じだろうかと思いますけれども、冬期施工を積極的にやるという点について非常に技術的な問題があると。技術的な問題で申し述べますと、これは道立寒地建築研究所の中村施工研究課長ですか、この方が言われておるのは、冬期の住宅建設は技術的にはほとんど問題は解決されているというふうな指摘もありますし、業者の中でも、いわゆる河川改修で、これはすべてではありませんが、一部の護岸工事等々においては技術的問題はほとんどないだろうというふうな指摘もあるわけです。もちろんすべての問題で技術上解決されているというふうには私も考えませんけれども、こういうふうな積極的にやればできる点もあるだろう。それからいまお話がありましたように、これはコストが確かに高くなるだろうと、冬期施工する場合には。しかし、いま述べましたように、冬期の経済活動の促進を図り、あるいは固定的経費の単位当たりの出費も削減することができますし、その他労働者の所得もふやすことができ、失業保険の給付も少なくて済む。あるいは建設資材の一時期にそれが集中するために高騰するというふうな状態も避けられる。それから営業をやっていけば税金の入ることにもなるわけですし、いろいろな利点もあると思うのですね。ですから、こういうことも考えて、先ほどのお話では研究の見通しがあと三年か四年かかるといえば五十七年、五十八年になるという状態ですが、これはもっとやっぱりテンポを早めて、できるところから予算をつけて、積極的に冬期施工を早期確立していくという点で努力をしていただきたいのですが、この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡海元三郎君) 冬期施工の問題につきましては、五十一年から協議会をつくりまして、技術開発等真剣に取り組んでいただいております。いま、現地の学術の専門家の意見とか、あるいは業者の方々の意見とか、いろいろ述べておられましたが、それらの技術の点を解明していくということのためにいま努力しておりますが、この解明ができるだけ速やかに行われるように推進さすことは今後とも努力してまいりたいと思います。しかし、何分にも地域が広範囲にわたりますことと、もう一つ、わが国の気象状態が各地におきまして差が違う点もございますので、それらの点も合わせまして関係各省とも緊密に連絡をとりたいと、このように思っております。現在でも、冬期でもできますところの地下鉄の工事とか、下水の工事とかをできるだけそういったときに集中して持っていくといったような、施工上の配慮というものもさしていただいております。私も北海道開発庁長官を一年間やりましたときもそんなことを経験さしていただいたのでございますが、いま三年も四年もかかると、こう申しましたが、問題点が多いものですからかかる点もございましょうが、研究ができ上がって、いまからでもできるんだというものに対しましては期間を待たずに実施していく、しかもその研究の時期もできるだけ積極的に進めていくと、そういった方向で努力さしていただきたいと、このように考えますので、御了承いただきたいと思います。
○立木洋君 それで、大臣、発注の平準化の問題なんですが、先ほど一月から三月の御説明だったのですが、十月から三月までの状況を調べますと、フィンランドの冬期の発注率が三九・四%、それからスウェーデンが四三%、西ドイツが四四・五%、デンマークが四三%、こういう状況なんですね。北海道の場合ですと、一三%、去年度の場合には二回の補正がありましたから二八%になっておりますけれども、この発注の平準化というあたりも、もちろんこれは建設省だけではございませんけれども、あるいは運輸省等々ございますが、この発注の平準化についてもどういうふうにお考えになっているのか、積極的に努力をして冬期における発注を強化していくというふうにお考えなのか、その点もお伺いします。
○国務大臣(渡海元三郎君) むしろそういった点は、会計年度の暦年制とか何とかいうことにもかかりますが、そういったことの許す範囲におきまして、大体十二月から三月まででございますから、できるだけ時期が来ましたら早期発注ができるように努力するとともに、冬に向かいますときには、何と申しますか、冬でもできますような工事をできるだけそこへ発注するというふうな姿で通年施工を行えるように努力をしたいと、このように考えております。
○立木洋君 もちろん会計年度を変更しようなどというふうなことを言うつもりではございませんけれども、これは西ドイツの場合ですと一九六一年から、一月から十二月という会計年度になっておりますし、デンマークでも現在四月から三月という会計年度が七九年から一月から十二月というふうな改定が予定されているということも聞いているわけで、もちろん会計年度の問題ではなく、いま申し述べられたように冬期におけるこれは発注を平準化してそして冬期の施工を促進するという点を重ねて要望いたしたいと思うのです。 それで自治省にお尋ねしたいのですが、季節労働者を直接抱えておる自治体で、五十日に保険給付が切り下げられたという状態のもとで、これらの自治体自身として就労事業を促進するために積極的に努力をしておられるという状況がありますが、北海道の状況については、五十二年、五十三年度、どういうふうな状況になっているでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 道及び市町村におきまして道路等の排除雪、それから公有林の間伐、それから先ほど来お話のあります道路、河川等の整備で冬期でもできるような事業をいわば補完的にやっております。特別交付税の算定に際してその分について十分配慮してほしいという要請を私ども受けまして、その点については適切な財源措置を講ずることにいたしておる次第でございます。
○立木洋君 どれぐらいの市町村で、どれぐらいの金額ですか。
○政府委員(森岡敞君) 道分の道から参りました資料で、私どもその内容を精査はいたしておりませんが、道分が事業費で一億七千八百万円、一般財源で約一億円、それから市町村は、小樽、旭川、釧路、北見、網走、留萌、苫小牧、稚内、美唄、芦別、名寄、三笠、千歳、歌志内、恵庭などの都市と、それから町村は、それら以外の町村、これは町村の名称までは申し上げませんが、全体の事業費が四億三千万円で、そのうち一般財源が三億九千万円程度という要請書を私ども受けております。
○立木洋君 季節労働者のこういう就労対策事業の問題については、自治体としても、いただいた資料によれば、五十二年度が七十一市町村で、それから五十三年度が六十五市町村が努力をされておる。しかし、こういう事業を地方自治体のみで完全にうまくやっていくことができるというふうにお考えになるかどうか、自治大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) ただいま財政局長からお答えいたしましたように、地方の市町村単独でやれる仕事というものにはおのずから限界がございます。あくまでもやはり補完的なそういう性格の事業に限定されると、このように考えております。
○立木洋君 いま大臣が言われたように、補完的なもので全体にかかわる点ではなかなか地方自治体だけではやっぱり無理だろうというお話だと思いますが、これらの就労事業に関しての何か国として財政的な措置等々を行っているのでしょうか、あるいは行っているとしたらどういうふうなどれぐらいの程度行っているのか、その点について……。
○国務大臣(澁谷直藏君) ただいまお答えしましたように、これはそれの財源措置としては、起債、それから交付税ですね、それから特殊な場合は特別交付税と、大体こういうことで財源措置を講じておるわけでございます。
○立木洋君 それは一般的にはそういうことだと思うのですが、いわゆる就労事業自体について特にというふうなことはありますか。
○国務大臣(澁谷直藏君) ただいまお答えしましたのは、地方単独で実施しておりまする就労事業に対する財源措置を申し上げたわけでございます。
○立木洋君 じゃ、次に、いわゆる積寒給付制度についてお尋ねしたいのですが、これはどういう経過でつくられて、内容がどのような制度なのか、また対象になる労働者がどれぐらいにあるのか、その状況についてお尋ねします。
○政府委員(細野正君) お尋ねになりました積寒給付金でございますが、これは積雪寒冷地におきます建設業等一定の業種の事業主に対しまして、冬期間季節労働者を十日以上雇った、あるいは通年雇用に必要な講習をやったというふうな場合に給付金を支給するものでございまして、支給の最高額は九万一千円、五十四年度からはこれを十一万六千円に引き上げるという予定にしておるわけでございます。 この給付金につきましては、先ほど来先生からのお話もございましたように、昭和五十年度に雇用保険法が施行されまして、五十一年度から同法によりまして特例一時金制度が全面的に実施されたことに伴いまして、季節労働者の雇用の安定が一層従来より増して重要な問題になってきたということで、通年雇用を促進するための施策の一環として五十二年度に創設されたものでございます。 この給付金の支給状況等を申し上げますと、毎年三月十五日以降にその申請が行われることになっておりますので、五十三年度の実績はまだ把握されておりませんが、五十二年度で申し上げますと、九万七千百人の季節労働者がこの制度の対象となっておりまして、支給額も三十七億五千三百万円に達しておるわけでございます。
○立木洋君 いまのお話ですと、対象者の数より利用者が少ないというのはどういう点に一体あるのでしょうか。また、労働省としては、そういう状況を活用を高めていくといいますか、その点についてはどういうふうなお考えがあるでしょうか。
○政府委員(細野正君) 季節労働者に対しましていろいろな就労希望等の調査等をいたしておりますが、全員がお帰りになってから緊急に就労を希望しておられるというわけでもございませんで、そのままその期間中には休まれる方もあるし、それからまあいい仕事があればというぐらいの希望の方もあるし、それから緊急にとにかく生活上の問題として就労したいというふうな、いろいろな方がございまして、私どもの調査の結果では、いま申し上げましたような実績というのは、大体緊急な就労を希望しておられる方の数から見まして当初私どもの目標した数字にほぼ達成しているというふうに考えているわけでございます。
○立木洋君 現在の状態でいきますと、積寒給付金の制度というのは五十四年度までですよね。労働者自身もこの制度を非常に喜んでおりますし、それから道庁の方としても公式によりよい制度の改善も含め、積寒給付を引き続き講ぜられるようにお願いしたいということを述べておられるわけです。また、先ほどの話で、冬期の施工の到達状態を見ましても、まだ時間がかかるというふうな点もあるわけで、万一五十四年度で積寒給付金が打ち切られるようになれば、これは大変厳しい状態にならざるを得ないというふうに考えるわけですが、開発庁の御見解を……。
○政府委員(吉岡孝行君) 御質問のように、現在の制度は五十四年度までの暫定措置ということになっておるわけでございます。われわれとしましては、現在までの実績は五十二年度の実績しか明らかになっていないわけでありますが、今後の実績なり季節労働者の雇用状況の推移というのを十分見きわめまして、必要があれば関係機関の方に要請してまいりたい、こう考えております。
○立木洋君 労働大臣、いまお聞きのような状況なんですね。それで五十四年度でこれが打ち切られるということになると、大変な事態がまた生まれる。本来、通年施工、通年雇用、これを促進するという立場でございますし、先ほど申し上げました労働者の状態というのも労働大臣は事務当局からお聞きになってよく御承知だと申されておるわけですから、ですから、延長されることも含めて、少なくとも現在より後退することのないように努力していただきたいと考えるわけですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(栗原祐幸君) いま北海道開発庁の方からも話がございました。推移を見ましてお話があると思いますから、その段階で検討いたしたいと、こう考えております。
○立木洋君 少なくとも前向きに検討していただくように強く御要望しておきたいと思うのですが、それでこの問題の終わりになるわけですが、先ほど申し上げましたように、建設省の方、あるいは公共事業の発注等々ですね、これは特にやっぱり生活関連基盤の工事をふやして雇用状態を促進していくという点でもおくれがないようにしていただきたいわけですし、それから給付金の状態も、いま労働大臣にお願いしたような点がありますし、それから地方自治体の状態としてもいろいろ自治体だけではなかなかやれない問題もある。自治体も財政的な困難も抱えているわけですし、こういうふうなもろもろの問題があるわけで、今日の給付が五十日に切り下げられたということで労働者としても大変な生活状態にありますから、これらの労働対策、あるいは通年施工対策、あるいは自治体の財政対策など総合的に検討していただいて、早急に手を打っていただくことが私は必要ではないだろうかというふうに考えるわけです。このような点から、各省にまたがっている問題ですから、各省において調整機関といいますか、これは仮に言えば季節労働者雇用の対策委員会のようなものをつくって、積極的に、北欧圏等等で調査された内容も参考にしていただいて、国の姿勢としても、あるいは施策としても、あるいは制度としても、万全を期していただくように最後に各大臣の御所見を伺っておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(栗原祐幸君) いろいろお話がございましたが、通年施工をするためにはまず技術革新が必要でございますね。このための研究につきましては建設省も積極的にやられるというお話でございます。私どももその研究が一日も早く進むことを期待しております。 なお、当面の問題といたしましては、公共事業の平準化という問題でございます。この問題につきましては、いままでも建設省あるいは北海道開発庁、そういう事業官庁等と密接な連携をとりまして、いろいろ情報交換、あるいは協議をするということをやってまいりました。そういう横の連絡を密にしていく、有機的な活動ができるようにしていくということに重点を置いてまいりたいと思います。せっかくの御提案でございますけれども、いままでの体制をさらに強化をしていきたいというのが私どもの考え方でございます。
○国務大臣(澁谷直藏君) 私は、自治大臣という立場ももちろんございますけれども、北海道開発庁長官という立場に立って考えますと、この問題は非常に大きな問題であるわけであります。とにかく冬になって仕事がとだえてしまうわけでありますから、これはそこに働く勤労者の雇用の問題だけではもちろんございません。道全体の経済の問題というものにも大きな影響を持っておるわけでございますから、したがって、私の立場から申し上げますと、何とかして先ほど来から御質問がありましたような通年施工というものをぜひひとつ実現をしたいと、これは私は強い希望を持っておるわけであります。幸いに建設省におきましても協議会をつくりまして真剣に取り組んでいただいておりますから、労働省はそういった各省とも緊密な連絡をとって、ぜひともこの通年施工の本格的な実現に向かって真剣に取り組んでいきたいと、このように考えています。
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま両大臣から述べられたとおりでございますが、協議会の中には、開発庁、それから各地の私の方の地建、また地方自治体の当面の責任者でありますところの土木部長、それらを網羅いたしまして研究協議会の中へ入っていただいておりますので、地方の言い分等もよく聞き上げ、またこの協議会の進展の状態におきましては労働省その他とも横の連絡も十分いたしましてその実を上げてまいりたいと、かように考えております。
○立木洋君 最後に御要望申し上げますが、それぞれ大臣とも緊密に横の連携を強化していきたいと、現体制を強化したいと、協議会の内容を充実さしたい等々ありましたが、私も何回か言ったんですよ、各省庁に。ところが、現実に交渉いたしますと、いや、それは建設省のお話、いやそれは労働省のお話、それは開発庁のお話、そうなるんですよ。ですから、私はきょう皆さんにそろっていただいてぜひこのことを聞いて、ぜひとも緊密な連絡をとって強化していただきたいということで御要望申し上げてそういう御答弁をいただいたわけですから、ぜひとも今後この問題に関して、重要な問題ですから、積極的に努力していただくように重ねて御要望申し上げたいと思います。 それでは、次に、大都市の交付税の問題についてお尋ねしたいわけですが、最初に文部省、東京の二十三区では、地方教育行政の組織及び運営に関する法律によって、教育長、教育委員は何名置くことに決まっているでしょうか。
○政府委員(諸澤正道君) いまの法律では、東京都の特別区には教育委員を五名、それで教育長はその教育委員が兼ねるということになっております。
○立木洋君 その点について、自治省では需要額を何名というふうに見込んでおられるでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 東京都の特別区の交付税の計算をいたします場合には、二十三区を一つの市町村とみなして計算をいたしております。その理由は、これは御承知のことでございますが、東京都と特別区のまず事務配分が、一般の県と市町村の事務配分とは全く異なっております。消防でありますとか、下水道でありますとか、廃棄物処理というふうな仕事を、普通でありますと市町村——特別区が行うわけでありますが、都が行っております。反面、税源配分につきましては、本来市町村の税源であるものを都が相当部分徴収いたしております。さらに、その東京都と特別区の間でいわゆる財政調整制度、財政調整交付金という制度を設けまして、たとえば中心部の税収入の非常に大きいところは吸い上げて、その一部を、いま都分として課税します税と合わせて周辺の特別区に配分をするというふうな財政調整制度まで設けておるわけでございます。要は、特別区の一体性を考えながら都市行政が運営されていっておると、こういう実態でございますので、私どもといたしましては、その実態に合うように一つの市町村とみなして計算をする。ただ、その場合に、そういうふうにいたしますと、いま御指摘のような点について算入不足という問題が出てきますので、やや技術的なことで恐縮でございますが、その他諸費という項目がございまして、これは人口を単位として計算いたしておりますが、それに計数加算をいたしまして、金額で申しますと五十三年度で約四百九十六億円程度の増額計算をいたしております。したがいまして、制度の仕組みはそのようなことでございますが、現実の財措置としては私どもは適切な財政措置をしておると、かように考えております。(「結論としては何名ですか」と呼ぶ者あり)一つの市町村とみなすわけですから、教育長は一人として計算をするわけでございます。
○立木洋君 この問題は、需要額算入の点から見れば大変矛盾していると言わざるを得ないと思うのですが、次に国家公安委員長にお尋ねしますが、都の方の警察官は国の基準では七百十名上回っていることになっていますが、どうしてこれは多いのでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のとおり、定員を七百十名オーバーしておるわけでございますが、これは東京都の持つ治安の特殊性、その実態から、どうしてもこれだけの警察官が必要であるという都の判断でそういうふうな決定になっておるわけでございます。
○立木洋君 それじゃ、次に自治大臣にお尋ねしますが、それを交付税上から見るとどういうふうになっているのか、内簡ではどういう指導をなさっておられるでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 地方財政の立場から言いますと、財政計画の中には、いわゆる定数、条例で定められた定数に対して財源措置を講じておるわけでございますから、その定数をオーバーしておる七百十名に対しては、地方財政としての手当てはいたしておらないわけであります。
○立木洋君 五十三年の一月の通達によっては、基準が上回っているからそれを切り下げなさいと。これは澁谷大臣は国家公安委員長と両方兼ねているわけですね。公安委員長としては七百十名オーバーしているのを認められている、自治大臣としてはそれは削らなければならないと、これは矛盾しているのじゃないかと思うけれども、一体どうなんでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) まことにつらい立場になっておるわけでございますが、やはり七百十名という——今度新年度では百名ちょっと減りますけれども、六百程度になるわけでございますが、私はやはり治安の問題というものはもう申し上げるまでもなく基本的に重要なことでございますので、どうしても帝都の治安のために定数をオーバーする六百人なり七百人の警察官が必要であるということであれば、これはやはり定数に加えていただくのが一番適切であると考えておるわけです。定数の改正を行えば、これは自治省の立場としては財源措置を講じ得るわけでございますから、一体何百名果たして必要なのかというその判断はこれはいろいろ意見の分かれるところでございますが、どうしても帝都の治安のためにこれだけの警察官が必要であると、こういうことになれば、私はそれは定数化の努力をすべきであると、このように考えます。
○神谷信之助君 関連。
○委員長(町村金五君) 関連質疑を許します。神谷信之助君。
○神谷信之助君 自治省にお尋ねしますが、先ほど教育委員の問題でいろいろ御説明をなさいました。しかし、実態に基づいて基準財政需要額の計算をしないと、それが適正かどうかというのは非常にわかりにくくなるわけですね。だから、いろいろな操作をやって実際上は基準財政需要額の方が収入額を上回らぬように操作をやっているというようにしか考えられない。この数年、東京都の基準財政需要額の伸びと収入額の伸びを見ますと、需要額が必ず収入額よりは上回らないように自治省の方では計算をされているわけです。ですから、そういうややこしい計算をするのじゃなしに、私は正しい実態を基準財政需要額の中で明らかにする必要があるだろう。しかし、都道府県で百七十万、市町村で十万という基準で、東京都というような全国に類似団体のない自治体の基準財政需要額をいろいろな係数を掛けてみても正確に把握はできない、こういう点が一つ問題があると思います。そういうことで、東京都で昭和五十年の補正係数、これを使って計算をしたら、五十三年度で千百億円の交付税をもらえる、いわゆる交付団体になるんだというように都議会でも財務部長が報告しています。まあ二千億を超える、あるいは三千億を超えるというような数字もありますけれども、東京都の財務部長が責任を持って計算して、五十年の補正係数をそのまま使用したらこうなると。ところが、今度はそうならないというのは、補正係数をいろいろな操作をやっている、こう言わざるを得ないと思うのです。さらに、本来ならそうやって交付税をもらえる、交付団体になる東京都、それに対して、御承知のように義務教育費国庫負担で百四十六億円、それから地方道路譲与税で九十八億円、五十三年度の財源調整を受けると、それだけ減らされる、もらえないと、こうなりますと、まさに二重の財政差別になっていると思うのです。例は東京にとりましたが、いわゆる三大都市圏あるいは指定都市を含めまして、今日、大都市の財政状況、これは同様の問題が大なり小なり起こっています。したがって、こういう財源調整の措置なんかも含めて、大都市に対する交付税対策、交付税措置、これをこの機会に再検討なさる必要があるのじゃないかというように思いますが、その点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 東京都についての財政需要の見方を意識的に引き下げておるのではないかと、こういう御指摘でございますが、そのようなことはもう絶対にいたしておりません。ただ、東京を含めた大都市がその大都市特有の財政需要というものを抱えておるという御指摘は、これはまさしくそのとおりだと思うのです。したがって、そういう大都市特有の財政の実態に対して何か新しい制度を考えたらどうかという御指摘でございますが、ただいまのところ、私どもはそういう新しい制度が必要だとは考えておりませんけれども、しかし、これは何せこれからもずっと続く問題でございますから、十分その点は検討をいたしてまいりたいと思います。
○立木洋君 自治大臣、何も私たちは東京都を交付税の交付団体にせよというふうなことを言っているわけじゃもちろんないんです。基本的には、やっぱり税財政制度の見直しによって自主的な財源を強化して、それを中心にした大都市の、交付税に頼らずともやっていけるようなそういうあり方が私は健全だろうと思いますし、交付税はやっぱり農村地域等々の自治体を主として配分するということが、基本的には本来のあり方だろうというふうに考えております。しかし、きょういろいろ聞く時間がなかったのでお尋ねできませんでしたけれども、いわゆる大都市についての交付税制度では、需要額の算入の問題については、やっぱりもっと的確に検討していただく必要があるのじゃないかということをどうしても強く感じるわけです。そういう意味で、これらの改革を行うまでもなく、先ほど神谷議員も言いましたけれども、大都市交付金の制度などぜひ前向きに検討していただきたいということを要望したいわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) ただいまもお答えいたしましたように、私どもはそういう新しい制度をいま直ちに必要であるとは考えておりません。しかし、そういった要望が各方面から出ておるという事実もございまするし、その点はひとつ今後の検討課題として私どもも取り組んでいきたいと、このように考えます。
○立木洋君 防衛庁長官にまたお尋ねしますが、山口の地裁判決ですね、もう御承知の。特に防衛庁、自衛隊としては、合祀はもちろんのこと、いかなる宗教的行事も、みずから行うことや、あるいは他の宗教的行事に一切協力しないということを憲法の精神に基づいてはっきりさしておくべきだろうというふうに考えますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(山下元利君) 憲法第二十条に、国及びその機関はいかなる宗教的活動も行ってはならないと明らかに定められております。国及びその機関はそのとおりと思うわけでございます。
○立木洋君 ですから、この山口地裁で出された判決も、当然この精神に基づいて私は出されたものだというふうに考えますが、この判決を十分に踏まえてやっぱり慎重に対処していただきたい。これはもちろん控訴するかどうかというのは防衛庁が決めるわけではないでしょうけれども、国務大臣として、いま述べられた立場からぜひ慎重に対処していただきたいということを、私たちの方としては当然控訴すべきではないという要求がありますけれども、そういう態度を慎重に検討していただきたいということを要望したいわけですが、いかがでしょうか。
○委員長(町村金五君) 立木君、時間が参りました。
○国務大臣(山下元利君) ただ、私は、この判決につきましては、山口地方連絡部が宗教的活動に当たる行為をしたとは承知いたしておりませんので、判決の趣旨につきましては意外に思っております。
○立木洋君 一言だけ。それは見解の相違があるかもしれませんけれども、この問題に関しては、私は、先ほど述べられた基本的な立場、考え方は長官も御賛同なさったわけですから、よく検討していただくということが必要だろうと思うのです。そのことを重ねて要望しておきたいと思います。 終わります。(拍手)
○委員長(町村金五君) 以上で立木君の一般質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(町村金五君) 次に、福間知之君の一般質疑を行います。福間君。
○福間知之君 日銀総裁にまずお伺いしたいのですが、最近、日銀では、物価の上昇、インフレに対する警戒姿勢が非常に強いと伺うのですが、具体的にはマネーサプライ、M2その他の指標で特段にここ数カ月前と違ってきたという点があるわけですか。
○参考人(森永貞一郎君) お答えいたします。 率直に申しまして、現在の物価動向はかなり気がかりなところへ来ておると思います。消費者物価の方は暖冬に幸いされまして比較的落ちついておるのでありますが、卸売物価の方が十一月以後二月まで四カ月間連騰いたしておりまして、二月のごときは前月比プラス〇・九、年率にいたしますと二けた台というような騰貴でございました。この四カ月間の騰貴率を年率にいたしますと七%ぐらいの騰貴率になるわけでございまして、もしこのままこういう状態が続けば大変気がかりなところにまいっておるわけでございます。 騰貴の原因は、為替の円高が円安に転じたこと、海外の市況商品が銅その他値上がりが続いておること、もう一つは石油の値上がりが行われましたのでございまして、いままでのところは海外要因が国内要因にややまさっておる感じでございましたけれども、最近は国内要因の方が少しウエートがふえてきておるのでございます。品目別にもいままでは素材関係が多かったのでございますが、最近は二次製品の方にもだんだん及んできておるというようなことでございまして、今後の物価動向については油断がならないところに来ておるような感じがするわけでございます。 とりあえず、物価の状況についてお答え申し上げた次第でございます。
○福間知之君 総裁、その二次製品、石油製品その他が国内で値上がりの傾向があるという見方ですが、それは仮需要でなくて何かほかの原因、理由があると考えられますか。
○参考人(森永貞一郎君) いままでのところは、海外商品高がそのまま国内に反映されておるということが多いのでございますが、ごく一部には仮需的な動きも見られないではないようになってまいりました点が心配でございます。
○福間知之君 そのほかに、株価も大変堅調を続けているとか、地価が高騰ぎみであるとか、あるいは絵画骨とう品類が非常に売れているとかいうふうなことも影響があるのじゃないですか。
○参考人(森永貞一郎君) 絵画骨とう品等については統計がございませんのではっきりしたことは申し上げられないのでございますが、輸入統計の上で、金でございますとか、宝石でございますとか、そういうものの輸入が増加してきておるのは事実でございまして、それが国内におけるそういうものに対する需要をやはり一部反映しておるのではないかということは想像にかたからぬところでございます。
○福間知之君 日銀の発表によりますと、民間の流動性の柱とも言える企業の短期証券の保有、これが非常にふえている。何か十三兆円ぐらいに達しているという判断をされているようですが、これはどのように考えればいいんですか。
○参考人(森永貞一郎君) 御承知のように、マネーサプライ、M2そのものは比較的落ちついた動き、一二%台——まあ、昨年の年初に比べますと一〇%から一二%ぐらいに上がったわけでございますが、M2だけでは企業の手元は判断するのに少し不十分でございますので、私ども、企業が短期保有で持っておりまする有価証券がどうなっておるかということを検討いたしておるわけでございます。大蔵省でつくっておられまする主要法人統計によりますと、全部が短期保有ではないかもしれませんが、有価証券の保有額は九兆ぐらいということでございまして、この統計のカバレージが六、七割というようなことから推測いたしますと、十三兆ぐらいになるというそういう数字も一部の新聞に伝えられておるわけでございますが、これはあくまでも推測でございまして、法人企業統計の上での数字は九兆ぐらいと、それを含めました企業の手元流動性を計算しますと、二二%少し上回った前年比増加ということになっておるようでございます。
○福間知之君 M2プラスアルファで一三%ぐらいということのようでありますが、過去の経験からいたしまして警戒を要するという水準ではないと見ていいわけですか。
○参考人(森永貞一郎君) 四十七、八年ごろのマネーサプライの増加は二割を超えるというような非常に大幅なものでございましたけれども、そのような大きな数字にはこれはもう絶対してはいけないわけでございますが、このM2が動き出しますと、やはり何カ月かおくれて物価に影響がはっきりと出てきておるという過去の統計上の実績もございますので、私ども、このM2の動き、法人事業の手元流動性の動きには今後かなり注目してかからなければならないのが現状ではないかと思っておる次第です。
○福間知之君 経済同友会あたりも財界の中では特に日銀と同じような警戒姿勢を強めているようでありまして、公共投資支出を前半はむしろ緩やかで後半におくらせるような措置が必要だと、こういうように言っておりますけれども、大体M2の伸びが一般には過去の経験から経済全体の名目的な成長率を大きく上回れば非常に物価に悪影響があると、こういう常識があるようですけれども、そういう点では、私、日銀当局がいまの時点で特にその点留意されているということについては十分意味があるような気がするわけですけれども、特に大蔵省にもこの点はちょっとお聞きをしたいのですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(金子一平君) いま日銀総裁がお述べになりましたとおり、卸売物価がここしばらく連騰が続いております。特に海外要因が大きく原因になっておるわけでございまして、OPECのこれからの値上げの決定による石油製品の動きも心配をされるわけでございまするから、日銀当局とされては警戒的な姿勢を強められていることは当然だと思います。私どもといたしましては、いまちょっとお触れになりましたように、石油ショック当時の情勢と今日とはまだ大分違います。M2の状況も、有価証券の手持ち等の企業の流動性が相当ふえておることはこれは事実でございますが、これが今後どう動くかは別といたしまして、全体としての金はそう名目成長率に比べてふえておるわけでもございませんし、私どもとしては、今後の金融政策をどう持っていくかという点につきましては、せっかくここまで景気が立ち直ろうとしておりますに至りましたのは、一つは金融緩和の基調を背景に低金利政策が浸透したおかげでここまで民間経済が回復してきたと思います。いますぐ私どもといたしましては金利を引き上げるというようなことによって金融政策を大きく変える時期であるとはまだ思っていないのでございますが、先ほど来御指摘のありましたようなもろもろの指標の動きに十分注意しながら、必要な手を随時打っていくという用心だけはしていかなきゃいかぬと考えておる次第でございます。
○福間知之君 サミットも控えていることですから非常に微妙な段階ですし、また実体経済の動向も推移を十分見きわめる必要があるという趣旨だと思います。金利の問題は私まだ触れていないのですが、そういう趣旨だと解釈をいたしまして、日銀総裁にもさしあたって金利の引き上げは考えていない、こういうことで確認をしておいてよろしゅうございますね。
○参考人(森永貞一郎君) 大蔵大臣のお答えにもございましたように、私ども、着実な景気回復を図りますために、従来は、緩和促進型ないしは緩和基調維持型とでも申しましょうか、そういう政策スタンスでまいったのでございますけれども、企業の手元流動性の現状などを考えますと、やはり一部に緩和の行き過ぎも見られるのでございまして、今後はやはり物価の動きに注意しながら警戒的な中立的な姿勢で政策運営に当たるのがいいのではないか、その必要があるのではないかと思っておる次第でございます。もちろん、せっかく着実なる回復基調をたどっておりまする景気回復の芽をいま摘み取ることは避くべきでございますし、過剰流動性を必要があれば一部吸い上げる、そして中立的なところに戻していくという、その程度のニュアンスで考えておる次第でございまして、いわゆる引き締め型に転換するというようなそういうことは目下のところ考えていませんことを御理解いただきたいと思います。
○福間知之君 総裁、早く引き上げていただくためにちょっとこの間にはさみますが、例の銀行窓販問題で衆議院の委員会で参考人を呼ばれた。その結果をお聞きしているんですが、これは、大蔵省、もうかねがね議論をしてきていることですが、いままでの方向で進めていかれますか。
○国務大臣(金子一平君) 銀行法の改正の問題ですか。
○福間知之君 銀行の窓販。
○国務大臣(金子一平君) お答え申し上げます。 この問題につきましては、目下、いろいろな意見を各方面から聞いておる段階でございまして、最終的結論はまだ出しておりません。
○福間知之君 いや、大臣、いままでの経過は御承知だと思うんです。大蔵でもこの委員会でもやってきましたし、大量国債発行下の事情として大臣の見識を伺っているわけです。
○国務大臣(金子一平君) 極力、こういう国債の消化の状況でございますから、消化に資するように私どもとしてはやってまいりたいと思うのですが、まだ完全なコンセンサスを得る段階にまで至っておりませんので、今後も努力を続けてまいりたい。一刻も早くそういう結論を出せるようにしたい、こういうことでやっておる最中でございます。
○福間知之君 そういう方向で進めていきたいということと理解しておきます。 日銀総裁、いかがですか。
○参考人(森永貞一郎君) 窓販問題につきましては、金融界と証券界、それぞれの立場からいろいろ意見を述べ合っておるという状況でございますが、とかくそれぞれの業界の立場にとらわれがちな議論も多いのでございまして、私どもといたしましては、これだけ国債の消化が大切な時期に来ておりますし、やはり流通市場に厚みをふやすということが必要なわけでございますので、そういう一層高い見地から両業界においても緊密に話し合いまして適切な結論を出されるようにということをひたすらこいねがっておる次第でございまして、もう少し両業界において議論を尽くされる必要があるのじゃないかと思っておる次第です。
○福間知之君 この問題は、いままでの御答弁よりはややわが意を得た御答弁をいただいたように思いますので、これでとどめたいと思います。 次に、最近の国債の、特に長期ものの市況はよろしくないということですが、これは理財局長からお聞きをしたいと思います。
○委員長(町村金五君) 森永参考人には御多忙中のところ御出席いただきまして、ありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。御退席くださって結構でございます。
○政府委員(田中敬君) 最近の国債の市況でございますが、御承知のように一月から相当の価格の低下、すなわち金利の上昇を来したわけでございますが、最近時点におきましてこれがほぼボトムに達しましたのが三月の七日、八日ぐらいでございます。九日に条件改定を決定いたしまして、それから若干市況が持ち直しておりました。三月の七日時点のボトムを基準といたしますと、十四日ないし十五日にかけまして六・一%国債は九十銭、六・六国債が六十銭、事業債が二十銭、利付金融債は一円十銭というような価格の戻りを見せたわけでございますが、またそこを境といたしまして価格の下落傾向が続きまして、現時点ではボトムとの比較をいたしますと六・一国債についてはわずか五銭の上昇にとどまっておりますし、六・六国債につきましては四十銭の上昇、電力債につきましてはボトムと同じ価格、それから利付金融債につきましては、ボトムと比べまして一時一円十銭戻りましたものが、きのう現在ではまた二十銭に戻ったということで、市況は依然低迷を続けているというのが現状でございます。
○福間知之君 局長、きのうの発表では資金運用部資金からどれだけ出したのですか。
○政府委員(田中敬君) 資金運用部資金でオファーをいたしましたのは、約三千億円をめどに六・六%国債第八回分というオファーをいたしまして、入札の結果が昨日集計いたされました。買い入れ額は三千三百二十五億円、うち金融機関からの買い入れが二千五百四億円、証券会社からの買い入れが八百二十一億円ということでございまして、問題の買い入れ価格でございますけれども、三千三百二十五億円で切りますと、最高が九十七円七十銭、最低が九十七円三十五銭という売り物もございまして、平均的には九十七円六十一銭、利回りで七・〇三四%という買いの結果でございました。
○福間知之君 余り芳しくないという御報告のように受けとめたわけですけれども、それはそのオファーを三千億からしてこれは市況を支えるという意図でやったと思うのですが、にもかかわらずむしろ逆の方向に行っていると、こういうふうに考えられるのですけれども、そうじゃないのですか。
○政府委員(田中敬君) 結果の評価でございますが、結果を評価いたします前にこの買い入れの目的が私ども二つございました。一つは資金運用部資金の短期余裕資金の有利運用という目的、一つはこの買いというものが市況に好影響を与えることを期待したと、この二つでございましたが、前者をとってみますと、このように低い価格で入りましたこと、すなわち七%で平均的に運用できる買いということは、資金運用部の有利運用面から見れば効果があったということでございますが、逆に市況という観点からいたしますと、私どもがある程度これが市況に好影響を直ちに与えてくれるであろうという予測は、このような結果で達成され得ませんでございましたけれども、少なくともこの三月時点におきまして、実際の受け渡しは四月の三日現金受け渡しでございますけれども、市場から三千億の長期国債を吸い上げたということは、いずれ結果的には、長い目で見ていただければ、それだけ三千億の買いをした市況効果と、市場対策の効果というものはいずれ出てくるというふうに期待をいたしております。 この九十七円六十一銭の平均というものをどういうふうに見るかということでございますけれども、私どもの買いのオファーに対しまして、今回入札価格で高いところでは九十七円八十銭あるいは九十九円台というような入札もあったわけでございまして、今回入札に応ぜられた金融機関、証券会社それぞれがいろいろの将来への思惑と申しますか、市況をどう読んでおられるかという数字がある程度これでつかめたような気もいたします。そういう点では今後の国債の発行管理をどうやっていくかという点にもいい資料と申しますか、そういう市況を読むある手だてができたというふうに評価をいたしたいと思っております。
○福間知之君 そういう評価ができるのかどうか少しこれは疑問があると思うのですね。都銀が主導的に落札をして決まったということで新しい金利の国債が今月出回っていくということから、来月以降が一つのまたいま理財局長がおっしゃったような方向でうまくいくのかどうか。先ほどの二つの理由の、短期余裕資金の活用という点、それは余り私は大きな意味がないと思うのですけれども、むしろ二番目の市況の問題、これがやはりここでは議論の中心でありまするから、その点をわきまえていただきたいと思うのです。 また、当初おっしゃったように、単に長期国債だけじゃなくて、中期債の代表格である六・二の利付債も三月六日よりも下がったというふうなことでございますので、言うならば全面的な安値と、こういうことが言えるわけですから、これは少し先を見なければいけませんが、次のオファーの出動はいつごろですか。
○政府委員(田中敬君) 資金運用部資金でまた買い入れをする時期はいつかという御質問と解してよろしゅうございましょうか。——それにつきましては、私ども現時点でいつどのようなことを行うということをスケジュールとして持っておりません。
○福間知之君 最後に、理財局長、これも前から申し上げているのですが、その後御検討されたでしょうか、二年ないし三年、四年ものの中期債の、いまの予定では総額二兆七千億円くらいですか、と聞いているのですが、もっとこれをふやすと。いかにも少ないように思うのですが、そのメリット・デメリットはどうなんですか。
○政府委員(田中敬君) 財政資金の調達手段ということに着目いたしますと、やはり低利で安定的かつ長期の借り入れが、安定的財政資金調達手段として望ましいということは申すまでもございません。そういう意味におきまして、現行のシ団引き受け方式によりまして、十年債というものが発行者と引き受けシ団の相互の協議により、適正な発行条件というもので消化されるということが財政面からは最も望ましいわけでございます。しかしながら、委員御指摘のとおり、現下の金融情勢下で長期資金の需給がアンバランスになる、短期資金への指向が非常に強いという情勢でございますので、そういう中で無理をして長期債を大量に消化、発行をするということの市場に与えます影響を考えましたならば、ある意味でもう少し十年債を減らして中期債へ移すべきであるということも御説のとおりで、私どもも今後の金融情勢を見まして、そこは固定的に考えずに十分弾力的に対応はいたしたいと思っております。しかしながら、短いものを出しますということは、現在の公社債市場、あるいは金融情勢から見れば、それが消化を円滑にするというメリットはございますが、逆に財政資金の調達手段といたしましては、二年、三年、四年先の借りかえの問題というものを考えてまいりますときに、これを極端に大きくするのはどういうことであろうか、十年債をあくまでも円滑に消化するための補完的な手段として中期債というものは考えてまいりたいというふうに思っております。 それと、もう一つ、昨年と申しますか本年度昭和五十三年度におきましては、一兆円の公募入札を行ったわけでございますが、いま市場あるいは関係投資家ということを考えてみまして、余りにも大量の中期債を公募入札をするということの市場への影響とか、応札がどういうふうになるかとか、あるいはまた入札事務を行います日銀のいろいろの事務量の問題とか考えてみますと、やはりこの際一挙に中期債を大きくするというのにもいろいろ問題があろうかと思っております。しかしながら、御指摘のように、二兆七千億ということを一応は予定いたしておりますが、固定的には考えずに今後弾力的に対応してまいりたいと考えております。
○福間知之君 今度ちょっと違った角度ですけれども、理財局長、一部の大手の証券会社が国債の投資信託制度を発足させようとしていますが、これについては、私も十分勉強していませんけれども、どういうメリットがありますか。
○政府委員(田中敬君) 私も、証券局が担当いたしていることでございますので直接には存じませんが、聞いておりますのは、今回の投資信託、国債を組み入れました投信と申しますのは、株式と組み合わせましてその組み合わせ比率をどれくらいにするかというようなことも細部一応予定はあるようでございますけれども、既発債を投信に組み入れようという構想のようでございます。一応五百億円の設定をいたしまして、約二百五十億円ぐらいの既発国債をそれに組み入れて市場における既発債の吸収策としたいというのがこれを設けました証券会社の意図であると聞いておりますので、国債の消化に役立つということであれば、私どもは行われて十分しかるべきであろうというふうに考えております。
○福間知之君 局長、大型の株式に組み入れていくということ、わりあいに安定した株式ですからまず心配はないかと思いますけれども、いまの株価の動向、これからの推移によって悪影響はないかどうかということと、もう一つは、これは野村だけじゃなくて、今後その他に拡大していくということになると、一層その点が懸念されるわけであります。 もう一点は、かねがね問題視しておるところの金利の自由化との関係でそれをおくらせてしまうというふうな傾向にならないか、こういう心配を持っているんですがね。
○政府委員(田中敬君) 御指摘の点につきましては、証券局長ともよく相談いたしまして検討さしていただきたいと存じます。
○福間知之君 これは大蔵省と思うのですけれども、最近生命保険の配当をめぐる問題が議論になっているようですが、生命保険に入っている国民の側からすれば、配当はより多いことが望ましい、こういうことですが、どうも大蔵省の方はそうすんなりとも考えられていないようですけれども。
○説明員(貝塚敬次郎君) お答えいたします。 配当問題はまだ決着がついておりませんが、目下金利の引き下げを反映いたしました資産運用利回りその他を勘案して、契約者の御迷惑にならないよう私ども指導している段階でございます。
○福間知之君 中小と言うと語弊がありますけれども、中堅クラスの会社の経営状況に対する配慮もあると同時に、逆に私はまたいまアメリカあたりから進出してきている保険会社、そういうところとの関係も考えなければ、これは後ほど問題を指摘することになりますけれども、いま日米間のあつれきがこういう金融の閉鎖ということについてまで指摘されているんですが、そういうマクロの意味においてもこれはぜひ考えてもらわなきやならぬと思うのですけれども、ここで即答は要らんですけれども、やはり単に金利等だけのことじゃなくて、これは地震保険でもいろいろ問題がありましたように、新しい条件に即応した敏速な改革ということがやっぱり必要だと思いますので、これは大臣から。
○国務大臣(金子一平君) 御趣旨のとおり、時代に即応した新しい体制にできるだけ適応するように指導してまいりたいと思います。
○福間知之君 通産大臣、きょうは企画庁もお呼びしたがったし、その他もお呼びしたかったのですが、いろいろお忙しいようですから、ここは通産大臣にかわってもらいますが、サミットの問題で、どうも最近アメリカの世界経済戦略といいますか、そういうものがかなり厳しくなってきている、こういうように伺います。最近も日本に対して例の四項目ですね。こう具体的にあげつらってやや内政干渉がましいことを言っているのですが、これは閣議ではどういう受けとめ方をされていますか。
○国務大臣(江崎真澄君) やはりアメリカとしては百十六億ドルの対日貿易のインバランスが解消されないということで非常ないら立ちを覚えておるということが一点。それから日本の最近の大幅な黒字幅に議院の各層において日本の商品に課徴金をかけるべきだという声が異常な高まりを見せておる。これは異常と言っていいでしょうね。高まりを見せておるということ、そういうことがアメリカの政府側を刺激して、日本が積極的にこの黒字幅の解消を図らないと課徴金をかけるぞといったような日本に対する議院の対応をなかなかとめがたい、これは中国の帰り道に日本に寄りましたブルメンソール財務長官などもはっきりそういうことを朝日の記者との対談でも言ってますね。大蔵大臣にも晩さんを共にしたときにそれに似た話をされたということも私ども聞いておるわけであります。したがって、わが方としてもこの対応に懸命なわけでありまして、緊急輸入につきましてもどうやら三十億ドルは達成されそうだといういま報告も来ておるわけであります。 一方、円高がああいう形で半年も早く始まってしまいました。二百円割れ、百八十円割れといったようなね。というようなことから、ここ一月、二月の国際収支は急激に減ってきております。ですから、よくアメリカ側に実情を説明していけば私は理解を得られるものと思いますが、いずれにいたしましても、日本側としても真剣にこの大幅の黒字を解消することを今後にかけても努力することが不可欠である、必ずしも私はアメリカ側が内政干渉にわたっておるというふうには受け取っておりません。
○福間知之君 内政干渉と言い切ることは全く妥当じゃないかもしれませんが、しかし大蔵大臣、銀行戦争と言われるように、在日外銀の扱い、それだけじゃなくて、日本における財政、金融構造が全体として硬直的だ、ここまで指摘されておるわけですけれども、これは当局としてはどういうように受けとめておりますか。
○国務大臣(金子一平君) 在日外銀の問題は、これは聞いてみたら、アメリカ側は世界各国にも同じような照会をしているようでありまして、別に日本が特別扱いをしているという認識は行政府は持っておりません。ジョーンズ報告に出ておりますように立法府はどうも違った見方をしているようでありますが、いま江崎通商産業大臣からもお話しになりましたように、行政府は日本のやり方に非常な理解をその点は示しておると思うのでございます。金融財政の硬直化というような話は実はまだ一言も私は聞いていないわけでございます。
○福間知之君 公取委員長にお聞きをしたいと思いますが、最近諮問された「事業者団体の活動に関する指針」というものが発表されましたけれども、まだこれは詰めたところまで公取委員長の方では手がけていられないと思いますが、幾つか主要な問題点についての御見識を。
○政府委員(橋口收君) 「事業者団体の活動に関する指針」という名前で呼んでおりますガイドラインでございますけれども、これはまだ案の段階でございまして、案として各界の意見を聞く、こういう体制をとっておるところでございます。当委員会でもかってお答えをしたところでございますが、事業者団体の行動のあり方につきまして、いわば成文法に類するものはなかったわけでございまして、いわば口伝と申しますか、口頭で伝わった一つの考え方というものがあったわけでございますけれども、これをやはり文章の形にいたしまして、文章の適用の問題として、いろいろな事例を積み重ねていくということがやはり行政的には望ましいのじゃないか、こういう考え方のもとに昨年から作業をいたしておりまして、一応の案が固まったのでございます。 具体的にどういうことがあるかと申しますと、大きな問題としましては価格に関する事項、それから一般に影響がございますのは情報の交換に関する事項、こういうものが主な内容でございまして、価格に関する行為のうちで違反のおそれのあるものとおそれのないもの、情報の交換につきましても違反のおそれのあるものとないものと、こういう類型別の整理をいたしておるわけでございまして、この違反のおそれのあるものにつきましては過去の審決の事例等を引用いたしまして、こういう事例に即して考えるとこういう行為は違反になるということを明らかにいたしておるわけでございまして、価格の行為につきまして違反のおそれのある行為を申し上げますと、標準価格の設定、共通の価格算定方式の設定等、こういうものは違反のおそれがあると言っております。 それから、この違反のおそれのない方を例示いたしますと、たとえば修理料金、中古品価格等、価格の設定がむずかしいものについて業界一般の過去の実例価格等、価格設定に役立つ資料の提供は原則的には違反にならないというようなことを申しております。 それから、情報活動につきましては細かくなりますので省略いたしますが、やはり情報活動の交換の結果としまして、将来の価格に影響を及ぼすような行為は違反の疑いがある、単に一般的な情報の交換、あるいは技術の交換等は違反のおそれがないというふうに、類型別に申しまして違反のおそれのあるものとないものという整理をいたしておりますし、また個々の事業者団体の具体的な活動計画につきまして、独禁法に触れるかどうかということにつきまして疑いがあります場合には公正取引委員会に申請をしていただきまして、事前にこれを審査してクリアするという制度を設けたわけでございまして、こうすることによりまして、いまの時点において当該事業者団体の活動行為が法律に違反になるかどうかを明らかにすると、こういう制度を設けたいというふうに考えておるところでございます。
○福間知之君 そうしますと、委員長のところで最終的にこの内容を詰めまして、事業者団体に対して何らかの示達なり徹底方のアクションをとられ、あるいは各事業者団体が現状のシステムの上に立って改革すべきものはみずから改革すべきだと判断して、それを付して委員長のところへ申請をする、こういうふうな形になるんですか。
○政府委員(橋口收君) 最終的に活動指針の取りまとめをいたしますのは大体六月ごろというふうに考えておるわけでございまして、それまでの間に関係省庁、関係団体等の意見を十分聞きたいというふうに思っております。最終的にまとまりましたものにつきましては、これはいわば行政の方針でございますから、当分の間妥当性を持つというふうに考えておるわけでございまして、その活動基準に照らしまして、それぞれの事業者団体の行為が違反になるかどうか、具体的な計画を持って申請をしていただくということになるわけでございまして、これは文書で申請をしていただいて、文書で回答をする。回答いたしましたものにつきましては明らかに方針を変更するという行為がない限りは将来とも法律違反で問われることはない、そういう行政的な安定あるいは業界の行為の安定を図りたいというふうに考えております。
○福間知之君 公取委員長、最後に、例の百貨店十六店、スーパー六店、計二十二社の調査を押しつけ販売その他でやられましたね。あるいはまた自動車販売に関して千四百五十社を対象に調査をやられましたね。この中間的な状況から何か問題意識を持っておられますか。
○政府委員(橋口收君) 百貨店、スーパーの方から申し上げますと、いま御指摘がございましたように百貨店は十六社、スーパーは六社について実態の調査をいたしておるわけでございますけれども、主たる調査の対象ば押しつけ販売あるいは協賛金の強要等が中心でございまして、そのほかにも不当な買いたたき、あるいは不当返品等につきましても調査をいたしておるところでございます。これは一方において株式会社三越に対する立ち入り検査に対する最終的な決着もそう遠くない将来に結論が出るというふうに考えておりますので、そういう措置とあわせまして、並行して行っております調査の結果を踏まえまして、将来百貨店及びスーパーにつきましての一つのガイドラインと申しますか、あるいは独禁法上の特殊指定というような措置も必要になってくるかと思いますが、何らかの基準を設けたいというふうに考えております。 それから自動車の方でございますが、自動車につきましても広範な調査をいたしておるわけでございますが、その際の問題意識としましては、自動車のメーカーあるいは自動車販売会社とディーラーとの関係でございまして、経済的な強者の弱者に対する支配の実態というものを明らかにしたいというふうに考えておるわけでございまして、項目といたしましては専売店制、テリトリー制、押し込み販売、リベート政策、白地手形等でございまして、これにつきましてもディーラーからの事情の聴取等はほぼ終わっておりますので、現段階では主としてメーカーからいろいろ事情を聞いておるところでございまして、これにつきましても調査の結果を踏まえまして、メーカーあるいは自販とディーラーとの間の望ましい正常な取り引き関係についてのルールを打ち出したいというふうに考えております。
○福間知之君 公取委員長ありがとうございました。 厚生大臣、前回の総括で聞き漏らした点を要約してお伺いしたいと思います。 最初は厚生大臣、最近例の共済年金等の年齢の見直しなども出ているようですが、私は八つの乱立した年金システムというものを新しい時代にふさわしく整理統合していくという上での、まあ問題点はまだいろいろありますしここで議論できませんが、厚生省としての真剣な取り組みを前提として、タイムスケジュールその他、いまの決意をひとつお聞きをしたいのです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) たびたび本委員会でも御答弁を申し上げておりますように、いわゆる基本構想につきまして懇談会の最終的な結論をちょうだいをする日を待っておるわけでありますが、私どもの目算といたしましては、大体四月の中旬ぐらいには懇談会としての最終的な御意見というものをちょうだいできるのではないだろうか、いまそのように考えております。私どもとしては、これを踏まえて今後の対応を考えてまいりますわけですが、まだ内容が明らかになっておりません段階で何とも申し上げられませんけれども、従来から出されておりますものの一つには、社会保障制度審議会からおまとめをいただきました基本年金構想等もあるわけであります。また各党がそれぞれのお立場からお出しをいただいておる御意見、また民間団体から出されておる御意見等も私どもとしてはそれぞれ参考にさせていただいているわけでありまして、それの集大成としての形で懇談会のお答えを来月半ばぐらいにちょうだいをする、それをどのような内容のものをちょうだいすることになるかわかりませんが、 〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕 私どもとしては、それをたとえば法律案の形にして国会にお出しをする以前の段階に、将来あるべきわが国の年金全体のバランス、姿というものについての一つの考え方というものを厚生省としてはこう考えるという形に仕上げて世間の御批判を仰ぐ、その中において国民的な合意の上に立った将来の年金改正というものに結びつけていきたい。スケジュールと申し上げるには余りに漠然としておりますが、現在ではそのような考え方を持っております。
○福間知之君 大臣、特に最終的には国会での審議が必要になるわけですから、私はこの種の問題は野党もそれぞれ立場があり、中身にニュアンスの違うものがあろうけれども、それぞれ改革案を持っていると思うのでございまして、特に私ども野党とのコンセンサスを得る上で十分なひとつ論議ができる場を——国会の内外で結構だと思います、野党だから国会の中でしかできないということはないと思いますが、大いにそういう場を広げてやっていただくことがいいんじゃないか。これはまあ八十年代、二十一世紀に向かうわが国の国民的重大課題でございますので、かけるべき時間は十分かけて、いままでのように小手先細工じゃなくて、本格的に改革に取り組む、こういう必要を感ずるので、要望しておきたいと思います。 それからもう一点、大臣には例の健保の財政問題、調整問題について総括段階でもいろいろお話がありました。御承知のとおり、この間こういう新聞に医師会が何と全面広告をやったのですね。こういうのを見てますと、いかに民主主義の言論自由の時代とは言え、いささか面食らっちゃうわけで、これはただでできるものじゃありません、かなり金がかかってます。そういう点で、大臣の所見をまずこの際これだけ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもの立場から申しますと、医師会も健保連も同じように非常に大きなスペースを買われて非常に大きな広告をお出しになる。まあ厚生省もこういう予算を取ってPRができたらなあと少々うらやましい感じもいたします。しかし、そういう冗談を抜きにしまして、私どもは、関係者がそれぞれのお立場から、やはりそれぞれの立場での意見というものをおっしゃることは決して差し支えのないことでありますし、また、それが建設的な意見であれば、これはどなたの意見でも受け取っていかなければならない責任があるわけでありますから、そういう報道機関を利用しての広告という形での意見の交換というものが望ましい姿であるかどうかは別としまして、建設的な意見というものはどんどん寄せていただくことは決して差し支えない、率直にそんな感じでおります。
○福間知之君 それはそれでわかりましたけれども、大臣、いずれこういう主張を医師会が持っているという限りにおきまして、またそれに対するに健保連が健保連としての見解を持っているという限りにおきまして、しかも早急にこれは一定の合意を取りつける努力を始めなきゃならぬ。それはやはり大臣の方がリードをしていく立場におられると思うのですね、結論はこの際どうなるにしましても。それはいつごろ具体化されますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、私ども政府としては、すでに現在の国会に御提案を申し上げております健康保険法におきましても、将来別の立法措置をもちまして、政管、組合のみならず、共済をも含めた全被保険者間の、被用者保険間の財政調整を実施したいという考え方はすでにお示しを申し上げておるわけであります。ただ、そこに至るまでには、現実に累積赤字の問題がありましたり、また制度間で給付あるいは負担の仕方に違いがありましたり、いろいろな問題点があるわけでありまして、それを同一の条件にしていかなければならないという前提がございます。ですから、今回の国会に御提案を申し上げております考え方というものも、一昨年国会にお示しをいたしました十四項目の考え方の中で、その第一着手として組合管掌健康保険内部の財政調整をまず行うという考え方をとっているわけでありまして、将来においては、私どもは被用者保険全体についての財政調整というものは必要だということを、今回国会に御提案申し上げております健康保険法の中においても述べておるわけであります。
○福間知之君 次に、最近家電系の廃棄物の処理について、地方公共団体の一部で、その処理について取り扱いが厳しくなったり、アンバランスが目立っておるわけであります。当然たくさんの地方自治体であり、大都市の過密地域、そうでない地域とございまするから、ある程度のものはわからぬでもないのですが、結果において小売店とか卸店等がその処理のしわ寄せを受けまして困惑をしているという実態があるのですが、これは政府側、政府委員の方で御承知ですか。
○政府委員(国川建二君) お答えいたします。 先生ただいま御指摘のいわゆる家電製品、廃家電製品と申しますか、不用になりました家電製品、従来はいわゆる一般的に小売店等が一般家庭から引き取りまして、引き取られましたものがスクラップ業者に流れ、スクラップ業者から、まだ有効に使われる部分が電炉メーカーと申しますか、製鋼の材料として使われていると、そういう流れが行われていたわけでございますが、実は昨年ごろから、製鋼材料といたしましてやや品質等 の問題がございまして、スクラップとしての取り扱いに問題が出てきている。そのために小売店等、販売店等におきまして、それらの取り扱いが必ずしも円滑にいかなくなっているというような事情があることを承知いたしております。ただ、先生御指摘のように、地方公共団体によりましていろいろな対応が行われておりますので、若干の相違はあるかと思いますけれども、特に地方公共団体側の運用が厳しくなったというようなことではないのではないかというように思っております。
○福間知之君 厳しくなったというか、その表現は適切ではないと思いますけれども、引き取りたくない、こういうことですね。そこで問題が起こっているわけなので、これは法律上とか条例上とか、いろいろな解釈もあろうと思いますが、実態面では問題がやっぱり出てきているわけです。 そこでお聞きしたいのは、家電の販売業者が消費者の皆様から買いかえ時期なんかにやむを得ず引き取らざるを得ない、こういうふうな場合ですね。これはすべて産業廃棄物として小売店など業者が処理しなければならないというのは少し不合理ではないか。まあ家庭の奥様が仮に団地の上から大きな冷蔵庫を下へ持って行くのはめんどうだとか、あるいはまた、言っても収集日までに日にちがあるのでなかなか来てもらえない、その間どこに置いておくかとか、それで困るといういろいろな事情で、買うときに引き取ってくださいと、こういうふうなことで頼まれる、これはやむを得なくしょうがないということになる。まあ商売ということもそれはないとは言いませんが、しかし、それを宣伝して、引き取りをやりますから買ってくださいというようなことをやっている場合は別にしまして、そうでないにもかかわらず、最近の事情では引き取ってもらいにくいということで困っているんですね。そういうのは自治体のあり方として少し不合理じゃないかというわけですがね。
○政府委員(国川建二君) お答えいたします。 先生からただいまお話がございましたように、いわゆる一般的には何と申しますか、商慣習と申しますか、というような形で、特に大型の家電製品を販売時に引き取るというようなことが行われている場合があるわけでございますが、そういう場合には、現在の私どもの考え方によりますと、やはり販売店や問屋等がそういったものを廃棄する場合には産業廃棄物である、したがって、事業者の方の責任において処理していただきたいという考え方が原則だと思っているわけでございますが、さまざまな対応があるかと思います。実態的にそういう引き取るといいますか、そういうことが商慣習にまで至っていない、そういうようなものまですべて産業廃棄物というような扱いは必ずしも適当じゃないんじゃないかというように思います。
○福間知之君 商慣習であるかないかというのは一体何を基準に決めるのですか。
○政府委員(国川建二君) これは個々のケースによってかなり違うと思いますので、それぞれの地域といいますか、そこでの販売方法と申しますか、そのようなそのときどきの事情によるものではないかというふうに思うわけでございます。
○福間知之君 もう少しはっきりしておりませんが、次に、廃棄物処理施設の整備を推進する必要があると思いますけれども一最近見直されたこの政府の第一次及び第四次地域分の公害防止計画におきまして、この処理施設の整備は金額の上でどれくらい見込まれておるか、あるいはまた、私は今後のあり方として、民間との合同による第三セクターをつくって、社会的にこの種の問題の解決に当たっていくという発想もあっていいんじゃないかと思うのですが、以上二点。
○政府委員(国川建二君) お尋ねの廃棄物処理施設の整備でございますが、全体といたしましては、私ども第四次廃棄物施設整備計画、五カ年計画をもって推進しているわけでございますが、その中で、ただいま先生御指摘になりました第一次及び第四次地域のいわゆる公害防止計画に基づく部分につきまして申し上げますと、御承知のように、今回の公害防止計画は十一市、十三町を対象としたものでございます。したがいまして、その中で明確になっておりますのは五十三年度中に予定しております事業でございますが、ごみ処理施設関係が二カ所、ごみ排水処理施設関係が三カ所、その他埋め立て処分施設関係が三カ所ございまして、これに要します事業費に対する国庫補助額は十二億八千八百万円ということになっております。で、五十四年度以降の全体の事業費につきましては、これはまだ、固まっておりません。毎年度ごとに固めていくことになっております。 なお、後段で先生おっしゃいました、いわゆる第三セクター等のようなものを考えまして施設整備をさらに充実したらどうかという御指摘でございますが、いわゆる特に産業廃棄物等に対します公共関与という形での事業の推進でございますが、私どもとしましては、特に中小企業等、そういうような自力で廃棄物の適切な処理を行うことが困難であるというような場合がよく想定されるわけでございますから、そのようなものにつきましては、そういう形で——もっとも地域の実情に応じた対応が必要なのは当然でございますが、地方公共団体が関与した形で、御指摘のような第三セクターのような公社その他の制度によりましてより適切な廃棄物の処理が行われますよう指導いたしたいと思いますし、現在行っておりますのをさらに今後推進いたしたい、このように考えております。
○福間知之君 最後に、部長。先ほどの問題でちょっと気がついたのですが、その商慣習というのは具体的にはケース・バイ・ケースというか、ケースによると、こういう御説明ですけども、それは厚生省自身がこれタッチしているわけじゃないので、実際は各地方自治団体、その地方自治体の状況によってある程度事情の違いがあるということで、それと事業者側との合意を図っていく、こういうことなんですか。 〔理事井上吉夫君退席、委員長着席〕
○政府委員(国川建二君) 具体的にはケース・バイ・ケースにまさになるだろうと思いますから、その地域での販売といいますか、その状態、あるいはそうじゃなくて、先生がおっしゃいましたような形で、何といいますか、一般の市民から出るような形と全く同じだというように考えるかどうか、個別に判断しなけりゃならないんじゃないかというように思います。
○福間知之君 次に国鉄にちょっとお聞きをしますが、電電と並びまして、にわかに政府調達物資の範疇に含まれるということに相なっているようでございますが、一部の報道によりますと、総裁は金額で五百億前後の調達ならば可能だ、こうおっしゃっていますが、そうであるかどうか。しからばその中身は何を考えていられるか、お伺いしたいと思います。
○説明員(高木文雄君) いま私どもが調達をしておりますもろもろの機材は、五十二年度実績で見まして三千六百億円強でございます。で、そのごく一部は現在も公開入札によって調達をいたしておりますけれども、大部分は随意契約等で調達をいたしておるわけでございます。今回、政府調達物資の公開問題が起こりまして、いまもお触れになりましたように、にわかに最近、何とか国鉄でもそうした方針に従うべしという御要請を政府部内から受けておるわけでございますが、やはり随意契約が大部分を占めているということはそれはそれなりにやはり理由があるわけでございますので、気持ちとしては、何とか、日米間あるいはECとの関係を全体として調整するために協力すべしということであれば、気持ちとしては大いに協力をいたさなければいかぬと思いますけれども、しかし、個別に品目別に当たってみますと、なかなか競争入札によりがたい場合が多いわけでございますので、相当がんばってみましても、せいぜい三千六百億円の全体に対して一〇%とかあるいは一四、五%とかいうのが限度ではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、外務省その他御担当のところにはそのようにいまお願いをしておるわけでございます。 なお、最も公開にふさわしくございませんものは運転、保安に関する関係でございまして、私どもが一番心しなければならぬことは事故を起こしてはならぬということでございまして、安全に輸送をしなければならない、たとえねじ一つにつきましても、何かトラブルがあって問題を起こすということはあり得るわけでございまして、こうしたことについては長い歴史の期間を通じて研究に研究を重ねてきておりますわけでございますので、そうしたもので、たとえねじ一本といえどもそう軽々に扱うわけにはいかないというようなことがございまして、運転、保安に関する部分については、これはぜひとも従来どおりの随意契約でやらしていただきたいというふうな考えが基本でございます。
○福間知之君 総裁、バスなどを、まあハンドルを左から右に変えさせるとか、あるいはまた日本向けに必要な仕様にさして、アフターサービスもちゃんとできる体制をシフトしてもろうてそういうものを入れるということ、日本の利用者もたくまずして外国のバスに乗れるということにもなるのですが、どうですか。
○説明員(高木文雄君) 自動車に関しては鉄道車両と大分性格が違うことは間違いないわけでございますけれども、ただ、いままでのところ、いいか悪いかは別にして、全国ほとんど統一的な車体のものを使っております。たとえばマイクロバスというようなものもありますけれども、幾つかの制限された限定的なものを使っております。そしてわりあいに全国的に運用されておりまして、ある時期で九州で走っております車両も、またあるシーズンには東北へ持っていって走るというような関係がありますので、やはりなるべくシンプルなものにしておきたいということから、従来はかなり限定的に購入をしてきたわけでございます。現在の段階でいま具体的に——何分この話は私どもとしてはつい最近起こってきた話でございますので、いまいろいろそうした点を個別に議論を中でいたしておりますが、いまこの段階でにわかにバスは公開にしていけますというところまでは申し上げられるほどにはなっておらないわけでございまして、ただし頭からだめですということでなしに、どの品物につきましても十分、謙虚にといいますか、改めて考えてみたいというふうには考えております。
○福間知之君 自動車産業の雇用の問題にかかわるという声が後ろからも出ていますが、私も何もそれをやるべきだと必ずしも言っているんじゃなくて、いろんな知恵を働かしてみてもいい問題じゃないか。雇用の問題は大なり小なり、私はこの種問題を進めていけば影響なしとはしないというふうにも思いますので、具体的にどうのこうのと言っているわけじゃ必ずしもありません。 そこで電電ですが、例の東京ラウンドの政府調達問題に関連しまして、にわかに電電がクローズアップいたしました。公社の方は、競争入札を原則とするこの政府調達国際コード、国際規約の対象にこの電電公社の電気通信設備は加えるべきではない、これを主張しておるわけでありますが、このことについて必ずしも今日国内的あるいは国際的、特にアメリカ、これは昨年電電公社を訪れたアメリカの国会議員とか、あるいは政府関係の人たち、あるいは貿易ミッションの方々にも説明されたようですが、理解されておりません。そして今日ショッキングなような姿でクローズアップしているんですが、日本のように高度に発展をした工業社会におきまして、通信という施設は一体どう位置づけるべきか、電気通信事業というのは一体なぜ公共企業体あるいは独占的企業体としてでなければならないのか、これについてのまず御説明を聞きたいと思います。
○説明員(秋草篤二君) お答えします。 いまの御質問は、本来ならば、監督官庁である電気通信監理官なり郵政大臣がお答えすべき筋合いだと思っておりますが、私も大役を仰せつかっておりますので、長い経験から先生の御質問に対する意見、御答弁を申し上げたいということを前段に申し上げておきます。 公共企業体になぜしたかということは、歴史的には明治三年電信、二十三年電話を始めて、操業以来官営でずっとやってきましたけれども、戦後いろいろの事情があって、国民の総意として昭和二十七年に公共企業体というものになったわけでございます。公共企業体にした理由は、やはりまず電気通信の公共性というものを保持するために、直接監督する郵政省、あるいは国会というものの監督監視の中に置くということが前提でございます。それからもう一つは、非常に大事なことは事業の能率性、企業性を、アクティビティーをもっと発揮するということから、従来のいろいろな政府の財政法、会計法、予算決算及び会計令あるいはまた国有財産法、あるいは行政組織法あるいは公務員法、こういう国に適用する法律を一切排除しまして公社法一本にしたということでございます。そこにおいて人事面、組織面、予算制度というものに非常に弾力性を持たせたということが大きなねらいであったと思います。そういうことで今日まで二十六、七年まいりましたけれども、一面、もう一つ先生の御質問のなぜそれならば独占であったかということも、これは一概に独占が私は世界共通だとは申しません。なぜならば、アメリカは大部分はATTという独占でございますけれども、手数百の民営会社がやっております。それから、メキシコ、中南米も大体民営が多かったのでございますが、今日は国営に戻そうということになりつつありますし、またなったところも多うございますが、欧州各国は全部官営、国営でございました。英国が十二、三年前に電電公社に来まして勉強して帰ってから郵電公社というものをつくった。これはどうして官営がいいか、民営がいいかということは、民営がございますから一言には私は言えないと思いますけれども、電電公社に関する限りにおきましての理論としましては、これは極度の設備産業であって、現在も正味資産としては八兆数千億の財産を持っておりますが、その九割は電気通信設備でございます。巨大なる固定資産によって形成されている。そういうものがまちまちに方々にあってはやはり二重投資になるであろうということから、投資の一元化ということと、それから通信の料金というものも均一にするためにはやはり独占が一番よかろう。あるいは、通信設備というものも津々浦々まで共通なサービスをあまねく国民の皆様に与えるにはやはり独占が一番いいだろうという説によって、官営以来、公衆電気通信法の前の法律としましては電信法というものがございますが、この電信法では、「電信電話事業は政府これを管掌する」という法律になっておりまして、それを受け継いで公社も今日公共企業体というふうになって独占になっておる。これは国によって一応二つに分かれておるということは言えると思います。 以上、ふつつかでございますが、答弁を申し上げます。
○福間知之君 大体いまの答弁では、公共企業体ないしは独占的な形態の方に軍配が上がるようであります。現に日本の利用者も最近は国民皆電話の時代を迎えまして、設置費もわりあいに安くなっているし、料金も国際電話とか長距離電話を除きますと、運賃の割り高に比べれば、そう電話料は高いなとは思ってないような気がするのですけども、それはさておいて、二番目に先進諸国において電気通信事業における機材の調達を競争入札としている国はどこで、その制度あるいは実態を御説明願いたい。
○説明員(前田光治君) お答えいたします。 現在ヨーロッパの諸国はほとんど国営でございまして、イギリスが公社営でございますが、これらの国々の電気通信機材の調達方法は制度上のたてまえとしては、若干国によって出入りございますが、概括して申し上げますと、国がやっておりますので、一般的には国が物を買うことを規制しておる法律等によっております。それらの法律によりますと、競争入札ということをたてまえとし、それから随意契約というものも事業の実態によってやってよろしいというような形態のものが多うございます。実際に電信電話を行っておりますヨーロッパの諸官庁が実態として電気通信設備をどのように買っておるかという点でございますが、実態としてはすべて随意契約によって購入しておるというのが実態でございます。ただ、法律のたてまえとしては両方がとれるという形にはなっております。
○福間知之君 なぜこの自主技術あるいは随意契約方式というものをとっているのか。法律上は別にして、いまのお話でも実態は随意契約が圧倒的であるということですが、その理由はいかがですか。
○説明員(前田光治君) お答えいたします。 この電気通信設備を競争入札で購入した場合には、どういう点が困るのかという御質問かと思いますが、これはいろいろな点で公衆電気通信サービスの提供ということに非常に大きな支障を来すことになると存じております。 まず第一点でございますが、競争入札で買うということになりますと、いろいろな国のいろいろな会社から物が入ってまいりますので、その製造会社によってまちまちな品物で国の中の電気通信設備が構成されるということになるわけでございます。そういたしますと、当然のことながら公社の行っております大きな仕事でありますこれらの機械を保守する、メンテナンスの作業でありますとか、その機械あるいは電話局を設計したり建設したりする公社の主たる業務、これが著しく能率が低下をするということがございます。それから、新しいサービスをわれわれ次々と追加をしていきたいと思っておるわけですが、こういった場合にも全国にあります装置がいろいろまちまちになりますと、改造いたします場合の方法がいろいろさまざまになってまいりまして、ある地域はあるサービスができるけれども、ある地域にはできないというような、あまねく国民に平等にサービスをするという公社の目的が達成できなくなるという問題がございます。 では二番目といたしまして、しからば非常に厳重な仕様書をつくって、もうそれに合わないものは一切買わないという形で機械の標準化、統一化ができるではないかという議論もございますが、しかし、そのようにいたしますためには、この入札に使います仕様書というものに機器の詳細をすべて記入せざるを得ない。そういたしますと、結局製造図面そのものを仕様書につけるというような形にならざるを得なくなりますので、そういたしますと、電電公社自身が長年蓄積してまいりました通信関係の技術のノーハウ、それからさらに公社に協力をして相当な投資をして蓄積しました製造会社の持っておるノーハウというのが、それの競争会社へただで全部流出してしまうという問題があって、これでは製造会社としては公社に協力して、より安くより優秀な電気通信設備を開発していこうという意欲がなくなってしまうという問題がございます。 それから三番目といたしましては、電気通信設備、これは非常に多種類の機械、多くの機械から成り立っておりますが、その一つ一つの機械にはしたがいまして非常に高い信頼度が要求されるわけでございます。これを確保いたしますためには、購入する時点ででき上がった品物の購入検査を幾らしてみましてもわからないわけでございまして、高い信頼度を確保いたしますには、現在のテクノロジーではその工場へ行きまして原材料の購入検査の仕方、それから各工程での加工のやり方、それの成績の実績でありますとか、そういったものを詳細に監査する必要がございます。現にわれわれはそのようにやっておるわけでございますが、競争入札ということになりますと、買ってくれるかくれないかわからない人に自分の工場の中のはらわたまで全部見せるということは、実際上これは拒否をされて、不可能でございますし、世界的な商習慣としてもこれは受け入れられないと思っております。それからなお、受け入れられたといたしましても、相当な技術水準を持った技術者を世界各地のいろいろな応札してくる工場すべてに派遣をして、その検査をやるということは実質上ほとんど不可能に近いという問題点がございます。 それから四番目の問題といたしましては、電気通信設備は長年にわたって逐次増設をしてまいります。われわれの使っておりますものは、機械によっていろいろ違いますが、まあ二十年とか長いものは三十年という期間にわたって使ってまいるわけでございますが、これが競争入札ということになりますと、一遍納めてもその次にはいつ買ってくれるかわからないという問題がありまして、二十年、三十年にわたってそれの補修用部品、増設用の機器というものを製造できる製造ラインでありますとか技術を温存しておくということは、会社にとっては事実上不可能なことでございまして、ということは、実態上なし得ない。したがいまして、後で補修用の部品、増設用の機械の調達に非常に大きな困難を来すという問題点がございます。 それから五番目の問題といたしましては、電気通信の設備といいますのは、先ほど申し上げましたとおり、大体ヨーロッパあるいは日本でもさようでございますが、一国でその国の電気通信主管庁あるいは公社一カ所しか買い手がない、市販性ゼロという品物でございます。それから国々によりまして、先進国の間ではすべてその規格、仕様、設計、基本設計思想というのが異なっておりますので、日本の物をそのままドイツに持っていってもこれは動かないということになりますので、そういった市販性の全くない品物、これを競争入札で買うということになりますと、これはその製造側にとりましても非常に受注が不安定になる。落札し損なえば一切その品物の持って行き先はないという形になります。一たん落札しますと、その期間全量を一社でつくらなければならぬという問題がありまして、もし一回落札をして設備投資をし、人員を雇って製造を始めましても、次の機会に落札に失敗しますとそれらの設備、人員が浮いてしまうという、経営上非常に不安定になるという問題がありますので、どうしてもこれをコストに上乗せせざるを得ないということになります。したがいまして、一般市販品の場合は競争入札というのは大変合理的な購入方法かと存じますが、電気通信設備のように極端な特注品というものの場合には、随意契約で買うということの方が買う側にとりましても製造する側にとりましてもきわめて合理的で、コストの安くなる方式であるというふうに考えております。 それから六番目といたしましては、競争入札によります、かつ世界じゅうにこれを公告し、それの応札を待ってそれの審査をし云々ということは、随意契約に比べまして非常に膨大な手続と人員を必要といたしますし、そればかりではなく、その調達期間が大変長くなるという問題がございます。これは特注品でございますから、落札が決定してから製造の準備を開始するということにならざるを得ないということで、現在後進国等で行っております競争入札のケースを見ますと、大体納期が三年から四年というものはざらでございます。現在、われわれは随意契約で計画的な生産発注をしておりますので、製造業者も計画的な生産ができるということから、調達期間は六ヵ月以下ですべて品物が買えるわけでございまして、それによって電話の需要変動あるいは地域的な需要の変動、そういうものに対応して非常に弾力的なわれわれの建設工事の執行が可能となるわけでございますが、調達期間が数年に及ぶというような品物が参りますと、現在のような弾力的な建設工事並びに予算の執行はきわめて困難になるというふうに存じております。 以上、大変時間をとりましたが、入札で電気通信設備を購入した場合の問題点を申し上げたわけでございます。
○国務大臣(江崎真澄君) いま電電からだんだんの原則論がございました。まあああいうことでしょう。原則はあのとおりだと私も思っております。ところが問題なのは、私どもが牛場特派大使、それからいまの安川特使から説明を受けたところによりますと、アメリカのATT、これは民営ですね。この民営の会社で原則的にはあのとおりの事情をアメリカ側も持っておる。したがって競争入札はいたしません、ただし随意契約で、その随契の中に日本及び諸外国を入れておる、そうしてその調達全額の約一五%から二〇%というものを調達しておる、こういう一口で言うと説明であります。それから、国営のたとえば欧州の国々においても、やはり競争入札はしないが、ATTと同じようなやり方で、随契の中に外国を入れておる。それで現に、まあなかなか日本からも参加するようですが落ちないことが多いそうですね、欧州の場合は。アメリカの場合は、昨年の場合これは円ベースで百億円程度のものが出ていっておる。したがってアメリカ側がわが国に要求しておるものは、諸外国並みのことを少なくとも考えてもらいたい、こういうことを言っておるというんです。ですから、そういう点については私はやはり東京ラウンドを円滑に進める上から言うならば考慮の余地があるのではないか。互恵平等の原則に従ってこういうものはやるものですから、ですから特に日本が犠牲を払わなければならぬというていのものではないと思います。しかし、外国の随契入札には日本が参加するが、日本には一歩も二歩も入れないということでは、これは市場閉鎖だといって物議を醸すことももっともである。原則だけに固執しておると、電電の幹部が言うたとか言わぬとかいうバケツとぞうさんしか買えないなんと言って、非常に相手国を無益な刺激をする。そういうことはやはり今日の日米貿易の実態ということを考えると、もう少しお互いに苦労をしないとこういう問題は解決していかない。きょうは外務大臣が出られないから、何かこういうことに関連して話があったら、ぜひ私にもカバーしてもらうように、こういうことづけもありましたので一言申し上げたわけでございます。
○福間知之君 大臣の趣旨はわかりました。 そこで、いまのお話に関連して電電公社、これはまあ電電公社というよりも日本の通信機材製造会社かもしれませんが、あちらの随意契約に参加をしたということかどうか、百億円前後だということですが、それは随意契約で受注したものなのかどうか。あるいはまた逆に、電電はいままでたとえばアメリカ初めヨーロッパに随意契約の門戸を開いてなかったのかどうか。随意契約の門戸を開くというのはちょっと語弊がありますが、対象にしてなかったのかどうか、かたくなに拒んできたのかどうか、その点いかがですか。
○説明員(前田光治君) お答えいたします。 電電公社はかねてからの政府の御方針であります閣議決定によりまして、内外無差別の方針で物品の調達をいたしております。しかし、先ほど申し上げましたような理由によりまして、電気通信設備につきましてはその購入方法が随意契約でなければいけない、入札では著しく支障を来すということでございまして、随意契約では内外無差別の原則で購入をいたしております。したがいまして、現在まででも昭和五十二年度には、やはり安くていいというものが外国にある場合もございますので、約三十数億円の品物を随意契約で外国から購入をいたしております。
○福間知之君 先ほど電気通信設備の性格について詳しい説明がありましたが、大体私もそれは大臣ではありませんが理解ができるところでございます。 ところで、アメリカのいわゆるATTはその一〇〇%出資の小会社ウエスタン・エレクトリックを持っています。聞くところによると、ここに対して八十数%も発注をしている。あと一三、四%を他のメーカーと随意契約で入れている。これも随意契約なんですね。そういう点から言って、いまアメリカが競争入札にせいということを言ってきた。先ほどの大臣の話じゃ、その後の詰めた話ではそうじゃないということのようですから、私はそれはそうだろうと。競争入札にしろなんというような言い方はできないことはわかっていて言っているんじゃないかと私は思っていたんですよ。ところが、それはやっぱりそうじゃなかったということで、それはいいのですけれども、この問題は、そうなりますと単に一〇%開放するとか一五%開放するとか云々の問題というよりも、あるいはまた契約方式が問題であるというよりも、貿易摩擦解消というかなり高度な政治的な判断による解決を迫られている問題ではないのか、こういうふうに、これは大臣にお聞きしたいのですが、いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) そのとおりだと思います。ただそういう場面に、わが国のやはり業界に大変な経済的影響を与える、またそれが雇用にまで響く、こういうことについては私ども十分に配慮をしていかなければならぬ、特に通産大臣の立場からしまするならばね。世界で一か二かと言われるほど行き届いた電話を今日完成されたことは私は大いに評価しております。また、先ほど来のああいう話もよくわかりますが、結局問題はアメリカを初め諸外国がどういうふうに対応しておるか、それ以上のことを日本にやれと言われたって、それは私、なかなか困難なことですし、それは拒否のしようもあると思いますね。 しかし、先進国がやっておる程度のことはこれはやはりやっていかなければならぬ。特に日本の今日の黒字の状況、経済的な置かれた立場という点から言うならば、これはある程度この話し合いに応ずることは必要だというふうに思います。日本の技術の水準から言えば、当然そういう多少の開放をしてもこれは直ちに競争力を失うそんな貧弱なものならばこれだけの成果は上がらぬわけですから、決して大きな影響はないと思いますが、影響がありとするならば、そういう面にまで私は一挙に事を進めることはもとより危険である。これはやはり交渉によって時間をかせぐなり拒否をするなり、これはやり方はあると思いますね。 ですから、他国並みということを念頭に置きながら、何らかのやはり政治的結論を得ることは必要であるというふうに考えます。
○福間知之君 大臣の言い分は、電電の方もこれはよく承知されているでしょうし、具体的には、私どもがとやかく言うよりも、大臣なり外務大臣なりと郵政あるいは電電が十分これは話を詰めていただきまして対処をしていただかなければならない。電電の側から言えば、二百社からあるうちの半分以上は中小メーカーだし、その仕事の五〇%以上を電電に頼っている。あるいは雇用の問題もある。いろんなことがあって、メーンの機器以外でもかなり影響があると判断をされているように私は推察をするのです。そういう点で、今後のひとつ十分なこの意思疎通をお願いをしたいと思います。 そこで話を変えまして電電の方にお聞きしたいのです。最近、国際的に見た情報通信のインターナショナルの動向、これは国際間でどういうふうな議論になっていますか。たとえば情報の流通、データベースの支配、これは情報ソースの支配、さらにはプライバシーの問題、こういう課題について共通の議論が出ていると思うのですが。
○説明員(山内正彌君) お答え申し上げます。 情報通信サービスという言葉は、定義が大変むずかしい言葉でございまして、一応コンピューターによりまして情報を処理しまして、これを通信回線を使って入力あるいは出力するというふうに定義ができると思いますが、これは当初そういう使い方は主として科学技術計算等において使われたわけでございますが、最近大変進歩いたしまして、ただいま先生からお話がございましたように、データベースというような形に発展したわけでございます。これは、いろいろな学術情報であるとかあるいは企業の情報であるとかというものをコンピューターに入れまして、これを適当なアクセスの方法によりまして自由にその中の情報を取り出せる、あるいは逆に自分の情報内容をそこに格納しておくことができるというような性格のものでございます。 したがいまして、これが現在の企業にいたしましてもあるいは学問の研究にいたしましても、情報をいかに処理するかということが最大の問題になっておりますので、どのように使われるかということが世界的にも非常に大きな問題になっているわけでございます。ところが、このデータベースをつくる場合に非常に金がかかるというようなことがございまして、現実のデータベースはほとんどのものがアメリカに偏在しておるということでございまして、このデータベースを持つ国と持たない国との間のギャップというものが国際間で大変大きな問題になってきておるわけでございます。そのために最近国際間のデータ流通に関します国際会議が相次いで行われておりまして、その中心になっておりますのはOECDであるというふうにわれわれ承知しております。ここでは一昨年九月ウィーンで越境データ、要するに国境を越えますデータの流通とプライバシー保護に関するシンポジウムというものが開催されておりますが、それに引き続きまして非常に何回もこの問題につきまして会合が持たれております。その結果、個人データ及びプライバシーの保護と国境を越える流通を規制する基本ルールに関するガイドラインというものが近く出されるというふうに聞いております。
○福間知之君 通産大臣、もう一つ申し上げたいのですが、これは余り本気でと言うと語弊がありますが、話として私は申し上げるのですけれども、アメリカの議会も最近は何かにつけてかなり日本に対してもはきはき思っていることをおっしゃっているようでありまして、これは政府というよりも議会の最近の姿勢がそういうふうにうかがえるのであります。私は日本の議会ですから申し上げるのですけれども、たとえばコンピューターにしましても日本はアメリカに次いで優秀なコンピューターを製造する水準に達しているわけです。それから、世界を席巻していたIBMのコンピューターが部分的には日本のコンピューターによって代替されていく、現在ではシェアも国内では日本の方が大きいのですから、そういう事情ですから、アメリカ側から見ても非常に日本というのはもう自分たちの水準に完全にアプローチしてきた、恐るべき存在、こういうふうな見方をしているかもしれません。しかし反面、たとえば原子力とか航空機、そういう産業は日本はどちらかというとアメリカの技術を頼りにしてきているわけです。いま問題になっている電電公社の問題はそういう物資調達による貿易摩擦解消ということのほかに、公社自身の持っているこの事業の戦略的な一つの性格ですね、そういう点から言って、私は、アメリカがこの分野に何とか食い込んでいきたいという下心があるのかないのか。聞くところによると、カーター政権の内部にはIBMから三人の関係者が配置されている、こんなことも耳にしておりますし、私ども民間産業における場面でも似たようなことがいろいろあるのですけれども、そういう点でやはり電電というものの事業の性格からしまして、かなり国益という立場で考えなきゃならぬ意味を持っているのじゃないかと思うのですね。大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) いろいろなうわさや情報が入ってくるのは常でありますが、私どもはやっぱり根本的には日米の貿易アンバランスが議員を刺激してだんだんこういう事態に立ち至っておる。先ほども申しておりまするように、日本だけが世界の中で特に特段の譲歩や措置をしなければならぬなんということは、これは私はあり得ぬことですから、これは話せばわかると思います。したがって、それが戦略上どうであるとかこうであるとかというようなことは思いたくもないし、また責任の立場にある者としてこれは言うべき話でもないというように思うわけであります。それで、機械そのものの内容については機械産業局長も来ておりまするので、今後のいわゆる電電機器のすべてを含んで国際的にどう位置づけられるのか、その辺については機械産業局長から、もしよろしければ答弁をさせます。
○政府委員(森山信吾君) ただいまコンピューターのお話が福間先生からございましたので、コンピューター行政を担当いたしております者といたしまして一言答弁をしておきたいと思います。 私どものコンピューター行政の基本は、いわゆる外資系と国産メーカーの比率をおおむね半々にするということが基本でございます。過去に輸入割り当て制をとっておりました時代におきましては、ただいま申し上げました目標を輸入割り当てという手段で確保することができたわけでございますが、御承知のとおり、昭和五十年の十二月に自由化いたしておりますので、現在のところは特に輸入を規制するという手段を持っていないわけでございます。しかしながら、私どもの行政目的である半々というものがおおむね達成されておりますのは、そこに私どもと外資系の企業との間の信頼関係ということがございます。私どもは日本政府の考え方をよく外資系の企業に理解してもらっておりまして、お互いに信頼関係で行政を行っておるわけでございまして、この国際交流が進んでおる現在におきまして、国際間のあるいは国際企業との間の信頼関係がないと行政はうまくいかないということが私どもの基本戦略でございますので、決して巷間言われておるところのIBMがカーター政権に何人かの長官を出しておるということから関連いたしまして今回の問題の黒幕であるというようなことは、私どもの立場から見ると全然そういうことは感じられない、こういう状況でございます。
○福間知之君 大臣、局長、それならば安心しておきましょう。 最後に総裁、先ほど大臣が間髪を入れず意見を開陳されたのですが、私はわからぬことはないのです。大臣の考え方ですね、気持ちというよりも政策的考え方についてはわからぬでもないのですが、総裁も恐らくそれはそうじゃないかと思うのですが、その点最後に総裁からお伺いし、それからもう一度公社の説明員の方からは、IBMが通信事業に進出したいということを考えているという気配があるのか。あるいはATTがデータ通信事業に進出しようというそういう考え方があるのか。あるとすれば、そういう背景が今度の問題につながっているのか。この点は小さな声でお聞きしておきますが、公社側としてはどう見ておられますか。その二点を最後にお聞きしたいと思います。
○委員長(町村金五君) 福間君、時間が参りました。
○説明員(秋草篤二君) 先ほど通産大臣の御答弁に関連して、私も電電公社の総裁としては、今日の日米間のインバランスをもととしたいろいろな経済摩擦につきましては日夜本当に苦労して、もう何でもがんばればいいんだという気持ちでおるわけではございません。国会の諸先生方もいろいろと意見を、助言をしてくださいますし、今日もうタイムリミットになっておりますから、非常にこれ苦慮しておる一人でございます。ただ、電電公社の総裁としてはぜがひでも通信のサービスを堅持することと、より安い料金でいくというたてまえからがんばっておるだけでございまして、まあぎりぎりのところ多少の余地はあろうと思いますけれども、願わくはEC並みに電電公社はならないのか、EC並みにしてもらえれば私たちはもう結構でございます。これが一つのお答えと思います。 それからもう一つ、いまのATTとIBMがいろいろこれからの将来に対する電気通信を踏まえて、大きな闘争をするであろうということは、私は傍観者でありますからそう軽々には答えられませんけれども、通信事業にIBMが進出したいということは、これはいろいろと情報とか書類とか雑誌とか見ますると非常に明らかなようでございます。しかし、この問題といまの電電公社の苦悩している問題に対して、IBMが後ろ盾になるかどうかなんていうことは、私は軽々には申すだけの資格もございませんし、まあジョーンズさんの報告を見ても、そういうような気配は私はちょっと見当たらないんだというふうに感じております。 それからもう一つ、大変失礼でございますけれども、先ほど通産大臣が電電の幹部がぞうきん、バケツぐらいしかアメリカから買うものはないというような話ですけれども、まあ大臣がここでお答えになったから、私はこれは新聞に出ていることでありますが、いかに愚かでも、アメリカからぞうきん、バケツしか買うものがないということを言うほど愚かではございません。絶対にそういうことはございません。そういうことはこれはもうございません。どうぞよろしくお願いします。
○委員長(町村金五君) 以上で福間君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) 今後の日程協議のため、理事各位は委員長席に御参集を願います。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(町村金五君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(町村金五君) この際、証人の出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十四年度総予算に関し、外国航空機購入予算問題について、来る三月三十一日午前十時に海部八郎君を、同日午後一時に辻良雄君を、同日午後三時に郷裕弘君を本委員会にそれぞれ証人として出頭を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、その手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(町村金五君) 引き続き、次に渡部通子君の一般質疑を行います。渡部君。
○渡部通子君 私は消費者行政を主体といたしまして御質問申し上げたいと思います。 消費者問題を考えますのにまず物価の安定ということが大前提でございますが、最近の物価動向について冒頭に若干経企庁長官にお伺いをいたします。 物価動向は警戒水域に近づいているというのが大方の見方でございます。こうした中で国民の不安は非常につのる昨今だと思います。きのうの読売新聞の夕刊にも、世論調査によりますと、主婦の八五%がいまの物価に対しては不安を感じていると、こういうインフレの懸念が発表されておりました。そこで、政府は五十四年度の消費者物価上昇率の見通しを大体四・九%、卸売物価については一・六%と、こう見込んでおりますが、今日の状況においてもなおこの見通しは達成できると判断しておられますか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) お答え申し上げます。 私も新聞に出ました主婦の方々の物価に対する関心の非常に高いことをよく理解できるわけでございますし、またこのように国民の大多数の方々が物価に対してそれほど強い関心を持っておられるということを知りまして、物価行政に対してますます努力を傾けなければならないというふうに思っているところでございます。 いまお尋ねの五十四年度の消費者物価四・九%、卸売物価一・六%程度の上昇というものがやれるかどうかという御質問でございますが、もちろん個々の家庭において購買しているものの品目の中には多少の値上がりもあるかと思いますが、現状におきましては、まだ全体の数値を処理いたしましても二月時点では前年同月比三%程度の上昇でございますから、四%という基調は三月になりましてもこれを改める必要はない。そのような情勢の上に、御承知のようないろいろな情勢の変化もございますが、われわれといたしましては最大限の努力をふるって四・九%程度の上昇に食いとめたい。しかし、問題は物価の高いという感じでございますが、これはやはり食料品の問題、それとまた子供の月謝の問題とか、あるいは住宅費とか、そうしたようなものが非常に主婦の気持ちに突き刺さっていることもよく理解しておりまして、そうしたような面においての、特に食料品等につきましては特別の配慮、また農林水産省等とも十分連絡をしながら、これのむしろ上昇よりも引き下げ傾向への努力を大いに進めているところでございまして、われわれとしましては、その他の消費者物価四・九%程度が現時点で達成が不可能であろうということは、現在全く考えておらないし、またこの範囲内での実現をぜひ努力をしてまいりたいと思っております。 また卸売物価につきましても、過般来の石油の問題等もございまして、ややそうした傾向が相当昨今上昇傾向にあることもよくわかりますけれども、しかし現在われわれが一・六%程度の上昇を見込んでおる中には、相当程度の石油の価格、すでにOPECで決めましたものなどもすべて含んでおりますし、また一時非常に心配いたしました海外のいわゆる軍需物資と申しましょうか、戦略物資の非常な上昇も、中国がベトナムに対しての進攻を停止したという声明を出した瞬間に相当また値下がりをしているというような事実もございます。ただ問題は、この際にもうけてやろうという気持ちを起こさないでもらいたいということ。昨日の世論調査などは、やはりそうした衝に当たる人たちが国民の大多数がやはり物価という問題にそれほど関心を持っているということを認識してもらって、そしてその行動を自制していただくということにも私は今後いろいろな面で啓蒙したり、また話し合ったりして協力を求めてまいりたいと思っておりますから、現時点においてこの目標が大きく崩れるということは予測をいたしておりません。なお、足らざる点がございましたらいろいろとまた御指導いただいて、われわれも全力を挙げていたしておりますので、国民的課題に対応して皆様方の御支援をいただきたいというふうに思っております。
○渡部通子君 政府は二月二十六日の物価担当官会議で総合物価対策を決めております。八項目ですが、今日一ヵ月間どのように具体的な前進があったかという点について御説明ください。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 物価対策の総合的推進ということは全政府挙げて努力をいたしておりますが、特に通貨の流通量そのものに対しては日銀並びに大蔵省が非常に厳格にこの監視を続けております。また大都市における住宅、土地の値上がり等につきましても国土庁を中心にすでに調査をし、またそれに対して活動も開始してくれております。また一般の重要な消費物資につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、農林水産省並びに通産省等においても非常に深い関心を持って現状の把握に努めておるわけでございまして、具体的にどのような政策をとっているかということよりも、ああした基本的な方針に基づいて政府は全力を挙げていま活動しておるということを御報告申し上げておきたいと思います。
○渡部通子君 その八項目の中の一つにございます公共料金の値上げ抑制、これについて伺っておきたいのですが、五月一日と予定されておりますたばこ、それから国鉄運賃、国立学校の入学金、電気ガス料金、健康保険法改正、さらにはタクシー料金、こういった一つ一つのものがメジロ押しになっておりますが、これに対してこの八項目のうたってある抑制政策と、それに基づいて経企庁長官の今日の努力の結果の見通しをお話し願いたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまお示しいただきましたたばこにつきましては五月から実施、これは現在予算審議中でございますが、この予算が通りますれば実現するわけでございまして、これが物価に対する影響は〇・三七と計算しております。 国鉄の運賃の引き上げでございますが、これは国鉄運賃法によりまする差額をカバーするわけでございますが、実施を五月二十日からということにいたしまして約二百四十億円くらい値上げ幅を縮小して実施をすることにいたしておりますが、現在、運賃の値上げの詳細につきましては審議会の方において検討していただいているわけでございます。 それから健康保険法の改正でございますが、これは現在予算を審議いただいていることでございますが、〇・三程度の影響というふうに考えております。 国立大学の入学金の六万円から八万円への引き上げ。これは物価に対する影響度は〇・〇以下でございますが、そのようなことで大体〇・八%程度の影響を考えておりまして、これ以上はわれわれは今年度の政府サイドにおける公共料金の引き上げは考えておらないわけでございます。 なお、その他種々の値上げというものがございましょうが、多少問題なのは電力料金でございまして、先般の円高差益還元によりまして割引をいたしておりましたが、これは三月から終わるわけでありますが、御承知のように、イランの情勢以来の石油の価格の多少上昇ということもうわさされておる中でありますが、これに関しましては各電力会社が先般来、前年度において政府と約束しました料金を据え置いて五十四年度もそのままいくということを申しております。ガス料金も同じでございます。等々でございまして、結局予算面において〇・八、それからその他の地方自治体等を踏まえての一般公共料金的なものの上昇なども一応織り込みまして〇・六でございまして、平均で一・五%程度の上昇というふうに考えておりますが、私はこの程度のことであれば別に公共料金をイージーに、気楽に決めたというふうには考えておりません。特に、米価の場合も上げ率を下げましたし、また同時に麦価も上げなくてはならぬという主張がございましたが、これは引き上げないで据え置いたということ等いたしておりまして、それぞれ努力をいたしております。大体そのような方向の中でいたしておりますので、もちろんこうした一・五%程度の上昇は消費者物価に対する影響の内数でございますから、四・九%を維持することには大丈夫だというふうに考えております。
○渡部通子君 これ以上の値上げは考えておらないということでございますが、これはやはり私たちにとってはメジロ押しという感じになってくるわけでございまして、長官とちょっと認識のずれがあるようでございますが、ともかく経企庁はなるべくこの抑制という政府の総合物価対策は作文に終わらないようにお願いをしたいと思います。 もう一点だけ。石油情勢の不安は拡大しそうで、原油供給の見通しあるいは原油価格の動向、さらにはそれがどのように物価に影響するか、さらには、その場合の対策等がありましたら最後にお答えいただきたいと思います。これはやはり物価対策ですから経企庁長官の方に、原油供給の見通し、原油価格の動向、それがどのように物価に影響するか、またその対策です。
○国務大臣(小坂徳三郎君) OPECで先般値上げ決定されました一四・五%、これは年平均にいたしますと一〇%の値上げになるわけですが、これの卸売物価に対する影響は〇・七と計算しております。また消費者物価に対しては〇・三の影響があると考えておりまして、現状においてスポットものが多少いろいろ出回っておりますが、むしろこの三月二十六日に行われますOPECの閣僚会議の結論で、この平均年率一〇%の引き上げにプラスになるのか、あるいは現状維持をするのか、あるいはどの程度の引き上げになるのか、われわれはその辺を非常に注目いたしております。しかし、いずれにいたしましても、全世界の消費国が一体になりまして、結局石油の消費を規制しょう、削減しようということで五%の消費節減をすでに決定しているわけでございまして、この五%の節約ということが全世界的に行われるならば、これは私はOPECの値上げに対しても非常に大きな圧力になるというふうに期待をいたしております。特に日本などは大量の油を使っておるところでございますから、この五%の節約について通産大臣に非常な努力をしていただいておることには、同時にこれは物価安定に非常に大きな効果を持っておるものだと考えまして感謝をしておるわけでございますが、そのような情勢でございまして、数量的に言うと通産大臣からお答えすべきことだと思いますが、六月までは一応予定どおりの入荷が確保されているというわけでございます。ましてまた、現状は不需要期でございます。ただ、これに関連して石油会社が便乗的な値上げをいろいろとする場合にはわれわれは断固としてそれに反対をして自粛を求めたいというふうに考えております。 もちろん、ガソリンその他の値上げが一部実施されつつありますが、こうしたことにつきましても、なおわれわれは十分にこれを了解しているわけじゃないのでありまして、石油各社は円高によって約二兆一千億円くらいの利益をすでに得ているはずであります。これをガソリンの安売りやその他のことで全部使い切ったともわれわれは思っておりませんから、そうしたような面についてなお詳細な説明を求めたいというふうに考えておりますし、事務的にはすでにその説明を求めておるわけでございまして、いろいろと石油に関連して国民の物価不安というものがこれ以上大きくならないように努力をいたしております。問題は、必ずしも石油が上がるということですぐ一般の物価水準が非常に高騰するということはないわけだと思います。ただ恐ろしいのはその心理的な影響でございますから、それに対しましてわれわれは全力を挙げて対応し、また、先般の総合政策の中でも特にその心理的な影響に重点を置いて努力をしてまいりたいと思っております。
○渡部通子君 消費者問題に入りますが、最近の苦情相談、それから傾向とか大まかな数とか相談先とか、こういったことについて経企庁は把握していらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(井川博君) 先生御案内のように、商品とかサービスに対する苦情は、第一義的には相手の事業者に参るわけでございますが、これが解決できないときとか、あるいは解決できないと思われるときには公的な機関にそういう苦情が申し出られるわけでございます。中央に国民生活センターがございますし、各地方公共団体に地方の消費生活センターがあるわけでございますが、この中央と地方のセンター関係に出てまいりました苦情の傾向を申し上げますと、たとえば昭和四十五年には、それら中央、地方のセンター全部合わせて三万八千件というふうな苦情相談の受け付け件数になっておりますが、四十八年になりますと十一万一千件、これが五十二年になりますと十六万二千件、非常にふえてまいっております。これは消費者の意識が向上してくる、なおかつ地方の消費生活センターが充実をしてくるということも関係がございますけれども、こういうかっこうで累増をいたしている一わけでございます。 この内訳といたしましては、たとえば五十二年度の十六万件のうち約二二%が住居品、住居品と申しますのは耐久消費財あるいは台所用品といったようなものでございます。同じく二二%が食料品、それから二一一%が被服品その他というふうなことになっておりますが、最近は土地、住宅に対する苦情であるとかあるいはサービスに対する苦情等の逐次ふえてきているというのが実情でございます。
○渡部通子君 昨年の三月に発表されました国民生活センターの第八回国民生活動向調査によりますと、商品に対して何らかの不満もしくは被害を受けたという人が全体の二五%ございました。その苦情を何らかの形で持ち込んだ人はと言えば四六%、約その半数、そしてそのうち九四%が事業者のところへ持っていって、公的機関には四%という統計が書かれておりました。さらに、センターからの苦情、相談件数が約十五万件と報告されておりましたので、この十五万件を四%として、その数をまことに単純計算ですけれども類推でいたしましたらば、苦情の総数というものが、公的機関に持ち込んだのを十五万件と勘定いたしますと、三百七十五万件と私は計算したわけです。そして、その中の九四%の三百五十二万件が事業者に持ち込まれているという、こういうことが、これ単純計算ですけれどもパーセントとして類推をされるわけです。申し上げたいことは、苦情を感じていて、しかも持っていくという人が一二%にすぎない。そういう中でも九四%は事業者のところで解決をしてしまって、そして公的機関に上がってくるのは四%である。三百五十万件が事業者にいって十五万件が公的機関にくるという、これが実情だと思うのです。 経企庁の長官にちょっと伺っておきたいのですけれども、こういう実態というものは好ましいものか、もう少し努力をして改善すべきものか、どういうふうにお考えでございましょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は苦情とかクレームの種類によると思うのです。やはりそれが一義的に製造メーカーなり供給者の方に持ち込む方が具体的に話がわかるというような場合が多いのではないかと思うのでございますが、問題は、公的機関であるセンターにやはりもっといろいろな問題が持ち込まれることを期待したいと思います。それには、今度の予算でお願い申し上げておりますが、試験設備その他の拡充にお金を使わしていただこうというのも、こうした苦情処理が事業者の方で解決されると同様に、やはりわれわれの公的機関においてもそれが十分すくい上げられて、しかも、今後の消費者行政に対しての私はりっぱな指針をつくるというようなことになるように期待をいたしておりまして、第三者的なものに持っていっても話は通じまいというのは私は人情じゃないかと思いますが、そうしたことにただ甘えておってはならぬというふうに思いまして、今後、公的機関のより積極的な活動を推進してまいりたいというふうに思います。
○渡部通子君 事業者をお持ちでいらっしゃる通産大臣、厚生大臣、こういった苦情の中身はつかんでいらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 個別の商品に関係のありまする苦情相談につきましては、商品を販売した者と、これを購入した者との間で適正に解決される、これが本来の姿でありまするが、やはりこの苦情処理のために、消費者の関係を私どもの方は特に重視しまして、各地方通産局に消費者相談窓口というものを設けて、いろいろ苦情処理に当たっておるわけであります。ここに資料もありまするが、その詳しい数字等について御説明を交えて、もし必要があれば事務当局からお答えをいたさせます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) センターの方から通報のありましたものは私ども承知をいたしております。また、それこそ直接に厚生省あるいは各都道府県の衛生部局等を通じまして、情報のとれるものはできるだけとるようにいたしております。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。いま大臣が申し上げましたことを若干補足いたします。 私どもの方は、先ほど大臣がお答えいたしましたように、いろんな商品についていろいろな苦情相談がある。それにつきまして、やはり当事者と申しますか、販売した者と購入した者との間で適正に解決されるというのがスムーズに行われるということが望ましいわけでございますが、そのために、私どもとしましては、従来から業界で消費者の苦情相談があった場合、それに対して適切に対応できる体制というのをやはりきちっとつくるようにという指導を行っておりまして、四十四年でございましたか、にも通達を出しまして、各そういった消費物資を扱っている企業についてはそういった体制を整えるようにという指導を行っておるわけでございます。しかし最近におきましては、さらに突っ込みまして、やはりこの消費者からの苦情相談というのが、実際に貴重な製品の、何といいますか、消費者が実際使ってみていろいろ得られた情報、苦情というのは、ある意味では非常に貴重な情報でございますから、これを逆にフィードバックしまして、それによってさらに安全なもの、より消費者にとって便利なものというものをつくっていくというように企業にこれをフィードバックするということが望ましいというふうに考えまして、そういった、何といいますか、企業の苦情処理体制と申しますか、そのあり方についてどういうのが望ましいかということを目下調査研究をやっております。そういうような結果がまとまりますれば、それに基づいてさらに具体的に私どもの方も行政をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、大臣が申しました通産局、それから本省に消費者相談窓口というのを設けております。これで、個別にこういう当事者間で解決しにくい問題あるいは直接こちらの第三者の方に持ち込んだ方がいいというようなものにつきましては、そういうものに対処するための窓口というのを設けておるわけでございまして、私どもの方に出てきております件数としましては、最近の状況を申しますと、五十年が三千三百八十一件、それから五十一年が四千七十三件、五十二年が五千四百六件というようなかっこうで、逐年、相談受け付け件数は増加をいたしておるわけでございます。 そのほかにいま各種、大臣と消費者との懇談会というのもございますし、通産局単位の懇談会というのもございます。それからもう一つ、私の方にはモニターと申しますか、消費生活改善監視員制度というのを持っております。全国で七百十五名ございますが、この人たちがいわば第一線で消費者のいろいろ苦情その他についての情報をキャッチし、これをこちらの方へ上げてくるというようなシステムもとっておるわけでございます。以上でございます。
○渡部通子君 いま通産省の御説明があったわけですが、経企庁の長官、私も苦情の処理内容というものはできるだけつかむことが大事ではなかろうかと思うわけです。そしてそれを研究所とか一般とかによく投げかけて改善に努めるということ、それがやはり事業者や地方公共団体あるいは国の責務ではないか。その苦情の処理システムをつくるということが製造物責任まで云々される今日の行政の責任ではなかろうかと思います。もちろん、消費者の役割りということもありますけれども、やはり九四%の解決というのは、うまく解決されていればいいですけれども、なあなあで終わっている場合も、ちょっと返品とか弁償とかというので適当に終わっている場合もたくさんあるわけですから、何とかその苦情を集めて一元化して、それを消費者の側にも情報を提供するという、これを考えるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) そこまでやっぱり行き届かせることが理想的だと思います。 いま事務当局からも申し上げましたように、消費者からの苦情というのは、製造業者にとってもこれはやはり貴重な一種の提言でもあるわけですから、したがって、これを製品の開発とか設計、生産、さらには経営政策にフィードバックする、そういう体制をつくることをいま努力しておるというふうに申しておりましたが、促進するようにいたしたいと思います。
○渡部通子君 これは担当長官である経企庁長官の御所見も伺っておきたいのです。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 渡部委員のいま仰せられたような、情報を集めて、それをまた消費者に還元するということは非常に重大なことだと思いまして、それがなくてはやはり消費者行政そのものは成り立たないし、片ちんばになると思います。それはぜひ努力をしたいと思います。 それからもう一つは、そうした各地域それぞれのいろいろな問題が起こっておるわけですが、やはりわれわれいま反省しておりますことは、各地方自治体、特に町村ですね、そうしたところでやっぱり消費者行政というか、消費者行政に関連した配慮というか、活動力か——人員の関係もある、いろいろのことがあると思いますが、まだ余り強くなってないという指摘を、先般私も消費者団体の方々と懇談したときに非常に強く指摘されました。これは非常に大事なことであるので、それにつきましては実施庁の方にもお願いをして、ぜひ消費者行政についての末端機構を強くするということ、少なくとも強くというよりも情報だけは集め得ること、それを中央に吸い上げてわが方にも投げかけてほしいということをお願いして、自治省の方でもそうした方向でやろうということになっておるわけでございます。
○渡部通子君 最近は大変な健康ブームでございまして、いろいろな医療器具とか美容器具とか健康食品だとか、こういったものが非常に出回っております。何しろ健康と美容と教育をうたえば商売になるそうだそうです。そういう中で、窓口にもこのたぐいの苦情や相談がふえていると思うのですが、掌握していらっしゃるかどうか、どんなものがおありか、ちょっとお答えください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 健康器具あるいは美顔器、また健康食品といったようなものが大変このごろ世の中に流布しておりますことを私どもよく承知をいたしております。ただ、現行法制上からいきまして、完全に医療の効果のないようなもの、あるいは医学的根拠のないようなものということで、薬事法の対象にしておらないものも実はあるわけでありまして、かつてそういうもので事故が起きたケースもありました。ですから、効果・効能等の標榜によって薬事法に抵触をするような場合もありますから、そうしたものについては従来から無承認、無許可の医薬品等として取り締まりを行ってきたところでありまして、今後とも、その措置は同様に続けていくつもりです。 ただ、健康何とかと書いてありましても、医学的な効果・効能等に全然触れておらないようなものを接点部分としてどうとるかというのは、相当いろんな技術的な問題が実はあるわけでありまして、恐らく渡部委員がお考えになっておられるような部分の中には、そうしたものがあるいはあろうかと思います。それから、もう一つの問題点として、健康器具と言われるようなもので、本当に健康の増強に役立つようなもの、こういうものは積極的に私はむしろ知識の普及というものを図っていく必要が逆にあろうかと思います。それからまた、いわゆる健康食品と言われるものにつきましては、通常の食品と同じように、食品衛生法の上において、有害なものが製造される、あるいは販売されることのないような監視指導を行っているわけでありまして、五十三年度には、最近何といいましょうか、非常に薬に似たような形態をとっておる食品が段々ありますので、こうしたものについての実態調査等も行っておりますが、こうした結果も踏まえながら、必要に応じて新たな規制についても考えていきたいと考えているところでございます。
○渡部通子君 大変大量にお答えいただいて、いま厚生大臣がおっしゃったようなことは、私がこれからだんだん時間をかけてやらせていただきたいと思っております。 この類の苦情や相談がふえているかということですけれども、事務当局の方でおわかりでしょうか。
○政府委員(井川博君) 先ほど国民生活センターと地方の消費生活センターを合わせました数を申し上げましたけれども、それらは非常に大きい分類で集めておりまして、特にいま先生のお話しの健康関係の器具というふうなことで分類をいたしておりませんけれども、やはり健康に関係のあるということになりますと消費者の苦情もそれだけ大きくなるというふうなことで、そういう面の苦情は逐次大きくなっているのではないかと推測されますが、これはあくまで推測でございまして、数字というものはここに掲がっておりません。
○渡部通子君 ちょっと掌握が私は遅いように思います。 東京都のセンターの窓口ですけれども、これに医療器の苦情、あくまでも器械だけです、医療器の苦情が五十一年には十一件、五十二年には二十七件、五十三年上半期で四十一件、ですから、五十二年になりますと大体八十件から百件になるのではないかという、そのくらい激増しているというのが実情です。それから保健医療の相談といいますと、四十七年から五十二年にかけて大体三倍になっているという。器具だけの苦情がいま申し上げた数、このくらいにふえているわけです。 内容を申し上げますと——大変時間がないので私は残念なんですけれども、毛染め剤で地はだがかぶれたとか、磁気のベルトをしていて体の骨が痛いとか、脱毛器で全然毛が抜けないとか、美顔器で顔がかぶれたとか、いろいろな種類が出ているわけでございます。たとえば磁気の治療器ですけれども、具体的に挙げまして磁気治療器、これは効果を疑う苦情や現実の事故例も出ておりますけれども、どんな種類のものが何社ぐらいのメーカーから出されているか、おわかりでしょうか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 いわゆる磁気治療器と申しまして、具体的には磁気ネックレスのようなものが、現在、薬事法によりますと医療用具としての承認を要するものという扱いになっております。最近、私ら決裁書類に目を通しております過程におきましても、この種の承認は非常に多数ございまして、最近、医療用具、この種のものも含めて年間に実は三千件以上の承認を行っております。で磁気ネックレス自身に関しまして、どの社のものが幾つ、どういうブランドのものがあるかということは、実は残念ながら現在手元に資料がございません。しかし、非常に多数にあるであろうというふうに心得ております。
○渡部通子君 多数承認していらっしゃるそうですが、一方で、まだ人体にどういう効能、効果があるかということが学問的にしっかりした説明、立証がなされていないこともお認めでございますね。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 いろいろな御議論があるようでございますけれども、御承知のように、専門学術誌におきましても、この種のいわゆる磁気治療器、ネックレス等の有効治験例の発表もございます。一応、専門的な問題でございますので、これらにつきましては、医療用具につきましての専門の調査会に諮りまして、その上で承認をしているわけでございまして、その有効性については、一応推定として有効なものというふうに考えられているというふうに承知しております。
○渡部通子君 大体、厚生省では五百ガウス以上のものに四十年の十月以降効能を認めているようですけれども、それ以前の治療器では五百ガウス以下のものでも申し出のない限り許可製品として販売されていますけれども、それはどう処置なさいますか。ガウス表示というものは必要ではないのでしょうか。
○政府委員(中野徹雄君) 取り扱いの上におきまして、もちろん薬事審議会の御判断といたしまして、この種の有効性の判断の基準と申しますか、そういうようなものが治験の進歩に伴いまして変化するということはあり得るわけでございます。ただし、現在のところは表示項目といたしまして、先生御指摘の、どれくらいのガウスであるかということについての表示は要求をいたしておりません。
○渡部通子君 済みません、いま何とおっしゃいました、最後。
○政府委員(中野徹雄君) そのような表示を義務づけてはおりませんというふうにお答えしたわけでございます。
○渡部通子君 必要と認めるかどうかということです。
○政府委員(中野徹雄君) 薬事審議会等の専門的な御意見といたしましても、そこまでの表示を求める必要はないという御判断で、現在のところは、そういう表示を求めておらないということでございます。
○渡部通子君 では次に、もう一つ事例を出します。 サンランプ、これは赤外線、紫外線両方あるようですけれども、いわゆる人工太陽灯と言われるものでございます。これですね。私ちょっと現物を持ち込んできたんですけれども、こういう種類のものですね。これは何に使うかというと、効能は水虫とかわきがが治る、こう言いますけれども、大体かっこよく日に焼けるんだそうです、これだと。それで、これで事故例が一つ神奈川県にございまして、勉強中の子供が裸で上半身に一時間ほどこれを照射したところ、夜中になって発熱をして、病院に行ったならば目が強く痛むし、十日間の入院をした、もう少しほっぽっておいたら失明のおそれがあった、こういう診断を受けたわけでございます。で、私、こういうものを悪いと言っているわけではないんですのよ。これがしかも少年雑誌に大々的に広告されるわけです。いまの広告というのはすごいです。これは大人の雑誌かもしれませんけれども、少年サンデー、それから少年マガジン、こういった百万を超える雑誌ですね。この発行部数百万を超える子供雑誌に「褐色の肌は熱い男のコスチューム」、こういう表現、あるいは「ハワイ焼けもゴルフ焼けも思いのまま……」と、こういうような効能書きをつけて、しかも通信販売、訪問販売です、ほとんどが。こういうことはやっぱり少し行き過ぎではなかろうかという気がするわけです、どう考えても。 で、また伺いますけれども、この種の商品、サンランプと言われるようなものが一体どのくらいの種類がどのくらいのメーカーから出されているのか、把握していらっしゃいますか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 実は、先生御承知のとおりに、医療用具というものは、大体、その疾病の診断あるいは治療さらに予防のために人体の構造、機能に影響を与えるということを目的としております機械器具のことを申しております。これらにつきましては、結局、それが医療上の有効性ということと、その使用に当たってのいわば危険性と申しますか、安全の保証という観点から実は薬事法に基づきます政令で物そのものを指定いたしまして、そこに指定されているものは医療用具として承認を得ないと販売、製造、輸入ができない、こういう仕組みになっておるわけでございますが、実は食品と薬品の境界領域に同様の問題がございますけれども、ちょうどそのいわば家庭の単なる器具でございますね。 たとえばかっこよく日焼けするためのものとか、そういういわば美容上のものと、それから現実に紫外線あるいは赤外線を使いまして、何と申しますか、積極的な健康増進とか疾病の予防に使うという、そういう両方の側面を持ついわば隣接領域みたいなものがございまして、ちょうど先生御指摘のそのものにつきましては実は両方に該当している。したがいまして、そういう赤外線とか紫外線というふうなものの器具につきましては、効能・効果をうたえば医療用具としてのコントロールがございますし、単にかっこよく日焼けをするということになりますと、それは現在の薬事法の医療用具としての規制が及び得ない領域でございます。したがいまして、そのようなもののいわば宣伝広告につきましては、効能・効果をうたった場合には医療用具としての規制がかかるということにわれわれの権限はとどまっているわけでございまして、一般的に言って、さような商品の取り扱いの広告を、いわば誇大な行き過ぎの広告をどういうふうにやって自粛させるかという行政上の問題点は先生御指摘のように残っているとは存じますが、ただ、私どもの立場といたしましては、それが効能・効果をうたった医療用具でない限りはわれわれの監督領域に入ってこないという問題があるという点を御承知いただきたいと思います。 で、当然、その双方の面で、医療用具としての面、それから一般の単にかっこよく日焼けをするというふうなことで非常に多数のものが販売されているというふうに承知いたしておりますが、まことに申しわけありませんが、いまそれはどれだけのメーカーのどれだけのブランドがあるというのは資料を手持ちでございませんので、後ほど調べて先生に御報告させていただきたいと思っております。
○渡部通子君 通産省に聞きます。これは電取法の許可は全部とっているわけですから、通産省では掌握していらっしゃいますか。
○政府委員(豊島格君) ただいま先生御指摘の器具は家庭用光線治療器だというふうに了解いたしますが、これによりますと、大体十七社が許可をとっております。
○渡部通子君 いま通産省は治療器って言われたんです。それで厚生省ははっきりしたお答えをなさらないし、したがって未承認のものが出回っているということは明確であります。これは薬事法の網をかぶせるべきではないかと思いますが、いかがですか、厚生大臣。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 先生御指摘のような問題が確かにあると考えておるわけでございまして、先ほどもお話し申し上げましたように、規制をかぶせるためには政令の規定をいかようにするかという問題でございまして、私どもは今国会に提出を予定いたしております薬事法の改正を機といたしまして、その施行時点におきまして現在の薬事法の政令を全面的に見直す機会があろうかと存じます。で、このような問題点も意識しながらこの政令の見直しの際に、先生の御指摘のような問題点にいかにこたえていくかということを検討してまいりたい、かように考えます。
○渡部通子君 むしろデメリット表示をすることを義務づけるべきだと思いますが、これは厚生大臣どうお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 正直を申しまして、現行の薬事法のたてまえからいきますと、先ほど局長から申し上げましたような、また私がその前に申し上げましたような考え方をとらざるを得ないと思います。ただ、むしろいま御指摘のような問題点が確かにあるわけでありますから、何らかの対応は考えなければならぬと思います。それがデメリット表示のような形がいいのか、あるいはなお薬事法上幅を広げてそうしたものまで網をかぶせるような考え方をとる方がよいのか、いまちょっと私もにわかにどちらとも申しかねますが、今国会私ども薬事法の改正そのものも御審議を願おうとしておるわけでありまして、これは将来の宿題としてお預かりをさせていただき、その過程において研究をさせていただきたい、そのように思います。
○渡部通子君 ぜひ改正薬事法の中にそれをしていただきたいと私は思う。しかも実物につけるようにしていただきたい。これは友だちで貸しっこしてやっておりますとパンフレットなどに書いてもだめでございます。やっぱり実物に注意書きをするという方向でお願いをしたい。 それから通産大臣にも、これは電取法の許可のときに、これは五十センチ以上離してなければ危険ですというようなことは表示させるべきだと思いますが、注意表示の義務づけをどうお考えになりますか。
○政府委員(豊島格君) 電気用品の取り扱いにつきまして、使用者の不注意といいますか、不注意と言っていいのかどうかわかりませんが、それによって事故が起こるということがございますので、これにつきましては、先生御指摘のように、器そのものにつけることも十分考えていく必要があるんじゃないか、物によってはそういう指導もいたしております。ただ、余り複雑なものを器具につけるというわけにいきませんので、物によってはやはり取扱注意書、あるいは一般的な消費者の基本的な電気器具の使い方に対するPR、これはそれぞれその特徴に応じてやっていく必要があるんではないかと思います。
○渡部通子君 公取に伺いたいと思います。一般論として、一般的に言って表示の適正化というものはいま大いに図られなければならないと思います。こういった種類のものを公正競争規約をつくるとか、あるいは景表法の四条三項の指定を考えるとか、こういったことはお考えになりませんか。
○政府委員(橋口收君) いまお話がございましたような器具の実際の効能・効果と表示との間に大きな食い違いがあるということであれば、これは当然不当表示の問題になろうかと思います。公正取引委員会でも七、八年前でございますが、こういう種類の器具につきまして一斉に取り締まりをやったことがございます。で、その後はいろんな事情でまだ手がついておらないわけでございますが、いまお示しのような事例が本当にあるとすれば、これは問題でございますから、個別具体的に対処いたしてまいりたいと思いますし、一般的に申しまして、表示の問題はどちらかと申しますとメリット表示の行き過ぎを抑えるというのが現状でございまして、このデメリット表示までなかなか進まないというのが実情であろうかと思います。 それから、公正競争規約につきましても、これはあくまでも業界の自主的な調整基準でございまして、これを公正取引委員会が認定するという手続になっておりますので、業界でそういう発意がございませんとなかなか進まないということでございまして、われわれとしましては、こういう種類のものにつきましてはむしろ公正競争規約をつくっていただいて、業界が自主的に表示あるいは景品等についての調整をしていただくということが望ましいと思っておりますので、そういう動きがあれば、ぜひ側面的に援助したいというふうに思います。
○渡部通子君 通産大臣にお伺いいたしますが、こういったものがほとんど売り方が通信販売とか訪問販売で売られているというのが実情なんです。で新聞広告なんか見ましても、通信販売には、その広告にはメーカー名も注意表示も何にも入っておりません。したがって買って実物が来てからでなければ販売元はわかってもメーカー名もわからないという実情であります。こういうことに対しては法改正も含めて何らかの処置をとるというお考えはございませんか。販売方法です。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 訪問販売等に関する法律で訪販、通販についての規制があるわけでございますが、この法律で通信販売によって商品を販売する場合でございますが、販売条件の広告につきましては販売価格、代金の支払い時期及び方法、それから商品の引き渡し時期、それから特約条項等を表示するように八条で義務づけられているわけでございますが、いまお話のありましたメーカー名の表示につきましては、私どもは、実際にそういうことで販売先、販売会社への問い合わせとか、あるいはカタログを請求してくださいというのが普通でございますが、こういうカタログの請求等によりまして対応できるという考え方から現在法律の規制の対象にはしていないわけでございます。 商品のメーカーを知りたいというのは、商品の特性を正確に理解するという観点であろうかと思いますが、商品の品質性能等々まで正確に広告に書かせるというようなかっこうになってまいりますと、広告のスペースとの関係等を考えますと、そこまで義務づけしていくことになりますと、逆に今度は広告料が非常に高くなる、それがまた商品の代金にはね返ってくる等々、いろいろそういう点も考えなければなりませんので、いまこの法律で考えておりますのは、その販売条件について正確に理解をし、消費者がそれをもとにして判断をして申し込むかどうかというのを決めていくというような観点から現行法ではこういう規制をしているわけでございます。
○渡部通子君 それから、厚生省では四十年の十月に「医療用具の適正使用について」の中で「医師に相談して指示に従うことが望ましい。」と、こういう通達をしていらっしゃるわけですけれども、通販や訪販においては医師に相談してというようなことは望ましいと言われてもやりようがない。だから医師と相談すべきようなものについてはできるだけ義務づけという表示に持っていくべきだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(中野徹雄君) 御指摘のとおりに、医師の指示のもとに使用をさるべきものが通信販売、等の方法によりまして広く頒布をされるということには問題があろうかと存じます。 この通信販売の品目といたしましては、私どもは現在指定されております品目につきましては、たとえば医療用具であれば所要の添付資料をつけることを義務づけて承認の条件としていることもございますし、部外品その他についても表示がございますので、一般論として言えば、現在通信販売が行われているものについては問題はなかろうかと存じますが、個々に問題がございますれば、それはまたそれを改めさせる等の措置は当然必要であろうかと存じます。ただ、一般論としては、現在認めておるものにつきましては問題はなかろうかというふうに考えております。 〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕
○渡部通子君 いままではまだ薬事法の網がいろいろかかっていたんですけれども、今度は薬事法の対象にもならない未承認の器具がまたいろいろあるんです。 一つ申し上げますと、永久脱毛器、これも非常に苦情の多いものですけれども、そもそも公取に伺いますけれども、永久とか二度と生えないとか、こういう表示は不当ではありませんか、排除命令を出すべきじゃありませんか。
○政府委員(橋口收君) 一般的に申しまして、公正競争規約に対する指導の方針としましては、極上とか最高とか永久とか、そういうものは認めないという立場でやっておるわけでございまして、ただいまの設例でございますが、永久に生えないとか二度と生えないとか、そういう表示が実際の効能・効果として持っておらないということであれば、これは当然不当表示になるというふうに考えます。
○渡部通子君 これはほとんど効能・効果としては持っておりません。よけい濃いのが生えてきたとか、それからいろんな病院の臨床例も集めましたけれども、ほとんどまた生えるというようなことでございまして、これはぜひとも公取の力で排除命令なり何なり勧告をしていただきたいと思います。 同じように美顔器というのがあるんです。これは最近非常に売れております。こういう顔を突っ込んで、電取法の許可で言いますと気泡発生器ということになっております。気泡が破裂してそれで顔を洗う、一分間でできるマッサージとかなんとかいろんな広告が出ておりますけれども、これでは大阪のセンターでは効果がないという苦情が六件あります。神戸の科学センターにおきましては、かぶれ、湿疹などの被害が出たという、こういう苦情が五十年から五十二年にかけまして五十一件に上っております。しかも効能・効果では、しみ、そばかすがとれる、にきびが治る、小じわがとれる、赤ら顔が治る、しもやけ、水虫、歯槽膿漏、白内障が治る、こういうふうにうたって、もうすでに一流紙やグラフや週刊誌で一ページ広告とか三ページ広告とかって、もうひっきりなしに出ておりますからよく御存じだと思いますけれども、これが薬事法の対象外というのはおかしいと思うんですが、これも雑品扱いですか。
○政府委員(中野徹雄君) 実は美顔器というそのカテゴリーのものは、薬事法の医療用具の範疇外にございます。これが同じような性格の、たとえば超音波装置でございますね、これは薬事法の、疾病のいわば治療といったような効果のもとで行われておりますけれども、単に顔面に対しまして美容のために先生のおっしゃったような器械を使うという場合、その器具は現在の薬事法の付属政令のもとでは医療用具のカテゴリーに入ってこないわけでございます。 そこで、そのようなものについてどのような効果・効能があるかということにつきましては、現行薬事法の取り締まりのもとでは法規的には不可能でございまして、結局その表示とかいったようなものが適正であるかどうかというふうな、いわば公正取引委員会の御担当の部面に属するのではなかろうかというふうに私どもは考えております。
○渡部通子君 しかし、厚生省さんね、この間の資料の中で「無許可医療用具措置件数」というのをいただきました。そうしましたら、薬事法の対象にないけれども、この美顔器と口腔洗浄器というものは薬事法上医療用具としての類別に入ってないけれども、構造が本質的に医療用具に相当するし、医療効果を標榜した結果取り締まりの対象としたといって取り締まっていらっしゃいますね。これは法的には何の根拠によるんですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 この浴用超音波発生装置等のケースにつきまして、表示上原理及び構造、さらに効能、使用上の問題といたしまして薬事法違反の疑いで処置いたしました件数は確かにございます。
○渡部通子君 薬事法に疑わしいから、その類似で処置したと言うんでしょう。だけれども、いまそれが非常にはんらんをして売れて売れてもう笑いがとまらないような産業なんだそうですよね。だけれども、それは薬事法の対象ではない、網がかからない、効能・効果をうたっていればだけれども、それは公取の範疇だと、こうなりますとね、非常にこれは矛盾です。本当に薬事法にひっかかった医療器具というものはチェックされるのに、薬事法の網にかからないからといってそれが全部野放し状態というのは私は非常な矛盾だと思うんですね。 で公取委員長に聞きますけれども、明らかに効能・効果をうたっていますけれども、それはよろしいんですか。
○政府委員(橋口收君) 結論的に申しますと、ケース・バイ・ケースと申しますか、具体的な事例に即して判断する必要があると思うわけでございまして、適例かどうかわかりませんが、たとえばしみが取れるとか赤ら顔が治るとかいうようなものにつきまして、多少ともしみが取れるということでありますと、直ちに不当表示と言えるかどうか、これは問題があるわけでございまして、本当に効能・効果がないにもかかわらず、あるような表示をするというものはこれは当然不当表示になりますので、法律上の取り締まりは可能だと思います。
○渡部通子君 化粧水でさえにきびを防ぐとか、防ぐ以上は言えないんでしょう。そうなると、こういう薬事法の対象にもならないただの雑品、器具か治るとか取れるとか言って——それも公取は処置なさいませんか。
○政府委員(橋口收君) これは先ほどお答えしたつもりでございますが、実際の効能・効果と違った表示をしている、それによってお客を誘引するということがはっきりしている場合は、これは当然取り締まりの対象になるわけでございます。ただ、限られた人員、予算でございますから、おっしゃいますような雑品が広範に販売されているということになりますと、これを一つ一つ追っかけるというのは大変効率が悪いという感じはいたします。
○渡部通子君 厚生大臣にちょっと結論を伺っておきたいんですけれどもね、薬事法での網にもかからない、それから雑品扱いかと言えばそうでもない、それに類似したものとして取り締まったこともあると、こういうちょっとわけのわからない器具というものがいま非常に出回ってきています。何も美顔器だけではありません、口腔洗浄器もあれば効能効果をうたったぶら下がり器とかいろんなものがあるわけですけれども、こういった新しい事態に対して新しい土俵を考える必要があるのではないか、対応し切れないのではないかという気がいたしますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は美顔器というものの広告はいま初めて見せていただきましたのですが、あの広告の限りでは余り医学的なことはうたっておりませんし、これは果たして本当にどうなんだろうと、私もちょっと首をひねります。ただ、いずれにしても政省令の対応する部分でありますし、私ども、これは工夫をしていく必要があろうかと思います。ただ、果たして薬事法でこういうものについて医学的な効果・効能とかかわりのない部分まで対応することが適当なものかどうか、それにつきましては私は少々自信がありません。一般的に申しまして、こういうものがある意味では法と法の接点の部分のような形で野放しになるということが好ましいことではないことは間違いありませんので、私ども厚生省としても厚生省なりに工夫をいたしてみたいと思いますが、同時に、電取法を所管しておられる通産省あるいは公取、こうしたところにもそれぞれのお立場でこうした問題にどう取り組むかを一緒に考えていただいて、より少しでも前進する方向を見出したい、そのように思います。
○渡部通子君 その広告には、治る、取れるとありませんけれども、同じはがきの中に入っているんです、それはつけ加えておきます。 いまの御答弁でわかりましたけれども、未承認のものが出回っていて、それは承認されているものとされてないものがまたこれまちまちなんです。消費者にはこれが一体厚生省の薬事法の網にかかっているのかかかってないのか、雑品なのかというのがわからないんですが、せめて承認されたもの、されないものぐらいは消費者に区別ができるような、承認番号でもいいですから、表示するというふうにはなりませんか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 医療上の効果を標榜いたしまして医療用具としての承認を受けたものにつきましては、そのものに承認番号が表示されております、現実に。ただ、一般論といたしまして、新聞紙上等でいろいろな広告をいたします場合に、それが厚生大臣の承認を得たものであるか医療用具であるのか、あるいは単に美顔等の、つまり薬事法の範疇外のものであるかどうかの見きわめがつきがたい場合は確かにあると思うわけでございます。そこで、先生の御指摘にお答えするためには、結局、医療用具等のものを広告いたします際には私どもの行政指導が及ぶわけでございますから、新聞紙上等の広告におきまして、はっきりとした医療用具としての広告の記事の中での表示を指導するということは可能であろうかと思いますし、また、そのような方向で検討いたしたい、かように考えます。
○渡部通子君 いままで取り上げましたように、永久脱毛器、美顔器などは薬事法の対象外、さらに未承認、無許可の雑品がはんらんしているというのが実情です。それらの雑品の中には、ぶら下がり器とかランニング器とか腰の屈伸運動器など、多くの種類の健康機器も出ておりますけれども、過去に死亡事故が起きた身長機——身長を伸ばす機械などというものもありましたけれども、事故が起こってからでは間に合わないので、事故の起きる前に効果及び安全に関する基準づくりを行うべきだと思いますが、これについて通産、厚生両大臣から御所見を承りたい。
○国務大臣(江崎真澄君) 御婦人のお立場から大変私どもが気がつかない問題を御指摘いただきまして、先ほどからよく傾聴をいたしました。 しかも、先ほどの新聞なども、一流紙にいかにも記事であるがごとき広告ですね、ああいう形で宣伝しておることなどもいろいろ問題があろうかと思います。したがって、いろいろ新しい製品が年々あらわれてまいりますし、特に電気用品の範囲それから技術基準、こういったものにつきましては逐次見直しを行うことがやはり大切だというふうに思います。したがいまして、今後、いま御指摘のありましたような点を十分配慮いたしまして、私ども電気用品取締法によって物がつくられる、この製品についてよくひとつ検討を加えてまいりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 薬事法の対象上のものについて、またその接点部分につきましては、先ほど御答弁を申し上げましたように、私どもなりの工夫をいたしたいと思います。ただ、いま渡部さん例示をされましたようなルームランナーでありますとか、いろんなものがありますが、いわゆるスポーツ用品に類する部分につきましては、これは私どもの役所が対応できる部分ではありませんので、その点については私からの答弁はお許しを願いたいと思います。
○渡部通子君 次に、健康食品にも少し触れたいと思っているんですが、これは医療機器以上に野放しの状態でございますが、これは届け出品目でございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 食品衛生法上に健康食品とか不健康食品とかそういう実は分類はないわけでありまして、私どもとすれば、人体の中に摂取をされて十分栄養となり、また問題のないものであれば、これは全部が実はある意味では健康食品なわけであります。ただ、最近になりまして、その表示の問題として健康食品とか、あるいは自然食品とか、いろいろな言葉が使われるようになり、また逆に医薬品に類似したような形状を持つ食品というものが出てきましたために、先ほどもちょっと申し上げましたように、そういう形の上で医薬品類似のものについての実態把握のため昨年度調査を行ったところでありまして、食品衛生法上健康食品とか、あるいは何とかという特別なジャンルを設けて承認をしたり、あるいは販売を停止させたりという形の行政ではございません。
○渡部通子君 厚生省は、四十三年に、医薬品であるドリンク剤、これと区別しがたい清涼飲料水が市場に目立つようになったということでその通達を出されておりますけれども、その内容と理由はどんなものでございました。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 手元にいま資料を持っておりませんが、通常ドリンク剤と言われておりますものは、明瞭な医薬品としての製造承認を受けておりますたとえばリポビタンDのたぐい、それからよくテレビ等の広告に登場してまいりますオロナミンCのようなものは、これは清涼飲料水ということでございまして、これは医薬品でございます場合には、これはドリンク剤そのもののたとえば一定の温度における保存のような条件がございます。そこで医薬品であるものと清涼飲料水のカテゴリーに属するものと区別いたしまして、これを保管条件等の問題もございますので明瞭に行政上区分して取り扱うということであったように考えております。
○渡部通子君 さらに、医薬品と区別しがたい食品類があるというので、四十六年に通達を出しておられますけれども、その内容と理由、簡単で結構です、これは。
○政府委員(中野徹雄君) 一口に申せば、医薬品というようなものは、たとえばある種の広告によりましてこれがいろんな万病に効くとか滋養強壮、とか、そういうふうなことで売られたといたします。 〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕 そうしますと、わが国では一応薬事法というものがございまして、そのようなものがちゃんと規制されているという国民の信頼感があるわけでございますから、それが医薬品まがいの形状をしております場合、これはそれを信じましてそのようなものを摂取するという危険性があるわけでございます。そのような国民の信頼のもとに使用されるというためには、これは厳重な有効性あるいは安全性の審査を行って供給しなきゃいかぬわけでございまして、そのような過程を経てないものが、たとえば高血圧に効くとか滋養強壮の効果があるというふうに表示されますと、これは国民がだまされたという形になるわけでございまして、そこで、そういう医薬品まがいの、何と申しますか、健康食品でございますね、それに非常に紛らわしいもの、効能・効果をうたったような表示というようなものは、これがその当時実ははんらんをいたしまして非常に問題を引き起こしましたというところから、そういう医薬品まがいの健康食品と医薬品の区別とをはっきりさせる、それで効能・効果をうたったようないわばまがい物は厳重に取り締まる、こういうことでその通達を出したように理解しております。
○渡部通子君 その後、八年たっていますけれども、事態はいかがですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 健康食品につきましては、私、直接の所管ではございませんが、私の受けております印象としましては、非常にマーケットとしては大きくなり、多数の業者が参入をいたしましていろいろなものが、たとえばデパートの健康食品売り場等ではんらんをいているように思われるわけでございます。私どもは、その際におきまして、これにたとえばよくあるやり方でございますが、すぐそばにパンフレットが置いてあって、たとえば使用経験談等でどういう病気に効いたというようなものが置いてある、そういう販売方法をとられますと、これはまことに医薬品としての誤解を招きやすいものでございますから、そういうものにつきまして厳重に薬事監視の上で違反を是正する措置をとっておるつもりでございます。しかし、正直申しますと、この医薬品まがいの健康食品の違反ケースというようなものは、最近、やはりその違反の是正件数としては相当数あるように考えております。
○渡部通子君 実例としてちょっとクロレラを申し上げますけれども、クロレラの一業者のPR紙の中に、三、四年前四、五社だったメーカーが百社になった、不良品が多い、それから雑菌が多くて荷揚げストップ、焼却待ちのクロレラが神戸税関だけで九トンある、こういう同業者の中の告発を見ました。神戸税関で焼却を待って焼却したなどということは本当ですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 その神戸税関云々の問題は私直接には承知いたしておりませんが、昭和五十一年の一月から十一月までの間におきましてクロレラ製品の違反件数は三十一件に及んでおりまして、当該期間中の百五十一件のうち非常に多い部類に属しております。その違反の内容を見まするに、やはり健康食品であるのに薬効、薬としての効果を標榜したというものが大半であるというふうに承知いたしております。 神戸税関で焼却云々の話は、残念でございますが、私としては承知いたしておりません。
○渡部通子君 それから北海道の消費者センターが分析した結果は、二十社二十品目のうちに八社八品しか合格品はなかった。それから東京都衛生研の発表によれば、クロレラに含まれるフェオフォルバイド、これが常用したり多量に飲みますと皮膚炎を起こす、こういったこともあるわけです。したがって正しいものが売られなければ、消費者もそれから善良な業者も大変に迷惑をこうむるわけでございまして、適切な品質基準、こういったものが必要ではないか、何らかの法の網をかぶせるとか、せめて届け出品目にするとか、そういった措置が必要かと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は、数年前から同じような問題を私どもも感じておりまして、業者の方々に対しての行政指導をそれなりに行いましたり、あるいはそうした方面の学者の方々に私的にお集まりをいただきまして、いろいろな定義その他ができぬものかどうか、いろいろな角度から研究をしてまいりました。実は、いまも行っておるわけでありますが、健康食品という定義というのはきわめてむずかしいわけであります。非常に乱暴なことを言いますと、白米よりもたとえば胚芽米がいいということで、その胚芽米を健康食品として表示をされた場合、これが一体どうなんだとか、そういう議論をしてまいりますと実は袋小路の議論でありまして、これが健康食品のジャンルに入るべきものであるということ自体の明定がなかなかむずかしいわけであります。 ただ、いま御指摘のクロレラにつきましては、一両年前にも、海外から原料を輸入したものを精製し販売をされたものの中から問題を起こし、販売を急遽停止させたというようなケースもあるわけでありまして、私どもなりに今後の対応をいま鋭意検討中でありますが、もう少々時間をかしていただきたいと思います。 いま御指摘になりましたように、業者の中においても、一つの健康食品ブームというものの中で必ずしも良心的でない業者が出ているということに対しては非常に強い自戒反省の声も出ておりまして、むしろ業界自体の中においてもいま自粛を求める声等も出ておるわけでございます。私どもなりにいま検討は加えておりますが、まだ結論に達したと申し上げるわけにはまいりません。ただ、私どもなりにいま鋭意検討を加え、ことにクロレラのように非常にはっきりしたケースは物が明定しやすいわけでありますが、いまちょっと例を申し上げました、たとえば胚芽米でありますとかビタミン強化米でありますとかいうようなものまでをどう定義づけていけばいいのか、非常に困っているというのが実態であります。
○渡部通子君 じゃ公取委員長に伺いますが、効能・効果のうたい方が非常に問題だと思うんですね。私、ここに持っておりますのは「がんこな慢性病にお悩みの方へ」「クロレラには抗ウイルス効果がある」、そうして「クロレラは薬品ではありません。薬になる食品です。」、こう書いてある。こういう効能・効果をうたった場合に、それでもなお食品として売られるわけです。いかがですか。
○政府委員(橋口收君) クロレラの専門家でございませんので、どの程度の効能・効果があるかよくわかりませんが、この種の事件は、先ほどもちょっと申し上げましたように、成分が不十分であるとか、あるいは品質が明らかに違っているというような場合には、事件として取り上げまして排除命令を出すということは可能でございます。ただ、こういう事件を担当して痛感いたしますことは、やはり境目がいろいろございまして、全く効能・効果がない場合はこれははっきりいたしておりますが、多少ともある場合にはどういうふうに評価するかという問題がございまして、その場合にはやはり専門家の鑑定ということが必要になるわけでございまして、そういう大変むずかしい問題がございますが、まあ御指摘いただいたような問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、できるだけ前向きの姿勢で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○渡部通子君 クロレラだけ例に出して申しわけないことをしたんですが、いろいろあるんです。「純正カルシウムとか」ね、虚弱体質に効くというんですよ。だけれども、私がこのカルシウム分を中身を計算いたしましたらば、価格が非常に高価過ぎます。一びん三万円、一錠千五百円なんというのが錠剤で売られているわけです。私、これならば、価格で考えれば、イワシや牛乳の方がよっぽどカルシウムがあるのではないか、こういうふうに思うわけですね。それから「ミキプルーン」などというものが出ております。これは、だけれども、食品という表示はどこにも書いてない。だけど、医薬品まがいの食品なんですね。これは「シイタケのエキス」というんです。こういうものが盛んに売られておりますので、私は、食品なら食品と大きく表示をさせるべきだし、それからせめて届け出ぐらいのチェックはすべきではないかと、こう考えますが、いかがでしょう。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は、表示その他について前に非常に奇妙な議論をいたしたことがございます。たとえば、「純粋ハチみつ」と書いた場合、これは他の物が入って混入しておれば、完全に純粋ではないとはっきりするわけでありますが、「天然・ハチみつ」と書いてあった場合に、たとえば甘蔗糖がまじっておったらそれは天然であるのかないのか、あるいは他の果糖が加えられていてそれに対してたとえば「純良」という言葉を使っていたらこれはどうなのかとか、実はずいぶんそういう表示の仕方等についても論議をしてみたことがございます。やっぱり接点部分の問題が実はどこかで残ってくるわけです。そうして、仮に医薬品以外の食品は、食品衛生法上から言えば、健康食品と書こうが書くまいが、全部私どもは健康に害がないものという限りにおいては健康食品であると思っておりますから、これに表示をさせるということになりますと、本当に果物から野菜からみんなどこで線を表示をするものに引くんだというような問題点も出てくるわけでありまして、先ほど申し上げましたように、もうしばらく検討の時間を与えていただきたい。私どもなりにその定義その他を模索しておるのが現状でございます。
○渡部通子君 むずかしいようですから、それはよろしくお願いをしたいと思う、特に積極的にお願いをしたいと思うのですけれども、大体健康食品といって錠剤やカプセルや粉末で売っているというのは、剤型から見れば完全に医薬品ですから、それは消費者をごまかしていることにもなると思うのです。私は、むしろ栄養補助食品であって、健康食品というのはむしろキャベツだとか牛乳だとかお米の方がよっぽど健康食品で、栄養補助食品と名づけるように指導した方がよろしいのではないかと、こう思うくらいでございます。 まあいろいろな問題を提起いたしましたけれども、低成長時代の消費者行動というものは、当然いい物を選んで買うと、こうなってくると思います。そこで、支出されるお金がいい物でないばかりか、危害があるかもしれないと、こういうのでは、大変困るわけでございまして、効能に見合ったお金を出しているというのが福祉社会の原則ではないかと私は思います。ですから、最初に申し上げましたように、消費者立法もその意味で変えるべき点は変える、苦情処理をフィードバックさせて、企業や国や公共団体の責務、これをはっきりしていく、それがこれからの消費者行政でなきゃならないと思うのですが、長官、消費者保護基本法の見直しも含めてこれからの姿勢を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいままで大変示唆に富んだことを伺いまして、われわれといたしましても大変裨益いたしております。ただいま御主張のように、消費者行政そのものにより幅と深さをつけることが現時点においてさらに重要であるという認識をわれわれ持っておりまして、御趣旨に対しましても十分今後検討させていただきたいと思っております。
○渡部通子君 じゃ、時間が大変少なくなりましたので、農林大臣の方にちょっとお伺いをいたします。 これは魚の問題でございますけれども、養殖魚にも病気がつきものでございまして、この点一点問題提起をさせてください。畜産の場合は、抗生物質などの薬は獣医師の要指示薬でございますね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) さようでございます。
○渡部通子君 では、魚の場合の抗生物質はいかがなものでございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 魚の場合も、一応これは獣医師でしょうね、魚医者というのはおりませんから。したがって、大体獣医師がやるというたてまえにはなっておりますが、実際上は獣医師はおかに上がっちゃって魚のことはよくわからないというので、数も魚のことをわかっている獣医師が非常に少ないということが現状でございます。
○渡部通子君 それじゃ、獣医師法の中に、魚のめんどうは獣医師が見るというふうにはっきりしているわけですか。
○政府委員(杉山克己君) 獣医師が魚のめんどうを見るというようなことをはっきりさせている規定はございません。ただ、動物用医薬品と言いました場合に、魚の用に供される医薬品も含まれている。したがって、要指示薬と言った場合に、現実獣医師がそのめんどうを見切れるという体制にはございませんが、これは網としてはかぶさっているということになるわけでございます。
○渡部通子君 私、この問題を提起しましたのは、水産用・動物用を一緒にクロロマイセチンというふうにして抗生物質が売られているわけです。動物用というのは獣医師が指示しますけれども、水産用は非常にいま野放しになっている。したがって、これを要指示薬とするからには、一体魚のお医者を育てるのか、獣医師さんの中に獣医師法を改正してはっきりするのか、それを農林大臣に方針を伺っておきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは今後の実は大きな問題だと私は思います。御承知のとおり、魚もだんだんとれなくなって、近海でとらなきゃならぬ。養殖しなきゃならぬ。したがって、海は汚れる。養殖をしますと、伝染病が発生すると一遍に病気になる。魚も生きていますから、ともかくかぜも引けば、皮膚病にもなるし、肝臓病にも腎臓病にも痔にもなるわけです、実際は。(笑声)皆さん笑いますけれども、それはなるんですよ。そういうふうな細菌性の病気には非常にかかりやすい。それを知らないで人間が食べちまうと弊害があるのかないのか、非常に問題が出てきておるわけでございますから、これは獣医師の中でもその研究をしている人もあります。それから水産学士ですね、水産学校を出たような人、獣医師の免状はありませんが、それは一般の獣医師よりも魚のことはそういう病気の問題その他を学校で習ってきていますから詳しい。そこで、これは獣医師法を改正してはっきり魚の問題をやらせるようにした方がいいか、それはそれとしてまた別に魚医師というのか何と名前をつけるか別ですが……
○渡部通子君 魚医さん。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 魚医さんか。魚医師でもそれはいいですが、そういう名前をつけた方がいいか、そこらのところの結論ははっきりいたしておりません。おりませんが、これは確かにいままでと違った状況なので、いずれにせよここらは検討を進めて、魚の管理というものと、やっぱり食品ですから健康と、魚でも実際の必要性からいって昔は海からとってくればよかったのですが、いまは育てますから、やっぱり消化不良で発育不全なんという魚は困るわけですよ。えさばかり食っちゃって胃拡張になっちゃうわけだから。ですから、これはむだですから、産業の面からもそういうことを指導できるような医学の体制というものが必要であると、これは本当に真剣に前向きで検討さしたいと思っております。
○渡部通子君 じゃ、これは残念ですが、この問題はまた後日の委員会に譲らせていただきます。時間がございませんで済みません。 最後に、厚生大臣に、国際児童年の際でございますので、一点だけ御質問させていただきます。 私、児童手当が発足をいたしましてちょうど七年を経過したものですから、非常にサンプル的でございますが全国の児童手当の実態調査というのを少しやらせていただきました。出てきた傾向でございますけれども、やっぱり一年を過ぎてから申請をするという人が三〇%近く、これは抽出サンプル調査ですけれども、沖繩から北海道までの間で同じ傾向、一年を過ぎてから受けているという人が受給者の中で三〇%近くいるというのが実情でございました。第三子出生のときに届け出に参りましても、そこで親切に児童手当が受けられるよということは教えられていない、あるいは窓口が違うために申請し損なった、あるいは漠然と知ってはいたけれども届け出をしなかった、こんなことで、もらうべき人がもらえていないという実情が浮かび上がってきたわけでございます。したがって、厚生省としてこれに対しては手の届くような取り組みを願いたいと思うのですが、これに対する厚生大臣の御意見、御決意を承っておきたい。
○委員長(町村金五君) 渡部君、時間が参りました。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私ども、これは国際児童年ということにかかわりなく、従来から受給遅延という事態があることについて承知をいたしておりまして、こういうことが起こらないように、出生届または転入届を行う際に、窓口に認定申請書を備えつけておいて、該当者にはその手続を児童手当の手続とあわせて行うようにし、その申請書が確実に児童手当係に受理されるような事務体制を整えるようにということについての市町村へのお願いを繰り返してまいりました。しかし、まだいま御指摘のような事態が見られるということはこれは非常に残念なことでありますし、今後一層行政指導について私どもとしても努力をしてまいりたいと思います。 なお、実はこういうことにも備えたつもりで、児童手当制度そのものの周知徹底については、児童手当のしおりあるいはパンフレットを市町村の窓口に備えると同時に、ポスターとかあるいはテレビを通じてのPRにも努めてまいったわけでありますし、都道府県及び市町村に対してもあらゆる機会をとらえて制度の広報活動を行うようにお願いをし、また行政指導もしてまいったわけでありますが、今後なおこうした面での努力を図ってまいりたいと、そのように考えております。
○渡部通子君 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(町村金五君) 以上で渡部君の一般質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(町村金五君) 次に、吉田忠三郎君の一般質疑を行います。吉田君。
○吉田忠三郎君 ちょっと議事進行について私は物を言いたいから、速記をとめてください。
○委員長(町村金五君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(町村金五君) 速記を始めて。
○吉田忠三郎君 国債発行そのものは借金財政でありますから、そのものに基本的に私は問題がある。ですから、当委員会でも各方面からそのことを議論されましたが、私は、これからはそのことじゃなくて、別な視点から国債発行について大蔵大臣に尋ねてみたいと思うのであります。 つい最近、この長期国債の金利引き上げが決まったわけですが、どういうことなのか、その内容をもうちょっと詳しくお示しいただきたい、こう思います。
○国務大臣(金子一平君) ことしの初め以来、国債市場が軟化してまいりまして、このような状況のもとでは大量の国債を円滑に消化することができなくなる心配ができましたんで、六・一債が中心でございますが、市場の基調を十分に尊重して発行条件を適切に決定していくことが必要と考えまして、今般、三月債から〇・四%条件を引き上げた、こういうことでございます。
○吉田忠三郎君 これは、大蔵大臣、きれいに答えりゃそういうことですよ。そういうことですが、私はやっぱり国債の人気が薄れてまいりまして、そうして市中の取引価格が非常に下がってきた。だから、いままでのような発行条件では新しく国債を売れない、だからこういう措置をとった、こういうことじゃないのですか。
○国務大臣(金子一平君) お話しのとおり、金利の先行きに対する期待感、先行き金利が引き上げられるだろうという期待感が、いま金融の状況にあるものですから、市場一般に広がっておる。そこへ持ってきて大量の国債が発行されることになるという一種の心理的圧迫感が出まして、国債の価格が下落した、こういうふうに私どもは考えております。
○吉田忠三郎君 つまり買い手が少なくなってきたわけですよ、御承知のようにね。ですから、こういう措置をとらざるを得ない、こういうことだと思うのですね。つまり、そのことは国債について人気がなくなったということですよ。しからばどうしてこの人気がなくなったかということなんですね。その上に、もうすでにこの発行高は四十三兆円、今年度、五十四年度は十五兆二千七百億ですか、これをまたさらに発行するわけですからね、こんな不人気な国債を一体どういうふうに消化するというのですか。
○国務大臣(金子一平君) この市場関係者の、金利が先になれば上がるだろうという考え方をやっぱり払拭することが一番大事なことでございまして、そういう意味で先般来金融政策の大きな変更はいたしませんよということをいろいろ言い続け、しかし、実際問題として市場の実勢に六・一債が合わないことも事実でございますので、実勢に合わせて訂正した次第でございますが、一時、金利の引き上げによりましてやや堅調に転じましたけれども、昨日は、これは国債のみならず金融債もでございますが、全面的に少し値崩れがした。これは一時的なことであろうと思いまするけれどもそういう情勢になりました。しかし、この気分が払拭されれば、また落ちついてくるんじゃなかろうかと私どもは考えておる次第でございます。
○吉田忠三郎君 それは大臣ね、見方の相違点ですよね。だから、私時間もございませんから、それはそれとしても、今度改定いたしましたね。それいたしましてもずいぶんすったもんだしたようなんですよね。ですから、ある意味においては、こういう点大変後手後手に回ったという批判がございますね、その批判にこたえるために、どうしてこうごたごたしたのか、後手後手になったのか、その経過を聞かしてください。
○国務大臣(金子一平君) そういう御批判をいただいておることも重々承知いたしておるのでございますが、六・一債に限ってその市場の実勢とかけ離れて——国債全般が下がっているわけじゃございません。どうしてこういうふうな値崩れの状況になっているかという点についての実際の状況を見きわめるのに大分時間がかかった、こういうことでございました。今後は、こういう点につきましては十分ひとつ考えながらやってまいりたい。特に、市中がどういう条件のどういう期間のものを欲しておるかという、市中の希望するような年限のものにある程度切りかえていくような必要もございましょうし、そこら辺はこれからも市場の実勢をにらみながら国債消化のやり方を考えてまいりたい、また、その必要が大事だということに考えております。
○吉田忠三郎君 大臣、わかりましたがね、大蔵省の本音は、本当はどうなんでしょうかね、負担軽減の施策があったんじゃないですか、この点はどうですか。
○国務大臣(金子一平君) 負担、ちょっと失礼します、負担軽減の……
○吉田忠三郎君 経費の負担の軽減をやろうとしておるんじゃないですか、そういう意味です。
○国務大臣(金子一平君) いや、それはもちろん金利が安ければそれにこしたことはありませんが、これから大量の国債を消化するという場合には、やはり市場の実勢に合わせた金利でないとなかなか消化し切れないということは十分心得ておりますので、今後、市場の実勢につきましては十分尊重してまいりたいと考えておる次第でございます。
○吉田忠三郎君 今度の金利引き上げが金融政策との関係でどうなるんですか、これは。
○国務大臣(金子一平君) これは日銀マターに属しますけれども、長期金利の引き上げというようなことはいまやるべきではない、けさほども申し上げた次第でございますが、今日ここまで民間経済が回復してまいりましたのは、やはり私どもとしましては低金利政策が非常に効果があった、この低金利政策の上に今日の日本経済が回復してきたとならば、ここですぐ水をかけるようなことはやるべきでないという気持ちを持っております。そういう姿勢が徹底いたしますならば、今日の国債を初め各種レートに対する政府、日銀の考え方はだんだんと御理解いただけるんじゃなかろうか、こんなふうに考えておる次第でございまして、日銀も同様の考え方をはっきりととっていることを申し上げておきたいと思います。
○吉田忠三郎君 大臣ね、いままで二、三点こう答えてきましたがね、その程度の大蔵大臣の見方でこれから国債が円滑に消化できると思いますか、その見通しを少し詳しく教えてください。
○国務大臣(金子一平君) 最近、いろいろ金融市場にも新しい動きも出ておりますし、私どもといたしましては、とにかく今度の大量発行の国債、これを消化しないことには予算執行にも大きな影響があることでございますから、全力をふるってやりたい。とにかく一番大口なのはシ団で引き受けてくれるわけでございますし、二兆七千億は公募入札というようなことになっておりますから、シ団引き受けも去年に比べましたならば一兆円の増加ということでございまして、これは最近の、新年度と前年度との経済成長から言えば、これぐらいは当然消化できるという見通しのもとに計算された数字でございますから、完全消化に努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○吉田忠三郎君 では次に国債の金利ですね、今度決定した金利ですが、これは民間の金融債から見ますと金利が上がったわけですよね。これは大臣御承知のように戦後初めてのことなんですね、これはどんな意味を持っているわけですか。
○国務大臣(金子一平君) これは利付金融債といまの十年ものの国債とは期限が違うものですから、そこは連動させる必要はないという判断で、切り離して決定をいたした次第でございます。
○吉田忠三郎君 それから、いままでもいろいろ当委員会で各委員の方々から議論されましたが、非常にやっぱり管理政策として私は大事な点があると思うんですよ、問題点が。大蔵大臣として、当面、一体この国債の管理政策の中で何が一番重要な課題だと思いますか。
○国務大臣(金子一平君) 私は、やっぱり市場の実勢に合わせるというか、消化層にきらわれない、期限その他の多様化をいまやっておりますから、その市場の希望に応じたものを適時適切に出して、一つに固めて消化しよう、無理にはめ込もうというようなことのないようにやっていくやり方が一番大事と考えております。
○吉田忠三郎君 そこで、経企長官にちょっと伺っておきますがね、これは関連しますから大蔵大臣にも聞きますが、最近、卸売物価が続騰していますね、その場合に、小売物価との関連、これは卸売物価が上がって小売物価が下がるなんということは経済常識ではないですね、そういうことになりますね。それに、先ほど来も答えておりましたが、公共料金が余り物価を押し上げる影響がないようなことを言っていましたね、この程度ならそう心配ないと、こう言っていましたが、しかし、現実には私はあると見ているわけです。当然、物価高になることは目に見えていると私は思うんですね。その場合、いま大蔵大臣から聞いたこの大量国債発行、ここに当然インフレ要因というのは出てくると思いますが、この点はどう見ているわけですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 現時点で、われわれはやはりいわゆるM2とかマーシャルのKとか、こうしたものを大蔵省、日銀等とも連絡しながら注視をしているところです。いまのような現状が即インフレであるとはわれわれは認識をしておりませんし、また、これがインフレになる最も重要なものであるとも思っておりません。しかし、注視をして、この動向をきわめて慎重に見ながら、危険であるというような、多少物価がさらに上昇が強まるというような事態が予見される場合には、早目早目に手を打ちながら事態の拡大を防ぎたいということでございまして、現状のような状態が即インフレであるという認識は持たないけれども、やはり非常に警戒を要すべきであるという考え方で施策を進めてまいっておるところでございます。
○吉田忠三郎君 私は、経企庁長官ね、インフレの一つの側面であるけれども、今度のやっぱり国債の大量発行にかなりウエートがあるような気がしてならないんですね。それにプラスして、イランの石油をめぐる情勢でございますね、こういう問題。いま答えられたように、私は前途かなり警戒をする必要がある、こう判断をする、場合によっては一挙に価格景気というものの方に展開してそっちの方に移行していくんじゃないか、こういう角度で見ているんです。そうなってくると、最近、これは経済界あたりも心配している、あるいは大蔵省もそういうことを検討されているんだが、結果的には引き締めの方向をとらざるを得ない等と、まだ決まっていないようだけれども、そういう議論がされておるわけでしょう。私は、やっぱりそういう場合も、日銀の窓口規制ですね、これなどは金融政策上あくまでも、いまあなたの答えられたような、いわゆるインフレを予防する、警戒的な運用をしていくことが必要ではないか、こう思うんですがね、大蔵大臣と両方答えてください。
○国務大臣(金子一平君) いま企画庁長官からもお話のございましたように、私どもやはり一番警戒を要すると思いますのは、OPECの石油値上げの波及効果で便乗値上げ等が起こりはせぬかということでございます。今日のM2の状況、過剰流動性と言われるものの動き等から見れば、まだ私はあなたのおっしゃるインフレに突入しかかっているという感じはいたしておりませんけれども、今後そういう要素がございますと、これは政府といたしましても全力を挙げて抑えなきゃいくまいという気持ちでおりますけれども、今日大量な国債が発行されるから、それインフレだということは、心理的な問題はございますけれども、これは去年だってもう十一兆幾らというあれが出ておるわけでございまして相当なあれになっておるわけでございますから、この金融政策よろしきを得れば心配することはないんじゃなかろうか。ただ、私どもとしましては、いろいろな指標をこう注目しながら、必要によって機動的な措置だけはとっていかなきゃならぬ、それだけは十分心得ておる次第でございます。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は、基本的に吉田委員の言われた杞憂と申しますか御懸念に対して別に否定は申し上げません。やはりそうしたことをわれわれは一つの大きな前提とも考えておりますが、やはり日本の経済がようやく昨年末から少しずつ上昇して、われわれ一番この中で期待しますことは、結局、失業の減少と申しましょうか、これ以上拡大しないということ、これを政策の最大の眼目にしております。幸いなことに多少有効求人倍率も上昇しておりますし、これが一倍に近づけばこれは理想ではないかと思いますが、そうした動向がようやく見え始めた現状において、いまここで金融を引き締めるということについては多少われわれも深い配慮を求めたいと思っておるところです。 しかし、その前提といたしまして、実は少し早目であったかもしれませんが、われわれも基本的に現在の国債の情勢だ、とかあるいはまた通貨流通量の問題とか、あるいはまた石油価格の動向とか世界情勢とかいろいろ考えまして、これをやはり早目に防止をしていかないと目標に掲げた物価安定というものが意外なことから崩れぬとも限らぬと思いましたので、二月二十六日に、政府総機関を挙げまして、地方自治体にまで呼びかけて物価の総合的な運営を決定しております。これは発表しました文章はきわめて単純なことで書いてございますが、その内容は、個々にわたりますと相当深く、きめ細かく事態を把握し、また、それがもしも黄色信号から赤に変わるかもしれないような情勢が出たときには、われわれは他のいかなるものを放置しても、その問題についての解決に努力するということで、非常に強い決意でいま進んでいるわけでございまして、実質的に申し上げれば、この総合的政策の推進の中で、いま御懸念いただいておりますような問題については十分一つのしんばり棒をかったつもりでおるわけでございます。 したがいまして、われわれは金融の引き締め等をいますぐやるということについては、しばらく、この細い道をいまは物価に重点を置いておるんだから、したがって、それを景気の方の足を引っ張るようなことまでしなくてもいいではないかということで細かく気を使って、大蔵当局、通産当局とも話し合いをしながらいまやっておるところでございますが、そうしたような考え方でございまして、やはりこの日本の経済政策を大きくドラスチックに変更するという事態は極力避けませんと、いまのようなまだ虚弱な体質だと思います、そのような体質の中での経済成長を維持しつつ、緩やかな成長を維持しつつ、より大きな目的を達成するということのためには、常に政策は小幅であるが修正し調整しながら運営をしていくという方向をいま選ばしていただいているところでございます。
○吉田忠三郎君 インフレは、これは国民生活にとっては最大の敵だと思うのです。ですから、万全を期して、さようなことのないように私は期待をして、きょうはこれで終わりたいと思います。
○委員長(町村金五君) 吉田君の残余の質疑は次回に譲ります。 次回は明後二十六日午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十八分散会