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87回国会参議院1979/03/13

予算委員会 第6号

発言数
450
登壇者
52
会派数
5
開催日
1979/03/13

会議録

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和五十四年度一般会計予算  昭和五十四年度特別会計予算  昭和五十四年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十四年度総予算三案審査のため、本日の委員会に私立大学審議会会長代理公江喜市郎君及び日本住宅公団総裁澤田悌君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認めます。  なお、出席時刻等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) それでは、粕谷照美君の総括質疑を行います。粕谷君。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 最初に、総理にお伺いをいたします。  大平総理になられてから各方面にいろいろなお話が載っておりますが、その中で教育に関して、いわゆる英才教育も重要であろうが、これまでの教育が国民全体の教育水準を非常に高いものとしてきたことは評価されなければならない、こうおっしゃって、前福田総理の英才教育論とは微妙な違いを持っている発言になっております。それで、私は、園田外相の所信表明ではありませんけれども、日本国の平和憲法は世界に誇るものであるという、その憲法、そして教育基本法によりどころを置いております戦後の民主教育の評価についてお考えをお伺いしたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私は教育の専門家でございませんので、素人としての見解で恐縮ですけれども、教育というものは各人の能力を引き出すものだ、そういう作用を持っておるものだと思っております。各人に本具した能力を引き出すことに成功した教育政策は成功した。そうでない政策はそうでないのではないか、そう考えておるのです。  それで戦後の教育政策にはいろんな批判がありますけれども、教育の機会をずいぶん拡大していった。それから教育の場におきまして能力を発揮する環境をつくって、自由な創造的な雰囲気をつくっていきましたことに対しましては、それはそれなりに高く評価さるべきでないかと私は思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 総理のお考えはよくわかりましたけれども、では次に文部大臣にお伺いをいたします。  大臣は、昨年の三月の二十八日の予算委員今で、「いま小中学校の自殺者は多いし、乱塾時代で、あなたは本当に教育がこれでいいとお考えたのか。私は本当に情けないと思うんだ、日本の教育。私は六・三制の失敗だと思って反省しているんです。だから私は罪滅ぼしのために国会に出ているんですよ。」と、こうおっしゃっておられるわけです。いまの総理のお考えとは非常に問題が合い違っております。文部大臣になられてのこの戦後教育の総括についてのお考えをお伺いいたします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、戦後、文部省におりまして、学校教育法をつくり、六・三制生みの親、育ての親でございますから、今日の教育を見ておりまして、私は、総理のおっしゃるように、指導要領の改正を行いまして、個性豊かにして人間性に富んだりっぱな教育が行われるように指導要領の改正ができましたので、私はいま総理のお考えに全く同感でございますが、ただ、私が振り返ってみて、やっぱり幾つかの問題があったんじゃなかろうか。  最初、いわゆる進学適性検査というのがあったんです、進適というのが。それで入試を改善しようというのをやりましたけれども、その後学科試験をやって、これが二重負担というので進適がだめなんです。その後、私が能研テストというやつ、これも非常に評判がよかったが、これもだめになって、それで今度やっと大学入試改善の一次テスト、二次テストができて、入試問題がようやく緒についたわけなんです。その他、教員が大事だというので終戦後開放制にした。これはいい点もありますけれど、やっぱり教育原理、教育心理、教授法等十五単位と二週間の教育実習じゃどうも不十分だというので、これから教育実習もよくやろうと。それから特に教育の関係では、私はいい先生がいなければだめだというので、いままでの教育学部を充実すると同時に、上越と神戸にも新構想の教員養成大学院大学をつくって、いい先生をつくる。こういうような点を私も文部省を長年やって、やっぱり問題点のあったものを解決して、そうして日本の教育の前進を図りたい、こう考えておる次第でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 六・三制の生みの親の内藤文部大臣、教育四十年一筋の文部大臣が、総理から大変戦後の教育はりっぱであったと、こうほめられたわけですから、またもって瞑すべきだと私は考えているんですが、その中で非常に大きな比重を占めてまいりました教科書の無償でございますが、私は一月三十一日の代表質問のときにもお伺いしましたけれども、総理から明快なお言葉がありませんでした。これは教育基本法、そうして憲法に基づきまして、義務教育は無償であるという、そういう原則の中でつくり上げられてきた制度なんですけれども、総理は、この制度について今後も存続をしていきたい、小中学校の生徒に教科書をただで出す、義務教育は無償だという、こういう政府の姿勢を示す最もいい例だと思うんですけれども、それについていかがお考えでしょうか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) できましたら、こういう制度を続けていくように努めなければならぬと考えております。せっかくできました制度でございまするし、よほどのことがない限り、これはやはり続けていくべきものと私は思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 大蔵大臣、いかがですか。予算編成のときは大蔵大臣でありませんでしたし、来年度の予算編成については大蔵大臣の席にいらっしゃるかどうかもちょっとわからないと思うんですが――いらっしゃいますね、大丈夫だと思います。そうすれば大蔵大臣のお考えというのは非常に大事なんですけれども、いかがですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 気持ちとしては、財政事情の許す限り、できるだけこの制度を続けたいと考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 気持ちとしてはというところが非常に問題でありまして、財政が優先するのか気持ちが優先するのか、その辺はどちらでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 両方でございますが、特に財政事情がこういう状況でございますので、総理もいまお答えになりましたように、できるだけ無償の方針が続けられれば続けたいという気持ちを持っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 総理はよほどのことがない限りと、こうおっしゃったわけです。そうしますと、そのよほどのことというのはどのような情勢をお考えなんでしょう、総理。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 国の財政というものは一定単位の金を最も有効に使わなければならないわけでございまして、そういうことに使うよりはもっと大切な用途がほかにあると、限界効用を見る場合におきまして、それよりもっと大切なことが起こり得ないとは将来保証できませんけれども、いま具体的にそれはどういう状態かということは想定することはできません。将来財政が非常に窮迫したというような状態におきまして、ぎりぎりの限界効用をわれわれが考えて財源の配分をやるとする場合におきまして、それよりも大事なことが起こり得るかもしれませんから、用心深くそう申し上げたのです。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そうしますと、本年度程度の財政状況の中ではまあ大丈夫だと、こういうことで以後理解をしていきたいと思います。  では、次に伺いますけれども、先日、筑波大学の学生が起訴猶予されたというニュースが出ておりました。文部省にお伺いしますけれども、筑波大学の学生が県会議員選挙に当たって買収に応じたという事件の概要を御報告ください。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、県会議員選挙をめぐりまして、筑波大学の学生多数が買収によって不在者投票を実施をしたということがございます。大学の方でもそれぞれの学生の申し出を求めて調査を行っておりますし、また警察当局も調査をされまして百三十七名が送検されたわけでございますが、最終的には起訴猶予ということになっております。大学側はすでにこれらの学生に対して厳重注意の処分を行っておりますが、さらに、それぞれの学生について個別に教官が指導をする、そして二度とこういうことが起こらないように全学を挙げて取り組んでいるところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 普通、小中学校ですと、生徒にそういう事件がありますと、担任の先生とか校長先生に対しては非常に厳しく教育委員会から御指導があるわけですが、文部省としては、この大学当局に対してはどのような御指導をなさったでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 学長及び担当の副学長に対して、私及び文部大臣から二度とこういうことの起こらないように、学内の体制を整えて学生指導に十分意を用いるように指導いたしたところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 訓告という、処分にも何にもならない。単に話をしたという程度では私は足りないのではないかと思います。  それでは、文部省としては、一体、こういう事件が起きた根源、問題点はどこにあったというふうに御理解になっておられますでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 筑波大学は、御案内のように、新しい構想の大学といたしまして、大学紛争の教訓を生かして、学群あるいは学類の制度をとり、ここにおいて単に学問を知識として学ぶだけではなくて、教職員と学生あるいは学生相互間の心の交流を確立しながら伸び伸びとした学園生活を送る、そういう目的のもとにつくられたものでございます。そして現在その制度の特色を生かしながら教育と更生補導を一元的に行う。特に学生の更生補導については意を用いて行っている大学でございます。  私は、今回の事件は、筑波大学という大学のそういう教育のあり方というものが背景にあって出てきたものとは考えておりません。現在の学生の思っている社会的な問題についての認識の不十分さ、そういったものがたまたまこの場合にあらわれてきたと考えております。今後、さらに大学に対しては一層心のこもった学生指導が行われるように指導をしてまいりたいと考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 総理は、いまの日本の若者を見て感じるのは、私どもの若いころよりしっかりしている、こうおっしゃっておられるのですけれども、政府が鳴り物入りでつくった新構想大学において、その学生がこのような事件を起こしたということは、どのようなお考え方をお持ちになっておられますでしょうか。特に筑波大学の自治というのは、それぞれの大学には自治はありますけれども、学生が集会をしようとすると届け出て許可がなければ集会をしてはいけない。学生の側から言えば届け出だけで済むのではないかと、こういう思いがあるのですけれども、それが許されていないのですね。私たち自身はもう非常に政治的活動について圧迫をしているという考え方を持っておりますけれども、総理のおっしゃる生き生きとした活力にあふれる学生がそういう学校の管理体制の中から育っていくというふうにお考えになりますでしょうか、お考えをお伺いいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 個々の学校の状況は私よく存じませんけれども、いまの二十代、三十代の日本の若者というのは私はすばらしいと思っております。われわれより伸び伸びと自主的な意見を活発に展開するし、明るく伸び伸びと人生に処しておるわけで、そのことは私は大変いいことだと考えております。  それと教育とのかかわり合いについて詳しいことはわかりませんけれども、いま筑波大学の例についてのお尋ねでございますが、大学はそれぞれ自治的に教育をおやりになっておりますので、はしの上げ下げまで一々政治が関与すべきでないと思います。けれども、そういう自治的な管理の中で、そういう忌まわしいことが行われたということ、これは私どもにとって非常に衝撃的なことでございました。これはまず学生の自覚と大学当局の深甚な反省が求められるべき事件だと存じております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 ひとつ、総理、一度筑波大学の実情をごらんいただきたい、こう思います。  時間がありませんから私は次に移ります。  わが国の教育を支えているものに私立学校の果たしてきた役割りというのが非常にたくさんあったとこう思います。しかし、その私立学校に最近憂慮される問題が次から次へと出ているわけです。二月の二十二日の、これは朝日新聞ですか、あすこに投書がありまして「悩みのたね」という千葉市の一主婦の方です。   息子が私立の有名高校を県立との併願で受験  しました。掲示された合格者の中に名前がなか  ったのであきらめ、入学金納入期限の迫った別  の私立高ヘタクシーをとばし、十二万円支払っ  て入学手続きをしました。すると、翌日、有名  校から補欠合格の速達通知。この高校は、県立  高の入試日翌日までに二十五万円の入学金を納  めないと失格です。   合計三十七万円の入学金。しかも県立に合格  すると、パーになるお金です。いつものことな  がら、親は私立高の入学金に悩まされますね。こうありました。三十七万円の捨て金ということは、サラリーマン家庭にとっては非常に大変なものだと、こう思うわけですけれども、これは私立高校に限らず私立大学についてもいままで問題になってまいりました。文部当局、大学当局はこれについて、いまはもうそんなものはなくなっているはずだがとお考えになっておりますでしょうか。実態をどう把握しておられますでしょうか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) ただいま御指摘の私立大学の入学金、授業料あるいは施設整備費等の問題でございますが、これはさきにただいま粕谷委員御指摘のような不合理な面を検討いたしまして、そして各大学に指導いたしまして、入学金は、これは入学の一種の約束に絡む金員でございますから、これは別といたしまして、授業料あるいは施設整備費といったようなものにつきましては、これは二週間といったような入学式の日からさかのぼった一定の制約の期間はございますけれども、いわばぎりぎりのところまでいわゆる納入を延期するシステムをとるなり、あるいは一たん納入をしたものを返却するという措置をとるなりすべきであるという指導を行いまして、現在では、大学、短大におきましては、いずれの学校につきましても何らかのそういった救済と申しますか、措置を講じておるというふうに私どもは理解しております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 その実行率というのはどのくらいになっていると把握しておりますか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 文部大臣の所轄いたしますいま申し上げました大学、短大等につきましては、すべての学校について何らかの措置が講じられておるというふうに理解しております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 いま入学金については約束金だと、こうおっしゃいましたけれども、入学金の基準というものは一体どのように考えていったらいいんでしょうか。あわせまして、その入学金はどの程度がいまの相場としてはいいと、こうお考えになりますでしょうか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 入学金も含めまして、私立大学等の学生納付金につきましては、文部省が基準を設けますとか、あるいはこれについて何らかの規制をするという、そういうたてまえになっておりませんので、これはそれぞれの学校が自主的にそして良識を持った経営方針のもとでお決めいただくということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 この入学金なんですけれども、結局はその学校に入らなければ捨て金になるわけです。私、一体、それがどの程度のものだろうかと思いまして、たくさんの学校を調べてみました。具体的にも書類を取り寄せて調べてみましたが、二十万から三十万、これが一般大学においてです。医科大学におきましては返却をしないとか、あるいは募集要項において返却については全然触れていないところもありますが、その辺は、返却をしないものと見てみますと、五十万円から最高は七百五十万円が捨て金になっているわけです。こんな入学金というのはあるんだろうか。私学が三十万、美術芸術関係が大体二十万、薬学が三十万、それぞれのパート、パートで御相談をいただいておおむね足並みをそろえられたものというふうに考えますけれども、文部省としては、全部返却をしている、こうおっしゃいますけれども、具体的に返却しないと書いてある学校がたくさんあるんです。その実情把握についてあなたが自信を持っておっしゃる根拠はどこにありますか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 入学金につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、これは学校側とそれから入学志願者側との入学についての一種の約束に係る納付金でございまして、学校側といたしましては、やはり入学選抜をいたしまして、その学校の教育の規模に見合った学生を明年度以降確保するという観点もございまして、そういう意味での一種の契約に基づいて支払われる金額でございますので、これにつきましては、いわばほかの学校へお入りになるという関係で、一たん納入した入学金を、これを返付するということの指導の基本にはいたしておらないわけでございまして、私どもが特に注意をしていただきたいと申し上げましたのは、実際に授業を受けないのに授業料を前納したものがそのまま返ってこない、あるいは入学していろいろ教育を受けるに必要な施設の整備、そのお金を入学しない学校が納入をさせてそれなりになるということはおかしいではないかということでございまして、入学金については若干、同じ学生納付金ではございますが、その納付金としての性格が異なっておるというふうに理解しておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そうしますと、そういう入学金を返さない学校はないということについての具体的な統計をお持ちでないということが私ははっきりいたしました。  それから先ほどの私の発言に伴って、最高七百五十万円までとこう申し上げましたのは、捨て金になると思われる金でありまして、入学金ということではありませんので訂正をいたします。  では、次に、文部大臣にお伺いしますけれども、そのような捨て金になるお金ですね、一般の父母にとってはもう大変なことなんです、一生懸命に働いてつくったお金ですから。そういうものができるだけ少なくなるようにするための努力というものをお約束いただけますでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) ちゃんと募集要項の中にはっきり金額は明示するように指導しておりますから、そういう捨て金がないことを私は期待しておるし、父兄の負担をなるべく安くしたい、こう思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 では文部省にお伺いいたします。来年度の学納金は、いまの消費者物価あるいは人事院勧告、このような状態の中で、一体、上がった率というものはどういうふうに判断をされておりますでしょうか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 私立大学の昼間部の明年度の入学生に係る学生納付金について申し上げますと、学生一人当たりの平均額は六十五万五千円でございまして、前年度に比べますと一三・一%の上昇ということになっております。  この上昇率によります各私立大学の財政収入の面から申し上げますと、大学の授業料の改定というのは主として大部分が新入生にのみ適用がございまして、在学生につきましては、当該大学生が入学したときの金額がずっとそのまま持ち上がっていくというのがほとんどでございますために、大体、上昇率を平均値でとりますと約四%ぐらいの上昇率というふうに理解すべきであろうと思っております。そういうことでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 四%ぐらいということになりますと、この消費者物価と関連が出てくるので話はわかるわけですけれども、文部省の調査では教育充実費と実験充実費というのが入っていないのではないか、こう思います。そういうものをなぜ調査の対象の中から外したのかということと、教育実験費というのは一体何だろうかという、このことについてお伺いいたします。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) ただいま粕谷委員御指摘の費目は、医科歯科大学についての教育充実費であろうかと存じますが、これは昭和五十二年度以来医科歯科大学にいろいろな問題が出ましたことを契機といたしまして、いわゆる入学時の寄付金をやめるべきであるという基本の方針がございまして、これに伴いまして、先ほど大臣からも申されましたが、学生の教育研究に必要な経費はすべてこれを募集要項に明示して、正規の学納金という形でこれを徴収すべきであるという観点から納付金の金額が上がったわけでございますが、その際に、従来入学時寄付金で納入しておりました分がなくなるわけでございまして、いわば一時的に学校の運営費について非常な金額の減少の状態が起こるということで、これのいわば一種のつなぎ的な措置として教育充実費という費目を設けた学校がある程度あったわけでございます。これはそういういわば経過的な性格の経費でもございます。  正規の学生納付金の調査はずっと古くからいたしております関係で、以前からの調査との連続性と申しますか、比較を、できるだけ同じレベルでの同じ考え方での比較ができますようにということで、新しい概念に基づきます教育充実費というものは、従来からやっております学生納付金の調査の中では取り入れませんで、これはただ私立医科歯科大学については別個に調査をいたしまして、必要な場合には、その内容について御報告申し上げるというふうにしているわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 これはいずれ文教委員会でやりたいと思います。  最近、政府の進学ローン、銀行の教育ローンなどが非常に実績を上げているという報告がありますけれども、この点について御報告をいただきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○政府委員(徳田博美君) 教育ローンにつきましては、民間ベースのものと国民公庫によるものとあるわけでございますが、民間金融機関による教育ローンにつきましては、一昨年十二月以来、各行において実施されているわけでございまして、昨年春の進学シーズンの実績を申し上げますと、これは五十三年の二月から四月でございますが、全国銀行、相互銀行、信用金庫の合計でございますと約一万八千件、百億円となっております。  それから国民公庫による進学ローンにつきましては、今回の新学期から実施されたわけでございますが、一月から取り扱いが開始されまして二月末現在で申し上げますと、これは御承知のとおり、一般の民間金融機関を経由する一般貸付と、郵便局を経由する進学積立郵便貯金預金者貸付とあるわけでございますが、一般貸付につきましては、申し込みベースで九十億円、貸付の実績が四十七億円でございます。郵便局を経由するものにつきましては、申し込みベースで二十億円、実際の貸付ベースで二億円でございまして、合計申し込みベースで二万九千九百件の百十億円でございまして、貸付ベースで申しますと、一万一千百件の四十九億円でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 これが非常にいい成績なのかどうかは別といたしまして、大蔵大臣、このように数多く教育ローンを利用する国民がいるということについて、あなたは喜んでいらっしゃるか、どのような考え方でこれを見詰めていらっしゃいますでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 進学ローンの需要がますますふえたということは、それだけやはり進学する人がふえたということですから、私は、社会的なこういったニーズにこたえて各金融機関が大大的にやってくれていることは非常に結構なことだと思っています。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 言い出しっぺの郵政大臣にお伺いいたしたいと思います。  コマーシャルなどを出しましてなかなかはでにやっておられますけれども、これを借りる国民からしてみれば、非常に安い金利で郵政省に預けておいて、高い金利でもってお金を借りて払わなきゃならない。まるで国のサラ金にお金を返すようなものだというようなことを言っている人もいるわけですけれども、せめて政府がやるんだから返済は四年間据え置きで卒業後から返すようにしてもらえないだろうか、こういう要望もあるわけです。あなたはどのようなお考えをお持ちですか。

佐藤昭一郵政省貯金局長

○政府委員(佐藤昭一君) お答えいたします。  郵貯の進学ローンでございますが、返済期間等の貸付条件の具体的な内容につきましては、国民金融公庫等において定めるものでございますが、在学期間中は返済を据え置きまして卒業後に返済させることといたしますと、借受人にとって便利な制度になることはこれは御指摘のとおりでございます。しかし、この反面、この制度を国の限られた資金によりましてできるだけ多くの方々に御利用いただけるようにするために、また資金を円滑に回転させていくためにも比較的短期に返済していただく、こういう必要があろうかと思います。また、基本的にこの制度は家計の一時的な負担を救済することに主眼がございまして、このような点を考慮いたしまして貸付期間は進学者の在学期間内というふうにされているわけでございます。  なお、この制度の実施がまだ始まったばかりでございまして、これからの状況等を見まして、なお十分に関係の向きとも協議いたしまして十分配意をしてまいりたい、かように考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 国民は大変教育費が高くなったから、こういうことを利用しているわけなんです。ぜひ国民の声を聞いていただきたいと思います。  総理にお伺いいたしますけれども、総理は、一体、奨学金というものについてどのようなお考えをお持ちでしょうか。  質問が簡単過ぎると申しわけありませんので、大平語録を私ども調べてみましたけれども、私の親も食う物も食わずに大学にやってくれましたと、そしてこの「鈍牛待望論」を見ますと、その中に一町三反中農の出身、高松高商それから東京商大全部奨学金があったから行けたというようなことを書いておられます。もしそれがなかったら師範に行かれたと、こんなことが書いてあるので、師範に行かれればいまごろ日教組の組合員であったかもしれないと、こう思うんですけれどもね。そして昭和十七年日本育英会の骨子づくりをやられたという奨学金については非常に関係の深い総理大臣でありますが、この制度の改善についてどのようなお考え方をお持ちでしょうか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 第一、どういう対象について奨学金を支給するかという政策が第一に考えられなきゃいかぬと思います。育英会というのは英才を育てると書いてありますけれども、一体、英才とはどういうところまで言うのだろうか。いまの育英会は、英才ではなくて、一般の学生に対する学費の補給というようになっておるのじゃないかと思いまして、それは父兄の学費の負担を一部軽減していくことに役立っておると思うのでありまして、育英会の本来の制度の目的がそこであったかどうかということにつきましては、私、若干疑問を持っておるわけでございます。  しかし、その後の発展の経過を見ますと、できるだけ広く奨学金を支給いたしまして、戦後の日本の父兄の教育費の負担というものを軽減していったことはそれだけ評価されなけりゃならぬと思いますけれども、これから先、わが国が奨学制度を考える場合には、もう一度観念を整理していく必要があるんじゃないかと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 いまの総理の御答弁を受けまして、文部大臣としてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 育英ということは非常に大事なことでして、だれでも進学ができるように、教育の機会均等を保障するために大事なのでありまして、本年度予算におきましても、私立につきましては大学、高校を大幅に拡充していただいたので、私も総理と全く同意見でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 ぜひ私は見直していただきたいと申しますのは、いまの育英制度が本当にまだまだ困っている人たちの要求にこたえていないという例でございます。   いろいろありますけれども、時間の関係で省きますが、たとえば奨学金が不足だからということで、新潟の高等学校の教職員組合だとか、あるいは岡山だとかでは、育英の制度というものを、主任手当を要らないといって出された先生方からまとめまして、そしてやっているわけですね。新潟高教組は毎月五千円、岡山だったら十万円入学時にぽんと出して返さぬでもいいと、こういう制度で、実態を調べてみますと、お豆腐屋さんのお父さんが突如として亡くなった、あるいは自分で働いて年収六十万円、その中から親を養いながら高等学校の定時制に通っているというような、こういう子供たちがいっぱい出てきているわけです。したがって、いまのようにたくさんの生徒たちの教育に対する要求にこたえるような奨学金制度というものを十分に御考慮をいただきたいということをお願いいたしまして、次に移ります。  最初に、文部省にお伺いいたしますけれども、この二、三年といいますか、会計検査院に指摘をされたり、あるいは国税庁でいろいろと問題になったり、あるいは新聞紙上をにぎわしたような、そういう大学の実態について御報告をいただきたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 最近の事例でございますが、私立大学に問題が生じまして、教育に支障を生ずるというようなおそれがあると判断されるような場合には、私どもも事情聴取等の方法により調査をいたして、あわせてその改善について指導を行っている次第でございますが、この主な指導対象校は医科大学四校、歯科大学四校、その他一般大学二校というような状況でございます。  かいつまんで申し上げますと、医科、歯科大学の主な問題点は、個々の大学によってその範囲が必ずしも同一ではございませんが、入学に関する寄付金の収受と不公正な入学者選抜、あるいは後援会組織といったようなものを通じまして寄付金の収受を不明朗な仕方でやっておったとか、それから入学者数の報告について虚偽の報告をしたというようなことでございまして、これに対しまして、文部省といたしましては、入学に関する寄付金の収受等の禁止、それから入学者選抜方法の公正化、寄付金収納を主たる目的とした後援会のごとき組織の解散、それから特に問題が深刻でありますような学校につきましては新しい理事体制による大学の再建といったような指導を行ったところでございます。  それからまた、一般大学につきましての主な問題点は、学校運営をめぐる学内の対立でございますとか、あるいは一部適正を欠く経理の処理を行っていたというようなことでございまして、これについても必要な指導を行ったところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 りっぱな運営をしていらっしゃる私立学校がたくさんある中で、ほんの一部の学校ではありましてもそういう衝撃的な事件が起きてまいりますと、私学全体のイメージをダウンさせるものになるのではないかと思います。  いまのような一般的なお話はわかりましたけれども、では具体的にお伺いいたしますから、その学校はどのようなことがあったのかをお話しください。  まず最初に、松本歯大についてはいかがですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 松本歯科大学でございますが、まず第一点といたしまして、昭和五十年度から五十二年度の三年間の入学者数につきまして、これを実数よりも過小に当該大学の評議員会及び文部省に報告をしていたということがございます。  それから第二点は、寄付金の納入者の問題でございますが、昭和四十九年度から五十二年度の四年間で実数より八十四人、寄付金額は四十八年度から五十二年度の五年間で実額より約二十三億円を過小に当該学校の評議員会並びに文部省に報告をしておったということでございます。  それから第三が、これらの処理に関連いたしまして、収支予算及び決算につきまして、いわば評議員会と理事会に対しまして別途の報告を行っておったということがございます。  なお、次に昭和五十三年度の問題でございますが、五十三年九月末までは当該年度の入学者からは寄付金等を収受していないというふうな説明を私ども受けておりましたのでございますが、十月に至りまして、募集趣意書等を作成することなく入学手続時以降寄付金等を収受していた。  それから、第二点としましては、前の理事長が学校とは正式の関係がないはずでございますのに、事実上、法人運営に関与しまして報酬も受けていたといったような事実がございます。  それから第三点といたしましては、これが五十二年度に問題になりましたときに、理事全員が理事長以下当時の責任をとって辞任して体制を変えたわけでございますが、そのときに、その体制を変えるについて役割りを果たしました再建委員会というものがございますが、再建委員会が示しました、前理事――その当時の前の理事は新しい理事に選出しないという方針に反しまして、一たん全員辞任したうちの理事三人が五十二年四月以降に再び理事ないしは監事に就任したといったような一連のことがございまして、これに対しまして、文部省は、数度にわたり調査もし、それから指導助言を重ねてまいっておったということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 指導助言を重ねて、直ったのですか、直らないのですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 現在なお、松本歯科大学におきましては、当該大学の責任体制の確立の問題を中心にいたしまして改善措置の実施中でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 警察庁にお伺いいたしますけれども、相模工大はいまどのようなことになっておりますでしょうか。これは不渡り手形十一億円、それから私物化を八億円したということで警視庁に背任、横領の告発が出ていると思うのですけれども。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) この告発は五十三年の四月の十三日に出ておるわけでございますが、ただいまお話しのような、若干この大学の運営資金が他に流用されたというような内容でございまして、その告発の事件のみならず、他にも問題がございまして、現在、捜査中でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 捜査というのは、大体、どのくらい時間がかかるのですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 事案によりましてそれぞれ違うわけでございますが、本件は大変複雑な内容がございまして、それと被告発人が現在病気で入院中というようなことがございまして、若干、その見通しが立ちにくいような状況でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 では、次に、金沢医大は一体いまどのような紛争事件があるのかお伺いいたします。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 金沢医大につきましては、これはやはり松本歯科大学について申し上げましたと類似の問題があったわけでございます。四十七年度から五十一年度までの入学時寄付金納入者数、収納金額等につきまして、私立大学審議会並びに文部省に対しまして事実と異なる報告を行っていたということが第一点。それから第二点といたしまして、入学試験実施前からいわゆる預かり金を依頼しまして後援会というものへ入金をさせていた。それから第三点といたしまして、合格者の決定につきましては理事五名で行いまして、預かり金の納入の有無を合否判定の際に考慮をしておった。それから各年度の合否の判定の資料を焼却して処分をしてしまっていたというようなことがございます。  それで、理事長以下、全役員が事件の責任をとって辞任されたわけでございますが、その後になりまして、その後に選任されました学長に対しまして理事会側が大量に留年をさせたということの責任を取り上げまして、学長を解任するといったような事柄が起こりまして、学長側はこれまたその解任に対しまして、これを無効であるという意味の仮処分の申請を行うといったようなことが行われておりまして、いわば学内でそういった対立関係と申しますか、問題が現在生じておるという状況でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私も、その学長の提訴された理由とか、あるいは理事長側の反論とかの原本のコピーを持っておりますから、内容についてはよくわかりますけれども、いま文教委員会でありませんから、大学当局にお伺いいたしたいのは、選挙でもって選ばれた学長が、三十四人の生徒に対して入学金というよりも寄付金をよこしなさいという説得をしなかったのが一つの理由とか、あるいは百名を超す留年生が出たのは学長が悪いからだという、こんなことで一つ一つ理事会が簡単に学長というものを解任できるものなのかどうなのか、そういう点について文部省としてはどのような指導をされたのかということについてお伺いしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 解任処分の当否自体は裁判所の判断にお任せする以外にないわけでございますけれども、御指摘のように、学長が任期の途中で解任されるというのは大学にとってはきわめて異常な事態でございます。文部省としては、従前から理事者側に対しまして、解任については教授会の意見を十分に聞く、そういった慎重な対応をすべきであるということを指導をしてきたわけでございます。しかし、残念ながら、いま管理局長から申し上げましたような形で解任処分が現実には行われたわけでございます。事の重要性というものについて理事者側が十分に認識をして、教学の責任というものを大切にして教学側の体制を確立をする、また教学側もそうした努力をするという方向で極力さらに指導をしてまいりたいと考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 次に、福岡歯科大学についてお伺いいたしますけれども、管理局長の説明がちょっと長いので私の方から申し上げますけれども、いろいろな新聞に不正編入の寄付金一億円が政界工作資金だったとか、あるいはこの大学をつくるときにやっぱり政界工作が数千万円国会議員に送られてやられたとか、特に私その設立当時の役員名簿を見てみますと、文部大臣経験者とか現職の国会議員がいるわけですけれども、そのようなことが行われている不正きわまりない福岡歯科大の現状はどのようなことになっておりますでしょうか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 福岡歯科大学につきましては、最近の状況でございますが、昭和五十二年から五十三年までに一部の理事及び前の理事が、受験予定者の父兄から預かり金をしていたというようなことがございます。それから、合格者決定に際しまして、預かり金をしている受験者への特別の配慮を穂坂前学長に依頼をしたというような事実があったわけでございます。そのほか、経理の処理がずさんでありますとか、それから具体的な合格者の決定が学長に一任されておりまして、一部、学長の決定した合否判定につきまして教授会が定めた基準を下回る者も含まれておった。それから昭和五十二年度に五人の者を聴講生として受け入れまして、その一年後に第二学年に正規の学生として編入学を認めるというような法令に反する措置をとっておったというようなことがございます。それで理事長以下全役員及び評議員が本件の事件の責任をとりまして辞任をしまして、現在では新しい体制の理事会のもとで学校の再建に努めておられるという状況でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私がお伺いしたのは、この新聞記事は事実であるかどうであるかということをお伺いしたわけです。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) いま御指摘のような事実は、私どもとしては全く承知しておりません。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 調査もしなかったのですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 先ほど御報告申し上げましたような前の役員組織のもとで行われましたいろいろな問題につきまして、数度にわたり公式ないしは事実上の事情聴取をいたして、必要に応じまして学校の書類等にも当たっておりますが、その経過におきまして、御指摘のような事実は私ども承知しておらないということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 国税庁、これについて何か調べていらっしゃるはずですが。

磯邊律男国税庁長官

○政府委員(磯邊律男君) 御承知のように、学校法人に対して課税関係が生じますのは、当該大学が営利事業を営んでおる場合に、その営利事業に係る収入金についての法人税の課税問題が起こるわけであります。ところで、この入学金とかあるいは寄付金とか、そういったものは大学の収益事業には該当いたしませんので、それだけについては私どもとして調査の対象にすることはできないわけでありますけれども、関心を持っておりますのは、そういった入学金あるいは寄付金等が適正に経理されてなくて、それが一部の役員の所得を形成しておる、あるいはそれが簿外の給与に使われておる、それからまたさらに、これは全然関係ないことでありますけれども、そういった多額の寄付金を出すような方というのが果たしてそれだけの寄付金を出すだけの申告がなされておったかどうか、こういったことがわれわれの税務上の関心になるわけであります。  ところで、いま御指摘の福岡歯科大学につきましては、もろもろの情報あるいは刑事事件ということがございまして、その当時の理事者並びに寄付金を受け入れる人格なき社団、現在これは解散になっておりますけれども、その役員の方、そういった方の所得について昨年の十二月から調査に着手しております。この問題につきましては、現地の新聞でいろいろの報道がなされておりますけれども、私どもといたしましては、現在のところ調査中でありまして、新聞に報道されておるような事実というものはまだ把握されておりません。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私も、その聴講生としてお金を納めさせられた父兄にも会いましたし、藤井実蔵さんにもお会いしまして現実の問題をいろいろとお話を伺っておりますので、きちんと調査をしていただきたいということをお願いいたします。  ところで、もう一つ、次から次へと出てくるんであれなんですけれども、国税庁にお伺いしますけれども、一つは歯科大学、一つは医科大学ですけれどもね、ここのところで役員の方々が経理をされてない現金を保管をしていたということについての税金がかけられた。その税金を国税庁はもらったけれども、どうも間違いだったということで四億八千七百万円返ってきたとか、二億六千万円返ってきたとかという事件がありましたね。これは国税庁の指導のミスじゃないんですか。私なんかも実に零細な税金間違いを指摘されましてちゃんと納めるほど国税庁というのはりっぱなもんだと感心しているんですけれども、この点に関しては何とまあ甘いことでありますか、そのことについての事実経過をお話しください。

磯邊律男国税庁長官

○政府委員(磯邊律男君) ただいま先生御指摘の件につきましては、たしか昨年の五月三十日の参議院の文教委員会でも論議されたと思います。そのときの論議を踏まえまして御答弁申し上げます。  この案件といいますのは二つの問題がありまして、一つは、そういった当該大学の寄付金の使途というものが必ずしも明確でなかった。それで、先ほど御答弁いたしましたような観点から、この寄付金の調査をいたしまして、その結果、その一部について役員の方の認定賞与とすべきものであるというふうな結論が出まして、それに対して認定賞与の決定をいたしまして源泉徴収税額の徴収をいたしたわけであります。  ところが、その次の問題に対しまして、これからいわゆる税法の理論的な問題になってくるわけでありますけれども、その源泉税額はかなり高額な税額でありますけれども、それを大学当局の方が負担されたわけであります。そういたしますと、われわれの計算といたしましては、その源泉税額だけに見合う金額というものが新たに源泉徴収された後の所得として新たな給与を支給されたという計算になるわけでありまして、そこでまた新たな課税関係が生じたわけであります。そういたしますと、これは現在の所得税の累進構造からきわめて高い所得を支給したという計算にならざるを得ないわけでありまして、その源泉税額をさらにまた決定する、そうすると、今度はそういったことを総合して御本人が確定申告をせなければならない。そういたしますと、さらにまたそこで税額が生ずるというふうなことで、理論的に二つの回転をいたすことによって、当初御本人に対して認定賞与としてわれわれが決定いたしましたその金額の約五割増しになるだけの税金を負担するといったような状態になったわけであります。もちろん、そのことは、われわれとしても当該税務署は十分に計算方法等について大学の事務当局の方に御説明したわけでありますけれども、一応はそれで御理解いただいたと思っておったわけでありますけれども、その後、大学の方として税額を計算すると、これはえらいことになるというふうなことで驚かれたと思います。  それと同時に、大学当局といたしましても、やはり公共的な色彩なり、公共機関であるところの大学が、たとえ役員の方であろうとも、そういった個人の税金を大学の経理によって賄うということはきわめて好ましくない事態であるというふうなことを反省されまして、そして大学で負担するということになっていた税金を全部負担しないということに改めて理事会で決定いたしまして、そして全部当人からそれを回収したわけであります。そういったことで回収いたしますので、大学の方で負担したという事跡がなくなりますから、そこでわれわれといたしましては国税通則法の規定によって、この大学が負担することによって新たに生じた税額というものを還付した、こういうことであります。もちろん、それに当たりましては、当初税務署の方で認定いたしました簿外給与そのものを動かすつもりはございませんし、その当初の簿外給与に伴う源泉所得税というものは御本人がこれは事実問題としても負担される、こういったことで税金関係の結末を見たわけであります。  確かに先生御指摘のように、税務署の指導がきわめて不十分であったということ、私は不十分であったとは思いませんけれども、大学の方の御理解が十分でなかったんではないかというふうに私は考えておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 時間がありませんから、私はこれはこのような事実があったということを皆さんに御理解をいただきたいと思っていろいろと申し上げたのですが、きょうは公江私大審の委員が参考人として来ておられますので、そこでお伺いをしたいと思います。  私立大学審議会としては、このような幾つかの乱脈きわまりないという言葉が適当だと思いますが、大学があるということに対して、みずからの力でこのようなものをなくしていこうという努力をどのような形でされてまいりましたでしょうか、お伺いいたします。

公江喜市郎私立大学審議会会長代理

○参考人(公江喜市郎君) お答えいたします。  私立大学審議会のことにつきましては御承知をいただいておると思うのでございますが、これは文部大臣の諮問に応じまして私立大学等の設置に係る学校法人の設立に関する認可につきまして客観的に第三者の立場から調査審議いたしまして、文部大臣に対して私立大学等に関する重要事項を建議するために文部省に置かれました審議機関でございます。そうして同審議会は文部大臣が任命されますところの二十名の委員から成っておりまして、そのうち十五名の者は各私大協会から推薦されました者であります。あとの五名が学識経験者から成っており、二十名の委員をもって組織しておるというようなことでございます。  これは御承知のとおりに、制度上、私立学校の自主性を重んじて私立学校に関する教育行政に私学の代表者の意見を反映させて、いわば私学団体の自治を私学行政上尊重すべきことを示しておるものと解します。このため委員には報酬も支払われず、全く実費のみが弁償されておるという実情であります。これまでも私学関係団体からもこの趣旨に沿いまして私学経営に対する豊富な経験や専門的知識を有する者を委員の候補者として推薦して、そうしてその知識経験が生かされるようなふうな組み立てになっておるのでございます。  ただいまお話がございましたのでありますが、私立大学の審査に当たりましては、御承知のとおりに設置審議会というものがありまして、主として教授組織でありますとか、あるいはまた設備施設であるとか、そういうような方面に対する審査をいたしまする設置審議会という機関がありまして、一方、寄付行為に関することであるとか、あるいはまた財政に関することであるとか、維持経営に関する問題について審議するのが私立大学審議会でございます。この両審議会が意見が一致しましたときに初めて認可されるというようなことに相なるわけでございます。  特に、最近におきましてはいろいろ問題がございますので、私大の新設につきましてはきわめて慎重な審査をいたしておりまして、一年審査で認可されましたものが、最近におきましては二カ年審査ということに、二段審査ということになっております。そうして二年かかりましてすべての点を調べました上で両審議会の意見が一致したものについて認可される、文部大臣が認可する、こういうようなことになっております。それからまた、認可されました私立大学につきましては、特に医科、歯科につきましては、十年間、毎年、この委員が出かけまして、そうしてその学校についての視察をいたしまして指導助言を行っていく、こういうふうにきわめて慎重な態度で臨んでおるような次第でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そのような慎重な態度にしてはこのような学校が続出するということについては、やっぱり認可が甘かったんではないだろうかという気持ちがいたしますけれども、こういう学校が出ないような審査というものはできなかったのだろうか。  それともう一つは、どうもいま問題が起きているのは、認可の次に問題になっているのはやっぱり先生と理事者の間にいろいろな対立点があるように思いますけれども、その辺のところはどうやれば直っていくというふうにお考えでしょうか。

公江喜市郎私立大学審議会会長代理

○参考人(公江喜市郎君) 認可が甘かったのじゃないかという御指摘でございますけれども、認可の時点におきましては、これは委員として調査できるだけのものは調査をいたしてやっておる、非常に慎重な二カ年審査をもちまして許可をするというようなことになっておりますので、その段階におきましてはきわめて慎重な態度で最近におきましては許可されておる、こういうふうに私は思うのであります。ただ、委員でありますから、たとえば銀行の証明書が出ておる、それを疑ってかかるということは、これは私はなかなかむずかしいことだと思いますが、あとう限りの審査は行っておるということを私は申し上げることができると思います。  なお、問題が生じまして、最前御指摘になりましたような大学についてのお話がございましたが、私はやはり教学の確立ということが非常に大事なんじゃないか。理事会の権限とそれから教授会の権限、学長の権限、こういうものが確立されておるということでなければならぬと思うのであります。そういうところに、教授会の権限に理事会が干渉をするとかいうようなことが学校の紛糾の原因になっておるようなふうに思いますので、教学の確立、教授会、理事会の権限の確立というようなことが私は私立大学としましてはきわめて必要なことである、こういうふうに私考えておるのでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 では最後にお伺いをいたしますけれども、私大が非常に財政的に問題があるということはだれも承知しているわけですけれども、しかし、国庫補助を多額に出そうとする限りにおいては、会計というものは国民の前にガラス張りでなければならない、こう思いますけれども、この会計の明朗化なくしては国民の共感が得られないんだということを私大側としてはお考えではないでしょうか。そのための対策はどのようにされていかれますでしょうか。

公江喜市郎私立大学審議会会長代理

○参考人(公江喜市郎君) お答えいたします。  御指摘のとおりでございまして、今日の私立大学の大多数の学校がこの財政等に関する問題について明朗な財政を志向していく、こういう点についてはほとんど全部の私立大学がそういう決意であると私は思うのであります。特に私立大学に対しまして経常費助成が多額に政府のお力によりまして出ておりますわけでございまして、したがいまして、この助成金等につきましては、年々、会計検査院等の検査もございまして、厳重な検査が行われておるわけでございます。そういう点につきましては全私学を挙げて疑点のない経理を行いまして、そうしてまた国家が私大に対しまして多額の経常費助成を行われておる、こういう趣旨にこたえなければならないと覚悟いたしておる次第でございます。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 公江参考人には御多忙中のところ御出席をいただきまして、ありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。御退席いただいて結構でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 文部大臣にお伺いをいたします。  いまの長い間の討論をお聞きになったと思いますけれども、私大のこの精神を生かしていくような文部省としての教育政策ですね、特にこの経済的な補助、国庫補助も含めて、どのようになされようとしていくのか、お伺いいたします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私学振興助成法の趣旨に沿って経常費の二分の一までは国から補助しよう、こういう方針でございますから、いま三八、九%になっていると思いますが、なるべく早く五〇%の補助に近づけたいと努力いたします。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 大平総理にお伺いいたしますけれども、総理は私立大学の国庫補助についてどのような御姿勢を持っていらっしゃるでしょうか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私立大学がその創立の精神を踏まえて有為な人材の育成に当たっておられることに対して評価もするし、敬意も表したいと思います。  しかし、これは日本ばかりでなく世界的な傾向でございますけれども、大学法人、学校法人の財政が大変困難になってきておるということでございまして、財政の許す限りにおきまして、政府におきましても、これに対して助成を与えて差し上げるという必要があろうかと存じまして、ここ数年来、そういう方向に毎年毎年積極的な努力を積み重ねておるわけでございまして、まだいま文部大臣が言いました目標には達しておりませんけれども、われわれとしては、これまでの努力を引き続き財政の許す限り続けていかなければならぬと思っています。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 では、次に、共通一次の問題に移ります。  先日の新聞報道を見ますと、文部大臣が向坊東大学長と非公式に会われた際に、今度の科目、五教科七科目では多いから文科系と理科系に分けて実施することの適否を問うた、こうありますけれども、その事実関係についてお伺いいたします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私が東大の学長に会ったときに、何か科目が多過ぎるから減らすようにと言ったという新聞報道がございましたが、そういう事実はございません。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私もそうであってもらいたいと思います。文部大臣が一つのことについてどうだというような諮問をする段階ではない。非常に重要な共通一次のこの結果についての総括をしなければならないという時期に来ていると思いますので、その総括をする日程というものをどのように組んでいらっしゃるでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 今回初めてやった共通一次でございますが、高等学校の必修科目を中心にやられたわけでございます。それで大体の評価を見てみますと、大変よかったというのが皆さんの御意見のようでございます。ただ、二次試験には科目が多過ぎるという意見もありますが、全体を見ますと、はるかに減ったのでございます。そして人物考査とか、あるいは論文とか内申書等を重視された大変にいいという評価もあるわけでございますから、いずれにしても一次、二次が済みましたら、関係者の意見をまとめて、そして入試改善に努力いたしたいと考えています。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 その関係者の意見をまとめる中で、大学入試センターというのは管理部、事業部それから研究部、こう分かれていて、研究部が果たす役割りというのは非常に大きいと思うんです。ところが、その研究部の陣容を見てみますと欠員が多いんですけれども、これは文部省が言った、本気になって大学入試制度を考えていこうということから考えれば逆の方向ではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおり、今後の検討に当たりましては、大学入試センターが高等学校側と十分に連絡をとって検討をしていくということのほかに、入試センターの研究部門が十分な基礎的な研究を重ねていく必要があるわけでございます。センターの研究部門、現在五つございますけれども、御指摘のように、それぞれの部門についての教授、助教授が完全に充足されている状況にございません。この点については、私どもの方からは幾たびもセンターの側に対して早急に陣容を整えるようにお願いをしております。正直なところ、センターは共通一次を完全に実施をするということに全力を傾けていたという経緯がございますので、これまでのところ研究部門に人員を充足するにつきまして、他の大学の先生方を併任でお願いをするというような形で対応してきたという点は、私たちも事情はわかりますけれども、いよいよ大事な段階に入るわけでございますので、早急にいい人材を入試センターに迎えるようにさらにセンター側に要請をしたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 受験生の気持ち、親の気持ち、そして現場教師の声がちゃんと反映するような体制を組んでいただきまして、いい入試制度をやっていただきたいわけです。  大臣、前から資格試験ということをずっと主張してこられたわけですよね。国民の声を聞くのも大事ですけれども、大臣の主張を入れられるということとの関連はどのようにいまお考えですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) お答えします。  私が自民党の入試制度改革の委員長をしておりましたので、その当時、資格試験制度の問題も出たんですよ。ところが、日本の場合には、高等学校卒業でもう大学入試の資格が与えられるわけですから、資格試験をやりますというと、これおっこっちゃったらどうするんだというような問題も出まして、やっぱりいまの入試制度の方がいいと。それならば共通一次、二次で、一次の方で高等学校の学科試験をやり二次で適性を見ていこう、こういうことの方がいいじゃないかということでいまの制度を決めたものですから、私は、この制度をもう少し改善してりっぱなものにしていきたい、こう思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 教育費が非常に増大をしていくということについて、私はさっき言い足りなかったことについて運輸大臣にお伺いしますが、今度国鉄運賃が値上げになる、それとあわせて学生の通学定期の割引率が改定される。ますます一般国民にとっては教育費が増大をするのではないかと思いますけれども、こんなに大幅な改定をした理由をお伺いいたします。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 御承知のとおり、国鉄財政は、助成前の赤字は昭和五十四年度予算で一兆二千億円にも達しておるわけであります。この立て直しが急務でございまして、そのためには国鉄自身が経営を引き締めていくということを前提といたしまして、適宜適切な運賃の値上げをやり、それに対して国が行財政上の援助をやっていこうということでございます。そういうことで昭和五十年代には収支相償うようにしなきゃいかぬ、それで五十五年から本格的にやっていこう、そのための再建策をこの五十四年中に立てていこうという段階で、このたび五月二十日から運賃の値上げをいたすことになりまして、年間千六百五十億円、運賃の値上げ案がようやく国鉄から出てまいりまして、本日、運輸審議会にかけて、審議会の議を経まして物価関係の閣僚会議にかけて五月二十日から実施をしてまいりたい。  そういう国鉄の状態でございますので、この国鉄の定期、パスの割引率につきましても、現在約八割の割引率、非常に高い割引率になっておるわけでございます。そういうことでございますので、今回の運賃の引き上げに踏み切ったわけでございますので、どうか国鉄の現状を御理解の上御支援を願いたい、こう思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 文部大臣、これに対してどうお考えですか。国鉄の現状もお考えくださいと言うけれども、国民の現状もお考えいただきたいと思うんですが。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) ただいま森山運輸大臣がお話しのように、運賃割引率八割と非常に高率なので、そこで国鉄も大変赤字で苦しんでいるのだから、やっぱりある程度協力はせざるを得ないと思いますけれども、私も森山運輸大臣にお願いしているのです。審議会で十分慎重に審議していただきたいとお願いをしておるところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 運賃の値上げとこの割引率の改定でダブルパンチになっているわけですね。文部省の方から、教育費に、子供たちにかかる分については何とか補助をしてもらえないかというようなことは記事に載っておりますけれども、これについて文部省としては何かお話を受けたことはあるんですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 通学定期の割引等について、いわゆる公共負担の問題として、それぞれの政策官庁で対応ができないかというのはかねての懸案でございます。しかし、このことについては、通学定期割引の制度というのは長い歴史を持っているものでございますし、国鉄だけでなくて他の交通機関においても実施されているものでございますから、この問題については、やはり運輸省におかれて割引制度全体の問題として御対処を願うのが望ましいと私たちは考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 最後に労働大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、けさほど日産プリンスの中本さんが男女定年格差は不当であるということの判決をもらいましたけれども、これについての御感想をお伺いします。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私どもは、男女平等ということを基本として労働政策を進めております。いままでも男女の差別を定年でするということについては、これは好ましくない、そういうものは解消したい、あるいは結婚退職というふうなことについても解消いたしたい、こう考えておりましたので、今回の判決は私どもとしては妥当なものだ、そういうふうに考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私が隔世の感があると思いましたのは、この中本さんの裁判にずっとかかわってきたものですからね、いままでの裁判の結論などというのは、女の五十歳は男の五十五歳の精神的肉体的年齢に合致するとか、あるいは女の五十五歳は男性の七十二歳に合うなんてことを裁判長の方でおっしゃるわけで、非常に頭にきていたので、うれしいと思うんですけれども。総理、女の人が働くということについて、どのようなお考えをお持ちか、総理のお考えの中に特に家庭ということを非常に重要視していらっしゃるので、その辺の心配がありますのでお伺いいたしたいと思います。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 粕谷君、時間が参りました。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 女性の方がその特性を生かして働かれることは結構だと思います。  それから家庭の問題でございますけれども、家庭は、働いておられる方も半分は家庭で住まっておられるわけでございまして、家庭を放棄されておるわけでは決してございませんので、それぞれの立場で家庭というものは守っていらっしゃるわけでございまして、女性は家庭を守らなければならぬということと女性が外で働くということとは両立すると私は考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 時間がありませんから、以上で終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で粕谷君の総括質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、秦野章君の総括質疑を行います。秦野君。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 最初に、教育関係なんですけれども、政府委員で結構ですが、留学生の問題で、日本へ来ている留学生がどのくらいで、そのうちアジアがどのくらいか。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) アジアというお話でございますが、現在約五千八百名でございます。統計的には古うございますが、五十二年の五月一日現在で五千七百五十五名でございます。そのうち、アジアは四千三百九十一名でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 日本から海外に本格的な留学生として出ている者はどのくらいありますか。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) ちょっといま資料を持ってまいります。――入管統計によりますと、約一万一千名でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 本格的には……。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) ちょっと恐れ入りますが……

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 大したことじゃないから、私の資料では、海外から日本へは、いまお話しになった五千七百、そのうちアジアが四千幾ら。日本から外へ出ているのは、本格的な留学生の数がいろいろ調べてもわからぬようですが、大体まあ一万はいないだろうと思うのですね。  そこで、次にちょっとお聞きしたいのは、交換教授、教授を交換するという、これがどのくらい数でありますか。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) 五十一年の四月一日から五十二年の三月三十一日までの数字を見ますと、学術研究のための海外渡航者の国立大学におきます分だけでございますが、七千百四十二名でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 交換だから、向こうから来ているのは。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) 失礼いたしました。同じ年度におきまして二千百八十六名でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 ソ連と東欧の教授交換あるいは学生交流、この数字をちょっと……。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) 先ほどの学術研究のための渡航の関係を申し上げますと、ソ連……

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 渡航じゃない。教授、講師。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) 教授、講師でございますが、ソ連には百八十一名、その他東欧諸国は二百一名でございます。  なお、受け入れの方を申し上げますと、ソ連からは八十五名、その他東欧諸国から六十名、以上でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 海外から金と人を持って来て、たとえば上智大学とか国際基督教大学とか、ああいうような金と人を持って来て日本の学校法人をつくっている、そういう大学、短大、高校はどのくらいありますか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) ただいまの御質問の、外国からのファンド等によって設置された例といたしまして、御指摘の上智大学でございますとかあるいは国際基督教大学といったような例がございますが、これにつきまして、明治以来いろいろな学校ができております関係もございまして、私ども精密にどこの大学がどの時点でどれだけのファンドが入ったというような調査はいたしておらないのでございます。  ただ、若干お答えがずれるかと存じますが、現在ございます大学、短大等で外国人ないしは外国人と思われる者が理事長とかあるいは学長に就任をしておるといったような数はございます。法人の理事長を外国人がなさっておりますものが六件、それから短大等を含めまして――失礼いたしました、理事長をなさっておりますものが十一件、それから学長等をお務めになっておりますものも合わせますと、全体で二十一のケースがございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 学長とか理事長を務めなくてもいいんですよ。学長は日本人でもいいんだが、要するに、外国人が教授陣の中におり、理事の中におり、それからファンドその他経常費も若干持って来ている、そういう大学が幾つあるかというと、これは文部省に統計がないんですよね。ないからしようがないんだけれども、こういうものは、私学補助で金もやっているんだから、ぼくは報告をとったらいいと思うんです。  それからいま一つ聞きたいのは、日本がちょうど外国のように金と人を持って行って向こうに学校をつくっている、その例はありますか。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) 英国ロンドンに立教学院が一校あるかと思います。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 立教学院は日本人だけでしょう。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) さようでございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 要するに、ゼロなわけですね、立教のは日本人の教育をしているというわけですから。  そこで、文化、教育について交流条約ないし協定を結んだ国がどのくらいありますか。

平岡千之外務省情報文化局文化事業部外務参事官

○説明員(平岡千之君) 文化協定と申しますものがございまして、これは教育も若干触れておりますが、十八カ国と結んでおると聞いております。そのほかに、文化取り決めと申しまして、これは一部の社会主義国とでございますけれども、行政取り決めでやっている国が数カ国とございます。  以上でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 安全保障条約には文化、教育の条項がありますか。

平岡千之外務省情報文化局文化事業部外務参事官

○説明員(平岡千之君) 安保条約の中にはそのような規定はございません。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 安保条約は、五一年に締結されたときには軍事的性格、六〇年安保のときに経済が加わった。文化、教育はうかつにも入っておらぬ。安全保障条約というのは、軍事が中核ではあっても、総合的安全保障政策という観点から見るとちょっとうかつさが歴史的にあったと、こう思うのです。つまり、歴史の洞察からいけば、国際間の安全保障というものはまさに総合的でなければならぬし、広い意味の文化交流、相手方の風土も理解する、そういうものなくして、大平総理が強調されておりますように、そういうものを入れなければ総合的安全保障条約とは言えないと思うのですけれども、どうも第二安保のときに、経済だけ入れて、ちょっとそこが足らなかったと思うのですが、将来これを穴埋めする何かチャンスがありますか、あるいはまた方法がございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 日米安保条約が時代とともにその目的が逐次変わっておりまして、一番最初は軍事が主であり、次は経済が加わったことは御指摘のとおりであります。この安保条約については、それぞれ手続がありますけれども、いまや安保条約というものの中心は、政治、政治の一番大事な文化交流、こういうものに人間と人間のつながりに移っていくのは当然でありますから、ただいまの御発言は十分留意をいたしまして、時期を見て検討したいと考えております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 安保条約の改定は、もうこれからは一年ごとの通告で廃棄という条項ですから、要するに永久的にこれを保持する、そういう体制だと思うので、安保が日本外交の基軸だということは結構なんだけれども、もう一遍安保を改定して文化交流協定を入れれば、これはもうデモなんかやる者は多分一人もいないし、それでもやるというのはちょっとおかしいんで、そういうおつもりはありませんか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御発言は、十分留意をして将来検討したいと考えます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 私学振興のための補助、これは今年度予算は、私も予算書を拝見しておりますけれども、大学に行く分はどのくらいになっていますか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 二千三百五十五億円でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 一般補助、これは教授の数とかいろいろ経常費補助ですから、特別的に補助するという額はどのくらいですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 予算総額の五%の範囲内で特別助成を行うことといたしております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 たとえば……。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 特別補助の例でございますが、従来行っておりますものには、いわば一種の特色ある教育といたしまして、ただいま御指摘の問題のような留学生の教育、あるいは国際交流的な仕事も含まれておりますし、それからこれから私ども考えたいと思いますのは、研究所でございますとか、それからいろいろな研究所の大型の設備、コンピューター等の維持費とか、そういった部面を取り上げていこうというふうに考えてございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 大体五%なら平均的に量的に配分をしているということですが、犯罪か何か犯して補助から外している、そういうのはどのくらいありますか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 私立大学等経常費補助金を受けていない私立学校は、昭和五十二年度の場合に二十校でございます。ちなみに、私立大学の総数は三百十校でございます。  その状況でございますが、一つは、新設校で完成年度に達していないものにつきましてはこれを補助対象から除外しておりますので、それらが十校。それから他省庁の補助を受けていることによりまして文部省の所管の経常費補助の対象とならないものが一校でございます。それから第三は、財政状況が健全でないもの。たとえば日本私学振興財団からの借入金の償還、利払い等を長期間怠っておるといったようなものがございまして、これが一校でございます。それから次が、管理運営が適正でないといったことで、たとえば学校法人会計基準に基づく経理の処理が行われていない、いわば経理の処理が不適正であるものが二校でございます。そのほかに、補助金の交付の申請を行わないものというのが六校ございまして、これの内容につきましては、もともと管理運営が不適正であるということからみずから申請を出してこないところもございますし、あるいはその学校法人の意思によって出さないところ、あるいは定員が三倍以上でございますと不交付にいたしておりますので、そういった状況下にある学校等がございます。――定員が三倍でございません、実員が定員の三倍でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 大体量的均分に補助をして、形式的に欠陥がないところはほとんど平均的に補助するというわけだけれども、これは私は少し考えが違うかもわからぬけれども、私学の補助というのは、現状からいくと、レジャー大学みたいな、パチンコ屋に補助しているのではないかと思われるようなそういう補助も入っているというふうに見るんですよ、大学の現状は。そういう意味で、さっきの社会党の質問とは逆になるんだけれども、補助をするときに、むやみに平均的にレジャー大学みたいなものに配ったって、教育の効果は上がらぬし、税金のむだ遣いだと私は思うのです。  そこで、法制局長官、私学に補助することは憲法八十九条に違反しませんか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) お答えを申し上げます。  憲法八十九条には、「公金その他の公の財産は、」途中省略いたしますが、「公の支配に属しない」「教育」「の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と、こういう規定があるわけでございまして、この規定につきましてはかねがね問題があることは確かでございますが、この憲法が審議されましたいわゆる制憲議会においても、当時たしか佐々木惣一先生だったと思いますが、こういう規定は日本の教育制度の沿革なりあるいは日本の国情に合わないのではないかというような御議論があったようなことを記憶しております。また、例の憲法調査会でも非常に慎重な熱心な御議論があったように聞いております。  ところで、現行憲法がいま申しましたようにはっきり書いているわけでございますから、公の支配に属しない教育の事業に対しては公金は出してはいけないと、これは明らかなんです。ただ、問題は、公の支配に属するというのが、一体どの程度の監督なり支配があれば憲法の要求を満たしたことになるのかという点にあるのだろうと思うのですが、そこで現行のいろいろな法制を見ますと、学校教育法には、学校監督庁が一定の場合には学校の閉鎖命令を出すことができるという規定もございます。また、私立学校法には、また一定の場合には所轄庁がその学校法人の解散命令を発することができるという規定もございます。これらの規定とあわせまして、私立学校法をつくりましたときに五十九条という規定を設けまして、そして、私立学校に対して国が助成をした場合には人事、会計等について監督ができるという規定を設けまして、まあこれらの規定を総合的に判断すれば、憲法八十九条の公の支配に該当すると見て  いいだろうという評価をいたしまして、そして、その後年々私学助成の予算も組みまして、国会の議決も経ているわけでございますし、また、昭和五十年には、ただいま申しました私立学校法の五十九条と大体同じ趣旨の単行法として私立学校振興助成法という法律が議員立法で成立いたしております。  そういう経過にございますので、私はもういまや現行の法体制のもとにおいては私学に対して国が助成をすることは憲法上も是認されるのだという解釈がこれはもう肯定的に是認され、かつ確立したというふうに考える次第でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 まあ脱法行為的だね、私はそう思うのです。そもそも憲法がそういう規定を置いたのは、私学というものは官公立大学のアンチテーゼとして存在する。だから、私学というものは、自分の力で自分の学校を育てるというところに創立以来の理想があったと思うのです。まあ私学にもピンからキリまでだけれども、私は、憲法九条の自衛隊が憲法違反だという解釈をとるのならば、それとのバランスを考えると、あれが違反だというなら、これも違反だと思うが、長官、どうです。林修三さんは私と同じ意見だよ。あなたのずっと前の長官だけど。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 御質問の趣旨がどうもはっきりしないのですが、憲法九条と、八十九条の先ほどの私立学校に対する助成とは、これはやはり問題は別なのであって、憲法九条のもとにおいて自衛隊を保有できるということは、またそれなりの説明ができるわけでございまして、それと、それから公の支配に属しない教育の事業に対して公金を使ってはならないというのとは、これはもう立法趣旨ももちろん異なりますし、どういう関係にあるのか、御質問の趣旨が実ははっきりとれないわけでございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 質問の趣旨は、自衛隊が憲法九条違反だというのならば、私学補助は八十九条違反ということになってしまうだろうと、その程度の差でしがなかろうと私は思うわけですよ。それで、あなたの方の役所の幹部に聞いてみたら、やっぱり、この私学補助をやるときに憲法上疑義があって反対したんだと、政治にやられちゃったんだと、こう言っていますよ。  私は、低所得者の個人個人に対する育英資金は、これは充実したらいいと思う。パチンコ屋と間違えるような大学まで同じように金を出すというのは、私はこれからの減速経済を考えても、こんなばかなことをやっておったら、私はこれは大衆迎合もいいところだと思う。まあ票が欲しいのかもしらぬけれども、やっぱりそこらはもう少し本音のところを言ってもらいたい。総理、いかがですか。まあ私学補助はなるべくふやした方がいい、ふやした方がいいと、こう言わないと、国会対策上困るかもしらぬけれども、しかし、もう少しまじめに、私学というものは一体福沢諭吉はどういうつもりでつくったか、そのほか、みんなそれぞれ建学、創立の精神というものがあるわけですね。これを文部省が指導するなんて大間違いなんだ。こういうものはほっぽっておけばいいんですよ。それで、だめなものはつぶれる、いいものは育っていく、これが私は原則だと思うのですが、総理、いかがでしょうね。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) まああなたが言われることも理解できないわけじゃございませんけれども、私学の創学の精神というか、そういうものをもう補助を受けたがために失ってしまったと見るのも少し酷じゃないかと思うのでございまして、先ほど私が申し上げましたように、どの国もいま私学の経営が財政的に非常に困難になっておるということでございますし、また、私学が国家有為の人材を育成してまいりましたことも事実でございますので、国がそういう財政的困難を見て見ぬふりしておられるかどうかということに対しましては、やや私は秦野さんと見解を異にします。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時から委員会を再開し、秦野君の質疑を続行いたします。  これにて休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時四分開会

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 予算委員会を再開いたします。  昭和五十四年度総予算三案を一括して議題とし、秦野君の質疑を続けます。秦野君。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 午前中の問題を若干補足してお尋ねしたいと思いますがまず、真田法制局長官ね、あなたの答弁は大変ふまじめな答弁だと私は思うんだよ。それはなぜかといったら、たとえば私立学校法五十九条があるから憲法違反じゃないとか、その法律があれば憲法違反じゃないなんということはおかしいんで、法律自身だって憲法違反の疑いだってあり得るんですよ。あり得るどころか、それがきわめて問題なんだ。だから、私が言っているのは、憲法九条は、自衛隊については憲法違反だという説があるから、もしそういう説を採用するのならば、私立学校に補助をするということも憲法違反の疑いがあるのではないかと、こう言っている。つまり、解釈の幅の問題を聞いているわけです。解釈論の幅の問題を聞いているわけです。条文の立法の理由が違う、そんなことはあたりまえですよ。承知していてでたらめな答弁をしちゃ困るよ。というのは、私学に解散権があるとか何だとか言うけれども、しからば、公の支配に属さない教育って何ですか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) およそ法令の解釈について一義的にぴしっと決まってしまうものももちろんございますけれども、多くの法令については解釈の幅というものは避けられないものでございます。それはおっしゃるとおりでございます。  それで、憲法九条と八十九条とを引き合いにお出しになって、そして、私のお答えが一貫していないとか、まあそういうような御趣旨の御反論でございますけれども、政府といたしましては、自衛隊の存在は、これは憲法九条に違反しないと、これは九条の解釈から来るわけなんですね。  それから八十九条と私学に対する助成との関係は、それは憲法八十九条に言っている公の支配の公のその中にどの程度であれば公の支配と言えるかというまた解釈の幅があって、その解釈の幅といたしまして、いまの学校の閉鎖命令とか、学校法人に対する解散命令とか、あるいは助成を受けた場合の特別の監督とか、それを総合すれば現行の法令体系は八十九条に言う公の支配という憲法の要請を満たしているというふうに解釈されると、こういう意味でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 公の支配でない教育って何なんでしょう、解釈。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 公の支配に属さない教育の事業というのが現行の法制上――突然の御質問でございますので、ちょっと思い浮かびませんが、少し時間をかしていただいて精査いたしまして、機会を得てお答えさせていただきたいと思います。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 文部省のだれか局長、政府委員でいいのだが、答弁をしてくれ。(「内藤さんが一番詳しい」と呼ぶ者あり)

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 秦野先生の御意見もごもっともでございますけれども、実は私が参議院文教委員長のときにこの私学振興助成法を通したんですよ。そのときに、先生のおっしゃられる憲法違反という説はなかったんですよ。そこで、お話しのように、文部省としてはいざという場合には閉鎖命令もできるし、監督権を持っているわけですから……

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 公の支配でない教育は何かと聞いているんです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 公の支配でない教育というのはね……

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 何ですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) それは、塾とか、塾なんかたくさんありますよ。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 はい、わかりました。  塾のために憲法八十九条があったとは私は思わない。したがって、もし自衛隊が憲法違反だという説があるならば私学援助も憲法違反だという、そういう解釈論を言っているんですよ。そうなるでしょう。だから、自衛隊がいいというのなら、こっちもどうやらいいのかなと、そういう問題なんです。解釈の幅のことを言っている。それをもう一遍。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 先ほど申し上げましたように、法令の解釈については、一義的に決まるものもあるけれども、多くの法令は解釈について幅があることはもちろんでございます。そこで、その幅といたしまして、憲法九条の解釈についての幅、それから八十九条の公の支配についての、その中身の解釈についての幅、いずれもその幅があります。ありまして、そして、私たちは、自衛隊は憲法九条に違反しない、それから私学に対する助成は、現行のような法制が整っておれば公の支配という解釈の中に入ると、そういう態度でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 文化交流の協定が各国と十七とさっき答弁がありましたけれども、日本のような先進工業国は共産主義なんかになるはずがない。その自信を持ってたとえば共産圏外交をやるということをやるのならば、対ソ外交なんかではもう少し文化、教育交流、言うならば教授の交換といったようなことを先頭に立てる、そういうものを外交の突破口にするということは私は自信を持ってやるべきだと思う。北方領土を返せ返せと言ってもなかなか返さぬ。返さなくってもこれはギャーギャー言ったらいいんだけれども、要するに、文化、教育を先頭に立てるということは、ひとりアメリカのみならず、共産圏外交についても一つの突破口として大変自信を持ってやっていいことではなかろうか。教授交換は、さっき説明がありましたけれども、実に微々たるものですね。いかがでしょう。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 私も全くそのとおりに考えております。したがいまして、文化交流をもっと拡大する、さらに文化交流のやり方ももっと細細とその国の実情に適するようにやる必要があると考えておりますが、その中の基本は教育でありますから、教育の交換、技術の交換等は先頭に立つべきものと考えております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 安保条約には文化、教育という条文がないわけでございますけれども、これはアメリカは日本とそういうことを結ばなくってもいいわというような意識があったかもしれません。それはしかしある意味ではアメリカにくっついていけばいいんだという意識だと言ってもいいかもしれない。しかし、私はやっぱり独立国として一つの見識を持って、そういうアメリカにくっついていけばいいという裏返しの意識じゃなくて、文化交流協定を十八カ国も結んでおいてアメリカとはないというのは独立国として見識としてまずいのではないか。しかし、いまはないんですから。今度の国会でフルブライトの協定が初めて出るわけですね。十八カ国も条約を結んでいる、協定を結んでいるのに、アメリカとは初めて出る。しかし、経済のいざこざがすでに出ていることは、文化交流というものが進んでいれば日本の特殊事情もわかってもらえる、お互いがわかってもらえるという背景があって初めて経済のいざこざも克服できる、こう思うのですが、そういう意味において、文化交流ということを、外務省も今度は文化事業部がなくなったりなんかしているんだけれども、外務大臣、どうですか、さっきの答弁ではちょっと情けないような答弁だと思うのです。もう少し文化交流ということについて具体的なしっかりした内容を、軍事と経済だけじゃない、その次に文化交流、むしろこれが先頭に立つんだと、そういう意気込みが必要であろうと思うのですが、いま一度ひとつ。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 日米の間には日米文化教育会議というのがあり、今国会でお願いをするフルブライト協定が出てくるわけでございます。文化交流というものはすべての基礎であるということは、こういう多極化、多様化した場合に外交を進めてまいりますと、それが如実にあらわれてくるわけでありますから、十分念頭に置いて進めていきたいと存じます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 総合的安全保障の言うならば一つのモデルというものを日米関係でつくって、そしてそれに右へならえみたいな方向がいいのじゃないかと思うのですけれども、午前中、私学にお金を大分使っているという問題があったんですけれども、誤解がないようにもう一遍申し上げますが、低所得者に対して育英資金を出すというようなことは大いにやるべきである。私は、そういうことで、別に教育に金を出すななんということを言っているのじゃありません。  それから同時に、学問研究、あるいは文化の交流というものを、午前中の質問の答えでもありましたけれども、外国からは日本に大学を人間と金を持って来てつくっている。こっちから向こうへは一つもやっていない。一ころ頭脳の流出などという被害意識さえあった。大いに頭脳も流出したらいいし、流入したらいい。そういう国際交流というものが非常に基本的に大事で、いままで国会の論議で日本人学校というものはしばしば論議されましたけれども、日本人学校というのは向こうの日本人を教育する。そうじゃなくて、向こうにたとえば、まあ企業はもうすでにアメリカ本田、アメリカソニーとかやっていますが、アメリカ早稲田、ブラジルは拓大、マレーシア東海大というふうに、もし政府が援助するなら、そういう国際的な、非常に国策からいってもいいというものに重点的に金を援助して、そして後ろからバックアップをすることによって本当の未来の若者の言うならば世界人、国際人を育てるという方向にお金を使うことの方がはるかに私は有意義だと思うのだけれども、これは政府が後押しをすればできる。利子補給とか、私学にも相当金を出しているんだけれども、出す目的というものを、ばらまきじゃなくて、もう少し重点志向でやる。とにかくこれからの国際下に日本が生きていくためには、未来の若者が、国際的な感覚というか、そういう国際人をつくる、日本という特殊な事情も理解してもらう、それが私は基本的に大事だと思う。そういうような私学の海外開拓といいますか、根っこからいっちゃう。学生がただ向こうへ半年か行って来て留学してきたなんて言っているのじゃなくて、根こそぎ向こうにこっちの支店をつくっちゃう。ICUは三分の二が日本人の教授で三分のは外国人教授ですが、大学教授も学生もミックスで向こうに大学をつくるというぐらいのことをやらんと、国際交流国際交流と口じゃいいけれどもみみっちいと思うんですよ。私は、その提案について、ひとつ総理、文化重視ということをおっしゃっておられますから、国際的に文化重視ということを具体的に実践していく、二十年、三十年先を目がけるということについて、そういうような方向にひとつおやりになるお気持ちがあるのかどうか。これは、そして、文部省にやれというのは無理なんです。これはたとえば五百億やったって、いままでの仕事があるから予算を分けちまう。総理大臣がばさっと大蔵省から何ぼか金をとって、やれと、こうおっしゃると、できるんですよ。総理のひとつ心意気をお願いします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 大変重要な示唆をちょうだいしておるわけですが、わが国は、この百年間だけ見ましても、文化の輸入にどん欲に輸入したわけでございまして、しかし、輸出はほとんど数えることができない。技術貿易を見ましても、十を輸入しまして一を輸出しておるという非常にアンバランスな状態にございます。したがって、わが国のあり方といたしましても、いまは経常収支の黒字の均衡化ばかり問題にしておりますけれども、本来、あなたが言われるように、文化交流はバランスがとれる状況にならぬといけないのじゃないかと、基本的に私はそう思います。だから、秦野さんの御提言は大変貴重なものだと思います。  その場合、それではどういう文化の交流やるかという問題でございますが、あなたは、教育機関、学校を向こうにつくったらどうかということでございますが、私は、受益国である国の希望を尊重して、それをできるだけお手伝いするというのが日本の態度でなけりゃいかぬと思うんです。だから、マレーシアに東海大学の分校を置くにいたしましても、向こうが希望しないものを置いてもしようがないんで、問題は、向こうがどういうことを希望しておるかということをよくくみ取って、それに対して日本がお手伝いする。だから、初めからあなたが言われるようにこれをやるんだと決めてかからずに、もう少し弾力を持って向こうの希望を一遍十分聞いて差し上げて、そして日本がそれに対してお手伝いをするという姿勢が私は望ましいのではないかということが一つ私の意見としてありますので、それはあなたもお考えおき願いたいと思います。  それから第三の問題として、それには大変お金がかかるわけでございますが、どういうことをやるにいたしましても金が先立つわけでございますが、わが国の経済協力は、いまとりわけそのうちの政府援助、開発援助、これを三年間に倍増しようということを内外に約束いたしまして予算化をいたしておるわけでございます。そして、それに対しては国民の理解もあるわけでございますから、私は相当な金を海外協力に使うことはできると思うのですが、その場合、経済協力は、事業を重点に置くか、教育とかマンパワーとか、そういうものに重点を置くかという置き方が一つあるのじゃないか。私はむしろあなたに賛成で、できるだけ事業よりやっぱり教育とか文化とか、その国の行政能力とか計画能力とか、そういうものを培うようなそういう援助が、向こうもそれを希望するし、してくるんだったらそれが一番望ましいのではないか、事業的な経済協力よりそのことの方が大事じゃないか、つまり、広い意味で文化的な協力が非常に大切じゃないか、その方が有効じゃないかというように感じます。  それから最後に、先ほど外務大臣から御答弁がありましたけれども、文化協力とか文化協定とかいうことをもう少し進んでやれということでございますが、私は文化というのには広い意味と狭い意味があると思うのです。広い意味の文化というのは、政治経済、いろいろなものを生かす作用があるわけでございまして、いまの安保条約というようなものも文化的視点からこれを運営していけばいいわけで、そういう意味ではもう文化協定がなくてもどんどんこれは運営上工夫がされておると思うんで、そういう意味の大きな文化の作用はあると思うのです。ただ、狭義に文化協定といっていま行政府でいろいろやっておりますることは、それはあなたが御主張になるように、十八や十九でなくて、もっと広く結んでしかるべきものと私は思います。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 総理ね、向こうがいやだというものをやれというのじゃなくて、向こうも大変歓迎する、それから私学当局もそういうことをやりたいと。東海大ではロサンゼルスに今度高校をつくると言っていますけれども、それはミックスなんですね。向こうの人も入れる、先生も両方だと。まあいずれにしても無理にはだめなことは決まっているんですけれども、そういうことを私学が海外にまで先頭に立ってやるというのなら、政府はバックアップしますよという姿勢だけでいいわけですよ。これは無理にやっちゃいかぬことは決まっている。それからこれはいままでの経済協力の援助とは性格がまるっきり枠が違うわけですから、要するに生徒も学生も教授もミックスで向こうに向こうの学校をつくる。しかし、実質的には、上智大や、キリスト教大学や、聖心や、フェーリスや、いろいろいい学校が来ているんですけれども、向こうからどさっと来ているのに、こっちは一つも行っていないというのは一種の片貿易ではないか。そのことの姿勢の問題ですね。つまり、そういうことがあるならひとつ大いにバックアップしましょうと、このことをお尋ねしているわけです。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) よくわかるんです。ですから、経済協力のやり方としてそれに力点を置いていくということは、私はあなたと同感でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 そういうような私学の機運が動けば、政府としては私学にいろいろ金を出していますけれども、それは非常に意味のあることだから、重点志向でひとつやっていこうではないかと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) そういう計画が出てまいりますれば、十分吟味してみたいと思います。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 その場合に、人文系の学問だと若干の制約があろうかと思いますけれども、たとえば中進国なんか、技術の問題ですね、医者でも薬剤師でもその他技術が非常に欲しいというところがあると思うのですね。そういうものは、そういうところが重点の学校ということは可能だと思うのですよ。そういうようなことで、要望があったら、いま私は私学援助をやめろなんということは言いませんけれども、重点的にもうちょっと国策に沿うた配意をしていただきたいというふうに思うわけです。そういうことによって、言うならば新しい学問研究の国際化の一翼を担い、新しい国際時代に生きる、少なくとも未来に向かって生きる、そういう土壌づくり、土台づくりが必要ではないか、こう思うわけです。  次に、大都市問題にちょっと触れたいのですけれども、大都市の人口集中の過程と現状を、特に東京とか大阪とか横浜とか、そういうところだけでいいんですけれども、お願いします。

島村史郎総理府統計局長

○政府委員(島村史郎君) まず東京都について申し上げますと、国勢調査の結果によりますと、昭和三十五年以降の人口増加率を見ますと、大体三十五年から四十年までは東京を中心にしまして二十キロ圏から三十キロ圏、これの人口増加率が実は四〇%というように非常に大きくなっております。ところが、四十年から四十五年、それから四十五年から五十五年までは、いずれも一二十キロから四十キロにその増加率の最大の幅が移動いたしまして、三十キロから四十キロ圏で大体四三・六%、あるいは四十五年から五十年は二九・七%と、こういうふうな増加率になっております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 四国御出身の総理にちょっと意地悪質問みたいになって恐縮なんですけれども、そういう意味じゃなくて、公共投資の日本列島全体に対するバランスということを考えての発言でございますからお許し願いたいのですけれども、千葉と四国を比べてその統計を、自治省がつくっている行政投資の実績ですね、行政投資というのは公共投資を含めて国も県も全部ひっくるめての話で旧すけれども、これの統計がこれには四十年から五十一年まであるのですが、これの人口の比較と行政投資の比較、これをちょっと説明してください、自治省。

石見隆三自治大臣官房審議官

○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。  行政投資実績調べによります昭和四十年度の千葉県の行政投資実績は九百十三億ということになっております。同年度の四国四県の合算額は九百五十八億でございます。その時点におきます人口は、千葉県が二百六十九万人、四国四県で四百十七万人となっております。  なお、昭和五十一年度でございますが、千葉県の行政投資実績は七千四百十七億円、四国四県合わせまして七千二百四十五億円と相なっております。同年度におきます人口は、千葉県の人口が四百十九万人、四国四県で四百十一万人ということに相なっております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 人口は千葉が結局五割五分ふえている。片っ方四国全体は若干減っているわけですね。行政投資はまあ五十一年度は似たり寄ったりというわけですが、このほかに、さっき説明の中にあったと思うが、東京、神奈川の人口増というのが、神奈川なんか五割増しでございます、一五〇%。東京も百万以上ふえているという数字になっているのですけれども、一人当たりの税収の上位五府県というのをちょっと大蔵省から挙げてくれませんか。――自治省かな。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 手元にちょっといま資料を持ち合わせておりませんが、地方税収入で上位五府県と申しますと、地方税だけで申しますと、東京、大阪、愛知、神奈川、静岡が上位五府県でございます。国税を合わせました数字はいまのところ手元に持っておりません。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 GNPに当たる言うならば県民所得、総所得の千葉県と四国全部をちょっと比較してくれませんか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) これは私どもの調査でございますので、あるいは企画庁その他の調査とは若干違いがあるかもしれませんが、上位から申しますと、東京、大阪、神奈川……

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 千葉と四国だけでいいです。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 千葉と四国ですか、失礼しました。  千葉県が、昭和五十一年度で一人当たり百二十四万八千円でございます。それから四国は、徳島県が百七万九千円、香川県が百十三万二千円、愛媛県が百十一万六千円、高知県が百七万一千円、大体百十万円前後という数字でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 トータルすると、やっぱり千葉の方がちょっと多いんですよね。  そこで、道路局長に、東京湾岸道路、これは十四車線の湾岸道路、これが計画がいつであったか、これは日本最大のバイパスとも言うべきものだと思うのですが、どうですか。

山根孟建設省道路局長

○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。  ただいま先生おっしゃいましたように、東京湾岸道路は延長約百六十キロございまして、車線数としては十四車線ということでございますが、場所によって若干異なりまして、高速道路と申しますか、自動車専用道路の部分が四車線ないし六車線、一般国道と申しますか、いわば地域をバイパスするというような感覚の道路が往復それぞれ二車線ずつで四車線、それからもっぱら地域サービスをいたします道路が片側二車線ずつの四車線、そういったことで、合計一番車線数の多いところでただいま先生のおっしゃいましたような数字になるわけでございます。その意味では、最も規模の大きいバイパスというぐあいに申せようかと存じます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 日本最大のバイパスをつくる計画が三十七年ぐらいから始まったのですが、その理由はどこにありますか。

山根孟建設省道路局長

○政府委員(山根孟君) 三十七年当時から始まっておりますが、やはり考え方としましては東京を中心といたしました都市機能の分散及び再編成、東京湾沿岸地帯に立地をいたしますいろいろな都市施設、都市機能を効果的に連絡をいたしまして、交通の強化を図り、物流の合理化を図って、全体として均斉のとれた都市づくり、首都圏の基幹づくりにいたそう、こういう考え方でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 ちょっと抽象的なんで、運輸省に伺いますが、東京湾には港が幾つあって、どういう港で、年間の取り扱いトン数、それが日本全体の中でどの程度か。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) お答えいたします。  まず、東京湾の中の港湾でございますけれども、特定重要港湾といたしまして横浜港、川崎港、東京港、千葉港、それから重要港湾といたしまして横須賀港、木更津港がございます。  次に、東京湾の港湾取り扱い貨物量でございますけれども、昭和五十二年四億四千六百万トンというふうに集計されております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 東京湾は、六つの港、特に特別指定重要港湾が四つある、取り扱い貨物四億トンちょっとというと、これは、日本で貿易を含めて一番最大の荷物を取り扱っているという港なんです。さっき道路局長が抽象論で言っていたけれども、国際化の中で、国際貿易の中で、港があるけれども道路がろくにないということは、これはもう非常にまずいんで、具体的には私はそういう物流の関係ですね、これは正直に言って物価にも関係する。横浜からたとえば千葉まで、昔は三往復行けた。いま一往復しか行けない。公害問題があります。いろいろな問題があって、すぐれて都市問題だというふうに思うのですが、この東京湾岸道路というものは、いろいろな条件から見て、背後地における大都市、産業、日本の経済、国民経済を担う、そういうことから考えて、この湾岸道路の建設というものを計画されたことは私は非常にいいことだったと思うのだけれども、同時に、これは端的に言えば大都市圏のバイパスなんですよね。日本の建設や国鉄やそういうところが考えるバイパスとか駅ビルとかという発想は、すぐれてこれはみごとな――役人が考えたかだれか知らぬが考え方だと思うのですけれども、動脈バイパスを湾岸に通すということによって、またそこから枝をつくりやすくなる。住民がけつを持ち上げる。いま、何か、本店を先にやらないで支店の方をやるというから、これは逆さまなんであって、動脈を先にやることによって、本社を先につくって支店をつくるということでないと、正直言ってだめなんです。この湾岸道路は幸い土地問題が埋立地でございますから比較的やりやすいし、公害問題もとにかく通過交通を向こうへ通せば、いま道路局長の具体的な説明はないけれども、通過交通をトラックなんかを向こうへ通せば、すでにトラックなんかいま通っているところでも混入率は五十数%になっておりますから、あの大きなトラックなんかが町の真ん中をトコトコやっていれば、きのうもわれわれ公害の関係で現場の大気汚染の関係を視察に行ったんですけれども、それはやっぱりいろいろな問題がふくそうしておりますので、この湾岸道路を政治の優先順位として、いままでの考え方でいくと、いままでの予算投資でいくと、二十何年もかかってしまう。この湾岸道路を私は四国の橋と比べて恐縮なんだけれども、日本の置かれた国民経済の維持、国際的な関係、港が死んでいる、そういうことから考えると、すぐれてこれは優先順位を高めなきゃならぬ、こういうふうに思うのです。  これは後でひとつお答えを願うとして、技術的には、技術的よ、お金の問題は別として、与えられたパイの中で仕事をする、しかも減速経済、なかなかむずかしいと思う。しかし、そのことは抜きにして、技術的に何年でできますか、これは。

山根孟建設省道路局長

○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。  軟弱地盤、さらに沈埋トンネル、あるいはかなり大きな橋梁といったような、いわば水の中につくります大きな構造物があると、こういったことから、私ども技術的な観点から申しますと、おおむね十年ないし十五年、まあ大体そういった範囲のプロジェクトであろうというぐあいに考えております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 企画庁の四十七年の経済白書で、この間も質問が出ていましたが、就業人口が一千人ふえると三十四億の社会資本がかかるというのが白書にあるのですけれども、これは運輸省にちょっと聞きますけれども、地下鉄はいまキロ何ぼかかるか、それから地上鉄道はキロ幾らかかるか、これを四十七年経済白書ができたときと今日と比較してちょっと説明してください。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) お答えいたします。  地下鉄の例で申し上げますと、営団地下鉄の半蔵門線、これがキロ当たり二百十一億かかります。それから都営の十号線、これもキロ当たり二百七十億円かかります。これに対しまして、国鉄のいわゆる高架線でありますが、京葉線が四十二億、小金線はもう開業しておりますが、これは二十三億、それから横浜別線、これが約四十四億円かかります。これらはすべてほとんど現在価格でございますが、御指摘の四十七年あたりで申し上げますと、八十億ないし八十二億キロ当たり地下鉄はかかっております。それから高架線につきましては、やはり十数億四十七年程度ではかかっております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 物価上昇率でいけば、確かに三十四億がいま六十一億ぐらいのことにこの間の政府答弁でなっていましたけれども、実際の値上がり、特に用地の問題等を考え、いままた地下鉄とかそういった都市の施設の関係からいくと、やっぱり三倍とか何かになっちゃうのですね、正直言って。それから水道を取り入れるといったら、遠くから水を持ってくる。ごみを捨てるといったら遠くへ持っていかにゃならぬ。工事といったら、昼間はできないから夜やるといったら工事費は高い。やっぱり都市というのは非常に金がかかる。金がかかるからほっぽっておいていいということはないのだろうと思うのですが、そこで、企画庁が四十七年の経済白書では一千人ふえれば三十四億と言った問題は、いまとなれば非常に高くかかっちゃうのだけれども、これは一つの試算ですからなんですけれども、七ヵ年経済計画を経済企画庁がおつくりになった。この投資と投資項目ですね、これをちょっと説明してくれますか、計画局長。

喜多村治雄経済企画庁総合計画局長

○政府委員(喜多村治雄君) 基本構想では、五十四年から六十年度までの累積を約二百四十兆としておりますが、基本構想に掲げられております、十二項目ございますが、環境衛生三十三兆五千八百、公共賃貸住宅十三兆五千、厚生福祉五兆四千二百、文教二十兆八千、道路四十六兆ちょうど、鉄道十七兆七千五百、港湾六兆八千五百、航空二兆七千五百、電気通信十三兆、国土保全十七兆八千、農林漁業十八兆一千五百、その他三十九兆六千でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 この新経済社会七カ年計画ですね、いまのような内容、これはしかし配分の問題ということはないわけで、まさにこれからという問題だと思うのですけれども、これは経企庁長官、地域配分という問題は各省に非常に関係はもちろんあるので調整をされるのだろうと思いますけれども、いろいろ大都市問題のひずみというか問題でとにかく金がかかる。一遍開発したところも再開発しなければならぬ。そういうことは地方都市よりもすぐれて過密都市に多いので、非常に金がかかるということは、さっきのいろいろな数字、それからまたそれはそれなりの貢献というか効果もあることであって、この新経済社会七カ年計画の実施に当たって、地域の配分ということが一番の問題になると思うのです。田園都市という構想が総理から出たが、大都市というものは田園都市から除かれるわけではないわけでございましょう。しかし、大都市は除かれないけれども、大都市の田園都市というものは、普通、田園都市と考えたときに、ちょっと現状は非常に距離感があるということだと思うのですね。大都市の田園都市というのはどうつくったらいいのだろう。つまり、大都市に田舎のような要素を入れて田舎の方に近代的な都市の要素を入れる、抽象的にはそう言えるけれども、現実の大都市を田園都市ということにすると、どうしても距離感がある。距離感があるのは無理はないんで、都市対策は一遍にはできないけれども、とにかく地震が来たら逃げ場もないといったような状況がありますから、私は、この七カ年計画の地域配分という問題について各省ともよほど力を入れていかなければなりませんが、湾岸道路なんというものはまさに一つの突破口であろうというふうに思うのですが、まず企画庁長官と建設大臣、国土庁長官、この点ひとつ御答弁願います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) いま秦野委員からの仰せの大都市に対する投資の問題は、これは非常に重要な問題であるし、投資効果ということだけでなしに、特に東京などの過密、密集、そしてまた生活環境の改善の問題、山のようにあるわけでございまして、こうしたことがまずその突破口として湾岸道路というものが計画されたということは、私は大変意義のあることだし、特にまた、後ほども各省大臣からお答えがあると思いますが、私といたしましては、この湾岸道路というものの完成を早めるという方向が、わが党並びに政府の大都市に対する姿勢を具体的に示すものだというふうに考えております。

渡海元三郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(渡海元三郎君) 湾岸道路、これが首都圏の再編成と申しますか、首都機能を高めることにおいて重要なる意義を持っておるということは、秦野委員お説のとおりでございます。百六十キロでございますが、都市計画もすでにその八〇%、百三十キロできております。一般有料道路でございますが、千葉までは大体八十キロにわたって供用も開始しておる状態でございます。しかし、これを画期的に進めていくために、横浜の方の都市計画、これを進めていただきますとともに、そのために一刻も早く間に合わすようにベイブリッジも本年度から着手するという姿をいたしました。  また、一番の問題でございます千葉-神奈川をつなぐ東京湾の橋、あれもいままで五億程度の調査費をつけてきたのでございますが、二億をふやしまして、少なくとも第八次道路五カ年計画中に着工できるという姿で調査を具体化していくということをやらしていただきたいと、こう考えております。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 国土庁長官ね、さっき申し上げたように、やっぱり大都市を田園都市としなきゃならぬ。しかし、田園都市と言った場合に、現実には距離感があるということをお認めになるでしょう。この距離感を埋めるという努力は非常に大事だと思うのですが、関連の御答弁でそのことを含めてお願いしたいと思います。

中野四郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(中野四郎君) 率直にお答えを申し上げます。  大都市地域における定住構想をば計画化する上においても、湾岸道路の速やかなる完成をこいねがっておる次第であります。  以上でございます。

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○夏目忠雄君 関連。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 関連質疑を許します。夏目忠雄君。

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○夏目忠雄君 総理は、就任早々、いわゆる田園都市構想というものを発表されまして、この指導理念のもとに既存の政策の配列を見直す、そのために必要な権限と財源は地方に大幅に移譲しよう、こういうことを申された。私はもう非常に――私の自論は、要するに既存の政策というものは縦割りで金でつる政策なんだ。これを見直して地方に責任を持たせる。いまのようなやり方をやっていると、地方行政というものは親方日の丸になる、物ごい行政になって結局第二の国鉄になってしまうということを非常に心配しておったから、総理のその発言に私は非常に感銘し、深い敬意を表しておったんです。ところが、二月一日ですか、この構想を一歩進めるに当たって、関係十六省庁の合意を見たという文書が発表された。それを見て私は実に唖然としてしまった。というのは、美辞麗句は並んでおる。しかしながら、いままでの既存の政策を見直すというものに対する真剣なアプローチが一つも出ておらぬ。あるものは、ただ定着圏構想というものを進める、こういうことだけだ。定着圏構想というものは、私に言わせれば新しいただ補助金政策を一つふやしたというだけなんだ。国土庁は、いやそうじゃないと言うでしょう、恐らく。そうじゃないとおっしゃるけれども、補助金とか補助率のかさ上げなんということは考えていないとおっしゃるけれども、しかし、そこへ財源的な裏づけ、事業費なり起債なりの重点配分をするということになれば、やっぱり財政的な裏づけで金でつるということなんだ。だからこそ、各市の市長さんはみんな指定騒ぎを起こして、かつての新産都市の二の舞いを演じようとしている。新しいただ補助金政策を一つふやすというだけに終わったこの二月一日の十六省庁の合意というのは、総理のねらっておるところを真正面に取り組まないでやっておる、こういうふうに私は見ざるを得ないのであります。この点、ぜひひとつ走っている方向を私は直してもらいたい。私は自治大臣に申し上げたいんだが、自治省は従来から折に触れ時に応じて地方分権の主唱者としてやってきておったんだが、この際、いたずらに受け皿はどうだとかという受け皿論争とか地方債による先行方式だというような小手先のことではなくて、とにかくできないことはやらない、できないことは言わないという総理のもとに、総理がはっきり必要な権限と財源は地方に任せようと言っておるんですから、自治省にとっては千載一遇の好機なはずだ。そういう小手先の論争よりは、真正面から取り組む姿勢はありませんかということを自治大臣にお聞きしたいのであります。  それからそうは言うても、大平さんが言うように、私は片っ端からそうはでなことができるものだと私も思わない。思わないけれども、たとえば、私はたとえばで二点だけ挙げまするが、たとえば幼稚園、それから厚生省の保育行政、これなどは総理が言われておる家庭生活の基盤という上から見れば非常に大事な問題なんです。この二つのセクションを一つのものにまとめてやるというモデルシステムをそういうことから取り組んでいったらどうだ。また、私が調べたところによりますると、農村地帯の集合研修、保健体育、こういったような補助金行政が、要するに農村に鉄筋コンクリートの建物をつくって、集まったり、指導したりする建物だ。この建物をつくるのに、農林省の中で地域計画課、構造改善課、就業改善課、国土庁では豪雪地帯振興課、厚生省では地域保健課、栄養課、母子福祉課、まだある、十幾つ。農村にコンクリートの集会施設の建物をつくるのにこういうことをやっているわけだ。これなどは一まとめにして、挙げて地方自治体に任せるというようなシステムを真正面からお取り組みになったらどうか。モデル地域というものは一県に一つということではなくて、各省に一つずつモデルシステムをおつくりになったらどうか、こういう私の考え、これに対する国土庁長官のまとめ役としての御返事をお聞きしたいと思う。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 時間が参りました。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 田園都市構想の具体化に当たって地方分権を実現すべきではないかという御指摘でございますが、基本的な考え方としては私はもう全く賛成なんです。ぜひともそういう方向に進めていきたいと強く念願をしておるわけでございますが、言うまでもなく、この問題は国の行政構造というものに深くメスを入れなければできないわけでございますから、これはもう直ちにやるとかやらぬとか、そういうことを申し上げる段階ではございませんが、私としては基本的な方向としては地方分権の確立の方向に向かって着実に取り組んでまいりたいと、このように考えています。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 夏目さんが前段仰せになったとおりの気持ち、全然変えておりません。それを直ちにことしから具体化するとか予算化するとかというようなことでなくて、大事なことでございますので、いま各省庁の協力を求め学界その他の知謀をおかりいたしまして構想を練っておるところでございまして、あなたが最初に言われたような方向に勇敢に持っていくつもりでいまから思索してまいるつもりでございます。

中野四郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(中野四郎君) いろいろなお答えがありましたものですから率直に申し上げますが、夏目先生のモデルシステムの新しいお考えについては貴重な御意見として承っておきたいと存じます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○秦野章君 終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で秦野君の総括質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、野田哲君の総括質疑を行います。野田君。

野田哲日本社会党

○野田哲君 まず、総理と総務長官に元号の問題で二、三伺いたいと思います。  最初にちょっと資料を総理と総務長官に見ていただきたいと思います。――いま総理と総務長官に資料をお見せしたんですが、一九二七年発行の講談社の「婦人倶楽部」一月号、それから「週刊朝日」の同じ一月号、これをお見せしたんですが、大正十六年となっていますね。謹賀新年の広告が大正十六年元旦という形で出ている。総務長官、大正十六年というのはいつのことですか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 一九二七年。

野田哲日本社会党

○野田哲君 大正十六年というのはないですね。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) ございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 ない大正十六年がなぜこういうふうな印刷物で全国に出るようになるんでしょうか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 大正十六年の資料を見せていただきましたが、「中央公論」その他にそういう年の表示があっておるわけでございますが、御承知のように、月刊誌あるいは週刊誌等はその発行日前に発行されるというのが今日までの通常の例でございます。そういう点から見ますと、すでに改元の時期が、その発行された発行日以前に、そういう事態が起こったということでございます。しかし、それ自体が事実といたしましてはどうも発行日以前に発行されておって、その後に践祚後の改元が行われたということで、実際上では不都合が生じておることは私も了承できるわけでございまするけれども、しかし、それは国民の良識と英知で、特にそれを書きかえねばならぬとかいうようなことでなくて、それを読みかえながら国民は理解してきたものであろう、そう拝察をいたしておるところでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 五十数年前ですから、印刷物の量も今日とでは比較にならない。現在の方が量が多いわけですが、大体、こういう状態が起きるのは今日ではどのぐらいの印刷物になると推定されておりますか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) いま御指摘のありました大正の末期と現在、そうした時期的な事情の差あるいは場所的な問題等もあろうと思うわけでございまするが、いまそれをどのくらい影響するかというようなことについては、私どもの方で、ああした過去において改元をいたしましたときのそのままの事情で改元ということを行った場合には、どの程度どういうところに影響するであろうかということを、いまある程度の詰めをいたしておるときでございまして、どの程度あるかということをいまはっきりお答えできないことをお許し願いたいと思うのでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁長官、あなたの方で「早期警戒機の導入について」という文章を登載されている「防衛アンテナ」、これは何年何月号ですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 五十四年二月号でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 表紙を見てみなさい、表紙を。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 「五十四年二月」ですね、「一九七九年フェブラリー」とございます。西暦と元号と併用いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 国土庁長官、これは総理府の所管になるか、おたくの所管になるか、政府で十勝沖地震の対策本部というのをかつて設置したことがありますが、この告示は、この対策本部はどういう名称で告示されておりますか。

四柳修国土庁長官官房審議官

○政府委員(四柳修君) 一九六八年十勝沖地震非常災害対策本部でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 総務長官、政府が発行している文書や告示にもそういうふうに西暦が使ってあるんですが、何か今日までそのことで不都合がありましたか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 特別不都合は生じておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 総理に伺いますが、この前の大正から昭和への改元に比べると、今日では国民に触れている印刷物、これはもう全然比較にならないほどの量があるわけです。これが皇位の継承による改元ということで、この例に見られるように大変な混乱の起きる印刷物となって国民の手に渡る、こういう状態の混乱が想定されるわけですが、総理大臣の所見を伺いたいと思うんです。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) それを混乱と見るかどうかということでございますが、先ほど総務長官もお答えいたしましたように、国民の常識で判断して特別の支障は生じていないのではないかと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 特別な支障が生じていないということであれば、政府自身が使っておる二、三の例をいま出しましたけれども、西暦を使っており、これにも何ら差し支えはなかったということです。これの方が間違いがなくて支障がないということであれば、なぜあえてこういう混乱が起きるようなことをなさろうとするんですか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) いま野田議員からは、混乱が生じたことをなぜするかという御指摘でございますが、いまも総理からも私からもお答えを申し上げましたように、私は多少のそうした問題が生ずることは理解できるわけでございまするし、また、それをいよいよ実施の際にそうした点において混乱が起こらないように、また経済的な負担等を極力少なくするための対処もしなければならぬという準備もいたしておるわけでございます。したがって今日まで西暦を、たとえば外交文書のごときものでございますれば西暦をお使いいただく、あるいはまた一つの通年制、長い期間を通して一つの計算をする通年的なものがやはり使用上必要であろうという利便の点から考えられ、あるいは外交的な折衝の際に考えられるものであれば西暦でも結構でございます。その他の公的な手続でございまするとか文書は、法制化した場合には、元号をお使いいただきたいということで今日までもやってまいっておりまするし、今後も、それをやって特に私は混乱が多く起こり、不都合が起こるということにはならないと判断をいたしておるところでございます。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 都合により、午後三時十五分まで休憩いたします。    午後二時十分休憩      ―――――・―――――    午後三時十八分開会

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 予算委員会を再開いたします。  昭和五十四年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き野田君の質疑を行います。野田君。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁長官に。防衛庁はE2Cの選定経過については問題はないと確信をしていると、この確信は一体どういう理由に基づいてこういう表明をされているんですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 防衛庁におきましては、あらゆる機種を通じまして防衛上の見地から、純粋に専門的、技術的な見地から決定いたしてまいっておりますけれども、特にこのE2Cにつきましては、この選定の経過等につきまして関係資料も究明し、また部内におきまして十分調査いたしましたところ、これにつきましてはいささかも選定経過に不正はないと確信いたした次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 どのような調査をやられたわけですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) これはちょうど一月の五日にアメリカのSECの報告が伝えられましたことから、特にしさいに部内につきましても聴取しますとともに、関係会社につきましても事情聴取いたしましたし、なお、その選定の経過等につきましてもただした結果、不正はないものと確信するに至った次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 その調査は、部内とそれから関係商社からの事情を聞いたと、こういうことですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) さようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 不正があるかないかということは、これは現在法務省検察当局において経過についての調査がされているわけでありますから、その結果を待って不正があるかないか、これが判明するわけじゃないんですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 仰せのとおり、その点につきましては、私どもの調べました限りにおきましては十分調べましたが、その手の及ばないところにつきましてはしかるべき筋において解明されると思うわけでございますが、われわれの調査した限りにおいては不正はなかったものと確信した次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 われわれの手の及ぶところでは調査をした、及ばないところは捜査当局の結果を待つ、こういうことですね。  そうすると、防衛庁の方は問題はないと確信している、こういうことで予算の計上をされているわけですが、総理としては、不正はない、こういうふうに考えておられるわけですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私は防衛庁の報告を信頼いたしております。と同時に、この問題について一部に不正、疑惑があるということは承知いたしておりまして、それはそれとして厳正に究明していかなければならぬと思っておりまするけれども、機種の選定、そしてこれに絡まる予算の執行につきましては、それと切り離して政府の責任でやらしていただきたいと念願しております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁に対して、このAEWについてのメーカーあるいは代理店とか、あるいはMDAO、こういうところから売り込みの話があったのはいつごろですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 御指摘の点につきましては、基本的にはE2Cは、るる申し上げておりますとおりに、防衛上の見地から純粋に専門的、技術的に選定いたしました次第でございますが、なお、これらにつきましての情報であるとか資料の提供を受けていることは事実でございますけれども、それらにつきまして具体的には政府委員の方から答弁いたさせます。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) ただいま御質問ございました商社等につきましては、表敬的な訪問はあったようでございますが、いつ、だれが、だれのところへ来たかという記録は必ずしも特にございません。  ただ、申し上げられますことは、商社等は自衛隊機あるいは軍用機につきましては、その性能の秘密の面等につきましては十分承知しておらないわけでございますので、機種選定に役立つような説明はできないわけでございまして、そういう意味で調査団等を派遣しまして本格的な機種選定に関する調査をする、こういうことでございますので御理解いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 表敬というのは、どこのだれがだれのところへ来ますか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 先ほど申しましたように、具体的な記録はございませんので、ただいま御説明する材料は持っておりませんので御容赦いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうおっしゃるんであれば、これは文部大臣にちょっと突発なことですが伺いたいと思うんですが、国語で一とんざを来したという意味はどういうことですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私も国語の専門家じゃないんですけれども、一とんざを来したというのは、そこでちょっとストップしたということですね。

野田哲日本社会党

○野田哲君 進行中のものが一とんざ、ちょっとそこでストップした、こういうことですね。  防衛庁長官、日商岩井の海部八郎氏の釈明文というのが発表されております。この発表文によると、「AEW機は国産にするという大きな方針が出まして、私どもの販売は一頓挫を来したわけであります。」と、こういうふうになっております。つまりAEWの国産化の方針が昭和四十六年四月一日に中曽根長官の発表によって行われたわけですが、その前に日商岩井の売り込みが進行していたからこそここに一とんざを来した、文部大臣のおっしゃるとおりです、ちょっとストップした、こうなっておるんですが、どうですか。事実はありますか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) AEWにつきましては、三次防の大綱でAEW機について国内開発の方向でいくという大綱の決定がございます。それ以来ずうっと国内開発というような方向――ただし、三次防は決まりましたが、一銭も予算はついていない、そういう状況ではございますけれども、とにかく国内開発という方向でいったわけでございますから、防衛庁で輸入をするというようなことに決まったことはそれまでないわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 国産開発が決まる前に、日商岩井の海部八郎氏の釈明文で、国産開発が決まったからそこで一とんざを来したと、こういうふうに海部さんは表明されているわけですから、それまでは進行していたわけなんです。これを事情調査をされましたかと、こう言うんです。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) お答え申し上げます。  ただいま政府委員から申し上げた次第でございますが、この問題につきましては、国産に決まったとか輸入に決まったとか言うてはございませんで、いろいろ、国産にもしたい、また、それが国産であったら金がかかるじゃないかとか、いろんな議論がありまして、政府としてどちらかの方向に決まったというのは、いまの御指摘の段階では決まっていなかったと御了承願いたいと思う次第でございまして、ただ防衛庁の中におきましては、国産開発化ということが望ましいという意見はございましたけれども、政府としていずれなりとも決まっていなかったというのが実情でございますので、申し上げる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうおっしゃるんであれば、昭和四十六年四月一日に当時の中曽根防衛庁長官が早期警戒機の国産開発を発表されているわけでありますが、その発表の全文はどういう内容になっておりますか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 四十六年の四月の一日に早期警戒機につきまして国内開発の方針をとるということになりましたが、それにつきまして、中曽根大臣は、一つは「低空侵入機に対処するため、早期警戒機の整備は必要である。」、二番目が「内外の情勢をみた場合、ある程度開発に要する時間的余裕があると認められるので、購入という方針をとる必要はない。」、三番目に「国内において開発する能力があると認められ、技術の波及効果を考えると国産の方が有利である。」、四、「米国で開発中のE-2Cは、その性能が証明されていない。」、五、「経費的にも導入と同程度のもので実施できるとの目算もある。」、それから六番目、「緊急の必要がある場合には、必要な応急措置をとることとする。」、そういうことで、これは四次防でどうするかということについての四次防原案についての考え方を述べられたものでございまして、それで三次防につきましても、先ほど申しました三次防の大綱では研究開発をするということにはなっておりました。なっておりましたが、それについては一銭も予算がついてない、そこで四次防でどうするかということにつきましてこういう方針を決められたわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛局長はちょっとそこの肝心なところを省略されて答えられておるようですがね、外国メーカー提案のAEW機の機能は必ずしも証明されていない、こういうくだりがありますね。この外国メーカー提案のAEW機、これは一体どういう機種をどこのメーカーがどういう経過で提案をしてきたわけですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 四十五年に、これはまだAEWというものを一体いつ導入するかということは全く決まっておりませんでしたが、どういうふうにしたらよろしいかということにつきまして調査団が出ました。で調査団が出ましたときに、アメリカに参りまして、米海軍から、E2Jというものはどうかという提案があったと聞いております。E2Jというのは、当時のE2Bの日本版と申しますか、E2Bは海軍機でございますが、これを陸上機に直したようなタイプの型の提案があったわけでございますが、それについては、調査団が行きまして乗ったわけでございますが、若干このE2Bでは運用上不安なところがあるという点がございました。そういう点も多分考慮された結果、ただいまの国内開発という線に落ちついたものと聞いております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 調査団に対して話ということじゃないと思うんです、外国メーカー提案のという中曽根長官のこの談話は。これに続いては、完成機を数機買う考え方もあったけれども、それだけの金は国内で将来のために生かした方がいい、こういう項目が談話の中にありますがね。すでにここの時点で完成機を数機買う考え方があったわけでしょう。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) AEW全体について、それが機種がどうであれこうであれ、それを導入するという考え方は、その当時全然まだございませんでした。これからどうするかということ、どういうふうにやっていくかということ。でございますから、中曽根長官の発言でも、まだ時間的余裕があるというようなくだりもございますわけで、四次防でどうするかということでございますが、四次防で導入することは決めなかったわけでございます。でございますから、いま申されたお話は、四十五年に先ほど申しました調査団が行きましたときにE2Jというものの提案があったということ、ただそれだけのように聞いております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛局長、きちっと中曽根さんの当時のあれを読んでくださいよ。これは全部各紙ここにあるんですが、みな共通ですよ。AEW機を数機買う考え方があったけれども、それだけの金は国内で将来に生かす、こういうくだりがあるんですよ。これにもってきて、先ほどの海部さんの釈明文でも、そこの四十六年四月一日の国産という方針決定でとんざを来したと、こうなっているんですからね。そこで、だからそれまで売り込みがあったことははっきりしているんです。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 防衛庁としてのお話は、もちろんいまのお話のとおりなんでございますけれども、その調査団が帰ってきた後で、いろんな案というものがあって、それで結局国内開発になったわけでございますが、その一つの案の中に買うという案があったようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 買うという考え方も一つの案としてあったわけでしょう。それはどこのメーカーのどの機種を対象として考え方があったんですか。

番匠敦彦防衛庁参事官

○政府委員(番匠敦彦君) 当時考えておりました少数機といいますのは、先ほど防衛局長が申し上げましたように、E2Bを日本向けに若干改装いたしましたE2――当時Jと言っていました、それを数機とりあえず導入いたしまして、それからあわせて将来のために研究開発をしようというような一つの案があったわけでございます。それと初めから国内開発するという案といろいろ検討された結果、先ほど申し上げましたような四月一日の決定になったわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 四十六年四月一日のこの中曽根さんの発表の談話というのはちょっと矛盾したところがあるですね。一つは、外国メーカー提案のAEW機の機能は必ずしも証明されていない、だから国産にするんだと。それからもう一つは、完成機を数機買う考え方もあるけれども、それだけの金ならば国内で生かして将来に役立てた方がいい、国産にした方がいいと。これはね、ちょっと矛盾しているんじゃないですか。機能が証明されていないから買わないというのと、買う考え方もあるけれども、金の使い方が、外国へ使うよりも国内で使って技術開発に役立てた方がいい、これは非常に矛盾しているんですが、その辺どうですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) どうもちょっと私は必ずしも矛盾していないように思いますが、要するに、当時乗ってきたE2Bは必ずしも十分でない、E2Cはまだできておりませんからその性能は証明されていない、若干時間的余裕がある、で買う考え方もあるけれども、それを使えば国内で技術波及効果が出るだろう、ということでございますから、どうも私は必ずしも矛盾していないのじゃないか、いま御質問でございますので考えますと、私は必ずしも矛盾していないのではないかというふうに思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 その点の論争はまたの機会に譲りまして、中曽根さんは当時国産を決めるに当たっては、部内ではどういう手続をとられたわけですか、防衛庁内部では。たとえば参事官会議とか、庁議とか、いろいろあるわけでしょう。この中曽根さんの四月一日の発表は庁内ではどういう手続を経られたんですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 関係者の参事官が集まりましていろいろ協議をした結果、最終的にそういう協議の結果に基づいて中曽根長官が決められたというふうに聞いております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 で、そのときの発表の中で、開発するための時間的な余裕がある、こういう文章がありますね、「内外の情勢をみると、早期警戒機を開発する時間的余裕がある」。どのぐらいの時間的な余裕を判断されていたわけですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 当時、開発の期間として考えられましたのは、六年ぐらいというふうに考えられたというふうに聞いております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 当初の六年がもたもたして最終的には八年に修正されたですね、どうですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 六年ということで四十七年度の予算を要求したわけでございますが、その予算査定の結果二千八百万円の予算がつきました。これは国内開発を前提とするのではなくて、国内開発でいけるかどうかの技術的調査をするという予算が二千八百万ついたわけでございます。その結果、当初の考え方が修正になりまして、その技術的可能性を検討するために前約三年ぐらいは必要であろうというようなことになりました結果、四十七年の段階では八年ぐらいになる、六年は八年に延ばす、そういうことになったようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 四十七年度で二千八百万円の予算がついて、それから六年を八年に変更したっていうことはまだ今日でも開発の途中ということになるんですが、今度発表されている防衛庁の文書を見ると、AEWは防衛作戦では必要不可欠のものである、こうなっているんです。国産開発を八年とかいうような形で期間をかけてやろうというのが何で今日では必要不可欠のものになるんですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) やはり当時と今日とでは大分航空機の発達、航法の構造装置の発達等が大変変化していると思います。当時はまだ確かにほかの国のいわゆるAEW機というのもそれほど一般的ではございませんでしたが、いまでは、たとえばNATOもAWACSを入れるというようなこともございますし、作戦としての低空侵入が非常に一般的なものとして軍事面では考えられるに至っている、そのところがその当時といまとは大変違うところのように思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 ずっと国産でいっていた場合には一体どういうことになるんですか。

番匠敦彦防衛庁参事官

○政府委員(番匠敦彦君) お答えいたします。  当初計画どおり国内開発を進めていたといたしますと、先ほど四次防の最終的な案では八年間で開発をしようという計画をしておりましたので、四十八年からまあ大体開発が終期に現在近づいているという時期だと思います。  それから、先ほどの六年と八年の関係につきましてちょっと補足させていただきたいと思いますが、四十六年の四月、中曽根長官が決定された当時は六年計画というものを考えておりました。その後、四次防の部内検討が進むに当たりまして、その翌年ぐらいであったと思いますが、経費枠の問題、あるいは開発のリスクを少なくしたいということで、まず最初の三年間ぐらいでフェーズド・アレー・レーダーというものを考えておりましたので、それを実験機で技術的可能性を確認した上で本格的な試作に移りたいということで八年というふうに、その一年たって変えられたという経過がございますので、若干補足させていただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 山下さんね、防衛庁もそのときどきでいいかげんな口実をつけているわけですよ。非常に無理な状態で国産の開発を四十六年に決めたときは、早期警戒機の配備はまだ時間的な余裕があるんだということで、八年ぐらいの期間でいいんだと、こう言っているわけですよ。いまは必要不可欠のものと、こういうことで足元から鳥が立つような言い方をしているんです。その場その場の国産か輸入かの問題にこじつけたようないつも理由づけをされている。これはぼくは非常に問題があると思うんですよ。まあそのことはいいですが。  昭和四十七年、田中内閣が発足した後、中曽根さんは通産大臣になられたわけですが、通産大臣になられてから防衛庁の方にAEWの開発についてヒューズ社との提携の話を持ち込まれておりますね。この事実はどうですか。

番匠敦彦防衛庁参事官

○政府委員(番匠敦彦君) お答えいたします。  先生おっしゃいました当時の中曽根通産大臣から防衛庁長官に対してそういうお話があったということはなかったようでございます。それはロッキード特別委員会のときに前の装備局長からお答えしたこともあったかと存じております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 黒部さんは、私が黒部さんとこの席でやったんですから、私も議事録も見たし、メモも持っているんです。そういうこともあったような記憶がいたしますという程度の返事をされているんですよ。具体的に私は当時の報道の資料も持っているんですが、その事実をあなた方は知らないんですか。

番匠敦彦防衛庁参事官

○政府委員(番匠敦彦君) お答えいたします。  五十一年の六月ごろのロッキード委員会で先生からそういう御質問がありまして、当時の黒部証人がそういうようにお話しいたしましたが、その後、たしか八月だったと思いますが、当時の装備局長が中曽根前通産大臣と増原前長官に確認いたしました結果、そういうことはなかったというふうに御回答申し上げていると思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはちょっと総理も注意して聞いておいていただきたいと思うんです。ここに軍事評論家の村上薫さんという方の書いた本があるんです。これは私が持ち出したからといって別に私どものサイドに立った評論家ではないんです。防衛庁にも非常に公正な立場で協力をしている評論家で、防衛庁のクラブに非常に長くいらっしゃった方なんです。この人の本の中に「AEW決定上の疑惑」、こういうあれがあるわけですが、ちょっと肝心のところを読んでみます。  「中曽根長官のツルの一声で、「四次防で百二十億円かけて研究開発し、五次防で装備するという国産化の方向が打ち出された。しかもこれは米国でも未開発の新方式〃フェイズド・アレイ・アンテナ〃搭載というから、恐れいった次第だ。一説によれば、松野頼三・元長官がグラマンのホーク・アイ輸入で暗躍した。そこで中曽根長官が「そんなことはさせない」と国産化で巻き返したというのが、業界内部のもっぱらのうわさだ。」と、こういう記事があるんです。またもう一つ、「WING」という防衛庁のこととが、あるいは飛行機のことを専門に記載をしている新聞、専門紙があるわけです。この中でこういう記事があるんです。四十七年ですが、「今年の三月頃から防衛庁内部や記者クラブで話題になり、噂されているのがAEW機の〃政治的な完成輸入機〃への巻きかえしの動きである。その話題にのぼっているのは商社ではなく、政界有力筋」であると、こういうことなんですが、防衛庁長官は不正はないというふうに確信をするという発表をされているんですが、こういう問題についてまでいろいろ周辺に、部内に詳しい人からかなり具体的な名前まで挙げたこの記事や論評があるんですが、調査されましたか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) E2Cの導入に関しまして、いまお読み上げの点等のいろいろなことが出てまいっておりますけれども、この点につきましては防衛庁が率直に申しますと関知しないところの問題でございまして、それは冒頭申し上げましたように、関係当局による解明を待つべきものでございます。したがいまして、その点については、私どもは、われわれのなし得る限りのことはいたしましたけれども、それらの点につきましてはしかるべき筋において解明されるものであると信じますが、ただ、繰り返すようでございますけれども、防衛庁といたしましては機種選定の経過については不正もなかったと思います。  それからまた、先ほどの御所論に対して補足さしていただきますと、中曽根長官がいろいろ方針を打ち出されましたけれども、それでもその後の国会の答弁で、研究開発しているうちにどうしても乗り越えられないようなものについては買うこともこれはやむを得ないであろう、しかし、極力与えられた年度内に国産自主開発でいくというふうなことを仰せられておるわけでございまして、なるほど当時の防衛庁といたしましてはできるだけ国産開発はしたい、しかし、いろんな問題がありますので、政府としては最終決定していなかったということが実情でございます。そして、そうした中におきまして、防衛庁は純粋に防衛上の見地から選定してまいっておったということでございますので、御了承賜りたいと思う次第であります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いま二つの私は防衛庁に詳しい記事を読み上げたんですが、この二つの記事は、これはグラマン社のチータム社長の発言、これとまさにつながっているんですよ。  すなわち、チータム社長は、昭和四十四年から昭和四十七年の間に数度来日して、E2Cの売り込みで岸、福田、松野、中曽根氏ら――これはフルネームでないですから、岸信介とか福田赳夫とか松野頼三とかいうのは書いていないですよ。この岸、福田、松野、中曽根氏らと会談した。松野氏との会談が最も有益で、だれよりも多く、そして日商岩井の海部氏らが同席することが多かった。こういうふうな発言とまさに――国産をひっくり返して白紙還元にしていく、そして輸入に方向転換をさしていく、この工作と部内にいろいろうわさをされていたというのとまさに一致しているし、それから海部八郎さんの釈明文でも、AEWについて専門家会議で輸入の方向が打ち出されて、E2Cの販売にまた可能性が出てきたという希望を抱いた、こういうふうになっているわけです。  だから、国産とそれから白紙還元、これとグラマン社、日商岩井の売り込み作戦というのは、まさにそういう関係で非常に密接なつながりを持っているという、客観的ないろんな各種の報道があるわけですが、あなたはそういう点については防衛庁の調査の手の及ばないところだ、こうおっしゃっているわけですが、そうすると、法務省の方は、これらの周辺をめぐるいろんな報道、記事あるいはアメリカの証言、こういうふうな点についてはどういうふうに把握をしておられますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) まずもって御理解いただきたいと思いますのは、検察当局は現在航空機選定の経緯そのものを捜査しておるのではないということでございます。SECの公表に端を発しまして捜査を開始しておるわけでありますが、この航空機輸入全般をめぐりましていろんな複雑な金の動きがあるわけでございます。それらを鋭意究明しよう、こう努めておるわけでございますが、その究明に当たりましては、やはりそれぞれの航空機の導入等の問題につきまして、よって来るゆえんから理解いたしませんと的確な解明ができないわけでございます。そういう意味におきまして、先ほど来御論議のような場面につきましても十分な関心を持って、本日の御論議などもその関心の一つでございますが、関心を持って見詰めておるわけでございまして、そういうものをすべて参考にしながら鋭意全体の究明に努めてまいる、こういうことでございます。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 先ほどの御指摘につきまして申し上げておきたいと思いますのは、機種選定につきまして政府が国産として決めたものを輸入に変えたというものではないのでございまして、白紙還元と申しますのも、いろいろ国産化問題についてこれを白紙還元して専門家会議にゆだねたというわけでございますので、委員の御指摘によりますと、もう政府全体として国産と決めたのを急に輸入に変えたというふうなお受け取りでございますけれども、これは決してそうじゃない。国産にしようか輸入にしようかということはいろいろ議論しておりましたということでございますので、その点を、御判断の前提としてそういう御指摘がございましたので、はっきり申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それは長官ちょっと違うんじゃないですか。昭和四十七年度で二千八百万円の予算がついた。これは国産のための研究開発費でしょう、そうでしょう。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 四十七年度予算に防衛庁が要求しましたのはたしか十八億ぐらいだったと思います。しかし、予算折衝の結果二千八百万円ついたと。これは国産を前提とするものでないということになっておりまして、国産でいけるかどうかのめどをつけるための技術調査ということでございますから、国産を前提とするものでない、そういうことでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それじゃ四十七年の十月九日の白紙還元というのはどういう意味ですか。国産を白紙還元にと、こうなっているじゃないですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) でございますから、防衛庁としては国産の希望を持っておったということでございますが、政府といいますか、大蔵省を含めて政府ということになるわけでございますが、そういうレベルでは、四十七年度の予算が決まったときにそういう話し合いがついたわけでございます。これは国産を前提とするものでないという線になっておるわけでございます。でありますから、十月九日になりましたのは、これは白紙還元、戻したわけでございませんで、従来から政府  レベルでは白紙なわけでありますから、そういうことで白紙で議論する、そういう趣旨でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはまあいいですよ。  総理大臣、ハワイのことをちょっと伺いたいんですが、これは総理が当時一緒に行かれているわけですから、総理の方からお答えいただきたいんですが、いわゆるハワイ会談でE2Cの問題について議題になったのかどうか、会談の対象になったのかどうか、いろいろ議論があるところです。アメリカの方では、ここでは一年前から話をしていて返事をもらうことになっていたんだと、こういうような趣旨の発言もあるんですが、総理は、この点について衆議院でも全く関知していないと、こういう回答をされているようですが、これはそういう話には全く関知していないというのか、あるいはE2Cの問題が議題になったかどうか、なるかどうか、全くこれは一〇〇%関知していないと、こういうことなんですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 一〇〇%私知らないことなんです。

野田哲日本社会党

○野田哲君 外務大臣に伺いますが、これは総理の方が実情をわかっているのかもわからぬですけれども、ハワイ会談にしても、あるいはその他の場合でもそうですけれども、まあハワイ会談の場合ですが、田中当時の総理とニクソン大統領、この二人は公式の場面の会談、それ以外に、たとえば二人でヤシの葉陰ででも散歩をする、こういうような二人だけの話という場面もあったんでしょうか、どうなんでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) ハワイ会談でニクソン大統領と田中元総理が余人を交えずに会われたということは、調査をいたしましたが、そういうことはないようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはもう全く余人を交えないで二人だけの話というのは一切なかったんですか。これは総理どうなんですか、当時。(「できるわけないじゃないか、田中さん英語できないじゃないですか」と呼ぶ者あり)

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 二人きりで話したということはなかったと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 外務大臣に伺いますけれども、田中総理に当時――いま後ろの方から、田中角さんは英語できないじゃないか、二人だけの話できるわけないじゃないか、こういう話があったわけですが、公式の会議のときなどは、外務省でどなたか担当の通訳の方が当たっておられたと思うんですが、たとえば食事の場合とか、あるいはパーティーの場合とか、そういうところでいつも専門の通訳がついているというわけじゃないと思うんですが、そういう私的なとかあるいは一人の行動のときの通訳はどなたが担当されていたんですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 総理の外遊その他の場合には、公式会談、晩さんその他にも、必ず外務省から通訳をつけることが慣例になっております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 外務省から当時木内さんという方が秘書官として出向をされておられましたね。この人はハワイに同行されておりますか。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○政府委員(中島敏次郎君) ハワイには同行をされておられます。ただし、会談には出ておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 同行をしていない……。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○政府委員(中島敏次郎君) 同行しております。ハワイに同行をいたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 会談に同席しているかどうかを聞いているんじゃないんですが、同行されていましたね。  それで、この人は田中内閣が終わって後は、どういうポストにおられますか。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○政府委員(中島敏次郎君) その後、本省のポストにしばらくついていたと思いますが、それから在外に出ております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 どこですか、それは。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○政府委員(中島敏次郎君) 本省のポストは、たしか欧亜局であったと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 その後。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○政府委員(中島敏次郎君) それからイギリスに参りまして、現在はジュネーブにおります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 イギリスに行かれたのはどういうポストで、いつ行かれたわけですか。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○政府委員(中島敏次郎君) 突然のお尋ねで、何も私資料を手元に持っておりませんけれども、総理の秘書官をやめてから本省にはたしか欧亜局に一、二年はいただろうと思います。それからイギリスに参りましたのは、イギリスの大使館勤務という形で、ロンドンにありますところの王立国防大学で研究を行うということでございました。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁のAEWの資料によりますと、「通信装置は、バッジ・システムとの連接及び要撃管制に使用できるよう、七台を備えている。」、こういうふうな説明があるんですが、現在のままでバッジと連接できるんですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) バッジとの連接のためには、通信バッファーが必要でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 通信バッファーが必要ですね。これは一体どのぐらいかかるんですか、金は。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) これは五十五年度以降予算を要求するものでございますが、大体三十億ないし四十億程度のものでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 四十億ぐらいかかるわけです。山下長官ね、これ書いてあることはうそですね、だから。

番匠敦彦防衛庁参事官

○政府委員(番匠敦彦君) お答えいたします。  バッジ及び要撃管制に使用できるような七台の通信装置を備えているということをこの「防衛アンテナ」では述べているわけでございますけれども、七台は、地上のバッジシステムと連絡するためのものと、それから空中に飛んでおります要撃機の管制に使うものと、両方合わせて七台ということでございます。E2Cの能力、これを説明したわけでございまして、先ほど申し上げますように、バッジシステムと連接するためには信号の調整が必要でございますので、通信バッファーというものを装備するということにしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 だから備えているんじゃない、これから備えるんでしょうが。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 通信バッファーにつきましては、五十五年度以降予算要求してとるというつもりでございますが。

野田哲日本社会党

○野田哲君 だから現状のままでは通信バッファーができなければ連接できないんでしょう、だから、これはうそでしょうとこう言うんです。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) ここに書かれておりますのは「通信装置は、バッジ・システムとの連接及び要撃管制に使用できるよう、七台を備えている。」と書いてございますが、その点は間違いございません、七台備えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 通信装置は七台備えていると書いてあるけれども、バッファーがなければ連接できないんでしょう、それを聞いているんですよ。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 航空機に七台通信装置が備えられてあるわけで、バッファーというのは地上にできるわけですから、その飛行機に七台備えているというのは間違いでございませんわけでございます。バッファーは来年以降備えるということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 だから、いまのままでは連接できないんでしょうと言うんです。バッファーをつけなければ地上とは連接できないんでしょう。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) バッファーがなければ地上との連接はできませんが、別にそういうことは書いてございませんように思いますが。

野田哲日本社会党

○野田哲君 地上器材はどういうものが必要ですか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 部隊をつくりますわけでございますから、地上の支援器材というものは当然必要になるわけでございますが、これも五十五年度以降に逐次整備していく、部隊ができるまでに間に合えばいい、その部隊のできるのに合わせるように予算の要求をするつもりでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 予算の要求の手順を聞いているんではないのです。E2Cを飛ばすためには地上器材としてどれだけのものが必要なんですか、その金額はどのぐらいになるのですか、こう言って聞いているんです。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 整備用器材が必要になるわけでございまして、これはまだ積み上げで計算をいたしているわけではございません。しかし、従来の部隊の建設その他を参考にしてやりますと、私ども八機整備する予定にいたしておるわけでございます。そういたしますと、初度部品を含めて航空機の購入が先ほどの倍ですから約六百数十億かかるわけでございますが、支援器材といたしまして、これはマイクロ的な推計をいたしまして、大体三百億円程度のものが将来部隊が建設するまでの間に必要になるのではないか、そういうふうに考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この支援器材がなければ、要員の訓練とかE2Cの地上での運用は役に立たないんでしょう、支援器材はどうしても必要なものなんでしょう、どうなんですか、その点は。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 支援器材はどうしても必要でございまして、それは部隊ができるまでの間に逐次部隊のでき方に応じて予算要求していく、そういうことで、これは必要でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 大蔵大臣、大蔵省は大体そういう大ざっぱなことでいいんですか。

長岡實大蔵省主計局長

○政府委員(長岡實君) お答え申し上げます。  ただいま防衛局長から御説明がございましたように、関連経費として約三百億円ぐらいが必要になるのではないかという話は、五十四年度の予算要求の段階、査定の段階を通じて防衛庁の説明を伺っておりますが、五十四年度には、ただいま申し上げましたように、E2Cの四機購入に必要な国庫債務負担行為とその一部の歳出を予算に計上いたしまして、残余の部分は五十五年度以降ということでございますので、その都度、五十五年度以降要求がございました際に、精査をするという考え方で了承いたしておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 長官ね、E2Cを買おうということでいろいろパンフレットにも書かれているんですけれども、E2Cを飛ばそうとすれば、それに応じての支援器材がどうしても必要なわけでしょう。それにもいま大ざっぱな説明があっただけでも何百億と言われておるわけでしょう。当然、E2Cを買うということであれば、それだけのすべてのトータルの見込み額というものが説明の段階ではされるべきじゃないんですか、どうなんですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) この飛行機は飛行機だけ調達いたしましてもやっぱりいけません。パイロットの養成に相当時間がかかりますので早期導入をお願いしておるわけでございますが、実は、ただいま御審議願っております昭和五十四年度予算では四機分として三百億お願いしておりますが、政府委員が申しましたように、私どもといたしましては二個哨戒点でございますから、それの倍、六百億以上のものを、これはまだこれからまた改めて国防会議の議を経てお願いするわけでございますけれども、それに関連いたしまして、ただいま話しましたように地上器材、これは当然必要でございますから、それは要りますけれども、ただ本年度の予算の要求におきましても、あとの四機のことを申し上げることはまた改めてのことでございますし、それらにつきましては後々予算の積算の過程において積み上げていくわけでございますので、ただいまのところは四機分についてお願いいたしておりますのですけれども、決してそれはそのことを隠したというわけでも何でもございません。必要なものは必要でございますから、改めての予算請求でお願いしてまいりたい、このような趣旨でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはその場しのぎですよね。  委員長にお願いしたいんですが、このE2Cに関連をする地上器材のリストと金額、これを資料としてこの予算委員会審議中に提出をしていただきたいと思うので、お取り計らいいただきたいと思うんですけれども。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 理事会で相談いたしまして取り計らうようにいたします。

野田哲日本社会党

○野田哲君 山下長官に伺いますが、これはあなたのずっと前の代の人ですからあれですけれども、記録はあると思うんですが、これは通産大臣になるんですかね、四十七年の十月九日の白紙還元のときに、これだけの国産開発に熱心であった中曽根さんが通産大臣として国防会議にも出ておられるわけですが、どのような主張をされているのか、防衛庁か通産省か、あるいは国防会議の伊藤さん、何かその間の記録がありますか。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 野田君、時間が参りました。

伊藤圭一国防会議事務局長

○政府委員(伊藤圭一君) 国防会議の各議員の発言というものの議事録はございません。しかし、当時の関係の方々の話を聞きました範囲では、通産大臣として当時の中曽根大臣は発言なさっておられないというふうに聞いております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で野田君の総括質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、矢原秀男君の総括質疑を行います。矢原君。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まず最初に、航空機の輸入疑惑問題について質問をいたします。  まずグラマン社海外不正支払いの関係でございますけれども、SEC報告書の日本関係部分が司法共助によりまして手に入ったわけでございますけれども、この問題についてどういうふうに感じていらっしゃるのか、まず法務大臣にお伺いいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) グラマン社関係のSECの非公開資料がわが国に到着したことは御承知のとおりでございます。ところで、SECは当然のことでございますが、アメリカの国内問題として海外不正支払いをとらえております。すなわちアメリカの証券取引法の立場でとらえておるわけでございまして、これがわが国内の犯罪捜査にそのまま適用になるというわけのものでもございません。これを要するにかみくだいて国内捜査と関連させて十分吟味をしてさらに国内捜査を進める、こういうことが必要なわけでございます。  さらに、今回の航空機輸入問題につきましては、たびたび申し上げておりますように、いろいろな航空機の導入に関するさまざまな問題がございます。そういう意味におきまして、間もなく入手できると思いますマクダネル・ダグラス社関係の非公開資料、これらの到着を待ちまして十分検討の上、何らかの方針を立てて捜査に資する、こういう態度でおるわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 SEC報告書の日本関係部分で大きな課題になっておりますのは、GI社が日本で雇う米人コンサルタントに流れ、さらにその一部がこの米人コンサルタントから一人もしくはそれ以上の日本政府高官に流れるかもしれないという可能性、この問題でございますが、グラマン・インターナショナル社長と私たちが話し合いをしました段階の中では、日商岩井の代表者とグラマン社の代表者の話し合いが、この売り込みが成功した場合に政府高官に金が流れていく非常に懸念性がもう重かつ大であると、こういうふうなことで弁護士を初めグラマン社の社長クラスが検討結果、大変なことである、こういうことでそのごく明細なるものをSECに報告をいたしましたということでございます。だから、日本でこの問題を解明していただくときには、法務省関係にお願いをしていろいろな形で日本の国民が納得いけるような御協力をぜひ国内でしていただきたい、こういうふうな形の話があったわけでございます。  そこで、刑事局長にお伺いをいたしますが、日商岩井の代表者とグラマン社の代表者、固有名詞になれば一人と一人になるでしょうけれども、だれとだれなのか、よろしければ頭文字だけでも教えていただきたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 現在鋭意捜査を進めておるところでございますので、いずれ御答弁申し上げられるような機会になりますればともかく、今日の段階におきましてはひとつ頭文字も御勘弁いただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 では、刑事局長にお伺いをいたしますが、あなたは政府高官のだれとだれにというお名前は知っていらっしゃるわけですね。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 私が知っておるとも知っておらないともちょっとお答えを御容赦願いたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 グラマン社の社長の話では、ここの部分は専門家を含めて徹底的に時間をかけて分析をしておるそうでございます。だから私は、資料が入手された段階の中で法務大臣か刑事局長等はよくお知りだと思いますけれども、捜査の段階でいろいろと大変な事情はあるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、確かに先ほどお話がございましたが、アメリカの場合は株主を守るための一つ一つの問題が出てきているわけです。われわれ日本では、日本の国民の立場でやはりすっきりしたものにしていく、こういう大きな立場が違うわけであります。どちらが大事なのかという問題になれば、私はやはり日本の国民の立場からこういう問題は明快にすべきである、こういう観点から話を進めておるわけでございますが、ここが一番大きな問題点でございます。当局におかれましても鋭意捜査の段階で力を入れていただきたいと思います。  それからもう一つ、グラマン関係でお尋ねをしたいわけでございますが、日商岩井にF4EJ二機の輸入、そうして百三十八機のライセンスの問題、合計九年間に毎年二十万ドルずつで百八十万ドルというお金が必要な業務のために支払いをされているわけでございます。そのほかには、当局でもはっきりされておると思いますけれども、別個に日商の四十三万ドル、三菱商事の十九万ドル、三井物産の百四十万ドル、合計三百八十二万八千ドルでございますけれども、そのうち先ほど申し上げました百八十万ドル、これについては調査はどの程度まで進めていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 後に御指摘になりました百八十万ドルの問題につきましては、SEC資料でも一明らかに指摘されておるところでありますので、これをめぐって国内において何らか犯罪というようなものが行われていないかどうかは十分関心を持たざるを得ないところでございまして、鋭意解明に努めているところでございます。  それから、最初にF4の関係の百八十万ドルとおっしゃいましたが、一説によれば二百万ドル近いとも言われておるわけでございますが、そのものはSECの公表資料そのものにおいての指摘がございませんけれども、やはり今回の問題はいろいろな金が複雑に絡み合っておりますので、一つ一つを分断的に解明しようとしましてもなかなかうまくいかないわけでございます。現在、検察当局としては、それらすべてを広い視野からにらんでいく、そしてその中から問題のあるものを摘出していく、こういう作業をいたしておるわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 それから、日商岩井のボーイング売り込みについての使途不明金の問題でございますけれども、この五十五万ドルの疑惑の問題につきましても、特に当局に力を入れていただきたいのは、ボーイングもダグラスもグラマン社も、成功報酬として商社には払っておりますと、商社からどういう段階で国内のいろいろな関係の方に流れていくのか、それはわかりませんと、だからそれは国内の問題として商社を中心にやってもらったらどうですかと、こういうふうな話がその都度出てくるわけでございますが、そうなってくると、使途不明金というものは、これは会計法上許された問題だろうかと思いますけれども、小さな零細企業が仕事を得るために五万円や十万円の接待費を使って、それの明細が言われないと言いながら税務署に過重なものを支払っていくのとは同性質のものではないわけです。そういうわけですから、私は使途不明金の処分については、理由が明確でなかったと関係当局はお話をされていらっしゃるわけですから、それを受けて、捜査をされる方々は、この問題の資金の流れが、こういうふうなものを過去十年でも過去五年でも、この問題は四十八年から五十年でございますけれども、本当にこの流れを究明していかなければはっきりしたものは出ないことは明らかでございます。この点について当局はどういうふうにお考えでございますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 国民の間に疑惑がございまして、これをいろいろな方面からの解明が行われるわけでございますが、ともかく捜査当局に対して課せられました期待というものが大変大きゅうございますので、そういう意味におきまして、捜査当局におきましては、こういった国民の御期待にこたえるように可能な限度において力を尽くしてまいりたいと思っておるわけでございます。その間、犯罪捜査には時効というような制度もございましていろいろ制約があるわけでございますが、先ほどもちょっと他の委員の御質問に対してお答えしましたように、よって来るゆえんから調べてまいりませんと、今日の時点における問題も明らかにならない場合が多いわけでございます。そういう意味におきまして、ただいま御指摘のような点も十分関心を持って鋭意解明に努める所存でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 もう一つ、ダグラス社の不正支払い関係の件でございますけれども、この前、郷氏が証人に立たれたわけでございますけれども、これに支払いをされた金額について、局長、恐れ入りますが、ちょっとその点をまず伺いたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) SECの資料によりますと、合計十一万五千ドルであったと記憶しております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まず郷氏に対しては、確かに、向こうの社長や会長の話では、三回に支払いをされたという点では、まずこれを一つ一つお話ししますと、まず第一回の一万五千ドル、これについては、郷氏も、証人の関係をここで聞いておりましても、もらってない、もらっている、こういうクエスチョンマークでございます。会社の方も、この一万五千ドルは支払ったのか支払わないのか、会計のその当時の当事者がはっきりしないと言っている、こういうふうな話でございますので、私は、非常にアメリカの経理のはっきりした会社が、この一点だけで非常にこういうクエスチョンマークを投げかけているという問題については、やはり販売促進費で七〇年に支出された一万五千ドルの一部は政府高官に渡ったとされる疑いというのがここに出ているわけです。非常にこの点は、私はこれは向こうの会社の社長クラスと直接に話をしてもこれは疑いが深い、こういうふうに感触を深めているわけです。この点、局長どうですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) ただいま御指摘の一万五千ドルと申しますのは、御承知のように時期が相当古うございまして、犯罪捜査の観点から直接そのものが問題になる可能性はいささか薄いかとは思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、一つの背景事情として十分関心を持っておるわけでございます。そこで、間もなく入手いたしますマクダネル・ダグラス社関係の非公開資料、これに恐らく明らかにされておるのではないか。SECが公表資料におきましてあのように断言をしておりますから、そういう観点からその資料の入手を待っておるところでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この点は特に調べていただきたいと思います。  郷氏について、十万ドルのうち五万ドルとあと五万ドルという、二回に支払いがされております。証人の言葉を分析しておりますと、DC10の売り込みでもらったのではないと言いながら、最後には、もらったようだと、こういうふうな証言をしておりますが、ダグラスにおいては、後の五万ドルについてはDC10の売り込みについて成功をしたから払ったというふうに話しております。その具体的な内容はどうなのかと聞けば、DC10の売り込みについて、いわゆる試験飛行――騒音測定ですね、これは局長、ここの問題は、当時の運輸省においても、地元反対の中で騒音飛行というものが各所において非常に精力的にやられた。郷氏が政府関係者に会って運動したのか、政治家の主要者の方々に会って運動したのか、そういう問題点は解明をされなかったわけでございますが、これは非常に示唆に富んだダグラス社の社長等のお話でございますけれども、局長はどういうふうに今後取り組んでいかれるのか、私の質問に対して答えていただきたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) SECの公表資料におきましては、必ずしもDC10に関して何らかの運動が成功したための謝礼というふうには書いておりませんが、ただいま御質問のような観点も十分踏まえまして検討いたしてみたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 私もいま局長と同じような形で確かめたわけですけれども、そうすれば、向こうからはいま申し上げたような話が出たわけでございますので、その点をよく御注意をお願いしたいと思います。  有森氏関係でございますけれども、有森氏が証人喚問を受けた際、証言を拒否したわけでありますけれども、聞くところによると、外為法違反の疑いで訴追のおそれがあるということのようですけれども、時効の成否にかかわらず、どのような調査をされているのか、お伺いをいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 有森氏につきましては、さきに衆議院の予算委員会から証言拒絶罪で告発がございました。告発に係ります証言拒絶罪の事件は早速東京地検で受理いたしまして、現在検討を開始いたしております。やがて本格的な捜査に入るというふうに思いますけれども、証言拒絶に正当な理由があるのかないのか、これが一番の問題点であろうと思うわけでございます。そこを調べようと思いますと、当然質問の対象になりましたようなことが時効でもう訴追のおそれがないのかどうかという客観的な事実、あるいはその事実について有森氏御本人が評価を誤るような事情があったかないか、そういうことに踏み込んでいかざるを得ませんし、また、その関連においてはいわゆる海部メモというものの真偽と申しますか、そういうような点まで踏み込んでいかなければならないことになるのではないかという感じがいたしております。このことは、別の事件といたしまして、福田赳夫氏から氏名不詳者に対する名誉棄損の告訴もございまして、それとの絡みもございますので、捜査の成り行きでございますから確信はできませんけれども、私自身の経験等に徴しまして、そんなような運びになるんじゃないかと、かように思っているわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ちょっともとに戻りますけれども、運輸大臣、DC10の試験飛行の際、運輸省筋に対して郷氏から直接呼びかけがあったとか、そういうふうな点についてはいかがでございますか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) DC10の騒音テストは、たしかL一〇一一と同じにやったかと思います。前のロッキード事件のときにこの問題がございまして、私もそのとき記録に基づいていろいろと調査をしたことを覚えておりますけれども、DC10とL一〇一一というものが相互的に影響し合う関係にあったということを当時の人々は考えておりました。したがってどちらかが先に、あるいはどちらかが有利な、あるいは不利な状態で騒音テストが行われることのないようにという点について配慮をしたような形は記録の上に残されておりますが、いま先生御指摘のようなことがあったということは記録上全くわれわれは発見しておりません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 三月九日の本委員会におきまして、黒柳委員の質問に対しまして伊藤刑事局長は、海部メモに書かれている西独の銀行口座について、西独の捜査当局とは友好的な雰囲気にあると、将来の問題として司法取り決めを結ぶことは可能である旨の答弁がございましたけれども、私の考え方といたしましては、すでに捜査上必要性が出てきているのではないか、こういうふうに考えるわけでございますけれども、具体的に現時点におけるお考えをお伺いしたいと思います。同じく、スイス捜査当局と司法取り決め、こういうような関係の御用意があるのかどうか、お伺いします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) まず、一般論をちょっと申し上げさしていただきますが、外国にあります銀行預金口座の調査をいたしますということにつきましては、国によっていろんな取り扱いが違いますけれども、基本的に預金者保護という観点がございますので、しかく簡単に、どうも怪しいから調べてくれろというようなことではなかなかいかないわけでございます。わが国におきます捜査が進展をいたしまして、どうしてもその預金口座の内容等について解明する必要があるという捜査上の必要性、あるいはさらに一般的に申し上げれば裁判上の必要性、こういうようなものが生じました場合に、当該口座の存在します国に対して交渉いたしまして、十分理解を得るだけの説得をいたしまして、そしてその国の官憲等において調べてもらう、こういうことになるわけでございます。  ところで、海部メモと言われますものにつきましての捜査の現況は先ほど申し上げたとおりでございまして、今日ただいま直ちに御指摘の西ドイツなりスイスなりにその依頼をする時期にはまだ至っていないように思うわけでございます。  さて、将来の問題といたしまして、そういうように国によりまして預金者保護の立場から、たとえば裁判所の令状がなければ口座を開示しない国もございますし、またいろんな扱いの国があるわけでございます。そういう手続上のいろんな問題はありますけれども、必要になりました場合には検察当局から私ども法務省に要請がございますでしょう。そういたしましたら、私どもとしては外務省に御協力をお願いいたしまして最善の努力をいたしたい、かように思っておるわけでございます。ただその場合に、ロッキード事件あるいは今回日米間で結びましたような司法取り決めというようなものが必要となるかどうか、これは相手のあることでございますから、必ず司法取り決めを結ばなければできないという性質のものでもないのじゃないか、こういうふうな観点もございますので、いずれにいたしましても、必要があり、検察当局から要請があれば最善を尽くすということだけ申し上げておきます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この問題について、最後に大平総理に伺いますけれども、野党の内外にわたる証人喚問要求、すべて取り入れられてないわけでございまして非常に遺憾でございますけれども、総理、この問題については徹底的な究明の姿勢になっていただかなくちゃいけないわけでございますが、これについての姿勢をお伺いしたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) かねて申し上げておりますように、政府におきましては、捜査当局初め関係当局が真相の解明のためにいま全力を挙げておるところでございます。また 国会における国政調査権発動に関連いたしましては、法令の許す範囲で最大限の御協力を申し上げてまいるつもりでございまして、国民の間にありまする疑惑の一掃につきましては、政府として最善を尽くさなければならぬと考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 次に、対外経済政策に移ります。  政府は昨年の十二月以来、卸売物価が上昇に転じていることなどから今後の物価の行方は予断を許さない情勢にあるとして、経済運営の力点を景気浮揚型から物価警戒型に転換していく意向のように私は思うわけです。具体的にはどういうふうな運営をされていくのか、お伺いをいたします。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) お答え申し上げます。  いまわれわれが非常に注目しておりますことは、委員の御承知のように、卸売物価の最近の動向がやや急激であるということでありまして、消費者物価はまだ依然としてきわめて安定をしております。また、消費者物価も現状程度の上昇であるならば、われわれが昨年来企図しております水準以内に落ちつくであろうということを期待しておりますが、しかし全体の経済がだんだんといま上昇機運を十二月以来相当強く示し始めております。しかし、これもまだ本格的とは私は言いづらいと思いますが、この本格化してない経済、景気の中でやや物価の方面に多少の私は率直に申し上げて警戒感を持っておるものですから、そうしたことを事前に前広に、また個別的に物価の問題についてきめ細かい政策を展開するのが必要だと思いまして、二月の二十六日に物価政策の総合的推進という方針を政府として決めまして、現在それの決めました方向の中で物価に対しての警戒を続行しておるところでございます。お尋ねのように、経済政策全体の景気政策を放棄してというところまで私も考えておりません。もう少し私自身としては経済にもう一段の安定感と申しますか、上昇機運と申しましょうか、そうしたものが出てくることを期待しておるわけでございまして、言うなれば非常に幅の狭い道を行かなけりゃなりませんから、いまはやや物価を注意することに重点を置いて、これがある程度見通しがつけばまた景気の方に少しずつ移行するということで、政策を物価政策重点とか、あるいはまた景気対策重点とかいうはっきりしたことでなしに、その間をきめ細かく、国民の御理解を得ながら運営してまいりたい、そのような考えです。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 東京ラウンドの終結、それから第五回の国連貿易開発会議マニラ総会、東京サミットなどを控えて海外から一層の内需拡大と経常収支の黒字削減を迫られている、こういう中での方針転換ですから、大平政権が内需拡大を放棄したのではないかという印象を与えることも非常にまずいと思うのですけれども、まあいずれにいたしましても、対日批判をエスカレートさせる、こういう心配がもし出ればこれに対してどう対処、説得すべきであるか、こういう懸念を私は持っているわけですけれども、これにお答えをしていただきたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) 現在の各国の日本に対する批判、EC及びアメリカから寄せられている経常収支の問題もございますが、われわれがこの五十四年度に目指している方向というものは、御承知のような景気の回復を図って失業を食いとめること、そしてまた景気の拡大によるいわゆる輸入の増大、それによる経常収支の改善ということ、大きく申すならば世界経済に対する日本の役割りを果たそうということでございまして、私はこれを一番端的に申し上げたいのは、今年度の公債発行額ですね、十五兆円、これを二百円で割りますと公債発行額は八百億ドルになるんですよ。ところが、ドイツ、アメリカ、フランス、英国のいわゆる公債の発行額を全部足しましても六百八十億ドルなんです。日本はこの一国だけでこれら大国四国の公債発行額よりさらに二百億ドル近い大量の公債を発行して、そうして景気の回復を図っておる。私はこういう事実は、今日までの日本の経済の足取りの中でこれほど積極的な展開をして、また逆に申すならば、これほど危険な財政の危機を冒してまでもやろうとしている、こうした熱意を私は十分諸外国の諸君にも理解してもらわなければ困るのではないかと思うのでございます。まあ、八百億ドルの公債と四カ国合計が六百八十億ドルというのですから、それは段違いな努力だと思うのです。こうしたことを特に政府としては強調しながら、われわれの努力と今後の政策努力というものを評価をしてもらいたいというふうに考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 日米経済摩擦の関係でございますが、新聞報道にも、また予算委員会でも取りざたされておりますけれども、この東京ラウンド交渉も絡んで吹き出た日米経済摩擦の調整問題についてですけれども、東京ラウンドについては、米国の議会手続の関係もあって、これまでの日、米、ECの三者間の合意した範囲で取りまとめるということで大筋合意したことにより、四月ごろに調印の運びとなると思うんですけれども、問題は積み残し課題というものがどのようなものであるか、こういうことを懸念しておるわけですけれども、この点はいかがでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御存じのとおりでありまして、日米の経済問題は非常に深刻な状態に立ち至っておるわけであります。その背景は、先ほど御指摘されました大幅黒字というのが背景でありますけれども、また一方には、米国も御承知のごとく通貨の安定、雇用問題等で相当厳しい問題を抱えておる。したがいまして、政府よりも議会の議員の方々に非常に強い意見があります。一方政府の方では、バイアメリカン法の手直しをする、貿易障害をお互いに取り除こうと、そこで、自分の方もやるから日本の方もやれということで、結局煮詰まっておりまするのは、政府調達機関の問題、関税の問題ということに煮詰まっておるわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 関連といたしまして、この前も橋本通産審議官に対してワイル商務次官補から、「米政府は東京ラウンド法案の議会審議を円滑にし保護主義を抑えるために、日本政府が内需拡大、市場の門戸開放、輸出自主規制などを内容とした対外声明を出すことを強く望んでいる」というような示唆というものがあったと言われておりますけれども、もしこれが事実であれば、この対応策をどうするのか、この点を伺います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 橋本通商産業審議官に関することでございますから、私からお答えをいたします。   〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕  確かにそういう話がありました。特にジョーンズ報告にありますように、アメリカの議会主義が、今日の日米貿易のインバランス百十六億ドル、一口に百二十億ドルと、こう言っていますね、非常に悪いイメージになりまして、日本の商品には課徴金をかけろという声がだんだん高くなっておる。いまお読みになったとおりの発言もあった。そこで今日、牛場代表、安川代表等々苦労をしておるわけでありまして、各省庁にわたる産品については、国内の事情も十分配慮しながら、しかしどう市場を開放するかということについて、現在折衝中というわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 日米摩擦の原因についてですけれども、米国の要求は、経済運営に対する注文、また政府の調達、たばことかいろんなそういうものに対する市場開放、また外銀の規制など金融面での門戸開放と、多岐にわたっていると思います。こうした事態が生じた要因ですね、いろいろ取りざたされておりますけれども、きょうまた改めて、どのように分析をしていらっしゃるのか、この点を伺います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) やはり日本の経済力が非常に大きくなったということ、特に五十三年度でも二百十兆円、五十四年度のわれわれの計画だと二百三十兆円、全世界の八分の一程度の国民総生産になるわけでございますから、非常に巨大な力になったということ、その一番端的に今日まで指摘されたのは、五十二年度における経常収支であったと思うんです。これは、五十二年度におきましては三兆五千億の経常収支の黒字、それに端を発しましたいわゆるいろいろな諸外国からの要求に基づいて、五十三年度は大変いろいろ努力をし、追加予算までして努力をして、これは三月末の予測でございますが、三兆五千億から五十三年は二兆七千億くらいに下がるであろう。この説明をいま安川大使等を通じてアメリカ、またECに近く出かけますので、お願いをするわけでございますが、五十四年度におきましてはこれをさらに半分に減らす、一兆四千億程度にしたい、その努力をすることと、もう一つは製品輸入等について、特にアメリカには、日本に対して、原料だけ輸入してけしからぬということもございますので、その努力をお願いをしておる。実績だけ見ましても、最近は輸入量の三割が製品になってきているというようなことも、私は一つの日本の努力に成ると思います。  また、通産省でも大変御苦労願って、異例と思われる緊急輸入を行っております。四十億ドルの緊急輸入を五十三年度に計画したのでありますが、実績はこれが三十億ドル程度にとどまると、これもまた私もやむを得ないことだと思いますが、恐らく世界じゅうの国々で緊急輸入のようなことを政策として展開している国はないんじゃないでしょうか。また同時に、この緊急輸入というものにはいろいろと御批判があると思いますが、五十四年度も、九月までその実施を延期しながら、二十億ドル程度の輸入を考えていくというような努力をいたしておるわけでございます。なお、いろいろな問題が複雑に絡み合っておると思いますが、しかし、日本政府及び日本が、こうした世界全体の批判に対してまともにこれを受けて努力をしているという現実の努力が十分理解をしてもらえるのではないか、またしてもらわなければ困る。  もう一つは、七%経済成長ということであったのでありますが、昨日もここで御答弁申し上げましたが、やはり異常な円高によって輸出が停滞をし輸入が増大をした。これはいずれもGNPに対してはマイナス効果を持ちますから、そうしたことで、推測でございますが、現時点で、よくいって五・七%か八%程度ではないかという推測を申し上げているわけでございますが、しかし半面、国内の市場は非常に大きくなりまして、十-十二月の状態だけで申しましても七%成長は完全にいくし、累積いたしますと八%近い国内の市場の拡大があったというこの事実、私は、そうした努力をしたという事実は決してこれは単なる弁解ではないのでございますから、こうした面についてわれわれはできる限りの説明をなし、さらに、今後の国際協調の重要性にかんがみての海外経済協力とか政府援助とか、そうしたものに対しましても、約束をしました水準を完全に実現していくということを今年度の予算に色濃く盛り込んでおりますから、これらの事実をもって説明し、日本が決して世界経済の全体の発展のために非協力な運営をするのではないという事実をよく説明をすることによって、いろいろ日本に向けられている疑惑とか疑問とかいうものの解明に全力を挙げてまいらなきゃならぬ、そのように思っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 そこで、総理の訪米姿勢ですけれども、総理は日米間の緊張関係の打開のために、五月の連休に訪米する意向を固めておられるようでございます。この訪米について、外務省筋では、日米間の基本的な問題については前向きに意見交換をすべきで、個別の問題を話し合うのは好ましくないとの考えが強いように私は感じるわけです。こういう幻想を抱いて訪米をされたら、それこそ大変なことになるんではないかなという危惧がございますけれども、総理はどのような決意、準備で臨むお考えなのか、お伺いをいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 日米間には不断の意思の疎通を図ってまいらなければなりませんので、事があろうがなかろうが、その必要は痛感いたしておりまして、とりわけいまのような時期でございますので、一層その必要を痛切に感じております。参りまするにつきましては、やはり当面のわれわれの任務であるわが国の経済の対外均衡を精力的に推進していくということが基本的な姿勢でなければなりませんし、先ほど来お話がございました当面の若干の具体的な問題の解決もしなければならぬわけでございまして、そういったことはできるだけ早く、私の訪米を待たないで解決する努力を重ねなければならぬと、いま鋭意努力をいたしておるわけでございます。しかし、日米間にはどういう問題が起きましてもそれをこなしていくだけの相互信頼がございますので、相互の信頼の上に立ちまして冷静に意思の疎通を図ってまいるという姿勢に変化はございません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 そこで総理、アメリカの場合は可能性への挑戦という、ちょっとまたぎすぎすしたところもありますけれども、反面、大平総理は日本的なものを大事にする大平哲学、こういうふうに感じておるわけですけれども、どれだけアメリカで理解されるか非常に疑問な点もあるわけですけれども、いずれにしても、総理が訪米されると各方面からこれ幸いというわけで過大な注文が出るんではないか。防衛負担強化の問題であるとか、発展途上国援助の増大等々ですね、いろんな形のものが注文として出るんではないかというふうに考えているわけですけれども、そういう点はどのように考えていらっしゃいますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、当面の経済問題の解決を精力的に進めなければならぬと考えておりまして、   〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕 それは日米間のことでございますから、それ以外にも問題がいろいろ出てこないという保証はどこにもございませんけれども、しかし、そういうことはしょっちゅうあることでございまして、そしていままでもそういう問題を冷静に相互信頼の上に立ってこなしてきたわけでございますから、今後もその基調に変わりはないと存じておりまして、別に特に力み返るという必要は私はないと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 委員長、関連。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 関連質疑を許します。矢追君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 関連して。  まず最初に、先ほど経済運営について矢原委員から質問がございまして、物価安定に努力をする旨の答弁がございましたが、報道によりますと、今回の国鉄運賃の値上げについて経企庁長官はすぐにはやらない、こういうことを言われましたが、それではいつごろをお考えになっておるのか、来年まで延ばされるのか、その辺はどうなのか。これは総理にもお伺いしたい。これが一点。  それからもう一つは、これは大蔵委員会でも私は質問をして、大蔵大臣の答弁は、まだ予算も通っていないので、そういうことは考えていないと言われましたが、土地も値上がりしておりますし、また物価がどんどん高騰してきております。特に建築資材を中心に上がってきておりますので、予算の執行の繰り延べという事態が起こり得る可能性が十分あります。またそれをやる必要もあると思いますが、どの辺まで上がってくればそういったことをお考えになるのか、この二点をまず最初に伺います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) 国鉄運賃の値上げにつきましては、これはすでに法律に決まっておる事態でございまして、国鉄自体の企業努力がどうであるかこうであるかということは別にしまして、五十四年度の予算においての四月一日からこれを埋め合わせると総額一千九百億円になるわけであります。しかし、この千九百億円をそのままというわけにはいかないというので、運輸大臣ともお話をいたしまして、予算の期日を五月二十日まで延長してもらいまして、これもこれによりまして千六百五十億円という大枠にいたしたわけでございます。この面につきまして、国民への負担は、千九百億円から千六百五十億円を引きました二百五十億円というものは少なくとも今年度は運賃引き上げには関係ないということの努力をしたわけでございます。それで五月二十日の予算執行ということに、この予算案が通過してのことでございますが、なりますると、それに間に合うように国鉄当局としては運賃の細目について千六百五十億円の枠内でそれを決めるという作業が始まらなくてはならぬわけでありまして、実はそうした問題についての簡単な報告を数日前に私は受けたわけであります。  しかし、これはあくまで国鉄並びに運輸省が運輸審議会等においていろいろと検討していただくのが筋でございますので、われわれとしましてはこの問題についてとやかく申し上げることはないわけであって、運輸審議会で決定されたものについてのさらにわれわれに御相談のあるという時点においてお話し合いをさせてもらいたいということは前々から運輸大臣には申し上げておるところでございます。けさ記者会見のときに話が出ましたが、多少短距離の分を余り大きく上げるということはいかがかなということの質問がありましたので、私もそれはきわめて安易な方法じゃないかということを申したわけでございますが、いずれにいたしましても、運輸審議会において運輸大臣が十分この事態を踏まえられてのいろいろとお話をなさることになっておりますので、その結果を見ましてから、またわれわれも意見を改めて言わしていただく場合には言わせていただきたいというふうに考えております。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 矢追さんのいまの大蔵委員会の発言とおっしゃるのは、公共事業費の執行をどうするかという問題だと思うんでございますが、昨年は御承知のとおり、七割くらいのものを上半期に集中的につぎ込みまして景気の回復を図ってまいりましたけれども、新年度は果たしてそれをやる必要があるかどうか、特に景気がだんだんと盛り上がってまいりますと同時に、建設資材等もやや物によっては値上がりの傾向にあるときでございまするから、注意深くそこら辺を見きわめて、なだらかな執行と申しますか、年に平均したような執行をむしろやるべきではないかと、いまのところは考えておる次第でございます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 国鉄の運賃につきましては、先ほど企画庁長官も申し上げましたとおり、運輸審議会が開かれて、また関係閣僚会議がクリアいたして出てまいりますならば、特に私として異論はありません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 物価値上げの折ですし、しかも今回は運賃は国会に審議がかかりませんので、総理は慎重にお願いをしたいと思います。  次に、いま訪米の話が出ておりますので、総理にお願いも含めましてぜひアメリカ当局にはきちんと言っていただきたいんですが、相当まだまだ日本に対してアメリカは誤解がある。まだ日本人というものはミステリアスと、こう見ております。また最近のアメリカの有名な雑誌で、日本人が円を持ってホワイトハウスを買うという漫画が出ているわけですね。こういうのを、行ったらそういう雑誌をぜひ集めていただいて、大変日本を誤解している、そういうのは、それこそ、別にけんかをしなくてもいいですから、冷静にいま言われたように話し合いをして、ぜひ誤解を解いてもらいたい。まだまだ日本人に対するアングロサクソンあるいはその他の民族の、ラテンにしても誤解がかなりあります。これは日本人というのは何か恐ろしい集団的な力を出すとまだまだ見ているわけですから、この誤解をぜひ解いていただきたい。  それからもう一つは、東京サミットで対共産貿易が話題になるということが、これも報道で出ておりました。中国貿易は特に問題になろうかと思いますが、ヨーロッパもあるいはアメリカも中国をねらっている、日本も近いからどんどんいくと。これに対することが議題になる可能性があると思われます。あれば、どういうふうにお話をされますか。  もう一つは、昨日ECが決めました対日警告、日本に対する警告をECが採択いたしましたね、これはまた厳しいことを言ってきておるわけですが、これにどう対処されるのか。  以上で終わります。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) アメリカが日本に対する誤解があるということでございますが、誤解より前に、日本をよく知らない状況でございまして、そんなに日本のことが新聞に載るわけでもないし、テレビで放映されるわけでもないし、まあまず日本を余り知っておられない。その次は誤解、あなたの言うように誤解があるかもしれません。これを払拭して日本に対して正しい理解を持っていただくにはずいぶん時間がかかると思うんでございまして、一回や二回の訪米でできる仕事ではございません。しかし、そういうことを常に念頭に置いて、しんぼう強く実績を積んでいかないといかぬ、そういう努力をしていかないといかぬと思います。  それから第二点は何でしたか……

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 サミットの中国の貿易問題。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) サミットの議題につきましては、まだ準備会議が開かれておりませんので、準備会議で各国が協議して決めることになっておりますので、議題になるかならぬかまだわかりません。しかし、中国市場の問題でございますが、巨大な市場でございまして、多くの国がフェアな立場で参入していくということは、私は歓迎すべきことと思っております。わが国としては、わが国の力量の及ぶ範囲において国際的ないろんなルール、約束を守りながら中国の経済建設に協力していくという立場をとりたいと考えております。  それから、ECも日本に対しまして大変な赤字でございまして、わが国に対しまして非常に厳しい姿勢をとっておりますことは御指摘のとおりでございまして、対米と同様にECに対しましても精力的にわれわれの立場に理解を求めると同時に、われわれ自身が世界経済に対する責任を鋭意果たしてまいることによってこれにこたえていかないといかぬと考えています。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 輸銀の外貨貸し制度に基づく航空機リースの問題でございますが、この米・米案件についても、政府部内では、緊急輸入目標を達成するためにも対象国を限定すべきではない、こういう意見がある一方では、大蔵省は対日差別との批判をかわすために航空機リースヘの外貨貸しの適用そのものを三月で打ち切る意向を固めた、こういうふうなニュースも聞くわけですけれども、これらの点についてはどういうふうにお考えなのか伺います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 結論的に言いますと、目下調整中と、こういう段階でございます。それでこの案件につきましては、ソロモン財務次官からわが方の東郷大使にあてまして、航空機リース制度は国際収支対策上アメリカとしても評価する、で、航空機リース制度を無差別原則でひとつ適用してもらいたい、米・米案件を認めない場合はアメリカの航空会社を差別したこととなって、大変残念であるというような手紙が来ておることは事実でございます。まあ、そういった要求なども踏まえながら、目下、政府部内で調整中というのが現状でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この点、総理はどういうふうにお考えでございますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) わが国の経済運営の基本の方針は、世界から理解され納得される運営のやり方をやらないといかぬと存じておりますので、いま非常に国際収支がアンバランスの状況、それを早く均衡化に持っていかないといけないという差し迫っての問題もございますけれども、そういった現状を踏まえた上で、世界の納得がいく運営の仕方をやってまいるわけでございまして、そういうことを踏まえて政府部内で鋭意調整をいたしておることと思いまして、御心配のないようにいたしたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま、農産品の輸入割り当て制度の撤廃要求も出ているように伺いますが、これについてはどう対処するのか伺います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) これは御承知のように、ちょうど大平内閣が発足しまする直前、十二月五日に中川農林大臣、そしてマンスフィールド大使等々との間で話し合いが一応決着を見ております。したがって、今後農産物の輸入の拡大の要求が出てまいりましたときには、国内の需給動向がどうか、あるいはまた国内農業に与える影響はどうかというあたりを、しさい慎重に検討して今後決めていくことになる。とりあえずは一応の決着を見ておる、こういう情勢でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 先般の二月二十一日ですか、米国の下院歳入委員会で、ECからの農産物の輸入に対する相殺関税免除延長法案が可決をされました。これと引きかえに、米政府は議会対策として、国内の繊維産業保護の公約に沿って、日本など繊維輸出国に対する輸入規制を強化してくることがほぼ確実ではないかと思います。こうなれば、新たな日米繊維戦争に発展するおそれも出てくるわけでございますけれども、これをどう分析し、どう対処するのか、この点をお伺いしたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 御承知のように、交渉でありますから相手側も非常に厳しくいろいろな条件を提示してまいります。わが方もこれに対して、公平の原則に従っていろいろ議論をする。こういうわけですから、今後とも先方の言い分はもちろん傾聴しなければなりませんが、十分折衝をしまして、互恵平等の精神に反しないように十分努力したいと思います。  ただ問題は、百十六億ドルの貿易インバランス、これが問題になるわけでありまするので、日本としても他の面で、いま航空機リース等を含む緊急輸入の問題、その他製品輸入の問題等々努力しておることは御承知のとおりでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 これに関連するわけですけれども、各種の検査制度が輸入障壁になっているということで、簡素化も要求しているということでございますけれども、この点はいかがでございますか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) お答え申し上げます。  アメリカとの間で自動車その他の検査制度の問題がございましたけれども、これも日本から派遣をいたしまして円満に解決に向かっておりますし、厚生省関係のいろんな薬品の検査等の問題につきましても、いま円満な話し合いを行っておるところでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 次に移ります。  輸入水産物にかかわる割り当て問題でございますが、まず、二百海里化時代の進展に伴って逐年水産物の輸入が増加の傾向にあると思います。ここ数年の動向についてまずお伺いをしたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 水産物の輸入は年を追うて増加しております。昭和五十三年度には六千七百六十五億円、五十二年度には六千五百七十七億円、こういうわけで、特に最近の輸入動向の特徴は、需要が増加しておりまするエビとかイカ、それから米ソ等のいまお話のありました二百海里漁業水域設定に伴いまして漁獲量が減少をいたしましたサケ・マス、それからカニ、こういった北洋ものが急速に増大をしております。過去の細かい数字が必要ならば貿易局長から申し上げさせます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 時間もございませんから進めてまいりますが、輸入水産物のうち非自由化魚介類に指定されている品目は現在どうなっているのか。またこれの輸入動向、この点について伺います。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) わが国で輸入割り当てを行っておりますのは、沿岸、沖合い漁業の主要な製品でございまして、具体的にはニシン、タラ、ブリ、サバ、イワシ、アジ、サンマ、モンゴウイカを除くイカ、ホタテガイ、貝柱、ノリ、コンブ等でございます。  それから最近の動向でございますが、これも逐年ふえてまいっておりまして、五十三年には総額で五百八十八億円になっております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 現在、非自由化魚介類の輸入は、政府による輸入割り当てによって行われております。現行の輸入割り当て方式について、まず概略御説明をお願いしたいと思います。また、割り当て申請資格、輸入割当審査会の構成及びその役割りについても御説明をお願いいたします。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) 輸入割り当てに当たりまして、輸入の経験、能力、あるいは実績のある者ということで商割りを原則として考えておるわけでございます。ただ、輸入水産物を原料として加工をする業者――水産物加工業者、あるいはかん詰め業者等、それを原料として必要とする業者もございますので、そういった全国団体に対しましては需割りという制度を設けております。それからさらに、開割りと称しておりますが、外国の地域におきまして合弁あるいは自己で外国の許可を得て開発、漁獲をいたしまして輸入する業者がございます。そういった三つのものを水産物の性質あるいは流通形態に応じましてとっております。  それから、具体的な輸入割り当てに当たります審査会の構成でございますけれども、輸入割当審査会は、通産省貿易局の輸入課、農水産課及び農林水産省の経済局国際部貿易関税課、水産庁漁政部水産流通課、この四課で行っておるものでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 割り当て方式には商割り、需割り、さらに開発割りがあるわけですけれども、その割り当ての割合というか、パーセンテージ、こういうものはどういう基準、考え方か、いま申し上げた三点について伺いたいと思います。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) 水産物の割り当てにつきましては、大きく分けて二つに分けております。韓国の水産物と、それ以外の輸入の可能性のある九十八カ国の水産物でございます。九十八カ国の水産物につきましては、開発輸入がほぼ四%でして、残りを商社四割、需要者六割という形で分けてまいっております。韓国につきましては、全額商社割り当てになっております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 発注限度内示書発給要領によりますと、特定の水産加工業者の団体に特別の割り当ての枠を認めておりますが、これはなぜか。また、内示書割り当てについては特定団体の推薦団体にも行われるようになっておりますけれども、これらの経過、実績といいますか、実態を明らかにしてください。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) 需割りの対象になります需要者団体につきましては、農林水産省の水産庁長官の発給されました発注限度内示書を持った団体からの発注を受けた商社に割り当ててございますけれども、その特定の団体につきましては農林省の方で御指導になっておりますので、お答えいただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ここで一つの疑問が出てくるのですけれども、特別に割り当ての枠を受けている特定団体が他の団体をまた推薦をすると、なぜこのようなややこしい形のものができているのか、この点をお伺いします。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) ただいま御指摘の問題につきましては、全国の水産加工業者の組織する団体が割り当てを受けておる、限度内示書の発給を受けていると、これらの団体が推薦した全国を地域とする水産加工業者もその資格がある、こういうことになっておりますが、これについての実績はまだございません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃ必要ないものを、こんなにややこしい問題を明示をしている、この理由はどこにあるんですか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 現在これに該当する全国の組織としては五団体がございますけれども、これらを通じて的確に物資が下の組合員等に流れていかない場合に、もう少しバイパスみたいに、バイパスといいますか、ほかの団体を指定してさらに円滑な流通を期するというふうな考え方に基づくものであろうというふうに思っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 輸入発表によるいわゆる商割りについての大手商社、大手水産会社に割り当てが偏っているという批判もございます。大体上位二十社のシェアはどうなっておりますか。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) 上位二十社のシェアでございますけれども、先ほど申し上げました九十八カ国産の魚介類につきまして大体四割程度でございます。韓国産の水産物につきましては八割程度でございます。干しスルメに関しましては三割程度でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 商割りに対する新規参入の状況はどうですか。それと選考方法ですね。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) 先ほど申し上げました九十八カ国の水産物に関しましては年々かなりの枠の増大が行われておりますので、毎年新しく新規の追加を行っております。昨年も七十八社だったと思いますが、申請がございまして全員新規加入をさしております。韓国産につきましてはマーケットが狭い意味もございまして毎年四、五社程度の新規の加入を認めておるという現状でございます。  これらの加入に当たりましての基準といたしましては、自由化されておるたとえばエビでございますとか、タコあるいはタイのようなものにつきましての魚介類の輸入を取り扱ったことのある業者ということに限ってやっております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いままでの説明で輸入枠の大部分が実績主義による既得権益として大手商社、大手水産会社あるいは特定の需割り団体によって占められていることが大体わかってきます。  そこで、輸入割り当て枠についてでございますが、政府は代価の対象になり得るものと認めているのかどうか、この点を伺います。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) 購買の対象になるようなものではないと考えております。外割りはいわゆる売買できるものではございません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 売買価格に輸入枠代を上乗せするような行為があったとしたらどのような措置をとられるのか伺います。

水野上晃章通商産業省貿易局長

○政府委員(水野上晃章君) 輸入貿易管理令によりまして、外割りを取得した者は自己の名と自己の計算で輸入をしなければならないというふうに決めてございます。したがいまして、万一それに違反した行為がございますれば外為法違反ということになろうかと思いますし、また割り当ての実績からもそういう者は考えないといいますか、次期以降の割り当てを行わないのは当然だと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ここで割り当てを受けている大手商社と買い主との間に締結をした輸入代行約定確認書をいま総理、農林大臣、通産大臣にお渡しをしたわけですけれども、これは買い主に対する報復もございますので、社名、具体的な取引内容は伏せておりますけれども、この本取引、売り主の買い主に対する輸入代行、すべてが一切買い主の負担になっている。金利、倉敷を含む一切の諸掛かり、こういう輸入税も一切買い主の負担になる。為替のリスクの問題についても全部買い主の負担になっている。それから関税関係、そういう問題もすべて買い主の負担になっている。売り主口銭、輸入枠代、こういうような問題もそうですけれども、罰則についても非常に厳しいものがあるわけです。  こういうようなことを見ておりますと、輸入枠が売り渡されているばかりか売り主の買い主に対する輸入代行に切りかえる、買い主に一切のリスクの負担を強いているわけです。この約定確認書を総理は見ておられましてどういうふうな所感を持っていらっしゃるのか。私はこういうふうなやり方は一切いけないと思うわけですけれども、いかがでございますか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 私が所管ですから先にお答えをさしていただきます。  これは私もいま初めて拝見をしたわけでありまするが、商社割り当てという意味は、安定的に消費者に供給される、この根本原則に立って行われておるわけでありまするが、非常な不公正があったり、あるいはまたさっきから御指摘のように、権利枠を売り渡すなどというようなことは、これはもうこの輸入割り当ての貿易管理令にも違反するわけであります。今後特に調査をいたしまして、自己の名をもって自己の計算で輸入していない、この原則にもとっておるということでありますれば、自今割り当てをしないような方途をとったり、いろいろやはり今後の割り当てにつきまして配慮をすることにいたしたいというふうに考えます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 消息通によりますと、業界ではこうした契約が慣行になっている。これは物価対策の見地からも非常に好ましくないと思います。早急に実情調査のお願いをしたいし、いま大臣からもお話がございましたので、輸入枠の売り渡しといった行為がもし行われておれば、これは処罰規定を含めた法の整備も必要だろうかと思います。調査をしていただきたいと思います。  この点について最後でございますが、輸入割り当て枠の利権化を排除して、かつ割り当ての公正を期するという見地から数点提案をしたいわけでございますが、これらについて該当の方々からお話を承りたいと思います。まず一つは、輸入割当審査会の構成メンバーに学識経験者、消費者代表も加えるようにしたらどうか。第二には、現在秘密主義がとられている割り当て数量及び額を申請者の判断素材に供するため、通産省広報等で明らかにしてはどうか。第三には、内示書割り当ての申請資格については全国を地域とする水産加工業者の組織する団体という一般的な資格規定に改めるべきではないかと思いますが、いかがでございますか。第四には、中小業者の保護育成に配慮し、商割りの新規参入資格を緩和すべきではないかと思います。第五には、他の輸入制限品目についても同様の検討を行うべきだと思いますけれども、以上の五点についてそれぞれ所信を伺いたいと思います。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 矢原君、時間が参りました。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) いま御提案の件につきましては十分承りましたので、そういう点を考慮に入れながら検討をいたしてまいりたいというふうに考えます。  全くいま自由化が迫られておりまするときに、消費者保護というようなことに重点があって輸入割り当てがなされておるわけでありまするが、いかにも、先般衆議院でも雑豆について御指摘がありましたが、聞いておりまして古めかしい過去の因習そのままというような点もありまするので、こういった輸入割り当ての問題はひとつ真剣に取り上げまして、今後改正を図っていきたいというふうに考えます。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま委員の仰せられましたことは、われわれ物価をフォローしておりますと、やはり非常に値の下がっているものと、むしろ値が非常に上がっているもの、しかもこの最近の一、二月においてやはりそうした値の上がっているものも多数あるわけでございますので、こうした面からいま通産大臣ともお話をしておるところでありますが、委員の御提案についてまともにそれを推進してまいりたい、そのように思っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 公取の立場から最後に。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 通産大臣等からお答えがあったところで尽きておりまして、私の方からつけ加えることはございません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃ、時間が参りましたので、大分後に残しまして、来ていただいている方々にも非常に御迷惑をかけておりますが、どうも済みません。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で矢原君の総括質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、内藤功君の総括質疑を行います。内藤君。

内藤功日本共産党

○内藤功君 去る三月十日の当委員会で玉置委員から宮本顕治議員の資格問題についての質疑がなされました。これは、いままでのこの種の質疑、特に同議員が昨年の四月十三日に本院の法務委員会で行った質問の繰返りしであります。しかし、すでに明確なこの問題をあえてこの時期に蒸し返されました以上は、これに対して法的に明確にしておかざるを得ません。したがって、この点について端的に私はお伺いをしたいと思うのであります。  まず、自治省にお伺いしたいのですが、宮本顕治議員は昭和三十年の総選挙及び昭和五十二年の参議院選挙に立候補しておりますが、この二回の立候補に際して被選挙人資格については全然問題にならなかったはずでありますが、この点確認をしたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 昭和三十年の総選挙、昭和五十二年の通常選挙の立候補に際して、特段の問題となるようなことは起きておりません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 昭和五十二年の参議院選挙で宮本顕治氏は当選をし、現に参議院議員でありますが、その当選人決定に関する手続に関して、これも何ら問題はなかったと、こう理解してよろしいですね。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) そのとおりであります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 法務省に伺いますが、宮本顕治氏の治安維持法等被告事件については、昭和二十年の十二月二十九日の勅令七百三十号の規定によって資格回復の証明書が東京地検から出されておりますし、また、判決の付記にもその旨の付記がなされておると理解しておりますが、その内容をここで申していただきたい。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 簡単に経緯を申し上げます。  戦後、昭和二十年十月四日に連合国軍最高司令部が政治犯人の釈放等を命ずる覚書を発したわけでございますが、宮本氏の場合、この覚書に必ずしもぴったり該当するわけではなかったようでございますが、諸般の事情にかんがみ、宮本氏の健康状態を理由に釈放手続を行って、同年十月九日刑の執行停止ということで釈放されたわけでございます。その後、昭和二十年十月十七日、終戦を契機とする大赦令勅令五百七十九号が発せられましたが、政治犯罪でありましても刑法犯、経済犯を伴うものは対象外とされましたため、宮本氏は同日付減刑令の方の適用によりまして懲役二十年に減刑されるにとどまったのでございます。その後、連合国軍最高司令部は、昭和二十年十二月十九日、ただいま御指摘の政治犯人の選挙権の回復に関する覚書を発しまして、これに基づきまして同年十二月二十九日、いわゆるポツダム勅令七百三十号「政治犯人等ノ資格回復ニ関スル件」が発せられましたが、この勅令も刑法犯、経済犯等を伴う者を資格回復の対象外としておりましたため、宮本氏はこのときも資格を回復しなかったわけでございます。ところが、昭和二十二年四月末に至り、連合国軍最高司令部から、宮本氏他一名についてはただいま申し上げた二つの覚書及び勅令七百三十号によって資格を回復したものとして扱うようにとの特別の指示がなされまして、これを受けました司法省におきましては、同年五月十六日、東京地検に対しまして、このお二人について勅令七百二十号第一条本文により資格を回復されたものとして取り扱うように通達をいたしまして、これを受けた同地検では、これに基づきまして宮本氏の判決原本にその旨付記いたしますとともに、同年五月二十九日、検事正名義をもちまして資格回復証明書を同氏に交付したと、こういう経緯でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 伊藤局長、その付記の内容をちょっとここで読み上げてください。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 判決原本の付記を読み上げます。  本判決ハ  昭和二十年十二月二十九日公布  勅令第七百三十号「政治犯人等ノ資格回復二関  スル件」第一条本文ニ依リ將来ニ向テ其ノ刑ノ  言渡ヲ受ケザリシモノト看做ス  以上であります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 ついでにこの証明書の「右者に対する頭書の刑は」というところから読み上げてください。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 当該証明書は宮本氏がお持ちになっておりまして、東京地検にはございません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 こう書いてあります。  七百三十号に依り人の資格に関する法令の適用  に付ては將來に向て其の刑の言渡を受けざりし  ものと看做すとの同令第一条に則り資格を回復  したることを証明す  これでいいですね。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 恐らくそうであろうと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 これについて、前刑事局長である安原さんは、結局は宮本氏が勅令七百三十号で復権したことを認めて、これは五十一年五月八日の当予算委員会、それから十月五日の同じく本予算委員会におきまして、「将来に向かって刑の言い渡しを受けざりしものとみなされる、つまり資格回復をした」「宮本氏は完全に資格を回復するとともに、残刑も残っておらない、」、こう答弁をしておりますし、五十一年五月十九日には衆議院の法務委員会で同局長はまた、「公民権は回復されておるという意味においての法的決着はついておるということは間違いありません。」と明確に答弁しておるところでございます。法務省は今日も当然この答弁の見地であると思いますが、いかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 先ほど申し上げましたように、連合国最高司令部の特別の指示によりまして先ほど申したような取り扱いをすることとされましたので、その時点におきまして資格が回復するとともに、残刑の執行は免除されたわけでございます。したがいまして、その後は刑法総則三十四条ノ二の規定によりましてその後十年間を経過した時点において刑そのものが消滅をしたということでございまして、全経緯にかんがみ、今日の時点においては資格問題について決着がついておると、かように考えます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 この復権は、歴史的に経過を追いますと、さっき局長は「諸般の事情」という言葉を使いましたけれども、これはもう歴史的に経過を追うと、全く当然の法律的な帰結だと思うのであります。一九四五年七月二十六日のポツダム宣言、同年九月二十二日の米国の初期対日方針、十月四日のいわゆるスキャッピン九十三号という政治的、市民的、宗教的自由に対する制限の撤去の覚書、そして十二月十九日の釈放政治囚に対する選挙権回復に関する指令、いわゆるスキャッピン四百五十八号、こういう一連の日本の国を民主主義の方向に進めていく過程の中での当然の帰結だと思うのであります。  外務省に伺いますが、ポツダム宣言の十項、それから降伏文書の第六項、それから九月二十二日の米国の初期対日方針の中の政治犯取り扱いに関する部分、これはどういうふうに書いてあるか、要点で結構ですから。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  要点だけということでございますが、読み上げた方が早いと思いますので。  ポツダム宣言の第十項は、  吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰ヲ加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障擬ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由竝ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ これがポツダム宣言の第十項でございます。  次に、降伏文書の第六項でございますが、  下名ハココニ「ポツダム」宣言ノ条項ヲ誠実ニ履行スルコト竝ニ右宣言ヲ実施スル為聯合国最高司令官又ハ其ノ他特定ノ聯合国代表者が要求スルコトアルベキ一切ノ命令ヲ発シ且斯ル一切ノ措置ヲ執ルコトヲ天皇、日本国政府及其ノ後継者ノ為ニ約ス というふうになっております。  その次に、同年の九月二十二日に出された降伏後における米国の初期の対日方針でございますが、その第三部第三項の四項目でございますけれども、関連いたしますところでは、  人種、国籍、信仰又ハ政治的見解ヲ理由ニ差別待遇ヲ規定スル法律、命令及規則ハ廃止セラルベシ又本文書ニ述ベラレタル諸目的及諸政策ト矛盾スルモノハ廃止、停止又ハ必要ニ応ジ修正セラルベシ此等諸法規ノ実施ヲ特ニ其ノ任務トスル諸機関ハ廃止又ハ適宜改組セラルベシ政治的理由ニ因リ日本国当局ニ依リ不法ニ監禁セラレ居ル者ハ釈放セラルベシ個人ノ自由及人権ヲ保護スル為司法制度、法律制度及警察制度ハ第三部ノ一及三ニ掲ゲラレタル諸政策ニ適合セシムル様能フ限り速ニ改革セラルルベク且爾後漸進的ニ指導セラルベシ  以上でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 こういうような基本方針に基づいてずうっと日本の国を民主主義の方向に進めていく中での一連の過程であって、これは特別のというようなことを言う人もいるが、これは当たらない。そして、いま刑事局長が答弁しましたように、現在完全に資格を回復しているということが明らかであります。  いま局長の答弁がありましたが、法務大臣に伺いますが、宮本氏のこの法的な地位は、すでにいかなる面から見てもこれは動くことのない状況になってきております。法務大臣の考え方を改めて伺いたいと思います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) お答えします。  宮本顕治氏の資格回復の問題でありますが、占領行政時代のことでありますけれども、いろいろな経過はありましたが、昭和二十二年の五月の連合国最高司令部からの特別の指示によりまして、それで二十年の暮れの政治犯人等の資格回復に関する勅令ですね、あれに該当するものと同じ扱いをすると、そういう指示があってそういうふうにいたしたわけであります。したがって、その時点から後は刑の言い渡しがなかったものと同じ状態になったものだと、そういうふうに考えております。つまり、その時点で資格回復があったものだと、こういうふうに考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 宮本顕治議員が、戦後の民主化措置によって完全に公民権を回復して、その法的な地位が確固不動であることが、いまの答弁でも一点の疑問もなく明らかにされました。いかなる意味でも宮本氏の議員としての資格に疑義のないことは明確であります。宮本氏は治安維持法によって無期懲役となりましたが、その治安維持法は民主主義に反するもので完全にいま廃止されております。日本国憲法に反する法令としてこれは排除されておるのであります。したがって、いまもって治安維持法裁判の判決が有効だとか、残刑が存在しているなどということを言うのは、全くこれは問題になりません。  この問題は、かように、法的にも歴史的にもすでに完全に決着済みの問題であります。しかるに、最近これを蒸し返そうというやり方が出てきておる。これは私は何としても理解ができない。これは、いまちょうど選挙の告示を目前に控えて、特定の政党、具体的には日本共産党と革新勢力に打撃を与えようという党利党略的な意図に基づくものと、かように見なければ理解ができぬのであります。民主主義と自由を圧殺した治安維持法とあの暗黒時代の再現をねらう意図とも結びついたものであります。これは断じて私たちは許されないものだと思います。現在の憲法的秩序への挑戦とも言うべきものだと私どもは思います。  このことを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で内藤君の総括質疑は終了いたしました。  明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十七分散会

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