P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
87回国会参議院1979/03/08

予算委員会 第2号

発言数
414
登壇者
33
会派数
3
開催日
1979/03/08

会議録

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任を行います。  委員の異動に伴い理事一名が欠員となっております。理事の補欠選任につきましては、先例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に内藤功君を指名いたします。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 昭和五十四年度一般会計予算  昭和五十四年度特別会計予算  昭和五十四年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) まず、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十四年度総予算三案審査のため、来る三月二十日に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認めます。  つきましては、公聴会の問題、公述人の数及び選定等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、総括質疑に関する理事会の協議決定事項について御報告いたします。  総括質疑は七日間分とすること、質疑割り当て時間は総計九百八十分とし、各会派への割り当ては、自由民主党・自由国民会議及び日本社会党おのおの三百六分、公明党百五十三分、日本共産党九十二分、民社党六十一分、第二院クラブ及び新自由クラブそれぞれ三十一分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること。以上でございます。  右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十四年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本経営者団体連盟雇用特別委員長下川常雄君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認めます。  なお、出席時刻等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) それでは、これより総括質疑を行います。小柳勇君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 日本社会党を代表して、当面する国際問題、国内問題について質問いたします。特に、エネルギー問題、物価、雇用問題などに重点を置きたいと思います。  まず、激烈な総裁選挙を経て総理に就任されまして三カ月になりますが、総裁選挙中の政策要綱などを見せていただきましたが、総理の現在の御感想をお聞きいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) はなはだ非力でございまして、その任にたえるかどうかじくじたるものを感じておりますか、せっかくお役目大事に精いっぱいがんばらなければならぬと決意いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 衆議院段階におけるE2C予算関係については、その質疑を大体了承いたしておりますが、政府の見解をお伺いいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 政府といたしましては、E2Cの導入を決意いたしまして、国会にお願いいたしまして、予算の成立を期待いたしておるところでございます。そして速やかに執行さしていただきたいと願っておるのでございますが、衆議院の審議の過程におきまして、各党間のお話し合いがございまして、この執行の問題につきましては衆議院議長の判断にまつべしという申し合わせがなされたわけでございます。政府といたしましては、この執行に当たりましては、衆議院議長の判断を尊重いたしまして慎重に処理してまいりたいと念願しております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 参議院はこれから五十四年度予算を審議するのでありますが、参議院の意向はどうなりますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) いまお話を申し上げましたように、各党間でそのような申し合わせが行われたわけでございまして、政府といたしましては、その申し合わせを尊重いたさなければならぬ立場にあるわけでございます。すなわち、衆議院とか参議院とかいうベースでの問題ではなくて、公党間の申し合わせとしてそのような措置がとられたわけでございますので、政府といたしましては、それを尊重しなければならないと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 例年のことでありますが、予算案につきましてはもちろん衆議院優先であります。しかし、参議院軽視の風潮が非常に強い。したがって、これは各党とも衆議院オンリーではないかという意見がありますが、ただいまの総理の発言でも、これから審議をする参議院の予算委員会の意向などというものをほとんど考えておらないように思うが、もう一回総理の答弁を求めます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私はそんな大それた考えは持っていないわけでございまして、衆参両院ともその御審議に当たりまして政府として十分これにこたえまして、予算案の成立はもとよりでございますが、その執行にも当たらなければならぬと考えておるわけでございます。  いまE2C予算の執行に絡む各党間の申し合わせにつきましてお尋ねでございましたので、いまありのままこういう経緯でこうなっておりますということをお伝えいたしたわけでございまして、政府として国会で各党間の申し合わせにつきましてとやかく申し上げる立場にはないわけでございまして、各党間の申し合わせがございましたならば、それに対応いたしまして誠実にこれを遵守してまいるのは当然政府の責任であると考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 閣僚の一部には四月中にもというような急ぐ発言もあるようでありますが、凍結が解除されるまでは一切の不要な発言は慎むように総理としては御注意願いたいが、いかがですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 当然のことと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 予算委員長にもお願いいたしておきますが、理事会でも十分御検討願います。  次に、元号問題でありますが、総理も御存じのように、最近、右翼の言動には目に余るものがあります。国会議員の自宅にも事務所にも数々いやがらせが始まっておる。このような情勢の中で、国論二分の中で元号法制化を急ぐことは、私は大変これは不幸なことだと思うが、総理の見解をお聞きいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 元号問題に対する政府の立場でございますが、われわれの認識は、元号使用が国民の生活の中に定着をいたしておるということ、そして国民の多くがその存続を望んでおるということ、それを踏まえまして、この機会に元号の法制化をお願いしようという立場に立っておるわけでございます。もちろん法制化につきましては御議論がありまするし、また法制化の内容につきましてもいろいろ議論のあることは承知いたしておりまするけれども、そういう点を十分われわれもそんたくをいたしまして、いま国民の生活の中に定着しておる元号を素直に法制化していくということを、イデオロギーを超えて、やらしていただくべきではないかと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総務長官の見解を聞きます。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、ただいま総理がお述べいただいた点に全く一致でございます。  いま総理が申されましたように、元号の問題は相当以前から問題として提示をされておったのでございます。そこで国民の意向等を聞き現状等を踏まえてまいりますれば、ただいま総理が申されたように、使用の状況もほとんど大多数の方が御使用なさっておる、しかも、それが生活に定着をしてまいっておる、そして国民の多くはその存続を期待しておられるというような現状を踏まえまして、素直にその事実を踏まえて、しからば、だれがどういうときにその元号を新しくしてまいるかというような点を一つの制度として定着をさせ明確にしておきたいというところから出たものでございます。決してこのときに特に一部の方々の言動によって処置しておるのではございません。どうかひとつ、そういう点で国会に提案をいたしておりまするので、ぜひ御審議を賜って議了を願いたいと念願をいたしておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 先進諸国にいたしましても元号を使っているようなところはごくもうわずかでありまして、社会党は反対であります。  次に、質問いたします。  グラマン、ダグラスなど一連の航空機汚職事件に対しまして、総理はこの疑惑の解明あるいは今後の国会の審議などにどのような見解を持っておられるか、総理の見解を聞きます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) グラマン問題ダグラス問題に絡みまして国民の間にぬぐいがたい疑惑が生じておりますることは大変残念でございます。われわれはこの真相を解明いたしまして公正な解決を図らなければならぬ立場にあると思います。したがいまして、政府としては、捜査当局を初め関係当局はいまその解明に鋭意当たっておる最中でございます。それから国会におかれても、この問題に対して国政調査権が発動されておるわけでございまして、政府に所要の協力を求められておられるわけでございますので、政府としては、国会の国政調査に対しましては、法令の許す範囲におきまして最大限の協力をしなければならぬという立場でいま対処したしておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ロッキード事件がいま裁判中であります。また今回こういう事件が起こりました。しかも自民党の政治家が介入いたしております。自民党の総裁として、また政府の責任者として総裁はどのように責任を感じておられるかお聞きいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま私の責任はこの真相を解明して疑惑を残さないようにするということであると思います。不幸にいたしまして、仰せのように、私どもの政党に属する国会議員の名前が若干挙がっておることは事実でございますけれども、目下、この問題は真相が解明されつつある段階でございまして、私は、その解明を通じましてこういう方々が潔白であられることを期待いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 名前か報道されております政治家は、この国会に出てその事情を釈明するのがぼくは正当だと思う。その方が政治不信を取り除くために非常に大事だと思うか、総理の見解をお聞きいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 国会がどういう方々をお招きして御審議を進められるか、これは国会がお決めになることであろうと思います。それから、みずからの立場を公に明らかにされるかされないか、それは政治家個人がそのお立場において判断されることと存じますので、私の立場でこうすべきである、ああすべきであるというようなことを申し上げるつもりはございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自民党の総裁として、あるいは友人として総理はそのような人に会って、国会で十分に真相を釈明すべきであるとお話しになったことはございますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、この問題に対する疑惑の解明が始まったばかりでございます。捜査当局が捜査を開始しておるわけでございまして、まだ事態がどういう問題であるかわからないわけでございまして、そういう段階におきまして、こうすべきである、ああすべきでないというようなことを私が申し上げるのは適切でないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 予算の理事会で証人喚問のことはお決まりのようでありますから、各党の要求する証人はなるべく出れるように委員長にお願いをいたします。  次に、このような事件が今後発生しないように防止対策を考えなければならぬと思うのですが、わが党は、この対策要綱をもう出しております。この防止対策について総理並びに内閣としてどのように考えておられるか見解を聞きます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 政治の信頼にかかわる問題として、この前にロッキード事件が提起されましたときに、内閣におきましてはロッキード事件再発防止策というものを閣議で決めております。この閣議決定に沿いまして、政府としては目下努力をいたしておるところでございまして、この防止策の一部はすでに実施し、一部はなお検討中でございますけれども、今後とも引き続きこれらの防止対策をじみちに続けてまいるつもりでございます。  社会党が発表されました再発防止対策要綱というものは一応私も拝見いたしましたか、その内容の中にはすでに政府で決めてございまする再発防止策も取り上げられておるように思うのでございまして、政府としては、今後とも、この再発防止策につきましては鋭意努力をしてまいるつもりでございますが、国会の方でも御協力をお願いしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理府総務長官はどういう御見解ですか。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 私がお答えすることが適当かどうかわかりませんが、国務大臣の一人といたしまして、いま御提示になっておりますこうした航空機購入等によりまする問題が再度起こらないように、再発防止の処置を何らか考えるべきではないかという点につきましては、私自身もそういう点については同じ考えを持つものでございます。何とか対処いたすべきであろうと考えておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 地方行政関係でも汚職が出ておりますが、自治大臣の見解をお聞きいたします。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように地方団体における汚職事件が頻発をしておるわけでございまして、深く憂慮をいたしておるところでございます。このような事件の発生がないように服務規律の振粛、そういったものに重点を置いて指導してまいりたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 法務大臣はいかがでございますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 先ほど総理から概括して申し上げたとおりに思っておりますが、われわれとしては、まずもって目の前の事案の解明が第一だと思っております。そこでこれに全力をきょうの段階では挙げる。それから次には再発防止の対策を立てる問題でありますが、いまの段階で再発防止の方にわれわれが精力を突っ込みますことは、きょうの問題をお茶濁しにすることになっても困る。そこで、時期を見て今度は再発防止の対策の方に力を向けていきたいと思う。われわれの方にも考えるところもありますが、政府全体としても考えてもらわなきゃならぬ問題もあるかと思っておる、こういういま状況であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 事件は多国籍企業に発生したのが多数でありますが、外務大臣と通産大臣の見解をお聞きいたします。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 多国籍企業といいましてもいろいろありまするが、やはり商社としての自主的な反省、また国際的な反省、おのずとこれは商業道徳に沿うようなやり方というものは心得なければならぬ大事な基本であるというふうに考えます。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 多国籍企業の不正事件の防止については、わが国としても大事でありますけれども、一国のみでこれが果たして防止できるかどうかという問題でございまするから、国際的に話し合って、ある種の法案、規制等のことを考える必要はないかと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理に再度見解を聞きますが、ただいまの各相の答弁はやはり具体的でありません。現在起こっておる事件の渦中でありますから発言は慎重かと思いますけれども、事件を究明することと同時に、再発を防止することが非常に必要ではないかと思いますが、総理の重ねての見解を聞きます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりでございまして、究明と並行いたしまして、再発防止につきましても私どもは留意していかなければならぬと考えておりまして、具体的に御報告をいたしますと、昭和五十一年の十一月十二日の閣議了解、ロッキード事件再発防止策のうちで実施済みのものが四つございます。  その一つは、収賄罪の法定刑の引き上げというのがございますが、これは国会に五十二年の四月二十六日刑法一部改正案として第八十回の国会に提出して、現在、衆議院で継続審議をお願いいたしておるところでございます。それから第二は、「日米犯罪人引渡条約の適用罪種の拡大」これは八十四国会でこの条約が承認されまして、この条約締結に伴う逃亡犯罪人引渡法の一部改正法が成立いたしておりますことは御案内のとおりであります。第三の問題は、多国籍企業のいまお尋ねがございました行動の適正化に対しまして、通産大臣も仰せになりましたように、指導の強化をいたしております。五十一年の六月にOECDで採択されました多国籍企業の行動指針というのがございます。これを関係団体に政府がPRいたしまして、その実施方を指導いたしております。それから第四に、これはいま外務大臣が言われたことでございますが、国連の多国籍企業委員会等における腐敗行為の防止策の検討が国連で行われておりまして、わが国もそれに積極的に参加をいたしまして、何らかの具体案の仕上げに協力をいたさなければならぬと考えております。  それから現に検討中のものが四つございます。これは犯罪人引渡条約締結国の拡大の問題第二は周旋第三者収賄罪の新設、それから贈賄罪の国外犯規定の新設、それから賄賂罪の推定規定の新設。この周旋第三者収賄罪以下三つの問題につきましては大変問題が多くございまして、現状におきましては実行困難と認められますけれども、刑法の全面改正案との関連におきまして検討が進められておるものでございます。  それから第三に、今後検討すべきものとして、これは国会の領域の問題でございますけれども、政治資金規正法のあり方でございますとか、各党の間でいまお話し合いが行われておる選挙制度のあり方というような問題が関連してくるのではないかと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは多国籍企業に関する国際条約を締結するようなことも、いまの答弁に含んでおりますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま国連でいろいろ検討が進められておるようでございまして、それにわれわれも参加いたしておるわけでございまして、それがまとまってまいりまして、協定とか条約とかいうようなものになりますことは私どもも期待をいたしておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次には外交問題でありますが、この多極化いたしました国際関係において、大平内閣の外交の基本姿勢をお尋ねいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いろいろ徴候面では問題がございまするが、少なくとも冷戦から共存の方向へと各国が平和を追求していることは間違いないことでございます。こういう時代におきましては、国際社会の平和と繁栄の中にのみ日本の安全と繁栄があるという認識の上に立って、日本は、第一に平和の追求、平和外交を、一貫した行動をもってあらゆる国々と友好関係を深め、一つの問題でも二国間だけではなくて多数の国々との関係から問題を解決していくという方針で、外交を進めていきたいと存じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 米ソには膨大な軍事力がありますが、日本は平和国家であります。外交のバックボーンは何でしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 米ソのような力のない日本と申しまするか、軍事力に頼らない日本でありますから、あくまで平和の追求ということが第一義であり、平和の追求とはいわゆる人類愛というものがその根底になければならぬと考えております。このようなもので非同盟諸国を初め多数の国々と連絡をし足並みをそろえて、この道理を通していくというのが日本外交の基本であると考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまベトナム、カンボジアでたくさんの人の血が流れております。中越紛争の現状についての外相の見解を聞きます。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 中越紛争については、小柳委員御承知のとおり、中国は撤退を正式に表明し、そして撤退したら平和会談をやろうというベトナムと中国の同意、一歩解決の方向に向かう兆しが出てきたことは喜ばしいことではありますけれども、御承知のとおり、あの地形であれだけの大部隊が撤退をするということは、なかなかこれは大変問題が起こるおそれのある状態でありまして、一方撤退をする、これに対して追撃をする、追撃をすれば、これに対してまた反撃をするということになれば、ここにまた大規模の戦争のおそれがないわけではございません。  そこで、この兆しを一歩進めるために、わが日本政府は、両国に対して、一方には速やかに戦闘行動を停止をして撤退、一方ベトナムの方には、中国軍の撤退については円滑な撤退ができるようにと両方に強くしばしば要望しているところでありますが、両方の言い分がいろいろ相手に対する責任の追及、反撃はありますものの、回数を繰り返しているうちに、いろいろ中国の方も条件が出るし、ベトナムの方も条件が出るし、そういう条件を逐次わが日本は仲介役となってやっておるわけでありますか、いまのところ、だんだん両方ともこの撤退作戦というものを円滑にやって平和会談に向かおうという方向に向いているところでございます。しかし、いまなお楽観できる情勢ではありません。なお、大国に向かっては、この紛争が平和解決に向かうよう、介入されざるよう、自重をしばしば要望しているところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 中越戦争は長期戦になるだろうという軍事評論家の意見もありますが、いかがでございましょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 二国間の争いでありますから断定するわけにはまいりませんが、いまのような兆しから判断をし、あの状況、それから四月は雨季でございまして、部隊の行動がほとんど不可能、こういうことから考えますると、幸いにしてうんと長引くことは可能性は少なくなってきた、こう思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理はこの間鄧小平副首相が見えましたときにもう了承を与えられたというような情報が流れております。あの事件が発生いたしまして以来、日本政府としては、どのような措置をとってこられましたか、二点お聞きいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 鄧小平副主席来日のときには、総理からもそれから私からも中越紛争について懸念を表明をし、ここで中国が実力を行使することになればアジアの平和のために非常に大きな問題であり、ASEANは非常に脅威と懸念を受ける、自重されたいということを強く要望し、これに対する鄧小平副主席の中国というのはやるときはやるんだというような意味の発言がございましたが、これについては重ねて警告を発し、そのようなことは断じてなさらぬようにという強い要望をされたところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣はもちろん担当大臣でありますが、私は、内閣の姿勢として総理の決意を聞いているわけです。で、これからどういうふうな措置をとられるか、総理の見解を聞きます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) わが国の外交の基本は、申すまでもなく、いま外務大臣も申し上げましたとおり、平和外交に徹しなければならぬと考えておりまして、いかなる所、いかなる時期、いかなる当事者において行われようとも武力紛争というものは絶対避けなけりゃならぬと考えておるわけでございまして、したがって関係当事国に対しましてそういう立場から軍事行動にわたらないように強く要請をしてまいりましたし、不幸にして若干国境を中心に紛争が起こってまいりました暁におきましては、その平和的な収拾を再々にわたって要請してまいったのでございます。今後も、この態度は堅持していきたいと思います。幸いにいたしましてインドシナ半島における情勢はやや明るい展望が開けつつありますことは御同慶にたえないと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 後でASEAN問題のときもう少し触れますが、そういう時代のときに、このインドシナ半島では戦争、朝鮮半島では米韓大軍事演習がいま行われている。なぜこれを中止するように米国、韓国にお話しになりませんか、外務大臣にお聞きいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いま行われております米韓の合同演習は例年の行事であり、基本的には米韓の問題ではありますけれども、小柳委員と同じように、南北統一の対話が始められた時期にこのようなことをやることは、必ずしもこれを促進または有益な雰囲気をつくることではないと存じますので、わが日本政府としては、その意向を向こうに伝達し、そして演習実施に際してはあくまでこれを刺激されざるよう、こういうことを強く要望しているところであります。これに対して、米側は、演習をやる場所は国境からうんと南に下がったところであるし、もう一つはあくまで防御的な演習であるからという返答でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣の個人的な見解ではなくて、外交折衝で正式にそういうことを申し入れてありますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御発言のとおりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 防衛庁長官、去る二月七日に、日本自衛隊の幹部が訪韓をいたしております。その出向の任務は何であったか、見解を聞きます。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) お答え申し上げます。  御指摘の点につきましては、二月五日から同月十日までの間、航空幕僚監部の自衛官三名が韓国空車当局の招待により、同国空軍施設等の視察のため出張いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 細部の問題は後刻論議いたしますが、インドシナ半島では殺戮の戦争が発生している。そういうときに米韓大演習。大臣は例年とおっしゃいましたけれども、特別な演習です。それに日本の自衛隊もいろいろ、情報によれば、参画とは言いません、連絡をしています。平和国家である、さっき基本姿勢は言われました。そういう日本がもう少しアジアの地域で平和社会をつくるリーダーとしての任務を努めてもらいたいと思いますが、いかがですか。外務大臣に聞きましょう。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御注意の点は十分今後留意をして努力をいたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 朝鮮半島における両国の南北対話の問題についてはどのように対処しておられますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 昨日第二回目の会合があったわけでありますが、昨日の会談では、両方から並行的に議論をしたようであります。したがいまして、両方の立場、見解にはまだ相当の隔たりがありますけれども、少なくとも南北両方とも自分の責任においてこの統一体を壊すまいという意向は見えておりまするし、お互いに敏感に反応し合いながら会談が続けられていることはきわめてよいことであると歓迎をしております。  なおまた、これに伴い卓球統一チームなどの問題も出てきていることもこれは歓迎すべきことで、私の方では日本卓球協会、国際卓球連盟にこの統一チームを参加させられるよう正式に要請をしているところでございます。  したがいまして、この会談が簡単に解決つくと思いませんけれども、少なくとも半島における南北両方が平和的にみずからの話し合いで解決をしようということについて、朝鮮半島の平和に一番影響の多いわが国としては、できるだけの努力をする覚悟でおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 金大中氏がまた拘束されて――釈放されましたけれども、問題が発生しておりますが、この前、釈放されました昨年末に、大平総理名指しで事件の真相究明と原状回復を求めたことに対してどのように対処されましたか、お聞きいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) この問題につきまして、国と国との間の問題といたしましては一応の決着がついておるわけでございます。すなわち、事件が発生いたしましてから日本の捜査当局がいろいろ捜査をいたしましたけれども、韓国の公権力がわが国の主権を侵したという証拠が確実につかめなかったわけでございます。そこで、一応外交的決着をつけるが、もし将来証拠が挙がってきたような場合におきましては問題を提起することあるべしということに決着がついておるわけでございます。その後、何年かたちましたけれども、まだそういう証拠が出てまいっておりませんので、政府としては、韓国政府に対して原状回復を求める立場にはないわけでございます。これは公的な国と国との関係としてそういう関係になっておるわけでございます。  しかし、金大中氏自身の人権問題というものは、人道的な立場から私も深い関心を持っておるわけでございまして、金大中氏をめぐるこの問題が円滑に解決されてまいりますことを私は期待いたしておるものでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 主権侵害の問題はまだ捜査中だということがこの国会の認識です。したがって、自治大臣から聞きましょう。その主権侵害に対する捜査の進捗状況はいかがですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 本事件に関しては、捜査の態勢は依然として継続しておりまして、捜査を続行中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理にお願いですけれども、このような問題が再々国会で論議されませんように、ちゃんと国民が納得するような決着をして、早く鮮明にして問題を解決してもらいたいと思います。  それから、ことしの一月九日に、毎日新聞の記者が韓国政府によって国外強制退去を命ぜられて不当弾圧を受けました。昨年、その前にもたくさんの報道機関が不当なる介入をされていますが、これに対してどのような措置をなされたかお聞きいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 直ちに日本政府は、韓国政府に対してこの退去命令が不当であり、真実の理解に欠くところがある。したがって、退去命令を撤回されよという折衝を強く繰り返しました。その後、毎日の方からも御要請があり、しばしば要請いたしましたが、若干日にちを延期することができましたが、結局は撤回されずに退去命令が実行されたわけであります。そのことについてもまだいまなお努力、要請中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは外務だけでありません、各大臣に、いわゆる内閣として受け取ってもらいたいのは、朴大統領のいまの政治のあり方に対しては、人権侵害など大変問題が多いということを実証されていますから、それを正確に取材する報道機関の記者などが不当な弾圧をされることは許せないことです。そういう点は十分にひとつ今後とも注意しておいてもらいたいと思います。  次に、国際社会に受け入れられる国際経済運営のあり方について、基本的に総理からまず聞きます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) わが国は、わが国に対する各国の信頼と理解の上に立ちまして資源の供給を求め、市場の開拓を通じてわが国の国民経済を維持いたしておるわけでございます。したがって、われわれの対内外にわたる経済政策は、他国からの納得がいく方法において運営される必要があることは申すまでもないわけでございまして、そうすることが世界経済に対するわが国の責任でもございますし、同時にわが国の生存のために不可欠の要件でもあると心得ておるわけでございます。そのために政府としては国際機構に進んで参加いたしまして、そこで取り交わされておる国際的なコードを尊重いたしまして、国内外にわたる経済活動を規制いたしておるばかりでなく、その指導的な役割りを日本として果たしていかなければならぬと考えて、現に努力をいたしておることでございまして、今後いよいよこの事の必要を痛感するものでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的な問題でありますが、東京ラウンドは、発展途上国の問題を十分論議しつつあったのでありますが、現状を御説明を願います。

手島れい志外務省経済局長

○政府委員(手島れい志君) お答え申し上げます。  東京ラウンドの実質的な交渉はほぼ終了を目前に控える段階までまいっておりまして、日本は、発展途上国でございますアジアの国を中心といたしまして、そのほかの諸国ともそれぞれ二国間の交渉を行いまして、先方の希望するものにつき、われわれのできる限りの範囲におきましてこの御要請にこたえるという方向で対処をしてきております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 五月にマニラでUNCTADの総会が開かれますが、これに対する日本の基本的な考え方をお聞きいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) マニラで開かれるUNCTADの総会は、非常な関心を持って見ております。少なくともUNCTADの総会で論議された成果をできるだけ東京サミットにこれを持ち込んで、南北問題の重要な課題としてわれわれはASEANの立場から主張したいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 発展途上国と先進国とのいわゆる南北対話の前進のためには、わが日本としてはどういうような取り組みをしたらいいか。どういうふうな考え方を持って臨んだらいいか。総理と外務大臣から見解を聞きます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 基本的な発展途上国とわが国との関係、取り組み方でございますが、私は、そのことが日本の利益になるからやるというのではなくて、受益国たる発展途上国の経済自立に寄与するものであるということを本位に日本としては考えていくべきものと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) ただいまの御発言の問題は非常に大事な問題でありまして、具体的に申し上げますると、昨年のASEANの外相会議で遠慮なしに出された意見は、日本はあらゆる国際会議あるいは他国との会談の際、われわれ開発途上国、特にASEANの立場になって物事を主張してないじゃないか、先進国の立場に立って主張している。これではわれわれは腹を割って話はできないと、こういう具体的な発言がありまして、私はこれに対して反省と、今後はその点を十分考慮をして、あらゆる会議で開発途上国、ASEANの立場になって主張すると、こういうことを誓約したわけでありますが、その後、ボンのサミットその他においても、共通基金を初めASEANの主張を必ず聞いて会議に出席をし、その経過はASEANの各国に報告をし、ボンにおいては共同宣言の中に、とかく消極的だった米国も共通基金について積極的になってきた。こういう日本の一年間の行動というものはASEANの国々から評価をされておるところでございます。今後とも十分注意をしなければならぬと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 一九七七年の八月に、福田前総理がマニラ声明なるものを発表されました。大変結構なことだが実行が伴っていない、実行が伴わないような声明をやってもらってはかえって不信を増すという声がいっぱいのようでありますが、いかがでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) これはいささか違うことでありまして、前総理がASEANを回られて言われた公約というのはほとんど実行されております。実行されていないのは、ASEAN自体で解決すべき問題、たとえばどこの国に工場をつくるかというASEAN自体の問題があります。ただ、日本が何か約束してから工事ができるまでに相当長く時間がかかっておるということは、今後十分注意しなきゃならぬと思います。  なおまた、先ほどちょっと触れられましたが、経済援助についてはここで少し見直す必要がある。それは大型プロジェクトが主であって、地域住民に余り関係のないことに現状がどんどんいっている。そうではなくて、多国化の時代には、各国と交際すると同時に、きめ細かに各国の地域住民が欲するもの、あるいは自分たちの繁栄に役立っておるというようなことがわかるようなことをやらなきゃならぬと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま誤解だとおっしゃいましたけれども、これはシンガポールの外務大臣の発言ですからね。だから、私らのただ見解じゃありませんから、十分心しておいてもらいたい。  それから、いま最後におっしゃいました、せっかく経済援助をやりましても、向こうの首脳陣ですね、政界とか財界などの首脳陣だけに利益がもたらされておる。国民に還元しないという、十分にこれは心してもらいたいと思いますが、それではこれからの経済援助を三倍しなきゃなりませんが、その実行は可能ですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) ただいま御審議を願っておる予算には、財政当局は苦しいながらも相当大幅の援助をつけまして、大体今年度の予算で、五年間倍増が三年間倍増の実績をつくることに相なっております。ただし、それで外務大臣は満足しておるものではありません。三年間倍増ということになりましても、予算面ではGNP比は〇・三一ぐらいでございます。御承知のとおり世界の平均目標は〇・七でありますから、そういう方向に向かってさらに努力をしたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 五十五年以降の対前年伸び率が平均一八%ぐらいになります。したがって、ずいぶん心して、国民の税金でありますから、経済援助をしたものはちゃんと向こうの国民が、日本の国からこれだけ援助されたということのわかるように、十分ひとつ心してもらいたいと思います。  それから次は、日米通商交渉でありますが、東京サミットが六月に開かれます。これに対する心組みをまず総理から聞きます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) わが国が初めて首脳会談をお引き受けいたしまして、その主催者になるわけでございまして、世界の経済に対する信認が揺らいでおるときでございますから、この機会を通じまして、世界経済の現状及び将来に対する信認を固めてまいることは、いま世界にとって大きな任務であろうと思うのでございまして、このサミットの会議は、その意味におきましてぜひ成功をさせなければならぬと考えております。しかし、これを成功に導く前提として大事なことは、わが国が世界経済に対して持っておる責任、役割というものをちゃんとまず果たすということでなければならぬことは当然でございます。したがいまして、いま鋭意努力をいたしておりまするわが国の対外経済均衡、いまの大変な不均衡を均衡に持っていく努力を鋭意進めてまいりますこと、それから、現に日米間等に若干の経済問題がございますが、できればそういう問題も早く解決をいたしまして、このサミットを迎える雰囲気をつくり上げなければならないものと存じまして、そういう方向でいま鋭意努力をいたしておるところでございます。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) サミットについては、数回やられたサミットによってサミット精神というのができております。これは各国がお互いの責任を追及するのではなくて、お互いに責任を分担をして、協調と連帯によって世界経済の不況を打開したいと、この精神に基づいて開かれることは当然でありますが、議題についてはただいま、三月から準備会その他を開いて、逐次各国の意向を聞いておるところでありまして、いま総理のおっしゃったとおりでありますが、特に初めてアジアでサミットが開かれるわけでありますから、小柳委員から言われました南北問題というのは、UNCTAD総会の後を受けてこれは相当強くこの議題の中に入れていくべきであると考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 一昨年の四月、福田前総理がボンに出かけられる前に、ここで私は七%経済成長は困難ではないですかと申しました。ところがそれを約束して帰られて、それがもう日本の経済を大変じぐざぐにしました。今度七%成長を放棄して五十四年度は六・三%の成長でありますが、米国は大平内閣に大変不満のようでありますが、いかがですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 前内閣におかれて、七%成長を目標にして経済運営に当たられたことでございますが、この成果がどうであったかということにつきましては、小柳さんも御承知のとおり、内需を喚起して輸入をふやしていく、そして経済の成長を内需で支えていくということにおいては成功いたしておると思うのでございます。すなわち、当初七%台の内需の伸びを期待しておりましたけれども、これは八%を超える内需がどうも期待できそうでございます、この五十三年度を通じまして。したがって、前内閣でうたわれた目標は、その限りにおいて成功いたしておると思いますし、各国もそれを評価いたしておると思います。  問題は、ただ福田前総理も言われましたように、去年一年というのは大変為替が空前の動揺を示した年でございまして、為替はいまは固定相場ではございませんで、市場で相場が立つ仕組みになっておりまして、政府のいかんともしがたいところでございます。したがって、この為替の市場の状況が余りにも急激に乱高下をいたす状況でございまして、わが国の輸出がそのために不振に陥るということになりまして、当初七%成長に予定いたしておりました海外余剰というものが大きくマイナスに立つというようになりましたことは御案内のとおりでございます。そのことにつきましても、私は各国は理解を持っておると思うのでございます。したがって、七%成長を目標にして努力をいたしました日本政府の経済政策の功罪は、私はむしろプラスとして評価されておると存じております。  しかし、物事は計画経済ではございませんので、なかなか、目標どおりにまいりますこともあれば、目標以上にいくこともあれば、あるいは目標を若干下回ることもあり得ることでございまして、五十三年度は間もなく帳面を閉めようといたしておりまするけれども、恐らく七%成長に若干足らないのではないかと。政府はこれを改定いたしまして六%程度ということに去年の暮れ改定をいたしましたが、それの相前後になるのではないかと私どもは考えておるわけでございますが、これは、こういう自由経済体制をとっておる場合といたしましてあり得ることだと考えております。  第二の問題は、私の政権になりましてからでございますが、私の政権になりましても、日本政府の、自由民主党政府の既定の経済政策態度を変えたわけじゃないんです。日本の経済は対外的に大きな責任を持っておるわけでございまするので、高目の成長を続けてまいりまして、対外経済の均衡化の方向に鋭意努力しなけりゃならぬわけでございまして、前内閣に引き続きましてその方針を続けてまいっておるわけでございまして、現在やっておるわけでございますし、将来もそういう方向でやってまいるべく、予算の編成を中心といたしまして、すべての経済政策の作案と実行に当たっておることは御案内のとおりでございます。私になりまして急に経済政策を変えたとか、七%成長政策を断念したとかなんというのは、いわれなき誹謗でございまして、全然私の関知しないことでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 まず二点。一つは、内需というのは、これは国民や企業家がやるのでありまして、政府の自慢にはなりません。第二点の、それだけあなたが自信があるのなら、なぜアメリカがいま日本に不満であると言って財務関係の者が押し寄せてきますか。その点はどうなんですかね。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 二国間の経常収支のバランスから見まして、百億ドルを超える黒字が日本にあるというようなことは異常なことだと思うのでございまして、アメリカ側に不満がなければ私は不思議だと思うのです。あるのはあたりまえだと思うのでございまして、問題は、これをどのようにして均衡化するかということにあるわけでございまして、このような大きな貿易を二国間でやっておる国におきましては、私はそういう問題ばかりじゃなく、いろんな問題が起こってくるのは当然だと思うのです。また、問題が起こらないなんていうような状態は期待できないわけでございまして、問題は、起こった場合にそれをどう冷静に処理していくかと、そしてそれぞれの国が世界に対して持っておる責任を果たしていくかということが大事なことだと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一つ。七%を捨てたのじゃないとおっしゃるなら、なぜ経済計画や経済見通しに、平均六%ないし六・三ぐらいですけれども、こういうものをお出しになるんですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 予算をつくる場合に、当然のこととして、五十四年度の予算をつくる場合には五十四年度の経済の展望をつくらなければこれは予算ができるはずはございませんので、したがって、経済運営の基本的な態度と経済の見通しというものを立てて、それをベースにいたしまして、どれぐらいの収入が期待できるかというようなことをベースにいたしまして、その年の予算をつくるわけでございます。その場合に、五十四年度の経済を見通す場合には、五十三年度がどういう姿で終結するのであろうかという展望を見届けなきゃならぬことは当然なことでございまして、避けることはできません。したがって、五十三年度は七%成長と言われて鋭意やってまいったが、一体どういう結末になるであろうかということを、去年の暮れ、これは福田内閣当時からもうすでにそういう検討を始めておったわけでございまして、私になりましてから、どうもこれはむずかしいのではないかという認識に達しまして、六%ということで五十三年度は終わるであろうというベースをつくって、その上に五十四年度の見通しを立ててことしの予算をつくったわけでございますから、なぜつくったかというと、そうしないと予算ができないわけでございますので、それはあなたが政権を持たれても同じだと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 参議院の予算委員会ではそういう詭弁的なことでは通過いたしません。ここに、これは昭和五十四年一月二十五日に閣議決定した「五十四年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」というのがあります。これに付表があります。そして、昭和五十四年度から六十年度の平均伸び率は六%弱と書いてあるんです。ではなぜ総理は、そう言われるならば、七%を捨てたのでないならば、七%を計画しておいて、そしてそれができませんでしたと言いませんか。そういう態度が、アメリカが満足しないで、圧力をかければどんどん経済が成長するような錯覚を持っているのじゃないですか、アメリカ財界は。もう一回総理の見解を聞きます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 七%成長をこの三月三十一日までにどのぐらいの成長を実現できるであろうかということを去年の暮れの段階において推算いたしてみたところ、まず六%弱というところではないかという見当をつけたわけでございます。問題は、その時点であるいは補正予算を組みあるいは新たな積極的な金融政策を講じてやりますと七%成長ができるというのでありますならば、それも私は理論的にはそういう選択はあり得るかと思いますよ。しかし、仮にそういうことをやっても、成長が実現できるタイミングはもうないんです。どんなことをやってももう五十三年度末までに七%成長するということは無理だという場合に、それでも七%をベースにして五十四年度の成長率をその上に積み上げてひとつ考えていくなんということは、私は決してやり方としてまじめなやり方ではないと思うのでございまして、われわれは現実に即して問題を処理してまいったわけでございますが、そういうことをベースにしてアメリカにも理解を求めておるわけでございまして、私どもがもしできることを断念したというのなら、私は汚名を着ますよ。しかし、できないことまで責任を負う必要はないと私は思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それならば、七%を放棄したのじゃありませんなんということはこの場で言うべきじゃないですよ。七%成長を努力するけれども財源その他でできませんと、だからこういう計画をいたしましたと言うのが総理の態度ではないですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 七%を放棄したと何も言ってはいないのでございます。七%成長はむずかしいということを認識を述べたまででございまして、七%を断念したと書いたのは新聞でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、国際収支の現状とその見通しをお聞きいたします。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 御承知のとおり、経常収支の黒字幅はだんだんと縮小しております。特に輸出が数量においてだんだんと減り、輸入が数量的にふえておるのは、たとえば一月の数字で見ますと、輸出数量はマイナスの九・七、輸入数量はプラスの一二・二というようなことで、この傾向は漸次定着してまいりましたから、しかも製品輸入が増加の傾向が目立ってまいっておりますので、五十三年度の経常収支は大体政府見通しの二兆七千億程度の黒字におさまるのじゃないかと考えておる次第でございます。また、長期の資本収支につきましても流出超過が続いておりますので、基礎収支全体でほぼ均衡するか若干の赤が出る程度ではないかというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 黒字をどの辺まで持っていこうとするんですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 経常収支の黒は二兆七千億、大体そういう見通しを持っておるわけでございます。基礎収支でとんとんと、こういうことでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その黒字になすために相当無理をしてたとえば金融面の門戸開放をやらなきゃならぬだろうと、やってくれというような要請もあっているようですが、大蔵大臣、どうですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) もちろん、緊急輸入をやりますとかいろいろな努力は必要であると思いますが、大体そういうようなことで片づくのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 農産物その他ありますけれども、一つの例は電電公社の随契の問題でありますが、この実態を郵政大臣からお聞きいたします。

白浜仁吉自由民主党郵政大臣

○国務大臣(白浜仁吉君) 電電公社の問題は、いませっかく外交交渉中で、また技術的な問題が絡んでおりますので、外務省を通じ、またその他の機関を通じまして、いませっかく折衝中であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 あなたは電電公社を監督する機関の長です、大臣です。担当大臣でおってどうなんですか、この問題に対してのあなたの見解を聞きます。

白浜仁吉自由民主党郵政大臣

○国務大臣(白浜仁吉君) 国際規約の調達の問題に関しましてアメリカからの要求が非常に強いということに絡みまして電電公社の閉鎖性が御承知のとおり指摘されておるわけでありますが、技術的な問題が非常に絡みましてこの問題の解明についていろいろ折衝をいたしておるところでありまして、私ども、国民に対して経済的な安定したサービスをしなければならない。それに絡みまして、いまアメリカが強く要望しているような方法を受け入れますと今後の電信電話事業に対しまして非常にむずかしいことになるというふうなことを考えていま努力をしている最中であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 このアメリカの言い分を通せば困るという意見を聞いておるが、電電公社の総裁から実態を御報告願います。

秋草篤二日本電信電話公社総裁

○説明員(秋草篤二君) お答えします。  電電公社のこの問題に対する基本姿勢は終始一貫しておりまして、私どもの預かっております三千六百万の加入者に対しまして極力信頼性の高い安全な安定したサービスを提供することが第一点、第二点はやはりより安い経済的な料金にしなければならぬと、この基本的な理念をもちましていままで資材の購入をやっております。購入の仕方は現在は内外無差別開放ということでございますが、いま問題になっているのは、国際コードの規約の中に盛られているのは自由競争契約というのがたてまえになっております。ところが、この自由競争契約にしては電電公社が考えておる随意契約と真っ向から衝突する、自由競争契約ではだめであると、こういうことを述べまして、一にかかって外務省にお願いして今日まで御努力を願っておりますが、なかなかむずかしいわかりにくい問題でありまして、外務省に対しても私非常に迷惑をかけて申しわけなく思っておりますが、なぜそれならば競争契約ではまずいのかということを少し時間をかしていただきまして申し上げてみたいと思います。  一番わかりやすい経済的の問題を先に申しますと、電電公社の発注する機器というものは特注品でございまして、言うならばマーケットが日本にただ一つしかない。したがいまして、この製造機器というものは、絶対に一%も売れないかとか、多少あろうと思いますが、まあ九九%と申した方がいいと思いますが、マーケットが一つであってどこにも持っていくことはできないという特性を持っております特注品でございます。それを競争契約ということになれば、指名競争にしてもこれを受けた者が全部注文を受けるというのはこれは競争契約ではありません。したがいまして、一番札か二番札が入るという、まあ普通は一番札だけでございますから、こうした大量のマーケットが一つしかないところのものに競争契約をかけた場合に、一年の契約をやってみましたところで来年はどうかという見込みは絶対約束はできません。再来年はあるいは当たるかもしれない。まあそういうことで、電電公社を囲む産業界というものは、非常に強大なる投下設備を持って優秀な技術者を持って大変な労働者が日夜うちのために働いている、うちの製品だけのためにやっておる。そういうものを競争契約で年々歳々不安というか不安定な中に置いては計画的な生産はできないと、これが一番わかりやすいと思うのでございます。  それから技術的な面では、公社は新しい技術開発をしたときからメーカーと一緒になって技術指導をし、工場検査を徹底的にし、またしょっちゅう工場に参りましてその検査をしてやっております。こういう点で非常に信頼度の高いものをつくらなければなりません。それならば、全世界にオープンするといった場合には、徹底したその仕様書を厳密にして、どこからも文句ないようにして、そして値段だけの競争をやらしたらどうかというやり方もございます。そうしますると、これに入札したところは注文が出てまいりますが、入札から落ちたところはノーハウだけが見られてしまって、国の貴重なノーハウが流出するという大きな問題が出てまいります。  その他細かい問題を申しますると、部品の供給とか、あるいは建設、保守、運営に当たってたくさんの技術者が一つの会社の製品を修練するという場合に、一々これはアメリカ、これは英国、ドイツ、そういうようなものがたくさんに入っていますると、統一した機器であってもなかなかその性格は違いますから、訓練とかそういう点に非常に手間がかかります。労働者の数も多くなります。どうしてもそういう点で非常に不経済にもなるというようなこと、まだもう少し二、三細かい点はございますが、そういう趣旨から、私どもは、随意契約というものが正しいんだと、随約であるならば世界いかなる国でも私どもは必要に応じては買えますよということを言明しております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまおっしゃった以外に、関連の企業、下請企業から、そのままアメリカの言い分というと二十万から三十万の失業者ができるだろうというような陳情も受けています。したがって、政府としては慎重に御検討してもらいたいが、外務大臣ですか、担当は。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いま米国と日本の間の経済問題では二つあります、長期の問題と当面の問題と。  長期の問題は、大蔵大臣が言われた黒字圧縮の問題であります。この黒字圧縮の問題は、黒字を減らすことも大事でありますが、米側としては日本の黒字が構造的な黒字ではないかという認識を持っているような気がいたします。だとするならば、黒字を減らすだけではなくて、中期、長期の日本の経済運営の展望を明示することが大事だと思います。  次に、当面の問題は、いまの政府調達の問題、関税の問題と、二、三ございますが、これは想像以上に緊張をしたかっこうでありまして、特に行政府よりもアメリカの議会の方はそれぞれの背景がありますから非常に強いものがありまして、課徴金であるとか、あるいは保護貿易のための措置を講ずるとかという動きは必至だと言わんばかりの状態でございます。日本は資源を買ってこれに加工をして商品を売ってやっている国でありますから、貿易障害というのはなるべくない方が有利であります。しかしながら、また一面言いますると、いま電電公社の総裁、郵政大臣が言われたとおりに、日本がようやく築き上げた電機技術及びこれに関連する大企業、中小企業、零細企業、こういうものを考えますると、これはなかなか大変な問題でございます。  こういう面を考えながら、しかし一方からはサミット、東京ラウンド、こういうものも詰まってきておりまするので、電電公社、電機関係関連部門等のことも考慮しながら最後の努力をしているところでありますが、しかし、現実としては早急に解決をしなきゃならぬという状態でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 日本と米国とのこれから通商交渉も大変だと思いますけれども、基本的に私は産業の生産基盤が違うのじゃないかと思うのですけれども、まず防衛庁長官に、米国の軍事費それから日本の防衛費の一般予算に対する比率を教えてください。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 一九七八年の数字でございますが、米国につきましては国防費の歳出予算に対します割合は二三%でございまして、日本は五・五%でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょっと数字が違いますけれども、まあ私の調べですから。大体そういうところですが、労働大臣に、完全週休二日が製造業に実施されている比率を米国と日本でお教え願います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 専門的なことでございますので、政府委員から答弁させます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 時間がたちますから私が。完全週休二日制は、米国は八六・九%でございます。日本は三六・二%でございます。  それで、軍事産業の予算が、いまおっしゃったように、米国は約二四・四、日本は五・九、それから完全週休が、米国は八六・九、日本は三六・二。したがって産業の生産の方向及び労働者の生産意欲が全然アメリカと日本は基盤が違う。それにかかわらず、日米通商貿易のところでは同じ対等に話をして、赤字黒字論だけで日本の経済を支配していくことは問題ではないかと、そういう気がいたしますが、外務大臣、いかがでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御指摘の点も配慮に入れつつこの問題を解決したいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 農産物の問題も、交渉にはもう挙がっておりませんけれども、農産物をアメリカから輸入する、したがって日本の食品が高いという苦情が相当出てまいりました。先般労働組合も農産物の自由化というのを打ち出しておりますが、農林大臣から日本の農業育成と農産物自由化の問題についての御高説を拝聴いたします。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 食糧の確保は政治の基本であります。したがいまして、できるだけ国内でできるものは国内で生産をするというのが基本であります。自由化の問題につきましては、したがいまして、基本的なものについては自由化はいたしておらない。だからといって、権力で関税障壁その他を設けておるわけでありますから、国内のものが幾ら高くてもいいんだと、こういうわけにはまいらない。したがいまして、国内でつくるものについても極力生産性を高めて消費者の要望にこたえていくと、こういうのが基本的な方針でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は日本の食品を調べてみましたところが、韓国が一番高い。これは非常なインフレのようでありますが、その次に日本が高いわけです。これに十種類ぐらいとっております、牛肉とかバターとか果物とか紅茶、コーヒーですね。したがって、食品をもう少し安くする。農業をもう少し育成して、基盤整備をやって、転作をして、いまの主食以外の自給率、まあ四〇ぐらいだと思うのですけれども、この自給率をもっとふやす、新しい農業をつくる、こういう点についての農相の見解をお聞きします。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 自給率を高めることに最大の努力はいたします。いたしますが、むずかしいところであります。と申しますのは、御承知のとおり、米は余っておる、野菜も十分だ、柑橘類もたくさんだ、豚も大体九割自給、鶏、卵に至ってはもう過剰生産でにっちもさっちもいかないというのが現在の実情なんです。問題は、何が足らぬかと言われると、穀類。その穀類も、えさです。えさを間に合うようにしろと言われても、これはもう不可能であります。というのは、昭和三十五年から五十二年までの間にたとえば豚肉などは個人の消費量が八倍ぐらい伸びておる。そうすると、豚肉精肉一キロをつくるのに穀類が大体六・四キロかかるとか、あるいは牛肉一キロで穀類が二十キロということですから、この動物たん白の消費がふえると加速度的に、それは穀類を必要としますから、ステーキ一つ二百五十グラムでちょうどばけつで一杯ですから、ばけつで一杯を一食でかわいいおねえさんが食べてしまうということですから、これは普通の食糧として食べれば十五日か十六日食べられると、こういうことがこの穀類が不足する最大の原因であって、このことを抑えるかどうかということが、まあこれは政治の判断なんですが、国民はうまい牛肉を食わせろとかうまい豚肉を食わせろという要望が強い。しかし、もうそれはがまんしろと、もう少し減らせとかいまのままでいいよというのならば、国内で裏作をつくったり飼料作物をこしらえたりするから、ある程度穀物自給率を高めることは可能であります。ですから、その兼ね合いであります。しかし、極力国内でえさとかそういうものをつくるように最大限の努力は払ってまいりたいと、かように考えとおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ここに二冊の本、小さい本ですけれども、これは「危機の農政」といって武田邦太郎さんの本、これは「情報時代の農業」といって九州大学の福島先生の著書でありますが、この本には、一次産業がこれからの新しい産業である、農業の革新をやって青少年をその方向に向けるという還元をしなければこれからの食糧問題もそれから労働者の失業問題も解決しないと、そういうふうに書いてございます。それからこの本には、たとえば福岡のボタ山にシャモットがありますが、あのシャモットを農地へ置きましてキャベツとかあるいはマスカットとか普通の二倍から三倍の収入が出るという九大でやった農場の実験報告、もうこれは二十年ぐらいやっておるようであります。したがって、新しいそういうふうな構想ですね、まず一次産業を新しい産業にするというその原点に立って、アメリカとの農産物交渉も大事ですけれども、ひとつ日本の方でもうできるものは買わぬという体制でないと、今度は石油と同じようにまた食糧危機が来るのではないかと思いますけれども、もう一回農林大臣の見解をお聞きしたい。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) その武田さんの所説は私も承っております。したがいまして、先ほどの御質問の前半における小柳委員の、生産性の高い農業をこしらえると、この点は御意のとおりであります。私もそう思っております。したがって、今後の農政におきましても、中核的担い手農家を中心として生産性の高い農業ができるようないろいろな仕組みを、これはいままでもやってきておりますが、今後これはもう速急に進めていきたいと、そう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの論議は東京サミットに関連しまして論議しているところでございまして、本当の物価問題とかそういうのにまだ入っていません。したがって、最後に総理に、総理は新しい通貨制度も今度提案したいというような考えのようでありますが、東京サミットの中での大きな問題と、それから総理の最後の決意を聞いておきたいと思うのです。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) いままで四回の首脳会議の経過を見ますと、必ず通貨問題というのは議題になっておるようでございます。したがって、今度も議題になるのではないかと考えております。私は、去年の国際通貨情勢が余りにも変動が険しいわけでございまして、全くわれわれはその相場の後を追って砂煙をかぶりながら歩んだ過程の中で、何とか通貨問題についてもっと安定した展望を持たないと経済のやりようがないのじゃないかという焦りを持っておりまして、何とかこの問題をサミットでも取り上げてしかるべきじゃないかというように当時は非常に強く考えておったのでございます。ところが、去年の暮れからことしにかけましてだんだんと為替の市場は小康状態を続けております。これは世界的でございまして、この問題に対する焦燥感がやや後退した感じがありますことは結構なことだと考えておるわけでございます。しかし、通貨問題はそれで落ちついたというわけでは決してないのでございまして、本質的にやはり通貨問題というのは世界経済の中の根本的な問題の一つとしてあるわけでございます。したがって、サミットでこれを議題にする場合に、各国がどのような姿勢をとってまいりますかわかりませんけれども、やはり世界通貨問題を支える基礎的な諸条件というものを吟味いたしましてその安定を図っていく、それから世界経済の中のいろいろな格差が非常に険しく出ておりますけれどもそれをどのように埋めていくかというようなことについていろいろ討議を交わしていくというような、つまり通貨制度を支える基盤というものについて理解を深めていく、あるいはそのベースに立ちまして共同アクションがどこまでとれるかというような問題が問題になるのではないかということを想定いたしまして、日本は日本としてどのように対応していいか、いま考えをまとめつつあるところでございます。もとより、この問題は、各国と協調を持つことが第一でございますし、いま世界の基軸通貨で、多少疲労いたしておるとはいえ依然として世界の基軸通貨であるドルとの関係が非常に大事でございますから、日米間の協力はとりわけ大事だと考えておりまして、関係国、とりわけ米国を中心にいたしました関係国の御意見をいろいろ聞きながら、日本としてどういうように対応してまいりますか、いま取りまとめをいたしておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 UNCTAD総会とそれから東京サミットの成功を祈りまして、次の問題に入ります。  次はイラン紛争でありますが、本年二月十二日にホメイニ師派の革命政権か発足しました。このために石油の需給関係で日本も相当心配でありますが、現在のイランの政情についての外務大臣の見解をお聞きいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。  二つありまして、一つは治安の回復、一つは治安回復後の国内の産業経済のもとに対する回復と、二つの問題があるわけであります。治安については、民間に渡った小銃、自動小銃を入れて二十万丁、政府が回収したものが二万丁と、こういうことであります。そして、今度の新政権の総理はわりに手がたく常識ある政策を打ち出しておりますものの、ホメイニ師との関係は非常に緊密のようでありますが、その側近と新政権の総理との間にとかく意見の食い違いがあるのではなかろうかと言われております。特に、治安の問題について、側近の方で勝手に要人を逮捕したり、あるいはいろいろ問題が起こったりするということから、きのう来総理がホメイニ師に辞表を出したのではなかろうかという情報が流れたわけでありますが、これは、調べた結果、事実とは違ったことがわかりました。わかりましたが、しからば今後そういうことがないかと、こういうと、底流にはそういうものがやはり総理とホメイニ師の側近の間のいきさつがあるわけでありますからそういうものが底流にはあるわけでありまして、にわかに断定するわけにはまいりませんけれども、逐次安定の方向に行くであろうという、まあ各国の希望的観測も入れた推定でありますけれども、今後なお見守る必要があると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 石油輸入の今後の見通しをお願いいたします。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) イランには一九%強わが国は輸入を依存いたしております。もうここ二カ月以来全面的にストップです。その分については、サウジアラビアを初め、イラク、クウェート等、OPEC諸国の協力、積み増し等によっていまどうにか間に合わせておる。一-三月というわが方の最需要期でありまするが、これは七千四百万キロリットル、ちょうどことしの見通しが七千四百五十万キロリットルですから、まあ五十万キロリットル減という形でどうやら一-三月は確保できた。しからば今後どうなるのかという点につきましては、イランの政情安定を待つという状況であります。  御承知のとおり、一月二十二日には節約方途を打ち出しました。繰り返しませんが、なお国民的節約を求めながら今後ともIEAにおいても決めました五%節約達成を実行に移していきたいという覚悟でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 GNP-国民総生産が一%上がりますと、石油の消費は一体何%ふえていかなきゃならぬのでしょうか。

児玉清隆資源エネルギー庁次長

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  これは確固たる関係はまだつかんでおりませんが、一応〇・三六――〇・三ないし〇・四というところだろうと思います。これは年々非常に浮動がございますし、それから産業の生産活動の中身の構成によっても変わってまいりますので、余り一義的には申し上げられませんが、平均的に申し上げますと、〇・三ないし〇・四というところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 石油がいまエネルギーの一番大もとであります。石油はそれではいま現在一年間に何億キロリッター使っておるのか、それから昭和六十年には一体何億キロリッター使うのか、その点を御説明ください。いまのでね、数字が違いますから。

児玉清隆資源エネルギー庁次長

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  昭和五十三年度でございますと、実績見通しで約二億八千万キロリッターでございます。それから昭和六十年度でございますが、現在見通しを暫定的に出しておりますのでは四億三千二百万キロリッターでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは経済企画庁長官に聞かなきゃならぬのですけれども、いまのように石油の輸入からエネルギーに入っていきますが、石油はいま一七%ぐらいイランから入っています。それがこのIEAの合意文書によりますと、世界の石油は日産二百万バーレル供給不足のおそれがあるということをこの間のIEAでも合意したようでございますが、いま話がありましたように、今年から昭和六十年に向けてこうアップしてまいりますね。計算しますと、大体GNPの一%のアップに対して石油が一五、六%ふえませんと経済成長できない。したがって、六%経済成長いたしますと、ちょうどこの内閣の経済計画の最後の年には倍なきゃならぬ、石油は。その輸入は可能でしょうか、経済企画庁長官に聞きます。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) 現時点ではなかなか今後の数年間の見通しがまだつかないわけです。いま、イランの問題だけでも相当な混乱が起こっているわけでありますから。したがいまして、同時に、石油エネルギーに依存することはもちろんでありますが、しかし価格の問題がございまして、価格がむちゃくちゃに高くなれば、これはやっぱり使いたくても使えないという状態でございますし、また、今日までの日本の石油消費量をずっと見ておりますと、必ずしもGNPの増大に比例して石油の消費量が同じようにふえていくということもないんで、その辺のところが価格とのバランスもございますものですから、私らは現時点ではやはり将来の世界の安定ということを考えながらいま急にこの問題について将来を予測するということはまだ早過ぎるという感覚を持っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経済企画庁長官というのは、日本の行き方、経済を全部計画されるのですからね。しかも、政府は、もうこの経済計画、七カ年計画を出している、基本構想はね、変動は若干ありましょうけれども。  それじゃ、通産大臣、まず来年の一年分の石油を買うことはできるでしょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) これはやっぱりイランの情勢の安定待ちというわけでありまするが、前回のときと根本的に違っておりまするのは、前回は五十八日の備蓄、今度は九十二日間の備蓄。それで、この間IEAにおきましても、備蓄には手をつけないという主張が強かったものの、日本のように内需を喚起しながら国際協調をしていく国におきましては、不時の備えにある備蓄ですから、これは取り崩すこともやむを得ないということを言っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣、もう細かい数字はいいですけれども、備蓄というのは非常のために備蓄しておくわけです。これは余裕あらなきゃならぬですね。平素使いますのがことしだけで二億八千万キロリッターぐらい使いますが、来年の石油が外国のどこの国から一五%ぐらいプラスで輸入できるでしょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 御承知のように、輸出が落ちた分が日に二百万バーレルと言っております。北海油田があの石油ショック後イギリスにおいて発掘されました。これが日産百二十万バーレル、それからアラスカ石油が百四十万バーレル、本当はツーペイするんですね。ところが、需給の原則乱れたりというわけで、スポット物が御承知のように大変な値上がりを示しておるという状況であります。幸いといいまするか、前の五百五十万から六百万バーレルというような数字はイランも政情が安定したからといってにわかに生産はできないと言われておりまするが、百四十万バーレル、一日半分ですね、日本の消費量の。去る三月の五日、第一船が日本に向けて出港したわけであります。したがいまして、私どもは、政局の安定待ちと同時に、今後多様化をどう図るのか。まあ中国はこれから渤海の油田を掘り当てようというんですから、これはまだまだ先のことになりまするが、たとえばいま話題に上っておりまするのがメキシコの原油それからアラスカの原油を日本にどうするのかというような問題もありまするので、今後は輸入先の多角化を一生懸命努力をして、何とかひとつ需要に見合うだけの入手を図りたいものだと、目下鋭意努力中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 エネルギーは国家経済の基礎だと思います。この経済計画をするためには、ちゃんと需給暫定見通しなどが基礎になって計画ができておるものと思います。ところが、もう油の輸入の見通しがこのとおりにはいかないというのが大体一般の見解ですが、いかがでしょうか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) われわれとしましては、やはり国民総生産――GNPが大体年間六%弱の程度でスムトズに上昇することが、五千七百万以上の就業労働が食べていくということ、また同時に世界の経済に果たす役割りから見て必要なんでありますが、いまここで非常に大事なことは、日本の産業構造そのものが、素材を、原材料を入れて、それを加工して、それをまた加工していくという二段階をとっておりますが、われわれはいまここで石油あるいはエネルギーで非常にショートするであろうということがだんだんと明確になれば、そしてまた同時に石油価格が非常に高くなってしまったというような事態になりますれば、むしろ鋼材、まあ鉄で申しますれば石炭と鉄鉱石を入れるよりも鋼材あるいはビレットで入れてくるとか、あるいはもう少し加工したものにして入れてくるということで、あと加工していくというようなことが一つの大きな転換の題目になると思います。昭和六十年までの計画の産業構造の転換というものの一つのビジョンはそのような原料転換ということになりましょうか、それと同時に、省石油への転換、そしてもっともっと高度の高付加価値と、さらに高度の技術を駆使して行う産業、それと同時に、もう一つは、第三次産業と申しましょうか、そうした産業グループを育てて、そこに就業と国民のGNPの増大の一つの拠点を求めていく等々が私はいろいろと組み合わされて配慮されてしかるべきだと考えておりまして、それでもなおかつ石油と申しますかエネルギーが非常に大事だというならば、やはり原子力の開発とか、あるいはその他の、非常に時間もかかりお金もかかりますが、思い切った技術投資をして新エネルギーの開発に国を挙げて努力する、また国民にもそうした方向を十分に御理解いただくというようなことが大事なことではないかといま考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、経済企画庁長官、この暫定見通しは政府の決定ではございません、これは総合エネルギー調査会需給部会の一応の見通しですが、この見直しをしなければならぬということをお認めになりますか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) もちろん、現在のイランの情勢とか、あるいはまた先ほどから委員の仰せられるインドシナ半島の情勢とか、さらにまたもっと全世界のいろいろな動きを注意深く見なければなりませんが、現時点においてはまだその見直しまで考えるということを公的に申し上げるのはいかがかというふうに考えております。もう少し様子を見ていくのがいいのではないかというふうに思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっきの、石油をよけい買うのだ、これから努力しますという非常な抽象的な答弁ですね。だから、この需給見通しと、それから経済計画もすぐ見直さなきゃならぬと思いますが、いかがですか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) いまの現状においてすぐ見直すということはまだ私は時期が早いと思うのです。それは、委員との、いわゆる社会情勢、経済情勢に対する認識の多少の違いはあると思いますけれども、やはりもう少し事態を落ちついてゆっくり見てもまだ私は間に合うというふうに思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま石油だけ言っていますけれども、エネルギー全般的なものがやっぱり非常に問題です。したがって、また、いま休憩だそうでありますから、午後にエネルギー全般について質問いたします。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時から委員会を再開し、小柳君の質疑を続行いたします。  これにて休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時一分開会

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 予算委員会を再開いたします。  昭和五十四年度総予算三案を一括して議題とし、小柳君の質疑を続けます。小柳君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 石油の値段の問題で質問いたします。  石油輸入量が減ると同時に石油、の価格も引き上げるような機運にありますが、通産省並びに経済企画庁ではどういう御見解でございますか。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) いまわれわれが物価に対する影響を考える場合には、現実に値上がりが明確になっておりますOPECの値上げ平均一〇%上げ、これを基盤にして計算をいたしておるわけでありまして、もちろん現在いろいろなところでスポットの価格についていろいろな意見が出されておりますが、これはまだ確定されたものでないわけでございますので、一応の目安は置いておりますけれども、計算基礎には取り入れておりません。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 三月末から、民間の石油会社におきまして一四・五%内外値上げをしたいという申請がなされております。これは需給の原則で、マーケットにおいて決められるわけでありまするが、たまたま一〇%の値上げを複利で計算しました一四・五%に見合う値上げというものは一体妥当であるのかどうなのか、これは市場において値段が決まりました場面で、便乗値上げというような傾向が見られまするならば、通産省としては、当然これに行政指導をしなければならぬというふうに思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 IEAでこの石油問題も相当論議されているようでありますが、生産量なり値段の問題ではどういうような合意ができておるのか、お聞きいたします。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 五%の節約を決めたわけで、値段につきましては、前の石油ショックの反省がありまして、あのときにもうけたのは、メジャーであるとか石油関連業者である、消費者はむしろ被害者というような、不当な値上がりになった。したがって、今後スポット物の高値はやむを得ぬとしても、冷静に対応をしようという合意を見ておるわけであります。スポット物というのは、御存じのように全体の市場から言いますると、三%あるいはそれをやや上回る程度というふうに言われております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで、五%の省エネルギーということで石油問題も合意がなされたようでありますが、わが国として五%の石油の節約あるいはエネルギーの節約についての具体的な方策について、御説明を願います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 従来、一月二十二日、省エネルギー・省資源対策推進会議において決めました官公庁を初めとする節約方途で、おおむね三%の節約が可能であるというふうに考えております。したがって、あとは石炭であるとか、LNGであるとか、原子力依存であるとか、長期的にはそういうことが考えられまするが、とりあえずは電力会社の火力発電に石炭を混焼してもらう、これを行政的に話し合いをしながら、合意ができれば、おおむね一%程度は上乗せができる。そこであとはどうするか、目下エネルギー庁において鋭意検討中でありまするが、たとえば暖房をもう  一度ぐらい下げる、チョッキ一枚着ましょうといったような、これは国民に訴えるような運動も展開しながら、もう一度切り下げる、あるいはマイカー使用をもっと徹底して自粛してもらうというような節約方途で、どうにか五%は達成できるのではないかというので、目下検討中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ここに五十四年一月三十一日の資源エネルギー庁からの書面、それから一月二十二日の省エネルギー・省資源対策推進会議決定の「省エネルギー対策の推進について」というのがあります。これでは、基本的には大企業のエネルギー消費は余り扱わないで、マイカーなどの「不要不急の自動車利用の自粛」と書いてあります。マイカーの自粛と言われますけれども、どういうようなことを考えておられるのか、お聞きをいたします。

児玉清隆資源エネルギー庁次長

○政府委員(児玉清隆君) お答えを申し上げます。  まず、一番大きな問題は通勤用のマイカーでございます。それからもう一つは、不要不急ということで、レジャー用のマイカードライブ、その辺を考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまのような答弁では答弁になりませんですよ。これは国民が皆聞いています。マイカーを持った人は、マイカーが一番大きな省エネルギーの対象であるということで、いま全国的に聞いていますが、いまのようなことじゃ答弁になりません。大臣からの答弁を求めます。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) IEAにおきましてもいろいろ議論があったようです。イギリスは四%程度の節約、西ドイツの場合は、パーセンテージを言わないでおこう、それよりも石油製品価格、すなわちガソリンなどが値上がりすれば価格メカニズムによって自然と消費は節約できるではないか、こういう議論もあったそうです。しかし、日本の場合はこれは通用いたしませんね。そんなことがもしも行われるなんというような、ドイツ流で施行いたしまするならば、それこそ買い急ぎ、買いだめなんということになって、一層混乱をするわけであります。したがって、私どもは、大企業の規制はしないというのは、せっかく景気がなだらかな回復路線に入った、これをどうかして維持して、国内の雇用問題の解決、ひいてはまた国際的な協調を図りたいという考えに立って、大企業のいわゆる大口規制はしない、こういうところにあるわけですから。国民の消費量というものが石油ショック以来約四%程度伸びておるわけであります、これは電力の使用量を含めまして。大企業などは石油が四倍になったあの時点から合理化をしたり節約をしたりして、今後節約といっても、企業の生産に削り込まない限りはなかなか節約方途もない。しかし、これも石炭を混焼するなどによって協力を願おうというわけでありまするので、今後総理府などとも相談をいたしまして、今夜天谷エネルギー庁長官が会議から戻ってまいりますので、彼を迎え、エネルギー庁においては従来検討しておるものをすり合わせて、速やかな結論を得たい、国民的な協力をぜひお願いしたいものだと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいままでの答弁では、五%の節約というのはほとんど不可能ではないかと思います。具体的にちっとも対策が立っていないです、ここに書面はりっぱなのがありますが。  もう時間も、理事の皆さんが気にしているようですから、各省は聞きませんけれども、たとえば、運輸大臣にお聞きいたしますけれども、いま自動車が三千万台ありますが、マイカーあるいは青ナンバーでない四輪車などの白ナンバーの自家用トラック、そういうものが一体どのくらい使われておるでしょうか。で、そういう自動車の使うエネルギーと、鉄道貨物が使っているエネルギーと、あるいは船が使っているエネルギー、そういうものをこの際根本的に総合交通体系の面から計算をし直して、そうして、このエネルギーが減るからこういう貨物はこれに移行しようというぐらいの根本的な対策を立てなきゃならぬと思うのですけれども、運輸大臣並びに経済企画庁長官から聞きたいと思います。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) 先般来、イランの情勢変化以来そのような御議論が大分各所でなされておりました。われわれもその問題提起は決してむだなことではないというふうに考えております。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) わが国の自動車の保有台数は三千四百万台だと記憶しておりますが、その中で白ナンバーとか青ナンバーとかの区別は、私いま数字を持ち合わしておりませんので、後ほど事務方から報告をさせますが、自家用車が機動性、利便性からいまや国民の足として日常生活に定着していることは事実であります。しかし、安全性とか環境――これはまあ騒音とかガス、それから空間の有効利用、それにいまお話しの省エネルギーという面からすると、問題のあることは事実でございます。  まあ私も、これはある本を読んで最近感銘を受けたのでありますが、「一トンのものを一キロ運ぶのに必要なエネルギーを鉄道と自動車とで比較すると、輸送エネルギーは、自動車が鉄道の約六倍である。」それから「自動車道路を建設するためのエネルギー(資材をつくるエネルギーも含めて)は、鉄道建設の場合の四倍である。必要な土地面積は、自動車道路が鉄道の四倍である。」それから「車両の耐用年数は自動車の場合、鉄道車両よりはるかに短いから、プラスチックや鉄鋼の需要をよびおこし、大量のエネルギーを必要とする。」それからまた「周辺部への影響でみると、自動車道路の付近では人々は排気ガスと騒音に悩まされ、密閉生活においこまれ、春夏秋冬エアコンを必要とするので、多大のエネルギーを必要とする。これに対して、鉄道の騒音は断続的であるし、排気ガスもないから比較的しのぎやすく、春と秋は窓を開けて暮らせるので、生活面でのエネルギーの負荷量が少なくて済む。」「ついでに交通事故発生率を比較すると、自動車による死亡事故発生率は鉄道の六六〇倍であり、この結果、示談屋、弁護士、警察、病院、保険屋、裁判所、葬儀屋など、事故関連サービス産業が巨大な成長をとげている。」「このように自動車は、私的費用では安いし、便利だと盛んに使われるが、社会全体におよぼす「とばっちり費用」つまり社会的費用は莫大なものである。」特にそれがまあエネルギー節約の観点から指摘をされておるわけでありまして、したがって、今後の自動車交通のあり方といたしましては、特に大都市においては、道路の混雑、交通公害、交通事故などの弊害をできるだけ減少させるために、地下鉄の整備やバス乗り継ぎの整備など、バスを利用しやすくする施設を進めることなど、その他公共輸送機関にもう少し力こぶを入れていくということが省エネルギーの観点からいったらどうしても必要だと思います。  ただ目先の、マイカーが道義的に自粛するというようなことだけでは――昭和四十八年以降のオイルショック、それから最近のイランの問題、それに関連してのIEAの決議等を見ておりますと、これは容易ならざる時期になっておると私は考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 トラックの問題、いまマイカーとトラックと一緒に話しました。私も沖繩に行きまして、沖繩の渋滞の跡をいろいろ現地で相談いたしましたが、シンガポールで、都市の周辺に駐車場を置きまして、それでマイカーを置いて、後、そのマイカーの駐車料金を持っていったらもう公共料金を、交通はただにすると。したがって、いま地方ローカル線の問題など論議されておりますけれども、中間都市の郊外に駐車場をつくりまして、そこにマイカーを置きまして、駐車料をこれは払ったという証明があれば、通勤地までの鉄道やバスや地下鉄はただにするというぐらいの国がやっぱり施策をしませんと、本当のエネルギー節約にはならぬのではないか。そうしますと、今度は地方ローカル線の問題も、もう少し軽い列車をどんどん走らせまして、ある駅まで、駐車場まで行ったら、後は汽車で、この切符はただで勤務地まで行けるというような、何かこういう、この際でありますから、もうエネルギーを一〇%ぐらい減らすような具体的な対策を衆知を集めてやる、また国鉄再建も全部で衆知を集めてやる、そういうような時期ではないかと思うんですけれども、経済企画庁長官、いかがでしょう。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) いま委員の御指摘の問題は、非常に私は重要な示唆に富んだことだと思っておりまして、そうしたような方向がとられなくてはならないような情勢であれば、非常にこれは大問題だと思いますが、しかし一つの方向といたしまして、われわれも十分今後検討してまいりたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、トラックの方は、トラックの台数がいま七百六十八万台あるうちに、白ナンバーをつけて走っているのが七百二十二万台あります。十五倍です、営業車の。営業車はわずかに四十五万台。で、後で物価の問題でも出てまいりますけれども、お百姓さんたちがたんぼに行くにも四輪車で動いているわけです。まあオートバイでも行ける、あるいは自転車でも行けるんじゃないかという、そういうものを根本的にこの際洗い直すべきではないか。  そこで、いまガソリン税が話題になっております。後で問題にしなきゃなりませんが、この際、道路交通のトラックやバスのガソリン税は抜本的に見直して、総合交通特別会計の方も考えながら、このガソリン税は全部道路と。道路をつくって、つくりましてもすぐまた車でいっぱいになるわけですね。車で道路がいっぱいになります。この際ガソリン税を見直すということについては、大蔵大臣、建設大臣いかがでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) ただいま道路整備のために第八次五カ年計画を進めております。それにガソリン税全部充てているんですけれども、足りないで、一般会計からつぎ込んでおるというのが現実の姿でございまして、いま直ちにガソリン税の目的税的な使用をやめて総合交通体系につぎ込むということはちょっとまだ考えられない段階ではないかと私は考えております。

渡海元三郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(渡海元三郎君) 道路整備の心要性から、直接の受益者である道路の利用者から特別の負担をお願いしておるのが現状でございますが、いま全国の道路整備の状況は、国道、府県道合わせましてまだ五二%程度でございまして、一層整備をしていかなければならないという状態でございますので、現制度を維持していただいて、一層の整備を図ってまいりたいと、このように考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理に。これは大きないま政治的な転機のような気がいたします。石油も大変です。後で原子力発電などの現代のエネルギーについても私どもの意見を言い、討議いたしますけれども、それと、これからの物、人の移動です。大変な転機だと思いますけれども、ガソリン税を全部道路建設財源に使うというのはもうひとつ考え直す時期ではないか、もっと根本的に、それはもちろん財源は必要ですから、がまんして――いまの人でも大変です。ガソリン税、大変です。値上げについては反対ですけれども、しかし、財源をもっと効率的に配分する。でないと、道路をつくりましても、もう自動車が生産過剰などと言われるのが二百万台あると言われる。これはもう少し精密にはからなければなりません。道路ができましたときは車ができるわけです。そうすると同じなんです。また、地方ローカル線をとりますと、それに並行して道路をつくりますと、同じ国が費用を使うだけです。したがって、根本的にこの際、エネルギーの問題及び物の移動の問題及び総理が言われる田園都市構想など含んで見直す時期ではないかと思うが、いかがでしょうか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) エネルギー危機が問われるようになりまして、どのようにしてエネルギーの大宗である石油の安定的な確保を図るかということは、まず当面最大の問題でございます。イラン等で穴があきましたものをどういう給源から確保するかという点で、いま関係者が一生懸命になっておりますことは御案内のとおりでございます。  それから第二に、石油その他エネルギー資源をどう節約するかという問題も当然問題になってくるわけでございます。幸いにわが国はほかの先進国に比べましてパーキャピタのエネルギーの消費量は格段に低いわけでございまして、これまでエネルギー経済におきましては、わが国は相当優秀な成績をおさめておると思うのでございます。しかしながら、こういう需給関係の諸展望に立ちまして、さらに節約をお願いするか、これを自発的な節約にとどめるか、あるいは半ば強制的な手段に訴えるかという問題が、いまの問題であろうと思うのでございます。すでに法制的には強制力を行使できる力を、権能をわれわれは国会から与えられておるわけでございますが、それがそういうことをする必要があるかどうか。やるといたしますればどういう方法によってやるか。これはこれから慎重に考えさしていただかなければならぬ問題だと思います。何となれば、経済は生き物でございますから、エネルギーだけの問題でなくて、経済全体の運営が円滑にいかなければなりませんし、物価がそのために急騰するというような事態を招きますといけませんので、そのあたりを考えながら、消費節約につきましてどういう手段をどういう方法でどういう程度考えてまいりますか、そして、それはエネルギー自体ばかりではなく、エネルギーを使う機器等にも関係することでございますから、生産、流通にも関係することでございますから、経済政策全体に関係してくるわけで、いませっかく検討をいたしておるところでございます。  それからガソリン税の問題でございますが、これはまたもう一つ、エネルギー政策として価格政策があるわけでありまして、石油だけにつきましても、石油製品の価格体系が現在のような状態で果たしていいのかどうかという問題もあるわけでございまして、そういう角度から、ガソリンというものの値段の決め方についても考えなければならぬ問題があろうかと思います。  それから、道路計画との関係においてのお尋ねでございますが、私の記憶に間違いかなければ、道路財源としては、ガソリン税のほかにプラス一般財源も投入いたしておると思うのでございまして、いまガソリン税の中で、それを道路財源でなくて、ほかに向けましても、それだけの金は道路財源としてやはり必要なんじゃないかと思います。いま仰せのように、道路財源にもっぱら充当するということがいいか悪いかという問題は、財政処理の技術の問題ではないかと、そういう感じが私はいたしますけれども、なお、その点につきましては、御指摘の点につきまして、関係当局で検討してもらいたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 技術的なものであると同時に、これは大平内閣、いわゆるいまの政府の大きな方針でなければならぬと思います。でないと、大きな方向が決まりませんと――経済企画庁など優秀な役人がおられます。したがって、総理の方向が決まれば、いま経済企画庁長官が総合交通本部長ですから、命令すれば、コンピューターもありますし、総理が心配されぬでも、さっと青写真が出るような気がいたしますから、その決意をしてもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま申し上げましたように、諸般の状況を考えながら、自発的な節約をお願いするところで十分なのか、そうでなくて、相当強制力を行使しなきゃならぬのか、そのあたりの判断が一つ。  それからさらに、そういたしますと、どういう方法でやるかというような点につきまして、鋭意、エネルギー庁を中心にいま真剣に検討しておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま論議はエネルギーの問題ですけれども、いまの問題は、エネルギー問題でございませんで、国の大きな政策として考えてもらいたいと思います。  それから、いまエネルギーの問題でありますから、科技庁長官に原子力発電の現在の進捗状況についての御説明を求めます。

金子岩三自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(金子岩三君) ただいま、完成して稼働しておるのが千百五十万キロワットでございます。計画と建設中のものが完成しますと、大体二千八百万キロワットになるのでございます。昭和六十年を期して三千三百万キロワットを達成したいということで鋭意努力をいたしておりますが、大変これは立地の問題が厳しゅうございますので、やはり安全性の確保を図って、いわゆる地元住民の理解と協力を得ることが何より先決でございますので、大変手間取るようでございますけれども、ひとつこの目的をぜひ達成したい、このように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 細かい問題は通告しておりませんので質問するのはどうかと思いますけれども、昭和六十年に原子力発電のエネルギーをどのくらいお使いになる見通しですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 昭和六十年の目標は、具体的に申しまするというと、水力は、一般水力二千二百五十万キロワット、揚水発電を含めますると四千百万キロワットですね。そのほか地熱とか石油とかいろいろありまするが、原子力発電は、先ほど金子長官が申しましたように三千三百万キロワットの開発目標を達成したい、こういう計画でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その目標に対して現状はどうでしょうかね、科技庁長官。

金子岩三自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(金子岩三君) 先ほど申し上げましたとおり、大体いま建設と計画中のものが二千八百万キロワットでございますから、昭和六十年度に三千三百万の目標を達成するためには、あと五百万キロワットでございますから、いろいろいま話にのっておる地域が立地条件が整って地元の理解を得たならば、この三千三百万キロワットは達成できると考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現在、ここに私は表を持っているんです、建設中の、それから休んでいるものなど。私の調べた統計によりますというと、六十年で半分しか発電できないのです。千二百六十七万キロワット。これを御認識でしょうか、科技庁長官。通産大臣でも結構ですがね、エネルギーですから。

児玉清隆資源エネルギー庁次長

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  先生御存じのように、原子力発電の一番の大きな問題は立地の問題でございまして、個別に話が最終的にセットされまして立地が無条件にスムーズに実現できる段階にあるものという段階は非常に判定がむつかしゅうございまして、いつも漁業の問題あるいは一般的な環境の問題等ございまして、それぞれの地点で、たとえば六割程度進行しておるという段階でも、これはまだ外に対しまして、いけるとかいけないとかいうような判断とか、あるいはそういった見通しはなかなか述べにくい段階にございます。したがいまして、先ほど科学技術庁長官から申し上げられましたように、現在私どもがいわゆる電調審で計画を認定いたしまして、これは一応やるべきであるということで――もちろんそのものについては、地元の県の御推薦とか、そういうものもいただいているわけでございますが、それは若干三千三百万キロワットに対しては欠けておりますけれども、見通しといたしまして、私どもは、先生のいまおっしゃいました数字よりは高い数字で実現性があるんじゃないかというふうに考えておりますし、それから、まだ六十年に三千三百万キロワットを実現するに若干時間もございますので、現在特に重要対策電源といたしまして二十二の地点についての個別集中的な努力をやっておりますので、その成果も逐次上がるのではないかというふうに期待をいたしている段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現在の発電力及び建設中のもの、それからもう六十年までに間に合いませんもの、全部詳しく私の方では調査してございます。それによりましても、若干アローアンスをとりましても一千五百万キロワットぐらいしか昭和六十年にはないのです。だから、予算委員会ですから、こういう基本的なものをちゃんと政府と私ども議員が実勢力を把握しながら論議しませんと、この予算委員会が終わったら終わりでいっては、もうこれ本当に国民に申しわけないと思うんですが、いま次長がお話しになりましたけれども、三千三百万キロワットはとうてい不可能です。可能と断言できる閣僚はおられるでしょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) これは、いまエネルギー庁の次長がお答えしましたように、確信ありやと言われますると、確信ありと歯切れよくお答えするわけにはまいりませんが、しかし、主としてこれは安全性と環境の問題ですね。したがいまして、政治的な意味も多分にありまするので、通産省としても全力を挙げまするし、また、今後電源三法の運用改善を図るというようなことなどと絡み合わせて、今後やはり電力量が足りなくなるわけですから、したがって、十分ひとつ粘り強く努力をしていきたいというふうに思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 景気の予測などなら、さっき総理が、七%はこれは捨てておりませんとおっしゃってもいいですよ。実際もう建設中のものが間に合わぬのですから、どんなにしても物理的にも間に合わぬのですから。にもかかわらず、間に合うかのごとき発言がまかり通るでしょうか。昭和六十年というのはもうすぐですよ。この計画の中にあるんですよ、これに、皆さんがつくった計画の中に。そういう論議をやっておったら何にもならぬのです。だから、午前中に言いましたように、石油の見通しも十分ではありません。私は一%で一五%と言いましたが、それは訂正いたします。一%のGNPの上昇に対して最少二・五%ぐらいは石油をよけい入れないと、この日本の経済は回らぬのです。そうしますと、いまから六年しますと、ちょうど倍ですね。石油の量は倍ですよ。したがって、原子力発電もちょうど半分です。石油もいまのところ半分です。これで、このようなエネルギーの暫定見通し、六十年が出ておりますよ。こんなもので政府は日本を動かそうとされるか、総理の見解を聞きましょう。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) これはやはり今後の達成しなければならない一つの努力目標値を出しておるわけでありまして、まだこれから六年あります。これはやはり、先ほど申し上げましたように、政治家の責任もあるわけですし、また、行政府としての通産省の責任もありまするので、とにかく全力を挙げてこのエネルギー不足に取り組んでいくということで、十分ひとつ検討をいたしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、いまずうっと論議してきましたことによりまして、このエネルギー暫定見通しは修正されますか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) まだ六年ございまするので、全力を挙げてみたいというふうに考えております。もとより達成不可能であるというなら、ある時点でこれは改正もやむを得ないかと思いまするが、いまそれを議論する段階ではないというふうに思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いや、来年五十四年度の石油エネルギー及び原子力発電についても、これに、計画に載っているようには不可能ではございませんでしょうか。じゃ、その点だけ、一年だけ責任を持ってくださるか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 午前中お答えしましたように、イランに一九%程度の依存をしておるわけでございますね。これをどこにどう振りかえるのか、これはやはり至難な問題でございまするが、解決していかなければならぬ問題だというふうに深刻に踏まえております。きょうを含めまして、今後とも懸命に努力を続けるという以外、どうもお答えのしようもありませんが、確保の自信ありや否やとおっしゃいまするならば、イランの欠けた分だけは世界的に一日二百万バレル足りないということを言っております。ですから、これをどういうふうに振りかえていくのか、どうするのか、これはやはり努力もしますが、一方においては節約も徹底しなければならない。これは今後のやり方によって、五%の節約はそんなにむつかしいことじゃない。先ほど申し上げましたように、現在のを実行に移して、そして石炭の混焼で一%、そして温度を二度下げますと大体一%近い節約になるわけでありまするから、いまこの温度を一体二度下げることが可能かどうか、そうむつかしいことではないように思いまするので、ここだけやってもだめですから、これを国民的レベルで徹底するようにしてまいりたいというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 エネルギーの問題が東京サミットの大きな課題のようであります。で、この五%節約あるいは需要供給の問題で、けんけんごうごう論議されるでしょう。私は午前中に、東京サミット、UNCTADの成功を祈りますと言ったのは、これは私どもの立場から言ったのでございましてね、政府側答弁で納得したんじゃありませんので、その点はいろいろ注意もありました。電話で盛んに注意もありましたから、私の気持ちは政府側の答弁に満足したんじゃありません。したがって、東京サミットでエネルギーの問題が大きな課題であろうと思うか、どういう決意で東京サミットに臨まれるのか。外務大臣からお聞きいたしましょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 私どもの所管ですから私からお答えいたしまするが、IEAのまた閣僚級の会議が五月下旬に行われます。したがって、当然それを受けて一カ月後の東京サミットでありまするから――従来もエネルギーの問題というのは五つの重要な柱になっております。特に今度の場合は世界的な大問題になっておりまするので、この問題には深刻に取り組んでいく。これは、今度の五%節約、それから今後の確保の見通し、それからIEAにうたっておりまするところの長期に及んだ場合各国の協力態勢、こういった問題、そして石油エネルギー以外の石炭、いまお話しになりました原子力、そういったものと今後どう取り組んでいくか、真剣な議論が交わされるであろうということを期待しております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 エネルギー問題で、原子力発電の問題でもう一問しておきますが、原子力発電所の現地を視察いたしますと、幹部諸君はコストが安いということを言われます。ところが、これはアメリカの下院政府活動委員会の第二十三報告書でありますが、廃棄物の処理を含んだら原子力発電は決してコストは安くないと書いてございます。もちろん少数意見もあります。これは促進派の少数意見もありますけれども、米国では大多数は原子力発電についてはコストは安くないぞと、こういうような見解でございますが、この見解に対して政府の答弁を求めます。

児玉清隆資源エネルギー庁次長

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  いま先生のおっしゃいましたように、各国の事情、また学者それぞれによって見解が違っているようでございますが、日本におきましてもいろんな説がございますけれども、一応私どもが見解としてとっておりますのは、原子力発電は施設費は相当かさみますけれども、燃料費が一応いまの価格、あるいは今後の推移を見ましても、石油火力に比べまして、とんとんないし若干割り安であるというふうに判断をいたしております。  それから、いまおっしゃいましたように、廃棄物の処理の問題でございますが、これについては各国ともいま一番頭を悩ましている点でございまして、またこれをどう処理するかについての一番国際的な合意といいますか、そういったコンセンサスがまだ十分確立しておりませんので、はっきりわかりませんし、それをどういう費用負担の原理でこれをさばいていくかという問題も実は決まっておりません。したがいまして、私どもの計算といたしましては、確かに廃棄物の処理については若干カウントしてない面もございますので、一概に安いということを大胆には申し上げられないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 環境整備の問題もありまして、その問題は後で尋ねますが、原子力発電でこの油の足らないのを補おうというこのストレートの考えは非常に危険であるということでありまして、そういうものも腹に入れながらこれからの経済計画を立てなければならぬだろうと思います。  それから、エネルギーの最後の問題でありますが、これはもう具体的な問題でありまして、住宅金融公庫融資に対して各個人が家に省エネルギー付帯工事をやる場合については条件をつけてプラス貸してくれないかと、今後住宅金融公庫が融資する場合にはその条件をつけたらどうかと、両面から、借りる方と貸す方で。そういう提案がありますが、いかがでしょう、建設大臣。

渡海元三郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(渡海元三郎君) 五十三年度から、改良住宅につきまして、断熱構造化しますときは割り増ししまして貸し付けを行っております。本年度からは新規の住宅に対しましても割り増しの貸し付けを行うようにいたしておりますので、今後ともに努力してまいりたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私の言っているのは、もうちょっと省エネルギーの方に条件をつける、これから家を建てる人に融資するときに条件をつけたらどうですかと、少し私はどうかなと思いますけれども、その点はいかがですか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○政府委員(救仁郷斉君) 確かにそういうような御意見もございますが、まだ日本の国のレベルで申しますと、たとえば暖房なり冷房なりにしましても、全体の部屋を全部やるというようなまだそこまで習慣はいっていないというような事情もございます。それからまた田舎ではまだこたつでがまんしているとおっしゃる御家庭もございます。そういったものを含めますと、先生の御指摘の点はまだ若干日本では早いんじゃないかというような感じを持っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わが党の中でも十分まだ討議しておりませんので、きのう話がありましたから提案をいたしました。御検討を願います。  次は国内の経済でありますが、経済運営についての基本姿勢は一体どうであろうか。たとえば、アメリカの七%の追及など、経済成長を中心にして考えるのか、国民生活の安定向上を中心に考えるのか、この点についての総理と大蔵大臣の見解をお聞きいたします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど冒頭であなたにお答え申し上げましたように、基本的な姿勢は内外に納得のいく運営の仕方をしなけりゃならぬわけでございますが、成長に力点を置くか、あるいは物価の安定に力点を置くかということは、そのときどきの経済情勢いかんによりまして考えなければいかぬことでございまして、ただいまの状態におきましては、景気の回復を確実なものにしなければならないと同時に、物価の安定にも気をつけなければいかぬというわけで、いまの運営は両方のウサギをとるというやり方が正しいやり方じゃないかと考えております。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) ただいま総理からお答えになりましたとおりでございます。特に中期安定成長に結びつけるためには、やはり景気の維持をいたさなければなりません。それは雇用の回復ということをやはり重点に置いて考えなければなりませんから、同時に最近いろいろ物価の問題も問題として取り上げるようになりましたから、両にらみということになろうかと思うのであります。一面、また大量の国債の増発によりまして、今後の財政再建をどう考えていくか、まあここら辺を中心にこれからの経済の運営をやってまいりたいと考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 東京サミットで、また日本の七%成長というものを強引に押しつけられるんじゃないでしょうか。総理いかがでしょうか、そのときの総理の御決心。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) その国の経済の成長をどの程度、どういうように持っていくかということは自主的に日本が決めることだと思っています。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで、まず国民生活を向上する、生活環境の整備など、総理は田園都市構想というものを打ち出しになられました。自治省、建設省、国土庁それぞれに、自治省には広域市町村圏建設省には地方生活圏国土庁には定住圏構想というのがあります。おのおの大臣から簡単にこの内容を説明していただきまして、あと総理の構想がどうこれに重なっていくかを御説明を願います。

渡海元三郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(渡海元三郎君) 建設省は、昭和四十四年度から三大都市圏を除きます地方の都市と周辺農村を含めまして、広域的な範囲で環境の整備等を進めるために、百六十八カ所の生活広域圏というものをつくりまして推進に努めております。これはその生活圏の中の道路、河川、下水道、公園、住宅等を広域的に総合して進めるという地方づくりの基盤事業をやっております。このことは、総理の構想しておられます地方田園都市というものに、この広域圏の推進が私は役立つものと考えますので、いま国土庁で計画しておられますこれに基づくものができましたら、十分それにこたえて、建設省といたしましても推進をしていきたいと、このように考えております。

中野四郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(中野四郎君) お答えをいたします。  すでに御承知のとおり、この定住構想のねらいは、地域社会づくりは住民の一人一人の自発的な創意を基盤として、地方公共団体が主体的にその地域の特性を生かして総合的居住環境を整備するのが基本である、こう考えております。  それから、いまお尋ねの田園都市構想については、これはもう敗戦以来三十四年、特にこの高度成長時代から安定成長の時代に変化をしてきたのでありまして、日本国土の見直しを根本的にやり直そうと、過疎過密というようなものを是正する、こういう定住構想から考えますと、いまの田園都市構想というのは定住構想と方向は同じでありまして、異なったものではございませんです。しかし、そのねらいとするところに特に自然と人間生活の調和という点を大きく打ち出しておられます。そして家庭を基盤としてという、これは都市づくりの上においても、相当これは高い理念だと考えまして、われわれが今後の定住構想を計画化していく上におきましては、この理念の高い田園都市構想というものを基盤として今後の推進を図っていきたい、かように考えておる次第であります。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 御案内のように、自治省といたしましては、十年来広域市町村圏の形成に努力をしてまいっておりまして、三百二十九のネットワークが全国に展開されておるのは御承知のとおりでございます。総理の提唱された田園都市構想は、こういったものを指導する一つの政策理念、この政策理念のもとに一つの田園都市というものをつくっていこうと、こういうことでございまして、自治省の広域市町村圏あるいは建設省でお述べになりました生活圏そういったものはこの政策理念のもとにそれぞれ統一的に調整されて実施されていくべきものだと、このように考えておりまして、せっかく国土庁を中心に各省相寄って思想の統一、実施の足並みがそろうように努力をしておるところでございます。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま大臣からお話がありましたように、いま現にやっておりまする定住圏構想でございますとか広域圏行政でございますとか、いろいろな政策をもっと実り大きいものにするためにどういうところが足らないか、どういう点を改めなければならないかという政策理念というものをいま追求いたしておるところでございます。これは各方面の知恵を拝借いたしましてせっかく構想を練っておるところでございまして、そういうものができ上がりますならば、各省が現に行っておるし、今後行おうとしておるそういう政策に活力を与えてまいるよすがになると確信をしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 五十四年度予算の中にこの田園都市構想というものがもう組み込まれておると理解するんですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) まだそこに至っておりませんで、若干の調査費をちょうだいいたしまして、せっかくいま構想を勉強中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 住みよい環境とか言いますというと、まず職住近接など、自分の生活と職場と、まず一人一人の生活ではそれが一番大事でありますが、本格的に都市再開発を行えば総理の田園開発構想に似通ってくるのではないかと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 田園都市構想というのは、田園についてどう構想するかというわけではなくて、大都市も中都市も地方も皆含めた構想でございまして、仰せのように大都市の再開発、そこでわれわれの力によりましてすばらしい生活空間を人工的につくってまいるということはその中の大きな柱でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いままでの各省のお話や総理の構想などを検討しまして、いま地方の首長さん方が地方分権というのを要望しておられます。したがって、内閣としては、今後の方針として地方分権、地方の自治体の権限というものを強化する方向に政治を動かすというようなことに考えてよろしいですか。

中野四郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(中野四郎君) 二月一日以来、自治省の提唱する、あるいは建設省の提唱するものを一本化して、国土庁がその中心となって今後の構想を推進していく、こういうたてまえの上に立ちまして、先ほども申し上げたように定住構想というものは地方を中心としたものであります。したがって、この分権と言いましてもそう極端な地方分権というのでなく、まず徐々に地方に移譲のできるものはだんだん考えていかなければならぬではないか、こういうようなことで、ただいませっかく十六省庁におきましてこれが構想をばいろいろと検討しておるさなかでございまして、いまどれとどれを分権するというようなことを申し上げる段階ではないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣、地方自治体の権限を強化する方向で検討しておられると理解していいですね。

中野四郎自由民主党国土庁長官

○国務大臣(中野四郎君) 徐々にその方向に進みたいという考え方で、せっかく検討中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次に、国民生活に密接に関係があります医療問題について厚生大臣に質問いたしますが、医療保険の抜本的見直しの時期はいつでございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 医療保険の抜本改正につきましては、昭和五十二年の十一月に本院で御提示をいたしました十四項目にわたる基本的な考え方と改正スケジュールに従いまして、この方針に即した段階的な実施を図っております。現在国会に御提案を申し上げ継続審議になっております健康保険法の改正案がその第一着手でありまして、厚生省としてはできるだけ早い御審議を心からお願いをしておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 健康保険法の改正で提案されているものについては大変問題がありまして、これを了承するわけにまいりませんが、医療保険の根本的な見直しは非常に緊急の問題でありますので、厚生省として緊急に取り組んでいただかなければなりません。  次は差額ベッドの問題であります。いまなお、昨年末の健康保険連のアンケート調査では五六・九%の差額徴収が行われております。三人室以上の病室で全体の四五・六%が差額徴収をされておる。厚生省で昨年通達を出されたようでありますが、現状及び今後の対策についてお聞きいたします。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 御承知のとおり、差額ベッドにつきましては、保険診療機関の指定に当たりまして、十分改善がなされたものを指定することということで処置をいたしてまいりまして、昨年の七月の実態調査では大分改善が図られてきておりますけれども、残念ながらまだ完全にこれが解消したと申し上げられる状況にございません。今後とも指導の徹底を図ってまいりたいという状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 差額ベッドで入院する者、大変困窮いたしておりますので、早急な通達の周知方をお願いいたします。  次は付添看護料でありますが、保険外負担としての付添看護料は一人当たり一日八千円以上が一三・六%という報告、調査が出ております。この点についての対策をお聞きいたします。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) お答えいたします。  付添看護料につきましても、差額ベッドと同様、昨年二月の診療報酬改定時に問題になりまして、室料、看護料ともに重点的な引き上げを図ってまいりました。そして差額ベッドに関しましてと同じように、付添看護に関して、基準看護病院においての患者の負担による不当な付添看護が行われた場合には基準看護の承認を取り消すというような指示を出し、指導の徹底を図っております。今後ともに努力をしてまいりたいと、そのように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次はスモン問題の一括解決でありますが、東京、広島、福岡、金沢のスモン判決の結果、衆議院の社会労働委員会で厚生大臣は、スモン問題の一括解決を図るべき時期である、そうおっしゃっておりますが、その時期、方法、救済の範囲をお聞かせ願います。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 広島の判決の非常な重みを私ども痛感をいたし、その時点におきまして、統一した和解による解決を図りたいということを私も申し上げました。従来から国はこうした方針をとってまいったわけでありますか、今日までに約千二百名ほどの患者の方々との間で和解を行うことができ、その中にはいわゆる第三グループの方も十数名入っておられます。私どもとして、従来から一つの問題でありました田辺の問題が、ようやく田辺製薬としても、他の部分は別として患者救済の一点については国と共同歩調をとるという状態になりましたので、一括解決を図る時期が来たと判断をいたしております。  その場合の一つの問題であります投薬証明のない患者の方々についてどう対処すべきかについては、ただいま東京地裁の御判断を仰いでおりまして、近い将来それがいただけるものと考えておりますので、その時点において解決に努力をいたしたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は年金、福祉の問題でありますが、五十三年度が福祉予算は二〇%の伸びでありましたにかかわりませず、今年度は主要福祉予算が八・三%の伸びにとどまっております大平総理のこの福祉国家、「日本型福祉社会」というものに対してはまことに残念であります。  そこで、年金の改正については、老齢福祉年金の引き上げについては衆議院で話がありました。抜本的な年金の改革――いま八つに分かれておりますが、この改革についてはどのようにいまなっておるか、厚生大臣の説明を求めます。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに現在八つに分かれております各制度の給付水準、また給付体系に必ずしも合理的でない相違があることは事実でありまして、   〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕 同時に、今後長期的に各制度の財政の安定をどのように図っていくか等、大きな問題点を含んでおります。そこで今日、将来の年金制度の基本的なあり方につきまして、厚生大臣の私的諮問機関としての年金制度基本構想懇談会に御意見を伺っておるところでありますが、近いうちにその報告書がいただけるものと考えておりまして、これを踏まえて、関係審議会等の御意見も伺いながら年金制度の基本的な改正に対処してまいりたいと、そのように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 年金問題はもう近い将来の一番大きな問題であろうと思います。この解決によって国民の消費支出もふえますから、恒久的な景気対策はこういうところにあると思います。したがって、厚生省、ひとつしゃんとこの改革、前進のためにがんばってもらいたいと思います。  それから、五%の物価上昇にスライドしておりましたが、ことしは四%でスライドになりました。この五%にとらわれないということを将来も考えてこの年金改革についてはやってもらいたいと思います。よろしいですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘のとおり、本年は特例的な措置として五%未満の消費者物価上昇率にもかかわらず年金額の改定をいたしたわけでありますが、やはりこれは基本的な問題として答申をいただきました段階で十分考えてまいりたい、そのように存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 婦人の年金権は後で討議いたします。  次は同和対策でありますが、総務長官に、附帯決議を踏まえて実態調査を実施して措置法に生かしていただきたい、この決意をお聞きいたします。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。  実態の把握が同和対策事業推進に欠かせない条件であることはお説のとおりでございます。そこでちょうど昨年、特別措置法の三年延期ということが国会において御決定を願ったわけでございまして、その際にも附帯決議がなされておるわけでございます。したがって、私どもといたしましては、この時点に立って昭和五十年におきまする総合的な実態調査をいたしました。その後、市長会等から出ております御意見、あるいは同和、同盟関係から出ております条件等各種の条件が出ておりますし、なおその間、都道府県等からも地域が拡大されたところもありまするし、また事業そのものに対しましても追加されて出てきたものもあるわけでございまするので、この時点に立って総合的にこの見直しをいたしてまいっておるところでございます。  そこで具体的には、この附帯条件の解決のために私どもといたしましては、まずは、総理府におきましても同様でございまするが、関係省庁において、その担当窓口において現地に参りましての調査かございましたり、あるいは都道府県、市町村から直接事業についての折衝等があるわけでございまするので、そういう機会に全体的に現在の残事業がどれだけあり、あるいは啓蒙がどういう実態であると、将来どう対処していくと、そしてそれが運用上の問題もございましょうが、法の改正までいかねばならないかどうかというような問題等も含めて、ただいま各関係省庁とともに検討を加えておる段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 三年の延長では十分に措置できないと私どもは思っていますので、十分に実態を調査していただきたいと思います。  それから文部大臣に質問いたしますが、最近小・中学生の自殺がたくさん発生いたしております。その現状とその原因をどう分析しておられるのか、教育環境の改善など対策があればお話をお聞きいたします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 文部省の調査によりますと、昭和五十三年度における児童生徒の自殺者数は、小学校で九名、中学校で九十一名、高等学校で二百三十五名、計三百三十五名でございます。ですから、中学、高校に非常に多いということ、これは私も大変情けないことだと思いますが、その自殺の原因については、学歴偏重や生命軽視の社会的風潮が一つ。それから家庭教育、学校教育が複雑に絡み合っておりますので、文部省で調査したものでなかなか困難でございますが、原因不明が非常に多いんです。しかし、主な理由としては、学業不振、それから家庭の事情、精神障害、この三つが主な事情になっております。この児童生徒の自殺問題を解決するためにいろいろな方面から取り組む必要があると思いますが、特に学校教育におきましては、このたび小・中・高等学校の教育課程の改正をいたしまして、知育、徳育、体育の均衡のとれた、そして人間性豊かな教育をすることで指導要領の改定をいたしましたから、この結果を私は待ちたいと思います。これが一つ。いま一つは大学入試改善の問題で、これは試験地獄ですから、これで共通一次テスト、いま二次テストをやっていますが、まだ不備な点もありますが、今後改善して入試問題の解決をしたいこと。第三は教員問題ですが、上越と神戸にことしから新構想の教員養成大学院大学をつくりましたから、りっぱな教員を養成していきたい。そのほかに、家庭教育で文部省としても家庭学級あるいは総合家庭教育ゼミナーというものをことしから新設しましたので、家庭教育を重視して各方面から改善を図って努力してみたいと思います。よろしくお願いします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大変むずかしい問題で、ただいまの答弁で納得できないわけでありますが、あと専門的に文教問題としてこれは論議しなきゃならぬと思います。昨年、社会主義の国朝鮮共和国を訪問いたしまして、青少年が生き生きと通学し働いているあの姿を見まして、生きる希望というものが幼い心にはっきりないのではないか、そういう気がしてなりません。教育の見地から十分にひとつ分析していただいて、将来自分はどの方向に生きるか、そういうものを与えてもらわなきゃなりませんと思います。専門的に後で討議したいと思います。  それからもう一つは国際児童年でありますが、その目的の一つに開発途上国の児童に対する国際協力というのがあります。一昨年、私が予算委員会で米の供出運動を前総理に提案したことがあります。バングラデシュにハイジャックがとまりまして、司令官が、いまバングラデシュでは青少年が飢えているのに、日本の恵まれた青年がどうしてこういうことをするかといった言葉がありまして、米の供出運動というものを言ったのでありますが、それが反響がありまして、いま米の一椀供出運動をやったらどうかという運動が有志によってやられています。現場の教師の皆さんにも理解を得ておるようでありますが、文部省としてのお考えを聞きたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 大変りっぱな御提案でございますけれども、ただ文部省としては一番困るのは米の収集と運搬方法なんですよ。それでこれはちょっといま文部省としては大変実現がむずかしいのじゃなかろうかと思っていま検討さしていただいております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大変むずかしい問題、国民の合意を得なきゃならぬ問題でありますが、そういう熱心な子供のためあるいはアジアの地域における青少年の交流ということで運動がなされておることは御記憶しておいてもらいたいと思います。  次の問題は、財政金融政策に入ってまいります。  財政金融の問題としては、財政再建があります。財政再建のところで特に私は大量国債発行について問題にしたいと思いますけれども、この五十四年度予算の中における十五兆余の国債については完全に販売できましょうか、大蔵大臣に見解を聞きます。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 十五兆三千億の国債の消化につきましては、いろいろな方策を講じようということでいまやっておるわけでございますが、たとえば、シンジケート団による消化は昨年よりも一兆円よけいにするとか、あるいは預金部資金に新たに一兆円よけい持ってもらうとか、それから中期債を多様化いたしまして三年もの、四年もの、五年ものをふやして公募入札によって消化をするというようなことで、いろいろ工夫をこらしていきたいというふうに考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今回、六・一国債を〇・四%利子を引き上げになりました。これは一体どういうことでございましょうか。他の国債に対する、あるいは他の債券に対する影響など、いかがですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) ことしの初めから六分一厘債がやや下落を始めたのでございますが、私どもは、その対策をどうするか、市場の実勢をどう見るか、慎重に見守ってきたのでございますが、先月の中旬以降その乖離幅が非常に目立つようになりました。   〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕 いろいろ分析してみますと、長期金利の引き上げ期待感が大分高まってきているように感じたのでございまするけれども、私どもの金融政策、金利政策といたしましては、今日の情勢ではこの緩和基調をなお維持する必要があると、いま長期金利を引き上げるような段階にはないという結論に達しましたので、実勢から離れておると見られる〇・四%ぐらいの引き上げで十分消化できるのじゃないか、また、そういう状況を市場一般に認識してもらうことによって今後の消化が進むようになるのじゃなかろうかということで、一両日前に方針を決定して、いませっかくシンジケート団の方と交渉を進めておる段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 六・一国債の〇・四の引き上げに伴って国債の管理費は幾ら要りますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 〇・一上げますと、大体年間でございますが三十数億、まあそれは半年払いになりますので、(「年間を言わなきゃ」と呼ぶ者あり一年間三十数億ということでございます、〇・一を引き上げることによって。それからさっきちょっと申し落としましたのでつけ加えまするけれども、事業債は国債の金利が上がることに連動して〇・四ぐらい上がるようなことで話が進んでおると伺っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 〇・一で三十三億というとどこからの計算かよくわかりませんが、私ども計算いたしますと、〇・四で約六百億ぐらいかかるのではないかと思いますが、いかがですか。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 国債の金利を〇・一%引き上げますと、たとえば来年度約十五兆円の国債が全部〇・一引き上がったという前提で計算いたします。その場合に、国債の利払いは年二回ございます。来年十五兆発行いたしますうち、年の上期に発行したものだけが利払い費の負担増になってまいります。そういうことでございますと、上期に幾ら発行するかにも問題がございますが、ただいま大臣が申し上げましたように、五十四年度におきます影響というのは約三十九億円程度ということでございます。しかしながら、〇・四上げまして、そして、五十四年度でなくて、十五兆円の国債に対する利払いが満額払わなくてはならない五十五年度あるいは五十六年度にいきますと、委員のおっしゃいますように約六百億ぐらいの利子負担増と、こういうふうになります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その金はどこから支払うのですか。この予算書に出ていますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 五十四年度の金利の増につきましては、いま政府委員も言っておりまするように〇・一で三十八、九億円、〇・四でその四倍でございますから、まあその程度のものは現在の財政の中身で何とかカバーできるのじゃなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 財政の中身というのはどういうことですか。

長岡實大蔵省主計局長

○政府委員(長岡實君) ただいま御審議をお願いいたしております予算には国債費が計上されております。国債費の中身は、大きく分けまして、国債の償還、いわゆる定率繰り入れ等の過去の国債の元本を償還していくための積み立てが一つございます。それから大部分を占めますのが利払い、利子でございます。三番目に取り扱いの事務費等があるわけでございます。予算を組みますときには、その国債の金利がどのくらいであるかということを予算に織り込みます場合には、予算を組む直前の金利で計算をせざるを得ないわけでございます。御指摘のように、これだけの大量公債の発行時代になりますと、やはり年間を通じて金利の若干の上下はあり得る、上がるだけではなくて下がる場合もあり得るわけでございます。そういうものにどう対処いたしてまいるかと申しますと、現在御審議をいただいております五十四年度の予算案の中の国債費には、大体上半期に全体の六割ぐらいの公債を発行するという計画になっております。これが過去四年の平均の数値をとって予算を組んだわけでございますが、五十三年度の実績では六割を下回っておりまして五三、四%であったかと思います。そういうようなところは国庫全体の資金繰りとの見合いによって今後毎月どの程度の公債の発行が必要になるかということを見きわめてまいらなければなりませんけれども、その辺の調節等によりまして現在の段階では〇・四%の金利の増加は賄えるというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 じゃ、五十四年度の管理費は全部で幾らですか。

長岡實大蔵省主計局長

○政府委員(長岡實君) 国債費全体は、御承知のように、四兆七百八十約四億円でございます。その全体のうちの大半を占めます利払い費は三兆三千三百九十八億円でございます。それから管理費とおっしゃる意味が、いわゆる証券の製造費とか手数料というような事務費的なものでございますと、七百七十三億円でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま、われわれは、政府が初め決めました予算書を論議しておるわけです。しかも、国会はいままだ予算審議中です。にもかかわらず、六日の日に〇・四上げて、そして百六十億の余分の金が要るがこれはどこからか持ってきますということは、そういうものはどんぶり勘定ですね、言うなら。いまわれわれは収支をはっきりしながらでなければ論議できないでしょうに。どうしてそういうふうな扱い方をするのか。実はこの国債発行がどうかと思って懸念しておりました。ところが、利子を衆議院を予算が通過した直後〇・四上げた。言うなら、参議院の予算委員会軽視ではないかと言いたいわけ。しかし、それはもう言いません。じゃ、この百六十億の予算を、予算書にないけれども、どこから持ってまいりますか、説明してください。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) これは、政府委員の申し上げておりまするように、たとえば中期債の公募入札も金利はそのときそのときである程度変わるわけでございますし、〇・一で三十九億、まあ仮に四十億にしまして百五、六十億程度の金でございましたら、利払いの経費の総枠の中で、常時発行の額も毎月毎月市場の実勢を見ながら発行するわけでございますので、ある程度の金繰りは私どもは可能であると、こういうふうに考えてやっておる次第でございます。(「おかしいよ、そんなこと」と呼ぶ者あり)

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) ただいま大臣が申しましたように、国債の利払いにつきましては予算編成時におきましては金利の予見ができませんので、予算編成時におきます金利で組むことになっております。しかしながら、それにも増しまして、公募入札の国債がございますが、これにつきましては幾らの金利で入るかわからないことでございます。予算書の中ではある一定の前提をもって金額の計算はいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、国債の利払いが最終的にその年度において幾らかかるであろうかということは、年度の間の国債の発行の金利の上下を通じまして、五十四年度末すなわち五十五年の二月が最終利払い日でございますので、そのときになりませんと利払い費が確定いたしません。私どもはその利払い費が現行予算に組みましたものより上にいくか下にいくかは現段階では予測できませんが、その二月の段階におきまして過不足を精算すると、こういう以外には――国債の発行を金利を弾力的に条件を改定する、あるいは市場実勢を尊重して国債の発行を行う、こういう体制のもとでは、やはり二月に最終の利払い期が参りましたときを見てその際に精算の方法をどうするかということを考える以外に方法がないというのが国債整理基金会計の現状でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この予算が終わりまして参議院を通過した後でそういう論議をされるのはわかる。それはもう政府の責任です。予算審議中にだね、〇・四上がって、百六十億かかります、それはこっちの方で融通いたしますと、そういう話ならば、もう予算審議する必要はないでしょうに。そういう扱い方について、委員長、どうでしょう、委員長の見解を聞きましょう。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) いかがでしょうか。――では、理財局長に正確な答弁を求めます。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 改めてお答え申し上げます。  国債の発行につきましては、予定しました支払い利子につきまして変動要因がいろいろございます。発行期に応じまして金利の上下があり得るということ、あるいはまた公募入札について予定した利率を上回ることあるいは下回ることがあり得ること、あるいは上期・下期の発行割合が時の金融情勢に応じて変わり得ること、あるいはまた五十四年度予算に組みました五十三年度の国債の利子、すなわち五十三年度に予定いたしました十一兆円の国債が金額発行されるのか、あるいはまた一般会計の不用額その他等があって精算した場合に千億あるいは千五百程度、数字はわかりませんですけれども発行減額があり得ること、これはいままでの例に照らしまして昭和五十一年、五十二年度いずれも発行減額はしてございます。そうしますと、発行減額になったものに見合う利子は減るという要因もございます。そういうものがいずれ計算上確定いたしますのは、先ほど申し上げましたように、上期の発行が終わりますと、その年度に支払う利子は上期分だけでございますので、恐らく本年度の九月以降には五十三年度の決算も確定し、五十四年度の上期の発行実績と、それに伴う利率というものも確定いたしておりますので、利子計算ができるわけでございます。その支払い時期が二月に参るわけでございますので、九月の上期を終わった段階で精算をいたしまして、過不足があればそれにどう対処するか、いわゆる国債整理基金の中の既定の予算内でできるかどうか、また、発行責任者といたしましては予算内で何とかできるような努力をいたすのは当然でございますけれども、それに不足があった場合には、国債整理基金担当者といたしましては、財政に対しまして予備費の使用ということをお願いするということもあろうかと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 前の方はわかるんですよ。最後に言った予備費の利用ね、ちゃんともう腹の中に入っているわけだ。そういうものが予算審議中にはわかっておるならば、ちゃんと予備費から移項すべきであって、これは予算委員会が済んだ後なら言いません、あのとおりだと思うよ、大蔵省が言われるとおりなんだ。いま予算審議に入る直前にこういうものがあるから、これはどうしますかと言うと、最後に言われた、じゃ予備費から百六十億持ってきますとおっしゃったらいい、それで。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 国債の大量発行に伴いまして月々条件を変更するということはあり得ようと存じます。十二月に予算を編成いたしまして、国会に一月に予算を提出いたしました以降、一月、二月、三月それぞれの月で将来は条件変更ということがあり得ようと思いますが、私どもは予備費の使用条件というものが予算編成時以降の事情の変更という場合には予備費の使用ができるというふうに了知いたしておりますので、私どもは現段階においてはすでに予算を提出した後でございますので、いまの段階で予備費を取り崩してこれの組み直しをするというお願いはいたすつもりはございません。これは将来の国債の発行につきまして非常に弾力的にこれを行わさしていただきませんと、金融情勢、経済情勢に及ぼす影響が非常に大きくございますので、国債の発行につきましては、あらかじめ予算を編成した時期における利率を一応の前提とさしていただきたいと存じます。  ただ、先ほど予備費を請求する事態もあり得ると申し上げましたけれども、先ほど来申し上げましたようないろいろの事情の変化がございますので、私どもとしましては、これを請求しないで済むように国債整理基金の運営をやっていきたいというのが当然の主眼になるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 各省ともそういうような運用をされるわけでしょう。予算が決まりました後ちゃんと見積もりながら款項目を分けて使われるんですから。それを、いまはもうちゃんと上がったんだから百六十億よけいかかりますと、利払いに。そういうのはそのまま予備費から持ってきますとおっしゃればそれで済むわけだ。ただ、それには、この予算書のどこから持ってきますかと問題は続くわけですよ。それを説明しなければ説明にならぬでしょう、いま予算審議中なんだから。そういうことを言っているわけですよ。それはどうしますか。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 私がお答え申し上げておりますのは、いろいろの事情によって不足するかどうかが現時点ではわからないという前提でお答えを申し上げております。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 先ほども小柳さんに申し上げておりますように、これだけの大量の国債を発行しようと思いますると、やはり市場の実勢というものをある程度重視していかないとなかなか困難だと思います。金融緩和の現状で特に中期債に市場が指向いたしておりますので、これは公募入札でやっております。それが非常に金利が安くなる場合もありますし、場合によるとそのときの情勢で高くなるようなものもあるものですから、幾ら全体としてプラス・マイナスが予算編成期の見通しの価格に出てくるのか正直言って見込めないような状況でございますので、プラス・マイナスなるべく過不足のないように持っていきたいということで精いっぱい努力をしようと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 初めに予算をつくられるときの話ならそれでいいわけですよ。もう予算をつくって出ているわけです、数字で。そのほかに三月六日から〇・四お上げになったから、これにはプラス利子など百六十億かかるでしょうと、その金はどこから持ってきますかと。私が言うのが正論でしょう、聞くのは。だから、それは予備費から持ってきますというならそれでいいわけです。じゃ、その予備費はどういうふうに修正しますかと言わなきゃならぬでしょうに。それを言わないまま――各省ともあなたが言うことは全部わかっているわけですよ、予算書が出ているんだから。わかりますか、私が言うことが。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) ただ、先ほども政府委員が言っておりますように、公債の発行を繰り延べる場合もありますから、そういった全体の国債の整理基金の姿がどうなるか、これはもう本年度の年度末で、後半でないとちょっと見通しがつきませんものですから、そのときはそのときでまた御相談を申し上げたい。いまのところは何とかやりくりがつくのじゃなかろうかと考えておる次第でございます。

長岡實大蔵省主計局長

○政府委員(長岡實君) 若干お答えが重複いたす点もございますが、一般的に申しまして、国債費の予算の積算は、先ほど申し上げましたように、予算作成時の金利を基礎にして行わざるを得ません。他方、金利の方は金融市場の動勢によって上がることもあり下がることもあるわけでございます。金利が下がった場合には予算に余裕を生じまして不用を生ずることになるわけでございます。今回のように金利が上昇に転じまして、そして現段階で明らかにやりくりがきかないという場合でございますと、いま御指摘のような問題があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、ただいま御審議をお願いいたしております国債費予算の範囲内で毎年度の月別の国債の発行量等を調整をすることなどを含めまして、何とか予算に不足を生じないようにやりくりいたしてまいりたいと、かように考えております。しかし、今後の金融情勢いかんによりましてどうしても予算が足りないというような場合には、最終的にはその利払い費に不足を生ずることになるわけでございまして、これは先ほど理財局長が申しましたように現時点では全く予測不明でございます。そういう場合には年度末までに一般的な義務的経費の不足の例にならいまして補てん措置を講ぜざるを得ないということになろうかと存じますが、現段階におきましては私どもはただいま御審議をお願いいたしております国債費の範囲内で何とかやりくりをしてまいりたいと、かように考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 委員長、議事進行について。  ただいまの問題は納得しがたい点が多々ある。わかり切ったことだけを丁寧に説明してもらっても困るので、問題の中心について理事会でもって討議をするということにしていただきたいと思います。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) じゃ、後刻理事会で協議することにいたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの問題と、それからさっきのエネルギーの暫定需給見直しの問題など、政府の答弁で納得しない点があります。まだあと予算委員会はこれからですからこれから論議になりましょうが、理事会でいまの問題も十分に論議してもらいたいと思う。特に言いたいのは、衆議院段階でも問題になっているわけです。実はいま〇・四上げるのは時期は遅いかもしれぬ。それならもっとなぜ早く衆議院段階で上げないのか。衆議院の予算か上がって直後でしょう。そして、あとは言い逃れで。そういうのはまだ参議院は一カ月も予算審議があるんですからやっぱりはっきりしてもらいたいというのが私の言い分ですから、理事会で論議してもらいます。  そこで、国債問題は保留していきますが、あと財源の問題です。増税はどのくらい見込んでおられますか、五十四年度の、これからの増収ですね。増税についてはどのくらい可能であると考えておられますか。――増収です。年間の増収です。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 今度――五十三年度ですか、五十四年度ですか。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 五十四年度。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 五十四年度の税の増収は約四千億と考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの、まあこれもいろいろ平行線になりましょうから数字については論議いたしませんが、一般消費税を、地方財政計画もそうでありますけれども、ちらちらさせながら来年度の財源というものが考えられています。したがって、私どもは、一般消費税を導入するとするならば、その前に、不公平税制の是正とか、それから硬直的な支出の再検討とか、行政の簡素化とか、そういうものをちゃんとやって、その上で一般消費税についてはこうですよと国民に訴えるべきであると思うが、いかがですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 全く小柳さんのおっしゃるとおりでございまして、私どもといたしましても歳出につきましては相当思い切った経常費の圧縮をやりましたし、スクラップ・アンド・ビルドで新規の政策をその範囲内でやってもらうというようなことでやってまいりますと同時に、歳入面でも政策税制につきまして相当思い切った見直しをやって、項目でございますると五項目の廃止を行い、二十五項目の中身の圧縮をやるというようなことでやっておるのでございます。もちろんこれだけでは十分とは思いませんけれども、さらに今後も相当思い切った特別措置法の各項目の見直しをやってまいりたいと考えておるのです。ただ、租税特別措置法の各項目は、御承知のとおり、時の政策に合わせて取り上げられる項目が多うございまして、たとえば、公害防止とか、中小企業対策とか、貯蓄奨励とか、いろいろな問題をカバーしておりまして、大体それが特別措置の減収額の六割以上を占めておるような状況でございますので、全部洗い直すというわけにはまいりませんけれども、時代にそぐわなくなったものにつきましては年々これは徹底的に見直してまいりたいと考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 医師税制の問題も大変問題になりました。各党是正を要求している。しかも、私ども、医者の仲間がおられますけれども、かえって肩身が狭い人もたくさんありますよ。なぜ今回一番是正をしなきゃならぬ医師優遇税の是正ができなかったのか、お聞きいたします。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 二十五年間手がつけられなかった診療報酬につきまして今回御提案申し上げておるような改正を行うことにしたのでございますが、基本は政府税制調査会の提案している案に沿ったものでございまして、五千万円以上の収入の分について概算経費率五二%、これは私どもの調査でも、会計検査院の調査でもおおむね五二%が平均の経費率と見ております。それでこれを基本にいたしまして、やはり中央、地方と申しますか、都市でも僻地でもお医者様は日夜大変、日曜祭日も返上して診察に従事されるとか救急医療に貢献されるとか、そういった保険医の公共性というものをある程度やはりこの税制でも見なきゃいくまいということで、その特殊性を加味して七二から五二の段階的な経費率を決めたような次第でございまして、まあこれは相当課税の前進と私どもは考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私はなぜ是正できなかったかと過去形を使いましたけれども、まだこれから、きょうからの審議ですから、これは問題になると思います。  それから自治大臣に質問いたしますけれども、地方税法の改正で電気税が無料になっています。地方税法の四百八十九条ですけれども、これは終戦後、傾斜生産で鉄鋼、石炭など重要産業が電気税が免税になったんです。それがなおいま生きています。このために重工業地帯の都市は大変損している、もうこの際是正するべきではないかという意見がありますが、いかがですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) お説のように情勢も大分変わってきておりますので、廃止すべきではないかという意見が確かにございます。今般の予算編成に当たってもずいぶんこれは議論されたわけでございますが、なお存置すべきであるという意見もございまして、本年度としては結論を出すに至らなかったわけでございますが、引き続に検討してまいるつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それで、この問題の締めくくりですけれども、私はここに西ドイツの連邦財政計画を持っています。これは四カ年計画ですけれども、収入から支出から全部もう数字がぴしゃっと書いてあります。見通しじゃないんですね。予測ではありません。いい悪いは別にいたしまして、われわれが論議するには、これは見通しですから変わりますよと、政府のこれはそう書いてありますね。こういうものが民間の設備投資などを十分に自信を持ってやれない原因ではないかと思う。個人消費もそうですね。貯金しておかなきゃ晩年が困るからなるべく貯金するわけでしょう。したがって、いい悪いは別にいたしまして、もっと権威ある経済計画、それには財源もそれから支出もぴしゃっと書いた、そういうものを出す決意はないか。これは総理から見解を聞きます。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) ドイツの計画につきましては、われわれも非常に注目をして拝見しております。ただ、われわれの方の七カ年の基本構想でございますが、やはりそれもいまわれわれが先般の衆議院のいろいろな委員会を通じまして痛切に感じておりますことは、やはり福祉の配分ということでございます。それについてもう少し具体的な方向をとらないと、税額の負担というものだけが非常に明確になっておって、その点についてこの計画の基本構想がのみにくいという点があるわけでございます。もちろん一応の配分案はございますけれども、それをもっと詰めてまいって、できるだけ国民の今後の経済活動あるいは見通し等にお役に立つものにしていくべきだというふうに思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 参考人がいろいろ御都合が悪いようでありますから、雇用問題をお聞きいたします。  今度の計画で政府は一・七%の失業率を考えています。前の前期計画では一・三でした。完全失業者の率を一・七などという初めから計画に入れて失業を見込んでおくというようなやり方については私は不満です。これは労働大臣と経済企画庁長官から聞きます。

小坂徳三郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂徳三郎君) 完全雇用というものをどの辺に考えるかということでございますが、一・七%は、あるいは前回の諸計画においては一・三%がいわゆる完全雇用というふうに言っておりました。しかし、現時点におきまして、六十年度においては約五千七百万人の方々の労働力人口、これに対応してわれわれは可能な限りの就業の増大を図らなくてはならぬということが計画の骨子でございまして、大体具体的に申し上げますれば、有効求人倍率一倍と、でありますから、一応職を求める方に対しては職があるというような状態を想定しているわけでございます。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 七カ年計画で一・七にしたわけでございますけれども、いまも経済企画庁長官から話がありましたが、完全雇用というものの定義は一概に言えませんが、大体の概念を言いますと、労働力が需要供給の関係で総量として均衡しておる、需要不足によるところの失業がほぼ解消しておる、そういう状態を完全雇用というふうに見ていいんじゃないか。そういう観点からいたしますと、景気はよくなりつつありますけれども、しかし、婦人を中心といたしましたところの労働力人口が非常にふえておる。しかもその婦人の人たちは、景気の変動によりましてリタイアをしても、それがもう完全に労働市場からリタイアするというものじゃない、一時的なものである。それからいま一つには、若い人たちのだんだん職業に対する選好度というものが高くなってきております。そういうようなことを考えてみますと、まあまあ失業率一・七%、有効求人倍率が大体一倍近い、世帯主の失業率が低いという状況を想定しておりますので、労働省としてもその辺でよろしいのかなと、こう考えているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 中高年の雇用、いま大変でございますが、下川参考人に来ていただきました。現在の経営者としては減量経営でもうけるだけではいかぬと思いますが、いかがでございましょうか、下川参考人。

下川常雄日本経営者団体連盟雇用特別委員会委員長

○参考人(下川常雄君) 下川でございます。  いま減量経営の御質問がございましたが、企業のいまの実態ということを申し上げまして、最後にお答えしたいと思いますが、御承知のように、企業はオイルショック以後過剰雇用者を抱えて非常に苦労をいたしております。先月、日経連の傘下の常任理事会社及び財務理事会社の五百二十九社に対しまして、雇用確保に対しどういう対策をやっておるかということのアンケートを出しました。まだ回答が来ておる途中でございますが、二月の二十七日現在で回答が百四十二社、二七%の回答が来ておりますが、この報告によりますと、二社に一社が雇用維持のため本来の事業以外に新製品の開発、副業分野の開拓、または関連事業への進出に努力しておるという回答が出ております。  簡単にこの新製品の開発を申し上げますと、ある電子部品メーカーがIC、いわゆる集積回路を応用してテレビゲームとかあるいはラジコンカーなどのおもちゃをつくった、これで雇用をある程度維持した。あるいはまた、副業分野の開拓につきましては、製鉄会社がウナギをやったり、あるいは化学会社がミミズの養殖をやったり、そういうふうなことをやっておりますし、またある会社では間接部門の中高年者をもって学習塾を経営しておりまして、これも大分過剰雇用者を吸収をいたしております。さらに関連事業への進出では、ある食品会社がレストランを経営するとか、あるいはある海運会社が余剰技術者をもって機械の修理業もやる、そういうふうな努力をしております。  これらの報告を読んでみますと、企業が雇用を確保するために非常に努力をしており、全く頭が下がるような気がいたします。なお、この傾向は今後とも続いてくると思います。  したがって、私がお願いしたいのは、企業の実態をひとつよく御認識していただきまして、減量経営につきましてもできるだけ企業が残る努力をしてやっておるということをひとつ御認識願いたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、この関西産業労使会議が「雇用延長実現のための方策について」という合意をまとめておりますが、これができましたあらましと、そのできた経緯をお話しください。

下川常雄日本経営者団体連盟雇用特別委員会委員長

○参考人(下川常雄君) いま御質問がございましたので、関西産業労使会議のちょっと機構を申し上げた方がおわかりいいと思いますが、これは京阪神に在住しております約三百社の会社の経営者でもって関西産業経済協議機構というのをつくっております。それから一方、組合の方では、そういうふうな会社の組合で民間労働組合協議会というのをつくっておりまして、その両者が春秋二回労使会議をやっておりまして、すでにことしで八回目ですから四年間続いておりますが、先ほど先生が御指摘になりましたように、二月五日に関西産業労使会議で雇用延長に対しまして合意をいたしましたので、それについての経過を簡単に申し上げたいと思います。  御承知のように、高齢化が非常に急速に進んでおります。われわれとしては高齢者の労働力を積極的に活用するということを考えまして、当面六十歳までの定年延長を含む雇用延長が必要である、したがってその実現に前向きに取り組むということで合意に達しました。なお、この合意に達する前に、経営者側の方から組合の方に二つの点について確認をいたしました。その一つは、雇用というのは経営権の一部である、したがって個々の雇用条件につきましては労使間の話し合いによって決すべき事項で、第三者が介入すべきものではないということ、第三者はこの労使間の話し合いがスムーズにいき、かつこれが実現が容易にできるように援助すべきである、これが第一点でございます。それから第二点は、雇用延長がそれが定年延長の形であっても、または定年時に退職して退職金を渡し、そしてその後賃金をある程度減額をして、そして再雇用する勤務延長の形もございますが、そういうふうな定年延長とかあるいは勤務延長、いずれの形をとるにしましても、人件費がふえてそして企業の負担がふえることは、これはもう明らかなことでございます。したがって、労使で創意工夫をして企業の負担ができるだけ少なくなるようにしようじゃないかという、この二点を確認しまして、そして組合と合意に達した事項が五つございますが、これはもう簡単に項目だけを申し上げておきます。  一つは、賃金制度について。賃金制度が現在御承知のように年功序列賃金になっておりますが、これの生計費のピークというのが四十五歳から五十歳ぐらいだと。したがって、その四十五歳ないし五十歳になったら、その後の賃金を上げるというのは、むしろ能力や職務を重視していきたいということが賃金制度についての合意点でございます。  それから次は、退職金制度でございますが、退職金制度も御承知のように年々累積加算でふえるようになっています。そこで、今度延長をする期間については退職金を増額しない、これも合意に達しました。  それから次に、人事諸制度につきましては、資格制度を入れるとかあるいは専門職制度を入れようということで合意に達しました。  それから四番目に、能力開発につきましては、労働者が働きがいがあることを感じるように、労働者自身の自己啓発とか、あるいは自主的な健康管理を助成するように訓練体系の整備をやったり、あるいは年齢、体力、意識の変化を勘案しまして仕事の再編成をやるように配慮するということも合意に達しました。  それからもう一つ、五番目には、選択的定年制を導入しよう。これは御承知のように、定年前にやめるというような人も出てきましたが、いままでは定年前にやめると退職金を減額しておりましたが、これも選択的定年制で、むしろそういうふうなことをやめて、次のほかの仕事にいくことができるようにしよう。  以上五点につきまして合意に達しました。  そこで、最後に私申し上げたいことは、雇用延長というのは元来民間企業労使の自主的努力により解決すべきものでございますが、政府におかれましても、これら話し合いの実現がスムーズにいきますように側面的援助をお願いして、私のお答えを終わりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 どうも参考人ありがとうございました。なお、中高年の失業が多発いたしますので、雇用政策については十分のひとつ御努力を、御加勢をお願いいたします。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 下川参考人には御多忙のところ御出席いただきましてありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。御退席くださって結構でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働大臣、定年延長あるいは定年制の法制化など、見解を聞きます。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) その前に、私はお礼を申し上げたいと思います。雇用問題の審議に当たりまして、具体的に関係者を呼ばれて御質疑をされます小柳さんの態度に対しまして敬意を表したいと思います。  定年延長の法制化等の問題でございますけれども、ただいまもお話がございましたけれども、私どもは定年制の延長というのを考えていきますと、どうしても年功序列型の賃金体系、あるいは退職金の問題、あるいは職員管理の問題、そういう問題に触れますので、この問題を労使が避けて通れない、そういう観点から労使の真剣な検討を望みたいということでおるわけでございますが、関西のいまの例などにつきましても、私のところに陳情がございました。私は、経営者もえらいけれども、労働者の方々もさらにえらい、そういう発言をしたんです。これは経営者だけでなしに、労働側においてもこの際決めるべきは決めていくという態度が必要だと思います。  それと同時に、今後の問題でございますけれども、私どもが定年延長の問題につきまして行政的に一生懸命詰めていきたいと考えておりますが、衆議院の予算委員会の修正の段階におきまして、各党と自民党との間でいろいろ折衝が行われました。その経過につきましては私どもも承知をしております。自由民主党の回答につきましては、誠意を持って検討いたしまして、適切な処置をいたしたい、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 全逓問題について郵政大臣に質問をいたしますが、労使仲よく話し合いを早く進めて、事業が円満にできますように御努力をしておられると思うけれども、現在、これからの決意をお伺いいたします。

白浜仁吉自由民主党郵政大臣

○国務大臣(白浜仁吉君) お答えいたします。  年末年始にかけましては、国民の皆様に大変御迷惑をおかけしまして、深くおわびを申し上げます。  御指摘のとおり、いま私も両組合の幹部諸君と会いまして、何とか話し合いをしたいということで、やっと糸口をつけてまいりました。いまようやく軌道に乗ってまいったところであります。幸いにして、三月の三六協定もほとんど締結されたという状況で、順調に進んでいる、私はそういうふうに思っておりますので、しばらく見守っていただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 また、この問題は労働問題として慎重に後で討議をしなきゃなりませんが、最善の努力をしていただきます。  それから通産大臣、産炭地域振興ですけれども、石炭産業が敗退いたしまして、ボ夕山がたくさん残っています。いま法律が継続審議中です。そこに新しい雇用職場をつくったらどうか。さっき言ったとおりです、いろいろ試験をしておられる方もありますから。したがって、地域整備公団など、国が責任を持ってあの全国のボタ山について国土回復の闘いをしてもらいたいと思うが、どうですか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) もう御承知のとおり、現在でも土地造成事業、それから誘致企業への助成、産業基盤整備等に対する地方財政援助と、いろいろやっておりますが、新たな御提案です。これは通産省だけでなかなか決定するわけにはまいりませんが、一つの私は有力なアイデアだと思います。したがいまして関係省庁と十分協議の上で御期待にこたえる努力を今後も続けてまいりたいというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 時間が参りまして、物価問題が全部残りました。論議は後の議員に譲ります。  最後に、ここに七枚の新聞があります。これは日本と中国、シンガポール、韓国、台湾、香港です。皆同じ漢字でありますが、中国が一番略化されています。その次はシンガポールです。それから次は当用漢字のある日本、台湾と韓国は昔のままです。アジアの人的交流などありますから、日本の略字、簡略化などもいま有志家が研究しておりまするが、中国との交流などで、少なくとも日本の当用漢字と中国がいま改革いたしました――中国の第二次改革については若干中国自身も問題があるようでありますが、少し対照表ぐらいつくって、国民に知らせるぐらいの努力はできないでしょうか、文部大臣。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 小柳君、時間が参りました。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 中国につきましては、いろんな辞典が出ているんですよ。私ども、小柳先生は大変御熱心ですから、文部省からも国語審議会の委員が中国へ行って、中国の漢字の研究をしてまいったんですけれども、ただ日本と違うのは音と訓、それから日本はかなまじりなものですから、そのまま持ってくることがなかなかむずかしい。一番の厄介な問題は印刷の問題なんですよ。こういう点に難色があって、いま慎重に検討さしています。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 印刷は日本活字工業会が全面的に協力しておりますから、そのことを各国に言ってください。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 議事進行。  小柳委員の質問で、二件ほど理事会に回されました。その問題について一つだけ確かめておきたいと思うことがあるのでありますが、それは委員長並びに理事会にゆだねられた問題の一つとしては、E2Cの予算の凍結解除について、衆議院では議長の判断でということになっておりますが、これは衆議院の予算審議の段階だったからこういう措置もまああり得ると思うのでありますが、きょうから参議院として審議に入っているわけでありますので、参議院としても凍結解除に対する諾否の意思表示が許されていいというふうに考えるわけであります。もしこれがノーということになりますと、理事会でもって審議する対象を失ってしまうわけでありますので、その点、参議院としての院の合意というものがあるならば、当然、政府としてもそれに従うというふうに理解をしてよろしいかどうかということを一点だけ総理にお伺いします。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の立場は、政府の立場は、この予算の執行につきまして慎重を期さなければならないということでございまして、衆議院段階における審議の経過におきまして、公党の間でああいう措置がとられたので、それは私といたしましては尊重しなければならないということを考えておるわけでございまして、参議院におかれてどのような措置をとられますか、それは私の力の及ばぬところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 質問を終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で小柳君の総括質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、園田清充君の総括質疑を行います。園田君。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 私は、質疑に入るに先立ちまして御礼を申し上げておきたいと思います。  というのは、私ども同じ熊本の出身であり、この間まで当予算委員会に所属をいたしました三善君がきのう亡くなりました。関係方面からいろいろ御弔意並びに御高配をいただきましたことを、同県の出身として、同僚として、また当委員会の所属議員の一員として厚く御礼を申し上げます。まことにありがとうございました。  そこで、総理にまず伺います。総理の政治姿勢ということから入ってまいりたいと思います。私は所属が与党でございますので、ざっくばらんにひとつ申し上げますので、総理も御教示のつもりでお答えを願いたいと思います。同時に、幸いきょうは当国会と各家庭とをテレビでつないでもらっているようでございますので、むずかしいことは申し上げません。そこで、なるだけ茶の間で聞いていただいてわかるように私も平易に質問をいたしますし、お答えも関係者の皆さん方から平易にひとつお願いを申し上げたいと思います。  まず、総理でございますけれども、いま非常に内外の情勢が厳しいときに、過般の初めて党として導入いたしました党員参加による総裁選挙によって総裁の座をかち得られ、かつまた国政の最高責任者である内閣総理大臣に御就任になりました。衷心からお喜びを申し上げます。  翻って今日の内外の情勢を見てみますと、まことに厳しいものがございます。まず外交問題から入ってみましても、いい面としては朝鮮半島で南北統一のための対話、話し合いの場が持たれ、しかし、一方、アジアの地域の中で戦争、紛争が起こっておるという。同時に、エネルギーの供給源である中東におきましても厳しい情勢にあることは御承知のとおりでございます。また、経済的にも、四十六年、アメリカのニクソン大統領によってドルの金との交換性が停止せられた。そのことに私は起因をしたものだと思いますけれども、やはり四十八年の石油ショック以来、世界の経済は根底からその構造自体を変革しなければならないような立場に立たされておるのが今日の国際経済、と同時に、わが国経済の置かれておる実態だと思います。  あわせまして、大蔵大臣が非常に御苦心になっていらっしゃいますけれども、わが国の財政を見てみても慢性的な実は財政収支の不均衡を招いておるし、同時に内政としては物価、あるいはさっき立たれました小柳議員からも御指摘があったとおり、雇用の問題、内外ともに厳しい情勢の中で大平内閣は発足をいたしたのでございます。時期は違いますけれども、組閣当時、現時点の現内閣に対する支持率を見てみますと依然として高い支持率を示しております。これはやはり私は総理自体の人柄によるものだ、同時に、国民のこうした厳しい中での期待というものが総理に強く寄せられていることをあらわしておるものだと思います。  そこで、まず総理に、この厳しい中における政権担当の決意についてひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 世界は御指摘のように大変厳しい環境のもとにありまして、南北圏とも、また自由圏であろうと社会主義圏であろうと、いずれの国も大変むずかしい問題を抱えて苦吟をいたしております。日本ばかりではございません。また、国内におきましても経営者は経営者、労働者は労働者といたしまして、都会における方は都会の方として、田舎に住まわれる方は田舎の方としてそれぞれ困難を抱えておられると思うのでありまして、そういうときの政治のかじ取りでございますので、大変責任が重いことを痛感いたしております。  それに対処する心構えといたしましては、まず、政治に携わる私どもが謙虚に身を持するとともに、国民の要望、ニーズというものを謙虚に承りまして、権力に頼ることなく、できるだけ苦しみも喜びも一緒にする気持ちでこれに当たらなければならぬと考えておるわけでございます。そういう大事なことが私にできるかどうか、じくじたるものがございますけれども、一生懸命にがんばっていかなければならぬと心得ております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 ただいまの総理の政権担当の抱負並びに決意に対して、私はこれを了とするものでございます。しかし、申し上げましたとおり、厳しければ厳しいだけ冷静かつ重大決意のもと国政を担当し、推進していただくことを衷心から祈念をいたします。  そこで、まず、私は元号法案についてお尋ねをいたします。  すでに今国会に元号法案が提出をせられております。そして全国各地の都道府県議会は、沖繩県を除いて、全部が元号法案の成立を請願決議をいたしております。あわせまして市町村議会は千二百を超えてこれまた元号法案の成立を期待をいたしております。こうした中だけに、わが国の憲法第一章第一条、これを否定なさる方は私は別だと思うんです。しかし、少なくとも国民の期待にこたえるためには、やはり今国会でこれを成立させることが私ども国会に課せられている重大な使命だと私はかように実は考えておるわけでございまして、そこで総理あるいは総務長官どっちでも結構でございますけれども、今国会においてぜひ成立をさしたいという私は決意の御披瀝を願いたいと思います。

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。  先ほども小柳議員にお答えを申し上げましたとおり、元号の問題につきましては国民が今日まで大多数の方が日常生活の中で御使用願っておる、しかもみずからの生活に全く定着した大勢の中にございます。また、どの方にお尋ねをいたしましても、存続を大多数の方が希望しておられるという事態でございます。そこで、先ほども御指摘がございましたように、都道府県あるいは市町村、各地方公共団体の議会におきましても法制化促進の議決がなされたのでございます。先般来はNHKでこの法制化についてのアンケートもおとりいただいたようでございまして、その成果も私ども承っておるのでございまするが、そうしたような国民の実態というようなものは、ぜひひとつだれかがそしていつの時点かにこれを次の新しい元号について取り決めておいてほしいというのが国民の願望であると受けとめておるわけでございます。  したがいまして、そういう実態を踏まえて、一つの制度として、だれがどういう場所で決めるかということを手続的にひとつ決めておきたいというのが今回の元号法案でございます。そういう国民の気持ちにこたえての結果でございまして、二月二日の日に国会に提案をさしていただき、御審議を賜りたいと思っておるわけでございまして、ぜひひとつこの議会において議了願いたいというのが私どものお願いでございます。よろしく御協力をお願いいたしたいと思います。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 ただいま総務長官から、一番近い、実はぜひ本法案を成立さしてほしいという世論調査をもう御承知だということでございますから、私からはあえて申し上げません。ただし、いままで言われてまいりましたことは、法制化の必要はないではないかというのが六四・五%ということがよく反対の時点で挙げられてまいりましたけれども、これはかなり前の世論調査であって、いまおっしゃったNHKが私は一番近い。それからすると、ぜひ制定をしてほしいというのが高い率を示しておることは承知だといま御答弁がございましたので、あえて申し上げませんが、ひとつぜひ成立に努力を願いたいと思います。  続いて、これも御質疑がございましたが、今回の外国航空機の疑惑解明ということについてお伺いをいたしたいと思いますが、総理自体が信頼と合意を基調として、政治は常にオープンでクリアでクリーンでなければならないということはかねがね御教示をいただいておるところでございます。やはり不明朗やスキャンダルということは、これは許されないことでございます。そこで、現在問題になっている航空機の疑惑の解明について、ひとつ総理としてどういう決意をなすっていらっしゃるのか、総理の決意からまずお伺いをいたしたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 外国の航空機の輸入をめぐりまして、一部に不正があるのではないかという疑惑が国民の間にありますことは御承知のとおりでございます。このことは政治に携わる者に不正があるのではないかという疑惑でございますので、政治の信頼の意味からも、こういう不信は取り除かなければならぬわけでございます。そのためには、第一にやらなきゃならぬことは、この事件が一体どういう事件なのか、真相を解明することがまず第一のわれわれの責任であろうと思うのでありまして、これを解明いたしまして、それを踏まえた上で公正な解決をして、国民の御納得が得られるようにいたすことが第一の任務であろうと思うのでございます。しかし、それは政府ばかりでございませんで、国会におきましても解明が行われておるわけでございますので、これに対し政府が法令の許す範囲内で最大限の御協力を申し上げなければならぬ責任があると存じております。そういうことでいま政府は鋭意この解明と協力に当たっておるわけでございます。  第二は、これと並行いたしまして、先ほどもお話がありましたように、ロッキード事件にも提起されましたように、この種の事件の再発防止策をどうするかということでございまして、これは行政、立法各般にわたりましていろんな措置がすでに考えられて、実行に移しておるものもございまするし、検討いたしておるものもございますし、これから検討をしなければならぬものもあるわけでございますけれども、精力的に当たってまいることがこの種の問題に対する私どもの責任であろうと考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 ただいま総理から本問題の解明について決意の御披瀝をいただいたわけでございます。私はこれを了とし、また高く評価をいたします。  そこで、重ねてお尋ねをいたしますけれども、いまおっしゃったとおり、政府だけで解明できる問題ではなく、両院における国会決議あるいは衆議院の予算委員会においての集中審議、あるいは両院を代表してアメリカへ調査においでになった方々、あるいは両院における航空機輸入に関する特別委員会、同時に政府として日米司法取り決めということで、疑惑はやはり国民の前に明らかにされてまいる、こう私は確信をいたすものでございます。ただ、衆議院と本院、一院と二院という性格から考えまして若干違いがあることは、やはり私どもは原因を究明すると同時に、参議院としては、良識の府と言われるだけに、二度とこういうことを起こさないということが当院としての私は大きな使命ではなかろうかと思います。  そこで、総理から午前中も答弁がございましたとおり、ロッキード事件のときに要綱をおつくりになって、そうして今日まで御努力を願っておる、このことはこのことなりに高く評価をいたします。そこで再発防止ということで政府としてなおかつ具体的な問題をお持ちであるならば、この際、御教示を願いたいと思いますが、両院の解明その他と並行しながら、いま私が申し上げている趣旨のことに対応していこうということであるならば、またこれも結構だと思いますので、総理からひとつ御答弁を願いたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 午前中、小柳さんの御質問に答えましたのは、ロッキード事件の際に再発防止策として五十一年十一月十二日に閣議で了解いたしました事項を申し上げたわけでございます。実施中のもの四つ、検討中のもの四つ、今後検討すべきもの二つということでございまして、それは先般小柳さんにお答えいたしましたから繰り返すことを省かしていただきますけれども、ここでわれわれが検討中のものというのは、すでにむずかしい法制問題として専門家の検討にゆだねておるわけでございまするから、それはそれとして御検討いただかなければなりませんけれども、とりあえず、われわれの側で考えなければならぬことは、一つは、政治資金の規正のあり方がいまのままでいいかどうかということはわれわれのお互いに考えなければならぬことであろうと思いますし、また、選挙制度のあり方がこのままでいいか悪いかという、金のかからない選挙に持っていくためにどうするかということでございますが、この問題につきましてはすでに各党の間におきまして御協議が進められておるわけでございまして、これは選挙の土俵づくりでございますから、政府や与党だけでつくれる筋合いのものではございませんで、野党と一緒になりまして公正な土俵をつくり上げなければいかぬわけでございまして、各党が御検討いただいて、公正で妥当な、そして実行可能な結論を出していただくことを私どもは期待いたしておるわけでございます。  政治資金規正の問題につきましては、あの法律にもございますように、五年たちますともう一度見直すということになっております。この三月の申告によりまして三回目の申告が行われるわけでございまして、いままで行われました申告の状況などを勘案しながら、問題がどこにあるかということにつきましてはわれわれも検討をして、改正すべき点につきましては考慮していかなければならぬのではないかと考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 ただいま総理から御答弁を承っていますと、かなり突っ込んでいろいろと御見解をお持ちのようでございます。  そこで、私は、重ねてお伺いをいたします。この機会に実は政党法というものをおつくりになるようなお考えがあるのかないのか、また御見解を伺うだけで、きょうぜひということを言っておるわけでもございません。と申し上げますのは、衆議院では、戦後、大選挙区二名連記制ということで選挙が行われたことがございます。ところが、その後、選挙制度の改正につきましては現在の選挙制度がそのまま持続されております。同時に、定数については衆議院においても是正があっております。本院でも、実は選挙制度の問題についてわが党として参議院側ではかなり突っ込んだ議論をいたしました。ところが、参議院としては、沖繩の復帰が成ったときに二名定数がふえただけで、全然改正ということは選挙制度を含めて検討したことがございません。そこで、その論議の過程を通じましてかなり党営選挙ということが議員の中から実は要望が強く出てまいりました。  そこで、私は、いまの選挙法を改正するとなれば、いま総理がおっしゃったように、関係法規の見直しはもちろんのことでございますけれども、政党自体が党営選挙ということで選挙活動、政治活動の一切の責任を持つぞという法律を制定する必要があるんではなかろうかと、こう実は論議の中から考えましたので、政党法の制定を、いまぱっと申し上げて是か非かということを総理にお答えを願うことは無理かと思いますけれども、御検討いただく意思があるのかないのかということだけはお聞かせを願いたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 政党法を考えるべきかどうかということは、立法政策として非常に大事な問題だと思います。そしてまた大変むずかしい問題ではないかと思うのでございまして、ここで直ちに白黒の判断を申し上げるだけの私はまだ用意がございません。  ただ、園田さんがおっしゃいました党営選挙、つまり個人個人の負担と拠出におきまして選挙をやってまいるということを漸次党の責任に移していく、そして個人の負担を軽くするということはどうしてもやらなければいかぬことと思うのでございまして、自由民主党におきましても、そういう方向で今日まで漸次党営の部分を多くするように努力をしてまいったことは御案内のとおりでございますけれども、これから先さらに一歩を進めまして党営選挙へ相当大胆な前進をやらなきゃいかぬのじゃないかと私自身は考えて、党の幹部諸君と御相談をいたしておるところでございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 いま相談をしていただいておるということでございますので、ひとつ十分御検討をいただきたいと思います。  そこで、これは総理でも大蔵大臣でも結構ですけれども、実はいま提案されて私どもが審議いたしております予算の性格と申しましょうか、これについて一部識者の間に誤解があるのではないか、予算の見方についてですけれども、という私は気がいたしておるわけでございます。  そこで、総理からでも大蔵大臣からでも結構でございますが、実は、二十四日の新聞、大体各紙ともお取り上げになっていらっしゃる。同時に、経済学者と言われる人たちが、本予算の見方として――いわゆる総理が安上がり政府の実現ということで御苦心、御努力になっている。私は総理の努力も大蔵大臣の御努力も高く評価をいたしております。ところが、この予算の持つ性格自体を取り違えるといまの識者の提言になっていくのではないか。というのは、この予算をいわゆる安上がりの予算だ、政府だと言いながら補助金予算ではないか、だから幾らだって節減の方法はあるんだと、こういうことが指摘をされておりますけれども、予算自体の性格を考えてみますと、私が冒頭総理に申し上げましたとおり、国内の情勢としては、経済情勢一つを考えてみましても、産業の構造の改革あるいは雇用対策だとか、いろいろ内政事情を持つ重大な日本の産業経済の一つの転機だと、こう私は理解をいたしておるわけでございます。  そこで、これをどう誘導していくかということが今日政府に課せられておる私は大きな使命だと。この使命を達成しようとするならば、いま識者が言われるように、これは補助金予算ではないか、安上がり政府の看板に反しているではないかという論議というのは的外れの論議だと申し上げてよろしかろうかと、実は私はこう思うわけでございますが、もしこのことが誤解をされたまま識者のような見方になってくると、日本の経済というのは停滞し、各党が雇用対策、雇用創出ということを幾ら叫んでみても、その実効を上げることは困難ではなかろうかと、実はこう考えますので、予算の持つ性格については後々質問に入りますけれども、その前段として明確にしておいていただく必要があろうと、実はこう考えてお尋ねをいたしておるわけでございますので、お答えを願いたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) ちょっとこの安上がり政府というのが、そういう言葉が非常に誤解を招いておると思うのですね。これは英語で言うチープガバメントというのを訳したものだろうと思うのでございますが、アダム・スミスの時代に夜警国家思想に基づいたチープガバメントというのは、今日私どもが持つべき政府とは私は必ずしも考えていないのであります。あなたがおっしゃったように、いま政府の役割り、財政の役割りというのはほかにたくさんできてきておるわけでございます。産業の構造的な変革期でございまするし、社会保障という問題は政治の中心的、核心的な課題になっておるわけでございまして、あの当時と全然違うと思うのでございますが、ただ、安上がり政府という訳語が最初ひとり歩きしたものですから、ちょっと誤解を招いておると思うのですが、あれは正確にここで正しておきたいと思いますので、効率的な政府というのが一番近いと思うのでございまして、むだのない政府にしたいということで私ども予算を考えておるということを御理解いただきたいと思います。  あとは大蔵大臣からお答えいたします。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 園田さんから御指摘のございました予算の性格でございまするけれども、現在の状況では、やはりひとつ考えなきゃいかぬことは、ここ数年ずっと景気が落ち込んでまいりまして、民間の活力がもりもりっとまだ盛り上がるところへまいっておりません。これをさらに低下させるようなことになりましては、雇用の確保ということを考えなければいかぬ重大な時期に差しかかっておるわけでございまするから、私どもといたしましても、一つの予算の性格、財政の性格としては、景気の維持、回復という点に重点を置きました。  さらばといって、いままでのように、景気刺激一点張りの予算を組むだけの財政余力は今日日本にはございません。どんなに財源をあさってみても、先ほどちょっと申し上げましたように、せいぜい四千億程度の増収、税の増収が考えられる程度でございまして、あとは国債に依存しなければいかぬ。そういうことと同時に、もうすでに五十年から赤字特例公債が相当多額に累積してまいっておりまするから、やはり将来の方向としては財政の再建ということを中心に考えなければいかぬということでございます。しかし、結果的には、残念ながら四割を国債に依存しなければいかぬ。まあ普通の家庭の生活で言えば、月々十万円の月給をもらっておる人が四万円は借金で暮らすということですから、これは大変なことでございます。  それで、財政の再建策といたしましては、たとえば国の歳出につきまして相当思い切ったメスを入れております。特に政府の経常費部門と申しますか、生活費に当たる部分は伸びをうんと圧縮してしまって、それを抑えることによって、従来の補助金の出し方につきましても、いままでやっておるのはひとつ工夫をこらして、新しい政策をやろうと思えばいままでの予算の範囲内でやってくれよ、スクラップ・アンド・ビルドでやってくださいよというようなことで政策経費を出してもらったようなことでございます。と同時に、景気回復の方策としては、やはり公共事業を中心に相当大きな伸びを、二二・五%というような公共事業の伸びを考えまして、何とかこれを維持できるようにと、いわば財政再建の足がかりをつかむ年にするとともに、景気だけは六%の――七カ年経済計画では六%の安定成長を目指しておりますので、うまくそれにつなげるように最善の努力をいたしました。いわばそういう両面の性格を持っておるものとお考えいただいたらいいのじゃなかろうかと考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 では外交問題について二、三お尋ねをいたしますが、郷土の先輩でもございますのでひとつよろしく御教示を願いたいと思います。  私は、まず、午前中の質疑、同時に外務大臣の御答弁を承りながら私が不思議だと感じておるので、一般の国民の方も不思議だなあという感じを実は抱いていらっしゃる点が一つあると思う。だから、この前提について外務大臣から見解をお答え願って、あとそれぞれの個別の問題に入ってまいりたいと思います。  実は、午前中、外務大臣並びに総理から、やはりわが国の平和自主外交ということが答弁にございました。わが国は自由主義国家でございます。そしていま世界の中で、実は残念なことには、共産主義国家と申し上げますか、社会主義国家が中越紛争を起こしていらっしゃる。そこで、一体、平和平和ということが叫ばれている国で何で戦争をなさるのだろうかという原因の問題もありましょうけれども、私どもはやはり自由主義陣営に属し、同時に平和外交、自主外交を日本の外交の基本とされる――午前中の外務大臣の御答弁の中から聞きながら、やはりこれは一体何がどうしたことだろうと、いわゆる素人的な考え方として私は茶の間でも不思議がっていらっしゃると。だからその辺について、原因はいろいろあろうかと思いますけれども、なぜ平和平和ということをお題目に唱える共産国家がこうした戦いまでなさるのかということが実は不思議でしょうがないんだ、私は。私も不思議だけれども、恐らくほかの国民の皆さん方も不思議だと思う。だから、この点について外務大臣のまず見解から御教示を願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 同県の園田さんの御質問に同県の園田君がお答えをいたします。  過去においては、自由陣営の国々が利害をめぐって紛争があったわけでありますが、ただいまでは、社会主義国家と社会主義国家の紛争があちらこちらで起こっているわけであります。これは中国とベトナムとの間では御承知のごとくいろいろ伝統と歴史がありまして、国境を境にしていろいろ問題があったわけであります。また、外交はイデオロギーによらずして地形によるという言葉があるわけでありますが、いわゆる隣接しておりますると利害がいろいろ対立するわけであります。ベトナムと中国の間では、ベトナムは御承知のとおりにかつて仏領でございまして植民地でございました。このフランスが引き揚げるときに国境が明確にならざるまま引き揚げたわけでありまして、したがって中国とベトナムの国境というものは明確でない個別が各所にあるわけであります。しかも、この地点がマンガンその他の地下資源が多量にあるというようなことなども言われておりますが、そういうこと及びそれぞれ平和に対する追求する手段、方略等が違っておる関係上、こういう争いが起こっておるわけでありますが、いずれにいたしましても、わが日本としてはアジアの中にこのような紛争があることはまことに遺憾であり、一日も早く平和的解決をしたいと努力をしておるところでございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 おっしゃることはよくわかります。だが、しかし、民主政治というのは話し合い、これが私は原則だと思う。それが戦火を交えるということから考え合わせますと、やはり私どもまだ戦後三十数年しか民主主義国家になってからたっていないかもしれない。しかし、それだけに、外務大臣のやはり民主主義国家としての外交のあり方について私は積極外交をひとつ期待をいたしますので、御努力を願いたいと思います。  そこで、まず第一点の問題は、朝鮮半島において南北統一ということを、民族統一を悲願として話し合いが進められてまいりました。ところが、残念なことですけれども、南北の政治形態が違う。だから、この話し合いの中から民族統一ができることを私もこいねがうわけでございますが、この見通しについてひとつお聞かせを願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 南北の統一の問題は御発言のとおりでありまして、統一対話ができるまでにはお互いに敏感に反応しつつここまできたことでまことに歓迎をしております。しかし、昨日第二回目の会談があったわけでありますが、この会談でも劈頭から意見は全く平行線をたどっております。したがいまして両方とも話し合いをしたいという機運及びそのような環境ができる国際環境の変化というものがあったわけでありまして、南北とも、みずからの責任においてこの会談を壊そうということには非常に注意をしているようでございます。いまそういうわけでありますから、直ちにとんとん拍子で対話が成功するとは存じませんけれども、何回か繰り返すうちに、政治形態は違い、思想は違っておっても、同じ民族であり、平和的にこれを解決するという方向に進むことを期待し、われわれはそういう方向に推進するよう努力をしなければならぬと考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 いまお話がありましたとおり、実は私は重ねての質疑の中に、いま、きのうの会談のことを申し上げようかと思いましたが、答弁がございましたから申し上げません。  そうなりますと、私どもの従来とってきた対韓外交というものをより密接にしながら、やはり民主主義陣営の一員としてこのことを積極的に進めていくことの外交の積極さというものが必要になってくるのではないかという気がしますので、私は、この機会に、ひとつ対韓外交を従来以上に強力にお進めになり、かつまた、北の方も、この話し合いがきのうのようなことでお互い責任のなすり合いじゃなくして、本当に悲願であるならば、やはり民族自決という姿の中でこの問題が解決されるように、ひとつ進めていただくことをお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、中越紛争について、連日のように変わっておりますし、ハノイ放送あるいは北京の発表というのがそれぞれ違っておりますが、しかし、きのうあたりから中国側が撤退をしていくということ、同時にベトナム側もこのことを事実として認め、追撃戦等はやらないぞというようなことが報ぜられておりますが、そこで、やはり外務大臣にお願いしたいことは、この両国がさっき申し上げましたいろいろ事情はあるかもしれませんけれども、話し合いのテーブルに早く着いてもらうということが一番大事なことで、いまこそやはり積極外交で、私は政治手腕家である先輩の園田外務大臣の出番ではなかろうかという気がいたしますので、両国がテーブルに着けるように、着くように、あるいはソビエト、あるいはアメリカと話し合いをしながらこの紛争の火種を消していただく努力というものをお願いを申し上げたいと思いますが、現在、どういう立場でお進めになっているか、この点についてお答えを願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御発言のとおりであります。五日の午後七時、中国は正式に撤退の意思表明をいたしました。同日、ベトナムの方は総動員下令をいたしましたが、六日になってから、中国が完全に撤退するならば会談に応ずるという、話し合いの方向に向かって兆しが出てきたことはまことに喜ばしいことではありますが、御承知のとおりに、いま主として紛争が行われておる北部山間地帯は十メートル以上の視界はきかないぐらいな密林地帯であります。しかも雨季を前にして今日でも小さい霧雨みたいなのが立ち込めておりまして、非常に大部隊の運用には困難なところであります。したがいまして、私がいま第一に努力をし、懸念しておりますところは、一日も早く平和会談のテーブルに着いてもらいたいが、その前に大部隊が撤退するについてはなかなか困難な場所、撤退するのについては支援戦闘というものがあるのが戦闘の通則であります。進攻する場合と下がる場合、下がる場合は大体普通の、過去の戦争の経歴から言うと、二倍の損害が出ると言われております。ここで下がるために、撤収作戦のために支援戦闘なり、あるいは支援砲撃なり、支援爆撃というものが起これば、これに対して一方ベトナムは反撃、追撃をいたすわけであります。そうなると、また中国はとって返してここに大規模な戦闘が起こる可能性がある。そのようなことがあっては、これはまさに大変なことであり、かつまた、話し合いに着こうという段階になってから多数の人命を殺傷することは耐えがたいことでありますから、両国にこの点をこんこんと私は要請をし、説得しているわけであります。  しばらくは両方ともいろいろ意見の反発がありましたけれども、昨日あたりからベトナムの方も、撤退作戦が完全に、まじめに行われるならばというようないろんな条件等も出てき、進行中でありますから、内容は詳しく申し上げられませんけれども、いまのところでは両方が自制しつつ撤退、平和会談という方向に行く可能性が大分出てきたことは喜ばしいことでありますが、今後とも十分注意をして、ベトナム、中国両方に話のできる国は数少ない国で日本であります。  なお、ソ連、米国のお話もありましたが、ソ連、米国、政治的なあれからいっても緊密に連絡をとることは必要でありますから、両国についてはこの紛争が拡大せざるよう、介入されざるよう、自重されるよう、要請をしてきておりますが、緊密な連絡はASEANの国、その他の国々とも十分とっております。アジアの問題はアジア人自身が解決すべきである、こういうことで日本の役割りを十分認識をして今後とも努力を続ける所存でございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 外務大臣の積極的な御努力を期待をいたします。  次に、中東情勢について伺います。  世界の原油供給量の七割を占める中東地区の政情の不安定ということは、わが国の産業にとってもこれは重大な関心事でございます。同時に、わが国に対する一七%の原油を供給いたしておりましたイランが革命によって王制から共和制へと変わってまいりました。そうした政治形態の変遷がわが国に対する原油供給、これらの問題に影響が出はしないかという心配もございます。そこで外務省として、外務大臣として、中東情勢にどう対応していらっしゃるのか、お聞かせを願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) イランの政変初め、中東の和平工作等、こういうものがわが国の資源にどのような影響を与えるか、したがって資源の立場から外交をどうやるか、こういう御質問だと思いますが、二つあると思います。  一つは、産油国と消費国、売る国と買う国が、売ってくれ、買ってくれ、いや売ってやる、買ってやるという相対的な立場ではなくて、いまや消費国と産油国が一緒になって足並みをそろえながら、現在の石油をどのように有効に使うか、そしてこれを長く人類のために使えるように努力をするか、かつまた、なくなった場合の新しいエネルギー、それまでの間のつなぎとして代替エネルギー、省エネルギー、こういう問題を産油国、消費国が一緒になって、世界経済のために、世界人類のために協力すべき段階に来たと考えております。第一には、産油国に対しては、そういう方向で外交を、通産大臣とも密接に連絡をしながら進めていきたい。  なお二番目には、こういう大事な予測しがたい事件が起こるときでありますから、かつまた、いろいろ考えてみましても、八五年代になった場合のエネルギーというもの、これは大変な状態だということを懸念するものであります。したがいまして中国あるいはアラスカ、各所のエネルギーに対して道をつけ、話をつけ、準備をして資源の多角的原点を探す、この二つが資源に対する外交であると考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 資源外交のことについてはわかりました。  ところが、イランの政変以来、私どもが新聞で知り得ておるところでは、イラン自体がイスラエル、エジプトとの国交を絶っておるということ、これはアメリカのカーター大統領が両国の仲に立って非常に御心配をいただいておる、御努力をいただいておることもまた高く評価をいたします。ところが、こうした中東におけるイラン対エジプト、イスラエルの国交断絶という姿、やはりこれを見てみますと、必ずしも安定した、安心した姿ではないなという気がいたすわけでございますが、これまた新聞の報道でございますから確たることは私は承知はいたしておりませんけれども、近々カーター大統領が中東にみずから乗り込んでこの両国の調停に入る、調停あっせんに入るということを聞いておりますが、外務大臣御承知になっていらっしゃるかどうか、お聞かせを願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) イランの政変、それから中東の和平工作の停滞。イランの政変が直接周辺の国々に直ちに影響を与えるとは考えませんけれども、これによって逐次影響が出てくるわけでありまして、特に、われわれと違って、イランの周辺の国々は非常な懸念と脅威と関心を持っているわけでございます。したがいまして、一方、中東の和平工作は停滞をしたかっこうではありますが、一方また、そういうことから関係諸国は何とかしてこの和平工作をまとめるべきであるというその地域の国民の非常な熱望があるわけであります。カーター大統領は、七日から現地に赴きまして、これに対するいろんな努力をやっておられるところであって、事前にわが方にも通知がございました。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 カーター大統領の両国訪問によって、とにかく中東の情勢が安定することを心から期待をいたします。また、外務大臣としても、その点について側面的にあるいは積極的に御努力を願いたいと思います。  なお、中東情勢については、細かい点について御質問を申し上げたいと思いますが、いずれ外務委員会にこれは譲らしていただきます。  そこで、総理にひとつお尋ねをいたします。  東京サミットの問題でございます。その前提として、近々、開催前にアメリカにおいでになるということがこれまた新聞で報ぜられておりますが、ところが現在の国内の経済情勢、いろいろなことからして、総理がアメリカを訪問されることで重い荷を背負わされるんじゃなかろうかという心配が一部にあるようでございますが、おいでになる総理の決意と同時に、私は、いまこそ日米が胸襟を開いて語り合う時期ではなかろうかと思います。それが即東京サミット主催国として成功させることにもつながるのではなかろうか、こう思いますので、訪米並びに東京サミットに対する総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 日米間におきましては、首脳の間に、このように経済問題が緊張を呼んでおろうとおるまいと、不断に意見の交換の機会があってしかるべきだと私は考えております。そこで、私は、日米双方の都合がつく時期に訪米をしたいという意向を先方に表明いたしてあります。先方も、日米双方ともその都合のよい時期というものをいま検討いたしておるところでございまして、まだ決まったわけではございません。  第二に、しかし仮に話がまとまって参るといたしまして、そういたしますと、こういう緊張を呼んでおる時期でございますから、大きく荷物を背負わされるのではないかという懸念が一部にあるようでございますが、そういう心配はございません。本来、どういう問題があろうとなかろうと、不断に意思の疎通を図るということでございますので、荷物を負わせるとか負わされるとかいうような性質のものではないと思うのでありまして、十分意思の疎通を通じまして、当面の問題はもとよりでございますけれども、長く日米間の関係を円滑に進めてまいる理解の基礎を固めるわけでございますから、そういう趣旨で私の訪米は機能をすべきものと考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 次に、実はASEAN外交について外務大臣にお伺いをしようと思いましたが、午前中の答弁を聞いていると、いろいろ外務省としても検討しなければならない問題もある。同時に、やはり各国との友好をどう進めていくかということに最善の努力をしておるということでございますので重ねて御質疑はいたしませんが、どうかひとつ、わが国に対して誤解のないような姿でASEAN外交が進められることを祈念いたしておきます。  そこで対ソ連外交について一、二お伺いをしておきたいと思います。というのは、ソ連と日本とはやはりこれは隣同士なんです。だから善隣友好関係を持続していかなければならないことは申すまでもございません。しかし、その前提として、わが国にはやはり北方四島を返してもらうという前提があると思います。だから、この北方四島の返還いかんということがソビエトとの善隣友好関係を結べるか結べないかという重大な私は前提条件だと思うが、この四島に対してソビエトが返す意思があるのかないのか、この辺の見通しについて、まずひとつ外務大臣の見解をお聞かせ願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御発言のとおり、北方四島は全国民の一致した悲願であります。日本とソ連のいろいろな問題については利害の共通する点が多いわけでありますが、いずれの問題にいたしましても、北方四島問題に対し、ソ連が誠意を持って話し合うか、あるいはこれにこたえる態度を示されるならば、あとの条約その他も私は話し合う用意があるわけでありますが、大前提は北方四島であります。ただいまのところ、ソ連は、これは解決済みであって、そういう問題は残っていないという態度をとっておりますけれども、粘り強く、話のできる問題から話しつつ糸口をつかみながら解決をしたいと考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 ただいまの現状についての見通しについてはわかりました。  ただし、考えてみますと、国連で外務大臣はソ連の外相とお話し合いになったようでございますが、その後、ソ連の最高首脳部の招待をということでお考えになってお進めになっているようでございますが、この見通しはどうでしょう。と申し上げますのは、やはりいまこそ国民が――実は後ほど防衛問題をお尋ねいたしますけれども、北方四島に対して返してほしいという国民悲願が盛り上がっておるときはない、私はこう理解をいたしておるわけでございまして、そこで、この日本国民の悲願をやはり知ってもらうということが大事なことでございますので、この招待に応ずる意思があるのかないのか。同時に、応ずるとすれば、いつごろ来てもらえるのか、この辺についてお聞かせを願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) ソ連の最高指導者の招請は前々からしばしばやっているわけでありまして、これに対しては、ソ連の方は時期を見て行きたいというだけで、時期は示さないわけであります。  グロムイコ外務大臣の訪日は、先般私が参りまして、今度はソ連の外務大臣が日本に来る番でありますから、平和条約その他の問題を中心に討議する定例会議においでを願いたい。これに対しては、本人からはっきり行くと、しかし、何月何日に行くということはまだここで決められぬと、こういうのが現状でございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 いまお答えがございましたとおり、いつ来るかということはわからないということですが、そこで、私は、これはもう質問ではなくして御要望申し上げておきます。  ぜひ来て知ってもらいたいということが一つ。そして、なおかつ、それでも北方四島を返還する意思がなければ、二国間交渉から国連の場、公式の場で国際世論に訴えていくということをやっていただきたいということでございます。そうして、この北方四島が返ってくるか、こないかということは今後の対ソ外交の上にも私は重大な問題だと思います。ただ経済協力、経済協力ということでなくして、やはり善隣外交を進める上のわが国外交の基本的な対ソ外交の場合に心構えとして持たなければならないことだ、こう考えますので、これは要望として申し上げておきますが、ひとつ御検討願いたいと思います。  次に、防衛問題について防衛庁長官にお尋ねをいたしますが、私も行ったことがございますし、いま申し上げました四島の中の二島で、国後、択捉に、わが国の固有の領土であり国民の返してほしいという悲願のところに、従来は警備隊程度のものだったものが今回は旅団クラスの実は軍事基地を設定されておるということ。そこでソ連のあそこに大きな軍事基地を設定した戦略的なねらいがどこにあるのかということについて防衛庁長官からお答えを願いたいと思います。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 御指摘のとおり、国後、択捉両島地域に久しく警備隊程度のものしがなかったのが、昨年の半ばから部隊が増強されて基地が建設されたということは、この両島がわれわれの固有の領土であることから見ましても、まことに残念なことでございます。  その部隊でございますけれども、御指摘のとおりに、ただいま旅団クラスの勢力でございますが、これは大陸配備の部隊と異なりまして島に置かれている部隊でございますために、その一々についてはまだわからぬところがありますけれども、主として島嶼防衛的なものではないかと防衛庁としては見ておるわけでございます。ただ、昨今、ソ連極東軍は非常な近代化増強を図っておりますので、その一環といたしましてどう見るかという問題がございます。まして北海道に隣接するこの地域に、その意図はともかくといたしましても、このような軍事能力があるということは、私どもとしては軽々しく見てはならないと思う次第でございますが、ただ、意図につきましては、これははっきりいたしませんが、そういう能力があることにつきまして防衛庁としてはこれをおさおさ怠りなく監視に努めてまいりたい、このように思っておる次第でございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 非常に防衛庁長官として慎重な御答弁で、立場は私も理解をいたします。  しかし、善意に解釈をしても、オホーツク海を越えて、あそこにいまのような旅団クラスの基地を設定された。ソ連からして国土防衛ということを善意にとっても前進基地である、大きな前進基地を設定せられたということは間違いなかろうかと思うのです。そして同時に、北方地域というものがかなり重視をされた戦略基地であるということも覆うべくもない事実ではなかろうかと思います。しかし、防衛庁長官にいろいろなことを言わせることはかえって国際外交上問題があろうかと思いますから、突っ込んだことは申し上げません。  しかし、そうなってまいりますと、もう行って見ると、指呼の間と言うよりも本当にこれは跳んだら渡れるようなところに軍事基地ができている。そうなると、防衛意識というか、そういうことに対して国民の非常な関心が高まっておる時期でもございます。だから、防衛庁長官にこの際決意の表明と申しましょうか、お願いを申し上げたいことは、ここに軍事基地ができても、われわれは専守防衛であっても、国民の皆さん安心してくださいと、絶対この責任は全うしますという決意の御披瀝を願いたい、こう実は考えるわけでございますが、いまひとつその御答弁を承って、また次の問題に入りたいと思います。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) わがいまの防衛政策は、御指摘どおり、専守防衛でございます。しかしながら、御指摘のように、まさに指呼の間にこのような有力な軍事能力ができた、その意図は那辺にあるかわからないが、これはなかなか相当のものであることと思います。ところで、私どもといたしましては、着々と防衛の実を上げてまいっておりますし、一朝一夕にできない防衛でございますけれども、一日も怠りなくそういうことに対処いたしておりますので、どうぞその点は御安心願いたいと思います。多くのことを申し上げられませんけれども、われわれとしては十分に見きわめてまいっておりますので、御理解賜りたいと思う次第でございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 なかなかむずかしい問題で答弁のしにくい点は私も理解をいたしますが、これ以上突っ込んだことは申し上げようとは思いませんが、しかし、防衛意識と防衛計画というものが、当然、これは国防会議等をお開きになって修正ないしは変更の必要が私は出てきているのではないか、だから、そういうことの手続その他のことは終えられたのか。いまおっしゃったような決意の披瀝でもうおまえ引っ込めとおっしゃれば私はこれで引っ込みますから、ひとつその点について御答弁を願いたいと思います。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 私どもは、いま昭和五十一年に防衛計画の大綱というのを決めまして、それに従っておるわけでございますが、率直に申しまして、この防衛計画の大綱を決めましたときの前提となるべき国際情勢というものと私は基本的な点においては変わらないと思っております。率直に申しまして、昨今の国際情勢はいろいろと流動的でございますけれども、この基本的な枠組みというのは変わっておりませんので、いま直ちに防衛計画を修正するということは必要ないと思いますが、しかし、厳しい国際情勢でございますので十分な監視を怠ってはならない、このように決意いたしておる次第でございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 いま厳しい監視を怠ってはならないということでございますが、私も全く同感だと思います。  そこで、今日の日本海が日本海という呼称からソ連海という名前でさえ呼ばれるように、同時に、中越紛争に対する連日の定期便的な動き、同時に日本海におけるソ連の極東艦隊の動き、こういうものをいろいろ見てみますと、いま予算で執行保留ということに対していろいろ大蔵当局にまた総理に対して見解がただされました。私は、このE2C、これが政治妥協として執行が保留をせられたということには私個人としてはまことに不満なんです。しかし、各党間の話し合いの中で衆議院の議長預かりというような形でとられた措置に対しては党人として従います。しかし、個人としては不満ですということを申し上げます。  というのは、いまおっしゃったように、私は、言いにくい点もあろうと思う。しかし、非常にわが国の国土防衛上重大だ、緊急に必要だということでお出しになった予算だ、早く買いたいという防衛庁長官の心理もわかります。それだけに、いまのお決めになった措置というものに対しては、重ねて申し上げますけれども、個人として不満です。しかし、各党間の合意であるからやむを得ないと思いますが、この必要性というものが、どっちかというと不満である私どもを初め、国民に理解されていないと思うんです。だから、これは長官にむずかしい答弁を願わなくても、局長で結構ですから、局長からE2Cはこういうことで必要だということの国民に理解を求める意味での御答弁を願いたいと思うんです。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 先ほども申しましたような国際情勢でございますので、われわれとしては、このわが国を取り巻く情勢を常時監視することがわが国の平和と安全を守るために大事な点であると思います。その点につきまして、いま私どもの防衛上欠落している点がある、欠陥がある。それは何かというと、あのミグ事件でもわかりますように、超低空で入ってくる飛行機に対しまして早期発見することができない、早期警戒機能が欠落している。したがいまして先ほど申しました昭和五十一年の防衛計画の大綱におきましても、その穴を埋めるためにその警戒飛行部隊を認めるようになっているわけでございます。このように防衛上の欠陥がはっきりしております以上、これを埋めていくということはわれわれの責任であると思います。  ところで、実は御理解賜りたいのは、導入をお願いいたしておりますE2Cでございますけれども、これは製造に非常に時間のかかるなかなか性能の高い飛行機でございます。同時に、飛行機はこれを導入しましても上へ飛ばさなければ意味がないのでありますから、飛ぶためにはやはりパイロットが必要である。ところで専門家の話によりますと、人間と申しますのは地上におりますときと空中に上がったときとでは機能が半減すると申します。この機能が半減する中で、このような精巧な飛行機を運用し、そして防衛上その使命を全うするためには十分な教育訓練をせねばならないのでございます。したがいまして、そうした意味からも、この導入はできるだけ早くお願いいたしたい、このように思う次第でございますので、どうぞひとつ御理解の上に導入を御決定賜るようにお願いする次第でございます。(「四機ぐらいで穴が埋まるものか。」と呼ぶ者あり)

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 急いで買えということを野党からもお勧めになっていただいておる。だから早期にひとつ買い入れをなさるように私からもお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで、続いて私は治安問題について一、二お尋ねをいたしますが、まず、一月末、大阪の銀行で銀行員が二人、警察官が二人射殺をされているという異常な銀行人質事件が起きました。そして、それ以来、実は銀行あるいは郵便局等金融機関に対する犯罪が続発をいたしております。このような凶悪かつ巧妙化した犯罪の連鎖反応が大きな社会不安を巻き起こしておるわけでございます。そこで国家公安委員長にお尋ねをいたしますが、これらの防犯警備態勢についてどういう措置をとられたか、ひとつお答えを願いたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、凶悪な犯罪が連鎖反応的に連続的に発生しておるということはまことに憂慮すべき事態だと考えております。警察庁といたしましては、こういった事件の反射的な発生というものを阻止しなければならない、こういう立場に立って、警察の持つ機動力をフルに発動しまして、目下、重点的な警備態勢をしいておるわけでございます。  特に、私は、事件が発生したときの初動態勢にやはり一番問題がある。事件が発生した、直ちにそれを警察に連絡するという態勢が日本全国全体として非常に欠けておる点が多いわけであります。したがって、この犯罪人の早期検挙というものがなかなか困難であるというこの点をひとつ改善をしたいというところに重点を置いておりますのと同時に、その他、たとえば隠しカメラの設置というような点も含めて、各金融機関の自主的な警備態勢の充実にも意を用いてまいりたい、このように考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 いま防犯態勢に対して適切な措置を講じておるということでございますので、二度とかようなことが起こらないように、ひとつお願いを申し上げておきたいと思います。態勢をとっていただきたい、こう思います。  そこで、今回起きている犯罪の原因というものをいろいろ新聞報道その他で見てみますと、根本になっているのはサラ金のようでございます。サラ金の返済に困って金融機関の強盗になっておるのが大部分の事件の裏にあるようでございます。かつて私どもが若いころには、犯罪の陰に女ありと言われてきた。ところが、今日では犯罪の陰にサラ金ありと申し上げてもよろしかろうかと思います。そこで、これは大蔵大臣だと思いますけれども、サラ金の規制措置等についてどうお考えになっていらっしゃるか、お聞かせを願いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) いま園田さんがおっしゃいますように、大変大きな社会問題に今日サラ金の問題がなっておりまして、これも放置できない状況にあると思っております。  この問題につきましては、政府側では関係各省庁間でいろいろ詰めておりまするし、同時に、衆議院の大蔵委員会におきましても、一応の案が出ておりますので、できるだけ早い機会に、これは政府提案になるか議員立法になるか、そこら辺のことはこれからの詰めによるわけでございまするけれども、公益性と申しますか、ちゃんと店に掲示板を出して金利を明らかにしなきゃいかぬとか、返済を強要しちゃいかぬとか、いろいろなことをやらせることはもちろんでありまするが、登録制をひとつとったらどうかというようなことでは一致しておるわけです。一番の問題は、金利をどう決めるかということが実は大変厄介な問題になっておりまして、ポイントはここにかかっておるというような状況でございますので、いましばらくこの間の調整をお待ちいただきたいと思っております。できるだけ早く提案されるようにいたします。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 いま大蔵大臣から御答弁がございましたが、こうして続発する金融機関の犯罪を見てみると、これは一日も急がなければならない。だから、聞くところによりますと、衆議院においては、各党間で議員立法にするのか政府提案にするのかというところまで話がいっているようでございますので、なるたけひとつ早い合意が得られ、立法化されるように、大蔵当局としても側面的な御協力をお願い申し上げておきたいと思います。  次に、家庭基盤の問題について総理にお伺いをいたしたいと思いますが、時間がございませんから、はしょってひとつ家庭基盤の充実の問題ということと同時に、田園都市の問題を関連さしてお尋ねを申し上げたいと思います。  総理は、施政方針演説の中でもおっしゃっていられますとおり、確かにいままで高度経済成長の中で物質ということに非常に比重が置かれてきたことは事実だと思います。そして総理がおっしゃるとおり、やはり量から質への時代に入ってきた。同時に、私ども国民生活というものも、この辺でもう一遍振り返って考えてみる必要があるのではないかということで、私も心から実は共鳴をするものでございますが、私どもの地域連帯というか、社会を見てみると、その基本になるのはおっしゃるとおり家庭だと思います。そこで家庭基盤の充実ということをおっしゃったと思いますが、いま私が申し上げておりますことに関連をして、実は、家族制度が、憲法が改正せられ、民法が改正せられて、従来の日本の家族制度のよさというものが核家族化していく中で失われているのではないか、それが社会の連帯性の欠如につながっているのではないかということが憂慮されて、私は施政方針の一問題だ、基本だということでお挙げになったと思います。  ところが、これは総理府でお調べになった統計を見てみると、青少年対策本部のこの問題に対する意識調査の結果を見てみますと、八〇%が親、祖父母と一緒に暮らしたいということで、いわゆる家族制度の美徳、美風と申しますか、これは依然としていまの若い層にも受け継がれておる、こう理解してよろしかろうかと思います。そこで、このことを育てていくことが総理のおっしゃるような家庭基盤の充実の私は大きな一要因ではなかろうか、こう理解をいたしておりますが、総理のお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりでございまして、いま日本の社会を支え、国を支えておる基礎は、政治でありたいと申し上げたいのでございますけれども、実際は私はやっぱり家庭の力だと思うんです。家庭という聖域がわれわれにありまして、そこでは相互に、お互いを手段にしない、献身とか思いやりとかいう気持ちが横溢しておる世界でございまして、それあるがゆえに、われわれはこうして生きておることができておると思うのでございます。したがって社会保障といい教育といい、すべての領域にわたりまして、家庭がやっておりますことは非常に偉大なものがあると思うのでございまして、私どもがやっておりますことは、それを公的な立場から補完をする、お手伝いをするという程度のものしかできていないんじゃないか。そういう意味で、仰せのように、家庭というものは国家、社会の基礎になっておるということでございます。そのように私も認識いたしております。  そして沖繩は大きな大家族が多いようでございますが、沖繩は非常に失業率が高いところでわれわれは心配いたしておりますけれども、この沖繩の失業率が異常に高いのにかかわらず、沖繩がともかく平穏を保っておるというのは、沖繩の家族制度が非常に大きく寄与しておるんじゃないかというように私にも思えるわけでございまして、仰せのとおり、家庭の持つ力というものを非常に評価しておる点につきましては、あなたと全く同感でございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 総理からいま同感だということで、家族制度のよさをお認めいただいた。そこで、総理府の統計の中にもございますとおり、八〇%の青少年がやはり祖父母、親と一緒に暮らしたいという、この願望にこたえるには、やはり住宅の問題というのが大きな問題になろうかと思います。  そこで、私は、住宅もどっちかというと、わが国の住宅事情は、世帯数を上回るところまで戸数だけは一応確保されておる。これから先、量から質の時代に入ってきておる、こう思います。そこで、いま申し上げたようなことで、質への転換をどう図っていかれるのか、ひとつ建設大臣、お考えをお聞かせ願いたいと思います。

渡海元三郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(渡海元三郎君) 住宅政策の基本は、家族構成、居住地域、これらに応じまして、良好なる環境のもとに一定水準以上の住宅を国民すべてに与える、確保していただく、これが基本であろうと思います。  いま御指摘のように、わが国はようやく量的には充実してまいりましたが、国民のこれらの質に対する要望が非常に強いものがございます。このために構造、設備、これらに対する充実を図るように、五十一年度を初年度とします五カ年計画におきましても質を重点に取り上げ、毎年、規模の拡大等を図っておるような次第でございます。本年度におきましても、都市の低所得者あるいは勤労者に対しましては、公営住宅あるいは公団住宅の賃貸住宅におきまして規模の拡大を図ってまいっておりますが、また、持ち家制度に対しましては、住宅金融公庫の融資枠の拡大、貸付条件の改善等によりまして、住宅を持つことができますように改善をいたしたところでございますが、一層これらの施策を推し進めまして御要望にこたえるような住宅をつくってまいりたい、このように考えております。   〔委員長退席、理事岩動道行君着席〕

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 だんだん私の予定している時間というのが半分近くになってまいりましたが、そこでお願いだけ申し上げておきます。  国土庁長官には、ひとつ住宅の確保にはやはり土地が必要だ。だから住宅地の確保について格段の御配意を願うということと同時に、総理がおっしゃる田園都市構想、この構想が、各省庁でいろいろなことが計画をせられております。たとえば三全総においては、おたくではおたくの計画、建設省は建設省の計画、農林省は農林省の計画をひとつ早くおまとめいただいて、総理の描かれる田園都市構想というものが実現いたしますように希望申し上げると同時に、新産都市の陳情と同じように激しい陳情合戦にならないように、ひとつ御配意願うということで御考慮を願いたいと思います。  次に、教育問題について、同僚である内藤文部大臣に一、二お伺いをいたしますが、放送大学、多年の懸案であったことが放送大学法案として御提案になることになっておりますが、そこで、実は私は、これは大いに歓迎することでぜひやっていただきたい。というのは、日本の閉鎖された大学が家庭につながっていくという、茶の間の御婦人までを含めたものが大学教育の講座にあずかれる、勉強ができるということで期待は非常に大きかろう。そのためにはやはり管理運営ということに格段の御配意を願わなければならないと思うが、管理運営についてどうお考えになっておるのか、こういうことをまずお聞かせを願いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 放送大学は生涯教育の機関として非常に大切であり、特に社会人、家庭婦人に対して開放されておる。それから高等学校の卒業生にも開放されておるし、大学の中で、既存の大学との単位互換とか、そういう意味で、あるいは人事交流等において、既存の大学の改革にも私は役立っておるという意味で大変期待をいたしておるわけですが、その管理運営につきましては、特に理事長を中心に、これは特殊法人でございますから、理事長を中心に運営審議会を置きまして、そこで重要事項を審議する。それから学長、副学長を中心に評議会を置きまして、ここで教員の採用とか、そういう人事面を扱うことになっておりまして、この双方で円満に協議いたしまして、りっぱな放送大学ができることを念願しております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 いま文部大臣から御答弁をいただいて、ひとつ国民の期待にこたえる放送大学であることを心から期待をいたします。  次に、これも午前中に質問がございましたが、まことに悲しいことですけれども、青少年の自殺ということが相次いでおる、非常に多くなっておる。そこで、私どもとして反省しなければならないことがあるのではないか。というのは、文部省自体もやはり今日の教育のあり方というものについていろいろお考えになっている点があろうかと思います。というのは、やはり今日学校教育を見てみる場合、現場における反省も必要でしょう。同時に、家庭と教育とをどう一貫してやっていくのかということで、家庭から学校へつながった教育のあり方というものについて文部省自体もお考えになっていただきたいと思います。  まことに庶民的なことを私は申し上げるが、実は、テレビはどこかチャンネルは覚えていません。しかし、その中に「熱中時代」というのがある。その「熱中時代」というものの中で案外先生がこう何か型破りなことをやっているらしい。その型破りが子供から非常に信任を受けておるということ。同時に、ここに週刊誌を持ってきておりますか、東京都内のはみ出し教師と言われる人たちが子供の尊敬を受けておるという世論調査も出ております。こうしたことからして、さっき御答弁にあったように、知識の切り売りだけが学校教育だということは私は間違っておると思う。やはり教育というのは、教師と子供との間に、九州弁で、私の熊本弁で「ぬくもり」という言葉がわかるかどうかわかりませんけれども、やはり温かみというか、ぬくもりを感ずるようなことがない限り、知識の切り売りの社会ではあすの時代を担う学校の教育というものは、親である者から考えた場合に期待できない、こう思う。だから、この点について大臣として御反省があるのか、また今後、こうした子供の自殺等を考えて、このようなことがないようなためにはどうすればいいのか、お考えがあればお聞かせを願いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) まことに園田先生のおっしゃるとおりなんで、私も非常にいま自殺者が多いのを心配しておるわけです。  そこで、文部省では、このたび小中高等学校の教育課程の大改正を行いまして、知徳体の調和のとれた、人間性豊かな教育をしようということで一生懸命やっておりますから、この成果をひとつ見ていてください。  それから、特にいま高等学校の自殺者が多いのは、試験地獄でございますから、文部省はことしから共通一次テスト、いま二次テストをやっておりますけれども、おおむね評価を得ておりますが、今後これを改善して、子供たちが試験地獄に悩まされないようにしていきたいと思うんです。  それから第三番は、だれか、最後は先生だと思うんです。私は、あなたのおっしゃるとおり、先生が本当にいい先生であって、そういう意味で文部省ではことしから上越と神戸に教員養成大学院大学、新構想をつくりまして、でひとつ大学院へやってもらって、りっぱな先生、本当に心の温まる、子供たちを親切に指導してくださるような先生の育成に努力いたしまして、あらゆる面から子供たちがやっぱり生命を尊重し、学歴偏重の社会風潮を是正するように、学校も家庭も社会もみんなでやってほしいと思います。特に文部省は家庭教育を大事にしたいという意味で、家庭学級、それから総合ゼミナー等をことしの予算でもつけていまして、家庭教育の方にも重点を置いて総合的にこの問題を解決するように努力をしてみたいと思いますから、どうぞよろしくお願いいたします。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 文部大臣、非常に行ったり来たりであなたには気の毒だけれども、実はこれをあなたに見てほしいということで、私はあなたのところに届けさせました。お読みいただいたでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いただきました。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 まあいただいただけで、読んでいただかなきゃ、これは困るのですけれども……。  実は、これは私の学生時代、一緒に通った人間の遺稿集なんです。お読みいただいたとおりです。ところが、いま求める教師像とは何かというのを私は考えた場合に、この私の二、三年上ですけれども、学校に一緒に通いましたこの先輩の家庭が五代続いた教師だと。教師こそわが家の名誉である、誇りであるということで、その現場の、子供さんである若い先生に毎日毎日はがきを書いて送っている。   〔理事岩動道行君退席、委員長着席〕 そのことをここに遺稿集として実は取り上げて、文部大臣に読んでほしいということでお願いをいたして、文部大臣から、もらったぞということですが、一、二取り上げてみます。  この中に実は「教えるのは易い。」と、しかし、育てるのはむずかしい。「難しいからやり甲斐があるのだよ。」と。大臣に育てなくてもいい。これは福岡県の添田町の学校の先生に添田町のりっぱな町民を育てる教育をしろということで、幾つかの例が挙げられております。そしてそれぞれ各国の持つ主義主張、同時に教育の原点というものをどこに見出すかということを、大化の改新にとるのか、あるいは明治にとるのか、あるいは敗戦時にとるのかということで教育に対する基本的な考え方も変わってくるかもしれない。しかし、教育の社会というのは、上れば上るだけ、行ってみても行き着けないのが教育の社会であるということをこの中で子供に教えている。そしてみずからも反省をしております。同時に、この中に、現場の先生でありながら、どうして先生たちは研究授業をきらうのだろう、どうして先生たちはイデオロギーによって分裂をするのか、そしてどうして先生たちは自分の仕事を労働と呼ぶのだろうかという、教師としての反省もしておる。そして私が「ぬくもり」という言葉がわかるかと言ったが、朝早く行って、そして受け持ちの子供に、おまえはきょうは顔色がいいぞ、きょうはどうだということで一つ一つ子供にこたえてやれ、そのことがいわゆるぬくもりだということを説いておる。  中をお読みいただいたらおわかりいただけると思いますけれども、私は、この教師、先生こそりっぱな私どもの求める教師像ではなかろうか。だから、総理もいらっしゃるから、私は願わくばこういうりっぱな先生こそが叙勲の対象であり、私はやっぱり高い一つの勲功をもらうべきではなかろうかということを期待しておるが、そのことを、ここで下さいと言うのじゃないんです。求める教師像とはということで私はお読みいただいたならば、これについてお答えを願いたい、こう思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 園田先生から「父親としての愛の書簡集」、これはお亡くなりになった遺稿なんですね。自分の子供が先生なんです。その子供に書簡の形で残されたので、これは私は本当にすばらしい書物だと思って、特に私感心しましたのは、このごろ落ちこぼれなんと言っていますけれども、落ちこぼれなんかないと言うんですよ、そういうものは。これは国の宝、家の宝だと言って、やっぱり愛情と真心が足らないのだ、こちらの先生方に、ということをつくづく述べていらっしゃる。  それから、朝学校へ早く来て一人一人の子供の顔色を見るんだそうですよ。顔色を見て、爪の色まで見て、この子供は元気か、きょうは疲れているかということを全部調べて、それから教育するのだというお話で、私はいまあなたがお読みになった点はもちろんのこと、やっぱりこれは教師のかがみじゃないかと思って、こういう先生がいると日本の教育もすばらしくなると思って、何かこれは「父親としての愛の書簡集 継ぎゆく者へ魂をこめて」、本当に魂が込められている。そういう意味で、この書簡集は私は本当にすばらしい書簡集であると思って、これを広く普及したいと私も思っておりますから、お力添えを願いたいと思います。ありがとうございました。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 内藤文部行政に期待をして、次に農業問題に入らしていただきたいと思います。  六十年を見越した食糧の需要と生産の長期見通しというものができておりますが、米が余るようになって、現時点ではこれが狂ってきていることは農林大臣もお認めいただけると思いますが、これはわが国総合農政の一つの羅針盤と実はこう考えますので、改定をお急ぎいただいておると思いますけれども、改定の時期についてひとつお答えを願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かに、食生活の変化によりまして、最初予定をしたものよりはるかに消費量が多くなったというものもあります。たとえば六十年見通しで豚肉は国民一人当たり消費量が七・五と見ておったところが五十二年にすでに八・三になってしまっておる。鶏肉については五・七と見込んでおったところがすでに六・五以上消費しておるということですから、改定せざるを得ない。これは全体の問題ですからこれだけ直してみたって仕方がない、いろんなものが絡まっていますから。なるべく早い時期に改定をしたい、こう思っております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 なるたけ早い時期にとおっしゃるように、私も関連する法規について、いつごろ、どういうふうなことで御改正になるのかお伺いをいたしておきたいと思いますが、まず農業基本法の見直しをするということをおっしゃっていらっしゃる。このことも必要性を認めます。同時に、経営規模の拡大、中核農家をつくるためには農地の流動化を促進しなければならない、そのためには農地法の改正も必要だ、同時に食管法も改正について検討したいということでございますが、しかし、食管法の改正については、運用面での御検討なら結構ですけれども、改正については反対だということを私は率直に申し上げておきます。  ということは、ことし農家の皆さん方が生産調整に一一三%という御協力をいたしております。これは食管制度を守っていただきたいという農家の願いが込められての自主的な協力が全国一一三%という私は成果を生んだ、こう理解をいたしておりますので、食管法については、運用の問題で御検討いただくとしても、改正はひとつしばらくそのままにしておいていただきたい。ただし、前に申し上げた基本法とそれから農地法については、これは検討、改正が必要だ、こう思いますので、この点について農林大臣のひとつ御所見をお聞かせ願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 制度というのは、やはり時代に合わないとならないと私は思います。御承知のとおり、一年生のとき着た着物を六年生になってそれを着せるといってもどこか出てきてしまうわけですから、やはりそれは継ぎ足しをするか、あるいはつくり直しをするか、何かしなきゃならぬ。  そこで、農基法の問題でございますが、これは私はそんなに大幅な改正の必要は余りないんじゃないか。ただ農業を生産の場としておる、それだけでなくて、総理の構想にもあるような、やはり農村というものは民族の苗代でもある、そこでいい面はやっぱり伸ばしていかなけりゃいかぬというような点から、そういうような精神面、文化の面等も取り入れたような法律に直していったらいいんじゃないか。結論が出ているわけではありません。  それから農地法の問題でございますが、これも非常に神話的なところがありまして、農地法というのは絶対さわらせないと言う人も中にはあります。ありますが、これも地主は悪者、小作する人はかわいそうな人と、ややもするとそういうような観念が一部に強く残っておるのは事実でございます。しかしながら、規模拡大を図っていけ、農業を近代化しろという要求が一方にあるわけですから、そうしまするというと、やはり一人の人が多くの土地を借りるという場合に、現在の農地法は自分の土地は自分で使えというのが大体原則なんですね、これは自作農主義ですから。人のものを借りるな、自分の土地を使うんだと。自分の土地を使っておって規模拡大はできないわけですから、ということになれば、そこらの考え方というものがかなりずれが来ておると。むしろ小作人の方が人の土地をたくさん借りたい、しかし、それには制限があるではないかとか、一遍貸したらもう返ってこないんじゃないかとかという不安が今度は貸す方にとってみればある。したがって、これらのことは、やはり規模拡大、効率的な農業ということを言うような時代になったんですから、これはやっぱり考え直していかなければならぬ。  あるいは不在地主の問題等についても、隣村へ行ったら不在地主だと言っても、昔は物を担いでいったんですから、そんな三キロも十キロものところはできない。ところが、いまや道路ができちゃって、農免道路ができて、それで農家の人が自動車を持って、耕運機で行くわけですからね。したがって、これらのこともやっぱり近代化に合わせて見直す必要がある。私は、これも非常にむずかしい複雑な関係がいろいろありますが、秋のころまでにはきちっと問題点を整理をするように事務当局に指示をしてありますから、いま鋭意勉強中です。  問題は食管法、この問題なんであります。これは食管の根幹はこれを堅持をするということで、私も同意見でございます。しかし、この運用の問題やいろんな問題でこれも実情に合わない点がたくさんございます。したがって、特に販売の面その他の面でも、お歳暮に米を使って何で悪いのか、消費拡大を片方で言っておるわけですから、というようなことなども含めて、これは運用の改善は図って、消費の拡大につながるようにしていかなければならぬ、かように思っております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 ただいま農林大臣から御答弁がございました。現状ではいまおっしゃった域を出ての御答弁というのはむずかしかろうかという気もいたします。  そこで、一つだけ提案を申し上げておきますが、それは米の生産調整にいま申し上げましたように一一三%、ことしは自主的になおそれ以上の御協力を申し上げようということで、生産者並びに団体が食管法の危機を感じて積極的にこのことに協力をしていく姿勢を示しております。だから、私は、この積極的な姿勢、協力に対して何かプラスするものを考えてはどうかということですが、これは金だとはあえて申し上げません。いわゆる政策を含めて、いろいろ御検討いただければということをお願いをこれは申し上げておきます。  というのは、やはりいま中央農政から地域農政へということの移行の時期、非常に大事な時期なんです。それだけに、地方に来年よりもことし定着するものを早く見出させるということは一石二鳥でもあろうかと思います。同時に、余剰米を積み増していくということのないためにも、やはりなるほどなということが、合理主義者であり積極主義者であり、さえる農林大臣ですから、何かが出るだろうという期待をいたしますので、どうかその点を御配意願うことをひとつお願いを申し上げておきます。  それから、ちょうど畜産物の価格決定の時期に入ってまいりました。私がいろいろ申し上げたいこともございますけれども、とにかく現状置かれておる畜安法、畜産農家は決して楽でないということは、指数表現の中では確かに飼料も下がったしというお考えもあろうかと思いますが、農政のこと、農家のこともよく御存じの大臣ですから、ひとつ十分御高配をいただいて、繭糸価格にしろ、いまの畜安法の牛肉、豚肉等の価格も御決定いただくように御配慮願うということをお願いを申し上げて、実は関連者から御質問があるということでございますので譲ります。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 関連質疑を許します。井上吉夫君。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○井上吉夫君 ただいまこの三月に決定になります畜産物価格問題について、一体、どのような配慮で諮問案を提出し最後の答えを出すかというのが、三月の末には答えが出るわけでございますから、いわばことしの農政の指針とでも申し上げますか、農家にとっては、よく農民春闘という用語も使ったりしますが、ことしの農政が農家にとってどれほど温かい配慮があるかどうかの一つの目安にもなりますので、非常に大きな関心を寄せていることは渡辺大臣十分御承知のとおりであります。先ほど、大臣は、日本農政の一番の中心というのはできるだけ自給率を高めるんだと、これはひとり日本だけではありますまいけれども、日本にとってもまずもって食べ物はできるだけ自給体制を確立するんだということをまず第一に言われました。しかしながら、だからといって、べらぼうに国際価格に比べて外国農産物に比べて非常に高い物をいつまでも消費者がしんぼうするということはなかなか容易でないので、できるだけ安い価格で多くの消費者に供給できるようなそういう手段を講じなきゃならぬ。そのために中核農家の育成ということなどを通してその要請にこたえていきたいというぐあいに整理をされたと思います。  ところで、三月に決まります牛肉なり豚肉なりあるいは加工原料乳の価格、あるいはその限度数量の問題、繭糸価格という問題がありますけれども、このいずれをとりましても、その関係農家が規模の拡大を目指して前進中であります。しかも、畜産物にとりましては、御承知のとおり円高の影響もありましてかなり低値で安定している。そういう要因をとりますと、数字的にはどうもことしの諮問価格というのはあんまり姿のいい形になりそうでない、あるいは去年よりも低く出るのではないかということが取りざたされている。このことも、できるだけ安い価格で消費者に供給する目安としては当然に一つの理屈がありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、できるだけ規模を拡大しながら中核農家が伸びていこうとする過程にあり、かつては飼料高に悩んだその時期の借金が残っており、さらに規模拡大を目指してかなりな借金をしながら一生懸命がんばっているというこれらの畜産関係農家の姿を考えますと、単純に現在の飼料価格が低値で安定しているというそのような理由だけでもって非常に低い形で答えを出されるということは、農家にとって耐えられないことであるし、そして農業に対する希望というのを失うことにつながるのではないか。まあ以上のような考え方に立ちまして、いま申し上げましたことを十分配慮しながら三月に決まります畜産物等の価格決定に臨んでほしい、こういう希望に対して農林水産大臣はいかがお考えかということが第一点と、もう一つは、これは非常にむずかしい問題だと思いますが、大規模の中核農家がどんどん育成されていきますというと、したがって、二種兼業農家は農業から離れていく。一種兼業農家というものもだんだん縮小されていくでありましょう。その場合の農村社会の社会構造というもの、農村構造というのがかなり姿の変わったものにならざるを得ない。これは大平総理の言われる田園都市構想の農村における当てはめ方ということで非常にむずかしいと思いますが、このことについてもしお考えがあればお聞かせいただきたいし、かなりな時間をかけて段階的に進めていかなきゃならぬ問題だと思いますので、十分にそういう進めぐあいということについて中核農家の育成と絡みながら農村の社会環境なり経済環境というものをお考えを願いたいというぐあいに思うわけでございます。  以上。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つは、近く予定をされておる乳価、それから牛肉、豚肉、こういうようなものの価格をどう決めていく考えだと、温かい気持ちでやりなさいと。私は本当に温かい気持ちでやるつもりでおります。これはもうすでに井上さん御承知のとおり計算の方式が決まっておるわけですから、結局、再生産の確保を旨とする、しかし需給事情その他の経済事情、こういうものをあわせて考える、生産条件も当然考えていくということになっておるものですから、これはその方式を変えるということはなかなかむずかしい。また、経済事情その他から言うと、御承知のとおり乳価もだぶつきぎみであることは事実なんです。それから豚肉も生産過剰ぎみであること、これも事実なんです。したがって、どういう配慮をするか、やはり過剰生産がこれ以上ふえていくとこれまた全体として困るわけですから、米の二の舞みたいな話になっちまう。ですから、そういうふうにならないようなことをするのも農家のためになる話であります。いずれにいたしましても、諸種相談はいたしますが、まあいいところで決めたいと、こう思っておるわけであります。  それから第二番目の中核農家の育成ということにつきましては、私も早急に中核農家にたくさん土地が集まるなんとは思っていないんです。これはやっぱり時間かかかる。一遍にそんなことをやったら、大体農作業から解放された人たちをどこへ持っていくといったって、いまこの不況で就職口がすぐにあるわけでもありませんし、それは時間の当然かかることであります。ありますが、やはり生産性を高めるということは就労人口が減るということにもつながるわけですから、その人たちの農村における雇用機会の増大というようなものは景気の回復と相まってやっぱり十分配慮をしていかなきゃならぬ。あるいは手数がかかって反当たりの生産性が非常に高い同じ農業を複合的に取り入れていくというようなことも一つでございましょう。いずれにいたしましても、基本的には、二種兼業になってもなるべく農民から土地を取り上げる方式というものは私はあくまで賛成しないんです。結局買い占めるということは賛成しない。なるべく土地の有効利用ということは当然のことでありますから、農作業から解放されても、その土地は有能な農家に有効に使ってもらって、自分がみずからその土地で生産性の低い農業をやるよりも、もっと国家のためにも自分のためにもなるということが一番いいのではないだろうかと、そういうような基本的な考えを持っておるわけであります。まあいずれ委員会等で細かいどうせ御質問があると思いますから、その節にはさらに委細の問題について答弁をさしていただきますが、一遍に社会の混乱を起こすようなことはいけないのであって、みんなが納得をした上で喜んでみんなでそうしてやるほかないなと、それによってわれわれの生活ももっと豊かになるし、皆よくなるんだと、そういう気持ちを一致させるということを第一前提にして進めてまいりたいと思っております。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○井上吉夫君 どうもありがとうございました。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 農林大臣、これは恐縮ですけれども切々お答えを願いたいと思いますが、わが国農業が外国農産物の輸入によって減反というような措置がとられて、生産者側からすると後退農政だということでわが党の農政が批判を受けていることは御承知のとおりだと思います。ではこれをどう私どもが今度は対応していくかということで、そこで私はやはり農業は知識集約型構造政策というか、これを導入すべきだという考え方で、いま総理とあなたのところに実はお届けをいたしましたけれども、これは熊本県のミカンの産地として有名な河内町の町営の蒸留所でできているブランデーなんです。そこで、いま申し上げるとおり、余ったから伐根ということでなくして、私どもがやはり研究開発努力をすることで日本農業にも隘路の打開があるし、こうした後退だと言われることを打開する道があるのではないか。そのためにやはり今度は知恵をしぼるべきではないかということです。だから、この点について私は積極的に対処していただきたいと思う。ことし、予算の中に機械を貸すぞというようなことが導入されていることは一歩その方向への前進だと理解をいたしておりますが、やはり消費の拡大、こうしたことにもつないで、農民の生産意欲を向上させるということで知識集約型構造政策というものに積極的に取り組んでいただきたい、こういう注文で、実は総理はクリスチャンだから酒の味はわからぬでしょう。大臣には私はわかると思うから、ひとつあなたの方でお触れ願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 農産物については、消費の拡大を図るということについては私は大賛成でございまして、米等についても消費の拡大を図る。しかし、やはり農作物といえども商品的性格がきわめて強いわけですから、消費者大衆が好むようなものをつくっていかないと、消費拡大だ拡大だと言っても、政府のためにとか農協のためにひとつもっと食べましょうなんとはだれも思ってくれないんです、実際の話が。やはり自分がおいしいと思えば食べるしするので、そういうような点で、やはり昨日その他消費の動向に合うようなものをつくるということがまず私は先決問題だと。  それからすでにつくられたものについて、ともかくいろいろな消費拡大で、いまのようなミカンのブランデーも結構、それから米でしょうちゅうをつくるのも結構ですが、やはりこれも値段が隘路になっているわけですよ。値段さえ適正な値段なら活用方法は幾らでもあるんです。ですから、ここでも生産性の高いような農業にしていかないと、せっかくつくられたものが、活用の用途があっても値段が高いために使う人がない。政府でみんな助成するというわけにはいかない。しかしながら、われわれとしては、今後とも、牛乳にしても、米にしても、それからミカンにしても、消費拡大にはいろいろと知恵をしぼって、皆さんからの御意見も拝聴して、大いに宣伝これ努めてまいるし、助成もしていきたいと、かように思っております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 いま、農林大臣が、やはり嗜好もあるからということ、同時にコストの問題についてもお触れになりました。ところが、これは私がいま大蔵大臣に特に御配意を願いたいと思うのは、むしろ売れ行きがよ過ぎて困っているわけなんです。蒸留酒に許可される、国税庁で。ところが、これがもう私どもの手になかなか入らないくらい評判がいいんです。恐らく、園田、また見つけてこいとあなたおっしゃるでしょう、私に。それくらい評判がいいんです。だから、消費の拡大につなげると同時に、コストの問題からすると、いまのように機械設備等の投資によってはハドル前後ないしは十ドルぐらいで出せる。だから、外国産のブランデーと太刀打ちしても絶対外国市場に通用すると、私はこう踏んでいます。ミカンの過剰対策としてひとつ特に御高配を願いたいと思います。格段の御高配を願うことにして、次に林業振興、山の振興の問題についてお伺いをいたします。  これは、大臣、公益性ということについてはもう時間がないから触れませんけれども、たとえば「柱」という字が、木へんにあるじと書いて「はしら」と読みますように、「親」という字が、立てて木を見ると書いて「おや」と読むように、私どもの社会の中ではいかに山林が大事であるかということはもう御承知の大臣だから多くは申し上げませんが、林業振興について格段のお考えがあればお聞かせを願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは本当に私も格段の考えを持っておりまして、今度の予算におきましては、すでに先生御承知のとおり、やはり造林をしなければいかぬと、何が何でも。二十年、三十年、四十年とかかるわけですから、なかなか安直にもうけるというわけにいかない。そこで、大平内閣においては、世界に例のない、二十五年据え置き、四十五年償還払いというような新しい金融制度をこしらえたり、あるいは、植えるときから、下刈り、雪起こし、それから間伐まで、これも二十年ぐらいの期間同じ地域に補助対象にしましょうと、特定の条件はありますが。そういうようなことなどをして造林というものには特に配慮をしてきたわけであります。と同時に、やはり間伐対策やいろいろなそういうものの助成とか、林道の融資を長期化するとか、それから木材使用についてのいろいろな助成事業をやるとか、まあことしの予算書には細かいものがたくさん載っております。したがって、林業対策では大きく前進をしておるということを御認識を賜りたい次第でございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 もう時間がございませんから、重ねてのお尋ねはいたしません。  次に、実は二百海里時代ということで国際的に定着をいたしてまいっております。そこで、逆に私は日本では沿岸・干がた漁業というのが非常に大事になってきたと思います。いわゆるとる漁業からつくる漁業への転換ということで、そこでこの点について何か格段の御配意があれば承っておきたいと思います。  同時に、いま、遠洋というよりも、日本海の漁業についていろいろ危険な問題が起きておるようでございますので、この点についてもあわせ御配意の上ひとつ御答弁を願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 漁業の一つは、後段はトラブルの問題だと思いますが、これは二国間の協定を結べるものは結んでいく、その遵守については監視その他によってトラブルが極力起きないように処置をしてまいるつもりであります。  それから確かにつくる漁業というような点について、いままでも北海道等のサケ・マスの放流ですね、こういうものが非常に成果を上げておるわけです。大体二%ぐらい帰ってくるということが言われておりまして、これらについては、ことしも予算を大幅にふやしたり、あるいは沿岸漁業の魚礁とかいろいろな措置を講じまして、構造改善事業を行うとか、これも予算書を見ていただけばおわかりのように、ことしは二百海里を迎えてかなり大幅な漁業振興策というものを立てておる次第でございます。したがって、内水面・沿岸・沖合い漁業は、これはもう特別に今後とも各省の協力も得て、水もきれいにしなければだめですから、各省の協力も得て大幅に振興をしていくつもりであります。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 時間がございませんから、文部大臣、さっきの質問の中で、実は米の運搬の問題で困っているんだということでしたが、時間がないけれどもこれだけはあなたにひとつ御認識を願っておこうと思うのですが、私の先輩で、やはり農協仲間の先輩で、アメリカで五十年暮らした人が、園田君、おまえは国会に行って一つだけおれから注文があるという、私は十何年前に出てくるときに注文を受けた。そのことは、主食がその国でできる物に依存している民族というのは民族の保持ができる、今日まで国を形成してきていると。ところが、主食のできない他国から主食の輸入を受けている民族というのは必ず滅びているぞと。だから、米ができる、米だけは日本の主食として何としても確保しなきゃならない。そのためには、日本民族を後世に次の世代に滅亡しない民族をつくるためにも米だけはひとつ学校給食に取り入れろと。それがおまえに一つだけできたら、おまえは政治的な使命を果たしたと申し上げてもよろしいということを承っているんで、あなたここへ立って来るのは大変でしょうから、だから、とにかくいまのような趣旨があったことで、実はこのことは試験校を設定されるときもこれは坂田さんが文部大臣のときで、あなたも米どころの出身じゃないかということでそれを了承して試験校の設定をした。だから、消費の拡大ということだけが問題じゃないんです。そういう民族をどう私どもが残していくかということの観点に立っていることを文部大臣としては御承知の上でこのことの拡大措置をとっていただくことをお願いを申し上げておきます。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私も園田先生と全く同感でして、やっぱり日本人は米飯給食をやるのが私はいいと思います。ちょうど終戦直後、日本は食う物も何もないから、ガリオア、エロアでただでくれたものですからパン食になったのですけれども、最近は米がたくさんあるんですからぜひ米飯給食したいというので、昭和五十一年から米飯給食を導入し、昭和五十六年で週二回やるということで計画的に推進しまして、設備も本年度は前年度に比べまして五六%増の四十一億円にしていただいたわけなんです。それから特に渡辺農林大臣の御厚意によりまして、いままでは三五%の値引きだったが、六〇%の値引きにしましたから、六十年までには必ず週二回の米飯給食はできると確信をいたしております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 時間がありませんから、通産大臣、これは内容的な説明は省略いたしますが、産地型企業、これがいま疲弊し切っていると思います。この対策、同時に、私はやはり指導及び情報の提供ということが非常に大事なことだという気がいたしますが、予算の中でもこういう措置がとられておるんで、この機会にそういう人たちに対する政府側の考え方というものを含めて御答弁いただければ幸いだと思いますので、よろしくお願いいたします。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) お尋ねの産地中小企業のいわゆる構造変化にどう対応していくのかと。これは御承知のように城下町企業、大企業があってその下請が疲弊をしておるというものにはすでに対策をしましたが、今度いずれ近く法案をお出しするわけでありまするが、前向きに取り組んでいこうと。それは集中的に親企業がなくってもその土地土地によっては非常な不況にさらされておる企業もあります。しかし、中小企業それぞれの創意工夫によりまして新しい製品を開発するとか、新しい販路を求めて研究をするとか、いろいろ努力をしておりますね。こういったものには、やはり財政的には援助をする、金融的には低利の金を貸す、税制面においても考慮を払おうということで対策をしております。いまどういう具体的な予算措置をしておるかという御質問でございますが、これらにつきましてそれぞれ運営費あるいは助成費を決めております。  それから情報をどう確保するかという御指摘でありまするが、コンピューターを使った簡易な診断の普及を図る。それから特定不況地域等の中小企業に対する診断事業を積極的に行う。それから小売業、サービス業等の小規模企業の経営安定に資するために経営管理のいわゆるマニュアルの作成、提供を行う。これらについてもそれぞれ具体的な予算措置をしておるところであります。  話が細かくなりますから、ここに資料がないわけではありませんが、もう時間もないようですから、もし必要があれば、中小企業庁長官が来ておりまするので、詳しく御報告いたさせます。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 じゃ、一つだけ大臣にお尋ねをいたしておきますが、中小地方都市です。田園都市構想を含めて御検討いただきたいと思うのは、一番困るのはいま生活必需になった自動車を都市なら都市に入ってどこに置くかということが一番困ります。それは、中小小売店舗と申しますか、こういうところの売り上げにも非常に影響があるんで、いまの田園都市構想の中に含めて駐車場の問題を建設省、関係省庁とひとつ御検討いただいて、大型店舗だけでなくて中小商店街の売り上げ対策として御高配をいただけるようなことをひとつ御検討をお願い申し上げておきたいと思います。  あと、本来言うなら、与党としてこれは大蔵大臣と一緒に財政問題について心配をするのが私の立場だと思うのです。しかし、時間がございませんので、経済、財政、物価という問題についての、また金融についての質問は他に譲ります。  それから社会保障につきましては、やはり高齢化社会化していく、その場合にどう対応していくのか。財政的にいろいろ御心配の向きもあろうと思いますし、ひとつ賢明な橋本厚生大臣に期待をして、これもきょうはやめさしていただきたいと思います。  同時に、雇用、定年の問題、エネルギーの問題で問題はございますが、もう時間がございませんから、以上の関係大臣の方には御質疑を他の委員会に譲らしていただきます。  そこで、最後に、行政改革についてひとつお尋ねをいたしておきますが、総理は、さっき、安上がり政府というのは間違いだと、それは誤解だとおっしゃった。私もそのとおりだと思います。しかし、いま申し上げますとおり、大蔵大臣、私どもが財政再建ということを考えた場合に、新税の構想だとかいろいろなことをもってこれから国民の期待にこたえるような国家行政を進めていかなければなりませんが、そうなってまいりますと、当然やはり前提として行政改革というような問題が生まれてこようかと思いますが、私はいま一番大事なことは、行政の改革というよりも、国民のニーズにどうこたえるかということが、行政の再編と申しましょうかが大事なことであり、おっしゃるようになるたけ冗費の節約はしていくということで、いまのような再編の問題に絡めて一つだけ総理のお考えをお伺いをいたしておきたいと思いますが、それは、党内に実はたとえば中小企業の専任大臣をつくれということも耳に入っております。それから水産庁と海上保安庁とを一緒にして二百海里時代に対応するようなことを考えてみてはどうかとか、同時に、産業の根源はエネルギーにあるんだから、だからエネルギー担当の専任大臣を置いてはどうかというような、もろもろの意見が実は政策的な提言として出てまいっておりますが、いま申し上げますとおり、確かに、行政改革、冗費を節約することには努力をしなければならないけれども、やはり行政再編という言葉が私は適切だと思うけれども、国民の行政需要に、どうニーズにこたえていくかということが行政改革のあり方でなくてはならないと、こう思いますが、総理のこの点についてのお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 園田君、時間が参りました。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 行政改革には、仰せのように、国民のニーズにこたえて行政組織を改編いたしましてそのニーズに合わしたように改編をしてまいるということが一面ございます。第二番目は、冗費を節約いたしまして行政コストを下げて納税者の負担を軽くしていくということでございます。  第二点につきましては、政府は機構の膨張を抑制したり、定員を抑制したり、補助金の整理、認許可事項の整理特殊法人の整理統合、各般の措置をいま地道にやっておるわけでございまして、これは続けてまいらなければならぬと考えております。  最初の行政機構の改編につきましては、どうしても必要であるということでございますならばそれに手を染めることはやぶさかではございませんけれども、そういうことをやることによって日常の行政事務が渋滞を来すというようなことがあってはいけないし、各省間の権限の争議みたいなことを繰り返しておっては、そういう時期ではないと思いまして、大きな意味の行政機構の改革をいま手を染めることについては私はまだ消極的に考えております。しかし、現在の行政機構を国民のニーズにこたえて賢明に運用していかなければいけませんので、現在の機構の上に乗りましてできるだけ国民のニーズにこたえるような人間の配置につきましては、中小企業庁を率いる国務大臣の問題も含めまして、十分検討しなければならない課題であると考えております。

園田清充自由民主党・自由国民会議

○園田清充君 時間が参りましたからこれで終わります。終わるが、最後に、官房長官、あなたに一つお願いを申し上げておきたい。  それは、福里副総理は、働こう内閣ということでそれなりの実績を挙げられました。同時に、佐藤総理は、総理の座は孤独だということをおっしゃった。そして、戦後のむずかしい時代を担われた吉田総理は、大磯における瞑想の中からあの占領政策の中で今日の日本の繁栄の基礎を築かれたと、私はこう思います。同時に、私どもが現総理に期待することは、やはりこのむずかしい時代だけに、期待が大きいだけに、総理自体が国家民族の運命を担っていらっしゃるだけに、あなたが、この多忙な日程の中で総理が明日の民族のためにということで考えられる日をつくってやる努力を官房長官としていただくことを私は心からあなたにお願いをし、私の質問を終わらしていただきます。  どうもありがとうございました。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で園田君の総括質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、久保亘君の総括質疑を行います。久保君。

久保亘日本社会党

○久保亘君 私は、質問に先立って、大平さんにその政治姿勢に関連をしてちょっとお聞きしたいことがあります。  三月一日、福岡市においてあなたのライバルであった福田赳夫氏は演説をされて、「全党員・党友参加の総裁選挙にしたら、金力や派閥の力が及ばない、と考えたが、全く逆だった。カネも動いたといわれ、派閥は弱体化するどころか強化され、地方にまで浸透した」と、こういうお話をされたと報道されております。また、福田さんは、あるところでは、「派閥あって党あるを知らず、国あるを知らず、国の重要な政策までが派閥によってゆがめられるおそれがある」という話もされたそうであります。一緒に総裁選挙を争われた大平さんのこの総裁選批判、あなたのライバルの批判に対して御見解を承りたいと思うのであります。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先般自民党が行いました総裁選挙には、四人の候補者の届け出がございまして争ったわけでございます。したがいまして、全党員・党友は一人に投票するわけにはまいりません。四人に分かれて投票が行われたと思います。選挙というものは、自分の推す候補者を特定する行為が選挙だと思うのであります。これを派閥と見るか選挙と見るかということを問われるならば、私はこれは選挙であったと思うのでありまして、派閥と見る見解は私と見解を異にいたします。  それから第二点でございますが、この選挙に金が動いたというようなことが言われておるといいますが、私自身選挙をやりました。もちろん、選挙のことでございますから、若干の事務費、交通費等はかかったわけでございますけれども、いわゆる工作費というようなものは使った覚えはございません。もしありとすれば、御指摘をいただいて、具体的事実について問題にしていただきたいのでございますけれども、そういう問題の提起もあったことは聞いておりません。

久保亘日本社会党

○久保亘君 お聞きになっていないということでありますが、これは私がそう感じて申し上げているのではなくて、新聞に公開の席で国民に語られたことを報道されているのであります。だから、その意味においては、自民党の総裁選挙というのは今日の政治情勢のもとでは一国の総理に通じているのでありますから、私は特に一緒に争われた前総理の口からそういうことが言われるということについては、きわめて重要な問題だと考えております。このことについては、やっぱり大平さんが、きちっと福田さんのそういう主張に対しては釈明をせられるべきものだと、国民の立場から政治の信頼という意味において申し上げたかったのであります。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま私の見解を申し述べたわけでございまして、福田さんとは残念ながら見解を異にします。

久保亘日本社会党

○久保亘君 わかりました。  それでは、午前中小柳議員から質問がありました早期警戒機E2Cの導入に関連をして、衆議院におけるE2C予算執行留保の決定についてこのことの持つ意味をお伺いいたしたいと思うのでありますが、最初に、この予算執行の留保が合意をされて、あなたもそのことに対してそれを受け入れて見解を表明されたということは、E2Cの導入と疑惑の解明ということは切り離しがたく結びついているということについては、大平さんとしても今日の状況ではそれを理解せざるを得ない、こういう立場でこの衆議院の予算委員会における合意を受け入れられたものと思いますが、いかがですか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) E2C予算も含めまして、五十四年度予算は私どもがベストな予算として編成し、国会に提案し、御審議を求めておるわけでございまして、これが成立をお認めいただきますと、政府の責任におきまして厳正に執行すべきものと心得ておるわけでございます。  ところが、このE2C予算の審議に関連いたしましてダグラス問題とグラマン問題が提起されてまいったわけでございまして、この事件に対しまして政治家が牽連しておるのではないかという疑惑が国民の間にあることは残念なことでございます。したがって、この解明をいたしまして厳正な措置を講ずることもまた別な政治の任務であると心得て、政府は政府としてベストを尽くしておるわけでございます。  その道程におきまして、いま久保さんのお話がございましたような、このことについて各党の間で衆議院の段階でお話し合いがなされまして、この執行については衆議院議長の判断に一任するという旨の合意がなされたと聞いております。私はこいねがわくば政府の責任においてお認めをいただきたかったのでございますけれども、各党の間でそういう申し合わせが行われたといたしますならば、私ども政府が執行するに当たりまして衆議院議長の判断を十分尊重して当たらなければならない立場になったと考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それは、予算執行に当たっての前提条件としてお受けとめになっておりますか、行政、府に対する立法府からの要請として受けとめておられますか、どちらでしょう。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 執行は政府が全責任を持って執行しなければならぬわけでございますが、政府の執行に当たりまして国会におきましてそういう申し合わせが行われたということでございますから、いわば法案が可決されるに当たりまして委員会で附帯決議がなされるとかいうようなものと同様に、政府に対する一つの留意すべき事項として国会の意思がそこに表明されたものと考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それならば、この合意は、E2C予算の執行並びに執行上の手続を含めて一切を凍結したものと理解してよろしゅうございますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 国会側の政治的要請と心得ておりまして、法律的には執行は政府の全責任でやらなければならぬものと考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いや、私がお聞きをしているのは、いまこれは付帯条件と同じような意味を持つものだというお答えでございましたから、それならば、E2C予算の執行にはその前段の執行手続がいろいろあります、それらも含めてこの問題は衆議院議長の判断がつくまでは凍結されたものだ、留保されたものだという理解ですかということを聞いておるわけです。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 総理がお答えになる前に。  いま手続のことにお触れでございますので私から申し上げて、また総理からお答えがあると思いますけれども、これはやはり総理からもお話がございますように、執行は政府の責任において行うわけでございますが、しかし、それにつきましては国会の御意思を十分尊重することは当然でございます。したがいまして、いまの手続というふうなことも含めましてこれはやっぱり当然国会の御意思を尊重して進めていかなければならないと思っております。それは当然でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 当然ならば、このことが決定されたときにあなたは記者会見で成立した予算の執行権は行政府にある、E2Cの予定どおりの購入に支障がないようにやりたいということを言われておりますが、これはどういう意味ですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 政府に執行権があることはもう一般論でございますし、これはもういまも御理解賜った点であると思います。私は、このたびの国会の申し合わせによりまして議長の御意思を十分尊重することになりましたが、しかし、まあこれはかねがねお願いいたしているわけでございますし、目下その予算について御審議をいただいている最中でございますけれども、この導入を国会でお決め願いました以上は、われわれは国の防衛上どうしてもこれを一日も早く執行さしていただきたいと願っているわけでございますので、われわれとしては、その執行に支障のないように十分努力いたしたいと、御理解を得るように努力いたしたいと、御判断を得るために努力いたしたいと、このことがその真意でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 防衛庁長官、それじゃ、あなたの言われた意味はわかりましたが、それならば、その手続を含めて一切議長の判断が出るまでは留保しておくということでありますならば、当然に、幕僚監部から調達本部へ引き合い書の発給のための事務手続をとられますね、それらのことも含めて一応留保されると、こういうことでよいのですね。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) この手続につきましては、内部的ないろいろな準備もございますし、そしてまたこれは当然FMS、アメリカの政府との交渉がございますので、その交渉につきましても、また本当の契約であるとか、あるいはその前の予備的な打ち合わせとか、いろいろございますのですけども、まあ通じて言いますならば、この執行につきましてはアメリカとの折衝等はこれはもうお許しを得た上で進められなければならぬと思っております。しかしながら、これはぜひともお願い申し上げたいのでございますけれども、一日も早くお許しを得て執行さしていただきたいと、そのためにわれわれとしても努力いたしたいという真意をぜひ御理解賜りたいと思う次第でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 大平さん、その議長の判断というのは、議長というのはこれは個人ではなく当然院の会議で決まったことでありますから、議長職を指すものだと思うのでありますが、それは議長は院を代表する一つの機関でありますから、議長の判断というのは当然に院の判断と、こういうことで御理解になりますのでしょうね。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) そういうことを決める私の立場にございません。私は国会の方でお示しのとおり、執行については政府が責任を持ってやりまするけれども、その実行に当たりましては衆議院議長の判断を十分尊重するという立場にあるわけでございまして、衆議院議長がどういう立場でどういう御判断をされるか、これは衆議院議長の問題であろうかと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 衆議院の方の決着は私も承知はいたしておりますけれども、これはあくまでも衆議院の判断であって、そして衆議院からこちらに送付されました予算案にはそのような付帯条件等は一切ついておらぬわけであります。したがって、参議院は、この審議に当たって、参議院として今日の情勢に基づいてこの問題に対する考え方を合意を得られるならば決めることになるだろうと思うのであります。その場合には、当然に、あなたは先ほど私の力の及ばぬところだと言われましたけれども、参議院のその意思は十分に尊重されるものと理解してよろしゅうございますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 審議が始まったばかりでございまして、参議院でどのようにされるのか私は存じませんでございます。参議院がお決めになりましたことは、何であろうと、これは政府として尊重せにゃならぬのは当然のことでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 そういたしますと、先ほどから衆議院議長の判断に基づいてと言われておりますが、この問題については、衆議院議長の判断と、この参議院がどういう結論を出すかによって参議院の意思とあわせてこの問題については対処されると、こういう理解をしてよろしゅうございますか。

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま参議院の方で御判断がまだ出ていませんので私は何とも申し上げられませんけれども、一般的に、本院が御決定になりまして政府に要望されることにつきましては、十分尊重しなけりゃならぬ立場にあることは、たびたび申し上げておるとおりです。

久保亘日本社会党

○久保亘君 委員長に申し上げますが、この問題については、すでに衆議院は審議を終わって、いま首相が言われるように付帯条件的な合意を決めているわけであります。その上に立って私どもはいまここでこの問題を審議するに当たって、衆議院がそういう付帯条件的なものをつけたものについてはこれをどのような立場において審議をするかということについて、速やかに委員長の方でお取りまとめをいただくようお願いいたします。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) いずれ理事会を開きましてその点ははっきりとしたいと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 その取り扱いをいただいた後、私は審議を続けたいと考えております。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) だいま久保君からのお申し出の問題につきましては、理事会において協議をいたして進めてまいることにしたいと、かように考えておりますので、御了承をいただきます。  なお、久保君の残余の質疑は明日行うことにいたしたいと思います。  本日の質疑はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) なお、引き続き派遣委員の報告を聴取いたします。大蔵大臣、厚生大臣、農林水産大臣、通商産業大臣、運輸大臣、建設大臣、労働大臣、自治大臣、経済企画庁長官及び国土庁長官にはお残りを願います。総理大臣以下他の閣僚は御退席くださって結構でございます。  本委員会は、昭和五十四年度総予算三案審査のため宮城県、愛媛県及び鹿児島県にそれぞれ委員を派遣し、去る二月二十三日、各地において同時に地方公聴会を開会し、つぶさに現地の意見を聴取してまいりました。これよりその概要について御報告を願います。  まず仙台班につきまして岩動道行君にお願いします。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 予算委員会地方公聴会仙台班につきまして御報告申し上げます。仙台班は、上田委員、鈴木委員、福間委員、吉田委員、藤原委員及び下田委員、それに私、岩動の七名で構成、去る二月二十三日、仙台市において公聴会を開催してまいりました。仙台班の公述項目は、不況問題宮城県沖地震問題、農林水産業及び地方財政の四項目でありまして、それぞれ各界の代表から意見を聴取した後、出席委員から熱心なる質疑が行われました。  以下、公述の要旨につき簡単に御報告申し上げます。  まず不況問題につきましては、東北経済連合会会長若林彊君、釜石市長浜川才治郎君、鶯沢町長高橋正人君の三公述人から意見を聴取いたしました。  まず若林公述人は、東北地方の経済は公共投資の進捗、在庫調整の進展などから、昨年秋口以降生産活動か上向き、個人消費も底がたい動きを示しているほか、減量経営の効果が上がり、企業収益にも改善が見られ、全体として緩やかな回復過程にある。しかし依然として設備投資は盛り上がりが見られず、また、雇用情勢は産業構造の脆弱さを反映して、有効求人倍率が青森〇・一倍、秋田〇・一七倍など全国水準の〇・六三倍を大きく下回っている、他地域に比べ一層厳しい状況にある。  政府は雇用安定及び雇用創出の強化を図るほか、東北への公共事業費の傾斜配分に努力すべきである。また、公共事業の推進によって物価問題が懸念されるため、その防止に努め、前倒し一辺倒から時期と地域の選定に配意し、学校、病院など波及効果の高い事業に比重をかけてほしい旨の意見が述べられ、次に、浜川公述人から釜石地区について昨年八月以降日鉄鉱業釜石鉱業所の閉山、新日鉄釜石製鉄所の合理化計画が相次いで打ち出され、市民に大きな衝撃を与えた。市では対策本部等を設置し、また県、労働組合等とともに、両社に対し、波状的回避運動を展開するなどしてきた結果、最も影響の大きい新日鉄から雇用対策を含む前向きの回答を引き出すことができ、最悪の事態は回避できた。今後、釜石市が発展するためには、産業基盤の整備が緊要で、用地の確保と道路網の整備が緊急の課題である。幸いにも釜石湾口防波提の着工が始まり、これを機に岩手県沿岸部の流通港とすべく県内陸と直結する高速自動車道の建設を推進していかなくてはならない。これらの事業は、市の存亡をかけた大事業であり、広い理解と支援をお願いしたい旨の意見が述べられました。  また、高橋公述人から鴬沢地区について、町は細倉鉱山と農業の半々で生きてきた町だが、近年細倉鉱山が円高、市況の低落等により極度に経営が悪化し、崩壊の危機に瀕している。このため零細な農業だけでは生活が苦しく、人口は三十年度の一万三千人が五十四年度には五千人を切るほか、五十四年度の町税収も三十年度対比四倍にしか伸びず、町財政の運営は困難を来している。そこで、特定不況地域振興に係る要望として、独立国家として鉱業政策を強化するため、鉱山基本法を制定すること。田園都市構想が単にバラ色とならぬよう過疎地域への工場分散を推進すること。過疎法の期限延長と不況地域指定に係る起債の償還に過疎債並みの援助を講ずることの意見が述べられました。  次いで、宮城県沖地震問題につきましては、宮城県副知事石井亨君、仙台市第一助役佐々木美徳君から意見を聴取いたしました。  石井公述人は、先般の宮城県沖地震は、仙台市を中心に個人住宅被害の比重の高い、都市型災害の様相を呈した。県としては災害対策本部を設け民生の安定を基本に、国及び関係機関と協力しつつ復旧に努めた結果、現在では平常の県民生活が確保されるに至っている。今後の地震に対する教訓としては、道路交通の確保、高層建築の耐震性、室内備品の安全性などが挙げられるが、県としては激甚災指定基準の緩和、地震保険制度の再検討、建築構造、宅地造成地の耐震基準の改善、さらには微小地震の頻発地帯につき、大規模地震対策特別措置法に基づく地震防災対策強化地域の指定などを国に対して要望する旨の意見が述べられ、次に佐々木公述人から仙台市における地震被害に伴う対策として、仙台市緑ケ丘地区における防災集団移転事業に関する予算措置について補助基本額を一戸当たり五百三十万円から八百九十八万円に引き上げる措置をとっていただいたが、これを全額単年度で交付できるよう配慮されるとともに、宅地造成業者による被害負担の措置を検討すること。また、仙台市のガス復旧につき、全国から延べ一万二千人に達する応援をいただいたが、災害復旧に要した費用は十八億円に達し、その負担に窮している。このため、大規模災害復旧費用の補助制度の早期確立のほか、水道の復旧に関しても補助制度の改善を行うこと。さらに、宮城県沖地震の教訓を生かした防災都市づくりのため、仙台市を防災モデル都市に指定し、国の助成に特段の力添えを要望することの意見陳述がありました。  次いで農林水産業につきましては、岩手県農協農政総合対策本部副本部長小野寺十治君、東北大学教授菅野俊作君、青森県漁業協同組合連合会会長植村正治君、秋田県仁賀保町農業協同組合長佐藤喜作君、福島市飯坂町中野農業協同組合参事斎藤茂君の五公述人から意見を聴取いたしました。  小野寺公述人は、米穀政策を中心に、農林水産省では食管制度の見直しを検討すると聞くが、いま以上、自由米の位置づけを強化し、競争原理を導入することは、究極的に日本農業の衰退を招く。まず、現行食管制度を強化し、全量買い上げの方向で検討すべきである。また、今日の米の消費は良質米への選好が強く、品種別、等級別、地域別の米買い上げの大幅な格差をつけることはやむを得ない。特に良質米の地域指定を国が定め、農民と国が責任ある米の生産をすべきである。さらに、現在の米の検査制度は作業的、時間的に農家に負担をかける形になっているので、抽出検査法を取り入れることなどの意見が述べられ、次いで菅野公述人から、農林水産予算について予算の施策の記述はすばらしく、これが実現されれば結構だが、中身は減反対策でしかない。特に、農林予算のうち新規の施策は、定住圏構想のわずか六百億円、二%の比率で目玉とは思えない。しかも定住圏構想の実現を期待はするが、今日までそうした方向を壊す政策がとられてきており、農業をここまで追い込んできた。その枠組みでの定住圏構想の実現には限界があろう。また、東北農業は全国の約二〇%を賄っているが、東北を食糧基地とする考え方は、東北を植民地として位置づけているとしか思えない。しかも、農産物の自給の現状は、輸入依存が高く、その枠組みを放置した中での水田再編対策が実行可能であるか、予算の見直しを含め検討すべきである旨の意見が述べられました。次に植村公述人は、二百海里時代の漁業問題について四面海をめぐらす二百海里対策予算は三千億円と少ない。特に、二百海里宣言以降、家族漁業化の顕在化と沿岸整備の促進が緊要となっており、これらに対応する予算の大幅増額を図るべきである。また、栽培漁業に係る予算には工夫の跡が見られ、漁民の期待も高い。しかし北海道に比べると国や県の措置に格差があるので配慮を求めたいなどの意見が述べられました。  また、佐藤公述人からは、人間の健全な生存と食糧の重要性について、現在のわが国農業は生活のため現金収入をいかに増加するかが目的となっており、健康食糧を生産するという意識は薄れ去っている。特に、農業が人類の生存、日本人の健康に適した形で再生されることが重要で、現在問題となっている余剰米の発生も日本人来の食体系に戻せば余剰は発生しない。自然体系に即した食糧生産、日本人の健康に即した食糧消費を基本に農業を見直すことが大切で、日本人の食糧は日本の農民に任せる政策を特段に要望したいとの意見が述べられ、最後に斎藤公述人から落葉果樹問題について、五十四年度果樹振興対策予算は、柑橘八割、落葉果樹二割の財源配分で不均衡きわまりない。特に、外国産柑橘果実、果汁の輸入は落葉果樹農家に大きな影響を与えるほか、ミカン園転換促進事業によって落葉果樹への転換が行われると、東北の落葉果樹生産との競合が生じるなど、東北の果樹農家は外圧内圧によって押しつぶされようとしている。政府は果樹農業基本方針を見直し経営の安定向上に努めてほしい。また、果樹生産安定対策として農災法による果樹共済制度の見直し、果樹農家経営維持安定資金等に対する利子補給の実施、落葉果実に対する国の価格補償制度の創設などの意見が述べられました。  最後に地方財政について御報告申し上げます。  地方財政では、宮城県知事山本壮一郎君、仙台市長島野武君、寒河江市長武田房雄君の三公述人から意見を聴取いたしました。  山本公述人は、地方財政は借金の占める比重が高まり量質ともに限界に達している。この際、地方分権に基づいた行財政の抜本的見直しが必要である。また、地方独自の財源である地方税の充実強化を図り、少なくとも国・地方五対五の財源割合とすべきである。交付税制度は五十年度以降毎年財源不足を来し交付税の機能を喪失している。交付税率の引き上げはぜひ必要であるとともに、新税創設の際はこれを交付税の対象とすべきである。地方債が財源不足を反映し、五十年度以降六兆円を超える累積発行量となっているが、将来の償還財源の確保を考えてほしい。今後はこうした行財政の見直しとともに、地方の時代に向けて特色ある地方をつくるべく県民とともに努力したい旨の意見が述べられ、島野公述人からも、第一線の市町村の行財政が健全化されなければ、国の政策目標も十分に達成できず、国民、市民の不満が増大するとして、地方税等の充実強化、交付税率の引き上げ、地方債制度の改革、国庫補助金制度の改善などが要望されました。この中で、仙台のような地方中核都市は中枢管理機能の集積度が高く、行財政需要も複雑であるため、地方交付税の算定方法を、人口十万人の標準団体とは別に、別個の標準団体を設けて人口五十万ないし六十万都市の実情にかなった算定方法を行ってほしい等の意見が述べられ、最後に武田公述人から、地方税制度、交付税制度、地方債及び国庫補助金制度の根本的見直しこそが田園都市構想実現の主要課題である。特に、交付税制度の現状は交付税法本来の趣旨を没却し、借り入れなどの応急的措置とされたことはまことに遺憾で恒久的な改善策を講ずべきである。また、超過負担については、最近の財政悪化の状況下では重大問題であり、国は地方と共同の実態調査を行うなどにより、現状把握と補助負担基準の改善を適切に行うような方策を講ずるべきである旨の意見が述べられました。  以上をもちまして仙台班の御報告を終わります。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、松山班につきまして瀬谷英行君にお願いいたします。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 松山班につきまして御報告申し上げます。松山班は、町村委員長を初め、林委員、亀長委員、真鍋委員、太田委員及び渡辺委員、それに私瀬谷委員の七名で構成され、松山市で開催いたしました。  公述は地方財政、農業問題、不況問題の三項目で九名の関係者より意見が述べられました。  最初に、地方財政につきましては、まず愛媛県知事白石公述人から、地方財政対策は、五十年度以降政治的な妥協が続いているが、交付税率の引き上げ、また地方税、財政制度の改正など抜本的対策を講ずる時期に来ている。愛媛県の五十四年度の自主財源はわずか二六%と、財政的には、いわゆる三割自治すら確保できない状況にある。県財政の運営は行政経費の節約を柱に、三十九年度以降、職員定数の据え置き、五十年度以降の特別昇給の停止などを行ってきた。しかしこうした努力にも限界があり、ぜひとも適切な財源の付与をお願いしたい。またこれからは地方中心の時代であり、このため愛媛県は、五十四年度から市町村への権限委譲を積極的に行うこととし、地域行財政運営方策検討委員会を発足させ、市町村の自主財源強化、また県と市町村の行政事務の簡素合理化等を検討していくこととした。国もこの際、国の事務の地方への委譲とともに、事務の簡素合理化に努めてほしい旨の意見が述べられました。  次に、坂出市長番正公述人から、五十四年度の地方財政対策は前年の例の踏襲であり、四兆一千億円の地方財政の財源不足は借金で賄われている。本市の五十三年度末地方債現在高は、五十九億四千百万円に上り、普通会計依存度は、五十四年はついに一二・六%となった。こうした借金依存の財政運営を続ける限り、市町村行政は財政面から早晩行き詰まるであろう。今日の国、地方を通ずる財源不足に対処するため、税制調査会がまとめた中間答申は、借金財政から脱出するための税財政制度確立の方途を示しており、私たちは大きな期待をかけている。また、地方の財政力格差をもたらしている公営ギャンブルについて、ギャンブル収入が一部の自治体に極端に偏在しており、地方自治体相互間の財源配分を著しく不公平なものとしている。多額のギャンブル収益金のある自治体に交付税が何ら減ぜられることなく交付されている現状は、交付税の趣旨からしても矛盾であり、現在の地方交付税法を改正してもらいたい旨の意見が述べられました。  次に、愛媛県松前町長三原公述人から、松前町のように松山市のベッドタウンとして発展してきた都市近郊型の人口急増地域においては、学校、保育所、幼稚園を初め、生活環境施設等の改善増設、またコミュニティー関係施設等が必要であり、これらの建設に伴う用地費に対し、国庫補助の制度化をぜひ図っていただきたい。また、本町は国民健康保険に町民の三二・七%が加入しているが、老人医療の無料化等により保険財政は大きな圧迫を受けている。老人医療問題については別途の方策を講じてほしい。県下五十八町村の財政の現状については五十年度以降公債に依存しており、五十二年度依存度は一四%、公債費も逐年増加している。こうした町村財政窮状打開の措置として交付税率の引き上げを初め、一般消費税が創設された場合には交付税目の対象税目に含めてもらいたい。また逐年解消されつつあるが、超過負担の完全解消をお願いしたい旨の意見が述べられました。  農業問題につきましては、まず愛媛県農業協同組合中央会会長渡辺公述人から、日本の農産物で過剰となっているもの、たとえば米について、わが国にとって必要な石油と、日本で余る米との交換を積極的に考える必要がある。リンゴ、ブドウはもちろん、牛肉についても二、三年のうちに過剰生産となる危険があるので、国の助成のもとに思い切った輸出対策を講じてほしい。日本人の頭脳とすぐれた技術、また温暖な気候条件のもとに、八割に上る兼業農家を農業全体の中でどう安定させていくかはわが国農業の課題であるが、実現の暁には世界に類を見ない日本農業が確立できると思う。一見不利に見える営農条件を創意工夫で有利に転回し、国際競争力をつけていかなければならない旨の意見が述べられました。  次に、全日本農民組合愛媛県連合会副会長田中公述人から、今日の農村生活は都市サラリーマンと比べても遜色はない。しかし農業後継者の嫁不足と、嫁不足を訴えるその農家で娘は農家に出したくないという矛盾こそは、日本農業の抱える基本的問題である。その原因には最近の若者にとって農村農家のしきたりが合わないとか、親が自己の進んだ道を反省し、農家には娘を嫁がせたくないなどの他に、成績の悪い生徒には農業高校等の職業高校に進学するようにしむける風潮にも大きな問題がある。また米の生産調整が必ずしもうまくいっていないのは転換作物の価格が不安定だからである。それはまた農産物の価格決定を買い手が一手に握っている点に問題があり、民主的な価格決定機構の立法化がぜひ必要である。今後あるべき日本農業は地域に根差す農政を切り開く必要があり、その推進上の問題点の第一は、権限と財源を農村に集中すること。第二は、農村集落共同体において横の連帯をどうつくり上げるか。第三には、中央集権農政から地方分権農政へと機能の改革を推し進めなければならない旨の意見が述べられました。  次に、愛媛県青果農業協同組合連合会会長高門公述人から、愛媛県の果樹農家は現在約五万戸を数え、温州ミカンの年間生産量は五十万トン、晩柑十八万トン、ジュース産業も全国生産量の三〇%を占めている。国内のミカン適正消費量は年間ほぼ三百万トン、うち百万トンは加工ジュース、二百万トンが生果の適正消費量と推定される。生果の消費量は今日米国の二倍に達し、もはや限界と思われる。今後はジュース等加工品の消費に期待せざるを得ないが、この折に日米農産物交渉でオレンジ、果汁の急激な輸入拡大がされることになったことは大きな打激である。ミカン農家の安定は愛媛県のみでは解決がつかない問題であり、晩柑の生産がミカンの二の舞を踏まないよう行政が積極的に対応してもらいたい旨の意見が述べられました。  また不況問題につきましては、まず新居浜市長泉公述人から、新居浜市は別子銅山開鉱以来、住友諸企業が中核となって発展してきた工業都市であるが、別子銅山の閉山、オイルショック、さらに円相場の高騰などにより、新居浜市は今日きわめて憂慮すべき事態にある。最も深刻なのは住友企業関連の三百社に及ぶ下請、孫請企業の雇用状況であり、目下本市が緊急の救済措置として必要なことは毎年五千人に上る離職者、三千人に及ぶ失業者に対する雇用対策である。国においても本市の特殊性を御理解の上、雇用創出に格段の措置をお願いしたい旨の意見が述べられました。  次に徳島商工会議所会頭志摩公述人から、景気の動向は、一部に明るさが見え始めたものの、中小企業を取り巻く経済環境は依然厳しい状況にある。中小企業の健全な発展に資するため特に次の措置をお願いしたい。  まず一般消費税の導入は消費者を初め、中小企業、大企業も反対しており格段の御配慮をお願いしたい。中小企業金融公庫、国民金融公庫の貸付条件については貸付限度額の引き上げ、貸出金利の引き下げをお願いしたい。また徳島県は木工・家具の産地であるが、原材料のラワン、黒檀等外材の輸入価格が円高にもかかわらず高騰しており、経営が苦しくなっている。国においても木材価格安定対策を講じられるようお願いしたい旨の意見が述べられました。最後に、今治造船株式会社専務取締役檜垣公述人からオイルショックによる海運不況、建造コストの悪化、さらには円相場の高騰と相次ぐ悪条件が原因となって今治市でも輸出造船会社の倒産が続出した。造船業の中でも海運不況と円高の最も大きな打撃を受けたのは他に振りかえる産業を持たない造船一本の、しかも外航船建造の造船会社であった。このような造船業界の雇用状況は関連下請業者に特に厳しく転職、離職を余儀なくされている。これら転職者、離職者がもとの職場に復帰するためにはせめて七割程度の操業を確保する必要がある。造船業再建のためには、海運の繁栄なくして造船の繁栄はあり得ず、海運のさらに手厚い保護措置をお願いするとともに、地域の特殊性を考慮して各方面の格段の協力をお願いしたい旨の意見が述べられました。  以上をもちまして報告を終わります。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 最後に、鹿児島班につきまして井上吉夫君にお願いいたします。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○井上吉夫君 南九州班は、久保理事、小澤、金丸、下条、山本、広田、和泉、井上計、喜屋武の各委員及び私井上吉夫の十名で編成され、鹿児島市において開催いたしました。  公述項目は、農業及び水産業、地方財政、不況及び社会保障の三項目であり、九名の公述人より意見が述べられました。  まず、農業及び水産業については、鹿児島県農業協同組合中央会会長森文雄君、宮崎県経済農業協同組合連合会参事堀内良紀君、鹿児島県漁業協同組合連合会副会長松尾繁君よりそれぞれ意見が述べられました。  まず、森公述人は、鹿児島県の農業は、肉用牛を初めとする畜産を中心に、各種の特産野菜を加え、食糧供給基地として大きな役割りを果たしている。今後畑作物の生産にも力を入れ、農家所得の向上を図って調和のとれた生産体制と経営の安定に努めていきたい。  問題となっている牛肉や果汁等の輸入については、今後さらにその枠をふやし、これらの生産を圧迫することのないようお願いするとともに、特に、牛肉は価格の上位安定化と子牛に対する生産奨励助成の継続、基金による保証基準価格の引き上げ、また、カンショ、サトウキビについても総合的な生産対策を講じてほしい。また、桜島降灰による被災農家を救済するため、共済保険負担の軽減を図られたい旨の意見が述べられました。  堀内公述人は、宮崎県の施設野菜は、現在、カボチャ、ピーマン等年間五十品目を超え、その販売実績も、約二百六十億円に達している。しかし、流通路の遠距離に加え、価格か低迷しており、かつてない厳しい状況に追い込まれている。今後、宮崎県が作った新農業計画に即し対応を進めていくが、国においても、指定野菜品目の増加等価格安定対策の強化や迅速な大量輸送のためのコンテナ専用船開発への助成、あるいは野菜の主要消費地別需要予測指標等の策定も願いたいとの意見が述べられました。  松尾公述人は、鹿児島県内の漁業経営は、政策金融の支えで破綻を免れている。新海洋時代を迎え、厳しい環境にある漁業に予算を増額し、対策を講じてほしい。特に、諸外国の二百海里内操業に要する入漁料は漁業経営圧迫の要因なので国庫負担を望みたい。  また、需要の減退や輸入の急増によって魚価が暴落し、コストを割り込んでいるので現行の貸し付け制度による調整保管事業を損失補てん制度に切りかえるとともに水産物の秩序ある輸入を図ってほしい旨の意見が述べられました。  次に、地方財政について鹿児島県知事鎌田要人君及び名瀬市長大津鐵治君より意見が述べられました。  鎌田公述人は、現在の地方財政は、過去五年間の借金財政から脱け出し、安定した財政基盤の上にどのように住民福祉の行政を行うかにある。これまでも、地方自治体は行政の総点検を行い、歳出の合理化も行ってきたが、巨額な財源不足は自己努力を越えており、一日も早く、国と地方を通ずる財政改革が必要である。  その方向としては、(一)、一般消費税に関して地方消費税の導入。(二)、地方交付税率を引き上げるとともに、一般消費税のリンク及び交付税算定基準の見直し。(三)、国庫支出金に対する超過負担の解消と手続の簡素化及び補助金の統合化。(四)、地方債に対する政府資金比率の引き上げ。(五)、国と地方との抜本的事務再配分とこれに対応する財源の再配分が行なわれるべきである。  また、鹿児島県は離島を中心に過疎現象や高齢化人口の急増の問題、さらには災害の多発を抱えており、国の施策に加えて県単独の事業を組み合わせ、各般の行政を行っている。しかし、財政力が低いので国の行政について一層の充実を期待している旨の意見がありました。  大津公述人は、奄美は祖国復帰後、今日までの二十五年間に約七百億円近い国費が投入され、産業構造の基盤整備を初め、民生安定等の諸施策を進めてきた。この結果、所得は上昇しているが、今後、さらに、その改善を図るには引き続き振興開発事業を推進していく必要がある。市財政は、歳入の八割以上を地方交付税等依存財源で占められ、市の自主財源は二〇%に満たない状況にある。歳出も、人件費など経常的義務経費の比率が高く、財政構造の弾力性に乏しいものとなっている。このような財政基盤の脆弱性は奄美各市町村の共通の問題でもある。かかる財政の打開には地方交付税率の引き上げが基本ではあるが、奄美の振興開発に係る各種事業の補助率を沖繩県並みにかさ上げすることも重要と考えている旨述べられました。  最後に、不況及び社会保障については、まず不況について、中小企業の立場から、鹿児島機械金属工業団地協同組合理事長山下弘己君が、大島つむぎの問題について鹿児島県織物工業協同組合専務理事真鍋松男君がそれぞれ意見を述べられました。  山下公述人は、専任大臣の設置と予算の増額は中小企業者の年来の主張であり、今後も要請していくが、当面、不況下の対策として、中小企業倒産防止共済制度について限度額の引き上げと手形対象範囲の拡大が緊要である。中小企業は退職金が低いため、いまも人手不足に悩んでおり、現行退職金共済の掛金を引き上げるとともに、それに見合った大幅な国庫助成を望みたい。また、倒産した鹿児島ドックの設備については、共同事業という性格を考え、一日も早い買い上げ措置を願いたいとの意見が述べられました。  真鍋公述人は、日韓協定以上の韓国産つむぎの進出で大島つむぎの市場は混乱し、約二十万人に及ぶ関連業者とその家族は重大な影響をこうむっている。これを防止するには、輸入通関段階での韓国産大島つむぎに対する特別ビザの発行や原産国表示の厳守、関税率引き上げのための伝産法の改正等が必要である。また、政府が意図している一般消費税の導入はつむぎ産業をさらに困難にするので再検討してほしい旨の意見が述べられました。  社会保障につきましては、鹿児島県社会福祉協議会会長寺園勝志君、鹿児島県老人クラブ連合会会長豊増栄次君が意見を述べられました。  寺園公述人は、社会福祉は制度的には進んだものの、内容の充実が急がれるので、国民の納得を得て負担を高めていく必要がある。今後社会的連帯と温かい家族関係に基づく在宅福祉の重要度が高まるので、学校での福祉教育に力を入れるべきである。また寝たきり老人対策は現在最も重要で特別養護老人ホームの充実が緊急の課題であるとの意見がありました。  豊増公述人は、老人の立場から老齢福祉年金の充実と老人医療の無料化に多くの関心を持っている。福祉年金は五十四年度増額されたが、諸外国に比べまだ低い水準にあるので、今後とも継続的に引き上げてほしい。老人医療の無料化について、一部に批判もあるが、老人側の自省を求めるとともに、行政の適切な指導によって問題を解決し、現行の制度を持続させるべきである旨の意見が述べられました。  以上をもちまして報告を終わります。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十九分散会      ―――――・―――――

国会会議録検索システムで原文を見る ↗