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87回国会参議院1979/04/27

本会議 第13号

発言数
73
登壇者
20
会派数
7
開催日
1979/04/27

会議録

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) これより会議を開きます。  この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。  議席第百八番、地方選出議員、熊本県選出、三浦八水君。    〔三浦八水君起立、拍手〕     ―――――――――――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 議長は、本院規則第三十条により、三浦八水君を逓信委員に指名いたします。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 元衆議院議長衆議院議員船田中君は、去る十二日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。  同君に対しましては、すでに弔詞を贈呈いたしました。  ここにその弔詞を朗読いたします。   〔総員起立〕 参議院はさきに衆議院議長として憲政の発揚につとめられまた国務大臣としての重責にあたられました衆議院議員従二位勲一等船田中君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) この際、お諮りいたします。  秦豊君から海外旅行のため来る五月一日から八日間請暇の申し出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、  原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。金子国務大臣。    〔国務大臣金子岩三君登壇、拍手〕

金子岩三自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(金子岩三君) 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  原子力の開発利用を進めるに当たりましては、安全の確保を図ることが大前提であることは申すまでもありませんが、さらに万一の際における損害賠償制度を確立し、被害者の保護に遺漏なきを期することにより国民の不安感を除去するとともに、原子力事業の健全な発展に資することが必要であります。  このような観点から、原子力損害の賠償に関する法律が昭和三十六年に制定され、原子力事業者に無過失損害賠償責任を課するとともに、原子力事業者への責任の集中、損害賠償措置の義務づけ等の一連の制度を導入してまいったのでありますが、この法律では、従来一般人の受けた原子力損害を対象としており、原子力事業者の従業員の業務上受けた損害はその対象とはしていなかったのであります。この点については、国会を初めとして各方面から原子力事業者の従業員の受けた損害を対象とすべきであるとの指摘が行われており、一般人と従業員とを特に区別せず、従業員の受けた損害の賠償体系を整備することが必要と考えられます。  また、昭和四十六年の法改正時よりすでに八年を経過しようとしており、この間の情勢の変化に照らし、賠償の履行を確実ならしめるため用意されている賠償措置の額についても見直しを行う必要があるとともに、原子力損害賠償補償契約及び国の援助の制度についても、今後の原子力の開発利用を進めるに当たって引き続きその存続を図るととが不可欠であります。  これら諸点につきましては従来原子力委員会において鋭意検討してまいりましたが、このたびその結論が得られましたので、これに沿って改正案を取りまとめ、ここに提出いたしました次第であります。  次に、本法律案の要旨を述べさせていただきます。  第一に、現在本法の対象から除かれている原子力事業者の従業員の業務上受けた損害を本法の賠償の対象とするとともに、労働者災害補償制度による給付との間で所要の調整を行うこととしております。  第二に、現在の賠償措置額六十億円について、諸般の事情を勘案して百億円に引き上げることといたしております。  第三に、原子力損害賠償補償契約及び国の援助に関する規定の適用を延長し、昭和六十四年十二月三十一日までに開始された原子炉の運転等に係る原子力損害について適用するものとしております。  以上が原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。森下昭司君。    〔森下昭司君登壇、拍手〕

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は、日本社会党を代表して、ただいま上程されました原子力損害の賠償に関する法律の一部改正案に対し、質疑をいたすものであります。  本改正案と重要な関連を持つアメリカ・スリーマイル島原子力発電所の事故に関して、まず、お尋ねをいたしたいと存じます。  その第一は、この事故が全世界に与えた影響を考えると、原子力の平和利用、わけても原子力発電について再検討すべきであると思うのであります。  わが国の原子力研究開発利用長期計画によれば、軽水炉については近年各種の故障やトラブルの発生があり、その稼働率の低下が見られた、これが原子力発電に対する国民の不信感を招く有力な原因となっており、早急にその根本的解決が望まれると記載されているのであります。わが国の十九基の原子炉のうち稼働中のものは七基、停止中のものは、関西電力大飯発電所を含め十二基となっており、その稼働率は五十年度四一・九%、五十一年度五二・八%、五十二年度四丁八%と、半分にも達していないのが現状であります。これは、定期検査並びに故障の発見により修理のために運転再開に至ってないのでありますが、まさに原子力研究開発利用長期計画の指摘するとおり、原子力発電に対する国民の不信感を増大しているのであります。  このような時点でアメリカ原子力発電所の事故があり、いまだ抜本的解決がなされていないのでありまするから、原子力長期計画に基づくこの計画を見直す必要があると思うのであります。総理大臣の御見解をお尋ねする次第であります。  第二には、今回の事故は当然起こるべくして起きたと言われているのであります。  アメリカ原子力規制委員会は、一九七八年九月七日、危険評価検討グループに委託してあった原子炉安全性研究の最終報告、いわゆるラスムッセン報告に関する助言と情報に関する報告書を受け、一九七九年一月十八日、これを発表いたしたのであります。この発表は、アメリカ原子力規制委員会はラスムッセン報告に対する支持の態度を変更したことを公式に表明したものであります。いわゆる原子力発電は安全という神話はここに崩れ去ったのであります。ラスムッセン報告は、大事故の確率は非常に小さく、爆発事故で人が死ぬのは隕石に当たって死ぬ確率と同じであると言い、これをわが国の電力業者はそのまま受け売りをいたしていたのであります。  今回の事故によって示されたさまざまの事柄の中で最も重要なものは、原発の事故はかなり容易に起こり得るということなのであります。さらに、今回の事故の原因として、加圧器の逃がし弁が開き放しになったとか、二次冷却水を循環させる二台のポンプが同時に動かなくなったとかなどなどのことから、設計の根本欠陥を示していると小野東大名誉教授は指摘しているのであります。  このような実態からいたしまして、事故は当然起こるべくして起きたと言われているが、通産大臣並びに科学技術庁長官に御見解をお尋ねする次第であります。  第三は、事故原因が究明されるまで、すべての原子炉を停止すべきではないかと強く要求するものであります。  最近、日本原子力研究所の東海研究所村主副所長は「原子力発電所における異常事象の概況」と題し、「原子力工業」四月号に、みずからが昭和四十九年より軽水炉安全調査小委員会の小委員長として調査の対象としたプラントは米国で運転中の全軽水型発電所で、原子力規制委員会に報告をした文書をもとに行った調査結果を発表しているのであります。  それによりますと、一九七六年における沸騰水型原子炉においては、異常事象は三十五の原子力発電所からのもので、合計千二百五十三件であったのであります。最も故障の多いのは、格納容器の隔離系、主冷却系及び原子炉保護系であり、この三系統は一九七五年にも上位三位を占めていたのであります。故障の原因別分類によれば、固有の故障が五二%、保守のミス一二%、設計のミスによるもの一〇%に上っております。故障発生時の原子炉の状態は、運転中四二%となっており、運転中の発電所の異常事象の報告件数は二十二プラントで千百五十七件、一プラント当たり一年間に平均五十件と相なっているのであります。原子炉を停止せざるを得なかった異常事象は、スクラムによるものを含めまして実に四十八回に上っているのでありまして、事故を起こした加圧水型よりも沸騰水型もまた事故の可能性を内包していることを示しているのであります。  また、問題の加圧水型原子炉は、一九七六年に異常事象は六十三の原子力発電所からのもので、合計千二百六十四件に達し、沸騰水型よりプラントが多いので、一プラント当たりにすれば沸騰水型に異常事象の多いことを物語っているのであります。機器別故障も、沸騰水型と同様に、弁、配管及びポンプが上位を占めているのであります。故障時の原子炉の状態は、運転中五一%で、運転中の発電所の異常事象報告件数は三十プラント、千三十六件に上り、一プラント当たり一年間に平均三十四件となっているのであります。  これを見ると、加圧水型より沸騰水型に問題がむしろ多いということが原子力規制委員会への文書報告から証明されていると言っても過言ではありません。  さらに村主氏は、商業用原子力発電所においては公衆の健康と安全に影響を及ぼす事故は今後もないであろうと結んでいるのであり、余りにも異常事象を軽視しているきらいはないかと思うのであります。皮肉にも、この概況を発表後旬日を出ずして今回の事故が起きておるのであります。この際、沸騰水型原子炉も停止すべきではないかと思うのでありまして、通産大臣、科学技術庁長官の御見解をお尋ねする次第であります。  第四は、政府並びに電力業界の対応についてお尋ねする次第であります。  事故を起こした同じ加圧水型炉を導入している関西電力は、四月七日、すでに、スリーマイル島原発はバブコック・アンド・ウイルコックス社製の設備だが、それに比べるとわが社のウエスチングハウス社製は設計もかなり違っており、改良されているから、単なる機器の故障からこんな大事故を起こすことはあり得ないと、早々と安全宣言を行ったのであります。また、関西、四国、九州各電力の副社長は、記者会見で、わが国の水位計は正確に作動するから安全であると強調され、システムの一部変更などの必要性は考えられないと、強気の説明がなされたのであります。原因がいまだ正確に究明されていない段階で電力各社がこのような態度をとることが、原子力発電について果たして国民の共感を得ることができるでありましょうか。はなはだ遺憾なことだと言わざるを得ないのであります。  関西電力は、ウエスチングハウス社からの、緊急炉心冷却装置についての安全性に疑問があり、作動手続変更の勧告を四月七日に受けておったのでありますが、通産省、資源エネルギー庁に報告をせず、四月十二日になって初めて報告をしたものであります。さきに美浜1号炉の燃料棒の損傷の際も、国会で追及されるまで報告せず、隠していた事実もあり、とのような電力業界及び関西電力の態度をどう思うのか、さらにどのように処置するのか、通産大臣の御見解を明らかにしていただきたいのであります。  また、通産大臣は、原子力発電にとっては国民の支持を得ることが最も大事だと言われてきておりまするが、このような電力業界の態度では、原子力発電について国民の理解と納得を得ることはでき得ないと思うのでありますが、あわせて所見を承りたいと存じます。  さらに、通産当局は終始一貫、運転中の原子炉は停止する必要はないと強調されてきたのでありますが、加圧水型でただ一つ運転中の大飯発電炉を停止することは協力されたが、その反面、五十四年度の電力施設計画では、六十年度までの電力需給見通しと電源開発をまとめ、五十四、五十五年度の二年間に十カ所、計千四百九十万キロワットの開発を目標とすることが示されているが、このような考えは、経済優先、エネルギー充足といった面だけが先走りしており、国民の合意を得ることはでき得ないと思うが、通産大臣はどうお考えになっているか、御見解をお尋ねする次第であります。  第五は、原子力安全委員会の姿勢についてであります。  三月三十日にいち早く原子力安全委員会の委員長談話の形式をもちまして、「わが国原子力発電所ではこの種の事故はほとんどあり得ない」と述べたのでありますが、四月十四日大飯原発の停止でその談話は否定されたと言ってもよいのであります。しかも、四月十三日、金子科学技術庁長官は、「その後日本の加圧水型炉にも問題が指摘されるなど情勢が変わってきており、談話の内容も変わらなければならなくなった」と述べ、原子力行政について大きな打撃になったことを認め、今後は慎重に原子力行政を進める必要があると語っているのであります。原因が明らかにならないうちに委員長談話の形で見解を表明し、米国原子力規制委員会の通知を受け大飯発電炉の停止をするなど、重要な任務を持つ原子力安全委員会の姿勢について疑問を持たざるを得ないのでありますが、総理の御見解を承っておきたいと思うのであります。  第六は、防災対策の整備についてであります。昭和五十四年四月二十七日 参議院会議録第十  本件事故を契機に、原発所在県市町村において、国が原因を究明するまで原子炉の停止を初め建設の中止など、幾多の要請が出されております。この中で、特に災害時の避難などを盛り込んだ地域防災計画について、国の指針を早く出すべきだと防災対策について強い要望が繰り返されております。  現状は、主として大規模地震など自然災害に備えた災害対策基本法によってつくられた地域防災計画のみで、原子力災害を想定せず、そのため、原子力災害のための国の防災計画はつくられていないのみならず、地域防災計画も、県レベルでは一応の策定はあるものの、市町村段階ではいまだ計画すらつくられていないのであります。石油コンビナート火災でも各省庁間の協力が強調されたことにかんがみても、原発所在県市町村の要請に対し自治大臣はどう対処なさるのか、その御見解をお尋ねする次第であります。  第七は、情報交換機関を創設したらどうかとお尋ねする次第であります。  わが国は、フランスや米国と、原子力発電所の故障や事故が発生した場合正確な情報を相互に連絡し合う取り決めを結んでいますが、米原子力規制委員会の情報は新聞やテレビで報道された程度のものであって、原子力安全委員会、通産省並びに科学技術庁の対応に適確性を欠くきらいがあったのではないだろうか。したがって、二国間だけでなく、先進国間で原子力発電所の事故が発生した場合の情報連絡体制の確立を図るべきではないかと思うのであります。ラムスドルフ西独経済相は、さきに来日した折、「事故を防ぐためできるだけ早く原子力安全基準に関する国際協定をつくることが必要である」と述べ、六月の東京サミットで討議を要請したと語っているのでありますが、これらにつきまして総理の御見解をお尋ねする次第であります。  第八は、原子力損害の賠償に関してであります。  提案された改正案は、一般的事故による原子力損害の民間責任保険契約の保険金の支払いを百億円に増額する内容となっているのでありますが、スリーマイル原子力発電所の半径三十二キロ以内の財産等の価値は五十億ドル、約一兆円を上回ると言われており、観念的には、万一週辺に被害が及べばこれだけの金額が補償の対象となるわけであります。これに比較をすれば、百億円を超す補償については必要あれば政府が補償する仕組みになっているとはいえ、いかにも低いと言わざるを得ません。また、電力会社の責任額で賠償をとの考えから、賠償すべきものを限定したり、額を少額に見積もる可能性なしとしないのではないかと思われるのであります。必要があると認めるときは国の責任で百億円を超す賠償に応じるのであるが、このため当該電力会社の経営内部にまで立ち入ることになるのではないかと思われるが、科学技術庁長官の御見解を承り、私の質問を終わるものであります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 森下さんの最初の御質問は、アメリカの原子力発電所の事故の原因及び状況にかんがみまして、わが国の原子力開発計画を見直す必要があると思うがどうかという御質問でございました。わが国といたしましては、将来エネルギーの安定的な確保を図ってまいらなければなりませんで、そのためには信頼性のおける原子力の開発計画を進めることが大事であると考えております。その意味におきまして、今回不幸にして起こりました米国の原子力発電所の事故につきましては、その原因及び状況を十分究明いたしまして、今後の安全施策に生かしてまいらなければならぬと考えております。そのために、いまわれわれが持っておりまする原子力研究開発利用長期計画というものがございますが、これは、森下さんも御案内のように、平和利用、安全確保、自主開発という諸原則のもとで推進いたしておるものでございますが、今後、内外の情勢の変化、それからもろもろの施策の進展を十分踏まえて、これに適時適切な修正を加えつつ安全の確保に努めたいと思います。  それから第二の、原子力安全委員会の対応につきましての御質問でございました。三月三十日に、原子力安全委員会がアメリカの事故の報告に接して、外務省等を通じて得ました情報に基づきまして、委員長談話の形で、わが国原子力発電所の実態を踏まえて点検及び事故の究明をし、今回の事故の教訓をわが国の安全確保に反映する意向を表明いたしましたことは時宜を得た適切な措置であったと考えております。  原子力安全委員会は、四月十四日、御指摘のように、加圧器水位計の問題に関し委員長談話を発表して、この方針に沿って大飯原発の停止措置がとられておるのでありますが、この経緯は四月十四日の委員長談話にも述べられておるとおりのものでございまして、さきに示された見解を否定するものではないことは明らかであると私は考えております。私は、原子力安全委員会が今後引き続きわが国の原子力施設の安全確保のために真剣に取り組んでまいることを期待いたしております。  それから第三の御質問は、国際情報体制についての御質問でございました。御指摘のように、二国間だけでなくて、先進各国が原子力発電所事故が発生した場合の情報連絡体制を確立するということが必要であることは御趣旨のとおりでございまして、全く同感でございます。現在、外国及び国際機関から情報連絡体制の確立等について種々の提案がなされておりますけれども、これを踏まえまして、原子力発電所の安全確保のための国際会議の開催につきましては、関係国と協議しつつ、鋭意いま検討を進めておるところでございます。  先般来日いたしましたラムスドルフ西独経済相が提唱いたしておりまする国際協定でございますが、わが国といたしましては、すでに国際原子力発電の安全基準につきまして、国際原子力機関においてわが国も参加いたしまして、一九七五年からその策定作業が進められておりますことは森下さんも御案内のとおりでございまして、こういう努力を精力的に進めて御期待にこたえたいと思います。(拍手)    〔国務大臣金子岩三君登壇、拍手〕

金子岩三自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(金子岩三君) 第一に、原子力発電所の安全性に関する問題についてでございます。今回の米国原子力発電所の事故につきましては、これが加圧水型炉の安全性を考える上で重要な意味を持つものと受けとめております。本件に関するこれまでの原子力安全委員会の取り組み方につきましては、ただいま総理よりお答えがあったとおりでありますが、政府といたしましては、今後とも原子力安全委員会の意見を十分に尊重して、わが国の原子力の安全確保になお一層万全を期してまいりたい所存でございます。  第二に、沸騰水型原子炉の停止につきましては、原子力安全委員会として、現在までのところ停止を求めることを要するような問題はないという考え方でありますので、政府としてはその判断に従っているところであります。  続いて、原子力損害賠償法の賠償措置額百億円は低過ぎるのではないかという御指摘でございます。原子力損害賠償法の規定に基づきまして、電力会社等の原子力事業者は、万一原子力損害が発生した際、無過失の賠償責任を負い、かつ、この賠償責任は無限となっているのであります。一方、同法は、被害者への賠償の履行を円滑ならしめるため、原子力事業者に対して、一定の金額までは民間保険会社と責任保険契約を結ぶ等のいわゆる賠償措置を義務づけておりまして、この賠償措置の金額を現行の六十億円から百億円に引き上げることが今回の法改正の主要な眼目の一つであります。ただ、この賠償措置額は、賠償の履行の一応の担保という性格を有しているものであります。近年の物価動向、民間保険会社の引き受け能力等を勘案すれば、この百億円の金額は現状において妥当なものと考えています。また、仮に現実の損害額がこれを超えた場合も原子力事業者が賠償責任を免れるものではないことは当然であります。かつ、このような場合、政府が必要に応じて援助をすることが法律上明記されているのであります。このようなことから見て、被害者の保護に欠けるような事態が発生することはないものと確信いたしております。  次に、電力会社等は、賠償措置額に制約があることから、賠償義務が発生しても被害者に対して低い賠償額を強いるのではないかとの御懸念についてでございます。本法の精神は、ひとえに被害者保護に万全を期すことにあるのであります。ただいま申し上げましたような賠償のための仕組みを活用し、公正かつ迅速な賠償が行われるよう配慮をしてまいりたいと考えております。  さらに、万一大きな災害が生じ、国の責任で百億円を超す賠償に対する援助措置をとる必要が生じた場合は電力会社の経営内部にまで立ち入ることになるのではないかと御指摘でございます。このようなとき政府の援助が必要であるかどうかは、現に発生した損害の規模、事故発生の態様、原子力事業者の資力等、損害発生の具体的な事情に応じて判断することになると思われるのであります。しかし、これらの調査のために手間取って迅速な救済ができないようなことがあってはならないのでありまして、このような場合にも被害者保護の精神に沿って適切に対処してまいる所存でございます。(拍手)    〔国務大臣江崎真澄君登壇、拍手〕

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 今回のアメリカの事故は当然起こるべくして起こった事故ではないか、通産大臣の見解を問うと、こういうことでございます。わが国の原子力発電所におきましては、原子炉等の規制法、それから電気事業法、これらに基づきまして、安全の審査、それから使用前の検査、定期検査といったことで十分な安全規制を実施しておるところであります。管理体制につきましても、保安規定の認可等によりまして厳しい規制を行っております。このため、米国で起こったような事故はわが国では起こる可能性はほとんどないというふうに考えておるところでありまするが、今回の事故にかんがみまして、原子力発電所の安全確保にさらに万全を期するため、三月三十一日、資源エネルギー庁長官から、それぞれの電力会社に原子力発電所の管理体制につきましての再点検を厳重にするよう、しかも速やかに、これは一週間の期限つきで指示をしたところであります。再点検の結果がそれぞれ各社から上がってまいりました。しかもその上、ヒヤリングを実施いたしまして、その内容につきましては、過ぐる四月二十四日、原子力安全委員会に報告したのでありまするが、再点検の結果では、これまでのところは特に支障となる点は認められない、こういう回答を得ておるところであります。  それから第二点の、沸騰水型原子炉も停止をして再点検すべきではないか、この御質問でございますが、今回事故を起こしました加圧水型の原子炉とは、いわゆる原理、それから構造の面から申しまして、全く異にしております。今度の事故で問題となっておりまする蒸気の発生器、それから加圧器等を備えていないということもありまして、その点では特段の問題があるとは考えておりません。米国におきましても、いまのところ沸騰水型原子炉につきましては施設面の欠陥は指摘されておらないのであります。しかし、通産省としましては、先ほど申し上げましたように、原子力発電所の安全確保にさらに万全を期するという立場から、沸騰水型原子炉につきましても点検及び管理体制を厳重にするようにということは、先ほど申したとおりであります。なお、現在運転中の原子力発電所につきましては、特別保安監査チームというものを派遣いたしまして、再点検の結果を実際に確認するとともに、厳重にチェックしておるところであります。  第三点の、このウエスチングハウス社から関西電力への連絡があったにもかかわらず通産省への連絡がおくれたのは一体どういうことかというお尋ねであります。これは、米国ウエスチングハウス社は四月七日――これは現地の時間でありまするが、アメリカ国内の原子炉設置者に対しまして、ECCSの作動に関する運転マニュアルを変更することについて、現地の関係者に電話で勧告をしてきたというふうに聞いております。関西電力に対しましては、ウエスチングハウス社の東京事務所を通じて、四月の十一日――これは日本の時間でございます。テレックスで連絡が部長あてにあった。通産省は、関西電力からこの勧告について翌十二日に連絡を受けた。こういうことになっております。原子力発電所の安全確保にさらに万全を期するためという立場をとっておりまする通産省としましては、事故の状況等につきまして情報の入手に全力を挙げてきたところでありまするが、今度のように関西電力から当省への連絡がおくれたことはまことに遺憾だというふうに考えます。  そこで、私は、十五日に同社の小林社長を招致いたしまして、安全問題の認識をさらに徹底するように厳重に注意喚起をしたところであります。会社側も、この種の問題については非常に反省をしておりまして、大体部長級に連絡があるということは困ると。したがって、自今はこの種の連絡は直接社長あてにくれるようにということを関係者、先方に連絡するとともに、社長直轄として今後対策をしていくということで、各社ともこれにならって厳重に、関係の会社及び部内に厳重に通達をして、二度とこういう過ちを繰り返さないようにしたい、こういうことを言っておるところであります。  第四点の、今後の原子力発電計画をどうするかという点については、総理からお答えがあったとおりでありまするが、私どもも、安全確保を最優先とするという考え方を一層強く推し進めまするとともに、今回の事故原因等を的確に把握して、まあカーター大統領も正確に世界に公表する、こう言っておりまするので、その実情を国民に正しく公表をするとともに、十分な国民的理解と協力を得るように努めてまいりたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣澁谷直藏君登壇、拍手〕

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 原発所在の県市町村から地域防災計画に対する国の指針を早く出すよう要請が出されておるが、これに対してどう対処するのかという御質問でございます。原子力災害に係る防災対策特有の専門的、技術的な事項につきましては、今回の米国の経験を参考にしまして、現在関係各省庁で鋭意検討を進めております。この結果を踏まえまして、できるだけ早く関係地方公共団体に対して地域防災計画の見直しを指導してまいりたいと考えております。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) これにて質疑は終了いたしました。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、  元号法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。三原国務大臣。    〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 元号法案について、その趣旨を御説明いたします。  元号は、国民の日常生活において長年使用されて広く国民の間に定着しており、かつ、大多数の国民がその存続を希望しておりますので、政府といたしましては、元号を将来とも存続させるべきであると考えております。  しかしながら、元号制度については、旧皇室典範及び登極令が廃止されて以来法的根拠はなくなり、現在の昭和は事実たる慣習として使われている状態であります。  したがって、元号を制度として明確で安定したものとするため、その根拠を法律で明確に規定する必要があると考えます。  今回御提案いたしております法律案も、このような趣旨によるものであります。  次に、法律案の内容について御説明いたします。  第一項は、元号は政令で定めることとしております。  次に、第二項は、その元号は、皇位の継承があった場合に限ってこれを改めることといたしております。  附則の第一項は、この法律の施行期日について、公布の日から施行することといたしております。  附則の第二項は、現在の昭和は本則第一項の規定に基づき定められたものとすることといたしております。  以上が元号法案の趣旨説明でございます。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。野田哲君。    〔野田哲君登壇、拍手〕

野田哲日本社会党

○野田哲君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました元号法案について、総理並びに関係大臣に対し次の数点について質問いたします。  まず、総理、あなたは、皇位の継承によって年月日の表示方法が変更されるというアナクロニズムに満ちた一世一元制度について、現行憲法との関係において基本的にどのような認識を持っておられるのでしょうか。  年月日の表示に支配者の名を冠して人民に使用を強制する制度がとられたのは、古代中国の前漢・武帝の時代と言われており、その思想の根幹をなすものは、権力者が領土を支配し、人民を支配し、あわせて時間の経過をも支配するという絶対主義的思想のあらわれであり、人民は元号を使用することによって権力者に服従の意をあらわす、支配者と被支配者の関係の中でできた制度だと言われています。  明治憲法に基づく旧皇室典範で規定された一世一元制はまさにこの思想を受け継いだものであり、旧皇室典範が当時の国会の議決を必要としない超法律的制度であったことからしても、これに規定された一世一元制は、統治者の権威の保持の手段として国民とは無縁に制度化されたものであります。この思想は、現行憲法の制定によってすでに葬り去られ、一世一元制は、制度としては過去の遺物となっていることは明確な事実であります。  一九四六年一月一日、それまでのわが国の統治の総攬者として君臨し、現人神と言われていた天皇は、第二次世界大戦の敗戦を契機に、みずから人間宣言をされ、天皇は国民とともにあり、神話と伝説によって生じたものではないと述べられています。そして、現行憲法は、その前文において、日本国の主権は国民に存することを高らかに宣言しています。いま国民の間に多くの議論が存在する元号法をあえて推進しようとする行為は、天皇みずからが旧憲法の思想を否定して人間であることを宣言された精神と、日本国の主権者は国民であることを基本とした現憲法の理念に大きく逆行するものと言わなければなりません。この点について、法律解釈論に矮小化するのではなくて、憲法の理念、民主主義の理念としての総理の認識を、まず伺うものであります。  第二に、元号制度と天皇の追号との関係について、総理並びに総務長官の見解を伺います。  旧憲法に基づく皇室典範によって一世一元制が設けられて以来、明治、大正と、元号は天皇の追号と密接不可分のものとなっています。今回制定しようとする元号は天皇の追号とどのような関係を持つものであるのか、以下、次の点について、その見解を求めるものであります。  まず、天皇の追号の決定手続を定めていた大正十五年十月二十一日付皇室令第十一号皇室喪儀令はすでに廃止されているが、今後天皇の追号はどのような手続によって決定されるのか、また、追号の決定は私的行為であるのか、あるいは従来の例によって政府の行政行為としてなされるものであるのか。次に、現在制定しようとしている元号法に基づく元号と今後の天皇の追号とは明確に分離されるものであるのか、あるいは従前の例にならって元号がそのまま追号として決定されるのかどうか。以上の点について政府の見解を求めるものであります。  第三に、この元号法に基づいて制定された元号の国民に対する拘束力について伺います。  政府見解によると、この法案には元号の使用を義務づける規定はないが、国の機関が元号を使用することを予定し、地方公共団体においても国と歩調を合わせて元号を使用することを期待する、国民に対しては、統一的事務処理のために元号の使用について協力を求める、となっています。この見解は、現状においても事実を曲解したはなはだしい認識不足と言わなければなりません。  法務大臣、あなたは、現在、国民が戸籍法に基づく出生、婚姻、死亡等の届け出を行うに際して西暦を主張し元号の使用を拒んだ場合、素直にこれが受理されていると認識されておられますか。自治大臣、あなたは、現在、市町村において、戸籍法に基づく各種届け出や住民登録、印鑑登録等がどのように処理されているか、その実態を承知されておられますか。元号が法律的根拠を失っている現在においてさえも、事務の統一的処理という名目と、明治、大正、昭和を既定の事実として印刷した用紙や記載例によって、事実上その使用を強制されているのが現状の姿であります。もし、元号の使用を強制しない、国民に元号の使用を義務づけないと明言されるのであれば、国民が公的機関に提出するすべての届け出用紙や記載例の様式から明治、大正、昭和の文字を抹消し、どのように年月日の表示を行うかは国民の自主的判断にゆだねるべきであると考えますが、そのような措置をとる用意があるかどうか。法務大臣、自治大臣、総務長官、それぞれにその見解を伺うものであります。  次に、総理の政治姿勢と元号法の関係について伺います。  総理は、就任に際して、「信頼と合意の政治」を推進することをその政治姿勢の基本として国民に約束されました。しかし、今回の元号法制化は国民の間に不信と亀裂をもたらし、総理の掲げた政治姿勢が全く空疎なものであることを指摘せざるを得ません。今回の元号法案の提出が、いわゆる右翼集団に大きなはずみをつけ、学園においては元号法案に反対をする学者が暴行を受けたり、静かな宗教家の街頭での反対署名活動が暴行によって妨害されるなどの事例が数多く発生しています。私たち国会議員として反対の意見を持っている者に対してはもちろん、国会からの要請によって参考人として出席して反対意見を述べた有識者に対してまでも過激な脅迫状が送りつけられている現状を、信頼と合意の政治を進めるという総理はどのように認識されるのでしょうか。  総理、あなたが提出した元号法案は、このように、思想、信教、言論の自由を暴力と脅迫によって封殺しようとする集団に大きなはずみをつけ、民主主義が損われつつあるのです。このような風潮に対し、総理並びに国家公安委員長はどのような見解を持っておられるか、その所見を伺いたいのであります。  元号法案が誘発した危険な風潮は、右翼集団の行動だけにとどまらず、公的機関の行動にまで及んでいることを指摘し、重ねて総理の見解を求めたいと思います。  去る二月十一日、宮城県民会館において開催された「建国記念日奉祝宮城県民大会」と称する集会は、自主憲法の制定、一世一元の法制化実現をスローガンに掲げ、大会決議としても同様の趣旨を採択しています。この集会に、陸上自衛隊東北方面総監柏葉陸将が参加し、あわせて陸上自衛隊東北方面音楽隊がこの集会に協賛して参加している事実があります。このような、現行憲法を否定し、元号法の実現を図ろうとする特定の政治目的を持った集会に自衛隊の高級幹部や音楽隊が参加するという行為が容認されていいのでしょうか。このような行為が公然と行われることにこそ、今回の憲法理念に逆行する元号法案提出という政府の政治姿勢が自衛隊にまで投影して、絶対越えてはならない枠を踏み越える行為に走らしていると指摘をしなければなりません。自衛隊の最高指揮官である総理は、このような自衛隊の行動にどのような見解を持たれるのか、明確な答弁を求めます。  次に、元号法の制定が今後の教育に及ぼす影響について伺います。  総理府や各種報道機関の調査によって明らかなことは、若い世代ほど西暦使用の比率が高く、法制化に批判的な傾向が強いという事実であります。昭和の後はどうするかという問題は、まさに若い世代の選択にゆだねるべき課題であって、「明治三十八歳」などという言葉がまかり通る世代の郷愁によって選択されるべき課題ではないのであります。この若い世代の意向は、世界の中の一員という立場に立った学校教育の成果であり、年々拡大しつつある国際交流の反映、そして西暦使用が日常生活の中で定着しつつあることを明瞭に物語っているのであります。皇位の継承と年月日の表示とは無縁のものであるという意識のあらわれであります。元号法の制定は、これからの日本の主人公となるこの若い世代の意向を法律という公権力によってねじ曲げ、時代に逆行させようとする行為にほかなりません。  特に、現在の若い世代の意識構造を形成した教育に対する影響について、次の点で文部大臣の見解を求めるものであります。  まず、天皇がかわれば年月日の呼び方も変わるということの理由、根拠を、現行憲法の精神のもとで教師はどのように科学的、合理的に青少年に教育の場で説明することができるのですか。  次に、教科書の取り扱いについて伺います。現在使用されている教科書が、世界史が西暦で表示されているのは当然でありますが、日本史についても、世界の歴史の進行の中で時を同じくしてどのような歴史が形成されてきたかという観点から、西暦が表示の主体となっていることはきわめて合理的かつ正当であると考えます。しかし、元号法がもし制定された場合、教科書などの検定において現行の西暦による表示に変更を及ぼすような措置がとられるのではないか、この点について文部大臣の見解を伺うものであります。  次に、明治以降の数十年の時期において天皇が統治の総攬者として存在したときと異なり、現在では、天皇の皇位の継承は国民の生活には何らの影響、変化をもたらさない制度となっています。しかし、元号法の制定によって、皇位の継承の都度教育現場や教科書、教材等に変化が生じることは、新たな混乱と不合理感を生み出すことになるのであります。元号制度がもたらすこのような教育現場への影響について、文部大臣はどのような見解を持っておられるか、その見解を伺うものであります。  最後に、総理、あなたが真に信頼と合意の政治を展開されようとするのであれば、そして、世界の中の日本として国際社会を歩もうと考えられるのであれば、この法案の審議を凍結して、広く国民の合意を求めるための最善の方途について各党と協議を行うべきではないでしょうか。与党の総裁である総理は、そのリーダーシップをとる用意があるかどうか、その見解を最後に伺って、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 野田さんの最初の御質問は、元号法案と憲法との関係でございました。現行憲法は象徴天皇制を採用いたしております。元号の存続期間とこの象徴天皇の在位期間を関連させることには、何ら私は憲法上の問題はないものと考えております。  それから第二に、私の政治姿勢と法制化との関連についてのお尋ねでございました。この今回御提案申し上げておりまする法案は、先ほど三原大臣から御説明がありましたとおり、国民の間に元号制度が定着しておる。多くの国民がその存続を希望いたしておる。市町村あるいは府県等におきましてもそういう決議がなされておるわけでございます。ただ、改元の手続がございませんので、これを法定化しようとする、そういう事実を踏まえて、そういう希望にこたえて法制化しようとするものでございまして、国民の理解を得られるものではないかと私は考えております。  それから第三の御質問は、建国記念日に自衛官が出席したということは問題でないかという御指摘でございますが、建国記念日は国の祝日でございますので、それに自衛官が出てまいることそれ自体は、別段問題にすべきものとは考えておりません。  それから、この元号法案と特定の政治勢力との関連についてのお尋ねでございますけれども、先ほど申しましたように、改元の手続を決めようという、イデオロギーとかかわりのない法案でございますので、そういう意味に御理解をいただきたいと思うのでございまして、最後に、凍結してゆっくり審議するつもりはないかということでございますが、私どもといたしましては、そういう改元の手続を法制化さしていただきたいという非常に謙虚な提案でございますので、御審議の上、できるだけ早く成立をさしていただきたいと念願しております。(拍手)    〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。  私に対する御質問は、元号と追号との関係について一問ございました。御承知のように、元号が追号となった例といたしましては、明治と大正の二例があるわけでございます。天皇の贈り名と元号との関係につきましては、従前も制度上は元号が必ず天皇の追号となるというようなわけではありませんです。制度的に見てまいりますと、旧制度におきましても、元号については御指摘のように登極令でございます。そうして追号につきましては皇室喪儀令に規定されておるわけでございまして、二つは、そういう意味におきましては制度的には関係ございません。  次に、本法案が制定をされた後において、公の機関の手続あるいは届け出等において強制的な措置がとられるのではないか、現在でもそういうのが見られるがという御指摘でございました。御承知のように、私ども、本法案が制定されますれば、公的な機関の手続なりあるいは届け出等に対しましては、行政の統一的な事務処理上ひとつ元号でお届けを願いたいという協力方はお願いをいたします。しかし、たって自分は西暦でいきたいという方につきましては、今日までと同様に、併用で、自由な立場で届け出を願ってもこれを受理すると、そういう考えでおるわけでございます。(拍手)    〔国務大臣古井喜實君登壇、拍手〕

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 法務に関する部分についてお答えを申し上げます。  従来、戸籍などの諸届けの用紙に、不動文字で「昭和」と、こういうことを刷り込んでおることは事実でございます。これは申請者に便宜を与える、便宜を図るというだけの趣旨のものでございまして、強制するとか拘束するとかという趣旨ではございません。新しい元号法が施行されるといたしまして、その場合、この辺につきましては誤解が起こらぬように、強制する、拘束するものではないという趣旨を十分徹底して、行き違いがないようにいたしたいと思っております。(拍手)    〔国務大臣澁谷直藏君登壇、拍手〕

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私に対する質問は二問ございますが、一つは、ただいま法務大臣からも御答弁がありましたように、市町村における戸籍上の届け出、住民登録、印鑑登録など、現在法的根拠がないにもかかわらず強制しておるのではないかと、こういう御質問でございます。現在の住民基本台帳、それから印鑑登録のそれらの様式は、いずれもこれは市町村が自主的な判断で定めておるわけでございますが、一般に元号が使用されておりますけれども、これはもう御承知のように、従来からの慣行によって行われ、協力を求めておる、強制するというものでないことは言うまでもございません。このことによって別に不都合なことは生じておらないと考えております。  次に、元号法制化に関連して、最近特に、国会議員や国会に出席した参考人あるいは大学の学者グループなどに対する暴力行為やいやがらせが行われておるが、こうした右翼の行動に対してどのように対処するのかと、こういう御質問でございます。このようなことにつきましては、警察において厳正な立場でそれぞれ必要な捜査を行っております。いずれにいたしましても、法治国において暴力などによって自己の主張を通そうとすることは断じて容認されないところでございまして、今後ともこの種事案が起こらないように万全の施策を講ずるとともに、違法行為にわたるものに対しては厳正な取り締まりを行ってまいる所存であります。(拍手)    〔国務大臣内藤誉三郎君登壇、拍手〕

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 野田議員の御質問にお答え申し上げます。  小中高等学校の学習指導要領においては、元号の取り扱いについて直接触れてはいませんが、学校における実際の指導では、元号が歴史的事実として定着しているということでもあり、たとえば歴史学習において、政治、文化などに関する歴史的用語として、また年代の表示方法として使用されてまいりました。元号の法制化後においても、現在の学校教育における指導のあり方を特に変更する必要はないと考えており、このため混乱は起きないものと思われます。  また、教科書検定における元号の取り扱いについても、従来から、年代の表示については、教科の目標、内容等に照らし、適切な方法がとられるよう指導しているととろでありまして、元号法の制定後においてもこの取り扱いを変更することは考えておりません。  どうぞよろしくお願いします。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 答弁の補足があります。大平内閣総理大臣。    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど建国祭の祝日のお祝いに自衛官が参加したことにつきまして、そのこと自体には問題がないのではないかという御答弁を申し上げたわけでございますが、野田さんの御質問は、さらにその大会が特定の政治的な目的を持っておったものであると、そういうところに出てまいることは適切でないじゃないかという御指摘でございました。私が伺っておるところによりますと、その自衛官は、そういう会合がそういう政治的目的を持って催されたものであるというようなことは出席するまでは存じなかったというように聞いておりまするけれども(発言する者多し)自衛官は公務員でございますので、その立場を逸脱するようなことのないように、慎重な行動は常に心がけていただかなければならぬと考えております。(拍手)     ―――――――――――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 和泉照雄君。    〔和泉照雄君登壇、拍手〕

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私は、公明党を代表して、ただいま趣旨説明のありました元号法案について、総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。  最近、元号法制化実現の動きが高まり、さらに民間団体の主唱で始まった元号法制化促進運動が全国的に広がり、現在では四十六都道府県議会を初め、市町村議会多数が法制化促進決議を行っていることは事実であります。しかし、総理府による世論調査や最近におけるマスコミの調査等の間には、共通点と相違点があることも事実であります。すなわち、共通点は、元号の存続については圧倒的に大多数の国民が賛成の意向を示していることであり、相違点は、多くの調査では、元号を法律で定めることに賛成する回答が少数であることであります。換言すれば、元号は存続した方がよい、しかし法律で定めるほどのことはないというのが大方の国民世論であるということを、まず認識しておく必要があります。  実際、元号の問題は、国民の感情とともに、生活上の利便と密接な関係を持っていて、長期的に物事を考えるときや国際社会に対応するときは西暦を使用し、自分の年齢など身近な生活の場合には元号を用いるというように、自然のうちに調和させ、うまく使い分けているわけであります。さらに、現在、法的根拠のない事実たる慣習として存続している元号は、旧憲法下での明治、大正、昭和の元号とは同じものではないという認識のもとに使用されていることも事実であります。また、憲法の定着に伴い、象徴天皇制が国民に広く理解されていることも十分に考慮に入れなければなりません。  したがって、わが党は、この元号に対して、国民世論を尊重して元号を存続することが望ましいと思うのであります。(拍手)同時に、わが党は、存続を望みながら法制化を否定する国民が持つ憂慮とも言うべき、元号の法制化という機運に便乗して軍国主義復活をもくろんだり、天皇の元首化、旧憲法への回帰を促すような現行憲法の国民主権主義の原則を否定する方向の動きには断固反対であり、憲法厳守の立場で対処していく所存でございます。  多くの国民は、今回の法案が国会において十分に審議されることを望んでおり、その意味からも、本日は、衆議院において審議された点を踏まえて、まだ不明確な点をわが党の提案なども含めて質問をしてまいります。  まず第一に、元号法案と日本国憲法との関係についてであります。  一世一元が制度上明確になったのは明治からであります。明治元年の改元詔書、行政官布告によって一世一元が確立され、明治政府は、さらに明治憲法と皇室典範の中でこれを法制化し、続いて登極令にも盛り込んだのであります。この明治憲法において、天皇は、「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」という理念のもとに、国家の主権者として位置づけられ、統治権を認められていたわけであります。この明治憲法と現憲法における天皇制の相違は明らかでありますが、天皇一代に一つの元号を定めた今回の元号法案が主権在民の現憲法に触れることはないのか、また、天皇元首化への道を開く可能性はないのか、との点について総理はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  第二点目は、元号を法制化した理由についてお伺いをいたします。  先ほど示しました世論調査でもわかるように、元号は存続した方がよいが法制化するほどのことはないと考えている人が多いということを政府としてはどう見るか。その一方で、存続を安定するためにどうするか。また、政府は当初、内閣告示などの方法をとると言明した時期もあったわけでありますが、その時期には、元号存続の方法として、一方的な内閣告示よりも国会で審議する法制化を考える方がよいという意見もあったわけであります。政府としては、今回なぜ存続のための法制化を必要とするようになったのか、その理由を明確に答弁していただきたい。また、存続の方法として内閣告示と法制化のほかに他に方法はないのか、お伺いをいたします。なお、内閣告示と法制化の違いによって国民にどのような影響があると判断をしているのか、お尋ねをいたします。  第三点の質問は、元号の選定についてでありますが、元号の選定は、元号の選定者として専門の学者、学識経験者を若干名依頼し、元号を官房、総務、法制局の三長官会議である程度選び、最終的には衆参両院正副議長にも諮るということでございますが、選定委員の人選についてどのような考えを持っているのか。また、政府の考えている選定の方法においては国会の関与する余地は全くなく、このような方法では国民の納得を得ることはできないとも思われますが、政府は何らかの方法で国会に諮る考えがあるのかどうか、お伺いをいたします。  なお、わが公明党は再三主張してまいりましたが、元号の選定について、一つに、総理府に元号選定委員会を設け、内閣はこの委員会の答申を受けて元号を定める、二つには、元号選定の経過を国会に報告し、国民に告示するという公開原則にのっとった考え方をお示ししておりますが、総理並びに総務長官はこの点どのようにお考えになっているか、お伺いをいたします。  また、元号法案において、「元号は、政令で定める。」となっておりますが、政令で定めるのは元号名だけなのか、手続、機関を含むつもりでいるのか、お尋ねをいたします。  第四点は、元号の使用についてであります。  元号の使用については十分な配慮がなされなければなりません。使用については、現状の慣習的使用を踏襲することを原則として、強制的使用をしないようにすべきであります。また、西暦年号の使用及び元号と西暦年号の併用もまた、いままでどおり国民の望む方法で使用されるべきであると思いますが、まず、この点について政府に確認をしておきたいと思います。  さらに、国民から提出される官公庁への届け出の年月日は、元号、西暦、どちらでも自由に受け付けるのが当然でありますが、政府はこの点をどのように考えておられるのか。なお、事務取り扱い窓口で元号使用の協力を国民に求めるということでございますが、協力の程度についてはどのように考えておられるのか。次に、政府は、公務員について、元号が法制化された場合、上司から使用を命令された場合、職務上の命令に従わなければならないとの見解を示したわけでございますが、それ以外に強制が及ぶ分野があるのかどうか、お答え願いたい。  最後に、改元の施行方式についてでございます。  わが党としては、国民生活の上からも、合理性から考えても、皇位継承のあった翌年一月一日から改元する方が好ましいと主張してまいったのであります。衆議院内閣委員会の参考人も、踰年方式について、同年に二つの元号が存在することが国民生活上不便をもたらす可能性があることを指摘しておりますし、わが党の主張を十分に考えてみるべきであるとの意見も出ております。この点について総理の御所見をお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 今度の元号法案と憲法の関係についてでございますが、現行憲法が主権在民を本旨といたしておることは御指摘のとおりでございまして、その法制化は改元のルールを決めるものでございますので、別段憲法上の問題はないと考えております。  第二に、この法案によりまして天皇元首化の道を開くのではないかという御懸念でございますけれども、そういう懸念が一部であるがどうだという御意見でございますが、現行憲法下の天皇の地位にいささかの変更を加えるものではないと考えております。何となれば、われわれの出しておる法案は改元の手続を決めるにすぎないものであるからでございます。  それから、法制化をなぜやるのかということでございますが、先ほど申し上げましたように、改元の手続がどこにもございません、ルールがございませんので、これを決める必要がございますが、その場合、内閣の告示等で決めるべきか、それとも国会でお決めいただくか、これはやはり、主権在民の立場から申しまして、国会で法律によって根拠を決めていただく方が民主的であると考えたから法制化に踏み切ったわけでございます。  それから改元の方式、それから、これを決めるに当たりましての国会との関係をどうするか、政府部内の手続をどう考えるかというような御指摘がございましたが、これは総務長官からお答えをさしていただきます。(拍手)    〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 私に数問の御質問がございますが、改元の方式につきましては、もう総理から、法制化の方法と内閣告示の二つの道がありまして、法制化の道を選ぶに至った経過等につきましてお話がございましたので、私からは申し上げません。  次には、元号の選定の手続等についてお尋ねがございました。まず、元号選定委員会の人選等についてのお尋ねがございましたが、新元号名の選定に当たりましては、何人かの学識経験者の方にお願いをいたしたいという考えでおるわけでございます。御指摘のように、人選に当たりましては、国民元号というような、私は、国民のための、また、よい元号を選ぶために慎重に配慮して、専門的な学者ばかりでなく、一般的な、文化人の方でございまするとか、評論家でございまするとか、学識経験者、そうした広い分野にわたって人選を考えていくべきであろう、そういま考えておるところでございます。  次には、選定の方法なり、委員会の構成をしてはどうかという御意見、また、国会に諮るべきでは昭和五十四年四月二十七日 参議院会議録第十ないかという手続上のやはり御意見がございました。この点につきましては、いまそういう点について国会における審議の経過等から、検討をいたしておるところでございまするが、現時点におきまする私案といたしましては、国会にどういう形で御意見を聞くかというような点につきましては、衆参の正副議長さんに御意見を拝聴するというようなことはいかがなものであろうかという考え方でおるところでございますが、なお、こうした選定の方法、委員会の構成、また国会に対する処置等につきましては、御意見等を拝聴しながら最終的に詰めてまいりたいと思っておるところでございます。  次に、公明党で御主張なさっております新元号を定める手続についての御意見でございましたが、国民のためによい元号を選ぶという観点に立って、学識経験者にお願いをして新元号名の候補名を考えていただくことにいたしたいと考えておるわけでございますが、また、内閣として決定するまでの過程において、やはり私案でございますけれども、先ほど申しましたように、衆参の議長さんあるいは副議長さんに御意見を聞いて検討してまいりたい。なお、改元の経過を報告をして、国民に一般に知らすべきではないかという御指摘でございますが、この点につきましても、事前にどの程度国民の方々あるいは国会に報告をするか、あるいは事後には経過全般について詳細に報告もすべきではなかろうかというような観点から検討を進めてまいっておるところでございます。  それから、官公庁への届け出等について御指摘がございました。この点につきましては、一般国民の方々に元号の使用を、繰り返して申すようでございますが、義務づけるものではございません。しかし、公の機関におきましては今後とも現在のように――全く現在と変わりませんが、原則といたしましては元号によって年の表示をすることになろうかと思うわけでございまして、したがいまして、一般国民の方々が公的機関に提出をなさいます申請書でございますとかあるいは届け出等におきましては、公的機関の統一的事務処理のために、ぜひやはりこの元号を使用願うように協力方はお願いをしてまいりますが、しかし、西暦で記入されていた場合にはそれを受理しないとか、また、それではだめでございますとかいうようなことは申し上げません。先ほど法務大臣、自治大臣からも申されましたように、この点につきましては十分事前に、そういうことで窓口で強制するようなことのないように処置をする考えでおるところでございます。  次には、それから内閣がまあ訓令等を出した場合に、それが及ぶ範囲はどうであるかというようなお尋ねがございました。元号使用につきまして仮に内閣で訓令を出した場合におきましては、その効力の及ぶ範囲はどうかというような点であろうと思いますが、その場合に、訓令の及びますのは内閣の統括下にあります国の行政機関部内であるわけでございます。ただ、公的機関は国、地方を通じまして現在でも原則として元号によって年の表示をしておるわけでございます。これは確立された慣行でもあるわけでございまして、元号法案が成立した後も、改めて内閣が訓令を出すまでもないと私は考えておるわけでございまして、この慣行は当然に続いてまいるであろうと考えておるところでございます。  以上が私に対します御質問の内容であったと思います。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 答弁の補足があります。三原国務大臣。    〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたします。  手続上政令で定めるものは元号だけなのかどうかというようなお尋ねがございました。政令で定めてまいりますのは、新元号の名称と、いつからその新しい名称に変わるかというその時期と、二点を政令で定めるわけでございます。その他は政令事項ではございません。  次に、踰年の問題のお尋ねがございました。この点につきましては、改元の時期について先ほど申しましたように、手続等を含めて、ただいま検討を進めておるわけでございますが、公明党の主張しておられます踰年の問題、それから、これは御承知のように、継承の時期でございますとか、あるいは国民生活に及ぼす影響、国民感情あるいは経済的な混乱等が起こらないようにと、そういう点を配慮いたしまして、ただいま改元の時期を検討しておるわけでございますが、公明党の御提案についての踰年の問題等は、そういう立場から慎重に、貴重な意見として検討さしていただいておるところでございます。(拍手)     ―――――――――――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 山中郁子君。    〔山中郁子君登壇、拍手〕

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は、日本共産党を代表し、元号法案に関し総理並びに関係各大臣に質問いたします。  まず初めに、私は、本法案と深くかかわる大平総理の靖国神社参拝問題についてただします。  大平総理、あなたはクリスチャンであることが広く知られています。ところが、その総理がなぜ自分の信仰に反してまで、また、何のために靖国神社に参拝されたのか、端的にお伺いしたい。  政府は、さきに、私人の資格とは、公用車は使わない、総理大臣として記帳しないことなどであるとの法制局の見解を明らかにしています。したがって、今回大平総理が公用車を使い、内閣総理大臣と記帳したことは、公人として参拝したと断ぜざるを得ませんが、いかがですか。しかも、総理、あなたの行為は、靖国神社の宗教的行事に事実上国家的権威を与え、政府としてこれを擁護する明らかな政治的行為と言わなければなりません。憲法に規定する政教分離の原則に反するものではありませんか。総理の責任ある答弁を求めます。  さらに、今回、侵略戦争のA級戦犯十四名が靖国神社に合祀されていたことが報道されましたが、それでも総理は参拝を強行されました。あなたの行動は、日本とアジアの数千万の人々を死に至らしめた侵略戦争の最高責任者として処罰されたA級戦犯を免罪するものであり、侵略戦争の肯定につながるものと言わなければなりません。総理はそういう立場に立たれるのですか。はっきり答えていただきたい。  そもそも元号法案が今国会に提出されるに至ったのは、三木内閣当時、内閣告示で行うとされていたものが、元号法制化を天皇の元首化、憲法改悪の一里塚と位置づけ、内閣告示では強制力が弱いとする右翼勢力の要求に呼応しながら進めてきた結果ではありませんか。  こうした勢力の一つである神社神道関係者が昨年五月、天皇の元首化、自主憲法制定を掲げて政府に要請した際、当時の福田総理が、御意見はごもっともであるので検討すると答えています。その後大平総理自身も、「日本をまもる会」の代表の同様の要請に対し、同じように対応されています。このような政府の態度が彼らを激励してきたことは紛れもない事実であります。それを、改憲を意図するとか、特定の団体の要請にこたえるとかいうものではないなどと強弁するのは全くのごまかしではありませんか。しかも、それは、昨今自民党政府が推し進めている「君が代」の国歌化、有事立法、教育勅語や軍人勅諭の礼賛、「建国記念の日」への政府後援、さきに述べた総理大臣の靖国神社参拝などの露骨な軍国主義復活強化の路線によっても裏づけられています。わが党は、この事態がまさに日本の将来を誤らしめる危険きわまりないものであり、政府の政治責任はきわめて重大であると考えます。総理の見解を伺います。  次に、具体的な問題に入りますが、第一は、政府がしばしば口にする国民世論についてであります。  政府は、衆議院の審議で、たとえば最新の新聞調査によっても、法制化に賛成しない人が七二%に達し、賛成は二一%にすぎないことを認めました。今回の法制化強行は、政府自身が認めるこうした世論の動向に全く反するものではありませんか。元号の存続は希望するが法制化には賛成しないという多数の声を元号法制化賛成とすりかえてまで強行しようとすることは、もってのほかです。総理並びに総務長官の見解を求めます。  総理は先日元号法案の今国会会期内の成立を指示されたそうですが、とんでもないことであります。なぜなら、さきに引用した新聞調査でも、六五%の人々が廃案あるいは今国会で結論を出さずもっと時間をかけるべきだと回答しているのです。国の将来と憲法の基本にかかわる重大問題であり、しかも、新聞論調を初め宗教者、歴史学者など多数の国民から批判、反対が噴き上がっているのが実情です。こういう状況のもとで国民的合意がないのに強行するなどは、とうてい許されません。広く国民の声を聞き、十分な審議を尽くすことが大前提ですが、自民党総裁としての立場も含めて総理はここではっきりその約束をされるべきですが、どうですか。  第二は、使用強制の問題についてであります。  政府は、衆議院の審議で、地方自治体を含め、すべての公的機関が元号を使用することを当然であるとし、公務員には元号使用を、上司が命令を出せばその命令に従わなければならないとか、元号法は他の法律と相まって拘束力を持つなどと答弁をしております。したがって、法制化しても一般国民には強制しないなどという説明は、法制化に反対する世論をかわすとともに、国民をごまかすための全くの詭弁にすぎないではありませんか。総務長官の見解を伺います。  本来、国民がいかなる紀年法を用いるかは、その時代の社会的、文化的、国際的諸状況長って変化するものであり歴史と国民自身の選択にゆだねられるべきものであります。この点で、より安定化するという口実で元号を法制化することは、国民の自由な意思を束縛し、将来にわたって固定的に拘束することをその真のねらいとしているからではありませんか。明確に答えてください。  第三に、私は、特に教育に及ぼす重大な影響について、総理並びに文部大臣に伺います。  元号法制化推進論者たちは、教科書に「日本のことを書く場合には、やはり年号を先に書くべきだ」と公言しています。こうした動きに呼応して、文部省の教科書検定でも、修正意見の名による元号の使用強制が現実に行われています。したがって、元号が法制化された場合、その使用が強制されるおそれは十分にあります。それでもなお教科書での元号使用を絶対に強制するものでないと言明できるかどうか、はっきりお答えください。  最後に、私は、元号法制化と憲法との関連について見解をただします。  政府は、衆議院の委員会答弁を通じて、明治以降の一世一元の元号制度が天皇主権、天皇の統治と不可分の政治制度であること並びに現憲法のもとでは元号制度はなくなったことをはっきり認めております。しかるに、本法案はその一世一元制を法律で制度化し強制するものであり、その点でまさしく戦前の元号制度の復活であると言わなければなりません。それは、戦後新皇室典範から元号の項が削除されたことや、一九四六年に準備された元号法案が当時準備中の憲法の国民主権の精神に反するとして断念された経過を見ても明らかです。ところが、政府は、元号の制定権者を天皇から内閣に変えるということなどをもって現憲法の基本的原則に逆行しないと言っていますけれども、これは全く論理をすりかえるものであります。総理の責任ある答弁を求めます。  また、現在西暦の慣習化が広がり、そのことは国際化の状況とも合致するものであるのに、あえて元号だけを法制化して固定しようとするのは、まさに歴史に逆行するものではありませんか。総理の見解を伺います。  以上、私は元号法案をめぐるごく主要な問題にしぼって政府に質問いたしましたが、事柄は、大平内閣の基本的な政治姿勢、それによって引き起こされる現在及び将来の日本国民の生活と文化の根本にかかわる重大な問題であります。わが党は元号を慣習的に使用することに反対するものではありませんが、国民の自由を侵し、国民主権の憲法の精神に反する元号法制化には断固反対するものであることを表明して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 最初に、私の靖国神社の参拝についてのお尋ねでございました。私は、国の犠牲になられた方々の霊に対しまして私人として参拝いたしたまでのものでございます。私個人の信仰の問題は私にお任せいただきたいと思います。  それから第二に、この元号法案は軍国主義の復活につながらないかという御懸念でございます。先ほどからもるる申し上げておりまするように、改元のルールを定めるにすぎないものでございまして、特定のイデオロギーとは関係のないことはたびたび申し上げておるとおりでございまして、さような懸念はないものと考えております。  それから第三の、この法制化については国民的合意がなければならない、十分な審議を尽くすべきではないかということでございます。その意味におきまして御提案を申し上げ、慎重な審議をお願いいたしておるわけでございます。  それから憲法との関係についてのお尋ねでございますが、現行憲法が施行されまして三十年たっておりますが、その間もこの元号は国民の生活の中に生きた現実としてあるわけでございまして、この元号を、定着した元号、そしてそれの存続を希望しておる国民の希望にこたえて、改元のルールがないわけでございますので、それを決めてまいるということは決して憲法にかかわりがあるものとは私は考えていないわけでございます。  歴史に逆行するのではないかという御懸念でございますけれども、歴史的現実を素直に認めた法案でございまして、御理解をいただきたいと思います。(拍手)  残余の件につきましては総務長官からお答えいたします。(拍手)    〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 元号法制化が一部の右翼勢力によって進められておるのではないかというような御指摘がございましたが、元号は国民の日常生活において長年使用されてまいっておりまするし、これが国民の間に定着しておることは再々申し上げております。また、大多数の国民の方々が存続を希望しておられます。都道府県におきましても、あるいは市町村におきましても、法制化の促進議決をしておられるわけでございます。こうした事実を尊重いたしまして、元号制度を明確で安定したものとするために今回の法律制定をお願いをいたしておるわけでございます。決して一部の右翼勢力の云々によってやるものではございません。国民のために、国民の御要請にこたえてまいっておるところでございます。  次に、元号法制化について世論との関係について御指摘がございました。元号の存続を図るには、だれが、どういう場合に次の元号を定めるかということが明確でございません。そこで、私どもといたしましては、元号が年の表示方法として国民の生活の中で必要なことでございまするから、こうした点を、総理も先ほど申されましたように、このルールをどうして打ち立てるかという点で法律に求めたわけでございます。国民を代表する国会で議決をしてもらう法律が最も民主的な方法であろうということでございます。  世論調査に関しましては、存続は希望するがその方法については法律以外の形はないかというようなことがございます。この点につきましては、先ほどもお話がございましたように、内閣の告示でございますとか、あるいは事実たる慣習で引き続いていけないかというような御意見があるわけでございますが、また、政令ではどうかという御意見もあるわけでございます。しかし、政令におきましては、法律の根拠がなくして政令は出せませんし、また、慣習にゆだねることは、これは昭和の次は明確でございません。ここで空白になるのではないかというようなことでございまするので、現実的には内閣告示と法制化するという道が選ばれるわけでございます。そういうようなことを考えてまいりますれば、政府といたしましては、法律ですることが、しかも民主的な国会の場において審議を願うということが最も私はベターな方法であろうということで進めてまいっておるわけでございます。  次に、元号の使用を国民に義務づけるものではないかという御指摘でございました。この法案は一般国民に元号の使用を義務づけるものではないということは再三繰り返してまいったところでございます。したがって、今後も現状どおり西暦と併用してやっていただくということで進めておるところでございます。御了承を願いたいと思います。(拍手)    〔国務大臣内藤誉三郎君登壇、拍手〕

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 山中議員の御質問にお答えいたします。  教科書においては、教科の目標、内容等に照らして適切な年代の表示方法がとられることが必要であり、特に社会科の日本の歴史の年代については、元号及び西暦を学ぶことが学習を進める上に必要であるので、教科書の検定において元号と西暦の併記を求めることもございます。しかし、これは元号法制化の前と後とは関係ないのでございまして、従前どおりでございますから、どうぞよろしくお願いします。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 答弁の補足があります。大平内閣総理大臣。    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の靖国神社参拝に関連いたしましてのお答えを補足して申し上げます。  私のやったことは法制局の見解と軒輊するところがあるんじゃないかという御懸念でございますが、そういうことはございません。十分打ち合わせた上でいたしております。  それから、政教分離原則に合わないのではないかということでございますが、政府の行事としてやりますとそういうことが問題になり得るかと思いますけれども、個人の資格でございますので、そういう問題はないと思っております。  それから、A級戦犯が合祀されておるのに参拝したのはいかがかというような御意見でございました。多くの方々が合祀されておるわけでございまして、その一人一人を問題にするわけにはいかなかったわけでございます。(拍手)     ―――――――――――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 木島則夫君。    〔木島則夫君登壇、拍手〕

木島則夫民社党

○木島則夫君 私は、民社党を代表し、ただいま上程された元号法案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。  今日、元号は時代を象徴するものとして国民に広く親しまれ、生活慣行としても定着をした文化的な所産となっています。昭和五十二年、総理府の行った世論調査によれば、日常生活において主に元号を使用している人は国民の八九%と、圧倒的多数を占めています。さらに、元号の存続に反対する人はわずか六%なのに対し、「あった方がいい」、あるいは「どちらかと言えばあった方がいい」という者が合わせて七九%にも達しています。しかも、四十六都道府県議会、千数百の市町村議会において元号法制化の決議がなされています。したがって、元号の存続に関する国民的合意は紛れもない事実であります。(拍手)  一方、西暦使用が世界の大勢であるという立場から、国際化時代に対処するよう元号の存続に反対する意見や天皇制復活につながる懸念が一部の人たちに持たれていることも事実でありますが、政府は、これに対し明確に答え、いささかの疑問も国民の間に残すべきではありません。  今日、ユダヤ暦、回教暦、仏教暦など、それぞれ民族固有の暦年を西暦と併用し、その文化を維持継承をしている国は二十数カ国にも及んでいます。国際化時代になればなるほど、民族固有の文化を高らかに誇りながら、国際社会での調和を図ることがきわめて重要であります。(拍手)国際化の時代は、決して国籍の喪失を意味するものではなく、民族固有の伝統文化を国際社会の場に持ち寄って、互いに理解を深め合うことこそ大事であります。(拍手)  こうした意味からも、元号制度を維持継承するのは当然のきわみであるとわが党は考えるわけでありますが、(拍手)総理の御所見を伺いたいと思います。  次に、本法案をめぐる世論の最大の関心事は、法制化の必要があるかどうかという問題であります。  各種の世論調査を見ても、元号の存続に賛成する者が圧倒的多数を占める一面、法制化に消極的な世論の動向も確かに存在をします。したがって、元号を存続させる場合、何ゆえ法制化が必要であるか、政府は明確にその理由を示され、国民に理解を求める努力を最大限尽くすべきであります。特に、従来、政府が内閣告示による元号存続の方法を示唆してきた経緯からしましても、これは避けて通れない問題であります。  元号を存続させる場合には、考えられる方法は、事実たる慣習にゆだねるか、内閣告示によるか、法制化の三通りがあります。国民の間には、事実たる慣習にゆだねてはどうかという意見も相当多く聞かれるところであります。元号の法的根拠は新憲法の施行と同時に実際上失われ、事実たる慣習として使用されているのが現状であります。仮にこの慣習に従うならば、将来、天皇の代がかわった場合に新元号がおのずからつくられるという考え方もありますが、果たして法治国家としてそれが妥当であるかどうか、大きな疑問が生ずるところであります。  特に指摘をしたいことは、だれが、どういう手続をもって新元号を決定するかという問題です。そこで、私どもは、元号の存続を事実たる慣習に依存することは困難であると考えるのでありますが、政府はどのようにお考えか、伺いたい。  また、内閣告示による方法でありますが、内閣告示では、時の政権が告示するかしないかという自由選択を持っているのでありますから、民族的伝統文化の所産である元号の維持継続という点から見て、制度的にはきわめて不安定であるばかりでなく、この種の問題は、国権の最高機関たる国会において民主的に十分な論議を尽くして立法化の方法をとるべきであると私どもは考えるのであります。(拍手)  政府は、法制化の道を選ばれた理由を国民の前にはっきりと示され、法制化による元号存続に関して国民に十分な理解を求める努力を尽くすべきであります。政府の御見解をただしておきます。  次に、元号法案に反対する論拠の一つに天皇制復活があります。本法案によれば、元号は政令で定められ、改元は皇位の継承があった場合に限るとされています。法案が一世一元制の立場をとっているために、象徴天皇制を定めた現行憲法の精神に抵触するという危惧を払拭することは、元号を文化としてはぐくんでいく上で、これは避けられない重大な課題でございます。元号法制化を推進する人々の中には、確かに天皇制復活を唱える向きもなくはありません。しかし、現行憲法下の象徴天皇の地位と権能は、明治憲法下における統治権の総攬者としてのそれとは全く意味を異にしています。現行憲法を正しく解釈するならば、主権在民が大原則であることは明々白々であります。したがって、現行憲法の精神を正しく体得し、憲法の示す民主主義体制を堅持しようとする大多数の国民は、必ずや憲法と調和した元号制度を守り、はぐくむことでありましょう。  また、私どもは、こういった大多数の国民の明確な意思を信頼すると同時に、常識と知恵を基調とし、言いかえるならば、歴史的事実に立った新しい文化と生活を生み出す環境づくりに一層努力する責務を改めて自覚すべきであります。国民大多数が元号存続を容認し、希望する国民的事実に徴し、政府は今後も世論の動向に対しては適切に対処をされ、いささかも古い天皇制復活の懸念を抱かせることのないよう万全の努力を尽くすべきであるということを希望し、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕

大平正芳自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(大平正芳君) 木島さんの第一の御質問は、今度の元号の法制化の問題と文化的伝統との関連についてでございました。私どもの御提案申し上げておる法律は、改元のルールを定めたものにすぎませんけれども、しかし、この根底には、元号が国民生活の中に定着していること、その存続を多くの国民が希望しておるということを踏まえて、こういう法案をもって改元のルールを決めることが正しいと考えたわけでございますが、その背景には、御指摘のように、千三百余年にわたって生き抜いてまいりました伝統がございますことは申すまでもございません。  それから第二の法制化の理由でございます。これは、御指摘のように、事実の慣行の処理にゆだねるか、内閣の決めるところによるか、あるいは国会の決めるところによるかという三つの選択があるわけでございますが、最も民主的な方法として、そして最も安定的な方法といたしまして、国会にお決めいただくということが一番適切であると考えたわけでございます。  それから第三の問題は、天皇制復活につながるという懸念に対して十分配慮しなければならないという御指摘でございました。先ほど申しましたように、改元のルールを決めたにすぎませんので、天皇の憲法上の地位にいささかのかかわりを持っておるものではないことを私どもは確信をいたしておりますし、これは多くの国民によって理解されてまいることと思います。(拍手)    〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕

三原朝雄自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(三原朝雄君) 三点の御質問でございましたが、大体総理からお答えいただきましたので、私の分は……。(拍手)

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) これにて質疑は終了いたしました。      ―――――・―――――

安井謙各派に属しない議員議長

○議長(安井謙君) 日程第一 北西太平洋における千九百七十九年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。外務委員長菅野儀作君。    〔議長退席、副議長着席〕    〔菅野儀作君登壇、拍手〕

菅野儀作自由民主党・自由国民会議

○菅野儀作君 ただいま議題となりました一九七九年の日本国のサケ・マスの漁獲に関する議定書につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。  この議定書は、昨年締結された日ソ漁業協力協定に基づき、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年のわが国のサケ・マスの漁獲について、漁獲量、禁漁区、漁期、違反漁船に対する取り締まり等を定めたものであります。  なお、ソ連の距岸二百海里外の水域における本年のわが国のサケ・マス漁獲量は、昨年と同様、四万二千五百トンとされております。  委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知を願います。  昨二十六日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手)

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。      ―――――・―――――

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 日程第二 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長対馬孝且君。    〔対馬孝且君登壇、拍手〕

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案は、戦傷病者戦没者遺族等援護法のほか、関連する五法律を改正しようとするものであります。  その主な内容は、第一に、戦傷病者、戦没者遺族等に対する障害年金、遺族年金等の額を恩給法に準じて引き上げるとともに、遺族年金等と恩給との不均衡を是正するほか、遺族年金等の支給対象範囲をいわゆる再婚解消妻に関して拡大すること、第二に、未帰還者の留守家族に支給される留守家族手当の月額を遺族年金の増額に準じて引き上げること、第三に、昭和五十年四月から五十四年三月までの間に、公務扶助料、遺族年金等の支給を受けている者が亡くなった者等に対し特別弔慰金を支給すること、第四に、昭和四十八年四月二日から五十四年四月一日までの間に戦傷病者等の妻となった者に対し特別給付金を支給すること、第五に、昭和五十三年の遺族援護法の改正により遺族給与金を受ける権利を有するに至った戦没者の妻及び父母等に特別給付金を支給すること等であります。  委員会におきましては、一般戦時災害者に対する援護措置と実態調査の方法、旧陸海軍看護婦の処遇、国連の国際障害者年への取り組み、中国引き揚げ者の職業あっせん等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終わり、片山理事より、本案に関し、施行期日についての各派共同の修正案が提出をされました。討論はなく、採決の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決しました。  なお、本法律案に対し、国民の生活水準に見合う援護水準の引き上げ、満州開拓青年義勇隊開拓団の実態把握のための資料収集、中国等における慰霊巡拝の積極的推進等を内容とする各派共同提案による附帯決議案が提出をされ、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決しました。  以上報告をいたします。(拍手)

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本案の委員長報告は修正議決報告でございます。  本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。      ―――――・―――――

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 日程第三 国際観光振興会法の一部を改正する法律案  日程第四 船舶整備公団法の一部を改正する法   律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長三木忠雄君。    〔三木忠雄君登壇、拍手〕

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。  まず、国際観光振興会法の一部を改正する法律案は、最近における日本人海外観光旅客の増加等の状況にかんがみ、国際観光振興会の業務に、日本人海外観光旅客に対する旅行に関して情報の提供等の業務を追加しようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、各派共同提案に係る附帯決議案が提案され、全会一致をもってこれを本委員会の決議とすることに決定いたしました。     ―――――――――――――  次に、船舶整備公団法の一部を改正する法律案は、内航貨物船の近代化促進等を図るため、内航海運事業者が金融機関から借り入れる代替建造資金等について、船舶整備公団が債務保証を行えるよう業務の範囲を拡大しようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) これより両案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。      ─────・─────

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 日程第五 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案  日程第六 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長福岡日出麿君。    〔福岡日出麿君登壇、拍手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○福岡日出麿君 ただいま議題となりました二法案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案は、本法の廃止期限を昭和五十九年六月三十日に変更し、構造改善事業計画の作成主体である特定組合の範囲を拡大するとともに、あわせて、構造改善事業協会に人材育成基金を設置する等の措置を講ずるものであります。  委員会では、構造改善事業の進捗状況及び立ちおくれの原因、繊維産業の長期ビジョン、繊維製品の輸入規制等について熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、構造改善事業を円滑に進めるための対策等六項目にわたる各会派共同の附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを本委員会の決議とすることに決定いたしました。     ―――――――――――――  次に、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案は、開発途上国に対する経済協力を推進するため、海外経済協力基金の借入金及び債券発行の限度額を引き上げるほか、政府による債務保証制度並びに副総裁の新設等事業運営体制を整備強化しようとするものであります。  委員会における質疑については会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論に入り、日本共産党市川委員より反対の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、経済協力の効果的な実施等五項目にわたる附帯決議が行われました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  まず、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 次に、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ―――――・―――――

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 日程第七 厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長桧垣徳太郎君。    〔桧垣徳太郎君登壇、拍手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○桧垣徳太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、身体障害者の福祉の向上を図るため、厚生省の付属機関として新たに国立身体障害者リハビリテーションセンターを埼玉県所沢市に設置して、身体障害者の治療、訓練及び指導、調査研究等を行わしめるとともに、この際、国立身体障害者更生指導所及び国立ろうあ者更生指導所を廃止するなど規定の整備を行おうとするものであります。  委員会におきましては、本センターを視察の後、質疑に入りましたが、その主なる内容は、施設の着工と設置法提出時期との関連、移転後の職員の処遇、リハビリ関係専門職員の資格制度の確立と養成計画、身体障害者の福祉向上と本センターの位置づけ、施設周辺の交通安全対策等でありまして、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わりましたところ、日本共産党を代表して山中委員より、国立光明寮の設置目的、位置等の規定に所要の改定を加える旨の修正案が提出されました。  次いで、討論もなく、採決に入りましたところ、山中委員提出の修正案は否決され、次いで、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、林理事より、本センターが十分な機能を発揮できるよう、予算、人員の確保等を要望する各派共同提案に係る附帯決議案が提出され、全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 日程第八 昭和五十四年度の公債の発行の特例に関する法律案  日程第九 アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律及び米州開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長坂野重信君。    〔坂野重信君登壇、拍手〕

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○坂野重信君 ただいま議題となりました両案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、昭和五十四年度の公債の発行の特例に関する法律案について申し上げます。  本案は、財政法第四条ただし書きの規定による場合の、いわゆる建設国債のほか、昭和五十四年度の租税収入の動向等にかんがみ、同年度の財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活の安定に資するため、予算をもって国会の議決を経ております金額、八兆五百五十億円の範囲内で特例公債を発行することができることとするとともに、所要の規定を定めようとするものであります。  委員会におきましては、景気回復途上における公定歩合引き上げの影響、国債の大量発行とインフレとの関係、今後の国債管理政策のあり方等について質疑が行われたほか、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑終了後、藤田正明委員より、本法の施行期日を「公布の日」に改める旨の修正案が提出されました。  次いで、原案並びに修正案について討論に入りましたところ、日本社会党を代表して福間知之委員より、公明党を代表して矢追秀彦委員より、日本共産党を代表して佐藤昭夫委員よりそれぞれ反対、また、自由民主党・自由国民会議を代表して梶木又三委員より、民社党を代表して中村利次委員よりそれぞれ賛成する旨の意見が述べられました。  討論を終わり、修正案及び修正部分を除く原案について順次採決の結果、いずれも多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、政府は財政収支の改善に全力を尽くし、速やかに特例公債依存の財政からの脱却に努めること等六項目にわたる附帯決議が付されました。     ―――――――――――――  次に、アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律及び米州開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、アフリカ開発基金及び米州開発銀行に対する出資の額が増額されることとなるのに伴い、これらの機関に対するわが国の追加出資に関する規定を整備しようとするものでありまして、政府は、今後、アフリカ開発基金及び米州開発銀行に対し、それぞれ従来の出資額のほか、予算の定める金額の範囲内において出資することができることとしております。  委員会における質疑の詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告を申し上げます。(拍手)

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  まず、昭和五十四年度の公債の発行の特例に関する法律案の採決をいたします。  本案の委員長報告は修正議決報告でございます。本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 過半数と認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。      ―――――・―――――

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 次に、アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律及び米州開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

加瀬完各派に属しない議員副議長

○副議長(加瀬完君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十四分散会

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