法務委員会 第9号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1979/05/29
会議録
○委員長(峯山昭範君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十四日、上田哲君が委員を辞任され、その補欠として寺田熊雄君が選任されました。 また、五月二十五日、神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として宮本顕治君が選任されました。 また、昨二十八日、阿具根登君が委員を辞任され、その補欠として森下昭司君が選任されました。 —————————————
○委員長(峯山昭範君) 民法及び民法施行法の一部を改正する法律案及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。古井法務大臣。
○国務大臣(古井喜實君) 民法及び民法施行法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 この法律案は、第一に、民法第十一条の規定中「聾者」、「唖者」及び「盲者」の文字を削ろうとするものであります。すなわち、現行の民法第十一条は、聾者、唖者及び盲者について準禁治産宣告をすることができるものとしております。その趣旨は、これらの者が重要な財産上の取引において不利益を受けることがないよう、これらの者を保護しようとすることに尽きるのでありますが、この規定のもとにおいては、単に聾者、唖者または盲者であるということだけで、これらの者について準禁治産宣告がされるかのような誤解を生じ、ひいては不公平感を生じさせるおそれもあるのみならず、これらの者が社会生活上種々の不利益を受ける懸念もなしとしないのであります。 しかも、この規定中「聾者」、「唖者」及び「盲者」という文字を削りましても、これらの者について準禁治産宣告による保護をする必要がある場合には、十分対応することができますので、この際同条中これらの文字を削る改正をしようとするものであります。 第二は、民法法人の実態等にかんがみ、民法法人に関する規定の整備をしようとするものであります。すなわち、現行の民法には、民法法人でない者が民法法人であることを示すような名称を用いることを禁止する規定がないのでありますが、民法法人でない者が民法法人であることを示すような名称を用いて活動することを放置いたしますと、世人に誤解を与え、種々の弊害を生ずるおそれがあるのであります。 そこで、このような弊害を防止するために、社団法人または財団法人でない者がその名称中に「社団法人」もしくは「財団法人」という文字またはこれらと誤認を生じさせるような文字を用いることを禁止し、かつ、これに違反した者は、相当額の過料に処するものとする規定を民法に新設しようとするものであります。 また、民法法人のうちには、その運営の適正を欠くやに見受けられるものもありますが、そのような状況にかんがみ、民法法人の運営について規制を強化し、その適正化を図る必要があるのであります。そこで、民法及び民法施行法に所要の改正を加えて、主務官庁が民法法人に対して監督上必要な命令を発することができることを明確にし、この命令に違反した理事等を過料に処することができるものとするとともに、民法法人がこの命令に違反した場合において、他の方法により監督の目的を達することができないときは、これを解散させることができるものとしようとするものであります。 さらに、民法法人の中には、長期間にわたって全く事業活動を行っておらず、登記しのみ存在するいわゆる休眠法人が相当数ありますが、これを放置しておきますと、税法上これを悪用するなどの弊害の生ずるおそれがありますので、これらの法人を整理するため、民法及び民法施行法に所要の改正を加えて、民法法人が正当の事由かないのに引き続き三年以上事業を行わないときは、主務官庁は、これを解散させ、所要の登記を嘱託することができるものとしようとするものであります。 第三は、民法の罰則規定中過料の額を相半額に引き上げようとするものであります。これは、現行の民法が制定された明治二十九年以来過料の額が改められずに今日に至ったため、罰則規定がその機能を果たしておりませんので、現在の経済事情等に照らし、その機能を果たすことができる程度にまで、過料の額を引き上げようとするものであります。 以上がこの法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。 次に、土地家屋調査士法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、土地家屋調査士の制度の充実強化を図るため、土地家屋調査士の資格に関する制度を合理化するとともに、その職責、業務等に関する規定を整備しようとするものであります。 この法律案の要点を申し上げますと、第一に、土地家屋調査士となる資格について、土地家屋調査士試験に合格した者のほか、法務局または地方法務局において、不動産の表示に関する登記の事務に従事した期間が通算して十年以上になる者で、法務大臣が土地家屋調査士の業務を行うのに必要な知識及び技能を有すると認めたものは、土地家屋調査士となる資格を有することとしております。また、未成年者または被産者で復権を得ないものは、土地家屋調査士となる資格を有しないものとするなど欠格事由に関する規定を整備するとともに、土地家屋調査士試験の方法として筆記試験のほか口述試験を実施するものとし、これに関する規定を整備することとしております。 第二に、土地家屋調査士の制度は、不動産の表示に関する登記手続の円滑な実施に貸し、不動産に係る国民の権利の明確化に寄与するためのものであること、及び土地家屋調査士は、常に品位を保持し、業務に関連する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行う職責のあることを明らかにすることとしております。 第三に、土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記につき、必要な土地または建物の調査、測量及び申請手続をするほか、審査請求の手続もすることができることとしております。 第四に、土地家屋調査士の登録または登録の移転の申請は、土地家屋調査士会を経由してすべきこと、及びその申請をする者は、その申請と同時に、土地家屋調査士会に入会する手続をとらなければならないこととするとともに、登録制度の適正な運用を図るため登録に関する規定を整備することとしております。 第五に、土地家屋調査士の職責の重要性にかんがみ、懲戒処分による業務の停止の最長期間を現行の一年から二年に改めるとともに、土地家屋調査士会の自主性の強化を図る見地から、土地家屋調査士会は、法令に違反するおそれがあると認められる所属の会員に対して、注意勧告をすることができることとし、また、日本土地家屋調査士会連合会は一土地家屋調査士の業務または制度につき、法務大臣に対する建議等をすることができることとしております。 第六に、土地家屋調査士法に定める罰金及び過料の多額は、これを定めて以来長年月を経過しておりますので、相当額に引き上げることとしております。 以上がこの法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(峯山昭範君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十五分散会 —————・—————