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87回国会参議院1979/02/27

文教委員会 第4号

発言数
213
登壇者
11
会派数
5
開催日
1979/02/27

会議録

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十六日、塩見俊二君が委員を辞任され、その補欠として山本富雄君が選任されました。     —————————————

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 教育、文化及び学術に関する調査中、文教行政の基本施策に関する件及び昭和五十四年度文部省関係予算に関する件を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 文部大臣の所信を聞いたり読んだりしまして、内藤さんまでがあらかじめ用意をされたところの官僚の作文をお読みになったかと思うと、若干期待外れの感がいたしたんでございます。キャリアのある内藤さんですから、きっと内藤さんの立場に立ったところの、大臣としての立場からの何か含蓄ある所信表明が実は聞かれると思って、期待を申し上げておったんでございますけれども、期待外れの感がいたしたわけでございますが、それはあながち私一人じゃないんじゃないんだろうかと、こう思います。しかしまた、私はやはりがんじがらめの官僚機構の中での所信表明ですから、それはせんないことだと思いますけれども、質問によってまた大臣の含蓄あるところのいろんな問題が聞かれるんじゃないだろうか、その点を非常に期待をしながら、これからいろいろ御質問を申し上げたいと思います。  私がまずお聞きをしたいと思っておりますところの重要な一つは、所信表明にもありますところの創意、創造力豊かな心身ともに健全な児童、生徒の育成という、この教育の基本的な問題に関することでございますけれども、最近私、朝起きて新聞を見るのが実はこわいんです。それはもう御承知のように、毎日のように子供の自殺の問題、あるいは強悪という言葉がそのまま当てはまるような子供の非行の問題が報道をされておるわけでございまして、これは教育関係者のひとしく持っているところの感じじゃないだろうかと、このように思うのでございますが、私はそれほどまでに最近の子供はなぜ死を選び過ぎるんだろうか、死に急ぎをするんだろうか、あるいはまた、なぜこのように子供とは思われないような強悪な非行が続くんだろうかということに非常に胸を痛めておるわけでございますが、これは単に学校教育の問題だけじゃなくて、家庭教育あるいは社会教育全般にかかわるところのきわめて重要な問題だと、このように思っておるところでございますが、最近の一連のこういう問題に対しますところの大臣の御感想、そこらあたりを一応お聞かせ願いたいと思うんです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私も宮之原先生と同感でございまして、毎日新聞見るのこわいくらいです。必ず自殺が出てくるんですね。私はどうしたもんだろうかと思っているんですが、これはいろんな原因が重なっておると思うんですが、一つは、やっぱり子供が試験地獄で、いわゆる学歴偏重社会ですね、こういうものが一つの原因ではなかろうか。  それから、生命軽視の社会的風潮、やっぱり子供のときから私はもっと鍛えてほしいと思うんですが、何かこれはいろいろテレビ等の影響もあるんでしょうけど、何か簡単に死んでしまうというようなことはよくないので、私も子供のときに、四里の山道を毎日学校へ通ったけど、死ぬなんという気は起きなかったです。やっぱりがんばろうという気でがんばってきたんですけど、このごろの子供たちは、やっぱりせっかくこの世に生まれたんだから、生きがいのある人生を送りたいという、そういう何かたくましい気持ちが私は欠けているんじゃなかろうかという感じもする。  さらに、学校教育、家庭教育いろいろあると思うんですが、やっぱり学校教育で、先生と生徒が本当に親しみ合うこと、それからお友達がいないんですよ、さびしいんですよね。ですから、やっぱりお友達をたくさんつくって、そしてお互いに励まし合っていく、そういう何か学校環境が十分でないんじゃないんでしょうかという点もある。それから、先生もお忙しいでしょうけど、私はやっぱり人間の生きがいはりっぱな子供をつくることだと思うんで、これが将来本当に一生涯恩師として尊敬されるような先生になってもらいたいの。それで、子供をめんどうを見てもらう、そして子供はお互いに励まし合っていくということ、やっぱり教師と先生との接触というか、密着、そういうものの深さを私は深めていただきたいということが一つ。  それから、最後はやっぱり家庭教育で、家庭がやっぱり何としても円満でなければいかぬから、夫婦がけんかしたり、別居したりすると子供はひねくれてしまうんですよね。だから、私はやっぱり家庭がいい教育をしてもらいたい。そういう意味で、特に家庭学級とか、文部省でも総合ゼミナーとが、いろいろ家庭婦人に子供の教育について理解を持ってもらいたい。昔は宮之原さん御存じだと思うんですが、あなたも、私もそうですが、大家族ですよ。おじいちゃん、おばあちゃんから孫まで一緒にいたの。そういう家庭生活を送ったが、このごろはみんな夫婦だけで、しかも夫婦共かせぎのような家庭ですから、どうも私はやっぱり子供が親に対する何か親しみが少ないんじゃないかなという心配もしているわけなんです。何といっても家庭が円満で、これからの将来は結局子供なんだから、りっぱな子供をつくるということに親が、お仕事もお忙しいでしょうけれども、子供にやっぱり生きがいを感じてもらいたいんですね。ですから、いろいろな原因が重なり合っていることで、ですから、どれ一つというわけにいかぬけれども、私は一番大きいのは、何といっても学歴社会、生命軽視の社会的風潮、そういうものが根本にあるけれども、さらに学校教育、家庭教育はよくしていただきたい。お互いに、やっぱりこの世に生まれてきた以上は、生きがいがある、そしてたくましい人間になって、国際的にも信頼され、尊敬されるような人間、資源小国日本の将来はそれしかないんですから、外国人ともっとこれからも交流をよくして、国際的に信頼され、尊敬されるようなりっぱな人間になってほしいというのが私の心からの念願でございます。どうぞひとつよろしくお願いします。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大臣、一気にしゃべられたんですが、これからぼつぼつお聞きしたいと思うので、もう少し章を分けてお聞きいたしますから、系統的にまたお聞かせを願いたいんです。  また自殺問題に関する件ですけれども、二月の二日ですか、衆議院の予算委員会で、新聞報道によりますと、この子供の自殺問題に触れまして、大臣は、最大の原因は家庭教育にあるんだと、こういうことを御答弁をされたというふうに新聞には出ておるんですが、だとすれば、家庭教育の面でどういう打開策を考えておられるか、ちょっとお聞かせいただきたいんですよ。というのは、いま大臣がお答えになられた点の、いや昔は大家族主義であった、どうだこうだという、昔のいいことばかり並べられたって、いまの核家族化という時勢、あるいは共働きをしなければ生活ができないというこの現実なんだから、それを昔のような大家族主義に帰したらどうだとか、あるいは共かせぎを何とかどうというところにこの解決策を私は求めるわけにはまいらないと思いますよ。それだけに、家庭教育の問題について非常に大きな問題があるんだと、こう言うならば、そこのどういう点をじゃ解決策として考えておられるのか、その点ちょっと大臣からお聞きしたいんです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いや非常にむずかしい問題ですが、私は家庭教育だけ言ったわけじゃないんです。学校教育にも責任がある。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いやいや、私の質問は、家庭教育にあると言われたんだから、家庭教育についてはどうお考えになりますかと、こう聞いておるんですよ。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) それはおっしゃるとおりですが、家庭教育というのは、一つは、私は家庭が円満でなきゃいかぬと思うんだよ。それから、親というものは子供をやっぱり信頼しなきゃいかぬと思うんだね。どうも親が子供を、特にこのごろは勉強ができないからとしかったりしているんだけれども、私はもっと子供を信頼してほしいと思う。そして子供の長所を伸ばすこと。数学ができないから数学をやれと言ったって、できないのはしようがない。私は何でもいいから何か取り柄のある子供に育ててほしいの、長所を伸ばすような子供ね。親がもっと信頼してやってほしい。それから、家庭が円満でなきゃいかぬね。やっぱり夫婦げんかばかりしていると、子供に非常に私は悪い影響があるから、家庭が円満であることが第一。そうしてきょうだいが大ぜいいれば、きょうだいが仲よくしなければならない。きょうだい同士けんかばかりしていてはしょうがないから、きょうだいは仲よくしてもらいたい。ですから、お兄ちゃんは弟や妹を大事に育てるような、そういう気持ちになってもらいたい。ですから、家庭教育と一口に言っても、私はなかなかむずかしいと思いますけれども、要するに家庭が円満で、そしてみんなでお互い仲よくするという、そういう間、そして子供たちの長所を伸ばすこと、取り柄を伸ばしてやるようなことをみんなで工夫してほしいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 何か大臣の話聞いておりますと、大臣の一番好きな教育勅語の「夫婦相和シ朋友相信シ」ばかり言っておられるけれども、私もその重要な要素は否定はしませんけれども、少なくともやっぱりいま子供の問題と関連して言うならば、家庭教育の面で私は子供を甘やかし過ぎている、過保護といいますか、そういう側面と、それからまた親の方が余り子供に構わないという放任的なこの一つの傾向というのが、私は非行の問題も加えて一つの問題点じゃないだろうか、こう思うんですが、その点はどうなんですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) やっぱりお話のとおり、確かに子供を甘やかしていますよ、ですから、もっと子供を鍛えることをしなければいかぬ、鍛えてないんですね。ですから、やっぱり子供を鍛えることがそれは大事だと思うんで、やっぱりつらさに耐えていくという、いやなことでも一生懸命努力するような、そういうことが大事だ。おっしゃるように甘やかし過ぎちゃいけないと思うんで、それは私はいけないと思うんです。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 どうも修身教育でありませんけれども、徳目をたくさん並べられておるようですが、それはぼつぼつお尋ねしましょう。  そこで、警察庁の方来ておられますか——最近の一連の自殺問題について、毎年調査報告を警察庁としてはまとめられておりますが、これ一昨年の報告は見たことはあるんですけれども、昨年度のものはどういうふうな傾向、あるいは年齢的、あるいはその動機、そういうものをとらえておられますか。そこらあたりの調査報告あったらお聞かせ願いたい。

古山剛警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(古山剛君) 実は昨年につきましては、まだ年間統計が出ておりませんので、上半期の数字で申し上げたいと思うわけでございますが、一昨年の上半期の半年間の二十歳未満の少年の自殺は、四百二十一名だったわけでございますが、昨年の上半期は四百五十三名、三十二名の増加でございまして、七・六%の増加率ということになっております。年齢別に見ますと、十八歳、十九歳、十七歳といったところが多うございまして、大体年齢が高い方が多いという傾向になっております。  それから、原因、動機別でございますけれども、一応私どもの方で調査いたしました限りでの結果でございますけれども、四百五十三名中、学校問題、学校関係が一応原因、動機ではないかと思われますのが百三十一名で最も多くなっております。それからその次に男女関係七十二名、それから病苦——病気を苦にしてというのが五十名、それから家庭問題四十一名、そういうような順序になっております。  以上でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 一昨年の十月発表された、これは五十一年度のやつだと思うんですけれども、ここを見ますと、いま御答弁いただいたところのあれですか、十八、九歳が多いということになると、大体高校卒業したその前後が多いということですね。そうすると、一昨年のおたくの報告書を見ますと、十六、十七、言うならば高校生の年代が一番多いように一昨年の統計ではおたくは出しておるんですが、それが今度は年齢が高くなったということになりましょうかね。どうもいろんな新聞を見ていると、むしろ高い年齢がだんだんだんだん低年の方に傾向としてふえてきたというのが新聞のいろんな報道の要素なんですがね。おたくの報告によりますと、一昨年よりも年齢が高いというふうに見えますがね、そうなってるんですか。

古山剛警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(古山剛君) 年齢別に見ますと、一番最初に私ども統計をとりましたのは、五十二年度の統計が一番最初だったわけでございますが、そのときから年齢別に見ますと、大体十八歳、十九歳が最も多くて、あと十七歳、十六歳、十五歳という順序になっておりまして、それで昨年の上半期もやはり同じ傾向で、年齢の高い方が多いと、そういう傾向が続いているように思うわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうするとこの動機の問題は、一昨年の統計も確かに学業問題で二七・五%、異性問題が一三・三%という数字を挙げられていますがね、大体こういうことは、いま上半期の、昨年のやつも大体同じ傾向ですか。

古山剛警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(古山剛君) ほぼ同じでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 続いて、総理府の青少年対策本部の方来ておられますね。  お聞きいたしますが、何か新聞報道では青少年の自殺問題に関する特別懇談会を設けたと、きょうの新聞あたりは何かきのうやったみたいなことを言うてるんですがね、ちょっと報告を願いたいんですが、どういうような目的で持たれて、どういう会合をして、これをどういう方向へ持っていかれようとするのか。何かまた新聞報道に関する限りしか知りませんけれども、何か皆さん通達を出されたみたいなことも出ておるんですがね、これはどういうことですか。

菊池貞二総理府青少年対策本部参事官

○説明員(菊池貞二君) 先生のお話しのように、青少年の自殺問題に関する懇話会というものを、昨日第一回目の会合を開きました。これはことしの一月の二十日ごろから青少年の自殺が相次ぎまして、それにつきましても私どもの三原総務長官も非常に心を痛められまして、これにつきまして何かそれを解決する、あるいは対応策、そういったものが専門家の方々から聞けないであろうかということでこの懇話会を開いたのでございます。  それから、先生のお話にございましたが、やはり一月の二十日以降青少年の自殺が非常にふえましたということもございましたものですから、関係の省庁集まりまして連絡会議を持ちまして、青少年の自殺問題について検討協議を早速したわけでございます。それに基づきまして、都道府県へ指導、助言という形の通知をいたしました。  以上でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 この問題は総理府が中心になってやるような仕組みになっておるんですか、官庁機構の中では。それで、文部省はどういう立場にあるんですか。総理府の方にまず聞きたいんですが。

菊池貞二総理府青少年対策本部参事官

○説明員(菊池貞二君) 総理府は一応連絡調整みたいな形でございますので、関係の省庁と連絡協議しながら、こういった問題を取り扱っていくという立場でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 総理府としても何か通知を出したみたいに出とったが、それは御答弁がなかったんですが、どうなんですか。

菊池貞二総理府青少年対策本部参事官

○説明員(菊池貞二君) 青少年の自殺が一月二十日以降非常に相次ぎましたものですから、一月二十六日でございますが、関係の省庁集まっていただきまして、この自殺問題につきまして検討協議をいたしました。それに基づきまして都道府県へ、先生お話しのような通知をいたしたわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 どういう通達を出された。

菊池貞二総理府青少年対策本部参事官

○説明員(菊池貞二君) 細かいことを読み上げるのもちょっと非常に恐縮でございますが。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 主たるやつでいいですよ。

菊池貞二総理府青少年対策本部参事官

○説明員(菊池貞二君) 「青少年の自殺防止について」という題でございまして、各都道府県の知事に対しまして、私どもの青少年対策本部の次長名で出したものでございますが、最近自殺が非常にふえておりますと、それに対する防止策というのもなかなかむずかしいものではございますが、関係省庁連絡会議を開きましたと、また、近く専門家や有識者を招きまして、自殺防止に対する懇話会等を開くことを考えておりますということをまずお話し申し上げまして、その次に「記」といたしまして五つほど自殺防止の関係でお願いを、十分配慮していただきたいことを申し上げているわけでございます。  その五つを簡単に申し上げますと、最初の一番目は、自殺の原因、動機、こういったものをできるだけ究明し、その結果を事後の対策に資していただきたいということでございます。  二番目に、学校や家庭で生命の尊さ、生きることの意味についてよく教えていただきたい、そして青少年がみずからたくましく生き抜く知恵と力を身につけさせていただきたいということを書いております。  三番目に、学校の生徒指導や、行政機関、団体等が行う少年相談、教育相談、児童相談等の充実に努めていただく。問題の青少年の早期発見と保護を図っていただきたい。  四番目に、青少年の団体加入の促進活動、あるいは健全な家庭生活の普及活動を通じて、青少年のひとりぼっちをなくし、親子の心の交流と対話を促すようなことを進めていただきたい。  それから五番目に、マスコミ関係業界に対しまして、生命の尊厳を軽視するような題材の取り扱いや、自殺の引き金となるような報道等をできるだけ控えるよう協力をしていただきたい。  以上五つでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 わかりました。  その団体加入の促進というのはどういう意味ですか。ちょっと中身をお聞かせ願いたいんですがね。

菊池貞二総理府青少年対策本部参事官

○説明員(菊池貞二君) 青少年の関係するような団体というのは、先生御存じのように、ボーイスカウトとか、ガールスカウトとか、いろんな団体がございますが、そういった団体に参加いたしまして友達をつくり、ひとりぼっちの生活をなくしていただきたい、こういう趣旨でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 きょうの新聞によりますと、また文部省も通達を出したみたいですね、通知をね。新聞報道しか知りませんが、そのポイントをちょっとお聞かせ願いたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 文部省のうちでも初中局として、青少年の自殺問題の具体的中身としては、小学校から高等学校の生徒が非常に多いということで、文部省では、警察庁等で調査をなさっておりますけれども、文部省としても各県の教育委員会、市町村の教育委員会に実態をよく把握していただいて、十分注意を喚起するという意味で、文部省なりの調査を毎年やっておるわけでございます。そこで、その五十三年度の調査というのがまとまりましたんで、それを各県の教育委員会に連絡すると。そして、いま総理府の方からお話がございましたように、青少年対策本部の方でも各省庁のこの問題に対する連絡調整という立場もございますから、それと連絡をしながら、たまたま総理府の本部の方でも通知を各知事あてに出しておりますんで、私の方は、いまの文部省独自の調査に加えて、総理府の知事あてに出した通牒を一緒にしまして、県の教育委員会あてに流しまして、その趣旨の徹底を図っていただこうと、こういうことでやったわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ちょっと新聞のあれですけれどもね、私はそういうのを出しておったら、本委員会にも資料を出してもらいたいと思うんですがね。資料を要求しておきますがね。ただ、こう見る限りは、中学生は家庭の事情が大きな原因、高校は学業不振が一五・三%だと、小学生は余りわからぬと、こういうことに報道されておるみたいなんですがね。そうすると、先ほどちょっと警察庁の話、あるいは一昨年の警察庁のいろんなものを調べてみると、どうもやっぱり学業関係が多いみたいです。文部省のものはこの中学あたりを見ますと、家庭問題に最大起因するみたいにこう出ておるんですがね、こういう問題にはそごはないんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは私たとえば火事なら放火だとかガス漏れだとかいって、わりに、それでもわからないのが多いでしょうけれども、ありますけれども、自殺の問題というのは、原因を一つの原因に決めて言うこと自体が非常に無理じゃないか。一人一人の子供の、新聞報道なんか見ましても、家庭の問題も、学業の問題も絡んできているというケースが非常に多いと思うんですね。だから、文部省の調査でも、家庭事情とか、学業不振とかありますけれども、一番多いのは原因不明ということになっているわけです。これはまあそういう調査をどう評価するかという問題はありますけれども、私は、実態としてはこういう調査になっていますということが、むしろやはり各県でこれにそれぞれ対応する態度なり、原因の究明なりについて、またいろいろ検討してもらうという意味でやむを得ないんじゃないかというふうに思っているわけです。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、これはどこが一番中心になってやっているかわからないけれども、文部省は文部省で調査をし通知を出すわ、警察庁は警察庁で調査をしてデータを出すわ、総理府は総理府で調査をして通知は出すわで、私はこの問題を主として取り扱うところの所管官庁って一体どこなんだろうか、総理府というかっこうでいいんだろうかどうかなという疑問も持つ。本来ならば、皆さんがやっぱりこう集まってもらって、そこでそれぞれの各省の持ったところのデータを出し合って、そこで十分論議をし、その中から政府としての一つの問題点はここにあるんだから、総合的にこうしようというかっこうでなければ、何かそれはそれぞれ皆さんのなわ張りかもしれぬけれども、非常にちぐはぐの感を受けるんですね、率直に申し上げて。  端的に申し上げるならば、それはそれぞれの家庭教育の面、あるいは社会教育の面、学校教育の面がありましょうけれども、総合していけば教育それ自体の問題なんですよ、これは。広義の教育の問題なんですよね。そうすれば、少なくともやはりこの問題については、文部省は関係各省と十分やはりいろんなデータや、統計というものを話し合ってもらって、どうすればいいかと。それを社会教育の面ではこうしてもらいたい、家庭教育の問題はこうしようじゃないか、学校教育の中ではこれを生かそうじゃないかと、こういうことがない限り、いままでのお話を聞きながら、それは非常に関心を持ってそれぞれ手だてをしていただくのは結構だけれども、毎年同じようなかっこうばかりですよ、これは。何かこれほど大きな問題になっている痛ましい問題に対して、それぞれ年間行事として、ただ慣習的にやっているみたいな気がしてならないんですね。私は、やっぱりこの問題をそういうふうにばらばらじゃなくて、もっと総合的、立体的に扱うところの場を、文部省あたりがイニシアをとってやるべきだと思うんですがね。その点大臣どうお考えになりますか。何か、先ほどの総理府は何か懇話会を開いて、いろんな学者の先生集まってもらって、きのうから持ち始めたという新聞も報道されると、しかし、文部省がこの問題についてイニシアをとったということは余り聞きません。それはそれぞれの官庁の所管はあるだろうけれども、これは事教育の問題じゃないでしょうかね。教育というのは、私は学校教育ばかりじゃないと思いますよ。そういうものの、やっぱり所管の行政府としての文部省がイニシアをとって、積極的にやはりこのような問題については、総合的な私はやっぱり対策を立てるところの重要な教育上の問題だと思うんですね。それどうお考えになりますかね、大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) お説のとおり、これほど大きな重要問題は私もないと思っております。ただ、文部省としての、いまいろいろ局長が申しましたように、調査、これも完璧じゃ私はないと思うんで、警察庁は警察庁で、関係各省がやっぱりいろいろ調査してくださっているわけですから、そういう意味で、総理府が総合まとめの官庁になっているわけですから、原因を究明して、問題点を解明していくと、その結果を文部省としては尊重したいと思うんで、私は今度の総理府のそういう機関は必要だと思っているんです。文部省だけでやれといったって、なかなか十分な調査も行き届かないと思うんで、そういう意味で各省から協力し合って、これだけ大きな問題はないと思うんです。そういう意味で協力し合うと、それから、おっしゃるように、学識経験者をまじえて、いろいろと御意見も伺い、そして、総合的な対策ができて、その上で文部省はやるべきことはたくさんあるわけですから、文部省として、いまお話のように、どうしたら自殺がなくなるか、真剣に考えていきたいと思っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私はそれぞれの省が、関係官庁やるということは否定しませんよ。ただ、それをやったものはやっぱり政府という一つの意思統一の機関があるのだから、そこの場で、やはりそういうデータ、いろんなものを持ち寄って、問題の本質は何かということでやって、通達も、通知もやっぱり一慣性のあるものにしてもらわなければいかぬですね。総理府は総理府で通知を出すわ、文部省は文部省で通知を出すわ、それでいま話を聞きますと、総理府の通知はマスコミ関係がどう、あるいは関係団体と協議をして云々と、こう出ている。文部省の正確な通知は見ていないですけれども、知る限りでは生命尊重の教育をどうせい、こうせいというものが主体だと、こう出ておるのです。これは私はばらばらじゃいかぬのじゃないかと思うんですがね。まさに私はこの問題は、ばらばら行政の典型的な要素があるから、毎年たって同じような通知を繰り返すだけになっちゃうと思うんです。少し一歩進めて、ぼくはやはり大臣あたりが閣議で発言でもされて、この問題をもっと総合的に関係大臣でも集まってやるくらいの、対策を立てるぐらいの積極的な意欲を示されてはどうかと思いますが、いかがなもんでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) せっかく総理府に審議会ができましたので、私はいましばらく総理府の審議会の様子を見て、その上でお話しのように、もっと真剣にやらなければならぬと思っていますから、せっかく関係各省が集まって、いま衆知を集めているところですから、しばらく様子を見さしていただきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 審議会じゃないでしょうが、連絡会という話です、さっきのお話は、各省皆さん集まって連絡会やりましたと、それで学識経験者は懇話会と言うのですよね、きのう初めてのは。だから大臣が握っておるような審議会なんて考えられていないんですよ、これは、率直に申し上げて。子供たちのこれは生命の問題、後から触れますけれども、非行の問題も絡んでおるところの問題で、私はそうのんびりできない問題だと思いますよ。それは、いまの御答弁はそつのない無難な答弁かもしれませんけれども、官庁用語としては。しかし、私は内藤さんに期待したいのは、よしおれの時代にこの問題については、もっと実効あるように総合的なものをやってやろう、この意欲を内藤文部大臣時代に確立したのだというくらいの、やっぱり一つのあれをやっていただいてもいいんじゃないかと思いますがね、これ。教育一筋四十年のベテランでしょう、おたくは。その素人文部大臣でないあなたの時代に、私はやっぱりこの問題を、いま申し上げた角度からイニシアをとってやるべきだと思うんですがね。やっぱり審議会の経過を待ちますか、審議会じゃないんですけれども、どうでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 文部省は文部省として独自で一生懸命やります。ただせっかく審議会ができましたんですから、各省の御意見もよく伺い、学識経験者の意見も聞きながら、それは尊重して、しかし、文部省としては文部省独自の立場がありますから、お話しのように、これほど大事な問題はないと思いますから、文部省も真剣に取り組んでまいりたいと思っています。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これはまた期待外れですわな。これ審議会じゃないとおっしゃっているのですから、あなたの理解違いじゃないですか。これは各省の連絡会議ですよ、関係あるものが集まって。そうして学識経験者のものは懇話会ですよ、これ。だからおたくが理解されておるような総理府の審議会という普通の審議会じゃないんですよ、これ。まずその点から理解しておいていただかなければ、肝心かなめのあなたがこれは審議会だというふうに理解されているところにも若干認識不足があるんじゃないでしょうかね、これは。もう少しこの問題について私は積極的な意欲を示してもらいたいということを強く御要望申し上げておきます。単に通知を出せばいいという問題じゃないんですからね。  それで私は、先ほど申し上げたように、この問題はやはり教育それ自体の問題なんですよ。  これは去年のある週刊誌でしたね、子供を自殺させない十の急所とか何とかというのを編集をしておりましたが、この中身はなかなか私どもには考えさせられる要素があると思うんですよ。ただ、大臣のおっしゃるように、夫婦仲よく云々という問題じゃないんですよね。もっともっとやはり子供たちの持っているところの急所を、えぐったところのいろんなところの問題を示唆しておりますわな。あるいは最近、ある新聞は、中学生、高校生を評するところの言葉の、かつての三無主義じゃなくて、いわゆる三ず主義だと、こう言っている。これは何かというと、勉強ぎらい、いわゆる学ばない、それから塾に追われておるのか遊びを知らない、遊ばない、それから何か親の手伝いをしようとすると、おまえは勉強せい、勉強せいと、こう言うものだから働かない、いわゆる三ず主義だと。この三ず主義を克服しない限り、三途の川を渡るのを防ぐわけにはまいらないだろうと、こういう物の言い方をしていますがね、私は、やっぱりこういう物の見方ということも非常に私は正鵠で、傾聴すべきところの問題があると思うんです。したがって、私は、大臣、単なるおざなりに、いや、それは家庭が悪いんだ、家庭教育だ、夫婦仲よくしろ、あるいはどうだということじゃなくて、もっともっとやはり、子供がなぜ自殺をするか、言うならば、やはり子供の世界に大人が飛び込んでいって、どこに問題があるかという、そこをえぐり出して対策を立てない以上は、一片の通達だけでこの問題は防げない問題ですよ。私はそこらあたりが文部省のさっきの通知を見ましても、総理府の通知を見ましても、一つの問題の、本質的な問題に突っ込んでいって、それを克服してやろうという積極的な意欲が見えぬですよ。ただ国会で言われたら何か都合が悪いからとか、あるいはこういう問題は何か通達を出しておかなければならぬという従来の惰性の上に立ったところの通達行政じゃないでしょうかね、率直に申し上げて。もっともっと、すでにマスコミ関係で、これらの問題についての問題点というものをたくさん出しておるんですから、そういうやはり問題点を洗い出して、どうすればいいかという問題を私はやっぱり文部行政の責任者としては真剣に検討すべきところじゃないかと思いますし、これはまた、総理府にもその点は単に通達を出しさえすればいいということじゃなくて、もっともっと奥の根深いものは何かというものを引き出して、それに対応するところの対応策を立ててもらいたいと思うんですが、その点、どうお考えになりますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) まことにごもっともでございまして、やっぱり子供たちの生活環境によっていろいろ違うと思いますから、やっぱり子供がどうして自殺ということに走るのか、そういう問題についてやっぱり真相究明が私は根本だと思うんです。ですから、そういう意味で、これには文部省の役人だけじゃだめなんで、やっぱり子供を扱っていらっしゃる学校の先生方のよく意見を聞いて、真相を究明して、それからお話しのように対策を立てなきゃならぬと思っていますが、いま、いろいろの言われておる問題がありますから、そういう問題についても改善し、そしていまお話しのように、子供の自殺の原因を究明して、二度とそういうことのないように、文部省としても最善の努力をいたしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それなら一出された通知にもっとそういう点をきちっとして、出し直せとは言いませんけれども、追加でもしてやってもらわなけりゃ、生命尊重の教育をやりなさいぐらいでは事済まぬじゃないでしょうか。関係団体と話し合って予防策を協議しなさいでは。もっともっとこの問題については、私はやっぱり通知というものの中で指導性のあるものを出していだだいて、やっていただいていいと思うんですがね。それを出したからといって悪いと言う人は私はだれもおらぬと思いますよ。ぼくらから見れば、まだくつの裏からちょっとなでておるみたいな感じしか受けませんよ、両方の通達を拝見する限りにおいては。ちょっとやっぱり積極的なこの問題についての意欲を見せていただきたいんです、これは。  そこで、文部省の通達、通知とも関係あるところのこの学習指導要領と、これとの関係の問題なんですが、私はここに小学校の指導要領を持ってきておりますが、確かにこの指導要領のところどころにも、特別活動の目標、あるいは指導の中に、この「指導計画の作成と内容の取扱い」、いろいろと出ておるんですよね、この問題について。それで、いろんな手だての問題として、「望ましい集団活動を通して、」云々という形が出ている。ちょうど総理府の言った団体に加入しなさいというものと関連をしてこれは書いてある。しかし、どうもここを見る限り、文部省のこの指導要領の中身というものは、それは学校教育の側面だけからでしょうけれども、学校や学級の実態を考慮し、適切にこういう問題については定めなさいとか、あるいは儀式には日の丸の旗を出しなさい、国歌「君が代」を歌わせなさいとか、たくさん出ている。一定のそつのない出し方だけれども、こういう問題に対してどうすればいいかという、この学習指導要領を出されたところを見たって、もっと積極的なその面での対策というものは、私は、これはきわめて不足だと、こう思うんですがね。一年ほど前でしたか、ある新聞社の社説に、第二の教育システムというものの社説があったですよ。読まれたと思いますが。それは第一の教育システムを学校教育とするならば、社会教育の面を非常に強調したようなかっこうで、子供の集団生活の問題と関連したところのいろいろな問題点が出ておるんですが、私は、少なくとも学校教育の指導要領を出すにしても、その中におけるところの社会教育の関連の問題等は、こういう問題については、きちっと位置づけるべきだと思うんです。ことにこの問題が起きてみれば、強くそのことを感ずるんですが、その点は初中局長あたりどう思うんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 学習指導要領は通常の学校教育活動全般における健全といいますか、子供の成育を願うという意味で、たとえば、道徳の指導項目のたしか一番最初にあったと思うんですけれども、生命の尊重というのを非常にうたっておりますし、社会などでも同じような書き方をしております。そして特別活動で、いま御指摘のように、みんなで共同して学級生活を向上させる、いわば一般的な教育活動の目標なり、内容を定めておりまして、言ってみれば、そういう自殺といったようなマイナスの面を特に学習指導要領に定めておるわけではないことは御承知のとおりでございます。そこで、そういった問題は、学習指導要領の問題というよりも、個々の生徒指導なり、学生生活のあり方というようなことで、言ってみれば、その指導要領自身には抽象的に書いてありますその中身を、さらに具体的なケースとしてどういうふうに深めていくかという指導になるわけでございますので、いまのような問題は、私どもは、生徒指導の手引きとか、あるいはカウンセリングの問題ということで、別に、それぞれ、講習会なり、指導書の作成というようなことをやっておるわけですけれども、おっしゃるように、特にこういう自殺の問題等はいま非常に大きく取り扱われておりますので、この際さらにそういう面での具体的指導をどうしようかということは、大臣も御指摘ありましたように、われわれとしてはもう少し何か方法はないかということで、いまいろいろ検討していると、こういうことでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 たとえば、指導要領の中に、遠足とか、旅行的行事という項目がありますわね。しかし、それも一つの枠の中から一歩も飛び出てないんですがね。少なくとも私は、先ほども申し上げたように、これを一歩進めた形のものと関連をさせて、文部省としてどう指導するかという、これなども私はやっぱりきわめて重要な要素だと思うんですよね。たとえば、いまさっき局長の方からは道徳の時間の生命尊重というものを言われた。確かにこの新指導要領の中にある。二十八項目の第一項にあるんです。それっぽっきりですよ。しかも、ここのところはどうなるかというと、自他の生命の尊重云々とあるのは、高学年において教えなさいと言っている。いまや最近の方向は、子供が衝動的にぱっとやるというのは、低学年まで一つのはやりみたいにはやっているでしょう。低学年は少なくともそういう指導方針はないんですよ。ここらあたりも、これは心理的に高学年だけしかありませんでしたということだったかもしれぬけれども、私はちょっといまの事情から見れば大きな違いだと思うんです、これは。したがって、こういう問題を考えてみましても、もっともっと積極的にこの問題についての実際の指導の面というものを私は評価しない限り、手だてをやはり学校教育の面でも講じない限り、なかなか防げないんじゃないかと思いますよ。先ほどから何回も申し上げますように、学校教育だけの問題ではないにしても、社会教育も、家庭教育もありますけれどね、同時に学校教育の受け持つところの分野というのは大きいんですからね。そこらあたりの不十分なところは、みなさんこれを補っていくところの手だてを早急に講じる必要があると思うんですが、いかがなものでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 繰り返しになりますけれども、学習指導要領は教育活動の基本的な考え方を示したものでありまして、特に今回の改正では、なるべく細かいところに立ち入らずに、具体的指導の方法、内容は、学校の実態、子供の実情に応じて、先生に工夫してもらいたいというところにあるわけでございますから、先生おっしゃるように、その生命尊重の問題も、低学年では健康の問題危険から身を守る問題、高学年に入って自他の生命の尊重というふうに入っていくという、これは私は指導要領の原則としてはそれでいいんだと思いますが、やはり先生の方がそういう場合に、自分の学校の実情等を見て、子供の自殺が低まってくる、あるいは身近にそういうケースがあるといえば、さらにそういうことを敷衍してやっていただくというのは、私はこれは先生としても当然に工夫していただくことであって、そういう学校、あるいは先生のいろいろな実態に応じた配慮というものをしていただくということはもちろん必要だと思います。そうかといって、いまおっしゃるように、それじゃ文部省は何もせぬでよろしいかと言えば、やはり指導要領の次の次元として、いまの各地の資料の作成なり、講習会なり、そういう面で実情に応じた、さらに深めた指導をしてまいりたいと、こういうふうに思うわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 何も私は言葉じりをとらえるわけじゃないけれども、学校の先生は正直ですから、読んでごらんなさいよ。低学年は自分の健康とか、交通事故から守る、危険から身を守ることだけ一生懸命教えなさいと書いてあるんです。それで中学年も、「自他の健康・安全に努めること」、「高学年においては、更に」と書いて、その上に一つ加えなさいということしか書いてないんです、これは。それを学校の実情においてと。こういうのが一つの社会風潮になっておるそこの時期において、学校の実情において考えなさいという、そういう消極的なことでいいでしょうか。とうとい命の問題ですからね。むしろこういう問題あたりも、私は足りない点は足りない、したがって、今後指導の面で補強しますという形で万全を期してもらいたいと思うんですが、いかがなものですかね、これ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私もへ理屈を言うわけではないんで、指導要領一般の考え方を申し上げたんですが、おっしゃるように非常に大切な問題ですから、今後指導要領にとらわれずに、おっしゃるような趣旨の指導を徹底するようにいたしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 なお、私はこの問題は、先ほども大臣が冒頭に言われた学歴偏重、受験競争の時代の一つのやはり子供たちへの精神的な圧迫というか、圧力というか、これが非常に影響しておるということもこれは否定できない厳然たる事実です。それだけに、根本はやはりそこをやらない限り、それはいままで私が論じてきましたように、生活指導の面だけではこれはどうにもできない問題なんです。ここのところは大臣も異存はないだろうと思う。したがって、根本はそういう問題を、今後積極的にやっぱりやっていただくところの姿勢を、政策の問題で強めてもらいたい。残念ながらそういう問題については、所信の中にも非常に不明確であったから私は申し上げておるんですがね。  なお、非行の問題にしても私は大なり小なり同じじゃないだろうかと思いますが、これは警察庁はこの少年非行の問題についてのいろいろな補導の指針というものをお持ちだと思うんですが、どういうものをお考えですか、まず警察庁からお伺いします。

古山剛警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(古山剛君) 私どもの方では、非行少年に対しましては、できるだけ早く発見するということが一番肝心だということで第一線を指導いたしておるわけでございます。やはり非行に落ちかかった少年をその段階で補導いたしますと、立ち直りが早いし、またその確率も高いわけでございますけれども、不幸にして発見がおくれました場合にはなかなか立ち直れないで、むしろだんだんと深みにはまって、凶悪な犯罪を犯すようになるという傾向がございますので、早期に発見するということを基本的な方針としてやっているわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 総理府では、この問題の対策は具体的にどういうようなあれでやっておるんですか。

菊池貞二総理府青少年対策本部参事官

○説明員(菊池貞二君) 総理府におきましては、中央関係では私ども先ほど申し上げましたように、関係省庁の連絡等をとっておるわけでございますが、地方におきましては、補導センターというのが各地方にございますが、そういったところを中心といたしました補導活動、そういったものに対する補助とか、あるいは環境浄化のための地域住民の啓発と実践活動、そういう直接的な非行防止対策をしているわけでございますが、そのほかに、先ほどちょっと申し上げましたが、青少年をひとりぼっちにさせないということで、団体へ青少年を加入させるとか、あるいは社会参加をするとか、そういった活動の促進、私どもでは健全育成対策という言葉で呼んでおりますが、そういった対策もやっております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 文部省は、この問題についてどういう手だてを具体的にいま指導されておるんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) この非行の防止という点については、昨年に教育委員会あてに初中局長と社会局長連名で通知を出しておるわけですけれども、その趣旨は幾つかございまして、一つは、とにかく子供が非行に走るというのは、学校生活自体について積極的に学校生活を楽しく勉強しようという、そういう方に子供を指導していく、そのためにはできるだけ教師が一人一人の子供に心の触れ合いを持って接触してもらいたいと。あるいは学校教育の活動の中におけるいまの生命の尊重とか、あるいは社会規範の遵守といったような点の教育を十分徹底させてほしいと。それから三番目には、一人一人の子供の実態把握、先ほど警察庁の方からもありました事前に非行を防止する手だてとしての子供の観察指導というものを十分にやっていただきたい。それから、学校の場合を考えますと、やはり一人一人の先生が非行防止にばらばらに努力するんではなくて、学校全体としてそういう組織を持って生徒の指導を徹底してもらいたい。それから、やはりこの問題は、学校だけでなしに家庭との連絡、家庭教育のあり方というものと深く関連するわけでありますから、そういう意味で家庭との連絡を十分してもらいたい。それから最後に、いまの警察庁やその他関係各方面との末端においても情報の交換、連絡というものを十分やってもらいたいと、大体そういう趣旨で通知を出しておりますが、そのほかにも、たびたび申し上げますように、県の指導主事なり、代表の先生なりにお集まりいただいて、カウンセリング講座だとか、生徒指導講座とか、あるいは各種の資料の作成と、こういうようなことでケース的にそれぞれの非行の事例などを取り上げて検討してもらうというようなことを深めてまいっておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これまたそれぞれの関係各庁からお聞きしたんですが、私はいまそれぞれ言われたところの面も大事だと思うんです。しかし、私はもっと大事な問題があんじゃないかと思う、特に学校教育の面においては。単に観察指導を十分やりなさい。悪いことをしなさんなと言うことだけで、あるいは家庭との連絡を保つだけで一体解決できる問題でしょうか。私はやっぱりこの問題自体も学校教育の今日のあり方の問題と深くかかわってきておるところの問題だと思うんですが、その点は大臣はどうお考えになりますか。学校教育全体とのかかわりの中では。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私も学校教育全体とのかかわりはあると思うんです。一つは確かに学歴偏重の社会ですね、これは根本問題じゃないかと私も思うわけです。ですから、学校教育全体としてやっぱり検討しなきゃならぬ問題は私もあると思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大臣、学歴偏重の打破と言えば、私はもうそれで免罪符になるとは思わんですよ。それは基本はそうでしょうけれども、それならばそれをどういうふうにしたいということがなけりゃ私は困ると思う。そしてまた、それだけでは問題は解決つかないんじゃないでしょうかね。  現代青少年問題調査会というのがあるんですがね、御承知のように。これが五十一年ですね、都内の公立の中、高を対象にして調査をしておるんです、この非行の問題との関連でね。そうしましたら、中学校では一年間に一人から五人の脱落を生んだ学校が全中学の六三・三%占めている。それから、高校では二十一人以上の脱落校が三四・八%、中には百一名以上の途中脱落者ですね、これが実に二校だと言っておるんですよ。そして、この中途の脱落者、これがほとんどが非行に走っておるというこの調査結果をまとめておるんですね。そのことは私は今日の学校教育の、学校ぎらい、勉強ぎらい、あるいはついていけない、落ちこぼれという問題とのかかわりが非常にあると思いますよ。このことは昨年の一月でしたか、沖繩で開かれました日教組の教研の集会の中で、当時新聞に東京の都立の烏山工業高校の問題が大分大きく取り上げられたですね。御記憶あるだろうと思うんです。その百何名の子供をどんどんどんどん落第させて退学させたと、そうしたら学校がよくなったという報告をもとにして、一体それが教育上どうなのかという大議論になったんですね。それは御記憶だと思う。こういう問題、言うならば教育そのもののあり方の問題なんですよ。ここのところに具体的にメスを入れて解決しないで、これまたその観察をどうしなさい、こうしなさいだけでは私は解決つかない問題だと思うんですよ。したがって、この中から見ますと、それはたとえば行き届いた教育をするための一人一人の先生が、本当に子供一人一人を見られるような、学級定員をうんと少なくしていくという、この行き届いたところの教育という定員の面も私は重要なことになってくる。あるいは、学校の授業のあり方の問題について工夫を要しなきゃならないという問題もあると思うんです。そういうやはり総合的な手立てというものを私は講じない限り、これまた一片の通達だけでは解決つかないと思うんですが、それ大臣どうお考えになりますか。大臣は用心して、ばかに学歴社会ばかり言っておられるけれども、一番教育のベテランなんですからね、ざっくばらんにおっしゃってくださいよ、そこらあたりの問題を。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 確かにいままで私も見ましたけれども、小学校の教科書がむずかし過ぎるんですよ。なかなか子供が理解できない。そういう意味で、今度やっと学習指導要領の改正をいたしまして、基礎的、基本的なものに精選したわけですよ。ですから、ずっと私は子供がわかりいいんだと思うんで、とにかくむずかしくておもしろくないからつい非行に走るということは、これは確かにお説のとおり。ですから、そういう意味で指導要領の改定をしたから、しばらく様子を見さしてもらいたい、これが一点。  いま一つは、何と言っても入試制度の問題ですよ。文部省もことしから大学入試改善に積極的に取り組んだんですから、この試験地獄を何とか緩和したいと、こういう意味でせっかく共通一次テストをやりまして、近くまた二次テストが始まるわけですが、入試制度の改善をして、教育的な欠陥を是正をしていきたいと、こういうふうに考えています。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 子供の自殺の問題なり、非行の問題を多少私見を交えながらいろいろ関係当局から若干お聞きしたんですが、論ずれば論ずるほど問題は根が深いんですね。これはだれが悪いというふうに責任をなすりつけるところの気持ちは私もないんだけれども、もっともっとこの学校教育のあり方、社会教育、家庭教育のあり方という問題も、相当これは突っ込んで議論をし、その中からみんなして知恵を出し合って、方策をしぼっていく必要が私はあるんじゃないかと思うんですよ。ただ皆さんは答弁用に通達を出しました、通知を出しましただけではこれは済まぬ問題だと思う。だから私は、これは委員長にも提起しておきたいんですが、私はこの文教委員会あたりで、そういう問題をやるぐらいの小委員会をつくって、各党の党派の立場を越えて、少し議論をしてみたらどうかと思うんですよ。衆議院には大学入試改善小委員会、定数問題小委員会とありますけれども、私は参議院だからそういう二番せんじじゃなくて、一番教育の基本にかかわる今日の一番社会的なこの問題について、私はやっぱり相当時間をかけて議論をして、そこに関係官庁の皆さんも来てもらって練っていく。そういう中から、たとえば先ほど私が批判いたしましたように、ばらばらの通達行政では困るんです。したがって、政府としても統一的な問題としてこうする、あるいはここで結論が出たら、ひとつそれを建策して、それを教育行政の中に反映さしていく。学校教育の面、社会教育の面で改めるべきは改めると、こういうものもあって、それを議論する値打ちのあるところの問題だと私は思うんですがね。  大臣は、私とお互いに理事時代に大学入試問題についてまず先鞭をつけて、その問題をやろうじゃないかと提起されたことがありますね。それがいつの間にかうやむやになって衆議院にお株を取られたかっこうになってしまったけれども、私はこの問題は、本当にここらあたりで議論するところの値打ちがあると思うんですが、参議院に議席を置くところの大臣ですから、どうお考えになりますか、それをお聞かせいただきたいんですが。私はまたこれは理事会でもこの問題をひとつ本格的に取り上げで、そういう手立てを講じていただきたいと思うんですが、いかがなものでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 先生方からいろいろ御意見を伺うのはありがたいと思います。まず、文部省としても、ここに社会局長もおりますから、初中局を中心に、社会局、それから大学問題、関係各省、各局が協力し合って、どうしたらこの問題が解決するか、私どもも真剣に考えてみたいと思います。やっぱりそういう意味で、文部省としてもできるだけ家庭教育でも家庭教育学級とか、総合セミナーをやるとか、いろいろ改善をいたしておりますから、家庭教育だけじゃいかぬ、学校教育、家庭教育、いろいろな各方面からやっぱりこの問題を検討して、お説のように、こういうことの起きないように最善の措置を講じたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 委員長、いまの問題はどうしてくれますか。理事会でも十分相談していただけますか、どうですか。

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 理事会に諮って御意見を承りたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 前向きでひとつ頼みますよ。  ちょっと次は角度を変えまして、教育行政の姿勢の問題について若干お聞きしたいんですが、大平総理は先般の施政方針演説の中で、いわゆる大平政治の基調という形で信頼と合意の政治ということを非常に強調されておったんですが、大臣も大平内閣の閣僚ですが、この政治姿勢をどういうふうに見ておられますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私も大平総理のお考えには全く同感で、人間はお互いに信頼しなきゃいかぬし、できるだけ合意をできるように努力してまいりたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ、そういう御答弁だと想像はしておりましたが、ただ大臣のこの所信のこれですね、そういうところからはそういう大臣の教育行政に取り組まれるところの姿勢というものはちょっとうかがえないものですからお聞きしたんですが、それを教育行政の面で大臣が生かしていかれるとするならば、どういうところにこの問題を力点を置きながら生かそうとされておるのですか。そこらあたり、大臣のお気持ちをざっくばらんにお聞きしたいんですがね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私はどういう方に対しても謙虚に意見をお伺いして、お互いがやっぱり信頼しなければ行政は進展しないと思いますから、信頼を第一に、そして意見はいろいろ違うでしょうけど、できるだけ意見の一致を見たもので、合意をしたものから進めてまいりたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 本当に大臣はそのお気持ちで、今後大臣在任中は教育行政に当たろうという御決意がおありでしょうかどうでしょうか、念のためにもう一回お聞かせ願いたいんですが。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) その決意でやるつもりです。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いままで日本の行政は管理あって教育なしとよく言われるぐらいに、とにかく管理を強めさえすればいいんだというような、一つのやはり教育行政の姿勢があったということは私は否定できないと思いますよ。それは大臣自体教育の道四十年とおっしゃるが、私も大臣の相方として長いつき合いをしてきたからよく知っておるんですが、大臣の初中局長時代、あるいは次官時代、いわゆる勤評なり、学テなり、どうもあの時代の大臣の、それぞれの職責の立場もあったでしょうけれども、あれから見ると、いまおっしゃるように、当時信頼と合意の行政があったかと、こういうことになりますと、私は首をかしげたく率直に言ってなるんですよ。しかし、大臣はその後政界に入られる、あるいはまた大学の学長という教育の仕事もやられておる、そういう立場から、これはやはり大臣も、いま大臣が表明されたような決意で、文部大臣としてはおやりになるんじゃないだろうかということで、昔からしますと隔世の感はありますけれども、非常にやはり私は大臣にそういう決意でやってもらいたいと、こう思うんですよ。私はまた事実昨年の十二月の日教組のストライキ問題、あるいは定員問題について、大臣が処せられたところの処理ぶりを見まして、大臣は文字どおりそういうお気持ちでやっぱり大臣としてやられるんだという感を深くしたんですが、いままた大臣の改めての御決意を聞いて、その感を深くしておるわけですが、どうぞひとつ、やはりそういう方針で私は処してもらいたいと思うんですがね。そういうことになりますと、やっぱり国会運営におけるところのいろんな問題もそうだろうし、あるいはやっぱり職員団体に対するところの対処の仕方もそうでなきゃならないと思うんですが、その点はやはりそういうお気持ちで今後は処していくんだというふうに理解してよろしゅうございますわね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は職員団体にしても、これだけはお願いしたいのは、私はいつでもお目にかかりますけども、ストライキだけはやめてほしいの。これは最高裁でも問題になっているストライキですから、ストライキをやることはやっぱり生徒にも、国民にも非常に迷惑をかけますから、私は御用がありますればいつでもお目にかかりますけども、ストライキだけはやめていただきたい。  それから宮之原先生は少し誤解があるようですが、私は六・三制を自分で一生懸命苦労して始めた張本人ですから、六・三制を生み育ててきたわけで、たまたま途中から勤評が出てきたけど、私の本旨はやっぱり六・三制を育てて、それで今日高校の進学率が九三%、大学には四割も行くほど教育がすばらしく普及したことは、いま振り返ってみると、やっぱり六・三制がよかったんだなと、いろいろ御批判もありますけども、そうだと思う。途中でいろいろ宮之原先生におしかりを受けたんですけども、道徳教育にしても悪いと私は思ってなかった、それから学力テストをやったのは、高校入試を本当は全廃したかったんです。それができなかったんですけどもね。というようなことで、大分誤解もおありのようですが、別に私は日教組をたたくなんという気は毛頭ございません。日本の教育を少しでもよくしたいというだけが私の願いでした。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 昔の話を幾らやったって始まりませんからそれはやめますが、私は何も信頼と合意ということは、すべて、いろんな団体のことについては賛成しなさいと申し上げておるんじゃないんですよ。それはそれぞれの立場で見解の違いありましょう。しかし、お互いが誠意を持って敵視することなく徹底的に話し合い、その中から合意を得ていくという、相手の人格を認め合ってやっていくという、そのことが一番大事だから私は聞いておるんですよ。あなたにここでストライキ権認めなさいなんて私は言っておるんじゃない。あれをやめろと言ったって、それはまた立場が違えばそれは正しいという主張もあるんだから、私もそう思うんだから。しかし、そういうことじゃなくて、信頼と合意というのは、ぶっつぶせ、あるいは相手を敵視するということじゃない。言うならば、立場は立場でありながら、お互いの立場を尊重しながらできるだけ一致点を見出していくという、その努力するところの姿勢が、いま私は少なくとも信頼と合意という文字どおりの言葉だと思うんです。私は大臣がその精神でやりますと言うのもそこだと思うんですが、そうじゃないんでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私自身は信頼と合意で行きたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私自身はと、そう何も用心深く言わなくても、あんた大臣なんだから。私はやっぱり大臣がそういうお気持ちなら、少なくとも文部省の官僚の皆さんにも、地方の教育行政を預かる皆さんにも、新しい大臣としてはこれで行くぞ、君らもそれ行けと、それぐらいのまたたくましい指導力があっていいんじゃないでしょうか。文部省のずうっと行政畑の裏も表も一番通暁しているところのあなたですから、今度はこれで行って日本の教育を話し合いの中でより前進させようじゃないかという、積極的な意欲があっていいんじゃないんでしょうかね。それを私は行きますと言うんじゃちょっと心もとないんですが、大臣としてはそれで行きたいという、こういうお気持ちだと理解してよろしゅうございますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) おしかりを受けるんでございますけども、私も文部省をやめたのが昭和三十八年でございまして、大分留守をいたしまして、国会へ出てからずっと文教一筋に参りまして、いまお話しのように教育一筋に四十年参りましたけども、最近の文部行政については、私もいま勉強している最中でございますから、御期待に沿わないけども、私も最善の努力をさしていただきます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いや、私は大臣になって、そうなっていないんじゃないかということを言っているんじゃない。問題はやはり、大臣は去年十二月なられたばかりなんだから、これからそういう方向であなたは文部省なり、地方行政の指導に当たられますかと、当たられる決意がありますかどうかということをお聞きしておるんですよ。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私の生きがいは教育しかないんですから、教育のために私の全力を傾ける決意でございます。ただ、ちょっとあなたにお断りしなきゃならぬのは、私昨年の六月胆石の手術をしまして、まだ健康が完璧というわけにいきませんけれども、私の体の許す限り、最善の努力をいたすことをお誓いいたします。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、大臣が、先ほど質問いたしました信頼と合意ということの理念に立ちながら、今後教育行政に当たられるという決意であるということを十分肝に銘じながら、またそういうおつもりでひとつやっていただきたい、こう思うんですがね。余り長く大臣にお聞きしようとは思いませんが、一番基本的な問題ですからお聞きしておるんですよ。  それで、これは初中局長に聞いた方がいいと思いますが、具体的な問題ですが、昨年十月の本委員会で問題提起をいたしましたね、私と久保委員から。これは鹿児島の教育の差別人事や不当労働行為の問題について、具体的に指摘をしたことがあるんです。そのときに、当時の大臣初め当局の皆さんは、調査を約されたわけでございますが、その調査結果をちょっとお聞きしたいんですよ。ただ、現地の当時の新聞は、県の教育長は、そのような事実は全くない、われわれの調査では指摘されるところの行為は全然ございません、根も葉もないことですと、こういう談話を発表されておったんですが、大体文部省の調査もそうでしたですか、お聞かせください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 先生に先に結論をおっしゃられると困るんですけれども、私の方も県から課長や教育長来ていただきまして、いろいろ話を聞きまして、あのときのお話で、幾つかの具体事例を挙げておっしゃられたわけですけれども、概括的に申し上げますと、たとえば職員の処分にしても、教員組合に入っておられる先生に対する処分と、管理職に対する処分で軽重があるというような御指摘がございましたけれども、こういう問題については、およそ処分というものは事案に即して公平にやっておる、こういうことでございましたし、また組合と県教育委員会との間のいろいろのトラブルの問題等にしましても、これはやっぱりどういうケースでもそうだと思うんですけれども、御指摘のような事実があったかないかという点では一つ議論があるし、またあったかないか調べようがないという問題もございます。それから、調べた結果、御指摘のようなことではなくて、それはこういうことではありませんかという事実認識の違いというようなものがあるというようなことで、全般的に申しますならば、先般御指摘のようなことはなかった、こういうことになるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 非常に抽象的におっしゃっておるんですけれども、この間のやつは議事録にあるわけだから、中身は。そのことに対して県の教育長は、この現地の新聞によりますと、たとえば教頭の窃盗といった事実は全くない、あるいは校長のわいせつ云々というのもない、これはこじつけもはなはだしいと、こういうふうに言い切っておるんですよ。ほかのこともたくさん書いてありますけれども。問題は、事実認識の相違じゃありませんかと言っていない、ないと言い切っておるんだから。だから、文部省の調査でもやっぱり県の教育長と同じような立場で全然なかったと、こういうふうに理解しておいてよろしゅうございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 事例がたくさんございますから、いまのに関連して一、二申し上げますと、たとえば、教頭先生でしたか、その借りている家の庭に、家主さんの許可を得て植木を山から持ってきて植えておったと、それで引っ越しの際にこれをよそへ移したのが端的に言うと窃盗じゃないか、こういうようなケースなんですけれども、これはそういう事実はあったということでございますが、しかしそれは家主さんとの間ではあくまでも、それは適当に持ってきてお植えになってよろしいですよというような話であって、それでやったというようなことでございますが、その後、しかし県の教育委員会としては、その点について十分注意をし、いやしくもよそから誹謗されるような、あるいは疑いの眼をもって見られるようなことをしてはならないというような注意をしておるわけでございますから、事実はあったけれども、その事実をどう認識するかという点で違いがあったと。  それから、あのときにもう一つ、当時の大臣の御感想も述べられた一つの大きなケースとして、新任の中学校の校長さんが、学校へ行って生徒を集めて、それまでその学校におられた先生の勤務評定をやったというんで、それはけしからぬじゃないかというお話がございましたけれども、これも調べた事実はあるんですが、ただ、調べた事実が先生の勤務評定ではなくて、その学校ではたまたま、一般的に言うと、端的に言って、新しい校長さんが来てもなかなか一般の先生が校長の経営方針に協力してくれない、そこで校長さんとしては、生徒の学校に対する希望とか、考え方とかいうようなものを把握しておく必要があるというんで、何人かの子供を集めて、学校の教育活動についてどういう点をさらにやってもらいたいかというような調査をしたということでございますんで、その点は調べたということは一致するわけですけれども、その意図なり内容なりは御指摘のようなことではなかった、こういうことになるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、それは皆さんの調査というのは、いつでも県の教育委員会の報告をそのまま聞けば、それで調査終わりだというお考えじゃないかと思うんですがね。たとえば、いま言ったところの窃盗の問題も、あなたの話だと、外に移した、家主の了解を得たと、こういうお話ですけれども、それならば、なぜそういうことが去年の十二月二十五日に所管の警察署から、窃盗事件として地検に書類送検されたんですか。あなたの言うように、どっかのものをちょっとこっちへ移したとか、地主さんに了解を得たと、こういうなら窃盗事件にならぬでしょう。二十五日に、これは阿久根警察というんですけれども、そこから窃盗容疑として地検に送検されておるんですよ、初中局長。それでも大したことはなかったと御理解ですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように、警察の取り調べを受けたと、そこで最終的にはその先生については十二月の二十五日に送検になって、まだ処分は出ていないということでございますが、二月一日の現在で、県の教育委員会としては、分限降格ではないけれども、学校経営上の、言ってみれば配慮というんでしょうか、県立博物館の主事に配置がえをした、こういうような事実がございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 局長、こういうふうに尋ねられたらまたそれを答えるという、知らなければ知らないでそういう事実はありませんという形で、あなたまでがそれを軽く扱うつもりですか。これはこういう経過ですよ。  これは二月の六日の日には、県の文教・衛生委員会でも問題になっておるのです。そのときに、教育長自体追及されて、この書類送検をようやく認めたというかっこうになった。ところが、ずっと追及されてたどってみると、これは大臣も聞いておいていただきたいのだけれども、去年の三月で厳重注意をしておるのですよ、そういう事件があって。そんなことはないんだ、ないんだと、こう言っとって、書類送検をされたら、二月一日付で場所を変えさせる、こういう処置なんですよ。これが客観的に見て本当に是は是、非は非としてやっていくというところの行政の姿勢と、こう言えるでしょうかね。これはあなたのところから行ったところの教育長だから、あなたが部下をかばうという気持ちはわかるけれども、これはどう客観的に見たって、それは適切だと、こう言えぬでしょう。しかもあなたはいま分限じゃないけれども、場所を変えさしたと、こう言う。これまたいろいろ聞いてみたら、県議会の中でやられた議事録を探ってみると、あれは処分ではありませんと、こう言っておるんだよ。ただ、その教頭さんはいづらかろうから場所を移したにすぎませんと、こう言っているんです。何もこれは行政上の処分的な処置じゃないのですよ、代替行為だと言っておるんですよ、これ。こういうものが許されていいもんだろうか。あのときも例に出しましたけれども、それでいて一方たまたま学校運営のことで、校長、教頭と職員の間で論争があった。大きな声を出した、かねて中耳炎で治療しておったところの教頭が、突発性何とか炎だというかっこうで診断書を出したら、それは一カ月の停職なんだ、片一方は。学校運営でエキサイトして、いろんな話し合いをして、声を出したから耳が悪くなったと、こういうかっこうでしょう。そういう片一方の管理職にある者は、これは窃盗容疑として書類送検をされたということは、後に起訴されるかされぬかは別にしても、教育者としてどうなんですか、それは。ほめられること、許されること。特に内藤さんの言うところの道徳教育から見れば、教師はみずから姿勢を正さなければならないと、こう言う。そういう者にはそうしておいて、片一方は校長との間に、教頭との間に大声を出したからと、急に耳が悪くなったからと、診断書つけられたら、それは一カ月の停職。こういう行政をしておいて、公平無私でございます、いや窃盗なんだというのは全く根も葉もないことでございますと、こう言えるでしょうか。どうですか局長、あなたに聞きたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私、資料、答弁を出し惜しみしたわけではないんで、実はきのう勉強したんですけれども、夕べもらった資料には先ほど前段お答えしたまでしか書いてなかったんです。それでいま、けさその後の動きというので資料をちょっと見たんですけれども、時間がございませんでしたから、そこまでお答えしないでいま見せてもらって答弁したという事由でございますから、まずその点は御理解いただきますとして、ただ、いまの報告によりますと、検察へ書類送検されたということですから、検察の判断として、家主さんの了解を十分得ないで木を持っていったというのが、法律的に言えば窃盗に当たるというような判断があったと思うのですけれども、この問題は、ちょっとあやふやなことを申し上げて恐縮ですけれども、私が聞いたところでは、むしろ家主さんよりもそのおじさんという方がおられて、その点について非常に強硬だというようなことも聞いたわけですが、それはともかくとして、そういう事実があって、書類送検になったということでございますから、検察の判断がそこに一つあったということは事実でございます。ただ、教育委員会がそれをどう対応するかというのは、現段階ではその本人の、あるいはその回りの事情も考えて、ほかの場所へ移すということをやったわけですが、最終的に検察がそれにどう対応するのか、起訴するのか、しないのか、そういう問題があると思いますから、なおこの問題はよく経緯を見守って、県と連絡をとりたいというふうに思うわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まるで県の教育長みたいなことを言いなさんなよ。あなたその指導の立場にある人でしょう。少なくとも外に移したのじゃないよ。自分の自宅のとこに持って行ったんですよ。その阿久根というところから曾於郡というところの自分の自宅に。外に移したというと、普通わからぬ人はここからここへ移したと思うのだけれども、何十キロも離れたところの自分のうちに持って帰っているんですよ、だからして、これは教育者だから恐らく私は警察といえども、初めから罪人にしようとは思っておらなかったと思う。しかし、にもかかわらず、そういうような事実があったから、これはあるまじき行為だということで書類送検をしておるんですよ。もし本当に行政の面で姿勢を、今日教育の問題あれだけいろいろ言われているときに、姿勢を正させようと思うならば、それについてあなた方は厳重注意をしましたからもうそれで終わりですと、こう言ってしゃあしゃあとしておるという、この姿勢に一つも疑問点に感じないんですか、あなたは。私は大臣、こういうところに一つまたゆがみが出てくるし、しかも皆さんのところから出向したところの教育長なんですよ。教育課長もそうだ。それはかばうところの気持ちはわかるけれども、それなら、むしろ君ここはちょっと足りないぞと、こう注意をして指導してやるというのがあたりまえじゃないでしょうか。それとも県の教育長からの報告をただひたすらにそれを守って、ありませんでしたということが皆さんのお仕事なんですか。大きな堤もアリの穴一角から崩れるというけれども、これなんぞはこのまま放置しておいて、幾ら県の教育行政をきちんとしなさい、どうしなさいと幾ら言ったって、これは信頼感というの生まれてまいりませんよ、それをそのまままだ報告ありませんからということではどうかと思う。皆さんは教育長にときどき来いと呼んで、ただ事情を聞いて、そのままなんでしょうが。  あるいは、第二の問題にしてもそうですよ。明確に前の文部大臣は、それは行き過ぎであると言っているじゃないですか。事実、生徒たちを呼んで、どの先生はどうですかと聞いてもおるんですよ。そういう私は、それは皆さんの立場から見て、これはやらなければならぬというのをやるなとは言わない。しかしながら、そういうものはほおかぶりにしておいて、片一方だけはばしっとやるという、それで果たして信頼を得るところの教育行政になっていくでしょうかね。大臣、どう思われますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、本件は余りよく事情を知りませんけれども、しかし少なくとも文部省から行った教育長が批判を受けるようなことがあっちやいかぬ。私はやっぱり上に立つ人は、一点の疑いも持たれちゃいかぬと思うのですね、行動は慎重にしなけりゃならぬ。私自身も自分でいつも身を引き締めて、人から少なくとも御批判を受けるようなことは絶対にしないつもりでおりますが、もし文部省から行った教育長、私もよく存じませんけれども、もしいま御指摘のようなことがあれば、それは私もよく厳重に注意いたしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は仮定の問題で言っておるんじゃないですよ。局長も認めておるように、これは送検もされておるんですよ、窃盗事件として。その前の三月に、送検されない前に厳重注意でやっただけで事足りると、こう言っておる姿勢でしょう。それから九カ月たって、書類が送検されて地検に行っておるんですよ。それでももうあれでいいですよと、こういう話でしょう。ただ、たまたまそういう問題で問題があったから、いづらいだろうからこっちへ移しますと、こういうかっこうでしょう。それは行政上の処分といっていいかというと、そうじゃありません、任用がえですと、しゃあしゃあしておる。私はこういう姿勢の中からは、本当に教職員から信頼されるところの、なるほどわれわれにも厳しいけれども、またどこにも厳しいんだなあと、これがなければ私は姿勢としてどうかと思いますよ。こんなえこひいきなことがやられておるということは私は許されないと思うし、それを私はあえて言うのは、たまたま県出身の、あるいはまた県の官庁の中から来ておるところの教育長ならいい、皆さんがいいものだと言って推薦をされたところの方なんだから、かばう気持ちはわかるけれども、こういう者をかばうと、私は教育行政の筋通らぬじゃないかと思うんですよ。その点をまず第一に言っておきたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私、事実をよく存じませんから、よく局長から事情を聞きまして——私はかばうつもりはありません。やっぱり非は非として、是は是として、やっぱり教育は一番大事なのは、おっしゃるように信頼ですから、全県民から信頼がなければ行政はできません。私も昔、鳥取県の学務課長を戦前にやりましたけれども、信頼がなければいい行政はできませんから、そういう点について注意いたしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ぜひとも私は大臣に、今後のきわめて重要な問題、行政の姿勢になってきますから、きちんとしておいていただきたいと思うのですよ。この問題ばかりじゃないんです。時間の関係上、たくさん申し上げませんが、たとえば前の委員会で、県自体の人事異動のあり方について、たとえば地教委の内申権、校長の具申権が実質的にはもう全く無視されておるということから、意見書が地教委協議会、あるいは校長会かち上がったことも私はやりました。同時に、それとの関連の中で、いわゆる職員団体というものに対するところの敵視政策というものが、余りにも鹿児島の場合ひどいということも申し上げた。当時、指導文書の、マル秘文書のことについても披露いたしました。恐らくまたそのことについても全く事実無根だという報告だと思うんです。ところが、これまた七日の県議会の中でも明らかになりましたけれども、やっぱり別のマル秘文書が出ておったんです。それを出してやられたものだから、教職員課長と、それから人事担当の主事を厳重注意をしましたということを、ようやくそのところで明らかにした。ところが、調べてみますと、ずっと前のことなんです。県議会では知らぬ存ぜぬで突っ張っておった。ところが、現物を見せられて初めて見ましたと、こう言って、さらに追及されると、実は十二月の何日にこれは行き過ぎだということで、これを出したところの所管の教育課長ですか、これもまた文部省から行っておるところの若い課長ですがね、これに厳重注意をしましたという、こういう指導行政の姿勢というものをどうお考えになりますかね。言われて、追及されて、現物を見せられなければ、知らぬ存ぜぬでぶっ通す。やられたら実は早くやっておりましたと、こういうかっこうですわね。こういうやり口、一体どう思いますかね。こういう中から、ああ、あの教育長はりっぱだと、こういうような信頼感が出てくるでしょうかね、大臣。これまた事実なんですからね、調べてみなくてもわかっているんだよ、これ。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私、事実は存じませんので、事実は局長から答弁させますが、私、正直言いまして、そういう御質問がありましたから、前の金丸知事に聞いたんですよ。どうしたんだろうと言ったら、いや、そんな心配ないよと、こういうことを伺いまして、私も事実をよく存じませんが、いずれにしても御批判のあるようなことは私は上に立つ者が絶対しちゃいかぬと思います。詳細は局長から答弁させます。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) その後の、いまのお話では十二月議会で指摘になった書類の話でございますが、これも具体的に人事異動に関してつくった資料だということで、ここにちょっといま初めての御質問で、細かいこと書いてないので御説明できませんので恐縮ですが、その中身がどういうものでありましょうか、一般的に言えば、人事に関する資料でありますから普通外へ出さない、しかし、それが何らかの形で漏れたというようなことから、御指摘のような議論があったことと思いますが、まあ根本は御指摘のように、それこそ組合と教育委員会の間で信頼関係、合意関係が十分あれば非常によろしいわけですが、不幸にして鹿児島はそういう点に欠けておるということが率直に言って言えるんだと思います。そこにあると思いますので、私はそれはやはり双方が今後さらにいろいろと努力をしていただくということが大切ではないかと思うわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 時間の関係上多くは申しませんけれども、これは現地の新聞にもありますし、あるいはこれは現物ですけれども、教育長自体二月七日の委員会では適切を欠いた文書でありましたからみんな撤回をさせましたと、それに基づいていたところの報告書もみんな破棄しましたと、こう言っているんですよ。もう中身の可否を論ずる暇はありませんけれども、それはやっぱり適切を欠いたところの秘密文書であったということが事実だからそうなっているんでしょう。だからこそ、実は十二月の二十二日に、適切を欠いたということで回収をし、破棄をすると同時に厳重注意をいたしましたと、こういうことが明らかになっておるわけなんです。それは調べてみなきゃわかりませんということじゃなく、明確に議会の中でも言っているし、新聞でも出ておることなんだから。だから、私が憂えるのはここのところなんです。うそのこともさることながら、わかるまでは、いわゆる県議会におけるところの議会勢力はありましょう、与・野党。絶対多数の与党の方から自分を援護してくれるだろうという、こういう意図というか、物の考え方、ぼくから言わしめれば、まさにトラの威をかるキツネと言いたいんです。だからそれを突っ切りさえすれば、多数で知らぬ存ぜぬで突っ張りさえすれば、事が済むと思っているところに間違いがあるんですよ。それで実物をつけられて、いや実はこうこうでしたというのがそのてんまつでしょう。私が言いたいことは、議会勢力はどうあろうと、教育行政に当たる者が、本当にこれは適切かどうかと判断して、実は行き過ぎでこういうことがありましたと、これは今後いたしませんと言うなら、なるほどあっさりしてよろしいと、こうなる。ところが、知らぬ存ぜぬ、出されて初めて見たと、こう言いながら、さらに追及すると、実は去年の暮れにこうしましたと、こういう臭い物にはふたをするというこのやり方の中から、本当に信頼感が生まれてくるものでしょうかね。そこのところを言いたいんですよ。この中身の問題よりもこの姿勢を言いたいんですよ。これでは私は幾ら県の教育長がおれについて来いと言ったって、これは信頼感出てきませんよ。過ちは過ちと、これは行き過ぎだったと、こうしましたから今後しませんと言うならまた話は別ですけれども、そういう姿勢というのが一かけらもないところに問題があるんです。私から言わしめれば、いわゆる若いエリートの皆さんでしょう、やがては本省に帰る皆さんでしょう。そのために地方行政を勉強してこいとやられておると思うんだ。それをそれぞれの県議会の力関係のことばかり頭に入れて、力で押し切ろうというこの姿勢、本省に帰ったらどうなるだろうかと思うとそら恐ろしさを感じますよ。私はやはり教育行政をあずかる者は、そうあってはならないと思うんですがね。そういう点、一体どう皆さんはお考えになりながら指導されておりますかね。ここをお聞きしたいんです、私は。事実関係よりもその姿勢に、私はなお憤りを感ずるんですがね。どうなんですか、そこは。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 大変不勉強で申し訳ないんですけれども、いまのその書類というのを私見ておりませんので、早速よく調べさしていただきますが、一般的に言えば、おっしゃるように何か隠しておって、問い詰められるまでは黙っておって、どうだどうだと言われてから出すのは適切なことではございませんから、それはそういうことがないように努めるべきは当然でございますが、個々のケースというのは、やっぱりこういう問題はそれぞれ経緯があると思いますんで、ひとつ十分に調べさしていただきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 調べて結構ですがね、私は中身の問題——この手続や、このやりとり見たって、去年の十二月二十二日に厳重注意されておることは事実なんですよ、撤回されておることも。悪いものだったら撤回せぬでもいいでしょう、自分でこれはまずかったと思うなら。そういうやり方が、ますます不信感を私は呼んでいると言うんですよ。私はこういう悪いところの面が非常に出ておるのが、いまの鹿児島の教育界だと思っているんです。姿勢だと思っている。  だから、見てごらんなさい、ここに「教育長手持資料」というのがある。これは何かというと、県の教育委員会の主催で行うところの教育課程の講習会、学習会、研修会がありますね、その進め方なんです。だから、こういうふうに何でも秘密主義、あるいはこれは上で決めて押しつけるやり方ですからね。またこの手持資料というものを見ても、私はもう愕然としたんです、これは。これはたとえば「部会のすすめ方」十三時三十分、十五時、十五時二十分、十六時二十分、十六時三十分にはこうこうこうしなさいとずっと出ておる。そして「わたしは〇〇です。この会の進行をします。始まる前にお知らせやお願いをします。  ・本日の日程は公文に示したとおりです。  ・たばこは休息の時間にろうかのバケツのある場でお願いします。  ・途中で気分が悪くなられた場合は進行に申し出てください。」ということで、これからどうどうします。こう書いてあるんです。それでいわく、じゃ灰ざらではぐあいが悪いですかと尋ねたら、バケツと書いてあるんだからバケツでなきゃだめだ、そのとおりバケツを出せと。これは笑えない話なんだよね。これが「教育長手持資料」として、県の教育委員会から地教委の教育長にやれというんで、このとおり読み上げて、その時間が来たらそれでぱっぱっぱっぱっと切って、次々進行しているんです。  一体こういうふうにはしの上げおろしまで議事進行についてやらなきゃならぬのかね。あるいはそういうものをやっていて、学校教育の自主性を重んじなさい、創造性を重んじなさいという、そういう教育というものが生まれてくるもんだろうかね。県議会で追及されたら、いやこれは資料です、一つのめどですと、こう言いながら、今度はそれに出たところの一人の職員の話ではそうじゃない、バケツでなきゃ絶対だめだと、こう言っているんだからね。ちょっと余りにもナンセンスといっても、非常識きわまる話なんですよ。こういうものをそのとおりさせることが行政当局の権威だと、こう思い込んでしまっているところに、私はやっぱり大きな問題がありはせぬかと思いますよ、これは。私は、文部省といえどもこんなばかげた指導に賛成だと言われる方はおらぬと思う。これはまた調べてみなきゃわかりませんと言うでしょうけれども、これは取り寄せてみてくださいよ、「教育長手持資料」を。恐らく教育長は、いやあれは一つのめどですと言うけれども、行くところの説明者はそうじゃないんですから。だから、こういうのが一事が万事になっているというところに、私は非常に問題を感ずるんです、これは。それだけに、こういうものをいつまでも私は残されていいのかどうか、一体このままでいいのかどうかというのは、単に一ローカルの問題じゃないと思うんです、これは。まさに、先ほど大臣が言われたところの信頼と合意の行政というものとどういう関係があるんだろうと。これは大臣がいまやりますと言ったのとは大分時間的なずれがあるから、それは、いまからやりますということであれば結構なことだと思いますけれどもね。しかし、こういうことは勢い、それぞれの教育界に私はいい空気は生まれてこぬと思うんです。  もう一つ言いますが、これはいまの教育長時代のことじゃないですけれども、実は鹿児島に県連合校長協会というのがあるんです。ここで、三十年になったわけですから記念誌を発行したんですよ。そうしたら、記念誌に去年の三月退職されたところの校長さんの随筆を載せたんです。ところが、載せましたら、発行してから三日目にはみんな回収されたんです。そこをみんな破って捨てて、削除されて、それからまた記念誌というものが各校長に配られた一つの経緯があるんですよ。そうしたところが、どういう中身かと、やっぱりこれは人間というのは不思議なもので、出したものを引っ込めて破られておるんだから、消されたものは何だろうかと、これはだれだって関心ありますわな。そうしたところが、これは「主任制発足前夜」と、こう書いてある。そうして、これは前市来小学校長久保云々という男ですがね、前の市来というところの小学校の校長さんの随筆ですよ。これはちょうど本委員会でも問題になりましたところの、いわゆる山中教育長時代の主任制発足に伴うところのその前後の、校長さんの悩みとか、苦労というのをずっと載せておるんです。その中で、手記はこういうことを言っておるんですよ。「早速開かれる三十一日の委員会では、恐らくこの点が問題になるであろう、そう予想された。しかし、この問題について担当させられたばかり、二十八日に初めて県の説明を聞いたばかりの私は、県の説明の線に沿って委員会の結論を持っていくしかないと考えた。そのためには脅迫しかないと思って会に臨んだ。」——いろんな校長会の役員をしていますから、その地区の校長を集めて、そのためには自分としては脅迫しかないと思って会に臨んだ。「果して、二・三の委員から強い批判が出た。」——校長さんからですね——「私は、「県側も来てもらう機会を持ちたいので、今のような意見をそのときぜひ出して頂きたい。」という不そんな言い方をした。これが不そんの言い方であるという感じ方は、当時のある種のフンイキからは当然と思われた。しかしながら、何回かの委員会で各地区の状況や委員の意見を聞いているうちに、担当にさせられた私としては、県の説明の中で融通のつく分については、どうかして軟らかくしてもらわなければならないと思った。役員会にも関係課から来てもらって話し合う機会を何回か持った。ただ、奇妙なことに、幹部で発言する者はほとんどなかった。」——この校長会の幹部ですよ——また「逆に、私の発言に対し、県側が言いそうなことを言う場合さえあった。また、県下の校長を困難な状況に追い込んでいるこのような重要な役員会に、一回も顔を出さない幹部もあった。この際出てまともな発言をするとすれば、いえば県の線に不満を表明することと受け取られかねない状況にあったのだから、「行政感覚」のある向きは、黙っているか初めから欠会するかであるのは、当然と言えば当然ではあったわけではある。」と。当時の校長会がそのいろんな校長の意見を、こうしてもらいたいということを意見を言えば、それはぐあいが悪い、自分が県の指導の精神から外れると思って自分はがまんして、とにかく県の言いなりにやったんだという手記なんですがね。これは当時の私はやはり主任制の導入の中で、あれだけ混乱を受けたところの当時の校長の苦悩を物語っていると思うんですがね。そのこともさることながら、そういうものを校長協会の記念誌の中に編集しておいて、ある人から言われて、わざわざ回収してやらなけりゃならないという、ここのところを一体どう判断したらいいでしょうかね。これは、現在の教育の責任者の方からそういう指示がなきゃできない芸当なんですよ。私は、批判は批判としてあって、その中からよりよいものをつくっていくというなら結構だと思うんだけれども、しかし、こういうものが率直に申し上げて、私は今日の鹿児島県の教育界を覆っているところの一つの問題点だと思うんです。だから私はこの問題についてどうだこうだという答弁は聞きません。しかしながら、先ほども申し上げたように、この問題は一ローカルの問題ということでなくて、教育行政の姿勢のあり方の問題ですから私は申し上げておるんです。一体これで許されていいのかどうかということ。私は、先ほど大臣が今後は自分の所信に従って指導したいと、こういうことを言われたわけですから、その大臣のお気持ちを了といたしたいと思いますけれども、ただ私はこの問題はこのまま放置されては困ると思う。だから、前の委員会においても私は委員長に、この問題について理事会で検討しますと約束されたんだけれども、いまだにその話聞きませんよね。これもしかるべく関係者を呼んで私はきちんとしてもらいたいと、こう言っておるんですからね、処置をしてもらいたいですね。その意思がおありですか、どうですか。

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) そういう要求があれば、理事会で諮って、私一存で決まらないから、やるというのは当然ですから。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それは前の宿題ですからね。そういうことを申し上げて私は質問を終わります。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) これは私は、人間というものはやっぱりいい点もあるし、悪い点もあるし、若い人は一生懸命勉強しているんですから、やっぱりいい点は伸ばしてもらいたいし、悪い点は改めてほしいと思うんです。やっぱり文部省が出した以上、これは文部大臣の責任ですから、私も事情はよく存じませんが、いまお話を聞いただけではよくわかりませんので、一遍よく聞いてみたいと思いますが、いずれにしても、指導者として上に立つ者は、下の者から本当に信頼され、尊敬されるようでなければ教育行政はできません。私自身も鳥取県で一生懸命やりましたが、同じ感じでございますので、悪い点があったら改めてもらい、そしてそれがやっぱり大きく伸びるゆえんだろうと思いますから、よく事情を勉強さしていただきたいと思います。

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時九分開会

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査中、文教行政の基本施策に関する件及び昭和五十四年度文部省関係予算に関する件を議題といたします。  本件について質疑のある方は、順次御発言を願います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 内藤文部大臣に質問いたします。  政府の中には、学校教育の分野において国防上の配慮を加えると。これについて平素から検討を加える必要があるというような論があるようですね。いわば学校教育における有事研究体制と申しますか、これらの問題について就任後大臣は閣議その他で触れておられますか、またこれについてどのような意見を持っておられますか。まずお伺いをしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 日本国民として国を愛し、国を守るというのは私国民の義務だと思います。そういう意味から、文部省では道徳教育、あるいは社会科を通じて理解を深めていくことが非常に大事だと思っております。特に、日本は国際社会の中でお互いに平和でいかなければならぬから、国際社会の中において平和でいくように努めなければならない。私が申し上げたいのは、日本国民として国を守り、国を愛するということは国民の義務であるということをしっかり国民に植えつけていきたい、こういう意味でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 重ねて伺いますが、いまの大臣の答弁は、現状では不十分だから、何がしかの変更を加える必要があるというような考えに立って言われておるわけですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いや別に不十分じゃございませんが、いまの教育の中ではもちろん新しい教育課程の中でも、指導要領の中でそのことは十分うたっております。別に、特別にこれを強化するという意味ではございません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 強化、変更の必要は考えていないという答弁としてお伺いをするわけです。  前文相砂田さんにもお伺いをしたわけですが、砂田前文相は、憲法、教育基本法からして、教育は中立たるべきものであって、高度の政治行為である有事研究というようなことは教育にはなじまない、取り上げる必要はないというふうに答弁をされたわけであります。同趣旨と伺っていいですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 別に私どもは有事立法とかなんとか考えておりません。ただ、国民の一人として、やっぱり自分の国を守り、自分の国を愛するという、そういう気持ちは私は国民の一人としてみんな持ってほしいと思うので、自分さえよければいいというのじゃなくて、これから日本が発展するためには、国際社会の中でいかなきゃならない、だから平和でなきゃならぬし、国際的に安全を守らなきゃならぬ、そういうふうに考えておるのでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 前文相に御質問した際には、内藤——当事の文教委員も同席をしておられたと思うわけです。一般論はさておいても、具体的に閣議決定を経た「日本の防衛」という防衛庁の出したいわゆる防衛白書には、万一の場合に際して遺漏のないように、二十ばかりの省庁が関係あるが、教育などの分野においても配慮を加える必要があるというようなことが書かれておるわけであります。これについて大臣は御相談を受けられたことがあるのか、また考えはどうか、この点はいかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は受けたことございませんから、事務当局から答えさせます。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 防衛白書の編集作業というのは、去年の春ごろからやっておられたようでございますが、事務的に、政府刊行物でございますから、関係各省庁について、原稿の段階で意見を聞くということはございましたから、それに対して文部省としては格別の意見は申し上げなかったという経緯はございます。  なお、去年の十月でしたか、砂田文部大臣がこの席で、ただいま先生がおっしゃったような御質問が小巻先生からございまして、ただあのときの御質問は、大臣は防衛とか、有事立法とかいうような課題について御相談を受けたことがあるかというような御質問であったかと思うのですが、大臣はそれを高度政策的な次元の問題としてお取り上げになられたのだと思いますが、そういう相談は受けておりませんということを申し上げたので、そのことと、私どもが防衛白書について関係各省庁と、言ってみれば事務担当者の段階における意見の聴取ということとは、切り離して考えておったということでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 諸澤初中局長は当時相談を受けられたわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 原稿について窓口の課に防衛庁から連絡があり、それに対して、上がってきましたから、格別の意見をつけずに、まあ結構でしょうということで連絡をしております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 砂田文部大臣の答弁と、局長もしくは局内の対応とは大きなずれがあるという点について、非常に問題を感じるわけであります。私も実は、大臣が相談を受けることもなしに、文部省のオーケーをとったものとして、白書ではかなり重要な内容を含んで記述が及んでおりますから、関係者にも聞いてみたわけであります。特に先般の衆議院の予算委員会の際には、山原文教委員がこの点について聞きただしたわけですが、塩田防衛庁官房長から、三つの点において文部省とは調整済みであると。それは、いま申し上げた教育分野において配慮をするという記述について。それから、世論調査を行う質問項目について。それから、防衛大学から国立大学に対して、大学院等を含んで研究生を派遣する場合に、受け入れ方文部省に慫慂をお願いをしたと。この三つの点についてはオーケーをとった、こう言っておるわけであります。三点について文部省と調整済みだ、こういうふうに答えておる。私は、この点について、文部大臣が知らないと申しますから、かなり防衛庁関係の出版物に発言回数の多い佐々という参事官、この人に、具体的に文部省のどのレベルと話ししたのかということを聞いてみますと、これは恐らく局長決裁までいくものもあれば、いかないものもあるでしょうと、初中局、大学局等はしかしオーケーをとっておりますと、こういう話であります。そういう点について言えば、砂田文部大臣が教育の中立性を守るために、いわば防衛上の問題というのをこれを受け入れたり、意見を申し出たりする考えはないと言われた点と比べ合わせて考えてみると、非常に問題を感じるわけであります。開かれた、国民の前で行動しておる大臣の知らない場所で、相当低いレベルで事務的に出されておる。これが一点ですね。  もう一つ、他の省庁ではかなりにだめが出てくるというわけです。予算が要るとか、あるいは政治上の関連、波及効果もあるので、かなりにだめが出てき、意見が出てくるにもかかわらず、文部省は全部オーケーですと、文句なしにフリーパスしておりますと、こういうふうに防衛庁関係では答えておるわけであります。  こういう状況では、私は、次第にエスカレートするならゆゆしい問題も国民の知らないうちに前進をしてしまう。現実に私は関係を立証することはできませんけれども、前々大臣の海部文部大臣のときにも、三原当時の防衛庁長官から、君が代の国歌化というものが世間に鼓吹をされて、そして文部省にもオーケーをとったと、こういうことであったと。海部文部大臣は、私は聞いたことがありません、しかし学習指導要領は改定をされた、こういう関係になっておるわけです。こういう重要な問題については、少なくとも現状変更にかかわるものについては、大臣素通りで通ると、知りませんでそのまま現実変更が行われるというようなことは決してあってはならぬと思いますが、大臣いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) まさにそのとおりで、大事な問題はやっぱり大臣の決裁がなければ事務官僚がやってはいけない。ただ私は、ある程度事務官僚に任してありますから、その任された範囲で事務当局がやることは、それは当然のことと思いますが、特にいまお話しのような重要な問題については、私は事務当局に任しておりません。ただ、いまお話を聞いておりまして、防衛庁の人が大学院に入りたいときは、これは私は当然そういうことが、許可することがあり得ると思うし、それから教育の分野でやっぱり国防は大事だということ、そういうことも当然のことだから、それは私はあたりまえのことで、何か重大な変更があったこととは私は考えていないのでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 この議論はここではおきますが、大臣も重要問題が、いままで大臣素通りで行われておったということには問題を感じるという点を確認をされたわけでございますから、また後の機会にでも問題点についてお尋ねをすることもあろうかと思います。  次に移りますが、いわゆる教育荒廃——自殺、非行の問題、今日、教育を語る者はこれに触れない者はないという状況であります。しかも次第にエスカレートしておるという状態は、私も憂うべき状態にあると思っております。テレビを見ても、新聞を見ても、教育といえばこの問題が国民課題になっている。文相、これについて委員会の中でもかなり答弁をされたわけですが、私の聞くところでは、この原因は社会環境の複雑化、変化、そうして家庭環境の変化、こういう点を主として触れられて、学校教育の中では、教員の資質の向上、教員の努力、こういうような点について触れられておるわけです。私は大きな問題が一つ抜けておるのじゃなかろうかと思うわけであります。それは行政の役割りとして、文部省がやらなければできない問題、ここのところをたな上げして説明をされておる。具体的に言えば、教育条件整備の問題であります。教員の努力、教員の資質の向上といっても限界もありますし、やっぱり質の問題と、量の問題は混同することのできない問題でありますから、それぞれ柱を立てて対策を加える必要がある。教育指導、教育効果を上げていく上で、国民課題であれば国民力を挙げて教員の増配、学級定数減と、四十人学級の早急な発足というようなことは、教育荒廃が国民課題であるがゆえに急がれなければならぬと思うわけですが、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) やっぱり自殺の原因にはいろいろあって、私も単純に言っているわけじゃなくて、やっぱり非常に根が深いと思っているんです。いまお話しの学校教育の問題、家庭教育の問題、それからこの前私が申し上げたようにいまの試験地獄の問題、それから、とにかく教育内容がむずかし過ぎて子供がついていけない、落ちこぼれとおっしゃるけれども、やっぱりそういうところから不良少年が出るであろうから、教育課程の改正もやったわけで、いろいろ問題は山積しておるわけですが、お話しの学級規模をなるべく適正にする、少し多過ぎると、それだけ子供へめんどうが徹底しないと思うので、ですから国会の決議を踏まえて、私どもは学級規模の縮小について、これからひとつ、いま悉皆調査しておりますから、それの結果を踏まえて最善の努力をするつもりでおります。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 戦後の教育史をながめても、学級定数の改善の問題は、最も望まれるときに、他のときに比べても最も姿勢が悪いのは、反比例しておるのが今日の状況ではなかろうか。あの国会決議以来、すでに五年経過しておるわけですね。五年間たな上げになってきて、なお計画が樹立されていない、こういう状況であります。幸い、定員増と教育効果が直結する問題であり、間違いなく教員が増配されれば、それは問題が全部解消はしなくても、これの発生を防止し、そしてこれについて指導効果を上げる上で、具体的に目に見える問題だという点を最もよく御存じの文部大臣が今度は就任されたんだと、こう思うわけですが、その点、文部大臣、ひとつ文部省が主として果たす役割りはこの定員増の問題にあるんだという点をひとつ確認したいと思うわけですが、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 学級規模の適正化を図ることは、これは文部省の重大な使命でございます。ただ、一番厄介な問題は過密地帯なんですよ。過疎地は問題ないけれども、過密地帯になりますと、それが今度は土地から校舎全部かかわってくるから、ただ、先生をふやせば済むというだけの問題じゃないんですよ。ですから、やっぱりこれ各学校ごとに悉皆調査してどうなっているのか、それでその学校が定員をふやすためには、やっぱりまず校舎を増設しなきゃならない、校舎を増設する場合に、今度は土地が要るわけですよ。土地の整備も必要ですからね。そういう問題を慎重に検討して結果を出したいというんで、いま文部省も精力的に五十三年五月一日現在で調査していますから、その悉皆調査を待って改善に積極的に努力する覚悟でおります。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 さすがに内藤文部大臣は、定員をふやせば教育効果が上がるという点については、真っすぐに肯定されておるわけですが、必ずしもこの重要局面になると、その点文部省の姿勢として明らかにしておらない。砂田文部大臣も熱心に教育に取り組まれたと思いますが、この教育効果と定数増は比例しない、資質の問題が優先するというような、問題を混同したようなことをしまいには言い出されておったわけであります。私はその点については、初中局長等の勉強と努力が足らぬのじゃなかろうか、あるいは行財政の大もとを握る大蔵省や自治省に屈しておるのではないかという点、非常に強い不満を持っておるわけであります。実際に今日の日本の教育の状況を見れば、中学校は全部の学校の数のうちで四十五人まるまる抱えておる中学校が半分、五〇%に及んでおるのが実際であって、過疎地に少数の生徒でやっておるところがあるにしても、問題が起こってくる場所というのは多くは四十五人学級まるまるの編制になっておる。これが三十五人か、四十五人か、二十五人かということは、具体的指導の上では大きな違いであります。いまの子供は優等生と劣等生だけに目をやってながめておって、あとはペーパーテストで五階段に振り分けておったのでは、子供の方からの訴えがあっても、これをキャッチすることもできない。一人一人の子供に作文を書かせて、丁寧に、できる子もできない子も、真ん中の子も、中身まで入って添削をするというふうなことを予想しない教員定数の配置になっておる。九九を教えたり、漢字を覚えたりすることはペーパーテストで大体できたとしても、個別の応用問題に対する能力等は個別指導が要る、これが十分に行われていないから、私は受験問題もありますけれども、普通の子供は塾へ行って、個別に診断を受け、指導を受けるというところに寄りかかるんだ。塾も悪口ばかり言われますけれども、学校の教育の足りない点を、父母が求めて補っているというふうに、謙虚に見ていかなければならぬのじゃなかろうか、こういう点ではふやせば済む問題ではないというようなことでなくて、文部大臣。ふやさなければ済まない問題だということを確認していただく必要があります。ここでの答弁は悪くないのですけれども、所信表明を読むと、定員に関してはそっけないことはおびただしいですね。所要の定員増を進めると一行書いてあるだけで、すべての項目の中で最低の取り扱いを受けておる。そうじゃないですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 別に私は表現が短いからこれは軽いという意味じゃなくて、一行でも大事なことは大事で、定数改善に取り組むことはこれは間違いなく、国会の決議もあるんですから、国会の決議を尊重して——ただ、いま実態調査していますから、いつやるか、どういうふうにやるかというような具体的なことは申し上げかねますが、悉皆調査の結果を待って、その改善に努力する。これがたった一行でも大変大事なことですから御記憶願いたいと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 肝心の悉皆調査のことも、次期計画のこともこれは触れられていないのでありまして、例年に比べても国民の要望は強く、大蔵省の壁は厚しということで、物言えばくちびる寒しというようなのが、今度の所信表明の中における定員問題の記述だと私は見ざるを得ないと思うわけであります。  それでは、悉皆調査はいつ終わるわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 調査は終わりまして、それからこれは約四万校の学校の悉皆調査ですから、個票に当たりますと、記載漏れ、あるいは記載間違いというのが相当あるというので、直接県まで送り返して、再度提出してもらうというようなことをやりまして、現在ほぼその修正した正確な調査結果というのは集積が終わりましたので、電算機にこれは入れるわけです。そして今度は過密地域における学級編制を下げた場合に、どういう影響が出てくるかというようなことを課題ごとに電算機にかけて、それをもとにして実際の方針を決めていく。これからそういう作業に入っていく段階でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 電算機で方針が出てくるわけじゃないわけでしょう。調査の結果を電算機でもって再度提出修正されたものを電算機にかけて調査結果を出して、それをデータとして、そして方針を決めるわけなんじゃないですか。そのとおりでしょう。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私の言うことをよくお聞き取りいただきたいのですが、私は電算機にかけて方策を出すとは言ってないので、電算機の結果をもとにしてその方針を決める、こう申し上げておるわけです。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 電算機の結果は出たのですか。いつ出るのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) その電算機に課題ごとに入れるのをいまやっているわけですから、まだ出ておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 いつ出ますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは過密都市の問題もありますし、小規模学校の定員をどうするかとか、いろいろな課題がございますから、全部総合して出して、新しい年次計画の基礎になる方針を決めるのは、次の五十五年度の予算編成に問に合うまでにはしたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 電算機の結果が出たら私は速やかに国民に公表される必要があると思います。そしてこれを聞けば、教育に関心のある者はすべていろいろ意見を上げるでしょう。それらの声も聞きながら、計画編成をするというのは私は当然なことであり、電算機の結果は当然年度内、少なくとも三月までにはこれを公表して、国会の開会中に文教委員会でも取り扱うようにされる必要がある。電算機の結果をもって八月に方針を出します。方針を出すのは国会終了後で、そのときまでは内容公開はしない。私はこういう進め方は正しくないと思うけれども、大臣いかがでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) そこはひとつお任せいただきたいと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 お任せするわけにはいかぬと思うんです。去年以来、特に五カ年計画の終了の年、今年度中に本来来年度の予算要求に問に合うように五カ年計画、あるいは何カ年計画かを出されるべきものだった。これを悉皆調査を待ってと言いながら、いまもって調査結果も発表しない。調査結果はついに方針決定後発表するというようなのは、問題は逆転しておると思うけれども、どうですか。この材料、データというものは国民に対して見せないのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いま申し上げましたように、単純に全部の四万校の集計をするということは簡単ですけれども、今度はこの過密県において学級編制を四十五人以下に下げていった場合に、具体的に来年その次の年とどういう影響があるかというようなことは、これは簡単にはいかない問題でございまして、おっしゃるように、そう集計が出て方針が決まれば発表しろと言われましても、われわれは実現できる施策を考えなきゃいけないわけでありますから、いまのところの目標としては、やはり来年度の予算要求するころぐらいまでは、方針を決めるのにかかるのじゃないかというふうに思っているわけでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 そういう話を聞くと、もう予算要求とか、計画とか決まっておって、電算機のものが上がったら、アクセサリーのようにつけて出すというふうに私には聞こえてくるわけですね。データが上がってから数カ月間検討し、国民もながめる中で予算要求が決まっていくという、そういう筋道にそれではならぬじゃないですか。まあそれは計画というものは必ずしも悉皆調査をしなくても、すでにデータは毎年基本調査でやっておるわけですから、当然私どもは、計画というものは大綱においてはいまでも樹立することは可能だと思うんです。それを悉皆調査を口実にして一年延ばして、今度は悉皆調査の結果を待たずにおおよそ結論を出しておいて、そして八月に悉皆調査とこの調査結果を一緒に出すというようなことになれば、国民を欺くものだということになりませんか、大臣どうですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 決してそんな国民を欺くものではなくて、実際問題として過密地帯へ行きますと、各学校ごとに事情が違うんですよね。それで生徒を一人減らすためにどのくらいやっぱり新しく学級ふやすのか、そういうことを細密に検査しないと、しかも教室だけふやしたって、土地が足りなければ土地をふやさなければならぬですよ。ですから、そういう問題を具体的に綿密に調査をしないと、私はそれこそ国民を欺くものだと思うんです。そこの辺はひとつ文部省を信頼してお任せをいただいて、皆さんの御期待はわかっているんですから、御期待に沿うように私ども最善の努力をする覚悟でおります。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 それ言を左右にされるということだと私は思うわけであります。すでに今年度末をもって五カ年計画は終了をして、来年からは空白になる。こういう点からして、大蔵省では五十三年度予算をつけるに当たって、五カ年計画の終了を一年延ばして、そして五カ年計画を六カ年にせよと、こういう圧力がずいぶんかかったのが、前大臣の時期の今年度予算の問題であった。ようやく五カ年計画の増員分は年度内に配置をされたけれども、結果においては、国会決議の実施というものを一年以上先に追い送るということに、悉皆調査の名をもって文部省が協力したという姿になっておるじゃないですか、現実には。もし文部省が教育上のニード、必要ですね。これを明確に国民に示すことがなくて、いわば財政なり、あるいは自治体行政、これらの力に押されてしまったら、これでは今日の国民的課題をなし遂げることができないことは明白だ、少なくともデータの計算が上がったら、直ちに国民に示すことをやる。この点は計画発表と調査の終了との間には、理論的に見ても時間的なギャップがあるはずであります、少なくとも数カ月は見られる必要がある。この点については責任を持った処置をしてもらいたい。局長重ねて聞きますが、どうですか、データの結果が出るのと、計画が出るのが同時点なんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) データの結果を見て、試行錯誤だと思うんですね、もう一回これをかけ直して、こういう条件でやったらどうかというようなことをやるわけですから、全部データが出た、さあそれで料理しろということにはならない。やっぱり結果は出たけれども、もう一回かけ直して、こういう条件にしたらどういうことになるだろうというようなことをやりながらいくわけですから、それは簡単にはいかないと私はそう思っておりますので、いまからお約束はできません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 恐らく教育のことがわかっており、一般の行政のことがわかっておる者なら、この答弁を聞いて納得できる者は一人もないだろうと思うんですね。答えが出るよりもデータの方が後から出てくるというような話は、一年間重要な国民から負託をされ、国会決議もある学級編制基準の変更に関して、悉皆調査一年かかっても何もできなかったということになるわけであります。そして計画と調査結果との関係もはなはだあいまいである。こういう点は引き続いて検討したいと思うわけでありますが、国民の声としては、年度内にデータについての中間発表でも、あるいは基本報告でも行って、そして計画についての国民の知恵を集めることができるようにする必要があると、私はそう思うわけであります。少なくとも三月末までに、基本なり、でき上がった部分についてだけでも発表することを求めます。大臣はその点についてはどうお考えになりますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) やっぱりこれは全体計画を見ないと、そこだけをやるわけにいかないんで、全体計画の中でどうするかということを文部省としてもはっきり決意しなきゃならぬから、部分的にやるというわけにはまいらぬと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 計画をつくるためのデータであって、計画を見てデータを発表するというようなことは私は少なくとも初耳であります。これは奇々怪々な話だと私は思う。やっぱり肝心な問題を先に追い送るための私はいろいろないわば細工だというふうに聞かざるを得ない。三月の末までには、少なくとも基本的な定数上の問題点を国民の目の前に、当委員会に対しても報告ができるような状況にしてもらいたいということを再度大臣に要求をしておきます。  続いてお伺いをいたしますが、今日の状況で、過密マンモス学校の問題があるわけですね。学級編制基準ももちろん最も重要な柱でありますけれども、適正を欠いたマンモス校というものは、教育上大きなデメリットがあると、これが通説だろうと思うんですね。しかるがゆえに、文部省としても適正規模というものを設け、グラウンド、建物、学級規模、バランスのとれた学校建設を想定をしておるんだと思うわけです。いま適正規模というものはどのように定めており、そして過大、過疎において適正を欠く場合には教育上どのようなメリット・デメリットの関係があるのか、簡潔に御報告をいただきたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 小・中学校の規模に関しましては、学校教育法施行規則におきまして、「学級数は十二学級以上十八学級以下を標準とする。」という旨の規定がなされておるわけでございます。また義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令におきましては、学校を統合する場合の適正規模につきまして、一応十二学級以上十八学級までと、それから一定の場合にございましては、これを二十四学級までとする旨規定されておるわけでございます。これらは標準でございまして、さらに同じ政令の中で、いろいろな事情によりまして、これらの条件に満たない場合につきましても、国としてはそういった学校の整備については、協力をできるというふうに規定の措置をしておるわけでございます。標準でございますので、こういった標準に近いものが望ましいというふうに考えておる次第でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 標準から遠く離れて千五百人とか、ひどい場合には二千人というようなのが詰め込まれているというようなところでは、教育上どういう影響があらわれてくるものなんでしょうね。これは担当はどなたですか。初中局長ですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) やっぱり三十学級とか、そういう学校について校長さん等からお話を伺ったこともありますけど、一つの教育機関としては、いま管理局長が言われたように、ある程度の適当な規模というものがあるわけでございますから、それ以上超えますと、一つの学校の教育方針に即して、全校が一体的に機能して教育効果を上げるということがむずかしくなるという問題が出てきようかと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 少なくとも校長と生徒の関係なんかは完全に遮断されてしまいますね。私は一つの厳しい例として、和歌山県の県庁のある和歌山市というところの学校をつぶさに見て回ったんですがね。ひどいもんで、生徒の方が校長が学校に入ってきたのを見て、「おいやんどこの人な」と、こう言ったという話もあるわけですね。校長の顔を生徒が知らぬですね。もちろん校長の方から生徒を知ることができる道理もないと、こういうことになる。特にこういう場合にひどいのは、グラウンドと、生徒数との関係になってくると思うんです。適正規模の学校でグラウンド、建物それぞれあるでしょうけれども、一人当たりのグラウンドの敷地というのはどのぐらいになっておりますか。——ひとつ御勉強いただきたいと思うんですがね。一人当たり十平米余りになっていると思うですね。十二学級ないし十八学級と適正なグラウンド規模、こうなれば、一人当たり少なくとも十平米は保証されておるはずだ。ところが、これが一・一平米とか、一・二平米というような状況になってきておるのがかなりの数に上る過密校の実際。だから、同時に生徒がグラウンドに出るようなことはもはやできないし、休憩時間は教室内で過ごすと、こうなってくるわけであります。それでも出て行くことを通じて、けがが絶えないわけですね。過密校というのは同時に学校安全会への申請のトップ校とか、二番目校になっている。したがって、クラブ活動はやめさせると、こういうことになってくるわけであります。体位を守る上でも非常に重要な問題がある。その上にそういうところに限っては、見かけのグラウンド面積をさらにプレハブで引き去らなければならぬというような実態があります。こういうものをどのように解消していくか、こういう時期に当たってどれだけの分離新設に対する奨励の措置と、補助の措置を強化するかということが、これは引き続いて進む学級定数減への引き金としても非常に重要な問題になります。いま和歌山の例を挙げましたから和歌山について申し上げますが、御認識いただきたいですね。小学校は四十三校のうちで、三十学級以上のものが十三校ありまして、十九学級以上のいわば標準を超えたものが十五校あります。合計二十八校がいわば過大学校であり、標準以下のものは四十三校中十五校にすぎない。いわば六割以上が過密学校である。中学校をながめますと、十六校の中学校がありますが、三十学級以上のものが七校、そして十九以上のものが五校、合計十二校、四分の三が適正標準を超えておる。速やかにこれは分離新設を行って適正にしておく必要がある。そうでなければ学級編制基準の変更によって、四十名学級となれば、この上にさらに輪をかけて問題が出てきますから、実行が困難になる。これを現時点で強い措置をする必要がある。その上に私が聞くところでは、この和歌山の場合にはひのえうまの年の生徒の中学校入学によって、ボーダーラインにあった急増地指定が取り消される可能性が非常に強くなっておりますね。物すごいものであります。教員室がありません。教員室も普通教室に転用しておる、こういう具体例もあります。しかし学校長に対して行政はどう言っておるかというと、こういう非常事態の中で生きていく子供は強くなる、こういうことを言っておるわけであります。教員の資質が問われるというふうにも言っております。これ、政府の方がこういう時期に定員増を渋っておるような姿勢というのは、上から下まで貫いておる、こういう状況になるわけであります。私は、人口急増地の指定もしゃくし定規ではなく、特に過密学校の解消のためには、さらに新しい制度もつくるなり、補強をして、これに対処されるべきだと思いますが、いかがでしょう。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 学校の設置者であります市町村当局が、いろいろ計画を立てていただくわけでございますが、やはり年間、私どもの手元の資料では、過去五年間の平均をとりますと、一年間で約三百十五校程度の新設が小・中学校において行われておりまして、今後もやはり三百五、六十校程度毎年新設が行われるかと存じますが、こういった新設校につきまして、その位置をどうするかとか、新設校についてこれが取り込んでくる学区をどういうような範囲で決めるかとかいうことが、いろいろむずかしい事情があると思いますし、それからそれらの問題について、やはり大方の住民の合意を得ながら、円滑に進めるというようなことが必要であるようでございます。  それで、私どもといたしましては、実態としては、やはり三十学級を超えたところで市町村もいろいろと学校の分離についてお考えになるという傾向にございまして、そういったものにつきましては、私どもは極力これを優先して、これが実現するように、御協力するように、これまでも努めてきた次第でございます。  それから、ただいま御指摘の和歌山市の問題でございますが、これはたまたま明年——明年と申しますか、この四月からひのえうまに該当する生徒が中学校の一年に入ってくるという、そういう回り合わせから、市町村によりましては、従来の急増市であったところが、生徒数が減るということが中学校について出てくる可能性があるわけでございまして、和歌山市につきましても、市の計算によりますと、いまの小学校六年生の数と、それから中学校一年生、二年生の数を合わせました数字でいきますと、いわゆる私どもが定めております急増の条件に若干足りなくなるという数値が出ておるようでございますが、ただ、これは、やはり今年五月一日で調査をいたしまして、その後の住宅建設等によります生徒増がどの程度になるかということが判明いたしませんと、はっきりしたことは申し上げられないという状況のようでございます。  なお、御指摘のように、急増市に指定されない場合には、財政上の特例措置がなくなるわけでございますが、急増の指定というものは、これは過去三カ年間の増加現象に関して行われるものでございますので、私ども市町村に対しましては、そういった増加状況を見ながら、施設の整備につきましても、計画的にお進めいただくということを指導いたしておりまして、市町村の財政上も無理がないように、この特例措置が適用されるように考えていくようにしていただいておるというのが実情でございます。

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 速記ちょっととめてください。   〔速記中止〕

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 速記を起こしてください。   〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 大臣、いま聞いていただきましたように、標準規模の学校が十二ないし十八学級、これに対して、三十学級あるものは五割増しなり、倍になるというふうに頭に浮かびやすいわけですけれども、実際にグラウンドの広さと生徒数との関係などを見ますと、もともと狭隘な小規模学校のところに、マンモスにふくれ上がっていきましたために、もともとグラウンドが非常に狭い。しかも、これに対する設置基準というようなものがありませんから拘束性もない、こういう状況の中で、実は適正規模の十分の一とか、それを割るというような状況が現実にはあらわれてきておる。しかも、これに対する救済措置が過疎の方に対しては、かなりいろいろ行政誘導もあり行き渡っておりますけれども、県内全体としての定数では人口急増ではなくて、市街地部分だけ急増してくるようなところでは何の助成措置も受けずにやらなければならぬ、そのために放置をされるという例をしばしば見受けるわけであります。この和歌山の例は、これはちょうど中学校が劣悪な状況にあるにもかかわらず、ことし一年どうかすれば急増地指定が中断をするというおそれがあるわけです。この場合には、市教委はその間建設をやめて一年送るわけですね。非常にひどい状況が出てくるわけであります。こういう状態の中では、昔に比べてみると団地住まいをし、かぎっ子になり、そうして友達もなく、グラウンドにも出ないという最劣悪の状況が出てくる。学校側では、事故を防ぐためにはクラブ活動を遠慮する、こういうことになっております。いま全社会から学校にかぶせられている比重と要請というものは非常に重いわけでありますから、これは速やかに大蔵省にも自治省にも、よく教育上のニードを理解してもらって、優先事項として予算をつけてもらう必要が私はあると思うわけですね。ところが、前回の委員会で社会党の久保委員の方から指摘もありましたけれども、大体、文部省を素通りで、授業料の問題を自治省が全国を集めてハッパをかけたり、あるいは教科書問題で大臣も知らないうちに大蔵省が方針を出したり、財政優位、依然として日本国民はエコノミックアニマルであるのかという状況があります。文部省は、財務当局から圧迫をかけられて、いまどき定員をふやすところがあるかなどと言われると、五カ年計画を一年中断してしまって、悉皆調査の名のもとに内容を明らかにしない。基本調査によって問題点はほぼ概要明確であるにもかかわらず、計画を国民に示すことをサボタージュする、こういう状況になっておると見ざるを得ないわけであります。いまこの問題については、特に過密地の問題については、過疎の際に行ったような誘導措置、行政措置を行って、速やかに体力の回復なり、あるいはクラブ活動の前進なりについての条件を整備する政策を出していただきたいと思います。  その問題意識について、大臣にお伺いをしたいと思うんです。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 過密の急増都市につきましては、小巻委員御承知のように、負担率の上での特例措置は行っておるわけでございます。それで、和歌山市におきましても、たとえばさっき委員御指摘のような状況があるわけでございますが、特に三十六学級以上の学校について、やはり年次計画をもって小、中、それぞれ、これを解消していこうという計画はお立てになって、だんだんとその条件の整備に努めていかれる態勢であるというふうに聞いておる次第でございます。  それから、マンモス校に対する分離のための補助の仕組みといたしましては、これは母体校の不足面積にさらに特例面積として二割を加えまして、その範囲内で新設校について補助できることといたしておりますし、それからその場合に母体校に、いわゆる空き教室と申しますか、遊休の面積が生じたといたしましても、これが向こう五年間でこの空き教室が埋まると、そして必要面積の一割程度はたとえ空いておりましても、五年間でそういう状況が見越せる場合には、すべてこれを補助の対象とするというようなことで、できるだけ大規模校の分離がやりやすいように補助の仕組みとしては考えさしていただいておる次第でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 ほかの問題とあわせて一定の措置がなされてきたことは私も承知をしておりますし、これは一層発展させられなけりゃならぬと思うんです。ただ、この現象は、県としてとか、市として急増地指定にならないところにもたくさん起こっておるということも承知されるべきだ。さらに具体的に言えば、私は三重県の尾鷲というところに行ったことがありますが、全体は過疎地域であります。ところが尾鷲の町だけ斜面で空間が少ない。ここに火力発電が来ておりまして都市化をしておる。ここはめちゃくちゃな過密の学校があるわけですね。分離新設困難だし、分離新設を行っても何の補助もないわけですね。用地費は非常に高くなっています。こういうものについてもたくさん問題はあります。ある時期に過疎地の統合に対して傾けたような情熱で、一つの独立の柱として、マンモス校の分離新設を教育上の観点から政策として推進される必要がある。これはあわせて今日の国民課題である教育荒廃から、非行や自殺から子供を守っていく問題に直結する問題であるという点を強調したいわけです。大臣いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) お説のとおり、マンモス校を縮小して、そしてやっぱり学校が、校長さんがしっかり掌握できるような、そういう適正な規模の学校でなきゃならぬと、そういう意味でこれからしっかり努力をさしていただいて、本当に楽しい学校にしたいと。日本じゅうが狭い国でございますから、まことに過密地帯になってしまって、昔の小学校は、そのころはよかったんですけれども、このごろは本当に御指摘のように狭くて、高層ビルの中に建っているような学校で、これじゃ本当に私はいい教育はできないと思いますから、学校環境の整備について今後一層の努力をいたします。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 最後に、私学に対する補助金の問題で一つお伺いをしておきたいと思うんです。  ことし私学の学生の授業料補助について、十五億円の原資で概算要求以来予算要求を上げていかれたと思うわけです。ところがこれ消え去っていると、こういう状況になっておると思うわけですが、その内容と経過について御説明いただきたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 五十四年度予算の概算要求におきまして、私立の高等学校等経常費助成費等の中におきまして、ただいま小巻委員御指摘の、授業料減免を行う私立高等学校のために学費、授業料減免についての援助と申しますか、その特別補助を設けることについて概算要求いたしておりましたが、これにつきましては、五十四年度については、従来からのやはり一般補助についてこれを大幅に拡充をするという方に全力を注ぐことにいたしまして、当該要求については見送ることにした次第でございます。  なお、私立高等学校の生徒にかかる教育費負担の問題につきましては、これは大学局の所管でございますが、日本育英会の奨学事業につきまして、単価、人員等についての拡充を図ることといたしたというのが今回の予算概算要求についての結果でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 せっかく文部省で知恵をしぼり、あるいは私中高連の要求もありまして、あるいは熱烈な請願もあって立案された、要求されたものが落とされたというのは非常に残念なことだと思うわけです。授業料補助を行うのか、それとも経常費補助を行うのかというのは、今日のように経常費補助に固まる前の段階では選択の課題であったと思うわけですね。諸外国を見ましても、授業料補助という方式を採用している国と、それから経営者に対する補助を採用しておる国と、あるいは他の方法を採用しておる国といろいろあると思うんですね。この中でようやく経常費補助が、半額を目指しながら、三〇%を超え、高校レベルであれば三五%ぐらいに一般的に言えばなったかと思うわけですが、次第に頭を打つような状況も部分的にはあらわれてくると、こういうところを見ると、ここで授業料に対する補助ですね、これが何がしかの方法で導入されることを考えることは非常に重要なことだと思うわけです。実は、政府が法律によって経常費補助をやるようになる前には、東京、大阪等では授業料補助が住民の請願、そして府県議会、都議会の採択によって実行されてきたわけですね。ところが、東京では経常費中心に切りかえて、いまでは授業料補助が定時制のみに限られてしまった。大阪の場合には、これは一人当たり六万円くらいになりますかね、これをずっと継続してきたのですけれども、経常費Aランクに位置づけることとの関係でかなりむずかしい状況があらわれてきておるわけです。これは私申し上げますが、非常に行政効果の高いものであります。今年、大阪の私立高等学校が集まりまして、補助金が経常費Aランクで補助を受けることができ、前年に準じる授業料補助がもらえる条件であるなら、授業料アップをストップするということで、申し合わせで授業料をことしはとめたわけですね。県議会の赤字財政下での圧力の中で予算を組むわけですから、これは執行する側も大変なわけです。しかし、これらのまた私学の良心的な授業料アップのストップということを背景にして予算も獲得しておるわけですね。こういう性質のものだと。これとは形は違って、経常費助成の一翼という姿ではあるけれども、ことしは十五億円の原資計上をした。これが通っていくということは、非常に私学の経営者、父母そろって活力を与えるものになってきておるわけですね。残念ながらこれが打ち切られておりますので、来年はぜひとも突破をしていただきたいと思うわけですが、この点は大臣の御決意を聞きたいと思うんです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) なかなか私はむずかしい問題だと思いますが、私が文教委員長のころにちょうど私学振興助成法をやりまして、二分の一以下であったのを二分の一まで上げようというので相当大幅に上げまして、大学も、いまおっしゃるように高等学校も、相当大幅に経常費の助成をしたわけですから、授業料も経常費の一部でございますからね、経常費の方も上げる、授業料の減免もやるというのはなかなかむずかしいので、授業料につきましては従来育英資金の方でめんどうを見ておったんですから、経常費助成とこれもやれとおっしゃると、私はなかなかむずかしいと思いますが、とにかく本年度のいきさつもありますものですから、本年度のいきさつをよく私まだ聞いておりませんから、よく聞いて善処したいと思います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 ことしの要求は文部省が工夫をしたところだとも思うわけですが、経常費の一翼として、県立高等学校等ではこれは政府から交付税の中でめんどうを見る際に、授業料収入等の収入を九割と勘定して計算しておるわけですね。一割は減免等の措置に充てられておるものと、これを容認する姿で県立学校に対して交付税措置が行われておる。それに見合うものと考えるならば、私立学校でも、授業料収入の一割はいわば加減されるべきものと、このことを認めて、それを政府と県とそして設置者と三者で始末をしていこうというところに注目をして、五十億円規模の事業内容を政府原資十五億円として計上しておるわけです。ですから、これは経常費の一翼としての授業料補助になる。こういうことですから、せっかく、恐らく予算の通過の順位等で低位に置かれたために、私は大蔵査定を通らなかったんじゃないかと思うわけですが、ひとつ重視をしてやっていただきたいと思うわけです。特に、内藤先生、これタカからハトになられるのは、思想なり、信条なりでは非常によろしいのですけれども、予算獲得をするときはハトのごとく大蔵省に従うようなことでは、私はとうていこの今日の難局を乗り切ることはできない。大いに戦闘的に予算獲得の上においては「タカサブロウ」と、それから民主主義を守る上では「ヨサブロウ」と、こういうふうにいってもらいたいと思うんですが、いかがでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私はもともと「タカサブロウ」なんですからね、たまたま参議院に出るときに「誉れ」を「タカ」と読めないから、どうしても「ヨサブロウ、ヨサブロウ」と、こう言われてね、私もいつの間にか切られ誉三郎になっちゃって非常に残念に思っていますが、私は国会以外では「内藤タカサブロウ」でやっています。大妻の学長も「内藤タカサブロウ」ですから……

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 大蔵省には「ヨサブロウ」では困るんですね、これは。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 「タカサブロウ」でやりますから、よろしくお願いします。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 終わります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私は初等中等教育の改善充実に関連して、二、三質問をさしていただきたいと思います。  まず、昭和四十九年度を初年度とする義務教育教職員定数に関しての第四次五カ年計画というものがありましたけれども、それの実績を示していただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 四十九年度から五十三年度、本年度までの五カ年において、義務教育学校における事務職員を含めての教職員の増は七万九千三百二名となっております。その内訳を申しますと、児童、生徒の増に伴って当然ふやさなきゃならぬ先生が三万八千六百十と。それから、標準法の中身として、たとえば養護教員、事務職員を全学校数の四分の三まで全部置ける数を増員するというような改善増が二万四千三百七十八と。そのほかに今度は特殊学級、あるいは養護学校を新設するに伴って必要とする定員増、及び教頭法制化に伴って教頭の増をした分とあわせまして一万六千三百十四人。計しまして、先ほど申し上げましたように七万九千三百二というふうになります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 その中の数字で教頭法制化に伴って代替教職員の定数増という分が含まれておるわけでありますけれども、それの実績はどうなっておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 御承知のように、教頭を学校教育法上制度化しましたのが昭和四十九年の夏でございます。そこで、いまの標準法の五カ年計画は四十九年度から始めておりますので、そういう意味では教頭の整備計画というのは、標準法とは一年おくれて五十年度から始まって、明五十四年度で一応の五年の計画を終わらせるという計画になっておりますが、五十、五十一、五十二、五十三で、すでに済んでいます分が三千四百、それから、現在御審議願っている五十四年度の予算において、教頭定数分として考えておりますのが千二百七十ということでありますので、合わせて四千六百七十という代替教頭定数の確保ができる見込みでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 このような代替教職員の定数増によって、実際にその教頭の担任する授業時間、こういうものはどういう現状になっておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 教頭のその一週間当たりの担任時間数というのは、五十二年の学校基本調査によりますと、小学校の教頭が三・四時間、中学校の教頭が六・五時間ということで、この数字は四十九年の調査に比べますと、小学校が三・七時間で〇・三時間減、中学校が八時間で一・五時間減と、こういう調査になっております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 教頭法制化の国会の審議の経緯を見てもわかりますように、これは学校教育法第二十八条の四ですね、「教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。」、これは国会におきまして「必要に応じ」というのが修正されて挿入されたわけであります。ということは、その教頭の主たる業務は、校長を助け、校務を整理するというのが主たる業務、そして、「児童の教育をつかさどる。」というのが従たる業務、このように解釈すべきだと思いますけれども、大臣はそのとおり理解されておりますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) まことにそのとおりでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そうしますと、本当は教頭職というものは、授業をするよりも、やはり校務の整理、あるいは校長の補佐、こういうものが主たる業務にならなければならないわけでありますけれども、私が調べたところによりますと、全国各都道府県の実情というものはなかなかつまびらかではないわけですけれども、千葉とか、東京とか、大阪とかいうような大都市圏は、比較的枠外教頭数というのが多いのでありますけれども、その他の都道府県におきましては、枠外教頭数というのは大体一割に満たないところが大部分である。こういう現状からいきましても、私は必ずしも教頭法制化の趣旨というものが十分実現されていないのではないか、こういう気がするわけであります。この点についてはどのように判断されますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 教頭法制化の趣旨は、大臣がお答えしたとおりでございますが、ところで、それを現実の定員配当の上でどう実現していくかということは、予算との関連においてやってきているわけでございますが、現在の標準法のたてまえでは、ちょっと講釈するようになって恐縮ですけれども、小学校は六学級以上、中学校は三学級以上の、全学校について教頭定数として〇・五を見ておるという計算なんですね。それは逆に言いますと、教頭は普通の人の半分の授業でよろしいというところで教頭の法制化が成立したわけです。  そこで、それではそれをさらにもう一歩進めてどうするかというので、小・中学校とも十八学級以上の学校については、その〇・五を一にしようということでやったのがいまの四千六百名の定員増ということになるわけですから、十八学級以下についてはまだ〇・五だということで、ところが、今度は各県の実態を見ますと、過密、過疎の県によって学校の規模が大分違いますから、そこで過疎県などはまだ十八学級以上の学校というのは少なうございますから、そこで〇・五の状態が大部分であるというのが率直な実情でございます。  そこで、五十四年度は、いま言ったように十八学級以上についての増を一応終わりまして、それ以後さらに教頭の問題をどうするかということは、ただいまの標準法の改正と関連していま検討しておる、こういう段階でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 教職員定数についての第五次五カ年計画ですか、これはいつから実施される予定ですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) それは先ほど来お話が出ましたけれども、五十四年は、一年その調査の結果を待って策定するということで休んでおりますが、われわれの計画としては、五十五年度から次の年次計画を立てたいというふうに考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 その五カ年計画の大筋の構想といいますか、考え方というものがあれば示していただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは、いまの実態調査を待ってと申し上げていることはまさにその点なんですけれども、ただ基本的にわれわれが頭の中に入れておかなきゃいけないのは、この定数化の改善の問題については、現在の標準法を審議された四十九年当時の国会において、衆参両院の文教委員会で附帯決議をされておりますが、その中身として一学級の児童、生徒の編制を、たとえば四十人にするように検討するとか、養護とか事務職員の全校配置を図るとかいうようなことがございますし、それからその後において、いまの教頭法制化の際に、当時の奥野大臣が国会において教頭の配置についてもさらに改善するというようなことを言っておられますから、言ってみれば国会における審議なり、それに対する文部大臣等の御答弁というようなものを念頭に置いて、そういうものをできるだけ実現する方向で前向きに検討していきたい、こういうふうに思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そうすると、五十五年度から実施される第五次五カ年計画では、その中の大筋といいますか、主たる項目というのは、一学級四十五名を四十名にする、それから事務職員を現在七五%の学校に置いておるけれども、これを一〇〇%にする、それと同時に、教頭の代替教職員の定数増をさらに進める、そのように理解していいわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) そのほかにも細かい問題はありますけれども、大きな課題としてはそういうことだろうと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 先ほど申し上げましたように、教頭の法制化に伴いまして、「必要に応じ児童の教育をつかさどる。」、こういう法の示す意図というものが現在も必ずしも完全には実施されていない。特に小規模校では教頭が学級担任を兼任しておるところもございますし、同時に、こういうところでは養護教諭、あるいは事務職員等の未配置校というものも多いわけでありまして、こういうところではこういう仕事も教頭の肩にかかってくる、こういう現状になっておるわけであります。そこで、この第五次五カ年計画の中で取り上げられるべき教頭の代替定数措置について、どういう構想を持っておられるか、お伺いをしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) まだ具体的に、どれだけどういうふうに改善するかというような方針を立てておるわけではございません。ただ、いまお話で小規模学校における教頭のあり方というような点だと思うんですけれども、たとえば、その中学校の三学級でございますと、いまの標準法では校長以外教頭を含めて七人というたしか配置、配当だと思うんですね。それは中学校の教科は九教科ございますから、七人でいいかどうかという問題はあることでございます。一方、教頭のその整理する校務というものが小規模学校の場合どの程度のものか、あるいは校長補佐という、その職務を実施するだけで実際に教育活動ができないかどうかというような問題があると思います。私は率直に申して、校長、教頭が法律で定められた校務を整理するという、その職務ができないほど授業を担任させられるというのは適当でないと思いますけれども、私は教頭といえどもやっぱり子供に接するということは非常に大切だと思いますから、そういう小規模学校については、やはり私は余裕のある限りは教頭さんもむしろ教育をやっていただいた方がいいと、私はそういうふうに考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そのお考え方はお考え方として、具体的に、五十年度の文部省の要求の場合には、十二学級以上のところ教頭を枠外にする、したがって、そうすると一万五千校をその対象にするという考え方があったと思います。それが大蔵省との折衝の中で十八学級以上、九千二百校というふうに削られた。したがって、今度の第五次五カ年計画ではこれをさらに進めるということは当然考えなければならないと思うんです。その点について具体的にどういう構想を持っておられるのか、お考えをお伺いしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これ同じようなお答えになって恐縮なんですけれども、次の年次計画というのは、いまの、一方で自然増があり、さらに学級の子供の標準定数を幾らにするかという、それをいつから幾らにするかによって要する定員増はどれだけかとか、いろんな課題がございますんで、教頭の問題だけいま取り上げて、それを、次は十二学級以上だというふうには決めていないわけでございますけれども、方向としては、おっしゃるように十八までやったわけですから、それより下の時点でどういうふうに考えていくかという課題だと思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 当面の具体的な目標はいま示せないということでありますけれども、将来の理想的な形としてはどういうかっこうがいいと考えておられますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これ抽象的になりますけれども、先ほど申しましたように、一般的に言えば、教頭として学校教育法に命ずるところの校長を補佐し、校務を整理するという、その仕事が十分に果たせる程度の定員を確保するということが必要であると思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 現在の定数標準法では、小学校六学級、中学校三学級以上が〇・五というふうになっておるわけでありますけれども、本来の趣旨からすると、小学校六学級、中学校三学級のところで一、こういうふうにすべきだと思いますけれども、この点はいかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) その点は、いま私は直ちに三と六以上は全部というふうには考えていないんで、少し検討をさしていただきたいと思っておるわけです。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 いずれにしても、第五次五カ年計画の中で、さらに教頭にかわる教職員の定数をふやしていくということは、これ重要な項目として実施をされるわけですね。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) そういう方向で検討をし、努力をしたいと思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 それからもう一つ、四十九年に教頭法制化が行われたわけですけれども、ところが、定数標準法の中では教頭の定数というものは明示されておりません。一般の教諭の定数の中に含めて表示をされておるというかっこうになっておるわけであります。しかし、本来の趣旨から言いますと、これは現在、校長、それから教諭というふうになっておるわけでありますけれども、やはり校長、教頭、教諭というふうに分けて定数を決めるべき問題ではないかと思います。この点についてはどう考えておられますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは先ほども申し上げましたように、今回の年次計画では、計画発足後に教頭の法制化というものがなされましたから、標準法には出ておりませんけれども、今後立てる計画においては、一つの柱として考える方向で考えてまいりたいというふうに思っておるわけであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 やはり教頭が校務をやり、もちろん一部必要に応じて授業をやるというふうな法律になっておるわけでありますけれども、やはり教頭職というものの役割りというものは、学校教育にとってきわめて重要なポイントだと思います。したがって、私はぜひ教頭が十分その職責を果たせますように、それから同時に、教頭ができても、その定数増が十分でないと一般教諭にもしわが寄るというようなことになりますので、ぜひこの代替定数増というものを進めていただきたい。それから同時に、いま申し上げました定数標準法の中ではっきりと教頭の定数というものを位置づけをしていただきたい。  以上、特に要望したいと思いますけれども、大臣の御答弁を求めたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いまお説のとおりその方向で努力いたします。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 以上で終わります。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 主として教員養成の問題、あるいは入試の問題、社会教育の問題等についてお伺いしたいと思います。  教育の場合に、校舎、教具あるいは敷地、教科書、学級定数等、大変大事なものであることは当然ですけれども、やはり一番中心になるもの、一番大事なものは教師その人であろうと思います。教師が教育に取り組む熱意とその能力と、これを兼ね備えてやる気になれば、教育は私はよくなっていくのではないかと。そうした場合に、教師をしてやる気を起こさせるもう一つ背景にあるものは何だと言えば、これは社会意識が教師を尊敬するというか、信頼し、そして大きく期待する、そうすると、それにこたえようとするのが人間の本能でして、そこからまた教育はよくなっていくのではなかろうか。ところが現在、率直に言いますと、社会が教師に期待はしていると思いますけれども、本当の敬意を抱いて、心から信頼をしているかどうかというと、現状は残念ながら必ずしもそうではないのではないかという感じを私は持っているわけです。そのよって来るところはどこから来ておるのか、ここら辺をよく考えて対処しなければ、いろいろな設備、その他制度が完備されてみても、結局仏つくって魂入れずということになるような気がしてならないわけです。その原因となるもの、社会が教師に本当にやる気を起こさせることになっていないのではないかという、その原因はどういうところにあると文部大臣はお考えでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 有田先生、大変むずかしい問題で、私もあなたからむしろ御指導をいただきたいと思っているくらいですが、何と申しましても、私は教育で教師ほど大事なものはないと思うんですよ。昔は国民の三大義務であった兵役さえ免除したんですよ。  それで、私はちょうど田中総理のときに、先生の月給を五割上げるという案を出したんです。そうしたら田中さんは、五割は無理だから三年間三割にまけておけとおっしゃって人確法をつくったのがその趣旨なんですよ。だから待遇も一つですよ。待遇も一つですけれども、待遇だけじゃない。あなたのおっしゃるように、国民が教師に対する尊敬の念、これが私はやっぱり根本だと思うんです。いい先生でなきゃいかぬと思うし、私は戦後ずっと四十年も教育をやってきましたが、終戦直後全部開放制にしちゃったわけですよね。昔は御承知のとおり師範学校で来たんですよ。いい悪いは別ですよ。師範学校で来たけれども、終戦後は教員養成を開放制にして、教育原理、教育心理、教授法等十五単位、二週間の教育実習やればだれでも中、高の先生になれるんですね。だから教員の志願者は猛烈に多いんですよ。じゃ、志願者が多いからいい先生が来るかというと、必ずしも私は、いい先生も来るでしょうけれども、それがいいかどうか私は疑問だと思って、やっぱり教育で何が大事かといったら先生ですよ。これが一番大事だから、教員の給与も上げて、これも一つだけれども、やっぱりおっしゃるように、全国民から信頼され、尊敬されるような先生が私は教育の根本だと思って、そこで私も一生懸命努力しまして、上越と神戸に教員養成大学院をつくった責任者の一人ですが、これも一つで、やっぱり先生方に大学院で研修していただく、これも非常に大事なことだと思う。それから同時に、先生の現職教育をやるとか、外国へやる。私は田中総理に対して、御批判がいろいろありますけれども、私はあのとき先生を外国へやってくれと言ったわけです。日本は金が余っているんだから一遍にやったらどうと言ったら、よし一万人やるとおっしゃった。まあ一万人は無理だけれども、とにかく五千人やってくださった。私は、月給を上げてくださったことと、外国へやること。外国へ行って国際交流を深める。日本は資源がないんだから、世界じゅうから信頼され、尊敬されるような人間をつくらなきゃいけない。そのために先生みずからがやっぱり外国へ行くことが大事だと思うんです。そういう意味で文部省でも外国へやる、あるいはいろんな研修やる、教員養成のために最善の努力をしていますが、まだまだ私は不十分だと思って、本当に先生方が国民から信頼され、あの先生に任しておけば安心だという、そういう先生づくりにこれは及ばずながら私も全力を傾けてやるつもりですから、ひとついろいろ有田先生御指導願いたいと思います。お願いします。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 私も、これがその原因だというようなことをきちっと指摘するような力もありませんが、ただ、考えてみますと、一つは、教師たるの職業観が十分確立されていない面があるだろうというのが一つあるだろう。それから、そうするために教員養成の問題です。いまの研修、あるいは外国研修、いろいろございましょうが、教員養成学校ですね、まあいまならば大学ですけれども、教員養成大学に学ぶ。言いかえれば入れるときの入れ方も一つある。それから、そこを出てそれぞれ教師になるために志願をする。そうすると、それを採用するときの採用がやはり点数中心にほとんどなっていて、職業観だとか、適性だとかいうものがやはり差別というようなことで攻撃されるために、十分配慮されにくくなっておるのが現状ではなかろうかという気がするわけですね。言いかえれば、一番ふさわしい方が教師になっているのでなくて、そうでない人、一時はでもしか先生という言葉もありましたけれども、そこにきちっとした職業観が確立し、能力があり、熱意があり、そして向いているという人が座っていなければ、私は教育の実は上がらない。ところが現状はそうなっておるような気がします。  それから、これは言うとまたやかましくなるんですけれども、まあ文教委員会ですからタブーというようなことがあってはならないのであえて言いますが、私は教職員組合のストライキについてもやっぱりやってもらいたくない。   〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕 それはもうこの前一遍代表質問のとき言いましたから重ねてはもうくどく言いませんけれども、やはり子供には学習権というものもあり、親も見守っている。その中で政策要求のストライキをするということは、教師の権威をやっぱり落とすことになっているのではないか。もちろんそれは教師も労働者だと言ってしまえばそれまでですけれども、それぞれ相当な年輩の、いろいろ社会的にも大きく活動しているような人も、二十そこそこの先生の前に行けば、やっぱり頭を下げて、いろいろよろしく頼みますと言う。これはやはり子供を預かってもらっていることに対する親の心からの願いだろうと思うんです。それを逆手にとってはいけない。ほかのいろんなことを議論しますけれども、このことはやはり真剣に考えて、そういうことにならないようにしないと、やっぱりさいの河原のような気が私はしてならない。そのことは余りくどくは言いませんけれども、そういうことを全部洗い出してみて、真剣に取り組むようにしなければならないのじゃないかという気がします。  それで伺いますが、教員の、教員大学入学のときのことはここでもずいぶん議論もされました。推薦のことについて是か非かといろいろありましたが、それはさることながら、教員を採用のときですね、これは現状はどうなっていましょうか。先ほど申し上げたようなことが加味されておりましょうか、ちょっとお聞きしたい。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 採用については、後から局長からお話があると思うのですが、私はやっぱり採用が一番大事だと思うのです。ですから、あなたのおっしゃるように、それは点数だけで採用するなんていうことはやめてほしい。私はこのごろ日本の財界でも、一流の財界を見てみますと、やっぱり人物考査とか、採用試験やってませんね、全然違うんですよ。私はやっぱり人柄を見て、一流の会社もやっているようですから、教員は特にそうですから、本当は教員に現場をやらしてみて、そういうもので審査するとか、あるいは口頭試問をやるとか、いろいろあると思いますので、私はただ点数だけで採用をやってはいけないと思います。  それから、いま一つのお話のストライキは、これだけは私もやめてもらいたいと思うのです。どういう御要求があるか私は素直に聞きたいと思いますけれども、やっぱりお話のように、子供に与える影響、それから親に与える影響が非常に大きいから、これは私は自粛していただきたいのが私の願いです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 小・中学校の先生を中心とする新採用のやり方につきましては、三、四年前に全国の調査をやったことがございまして、正確な数字はいま記憶いたしておりませんけれども、一般的なやり方としては、卒業予定者についてまず学科試験をやる。それで、一定の水準に達した人をそのまま採用候補者名簿に登載して、その中から順次採用していくというやり方のところもございましたけれども、そのときにも各県に通知は出しませんでしたが、課長会議等で説明をしましたのは、やはりそういうテストだけではいけないのだと、それぞれの志願者に会って、その人の能力、適性というのをやっぱり調べて、この人は先生に対しての職業観というものを自分なりに持っておるとか、あるいは教師として向いていそうだというような人をやっぱり選ぶようにしていただきたいというような指導はいたしております。最近は御承知のように、一つには人確法のこともございますが、一つには社会一般の就職難というのもありまして、先生志願者というのが各県非常にふえているわけですね。採用予定者に比べて十倍、あるいはそれ以上になっているという実態がございますので、いま申しましたようなことを全部の教員志願者についてやるというのはなかなか大変でございますけれども、一応ある程度、いわば国立大学の一次試験のように、この場合は足切りがいわばあるわけですけれども、ふるいにかけた人についてやはり面接を最終的にはやって、そして登載をさせるというような方式で指導しているわけでございます。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 現実にはなかなか言うべくしてむずかしいんじゃないかと。だから、いま初中局長が期待されておるように行われていないのではないかという声もよく聞くわけです。むずかしい問題ですけれども、私はここに教育の一つの根幹になるものがかかっているという気がしますので、これはやはりお互いに重視して対処すべきものだと思うわけです。  それで、入試のことも伺いますが、その前にもう一つここで伺っておきたいのですが、店頭でポルノ雑誌だとか、あるいはまあ暴力雑誌——暴力的なことをこれ見よがしに扱った書籍だとか、看板だとかいうのがはんらんしております。これについては何か二様考えはあるようで、一つは免疫性にすることができるんだと、だんだんなれっこになってもう珍しがらなくなる。それからもう一つは、そうではない、ある思春期の年齢に達していけば、やはりそういうのは害毒を流すという見方と、免疫になる前に非行化の原因になるという見方と、両様あるようですが、私は後者の方だと思うんですけれども、大臣、どうお考えですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私も同感なんで、これはやっぱり非常に害悪がある。私、一遍たしかスウェーデンへ行ったときだったかな、ストックホルムあたりに行ったとき、そういうポルノ雑誌は絶対に店頭に飾らないんですよ。あることはあるんですよ。あるけれども店頭に飾ってない。私はやっぱり偉いなと思った。日本は店頭に飾って、免疫になるなんという、そんなふざけたことはないと思うんで、皆がもっと子供を大事にして、やっぱりそんなポルノを、これはやっちゃいかぬというのはいけないけれども、そういうものは店頭に飾らなかったですよ。私はそれだけの配慮が日本でも必要だと思っています。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 いまの場合、これは長い間ここで、これ、民社党の前の議員の先生も力説して、十年間いろいろここで力説したけれども、何ら反応がないのでということを残念そうに言っておられましたが、私もそうで、これは憲法で保障する営業の自由、表現の自由ということがあるから、なかなか規制がむずかしいということのようですけれども、これは議論のあるところでしょうけれども、公の秩序を乱すというような場合は、別に私は憲法違反にもならないのじゃないかというふうに思っていますが、いつも議論すると、最後はそこのところでとまる。そうして警察も動けないし、それから文部省も動けない。しかし、やはり一つのたしなみというか、これはそういう方たちが自粛してくれれば、もうこれにこしたことはないわけですけれども、何年たってもそうはならない。その間に子供はいろいろ悪影響を受ける。だからある時点で何らかの方法を、これは文部省なり、警察なり、総理府なり、関係のところが全部協議して、できなければそれはもうやむを得ないんですけれども、できるところまで指導してでも持っていくということでないと、けさから議論があっておりますように、やはり暴力だ、非行だ、自殺だ、いろいろ起こってまいりますけれども、その背景をなすものはたくさんあるでしょうが、その中の一つは、いま申し上げたような社会的な大人の配慮が足らない。それで大人は営業だ、もうけだという、また表現の自由だ、営業の自由だと言いますけれども、その陰で次にわれわれの世代を受け継ぐ子供に悪影響を与えていくことをどう考えておるのか、やはりこれは各人に訴えても仕方ありませんけれども、何らかの方法がとれないかどうか。いまのままで免疫になるかもわからないということで放置するのか。これはやはり何らかの動きを一遍、文部大臣の方でも示してもらって、いよいよできなけりゃしようありませんが、そこまで努力してみるということを内藤文相のときに私は期待したいのですが、どうでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) せっかくいま総理府に非行問題の審議会ができましたから、一遍三原長官にも話して、総理府でひとつ御検討いただきたいと思う。最後は、文部省の責任だと私も思いますけれども、せっかくそういうふうに懇談会できたから、懇談会でもひとつ御議論願いたいと思う。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 もう一つ、これは少し抽象的な問題ですから、文相の感触だけを伺えばいいんですが、基本的人権というもの、これは人権思想が中世から近代に移って非常に上がってきた。それで個人というものの自覚が高まってきた、これが近代の資本主義を生み、文化を生み、そして近代的な社会ができてきた。これはお互いそう認識しているわけで、これは一つの価値として認識しているわけですけれども、ここで東洋と西洋というふうに対置して考えてみた場合に、もともと東洋というものはそういうことでなかったわけで、全体として物を見、相互扶助というよりも、もともと一つの物であるという物の考え方、これでずっと日本を含めて今日まで、明治時代の初期までは来た。しかし、それが外来文化が入るようになって、個というものが自覚されてきた。特に戦後はアメリカ的なデモクラシーが入ってきて、個の自覚ということが声高く叫ばれるようになった。ただ、ここで静かに考えてみますと、それは最高の価値であり、進歩の目標であるのかということを考えますと、東洋的な物の考え方は、それはそういう近代化とか進歩とかということとは別に、やはり風土に根差して、東洋民族がずっと今日まで来た一つの価値あるものではないかと。単なる封建思想だとして片づけるものでないのじゃないか。そうすると、何を言いたいのだと言いますと、個人の権利は結構なんですけれども、一対一で人権だ、権利思想だということはどうしても行き過ぎになりますけれども、これは社会を砂漠のようなものにする。都市化現象と相まってますますそうなってくる。だから、それに比例してますます一体感というものがあってしかるべきで、それはもう後進性だといって排除するのが現在の考え方なんですけれども、私はこれが大きく日本の社会を一見進歩させつつあるがごとく見えて、逆に退歩させつつあるのではないか。人間をさびしい「個」の存在まで追い込んでいるんじゃないか。これが家族制度の中にも入り、法律の中にも民法で入り、相続もああいうことで全部ばらばら。だから、それは家父長制度というような大家族制度から来た面にマイナス面はあったでしょうけれども、さればと言って、これを全部捨てて、西欧的な思想が正しいんだと、それがいわゆる進歩というものだと断定してしまうには、私はもうちょっと考えなきゃならぬ時期に戦後三十年たってきたのではないか。これがもろもろの施策、物の考え方にあらわれていっているように感ずるわけです。だから、これは大変抽象的なことですから、これをどうですかというお聞きの仕方はまことにこれは適切でないようにも思いますが、そこら辺について、どうせ文相何らかの感触おありでしょうから、ちょっと言ってみていただきたいのです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 大変むずかしい問題の質問をされたんですが、実は私も戦後ずっと六・三制をやってまいりまして、新しい教育制度をやってきたと。そのとき、アメリカ人とずっと接触してきましたが、戦後の教育だけじゃなくて、すべてがだんだん日本を——これは戦後だけじゃなくって、明治以来かもしれません、やっぱりいつの間にか西欧文明が入ってきてから個人主義、自由主義というのが大きなスローガンになったことは確かなんですよね。だから、すべて個人主義、自由主義、これは大変いいことなんだけれども、御説のようにやっぱり何か全体、家族制度を含めて、もう少しみんなで協力するという、そういう何か価値観が消えてしまったような私も気がするんで、この際もう少しお互いのために、人のために奉仕するとか、共同的な価値観というものを養うことが大事じゃないでしょうか。何しろ自分さえよければいいと、人はどうなってもいいと、そういう考え方じゃ私はいかぬと思う。これは本当の意味の個人主義じゃないと思う。やっぱり個人主義というのは、自分の能力を伸ばすことと同時に、相手を尊重して、相手のしあわせを願うことが大事だと思うわけで、そういう意味で、やっぱりこの辺で、日本人も価値観を転換して、そしてみんなのために幸せになるように、そういう心構えが私は必要じゃないかと思って、その点はひとつ有田先生からまたいろいろと御指導をいただきたいと私は思っております。どうぞよろしく。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 次に、宗教的情操を養うということについてお尋ねしてみたいんですが、宗教教育、宗派教育は教育基本法でも排除されておることは承知しておりますが、いわゆる宗教的情操を養うということは排除されていないのだろうと思うんですが、だから宗派教育とかにならない面と言えば、動・植物をいたわるとか、大自然に対して謙虚な気持ちを持つとかということはそうだと思うんですが、それで、具体的にこれはどうですかね。たとえば、学校の先輩の墓参りをするとか、亡くなった恩師の未亡人のところにみんなで何人か菓子でも持って行って、年に一回でも集まって慰めるとか、そういうことがいわゆる形にならない一種の徳育というか、子供の気持ちをしみじみとしたものにする一つのよすがのような気もするわけです。これを宗教教育を排除していると言えば墓参も、これは仏教ですね、墓参と言えば仏教。そこら辺、どういうことでしょう、初中局長からでも大臣でも結構ですがね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、墓参をするとか、そういうことは宗教教育ではないと思っております。特定の宗教の教派とか、それを教えちゃいかぬというけれども、教育基本法の中にも宗教的情操の陶冶涵養はやれと書いてあるんですよ。だから、宗教的情操の陶冶涵養をするためには、あなたの言うように墓参をするとか、お参りをするとか、そういう気持ちが私は非常に大事じゃないかと思っておるわけです。  細かいことは局長から。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 昔はお互いにいろいろな学校行事というものがありました。それは針供養だとか、われわれ鉛筆供養というようなペン供養もありましたが、もう一生懸命人間のために働いて、そして短くなった鉛筆、あるいは使えなくなったミシン針だとか、ペンだとか、そういうものをずっと教室の隅に、あるいは家庭の隅に、図工でつくったような小箱を置いてその中に入れて、一年分たまればこれを新しい鉛筆にかえてくれまして、そしてそのときに、針供養であれば豆腐に、女性徒であればたくさん折れ針を刺して感謝をしたものですよね。だから命のない物にも感謝をする。理屈に合わないことかもしれませんけれども、そういう気持ちが、心情が私は何となく子供の気持ちを落ちつけていくのではないかと言んですけれども、もう最近は一切そういうことにも触れませんし、まあいわばそれは封建の残滓のような扱い方ですけれども、絶対にそれは違うと私は思うんですよ。それはやっぱり人間が生きていく上において、本当にしみじみな、お互いが助け合う、相手の立場に立ってみる、あるいは命のない物にも感謝するとか、弱い者に手を差し伸べる、これはずっと一連の人間の望ましい行為ではないかと。だから、徳育だと正面からかざしますと、昔の修身教育のように何々をすべしとか、何々すべからずとなるけれども、それが抵抗があるのであれば、そうじゃなくて、いまのような学校行事だとか、家庭行事だとか、社会行事だとか、そういうことの中で、何となくそういう風潮をつくっていく、遠いようですけれども、それが案外近道かもわからないと最近実は考えるわけなんで、学校の中でそういうことがクラブ活動でも何でも強制なしに取り入れられるものであれば、先輩の墓参りをするとか、そういう本当に学校をつくった人の——私立ではやってますものね、命日をはっきり書いておって墓参するとか、そういうようなことをやったらどうだろうかという気がするわけでございます。これはそういうことで、あとはもう御回答はいただきません。  ところで、入試問題について伺いますが、文相も前から言っておられます、ここの文教委員会でもずいぶん話は出ましたが、共通テストの第二次ですね、これは大学は自主的に決めることでしょうから強制はもちろんできないんですが、東大第二次テストで五教科をやると——でしょう、いま。そうすると、第一次テストでもやり、第二次テストでもやる。そうすると文科に行く者も数学をといえば、完全な平均的な優良児を目指しておるとしか思えないわけですけれども、いまは個別時代だとか個性尊重だとか特色ある人間と口では言いますけれども、学校制度の中では、特色をなくするように、なくするように、角があれば抑える、ちょん切る。そして何とか平均的人間を目指しているようにしか思えないわけです。入試については、大臣は前から大変な関心がおありですから、ひとつこうしたいと、あるいはこうあるべきだということを存分に述べていただきたいんですが。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、今回の共通一次を導入した新しい入試のあり方の中で、非常に大きな問題として残っているのが二次試験の進め方であろうと思います。  全体としてみれば、従来七ないし九科目であった二次試験の科目が、平均二・九科目になり、学力検査を二次試験では課さないという大学が四十四大学六十五学部もうできてきている。あるいは、面接も小論文も、非常にこれを導入する大学がふえてきているというようなことがございますけれども、なおかつ共通一次と二次をあわせた入試の改善というものを成功させるためには、それらの二つの試験というものを、全体を通じて適切に実施をするということが必要であり、そのためには第二次試験というものが、もっとそれぞれの学生が志望する専門の学部、学科に必要な科目にしぼって、特色のある入試が行われることが必要だと思います。そのことは、東京大学を含めて、現在の二次試験のあり方というものを、それぞれの大学がこれでよしとしているわけではなくて、実施の経験を重ねながら、さらに検討していこうということを言っておりますし、国立大学協会もまたそういう方針を従来から明らかにしているところでございますから、第一回目の試験の実施されるその状況の反省の上に立って、さらに私どもは、国立大学協会なり、あるいは各大学に対して、より進んだ検討を求めてまいりたいと思っております。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 大臣はもうそれでよろしいですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 確かに先ほどの非行化の問題、いろんな問題考えましてね、私はやっぱり試験地獄の問題が一つの青少年に対する大きな負担だと思うんです。ですから、何とか試験地獄の解消をしたいと、私も文教の委員として皆さんと一緒に努力してまいったわけですが、先ほど局長からお話ししましたように、共通一次の方はおおむね成功だという批評が出ているんですよ、まあまあということでね。ただ問題は、第二次がこれが余り学科が多いと、ちょうど進学適性検査、私は終戦直後、進適というのを司令部と一緒にやらされた。ところが進適やりますと、また後で試験やる。これは二重負担だというので、とうとう進適が廃止になっちゃったの。そういう苦い経験を私は持っておりますから、なるべくなら二次試験というものは少なくしてほしい。それでやっぱり内申書と、それから人物考査、それから小論文——人間を見るようなことをやってほしいの。それから、どうしても必要なら専門学科、これはやむを得ませんけど、なるべく学科試験を少なくして、二重負担を少なくして、子供が伸び伸びとできるように、それから今回放送大学もできますから、あらゆる機会に、できるだけ大学にだれでも行けるようにして、とにかく試験地獄をなくしたい。それからいま問題点は、この二次のあり方ですけれども、二次はこれがとにかく済まないといけませんから、済んだらやっぱり大学関係者、高等学校関係者その他の人の皆さんの意見を聞きながら、二次試験の改善に努力してまいりたいと思います。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 九月入学制ということを以前から私どもも言っておるわけですが、大学に入学するときに九月制をとると、まあこれはこの前申し上げたように、それは日本を含めて五カ国だけ、インド、パキスタン、パナマ、リヒテンシュタインと、日本以外には四カ国しか四月入学制をとっているところはない。そうなれば、国際化時代にだんだん入ってまいりますし、九月入学の方がいいのではないか。それから、三年制度の高校を守るためにも、それが終わった後で入試をすると、六月なら六月にかけて入試をするということでいいのじゃないか。そうして、その後で多少の社会奉仕的な期間を設けるということも、いまの高校教育に何か欠けたものを補うことになるのではないか。ただそれに対して、大臣もおっしゃったように、大学だけをそうした場合に、小、中、高のこの一連のつなぎをどういうふうに整理するかということについては、各界各層の人の意見も聞いた上で考えてみたいということのようですが。そこで、初中局長も大学局長もいらっしゃるし、それから一番詳しい大臣もいらっしゃるわけですが、たとえば、三月に高校を卒業して、四月から九月までの間をどこが世話するんだと、どこに属するんだという問題が一つあると思うんです。これは高校に属させるということでいかがでしょうかね。そうすると、これは三年半ということになりますね、高校が。そうすると、卒業免状はそこで渡すわけですね、三年たった時点で一応は渡すと。それで、後のものを、卒業証書を八月末に渡さなければならないか、あるいは九月末に渡さなければだめなのか。三月に卒業免状としては——就職する者もおりますので渡すということで、もう一つ別に、ここをコーディネーターの組織その他でこれを包むということはできないかどうか。諸澤局長、そこら辺どうでしょうか。——いや、責任ある答弁というような意味でお聞きしているわけじゃないんです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いまちょっとお聞きしての考えですから、あるいは正確でないかもしれませんけど、私はやっぱりいまの高等学校卒業者というものは、御承知のように最近では四〇%程度なんですね、大学、短大行く人は。だから半分を割っているわけで、その傾向はここ三、四年変わらないと。そうすると、高校教育を三年にするのか、三年半にするのかという問題ありますけれども、三年にすれば、その時点で就職する人は就職を考えなきゃいかぬ。それから大学進学する者は一体どうなんだというと、今度はまた、その進学ができなくて就職にやっぱりしようというような子供があったりするということになりますんで、どうもその辺はどっちに考えるにしても、卒業と次の進学、あるいは就職というのに余り期間をあけない方が私はいいんじゃないかというふうに一つは考えているわけでございます。その辺をどういうふうに考えるかということは、やっぱり現実には一つの大きな問題だろうと思います。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 会計年度との絡みもあるということを私も承知していますが、イギリスの場合は会計年度は日本と同じで、四月から三月までですね。それで、学校は九月制をとっている。それが、小学校からあれは九月入学でずっと一貫しているわけですね。そうすると日本の場合、大学だけということが問題であるということで、しかし、それを初めから小学校からとってくりゃ結構同じことですね、全体をそう延ばしたというだけで。やはりまた高校の三年が三年半になっちゃうということは同じことですね。だから、そこでこう切って、そこにいわゆるインターバルというか、間隙をとって、そこで入試をこなし、あれを行う。それから、卒業する者は卒業して、働くわけです。そこでそれぞれ訓練されていくわけですが、今度大学を希望する者、それを区別するという妙案は考えられませんかね。いや、私もわからないんですよ。大学局長あたりはどう考えるか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 大学局の立場から率直に申し上げますと、九月新学期説というのは非常に魅力のあることだと思うんです、それは高等学校と大学との間をあけることを前提にしての話でございますが。しかし、そうではございますけれども、国際交流の面、あるいは入試の面等を考えて、きわめてメリットのあることではあるけれども、片方、いまも御指摘のございましたような、その空白期間の位置づけの問題であるとか、あるいは就職の時期が高卒と大卒、あるいは大学入試の不合格者との間でずれが出てくる問題であるとか、あるいは大学卒業までの年限が実質的にはやはり延びることになるので、その間の家計の負担増のような社会的な問題をどうするかとか、あるいは私立大学の場合に、少なくとも新制度への切りかえのときには収入が減りますから、それに対する手当てをどうするかとか、非常に困難な課題が多い。いま省内でもこれを検討する連絡会議を開いて問題の整理をし、また、私大連盟等にも検討をお願いしておるわけですけれども、やはり同じような問題意識をみんな持っていて、なかなか対応に苦慮をしているというのが正直なところでございます。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 まあ、検討をひとつしてみていただきたい。いよいよそれがもうどうしても不可能であれば、不可能なことをやるというようなことは考えられないことですから、これはこれでよろしいかと思います。とにかく前向きに検討をしてみたいと私どもも思っております。  それからもう一つ、これもしつこいようですけれども、もう二回か、三回か、ここで私質問したことですが、例の学校建築を含む公共建築物を新たにつくる場合には、外側に一%以上の予算を加えて芸術的装飾を施すということ。これ国の方はまだできないようですが、私の承知しているところでは、神奈川県は踏み切ったということを聞いてますが、それからこの前、砂田前文部大臣から、二番目に兵庫も踏み切りました、議会の同意もとりました、それで、いまから審議会をつくって、今度できるどの学校には何がいいということを協議するようにしましたということを二十日ほど前にお聞きしましたけれども、何かお耳にはさんでいることはございませんか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 大変いいことなんでね、私もそれは望ましいと思うんで、実は私は徳島県の鳴門へ行ったんですよね。鳴門へ行ったら、とてもいい校舎で、それで子供たちがうちにいるよりも学校が楽しいと来るわけですよ。それは学校が非常に広々としているし、校舎全体がおっしゃるように美的感覚でできているんです。だから、何かいまの日本の学校見ると、みんなマッチ箱みたいんだからね、ああいうものじゃない。やっぱり学校へ行きたいと、楽しくてね、子供が。楽しく遊ぶところが学校だと。それで、私はあそこの市長さんに、あなたどうしてこんな金があるのと言ったら、何か競艇の収入で年間三十四億と言っていましたよ、その当時ね。全部私は、後世に残すものは教育しかないんだから、私は教育に全部つぎ込むと言われてびっくりした。それで、今度あそこへ何とか教育大学をつくろうという話もそこから出てきたんですけれどもね。私はそういう美的感覚というかね、もっとあんなマッチ箱みたいな学校じゃなくて、やっぱり子供たちが楽しく遊べるような、しかもお勉強もできるような、そういう学校が望ましいと思うんでね、具体的なことは私よく存じませんので、これは管理局長いなきゃ初中局長。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 何か耳にされているでしょう。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私は神奈川県の話はちょっと管理局長がだれかと話しているのを聞いた程度でございまして、しかし、実際にはなかなか日本のような予算の仕組みになっているときは、非常にむずかしいんだということを聞いている程度でございます。

有田一寿各派に属しない議員

○有田一寿君 それね、間違いないらしいんですよ。別に通告していませんから、明確な御返事要りませんけれども。ということは、いま言うむずかしい仕組みがあるはずなんですけれども、できているということですから、何かあるんでしょう。  それから兵庫の場合も、これを調べていずれまたお聞きしたいんですけれども、そういうことをもう非常に喜んで砂田前大臣は私のところに、もうこれはできました、できましたとおっしゃいましたから、だから、まあ私がお願いしているのは、国の場合ですね、国立の大学あるいは国立の公共建築物の場合にやってもらいたい。もちろんこれはアンドレ・マルローがフランスでやったように、法律化してあって一%以上をつけているわけですから、日本の場合もこれが法律になれば、それは実行しやすいわけでしょう、できないわけはないと思うんですよ。法律がないからいろんな予算の仕組み上むずかしい。私は、お願いしたいというのは、法律化すことをお願いしたいわけなんです。別に悪い取り締まり法でもなければ何でもないわけですからお願いをしたい。ただ、むずかしければ、神奈川、兵庫に続いて京都だどこだ、ずっとそういうふうにボランタリーにそういうところが出てくれば、国も踏み切りやすいだろうということなんですけれども、もっと裏から言えば、国が二つでも三つでもそれに踏み出せば、なお都道府県はやりやすいだろうというようなことを考えるわけです。ですから、どうかひとつ、毎回私はこれはお聞きするつもりですから、どうぞひとつ関心を持って前向きにお取り組みをお願いできたらと思っております。  きょうは予告も一切していないでいろんな質問を申し上げて恐縮に思いますが、以上をもって終わらしていただきます。

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 以上で本件に対する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。   午後三時十七分散会      —————・—————

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