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87回国会参議院1979/02/22

文教委員会 第3号

発言数
282
登壇者
12
会派数
3
開催日
1979/02/22

会議録

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、塩見俊二君、増田盛君及び山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として伊江朝雄君、中村啓一君及び竹内潔君が選任されました。     —————————————

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、本委員会の理事が一名欠員となっておりますので、ただいまから補欠選任を行いたいと思います。  理事の選任については、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に小巻敏雄君を指名いたします。     —————————————

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 教育、文化及び学術に関する調査中、文教行政の基本施策に関する件及び昭和五十四年度文部省関係予算に関する件を議題といたします。  本件について質疑のある方は順次御発言を願います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 私は、先般、文部大臣が当委員会で表明をされました所信を中心にして、三、四点お尋ねをしたいと思います。  最初に、大臣の所信表明の中で気になることでありますが、学校教育が比類を見ない拡充を遂げておるけれども、「解決すべき幾多の課題」があると、こういうことを言われているので、いま大臣が考えておられる解決すべき課題という主なるものはどういうことなのか、少し述べていただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 御承知のとおり、わが国は資源小国でございまして、あるのは人間だけですから、やっぱりこれからの日本人が本当にりっぱな人間になって、国際的にも信頼と尊敬をかち得るような日本人に育てたい、そういう意味で、個性と創造力に富む国際性豊かな、そういう人間を育てることを私は文教の基本政策と考えておるのであります。  このために、いま学校教育の指導要領の改定を行いまして、ゆとりのある充実したものにすることが一つ。それからいま一つは、教育界には何としても、やっぱり先生が大事ですから、人材を集めたいと思うのです。それからいま一つは、いまの子供たちが試験地獄に悩まされておりますから、何とか入試の改善を図る。その他私学振興等、いろいろな課題がございますが、できるだけのことを私はやっていきたいと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 一般的な今日の学校教育の課題ということで、いま抽象的に述べられたことは、まあ、それでお聞きしておきましょう。ただ、私はいま日本の学校教育の課題の中で、教育の機会均等とか、義務教育の国家的責任というようなものについて非常に憂慮すべき状況がある、こういうふうに考えているわけです。そういう点について、ぜひ、教育一筋に四十数年取り組んでこられた大臣でありますから、一番そのことがおわかりだし、また、戦後の日本の教育に対して、内藤さん個人としては教育一筋に四十数年取り組んできたということを所信で述べられておるように、そのことに対してまたみずからの責任というものも強く感じておられるんだと私は思うんであります。そのあなたの四十数年、特に文教行政の責任ある立場で仕事をしてこられたその歴史を振り返って、いまいろいろと、ある音心底ではあなたがやってこられた文教行政が総括されている面もあるわけです。そういうものについて大臣として、やっぱり今日の課題というものに対して、もっとそういう教育行政の基本の立場というものについて、課題をとらえておやりになってほしい、こういうことを考えておりますが、私はきょうはそういう問題の論争は一応おきまして、具体的にお聞きしたいことが幾つかあります。  一つは、最近、義務教育の教科書無償の制度を財政上の理由をもって逆行させようとする動きが非常に強くなってきている。これがある意味では文部省の教育行政施策に対して他の政治の部門から、行政の部門から、文部省に対して後退を要求するものだと思うんですが、このことに対して文部大臣としては、今後そのような動きを一切政府部内において行わせない、起こさせない、そういうことに対して文部省がきちんとした決意を表明をしておくべきだ、こう思うのでありますが、その点について大臣のお考えをお聞きをしておきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 実は教科書無償は私がちょうど文部次官のころでして、当時の池田内閣、荒木文部大臣のもとで私はやらせていただいたんですが、そのときの官房長官が大平いまの現総理でした。そして、いろいろありましたけれども、ともかくお説のように、義務教育の教科書を無償にしたわけですが、ただ、最近は財政上も大変大蔵省も苦しいもので、何とかこれを改善する方法はないかというような御意見がありましたが、ことしはとにかくがんばり通したわけでございます。  今後どうするかという問題ですが、私は制定の趣旨を考えまして、できるだけ最善の努力をするつもりでおります。

久保亘日本社会党

○久保亘君 どうも大臣になられたら、ここにおられるときよりも歯切れが悪くなったですね。もう少しこの問題は、これはある意味では教育の基本にかかわっている問題だし、それから、解決すべき幾多の課題というものの中で、やっぱり私はいまの教育に対する大蔵省の物の見方というもので、これはこの考え方自体を根本的に解決しておかなければならない非常に重要な問題だと私は思うんです。  教科書無償というのは、これは社会保障政策ではありません。教育政策としてとられたものだと私は思っております。だから、そういう意味では、この教科書無償というのは、憲法に基づく教育政策として文部省がこの制度を確立されたわけですから、この制度をなくしよう、制度を後退させようとするものに対しては、このことを進めてこられた当時の責任者でもあるいまの文部大臣は、断固たる決意でそういう動きに対しては対決する、そういう決意をお持ちになるべきじゃなかろうか、こう思うんですが、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) これは、いまお話しのように、憲法から来ているんです。義務教育は無償とするという憲法の大原則に基づいたこれは一環でございますので、私も今後この問題については、お説のとおり全力を傾倒して、そういうことが後退しないように努力いたしたいと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それから次に、最近といいますか、一月三十一日に、自治省が各県の総務部長を集めて、公立高校の援業料を三三%上げるようにという指導を行ったと報ぜられております。このこととには文部省は全然関係させられていないんですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) この問題はちょっと細かい問題ですから局長から答弁させます。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 自治省が公立高等学校の授業料をどういうふうに考えるかということは、地方財政を預かる立場において、地方財政計画の中に高等学校授業料収入を幾ら見込むかということで計算をするわけで、五十三年度に三三%引き上げまして四千八百円にしたかと思います。そして、実はそれに先立ちまして、文部省では、国立の大学の付属高等学校の授業料を幾らにするかということが財政当局との折衝において決まるわけですが、これをやはり三三%上げて四千八百円にしたという経緯がございますが、自治省の方の財政計画というのは、授業料を直接決めるのではなくて、財政計画の中において四千八百円で積算しますよということですから、自治体によりまして、直ちに四千八百円にするところもありますし、従来どおり三千二百円のままでいっているところもあるということできておりまして、したがって、財政計画を決める段階で文部省の意見を聞くということは、国立学校との関連においてはございますが、その後地方団体をどういうふうに指導するかというのは、言ってみれば自治省の立場においてやられるわけで、五十四年度において、引き続き地方財政の苦しいところでは財政計画で四千八百円にしておりますから、そのとおりにしなさいよという指導はあるいは自治省でしておるかもしれませんけれども、それは、言ってみれば地方財政を指導するという立場でおやりになっておる、こういうふうに理解しているわけです。

久保亘日本社会党

○久保亘君 事は高等学校の教育に関する問題なんだから、自治省がその種の指導をやられるならば、文部省とも事前に協議されてやるべき問題なんだ。  私は、いまなぜそんなことを次々言っているかというと、教科書問題では大蔵省、高校の授業料問題では自治省、こういうところが、文部省の頭越しにいろいろ世間に向かって発言したり、自治体を指導したり、そういうことをやることはおかしいと思う。そういうやり方に対して、これは地方財政計画上の考え方を述べたにすぎないというふうにはいかないんです。各県の総務部長を呼んで、言ってみれば自治体の大蔵大臣に当たる者を呼びつけておいて、そうして高校の授業料を三分の一上げろ、そうしないと、地方財政計画の中でそういうことでやるから、交付税ではめんどう見れぬぞと、こういうようなことでやられれば、自治体は上げざるを得ぬ。私がけしからぬと思っておるのは、公立高校よりも国立の方が授業料がうんと安かった時代があります。そういうときに国立に合わせろなんていう指導をしたことは一度もない。ところが、国立を上げたらその率だけ持ってきて、すぐ公立高校全部同じ率で上げろというようなそんな指導を、自治省が各県の教育行政に直接関係してくる問題で、文部省の頭越しにやるというのは少し行き過ぎだ、こういう気がするんですが、私がいま言っていることは無理ですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 地方公共団体にとって授業料は、法律上は手数料の一種ということになりますので、これはそれぞれの財政状況、あるいは一般物価等の動向を見て、ある程度の引き上げはやむを得ないというふうに私どもも考えるわけでございます。一方国立の高等学校についても、同じような事情で、文部省は予算折衝の過程で、いま申し上げたように、授業料の引き上げをしたということになりますと、先生御指摘のように、かつては国立と公立とそれぞれ別途な施策をしたではないかということでございますが、現在のような財政状況になりますと、手数料のようなものは、国が上げれば地方団体も上げるというような実情にございますので、ある程度値上げの指導をしたとしても、これは私は率直に申し上げてやむを得ない事情もあるんではないかというふうに思うわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いや、自治省がそういうことで地方財政計画上の説明を自治体に対してやることがいけないとは言わぬ。しかし、公立高等学校の授業料を三三%上げるように、それはどういう形でやったか知りませんよ、新聞に出てくるところでは、三三%引き上げるよう指導したと、こうなっておる。それはもちろん上げろという命令をする権限はないんだから、これは地方の議会が決めることですから、その権限はないけれども、事実上田の権力を持って上げざるを得ぬような指導をやっているわけだ。だから、それはやむを得ぬことだと言って文部省はそれを黙って見ておく筋のものじゃなかろうと思う。高等学校が準義務教育化してきていることについてはあなた方も認めておられる。そういう中で、いま父母負担の軽減の問題とか、教育費をどうするかという問題は、非常に重要なこれは教育行政上の問題となってきている。そのときに、単に地方財政上の立場からだけで、この公立高等学校の授業料の問題というものは考えられてはいかぬのです。それならば当然、自治省が各県に対してそういう指導をされるときには、文部省とも事前にいろいろ協議があってもいいじゃないですか。そういうこと一切なしでやられるということは、文部省としてはいかにも無念であるという気持ちはしませんか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 御指摘の点で、高等学校が現在準義務教育だと、したがって、その授業料のあり方についても、端的に言って無償にしたらよいじゃないかというような意見のあることも承知いたしております。しかしながら、国立の高等学校についても、いま申し上げましたように、それぞれの物価の動向等を見て、現段階においてはやはり必要妥当な程度の授業料を取るということにいたしておって、これもときどき引き上げをしておるという現状でございますから、その引き上げた段階において、公立高等学校についても同じ程度のものを引き上げたいという自治省の意向があり、いまの財政計画に反映すると、こういう言ってみれば仕組みになるわけでございますから、教育的な立場において、およそ高等学校の授業料というのをどういうふうに考えるか、もっと時価等にかかわりなしに低廉にすべきであるとか、無償にすべきであるという議論が一方にあることを承知いたしておりますけれども、われわれとしては現段階において、国立が引き上げました段階において、公立も引き上げをされるというのはやむを得ないんではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いや、やむを得ないとか、やむを得るとかいう問題じゃない。ぼくが言っているのはそんなことじゃなくて、少なくとも公立高等学校の授業料をどう考えるかという問題は、これは財政問題ではあるけれども、根本的には教育の問題である。教育の問題であるならば、自治省が各県に対して画一的な値上げを指導するようなことをするならば、その前に文部省ともこれらの問題についてはいろいろ協議をしてしかるべきじゃないかということを言うておるんです。学校教育の授業料とか、そういう問題は、これは全然財政上の問題だから文部省はあずかり知りませんと、これは全部自治省でいいようにやってくれと、そういうことでやっていいものじゃないでしょう。特に、三三%も上げるようにという指導をされるんならば、当然に自治省は文部省に対して、各県に対してこういうことで地財計画の上から指導を行いたいということは、事前に文部省に話をしてやらなければ、これは私はそういう意味で日本の文教行政というのは、ある面では非常に強い面があるけれども、ある面では文部省が財政当局に対して完全に主従関係に立たされる、そこのところをあなた方が破り得るか破り得ないかということが、内藤文部大臣がいい仕事をしたかしないかということにつながってくるわけでありましてね。ただ、現場に対していろいろと文教行政上のあなた方の権力をふるうというだけならば、これは教育行政という名に値しない、私はこう思っていますよ。いま私が言うたような問題は、あなた方も私の言うたことで納得できぬ点もあるかもしれぬけれども、少なくともいまの大蔵省の問題とか自治省の問題とかいうようなことについては、文部省としてはもっとはっきり物が言えていいんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 御趣旨はよくわかるんです。ただ、いまの問題は、国立が三三%上げたから公立も三三%上げる、これは人件費、物件費、いろいろあるから私はやむを得なかったと思うんですが、お話しのようにできるだけ自治省とよく連絡をとって、教育費に関する問題については十分相談をしていただきたいと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 私は、そういう点で文部省は大変遠慮されている面があると思うんです。政府のある審議会でも、法律で定員の枠があるのに、各省の事務次官が全部入っておられる。しかも、そこへ出てくる内容を見てみると、教育、文化に関する問題が非常にたくさん出ているところに、各省次官がずっと並ぶ会に文部省だけ入っておらぬ。私がそこの委員をしておったから、そんなばかな話あるかと言ったら、何か最近文部省行かれるようになったそうで、大変結構だと思うんですがね。それで、そういう点でも何か文部省は各省、特に財政当局に対しては非常に遠慮がちな点がある、こういう感じがするものですから、ひとつ内藤文部大臣にぜひがんばってもらいたいという気持ちで私はいまあなたの所信を見ながら考えたことを申し上げたんです。  それから、今度の所信表明の中で、学校給食について、「特に米飯給食の普及拡大に努め、」ということが述べられております。学校給食は、これまでの文部省がお出しになりましたいろいろな文献を詳細に見せていただいたんですが、これは学校給食には教育的意義ということが非常に強く文部省からは主張されております。「米飯給食の普及拡大に努め、」というのは、これは教育上の要請から生まれているものなのか、農業政策上の要請から生まれているのか、そこのところは文部省にはっきりしてもらいたいところだと、こう思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 実は御承知のとおり、終戦後はパン食だったんですよ。当時は食う物がなくて、アメリカからパンをもらって、それで学校給食を始めたわけですが、始めてみてやっぱり学校給食は教育活動の一部である、やっぱりみんなでお互いに一緒に食事をするということは教育上非常に有意義だ、こういうことで教育活動の一部にしたわけでございます。それからその後、日本では御承知のとおり今度はお米が余まってきたので、やっぱり日本人はお米を大事にしなければいかぬし、米飯が健康にもいいと、こういうような観点から米飯給食を五十一年から導入したのでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 パン食よりも米飯食の方が健康にもよい、いまそういうお話でしたが、そういう立場で理解してよろしいですか。

柳川覺治文部省体育局長

○政府委員(柳川覺治君) 大臣が御答弁申し上げましたとおり、学校給食につきましては長年パン、ミルク、おかずの食形態で実施してきた沿革がございます。その過程におきまして、常にわが国の学校給食で米の問題を取り入れるべきじゃないかという議論はその過程でもしばしばあったことでございます。  具体には四十五年にやはり米の余剰の問題が大きな課題になりました。そのときにも具体の学校給食の米飯導入の話がむしろ農業政策の方から起こってまいりました。私ども文部省といたしましては、米か小麦粉かという問題につきましては、すでに三十六年に厚生省の国民栄養審議会の方で、日本人の炭水化物は米あるいは小麦のいずれによってもよろしいという御答申が厚生省の方の栄養審議会で出ておるという情勢もございました。しかしながら、学校給食への米の導入につきましては、何よりも学校の先生を初め、関係者の理解を受けるということが最も大事だということに一番主眼を置きまして、四十五年から実験学校という方向で三百六十九校の学校を指定いたしました。そこには施設設備の一部補助を行う、また実験学校で使う米につきましては無償の米を供給していくということで、慎重な実施上の問題点を検討する、その上でかつその過程におきまして、わが国の学校給食として、米飯の導入が長期的な見地からも食内容の多様化というものにも資しますし、また日本文化を築き上げてきた米というものに対する理解ということにもつながるわけでございますので、その過程を経まして、五十一年度から米飯の計画的な導入に踏み切ったという経緯でございまして、御指摘の点につきましては、私どもはわが国の学校給食が、わが国の食糧生産の実態とも対応するようにという観点は当然でございますが、常に長期的な配慮を優先しながらこの面の調和を図っていきたいというように考えておるところでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 よくわかりました。  それなら文部大臣は昭和二十九年ごろは何しておられましたか、文部省では。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 二十九年は私正確に覚えてませんが、文部省の会計課長じゃなかったかと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それじゃよく覚えておられるでしょう。二十九年に学校給食法が国会に提出されたときに、大連文部大臣が衆議院文教委員会で提案理由の説明されているんです。その提案理由の説明の中では、米食偏重の傾向を是正し、粉食実施に伴う栄養摂取方法を適正にすることは、非常に困難なことなので、学校給食によってその是正を行いたいという説明されているんです。いまの局長や大臣のような説明ならばね、昭和二十九年というともう占領下じゃありませんからね、それで、その当時文部省が考えたことは、日本人の食糧問題とか、日本文化の問題とかいうようなことから考えるならば、間違いでございましたということをはっきりしてもらわぬと、御都合主義でそのときそのときで都合のいいことばかり説明して、そしていまは米が余ったからといって米飯給食に変える。理屈は教育的な視点からやっておるんだ、日本文化を本当に子供たちにわからせるためには米食わせにゃいかぬのだ、米が健康にパンよりいいんだ、そんな説明をされるなら、学校給食法を制定したときの文部省の考え方はこれは間違いでしたということをはっきりしなけりゃいかぬじゃないですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は終戦直後文部省におりましたが、アメリカでは余剰農産物として、これはガリオア、エロアでただでくれたんですよ、パンを。それで、日本はそのとき食う物がなかったのですから、パンでももうありがたかったからパン食を始めたわけなんです。しかし、最近、日本の農業政策を見ておりますと、ずいぶん農家が一生懸命やっていますけど、やっぱり米が余って困る。そして何とかこれを解決しなきゃならぬというので、まああなたにおしかりを受けますけれども、やっぱり米を学校給食に入れることは、これは私は当然ではなかろうか、こう考えているんです。

久保亘日本社会党

○久保亘君 私は米飯給食の普及拡大に努めるということを所信表明で述べられたことが、いまいいとか悪いとか、そういう議論をしてないんです。学校給食は少なくともその出発点において、日本人の米食偏重を教育的にもやめさせていく、是正させていくという立場で出発するということを文部省ははっきりしているんですよ。ところが、いまになったら、今度は農業政策の立場からのこともよくわかる。しかし、文部省がいま説明されているのは、米の方が健康にいいんだと、それから、日本人は米を食うのが当然なんだ、こういう言い方をされるから、それならば、私がそんなことを言うてるのは占領下のことじゃないですよ、二十九年学校給食法を国会に提案したときの大臣の説明なんです。だから、その当時は、私がなぜこんなことを言っているかというと、これはいやがらせじゃないんです。私が県会におるころ、私たちは学校給食に米を使ったらどうだということを、昭和三十年代の終わりから四十年代の初めにかけていろいろ意見を出したことがある。そのときに文部省の指導を受けていた各県の教育委員会は、その考え方を全部退けたんです。米食偏重の食生活を改善するために学校給食というのは設けられているんで、そういう考え方は取り入れられない、おかしいということで全部退けていったんです。ところが、いまになったら、さも初めから当然であったように、それからパン食わしたのはあれは何もない時代にアメリカがくれたから、結局飢えていた者に食わすのにパンをやったんで、もう米が余ってきたんだから、これからはパンじゃない、米ですよ、そういう話では済まぬのだ。だから、文部省のこの学校給食を教育の一環として取り上げてずっとやってきた、その大きな土台の上に立って考えるならば、文部省はいま学校給食においては、根本の考え方を変えようとしているんだということを明確にしてもらわぬと、何かずっと終始一貫文部省は何も間違えなかったんだと、それでは済まぬ問題じゃないですか。やっぱり学校給食に対する出発当初の考え方、指導の仕方というのは、いまから考えると文部省としては十分でなかった。今日の時点においてはそういうものを全部方向転換をやって、米飯給食の普及拡大が必要になってきているんですという説明でないと、昔のことは全部ふたをしておいて、そしていま取ってつけたようにそういうやり方をされたって、これ説明がつかぬ。  それから、余剰米を学校給食で何か解決してやるような話をされると、これはあなた方認識不足ですよ。学校給食で一体何トン消化できると思っているんですか。だから、私が方針の変更だと言っているのは、学校給食を通じて米食偏重から粉食混合の食生活に改善していくという指導方針をあなた方が出されて、パン、ミルク、おかずの給食をやってこられた。いま学校給食に米飯を取り入れようということは、これを普及拡大しようということは、学校における給食活動を通じて、日本人の食生活の中における米飯の比重を全体的に拡大をしていこうという、あの農林水産省やそういう政府の全体の方針の中でやられているんだから、学校給食そのものが余剰米の解決に果たす役割りなんてそんな大した問題じゃありません、これはほんのわずかな問題です。それを使って、教育的に日本人の食生活を再びここからまたあの新しい方向へ改善しようという企図のもとに、この米飯給食の普及拡大というものは考えられていると私は思うんですよ。だから、そういう立場から言うなら、これは非常に重大な問題だ。それを非常に簡単に、昔は米がなかったからパン食わしたんだ、いま米が余ったから米ですよと、そんな簡単な話じゃない。だからその辺のところは、やっぱり学校給食法を制定をした、あのころの文部省の日本人の食生活のあり方というものに対する考え方の基本というものは十分でなかった。間違っていたと言えと言えばあなた方も大変きつかろうからそうは言わぬ、十分でなかった。だから、いま食生活に関する学校給食の果たす役割りというものは、基本的に方向を是正しつつあるんだということでないと、そんないま米が余っておるからというようなことでは説明つかぬですよ。そこをぼくは聞いているんです。

柳川覺治文部省体育局長

○政府委員(柳川覺治君) 御指摘のとおり、時の大臣の提案理由の中で、「わが国の現下の食糧事情から申しまして、今後国民の食生活は、粉食混合の形態に移行することが必要であると思うのでありますが、」というところが言われております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 その後を言わにゃいかぬよ、米食偏重をやめという、そこを読まぬであんたそんなことを言うたらだめだ。

柳川覺治文部省体育局長

○政府委員(柳川覺治君) いや、その当時粉食奨励ということの面の国民食糧政策の役割りを、学校給食が果たしたということも事実であろうと思います。この米の導入の問題のとき、私四十五年のとき給食課長でございましたが、率直に申し上げまして、学校の先生が農家を一軒一軒歩かれて、あなたのおつくりになっておる米よりも、子供たちにパン、ミルク、おかずの食形態での食事をとることが、子供のためになるんだということを、一軒一軒歩いて親の了解を受けたという、学校の先生は大変な努力をされております。そのときにこのたびの米飯導入というものは、先生御指摘のとおりの大変に大事な問題でございました。文部省が学校の教師の信を失っては教育行政はできないわけございますし、またその実効は上がらないわけでございますから、そこを一番大事にいたしました。そのゆえに四十五年から大変な大きな働きかけはございましたが、実験学校で実施を検討していくということで七年ほどを経たわけでございます。その上で昭和五十年の十二月に保健体育審議会の御結論を——給食の分科審議会でございますが——にお諮りいたしまして、今後わが国の学校給食に米飯の正しい食習慣を身につけさせることは教育上意義がある。また、わが国の食糧資源を将来にわたって考慮した場合に、まさに日本人の食生活の再認識という立場からも、これの積極的な導入があってしかるべきであろうという御答申をいただきました。その上で、その結論に基づきまして、学校給食法の施行規則の改正をいたしまして、米の特別割り引き等の、あるいは施設、設備の整備等の努力をして、これに踏み切っておるということでございまして、今後私どもはまさにわが国の学校給食を本当に確立していく大きな課題につながる問題でございますので、週二回米飯が導入されるということを目途に、鋭意各学校関係者の御理解、御協力を得て、この部面の進展を図りたいと思っておるところでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 まあきょうは時間がないから、またこの問題いろいろ聞きたい。  私は米飯給食が悪いとか、そんなことを一つも言っておるんじゃないのですよ。ただ、文部省はその時代、時代で、学校給食の本来の意義とか、その役割りとかいうものを、本当に教育的な立場で検討してきたのか、その場、その場で都合のいいことを言ってやってきたんじゃありませんか。いまは農業政策の上で迫られると米がいいんだと、米を食った方が頭がよくなるぞという話をして、昔はあんまり米を食い過ぎるから頭が悪いんだというような話をして、パンを食え、なるべく米をやめてパンを食えという指導をしたんだから、いま局長が言われるように。ところが、今度はその逆のことをやっているわけです。だから、そういうような一貫性のないことをやっちゃいかぬから、この辺で米飯給食の方がいいということなら、そのことをきちっと定めて、そしてやっぱり過去の清算すべきものについては、やっぱり指導の誤りとか、そういうようなものはきちっと清算しなさいと言っている。そういうものをみんないいかげんにしておいてやったんじゃまた混乱する。  それから、保健体育審議会が答申したものに基づいて、米食の正しいあり方などを今後指導していく必要があると言われるんだが、この保健体育審議会の答申というのはかなり長文のものでありまして、そして米飯給食をやっていくとするならば、当然に学校給食のための給食関係職員の適正配置とか、そういうものについても答申してあるのですよ。何か都合の悪いことは目つぶって、そして職員をふやしなさいとか、栄養職員の設置をやりなさいとか、調理従業員の配置と待遇の適正を図れとか、そんなことも書いてあるのですよ。だから、文部省は金のかからぬ都合のいいことだけを抜き出してきて、そして同じ答申の中に入っているほかのことはこれはちょっとぐあい悪いからというのでのりづけしてしまうというのは、これはよくない。だから、やっぱり答申を盾にされるなら、答申全体をあなた方は表に出して、そのことに対して文部省はやらにゃいかぬのです。  それから、これは前に安永さんが議論されたこともあると聞いておりますが、学校給食は教育であると、こういう立場を貫かれるならば、その義務教育無償の問題とどういうふうにかかわるのか、そういう問題についてもはっきりした立場を文部省は示さなきゃいかぬです。学校給食は教育であるというなら、義務教育はこれは無償であるとなっているんだから、給食は無償でなければならぬ、こういうことになるんです。だからそういう点についても、学校給食というものについて、文部省の考え方は必ずしも安定した一貫した考え方の上に立っていない。そして、教科書では大蔵省に揺さぶられ、授業料では自治省に揺さぶられ、学校給食では農林水産省に揺さぶられる、文部省というのはそれだから強いのは現場へだけと、こういうことになっているんです。そこが問題なんです。だから私は学校給食の問題をいま取り上げたのもそういうところなんです。  きょうは余り時間がありませんから、私は、そういう意味で文部省が政府の他の省に対して、やっぱり主張すべき点を、特に、今度は文教ならばまず内藤をおいてないと言われるぐらいの人に文部大臣になってもらったんだから、私たちも非常な期待をしているんです。そこのところでひとつ文部大臣に私意見を聞きたいのは、私が最近接触した歴代の文部大臣は全部教育の政治的中立ということを主張されてきている。これは教育の政治的中立ということが、どちらかと言えば、現場の教師が政治に関心を持つことについて言われてきた面が非常に多かった。しかし、本来ならば、教育の政治的中立というのは、教育行政の権力を持つ者が、政治的一切の権力から教育を守るという意味において中立が主張されなければならない、私はそういうふうに思うんです。そういう意味では、文部大臣というのは大臣に就任したときには、これは政党に所属しない方がよいのじゃないかということを私は思うのですがね、大臣、いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 政治的中立性という御意見はよくわかりますけれども、大臣が政党に入ったから政党色で何でもかんでもやるというわけではないので、やっぱり政党に入っていても、それはお話のように、政治的中立性は守っていきたいと思っていますから、私はそのことは直接には影響ないんじゃないかと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 じゃ、教育行政の最高責任者が、政党に所属しているということが、教育の政治的中立に何ら支障を来すことはない、障害となることはない、こういう意味で理解していいんですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 政治的な中立性は、私は、文部大臣は確保しなければいかぬと思っております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは、そのことと文部大臣の政党所属ということとは別に矛盾は起こさない、こういう意味ですね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 矛盾は起こさないと信じています。

久保亘日本社会党

○久保亘君 教育行政の最高責任者が政党に所属することと、教育の政治的中立を確保するということは何ら矛盾を起こさない、こういうことであれば、これはやっぱり現場の教師の政治的な個人の立場、そういうようなものに対して文部省が一々また干渉する必要などは全くない、こういうことになりますね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 現場の先生方がどの政党にお属しになるかはそれは御自由でございますが、先ほど来申しますように、とにかく現場の先生も政治的中立性だけは確保してほしいと思います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 むしろそのことは私は逆に、やっぱり内藤文部大臣だから私遠慮せずに申し上げるんだけれど、文部行政の政治的中立、その政治的中立というのは、文教行政に対する政党や政治の権力のいろいろな介入に対して、たとえ同じ党であっても、断固としてそれを拒否する、そういうことでなければ政治的中立は守れない。政治権力を持たない方からの文教行政に対する政治的介入なんというのはこれはないんだからね。行政に対する介入というのは政治権力を持っている政党の側から起こることなんです。この点は元永井文部大臣はこの委員会で、私がそういう主張をしましたら、非常にはっきり肯定された。これは議事録に残っている。だから、私はそういう意味でいまあなたに申し上げているのです。  それじゃ次に、今度の所信表明の中に「国際的にも信頼と尊敬をかち得るたくましい日本人」の育成ということを言われている。このことでちょっと私お聞きしてみたいと思うのは、日本人の国際性の欠如というか、そういうものの中に、言葉の障害というのが非常にあるように思うのですね。サミットに日本の総理大臣が行かれる。これは英才教育を受けられた人も中にはおられるから、大変言葉に堪能だと思われる、そういう人でも外国から流れてくる報道の写真を見ておりますと、どうも一羽離れたという感じの写真をしばしば見せられる。これはやっぱり日本人の国際性というものに対して、言葉の障害というものが非常に出てきているということを思うんですが、いま世界の各国で、初等義務教育において外国語の教育をやっているのはどれぐらいになっておりますか。日本では少なくとも初等の義務教育——小学校においては外国語教育はありませんね、特殊の学校を除いては。しかし、いわゆる日本の小学校に当たる段階で、外国語の教育を取り入れている国がどれぐらいあるか、調べたことはありませんか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 体系的に調べたことはございません。

久保亘日本社会党

○久保亘君 しかし、そういう具体的な問題を全然調査もなくて、国際的にたくましい日本人なんというのは出てこない。最もたくましい総理大臣が行ってもなかなか国際的にならないというような状況なんでね。これは私は別の機会に少しお尋ねをして意見を申し上げたいことがありますので、できるだけ早急に各国における状況の調査をしておいていただきたい、こう思うんです。私が言っているのは、何もいますぐ日本の小学校に外国語教育をやれというようなことを言っているわけじゃないんです。ただ、外国語の教育というのは、何も教育課程の中に体系的に取り込むということだけが外国語の教育ではなかろう。それで、外国語になれさせる、歌を歌わせる、日常の会話などを半分は遊びのような形にでも取り入れていくということだって、私は国際的な日本人をつくっていくという上での言葉の障害を取り去っていく上には効果があるのではないかという説もあるので、そういう点についてひとつ文部省の考え方をぜひ聞きたいと、こう思っておるんです。きょうは文部省の方に、私、このことはお話ししておりませんでしたので、準備がないと思いますから、この次にこの委員会か適当なところでお尋ねしたいと思います。  それから次に、共通一次試験について。共通一次試験は高等学校の教育の正常化を目指すものでありましたけれども、高校教育の正常化にきちっとつながっていったのかどうかということについて、もう詳しいことは申し上げませんが、ここに、私のおります県で五名の高等学校の子供たちが一次共通を受けた後、それぞれ話をしているのがあるんです。そうすると、やっぱり共通して、この一次共通の試験があることによって、解放感などというのは全くありませんと。それで、この制度が私たちにとっては憎い。なぜならば、二度試験を受けなきゃいかぬ。そして、そのために正月もおかげでなくなりましたと。こういうことが子供たちの全く共通した言い方なんです。それから、ある一人の離島の子供は、私たちは二度旅費を使って、本土まで試験を受けに行かなきゃなりません。これは何とかならないんでしょうかという談話があります。それで、高校生に解放感を、高校教育そのものを大学受験予備校的なものから解放したという感じを与えたのかどうか。このことは私は非常に共通一次の今後を展望する上で重要な視点だと、こう思うんです。文部省は共通一次の高校教育に及ぼした影響ということについて、どういう調査をおやりになる予定でしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) まず、今回の共通一次の試験問題の適否については、すでに高等学校側の参加を求めて、大学入試センターにおいて検討に入っております。全体からしますと、御案内のような平均点等が公表されておりますし、そこに出てきている姿は、高等学校でいわば普通に勉強していれば六割程度の点は取れるという共通一次のねらいに沿った形で行われておりますし、その問題の内容についても、おおむね適当であるという評価を受けております。しかし、さらにその問題についての検討を詳細に行ってまいります。私は、非常に心配であり、また現実にそれが出てきているわけですけれども、共通一次をめぐって非常に受験産業等における過熱の状況が出てきている、これは本来の共通一次が趣旨としたところと非常に違うわけでございます。そのことは受験産業の問題だけではなくて、各高等学校における進学の指導の面におけるむずかしさとなってもあらわれているわけでございます。しかし、これらについては共通入試の実施の成果、それが積み重ねられていく過程で、さらにまたそれが改善されていく過程で是正されることが可能な問題であると考えております。いずれにしても、大学入試センターを中心にして共通一次の問題あるいは第二次試験の問題については、大学入試センターにとどまらずに、国立大学協会の方でも検討をいたしますし、それらの意見を集約しながら文部省でも入試改善会議等でこれからの入試制度のあり方、共通入試を含む新しい入試制度のあり方の改善の方向を検討してまいるわけでございます。具体的にいま御指摘の高校に及ぼした影響をどのように調査をするかという点については、現時点で私どもは具体的に計画を持っているわけではございません。高等学校側と大学入試センターの方で連絡会議を持っておりますから、そこで高等学校側の意見を十分に聞いていく、あるいは各地で文部省、入試センター共同で説明会等を実施してまいりますので、その過程でさらに各地の意見を聞く、そういった方途を講じてまいりたいと当面は考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 確かに大学入試制度の抜本的な改革をやるためには、慎重で必要な試行、あるいは実験を重ねなければならぬと思うんですが、その対象とされる子供は、一生に一度の機会をその実験に使われる、こういうことになるわけでありまして、今度のように学部によってはたった九人が足切りをやったとか、いろいろなことが出ておりますね。そして国・公立の試験が一発主義になりましたから、足切りではねられた子供は一年間、この実験段階のやり方のために国・公立の大学を受ける資格を完全に喪失する。こういう問題が私は非常に大きな問題だと思いますよ。足切りをやった学部や大学が数少なかったから、まあまあの成果であったなどという話じゃない。だからそういう問題については、文部省としては実験段階にあるこの入試制度であるが、この実験段階に対象とされている子供たちは、生涯にたった一回の機会をこの制度によっていろいろと振り回されている。そのことを忘れちゃいかぬと思うんです。だから、私は、文部省がたとえば足切りは、これはよくないと思っておられるんなら、やるべきでないという指導を国・公立の大学に対してやればいいと思うんです。自分では一次共通の試験の結果も知らされず、願書は自由に受け付けるからということで出したら足切りで受験資格を奪われた者、これは受験資格を認められなかったのか、あるいは書類選考ではねられたのか、どちらに理解したらいいんですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 二段階選抜の問題は、直ちに二段階選抜が絶対に悪いとは言えないところがございます。非常にたくさんの受験生が来て、しかもその受験生についてその大学が面接、あるいは論文等を含む丹念な選抜をやろうとすれば、二段階選抜を必要とする場合もございます。しかし、そういうことでなしに、二段階選抜を通常のやり方の場合に実施をするということはよくない。その点で、二段階選抜を安易にやってはいけないということを私たちも極力指導をしてまいったわけでございます。結果的には、実施予定の学部はもちろん大幅に減りましたし、それから実施予定の倍率を超えた大学でも足切りを取りやめるということを決定をした大学が、御案内のように筑波大学、東京大学以下あるわけでございます。来年度以降も二段階選抜を安易に行わないように、ことしの共通入試の実施に伴う第二次試験の倍率というものがどのようになるかというのは、各大学とも非常にある意味では不安を持っていたわけですけれども、それが一つの方向が出てまいりましたので、それを基礎にして、さらに来年度は指導を重ねてまいりたいと考えております。  共通入試による二段階選抜というのは、もちろん共通入試の成績も加味をし、それから高等学校からの調査書等も判断に加えて、それぞれの大学で実施をする場合には、いわゆる二段階選抜によって二次試験の学科試験を受けることのできない者を決めていくということでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 学科試験を受けることのできない者というのは、これはその学校の受験を認められたことになるのか、認められなかったことになるのか、どちらなんですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 二次志望で、ある大学をまさに志望をし、受験をしたわけでございます。その手続の中で、学科試験までいかない、いわゆる二段階選抜の一段階の選抜で落ちるということでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 すると、これは受験したことになるんですね、受験して結局試験は受けさせられなかったと、窓口で追っ払われたということでしょう。そうでしょう。共通一次には合格、不合格はないんですよ、共通一次というのは。そして何点とったかも教えてもらえないんです。合格、不合格もわからないんですよ。これはないんです、そんなものは。そして大学に願書を出すのはいつまでと言うから願書を出したら、門のところでシャットアウトされたと、こういうことでしょう。そうじゃないんですか。何も自分で判断する機会を与えられていないんですよ。その判断する材料というのは、人の不幸でもうかる葬儀屋と予備校というのがあるけれども、その予備校あたりが何かかんかやって、それで判断したということでしょう。だから、判断の機会は、正確な判断の材料は提供されず、一次試験の結果というのは合否の判定はなかったんだから、願書を出したら、おまえさんはうちの学校には大体来るに値しないんだよということで、それで門の外に投げられたという、そういうことじゃないですか。そうすると、どうすればいいんですか、そういう場合。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 二段階選抜というのは、いま申しましたように、第二次試験を受験するに当たって各大学に志願した、出願した後で各大学が行う選抜方法の一つでございます。共通第一次学力試験の成績と調査書とを総合的に判断をして、第一段階の選抜が行われる、合否が決められるということですから、それは第二次の選抜の一つの中に入っている段階なんで、入り口で受けられないという感じは確かに受験生は持つかもしれませんけれども、事の性質はそういうことでございます。また二段階選抜というのは、定員の三倍程度を超えた場合に、それを目途にしてやるわけで、経験的に言っても、入学定員の二倍程度の二段階選抜を行いますと、第一段階の合格者の九八・六%までが最終的に合格しているというデータがございますが、それをさらに安全度を広げて、三倍程度ということでやっているわけでございます。そういったことは、これまでも説明会等で十分に高等学校側や、あるいは高等学校の生徒、いわゆる志願者に対しても趣旨を徹底をしているわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 時間が来ましたのでこれで終わりまずけれど、私どうしても腑に落ちぬのは、受験生に二段階選抜をやることを徹底しているからといって、本人はわからないんですよ、一次共通の結果というのは、何にも。大体自分でどれぐらいはできたというのを、模範回答を見て見当をつけるだけでね、わからないんですよ。そんなあんた乱暴なやり方というのはないでしょう。わからないんだから。それで結局、二段階選抜というのは、闇夜の辻切りみたいなもので、本人の方は何もわからぬのだよ。行ったら、突然ばさっと切られたということなんだから、これは人道的にも非常に問題です。しかも、そこでほうり出されたから、それじゃ別のところへという機会が与えられていないんです。もうそこでほうり出されたらアウトだ。いや、私立大学は自由に受けられるじゃないかと言ったって、それはいまのような経済的な格差が大学の教育に持ち込まれている中では、そう簡単にはいかぬのです。子供によっては、国立ならば進学できるという子供だっていっぱいおるんです、経済的に。そういう者がそれでアウトなんだから。では、そんなことならば、足切りをやらないところへ出しておけばチャンスがあったかもしれぬ。じゃ、一年浪人できるかというと、それはできないという経済的事情の子供だっているんです。これはそういう意味で私は非常に重要な問題を残しているんで、ことし、今度の大学受験でごく少数——大学局長が足切りをやったのは非常に少なかったと言われる、ごく少数足切りではみ出したこの高校卒業生を、ことしの国・公立の試験で救済する手段というのはもう全くないのか。なければ、その責任というのは——本人には結果も何にも教えておらぬで、それはおまえが身分相応なところに願書を出さぬからよと言えばそれまでです。それならば、高等学校の先生が何を指導してくれたかということに対して、子供の方から言いたいことがある。私は、高校の先生とも何人も会うてきました。もう今度はまいりました。どういうふうに子供に願書を出さしたらいいか、これはもうまいりましたと言っているんですよ。だからそういうことを考えれば、これは一次共通を制度としてやらせた文部省としては、やっぱり重大な責任を負わざるを得ない問題だと思うんですがね。これは大臣、足切りを食らった者はもう死んでもらいますという以外に方法ないんですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) あなたのお説、よくわかるんですが、ともかく第一回ですから、いろいろまだ不備な点が私あろうと思いますが、今後第二回、三回とあるわけですから、第一回の生徒には大変あなたのおっしゃるように御迷惑であったと思いますが、今後改善していきたいと思います。何としてもこの試験地獄を解消することは、これは私は文教政策の基本だと思いますから、改善して、御納得いくように努力したいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 教育の荒廃ということが言われだしてから久しいわけですが、教育の危機とか、荒廃とか、非常にゆゆしい現在の状態なんです。特に連日、高等学校や、いまや小学校の生徒まで自殺をする、この自殺の原因を調べてみると、やはり激しい競争、こういうところに大きな原因があるように報じられています。私は、何といっても、やはり当面のこの教育の問題で、この荒廃を、これを立て直さなければならぬということが、いまの、特にこの教育行政の最高の責任者である文部大臣として、いろんなやらなきやならぬ仕事は私たくさんあると思うんですけれども、この現在の状態というものを脱出するということが一番大きな任務じゃなかろうかと私は思うわけなんです。  そこで、現在文部省の方でこの教育が荒れ果てている、荒廃しているというこの現状をどのように把握し、認識されているかということについてまずお聞きしたいと思うんです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) お話のとおり、本当に非行も多いし、それから自殺が多いとか、いろんな点において問題が起きていることはよく私どもも存じております。この荒廃を何とか救わなけりゃならぬ。しかし、これにはいろいろ原因がありまして、やっぱり社会的な問題もあると思うし、学校教育、家庭教育、いろいろ重なり合っていますから、これをよく解明して、改善に努力しなきゃならぬと思うんですが、文部省としても、特に教員の問題、いい先生をやっぱり教育界に入れて、先生方の研修を強化すること、あるいは家庭で、特に家庭が問題ですから、家庭学級とか、あるいは総合セミナーとか、家庭の婦人がもっと教育に理解を持ってもらいたいとか、いろいろある。そのほか、いまお話の入試改善の問題、その他たくさんの問題を抱えておりますが、やっぱりこの教育の荒廃を何とかして解決して、本当に日本が将来国際的に、国際間でりっぱな日本人をつくっていかなければ日本の発展はあり得ないと思いますから、そういう意味で今後一層努力したいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 大臣のいまの考え方は、これは正しいと思うんですけれども、よくやっぱり大臣がいまおっしゃったように、荒廃、荒廃といって、すぐに自殺の問題とか、あるいは家庭が、教師が云々という問題が出てきますけれども、もう少しやはり文部省として、こういった、一口で言えば荒廃なんですけれども、現状をもう少し細かくつかんであるんじゃないかと私は思うんです。また、つかまなければならぬと思うんですが、これはいろんな現場から地方の教育委員会、教育委員会からこちらの方にというふうに上がってきていると思うんです。もう少し、一口で荒廃、一口で家庭、教師と、こういうことでは漠とした対策しか立てられないと思うんですが、現在の荒廃というこの言葉の内容というもの、その問題を文部省としてどうつかんでいますか。  たとえば、私どもが接触する場合には、たとえば警察庁あたりで子供の非行という問題についてはデータが出るけれども、こういった意味のデータ、非行とは何ぞやというものをもう少しつかんで分析し、それから対策が出なければならぬと思うんです。これは大臣として一括していまおっしゃったけれども、文部省としてつかんでいますか

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いまの非行のお話がございましたけれども、私の所管、担当の部面で言えば、児童、生徒の学校内外における非行の問題、それから勉強との関係で学力の問題、あるいは学校以外の塾の活動の問題といろいろございますが、非行の実態等につきましても、警察庁の資料をいただいているほかに、われわれも指導部課長会議等を通じて、教育委員会が調べた実態というものも一応持っておりますし、学力の実情につきましては、教育研究所が調査をいたしておるその結果等も参考にする、あるいは塾の調査といったようなものもいたしておるわけでありまして、それらを関連させながら対応の措置を講じていかなきゃならぬと、こういうふうに考えておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 いまから対応というのは非常に遅いぐらいですが、いまおっしゃった点で、たとえば、学力の低下を非常に来しておる、ついていけない、落ちこぼれと、こういったもので、学力の問題についてどのような低下を来しておるのか、現状はどうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これはいまの教育研究所が数年前に行いました小・中・高等学校の小学校六年、中学校三年、高等学校二年の学力の到達度を見ますと、高等学校の段階でも、たとえば、漢字の読み書き、あるいは四則の計算等小学校の六年生でやるようなことができない子が三%ぐらいいるというような結果もございますし、あるいは高等学校長協会が調べました、校長さんが自分の学校の子供の生徒はどのくらいの学力かというその意識調査を見ましても、かなり低いところに判断がいっておるというような実態もございますので、それらに対してどう対応するか、基本的にはやはり学習指導要領の問題であろうというので、昨年、一昨年と続けて行いました小・中・高等学校の学習指導要領の改定におきましては、できるだけ内容を精選して基礎、基本にしぼる、そうして、高等学校などは、私は従来の指導要領というのはちょっと高過ぎるんじゃないかということを痛感しましたので、指導要領のレベルとして、形式的な水準の高さを誇るよりも、実質これだけは習ってもらいたいというところを押さえるようにひとつつくってほしいということで、専門家の検討にお願いをして、今回の指導要領をつくったわけでございますから、これからはそれらの小、中、高の学習指導要領をいかに定着し、実効を上げるかという点について、いま関係の教育委員会なり、校長さん等にお願いをしておる、こういう段階でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 非行の問題で文部省としてどういう指導をされておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 非行の問題につきましては、たとえば、最近の非行の傾向としまして、年齢が下へ下がってきている、中学段階くらいまで、かなりの問題の子供が出てくる。しかも、その非行の内容が現在の社会情勢等も反映してでしょうか、たとえば、万引きとか、自転車どろぼうと、これは遊び型非行と言うのだそうですけれども、そういう問題、それからそういう非行が学校の中にまで持ち込まれて、子供同士の暴力とか、あるいは教師に対する暴力、さらにまた、非行の範囲が年齢だけでなしに、低所得階層の子供に比較的多かったのが、最近は中流階級まで来ておるというような実態もございますので、私はこの問題は何としてもやっぱり学校自体と家庭との協力、そういう意味で社会教育の方にもお願いをしておるわけでございますが、学校につきましては、一人一人の先生が幾ら努力してもだめなんで、やっぱり学校全体として非行の防止ということについて協力してやってもらいたい、こういうことでこれはもちろん通達も出しましたけれども、指導部課長会議などを通じてその趣旨の徹底を図ってきておると、こういう現状でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 まあこれ時間が余りありませんけれども、もう少し非行と、あるいは学力低下とか、いわゆる現在のこの教育の荒廃という現状把握にもう少し努めてほしいと思います。そうしないと手は打てませんよ。  それから、その都度、その都度何か出てきたら通達を出すと、いまも、対策も、その指導要領、あるいは通達出して家庭と学校と協力しようというふうなことも出ていると思いますし、また塾の問題についてもそれに対する対策が出ていますけれども、私は文部省としてもう少し全般的にこの教育の荒廃というのは何ぞやということを、やはり相当精密に文部省自体で吸い上げて、これに対する基本的な対策というものを出さないと、私は現在の教育委員会、地方教育委員会、それぞれ苦労しながら、その地域の対策を立てていますけれども、私はここで文部省の指導、助言と、しっかりしたものがやっぱりほしい。はっきり言えば、手引きみたいなものを出さなければならぬと思うんですよ。指導要領の改定とか、通達、これの効果というのはなかなかやっぱり出てこない。しかし、現実なんですよ、この自殺とか、非行とかいう問題は。即効薬にあせって、何とも知れないもので、小手先の指導もまた慎まなきゃならぬと思いますけれども、何かそういったものがほしいような気がするわけです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 生徒指導の点につきましては、文部省でもこの生徒指導主事を中心にして、その活動を活発にしていただくために、生徒指導の手引きという資料も出しておりますし、指導事例集等も出し、またその生徒指導担当の関係者の講習会なり、あるいはカウンセリングの講習というようなこともやっておるわけでございますが、先生御指摘のように、まだまだ十分でない面もあろうかと思いますので、一層充実するように努力したいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 次の質問に入る前に、これは大臣の方から。こういったこの教育の荒廃というものの、このよって来る原因というのは大体どこにあるのか、これは簡単で結構ですから、お聞かせ願いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いろいろな原因が重なっておると思いますが、一つは学歴社会の問題、それからいま一つは家庭の問題学校の問題、いろいろ重なっておると思いますが、いまお話のように、文部省でもしっかり調査をして、原因を究明し、これを解除する方向に努力してみたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 ぜひひとつこの点は、余り教育行政という立場で、何かこう通達を出し、あるいはその都度指導要領を改定すると、これは一つの大きな仕事ではありますけれども、これの効果は非常にやっぱり遅い。きょうの問題、こういったことがありますので、私、もう少し乗り出してもらいたいという気持ちで申し上げたわけであります。  いまも学歴社会という問題を出された、これあたりやっぱり一つの大きな荒廃の原因だというふうに、これは私も感じるわけです。  これはことしの一月の二十五日、大平総理が施政方針演説をされたときに、私非常に心を打たれた点があるわけです。それは総理の時代認識と政治姿勢ということで述べられたのでありますけれども、明治以降のこの日本の行き方というものが、やはり追いつけ追い越せ、こういったことで、この経済的な繁栄と、こういったものはかち得たとしても、「自然と人間との調和、自由と責任の均衡、深く精神の内面に根ざした生きがい等に必ずしも十分な配慮を加えてきたとは申せません。いまや、国民の間にこれらに対する反省がとみに高まってまいりました。この事実は、もとより急速な経済の成長がもたらした都市化や近代合理主義に基づく物質文明自体が限界に来たことを示すものであると思います。いわば、近代化の時代から近代を超える時代に、経済中心の時代から文化重視の時代に至ったものと見るべきであります。」、いろいろ書いてありますけれども、私はこの点経済の行き詰まりでこういったことにすりかえようという論議も、これに対する意見がないではないと思いますけれども、私はこれは非常に、この歴代の総理の口から、これだけ明白な私は意思表示を聞いたことは初めてです。私は明治以降の各総理の演説の記録、あるいは年々の施政方針演説、これはもうつぶさに全部読んでみました。まあこの点で、やっぱりこの富国強兵、殖産興業、こういう言葉が全部出ている。要するにやっぱり西欧に追いつけ追い越せ、こういうすさまじい経済追求の意思というのが非常に強く国民に要望されておると。その時代として、これはそれでよかったと私は思う。しかし、これが特に池田内閣以降急速な高度成長政策、この時代にやっぱりすごくその考え方というのがまた出てきておる。それを貫いていくものは、あなたがおっしゃるような学歴社会、これをやっぱり生み出してきておる。私は現在の教育の荒廃というのはここらにあると思うし、総理が思い切った発言をされておりますが、もはやそういう時代ではない。私はこのことについては、総理の施政方針演説でありますけれども、これはやっぱり現在の大平内閣の教育に対する一つの大きな転換を決断されたというふうに私は受け取っておるんですけれども、文部大臣としてはどうですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私も全く総理のお考えに同感でございまして、いままでは確かに日本は経済中心に来ました。しかし、もうこれからやっぱり国際社会の中で日本が大いに活躍するには、文化をもっと大事にしなけりゃなりませんので、生涯にわたって広く文化に親しみ、それぞれの個性と能力を伸ばし、創造的な生活が送ることができるように、教育だけじゃなくて、教育、学術、文化、各般にわたって、この際文部省も思い切った改善措置を講ずべきだと思っております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私はいまおっしゃったとおりに確認をいたしますけれども、私はそういう総理なり、文部大臣のお考えであるとするならば、私は思い切った教育上のやはり改革をしなければならぬと思う。特に学歴社会というものが、明治以降から、ずっとやっぱりはぐくまれてきておる。そして、そこでいわゆる金さえあれば、あるいは物さえあれば、自分さえよければという、こういうやっぱり考え方というのが、教育の中にこれはしみ込んできておる。私はかつて四十三年ぐらいだったと思いますが、坂田元文部大臣とこの問題についてずいぶん論議をしたことがあるんですけれども、あの当時は大きいほどいいなどというふうな言葉を言われまして、特に企業、資本、こういったところから教育に対する建言が、いわゆる申し出があったらどんどん入れなければならない。日本の高度成長政策に合わして、やっぱり教育も全面的にその方向へ行かなきやならぬ。なぜ企業からのいろんな、経済同友会等からも建言が出ておりましたけれども、そういったものを入れちゃいかぬのかというふうなすさまじい反撃を受けたことを覚えておりますけれども、私は、やっぱりこの機会にはっきり転換をしなければいけないと思うんですよ。東大に入る、これを目指しておったことはもう事実ですから、それがいまでも風潮に残っておる。大学に向かって、いわゆる学歴というものさえ身につければ、自分の将来はとにかく約束されるんだということで、もういま低成長時代に入りながらも、依然としてやっぱりこの学歴主義というのは残っておるんですよ。これのやっぱり打破といいますか、これを壊さないことには、私は非行の問題とか、あるいはいろんな塾がたくさんできるとか、試験地獄とか、こういったものの大もとにこれはなるわけですから、私は、この点についての思い切った、たとえば大学の改革、その大学の改革の中でも私は特に格差が大きい、旧帝大と新制大学との格差が大きい、あるいは地方と中央との格差が大きい。文部省自体だって、これは学校の経常費、研究費その他についてもずいぶん差がある、そういう格差があるから、結局そういった有名校といいますか、学歴をつけるために押し寄せてくる、そこに試験地獄が起こってくる、こういうふうな悪循環をぐるぐる繰り返していくわけですから、私は、そういった面は、ひとつぜひ大臣在任中に思い切ったそういった大学の格差是正などということはやられたらどうかと思いますが、どうでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、やっぱり各大学がそれぞれ独自の教育をやっていただきたいと思う、これは国・公・私立を通じて。やっぱりいままでのように形式的に学歴尊重というような社会でなくて、やっぱりあの学校はすばらしいというような何か特色を持った大学になってほしいし、それからいま御指摘の旧制帝大だけじゃなくて、文部省としては地方大学の充実もずいぶんいま努力しておりますから、各大学がそれぞれ特色を持って、やっぱりあの学校に学んだ子はすばらしいという、能力においても、人柄においても、たくましい青少年を育成するように私は努力してまいりたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 次に、私は文部省の、当面、現在の教育の荒廃という面から見て、それの立て直しの面で全責任を持って、そして文部省がやればやれるその仕事として、私は、いわゆる教員定数の問題、これは早急に取り組まなければならぬのじゃないかと思います。  昨年末大臣も就任されてからこの問題については御努力をされていることは十分承知いたしておりますし、また五カ年計画もことしで終わりますけれども、一年間一応切って、そうして明年度からいわゆる一学級の生徒、児童数、こういったものを思い切って縮小していくという、こういう方向で決意をされていることも承知をいたしております。ぜひ、これは、私は行政の当然早急にやらなきゃならぬ問題として、五カ年計画を一年間切られるということは、私としては、これは非常に残念なことなんですよ。それは、各省どこだって、五カ年計画といえば、途中から改善こそすれ中止することはない。しかし、これはいろいろ調査をされておるとかいうこともあるし、また予算の折衝の過程で明年度からというかたい決意をされているようでございますけれども、この定数の問題について、その後の研究、検討が加えられておると思いますが、経過をお話しいただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 御指摘のように、昨年の五月一日現在で公立の全小・中・高等学校の教員の組織編制、持ち時間等の実態について調査をいたしまして、その後、実はこの調査、個票で見ますといろいろ間違いや記入漏れ等がございまして、そういうものを県まで送り返して再調製をするというような作業に手間取りましたが、現段階でほぼ全学校からの調査が上がりましたので、これを電算に入れます。そして、電算に入れまして、今度は、たとえば、四十人以上の学級というものが、現在、小、中合わせて全学級数が約四十六万ございますが、その三分の一に相当する十五万学級というのが四十一人以上の学級なんです。そうしますと、そういう学校が主として過密県に集中いたしますので、そういう過密県の部分だけ計算機に置いて、もしそれを仮に四十人にする場合にはどのくらい追加学級が必要になるか、あるいはそういう学校については、施設の関係も、校舎あるいは教室を増築する必要があるかどうかというような調査をしておりますし、さらにその増築をする場合に、校地の余地があるかどうかというようなのも調査しておりますので、そういうことの関連も合わせて計算するというので、これは大分手間がかかるわけでございますが、そういう要するに分析をした上で、今度は学級編制の基準をどういうふうに改めるかという、その時期や方法についての具体的方針を決めるという作業を、年度が変わりましてからになると思いますがやってまいりたい。そうして五十五年度からの新しい年次計画を立てるという前提でありますと、どうしてもことしの八月末の予算要求の段階までには一つの計画案を立てなければなりませんので、それをめどにしてこれからやってまいろう、こういうことでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうすると、これは、調査が一応終了した、いまからコンピューターにかけて、特に過密地域を中心にしたデータを出して、計画を八月の概算要求時期までには立てるということですか。これは、私は五カ年計画にこだわるようですけれども、五カ年計画の出発ということになるわけですか、五十五年が。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 年次計画を立てる、そしてそのスタートを五十五年にしたいというのがわれわれのいまの考え方でございまして、それが何カ年計画でやったらよろしいか、従来は五カ年計画でやっているわけですけれども、そういうことも含めてこれから検討したい、こういうふうに思っているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうすると、必ずしも五カ年計画という、大体これは官庁の一つのあれだし、また、生徒の自然増ということも見ましても、ちょうど五年という期間は合うようでございますので、私は五カ年というこの計画の中で、四十に懸命にいろいろな努力をされるという計画が、八月には大体出るというふうに思っておったわけですが、私がいま言ったことはいまから検討して出てくるということですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) そのとおりでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それはいつごろになりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いま申し上げましたように、過密学級の問題のほかに、たとえば過疎の学校の小規模学校の教員配置をどうするかとか、あるいは養護、事務も何年くらいでやるとか、いろいろみんな関連しますので、それらを総合しますと、やはり八月の時点にならないと全体的な計画はなかなかまとまらないであろうというふうにも考えているわけであります。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それはちょっとあれでしてね、私としては、この点はもう少し早く、一つの方針というのは出せるわけですから、概算要求ができる、そのときにそのことがはっきりすると。それは事実上考えられないことでありますし、皆さん方も、ただ五十五年だけ考えるわけにはいかないわけですから、ある程度のめどは立たないものですか。  私は、特にこの調査で施設の方も文部省の方でやっぱりあわせて検討されておりますか。先ほどの話じゃないが、自治省あたりが盛んにいろんな雑音を入れるわけですが、それは文部省の方も生徒数がこれだけの現在であって、四十にしたらこれだけ先生の数を増さにゃならぬというのと同時に、文部省の方のデータ、コンピューターの方も、この施設の方もはじいていくというような話ちょっと出ましたが、その点はどうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 調査の個票ではそれぞれの学校に、いま申しましたように、四十二人、四十一人、あるいは四十人というふうに逓減した場合に、教室が何教室要る予定になるか、その教室を建てる敷地的余裕があるのかどうか、こういうようなことも調べておりますので、それをやるわけでございますが、ただ、これは非常に率直に言ってむずかしいことでございまして、学校自体だけで判断できないような問題があるわけですね。子供がふえた場合、果たしてその学校の規模をそのまま膨張させるのか、あるいは別個に学校をもう一つつくるのかというようなことになりますと、これは教育委員会でもなかなか判断つかぬというようなことがございまして、非常に浮動的要素が多いわけです。したがって、おしかりを受けて、もうちょっと早くやれということですけれども、私どもこれから計画を立てている段階で、これが、たとえば川崎市だとか、大阪だとかというところに、おまえさんのところはこういうふうにやって大丈夫かというようなことも直接確認しなきゃなりませんし、これはかなり手間の要る仕事だなという感じを私は持っているわけです。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 だから、私が申し上げたわけですよ。この点は大臣も本会議場におきましてもはっきりしたことを言われておりますし、衆議院の小委員会でもはっきりしたことを言われております。  これがいまの問題で関連するんですけれども、施設その他の問題で、苦い経験が自治省にもあるし、大蔵省にもあるわけです。大蔵省あたりは積極的に協力しようという気持ちまではいっておるようでありますけれども。この点がやっぱりある程度、五カ年計画そのものがはっきり基本でも出て——八月早々じゃ遅いんですよ。各自治体、来年の四月から実施しようとしましても、またもや定数の問題はできたけれども、そっちの方で壊れていくという問題がありますから。私も自治体ずいぶん歩き回りました。過密地域の町村も、市も県も行きました。やっぱり文部省の方から方針を早く出してもらいたい。来年の四月からは五カ年計画の初年度になりますよと、そのときにはこうなりますよということを早く知らしてくれと。そうしなければ間に合わないという形に実際はなるわけです。  そういう意味で、いまからトントン、コンピューターたたきながら、ことしの概算要求を八月に出す、そのころ大体たたき出しまして、それからどうしましょうかという、そういうことでは遅いんであって、これはまあ他省に対する戦術等もあるからおっしゃらないんだろうと思いますけれども、戦術とか何とかいうことはもう抜きにした方がいいようです、これほどの大事業ですから。ぜひひとつ早く、もう調査は終わったんですから。去年だって、調査が終わったら去年からでもやるような意気込みで、去年の大体十一月ごろにはもうかかるようなのが今日まで延びてきているんですから、あの調子で延びるとまた先へ延びますから、せっかくの明年度からということもまた実際に不可能になってくるということですから、これは公開できないものならば、私ども公開の席上で聞く必要はないと思いますけれども、ぜひひとつ確固たる現在の調査のあれに基づいて、早急にやっぱり将来計画というものはお示しを願いたいと思います。定数の問題はそれ以上は聞きません。まだいろいろ私は言うことはありますけれども、はっきり言って、大臣にも申し上げたように、野党のわれわれだって、この定数の問題は全く一致した考え方なんで、これはもう一緒にやっぱり力を合わせて、この問題を解決するということが必要だと思いますので、ぜひひとつ進めていただきたい。大臣、もう一遍ひとつ、大臣の定数についての考え方を聞きたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 四十人にすることは国会の附帯決議もありますので、私どもも国会の附帯決議を尊重して、その実現に努力したい。ただ、いま局長が申しますように、五十三年五月一日現在で悉皆調査をしていまして、これがなかなか大変なんで、おっしゃるように過疎地帯、特に過密地帯で今度は学校をふやさなければならぬ。土地問題とも関連しますから、おっしゃることはよくわかりますけれども、やっぱり調査は精密にして、そしてしっかりした、なるべく早く調査して、予算要求をいたしたいと思っています。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 次に育児休業の問題についてお聞きをしたいと思います。  これは五十一年の四月から事実上発足をしておりますから、もう三年目に入っておるわけです。これはきょう現在でもいいし、区切りのいいところで結構ですが、たとえば昨年いっぱいでも結構ですが、育児休業の適用を受けて休んでいらっしゃる先生の数というのはどれぐらいですか。教職員に限ります。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 現に五十一年四月から五十二年三月末までの一年間の実績を申し上げますと、女子教職員の数は、この間に出産した子を有する女子教職員の数は二万一千百四十一人となっておりますが、育児休業を願い出て許可された——願い出た者は全部許可されておりますが、数は九千八十人、全体の四二・九%でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは全部許可されていますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) はい。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そこは間違いないですか。たとえば後で聞きますけれども、代替その他がもたもたして、おらなかったとか、いろんな事情でとれなかったという障害はなかったんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは各県から調査をとりましたので、私の聞いている報告ではいずれも、多少時間的に代替がないとかいうのでずれたのはあるかと思いますけれども、全部許可されているというふうに聞いております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 この代替教員の充足状況というのはどんなふうですか。これは確実につかめておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いま申しましたように、休業を許可した件数については、いずれも代替教員を確保してやったという報告でございますから、どういう方かは調べておりませんけれども、やっておるはずでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 もう時間がありませんので、いろんなトラブルがあったらしいんですけれども、それはまた後の時期にお聞きします。  そうすると、代替教員の待遇なり、身分、こういったものはどういう形に置かれておるわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは期限つきの臨時的任用でございますから、一般の教員のように単なる任用ではないわけでございますが、その代替期限中は任用される、身分を保障される、こういうことでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは私は、やっぱり話さにゃいかんですかな。代替教員を確保するというためには、相当努力はあるんですよ。それは文部省の方だって計数見れば、休んだ先生確実についておるはずだから、任用はぴしゃっといっているだろうと、充足はいっているだろうと言われますけれども、実際は相当やっぱり各出先——県、校長さん必死になってやっておられるような状態もあるわけで、それの障害になっているのがやっぱり臨時の任用ということですが、これは何らかの形で正式採用をして、ある程度確保するというふうな、ある程度——もう終わったらあんたは終わりだという形じゃなくって、やっぱり県の教育委員会の出先あたりのところに、はっきりとして確保するという、いろいろ内容は別としましても、安定した形に置いておく必要があるとつくづく思うんですけれども、この点はどうでしょうかね。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは法案審議の段階でもたしかそういう御意見があったと私は承知いたしております。しかし実際問題として、代替教員として採用する期間が一年というふうにあらかじめ決まっているわけでございますから、これを一般の教員と同じように無期限に採用しておいてというわけにはちょっとなかなかいかないと思いますけれども、おっしゃるように、どうやって確保するかという点が非常に問題だろうと思いますので、この点は法律が通ったときにもたしか指導をして、あらかじめプールをしておいて、特に僻地等行かれないようなところは十分配慮するようにということをやっておりますが、確かに個々のケースについてはあるいはいろいろ問題があろうかと思いますので、具体的ケース等、また先生の方で御承知でしたら、いずれ教えていただきまして、私どもももう少し指導を深めたいと思っております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 ぜひひとつその点は、これは私も研究してみたんですけれども、正式採用と、こうなっても待機するような形もとれそうな気もするので、これはぜひひとつ御研究を願いたいと思います。  これはまた一つ問題なんですが、育児休業を適用されている問の給付の問題なんですよ。これはもう十何年やってきた、大臣もよく御存じのとおりでありまして、一応あの法律をつくるときには、給与の問題が非常に問題になったけれども、将来の問題として考えて、当面はやはり共済組合の掛金、これの相当額というのを一応ここに載せて、あとは改善していこうじゃないかということで、これは話し合いをつけておったわけです。それ以前の問題としましても、ある時期はやっぱり本俸の三〇%、こういうことで話も文部省の方も了解をした時期もあったわけで、だから、あのときにはこれは時期を失したら——とにかくとりあえずつくろうと、給与の問題は後でひとつ積み上げていこうじゃないかということで休業法ができたわけですから、もうこれ三年たちますしね、この点ひとつ給与の何%というふうな形で——これは確かに休業しているんですから、これはもうまるまる給与を差し上げるというわけにはいかないとは私どもも思っています。しかし余りに、これはもう実際言うと無給ですよ。この点をひとつそろそろ考えていかなければならぬ時期が来た、せめて議員提案じゃなくて、ここらあたりは文部省自体が、この金額を引き上げるという時期が来たようでありますが、この間の長い事情は大臣もよく御存じでございますので、この点そろそろひとつ考え方を示していただきたいと思うんですがね、どうでしょうかね。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) お話のとおり、共済組合の掛金だけを認めたわけで、確かにお気の毒な点があると思いますが、人事院勧告の線もございますので、今後慎重に検討していきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうおっしゃるだろうと思っておったんですが、私はこういった問題は、人事院とか、あるいは議員提案とか、そういった形じゃなくて、もう少し積極的に、これは文部省から出してもらいたいという気持ちなんですよ、これは大臣よく知っておられるわけですから。少なくとも人事院の方に、今度の勧告をするとき、いつも出されるでしょうが、要望書を。せめて、とにかく文部省はこういう勧告をしてもらいたい、人事院勧告にこだわるんならば、ぜひことしの人事院勧告前に文部大臣としての要求を出すんです、要望を。ぜひその中にひとつ出してもらいたい、こう思いますが、人事院から出てきたら検討しようなんというようなことじゃなくて、もう少し積極的な気持ちをひとつ持ってもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 確かにこの法案審議のときは、最初二五%か三〇%ということで、育児休業そのものの法律的な概念をどうとらえるかというんで大分議論がございましたけれども、結局育児休業給というのは休暇だと、そうすると、その間の給与はノーワーク・ノーペイの原則からいって払わないんだけれども、まあしかし共済掛金だけは休業期間中でもやるんだから、その分だけはそれじゃ当分見ようというんで、附則にああいう規定を置いたという経緯がございまして、その間で率直に申しまして、二五%以上にするか七%にするかというんで、各党間のいろいろの御意見があって、結局二五%以上払うということは国会の意思として各党の意見の一致を見なかったという経緯があるように私は記憶しておるわけでございます。したがいまして、われわれとしても、これをいますぐ引き上げてくれと要望するのがよろしいかどうかという点もございますし、この中身は御承知のように、厚生省関係の職員も対象になっておりますんで、なおひとつ、お話の趣旨を体しまして検討さしていただきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 ぜひひとつ検討していただきたいと思います。  いまのとおり、休業休暇ということで非常に問題になるんですが、現実に実施されまして、いわゆる期末・勤勉手当の支給の問題なんですよ、これがゼロになってるんですね。極端な場合は期末・勤勉手当の支給の、たとえば一週間とか前の日とか、うっかりではないでしょう、それはもう産まなきゃならぬし、休まなきゃならぬということもあったでしょうが、当然何日かすれば、ずうっと前から勤めてきてるんですから、これが支給日のときにはもう休業をとっておったということで無残に切ってしまわれるという、これはまあちょっと私は残酷だと思うんですよ。私はいつも言うことですけれども、金の問題で国にお世話をかけるわけじゃないんですよ、本人が休んだその給与の中から代替の方の給与も払うんですよ。これは金つけるというわけじゃないんですよ。実際その人が子供でも産まなくてずうっといっておったら、当然それはこの年の人件費の中にぴしゃっと入っている金なんですよ。むしろ返上していく方なんでしょう、国庫に返っていく方なんですよ。私はもう少し血も涙もあるやり方したらどうかと思うんですよ。無残にもうあと何日かというのを、ついそのときには休業に入っておったということで、いままで勤めておったのに、期末・勤勉も全然出さないということじゃ、これちょっとやっぱりかわいそうな気がするんですよ。それはランクがあってもいいと思うんです、たとえば一週間の場合もあるし、また逆にちょっと勤めておられたというところもあるから、いろいろそれはランクがあってもいいとは思うんですけれども、これを無残に切ってしまうというのは私はどうかと思う。この点あたり考慮をしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これも私のうろ覚えですけれども、そういう問題があるんで、育児休業の期間中も月に一回か二回出てくるということによって、そこに勤務があったという、いわばフィクションをつくって期末手当を出せるようにしたいというような検討をしたわけですけれども、結局それが実らなかったわけでございますから、いまの給与制度としては期末・勤勉を払うというわけにはいかぬというのがこれは人事院の言い分だと思います。しかし、確かにちょっと気の毒な点はあるんですが、まあこれについてどういうふうに給与法上考えられるのか、この点も少し検討さしていただきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これぜひひとつ大臣実現してくださいよ、これぐらいのことは。  それから、人事院にも私は言ったんですよ。これは余りしゃくし定規に考え過ぎているんです。これは経過というものがあるんですよ。この給与法ができる経過というものがあるわけですから、それができたからといって、そこに抵触するからといって、後一週間かそこらまでとっておけばよかったという、これは必ず無理が来ますよ、母体保護とかいろんな意味があるんですから。たったそのことによってとるのを無理しちゃって、支払い日まで無理さしておいて、身体上の障害でも起こさしたら大変ですよ。これは何にもならないですよ、この目的は。休業法の目的はなくなってしまうということですから、ぜひひとつこれは早急に実現するように、検討と言いましたら長くなりますので、この点はひとつ早急に手に渡るように実施してもらいたいと思います。次のひとつ手当のときにはもらえるようにぜひ実現してほしい。重ねてお願いを申し上げておきます。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) よく御趣旨はわかりました。ただ、やっぱり財政上から考えると、代替教員の問題が実はあるわけですよね。それから、いまお話しのように本人にとってはやっぱり気の毒ですから、この問題については文部省としても早急に検討さしていただきます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 最後に、これは二回にわたってこの参議院の文教委員会で珠算教育指導者の資質向上に関する請願というのを出しまして、これが取り上げられております。で、私は時間もありませんからあれですけれども、やはり週休二日制とか、あるいは先ほどの教育の荒廃とか、また大臣がおっしゃったようないわゆる社会教育を充実するというふうな面からいきまして、私はぜひひとつこれらも検討しておいてもらいたいという請願なんですから、この点はひとつ実現の方向に進めていただきたいと思います。これやっぱり私がいまさら言うまでもないんでありますけれども、この珠算教育そのものは、一つの大きなやっぱり学校教育の中で、独特な味わいを持った一つの数学的な能力、思考力、こういったものに対しての大きなやっぱり教育上の価値を持っていると思います。これはいま電卓ができたり、電算機ができたりと言いましても、違った意味の、これは教育的に取り扱えば非常に大きな教材的な価値を持っておる。しかし、現在この乱塾時代で、いわゆる珠算の塾というのは現在四万を超しておると、こう言われておるわけですが、最近学校教育には一部取り上げられておりますけれども、やっぱりそれに物足らずに子供がこの塾に通っておるというのは、私は非常に大きな魅力があるからだと思います。親だってそうだと思います。何かこう高等学校の入学試験のために塾に行くというのと違った、非常に価値のある塾だということで見ている。したがって、やっぱり私はそういった観点からいくと、この珠算塾というのは一つの教育的な取り扱いをやってもらわないと、ちょっとそろばんがうまいから塾開く、そして、技術だけを教えるというだけでは済まされない社会教育上の問題があると思うんです、これは。そういう意味で請願も出されておるわけでありますが、私も全国珠算教育連盟あたりのしょっちゅう行われております研究の集会に何回も出たことがあります。あそこではまじめに、本当にびっくりするような研究の成果が発表されておる。これはいつも文部省からも出席もしていただいて報告もあったと思いますけれども、私はそういった珠算塾を経営されておる人々自身も、もう少しやっぱり教育的なこの取り扱いをしなければ、ただ加減乗除を教える、早いというだけでは意味がないということで、みずからもやっぱり研修をされておる。筑波大学の教授や、その他たくさんの学者先生も呼んで、教育的な心理学とか、論理学とか、いろいろな先生方を呼んで勉強されておる光景も私はよく見ておるわけであります。本当にまじめに研究をみずからされておる。私はそうでなければならぬと思うんです。したがいまして、やっぱり社会教育の観点から考えても、指導者の資質の向上という意味で、文部省もこの点についての研修会というふうなものも開いてやって、そしてこの受講者に対して、一定の称号と言えば大げさですけれども、珠算教育士とか、こういう資格というようなものを付与していったらどうかと私はつくづく思うんです。でないと、私は社会教育全般にかかわる問題ですけれども、たとえば体育の指導といったようなものでも、野球がうまいというので、私から見ればこれはやくざに間違いないようなのが放課後学校に乗り込んできまして、クラブ活動あたりに入っていって、技術だけを教えておる。その与える影響というのは非常にまた大きい。練習が済んだら入れ墨したような連中と一緒に行っておる。ついて歩いているというふうなことを見たこともあるんですけれども、社会教育全般にかかわる問題ですけれども、私は特にその中における生徒、児童というのがかかわってくる学校外の活動というような問題については、文部省も意をやぱっり加えなければならぬのじゃないか、こんなふうな私は気がするわけで、この請願にも私はもちろん賛同し、請願者の一人になっておるわけですし、皆さん方もなっていただいておるわけなんですが、この点ぜひそういったことで実現をしてほしいと思うんですけれども、請願は二回通っていますが、その後の文部省のこの請願についての検討をお願いいたします。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○政府委員(望月哲太郎君) ただいま先生御指摘の点でございますけれども、現在までのところ私どもといたしましては、珠算の学校あるいは塾は、各種学校として経営されるものや、個人の経営として私的な形で行われているものなど各種各様のものがございまして、そこに学びに来られている方々も自発的、自主的な気持ちで珠算を勉強したいと、こういうふうな気持ちでお越しになっているということもございまして、それぞれの学校や塾で創意工夫をこらして、弾力的な教育をなさっておるというのが実態でございます。したがいまして、直ちにそういう実態の中で国が直接指導者の研修等を行うことが適当かどうか、これはやはりかなり慎重に検討もする必要があろうかと思いまして、現在のところではそれぞれの関係の方々の創意工夫によって、大いに能力を高めていただき、よりよい教育をしていただきたいと考えておるところでございますけれども、なお、いろいろと実情等につきましては、これからも鋭意調査検討いたしまして、他のいろいろな教育との関連もあると思いますので、そういう関連等も考慮しながら、検討してまいりたいと思います。

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時十分再開することとし、休憩いたします。    午後零時十分休憩      ————◇—————    午後一時十三分開会

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査中、文教行政の基本施策に関する件及び昭和五十四年度文部省関係予算に関する件を議題といたします。  本件について質疑のある方は順次御発言を願います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 先日、文部大臣の所信表明及び来年度予算の説明を承りましたが、内容を見てみますと、例年のとおり総花的、抽象的で、大臣が過去四十数年の経験を生かし、「二十一世紀への展望に立って、」と、非常に力強い御決意のもとに発表された所信にしては、またそれを実現するための予算にしては、私は非常に、何と言いましょうか、教育のわかる大臣にしてはもっと張り切ってもらいたい。なるほどといわれるような、内藤文部大臣らしい、そうした息吹というものが具体的に感じられるようにしてほしい、示してほしいと思いました。そうした点が非常に私としては不満足であり、感じられない。  そこで、所信表明の点はそれとして、こうしてひざつき合わして、この委員会で本当に大臣と忌憚ない意見を取り交わして、私も日本の国の教育のために、少しでもお役に立てたらという気持ちでお伺いするわけでございます。一体具体的に何を重点にやろうとなさっているか。先ほど課題ということについて私と同じような立場で御質問がありましたけれども、私はさらに一歩それを深めて、重点的に何をしようとしていらっしゃるか、それも力強い内容を含んでお答えいただきたいと思うのですけれども。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いま柏原先生から御指摘があったように、私も教育一筋に四十年まいりまして、何かあなたのおっしゃるように力強さがなかった点、私、非常に遺憾に思っています。私自身も実は昨年の六月に胆石の手術をして、体もまだすっかり回復してないので、自信がなかった点をおわびをいたします。しかし、私はほかには何も興味ない、教育だけが私の生きがいですから、私も及ばずながらしっかりやりますから御援助を願いたいと思います。特に幾つかの課題がございますが、日本は終戦後六・三制をやりまして、中学校までは義務制になり、高等学校の進学率がいまや九三%、大学へは四割近くも進学するというように、すばらしく量的拡充は遂げたわけでございますが、まだ幾つかの問題がある。その一つは、初等、中等教育の教育内容の改善充実でございます。このために私が第一回の教育課程の改正やりましたが、ちょうど三十年後にまた第三回目の教育課程の改正がいよいよ行われましたので、この教育課程の改正をしっかり実現したいと思うんです。その次は、何といっても私は教育で一番大事なのは先生だと思うんです。いい先生がなきゃいかぬ、戦後、開放制にしましたが、やっぱりいい先生を育てたいと思います。その先生の資質の向上、こういう点に力を入れてみたい。それから、高等教育——大学が地域的に非常に整備されてまいりました。国立大学でも、それから私学も同様でございますが、特に高等教育の整備充実の問題、医学部は無医大県解消はできましたけれども、その他いろいろな面においてまだ残っていますから、この高等教育の整備充実、それから私学の振興ですね、ことしも大幅に予算は計上しましたが、やっぱり日本では大学生の八割は私学ですから、私学がやっぱり独自の教育をして、私はやっぱりいい教育をしてもらいたいと思う。そういう点、その他教育、学術、文化の国際交流、幾つかの課題がございますが、当面、できるだけのことを私はしたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 非常に具体的にお示しいただきましたのでよくわかりました。  そこで、それを実現するための予算の面を見ますと、国の全体の予算の伸び率一二・六%、それに対して文部省の予算の伸び率は一一・六%、大臣が大いに力をもって教育を重視する、また国政の中でも最も大事な課題は教育であると確信していらっしゃると思うんです。しかし心はそうであっても、やはり予算の実態というものが伴わなければならない、そういう点で相変わらず文部省の予算の伸び率が、国の予算の伸び率に比べても落ちているというのでは、私は重要な課題としての教育の実現というものはやはり看板だけだ、中身は相変わらずだということになると思うんですね。新しい試みとして、また先ほど大臣がおっしゃいましたように、よい先生をつくるために、その資質の向上を図るというその考えでできたものと思いますが、研究グループに費用を出す、研修会にもお金を出すというような新しい試みがされておりますけれども、ほんのスズメの涙、ほんのちょっぴりで、だれが見たってこれで効果が上がるなんていうことは期待できないような、そんな面が至るところに見られている。もう少し綿密な分析、検討というものがやはりされなきゃならない。大臣が一々指図するわけにはいかない。指図しなきゃならないと思いますけれども、その場所でそうした計画を立てる文部省内部の役人さんたちというんですか、そういう人たちにもつと綿密な分析や検討をさせるようにしていただきたいと、そうしたものを予算の上に積極的に組んでいただきたいということを重ねて申し上げるわけです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 実は、私ちょうど予算の真っ最中にちょっと病院に入っておったので、私も十分にできなかったけど、私はしかし文部省の官僚が、本当に真剣にやってくれたことを感謝しているんです。いま御指摘のように、確かに伸び率は低いですけれども、文部省の予算で一番大きいのは、何といったって義務教育国庫負担金なんですよ。これが膨大な額を占めていまして、そのほかに国立学校の経費があって、そういう人件費はことしは伸び率が低いんですよ。前は一〇%ぐらいだったけど、このごろは非常に伸び率が低くなったんだから、人件費の伸び率が低いと全体の予算は低いわけなんです。しかし、私は文部省の予算を見ていて、特に公立文教施設費なんかは、公共事業はわずか二二%でしたよ。しかし、文教費は二九・七%と画期的に改善されているんで、個々の予算をごらんいただきますと、私はよく文部官僚やってくれたと思って感謝しているんです。足らぬ点があれば今後改善いたしたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 感謝するのが大変お好きの大臣ですが、感謝ばかりしてないで、事実国政の最重要な課題だとおっしゃっているんですから、伸び率が国の予算の伸び率よりも下回っていてもいいんだと、それにはこうこうこういう理由がございますと、そういうことはもっともなことでありますけれども、私はもっと積極的にやっていただきたいと、まあ大蔵省とのやりとりも大変でしょうし、またその他の各省とのバランスというようなものもあると思いますけれども、いままでやはり文部省の予算というものははがゆいほど削られているという点も多いわけでございますから、そこを内藤大臣らしく、教育に命をかけているんですから、命をかけてもっと予算の分捕りをしっかりやっていただきたいと、こういうことを申し上げているわけで、病気、病気って余り、もうお元気になられたようですから、ひとつやるぞという意気込みを、これからにかけて持っていただきたいと思うんです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いや、私病気、病気というのじゃなくて、ちょうど予算の編成当時に入院しておったと、こういうことを申し上げたので、いますっかり元気ですから、御期待に沿うようにしっかりやりたい。私も教育一筋に四十年でしたから、これでことしが本当にできなかったら私は落第だと思っていますからしっかりやります。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 よろしくお願いします。  そこで、次に問題を変えてまいります。  大臣はかねての持論で、就任早々の記者会見においても道徳基本法、教育憲章というようなものをつくる必要性、こういうものを強調されていらっしゃいました。その意図、また内容、つくるならばいつごろかというような点についてお聞かせいただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は教育基本法が悪いと言っているわけじゃないんで、やっぱり終戦当時私も関係しておりましたけど、あの教育基本法の中にはあらゆる問題が含まれていますけれども、ただ教育の目的について、真理と正義を愛し、勤労と責任を重んじ、平和で文化的な国民を育成すると、何か抽象的過ぎやせぬかなという感じがいたしたわけです。そこでもう少し具体的に、やっぱり指導する原理が欲しいなあという気持ちを持っておるわけです。私はそれ以上のことは考えていないわけです。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そうすると、教育憲章、道徳基本法というようなものをつくる考えはいまないということですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いま私はそういうものは持っていない。というのは、現在ちょうど私の願っておった考え方が、新指導要領で去年できましたので、この指導要領の線をしっかりやれば、私の願いはかなえられると思っています。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 大臣になられてから、急に教育憲章のような問題については、言を左右にされて余り積極的じゃない。大臣になられる前はむしろ教育憲章、道徳基本法のようなものを、つくるとまではおっしゃらないけども、つくりたいと強調されていたわけですね。それに対していろいろな意見はあると思います。私はその評価は別として、やはり命がけで教育のためにと言って過ごされた大臣が、大臣になる前に比べると、大臣になってからは、この問題については非常に何か消極的だと、こう思うわけなんですね。まあ、そんな世間の評価などを気にせずに、やはり憲章をつくるという持論を持っていらっしゃるならば、やはり大臣であられるときにそれを示されて、大いに議論を闘わし、また、それによってよりよいものがさらに生まれるかもわかりません。そうした点で私はやはり教育の問題については相当強気で、またメスを入れるところはズブズブ入れて、そして議論を沸騰させるぐらいにしないと、やはりいいものは出てこないと思うんですね。そういう点で、何か大臣はこの問題に消極的なんじゃないのか、そういう気がしますけど、いかがでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いろいろ御指導いただきましてありがとうございます。私はやっぱり教育で一番大事なのは人柄だと思うんです。それにはいまの教育見ておりまして、親は親、子供は子供、学校の先生は学校の先生、てんでんばらばらじゃ教育の効果は上がらないと思うんです。そこで、せめて学校の先生も、親も、子供も共通の価値観を持ってほしいなあというのが私の願いなんです。そこで、私も自分で前に大要の大学におりましたときに、大要では体育館に——これは先生方がやったんで私じゃないんですよ。「ハイという素直な心」、「スミマセンという反省の心」、「オカゲサマデという謙虚な心」、「ワタシガシマスという奉仕の心」、「アリガトウという感謝の心」、これが体育館に書いてありまして、これで生徒の指導をしておりまして、これは大変いいことだなあと思って、何かそういう共通の価値観が欲しいなあというのが私の願いなんです。だから、ひとつそういうものがあればあった方がいいなあというのが願いでございますけれども、いま文部省へ私が入りまして、今度早速昨年に制定しました学習指導要領見てみますと、本当によくできておるから、この指導要領で少ししっかりした教育を行えばその目的は達成できると、こういうふうにいま考えていますから、別に消極的になったわけじゃないけれども、これでやれるという自信がついたからです。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、大臣の発言からお聞きしたいんですが、教育の荒廃の最大原因、これは道徳教育の欠如にあると、こう受けとめられますが、大臣は現在の教育荒廃の原因をどのようにとらえていらっしゃいますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) これはなかなかいろんな問題が絡み合っていて非常にむずかしいんです。一番大きいのはやっぱり学歴社会の問題だと思うんです。そして試験地獄に悩まされておる。特に家庭教育もそうだと思うんですが、親がやっぱり子供を本当に私は大事に育ててほしいと思うんです。親も忙しいでしょうけれども、やっぱりアルバイトやっていらっしゃる親もおるわけですから忙しいとは思いますけれども、やっぱり未来を担うのは青少年ですから、そういう意味で、学校の先生も、親も、そして国民も子供たちを私は大事にして、そして子供たちがたくましく、りっぱに成長するように努力してほしいと思っています。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次に、現実の足元の問題として子供の自殺問題これについてお尋ねしたいと思います。  この一年以内に、学校の管理下で教室などで起きた児童、生徒の自殺は何件あるか。また、その事情などを調査され、掌握していらしたら御説明いただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) ちょっと局長から答弁させます。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 学校の管理下における自殺ということになりますと、これは学校安全会の給付の対象になるかどうかという観点がございますので、安全会の方で持っております書類について調べていただきましたところ、昭和五十年、五十一年、五十二、五十三とこの四カ年で、小学生一名、中学生六名、計七名というふうになっております。  なお、自殺の原因等についてははっきりしないということでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、子供の自殺が起きた学校、あるいは教師に対して、文部省、あるいは教育委員会はどういう手を打ってまいりましたですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 学校管理下にかかわらず、自殺の問題というのは一つの大変な大事な問題でございまして、御承知のように、総理府の青少年対策本部でも、この問題を総合的に持っておるというようなことで、今回も新たに懇談会等をつくって、自殺の原因等について有識者の御意見を伺うというようでございますが、私どもの方でも実はその青少年対策本部等、あるいは警察庁等と連絡をとりまして、指導通牒であるんですけれども、具体的にどういう点を気をつけたらいいか、やはり子供が自殺に走るというような場合を、後から考えますとやっぱり何かその前徴があるようだと。したがって、学校や家庭において努めてそういう子供の様子というものを把握して、事前にこれを防ぐようにしてほしいというようなことを主体とした通牒等も流しておりますが、なお最近のこういう実態もございますので、ことしの春の全国都道府県の指導部課長会議等の際にも、この問題を取り上げまして、さらに指導を徹底していただくようにお願いしておるところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そうしますと、事情を聞くとか、通牒を出すとかということはなさっていらっしゃると思いますが、私がお聞きしたいのは、直接学校とか、教師に対して、文部省はこういうことをやったとか、教育委員会でこういうことをやったと、そういうようなことがありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 実際にその自殺の起こった学校について、文部省が直接指導したり、連絡したりというようなことはやっておりません。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 十月三十一日に府中の小学校で起きた自殺の場合ですが、これはお弁当食べただろうとからかわれてけんかになった。それを担任の先生がしかった、そのしかられたショックで発作的に自殺したのではないかと、こういうふうにされております。担任の先生は大変なショックで、また反省もし、今後どうやっていったらいいかということで、非常に悩んでいると思います。またそうした立場にいつ置かれるかわからない教師たちも、やはりうっかり子供もしかれないというような気持ちになると思います。ある学校の特殊な事件ではありますけれども、いつ自分の受け持ちの子供にそういうことをする子供が出るかもしれないという、そういうものはあると思うんですね。それで先ほどの御報告によって、小学校は一人、中学校は六人と、数はわずかですけれども、現場の教師たちに与えるショックというか、そうした不安、大きなマイナスというものはあると思います。非常に大きいと思うんですね。そうした場合に教育委員会、そうしたところからもっと温かい配慮、激励、そういうものが私はなきゃならないんじゃないか。ただ、そうした教師を監督する立場に立って事情を聞いたり、通牒を出したりして、むしろそうした現場の悩んでいる教師に対して、追い打ちをかけるというような感じになったのでは私はいけないと思いますが、その点いかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) あの事件を私ちょっと新聞で読みまして、そのときの心理学者か何かの感想のようなのが載っておって、このお子さんの場合は非常に性格的に特異なケースではなかろうかというふうなこともあったように記憶していますけれども、要するに先生が子供をしかる、しかられてすぐ死ぬ、自殺に走るというのは、われわれが見ましても非常に特異なケースでございますし、そのしかった態様もそう激しいものではなかったというふうに報道されておったと思うわけで、その場合、先生がそういうことに非常にショックを受けて、以後子供の取り扱いについてとにかく大事に大事にというものでも困るというふうに私も思うわけでございまして、ただそういう場合に、私は一体文部省でどういうふうにしたらよろしいのだろうかということを考えたわけですが、専門の人などとも相談しまして、結局文部省では先ほど御質問もございましたけれども、「生徒指導の手引」というような資料集などを出しておるわけでございまして、そういうような中に、やっぱりそういうケースというようなのもこれから取り上げて、やっぱり先生にひとつ参考にするというような形で、おっしゃるように、ただ事故をなくすようにしっかりやりなさいというだけでなしに、資料提供という形でもう少しこうやる面があるのじゃなかろうかというふうにいま考えておるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 私のお聞きしているのは、現場の悩んでいる教師、またショックを受けている学校に、何か温かい激励とか、配慮ですね、そういうものがあっていいんじゃないか。通牒を出しました、事情は聞いてあげます、何かそんなもので大きな影響を全教育界に与えている中でいいのかしらと、こう思います。文部省はうっかりそんなところへ手出しはしない方が無難だと、そう思っていらっしゃるのか何かわかりませんけれども、やはり文部大臣だって人間だし、初中教育局長さんだってその立場の先生の気持ちなんていうのはわかると思うんですね。ですから、がんばりなさいということだけでもいいから、電話一本でもいいし、何かの形で激励するような配慮するようなものがあっていいんじゃないか。冷たい通牒やそんな書類で、手は打っていますよと言わんばかりでいいのかしらと私は思うんですよ、どうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 御指導いただきましてありがとうございます。  一般的に、私どももこういう問題について単に連絡をして事情を聞くというようなこともございますけれども、いろいろのことがございますので、そう突っ込んで非常に調べているわけではないので、おっしゃるような点まで配慮するというふうに至ってないわけでございますが、今後それぞれのケースに応じまして、またわれわれとしてできるだけのことはひとつしたいということで努力をしたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、去年の三月、文部省が通知を出しております。またその後、総理府の青少年対策本部からも「青少年の自殺防止について」という通知が出されている。拝見しますと、本当にりっぱなことを取り上げて個条書きで示されております。そういうものが、ほとんど学校とか、教師に押しつけられているという感じに私は受け取られるわけなんです。じゃ、現場にいた先生方というのは、こうした通知をもらったらどんな受けとめ方をするだろう。大臣はどうお思いですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私はやっぱり、教育で一番大事なのは、いまお話しのように温かい心で、私もそういう事態があったら本当に慰めてやりたいと思ってます。単に一片の通達でやるという気持ちはございませんが、やっぱり教師と子供、あるいは子供同士で温かい環境、子供が自殺なんかすることのないように、楽しい環境であったらそういうことはないと思います。それから同時に家庭も大事だと思うんで、やっぱり家庭が冷たいと子供はついそういう気が起きますので、温かく家庭も育ててほしいし、学校でも子供を温かく指導してほしい一と思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 大臣のお言葉の中に、教師をいたわってくださるような、教師の気持ちがわかっているというふうな言葉が感じられましたけれども、わかっただけじゃだめなんで、悩んでいるその教師にわからせるようにしていただけないものかといってこんなふうにしつっこく言っているわけなんですが、いわゆる自殺防止のためというような指導的な通知、こういうものを出すだけで、やってますよと、文部省だってやってますよというようなポーズじゃいけないと。それを受けとめた教師が、その通知の内容を実行できるように、そして自信が持てるように、本当に温かい教師として、大ぜいの子供に信頼されるような教師にさらになっていくようにしていかなきゃならない。ところが、この通知の中に大変りっぱなことがたくさん書き並べられております、生命の尊重について指導を徹底せよというような言葉で。一体、この生命の尊重を徹底しなさいと言われても、一体教師はそれに対してどういうことをしたらいいか、非常に抽象的で困るんじゃないかと思うんです。この通牒を出して、それでいいとしている、そういう文部省の態度に私は不満を持って、こういうことを重ねて申し上げているわけなんですけど、この点いかがでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) お説のとおり、通牒を出してそれで文部省もいいとしているわけじゃないので、いろんな研修活動もいたしておりますから、先生方に具体的にいろいろと指導をいたしておりますから、一片の通達で処理しようという考えは持っていません。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、子供の自殺のことについては、衆議院でも取り上げられ、大臣がそれに答えていらっしゃいます。そして、「学校教育にも責任がある。」。そして、三つの問題の改善を取り上げ、取り組む方針を示されております。その後に、しかし、自殺の最大の原因は家庭教育にある、また親が、家庭がよければ問題はないと、学校教育の責任よりも、親や家庭の責任の方が大きいというふうに受け取られる発言をされております。私は、一応学校教育にも責任があるとはおっしゃっていながら、いや、親だ、家庭だと、これが私はやっぱり大臣の本音じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) もちろん、学校で果たすべき役割りは大きいと思うんです。ですから子供たちに、先ほどお話しのように、生命の尊重とか、学校が楽しければいいと思うんで、やっぱり教師と生徒が楽しい、それから同時に子供同士が楽しく遊ぶ、そういう楽しい環境をつくることが私は大事だと思うんです。しかし、私が申し上げたのは、やっぱり家庭教育も大事だと思う。何か、家庭不和が起きて、親同士でけんかしたりしていると、あるいは離婚したりしていると、どうも子供はひがんでしまうので、家庭教育というのは非常に大事だと思う。文部省としても家庭学級とか、総合ゼミだとか、家庭教育で家庭指導の方も十分やっていますが、同時に学校教育においても研修をやり、いろいろ学校教育などでの指導をしていく、先生と生徒、生徒同士が仲よくするような、そういう環境づくりをいまいたしておるのでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 しつっこいようですけれども、最大の原因は家庭教育だと、学校教育と比べてやっぱり家庭教育だと、こういうふうにお考えですね、大臣は。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私、どういうふうに発言したかは存じませんけれども、学校教育にも責任があると、しかし家庭教育も大事だということを申し上げたので、学校教育だけじゃなくて、やっぱり家庭教育も大事だと、この両方を申し上げたつもりでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 これはある新聞に「甘すぎる文相の認識」という題で投書が出ておりました。ごらんになったと思いますけれども、「最近の未成年者の自殺激増は、内藤文相の発言のように、親子の個人的問題として片付けて済まされることなのだろうか。」と、それでずっと書いていて、文相の発言というものに対しては、「文部行政責任者として、責任転嫁もはなはだしいといわざるを得ない。」なんという、こっぴどい言葉がここに出ているわけですね。「自殺者たちが勉強に疲れ、受験戦争に悲観し、教育制度と学歴偏重社会に対する無言の抗議——と反省すべきでなかろうか。教育ママやパパを非難する前に、」。文部大臣としてはこうした事件が起きて、一つの社会の大きな問題になっているんですから、この教育制度の抜本的な改革、長期的なビジョン、こういうものを示すべきじゃないかということが、ここに痛烈に言われているわけです。私は、この人一人じゃなくて、同じ考えを持つ人はたくさんいると思うんですね。こうしたことに対して大臣はどんな受けとめ方をしていらっしゃいますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) それがどういう投書かは存じませんけど、私は一方的なところだけをとらえて御批判をされることはとても残念でございますが、いまの学歴社会、こういうものが根本にあるわけで、それで試験地獄。ですから学校が責任ないなんて私申し上げてないんでね、教育制度全体の中であるし、しかし、先生と生徒の関係もあるわけなんで、いろいろある。しかし、家庭教育が一番やっぱり大きい影響があるということを申し上げただけで、私は学校教育に欠陥がないとか、あるいは教育制度、教育上の問題がないとか、試験地獄で子供がかわいそうなこともよく知っています。そういう問題は総合的に絡み合っていますから、こういう問題を一つずつ解決していきたい、こう申し上げたんで、一部分だけをとらえられて、私が何か責任転嫁をしたようにおっしゃるのは私は非常に残念でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 総理府では民間の有識者によって、青少年の自殺問題に関する懇話会というのが設けられるということを聞きましたが、文部省にもこういうものをつくらないのかなと、同じようなものをつくる必要がないというお考えもあるかもしれませんが、文部省がこの問題に真剣に取り組んでいるという姿勢、そしてまた、文部省の立場でこうした問題を、現場の先生や、親子を含めて教育の立場から対応ができるような、そうした審議、研究、こういうものがあってもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) まあせっかく総理府で、関係各省全部、これは文部省だけではございませんが、警察庁から関係各省全部網羅して、そして、せっかく審議会ができましたので、私はしばらくその経過を見たいと思っています。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次に、大臣の所信表明の中に、教員の指導力の向上、よい先生をつくりたいということが非常に強調されております。その施策として、教員のグループによる研究、これに対して奨励を行うという趣旨でございますが、非常に私は結構だと思います。  そこで、ただそれだけで内容がわかりません。具体的にはどのような研究内容に対してやろうとしているのか。また、この研究グループはどういうグループにそうした奨励を行おうとしているのか、対象を決める場合の基準というようなものがありましたら示していただきたい。手続とか審査、こういうものはどのように行われるんでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは五十四年度の予算が成立しましたら初めて実施する計画でございますので、現在のところまだ具体的な手続等ははっきり決めている段階ではございません。  ただ、考え方は、要するにいままで文部省がやっております初任者研修とか、あるいは経験五年程度の教員の研修とかいうような一つの年齢層等をとらえて全体的に研修をするというんではなくって、一人一人の先生の自発的な研修意欲に支えられた研修、それをグループでやられる場合に助成をしようということですから、たとえばいまの生徒指導の問題等について、近隣の学校の生徒指導担当の先生方が何人か集まってひとつ研究しようというようなことを大いにやっていただきたい、そういうケースをとらえて助成をしたい、言ってみればそういう考え方で、それをどういうふうな手続でやるかという点は、いまそのやり方について検討をいたしておると、こういう段階でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 もう一つ、免許外教科担任教員研修補助費というのが新しい項目で出ておりますけれども、この内容はどういうものなのか。この免許外教科の担任については、本来は免許を持つ教員を担当させて解決すべきだと思いますけれども、その内容についてちょっとお聞きしておきたいと思うんです。  また、現在の免許外担当教員の人数と、それから科目の状況がわかっておりましたら教えていただきたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 免許外担当というのは主として中学校、高等学校にも若干ございますけれども、中学校に多いわけでございまして、中学校の九教科をそれぞれ免許状を持っておる先生が担任し得るというような教員配置の状況ばかりではないわけでございますので、そういう場合に、資格のない方に、たとえば、国語の先生に暫時社会を担当してもらう、こういうことになるわけでございまして、これは何人ぐらいおるかというよりも、ある先生について免許外の教科の担任を許可することを一件として数えた場合に、五十二年度ですか、四万七千件くらいございます。ですから、実際の人間はもう少し少ないんではないかと思いますが、そこで主としてこれは僻地等を抱える小規模学校の多いところでもっとも起こる問題でございまして、実は五十二年度ですか、岩手県と茨城県について試み的にやってみたわけです、そういう担当教員の研修というのは。そこで、これをもう少し全国的に及ぼしていきたいということで、来年度からは全都道府県について、そういう免許外担当教科の担任の先生について、十分とは言えないかもしれませんですが、とにかく年度始まったらできるだけ早い機会に、たとえば、英語の資格がないけれども英語を持っていただきたいという先生について、そういう場合でも全然素養のない人ではないのが通例でありますから、少し研修をしていただく、こういうことでやっていこうという仕組みでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 予算書を見ますと、新規の事業として国が研究グループを奨励する、教科外担任の先生にも研修会の補助金を出すというこの内容ですが、研究グループの金額を見ると、このグループに五万円、研修会の日数は三日というような、金額も少ないし、日数も少ない。教員の指導力の向上を図ると非常に大臣も力を入れて、また、それに期待もかけていらっしゃるわけですけれども、ねらいはいいとしても、本当にこんな補助では効果は上がらないと私は言い切れると思うんですね。金額をもっとふやし、日数もふやす、そうして効果的なものにすべきではないか。これは当然そうですと答えてくださると思いますが、その点いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように確かに金額は少ないので、私もそう思います。ただ、これは新規事業としてことし二本突っ込んだわけで、どうしてもそう一遍に取れないということですから、効果が上がらないと先生おっしゃいますけれども、そうおっしゃらずに、これは私来年はもっとふやすように努力をしますから、ひとつよろしくお願いします。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 大いにふやしていただくということを期待いたしますが、肝心なことは、研究や研修を受けるためにかわって授業を行う手だてというものができていない。代替教員という、こういう人的補充というものも私は考えないとこれは効果が上がらないと思います。人のいい、そうしてまじめな教師だったら、同僚にあんまり迷惑もかけたくないというので、そういうところへ行くのが消極的になるんじゃないかということも考えられますし、そうした人件費の対応、これなどもやはり考えないと私は効果が上がらないと思いますけれども、いかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 先生が研修に行っておられる間の授業をどうするかという問題については、教員の定数配置の問題になるわけですが、一つには、長期間、たとえば教員養成大学等に一年行っているというような場合は、代替定数としてはっきり措置をするという方向で、これなども少しずつ数をふやしてきたわけですが、短期間の研修については、そのたびごとに代替教員というわけにもまいりませんので、結局一定の規模の学校にどれだけ教員を配置するかという、その配置の割合の改善の問題だと思うんでございますけれども、これもまあ財政事情がございますから、そうたっぷりとというわけにはいきませんけれども、次の年次計画の策定に際しましても、そういうことも一つの要素として、ひとつ改善の方向で努力をしたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 昨年新設の上越、兵庫の二つの教育大学、この整備状況はどうなっておりますでしょうか。まあ予算は一億八千四百万と出ておりますが、どのような整備が図られるのか、お示しいただきたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 御案内のように、上越の教育大学は、学生の受け入れ時期が五十六年度からでございます。  兵庫の方は、大学院の学生を五十五年の四月から受け入れるということで、現在施設の整備のほかに、大学院の学生を受け入れるために必要な入学試験の方法の検討等について、鋭意担当者が検討をしているところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 どのような整備が図られるかということなんです。もう少し詳しくおっしゃっていただけませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 兵庫の教育大学につきましては、五十四年度におきまして、現在御審議を賜っている予算案に計上しておりますのは、教官、事務職員等合わせまして二十名の大学の要員の整備をするということ。さらに施設、設備費について手当てをいたしまして、五十五年度からの受け入れに遺憾のないようにすると、その整備をしているわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 来年、五十五年の四月から兵庫教育大学では、大学院の学生の受け入れが始まるわけですが、昨年この委員会で取り上げられた現職教員の受験に対する教育委員会の同意の与え方、これはどのように検討されて、また決まったのかどうか。また、短大卒業者の教員の受験資格、これが問題になったと思いますが、結局どういうふうに決まりましたんでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 現職の教員を大学に迎え入れる場合の手続につきまして、都道府県教育長協議会の方にお願いをして、教育委員会のお立場から御検討をいただいている最中でございます。まだ最終的な御結論を得るまでには至っておりませんけれども、前回の国会における御審議の方向に沿って、適切な取り扱いができるように御検討をいただいております。  短大卒で一級免許状をお持ちの方をどのように取り扱うかという問題については、これは当面のところまだ結論が出ておりません。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 ある新聞の対談記事ですが、大臣が、教員養成について、現在の開放制の教員養成に問題を感じていると、戦前の師範学校による教員養成のよい面を取り入れたいというような趣旨の発言をされております。大臣は、現在の教員養成制度と、戦前の教員養成制度の長所、短所、こういうものをどのように評価されていらっしゃいますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 戦前は御承知のとおり師範学校制度で、教員養成専門の学校だった。ただ、これは中等程度の学校だったんですよ。戦時中に専門学校に昇格しましたけども、中等程度の学校。私は、あの人たちは教員養成を使命としていたと、そういう意味で私はいい先生がいたなあということを感じているんです。それから、戦後の方は御承知のとおり開放制なんです。これもいいところがありまして、だれでもなれるという点は非常にいいんで、だから人材をあらゆる方面から確保できると、これはいい点ですけれども、これがいわゆる教職教養が教育原理、教育心理、教授法等十四単位ですか、それと二週間の教育実習でだれでも資格がもらえる。そうすると、資格者は非常に多いんですよ、何十万とおるけれども、なる人は非常に少ないわけですから、そういう点で、やっぱり問題があるんじゃなかろうか、教育実習をもう少し強化しないと困りはせぬかなあという感じね。あるいは教職教養をもっとふやすとか、あるいは教育実習をふやすとか、そういう欠陥がありますから、そういう開放制は非常に結構だけども、教員養成は私はやっぱり教育の根幹ですから大事にしたいと、こう思っているわけです。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 重ねてお聞きするようですけれども、その記事の中で、いまや養成法の改善が残る大きな問題だと発言されておりますが、改善案を持っていらっしゃるかどうか、お聞きしておきます。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) まあ中央教育審議会からも答申があるし、教員養成審議会の方からも答申がありますから、その答申の線を踏まえて、これからとりあえずは教育実習の点について、ことしの四月から改善の研究会を進めていきたいと思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次に、障害児教育の問題が取り上げられております。  養護学校の義務化、これを直前に控えて、就学指導に関して各地でトラブルが発生していると、このように報道されております。まあ義務化元年ということで、各方面初めての試みで理解が行き届いていない、いろいろ問題があるということは十分考えられます。そういうときに、文部省は実態を掌握していらっしゃるかどうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 義務制になったことによって、まあ障害の程度が学校教育法の施行令で定める程度の子供さんは養護学校へいくと。そこで、その該当する子供さんが養護学校へいくべきか、あるいは普通学校へいくかというようなことで、そこに親と教育委員会当局と意見の分れるというようなことを指しておっしゃっているんだろうと思うわけですけれども、私どもは、先般もある新聞に全国の集計をして、かなりトラブルが多いという記事が出ておったんで、早速各県に照会をして調べてもらったわけです。そうしますと、そのトラブルといいますか、意見が食い違うので、中にはまあ障害の程度が非常に重くて、言葉もよう解さないというような子供さんでも、これはとにかく教育の機会均等だから、普通の学校に入れてくれというようなこともあるんで、それはちょっと全体の学校運営を適切にするために適当でないということで、養護学校へ行ってもらうように指導しているわけですが、まあ問題は、障害の程度がどっちだろうかというような子供さんですけれども、これは何といってもその人間の問題ですから、一般の基準のごとくすぱっと割り切れない。たとえば精神薄弱の子供にしても、養護学校へ行くのは精神発達の遅滞の程度が中程度というふうな書き方ですと、じゃ、どの程度が中程度かということになるわけで、これは御質問が出たら後ほど申し上げますけれども、文部省でもう少し細かい基準になるようなものを通知にしたり、あるいは発達診断表というようなものも、これもいつかここで議論になったと思いますけれども、これは参考資料ですけれども、つくって配るというようなことで、その辺の仕分けをする際の、学校を決める際の資料としてやっていただく。一方、それぞれの市町村、都道府県に就学指導委員会というのをつくって、ここに医者や学校の先生等を入れて、その就学指導委員会で個々の子供さんについて判断をしてもらう、そういうような手だてをしておるわけでございますが、それでも率直に言って、親は普通学校だと言うし、教育委員会の方としては養護学校へ行った方がよろしくないかというようなのがあることは事実でございます。ただ、私どもが特に重点的に数が多いというので調べた十数件のうち、すでに県の段階で就学通知を出した、出したけれども、それは養護学校へ行きたくないというんで返ってきたというケースがまだ三件ぐらいしかないんです、あとはどうかというと、市町村の段階で、いま言ったようなことを市町村の教育委員会と、本人の親御さんなり何なりが話し合いをしている。本来的に言えば、これは一月の末までに決着がついているはずの問題ですけれども、私は、それは少し期日がおくれてもよく話し合ってもらった方がよろしいということでお願いしているわけで、そういう意味のトラブルというのは何件ぐらいあるかというと、それはちょっと市町村の段階で毎日進行する問題ですから、正確な件数はつかまえておりませんけれども、私は、できるだけそういう問題について、親と教育委員会が意見の一致を見て、十分理解をしてもらう必要があるということでやっているわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 私がお聞きしているのは、実態を掌握していますかと。いろいろ御説明もございましたけれども、まずトラブルというのは一体何を指すのか。また、どこで起きた問題をとらえてトラブルと言っているのかということも問題があると思うんです。教育委員会にトラブルがありますかと文部省が電話で聞けば、トラブルはありませんと、そういうふうに言うと私は思うんです。いま御説明のように、通知を出したという段階で、その通知に対して承知できません、この通知をお返ししますというふうにこれからなってくるかもしれないし、また、四月から就学時に全然学校に来ない、そういうことはこれからわかることであって、要するに、養護学校に行きなさいということを通知した、納得さしたという段階ですね。保護者の方からすれば、お世話になる立場だからというので泣き寝入りをする、そうした傾向は私は強いと思います。そういう点で、私は実態の掌握も、ただ電話で聞くなんという程度のものじゃなくて、もっと本当の実態を掌握していくべきじゃないか、こういうふうに思っておりますが、いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いま申し上げましたように、この手続は、まず市町村の教育委員会と親という段階の話し合いがあって、そこである程度合意に達すれば県に送る。それで、県が今度は親の方へ就学通知を出すというふうな仕組みになっておりますので、市町村の段階の話し合いの実態というのは、いま申しましたように、毎日変化をしていることでもありますから、なかなかきょう現在で何件というふうなつかみ方はできないわけですけれども、私どもは、先生おっしゃるように、これは非常に大事な問題でございますから、十分話し合いの時間をかけてやってほしいということで、県を通じてお願いをしておるわけでございまして、また、さらに実際問題として非常にこういう問題があるというような特異、あるいは非常に大きな問題等がございますれば、十分把握するように努力をしたい、かように思うわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 いずれは、この実情の調査、そうしてその結果というものはある程度文部省ではとるつもりでしょうね。いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 最終的には、去年の八月に、ことしの四月の義務制に伴って、どのくらいの新入者があるかという予定をとっておりますし、この四月に実際幾ら入った、あるいは、入らないで訪問教育の対象になったのはどのくらいとか、猶予、免除の子はどのくらいとか、全部調査をいたしますから、その時点になればはっきりするわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 大臣にお聞きいたしますが、いわゆる統合教育という方法にどんな御見解を持っていらっしゃいますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 身体の障害者には本当にこれはお気の毒ですけれども、やっぱり義務制の一環になったわけですから、義務教育はしていただきたい。それからできるだけ軽い者は特別学級へ、普通の学校に入れていただく。それから特に重い方には訪問教師の制度もありますから、それから寄宿舎もありますから、その障害の種類と程度に応じて、適切な教育を行うために養護学校を設けたわけですから、できるだけ父兄の御理解を得て、子供の幸せのために養護学校へやっていただきたい、こう思うんです。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 この障害児教育のやり方というのは、まだ未解決な分野が非常に多いと思います。いま大臣のお話を承って何かはっきりしませんが、養護学校で行うべきか、普通学校の方が効果的かということは、やはり養護教育というものが義務化されても、やはり議論されていかなければならない問題だと思っております。おっしゃるとおり、障害の程度とか、障害児の適性、能力、これによっても異なる。また、医師、あるいは教育関係、そうした専門家の間でも考えがまちまちなんです。こんなような中で義務化されるわけで、私はそうした点、特に機械的なしゃくし定規的なことはしてはならない、これを十分徹底すべきである、このように思っております。大臣、いかがでしょう。しゃくし定規的ではならないということに対して、どういうふうに今後なさろうとしていらっしゃいますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) お説のとおり、しゃくし定規的ではいかぬと思いますから、就学指導委員会というのは、お医者さんも、先生も入れて、専門家を入れて、この子にどういう教育がいいのか、十分そこで審議をしていただくわけですから、親の意見もその機会に十分、障害の程度、いろいろな程度を親の側からも聞くし、そうしてその子の幸せのためにどうしたらいいのかということを、私はまじめに、真剣に考えていただきたい、お説のとおりしゃくし定規でやるようなことはやっていただきたくないと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、厚生大臣の諮問機関である中央児童福祉審議会が意見を出しております。厚生大臣に出しているんですけれども、その中に、養護学校の義務化についてこういうことを言っていますね。「児童福祉施設入所児童の処遇について」ということですけれども、その中に「児童処遇には十分な知識経験が必要とされるので、資格を有する施設職員が学校教育に当たることも検討する必要がある。」ということを指摘しております。  私も去年この委員会で、養護学校と児童福祉施設との関係について、文部省と厚生省はやはり研究、調整をすべきだということを要望したわけですが、そのときに政府委員の担当の方が、「今後もひとつできるだけ協力してやろうやということでおりますので、御期待にどれだけ沿えますか、できるだけ努力はしたいと思っております。」という御答弁だったんですね。まあ、大いに協力してやりましょうやと、御期待くださいというわけですね。ところが、期待しておりましたのに、こうした審議会が、こういうことを話し合っていただきたいということが話し合われてない。だからこそ、こういう審議会から、先ほど申し上げたような意見が出てるわけなんです。この問題は具体的にどういうふうに取り上げていこうとなさっていらっしゃいますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 養護学校の増設計画の中で、特にこの病虚弱等の子供を対象にする養護学校については、児童福祉施設や、医療機関に養護学校の分教場を併設するというようなことで、これはまさに児童福祉施設と協力関係に立ってやってきておるわけで、そういう施設もかなり整備される予定になっておるわけです。  そこで、この答申の中身でございますが、そういうふうに養護学校の分校と施設が一つの施設の中に設けられるという場合に、児童福祉施設の職員で、児童の処遇について十分な知識経験がある職員は、その分校としての養護学校の教育活動ができるようにさせるべきだと、こういう趣旨のように読むわけでございますが、私はその趣旨は賛成なんです。賛成なんですけれども、ただ、そういう職員が、たとえば教育活動としては養護学校の学習指導要領にいう養護訓練ですね。手足の機能訓練だとか、ああいうことをやっていただくのは賛成なんですけれども、ただ現在の学校教育法のたてまえ、あるいは免許法のたてまえから言いますと、そういう方も、やっぱり資格としては先生の資格を一応取っていただいて、そして身分上は併任という形にしますか、そういうことをやっていただきませんと、これをまあ形式的になりますけれども、やっぱり学校の運営ということになりますので、その辺のところはさらによく話し合いをしたり、検討をしたいと思いますけれども、考え方はやっぱりそういう基本的立場に立ってやってまいりたいと、かように思うわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 「資格を有する施設職員が」というので、資格を持っているということですから、これは当然検討をされて教育にも当たられるようにできるわけですね。それは、そういうふうにやれますというふうにお答えいただけますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) この意味は、学校の先生としての免許資格を持っているということであれば、それは可能でございます。ただ、身分上は先生の身分も併任していただきますとやりいいわけでございますから、そういう点は技術的な問題として検討させていただきます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 ぜひその点は、現場に行ってみましても非常に話し合いをしてほしいなあという感じを持っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、就学義務の猶予、免除の取り扱いについてでございますが、昨年この委員会で質問いたしましたときに、前の砂田大臣は、養護学校教育の義務制の趣旨から考え、猶予、免除の措置についてはできるだけ猶予措置でやりたい、免除措置は例外的な場合に限定するという考え方で再検討したいという御答弁をいただいたわけなんです。そこで、変更された基準を拝見しました。ところが、前の砂田大臣が御答弁になったのと、ちょっと趣旨が生かされてないという感じを強く持つわけなんです。これは再検討すべきじゃないかと提案するわけです。といいますのは、再検討されて、ここに発表されましたのを見ますと、これは一番おしまいのところですが、「なお、就学義務の猶予、免除の措置については慎重に行うこと。」というふうになっているわけですね。私は「慎重に行うこと。」というと、かえってわかりにくいんじゃないか、どの程度の慎重なのか。むしろ、前の砂田大臣が答えられたように、できるだけ猶予措置でやりたいと。猶予と免除というものを別建てにして、できるだけ猶予で行うと。免除の場合は例外的な場合に限りというふうに、例外的な場合に限定するというふうに分けた方がいいと思うんですよ。というのは、やはり義務化ということが打ち出されて、障害児すべてに教育を受ける権利というものを保障し、また受けさせる義務というものをここに大きく網を張ったわけですから、免除ということは相当私は例外だというふうに、強く例外というところを示した方がいいと思うんですね。このことを申し上げますと、植物人間、植物人間って、植物人間のことをすぐおっしゃいますけれども、そんなに植物人間がたくさんいるわけじゃないと思うんですよ。ですから、免除というのは例外というふうに扱って、ここに示されたように「猶予、免除の措置については」というふうに一緒にしないでやっていただいた方がいいんじゃないかというふうに申し上げて、再検討をお願いするわけなんです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) この通達の趣旨は確かに猶、免というふうに一緒に書いてございますから、先生のようなことがおっしゃられるのかと思いますけれども、考え方は全く先生のおっしゃるとおりでございまして、前の大臣も申し上げたとおり、免除というのは本当にもう教育の対象にはとうていなり得ないという人の措置でございますから、私どもは実際に事務担当者等の講習会等におきましては、そういう趣旨で扱うように指導しておりますので、今後も引き続きそういうふうにやってまいりたい、かように思うわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 ここは書き直ししませんか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いまのところ、ちょっとその通知それ自体を書き直すことは考えておりませんけれども、おっしゃるような精神でやりますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 訪問指導についてお聞きいたします。  この訪問指導は、五十四年度から養護学校教育という形で訪問教員を充てると。非常に結構なことだと思って喜んでおります。しかし、担当になる訪問教員の養成、研修、こういうものを配慮しなくてはならないと、こう思いますが、いかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 養護学校の先生自体の養成がありますけれども、特に訪問教師の場合は、教える中身が具体的な各教科の教育というよりは、機能訓練のような、いうところの養護訓練というものが主でございますから、したがって、そういう先生を確保するということになるわけですが、われわれの現在の考えでは、いまおります養護学校の先生、そして現在も訪問教育というものを制度上は事実上免除のような形になっている方に訪問指導しているというようなことで、定数に入っていない方も相当いるわけですけれども、今度こういうのが全部負担法の対象になりましたので、そういう方を切りかえるとか、そのほか特殊学級、特殊学校の先生についての現職教育を毎年やっておりまして、     〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕 これが毎年千数百人対象になっておりますので、そういう方等を考えますと、数の確保はできると、こういうふうな見通しを持っておるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 養護学校を市町村で設置する場合、今後起きてくると思いますが、国庫補助率というものを、設置義務が府県にあるからといって差をつける、これは好ましくないと、昨年もこの点取り上げて努力したいという御答弁をいただいたんですが、補助率を府県並みに引き上げるという点ではいかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは去年もお答えしたと思いますけれども、学校教育法の規定で都道府県が養護学校は設置義務を有するということで、新設の場合は補助率三分の二、ただ都道府県に準ずるものとして、指定都市については同じように三分の二というところまでいったわけでございますが、将来の課題としては、いまおっしゃるような点もございますけれども、現在のところ、設置の実態等見ながらもう少し様子を見たいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 養護学校の義務化が実現する来年度以降の問題として、幼稚部及び高等部の設置が次の段階として要求されると思います。早くこれらの設置促進計画というものを立てるべきだと考えておりますが、その点いかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) この幼稚部と高等部は五十二年の五月一日現在で、養護学校総数四百五十四校中、幼稚部はたった二十四校しかないんですね。それで高等部の方が二百十二校と、半分ぐらいできているということで、いろいろ審議会等の先生のお話を聞きましても、障害児教育は幼児の段階からということで、幼稚部の設置の必要性というのは非常に強く言われておるわけですが、率直に申しまして、今日までのところ、義務制実施の条件整備が第一ということで余り手をつけておりません。したがって、これからぜひ幼稚部、高等部については普及しますように私どもは努力したいと思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、その建設並びに設置の促進、これを図るために、幼稚部、高等部の教員、あるいは施設に対して、補助ではなく国庫負担の導入、これも検討していいのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 制度的に見ますと、義務教育ではございませんが、非常に事柄としては大事なことでございますので、いまおっしゃったような点も含めてひとつ検討さしていただきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 身障者、身障児、こういう方たちの高等教育についてお尋ねいたしますが、先月実施された共通一次テストで、身障者の受験を認めた大学、これが幾つありますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 国立が三十七校、公立が九校、計四十六校でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 聞くところなんですが、どこの大学が身障者を入れるか、それが事前に明確になっていないために、受験生が各大学に問い合わせたというような状況だったようです。これは事実なのかどうか、もしそうであるなら、事前に明確にしておく配慮、そういうものが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、身体に障害のある入学志願者の取り扱いにつきましては、これまでも大学入学者選抜実施要綱等によりまして、できるだけ受験の機会を確保するように各大学を指導してきております。しかし、専攻の種類、あるいは障害の程度、さらには各大学の受け入れ体制等が異なりますので、場合によっては受け入れ困難な状況に置かれる場合がございます。そこで、いまの制度としては、共通第一次学力試験の出願に当たって、志願者があらかじめ合格した場合の受け入れの可否について志望大学と協議をする、そのように共通第一次学力試験の受験案内に明記をいたしまして、志願者にこのことを周知しているわけでございます。したがって、御指摘のように、志願者は志望する大学と協議をした上で、共通第一次学力試験に出願をしてくる、そういうたてまえになっております。一律にどの大学でも、どんな障害の者であっても受け入れるというような対応ができない場合がございますので、そういった取り扱いをいたしているわけでございます。しかし、たとえば盲者の場合、全盲の方の場合でありましても、ことしは八つの大学が受け入れるということを言っておりますし、そういった状況はもちろん明らかになるわけでございますから、そうしたことを通じて、志願者の方々にも大体の状況はおわかりいただけるようになっていると思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 身障者の高等教育機関、そうしたあり方、これを今後の課題になってくると思いますが、そのことについての調査研究、これは早く開始すべきだと、こう思っておりますが、どうでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 共通一次の際に、どのように身体に障害のある方々の受け入れについて配慮をするかということについては、もちろん入試センターの方で十分に検討いたしまして、対応をしているわけでございます。  それから、各大学に身障者を受け入れる場合でございますけれども、これも入学試験の際の、たとえば点訳の費用等については、二次試験の場合を考慮をして特別の手当てをしておりますし、またお入りになってからの施設、設備等についても、設備費について特別な配慮をする、あるいは学生当たりの積算校費についても特別な配慮をするというような、できるだけの対応はいましているわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 できるだけと受け身で、この場合は、あの場合はというんじゃなくて、起こった事実に対してどうこうというんじゃなくて、今後の高等教育機関の中に、身障者を受け入れるとしたらというようなテーマで調査、研究をしてはどうかと、こういう質問なんですけれども。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 質問を取り違えまして大変失礼をいたしました。  現在身体障害者のための高等教育機関というものをどのように考えるか、これは主として聾者のための高等教育機関と、盲者のための高等教育機関についてでございますが、その調査を具体的に進めております。これは筑波大学が伝統的に非常にすぐれた付属の学校を持っているわけでございますので、筑波大学にお願いをしまして、筑波大学が中心になってその研究を進めていただいております。その研究の進展を待って、いずれは身体障害者のための高等教育機関のあり方というものを明らかにし、さらには身体障害者のための高等教育機関の設置ということについても進んでまいりたいと考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 現在、確かに行われているその調査は、その特定な盲者とか、聾者とかという身障者の方のことを考えているわけですね。私がお聞きしているのは、もうすべてを含んだ身体障害者の高等教育機関、もっと基本的で全体的なそうした調査、また研究、こういうものをやってはどうかという考えで申し上げているわけなんです。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 一般に高等教育機関が広く身体障害のある方々にも開かれなければならないということは当然のことでございますし、先ほども申し上げましたように、これまでも大学に対して積極的にそういった対応をとるように指導をしているわけでございます。それぞれの大学におけるそれぞれの学部、学科に応じた効果的な教育方法の研究というのは、これは身体障害者の方を対象とする場合に限らずに、各大学において積極的に研究をしてもらっているわけでございますし、そういった教育方法の改善の研究の中で、いま御指摘のような点も含めた検討が行われるように、各大学に対してさらに指導してまいりたいと考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 幼児教育について文部省としては幼稚園教育振興計画、これを進めることももちろん大事なことですけれども、幼児教育のあり方については幼稚園と保育所の関係、こうしたものを厚生省と懇談会を設け、積極的に進めるべきだと考えております。そこで、この懇談会ができて現在までいろいろ会合を重ねているようでございますけれども、どういう内容の話し合いを行ったのか、また今後の進め方の方針、そうしたものを教えていただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは昭和五十年だったと思いますが、行政管理庁の幼稚園と保育所両方について行政監察をされたその結果の報告に基づいて、厚生省と文部省で相談をして、それぞれ適当な専門家を推薦し合って話し合いの場を持ったわけでございます。したがって、そこで話し合っていただきますテーマは、初めから大体限定されておったわけですが、一つは今日のような幼稚園と保育所の実際の設置状況を見ますと、その設置計画にお互いに整合性を持ってやっておるというわけにはまいっておりませんので、その辺のいわば計画的な設置、配置というものを、より協議してやるようにというその設置、整備の問題でございます。  もう一つは、保育所は保育をする機関であり、幼稚園は教育機関ということでございますけれども、対象とする幼児の年齢は同じ年齢層でございますので、教育的に見たこの幼稚園、保育所の教育内容の相互の連関と、大体その二つを中心にして関連する事項ということで、これまで七回ほど会を持っていただきまして、そのうち二回は、たとえばその保育所が非常にたくさんある市町村とか、あるいは幼稚園に主力を置いておる町村とか、それの代表の方に来ていただいてお話を聞くと、こういうようなことをやってきております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 いまお聞きした中で、今後の進め方、そして懇談ばかりしてないで、どうするかというその結論というんですか、それを実行に移す、そういう点はこういう懇談会から生まれてくるんでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) まあ懇談ばっかりしてないで、私もちょっとそういう感じが自分でもしているんですけれども、これはしかしなかなかむずかしい問題でして、文部省だけではできないものですから、おしかりはごもっともだと思いますけれども、できるだけひとつ前向きに努力をしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 とにかく現場は文部省、厚生省、こうしたところでよりよい話し合いができて、そしてこうすればいいんだというものを示してもらいたいと思っているわけです。またその方が推進する。そうしなければ推進しない問題がたくさんあるわけですから、ぜひこうした会が実りあるものになっていただきたいと思うんですね。  大臣にもお聞きしておきたいんですが、この幼保の取り扱い、これは国の対応が非常におくれているわけです。幼稚園のない市町村を私も何カ所か見て回りました。そしてその中でいろいろ工夫はしているわけです。しかし、この文部省、厚生省の縦割り行政で困っている。教育に熱心な大臣、ほかの大臣は熱心じゃないとは言いませんけれども、特に内藤大臣には期待をかけているんですから、いままでこうやって懇談ばかりしていてもさっぱり推進しない。現場に効果がないということを一つでも効果あらしめていただきたい。もっと連携を強め、厚生省は厚生省ですからと、めんどうくさいことはみんな厚生省が悪いみたいに言ってないで、話し合いをしようというところまで来ているんですから、もっと連携を強めて懇談を促進する。同じことを二度も三度も話し合っていないで結論を早く出す。そういうことを私は大臣に期待するわけなんですね、いかがですか、大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 御趣旨の点まことにごもっともですが、問題は、保育所の方は養護にかけるということがねらいなんですね。それで文部省の幼稚園は教育の一環ですから、就学前教育、そこの根本問題が一つあるんですよ。  そこで、お話しのようにいつまでも話し合いばかりしていて、ちっとも実らないじゃないかという御指摘でございますが、よく厚生省側の意見も聞いて、私はやっぱり幼児教育というものは一番大事だと思って、学校に行ってからの教育も大事だけれども、就学前教育というものは非常に大事で、三つ子の魂百までもというんですから、やっぱり子供のときの教育が一番私も大事だと思いますから、厚生省の意見もよく聞きながら、もっと連携を密にして、幼児教育の振興を図っていきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 この懇談会の意見を大臣が取り上げて、そして、それに断を下すというような、そこまでいかなきゃだめなんじゃないですか。確かに厚生省、文部省歩み寄れない点があると、そしたらそれを直せばいい。最初つくったのはやっぱりそういう大臣たちの考えでつくったものでしょう。自分たちがつくったんだから自分たちで直していいじゃないですか。私たちは直してほしいと言っているんですから、それをできない、もう絶対できないみたいな感じを持たせるようなんじゃなくて、懇談会の意見を取り上げるような大臣であってほしいと思います。どうでしょう、大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) これは非常に大事な問題で、私は橋本厚生大臣がちょうど文部大臣をされまして、お仕えしたことがある。やはり橋本さんも障害児だということで、いまの橋本厚生大臣も大変御理解はあるわけですから、私は両者の意見が一致しなければ困るので、やっぱり両者の意見が一致したものを取り上げていきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 ひとつよろしくお願いします。  それから、放送大学についてお聞きしますが、放送大学について、これは非常に放送という巨大なメディアを使う非常に新しい形の大学であって、国民の中でも社会人や主婦などにとっては、大学教育の門戸が開かれるという点で、非常に喜ばしいことだと考えております。しかしその反面、講義が電波に乗って直接各家庭に入り込んでいく、国民の思想形成に大きな影響力を与えるという事実、端的に言えば思想をコントロールできる、そういう危険性もあると言えると思います。それだけに、大学の管理運営のあり方、また教育研究の自由の保障、そうした体制の確立、非常に大事な問題を含んでおりますので、慎重な検討が必要だと考えます。そういう中で放送大学ができるという段階にきて、拙速に陥らないように、納得のいく形を得るために、最大の努力を払っていただきたいと強く希望するわけでございますが、大臣の御見解を承っておきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 放送教育は、いま御指摘のような生涯教育の一環として、私は非常に意義が深いと思います。いま試験地獄に悩まされている子供たち、だれでも高等学校を出れば当然入学資格はあるわけですから、広く国民に開放して、生涯教育の重要な柱にしたいと、文部省多年の念願でございますが、ようやくことしの予算で解決しまして、いま放送大学学園法案の準備をいたしておりますが、御期待に沿うようにしっかりやらしていただきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 放送大学学園を特殊法人として新設するために、その見返りとして一法人を減らすということになっているようです。そのために学校給食会、学校安全会、これの統合が取りざたされていますが、これは事実でしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) これは行政整理のこともありまして、どうしても新しい法人をつくるなら、一つ法人をつぶせというのが至上命令でございまして、実は私どもの方も放送学園を設置したいという念願でございましたので、どれか一つつぶさなきゃならぬというので、いまいろいろ相談をしまして、いまお話しのように、安全会と給食会、これは学校保健という共通の立場を持っているので、いまこの問題を検討している最中でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 どうしても特殊法人を一つ減らさなきゃならない、至上命令だと。そこで、無理を承知で性格や仕事の内容の違う二つの法人をあえて統合する、こういう印象を私は強く持つわけですが、大臣はこの二つの法人の統合というものは可能だと、こういうお気持ちでいらっしゃるのでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いまお話しのように、どうしても放送学園というのは特殊法人でやれという意見が非常に強かったので、それのためにはどれか一つ法人をつぶさなきゃならぬという至上命令でございますので、どれが一番いいのか、いろいろ文部省内で検討したわけなんですが、学校保健衛生を考えてみるとき、給食会も安全会も、それからその他学校衛生の問題を含めて、やっぱりわりあい共通的な要素が多いので、比較的この法人の統合が可能ではなかろうかというので、いま検討している最中でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 検討の最中ということでございますから、     〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕 慎重に検討されていただきたいと思います。今後その成り行きはいろいろとお伺いできるわけですね。ひとつよろしくその点はまた問題にさしていただきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) これがはっきりした段階になったら御報告申し上げます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 国際児童年に関連して、この委員会でいろいろな点を取り上げました。その中で、わが国の子供の置かれている現状、教育問題で言えば受験地獄、落ちこぼれ、また非行、自殺、その他教育的、文化的な環境をどうするか、こうした児童のあらゆる角度から現状をとらえて総点検をすべきだと、また児童白書をまとめるべきだ。そうして今後の児童の諸権利、福祉の向上を進める資料としてやってみたらどうかということを提案いたしました。それに対して砂田前文部大臣は、積極的に検討したいと、こういう御答弁をいただいたわけなんですが、この総点検、児童白書は今度の国際児童年の文部省の仕事の中に取り入れていただいているでしょうか。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。  昨年の六月にこの委員会で先生から、総理府並びに文部省に対して、いまお話しのような御質問がございました。この国際児童年の事業につきましては、先生も御承知のように、総理府が中心になって、関係各省庁が協力をして実施するということになっております。国内の事業につきましては、関係各省庁の関係者並びに各界の有識者にお集まりいただきまして、国際児童年事業推進会議というものを設けまして、その方針に即しまして各種の事業を実施することにいたしております。そして国際児童年のねらいは、一つは児童の福祉についての社会の関心というものを一層高めるということと、児童のための施策は社会の発展に欠かせないという認識を深めることとなっております。総理府を中心に、まず社会の関心を深めるということで、愛知県で実施をいたします子供の博覧会のような集中行事、あるいはいろいろなキャンペーンを実施することにいたしております。文部省といたしましても、この関係につきましては、子供劇場をASEAN諸国に派遣をしたり、あるいは先方から招聘をして、先ほど申し上げました集中行事の一環として実施をするというようなことを考えておりまして、これらはいわゆる多くの方々に児童の問題についての関心を深めるという観点から実施をいたしております。しかし、あくまで国際児童年の行事というものはお祭り行事でなくて、将来に向かって子供のことをみんなで一生懸命考えていく出発点にするということがねらいでございますので、文部省といたしましても、先ほど申し上げました国際児童年事業推進会議の席上出ました御意見を十分拝聴いたしまして、たとえば家庭教育の充実につきましては、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、家庭教育総合セミナーを新たに設けるとか、あるいは子供たちの野外活動の場を十分確保するという観点から、少年自然の家、あるいはグリーンスポーツ施設等につきまして、さらに一層整備拡充する、あるいは子供の社会奉仕活動につきまして、貴重な経験を持たせるために、市町村あるいは都道府県が行います少年の奉仕活動につきましての補助金を新たに計上する、あるいは都市におきます子供たちの教育の場として「子ども博物館」の設置を推進する等のいろいろな試みをいたしております。なお白書につきましては、総理府の方で毎年青少年白書というものを出しておりまして、先般先生がこの白書はどうも総花的で多少突っ込みが足りないんではないかという御指摘もございましたけれども、総理府と十分連絡をとりまして、国際児童年にふさわしい内容の白書にするように、いま鋭意相談をしておるところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 それではその児童白書、ぜひ内容のある、そして児童年は二十年間の児童権利宣言の趣旨がどこまで実現されているかというような見直しの年でもあるわけです。見直さずしてよりよい出発はないと私は思うんです。ただ建物を建てればいい、行事をやればいい、ことし児童年終わりじゃならないと思うんです。ですからこそ、私はそうした実態を知る総点検をする、そしてそれをいろいろな立場で検討したその白書を一つの出発とする、こういう点でぜひ内容のいい児童白書をこの児童年にはつくっていただきたいとお願いしているわけですから、ひとつお願いいたします。総理府でやるんですからと、また後で内容はどうのこうのと申し上げれば、それは総理府でやったんですからなんて言わないで、さすがにという白書をやはり——総理府で出そうと文部省で出そうと、政府で出すという点では同じなんですから、ひとつこの白書があってこそ日本の児童はここまでになったと言えるような白書を記念的にひとつつくってください。お願いします。

望月哲太郎文部省社会教育局長

○政府委員(望月哲太郎君) 一生懸命がんばります。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次に、公立学校施設の整備についてお尋ねいたしますが、公立学校施設の整備については、予算額が本年五十三年度より来年五十四年度が二九・一%増額されている。これは力を入れた分野であると理解しておりますが、市町村の財政が非常に苦しい、そして施設整備の補助の改善に強い要望が出ているわけです。  そこで、老朽危険校舎の改築についてですが、この事業の国の負担割合が三分の一。義務教育にかかわる校舎なんですから、これも二分の一に引き上げるべきだと、新築だったら二分の一だけれども、改築だったら三分の一だ。まあ力を入れてますと言いながらも、内容的にはこうした改善しなきゃならない大事な問題がそのままになっている。改築の方がむしろお金はかかるんじゃないかと、このくらいに思っておりますので、これはもうぜひ二分の一に引き上げていただきたい。この点、いかがでしょう。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 危険改築の補助と申しますか、負担率につきましては、現状におきましては自然的な条件でございますとか、財政事情など配慮いたしまして、特に必要度の高い特別豪雪地帯でございますとか、過疎地域、振興山村地域などにつきましては、昭和四十八年以来逐次これを上げてまいりまして、三分の二の負担率を適用するように改善を図ってきたところでございます。ちなみに、こういった高率を適用している地域のいわば改築を要する面積が、全体の約三割五分程度になっておる次第でございます。ただいま御指摘の一般地域の問題でございますが、これはやはりこれまでも申し上げさせていただきましたように、改築という事業が、これはいわばかなり前から予定をすればできることでもございますし、そういったことで、全く新たに学校を新設するための新増築事業の場合とは、やや問題の状況が異なりますので、必ずしも取り扱いを同一にしがたいという考えがあるわけでございます。  それから、これは財政事情の絡みでございますが、老朽校舎等の面積がなお相当量残ってございますとともに、今後木造校舎等がなお新たに老朽化によりまして改築を必要とする、そういういわゆる危険校舎になってくるということも予想されますので、目下のところは事業量の確保が先決であると考えまして、明年度予算案におきましても、事業量について増加を図ったということでございまして、したがいまして、現行の負担率の引き上げを、まあ特に昨今のような財政事情で、いわばそういった補助率、負担率等の制度的な手直しを行うことは、政府全般といたしましてもきわめて限定している事情にございまして、したがいまして、この問題につきましても非常に困難であった次第でございます。  なお、これは先生先刻御承知かとも存じますが、補助率三分の一ではございますが、交付税の措置でございますとか、あるいは地方負担分の起債につきまして政府資金を充当し、かつその元利償還金の六〇%を交付税に算入するといったような各種各般の措置をいたしておりますので、究極に市町村が負担する割合は約二割というふうな措置にさせていただいておる次第でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 もう一つ、児童、生徒急増地域の屋内運動場の新築、増築、これが国の負担割合について校舎と同じ率の三分の二にすべきだと考えております。文部省も予算要求の段階ではそのように主張していたわけですが、今後も引き続き積極的に努力して、三分の二になるようにがんばっていただきたいと思いますが、その点いかがです。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 五十四年度予算概算要求におきましても、ただいま柏原委員仰せになりましたように、これを実現すべく要求をし、努力をしたわけでございますが、先ほど危険校舎について申し上げましたと同様な事情で、実現を見るに至らなかったわけでございますが、私どもは内藤大臣のもとで、さらに明後年度について努力をいたしたいというふうに考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 期待をしておりますので、よろしくお願いします。  最後に出版物の再販制度についてお尋ねいたします。  最近、出版物の再販制を廃止しようという動きがあるようですが、出版物の普及、著作者等の保護、こうした立場から見て、この再販制のメリット・デメリット、これを文部省としてはどう評価していらっしゃいますか。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) ただいま先生御指摘のいわゆる出版物、レコードの再販制度の存続の問題につきましては、現在、公正取引委員会を中心行御検討に相なっておるようでございまして、私どもも事実上非公式に伺っておるわけでございますが、これに対しまして出版協会だとか、あるいはレコード協会、その他いろいろないわゆる存否についての賛否の御意見があるようでございます。そこらあたりについては私どもも承知をいたしておるわけでございますが、これらの問題は多分に流通過程の問題、ないしはそれらによる小売価格がどうなるかというような問題が中心であるように存ずるわけでございまして、文化庁の立場から現段階においていわゆるデメリット・メリットというものを責任を持って申し上げる立場にはないことは御理解いただけるんじゃないかと思うわけでございますが、ただ、いわゆる再販制度によりまして、わが国のどこにおきましても一定の価格で、いわゆる精神的な価値を担っているそういう文化的な商品といいますか、そういうようなものが全国津々浦々で一定の価格で取得できたということは、確かに国民の文化水準の向上なり、普及のために非常に役立ったんじゃないかというふうには考えられるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 出版物は普通一般の商品とは違う、そうした性格を持っていると、このように思っております。文部省としても、これを文化的所産としてとらえていく、文化の発展に寄与させるため著作者の権利、その保護、これは当然文部省で図っていくべきものと思っております。その法律である著作権法、それと再販制の廃止との関連についてどうお考えでしょうか。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) いわゆる著作権法につきましては、著作権者の保護と、それからいわゆる著作物の公正な利用というものを二つの目的にいたしておるわけでございまして、その観点から、今回のいわゆる再販制度存廃の問題につきましては、十分な関心を持って私ども見守っておるところでございます。  ところで、いわゆる出版物の印税ないしは出版物の使用料につきましては、先生も御承知のように、出版物のいわゆる発行の前に、出版者とそれから当該出版権の所持者とが契約をするわけでございまして、したがいまして、今回の再販制度がどうなるかということが直ちに出版権のそれらの行使の状況に直接的には影響を与えないんじゃないかというふうにも考えるわけでございますが、ただ再販制度がどうなるかということが、結果として事実上いろいろ、いわゆる出版権者の利益に影響が出てくるとも考えられるわけでございまして、そこら辺につきましては多分に今後の検討を要する問題ではないかと思っておるわけでございまして、私ども著作権者の保護を目的とする著作権法を所管しておる文化庁といたしましては、先ほど申し上げました、いわゆる最終消費者である国民一般の文化生活との観点からはもとよりでございますが、さらに著作権者を保護しているというような著作権法の問題からも、このいわゆる再販制度の今後の推移につきましては、十分な関心を持ってひとつ見守ってまいりたいというふうに考えるわけでございまして、その点につきまして、私ども、また必要があれば公正取引委員会等にも要望をお伝えしなくちゃならぬかと思いますが、現在のところは私ども多分にいわゆる流通過程の問題なり、あるいは独禁法上の問題、ないしは小売価格等の問題でもございますので、なお、そこら辺の問題の推移を見守りながら、十分関心を持って検討してまいりたいというふうに考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 最後に、ある有識者は、この再販制の廃止は著作権法に違反とまではいかなくても、非常にかかわり合いがあるというんですか、問題があるというふうなことを指摘しております。文部省としてもこの問題を十分検討していただきたい、またすべきであると申し上げて、一言御答弁いただいて終わりにいたします。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) その点につきましては、私どももいろいろな意見のあることは十分承知をいたしておりまして、文部省、文化庁といたしましては、先ほど申し上げましたような立場から、十分関心を持って見守ってまいりたいというふうに考えます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 最初にお伺いしたいことは、内藤文部大臣の本当のお名前はどういうふうにお呼びすればよろしいのでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私の本当の名前は「タカサブロウ」と読むんです。名誉の誉という字、誉れですわね。これを「タカサブロウ」と読むのは非常にむずかしいんで、どうしてこんなむずかしい名前を親がつけたのかと私は思うんですけども、選挙になりましたら、あれを「タカ」と呼ぶ人がいないんですよ。みんな「ヨサブロウ」、「ヨサブロウ」と言うから、切られの与三郎になっちゃったのかなと思ってね、私も選挙の皆さんの便宜を図って「ヨサブロウ」ということにして、国会では「ヨサブロウ」に変えてしまったわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 文部大臣に初めておなりになったときに、新聞記者がいろいろと雑談をされて、そのエピソードなどを紹介している中に、本当は「ヨサブロウ」なんだと文部大臣が言われたということが書いてあったんで、私などはびっくりしたわけです。「タカサブロウ」でずうっともうここ二十年も覚えてきたものですから、なぜ「ヨサブロウ」に突如としてなったのだろうかと、こういうふうに不思議に思いました。その新聞の後、ちょっと、日教組の機関紙が参りまして、そのコラム欄を見ましたらね、「タカ」だとか「ヨ」だとかと、こう言っているけれども、いずれにしろ「タカ」なんだと、こういうふうに書いてありましたけれども、なぜ、その「タカサブロウ」であるか、「ヨサブロウ」であるかということが問題になるのか。簡単なことですよね。「タカサブロウ」が正しいのか「ヨサブロウ」が正しいのかという、そんなことが問題になるのかということを大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私もよく存じませんけどね、ともかく誉れという字を「タカ」と呼ぶのは非常にむずかしい。さっき高橋誉冨さんもいらしたけどね、あれを「タカ」と呼ぶのは非常にむずかしいんでね。粕谷先生も選挙をおやりになってみてね、やっぱりあなたの名前なら問題ないんですけどね、誉れは高いと言ってもだめなんですよ。選挙民の人たちはやっぱり字を書いてくださるわけですから、書くときにやさしい方がいいわけですから、それで、私も選挙民の皆様が「ヨサブロウ」、「ヨサブロウ」とおっしゃるから、じゃ、もう「ヨサブロウ」にしようかといって本名を変え、名前はどっちでもいいんですけどね、国会では「ヨサブロウ」としたわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 大臣、そうすると、よくおわかりになっていらっしゃらないんじゃないかと思うんですよね。私どもにすれば、その「タカサブロウ」というのはぴったりなんですよね。文部大臣が四十年間教育一筋にやってこられたその四十年間の歩みの中で、特に私自身は昭和三十年ぐらいから三十八年ぐらいまでを現場と組合とを行ったり来たりしながらやっていたものですから、具体的に言えば、教育委員会が選挙制から任命制になっていった、そして勤評が出てきた、学テが出てきた、能検が出てきた、物すごくこうあるものですからね、「タカサブロウ」というのはぴったりしているんですね。そういうイメージを、私は大臣に直接いろいろお話しして、ちょっと気勢がそがれたような感じがいましているんですけれども。三木総理大臣は教育の中に戦争を持ち込みたくないと、こうおっしゃって民間人でありました永井さんを登用なさいました。そして福田さんは海部文部大臣、そして砂田文部大臣とお二人を任命されましたけれども、おおむねその対話路線というものを継いでこられたように思うのです。  ところで、大平総理の所信表明を見ますと、できるだけ教育の中に政治は介入したくないと、こうおっしゃっておられますけれども、文部大臣は、いままでのずうっと歩いてきたのは、あれは文部大臣としてやってこられたんではなくて、文部省の初中局長として、あるいは文部省の役人として、当時のやってこなければならない条件はあったとしても、ただ私にとってはやっぱり気になる部分がありますので、その辺のところはどのように教育行政に対する基本的な姿勢としてお進めになるのかということをお伺いしておきたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、先ほども申しましたように、教育一筋に四十年まいりまして、六・三制を始めるときに私は司令部と折衝したんですよね。たまたま私は英文学を専攻して、私が学校卒業したころは、英語をやるやつは国賊と言われたですよ。しかし、その国賊が終戦後は役に立ちまして、司令部とあの学校教育法全部やりました、一人でね。ですから、剱木さんの報告書を見ると、あれだけは日本語で書いてあるとおっしゃる、私は大変うれしく思うんですが。ともかく六・三制をやって、シャウプ勧告で一文も金がなしですよ、全部取られちゃって、ゼロで六・三制やるって言うから、そんなことできないと言って、天野先生を助けて、私は大変無理して義務教育国庫負担法を制定したんですよ。ところが、半分だけじゃどうにもならぬから、あとの半分をどうするかということで、そこで小・中学校、高等学校の定数法をつくったんですよ。定数法をつくって、その分は一〇〇%交付税で保障したから、それまでは日教組も各県で闘争があったけど、以後闘争がなくなったわけです。私はそういう意味で、教育一筋に来たし、そこで第一回の教育課程の改正をやったわけなんです。そこで道徳教育をやったわけで、いろいろ皆さんからおしかりを受けたけど、私は道徳というのは非常に大事だと思ってね、何といっても最後は人柄ですから、国際的に信頼され、尊敬されるような日本人をつくりたいというので特設にしたわけですが、もちろん道徳だけじゃなくて、各教科、教育活動全部を通じて、道徳教育を強化していきたい、こういうことでやってまいりまして、まあ私も文部大臣の重責を担うことになりましたので、これは最後の御奉行と思って、私は日本教育の改善のために一生懸命——六・三制については、確かに教育はすばらしく普及しましたよ。しかし同時に、いろいろ問題も出てきたことも事実なんです。問題のある点はこれから改善して、そして日本が本当に国際的に信頼され、尊敬されるようなりっぱな日本人づくりのために、私も精進さしていただきたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 大臣のおっしゃることは私もよくわかりますし、またそうあっていただきたいと思うんですけれども、最初にお名前をお伺いしたときからの私の気持ちは、タカ派というイメージが非常に多い。特にその中で、日教組弾圧に終始してこられたあの文部省初中局長時代のことを知っている人たちにしてみれば、内藤文部大臣になって、またそのようなことが繰り返されるんではないかという非常な不信感がある、不安感がある。けれども、私は代表質問のときに申し上げましたように、あの槙枝委員長とのトップ会談の中で、お互いに合意することができて、日教組がストライキをおろしたということについては評価をしますということを申し上げましたけれども、いわゆる信頼と合意の大平内閣のキャッチフレーズの線で教育行政をやられるのかということについてお伺いしたかったわけです。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は、もちろん大平内閣の閣僚ですから、大平総理のおっしゃる信頼と合意、これは非常に大事だと思って、やっぱり私の基本方針としてやっていきたいと思っていますが、多少粕谷先生誤解があるんじゃないかと。私、タカ派とおっしやるけれども、別に——私は教育課程の第一回の改正をやったんですよ。そのときに道徳というものがなかったから、道徳が大事だから道徳というものをやったから一つけんかになった。それからいま一つは、あの勤評が起きたんですよ。それで私は正直言って、勤評などは存じなかったんですけれども、愛媛県で全部昇給ストップしたんですよ。だけど、一生懸命まじめに働いている者だけでも給与を上げたいということで、勤務評定をおやりになって、そこで、私は参議院のときに申し上げたんですよ。勤評をおまえなぜやるかって言うから、私はそのとき知らなかったけどね、法律に書いてあるからいいんじゃないですかって言ったら、そんなによかったら全国にやらせろと、こういうことを社会党さんの方からおっしゃったんで、それで全国にやったわけで、私は決して日教組をたたくとか、そんな気持ちはさらさらない。やっぱり教育一筋に来たから、教育を改善したいということだけが私の願いですから、誤解のないように願いたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 社会党がそういう勤評の制度があるから全国にやれと言われたのか、特昇という制度があるから、たとえば各大学に見られるように、一応の枠をもらったら全員がそれに当てはまるような形でその特昇をやれというふうに言われたのかは、議事録を調べてみなければ、私は大臣のおっしゃることに、ああそうですか、わが党が言ったんだから私の言ってることが間違いだなんということは申し上げられないと思います。しかし、そういうイメージがあるということを申し上げたのでありまして、大臣がそういうふうに明確に御回答いただきましたから、私もその線に沿って以後文部大臣の行政というものを見詰めていきたいと、こう思います。  それでは、大臣の所信の中で、少し具体的な問題について触れていきたいと思いますが、「「教育は人にあり」と言われるように、教育の成果は個々の教員の指導力の向上に負うところがきわめて大きいものがあります」と、私もまさにそのとおりだと思います。あの戦後の焼けただれた中で、本当に青空教室の中でも、先生がいれば教育というものができたわけですから。しかし、そういうことを考えてみましても、それでも先生だけではどうにもならないというのが実態だと思います。具体的に、その「教育は人にあり」ということを行政の中でどのようにやっていくかということを見ますと、教員グループによる研究に対して奨励を行うこと、教職員の定数についても改善をしていきたい、教員養成大学・学部の充実、あるいは教員大学の整備等を推進していきたいと、こういろいろあります。  さっき公明党さんからも御質問になりましたが、免許外教科担任教員研修補助、これをやっていきたい、こういうこともおっしゃっておりますけれども、それでは具体的に、教育系大学における大学院はどのような形で整備をされてきたのか、これからまたいくのかということが一つ。——まあ一つずつお伺いします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 教員というのは非常に大事なんで、私は先生方が国際的にも交流できるようにというんで、ちょうど田中内閣のときに実は五千人海外に派遣したですよ。その前はわずか千数百人。一遍に五千人派遣してもらって——一万人にしてくださるといって約束したけどね、田中内閣が倒れたので五千人にとまってしまったんですけどね。海外にも派遣するし、あるいはいろんな意味の研修活動もやりますしね。いまお話の教員養成大学でも、大学院で先生の研修もするというわけでございますが、詳細は大学局長から答弁させます。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 教育系の大学院の整備でございますが、五十三年度の愛知教育大学に続きまして、五十四年度には横浜国立大学に修士課程を設置をするということで予算のお願いをしているわけでございます。五十五年度以降どのように大学院を整備をしていくかということにつきましては、もちろん中断することなく大学院の設置を続けてまいりたいと考えておりますけれども、具体的にどのような形にそれが進んでいくかにつきましては、各大学における教育研究体制の整備の状況がございますし、さらに大学院構想の検討の進捗状況等がございますので、それらを勘案しながら、具体的にどれを設置をしていくかということを決めてまいりたいと考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 その設置が決まって、これからも継続してやっていくということについては大変うれしいことだと思いますけれども、設置されたところに入っていく現職教員の受験のための条件整備、そのようなことはいまどのようにお考えですか。具体的に言えば、三年間あるいは五年間現場をやってきた方についての枠はこのように設けるとか、あるいはその間はやはり教員大学に行くような条件と同じように有給で行けるようにしていくとか、そのようなことについてはまだ全然さわっていらっしゃらないわけですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 上越、兵庫両教育大学の大学院につきましては特段の構え方をしているわけでございますけれども、それ以外の修士課程につきましても、それぞれの大学に対してできる限り現職の先生方に門を開くようにということはかねて指導をしているわけでございます。ただ、残念ながら具体の姿としてはなかなか現職の先生方をお迎えする形になっていない。やはりほかのいろいろな勤務の条件等があって、現職のままで大学院に進学をするということは困難な状況にございます。しかし、今後とも各大学に対して現職の先生方の受け入れについての積極的な対応というものを求めてまいりますし、それぞれの大学は、もちろん現職の先生であってもこれは受け入れるという方向は定まっているわけでございます。具体的に採用をされて、試験に合格をして入学が可能になるということになれば、その時点でそれぞれのもちろん教育委員会の同意というものが、受験に先立っての必要な要件になることは当然でございますけれども、教育委員会側の同意が得られている者については、兵庫あるいは上越で考えていると同じような方向で対応が可能になるし、またそのように進めたいと思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 大変うれしい答えですけれども、思いますだけじゃだめなんでありまして、それはそういうふうになりますよという見通しを持った思いますでありますか。全然海の物とも山の物ともわからない思いますなんでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 結局問題は大学側の受け入れの姿勢と、実際に受験をする先生方のそれぞれの教育委員会なり、学校における条件の問題と、そして入学試験に合格できるかどうかということにかかるわけでございます。そういった条件がそろわなければ具体の課題にはならないわけでございますけれども、それが整ってくれば、五十四年度においても現在研修のための定員の措置というのは行われているわけでございますから、その中でそれぞれの教育委員会で御対応いただくということは不可能ではないと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 先ほど柏原委員の方から御質問がありました教員のグループによる研究に対して奨励を行うことというのは、予算を調べてみますと、五十六県市二十グループで十万円ということになっていますけれどもね、五十六で二十グループというのは、広域で一つの研究ということになるんですか、どういうふうになるんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) この予算の積算は、五十六県市というのは四十七県と九指定都市掛ける二十グループですから、それぞれの団体の中で各二十グループということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それは読み違いしておりまして失礼しました。すると、各地域ごとに二十グループというのですから、相当広範囲なものが行われるというふうに考えてよろしいわけですか。これは教科と直接つながるんですか。教科以外のグループというふうに考えたらよろしいんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは私は余り限定しない方がいいと思うんですね。たとえば国語なら国語の教科の担任の先生で、同一市なら市の何校かの先生が、国語専攻しておられる方が集まって国語の教育法を研究しようというのもあるだろうし、あるいは先ほど来議論になっております生徒指導の問題をもう少しやってみようとか、いろいろあると思いますので、その主題、テーマはそのグループのねらうところを取り上げることにして、そういう活発な研究についてひとつ助成をしていくようにしたいと、こういうふうに考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 各県でグループといいますと、すぐ認可されたグループでなければだめだとか、こういう系統の研究ではだめだとかとすぐ色分けをされていくというのが実態だと思いますけれども、その辺についてはどのように原則をお考えですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) おっしゃる意味は教育委員会が気に入るようなグループでないとだめだと、あいつはどうもぐあい悪いぞというようなことをやっちゃいけないという趣旨だと思うんで、それは教員養成大学の大学院の審議の際もずいぶん議論のあったところで、私はやっぱりこういうものは、本当に一生懸命研究をするというグループをとらえてやっていただく。別に認可された団体とかそういうものではございませんから、それぞれのグループの実際の中身というものを判断してやってもらうようにしたいというふうに考えています。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 活力ある教員の力を引き出そうというのですから、純粋にそのような形で指定がされますように、私もこれから文部省からは注意をしていただきたい、見ていただきたい、こう思います。  それから、先ほどのお話にもありましたけれども、免許外教科担任の教員研修補助ですけれども、これ年間に三日間、八教科にわたってやるというんですけれども、これをどんどんふやしていくということについて私は非常に疑問があると思うんですね。ないよりは、現実に無免許の運転やっていらっしゃる先生方がいるわけですから、当然こういうようなことをやった方がいいかもしれない。しかし、これをどんどんどんどん数をふやしていきましょうなんということで、無免許教科担任が当然みたいな風潮というものを地域におろしはしないだろうか、安易すぎるのではないかという気持ちを私は持ちますが、その辺はどうお考えですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いまの標準法で小規模中学校の教員配置への基準というのを見ますと、三学級の中学校というのが千五百くらいあって、中学校総数約一万ですから一番多いんです。それの前後して二学級、あるいは四学級という中学校がございますけれども、三学級で言いますと、校長を除いて教員の配置基準が七名なんですね。四学級で七・七名。それで中学校の教科は九教科でございますから、各教科最もバランスよく教員を採用したとしても一人で二、三教科持ってないと無免許が出てくるという実態。しかも、いまの中学校の教員構成見ますと、第一次ベビーブームのときちょっと先生よけい採っていますから、その残り——残りと言っちゃ失礼ですけれども、それがずっと続いておると、どうしても学校で社会とか国語なんというのが多いんですね。そこで現実どうしてもいまの実態では無免許——免許外教科担任という問題が起こる。したがって、小規模学校の教員配当をどうするかというのがこれからの研究の課題の一つでございますし、前向きに研究しなきゃいかぬと思っていますけれども、現在の事態でこれをよりよく改善するためには、やはりもう少し体系的に現職教育をやる方よろしいだろうと、こういう意味で、どんどんこれをふやしてやっていこうという趣旨ではさらさらございません。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 では、やむを得ざる措置として認めていきます。  ちょっと問題違うんですけれども、筑波大学の選挙違反事件がずいぶん昨年末あたりから問題になっておりましたけれども、あの実態を文部省としてはどのように調査をされましたでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) これは大学側から報告を求めているわけでございます。五十三年の十二月十日の茨城県議選におきまして、筑波大学の学生多数が買収をされて不在者投票を行った。これが十二月五日に明らかになっております。大学当局は五日に直ちに学長告示をもって遺憾の意を表明するとともに、六日に厚生補導審議会を開催をいたしまして、この問題を調査研究するための特別調査委員会を発足させ、不在者投票を行った学生に対して自発的に学校当局に申し出ることを求め、それによって調査を進めたわけでございます。この間に五十四年の二月一日に学生百三十七名が書類送検をされたわけでございます。不在者投票を行ったと大学当局に申し出た学生の数は百七十八名。この中には書類送検された百三十七名が含まれております。これらの不正投票を行った学生に対しては、所属の各学群長から厳重に注意をする。それと同時に、指導教官が個別指導に当たりまして、事の重要性を学生に十分認識させる。今後こういったことのないように指導を重ねております。関係の学生も深く反省をいたしているという報告を受けております。  なお、一応大学当局は、いま申しましたように、学群長からの厳重注意という処分を行っておりますが、今後さらに捜査の進展によって、たとえば不正投票のあっせんというような悪質な行為が明らかになった場合には、改めて学則に照らした厳正な処分をするということも考慮しているという報告も受けているところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 この学生の中に教員になりたいという希望を持っている生徒はいるのでしょうか、いないのでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 書類送検された学生百三十七名の内訳でございますが、一年生が三名、二年生が六十名、三年生が五十一名、四年生が二十三名でございます。学群別に申しますと、第一学群が九名、第二学群が六名、第三学群が十名、体育学群が百五名、芸術学群が七名でございます。  御指摘のように、この四年生の二十三名、これは卒業をする者でございますから、この中にはもちろん教職を含めて就職希望の者がおるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 希望の者が多いというだけでは、いまの時点では済まないと思うんですよね。試験を受けていると思いますし、一次合格、二次合格、それぞれもう発表になっていると思いますけれども、その辺のところの調査はどうなっていますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 教職を希望して受験をしている者がおります。正確な数は私の手元の資料にはございませんが、ございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それ調査して報告していただけますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 大学当局は、この学生の調査につきましては、先ほど申しましたように、本人が申し出ることを求めるという形で、非常に慎重な方針のもとに調査を行い、また学生も実際に正直に大学側に申し出ているわけでございます。したがって、大学はこれらの学生を具体的に特定をする、それを公表するということについてはきわめて慎重な配慮のもとに避けてきております。ことに、いま御指摘の卒業を控えた二十三名というものの将来というものについて、非常に大学当局は苦慮をいたしております。先生いま御指摘の点については、大学当局に対してどういう対応ができるかを照会をしてみますけれども、事の性質上なかなかむずかしい点があることを御理解いただきたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私もそう思いますけれども、人数ぐらいは報告をされても別にどうということはないのではないか、こう思いますし、具体的にもう百三十七人の人が書類送検をされている。私、新聞を見ますと、一月十二日の毎日では百四十三人が書類送検というふうになっているんで、一体どちらが正しいのかちょっとわからないのですがね。いずれにしろ、この二十三人、四年生、卒業生で、申し出た数の中に入っているということでありますと、この四月に筑波大学卒業という履歴書を持ってもしどこかの学校に入ったとすれば、その人は該当するとかしないとかにかかわらず全部疑われる中に入るだろう、こう思わざるを得ません。そうして、そういう生徒たちが先生になって、一体選挙というものを生徒にどういう形で教育をしていくんだろうか、こう思いますと非常に慄然たるものがありますが、文部大臣、この辺についてお考えはどのようにお持ちですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 大変残念なことに思っております。ただ、本人たちが大学からも厳重に注意していますから十分反省して、今後こういうことは絶対にしないということを恐らく大学にも私は言うているんじゃないかと思うんで、大学当局の処置を信頼して、しばらく私は様子を見たいと思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 若い人たちの将来ですから私も非常に胸が詰まるものがあるんですけどね。  こういう子供をつくり出したというときに、一体大学の責任者というものはどのような態度をとればいいのか。生徒だけが悪いのかということになると非常に問題があると思います。たとえば、夕べから大きなニュースになっていますが、北海道の病院長の息子さんですね。電話がかかってきて、担任の先生はその電話が本当かどうかも確かめないで出したということ自体が問題だと、もういままで何回も何回も注意しているのにと、すぐ先生にくる。先生はもう胸が詰まっちゃって、そしてその生徒が帰ってきたら抱き締めてやりたい、それだけだと言って、あと何にも言うことができないでいるわけですね。校長先生だってそのようなことについては大変な心の痛みというんですか、責任をお感じになっていらっしゃると思うんですよね。私は責任者というものはそういうものだと思うんですが、ここの大学に関しては、不思議なことに一切学校の教師集団についての反省がなくて、常にもうそういうことやったのが悪い——まあ大体買収をしておいたその県会議員もおかしいわけですけれどもね。そういうことしか言っていないことについて文部大臣はどうお考えですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私は反省がないとは思いません。学長にも厳重に注意してありますし、一つの大学が万一そういうことでやったら、その大学はもう国民から信頼と尊敬を失ってしまいますから、せっかくできた筑波大学ですから、私は、筑波大学が建学の精神に基づいて、国民から本当に信頼され尊敬されるように、こういうことが二度とあっちやいかぬと思うんで、学長にも厳重に私は注意したいと思っています。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 その厳重に注意をいただいてどのようなことのお答えが返ってまいりましたでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 先ほど申しましたように、学長名をもちまして学内に告示が行われております。そこで深く遺憾の意を表するとともに、全学の教職員に対して、筑波大学のとっている方針、特に学群、学類という組織を設けて、ここにおいて教育と更生補導を一元的に行うということを趣旨としていることをよく認識をして、全学職員と学生が一体となって努力をする必要があるということを繰り返し述べております。もちろん、学長、副学長それぞれ文部省に参りまして深く遺憾の意を表しておりますし、これからの学生指導のあり方について、課外活動の場合、あるいは入学時のオリエンテーションの場合、その他あらゆる機会に社会意識の涵養に努力をするということを申しております。私は、大学側の本件についての反省と、これからの指導方針というものについては、大学全体として十分に、いわば今回の事件を契機としてさらに努力をしていく姿勢が認められると考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 このような事件の背景に、筑波大学がつくられるころ、国会の中でもいろいろと討論になったようなことが原因ではないかと、こう指摘する人たちが非常に多いわけです。私どももそれは一つの大きな要因であろうというふうに考えておりますが、十二月の二十一日に家永三郎さんが、「筑波大不祥事件を考える。」と、こうしておりますけれども、なぜ私がその筑波大学がつくられることに反対をしたかということが一つ書いてあります。そして、その次に「筑波大当局は、最高管理職の反共政治団体への参加を許しておきながら、学生の表現の自由を封殺して学園の「政治的中立」が保てると本心から考えているのであろうか。本紙掲載の小西甚一副学長談話に「学則に違反する集会は許せない」とあるが、宮島筑波大学長がかつて東教大学長として言語に絶する不法な管理・運営を強行したとき、当時文学部教授であった小西氏は、教授会をボイコットし、宮島学長の庇護のもとで「独自の教官会議」と称する違法組織に加わり、文学部の運営を妨げてきた一人であった。法秩序をふみにじった人に学生の「学則違反」を責める資格があるであろうか。」という投書を出しておられます。それは十二月の十七日の毎日新聞に小西甚一筑波大副学長が「大学側の管理体制は間違っていない。学則に違反する集会は許せない。厳重に調べる。」と、こう言っていらっしゃることについての反論だと私は読んでおります。では、なぜ小西甚一筑波大副学長が「学則に違反する集会は許せない。」と、こう言ったかといえば、この問題について学生たちがキャンパスの中でいろいろな集会をやったわけですね。ところが、この大学は、そういう集会は許可をしなければさせないということになっている。こんなところにその大学の自治があるだろうかという疑問を国民は持っているわけですね。その辺について文部大臣はいかがお考えですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 大学の学生指導の場合、それぞれの大学がそれぞれの大学の方針に基づいて、それぞれ特色のある活動を展開をしているわけでございますし、私はそれは大学の方針で、そのような措置がとられるということは当然のことであろうと考えます。確かに筑波大学の場合には、学生の団体活動なり、あるいは集会、掲示等に一定の制限が加えられておりますけれども、大学の目的である教育研究を推進するために学内の環境を静穏に保つ必要があるという大学の判断のもとに、このような措置がとられているわけであり、そのことは、その措置がきわめて不当なものであれば格別、そうでなければそれは大学の御方針であると思います。筑波大学の場合に、学内における集会ができないというようなことではございません。それは一般に開かれているわけでございますし、また今回の問題についても、正規の手続をとって、集会をしようと思えば幾らでもできたわけでございます。私は現在の筑波大学がとっている学生指導の方針というものは、それは筑波大学の方針として是認されていいと考えております。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私自身も筑波大学には数回行きました。あの大自然の中で、学校も非常に整備されておりまして、お話のように、その管理、運営についても十分よく聞いておりましたが、問題はないと思いましたが、御指摘の点がありまするから、さらによく検討したいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 生き生きとした国民の活力を生かしていこう、学生のこの生き生きとした教育に対する情熱、世界に羽ばたいていきたいという、そういう気持ちを大事にしようとすれば、一切の集会が届け出制じゃなくて許可制でなければならないなんていう、こういう大学の自治を踏みにじるような筑波大学がいいものだなんていう感覚が私は大変おかしいと、こう思います。したがって、文部大臣もそのことについては十分注意を払って御調査をいただきたい、こういうふうに考えているところであります。特に、選挙のこのような実態について話し合おうということをなぜ届け出、許可を得ないでやったか。それほど、届け出たらもうだめになるだろう、やったならば、もう何をやられるかわからないという恐怖心が学生の中にあるから、だからできないんだと思う人たちが大勢いると思うんですよね。そんなことをなんて思うかもしれませんけれども、こわいからそういうことをやるんだと、国民の中にはそう思っている人たちがいるわけです。それが筑波大学に対するイメージなんだと思います。文部大臣よくその集会をやった学生たちとも話し合いをしていただきまして、本当に学長たちが言う方が正しいのか、やる方にしてはあたりまえであっても、受ける方にとってはものすごく大きな重圧だということだってあるわけですから、御調査のときには両方合わせてお話し合いをしていただきたい、本当に文部大臣が乗り込んでいって、このようなことが再び行われないようにやっていただきたいと思うのです。  ところで、昔ですと、新潟——私は新潟出身ですからあれですけれども、新潟の家から仕送りを受けながら東京にいるというような学生の選挙権というのは新潟にあったわけですね。東京にはなかったんですね。それがこのごろはその大学の所在地、自分の住んでいる地域で学生が選挙をすることができるというようになったのは、どういうことがきっかけだったか御存じでしょうか。これは大臣でなくてもどなたでも結構ですけれども。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 私もはっきりは記憶いたしておりませんが、恐らく寮に居住をしている学生たちが、自分たちの選挙権をそこで行使をすることが必要だということで、そのような形になっているんだと考えておりますが。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そのとおりなんですよね。その寮にいた学生というのは一体どこの学生だったでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) ちょっと覚えがございません。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 物の本によりますと、それは茨城大学の学生たちだったわけですね。同じ茨城県で自分たちの選挙権を得るためには、このような形をして取っていかなければならないといって、闘って取ったその学生の寮における選挙権が、今回このようなことに利用されたということについては、まことに私は隔世の感にたえないわけですけれども、それだけ私は学生たちの生き生きした活動が失われている。学生から政治活動を取ってしまえばおとなしくなって勉強するだろうなんて思っていること自体に問題があるのではないだろうか。行き過ぎがあれば、本当に取り組んでいく教師があってほしい、そういう教師の活力を出すような文部省の指導でなければならないと思いますのに、非常に残念な話だと思います。だから、文部大臣が本当に教育は人にありとおっしゃるとおりですから、そういう教育行政が行われるように、教育実態でありますように、心から御指導いただきたいと、こう考えているところです。  時間がなくなりましたのでもう一つお伺いをいたします。  第四の、社会教育及び体育・スポーツの振興を図りたい、このことについては大変いいことだと思うんですけれども、いまの子供たちの体位、体力、これがどんなような状況にあるかということを一言でおっしゃっていただけますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 私はこのごろの子供たちは非常に体が大きくなったけど、何か体力がないような気がするのです。  体育局長から詳細説明させます。

柳川覺治文部省体育局長

○政府委員(柳川覺治君) 大臣が申し上げましたとおり、体格が大変向上してきております。これは年々身長、体重とも高まってきております。それにつれまして、総体的に総合体力、あるいは運動能力も高まってまいってきておりますが、特にその中で背筋力の問題、あるいは柔軟性の問題——筋力の問題と柔軟性の問題でむしろ劣りの現象が見えてきております。特に最近四十六年あたりを境にいたしまして、総合的な体力、運動能力の伸びが横ばいになったということでございます。これは一部の学校で体力づくりを大いに進めておりますから、その面ではそういう学校はスポーツテストの結果も良好でございますが、それにもかかわらず、総体的に横ばいということは、むしろ四十六年度あたりから総体的な減少の傾向が憂えられているというように考えておる次第でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 じゃ、そういう問題を中心にして、文部省としては具体的にどのような施策を講ぜられようとしているわけですか。

柳川覺治文部省体育局長

○政府委員(柳川覺治君) このことは大変むずかしい問題でございますが、青少年のたくましい体と豊かな心ということが、家庭教育、あるいは学校教育、あるいは地域における教育を通じての課題でございますし、私ども学校体育の重視に当たりまして、特に体力づくり推進校の設定、これの推進を図っておるところでございますし、また家庭におきまして特に親から受けた体を子供たちがみずから意欲を持って育とうとする、その面に少しでも資することという観点から、いま五十三年度にゼロ歳から五歳までの子供たちを、乳幼児を対象にいたしました子育ての中の基礎体力づくりの手引きを調査会で作成をしていただいておるところでございます。また、引き続きまして来年度も予算化が実現いたしましたならば、小学校の低学年、中学年、このところを対象にいたしまして、基礎体力づくりの指導資料を作成していきたいというようなことを考えて進めておるところでございますし、また子供たちが自分の体のすべての運動能力が人よりすぐれているというスーパーマンはなかなかそうおるわけでございませんで、自分の体の特質を見きわめながら、何か一つのものに挑戦していくといいますか、みずから励みを持っていく、そういう簡易なスポーツテストをつくりたいということで、いまこれも調査会で近々成案を得るような仕組みをここで進めておりますし、また、もう一つ新しく五十三年度から取り組んでおります問題に、子供たちの基礎体力づくりの場といたしまして、私どもグリーンスポーツ構想と言っておりますが、市町村の中に、子供たちが自然の恵みの中で自由に飛んだりはねたり、大いに体づくりのできるそういう場づくりをしたいということで、野外活動施設の整備の推進に力を用いているというところでございます。このような総合的な体制をとりながら、青少年の体力づくりに資してまいりたいというふうに考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 原則的にそういうことはどんどん進めていただきたいと思いますし、親の教育も非常に重要だと、こう思っています。NHKの先生方に対するアンケート調査によっても、まばたきするという反射神経さえもなくなっているんではないかというような実態も出てきている。骨がいつ折れたのかわからないとか、ちょっとぶつかっても折れているとか、こんな状態だったら、二十一世紀を担うなんていうこの大臣の雄大なるお考えというのは、私は成り立たぬと思うのですよね、こんな体では。したがって、原則はそういうようにやっていただきたいわけですから、たとえば浅草の小学校なんかへ行ってみますと、五十メーター真っすぐに走る運動場がないわけですね。だから運動会は日曜日にやって、車を締め出して、道路を走らせるというようなことをやっているのですが、大平総理のいろいろな政策要綱、資料、私どもでまとめて、いろいろな新聞にお話しなさった要綱なんかもまとめて見ているんですけれども、子供のことをずいぶん心配していらっしゃる。なかなか温かいお気持ちを持っていらっしゃると思いますが、校庭を広げる、こういうのが一言あるのですね。いま校庭を広げるなんといったらもう大変なことであります。しかし、総理がそういうふうにおっしゃってくださったということは、父母にとっては非常に大きな勇気だと思うのですけれども、抜本的な対策なんというものも考えていただかなければならないと思います。  それは私の感想といたしまして、体育局長にお伺いしますけれども、そのことと、今度全国の中学生の体育の全国大会に対して補助を出して、やっていこうじゃないかということとの関連はどういうふうに考えていったらよろしいでしょうか。

柳川覺治文部省体育局長

○政府委員(柳川覺治君) ただいま御指摘のございましたように、最近の子供たちの体力のむしろ低下が憂えられる、これにどうこたえていくか、また国民の間に最近の社会経済情勢の変化、これとの関連で、体を動かす機会が少なくなっている、この面から健康、体力の面に種々問題を生じている、そのこともございまして、余暇増大等の関連もございまして、体育・スポーツに対する関心が大変高まってきておる。このような背景のもとに、いま現に中学生を取り巻く対外競技の機会が増大してきております。従来、この面の対外競技につきましては、現行の基準では、学校教育活動外の問題としてこれをとらえるということで進んでまいっておりまして、現に二十種目ほどの大会が社会体育・スポーツの分野の責任の形で行われてきておるということでございます。このような客観情勢の変化の中で、中体連を初め、学校教育の関係の方々から、もう少しこの面につきまして、学校教育の責任における体制を明確にいたしたいということの強い御希望がございました。したがいまして、この御要望も受けまして、私ども体育局の方では、保健体育審議会の御意見をお聞きしながら、これに対応していくという措置をとってきておるところでございます。従来の全国大会を学校教育として禁止してきましたが、そのことがややもすると、社会体育・スポーツの分野において、やや過熱の状態もあり、また社会体育・スポーツというような観点から、学校教育の立場からの教師の引率に当たる先生方に対する処遇の問題、あるいは事故発生における生徒に対する災害補償の問題等、種々の問題も生じておりますので、この面の明確な責任体制を確立していくということを含めまして、現在検討を進めておるところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 この問題につきまして、これはけさの朝日新聞ですか、中条一雄さんという方が、受験戦争に似た弊害が出るのではないかという心配をしています。中学生のときからもう専門化していくことは問題だと、こう言っているわけですね。「特定スポーツしか教えられていない者は、自分で考えることを忘れて視野が狭くなり、大人になってスランプになった時に迷路から脱し切れず、脱落する場合が多い。  あまりに早く専門化し、勝負にこだわり、訓練するのは、スポーツしかやれないかたわな人間をつくることでもある。判断力のない者にスポーツを強制することは、人間をモルモット化することでもあり、文部省の一連のスポーツ政策に疑問がわいてくる。」これについていろいろな意見がありますから、私はそれはそれで結構だと思いますけれども、なぜいままで次官通達でもって全国大会を中学生にはやらせなかったのか。中学生にやらせるということになれば、いまもう小学校でも猛烈なものですね、スポーツ熱というのは。だから小学生にだってそれはやってもいいではないかというのが当然出てくるだろうと思います。いままでは社会体育だからということで、日曜日に行われたり、あるいは夏休みに行われたりしても、他の先生に対する出勤というものについては、わりと緩やかであったわけですね。それでもやっぱり地域で、たとえば新潟県の雪の地域ではしょっちゅう高校生のいろいろな大会が行われます。そうしますと、体育の先生ばかりではなくて、いろいろな雑用がありますから他の先生も駆り出されます。その中で、養護教員の先生というのは、事故が起きたら大変だというので、高校の先生だけじゃ足りませんから、小学校の先生、中学校の先生、これがもう大変なんですよね、日曜日出勤で。こういうことがいままでだったらまだ社会体育だということで、学校の直接行事ではありませんから、断ることもできたわけです。それでもなかなか断り切れなかった。今度はそういうことになればもう絶対に断るごとができないで出ていかなきゃならない。こういう問題も出てくるんですね。けれども、事故が起きれば、当然学校災害にしてもらいたい、これもまた先生の気持ちだと思います。そして、引率するに当たっては、やっぱり旅費ももらいたい。先生だって事故が起きる可能性があるわけですから、公務災害補償法を適用してもらいたい、このこともあると思います。  でも、私が言いたいのはこういうことなんですね。いままでの通達からがらりと変わっていくわけですよね、今度の体制は。全国大会なんていうのはやらないということから、全国大会をやりましょう、それに対しては国から補助金を出しましょうというんですから、がらりと変わっていくわけです、そうすると、その経過——ちゃんと末端まで討論が起きて盛り上がってきたのか、どのような討議が起きたのかということについて私は伺いたい。  二十日に保体審が開かれて、こういうことについてどうだろうかといってあなた方の方で諮問をしている。この答えが三月に出てくる。出てくる前にもうこの予算が盛られている。そういうことはやるべきでない、という審議会の意見が出たとしたならば、文部省は一体このことについてはどのように考えていくのか。審議会なんていうのは形式的なものであって、文部省がこう考え、予算がつけば、それはもうそういうふうになりますという見通しのもとに盛ったというものであれば、審議会なんていうのはまことに無用の長物、文部省の言いなりということになりはしないか。この辺のことについてお伺いいたします。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) これは、私が文部省におりましたときに、終戦後まだ非常に日本の生活が困難だったし、なかなか交通機関も不備で、全国大会なんてとってもできない。それから、子供たちも非常に小さかったんですよ。そこで、高等学校だけは認めるけれども、小・中学校は義務教育だしやらせないというのが、これがずうっと長年続いたわけですが、今度は、いまおっしゃるように、体育・スポーツの振興で、子供たちも大きくなったし、やぱっり全国大会をやって、お互いにしっかりわざをみがくことも大事だ、こういうことで、いまお話しのように引率の先生方の旅費の問題もあるし、事故が起きた場合の災害補償があるんですよね。そういうことを考えて、やっぱり私は全国大会は——ただ、審議会に諮らなかったとおっしゃるけれども、これは、事前に体育局長が十分に連絡をとって協議して決めたことですから問題はないと思いますが、局長から答弁させます。

柳川覺治文部省体育局長

○政府委員(柳川覺治君) 審議会に今月の二十日に正式の諮問をいたしまして、三月末に御結論を得るという形で、いま先生からそのやり方につきまして御指摘受けまして恐縮いたしておりますが、事実関係は、この問題につきまして、すでに五十二年の二月以来七回にわたりまして、学校体育分科審議会、また社会体育分科審議会の合同総会等も持ちまして、七回にわたりまして事実上の御審議を賜ってきております。その間、並行いたしまして、それぞれの関係の方面の御意見も承りつつ、特に予算要求の問題につきましては、文部省の方として大蔵当局に概算要求する、その際に、こういう方針で中学校の全国大会につきましては、全国選抜大会ということで中体連が意見をまとめられ、その実施を図るということでございますので、文部省はこれを受けまして概算要求をいたしますということの御了解も得まして、またその時点で中学校の全国大会のおよその方向についての合意を得た上で、概算要求をさしていただいた次第でございます。  審議会の持ち方として、審議会で方向を定めていただきまして、その上で行政が走り出すということが一般であろうと思いますが、この種の問題は、行政の課題と申しますよりも、むしろ直接学校また生徒の教育活動に関する問題でございますから、それだけに審議会での結論を得たものは、直ちに実行を期していくということの裏づけを私どもはしたいということで、このような運びをしてまいりました。したがいまして、形式の上で今月の二十日に正式諮問という形をとりましたが、事実上は五十二年以来御審議を賜っておりまして、その御意向の方向で対応してきたというように御理解を賜りたいと思う次第でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 確かに五十一年十二月からそれが発足をして、無理なく守られる線を模索をしてきて今日に至ったということについての経過はわかりますけれども、私はもっともっと下の方までおろしていかなければ問題が出てくるということを申し上げているのです。  あわせまして、中学校は結論は出ましたけれども、では小学校の結論はどうなっているんですか。

柳川覺治文部省体育局長

○政府委員(柳川覺治君) 中学校が全国大会ということでございますが、小学校につきましては、校内における運動競技会を原則とする、この原則に立つという方向でいま御審議をいただいております。  ただ、同一の市町村内、あるいは近隣の隣接市町村での小学生の競技大会が事実としてほとんどの地域と言っていいほど行われてきております。これに対してそれなりに学校教育としての責任の体制で対応していくということが、いま御指摘のいろいろの災害問題等の課題もございますので、これらについてどの程度の許容の問題として受けとめていくかということを小学校につきましては御審議を賜っておるところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私もスポース好きですから自分でやります。好きな人がやればもうそのことだけで頭がいきますけれども、学校というのは何もスポーツだけではないわけです。たとえば、文化を大事にしましょうなんて今回は本当にいい重点が出ているわけですからね。では文化についてはどういうふうになっているのか、芸術についてはどのようになっていくのか。たとえば、先回わが党の片山甚市氏が質問をしようと思ったんですけれども時間がなかった。たとえば学校で放送教育が行われている。それぞれ各学校で演劇活動なんかがやられて、それがビデオにつくられている。そのようなものを、国際児童年でありますから、たとえばNHKの土曜日のある一定の時間をもらって、各県の優秀作品を放映をするようなことをしてもらったらどうなんだろうか。そういう文化活動なんかについて余り出てこないわけですね。それでいて、スポーツなんかやるのはものすごい勢いでどんどんどんどん出てくる。やっぱりオリンピックというものがすごく目標になっているのではないかと思われる節があるわけです。そういう点についても非常に細心の注意が必要な問題点だというふうに私は思いますので、その点についての今後の対策をお願いをいたしまして、時間が参りましたから質問を終わります。

望月邦夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(望月邦夫君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十八分散会      ————◇—————

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