農林水産委員会 第13号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/05/31
会議録
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十九日、小谷守君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が、また昨三十日、降矢敬義君及び馬場富君が委員を辞任され、その補欠として田原武雄君及び藤原房雄君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(久次米健太郎君) 農業者年金基金法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○坂倉藤吾君 私は、いま議題になっておりますこの農業者年金基金制度の改正の要点といいますのは、提案理由説明の中にありましたように二つ、その一つは、国民年金法による給付額の改定があれば自動的にその改定された月から農業者年金も改定をされると、こういうことが一つであり、二つ目には、経営移譲年金の加入時期を逃した者、これが今回加入できる道を開くと、こういう二つの改正点であろうと思いますが、その中で、提案理由説明によりますと、自動的に給付額が改定をされる措置を称して、年度を挙げて、しかも五%消費者物価上昇率というものが基本になっておりますから、特例措置という表現を使った説明の仕方をしているわけであります。 したがって、とり方によりますと、間違いはないと思うんでありますが、五%消費者物価上昇率との関係から見まして今回限りの特例措置であって、その都度特例措置として承認をしないと上がらないというふうな理解の仕方も成り立つ危険性があるんですが、そうじゃなくて、今後引き続きいわゆる国民年金のこの法律に基づく給付額が改定をされれば、これはもう自動的に論議なしにこれからは改定をされますよと、こういう立場のものなのか、その辺をまず第一に明らかにしてもらいたいというふうに思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五%を上回った場合は、自動的に国民年金が上がれば上げる。しかし、それを下回った場合は、何もないわけですからやらなくてもいい。しかし、今回は国民年金も五%を下回っても改定をするので、特例措置として五%を下回ったけれども今回は引き上げをいたしますと、こういうように御理解いただいて結構でございます。
○坂倉藤吾君 その説明がよくわからぬのですよ。したがって、この消費者物価の上昇率五%という問題は、当然国民年金の給付額の改定にも通じて問題がありますね。したがって、そのことは当然国民年金法改正に響いてくるわけですが、むしろこの準じてという話は、今後も国民年金がいわゆる消費者物価の上昇率五%にかかわらず引き上げられたときは自動的に、五%云々というのは、特例措置という言い方が問題なんですけれども、これは論議抜きにして法律的には自動的に引き上がっていくことに改正をされるんではないでしょうかと、こうお聞きしている。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国民年金が引き上げられた場合には、これからはこちらも五%以下であっても改定をする、そういうように考えております。
○坂倉藤吾君 くどいようですが、したがいまして、この特例措置という説明の用語の使い方に、私はいろいろとり方がむずかしくなると思うんですが、要約をすれば、今後どういう条件かは別として、国民年金の給付額に変動があれば、それはもう自動的に農業者年金についてもそれは変動するんだと、こういうことでいいのですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国民年金の改定に準じてこちらもこれからは改定をする、そういうことです。
○坂倉藤吾君 くどいようでひっかかりますが、準じてということは、そのままということじゃないんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 自動的と言うのが正確なのか、準じてと言うのが正確なのかよくわかりませんが、趣旨としては、国民年金が改定されるときにはそれに準じて改定すると、こういうことです。
○坂倉藤吾君 趣旨は、お互い行き違いはないと思うんです。ただ、理解の仕方で将来ひっかかってくると困りますので、お尋ねをしているわけです。 それから二点目の、加入時期を逸した後継者の救済なんですが、当然その救済対象が明らかになり、この基金制度を経営をしていく立場から、それに伴う必要な資金計画というものが出されてくると思うんですが、それについてどういうことになっておりますか。
○政府委員(大場敏彦君) 加入時期を逸した後継者の救済措置をお願いしているわけですが、その目標として私どもは大体八万三千人から四千人ぐらいの者をとりあえず救済予定者として、それにできるだけ近づけようという形でまず考えております。 なお、簡単に御説明申し上げますと、いま加入時期を逸したために後継者が入っていないという人間が約二十一万四、五千人あるわけです。丸くして二十一万人です。その中で、これを全部入れるというわけにはこれはいかないと思います。その中には、たとえばいずれ農業をやめるとか、農業の将来が不安だとか、あるいは保険料を納めるのがむずかしいとか、それから年金に入る必要を感じない、こういった方々もかなりおるわけですから、その中からただいま申し上げました八万三千人ないし四千人の人たちが見込みのある、あるいは努力すればかなり見込みがある、こういうことで、目標としてそれにできるだけ近づけるべく今後の加入努力をしていきたいと思っております。
○坂倉藤吾君 また後で触れますけれども、この制度が発足をしましてからむしろ経営移譲に重点が置かれてきたというふうに思いますし、実態もそうなっておると思います。そういう立場からいきまして、ただいまの説明からいけば、当然その該当者といいますか、そういうのが二十一万みえる。そのうち、当面の対象というのは八万三千だというのですが、それは今回のこの加入状況の縛り、それとのかかわりはどうなるんですか。
○政府委員(大場敏彦君) 加入条件の縛り、たとえば親の農地を事実上半分以上相続している、そういう縛りがあるわけです。一人にしぼっているということのためにそういう要件がかかっているわけですが、それとの関係で、全部が全部二十一万人がそういう要件に合致しているということにはならない。その中で、やっぱりそういう者は限定されてくるということでございます。それから、そういう意味からすれば、八万三千人全部がその要件に必ずしも合致するかどうかは、これは理論的に言って合致しない者もいるかもしれませんが、しかし農業の意欲は、農業者年金には入りたい、しかしいろいろな条件で入れなかった、こういうような方々が八万三千人あるというふうに理解すれば、それらの方々は父の農地を相続して事実上農業をやっている方々だというふうに考えれば、それほど極端な差異はないのじゃないかと思っております。
○坂倉藤吾君 そうしますと、むしろ省の方の立場からいきまして、将来の農村経営のあり方あるいは農家の一応の基準的な物の考え方といいますか、そういう点からいって、積極的にそこで政策的に後継者の一つの形態をつくり上げていこう、そういう形でながめて、この八万三千云々というのが出されてきたのではない、こう理解していいんですか。
○政府委員(大場敏彦君) 後継者で入っていない方々がどれだけあるか、その中でわれわれが努力すればある程度そこにまで近づける可能性のある者を調べれば八万三、四千人あるということで、ある一定の類型を描いて、それが八万三千人という形でやったものじゃもちろんございません。
○坂倉藤吾君 それじゃ改めて聞きますが、制度が発足をしましてからこれで十年目を迎えることになりますね。今回、いままでの四回の改正を合わせて五回目の改正ということになります。そういう改正を含めて、十年の間に五回の改正と言えば、頻繁に問題が提起をされ、そうして補強をされてきたということになりますね。それだけ実態に近づいてきた、実態に近づける努力をしてきた、こう申し上げた方が的確であろうと思いますが、それだけに、農業者の間におきますこの基金制度の理解の仕方、定着度といいますか、こういうものは大いに進んできているというふうには思うんですが、その状況判断についてどうとらえておりましょうか。
○政府委員(大場敏彦君) いま御指摘になりましたように、五回改正いたしましたし、それから給付水準につきましても三度物価スライドをしておりますし、それから財政再計算を二回して改正してきている、こういった努力をしてきているわけでありますが、そこで農民はどういうぐあいに受け取ってくださっているか、こういうことでありますが、私どもの考えとしては、この制度発足以来いままでに延べ加入者は百三十八万人ということになっております。ただこれは、現実には六十歳に到達したために当然的に脱退するという方々が一方においていらっしゃいますから、現在時点では百十一万人という、ある時点でつかまえた加入者はそういうことになっておりますが、延べで言えば百三十八万人ということになってきております。それだけの方々が加入していただいているということと、それから最近の新規加入の傾向を見ますと、たとえば五十一年で見ますと四万人が、五十二年五万人、それから五十三年六万人というぐあいに、多いか少ないかという御議論は当然おありと思いますけれども、傾向としては逐年ふえてきているということがありますので、やはり農民の方で受け入れているという評価はしていいのじゃないかと思います。 それから、経営移譲率につきましても、私ども初め財政再計算したときは三八%程度という経営移譲率を想定したわけですが、現在大正五年生まれの方々で、これは六十二、三歳のところでありますが、すでに六二%というところでありますから、それが六十五歳に到達するまでには恐らく八〇%近くにあるいはいくのじゃないだろうかということでありますが、そういう意味で、この制度を活用して経営移譲をしているという点もありますので、かなり定着はしてきているというふうにいま考えております。 それから、受給者は、現在時点といいますか、五十三年十二月末現在で八万二千人ということになっておりますが、これはその後半年の間で恐らく十万人を超えるというふうに想定しておりますが、そういう意味で、いろいろもちろんその制度の改善とかそういうことについての努力は今後することは当然でありますけれども、農民の間で次第に理解はしてくださっているというふうに私どもは思っております。
○坂倉藤吾君 そうしますと、農業基本法に基づきましてそうして他の産業労働者と比較をした場合、遜色のないそういう農家収益、これが一つの目標になりながら、したがって規模の改善その他も含めて近代的な農業経営へと、こういうことになっているわけでございますね。そういう立場から言って、経営移譲の年金が当初目標よりも大きくふくれ上がってきている、こういう状態から見れば、素直にながめましたときには、当然政策目標というのは大いに進行したと、こういうふうに見られるわけですが、その関係は現実と比較をしましてどういうことになりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 後継者への経営移譲は予想よりも早まったが、要するに経営移譲が規模拡大に大きくつながってないというところが私は問題だと、こう見ております。
○坂倉藤吾君 そうしますと、政策目標として掲げたものがそのとおり進行していかない。そうしますと、そこに対する今日的な省としての考え方というのは、どういうことになりましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 要するに、経営の若返りをさせるという意味では、四〇%ぐらいだったのが六十数%ということで目標を突破しちゃったわけですから、これはだから目的はかなり達したわけです。 しかし、もう一つは、第三者に対して経営移譲が行われて、それで第二種兼業などで土地を持っておるのだけれども、その土地の有効利用を果たせなくて財産的に保持しているのだというものは依然としてそういう状態にあるというところは、まだ目的が果たされていないわけですから、これから規模拡大を図っていくとすれば、やはり土地を財産的に持っておって、専業農家あるいは精農家のように土地利用がうまくいってないという人があるわけですから、その人の土地をどうして反当の収益を高めるような方向で第三者に移譲させるかということが今後の私は大きな課題で、これは農地法等を含めて見直しをする必要がある、こう思っております。
○坂倉藤吾君 そうしますと、今後の方向づけとして、私、大変重大な問題であると思うのですね。政策目標としまして、いわば小規模農家の切り捨てをして、そうして大きいところにある程度集中をしていく、そして農家所得が他と均衡のとれるようにしていく、こういうことが基本になっておるんですね。必ずしも今日の現状というものは——確かに第二種兼業、第三種兼業というふうに、兼業農家が大きく発展してきた、そういう事情の中で、当初立てました三十五年、六年あたりの物の考え方というのは、現実に即してなく発展をしてきた、こういうことに結論的に言えばなるだろうと思うのですね。 そこで、いま大臣から話のありましたように、今後の方向について大きな検討を加えてやっていかなければならぬ、こういうところに直面をしてきておると思います。今日、そういう課題を踏まえて、この法制度の改正が行われていくんじゃないか。私は明確にしていただきたいことは、そこでこの制度が発足をしましたときに、基本はいわゆる農民年金という発想に立っているわけですね。農民年金という立場からいけば、規模の大小あるいは農業に従事をする今日的事情でありますから、その主たるウエートがどの程度かかっておるかということにかかわりなしに、さらにむしろそういう形態を重視をしながら、これからの日本の農業経営に対して、現実に従事をする人たちがどう保障をされていくかという立場でこの制度というのが行われていかなければならない。 むしろそこに、政策目標というものがきちっと据えられなければならぬのじゃないんだろうか。これは大変むずかしい課題であります。いま大臣がお答えになりました反当たりの収穫というものを、じゃ生活に対するウエートとしてどの程度かけられていくものなのか、これは大変大きな問題が提起をされておりますけれども、そのことを踏まえてこれからの農業見通しというものがきちっと出てこなければならぬというふうに思うのです。 いまそういう観点でながめていきますと、この五十三年の十二月に農家数というのが四百七十八万八千戸に達していますね。これはずいぶん減ったわけですが、それでも農家戸数が四百七十八万八千戸、そのうち基金制度に当てはめてながめていきますと、当然加入の有資格者というのが一体どの程度になってくるんだろうか、制度的に当てはめてみたときに。いまこの加入数というのは、当然加入の場合には八十七万三千九百七十四人ですね。これは農家数と人員ですから必ずしも一致をしないと思いますが、当然これは今日の制度の中ではその主人が対象になっておるわけでありますから、したがってこれは数字からいって比較になる基礎数字は合致をしていると、こういうふうに思うんですが、これはしたがって農家戸数に対して当然加入の有資格者が何人ほどおって、その有資格者の中で現在加入をしておる八十七万三千九百七十四人というのはこれは大体何%ぐらいになるんだろうか、こういうところをひとつきちっと教えてもらいたいと思うんです。 で、さらに任意加入資格というのは、これは今日何人おるのか、それに対するところの加入実績ですね、二十四万三千三百七十七人、これは一体何%に当たるのか、並びにこの制度を維持をしていくための当初の目標、先ほど少し経営移譲の関係でその部分については触れられましたけれども、これの当初試算をしておりますところの加入目標とのかかわりというのは一体どうなっているのか、おわかりならひとつ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) いまのお尋ねは、五十三年の農業調査、これによります総農家数は約四百七十八万八千戸ということでございまして、それからその中で当然加入資格者、任意加入資格者が幾らあって、現在の加入者との比較ではそれがどうなっているか、第一点はこういうことだろうと思いますが、これは私どもまだしさいな調査は実はしておりません。しておりませんが、大ざっぱに、きわめてラフな形で推定をしたわけで、それはラフだということはひとつ御承知願いたいのですが、一定の前提をいろいろ置きましてラフに推定したということでありますが、当然加入者はまあ大体百三百万人ぐらい有資格者があるだろう、こういうふうに推定をしております。 それから、それに対しまして加入者は、いま御指摘のありましたように約八十七万人でございますから、加入率八五%という数字が出てまいります。それから任意加入者は、これも約四十五万人とこう推定いたしますが、現在加入者が約二十四万人でございますから五四%、当然加入と任意加入の総数が、当然が百三万人、それから任意加入が四十五万人でございますから、資格者が百四十八万人と、こういうふうにラフに推定いたしまして、現在の加入者が約百十一万人でありますから七五%、こういった数字が一定の前提を置いて計算した数字からすれば出てまいります。 それから、第二番目のお尋ねは、当初の目標との関係でそれはどういうふうになっているかということでございますが、われわれ当初の目標設定したときの試算は、一応加入目標が総数として百六十五万人、こう見ております。その中で、当然加入目標は百三十三万人、それに対しまして現在の加入者が八十七万人でございますから約六六%、それから任意加入は三十二万人という加入目標を一応立てたわけでありますが、現実の加入者は二十四万人でございまして、約七六%、両者足しまして百六十五万人という加入目標に対しまして百十一万七千人ということで約六八%、こういった結果になっております。
○坂倉藤吾君 そこで、ひとついまこういういただいた資料の中で見たわけでありますが、地方別に見まして、加入者数に対する受給権者数の割合なんですが、これを見ていきますと、各県別にもちろん出しましたけれども、まとめて北海道が四・七五、それから東北が七・八六、関東は静岡を含めまして五・七二、北陸は八・五七、東海が八・三五、それから近畿は八・二二、中国・四国は一〇・〇九、九州は六・五一、沖縄は五・五〇と、こういう受給権者の数字の率が加入者に比較をして相当相違がある。たとえば北海道の四・七五、それから最高の中国・四国の一〇・〇九、半分以下。これは一体どういう現象で生まれてくるんですか。
○政府委員(大場敏彦君) いまのお尋ねは、加入者に対して実際の受給権者の比率は県によってまちまちだと、こういうお尋ねでございますが、私どもの理解では、一定の資格があれば当然受給資格が発生するわけでありますから、それは県別の年齢構成、それからあるいは経営移譲をするかしないかということとも関係がございますが、主として年齢構成、それから経営移譲をすればある一定の年齢に達した場合には受給資格が発生する、そういった違いだろうというふうに類推しております。
○坂倉藤吾君 まさにそのとおりなんです。そのとおりなんだが、私が質問をするのはそのとおりの答弁では困るわけでして、結果としてはこの年金が、これまた後で触れますが、社会保障制度審議会あたりで大変むずかしい年金だから、言うならば非常に厳しい答申が出ていますね。それにかかわりまして、将来の基金構成をながめていったときに、言うならば、給付を受ける人よりも掛金を掛けていく人の方が数が少なくなってくる。言うならば、逆三角の形になるわけですね。ここが年金制度としてはきわめて問題なわけで、したがって健全経営の立場からいけば、加入者数と受給権者数については、ある程度の調整といいますか、一つの整合性がなければ、これはもう年金が成り立たないということは一目瞭然ですね。そうしますと、そこに政策的に政府がどういうふうに援助をしていくかという政策と絡まってこの問題の調整というものが行われないと、これはもう維持できないのははっきりしていると思う。 そういう観点からながめてみて、いま私が出しました皆さん方からいただいた資料での比率なんですから、そういう形というものは、将来に向かって一体どういうふうな皆さん方が現状判断をしておるのか、そしてそれをながめながら、将来の基金構成としてどういう基本的な考え方をお持ちなのか、この辺を明らかにしてもらいたい、こういう立場で質問を申し上げておるんです。
○政府委員(大場敏彦君) 確かにいま御指摘になりましたように、年金の財政上の問題としては大きな問題は加入者の年齢構成がどうなっているのか、またどうなるのかというようなことと、もう一つは、農業者年金特有の問題としての経営移譲率がどうなるのかと、そういったことだろうと思うのです。いま現状認識はどう思っているかということでございますが、私ども現在の年齢別の加入者の割合を見ますと、やはり四十歳未満の若齢者が少ないということが言えるし、それから逆に、四十歳から五十九歳というものが八七・五%、四十歳未満のが一二・五%、平均年齢が四十八・七歳という形で、老齢者に偏っていると、非常に老齢の割合が高いということは、これはこの農業者年金の大きな問題点だろうと思っております。 そこで、また逆に言えば、未加入者がかなりあるわけですが、未加入者の割合の中で見ますと、若年層——ヤングの割合が多いという裏返しのことになるわけでありますが、これは非常に問題だ。そういうことで、今後の見通しはどうなるかということは、次期再計算、五十七年一月時点でいまのところやる予定にしておりますけれども、そのときにもう一回見直して、年金の全体の財政設計をする必要があるだろうというふうには思いますが、当面のわれわれの努力目標としては、やはりこの年齢別構成をできるだけ是正していく、ヤングの未加入者が多いのをそこを重点的に、加入の重点目標として入ってもらうというようなことで考えているわけであります。そのためにいろいろお願いして、たとえば学割、特定後継者の保険料の割引、そういった措置とか、経営移譲をできるだけしやすくするというような意味の制度改正をお願いして実現さしていただいているわけでありますが、そういった努力を一方においてする必要があるだろうというふうに思っております。
○坂倉藤吾君 この制度が発足をして、そして時期が早い時期ですから、この制度そのものとしまして十年目とは言いながら早い時期ですから、この種の制度は、きわめて何といいますか、加入をすることによっての魅力が明確になればなるほど、これはだれでも率先をして加入をするということになりますね。そうしますと、この未加入者が圧倒的に若年層に多いということは、それだけ若年層に入る価値がまだ明らかにされてない、またそういう仕組みになってない、このことを物語っておる証拠だと思うのですね。 そこで、これからのむしろ方針というものはそこに力点を置いて開拓をする、そういう魅力のあるものに変えていかなければならない、こういう前提に立つと思うわけです。余りそういう立場でのきちっとした今日段階での明確な方針というのは見当たらないのですが、この辺の将来展望を含めて、確かに再計算の上では五十七年にやられようとしております。その結論に基づいて、また幾つか制度的に充実をされる点があろうとは思いますけれども、もう今日すでにそのことの予見が出てきておるわけでありますから、当然方針は明確にし将来展望を明らかにして、この制度のいわゆる価値観を理解のできるように進めていかなければならぬと、こういうふうに思うのですが、その辺の方針は明らかにできないでしょうか。
○政府委員(大場敏彦君) 私がいまお答え申し上げましたように、若年の未加入の割合が多いということは、それは確かに問題点であります。これはやはり一つは、一般的な議論として、若いうちはなかなか年金というものを遠い将来のものとして考えやすいということがあるということと、それから若い人の場合には、農業の将来設計というものがそれほどまだ立っていないのじゃないか、あわてていまそう早く入らなくてもいいのじゃないか、四十歳近くなってから入りゃいいじゃないかと、こういったやっぱり一般的な傾向というものがないわけじゃないと思うのです。 それからもう一つは、いま農業者年金が制度発足してからまだ八年程度ですね。それで、現実に受給を開始したものが月額三万二千円という経営移譲年金ですから、これはせいぜい数年しか掛けていないということからして、もらっている給付水準が低い、そういう意味で、農業者年金に対する引きつける力が必ずしも十分ではない。しかし、今後やや年限がたつに従って、当然年金の給付水準というものは掛ける期間が長くなりますから、上がっていくということでありますれば、そっちの方からもやはりある程度の吸引力は出てくる。 それから、やはりPRというものが、いろいろわれわれの未加入の調査を見ますと、案外制度を知られていないという面がかなりあるわけで、ことに若い方々であるということですから、そういう意味でのやっぱり趣旨の徹底をする必要があるだろう。たとえば先ほど私が申し上げました特定後継者の加入保険料の割引でございますね、三割引きぐらい割り引いているわけでありますけれども、これも現実にいろいろ県を当たってみますと、かなり成績を上げている県とかなり低い県とがあるわけです。ばらつきがある。これはやはりこの制度そのものを十分に活用し切っていないと、こういううらみがありますので、やっぱりそういう制度に若い人方に入っていただくようないろんな手だてを片一方には講じながらも、そういったところの趣旨の徹底という意味の対策も必要であろうというふうに考えております。
○坂倉藤吾君 制度の観点からながめたら、いまの答弁だろうと思うんですね。ただ、私はその前に、これは大臣にぜひ見解をお聞かせをいただきたいんですけれども、結局いま若い層が、いまから入ってこれから一生農業経営で生きていこうとする意欲、私はまずこれが大前提にならないと、いまの答弁が生きてこないですね。農業に本腰を入れて、私はこれでやっていくんだぞという意気込みのわくような農業諸政策と相結合しまして、そうしてこの制度というものが生かされていかないと、この基金制度自体も大変むずかしい課題になるであろうし、将来の農業自体も大きな問題になるだろう。 こういう観点の結合が、いま率直に言って、全体に先行き農業は一体どうなるんだろうか、ああいう苦労をするよりも農業を離れた方がいいんじゃないか、いろんな気持ちの交錯が、若い者たちが、若年層がなかなか加入してこない、こういうところにあらわれているというふうにお思いじゃないでしょうか。これを解決をしていくということが重大な課題であろうというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は当然のことだと思います。したがいまして、農業の将来のあるべき姿というものはやっぱりきちんと絵にかかなきゃならない、そしてそれだけの施策を講じなきゃならぬ。ですから、農業でずっとやる者は農業をやるという意思表示を早いうちからするようになりますが、その反面、いまから二十年も前には就労人口が二〇%を超えておったわけです。現在は一〇・六%になったと、ドイツは約四・九から五%ぐらい、アメリカが二・五%、イギリスが二・二%ぐらいの就労人口です。日本でも明治時代は大部分が農民ですから、もう七〇%ぐらいの就労人口だったわけです。さらに、今後農業の近代化、規模拡大ということを進めるということになれば就労人口は当然減るわけですから、土地のふえない限りは、一人当たりの面積をよけいにすれば数は少なくなりますね。 したがって、私は一番の問題は、農業の後継者が少なくなるということは必然的なことであって、農業の後継者が同じであったのでは規模拡大はできないのだし、それによって高水準の農家というのはできないわけですから、どちらに比重を置くかという政策の判断の問題。したがって私は、やはり政策の結果、加入者が減る、後継者が減る、そのために保険料を上げなければなかなか農業者年金の維持が困難だと。上げるとすれば、どれぐらいまで上げられるのか。相当な大規模な農家になりますと、収入が今度違いますからね。収入が違いますから、収入に見合った私は保険料負担はできると思うのです。ですから、ある程度は保険料負担の増大ということによってこれは補えますが、それでもなおかつ不足なようなものは、やっぱり国がある程度見るということは私はあり得ると思いますよ。しかし、これはかなり先の問題だ。 いずれにいたしましても、農業に従事する人にはその先の展望をはっきりさせて、従事する人と従事しない人とはっきり決めてもらうことがいいのじゃないか。みんなうまいことを言ったって、全部が農業だけで楽な暮らしをしろと言われても土地がないのですから、なかなかそうはいかない。ですから、ここは政策の判断の問題で、非常に大事なポイントですから、一緒に真剣に検討してまいりたいと思っております。
○坂倉藤吾君 確かに大事なところだけに、早く明らかにすることが、これはいま農業に従事をしておる方々の行く先を決めるに当たって、きわめて安心を求める立場で大切だというふうに思います。だから、早くその方針が提起ができるようにしてもらわないと、私は困るのじゃないかと思うんです。これは相当以前からも言われておりまして、なかなかその方向が明らかにならぬ、動揺を重ねている、こういう形になります。だから、将来の日本列島の持っていき方、ここから出発をしまして明らかに方向を指し示す、しかもそのことに対する全体の大きな討論を巻き起こして社会的にこの問題を成熟をさせる、こういう仕組みが大切であろうというふうに思います。 ただ、当面の課題からいきますと、いま大臣は、政府の援助の問題は将来検討されるであろう、こういう趣旨のお話なんですが、これは早いにこしたことはない、これもその方針の提起の仕方によって相関連をしてくることだと思う。先ほども話が出ておりましたように、保険料の問題等につきましても、当然これは五十七年度に予定をされている五年目五年目の財政再計算のかかわり、このときには少なくともそうした問題が整理をされるというふうに期待をしたいんですが、いかがなものでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政再計算のときにはいろいろな年金の水準、負担の能力、それから掛金、加入の状況等を一遍洗い直すわけですから、その段階において決めていきたいと、こう思っています。
○坂倉藤吾君 これは前回の委員会の中で相当御論議があったというふうにお伺いしているんですが、経営移譲年金について五十三年の十二月現在受給権者数八万二千百五十人、このうち後継者移譲が九二・二%、七万六千三百三十七人、ほとんどを占めておるわけであります。第三者移譲はわずかに六・九%、五千六百九十五人、こういう実態のようでありますが、政策年金としての価値、先ほども少し触れましたけれども、これの判断、特に地域的に見ました場合に、これまた北海道、これが第三者移譲の場合一一・五%、低いところへいきますと近畿の二・二%、相当な格差がこれまた存在をするわけですね。 これは省としてそうした傾向、これは北海道の事情、近畿の事情、それぞれの事情の違いから出てくることは明らかなんですが、さらに突っ込んだこのことに対する検討というのは行われておるのかどうか。それからさらに今後の農地、農業政策、 〔委員長退席、理事青井政美君着席〕 これはいま基本的に大臣がおっしゃられたことで、大体方向というものはこれから出されてくるというふうに思いますが、将来の農村経営像とのかかわりにおいて、いま事務局が考えてみえる、そういうところをお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 確かに経営移譲の形として後継者移譲がほとんどを占めている、第三者移譲は率直に申し上げて少ないというのは、御指摘のとおりだと思います。これは農業者年金制度のやっぱり本旨というものが、経営移譲を促進して経営の若返り、あるいは農地保有の合理化、こういったことをねらいにしているわけでありますから、そういったところにある性格上、これは予想されていることだろうというふうに私どもは思っております。農業者年金制度は、後継者がある場合に早くそれを若い後継者に譲りなさいと、後継者がない場合にはこれは第三者移譲をやむを得ずしなさい、こういう形であって、そういう意味で申し上げれば、やっぱり後継者移譲が、日本の農村社会においては農業者年金制度の仕組みとしてなおさら主となっていくということは、これは当然のことではないかと思います。 しかし、いま御指摘にありましたように、第三者移譲しなくていいか、これは別な話であって、第三者移譲は、日本の場合には、これは所有権移転ということは非常にむずかしい。やっぱり利用権の移転という形で、それを中核農家に集積するという形が基本だろう、また現実であろうと思いますが、それは先ほど大臣が御答弁なさいましたように、別途農地法制の見直しを含めた全般的な農地流動化対策の展開という形で強くこれを引っ張っていく、こういったことではないだろうかと思っております。 それから、地域別に見て、同じ経営移譲の中でも確かにアンバランスがある。これは、いろいろ地域農民の受け取り方等によって差もありますが、やはり基本的には、農業者年金基金を含めたもの、いろいろな対応の仕方、そういった活動、あるいは農業委員会、農協、そういった末端の方方の御協力の度合い、そういったものもかなりやっぱり関係しているのじゃないか。同じ県でも、非常に進んでいるところと問題があるところとやはりあるわけでありますから、そういったわれわれの主体的な努力によるところはかなりあると思います。そこのところは、やはり是正していくべきだと考えております。
○坂倉藤吾君 次に、社会保障制度審議会のこの制度に対する答申です、先ほども触れましたように。率直に言って、この政策年金という性格がどのように制度審議会で受けとめられておるのか、この辺の分析について省当局としてどういうふうに行っておるのか。 同時に、この答申をながめてみて、これに対する省当局としてのこれからの対応策、これについてお聞きをいたします。
○政府委員(大場敏彦君) 社会保障制度審議会のことしの初めの答申で「本制度は、農業政策上の観点から特に手厚い国庫の負担を受けているものであるが、今なおその政策効果は明らかにされていない。」こういった指摘をしております。これにつきましては、私どもその全部が当を得ているというふうには必ずしも考えておりません。やはり農業者年金制度は、たびたび申し上げておりますように、後継者移譲の促進を通じて経営の若返りとか、あるいは農地の分散化防止、権利の散逸とかそういったことを防止して一括移譲する、そういった分散化防止ということと、それから限られた範囲内ではありますが、第三者移譲による経営規模の拡大、農地流動化対策と、そういった意味で、効果はやはりそれなりに果たしているというふうに私どもは認識しております。ただ、構造政策というものは、先生御存じのとおり、ドラマチックに一遍に展開するものじゃありませんし、非常に困難な日本の環境下でやっているわけでありますから、なかなかそういう点で御理解が得にぐいという点はあります。 それからもう一つは、構造政策全般のこういった農地流動化とか経営規模拡大といった構造政策の問題、だから何も農業者年金だけがこれはもちろん担う話ではなくて、いろいろ広範な構造政策の中で構造政策を総合的に進めていく必要がある。その中で農業者年金というものは、主として農地の利用を集積する場合の担い手農家、そういった農家の経営をがっちりかたいものにしていく、若返りさして経営の近代化をしていく、そういったところに力点を置いてやっているということでありますから、どうもそういう意味において、なかなか御理解が十分ではないといううらみを私ども持っております。もちろんこれは、私どもの今後の努力ということは大いにさらにしなければなりませんが、そういう努力はするとともに、私どもの考え方といたしましては、保障制度審議会の御意見は尊重はいたしますけれども、御答申が必ずしも全部正鵠を射ているとは考えておりません。
○坂倉藤吾君 大臣、その辺は、たとえば答申を踏まえて、それぞれの閣議あたりでのそうした論評はどういうことになりますか。余り論議はされておりませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) あんまり議論はまだしてないのですが、答申の中身につきましても、人によって、立場によっていろいろ違う意見もあるのです。あるのですが、いま大場局長から言ったように、答申が全部完璧だというふうにも私どもなかなか考えられない点もあるわけですが、大いにこれは参考にして今後進めていきたいと思っております。
○坂倉藤吾君 ただそれは、それぞれの所管の大臣各位の人と立場の問題が、それぞれの分野があるわけですから、これはいろいろ論議になったわけです。論議になるがゆえに、私は農林水産大臣としまして、特にこれが政策年金の要素が他の年金と違ってきわめて強い。ここの理解は閣議の中できちっと行われていかないといかぬのではないだろうか、こういう気がするのです。そういう意味合いでの大臣の所見を明らかにしておいていただいて、こうした答申の方向というのは、今後、現在の基金制度の形態ですと続くだろうというふうに私は見ざるを得ないので、そういう立場でひとつ大臣の活躍、決意といいますか、これが必要になるというふうに思いますので、所見をお聞かせいただきたい。 〔理事青井政美君退席、委員長着席〕
○国務大臣(渡辺美智雄君) 答申は答申として、私は謙虚に受けとめて検討します。検討しますが、世の中が変わってまいりまして、この年金のできた初めは、いま局長が言ったように、どちらかと言えば、経営の若返りというところに重点が置かれてきた。今後老齢化社会がうんと進んでくると、若返りの方はかなり、まあ大体予想以上にいっていると。しかし問題は、要するに離農によるところのものをだれが後を、第三者が引き受けてその土地を守っていくか、また、それを促進するかということになりますと、離農給付金制度というものが廃止になりますが、これは一定年限に達しないためにもらえなかった人の救済措置みたいなものでございますけれども、今後はそうでなくて、規模拡大と絡めてこの年金制度をどういうふうに仕組んでいくか、あんまりこれはいままで議論に出てこないところなのです。答申の中にも私出てきておると思いません、新しい問題ですから。そういう問題も踏まえて、大いに議論をしていただきたいと思っております。
○坂倉藤吾君 次に、農民関係諸団体から今日まで、この制度に関して幾つかの要望が長年にわたって続けられておりますね。一つは遺族年金制度、それから主婦の加入、特に兼業農家の妻に加入の資格を与えてもらいたい、そういう制度改正をしてもらいたい。それから、いま大臣が触れられました離農給付金の期限が切れることになるんですが、これについてはさらに政策目標から言ってもぜひ継続をしてもらいたい、こういうふうなことが強く要望されておりますけれども、今回の改正の中でこれが取り入れられなかった理由、この辺を少し明確にしてもらいたいと思います。 なお、その中で、たとえば農家の方でいま一番問題になっておりますのが相続税、相続猶予制度とのかかわりの問題、移譲年金ということで考えておったんだけれども、移譲年金をもらって税金をたんと取られたのでは、これはもうもらわない方がいいんじゃないか、こうしたことが現実にあるわけでございまして、この辺に対する省としての考え方、これを少し明らかに説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 遺族年金の問題ですが、これは国民年金の付加年金としてつくられたものでございますから、個人個人が国民年金は加入するというたてまえになっておるので、そのたてまえが変わらない限りはなかなか変えるのはむずかしい。全然別個なのです。国民年金が飛び出ちゃって、全然別個な農業者だけの年金制度でもつくるという話ならばまた別な議論になりますけれども、これは国民年金制度の根幹に関する問題なので、今回の改正の中では取り入れるというわけにはいかない。 それから、妻加入の問題についても同様であります。これは、国民年金には妻は入っておりますが、これは要するに経営移譲というような一つの政策目的を持ってやっておるので、妻が地権者であって夫がどこかへ勤めているというような場合には、当然、妻加入なわけですから、兼業農家で主人が農協の職員とか役場の吏員とか、しかし土地所有名義は妻の名義で妻が耕作しているという場合は、それは農業者は妻であって夫じゃないし、耕作者が妻である場合には、土地を借りてもいいことになっているわけですから、それは妻の加入を否定しているわけじゃなくて、そういう場合には妻が加入することもできるわけです。ただ、夫が土地を持って夫が農業者として入っておって、そこに妻も一緒に入るということは、制度の発足から考えられておらないことで、今回の暫定措置でそこまで踏み込むということはできない。制度の根幹にも触れる問題なので慎重に検討をしていかなければならぬ、こういうように考えておるわけです。 それから相続猶予制度の問題、これも本当に年金制度とそれから土地制度、相続税、相続の制度、こういうものは絡まっているわけですね、みんな。ですから、こういうようなものも都市近郊の場合のレジャー農業あるいは僻地の場合の観光農業等は、やっぱり相続問題というのが非常に絡まっちゃって、相反する課税を受ける。もう政策的にやらしたいのだけれども、そのために税金ががっさり来るという問題が現にあるわけですよ。したがって、これらも実情に合わない。要するに自作農主義の農地法というたてまえからすると、人に貸したり何かするものは保護しなくたっていいじゃないか、自分でつくるやつだけ保護してやればいいじゃないかという思想がありますから、これも時代に合わないところが実際は実務上うんとあるのです。 したがって、こういうことは謙虚に実態を表に出して、皆さんで議論をしてもらって、それで時代に合わせるようなことが、やっぱり経済立法はそれがいいのじゃないかなと。観念論だけで押し通すよりも、やはり実態に合わして直すべきものは直すことの方が、経済的利益も多いし現実的だというように私は割り切りまして、これらを全部ひっくるめて一遍洗いざらい出してみて研究をしてごらんなさいということで、目下農林水産省でそのスタートをしておるわけです。 したがって、その中でこの年金制度をどう生かすか、大変でっかい問題なのですよ。そこで、土地面積の問題もちろん出てくる。小っちゃなものはもう入れないと。ところが、規模が小っちゃくても何百万も収入を上げているじゃないかという議論もあるし、しかし何百万も収入を上げているのでは、何も譲らなくたって自分がやったらいいじゃないかという議論もあるし、いろんな議論がありますから、これらも含めて、場所によって、同じ農業の中でも作目によって、また都市近郊であるか北海道であるか、これはみんな違うわけですから、そういうものもひっくるめて、実態に応じたものの勉強会をやっておるところであります。 ですから、いま直ちにこれでいきますということをまだ申し上げられる段階にはないわけです。
○坂倉藤吾君 そういう方向の研究をぜひ充実をさしてもらいたい、こういうふうに要望だけ申し上げておきたいんです。 そこで、ただ、いま大臣お答えになりましたように、たてまえを変えない限りこうした問題はできない、確かにそのとおりだろうと思うのですね。私は、制度の根幹に触れてもたてまえをと言いましても、これから大いに論議をしていただくということでありますから申し上げておきたいと思うんですけれども、少なくとも今日の農家というものは、たとえば戦前から戦後にかけまして、絶えず日本の国の発展のためのいわば犠牲的な面を背負い込んできたと思いますね、はっきり申し上げて。しかも、これは農家戸数その他の変動等をながめておりましても、高度経済成長の時代に農家から外れてしまうこの数というものは大変な数字なんですね、速度は加速的に加わりまして。こういう立場からいきますと、今日の日本のこの状況のあるのは、まさにそれを支えてきた、犠牲になってきた第一線に働く人々なんです。こういうことが明確に私は言えると思うんです。時間の関係がありますから、詳しく幾つかは言いませんけれども、これは所管大臣として十分に御理解いただいているところだろうと思うのです。 そうしますと、そうした今日までの歴史的な経過を踏えまして、いま農家の方々に社会がどういうふうにすべきなのかということが大前提にならないと、私はせっかく検討されましても、これは大変むずかしいものだろうと思います。過保護かどうかという論議が幾つかございます。私は、少なくとも長い間の農業の歴史からながめてみて、過保護とは一体何だろうか、率直に言って、その辺の疑いをそういう言葉について持たざるを得ないのです。 ただ、今日の農産物そのものが少なくとも日本の場合にはコスト高になっている、生計にいたしましても他との均衡がとれない、こういうような幾つかの要件が加わってきて、そうして一般の生活実態からながめてみて、諸外国に依存をした方が安いものが入るじゃないか。したがって、それは日本の農業自体を結果としてもう少し追い込んでしまおう、そういう形の論議も一部にはあるわけであります。私は将来の日本の立場からながめみて、先ほども言いましたけれども、きちっとした日本の路線というものを引きながら、しかもこれからの日本の農業についての確固たる信念をつくり、そこに向かっての、いま社会的にそれに従事をする人々についてどう遇するべきなのか、こういう形が貫かれていかないといけないというふうに思うんです。そうした形の論議も踏まえて御検討をぜひ賜りたいと思うんですが、これは検討するのは、大臣は忙しいでしょうから、事務当局になると思うんです。事務当局が腹へ含めてその辺のことをやっていただけるのかどうか、これは御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) ただいま大臣からお答えいたしましたことと、それからいま先生御指摘になりましたこと、よく頭の中に入れて検討さしていただきたいと思っております。
○坂倉藤吾君 それから、この制度の資金運用の関係でありますが、制度の中に農地の買い入れ、あるいは売り渡し、その他融資事業が含まれておるわけですね。これは今日段階としてはごく一部にしかありません。そういう意味合いで、資金運用の立場でこの融資制度の実態、それから問題点、こうしたものについて御説明をいただきたい。
○政府委員(大場敏彦君) 資金運用の形として私どもが実施しておりますのは、一つは、農地の売買あるいは売買に対する融資といったことをやっております。 まず、農地の売買の方でございますが、買い入れ実績は累計で、制度発足以来面積で申しますと約三千九百ヘクタール、金で申しますと五十一億余り、こういったことになっております。件数で約三百件弱ということであります。それから売り渡し実績は、これと大体見合った形で行われております。それから融資実績の方でございますが、これは従来の累計は融資枠が約百六十六億余りということでありまして、面積で約八千ヘクタール、件数で千六百件弱と、こういったことになっております。 そこで、問題点ということでわれわれがいま意識しておりますことでございますが、農地の売買ということは、これは離農を希望している方があって、しかしそれの適当な相手方が即座には見つからないという場合に、基金が一たん買って、それを経営規模拡大希望農家を見つけて売り渡す、こういったことでございますが、現実の問題としては、御承知のとおりなかなか所有権の移転ということはむずかしいということがございまして、全体的にも少ないということがあります。それから地域的にも限定している。たとえば、御存じのとおり、ほとんどもう北海道と言っていいくらいに集中しているわけでありまして、これはやはり地域の農地の需給状況を反映しているということではないかと思うのです。北海道の場合は、やや挙家離村型の土地の流動化ということがありますから、そういうかっこうで進む。しかし、内地の場合には、残念ながらそういうかっこうでのあれは進まないという実態を、まさに農地の売買という形で反映しているということではないかと思っております。 それから、融資業務の対象といたしましても、先ほど申し上げました数字の中で北海道が圧倒的に多いと、こういったことでありまして、やはりこれも、北海道の農地の移動というものが非常に規模が大きいということが反映されているというようなことではないかと思っております。特に私ども都府県別に割り当てをして限定をしている、天井をつくっているというようなつもりはないわけで、また総枠につきましても、大体農民の方々の御希望というものは、売買の方の資金の枠も、あるいは融資の総枠も満たしておるつもりでおりますが、いま申し上げたように、農地の売買ということの実績は残念ながら上がってない。これは率直に認めざるを得ないし、それも北海道という一部の地域に限られているということだというふうに思っております。
○坂倉藤吾君 ほかに、資金運用の観点からながめまして、有効利用といいますか、さらに余剰を農家に還元をするという立場、こうした観点での施策というのはどういうことになるんですか。
○政府委員(大場敏彦君) こういった農地の売買等に対する貸し付けないしは売買そのものの資金のほかに、農村還元という形で基金がいまやっておりますのは、たとえば農林債券等の購入等によってその資金をまた農村に還流する、こういった措置等をとっておりますし、この農地の売買融資についても、そういう意味では農村還元の一つだというふうに私どもは理解しているわけでありますが、そのほかに、団体等の御希望で何か別の形での農村還元、たとえば福祉事業、そういったものについて資金が、積立金があるわけでありますから、そういうものを何か工夫して使ったらどうかと、こういうような御提言なり御要望があることは存じております。 これは、私どもそういう方向で検討して結論を出したいと思っておりますが、否定的な意味でとられると困るのですが、やっぱり農民からお預かりした金でありますから、下手なことをやって後で取り返し不可能になってはいけないという問題と、それから将来の給付財源でもありますから、やはりある程度の運用をして利益を図っていく、こういったことも必要であるということと、それと農民の御希望というものを勘案して、できるだけ基金の内容を内部でいま急いで検討をさせている、こういった状況であります。
○坂倉藤吾君 還元の仕方は大変むずかしい制約はありますが、幾つかの方法が見つけ出されるんじゃなかろうかと思います。施設的なもの、これは融資が相当長期に固定をする、維持管理をしなきゃならぬ、こういう立場の場合に一体どうなるかという問題がありましょうし、片方では、これは一般の、他の面からの施設充実というものとの兼ね合い等も出てまいると思うんですね。これは福祉行政その他と絡んでいくわけでありますから、そうした調和の取り方の問題等も幾つかのむずかしい面があろうと思うんです。そういう意味合いで、今後大いにひとつ還元の仕方、なるほどおれたちの加盟をしがんばっておるやつで、これだけ農村がよくなっていくんだという効果がやっぱり発揮のできるような方法というものをぜひひとつ検討をして、早く結論を出して、そういうモデル的に、ここではこうなりましたというような報告のできるような取り扱いを、ぜひ要望をいたしておきたいというふうに思います。 次に、この制度の実施に当たりまして、私どもも現地へ行きまして現実にながめてみたり、あるいはお話を聞きますと、事務取り扱いが大変なことが理解されるんです。省として、大体この制度にかかわる何といいますか、所要の経費換算ということに相なろうと思いますが、現地での体制強化ですね、体制をどう充実をさしていくのか、具体的にお世話をする人の体制等をどうやっていくのかというようなことについての具体的な考え方というのはお持ちなんでしょうか。いまある制度はもちろんの話ですよ。
○政府委員(大場敏彦君) いろいろ現地で窓口を担当していただいている農協あるいは農業委員会、県の段階では農業会議、農協連、そういった方々の活動強化でありますが、そういういろいろ窓口業務、たとえば農協では加入資格の受理の問題だとか、あるいは年金を一々払うとか、それから保険料を受け取る、そういった業務をやっていただいておりますし、農業委員会では年金の受給資格の認定、具体的には一筆一筆の圃場でその土地の権利移動が行われたかどうか、こういったところの確認にかなり膨大にわたる事務を私どもやっていただいているわけで、そういう意味でかなりの御負担をかけているということは私どもよく認識しております。それに対してはいろいろ委託費の増額、活動費の増額という形での対応は逐年してきておりますが、今後ももちろんその努力は続けるつもりであります。 それから、あるいはいろいろ農民との接触で職員の質の問題ということについての指摘があるわけで、そういう意味では、そういった農協、農業委員会の方々の研修の強化ということも含めて、活動の強化については今後ともいろいろ努力はしてまいるつもりであります。
○坂倉藤吾君 ただ実態としまして、皆さんがたとえば業務委託費の関係等をはじく際に、その根拠になるのはやはり取扱件数なんでしょう。
○政府委員(大場敏彦君) 取扱件数ということが根拠になっておりますが、そのほかにも、たとえば活動旅費の増額だとか、そういった件数だけをつかまえますと、これは御存じのとおり、大蔵省の予算折衝の過程で単価というものは決まっちゃっているわけですから、そうすると、おのずから予算にも限界があるということで、できるだけそれはもちろんふやす努力はいたしますが、そのほかいろいろ旅費だとか、そういった活動費の増額とかいう形での苦労はしているつもりであります。
○坂倉藤吾君 ただ件数を中心にして、そしてこれはそれぞれの機関に割っていくわけですからね。件数を中心にして配分をしていきますと、これは大変むずかしいことなんですが、問題は、この件数に挙がってない作業、これが問題なわけですね。むしろ手数を要するというのは、件数に挙がってくるところは比較的手数は少なくて済む。むしろ件数として挙がってこなかった、結果として件数に挙げられなかった、こういうところの方が逆にいわゆる手間暇をかけなければならぬというのが、今日の実態だと思うんですね。 たとえば、加入資格の問題等についても、あるいは給付の条件の問題等につきましても、明確にこれは権利ありとだれが見てもはっきりしているものについては、これはもう簡単に書類だけで整理がつくはずなんですね。ところが、現に提出をされて、あるいは照会をされまして、果たしてここで資格があるのだろうかないのだろうか、そういう複雑なところ、あいまいなところの方が何回かやりとりをしなきゃならぬ。これはもう電話でも事務的にも大変なことなんですね。その分が現実にはどう計算をされるのだろうかということが、一番問題点なんです。ぜひこの辺について、きちっと要望にこたえられるように、その実態把握をしてやってもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大場敏彦君) 仰せごもっともだろうと思います。われわれいま、先ほど御答弁申し上げましたように、手当の単価をふやす努力ということと、それからその件数といいますか、そういったことの増加ということが一つと、それからもう一つは、旅費とかその他の活動費の増額だとか、それからいろいろその他事務費、そういったものの増額という形で、できるだけ予算をふやす努力はしております。おりますが、そういった予算の積算の基礎になかなか乗らないような活動というものを現実にはお願いしているわけでありますから、そういうものを実態をよく踏まえていく。こういう予算は、大蔵省との折衝ではいわゆる事務費的な予算ですから、なかなか取りにくいという点の折衝上の苦労はあるわけですけれども、いろいろ御要望がございますので、努力はしたいと思います。
○坂倉藤吾君 大臣、いまお聞きのように、大変事務当局は大蔵省との間に苦労するというんですよ。これは大臣の政治力で、次官を含めましてぜひがんばってもらわなければならぬ点だと思うんです。これは大変なことなんです、実は。それで、ぜひこれは事務当局にもお願いをしておきたいのですが、私は関係団体の方にも申し上げたんですが、実はこの作業でもって一遍原価計算をやってみたことがあるのだろうかどうだろうか。どうもそこまでやってないというんですね、原価計算を。たとえば従事をする人の労働時間のうちに、いろいろな要素が窓口ですから込み合ってまいります。その中で、これに対するところの一体手数というものはどれぐらいのウエートがかけられているのか。それからはじいてみましても、どれぐらいになるのだろうか。少なくとも根拠を持ってやることが必要なんじゃないだろうか、こういうふうな話をした記憶があるんです。 少なくとも省当局も、これはその調査をすること自体が大変な手数なんですけれども、将来の立場から踏まえるとするなら、一応指導をしましてモデル的にでも抽出をしながらそういう原価計算等を、これはこの制度だけに限らず、ほとんどの農業施策はそれぞれのやはり系統を使ったりいろいろしているわけでありますから、だからそういう意味合いでこのはじき出しをしながら、団体に余り迷惑をかけないで、国が制度として行う限り、必要な経費については当然国が見ていくんだという原則に立ち返れるような、そういう根拠をきちっと国も整理をしてもらいたいと思うんですが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 農協や農業委員会のお世話になっていることはそのとおりでございますが、しかし、政府といたしましても、これらの諸団体に対しましては大幅な助成も行っております。そこらの区分がどこからどこまで何の分というように、委託事業じゃありませんからそういうふうには分かれてはおりませんが、一遍どれくらいかかるものか、よく聞いてみたいと思っています。
○坂倉藤吾君 まとめてめんどう見るという方式は、そういう方式が出発をしたときはなるほど得をしたような感じになるんですが、あけてみてやってみますと、結果的に皆はき出していたという場合が非常に多いわけです。今日の段階そういう形になりつつあるんじゃないだろうか、こういうような感じがしますから、せひひとつ、その辺のことを整理をしておいていただきたいというふうに思います。 あと、大分飛ばしてまいりましたので、そのときに聞かなければならなかったやつがあるんですが、一応一通り聞きましたから、また詳細は別途機会を見つけてということにして、終わります。 ぜひひとつ、この制度につきまして、先ほども質疑の中で申し上げましたように、今日の何といいましても農業者がこれからの経営について指針になる方針、言うならば農村像、農家像、こうしたものを明確にして国が指導していくことを早く打ち出してもらうことを、重ねて要望を申し上げまして、終わりたいと思います。
○喜屋武眞榮君 私、この法案の改正の趣旨からいたしまして、一刻も早くこの法案は成立させるべきものであると、かように思っておる次第であります。それを前提にしまして、なお部分的に不明な点がございますので、それをお聞きいたしたいと思います。そして、なおはっきりさしていきたいと思います。 ところで、同じことを繰り返すようでありますが、それだけ事の必要性、重要性というふうに受けとめていただいて、まず最初に要望を兼ねて申し上げたいことが、いまさきの御質問の中にありまして、実は私の質問とダブっておるわけで、しまったと思ってもおるわけでありますが、しかし、これは農業者の立場からも非常に大事なことであるし、また私が考えてみましても大事でありますのでお伺いしたい。 さっき述べられました遺族年金の問題、それから農業婦人に対する年金の問題ですね、これにつきましては、私は農業の家族経営としての一体性、保険料の掛け捨て防止の上からも、どうしても遺族に対する給付の制度を創設すべきである、こう強く思っておる次第です。ところが、大臣の御説明によりまして、国民年金との関係、いろいろの関係がありまして現段階では無理であると、こういうふうに受けとめておるわけでありますが、しかし、無理は無理でも、実際のこの改正の趣旨から、それから農業従事者の家族中心の現状からしまして、これは無視できない私は重大な問題であると思っております。それで、この二つの問題に対しましては、現状は無理であるといたしましても、これはどうしても将来に向けて実現してもらわなければいけない問題である、かように私思いまして、重ねてそのことを強く今後の問題として、創設実現に努力してもらうように申し入れておきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 申し入れとしてそれを承っておきますが、国民年金のこれは付加年金としてもともとできたものですから、これだけ、農業者年金だけを国民年金から全部抜いちまうのだということで、全然発想を変えてスタートするというならまた別な問題なのです。ところが、国民年金の中に農業者年金が入っておるわけですから、そのうちの付加年金として経営移譲の分が老後の保障と一緒に乗っかっておる。そうすると、要するに妻も働くのじゃないかと。確かに実態はそうなのですよ。じゃ、魚屋さんへ行ったら妻は働かないのか。飲食店なんかでおやじさんが余り働かなくて、妻の方がよけい働いている場合だってありますな。これはもうみんな一緒に入っているわけですから、中小企業の場合も。だけれども、経営移譲という問題だけを取り出したから農業者だけが別扱いになっているのであって、中小企業の方はこれはないわけです。もとの国民年金と一緒ですからね。だから、農業者だけは、じゃ妻と亭主と一緒に働いているのだから全然別扱いだと、中小企業の方は構わないのだという理屈もなかなかこれは成り立たないわけです。そこにむずかしい問題があるのです。 したがって、私が言っているのは、年金というものはいろいろな横並びの話もございますし、やっぱり不公平も困るし、仕組みが個人加入という仕組みにもともとなっておるものですから、土地の権利を移譲するという部分だけをとらえて、経営移譲ということが農業の近代化のために役立つという政策でこれはやったことなので、中小企業から言っても、それじゃおやじさんも七十までやってなくたって早く身上を息子に譲って、うちの方も経営移譲年金つくれなんて話も出てこないとも限らないわけなんですね、実際は。ですから、御趣旨はよくわかるのですが、現在の年金の仕組みから言うと、遺族年金をつくったり、妻にも経営移譲部分を取らせるようにしたりということは非常にむずかしいのですよということを申し上げているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 おっしゃるとおり、いろいろ無理、困難な点もあると思いますが、しかし困難は不可能ではないと、こういつも申し上げるわけでありますが、大臣の英知を結集していただいて、この切実な要望、これは決して間違った要望ではない、こう思いますので、ひとつ今後に向けて道を開いていただくよう、重ねて要望申し上げておきます。 次に、離農給付金の制度は昭和五十五年までと聞いておりますが、これは五十五年で打ち切られるのであるか、継続延長すべきであると、私はそのように念願いたしておりますが、これはいかがでございましょうか。
○政府委員(大場敏彦君) 離農給付金制度は、いまお話しのように、制度発足をしてから十年ということに限時的に決めてありますから、五十五年の六月以降なくなるというたてまえにはなっております。この趣旨は、制度発足した当時に高齢のために年金に入りたくても入れない方々がある、そういう者を救済するという趣旨が一点と、それから、あるいは厚生年金等被用者年金に入っているために入れない、こういった方々に対しての、しかしそういった方々が農業を離脱するという場合に、いろいろ農業資産がまだ未償却のまま残っておりますから、そういった者に対する助成をする、こういった趣旨からつくられたものであります。 そういう意味で、十年というふうに限時的に書いてあるわけでありますが、この取り扱いをどうするかは、いま内部で検討中であります。今後全体の中での農地の流動化対策、構造政策を進めるその中で、この離農給付金というものをどうやって位置づけていくかという中で広範な形でいま検討しておりますので、来年度具体的にどうするかというようなことに焦点を合わせて、結論をできるだけ早く出したいと思っております。
○喜屋武眞榮君 ぜひひとつ、明るい希望の方向に検討を進めてくださるよう要望しておきます。 それから次に、特定農業後継者の要件緩和——条件緩和といいますか、これについてはどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(大場敏彦君) 特定後継者の要件は、その特定後継者という方々が将来農業の中堅として中核的な担い手として日本農業を担っていただく、こういった観点から必要最小限度という意味での要件をつくっているわけです。 一つは、三十五歳未満であるということと、それからもう一つは、父と子供が同時に加入している、いわゆるペア加入であるということと、それから三留目は、父の経営規模がその県の平均以上であるということと、それからその息子さんが常時農業に従事していること、この四つであります。その中でよく御要望がありますのは、ペアじゃなくていいじゃないかとか、あるいは父の経営規模が県の平均以上ではちょっときついのじゃないか、こういった御指摘がありますが、具体的には、たとえば父親が高齢のために加入できないという場合には特例を開いて、必ずしもペアじゃなくてもいい、親子が同時に入ってなくてもいいという特例を開いたりしておりますし、それから県の平均規模以上というものにつきましても、たとえば集約的な農業をやっている場合には例外にする、そういう措置をとって、機械的に必ずしも適用はしていないつもりであります。しかし、そういう御希望があって、非常に厳しいということでありますれば、私どもいろいろ実態をさらに調査して検討していきたい。 現在のところでは、先ほども御答弁申しげましたが、特定後継者の加入状況が県によってアンバランスが非常にあるということで、入れる方々も実際問題として入っていないという状況があるのじゃないかと思いますが、そういった意味で、趣旨を徹底して加入を促進するということとあわせて、本当にきついかどうかということもよく調査して検討していきたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 この点、ひとつぜひ実情を十分御調査の上にその要望にこたえてもらうように、これも重ねて要望申し上げておきます。 次に、物価の変動によるスライドが五%を超えた場合にというのが原則になっておるようです。ところが、今度は五%以下もスライドされてくるんじゃないか。これは今回限りであるのであるか、今後将来はどうなるのであるか、その辺の御見解を承りたい。
○政府委員(大場敏彦君) 前年度の消費者物価の上昇率が五%未満であっても、今回は具体的には三・四%ということでありますけれども、スライドアップするということでお願いしているわけでありますが、これは国民年金がそういうぐあいにしているということで、わが方もそれに沿って、バランスをとるという意味でそれに準じた措置をお願いしているわけであります。 今後どうするかという話は、一応国民年金はやっぱり五%という原則を崩してはおりません。おりませんが、今後、今回のことと関連して、五%というラインをどうするということは国民年金の方でも決まっておりません。他の年金との関係で、全般とのバランスでこれは決まってくると思うのです。わが方も、国民年金を初めとする他の年金と比して、決して不利益になるような形にはするつもりはございません。バランスをとった形で対応していきたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 いまの点、国民年金との対応があるわけでありまするが、ひとつこれも十分検討して要望にこたえてもらいたいと思うのです。 次に、財政再計算時における農家の負担力を考慮した適正な保険料の設定を行うべきであると、こう思うし、またそういう要望もあるわけなんですが、これはいつごろまでにその方向に持っていかれるおつもりなのか、伺いたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 財政再計算は、五年という期間で原則として見直すということになっておりますが、直前の財政再計算は五十二年の一月基準でやっております。ですから、五十七年の一月一日基準ということでいまのところは予定しております。国民年金、厚生年金が五十六年の四月ということにいまのところなっておりますが、それがどうなりますか、場合によっては早まる可能性もあるやに聞いておりますが、それとの関係をにらんで財政再計算の時期は決めていきたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 ひとつおくれをとりませんように、積極的にしむけてくださるように、これも要望いたしておきます。 次に、順調な運営がなされるためには、委託機関に対する業務委託費の増額、それから業務体制の充実整備を図っていく、こういうことが非常に大事であると思いまするが、これに対してはどのように考えていらっしゃるか。
○政府委員(大場敏彦君) 末端の業務が農業委員会あるいは農協等にお願いしているわけで、かなりごめんどうをかけているという意識でおりますけれども、これは全国的にいま御指摘になったことは言えると思います。特に沖縄につきまして、やっぱり農業者年金の普及を今後さらに徹底させる必要があるだろうということで、沖縄県の場合には、業務委託費の数字を申し上げますと、農業委員会の例で申し上げますと、沖縄県の場合には五十二年度で三百三十六万円でありましたのを、五十三年度はかなりふやしまして、二割ぐらいふやしておりますが、四百十万円ぐらいというぐあいにふやしております。そういうぐあいに、全国もちろん増加をしなきゃなりませんけれども、沖縄県の場合、特に農業者年金制度の普及ということを農業委員会あるいは農協等にお願いしなきゃなりませんので、そういう意を用いているつもりでありますが、今後もそういった努力は続けていきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 よろしくお願いします。 次に、年金制度が健全に運営されていくためには加入促進を図ることが大事であると、こう思うわけなんですが、特に若年層の加入構成率がこの表から見ましても非常に低い。一例に二十歳から三十四歳までを押さえますと、全体の五・三%にすぎないのですね。これは非常に重要な問題だと思うのですが、この加入促進対策に対してはどのように考えておられるか、承りたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 確かに加入率、ことに若年層の加入率が低いということでありまして、ことに沖縄県の場合を引用して恐縮でありますけれども、全国の加入率は、先ほどの数字で言いますと七十数%。全国の平均が、現在大ざっぱな推定をすると、当然加入、任意加入を合わせて、加入資格者から見れば七十数%の加入になっているということでありますけれども、沖縄県の場合には約半分という程度で、全国のレベルに比べて低いということがありますし、その原因としては、若干層の方々の加入率がやっぱり低い。これは全国を通じて言えるわけでありますけれども、沖縄県も同様であろうというように思っております。 そういう意味で、私どもいろいろ全国的なベースでは、後継者のいわゆる保険料の割引制度だとか、経営移譲をしやすくすることとか、今回お願いしている後継者の救済措置とか、そういったこととか、あるいは給付レベルのアップというようなことは逐年図ってきているつもりでありますし、今後もそういった充実努力はするつもりであります。 沖縄県の場合等につきましてはそういう努力は続けているつもりでありますが、何といいましても、若い層の方々については、やっぱり年金そのものに対するなじみと言いますか、そういうものが少ないということとあわせて、ことに農業者年金についての理解が不足しているという点がありますので、そういった点についてよく徹底した普及をしていきたい。それから、五十四年度においては、ことに後継者を含めて、若い層の未加入の実態というものをもう一回洗い直して、その理由というものを分析して、いまや調査を展開しておりますが、その調査結果を待って、また別途の対策をしていきたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 この問題は、将来に向けての健全運営、安泰、こういう点からも非常にウエートが大きいと思いますので、力を入れてやっていただきたいと思います。 次に、時効の救済措置ですね、時効救済措置はどうなっておりますか。
○政府委員(大場敏彦君) 時効救済措置といま御指摘になりましたのは、当然加入者の時効救済措置、昨年御審議願って御可決願ったということだと思いますが、これは現在時点で新規加入が約二万五千ということになっておりまして、これは年末には大きくこれを上回る。当初われわれ事務的には三万ぐらいあるのじゃないかなと思っておりましたが、もっと上回って、恐らく五万あるいは六万近くになるのではないかということで、かなりの新規加入の方々もあります。 それから、これは量的にはつかめませんが、途中で掛金を納めなかったために受給資格が発生しなかった、途中いわば谷間になっていたところ、ギャップ、そういうところを埋めたために受給資格が発生するという——新規加入ということではございませんで、そういう方々もかなり、いまちょっと数字は把握しておりませんが、実質的には加入と同じようなことになるわけですね。年金をもらえなかったという方々で年金を新たにもらえるという方々が発生する。それもやっぱり相当な数になってくるということで、おかげさまでそれなりの効果は上げてきている、理解はされてきているというふうに思っております。
○喜屋武眞榮君 時効の期間は何年ですか。これは納入の部分と、それから放棄した場合、何年間これが有効かということなんですね。
○政府委員(大場敏彦君) 保険料の掛ける時効というのは二年ということになっておりますが、いまお話しになりましたのは昨年やったことでございますか、掛ける期間をおっしゃっているのでございますか。
○喜屋武眞榮君 さっきのあれ……。
○政府委員(大場敏彦君) それでありますれば、保険料を納める期間は昨年の七月からことしの年末まで、一年半という間に保険料を納めていただければ、時効救済するという制度になっております。
○喜屋武眞榮君 それじゃ、沖縄関係をまとめてお聞きしたいと思います。 先ほども全国の中に織り込んでちらほらおっしゃったんですが、御承知のとおり、沖縄県は農業年金制度ができてから復帰したために立ちおくれておると、常にこういう大前提があるわけなんですが、加入率が非常に低い。その状況を、先ほどもあらましちょっとおっしゃったんですが、その加入率の低い理由はどう考えておられるか。その加入を促進するために、どのように促進策を考えておられるか。まず、そのことをお聞きしたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 沖縄県の五十三年十二月末現在の農業者年金の加入者は八千三百四十一人ということでございまして、加入率を幾ら見るかということは、これは母数を幾ら見るかということと関係するわけで、非常に問題ではありますが、大ざっぱにラフな計算をいたしますと、半分ぐらいしかまだ加入していないということで、全国のレベルに比べまして残念ながら沖縄県の加入状況は低い、こういうふうにやっぱり理解せざるを得ないと、こういうふうに思っております。 加入を今後どうやって促進していくかと、こういうことでございますが、特に沖縄県の場合には、ほかの県でありますれば県の農協中央会あるいは農業会議や農業委員会に現地指導はお願いしているわけでありますけれども、年金基金から直接やっぱり沖縄県の場合には出席していろいろお手伝いするという形で、他の都道府県に比べて濃密な指導はしているということであります。そのほか、いろいろ任意加入者の加入下限面積ということの引き下げとか、あるいはたとえば現在、制度発足したときに掛金を本当は二十年掛けなければ保険金はもらえないわけでありますが、特例としての期間短縮措置をしておりますが、そういったことにつきましても沖縄の場合には考えているというようなことでありますし、そういった制度があるわけでありますから、そういった制度をさらに御活用願うという形で、年金制度の趣旨の徹底ということに、これは農協、農業委員会、県当局のお力もかりましてしていきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 特別の御配慮を願いたいんですが、その裏づけとして私から申し上げたいのは、立ちおくれて復帰後加入しましたために理解が足りないという、PRの面ですね、これはもう全国でもそうかもしれませんが、特に沖縄の場合にはそのことが一つと、それから農地の絶対量が少ないということですね。それから、少ない上に基地に農地が接収されておるということなんですね。具体的に申し上げますと、農用地が四万六千二百ヘクタールある。で、そのうち農地が四万七百ヘクタール、そうして軍用地に接収されておる農地面積は九百ヘクタールあるのですね。こういう特殊事情でありますので、どうしても他県と同じ物差しで当ててもらったのでは、率が高くならないのもこれは当然の話でありますので、その点十分御配慮のこととは思いますが、一層のひとつ御配慮をしていただきたい、こう思うのですが、いかがですか。
○政府委員(大場敏彦君) 当然、沖縄県の特殊事情というものは、制度運営に当たって考慮していかなければならないということだと思います。 具体的に申し上げますれば、いま特例を開いておりますが、たとえば任意加入者の加入資格要件は、他の都府県の場合には農地面積が三十アール、それから年間所要労働時間は七百時間ということでやっておりますが、沖縄の場合には二十アールでいい、それから時間も五百時間でいいということと、それから経営移譲の要件として、基準に、本土の場合には三十アールなければいけないということを、沖縄の場合では二十アールにしている。それから同じように、第三者移譲の相手方の要件も、同様な形で三十アールを二十アールというぐあいに、あるいは七百時間を五百時間というぐあいに短縮しているというようなこともあります。それから期間短縮を、二十年納めなくても保険料はもらえるというかっこうで経過的にやっておりますけれども、本土の場合には五年という短縮を、沖縄の場合には、これは復帰ということの関係もございますが、三年八カ月くらいに短縮しておりますので、こういった諸措置をどうも残念ながらまだ十分には理解されてない点もあるので、その点の徹底はやっていくことを、まず当面の目標としてやっていきたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 いい制度であり、改正に向けての大変力を入れておられるのですが、この表でちょっと疑問に思うのは、一ページの表を見て、五十一年、五十二年、五十三年という年度ごとに年金加入者が漸減しておる、減ってきておるのですね。これは一体どういうことですか。
○政府委員(大場敏彦君) この表にたとえばありますように、五十一年が百十三万人、五十二年百十二万人、五十三年百十一万人というぐあいにやや微減しておりますけれども、これはいわば帳じり——帳じりという言葉はおかしいのですか、新規加入者が毎年新しく入ってくる、一方において、たとえば六十歳に到達したために当然脱退する、あるいは亡くなったために当然脱退する。そういう新しい加入の方と脱退と、そういう関係で、その差額がその結果としてこう出ている。 最近を見てみますと、毎年新規加入者の方々がふえてはいるのです。たとえば五十一年は四万人でありましたのが、五十二年六万人、五十三年も同じく六万人というぐあいにふえてきているわけですけれども、しかしながら、脱退が、やはり片方六十歳に達した方がふえてきているということでそういうことになっているので、もう少し新規加入者が脱退の方々の減少分を追い越して補ってなお余りあるような形が望ましいわけでありますが、まだ現在までのところ、加入がそれを補って余りあるというところまでいっていない、そういう差し引き勘定の結果そうなっております。
○喜屋武眞榮君 それじゃ、最後に大臣に要望を兼ねて申し上げます。 何と申しましても、沖縄県は農業生産の基盤の基礎的条件、いわゆる基盤整備が大変立ちおくれておる、大幅におくれておることば御承知のとおりだと思います。この農業構造改善対策を積極的に推進する必要があると、機会あるごとにこれを強調しておるわけでありますが、その対策は現在も大変力を入れてもらっているわけですが、しかし、まだまだ農業所得は他県に比較しますと六八%程度でありますので、今後、現在及び将来に向けてどのようにお考えでありますか、大臣の所見を承りまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 沖縄県の農業改善対策といたしましては、本土との格差ということを十分に考慮をいたしまして、それで補助率等については格差をつけ、金利等についても優遇を図っておるところでございます。そういうような状態の中で、いろいろと県と沖縄開発庁との間で連絡をとっていただいて、緊急の度合いはございますが、極力受け入れる可能性のあるぎりぎりのところぐらいまでは、沖縄については急いで構造改善や基盤整備事業を推進してまいる考えであります。
○下田京子君 過日、大臣の都合等もございまして保留していました質問がございますので、時間も限られておりますので、簡潔に御答弁いただければと思います。 まず、最初にお尋ねしたい点は、次の財政再計算期がこのままでいけば五十七年一月ということが見込まれているわけなんですが、ただ、せんだって厚生大臣が、厚生年金の方は五十五年にやりたいと、こういうお話をされております。他の年金との横並びということがたびたび議論になっておりますだけに、大変気になることでございます。そこで、どういう方向でいま検討されているか、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 五十七年一月一日ということを一応現在では予定しておりますが、いまお話がありましたように、厚年あるいは国民年金が一年早まる可能性もあるやに聞いておりますから、その場合に農業者年金をどうするか、まだ対応は実は決めておりませんが、向こうの方の動きと無関係ではあり得ないと思いますので、動きを見て結論を決めたいと思っております。しかし、いまのところは、やっぱり五十七年一月一日という考え方でおります。
○下田京子君 いま農業者年金の方は五十七年ということですけれども、はっきりと厚生大臣が五十五年一月実施ということを言明しておりますだけに、早まることが予想されるんではないかと、こう思います。となりますと、大変気になる点なんですが、大臣お時間がなくなってぱあっと言われて退席されましたのですが、過日の質問の中で大臣が御答弁されたその内容で、現行水準の給付水準で、しかしなおかつ一方では保険料の方は現在の約二倍になるだろうというふうなお話がございました。これはどういうことを言われているのか、ちょっと確認の意味で再度御答弁いただければと思うんですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国民年金の方が中心になっておるわけですから、それらのものが五年ぐらいの間に倍ぐらいになるように見込まれておる。したがって、それだけでもなかなか大変だという話を言ったわけです。
○下田京子君 国民年金だけ見ても倍になるだろうということで、そうしますと、確認なんですが、給付水準を現行どおりに置いておいて、なおかつその保険料は倍にするという、そういう断定的な意味合いで言われたのではないというふうに理解してよろしいですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 年々このベースアップはしてまいりますし、モデル年金にそれだけの年限の間で近づけるわけですから、だから二十八年掛ければ九万五千円と、これにするわけですから、これに持っていく過程においては保険料が上がっていきますと、五年たったら倍ぐらいになりますということを申し上げたわけです。
○下田京子君 いずれにいたしましても、大変気になっていますことは、五十四年四月十八日年金制度基本構想懇談会で今後の年金のあり方等について打ち出されておりますが、「今後は、各制度ごとに後代の加入者に過重な保険料負担を強いることとならないよう給付面における適正化、効率化を図る一方、段階的、計画的に保険料水準の引上げを図っていかなければならない。」こういう指摘をしているわけなんです。平たく言えば、「給付面における適正化、効率化」ということは、給付水準を引き上げないでというふうなことが言われているのではなかろうかと思うんです。この点、どうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは御承知のとおり、現行では国民年金が十五年間に三万円ぐらいでしょう。それがふえていくわけですから、農業者年金全体としては九万五千円ぐらいを予定しているわけですから、その過程では給付の金目もふえるし、ある程度物価が上がることを予定していますから、したがって保険料も上がるということはすでに表になって出ているわけですよ、六十年になったら何ぼ、七十年になったら幾らということは。そういうことを私は申し上げただけなのです。
○下田京子君 国民年金との兼ね合いでそういうふうに話されたと。ただ、私がいま尋ねましたのは、年金全体の方向として基本構想懇談会で、いま言うように、給付水準はそうそう上げないで保険料の引き上げということが今後検討課題になるだろうという形で、言ってみれば低福祉高負担、こういうことがずばり言われてきているんではないか。当面、それを地でいく形でもって、年金の受給開始年齢の引き上げということが各年金の中で問題になってきているわけなんですね。そういう関係をどう見るかというふうに質問したつもりだったんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の考えですが、まだ決まったわけではないのだけれども、農業者年金の場合は国民年金と一緒になっていますね。その上に乗っかっているのだけれども、要するに一般のサラリーマンの方などは、仮に平均三百万と仮定しても九・一%、二万七千三百円ですか、それの半分、一万三千円月に払っているわけですね。標準報酬が年間合計で三百万ぐらいと、こう仮定すれば、それの千分の九十一ですから二万七千三百円、そこでその二分の一、半分ということになれば一万三千何がしというものを払っても、それは月給から天引き、最初から取ってしまうわけですね。これが一遍現金で渡して、それで年金に加入して払いなさいよと言ったら、なかなかこれは簡単には私は集まりにくいのじゃないか。農業者年金の場合は月給から天引きじゃないですから、皆さんから、収入は収入で別にあってそこからいただくわけですから、非常にもらいづらいというなにがありますね、実際問題として。 それから、勤労者の場合は、やっぱり財産が農家の方よりもないというのが普通ですわね。老後に、山とかたんぼとか何かあって、いざといったときは山を売ればいいなんということは普通できないですわね。ですから、どうしたって貯金をしておくよりも年金の方がはるかに分がいいですから、厚生年金を持っておりながら任意でも妻は国民年金に入ると。農業者の場合は資産があるので、そのかわり現金収入が比較的少ない、資産があるわりあいには。したがって、仮に年金の九万五千円という二十八年のモデルを、それじゃこいつを十五万とか十三万とかいうように上げるということになれば、年金の掛金をかなり上げなきゃならぬ。そういう意味で、年金のモデルをうんと引き上げるということは年金の掛金をうんと上げることになりますから、農業者の場合にはなかなかむずかしいし、賛成を得られるかどうか非常にいまの段階ではむずかしいのじゃないだろうかということを私は申し上げたのです。 したがって、厚生年金の場合と農業者年金の場合とで、全く同じような物の考え方でいくことは実態に合うかどうか、非常に私は疑問のあるところだと思っております。
○下田京子君 いま進めている厚生年金等についての方向には疑問があるという……
○国務大臣(渡辺美智雄君) いやいや違う、違う。
○下田京子君 厚生年金等がやられているようなことと、国民年金の方向とは違うわけだというふうに言われたと思いますが……。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 違います。
○下田京子君 ちょっと時間もないから議論はおいといて、つまるところ私が言いたいのは、年金全体がいわゆる低福祉高負担というかっこうに今後ずっといく、その一番大きなこととしていま他の厚生年金等にあらわれているのが、定年制の延長なんか見通しがないままでいわゆる年金受給開始年齢の引き上げというのが出ているわけですよね。国民年金自体もいま六十五歳だというところに問題があって、これが六十歳だったらば農業者年金だって今度ちょっと違ってくると思うんですが、そういう根底に流れているのは、もうこれ以上国庫負担というのは無理なのではないかという考え方が流れているんじゃないだろうか。 つまるところ、農業者年金においても国庫負担はこれからなかなかむずかしいですよと言って、大臣、こう積極的にならないのではないかというのが、どうもいままでの話の中で出てくるものですから、国庫負担について積極的に考えていただきたいということを私はお願いしているわけです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) もちろん積極的に考えますが、財政の現状を見ればおわかりのとおりでございまして、そう容易な、安易なものではないというのも事実であります。
○下田京子君 その財政事情からというかっこうだけでいきますと、事は非常に短絡的なんですよ。もっと苦労していただきたい。つまるととろ、財政が大変なので保険料の引き上げか、あるいは給付水準をそうそう上げるわけにもいかぬよと、二者択一、どちらを選びますかというかっこうでのこういう提示ではなくて、やはりこの際、国民年金が六十五歳から支給開始だと。六十歳ということになるとやはり問題があるし、しかも政策的に言ってその五年間をじゃ見ようということなので、根本的には国民年金そのものの金額が低いとか、あるいは国民年金の支給開始年齢が六十五と、こういうことも流れているわけですね。 しかし、それとの関係で今回出てきているわけですから、局長が衆議院答弁等の中でも言われておりますけれども、若干事情も違いますでしょうけれども、西ドイツ等で相当部分の国庫負担もやられているという経緯があるわけです。あそこまでそっくりやるということをいますぐは言えないにしましても、国庫負担等も十分考えながら対応していきたいという御答弁がいただければよろしいんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 助成策は西ドイツより日本の方がはるかに上ですから、問題じゃありません、西ドイツは。
○下田京子君 もう時間でありますから終わりますけれども、問題の指摘はおわかりいただけたと思うんですけれども、先細り年金であるとか、あるいは大臣自身が、土地の流動化、近代化によって農業就業人口もこれは減っていくというのを前提にして議論をやられているような感じがするんです。私はそういう悲観的な見方ではなくて、やっぱりもっと農地の造成あるいは後継者育成という中でもって、農業者年金自体も育てていく、こういう立場でもって、その中での国庫負担等どうあるべきかという観点から総合的に検討いただきたいということを再度御要望いたしまして、終わりといたしたいと思います。
○委員長(久次米健太郎君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、青井君から発言を求められておりますので、これを許します。青井君。
○青井政美君 私は、ただいま可決されました農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本制度が農業者の老後生活の安定、農業経営の近代化及び食糧自給力の向上に果す役割の重要性にかんがみ、政策年金として一層の整備充実が図られるよう次の事項の実現に努めるべきである。 一、農業者老齢年金については、年金給付開始までに、他の年金制度をも考慮しつつ、給付額の引上げに努め、農業者の老後生活の安定を期すること。 二、次期財政再計算期において設定されるべき保険料については、本制度が政策年金であること、農家の負担能力の実情等を十分配慮して定め、必要に応じて、国庫助成の引上げに努めるとともに、現行の完全積立方式についても、他の公的年金の動向を参酌して検討を加えること。 三、本制度への加入促進対策とくに若年者の加入を一層促進するとともに、保険料軽減の対象たる特定後継者についてその要件の緩和に努めること。 四、離農給代金制度については、農地保有の合理化の観点から、その改善策を検討すること。 五、農業経営に占める主婦の地位の重要性、農家の家族経営の一体性及び保険料の掛捨て防止等の観点から、遺族年金制度を創設すること及び農業に専従的に従事する主婦等に対し年金加入への途をひらくことについて検討すること。 六、農業者年金の積立金の運用に当たつては、その実施方法について十分検討を加え、農業者への還元に配慮するよう努めること。 七、本制度の円滑な運営が図られるよう末端における業務体制の整備充実に努めること。 右決議する。 以上でございます。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(久次米健太郎君) ただいま青井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、青井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺農林水産大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまの附帯決議につきましては、農業を取り巻く諸情勢の変化を踏まえ十分検討したいと思います。
○委員長(久次米健太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後、零時二十分散会