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87回国会参議院1979/05/24

農林水産委員会 第10号

発言数
254
登壇者
20
会派数
7
開催日
1979/05/24

会議録

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  林業等振興資金融通暫定措置法案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 前回に引き続いての審議でありますし、基本的な問題を同僚の村沢委員が行っておりますから、具体的に法律案の中身を中心にして質問をしてまいりたいと思います。  今回の提出をされておりますこの法案の制度的目的といいますか、それは、これからの約二十年ほどの期間を、言うならば暫定的な当分の間といいますか、そういう形で見ながらその間の林業の経営改善、さらには生産から流通に至る一体的な合理化を図ろう、それを促進をするための資金融通を行っていく、こういう立場の法案であることはよくわかるわけでありますが、二十年といいますと、社会的変革その他大変なものであろうと思うんです。それで、たとえばエネルギーの問題等につきましても、いま石油から原子力発電、さらには石炭、いろんな立場でそれぞれの見直しの問題が発生をしておるわけでありまして、もちろん林業の本質からいきまして、林業の抜本的な政策の位置づけからいけば、当然五十年、百年という長期計画というものが基本にならなければならぬと思うんですが、したがって、他の変遷と林業とのかかわりの中で大変むずかしい課題だろうと思うんですね。  そこで、二十年ほどを暫定という立場でながめてみて、そうして果たしてそうした変化に対応でき得る基本的な政策というものが可能なのかどうなのか、可能にしなければならぬと思うんですが、その辺の変化等をどういうふうに位置づけをしながら、これを暫定的に二十年というふうにしたのか、その辺の論議経過なり考え方というものを少し明らかにしてもらいたい、こう思うんです。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 林業の問題は、ただいま御意見のとおり、五十年、百年というサイドの問題だと私は思います。その点は同じ意見なのでございますが、われわれがいま当面考えておることは、国土を荒廃さしてはいけない。したがいまして、戦中から戦後にかけてかなりの乱伐が行われて山が裸になった。そして、終戦後、それを取り戻さなければならないということでかなりの植林運動をやってきておるわけでありますが、それらの木がかなりまとまって伐採できるというのは、あと二十年ぐらい実はかかるのであります。その間において、現在のように木材が低迷しておる、外国のものがうんと入ってくるというような中で、造林の意欲がなくなってしまったのでは、結局いまから二十年間木がろくに植えられないということになるわけですから、それはさらに今後七十年先とか五十年先に大きな問題になってくる。  そういうようなことも考えまして、ともかく戦後植林したものが出てくるころには、外国の木もいまかなり入っておりますが、切りたい近間のところからばさばさ切っておるものですから、こんなことがいつまで続くかと。結局、切りやすいところから切っちゃっているわけですから、これがどんどんどんどん奥地に入っていくということになれば、コスト高という問題も出てくるし、諸外国においてもそう伐採は、乱伐は困るという空気にこれもなってくるだろう。そうすると、そのころには国内のいま植えたものがうんとよくなるということで、造林意欲もまたかなり出てくるのじゃないか。しかし、当面、造林意欲というものが低下していることは現実の姿なのですから、これを意欲を失わせないようなために、この法律に書いてあるようないろいろな施策を講じてひとつやっていこう。一方、造林家に対しては別な政策で、一千町歩以上、市とか町単位にまとまれば、二十五年までの保育の期間も補助対象にしようというようないろんなものを組み合わして、造林意欲をここで盛り立てていこうというのがこの法案の趣旨でございます。  細かいことをきちっと数字的に言われましても、これは不確実性の時代で、なかなか私にもよくわからない。大体大まかな話がそういう考えでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで大臣、最近の社会的傾向といいますか政治の方向、さらに経済方向、明らかに今日、日本の場合にはいわゆる都市化傾向ですね。したがって、都市化傾向ということになれば、当然これは消費国として将来の日本を位置づけをしていくのか、さらには生産国として位置づけをしていくのか、きわめて私は大変むずかしい今日それを決めなきゃならぬ、こういう時期に来ていると思うんです。残念ながら、今日、先ほども言いましたように都市化の方向をたどっておる、これはもう、いろんな制度その他からいきまして明らかであります。そうなりますと、農林水産大臣は、言うならば第一線の生産をどれだけ促進をしていくかという立場に立って大臣の任務を求めておられるというふうに私は思うんですが、そういう形からいきますと、明らかな流れと大臣の考えていることと相当なギャップが生じてくるだろう。この辺を、日本の国を生産国という立場に基本方針を置いて進められていくような課題にまで大臣が引きずっていかれる、こういう決意というものは一体おありになるんだろうかどうだろうか、明確にひとつしていただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、日本で生産を増強いたしますが、外材の輸入ということも、国土が何分狭い、人口が多い、需要が多いという中ですから、どうしてもある程度は必要でしょう。したがって、極力国産材というものを使ってもらうようないろんな努力をすると同時に、やはり造林を進めていく。この造林は、森林の造成というものは、単に木材の供給というだけでなくて、水の涵養を初め、治水、治山上も非常に大事なことでございますから、そういうような公益的な機能を持たしておるこの森林を荒廃させることはできない。したがって、そういう意味でも極力木は植えていくということで、そういう意味では生産国にするという意味ですね。できるだけそれはもう木は植えるという意味で生産国に仕立てていくのだと、そう考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 発想のもとが少し違っているようですが、私は大きな立場で日本の国全体を生産国家として立て直していこうという考え方を、いわゆる農林水産を所管する大臣の立場から言って明確にお持ちになって、たとえば閣議の中で、ややもすれば消費に重点が置かれがちになっていく傾向についてどう歯どめをし、そこに強化を、補強をしていくのかという観点で先ほどはお聞きをしたわけです。ただ林業の分野に限っていま御答弁があったわけですけれども、だから、そこに少し食い違いがあるわけでありまして、これは機会を見てひとつ明確にしてもらえばいいと思うんです。  ただ、今日私が言いたいことは、そうした観点からながめていきますと、一つの林業の分野をとらえてみたときも、なるほど現象的に幾つかの手当てというものはやろうとおやりになっている。しかし、考え方の中に、その基本はこれは変わっていかないというふうに私はながめるわけですね。私はそこが問題だろう。たとえば何を造林をし、何を将来日本の山の中で主たる材料として取り入れをしていくのか、こういう立場からいきましても、いま広葉樹というのがどんどん減って針葉樹をひとつたくさんふやしていこう、こういう傾向が一方にあります。言うならば、パルプ材を中心にした山林の経営をやっている、こういう問題の流れですね。そうすると、今日エネルギーの関係からいけば、もう少し石炭を見直そうという動きと同じように、たとえば山の自然をエネルギー化をした場合、一体どういうふうになっていくんだろうか。そういう立場でのいわゆる森林計画というものがきちっと据えられてこないと、問題があるんじゃないのかというふうなかかわりになるのですけれども、それを私はお聞きをしているわけなんです。  さらに、法案そのものからいきますと、二十年が暫定の期間として適当なのかどうなのかというのも、いま申し上げましたような観点での流れをとらえながら、ひとつきちっと見ていかないといかぬのじゃないか。一般的には暫定と言えば大体二年から三年、これが相場ですからね。それから十年も長い期間をとらえて暫定という立場は、これはまさに森林の特徴ですよね。したがって、他とテンポが合わない。合わないところで変化をながめながら基本方針を立てていかなければならぬという大変なことだから、それだけに、日本の国を将来どうするかという一つの方針とあわせてその辺が確立をされてこないと、ちぐはぐになっちまうのじゃないのか。  しかも、今日の社会情勢はどうしても消費の方が中心になっていますから、農業にしても、あるいは水産にしても、あるいは林業にいたしましても、そこに従事をする人というのはきわめて社会的貢献度の高い働きをしているんだけれども、いまの社会的評価から言えば、なかなかみずからの生命を継承していくのにも大変むずかしいという課題になってきている。その結果がどうなっているかというと、過疎の促進になっている、こういう流れになっていると思うんです。だから、そこに住んでいること自体が、子弟の教育の問題その他からいっても住みづらい。だから都市の方へ移っていこう、必然的に山の方は枯れてくる、こういう形になっているんですから、そこを食いとめるという一つの抜本的なものがあって、しかもとういう法案が補強的にその基本方針に向かって助けていくような課題になっていかないといかぬのじゃないか。そういう観点からながめたときに、まだまだこの法案というのは、きわめて期待は出れているけれども不十分だというふうに言わざるを得ない。そういう意味で、少し私くどいようですがお聞きをしている、こういうことなんですがね。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 農村の過疎を食いとめるということについては、森林の関係のこのような法案だけでとめることはそれはできません。それはいろいろな農村に対する所得の問題もあるし文化の問題もあるし医療の問題もあるし、いま言った教育の問題もございますし、いろんな面で総合的にある程度で農村の過疎化というものは食いとめていかなきゃならぬ。これは農林水産省だけでやれることではございませんが、国全体としても、やはりそれがこれ以上進めば、山の木を守るといったって守れなくなるわけですから、やはりそういうものは食いとめていくような工夫をしなければならない。  ただ、われわれは、農林水産省を預かっておる者といたしましては、やはりこのいろんな農山村の振興事業というものも起こしたり、この法案とてもそうでございますが、それと同時に、やはり森林労働者がいなくなってしまったのでは、山があつたって、これまただれがそれじゃ下刈りをするといったって地主が一人でできるわけでもないし、したがって、そのような森林労務者等の雇用の改善あるいは退職金制度その他そういうものも含めて、農村における社会福祉というものも確立されるようにしてまいりたい。これは全体的な問題だと私は思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 だから私は、大臣、農林水産省の所管だから農林水産だけというのじゃなくて、少なくとも日本の国の将来ということも踏まえつつ、そういう協力体制をむしろ担当の農林水産大臣がこれはもう主導権を握って引っ張っていかなきゃならぬ課題のところじゃないんだろうか、こういうふうに考えるものですから、少しくどく言ったわけであります。  その程度にとどめまして、具体的に入っていきたいと思います。  この一条の関係からいきますと、これは制度的には新たな制度ですし、したがって今日まで林業を促進をさしていこう、振興さしていこう、こういう立場からは金融政策としましても幾つかの制度があるわけですね。そういう制度とのかかわりが、いまも農林水産大臣の話がありましたように、林業の部分から見ましても、いままでつくられてきた制度の相乗効果というものが当然求められていって、そしてそれが今日の現状をよりもっとよくしていこう、こういうことに働いていかないと価値がなくなるわけですが、そういう課題に対してどういうふうにこれは長官、臨んでみえるんでしょうかね。当面、現状をこういうふうにこの法案によって変えることができるんだという、その辺の計画といいますか、想定をしている効果といいますか、それをひとつ、余りこれは具体的にはならぬのでしょうが、お聞かせをいただきたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 今回御審議いただいております法案は、内容を大きく分けますと二つに分かれると思います。一つは、農林漁業金融公庫の資金の融資に対しまして特別措置をやるということ、これは造林並びに林道という林業の基盤でございますこの二つの事業に対して特別な条件緩和をいたしまして、造林、林道の推進を図るというねらい、それからもう一点は、国産材産業の振興資金制度をつくるということでございます。これは、従来国産材だけのいろいろな資金というものはできておりません。そういう点で新しく国産材を対象にいたしまして、運転資金並びに施設資金、設備資金について低利な融資をするということによって国産材の振興を図ろうという、この二つの大きなねらいを持ってこの法案はつくられております。  なぜこの大きな二つを一本にしたかということになれば、これは御存じのように、林業を営む場合には、やはり木を植えましてから伐採までの間、最終的には木がまたある時期になりましたら伐採されて造林される。この回転がなければ林業の進展はできない。ところが、伐採された木材が利用されなければなかなか伐採しない。木材の場合には、伐採しなくても木は百年、二百年たてば枯れますけれども、その間枯れないでやはりある意味で成長は続けておる。そういう意味から、景気の悪いとき、あるいはもうけの少ないときには木がなかなか切られていかない、そういう状況もございます。そういう点で、この辺の流れをうまくしませんと林業の振興も進んでまいらない。  そういう意味で、国産材を利用する面と、それから林業を営む面と、両方を一体にして振興させることが、これからの林業振興あるいは木材産業振興の大きな柱であろうということでこれが一本になっておるわけでございまして、そういう観点から見ますと、いま御指摘になりましたような他のいろいろな融資制度ということだけではなくて、こういう考え方のもとに、いままでやっております融資以外のいろんな諸施策、こういうものがやはり絡み合ってこれが進展する、林業並びに国産材を中心にいたしました林産業が進展してくるであろうというふうにわれわれは考えておりますから、そういう観点から言えば、この制度の中に特にその造林と林道というものを重点に置いたということは、やはりこれが大きな基盤であるということ。また逆に、国産材ということに対応してこういう融資制度をつくったということは、日本の現在の状況が外材が六十数%入っておりまして、そのために国産材がいろんな意味で取引条件が非常に外材の取引に比べまして有利でないという点がございます。そういうものを緩和しようということ、そういうことによりまして、俗にわれわれ川上、川下と申しますけれども、そういう山の上からと、それから都会におきますこういう利用の観点がスムーズに流れていくだろうという発想から、この法律を御審議いただいておるわけでございまして、そういう観点から見ますと、いま御指摘になりました他の融資制度という問題もございますけれども、こういうものとあわせて他の諸制度、こういうものを有機的にうまくかみ合わせるということが、一番大事ではなかろうかというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで長官、五十三年の六月一日現在の林業を主業とする林家ですね、これのパーセントをながめていきますと四・七%、それから農業を主業とする林家、これが四八・四%、こういう数字になっていますね。そうしますと、日本の林家はまさに林業だけではやってない人の方がもうほとんどですね。だから、農業を主にしながら林業をやっている人、これが約半分、あとの半分はほかの作業で生活をしている、こういうことがこの数字からいって明らかなんです。しかも、四八・四ですから、約半分を占めるのがいわゆる農業をやりながら林業を一部経営しておる、こういう形ですからね。そうなりますと、林業を促進をしていこう、特に発展をもたらしていこう、こういう立場になりますと、当然この林業と農業とのかかわりはきわめて制度的にも大きなウエートを占めるということになりますね。私は、だから先ほど来言っていますのは、林業関係の金融制度、もちろんこれは相乗効果を高めていかなきゃなりませんし、同時に林業を営む人の形態に基づいて、そこを補強して生活のできるような立場というものも、今日段階ではそれこそ私は暫定的に必要なのじゃないんだろうか。そういう観点というのは、この法案を作成される段階でどういう形に討議をされておるのか、ちょっとお聞きをしたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 御指摘になりましたように、日本の林業の形態を見ますと、農業を主にして林業を兼業される方、これが非常に多いわけでございます。これは日本の地形から言いまして、林業だけでやれるような地形、見ますと奈良の奥だとか、あるいは先生の三重県の奥の尾鷲のあの辺、あるいは北山だとか飛騨だとかございます。しかし、非常に少のうございます。あとはやはり農山村と申しますか、農業と林業あるいは他の産業が一体になって生計を営んでおられる方が非常に多いだろうと、われわれもそう考えております。  そういう観点から、今回この法案の中で、やはり最終的にはこの法案の中に盛り込んでおりますけれども、基本方針なり、あるいはそれぞれの改善計画を立てます場合に労働力をどうしていくか、資金の調達をどうしていくか、そういうものをそれぞれ組んでいただくときに、当然農業をやっておられる方であれば農業との関連での労働力の問題が出てくるわけでございまして、私どもも考え方としては、それぞれの経営者が自分の営んでおる経営の中で林業をどう位置づけながらこの林業を推進されるか、そういう考え方でそれぞれの改善計画をつくっていただこうと、こういうふうにも考えておりますので、その辺は十分含めてこの問題をわれわれとしても詰めたつもりでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 しばらく、じゃ期待をしておくことにしましょう。大分問題はありそうですがね。  それからもう一つは、この法律案が施行されることによりまして、各それぞれの地方自治体が持っている制度とのかかわりで、足を引っ張られるようなことはないんだろうかというのが、実は私、心配なんです。足を引っ張られるということは、この制度ができたことによって、それぞれの県段階が先進的に実施をしておったのが、ひとつまあ国でこういう制度ができたんだから、うちの方も大分無理をしてきたから少し調整の意味で、これにはもちろん吸収をしていくけれども、いままでの目新しい制度なんというのは少し遠慮していこうかという傾向が発生しないだろうか。たとえば私どもの方でも、林業経営安定対策という立場の中で幾つかの制度がある、あるいはまた北海道でも森林組合経営整理資金等が低利で貸し出しをされて運営をされている、こういう形とのかかわりというものは十分に調整をされてきたのかどうか、この点をひとつお聞きをしたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) ただいま御指摘になりましたこれの類似の制度を調べてみますと、県でいろいろやはりすでにやっておられるところがございます。形式的に挙げますと、預託方式でやっておられる事例が二十八事例ぐらいございますし、それから利子補給方式が二十例ぐらいございます。それから直代方式が三十七例、こういうふうにそれぞれ県でもいままでいろいろ苦労されまして対応しておられます。その辺、われわれも十分存じておるわけでございまして、ただその中を全部調べますと、この制度と完全に一致するというのはそんなに多くないだろうというふうにわれわれ考えております。  そういう観点から、類似の施策の条件を低下させるというようなことは私どもはあり得ないだろうというふうに考えておりますが、また逆に、これはそれぞれの都道府県で従来からやっておられた仕組みでもございますし、物によりましては、今度の制度に組みかえていただいて調整していただくという方がより効率的であろうというものもあろうかと思います。その辺は、ですからこれから御審議いただきまして、もしこれが実際に効力を発する時期になりましたときには、都道府県と十分打ち合わせをいたしまして、その辺、都道府県の自主的な判断にゆだねてわれわれも対応してまいりたいというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 次に、第二条の関係に移っていきたいと思いますが、大臣が基本方針を定めるのがこれによって義務づけられるわけですね。そこで、この基本方針というのはいつ定めようとするのか。  それから、定めた方針の見直しは大体どういうサイクルでやっていこうとするのか、この辺はどうも不明なわけであります。また、一たん定めた方針を変更すべき条件、こう想定をされて、こういうときには見直しをし変更するのだという一つのこうした物差しができているのかどうか。  それから、さらにまた林業基本法による基本計画との関係ですね、これはこの前の委員会でも大分質疑がありましたから、もう少し簡単に、明確にわかるようにしてもらいたい、こう思うのです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) この前の委員会でも御説明申し上げましたけれども、この基本方針につきましては法律案に書かれておりますとおり、林政審議会に諮って私どもは専門家の専門的な立場から十分御検討をいただきたいというふうに考えております。その上で策定することにいたしておりまして、大体公表の時期は八月ごろになるであろうというふうに考えております。  それから、二点目の御指摘のサイクルといいますのは、結局これは変更の条件と一緒になるかと思いますけれども、私どもやはり日本の経済が非常に現在安定成長という形になっておりますけれども、過去の事例を見ますと、いろいろ経済変動もございます。したがいまして、経済の基調の変化あるいは木材需給動向の状況あるいは林業、林産業の生産構造あるいは技術水準、こういうものが著しく変わった場合には、基本方針の変更ということをしなければいけないというふうに考えておりますが、いまの時点でたとえば五年をサイクルにして改定するのだとか、あるいは三年をサイクルにして改定するのだという考え方ではなくて、いま申し上げましたような改定条件に変更がなければ、改定しないであるいはこの暫定期間中過ごすかもしれませんし、その辺はそういう経済変動並びにいま申し上げましたような条件を見ながら対応してまいりたいというふうに考えております。  それから、基本法に挙げられております基本計画との関連でございますが、これは御存じのとおり、基本法と申しますのは森林資源に関する基本計画、これをつくることになっております。今回の場合は森林資源ということではございませんで、個人の林業経営ということに着目してありまして、そこが非常に大きな違う点だろうということでございますので、細かく申し上げる時間もございませんけれども、そういう観点から見ますと、片一方は資源の培養なり増進ということでございますし、片一方は個々の経営の近代化ということでございますので、その辺で御理解いただけるのではなかろうかと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 もう一度お尋ねしますが、基本方針の私は見直しを聞いているわけですね。そうしますと、一定の条件を見ながらと言うのですが、改定をする場合は条件でやるか、あるいは期限を定めておいて見直しをして、変更の必要がなければそのままでいこう、まあお役所ですから一たんつくったものを常時点検をしているというわけじゃないと思うんですね。一定の段階で進めてみて、もう一遍手直しが必要なのかどうなのか、こういう形で見直しをする時期というものをある程度目標を立てて、この期間には一遍見直しをしよう、見直した場合に、従来定めた方針どおり進行しているのならさらにそれを促進をしていこう、こういうことになるのでしょうし、一定の私はめどをつける期間というものを見ておく必要があるのではないか。  たとえば、今日問題になっていますいわゆる基本計画ですね。これを見直ししなければならぬと言うが、見直しにはかかっているけれどもなかなかこれは結論は出ていない。まあことしの秋ぐらいだろうと、こう言われていますね、答申が出るのは。だからそういう形じゃ困るわけでして、もうすでに現実と違っているわけですから、だからなるべく現実に即してやっていこうとすれば、一定のサイクルをつくるということはこれは必要なんじゃないでしょうか。それはひとつ私は御検討をぜひいただいておきたい。  あるいはいま条件が著しくと言いますが、この著しくというのはこれまた物差しがないんですね。どこでもって著しくと見るのか、こういう形が出てまいりますからね。たとえば数字でどれだけパーセントの変化があったらこれは著しいのだということが、明らかに今日段階言えるのならこれはまた別なんです。だから期間で縛るか、あるいは条件で明確に縛るか、どこかに第三者がながめてこの時期には見直すべきじゃないか、なるほど見直さなきゃなりませんという合意の得られる線というものは当然私は必要だと思うのです。ぜひ再検討いただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 確かに御指摘になりましたように、いろいろな計画、基本計画の場合にはそういう期間を区切って見直すという方法、あるいは適宜適切な時期に変動があった場合に見直す、こういろいろあろうと思います。  そこで、いま御指摘になりました森林資源の基本計画はいま見直されているではないかということの御指摘でございますが、確かにこれについていま見直しを進めております。たまたま現在この見直しを進めております基本計画、これの中の、先ほど申し上げましたように、今回つくります基本方針とこの基本計画とは目的は違いますけれども、内容的には確かに考え方としてお互いに両輪の輪のように一致させなければいけない点もございます。したがって、今回の場合にはこの資源の基本計画の見直しの時期と、今回策定しようとしております基本方針と大体時期が一致いたしますので、そういう点は十分盛り込みながら、考え方を取り入れながらこの基本方針というものをつくっていきたいと考えておりますので、今回の時点ではこの辺はある意味で時期が一致するわけでございますが、今後の問題につきましては、特にこの法案で書いてございますように、これは暫定措置法で「当分の間」という形にいたしております。  したがって、未来永劫——三十年、四十年続く、あるいは五十年続くという形ではございませんし、二十年程度の暫定期間という形になっておりますので、その間にやはり先ほど申し上げましたようないろいろな前提条件の変動があれば、当然これは改定してまいりたいというふうに考えておりますが、その間に五年とか十年という形でやるよりも、私はそういう形でやってまいりました方が弾力的に運用できるのではなかろうかという気もいたしますし、さらにまたこの基本計画の問題、これは当然基本方針で森林法でもいろいろ規定もいたしておりますし、それからこういうことの関連から、どういう時期に見直さなければならないかという具体的なやはり事象というのは当然つかまえてくる時期は来るであろう。たとえば、現在見直しておりますのも、決してこれは期限が決められて見直しておるわけでございませんで、やはりいろんな客観情勢が変わったからこれは見直しておるわけでございまして、そういう判断から言えば、今回つくります基本方針におきましても、おのずからその辺の判断基準というものは出てくるのではなかろうかというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 どうもすれ違いのようですから、また機会を見てやります。  この基本方針の今度は中身に入りますが、経営改善、それから林家、卸売業、それから木材市場等を含めまして一体的合理化、こう言われておるわけです。私、これは大変むずかしい課題だと思うのですね。そうすると、先ほどの答弁からいくと、この八月ごろには基本方針が定められる、こうなるんですから、もうすでにその構想は私はでき上がっておるだろうと思うのですがね。特に木材市場を軸にいたしました流通の関係等は、これは特にこの木材関係というものは仕組みがかちかちになっておると思うのです、正直に言いまして。それを手直しをしていく、これは大変な協力を求めていかないと、また理解を求めていかないとむずかしい課題だと思うのですが、その辺の自信はあるんでしょうかね。現行機構というのは大変むずかしい。これは私も地元の方でも話をしてみましたが、特に私どもの方ではもう入り込む余地はなかろうと、こう関係者が言っておるほどなんです。大変なことだと思うのですが、いかがでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 確かに、この問題は非常にむずかしい問題かと私ども思っております。  そこで、いま特に流通の問題について御指摘があったわけでございますが、木材の流通過程と申しますのも、従前は国産材中心の場合と、それから現在のように外材が入ってまいりました場合、非常に変わってきております。そういう点で、私どももこの流通機構を抜本的に改めるという方向を考えておるわけではございません。ただ、国産材を中心にいたします流通機構について、従来からのものもございますし、またそこにはいろいろな問題点もございます。したがいまして、現在ございますものの近代化されることに対する問題点、こういうものを整理いたしまして、それらの問題点が解決できるような方向に仕組まれるような基本的な考え方、こういうものを私どもとしても考えておるわけで、現在ございますものに相当手を突っ込んで改善させる、改革させるということまで考えておるわけではございません。  そういう観点から、なぜそういうふうにしたかと申しますのは、やはり国産材の流れとしてはすでに過去のものが相当ございます。これがたとえば例を挙げますと、非常に地域的に分散的であるとか、量が少ないとか、いろいろな問題があって外材になかなか対応できない問題もございます。したがって、そういうものを少しでも地域中心にまとめ上げること、そういうことによりまして、地域、生産地といいますか、そういうものをつくり上げることによりまして流通がより量的にも、それから質的にも高まるという点もございます。そういうことを考え合わせましたような形でこの流通の問題を考えていきたいというふうに思っておりまして、それと林業との関連、この辺のやはり流れを一体にすること、そういうことがやはり地域におきます林業を進展する上での中心課題でございますので、その辺の流れがスムーズにいくような形での現在ございます流通機構のいわゆる近代化、そういうものを中心にした物の考え方で現在あるものを指導してまいりたいというふうに考えておりますので、いま先生御指摘になりましたように、いまあるものを大きくいろいろ変えていこうというところまでわれわれは突っ込んでおるわけではございません。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、余り期待ができない、こういうことでしょうかね。たとえば、いまお話がありましたように、ある一つの地域的な立場を尊重しながら、そうして合理化を図ろう、こういうことになりますね。そうすると、一定の地域の中で一つの方向を指し示す場合に、たとえば三つにも四つにも機構が分かれて地域の場合存在しますね。これをなるべく一つにした方がよかろう、こうなりますと——まあ、功罪はいろいろあるんですよ。たとえば、一つにすることによって、独占価格形成みたいな形になりはしないかという問題が一つあります。分散をしておる方がむしろよかろう、こういうことがありますが、分散をしていると今度は規模の問題その他から言ってばらつきが非常にある、これまた不安定な要素になる。功罪は幾つかありますが、そういうものについて林野庁としては指導の方針で、この基本方針の中には大体この地域にはこれでよかろうというところまで具体的に示されるんでしょうか。それは地方自治体の計画の中に今度は入るんでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘になりましたように、林業の国産材を中心にいたしました生産から流通のあり方というのは、地方によって非常にいろいろなものがございます。したがいまして、国でこれを一本にしてどういうふうにしたらいいということにはなかなかならないだろうと思いますし、それぞれの地域の実態がございますから、それはそれぞれの地域の実態に見合った形の中で、私は合理化なり近代化を進めていただくことが一番妥当ではなかろうかと思います。また、これを進める場合でも、必ずしも現在四つ五つあるものを一本にまとめるのがいいのか、あるいはたとえば原木の購入だけを共同してやる形にして、あとはまた自由に任せる方法もございます。したがって、そのあり方についてはそれぞれの地方自治体が十分その地域、地域の実情を知っておると思いますので、それらの地方自治体を中心にしてそういうものは検討した中で、それぞれの個々の改善、合理化計画をつくっていただくものの審査をしていくという指導をしてまいりたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 この法律案とともに基本方針を定めるということなものですから、地方の立場から構えたときに、林業政策に対する基本というのは、なかなか地方の方にどういうふうに考えているんだというびしっとしたものがないというのですね。そこでこの基本方針を定めるというわけですから、それには林野庁の姿勢をしゃんとしてもらって、国有林、民有林を問わず、日本のいわゆる林業一般に対して明らかに具体的に指導のできるものを一面では期待をしている、こういうことになると思うんです。問題は、その期待にこたえられるように、ぜひさらに充実したものにしておいてもらいたいと思うんですね。地方の考えている形と、林野庁の出してくる基本方針とがどうもおかしいんじゃないかといって頭をひねるようなことでは、私はやっぱり問題があると思うんです。したがって、その期待を裏切らないように、ぜひひとつ努力をいただきたいと思います。  そこで、その重要な役割りを果たすのが林政審議会になりますね。この前の質疑を聞いておりましても、私はどうしても腑に落ちないのは、林野庁の姿勢が余り出ないで、すべてむずかしい課題というのは林政審議会の中に全部逃げ込まれている、答弁を聞いている限りでは。これじゃ、やっぱり主客転倒というそしりを免れないんじゃないか。むしろ林政審議会に対して林野庁の方針が明確に示されて、それに伴って林政審議会はさらにその肉づけをするなり、あるいは余分なぜい肉があるとするならばそれを外すなり、そういう形で私はいくべきだと思う。そういう意味で、林政審議会の重要性も私はこれは評価をしなきゃならぬと思いますし、価値のあるものに高めてもらわなきゃならぬと思うんですが、その前にやはり林野庁が明確にひとつ方針を、みんながやっぱりああなるほどと思われるようなものにぜひひとつ期待に沿ってもらいたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。  さらに、林政審議会の問題が出ましたから私申し上げておきますが、今日の林政審議会のメンバーを見せていただきますと、重要な林政審議会の審議ですね、役割りを持つこの審議が、果たして働く者の立場その他も踏まえて、公正に編成されているんだろうかどうだろうかということに疑義があります。きょうは本論じゃありませんから、余り具体的にしませんけれども、ぜひこのメンバー構成等につきましても、私は山で働いている労働者の立場も踏まえて、もう少しそれらが平等に意見反映がされて民主的運営がされるように、これを要望しておきたいと思うんですが、そういうゆとりはあるんでしょうかね。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先生十分御存じだと思いますけれども、林政審議会の委員のメンバーの数につきましては法律で規定してございまして、いまの委員の数には欠員がございませんので、いまの段階ではそういうゆとりはないことを御了解いただきたいと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 委員をふやせと言うのじゃないんですよ。十五名の委員の中で構成上どの立場を反映しているかという立場で、やはり一定の任期があるわけですから、その任期の場合にそういう配慮を行ってかえていくべきであろう。いまのままでも絶対いいんだと、そういうものじゃなかろうと思いますので、検討をいただけるのかどうかと、こう聞いているわけです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 林政審議会の御審議願う幅というのは、御存じのとおり、林業は非常に幅広うございます。したがいまして、各界の代表の方、学識経験者に入っていただく必要があろうというふうに考えておりますし、そういう観点から見ますと、現在、労働関係を中心にいたします代表の方もお二人入っていただいておりますし、そのほか、こう見ますと、たとえば森林組合の代表もいるだろうと、木林を生産しておる方の代表もいるであろうと、あるいは学識経験者もいるであろうと、いろいろ考えてみますと、十五人の枠の中では、非常に林業というものは幅広うございますために、現在、私どもとすれば、いろんな方面からの代表に出ていただくとすれば、大体妥当な線で人選されておるのではなかろうかというふうに考えておりますが、先生の御指摘もございますので、今後につきましても十分その辺は慎重に配慮しながら委員の人選は対応してまいりたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 次に、第三条の関係に入っていきますが、「林業を営む者」の範疇ですね、その中には地方公共団体が経営をいたしますところの、あるいはまた出資をしている公社的なもの、あるいは会社的なもの、こうしたものが地方の中にはあるわけですが、それは当然一つの単位として含まれるわけでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 地方公共団体がただいまの林業公社とかいろいろつくっておられますけれども、こういうもので林業を経営する場合には、当然「林業を営む者」に含まれることになるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、融資を必要としないものは、この法案の解釈からいきますと改善計画作成を要しないと、こういうふうにも読み取れるんですが、そうなりますと、国の政策的な意図からいきまして、これは森林計画とは違いますから、ある意味では何といいますか、改善計画が全部出なくてもいいとは思うのですけれども、しかし、なるべく改善計画というものが今日の現状から見て出される方が望ましい。金とはかかわりなしにそうしたものがあって、そして金は借りなくてもどんどんそういう方針で進めますという掌握の観点あるいは政策の観点から言ってもあった方がいいと思うのですが、これは資金を融通をしようという法案ですから、こういうふうに落ち着いたんだろうとは思いますが、その辺の問題はどういうふうに理解されてみえるのか。それから、森林施業計画の認定制度との関連を含めまして、いまの私の質問にお答えをいただきたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先生いま御指摘になりましたように、今回の法律が資金を融通しようということにいたしておりますので、資金を融通する場合には、やはり一つの国の方針なりに従った形で林業経営あるいは木材の流通その他をやっていただく方、こういう方々に対して融通をするというのが考え方の一つだろうというふうに思っております。そういう観点から、今度の改善計画をつくっていただく方は、資金を融通してもらいたいという希望者の方々がこの改善計画をつくっていただくという形になるわけで、資金の融通の必要ない方は改善計画をつくらなければいけないということにはなっておりません。その辺は、私どもとすればいま申し上げましたように、こういう特別な条件の資金を融通させるというためには、やはりある一定の政策目標と申しますか、そういうものに合致した方々に対して特別な融資条件のもとに融資をするというのが筋ではなかろうかと思いますし、もしそういう特別に融資をしなくても自分で林業経営ができるという方々は、それなりにやっていただいたらいいのだろうと思います。  ただ、その場合に、それでは御指摘になったように、国全体の考え方その他に違った経営なり運営がなされる場合があるではなかろうかという御指摘もあろうかと思います。その辺は逆に、森林の資源の問題については資源の基本計画あるいは森林の森林計画制度、こちらの方で一応制度は乗っておりますから問題ないと思いますが、経営のあり方については、やはり現在の一つの自由主義社会の中で、林業としてはこういう方向に持っていきたいと思うけれども、自分はそんな金を借りなくても自分なりにやっていけるのだという方があれば、これをあえてそこまで制約することは今回考えておりませんが、やはり全体の林業というものが全体の流れの中で、その地域の流域単位にやはり一体となって林業というものは営んでいく方が、より林業としての成果は上がるという基本的な考え方もございます。  そういう点から、この融資制度に乗らない方につきましても、やはりこの基本方針に基づいた国全体の林業のあり方につきましては、十分勉強なり認識をしていただいて、それに沿ったような経営をしていただくような指導というものは、別途われわれとしても十分考えてまいりたいというふうに思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これは第五条の合理化計画も一緒なんですよね。したがって、この資金とのかかわりでないと必要がなくなる、なくなった場合に、いまも答弁の中に含まれていますように、あそこは何とかしなきゃならぬなというところがありながら、実はそこは金も借りたくないしというようなかっこうで放置をされたときに、一体どういう現象が出てくるか。これは各所にあるんですよ。それらに対して、そうしますと森林振興をやっていく立場からいって一体いいんだろうか。せっかくこの制度を示し、そして林野庁から方針が出て、それに合わして県の万も協力をして、それから今度はそれぞれの経営者が計画を立てまして、そしてこういうふうにやっていこうという協力が始まっていくときに、ぽこっと残っておって果たしていいものであろうか、そこの関係は一体どういうふうになるでしょうか。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) ただいま先生の御質問、若干法律制度的な側面にわたりますので、私からお答えいたします。  ただいま先生の御指摘のございました、林業の施業を計画的にやっていく必要がある、ところが個別経営がなかなかそこに乗ってこない、その矛盾をどうやって政策的に解いていくか、こういう御指摘でございます。これは、確かに林政の基本的な問題でございます。私どもは全国森林計画及び地域森林計画を用意いたしまして、それを個別の経営に結びつけるために別途施業計画制度を用意しております。そして、これに対しては各種補助制度、あるいは融資制度でメリットをつける。それからまたさらに、現実にそれほど大きく機能はしておりませんけれども、施業の勧告制度等も用意しておるわけでございます。そのような各種メリットをつける制度等の一環といたしまして、今度のこの制度も設けたわけでございます。  したがいまして、先ほど長官からも御答弁申し上げましたように、今回の措置のみをもって林業等の振興を図れるというふうには私ども考えておりませんものでございますから、先生の御指摘のあった穴のあいた部分につきましては、ほかの補助制度なり融資制度というものをフルに活用いたしまして、全体として林業が計画的に施業がなされていくように指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 では次へ進みますが、改善計画の認定を受けまして、それからこの制度の融資を受けるわけですね。そういう受けた人が途中で再度計画の追加をしなきゃならぬとか、あるいは変更しなきゃならないとか、こういう課題について一体それらはどういう関連になるんだろうか。新たに資金が要るという場合は、追加融資というのは可能なのかどうなのか。あるいは一たん計画したものが逆にその計画は少しストップだと、こうなったときは、貸し付けた融資が当初計画に基づいて出されている場合、その調整というものは行われるんだろうか。調整が行われた場合に、たとえば借りた金を一部返すということになりますね。一部か全部かはとにかくとしまして、返す場合には、一体その返し方というのは検討されているのか、この点はいかがですか。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) お答えいたします。  先生の御指摘になったような事態は、確かに当然これは起こり得るわけでございます。したがいまして、法律上も法律の三条四項で「林業経営改善計画の認定及びその取消しに関し必要な事項は、政令で定める。」というふうに書いてございまして、この政令でその計画の変更の際の手続要件のようなものを書くわけでございます。したがいまして、さらに追加資金が必要になるというような事態が出てくれば、当然それは計画をもう一遍出していただきまして、その計画の中身がこの法律の三条の三項に書いてございますような要件を充足する場合にはその認定をいたす、それに従ってまた融資措置も講ぜられると、かようなことになるわけでございます。  それからもう一つ、計画が実態と大いに狂ってしまった、どうも取り消す必要が出るような場合も当然予想されるわけでございまして、確かに考え方といたしましては、計画の取り消しをいたしますと、繰り上げ償還というようなことが必要になるわけでございますけれども、ただ一律にそのようにすることが妥当であるかどうかという問題はあるわけでございまして、何か非常に悪意がございまして、当初から虚偽の計画の認定をしていたとか、それから報告をわざわざうそをついていたというような場合には、これはやはり繰り上げ償還措置を講ずるべきだろうと思いますけれども、そのようないわば計画の認定を受けた林業を営む者の方のそういう責任に帰すべからざる客観的な情勢の変化等で計画の取り消しが必要となったような場合には、その場合場合に応じて適切な措置がとられるように、画一的に取り消したから直ちに全部一律に繰り上げ償還というふうにはならないように、金融機関等を指導してまいりたいというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、それは政令の見込み事項の内部の中に具体的に触れられると、こういうことで理解していいんでしょうか。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) ただいまの融資の関係につきましては、貸し付けの決定、それから償還すべて、これは金融機関と融資を受ける方との関係というのはあるわけでございまして、私どもはその融資に際しての基本的な考え方につきまして、経営改善計画の認定等で方向を示すということにとどまるわけでございます。したがいまして、政令の中では、繰り上げ償還等の問題については触れられることとはならないわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうすると、それは単なる指導ということになるのですか。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) さようでございます。この法律の施行通達その他で、ある程度明確に考え方を示すことは考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これは四倍資金ですから、そうすると、その場合に借り入れ先ですね、それの考え方というのはずいぶん生きてくると思うのですね。そうすると、じゃその通達がそのように実行されるという保障はどこにあるのでしょうか。何かでチェックはできるのですか。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) これは金融機関に対する資金の預託——ただいまのは国産材振興資金制度を例にとられての御質問でございましたので、それに即して言えば、預託金融機関は都道府県等が選択するわけでございます。余り著しくこの振興資金制度全体の運用の考え方から外れるような金融機関がもし仮にあるとすれば——恐らくそんなものはないと思うのでございますけれども、それは預託する金融機関等を変えるというようなことも考えられるわけでございまして、まあ私どもの指導が一〇〇%と申し上げますのもちょっと大げさでございますけれども、相当程度徹底を期することは十分可能であろうと考えておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 往々にして、その辺はトラブルの発生をしやすい問題ですね、これは担保設定もあわせましてね。ですから、ぜひそういうトラブルがそういうようなことで発生をしないように、機関との打ち合わせその他が十分留意して行われるように要望しておかなければならぬと思います。  次に第四条の関係ですが、農林漁業金融公庫の林業関係資金七種類——これは林業経営改善資金、それから造林資金、共同利用施設資金等七つございますが、この中で林道資金だけが償還と据え置きの改定が行われると、こうなっているのですが、ここにしぼったというのは、先ほど長官は少しそれに最重点をというような話がありましたが、特にあるのですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘のように、先ほどちょっと触れましたけれども、先生御存じのように、公庫の資金というのは確かに七種類ほどございます。その中で、使用状況を見ますと、五十二年の貸し付け実績の中で、林業関係の資金が約六百二十四億ございますけれども、造林が八〇%の約四百九十九億、それから林道が約七%の四十六億でございまして、この二つを合わせますと全体の八七%になっております。したがいまして、やはり林業振興の中心になりますのはこの二つの資金であろうというふうに判断をいたしておりまして、今回の法案の内容としては、この二つを暫定措置という形で期間の延長をしたわけでございます。  ただ、ほかの方のいろいろな資金につきましても、それぞれ毎年いろいろな努力を私どもいたしまして、それなりの条件改定ということをやっておりますが、今回のこの法案の中では、特にこの二つが林業振興のやはり中心であるということで、この二つを中心にして暫定措置を考えたわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 重点であるのはよくわかるんですが、冒頭、私質問しましたように、他の制度資金とのいわゆる相乗作用、相乗効果というものをもたらしていこうとするなら、林業にかかわる諸制度を同じように長期の立場で物を見ていく必要があるだろうし、それからそれに伴う諸制度の援助体制というものを密接にしていく必要があるだろうし、重点だからといって条件がほかのものと変わるという形というのは、私は林業に関しては少し問題があるのじゃなかろうかと、こう思うんです。必要なものは何かというと、条件を今回全部緩和しておるわけですから、ほかの制度も、必要だからということでつくってきた制度そのものが、そのときそのときに見直しはされていくにしても、こういう機会に全体として整理されたらどうだろうかという意見を持っておるんですが。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 私の先ほどの御説明、ちょっと足りないところがあったかと思いますけれども、たとえば造林について言えば、現在造林木の伐採その他の伐採時期というものが全般的に大体四十五年ぐらいになっておりますけれども、林業そのものが現在非常に停滞しておる大きな原因というのは、やはりいろいろな面から出てまいるわけでございますけれども、こういうふうに現在国産材が外材に非常にある意味では圧迫されているというふうな状況の時期に、造林資金というものをいわゆる長期にしておくこと、これが造林意欲を盛り立てるやはり大きなもとではなかろうかという感じをわれわれはいたしております。それから、林道につきましても林道の融資条件、これは昔は林道というのは大体生産機能というものが中心でございましたけれども、最近では造林の保育その他そういう造林的な活用というものが非常に多くなっておるわけでございます。さらに、この両者につきましては、従前から余り大きな改定をいたしておりません。ところが、先生十分御存じだと思いますけれども、そのほかの資金につきましては、毎年いろいろ条件改定なり枠の拡大というものをずっとやってきておるわけでございます。  したがいまして、今回は、先ほど申し上げましたように、この二つに重点を置きまして、毎年、たとえば五十四年度を見ましても、五十四年度は、林業事業改善資金につきましては、生産法人の場合には一千万円から一千五百万円まで上げるとか、そういう改定をやっておりますので、その辺で歩調は十分合っておるというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 それから、次に第五条に移りますが、第五条の関係では、知事が国内産の木材の生産・流通、これの合理化計画が適当であると、こういうふうに認定をすることになるわけですね。適当でなければ認定しない。そこで、この意味というのは、認定を申請をする者が、内外材の取り扱い比率にかかわりなしに、国産材がたとえ少量であっても取り扱いをしている場合には、その量にかかわらず申請をしまして認定を受ける、こういう形はこれで許されるというふうに見れるわけなんですが、そこでこの制度の融資対象というのは国内産だと。ところが、それが一部であっても、何といいますか、申請をして承認が受けられる、承認すると、この辺の関連は一体どういうふうにやられるんでしょうか。  前回の委員会では、外材取り扱い五〇%というのが大体の数字としまして長官の方から答弁がありました。五〇%というのはどこにも規定はありませんね。そういう立場からいきますと、少なくとも国産材を取り扱う量というものが、将来それを重点的にやっていこう、いまは少ないけれどやっていこう、こういう意欲等を含めて一つの申請をされる場合は、それを拒否をするという権限は何もありませんね。その辺の歯どめはどうなるんでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 私ども、やはり国産材振興ということでございますので、国産材を中心に扱っている方々に対しての条件緩和といいますか、条件の改定と申しますか、そういうことを考えていきたいと思っておりまして、そういう観点から、いま先生が御指摘になったように、国産材を余りよけい扱っていない人に対してのこういうものに対する申請は拒否できないではないかという御指摘でございますけれども、われわれとすれば、いま申し上げましたような考え方からすれば、少なくともやはり五〇%前後は国産材を扱っていただく方にこういうものを活用していただいて近代化を図っていただくことが必要であろうというふうに考えておりまして、そういう観点からそれぞれ都道府県を指導し、そしてまた改善計画なり合理化計画をつくっていただく方々については、そういう観点から審査をするような指導をしていきたいというふうに思っておりますので、その辺はこれからの指導の中で十分徹底するように図ってまいりたいと考えております。  さらに、御指摘になりました中で、いまやってないけれども将来の問題もあるではないかという意味のお言葉もございましたけれども、やはり過去の実績等を中心にしてやっていくことが妥当ではなかろうかというふうにわれわれ考えておりまして、将来の問題ということになりますと仮定の問題になりますので、非常にまたその辺の判定というものがむずかしくなりますので、過去の実績を中心にしてその辺は考えてまいりたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、問題は、資金融通を受け得るいわゆる資格があるかないかの問題ですね。これは、もうこの制度を生かすか殺すかのきわめて重要な課題である。それが、法的根拠なくして、ただ期待のような形で実はそういうところの基準になってくるわけですからね。そうなりますと、これは計画が出されてきて認定する方の側は大変なことだと思うんです。資格があるかないか明確になっている場合は、出てまいります計画そのものを簡単に受けて内容がよければ認定することができますね。ところが、資格があるかないかという瀬戸際のものは、私はこの窓口関係は大変なやりとりと手数とがかかると思うんですよ。逆に、むしろこれからの審査をする機関というのはそのことの方が一番ややこしくなってくる、具体的に。そういうものなんですね。  これは有資格者だとはっきりしているものは、簡単に受付ができるわけですね。ところが、果たして資格があるかないかというのは、何遍かやりとりをして資格審査をしなきゃならぬ、こういうことになる。それだけに、私はどっかに根拠的なもの、しかも認定しないのはおかしいじゃないかと言って苦情を言われたときに、実はこうなっていますよと明確に言い得る基準というものは、私はこの制度だけに明らかにすべきじゃないかと思う。その辺はいかがなものでしょうか。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) ただいまの御質問でございますが、確かに実務上これはかなり判断のポイント、制度運営のかなめになる問題でございますし、都道府県の窓口段階で御指摘のようなことが起きる可能性があることは御指摘のとおりでございます。  ただ、私どもこれを五割といたしましたのは、法律上この法律全体の構成から申しまして、やはりおのずから一定の制約があるというふうに理解すべきではなかろうか。単に主観的に、将来国産材を扱うという意思だけを表明した者に対して金融をつけるというようなことになれば、結果的には外材の流通に制度的な金融的な裏打ちがなされることにもなりかねないわけでございまして、問題は、それではそれははっきりと法律に根拠を設けて政令なり何なりで書けばいいじゃないか、確かに一つの御意見かと思います。ただ、これは私どもも一体内材的性格というやつが五割がいいのか、六割がいいのか、あるいは、はたまた四割がいいのか、いろいろ意見が分かれるところでございまして、現にこれは六割、七割がいいのではないかというような御指摘もあるわけでございます。  したがいまして、とにかく常識的な意味で、過半を扱っているということで一応五割ということを決めたわけでございまして、その意味では、やや運用に弾力性を持たせるというような意味でもこれは通達に譲ったということなわけでございまして、その辺の私どもの考え方も御理解いただきたいと思います。  御指摘の点は、確かに制度的には十分御指摘のような御意見はあり得ると思うのでございますけれども、ただいま申し上げましたような趣旨もひとつ御理解いただきたいと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私は、弾力を持たせることについてそう異存があるわけじゃないんです。しかし、弾力を持たせるというのは、一体どこが苦労するかと言えば、現場が苦労するんですよ、実際それを受け付けるところが。だから、むしろ同じ弾力にしましても、そういう苦労のない、資格があるかないかでごちゃごちゃせんならぬような形のものは余り下へ押しつけない方がいいのじゃないのか。しかも、これは政令見込み事項にもありませんし、政令でやろうともしてないわけでしょう。そうすると、単なる通達、それで林野庁の考え方の期待というものが下の方に流されていって、それが一つの縛りになる、こういう仕組みですからね。だから、借りたいという気持ちの者から頑強に抵抗されたときに、申し込まれた機関というのは非常に苦しくなるわけですね。だから、そこを何とかカバーをしてやる手当てというものを、これをぜひ私は考えていくべきじゃないのかと、こういうふうに思います。これも受け付け、それから利用者——これに対してここで私修正する気持ちもありませんから、そうなりますと、実際運用にそういう苦労が行われないようにどう手を打っていくのか、これはもう関係の方々にきちっとした協力を求めるということが必要だろうと思うんですよ。  それから、もう一つ私は明確にしておいてもらいたいことは、たとえば大きなところで、国産材を扱う量が他の国産材ばかり扱っているところよりも量的に多い場合等がありますね。これは量で規制をするという考え方はありませんね。取り扱い全体のパーセントで一つの単位と見る、この辺は明確にしておいてもらいたいと思うんです。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) 御指摘のように、量的な制限をつけるつもりは考えておりません。  それから、ただいまの御質問の御趣旨は、十分法律の施行の過程に反映をいたしますように、最大限に努力するようにいたしたいと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 とりわけ、最近組合経営その他の中で苦しいか、あるいはゆとりが出るか、こういう形で両面社会的に新聞をにぎわすようなケース等も拝見をするわけですから、特に御留意をいただきたいと思うんです。

川村清一日本社会党

○川村清一君 この第五条の規定は、「森林組合、生産森林組合又は森林組合連合会」の事業経営を合理化するという、こういう規定でございます。この森林組合というのが出てきましたので、私、若干時間をかりまして、森林組合についてお尋ねをしたいわけであります。  すでに林野庁当局も御承知だと思うのでありますが、最近森林組合の業務経営につきまして、ずいぶん大きな問題が出ておるわけであります。北海道などにおきましては、数カ所にこういうものにかかわる大問題が出ております。二、三実態を知っておりますが、ここでそういうことを発表するのもいささかどうかと思いますので、名前等挙げませんが、組合経営がどうにもならなくなってしまって、責任者の組合長がもう失跡してしまってどこへ行ったかわからない。あるいは自殺をされたのではないかといったような話もあり、その後始末のために組合員が四苦八苦といったような状態の組合もあります。  特に、これは本州の方の東京の新聞にも出てしまいましたので名前を挙げて申し上げますが、北海道の喜茂別という町の森林組合の経営、この組合が不良債務を持ち、資金の回収ができないままに、それが借金になって大変な借金になってしまった。そして、どうにもならなくなって粉飾決算も何もできないといったようなかっこうで、責任者の専務はどっかへ雲隠れしてしまっていない。捜してもどこにいるかわからない。そこで一体借金が何ぼあるのかわからない。いろいろ調べてみた。七億と言い八億と言い、ついに北海道庁の林務部もそこへ入って調べてみた。どうも町費もそこに導入されているような傾向があるといったようなことで、町議会でも問題になって町議会を開会して、そうして監査委員会に対してそれを監査せいというような指示を与えた。監査委員会も入って調べたと。その借金が初めは七億程度と言ったのが、それが八億になり、しまいには十一億ぐらいのもう借金になっているんではないかと。いまなお調査中である模様でございますが、そこで、町費がそこに流入しておる、何億ぐらい入っているか。このいかんによっては、その町の財政が大変なことになる。いわゆる赤字再建団体にその自治体は転落するんではないかといったような騒ぎにまでなってきておるわけであります。  これは東京の新聞にも出ておるくらいの問題ですから、大きな問題であるということは想像がつくと思うのでありますが、したがいまして、林野庁におきましても北海道庁から報告を受けて大体御存じと思いますが、なお調査中でありますから、ここでこうだということはお答えができないと思いますから、そこをお聞きするのは遠慮します。しかし、それを調査された後において正確にここに御報告を願いたいと思うのが、これが一点であります。  そこで、私のお尋ねしたいことは、一体こんなような問題がどうして起きるのか。一体国、林野庁は森林組合の経営についてどのような指導行政を行っておるのかどうかということをお聞きしたいわけであります。  そして、いま喜茂別の森林組合の問題を提起しているんですが、これがはっきりわかれば、どれだけの負債があって、どうしてこういうことになったのか。その結果、あるいは法律上刑事責任を負わなければならないような人も出てくるかわかりませんが、それは別として、そのほかに私の知っているのは二つほどあるんですが、いわゆる責任者がいなくなっちゃったからわからないで後始末で四苦八苦しているような状態です。しかし、これはそうだからと言ってつぶしてしまうわけにいかぬ。したがって、いずれにしてもこの組合を再建しなければならないんですが、その再建については国はどのような力をかしてくれるのかどうか。道庁などを指導してどのような措置をとってくれるのかどうか。まず、この点をお伺いしたいわけです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘になりました森林組合の赤字の問題でございますけれども、私どもも道庁から報告を受けまして現在概要については把握いたしておりますが、さらにいま道庁の方で現在調査中でございますので、詳しいことは十分にまだ把握はできておりませんが、どうしてこういうことになったかということでございますけれども、御存じのように、森林組合は、それなりに自分の組合員の森林を林業として営みながら、森林組合の財政を健全化させていくという方向をとっておるわけでございますが、その関連で木材会社に取引を大分いろいろやっておったようでございますが、そういうものの倒産によりまして売掛金が焦げついたという、そして欠損金が出たということ。そして、この欠損金を隠すために帳簿外の操作によりまして新たな融通手形を乱発した、今回のこの喜茂別についてはそういうことが原因であるというふうにわれわれはいま聞いておりますが、さらに詳細調査中でございますので、その調査の進捗状況によりまして、私どもももっと詳しい原因を把握してまいりたいというふうに考えております。  また、いま御指摘になりました、それではこういうものに対して国としてはどういう姿勢で考えておるのかということでございますけれども、御存じのように、昨年森林組合法を制定さしていただきまして、森林組合の中に従来からやっておりました福利厚生事業を共済事業として認知するなり、あるいは監査士制度を設けまして、それぞれの単協の運営というものを十分指導しながら監査をしていくというような形で監査業務というものもはっきりさしたわけでございますし、そういう中で、森林組合を新しい方向でこれから発展させようというふうにわれわれ努力いたしておりますが、特に具体的な方向とすれば、従来からやっております構造改善事業なり、あるいは公共事業の造林、いろいろな推進なり、そういうものを十分活用していただいて、森林組合というものが自立体制を確立していただくということがまず先決でございます。  そういう点で、森林組合としても、組合自身新生運動というような形で、自分たちの自立、自主的なこれからの発展計画というものも計画を立てておられまして、それに基づいて自主的な努力もされるというふうにわれわれ聞いておりますし、国といたしましても、公共事業なり非公事業を中心にいたしまして、森林組合を中心にしたいろいろな事業、そういうものを盛り込みながら森林組合の健全な育成というものをわれわれとしては考えていきたい。さらには、森林組合の合併も、これも昨年法律の延長をいただきまして合併促進も進めております。そういう中での森林組合の健全発展というのをわれわれとしても期待しておるわけでございまして、今後こういう事態につきましては十分その原因をきわめまして、われわれとしてもそれなりの指導はしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 あわせて二点ほどお尋ねしたいんですが、いま長官がおっしゃったとおりだと思うんです。要するに森林組合の業務が、結局、取引しておった木材業者、それがこういう木材業の不況の波を受けて倒産してしまった。したがって、原木を売却したその代金が回収されない、不良債権になってしまったと、そういったようなことが原因であることは明らかなのでありますが、私のお聞きしたいのは、その原因は原因として、こういうふうになったその森林組合、これはどうしても再建してやらなければ、その組合を構成しているこれは山林所有者というか、事業をやっておる方々が大変なことになるわけで、組合というものは法人で、それはつぶれてしまえばつぶれてしまうんですが、それを構成している組合員が大変なことになるんですから、何としても再建してあげなければならない。その点にどのような力をかしてくれるのかどうかということを、はっきりさしていただきたい。  もう一つは、行政指導をどうしておるかということは、単に会計の監査だけではなくて、もっと業務の指導ということ。私は、売却したそういう木材業者が倒産して売却代金が回収されなかったということも一つの原因でありますが、もう一つの原因は、その組合自体がやっておったその事業です。その組合が、いま坂倉委員の御質問の中には、林道だとか造林だとか、この造林のような業務だけをやっておるならこんな問題は起きないのだけれども、やはりもっと利潤を上げるといったようなことで、それで木工場を経営すると。特に大きいのはチップ工場、こういう事業をやった。この事業にかけたいわゆる過剰投資というか、投資が全部実を結ばないで、これが借金になってしまったということ。  それで、私が特に取り上げたいのは、チップ工場なんです。チップ工場は軒並み全部だめですわ。つぶれてしまいました。一体チップ工場をつくらしたものはだれかということ、これは、北海道で言うならば、王子製紙だとか大昭和製紙だとかという、要するに大手のパルプ資本ですよ。これがチップをつくりなさい、チップ工場をやりなさい、そのチップはうちで買ってあげますと言ってこれを勧め、つくるなら金を貸しますといったようなこと等あって、全部チップ工場に手を出した。それが、いまや国内チップなんというものは、もう大手は買わないんですね。全部これは輸入チップに頼っているわけですよ。ですから、そこで生産したところのチップは、輸入チップより値段が高いわけだから、したがって買わない。買わないから、そこへ入れた投資というものは全部死んでしまう。これが大きな借金を生む原因になったということも、これは見逃せない事実なんです。むしろこういう機運をつくったのは大手なんです。  この点をどうとらえられておるかということを一点お尋ねしたいことと、さらにこの国有林に関連して聞きますが、林野庁はこういう大手製紙工場に対しまして、立木の特売をやっていましょう。立木の処分をしていますね。これは何を目的にしているのですか。それはパルプの原材料にするということで林野庁は立木処分をしているのではないかと思いますが、これはいかがですか、明確にお答えいただきたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 御質問は二つあったと思いますけれども、まずチップ工場がパルプ会社等によりましてつくられる。なお、現在になれば、外材が安いから見放してしまったと、それが原因ではなかろうかという御指摘でございました。確かに、森林組合等の系統がチップ工場等を大分やっておられるというようにわれわれも認識をいたしておりますけれども、御存じのように、日本全体の経済の中で、チップ産業、紙・パルプ産業等も長期にわたる不況がございまして、そういう中で円高基調という問題もございまして、比較的割り安な外国からのチップ、あるいはパルプ、こういうものを購入したために、そういう量が一時的にふえたということによりまして、国内チップの業界の方々が全国的にいろいろな面で御苦労されたということをわれわれも聞いております。  そういう観点から、私どもといたしましても、それぞれの地域にやはり林業を営みます場合には、生産される主たる生産物の丸太だけではなくて、さらにそれと並行して出てまいりますチップ、こういうものの処理が十分できなければ林業というものを推進できないという観点から、それぞれの地域におきましても木材チップ需給協議会、こういうものを開催していただいて、その中で需要者と供給者が十分話をしながら、チップの需給関係を調和さしていくという指導を現在しておりますし、今後もそういう指導の中で、国産のチップというものをできるだけ国内でも活用いただけるような方途を私どもも考えていきたいというふうに思っておるわけでございまして、さらにそれに関連いたします取引改善事業の実施、こういうものについての助成もいたしておりまして、今後この問題については十分関心を持って私ども対応していきたいというように考えております。  それから、二番目に御指摘になりました、国有林がパルプ会社に特売をしているではないかという御指摘でございます。確かに北海道の林業を中心にいたしまして、過去の歴史を見ますと、北海道木材というのは、パルプを中心にして利用されてきたことは事実でございます。したがいまして、過去の過程におきましては、産業振興という意味から、パルプ会社に国有林が随意契約によりまして、丸太、木材の立木の販売をいたしておりましたけれども、現在の時点におきましては、そういう意義も薄らいだということで、昭和五十一年度以降は、パルプ工場単独の随意契約というのは取りやめております。ただ、御存じのように、新聞紙に使いますパルプでございますけれども、そういうものにつきましては、共同買い受けという形で、チップ工場でチップをやっておられる方等とも一緒にいたしました共同販売というものを現在やっておりますけれども、一般のパルプ会社に対する随意契約というのは現在とり行っておりませんで、すべて限定購買その他の方法によりまして、競争入札の中で買い受けをしていただくのが実態でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 どうもわからないのですがね。それじゃ現在は、パルプ会社、工場等は国有林の特売はやってないとおっしゃるわけですか。こういう事実はございませんか。私はやっておったと思うし、現在もやっていると思うのです。やっておっても、私はこれはある意味においては、いいと思う点もある。それは本当にチップにする、いわゆる製紙の材料にするならばいい。ところが、ある地域を全部これを立木特売、払い下げ処分すると。そこのときに長径木、いわゆる製材にするところのりっぱな木もあるわけですね。ところが、小径木の方はチップにする、しかし大きな木は丸太、それで製材業者にさらにこれを転売している、処分を受けた大企業がこの丸太の分は他の自分の系列の製材工場にこれを転売しておる。この事実はありませんか。ないと言うなら私は事実をもって出しますが、それはありませんか。それが一つ。  もう一点、これは最後にお尋ねしておきたいことは、特売権というものは一体存在するんですか。たとえばAという木材会社が、毎年国有林を随意契約で特売を受けておった。ところが、その会社は今度その製材業をやめて別なことをやるとか、あるいは合理化して流通方面だけやるとかということになれば、製材をやりませんからもう要らないわけですね。その場合に、自分が毎年受けておった国有林のその特売しておった権利というのが、私よくわからないんですが、これをつけてこれを売ってやる。で、それを条件にこっちのBの会社はAの会社からそれを買い受けると、こういうことはございませんか。あるとすれば、この辺はどうも納得できない。ちょうど漁業権がそういうような形になっておる。いわゆる農林水産大臣が漁業権を許可する。漁業権の許可を受けるについては、一文もお金はかからないはずだ。紙切れ一枚の許可証をいただければそれで漁業ができる。ところが、漁業をやめた場合に、大臣からもらったその漁業権というものが、ただいま漁種によっては、これは大臣十分御存じのように、何億という単位でもってこれが売られていっておった。いまは北洋漁業がこんなような状態になりましたからその値打ちも若干下がったでしょうが、これは大変な値段で売れている。非常にこれに対しても矛盾を感じておりますが、それが実態であることは事実なんです。いわゆる国有林の払い下げを受けておった権利というものを、一つの特売権としてこれが売却されておるということがあるらしいんですが、この辺はいかがなものですか、ないですか。  それから最後ですが、はっきりしないのでお聞きするんですが、さっき私が申し上げましたように、森林組合がこういうような事情になってもうこれはどうにもならぬと、しかし組合員を殺すわけにはいかぬから、これはどうしても再建しなければならない。この再建する場合に、地方自治体並びに国は十分やっぱり温かい援助の手を差し伸べてくれるのかくれないのか。これは大事なことですから、はっきりひとつもう一回お聞かせいただきたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 三点御指摘があったわけでございますけれども、一点目の、パルプ会社が材を買ってそれを転売していないかという御指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、五十一年以降パルプ会社に対する個別の随意契約というのはなくしておりまして、地元工場と共同で買っていただくという形にいたしております。と申しますのは、やはりいま先生御指摘になりましたように、山の中にはパルプ適材と用材適材とがまざっておりますので、そういうことをうまく両者で活用しながら利用していただくという形で、五十一年以降は共同買い受けという形で、特に新聞紙に必要な針葉樹のパルプ、これについてだけ共同買い受けでやっておりまして、そのほか、北海道は非常に広葉樹中心のパルプが多うございますけれども、広葉樹パルプにつきましては、すべて競争入札という形で現在お買い上げをいただいておるというのが実態でございます。  それから、二番目の特売権、特売の売買があるじゃないかという御指摘でございますが、私ども、一工場の方がもし工場を閉鎖されて完全にやめられるような場合、これが地元工場であって随意契約の対象工場であれば、それは当然営林局がその随意契約の判断をいたしまして配材をしているわけでございまして、それが売買されているような事実はないとわれわれ認識いたしておりますし、逆にそれがまた他の会社と合併されるような場合には、その辺どういう合併になったか、その場合にどういう配材をした方が全体とのバランスで適当なのか、この辺を十分見きわめて配材というのはまた考えております。したがいまして、そういうものが売買されておるというようなことは私どもはないというふうに考えております。  それから第三番目の、今回の問題について国はどういう手を差し伸べるかということでございますけれども、現在、先ほど申し上げましたように、まだその実態を十分つかんでおりません。しかしながら、やはり森林組合それぞれの単協が健全な発展をすることがこれからの日本の林業の発展の中核でございますし、非常に必要なことでもございます。それからまた、森林組合そのものも強化していただかなければいけないというふうに考えておりますし、北海道庁の調査をまちましてわれわれも必要な対応は十分考えてまいりたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 もう余り時間がありませんから、まとめて六点質問します。  先ほどの第五条の関係ですが、合理化計画の認定申請資格者を五条で定めていますね。それの一項各号の中の一号、二号、これは団体を意味しますね。それから、三号及び四号というのはこれは個人、こういうふうにみなしていいわけですね。その場合に、前回の委員会の中では、個人の場合の運転資金というのは融資対象になっていないような形の答弁が盛んに行われましたが、これからいけば合理化資金という形になりますから、この三号及び四号、これも当然運転資金としての融資対象に相なるというふうに理解をするんですが、間違いありませんかどうか。  それから、次の質問は第六条関係です。第六条の中の二号の口の「木材卸売業者等」の括弧書きがありますね。この括弧内の定め、すなわち資本の額または出資の総額が一千万円以下、それから常時雇用者の数が百人以下、この定めというものは、これはいずれか一方が該当すればいいのかどうかということを明らかにしてもらいたい。  それから同時に、この一千万円という線の引き方ですが、これは一体何が根拠になっておるんだろうか、この辺がどうも不明確であります。中小企業基本法との対比からいきますと、製造業等の場合に中小企業基本法は、資本金一億円、それから従業者数三百人、こうなっていますね。ところが、この林業の方では一千万円の百人と、こうなるわけでありまして、従業者の数からいけば中小企業基本法の百人、この卸売業の方の側の従業者の数の中に該当してくると、こうなりまして、両方一体どうなっているんだろうか。しかも、中小企業基本法は今日までたびたび審議をされて、そして資本金の額の問題が変更されてきているいきさつがありますね。そういう形でありますから、これに対する根拠を明確にしてもらいたいこと。  それから、その次に第七条の関係で、第四項の基金業務の増大に対していわゆる経費の一部補助の考え方が明らかになっていますが、これに対する補助基準、これらをひとつ説明をいただきたいことと、それから都道府県における業務増大をどのように今日段階考えておるのか、この辺を少し考え方とその対策、したがって本制度が効果的に活用されるに当たって当然この指導員だとかあるいは相談員、これの配置というものが強化をされなければならぬと思うんですが、それらの考え方を含めてひとつまとめて御答弁いただきたい。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) まず、法律技術的な側面だけまとめて御答弁いたしまして、さらに必要があれば長官からお答えいたします。  まず五条でございますが、一号、二号につきましては御指摘のとおりでございますが、三号につきましては、個人以外に会社等の法人もこれに含まれることになるわけでございます。  なお、確かにこの三号は一応個人も対象にはするわけでございますが、私ども今日国産材の振興を図りますためには、やはり材の安定的供給を図るというようなことが必要であろう、そのためには共同取引という形態をとることが望ましいのではないか、かような観点から、運用上の問題といたしまして共同取引、したがいまして素材生産業者、木材卸売業者あるいは製造業者がそれぞれ団体を組織して長期的に契約をする、それに必要な運転資金について融資をしていく、こういう方向を考えておるわけでございまして、法律上は確かに個人も貸せるわけでございますけれども、この制度全体のねらいから見て、いまのような運用をいたしたいというふうに考えている点を御理解いただきたいと思うわけでございます。  それから次に、六条でございます。二号のロの括弧書き内の問題でございますが、これにつきましては、実は一千万円と申しますのは、林業信中基金法の方の本法の二条の一項一号で、林業を営む者に対する定義の中で一千万円という金額を挙げているわけでございまして、実は確かに中小企業基本法等との関連から言えば三千万円にしたらどうだというお話もあるわけでございますが、実はこれは暫定法でございますので、どうも暫定法の方だけ三千万円で本法の方が一千万円というのもおかしい。さらに暫定法で本法を直してしまうわけにもいかないというこれは法制局流の御議論がございまして、別途林業信用基金法そのものについて、そういう何かの機会があれば大いに検討すべき問題ではあろうとは思いますけれども、この暫定措置法の方ではとりあえず信用基金法の一千万円に合わせたということでございます。  それから、三百人と百人の関係でございますけれども、今度の暫定法で初めて卸売業者に対して林業信用基金が保証業務を営むことができるようになったわけでございまして、中小企業基本法の方では、三百人というのは製造業、流通業者の場合には百人になっております。そういう関係で、これは百人と決めたわけでございます。  それから次に、七条の基金業務の増大に対する経費の一部補助の考え方の問題でございますが、これは当面は基金が、国産材振興資金の原資調達の一部として民間金融機関から借り入れる資金について、その利子相当分の金額を補助することを考えているわけでございます。  それから、都道府県における業務の増大の御指摘でございますが、これにつきましては、確かに林業経営改善計画及び合理化計画の認定事務、それからこの基金からの資金の借り入れ、金融機関への資金の預託事務、それからその他関連した指導事務等が増加するわけでございますが、これにつきましては、本制度が林業ないし林業関係者はもちろん、都道府県からも強く要望をされていた問題でもございますし、林業振興のために県においてやっていただいても当然であるというようなことも考えられるわけでございまして、これに必要な事務費の補助等につきましても、私ども必要なものは計上しているわけでございますので、円滑な対応はしていただけるのではないかということを期待しているわけでございます。  さらに、制度の普及等につきましては、林業改良普及員等を通じてこの制度の趣旨の徹底を図り、それからまた計画の作成等も指導いたすことを考えておりますし、また、基金が相談員を各県に一名ずつ置いております。これらの方々を通じてもこの制度の普及を図る、さらに関連の金融機関あるいは全国関係の団体等を通じてそれぞれ縦の系列での普及徹底を図ると、こういうようなことを一応考えている次第でございます。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      —————・—————    午後一時五分開会

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、林業等振興資金融通暫定措置法案を議題とし質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 林業改善資金法案の質疑でございますが、法案の内容に関しては、先日の審議日に同僚議員によりましてかなりただしてございますので、私は本日は、日本の林業全般から見た林業の動向につきまして政府の考えをただしていくという観点から、五十三年度の林業白書、それから国有林野事業をめぐる問題点について質問をいたしたいと思うんです。  その前に、一点だけ法案の問題点でお尋ねをしておきたいと思いますが、五条の第一項第三号「素材生産業、木材製造業若しくは木材卸売業を営む者又は市場開設者」、こういう規定なんですが、個人業者を対象に貸し付けができるようになっているわけですね。それで、午前中の御答弁で、協同組織を誘導して対象にすると、こういうふうに言われたと思うんですが、共同化は望ましいとは思いますけれども、現状、素材生産者それから製材工場、こういった実情を見ますと、そこまで強要する必要はいまのところないのじゃないだろうか、こういうようにも思うんですが、この点についてはいかがでございますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 午前中御説明申し上げましたけれども、今回のこの資金につきましては運転資金と設備資金がございます。運転資金につきましては、ただいま御指摘になりましたように、共同化してやっていただく方々にお貸ししよう。設備資金については個人の貸付もあり得るというふうに考えておりますが、その理由としては、やはり国産材が振興しない大きな問題点の一つとして、非常にロットが小さいといいますか、取扱量が小さい、あるいは区域が散在しておると、いろいろな問題がございます。  したがって、そういうものにやはり対抗しながら今後発展するためには、ある意味で共同的にいろいろやっていただいて規模を少し大きくしていくこと、その方がいろんな面で合理化なり近代化も進むではないかという考え方をわれわれ持っておりまして、そういう意味で運転資金につきましては共同してやっていただくような計画をつくっていただく方にお貸ししようということにしておるわけでございますが、その場合の共同といいましても、正式な法的根拠に基づいた協同組合をつくらなければいけないということではなくて、やはりそれなりに素材の買い付けだけでも共同でやろうとか、いろいろそのやり方があろうと思いますけれども、そういう仲間内で、その地域単位でいろいろ考えていただくことによって共同化というものをやり得るのではなかろうかというふうに思っております。そういう意味から、先ほど御説明いたしましたように、運転資金につきましては共同してやっていただく方々について貸し付けする、お貸しするという考え方をとったわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 あくまでもこれは方向づけの問題であって、資格の問題じゃないと思うんですね。ですから、運転資金それから設備資金のこの区分けはありましても、法律上いいと言っているわけなんですから、わざわざ通達で縛るみたいなことは、これはちょっとおかしいんじゃないだろうか。ですから、運用上やはり行き過ぎないように十分その点は考慮を払うべきだと思いますので、これは注文をつけておきたいと思います。  それでは、林業白書に移って質問していきますが、日本が輸入している木材につきましては、白書では、南洋材、それからアメリカ材、ソ連材について分析しておりまして、供給面で資源の制約という問題がある、このように指摘しております。そして、二十世紀末からの需給がきつくなるのだという見通しを述べておられますけれども、この結論を導き出された政府の具体的なデータ分析について、一体どうなっているのか、御説明いただきたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 私どもがそういう分析をいたしました背景でございますけれども、まず概括的に申し上げますと、御存じのように、東南アジアからラワン材を中心に従来から輸入いたしておりますけれども、当初はフィリピンからが非常に輸入が多かったわけでございます。しかし、現在になりますと、インドネシアあるいはマレーシアのサバ州、こういう方面に移行いたしておりまして、すでにもう資源の先細りと申しますか、そういうものが大体見えつつある状況でございます。それから北米について見ますと、大体二十世紀の終わりごろには西海岸の民有林の天然林の一次林、これはほとんど超大径材が伐採されてしまうだろうというふうに言われておりまして、それ以降は伐採跡地に成長いたしました二次林が中心になっていくだろうというふうに見込まれております。さらには、二十一世紀に入りますと製紙関係の原料が非常に枯渇する、不足するという可能性も高いというふうに見込まれます。  それから、もう一つの大きな輸入先でございますソ連でございますが、ソ連につきましてはだんだん伐採地点が奥地化していって、そのために搬出コストが非常にかかってくるというようなことから、経費が非常にかさんでくるために輸出もそう大量にはできないだろうという点と、それから樹種が相当変わってくる。日本で非常に必要なエゾマツ、トドマツ、こういうものから、カラマツが中心になっていくということが見込まれております。  概括的に申し上げますと、こういうような関係で、今後木材の需要というものが世界的にまだ伸びる状況にございますし、そういう中でいま申し上げましたような観点から、資源というものが現在の時点では必ずしもそれにこたえられるだけないであろうというふうに考えられておるわけでございますが、簡単に一、二の例を申し上げますと、FAOの林業委員会におきまして一九七六年に見通しました欧州における木材の見通し、これも需要の方が供給よりも多目になるという数字が出ております。それから、アメリカの大統領府の賃金及び価格決定委員会の報告によりますと、一九八六年から一九九〇年の針葉樹需給は、いままでの最高の輸入水準を想定いたしましても、やはり需要が供給を上回るというような数字を出しております。また、FAOと各国の民間グループで、現在二〇〇〇年におきます世界の木材需給の見通しの作業を行っておりますけれども、この結果はまだはっきり私ども聞いておりませんけれども、その検討の中で、二十世紀末にはかなり逼迫するであろうという考え方が非常に多いということを聞いております。  こういうような観点から、私どもも二十一世紀ごろになりますと、木材需給というのは非常に逼迫してくる可能性があるというふうに判断したわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いまの長官の御説明の中身は、これまでしばしば言われてきたことでありまして、二十世紀末から木材需給がきつくなってくるということについての警告を発したというのが、この五十三年度の林業白書の特徴だと思うのですね。ですから、このデータ分析についてもっと明快な裏づけがありませんと、非常に説得力に欠けると思うのです。そういった点で、もっともっとこのデータ分析を充実したものにやっぱり関係当局としてはすべきじゃないかと思いますので、その点、しっかり今後やっていただきたいと思います。  それから、日本の外国木材資源への依存についてなんですけれども、特に一九八〇年代末から一九九〇年代にかけての輸入量の見通しや外材の価格の推移について、これについてはどのように見積もっているんでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) わが国におきます森林の賦存状況から見まして、ここ当分の間はやはり外材に対する依存度といいますか、そういうものは現状程度で推移せざるを得ないというふうにわれわれ考えておりまして、現在日本にございます森林の大半がまだ二十年あるいは三十年生以下であるということから、それが利用の伐期に達しますまではやはり外材に相当依存せざるを得ないというふうに考えております。そういう中で価格の面でございますけれども、こういうものについては木材需要の増大、あるいは生産コストの上昇、こういうものがまだ見込まれますので、上昇傾向で推移するのではなかろうかというふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 南洋材とそれからアメリカ材、ソ連材のほかに、昭和五十二年来、ニュージーランドからわが国に対して木材輸入拡大をするように非常に求められてきていたんですが、この問題の決着はいまどうなっているのか。  それから、そのほかの諸外国からの木材輸入要請については現況どういうようになっているのか、あわせて御説明いただきたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) ニュージーランドにつきましては、御存じだと思いますけれども、ほとんど松が輸入されておるわけでございます。松属につきましては、厚さ十六センチ以下の製材については関税がかかっております。これに対してニュージーランド側では、これを撤廃してほしいという要請があったわけでございますけれども、私どもことし行われましたMTNの中でこれについては受け入れないということにいたしまして、一九八四年度以降、現行の税率の一〇%というものを六%に低減するということを一応MTNで決めたわけでございます。それからもう一点は、ニュージーランドの松は非常に成長が速うございまして、年輪幅が非常に大きいということから、これが強度との関連においてもっと専門家の間で検討し、日本の建築材等に使ってほしいという要望もございます。これは非常に技術的な問題でございますので、専門家の間で検討を進めることにいたしまして、この問題についてはその結果を踏まえて対処しようということに現在いたしております。  こういう日本の対応に対しまして、必ずしもニュージーランド側が全面的に満足しているかどうかわかりませんけれども、一応去る四月一日に現在の主要国間の合意内容にニュージーランドも仮署名をいたしておりますから、一定の評価はしているのじゃなかろうかというふうに考えております。  それから、そのほかの問題でございますけれども、諸外国との関連の問題につきましても、アメリカあるいはカナダ、東南アジア等々から、丸太よりも製品を買えというような要望が非常に強く出ておりますし、それに関連いたしまして製材とか合板の関税の引き下げ、あるいはJAS規格の改善、こういう要求が出ております。  そこで、関税の引き下げでございますけれども、この中で木材関係のものといたしましては、松、モミ、トウヒ属の製材——先ほどの松もこの中に入るわけでございますが、一〇%の関税に対しましてこれを六%に引き下げるということで、ただし、一九八四年からそれ以降四年間で下げるということにいたしております。それから、加工合板については二〇%のものを一五%に下げる、これも一九八四年度以降四年間で引き下げるということでございますし、ラワン材の普通合板、これが二〇%の関税がかかっておりますけれども、これを一七%に下げる、これも一九八四年度以降四年間で引き下げるということにいたしております。それから再生木材の板状、これは日本の業界にとりましてもそう大きな影響はないという判断から、一五%のものを一二%に下げまして、これは一九八〇年からということにいたしておりますが、全般的には日本の全体の木材業界との関連を見ながら、さらには国際的な状況を判断して、いま申し上げましたような形にいたしておるわけでございます。  また、規格の問題でございますが、規格の改善につきましては、先ほど申し上げましたように、非常に専門的な点がございますので、さらに専門家によります技術検討を行うことにいたしております。  以上でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 外材のうち、南洋材などは発展途上国やアメリカでは丸太輸出規制の動きが活発になってきているんだというふうに白書で指摘されているわけですね。日本の林業の現状から見まして、製材じゃなくて丸太という素材で輸入をしなければ外材輸入としては認められていないわけなんですが、今後長期間にわたって丸太輸入の見通しというものはついているのかついていないのか、その辺はいかがでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先ほども申し上げましたように、諸外国におきましては自分の国で付加価値を高めるということから、丸太ではなくて製材で日本が輸入しろというような要望は確かに強くなってきております。そういうことから、木材の輸入を丸太だけに制限しておくということは非常にむずかしい状況でございます。特に日本はガットにも加入しておりますし、そういう意味から、輸入の制限というようなことを原則として禁止されておりますので、それを守る必要もございます。それからまた一方、いま申し上げましたように、丸太輸出から製品輸出に転化したいという輸出国の希望もあるわけでございまして、私どもはそういう観点から、丸太輸出に対して非常にきつい対応をとりますと、逆にそのために丸太の輸入もしにくくなるという逆効果もあるのではなかろうかということも懸念されるわけでございます。  そういう観点から、私どもやはりまだ当分の間外材の輸入によりまして国民の需要にこたえなければいけない現状にございますので、現在諸外国のそういう要望に対して刺激をしないという観点からの国際的ないろいろな折衝を重ねて、今後できるだけ丸太を現状のような形で輸入する努力はしてまいりたいと思いますけれども、やはり傾向といたしましては、なかなか今後困難になる方向にあるのではなかろうかというふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 大臣にお尋ねしたいんですが、今後わが国の林業を振興させるためには、国産材の競争力をつけさせることが大事になってくると思うのですけれども、現在丸太輸入に関しては関税がゼロなんですね。しかし、国産材は木材取引税が二%課税させられているのですが、国産材のこの競争条件をつけさせるために二%課税をゼロにするか、あるいは輸入丸太への関税を賦課するか、条件を均等にすべきではないか、こういう意見もあるのですが、これについては大臣どんなお考えを持っているんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 国産材を振興させるために、輸入規制なり関税の引き上げなりをできれば一番いいことです。しかし、御承知のような国際環境のもとで、むしろ関税を下げろという圧力が世界じゅうから日本にかかっておるということのために、とてもそれはできない。しかしながら、輸入の仕方等について、商社等が思惑買いでどかんと仕入れるというようなことが、かえって値段を暴落させるというようなことも往々あるわけでありますから、そういうことのないような方向で、別なことで秩序のある輸入の仕方を行政指導していくと、こういうことがいいのじゃないか。したがって、関税をここで上げるというようなことは考えてはおりません。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 それで、言葉では秩序のある輸入ということが言われるのですが、なかなか具体策になりますと思うようにいかないのが現状だと思うのですが、白書でも明らかにしているように、日本の木材自給率三三・六%というように、過去最低を記録されたのですけれども、今後一層低下が見込まれているわけでして、さらに心配な点は、東京ラウンド関係など、製材、合板など、いまも大臣おっしゃったように、関税の引き下げ要求をされるでしょうし、また輸入量の増大、これもまた要求されるだろうと、こう思うのですね。  そこで、政府の見解をただしておきたいんですけれども、木材の自給率について今後最低どのラインで食いとめようとするのか、その年次と自給率何%というのを方針として持っているのかどうか、この点について明確にしてください。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘になりました、どのくらいが限界で一体いつごろかということでございますけれども、現在私ども持っております長期の需給見通し、これによりますと、九十六年には自給率が六二%になるという見通しを一応つくっておるわけでございますけれども、これが相当乖離しておるということで現在検討を進めておりますが、ここ数年、少々ではございますけれども、五十三年は、たとえば五十二年と比較しますと、自給率が三三・六から三二に下がるというような状況になっております。ただ、国内の森林資源を見ますと、供給可能量というものは逐次増大してきておりますので、私どもとすれば、この五十三年の数字、量三千二百万立方ぐらいのものが大体限界ではなかろうかというふうに判断はいたしております。  しかしながら、今後の状況もございますから、必ずしもそうどんぴしゃになるかどうかわかりませんけれども、森林資源の現在の生育状況、あるいは全体の需要動向、こういうものを見ますと、大体現在が限界ではなかろうかというふうに考えております。下限ではなかろうかというふうに考えておりますが、さらに、じゃこれをどのくらいまで伸ばしてどうするかということにつきましては、先ほど申し上げました現在の長期の見通し、これを現在策定中でございまして、私どもこの策定段階におきまして、世界の森林資源の状況なり、日本の需要状況のこれからの動向なりをそれぞれ検討いたしまして決めてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 次に、国産材の市場確保の問題なんですけれども、いつも言われておりますように、間伐材の市場が確立しないために間伐が行われないし、人工林の施業手順というものが進まない。その結果、森林の状態を悪くしている。悪循環の繰り返しなんですね。これを是正するために、間伐材の需要開発ということを国として一体どのように今後進めていこうとされるのか。これについて、明確なひとつ方針を聞かしてください。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 確かに御指摘のように、間伐材がこれからの林業を振興させる一つの大きな課題でございます。そういう点から、従前から間伐についてはいろいろな施策を考えて、林業家にその施策によって間伐を進めていただくような努力をしておるわけでございますけれども、さらにはその間伐の利用方法、これが非常に大事でございますので、間伐材の小径木を集成加工いたしまして利用する、高度化を図るための機械設備の助成だとか、あるいは小径木でいろいろなものをつくりましたものの展示会だとか、そういうものをやりましてPR等々進めておりますし、また現在、日本住宅・木材技術センターにおきましてそのための技術開発、それから小径木を利用いたしました住宅工法の開発、またもう一方、間伐材を安定的に市場に供給するための方法といたしまして、価格変動準備金の増勢、こういうものに対しての助成を現在やっておりまして、そういうもろもろの施策を通じて間伐の推進を図っていこうということを考えておるわけでございますが、さらに今後ともこの問題につきましては、やはり林政の一つの大きな課題でございますので、私どもも鋭意努力を進めてまいりたいというふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 大臣、前の委員会のとき、この間伐材の利用法ということで、大都会における石べい、ブロック、これにかえて間伐材を利用して、門柱とかあるいはへいですね、こういうものをもっと普及させたらどうか、大きな災害があったときなんかのけがの率が減るだろうし、そういった点での利用を図れないかということを御提案申し上げたのですが、御検討されておるのでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘になりました問題につきまして、もうすでに技術的にはサンプルとしてでき上がっております。ただ、これを一般にどうやって普及させるか、あるいは技術的に経済的にペイするにはどうしたらいいか、こういう問題もございますので、さらに現在検討を深めておる段階でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 それから大臣、三月の中ごろ、省エネルギーという立場で、北海道みたいに寒い地方における冬のハウス栽培について石油を使うのはむだ遣いだ、今後、現在の補助金制度を含めて、見直しを検討したいということをおっしゃっているのですけれども、これは真意はどこにあるのでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私が申し上げましたのは、省エネルギーというような立場からハウスものを寒い地方でどんどん普及をしていくということはいかがなものであるか、やはりそれぞれの特徴がその地域によって——日本は北海道から九州まで、寒いところ、暖かいところまであるわけです。ですから、物の交流というような形でやった方がむしろいいのじゃないかというようなことを申し上げたのです。  もう一つは、今後の検討課題でございますが、これは地熱利用とか、それから木材のいろいろな廃材、それから薪炭林になった雑木ですな、そういうようなものを石油にかわって使うような施設をつくる場合には、そういうようなものを助成をしていくということの方がむしろ一石二鳥ではないかというように考えて、研究をしてもらうことにしておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 確かに大臣おっしゃるように、現在、ハウスものは石油を食べているようなものだという一面においては批判がありますし、確かにもったいない点もあると思います。  そこで、太陽熱や風力の発電熱を使った温室栽培、これが研究テーマになっていますが、いま大臣おっしゃったように、廃材とかその他の間伐材でも、こういうように利用できないような燃料にしかならないというものもずいぶん出るでしょうから、そういったものを山間僻地でこういうハウス栽培をやっているところは大いに活用させるという方向で、ぜひそういった施設のときには、また別途補助をするというようなことにぜひとも力を入れていただきたいと思います。  それからさらに、先ほどチップの話も出ていたんですけれども、これをちょっと調べてみますと、北海道で工場渡し価格を見ますと、国産材針葉樹でトン当たり八千三百円から八千五百円、落葉樹で一万四千円内外と言うんですが、これが発熱量その他で石炭と比べて一体どういうような効率になるのか、値段と熱効率の上でどちらが得かというようなこと、細かいことはまだ十分検討していませんけれども、特に北海道の場合は間伐が進んでいないという点が一つの難点になっていますし、今後こういった未利用の雑木というものを燃料資源に考えていくというのも、一つの新しい打開策じゃないかと思いますが、これについて大臣いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 石油関係の品物が安い、容易に手に入るというところから、やっぱりどうしても石油関係のものをよけい使うようになる。私は、去年ですか、おととしですか、私の近くのある山の炭焼き小屋へ行ったら、自宅へ行ってみたところが、炭焼きの人がプロパンでお茶を沸かしているのですよ。どうしてですかと言ったら、うちを新しく取りかえたし、うちの中で木を燃やしたりすると、すすけるし大変だとプロパンは安いから、プロパンでお茶を沸かしているんだと。自分で炭を焼いていて、それが現状なんですね。まして一般の家庭では、みんな農家でも余りだき火なんかぼんぼんうちの中でするところがなくなっちゃった、そういうふうなところがありますから、全部もとへ戻すということもこれは不可能に近いかもしれませんが、私は、これは石油が掘ってしまったらなくなってしまうということになりますと、やっぱりいつかは自然に、木なんというのは切ってもまたどんどん生えてくるものですから、そういうものを利用することもとだえさせてしまってはいかぬ、やはり考える必要がある。だから、石炭の問題もそうだし、木の問題もそうだし、もみがらの問題もそうだと私は思っておるのです。  したがって、総合的に省エネルギー時代を迎えて、しかも余りペイしないということでも困るかもしれませんが、ちょっとてこ入れしてやれば石油並みに使えるのだというようなものは、私は、政府の国策としててこ入れをやるならば、省エネルギーの石油節約の国策としてやるならば考えていくべきではないか、こう思っておるわけです。  しかし、具体的な問題になりますと、いま言ったように、採算問題というのがあるものですから、そこらのところは、今後とも技術的な研究を要する問題だということで、研究をしてもらうことにしておるわけであります。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 それから木材の利用、それから住宅資材を大分このごろ木材にかわってコンクリートあるいはアルミサッシ、いろんなものが使われてきたんですけれども、この点をもう一遍見直して、たとえば北海道みたいに寒冷地住宅をつくらなきゃならないところは木材が最高だと言い切れない点があります。そういうところは、やっぱり寒冷地に適応した住宅資材というのを使わなきゃならない。それから、やっぱりもっともっと木材を利用し、木材にかえて新しい建築資材がずいぶん使われているんですけれども、もう一遍木材に逆代替するといった考え方ももっともっと林野庁としても担当部局としてPRし、そういうものを普及させる、また転換させていく努力をする必要があると思いますが、いかがですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先ほど大臣からもお話ございましたように、エネルギーの問題とすれば、かわるエネルギー源を見つけるということも大事かと思いますが、また逆に、エネルギーの消費を少なくするという面も必要だろうというふうに思います。そういう観点から、たとえば住宅構造を見ました場合に、サッシを見ますと、アルミサッシより木材のサッシの方が熱放出が少ないというような点もございます。そういうことを勘案いたしまして、現在、私どもの方でも、従来木材にとってかわった代替材に対して、また代替するというような観点からの技術開発なり近代化というものに取り組もうということで、先ほど申し上げました日本住宅・木材技術センター等を中心にいたしまして、そういう研究開発についての努力を現在鋭意しておる最中でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 それから、白書によりますと、日本の人工林面積というのが九百三十八万ヘクタールありまして、戦後造林した林が二十一世紀に伐採可能時期に入るわけですが、それまでの間、何とかこの林業の減退に歯どめをかけねばならぬ、ぜひ歯どめをかけたいと、こういうふうにおっしゃっているんですね。そのために、林道や山村整備と一貫した造林事業の推進など、主に四項目ですか、必要性を強調されているんですが、いずれも早急に、大胆に取り組まなければならない施策だと思うんですけれども、白書で論ずるだけでなくて、必要予算を措置されて本当に実行に移していくべきだと思うんですが、この点について、大臣、お答えをいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 全くそのとおりでございます。  したがいまして、林野庁関係におきましても、ことしは林業生産活動という問題について予算はかなりつけておると私は思っておるわけです。ここで説明をするまでもございませんが、林道の整備拡充というようなことから、また植栽から保育までの一貫したところの造林事業の推進、特に今回は森林総合整備事業の創設というようなことで、ある一定の造林地については、二十五年間の長い間、間伐まで助成対象にしよう。ですから、これは大変な金目になる話ですね。ですから、かなり条件は厳しくしておりますよ。大蔵省はとてもそうでなかったらのみませんから。だけれども、だんだんにこういうようなものを広めていくようにわれわれはやっていきたい。  林業経営の改善、合理化という問題につきましても、林業経営の改善計画の認定を受けた者に対して公庫の資金の償還を延長するというようなメリットを与えて、造林事業でも四十五年間まで貸すとか、林道についても二十年を二十五年間まで償還期限を延長するというようなことを予算措置を講じたのは、みんな相沢委員の言うようなことを具体化をしたというようにお受け取りをいただきたいわけです。  また、国産材の加工・流通の問題につきましても、この加工・流通の円滑化を図るために、今回国産材産業振興資金制度というものを新しくつくって、法案として国会に提出したというようなことも、ただ白書で言っているだけでなくて、現実に予算として、また法案として国会に上程をしておるものであるというように御理解をいただきたいと存じます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 一般に、民間の林業経営というものはきわめて零細でありまして、この合理的な森林施業というものは行われにくい面が多々あると思うんですが、しかし、集団的に造林に協力して成功している例も白書で毎年紹介をしているわけです。特に今年度分では、木曽三川下流の十四市町村が水資源開発という公益的機能を生かした森林整備をした実例を挙げておられますけれども、幅広い国民的視野で林業の打開策というのを講ずべき時代が来ているのじゃないかと思うんですが、今後こういった点について、もっともっと林野庁としても力を入れ、また啓蒙を図るべきだと思いますが、これについてはいかがでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 御指摘のとおりでございまして、林業というものが単に林業関係者だけではなくて、いろいろな意味での公益的機能を持っております。したがいまして、いろいろな関係者の方々に御意見を伺いながら、広い視野でこれからの林業の打開を図らなければいけないというふうに私どもも考えております。  そういう観点から、昭和五十二年の末に森林林業基本問題会議というのを林野庁に設置いたしまして、幅広い学識経験者の方々に集まっていただきまして、いろいろ御検討いただいておるわけでございまして、その御検討の結果からいろいろな施策を、できますものから逐次われわれとしても対応してまいりたいというふうに考えて、現在やっておりますし、今回この法案を提出いたしましたのも、そういう基本問題会議の中から検討された結果、こういうものを私どもとしても検討いたしまして、法案としてただいま御審議願っておるわけでございまして、今後ともそういう広い範囲からのいろいろな方々の御意見に対して、私どもも十分それを取り入れていきたいし、また、関係方面の各省庁との連絡も十分に密にしながら、今後林業の振興を図ってまいりたいというふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 次に、国有林野事業の経営改善対策についてお尋ねをしていきたいと思いますが、五十三年の林業白書の「むすび」でも触れられているんですけれども、「国有林野事業改善特別措置法の定めるところにより所要の財政措置を講ずることが必要である。」こうなっています。改善計画第二年目に当たる昭和五十四年度の財政措置というものは約八十億円、こうなっておりますが、この程度の財政措置でどれぐらいの改善効果が見込めるものなのか、林野庁としての予定をお尋ねしてみたいと思うんです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 今回の五十四年度の予算につきましては、八十億円の一般会計からの繰り入れをいただいておるわけでございますが、これは前年度に比べますとやはり二倍というふうに非常に大きな倍率になっておりまして、そういう点では私どもとしてやはり大幅な繰り入れがあったというふうに理解いたしております。  そこで、それによりましてどんな効果が望めるのかということでございますが、保安林におきます保育に要する経費を新たに対象にいたしております。それから、繰り入れの対象となります林道の利用区域面積を引き下げるという形で、林道に対しても従来よりさらに条件の改定されました中で、一般会計の金を使って林道はつくるという形になっております。それから、一般会計の繰入率の改善も行っております。こういうことで、造林と林道につきましては、いま申し上げましたような点の改善が行われておりますし、また、一般会計だけではございませんで、財投の資金につきましても、新たに官行造林につきましての必要な経費を対象にするということで借入枠を千百八十億、昨年度は九百九十七億でございますから、それに対してもやはり二百億に近い増額をしていただいたということでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 国有林の現状と十年先を私どもなりに予想しまして、この国有林の問題点については、特別措置法による改善策じゃ現実問題としてなかなか解消できないんじゃないだろうか、こう率直に感ずるわけです。ですから、この国有林のところの特別会計制度そのものを改革すべきじゃないだろうかと思うんですね。また、あるいはこの財政援助にしましても政府が五〇%補助をするとか、思い切った改革をしないと国有林の造林はなかなか進まないのじゃないかという意見も出てくると思うんですが、財政措置について将来を考えた大きな改革が必要と思いますけれども、政府の取り組みをぜひお聞かせいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、この国有林野につきましては、公益的な機能を積極的に果たさせなければならないという面がございます。たとえば当然伐期に達しておってもこれは切らせないとか、そのほかいろいろな公益的な機能を国有林であるがために余分にしなきゃならぬという部分もございますので、そういうような点の金は一般会計からできるだけ出してもらうということは私は当然だと、こう考えております。しかしながら、国有林の経営という点から考えて、必ずしも民間と同じような効率を上げておるところばかりあるわけではありません。したがって、ただ足らないから国から一般会計で入れろということになってまいりますと、その経営の合理化促進という点にブレーキをかけることにもなりますので、そこらの点は両々見合いながら、一方においては経営の合理化のために一層の努力をしてもらうと同時に、他方それでもなおかつ必然的に経費がかかる——山の管理というだけで、全然木を切らぬかなり膨大な地区があっても、そこには監視なり管理なりの必要性はあるわけですから、そういうものについては国が見るというようなことなど、内容をよく洗い直ししながら、そこらのところは必要に応じた国の財政措置は要求をしていくつもりでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 作業能率の改善についてなんですけれども、直用のこの製品生産段階におけるセット作業、いわゆる定員外の職員の編成人員なんですけれども、これは現在どうなっているんでしょうか。

秋山智英林野庁業務部長

○説明員(秋山智英君) お答えいたします。  製品生産時におきます作業班を俗称セットと呼んでおりますが、これを編成するに当たりましては、対象森林が天然林であるとか、あるいは人工林であるとか、また太さがどのぐらいかというようなことやら、地形条件がどうなっているかというふうな状況、さらには作業地区と申しまして、トラクターで出す場合、あるいは集材機で出す場合というふうなそれぞれの仕組みによりまして違いますが、一般的にわりに多く使われていますのは、全幹集材機作業と申しまして、木を倒しましてそのままで下へおろしてまいりまして、盤台の上で玉切ってそれを運搬するというような、その際におきましては大体六名ないし八名の人員で編成しております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 そのセット編成のうち、一人でも欠けると主作業というものは動かない場合もあるんだというふうに聞いているんですが、林野庁ではこの一定地域の現場で労務組織との間に特別か約束事といいますか、契約といいますか、そういうことをしている例があるんでしょうか。

秋山智英林野庁業務部長

○説明員(秋山智英君) ただいま申し上げました伐倒から造材まで一連しました作業につきましては、申すまでもなく、安全にかつ能率的にしなきゃならぬということでございまして、私どもそういう面から適正に配置して実行しておるわけでありますが、過去におきましては、安全面から労使間で話し合いが若干円滑にまいりませんで、停滞した面もございますが、現段階におきましてはそういうことは全くございませんで、すべて適正人員で実行しております。休暇等によりまして一人、二人欠がある場合には、流動化ということによりまして再編成いたしまして能率的に作業をする、さらにそれで間に合わない場合には、主作業でございます伐倒とか集材等を重点的に行うということでございまして、現在は円滑に作業が進んでおるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 林業事業体の近代化の問題でお尋ねをしていきますが、林業事業体労務者年齢構成、これの実態と作業能率の関係についてはどういうように分析をされておられるのか、これがまず一点です。  それから二点目は、林業事業体の若年労働力の確保、それから育成機関については、どういった対策を講じられているのか、具体的に御説明いただきたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 林業就業者の年齢構成でございますけれども、これは総理府の国勢調査によりますと、昭和四十年に三十歳未満の者が二一%、三十歳から四十九歳までが五四%、五十歳以上が二五%でございましたけれども、五十年になりますと、これが三十歳未満が一八先、三十歳から四十九歳までが五五%、五十歳以上が二七%というふうになっておりまして、高齢化が進んでおります。  それから、作業能率の問題でございますが、一般的には確かに年齢が高くなれば能率が下がるというふうに考えられますけれども、林業の場合はやはり山の状況、木の状況、そういうような関係、それから資本装備の状況、こういうことで、なかなかその辺の判断が非常にむずかしいとわれわれ考えておりまして、年齢構成がどういうふうに作業能率に影響しているかということは、いま先生の具体的にという御指摘でございますけれども、これはなかなかわれわれとしてもむずかしい、困難だというふうに考えております。  それから、若年労働の確保や育成機関についてどういうふうな充実をしているかという御指摘でございますけれども、これについては林業技術実習指導施設整備事業、こういうものだとか、あるいは林業後継者の育成事業、こういうものに対して都道府県に助成をいたしておりまして、現在林業技術の実習指導施設につきましては、整備したものが十八カ所ございますし、現在整備を進めておるものが八カ所ございます。この施設では林業従事者及び後継者に対しまして高度の機械化技術、こういうものを初めといたしまして実践的な技術指導についての実習を主体にいたしました研修を行っておるところでございますし、また後継者の問題につきましては、林業教室というようなもので後継者に対する教育指導の体制の整備を図っておりますし、そのほかグループ活動だとかいうもの、あるいは全国のシンポジウム、こういうものによりますチームリーダの養成、こういうものにつきましても助成をいたしまして後継者の育成を図っておる次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 確かに、経験豊かな人たちはそれなりに有効な使い方ができると思いますし、それから若手の人たちを新たに養成するというと、これは歯車の両輪のように進んでいかないとならないと思いますので、その点よく配慮していただきたいと思います。  それから、五十四年度の国有林野事業業務方針に事業運営の能率化ということを強調されておりますけれども、直用の現状は非能率が多くて全体的に改善をするんだと言われてきたんですけれども、国有林の改善初年度における直用改善実施報告をこの際お願いしたいと思います。

秋山智英林野庁業務部長

○説明員(秋山智英君) 五十三年度は、先生いま御指摘のとおり、国有林事業の実行につきましての改善、合理化の第一年でございますので、私ども鋭意努力しているわけでございますが、まず製品生産事業につきまして申し上げますと、まず労働生産性のアップの問題でございますが、これは直用事業量を定員外職員と定員内の技能職を合わせまして、それで割るわけでございますが、五十二年におきましては一・一八%でございますが、五十三年一・二二%で、五十四年もさらにその程度のアップをもっていきたいということで現在進めております。  また、事業所の統廃合でございますが、製品生産を行います事業所でございますが、五十二年に六カ所、そのほか作業場を四カ所いたしましたが、五十三年は製品事業所六カ所並びに作業場六カ所を統廃合いたしております。それから、貯木場につきましては、五十二年二カ所でございますが、五十三年に三カ所いたしまして、能率的に事業の実行をし得るような方法をとっております。  それから、造林につきまして申し上げますと、やはり造林事業を収穫、生産、その他の事業と有機的に連携をとりまして事業を実施する方が適切な個所につきましては、造林事業所を担当区に統合をしているわけでございますが、これにつきましては五十二年にも六カ所、五十三年にも六カ所、ことしは七カ所を予定しまして、合理的な方法を進めておるところでございます。  それから、次に種苗事業でございますが、種苗生産につきましては、なかなか労働生産性のアップというのは思うようにいきませんが、一人当たり一日何本生産しているかというのを見てまいりますと、五十二年が百七十三本でございますが、若干上がりまして百七十五本と、今後さらにこれを鋭意努力してまいりたいと考えております。  それから、事業所の統廃合でございますが、これにつきましては五十二年に事業所を九カ所、五十三年には八カ所ということで、計画的に今後とも事業の実行との関連で統廃合を進めてまいりたいと、かように考えております。  なお、先ほどの生産性は、パーセントでございませんで立方でございますので、訂正いたします。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 改善、合理化の中で、五十四年度の業務方針は要員規模の適正化と組織機構の簡素化、これを打ち出されましたけれども、定員内職員の適正配置ということをしっかりやってほしいこと、それから現在十一局四支局のうち地域的なアンバランスがないのかどうか、これをお知らせください。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕  それから、福利厚生担当の職員数を見ますと、秋田営林局じゃ十四人いらっしゃるんですね。これに対して熊本営林局は二人だというふうに聞いていますけれども、不足している地域に集中して投入するお考えはないのかどうか。以上、二点についてお伺いします。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) ただいま御指摘になりましたように、営林局十一営林局四支局あるわけでございますけれども、それぞれの営林局の過去の事業量と現在の事業量の推移の関係、それから従来の経緯いろいろございまして、先生御指摘になりましたように、私どもも各営林局の人員配置が平等なといいますか、適正に配置されているとは必ずしもわれわれも考えておりません。したがいまして、できるだけ営林局間の異動を行いまして適正な配置をしたいというふうに考えておりますけれども、ただ最近、一般的な風潮で地元定着型と申しますか、そういうものもございます。したがいまして、余り強権的な異動というものはそうできない点もございますので、その辺は十分本人の意思等も配慮しながらわれわれやっておりまして、将来やはりこれらが均衡されるような方向で十分考えてまいりたいというふうに考えております。  それから、御指摘になりました営林局の厚生係の問題でございますが、先生の御指摘になりました数字とちょっと違いますけれども、私ども調べますと、秋田営林局では一番多い営林署で八人、少ないところで三人、それから熊本営林局では多いところで五人、少ないところで一人というふうに、これは事業量あるいは現場におります作業員の数によっても違いがあると思いますけれども、確かにこの辺につきましても必ずしも均等な形じゃないというふうにも判断しておりますが、先ほど申し上げましたような形で、今後できるだけ標準化されるような人員配置になるような努力はしてまいりたいと考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 若手労働力の確保という問題ですね、これは国有林にとっても重大なテーマだと思うんです。現在、農山村に若手を定着させる具体策がなかなかないと言われているんですが、山村振興を加味した施策として国有林が主体となって若手の育成機関を設置して、若年労働力の定着化を図っていただきたいと思うんです。その育成機関から民間にも若い林業の担い手を供給していくと、こういうような構想をぜひ具体化していただきたいと思うんですが、こういう点の検討はされているんでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 御指摘になりましたように、後継者あるいは林業労働力の確保ということは非常に重大なことでございます。したがいまして、受どもも一般的な林政の施策の中で実習施設をつくったり、あるいは後継者対策を講じておるわけでございまして、御指摘になりましたように、国有林がそれをみずからやって民有林指導までやるという御指摘でございますが、そこまでは現在の時点では考えておりません。  と申しますのは、先ほども御指摘になりましたように国有林の財政、現在の経営状況を見ますと、まず、みずからが姿勢を正さなければいけない問題もございます。さらには、財政当局から援助を仰ぎながら現在経営をしておる状況でございまして、私どもも早くその辺が健全な国有林になるような努力をいたしまして、民有林の見本になるような国有林経営をしていかなければいけないということで、まず現在国有林はその辺に重点を注いで努力しておるわけでございます。ただ、国有林はそれなりの場所その他を持っておりますから、いろんな意味で場所の提供あるいは知識、技術の提供、こういう問題については、私どもも積極的に今後とも民有林行政等の中で調整をとりながら努力してまいりたいというふうに考えておりますが、国有林みずからが手を下して教育をしていくというところまでは現在まだ考えておりません。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 長野県では、林業後継者育成のために県で各種学校として林業大学というものを建設して積極的にやっているわけですね。わが国の場合、防衛大学はあっても大事な国の森林を守る大学はまだないわけなんですけれども、国立林業大学構想、これについて各方面からも提案されているとは思うんですが、将来実現されるお考えがあるかないか、ひとつ大臣に御見解を承っておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 林野庁では実習施設をつくったのでありますが、その実習施設を大学校にしたところが三県ばかりございます。国として統合した一つの大学をつくるかどうか、これは現行の教育法に基づく大学との調整や、いろいろな地方の林業短期大学校との調整それから卒業生の就職先、そういうようなことも考えなければなりませんから、十分に検討さしていただきます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 森林あるいは国有林の持つ公益的存在意義、これは広く国民に周知徹底することが非常に重要な段階になったと思うんですが、その意味で林野庁が各営林局と連合して国有林の苗木即売会やそれから国有林のパンフレットの配布、非常に有効な催しであるというように評価をされているようです。首都を初め、今後こういうような種類の開催を積極的に全国各地方都市でも行った方がいいんじゃないかと思いますが、これについてはどういうような取り組みをお考えでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 森林なり林業というもののいろいろな問題点からの公益的機能発揮その他について国民の方々に認識をしていただくことは、非常に私も大事なことだというふうに考えております。  したがいまして、いま御指摘になりましたようなパンフレットの配布だとか、あるいはテレビの放映だとかラジオの放送だとか、いろいろなことで理解を深める努力をいたしておるわけでございますが、たとえば現在ちょうど植栽時期になっておりまして、来週は全国の植樹祭が行われるという形になっております。こういう催しについては、それぞれの都道府県でもやっていただいておりますし、また営林局でもそれぞれやっておりまして、そういう機会にいろいろなパンフレットの配布だとか、あるいは苗木の配布だとか、こういうことをやりまして、それぞれの地域でも鋭意努力をいたしておりますが、さらに今後とも御指摘のような、東京だけではなくて、地方におきましてもそういう努力を進めるような姿勢におきまして、営林局を私どもとしては指導をしてまいります。また、都道府県におきましても、都道府県それぞれの立場から森林のいろいろな問題について御認識をいただくようなPRについては、努力するような指導をしてまいりたいと考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 時間が来ましたから、終わります。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 私は、いま提案されております法案に直接かかわりありませんが、それの前提となる林業政策に対して、特にマツクイムシの問題について少しお伺いしたいと思うんです。  去年、政府が発表したところによりますと、非常に気温の関係その他でたくさんの被害が出たと。三十六都府県、百二十七万立方メートルと言われているんですね。ある学者の計算によりますと、これは住宅に換算しますと大体五万戸の家が建つわけですね。そうすると、二十万人の人間が住む、それだけのものが去年のマツクイムシの被害で大きな損害を受けたわけなんです。ところが、このマツクイムシの防除について、一昨年ですか、五十二年に法律ができまして、四月に林野庁の長官から、この法律が成立するとともに各都道府県に、あるいは各政府関係の機関に対して通達を出されておるわけです。もちろん、これはきわめて一般的なことの通達になっておりますが、この通達がずつて下までどの程度浸透するものかということを私はちょっと疑ったわけなんです。  それは、昨年私たち国会の調査団が三重県と和歌山、奈良県へ参りました。和歌山県は七、八年前にも私参りましたけれども、もう満山が、ほとんどの山々は、まだ秋にはなっていませんけれども、それから松は緑なんですけれども、ほとんど紅葉になっているわけですね。ひどいものなんです。あそこの県の農林部長に聞きますと、もうとってもだめだと、お手上げだと言っているんです。どっか一カ所だけは守るように手入れをやっているけれども、ほとんどだめだと言っているのですね。ですから、そういうふうな状態で奈良へ入りまして、奈良でもかなりあちらこちらがやられております。そこで、奈良県立公園へ行きますと、あそこの中に博物館があるのですね。これは全体から言うとごくわずかなんですけれども、ここにある相当大きな、百年あるいは百年以上超えているこんな大きな木が、全部上まで真っ赤になっているのですよ。褐色を呈した葉がついているわけですね。それから、そこ以外にも、あの県立公園の中には相当たくさんマツクイムシにやられている。  私はそのままにして帰ったわけなんですけれども、しかし、たとえば環境庁が管理しております京都の御所、それから宮内庁が持っております御所の中の一部とか、あるいは私が住んでおります修学院ですね、そこの前景になる私の村に横山という丘があるんですけれども、そこは二、三年ばかり前ですか、ずいぶんとマツクイムシにやられた木が頂上のところにありまして、皆切っているんですね。御所の中でも大きなこんな木が、こんなものもったいないと思うような大きな木でしたが、これも切っているわけですね。だから、そこでは、環境庁や宮内庁はそういう手入れが、まあマツクイムシを防除する意味でわりあいにちゃんと実施されているわけですね、切り倒す方に重点がありますけれども。ところが、博物館は去年行きまして、たしか九月の末だったかと思うのですが、たくさんそういうところがあるわけです。聞くところによると、あそこの大仏さんのある道路、あそこには大きな木がたくさんあったのが、とにかく三分の一は枯れちゃっていると言われているほどなんです。だから、非常に手入れが悪いわけですね。こういう通達が五十二年の四月に出ているわけですけれども、必ずしも小さなところまでそれが浸透して実行されていないというふうに思ったわけなんですが、この点はどういうふうにお考えなんでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘になりましたように、マツクイムシにつきましては、松そのものを林野庁所管の国有林も持っておりますし、また御指摘になりましたように、文化庁なり文部省なりそれぞれ所管しておられるところがあるわけでございまして、今回の、一昨年先生方に御審議いただいてできました法律に基づいてこれら国有林の防除についても、そういうものがやはり国の方針に従ってそれぞれ対応するという形になっております。したがって、私どもといたしましては、いま御指摘になりましたような通達を出しましたし、また関係省庁には十分説明をいたしまして、また必要なところについては技術的な説明もし分担をしていただこうという姿勢をとっておるわけでございまして、万一御指摘のようなそういう考え方なり指導が十分にいっていないところがございましたら、また関係省庁と十分打ち合わせをして、今後そういうことのないように努力はしてまいりたいというふうに考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 文化庁の方来ておられますか。——ちょっとお聞きしますが、私の方も直接電話であそこの博物館の方に聞いたわけですよ。ところが、この方のおっしゃるには、去年十一月ですね、あそこの正倉院は年に一回ぐらい公開するわけです。そのときたくさんの人が来て、これじゃぐあいが悪いんじゃないかということで、その当時県の方も、奈良公園の中にはたくさんそういう木があったものですから、そこで昨年の十一月に七本切ったということ、こういう電話を受けたわけです。そのときやはり文部省、文化庁、それから農林水産省等からの指導がないと、もっぱら県にお願いして、そして吉野の林業試験場の方にこれを伐採してもらった、こういうことになっているんですね。大体こういうことですか。それだけお尋ねしたいんです。

石田正一郎文化庁文化財保護部管理課長

○説明員(石田正一郎君) お答え申し上げます。  奈良の国立の博物館は、お話のように奈良公園に接しまして約七万五千平方メートルの敷地を持っておりまして、その中に松が約三百本あるわけでございます。で、この松のマツクイムシの被害を防ぐことにつきましては、あそこの敷地が、柵というようなものもなく、奈良公園と一体というふうな形になっておりますものですから、この奈良公園の方を管理し、あるいは指導なさっている奈良県の企画部の観光課というところがございます。そことかねてから連絡をとりながら、マツクイムシの防除ということをやってきたわけでございます。で、昨年は、先生方おいでになりましたちょうどそのころ、奈良県の方は非常に気温も高く、あるいは雨も少なかったというようなことで、八月の末、九月の初めごろからマツクイムシの被害が非常に目立って出てくるようになったということで、奈良県の方のこの関係のそこの当局とも御連絡をとりまして、そしておいでになった直後になるかと思いますが、十月の二日の日に十二本を伐採し、さらにちょっとおくれましたが、十二月二十七日にさらに一本伐採しまして、計十三本を伐採し焼却をするというふうな措置をとったわけでございます。  一般的にそういうことで、奈良県の方の奈良公園の担当のところを通じまして御指導あるいは御相談を受けながらやってきているということで、毎年これまでも、特に昭和五十年度からは奈良国立博物館の方でこのマツクイムシの予防のための予算措置をいたしまして、百八十九万一千円とことしの予算がなっておりますが、年二回の薬剤の散布、それから冬季にあれは寒肥と申すのでしょうか、松の樹勢を強めるための施肥ということをやってきたわけでございまして、昨年はそういうふうな状況でございまして、博物館の中の樹木の伐採が、県の方と御相談しながらのその順番がちょっとおくれたものですから、ちょうど先生方がおいでになったときはまだ非常にそのまま残っていたかと思いますが、そういうふうなことだったというふうに聞いております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 大体あそこは県立の公園の方が主要な土地を占めておりますし、したがって博物館は一種の小さなところですからね。まあ間借りのようなものですかな。ところが、地方自治体というのは、必ずしもそうどこもここも熱心にいまこのマツクイムシを本当に退治しようというところは少ないわけですよ。山を持っている人も、一遍かかったらもうこんなものはしようがないとあきらめちゃう。ですから、地方自治体も財政的にも困難ですし、なかなか積極的にやってないところがかなりあるわけです。たとえば京都あたりでも、ずいぶんと嵯峨野あたりにいまどんどん土地を買い上げてそこを保存しようとしておりますが、その近くの山なんかは、かなり小さい木ですけれども、やっぱり皆赤くなっているんですね。しかし、御所とか宮内庁の管理のところはかなりきちんとやって、赤くなればそれを切っちまうという方針をとっております。  ここで非常に相違を私は見たわけなんですけれども、とにかく余り地方自治体に重きを置いて、これはやってくれるだろうとか、これはやるだろうというようなことは、ちょっとなかなかいまの自治体の状態では大したことはないと思うんです。ことし京都でも京大の先生その他を集めて、つまりマツクイムシの何か審議会かなんかつくっておりますけれども、ことしやるんでしょう、それは。もう法律の出たのはおととしですから、ずいぶんおくれているわけですよ。かなりもう松はあっちこっち早くから大分マツクイムシにやられております。マツタケの出る丹波方面へも、どんどんいま侵攻しているわけですね。ですから、いま地方自治体に余りこの問題の処理を頼るということはなかなか進捗しないだろうと、こう思うわけです。  ところで、まあ大臣も文化庁の方もひとつよく聞いておいてもらいたいんですが、あそこの松が枯れておりますね。ところが学校の子供がたくさん来るわけです、あそこは。まあ外国の人も来ますし、いわゆる京都、奈良といえば昔の観光地の一つです。だから学校の子供さんが来て、まあかなり青い松もあるわけですが、赤い茶褐色のやつがぱかっとあって、これはどういう松ですかと生徒が聞くというわけですよ。先生答えに困っちゃうんですね。それで、宮内庁へ行って宮内庁の博物館の人々に聞いても、まあ十分それを説明し切れぬというわけですね。本当はこれは松の、植物の伝染病ですからな、そんなものをいつまでも置いておくわけにもいきませんし、ほうっておくということはまたおかしいんですから、非常にその答弁に困るということですね。  それほど、いま学校の教育の中にもこういう問題が大事に取り扱われていないし、また一般の人の中にも、たとえば和歌山県を通りましても、一本の木だけを庭に植えていて、その木が真っ赤になっているんですよ。それを大事そうにほうっておくわけです、とっているわけですね。あるいは京都でも見ましたけれども、植木屋さんですね、庭師、この人らが自分の家のところに、やっぱり赤くなった松をそのままにしているんですね。それほど一般には、この問題に対する認識というものが非常に低いと思うわけですね。  だから、こういう点で私はこの問題を一つ取り上げたわけですが、ところがこのお切りになった後、ことしのこれは五月でしたか、私の秘書が行ってちょっとその辺を撮ってきたんですよ。そうすると、やっぱりこれを見ますと赤いのが大分残っているんですね。新しくこれはマツクイムシにやられ出したころだと思うんですよ。これは後で見ておいてください。林野庁の方もお願いします。  そこで、私はこういう点で、まあ予算もなるほど庭を掃除するぐらいの予算は大抵ああいうところへは行っているんですけれども、本当に松の木を切り出すとか大がかりで消毒するとか、あるいはマツクイムシを本当に退治するというような、そういう予算はそう組んでないと思うんですな。だから、やはり大事なところは、特に観光都市なんかにある問題、それから鉄道の沿線なんかもありますが、とにかく重要なところですね。特にこのごろは国民宿舎や山のレクリエーションのいろんなそういう設備を各文部省や厚生省その他も持っていますが、ところがそういうところには余り林業の専門官はいないわけですね、専門の方は。だから、マツクイムシにちょっとやられ出したといっても、そう気にせずに大体ほうっておくところが多いのじゃないかと思うんですよ。ですから、こういう点は、まあ学校の子供の教育の点から見ましても、本当のこの地域地域のそれらの緑を守るという点から見ましても、やはり相当林野庁の方々が地方にそれぞれ営林署があったり、それから地方の営林局もあるわけですから、そういうある程度専門の知識を持った人がそういうとんろと連絡をとって、とにかく国がまともにこういう緑の樹木を残さんならぬと、山は樹木で緑にしなくちゃならぬと、こういうことをお考えなんですからね。  特に今度の私、白書を読ましてもらいますと、非常に美文調で書かれておるわけですね。まあ時間がないですが、ちょっと読みますわ。「豊かなな森林は、四季の変化と織りなして緑美しい自然を形成し、長い歴史を通じて人と自然との一体的なつながりという我が国に独特の自然観を育んできた。美しい屋敷林につつまれた民家、庭園、鎮守の森、山岳信仰、社寺有林等に見られるように、森林と人との結びつきはまことに深いものがある。」と、それからちょっと飛びまして、「満山の緑、清く豊かな水、澄んだ空気にみるとおり、森林は、自然を構成する代表的な要素である。」と、きわめて美文調でお書きになっているんですよ。それで、非常にこういうふうに緑を愛し、山を愛しておる、こういうところが林野庁の方にはあるわけなんですよ。しかし、これがやっぱり自分の所轄するところ、特に国が、お互いの官庁も国家の所有として森林なり樹木を持っているわけですね、そういうところにやはり相当の援助を与えませんと、ここに書かれたようなあれが映っていかぬと思うんですね。  ですから私は、もうすぐ結論に入りますが、とにかくいま各地方機関に必ずしも林業に詳しい人あるいはこのマツクイムシとかそういう問題について詳しい専門的な方がいないわけですから、博物館なんて、まあ昔からの人間のいろんな歴史を、そういうつくった品物なんかを飾って保存するところが中心なんですから、そう庭の木が古くなって松林が枯れて赤くなっているっていっても、そんなもの余り気をつけぬと思うんですよ。そこをやっぱり気をつけるように、林野庁の方々あるいは営林署の方々、そういう人々が行って、そしてそんなにしょっちゅう回らぬでもいいわけですから、回ればレクリエーションにもなるわけですね、仕事の都合でそういうふうに分けて、どこどこはどこが持っていくと、そして国家機関がとにかく率先してこういう問題を防いだり、あるいは処理したりすることをやっぱりおやりにならぬと、地方自治体というものはなかなか率先していまはやらぬというふうに思うわけです。  ですから、私はやかましいことは言いませんけれども、少なくとも林野庁関係の役所の方々のそういう樹木に対する、特にこういう虫害なんかに対する問題をやはりちょいちょい見て歩いて、自分の管轄をつくっておいて、そしてそこと緊密な連絡をとりながら、必要なところは予算をあなたのところは出しなさいと、来年は切りましょうとか、いつになったらどうしましょうというぐらいなことをやりませんと、事は単に庭にある木が一本枯れるとかいうだけのことでなく、さっきも申しましたように子供の教育のためにも、また一般の民家のためにも、やはり私は林野庁というものが、どんなに日本の一木一草についても責任を持ってこの緑を保っていこうとしているかという意気込みを示すのが、私は必要じゃないかと思うわけです。そういう点で、余りかた苦しい行政的なことを私は言いませんけれども、一つの町におきましても木が枯れたり、あるいは去年あたりツツジなんかずいぶん枯死しました。もう全然そういうところ、同じ役所に勤めている人でも考えを持たぬわけですね。  ですから、いま官庁というものは非常にセクショナリズムの仕事になっていますから、やっぱり専門家は専門家の立場でそういう緑を保っていくことに、やはり私はもっと融通をきかしたやり方でひとつやってもらいたいと、そういうことをひとつ林野庁の方々に、実は忠告と言うと何ですが、仕事の関係、また日本のいまの林業が非常に今日ひどい状態になっているところを見ましても、やはり国の機関が率先してマツクイムシなんかを退治する、あるいは処理する、それからまた緑を残していく、こういう問題についてもっと積極的に働きかけるということがいま必要じゃないかと思うわけです。特に国が、横の線を仕事の上でもつなければつないでいくということが、大事じゃないかと思います。この点、ひとつ大臣と長官からお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) ただいまマツクイムシにつきましていろいろな御指摘をいただいたわけでございます。国有林は国有林なりに、やはり自分の山を守らなきゃいけませんので、国有林に発生しますマツクイムシについては、それなりの対応をいたしておりますが、いま御指摘になりましたように、それぞれの地方におります国有林の職員につきましても、それぞれの地方の民間のいろいろの木の問題については、鋭意関心を持ちながら、それぞれの地方の山の管理、維持、あるいは森林の維持という問題に対しての認識を高めるような指導をしてまいりたいというふうに考えておりますが、一般的に申しまして、こういう森林行政その他につきましては、私どもは仕事の流れの筋として、国から県、県から町村、こういう形で流しております。  県ににはそれぞれ林業の専門家もおりますし、また出先機関も持っております。それから町村におきましても、部分的にある町村におきましてはそういう方のおられるところもありますが、大半はそうおられないかと思いますが、そういう形で指導をしておりまして、主体は県の職員がそれぞれの立場で市町村を指導していただく、あるいは森林所有者を指導していただくという形でこのマツクイムシの防除に対しても対応いたしておりますので、中心はそこに置きながら、いま先生がおっしゃいましたような国有林の職員につきましても、その辺につきましては十分関心を持った指導をするようなことを今後とも考えてまいりたいと思っております。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 河田委員の御指摘のようなことがよくあります。アメリカシロヒトリがはやりまして、役場に文句を言いに行ったら、あれは補助金がなくなっちゃったからもう役場は関係ないのだとか、末端の出先というものはえてしてそのようなことが多い。したがって、これについては全く御趣旨ごもっともでございますから、御趣旨を体してマツクイムシの退治に全力を挙げるように——林野庁は国有林野庁じゃないはずですから、これは国有林だけの林野庁じゃありませんから、したがって率先してやってもらうように指示をいたします。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 終わります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ただいま河田委員の方から、マツクイムシのお話ありました。私も続いて、この点で一、二お尋ねしたいんですが、出先だけではなくって、国の行政という面から見てどうなんだろうか、マツクイムシの防除の特別措置法ができまして、空中散布がやられてことしで三年目を迎えようとしているわけです。しかし、先ほど指摘ありましたように、もう全国でいけば百三十七万立方メートルからの被害、これはむしろ増加の傾向が見られるんじゃないか。この原因はどこにあるとお考えでしょうか。

猪野曠林野庁指導部長

○説明員(猪野曠君) マツクイムシが非常にふえております原因でございますが、実は年代を追ってこれを区分してまいらなければならないかと存じます。  戦前あるいは戦後の一時期におきましては、マツクイムシの被害はわりかた少なかったわけでございます。この理由といたしましては、当時松材というものが非常に貴重な燃料材であったというようなことから、多分松食いの現象は起きておったと思いますけれども、これは赤く枯れました場合にはすぐ伐倒して燃料にするとか、そういったようなことが行われたために、それほど顕在化していなかったろうと思います。しかしながら戦後に至りまして、人手が不足になるとか、あるいは山に対する手入れが不十分になったとかいったようなことが出てまいりまして、戦後に至りまして急激に松食いの被害が増加したわけでございます。しかしながら、その後、昭和三十年代ぐらいまでに、またマツクイムシの被害が減ってまいりました。これはまだ燃料革命とか、そういったものが起こらない前であったろうと思います。そういう点で、やはり松材を使うようになった、さらにはパルプ材として使うようになったということがあろうかと思います。その後に至りまして、燃料革命その他が起きました。松材に対して、またパルプ材として松を余り使わなくなったというようなこと等がございまして、今度は急激にふえてまいりました。  そこで、ただいま御指摘の法律をつくったわけでございますが、その後に至りまして、つくりました五十一年、五十二年につきましては、比較的、若干被害が少なくなったように見受けられたわけでございますけれども、その後五十三年に至りまして、御指摘のように急激にふえたわけでございます。これらにつきましてはいろいろ理由があろうかと思いますが、非常に異常な天候であったということ、いわゆる雨が非常に少ない、それから温度が非常に高かったというようなことから異常な発生を見たものと、こういうふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 生活様式、生産様式や、あるいは松材の活用等についての意識の変化が歴史的にはあるというお話をされたようですけれども、私が聞いたのは、とにかくせっかく松の松枯れの問題、マツクイムシに一番効果があるという空中散布の法律ですね、それをつくって実施したにもかかわらず、なぜふえたのかと、こう質問したわけなんです。これはいま異常気象の結果だと、こういうお話なんですけれども、異常気象だけなんでしょうか。といいますのは、具体的に茨城県なんですけれども、あの茨城の松を見ましたら、あのまま北上していって宮城県の松島海岸までやられてしまうんではないかというふうな話まで出ているぐらい大変ひどいもので、昨年、五十三年九月の三十日現在では四十万立方からの被害だと、その後約五十万立方近い被害だという話も伺っています。全国的に非常に被害がひどいということは言えるんですけれども、特にこの茨城県でこういうふうに大量に発生したということが、単に異常気象ということだけで片づけられるんでしょうか。  同時にもう一点は、その空中散布の効果ということについて見直さなければならない時期に来ているんではないか。いかがですか。

猪野曠林野庁指導部長

○説明員(猪野曠君) 茨城県でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、水戸気象台等の発表によりましても、あの年の気象条件というものは非常に異常でございまして、マツクイムシのいわゆる発生には非常に好適であったと、ザイセンチュウの発生にも好適であったということが言えると思います。  それから、特別防除一点張りでいいのかというような御質問でございますが、私どもとしましては、まず第一に、被害の発生を事前に防ぐといったような意味から、予防措置が重要ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。このため特別防除、これは空中散布でございますけれども、これを今後とも計画的に拡充強化するというようなことで、効果的に被害の防止を図りたいと、こう考えているわけでございます。しかしながら、自然環境あるいは生活環境を守るといったような面、さらには農業、漁業に対します被害の未然防止、こういったような観点から、すべての被害を受けます松林、こういうものを対象といたしまして特別防除を実施するということは、なかなか現実的に困難な面もあるわけでございます。こういったような場合には、地上散布または被害木の伐倒駆除ということを徹底してやってまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。今後とも特別防除等によります予防措置と伐倒駆除を有機的に組み合わせまして実施することによりまして、地域全体としての防除効果を高めるよう努めてまいりたいと、こう考えております。  さらには、マツクイムシ被害の防止のための試験研究の推進とか、あるいはマツノザイセンチュウに対しまして抵抗性を有する松の新品種を創設すると、新しくつくり出すとか、こういったようなことを図りましてマツクイムシ対策の一層の充実を図ってまいりたい、こんなふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣にお尋ねしたいんですが、ただいま担当の方があくまでも異常気象だというふうにお話しになっているんですよ。これは傾向として全国的に同じように出てくるんじゃないか。ところが、変わらないところもあるし、逆に減少しているところも出ているんです。それで、ばっとふえているところもあるんです。  私はここで言いたいことは、やはりどうしてこうなっているかということで、五十三年度からマツクイムシのこうした問題についての大型プロジェクトの研究も計画されているようですが、実態をよく調査してみる、そのことが必要ではないかと思うんです。それは先ほど河田委員からも御指摘がありましたように、縦割りで紙一片の通達というだけでなくって、末端の行政とも連絡をとりつつ、心ある実態調査と、それに見合った対策ということで考える必要があるんじゃないだろうか、これが第一。  それから第二番目に、空中散布の問題、これを見直すお気持ちがないかと、こう言ったんですが、確たるお答えがいただけないんで、改めて私、この五十二年の二月に出されましたマツクイムシの防除特別措置法ですね、そのときの提案理由を見てみました。これを見ますと、この空中散布というのは非常に有効的な方法なんだと、これをやっていけば、おおむね大体五十六年度には二十万立方ぐらいの被害になるんだと、こう言っているわけなんです。いまのような状況でいきますと、これはやっぱり実現不可能ということが言えるんじゃないかと。それから逆にまた、異常気象であるとかいろいろ天気のせいにされているわけですが、そのお天気の云々ということは、この法律のときだっても恐らく議論になっていると思うんですね、お天気やなんか、そういうことでもって効かないんだとすれば、逆にやっぱり見直しということが必要なんではないだろうか、これが二点であります。  それから、時間がありませんからまとめちゃって恐縮なんですが、三つ目に、茨城県では大変このことに苦慮しまして、大分伐倒したり、特別県単の防除をしたりいろいろやられておるようです。そして、その跡の被害跡地の利用ですか、山の回復のための施業計画なんかもお持ちになっているようです。ですから、全国的にこういったマツクイムシ被害に遭ったところへの総合的な施業案というふうなものも示しつつ、地元とよく協議し、必要なところはいろいろ事業等も手だてをしながら改善の方策を考えていただけないか。  以上三つ、まとめて大変恐縮ですが、長官からの御答弁でもいいんですが、大臣の方からあとで責任ある答弁をちょっと一言お願いしたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) まず最初に、調査の問題でございますが、私どももマツクイムシの被害、大体ことしの場合、五十三年の場合五十万ヘクタール強くらいではなかろうかという、面積的にそう把握しております、はっきりした数字ではございませんけれども。そのうち、空中散布いたしましたのは十万ヘクタールでございます。したがって、五分の一程度しか空中散布はしておりませんので、いまその空中散布をやったところの被害の状況はどうかということは調査中でございますけれども、やはり空中散布をしている面積は全体の五分の一程度であるというところにも、ある意味では問題があるのかというふうにも考えておりますが、それにつきましても被害が非常に多かったということについては、われわれとしても生ほど指導部長からお話いたしましたように、いろいろな因子を調べまして、どうしてそうなったかということで、現時点ではやはり非常な異常気象があったところに被害が多いというふうに把握しておりますので、そういうことを申し上げたわけでございますが、さらにこの問題については私ども十分な調査をしながら、今後できるだけ早くマツクイムシが衰微の方向になるような努力を、空中散布あるいは地上散布、さらには伐倒駆除、こういうものを並行して対応してまいりたいというふうに考えております。  それから、空中散布をやめられないかというお話でございますが、やはりマツクイムシの枯れたものを切るというのは、まず第一義的に病気にかかったものに対する治療でございますし、そういう意味からは、ある意味で後手になるものもございます。逆に、先に薬をまいておきますと、かからないで済むという問題——予防になるわけでございますから、私どもとしては、やはり重要なところについては、法律の精神に従って空中散布をし、そしてなおかつまけないところについてはできるだけ地上散布なり、あるいは枯れたものについては伐倒駆除なり、こういうものをそれぞれ十分調整しながら対応して、マツクイムシの防除に努めたいというふうに考えております。  それから三番目の問題として、造林の問題につきましては、ただいま県の方にこういうマツクイムシの跡地につきましては、それぞれ造林実費あるいは保安林については保安林の費用でそれぞれ対応できる造林の仕組みがございますので、どういう形でこの復旧を図るかということについて指導いたしておりまして、それぞれの県が十分調査された上で、その指導に必要なものについて、国の助成ができるものについては積極的な助成をして、いい山づくりをしていただくような指導をしてまいりたいというふうに考えております。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) マツクイムシの問題は、私も非常に重大な問題だと考えておりますから、まあ金に糸目をつけないでやったらどうだと。ところが、やる方法が実際はむずかしい、わからないと。空中散布、天敵利用、注射、あと何か二つぐらいあるようだけれども、空中散布はまたやろうとすれば、これも場所によってはやっちゃいかぬとすぐ騒がれる。注射は打つと薬が強過ぎて、これはなかなかいま許可にならない。天敵利用の微生物、これはいいと言われているのだが、適当なものがまだ見つからないというようなことでして、なかなか決め手がないのですよ。で、やっぱり原始的な方法ということになると、病気になっちゃったやつを隔離する話ですわね、これは伝染病だから。それで木を切ると。ところが、余り広範囲だというと、そいつもなかなかやれないというところから、そこで天候が悪くて、まあ体が衰弱しているところへもってきて、これは伝染病ですから、元気なうちはかからないけれども、元気が悪くなるとばあっとこう広がると、そういうことで、私はやっぱり去年あたりは、そういうような伝染病がうつりやすい状態に松の木がなっておったというように見るのが至当かなという気もするのです。  いずれにしても、これは実際にふえているところをもっと徹底的に研究をして、どういうような手法によってやったらいいか、研究は一生懸命やらしておるのですが、あなた方の方でも何かわかっておれば、教えてもらえれば、がんの薬と同じで二割効いたらすぐに採用しますから……(「金が足らないんだよ。」と呼ぶ者あり)いやいや、金の問題は、これは出しているのですよ。だけれど、なかなかうまい決め手の方法がないということですから、それはいろいろ皆さんにも教えていただいて、一緒になってこのマツクイムシ退治には万全を尽くしたい、こう思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最後の万全を尽くしたいというその意欲と、それから取り組みのここに期待をしたいと思うんですが、れだ、いままでの答弁をずうっと聞いていますと、すべてもう決まったようなお話をしているわけです。決まっているんだったら、もうとうに解決されるはずではないかと逆に疑問がわくわけですね。何のために大型プロジェクトの研究もしているのかということになるわけですよ。ですから、実態ももっと謙虚に調査もしなければいけないでしょうというふうに、再度指摘をしておきたいと思います。  次に移りますけれども、次は林業等の振興資金の融通暫定措置法の関係で、まず今度の法律というものは一つの分野で功を成すものである。これはどなたも指摘されているところだと思うんですけれども、改めて私は、この法律が運用されていく上での基本的な考え方として、山についての認識、いままでも言ってきました、たとえば水資源の涵養だとか、防災だとか環境だとか、いろいろあります。ただ、当分の間ということでもって約二十年と、こういうお話もあるんですが、私はそれは単なる時間的なもの、単なる期間というかっこうではなくて、日本の森林資源というものが他の外国、特にいま大変外材輸入との関係で問題になっております北米だとか、あるいは東南アジア、ソ連等に比較して、違う条件があるんだと。すなわち、高温多湿で非常に人工的に再生産がきく、いわゆる資源問題がいまいろいろ議論になっているときに、本当に私たちが育てていくことのできる、枯渇することがない、そういう有効な資源なんだというこの御認識が大変大事なんではないだろうか。こういう点から、この法の運用あるいは山全体の問題に取り組んでいただきたいし、そこに関係する人々の暮らしを考えていただきたい。これは改めてそのお考えをお聞きしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 考え方は、私とあなたと全く同じですね。幾ら山の木を守れと言ったって、木を守る人が生活が不如意ではそれはだめですから、総合的に森林の所有者も、そこで働く人も、みんなが一緒になってやれるように、それはしていかなければならない。全くそのとおりでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 としますと、そういう長い将来を見越して私たちがこの法案を議論しているわけですから、山を育てていく造林にしても、あるいは林道にしても、またそれを活用する流通問題にしましても、それは、私たちがいまやることが、私たちの子供や孫たちにとって欠かすことのできない大事な仕事をしているんだ、こういう御認識で進めなければならないと思うんですね。しかし、やはりお金がなければ、あるいはそれなりの環境がなければ、まさか空気だけでは生活できないわけですから、必要な手だてというものが大事になってくると思うんです。  そこで、第一に尋ねたいことは、造林の見直しの問題なんです。今回の法案の中で、農林漁業金融公庫からの貸し付けとしての造林資金を四十五年まで延長すると、こういうふうに言っております。しかし、この四十五年を、できたらば五十年ぐらいまで延長するように、今回は初めて四十五年になったんですから今度するということにならなくても、早い時期にせめて五十年まで延長で実るように考えてほしい。なぜならば、一定の伐期に達するのに五十年最低必要だ、そうでないといろんな材の活用等から見て十分なものにならぬ、こう言っているわけですね。それで、外材と競合しても勝っていけるようなそういういい材を育てていくためにはせめて五十年、こういうお話がふります。この点、いかがでしょう。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ともかく今回は大幅にこれは延長したわけですから、三十五年を十年ということで四十五年にしたばかりですから、まずこれで、四十五年も先のある話ですので、少しやらしてもらって、それでもというときにはまた考えますが、当面は四十五年でいかしてもらいたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 まあ、十年延長したのだから当分はということなんですが、ですから最初に考え方をお聞きしたわけですよね。財政的な点からだけ見れば、いまのような大臣のお考えになると思うんです。もちろん、財政問題というのを抜きにしては考えられません。しかし、必要な点から考えれば、やはりこの五十年償還期間の延長というふうなこともひとつ積極的にお考えいただきたいし、同時に、いま議論になっておりますけれども、長期見通しの問題での見直しのことですね。見直しそのものは私は必要だと思うんですけれども、その見直しというのは造林可能面積をダウンさせることではなくて、実際に現実的に造林できる面積があるわけですから、その造林をいかにして可能にしていくのかという点での施業上の、施行上のそういう見直しを積極的に進める必要があるんではないか、こう思うんですが、この点はいかがでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま見直しの問題にお触れになったわけでございますが、見直しについては私どもは量の問題もやはり考えていきたいというふうに考えております。と申しますのは、従来の拡大造林と申しますか、造林については、針葉樹を中心にして考えておりました。現在約千三百万ヘクタールを造林地にするということで、約九百三十万ヘクタールほど造林地になったわけでございますが、それでいいのかどうか、この辺も十分われわれとしてはやはり考えてみたい。と申しますのは、日本の木材需要からいきまして、針葉樹の需要、それから最近は広葉樹に対するいろいろな要請、こういうものもございます。  したがって、そういう点から考えて、これからの造林については当然、先生の御指摘になりましたような、それぞれの地域におきます山村振興というようなものを頭に置きながらのこれからの林業であらねばいけないことは当然でございますけれども、その中心をなします造林については、日本全体の木材の需要あるいは森林に対するいろいろな期待、要望、こういうものを加味して考えますと、量と並びに質というようなものを両面考えながら、今回の長期の見通しについては検討する必要があるのじゃなかろうかというふうに私どもは考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 量までダウンさせるということについては、私は問題であるということは指摘しておきます。なぜならば、やっぱり国産材を本当に自給できるような方向で、そしてなおかつ、大臣も、基本的にあなたの意見と同じだと言いましたけれども、再生できる大事な資源をどう育てていくかという点で積極的な立場に立っていない。これは問題だと私は思います。造林というのはやっぱり基本だと思うんです。そういう立場でいかにして、それじゃ何が必要か、あるいは意欲をどうするかというふうなことになると思うんです。私はそこが基本ではないかと思うんです。  それは指摘しておきまして、同じ造林のことなんですけれども、造林を積極的に進めていく上ではやっぱり補助率のアップであるとか、あるいはこれは福島県の南会津郡の皆さんから具体的に出たことなんですが、山村地帯は山を育てている。しかし、お金にならない。過疎になっている。そういう中で大事な水資源の涵養や、あるいは環境問題等々、やってきているわけですね。そうすると、それに見合った形での見返りといいますか、そういう水資源涵養のようなそれに見返る手だてが何か考えられないかと、こんな御要望が出されておりますが、いかがでしょう。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 造林につきましては、従前から一般的な全体の補助といたしましては国が十分の三、県が十分の一という形でやっておりますけれども、いま御指摘になりましたような保安林地帯のような制限林、こういうものにつきましてはそれぞれの査定計数というものがございまして、それを上回る実質補助率をしておるわけでございますが、さらに今回、五十四年度からは森林総合整備事業というものを創設いたしまして、この事業の中では造林につきましては二十五年生までの植えつけから保育に至るまでのものに対しての助成をするという形で、それぞれの事業に対しまして査定計数を設けまして、実質補助率のかさ上げをしておるという、そういう方法で今回の森林総合整備事業を創設いたしておりまして、それぞれの地域に見合った形での造林事業の推進については、鋭意私どもも従前から努力しておるつもりでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いまの御説明のその内容は承知しているんですけれども、それではやっぱり森林総合整備事業等につきましても、それは五十四年度で二百五十地区でしょう。特定なんですよね。まあこれはことしだけで終わるということじゃなくて、これからも全体として広げていくことになると思うんですけれども、そういった際に、全国的に本当に山をどう育てていくかという立場からこれからも大いに検討をしていただきたいし、あるいは事業を強化していただきたいということを、これも希望しておきたいと思います。  次に、同じく林道の問題ですけれども、これも今回林道のいわゆる償還期間ですね、これが延長されております。ただ、林道についての基本的な考え方なんですけれども、これは三全総でも指摘されていますけれども、本当に山を育てていこうというふうに考えたときには、対象森林がおおむね林道から五百メートル以内に入るように整備しなければならないというふうな指摘をしております。そういう点から見て、そういう整備目標が立てられているわけですけれども、今後これからどういう形で林道全体が整備されるのか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 林道の整備につきましては、現在ございます基本計画におきましては、昭和九十年度までに総延長で二十六万七千キロ、こういう整備をする目標を一応立てております。その実施状況が五十二年まででは九万四千キロということで達成率三五%ということになっておるわけでございまして、必ずしも十分ではないというふうにわれわれも考えております。そこで、ただいま改定をしようということで検討しております基本計画の中で、この林道の整備につきましては見直しをしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 林道の整備のことも、どういう立場で見直しするんですか。より積極的に山を育てていく、あるいは活用するという立場からの見直しなのかどうかという点から、世界的に林道密度の比較を見たんですけれども、これはちょっと古い数字で五十一年度ですか、これはFAOの資料によりますと、日本が三・五密度ですね。で、アメリカ合衆国の北西部が六から一〇、カナダの南西部になりますと二五から三〇と、こういうことで、以下もっと四〇、五〇という高いところもあります。そういう国際的な比較からも見て、いま非常に輸入問題も議論されていて、なおかつ、その輸入については、国際的な経済情勢等見てこれといった決め手がないと言われているような状況の中で、日本が本当に山を育てていくという立場に立ったならば、私は林道ということについても積極的な立場での見直しが必要ではないだろうかと、こう思うんです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 御指摘になりましたように、日本の林道密度と申しますか、ヘクタール当たりにどのくらい林道が入っているかという林道密度でございますが、これについては決して高いとはわれわれも考えておりません。  そこで、じゃどうやって林道を考えるのかという御指摘でございましたけれども、やはり森林施業をやります場合に、必要なコストを最小限にするという形で林道というものは求められるべきだろうというふうに考えております。そういうことで計算いたしますと、大体ヘクタール当たり全国平均で二十メートルぐらいが大体その平均になるのではなかろうかというふうに考えております。たとえば日本の山の場合を見ますと、大体すべての森林が林道から五百メートル以内の距離にあることが望ましいということで、というのは下百メートルでございますと、両方から真ん中にたとえばケ−ブルを張れば、ケーブルで両方から取れるということもできるわけでございまして、大体こういうことで計算いたしましても、この日本の山岳地形の中ではヘクタール当たり二十メートルぐらいが理想ではなかろうかというふうにわれわれ考えております。  そういうことをもとにいたしまして、これからの林道をどうするか、そのためのたとえば造林量がどうなって、どこにどう配置されるかというようなことを勘案しながら林道というものはつけておるわけでございまして、いま申し上げましたような考え方がまず基礎にございまして、それをもとにして、日本の林道がいま申し上げましたような形になるように努力していかなければいけないというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、基本的に出した、林道がその伐採地までの五百メートルというふうな三全総なりで打ち出しました考え方に基づいて鋭意努力中というふうに受けとめてよろしいですね。  としますと、これは具体的な御要望なんですけれども、林道の場合には用地買収に対しての補助がない。つぶれ地補償の問題なんですね。聞けば、これについての検討調査会も持たれていたというお話なんですけれども、ひとつその結果はどうで、今後こうした皆さん方の御要望にこたえていただけるように努力してもらえるかどうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 林道につきましては、林道の経緯を見ますと、やはり産業基盤としての受益者でございます森林所有者がそれぞれの土地を提供して、そして開設利用する。それによりまして、やはり自分の持っております山も相当搬出が楽になるという形から森林の価値も上がるというような観点から、用地の補償というのは従前から行ってまいりませんでした。  ただ、いま御指摘ありましたように、最近やはりつぶれ地等もございまして、何とか林道に用地の補償をしてほしいという要望が強くなってきております。さらに、従前はほとんどが林業用に供されておりましたけれども、最近では林業に供すると同時に、地域の一般道路的な性格もだんだんその度合いが強くなっておるという実態もございます。そのために、よけい用地補償というものの声が強くなったわけでございまして、御指摘のありましたように、林野庁におきまして検討会を設けまして、その検討調査会の中で御検討いただいたわけでございますが、その結果、公共性の高い路線については、用地につきまして国庫補助を図る方向で検討する必要があるというお答えをいただいております。私どもはこのお答えをもとにいたしまして、ただいま補償費の国庫補助の制度化に関する具体的な問題について、これからさらに検討を重ねていきたいというふうに考えておる次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今度はちょっと積極的ないい御答弁をいただけたと思うんですが、ただ検討ということじゃなくて、調査会の御報告を見ますと、実務的に事務的なことでの検討ということですから、もう間もなく実施されるというふうに期待したいと思います。  次に移りますが、やっぱり山を育てていく上での担い手問題ということが非常にこれも議論になっているところでありますが、私は最初に民有林労働者の問題で、特に振動障害ですね、この対策、体制等について特にしぼってお尋ねをしたいと思うんです。  それに先立ちまして、実は昨年の八十四通常国会で、私同じく質問しました。そのときには、一人親方等、林業労働者というのは雇用形態が非常に複雑なので事業主ということが明確でない、そういった方々も含めた対策が必要でないかという指摘をしました。ところが、当時長官は、それは私どもの考え方としては無理でありますと、こう言っていたわけなんです。しかし、実際にその後検討されたのだと思うんですが、五十四年度に林業振動障害対策促進事業という事業が予算化された。で、その事業内容の中には、特殊健診治療実施の体制の整備の問題やら、啓蒙普及のことやら、あるいは一人親方のことやら、まあいろいろと盛られてきた。私はこれは大変評価したいと思うんですけれども、むしろ遅いと。で、このことから見て、やはり林野庁も含めて農林水産省が、口では山を育てる担い手保護、育成と言っているけれども、どれほど実態をつかんでいるんだろうかと、非常に不安に思ってきたわけなんです。  その点で、民有林労働者の実態把握がどうなのか、まずお聞きしたいと思います。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) 労働省の労働力調査によりますと、おおむね二十万人という数字が挙がっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、これは総理府の労働力調査によってという、いまお話のとおりですけれども、具体的なその中身として、個々の全国的な、地域的な問題までというふうには把握できないにしても、単なる数字としてではなくて、実態がどうかという点での把握が私は必要でないかと思うんですが、まあいずれにしても以下もう少しお尋ねしたいんですが、全国で約二百八十万林業体があるというふうな中で、振動機台数が、これは五十二年三月末では林業統計要覧によれば、国有林がチェーンソーが六千三百二十二、刈り払い機が四千七百六十四、そして民有林がチェーンソーが二十三万八千五百六十、そして刈り払い機が二十二万三千五百九十一台あるということはわかっているんですが、五十三年度はどういう状況になっていますでしょう。傾向としてでもいいです。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) 振動機械の台数でございますが、一年新しい数字が現在つかめております。五十三年三月末で、チェーンソーにつきまして民有林二十五万二千五百七十三台、刈り払い機二十三万七千四百二十六台という数字をつかんでおります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 国有林は。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) 失礼いたしました。  国有林は、チェーンソー六千二百五十六台、刈り払い機三千百四十九台でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 傾向として、国有林の方が振動機台数では若干減少傾向、そして民有林の方は増加現象、こういうことだと思うんですが、それでは振動機を使用している労働者の数字ですが、最近新しいので国有林、民有林とそれぞれどうなっていますでしょう。  あわせて、振動障害認定者数がそれぞれ国有林、民有林ともどうなっているでしょう。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) 振動機械使用者数でございますが、国有林につきましては、五十三年度末現在で九千八百人でございます。民有林につきましては、正確な数字はつかめないわけでございますが、総理府の労働力調査、それから労働省の林業労働者職種別賃金調査等から推計いたしますと、おおむね七万人前後というふうに見込んでいるわけでございます。  さらに、振動障害認定者数でございますが、五十三年三月末におきまして、国有林につきましては三千三百七十三人、民有林につきましては二千七百五十七人の認定でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そこで大臣にお尋ねしたいんですけれども、いまのお話をお聞きいただいておわかりかと思うんですが、民有林労働者の場合には正確な数字はつかめないと、それは雇用形態が複雑であるというふうないろんなこともあると思うんですが、振動障害認定者数が私、相当隠されているんではないだろうかと、こう思うんですけれども、その点での御認識と、それに対して大臣なりにどういう対応をしなければならないとお感じになっておりますか、感想でも結構ですからお聞かせください。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 以前はそういうような傾向があったかしれませんが、最近はかなり白ろう病の問題やなんかは表へ出ておりますし、それに対する治療、予防、あるいは救済方法等も知っておりますから、私は最近は隠されているということはまず余りないのではないかと、こう考えております。  これは、発生をしないうちに防止をすることが一番大事なことでございますので、作業の方法、作業時間、こういうようなものについての未然の発病しないような指導を行いたい。なお、その他、労働省や厚生省等とよく連絡をとって、既発の者に対する治療措置その他のことを講じてまいりたいと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣の前段の御認識は、私、非常に甘いということを指摘し、ぜひこう御認識を改めていただけないかということで、具体的な事例をお話ししたいんですが、それの前に、先ほどの数字でも示していますように、国有林労働者の場合には労働者全体の中で約三割以上がいわゆるその振動障害の認定を受けているという実態なんです。ところが、民有林労働者の場合には推定だけれども約七万人、そういう中で五十三年現在で二千七百五十七人だと、こう言うんです。いま大臣のお話の中で、時間であるとか、あるいは方法であるとか、予防の方に相当力を入れている、確かにそういうふうなことを、まあ三省連絡協議会等つくられておやりになっていることは私も承知しております。  しかし、現実的には一体どうなんだろうかということなんですが、これまた福島県の南会津の方で、お名前も出してほしい、そしてぜひみんなにそのことを知らせてほしい、改善のために骨折ってほしいという御要望があったので、あえてお名前もお出ししたいんですが、馬場さんという方です。四十七歳です、現在。家族は、子供さんお二人に奥さんとで、御本人含めて四人なんです。チェーンソーを使ってきた年数は、冬期間を除いて十八年間、で、その後いろいろと生活状況が容易でなくなって、通年チェーンソーを使った、七年間です。ところがこの方は、四十五年ごろから手が白くなり出した、いわゆるレイノー現象です。そして、続いて足も白くなり出した。続いて今度は五十二年の四月ごろになったらば、腰の痛みが非常にひどくなって、慢性化してきて、五十二年六月、もう苦しくなって仕事をやめてしまった。  この方は、こういう状況になっているのに、四十五年ごろからレイノー現象が出ているにもかかわらず、毎年一回の一般健康診断はおやりになっているんです。しかしひっかかっていないんですね、発見されてないんです。そうしまして、五十二年の六月に仕事をやめてから六カ月間、半年、あちこちのお医者さんを歩いたそうです。それでも見つからなかった。自殺まで考えたという。そして、ケースワーカーに相談したそうです。御婦人の方ですが、この方が監督署等々に駆け歩いてくれて、実はこういう制度があるということで、五十三年一月申請をお出しになって、二カ月後に認定されたということであります。この方は、いま福島市内のある病院に入院加療中なんですけれども、この病気は治るんだろうか、もし治ったとして仕事がまたやれるだろうか、あるいは今後の生活はどうなるんだろうか、いろいろな不安を訴えております。そういう例が一つ。  続きまして、この訴えに驚きまして、実は福島県の農村労働組合というところが集団健診を行ったんです。集団健診を行った場所は、福島県の田島町というところです。ここで集団健診に参加した方が四十七人、四十七人のうち振動病の健診歴のある人が二十人、健診歴ゼロという人が二十七人、割合にして五七・五%、そしてその集団健診の結果、レイノー症状があらわれたのが四十三名です。実に九一・五%です。その発現四十三名のうち、両手に出てきた人が三十名です。片手十名です。両手片足二名、両手両足という人が一名なんです。自覚症状は、手のしびれから不快感から、手の痛みから手のこわばり、つめの変化、変形、皮膚異常、筋萎縮、筋圧痛、いろいろあります。こういうのが実態であります。この田島町というところは、非常に林業に従事して暮らしている人が多いんです。山を育てている。同時にまた、それに関係して製材工場等、チップ工場いろいろ含めて十八ですか、ございます。そういうところなんですけれども、いま言ったように、本当に体制がとられているんだといっても、実態はそうでなかったわけなんです。  さらに、事例としてお話ししますけれども、福島県にあります林業災害防止協会の実態です。皆さんいろいろ健診体制をつくったと、そして三十九年九月に設立されましたこの林災協に健診等は委託していると、こうおっしゃっておりますが、この林災協の福島の実態を申し上げますと、これまた福島支部というところには二名いるんです。うち一人は事務局で専任ですが、あと違うんですね。九十市町村ある中で、分会が十です。これは基準局単位にあるそうです。ところが、そこには一名の職員がいるだけですが、この職員は木材協同組合事務所の中で他の事務と兼ねて仕事をしているんです。事業所帯の人数が約四百人、会員です。年間五千円の会費を取ってやられているそうですけれども、巡回健診は福島医大のお医者さんお一人の協力をいただいて五十三年度の場合百九十一人実施しているそうです、六カ所で。そういうことはやっているけれども、まだまだ全体の労働者に行き渡らないとはっきりおっしゃっていた。それから、事業主の全員加入ということもおぼつかない、できればそういう加入協力もお願いしたい、こう言っておりました。また、医師の協力もさらに強化していただきたい。大変むずかしいだろうけれども、こういった運営費等の補助ということも考えなければならない、こんなお話もされていました。  私は、最後に具体的にお願いしたい点なんですけれども、こういう状況ですから、大臣の御認識とはちょっと現実が違っているということで、この御認識を改めていただきたい。同時に、これは長官、自治体や関係機関にいろいろと通達をお出しになっています。よくわかります。しかし、その通達一本で行政が動くと思ってはおらないと思うんですけれども、非常にそれは問題なんですね。できるだけ自治体や関係機関に協力依頼、それをしていただけるように末端市町村までお願いしたい。そのためには、いま予算化されているその振動障害対策の推進関係省庁連絡会議のものを各県におろしておりますね。それで五十四年度には全国的にそれを実施したいと、こういう計画をお出しになっておりますね。それが十分に機能して、県にとどまらず、末端の市町村、自治体までそれがいくような、そして第二番目に、その自治体の中にその相談窓口のようなものが設けられないだろうか。  すなわち、建設業関係の方でしたらば退職金共済制度のこと一つとりましても、御存じですか、県退共制度なんということでパンフレットなんかこう置いてあるんです。そういう回覧板までいくかどうかは別としましても、こういう体制があり、また制度があり、申請し、それでいろいろと保証もある一定あるという啓蒙活動も非常に重要ではないだろうか、こう思うわけですね。そういうことで、ことしの予算、まあ初年度ですから六千五百万円ということでしょうが、こうして動き出していけば、非常にこれはまだまだ不十分になってくるだろう。それから事業を推進していく中でもって、ぜひ予算の方も増額をする方向も考えていただきたい。まず長官に、そういう責任ある、まあ大臣には後でお尋ねしたいんですが、長官にお聞きしたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 振動障害の問題につきましては、私どもも非常に憂慮しておるところでございまして、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、過去に比べますと健診等も進んでおりまして、いままでほど潜在者というのは私どもいないだろうというふうに考えておりますが、いま御指摘になりましたような問題もございます。そういう意味から、私どもやはり林野庁の立場でできる範囲がございますので、労働省なり厚生省なりお願いいたしまして、連絡協議会をつくって、その中で一応ネットワーク式な形でやろうではないかということを御相談いただいて、現在その組織づくりに各営林局を指導しておるわけでございまして、いま御指摘のありましたように、さらにそれを自治体の方まで詰めて、自治体、それぞれの市町村の自治体までおろすというような形で指導してほしいという御要望がございました。私どももその辺につきましてはさらに今後労働省、厚生省ともこの協議会の中でいま御指摘のありましたような問題も十分検討さしていただきまして、今後さらにこういうものが予防の面からも、治療の面からも、有効な活動ができるようた方法をお互いに検討し合ってまいりたいというふうに考えております。  それから、予算の問題でございますが、そういう観点から、ことしも一人親方の健診ということに予算をいただきまして実行する形にいたしましたけれども、今後さらにこの問題については必要なものについては私ども十分に検討いたしまして、一刻も早くこういう振動障害の予防が完全になるような努力を進めてまいりたいというふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 労働省の方、お見えでしょうか。——労働省にお願いしたいと思うんですが、いまお聞きいただけたと思うんで、林野庁、労働省、厚生省と三省の連絡協議会もできております。労働省の分野からぜひ改善のために努力していただきたい点、一つは、一定の労働基準監督局等では、各県等に協力医師というふうなものも依頼されているということなんですけれども、手を挙げた医療機関に積極的に協力していただけるようにも御努力してほしい、これが一つ。  それから同時に、どの医療機関にかかるかということは、労働者のその地域性の問題もあるでしょうから自由に選択可能だと思うんですが、問題は、発見と治療という体制上の問題になるんですね。医療技術研究、そういうところも含めてひとつ御検討をいただきたいという問題。  それから、大変具体的なことなんですが、三つ目になりますが、認定を受けた方々が毎月事業主のところに行って証明書をいただかなきゃならないと、こういうお話が出ているんです。これは運用的にとにかく医療行為が継続されるかどうかというのは医師の判断ですから、民有林労働者の場合に確固とした労働契約というものもなくて、保険も国民健康保険ですし、いろんな手だてもないわけですから、一たん病気になると雇用契約が自然に消滅したというふうに御認識されている事業主が多い。事業主そのものも非常に零細でありまして、御自分も働きながらという小さいわけですね。そういうところなので、一々事業主からの証明をいただかなくてもいいようにしてもらいたい。  四つ目になりますが、この際ついでなんですが、先ほどからいろいろ御答弁もありますが、せっかく制度があってもその制度を知らない、あるいは知っていてもいろいろと手続的なこともあったりして運用できないということが多いと思うんですが、その一つとして、一人親方の労災の加入問題なんです。聞きましたら、福島県では一人親方のこの労災加入はゼロだそうです。こういう点をぜひ御認識を新たにして、改善のために努力いただきたい。大変まとめてなんですが、よろしく御答弁ください。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○説明員(林部弘君) 質問が四点ございますが、初めの方、私の方とそれから補償課長の方から御答弁申し上げます。分かれると思いますが、御了承いただきます。  一番最初の先生御指摘の、医療機関に対する協力要請の関係、それから二番目のネットワークづくりの問題でございますが、この地域におきます医療体制のネットワークづくりというのは、結局はなかなか単独の省庁ではできないということで、三省庁が連絡協議会を開きまして、それぞれの地域の医療機関の実態というものを踏まえてネットワークづくりをするということで協議会ができたわけでございますし、その具体的な組織づくりというものが必ずしもはかばかしいスピードでできていないということは、御指摘をいただいたとおりと思うのです。ただ、この辺につきましては、ことしは林野庁サイドの方からそのことについて少しでも促進できるようにということで、若干の助成もされるということで用意もされているようでございますし、私どもも地方の基準監督局等を通じまして、それぞれ府県段階におきましての省庁間の連絡を密にして、少しでもこのネットワークづくりを促進するようにいたしたいというふうに考えておりますし、またこの一年間そういう面からの督励もいたしております。  それから、個々の医療機関に対する助成あるいは融資につきましては必ずしも十分ではございませんが、事業団の方の若干必要な医療機器に関しての助成の道等も準備いたしておりますので、ただいま申し上げましたそれぞれの地域でのネットワークづくりを推進する意味で、そういった医療機器等の助成措置というものが促進の上で非常に役に立つのではないかというふうに考えておりますし、また、その点についても一層効果の上がるように指導いたしてまいりたいというふうに考えております。  それから、先ほど災防団体が非常に組織化が不十分であるというふうな御質問がございましたが、実は昨年関係省庁が集まりまして、いろいろ新しい施策の予算化に関しましての打ち合わせをいたしましたときに、私どもといたしましては、結局振動病の一番の問題点としては、やはり健康に一番有害なチェーンソーをできるだけ一掃するということも効率的な方法ではないかということで、民有林関係につきましては、労働者あるいは零細な事業主のお持ちになっているチェーンソーにつきましては私どもの方で補助金を用意すると。で、残りにつきましては、林野庁の方で従前から持っておられます融資と合わせまして、直ちにお金がなくても体に悪いチェーンソーをいいものに買いかえるというような制度をことしは用意をいたしたわけでございます。この制度を具体的に現場で働いておられます方々につなぐためには、先ほどお話がございました林業労働災害防止協会の方を通じて行うわけでございますが、私どもとしては、こういうような施策を通じていろいろな災防団体のてこ入れという意味でも恐らく有意義なことになるのではないか、こういうふうに考えているわけでございまして、そういう面でもいわゆる周知徹底も含めまして、そういうところで災防団体の方の力をつけるということでも、こういうことを続けてまいりたいというように考えております。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 労災保険の関係についてお答えを申し上げます。  三点目、四点目でございますが、三点目に御指摘ございました労災保険の請求に関しての事業主証明に関する事項でございますが、この点につきましては、法定の要件として労災補償の休業補償給付の請求につきましては事業主証明をいただいて請求をしていただく、こういう法定要件が定められております。私どもこの証明に関する運営に関しましては、従来事業主と労働者の間に意見の対立がございまして、証明ができないというような事態がある場合もございます。こういう場合には証明が得られませんので、その扱いは別にいたすことにいたしておりますが、そうでない場合はすべてこの証明をいただいてきていただくと、こういう形で従来から全業種についてお願いをしてやっていただいておりますので、この点については、まだ私どもとしては同じような方式で請求を続けていただきたい、こういうふうに考えておるところでございます。  それから、四点目の一人親方の加入の問題でございますが、林業関係につきまして一人親方の加入制度ができましてから、漸次PRが浸透するに従いまして加入者数がふえてきているのが実情でございますが、先生御指摘のとおり、福島地区におきましては、まだ一人も加入してないという実情がございます。この点につきましては、実は同じ一人親方でございましても、年間の作業量の大きいものと少ないものとがございまして、そういうような実態との関係で保険料を払って補償制海に乗っていった方がいいかどうかについて、関伝の一人親方の方に選択の意思が働いておりまして、必ずしもPR不足ということだけではない面があるようでございますが、なお私ども不十分な点があるかと思いますので、その点につきましてはさらに検討を加えて適切な指導を進めていきたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最後に大臣に一言、当初御答弁いただいたんですが、部分的な地域だけの問題でたくって、私全県的にいろんな方々とお話しする中で、同じようなことが訴えられておりますので、先ほど民間に働く林業従事者が推定で七万人という御指摘もありました。そうした人たちの置かれている、言ってみれば年齢構成も含めて健康状況がどうで、その後継者が一体今後どうなるんだろうかという、本当に大きな立場での担い手育成と、それから現実的な問題との対応という点で、いま労働省、それから長官等々御答弁もいただいたんですけれども、事業主証明の問題なんかも含めまして、やっぱり実態に合った形での運用ということ、それらも含めて前向きの方向で対応していただけるかどうか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 細かいことは私わしりませんが、趣旨には賛成でありますから、極力前向きの方向で協力いたします。

下田京子日本共産党

○下田京子君 国有林労働者のことで聞きます。  現在、国有林労働者の中で、定員外職員の問題というのが一つの大きな課題になっているかと思うんです。これはいただいた資料等によりましても、五十三年度でいわゆる定期作業員と言われる、毎年毎年雇用形態が切れていって継続されるこの人たちが九千六百四十人いらっしゃる。この定期作業員の方々が、通年雇用に変わった基幹作業職員の方々と比較して年間の給料はどうなんだろう、あるいは退職手当等はどうなんだろうということなんですが、これは端的に、時間もありませんから、改善点を要望したいのは、いただいた資料等によって細々ありますけれども、定期作業員の方の場合に、四十九歳で年間のお給料合算が二百三十二万円、それに退職手当が五万円ついて、三カ月間就業できなかった場合の手当として四十二万、合わせて二百七十九万円と、こう言われております。  それから、基幹作業職員の場合に、これは年間三百十万円になる。一カ月の賃金はいずれも十六万八千円として計算されているようですけれども、毎年こういう賃金の差も生まれますね。それから同時に、もちろん定期作業員だということで、退職時に受け取る、いわゆる本当にもうすっかり仕事をやめたというときにはないわけです。毎年いわゆる退職手当ということで、五万円支払われているというだけなんですね。一方、基幹作業職員の場合には、四十九歳だから、五十九歳までお勤めになってということで、これはモデルの例として計算していただいたわけですけれども、それによりますと、約百九十八万円の退職金になる。  こういうことで、一つは雇用形態の改善ということが基本になると思うんです。続いて退職、いわゆるいま出されているような退職手当というんではなくて、本当にもうおやめになるときに、退職慰労金とでも申しますか、いずれどういうことでもいいんですが、計算方法等を改めて、とにかくもうこれで林業をおやめになるんだというときに、そういう手当が受け取れるような制度改正というものも考えていただけないのか。  いろいろ申しましたが、二点です。その改善等について伺いたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) まず、定期作業員の通年雇用化ということが第一点の御指摘だろうと思いますけれども、私ども現在現場におります作業員には、従前、常用作業員、定期作業員、それから臨時作業員とおりまして、これについて従前から組合との間で何とかその身分の安定をしてほしいという御要望がありまして、国有林も地域の民有林林業との関係を十分配慮しながら、今後の国有林に働いていただく作業員の方々をどうすべきかということで鋭意労使間でいろいろ折衝を進め、現在基幹作業職員制度というものを設けたわけでございます。  基幹作業職員制度になりますれば、ある一定の年齢までについては一応国有林の中で安定して働いていただくという形になるわけでございますが、現在まだ定期作業員という方が残ってはおられますけれども、将来私どもとしては定期作業員という雇用制度はなくしていこうという考え方に立っております。したがって、今後は臨時作業員と基幹作業職員、この二つで国有林の事業は運営していこうという姿勢をとりまして、今後、国有林の改善計画並びに事業の合理化の進展の度合いに合わせまして、基幹作業職員に定期作業員から繰り入れていくという姿勢をとっておりまして、そういう形で定期作業員のあり方については考えておる次第でございます。  それから、定期作業員の退職手当の問題でございますけれども、これについてはもう先生十分御存じだと思いますけれども、定期作業員そのものがやっぱり一般職の国家公務員でございます。したがって、林野庁におります職員、作業員と同じような類似の方々もおられるわけでございまして、私どもとすれば、国家公務員の退職手当法の適用によりまして退職手当を支給するということが現在私どもに許された範囲でございまして、御指摘になりましたように、確かに基幹作業員と比べればその辺の違いはあろうかと思いますけれども、現在の制度ではそういう制度になっておりまして、そういう意味からも、この制度をなくしてしまいまして、基幹作業職員と臨時作業員に分割させたいというのがわれわれの考え方でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 考え方をいま全部説明を受けているのではないんですよ。要望しているわけですから、その要望についてどうなのか、時間がありませんから私はその指摘だけにとどめたいんですけれども、現に国有林労働者として働いているんですよ。で、退職時に何もないわけで、毎年雇用形態が切れて、それで続くわけですから、これはもう改善しなければならないだろうと、これは再度要望しておきます。  次に移りますが、国産材の活用のことで一つは流通問題なんですが、これはまとめて聞きますけれども、福島県に郡山地区木材製材協同組合というのがあります。これは福島県全体で言いますと十一の木材市場があるんですけれども、その中で、いわゆる業者が共同でつくった市場というのはここ一カ所なんですね。この人たちは自分たちでお金を出し合って、歴史もありますけれども、設立し、そして経営しているわけです。こういったところに、国の一定の手当てというものは考えられないのかという御意見が出されております。  それから、あわせて秋田県の県北木材センターというところ、これも具体的にお話をお聞きしたのですが、九十三名の木材業者が集まりまして四十八年の四月に設立した。この設立時に約二億円の投資をしているんですね。資金は高度化の資金であるとか、一般市中銀行から借り入れたり、あるいは設備資金ということでもって一口五万円なりをいろいろ集めたりしておやりになっているわけです。ここの人たちも同じように、こういって努力しているわけですから、公設市場という問題が今後考えられなければならないのではないかと思うんですが、こうして業者が集まってやられている市場等への一定の、今回はいわゆる流通に関して国産材を五割以上使うというところに対しての資金の手当てということが出ているわけなんです。流通を円滑にし、なおかつその国産材を乗せていくという点での市場問題ということが今後の一つ課題になるんではないか。このことが一点。  それから二つ目に、木材を活用していく上での住宅建築の基準を見直してみるおつもりがないかということで、これは一九七六年なんですが、東京大学農学部の佐藤さんという方が外国の事例として研究発表しているわけなんです。これはこういう本に載っておるんですけれども、これによりますと、被覆のない鋼製はりよりも集成木材はりの方が非常に耐火性にすぐれているという証明が出ているということなんです。こういう点での言ってみれば研究を進めて、本当に本来住宅というものは防災上重要ではありますけれども、具体的な試験結果が明らかになれば大いに活用していくことを考えてはどうだろうという点をお尋ねしたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) まず、一点の住宅問題でございますけれども、木材市場につきましては、確かに取引におきます公開制の問題、あるいは多品種の少量分散的なものを国産材についてそれを集荷してやるという形で、非常に木材の流通についての機能というものが十分発揮できる状況にあるというふうにわれわれ考えておりますけれども、御指摘になりましたように、そういう業界に対して国が何か助成できないかという御指摘だろうと思いますが、私どもは現在の時点では、木材市場等につきましては特に林野庁の方からは特別な助成はいたしておりませんけれども、どういう状況にあるかということにつきましては十分な調査を実施してきておりますし、また、ただいま御審議願っておりますこの流通関係の資金の融通制度、これを活用していただくことによりまして、市場の機能というものは、ひとつ充実強化をしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、国産材の建築に対しますさらに積極的な木材の利用でございますけれども、確かに御指摘になりましたように、アメリカ等におきましてはそういう報告があるようにわれわれも聞いておりますし、また林野庁におきましても、日本住宅・木材技術センターにおきまして、耐火燃焼炉におきます施設整備費というような形、あるいは木質材料の防耐火性の開発事業費、そういう中で、木材を使いまして天井あるいは壁、床等の各部材を作製いたしまして、それを燃焼試験いたしまして、そのデータをとるという技術、それによりまして、木材のいろいろな問題を調査研究いたしまして、さらに耐火その他にこたえる木材の開発をしようという技術研究をことしから始めることにいたしております。  そういうことで、私どもも木材が住宅にいろいろな意味から利点を見出しながら活用される方途を、さらに技術的に詰めてまいりたいというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それから、内装を木材にした場合の健康に及ぼす調査等を林野庁でしているかどうか。  それから、それに先立ちまして、文部省おいでいただいておりますか。——昨年の予算委員会の分科会で、私、学校の体育館の床が、言ってみればトップという工法ではなくて、いわゆる木材にかえられないだろうかという御指摘をしたと思うんです。それに基づいて秋田県等では、すでにこの夏等で体育館の床を木材に張りかえる工事の計画をされているというお話を聞いているんですけれども、その後、文部省で一部の通達の変更をされたり、あるいはまた、いろいろと実態調査をされているというようなお話も伺っているんですが、その経緯はどうなっていますでしょうか。

大井久弘文部省管理局教育施設部指導課長

○説明員(大井久弘君) 学校の屋内運動場の床につきましては、従来から一般的に木材が用いられてきているところでございます。しかしながら、近年、ゴム系の材料など、いわゆる新建材と言われたものが開発され、そして学校の屋内運動場につきましても用いられてきているというようなことでございまして、それらの材料を用いました学校の屋内運動場の床につきまして、児童生徒の運動の安全性といったようなことが問題視されているということにつきましては、まさに御指摘のとおりでございます。そのようなことにかんがみまして、文部省といたしましては、屋内運動場における児童生徒の体育活動に必要な床の性能につきまして調査研究して、できるならば望ましい設計例などをつくって安全な屋内運動場の整備に資したいということから、五十三年度から三カ年計画をもちまして、屋内運動場の床の安全性に関する調査研究を行っているところでございます。  また、学校施設の整備に当たって、設計上留意してほしいと思われることを記述いたしましたものとして、学校施設設計指針というものがございますが、それの一部を昨年の十月に改正をいたしまして、御指摘の屋内運動場の床の設計につきましては、木造以外の床を使う場合につきましては、適度な弾力性を有するとともに、結露をしないような構造材料を検討してほしいということを記述として加えたところでございます。   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 林野庁におきましては、いま御指摘になりましたような問題につきましては、特別に調査研究をまだやっておりませんけれども、やはりこれから木材を使いました住宅その他にいろいろ活用していただくという問題、さらには従来木材であったものが代替材にかわったものに対して、またもう一度木材を見直していただくというようなこと、そういう一般的な問題としてわれわれとしてもとらえながら、これからいろいろな面での木材の利用、活用に対する研究開発については取り組んでまいりたいというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 一問だけ……。  大臣、最後に、いま文部省等では実態調査を進めながら一定の指針の変更もしたということですが、林野庁では、内装を木材にした場合の健康等の調査試験というのはまだだというお話です。民間では名古屋大学やあるいは京都大学木材研究所等々でおやりになっていまして、コンクリートとそれから木材とでどのぐらい差があるのかということがはっきり出てきているんですね。そういうものを大いに林野庁としてもこれから研究され、そして具体的に、一般的に木材の活用活用とおっしゃるんじゃなくて、本当に日本のものに合ったものができるように希望したいと思いますので、それについてのお考えを最後にいただいて、私の質問を終わります。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 林野庁としてはそこまで研究が足らないようでありますから、今後十分研究をさせます。

三治重信民社党

○三治重信君 林業等振興資金融通暫定措置法案そのものの内容は非常に簡単な法案でございますが、これの背後の関係について、こういうふうに民間の民有林関係の特別助成を、融資をやろう、また木材の流通関係なりの国内産の木材の合理化をやろうというこの背景は、これに書いてあるとおりだと言えばそれまでだけれども、それ以上に国有林の造林計画を非常に少なくすること、それから供給が非常に少なくなる、こういうふうな見通しを立てられた去年、国有林の林業改善計画の臨時暫定措置法を出されて、あの法案だとたしか二割ぐらい国有林の木材の供給が減っていく、減らしていく、そのかわりいわゆる国民の自然環境保全、国土の保全というようなのを重点にして、森林資源のそういう国民生活、経済よりかそういう面の自然保護の方に重点を置くという大きな基本計画の改定があったわけです。  それに対応して、民有林の方もいままで生産力が低い、それだからもっと融資をして民有林の質を上げよう、こういうのがあってこういう暫定措置法をつくられたのか。いや、そうではなくて、現実に民有林の方が非常に苦しんでいる、それから木材の国内材が海外材に圧迫されているからそれを何とか暫定的に救うんだ、こういうのか。その点を一点説明してください。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 今回のこの法案が、考え方として、昨年御審議いただきました国有林の改善措置の法案とどう関連があるのかという御指摘の御質問だと思います。  基本的な考え方を申し上げますと、これからの林業を振興させるためには、国有林、民有林というような所有者区分ではなくして、やはり林業全般としてとらえて、日本の森林・林業行政は行うべきだというふうに考えております。  ただ、具体的な問題として、国有林は国有林なりに特別会計で経営するという中で現在財政的に非常に問題がございますし、また、過去におきまして、日本の木材需要にこたえるために、ある意味での伐採量に背伸びをさせたという点から、最近の森林に対する要請ということから伐採量を落とすという方向で改善を進めるということをしたわけでございますが、それとあわせまして、一方、民有林の方におきましては、国有林に比べて、やはり森林の持っております実際の現在の状況を見ますと、非常に若齢林が多いという、まだ二十年生以下が大半でございますし、そういう意味から、今後伐採できる林分は非常に少ない。しかし、やはりいまこれだけの造林をしていただいておりますとすれば、将来その可能性は出てくるわけで、その間のつなぎをどうやって国産材を振興させて、また民有林林業を息つなぎさせるかいうことが、これからの二十年間ぐらいの間非常に重要な問題ではなかろうかというふうにわれわれ判断いたしております。  したがいまして、現在民間で植えていただいております造林木が伐期に達するまでの間、国有林材を、国産材を中心にいたしました日本の林業を大きく進展させるために、流通の面から造林の面までに至る暫定的な優遇措置をとることによりまして、その間のつなぎをし、将来に向かっての蓄積をしようというのがこの法案の趣旨でございまして、基本的な考え方は、日本全体の林業の振興ということで国有林、民有林も同じでございますが、具体的な手法としては、国有林の問題とこの法案とは必ずしも同じではないというふうに考えております。

三治重信民社党

○三治重信君 それと、それから全体の日本の林業の計画なんですが、これも林業基本法によって決めてある「森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」、これは報告だと四十八年に策定されて、これをこの五十四年で改定をしよう、そういう着手をする予定だと、こういうふうにこの五十四年度において講じようとする林業施策のやつに書いてあるんですね。これと、これの中でことに森林資源に関する基本計画の見直しと、今度の法案の審議で資料としていただいている、主に皆さんが、林野庁が使っておられるこの資料だと、全国森林計画に使った資料としてこの資料ができている、こう書いてあるんですがね。そうすると、この四十八年につくった森林資源に関する基本計画のもとにこの全国森林計画というものができている、こういうふうに考えていいんですか。それを今度改正するとまた全国森林計画も改正していく、こういうかっこうになるんですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先生御指摘になったとおりでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、いろいろの資料だと、みんなほとんど全部、何というんですか、国有林も民有林も全部一本の計画になっているんですが、私は、この森林計画の細かいのは見ていないんだけれども、この細かい基本的な計画の中には、民有林は民有林として分けて、また地域計画も別々にこれはできているんですか。

猪野曠林野庁指導部長

○説明員(猪野曠君) 森林資源に関する基本計画におきましては、国有林と民有林を一緒にいたしまして、全国の森林について定めております。  なお、これに即して立てられます全国森林計画は、国有林、民有林別に示されております。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、五十一年三月末の現在での数値を基礎にしたこの全国森林計画の中の民有林の造林や林道の計画というものは、今度のこの法案の融資のやつに対して、それを実現するために、現実はこの資料の中でも造林も林道も横ばいないし下降になっている、つまり実際は、そういうものを計画に乗せていこうと、こういうために、こういう暫定措置法が特別融資をてこにしてやっていこうと、こういう構想のもとにこれがつくられたと、こういうことですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 御指摘のように、造林も林道も、全国森林計画に比べますと進度率は非常に落ちております。今回のこの法律のねらいも、基本的にはそういう考え方をこの中に盛り込みまして、こういう融資制度をとりますことによって造林の進展あるいは林道の開設の延長の伸びというものを期待しておるわけでございますが、それが全体量としてどういうかっこうでいくかについては、現在この基本計画を見直しておりますので、その見直しに基づきまして全国森林計画も改定されるということはあり得ると思いますけれども、それは国全体の問題でございまして、個々の問題とすれば、それぞれ森林所有者の造林が非常におくれ、あるいは林道がなかなかつかないという問題がございますので、そういう個々の問題の解決として、今回の法律の中で特別な暫定措置によりまして造林あるいは林道というものがさらに推進され得るような方途を考えたというのが、この法律の趣旨でございます。

三治重信民社党

○三治重信君 その全国森林計画だと、民有林、いわゆる私有林と公有林の計画は別の計画になっていると、こういうふうな先ほどのお話でしたんですが、実際はどうなんですか。人工林、天然林、それからこの資料の中でずうっと木材の今度の主な融資対象になる林道と造林の民有林の方が、全体よりかもっと格差があるのか、それとも全体の計画に対して民有林の方が達成率がどうか、それとの関連のところをちょっと説明していただきたい。

猪野曠林野庁指導部長

○説明員(猪野曠君) 全国森林計画の国有林、民有林別の達成の状況でございますけれども、これは四十八年から五十二年までの前回の全国森林計画の後期の分について、平均しまして年平均で申し上げますと、国有林の実行率は一一二%でございます。これに対しまして民有林の方は七一%でございます。総体的に申し上げますと、七八%というわけでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 それと、今度の融資対象になります国産材の製造、卸売の資料を見ますというと、業者の、ことに卸売業者が非常に増加しているわけなんですが、なぜこういうふうに卸売業者、販売業者だけがこのようにふえていくのか。どういう原因か。  それから、今度対象になるのは国産材のみの業者と、それから国産材と外材と両方やっているところは国産材の取り扱いが半分以上のところだと、こういうふうな御説明ですけれども、私はこの国産材関係の工場は、むしろ古くて、山元というんですか、山奥や交通不便のところが多いわけなんで、むしろだんだんこういう国産材も運搬道路がよくなってくれば、山元の工場をそのまま残しておくよりか、できればこういう合理化のときには山からおろして、そういうものはトラックやなんかで道路がよくなってきたわけだからずっと町まで、また海岸まで運んで、外材と一緒に全体として木材の処理をやった方がいいように素人的には考えるわけなんですが、もちろんまた一面林野の方からいくと、山村の振興とか山の中のそういう工場を移されては余り地域の産業、経済から見ても思わしくないと、こういうふうに考えられる。  いわゆる片方、合理化を進めていこうとすると、従来の山の中の小さな製材工場はもう交通が発達して道路がよくなれば、今度は合理化しようと思ったらずっと町へ持ってきた方がいいと、こういうふうな感じを持つわけです。ところがそれに対して、そういうふうにすると山村の経済が急に衰微すちるという判断にもなってくる。ここを今度の融資や、それからまた、将来のこういう製材業の動きように対して基本的にどういうふうな認識を持っておられるのか。  それで、山は山として従来の経済基盤を持つためにそこだけで合理化をやると、全体の見通しというのは不可能なのか可能なのか、その点はどういうふうな感じを持っておるのか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 御指摘になりましたように、現在日本の林業、林産業、決して活発に動いているわけじゃございませんけれども、そのうちの木材の卸売業というのを見ますと、数の上では確かに増加いたしております。この原因というのはよくわかりませんけれども、ただ逆に、これを一事業所当たりで販売量を見ますと年々減少をしておりまして、外材を取り扱う木材卸売業者に比べて非常にまた量も少ないというような実態になっております。したがって、私どもとしては、こういう卸売業というのはどういう関係でこういうふうに数がふえてそして扱い量は小さくなっておるということは、やはり非常に分散的であって、逆にまた簡単に取り扱いがしやすいということで、数はふえるけれども量が小さくなっている、こういうふうにわれわれも理解いたしております。  そこで、今後こういうものを近代化させる場合に、いま先生御指摘になりましたように、道路ができたら下に下げてきた方がより合理化されるのではなかろうかというお話ございましたが、やはり木材を製材する場合には、丸太のまま下に下げてきて製材するのが合理化になるのか、あるいは山元で製材してしまいましてそして製材したものを下に直送するということが合理化になるのか、その辺はそれぞれの地域の実態によりまして私はいろいろあろうと思います。したがって、地域の産地形成というような形で、これからの林業というものは新しい地域単位でいろいろ林業の振興を生産から流通まで図っていただく必要があろうというふうに考えておりますし、そういう観点では、それぞれの県を中心にされまして、それぞれの地域の産地形成というものはどうあるべきかということを十分御検討いただいて、その考え方に基づいたこれからの合理化というものに取り組んでいただくのが一番いいのではなかろうかというふうに考えております。

三治重信民社党

○三治重信君 そういう問題はもう各県に任すと、こういう考え方ですか。それでは農林水産省の方が全体の木材の合理化計画をやっていこうというのに、現地の実情に合うように県でやってくれ、まあよろしく頼むというんじゃ、少しどうも全体のこういう数字を見て指導していこうというとき、この合理化をやっていこうというのには、国の大変な金を使っていこうというからには、国の融資をやらなければ適当に合理化計画もいいんだろうけれども、やはり林野庁とすれば、国の全体の森林計画や木材の需給なんかを見通していくからには、実情に合うように都道府県で調整せいというのはいいんだけれども、その基本的なものは林野庁の方で通していかないと、これはちょっと余りにも安易な考え方になりませんか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま私お答え申し上げましたのは、先生が山元と下とのお話をされましたものですからそういうお答えをしたわけでございますが、やはり基本方針につきましては国全体でこれは作成いたしまして、その基本方針に基づいて、それぞれの地域のあり方がどうなったらいいかということは県にお任せするということでございます。したがって、基本方針の中には、そういう流通の問題等につきましても、十分考え方を盛り込んで国としては方針を立てるつもりでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 それで、初めから具体的な問題をぼくは言ったものだから、おたくの方の御答弁がこう逆になったかと思うんだけれども、全体の流通の合理化や融資の計画を立てられるのに、そもそも製材の分布というものが、基本的に私から言えば、従来の山元の割合と海岸の新しくできてきたやっとの関連を考慮しながら立てなければならぬという考え方があるわけです。だから、その問題をどう基本的には扱われるかと、こういうことを先に言っておけばよかったかもわかりませんですね。  だから、そういうふうな全体の動きを見ていると、私は国内の木材の供給が足らないから、ことに貿易の自由化で木材をどんどん自由化した、そのために外材がどんどん入ってきた。その外材を処理するのは海岸の新しい製材工場、能率的な非常に生産能率のいい工場ができたと、そこへそういうふうな内地材も回してやればもっと能率的になる。だから、どうしても山元のやつの方が圧迫されているんじゃないかと思うわけなんです。そのためにこういう特別な融資を何かやろうとするについて、全体の製材業の配置を農林水産省としては見直して、そこで指導体制をとっていかぬことには、全体の木材の供給や何かの合理化をやるために私はそういう大枠のものが農林水産省になければ、外材との関係で製材工場の配分を自由経済ですから、これはやめろ、やれということじゃなくて、融資のときや計画のときに、そういう大きな見通しのもとに枠をはめていかぬとまずいのではないかと、こういう考え方なんです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 私ども今回のこの法案のねらいは、外材というものが非常に取扱量も大きゅうございますし、それから流通の面を見ましても非常に大量の流通がされ、そして同一規格的なものが手に入ると、さらにはその取引条件も国産材の取引に比べれば、一般的な取引になじみやすい形で取引がされているというようなこと、そういうものに対応して国産材というものをやはり振興させなければいけないという観点から、国産材のある意味での欠点でございます少量的な分散的なあり方、こういうものを集中させまして、国産材の生産・流通が近代化されるような方向に引っ張っていこう、導いていこうというような考え方からこういう制度をとっておるわけでございまして、その場合、いま先生がおっしゃったように、外材を扱う製材業というのは確かに都会あるいは海岸近くにございますけれども、外材の製材の仕方と国産材の製材の仕方とは相当技術的にも違ってまいりますし、国産材は国産材としてまとめてそういう製材に乗せるという形の方が、よりまとまった形でやれるのではなかろうかというふうに考えております。  そういう点から考えて、林野庁として、じゃどういうような全国的な製材業あるいは流通業のあり方を考えるのかという御指摘だろうと思います。私ども国産材が現在非常に停滞ぎみであるという中で、やはりそれぞれの地域に国産材を中心にいたしました産地形成的な生産から流通までの地域形成、こういうものを仕組ませるという方向、そういう形の中でそれぞれの地域の国産材を中心にいたしました林業、林産業の振興を図るのがいいのではなかろうかというふうに考えておりまして、基本方針の中でそういう考え方をうたい、ただそれが量的に全国的にどうなるかという具体的な数字までは私どもは挙げることは考えておりませんが、そういう考え方でそれぞれの県で検討していただきますれば、その地域に見合った形で、私は年々それぞれの地域の地域形成というものができ上がっていくのではなかろうかというふうに考えております。

三治重信民社党

○三治重信君 じゃ、ちょっと二、三具体的なことを聞きますが、非常に卸売業者が多くなっていると。一瞬当たりの取扱量はむしろ非常に減少しているけれども、どうしてこう多くなるかよくわからぬということなんですが、それに対して、今度流通合理化の融資をやろう、こういう場合に、この卸売業者の流通合理化の融資というのはどういうふうなことを考えておられるのか。  それから、もう質問があったかと思うんですけれども、国内産の木材の生産業者、ことに生産と書いてあるんですが、それはよほど大きな山林を持っている個人だったら、そういう融資の申請が出てくるかと思うんですが、これは主に森林組合を対象にしているのか。その割合、いわゆる木材の生産流通の合理化計画の認可基準というのは、認可というのは個人と、生産の方だったら森林組合、個人か森林組合か、流通合理化の方のやつだと流通業者個々のやつか、何か一定の団体、どういう団体に対してやるのか、そういう融資の方針ですね、個人と団体の割合と、それからどういう団体に対して融資をやれという合理化計画の認可基準、これはどういうふうな構想でおられるか。

佐竹五六林野庁林政部長

○説明員(佐竹五六君) 御説明いたします。  ただいま国産材振興資金制度を通じて、販売業者について合理化を進めていくと、どういうイメージを持っているのかと、こういうお尋ねかと思います。  若干補足しますと、先ほど御質問のあった、つまり非常に販売業者がふえている理由はなぜかという点、まずちょっと御説明しますと、これは恐らく木材の需要立地が非常に大きく変化しているわけでございます。つまり、たとえば東京に例をとりますと、東京の近郊地帯から、最近では神奈川、埼玉、茨城、こういうようなところに立地が変化しております。変化するそういう木材立地、新しい立地を求めまして、たとえば旧来の木場の問屋さんが木材センターというような形で交通の要衝に立地していくと、こういう形が非常に進んでいるわけでございます。そういうことが、一つ大きな理由になってくるだろうと思うわけでございます。  私どもは、この流通合理化のこの法案の前提になっている考え方でございますが、現在は国産材の動きを見ておりますと、二つの大きな流れがございます。一つは、非常に高品質の材、これは全国流通が進んで、たとえば秋田の材が九州にまで行くとか、これはそういうことは当然あり得るだろうと思います。もう一つは、最近住宅の新築の動向が地方都市に移っているわけでございます。そうしますと、従来三大都市圏に結びついていた地方の市場が、三大都市圏は主として大体住宅の供給形態も分譲住宅等が多いというようなことで、外材が主流型になっております。地方の方は国産材が主になっておる。そうすると、地方、地域に、新しいその中央の住宅事情に結びついた流通形態の芽生えが徐々に出つつあるわけでございます。私どもは、今後、人口の地方への分散の必要性というようなこともあるわけでございまして、そういう動きを大きく取り上げまして、先ほど長官からも申し上げましたように、地域ごとその流通のシステムを新しくつくっていきたい、こういうことを考えているわけでございます。  特に、国産材の場合には、御案内のように人工林の場合でも、一つの山から切りますと非常にいろいろな規格の材が出てまいります。そういうその材を、一〇〇%に利用することが必要になってくるわけでございます。したがいまして、現在一般的には国産材の停滞が伝えられる中でも、たとえば栃木の鹿沼であるとか、それから飛騨であるとか、東濃でございますね、下呂とか、松阪とか、それから飛騨とか、桜井とか、そういう国産材の産地では、それなりに多角的に市場に出てまいります材を利用いたしまして、したがってその原木も非常に高く買えると、こういう実態があるわけでございます。こういう動きを育てていくことによって、まさにその生産から流通、消費まで一貫した施策を進めてまいりたい、かように考えている次第でございます。

三治重信民社党

○三治重信君 それから、この融資の法案と直接関係のないことなんですけれども、保安林が非常にたくさんあるですね。その下に珪砂とか陶土とか、それから非常に砂利的な砂があるとか石がある。そういうようなのをとりたい。そうすると、保安林の解除を申請したいわけなんだけれども、これがまあ地下にそういうれっきとしたいいものがあることがわかっておればいいんだけれども、森林のその地域の長というんですか、林業の関係者ですか、それのみんな承諾の判をもらってこいと。  ところが、そういう人たちは毎年の選挙か申し合わせか順番でこの役職になって、ちょっと話していてもう大体いいかと思っていると、一年でかわってしまって、なかなか判がもらえない。ずるっこずるっここういって、だれもその森林の保安林の説明をすると、その趣旨はわかる、私はそう反対じゃないと言うけれども、みんなにここがいいと言ってくれれば私は判をつくけれどもと、こうやって回っとる間にまた一年過ぎちゃうと、どうにもならぬ、こういうようなのがあるんですが、いま実際、保安林の解除とか何かの問題のときに、県がそういうことは、まあ万全を期すためにはその方がいいかもしれませんが、そういう場合に農林水産省の方というのか、保安林の解除のときにはそういうふうな指導をされているのか、その土地の関係者の全部の承認の判がなければ保安林を解除しちゃいけないとかいうようなことがあるんですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先生十分御存じだと思いますけれど、保安林というのはやはり公益的な森林の機能を発揮させる公益的な意味での保安林、たとえば水源涵養保安林というものがございますが、また逆に都会に近いところにはその一つの特定な保安林があることによりまして、その保安林の機能を十分活用しておられる部分的な地域の効用といいますか、そういうものもございます。したがって、そういうたとえば土砂流出防備保安林等々については、その地域で利益を得ておられる方の同意がなければ、保安林の解除というのは基本的にすべきでないというのがわれわれの考え方でございますし、また、そうあるべきであろうと思っております。  したがって、保安林の解除をしたいという御要望の森林所有者については、そういう方々の同意を得ていただいて、そして、なおかつ保安林の保安機能が損なわれないような形で解除をし、それぞれに御利用いただくという方法を見出していただく場合に、私どもとしては、まあそのほかの細かい問題もございますけれども、基本的にはそういう考え方で解除の手続をとっておりますので、いまおっしゃいましたように、そこにおる方が変わってしまうためになかなかその同意が得られないという問題もあろうかと思いますが、できるだけその辺はスムーズに早くやっていただくような形で、同意をとっていただいて解除をするという考え方は今後も続けていきたいというふうに思っております。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、何というんですか、まあこの保安林の所有者はいいところへいっているわけですがね。だから、その関係者は、どの範囲のものを農林水産省の方で関係者というものを言ってみえるのか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 受益の範囲というのは、それぞれの保安林のあり方によって違うと思いますけれども、やはり一般的に、その保安林がどういう性格の保安林であって、どういう機能を果たしているかということを判断すれば、それに従いましてその受益の範囲というのは大体想定し得ると思いますので、その受益の範囲におられる方々の同意をいただくというふうに考えております。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、別にその何というのですか、そういうことについての同意を得た場合に、さらにその府県がこういう工事をしろとか、こういうふうな同意を得てもなおさらにそういう予防措置を相当条件をつけるということは——そういうふうな条件をとってから、さらに県がそういう条件を出すということになるか、それとも回りの同意を得たならば、しかし県としてはこれだけのこういう予防措置をとらぬと解除は認められないとかということを、大体そういうことも判をもらわぬ先に聞くことができるかどうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 保安林の解除には二つございまして、保安林の指定理由が消滅したときと、それからもう一つは、公益上の理由と二つあるわけでございます。  いまの御指摘になりました問題は、主としてさきに申し上げました指定理由が消滅したときというふうに該当すると思いますけれども、やはり指定理由が消滅したということは、その保安林が森林としてその機能を発揮する必要がなくなったということが認められる状況でなければいけないというふうに思っております。  したがいまして、もし保安林の森林を全部切り開いて他に利用されるということであれば、その保安効果を発揮できるような代替施設、こういうものの設置が確実でなければいけないというふうに考えておりますし、また、それに従いまして周囲の環境保全、こういうものも当然十分でなければいけない、その配慮が必要だろうということ、それからこれは当然でございますけれども、いま申し上げましたような代替施設その他の実施が必ず確実に行われるであろうという見通し、それからさらには、原則として都道府県の森林審議会がございますが、その森林審議会におきましてよろしいというような議決をいただいたもの、そういうものを原則にいたしまして、利害関係を有する市町村の同意と、先ほど先生御指摘になりました関係者の同意を得て、現在のところは審査をするという段取りをとっておる次第でございます。

三治重信民社党

○三治重信君 じゃ、具体的なことになりましたらまたお願いすることがあるかもわかりません。  それから、この林業の経営の近代化施策のやつで、法律の中にもよく出てくる言葉の中で林地の取得の円滑化対策、規模拡大、こういうようなのも林業経営の近代化施策の中に必要なことだと書いてあるんですが、これは農地の規模拡大と同じだろうと思うんです。そういう原則から書いてふるんだろうと思いますが、最近非常な通貨の過剰流動性的な土地の値上がりが物すごく強いわけでありますが、こういうのが林地の取得の名目で、林業地に資金が相当大量に注入されるというような傾向がないかどうか。  それから、分収造林の促進ということがあるんですが、これは何というのですか、戦前は農村の疲弊を吸収するためにずいぶん分収造林というやつが叫ばれたことと思うんですが、どの程度に今度の融資なんかも分収造林というものが対象になるのかどうか、また実際、分収造林というものを国有林の計画を縮小していくと、こういうような民間の方に主体的にやらしていくのか、その国有林の土地も貸していくのか。  それから三番目に、国有林野についての部分林の設定の推進ということも出ているわけなんですが、部分林の効用というんですか、または分収造林との関係というものについてどう考えておられるのか。これは、いわゆる林業経営の近代化施策という項目の中に法律上書いてあるわけですね。これについて現状はどうなっているのか。これに対して今度の造林や林道なんかの融資の対象になるのかどうか。また、こういうものは、そう書いてあるだけで、こういうようなやつを別に奨励するわけではないと、こういうふうに考えられるのか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 初めに、林地の取得の円滑化の問題でございますけれども、先生も十分御存じだと思いますが、林地の取得に対しましては公庫の林業経営改善資金がございますし、また、構造改善事業におきましても林地保有合理化事業というようなことを現在実施いたしております。  そこで、この経営改善資金の方でございますけれども、この融資につきましては、従来から融資枠の増大ということを図ってきておりますし、五十四年度におきましては特認の枠につきまして四百万円から八百万円、それから農業生産法人につきまして一千万円から一千五百万円という形でこの融資枠の拡大を図っております。それから、構造改善事業におきましても、規模拡大ということを目的にいたしまして林地の流動化あるいは分収造林の促進または国有林野活用、こういうものに対しまして、この促進のための面積測量あるいは林地条件調査、あっせんに要する経費に対しまして助成を行うという形で対応いたしておりまして、今後林業の規模拡大という面から、この問題につきましても私どもこの事業の普及には努めてまいりたいというふうに考えております。  それから、分収造林の問題でございますが、御存じのように、分収造林というものは土地の所有者と造林者が別になるわけでございますが、基本的には、民有林の振興ということは自主的な努力を助長する方向でやってきております。しかしながら、やはり最近のいろいろな状況で、地域によりましては分収造林を推進する必要があるという地域もございます。特に、この分収造林としては、御存じの森林開発公団が水源林についてやっておりますし、それからそれぞれの県に林業公社あるいは造林公社というものを最近設置されておりまして、ほとんどの県にできておりますけれども、こういう公社、公団によりまして分収造林が昭和三十三年に分収造林の特別措置法が設置されましてから非常に進んでまいっておりまして、現在まで約六十五万ヘクタール分収造林が行われております。  それは、ちょうど三十三年にこの法律が制定されましたときに、五十五年度までの目標約五十万ヘクタールというふうにもくろんでおりましたけれども、それを上回る状況になっておる次第でございまして、今後もやはり自主的な造林とあわせまして……、失礼しました、三十三年から五十二年まで六十九万ヘクタールでございます。目標が五十万でございまして、それに対して六十九万でございます。そういう形で進められておりますので、今後自主的な造林は当然進めてまいりますけれども、こういう分収造林につきましても、当然今度の融資制度等にも乗せまして推進を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから、国有林野の部分林の問題でございますが、従来から国有林野事業との調整を図りながらこの部分林制度というものは活用を図ってまいったわけでございますが、五十四年の三月末で面積は約十二万一千ヘクタールございます。さらに、こういう国有林の部分林制度というものを積極的に推進するために、設定の相手方を拡大いたしまして市町村あるいは森林組合、こういうものを加えると同時に、またいままでは杉、ヒノキというものが中心でございましたけれども、シイタケ原木だとか、漆だとか、キリだとか、こういう特用樹種も部分林の対象樹種に考えて現在進めておりまして、やはり地域の振興のために国有林を活用していただいて、その地域の林業を中心にした地域振興を図るための国有林の協力という姿勢からも、この部分林制度については今後とも積極的に対応を図ってまいりたいと考えております。

三治重信民社党

○三治重信君 最後に一つ、きょう追加質問を出しておきましたんですが、これは昨年から非常に、ことに昨年暮れ卸売物価の値上げから非常に問題になっておるんですが、道交法の去年の改正によって過積みトラックの規制が非常に警察が強くなったために、また運輸業者もそれぞれ運賃の抑制に遭っていて、道交法の改正をいいしおに値上げをみんな卸売業者、製材業者に要求して相当上げた。上げたけれども、またそれを一遍やると過積みをどんどんまたやると、こういうふうなことで、運輸業者にしてみれば非常に低運賃に支えられていたのが、道交法の改正で過積みを解くために道交法の改正に乗って運賃を上げたと。運賃を上げて、ひとつ今度は警察の方が少し緩めると、またどんどん過積みを始める。  ことに木材の方は、これは木材ばかりじゃなくて、砂利トラなんかや建設関係のも白ナンバーのトラックが非常にはびこりがちなんですけれども、こういう問題について、木材業者と道交法の関係と運輸の運搬業者との関係を、やはりこれは警察の取り締まりだけを対象にしてイタチごっこをやっているよりか、やはりこれはぜひせっかく道交法を改正して過積みを排除するということでやったが、運輸業者の方がまたこれは放任しておけばもとのもくあみになっていくわけですから、また業者の方にしてみれば、過積みをやってくれれば運賃が上がらなくて済むという、個々の業者はそうかもしれませんけれども、やはりこれは多年の問題になっていて、警察があれほど思い切ってやるようになった。  警察にもぼくは、ことに自治大臣には、去年道交法の改正をやったやつが、単に卸売物価の値上げに作用しただけで何にもなくて、また同じように過積みが行われるという状態になるよと、こう言っている。ならぬようにやりますと、こう言っているんだけれども、もうこれは運輸関係の、木材関係だと業界新聞には非常に出ていますね。こういうことについて、ひとつせっかくこういう流通の合理化とかなんかやるためには、これは一面から見るとコストの増要因かもしれないけれども、これは国として決めたやつについて、やはり林野庁の方もとかく過積みになりがちな木材の運搬について、業者がしっかり、そこは警察の方も地域的な面でやらないとだめだと、こう言ったんですが、そういう問題についてひとつ配慮をしてもらいたいと、こう思うわけですが、それについての御答弁を伺いたい。

角道謙一林野庁次長

○政府委員(角道謙一君) 過積みの問題につきましては、御指摘のような問題がございまして、昨年の十二月、道交法改正が施行されておるわけでございます。それで私どもといたしましても、過積載につきましては、道路交通の安全を確保する上におきましては、やはりこれを規制をしていご方向が必要であるということを考えておりまして、関係省庁協議の上、農林水産省におきましても本年の二月、関係団体に対しまして、大型貨物自動車等の過積載の防止についてという通達を出しまして、配送の合理化であるとか、他の運送資材の振りかえであるとか、あるいは積載自動車の構造自体の研究開発等も今後強力に進めていきたいと考えておりますし、また木材業界自体におきましても、全国及び各都道府県におきましてそれぞれ木材輸送安全対策協議会というものをつくって、この過積載防止につきまして自主的に取り組んでおるような状況でございますので、私ども、これが逆戻りしないように、十分今後とも注意してまいりたいと思っております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私、質問に入ります前に、私の気持ちを先に申し上げたいと思います。  まず、われわれ人間が文化生活を営んでいくのに、私思うに三つの大事な要素があると思っております。その第一は水であり、第二は光であり、第三が緑であると。まあ順序は別といたしまして、とにかくこの三要素が、私は人間が人間としての文化生活を営んでいく大事な三つの要素であると、かように私、信じております。そういう気持ちに立って、これからの質問をいたしたいと思うのであります。したがって、森林の資源を豊かにするとか、あるいは木材の自給向上を図るということだけではなしに、その森林を育てるに携わる関係者、山の人々も、また、それを取り扱う業者も、また、その木材を生活に織り込んでおるすべての人々もみんなが幸せにならなければいけない、こう思いまして、今度の暫定措置法の中から基本的な問題を最初に二、三お尋ねいたしたいと思います。  まず、第一条については、政府は林業をめぐる諸情勢の著しい変化をどのように認識しておられるか、この点を大臣にお尋ねしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 最近における経済の停滞、外材の輸入、こういうような点から木材価格が低迷をして、非常に林業をめぐる情勢は厳しいと。したがいまして、われわれといたしましては、これらの悪条件を克服するために、いろいろと国内におきましても今回の法律並びに予算措置等によって林業の振興を図っていく考えであります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、この五十二年度の木材自給率が過去最低の三三・六%となっておりますね。五十三年度の自給率も、なお下がる見込みであるということが指摘されておるわけです。これを立ち直らせるには、政府はどういう施策をもってこれを立ち直らせようとしておられるのであるか、そのことをお聞きしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま私が抽象的でございますが申し上げた中に、全部含まれると思います。一つは、やはり国内の生産を高めなければならない。そのために造林事業を振興させる。したがいまして、この造林につきましても、ことしから初めて総合的に保育から間伐まで助成をするというような事業を起こしたり、あるいはこの法律案にあるように長期低利の融資制度をこしらえたり、いろいろなことをやって、林道の問題についても同様です。それによって、まず国内産の自給率、生産を高めていく。それから国内産の流通について、それを取り扱う業者が有利になるようなことで、国内産の消費をふやす方向で努力をしてまいります。その他もろもろのことをやって、まず国内産材の振興を図っていくということであります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 第二条に「農林水産大臣は、林業経営の改善並びに国内産木材の生産及び流通の合理化に関する事項についての基本方針を定めなければならない。」と明記されております。いかなる考えで、いかなる基本方針を持って、また具体的にいかなる事項を定める考えを持っておられるか、お伺いいたしたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 基本方針につきましては、法律に書いてございますように、林政審議会に御意見を伺いまして、専門的な立場から十分検討していただこうというふうに考えておりますが、その内容といたしまして、基本的事項といたしましては、所有森林についての経営方針の明確化、あるいはその伐採、造林等の生産活動の計画化、それから森林組合による受託あるいは委託の推進等の事業実行方法の合理化、こういうものを定めていきたいと考えておりますし、それから国産材の流通、合理化に関する基本的事項といたしましては、素材の生産及び取引の安定化、計画化、それから国産材の製材加工の高度化、国産材の品ぞろえ機能等の強化を図るための木材市場の近代化、こういう事項について定めてまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いま長官から具体的なことなのでということで述べられましたが、大臣、その述べられた事項をどのように実現しようと、こういうふうに思っておられるか、どのように思っておられるか。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 基本方針としては、この法案が成立した後で、林政審議会の意見を聞いて専門的な立場から検討してもらうことになっておりますが、いま考えていることはそういうようなことを考えておるわけです。したがって、林野庁長官からいま説明があったとおりでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私があえてお尋ねしますのも、やっぱり基本方針は明確に打ち立てられたとしても、そのパイプが詰まって、本当の末端にまで愛情が、理解が流れていかなければ、それは絵にかいたもちにしかすぎないと、こういうことを強く強く指摘したいからであります。ぜひひとつ、そのことが実りある源泉、こんこんとして尽きない、こういうひとつ水が流れるごとくにその政策を末端に流していただきたい。こうすることによって、国民もその関係者も幸せになれるんですから。  次に、第四条の造林資金の償還期限、据え置き期間をそれぞれ四十五年以内、二十五年以内に延長された理由、それから林道資金の償還期限、据え置き期間をそれぞれ二十五年、七年以内に延長された理由、これをもう一遍明確にお聞かせ願いたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 造林につきましては、四十五年、二十五年にしたわけでございますが、御存じのように、いままでは三十五年であったわけでございます。それを十年延ばしたということでございます。日本の木材の中心になります樹木というのは杉でございますけれども、杉の伐採を見ますと、大体四十五年で伐採されているのが現状でございます。そういう観点から、一応四十五年という考え方にしたわけでございまして、さらに据え置きを二十五年にいたしましたのは、従来二十年でございましたけれども、二十五年ぐらいになりますれば、一応第一回の間伐あたりが利用できると、売り払いできるというような観点もございます。そういう観点から、一応二十五年というふうに踏んだわけでございます。  それから、林道につきましても、林道は従前は一応木材の生産機能といいますか、そういう考え方で林道をつけておりましたけれども、最近の林道はそれよりも造林、保育を中心にされた林道というものが非常にふえております。そういう観点と農道との関連とを考えあわせまして、二十五年という形をとりまして、さらに据え置き期間の七年というのも、七年たてば、そういう意味で据え置いておけば、大体林道の償却というものは考え得るじゃなかろうかということから、そういうことにいたしたわけであります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そうしますと、今後の推移によってはさらに延長ということもあり得ますね。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 私ども三十五年を四十五年にしたということは、十年というのは相当長い期間でございますから、いまの段階ですぐにこれをまた延ばすということは、現時点では考えておりません。ただ、将来の問題として、あるいはその木材の伐採がまた非常に伐期が長くなるというような事態があれば、これはまたその時点で考える時点があるのかもしれませんが、現時点ではまだそこまでは考えておりません。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、第五条に関連して、一項四号の「政令で定める」とありますが、それから同じく四項に、「政令で定める。」と、こう二つありますが、この一項四号の「政令で定めるもの」はどういうものを予定しておられるか。それから次の四項の「政令で定める」というのはどういう内容になるのか、それを具体的にお聞かせください。

角道謙一林野庁次長

○政府委員(角道謙一君) 第五条一項四号の「政令」は、造林事業を主目的とする民法三十四条の公益法人で、素材生産等をあわせ行う者、これを予定いたしております。  同じく第四項の「政令」におきましては、合理化計画の変更の場合の認定の手続あるいは認定の取り消しの場合の条件、手続を定める予定でおります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 法につきましては、大体以上の疑問点をお尋ねいたしました。  次に、沖繩の林業がいわゆるゼロから出発いたしておることは、御承知のことと思います。それでしますというと、もう五十年以上の立ちおくれがある。さらに、この法の適用を受けたのも第三期目の——第一期が昭和二十九年から三十八年、第二期が三十九年から四十八年、第三期が四十九年から五十八年、沖繩が復帰したのが四十七年でありますから、一期、二期の二十年間はこの法の適用を受けておらない、疎外されておるわけであります。第三期から、ようやくこの法の適用を受けることになったわけであります。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕  そこでお尋ねしたい第一問は、沖繩の林業は申し上げるまでもなく大変立ちおくれておる、この沖繩の森林資源の犠牲に対応した林業振興はどのように考えていらっしゃるか、お尋ねしたい。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 沖繩の林業振興が立ちおくれておることは、御指摘のとおりでございます。したがいまして、政府といたしましても、沖繩が非常に高温多湿であるようなこと、また水源涵養が必要であるというようなこと等も考えまして、沖繩の林業振興につきましては、これを計画的にひとつ推進をしてまいりたい、こういうような観点から、沖繩振興開発特別措置法に基づきまして、他府県よりも五割ないし倍近い高い補助率等を適用をして、その優遇措置を講じておるところであります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いま、あらましのことをお聞かせ願いましたが、今後どういう方針と見通しを持っておられるのか、さらに掘り下げてお聞きしたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 沖繩につきましては、いま大臣からお答えいただいたとおりでございまして、沖繩の林業を見ますと、やはり立地条件から見まして水源涵養だとか、あるいは防風その他の公益的機能が非常に重視されるところではなかろうかというふうに考えております。それからまた逆に、非常に高温多雨でございますから、そういう意味で、やはり林木の育成には非常に適しているというように考えております。そういう観点から見まして、いま大臣からお話ございましたように、こういう森林の公益的機能ということを十分に発揮できるような考え方に基づきました林業の生産基盤というものについて、今後とも国といたしましても積極的に助成を図ってまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、沖繩の林道整備ですね、いわゆる人間にとって血管である沖繩の林道、先ほどから問題になっている林道ですね、その林道整備の状況は、他府県にこれも比較して著しく立ちおくれておる。全国平均の五三%にしかまだ値していないんです。この林道整備の基本方針はどのように具体的に樹立されて進めていこうと考えておられるか、そのことをお尋ねしたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 御指摘になりましたように、沖繩の林道は確かにおくれております。したがいまして、私どもも、できるだけ早く全国平均に達するような努力を今後ともしていく必要があろうというふうに考えておりますが、たとえば一例を申し上げますと、民有林の五十二年度末のヘクタール当たり延長でございますが、全国平均が三メーターでございますが、沖繩県は一・六メーターでございます。大体全国平均に対して五三%でございます。  しかしながら、逆に、私どもがそういう姿勢を示しながら現在林道の推進を図っておるということの事例といたしまして、四十七年度から五十二年度までの六年間の開設実績を見ますと、全国平均が〇・三九メーターに対しまして、沖繩県は〇・四六メーターでございます。そういうふうに、全国平均よりも上回った伸びで沖繩の林道整備を図っておりますし、それから、いわゆる予算の面で見ますと、四十七年を一〇〇といたしますと、五十四年度は全国が三七三に対しまして、沖繩県は六六四という高い伸びを示しております。こういう形で、今後とも私どもは沖繩が、先ほど申し上げましたような森林整備の方向に向かって必要な林道が整備されるような努力を続けてまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ただいま数字で比較されましたが、非常にこの数字に対する警戒が特に沖繩の場合は必要でありますが、たとえば沖繩の道路網の舗装率を比較しましたら、非常に優位にある。ところが、その絶対長さですね、それが沖繩の道路は短いから、だから舗装率はぐっと上がるのはこれはあたりまえであります。  その問題と、それから質の問題ですね。沖繩の舗初道路が軍用道路をそのまま名義がえをして国道にしただけである。いわゆる人間中心の道路ではなくして、基地中心の、軍事中心の道路をそのまま復帰の時点で国道に切りかえたのであります。ところが、それが着々と正しい、いわゆる指定によるところの国道の条件を備えつつありますわね。そういった観点に立って、いまのおっしゃた林道の舗装率は本上の林道のその率、それから長さ、そういったものを検討されての比較であるかどうか、もう一遍念を押したいんです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま私が申し上げました数字は、第一点が五十二年度のヘクタール当たりの延長でございます。ですから、ヘクタール当たりの延長ということになれば、これは全国同じ基準になります。一ヘクタールにどのくらい延長延ばしたかということで、全国で三メーター、沖繩では一と、いままでの、平均が一・六メーターということで、非常におくれているということをまず申し上げたわけでございます。  それから、四十七年から五十二年度までにどのくらいつくったかということでございますけれども、これもヘクタール当たりに対してどのくらいつくったかということでございますから、同じ基準に対して、沖繩では〇・四六に対して全国では〇・三九ということで、基準を同じにして考えておりますから、いま先生御指摘になりましたような一般の公道等の考え方とは違う考え方でございまして、森林の中に占める林道のヘクタール当たりの割合ということで算出をしておりましたから、御懸念のようなことはないというふうに考えております。     —————————————

山内一郎自由民主党・自由国民会議

○理事(山内一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、園田清充君が委員を辞任され、その補欠として高橋圭三君が選任されました。     —————————————

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、水資源の問題に触れたいと思います。   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕  沖繩県は降雨量が全国一である。ところが、降った雨はすぐ海に流れてしまって、水資源の開発確保が非常に重要な課題になっておるわけでありますが、林野庁とされましてこの対応策を具体的にどのように持っておられるか、お尋ねいたしたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 水資源の問題は、沖繩の地形を見ますと、どうしても山、川の山足、川足が短うございますから、これを長くするということは非常に不可能だと思います。地形から、とてもそれを長くするわけにまいりませんけれども、やはり森林を造成することによりまして、森林の中に水が少しでも長く保持されるという形をとるのが、私ども林業としての立場の水資源の対応だというふうに考えております。そういう観点から保安林制度もあるわけでございまして、先ほど申し上げました沖繩の特殊性といいますか、森林の公益的機能発揮ということが沖繩の林業の大きな一つの柱でもございますので、そういう方面から踏まえた造林の推進というものを図っていくべきであろうというふうに考えておりまして、そういう森林施策をとっていきたいというふうに考えておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そのとおりだと思いますが、それでは沖繩における水を保存する保安林の指定状況ですね、先ほども申し上げましたように、沖繩の場合には第三期の保安林整備計画における法の適用しか受けておらぬわけです。だから、非常に立ちおくれておることは、ここでもはっきりいたしておるわけですが、その保安林の整備をどのように考えておられ、どのように具体的に計画しておられるか、これをお聞きしたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 現在の沖繩県の指定状況でございますけれども、県土面積に対しまして約四%、県内の森林面積に対しまして約八%のおおよそ八千四百ヘクタールが保安林として現在指定されております。この種類は、やはり沖繩は台風の常襲地帯という特性がございますので、潮害防備保安林を主眼とした整備でございまして、そのほかに水源涵養保安林あるいは防風保安林というものが中に混入いたしております。  現在、この整備方針でございますけれども、第三期の保安林整備計画に現在かかっておりますが、先ほど来申し上げておりますような沖繩の特殊性を勘案いたしまして、私どもとすれば、昭和五十八年度末までに新たに約一万五千ヘクタールの保安林を指定いたしまして、合計で昭和五十八年度末には二万三千ヘクタール、現在の約四倍弱でございますけれども、二万三千ヘクタールの保安林を指定すべく現在進めておる段階でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 早く実ることを期待いたしますが、台風の常聖地であるというばかりじゃなく、島自体が狭いために、台風と関連して潮、いわゆる防潮ですね、防潮林も特に必要であります。それは台風と関連して不離一体をなすものでありますので、その防潮林の計画についてはお考えございますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先ほど申し上げましたように、保安林の種類としては、水源涵養のほかに防潮保安林というものも私どもとしては十分その主眼として考えておりまして、現在防潮保安林といたしましては、八千四百ヘクタールのうち、三千六百ヘクタールが現在ございます。  失礼いたしました。三期計画の先ほど申しました数字の中で、防潮保安林、潮害防備保安林につきましては、九百八十一ヘクタールを指定する予定にいたしております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 台風被害に関連して、防潮林がないために海岸がさらわれたり、あるいは潮が陸に、作物に大きな被害を与えたり、こういうことが絶えずあるわけですので、特に防風林と防潮林は不離一体のものとして考えていただきたく、重ねて要望いたします。  次に、沖繩における森林組合の設立の状況ですね。多少おくれている、二十年も法の適用から外されておったわけでありますので、その森林組合の活動状況、これはどのようになっておりますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 沖繩県におきましては、現在沖繩北部森林組合と、それから八重山森林組合、この二組合が設立されておりまして、沖繩県におきましては連合会がまだ設立されておりません。ただ、これは年度内には設立したいという目途で準備中であるというふうに私ども聞いております。  これらの森林組合は、五十二年度におきましては、おおよそ造林が七十ヘクタール、木材生産が三千九百立方メートルの事業をやっておりまして、県内の民有林事業量の造林では二六%、木材生産では一七%を占めておりまして、沖繩県の民有林林業の中核的担い手ということで期待されているというふうにわれわれは考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 この組合を正しく育成していくべく関心を持っていただくと。このことが、またこの法の精神にもマッチするし、また、森林を育てるという意欲にもつながるわけでありますので、ぜひひとつ、組合の育成については一番の御関心と御努力をお願いいたします。  次に、外材問題についてお伺いしたいんですが、国内総需給量の三分の二は外材に占められておる。ところが、沖繩では地理的関係もありまして、戦前から外材に頼ってきたと、こういったいきさつがあるわけなんですが、沖繩の木材消費量に占める外材の比重は現在どうなっておるか。そうして、主にその輸入先はどこの国から多く輸入しているのであるか、その状況を数字的にひとつお聞きしたいと思います。

角道謙一林野庁次長

○政府委員(角道謙一君) 昭和五十二年におきます沖繩県の丸太の需要量は、三十二万三千立方メートルでございます。これに対します供給は自県材が二万二千立方メートル、約六・八%でございます。それから、他県材はございませんで、残りは外材で三十万一千立方メートル、九三・二%という状況になっております。この外材のほとんどはラワン等を中心といたします南洋材でございまして、その主な輸入先はインドネシア、これが六六%、フィリピンが二八%、マレーシア六%という状況でございます。  次に、製材品でございますけれども、五十二年におきます沖繩県の製材品の需要量は十五万七千立方メートルでございまして、このうち七四%に当たる十一万六千立方メートル、これが自県内で確保されたものでございまして、残りは宮崎、鹿児島、熊本県等から移入されているほか、台湾からの輸入も若干あるようでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの数字で大体わかりました。  次に、沖繩では国有林が森林面積でその三分の一、それから蓄積で三分の二を占めておるという、これも沖繩のまた特殊事情かと思いますが、国有林の蓄積内容からすると、国有林はもっと県産材の供給に積極的な役割りを担うべきではないかと、このように思いますが、いかがお考えでしょうか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘のように、国有林の占める割合は確かに森林面積で三分の一、蓄積で三分の二でございますけれども、内容を見ますと、そのうちの六四%は保安林並びに国立公園及び演習地等の伐採等の施業制限を受ける第一種林地でございます。それから、さらに二九%が部分林でございまして、これがつまり地元が活用いただいておる、俗に第三種とわれわれ言っておりますけれども、そういう森林でございまして、積極的に木材生産を行うことができます林地、これは約七%の二千ヘクタールでございます。  したがいまして、そういう状況でございまして、そのうちの今度は蓄積の状況を見ますと、九八%がシイ等の広葉樹でございます。そういう点で、建築用材にはなかなかいまの段階ではまだ利用できない樹種でございますので、国有林材を直ちに県のいろいろな木材住宅、その他に利用できるという状況に内容的になっていないという点を、ひとつ御理解いただきたいというふうに思っております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 よくわかりました。  次に、この沖繩の流通加工部門の実態はどうなっておるかということと、それに関連して、その実態に即した流通加工部門の振興策ですね、実態を踏まえてその振興策をどのように考えておられるか。

角道謙一林野庁次長

○政府委員(角道謙一君) 沖繩県の木材加工の実態につきましては、製材工場が約五十工場ございます。このほとんどはラワン、アピトン等を中心にしました南洋材の専門工場でございまして、規模から見ますと、一工場当たりの入荷量は約三千六百立方メートルで、全国平均の二千三百立方メートルよりも五割方上回っておる状況でございます。  次に、合板の工場でございますが、合板につきましては、会社は一社、四工場ございまして、沖繩県におきましては木材関連企業唯一の大企業でございます。県内の普通合板の需要に対応するほか、約六五%、これを本土に移出している状況でございます。木材のチップ工場は兼業工場が一工場、生産量のすべては本土に移出している状況でございます。  それから、沖繩県の木材流通の実態でございますけれども、原木につきましては、国産材につきましては、森林所有者から直接あるいは素材生産業者を経まして製材工場へ行く経路と、外材につきましては、原産地から直接に、または商社を通じまして県内の木材輸入業者に入り、それから製材工場に入る経路がございます。  製品つきましては、製材工場から直接に、あるいはまたは木材販売業者を経まして、いわゆる大工、工務店等に行くような経路があると考えております。この木材の卸売業者は六事業所ございまして、木材の小売業者は百四十五事業所ということになっております。  これらの振興対策でございますけれども、いま御説明申し上げましたように、沖繩県の木材流通加工は、主として南洋材を中心として行われてきておりますし、最近ではタイワンスギ等の輸入も増加してきております。このような情勢の中で、沖繩県の木材流通加工を振興するためには、リュウキュウマツであるとか、イヌマキであるとか、イタジイ等県内の生産樹種の有効利用を図るということと同時に、最近におきます需要樹種の多様化に応じまして、高度加工を図るということも必要かと考えております。また、南洋材につきましては、適正な防虫防腐処理を行うことが必要でございますし、これによりまして品質を向上させ、また付加価値の向上を図るということが必要であると考えております。  こういうような木材の流通処理の実態を踏まえまして、今後円滑な流通が確保されるように努めてまいりたい、かように考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いま流通過程をお聞きしまして、そのお話の中からまた浮かびまするのは、木材市場が沖繩にないのですね。これをどのようにお考えですか。

角道謙一林野庁次長

○政府委員(角道謙一君) いま御指摘のとおり、木材の市売り市場は沖繩県にはございませんけれども、この理由につきましては、沖繩の供給の大部分が外材であるという点が一番大きい理由でございますし、この外材の場合には品質が均一であり、また大量取引が可能であるというところから、一般的には市売り市場がなくても取引が円滑に行われるというような外材の持っております性格から、市売り市場がなかなかできないのではないかというようなことが一つあろうかと思います。  また、これと裏返しになりますけれども、国産材の供給、製材用原木の供給量が非常に少ない。これはわずか二千立方メートルでございまして、流通業者も少ないという実態から、現在では木材市売り市場の成立する基盤が非常に少ないというのが現状かと考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの現状はそうですが、将来に向けてはこの必要性はお認めですか、どうですか。

角道謙一林野庁次長

○政府委員(角道謙一君) 現段階におきましては、先ほど申し上げましたような事情で木材市売り市場はないわけでございます。ただ、将来の問題として考えました場合には、まず沖繩県におきまして国産材が相当程度生産されていく、そういうことがまず基本的に必要かと思います。そういうことで、むしろ沖繩におきましては、今後森林・林業の育成を図ることが先決でありまして、外材が主体の流通が行われます限りにおいては、なかなか市売り市場を整備するというような経済的な基盤が乏しいのではないかというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それじゃ次に、この法案の内容について沖繩の立場から比較して若干の疑問がございますので、それをただしたいと思います。  この造林資金と林道資金の特例については、農林漁業金融公庫というのがございますが、その公庫に関する規定しかない。ところが、沖繩振興開発金融公庫の取り扱い、沖繩に特別の開発金融公庫があるわけなんですね。それとのかみ合い、関連がどうなるのか、御説明願いたいと思います。

角道謙一林野庁次長

○政府委員(角道謙一君) お答え申し上げます。  現在、農林漁業金融公庫法におきましては、造林資金あるいは林道資金につきましては、償還期限が法定をされておるわけでございます。その関係で、今回の法律におきまして農林漁業金融公庫法の特例を定めたわけでございますけれども、沖繩振興開発金融公庫法におきましては、これらの貸し付けの条件は沖繩振興開発金融公庫の業務方法書に委任されております。したがいまして、今回いま御審議をいただいておりますこの暫定措置法が成立をしました場合には、これに伴いまして具体的な条件は農林漁業金融公庫において定めることになりますけれども、沖繩振興開発金融公庫におきましても、これと同時に業務方法書において林道あるいは造林の償還条件を定める、改正をするということになるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 金融公庫に統一されるわけですね、開発金融公庫に。

角道謙一林野庁次長

○政府委員(角道謙一君) さようでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そういったダブる場合に、いざこざがないように、すっきりしたひとつルートをはっきりさしていただきたい。これを要望いたしておきます。  最後に、国産材産業振興資金ですね。国産材産業振興資金は、国産材を主体に取り扱う業者でないと利用できない、たてまえはこうなっておりますね。ところが、沖繩ではそのような基準は実際に即さないわけであります、先ほど来申し上げましたとおりに。そこで、沖繩については特例を認めるべきではないか。そうでありませんと、もう救う道がない。お聞きしますと、国産材五割以上を扱っておれば他県でも適用を受けられると。あるいは都合によっては二割、三割でも適用を受けられるという、特別の配慮があるとも漏れ聞いておるのであります。そうであるならば、沖繩の現状を踏まえれば当然適用を受けてしかるべきじゃないか、このように思っておりますので、それに対するひとつ御見解を承りたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 今回の法案が、御指摘になりましたように国産材の振興ということをねらいにいたしまして私ども制度をつくっておりますので、御指摘のように、先ほど来お話がございましたように、沖繩については非常に国産材のシェアが少ない、大体、素材で七%ぐらいだということになっておりまして、そういう観点から見ますと、その対象になりますものがきわめて私ども限られたものであるというふうに考えております。ただ、この制度と申しますのは、先ほど来御説明申し上げましたように、国の協力のもとに地域の実情に十分即した形で県が主体になって実施する制度でございます。したがいまして、具体的にどのようにするかは、県の意向を十分に踏まえて対処してまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 じゃ、御検討願います。時間ですので終わります。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  林業等振興資金融通暫定措置法案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、栗原俊夫君から発言を求められておりますので、これを許します。栗原君。

栗原俊夫日本社会党

○栗原俊夫君 私は、ただいま可決されました林業等振興資金融通暫定措置法案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     林業等振興資金融通暫定措置法案に対する附帯決議(案)   最近における極めて厳しい森林・林業をめぐる諸情勢により、国内林業関係の生産活動は、著しく停滞しており、将来の森林資源の充実培養上憂慮すべき事態になっている。また、本法の有効な運用を図るには、関連施策を総合的に推進しなければならない。よって政府は、さし当たり次の事項の実現に努めるべきである。  一、国際的及び国内的諸情勢を的確に把握して「森林資源に関する基本計画及び重要な林産物の需給に関する長期の見通し」をすみやかに改定し、計画実施に必要な関係諸施策の強化充実に努めること。  二、林道及び造林等の林業生産基盤の整備をさらに積極的に推進するとともに、造林後の保育及び間伐等の適切な実施を図り、間伐材の利用を促進するため助成を強化すること。  三、森林施業を計画的に実施し、特用林産物関係その他地域の事業との就労の組合せ等を推進して雇用の安定と労働条件の改善に努めるとともに、生活環境の改善も含めた山村振興対策を一層すすめ、さらに森林組合の充実強化を図る等により、林業の担い手の確保に資すること。また、林業労働力における職業病の発生の防止、治療法の開発改善及び治療施設の充実を図ること。  四、木材の価格及び需給の動向を迅速的確に把握して、これに即した指導を充実する等により、外材の秩序ある輸入を期するとともに、外材輸入の数量及び価格の調整措置の実施につき引き続き検討すること。  五、在来工法による木造住宅の建築方法及び流通の合理化等の施策を充実強化して、国内産木材の需要の拡大を図ること。  六、本法の運用については、中小・零細林家及び事業者の利便に留意し、計画の認定、貸出等の手続の円滑を期するとともに、資金需要の動向に応じた資金枠の確保等その円滑な実施を図ること。  七、林業に関する制度金融の充実改善に努めるとともに、農協等の系統資金の円滑な導入の方途を検討する等林業金融の充実強化を期すること。  八、松くい虫の被害が激増したことにかんがみ、その総合的な防除対策を積極的かつ迅速に実施するとともに、野生鳥獣による被害の実態に対応して適切な措置を講ずること。  九、わが国の国民生活の向上及び国民経済の発展によりますます重要となっている国土保全、水資源のかん養、保健休養等の森林の有する公益的機能を保持増進するよう所要の措置を講ずること。  十、国有林野事業について、国有林野事業改善  特別措置法による改善措置を確実に実施するよう努めるとともに、財政措置に関しても民有林に対する助成を勘案して拡充を図ること。また、不成績造林地の解消を含む確実的確な造林の実行、林道の開設等生産基盤整備の充実を図ること。   右決議する。  以上であります。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ただいま栗原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、栗原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺農林水産大臣。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいる所存であります。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 次に、農業者年金基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺農林水産大臣。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由及び内容を御説明申し上げます。  農業者年金制度は、農業者の経営移譲及び老齢について必要な年金の給付を行うことによって農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与するとともに、国民年金の給付とあわせて農業者の老後の生活の安定と福祉の向上に資することを目的とするものであります。  本制度につきましては、現在加入者数は約百十二万人となり、年金受給者数も八万人を超えておりまして、早期の経営移譲が行われることにより、農業経営の若返り、農地保有の合理化に役立っております。  その内容につきましては、昭和四十九年以来逐次改善充実を図ってきたところであり、昭和五十三年におきましても、物価スライド制の実施時期の繰り上げ措置及び農業経営主に対するいわゆる時効救済措置を講じたところでありますが、さらに本制度の一層の改善充実を図るため、今回、改正を行うことといたした次第であります。  本法律案の内容は、次のとおりであります。  第一は、年金給付の額の物価スライド措置であります。  本来は消費者物価の変動率が五%を超えた場合にのみ行うこととされておりますが、昭和五十三年度は消費者物価の上昇率が五%を下回ると予想されておりますので、このような場合でも国民年金に準じ特例措置として物価スライドによる引き上げができるよう所要の改正を行うこととしております。  第二は、後継者の加入の救済措置であります。  将来経営主となることが見込まれる農業後継者でありながら加入時期を逸し加入できなくなっている後継者を農業者年金に加入させることは、将来経営移譲を行うことによる農業経営の若返りを期待することができ、また、農業後継者の確保にもつながるので、その加入の救済措置を講ずることとしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産政策に関する調査のため、明二十五日午前十時に、天然自然食品等公正取引協議会設立準備委員会委員長 渡辺正三郎君、キューピー醸造株式会社取締役社長 神田恒治君及び栄養改善普及会会長 近藤トシ子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十八分散会      —————・—————

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