農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 381 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/03/22
会議録
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 一昨二十日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として柳澤錬造君が選任されました。 —————————————
○委員長(久次米健太郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案審査のため、本日、全国農業協同組合連合会常務理事 田中隆君、日本硫安工業協会会長 水野一夫君、日本化成肥料協会会長 池田保彦君、日本化学エネルギー労働組合協議会事務局長 久村晋君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(久次米健太郎君) 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、参考人としてただいま決定いたしました四人の方々の御出席をいただいております。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。本日は、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案に対する諸問題につきまして、それぞれ御専門の立場からの忌憚のない御意見をお伺いいたしまして、今後の審査の参考にさせていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。 それでは、これより御意見を述べていただきますが、議事の進め方といたしましては、最初にお一人約十分間程度意見をお述べいただき、引き続いて委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 それでは、田中参考人からお願いいたします。
○参考人(田中隆君) 私、全国農業協同組合連合会の常務理事の田中でございます。ただいまから肥料価格安定等臨時措置法の延長に関する私たちの意見を申し述べさせていただきます。 まず、結論を先に申し上げます。 われわれとしましては、系統各機関ともいろいろ検討してまいりましたわけでございます。また、全農の理事会においてもこれを検討して、結論は、現在の肥料価格安定等臨時措置法は延長していただくべきであるというふうに考えておるわけでございます。 御存じのように、この法律は過去十九年、いろいろな環境の中でわれわれとしましてはその機能を十分果たしてきておるし、またそういう面でのこの法律を高く評価いたしておるわけでございます。つい最近の御存じのような石油ショックのときにおきましても、世界的に肥料の需給が逼迫した中で、内需優先ということにおきまして非常に大きな効果を発揮いたしたと考えておりますし、また、現在、資源の面におきましてもいろいろなむずかしい問題が発生いたしつつあるわけでございまして、ナフサあるいは燐鉱石、カリ等の肥料原料につきましても非常にむずかしい見通しの状況の中にありまして、われわれとしては、今後ともこの肥料の内需の優先という意味において、非常にこの法律が必要であるというふうに判断をいたしております。 また、価格あるいは流通の安定の点につきましても、御存じのように、肥料は年間約八百万トンという大量の貨物を輸送しなければならないわけでございますし、また消費がどうしても季節的になりがちでございまして、これを年間、計画的に安定的に輸送、供給するという、そういうことが非常に大きな課題とされているわけでございますが、この安定法のもとにおいて全国統一価格の体系をつくり、これが非常に貨物の計画輸送あるいは流通の安定、秩序ある流通という面において大きな機能を果たしていると考えておるわけでございまして、今後ともそういう機能が大きく期待されるわけでございます。 すでに先生方御存じのとおり、日本の農業はかつてない厳しい環境の中にあるわけでございます。農産物の米を初めとし、野菜あるいは果樹あるいは酪農製品というようなものが需給アンバランスのためにきわめて価格が低迷しておるわけでございまして、こういう状況は当面やはり続くというふうな判断をいたしておるわけでございまして、われわれとしては、米を初めいわゆる生産調整といいますか、作付転換といいますか、そういう厳しい環境の中でいま有効な転換対策を進めていこうとしているわけでございます。また、海外農産物の面から見ますと、オレンジあるいは牛肉というようなものに対する輸入の圧力というものが、かつてないほど厳しいという状況にあることは御存じのとおりでございます。こういう環境の中にありまして、私たち農協としましては、いわゆる農業の生産費の合理化といいますか、いわゆる農業生産資材に対する価格の低位安定あるいはそれらの安定的供給というものが従来以上に厳しく要求されるわけでございまして、われわれとしましても、そういう面で一層の努力をしていかなければならないというふうに考えているわけでございます。 なおまた、御存じのように、肥料業界はかつてない大きな構造改革を進めようとしているわけでございますが、これはわれわれとしましては、いわゆる石油ショック以降の世界的な肥料の輸出構造の変化、あるいは日本の肥料工業のいわゆる体質的な問題からくる国際競争力がかなりやはり低下してきているというところに、基本的な構造の問題があるように考えているわけでございますが、したがいまして、設備休廃止を含む今回の構造改革の方向は、われわれとしてもぜひその方向で進めていただきたいと思うものでありますし、また同時に、その方向がやはり基本的には日本の肥料工業が国際競争で耐え得るような体質の方向に構造改革が進められることを期待しているわけでございます。 燐酸工業等につきましては非常に複雑な産業構造をしているわけでございますけれども、燐酸二次製品の価格の安いものが外国から入ってくるというふうな面で経営に影響を及ぼしている点もあるわけでございますけれども、私たちとしては基本的に、現在の肥料安定法の中においてわれわれと各肥料メーカーさんとの価格交渉の方式なり、あるいは取り決められた肥料価格の水準等が不当に経営を悪化しているというふうな判断はいたしておらないわけでございまして、そういう意味からいきますと、やはりわれわれとしては、構造改革の方向というのは、基本的には国際競争に耐え得るような体質に持っていくと、そういうところを一つの方向として考えて進んでいただければ非常にいいのではないかというふうに判断をいたしておるわけでございます。 そういう厳しいいま農業あるいは肥料工業をめぐる環境にあるわけでございますが、私たちとしましては、この際、肥料安定法の延長を要請すると同時に、その法の運用に当たりましては、今回のこの構造改革の方向がいわゆる国際競争の厳しい環境に耐え得るような方向で進められると同時に、いわゆる合理化の推進の中でそのメリットを農業者の方にも還元していただきたいという点を特に御要請をいたしたいわけでございます。 また、第二点としましては、合理化の推進の方向としまして、やはり現在ある高能率な生産設備への生産の集約を図ることによって、また同時に流通経費等も節約し、これは交錯輸送なり、やはり販売の過当競争等を秩序あるものにすることによって流通経費の節減を図る、これはメーカーさんだけでなくて、われわれとしましてもそういう点ではぜひ努力をしてまいりたいというふうに考えておるものでございます。そういうふうな面での配慮を賜りたいというふうに考えておるわけでございます。 以上、私の意見の開陳を終わります。
○委員長(久次米健太郎君) どうもありがとうございました。 それでは、引き続きまして水野参考人にお願いをいたします。
○参考人(水野一夫君) 私は、日本硫安工業協会の会長をいたしております水野一夫でございます。 ただいま御審議中の肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、私ども生産業者の立場から意見を申し述べさしていただきたいと存じます。 私どもは本法律の延長を要望しておるのでありますが、その理由といたしますところは次のとおりでございます。 現行の肥料法は、農業と肥料工業の両方がともに健全な発展を遂げるということを目的としているわけでございますが、それを実現するための方法といたしまして、まず第一に、肥料の国内価格の安定を図るとともに、合理的な価格の決定方式を実施いたしますために、政府からの交付資料等に基づいて販売業者と生産業者が価格の取り決めを行うという制度が認められておるということがございます。 次に、第二番目といたしましては、内需につきましては優先的かつ安定的な供給の確保をするよう、輸出の調整措置がとられているという点がございます。 そうして第三番目には、日本硫安輸出株式会社によりまして一元的な輸出体制をとっておるということがございます。 以上申し上げました三点を柱としまして、本法律は従来から肥料価格の安定、内需の優先確保等、所期の効果を上げていると評価いたしておるのでございますが、以下、これらの点につきまして若干の御説明を申し上げたいと存じます。 第一の価格安定に対する寄与という点についてでございますが、政府によって原価の調査がなされ、肥料の価格取り決めの交渉に際しましてこの原価調査の結果を交付していただきまして、原価を基準として生産業者と販売業者の間で価格を取り決めることになっております。したがいまして、取り決められる価格につきましては、輸出赤字とは完全に切り離されておりまして、これまで現行肥料法が施行されてまいりました十五年の間、石油ショックのような突発事態は別といたしまして、国内価格の引き下げを実現するなど、当事者間で円滑な価格取り決めを行ってきたわけでございます。 第二番目の柱であります内需に対する優先供給という問題でございますが、本法に基づいて政府の方で肥料年度の始まります前に需給の見通しを策定されまして、それに沿って輸出の調整がなされるわけでありますから、内需の優先確保ということに大きく貢献をいたしておると存ずるのでございます。 次に、第三といたしまして、日本硫安輸出株式会社の果たしております役割りという点でございますが、現在、世界における肥料の需要国というものは、いずれも政府もしくは政府機関に準じた一元的な買い付け機構を持っておりますし、また一方、輸出国におきましても輸入国と同じように一元的な輸出機構を持っておりまして、これらに対処いたしてまいりますためには、一元的な輸出機構によりまして機動的に対応していくことがどうしても必要であると痛感をいたしておるのでございます。中国などの大量に買い付けを行う重点市場に対しまして直接輸出会社が商談に当たりますので、厳しい国際環境のもとにありながらも、合理的な輸出価格でやってこられたわけでありまして、その貢献するところははなはば多大であると存ずるのでございます。 以上が本法の重要な三点についての御説明でございますが、次に私ども業界が直面いたしております構造改善の問題について申し上げますと、アンモニア工業並びに尿素工業は、現在、特定不況産業安定臨時措置法の指定を受けまして、政府が策定されました安定基本計画に基づきまして過剰設備の処理をすることになっております。この実施に際しましては、通商産業大臣から共同行為の指示を受けておりますので、業界といたしましては、現在具体的な内容を鋭意検討しておるところでございます。業界といたしましては、この構造改善によりまして不況の克服と経営の安定を図るべく努力いたしまして、肥料の安定的な供給体制の確保と、極力低位に安定するような価格の実現を図ってまいる所存でございます。 なお、構造改善事業の実施に当たりましては、関連産業、特に中小企業に対する影響あるいは雇用の問題地域経済への影響等、多くの問題がございますが、私ども業界といたしましては、これらの点にも十分配慮をいたしまして構造改善を推進していく考えでございます。 ところで、アンモニアが農業にとって重要な生産資材であります尿素の原料であることはもちろんでございますが、アンモニアは同時にまた化学工業の重要な基礎原料でもあるのであります。私ども業界は、このような基幹物資を安定して供給するという重要な使命を持っておるわけでありまして、これらの責任を果たすために、今後五年間にわたって構造改善を推進いたしまして、先ほども申し上げましたように、不況の克服と経営の安定を図ることがどうしても必要でございますし、また、この構造改善事業の推進の過程におきましても、常に安定的な供給を続けてまいることが求められておるわけでございまして、これらを円滑に進めてまいりますためには、少なくとも今後五年間は現行の法体制の存続が必要であると考えておるのでございます。 以上をもちまして私の所信表明を終わりますが、どうぞ何とぞよろしくお願いをいたします。
○委員長(久次米健太郎君) どうもありがとうございました。 それでは、続いて池田参考人にお願いいたします。
○参考人(池田保彦君) 私は、日本化成肥料協会の会長をいたしております池田でございます。 高度化成肥料を生産いたします業界の立場から、この肥料価格安定等臨時措置法の延長につきまして意見を申し上げたいと考えておるところでございます。 高度化成肥料が本法の特定肥料といたしまして政令指定を見ましたのは、石油ショックの直後の五十年のことでございますが、それから今日までの経過につきまして、翻って御説明申し上げたいと思う次第でございます。 まず、取り決められました価格でございますが、最初は、石油危機の直後に原料でございます燐鉱石あるいはカリの価格が異常な暴騰をいたしました。約三倍に値上がりしたというふうな状況でございましたが、この中で、この高騰によりまして高度化成肥料の価格も相当大幅な上昇を余儀なくされたわけでございます。しかしながら、その後は国際的な肥料価格も、いろんや情勢も落ちついてまいりました。これに従いまして燐鉱石またカリの価格も落ちつき、若干の低下をしてくるというようなことになってまいりまして、高度化成肥料価格の取り決め価格は五十一肥料年度から年々引き下げが行われてまいってきております。また、特に昨年の秋には円相場が急上昇いたしまして、このときはこの為替差益を還元いたすべく、肥料年度の途中ではございましたけれども、取り決め価格の引き下げをするということを実施してまいったような次第でございます。 次に、高度化成肥料の需給関係について申し上げますと、もともと高度化成肥料というものは輸出はきわめて少のうございまして、もっぱら国内需要に依存しておるというような状況でございます。この内需につきましては、石油ショック、石油危機の直後におきましては大幅に一時的に増加を見ましたものの、その後におきましては、かえって反動的に高度化成肥料の需要は石油危機以前の水準よりも大幅に低下するというような事態が続きました。最近ややこれが回復を見ておりますが、その伸びは低く、内需は依然低迷を続けておるというのが現状でございます。 このように、高度化成肥料は特定肥料に指定されました五十年度以降も、価格面また需要面におきまして非常に厳しい局面に立たされてまいったわけでございますが、これらのことに加えまして、さらにいわゆる高度化成肥料をつくりますときの中間原料とも言うべき燐安につきまして海外から輸入されるというふうな状況になりまして、この量が逐次増大してくるというような状況に立ち至ってきたわけでございます。このような状況下におきまして、湿式燐酸製造設備の稼働率が非常に低下してまいりまして、湿式燐酸製造業は構造的な不況、構造不況に陥るというようなことに相なった次第でございます。 このような構造不況を克服し経営の安定を図りますために、構造改善対策といたしまして、昨年、五十三年五月の産業構造審議会におきまして次のような指摘がされたわけでございます。 第一点は、湿式燐酸製造設備の能力の約二〇%ということを目標に余剰設備の処理を行う、これによりまして業界の体質強化を図るということが第一点でございます。第二点といたしましては、今後の生産体制といたしまして銘柄の集約化、またメーカー間の機能の分担の明確化、さらに流通体制の合理化等を図るというような二点が指摘されておるわけでございます。 湿式燐酸業界といたしましては、この指摘、この報告に沿いまして今般の特定不況産業安定臨時措置法、これの特定不況産業という指定を受けておりますわけでございまして、この指定を受けましたことに引き続きまして安定基本計画というものを作成し、この計画に基づいて各企業ごとに設備の処理その他に着手しているというところでございます。私どもといたしましては、優良な設備によりまして湿式燐酸の集約的な生産が行われ、その操業度の向上により生産の合理化等が進んでくるということを期待しておる次第でございます。 私どもは、肥料が農業の基本的な資材であるということを十分認識いたしまして、これの安定的な供給体制を確立いたしますために、今後五年間にわたりまして、以上申し上げましたような合理化対策を強力に推進するということにいたしておりますが、この間におきまして高度化成肥料の安定的な供給を図りますとともに、高度化成肥料の価格の安定というものを確保することがどうしても大事な問題となってくるわけでございます。このために私どもといたしましては、従来のような価格決定方式がそのままに維持されるということが肝要であるということを痛感いたしておるわけでございまして、このような趣旨から、化成肥料業界といたしましてもこの法律の存続を強く希望する次第でございます。 簡単でございますが、これをもちまして私の意見とさせていただきます。
○委員長(久次米健太郎君) ありがとうございました。 それでは、久村参考人にお願いいたします。
○参考人(久村晋君) 日本化学エネルギー労協の久村と申します。私たちの意見を聞いていただく機会を与えてくださったことに対しまして、冒頭感謝を申し上げます。 私たち化学エネルギー労協は、総評、同盟など四つのナショナルセンターを包含をする化学エネルギー関係の労働組合、あるいはまた、どの団体にも参加をいたしておりません労働組合をもって結成いたした団体でございまして、メンバー数約七十五万であります。化学とエネルギーにつきましては、政策課題等につきましてまとめまして意見を申し上げる、このようなことを中心的な活動展開といたしております。 さて、肥料価格安定等臨時措置法に関しまして、私たちの見解を申し述べさせていただきたいと存じます。 この法律の対象でありますいわゆる法益を受けます肥料工業及び農業は、ともに国民生活を支えるわが国の重要産業でございます。農業につきましてはすでに御高承と思いますが、肥料工業におきましても先ほど来申されておりますように、アンモニアは肥料以外にもカプロラクタムであるとか、あるいはアクリルニトリルであるとか、あるいは硝酸であるとか、あるいはメラミンなどを初めとする重要な化学工業の原料であります。また、一方尿素におきましても、肥料用以外に尿素樹脂であるとか、あるいは接着剤であるというような点におきましての原料として化学工業にはなくてはならない基礎品でございます。そして、これらの素材から国民の生活必需物資であります衣食住の各面の生産が行われまして、国民生活の快適性であるとか、あるいは利便性に大きな貢献を果たしますとともに、多くの雇用労働者がこの産業に働いておりまして、そのことによって生活を維持いたしております。 基礎産業部門は国民経済を支える基幹的なものであり、肥料工業はそれ自体はでな存在ではありませんが、いわば地の塩として全国民的にしっかりと支えておかなければならない産業であると考えております。しかしながら、先ほどお二人の参考人からも述べられましたように、化学肥料工業を取り巻く環境は厳しくて、産業構造審議会は化学肥料工業の構造改善の必要性を答申し、それに基づきまして化学肥料工業は特定不況産業安定臨時措置法の構造不況業種の指定を受けまして、安定基本計画が告示され構造改善計画が実施されつつあるのが現状であります。 私たちはこれらに関しまして、化学肥料工業をめぐる国内外の環境、特に国際的な環境を直視しました場合、われわれの努力によりましてアンモニア系肥料製造業の労働生産性は五十二年は四十八年に比べまして一八・四%の向上とはなっておりますが、長期的な雇用の安定、労働諸条件の向上を図るためには幾つかの条件が実現されることを前提に、やむを得ない措置として化学エネルギー労協は賛成の態度をとってまいりました。 幾つかの条件の最も重要な問題は、私たちは雇用の確保でございます。すでに御承知のように、有効求人倍率は平均的には〇・六三というようなことにはなっておりますが、昨年十月の年齢別有効求人倍率を見てまいりますと、五十歳から五十四歳時点ではわずか〇・三である、五十五歳から五十九歳まではわずか〇・二であると。このような実態からいたしまして、雇用の安定を図るためには、この構造改善によって個別企業で設備の休廃止等が行われます場合には、労働組合と十分に協議するというようなことなどでございます。 さらにまた、国際的に考えましても、御承知のように、国連の工業開発機構が採択いたしましたリマ宣言によりますと、二〇〇〇年には発展途上国の工業化は二五%程度まで進むべきである。その第一として、鉄鋼並びに化学肥料工業が発展途上国に技術移転が行われるべきであるということで、UNIDO等においては討議が行われております。 これらの討議に際しましては、私たちの代表も参加をいたしまして、やはり人類社会における平和の維持、福祉の向上のためには至上命題である。中でも、発展途上国における貧困とか疾病の追放は最も重視しなければならない政策課題であるから、そのためには発展途上国の経済水準の向上、なかんずく食糧の確保、それに関連する社会資本、関連工業の発展は並行して行わなければならないというような基本的な考え方をもって臨むべきであろう。しかしながら、私たちの環境を考えてまいりますと、やはり雇用の問題について十分に配慮が行われずに急速に行われるということについてはいろいろと問題が生ずる。それらの点を発展途上国の利益と先進工業国の利益と、双方の利益が得られるような考え方で臨むべきではないかと、このような意見も申し述べております。 さて、肥料価格安定等臨時措置法の効力延長措置は、以上のような情勢下においては、農業と肥料工業の安定と成長のためには肯定し得ると考えます。 なお、本法の目的に、農業と肥料工業の発展に資するとありますように、農業と肥料工業とがともに健全に発展するよう、法の運用に当たりましても、また、政府の今後の施策の樹立に際しましても配慮されることを期待しているわけでございます。 先ほど申しましたように、アンモニア製造業、尿素製造業及び湿式燐酸製造業は特定不況産業安定臨時措置法で指定業種として政令指定を受けており、内外の厳しい経済情勢のもとで構造改善に取り組んでいるわけでありまして、今後の肥料価格の推移が構造改善の実施に影響いたしますことはもちろん、肥料工業及び関連産業に従事しております多数の労働者の雇用の確保及び賃金その他の労働条件の内容に多大の影響を与えるものであります。勤労者に対し雇用の機会を確保し社会的に適正な生活水準の維持を図ることは、単に労働者及びその団体の使命であり責務であるのみならず、今後の国民救済の安定的発展を図り国民生活の質的向上を期すためには、国民的要請として大きな政策課題の一つであると確信をいたしております。 この点にかんがみまして、この肥料価格の決定内容が農業と肥料工業、ひいては勤労者の生活に直接重要なかかわりを持っているところでありまして、価格決定に当たりましては、農業、肥料工業が両立し得るよう法の運用が行われることにわれわれは重大な関心を寄せておる次第でございます。ぜひともそのような運用がなされることを期待いたしておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(久次米健太郎君) どうもありがとうございました。 それでは、参考人に対し質疑がある方は順次御発言を願います。 なお、参考人に対する質疑は十二時で終了をいたしたいと思いますので、委員の方々には適宜御発言をお願いしたい、かように考えますので、よろしくお願いいたします。
○丸谷金保君 最初に田中さんにお伺いいたしたいと思いますが、大変お忙しい中おいでいただいて、非常に貴重な御説明をいただきましたことに感謝いたすと同時に、いまのお話を伺っておりまして、まあ私たちの感覚ですと、大体全農さんがほとんどの肥料、もう九〇%以上扱っているというふうに考えておるんですが、それらの化成肥料も含めてこの法で政令指定されているものの量と、それから総体の全農が取り扱っている化成肥料の量、これらの総量と、それからその手数料の総額をまずお知らせ願いたいと思います。もっともこれは、各化成肥料の場合には別会社その他で行っているので、県連その他の方でないとわからない面もあるかと思いますが、とりあえず全農さんとして入ってくる手数料等について、お願いをいたしたいと思う次第でございます。 それから、単協ですと大体理事会等で手数料のパーセントを決めてそれから総会にかけるんですが、恐らく全農としてもそれぞれ傘下の各都道府県の役員さんが集まって、ことしの手数料は幾らにするかということを決めると思いますが、そういう決め方についてお知らせを願いたい。 それから、全農から原料を配付されて化成肥料をつくっている工場、これは正確な数字がわかりませんければ工場の数だけで結構です。概数でも全国的に大体どれくらいあるのか、私たちはあの近間にある帯広の工場のことはわかっているんですけれども、全国的なあれはなかなかよくわかりませんので、それらのことをお伺いしたい。 それから、この法律事項の中で価格を決定するとき、相手方があるんですから、どういう資料に基づいて交渉するのか。聞くところによると、大体農林水産省から資料をちょうだいして、それによって原価を決めてそれで交渉しているというふうな話を聞きましたんで、私はそんなばかなことはないだろうと、人様に決めてもらった資料だけを頼りにして大全農が価格交渉するはずはないと思いますので、そこら辺、ひとつざっくばらんにお伺いいたしたいと思う次第でございます。 それから、次に硫安工業会長の水野さんにお伺いしますが、この方もいま話を聞いていますと、政府からの交付資料によって値段の交渉をやると。少なくともメーカーが、自分たちで原価計算の資料を持たないというはずがないと思うんです。だけれども、いまのお話ですと、何かこちらの方も政府からの資料によってやる。どうも、そうすると価格を決定するのは両者でなくて農林水産省でないかという気がしますので、そこら辺をひとつ明確にもう一回確認をしておきたい。 それから、輸出会社に対する出資の問題ですけれども、これはどういう基準によって輸出会社に対する出資が行われているのか。すでにもう操業をやめてしまっている会社なども株を持っているようでございますので、そうしますと、どうもわからないのは、法律によりますとあの会社は利益を上げない会社でございます。利益を上げない会社に、すでにもう関係のなくなった会社が出資をしているということはちょっとおかしい気がするので、それの輸出会社に対する業界の、メーカーさんの出資の基準、これをひとつお伺いをいたしたいと思います。 それから、輸出先として中国が非常に大きなウエートを占めるというお話でございます。御承知のように、中国は蒙古等から吹いてくる、いわゆる蒙塵ですか、それぞれの地域によって土地の持つ肥効性分というのは非常に違うと思うのです、中国の各地のですね。肥料をやらないでもよくとれるところもありますし、肥料をやらなきゃだめなところもある。そういう調査は行っておるのかどうか。輸出する相手の国の土地の条件等の調査を行っておるのかどうか。 それから、いま農協さんとの間で非常に円滑に取り決めが毎年行われておるという話でございますが、法律によりますと、この交渉がうまくいかない場合には農林水産省が乗り出して調停すると。そういうことがこの法律発効後あったかどうか。 以上の四点についてお伺いしたいと思います。 それから、池田さんにお伺いいたしますが、五十二年度で結構でございますが、化成肥料の総量と総額が一体どれくらいになるものか。おおよその概算数字で結構です、下の方はいいですから。 それから、この協会には農協等がつくっている化成肥料の工場、これは入っているのかどうか。そして、入っているとすれば、価格の協定等というようなことはどういうふうに行われているか。 それから、輸入原料の価格が非常に高くなってきていると。これらに対する今後の業界としての対応はどういうふうに行っていくつもりか。 以上の点でございます。 それから、久村さんにお伺いいたしますが、この法律に賛成か反対か明確にされていないので、これは参考人としてはどちらなのか、はっきりひとつ態度を示していただきたい、条件つきでも何でも結構ですから。 それから、雇用の問題について大変心配しているようでございますが、従来までの一次、二次の合理化が進んだ中で、労働者の問題等については労使が話し合って配転その他が円滑に行われたかどうかというふうなこと。 それから、UNIDOの問題が出てまいりましたけれども、そういういまお話しのような低開発国に対する援助の状態について、特に肥料だけで結構ですが、他の国は政府資金を投入して低開発国に対するUNIDOを通じての援助を行っている——肥料の価格を安くするためにUNIDOを通して、そういう開発国の援助を肥料についてほかの国が行っているかどうか。 以上の諸点について、それぞれ参考人の皆さんからお伺いをいたしたいと思う次第であります。
○委員長(久次米健太郎君) ただいまの丸谷委員の御質問に対し、参考人の方々よりそれぞれお答えをいただくわけですが、簡単にして明瞭に、しかも要領よくひとつ御答弁を願いたいと思います。 それでは、順次お答え願います。
○参考人(田中隆君) お答えいたします。 まず全農の取り扱い数量でございますが、五十二肥料年度でございます。これは全農の会計年度になりますが、総取り扱い数量が六百十五万五千トンでございます。そのうち硫安三十三万五千トン、尿素十二万八千トン、高度化成二百十五万トンでございます。 手数料総額は、六百十五万五千トンに対しまして十五億七千九百万でございます。 手数料の決め方でございますが、これは、われわれ農業団体においては、理事会にかけ、総代会にかけて、正式にその年度の手数料を決めておるわけでございます。 次に、原料の配付工場でございますが、われわれが供給しているメーカーは約三十メーカーでございます。 価格の決定でございますが、これは政府から原価資料等をいただきます。いただきますが、それらを参考にしながら、その年度における需給関係その他の状況を踏まえまして、両者で話し合いの上で価格を決定しているというのが実態でございます。 以上でございます。
○参考人(水野一夫君) お答えをいたします。 価格交渉の際の資料等のことについての御質問でございましたが、いま田中参考人も申されましたように、政府の資料を参考にいたしまして双方でやっておるのでございますが、これは私、硫安協会の会長をいたしておりますけれども、各社の原価というものは全然知らないわけです。それは触れられぬことになっておる企業の特殊な問題でございまして、自分の社のことをそれぞれのメーカーが知っておるだけでございます。政府はいろいろ実際の調査をなさいまして資料ができておりますから、これが最も頼りになる資料でございます。これによらざるを得ない。お互いに他社の原価というものは全然わからない。そんなことでございますので、どうぞあしからず。 第二点は、輸出会社の株式の問題でございますが、これは輸出会社発足当時は硫安だけであったのでございますが、大体硫安の生産能力、生産量等を基準にいたしまして割り当てをいたしたのでございます。一億円の株式資本でございます。その後、むろんメーカーの間に能力の比率は絶えず変化を来しておるわけでございます。しかし、特にそれを調整するというようなことはいたしておりませんでしたけれども、最近に至りまして大分変化も生じまして、たとえば東北肥料さんであるとか、堺化学というようなところはもう硫安工業協会を脱退されたのであります。むろん、その株はどっかが分担しなければならぬわけでございます。これはある社に分担をしていただいて今日来ておりますが、今後やはりいろいろと構造改善を進める上におきましても、シェアの変化が起こるわけでございますから、それに相応するような手直しは必要であると考えております。 それから第三点は、中国の需要の状態のことでございますけれども、私どもは先方さんから依頼を受けるとか、何らかの連絡があれば、むずかしい問題でも取り組まざるを得ないのでございますが、いまのところそういう別段相談もございませんし、私どもが進んでそういうことを調査するというようなことはいたしておりません。 以上でございます。
○参考人(池田保彦君) 御質問の第一点でございますが、高度化成肥料の五十年度の需要量、概算 でございますが二百八十万トンと考えております。 それから第二点、農協さんで化成肥料をつくっておられるところは協会に入っておられるかということでございますが、入っておられません。化成肥料協会に入っておられますのは、大体つくっておられるあれの大体八〇%ぐらいが入会しておられるというふうに考えております。 それから、第三点の輸入原料の価格の点でございますが、これは各商社、それから全農さんも入れまして、そういうところが輸入をしておられるわけでございまして、各メーカーといたしましては極力こういうところにお願いしまして、安くていい物が入るようにということを極力努力しているというのが実情でございます。
○参考人(久村晋君) 第一点の賛成か反対かという点につきましては、私は先ほど肯定し得ると言ったので、賛成というふうにとっていただきたいと思います。 ただ、条件があるのかないのかという点につきましては、私は肥料価格が非常に雇用とか、そこの労働者の労働条件に影響するところがあるわけでございますから、ぜひとも公正に決めていただくようにやっていただきたい。現在までそれが公正か不公正かということになろうかと思いますが、今日まで勧告、助言、調停等もなされずに行われておりますが、直接私はその交渉に入ったわけではありませんから知りませんが、やはり売り手と買い手との関係を考えますと、非常に買い手のお力の方が強いのではないだろうかと側面から見れると、そのようなことでございます。この価格が雇用労働条件に影響するところが大きいというところで、適正なふうにやはり決めてもらいたい。それは農業も肥料工業も、先ほど申しましたように、双方ともやはり基礎的な部門を持っておるということを十分御認識いただきたいというのであります。 それから第二の、一次、二次の大型化の場合にどうであったかということでございますが、これは基本的には労使間の話し合いでありました。しかしながら、その当時と現在構造改善を進めておる状況とでは、雇用問題では非常に違うということを知っておいていただきたい。高成長期で有効求人倍率が一以上にあった状態と、ゼロポイント幾つの時代とは違うということであります。 それから、第三点のUNIDOの関係でございますが、ICFと申します国際化学一般労連というところへ各国加盟いたしておりまして、私たちもそれからいろいろ情報は得ておりますが、具体的に発展途上国のどの企業にどの程度政府が援助しておるかということは、現在知りません。ただ、ASEANに対しまして日本国が非常に大きな援助をするということで、ASEAN諸国の肥料工業が急速に工業化が進んでいくということが日本資金の援助で行われるということが、今後、従来大きな輸出市場であったそれぞれの国の発展にどのような影響を与えるかということは非常に重要な問題であろうと、このように思います。
○丸谷金保君 ちょっと一点だけ……。
○委員長(久次米健太郎君) 答弁漏れだけにしてください。
○丸谷金保君 田中さんにお伺いします。 私の方で全農として化成肥料の工場をやっているかどうかということをお聞きしたんですが、それのお答えがなかったので、ないのだろうと思いますけれども、確認のために伺いたい。
○参考人(田中隆君) 全農自身では、化成肥料の製造はいたしておりません。
○丸谷金保君 じゃ、よろしゅうございます。
○相沢武彦君 各参考人にそれぞれお伺いをしたいと思いますが、最初に全農の田中さんにお聞きします。 肥料に関しては農家の現金支出の約一四%を占めているんだということをお聞きしておりまして、今後価格の取り決めに当たってはできる限り合理化目標を設定してほしいということを要求されておりますし、またコストをできるだけ下げて、そのメリットを農家に還元してほしいということを要望として出されているようでございますが、この高度化成肥料などの複合肥料の需要者価格ということについては、田中さん個人の意見でもいいですから、差し支えない限りひとつ御見解を聞かしていただきたいと思います。 それからまた、銘柄集約についてはどういう姿がいいのか、お考えがあればお尋ねをしたいと思います。 それから水野さんにお伺いしますが、尿素工業会が今後行う事業転換の内容と見通しについてどのようなお考えを持っているか。 それから、東南アジアなどの発展途上国ですね、これについての経済協力についてはどんな対応策をお持ちになっておられるのか、伺いたいと思います。 それから池田さんにお伺いしますが、複合肥料の価格安定について、需要者サイドからこの施肥が非常に効率的で便利なんだけれども価格がどうしても高過ぎると、こういう意見が強いわけですが、価格面で厳しい局面におられることは十分理解できるんですが、今後農業経営の向上に資するために化成肥料の価格引き下げ、安定、これを図るために皆さん方として努力すべき残された道はないのかどうか、その辺伺ってみたいと思います。 それから、化学エネルギー労協事務局長の久村さんにお尋ねしますが、構造改善の実施による設備処理は、雇用不安を大変もたらすということの御心配であると思います。特定不況産業安定臨時措置法による安定基本計画の実施に際して具体的見解というものを幾つか述べられておりまして、私もいただきましたが、その中でこれだけは緊急に実施すべきだという事項があろうかと思いますが、その点をひとつ強調して再度お伺いをしておきたいと思います。
○参考人(田中隆君) 高度化成の価格につきましての御質問でございますが、私たちは各メーカーさんと価格の話し合いをして決めておるわけでございますけれども、私の考えでは現状の高度化成の価格は適正なものというふうに考えておるわけでございます。 ただ、ここで特に私は申し上げたいのは、高度化成の価格の国際的な水準から見ますと、またあるいは中間製品の輸入の価格等から見ますと、より一層業界に御努力をお願いしたいというのが、われわれ農業者の立場でございます。 それから銘柄の問題でございますが、基本的には私は大型の製品につきましては、銘柄は集約の方向で進むべきであると考えておりますが、御存じのように、日本の農業はいま大きな転換をいたしつつあります。また同時に、地域特化が進み作目も多様化しておるわけでございまして、そういうものに対するきめ細かな対応、したがいまして、一部には銘柄の集約が行われると同時に、そういう農業構造の変化に対応したきめの細かい対応というものが要請されておるわけでございまして、一部には集中化、一部には多様化が行われていくという方向だろうと考えております。
○参考人(水野一夫君) お答えをいたします。 尿素工業の転換の問題でございますが、これは各社がそれぞれ懸命におやりになっておることでございまして、業界がまとめてどういう合理化をやろうということではございません。たとえば私の会社のことを申しますると、尿素工業が縮小するだけです。それにかわるファインケミカル方面に出ていく、あるいはプラスチック関係の仕事を拡大する、いろいろと考えられることをやりつつございますし、今後も進めてまいりたいと存じます。また、長期的に考えますると、このむずかしいエネルギー事情のもとにございますので、ナフサその他の原料等についてもやはり十分な検討をしていかなきゃならぬと考えておるのでございます。 それから、二点の東南アジアの問題でございますが、これは従来円借款等もございまして輸出が促進をされておりましたが、今後はさらにいわゆる第二KPと申しております物資の援助による輸出というようなことも、政府の政策の御推進を願いたいと思っておるようなことでございます。
○参考人(池田保彦君) 化成肥料として合理化のいかなる方策があるだろうかという御質問でございます。われわれとしましては、何としてでも合理化、価格の引き下げに努力しなきゃ相ならぬわけでございますが、御存じのとおり、肥料の原料というものは海外から輸入するものが非常に多いわけでございます。基礎的なアンモニアの原料のものにいたしましても、ナフサその他海外資源に依存するものでございますし、燐鉱石、カリ、こういうようなものもそうでございます。これらにつきましては、極力われわれとしましても何とか各方面にお願いして安く購入できるようにという努力をいたすつもりでございますが、それ以外に業界といたしましては、まず第一に、やはり構造改善を進めることによりまして優良設備になるべく集約化いたしまして、コストの低下を図るということがまず第一点でございます。 さらに、これはいろいろ問題もございますが、銘柄の集約化をさしていただくということ、こういうことも一番大事だろうと思います。また、流通体制でございますが、交錯輸送その他のことが万々ないように種々合理化を進めてまいりまして、こういうものの流通経費の合理化を図っていきたいということでございます。各方面きめの細かい対策を講じまして合理化を進めていきたいというふうに考える次第でございます。
○参考人(久村晋君) 緊急に実施いたしていただきたい事項は、弾力的な運用ということでございます。それは、構造改善の三業種も二月の二十四日に特定不況業種離職者臨時措置法の政令指定を受けました。しかしその適用が、生産額、出荷額または販売額または関係被保険者数が当該事業所の数のおおむね二分の一以上であるというのが運用の基準になっております。で、装置工業の場合、しかも多角的に経営を行っております場合、この二分の一を適用するということにつきましては非常に装置工業の場合にはなじまないと、このようなふうに思いますので、緊急にお願いいたしたいのは、この特定不況業種離職者臨時措置法あるいは雇用保険法におきますところの雇用安定資金制度の運用の弾力的なことをぜひお願いいたしたいというのが、緊急にお願いいたしたい事項であります。
○委員長(久次米健太郎君) ちょっと、もう時間が多くありませんから、なるべく質問事項が重複しないように、何とぞ御協力をお願いいたしておきます。
○下田京子君 参考人の皆さん御苦労さまでございます。 全農の田中参考人に二つお聞きします。 一つは、生産者販売価格とそれから農家の購入価格の差なんですけれども、これは農林水産省並びに全農で出されている肥料要覧などを見ましても、最低少なくともその差が二四、多いものになると五〇%からあるんですね。そこでお尋ねしたいのは、手数料の決め方は先ほどあったようですが、手数料は全農、県、単協でどう見ているか、合計額が何%になるか、それからその他の諸経費をどのくらいに見ているか、これが第一です。 それから第二番目なんですけれども、いろいろ述べられましたが、農家にどういうメリットがあるかということで、実は国際的な競争力の問題を全農さんも大変心配されておるようですけれども、肥料業界の方のお話ですと、いままで輸出赤字、輸出分の赤字とは切り離して内需の価格は考えてきたと、こういうお話をされております。としますと、何をしてメリットと見るのか、特に高度化成の場合にはこれは内需が中心になってくるだろうと思います。そういう中で農民にどういうものをメリットとして見込んでいるか、この二つをお願いします。 それから、日本硫安協会の水野参考人にお尋ねいたしますが、第一に、輸出赤字とは国内価格は切り離してきた、こうおっしゃっております。とすれば、輸出の赤字分をどういう形で穴埋めしてきたのか、これが第一。 それから第二番目ですけれども、構造不況法、この特定不況産業安定臨時措置法に基づいてアンモニアおよそ二六%、尿素およそ四四%構造改善していくわけですけれども、どのような形でそれを改善していこうとしているのか。 それから三つ目になりますけれども、現在、私住んでおります福島県いわき市で日本化成の合理化問題が出ております。市長さん初め市民八割の方が、署名をもって何度も存続を要請されております。片や構造改善を進めなければならない、片や存続運動か非常に活発化されておりまして、この日本化成の問題についてどうお考えになり、どう対応されるおつもりかということをお聞きします。 四点目なんですけれども、硫安協会として特定の団体等に政治献金をどのぐらいおやりになっているか。 以上、四点お尋ねいたします。 時間がありませんので、池田さんには失礼させていただきます。 それから次に、久村参考人にお尋ねしたい点なんですけれども、条件つきだけれども、今度の肥料価格安定等臨時措置法については賛成のお立場をとられておるようですけれども、皆さん方の場合には、この肥料法とともに十五年苦楽をともにしてきたのではないかとも言えると思うんです。その過程で、第一次、第二次アンモニアの大型合理化等もやられてきております。大分労働者の合理化も進められていると思うんです。この合理化、首切りされた労働者が、どういうふうな状況でその後就労を維持しているのかという問題。 それから、現にこの肥料法のその一方では、化学肥料工業部門の合理化が前提になっているわけですね。としますと、この合理化の中で、今後労働者がどういう形でそれに対応されていって就労の場を確保しようとしているのか。 それから三点目に、一つは国内で過剰設備が問題にされております。この過剰設備の原因をどう見ているか。片や、国内では過剰設備が云々言われている一方で、国際的に見れば、低開発国援助という名のもとに、あるいは技術協力という名のもとに、プラント輸出、合弁会社等の設立が進んできておりますが、これらの絡みでどうお考えなのか。 以上です。
○参考人(田中隆君) お答えいたします。 全農の手数料は〇・六%でございます。県連、単協の手数料は、それぞれの機関で自主的に決められるものでございますので、正確なところはわかりませんが、おおむねのところ、県連平均をいたしますと、二%前後ではなかろうかというふうに思います。農協は八ないし一〇%、こういうふうにわれわれは承知いたしておりますが、これは個別に全部それぞれ自主的に決めますので、やや正確を欠いているかとも思いますが、平均的にはそういう数字でございます。そのほかに、大体肥料の価格は着オンレールで決めることにいたしておるわけでございます。したがいまして、それ以降の横持ちトラック運賃、それから保管料、それからそれに伴ういろいろな金利、そういうものが一〇ないし一五%あるものとわれわれは承知いたしております。ものによっては五〇%以上の差があるというお話もございましたが、あるいはごく微量のものにつきましては、運賃等の関係でそういう場合もあるかもしれませんが、それはごくまれなケースではなかろうかと思います。 それから輸出価格は、まさにいま御指摘のとおり、輸出に伴う赤字は排除されて国内価格は決めております。私たちがここで言いますのは、やはり何といいましても、端的に言えば、肥料価格の低位安定ということが最大のメリットであるというふうに考えております。もちろんそのためには、原料の問題であるとか、あるいは輸送の合理化の問題であるとか、あるいはいわゆる販売経費等の合理化の問題であるとか、そういう努力もお互いにしながらメリットを還元していきたいというのが、われわれの願いでございます。 以上でございます。
○参考人(水野一夫君) お答えを申し上げます。 まず第一点は、輸出赤字は国内の価格と切り離しておるということであるが、どういうふうに処理しておるかというお話でございますが、赤字が出た場合には、それは企業の赤字として計上せざるを得ないわけでございます。そして、他の部門において黒字があれば、その黒字と相殺して外部には発表されるということもございますが、とにかくそれだけのものは、輸出による赤字は完全に経理の上に赤字として出てくるわけでございます。 それから、第二点のアンモニア二六%、尿素四四%の整理をする、処理をするということはどういうふうにやるのかというお話でございますが、これはすでにもうある程度各社で進めておりまして、いまから始めるわけではございませんが、安定基本計画に基づきましてこれからなお一層進めてまいるわけでございますが、これはやはり各社が自主的にやることでございまして、結局、結果として大体基本計画にあるような数字になるものと私どもは考えております。 それから、第三点の日本化成の設備の休廃止のことでございましたが、これはいま第二点でも申し上げましたように、今後の設備の処理の問題は各社が自主的にやられることでございまして、日本化成の問題もそのうちにしかるべく結論が出ていくのじゃないかと、私もはたから見て円滑に進行することをこいねがってはおるわけでございます。私が関与し得る問題では全然ございません。 それから、四番目の政治献金の問題でございますが、これも各社が自主的にやっておりますので、他社がどれくらいやっておられるか、私どもはしかとは存じないわけでございまして、それぞれの社でやっておることでございます。 以上です。
○参考人(久村晋君) 第一点でございますが、一次、二次の大型化のときは、有効求人倍率が非常に高くございましたので、円滑に転職が図られたと思います。 現在どうかと言われますと、ちょっと手元に追跡調査の資料を持っておりませんが、私たちの参加いたしております政策推進労組会議の方で調査を行いましたが、かなりやはり再就職は困難である、その条件は低下しておる、このような結果が出ております。 第三点の、構造改善について合理化が当然生まれる、それについてどのように対応するのかという点ですが、第一は、私たちはやはりそれぞれの労使間でその設備の休廃止等につきましては十分に協議をして、お互いに納得いくようなことでやるべきである、これが第一であります。それで、そこから雇用問題がどのようになるかという点は、できるだけその企業内の配置転換、せいぜい出向等で吸収をするように考えるべきであるという考えであります。やむなく離職者が生まれた場合にどうか、先ほど申しました、いろんな制度の弾力的運用によってやってもらいたい。しかし、現在の制度で十分なのかどうかと言われますと、現在の制度では労働関係につきましても十分でございませんので、それらの制度の充実はこれはわれわれもっともっと進めてもらいたいと思います。特に職業訓練を受けざるを得ない——構造の変換をするということは、同種職種につけないということがマクロの原理ですから、職業訓練期間中の生活が保障できるような方向で制度を充実すべきである、このようなふうに思います。 それから第三点の、過剰設備の原因は一体どのように見るか、あるいは構造改善をなぜしなきゃならないか、どう見るかという点でございますが、やはりこれは結果論ではございましょうが、過剰設備であったということは言い得ると思います。それともう一つは、その過剰設備はやはりこれは相対的なものですから、発展途上国あるいは中近東あるいはコメコン諸国の工業化が予想以上に進んだということが他面の原因であろうと思います。 ただ、今後それらについてどう考えるかという点ですが、やはり技術移転はこれは進まざるを得ないであろう、ブーメラン効果は生まれるだろう。しかしながら、それがより促進するような、たとえばいまEC諸国とコメコン圏との間で問題になっておりますプラント輸出をする場合に、いわゆるコンペンセーションディール、バイバックディールと言われる代金を製品でもって決済をするということが非常に生まれて、化学肥料だけじゃなしに石油化学製品自体がそれによっていろいろな問題が生まれていますから、そのようなことを他山の石として、十分に国際的なプラントと国内的なプラントと、あるいはこちらが資本進出した場合のプラントと、総合的にやはり計画を立てる必要があろう。そうじゃございませんと、一国だけで幾らこれは議論しても解決すべき問題ではないと、このようなふうに基本的に認識いたしております。
○下田京子君 ちょっと私がお聞きしたのとお答えが違っている。水野参考人なんですが、先ほど私、政治献金のことは各社ではなくて、いわゆる工業協会としてどうなのかとお尋ねしたんで、そこのところを、恐縮でございますけれどもひとつ再度お聞かせいただきたい。日本硫安工業協会として政治献金はどうかと、こういうことであります。
○参考人(水野一夫君) お答えをいたします。 事務的に事を運ぶこともございますが、それはどこまでも各社の自主的な判断で決まったことをただ事務的にまとめて運ぶだけでございます。
○柳澤錬造君 時間がございませんから、二問だけ質問さしていただきます。 第一問は、田中参考人にお聞きをするんですが、肥料の大部分というものは全農でもってお買いになっている。ほぼ七割、最終的に全部ひっくるめれば九割程度が全農の支配下でもって使っているわけですが、そういう点で価格協定だけではなしに、需要面でも来年の需要はこのくらいだ、再来年はこのくらいだというようなものをメーカー側にお示しになっているのかどうか。そうすると、いろいろ問題になっている過剰生産がどうだとか何とかというものがかなり修正されると思うんで、そういうことをおやりになっているかどうかということですね。 それから二つ目には、これは水野参考人と久村参考人お二人にお聞きをしたいんですが、政府の出された資料を見まして、硫安なり尿素なりの価格の推移なんですが、三十八年から四十八年に向けましての十年間ほとんど横ばいというか、むしろ下がりぎみで来ているんですね。これほど十年間も安定していたという品物も私は少ないと思うんです。四十九年、五十年は、これはもう石油ショック後のあのインフレがあったのですから、比較にならないわけなんです。 ですから、私がお聞きをしたいことは、この十年間の価格がこれだけ安定して横ばいで来たんだけれど、メーカー側の方として、この価格の決め方に納得をされたんですか、妥当な価格としてこういうことでお決めになったんですかということを水野参考人にお聞きをいたしたい。 それから久村参考人の方は、いまの同じ問題で、そこで働いている労働者の賃金が、言うならばその年そのときの社会水準で賃金が上がっていくんだけれども、それに見合ったものがちゃんとそこに入って、そういう価格で協定をされたように見ているんですか、どうですか。 以上です。
○参考人(田中隆君) われわれとしましては、毎年事業計画を立てる場合に、その年度の需要というようなものを私たちなりに測定をいたしまして、買い付けの数量、計画等を決めております。また、この点につきましては、農林水産省等におきましても御指導をいただいておるわけでございます。
○参考人(水野一夫君) お答えを申し上げます。 この十年間業界、まあ業界と申しますよりも各社が懸命な合理化の努力をいたしますと同時に、設備を拡大いたしましたので、そのスケールメリットというものが出てまいりまして、価格は比較的安定したところに保たれたと思うのでございます。 しかしながら、売り手、買い手の立場からいたしまして、買い手側ではもっと安くお買いになりたい、私どもとしてはいつももう少しいい値段で買い取っていただきたいということはございますが、これは話し合いで決まることでございますから、特にいま何も後遺症が残っておるわけではございませんが、まあそういうことでございます。
○参考人(久村晋君) 過去の数字、ちょっと手元に持っておりません。大体いわゆる世間相場と肥料関係も見合っておったと思います。 しかし、昨年の数字は私持っております。昨年の数字で見てまいりますと、昨年の世間相場の賃上げ率が五・九%でありました。五・九%、約六%の賃上げ率であった、春闘妥結率であったと。ところが、それに比しまして肥料の大手と言われるところにおいて、大体二・三%から、いいところで三・三%しか賃金が上がってない。ということは、平均的な社会生活水準がそれらのものではできない、このような認識に立っております。 以上です。
○喜屋武眞榮君 せっかく参考人の皆さんに直接御意見を拝聴さしていただきましたので、何もお尋ねせぬのは失礼になると、こう思いまして、またいままでも委員の皆さんからもお尋ねになっておりますので、一点だけ私お尋ねしたいと思います。 それは、一点と申しますのは、田中参考人のお話の中に、安定的供給が従来以上に厳しい、それで構造改革を進めておるという、こういうお話でございましたが、それに関連してすぐ浮かびますのは、雇用、失業の問題を考えるわけでありますが、その点、労使の立場をどのように考えていらっしゃるか。また、今日まで過去二回における改正、またこれから、その労働者の立場をどのように考えていらっしゃるか、そのこと。 このことは水野参考人にも同じ質問をいたすわけでありますので、お立場から労使の関係をどのようにやってこられたか、どう考えておられるか、また考えていこうとしておられるのかどうか。 次に、池田参考人にお尋ねいたしたいことは、構造不況を克服して構造改善対策をとるために能力の二〇%を規制する、こう言っておられたが、この二〇%を規制するという根拠はどこにあるのであるか、これが一点。そして、それに伴ういわゆる失業、雇用の問題ですね、それをどのように対処していこうと考えておられるのであるか。 次に、久村参考人に対しましては、雇用の確保、賃金の適正、農業の発展、これはもうごもっともだと思うわけなんです。そういう立場から弾力的運用ということもお話しになったわけでありますが、過去二回にわたる改正の中で、今日までその労使のあり方が十分であったかどうか、どうであったかということと、それから今後に対する改正に伴う特に御要望として、どういう点を要望されたらいいか、これはさきと少しダブるきらいもあると思いますが、なるべく先ほどお答えにならなかった面がありましたら、それをおっしゃっていただきたい。
○参考人(田中隆君) 私、最初に申し上げましたように、農業をめぐる状況、肥料工業をめぐる状況、非常に厳しいわけでございます。そういう中で、私たちとしましては、やはり農業生産者の立場に立ちますと、肥料価格の低位安定という基本的な立場というものを主張せざるを得ないのでございます。そういう中で、いま構造改善が進められているわけでございますが、いまの構造改善のよって来る基本的なところは、私はこれは経営者の怠慢とか労働生産性の問題であるとかということではなくて、日本の肥料工業そのものがいわゆる国際的な競争に追いついていけないような状態になっているというところに、基本的に問題があるというふうに考えております。 したがいまして、構造改革の基本的方向は、そういう厳しい国際競争に耐え得るような体質に持っていっていただきたいということと同時に、やはりそういう厳しい中で、いわゆる肥料の対外援助の問題、あるいは肥料原料、特にナフサ等の問題、こういう点につきましても経営に当たっている方々の一段の努力、あるいは政府の積極的な援助というものを、われわれの立場からも要請いたしたいと考えております。基本的にはそういうふうに考えて現在構造改革を推進していただければと、われわれはこんなふうに考えております。
○参考人(水野一夫君) お答え申し上げます。 労務対策のことでございますが、これは業界が全体でどういうふうにやろうということではなくて、やはり各社が自主的に懸命なそれぞれの処置をとってまいっておるのでございまして、今後もそれは続けてやらなきゃならぬと思っております。私の方の会社のことにつきましては、正確な数字をいまここにも用意いたしておりますが、これはまあ企業の機密ということもございませんが、もし委員さんの特別な御必要があれば資料を差し上げてもよろしゅうございますけれども、正確な何百何十何人、そのうち何人をどうして、何人をどうして、配置転換から関係会社への転出、その他やはりアンモニア、尿素の設備を縮小いたしますかわりに、先ほども申し上げましたが、ファインケミカル等のこれにかわるようなものをやっていかなきゃなりませんので、その要員に充てると、いろいろ非常に細かに処理したりいたしております。そうして労働組合とも無論非常に話し合いを進めておりまして、その間、私どもから見ますと食い違いはないように考えております。
○参考人(池田保彦君) お答えいたします。 雇用の問題につきましては業界各社とも非常に留意いたしまして、不況に基づきます安定計画樹立に当たりましても、十分そういう点を配慮してやっているわけであります。特に、現在すでに設備の休止等を終えておられるところもございますが、そのほかのところでは、すべて配置転換とか出向その他の手段によりまして、この問題の解決をしておられるようでございまして、大きな問題が起きたというようなことは承知しておりません。今後ともそういうことで、各社とも十分配慮しながらおやりになることだというふうに考えております。 次に、廃棄二〇%にしたということでございますが、これは二〇%の廃棄を終わった時点におきまして、全体の操業度が大体八〇%になるということを根拠に、大体五十七年度でございますが、そのときの需要を想定いたしまして、二〇%も廃棄すれば全般的に大体八〇%に操業度がなるということを基準に考えて実施しておるわけでございます。
○参考人(久村晋君) 労使関係はどうであったか、それはやはり高成長期におきましては、かなりそれなりのことで解決できたものであろうと思います。しかし、先ほど来申しますように、低成長期で雇用状態がこういうときにおきましては、非常に労使間の協議ということが私は重要であろうと思います。今日まで私が聞いておりますのは、配置転換、出向その他で解決をしておると聞いていますが、これから考えられます問題につきましては、非常に私は困難な条件が生まれるのではないだろうかと予想しますので、労使関係については、今後より一層それぞれの協議体制の充実ということが重要であると思います。 それから、法についてさらに望むことがないかという点でございますが、私はやはり構造的に変化をしておるいま、しかも非常に減速経済であるという、しかも国際的な相互関係が非常に大きいという中で進めますこの構造改善事業と、この肥料価格安定等臨時措置法でいろいろ決められることとが密接に関係をいたしておりますので、単に価格問題というものがどうなるかということだけじゃなくて、システムとして変わるという視点を十分に織り込んでいただいた法運用をしていただきたいというのが、最大の願いであります。
○委員長(久次米健太郎君) これをもちまして、参考人の方々に対する質疑は終わりといたします。 参考人の方々に心からお礼を申し上げます。本日は、皆様には御多忙の中におかれまして、非常に貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し述べます。 午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時五分開会
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○丸谷金保君 私は、大体八つの項目を中心にして、それらと関連しながらやっていこうと思います。 第一番目は、農林水産大臣が基本法を変更しなければならないという見直しの発言を何カ所かでやっておるので、これとそれから現在のこの法律、肥料法というのは農業基本法の付帯法だというふうに、制定の当時、赤城大臣が発言しております。それだとちょっとおかしくなるので、このことは大臣が来てからひとつ御説明を承りたいと思います。それから、肥料輸出会社ですか、日本硫安輸出会社だったですか、株の配分の仕組み、先ほども参考人にちょっと聞きましたが、どうもあれだけではよく理解ができないので、その問題。それから、国内と逆ざやになっている輸出価格の問題。さらに四番目に、全農とメーカーの価格交渉の問題。それから五番目に、肥料の流通システム、これも附帯決議で四十九年に流通の関係をできるだけ安値に上げるようにということが決議されておりますので、その後事務当局としてどのようにこれらについての措置を進めたか。それから六つ目に、いま進めている合理化メリット、これらの利益をいかに均てんさせるかということについての農林水産省としての考え方。それから七番目に、関連する地力向上のための堆肥増産についての取り組み方、特に最近微量要素入りと称して地力を養うための高い肥料が出回りつつありますし、農民もそれを使っておりますので、それらの関連についてお伺いしたいと思います。そして八番目に、その場合の家畜のふん尿処理の問題点、あわせて酪農問題が当然出てまいりますので、関連して畜産の関係の問題等をお聞きしたい。 大体そういう八つの柱を中心にして、実は大臣が来たら第一番目の問題から入るつもりでおりましたが、大臣が参りませんので、輸出会社ですかの株をどういう理由でああいう配分の仕方をしているのかということについて、第一点として伺いたい。
○政府委員(大永勇作君) 日本硫安輸出株式会社は、昭和二十九年に設立されたわけでございます。そのときの製造メーカーが十四社ございましたが、これが設立発起人になりまして、この二十九年の前年度比、つまり昭和二十八年肥料年度におきますこの十四社の硫安生産量比率によりまして株式数を決定いたしたわけでございます。しかしながら、その後、硫安の製造を開始した企業が株式の譲渡を受けましたり、あるいは硫安製造を中止した企業が株式を譲渡いたしましたりしまして、若干の株主及びその株の割り当て分の変動を生じておりますが、それで現在に至っておるという次第でございます。
○丸谷金保君 十七社、おたくの方からもらった資料ではなっておりますが、その中でも現在すでにもう硫安の製造を中止しているところもあるので、実はそれで不思議に思ったんですが、たとえば協和醗酵なんというのは、どちらかというと肥料メーカーでない、食品関係のメーカーです。ここなんかいまつくってないんですけれども、こういうのにまだ持たしておるのはどういうわけですか。
○政府委員(大永勇作君) ただいま先生御指摘の、たとえば協和醗酵につきましては、全体が資本金一億円でございますが、その中の百万円の株をまだ持っております。われわれといたしましては、これの譲渡とか、あるいは譲渡するなとかという指導はいたしておりませんが、現在までのところ、株主の変更の希望が社内で出てないというふうに承知しておるわけでございます。
○丸谷金保君 この会社は利益を得ないことを目的としている特殊な会社ですが、そうすると、それをもう関係のなくなったところが持っている、そうして配分するときはもう義務、カンパみたいな形で皆さんに割り当てたろうと思うんですが、後それぞれの会社から別に申し出がなければ手をつけないで、やっていてもやらぬでも持たしておる。この株はこれは譲渡はできるんですか、どうなんでしょう。
○政府委員(大永勇作君) 譲渡はできることになっております。
○丸谷金保君 勝手にですよ、勝手にできるかどうか。
○政府委員(大永勇作君) 株主間で譲渡ができるということでございます。
○丸谷金保君 そうすると、株主外譲渡というのは定款で禁止しているんですか。禁止しているんですね。
○政府委員(大永勇作君) 通常の商法上の会社でございますので、譲渡は禁止あるいは制限いたしておりません。
○丸谷金保君 実は、私、不勉強でどうもよくわからないんですが、通常株式の譲渡のできる会社で、しかも法律によって利益を得ることを通常禁止しておる——利益を得てはいけないことになっていますね、この会社が利益を上げては。株式会社でそういうことができるのかどうか、ちょっと不思議なんですが、どうなんですか。
○政府委員(大永勇作君) 商法上の会社でございますので、この会社が利益を得ることを禁止している、あるいは制限しているということではございませんが、この硫安輸出株式会社といたしましては、利益も損も出さないという形で、その利益なり損失が発生いたしますれば、それは株主といいますか、輸出をした各社が負担するという形の方が合理的であるということで、会社の運営の方針といたしまして利益を計上しないということでございまして、法律その他によりまして、利益を計上することを制限あるいは禁止しているものではございません。
○丸谷金保君 そうしますと、どうもよく飲み込めないんですが、この会社は株も自由に譲渡できる。だから、設立の当初はそういうことでメーカーの生産比率によって分けたけれども、ある特定のメーカーがこれの過半数の株を持つことも可能ですわね。そして、そのときに、株主擁護という立場で利益を上げようじゃないかというふうになったときはどうなりますか。
○政府委員(大永勇作君) 実際問題といたしまして、いま輸出ば非常に苦しゅうございまして、価格的にも国際競争上非常に不利な立場におりますので、価格競争上も比較的不利な立場に置かれておるわけでございまして、輸出によりまして利益を上げるということはなかなか実際問題としても困難な状況でございますし、今後ともそういう事態が続くであろうというふうに考えております。
○丸谷金保君 私は実際問題を聞いているんでなくて、法的にどうかと聞いているんです。
○政府委員(大永勇作君) まあ、過大な利益を上げるようなことはないと思いますが、法律上からいいますと、第十条というのがございまして、「通商産業大臣は、輸出会社に対し、その業務の適正な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」という規定がございます。したがいまして、もし株の買い占めその他のような事態が起こりまして、そこで不当なる利益を上げるというふうな事態が仮に生じますれば、この「監督上必要な命令」をいたしまして、そういった事柄を是正させるということになろうかと存じます。
○丸谷金保君 ちょっと私、この法律を読んで非常にその点矛盾を感じるんですが、会社法上から言いますと、会社というのは利益を得ることを目的として成立されているんです。そうですわね。営利法人です。それに同じ営利法人の各社が株を持っているんですよ。いいですか。そうすると、これは、利益を得ないことを目的としているところに利益を目的とする会社が出資するということは、会社法とはぶつかりませんか。この法律を読んでみて、どうも変だなと、非常にここのところが私わからないんですがね。
○政府委員(大永勇作君) 利益を上げないことを目的にしておるわけではございませんが、先ほど申し上げましたように、実際にその会社の運営として、利益を計上いたしますと当然法人税その他が取られます。ところが、この硫安輸出株式会社を通じて売ります親会社といいますか、株主の方の会社は赤字でございます。したがいまして、全体として見れば、その輸出取引によりまして赤字であるにもかかわらず、輸出会社の方にだけ利益を計上いたしますと、そこで税金が取られるということになるわけでございますから、実際全体の利益を考えますると、やはり利益は計上しない形というのが、何といいますか、自然なのではなかろうかというふうに存じます。
○丸谷金保君 この第十条には、別に利益を上げた場合に必要な命令を出すというのではなくて、包括的なあれですわね、監督官庁としての命令権。そうしますと、会社法の中で明らかに利益を目的とする法人であることをうたって、その会社法によって設立された法人が他の方で束縛される場合には、この明文規定は要らないんですか。私はちょっとこれはおかしいと思うんですよね。その場合であれば、この臨時措置法の中に明文規定がなければ、そこまでの行政機関として監督命令を出して、けしからぬから利益を出すなというふうなことを言う権限がこの法律で出てきますか。どうです。
○政府委員(大永勇作君) 利益を出すなというふうな指導ないしは命令を現在いたしておるわけではないわけでございます。会社の運営のやり方として、会社の役員会等の方針として、先ほど申し上げましたような税その他の関係からいたしまして、経常利益を計上してないということでございまするが、もし仮に、これはそういうことはちょっとなかなかないと思いますが、硫安、尿素等につきまして、親会社の方もそれから輸出会社の方も、どちらも含めまして全体として利益が上がるというような事態になれば、これは株式会社でございますから、適正なる利潤をこの会社が計上するということはあり得ると存ずる次第でございますが、現状はそういうふうな状況にないということでございます。
○丸谷金保君 現状を私聞いているのでないんで、それで現状ないからいいということにならないんですよ。そうでしょう。この法律自体の持っている要素から言って、利益を上げることを抑えるというふうに、そうして国会の答弁の中でもう何回も言っています。この会社は利益を上げないんだ、利益を上げさせないんだと。しかし、会社法による会社が、特殊法人じゃないんですから、この十条でもって利益を抑えることができる法的な根拠が出てきますか。その場合には、もっと明文規定が要るのでないんですか。会社法という法律では、利益を認める会社として設立しているんですよ。その利益を抑えるという場合に、包括的な行政指導の中で抑えられるということになりますか。冗談でないと言われた場合どうしますか。そこまで法的な権限がありますか、通産省。
○政府委員(大永勇作君) 先ほど言葉が少し足りなかったかもしれませんが、十条に監督命令の規定がございますが、この命令でもって利益を出すなと、あるいは法律それ自体が利益を出してはならぬというふうなことにはなってないわけでございまして、先ほど申し上げましたのは、仮に株式の買い占めその他が起こりまして、不当なる利益をここに計上するというふうなことがあった場合にはどうかという問題でございますので、そういった不当なる事態が生ずればもちろんそこに監督命令という問題は出てくるであろうということでございまして、利益をいささかでも計上したらそこに監督命令が出るというものではなかろうと存じます。 ただ、親会社が赤字であるのに輸出を取り扱う子の部分だけで利益を計上いたしましても、税金をただ払うというだけのことで、何といいますか、全体の企業運営といたしましてはマイナスでありますから、これは会社独自の判断におきましてそういうことは恐らくしないであろうと、こういうふうに御説明を申し上げておるところでございます。
○丸谷金保君 そうすると、法的に抑えることはできない、しかし会社の良識の中で、こういう特殊な会社で、輸出する場合にも許可が要るんだし、いろんな点で総体的には抑えられるからそういうことにならないだろうと考えていると、こういうふうに解釈していいですか。
○政府委員(大永勇作君) そのとおりでございます。
○丸谷金保君 そうすると、ちょっと前の答弁と食い違うんですが、後でもう少し整理してからにいたします。それじゃ、そのことは一応質問を留保して、そこまでにしておきます。 そこで、四十五年の附帯決議の中で「肥料流通経費の低位安定とその合理化を図るため、流通体系の整備、輸送、保管等の経費節減、肥料末端価格の硬直性の解消等に関する対策を進めること。」というのが二項にございます。それから約十年近くたったわけなんですが、これについて農林水産省はどのようなその後流通機構に対する整備を指導したか、それをお聞かせいただきたい。
○政府委員(二瓶博君) 流通経費の関係でございますけれども、これにつきましては四十五年、さらに四十九年、二回にわたりまして当委員会から附帯決議ということで御指摘をいただいておるわけでございます。 〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕 したがいまして、農林水産省といたしましてはこの附帯決議の趣旨を体しまして、この流通経費の節減といいますか、合理化という面につきまして種々努力をしてまいってきておるわけでございます。 まず一つは、交錯輸送の排除ということでございますが、これにつきましては従来から関係者に対して指導しておるところでございまして、生産業者、販売業者等は委託生産なりあるいは振替出荷というようなことによりまして交錯輸送の是正に努めてまいっております。したがいまして、このため地域内の自給率といいますものも非常に上昇傾向にあるわけでございます。 それから、年間輸送の平準化という問題につきましても、出荷月によりまして出荷価格差を設けるいわゆる限月価格体系というものを肥料の種類ごとに設定して、以前からこれも実施をしてまいっております。 それから、荷役の合理化推進という点についてでございますが、これにつきましては、関係者に対しましてパレット使用等によります荷役の改善を指導してきたところでございます。肥料の輸送単位、これは大部分が二十キログラムでございますために、ハンドリングなどでいろいろ問題もございます。したがいまして、荷役の合理化がむずかしいという一面もございますけれども、パレットなり、あるいはフォークリフトを使用することによりまして荷役の機械化が進められる。それからまた、肥料輸送の一貫パレチゼーション化とか、あるいはバラでもって輸送するというバラ輸送などによりまして、荷役の合理化を含めた輸送全般の改善、これが関係者間で一部実施に移されてまいってきておるということでございます。 販売費の節減につきましては、かねてから関係者に対しまして指導してきたところでございまして、また、肥料流通におきます農協系統の取り扱い比率が高うございます。したがいまして、この販売経費の節減が、そういう面で農協系統の面でもやっておりますので、おのずからその面も実施されてきておりますが、商人系の方も農協系統にまた準じた肥料販売を行っておりますために、販売経費の節減の面につきましてもいろいろ努力をしておるということでございます。 なお、こういう面につきましては肥料対策協議会というのがございまして、その中にさらに流通対策部会というのを設けておりますが、この辺につきましても、この流通関係の合理化の問題という点もいろいろ検討を願っておりまして、その面の検討結果等も踏まえまして、今後ますます合理的な輸送体系の確立なり、輸送方法の改善あるいはまた交錯輸送の排除等を図って、肥料価格の低減に努めるよう関係業界を今後とも指導してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○丸谷金保君 実際にはその後、いまそういうふうにお話しになっておりますけれども、国鉄の特別運賃制度というふうなものが変わりましたね。それで、肥料の運賃なんかの取り扱いも高くなりましたでしょう。そういうときに農林水産省はどう対応したんですか。
○政府委員(二瓶博君) 国鉄の貨物の運賃の問題につきまして、従来から公共政策割引等々のいろんな特別の運賃制度をとっておるわけでございますが、こういう面につきましても、国鉄の経営の合理化といいますか、そういう面から、こういう特別運賃制度につきまして、ある程度従来のものよりはやや高いようなやり方に逐次要請をされてまいっております。そういう話がありました際には、農林水産省といたしましては、肥料に限らず、その他の農林物資につきましても、事の性格上その面は十分配慮をしてもらいたいということで、強く運輸省なり国鉄当局に要請をいたしておるわけでございます。その際に、肥料につきましては非常に国鉄依存度が高いわけでございます。特に、その輸送トンキロという角度で見ますというと、五二%ほど国鉄依存度があるという実態にかんがみまして、国鉄当局にも強く要請をいたしております。 したがいまして、現在では一等から三等までの区分が分かれておりますが、この三等というのが一番安い料金ということになるわけでございますが、肥料もこの中にランクづけをしてもらっておるということで、そういう面におきましてもいろいろ努力をしておるということでございます。
○丸谷金保君 国鉄への申し入れその他いつやりましたか。正確なひとつ。
○政府委員(二瓶博君) 国鉄によります輸送の関係は毎月打ち合わせをやっておりますが、ただいま先生のお尋ねは、むしろそういう数字を業務的にやっているものじゃなくて、特別運賃制度の改正の際の申し入れと、その期限はいつかと、いつ申し入れたかというお尋ねであろうかと思います。この面は、ただいまちょっと手元に資料がございませんので、大体農林物資全部たとめまして食品流通局の方でやっております。したがいまして、その辺調べまして後刻お答えを申し上げたいと思います。
○丸谷金保君 特に、肥料についてだけというのはやってないんですか。やってないんですね。
○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、この貨物運賃の面につきまして一等から三等まで分かれております。その際の一番安いランクの三等に肥料を位置づけてもらっておるということでございます。
○丸谷金保君 それはそちらの方でやってなけりゃやむを得ないので、しかし、国会の附帯決議というのはもう少し大事にして、やはりきちんとそういう点はその都度対応するようにひとつしていただきたいと思います。一括してそれは食品流通局でやっているというふうなこととは、これはもう特に肥料の問題についての限定された決議ですから、やはり主管のおたくの方が、農蚕園芸局がすぐ対応していただくというふうな構えを、これからも実はお願いをいたしたいと思うわけでございます。 大臣が来ましたので大臣に質問いたしますが、大臣は就任以来、農業基本法は見直さなけりゃならぬということを何度も公式の場で言われたように承っておりますが、それは間違いございませんね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、農業基本法が大綱として間違っているとは思わない。しかしながら、時代の変遷に伴っていろいろ変わっておる事態もある。変わっておることもあるし、また、この農業基本法には、生産性の高い農家とか、あるいは農家のいろんな所得の維持増進の方法とかは書かれておるけれども、そこに農村が民族の苗代であってというような考え方がちょっと抜けておるのではないか。文化的面、そういうような面もつけ加えていったらいいのではないだろうかと。そういうような面も全部含めて、私は間違っておるというふうには思いませんが、見直すことはやぶさかでありませんということを言っておるわけであります。
○丸谷金保君 大臣の発言ですから非常に心配している。農業基本法という法律に基づいていろんな施策が、農業政策が行われておるという中で、見直し論が大臣の口から出ますと、何かこの法律を全面的に改正しなきゃならないんじゃないかというような感じを実は受けるのですが、いま言ったような要するに民族の苗代としての、そういうむしろ農業基本法をさらにもっとよくしていくと、そういう意味で見直し論を唱えていたと。これを廃止する方向で唱えていたということじゃないんですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは私は、よく農業基本法を見直せ見直せという話がございまして、それについて私としては、結局農業基本法はどこが間違っていたのでしょうかと、いろいろ言われるわけですよ。農業基本法の中で一町上がりの農家ができないじゃないかとか、規模拡大ができてないじゃないかとか、それは確かにできてない面もございますと。それはしかし農業基本法でできてないのじゃなくて、むしろ農地法その他のいろんな関係がありますから、むしろそういうところの方がネックがあるのじゃありませんかと。 しかし、農業基本法がこのままで全くいいというのでなくして、それにはもう少し文化面とか、いま言った精神面とかで農村の位置づけというものはどうも入っているように思えないので、そういうものを少し取り込んで中身を充実していったらいいじゃないか。その中でどっか違う点があれば、細かい点で、手続論とかその他の問題で、そういうのは見直しても結構でしょうが、全体としての方向は私は間違っているとは思いませんと、こういうことを、ずっと同じことを言っているのです。
○丸谷金保君 そうすると、あれですか、大臣が発言するくらいですから、それらのいわゆる民族の苗代論ですか、そういう形のものをどういうふうにして農業基本法の中に織り込むかということは、事務当局の方には指示して作業は進んでおるんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、予算でも終わり、みんなこれが終わりましてから、いまのところ忙しくて、私は就任したのが十二月ですから、予算編成とか予算委員会とかそれいっぱいで、もう事務当局も全部国会にくぎづけですから、したがって、まだそういう作業には入っておりませんが、いずれいろんなこういうふうな経済関係の法律というものは、世の中がどんどん変わっていけばその実態に合わしていかないと時代おくれになりますから、私は経済の憲法的なものはそう直すべきではないと思いますが、しかし、部分的に経済と一緒にいかなくちゃならないようなものは時代に合わしていく。法律に経済を引っ張ってくるということは、言うべくしてなかなかできません、これは。 したがって、私は国会でも終わったら、ひとつそういうふうな勉強会を発足してやっていきたいと、こう思っておるわけで、どこのところをどう直すというようなことを言っているわけじゃありません。最初に私が言った文化的な面、精神的な面を少し織り込んでみてはどうなのかな、その方がいいのじゃないのという程度の話で、これもまた、具体的にどういう文案でどういうふうに織り込むかというようなことは、もう半年ももっと先の話であります。
○丸谷金保君 この農業基本法ができてくる経過というのはもうこれは大変なもので、それを多少直すとかなんとかというふうな話が大臣の口から出て、いま伺ってみると、まだそれは大臣の個人の考え方の域を出ないわけですね。事務当局との詰めとか、そういうことも何にもやってないと。どうもちょっと、そうすると大臣の発言としてはいま言われたようなふうに伝わっていないと思うんですよ、われわれが聞いている限りでは。もう少しちゃんと起承転結のある形での発言をしていただかないと困るのじゃないかと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは中川農林水産大臣のときから言われているのです、農業基本法の見直しどうこうという話は。私になってもそういう質問があったので、私は全面改正とかそういうふうなことは必要ないと思っているのです。ないと思っているのですが、しかし、どうせそういうふうな見直しをしてもいいのですよ。こんなもの、しょっちゅう直していいのですから。いま言ったような新しく田園都市構想とかそういう話も出てきておるし、それから総理演説の中でも、ともかく農村を単なる生産の場としてでなくて、別な意味で見直そうじゃないかという発想が出てきているわけですから、そういうようなことでそれを何かつけ加えていくということは何ら差し支えないことでありまして、具体的にどういう案文にするかは別な問題だけれども、施政方針まで出ているものをやはり法律の中で生かしていく方法が私はあると思う。 したがって、そういうことで検討をしてみたいということは、少しも私は差し支えないと思います。大臣は事務当局の言うとおりになる必要はないわけですから、大臣の言うとおりにすればいいのですからね。ですから、私はそういう意味で当然これはしかるべき時期には指示をして検討させます。させまするけれども、基本は間違ってないと私は言っているわけですから、基本は変わらないというのはそういうことであります。
○丸谷金保君 ちょっと言葉じりをとるようで申しわけないんですが、こんなものどういうふうに直してもいいんです——こんなものというのは、この法律をこんなものというふうな大臣の言い方、ちょっと少しおかしいと思うんだな。それは、そういう考えだから手軽にばかばかばかばかと見直し論が飛び出すんじゃないですか。中川大臣のときにもそれはありましたけれども、渡辺大臣になったときのようににぎやかにはそのことがマスコミにそう取り上げられてないのに、おたくが大臣になったら途端にえらいそれがオクターブ上がった形で出てくるのは、あなたがやっぱり農業基本法というものをこんなもの直してもいいんですよという、そこに考えがあるからじゃないですか、農業に対する物の考え方に。はしなくもそれがいまのような言葉になって出るんじゃないでしょうか、どうなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、農業基本法を指してそう言ったつもりじゃないのです。もし言ったとすれば、それは訂正をいたします。私は、経済法規全体の問題についてこのようなと言うのをちょっとなまって言っただけで、栃木県のせいかもしれませんが、このような経済法規についてはと、正確に言えばそう言うところでしょう。経済法規については、経済の実態に合わして私はしょっちゅうそれは点検をされなければならないものであると、かように思っております。
○丸谷金保君 基本法変更に対する発言がそういうことなので、実はこのことは確認しておきたいんですが、昭和三十九年に現在の臨時措置法ができたときに、赤城農林大臣がこれは農業基本法の付帯法としてこれを提案しているということを当委員会の中で答弁しております。その考え方——まあ前大臣でも前々大臣でも自民党の内閣なんですから、前の大臣の言ったことは、渡辺大臣はやはり責任を持ってこのことは受け継いでいるというふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○政府委員(二瓶博君) 三十九年にこの肥料価格安定等臨時措置法、これを国会で御審議をお願いをいたしました際に、農業基本法そのものが昭和三十六年に成立をいたしております。したがいまして、その三年後でもございまして、いろいろ基本法との関連というようなことが質疑でございました。そのとき、当時の赤城農林大臣から農林水産委員会におきまして、農業基本法の関連法ということでお答えをしたというふうに聞いております。現在も農業基本法には第二条の一項六号におきまして「農業資材の生産及び流通の合理化並びに価格の安定を図ること。」というのが第一項各号に並んだものの一項として六号として入っており、これを「総合的に講じなければならない。」と、こういう規定に第二条が相なっております。 したがいまして、そういう関係からいたしまして、現在もこの基本法との関係で言えばやはり関連を持った法律である、かように認識をいたしております。
○丸谷金保君 大臣にお伺いいたしますが、この問題に限らず、前のたとえば中川大臣が発言しているこの委員会等で約束したこと、こういうのは後任の大臣は自民党の内閣が続いている限りにおいて継承してそれは尊重するということだろうと思いますが、そのように確認してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 事情の変更がない限り、尊重さるべきものと思います。
○丸谷金保君 たとえば、事情の変更というのはどの程度のことを言うのかわかりませんが、牛肉の値段を安くするということを前大臣が言っておりました。まだ渡辺大臣になってから、そういう御発言のあったことは私聞いておりません。これは事情変更の中に入りますか入りませんか、どうなんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) どういうようなことで安くするという御発言になったか、別に引き継ぎがあったわけでもございませんから。私も聞いてはおります。おりますが、国会でどういうふうなことでどういうお約束をされたかよくわかりません。しかし、その気持ちは、安くしたいという願望を私は言っておるのだろうと思いまして、なかなか安くしたいのだけれども、現実にはこれは畜安法でも改正してもらわなくちゃ安くするなんということはできないわけですから、安ければ政府が買い上げるというのですから、ですから安くしたい気持ちは私もありますけれども、それはなかなかそんな簡単にいく話のものではありません。したがって、われわれとしてはできるだけ生産性を高めて、安くするといっても農家が採算の合わないほど安くして出したのでは、これはもう後は生産できないわけですからそれは困るわけですよ。したがって、せいぜい生産性を高めて、農家所得を増大しながら、それで安くなるのだったら私は結構なことだと思うのです。だから、そういうふうに努力はいたしますが、すぐに安くするというのは、なかなか言うべくしてむずかしいのであります。
○丸谷金保君 ちょっと話がそれてしまったんですけれど、これは願望というふうな程度の発言では中川大臣なかったので、たとえば農家の生産者の価格を下げるんじゃなくて、途中の流通の中のいろいろな問題にメスを入れて下げると、こう言っておったんです。そのお気持ちはどうなんですか、あるんですか、願望ですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはあります。
○丸谷金保君 そうすると、事情は変更になってないのですから、たとえばその程度に前の大臣の言ったことは尊重していくというふうに理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) したがいまして、産地の食肉センターとか消費地の部分肉センターの整備というふうなこともことしの予算においても取り入れまして、そのとおり実行をしようとしておるわけであります。
○丸谷金保君 牛肉の問題は、またあした畜産の方がありますので、そこでやりたいと思います。一応原則として、前大臣の委員会等で発言したことについては特別の事情のない限り継承していると、そのように解釈してよろしゅうございますね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結構でございます。
○丸谷金保君 次に、輸出価格の問題についてお聞きいたしますが、前々からの委員会で、これは大臣でなくて結構ですが、論議されている記録を何度読んでみても、私たちの頭では当局の説明が腹に入らないんです。それで何度も論議されたことですけれど、もう一度ひとりお答えを願いたいと思う。どうして外国に安く出して国内に安く出さないで、それで国内の生産者にはかぶせていないんだと。先ほどの参考人のお話でも、国外に輸出するなら安く輸出して、そしてそれの赤字の分はほかの事業の黒字で賄って会社として損になっていないのだということなんですが、どうもちょっと私にはわからないんですよ。それなら国内だって安くできるわけでしょう。輸出するものだけ、全体の企業利益の中から落とすから国内には影響してないんだというなら、国内だってできるわけじゃないですか。どうもそこのところが、よくずいぶん何遍も読んでみたんですが、足鹿覺先生やその他いろいろの質問に対してのお答えが明確でないので、もう一遍ひとつそこのところを聞いておきます。
○政府委員(大永勇作君) 肥料の輸出価格は、国際的な最近の供給過剰状況を背景にいたしまして低い水準でございますが、その場合におきましても、輸出が行われることによりまして、国内価格の低減にいささかの寄与をしているのではないかというふうに思っております。すなわち、国内需要を満たしました上で輸出を行いますことは、輸出を行えない場合に比べまして設備の操業度を上昇させる、その結果、製品単位当たりの固定費の低減をもたらすわけでございまして、製造原価はその分だけ引き下げられるということになるわけでございます。ただ、国内価格の取り決めに当たりましては、製造原価を基礎としているものでございますので、いま申し上げましたような輸出の実施によって固定費が低減する、その分だけ国内価格の引き下げに寄与しておる、こういうふうな考え方でございます。
○丸谷金保君 そうすると、結局スケールメリットの中で国内の価格も下げる方に寄与していると、こういうことですか。
○政府委員(大永勇作君) 設備能力に比べまして国内需要が小そうございますので、輸出を行わないと仮にいたしますると、操業度が非常に低下する、低下すれば固定費がそれだけ単位当たり上昇する、こういうことでございます。輸出を行いますことによって操業度を向上させる、それによって単位当たりの固定費が低減をする、こういうことでございます。
○丸谷金保君 じゃ、その答弁ですと、それだったら国内だって下げられるんじゃないですか。そうなりませんか。
○政府委員(大永勇作君) これは国内も輸出並みに下げたらどうなるかということでございますが、先ほど申し上げましたように、国内価格の取り決めに当たりましては、製造原価をベースにいたしまして、生産業者と流通業者との間で自主的に話し合いを行いまして決めていく、こういうたてまえになっておりまして、さらに輸出価格並みに下げるということになりますると、メーカーの経営というのが非常にむずかしくなるわけでございまして、ひいては肥料の国内への安定供給に支障を生ずるというふうな事態になろうかということを危惧するものでございます。
○丸谷金保君 そこで、さっきの輸出会社との問題が出てくるんですがね。先ほどの話ですと、輸出会社が黒字も赤字も出さない、こういうように指導していくと。黒字を出さない方はいいんですわ、さっきのとおりでね。じゃ、赤字が出た場合には、今度は各社に負担させるというんでしょう、輸出会社の赤字は生産量に応じて。そうですわね、そうでないんですか。
○政府委員(大永勇作君) これは以前は、輸出会社が肥料を輸出いたします場合には、国内の価格と同じ価格で輸出会社が肥料を引き取りまして、それを国際マーケットにあわせて売るということで、輸出会社に非常に赤字が累積いたしまして、大問題になったことがあるわけでございます。そういう経験がございますので、これは昭和三十九年以降現在の体制ができたわけでございますが、それは輸出FOB手取りと同じ値段で肥料メーカーから買い取ると、こういうことになっております。もちろん、輸出会社の人件費その他必要でございますから、トン当たり幾らというふうな手数料は輸出会社がいただくわけでありますけれども、輸出FOB手取りと同じ価格で生産メーカーから引き取るものでございますので、輸出会社に赤字が累積するということにならないということでございます。
○丸谷金保君 三十九年のこの新しい法律に変わったとき、二百九十億くらいですか、赤字たな上げして特融したのは。ちょっと私もここに資料があるんですけれども、質問の順序を取り違えたので、ごちゃごちゃになって探すのが大変だから、大体そんなことでなかったかと思うのですが。
○政府委員(大永勇作君) 大体二百十億円ぐらいでございます。
○丸谷金保君 そうすると、そのときはやはり各会社に負担をさせて一応各会社に特融をしたわけですね。
○政府委員(大永勇作君) そのとおりでございます。
○丸谷金保君 すると、その残がまだ何十億か、二、三十億程度残っておりますわね。
○政府委員(大永勇作君) 一遍にその損を落とせないものですから、法律で償却制度を設けたわけでございますが、四十八年でその償却残がなくなっておる、こういうことでございます。
○丸谷金保君 そういう場合に、それは国内の肥料価格にはしわ寄せになりませんか。
○政府委員(大永勇作君) 国内の肥料価格は、その年々の製造原価をベースにいたしまして決めるものでございますので、いま言ったような累積損失というふうなものはコストに計上されない、こういうことでございます。
○丸谷金保君 それで、その製造原価の問題になるんですが、従来の論議を見ても、それらについては企業の秘密に属することで、製造原価というものは開示できないというふうな再三御答弁がございます。しかし、実際にそういう製造原価の計算をおたくの方はやっているんですか。
○政府委員(大永勇作君) 製造原価につきましては、政府といたしましては価格交渉の円滑な進展を図るということからいたしまして、メーカーと流通業者の当事者の要求がございますると、生産者の平均生産原価と、こういう資料を交付してきたものでございまして、これをベースにいたしまして両者が協議して価格取り決めを結んでおると、こういうことでございます。
○丸谷金保君 それで、さっきも硫安の協会長が話していたんですが、実際にはわからないと言うんですよね、業界も原価は。先ほどそう言っているんですよ。私たちは政府から来る資料によって平均価格がこうだと言われるからそれで交渉するだけであって、どうしてそういうふうになったかということは、交渉する業界代表は知りませんと言っているんです、きょう。そうすると、おたくの方の出した資料だけが根拠であって、あと何にもないんじゃないですか。
○政府委員(二瓶博君) 先ほど参考人の意見聴取の際に私も傍聴さしていただきましたので、そのときの硫安工業協会の会長の答弁は、その個々のメーカーの生産原価はわからないと。自分の会員の個々のメーカーの硫安の原価、尿素の原価、こういうものはわかりませんと、こういうことを答えたようでございます。したがいまして、政府の方から、これは通産省と農林水産省一緒になって調査をするわけでございますが、調査をして向こうの交渉当事者の求めに応じて交付をいたします。その際は、これは全体の加重平均のコストというものでございます。したがいまして、個々のはわからないわけでございます。そういうことでございます。
○丸谷金保君 要するに、中身はわからないということですね。どうしてそういう値段が出てきたかということは、加重平均したという方程式の説明はあるけれど、数値は出していないわけですから。そういうことでしょう。
○政府委員(二瓶博君) 加重平均した数値と、主な内訳と、それから最低と最高のコスト、これは出しております。したがいまして、硫安であれば最高は幾ら、最低は幾ら、それから平均コストは幾ら、その内訳は材料費で幾らとかというようなことまで出しております。ただ、個別のあれは出しておりません。
○丸谷金保君 そうすると、会社側も、それから一方の相手は全農さんですけれども、メーカーと全農さんが同じ資料をもらうわけでしょう、おたくから。何を交渉するんですか。
○政府委員(二瓶博君) これは両当事者に交付をいたしますので、政府の方から交付する実績原価、これにつきましてはただいま先生おっしゃるとおり、全農の方と、それから生産業者の方とまさに同じものでございます。しかも、こちらが交付いたしますのは、最近では暦年で調べたものでございます。ところが、価格交渉をやって決めます価格の方はこれは肥料年度ということでございますから、七月から始まる一年間ということになります。したがいまして、政府から交付した資料を一つのもとにしたり、参考にしたりしながら、今後の動きといいますか、需要がどうだろうかというようなこともいろいろ考えに入れて、そうして交渉に臨むということになるわけでございまして、その辺は全農さんは全農さんなりにいろいろの資料を考えるでございましょうし、あるいはまた生産業者、メーカーの方でも今後の賃金は上がるのだろうとか、日本経済がこうなるから賃金はどうだとか、いろんなことも考えてそれで交渉の場に着くのであろうと、かように思います。
○丸谷金保君 まあしかし、それらの今後の見通しということも考えて交渉すると言いますけれども、もとになるのは両方同じ数字を持っているわけだね、基礎になるのは。同じものを持っていて、それから半年間の間に物価がどう上がった、人件費がどういうふうな動向にある、経済がどういうふうな動向にあるというものを、恐らくそれぞれの所管の役所なり何なりの発表したそういう統計数字に基づいて交渉することになるわけです、そうなるとね。そうすると、同じところに行き着くんじゃないですか、結局。もとは同じで、それから後の数字の六カ月なら六カ月の経済の動向にしたって、これは自分たちのものというよりは、やはりそれぞれの統計機関なり何なりの発表したものによって行うということになりますから、数字は同じ数字で、とったところが違えば別かもしらぬけれども、その程度のことで、まず両方とも余り変わりがないのじゃないか。
○政府委員(二瓶博君) 政府から交付した資料につきましては、加重平均した価格と、コストと、それから最低、最高というのもございますから、相当合理化していただければ最低の方はもっと下がってもいいじゃないかという物の見方も全農側で主張することもあろうと思います。それからこれは暦年でございますから、さらにその後の春闘でベースアップその他もいろいろあろうかと思いますし、その後の日本経済の見通しなり、あるいはそれに基づく肥料の需給の見通しなり、いろいろあって、それはやはり売り手と買い手の立場もございますから、その数字の見方なり、見通しの立て方なり、それぞれのやはり意見はあるのだろうと思います。そこでいろいろ議論をした上で、最後的には話のついた取り決め価格ができておるというのが過去の例でございます。
○丸谷金保君 この法律では、それでその双方の交渉がまとまらなかったときには農林水産省が乗り出すということが書いてありますね。乗り出したことはありますか。
○政府委員(二瓶博君) 乗り出すのは農林水産省と通産省と、両方乗り出します。それから、いままで乗り出したことがあるかということにつきましては、乗り出したことはございません。よく話し合って、農業も肥料工業も健全な発展をするという角度でこれならというところで円満に価格の取り決めができておると、こう理解をいたしております。
○丸谷金保君 それは円満にいくんですよ、同じ数字で両方が交渉するんですから。基礎になる数字は同じなんでしょう、おたくたちの方から出るやつで。そうすれば円満にいかない方がおかしいんですよ。だから、結局こういう法律をつくったって、一遍も農林水産省や通産省が乗り出したことはないわけです。交渉がまとまらなかったことはない、毎年円満にまとまるんですから。そうすると、この肥料の価格形成は双方で決めると言っているけれども、実質的には農林水産省と通産省で取りまとめた数字が基礎であって、この価格というものはおたくたちの方で決めるわけですよね、実際には。形は交渉と言っているけれども、中身は政府が決めると変わりないじゃないですか。
○政府委員(二瓶博君) 価格取り決めができる十五日前までに、農林水産大臣及び通産大臣に届け出が出てまいります。これにつきまして私たちの方もチェックをいたすわけでございますが、こちらが交付しました資料は、先ほど来申し上げておりますように、前年の暦年でございます。したがいまして、肥料年度はその年の七月から始まりますから、あとの一年間一体どうなるかというのは、役所は役所なりにいろんな推計をやったりいたしております。その辺で向こうからこういうことで締結をしたいということで、十五日前上がってきたものを、うちの方の推計のあれともちょっとこうチェックしてみて、これなら両方とも話もつく、しかもそうおかしな線ではないなと、肥料工業も農業も両方ともこれなら健全な発展に寄与するなということで受け取って、その後乗り出してはおらないと、そういうことでございます。
○丸谷金保君 結局、これらの肥料の価格という問題は、いまいろいろ御説明ありましたけれども、政府側が出した数字を基礎にして、政府はもちろん会社の中身を調べるんでしょうけれども、行われるということはこれは間違いないし、円満にいっているということは、いかに皆さんたちの提示する数字か正確かということを裏づけているんだとも思います。その点では大変御苦労なさっていると思うんですが、両者に提示した数字の資料というのはこの委員会に提供できますね、個々の会社でなくて、ことしはこういう数字を両者に出しましたというのは。ちょっとそれをひとつ要求したいと思います。
○政府委員(二瓶博君) これは両当事者に提示をするわけでございますが、この実績原価につきましては、いわば企業の秘密というようなことに属するものでございますけれども、こちらが強制的に実績原価の報告書をとるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げました加重平均値、その内訳並びに最低と最高のコスト、こういうものを提示しているわけでございますが、このもの自体は、これはやはりこの法の目的にございます両当事者が価格取り決めをやり、それが円満にいきますための、達成するための資料ということの法の目的にのみ使用するということで考えておりますので、提示したものを本委員会に提出するということはひとつ御了承をいただきたい、御勘弁いただきたい、かように思います。
○丸谷金保君 そうすると、われわれこの法案を何のために審議するかということですよ。高いか安いか、全くわからないんです。いいですか。たとえばいま青色申告をやっていますね。ちょうどいま申告の時期ですから、それぞれの農家の実際使っている肥料価格というのはみんな出てきていますよ、去年使ったやつ。試みに私も私のうちで使ったやつやなんか、ちょっと電話で聞いてみたんです。そうしますと、もういま硫安だとか何かを単発で買っているというのはほとんどないんです。中には大変りっぱな人もいて、それはそのままで買って自分のところで配合するという人もいますけれど、いまもう何百という配合肥料ができていますんで、記号を見まして、そしてその中から選んで大体配合肥料を買うわけです。 そして、その配合肥料が、たとえば昨年とおととし、一例をとりますと、ビートに使うS二七三というようなのが一袋千五百七十円なんです。そして、これは去年に比べて百円下がっているんですよ。しかし、ドル安のメリットというものは、百円くらいのもので私たちはないと思うんです。しかし、それをずうっとたどっていきますと、農協の手数料なんかだって非常に安いんですよ。先ほども聞きましたけれども、全農が〇・六%、ペーパーマージンとしたって、こんなものでやれるのかと思うくらい少ない。〇・六%なんという取り扱い手数料というのは、何というか、そう無理な手数料でないんですよ。安い手数料なんです、取り扱いとしては。 そうしますと、その途中の経費がどういうふうにかかってくるか知らぬけれども、私たちが実際に使う化成肥料になってくるまでの間、もとになる肥料の価格の仕組みというのが全くわれわれわからない中で検討のしようがないんです、高いか安いか。そんなばかなことというのはちょっとないと思うんだな。全農やそれからメーカーが交渉する。これは、交渉は、恐らく密室でやっているわけでないでしょう。やっぱり暮夜ひそかにやっているんじゃなくて、白昼堂々とやっているのだと思うんですよ。そこで双方が交渉の基準として使われている資料、その前の個々の会社のやつは企業秒密か知りませんけれども、協会と業界の代表と全農という公的な法人ですね、これが価格交渉に使うおたくたちの方から出た数字が、委員会に出せないというふうなことはどういうわけなんですか。そんなばかなことはないと思うんですが、大臣どうですか、それ。
○政府委員(二瓶博君) 全農という販売業者とそれから生産業者、この両当事者に交付をいたしまして、その両当事者同士で交渉をやっていくと。その際は、交渉委員というのをお互いの団体で出し合って、その交渉委員同士でやっておるという姿でございます。 それから、そういう平均化した原価も出せないということはおかしいというお話でございますが、平均原価でございましても、特定肥料の生産業者数というのは尿素などが一番少ないわけでございますが、尿素、硫安、一番多いのが高度化成になりますけれども、その辺の生産業者数もそれほど多くないということからすると、大体この辺が生産業者の原価じゃないかなという類推も相当できるのではないか。そういうようなことからいたしますというと、平均数値を実数のままで公表するということも、先ほど申し上げましたような理由からいたしましてこれも御勘弁をいただきたいと、こう思っておるわけでございます。
○丸谷金保君 申しました理由と言うけれども、もう一回その理由を言ってください。
○政府委員(二瓶博君) 原価は、これは企業の秘密に属するものであるわけでございますけれども、農林水産、通商産業両大臣、これがこの法律の主務大臣という立場からこの法律を施行するのに把握しておく必要があるということで、法律の施行に必要な限度において特定肥料の生産業者に対して報告を求めておるということでございます。その際に、この実績原価報告書につきましては、必要があるときはこれは職員をして立入検査ができるという立入調査権もございますし、それから報告をしなかったり虚偽の報告をしたり、あるいは検査を拒んだりというような者には罰則を科するというようなことで、強制力を持って企業の秘密に属する事項を調べておる、こういうことでございます。しかも、これを用いるのは、法目的の範囲に限定をされるべきものであるということでございます。したがいまして、原価調査の結果につきましてはこれは公表すべきものではない、かように考えておるということが、先ほどの申し上げた理由ということでございます。
○丸谷金保君 それは、会社に立入調査したりして調べてきた数字、それをそのまま出せというのではないのだから、総体の会社の平均値をおたくの方では両社に提示するというのでしょう。それはもう会社の企業秘密には関係ないでしょう、会社はどこがどうだということはわからないのですから。最高、最低そして平均がこれだけですと、全体のやつなんだから、いまの答弁ではそれがどうして出せないかということの答えになってないじゃないですか。
○政府委員(二瓶博君) これは先ほども御答弁申し上げましたように、平均の原価でございましても、たとえば尿素をとりますれば九社十工場、これを調べておるわけでございます。したがいまして、これを平均をいたしましたものと、その最低と最高というものの実数を示せば、個別の企業のも大体この辺かなという類推ができるという可能性が非常に強うございますので、この実数をそのまま公表するということにつきましては御勘弁をいただきたいと、こういうことでございます。
○丸谷金保君 視点をちょっと変えてみますけれども、たとえば私は農協の理事もやったことがあるのですけれども、ホクレンが出資して北海道に肥料の工場、これは合成肥料の工場をやっています。これも企業秘密でもないですけれども、その工場は余り大きくない工場で、昨年度五十一年三千九百万、五十二年で四千五百万の利益を上げて、それからトン数も五十一年十一万トン、五十二年は十二万トン、細かく数字ありますけれども、そういうふうなことというのは、われわれが聞けばみんな説明してくれるのです。 こういう農協関係の会社ですと、中身というのは当然理事会なんかにかかって、こういうふうになってこういうふうに利益があって、これは利用割り戻しをこうするとか、配当をこういうふうにしますとかということは事細かに説明されます。そうすると、私は全農という組織は、これはやはりそれを組合員に説明する義務があるんじゃないかと思うのですよ。農林水産省からこういう提示をされてこういう交渉をした、結果ここへおさまったと。これを要求した場合に、系統農協としては説明しなきゃならぬでしょう。その数字をおたくの方が出せないというのはどういうわけなんですか。
○政府委員(二瓶博君) 全農に農林水産、通産両省から交付をしました実績原価につきましては、これは全農にも内部では一般的には公表するな、法の目的の面からして公表するな。なぜなれば、企業秘密というものと絡みを持っておるからということで、したがいまして、農協はそういう角度で別途またこの特定肥料以外のものについても、いろいろ企業秘密に属するものも収集などしたりしておるようでございますけれども、そういうものにつきましても相互の信頼関係といいますか、そういう見地に立って、相手のメーカーの企業秘密に属するようなことは、これは出しておらないと聞いております。 もちろんこれは農協でございますから、会員には当然今回の肥料価格の交渉の経過はこうであったと、その結果はどうであったということは、これは説明すべきであろうと思いますし、また現にそういうような印刷物等も全農等でつくりまして、よく会員には説明をしておるということは聞き及んでおります。
○丸谷金保君 両方か同じ数字をもらって——くどいようですが非常に大事なところなんで、それをもとにして交渉するから、いままで農林水産省なり通産省が一遍も介入しなくても円満に話がいっでもつくと。その話のついた価格は出るわけですわ。あと全農の場合に、これに手数料を幾らにするかということも理事会にかけて決めていくんです。だから、元はもう出ているわけですね。はっきりわかっているんです。どこで幾らずつかけたかということも、はっきりしてくるわけです。それなのに、そこから先の交渉のときの材料になった数字がわからないということになると、非常にそこが不明瞭なんです。これは私は全農の名誉のために言っておきたいんですが、そこにあらぬうわさも出るわけなんですよ。いいですか。それはおたくの方がそんなものをみんなに出してもいいと言えばどっと出すやつが、出せないから、全農としても決まったとは言うけれども、どういうことで決まったということは説明できないでしょう。どうです、そういうことになりますね。 ですから、たとえば配合肥料になってきてわれわれのところへ来るときには、ずいぶん輸入原料も下がっているはずだしドルも安くなっているのに、たった五%くらいしか下がらないんですよ。だけれどもわからないのです。ちょっとおかしいんじゃないですか、どうですか。全くおかしいんですよ。しかも、最低と最高と出すと言いますね。たとえば硫安の工場原価の最低というものはトン当たりどの程度のものなんですか。それも言えませんか。
○政府委員(二瓶博君) 硫安の政府の方で調べたあれの最低がどうかというお尋ねでございますけれども、これも幾らという具体的な数字については御勘弁をいただきたいと、かように思います。
○丸谷金保君 それで、私は最低というのはゼロ以下のところもあると思うんですよ、原価計算すれば。副産物として出てくるんでしょう。本来なら処理に困るんですよ、公害の原因になるから。いろんな化学工業の副産物で出てくる、そういうことになりますわね。それを、全国の畑に公害を薄めてやっているんですよ。いいですか。そうすると、原価計算でゼロだというのだって出てこなきゃならぬはずなんですが、だから言えないんでしょう。引き取ってもらってありがとうございましたということだってあり得るんだから。
○政府委員(二瓶博君) 先ほど申し上げましたように、硫安の加重平均した価格と最高と最低、それから加重平均した価格の中の主な費目の構成比ということでございます。その際に、いろんな材料費の問題もございましょうし、あるいは労務費の関係もございましょうし、いろんな費目があるわけでございます。ただいま先生から特にお話がありましたのは、硫安につきまして現在合成硫安はつくっておりません。回収硫安と副生硫安、この二つだけでございます。したがいまして、この辺の廃酸なり廃アンモニアの評価というものをどうやっておるかということであろうかと思います。この面につきましては、通産省の方からお答えを申し上げます。
○政府委員(大永勇作君) 回収硫安の占める割合が現在は七七%ということで非常に多いわけでございますが、その方式につきましては、たとえば繊維の原料でございますカプロラクタムの廃液の中に硫酸分がございますので、それにアンモニアを入れてつくる場合、それからあるいは酸化チタンの廃液に同じくアンモニアを入れてつくる場合、いろいろ生産工程が違っておるわけでございまして、したがいまして、回収硫安のコストをどういうふうに見るかという場合に、その廃液の中の硫酸の評価をどうするかということが出てくるわけでございます。これは非常にむずかしい問題でございます。たとえば酸化チタンのような場合には、酸化廃液についてはほとんどゼロに近い評価をいたしておりますが、カプロラクタムの廃液の場合には、きれいな硫酸が出てまいりますので高く評価しておるというふうなことで、生産工程によりまして評価が違っておりますわけでございまするが、全体を平均いたしますと大体どのくらいかということになりますと、購入硫酸に対しまして大体四割程度の評価を平均いたしますとやっておるということでございます。
○丸谷金保君 大臣は会計のベテランなんで、いまのあれを聞いていてお感じになったかと思うんですが、法律の適正な運営をしていく場合に、われわれがこの法律がいいとか悪いとかという、そういう基礎になる数字が密室の中で全部行われている。しかも、いま通産省の方の話を聞きましても、ほとんどゼロに近いものもあるわけです。ゼロじゃなくて逆にマイナス、持っていってもらってありがとうというのだって出てくるはずですよ。困っちゃうのですからね、廃液として流すわけにもいかないで。そういう原価計算をきちんとやっていないから出せないのじゃないですか、どうなんです。大体のところで、会社から出てきたやつでああそうですかということじゃないの。
○政府委員(大永勇作君) いま申し上げましたように、回収硫安の原価の計算の仕方というのが非常にむずかしいわけでございまして、いろんな工程によりましての差があるわけでございますが、われわれといたしましてはそれを平均いたしたものを提示をいたして、それをベースにして両者間で交渉をしていただいておるということでございます。
○丸谷金保君 非常にむずかしいけれども、できるのですか。
○政府委員(大永勇作君) これはなかなか理論的な方式というものもございませんので、評価の仕方をきちっと決めることができるかと言われますると、なかなかこれはむずかしいということであろうかと思います。ただ、実際の回収硫安の価格の問題になりますると、結局同じく窒素肥料でございます尿素との価格の比較という問題が当然出てくるわけでございまして、含まれております窒素分による評価ということが別の面から出てくるわけで、その面でチェックされるという点がございます。
○丸谷金保君 結局あれでしょう、回収硫安というふうなものの原価計算はそれだけ単独でするということはきわめてむずかしいというより、いまの会計学の中の評価の仕方ではまだ固まってないのじゃないですか、どうなんでしょう。
○政府委員(大永勇作君) 理論的に統一されたものはございません。したがいまして、平均でわれわれとしては資料をつくっておると、こういうことでございます。
○丸谷金保君 工場の設備の減価償却まではできるけれども、出てくるそうした廃棄物についてはきわめて原価計算がむずかしいということは、私もここのところ調べて学者の意見も聞いてみたんです。大臣の卒業された学校の学者に聞いたのですからまず間違いないと思うのですが、やっぱりできないと言うんです。いま理論的にこれだというやつがまだないと言うんです。そうしたら、どうやって原価を出すのですか、あなたたち。大臣どうです、おかしいと思いませんか。これはもう専門的な大臣にひとつ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 専門家もその方は不勉強でして、忘れちゃったので余り正確な答えが出ないかもしれませんが、それは御指摘のとおりなのです。それは二つも三つもあるのです。むずかしい理由は。一つは、肥料なら肥料を単体でつくっている会社ならば原価は出しやすい。ところが、繊維とかそういうものによる副産物で出てくるという問題があります。その場合には、結局その副産物をゼロと見るのか、ゼロと見ればかかった経費は全部繊維の方にかかるわけですから、そうすると高くて売れないという話になるかもわからない。 そこで、ただ会社ごとに五種類も六種類もいろんなことをやっているのは、またどこへそいつを配付しているか、これは会社ごとにも私はまた違うのじゃないかと思います。したがって、結局会社が自主的に肥料の方へどれぐらいの原価の配付をしているかということで決まるわけですから、そこは話し合いでみんなある程度やってきておるものやら、独自にそれぞれ出してきているものやら、そいつを平均したものやら、これは実際私らもわからぬと思うのです、一つ一つ聞いてみないことには。ですから、会社から出てきた原価計算書というもの自体も会社によって違うのですから、そいつをただ持ってきて平均したものか、私は詳しいことはどういうふうにやっているのかわかりませんが、それは非常にむずかしい。 それから、標準原価的なものを、どこかの会社で一部分のものをとって、比較的肥料だけやっているような会社のやつをとって、それで大体そいつにみんな右へならえして出してきているのか、ここらのところもよく私もわかりません。ですから、実際幾らが正しくて幾らがいいのだと言われても、ちょっと私もわからないのですが、大体まあしかし標準的なものを出しているのじゃないかと思います。
○丸谷金保君 昔は単独でつくっていた工場があるから、標準的なものが出たんです。いまもう回収硫安なんか、単独でやっているところはないんでしょう。そうすれば、ものすごく下がったはずなんですよ。だから、この十年間肥料の価格は上がらなかった上がらなかったと言っているけれど、そんなもの何もあたりまえの話なんです。この法律の結果でないんですよ。だんだんだんだんそういうふうに単発でやっているところがなくなっちゃって、廃棄物として出てくるやつを使えるようになったんだから、これは下がっていくのはあたりまえの話で、それが余り上がらなかったということを提案理由の中で自画自賛されても、非常にぼくはおかしいなと思った。そしていま聞いてみたら、数字は出せない。全く密室の中で肥料の価格形成がされて、今度その上にまた別な問題が出てきているんですよ、いま。 このごろ、微量要素というやつがあるんですよ。あれを入れると、たとえば一袋当たり千六百円くらいの肥料でも二百円くらい高くなるんです。そしてそれらが今度工場から出て、こういういいのを入れているからと。しかし、この微量要素を入れるから高くなっているのか、もともと相当にもうかるものがあって、そしてその結果そういう値段が出てくるのかということは全くわからないんです。要するに、肥料の価格形成のメカニズムというものがきわめて不明朗な形で、しかも政府が介入しながら、企業秘密と称してきわめていまのところ不明朗な形で形成されて、そして全農あたりもこれはだれにも言うなと言うから言わないでこれだけの値段ですと言っている。そして、国際価格に比べれば非常に高い。外国に輸出するやつは安く出せる。どっかが一つネジが狂っているんじゃないか。そして、いまそこに今度は構造改善ですわね。現在でも一次、二次の構造改善をやって相当のメリットが出ているはずなんですが、だから上がらなかったと。しかし、これからさらに構造改善をやってそのメリットが出てくるということになるかならないか、数字がわからないから全くわからないんですよ、言われても。そこいら辺をひとつ。 したがって、もうこの臨時措置法を通せば五年間走るわけですが、その間に大臣、農業基本法見直しもいいですが、臨時措置法を三回も期間延長していればもう臨時措置法じゃないんですね。もっときっちりしたもので、改めて国会の舞台の中で、もうこれでもって延長しないで、この五年の間に論議をしてきちんとしたものをつくるというようなお考えを持ってはいただけませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは検討に値する話でございますが、国際価格の問題は、御承知のとおり大体どこの国でも似たり寄ったりなんですよ。これは好きでただで安く売っているわけじゃなくて、安くしなきゃ売れないから安くしているという面もあると思います。したがって、世界じゅうオランダでもドイツでもどこでも、この一覧表を見ればわかるように、日本がこんなに安くてほかの国がこんなに高くて中国へ入れているなんということはないのです。大体似たり寄ったりの値段なのです、相場がありますから、競争していますから。したがって、国内価格を見ますると、日本の場合はほかの国よりも、五十一年あたりの数字を見ましても、ベルギーよりはちょっと高いけれども、五十二年でも、まあドイツよりもオランダよりも国内価格は硫安は安いですわね。それから尿素でも一割もそれ以上も安いですな、大体。 ですから、国内価格は日本の場合は外国より安いということは事実なんですね、主として外国より安い。国際価格は競争しているから大体同じ、国内価格が日本の肥料は安い。したがって、その安い肥料でもっともうかっているのじゃないかという疑問はそれは私はないとは言えないと思いますよ。しかし、大抵そういうのは繊維産業とか何かに絡んでいるのが多いですわね、近ごろの肥料メーカーなんというのは。繊維産業は御承知のとおり国際競争で全部やられちゃって、非常にいまでは苦しくて、不況産業の中に入っちゃっている。したがって、繊維の方にそいつは持っていけないという分が、幾らか肥料の方へ付加されているかもそれはわからない。これは裏表で一体ですから、繊維がつぶれて肥料だけ残るということになれば、もっと高い肥料になっちまうという問題もあるので、一概にともかくどうだということは言えない。結局、繊維が高ければ肥料の方は安くたっていいのですよ。ちょうど油と大豆かすみたいなものであって、大豆かすが高ければ油は安くたって採算はとれるのだし、油が高ければ大豆かすをうんと安くしたっていい。これは両方一体になって一つのものになっているわけですね。したがって、これも同じようなことじゃないかと私は思うのです。それよりも、油と大豆よりもいろんなものをたくさんやっていますから、計算がもっとむずかしくて複雑だということは言えると思います。 したがって、私は、国際価格が同じで国内価格が外国よりも日本のやつは安いのだから、そうおかしなことをやっているというふうには全体のバランスから見て言えないのではないだろうかと、これだけは言えるだろうと思うのですね。ドイツやオランダやイタリアよりも尿素は日本は安い、ベルギーよりは少しばかり五十二年度を見れば高いということは言えますが、まあ国内価格同士を比べれば、日本は一番安い方に入っているわけですね。ですから、そこのところ、もっとうんと下げられるのかどうかということは、よく調べてみないとわかりませんが、そこらを見当に考えてきていると、こういうように理解していただくほかないのじゃないか。このメカニズムにつきましては、さらに勉強さしてもらいます。私もここでこれ以上の答えはちょっとできません。
○丸谷金保君 さすがに会計学の大家だけあって、なかなかわかりやすい御答弁をいただいてありがとうございます。 価格の問題、これはいま大臣が研究するということなので一応おきますが、しかし、少なくても全農に提示する資料は当委員会に出していただくということが私は絶対にできないわけがないと思うんです。いまのような論議を踏まえてみても、むずかしいことはわかる。しかし、大体原価そのものが、いま大臣の言われたようにどっちに付加するかというような五、三、八の面があるんです。そうすれば、やはりそれくらいのものを出さないと、いろいろなうわさが飛ぶことになるんですよ。いいですか。それはひとつ農林水産省考えておいていただきたいと思います。できればそれは資料要求をいたしたいと思いますが……。
○理事(山内一郎君) いまの資料の件は、理事会で検討いたします。
○丸谷金保君 それで、次に合理化メリットの問題でございますけれども、このことにつきましては、赤城大臣がかつて合理化のメリットというのは、原則的に見て消費者である農民の方へ回る、あるいはまたメーカー、業者の方では再生産の方に回る、あるいはそこに働いている労務者の給料の方に回る。合理化メリットというのは、順位的に言えば、消費者、生産者及び労務者、この方に回るのが理論的には正しいと思いますと、こういう答弁をしておりますが、このことはいまもそのとおりに受けとめてよろしゅうございますね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 合理化メリットの配分というものについては、消費者、生産者、労働者が分け合うという考えは、基本的に変わりないと思います。
○丸谷金保君 先ほど質問したところ、参考人の中の労働者の代表の方も、その点ではいままで会社と話し合って交渉が妥結して合理化に協力してきた、したがって基本的にはこの法律に賛成だと、こういうふうに労働者側も先ほど参考人の意見聴取のときの発言の中で言っておりました。したがって、そういう点は、きわめて肥料会社に対しては強力な指導力を持つ、指導権限を持つ農林水産省としては、そこいらでトラブルの起きないようにやっぱり十分配慮をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、合理化メリット、これは消費者と生産業者、労働者、これが分け合うという考え方に基本的には変わりないわけでございます。 その際に、先ほども参考人の意見聴取の際に特に労組サイドの方からも、従来の合理化はスクラップ・アンド・ビルドという角度でやってきたわけですが、今回はむしろ設備の処理ということになるわけでございますから、そういう立場に立っての労働条件あるいは雇用の安定、そういう面での非常に強い要請があったわけでございます。私たちといたしましては、これはあくまでも農業及び肥料工業の健全な発展というものに資する形での価格取り決めということができるように、企業の方もあるいは全農の方も両方指導していきたい、こう思っておるわけでございます。
○丸谷金保君 次に、先ほどちょっと触れましたが、微量要素入りの肥料が大分出回って、これは系統外の商人なんかも相当この取り扱いをやっております。農家でも大分使っているんですが、これらは、一つは堆肥が非常に少なくなったことによる地力の維持向上のために、効くか効かないかわからないけれども、とにかく入れときゃ安心だというふうなものが相当あるんです。そのために、やはり堆肥の増産ということをこの肥料の問題の中で農林水産省としては十分考えていただかなければいけない。これについては、地力維持のための、地力維持をしなきゃならぬということは、口を開けば農林水産省はどこでも言います。しかし、実際に予算をとってみましたら、堆肥増産にかかわる具体的な予算というのはきわめて少ないんですよね。一体こういうのはどうなんですか。もっと思い切って堆肥増産というふうなことを、もう少し積極的に取り上げるというふうなことが必要なんでないですか。
○政府委員(松山良三君) 堆肥の問題でございますが、御指摘のように堆厩肥その他有機物につきましては、養分の緩効的な補給あるいは土壌の団粒化あるいは土壌中の微生物の活動を促進すると、そういった機能を通じまして、化学肥料の利用の効率化であるとか、あるいは天候が悪くなった場合に余り収量を下げない、そういう働きであるとか、その他土壌の物理性をよくしますので、機械の効率的な利用、そういった面で、言うなれば御指摘のような地力の増進に非常に役に立つということで、従来からもそういう意味で堆厩肥等有機物の施用の促進ということをやってまいったわけでございますが、特に最近は従来と比べまして堆厩肥の施用が減っておるではないかと、そういったこともございまして、一つは土づくり運動ということで、これは各県を通じましてそういった地力の維持増進ということを根底にして、よい土をつくる、そのために有機物も入れる、その他合理的な施肥であるとか、そういうことも含めました土づくり運動という一つの啓蒙普及運動をやっております。 予算は、来年度九百万をお願いをして御審議をいただいておりますが、そのほか堆厩肥の生産、施用、そういう面で施策を促進するために、生産のため、あるいは施用のための機械施設、たとえば堆肥舎でございますとかマニュアスプレッダーでございますとか、そういった機械の施用のための予算、そういうものも持っておりまして、来年度は約二十七億六千万を要望をいたして、御審議をいただいているところでございます。 その他指導といたしましては、堆厩肥だけでございませんで、いろんな農作物の残滓等ございますので、野菜くずでございますとか、そういった農作物の残滓の土壌還元をできるだけ促進するように、その他家畜ふん尿につきましても、これは土壌還元ということが一番大事でございますので、そういう土壌還元の促進と、そういったような指導を行っております。 なお、各普及所には土壌診断施設というのを設置をいたしておりまして、そういう施設を活用いたしまして各地の土壌の性質を調べまして、それによりましての堆厩肥等の施用あるいは適切な施肥の指導と、そういうことをやっておる次第であります。
○丸谷金保君 大臣がいらっしゃらないので次官にひとつお願いいたしますが、いま事務当局の方から土づくり運動というふうなことで、それを積極的にやっていかなきゃならないという話が出ておるわけでございます。これから乳価の問題が始まるわけです。それから限度数量の問題等もいろいろ今月中に決めなきゃならない。牛乳の値段ですね、始まるわけなんですが、これをいわゆる経済の合理性の面からだけでなくて、いまの土づくり運動とかそういうことのためからも、酪農というものの振興はどうしても欠かせないというふうに思いますので、ただ乳価とか国際価格とか、そういう面からだけでなくて、堆肥の増産をして地力の培養をしないと、高い肥料を使わなきゃならないことになるんです。使い始めているんです。そういう角度からも、ひとつ酪農振興というものを見なきゃならないという一面が、何か最近の畜産振興というか、畜産問題の中で忘れ去られつつあるような気がするので、この点を十分御留意をいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(二瓶博君) これは私の所管ではございませんが、畜産物の価格、これも今月中に決めるということで、畜産局の方で酪農部会の方は来る二十九日ですかに開いて、そこで答申をもらおうというようなことで取り組んでおるわけでございます。その際に、保証価格なり、あるいはただいま先生からお話が出ました限度数量、こういう問題等もいろいろ絡んでまいろうかと思います。 問題は、酪農振興という角度の面とこの地力との関係からしますと、当然酪農等の家畜から出ましたふん尿、こういうものはやはり相当堆厩肥という角度で土壌にも還元をして地力を高めていくということもこれも非常に重要でございます。したがいまして、この面につきましては肥料なりあるいは地力という角度の、所管している私の局にいたしましても、耕種農業と畜産農業との連携の強化という角度での予算措置を講じたりしておりますが、畜産所管の畜産局といたしましても、その面につきましてはいろんな角度での堆厩肥の、家畜ふん尿の利用という角度での予算等も十分計上をしまして、酪農なりその他の肉牛なりそういう畜産振興と地力、さらには耕種農業というものとの、ともどもに発展するという角度でのいろんな施策はやっておるつもりでございますし、今後とも充実していきたいと、かように考えます。
○丸谷金保君 私、それを政務次官に、大臣のかわりですからお聞きしたつもりだったんですが、政務次官がよく言っておられるふるさと運動なんかも土づくりということが大変関連してくるので、ひとつ土づくりの面からの酪農振興、乳価の問題、そういう側面もあるということについて御理解をいただいて一言ちょっと、そうだと言ってくだされば結構ですから。
○政府委員(宮田輝君) 丸谷先生の御高説を拝聴していたわけでございますが、土づくり、まことに大事なことであると私も素人でございますけれども考えております。農業は、畜産業も大事なことでございますし、土にかかわるという面が非常に多いわけでございますし、私も一生懸命そういう点にも着目をするのは当然でございますが、努力をさしていただきたい、こう考えております。
○丸谷金保君 最後に、いま堆肥と土づくりの問題を申し上げたのですが、微量要素入りの肥料というふうな非常に高い値段になるような肥料を、地力低下ということが心配で農民はだんだん多く使うようになってきました。これはやっぱり本来は堆肥というふうなものでやらなきゃならないのですが、その土づくり運動を、ただいま御答弁をいただきましたけれども、とにかくもっと積極的に進めていくというような農林水産省としても姿勢のようでございますが、問題は、そういう視点からの乳価とか酪農振興ということが何か最近見失われてきているんで、乳価の問題酪農振興、牛の問題にも、もともとそういう土づくり運動との関連の中における視点が非常に重要なんだということについてひとつ大臣の御見解を伺い、なおかつこの法案を五年間延長することによりましてさらに合理化が進められるようでございますが、余り合理化、合理化ということで、非常に外国との兼ね合いの中で先行きのむずかしいこの時期に、合理化をやったためにかえってメリットが出なくなったというふうなことも起こりかねないので、そこら辺を十分勘案しながらひとつ企業の生産者の側も指導いただきたいと思うんですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 幾ら合理化と申しましても、もともと農業というものは自然の生きた生態系の中の循環からつくられるものでございますから、これにはおのずから限界があることはあたりまえであります。やはり一番いいのは、自然の生態系の中から農産物がとれると、肥料も農薬も使わないでとれるのが一番いいのです、これは。それだけでは生産性が上がらないということで農薬とか肥料の問題があるのでございますが、これも行き過ぎると、いや公害の問題とか残留問題とかいろんなことになる。そういうような規制は、いままでもかなり厳しくやってきているところでございます。 したがって、やはりこの土づくりを忘れてはいけない。したがって、まあよい土、よい牛、よい土壌とか、よい土づくりとかという私は言葉があってもいいし、そういうふうにするのには、しかも生産性を落とさないでやるのにはどういうふうなことをやったらいいのか。輪作体系なんというのももちろん一番大事なことでしょう、それも。余り肥料だけくれておると結局やせる、病害になりやすいという循環になるわけです。悪循環になるということもあるので、いろいろ反省すべきところは反省をして、本当に自然態系をこわさないような中でどうして生産性を上げられるか、一遍よく真剣に検討をさしていただきたいと、かように考えておる次第でございます。 それから、この肥料価格安定等臨時措置法の問題等については、それはどっかがまずいところがあれば必ず反対するわけですから、だからみんながいいと言うからこれはいいのでしょう。いいのでしょうけれども、その上にあぐらをかいたのじゃこれは消費者は困るわけですから、そこらのところはよくひとつ、時間も多少かかりましょうが、ただ延期になったからいいというだけの筋合いのものではないと思います。これに何かあぐらをかく人があっちゃ困るわけですからね、これは。それは少し私の方も真剣に調べてみたいと、こう考えております。大変貴重な御意見で、よく勉強さしてもらいます。
○相沢武彦君 最初に、本法律の性格面について渡辺大臣にお伺いしたいと思いますが、この肥料価格安定等臨時措置法案につきましては、昭和三十九年の制定以来二回の改正を経て、十五年にわたって半ば恒久的といいますか、運用が行われてきたわけですが、本来ならば肥料価格安定のための価格取り決め制度というのは、これは暫定的な措置として位置づけられたはずであります。今回三度目の改正がされますと、またさらに五年間延長ということですから、制定後二十年間の臨時措置法になっちゃうわけで、これが本来の本法制度の趣旨があいまいになってしまうおそれがあるんじゃないかと思いますが、これについて大臣としてはどんな御見解を持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 暫定がいつまでたったらやめるのだというようなことについて、いまもお話をしたとおりでございますが、やはりそれなりのメリットもある、お互いに安定した取引ができるというような点はいい点でしょう。しかし、これがおざなりになって、ただ価格安定だけでもこれも困るわけですから、そこらのところは、この法律の存在意義というものがやはり国民全体のためにも役立つようにしていく工夫は常に怠ってはならぬと、かように思っております。
○相沢武彦君 公正取引委員会の方に来ていただいたと思いますが、肥料価格の安定はわが国農業の安定成長に重要であり必要不可欠な課題なんでして、またこの肥料工業が置かれている実情についても私なりに理解をしております。そこで、この際公正取引委員会から、この法律に対して独禁法の適用除外になっている是非をどういうふうに考えられているのか、今後の見通し等も含めて見解を聞いておきたいと思います。
○説明員(樋口嘉重君) 先ほど先生お話ございましたように、この肥料価格安定等臨時措置法は、昭和三十九年以来もうすでに十五年間経過しているわけでございますが、制定当時から、肥料工業の価格安定を図るためにはやはり独占禁止法の適用除外をすることによって価格の安定をすることが必要だというふうに私ども判断いたしまして、適用除外制度を認めたものでございます。
○相沢武彦君 どれぐらい、将来の見通し、当分必要なのか。
○説明員(樋口嘉重君) 失礼いたしました。 一応すでに十五年間この法律を運用してきたわけでございまして、これからさらに五年間認めるということになりますと二十年間にもわたるということでございますので、今回関係省庁から御連絡いただきましたときには、その必要性について十分検討いたしたところでございます。その結果、現時点では、同法の運用について特段の問題点も認められないということ、それから、いま直ちに同法を廃止すると混乱が生ずるのではないかというふうに考えられます。そのようなことから、今回の延長はやむを得ないというふうに考えているところでございます。 そうは申しましても、本法制定時と現在では肥料工業をめぐる環境が非常に大きく変化してきているということ、それからまた、現在特定不況産業安定臨時措置法に基づく構造改善事業を実施しているわけでございますが、これが昭和五十六年の六月末までに終了されるということになっておりますので、一応今後五年間延長すればそれ以上は延長する必要はないと考えられますので、今後は本法を廃止する方向で根本的に再検討していただきたいというふうに、関係御当局にはお願いをしているところでございます。 失礼いたしました。先ほど昭和五十六年六月末というふうに申しましたけれども、昭和五十八年の六月末でございます。訂正させていただきます。
○相沢武彦君 私は、肥料工業界のカルテル体質の定着化という点について心配を持つものですから、あえてこういうふうにお聞きしたわけですが、この法律によって制度発足以来二十年以上も長期間にわたって全農と肥料業界が価格取り決めを実施してきたわけで、そうしますと、肥料業界に競争原理が失われてしまう。その結果、技術革新とか新製品の開発意欲というのはどうしても失われがちですし、また、生産合理化によるコストの引き下げの努力といったいわゆる企業家精神の発揮という点も希薄なところがあるのじゃないかというふうに思われるわけです。これは余り長い期間推移しますと、需要者側の農業サイドから見ますと、非常にこれは困った問題になるわけでして、この肥料工業界のカルテル体質の定着等によるデメリット、これをどういうように判断され、また、その打開のために今後指導面でどういう点を指導する必要があると考えていらっしゃるか。これは通産省の方ですか。
○政府委員(大永勇作君) この法律の施行に当たりましては、常に価格の安定ということと、それから内需向けの供給確保ということが必要であろうと存じます。 それで、ただいま技術革新その他いわゆる前向きの意欲がだんだん阻害されるのじゃないかということでございますが、四十二年ごろの第一次大型化計画あるいは四十六年ごろの第二次大型化計画を通じまして、設備の大型化による合理化を図ったわけでございます。ただ、オイルショック後におきましては、輸出需要が特に減退をいたしましたので、需要が減ってしまったという問題がございます。しかしながら、肥料工業におきましては現在赤字の状態が続いておりますので、常に原価をできるだけ引き下げ、合理化を図るという意味での技術革新努力というのは現在もやっておりまするし、今後も継続する必要があると思います。 ただ、この合理化の内容は、やはりそういった需給の変化によりまして変わってくるものであろうかと思います。現在はいわゆる大型化といいますか、設備を新増設するというような形での合理化はなかなかむずかしいということでございまするが、たとえば省エネルギーの問題でございまするとか、あるいは原料の多角化、多元的な使用といったようなことにつきましては今後とも技術の開発への努力が払われると存じまするし、またそのように指導してまいりたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 化学肥料工業の構造改善の進め方なんですが、五十三年の五月に産業構造審議会の化学工業部会から答申が出ていますですね。そして、通産省としてはそれを受けてアンモニア、尿素、それから湿式燐酸製造業の安定基本計画、それを告示されているんですが、現在この三つの業界で推進されている設備処理の実態は産業構造審議会の答申で指摘されたその方向に沿っていっているのかどうか、この点についての実情把握というものは現在されているかどうか、その点ひとつ明らかにしてください。
○政府委員(大永勇作君) 現在、具体的な設備の処理につきましては、先般告示されました安定基本計画に基づきまして業界あるいは各企業で検討が行われておるわけでございますが、これはこの産構審の答申で指摘されておる方向に沿って行われつつあるものというふうに考えております。
○相沢武彦君 せっかく産構審の方で具体的な答申が出されておりますので、沿って実施されていると思われますだけでなくて、ときどきチェックをしていただきたいと思います。 それから次に、具体的な問題として化学肥料工業の構造改善なんですが、最近の化学肥料工業界のこの動向が大変気になります。新聞報道等によりますと、日本アンモニア、東洋瓦斯化学それから三菱グループの一社が解散あるいは撤退を発表しているわけですね。通産省から具体的に、業界の操業停止や撤退についての御説明をこの際いただきたいと思います。
○政府委員(大永勇作君) 先ほど申し上げました安定基本計画に基づきます設備の処理につきましては、現在業界であるいは企業で検討を進めておるところでございまして、まだまとまっているものはないわけでございますが、ただこの設備の処理につきましては、すでに休止しておる設備を第一義的といいますか、優先的に処理するということになっておるわけでございます。現在、休止しておる設備といたしましては、アンモニアにつきましては能力で約七十二万トン程度、それから尿素につきましては百三十六万トン程度の設備がございますが、これらのものが優先的にと申しますか、まずもって処理されることになろうかと思いますが、それを具体的にどういう処理をするか、あるいは処理後におきまして企業経営の形をどうするかというふうなことにつきましては、今後さらに検討が続けられるものというふうに考えております。
○相沢武彦君 私が挙げたうちの日本アンモニアなんですが、第二次大型化計画によって四十六年の十一月に日本としては最大級のプラントとして完成したわけですが、この最新鋭のプラントを今後廃棄するということになりますと、第一次大型化計画にも乗り得なかった中小プラントの企業を説得した、大型設備による生産集中でわが国全体のアンモニア製造業の生産向上とコスト軽減を図るんだと、こういうふうに言ってこられたこれまでの経緯、言動というものはほごになってしまうのじゃないかと思うんですが、この点については通産省としてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(大永勇作君) 第二次大型化計画というのは、昭和四十三年から四十六年にかけまして、その当時ちょうど欧米先進諸国で技術革新が行われておりましたので、そういった新しい技術を導入して、国際競争力の強化を図りつつ合理化を図っていこうということでできたものでございます。その後、若干の需給の変化というものはございましたけれども、おおむねオイルショック後の昭和四十九年ごろまでは、この第二次大型化計画に基づきます設備稼働によりまして内需にも安定的に供給を行うと同時に、輸出競争の面でもかなり供給をいたしまして、設備も高稼働を続けるということでまあ有効に働いてきたものと考えております。 ただ、昭和四十八年から九年にかけましてのいわゆるオイルショックで、原料が石油であるということからいたしまして国際競争力が低下してきたと、あるいは中、後進国におきます自給化の設備投資がどんどん行われることになったということで、いわゆるオイルショック後の状況変化によりまして、日本アンモニアを初めといたしまして設備に過剰という問題が出てまいったわけでございますが、オイルショックという事態に至るまでの間は、非常に有効に働いていたのではないかというふうに考えております。
○相沢武彦君 オイルショックによる影響は少なくとも当然あったと思うんですが、現在、この設備廃棄あるいは休止が伝えられておる工場というのは、ほとんど大型化計画を実施してきたプラントですよね。そして、大型化計画に入らないまま今日までがんばってきたこの中小プラントが生き残るという現象は、オイルショックの影響そのものもあるけれども、この大型化計画というものがやはりこの見通しが悪かったんでないのか、こういう見方もできると思うんですが、現在になってみてこうちぐはぐになってしまったこの政策の推進の失敗といいますか、そういう点についてはどんな反省を持たれていますか。
○政府委員(大永勇作君) ただ、実際のところは、先ほど申し上げました、たとえばアンモニア製造設備の中で休止しておりますのが五基ございますが、その中でいわゆる第二次大型化によりますものは日本アンモニアの工場だけでございまするし、それから尿素の中でもやはりこの第二次大型化によるものは日本アンモニアだけでございます。 そういう意味で、そのほかの休止しております設備は全部古い設備でございますので、第二次大型化によるものが集中的に休止をしておるというのは実態ではないわけでございますが、それでは、どうしてそれにしてもこういった日本アンモニアのような近代的な設備が休止せざるを得ないかということでございますが、具体的な事例で恐縮でございますが、この日本アンモニアの千葉の工場といいますのは、ほとんど尿素にのみ、何といいますか需要が集中をいたしております。尿素の輸出ということを頭に置いてできた設備でございます。肥料用の尿素でございますが、肥料用の尿素の輸出ということを重点に置いてできたものでございまして、いわゆるアンモニアをその他の工業用に使いまするとか、あるいは尿素をまた工業用に使いまするとかいった、他の部門へのアンモニアあるいは尿素の供給という関連性が比較的にまだ非常に薄い設備でございます。 そういうことから、先ほど申し上げましたように、このアンモニア産業の現在の不況というものが、主として尿素その他のア系肥料の輸出の減退ということから生じたものでございまするので、この日本アンモニアの設備が影響を受けたということでございまして、コストその他の面でこれが非常に高いとか、そういったことではございません。そういった特殊事情があるというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○相沢武彦君 ついでに、日中貿易の中の肥料プラントについて確認をしておきたいんですが、中国側のプラント輸入の見直し問題が大きな論議を呼んでいますが、通産省はその原因をどのように把握されているんでしょう。それからまた、肥料プラントは今後どういう見通しになるのか、この際お聞きしたいと思います。
○説明員(鈴木健君) お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘ございました中国とのプラント輸出の問題につきましては、昨年日中間に長期貿易取り決めが締結されまして以来、多くのプラント輸出の契約がなされておるわけでございますが、そのうちのかなりのものにつきまして中国側から、日中間の金融決済問題が解決されていないので発効を延期するという通知があったと聞いております。中国側はそのように申しておるわけでございますが、それ以外の原因といたしましては、経済建設計画の見直しとか、あるいは中越紛争の影響があるのではないかというようなことも新聞に報道されておるわけでございますが、私どもといたしましては、いろいろ憶測は可能かと存じますが、大使館等を通じまして情報の把握に努めておるところでございます。また、この現在凍結になっておりますプラントの中には、肥料プラントにつきましても、化成肥料プラント、それからアンモニアプラントなどにつきまして契約が含まれておりまして、その一部につきまして凍結についての通知があったということを聞いておる次第でございます。
○相沢武彦君 中国でもし肥料増産テンポをおくらせる措置をとっているとすれば、わが国の肥料輸出が予想以上に期待されると思うんですが、その点がどういう見通しになっているか。 それから、もしそうであるとすれば、この構造改善事業についてもかかわり合いがあるわけでして、その辺についてはどのように通産省としてはお考えになっていますか。 〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕
○政府委員(大永勇作君) この中国におきます肥料工業でございますが、一九七三年に契約されましたアンモニア及び尿素プラント十三基につきましては、大体昨年末ぐらいまでに全部が完成した模様でございますけれども、原料である天然ガスの供給等々の状況から、稼働率は余り高くないのではないかというふうに言われておる次第でございます。それで、今後とも中国といたしましては、自給化推進のためにプラントの導入、建設を行っていくということは予想されるわけでございますけれども、いま申し上げましたような必ずしも予定どおりにそれが進んでいないというふうな状況があるものでございますから、やはり今後とも相当程度のわが国からの肥料輸出というのは続くであろうというふうに考えております。 そこで、産業構造審議会の指摘では、尿素につきまして今後大体五十万ないし百万トンの輸出が見込まれるであろうというふうに言っておるわけでございますが、構造改善安定基本計画の樹立に当たりましては、いまの中国の事情もございますので、その高い方の輸出の数字、つまり百万トンをベースにいたしまして基本計画を考えておるということでございます。
○相沢武彦君 百万トンのベースは何年ぐらいまで続くんですか。
○政府委員(大永勇作君) 五十七肥料年度というふうに考えております。
○相沢武彦君 次に、主要肥料の取り決め価格について伺いたいんですが、まず硫安、尿素、それから高度化成の四十五、五十二肥料年度の全農の購入価格についての取り決め価格と、それから上昇率についてどうなっているでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) まず、四十五肥料年度の取り決め価格でございますが、これが硫安四十キログラムで六百五十八円七十一銭でございます。それから五十二肥料年度、こちらになりますと実は二十キロ袋になりますので、一応倍しまして四十キロ換算をしますというと、九百五十八円七十一銭ということに相なります。その間の上昇率が四五・五%ということでございます。次に尿素の関係でございますが、これは生産業者販売価格、いわゆる取り決め価格は、四十五肥料年度で二十キログラム当たり六百三円四十四銭、五十二肥年におきましては九百八十五円七十六銭ということで、その間の上昇率が六三・四%でございます。それから高度化成でございます。これはN・P・Kオール一五の高度化成ですが、これの生産業者販売価格、これは四十五肥料年度——ただ、この当時は、まだ特定肥料に高度化成はいたしておりませんので全農購入価格で見ざるを得ないわけでございますが、これが二十キログラムで六百二十三円二十四銭、これが五十二肥料年度になりますと千二百四十八円ということで、その間の上昇率は一〇〇・二%と、かように相なっております。
○相沢武彦君 いまの御説明によりますと、高度化成は、硫安、それから尿素と比較しまして非常にこの上昇率は高いわけですね。これは一体どういうような理由からなんでしょうか。ナフサ、重油といったこのア系肥料原料の価格が上昇しているんですが、高度化成の原料である塩化カリあるいは燐鉱石の価格というのは比較的安定しているはずですね。にもかかわらず、製品となったこの高度化成価格が高い上昇率になっているというのは、私たち素人が考えてもちょっと納得できないんですけれども、その辺の事情、理由というものをひとつ明確に説明してください。
○政府委員(二瓶博君) アンモニア、尿素工場の関係につきましては、これは第一次合理化、それから第二次合理化ということによりますスケールメリットも受けましてコストダウンというのが実現できたわけでございます。したがいまして、尿素の取り決め価格といいますものは、原料価格の安定しておりました四十七肥料年度まで年々低下をしておったと。それから硫安の方でございますが、これにつきましても原料でありますアンモニアのコストダウン効果、それからその生産形態が合成硫安から回収あるいは副生、そちらの硫酸に移行したことから、これも五十七年度までは年々低下をしておったわけでございます。一方、高度化成肥料でございますけれども、これはアンモニアのコストダウンによります窒素原料の値下がりというのは確かにあったわけではございますけれども、その生産の特性といたしまして、硫安、尿素に比べて銘柄が多い。したがいまして、小ロットの生産ということに相なりますし、比較的労働が過労働という姿でございます。 それから、生産性の向上がなかなかこれはむずかしいというようなことから、その取り決め価格、ただ四十五年から四十七年、この辺は、五十年から特定肥料に指定しましたので、まだ全農購入価格で見るしかないわけでございますけれども、それにいたしましても、四十七肥料年度以前でも若干はこの高度化成肥料は上がってまいっておった。そこに、四十八肥料年度から今度は石油危機というのが到来いたしました。そこで、これですべての肥料原料、これが大きく値上がりをいたしましたために、硫安、尿素の価格も値上がりを余儀なくされたわけでございますが、高度化成の価格につきましては、窒素肥料の値上がりに加えまして、燐酸原料それからカリ原料、これも大きく値上がりをいたしております。たとえば燐鉱石の輸入価格に例をとりますと、四十七年を一〇〇としますれば、五十一肥料年度で二四五・五%というような値上がりがございます。そのほか、また労務費の上昇も影響したというようなこと等がございまして、硫安、尿素に比べて高度化成の方が相当のアップ率になっておる、かような次第でございます。
○相沢武彦君 いま数点原因を挙げられましたけれども、それにしても、一〇〇・二%というのはかなり上昇率が高いんですね。 で、もう少し数字でお伺いしますが、昭和四十五肥料年度における硫安二十キロ換算でお願いしたいんですが、取引価格を一〇〇とした場合、高度化成がどういうふうになっているのか。それからまた、五十二肥料年度では同じように比較してどうなっているのか、御説明ください。
○政府委員(二瓶博君) 四十五肥料年度におきましては、硫安の生産業者販売価格、これは二十キログラム換算で三百二十九円三十六銭ということに相なります。これに対しまして高度化成肥料、これはオール一五でございます。N・P・Kそれぞれ一五でございますが、この高度化成肥料の全農購入価格、これは六百二十三円二十四銭でございます。したがいまして、硫安に対します高度化成肥料の価格の指数は一八九・二であったわけでございます。次に、五十二肥料年度はどうかということでございますので、これまた二十キログラム換算で申し上げますと、硫安が四百七十九円三十六銭、それから高度化成肥料オール一五でございますが、これは千二百四十八円でございます。 したがいまして、硫安を一〇〇にいたしますと、高度化成の価格指数は二六〇・三%ということに相なるわけでございます。
○相沢武彦君 この硫安の二十キロ換算を取引価格指数で言うと、一〇〇にした場合四十五年高度化成の方が一八九・二になるし、五十二年度は硫安が同じく取引価格指数が一〇〇として高度化成の方は二六〇・三になっていると、こういうことになりますね。 それからもう一つ聞いておきますが、高度化成肥料が流通段階の価格で硫安と尿素に比べて割り高になっているわけですが、高度化成の五十二肥料年度と尿素の五十二肥料年度の価格、それから卸売価格、それから小売価格、これを挙げて比較してその実態をひとつ発表してください。
○政府委員(二瓶博君) 農林水産省におきまして、実は共同通信社に委託をして調査をやっております。これは卸売が五十七店、小売九十五店ということで、二十一県で委託して調査を実施いたしております。その結果によりますというと、五十二肥料年度におきます流通段階別の価格は次のように相なるわけでございます。 まず最初に硫安でございますけれども、これは二十キログラム当たり生産業者販売価格、これが四百七十四円三十六銭というのに対しまして、卸売価格、これは四百九十九円。それから小売の方を申し上げますと、これは小売価格は六百二円となっております。したがいまして、生産業者販売価格に対しまして卸売価格で一〇五・二%、小売価格で一二六・九%というふうに相なっております。 それから尿素でございますが、二十キログラム当たり生産業者販売価格九百八十五円七十六銭、卸売価格千二十三円、それから小売価格は千百六十八円ということでございまして、生産業者販売価格に対しまして卸売価格で一〇三・八%、小売価格で一一八・五%ということになっておりまして、硫安よりはそれぞれ低くなっておるということでございます。 それから高度化成も申しますと、高度化成につきましては二十キログラム当たり生産業者販売価格千二百四十八円、卸売価格千三百一円、それから小売価格が千五百九十九円ということでございまして、生産業者販売価格に対しまして卸売価格で一〇四・二%、小売価格で一二八・一%ということに相なっております。 以上申し上げましたように、卸売段階では余り差はないわけでございますけれども、小売段階に相なりますると、尿素に比べまして高度化成、硫安、こちらの方が割り高になっておると言わざるを得ないわけでございます。
○相沢武彦君 いまの御説明のように、尿素と高度化成肥料を比較しますと、卸売価格の価格指数で尿素が一〇三・八、高度化成が一〇四・二、ほとんど変わらず。ところが、小売価格になると尿素一一八・五に対して高度化成一二八・一ですから、価格指数で九・六ポイント差は出てきますね。高度化成は成分濃度が高くて、同一成分量を輸送するとすれば単肥よりはるかに経済的なんだと、こういう側面を持っておると思うんですが、しかし現実には、高度化成の方が尿素に比べて一割近くも流通経費が高くなってしまうと、そこのところのメリットが減殺されてしまう。どうしてこういうような価格体制になっているのか、私たちとしてはなかなか合点いかないんですが、その点いかがですか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま申し上げましたように、肥料業者の販売価格と小売価格、これとの差をもって流通経費というふうに見ました場合に、高度化成、これは尿素に比べまして相当流通経費が高くなっておるということでございます。 その理由はということでございますが、高度化成は生産メーカーが非常に多うございます。また、銘柄の方もこれも多いということで、流通段階でも数多くの銘柄を取り扱うということに相なるわけでございます。そういうような関係からいたしまして、高度化成は尿素などの単肥に比べますと、引き取りあるいは配達費、予約等のいろんな事務費、保管費、施肥設定費等の取扱経費が多くかかりまして一袋当たりの流通経費も高くなる、かように考えられるわけでございます。ただ、この高度化成の流通経費が多少高いわけでございますけれども、農家が使用いたします場合の施肥時間につきましては、単肥をそれぞれ施肥するということに比べますと、省力効果は相当大きいということがございますので、その面も含めて考えれば、高度化成が農家にとって必ずしも割り高というふうに断じがたい面もあろうかと思うわけでございます。
○相沢武彦君 四十五、五十二肥料年度の硫安、高度化成の成分自体は異なっているわけじゃないわけですね。一貫して一五・一五・一五の二十キロ諸価格で比較して、これまで述べた内容になっているわけです。これを卸売価格と小売価格について、四十五年、五十二年それぞれ分けてひとつ数字を発表してください。
○政府委員(二瓶博君) 四十五年当時の高度化成肥料の卸、小売価格、これはオール一四のものを調査しております。他方、五十二年の価格の方はオール一五というのを調査しておるということで、厳密な比較というのはできないわけでございますけれども、硫安価格を一〇〇とした場合の高度化成の比率は、卸、小売とも四十五肥料年度の約一八〇%に比べまして、五十二肥料年度はそれぞれ約二六〇%というふうになっておりまして、この間の高度化成肥料の値上がりが硫安の値上がりを上回っているということを示しておる、かように考えるわけでございます。
○相沢武彦君 どうしてこういうような価格差拡大ができるのか、その原因をもう少しわかるように御説明いただきたいと思うんですがね。私は、いままでの数字の比較をしてみて気がついたことは、硫安、尿素については取り決め価格の変化と、それから卸売価格、小売価格の変化とはほぼ同じ程度の動きしか示してないわけです。高度化成では取り決め価格をかなり上回る上昇傾向を示しているわけで、最近、高度化成肥料の需要というものが硫安や尿素の代替になってくる、こういう情勢なんですが、非常にその勢いというものが伸びてきている状況から考えまして、その価格安定ということが今後ますます重要になるんじゃないかと思うんですが、今日までの多少不自然とも思われる価格形成については、大臣どんな御感想を持たれているでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、四十五年当時の高度化成とそれから現在の調査をやっておりますのとで、成分面で違うということで厳密な比較はできませんがということは申し上げたわけでございますけれども、それにいたしましても、硫安の卸、小売価格に比べまして高度化成の価格の値上がり率は大きいことは、先ほども申し上げたとおりでございます。 なぜこんなに高度化成の方が高いのかということに相なりますと、やはり一番大きな要因は、生産業者販売価格の上昇率がこれが大きかったということが主因であろうと思います。これに比べまして、硫安の方におきましてはいわゆる合成硫安というものがなくなりまして、コストの安い回収硫安なり副生硫安ということで製造方法が転換されたということ、あるいは硫安が大型の化学プラントで、同一の品質銘柄の肥料を大量生産しているということで生産性の向上が図りやすいというようなこと、それからまた、これに対しまして高度化成の方は、農家からの要請もございまして銘柄数が非常に多い。これに伴いまた小口ロットの生産が多い。したがって、ロット切りかえのロスなり、あるいは多労働であるというようなこと等のために、コストの節減がなかなかむずかしいというようなことが要因であろうと思います。 問題は、高度化成が硫安、尿素に比べて価格が高い点は、先ほど来申し上げておるとおりでございます。これは農家の方も相当省力化が期待できると、施肥の省力化ができるという面もあるということではございますけれども、しかし現在、この高度化成というのが使用量、農家が現実に使用する形態では相当大きなウエートを持っておる肥料でございます。したがいまして、この面につきましては、この法律の適切な運用によりまして、今後とも適切な、適正な価格の形成を指導もいたしますし、また銘柄整理というような面についても留意をしたいというふうに考えておる次第でございます。
○相沢武彦君 大臣、事務局の方から一応御説明ありましたけれども、大臣御自身が価格差の拡大の要因ですね、どうもこの価格形成の実態というのは不自然に思えてならないので、直接ひとつ調査し御検討してみていただきたいと思います。 それから、硫安、尿素の国内価格と輸出価格についてお伺いしておきたいと思いますが、硫安、尿素の国内価格と輸出価格の推移を見ますと、硫安では四十五肥料年度以降、輸出価格が国内価格を上回ったのは、オイルショック後の四十九肥料年度だけなんですね。尿素では、四十九、五十肥料年度の二年間だけになっています。一般的には、硫安、尿素の国内価格というのは輸出価格よりもはるかに高いのが現状なんですが、こういう状況を五十二肥料年度等を例にしてひとつ説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(大永勇作君) 五十二肥料年度におきます硫安の国内価格は、これはドルに直しまして、二百四十五円のドルの計算でございますが、トン当たり九十七ドル五十九セント、輸出価格は五十八ドル七十セントでございます。尿素の国内価格は同じくトン二百ドル六十四セント、輸出価格はトン百三十二ドル三十五セントということでございます。
○相沢武彦君 そうしますと、いまの説明でもわかるとおり、国内農家は三割から四割高い肥料を使わざるを得ない実情にあるわけですが、これはどういったところに理由があるのか、御説明ください。
○政府委員(二瓶博君) 硫安及び尿素の国内価格につきましては、この法律によりまして政府が交付いたしますコストを基準にして生産業者と販売業者、その間の交渉によって自主的に取り決められるわけでございます。その際に、政府の方は、取り決められました価格につきましてコストを基準にして農業及び肥料工業の健全な発展に支障を与えないという視点からその妥当性を判断をしておるわけでございまして、適正な価格水準で安定的に推移をしておるものと、かように考えておるわけでございます。 他方、輸出価格の方につきましては、これは国際相場の影響を強く受けるということのために変動が大きいわけでございます。四十九肥料年度から五十肥料年度には国内価格を輸出価格の方が上回ったというようなこともございますけれども、最近では、国際需給が比較的緩和しておるということから国内価格の方を下回っておると、こういうような状況に相なっておる、こういうことでございます。
○相沢武彦君 割り高な肥料の購入を余儀なくされている農家の立場から考えますと、どうも肥料メーカーが輸出で損した分を国内販売で取り戻しているというような、そういう印象をぬぐうことができないわけですね。 そこでお伺いしたいんですけれども、五十二肥料年度の硫安のトン当たり輸出価格五十ハドル七十セント、これは硫安輸出メーカーの平均生産コストの何%ぐらいになるんでしょうか。
○政府委員(大永勇作君) この硫安の輸出価格でございますが、五十ハドル七十セントということでございますが、この硫安のコストにつきましては、先般の御質問でも出たわけでございますが、硫酸の価格評価につきましていろいろ議論があるわけでございますが、まあ各社の出してきました平均の硫安の生産コストというものに対しまして実際の価格はそれの三割ぐらい下のところに決まっておるわけで、これは尿素のN分のコストとの関係におきまして大体若干低目に決まっておるわけでございます。ただ、コストに対して何%かということになりますると、この硫酸の評価によりまして各社それぞれこの硫安のコストが相当ばらつきがあるものでございますから、なかなか一概には言うことができないと、こういうことでございます。
○相沢武彦君 現在の価格交渉では、肥料の需給緩和と国際的な価格の動向がどのように反映される仕組みになっていますか。
○政府委員(二瓶博君) 国内価格の交渉におきましては、政府から交付されます実績コスト及び国内需給見込みというものを参考にしております。そういうようなことからいたしまして、直接的には国際的な肥料の需給なり価格の動向というものの影響は受けないということになっておるわけでございます。しかしながら、国際需給というものが緩和をいたしますというと、これに関連して多少なりとも国内の肥料の需給の方も緩和するということがございます。それからまた、諸外国におきましても、国際需給が緩和いたしますれば当然原料購入手当てというのも少なくなってまいる、そうすればわが国で輸入いたします原材料価格、これも低下をしてまいるというような傾向も見られることからいたしまして、結果的には国際的な価格動向が価格交渉に間接的には反映をしてまいるというふうに、かように考えておるわけでございます。
○相沢武彦君 そこで、価格交渉の場に提出される資料ですね、生産費調査、これは肥料生産業者が提出を義務づけられている実績原価報告書によっているわけですけれども、一方、企業の方は、企業ごとに提出されるこの報告書というのはどういうような形で交渉の場に提出されるものなのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) 交付資料のことでございますけれども、これは交渉当事者の申請に基づきまして農林水産、通商産業両大臣が必要と認めた場合に交付をするということで従来からも交付をしてまいったわけでございます。これまでの価格交渉におきましては、毎回資料交付の申請がなされて交付をしてきておるということでございます。この生産業者の実績原価でございますが、これは個々の生産業者からの報告を取りまとめまして実績原価の加重平均とその内訳、それから実績原価の最高値と最低値、これを交付をいたしておるということでございます。
○相沢武彦君 その企業の加重平均値の問題ですけれども、加重平均値によるこの生産費調査が、果たしてこの生産の実態をどれだけ正確に反映しているのか、私は疑問だと思うんですね。現在アンモニア製造業は十八社、それから尿素製造業は十二社あると理解していますけれども、これらの企業間の生産性格差というのはかなり大きいと思うんです、先ほど各社ばらばらだとおっしゃったけれどもね。たとえば生産規模一つを例にとったって、日産二百トン程度のプラントから日産千トン以上の規模に至るまで非常に広範囲にわたっているわけですから、その平均値をとっても意味がないのじゃないかと思うんですよ。また、企業によってどこに合理化の余地があり、また生産費に及ぼす特殊な要因を抱えているのかということの把握なんですけれども、この平均生産費ではほとんど行えないのだといった問題も横たわっていると思うんです。 ですから、交渉当事者の全農側から企業別の生産コストを示してほしいという要請があるのかどうかは私はわかりませんけれども、需要側である農業者の利益を守るためにも、それから企業別生産コストを交渉するに当たっても、もし当事者から要請があった場合には当然提出すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) 交付いたします実績原価報告書でございますが、これは強制力を持ちまして企業の秘密に属する事項の調査をしておりますことから、調査結果の資料はこれは法目的、具体的に申し上げますと、農業及び肥料工業双方の健全な発展に資するという、そういう価格取り決めが行われるように、その目的にのみ限定されるべきものであると、かように考えております。したがいまして、従来から交渉当事者に対しまして、生産コストにつきましては加重平均値と最大値、最小値というようなものを示しておるわけでございます。これまでこれだけで十分価格取り決めに役立ってき、また適正な価格取り決めが行われてきておる、かように考えております。したがいまして、御指摘のように、企業別の生産コストを交付するということはこれは妥当ではないと、かように考えておるわけでございます。
○相沢武彦君 企業における最大の機密としての原価構成を公にするわけにはいかないということなんでしょうが、当委員会へ審議資料として出せるか出せないかは、またこれは理事会で諮ってもらうことになりましたけれども、原価を基本として生産業者と販売業者が価格取引を行う法制、制度上の交渉なわけですから、そこへの、価格交渉の場への資料の提出ということは、一般の公開とは異なって、これはできることなんじゃないでしょうか。その辺、通産省どうですか。
○政府委員(大永勇作君) 原価の資料につきましては、先ほども農林水産省から答弁がございましたように、平均値と、それから参考といたしまして最低の原価と最高の原価と提示いたしておりまするので、個々の会社の原価がどうだということが示されなくても、交渉の資料としては十分なのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○相沢武彦君 これまで平均値それから最高、最低の価格の資料を示しても、一番妥当な交渉が行われたとは私たち思えないわけです。こういうように主張するのも、より公正な価格交渉を期待したいから申し上げているわけでして、どうしても企業別の生産費調査が資料として提出できないというならば、次善の策として、一つに、企業別調査を企業名を伏して提出することはできないか、それから二つ目には、生産規模別あるいはコスト別にグループに分けて提出する、こういった方法も考えられると思うんですが、いずれにしても、今回の改正を契機にして、何らかのやはり改善策は加えるべきだと思うんですよ。これについてどうですか、大臣、御検討されるお気持ちはありませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) どれぐらい詳しいものを出したらば御満足がいくのか。また、上場会社等はある程度分けたものが、有価証券報告書かなんかに出ているのじゃないかと思いますが、そんなものだったら別に出すことを隠す必要も何もないし、まあよく検討さしてもらいます、長い長いしきたりだそうですから。
○相沢武彦君 産業構造審議会が昨年の五月十五日の答申で、当面技術面において検討を要する課題の一つとして「相対的に安価な重質油等への原料転換が考えられる。」と、こういう指摘を行っているんですが、重質油等への原料転換ということになりますと、製造技術等の技術開発の現状と見通し、これが必要になると思います。それから、重質油への原料転換がコストに及ぼす影響は一体どれぐらい見込めるものなのか、御検討であればお示しいただきたいと思います。
○政府委員(大永勇作君) 重質油を利用するという問題につきましては、現在でも技術的には可能なわけでございます。ただ、これに転換いたしますために、生産方式が違うものでございますから、そちらにかえようと思うと、設備の大改造を必要とするわけでございます。御承知のように、オイルショック後、設備の建設費というものが二倍ないし三倍に上昇いたしておりまするので、原料としてはそれほどコスト的に違わなくても、そのための設備改造を行うということによるコストが非常にかかるという問題がございますので、いまこの重質油への転換が需要低迷下において行われるということは、なかなかむずかしいのであろうというふうにも考えます。
○相沢武彦君 また、産業構造審議会の答申では、原料転換の長期的な課題として「原子力多目的利用の一環としての高温ガス炉利用の技術開発の可能性」それから「サンシャイン計画における新たな水素製造技術の可能性等を含め、将来のアンモニア製造技術についての総合的な研究に着手する」必要があるということを指摘されていますが、政府としては、この課題に対して今後どういうふうに対応されるおつもりでしょうか。
○政府委員(大永勇作君) 高温ガス炉につきましては、現在原子力製鉄に使うというふうなこと、同時に、これを化学工業その他多目的に使うというようなことで研究が行なわれておりまするし、また、サンシャイン計画におきます水素の製造技術の研究も行なわれておりまするが、いずれもまあ言ってみますると未来技術という範疇に入ろうと思います。将来これは、油の価格あるいは供給可能性等にもよりますが、かなり長い将来を考えますると、新しい原料対策として、やはり今後基本的な技術開発を進めていくべき性質のものであるというふうに考えております。
○相沢武彦君 それでは、関連して別な問題で、肥料の品質問題についてお尋ねをしていきたいと思いますが、肥料の肥効試験については、農林水産省の肥飼料検査所が代表的な試験機関なんですが、巷間言われる欠陥肥料についての監視体制、これは現在どの程度の対応能力を持っているのか。 それからまた、最近肥料公定規格を改定したという情報も聞いているんですけれども、品質保全のための改定内容について、この際御説明いただきたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) 肥料の検査体制の関係でございますが、肥料の品質保全を図るという観点からいたしまして、農林水産省におきましては、東京肥飼料検査所等六カ所の検査所を持っております。それから各都道府県におきましては、肥料検査のためのやはり機関を設置いたしております。で、これらの検査担当職員が肥料の生産業者に対しまして、随時立入検査を行っておるということでございます。また、農林水産省の肥飼料検査所におきましては、この立入検査のほかに、県の職員を含めた担当職員の技術の研修というようなことなどもやっておりまして、肥料の検査の精度の一層の向上と効率的な業務の遂行というのに資しておるわけでございます。これらの点からいたしまして、肥飼料検査所におきます肥料の品質保全のための検査体制というものは万全ではなかろうかと思いますけれども、最近資源の有効利用というようなことからいたしまして、各種の産業廃棄物の肥料化が進められております。これは非 それから、第二点のお尋ねの公定規格改正でございますけれども、この点につきましては肥料取締法におきまして、普通肥料について肥料の種類ごとに含有すべき主成分の最小量と最大量、あるいは含有を許される有害成分の最大量、その他必要な事項について農林水産大臣が規格——公定規格と言っておりますが、これを定めることとされておりまして、新肥料の開発等が行われた場合におきましては、公定規格の設定、一部改正等を行ってきておるわけでございます。 最近の公定規格の改正は、昨年の十月行われたわけでございます。概要は、六種類の肥料につきまして新たに公定規格を設けた、それから八種類の肥料について一部改正を行った、それから尿素及び第一種複合肥料について農薬入り肥料というのがあったわけでございますが、これの規格が削除されたという点が主な改正点でございます。
○相沢武彦君 鉱滓を原料とした珪カル肥料のうち、フェロニッケル鉱滓を原料とした珪カルなんですけれども、大阪肥飼料検査所の判定で、フェロニッケル鉱滓はシリカゲルと同じようにほとんど肥効が認められないと、こういう試験結果が発表されましたけれども、販売量が六万六千トンと言われているわけですね。大変農家の方たちは迷惑をされたわけなんですけれども、農林水産省としてはこの実態をどういうふうに判断されますか。 それから、こういった欠陥肥料の取り締まりについて今後の対策強化、どういうような手をお考えでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) ただいまの珪カルのうちのフェロニッケル鉱滓を原料にした珪カルについてのお尋ねでございますが、フェロニッケル鉱滓を原料とする珪カルを含めまして効かない肥料は流通してはいないというふうに考えております。また、フェロニッケル鉱滓を原料とした珪カルにつきましては、農家段階でこれまた肥効がないというような事実なり話も聞いておりません ただ、ある雑誌に大阪肥飼料検査所の肥効試験成績が出ていまして、それでは余りどうも効かないのではないかというような角度のものがどうも雑誌に載っかっておるようでございます。この面につきまして私たちの方もよく調べたわけでございますが、大阪肥飼料検査所におきます五十二年度の栽培試験成績というものにつきましては、これはクエン酸アンモニウム液等各種溶媒に対する珪酸分のどのぐらい溶けるかという可溶率、それから水稲の初期生育段階におきます珪酸の吸収量との関係と、まあ初期生育段階でございますので二十八日間の栽培試験でございます。水稲そのものは百六十日ぐらいの栽培期間が必要なわけでございますが、初期生育段階における珪酸の吸収量との関係、これを調査するために大阪肥飼料検査所で実施をしてみたということでございます。したがいまして、この結果から珪カルの肥効の有無というものを直接評価するのはいかがなものであろうかというふうに考えるわけでございます。 で、アェロニッケル鉱滓を原料といたします珪カルは、これは可溶性珪酸、アルカリ分及び苦土の肥料成分を持っておりまして、特に苦土——マグネシウムでございますが、この苦土の含有量は他の珪カルと比較いたしまして高うございます。これを施用することによりまして、珪酸の補給だけでございませんで、アルカリ分による土壌の酸度矯正なり、あるいは苦土の補給というようなことで、総合的な肥料効果が十分期待されるわけでございます。 したがいまして、ただいま申し上げましたような試験のように、短期間におきます珪酸の吸収量等の試験成績のみをもちまして、このフェロニッケル鉱滓を原料とした珪カルの肥効がないというような結論を導き出すということは妥当ではないと、かように考えておる次第でございます。
○相沢武彦君 実際余り被害、影響がなかったとすれば幸いなことですが、今後ともこの欠陥肥料なんかで問題が起きないように、ひとつ監視体制はしっかりやっていただきたいと思います。 次に、化学肥料の多量消費による地力低下という問題についてお尋ねしておきますが、農業労働力の減少、それから農業経営の単一化、こういった農業事情の変化に伴って、堆厩肥の利用というのがきわめて少ないことが各方面から指摘されているわけでして、農業白書においても堆厩肥施用量の減少と地力の低下の懸念を増加させていると指摘をしております。また、農蚕園芸局でまとめられた「地力培養の現状と問題点」、この中にも地力保全基本調査で水田の三六%、これが不良土壌だと、それから畑地でも六五%は不良土壌だと、土壌の改良資材及び有機物の増投を必要とするということが述べられておりますが、先ほど丸谷委員からもお尋ねがあって大臣が御答弁されましたけれども、この地力問題について今後基本的にどういうように対策を講じられるのか、御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は専門家じゃないから具体的なことは審議官から答えさせますが、やはり肥料の使い過ぎによる収奪農業はいけない、極力輪作体系その他いろんな方法を講じて土壌の培養には努めていった方がいいと、こう思っております。 具体的なことは、審議官から答弁させます。
○政府委員(松山良三君) ただいま大綱は大臣からお答えを申し上げたわけでございますが、御指摘のように、最近堆厩肥等の施用が減っておりまして地力が低下しているではないかと、そういった声がございます。米の生産費調査から計算をいたしますと、昭和三十年の堆厩肥、これは稲わら等も堆厩肥に換算をいたしますと、十アール当たり六百六十五キロ施用という数字が出てまいりますけれども、五十二年の数字を計算をいたしますと二百八十五キロといったようなことで、四割強というようなことになっております。 ただ、最近、御存じのように、非常にコンバイン等を使って収穫するということが多くなっておりまして、コンバインでカッターを使うものにつきましては、稲わらが水田に散布されましてそれをすき込むということでございますので、この米の生産費調査で出てまいりました数量よりは多く施用されているということになると思いますけれども、それにいたしましても、一ころよりそういった土壌管理が粗放化しているというようなこともございますので、これはやはりいろいろの農業技術、特に施肥技術の基本は健全な土壌ということでございますので、土づくり運動ということで、県等を通じまして土壌改良、健全な土壌をつくっていくと、そういった啓蒙、普及を図ると同時に、堆厩肥等につきまして、その施用あるいは生産を促進するために必要な施設、機械等の助成等も行うようにしておるわけでございまして、また先ほどもお答えをいたしましたけれども、普及所ごとにそれぞれ土壌診断施設を設けておりますので、そういった診断施設によりまして土壌の診断をいたしまして、必要な有機物の施用あるいは適正な施肥の合理化を指導をいたしておるわけでございます。 また、いろいろ大型の機械が入りますので、土層が緻密になるということで物理的に悪化すると、そういった例もございますので、そういうものの改善、心土の破砕、心土の肥培と、そういった面も強化をし、指導に当たっておるところでございます。 なお、家畜のふん尿等につきましても、これはやはり土壌に還元するのが有効でございますのでそれを促進をする。特に多頭化飼育等につきまして、多いところでは個別の農家では処理できませんので、畜産農家と耕種農家の複合、あるいは畜産団地といろいろの作物の生産団地におきまして、家畜ふん尿、あるいは作物の残滓を飼料にするといったような相互の補完結合、そういったことも推進をしているところでございます。
○相沢武彦君 都市ごみのコンポスト化問題についてお尋ねをしておきたいと思いますが、昭和三十年代に全国で三十数カ所ですか、自治体がこの高速堆肥化のプラント建設を手がけたようなんですが、その後ごみの質的変化、それから自治体の財政負担、技術水準、こうした問題から現在窮状に陥っていると、こういうふうに聞いておりますけれども、現在この都市ごみコンポストプラントの稼働状況というのは一体どうなっているんでしょうか。
○説明員(三井速雄君) 現在、全国の市町村におきまして八カ所、八つの市町村でコンポスト処理施設がございますが、処理能力といたしまして日量約四百トン弱でございます。年間これによって処理されております都市ごみの量が、八万三千トンばかりでございます。
○相沢武彦君 廃棄物の資源再利用で農地への還元などの必要性から、最近またコンポスト問題が見直されてきていると思うんですけれども、政府でも農林水産省、厚生省両省で昭格五十一年からですか、都市廃棄物のコンポスト処理方式の改善並びに農業利用に関する共同研究、これに着手をされていると聞いておりますが、この経緯がその後どうなっているのか、また、コンポスト問題について今後の対処の仕方についてお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 御指摘の都市廃棄物のコンポストをいかにして農業的に利用するかという問題でございますが、これにつきましては、お話のとおり五十一年以降環境庁の一括計上分の予算を、一部は厚生省へ、一部は私どもの方へ移しかえていただきまして研究を進めておるところでございます。 私どもの方は、五十三年度予算では二千八百万円ばかり、前年も大体同じようなことでございまして、来年度も天体同規模を考えておるわけでございますが、この中ではコンポスト製品の腐熟度の問題なり、非常に私ども関心を持っておりますのは、その中に重金属と有害物質がどの程度入り込むか、これをどうやって始末するかというような問題が非常に重要な問題でございますが、そういった問題、それから肥料成分のチェック、それから施用効果の肥効をどういうふうに見るか、それから貯蔵、運搬あるいは搬入、そういった作業面での問題処理、あるいは将来できましたならば、コンポストにつきまして一定のスタンダードというものを考えまして、それに基づいて農家の施用につきまして指導をする、こういうことが必要ではないかというふうに考えまして、目下、五十五年度までの一応計画でございますが、鋭意研究を進めているところでございます。
○相沢武彦君 この都市ゴミのコンポスト化を成功させようとすれば、各種の条件が整備されなきゃならないと思うんですけれども、東京都では三年前から本格的に取り組んで供給先の嬬恋村でのキャベツ栽培に大変大きな効果を上げているようです。東京都の例のように、需給体制の比較的高度な全国でも中核的な地方自治体に対して、今後助成策を強化するなどしてモデルづくりをもう少し促進してはどうかと思うんですが、全国規模で将来こういった優良堆肥の土壌還元が可能になるように積極的に取り組む方向で進むのか、それともこれはもう少し検討しなければならないという慎重な対処でいくのか、その辺について最後に承っておきたいと思います。
○説明員(三井速雄君) コンポスト処理施設は、現在市町村の清掃事業の中で位置づけられておりまして、ごみ処理施設の一種類ということで、私どもの方からその施設整備につきまして補助金等も出しているわけでございます。 現在の段階におきましては、そういう肥料としてのいろんな有効性というようなほかに、廃棄物処理、市町村の清掃事業という観点から見てまいりますと、一つは、焼却なりいろんなそういう他の方法に比べてコスト面で若干の問題があるというようなこと、それから同時に、いずれにしましてもごみというのは最後は最終処分ということで埋め立てなければいけないわけですけれども、コンポストをつくりますと、焼却よりもむしろ埋め立てる分が多くなるという問題がございます。したがいまして、そういった点をどういうふうに見るかという問題はございますけれども、私どものスタンスといたしましては、いずれにいたしましても地元におきまして十分なコンポストの需要先といったもの、それからいま申しましたような問題を市町村におきまして解決し、これによって、自分の市町村においてはこれでやるのだということでありますれば、ぜひ喜んでそれに対する補助を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 それから、先生御指摘のパイロット的な問題でございますけれども、現在廃棄物総合処理資源化事業というふうに銘打って豊橋市でいま実験をしております。これは産業廃棄物、一般廃棄物込みにいたしまして、そういった再資源化できるものは再資源化し、こういったコンポストとして使えるものは使い、それから後焼却するもの、余熱も農業に使うというようなことで、町全体として農村とそれからそういうごみというものをうまくつなぎ合わせまして、できるだけ有効に使っていきたいというような考えでございますけれども、そのうち廃棄物処理施設整備費で賄えるものは賄い、それからはみ出すといいますか、再資源化固有の部分につきましては、それだけ特例の補助を現在行って、事業を進めておる、状況でございます。
○下田京子君 本法の目的は、第一に国内価格の安定と、第二に内需の確保、そして、第三に輸出体制の一元化と、こう挙げていて、この措置によって農業も、そして肥料工業も健全な発展をしたい、だから延長を願いたいという趣旨の提案理由になっているわけなんですが、果たして肥料工業、農業、そして日本経済の中での地域産業を含めてつり合いのとれた発展になっているのかどうかという点で、以下お聞きしたいわけなんです。 それで、第一に通産省にお尋ねしたいんですが、現在の主要肥料メーカーおよそ十一社、その中でこの肥料法ができた三十九年当時と五十二年との比較で、肥料の総売り上げ額等々の比較をしてみたいわけなんです。 その点で、まず三井東圧なんですけれども、三十九年はこの三井東圧の会社でもって肥料の取扱量は五〇・九%だったと思います。そして、その肥料の総売り上げ額は百八十六億円、それが五十二年になりますと、肥料の取り扱いシェアは九・三%、肥料の総売り上げ額が二百八十八億円、これは間違いありませんね。
○政府委員(大永勇作君) 私の手元の資料では、四十一年におきましては、先生がおっしゃいましたようにシェアは四九・一%でございますが、売り上げは二百三十一億円というふうになっております。それから五十二年は、いまお話にございましたように、シェアが九・三%で、売り上げ高が二百八十八億円というふうになっております。
○下田京子君 私は三十九年当時を聞いたのに、四十一年でお答えになるというのは、これはちょっと違うと思うんです。だから、そうか、違うかだけ答えてくださればいいんです。
○政府委員(大永勇作君) 合っております。
○下田京子君 合っておるということで、これは皆さんのところからいただいた資料ですから、念のため確認しました。 それで、ということは逆に言えば、三十九年当時、三井東圧が肥料以外の取り扱いを含めて総額にして三百六十五億円になると思うんです。それが五十二年になりますと、これは三千九十七億円になるはずです。これは実に八・五倍の伸びに当たると思います。さらに、おたくの資料をいただいて計算したやつですから間違いないと思うんですが、三菱化成の場合には、同じように肥料も含めた総売り上げ額が、三十九年当時は七百四十六億円、それが五十二年になりますと五千四百六十七億円、実に七・三倍になるかと思います。 このようにしていって、おたくからいただいた資料をもとに、実際にこれは肥料の総売り上げしかないわけなんですが、肥料の占める割合と、そうでないのと合算してどのぐらい伸びてきたかというものを見たいと思って計算したわけなんです。その結果、三井東圧や三菱化成あるいは住友化学、そういった主要メーカー十一社の三十九年当時は総売上額、肥料だけじゃなくて総売上額の合計が三千六百八十五億円、それが五十二年になりますと二兆四千八百六億円、全体の平均で見ましても六・七三倍と、言ってみれば肥料の取扱量が減ったけれども、肥料を土台にしながら主要肥料メーカーは総売り上げを七倍、八倍と伸ばしてきたと、こう言えると思うわけです。ところが、それに対しまして農業はどうかということで、いろいろとり方はあると思うんですけれども、一応食管で補償されている米価、これを見てみました。三十九年当時、米価六十キロ当たりは五千九百八十五円でした。ところが五十二年の米価は一万七千二百三十二円、これは二・八八倍であります。 これは農林水産大臣にお尋ねしたいんですが、このようにこれだけの比較だけでは正確なところは言えないかと思いますが、片や肥料メーカーは肥料を土台として総売り上げを全体的に伸ばしている。しかも一方では、その肥料を使っている農家の方の一番価格補償がされている米価で比較すれば二・八八倍という状況であって、両者がともに発展してきていると言い切れるかどうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、一概に私は比較はできないと思いますよ。じゃ農家が肥料の使い方が足らぬというわけでもございませんし、むしろ肥料の使い過ぎじゃないかと逆に言われているぐらいなのです。これは肥料メーカーの方は、恐らく肥料の生産の仕方が副産物としてどんどん肥料ができるようなことに変わってきておりますから、ですから私は、肥料の売り上げだけで比べるのならば、どういうふうな参考になる数字があるかもしらぬけれども、総売り上げで比べてみたところで、私は余りこのこと自体がどういう関連性を持つかということはなかなか言えないのじゃないでしょうかね。
○下田京子君 それだけで見られないということですが、肥料の取扱量は三井東圧の場合にはとにかく三十九年に半分だったわけで、五十二年になったらば九・三と、肥料そのものの取り扱いは非常に少なくなってきている。そういう中でもって、いま大臣がおっしゃいましたように、いろいろと他の製品への技術開発等も含めて売上額をふやしてきたんだろうと、こういう御指摘ですが、私どももそう見るわけです。しかし、このことは逆に言えば、肥料メーカーがまさに肥料工業としてだけではなくて、肥料化学工業としていまや発展を遂げているという指摘が私はできるのじゃないかと思うんです。しかも肥料工業だけでなくて、総合的な化学工業として発展してきた主要肥料メーカーですね、こういった肥料メーカーが過去どういう形で売上額を伸ばしてきたかという点なんですが、その点で一つは国際的に大変非常に苦しくなってきた、輸出が伸び悩んでいる、あるいは市場が狭くなったからだ、こう言われているわけですね。問題は、どうして海外の市場が狭くなってきたかというところが大事かと思うんです。 私は、その点で第二番目に指摘したい点は、まさにこの肥料工業が、自分が売ろうという国際的な相手国、そういったところに合弁会社を設立し、またプラント輸出でもってみずからが市場を狭めてきたということが指摘できるのではないかと思うんです。 その点で以下お尋ねしたいのは、まず合弁会社の設立なんですけれども、どのような状況になっているでしょう。
○政府委員(大永勇作君) 合弁会社といたしましては、三菱瓦斯化学がアメリカで尿素をやっておりますのが、昭和四十一年、年間三十万トンの能力のものがございます。それからセントラル硝子、これはタイで三十六万トン年間やっております。昭和四十八年でございます。それから日東肥料、これは昭和四十九年、韓国でございまして、全体で年間約二十万トンということでございます。海外投資はそれほど多いとは言えないかと思います。
○下田京子君 ほかに合弁会社はございませんか。
○政府委員(大永勇作君) 多くはプラント輸出のケースでございまして、最近におきましては、合弁の事例としてはいま申し上げましたようなものであろうかと思います。
○下田京子君 質問に正確に答えてください。さきに答弁あった三社以外に、最近であれいずれであれ、ほかに合弁会社はないのかと聞いているんです。
○政府委員(大永勇作君) われわれの調べてみましたところでは、そういうことになっております。
○下田京子君 実は、週刊東洋経済一九七九年の臨時増刊号、この海外進出企業の総覧というものでもって私どもがずっと調べてみました。そうしましたら、この調査の時点は一九七八年五月、昨年です。調査の方法は、アンケート調査及び直接取材をしております。それによりますと、いまお話しになったのも含めまして、実に、ぱっと見ただけでも、ほかにあるわけです。 韓国の問題では、いまお話しになったのが、これは日東肥料が投資額二五%です。三菱商事が二五%です。しかも現地従業員を三百四十四人使っております。目的は肥料の製造販売、しかも第三国市場への販路拡大、こうなっております。それからタイにセントラル硝子、これはいま言ったやつですが、セントラル硝子は二〇%です。それから日商岩井が二〇%、ダイキン工業が三〇%です。これは七三年の十月に完成していますが、地元従業員が四百人です。こちらからの技術指導に五人行っていますが、これまた投資目的は、現地で使うものと第三国市場への販路拡大、そして現地の産業保護育成、目的は幾つかあるようです。それからパキスタンに、これはおたくで調べてないですが、東洋エンジニアリング、これはわずかですが、五%で合弁会社をつくっております。それにオーストラリア、三井物産二三%出資で、地元従業員が千三百人です。目的は肥料の製造。ニュージーランドに住友商事が一二・五%で、やはり肥料の製造販売。それからいまお話しになりましたが、アメリカのアラスカに三菱瓦斯化学、こうなっているわけです。 私はここで要求したいことは、こうした民間業界等も真剣になって、海外進出の合弁会社設立状況等を調査しているわけです。国際市場が非常に狭まっただとか、国際的に非常に競争力が落ち込んだだとか、一般的なお話では、少なくとも法審議のたてまえ上問題ではないかと思うんです。調査して新たに報告をされますことを要望しますが、いかがですか。
○政府委員(大永勇作君) 調べまして、ございます資料を提出させていただきます。
○下田京子君 さらに、先ほど質問しないうちにお答えいただきましたプラント輸出の問題ですが、わが国の化学肥料のプラント輸出の実績状況といいますか、これについて私はお尋ねしたいのは、プラント輸出の相手国、それからそれに対して海外雇用がどのくらいで、現地の雇用と、それから日本からどのくらいの技術者が派遣されているかという問題、さらにはその資金、どういう形でその資金がやられているのか、お答えいただきたい。
○政府委員(大永勇作君) このプラント輸出につきましては、手元にございますのは昭和四十八年から五十二年までの化学肥料プラント輸出の輸出承認実績というものがございますが、たとえば五十二年で申しますと、四・九億ドル程度のプラント輸出の承認実績で、件数は十八件でございます。それから、現在海外プラントに派遣されております化学メーカー——商社等はちょっとわからないわけでございますが、化学メーカーから派遣されております人員は約五百名でございます。現地雇用がどのくらいあるかということにつきましては、われわれの方ではわかりません。
○下田京子君 資金。
○政府委員(大永勇作君) 現地の企業の資金につきましては、ちょっとわれわれの方でキャッチはできないわけでございます。
○下田京子君 ちょっともう一度念のためにお尋ねしますけれども、プラント輸出に絡んでどういう契約を結んで、そのプラント輸出の際の資金の保証ですね、どうなのかということについて承知してないのですか。
○政府委員(大永勇作君) プラント輸出でございますので、たとえば昭和四十八年二億二千万ドル、四十九年七千九百万ドル等々、それから先ほど申し上げましたように五十二年は四億九千万ドル、これはこちらが輸出いたしまして、向こうの企業からそれだけの代金を受け取るわけでございますが、向こうの企業がこのプラントを受け取りまして企業を経営するに当たりましては、もちろん運転資金その他含めましてたくさんかかるわけでございますが、この辺は、われわれといいますか、こちら側の企業のタッチしておる問題でございませんので、全体としてどういう資金繰り状況になっているかということにつきましては、われわれの方としては承知しかねるということでございます。
○下田京子君 ここに通産省の化学肥料課で出した資料があるんですが、それによりますと、プラント輸出の相手国はインドがかなり多いのですね。また、バングラデシュだとかペルーとかスペイン、インドネシア等もありますし、台湾、韓国、ビルマ、イラク、クウェート、いろいろあります。その中には、社会主義国と言われているソ連だとか中国も入っている。ドイツ民主主義共和国も入っている。この資金についても、いまおっしゃったようにどういう資金手当てしているかわからないというお話なんですが、こういうプラント輸出は、それぞれ経済協力体制によって相互の話し合いによって、たとえば第二次から第五次円借款でもって資金手当てをするとか、あるいは延べ払いでやるとか、いろいろなことをやられているわけですよ。それを御承知なかったんですか。
○政府委員(大永勇作君) 先ほど申し上げましたような、たとえば五十二年度四億九千万ドル等々の輸出代金につきましては、先生御指摘のように、あるものは輸出入銀行の延べ払い融資を受け、あるいはあるものについては円借款の供与の対象になっておるということはそのとおりでございますが、私が申し上げましたのは、現地におきます企業経営のための金融その他がどうなっておるかという現地サイドのことはちょっとわからない、こういうふうに申し上げたわけでございます。 〔委員長退席、理事大島友治君着席〕
○下田京子君 ただいまの答弁の中にあった、プラント輸出をするに当たって、政府が長期の計画であるとか、開発銀行だとか、そういう手当てを受けつつプラント輸出をしているというお話がありましたから、それでよろしいです。 私がここで指摘したいのは、こういうプラント輸出をする際にも、肥料工業が単なる肥料工業としてではなくて、総合的な化学工業として発展しつつ、なおかつその陰ではプラント輸出と称しながら——低開発国への一定の援助等々はそれは必要でしょう。そういう議論もあるでしょう。しかし、それが政府の保護のもとに行われてきたという事実は、私はここで指摘しておきたいわけなんです。しかも、そのことが、海外市場を狭めてきているということにつながるのではないかと思うんです。 しかも、さらにお尋ねしたい点は、肥料工業に対してそのほかの具体的な融資等も過去数回にわたって行われていると思うんです。 まず第一にお尋ねしたいのは、肥料工業界にどういう情勢のときにどういう資金手当てをしたのか、簡単で結構ですから御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(大永勇作君) これは主として開発銀行、それからほかに北東公庫等もございますが、第一次あるいは第二次の大型化計画に対する融資等がございます。
○下田京子君 金額的にもお答えください。
○政府委員(大永勇作君) 各年によってあれですが、三十四年から四十年までに硫安合理化融資ということで百二億円、三十七年度に肩がわり融資ということで百三億円、三十八年から四十二年度に体質改善融資ということで八十六億円、四十三年から四十七年度に第二次設備大型化に対する融資ということで二百三十一億円の融資がございます。
○下田京子君 合理化と称して融資をいただく、あるいは赤字が出たといって肩がわり融資をいただく、第一次、第二次アンモニアの大型化設備のその陰でも融資をいただくということをいまの資料は物語っていると思います。 さらに私がここでお聞きしたいのは、今回構造不況法と言われる特定不況産業安定臨時措置法のもとでアンモニアがおよそ二六%、尿素四四%という設備廃棄がやられる。これについて、一体どういう形でもってこれをやっていくのか。いま報道されているところ、あるいは心配されているところによりますと、残存者負担十五億六千万円ぐらいですね。これが農民にしわ寄せになるんではないかという心配があります。 もう一つは、基金の創設をしていると思うんですけれども、この中身はどうなっているか。
○政府委員(大永勇作君) いまの残存者負担の問題につきましては、設備廃棄をいたします際の企業間の利害の調査といいますか、平均以上に処理をいたしますところに対して平均以下の処理をするところが残存者として負担するということでございまして、肥料工業全体を足してみますと、差し引きゼロということになるわけでございます。 それから、もう一つの基金というのは、特定不況産業信用基金というのが債務保証基金としてできておりまして、これは肥料ということだけでなくて、そのほかの特定不況産業全体を含めまして、基金としましては百億円、これでもって債務保証の基金にするという、恐らくこの基金のことであろうかと存じます。
○下田京子君 残存者負担の問題については、農民へのしわ寄せ等は全く心配ないと言い切れるのかどうか。 それから、ちょっと特定不況産業信用基金の百億の中身ですね、資金充当、それをちょっと説明してください。
○政府委員(大永勇作君) 残存者負担につきましては、先ほど申し上げましたように、足しますとゼロでございまするし、それからこれは肥料の価格決定を行います際の原価には入ってまいりませんので、農民負担の問題というふうなことはないわけでございます。 それから、基金の規模は百億円でございまして、債務保証の規模としてはこれの十倍の一千億円ということでございまするが、これにつきましては現在までのところは使用実績はございません。肥料につきましてもございませんし、ほかの業種についても、造船につきましてごくわずかなものがある程度であるようでございます。肥料についてはまだ実績はございません。
○下田京子君 ちょっとここで大臣に質問しようと思ったら、大臣席を外されているようだから続けてお尋ねしたいんですけれども、税制上の優遇措置等もいろいろあると思うんです。きょう大蔵を呼んでおりませんけれども、国税庁の会社標本調査結果報告、これは法人企業の引当金、準備金、特別償却等の利用状況なんですけれども、化学工業全体で五十二年度海外投資等損失準備金残高が五百八十六億円になっていると思うんですけれども、御承知でしょうか。
○政府委員(大永勇作君) その資料は持ってまいっておりません。
○下田京子君 資料を持ってなくとも、化学工業が全体で、それは肥料だけではないでしょうけれども、そういうかっこうで海外への投資の際の準備金、引当金等が見込まれているということは御承知ですね。
○政府委員(大永勇作君) 海外投資損失準備金があることは承知いたしております。
○下田京子君 大臣にちょっとお尋ねしたいんですが、いま残存者負担というかっこうで化学工業の、肥料工業の合理化の際のそういう負担を、原価交渉等の際には入ってないから農民に肩がわりはないと、こういう通産省の見解なんですけれども、企業というものは全体的にやっぱり運営をされていると思うので、そういう残存者負担が結果として農民にしわ寄せになるようなことがないように、特に注意をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 十分注意をしてみます。
○下田京子君 以上、ずうっと通産の方に、肥料工業がどういうふうな状況の中で国際的に国内的に置かれているかということを見てきたわけなんですが、ここではっきり指摘しておきたいのは、繰り返しになりますけれども、やはり海外の市場を狭めたというその原因がこの法律の資料等々には明確でない。私たちが見る限りにおいては、融資の問題であるとか、あるいはプラント輸出や合弁会社の海外進出等に当たっても、いろいろと手厚く政府の援助を受け、一方では価格カルテルがあり、国内価格でいわゆる高位安定で肥料が売れるというものがあったからこそ、肥料工業は総合化学工業として育ってきたんではないかということを私は指摘しておきます。 そういう状況の中で、私は大臣にお願いしたい点なんですが、先ほど硫安協会の方に特定の団体等に政治献金をしているかということを聞きましたところが、硫安協会としては実務的に取りまとめをしているだけで個々の会社がやっているのだと、こういうお話なんです。しかし、私どもが官報の政治資金報告を見ましたところによると、日本硫安工業協会として国民協会に政治献金が以下のようにされております。五十一年に七千八百九十七万六千円、五十二年も同じ金額です。およそ八千万近い政治献金が、日本硫安工業協会から国民協会に政治献金がされております。国民協会は、私が言うまでもなく、自民党さんの政治献金取りまとめの窓口でもあると思うんです。 私はここでお願いしたいことは、いま本当に国内の肥料価格の安定と、また一方で肥料工業界が不況業種だという指摘を受けて設備廃棄までしなければならないということならば、こういうことを改めて、幾らかなりとも企業の発展あるいはそれを農民に還元できるようにお考えいただけないかという点であります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、赤字会社は新しい政治資金法では献金ができないことになっておりますから、これはそれ以前の話だろうと思います。
○下田京子君 年度的に言えばそれ以前ではなくて、五十二年と五十一年と、こうなっておりますから。私は、姿勢として、こういう政治献金を断っていく御姿勢があるかどうかということを聞きたいわけです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 政治献金の問題は、私は別な高次元の話だろうと思います。問題は程度問題で、結局法律上はもちろん違反ではございません。赤字の会社は献金することはいけないと、こうなっておりますが、これは事業者側が守る全然別な話でございますから、それ自体が悪いというわけではありません。それをどういうふうに批判するかは、結局官報に出しておることでございますから、国民がどういうふうに裁断をするかということにかかっておると、国民にお任せをしなければ答弁のできない話であります。
○下田京子君 大臣はうまく逃げられたようですけれども、これは価格取り決めが生産業者と販売業者、全農と日本硫安協会とがやられていて、しかもその資料は個々には政府がお持ちだというふうな中で、その日本硫安協会が協会を通じて協会の名でもって政治献金をしているということについて、それは非常に不明朗であり問題があるということは、大臣のお考えいかんにかかわらず私は指摘しておきたいと、こう思います。 以下、お尋ねしたい点は、果たして現在この法律によって農民に対して肥料が非常に安く安定的に供給されてきたんだろうかという点なんです。これは他の委員等も含めて、あるいは先回、五年前の法延長の際にも議論になったところでありますけれども、いわゆる硫安の原価の問題なんです。副生硫安あるいは回収硫安ということで、硫安について値段があるようなないような、大分議論になっているわけなんですが、まずお尋ねしたい点は、先ほど通産省の局長は、いろいろな硫安の形成経過があるからはっきりは申し上げられないけれども四割程度見ていると、こういうお話があったと思うんですけれども、四十九年のこの法延長のときにどういうお答えをしているか、御承知でしょうか。
○政府委員(大永勇作君) 四十九年当時におきましては、大体三割というふうにお答えいたしたいというふうに聞いております。
○下田京子君 それでは、やはり五年前の法延長のときに、硫安協会はどの程度に見込んでいたでしょうか。
○政府委員(大永勇作君) これはちょっと承知いたしておりません。
○下田京子君 いまの点については、先の三割というのは確かにそうで、四十九年五月十四日に前局長が、わが党の津川委員に対して三割と答えております。同じくわが党の津川委員に対して日本硫安協会の参考人が七掛け程度、七割ぐらいだということを答えております。となりますと、これはもう先ほど来から議論になっておりますけれども、一体何をして、どこをとっているのか。
○政府委員(大永勇作君) いま四割と申し上げましたのは、硫酸を他社から購入した、まあ言ってみれば市場価格に対しまして評価額が約四割という意味でございます。
○下田京子君 実際に価格交渉の際に、カルテルを決める際にはどうしているんですか。
○政府委員(大永勇作君) この四割ぐらいの評価の入りましたいわゆる平均的な——これは、まの四割と申しますのは硫酸の原価でございますので、この硫酸だけで硫安の原価は決まらないわけでございますが、硫酸の原価も含めました硫安全体の平均原価をベースにいたしまして、当事者同士の交渉で価格が決まるというシステムになっておるわけでございます。
○下田京子君 だから、それが幾らなのかということを聞いているわけですね。 それと、あわせてお尋ねしたいのは、これが前回議論になりまして、肥料対策協議会で検討してみたいと、こういうお話があったかと思うんですが、検討されたのかどうか。 さらには、いまお話しになった廃硫酸の問題なんですけれども、この硫酸の回収を減らそうということで、廃硫酸に石灰をまぜて石こうのようなかっこうにして山に捨てているなんというお話も現地で伺ってきたんです。こういうものにコストがあるんでしょうか。
○政府委員(大永勇作君) この廃硫酸のコストの問題は、その生産工程、それからこの硫酸がきれいな硫酸であるか、あるいは余りきれいでない硫酸であるかというふうなことで非常に変化があるわけでございまして、コストということになりますと、まあゼロ評価から一〇〇%評価まで幅が非常に広いというのが実態でございます。しかし、統一的な基準をつくるべきではないかという議論もございましていろいろ内部で検討いたしたわけでございますが、これはなかなか理論的に統一基準を設けて適用するということはむずかしいということでございまして、現在までこの原価の評価基準の作定ということには至っていないということでございます。
○下田京子君 協議会で検討等したけれども、かなりむずかしいということで具体的な原価をどこに置くかということでは結論を得ていないと。そういうことだと、公害対策上生まれてきた硫安についても取引がされているわけですから、そういうかっこうの中で価格カルテルがされるということは、これは場合によっては農民に高い価格を押しつけているということが言えるんではないか、こう思うわけなんです。 さらに、硫安の場合も含めて硫安、尿素、高度化成等カルテルにかかっている肥料についてお尋ねしたいんですが、政府の参考資料の九ページに販売業者の販売金額の割合がここに書いてあります。この五十年で見ていただきたいわけですけれども、これは販売金額の割合と、それから私どもこれをいただいたんですけれども、全農——全国農協中央会、この全農からいただいた資料によりますと、五十年の場合に全流通量と全農取扱量とを比較すると、全農取扱量が五一%になるという数字をいただいているんです。とすれば、その他の元売りのシェアは四九%になるだろうと思います。五一%のシェアでもって売り上げ高は六七%を占めている、こういうかっこうになりますと、少なくともここで価格についてはその他の元売りと比べて全農の方が二倍高になる、こう言えると思うんです。いかがでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) お答え申し上げます。 ただいま先生が御指摘されました全農の資料の五十肥料年度の硫安でございますが、全流通量に対しまして全農取扱量、これの比率が五一%ということに相なっております。全農の方で出しましたこの資料は、全農がこの五十肥料年度で扱いました、配合肥料工場等に全農が原料用として売り渡したものといいますか、それといわゆる農家向けということでわれわれ考えておりますものと、両方とも合算したものに対する比率というふうに聞いております。 それから、私たちの方がこの参考資料として御配付申し上げてあります九ページでございますけれども、全農が硫安については、五十会計年度でございますけれども、六七%ということになっておりますが、これはまさに特定肥料ということで価格交渉をいたしまして、そして着駅オンレールの価格で決めるわけでございますが、その農家向けの分ということで考えたものでございます。
○下田京子君 その違いは後で正式な資料でいただきたいんですが、硫安がそうだとすれば、じゃあ高度化成はどうなるかということなんです。硫安はそういうことでお話あったにしても、高度化成の場合にはこれはもうすでに硫安なり尿素なりを見込んでいるわけですね。そうしますと、この高度化成の方で見ますと、これまたやっぱり一・五倍からの価格高ということになります。
○政府委員(二瓶博君) 高度化成についてのお尋ねでございますけれども、この面につきましては会計年度と肥料年度の相違、これが大きな原因と考えております。
○下田京子君 時間もありませんから、細かくいただいている数字もあるんですが、それは一々述べませんけれども、果たしてどうか、もう一度確認の意味で正式なものをつくってお届けいただきたいと思います。それでよろしいです。 それでもう一つ、これは改善できないかどうかということなんですが、流通問題で先ほどやはり全農の参考人に尋ねましたところ、全農の手数料というものや、あるいはそのほか運賃であるとか金利、倉敷だとか、それらを含めましてもおおよそ二〇%前後等々という話がありました。ところが、生産業者の販売価格とそれから肥料購入価格とを比較しますと、物によっては三八%からあるいは五〇%もの差があるんです。これまた私細かく申し上げませんけれども、このポケット肥料要覧等にも詳しく出ております。で、この全農の手数料が〇・六で県レベルが二%前後、単協も含めて八%から一〇%、こういう手数料以外の経費も含めて流通経費を少なくして農家に安い肥料が届けられるような工夫をしてほしい、その点で具体的な調査をいただけるかどうか。
○政府委員(二瓶博君) いまの調査の結果の方はまた資料を差し上げますが、ただ私たちが手数料の関係で申し上げますと、参考人が答えたのと若干違う点がございます。全農は〇・六%、それから経済連の方が約二%ということで、これは大体同じなんですが、単協の方は一二%程度というふうに見ております。したがいまして、全農から単協まで全体を通じます農協の手数料は約一五%程度と、かように考えております。 それから、生産業者販売価格に対しまして末端の価格が四割を超えておるとかいうようなものもございます。ただ問題は、いわゆる現在肥料法によりまして特定肥料になっておりますもの以外にそういうような肥料がございます。この辺は、よその特定肥料以外の肥料の方も含めまして資料を調製してお届けしたいと思います。
○下田京子君 調製していきたいという御答弁をいただいたから、なんですが、三肥料の分野でもあるんです。五十二年の七月、硫安を見ますと一三七%になっております。これは資料を対比していただければわかります。ですから調査をいただきたい。それから、できるだけ安いものを農家に届けるように努力いただきたいという御要望です。 それから、これは最後の問題になりますけれども、肥料工業が今回構造改善ということが前提になっているわけですね。肥料工業はかつて第一次アンモニア合理化あるいは第二次と、こうやってきたわけなんですけれども、特に私はここで指摘したいのは、第二次合理化、第二次のアンモニア大型化のときに、実に大手十七工場がこれがスクラップされたり、あるいは合併、吸収されたりしているということ、これは御承知だと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(大永勇作君) 第二次大型化につきましては、四十六肥料年度の需要をベースにいたしまして百二十一万トンの設備が廃棄されたわけでございますが、その結果といたしまして、一部の企業におきましては自社の旧式設備を廃棄いたしましてアンモニア生産を中止したところもございます。中止いたしまして、それにかえまして共同出資による新会社を設立したというふうなこともございます。
○下田京子君 詳しく述べている時間もなくなってきたんですけれども、ちょっと二、三申し上げますと、現在の三井東圧大阪、これをつくるに当たっては、三井東圧の大牟田工場と北海道工場がスクラップされておりますね。そして名古屋の東亜合成、これが規模を縮小して現在の三井東圧ができている。それから日本化成、いわきのあれですけれども、東北肥料、秋田にあったものがスクラップされていわきにあった日本水素が合併して日本化成ができたと、こういう形で、私さきに指摘しましたように、十七工場が地域から消えてなくなったり、あるいは吸収、合併されたりしている、規模を縮小したりしているということは事実であると思うんです。 その点で、大変いま大きく具体的に問題になっている点なんですが、福島県のいわき市の日本化成の合理化問題なんです。このことについて市長さん初め関係者から通産省に数度にわたって陳情、要請等があり、また、福島県の知事からも直接大臣に御要請があったことと思うんですが、そうした経緯等は御承知でしょうか。
○政府委員(大永勇作君) 市長さんその他からたびたび状況の説明あるいは陳情等、われわれへも大臣のところへもおいでいただきまして承っております。
○下田京子君 それではお尋ねしたいんですけれども、この日本化成の場合にアンモニア、尿素等のいわゆる西工場というところが廃棄になった場合に一体どうなるかという点については、どのように理解されていますか。
○政府委員(大永勇作君) この日本化成という会社は、アンモニア肥料のほかに水素ガスでございますとか、あるいはカーバイト、コークス等々、他の製品もつくっておりまするので、仮にこの肥料工場を廃止いたした場合にどういうふうな影響があるかというのはなかなかむずかしい問題であろうかと思います。関連事業その他に影響を与えるか与えないかというところで、ずいぶん変わってくる問題であろうと思います。
○下田京子君 いまのお話ですと、いろいろ経緯等御承知かと言ったら知っていると言われましたね。しかし、中身を聞いたらば、関連企業等にどういう影響が出るかわからないと、それでは知っているということにはならないんじゃないでしょうか。資料が届けられておるはずですよ。しかも三十三万人のいわき市民のうち約二十万人、七七%の皆さん方の直接署名をいただいて御要請されているんです。しかもその中には、西工場、アンモニア、尿素等の工場が廃棄になった場合にそれを受けて東工場、関連企業、その地域全体がどうなるかというふうな資料は届いているはずです。いかがですか。
○政府委員(大永勇作君) 資料をちょうだいいたしております。
○下田京子君 その資料に基づいて具体的に独自に調査をする、そういう姿勢はお持ちですか。
○政府委員(大永勇作君) この日本化成の問題につきましては、日本化成とそれから鹿島の鹿島アンモニアとが問題になっているわけでございますが、この三菱グループの中におきまして、これの合併問題をどうするかなお検討中でございまして、まだ方向が出るまでには相当時間がかかるであろうという状況でございます。したがいまして、いま仮にこの日本化成がやめた場合に、どういうふうな影響を地場の業種に与えるのかというふうな具体的な点につきましての調査をいたす段階では、いまのところはまだないのではないかというふうに考えております。
○下田京子君 具体的に資料等も出されて陳情されているわけです。しかも、不況法に基づいて期限が切られているわけです。それを受けて関連業者が話し合いをしているんです。通産省、黙っているという理由はないでしょう。 二、三申し上げますと、日本化成のこの西工場が廃棄になった場合に東工場との関連でどうなるかということなんですが、肥料部門で東工場では高度化成をつくっているわけです。西工場からアンモニアと尿素をもらってくるんですが、当然もらえなくなります。どこか別なところからいただかなければならなくなるので、コスト高になるわけです。さらに、工業薬品部門があって接着剤等をつくっております。アンモニア、尿素を受けておりますが、やはりもらえなくなる。それからコークス部門もしているんですけれども、このコークスが西工場へ供給されているわけですが、これが来なくなる、こういう問題も出てくるわけです。 そのほかコンビナートの問題なんですけれども、いわき市というところは昭和三十九年に新産都市の指定を受けました。その新産都市の指定を受けて五十年までに公社、公団あわせて五百二十六億円投資しております。国が六百三十六億円の投資をしております。県が七百十四億円の投資市独自で四百十八億円もの投資をしております。そして、営々と新産都市計画に基づいて企業誘致等進めてきたわけです。その中でのコンビナート群にどういう影響が出るかということなんです。堺化学工業のところに液化炭酸、アンモニア等を関連品目として供給していました。それを受けられなくなったら、この堺化学工業はどうなるでしょうか。水素ガスが小名浜製錬に送られていました。それが行かなくなります。あるいは海水、蒸気等が新日本化学にも行っておりました。尿素が小名浜合板に行っていました。それから、富士興産との関係ではナフサが絡んできます。新たに計画はあるんですけれども、いま立地予定でどうなのかといって足踏みをしているのが、ライオンアクゾーという水素ガス等々をやられる企業があるんです。こういうところが来なくなるでしょう。どうなりますか。 さらに、関連企業の問題ですけれども、これは系列企業が六社、関連下請企業が四十四社、本社を含めて五十一社になります。実際に下請関係の皆さん方の話も聞いてきましたが、本当に時間がなくなりましたのでいま述べませんけれども、私はここでお願いしたいことは、第一次、第二次アンモニアの大型設備という名で合理化が進められてきて、労働者が一方で大変首を切られてきたわけです。それだけでなくて、今回のようにいわき市にあって大変大きな地域的な大打撃を与えるということが明らかになっているわけなんです。こういったところについて、私はまず調査をしていただきたい、それが一点。 それから二点目に、以下いまのようなことだけでもはっきり言えることは、特安法の中でこういう条文があると思うんです。第六条になりますが、共同行為の内容として四点述べておりますけれども、その二点を特に注意すべきだと思うんです。第六条の二号「一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。」、四点目には「当該共同行為の指示を受けた事業者の従業員の地位を不当に害するものでないこと。」、そのことが確認されなければ廃棄というその手続をすべきでない、承認すべきでないと思うんですが、そういう態度でおやりいただけるかどうか。 さらに、この六条との絡みで第七条に「主務大臣は、第五条第一項の規定による指示に係る共同行為の内容が前条各号に適合するものでなくなったと認めるときは、」——前条とは六条の第一号から四号までを指していると思うんですが、私は持にその二号と四号ですが、「その指示を変更し、又は取り消さなければならない。」と、こううたってあります。私はそういう措置をも考えながら、いわき七七%の市民ぐるみで陳情され、知事も含めて直接大臣に御要請がされているこのことについて、重ねて独自の調査をし、そして重ねていまの法適用をしながら進めていただきたい、その決意をお伺いして終わりたいと思います。
○政府委員(大永勇作君) 先ほども御説明申し上げましたが、日本化成の問題それから鹿島アンモニアの問題この合弁計画の話につきましては、まだ三菱グループの中で検討が進んでおりまして結論が出てない問題でございます。この共同行為、それが、まだ少し時間がかかると思いますが、まとまりますると共同行為の届け出ということになるわけでございます。 そのときには、先生御指摘のように、関連事業者の利益を不当に害するものでないこと、あるいは利益を著しく害するものでないこと等々の要件がかぶってくるわけでございますけれども、いまの段階で、まだこのグループの内部で方向が出てない段階で具体的にどういうふうに関連事業に影響するか、この関連事業への影響の調査ということになりますと、当然その関連事業者が現在日本化成から買っておるものがそれではほかの事業者から買えるか買えないかというふうなことを、個別具体的に判断しなければならなくなるわけでございまして、いまの段階でそういうことを調査するのは時期尚早であろうかと思います。
○下田京子君 委員長、一点だけ、最後に。 最後に、いまのお話はまあ時期的に第六条を受けて共同行為を見るかどうかということは言えないけれども留意してやるというふうに承りましたので、ぜひその点を留意され、また独自の調査を重ねて要望いたしまして、終わります。
○柳澤錬造君 最初にお聞きしてまいりたいのは、肥料価格というものをメーカーと全農で協議をして決めているという方法、これは私大変いいことだと思う。そういう意味においては、高く評価をしたいと思います。ただ、一つ気になりますことは、もちろんコストがその中で議論をされると思うんですが、そのコストの中の労働者の賃金というものをどういうふうにして算出をしているんだろうか。一般社会では毎年ベースアップが行われているんですが、そういうものはどういうふうにコストに反映をし、そして肥料価格がここで協定されるという方向にいっているのか、その点からお聞きをしていきたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) 特定肥料の原価調査におきます際の労務費でございますけれども、これは企業が従業員に支払った賃金、手当等の総額ということにいたしておりまして、これを含めた原価調査結果を交渉当事者に資料として交付をしておる、こういうことでございます。ただ、この原価調査は暦年で調査をいたしております。したがいまして、この原価調査実施後にベースアップ等が行われた場合には、交渉の当事者間で妥結した賃上げ率等によりまして、価格取り決めの期間中ということで結局適用価格が肥料年度になるわけでございますから、七月から六月ということになるわけでございますから、その期間中の労務費を修正推計して、これを用いて価格取り決めをお互いに行っておると、かように聞いておるわけでございます。 〔理事大島友治君退席、委員長着席〕
○柳澤錬造君 そうしますと、若干のずれがあるけれども、大体一般の社会的に上がっていくべースアップというものもそのまま織り込まれているというふうに判断してよろしいんですか。
○政府委員(二瓶博君) したがいまして、ただいま申し上げました暦年で調査をやっておるわけでございますので、その暦年の間で実際に企業が支払ったそういう労務費これはそのまま当然把握をしておるわけでございます。その後の価格取り決めをやる際に、ベースアップがあったとかいうようなものは、さらにその辺からいろんな推計をしながら両当事者間で価格取り決めの折衝をやると、こういうことでございます。
○柳澤錬造君 これはじゃ大臣の方に御質問してまいりますけれども、肥料価格の決定をメーカーと全農でもっておやりになっている。それで全農が、先ほどからお話が出ているように、もう七割から全農が引き取っているわけなんですから、そういう点からいくと、いろいろこの価格の協定の交渉をしても買い手市場になっちゃうと思う。その辺を政府の方でもってどういうふうに指導をしているのか。普通にメーカーとも交渉さしておったら、とてもじゃないけれども、これは対等といいますか、まともな交渉になって適正な肥料価格というものはなかなか出てこないと思うんです。ですから、その辺の点はどういうふうな御指導をなさっているかということをお聞きします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、話し合いをしてともかくうまくいっているのだと私は思いますよ。仮にメーカー側がうんと押さえ込まれちゃってにっちもさっちもいかないというのなら、こんな制度をやめてくれと陳情に来るはずだから。これをともかくメーカーの方も残してくれと言うし、農協側も残してくれと言うし、みんな残してくれの話ばっかりなのだから、特別にメーカーの方だけ押さえ込まれているということは私はないと。メーカーの方は共同で、これは束になってかかってくるわけですから、メーカーの方はメーカーの方で。で、メーカーの方は実際のともかく材料はみんな自分が持っていて、全農にみんな出さないでしょう、あれ。だから、私はメーカーが特別に押さえ込まれておるということはないだろうと、こう見ています。
○柳澤錬造君 大臣のおっしゃるとおりで、きょうも午前参考人がおいでになりまして御意見を聞いている中で、私も他の委員からの質問の答弁を聞いていて合点がいかなかったんですが、というのは、硫安工業協会ですか、あの水野会長も答弁で、コストがわからぬと言っているんですね。業界の代表がコストがわからぬで、それでどうやって交渉しているんだろうかといって、その辺が非常に合点がいかない。結局のところ、言うならばどんぶり勘定で、適当に、まあまあまあこの辺でといってやっているということにしかならないんだけれども、その辺はどう判断しているんですか。
○政府委員(二瓶博君) 政府側が両当事者に交付しますのは、先ほど来申し上げておりますように、加重平均した価格といいますかコストと、それから最高、最低のコストということでございます。で、全農と交渉いたします際に、たとえば硫安でございますれば硫安ということで交渉委員を七名程度チームを組みまして、全農側の方と交渉するわけでございます。ただその際に、交渉委員の方が硫安工業協会会員の個々の企業のそのコストはわかっているかと言えばわかっておらないと、こういうことで協会の会長が答弁したと思います。やはり各企業それぞれ企業秘密もございますので、相手の企業に対してもその点は教えないと思いますし、役所の方もこういうこともあろうかと思って、個別企業のは両当事者にはそのままずばりは交付しませんで、加重平均したもの、最高、最低というようなものを交付しておりますと、こういうことでございます。
○柳澤錬造君 余り立ち入って聞きません。だけれども、その最高、最低を出すときには少なくてもコストはおつかみの上で、それで個々の企業のそれは発表しないまでも、私はおつかみの上でもってお出しになっていると思うんですよ、そうでなかったら出せるわけないんですから。そういう御理解は私もしておきたいと思うんです。 通産省の方へお聞きするんですが、この輸出価格ですね、そちらの資料のこれを私見て言うんですけれども、これは何を基準にしてこういうふうに出てくるんですか。もう全くのマーケット本位にして、まあ言うならば、なるがままにして落ちついちゃうものなのか。それとも、国内価格はもうそこまでメーカーと全農でやって決めるわけですから、そうすると、その国内価格を基準にしてどの範囲だとかという何か歯どめがあるのか、その辺の決め方をどうやっているんですか。
○政府委員(大永勇作君) 輸出価格は国際相場に非常に大きく左右されますが、具体的に価格交渉をいたします際には、少なくとも製造コストに占めます変動費を割らないというのが大前提で、その範囲でなるべく高い水準になるように価格交渉して決めるという原則になっておる次第でございます。
○柳澤錬造君 わかりました。そういうことで聞いておきましょう。 参考資料の四番の、やっぱりいまのこの輸出価格の関係へ来るんですけれど、国際比較のこれが出ているんですが、このドル換算のところはどこからはじき出すんですか。私、心配というか気になるのは、三百六十円なり三百八円になったときは、これはもう問題ないです。変動相場制に入っちゃってから、どういうとり方でもってこの数字をはじき出しているかが、その辺がよほどなにせぬと、こういう数字を並べたってこれは比較にも何にもならないわけなんですから、その辺、適正な判断のできるような数字のとり方をしているのかどうか。
○政府委員(大永勇作君) 日本の価格につきましては、日本円の平均レートによりまして取り決め価格を換算、つまり通年で換算しておるわけでございます。ただ、海外諸国の価格につきましては資料が限定されておりまして、大体三、四月ごろに決めるものの価格のみが来ておりまするので、その時点での各国通貨相場というものを基準にいたしましてドル換算を行っておるということで、日本の場合は通年であるし、それから海外の場合は各年三、四月ごろのものということで、そこのまあ若干比較につきましてのアンバランスがあろうかと思いますが、大勢としてはこれで間違いないのではないかというふうに思います。
○柳澤錬造君 私もそういうことだと思ったんで、それで聞いているわけですけれども、そういう比較の仕方をするならば、むしろ比較表としてお出しにならない方がいいと思う。これだけいま一年の間でも変動が激しいわけでしょう。一カ月の間にも二十円も三十円も動くんですから、極端な形をするならば、そのとき商取引がいつ行われたかでもって価格がまるっきり変わってしまう、輸出をする場合にしてでも。 ですから、そういう点で、仮にこの三、四月が肥料の売買で一番動くからとるんだというならば、日本の場合にはもうそこを一緒にとっちゃって、それで同じ条件で合わせれば、それはそれなりにまた比較ができるんですけれども、いまのようなこの変動の激しいときに、日本の場合には年度間を通じる、外国の場合には三、四月という、そういうとり方だけは私はおやめをいただきたいし、それは決して比較にならないし、かえって誤解を生むだけじゃないか、そういう希望だけ申し上げておきます。 それから次には、やはりそちらの資料の五ページを見ていただきたい。一つは、輸出の窓口の一元化をなさっていますですね。会社をつくってそこから全部輸出をする、そういうことをやりながら、この四十九年と五十年の尿素のところで、四十九年は二百四十七万トン輸出したのが五十年は百二十八万トン、大変な落ち方を、四割から言うならばもうダウンをしておるわけです。だから、この稼働率の方も、四十九年は九三%稼働したのが五十年は五五%に下がってしまう。輸出の場合、輸出の窓口を一元化をして、そのための会社もつくってうまくやっているんです、調整をしているんですと言いながら、だったら何でこんなことが起きるんですかと言いたい。 同時に、今度はその上のアンモニアの方で見れば、内需の方で四十九年は肥料用二百四十四万トン、五十年は百四十万トン。これも国内需要が百万トンそこで落ちるわけだ。したがって、生産の方は四十九年の稼働率九〇%が五十年になると六七%という形でもって落ちざるを得ない。 私は、きょう午前の参考人がおいでになったときも、ですから全農の田中常務理事さんにもお聞きをしたんだけれども、価格協定のここまでおやりになっているんだから、当然じゃあもう来年の需要はこれだけですよと言って、そうして言うならば大きなそういうことにならぬように、生産についても需給の調整ということについてもそこでお話をしてやっているのかどうですかということの質問をしたんです。田中さんのお答えというのは、毎年の事業計画というものを立てて、そこで幾ら要るんだということについては提出をしております、農林水産省の御指導もいただいてやっておりますというこういう答弁。だから、それ以上私は立ち入って聞かなかったんだけれど、これは農林水産省の方になるのか、輸出になると通産省の方になるのか、その辺のコントロールがもう少し行われていてよかったのではないかと思うんですけれども、なぜこういうことになっちゃうのか。
○政府委員(大永勇作君) 輸出会社によります輸出調整というのは二つあると思うのですが、一つは、内需の優先的確保ということと、それからもう一つは、輸出価格を買いたたかれないように適正な水準に維持するという、この二つの面があろうかと思いますが、四十九年と五十年は非常に対照的でございます。四十九年はオイルショック後の仮需要もありまして、世界的に非常に肥料の需要が増加したときでございます。このときには、むしろ日本としては売ろうと思えばもっと売れたという時期でございますが、しかし、やはり内需の優先確保という問題がありますから、この仮需に全部対応してということではなくて、むしろ輸出は抑えぎみであったわけでございます。 しかしながら、五十年になりますと、今度はこの仮需の反動という問題もございまするし、それから油の価格の上昇によりまして日本の国際競争力が非常に落ちてきたというときでございます。この時点におきましては、この輸出調整という機能はむしろ価格の維持、安値では売らないという方向にウエートが置かれたということでございまして、国際競争力が落ちておりまするものでございまするので、数量的には大幅な減少を来したというふうなことでございます。 輸出は、極力安定的に出る方がもちろんよろしいわけでございますが、ちょうど四十九年から五十年というのは、そういう意味で非常に客観情勢が激変したときであるということで、御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○柳澤錬造君 内需。
○政府委員(大永勇作君) アンモニアにつきまして、四十九年から五十年にかけまして、内需の肥料用というのが非常に落ち込んでおりますが、これは一つは仮需要の問題であろうかと思います。
○柳澤錬造君 仮需要があったことは否定しませんけれども、あなた通産省なんで、いまのあなたの答弁というのは、五十年は仮需の反動が起きた、国際競争力が落ちた、だから言うならば、安売りをしないで価格の維持に力を注いだので落ちましたと。国際競争力が落ちたのなら、価格を下げていかなかったら売れないから、下げなくても下げさせられてしまって、そうして輸出をしていくというのが商売のなにでしょう。国際競争力があるんだから価格は下げないでこの価格を維持をして無理に売らなくてもいい、それでも国際競争力があるから売れる。いまのあなたの答弁だと、国際競争力が落ちたんだから安売りをしないで価格の維持に努めたんです、だから減っちゃったんですでは、つじつまが合わない。その辺は、どういう理解をしたらいいでしょうか。
○政府委員(大永勇作君) 最初にも御説明申し上げたわけですが、輸出価格につきましては、少なくとも変動費は割ってはいけないと、割らないという大原則がございます。そこで、この変動費を割らない範囲での輸出ということになりますると、もちろん変動費につきましても会社間に差があるものでございますから、全体の国際市況が落ちてまいりますとどうしても輸出数量はそれだけ減らざるを得ないというふうなことになるわけでございます。変動費を割らないということは、逆に言いますと、その範囲であれば固定費の低減をすることによりまして国内価格を引き下げるということに役立つという考え方でございます。
○柳澤錬造君 私、別に責めているのじゃないんで、といっていまみたいに子供だましみたいなことを言わないで、変動費を割らないという原則があるからといまあなたは言っている。しかし、さっきから言っているとおりに、九三%の稼働率だということは、ほぼフル稼働でかなりコストダウンもできて安くできる。それを稼働率を五五%に下げたらどういうことになるか、これはコストがどれだけ上がるかというのは、およそ目の子で考えたって見当はつくですね。変動費を割らないそのためになんて、もう言ってられないのです。大変な高いものになっちゃうんです。 ですから、そういう点で、決して私皆さん方をとっちめてここでもってなにしょうなんて気はないのですから、たださっきから言っているように、せっかくもう十五年間も、言うならばなかなかできることではない、メーカー、生産者側と消費者側の全農でもって価格を決めるということをやって、十分であったかなかったかはさておいて、ずっと来たわけでしょう。だからそういう点からいくと、もちろん内需を優先して余った分には輸出と、そういうことをやることもいいことだしするので、そこまで——去年かおととし始めたのじゃない、もう十五年からやっているんだから、だったら生産の方も大体この程度が内需で要るんだ、輸出もこの程度やって、そしてそんなに狂わないように、せっかくおやりになる以上皆さん方がやって、メーカーの方もそして消費者の全農の方もそこから利益が得られるという、そこまで知恵を働かして御指導をして、そして両方がやっぱりこの法があってよかったなというふうにしていただきたいという気持ちで言っているんですから、そういうことをくんでやっていただきたいです。 それからもう一つは、これも先ほども話が出ていましたが、いまメーカーの工場を大分つぶさにゃいかぬというので、特定不況産業安定臨時措置法が適用になって構造改善を進めるわけですけれども、この構造改善の内容というのは、それぞれのそこの労使が合意の上で進めろということははっきりして御指導していただいているんだと思うので、その点お聞きしておきます。
○政府委員(大永勇作君) 当然そういうことであろうと思います。
○柳澤錬造君 もうちょっと具体的に、どういうやり方をしているか、言ってくれませんか。
○政府委員(大永勇作君) 安定基本計画を決めます場合には、主要な組合の意見を聞かなければならないということになっておりまして、われわれといたしましては安定基本計画を決めます際に化学労協の意見を聞きまして、化学労協も全体としてはこういった構造改善を進めることはやむを得ないことであるけれども、個々の設備の処理については十分当該組合の意見を聞くようにという条件つきで了承をいただいておるような次第でございますので、われわれといたしましても今後処理計画を具体的に進める際には、その意を十分体しまして、雇用の安定に配慮しながらやるように企業を指導したいというふうに考えておる次第でございます。
○柳澤錬造君 大臣の方にお願いしておきます。 先ほどから私の申し上げていることはもうお聞きでおわかりだと思うので、価格の協定だけでなしに、さらにそれが進んで、生産調整のそういうことも一歩進んでできて、それで余り極端な変化が起きてなにしないように、そしてせっかくこの法律も十五年もやってきているんですから、農民の側もそのことによって肥料が高くならないというメリットがある、肥料をつくるメーカーの方も、余り極端に値段がどうこうしたりということにならないで価格が安定するというメリットがあるといって、両方がそこでもって利益が得られるような、そういう有効にこの法律が働くように、十分に行政指導の面でお力を出していただきたいという要望を申し上げておきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もそう思っております。先ほど言ったように、やはりいずれの人もこれでメリットがあるから、やってくれ、続けてくれと言ってきているのだと思います。 ただ、あなたの質問の中で、この表が少し不親切なのじゃないかと私もあなたと同じように思ったのですよ、これを見たときに。輸出の方が減るのはそれはわかる、値段が安いのだから、競争に負けたと。何で国内が減ったのだという話ですが、これはアンモニアというのは尿素の原料になっているから、だから減るわけなのです。
○柳澤錬造君 終わります。
○喜屋武眞榮君 私、最後でございますので、お疲れでしょうが、ひとつよろしくお願いいたします。 まず第一番目に大臣にお尋ねいたしたいことは、肥料の量の確保と価格安定の一つの手段として政府が資料を提供し、そして生産者と販売者の話し合いによってそれを決定すると、こういうことでございますね。そうしますと、この表にもありますとおり、これは一種の価格カルテルということになるわけなんです。そうすると、このことは独禁法に抵触するとも考えられるわけでありますが、このことがそれから外された理由は何であるか、そのことをまずひとつお伺いしたい。
○政府委員(大永勇作君) この独禁法の適用除外の問題でございますが、肥料の買い手の大部分がいわゆる全農でございますので、それとメーカー関係が団体でもって共同して価格交渉を行うということを可能ならしめるために、独禁法の適用除外をいたしたわけでございまして、それによりまして肥料需給の地域性、あるいは取引における思惑等の発生を防止するというものでございます。 また、輸出会社につきましては、輸入する方がいわゆる一元輸入を行っておりますので、価格交渉上安く買いたたかれないように、輸出につきましても共同輸出体制が望ましいということで、やはり独禁法の適用除外をしたものでございます。
○喜屋武眞榮君 このほかにもその例がありますか。それをちょっとお伺いしたい。
○政府委員(大永勇作君) ほかには、本法のような形での適用除外というのはないと存じます。
○喜屋武眞榮君 そこで気になりますことは、まあこれは要望にもなりますが、確かに需給の面からの量を確保する、それから価格の安定というこの面では確かに長所があると思うんです。ただ問題は、できるだけコストを下げて安い肥料を農家に提供をするという、そして労働者の賃金を適正に引き上げると、この面からは疑問を持つわけでありますが、そのことについてはもう触れる時間がありませんので、そのことは十分政府とされても配慮してもらわなければいけない、このことを一応強く申し入れたいと思いますが、それに対する大臣の御見解を伺いたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この法案は、それはどこかいいところがあるわけですよ。輸出会社にとってみれば、やはりばらばらで中国に買いたたかれちゃ困るから一本にまとめようと。それから農民にしてみれば、海外価格が暴騰したときにみんな売られたのでは困るから内地だけは優先確保だよと。そのかわり、輸出でうんと安く売っているときも内地価格は少しお高くなりますよということは、農民は困るかもしらぬが、しかし今度はメーカーにしてみればそれはいいとか、そういうふうに組み合わせになっておるわけです。 ただ、そのときに政府が関与してないと、メーカーと全農でやっても、過当競争にあるいはなるかもわからぬ、あるいは向こうがうまく組まれると、ならないかもわからぬ。そのときに役所が入って、役所は個別のやつはわかっているわけですから、余り極端なことを言ってきても、それはだめよということで抑えていくというようなことであって、公取がしっかりしておれば向こうが組むということもないでしょうが、いままでの実態からするといろいろあるし、それらの海外相場も不安定だということを見ると、やはりあと五年間ぐらいは延長した方がいいだろうということなので、先生の趣旨も十分に考えて今後行政指導をしてまいります。
○喜屋武眞榮君 次に、適正量の確保という、その適正の分量が幾らかということについてはよくわかりませんけれども、尋ねたいですけれども、それはさておいて、私は思うんです。いわゆる化学肥料のみを使用するということは、これは一面搾取の農業であると、こういうことも言われております。だから、その化学肥料の適正な使用ということと、さらに本当の健全な農業というものは、いわゆる先ほどもちょっと出たかと思いますが、土づくりですね、有機肥料の健全な土壌の改良と申しますか、このことが両立しなければ、ますます日本の農業はこれはもう搾取農業にしかならない、土地はやせていく、こういう点から、ひとつ土づくりに対する具体的な計画がございましたら述べてもらいたい。
○政府委員(二瓶博君) 農業経営をやっていきます際に、化学肥料というのもこの狭いわが耕地で生産性を上げていくということからいたしますと、これも必要なわけでございます。ただ問題は、やはり適正な使用といいますか、そういうかっこうでその土壌に合った形での施肥をやっていかなければならないと思います。それとともに、有機質の投入ということもやりまして、土づくり運動といいますか、土づくりを進めていくということもこれまた必要であろうかと思っております。 具体的にそれではどうかということにつきましては、この化学肥料等を使用します際には、当然県等におきまして施肥基準というものをつくるように指導しており、現につくっておるわけでございます。また、県内におきましても、それぞれ地帯等も違いますので、土壌その他、これまたその地帯別にさらにブレークダウンした施肥基準というものをつくってやっておるわけでございます。 それから、土づくりの方は、これは土づくり運動という形で約九百万ほどの経費も組んでございますし、それから具体的に、営農集団等が堆厩肥をつくるための堆肥舎だとか、あるいはマニュアスプレッダー、これはまく方でございますが、そういう機械等の導入につきましても必要な経費の助成もいたしております。 なお、農業改良普及員が全国に一万人ほどおりますので、当然そういう方々もこの施肥の適正指導、それから土づくり、そういう面についても営農面の指導は強くやっておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 次に、販売ルートについてですが、この表を見ますと、たとえば全農から経済連へ、経済連から農協へ、農協から農家へと、こういうルートですね、間違いありませんね。
○政府委員(二瓶博君) 大ざっぱに申し上げまして、そのとおりでございます。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、その全農から農家へ行くまでの配給ルートはこれは全国プール制になっておりますね、そういうわけでしょうな。
○政府委員(二瓶博君) 全農の方の販売業者の価格といいますものは、これは消費地最寄り駅着貨車乗り渡しというベースの価格ということで取り決めをいたしておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、具体的に聞きますが、沖繩の場合には中央からどういうルートを経て、どこまでがプール制の限界になっておるんですか。
○委員長(久次米健太郎君) この際、委員の異動について御報告申し上げます。 本日、田原武雄君が委員を辞任され、その補欠として増岡康治君が選任されました。
○政府委員(二瓶博君) 本土から沖繩の農家向けに出荷されます肥料につきましては、これは全農を通じまして原則としてすべての沖繩の港まで、本土におきます先ほど申し上げました消費地最寄り駅着貨車乗り渡し価格と同じ価格で持ち込まれるということになっておるわけでございますけれども、現時点におきましては、本土からの船便の関係等がございまして、本島は二港のほか、離島では七港に限定されておると、かように聞いております。
○喜屋武眞榮君 お尋ねしますが、本島は二港、離島では七つに限定されておると。この七つに限定された根拠、理由は何でしょうか。
○政府委員(二瓶博君) これは、港湾の関係が非常に大きゅうございます。本土の方から直行便等で運ぶといたしましても、そこの港湾が整備されておりませんと、船が着いて荷揚げがうまくできないというようなことがございます。したがいまして、港湾の整備とあとは運航の関係がネックになっておると、かように認識いたしております。
○喜屋武眞榮君 いま遠隔の沖繩、離島の多い沖繩、しかもその離島はほとんどキビ作を中心とする農業であります。そういう特殊事情下にある沖繩が、港湾の整備が不備なためにわずか七港しか輸送しておらぬと。ところが、運輸省の調査によりますと、重要港湾が六カ所、それから地方港湾が四十一カ所、四十七港湾あるわけなんです。それらの少なくともすべての港湾に、そして農業を営んでおる島々に送ってやるべきだと、こういうわけなんですが、非常にこの点からも取り残されておるわけなんであります。 そうすると、港湾の整備が可能であればだんだん広げていけると、こういうことに理解していいんですね。
○政府委員(二瓶博君) この問題は、全農と沖繩県経済連との間の肥料の取引に関する問題であろうかと思いますけれども、基本的にはただいま先生からお話がございましたように、今後の港湾の整備とまたそれに伴います船便、これの改善というようなことであろうかと思います。 したがいまして、私どもといたしましては、対象港湾がこういう整備との関連を持ちつつも対象港湾を増加していくというかっこうで指導していきたいと、こう思っております。
○喜屋武眞榮君 それじゃ運輸省にお聞きしますが、五十四年度における運輸省の沖繩の港湾の整備に対する具体的な計画はどのようになっておりますか、承りたい。
○説明員(小池力君) お答えいたします。 御質問は、五十四年度におきます沖繩の諸港湾の整備の方向いかんというようなお尋ねだったと思います。先ほど先生御指摘ございましたとおり、沖繩県には重要港湾が六港、それから地方港湾が四十一港、また、地方港湾の中に避難港が二港ございます。五十四年度におきましては、これら四十七港のうち三十一港につきましてその整備を図ることにしてございますが、事業費で二百十七億円、この事業費と申しますのは、五十三年度当初本年度予算に比べますと二八二%増でございます。ちなみに、全国の港湾整備事業の事業費の伸び率は二〇・三%でございますので、沖繩の二八・一%の伸びというのは、重点的な投資を図っておるものでございます。 三十一港のうち、特に内容を申しますと、主要な外貿港湾であり、また主要な離島の拠点港湾としての那覇港、それから主要離島を結びます拠点地でございます平良港、石垣港、いずれも重要港湾でございますが、こういった港が重点的な整備を図ることになっておりまして、その他離島におきます定期船接岸施設を中心に整備をすることになっております。 なお、先ほど申しました二百十七億という事業費の予定でございますが、この中には竹富南航路、開発保全航路でございますが、港湾区域外の航路を含んでの事業費でございます。 以上でございます。
○喜屋武眞榮君 いまお答えを聞きまして、一応前進だとは見ておりますが、何と申しましても地理的に遠隔、しかも多島県であるというこの島々が、しかも、その島はほとんどキビ作を中心とする農業を営んでおるわけなんです。それだけに、直接肥料との関係があるわけなんです。そういうことで、いま運輸省の計画からも、だんだん港湾の整備強化が図られてまいりますので、それに準じてひとつその配給ルートも広げてもらわなければいけないと、このように要望いたしますが、それに対する政府の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) 港湾の整備に伴う船便の改善等とあわせまして、対象港湾を増加するように全農を指導してまいりたいと、かように思っております。
○喜屋武眞榮君 重ねて申しますが、離島、僻地の振興というのは、いわゆる機会均等の立場からも、文化の向上という面からも、通信網の整備と流通機構の整備ですね、このことが一つの路線であるわけでありますから、特にひとつ御配慮を強く要望いたしたいと存じます。 次に、大臣にお願いします。 午前の参考意見の中からもはっきり浮き彫りにされたわけでありますが、いわゆる製造業者、販売業者の立場から要望も出ておりますが、それから労働者の立場から要望が出ております。ちょっと見ますと、一応おのおのの要望があるわけですが、利害相反する立場にもあるわけですね。それを政府としては今後この問題をどのように受けとめておられるのであるか、そして、それをどのように両立さして円満に納得のいく処理をしていかれるか、こういう姿勢をひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これもたびたび御質問のあるところでございまして、この法案は三者からみんな出ておると。いままでもこれは一つの暫定的な法案であるにかかわらず長く続いてきたということは、それぞれ必要性があって陳情されておることであります。したがって、私はただそのために、価格について自由競争がないことをいいことにして、それで値段が高くなるようなことはこれは困るわけですから、それは政府が介在をしておりますので、独禁法の適用がされてないという点については、われわれ農林水産、通産両省において、価格取り決めに当たってはやはり公正な立場で指導をしてまいるつもりでございます。
○喜屋武眞榮君 それじゃ、次は時間の許す限り私の制限時間まで、この表について私が持っておる疑問をただしていきたいと思います。 まず第一点、硫安及び尿素の輸出実績について、この表から中国を例にとるならば、輸出が四十七年から五十一年にずっと大幅に減退しておる、この理由が何か。 それから、硫安の五十一年度のその他が、これはまた何倍と激増しておる、その激増しておるその他の国はどこであるのか、この二つをまずお尋ねしたい。
○政府委員(大永勇作君) 中国に対します輸出の減退の理由でございますが、一つは、やはり中国におきます肥料の自給化の進展があったということと、それからオイルショックによりまして、日本の場合は石油を原料にいたしておりまするので輸出競争力が相対的に減少した、したがって日本以外の国の輸出のシェアの方が高くなったと、この二点が中国に対する輸出の減退の理由でございます。 それから、硫安輸出のふえましたその他の主な国というのはブラジルとかメキシコ、中南米でございまして、これはアメリカ等におきます繊維が不況になりまして、いわゆる回収硫安の生産が減少いたしまして、従来アメリカ等から供給を受けていた中南米が日本に買いにきたと、こういう特殊な事情によるものでございます。
○喜屋武眞榮君 次に、いまのページでもう一つ、尿素のスリランカ以下五十年がゼロになっておりますね、その前はあるわけですが、五十年、五十一年ゼロになっておる理由は何でしょうか。
○政府委員(大永勇作君) 輸出競争力が減退いたしまして、インドネシア等からの輸出が行われたということが大きな原因であるようでございます。
○喜屋武眞榮君 次に、四ページの表で感じますことは、国内価格よりも国外輸出価格が非常に安い。この理由は一体何なのか。これは国内農家としては安定確保ということはもちろんですが、安くて安定確保ということはこれはもう当然だと思うんですね。ところが、輸出価格並みに国内価格を下げられないものかどうか。まず、安いのはなぜか。そこまで国内価格について下げるわけにはいかないのか。
○政府委員(大永勇作君) 輸出価格が安いのは、結局国際市場の価格が相対的に日本に比べまして安いということでございます。日本の場合には、先ほども申し上げましたが、ナフサ、いわゆる石油が原料でございまして、他のたとえば天然ガス等を原料にいたしております国から見ますと、どうしてもコストが高くなるという面があるわけでございます。国内価格自身はほかの国と比べまして決して高くはございませんけれども、輸出につきましては、いまのような競争の実態からいたしまして安くなっておると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 それでは私は一括して尋ねます、答えは簡単だと思いますから。 五ページの表で、アンモニアの稼働率は四十七年には八八%、五十二年が六二%、まあ落ち込んでおるわけですね。それから尿素の場合には四十七年八八%、五十二年度五〇%に落ち込んでおる。これはいかなる理由で落ち込んでおるかということ。 それから、五十七年度の見通しでアンモニアの設備を八八%、尿素は九四%まで上げる予定を持っておられる。これは可能であるか、その見通し、理由、それをお聞きしたい。 もう一つ、尿素輸出が五十一年に急激に減少して五十年が百二十七万九千トン、五十一年が七十五万五千トン、これはどういう理由であるか。 以上、お尋ねいたします。
○政府委員(大永勇作君) この需要が減退いたしましたのは、尿素の特に中国向けの輸出が先ほど申し上げました事情によりまして急減いたしましたのが一番大きな理由でございまして、アンモニアの需要が減っておりまするのも尿素輸出用のアンモニアの需要が減ったということで、これは相互に関連をいたしておるわけでございます。そういうことで稼働率も六二%とか五〇%とか、非常に下がったわけでございますが、五十七年度の稼働率につきましては、その上の「設備能力」のところをごらんいただきますと、今回の構造改善によりまして設備の処理をやるということになっておりまして、この処理が行われた後におきましては稼働率が八八あるいは九四になると、こういう数字でございます。
○喜屋武眞榮君 時間ですので、終わります。
○委員長(久次米健太郎君) ほかに御発言もないようですので、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。 反対の理由の第一は、まず、本法案が大手の総合化学工業の価格カルテルで、その利益保障を優先させているからであります。質問の中でも明らかにしましたように、政府は、アンモニア設備の合理化、大型化を積極的に推進し、財政上、税制上のあらゆる優遇措置を講じて肥料工業の育成を図ってきましたが、その中で本法は肥料の独占価格のつり上げを保障し、肥料工業がまさに総合的化学工業として高度成長を遂げるのを助けてきたものであります。 第二に、農民はこの独占価格の押しつけにより、硫安のようにコストも不明な、供給過剰に悩んでいる商品を高い値段で買わされてきました。また、尿素、高度化成もオイルショックをはさんで値上がりを続け、農業生産資材全体の価格動向と変わるところがありません。さらに重要なことは、農民にとって価格取り決めに参加している全農の扱う肥料の方が一般の流通のものよりも高くなって いることであります。 第三に、過去の高度成長の時期に、肥料工業で働く労働者は約一万数千人、中小のアンモニア工場などとともにスクラップ化され職場を追われてきました。そして、利潤追求第一で大型化してきた設備を、今日また不況、過剰設備と称して、国民の大きな負担と犠牲のもとに、さらに廃棄しようとしております。 肥料業界が特安法指定業種九業界の中で先頭を切って設備処理に踏み出しているのも、本法の延長による独占価格体制の維持を念頭においているからであります。しかも、産構審答申が述べているように、構造改善に資する適正な肥料価格形成と称して、農民への新たな負担増が盛り込まれることも明らかであります。 私は、大企業への民主的規制による肥料その他の農業生産資材の安い安定的な供給がいまこそ必要であり、また、農民に密着した流通体系の確立が急務であることを指摘いたしまして、反対討論を終わります。
○委員長(久次米健太郎君) ほかに御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久次米健太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、青井君から発言を求められておりますので、これを許します。青井君。
○青井政美君 私は、ただいま可決されました肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党及び第二院クラブの共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、農業及び肥料工業の厳しい諸情勢にかんがみ、肥料の需給・価格の安定対策を強力に促進することとし、長期的な国際肥料事情にも対処しつつ、有効な肥料政策の確立を進め、本法の施行等に当たつては、特に次の事項の達成に努めるべきである。 一、肥料価格の低位安定を図るため、特定肥料の価格取決めに当たつては、当事者間における肥料工業の構造改善等による合理化目標を考慮し、そのメリットが適正に反映されるよう指導するとともに、産業構造審議会の答申の趣旨を配慮しつつ、農業及び肥料工業の健全な発展に資するよう価格取決め交渉の公正と実効を期すること。 二、肥料工業の構造改善については、生産設備の実態、業界の協調体制を配慮しつつ、生産コストの低減が進められるよう指導すること。 また、肥料工業の安定を図るための設備処理に際しては、雇用の安定及び労働条件の整備につき適切な対策がとられるよう指導すること。 三、肥料の流通改善を図るため、輸送・保管・販売等の経費の節減、複合肥料の銘柄集約化等を推進し、肥料の流通コスト、価格の低位安定に資するよう指導すること。 四、原料等の輸入依存度の高いりん酸質肥料、加里質肥料については、その生産事情を考慮し、輸入原料等の安定確保に必要な努力を払いその生産、流通の改善対策を進めること。 五、農業生産の安定と土地生産力の増強を図るため、土壌、施肥技術等の研究普及体制を充実するとともに、堆肥等良質な有機物の土壌への還元、地力培養の技術改良等に関する指導、対策を強化すること。 右決議する。 以上でございます。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(久次米健太郎君) ただいま青井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久次米健太郎君) 多数と認めます。よって、青井君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺農林水産大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、十分検討の上適切に対処してまいる所存でございます。
○委員長(久次米健太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(久次米健太郎君) 次に、沿岸漁業改善資金助成法案を議題といたします。 これより、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺農林水産大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 沿岸漁業改善資金助成法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 新しい海洋秩序の形成により、わが国遠洋漁業は大幅な後退を余儀なくされ、国民に対する水産物の安定的供給確保の見地から、沿岸漁業を見直し、その健全な振興を図ることが、一層重大な課題となってきております。 しかしながら、わが国沿岸漁業の現況を見ますと、家族経営を中心とする零細多数の経営体により担われているため、自力による新しい生産技術の導入等が困難であること、海上作業には危険も多いこと、漁村の生活環境は、都市等に比べて著しく立ちおくれている状況にあること、将来の生産の担い手である若い後継者の確保が困難となってきていることなど、厳しい状況にあります。また、これらのことが、沿岸漁業の経営の健全な発展、漁業生産力の増大及び沿岸漁業の従事者の福祉の向上を図る上で大きな制約条件となっております。 政府といたしましては、これまで、沿岸漁場の整備開発、沿岸漁業構造改善事業等の推進を図ってまいったところでありますが、沿岸漁業の経営の状況等からして、これらの施策に加えて、沿岸漁業従事者等が自主的にその経営を改善していくことを積極的に助成するための新たな施策を講ずることが緊要であると考えるものであります。このため、近代的な技術または漁労の安全確保のための施設等の導入、漁家生活改善のための合理的な生活方式の導入及び沿岸漁業後継者等による近代的な沿岸漁業の経営方法または技術の習得に必要な無利子の資金の貸し付けを行う都道府県に対し、政府が必要な助成を行う制度を創設することとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。 まず第一に、この法律の対象といたします資金を経営等改善資金、生活改善資金及び後継者等養成資金に分けて、それぞれの内容を定めますとともに、都道府県が沿岸漁業従事者等に対するこれらの資金の貸し付けの事業を行うときは、政府は、都道府県に対し、予算の範囲内においてその事業に必要な資金につき、その三分の二以内を助成することといたしております。 第二に、都道府県が行うこれらの資金の貸し付けにつきまして、その利率を無利子とするとともに、資金の種類ごとの限度額、償還期間等について定めております。 第三に、都道府県がこの貸し付けの事業を行う場合には、その事業の経理は特別会計を設けて行わなければならないこととするとともに、その事務の一部を漁業協同組合連合会等に委託することができることといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(久次米健太郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。森水産庁長官。
○政府委員(森整治君) 沿岸漁業改善資金助成法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 本法律案を提案いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明におきまして申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 この法律案は、本則十五条及び附則から成っております。 まず、第一条におきましては、この法律の目的を定めております。 すなわち、この法律は、沿岸漁業従事者等に対する経営等改善資金、生活改善資金または後継者等養成資金の貸し付けを行う都道府県に対し、政府が必要な助成を行う制度を確立し、もって沿岸漁業の経営の健全な発展、漁業生産力の増大及び沿岸漁業の従事者の福祉の向上に資することをその目的といたしております。 次に、第二条におきましては、都道府県が貸し付けを行うこれらの資金をそれぞれ定義しております。 まず、経営等改善資金とは、沿岸漁業の経営または操業状態の改善を促進するために普及を図る必要があると認められる近代的な漁業技術または漁労の安全の確保もしくは漁具の損壊の防止のための施設の導入に必要な資金で政令で定めるものをいうことといたしております。 次に、生活改善資金とは、沿岸漁業の従事者の生活の改善を促進するために普及を図る必要があると認められる合理的な生活方式の導入に必要な資金で政令で定めるものをいうことといたしております。 また、後継者等養成資金とは、漁業後継者たる青少年または漁業労働に従事する者が近代的な沿岸漁業の経営を担当し、または近代的な沿岸漁業の経営に係る漁業技術に従事するのにふさわしい者となるために必要な近代的な沿岸漁業の経営方法または技術を実地に習得するために必要な資金で政令で定めるものをいうことといたしております。 第三条におきましては、都道府県に対する政府の助成につきまして定めております。 すなわち、政府は、都道府県がこの法律の定めるところにより沿岸漁業従事者等に対する経営等改善資金、生活改善資金または後継者等養成資金の貸し付けの事業を行うときは、都道府県に対し、予算の範囲内において、貸し付けに必要な資金の一部に充てるため、補助金を交付することができることといたしております。 第四条及び第五条におきましては、貸付金の貸付条件につきまして、その限度額、利率、償還期間及び据え置き期間について定めております。 すなわち、一沿岸漁業従事者等ごとの貸付限度額は、それぞれの資金の種類ごとに、農林水産省令で定めることといたしております。 また、利率につきましては、これらの資金の性格にかんがみ、これを無利子とするとともに、償還期間は、経営等改善資金及び後継者等養成資金にあっては七年を超えない範囲内で、生活改善資金にあっては五年を超えない範囲内で、それぞれ、その種類ごとに、政令で定める期間とすることといたしております。 さらに、据え置き期間につきましては、必要と認められる種類の貸付金につき二年を超えない範囲内で、その種類ごとに、政令で定めることといたしております。 第六条から第十一条までにおきましては、貸し付けに当たっては保証人を立てさせること、災害時の場合において償還金の支払いを猶予できることなど資金の貸し付けに係る債権の管理を適正に実施するための所要の事項を定めております。 第十二条及び第十三条におきましては、都道府県がこの貸し付けの事業を行う場合には、その事業の経理は特別会計を設けて行わなければならないこととするとともに、その事業に係る事務の一部を漁業協同組合連合会等に委託することができることといたしております。 第十四条及び第十五条におきましては、交付する補助金の額は、都道府県が貸付金の財源に充てるため一般会計から特別会計に繰り入れる金額の二倍に相当する金額または都道府県ごとに農林水産大臣が定める金額のいずれか低い額以内とすること及び都道府県が貸し付けの事業を廃止したときは、政府の補助を受けた割合に応じて政府に納付しなければならないことについて定めております。 最後に、附則におきましては、この法律の施行期日等について定めておりまして、この法律は、公布の日から施行することといたしております。 以上をもちまして沿岸漁業改善資金助成法案の提案理由の補足説明を終わります。
○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十七分散会