農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/02/15
会議録
○理事(山内一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十四日、柏原ヤス君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。 —————————————
○理事(山内一郎君) 農林水産政策に関する調査のうち、昭和五十四年度農林水産省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。 本件につきましては、前回すでに説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○村沢牧君 一昨日、渡辺農林水産大臣の所信表明を聞いたわけでありますけれども、日ごろ単刀直入に物を言い、かなり積極的な姿勢で物事に対処している渡辺農林水産大臣の所信表明としては、こう申しては大変失礼でありますが、何となく抽象的であって、奥歯に物のはさまったような言い方であり、私はむなしさを感じておるわけであります。 大臣は、この所信表明の中で、現在農林漁業を取り巻く情勢は大変に厳しいんだということを随所で強調されておるわけであります。情勢の厳しいことはだれでも承知をしておるところでありますけれども、なぜこんなに情勢が厳しくなってきたかという反省と、この厳しさを克服して、農民に夢と希望を与えるというビジョンがなくてはならないというふうに思うんであります。今後の農業をどのように誘導していくかという確信と、そのことが所信表明にあらわされなくてはならないというふうに思うんであります。私はこのことを期待しておりましたし、また、多くの農民もそういうことを期待しておるであろうというふうに思うんであります。日本経済は高度成長から減速経済に入って、この新しい経済社会に対応するために、農政も好むと好まざるとにかかわらず見直しが求められており、また、農業の新しい位置づけが求められてきておるというふうに思います。 大臣は、今日まで進めてきた自民党の農政をどのように反省をして、そうして八〇年代の農政のビジョンを打ち立てていくのか、まず、大臣の率直な見解を聞きたいというふうに思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の農政に対する考え方につきましては、大臣の所信表明で大体私は意を尽くしておるんじゃないかと。まあ表現が、大臣の所信表明ですから穏やかにそつなく書いてございますが、中身はかなりのことを言っておるように私は思っておるんです。実際、農政の問題について非常に厳しいと。特にこの安定経済成長に入りまして、農政ばかりでなくて、各産業とも非常な試練に遭っておるということは、皆さん御承知のとおりでございます。 しかし、私はこういう考えを持っておるんです。日本の農林水産業、こういうものの将来の展望というものを考えたときに、やはり農林水産業として一つの産業を国全体としては形成をしておるわけですから、当然そこで生産されたものは販売されなきやならないと。ところが、日本には一億一千万というような大変な消費者があるわけです。しかも、この消費者はお金を持っておる消費者なんです。もう食うや食わずで自給自足をするという消費者ではなくて、やはり食料品ぐらいはいいものを買って食べたいというような能力とそういう意思のある消費者が一億一千万人おると。これはまあ他国の名前を出して言うことは無礼だから申し上げませんが、何億人おりましても、購買力がなければ消費者としてはりっぱな消費者じゃない。やっぱり購買力があるということが必要であります。 そういうような点からすれば、しかもすぐ至近距離に一億一千万の消費者がおると。それらの人の食料というものは膨大なものであります。十トントラックで一日一万五千台ぐらいのものを毎日消費をするほどの大変な消費人口を持っておるわけですから、問題はどういうふうに対処するかと。問題は、外国から持ってきて日本でそれが安く売れるというものもあります。しかし、それは土地の条件が違いますから、なかなか外国と同じような安い値段でというばかりにはみんないかないわけでありまして、それらについては、やはり私としては生産をできるだけ国内でやるように工夫をすると。 それからもう一つは、やはり国内で生産するためには外国のものをある程度抑えるわけですから、権力的に抑えるわけですから、安く食べたいという消費者もおる。しかしながら、国家の安全保障というようなものも考え、あるいは農家所持の維持というものも考えると、ある程度抑えるものは抑えなきゃならぬ。権力で抑えていく以上は、消費者のサイドだけから見れば、もっと安いものを食わしたっていいじゃないかという議論のあることも間違いないんです、これは。したがいまして、私といたしましては、やはり国内で生産できるものは極力国内でするが、ただ漫然と値段のつり上げによって農家所得の拡大を図るというわけにはいかないと。これは極力やはり創意工夫をこらして、国も生産者団体も生産者も一緒になって、それで農業の合理化、近代化というものを推し進めていくと。それによってコストダウンというものを極力図っていくというような構造政策というものを、農政のやっぱり大きな柱にしていくことが当然であると、こう考えておるわけであります。 もう一つは、農業基本法などでは、非常に近代化農業というようなことで、産業としての経済的な立場だけから農業というものを考えてきたわけでございますが、私は少しそこはつけ加えていってもいいのじゃないかと。やはり農村というものはただ単に生産工場というだけではなくして、生産の場というだけではなくして、それは自然を守り、あるいは自然の生態系の円滑な循環を通して自然環境を守ったりいろいろな役目を果たし公益的な機能を果たしているわけですから、やはりそういう意味での農村の見直し、それからしょせんは東京の人でも何代か前はほとんど大部分の人は農村から来た人ばかりであって、農村は民族の苗代だという言葉はそこから私は出るんだろうと思います。したがって、そういうような点で、本当に日本民族の何千年来のいい点というものが農村にはかなり残されておる。したがって、そういうようないい点は、それは私は温存するようにしたらいいと思う。そうして、やはり農村の人間性豊かなこういうような文化というものは、守り続けていく必要があるというように私は考えておるわけであります。 それと同時に、やはり農村は文化の面でも、あるいは所得の面でも都市と均衡のとれるようにしてやらなければ、農村がいいからみんな農村にいろと言ってもなかなかこれはいないわけですから、そういうような両方の面での環境の整備というようなものをやっていきたいと。 大きく大ざっぱに言うと、その三つを私は柱にしていったらいかがなものであるか。省内や党内でまだ議論したわけじゃございませんが、私の考えとしてはそう思っておるわけでございます。
○村沢牧君 大臣から、八〇年代に臨む農政のあり方についていま答弁があったわけであります。このことについては後ほどいろいろと掘り下げてお聞きをしてまいりたいというふうに思うわけでありますけれども、ともかくいままでの農政というのは、高度経済成長に対応したいわゆる農基法農政であったわけであります。 農基法農政というのは、農業の近代化だとか他産業との格差の是正あるいは選択的拡大などを表看板にはしておったわけでありますけれども、結果的には、農村の労働力を都市や工業に集中をして、兼業も増大をした、あるいはまた農家所得も停滞をしてきたわけなんです。自給度もまた低下をいたしまして、今日では米は過剰であるけれども、その他の農作物は多くの物が不足をしておると。過剰と不足の共存という現象を生み出してきているわけであります。また、こうした農政を進める中におきまして、ネコの目農政なんて言われまして、場当たり的と言っては失礼でありますが、絶えず農政のあり方について修正が行われてきたわけであります。こうした結果、私どもに言わせれば、高度経済成長に対応する農業施策というのは、農村から人と土地と水を奪ってしまったというふうに考えるわけです。 こうした農政が、現在の減速経済の中においては現実にそぐわなくなってきたわけであります。したがって、農業基本法の見直しだとか、あるいは農政全体の見直しが求められてきておるわけです。中川前農林水産大臣は、農業基本法の見直し、あるいは改正の必要があるというような示唆をしばしば与えるような発言を行ってきたところでありますけれども、このように経済情勢が変わってきた今日、渡辺農林水産大臣としてはこの農業基本法に対して、あるいは基本法を柱として進めてまいったいままでの農政をどういうふうに反省をしていくか、そして農業基本法をどういうふうに持っていこうとされるのか、その辺についてお聞きをしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、農業基本法の考え方が間違っておったと思いません。大体あんな方向じゃないか。しかし、先ほど言ったように、農村を単に生産の場として見るだけでなくて、別な面での見直しというものを一つ入れていく必要があるのじゃないかという気がするわけであります。ただいまのお話の中で、確かに農業基本法の目的どおりに進まなかったではないかという御批判があろうかと存じます。私は、これは率直に認めていいと思うんです。 たとえば、規模の拡大というようなものでも、その規模拡大、選択的拡大と言っても、全体としては進み方が非常に遅いではないかと、私はそう思います。それにはいろんな問題がありますが、土地の問題というものは一番の問題になっておるわけです。しかしながら、高度経済成長の中で総合農政ということをわが自由民主党が展開をして、それでともかく農地というものをふやすといっても、実際問題として五反歩の土地を一町歩、二町歩にふやしていくということは、しかも所有権を含めてふやすということは言うべくして実際はできる問題ではないと。しからば、専業の育成というためには、土地の利用権集積というものをもっと大型にやるべきではなかったか、こういう点は私はあえて御批判に甘んじたいと思う。こういう点は、いろんな問題があって思うようにできなかったということは事実です。 したがって、こういう点にはメスを入れていかなきゃならぬと私は思います。しかしながら、機械化とか圃場整備というものが進んだために、労働力が非常にそこで余剰労働力ができたと。その余剰労働力が、それは自由社会ですから遊んでおってもいいし、それは出かせぎに出てもいいし、あるいは残ったところでイチゴ栽培をやってもいいし、裏作をつくってもそれは何でもいいんです。いいんですけれども、いずれにしても、その浮いた労働力で他の所得を得たということは事実であります。兼業農家のふえたことも事実であります。しかし、兼業農家がふえたから悪いかと。私は悪いとは思いません。土地がともかく一定しているわけですから、その中で人の生産性を高めれば当然人が余るわけですから、結局余った労働力が遊んでいるか、ほかの仕事をするかというだけであって、ほかの仕事をしたことによって農家所得が勤労者世帯よりも上回ったと。これは高度経済成長の過程を通してそうなったわけなんです。ですから、そのことは決して失敗だと私は思わない。でありますから、今後も総合農政というものはやっぱり進めていく必要があると、こういうように考えておるわけであります。 水を奪った、それから土地を奪ったと言われれば、確かにそれは奪ったと言えば奪ったのかもしらぬが、しかしながら、農村に工場を持ってこいという議論もあるのであって、工場を持ってくるとすれば、二階につくるわけにいかぬから、やっぱりどこかの土地には確かに工場ができるので、土地がそれは確かになくなりますから、そういう点をとられたという見方をすれぼとられたのかもしらぬが、それによって雇用の増大が図られるということになれば、それは農民にとってプラスな面もあるはずでありますから、農村の土地がつぶれたことが一概に悪いということはなかなか言えないのじゃないか。ただ、ゴルフ場のでき過ぎなんというのはこれは私も余り賛成しないんです、正直な話が。これはもう田中総理のときも私はずいぶん論争を実はしたのでありまして、これなどは少し行き過ぎじゃないかという気が私自身もしております。したがって、そういうような御批判も一部にあることは事実でございますから、いままでに成功した面、うまくいかなかった面、それからちょっとやっぱりこれは失敗だなと思う面、全部あるんです、それは。ですから、そういう点はもう一遍見直しをして、今後どういうふうに進めていくか、虚心坦懐に皆さんの話も聞いて骨組みをつくってまいりたいと、かように考えています。 〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕
○村沢牧君 大臣の意思がだんだんわかってきたような気がするんですけれども、いままでの農基法に基づく農政は反省すべきものもある。反省は反省として、しかしこれからの農政も農業基本法必ずしも悪くないから、これに基づいて総合農政を進めていくという答弁であったというふうに思います。そこで、基本法そのものは、大臣は改定をするなんという意思は持っておらないというふうに思うんですけれども、その辺についてどういうふうに考えておるか。 それともう一つは、基本法に手をつけないとしても、大臣が言われておりますように、農政の見直しをする時期になってまいりましたから、大臣の見解はお聞きしたんですけれども、それをわが国政府として、農林水産省として見直していくんだということになると、皆さん方の機構、組織として農政審議会等もありますし、それらに諮って具体的に進めていかねばならないというふうに思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、やっぱり国会でも済んだらば役所の方も手がすきますから、英知を集めて一遍私は総点検をしてみようと、そう思っております。その手続等については、それぞれの諸機関がございますから、大体そういうようなことで、準備ができれば必要な機関に諮って進めるということにしたいと。ただ、何月にどういうことをやって、何月にどういうことをやってというようなことまでは、いまのところスケジュールは立っておりません。まあ私の在任期間中にできればいいんじゃないかと。しかし、いつまでにやるか、これもわからぬ話でありますが、ともかく秋のころまでには目鼻ぐらいは立てたいという考えであります。
○村沢牧君 いま大臣から、私の在任中という言葉が出たんですけれども、農業基本法の法律そのものについては、大臣の在任期間中は手をつけるような気持ちは毛頭ないということなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ですから、私の在任期間中に改正法案を出すというところまではいかぬだろうと。しかし、全部いまのままでいいんだということも言ってないんです、私は。部分的にやっぱりちょっと考え方を少し別なのも取り入れた方がいいじゃないかという面もありますよ、ということを言っているわけですから。ですから、農業基本法いまのままで、そっくりでいいんだというわけではなくて、これはいろんないままでの経過を踏まえて一遍見直しましょうと。しかしまあ大体いいんじゃないかなと、しかし不足のところもどうもあるようだなというぐらいに考えていただければ幸いだと思います。
○村沢牧君 その論議を長くやっておりますと時間をかなり食いますから次へ進みますが、次に田園都市構想というものについて伺っていきたいというふうに思うんです。 大平総理は、田園都市構想を表看板に出して国づくりの基本理念としているわけです。都市と農村が一緒になって自然と調和のとれた地域社会をつくるということは、私はこれは望ましいことだというふうに思います。しかし、総理の演説を聞いておりましても、きわめて抽象的であって、かつ情緒的であって、総理の考えている構想というのは具体的にどのようなものか、これは理解になかなか苦しむんです。つまり、田園都市構想というのは、具体的な計画なしにこれは打ち出されたものだというふうにも私は思うんです。具体的な計画も出さずして政府がこれを打ち出すということは、これまた無責任と言わざるを得ないというように思うんです。したがって、明確な全体計画とその手法あるいは財政面の手当ての具体的な裏づけを前提としてこれはやっぱり考えていかねばならないというふうに思うんです。 そこで、大臣は大平内閣の閣僚として、この田園都市構想についてどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は私も大平さんの応援をしたわけではないし、田園都市構想というのは、これは総裁選挙でかっこうよく——かっこうよくと言っちゃしかられますが打ち上げたわけです、自由民主党の票を取るために。それで、確実に当選をするということになればもっと詰めたことを言ったんでしょうが、新聞は福田さんの方が強い強いなんて言っているものですから、それだけに、ずんと詰まったものを出したというようには、ざっくばらんに言って私は思っておりません。総理に聞いても、やはりそうきちっと詰まったものではないということになって、私も大臣にはからずもなったわけですから、しかし総理が言った以上は必ず国会でも言われるし、これはどういうんですかと、農林水産省でも準備しなきゃならぬから一応の内意は聞いておいたんですが、まあ簡単に言うと、やっぱりいまあなたがおっしゃったように、都市と農村・漁村を一体としてそれで結合さして、住みよい人間性豊かな社会をつくるんだというような話なんですね。 ですから、その意をそんたくをいたしまして、われわれとしては、そんなことならわれわれももともと昔から考えていたわけですから、そういうようなことは大変いいことでもあるし、ただ農村を民族の苗代として見直すんだというところが、強いて言えば、特にこれは総理大臣の発言としては非常に新しいユニークな発言なんですよ。私の意見ともきわめてこれは一致しているんで、大いにそれではお引き受けして下請をひとつやって、総理の考えを実現するようにしようということで、予算も大体もう煮詰まってから私らなったものですから、予算をがらがら変えるわけにもいかない、実際問題として。いかないが、そこは役人さんの方は利口ですから、もう福田さんになっても大平さんになっても、どっちへ転んでも大丈夫なぐらいの予算をちゃんとこう組んであるわけですよ。したがって、その中でアクセントをつけて、そうして事務的なことは後でお答えをいたしますが、農林水産省予算というものがちゃんと、田園都市としてはこうだというようにきちっとめりはりをつけたものを出すことができたと。したがって、スタート第一号でありますから満足とは申しませんが、まあまあ方向としては私は田園都市構想の方向の下絵はできたと、こういうように思っております。
○村沢牧君 田園都市と言うからには、農業とのやっぱり関連を抜きにしては考えられないというように思うんです。同時に、田園都市をつくっていくには、農林水産省が中核的な役割りを果たし、していかねばならないであろうというふうにまた思うんです。そこで、この五十四年度の予算を見ますと、特に地域農業生産体制の整備にまず重点を置いている。それから、住みよい農山漁村の建設と農業者の福祉の向上ということで、農山漁村の定住条件の整備なんかも、これも百億ですか、かなりの金を盛っているわけですね。そうすると、大臣は最初から農林水産省が田園都市づくりを考えておったわけじゃないというようなお話も聞いたんですけれども、これらの予算は田園都市構想に関連をしたものであるかどうかということ、それとも田園都市構想が、これから各省で調査をして、田園都市構想に基づく事業というのは今後どんどん農林水産省としても計上されてくるべきものであるのか。つまり、農林水産省としてのというか、田園都市構想の農林水産省版ですね、これはどんなものでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、先ほども言ったように、大平さんが田園都市と言ったから、田園都市という言葉が新しい。しかし、地方では言っている人があるんですよ、田園都市構想なんて、昔から。だけれども、総理大臣が言ったから、総理大臣としては新しいという話なんですよ。しかし、考え方は、われわれの考え方とまるっきり違った考え方じゃないんですよ。大体以たような考えなんです。したがって、定住圏構想と田園都市構想とどこのところがどう違うんだと、こう言われましても、そこらのところは言った人が本人だってはっきりわからぬのだから、それは実際私聞いてみても。ですから、いままでのそういうような、農村を住みよくして、都市と連携をとって、それで農村のいいところも残しておいて、農村にも文化的な生活をやらして、それで自然環境を守ってと、部分的にはみんなやってきているわけですね、これ。それを一括した言葉で田園都市構想と、こういうふうに私は打ち立てたものであろうと。 したがって、大平さんの考えているようなことは農林水産省も考えておったと。ただ、そういう言葉は使わなかったということで、さらにしかし、総理の考えが、いまもっとそういうような方向でもう少し研究をして、体系化して詰めろという話にこれはなってきておりますから、私はいままで以上に確かにいいアイデアでもあるし、それは断片的に物を言うんではなくて、総合的に田園都市とはいかなるものだということについては、もう少し詰めて、学者その他の人の話も聞いてということを大平総理が予算委員会でも言っておりますから、ですから私は、そういう人の意見も聞いて、われわれの考えているものとすり合わせをして、こっちの考えがよければこっちのやつに乗ってもらうし、向こうのがよければ向こうのに乗るしというようなことで、これは党内とも相談をしながら詰めていきたいと、こう考えております。 とりあえず、われわれの考えておる田園都市構想というものの輪郭というものについては、今回の予算で、たとえば農村でお互いの連帯社会の中でむつまじく暮らせるようにいろいろな集落の整備をしたり、あるいは集会場をこしらえたり、あるいは部落間の連絡道路をこしらえたり、集落の排水をやったり、あるいは水道を引いたり、それから観光農園をつくって都会の人と農村のなにをうまく結びつけるようなことをするとか、そういうようなものは一応は今回の予算には計上はしております。しかし、それがすべてかと言われると、いま言ったように、それですべてが終わりでございますというものではありませんというわけであります。
○村沢牧君 大臣も先ほど来、農村は民族の苗代であると、大平総理もこういうことを言っているわけですね。非常にいい言葉ですけれども、しかし農山漁村では農業所得では生活が成り立たない。したがって、民族の苗代である農村であるけれども、この豊かな自然を捨てて大都会にずっと流出をしてきてしまったわけですね。こうした結果、農村には嫁の来手もない、現実にあるのですね。そしてまた、大都市とその周辺に残された田園は無計画に宅地や工場に転用されて、農民は土地を失ってきたわけなんです。こうしたいままでの経過や現状の中から、農村で安住できるという条件をいかにつくるかということが、大きな政策課題になっておるわけなんです。 そこで、ただ単に民族の苗代だとか生きがいを感ずるというようなことは、これは期待としていいですよ。将来はこういうふうにしたいというのはいいけれども、余りに私は現状とは認識が違っているんじゃないか。こういう中から田園都市と言われると、何か農村に囲まれたいい都市をつくるんだとか、あるいは都会の人から見た農村ですね、農村を憩いの場にしていくんだと、こんなことも一つ考えられてこんな発想も出てきているのではないかというような、こんな疑問を抱くわけですけれども、特に農村の側から見た、農林水産省の側から見た、都市と農村とを結合して地域の定住圏をつくっていく、そういうことについては、現実と照らし合わしてみてどういうふうに感じますか。
○政府委員(松本作衛君) ただいま大臣からもお話し申し上げましたように、この田園都市構想の中の考え方は必ずしもつまびらかでない点があるわけでございますけれども、都市側から見ても農村側から見ても重要な考え方であろうと思っておりまして、特に農業側からどのようにこれをとらえているのかということになりますれば、一つは、やはり今後農業の構造改善を進めていくためには中核的な農家にできるだけ農地の利用というようなものを集めていく。そういうふうなことを促進するためには、一方において兼業農家がその地域に居住しながら就業の機会を持つということが必要でございますので、このようなまず兼業農家に安定した就業の機会を農村において得せしめるということが、大事な課題になっておると思います。 それからまた、農村において農家が安定して農業活動ないしは農村生活を営むための条件が、農業面についてはいろいろやっておりますけれども、特に生活面の環境が必ずしも十分でないということがございますので、この農村地域における生活環境の整備ということをどうしても進めていき、いわゆる住みやすい条件をつくっていかなきゃならぬという農政上の課題があると思います。 それからさらには、この農村地域の持っておる空間というものを都市の住民というものにも十分活用し、そのことによって農業者から見ても就業の機会を拡大することにもなるというようなことで、観光農園その他農業外の方々が農業の自然環境を活用できるような、そういうふうな仕組みも考えていかなければならない。 それからまた、こういうことを全部含めまして、農業の中における専業農家、兼業農家の間のいわゆる人間的な交流、さらには農家と非農家との間の農村の中における組織交流というようなものも、今後の健全な農村の育成のために重要であるというコミュニティーづくりの問題もあろうと思います。 こういうふうな諸般の面を考えてみまして、私ども農政の中におきましても、田園都市構想と一致すると考えられます施策を講じておるわけでございまして、来年度予算におきましても、その一、二を申し上げますれば、一つは、農村工業導入等を中心といたします就業機会の拡大を図って、農村に定住条件をつくっていくための定住促進の事業、さらにはまた、農村の緑の環境というようなものを都市住民にも活用していくための学童農園等も含めた緑の村の整備事業、さらにはまた、農村の生活環境整備のための従来からやっております農村総合モデル事業等の拡充、それから新しい事業といたしまして、コミュニティー活動を進めていき、農村における連帯感を深め、農民の保健ないしは生活条件を高めていくためのいわゆるコミュニティーづくりといたしましての農林漁業村落振興対策百億円というようなものが、予算上も計上されておるわけでございます。
○村沢牧君 田園都市づくりの具体的な問題についてはまだ余り定かでないけれども、しかし、それらに関連をして、農林水産省のこれから施策を進めていくという方向がわかってくるような気がしますが、そこで、そういう方向に関連をして、地域農業の振興と農業再編成に対する考え方について伺っていきたいというふうに思います。 地域農業の振興ということが最近よく言われて、農林水産省の新年度予算においてもまず地域農業を重点項目の筆頭に掲げておるわけです。農業は本来これは地域的なものであって、地域に適した作物を栽培するということはこれは当然なことである。地域農業なんということをいまから打ち出すことが、むしろ遅きに失したようなことなんですけれども、参考までに申し上げますが、私ども日本社会党も中期経済政策を先ごろ発表いたしまして、この地域農業についてはきわめて重要視して、食糧自給促進のための地域農業振興計画というのをうたっておるわけです。これは国民の食糧を自給をしていくのだということをまず基本にして、地域で計画委員会をつくったり、あるいは地域の自主性を尊重して地域農業を進めていく。さらには、このためには農用地の拡大もしなければいけないし、複合経営も進めていかなければならない。これらを骨子としたこういう政策を打ち出しておるわけなんです。 そこで、私ども地域農業を進めていくということを考えておりますが、ただ農林水産省の考えておることは、これからお聞きをしなければわかりませんけれども、どうも私どもの考え方とは相違もあるように思われるのです。そこで、地域農業を強く打ち出したということは、いままでの農業、農政、この欠陥を反省をし、今後の農業をどういうふうに地域相互性を持たして再編成をしていこうか、こういうことにもつながってくるというふうに思うのです。 そこで、冒頭申し上げたように、近ごろ農業の再編成ということが言われるのですけれども、地域農業を中心として打ち出した農林水産省の本年度の予算計画は、将来農業再編成をしていくというこういうことにつながってくるものですか、その辺の考え方は。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも、いままでの農政は地域農政でなくて何農政なんだと言われても、これも言葉遣いみたいな話であって、ただ地域というものを強く打ち出したということは、たとえばいろいろな補助事業等をやる場合においても、ややもすると縦割り式な画一的な助成事業というようなものが多かった。ところが、地域地域によって、また機械その他でも、農林水産省が考えている以外の手法を用いた方がもっと有効に機能するというようなものがあっても、助成対象にならないというようなこともあったわけですよ。そこらの部分の部分手直しをやりまして、なるべくその地域の自主性というものを重んじて、全体的に見てそういうふうな特異性があるものの方が有効に機能するんだという場合には、そういうようなものも助成事業等の中でも特認事項として認めましょうというようなことは、やっぱり地域の意向を尊重して、むだのない、一番いいその地域に合った手法で農業をやらせるようにしてはどうかという考え方なんですよ。 それで、再編成の問題というのは、これは御承知のとおり、農業というものはこれは農産物をこしらえるわけですが、その中に、要するに価格によって需給をどうこうするというものと、米のように価格が固定をしちゃっておって、それで量の統制をやっておるというものとが混在しておるわけですよ、これは。ところが、お米の場合には御承知のような過剰状態になってきておると。同じ土地を使われるのに、もう十二分にあり余っているところによけい増産されても、これは国家的に見ても国民経済的に見ても困るわけですから、したがって、そういうような過剰のものは少なくして、そして不足をしておるものも一方にあるから、その不足をしておるものの方にその生産力、エネルギーというものを回しましょうと。 たとえば、具体的に言えば、じゃ米はやめてそのかわり小麦とか大豆とか不足をしている飼料作物とか、こういうものをつくっていただくようにしましょうと。しかし、そのためにはそれは湿田で大豆をつくれなんといってもできっこないわけですから、これは排水事業というようなものを二百三十億もことしは新規予算をつけまして、大々的に排水事業というものを土地改良の中で興していこうというような誘導策はもちろんついているわけです。 そういうようなことで、要するに国民の食糧として必要にして十分なものをバランスをとらしてつくらせるような誘導策を農林水産省としてはやっていきたいというのが、地域農業再編成ということであります。
○村沢牧君 そこで、新年度計上された予算は、これは従来の政策を手直しをして地域の自主性に合ったようにしていくんだと、そして需要に見合った農業生産ができるようにするんだと。そういうことを進めていって、農業の再編成という言葉がいいか悪いかは別として、新しい農業の形態をつくっていくんだという地域農業を強く打ち出したことは、やっぱり農業の再編成をしていくんだという意欲のあらわれだと、こうとっていいわけですね。 そこで、大臣の所信表明でも、特に生産性の高い近代的な農家を中核的な担い手として地域農業を振興し農業の再編成を図っていくということが言われておるわけでありますが、いわゆるこの中核農家ということですね、どのような農家を農業の生産の担い手にするのか、中核農家のひとつ定義についてお伺いしたい。これはまあ大臣でなくて結構です。
○政府委員(松本作衛君) 中核農家という考え方は、基幹となる男子の専従労働者がいるような農家ということで、俗に言えば、一人前のしっかりした農民が残って農業をやってくれるような、そういうふうな農家という考え方でございます。
○村沢牧君 いま御説明があった中核農家ですね。私は、ここに農林水産省の農業調査の資料を持っているんですけれども、五十三年の一月一日現在総農家戸数は四百七十八万八千戸、このうち専業農家が六十二万戸、いわゆる専業農家やあるいは他の兼業も含めて、いま言われるような中核農家は百九万九千戸ということになっているわけですね。この全農家戸数に占める構成比は二三%、いわゆる中核農家も最近の傾向を見ると、五十一年と五十二年とを比較してみますると六・三%の減少、五十二年と五十三年度を比較してみますると、五・一%の中核農家がだんだん減少してきているわけですね。 こういう現状の中から、いま農林水産省が意図しているような政策でもって、中核農家に農業を担ってもらうのだと言われておりますけれども、果たしてこの減少に歯どめがかけられますか。あるいはまた、歯どめがかけられないとしても、これから生産性の高い近代的な農家を、いわゆる中核農家をどのように育成をしていくかということが、農林水産省の方針の中で、あるいは予算の中であらわれていますか。
○政府委員(松本作衛君) ただいま御指摘がございましたように、近年におきます中核農家の数は減少ぎみにあるわけでございますが、私どもといたしましては、こういうふうな中核農家を増大させていきますためには、やはり規模の拡大ということが必要であると考えております。 規模の拡大は、農地の所有権の移転ということはなかなか困難でございますから、農地の利用権の移転を促進することによりまして規模の拡大を図り、中核農家を育成していくということが必要であると考えておりまして、従来から農地の利用権の増進事業というようなことを制度上も仕組み、予算的な措置も講じておるわけでございますが、必ずしも十分でない点がございますので、来年度におきましては特に農地の利用増進事業を促進いたしますために、貸し手側、土地を出す側に対しましても助成措置を講ずることによりまして農地の流動化をさらに促進していきたいという、農地の高度利用促進事業というものを予算上計上しておるわけでございます。 こういうふうな形は、ただ単に農地の利用権の問題だけではなくて、農業全体が体質が強化されるということと関連をいたしますので、先ほど御指摘がございました地域農業の振興というふうな中で特に促進をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 その努力は是とするものでありますけれども、いままでの中核農家の減少するこれを見ておりますと、なかなかこれも容易なことじゃないと思うんですね。 そこで、いまお話しがありましたように、たとえば農地の規模拡大をいままで努力していろいろと施策を講じたけれども、うまくいかない。だから、今度は利用権の拡大をしていくのだということでありますが、同時に、これだけではなくて、後ほど申し上げますように、いろいろな要素が重なってこないと規模拡大にもなってこないというふうに思うんですね。そういう面に、できるかできないかは今後私ども見守っていきますが、それではいわゆる中核農家は全農家数の二三%、それ以外の七七%という農家はこれはどういうふうにしているんですか。農業としては、この人たちにどういう期待を持っているんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、農業の場合も雇用問題というのがあるわけですから、就労のチャンスがなければ農作業から離れなさいと言ったってなかなか行く場所がないわけですよ、現実の問題として失業しちゃうわけですから。中国で第一次機械化をやるなんといったって、失業者ができちゃうと同じ話であって、なかなか時間のかかる問題であることは間違いないです。それから、これは経済の動向等も大きな影響がございます。経済が、景気が回復をして、安定的基調に立って雇用のチャンスがうんとふえる、求人倍率もふえるというふうな状態になれば、非常に非合理的な採算のとれないような形で農業を営んでいることがいいか、それよりも別に他産業に転換をした方がいいか、これは人によって地域によってみんな違います。違いますけれども、そういうような経済情勢との絡みも一つあります。 したがって、農業だけで中核農家をうんとふやすということになれば、その何倍かの兼業農家が農地から、農作業から離れるということになるわけですから、当然離れた人をどこへ持って行くんですかと、この対策を考えなきゃならぬ。したがって、国全体の経済を興しながら、農村にも働く場所をつくりながら、なおかつ自分で非採算性の農業をやるよりも別なことに専業した方がいいというような受け入れ場所ができて、初めて私は中核農家が利用権の集積ができるだろう。 しかしながら、現実にはこの土地の問題というものが非常にむずかしい問題でございまして、現在の農地法というのは、ともかく自分の土地を自分が耕すという精神でできているわけですよ。自作農創設ですよ。それが原則になっておる。したがって、そこら辺のところにもいろいろ問題があります。ありますが、とりあえずいま官房長が言ったように、貸し手の方にも助成金を出しましょうと、それからもう一つは農業振興法の中で、ある特定な条件のもとでは、部落の中では農地の貸し借り自由ですよ、それから離作料も払わぬでいいですよ、十年間返さないなんということでなくて必要なときはいつでも返してもらっていいんですよというようなことも言っておるんですが、なかなかしかし、一遍貸したらばもう土地が返ってこないんじゃないかというような不安が農民にありますから、これだけ土地が高くなって財産になっておりますと、貸した方がいいと思ってもなかなか人に貸さない。貸す人がなければ規模拡大はできない、中核農家は生まれないというふうないろんな複雑な問題が絡み合っておる。 したがって、景気の動向に合わせながら、われわれとしては、それらの中核農家ができることを防げておるものがあるならば、そういうものはだんだん取り除いていって、安心して人に貸せるような工夫というものをしてやらなきやならぬと、そういうような条件整備というものは必要である。ですから、かなり広範囲にわたってこれは再検討していかなきゃならぬと、こう思います。
○村沢牧君 単刀直入にお伺いしますが、大臣の答弁を聞いておりますと、これからの農業は、農政は、中核農家に期待をしているんだと、中核農家以外のいわゆる零細、小農は、これはやっぱり農業から離れてもらわなければいけないと言っては言い過ぎですが、その方に誘導していくということですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは最終的には日本は自由社会ですから、個人の自由によって自分がどの道を、職業を選択しようと、その人が自分が一番得だと思う方に選択なさって結構なんです、一番いい方法。しかし、現実の問題として、仮にどっかへ勤めていると、ともかく五反歩ばかり土地は持っておると、持っておるけれども隣の人に貸すことは心配だと、しかし自分がそいつを耕すためにえらい苦労をしておると、しかも隣の人は米一反歩十俵とっておるのに自分じゃ七俵しかとれないと、経費はよけいかかっているということになれば、しかしそれでもわしは農業の方がいいんだという人は、農業をどんどんおやりになってこれは結構なんです。それは結構です。しかし、それよりももっと別な道で収入がふえて、自分も安心して人にも貸せてそこからも収入が上がると、その方がいいなという人が必ずいるですね、これは。そうすれば、その人がいいなという道が、しかも生産性の向上につながり土地の有効利用につながるんだとすれば、当然それは国としても国民経済全体の立場から、土地というものは個人で所有はしているかもしらぬけれども、社会公共性が非常に強いわけですから、社会公共の福祉に従うとまでは言い切れないが、社会公共の福祉に、なるべくそれに合わしてもらうことは大事なことじゃありませんか。 ですから、私は土地の有効な利用というものについては、だれが考えてもそれはいいことなんですから、そういう方向に誘導するのは私は当然のことであると、さように思っておるわけです。それですから、兼業農家を追い出してしまうんだとか、そういうことじゃありませんよ。兼業農家でも、自分がそれはともかく兼業をすることによって高い収益が上げられるんだと、私は土地はたくさん一町歩も二町歩もないが、三反歩しかない、そのかわり私はイチゴづくりで一反歩二十五万、三十万とるんだと、その方がいいんだという人は、やっぱりそういう人をみんな集団化さして、一つの産地にしなきゃだめなんですから、個人個人がぽつりぽつりいたって、それは神田の市場へ来ないわけですからね。ですから、そういう兼業農家のたくさんいるところは兼業農家を全部組織化して、集団化して、何か特殊な、その土地に合った、それこそ地域農政を生かしてやると。だから、それぞれのその土地土地によって条件は皆違いますと。違いますから、その土地の条件は生かしますが、マクロで見れば、私の言ったようなことも非常に大切な今後の農業の進むべき道ではないでしょうかと、こういう意味です。
○村沢牧君 大臣の言われますように、農村に雇用の機会を与える、仕事場を与える、このことは大変に重要なことだというふうに思いますが、労働省いますね。——かつて農村で工業誘致あるいは工場誘致ということで、高度経済成長のときは躍起になってやったわけですね。ところが、一たん不況になってくると、まず真っ先に整理をされるのが農村にある工場なんです。農民が農業を捨てて工場に入ったけれども、そこで首切りに遭って犠牲を受けているわけなんです。現在、日本には百二十五万に達するよう鶴完全失業者があって、雇用対策は政治のまさに最大の課題なんです。農業における雇用問題は、これはどういうことになっているのか。それから、今後さらに雇用が拡大をしていくというような皆さん見通しを持っておられますか。簡潔にひとつ御答弁願いたいと思います。
○説明員(齋藤邦彦君) お答え申し上げます。 現在、わが国の一般的な雇用失業情勢は非常に厳しいものがございまして、最近、若干建設業、製造業等におきまして明るい面も見られますけれども、依然としまして完全失業者数が百十万を超えるというような状態でございまして、非常に厳しい局面でございます。 確かに先生御指摘のような事情もございまして、特に農村だけを取り上げまして雇用の現状を調べた統計はございませんが、一般的に地域別に見ますと、いわゆる農村が多いと言われます。たとえば東北地方におきましては新規の求人倍率が〇・四倍、九州地方では〇・八倍ということでございまして、大都市を抱えます関東、中部、近畿地方に比べますと非常に雇用失業情勢が厳しいということは、一般的に言えるだろうというふうに思っております。かねてから農山村地域での雇用機会の不足という問題は指摘されてきたわけでございまして、従来から労働省といたしましても、いろいろな施策を講じて雇用機会の拡大に努めてきたところでございます。たとえば地域雇用促進給付金の活用ですとか、あるいは農村地域工業導入促進法によります工業導入等によりまして雇用機会の増大を図るというようなこともやっておりましたし、またあわせまして全国各地七百人ばかりおりますが、農業者転職相談員の配置等も行いまして、農業従事者からいわゆる農村地区の労働者の方々の紹介体制の強化ということもやってきたところでございます。 今後の対策ということになりますけれども、いわば地域の開発計画あるいは農林水産省でいろいろやっておられます施策との関連もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても地方におきます雇用機会の増大と、雇用失業情勢の地域格差解消ということに努めてまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 いま労働省からの答弁があったように、農村における雇用問題は特に大変だというふうに思うんです。 そこで、先ほど来大臣や官房長が強調されておるんですけれども、いわゆる兼業ではやっていけない農家に対して、そういう雇用機会をつくってそっちで働いてもらうように誘導していくんだというお話なんですけれども、いままでの話を聞いておっても、あるいは農林水産省の五十四年度予算を見ても、一体それでは農村で雇用機会ですね、働く場所をつくるということについて具体的なものが、これならいいというようなものがあらわれておらない。なるほど中核農家をつくるということは強調している、基盤整備をやるということは強調しておるけれども、一体、そこであらわれたいわゆる零細農家をどのように救っていくという——大臣の気持ちはいいですよ、その答弁は、趣旨はいいですけれども、一体施策としてどのようにあらわされているんですか。いままでどんなふうに取り組んだんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は前から言っておるように、世の中で農業だけがよくなろうなんということはできないわけですよ。それはもう農業といえども、日本の産業として日本の経済の中へ組み込まれておるわけですからね。ですから、経済が全体が悪ければ農業だって余りよくならない、それは当然消費者あっての生産者ですからね。ミカンをこしらえても、景気が悪くなったら、それはどんないいミカンをつくったって買う人がなきゃ値段は下がるに決まっているわけですからね。景気がよくなって消費者が豊かになれば、それは高いミカンほど売れるという話になってくるわけですから、だから、これは経済全体の問題の中でやっぱり処理しなきゃならぬと。したがって、われわれとしては、やはり農林水産大臣といえども、農業の問題だけで農家をよくするんだということは不可能です、これは。したがって、やはり国全体の景気の回復というものに内閣としては最大の力を入れておりますと。それで全体的にまず景気をよくして国内の需要をふやすというために、赤字公債まで発行してこれをやってきているわけですよ。ですから、そういうものが実を結ぶということがまず大先決問題なんです、これは一番先に。 それで、そういうものが実を結べば、ただ、東京へばっかりみんなともかく工場が集まっちまうというようなことでなくて、これもやはり地方にも工場を分散して出した場合に、工場を何というんですか疎開した場合に、助成金等も通産省なんかでもつけまして、低開発地域の開発をやろうという誘導策をやっておるわけです。そういうような誘導策をやって、やはりこの地域のバランスのとれた産業の発達というものを大きな流れでひとつ直していくと。その中に農業というものも——要するに自分なんですから、農業やった方がもうかる人は農業やっていいんですよ、それは。だけれども、農業ではどうも採算が合わないというような人の場合に、要するにそいつに雇用の機会を持たせるという方向でわれわれは助成をしていくんですと。 だから、早い話が、たとえば零細な人はどうするんだ、零細な人でもやっぱり米を一反歩二十俵とれなんて、とれるわけないわけですからね。それじゃ、零細な人の米は一俵二万五千円にして、大規模農家の米は一俵一万円にしてと、そんなこともできっこないわけですよね、これは実際問題として。そうかといって、一律にこの米の値段とか、あるいは何の値段をうんと上げればいいといっても、それはなかなか全体の問題としてそうはいかないということになりますと、やはり総合的な工夫をこらして、農家全体としての所得をふやすようなことを考えてやらなきゃならぬと。特に土地をたくさん持っている人はいいけれども、少ししか持ってない人は、その土地だけでうまく利用の仕方をひとつ考えると。しかし、それにも防界があると。人数も多過ぎるという場合には、当然他に職を求めるわけですから、その職が求められるような国全体の経済政策というものを一緒にやらなけりゃだめだと、こういうふうに考えております。
○村沢牧君 国全体の経済が盛り上がってこなければ、いま大臣が言われたように、雇用の確保もできないことはこれは当然のことだけれども、なかなか大臣御承知のように、不況克服だとか経済成長と言っているけれども、思うようにいかないわけですね。また、農林水産省当局も雇用の拡大なんて言っているけれども、本当にこれなら雇用が拡大していくというようなことも、口では言うけれどもなかなかうまくいっていないですね。ですから、中核農家をつくるために零細農家に土地の流動化をひとつ協力してくださいと言ったって、なかなかできないこと。したがって、この論議をしておりますと、これまた時間がかかりますから次へ進んでまいりますけれども、ともかく中核農家を育成するという方針を貫くのだったら、国全体の立場から、あるいは農林水産省という立場から十分そこで生活ができることを講じなきゃだめだと、そのことを強く要請をしておきたいと思います。労働省は結構です。 それから、地域農業を振興していくために、その前提となるのは、大臣の所信表明で言っておりますけれども、需要に見合う生産をしていくんだということなんですね。言うならば、これは米をつくるのを抑制をして他の作物に転換していきなさいということだというふうに思います。それからもう一つは、地域の自主性を尊重するということを強く打ち出しておるわけですね。これもまあ結構なことです。 そこで、具体的にお伺いしますけれども、たとえばいま農林水産省が打ち出している新年度予算のいろいろな施策、地域の環境整備にしても、基盤整備にしても、これらを施策にのっとって補助金をそれじゃ農林水産省から受けていく、こういう場合には、米の生産調整が伴わなければこれは皆さんは認めないのかどうか。地域の自主性と言えば、この地域は米しかできない、他の転作物をやってもうまくいかないということになれば、それも認めてもいいような気がするんですけれども、いままで農林水産省の農政というのは縦割り主義であって単品主義だ。地域の自主性は余り認めておらない。一体どこまで自主性を認めるのか、地域農業を進める上についての基本的な考え方を伺いたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まああなたのお話は、地域の自主性を認めろというならば、米しかつくれないところは米つくらせろと、簡単に言えばそういうことですね。私の方は、要するにこの米の転作の問題の面積にいたしましても、かなり地域の適性というものを考えて、限度数量あるいは転作面積というものを割りつけているわけです。新潟県は六%なら、北海道はその何倍かというようなことをやっているわけですね。県は県で、今度は各町村の中で、こっちの村はともかく湿地帯が多いと、こっちの村は乾田地帯が多いということになれば、県は県の中でそういうことをやってくださいと。それから今度は市町村なら市町村の中でも、全部水浸しというか、湿地田だけの市町村も中にはないこともないだろうけれども、しかしそういうところは県からの割当量が少ないでしょうから、おのずからそういうことをやっているでしょうからね。 ですから、そういうところでも、やはりしかしまあ工夫をして乾田で別なことをやると。しかし、自分のところはそれはできないという場合に、みんなとしてこれだけの数量というものを減らしていかなければ食管制そのものはおかしくなっちゃうと。何を優先するかという話になってくるわけですから、みんながやっているのに自分だけやらなくたっていいというわけにいかない。そこで、それなら共補償で、政府の方から補助金も出ていますけれども、それじゃわしはあなた方に一反歩当たり幾ら出すからと言って、それは村の中で共補償で、全部米はつくるけれども、あなたは全部休んでもらいたいというようなことを自発的に話し合いをして、結構円満にやっているところがあるわけですよ、これは。こういうことを私は別に抑えてもいない。それは地域の自主性というものをちゃんと尊重して、大きな目的には合いながら、下に行ってはちゃんとその目的に合わせながらそれぞれのできそうなことをお互いに助け合ってやっておるということは、やはり自主性はかなり認めているというようにお考えをいただきたいんです。
○村沢牧君 官房長、大臣から答弁もあったところですが、特に新しく出してくる予算の中には、地域の自主性を尊重するということがうたわれている項目がずいぶんあるわけですね。幾つかある。そのことは一体どこまで自主性を尊重するのかと、いままでとどういうふうに変わっていくのかということですね。 そして、私が質問いたしましたように、いろいろな仕事をやるについても、米の生産調整が絡み合ってこなきゃ補助金は認めないのかどうかと。この二点について具体的に答えてください。
○政府委員(松本作衛君) 今度予算に計上いたしました地域の総合生産振興対策というような事業につきましては、従来作物別に縦割りになっておりましたものを地域の実態に合わせて作物の選択を自由にしていく、さらには事業の中身につきましても、ある程度画一的な基準が強かったものをメニュー方式にいたしまして、その地域に合った事業が選択できるというようなふうに変えておりますし、さらにまた、運用におきましても予算上の割り当て等について一定の枠でしぼるのではなくて、地域の実態に応じて調整をしていくというような弾力性を持たせて助成をしていきたいというふうな考え方でございますが、それとともに、いま御指摘がございましたように、地域の自主性ということで、できるだけ地域の自主性が形成されますようなそういう協議会等の経費等についても見まして、地域の自主性を高めていくような仕組みをつくっていきたいという考え方を持っておるわけでございます。 第二点の米の生産調整といいますか、水田利用再編対策との関連につきましては、直ちにこのことが米の水田利用再編対策と結びつけたものだけを固定して考えるというふうには思っておりませんで、ケース・バイ・ケースで処理をしていきたいというふうに思っておりますけれども、ただ、今後の地域農政の大きな目的、目標というものは、ただいま大臣も申し上げましたように、国全体としての目標として過剰な農産物から需要の増大する農産物の方へ生産の内容を変えてもらうということがあるわけでございますし、そのために地域の指標というようなものもお示しして、地域ごとの生産のよりどころもお示ししてあるわけでございますので、そういうふうな国全体の大きな方向というものと調和をとった形での事業をお願いをしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 地域農業に関連をしていままで伺ってきたところでありますが、地域農業を振興するということは、冒頭申し上げましたように、私たちもやらなければならないというふうに思います。 ただ、問題は、どういうふうにしてやるかということなんですね。ただ地域農業振興と言っても、いままで答弁があったように、私が申し上げましたように、いろいろ諸条件が伴ってこないと零細農家や小農を切り捨ててしまう、ただそれだけになってしまうというふうになるんですね。ですから、私はこのことの論議はきょうは時間がありませんからしませんが、いずれ皆さん方の計画が進む中において改めて論議をいたします。 そこで、次の問題は、そういう地域農業を振興して農業の再編成を将来図っていこうとするお考えであるけれども、やっぱりそれにはその前提として、農産物価格の問題あるいは食糧の自給度を高めるという問題、あるいはまた農産物の輸入の問題、これらについてもはっきりした方針がなければ農民も安心してついてこれないわけですね。これが前提だというふうに思います。 そこで、まず農産物価格について聞いてまいりたいというふうに思うんですけれども、麦や大豆の生産が激減をして米の生産がふえた最も大きな原因は、米と他の作物との収益性の格差にあることは私が申すまでもないと思うんです。したがって、転作をする作物の価格の引き上げ、あるいは政策価格体系を確立しなければならないというふうに思うんです。なるほど、この転作作物については奨励金を出しておるわけでありますけれども、奨励金というのは、これは三年間は固定するにしても、皆さんの約束ですから、やっぱり単年度予算によって決まるものでありますから、極端に言えば先の当てのないものであって、これは表面を糊塗しているにすぎないというふうに思うんですね。仮に奨励金を加えたとしても、農林水産省令が出るような大規模でこれを転作すれば、米にいろいろ収益性も近づいてくるというように思うんですけれども、しかし現状を見れば、米の一日当たりの家族の労働報酬と他の転作作物と比べてみると、ずいぶん違うんですよ。 そこで大臣、こんな奨励金なんという場当たり的なものでなくて、農作物すべてとは言いませんよ、主要農作物について米並みに収益性を引き上げてくる、そういう農産物の価格体系をぜひ渡辺大臣、あなたの手によってやりませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはむずかしいところなんですよ。どうせ政府が払うなら価格に入れたらいいじゃないかということになりますが、たとえば価格に入れれば、それはやはり消費者に転嫁させるようになるんですよ。たとえば小麦のようなものでも、いま一俵一万一千円弱に全体でなっているわけですね。そのほかに七万円ぐらいの集団であれば転作奨励金が行くわけですから、七俵とれば一俵二万円という話ですよ、実際問題として。したがって、これもやり方では米よりもはるかに、八俵ぐらいとるところでは、もう小麦を五俵とった方が米八俵とるよりも有利だという地域もあるわけです。これはやり方なんですね。したがって、そういうような小麦を七俵も八俵もとれるような条件整備をしてやればそれは米より有利になるわけですから、現に場所によってはかなりふえているところがあるわけです。 この間も千葉県の青年が私のところに来て、集団でやっているが、ともかくえさ用の麦だけれども平均十俵とっておると。多いところは十四俵とったと。その後で落花生を入れて反七万円になったと。しかし、ことしは落花生は特別よかったからで、六万円ぐらい見たらいいでしょうと。私の方は非常にこの政策はいい政策だと言ってくる人もあるわけです、これは場所によっては。ですから、そういうような地域はそういうようなものをどんどん伸ばしてやると。お互い様いいのですから、政府もいいし、国民もいいし、生産者もいいんですから、みんなが喜ぶことはどんどん伸ばすと。そういう地域がうんとふえれば、それは米をつくりたい人がみんなつくっても過剰にならないという時代が来るかもしらぬ。 ですから、私はそういうことで全体的に足らない地域はふやした方がもうかるんだと、転作した方がもうかるんだというところはうんともうかるように私はうんと助成をしてやろうと、そういうようなことでやっておるんであって、確かに理屈を言えば、補助金なんというのは一年一年のものだから不安だと、こういう理屈はあります。ありますが、政府としてはおおむね十年間ぐらいこういうことをやって、その転作した方が少なくとも米に戻らないぐらいな有利さを保ってやらなければもとへ戻っちゃうんですから、戻らないようにやっぱりしなければということになれば、そう不安に思わなくてももとへまた戻っちまうわけですから、戻られちゃ困るんですから、ですから私は、政府がこういうような水田利用再編対策というものをやっている間は心配ないと。別に価格の一万円だって、補助金の一万円だって、札に違いはないわけですからね、これは。 ですから、私はその点はやはり使っちゃ同じ値打ちなんだし、それはひとつ信用してやっていただきたいと。やはり価格に入れるということよりも、誘導政策としてやる分には補助金でやるということがいいんじゃないかと。ただ、おっしゃったように、ソバなんというのは価格がないから困るというものですから、これは契約栽培にして上、下一割ずつのものを超した場合は補てんしましょうというようなこともやってきておりますし、野菜とか、そういうものについても価格安定制度をつくっておりますし、この大麦、小麦では心配ないというようなことで、それでやっておるわけです。どうかそういうようなことを御了承いただきたいと思います。
○村沢牧君 農産物の価格補償はいろいろな形でやっていることは承知をいたしておりますが、やはりこの価格が補償されておらなければ、幾ら農民に意欲を持って転作しなさい、あるいは地域の特殊性を生かしなさいと言ってもなかなか取り組めないですね。ですから、この問題については、これまたこの問題一本で、またいずれ大臣にも突っ込んで質問も将来したいというふうに思っておるわけでありますけれども、ぜひ農業を見直すというときでありますから、皆さんも本当にこれでいいのかということを、私どもは満足しておりませんから、検討してください。 そこで、私は、他の転作作物を米並みに収益性があるようにしなさいと言ったことは、米は優遇され過ぎておる、高過ぎるからという意味にとられちゃ困るんです。米だってずっと据え置かれて、米作農家のいわゆる米による所得は減ってきておるんです。 そこで、大臣の所信表明を見ても「米価につきましては、食糧管理制度の適正、円滑な運営を図ることを基本とし、米需給の現状その他の経済事情に十分配慮して」価格を決定するということになっていますね。だから、私は去年もこの委員会でいろいろ農林水産省当局と議論もしたんですけれども、食管法には米の需要供給を考慮して米価を決めるなんということは具体的にはうたってないわけですね。これも、皆さんは、このことはその他の経済事情に含まれるんだということで、これまた意見が合わないんですけれども、一体、米価については、今後、先の問題ですけれども、どのように大臣は考えておられるか。 そのことと関連をして、やっぱり水田利用再編対策に食管制度を曲げられないから協力するんだという、切実な農民なり農業団体の気持ちもあるわけです。渡辺農林水産大臣は、いまの食管制度は大分崩されておりますけれども、堅持をしていく、このことを国会の場ではっきり言い切ってもらえるかどうか、そのことをお聞きをしたいんです。 そこで、大臣の答弁は非常にわかりやすくていいんですけれども、私ももっといろいろ聞きたいことがたくさんありますから、ひとつ簡潔に御答弁願いたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 簡潔に申し上げます。 例年、この予算の時期等において米価の質問があります。これはいつでも、上げるとも下げるとも言ったことはためしがないんです。これ、上げるとも下げるとも言ったら、すぐ予算を修正しろとか何とか言われるわけですから。したがいまして、これはここに書いてあるように「米需給の現状その他の経済事情に十分配慮して、適切な価格決定」する、これ以外はなかなか言えないということも、ひとつ御了承を願います。 食管制度については、食管制度というものが果たしている役割りというものは非常にいい点があるわけですから、これは私は十分その根幹は堅持をしていきたい。しかしながら、その運営等については、やはりいろんなむだがあったり改善しなければならないところがあれば、それは当然直していかなきゃならぬ。私は、食管制度の根幹は堅持をするという立場であります。
○村沢牧君 わかりました。 次には、食糧の自給についてお聞きをしたいんですけれども、大平総理も「国民食糧の総合的安定的確保」ということを言われているわけです。それから渡辺農林水産大臣も所信表明の中で「農林水産業は、国民生活の安全保障にとって最も基礎的な食糧の安定供給という使命を担っており、」というふうに述べておられるわけです。いずれも安定的確保だとか、安定的供給ということを言っているわけでありますが、この安定的ということは、見方によれば、外国から適宜食糧を入れてきて国民の生活に必要な食糧を確保することも、安定的にもなるかもしれません。自給度を高めて安定させることが私は重要だと思いますが、この辺、大臣の、あるいは総理の言う安定的という言葉はどういうことなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは結論的に言うと、必要な量を安定的な価格で確保するということです、一言で言えば。自給度を高める努力は最大限の努力をいたします。いたしますが、これはそれ以上に消費がふえれば自給度は減ります。と申しますのは、たとえば肉食というようなものが現在以上にふえていくということになれば、えさを現在の日本の国土で生産をするということは、これはとうてい不可能であります。不可能なことをお約束するわけにはいきません。したがって、われわれとしては、極力国内で生産できるものはできる最大限の努力はいたします。そこでもし不足するものがあれば、それは安定的に海外からでも輸入をして必要なものだけは確保いたします。この両面を含んでおるわけです。
○村沢牧君 国内で生産可能なものは極力努力するというこのことは、自給度を高めることにつながってくる、自給度を高めるために努力をする、そういうことでいいですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 総生産高をふやすように努力をするわけです。その結果、豚や牛や鶏の消費がこれ以上伸びなければ黙っていても自給度は高まります、増産するんですから。しかし、豚や鶏の消費がもっと伸びれば、つくった穀物の何層倍も食うわけですから、豚肉精肉一切れでバケツで二杯分になるわけですから、それは結局、豚肉、牛肉をもっと食べたいという人がうんとふえれば、増産をしても穀類が追いつかない。その場合には輸入せざるを得ません、と。だけれども、増産はするように努力します。最大限の努力をします。その結果、自給度が減ったからといって、おまえ努力しなかったからだと言われてもそれは困りますよ、食生活が上がるんですから。こういう意味であります。
○村沢牧君 食糧を自給するということは、申すまでもありませんけれども、大臣が言っておりますように、国の安全保障にとって重要な問題である。私は、その国が経済的にも社会的にも自主独立をするかぎは、食糧をいかに確保するかということであろうというふうに思っているわけであります。いま自民党の政府の方では、有事体制だとか自衛隊の強化なんか言っておりますけれども、自衛隊を強化して有事体制をつくるなんということは、私に言わせれば、そんなことは納得できませんが、それよりも食糧を確保することの方がまず優先であり、国を守る基本であるというふうに思うんですね。 ところが、わが国の穀物自給率、これは米も含めて、米は一〇〇%以上あるわけですけれども、これは三七%。小麦も大豆も四%。世界の主要国の中で最低なんですね。それじゃ、必要な食糧を多く生産して自給率を高めていくということになりますと、基本的な課題は、米を除いた穀物の自給率をいかに高めていくか、こういうことになるというふうに思いますが、その見通しや決意や方法論、どうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、いまもお話しをしたように、要するに動物たん白というものの需要がふえれば加速度的に穀類がふえるんですよ。牛肉精肉一キロで、骨を抜いたもの一キロつくるのには穀物が二十キロ必要なわけですからね。二十キロ。だから、三百グラムのステーキを食えば、七キロぐらいの穀物をバケツで一杯ぐらい一遍に食ってしまうという話になるわけです。ですから、これは牛肉とかそういうものの需要がふえなければ、それは穀物の自給率は高まるんです。 実際問題として、自給率の論争というのは、私は非常にいろいろな意味があると思う。現に米は一二〇%、余っちゃっている。菜っぱ、大豆もたくさんだ。ミカンもかなりのところまで自給、九十何%いっている。豚もほとんど外国からは買っていない。九〇%国内で豚をやっているじゃないか。鶏は過剰生産だ。牛肉は三割ぐらい輸入しておりますけれども、何が足りないかといったら、穀物だけなんですよ。そのうちの小麦というものが五百万トンのうち四百七十万トンくらいですか、食用のものは。それぐらい買っておりますから、こういうものは国内で極力つくるようにしましょう、と。問題はえさですよ。一千数百万トンのえさを国内でつくれといったって、それこそいまくらいの農地がなければできないわけですから、農地の二階建てなんというわけにはなかなかいかない、実際問題として。 ですから、要するに、動物たん白をこれ以上国民が食べたいんだ、きょう程度で結構ですということなら私は責任を持って三年以内にもっと穀物自給率を高めてみせますということを申し上げることができるんですが、動物たん白をもっと食べさせろということになると、その何層倍もの穀物が必要なんですから、追っかけできないわけですよ、これは幾ら本気になっても。だから、穀物自給率においては、増産をされても下がることがありますと。これはやむを得ないことですと。しかし、もう豚肉とか牛肉とか食うのをやめろと、いまの三割減にしろと言えば、それだけで穀物自給率は高まっちゃうんですから、そんなことは国民が承知しないということになれば、やっぱり国民の方にもあんまり肉類、肉類言わなくたって、日本人のはらわたは長いんだから、やっぱり草食動物に似ておって米でも食うようにできているんだから、米でも食ってたん白をとってくれというような啓蒙宣伝を、もっと私はやっていくことが大事じゃないかと。ただ肉、肉と言われても困るんですよね。日本人の体質に合ったものをもっと見直してもらうということが、一挙両得だというように考えてやっておるわけでございます。
○村沢牧君 大臣は、いまわが国で穀物自給というか生産を高めていくためには、農地も耕地も不足だというふうにお話があったんですね。わが国の耕地の利用率は一体どうなっているのか。一九六〇年の十三五%をピークに、七六年度はわずかに一〇三%という耕地の利用率ですね。私どもの社会党の調査によっても、現在、裏作可能地は西日本を中心として百三十万ヘクタール。あるいは国が思い切って農耕地の開発をしていこうとするならば、たとえば傾斜三十度未満の山林は千六百八十三ヘクタール、あるいは十五度未満の山林は七百万ヘクタール。これは自然環境等ありますから、全部耕地にするわけにいかないでしょうけれども、本当にやろうと思えば、私はできないことじゃないと思う。このことが一点。 それから、お話のあった、わが国で最も不足している穀物ですね、これはそのまま食糧に供給されるばかりではなくて、家畜の飼料として、お話のあったように重要な役割りを持っているわけですね。ところが、この水田再編事業の補助対象を見ると、麦だとか大豆、主要作物は特定作物として補助金を出している。ところが、飼料穀物については、そんなぐあいにはいかないということなんですね。こういう面から見ても、飼料穀物というのは、アメリカ産に依存して向こうから輸入してくるんだという貿易政策が、食糧自給政策に優先をしているんじゃないか。やろうと思えば必ずしも全部一〇〇%自給はできないとしても、私どもの調査によっても、私どもは先ほど申しました、この中期経済政策によって六九%までこういうことをやれば自給ができますというふうに、はっきり私たちは方針を出している。あるいは近藤康男先生を中心とする研究会は、六一%まで日本でもできるんだと、こういうことを出しているわけですね。依然としてこれが米を含めても三七%ということは、政府の施策によるものではないでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはあなたの御指摘の点は、一部全くそのとおりなところがあるんです。裏作というものは昔たくさんつくっておった。そいつが最近は裏作をつくらない。それは御承知のとおり、裏作をつくるよりも、ほかの仕事をやった方がもうかるということのために、裏作をつくらなくなったことは事実なんです。しかし、いま言ったように、麦等に助成をしたり、集団化をしたりすることによって、麦などが現在たくさんつくられつつある。ですから、そういう点はだんだんだんだん直っているんです。 それからもう一つは、何といっても湿田解消をしなきゃ裏作はできないわけですから、それがおくれておったと。米中心であって、たんぼを畑にする湿田対策がおくれておったと。これも私は事実だと思います、これは。したがって、これには特にことしから二百三十億も金をつぎ込んで、そして五年もかかるやつを三年でやるとか、三年のやつを一年でやるというような新しい制度もことしは打ち出してきたわけです。その点は、あなたの言う方向でこれはやることにしたんですから、御了解をいただかなけりゃならないと思います。そうして、裏作ができるような土地条件の整備に力を入れると。 それから開墾の問題は、これは私どもとはちょっと違うんですが、やはり山のところをみんな開墾しちまうということは、いろいろな自然環境上の問題、水の問題、いろんな問題がございますから、どの程度までがいいのか、まあ農林水産省なんかで言うのには、百五十万ヘクタール十年間ぐらいにできればもう最高じゃないかと言うような人もおるのですが、ここらのところはもう少し詰めてみたいと思います。国有地等において、しかも自然の保全とか、水源の涵養とかに支障がない、そういうような場合で、もっと牧場なり何なりにしてもいいというようなところがあれば、私はできるだけそういうようなものの新規開発というものを図って、耕地面積の増大に努めるということは極力やっていきたいと、そう思っております。
○村沢牧君 官房長、水田再編成対策と飼料用穀物、これはどんなふうにあなた考えますか。
○政府委員(松本作衛君) ただいま大臣もお話しいたしましたように、水田利用再編対策におきましては、需要が増大するような農産物に転作をしていくということ、そのための条件整備を考えておるわけでございますが、需要の増大する農作物の中に、いわゆる飼料穀物を入れたらどうかということは、一つの大きな問題であるというふうに考えております。 ただ、実態といたしまして、現在のトウモロコシ等の輸入穀物の価格というものと、国内でたとえばつくった場合の価格というものの価格差が余りにも大きいということがございますし、また、現に数年前にわが国内でも飼料穀物をつくってみようということで、国も助成をいたし団体等の協力も得まして、実験的にトウモロコシとかコウリャンとかをつくった例があるわけでございますが、それらの場合にも収量の問題、それから天候による影響が非常に大きい、それから鳥の害が非常に大きいというようなことで、実態としてどうも国内で、対外的にある程度比較できるような濃厚飼料をつくるということは非常に困難なのではないか。また、農家の方々もそれについてくるという可能性がないというようなこともございまして、現時点におきましては、飼料といたしましては、いわゆる飼料作物ということを重点にいたしまして、転作の対象にしておるというのが実態でございます。 もちろんそのほかに、麦につきましても、えさ用の麦というものは、これは転作の対象にしておるわけでございますが、いわゆるトウモロコシとかコウリャンとかいうようなものについては、現時点では実現性が少ないものとして対象として取り入れておらないわけでございます。
○村沢牧君 需要の増大するものを、転作作物として誘導していくんだということですね。ただし、いまお話しがあったように、飼料用穀物については、麦を除いては対象にしてない。このことは、さっき私が指摘したように、食糧というかそういうものを、穀物を高めていくという方針よりも、これはやっぱり貿易関係ですね、その方が優先をしているんだと、私はそういう指摘をしたのですけれども、これはまた意見がかみ合わないところもあると思いますから、あえて答弁を求めません。 そこで、それじゃ国内で生産が可能なものは極力国内で生産をしていくということは、どの程度の生産自給を目安としておるかということが問題であるわけなんですね。 〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕 昭和五十年に、御承知のように「農産物の需要と生産の長期見通し」を発表したですね。これについても私どもは今日まで、たとえば四十七年を見通して昭和六十年ということでありますけれども、穀物自給率は四十七年に四二%、六十年には三七%になるというこんな見通し、計画ですね。これも不満ですね、いままで何回も論議してきたけれども。ここではそのことの論議はさておいて、政府がこういう生産の見通しとともに努力をしておるというふうに思いますし、今後とも努力をしていかなければならないというふうに思うわけです。 ところが最近、この長期見通しについても見直しをしなければならないというようなことが、農林水産省の内外から聞こえてくるわけですね。一体、見直すのか。見直すということは、さらに生産自給度を高めていく方向で見直しをするのか、それとも四十七年を基準としていままで六年間やってきたけれども、とてもこの六十年にはこういうことにはならないから少し下げようとする見直しなのか、見直しをするのかせぬのか、あるいはその目標はどこに置くのか、その辺についてお伺いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはすでに目標を需要の面で突破しちゃったものもありますし、及ばないものもあるし、いろいろ出てきているわけです。で、そういうような過去の経過を見て、今後の経済の動向等も考え、国民の消費動向等も調べて総合的に見直すということですから、まあいろんなものがあると思います。
○村沢牧君 官房長にお聞きしますが、いま大臣は見直しということがあったんですけれども、農林水産省内部では見直しの作業を進めていますか。進めているとすれば、どういう方向で見直すのか。ここに幾つも項目が載っているわけじゃありませんから、答えてください。
○政府委員(松本作衛君) ただいま大臣もお話がございましたように、私どもがこの六十年の見通しを立てました五十年時点と比べますと、その後の経済環境の変化ないしは農産物の需給の変化というようなものが大きく出ておるものもございますので、それらを含めて見直しが必要であるということで、現在検討に入っておるわけでございます。したがいまして、これは何を目標にして自給率を何%にするためにというようなことまで、いまはっきりとしておるわけではございませんけれども、趣旨といたしましては、先ほど来大臣がお話ししておりますような、国内で生産可能なものはできるだけ生産を促進をしていくと。ただ、その場合に国内の市場、いわゆる消費需要というものの動向も見定めながら、具体的な品目ごとに検討をしていくという考え方で進めておるわけでございます。
○村沢牧君 大臣、この昭和五十年に閣議決定して、いま三年やったところですね。それがまた、この農林水産省の農業生産の指標とする見直しをまた検討するということですね。これこそ、まさにネコの目農政じゃないですか。一体、この当初つくった目標が悪かったんですか。農林水産省のあなたたちが進めてきた施策の欠陥があったからこういうことになったんじゃないですか。見直しということは決していいことじゃないと思う。私は、米だとか果実だとか、あるいは鶏卵だとか、これらは何とか一〇〇%以上になってきた、あとは穀物が減ってくるからまたこれを下げよう、そんな意図がありありとして仕方がないのですがね。なぜもっと努力をしないんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ、問題は穀物なんですよね。これは肉、動物たん白の消費なんですよ。動物たん白の要するに需要というものが非常にふえている。こいつをふやさないようにするということも国民に逆らうようなことだし、国民がもっと食べたいと言うんだったら、それはつくってやらなきゃならぬ。そういうことになれば国内でつくれる限界というのはどれぐらいなのか、つくれなければその不足分は輸入をせざるを得ないわけですから、そこらのところは政策判断の問題であって、そのいずれにするというわけに決まったわけじゃないんです、まだ。検討する程度の話なんです。 で、まあ貿易でアメリカというようなお話も出ますが、われわれはアメリカだけを相手に考えておるんじゃなくて、今後は中国問題等についても、すぐ近いところで、中国だって日本から近代化でいろいろ品物を買っても何で支払うんだと言ったって、やっぱり支払うということになれば大豆とかコウリャンとか、そういうようなものは向こうでもたくさんやり方次第でとれるし、それは日本のすぐ近くでもあるし、お互い様それはいい話で、買うのにはどこからか買うわけですから、ですから、多角的な私は食糧のルートというものをつくっておいたことの方が、むしろいろんな場合において、一カ所だけだったらとめられたらアウトですから、そういうことのないようにも考えてやりたい。 見直しの内容をどういうふうに見直すかということについては、それは見直すことも含めて見直してもいいんですよ。だから、見直した結果が、いまのままでいいというならそのままでいいんだし、しかしながら、すでに目標を達しちゃったものもあるということになれば、もうすでに目標を達しちゃったものも現実にはあるわけですから、そういうようなものをそのまま放置しておくというのもいかがなものであるかというような点も含めて、ひとつ検討してみたい、こう思っておるわけです。 〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕
○村沢牧君 この見直しについても、目標を達成したものもあることは事実なんです。ただ、見直しというと、穀物自給率をまた低下させるんではないかと、そういう感じがしてならないんです。まだ六十年までには年限もありますから、そんな見直しをするのではなくて、それを達成するように最大限の努力をしていく、このことこそ、いま農政に求められている姿勢だと思うんですね。そのことを要求しておきたいというふうに思います。 それから、時間が大分迫ってまいってきたようでありますが、だんだん進めてまいります。 次は、農産物の輸入の問題ですね。わが国の食糧の生産を高めていくという問題と輸入の関係は、まさにうらはらの関係にあることは申すまでもないというように思うのですね。ところが昨年、御承知のように、日米農産物交渉でもって明け暮れしたわけでありますけれども、牛肉だとか、オレンジ、果汁の輸入枠が三倍にも四倍にもなった。ところが出された予算を見ると、ミカンが非常に生産過剰になって、三十四億も金を使ってミカンの木を伐採しなきゃならぬ。さらにまた、牛肉振興に百億近い予算をつけて振興していくのだ。一方では、ミカンと競合するオレンジだとか果汁を輸入をしており、牛肉を輸入しているんですね。全く私も、こんなことが本当にわが国の、日本の農政かと疑わしくなってくるわけですが、これは指摘にとどめます。 そこで大臣、単刀直入にお伺いしますけれども、最近、日米間で貿易の不均衡を理由にして、この不均衡を何とかしなければ東京サミットにアメリカが来ないとか、あるいはまた、その前に大平総理大臣にアメリカに来てくれというようなことが新聞で報道されておるのですね。日米農産物交渉は昨年決着したんです。今後もまた、農産物をふやすというようなことが持ちかけられてくるんですか。これに対して大臣としてはどういう決意を持っておるのか。 そのことを一点と、御承知のように、農産物輸入制限の残存品目は二十二あるわけです。これはわが国の農業にとって、地域の農業にとって重要なものだけ残っているわけです。これは大臣として、自由化しないというようなことを言い切れるかどうか。時間がありませんから、単刀直入に答えてください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、日米交渉の問題については、一応話はセットされておるというように思っております。これはまた、総理からもそれ以外の話は何も聞いておりません。 それから自由化品目につきましては、これはもう別にそう大きな問題は何もないというように考えております。
○村沢牧君 総理からは日米交渉について話は聞いておらない、それはまあそうでしょうけれども、農林水産大臣としてあれだけ昨年日米交渉でもって論議をして、やっと詰めた問題ですね。それが、そんなことはないというふうに思いますけれども、ことしまた同じようなことが、さらに枠を拡大しなさい、他のものを輸入しなさいなんて、そんなことはないというふうに思いますけれども、もしあったとすれば、あなたはどういう態度をとりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 仮定の問題についてはお答えできません。私は、もうセットされたものと思っております。
○村沢牧君 仮定の問題についてはお答えができないということでありますけれども、大臣、あなたはひとつ自信を持って、農業を守るという立場からこの問題についても対処をしてもらいたいというように思うんであります。 さてそこで、最近日本経済調査会を初め、財界から矢継ぎ早に農政批判というものが出されてきております。財界だけじゃなくて、これは民社党を支持する同盟というような労働組織までそういうことを言い出してきておるわけですね。これらの意見はいろいろありますけれども、日本の農産物価格が高いから外国の安い農産物を輸入して、これを国内で供給をし、あわせて工業製品の輸出をする一つの緩和剤にしようということだというふうに思うんですね。こういう提言に対して私は耳を傾けるべきものもあるというふうに思いますけれども、しかし、農業の現状や、あるいは国民生活上に占める農業の地位から見るならば、もっと農林水産省がこういう提言に対して、日本の農業はこうでございますという、国民に理解を得るような態度を明らかにすべきだというふうに思いますけれども、これらについて大臣どういうふうに考えますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはそのとおりでございまして、私どもは農林水産省と申しましても生産者だけのことを言っているわけにいかないんです。農林水産省は消費者も含めて考えていかなきゃならぬ。しかし、先ほどから言っておるように、国家安全保障という点からも、国内で生産できるものは極力国内でつくるという基本方針を持っているわけですから、しかしながら国内でつくるなら幾ら高くなっても、非生産性のやり方をやってもいいと、こういうわけにはいかない。これは皆さんから御指摘があって、これは財界ばかりでなくて消費者からも御指摘があるわけですよ。それは消費者の声だってやはり素直に聞かなきゃならないと私は思っております。したがって、農家の方にも保護をするところは極力保護をいたしますが、自主努力によって生産性を高める工夫はやっぱりしてもらわなきゃなりませんと。そのための助成もいたしますが、一緒になってやりましょうということは言っておるわけです。以上でございます。
○村沢牧君 次の問題に進みます。 行政管理庁いますか。——新年度の農林水産予算の中で最も大きなウエートを占めているのは農業基盤整備事業であるわけです。この基盤整備の目玉である第二次構の継続と第三次構の本格的な実施に合わせて、新年度予算では八千億余の予算を計上しておるわけです。この二次構について、行政管理庁は本年一月、全面的見直しとも思われるような厳しい勧告をしたということが報道されておるわけです。 行政管理庁にお伺いいたしますが、この勧告はかなりの長文にわたっておるようでありますから、全文についてお伺いする時間は毛頭ありません。短い時間でありますけれども、あなたたちが勧告したことについて、改善すべきだと思われる主要な点、総論的でも結構ですからここで説明してください。
○説明員(神澤正藏君) お答えいたします。 今回の監察は、昭和四十四年度から始まりましていま継続実施中でございますが、第二次農業構造改善事業等の実施状況を調査して、いままだ継続実施をしているものもございますので、その改善に資するということと、昭和五十三年度、今年度から発足しております新農業構造改善事業の効果的推進に資すると、こういう二つの目的をもちまして実施いたしたわけでございます。 勧告の骨子を申し上げますと、大分いろいろ書いておりますが、大きく三つぐらいに分かれるのじゃないかと考えておりますが、まず農業機械や施設の整備につきましては、その普及状況だとか利活用の状況、そういうものを考えまして、地域におけるこれらの農業機械や施設の普及の状況等を勘案しながら、これらに対する補助の合理化を進めていく必要があるのではないか、これが第一点でございます。 それから第二番目が、担い手農家の経営規模の拡大を図るための施策、これは第二次構でもやっておったわけでございますが、これにつきましては、よりきめ細かな運営を図って一層積極的に推進していく必要があるのではないか、これが第二点目でございます。 それから第三点目は、農業構造改善事業のような長期にわたる大規模事業の実施に当たりましては、その実施期間内の中間地点において一度実施状況を振り返ってみると、その上で、振り返ってみまして事業計画等の見直しが必要ではないかと、こういった検討をしていくことによりまして事業効果をさらに一層確保すると、こういった問題、方法につきましていろいろ検討をしていく必要があるのではないか、この三点ぐらいになるかと思います。
○村沢牧君 農林水産省は、行政管理庁からこういう指摘をされるまでもなくて、農基法以来ずっと進めてきておる構造改善に対して、みずから自己検証を私は行うべきだったというふうに思うんですね。私は、行政管理庁がいらっしゃいますけれども、管理庁の皆さん方の認識が短絡的であると、そういうふうに思われるものもあります。それは皆さんの権限ですからどうこう申し上げませんけれども、しかし、改善しなければならないことがたくさんあるわけですね。 そこで、まず基本的に大臣にお伺いしたいんですが、こういう勧告を受けて大臣の見解はどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) やっぱりなるほどなあと思うところもありますね。確かに、施設型農業と土地利用型農業の経営規模拡大がおくれているというようなことを指摘されれば、そのとおりでございますから、こういうようなことは指摘されるまでもなくもっと注意をしてやっていかなきゃならぬと、かように考えております。
○村沢牧君 実際にこの構造改善事業の責任者として進めておられる構造改善局長は、この勧告をどのように受けとめ、それを今後どういうふうに生かしていこうとするか、あるいは二次構に対してはどういう対処をしいこうとするのか、構造改善局長の答弁も伺いたい。
○政府委員(大場敏彦君) ただいま行管の方からお話ありましたように、今回の勧告は、四十四年度から二次構造改善事業をやっていると、それを点検していま五十三年度から実施中の新農業構造改善事業に生かしていけと、こういう御忠告、御指摘だと思うわけであります。そこで、私ども長年二次構造改善事業をやっておりますが、当然点検し、そういった経験と反省の上に立って新しい農業構造改善事業を設計していま事業を実施中だと、こういう自意識でおるのです。しかし、改めて行管の方から御指摘がございましたので、これについては率直に耳を傾けるべきところはさらに傾けて、それからわれわれがやや説明不足のために御理解をさらにしていただかなければならない点につきましては、よく説明して御理解をしていただくと、こういった対応をしていきたいと思っております。 具体的にいま三点御指摘がございました。一つは、機械等につきまして利用についての改善方式、たとえば個人施設化しないこととか、あるいは普及度の高いものは補助対象にしないこととか、こういった御指摘がございましたが、私どもといたしましては、あくまでそういった機械等につきましては共同利用を前提とするのだということと、それから地域における普及度等を補助対象ということについては考慮していきたいということとか、それから二点目の施設型農業、畜産だとか園芸という施設型農業では自立経営というものはかなり進んでいるけれども、問題は、土地利用型農業において自立経営の達成状況がまだいまだしである、こういう点にはさらに政策努力を傾けるべきであると、こういった御指摘につきましては、私どもみずからの問題としてつとにいま意識している問題であります。新農業構造改善事業につきましても、そういう観点からの担い手の育成の問題とか、ただいまいろいろ御議論がありました中核農家の育成の問題だとか、その農家への土地利用の集積の問題だとか、そういったところに特に力点を置いてやっているということであります。 それからまた、いろいろと事情の変化に応じて計画等の見直しを適宜やれと、こういう御指摘、そのとおりだと思います。やはり地区の実情に応じて大きな変化が出てくれば、それは弾力的に対応していく、硬直的な対応はしないと、こういった形で行管の御忠告はできるだけ生かしていきたい、かように思っております。
○村沢牧君 これは、農林水産省の重要な柱である基盤整備に対しての勧告であり、私はきわめて大きな問題だというふうに思います。ですから、いま答弁はありましたけれども、過去の政策を十分これは反省し、見直さなければいけない。さりとて、規模拡大は私は必要ないというわけじゃないですよ。規模拡大は必要だとする面がありますけれども、農民や関係団体が萎縮をしないような形の指導性もまた発揮しなければならないというふうに思うんですね。ですから、そういう面から補助金制度の改正、あるいは先ほど来申し上げております地域の自主性を尊重するということですね。画一的でなくて、やっぱり地域の自主性を尊重して地域農業を育成していく、そういう面かち、私はいずれまたこのことについて提案をしたいというふうに思いますけれども、きょうは時間がありませんから提案しませんけれども、十分検討してください。 次に進みますが、今度は米の問題であります。 五十三年度の生産調整は、農家が涙をのんで協力したことによって、政府の減反目標を一〇%も上回ってきたわけでありますけれども、また過剰米が出ることが予想されておるわけであります。農林水産省は昨年、米の需給計画を発表して、百七十万トン、四十万ヘクタールの生産調整をすれば単年度過剰米は出ませんということを、当委員会でもたびたび言明してきたんですね。ところが、ことしもまた過剰米が出る。このことは、なるほど天候が支配して生産も高まったということもあろうというふうに思いますけれども、皆さんが言われるような消費拡大に積極的に取り組んできてもやっぱり成果を上げなかった、こういうふうに私は指摘せざるを得ないと思うんです。つまりこのことは、政府の需給の見通しの誤りである。この見通しの誤りは、今日始まったことじゃないんですね。昭和四十五年以来減反政策を続けてきたけれども、常にこの見通しを誤ってきておるんですね。この見通しを誤って、ことしはあれだけ生産調整に協力したけれども過剰米が出るということについての反省はどういうふうに考えておりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 見通しを誤ったと言えば誤ったのかもしれませんが、しかし一つは、何といったってこれはもう農業の場合は天候を相手の職業ですから、工場生産というようなわけにはいきません。思ったよりもよけいとれる場合もあるし、思ったより少ない場合もある。これはある程度私はやむを得ないと、こう思います。 それから消費の減退の問題、これも確かに消費減の問題については、こんなに減るとは思っておらなかった。これは事実であります。しかしこれは、一つはやはり所得の問題とも関係がございまして、高度経済成長期にはあんなに所得が上がると実際は思わなかった。池田さんが二倍にすると、十年で。ところが三倍半ぐらいになっちゃったわけですから、これがやっぱり非常に生活様相を変えた、生活態様を変えたということは事実であります。したがって、これは非難されるのはいかがなものであるかと。結局、所得の計算違いがあったと言えば、そういうことが間接的に大きな影響をしておるわけであります。 それから、もう一つわれわれが反省しなければならないことは、やはり生活態様が変わったんですから、やはり御飯の取り扱いをもっと簡単にするような工夫をできなかったものかと、あるいは品質をもっとよくしなければ、なかなか消費者の方が口が肥えているわけですから、それはもう品質に重点をなぜもっと早く入れなかったかと、多収穫米とそうでない米との問題について取り扱いを画一的にしてきたことに反省しなきゃならぬとか、いろいろな問題が私はあると思います。したがって、乾燥の仕方等の問題もありましょう。それから、消費拡大のPR不足もありましょう。いろいろございますが、それらの点については、精いっぱい消費の拡大に努めて誤差のないように努力をしていきたいと、こう考えております。
○村沢牧君 米の生産調整は、申すまでもありませんが、十年間の事業として一期三カ年に分けて実施をしているわけであります。したがって、この三年間は、たとえ米は過剰になったとしても、昨年示した総数及び都道府県配分数量を、これは固定することになっていますから、五十四年度、そういういまお話があったような傾向でありますけれども、生産調整の目標数量について、五十三年度と何ら変わることはないというふうに思いますけれども、その辺を改めて大臣に確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全体といたしましては、最低昨年並みというように考えております。
○村沢牧君 いま、ちょっと、最低昨年並みだということですが、簡単に言えば、私が言ったように、政府としては昨年示した数量と変わらないと、そういうことになるんですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 目標としてはそうであります。
○村沢牧君 私の最後の質問に入ります。 林野庁長官がお見えになっておりますものですから質問いたしますが、林野庁にもいろいろ聞きたいわけでありますが、時間が迫ってまいりましたものですから多くを聞くことはできません。 まず、営林署の統廃合のその後の経過と取り組みについてでありますけれども、営林署の統廃合が昨年発表されてから、各地で反対運動が積極的に盛り上がってきている。当委員会でも再三にわたってそのことが論議をされたわけでありますけれども、農林水産省は最終的に十二月四日の告示、三月一日統廃合を決定をしたわけでありますね。この間、この委員会の論議の中でも、中川前農林水産大臣は、地元の納得と了解が得られなければ営林署の統廃合は強行しないとたびたび言明しておったわけでありますけれども、しかし、最終的には、これは見切り発車をしたということになるわけですね。したがって、林野庁長官としては、この大臣の答弁、あなたの委員会における答弁、これらから見て、こうした措置をとったことについてどういう見解を持っておられるか、地元の了解を得たのかどうか、その辺について。
○政府委員(藍原義邦君) 営林署の統廃合につきましては、ただいま先生からお話ございましたように、昨年の十二月四日に告示の改正をいたしまして、三月一日に廃止するということにしております。その間、いま御指摘ありましたように、地元の町村を含めまして、地元の方々の反対あるいは一部労働組合の反対等々ございました。私どももその間、鋭意地元の営林局あるいは営林署を含めまして、国有林の実態並びに統廃合後の国有林の運営のあり方等々について十分御説明をし、なおかつ中央におきましても当時の大臣あるいは事務次官等からもいろいろと御説明をしていただき、私どもも合わせまして数回に及びまして各地方の代表の方々と会見をいたしまして、るる御説明を申し上げた次第でございます。その間、地元の方々になかなか御理解をいただけなかった面もございます。しかし、私どもといたしましては、誠意を持ちまして、国会で御説明申し上げましたように、地元の御理解と納得をいただけるような最大の努力はいたしました。その結果、地域におきましては、私どもの考え方を御理解いただいて、冒頭いろいろな面からの御反対がだんだんやわらいできたという面もございます。 そういう観点から、私どもは引き続き、ただいま地元とも営林署がなくなりました場合の地元の振興策等々について折衝を続けておりますし、また、なくなる営林署の所在地につきましては、営林事務所等を設けるということで、地元の御要望を入れるというような対応も私ども考えております。そういうことで、三月一日に営林署を統廃合するということを、現在その段取りを進めておるわけでございますが、大方の地元の御理解は得たものと私どもは理解いたしております。
○村沢牧君 長官は地元の了解を大方得たものと思っているというお話ですけれども、あなたたちが農林水産省告示をして三月一日にやるという、もうこれは決定的なものを出したわけですね。納得はしないけれども、仕方なく皆さんに応じたという形になっているところがたくさんあるわけですね。ですから、三月一日までに本当に納得はしないけれども、精いっぱい努力をして地元の要望にこたえていくと、そういうふうに取り組んでもらうことを要請をしておきます。 そこで、大臣、最後にお伺いいたしますが、大臣が就任される前、昨年は林業問題で、特に国有林をめぐっていろいろ論議があったわけなんです。いま話をいたしました営林署の統廃合にいたしましても、あるいは事業所の廃止にいたしましても、地元の反対が非常に強い。このことは、私は、それだけこの国有林事業に対する地元の関係が深いことを物語っている。国民は国有林事業が発展することを願っている。つまり、営林署を廃止したり事業所を廃止すれば山が荒れる、あるいは治山治水の面だけでなくて、山村地域は御承知のように過疎になってしまう、働く場所がなくて。そういうことから営林署の、あるいは事業所のあり方については大変関心を持っているわけなんです。 そこで、大臣の所信表明のあれを見ても、林野庁は今後も改善計画に基づいて、合理化という言葉がいいか悪いか知りませんけれども、整備を図っていくというようなことにうかがわれるわけでありますけれども、中川前農林水産大臣は、先ほど私が申しましたように、昨年の論議の中で、非常に地元との関係が深いので地元の理解や納得、協力が得られなければ農林水産省としては、林野庁としては強行しない、あくまで地元との話し合いをしていくということを言明しておるんですけれども、渡辺農林水産大臣もそういう決意でやっていただけるかどうか、ひとつ明快な答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国営企業の問題につきましては、その合理化あるいはむだを省くということは、もうこれは国民の世論です。したがいまして、われわれ行政官庁においてもむだなことは極力これはやめていかなきゃならぬというふうな考えを持っております。営林署の統廃合等についても、なくてもいいものはそれは統廃合は当然であるというように考えております。しかし、何と申しましても、林野というものはそれぞれの地域と非常に密接な関係がございますし長い歴史もあるわけでございますから、そういう点については、地域の皆さんの理解と協力が得られるような最大限の努力はしてまいりたいと、こう考えております。
○岩上二郎君 私に与えられた時間は五十分ということでございますので、時間の効率的な運営を考えますので、とりあえず私が七、八点の問題を私の意見を含めて申し上げ、その後、それぞれ率直簡明な御答弁をいただきたいと思います。農林水産大臣は一番最後、一点だけでございます。 まず第一に、国土保全の問題についてでございますが、今回の予算を見てまいりますと、農林漁業金融公庫の造林資金の償還期限の延長を含めましていろいろと積極的な対策が講ぜられておられますが、当面マツクイムシの防除対策について五十九億の予算を計上しておりますが、しかし、果たしてこれで十分に国土の保全というか緑を守っていくことができるであろうかという懸念を持つものでございまして、もしさらに蔓延するおそれがある、このような場合には、事情いかんでは樹種の変更を含めてさらに年度内の予算の追加をお考えおきいただけるかどうか、この一点。 それから、第二は農業教育の問題であります。個別的には確かに農業大学の整備初め後継者育成等々それぞれ具体的な事業を実施されて予算も非常についておるようでございますが、さらに農政を農民のものとするためには、地域と密着したところの一般農民教育の充実を図る必要がさらにあるのではないか、このように考えております。 そこで、最近、大平さんの田園都市構想という問題が生まれましたけれども、きわめて抽象的で何が何だかさっぱりわからない。このような状態の中で、私なりに十五、六年前、進めてまいりました田園都市建設事業については、すでに茨城の九十八町村の中で七十五町村がそれぞれのモデル部落を形成をして進んでいるわけでございますが、これもきわめて農民教育のサイドから見た場合に非常に有効な働きを示している、このように考えますので、この田園都市構想といったようなものがどう具体化されてきているかということについて、若干意見を申し上げて御参考に供したいと思うんですけれども、従来、国の自治省あるいはまた国土庁の定住圏構想なり、あるいは自治省の広域市町村圏の設定、農林水産省の農村環境整備事業等々具体化されてきておる現実ではありますけれども、どうも縦割りの中で、地域の農民の側から見た場合になじみが薄いという感を免れないのであります。 私の考え方は、かつて知事時代にやった田園都市構想はこれとは全く逆な立場に立っておりまして、すべて農民教育から始まるわけでございます。その農民をはぐくみ育てているところの封建的な農村環境、その中にある人間的な悲哀というか、そういうような問題をどう解決するか、さらにまた農村の部落環境、それから農村の家の構造、それからさらには、人生の目標というのは一体何だろうか、こういうふうないろんな問題、こういう問題を話し合いをする、十分に論議をする、そういう中から実は農民の主体的な創造性というか、あるいは計画性というか、そういうようなものがだんだんとつくられてくるわけであります。で、そのつくられた後に自分でもひとつこの部落づくりをやっていこうじゃないかということで、それぞれの資力に応じた資金を集めていく、そしてそこには田園都市協会というものをつくり、その器の中に県、市町村がそれぞれその資金を、いわゆる補助金を出していくと、こういうふうな仕組みであります。 この仕組みの結果生まれた田園都市というのが一体どうなっているかというと、どこでも欠落なく、すべて部落としては、ああよかったという喜びに満ちあふれているのが現実であります。特に封建的な農村に行けばどこでも見受けられるような冠婚葬祭等もこの部落において実施ができるし、あるいは共同墓地、さらにはまた街灯を付設する問題とか上下水道、そういうような問題も農民が考えて計画を立てていくと。自走りするというか、自分でどんどんと走っていく、そういうふうな姿を至るところに見受けるわけであります。そういうふうなもの、いわゆる家庭の延長とでもいったような、そういうふうな部落づくりがこの田園都市の姿になっているわけであります。 特に、農村は生活と生産の場というものがごっちゃになっているところに近代化されていない現実があるわけでございますので、この農民の生活と生産の場を切り離していくと、こういうふうな中に若干やはり個別的な自己創造というか、あるいは都市的なサイドというか、そういうふうな面も加味されて非常に麗しい部落形成がなされている、このようになっております。 したがいまして、この田園都市をやっているところでは、一般に言われているような嫁飢鐘とか、あるいは後継者難というようなのは、どこでもこれは幾ら捜しても捜すことができないほどの環境になっているわけであります。これが試しに、ひとつぜひこれは大臣あるいは幹部の方でも結構でございますが、これから田園都市をどうおまとめになっていくのか、政府の一つの大きな課題になっておりますが、単なる都市、農村空間、こういうような問題を抽象的にとらえるということよりも、その都市の中における人間の姿は一体どうなのか、それから農村の姿はどうなっているのかという人間に深くタッチする、そういうふうな姿勢がなくては本当の田園都市構想というものは生まれない、このように私は考えるので、特に農林水産省サイドではこの農民教育というものを個別的にそれぞれおやりになっておりますけれども、その部落における農民というものを、全体をとらえて、部落と密着した農民教育というものはどうあるべきかというサイドからの勉強もぜひお進め願いたい、このように考えるのであります。 時間もありませんので、先を急ぎます。 それから、私がかつて農林技術会議に籍を置いていたときがございましたが、農林技術会議の問題については大臣の所信の表明になかったものですから、いろいろと技術会議の予算書を見せていただきましたところが、さすがに渡辺大臣もこの点十分に御注意願ったとみえて、本年度から九人の増員あるいは共同研究費として約十億、さらには畑作振興費五億五千万、特に私は、畑作問題がこの農林技術会議の従来からのネックであったわけでございまして、たびたび主張して指摘していた問題でございますが、これも大幅に計上されておりまして、まことに御同慶にたえないわけでございますが、この際特にお願いしたいのは、国、県さらに民間試験研究機関等の連動性というものを十分にひとつお考えおきいただいて、農業技術という問題は非常に大事な問題でありますので、その点、十分に御留意いただいてお進めいただきたい。これは答弁は要りません。 それから、農業の中核的な担い手という問題について、どうもその概念、その背景にある条件整備というものが十分でないように印象づけられております。従来やはり日本の農政は個別的な農政というものに力点が置かれている。いわゆる個人本位というか、そういう姿が力点として置かれていた農政であったように見受けます。しかし、この国際競争に打ちかつというか、個別農政ではどうしても太刀打ちできないような状態になっているのではなかろうか、このように考えます。 そこで、現在の農地法をそのままにしておきますと、どんどんと兼業農家がふえる一方、なかなか中核的な担い手をそのまま養成していくということは困難ではなかろうか、このように考えざるを得ないわけであります。で、この際、やはり農地法の見直しというか、改正というかその問題と、さらに規模の拡大、さらにこの零細農民をどうするのかということもありますので、零細農民を含めた地域集団化の問題、あるいは協業なり共同化の問題に積極的にひとつ当たる姿勢が必要ではないだろうか、このように考えます。そういうバックグラウンドを十分に整備をしながら、中核の担い手というか、そういうような問題をお考えおきいただく必要がある。 ただ、私の従来の経験にかんがみまして、この集団化、協業化を進めていく過程では、あそこでやったからじゃやってみようというふうにすぐ飛びつくとほとんど失敗に終わります。したがって、やっぱりこれは農民サイドに立って十分に協議をし、研究をし、そしてあるべき一つの方向を見定めながら時間をかけてやっていかないと、この集団化なり協業化という問題は、初めはできても後はすぐ崩れてしまうという、これは日本民族の特性かもしれませんけれども、そういう実態も経験しておりますので、その点特に申し添えますけれども、しかし、この農業の中核的な担い手というものの背景の条件は一体何かということを、十分にとらえてお進めいただきたいことをお願いしたいと思います。 それからもう一つは、農産物の価格形成の基準についてでございます。今日の農産物の価格形成においては、それぞれ歴史的な経過をたどってきております。しかし、農民の側から見た場合、現在、農村環境をめぐる条件、これはきわめて厳しい。そういう中で、兼業農家はどんどんと七割、八割というふうに進んできている現実、あるいはまた規模拡大もなかなか思うように進まない。そういう中で、主人はお勤め、御婦人は家で農業をすると、こういうふうな中での家庭の語らいというふうなものが、やはり価格の問題というものにどうしても何というか集中しがちであります。そこで、やはりそういう現実の中から、一般労働者並みの賃金ベースでの算定というものをもっと考えるべきではないかという、そういうふうな世論が起きているのが現実でございます。 しかしながら、一方需給のアンバランス、国際輸入価格の問題等々あってなかなかそのとおりいかないというようなところから、政府ではよく足切りとか頭切りとか、最初からそういうふうな準備をするか、あるいはまた一定の制限を設けて、千人未満とか五百人以上とかそういうふうなところで労働の賃金の体系を組み上げていく、そういうふうな傾向があると思いますけれども、私は特にこの基準に当てはめる場合に、雇用労働賃金というものがすぐ問題になるわけでございますが、これはやはり洗い直してみて、一般平均労働賃金並み、こういうふうに基準を置いて、そしてまた、マイナス要因であると思われる国際価格の問題とかいろんな問題を差し引きして、この価格をがっちりと固めていくような、そういう体制をむしろ持つべきではなかろうかという考え持ちます。 特に、農村の婦人の労働賃金、これが一般に男子の六割あるいは六割五分あるいは七割、こういうようなところで作物別に女子の労働力の計算がまちまちでありますけれども、なぜ女子だけが男子よりも労働賃金が低く抑えられなければならないんだろうか。特に、現在置かれている農村環境の中では、一番犠牲を強いられ、一番過重な労働にたえているのは農村婦人であります。したがいまして、この農村婦人の労働賃金の問題も十分にこの際改めて見る必要がある、このように思うのです。この点、特に従来から労働価値という問題について、この農産物の価格問題ではパリティ係数とかいろんな係数のはじき方があって非常にむずかしい問題でございますけれども、新しいこれらの時点をどうするかということを踏まえて、ひとつ十分に価格体系の問題の基礎になるものをお考えおきいただく必要がありはしないであろうかと、このように思います。 それから、今回政府では、消費拡大ということで相当努力をしようという意向が見受けられるわけでありますが、特に学校給食に対する六〇%あるいは七〇%の助成とか、さらには古米処理として約六十万トン、これをひとつやっていこうという、きわめて渡辺大臣としては思い切った一つの処置であるということで敬意を表しているところでありますけれども、これは非常にむずかしいことでありますが、さらに一歩進めて、平和外交というか、そういう立場に立って海外に対する無償援助のためにもつと古米を輸出する、そういうふうな政策を展開されてはどうであろうかということであります。 すでに五年ほど前にローマで世界食糧会議が開かれて、そしてこの世界食糧会議は農林省も参加し、外務省も参加をし、倉石大臣も出席をされて、栄養不良者あるいはまた難民救済のために先進諸国は一千万トンの備蓄をしようということになって、一回だけは成功したわけです。ところが、その後マニラの理事会等行った際になかなか結論が出ず、しかも昨年の六月、メキシコシティーにおいて世界食糧会議を開かれたけれども、これまた最終的に、じゃ、どの国がどうやろうというまでには至らないで終わった経過がありますが、それだけにこの海外援助物資というか、これは非常にむずかしい外交上の問題ではございますけれども、すでに六十万トンのうち輸出等においては二十万トンというものを計画されているわけでございますので、さらにひとつ平和外交という一つの姿勢を貫くためにも、十分にその輸出問題について積極的にひとつお働きいただきたいことを、心からお願いをいたしたいと思います。 最後に、農林水産大臣にお伺いいたしますが、農民の生活手段である土地というものについての認識いかんということであります。現在の資本主義社会では、土地は交換あるいは売買、あるいは投機の対象ということになっておりますけれども、農民の土地というのは何十年かかって心を込めてつくり上げた土壌である。土地ではなくて土壌である。むしろ何物にもかえがたいところの農民にとってもいわゆる命と言ってもいい、そういうものだという私は認識を持っているわけであります。しかし、現在ここ十数年来過剰米に悩んで、政府はこれに対しても手をつけざるを得ない。そういうふうなところからずっと水田利用対策等進めてきているわけでございますが、きわめて慎重にこの農民の理解と協力を得ながら進めてきた経過は十分にわかりますけれども、そのかいあってか、とにかく昨年は目標値を超えて一一三%程度に達成を見たわけでございますけれども、生産調整を受ける側、いわゆる達成あるいは未達成をひっくるめてでございますが、それぞれ問題を抱えているわけであります。 ことに農民の立場に立った場合には、きわめて大変な負担になっていることも事実であります。ことしも昨年の目標値に向かって生産調整をしようとしているわけでございますが、かてて加えて、本年度は昨年の異常な豊作というところからさらに過剰米を抱えているというところで、どういうことになったのかその経過はよくわかりませんけれども、本年度は農民の唯一の支えと言ってもいいような農協が、みずから生産調整に踏み切ったわけであります。 〔委員長退席、理事青井政美君着席〕 このことはどういうことなんだろうか、私なりに想像いたしますと、やっぱり食管制度というようなものを守っていただきたい、そういうふうな悲願というものが心に込められていたか、あるいはまた、この豊作によってさらにまた買い入れ数量の制限というようなものが来はしないであろうか、そんなことの見越しを立てて、そして農協が積極的に自主生産調整という形をとって、一体となってひとつやろうという形になったのではなかろうか、このように思うんですけれども、農民の立場から見た場合に、一体どうしたらいいんだろうか、政府と同じように、やっぱり農民の側においてはより以上に心配をするわけです。特にマスコミを初めとして、政府は従来からやっているとおりやるということを言っているわけですから、それなりに方向が決まっておりますけれども、かてて加えて、唯一のよりどころである一つの柱というものが、今度はどうも本当におれたちの味方であったのかどうか、こういうふうな疑念もなきにしもあらずであろうと思うのです。 したがいまして、私は昨年よりもことしの方が農民の心理はきわめて複雑ではなかろうかと、このように想像するのであります。で、もちろん政府は、こういうときでもございますので、十分にそれらの心理を踏まえて、農林関係の公共事業を初めとして転作その他万全の対策をお立てになろうということであろうと思いますけれども、十分にひとつこの点、留意をいただいてお進めいただくことが必要であろうと思います。 〔理事青井政美君退席、委員長着席〕 確かに、私はこの五十四年度の予算を見ると、従来にもない規模、それから新規事業あるいは継続事業等ひっくるめていろいろな施策が講ぜられて賛意を表しているわけでございますけれども、この際、やはりそういう実態に追い込まれている農民の姿を思い、大臣はこの際思い切って、できれば中期計画というか、昭和六十年経済中期計画があったと同じように、農業関係においても中期計画を早速おつくりいただいて、その処方せん、これをやはり準備する必要がある。そして、つくられたならば、これはもう大臣のお得意芸である、最もわかりやすい、農民にきわめてわかりやすい説明を農民の前にしてあげることが大事なことではなかろうかと、このように思うのであります。 古代から今日までこの日本の稲作文化を支えてきた農民、その農民に、明るい、そして期待の持てる、そういうふうな農政の展開を心から望んで、私の質問を終わらしていただきたいと思います。それぞれ関係者の御答弁をいただきますが、よろしくお願いいたします。
○委員長(久次米健太郎君) ちょっと答弁の前に希望しておきます。 岩上委員の質問が八項目にわたりました。したがって、大臣初め八人の方の御答弁になります。岩上委員の持ち時間が三時三十分までということになっておりますから、各答弁者はそれぞれこの点をお考えの上、要領よくおまとめのほどお願いいたします。
○政府委員(藍原義邦君) 初めに、マツクイムシの問題についてお答え申し上げます。 先生御指摘のように、確かに昨年は異常高温と雨が少なかったということでマツクイムシの被害がふえております。特に茨城県を中心にいたしまして十県におきましては、前年度の約五倍に上る被害が出ております。そのほかの二十六県では大体五十二年度と同じでございますが、そういう状況でございましたので、五十三年度中に予備費を使用いたしまして伐倒駆除を現在進めておる最中でもございます。 なお、五十四年度の予算につきましては、先生御指摘になりましたように、総額で五十九億の中で五十四億をマツクイムシの防除に充てるということにいたしておりまして、その中で特に立木の駆除につきましては前年度に対しまして一四三%、それから空中散布等につきましては一一六%ということで、総額で一一七%の伸びの予算を計上いたしております。私ども、ことしはさっき申し上げましたような異常な被害が出ておりますので、この予算を使いまして、鋭意各県におきましてマツクイムシの防除に当たっていただこうという対応をいたしております。特に先ほど申し上げました十県につきましては重点的な予算の配賦をして、積極的な対応を図っていただくよう、現在関係県と折衝中でございます。 それから、そういう被害を受けた地域につきましては、樹種の変更を含めて予算が増額できないかというお話でございましたが、五十四年度につきましては、いま申し上げましたような予算を計上いたしておりますので、まずこれをもちまして、マツクイムシの防除あるいはかかったものに対する駆除を精いっぱい努力することに重点を置きたいというふうに考えておりますが、被害にかかりましたところの樹種転換を含めました造林につきましては、造林事業の中にマツクイムシのために枯れました山についての復旧造林事業というのがございます。その中で樹種転換を含めました造林の補助を国でも行っておりますので、そういうもので対応していただけるのではないかというふうに考えております。
○政府委員(大場敏彦君) 田園都市づくりの問題と、それと絡んで農業の教育の問題について御指摘がありましたので、私からお答えいたします。 いま御紹介にありました茨城県の田園都市建設事業、これが県下の村づくりの一つとして非常に大きな役割りがあったということは、私どもよく承知しております。いろいろ勉強もさせていただいておりますし、その手法なりアイデアということにつきましては、私どもが現在進めている、またこれから進めようとしている地域農業の振興という中に活用させていただきたい、かように思っておるわけであります。 具体的に申し上げますれば、現在われわれがやっております地域農業につきましても、結局は、農家の意向というものを集約段階からくみ上げて、そこで地域農業の進路を決める、その過程の中で農民教育を図ったり、あるいは人間形成に役立てる、そういったことじゃないかと思っておるわけであります。具体的な選択の問題といたしましても、基本的な問題はこれは中央、地方は合意という理解はしながらも、具体的な選択、どういうものを選ぶか、どういうやり方でやるかというようなことにつきましては地元に広範にお任せする、地元の選択にゆだねる、こういった形で、新農業構造改善事業にいたしましても、地域農政の問題にいたしましても、すべてそういうやり方で私ども展開をしていくつもりであります。そういう方向を今後ともとりたいと思っておるわけであります。 それから、第二番目の中核農家の育成の問題と、これと絡んで農地法の見直し、そういった問題、あるいは地域農業の全体としての振興の問題、こういう御指摘がございましたが、これも仰せのとおりだろうと思っているわけであります。中核農家を育成して、これに農地の利用を集積していくという構造政策というものは、これは申し上げるまでもなく農政の大きな課題だというふうに観念しているわけで、そのためにわれわれせっかく努力しているつもりであります。ただ、具体的に農地の利用を集積していく場合には、地域によってこれは需給の事情が違いますし、全国画一的な形で押しつけるわけにはもちろんいかない。やはり地域の実態に応じて農民の理解と合意というものを得ながら、具体的な権利調整をしながら農地の利用の集積を図っていく。具体的に申し上げますれば、貸し手側のサイドとしては農地を貸しやすくするという条件づくりをするということが基本でありますし、また同時に、これを受け取る側も人間を、担い手の方を育成していく、こういうことが基本的な課題、方向じゃないかと思っているわけであります。 具体的に農地法制をどうするかという問題があるわけでありますが、これは私は三つ問題があるだろうと思っております、農地流動化の問題は。一つは、農地の賃貸借というもののマーケットを形成して、これをいかにして育成していくか、こういう問題と、それからもう一つは、これをいかに誘導し育成していくか、このための助成をどうするかというような問題が二番目、それから三番目に、農地法制がこれにじゃまになっているという点がありますれば、これはやはり点検して見直しをしなければならない、こういった三点じゃないかと思っているわけでありまして、こういうことをいませっかく大臣の御指示もございまして勉強中であります。いろいろ検討をいま急いでいる段階でございます。
○説明員(柳井昭司君) 価格決定の基準になります生産費等につきまして申し上げますが、現在農畜産物につきましては管理価格、あるいは安定帯価格、あるいは補給金、さらには積み立てて価格補償する等、いろいろな各作物によりましてその制度がつくられておるわけでございますが、それぞれそれらの作目の特性等に応じまして適正に価格決定がなされておるものと考えておるわけでございますが、その基礎になります生産費調査でございますが、これにつきましては従来その作目の調査が行われます、いわゆる作目が生産されておりますところの地域の農業日雇い臨時賃金というものをベースにいたしまして家族労働の評価を行ってきたわけでございますが、農業の兼業化あるいは機械化の進出、そういうようなものに伴いまして農業雇用労働というものもきわめて減少してまいりますし、また、あります事例も非常に地域的に偏るとか、あるいは時期的に偏る、こういうふうなことになってまいったわけでございます。 したがいまして、そのような農業日雇い臨時賃金というものでなしに、現在五十一年から、その生産費調査を実施しておりますところの地域におきまして農家世帯員が多く就労している産業、これの労働者に支払われているところの標準的な賃金で評価しておるわけでございまして、したがいまして、その製造業等におきまする賃金に男女格差がございますので、その格差が採用される生産費等の賃金においてもあらわれてきておる、こういうことでございます。 それとともに、作目別にも先生御指摘のようにいろいろ差がございますが、たとえばてん菜でございますれば北海道、それから米ということになればかなり全国的なところで生産されておるわけでございますので、それぞれそういう作目の生産地帯ごとの標準的な賃金というものを反映してそれぞれ違っておると、こういう実情でございます。
○政府委員(澤邊守君) 過剰米処理の一環として、平和外交という観点から米の無償援助を積極的にやるべきではないかと、こういう御趣旨の御質問に対してお答えを申し上げたいと思います。 政府といたしましては、五十四年度から五年を目途に四百八十万トンの古米を処理をするという計画を立てておるわけでございますが、その際、処理の用途といたしまして、援助を含めました輸出用にもできるだけ振り向けていきたいというふうに考えております。具体的に、五十四年度におきましては、二十万トン程度輸出を考えておるわけでございます。 ただ、お尋ねいただきました無償援助につきましては、食糧管理制度のたてまえからいたしますと、直接食管で無償援助するということは現行法ではできないということになっておりますので、御案内のように外務省のまさに平和外交というような観点もございますので、外交的な配慮からの事業ということになりますので、外務省の無償援助の予算の中で他のいろいろな物資もあるわけでございますから、その中に食糧をどの程度入れていくかということが問題になるわけでございます。無償援助の五十四年度予算はかなり大幅にふやしておりますので、私どもといたしましては、これまで食糧を無償援助の対象に入れるということはなかったわけではございませんけれども、比較的少なかったのでございますが、できるだけ入れていただけるようにという相談はこれからしてまいりたいと思っておりますが、ただ外務省のこれまでの考え方からいたしますと、援助効率という点からいたしますと、米で援助するということは必ずしも効率がよくない。 これは具体的に申し上げますれば、お尋ねの趣旨だと、たとえば飢餓に面している住民を対象にした援助をするというような場合、米食よりは麦の方が安くついてたくさんもらえるというようなことになりますと、同じ予算の中で効率的に使うためには国際価格におきましても米よりは麦の方が効率的であるというようなこともございまして、相手国の希望というものもございますので、なかなか入りにくい点があるというような問題点があるわけでございますが、私どもといたしましては、御趣旨の点も十分念頭に置きまして今後折衝してまいりたいと思っております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 岩上委員からは、二つ非常にむずかしい御質問があるわけであります。 一つは、土地に対する認識はどうなんだと。これは全く哲学であって、農業の私は基本的な考え方で、その認識が違うと作法も非常に違ってくるのじゃないかというようなほどむずかしいものだと私は思います。元来人間は、土地と水のあるところに住みついたわけでありますから、そこでだんだんにそれから移動して運搬ができて、土地と水から生産されたものが届けられるようになって都会ができてきた、これも私は歴史的事実だろうと思います。したがって、土地はだれのものだと、大昔はだれのものか、神様のものであったかもわからぬし、あるいはそれから時代が過ぎて権力者のものになった時代もあったし、資本主義の世の中になって地主のものになったこともあります。それから農地解放というものが行われて、まあ血と汗の非常に貴重な財産をやっとかち取ったという人もある、先祖様のものだという人もある、いろいろ人によって、場所によって、見方によってみんな私は違うと思います。 しかしながら、土地というものは日本のような場合、非常に人口が多くて狭隘であるということになると、現在資本主義で土地の自由な所有権は認められておるわけではありますが、これも社会主義の国と自由主義の国とでは考え方が違うわけです。社会公共全体のものではないが、個人のものではあるが、しかしながら、やっぱり土地というものは、社会公共的性格というものをかなり尊重をしなければならない時代になってきておるというふうに私は考えております。したがって、ここらの点にどういうような物の考え方を持っていくかということが、今後の農地政策の面においても、宅地政策の面においても大きくいろいろ議論の出てくるところではないかと、こう考えておるわけであります。 農地流動化ということをいま言っておるわけでございますが、それは利用権の集積を図ろう。利用権の集積を図るということは、土地の所有権はそのまま認めておいて、農作業から非合理性の人は、もうからない人は農作業からは解放するが地主としては認めましょうという、裏返しに言えばそういう説明ではないかと思います。現在の農地法は、自作農創設という点から自分の土地を自分が耕すということでできたものでございます。したがって、真っ正面から物を考えると、現在の農地法の中でだれか中核的担い手にたくさん土地を集めるということがそれでもいいのかねという素朴な疑問、これも私は出てくることが当然だと思います。それを観念論で物を言うのか、実態に即して土地の有効利用、狭い国土ですから有効利用というものの方が社会の公共性が強いのか、どっちなんだと。観念論が公共性があるのか、土地の、限られた農地の有効利用の方が公共性があるのかという問題に私はなってくるのじゃないかと、こう思うわけであります。 しかしながら、自由社会のもとでは所有権というものは認めておるわけでありますから、やはり一義的にはその人の所有権を認め、できることならその人の経営権も認めるということが私は一番いいと思うんです。経営権は認めるけれども、しかしながらもっとうまい手で土地が利用できれば、その耕作する権利といいますか、農作業は別な人に委託をすることも私は差し支えないと、かように考えておるわけであります。そうすると、小作人の権利というものをどこまで認めるんだと。この権利をあんまり強く言うと、だれも農地の流動化に応ずる人がいないということになって、有効利用ができないという問題が出てくるわけであります。これを公権力をもって実施をするか、それともお互いの理解と協力によって実施をするかということに私はなってくると思います。当然われわれの立場からすれば所有権を認める、それから利用権を認めるという立場でございますから、その理解と協力ということになれば、私はその人が一番社会公共のためにもなり、自分のためにもなる道を選ぶという形が一番いいんであって、そういう方向に農林水産省としてはそういう希望するものを誘導しよう、そのための貸し手への助成というようなものもつけておるわけであります。 時間の関係もありますからこれ以上長話はいたしませんが、いずれにいたしましても、農地法の問題というものは、利用権の集積という問題と絡んで、やっぱりいろんな面からこれは検討をしなきゃならぬ。しかしながら、土地の値段がこれだけ高くなってきておるということになって、しかも現在の憲法の中で、これが均分相続制度、しかも市街化区域では届け出て農転許可になるという問題もございますので、これらのことが、全部自由にすることはまた別な問題も起きてくるので、そこらとの調整をどうするのかということなどを含めて、非常にむずかしい問題だけれども、真っ正面からこれは検討をしなきゃならぬというように考えておるわけであります。 また、農業にビジョンを与えよということでございますが、これもまあ非常に一口にして言えないほどむずかしい問題でございますが、先ほども申し上げましたとおり、日本には一億一千万の人間がおって、しかも何億人もいても食うや食わずのところでは購買力がない、日本は自由主義社会ですから、やっぱり消費者の自由意思によって買ってもらわなければだめなんです。ところが、一億一千万の、しかも食うに困らない大部分の人がおるわけですから、私は農林産物の市場としては世界有数の日本は市場であると、これは間違いないと、そう思っておるわけであります。ただ問題は、そこで各人各人の持っておる土地が非常に狭隘であると、そのために非常に効率的な農業がむずかしいということの制約があることも事実であります。しかし、至近距離にお客さんがいる、かなり高いものでも現に買って食っておるし、どんどん消費も旺盛であるということを考えれば、私は農業にとって、日本の市場というものは日本農業にとってまことに魅力ある市場であるということも間違いないことであると私は思います。 したがって、それらに対する手法、やり方というものは、いま言ったようないろんなことから総合的に考えて、そうして国際競争力が全部つくというわけにはもちろんいかない、国家安全保障の点からかなりの保護も当然認められておるわけでございますので、その中での創意工夫、時代の流れ、消費者の動向、消費者の需要の変化、こういうようなものを先取りをして努力をしていけば、私は農政のビジョンはつくれないことはない、こう思っておるわけであります。 具体的手法については、皆さん方のいろんな御意見を率直に受け入れて、反省すべきものは反省をし、試行錯誤のあったところは、もう直すべきものは当然直して、また自由社会ですから、そんな計画どおりぴっちりいくわけもないんでございますが、一応の目安——ガイドラインのようなものは考えてまいりたい、こう思っております。
○岩上二郎君 土地問題について、私は土地と土壌という問題についての意見を申し上げたわけですが、その点、ひとつ十分に御研究おきいただきたい。 それから、外務省との折衝における無償譲渡の問題については、これはもうタイ米とかラングーン米とかいろんなものなり、あるいは小麦粉とか、そういうようなものがより効率的であるというのが外務省の考え方であるようでございますので、この際、やはり古米問題等について農林水産省から積極的にお進めいただきたい。 それから、田園都市問題については、これは農民というよりも人間であるというところに少し力点を置いてお考えおきいただくことがより望ましいんではないか、このように思います。 以上です。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それぞれ十分に検討さしていただきます。
○原田立君 所信表明の中で大臣は、七ページにありますが、「地域農業生産の再編の一環として、米の過剰に対処して水田利用再編対策を推進することとし、転作条件の整備を図る観点から排水対策の強化等土地基盤の整備、試験研究及び普及活動の推進等に努め、転作の一層の定着・推進を図ってまいる考えであります。」と、こういうふうに表現しておるわけでありますが、冒頭の三ページに「米、みかん等が過剰基調にある一方で、麦、大豆、飼料作物等の生産が十分でない」と、こういうふうに問題をはっきりと、非常に困難性ということを言っているわけでありますが、具体的な方策を示していないことに対して私は大きな不満を感ずる次第であります。自給率が低下している諸作物に対する自給率の向上に対してどういう取り組みをするのか、明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 自給率の向上に対しましては、たとえば今般の水田利用再編対策等でも、大麦とか小麦とか、飼料用の麦とか大豆とか、こういうものについては特に特別の補助金を出しまして、それで転作を奨励をしておるわけであります。これはやっぱり自給率の向上の一環でございます。
○原田立君 農政の当面の最大の課題は、米の過剰傾向の反面、麦、大豆、飼料作物の不足をどうするか、この過剰と不足を調整し、総合的な自給率の向上を図ることこそ急務だと考えますが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まことにそのとおりであります。
○原田立君 麦、大豆や飼料作物の生産増加に努めるというのであれば、農家が安心して米からこれらの作物に転換できる生産体制、価格政策等が考えられていると思うのでありますが、具体的にどう取り組むつもりでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 米からそれらのものに転換をしろと、価格の点については、御承知のとおり大豆にも不足払いもありますし、それからソバについてもことしはそういうような価格安定の制度をつくろうと、あるいは小麦については食管で買い入れるというようなことなど、いろいろの施策を講じておるわけであります。しかしながら、やはり作物というものは、つくるには技術が必要で、つくったことのない人に、ただ本を読んだからといって、すぐできるわけじゃない。しばらくやらなかったために忘れてしまったと、親の時代にはやったんだが息子は知らないと、つくり方も昔と全然違うというような点もあるわけでございます。したがいまして、麦をつくった方が知識の上で有利だということがわかっても、なかなかすぐには踏み込めないということもございますので、先進地とか、あるいはそういうようないろんな技術を下に伝えまして、先にやった先達者のことを見習って、そいつを普及するというようなことを具体的に実はやっておるわけであります。
○原田立君 生産体制、価格政策については何ら御返事がなかったが、その点はどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) したがって、価格政策については、麦には麦のもうちゃんと買い入れの価格が決まっておりますし、それでパリティによってその価格は毎年修正をされると、大豆についても不足払い制度という法律があって、そこで大豆の値段ももう決まっておるわけであります。したがって、そういうようなものを中心にわれわれとしてはお勧めをしておる。しかしながら、地域によって、そういうものをつくるよりも別なものをつくった方がいいと。ともかく栃木県の場合などイチゴなんかかなりつくっておりますが、それの方が収益がうんと高いと、あるいは牧草をつくって和牛とか酪農をやった方がいいというように考える人は、それぞれの自分の好きなことを、需給の見通し等も踏まえながら、自分たちそれぞれの自由にこれはおやりになっていただくということを勧めておるわけであります。
○原田立君 価格の問題についてですけれども、お米を生産してその収入があると、それでも現在、農民の人たちは、いろいろともっと値上げしてくれというようなことを言っておる。それで、それと同等のような収入というものを麦あるいは大豆等で上げるということは、これは無理じゃなかろうかとは思うんですけれども、少なくともそこに近づけられるようなものは当然なければならないと思うんです。いろいろと現在方式が決まっていることは、それは大臣が言うまでもなく私も承知しております。だけれども、それでは余りにも収入が少ないという農民の大きい不満があるわけです。だから、結局は価格の点について安過ぎるものだから、米からの転換がなかなかうまくいかないという不満があるわけなんです。心配があるわけなんです。だから、ただ単にやりたいものをやればいいんだというようなことじゃなしに、価格的な面でも米から転換するわけでありますから、もっとそれに近づけられるような、一歩前進した物の考え方というものがなければならないんじゃないかと、こういう指摘をしているんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) たとえば、この農林水産省の生産費調査によりますと、五十二年産のものでございますが、平均して米が十アール当たり五百十二キロ、したがって、十アール当たり所得が九万一千二百六十六円で、それで結局九万一千二百六十六円の所得ですと。小麦の場合は、平均が二百九十一キロで十アール当たりの所得の平均が二万二千六百五十二円と。確かに九万円と二万円ですから、とてもそれじゃつくらないと。したがって、その差額補てんという考え方から政府は転作奨励金として七万円を出しておるわけですから、合計しますと九万二千六百五十二円で、大体米よりもちょっとぐらいましになるではありませんかと。それから、大豆の場合は百九十五キロが十アール当たりの平均収量で、これは非常に少ないんです。しかしながら、所得率は十アール当たりの所得が農林水産省の調査だと三万八百二十八円、米の九万円よりは少ない、少ないけれども、そこに七万円の転作奨励金を出して十万円となるわけであります。 したがって、大体これは平均ですから、それより上の人もあるし下の人もございます。ありますが、七万円の特別な奨励金を出せば米と大体同じぐらいの所得は上げられるという点から、七万円の奨励金というものを計算をして出しておるわけであります。しかしながら、これも個人でやるよりも集団でやった方がはるかにいいということも事実でございます。しかし、ともかく自分でもっと上げられるという人もあるわけですから、そういう人は自分のやっぱりなれた作目をやることが一番いいものですから、それまではだめだということでなくて、それぞれ自分の、奨励金は少なくとも自分に手に覚えのある、腕に覚えのある収穫が上がると思われるものをつくっておる方もそれは結構でございます、こういうことを言っているにすぎないわけでございます。
○原田立君 所信表明の十一ページのところに、農産物の価格対策の中で米価については「食糧管理制度の適正、円滑な運営を図ることを基本とし、米需給の現状その他の経済事情に十分配慮して、適切な価格決定」をすると、こう言っているわけでありますが、この表現はどう考えても今年産の米価は上げない、仮に上げても微少だと、こういうふうに言っているのではないかと、こういうふうに私は勘ぐるわけなんだけれども、一体どうなのか。実情に合った生産者米価の引き上げは当然確保すべきだと思うのであります。 また、食管法の改正についても考えるべきではないと思う。この二点について明確な答弁をお願いしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは例年、毎年の国会において予算審議中に、米価を上げるとか、生産者米価を下げるとかどうとかというようなことを答弁したことは政府は一回もありません。それは、予算というものは、現行米価で予算は全部組んであるわけですから、毎年そういうことになっているわけでございます。したがって、私といたしましては、ことしの生産者米価については、それを上げるとも下げるとも言っておらないわけです。そのときの需給の事情や景気等の経済事情を十分配慮をして、適切な価格を決めますということでございます。したがって、米価をうんと上げる、米価を下げるということは申しておりません。
○原田立君 言っていないんじゃなくて、実情に合った生産者米価の引き上げは当然確保すべきではないか、大臣はいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはそのときに、米価につきましては計算の方式がございますから、その計算の方式というようなものについては、私は前年度の計算方式を踏襲していっていいのではないか、こう思っております。
○原田立君 全国農協中央会では、五十四年度の減反について昨年の実績にさらに一〇%上乗せした減反を実施する旨の発表をしました。その表現から受け取ると、農協が自主的に減反に協力するように感ずるのでありますが、このようにより一層の減反を強いる結果を招いたのは、政府の政策の誤りのしわ寄せにほかならないと私は思うのであります。この点を十分考慮の上、今回の措置に対してどのように受けとめていられるのか、その所見をお伺いしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 農業団体が自主的に、現在の米需給の状況というものを見てこのままではとても大変なことになると、したがって、われわれといたしましても、自発的にもっとできるところは、いま言ったように、団体が協力をして麦をつくった方が非常にいいというようなところなどは特に大々的につくるようにみんなでやろうじゃないかと、こういうような御発想でやっておるわけであります。したがって、私はこの姿勢は非常に高く評価をいたしておるわけであります。
○原田立君 高く評価するだけではなしに、こういうようなところに追い込められたこと、これは消費の増大ということが当然答弁として返ってくるだろうと思うんですけれども、そればかりじゃなくって、何かほかに処置はないのか、お考えはいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私は、農業団体の方々ともしょっちゅう会ってお話しをいろいろざっくばらんにいたしておるわけですが、やっぱり農業も産業であると、したがって、農産物というものもこれはやはり消費者を無視してはやっていけない、やはり消費者に喜ばれるものをつくらなければならぬと、やはり過剰につくれば粗末にされると、この点では一致しているわけですよ。したがって、やはり幾ら政府、政府と言っても、現実の問題として過剰生産になってしまうということでは、食管制度の方もおかしくなってしまうというふうにだれしも考えるわけですから、政府は財政がピンチでこれはもう増税はできない、これ以上公債を発行したらインフレだと言われておって、私も全くそのとおりだと思うんです。国民はだれもそれは望まないということになれば、むだなことはお互いに自粛していく必要がある。ともかく過剰生産で、政府にどんどん買えと言ってもおのずから限界もあるというようなことを全部知っているわけです。 したがって、そういう点で、われわれと一緒になってこの事態をひとつ突破をしていかなきゃならぬというふうな考えから盛り上がる自発的な申し合わせですか、申し合わせでそういうようなことをやっていこうということでございますから、それに対してはいろんな助成策等は講じてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○原田立君 計画によると五十四年度六十万トン、うち工業用三十万トン、輸出用二十万トン、飼料用に十万トンという内容で処理し、残りの四百二十万トンを四カ年で処理する計画となっておりますけれども、四カ年の具体的処理計画はいかがですか。
○政府委員(澤邊守君) ただいま御指摘ございましたように、明年度五十四年度は初年度でございますので六十万トンでございますが、五カ年間に四百八十万トンの過剰米を処理をしたいというふうに考えております。したがいまして、初年度は六十万トン、やや少ないわけでございますが、平年度は大体百万トンベースくらいでやっていきたいというふうに現段階では考えております。もちろん、輸出向けだというようなものについてはどの程度の需要が出るか、あるいはまた、えさ用に振り向ける場合も、えさの価格が今後どう変動するかということは五カ年間でかなり動きが出ることもあり得るわけでございますので、現在きちっとセットしているということではございませんけれども、現段階ではそのように考えております。 で、いま言いましたような用途別の処理につきましては、加工用原料——みそだとか米菓だとか、そういうようなものについて、おおむね平年べースで三十万トンぐらい、それから輸出用は今後の世界の米の需給事情いかんによりまして変わるわけでございますけれども、現段階で見る限り、昨年は有史以来の最高の農作であったということもございますので、なかなか輸出環境としては有利ではございません。したがいまして、先のことはわかりませんので、まあ年間二十万トンぐらいではなかろうかと、そのあとのものは飼料用にというように考えておるわけでございます。平年べースで申し上げますと、三十、二十、五十というようなことを現段階として念頭に置いておるわけでございます。 具体的には、そのときどきの事情に応じて、所要の変更も加えながら実施していく必要があろうかと思っておりますが、財政負担という面から見ますと、ただいま申し上げました加工用、輸出用、それから飼料用というこの順序でトン当たりの損失額が少なくて済みます。財政負担が少なくて済みますので、いまの順序でできるだけ初めの方のものから処理をしていくと。しかし、どうしても処理できないものは飼料用に回すというようなことを考えてやっていきたいというふうに考えております。
○原田立君 大臣の所信表明の九ページのところに「増産の必要な肉用牛については、生産適地において、一貫供給体制の確立を図る事業及び里山を開発して草地を造成する事業等その振興対策を拡充することとしております。」と、こうなっておるわけでありますが、具体的にどのような施策で臨むつもりでおるんですか。
○政府委員(杉山克己君) 集約生産基地につきましては、従来から団地を造成いたしまして、これを助成し育成するということをやってまいりましたが、五十四年度におきましては単なる団地——生産段階だけでなしに、その加工、流通に至るまでの作業までも含めまして、つまり子牛をとる繁殖、それからこれを成牛に育てる肥育、さらにこれを枝肉に解体する処理、さらにこれを出荷する流通、こういったできるだけ各段階にわたって地元における付加価値を高めるということを考えて、そういうための団地を造成するということを新規の事業として取り上げることにいたしております。 それから、特に里山の利用というようなことで自給飼料の供給にも貢献する、それから肉牛飼育、これは肉牛に限らず酪農も対象とし得ることといたしておりますが、その経営の安定化、合理化を図っていくということで、従来比較的なおざりにされておりました生産者の近くの里山の活用ということを促進するということのために、これを助成対象事業として取り上げるということにいたしております。
○原田立君 この後段のところで「里山を開発して草地を造成する事業等その振興対策を拡充すること」としておると、こういうふうになっておるんですけれども、具体的には一体どういうことですか。
○政府委員(杉山克己君) 草地の造成は、大規模なものはこれは公共事業で従来から行ってまいってきておるところでございます。公共事業でカバーし切れない中規模あるいは小規模のものにつきましては、これは従来自給飼料生産向上特別対策事業というものがございまして、この事業の中でそれらを拾い上げて、基盤整備あるいは施設造成といったものを取り上げてまいったわけでございます。五十四年度におきましては、この自給飼料生産向上特別対策事業、これを地域農業生産総合振興対策事業の中に取り込みまして、地域全体の振興計画といいますか、総合的な振興事業の中で取り行うということにいたしたわけでございます。 同時に、その自給飼料の生産向上特別対策の中に、従来では取り上げられておらなかった小規模の一、二ヘクタールから数ヘクタールといった里山、これも対象事業として取り上げるということにしたわけでございます。 具体的にということでございますが、この対策でもって大体対象となると考えられる全国の面積は、私どもまあ一万七千ヘクタール程度あるのではないかというふうに考えております。そのうち五十四年度は、これはまあ初めての事業でありますから、実際にどの程度出てくるかはもう少し検討を要しますが、私どもといたしましては、一応千三百ヘクタールということで考えておるわけでございます。 それから、この事業の内容は一ヘクタール当たり七十万円、十アール当たり七万円という定額の補助をいたしまして、簡易な方法による草地造成、つまり大規模なトラクターであるとかブルドーザーを使って斜面をならすようなそういうことはやらないで、家畜を入れまして蹄耕法——ひづめによってその土地を耕していく、そうして草地造成を図るというようなことを考えておるわけでございます。 対象地域は、畜産農家に近接した裏山といったようなところが主として考えられるのではないかというふうに思っております。 それからなお、主としてまあ肉牛が多く入るかとは思いますが、私どもは酪農農家をもその対象として取り上げるということで考えております。
○原田立君 山地酪農についてお伺いするんですが、今日まで大変な苦労をされて、りっぱな牧場がわが国にも数多く点在しております。この山地酪農については、当局はどのように認識し評価されているんですか。
○政府委員(杉山克己君) 山地酪農につきましては、従来から一部の熱心な方が山地に乳牛を放牧する、そしてコストの低い、手間のかからない酪農を振興するということで進めてまいってこられております。また、そういった事業を全国同じくするものが、共通の目的に向かって団体を組織する山地酪農協会というようなものも結成されておるわけでございます。私どもこういった事業並びにその団体をつくって全国にこれを広めていこうという意欲には、きわめて結構なものと敬意を表しておるわけでございます。こういった事業を、今回里山開発の新規事業を興すことによって、私どもは全面的にバックアップし得るものというふうに考えております。
○原田立君 農業の振興には多大な努力を払われている渡辺大臣は、この山地酪農については、その評価はどうお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つの考え方で、私はいいアイデアだと思うので、十分推進するようにしたいと思っています。
○原田立君 いいアイデアだなんて、そんなのんびりしたことを言わないでもらいたいと思うのですが、実は衆議院の農林水産委員会、昭和五十年十一月十九日に、そこにおられる大場さんがわが党の瀬野議員の質問に対して「山地酪農はそういった土地条件、土地の取得の困護性あるいは労働を省力化という形で解決する、こういった利点がありますので、それ相応の位置づけを日本の酪農の中にいたしまして進めていくべきものだというふうに私どもは理解しております。」と、要するにしっかりやりましょうと、もう三年も前に言うているのですよね。一生懸命やってくれている大臣が、いいアイデアだからじゃあ研究しましょうだなんて、そんなお考えでは困るので、もう一度再答弁をお願いしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 山地酪農の問題は、いままでいろいろ議論があったところなんですよ。私は推進論者なんです、もともと。ところが、ヨーロッパ型の酪農を勉強してきた人から見ると、やっぱり草地の酪農がいいというようなことがあって、要するに山地酪農は、木をはいだり、シノヤブとか何かの間でも牛を歩かせるというやり方ですから、そういうふうなのはヨーロッパには余りないんですよね、酪農先進地には。しかしながら、私は日本のこういうような非常に傾斜の多い山岳地帯で、しかし、そういうふうに実際にそれをやってうまくいっている人もあるんだから、これは本流から外れているかもしらぬけれども、研究をしなさいということで、私は実は五年も前から言っているんです、実際は。だから、技術会議でもそれを取り入れて研究をして、データもこしらえていまやっているところなんですよ。 ですから、私も同じ考えで、アイデアを私は五年前から持っているんです、実は。ですからこれは進めていきたい、こう思っております。山地傾斜地における草地畜産システムといって、一億五千百万円の予算をことしもつけてやらしておるんです。
○原田立君 簡単なアイデアだなんて言うのではなくて、五年来にわたって研究しているということなので力強く感ずるわけでありますが、なお一層進めていただきたいと思うのであります。 ところで、里山等の利用促進事業を五十四年度から実施することに対して、私どもも大変評価しているのでありますが、この事業の中に山地酪農は組み込まれているのかどうか、その点はどうですか。
○政府委員(杉山克己君) 里山等利用促進は、肉牛であれ、酪農であれ、対象としておるわけでございます。したがいまして、里山としてその条件にかなったところがあれば、山地酪農も当然対象として含まれることになります。
○原田立君 具体的な運用に当たっては、都道府県あるいは市町村に対して通達を出されて実施に当たるわけでありますが、この通達の中には、山地酪農に対して具体的にその対策をうたうのかどうか。
○政府委員(杉山克己君) いまこの予算の実行の問題につきましては、各県の意見等を聞いて調整を図っているところでございます。山地酪農をその中でどのように位置づけするかということについては、事実上対象として取り上げることは確かでございますが、通達の中で、表現の仕方につきましては検討さしていただきたいと考えます。
○原田立君 じゃ、検討を十分してください。当然、具体的対策として山地酪農を明確にうたうようにしてもらいたいと思う。これは要望ですけれども、いかがですか。
○政府委員(杉山克己君) 御意見十分承りました。そのことを念頭に置いて検討いたします。
○原田立君 日本の国土の七〇%は山地によって占められているわけでありますが、集落周辺に点在し未利用のまま残されている山地は一般的には七百万ヘクタールあるいは一千万ヘクタールとも言われておりますが、放牧などに有効利用できる山地はどれくらいあるのか、明確に示されたい。 また、このうち国及び公有林、私有林の割合は一体どのぐらいにつかまえておられるのか、お伺いしたい。
○政府委員(杉山克己君) ちょっと申しわけありませんが、いま開発可能な山地が全体としてどのくらいか、また、その内訳はどのくらいかということは、ちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんので、これは後ほど調査して御報告申し上げたいと存じます。
○原田立君 一般的には七百万あるいは一千万ヘクタールぐらいという、そこら辺ぐらいはどうですか。大体約一千万ヘクタールぐらいというふうに専門家が言っていました。それで、公有林、これなどは、大体その一千万ヘクタールのうち約三割ないし四割ぐらいはそれに当たるでしょうというようなことも話がありました。大体そのぐらいなものかなあと思うのであえてお聞きしたわけなんですけれども、後で調べて御返事いただければそれで結構です。 わが国の畜産の振興を図り安定した供給を確保すると同時に、国土の有効利用をより一層推進するためにも、里山などの利用状況を調査し、未利用の里山、山地などの活用に資するためにも国策として調査すべきだと、こう考えるのですが、調査をびしっとやっていこうというお考えはありますか。
○政府委員(杉山克己君) 従来から公共事業の対象、それから自給飼料対策の対象、それから今回新たにつけ加えることになりました里山開発の予算のこの事業の対象、それらについて、それぞれ調査をしてまいっておるわけでございます。 今回の里山として考えられているものは小規模のものでございます。この分についての数字はここにいま持ち合わしておりますので申し上げますと、大体、具体的に上がってくるものは全体として一万七千ヘクタール程度であろうというふうに理解いたしております。
○原田立君 五十四年一月二十九日の新聞に「農業構造改善事業全面洗い直し」ということで行管庁が勧告をしているのがありますが、先ほども同僚委員から質問がありましたので、大体内容についてはわかりました。 そこで、大臣にお伺いするんでありますけれども、この行管庁の勧告に基づき三カ月以内に対応策を回答することになっているわけでありますけれども、しかし、構造改善事業は昭和三十六年から第一次として、またさらに四十四年から第二次、そして五十三年度から新農業構造改善事業として六十二年度を目標に行う農政の基本に当たる事業でもあり、十分なる対応策が必要だと考えますが、この行管庁の勧告をどのように受けとめておられるか、お伺いしたい。
○政府委員(大場敏彦君) 私ども第二次構造改善事業につきましては、私たち自身の問題としてでに点検し吟味して、その反省と経験の上に立って、いまお話しのありました新農業構造改善事業というものを設計してその事業の運営をしている、こういうつもりであります。今回、行管から改めて御指摘がありました事柄につきましては、これはいろいろ吟味して、さらに御理解を求めなければならない点も若干ございますけれども、大筋においては私どもはよく理解していることでありますので、その御忠告は今後の事業運営によく生かしていきたい、かように思っております。
○原田立君 大臣はいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 同様でございます。
○原田立君 同様であるということでありますが、それでは具体的問題として、勧告では、さきにもお話がありましたように、大きく分けて三本の柱から成っているように思うのであります。 第一は、トラクター等の農業機械の問題、第二点は、土地基盤整備事業に対する補助対象の問題、第三点は、事業の長期化に伴う実施段階における計画の手直しや中間的見直しの必要性という三点ではないかと思うのであります。 この第三点目は別として、第一、第二の内容を見ると、厳しい財政下ゆえ補助対象の縮小、切り捨てを迫っているように受けとめられるのであります。これは現時点のみをとらえた一方的なもので、戦前・戦後を通じて一貫してとられてきた施策では企業優先、重化学工業優先の陰に押しつぶされてきたのが日本農業の実態であり、その結果として兼業農家の増大、過疎地帯の増加を生み、地域的格差をも生んだことでも明らかであります。財政難を理由に補助対象の縮小、切り捨ては断じてやるべきではない、こう私は思うんでありますけれども、これは担当の局長並びに大臣のお考えをお伺いしたい。
○政府委員(大場敏彦君) 行管の指摘も、補助をやめろと、こういう御指摘ではないというふうに理解しております。たとえば、機械等につきましては個人施設化しないこととか、あるいはその運営を効率化しろ、こういう御提言だろうと思うので、これはそのとおりだろうと私ども思っております。それからまた、普及がかなり進んでいる機械等につきましては、これは補助対象とすることについて点えたらどうか、普及度が薄い機械というものをやっぱり補助の重点対象にしろと、こういう御提言もそれはそのとおりに受けとめて運営していきたい。新農業構造改善事業につきましても、そういった考え方はすでに取り入れているわけであります。ですから、補助をやめるとか、あるいは補助対象から切り捨てるとか、そういった考え方は毛頭ございません。重点的な形で補助というものを生かしていきたい、かように考えているわけであります。 それから、基盤整備事業につきましても、これは問題点の一つとして土地利用型農業において自立経営がなかなか進みにくいと、こういうところがありますので、それに役立つような形で土地基盤整備というものをうまく結びつけて運営していったらどうかと、こういう御提言でありますので、それはすでに新農業構造改善事業におきましてもそのようにそういう設計を私どもしております。そういう意味でありますので、積極的な御提言として私どもは活用さしていただきたいと、かように思っております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大臣も同意見でございます。
○下田京子君 大臣にお尋ねいたします。 所信表明の中で幾つか指摘をしておりますけれども、特に第二番目にという形で、農山漁村を単なる生産の場としてではなくて、活力に満ち、豊かで住みよい地域社会とするために定住条件の整備を促進してまいりたい、そのために生活基盤、生産基盤の総合的な対策をと、こう打ち出されているわけです。で、言葉の上では皆さんこういうことを願っておられるだろうし、私たちも、都市に過密、そして農村に過疎というふうなことをなくしていく上で農村が非常に豊かであってほしいと、こう願うわけです。 で、こういう考え方の基本になっているのは何かという点で、まず第一にお尋ねしたい点は、これは五十二年の十一月四日に閣議決定しております三全総で言われる定住圏構想がその考え方のもとになっているのかどうか、まずこの点。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、先ほども言ったように、別にそういう意味で言ったんじゃなくして、要するに、農村というのは単に生産の場だけではなくて民族の苗代でありますと。で、農村にはいい自然がありますと。そういうような農村を残していかなければいけませんと。だからといって、農村が住みづらかったり、文化的に非常に立ちおくれたりしたのでは農村からみんな逃げ出してしまいますから、やはり文化的にも、所得水準においても、都市等の勤労者と同じように、その近代化をする傍ら、やはりいいものは残していきましょうと、そういうふうなことを言ったんで、また農村で、たんぼや畑ばっかりでなかなか運動場もない、ママさんバレーをやりたくても場所もない、奥さん方の集会場もないということでは困るから、そういうようなものは、農村に文化をと言うんですから、やっぱり農村にも、でかいものばかりつくるのが能じゃないですから、部落単位だっていいじゃないですかと。夜、照明つけたママさんバレーの場所もつくってやるのもいいじゃないですかと。 そういうものは国が押し売りをするんじゃなくて、そこの村なら村でどういうものが欲しい、欲しがっているんだけれどもいままでの補助の規格に合わぬ、しかし、こういうものだったら、みんな村人が喜ぶんですけれどもねというものがあれば、そういうものはメニュー方式で受け入れていきましょうという程度のことでありまして、特別に定住圏構想ときちっとかみ合わして——大平さんの田園都市構想それ自体が私にもよくわからないんですから、本人もよくわからないと言っているんですから、大体、思想としてはそういう思想であると。しかし、それをどう具体化するかはこれからだと本人がおっしゃっているんですから、これはまさしく間違いないと思うんです。だけれども、大体そんなところじゃないかというふうにわれわれも思っておりますし、私ももともとそういう考えを持っておるので、所信表明には総理の意向も十分そんたくをして、実はこう書いたわけです。
○下田京子君 総理が言う田園都市構想も明確でないけれども、言わんとするそのことを理念として踏まえて、こう所信表明として入れたんだと、こういうわけですが、いまの大臣のお話の中で私ちょっと指摘しておきたい点は、非常に無責任なところがあるんではないだろうかと思うんです。なぜならば、同じ閣僚の中の総理自身が田園都市構想を出しまして、それは北斗七星のようなものである、政策理念であるとは言いつつも、昨年の暮れ十二月に、国土庁、それから内閣審議室等が窓口になって、関係十六省庁が協議をしているわけですね。 その協議の中の資料をいただいているんですけれども、そこには「田園都市構想と定住構想について」と、こうはっきり述べまして、いま大臣が言われたような形での自然環境、生活環境あるいは生産環境が調和のとれた、人間が住めるような云々ということが出ているわけなんですよ。ですから、その絡みでの一環として、私は物の考え方としていま伺っているわけです。予算がどうか、何がどうかという前に、大臣が、少なくともこの大平総理のもとでの農林水産大臣が打ち出してきているわけですから、そういうことで責任ある答弁がいただきたいと、こう思うわけですけれども、全く無関係だという話でもなかったから、そこは明確にしていただいて進めたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは無関係だとは思いません、私は。無関係だとは思いませんが、そのものずばりでもないと。それは考え方としては似たようなところがあるわけですよ。あるんだけれども、どこでそういうふうにきちっと線を引いたものだということはまだできていないんです。だから、物の考え方としては似たようなところがございます。以上であります。
○下田京子君 非常に大平総理にしましても、それから渡辺農林水産大臣にいたしましても、言葉では都市の高い生産性、あるいは良質な情報、あるいは農村の持つ民族の苗代とも言われるべき心の触れ合いを大事にして統一した云々と、こう言われているわけですけれども、それはまだまだ明確でない、こうおっしゃっておるようですが、私はこれは皆さんがそういう方向ということを、言葉ではなくて、そういう方向に向かって具体的な施策をどうとるかということで臨んでいるんではないかと思うんです。 ただ、この点につきましては、この前、共産党の宮本委員長も指摘をしておきました。国民みんなが望んでいる方向でもあると。そういうしかし統一した住みよい郷土をつくっていく、日本をつくっていく、つり合いのとれた国土をつくっていくという点にあっては、いまの農村の置かれている現況をいかに回復していくかということが大事なんだ。食糧の自給率も向上させなければならない、農村の出かせぎもなくしていかなければならないだろう、こういう指摘をしているんです。大臣、そういう方向で農村の本当に総合的な発展を願っておやりいただけるかどうか。安心してそこに住みつけるような定住条件を整えていくために、まずやっぱりそこには働く場も必要でしょう。それから、一定の人間らしい暮らしができる所得が必要でしょう。同時に、福祉的だとか文化的な問題も必要でしょう。そういうお立場でおやりいただけるんだなと理解していいでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのような立場と心構えでやらしていただきます。先ほど言ったように、田園都市構想と私の言っていることとはもちろん無関係ではないんです。無関係ではない、似たようなことを言っているんですが、具体的に田園都市構想となると、農林水産省だけでなくて、通産も建設も国土も、みんな入ってつくられるわけですから、これは大平さんもまだ、それはないと。いままでのものの整理をして、きちっとしたものをこれは学者も集めてつくると言っているわけですから。しかし、その方向ではわれわれはもうすでに一部スタートをした、そういうことを申し上げたわけです。
○下田京子君 方向としておやりいただきたい姿勢、これは大事だと思います。問題は、一番最後に私どもなりに指摘したいわけですけれども、そうしますと、定住条件の整備という点で、さっきも指摘しておきました、それから大臣も言われておりますけれども、過疎であっても過密であっても、まずそこで安心して暮らせるような状況が必要かと思うんです。で、農村の実態、大臣も農村出身だと、こう言われておりますだけに、あるいはおわかりだと思いますけれども、あえて申し上げますと、これは議員立法で昭和四十五年に出ました過疎地域対策緊急措置法という法律に基づいて、そういう過疎地にあって都市との差が余りにもひどいので、いろいろと補助をつけたり起債を見たりしてやろうというものがあるわけですね。 この指定を受けている市町村が、全国三千二百三市町村の中で千九十三市町村あるわけです。これは、国土庁の地方振興局過疎対策室の資料によります。これによりますと、北海道はその指定市町村が約七割——七〇・三%を占めています。東北は山形がトップで、私の福島県は第二位、指定を受けているところが三五・六%。 以下、全国的にちょっと述べてみたいと思うんですが、関東は群馬が一番高くて二〇%、そして北陸、新潟が一番高く三二・一、東海・東山といいますか、これが長野が一番多くて三五・二、近畿が和歌山県が一番多く三〇・〇、中国が島根県で六七・八、そして四国が、一番多いのが高知で六九・八、また九州に至っては大分県が何と七四・一%、これが過疎地域対策緊急措置法の指定を受けつついま営々過疎対策等々あるいは農村地域の整備に取り組んでいる実情であります。 私は、過疎地帯であろうと過密地帯であろうと人間らしく暮らしていけるという点で、具体的に私の住んでいる福島県に調査に入ったんです。具体的な例なんですが、福島県西会津町というところです。昭和三十五年の人口が一万八千三百三十六人でした。五十年、これが一万二千五百五人で、およそ六千人の人口減、十五年間の間に、何と三割近くが減っているわけです。 しかも、そこに働いている、住んでいる皆さんの生活状況がどうかということなんですけれども、農山村の中でのその第一次産業から得る収入では、いまの減反政策の中で暮らしが成り立たないという指摘とあわせて、ですから、どこかで働こうと思っても働く場がない、そのために御主人はもう通年出かせぎのような状況に追いやられている、冬期間という方が多いわけですけれども。そして奥さんは、夏場ですと朝四時ごろ起きて農作業をやり、八時に工場に飛んでいって帰ってきてやる、と。子供たちはどうかといいますと、高校というと近くにない、あっても一定制限がありますと、同じ圏域の会津若松という人口十万ぐらいの地方都市ですけれども、そこに下宿をする。下宿代が四万から四万五千円。じゃ奥さん——お母ちゃんの日給、月給でやりますが、一カ月どのぐらいの収入になるかというと、目いっぱい働いて五万から六万だと、こういう実態なんです。実際に働いている皆さんと懇談をしてきているし、役場からも状況を聞き、関係者の御意見をずうっと聞いてきたわけなんです。 こういう状況にあって、これをやっぱりどういうふうな形で救っていくかという点で、本当に実態を踏まえてかからないと、単に農村にはよさが残っている、あるいは民族の苗代だとそれだけで言い切れない、非常に深刻な家庭破壊にまで及ぶような実態が、全国各地至るところに出ているという御認識の上に立って条件整備のために取り組んでいただきたい、まずその決意を聞きたいわけですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かに、過疎地域にはそういうところも数々あろうかと存じます。しかし、これは農林水産大臣だけでなかなかできない。これは実際に全部の、国が力を合わして、過疎法の力もかりて——私はこれをつくったんですから、過疎法は。議員立法だったと思いますな。山中さんが委員長で、私らがスタッフでこれをつくったんです。これによって、補助率やなんかも非常に高めたりいろんなことをやってきた。それでもなおかつ、またちょうど四十八年以降の不景気にぶつかっちゃいまして、思うように機能しなかったということも事実です。しかし、そういう実態のあることもおっしゃるとおりだと私は思います。したがって、いろんな面で、もちろん農林水産省は農林水産省のことをやりますが、政府としても真剣に総合的に取り組むようにがんばってまいりたいと、かたい決意を申し上げます。
○下田京子君 そのかたい決意のもとで、所管である農林水産大臣の分野で、まず手の打てるところで具体的に以下お願いしたいわけなんです。 その一つですけれども、これは所信表明にも言われておりますが、やっぱり安心して農業が続けられるという点で、いろいろあると思うんですけれども、この減反政策を十年間続けるという、そういう制度上、その中で価格補償をどう見るか、一般的なことについて私いまお願いするつもりはありません。政府が、また大臣が所信表明の中でよく言われていますが、需要との絡みにおいて、いわゆる不足している大豆、小麦、飼料作物等々に力を入れてまいりたいと、こう言われているわけです。そうすれば、いま一番必要とするこれら重点作目にしぼって価格補償、これはいろいろとまだ改善される部分もあるだろうし、皆さんの御意見を承ってやりたいと、こう大臣おっしゃっているわけですからお願いしたい点なんですが、具体的な例をお示ししますと、農林水産省も非常に推奨しておりまして、先進地として全国に提示しております秋田県の大豆の生産について申し上げたいわけです。 秋田と言えば大変大豆でも進んでいまして、今度は十アール当たり四百八十九キログラムとられた方もおるそうです。全国コンクールにお出になるというお話でした。ただし、平均しますとどのくらいかといいますと、百四十キログラム程度にしかならないそうです。県としてはそれを二百キログラムまで持っていきたいと、こういうふうにおっしゃっていました。そこで、二百キログラムが生産された際の農家の所得を補償していくということで、いま秋田県が独自に組み込まれている事業と予算なんですけれども、これは水田利用再編対策の概要ということで、五十三年度分、二月二十日付の秋田県からこれはお話を伺って、資料をいただいてきたわけですけれども、秋田県独自で、これは全く県単ですよ、四つの事業をやっているんです。 総額にしますと八千百三十四万九千円。第一の事業なんですが、大豆価格補償事業、これは具体的に言いますと、お米は一俵一万七千円と計算する、ところが、大豆の場合には基準価格が一万五千百三十三円だと、だからその差を補償しようという事業なんです。これが第一。それから第二番目には、これは水田利用再編対策大豆生産奨励事業といいますけれども、具体的に転作大豆についての補助金交付の上乗せです。これは一俵当たり二千八百円の上乗せをする、そういうものです。三つ目には、今度は流通関係になると思うんですが、大豆生産振興奨励金と利子補給事業ということでもって、出荷する、同時に生産者にお金を払う、しかし出荷業者はすぐ売れるとは限りませんから、その差の利子の補給をするわけです。七・五%全額補給の金額であります。それから第四番目の事業が、大豆集荷推進対策事業ということでもって、これは集荷業者の手数料で一俵百五十円をやっている、こういう四事業を秋田県が独自でやられているわけです。地方財政の大変な困難な中で、しかし、政府あるいは国民的な課題にこたえて、その必要とする大豆の生産にこうして取り組んでいるという姿であるわけです。 これではっきり言えることなんですけれども、その中でこういう要求が出ました。まず第一には、基本価格、基準価格の引き上げの検討をしてほしい。二つ目には、当分の間奨励金のかさ上げということも考えてほしいと。大臣は先ほど、大豆がお米と比べて決して減収にならないということを言われました。しかし、これは現在の奨励金があってで全国平均ということになりますから、地域地域によってはお米の生産量も違うわけですから、いろいろ見てみますとそういうかさ上げも検討していただけないかと。それから三番目に、抜本的には食管制度の拡充という形で、大豆も飼料作物も含めたいわゆる一元管理ということも検討いただけないだろうか、こういうことであります。 まず第一に、この実態から踏まえまして出されました先進地秋田の大豆のこの実例から見ての三点の御要望につきまして、今後検討課題になるわけだと思うんですけれども、そのお考えをお聞きしたいわけです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まず大まかな話を私がして、細かいことは園芸局長から話をさせます。 秋田県では、いま言ったように、とる人はそれは四百八十キロもとると。平均すると百四十キロだと。で、こういうことは、これはやり方によっては三倍もとれるという実例なんですね。ですから、県としても四百キロもとったらこれは米より確かによくなっちまう。したがって、そいつは県としては一番いい作物だということで、県の地域農政で地域のそれは伸ばそうということで助成をしておると。これは非常に高く評価しますし、それぞれの県が独自に自分のところに合うものを県知事のサイドでおやりになるというところが、私は地方行政では一番いいんじゃないかと。全国一律にやるよりも、むしろ秋田県が県として、それは五百キロ近くとる人があるということになれば、やり方を普及をするというようなことでおやりになっていることで、この点は私は高く評価をしたいと、かように考えております。ただ、国の方は大豆については七万円の転作奨励金を出しておりますので、これをことし上げるということは考えておりません。 それから、御要望のございました基準価格の引き上げの問題につきましては、これは計算の方式等があらかじめ決まっておりますので、これはここで引き上げるということは申しませんが、適正な価格に決定をしてまいりたい。 それから、食管に全部入れろというふうなお話ですが、これは食管法の大改正につながる話でございますので、いま直ちにこういうことは考えておりません。
○下田京子君 基本的な考えですから、局長の答弁は、せっかくですが結構であります。 いまのお話ですと、やっぱり当面考えられないと、こうおっしゃっているわけですね。過去の経緯を見まして大事なことは、どうして日本の農民が、農家の皆さんが米だけにこうしがみついてきたか、逆に米が過剰になったかということを率直に考え、そして打開方向を見出すべき時期じゃないかと思うんです。米いびり的な形ではなくて、最終的にお米が食管という形でもって一定の価格補償がされたというところと、そのほか技術的な価格補償があるわけですからみんな意欲を持つわけですね。そして、技術もいろんな研究をして、集団でもいろいろやられて、その結果ここまで来たわけなんです。ですから、いまのような御答弁で全国一律にやるよりも地方でいろいろ苦労される、それは高く評価したい、それだけでは私は問題が済まされないと思う。問題は、逆に各地方がそういう形で独自に努力しているものに報いていく具体的な事業と予算が必要だと、そう思うんです。そういう点で、抜本的な改善策も検討していかなければならないだろう、いますぐやりますということには恐らくならないと思うんですけれども。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは非常に大事なことであって、秋田県では大豆というものが四百八十キロもとれる人があるということですから、これは魅力ある作目ですよ。非常に魅力がある。ですから、秋田県としてはそれを反収を上げれば米よりもそれは三万何千円も高い収入になるかもわからぬ、平均で言うと。ただ、秋田県は、一般反収が平均よりも多いでしょう、恐らくあそこは。だから、七万円では足らないという御議論もあるのかもしれません。しかし、平均反収の多いところは七万よりもよけいもらっているはずです、これは八万とか八万五千とか。それはおかしいんですね。届けてあってみんな平均で七万円ですから、収穫が多いところと少ないところでは多少振れがあるわけですからね。ですから、私は秋田県が仮にそういうことでいろいろな施設をこしらえて、大豆のためのいろいろな機械とか、あるいは大豆のための土地改良とかやるような場合には、そういうふうにみごとに成功する可能性を秘めたところは、助成策等の場合は個所づけするわけですから優先的に考えていきたい、こう思います。
○下田京子君 いまのお話だけでなくて、地元でも私どもも考えている抜本的な検討策も含めて、今後はぜひ改善のために努力いただきたいということ、これは要望しておきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) はい。
○下田京子君 そして次に、またお願いしたい点なんですけれども、同じ秋田で大豆転作に取り組んできた担当者からの御要望であります。 一つは、価格を上げていく、所得を上げていくためには数量も上げなきゃいけません。そういうことで、一つは輪作体系の問題が出てきております。 二つ目には、病鳥害、ハトなんですね。この被害対策の確立が必要だと、こう言っております。それから刈り取り機、乾燥機等へのいま助成をやられているわけですけれども、研究が十分でない点があると、こう言われております。現在はブッシュクリーナーという草刈り機でやっているそうです。そして、乾燥機もいろいろやっているけれども、十分な乾燥ができないと言っております。転作大豆ですから、畑作大豆よりも水分が多いので十分な乾燥をしなければならない。こういう点での研究を十分に進めてほしい。 それから三つ目には、やはり収量を上げるのにはいい品種を確保しなければならないわけですね。秋田の場合には、ライデンだとかライコウだとかいう昔からの大変すぐれた品種もあって、大阪の万博のときにカプセルに埋めたなんというふうな話もあるそうですが、ところが地元でそのすぐれた品種が確保されていないという問題があるんですね。そして同時に、異品種混入が非常に激しいということでもって、採種園等あるいは原原種等についての十分な研究体制と技術体系と、それを農民に保証していくという絡みがいま必要だと、こう言われております。これは細く御説明する必要はありませんから、こういうことにこたえて今後主にもしいい点があればお聞きしたいわけなんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かに、具体的な非常に実情に合ったお話をお伝え願いまして、大変ありがとうございます。病鳥害とかそういうふうな苅り取り、乾燥の問題等は、十分にそれは研究してないところがあれば研究をさせます。 その他御要望等についてはまた別途承って、できるだけ御要望に応ずるように努力をいたします。
○下田京子君 どうも時間がなくて、もう少し聞きたいのですけれども、個別問題で次に移ります。 減反政策二年目ということで、本当にこのままお米が過剰であっていいとは見ていないわけですけれども、かといって、いろいろないま言うように条件が整備されていないという側面は、大豆の絡みだけでも言えるわけですね。 私は個別事例でお願いしたいというのは、福島県の会津磐梯町から出されている例であります。ただ、他の地域からも同じように要望は強いわけですが、この磐梯町では通年施行をやられている方が百十九戸あるんです。大谷地区県営農地開発事業としてやっているんですが、この通年施行農家のうち面積の五〇%以上、自分の持ち田の五〇%以上が通年施行に入っちゃったという方が三十七戸で、全体の約三〇%になるんです。中にはもう全部、一〇〇%通年施行で、全然お米一粒つくれなくて買っている農家が五戸あるという実態なんです。そういうところで出されたんですが、通年施行分に対する補助金の引き上げを考えてもらいたいと、あるいは農家に対する生活が容易でなくて困るんで、農協のプロパー資金じゃなくて、低利の生活つなぎ資金的なものも考えてもらえないだろうかという要望があるんです。 具体的に申し上げますと、言われている根拠はこうなんですよ。第一次減反のとき、昭和四十六年当時、お米一俵は八千五百二十二円だったと、今度の第二次減反で、五十三年度は一万七千二百七十八円ですね。そうすると、これは約二・〇三倍になっているわけです。しかし、通年施行で見ていくと、四十六年当時——のときは通年施行奨励金ではなくて休耕奨励金ですが、十アール当たり三万円でした。現在は通年施行奨励金が四万円ですね。としますと、約一・三三倍にしかなってないと。最低でも米並みにスライドさせて考えてもらえないかというのが、この人たちの要求の根拠になっているわけです。とすれば、およそ通年施行の奨励金が四万ではなくて六万というのが出てきますと、こう言っているわけです。 さらに、農家の方々が自主的にずっとやって、これはもう土地改良区、役場も一体になって、ここに全部百十九戸の農家の個別的な資料もあるんですけれども、いわゆる耕作面積がどうで、施行面積がどうで、そして実際の所得がどうでというふうなのは、全部個々人ごとにあるわけです。全体としてこの百十九戸の農家が総計で、いわゆる損失分ですね、お米をつくっているなら当然入るものを、つくれないということで損失する、それが三千六百六十五万七千円なんです。一戸当たりにいたしますと、平均約三十万八千円になります。これは平均でこうなるわけです。その分、議論としては、減反片一方でしないでやっているんだからいいだろうとか、お米をつくらなくたって入ってくるんだからいいだろうとか言われる意見もあるかもしりませんけれども、全体的にそこでの減反の目標が出てくるわけですから、いずれにしても差が生まれるわけです。どこかで働こうと思っても働く場がないわけですね。そういう中で、先ほど申しました二点の御要望が、個別的な事例ですけれども、また全国的な要求の一端でもあると思うんですが、この点について何かいい方法は考えられないでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 詳しいことは局長から答弁させますが、通年施行をやっておる場合は土木事業が行われるわけですから、そこに勤めるといいますか、そこで生活費ぐらいはかせげるようになるべく村の人を使ってもらいたい、使ってくれということは言ってあるんです。したがって、恐らくそこも調べてみればわかることですけれども、その土木事業等に就労をしておるという方もかなり私はおるんではないだろうか。通年施行の単価その他についてはことしは動かす気はありませんが、採択基準その他の引き下げ等をやっておりますから、実質的にはプラスになっている面もあるはずでございます。 委細については局長から答弁をさせます。
○下田京子君 局長いいです。 検討で改善をしていただけるかどうかということで私はお願いしているわけですよね。いま言った地元の農家の人夫の問題なんですが、これは調べてあるんです。ところが、年間延べで地元雇用というのは約五千日分ぐらいしかないと、こう言います。あとは地元業者がいないために、常用の人がいるわけですから締め出せないわけですよね、常用土木人夫の方がいるわけですから。そういう絡みでこれは総合的に研究した結果なんであって、こういうことを具体的に抜本的にどうしても改善しないと、大臣が言われているように農家の所得向上とか幾ら言われても、実際はそうでないんだということを指摘せざるを得ないわけなんです。その抜本的な、あるいは具体的なことも含めた改善を重ねて希望したいと思います。 以下、次に移りたいんですが、農林水産業いわゆる第一次産業でのいま言ったような形での抜本的な改善というものが必要だというのはもうお認めだと思うんですけれども、あわせて就労の場の確保ということがいままでのお話からも御理解いただけると思うんです。この就労の場の確保の問題について、大臣も御承知だと思うんですけれども、農林水産大臣が中心になって労働大臣あるいは通産大臣、三省絡みで農村にも工場を入れようということでやられたのが、農村工業導入促進法であると思うわけですね。 最初に、簡単にこれは確認したい点なんですけれども、大臣は先ほどの所信表明の中で、農村をよくしていくという点で農村地域への工業導入等就業機会の創出を図ることと、こううたっています。これはいろいろあると思うんですけれども、私が聞きたいのは、いま農林水産省でもやっております緑の問題だとか、あるいはそのほか農村地域定住促進対策事業だとか、そういう絡みのことを聞きたいんではなくて、主たるものとして農村地域への工業の導入という点をお考えなのかということなんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、農村工業導入ということについてはかねて農林水産省でもやってきたわけでございますが、御承知のような四十八年以来の不況にぶつかりまして、それで工場分散とか工業導入というのが大体足踏みになっちゃったわけです。しかし、最近に至りましてぼつぼつその制度が生かされつつございますので、今後ともこれについては進めてまいりたいと、かように考えております。
○下田京子君 農村地域工業導入促進法に基づくいわゆる工業を導入しつつやっていきたいんだということで、その改善の兆しも見えると、こうお話ですけれども、全国的な実態としてどうなのかということで、これは通産になりますか、通産にお聞きしたいんですけれども、計画市町村ですね、農村工業導入促進の計画をしている市町村数と、それから実際に導入済みの市町村と、それから未導入の市町村数と、さらに導入済みの面積と、未導入の面積と、数的なことだけでいいですからお答えいただきたいと思います。
○説明員(稲葉実君) お答え申し上げます。 まず実施計画を策定しております市町村の数といたしましては、市町村計画が八百十八でございます。それから県計画が百十ございまして、延べ数といたしましては、重複を調整いたしますと九百七ということになります。それから、次に実施計画策定市町村別の工業導入の実情でございますけれども、ただいまの市町村の中で導入済みのものが九十二、一部導入のものが三百八十六、それから導入を決定しておりますものが百五、未導入のものが三百二十四と、こういう数字になっております。
○下田京子君 面積。
○説明員(稲葉実君) 面積でございますけれども、計画面積といたしましては一万五千六百九十九ヘクタール、その中で導入済みの面積が三千五百六十ヘクタール、導入決定のものが、内定を含めまして千六百七十九ヘクタール、残面積が一万四百六ヘクタールとなっております。
○下田京子君 いまのお話でおわかりだと思うんですが、導入済み、これは計画市町村の中でちょうど一割という実態でありますけれども、通産省にお尋ねしたいのは、今後の立地見通しはいかがでしょう。
○説明員(稲葉実君) お答え申し上げます。 先ほど御指摘のございましたように、昭和四十八年のオイルショックまでは非常に好調に導入が進んでいたわけでございますけれども、オイルショック以降非常に企業の設備投資が停滞いたしまして、その後伸び悩んでいる状況でございます。ただし、昨今ようやく経済も回復の兆しが見えておりまして、その意味におきまして今後設備投資は再び活発化するのではないか、こういうふうに考えております。
○下田京子君 活発化するという見通しを持っているということなんですが、そうあってほしいなと思いますけれども、福島県の場合ですと、九十市町村のうち計画が四十七ありまして、実施されているのが二十七なんです。現在見直しを迫られて縮小方向なんです。ですから、いま通産省がおっしゃいましたけれども、経済の見通しが伸びると言うんだったらばどうして縮小するのかという疑問もありますけれども、いずれにしても来ないんです。いろいろとこういうパンフレットをつくられましたり、あるいはスライドを持っていったりして大変なんですけれども、これはちょっとしたことではなかなか誘致されないんではないか、こう思うんです。 いろいろとあると思うんですけれども、具体的な改善策として幾つかお願いしたいわけですが、私たちは地方都市に工場をどんどんやっていくという点で三つの条件ということを言っていますけれども、第一には、悪い条件じゃだめだ、やっぱり一定所得の上がるようなそういうことを基本に置いて。二つ目には、平和産業であり無公害のそういう産業にしなさい。それから三つ目には、何といっても地元産業にもプラスするような、そういう三条件を言っておりますけれども、いずれにしても工場が来ないわけですから行くようにしなければならない。その具体的なお願いというのは、地域雇用促進給付金制度というものがあるんですよ。これを活用して、それで農村にもこれらが入るようにならないだろうかということなんです。 これは大臣にお答えいただく前に、労働省の方お見えになっていると思うんで、時間ありませんから簡単に聞きたい点は、第一に、五十三年は一人当たり雇用すると一カ月一万三千円ということだったけれども、金額の引き上げがあるかどうか。 それから二つ目には、いろんな条件があってなかなか該当しないんですよね。皆さん言われているのは条件緩和せいということで、たとえば新たに十人雇用ということだけれども、人数が少なくたって雇用ができたらばそれを該当させるようにしてほしい、こんな御要望もあるわけです。 三つ目には、さらに地域指定を緩和できるようにしてもらいたい。福島の場合なんか言いますと、全体的に十一の公共職業安定所があるんですけれども、これの該当になっているところは、御存じだと思うんですが一カ所なんですよ。だから、これを改善してほしいということなんですが、この三点について労働省の方の考え。
○説明員(清水傳雄君) お答え申し上げます。 まず第一は、要件緩和とそれから単価のアップという改善の関係でございます。単価アップにつきましては、五十三年度月額一万三千円、こういう金額になっておりますものにつきまして、五十四年度におきましては一万四千円にアップをするということで予算案に計上さしていただいているわけでございます。 それから、要件の面の改善につきましては、御指摘のように、現在十人以上の労働者を雇い入れるということを要件といたしておるわけでございますけれども、この面につきましても、さらにその緩和の改善ということについて検討をする方向でおるところでございます。 それから、第三番目に地域指定の関係でございますが、現在この地域雇用促進給付金につきましては、雇用機会の不足する地域というのを指定をいたしまして、その地域において雇用増を図る、そういう場合に対象にしていくわけでございますけれども、地域指定の基準といたしまして、やはり労働力需給の状況、これが悪いということを一つの基準といたしまして私どもとして運営をいたしているわけでございます。もちろん、先ほど来お話に出ております農村地域工業導入の計画の対象となっている地域、これらにおける雇用の促進を図るということもこれは非常に重要なことだろうというふうに私ども思っているわけでございますが、必ずしも両地域の指定基準が合致をしていないと、こういうふうな面がこれはあるわけでございます。私どもといたしましては、地元の御意向というものも、これも十分に承って尊重しつつ、関係省庁の御意見も十分承りながら、この運営につきましてはできるだけ弾力的な運営をやってまいりたい、このように努力してまいりたいと、こう思っております。
○下田京子君 大臣、いまお聞きのとおりなんですが、これを、農村地域工業導入促進法では三省がらみでやっているわけですから、大臣が中心になって労働大臣に相談したりして、いわゆるその農工法の網のあるところに適応できるような形での御相談、御検討をしていただけないか。で、どうしてそれを言うかといいますと、これは予算を見ましたら、五十二年度の予算額で、いわゆる地域雇用のいまの奨励金だけで見まして十四億二千三百二十九万二千円も予算を組んでいるんです。ところが、実績は移転給付金と合わせても二億円なんですよ。二億六千六百六十四万円なんです。年々、ですから、予算も十四億だったのが五十三年度は五億五千七百万、五十四年度は四億四千万と、こうなってきてしまう。せっかくあるものを活用していって農村に工業を積極的に持っていくということを考えていただきたい。 それから、時間になっちゃうんで、まとめてあと一、二お願いしたいので、ちょっと頼みます。 大事な点は、それから生活基盤の問題があるんですよね。ここのところをもう少し私は聞きたいと思ったんですが、これは次回に譲ることにして、基本的なところだけ一つ聞きたい点は、生活基盤と生産基盤とを総合させていくことがいかに大事かという点で来年の経済見通し、五十四年度の経済見通しを見ますと、驚いたんですけれども、鉱工業生産が、これが五十年を一〇〇として一三一・七と伸びるわけですけれども、ところが、農林漁業生産指数の方は、同じく五十年を一〇〇として一〇二・七で、実を言いますと、五十三年度よりも落ち込むんですし、その差が広がるというかっこうなんです。こういうことを踏まえて、よっぽど抜本的な対策を練らなければならないという御理解ですね、御認識をいただきたい。 そういう点から具体的な提起なんですが、農村の生活環境整備のために、あれこれあるけれども、ひとつ、さっきおっしゃいました、大臣も一緒になってつくったんだという過疎地域対策緊急措置法、これは来年で切れるんです。議員立法でもありますので、この辺も、大臣だけのことでは決まりませんけれども、聞けば建設省で関係議員が期限延長の請願書を採択したということも聞いております。その絡みで、延長ということとあわせて、同時に今度は過疎債の適用事業の拡大をしてもらえないか。それから枠も上げてもらいたい。それから同時に、これを受けて補助金をつけている三事業があるんですけれども、この事業の拡大も図ってほしい、こういう御要望があるわけなんです。 いま申し上げた大きく言って二つの御要望に対してどうお答えいただけるか、そのお答えをお聞きし、私は総合的な農業とそれから農村環境整備の発展の方向で、抜本的な施策の転換も含めて御検討いただきたいということを再度お願いして私の質問を終わりますが、御答弁いただきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 工業導入については、先ほどもお話あったように、不振であったということは、経済の落ち込み、不況と、これが最大の原因です。それにまずてこを入れて、経済をよくするということがまず先決だと思うんです。補助金だけでは来ませんから、何のかんの言っても。それから、仮にそういうような補助金が余っているようだったら、これは条件緩和をしてでもそれは使ってもらうということはいいんで、私の所管じゃありませんが、できることかどうか、それは早速労働大臣に相談をしてみます。 それから、過疎立法については、実情を私はつまびらかにいたしておりませんが、まだたくさんの町村で全部整備をされたわけでもないでしょうから、そういうような地域のためにも、当然ある程度の延長というものは私はやむを得ないんではないだろうかと、こう考えております。 以上でございます。
○相沢武彦君 きょうは渡辺農林水産大臣の所信表明に対する質疑でありますから、農林水産全般にわたってお尋ねをしたいところでありますが、すでに同僚の原田先生の方から農業政策の方についての質問がありましたし、時間の制約もありますので、私はきょう林業関係予算にしぼって若干お尋ねをしたいと思います。 最初に、林業予算の中の森林総合整備事業についてなんですが、この新規事業を五十四年に創設した理由として、その最大の目的は一体何をねらったのか。それから趣旨や、事業の仕組みの中で、相当規模の森林集団を単位としてと、あるいはまた面積千ヘクタール以上、このように規定しているんですが、そのように規定した理由について。 まず、この二点について明らかにしてください。
○政府委員(藍原義邦君) 五十四年度に新しく森林総合整備事業を創設した理由でございますけれども、御存じのとおり、最近林業がある意味で停滞いたしております。とりわけ造林事業がなかなか進まないということ。その原因はいろいろございますけれども、やはり林業というものは非常に零細、小規模であるということと、さらには、最近の木材需給から言いまして林業意欲がわからないというような問題、まあいろいろな問題がございます。そういう意味から、従来は造林事業につきまして、個人個人の、たとえて言えば点を対象にした助成策を講じておりましたけれども、やはりこれからはある集団的な広がりを持った形で造林というものは推進していく方がより妥当ではなかろうかということ、そしてそれには、市町村もこの中に入っていただいて、市町村の指導のもとに組織的に推進していくということによって造林が推進できるのではなかろうかということを判断しております。 さらに、先ほど申し上げましたように、非常に林業というものは零細、小規模でございますし、集団的にやることによりまして、継続的、そして計画的に仕事ができる。その点は、ある意味では雇用の問題にも非常にいい面も出てくるというようなこと。そういうことをあわせまして、やはり総合的な林業施策を講じ、そしてなおかつ、最近問題になっております間伐までを含めました、いわゆる保育間伐、二十五年ぐらいまでのものを含めました一貫した仕事を一つの計画の中でやっていく、そういうことによりまして労務の通年雇用も図れる面もございます。そういう総合的な形でやることによって、これからの林業を推進さしていこうというのが大きなねらいでございます。 さらに、御指摘になりましたある一定の規模ということでございますが、これにつきましては、やはり通年雇用的な形で計画的に林業労働等ができるというためには一つの広がりが要る、そしてなおかつ、また、これを継続的にやるためには、その中にいろんな仕事が入ることがベターであろうというふうに考えております。御存じのとおり、たまたま広域基幹林道の採択基準は大体千ヘクタールぐらいになっております。そういうことで、われわれもこの千ヘクタールどんぴしゃりということに拘泥はいたしませんけれども、おおむねこのくらいの面積の広がりの中であれば計画的に林業が推進できるであろうということで、これを基準にいたしまして総合整備事業を今回の予算に盛り込んだわけでございます。
○相沢武彦君 この新規事業の目的、ねらいについてはよくわかりましたが、林業に対する意欲をわかせるという観点からいきますと、このおおむね千ヘクタール以上、この規定から漏れる森林集団に属さない森林の造林、これについてもやはり相当力を入れなきゃならないと思うんですが、この森林集団に属さない森林の造林、これに対してはどういうような対処をお考えなんでしょうか。
○政府委員(藍原義邦君) これも五十四年度から始めるということにいたしておりまして、すぐには全部が手をつくことにはなりませんが、できるだけ十年以内には相当な地域について対応してまいりたいというふうに考えております。したがいまして、その間、この集団に属さないところにつきましては、従来の造林補助形式と申しますか、助成形式、そういう形、助成制度によりまして、従来と同じような形で推進をしてまいりたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 次に、造林事業の促進はまことに結構なことなんですが、その反面心配されるのは、間伐材の需要の減退の問題なんです。戦後大規模に推進された植林事業、これがいまや最初の間伐期を迎えているわけでして、当然間伐材が大量に出回ってくるわけでして、問題はそのはけ口をどこへ求めるかということですね。 そこで林野庁にお尋ねしたいんですが、この間伐材の量的規模ですね、これは今後どういうように推移をたどるという見通しを持っておられるのか、それから間伐材の有効利用、それから需要の掘り起こしの用途開発、こういった点について、今年はどのような方針で取り組まれるか。
○政府委員(藍原義邦君) 現在の林業の施策の中で、いま御指摘になりましたように間伐というのが一つの大きな問題点でもございます。そういう観点から見まして、現在私どもが把握しております量的な問題でございますけれども、昭和五十三年から六十七年の十五年間に、国有林で大体七十八万ヘクタールぐらいの間伐が必要であろうというふうに推計いたしておりますし、民有林につきましては、五十一年から六十年度までに約二百十四万ヘクタールが間伐対象として必要であろうというふうに考えております。これは年平均で見ますと、国有林は約五万ヘクタール、民有林は約二十一万ヘクタールぐらいが必要であろうというふうに考えております。 こういう量的な間伐に対応いたしまして、御指摘になりました間伐の有効利用の問題でございますけれども、最近は木材全体が外材の問題、あるいはその他代替材の問題で、木材の利用範囲というものが狭められております。そういうことで、この間伐材につきましても、これをいろいろな意味から集約的な利用をしていただくという方向をわれわれとしても見出さなきゃいかぬわけでございますけれども、従前からその対応といたしまして、間伐材の流通加工需給開発促進事業だとか、あるいは木材需要開発促進事業、こういうものを進めております。 これは簡単に一例を申し上げますと、間伐材等の小径木を集成加工いたしますための利用の高度化、こういうものを図るための機械施設の助成でございます。こういうこともやっておりますし、それから間伐材を利用いたしましたいろいろな製品を展示場に集めまして、それを普及宣伝いたしまして間伐材の利用を図るという、こういう事業に対しましても助成をいたしております。それから、日本住宅・木材技術センターというのを現在設立しておりますけれども、ここで間伐材を含めましたいろいろな開発、さらにはその技術のコンクール等々をやりまして間伐材の、あるいは小径木等の積極的な利用を図ろうということで鋭意検討を進めておるわけでございますけれども、私どもも間伐材の利用あるいは需要の掘り起こしにつきましては、今後とも積極的に対応をしていく必要があろうというふうに考えております。
○相沢武彦君 この間伐材の需要の掘り起こし、それから有効利用というものは、うまくいけば非常に林業の立て直しには大きな力になるわけです。そこで、いろいろと林野庁を中心に開発利用については御苦労されているわけなんですが、最近この間伐材ですね、門柱それからへい、こういったものが試作品としてできておるんですね。 そこで、大臣、宮城沖地震、あれで仙台なんかは結局ブロックべいが倒れてその辺に寄っていた人が死亡される、けがをされるという事故が大分多かったわけですが、そういったことを教訓にしまして、この間伐材を利用した門柱、へい、こういったものをもっともっと啓発普及させることが大事じゃないかと思うんですよ。特に、大都会はコンクリートと鉄に固められていて殺伐としていると、もっと緑をと、また自然を生かせというようなことが言われているわけでして、何とか間伐材の利用、国内資源の有効利用、これができれば非常にいいのじゃないかと思うんですが、大臣、これに関心を深められて、この点関係の省庁にも働きかけて、特に大都会における門柱、へいは間伐材を利用すべきだということで、大臣ひとつ一役買ってがんばってほしいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま長官から、間伐材の未利用資材高度化利用事業というようなことについての助成の制度等のお話がありましたが、大変結構なことだと存じます。それぞれの林野関係の団体もありますから、そういうところでPRをして利用されるように努力をしてまいりたいと思います。
○相沢武彦君 それから、林業構造改善と林業の担い手対策について伺っておきたいんですが、第二次林業構造改善事業の次期対策への移行を目的として、五十四年予算では新林業構造改善促進対策実験事業というのを実施することになっております。そこで、私はこの事業の林業者定住化促進事業等で就労機会の増大、これを大いに図るべきだと思うんです。 そこで、農林水産省として、この事業によってどの程度の就労機会というものが創出されるというように見込んでおられるのか、この点をひとつ具体的にお伺いしておきたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、なかなか数字で出すのは非常にむずかしいんです。しかし、造林事業等をやって、大体これは都会から連れていくわけじゃありませんから、そういうものを広げれば地元の人を使うということになります。林道工事等においてもそうでございます。構造改善事業をやる上においても、やはり地元の人が優先的に使われるということで、まあ雇用の増大ということになるわけでございますが、それによって何人ふえたかと言われましても、ちょっとそれはいますぐ計算はできないというのが実情でございます。
○相沢武彦君 私、また別な機会で、この林業における雇用の創出拡大という点を取り上げて質疑したいと思っていますが、一月二十一日行われた地方農政局長会議ですね、ここでいろいろ報告がなされているんですが、この中で中高年齢者や女子の離職が都会では多くて、農業への還流が続いているんだと、こういう趣旨のお話が北陸局長さんからあったようですが、この林業における雇用機会の創出、これについて大臣はどんなお考えでしょうか。また、この北陸局長のこういう話について、どのように受けとめられていますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは先ほど御質問がございましたのと大体同じ話でございますが、一つには景気の回復を早急に図る。政府としては、公共事業を中心として今回の予算を速やかに通してもらって、それで内需の拡大を図るということが先決です。その次には、景気が出てくれば、農村等にも農村工業導入という法律もあることですから、極力こういうものも進めてまいりたい。そのためにネックになっているようなものがあれば、それらを除去するためにも何らかの方法を考えていきたいというようなことなどであります。
○相沢武彦君 林業の担い手対策の強化の問題でお尋ねしておきますが、山村高齢者対策として山村高齢者林業園設置推進事業というんですか、これが五十三年と同じように五十カ所予定されていますが、この事業の新規拡充がどうして見込めなかったのか、その理由について。 それから、この生産活動の内容について、年々その内容充実を図っていらしゃると思うんですが、従来の食用キノコ、それから緑化樹、木工、民芸品等の生産活動に加えて、五十四年度として独自のものとしては一体何か考えていらっしゃるかどうか、この辺どうなっていますか。
○政府委員(藍原義邦君) いま御指摘になりました山村高齢者林業園設置推進事業、これは昭和五十年から始めておりまして、五十三年度までに百六十カ所現在整備されて、それぞれの地域でお年寄りの方々が生きがいを感じるという形で活動していただいておるわけでございまして、私どもこの事業につきましては単年度で拡大するということでなくて、いま申し上げましたように、ことしも、五十三年五十カ所、五十四年度も一応五十カ所を予定いたしておりますけれども、大体そういう形で逐次ふやしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 それから、この事業の仕事の内容、生産活動の内容でございますけれども、これにつきましては、私ども内容としては林産物は何でもよろしいということにいたしております。したがって、それぞれの地方でシイタケがいいところはシイタケ、山菜のいいところは山菜、あるいは民芸品のいいところは民芸品ということで、その地域地域の特徴を生かしてやっていただくことが大事であろうということで、あるいは薬草の栽培、こういうものなども含めた内容にいたしておりますので、今後ともそういう形で、その地域の独自性を発揮していただくような形でやっていただくようにしてまいりたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 そこで、高齢者共同生産活動によって製品化された食用キノコとか民芸品、これは一体順調に売れているのかどうか、その辺の把握はなされているかどうかですね。 それから、この販売先の消費市場というものが確立されなければうまくいかないと思うんですが、それについての調査とか、あるいは働きかけということについては、どの程度力を入れてやっていらっしゃるんですか。
○政府委員(藍原義邦君) 先ほども申し上げましたように、この事業はいわゆる一つの産業として興すという形ではなくて、山村におられます高齢者の方々に生きがいを感じていただこうというのが一番主眼になっております。したがいまして、必ずしもその収益が目的ではないというふうにわれわれも理解いたしておりますけれども、それぞれの県あるいは市町村それから林業の普及指導員等々の努力によりまして、おおむね良好な成績を示しておるというふうにわれわれは理解いたしております。 それから販路の問題でございますが、これも先ほど申し上げましたような趣旨でございますから、このために特別な販路ということではございませんで、既応のそれぞれの品物についての販路がございます。そういうものの中に取り込んで活用していただくという形で、販路を見つけてそれぞれやっていただいておるわけでございまして、そういう点で規模もそんなに大きくございませんから、従来既設の販路を利用してそれぞれやっておられるというのが実態でございます。 ちなみに申し上げますと、たとえば山梨県あたりでは五人でやっていただいておりまして、五十二年度でございますけれども、販売収入が約九十三万円ございます。そして、利益が十九万円ございまして、一人当たり約四万円近い分配をしたという事例もございます。 こういうことで、それぞれ非常に規模は小そうございますけれども、非常に意味あるよう、目的を達せるような形でそれぞれ運営していただいておるというようにわれわれ理解いたしております。
○相沢武彦君 林業の就業機会の問題なんですが、五十四年予算の重点項目の中には、婦女子の雇用促進というのが政策的には一つも出てきていないように思われるんですが、大臣、女性の雇用には余り御関心ないんでしょうか。 「農林水産省広報」の新年号の中で大臣は林業振興に触れられて、うちの嫁はどっかの林家の嫁をもらった方がいいと思っている。非常にきちょうめんでよく働かれる。非常に忍耐強く働かれるんで、その上、質素でつつましやかな人が多いと大変強調されているんですよ。いまも大臣、この評価には変わりないんだと思うんですよ。ところが、婦女子の就業機会、雇用促進に余り力を入れないとなると、自分のうちの息子に嫁さんとったらあとはいなくてもいいのだというようなことにもなりかねないんで、もっともっと働く意欲のある女性に対して林業部門あるいは関連部門において雇用促進の政策強化、これをぜひしていただきたいと思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 林業の関係は、造林をふやしたりいたしますと、苗木とか植林をする場合とか女性にできることが多いし、あるいは先ほど言ったキノコとかシイタケとか、こういうようなことは女子にもできるので、そういうようなものを振興することによって間接的に女子の就労機会が山林地帯でふえる、こういうように思っております。
○相沢武彦君 ちゃんと促進されるように見届けてくださいよ、大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) はい。
○相沢武彦君 それから、林業振動障害対策事業でお聞きしておきますが、いわゆる一人親方等の特殊健康診断、これを促進することになっていますね。そこで、一人親方の人数については完全に掌握されているのかどうか。それから、白ろう病等の振動障害の実態はどの程度把握されているのか。それから、振動障害予防対策の具体案、これについては今年度予算で見るべきものがあるのかどうか。 以上、三点について簡潔にお答えください。
○政府委員(藍原義邦君) ただいま先生が御指摘になりました一人親方と申しますのは、自営事業を主としてやっておられるような方あるいは家族従業者ということをわれわれ対象にしておりますけれども、総理府の労働力調査によりますと、大体五十二年度でおおよそ八万人おられるのではないかというふうにわれわれ見込んでおります。 それから、民有林におきます振動障害の認定でございますけれども、これは労働省の調査でございますが、療養継続中の方が現在、五十三年の三月末現在で二千七百五十七人というふうにわれわれは聞いております。この中で一人親方の方がどのくらいおられるかということは、私ども現在十分把握いたしておりません。しかしながら、五十四年の予算におきまして、振動障害対策促進事業の中でこの実態調査をすることにいたしておりまして、その中でわれわれはこの問題を把握してまいりたいというふうに考えております。 それから、振動障害の予防対策でございますけれども、これにつきましては、従前から時間の規制だとか、あるいは振動の少ない機械の導入だとか、そのための無利子の改善資金、こういうものをふやすというようなこと、さらにはチェーンソーの作業従事者に対しまして特別訓練をするというようなことをいろいろやってまいりました。そういうことと同時に、ことしは一人親方を対象にいたしました特殊健康診断を実施するということで、振動障害の予防の徹底を図ろうというふうに考えている次第でございます。
○相沢武彦君 特にこの実態把握がよくされていませんと、せっかくこの一人親方等の特殊健康診断を促進するといってもスローガンだけに、政策発表に終わっちゃいますので、この点はひとつ労働省とも連携をとって、実態の把握にはさらに努めていただきたいと思います。 それから、時間がなくなりましたんで、去年の十二月に行管庁が勧告した木材の備蓄事業についてでございますけれども、国費のむだ遣いがずいぶんあるんじゃないかということで見直し勧告をされておりますが、その後どういう改善策が打ち出されたんでしょう。特に、機関の経理面に不明朗な点があるというようなことも指摘されているんですが、これについてもきちっと晴らすべきだと思いますし、この際明確な御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(藍原義邦君) 木材の備蓄対策として、木材の備蓄機構で現在備蓄を進めておりますけれども、これに対しては、ただいま御指摘がありましたような勧告をいただいております。そこで、私どもといたしましては、最近の経済基調の変化等々にかんがみまして、五十四年度からこの備蓄機構の中に木材流通情報機能を拡充強化していこうということでその予算を計上いたしております。そういうことによりまして、木材備蓄としては、量をふやすということよりも情報機能を十分把握いたしまして、木材の価格の安定あるいは木材の需給の安定というものに資するような態様を、この備蓄機構の中での機能として持たせたいというふうに考えております。 それから、備蓄いたしました製材品等の保管の問題でございますけれども、これについては、従来は特定保管方式と申しまして、買い取りいたしまして自分で保管する、あるいは保管を委託する形でやっておりましたけれども、五十三年度の途中から新たに流動混合保管方式を取り入れまして、備蓄しております製品の品質の低下を防ぐということをやっておるわけでございます。こういうことによりまして、よりかつ意味のある、そして効果のある備蓄を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 もう一つ御指摘になりました経理の問題でございますが、これは基金の運用益につきまして、運用益の経理の仕方が不明確であるということで御指摘を受けたわけでございますが、私どもこの運用益につきましては、運用益に関する勘定を設けまして、運用益についての支出をはっきり明確にするということで、行管の御指摘に対しては十分対応できる経理整理をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○相沢武彦君 最後に、森林資源の基本計画と林産物の長期見通しについて伺っておきますが、五十四年予算で資料収集をし、そして改定をすることになっておりますね。そこで、一つは、計画と実際の乖離した理由は一体どこにあるのでしょう。 それから第二点として、今後の改定のタイミングについてどのようにお考えなのか。この点について御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(藍原義邦君) この問題は、昨年の国会でも御指摘をいただいたわけでございますけれども、森林の基本計画、御存じのとおり、この需給の見通しは昭和四十八年の二月の閣議決定でございまして、その当時の経済の基本計画、社会基本計画、これをもとにしてつくったわけでございます。その後、日本の経済が、高度成長から安定成長というような形で非常に大きな変化もいたしております。そういうことで、実態と合わなくなったというのが一番大きな原因ではなかろうかというふうにわれわれ考えております。 それから、見通しの今後の改定の時期でございますけれども、非常にむずかしい問題でございますけれども、私ども鋭意努力いたしまして、五十四年度中には完了させたいということで、ただいま林政審議会の中に基本計画部会を設置いたしまして御検討願っておる最中でございます。
○委員長(久次米健太郎君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十九分散会