逓信委員会 第9号
- 発言数
- 302 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/06/05
会議録
○委員長(赤桐操君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に成相善十君を指名いたします。 —————————————
○委員長(赤桐操君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 通信・放送衛星機構法案の審査のため、本日の委員会に、宇宙開発事業団副理事長鈴木春夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(赤桐操君) 通信・放送衛星機構法案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○中野明君 過日の大木委員の質問に続きまして、私も本法案に関連をしまして二、三、最初にお尋ねをしたいと思います。 まず、きょうは事業団も見えていただいておりますが、宇宙開発基本法の制定等に当たりまして、かねがね国会で決議がされております。この決議を受けましたその後の政府の宇宙開発基本法制定についての検討状況を最初に御説明をいただきたいと思います。
○説明員(堀内昭雄君) 宇宙開発基本法につきましては、その制定に当たりまして、宇宙利用の方向がどのように発展していくか、世界的に宇宙活動の枠組みについてどのような方向づけがなされるかなどの種々の問題の検討が必要であります。これらの問題に関しまして今後検討を加えるなど、政府としましても努力を重ねてまいりたいと、こう考えております。
○中野明君 大体基本法の制定というのをいつごろにめどを置いておられるんですか。もう一度。
○説明員(堀内昭雄君) 先ほど申しましたような問題を検討している状況でございますので、いましばらく時間をいただきたい、こう考えております。
○中野明君 国会で決議をされまして、非常にこれは大切な基本法でございますので、いつまでも検討では困ります。早く今後の宇宙開発につきましての基本的な方向を明快にしておくという意味からも、ぜひ早期に法案提出を要望したいと思っております。 それから、それに関連をしまして、宇宙関係三条約の批准と、それに伴う国内法の実施準備、この点について御説明をいただきたい。
○説明員(堀内昭雄君) 宇宙関係三条約批准のため必要な打ち上げの規制等に関する法律につきましては、その提出準備を進めておりますが、宇宙の開発及び利用に関する規制は前例のない新しい問題でありますので、現在のところなお検討すべき問題が残されておりまして、鋭意努力を詰めているところでございます。
○中野明君 この機会に、わが国におきます宇宙開発の長期の展望について取りまとめて御説明をいただきたいと思います。
○説明員(堀内昭雄君) 宇宙開発委員会は、昭和五十三年三月、わが国の宇宙開発がその基礎固めを重点とした段階を終え、科学研究及び実利用の両分野にわたり多様な活動を展開し得る段階に入りつつあるということ及び宇宙開発の遂行に当たりましては、それが長期にわたる準備と多額の資金を要するため、長期的見通しのもとに計画的に行う必要があるというような認識のもとに、今後約十五年間にわたるわが国の宇宙開発の基本的枠組みと方針を示すものといたしまして、「宇宙開発政策大綱」というものを策定いたしました。 この政策大綱では、社会的要請に十分かつ効果的に対応していくことといたしまして、自主開発を原則としつつ、国際的活動との調和を図りながら、国力に応じた宇宙開発を推進していくということを基本的な理念としております。 この基本的な方針のもとに、科学研究の分野におきましては、従来行われてきましたこの分野の活動の一層の促進を図るということ、それからわが国の国情に適した新しい学問分野として、その応用領域の開拓を進めますとともに、実利用の分野では、従来進めてまいりました通信、放送、気象観測等の分野の技術の一層の向上と技術的信頼性、それから安定性の確立を図るほか、地球観測、それから宇宙における材料製造といった各種の応用分野の開拓並びにロケットと人工衛星の技術の高度化を進めることといたしております。また海洋観測、海洋通信、それから先ほど申しました材料製造等、わが国の国情に照らして、特に必要性が高い技術課題を整理いたしまして、特に長期的かつ国際的な視野のもとに、重点的にこれを推進するということといたしております。 これらの活動を進めるに当たりましては、わが国として推進すべき「開発シリーズ」というものを設定いたしまして、いろんな活動間の相互関係を整理し、系統的な開発、育成を図ってまいりたいと、こう考えております。
○中野明君 じゃ郵政にお尋ねをいたしますが、この機構ができてくるわけでございますが、この宇宙局の免許方策といいますか、免許方針といいますか、これについてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) 衛星通信及び衛星放送につきましては、その行う通信または放送は地上における無線局が行う通信または放送局が行う放送と基本的に異なるものではございません。したがいまして、人工衛星局の免許方針につきましても、基本的には地上の無線局のそれを適用することになるものと考えております。 まず、通信衛星に開設される無線局につきましては、当面災害対策通信用、離島通信用など、衛星通信のメリットが十分発揮されるような用途に供される公衆通信業務用及び公共業務用のものを優先して免許する考えでございます。 次に、放送衛星に開設される無線局につきましては同一ビーム、広角度で全国をカバーし得るという技術的特性を有しておりますので、免許方針の検討に当たりましてもこの特性に十分配意をいたしまして対処してまいりたいと考えておりますが、その利用につきましては、NHKのテレビジョン放送難視聴解消及び放送大学が放送衛星の効果を発揮する上で最もふさわしいものというふうに考えております。 この点につきましては、わが国の宇宙開発計画との関連をも十分念頭に置きながら現在鋭意検討中でございます。その他の利用につきましても、技術開発、既存の放送秩序に及ぼす影響、あるいは国民の要望などを総合的に勘案をいたしまして検討してまいりたいと存じております。
○中野明君 いまいろいろとお答えがありましたが、この種の衛星が軍事的に利用されるということになりますと非常に問題となってまいりますので、その点のことにつきましては、衆議院の逓信委員会でも附帯決議までつけて歯どめをしておるようですが、その辺の郵政省として、そういう懸念を表明されている向きもございますが、それについてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(平野正雄君) まず衛星通信、衛星放送の規律の問題があろうかと存じますが、先生御承知のように、衛星通信にいたしましても、衛星放送にいたしましても、先ほども申しました通信または放送は、地上の無線局または放送局が行う通信または放送と基本的には変わりはないわけでございます。ただ、人工衛星に開設をいたします無線局が実施をする通信もしくは放送は、人工衛星自体が宇宙にあるという特殊性がございまして、この面からの若干の規律は必要と相なるわけでございます。 郵政省といたしましては、電波法の一部を改正する法律案におきまして、人工衛星局としての特殊事情を考慮いたしまして、無線局を管理する上に最小限必要な基本的条件として、人工衛星局の無線設備の設置場所、人工衛星局の変更命令に関する規定等について整備をすることにいたしたわけでございます。 なお、またただいま先生御指摘になりましたように、衆議院におきましても、平和利用の問題について、るる御論議いただいたわけでございますけれども、この点に関しましては宇宙条約の精神、これは十分に踏まえてまいりたい。さらに衆議院及び参議院における決議等を十二分に頭に置きながら、この機構の運営、あるいは開発利用面の進歩発達に処していきたいと、このように存じておるところでございます。
○中野明君 この衛星を開発するに当たりましては非常に多額の国費が投入されておるわけでありまして、これを平和的に利用されるということが、もうわが国の基本的な姿勢であると思います。そういう点で、いままでCSとBSの開発にどの程度経費がかかったのか、この点についてもう一度ここで明快にお答えをいただいておきたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) CS、BSによる実験のために郵政省、電電公社、NHK及びNASDA——宇宙開発事業団が負担をした経費についてのお尋ねでございますが、昭和五十三年度までにおけるCS、BS開発に係る経費のうち、郵政省関係分は次に申し上げるとおりでございます。 まずCS関係といたしまして、衛星製作費に約四億七千万円、地上施設整備費に約三十五億四千万円、ソフトウェアの経費といたしまして約五億四千万円、実験運用経費といたしまして約九億一千万円、総計約五十四億六千万円となっております。またBS関係といたしましては、衛星製作費に約六億一千万円、地上施設整備費に約十八億八千万円、ソフトウェア経費に約九億三千万円、実験運用経費に約五億八千万円、合計約四十億円に相なっております。 なお、同じく昭和五十三年度までにおけるCS、BS開発に係る郵政省以外の機関の関連経費でございますが、それぞれの機関の方がお見えになっておるようでございますけれども、概要を御報告いたしますと、CS関係といたしまして、宇宙開発事業団分が総計約三百十億円、電電公社分が地上施設整備費等といたしまして、ここ数年間、各年度平均約二十五億円ずつ支出をされておるというふうに承知をいたしております。 BS関係につきましては、宇宙開発事業団分の総計が約三百十億円、NHK分といたしまして、地上施設整備費等といたしまして約十八億円の支出というふうに承知をいたしております。
○中野明君 せっかくおいでになっておるんですが、公社として、いままでに毎年二十五億というようなことなんですが、いままでに総額どれぐらいこれに費用を使っておられますか。
○説明員(前田光治君) お答えいたします。 昭和四十二年度にこの衛星関係の研究を開始して以来総額で約百八十億円になっております。
○中野明君 非常に膨大な経費がかかるものでありますので、今後この機構ができまして、この運営につきまして非常に私どもも注目をするわけでございますが、まず、NHKもこの機構に参画をしておるわけでございますが、NHKとして、この機構法案に関連をしまして、NHKとしての考え方をお示しいただければと思いますが、見えておりますかしら。
○参考人(高橋良君) NHKといたしまして、この法人に参加する基本的な方針といたしましては、NHKという公共放送の自主性の確保ということを第一義的に守られるように、また二番目には、衛星システムの運用というものが効率的に行われるように、言いかえますと、経費の負担が軽くなるような運用を要望したい、そういうふうに考えております。
○中野明君 NHKのこの難視対策につきましては、後ほどまたいろいろ触れてみたいと思いますが、NHKとしまして、機構ができまして実用放送衛星が打ち上がることになって全国的な辺地の難視、これをどの程度救うことができるというようにお考えになっているのか、まず最初にそれを。後ほどまた触れますけれども。
○参考人(高橋良君) お答え申し上げます。 NHKといたしましては、現在地上の設備でもって解消いたしまして、あと残るのが、五十三年度でもって五十六万というふうにわれわれは計算しているわけでございます。調査しているわけでございます。このうち約四十万前後というものが、地上の現在の難視解消施策では非常に経費がかかりまして解消しにくい。この分につきましては衛星によって経費効率も安くするような形でもって難視解消を進めてまいりたいと、さように考えております。
○中野明君 いま、現在僻地の難視を解消するために共同受信施設というものがありまして、かねがね私も心配をして質疑をしておったわけですが、これの大体ライフが十年ぐらいで命数が来るという、こういう想定のもとに進められておられるようですが、今度この実用衛星が上がりますと、いままで共同受信であったところの処置ですね、もう命数が来た、そういうところは一体どういう形——全部それを衛星に切りかえていく、こういうお考えなんですか。
○参考人(高橋良君) お答え申し上げます。 NHKといたしましては、原則的には個別受信に切りかえていただきたいと、さように考えております。
○中野明君 そうしますと、これは郵政にお尋ねをするんですが、現在僻地の難視というのは、NHKの共同受信に乗っかって民放もこれ難視解消をやっているわけです。それが、この実用衛星ができたことによって個別のあれに切りかわるということになりますと、民放をいままで受けておった人が共同受信施設がなくなってしまうという形になると、民放が見えなくなるという懸念をするわけでございますが、その辺の対策はどうお考えになっておりますか。
○政府委員(平野正雄君) 民放に対する衛星の活用の仕方と申しますか、そういった面からとらまえて申し上げますと、一般放送事業者に対して衛星利用による放送を直ちに認めるということは、現在の技術段階では、ローカル放送が衛星によっては困難であるという状況にございますので、日本全国を放送区域とする一般放送事業者とならざるを得ないことに相なるわけでございまして、既存の放送秩序に及ぼす影響がきわめて大きいものと考えるわけでございます。したがいまして、今後の衛星放送技術の開発の進展、国民の要望等を総合的に勘案をいたしまして、慎重に検討してまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○中野明君 それはいまの御答弁、その時が来てみないとわからないような感じになりますけれども、実際いま私が素人考えで想像しますと、りっぱな実用衛星が上がって、そして、確かに全国カバーで、NHKの難視は個別に受信をして解消できるけれども、現在共同受信施設等で民放が見えておった人が、この共聴施設がそれで廃止になったら、民放の人は全然見えなくなるじゃないか。 これに対して何か対策を考えてあげないといかぬのですが、いまの状態では、恐らく民放としてもそれを独自で難視解消に直ちに向かうというわけにもいかぬでしょうし、そうなると、実用放送衛星が上がったことによってかえって、NHKは確かに難視はなくなったけれども、民放は加速度的に難視の世帯がふえる、こういう矛盾した結果が出てこないかと心配をしているんですが、その考え方は間違いでしょうかね。
○政府委員(平野正雄君) 辺地の難視対策の問題で、先生十分御承知かと思いますけれども、民放に対しましても、国民の貴重な電波を利用して放送を行う以上、辺地の難視対策に取り組む必要がある、そういう立場から、再免許の時点におきましては、将来の難視対策の計画を聴取をしてその完成を期する、それ以外にも、チャンスのあるたびごとに民放に対しまして、辺地における難視対策の促進を要望してきておるところでございます。 NHKが辺地の難視対策において先行しておることはもう先生御指摘のとおりでございますけれども、民放といたしましてもそれを追っかけながら、と申しますのは、いわゆるミニサテはほぼNHKと民放が共建という形をとっております。しかるに、その解消率がまだまだ少ないという状況であったわけでございますが、ここ数年来、いわゆる親局とミニサテとの中間に必要となるような中規模の中継局——難視対策用の中継局と申し上げましてよろしいかと思いますが、そのようなものを非常に最近建設を進めておりまして、したがいまして、NHKがだんだん僻地に入っていくというに対しまして、民放は相当大幅な改善が現在もできておるわけです。 また一方、ことしからおかげを持ちまして辺地難視に対する助成策、これが一歩を進めることができたわけでございまして、その辺につきましてもNHK、民放とも協力をしながら、いわゆる難視対策にこれから積極的に取り組んでいこうという姿勢でございます。したがいまして、やはり従来にも増して民放と、民放の難視対策の促進につきまして、郵政省といたしましては正面から取り組んでいく必要があるものというふうに考えております。 また、その衛星ができて、それを利用することによってNHKの難視解消が促進できる。先ほども申し上げましたように、この衛星は全国を一つの番組でカバーをする、現在の技術条件ではそういった段階であることはやむを得ないわけでございますが、この衛星を、先生お示しのローカル放送につきましても、放送番組の編集に当たって種々の工夫をこらすことによって各地域住民の要望にこたえる道がなくもないんではないか、そういった意味で、今後に向けてひとつ検討を進めていく必要があるんではなかろうかというふうにも考えておるわけでございます。 また最終的には、これは国際的にも非常に大きな問題になっておるわけでございますけれども、できるだけ周波数の効率化を図っていく意味におきましても、比較的狭い地域に向けて衛星による放送ができるような技術開発というようなものにつきましても、これは日本といたしましても、諸外国と協力できるものは協力をしながら進めていく必要があるものというふうに存じておるところでございます。
○中野明君 確かにそれはそういう技術が開発されてくれば結構なことなんですが、まだまだこれは未開の分野でありまして、ここ何年というような見通しもない問題でございましょうし、ただ私が局長とちょっと考え方を異にするのは、民放の難視解消が非常に進んでおるように理解をされておるようですけれども、どっちかといいますと、民放の僻地の難視解消というのはNHKにおんぶされて、その陰で、便乗という言葉は悪いかもしれませんが、便乗してやってきている部分が非常に多いわけです。 だから、ここでこのNHKの方が衛星を使って解消され始めたら大変その辺に問題が発生するんではないか、苦情が殺到するんではないかという心配を持っておるからお尋ねをしておるわけでありまして、将来のこの民放に対しての衛星の活用ですね、これについてはどの程度までいまお考えになっているんですか。
○政府委員(平野正雄君) 先ほども申し上げましたように、既存の放送体系に与える影響というものは最小限にとどめる必要がある、できれば影響がないにこしたことはないという立場をとっておるわけでございます。 そこで、その既存の民放でございますけれども、当初におきましては、御承知の民放大会等におきましても、会長のお話といたしましてこの衛星による放送というもの、これは既存の秩序を破壊するものであるというような観点でのお話が聞こえておったわけでございますけれども、最近に至りましてこの衛星放送の活用と申しますか、これはもう時代の趨勢である、世界がそちらの方に向きつつある、そういう面を直視をいたしまして、民放におきましてもこの衛星放送の世界における状況、あるいは国内における状況、さらには民放がこれをどのように活用すべきであるかと、多分そういうことかと思いますけれども、ひとつ前向きに検討をしてみたいというような御発言に変わってきておるように存じております。 したがいまして、郵政省といたしましても、民放の方からの御要請等に対応しながら、今後の利用のあり方等についてすでに一部お話し合いを始めつつある、お話を伺いつつあるというような状況でして、今後逐次その道を広げてまいりたい、できることならば相携えて検討をしてまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○中野明君 非常にその点が私は、実際に実用衛星が使われ始めたら一番問題になるところじゃないかと思っておりますので、いまの答弁、まだそのときが来てみないと技術もどれだけ開発されるかわかりませんのでこの程度でとどめておきますが、一番それを心配しておるということを申し上げさしていただきたいと思います。 それで、先ほどお答えいただきましたように、いままでCSとBSの開発に関して使われた経費というもの、ざっと計算しましても一千億からのお金がつぎ込まれております。このような非常に金のかかる衛星の開発でございますが、同時に、今度は機構ができまして運営をしていくということに相なるわけでございますが、そうなりますと運営評議会というものが非常に重要な役割りといいますか、立場に立ってくると思います。 それで、改めて運営評議会の構成とその任務ですね、これを基本的に御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) 運営評議会の構成とその任務、役割りについてのお尋ねでございますが、運営評議会の構成につきましては、機構法案第二十五条第二項及び第三項に記載されておりますように、運営評議員二十名以内で組織されまして、「運営評議員は、政府以外の出資者及び機構の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、郵政大臣の認可を受けて、理事長が任命する」ことにいたしております。 次に、運営評議会の任務についてでございますが、法案第二十五条第一項に記載されておりますように、「定款の変更、業務方法書の変更、毎事業年度の予算及び事業計画その他機構の運営に関する重要事項を審議する」ことを目的としているものでございます。その結果、機構は、運営評議会における機構の運営に関する重要事項についての審議結果を尊重いたしまして、その運営に当たることに相なるわけでございます。 運営評議会の構成、任務をこのように定めましたのは、機構の業務は公共性が高いことから、その業務運営に当たって広く各界の専門的意見を反映させる必要がございますし、また機構の持つ民間の事業経営的な性格から、出資者の意見をその業務運営に反映させる必要がございます。その他、審議を円滑、公正に行うために、運営評議会の規模を適正なものとする必要があることなどを慎重に検討をいたしました結果、ただいま申し上げました構成、役割りと相なったわけでございます。
○中野明君 いまの御答弁にもありましたように、非常に公共性の高いもので、一千億以上まだこれからどんどん金がかかるわけですが、そういう衛星を運営していくわけでございますので、果たしてこの理事長が推薦をして郵政大臣の任命というんですか、そういうことでよろしいかどうかという心配をするわけでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、平和利用ということも含めまして非常に重要な仕事がありますので、そういうことについて運営評議会の役割りというものが私は重要だと思いますので、それに対してもっと、これだけの国費も投入しておるんですし、何かいわゆる内閣の国会での承認人事というんですか、そういうような形にまでする必要があるんじゃないかと、このように私考えておるんですが、その点、郵政大臣どうお考えでございましょうか。 非常にこれ大切な仕事であります。それだけに、ただ単にいまのような構成の仕方、任命の仕方でいいのかどうかということを、できれば国会の承認人事のような形で評議会を構成するとか、そういう形をとる方がより正しいんではないかという感じを持っておりますが、大臣のお考えはどういうことでしょうか、ちょっと。
○国務大臣(白浜仁吉君) 御指摘のとおり、私どももいろいろなこうした大変な、国もまた関係団体からのたくさんのこれは出資が必要なそうした事業でございますので、十分将来の監督指導というか、そうした面については責任を持って進まなければならないということを感ずるわけでございますが、いま御提案申し上げているこの法案につきましては、郵政大臣として責任を持って進んでいきたいというふうなことで御理解をいただきたいと思うわけであります。
○中野明君 この問題は、過日大木委員も大変御心配になって強調し、お触れになっておったと私記憶いたしております。非常にこれは、本当に平和利用ということも含めまして、この評議会というものがよほどしっかりしていただいてないと、とんでもないことになるという懸念を表明をしておるわけでありまして、任命権を持っており、監督権を持っておる当の大臣がそのようにお答えになっているんですから、それを信用する以外ございませんけれども、大臣も、そのときそのときにおかわりになっていくわけでございますので、そういう点を何かチェックできる、国会なら国会でものが言える、チェックできるという、こういう歯どめをしておく必要があるんじゃないかと、このように私考える一人でございます。その点。
○政府委員(平野正雄君) ただいま白浜大臣が申されたとおりでございますけれども、若干補足を申し上げますと、この認可法人に対する監督につきましては、主務大臣が当該認可法人の業務の性格と重要性に応じまして、必要となる行為を法律の規定に基づいて行うことになっておるわけでございまして、本機構につきましては、通信衛星及び放送衛星の管理などを効率的に行うことによって、宇宙における無線通信の普及発達を図るという公共性の高い業務を実施する機関でございますので、郵政大臣が機構の業務、人事及び財務、会計等につきまして、本法律の規定に基づいて必要な監督を行い、機構の適切な運営を確保してまいりたいと考えております。 なお、本機構の監督につきましては、郵政大臣のほかにも会計検査院が、国が出資する法人であることから、機構の会計について検査することとなっておりますし、また行政管理庁も、郵政大臣の機構の監督業務について必要に応じて行政監察を実施し、勧告を行うことが可能であるというふうに存じております。 次に、本機構の監督と国会との関係についてでございますが、NHKあるいは電電公社のように、国民生活に密接な関係がございまして、行政機関に準ずるようなきわめて公共性の高い一部の特殊法人につきましては、人事や予算、決算等の重要事項について国会が関与するということに相なっておりますが、認可法人につきましては、民間の発意により設立され、民間の自主性によって運営をされる法人でございますので、能率的な経営を行わせる必要などから主務大臣に監督させることとし、国会が人事や業務運営に直接関与をしない形になっておるわけでございます。 本機構につきましても、このような認可法人としての一般的な監督形態をとってはおりますけれども、内閣は行政権の行使につきまして、国会に対し責任を負うことになっておりますので、郵政大臣は機構の監督行為について、国会に対して責任を負うことになるのは当然でございますし、また両議院は、国政に関して調査を行う機能を持っておられますので、必要に応じて機構の運営につきまして一般的に調査することが可能でございます。このようなことから国会は、認可法人でございます本機構の運営につきましても、間接的に関与しておるというふうに言えると存じておる次第でございます。
○中野明君 会計検査院とか行政監察ということもございますけれども、やはり陣容にも限りがあり、いろいろいままで問題が国会で指摘されたりしたことがございますのであえて申し上げたわけでございますが、今後私どももそういう点についてはさらに注目をしていきたいと思っております。 それで、機構の運営の経費と調達方法を御説明いただきたいです。
○政府委員(平野正雄君) 機構の運営経費と調達方法についてのお尋ねでございますが、まず機構の運営経費は、主として地上施設の保守運用費及び減価償却費並びに本社の一般管理運営費でございます。CS2の場合の年間所要経費について概要を申し述べますと、保守運用費、これは地上施設の電力料、保守料、電子計算機借料、人件費等でございますが、約八億円でございます。それから減価償却費、これは地上施設の減価償却費でございますが、これが約二億円。それから一般管理運営費、これは本社分でございますけれども約二億五千万円。事業外費用、これは借入金の返済、利子等でございますが、約二億五千万円。これを締めますと約十五億円に相なります。 また、これらの運営経費の調達につきましては、運用開始前の経費と運用開始後の経費とに分かれるわけでございますが、運用開始前の経費は外部からの借入金をもって賄うことにいたしております。また運用開始後は、追跡管制業務の提供に対する対価を利用料金という形で収入を確保してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○中野明君 それから五条で規定されている資本金ですが、この資本金はどういうことに充当されるんですか。
○政府委員(平野正雄君) 資本金につきましては、原則として機構の基本的財産となるべきものに充当することにいたしております。具体的には、通信衛星または放送衛星が静止軌道に投入された以後、これらの人工衛星を管制するために必要な地上施設を建設するための資金に充当いたします。その所要経費はおおむね用地取得費として約八億円、用地整備費として約一億五千万円、局舎建設費として約三億円、通信衛星管制施設費として約二十三億八千万円、放送衛星管制施設費として約二十四億三千万円、締めまして約六十億六千万円でございます。
○中野明君 いまの御返事で、通信衛星と放送衛星の管理の施設を別に考えておられるようなんですが、これは一緒にはできないものなんですか。
○政府委員(平野正雄君) 先生御承知のように、通信衛星の姿、形と、放送衛星の姿、形あるいは周波数、そういったものがすべて違うわけでございます。それを下から管制をいたしまして、利用される方に利用させる、こういう業務になりますので、先生おっしゃる意味はよくわかります。たとえば、電源その他共用できるものはできるだけ共用していくという検討を進めておるところでございますけれども、基本的な部分、これはどうしても別々にならざるを得ないというふうに存じておるわけでございます。
○中野明君 それから、現在上がっておりますCSのトランスポンダーが故障をしておるようですが、この故障の原因はおわかりになりましょうか。
○政府委員(平野正雄君) まずCSのトランスポンダーの故障の原因でございますけれども、CSは御承知のように五十二年の十二月十五日に打ち上げられまして、十二月二十四日に定常位置に静止をしたわけでございます。その後、宇宙開発事業団によって初期段階における衛星搭載機器等の機能、性能等の確認試験を実施しておりましたが、その過程におきまして、昭和五十三年の二月十五日から、積んでおります準ミリ波中継器一系統、これは実は第二チャンネルでございまして国産のものでございますが、これが故障をいたしました。さらに同年の三月十五日からは、別の準ミリ波の中継器一系統、これは第六チャンネルでございますが、米国製のものでございます、これが故障をしていることが判明をいたしました。 で、この第二チャンネルの故障は、不要成分の電波が発生したものでございまして、また第六チャンネルの故障は、送信出力が消失をしたというものでございます。故障発生後、宇宙開発事業団は鋭意その原因の究明をいたしました結果、第二チャンネルでは、受信部の局発、局部発振回路のふぐあいであるということが判明をいたしました。また第六チャンネルでは、送信出力管の高圧回路の故障であるということが判明をしたわけでございます。他の六個のトランスポンダーにつきましては順調に働いておりますので、定常段階に移行いたしまして、実験はこれらのトランスポンダーを用いて順調に進められておることは御承知のとおりでございます。
○中野明君 そういうことで、今後そういうことを参考にして、実用のときにはそういうことのないように努力されることと思いますが、先日も「あやめ」が行方不明になってしまったとか、いろいろなかなか金がかかっているようでございますが、このユーザーと宇宙開発事業団との契約は一体——宇宙開発事業団見えていますか。契約はどうなっておるものですか、打ち上げ失敗をしたときの経費の負担、これは一体どういうことになっているんでしょうか、その辺を説明していただきたい。
○参考人(鈴木春夫君) お答え申し上げます。 CS2の打ち上げに当たりましては、現在計画中でございますが、打ち上げ作業及びその準備に万全を期することが必要であるというふうに考えております。しかし、万一打ち上げに失敗した場合には経費の負担の問題が起きるわけでございます。この場合、私どもといたしましては、米国の航空宇宙局——NASAでございますが、これのいまとっている方式に従いまして、原則として私ども打ち上げ側では負担は考えたくないというふうなことで今後郵政省、新機構ができましたらそちらの方と十分打ち合わせをしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○中野明君 もう少し明快に教えていただきたいんですが、負担したくないというような御発言でございますが、これは契約のときにどういうふうな形で、はっきりこれはうたっておくものなんですか。
○参考人(鈴木春夫君) 先ほど申し上げましたように、米国航空宇宙局——NASAとの関係は、先般GMS、CS、BSをアメリカに打ち上げを依頼したわけでございます。そのときにNASAと契約もNASAの方式によってしたわけでございます。そのときにNASAとそういう危険負担についての取り交わしがございます。その結果、私どもといたしましては、依頼した側の私どもの方で必要な保険を掛けるというようなことで手当てをした次第でございます。
○中野明君 「あやめ」の場合の具体的な例を教えてください。どういうふうに処置なさったのですか。
○参考人(鈴木春夫君) 「あやめ」につきましては、これは実用衛星でございませんで実験用の衛星でございます。これの開発の経費につきましては、全額国庫の方から事業団の方に出資していただいておりまして、その経費で賄っておる次第でございますので、これにつきまして経費の負担というのは全額事業団が負担したというような形になっておる次第でございます。
○中野明君 そういうのに保険は掛けるとか、そういうことはないんですか。
○参考人(鈴木春夫君) 「あやめ」の場合がその例でございますが、開発にかかるロケット、衛星につきましては、保険は原則として掛けておりません。しかし、次々にこれは計画に基づいて政府の方から資金をちょうだいしておりますので、それで賄っているわけでございます。しかし、こういった打ち上げ失敗というものは予測できないものでございますが、それに備えまして、ロケットで申しますと予備機を準備する、あるいは衛星につきましては予備の衛星を準備するというようなことは予算でそのつどお願いしてございます。 また、急に事故が起きて不成功に終わった、すぐに打ち上げにゃならぬというときに、予算でそういった予想できないようなものに対する手当てはすぐにできないものがございます。たとえば打ち上げ費とか追跡管制費こういったものにつきまして、すぐに打ち上げのために予算手当てがないのをどうやって賄っていくかという問題につきまして、この「あやめ」の場合には、その部分の経費につきましては保険を掛けまして、それを充当いたしまして、「あやめ」につきましては来年の二月に打ち上げができるような準備を進めておる次第でございます。
○中野明君 それからこのBSですが、実験の結果は非常に良好であるということに伺っておりますが、その結果は非常に天気のいいとき、晴天のときに実験をされた結果が良好というふうに私聞いておるんですが、雨が降ったり、あるいは雪空であったり、そういうときには、非常にこの放送衛星の場合は電波の足が短いものですから、果たしてどの程度まで鮮明なものが得られるのか、その辺の実験の結果、データはございますんでしょうか。これはどちらですか。
○政府委員(平野正雄君) 大変重要なポイントでございまして、御指摘のとおり、CS、BSは降雨等の影響のおそれのある短い波長の電波を使用しておりまして、衛星からの電波が雨や雪などによってどのような影響を受けるかを調査することは、CS、BS実験の最も主要な実験項目の一つになっております。現在気象条件と電波の減衰の関係を長期間のデータをもとにいたしまして定量的に明らかにしつつあるわけでございます。CS、BSの回線設計に当たりましては、これらに関する内外の技術的データを参照いたしまして、降雨、降雪等の影響を避けるように、衛星の送信電力、地上の受信アンテナの大きさ、ひいてはゲインでございますが、等についていわゆるマージンを持った設計を行ったわけでございます。 CS、BS両実験において現在までの実験データによりますと、降雨等の影響はほぼ予想どおりでございまして、設計どおりの大きさのアンテナでさえあれば、たとえば強い雨が降って画像が見えなくなるような時間は非常に少ないということがわかってまいっております。また、雪がアンテナに積もると、これによりましても減衰が起こるというようなこともわかっておりますが、この対策として、地上系でもやっておりますような、アンテナにヒーターをつけまして積雪を溶かすといった実験もしておるところでございます。 以上のように、各種実験を進めておりまして、厳しい気象条件のもとでも、衛星システムが実用に耐えられる見通しを得ておるところでございます。今後とも種々の気象条件における実験データの取得を継続をいたしまして、十分な解析を行って、その結果を今後の回線設計等に有効に生かしていきたいというふうに存じております。
○中野明君 それじゃ最後にお尋ねしますが、過日もNHKの電波ジャックが起こりまして大変な騒ぎになったことがございましたが、最近はあちらこちらで、どういうのですか、妨害電波といいますか、私の国元でも非常に警察の取り締まりを妨害したり、あるいはそれを横の連携で、不法電波で、運送業者とか——極端な例を挙げると、四国の川にはりっぱな石がたくさんあるんですが、その石を盗みに来るわけですが、それが無線で連絡をとり合って、警察の取り締まりのない、来たらすぐやめる、こういうようなことで、非常に電波を利用した悪質な、どういうのですか、妨害なり、そういうことが頻繁に起こっております。 今度こういう衛星が上げられて、そして通信なり放送の実用が行われてくると、今度はまた新たな電波ジャックというようなことが起こり得る可能性があるのではないかと私どもも懸念をしているわけですが、こういう点についての郵政省としての対策といいますか、どういうふうにお考えになっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) 人工衛星の通信電波への妨害であるとか、あるいは人工衛星自体に危害が加えられるような場合にどのような措置を考えておるかというお尋ねでございますが、人工衛星に搭載されます無線局に対します電波妨害の問題でございますが、地上から人工衛星に電波を送信するに当たりましては、御承知のように非常に高い周波数が使われるわけでございます。また非常に大きな電力を出す送信機が使用されるわけでございます。また送信アンテナとして直径数メートルのパラボラアンテナが用いられることのほか、細いビームを人工衛星局に当てるために、きわめて精密な方向調整技術というものが必要になります。 したがいまして、人工衛星局に対しまして通信妨害をしようといたしますと、このようなきわめて高度の技術で、しかもこれよりははるかに強い電波を出さなければ妨害することができないということに相なるわけでして、莫大な費用と大規模な装置等が必要となりますので、一般には入手がきわめて困難なものでございまして、現実的には妨害を与えることは非常に困難であろうというふうに存じておるわけでございます。しかしながら、万一そのような事態が生じましたときには、実用の通信衛星、放送衛星とも考えておりますが、それぞれ二個打ち上げまして、本機と予備機というふうな形をとろうとしておりますので、急遽予備の衛星に切りかえるというような方法が考えられるわけでございます。 また、地上側の局に妨害かあった場合も考えられるわけでございますけれども、その場合にはその地上局の使用を取りやめまして、より強力な電波を発射できる他の地上局に切りかえていくというような方法も考えられるわけでございます。 次に、人工衛星自体に危害が加えられる場合についてでございますけれども、たとえばロケットによって妨害物体を打ち上げて衝突させるというような方法が考えられますけれども、仮に妨害物体を打ち上げるといたしましても、ロケットの製作、あるいは打ち上げ技術、射場、そういった一般の者にはなかなか手がつかないんではないかと、そういうふうに存じておるわけでございます。 次に、制度上の対策でございますが、妨害電波の発信源を探査をいたしましてこれを確認した結果、妨害電波が国内から発射されておるという場合におきましては、電波法第四条違反として処分ができるわけでございます。 また、外国から発射された電波によって混信妨害を受けた場合には、国際電気通信条約附属無線通信規則第十五条の規定に基づきまして、妨害をしている送信局を管轄する主管庁に対して、混信を除去するために必要な措置をとるように要請をすることができるわけでして、また要請を受けた主管庁は、そのために必要な措置をとらなければならないということになっておるわけでございます。 しかし、従来通信衛星、放送衛星等につきましては、各国の国際協力のもとに友好的雰囲気の中で開発利用が進められておるというふうに考えておりますので、現時点で国際的妨害が生ずるおそれは少ない、まずないというふうに確信をしておるところでございます。
○中野明君 それじゃもう一点だけ。 今回は、御説明によりますと衛星の開発経費というもの、これは開発は国産にしていこうと、こういう方向に進んでおるようですが、そうしますと、非常に経費がかさむ。これ当然、日本の将来のために少々経費がかかっても国産化にしていくべきだと、こういう考え方に私も賛成でございます。 しかしながら、経費が非常に膨大にかかるもんですから、負担の方法と、そしてまた出資をされた人の財産権の帰属の問題が問題になってくると思いますが、この辺をもう一度明確に説明をしておいていただきたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) たとえばCS2の場合について申し上げますと、宇宙開発計画で五十七年度打ち上げということが確定をいたしまして、今年度の予算の要求をしたわけでございますけれども、結果的に申し上げますとトータル五百四十億円、それの初年度分といたしまして約十四億円、これをいわゆる国と電電公社が四〇%、六〇%という負担において出資をする、こういうことに相なったわけでございまして、したがいまして、衛星の財産権と申しますか、所有権は、その比率に従って、国の経費が流れてまいります宇宙開発事業団と電電公社が四〇%、六〇%という比率に従いまして持ち分を持つ、こういうことに相なっておるわけでございます。
○中野明君 これは電電公社にしましても、またNHKも負担分が出てくると思います。いずれにしても、これはNHKにしても電電公社にしても、これたちまちNHKでいえば受信料、そしてまた公社にしては通話料に影響があるわけですので、この辺はできるだけ経費を少なくして、一般の利用者に負担が少なくなるように、こういうような方向で今後進めていっていただきたいということを要望しておきます。 以上で終わります。
○沓脱タケ子君 それでは、わが国でも人工衛星が、特に通信衛星、放送衛星の実用化を行うという段階で、これの運営に関する機構法をつくろうということで法案が提起をされているわけです。大変重要な問題を含んでいる機構法案でございますので、いただいておる時間の範囲で幾つかの点を指摘しておきたいと思っているわけです。 まず最初に、機構についてお聞きをしたいと思いますが、今度の機構については、特殊法人にしないで認可法人にした理由でございますね。これを最初にお聞かせを願いたい。
○政府委員(平野正雄君) 機構を認可法人とした理由でございますけれども、通信・放送衛星機構は、その業務が民間の行う事業経営的性格を有しておりまして、民間の創意と工夫と協力によってその一層の発展が期待できるわけでございますので、民間の発意によって設立をいたしまして、民間の事業として運営する一方、政府が必要な督、指導を行うことが最も適当であると考えられますので、認可法人として設立することにいたしたわけでございます。
○沓脱タケ子君 認可法人にした理由というのは、民間が参加ができるという状況を確保するということが中心でございますね。ところが、初年度の出資者ですね。これはいろいろ御答弁を聞いておりますと、国と電電公社とNHKとKDD——国際電電ということになっていますね。それは最初に、なぜそういうふうに限定をなさったんですか。
○政府委員(平野正雄君) 第一世代の通信衛星、放送衛星につきましては、地上系のシステムのみでは確保することが困難と考えられるきわめて公共性の高い非常災害時の通信でございますとか、辺地及び離島との通信、あるいはNHKのテレビジョン放送難視聴対策用に利用することが望ましいと考えたわけでございまして、当初の段階において衛星の利用者となる電電公社及びNHKが出資することといたしておるものでございます。またKDDにつきましては、本機構の運営や国際協力を推進するに当たりまして、これまでの衛星通信の経験等を活用していただくということのほか、将来におけるこの衛星の利用の可能性も考えられますので出資願うということにいたしておるわけでございます。 以上でございます。
○沓脱タケ子君 いや、そうではなくて、民間の参加が得られるということで、民間の人たちが参加をしての法人にするということで、特殊法人にしなくて認可法人にされたというのがその理由でございましよう。ところが、NHK、電電公社、国際電電という範囲に当初の出資者を限定をした理由は何かといって聞いているんですよ。出資した理由をいまあなたはお述べになりましたが、私のお聞きをしているのはそうじゃなくて、どうしてそれじゃ初年度の出資者について門戸を開かなかったのか、そのことをお聞きしている。
○政府委員(平野正雄君) 私どもといたしましては、国が全部負担をするという立場をとりませんで、国に対しましてそれぞれ特殊法人という地位にございます電電公社、NHK、あるいは国際電電というところからの出資を期待したということでございます。それで、それ以外の出資者に対しましては、この衛星の技術というのはまことに日進月歩でございますし、またその利用面というものも将来に向けて非常に開かれてくるという状況でございますし、またこの機構が将来に向けて生々発展をしていく過程におきまして、この機構においてその他の出資の必要性という理由が明確になりました段階には慎重に考慮されるべきものというふうに考えておるところでございます。
○沓脱タケ子君 わざわざ認可法人にされたという御趣旨と、出資者を当初限定をしたということとがちょっと矛盾するんではないかと思うんです。その理由として私申し上げますのは、当然民間企業が出資者になるということも含めてわざわざ認可法人にされたんだと思うのに、どうして最初門戸開放されなかったんだろうか。 といいますのは、たとえば新聞協会等では当初出資者の限定をしたということに疑義を持っていますよね。で、将来計画があり、あるいは将来計画の中でユーザー足り得る可能性のあるといったところを、どうして出資者の構成に入れられなかったのか。門戸を開放して、そうしてもっと御希望を募ればよかったんではないのか。せっかく認可法人というタイプをおとりになったんですから、そういうことをやればよかったんではないのかなあというふうに思うんですが、その辺のところがちょっとわかりにくいんですよ。
○政府委員(平野正雄君) ただいま先生が申されました機構の出資者と利用者との関係、これがちょっと複雑かと思います。機構の通信衛星または放送衛星に搭載された無線設備を利用するための資格といたしましては、本法案第二十八条第一項第三号の規定によりまして、当該無線設備を用いて無線局を開設する者となっているだけでございまして、機構への出資の有無によって利用に制限を設けることは現在は考えていないわけでございます。 したがいまして、機構の出資者であるか否かを問わないで、機構と衛星の利用契約を締結するとともに、当該無線設備を用いて無線局を開設することにつきまして郵政大臣の免許を得た者は、機構の通信衛星または放送衛星に搭載された無線設備を利用することができることになっておるわけでして、機構の出資者となる特定の機関しか利用できないということにはなっておらないわけでございます。
○沓脱タケ子君 それはわかっているんですがね。わかった上で聞いているんだけれども、将来ユーザー足り得るという要件は民間にも保障されているんだけれども、なぜ当初の出資者として限定をしたかという点を、これは批判を浴びているから言うている。出資者になれば当然あとの役員構成の中でも運営評議会のメンバー足り得るわけですよね、そういうふうに規定しているんだから、法律はね。当初の出資者をなぜ限定したか。このことは批判を浴びているんですよ。たとえば新聞協会の話をちょっといたしましたけれども、やっぱり郵政官僚独善の認可法人づくりかということが言われているから、そういう国民に開かれた形の認可法人にわざわざしたんだったら、当初なぜそういうふうに限定したかというのはやっぱり一つの疑問なんです。 そのことと関連をして——それにかかずらわっておられませんから次に進みますけれども、それと関連をいたしますから、すでに同僚委員からも指摘をされているように、役員構成等の問題についてはきわめて重大な問題として浮かび上がってくるわけです。理事長や監事は大臣の任命で行う、それから理事は理事長が任命をするということになるんですね、大臣の承認を得るんでしょうけれども。だから、郵政大臣のお声がかりで全部役員構成はやられる。 それから、一番重要な機能を持つであろうと思われる運営評議会、これは先ほどからも御指摘があったように、出資者と学識経験者で構成をするというんでしょう。その運営評議会というのはきわめて重要な役割りと機能を持っているわけですね。ここをはっきりしませんと、当初の出資の段階では、初年度の出資者は限定する、役員は郵政大臣の認可あるいは承認によってという形だけでやられると。運営評議会でも学識経験者というのはどういうところかということをお聞きしたいと思いますけれども、まず出資者は全部評議会の委員になるわけでしょう。これはうかうかすると、当然批判を浴びておりますように、郵政官僚の天下りの場所にならないという保証はないわけです。 こういうことについては、これはいまの社会の中で、特殊法人に対するいわゆる天下りあるいは渡り鳥、そういった問題がきわめて大きな問題になって、決算委員会等でもずいぶん問題になって指摘をされていますが、特殊法人と同じように認可法人が盛んにつくられて、そしてやはり天下りの場所になっておるという点についても、ついせんだっての本院の決算委員会でも警告が発せられているという問題になっておる分野なんですよ。 そこで、特にこの点は重要だと思いますので、その点について出資者を最初限定して、しかもあとの役員構成は大臣一存でできるというふうな構成になるということが、これは民主的に開かれたというか、国民に納得のいく姿にはなり得ないということは想像にかたくない。ですから、少なくともそういう世の批判を浴びないためにも、これらの役員人事については、理事長あるいは理事、監事あるいは運営評議会、そういうところのメンバーというのは、せめて国民の代表機関である国会ぐらいは承認を求めるという姿になぜやらなかったか。さっき長々説明されたのを聞いていましたよ。あれ聞いたってこれは納得できませんわ。なぜやらなかったか。それは大臣、どうですか。
○国務大臣(白浜仁吉君) 先ほど私からも、また追加して局長からも御答弁を申し上げたとおりでございまして、いま御指摘の点もございますが、国会は私ども郵政大臣が直接、間接にいろんな面で監督を受けるというか、そうした立場にあるわけでございますし、また先ほど申されましたとおり、会計検査院あるいは行政管理庁、その他の面での監督を私ども受けておることでございますから、十分そういうような点については、委員の先生方からも御指摘がありましたが、皆様方の御批判をちょうだいしながら、間違いない運営をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 これは間違いのない運営というのは、大臣がおっしゃったからそれで安心だというものではないんだ。機構という組織をつくるわけですからね。だから、組織をつくる際にやはりきちんとした構成を法制化するということがきわめて大事だ。その点で、こういう状態にとどめたということは、世の批判を浴びる何というんですか、欠陥を初めから持っているんではないかということを痛感をするわけです。 その点で、これもこの機構が動き出して郵政省の天下り機関になった、郵政官僚のひとりよがりで好きなようにやっているというようなことの批判を絶対に浴びないように、その点については厳重に対処してもらいたいと思うんですが、大臣、重ねてお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(白浜仁吉君) 十分注意して運営していきたいと思います。
○沓脱タケ子君 この点は各党とも御指摘になっておられる点で、非常に重要な部分だと思うんです。といいますのは、これは普通の機構、認可法人とはちょっとわけが違うという点で特に重要だというように私どもも認識をいたしております。 といいますのは、これは法の第一条を見ましてもそうなんですが、この地球局の大臣認可を受けた者は全部ユーザーにするというんでしょう。ユーザーとして扱うということになるわけでしょう。ユーザーとして扱うというものがいろいろとあるに違いないわけですね。そういうユーザーを扱っていく場合の対象をどうしていくかということが人工衛星、特に通信衛星の扱いについて非常に国民的な危惧を持っている点が、本当に民主的にチェックされていっているのか、あるいは閉ざされたかっこうでやられているのかということのけじめになると思うんですよ。だから、運営の機構の構成というのはきわめて大事だということを特に感じているわけです。 そこで、ユーザーですが、ユーザーはお話のとおりCSについては当面公社ですね。公社のほかはどこどこですか、ちょっと言ってください。
○政府委員(平野正雄君) 通信衛星につきましては先ほど来申し上げておりますように、まず第一世代の衛星につきましては、公衆通信のほかに国民の生命、財貨の保全等を法律等によって手当てをされております国の機関、たとえば建設省、これは治山治水等の関係でございます。消防庁、これは全国的な広域消防という立場でございます。あるいは警察用、まだ最終的に詰めたわけはございませんけれども、現在上がっております通信衛星が四千チャンネルというチャンネルしかないわけでございまして、必要最小限の国民の福祉に役立つようなユーザーを考えている、こういうことにいたしております。 なお、電電公社につきましては、先生御承知のように、電電公社の回線の契約をすることによりまして、従来地上で使っておりましたと同じようなユーザーが電電公社との契約によりまして使える道が開かれる、こういうことに相なるわけでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、電電公社のほかは政府機関で建設省、警察庁、消防庁等がいま名のりを上げている。 で、防衛庁とか米軍がユーザーとなることはできますか。それはどうですか。
○政府委員(平野正雄君) 現在までのところ、防衛庁からユーザーになりたいというお申し出はございません。
○沓脱タケ子君 いや、申し入れがないということですが、申し入れがあったらユーザーになることはできますかと聞いている。
○政府委員(平野正雄君) 衛星開発及び利用につきまして、宇宙条約あるいは衆参両院における決議等から見まして、平和的利用という点を私ども非常に念頭に置いておるわけでございますので、そういう先生のおっしゃるようなことにはならないのではないかというふうに存じております。
○沓脱タケ子君 それは、宇宙条約とかあるいは衆参両院の国会決議があるからならないのではないかというんですか。これはユーザーとして申し込まれた場合には、ならないのではないかでは済まぬわけでしょう、機構としては。ユーザーにするかしないかということを決めにゃならぬですね。局長、そんなのんびりしたことを言うてもらったら困る。はっきり態度を決めなきゃならぬのですが、どうなんですか。
○政府委員(平野正雄君) わが国の宇宙開発利用につきましては、先ほど申し上げましたようなことのほかに、宇宙開発事業団法の審議に際しましても、国会の衆議院本会議の決議がございますし、参議院の科学技術振興対策特別委員会の附帯決議もございます。また、宇宙条約におきましても、宇宙活動は国際の平和及び安全の維持並びに国際間の協力及び理解の促進のために行われるいう思想がございます。 したがいまして、郵政省といたしましては この決議と宇宙条約の理念に従いまして御提案申し上げております本法律を運用してまいりたいと考えておるわけでございますので、防衛庁が、たとえば軍事目的のために本機構の衛星を使用いたすことはないものというふうに考えておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 局長でもそのぐらい頼りない答弁しかできない。なぜこの機構法案に、たとえば宇宙条約とかあるいは事業団法の法律だとか、国会決議だとかいうものを持ち出さなくても、この法案を提起するときに、平和利用の目的に限りという点を明記をしておかなかったんですか。それしてたら、そない頼りないことを言わぬでもよかった。法律にちゃんと明記をしてあるんだからそういうことはありませんと言うたら一言で答弁ができるんだけれども、どうしてこれには入れてないんですか。
○政府委員(平野正雄君) 先ほど来申し上げておりますように、宇宙条約の規定の精神はこれは遵守すべきであるというふうに考えておりますし、衆議院本会議における「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」にのっとって運用されるべきであるというふうに考えておりますし、通信衛星及び放送衛星のみの管理運営を行う機構でございますし、無線局の免許取得者に対して衛星搭載の無線設備を提供する業務であるというような理由から、当然のことながら平和目的に限った活動を行うものであるというふうに存じております。本法案に改めて平和目的に限りという字句を規定するまでもないのではないかというふうに考えたわけでございます。
○沓脱タケ子君 私は今日、通信衛星の軍事利用というのが国際的には非常に大問題になっている段階では、初めて実用化をしていくための機構をつくるということになるのですから、当然のことであっても、平和利用の目的に限りという文言はぜひ入れるべきであったんではないかというふうに思います。 時間の都合がありますから次へ進みますが、その次にちょっとお聞きをしたいと思っておりますのは、通信衛星、放送衛星を利用するメリットの問題ですね。これは膨大な資金を投資して、技術開発としての資金投資はこれはそれとしての意義はあります。しかし同時に、実用化をするという点でのメリット、その点について簡潔にお話しをいただきたい。
○政府委員(平野正雄君) まず通信衛星を利用するメリットでございますけれども、先生御承知のように、地上の災害の影響を非常に受けにくいということが言えようかと思います。また、地理的な障害に左右されませんで遠距離、広範囲の通信が可能であるということも言えようかと思います。さらにまた、通信量の時間的及び場所的変動に対する適応性に富むというメリットがあろうかと思います。このような特性を生かしますと、震災あるいは水害時等の通信の確保、離島、辺地等との通信回線の設定及び特殊な催し物がございました際の臨時回線の設定等にきわめて有効であるというふうに存じております。特に非常災害時における通信の信頼性の確保は、地上系システムのみでは限界がございますが、通信衛星を利用いたしますと、地上系システムと合わせてきわめて信頼性の高い総合的な通信システムが形成できるというふうに存じております。 次に、放送衛星のメリットでございますが、放送衛星は東経百十度の赤道上空三万六千キロメーターに打ち上げられておるわけでございます。これはさきに国際協定によりましてわが国に与えられた、いわゆる静止軌道上の位置でございます。そこから日本全土に向けて電波が照射されるわけでございまして、放送衛星を見る仰角は、それが最も小さな北海道の稚内におきましても二十八度ございますので、高層ビルや高い山の陰でもない限り放送衛星からの放送波を容易に受信できるメリットがございます。また放送衛星のアンテナの照射パターンは、日本全土を一つのビームでカバーすることに相なりますので、一つの衛星によりまして一挙に日本全土を対象に放送を行うことが可能となるというメリットがあるわけでございます。このような特性を生かしますと、地上放送の難視聴解消に非常に有効でございます。また、全国放送が可能でございますから、たとえば教育の分野における衛星放送利用の効果も期待できる、こういうふうに存じております。
○沓脱タケ子君 先にそれじゃBSについてお聞きしますが、放送衛星は打ち上げの費用はどれだけかかるのですか。それで、通信衛星は何か政府が四割を技術開発振興費か何かで出すんですね。放送衛星の方はどないなんですか。
○政府委員(平野正雄君) 通信衛星につきましては、先生御指摘のように約五百四十億かかるわけでございまして、これを製作、打ち上げ費の初年度といたしまして政府が四〇%、電電公社が六〇%負担するということに相なっております。これは、実は日本の宇宙開発計画におきまして、通信衛星を五十七年度に打ち上げるということが確定いたしましたのでそのような予算割りになったわけでございます。一方、放送衛星につきましては、御承知のように宇宙開発計画におきましてはまだ打ち上げの決定がなされておりませんで、関係機関が検討しなさいという段階でございます。したがいまして、現在NHKを初めとする関係方面と鋭意、ただいまおっしゃいました衛星の製造、打ち上げ費等につきましても検討をいたしておるところでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、放送衛星の方は、予算の総額も、それから政府のいわゆる技術開発振興費の割合も決まっていない。そういうふうに理解していいですね。 これはちょっと大事だなと思いますのは、技術開発振興費をお使いになっているという、政府が出しているというのは、国産の人工衛星を上げるということでそういう補助金を出して、わざわざ高い人工衛星を上げるということになるんだそうですけれども、大体アメリカの技術、部品、その他の割合というのはどのくらいになりますか。通信衛星、放送衛星ともに。
○政府委員(平野正雄君) 現在実験用に打ち上がっております通信衛星の国産化率が約二三%でございます。一方、実験用の放送衛星の国産化率が一五%でございます。 実は、第一世代の通信衛星、放送衛星は、現在上がっております実験用通信衛星、放送衛星の成果を踏まえて、そして、さらに国産化率を上昇せしめて打ち上げるということになっておるわけでございますけれども、現在のところまだ最終的な詰めには至っておりません。しかしながら、第一世代の通信衛星につきましては六十数%程度これを見込みたい、こういうふうに存じております。
○沓脱タケ子君 国産化を六十数%L3。
○政府委員(平野正雄君) そうです、国産化率を六四%でございます。
○沓脱タケ子君 国産化率を六十数%見込むんなら、これは四〇%の科学技術振興費というのはちょっと少ないですね、実際は。まあ六〇%になるのか、四〇%になるのか知りませんが、なおかなり長期にわたって国産化率というものを引き上げる努力をしても一〇〇%にはならないという状況でしょう、技術水準からいいまして。そうなると、国産化率を引き上げていくというために、科学技術振興費というものをずっと出すんでしょうけれども。 そこで、NHKの場合にどれだけ出すのかわかりませんが、非常に高い費用をかけて、そうしていわゆる僻地の難視聴対策と都市難視の解消対策というものにやるというわけですが、そこで、私は放送衛星の場合には問題が幾つかあると思うんですが、その一つは、たとえば放送法の一条で常に問題になっております不偏不党、真実、特に自律性の問題が問題になっておるわけですね。 ですから、そういう立場で受信料によって運営をされているこのNHKが放送衛星を利用するということによって、実用化をするということによって四〇%になるのか、五〇%になるのか決まってないそうですけれども、通信衛星並みにいけば四〇%という、名目はともあれ国費が導入をされるということになるわけですが、その点については、従来の放送法の原則との関係でどのように郵政省としては割り切って対処をされておられるのか、その辺はちょっと御見解を伺っておきたい。
○政府委員(平野正雄君) 確かに先生おっしゃいますように、実用の放送衛星につきましてはまだ詰め切っておる段階にはなっていないわけでございますけれども、通信衛星の例から見ますと、わが国の宇宙開発技術の開発に資するとともに実利用の……
○沓脱タケ子君 いや、放送衛星のことを聞いておる。
○政府委員(平野正雄君) はい。実利用の面で電電公社等の利用に供するということを目的といたしまして、この宇宙開発技術の開発に資するという面につきまして国費がいっておるわけでございます。 したがいまして、実用の放送衛星につきましても、わが国の宇宙開発技術の開発に資するとともに、実利用の面でNHKの難視聴解消に供することを目的として打ち上げるという方向で現在関係機関ともども検討を詰めておるところでございますので、実利用面での経費を国がNHKに対して補助するということは全く考えておらないわけでございまして、放送法上の問題はないものというふうに考えておる次第でございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、科学技術振興助成という立場で割り切って、放送事業への国費の導入という問題としては考えていない、その点は明確にしておるというふうに受け取ってよろしいか。
○政府委員(平野正雄君) そのとおりでございます。
○沓脱タケ子君 もう一つは、難視聴対策で特に辺地、僻地の難視聴対策、それから都市の難視聴対策ということになるわけですが、これは受信設備というのが、放送衛星の受信をする場合には新たに必要になるわけですね。その点についてはどの程度の金額がかかって、それは技術開発振興助成というふうなものを考えておられるんですか。
○政府委員(平野正雄君) 仰せのように、放送衛星からのテレビジョン放送を受信するためには、現在市販されておりますテレビの受信機のほかに、小型のパラボラアンテナとアダプターが必要でございます。アダプターというのは、放送衛星からの電波が十二ギガヘルツという非常に高い周波数で送信されてまいりますので、それを低い周波数に変換をいたします。また、FM変調の電波を市販テレビジョンの信号に変換するという役割りを担っておるわけでございます。 このような受信装置を用いまして、放送衛星からのテレビジョン放送を辺地で受信する場合と、都市で受信する場合の特別な差というものはないわけでございますが、受信方法といたしましては、各それぞれ家庭におきまして直径約一メーター程度のパラボラアンテナ、もっと小さいのになりますと六十センチメーターぐらいのパラボラアンテナもあるわけでございますけれども、アンテナを用いまして個々の家庭で直接放送衛星の電波を受信するという個別受信と、都会のたとえばアパートなどで、複数の家庭が直径が少し大きい、たとえば約一・六メーター程度のパラボラアンテナを用いて共同で受信をして各家庭に線路で分配をするというような共同受信の場合があるわけでございます。 受信装置の経費といたしましては、これは当然量産になれば安くなるわけでして、生産台数が関係いたしますので、現時点では想定をするよりいわけでございますけれども、従来の同種の機器の場合から類推をいたしますと、一例といたしまして実用化の初期の段階では個別受信で十五万ないし二十五万円、五、六世帯で共同受信をする場合は一世帯当たりで六ないし十万円ぐらいと想定されております。また、普及段階に入りますと、個別受信の場合で六ないし八万円、共同受信の場合には一世帯当たりで四ないし七万円になるというふうに推定をしておるところでございます。
○沓脱タケ子君 それは技術開発振興費の助成はないんですか。全部個人負担になるのかどうかということが問題なんです。だって、衛星上げるのには技術開発振興費を出しているわけでしょう。国民の方の受信する方は、それ上げてくれたらいままで見えなかったのがやっとよく見えるようになる、科学技術発達の水準を国民生活で享受できるという段階が来るわけですけれども、その場合に受信機が個別で十五万も二十万も、あるいは十万内外もかかるということになると、受信装置よりも高うなるわけですね。それ全部個人負担にするんですか。
○政府委員(平野正雄君) 衛星放送の受信のために必要な受信設備につきましても、現在の地上における放送と同様に、基本的には受信者の負担によって設置されるべきものと考えておりますけれども、現在の技術レベルにおきましては、受信設備に要する負担は従来の地上放送の受信設備より高価なものとなることが予想されますので、郵政省といたしましても研究開発の督励等、その低廉化に最大限の努力をしてまいりたいというふうに存じております。 なお、参考までに申し上げますと、NHKが共聴施設を全国的に張っておるわけでございますけれども、先ほど高橋理事からもお話がございましたように、だんだん辺地に至っておるという状況でございまして、それの全国平均が約八万円程度というふうにもお聞きをしておるところでございますので、それにかまけるつもりは毛頭ございませんで、あらゆる方法を今後検討し、関係機関とも協力をしながら鋭意低廉化、その他の方策につきまして検討を進めてまいりたいと、こういうふうに存じております。
○沓脱タケ子君 低廉化には努めるけれども、受信者負担だということですね。 それでね、まあそうなってくると、もう一つは、この放送衛星の実用化によってNHKの受信料にはね返る心配はありませんか。
○政府委員(平野正雄君) BS第一世代の放送衛星の行います衛星放送でございますけれども、これが全国に受信を可能とするという衛星でございますので、受信機、受信設備の低廉化等の施策を強力に推し進めることによりまして、現在よりも受信者の増加が見込め得るのではないかというふうに存じておるわけでございます。 なお、NHKの出費の問題等につきましては、これは現在関係機関ともろもろ詰め合っておる段階でございまして、先生がおっしゃいますように、直ちにNHKの出費増につながるものではない。 と申しますのは、先ほどNHKの方からお話がございましたように、一度に地上系を撤去するというわけにはまいらぬと思います。これは放送衛星の状況を勘案しながら——やはり地上系にいたしましても、何年かたちますと施設を更改していくという必要もあるわけでございますので、そういった点を考慮しながら計画的に進めてまいる必要があろうと思いますが、トータルといたしましては、何と申しましても、先ほどもちょっと申しましたように、放送衛星のメリットというものがコストにも及んでおるということが基本的に言えようかと思いますので、さらに先生のお言葉でございますので、十分に関係者と詰めてまいりたいと思いますけれども、私どもはただいま申しましたようなふうに考えております。
○沓脱タケ子君 それから通信衛星ですがね、通信衛星のメリットだと言われている災害対策、離島、僻地対策、それから臨時用回線という三つの柱だということですが、その離島、僻地対策の対象になるところはどこどこですか。公衆通信として離島、僻地の対策として通信衛星を上げて利用できるところはどこどこですか。
○説明員(山口開生君) お答えいたします。 まだ総体的に全部を詰めては考えておりませんが、特に本土から遠い遠隔地にあります小笠原諸島とか、あるいは沖繩本島から東へ三百キロ以上もあります大東島とか、そういったところを当面考えております。
○沓脱タケ子君 そうすると、小笠原諸島と大東島というのが僻地対策ですね。それでは、硫黄島とか南鳥島というようなところは、これは僻地対策の範囲に入ってないですか。入ってますか。
○説明員(山口開生君) お答えします。 私ども電電公社では公衆通信という立場で僻地、離島対策を考えておりまして、ただいまのところ硫黄島とか南鳥島につきましては考えておりません。
○沓脱タケ子君 で、硫黄島とか南鳥島は何でその公衆通信の僻地対策に考えてないんですか。あそこは一般人がおらないけれども、軍事基地とかあるいは気象観測所とかそんなのがありますね。それはもう範囲の外ですか。
○説明員(山口開生君) 現在のところ、そういった島から特に回線の御要望がないもんですから考えてないと申し上げたわけでありまして、公衆通信としての御利用があるということになりますと、恐らくその回線を策定するということになろうかと思います。
○沓脱タケ子君 それじゃ電電公社に続けてちょっと聞きたいんですが、現在は公衆通信としての申し込みがないから加入地域にしようと考えてないというだけで、申し込みがあったらいつでもやるというわけですね。まあやれるわけですわな、衛星が上がれば。そういうことですね。 それで、電電公社にちょっとお伺いをしておきたいんですが、電電公社には、自衛隊とか防衛庁とか、あるいは米軍とか、あるいはその他企業の中には専用線を持っているところがありますね。その場合に、その専用ルートを通信衛星を通してほしいという注文が出てくる可能性がありますよね、これから。そういう注文があったら応じますか。
○説明員(西井昭君) お答えいたします。 現在の公衆電気通信法の体系から申しますと、特定地間に通信をしたいという御要望に対して、公社はお受けいたしまして、途中どのような伝送路を通じてまいるかということについては、これは一応公社側において一番適当な伝送路を使うように実施をしておるわけでございます。したがいまして、ただいまのお話のように、通信衛生を使えとか、たとえばほかの施設を使えとか、こういう御要望には従来どおり応じない、こういうふうに考えているところでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、せっかく通信衛星が上がったけれども、自分のところの専用線は通信衛星を通してほしい、利用してほしいという注文があっても、従来どおり受け付けないということですね。しかし、逆に言うたら、公社の方にそれを注文を聞いてやるという意思があったらこれはやれるのと違いますか。
○説明員(山口開生君) ただいまも説明いたしましたとおり、公社でどういう回線を使うかということは、ユーザー、利用者の方の希望ではなくて、公社側のサイドで決まるものと思っております。たとえばいまの離島につきましても、技術的には通信衛星を使う方法と、あるいは現在まだそこまで確立しておりませんが、海底ケーブルを使う方法等もありまして、そういったもので技術的にいろんな可能性を秘めておりますので、そういうものの公社側でどちらが有利であるかということを決めて回線をつくるというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 それで、たとえば自衛隊法の百四条に、「公衆電気通信設備の利用等」という項がありますが、この百四条の第一項では「第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の任務遂行上必要があると認める場合には、緊急を要する通信を確保するため、郵政大臣に対し、公衆電気通信設備を優先的に利用し、」ということになっていますね。だから郵政大臣に、自衛隊法の第百四条によって通信の確保をしたいということになって注文をするということが出てくる可能性はある。その場合はどうですか。衛星ルートを確保せよと言うて命令が来たら。
○説明員(西井昭君) ただいまおっしゃいました自衛隊法の百四条でございますが、これは同じく自衛隊法の七十六条によりまして、「外部からの武力攻撃に際して、わが国を防衛するため必要があると認める場合には、国会の承認を得て、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる」という条文がございまして、国会の承認を得まして自衛隊の出動がございましたときに、その自衛隊の任務遂行上必要があると認める場合に、その緊急通信を確保するために自衛隊の方から郵政大臣に対しまして、その通信を確保するために必要な措置を求めることができると、こういう条文になっておるわけでございます。 私どもの方といたしましては、この必要な措置はまず郵政大臣にございまして、そしてその必要な通信を確保するためにどのような方法をとれば最もよいかということは、これは郵政大臣からの御指導、御要請によりまして具体的に対処をしていくという段取りになろうかと、このように考えておるところでございます。
○沓脱タケ子君 それはもう当然そうなんですね。電電公社が勝手にやれるというものじゃないと思う。しかし、そういう場合には衛星を優先利用するというようなこともあり得ると。 それからもう一つは、その次に「有線電気通信法第三条第三項第三号に掲げる者が設置する電気通信設備を使用することに関し必要な措置をとることを求めることができる」と書いてある。で、 「郵政大臣は、前項の要求があったときは、その要求に沿うように適当な措置をとるものとする」ということは、これはさっきから、ユーザーとしてたとえば建設省とか警察とか消防とか、そういうものも含めて名のりを上げているという——いま地上回線の話ですけれども、地上回線でもそういういわゆる自衛網として持っておるものも使えるということになるわけですね。これでは、大臣が措置をとったら。そういうことですね。
○説明員(西井昭君) そのように理解しております。
○沓脱タケ子君 そうしますと、通信衛星というのは今度の実用されるものでも四千回線ぐらいで、三千回線か電電公社が使うと言うておるんで、それはもう選択的に使うんではなくて利用するんだというふうに言われていますけれども、たとえばその残った千回線、それがいま名のりの上がっている建設省とか警察とか消防とか、そういうものだっていざというときになれば、自衛隊法を発動すればこれは軍事利用にいつでも転化できるという状況は保証されているわけですよ、これはね。 そういうことが、これはわが国の法律でそうなってるわけですから、そういうことだからこそ機構の制度、あるいは機構の仕組みというのは非常に明確にしておかなければならないという点が出てくるわけですよ。もう大臣の命令一つでどっちでも向けられるということになるんですよ。いざという判断という問題はありますよ。いわゆる有事、戦時ということになるんだろうと思いますけれども、そういう場合にはいつでも軍事利用にも活用され得るという条件が保証されているわけですね。その点どうですか、だからこそきちんとせにゃいかぬと言っているんですよ。
○政府委員(平野正雄君) 機構は、先生御承知のように、ただいま御提案申し上げているとおりでございまして、他に委託をいたしまして衛星を打ち上げてこれを管制をいたしまして、そして使えるような状態にしたものをその搭載無線機器を利用いたしまして無線局を開設する者に貸与をする、こういう業務でございますから、先生の御趣旨はわからないではございませんけれども、一般の認可法人と並びの管理体制というものを考えまして郵政大臣及び主として評議会、これが十分な建設的な指導をしていくということによりましてその目的は達成できるものというふうに考えておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 のんびりしておられるんですが、そういう状況が想定をされるし、またわが国の法律でも保証されているということになれば、だからこそ機構の人事の公正あるいは民主化、それから機構法の法律に平和利用の目的に限るという点を明記する必要があるというのはそういうことがあるから言うてるわけです。 最後に、もう時間がありませんので、防衛庁来ていただいておりますね。——先ほどからの論議で出ているように、自衛隊はユーザーに大体なれないというのは局長が御答弁なったんですね。そうしますと、今度できます機構で自衛隊はユーザーになれないということになりますと自衛隊はどうしますか。独自で上げるんですか。
○説明員(伊部元康君) お答えいたします。 防衛庁といたしましては現在のところ、ただいま郵政省でお考えになっております通信衛星のユーザーとなる計画はございません。また独自に衛星を打ち上げる計画も現在のところございません。
○沓脱タケ子君 ユーザーになるという計画はないと。独自に打ち上げるという計画はいまのところないんですか。
○説明員(伊部元康君) いずれもいまのところございません。
○沓脱タケ子君 ところがね、その点はいまの御答弁でいいんだろうとは思うんだけれども、防衛庁の内部では偵察衛星等を持ちたいというようなことでの論議はどうですか。
○説明員(伊部元康君) 同じような御答弁を繰り返すようで申しわけございませんけれども、現在のところは通信衛星、偵察衛星含めまして、防衛庁といたしましては計画をいたしておりません。また、部内におきましてもそのようなことを積極的に検討すべきだと、こういうような意見は私は聞いておりません。
○沓脱タケ子君 これはたまたま「憂鬱なる密閉軍団」という本に出ていたんですがね、これは現在防衛庁の防衛研修所第五研究室長の桃井真という方が言うておられるんですがね。これ対談なんですよ。「日本は、何が一番足りないですか?」と言ったら「やはり情報体制でしょうね。ぼくなら、まず、偵察衛星を持ちたいですね。」と言うておられるんですね。まあ、そういう状況にあるということだけをここでは指摘をして、これは別の機会にまた問題になるであろうと思いますので別の機会に問題にいたしますが、そういうことで、私は人工衛星というのは、同僚委員からもすでにいろいろと指摘をされておりますように、非常に重大な危険性を持つ問題であるだけに、実用化に初めて取り組む機構の運営というのはきわめて慎重であらねばならないと、そう思っているわけです。 で、宇宙開発というのがすでに世界的には大変急速に進んでいると。特にやかましく言っておるというのはなぜかというと、人工衛星の数というのは、すでにこれは一昨年の十二月の北米防衛司令部の発表でも九百二十七個あるというんでしょう。それからもっとふえているでしょう。そのうちの九〇%が米ソのもので、七〇%が軍事衛星だと言われているんですね。軍事的目的を持つ衛星だと言われている。で、通信衛星ができて、通信技術に非常に革命的な変化をもたらしてきているというと同時に、その通信衛星の持つ軍事的な価値はきわめて高くなっているわけですね。 ですから、軍事通信衛星というのは、極言をすればアメリカでは核戦略の神経とさえ言われてきているという重要な問題でございますし、そういうことになってくると、衛星を迎撃をする衛星をまた打ち上げるという準備も進んできている。そうなりますと、宇宙戦争というような問題もこれは遠くない時期に問題にならざるを得ないような状況になってきているわけです。だからこそ平和目的利用という点を明確にし、こういう宇宙戦争の危険をなくするための宇宙条約を本当にそういう危険のないものに改正していくということが全人類的にきわめて重要な問題だと思うわけです。 その一つの問題として、わが国で初めての実用衛星の機構をつくるというわけでございますから、その点は本当に、繰り返しますけれども、運用については慎重を期してもらいたい。特に、通信衛星で公衆通信だけ扱います、扱いますと言いますけれども、たとえばそれが軍事目的に利用される、あるいは相乗りをしているということがわかれば、宇宙戦争になれば攻撃目標にされるということもあり得るわけですよ。ですから、そういう点で、私は繰り返しますけれども、やはりこの機構の運営の大原則として平和利用の目的に限るという点を明確にして運営の慎重を期す、そういう点を重ねて主張したいわけですが、最後に大臣の御見解を伺って質問を終わろうと思います。
○国務大臣(白浜仁吉君) 御指摘の点については、十分慎重に運営するように注意していきたいと思います。
○委員長(赤桐操君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十五分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 —————・————— 午後一時三十七分開会
○委員長(赤桐操君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、通信・放送衛星機構法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○木島則夫君 通信・放送衛星機構の創設というものは、宇宙開発の成果を早期に国民に還元するためにも、また衛星軌道、周波数の効率的な活用という観点からも、これは非常に大切なものでございます。しかし、そのシステムというものは、衛星の直接利用機関ではない第三者機関によって管理、運営をされるものであることから、機構の業務運営が公正であって、しかも効率的に行われなければなりませんし、また衛星の本格的な実用化時代を迎えた今日、その活用方策の確立ということが大変大事な課題でございます。それはこの委員会でもしばしば指摘をされているところでございます。こういった基本理念に立ちまして、私は基本問題と具体的な問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。 まず、法案の第一条を見ますと、機構は通信・放送衛星の追跡、管制と、衛星に乗せた無線設備を宇宙局の免許人に提供すること等を効率的に行わせるために設立をしたものである、こういうふうに言っております。したがって、その設立の形については、公共性ももちろんこれは大事でありますけれど、企業性を重視したたとえばKDDのような特殊会社とすべきではないか、こういう意見もたくさんございます。認可法人としているのはなぜでございますか。簡潔にひとつお答えいただきたい。
○政府委員(平野正雄君) 通信・放送衛星機構の主要な業務は、衛星を利用して通信放送を行おうとする利用機関に対しまして、衛星搭載無線設備を提供することでございます。これは事業経営的な性格を有しております。したがいまして、民間の創意と工夫と協力によりまして一層の発展が期待されますので、民間の発意により民間の事業として行うことが適当であろうというふうに考えております。 一方、機構がその業務を実施するに当たりましては、各利用機関の意見を公正、中立な立場から調整をいたしまして、衛星の効率的な利用を図る上から、国の積極的な指導と助成が必要であろうというふうに考えております。また一般的に、宇宙活動につきましては、宇宙条約によりまして、国以外の機関のたとえ活動でございましても、国が国際的な責任を負うことになっております。さらに、機構には多額の国家資金が投入されますので、投入目的に沿う使用をさせる必要もございます。 このような観点から、通信衛星、放送衛星の実用化に当たりましては、民間と政府とが相協力をして進めることが最も適切であると考える次第でございます。また、機構の通信衛星、放送衛星の利用機関は行政機関、電電公社、NHK等、公共的な機関に当面限られるということから、これら利用機関から機構が徴収をいたします料金につきましては、機構の業務運営が賄える限度とするいわゆる収支相償の経理原則に基づきまして機構の業務運営を行うことが最も適当であろうというふうに考えております。したがいまして、民間の発意により発起、設立及び運営がなされる一方、政府が法律に基づいてその設立を認可し、必要な限度で指導、監督するという形の認可法人とした次第でございます。
○木島則夫君 電波の有効利用を図るというその公共目的を達成するために、その設立は一に限るというふうになっております。しかし、機構の業務として提供をする通信衛星は固定業務のものに限定をしておりますけれど、これは設立目的に照らしまして、機構の業務範囲の定め方が狭過ぎはしないだろうかという意見もあります。私もそう考える。郵政省のお考え、いかがですか。何せ限られた時間でございますからひとつ端的にお答えをいただきたい。
○政府委員(平野正雄君) 機構の業務として提供いたします通信衛星は固定通信業務のものに限定することにいたしております。法案第二条の定義におきまして、通信衛星の範囲として、固定地点間の通信を中継するための人工衛星に限定したわけでございます。これは船舶及び航空機などの移動体との通信を中継するための通信衛星につきましては、わが国におきましてはこれから研究を開始しようとする段階でございまして、実用化の目途及びその時期が明確でございませんために、当面、機構の管理等の対象にはなっていないからでございます。 なお、海事衛星その他の衛星につきましては、その実用化が明確になった段階におきまして、国家的見地から最も効率的な管理体制のあり方について改めて検討をしていく必要があろうというふうに考えております。
○木島則夫君 いま電波監理局長が、海事衛星云々というお話、言及をされておりました。で、私がこれから申し上げたかったのもまさにそういうことを含めてのお話であります。すでに国際的には海事衛星が実用に供されておりまして、わが国でもその研究に着手をされている。で、数年後には開発段階を迎えることがこれはもう確実視されているわけでありますから、今後の推移を見て、まあ移動用の通信衛星についても機構の業務範囲に組み込んだらどうかという実は御質問をしたかったわけでありますが、あなたの方で先取りをされたわけであります。 どうですか。いまと同じ答えだったらもう結構です。やっぱりこれからの推移とか、これからどうなるかわからないから現状ではというお答えではなく、むしろ郵政省としてはやっぱり先のビジョンなり、先行きこうだからこうなるであろうからこうしますよという理念がないと私はまずいと思うんです。いかがですか。
○政府委員(平野正雄君) まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、わが国の宇宙開発は、けさほども科学技術庁の方からお話がございましたように、いわゆる揺籃期をほぼ脱しましていよいよ実用期に入ってきたという段階でございます。とは申しましても、現在の宇宙開発計画の中で実用が明確になりましたのは通信衛星だけでございまして、放送衛星につきましても御承知のように五十八年度以降になるであろうと。私どもは五十八年度を心から希望しておるわけでございますが、そのような状況でございまして、それ以外の衛星につきましてはいまだ実用化のめどが立っていないという段階でございます。 で、実用化のめどが立つまで待つわけにまいりませんので、通信・放送衛星の実用化によって国民にできるだけ早く福祉の向上に役立てたい、こういう趣旨でございまして、今後続々と実用衛星が日本にも出現するだろうと思います。そういった時点にはやはり改めて考え直す時期があってもよかろうではないか、こういうふうに申し上げた次第でございます。
○木島則夫君 それじゃ端的に聞きます。BS2の開発経費はどの程度と見込んでいらっしゃいますか。
○政府委員(平野正雄君) BS2につきましてはまだ宇宙開発計画の中に組み込まれておらないわけでございます。実用化のめどがまだ立っておりません。したがいまして、現在宇宙開発計画の示すところによりまして関係方面と鋭意その詰めをしておる段階でございます。一応現在打ち上がっております実験用の放送衛星をさらにみがきをかけてと申しますか、国産化率を向上して実用衛星に持っていきたいというふうに考えておるわけでございまして、まだ金額等につきましては詰めが終わっておらない段階でございます。
○木島則夫君 それじゃですね、機構の運営経費は衛星の管制料金などで賄うことになろうと思いますけれど、そのめどをどの程度と見ていらっしゃるか。これもちょっと無理でしょうかね。
○政府委員(平野正雄君) 機構の運営経費といたしましては、第一世代の通信衛星を例にとりますと、運営開始後の地上施設の保守運用費及び減価償却費並びに本社の一般管理運営費などを合計したものと相なります。年間所要経費は約十五億円程度になるであろうというふうに試算しておるところでございます。
○木島則夫君 機構が発足しますれば、通信・放送衛星のユーザーは、その機構から宇宙部分の提供を受けることとなります。したがって、機構の業務が公正に、しかも効率的に運営されなければならないことは、これはもう指摘をするまでもないことでございますが、そのためには役員とか運営評議会のメンバー構成などが大きく作用することになってくると思うわけですね。 ところで、郵政大臣は機構の理事長、監事の任命権、さらに理事の任命についてもその認可権を持つものとされているのであるが、まずその役員の任命についてどのような考え方を持っていらっしゃるのか聞きたいわけであります。お役人というのは何というか、理屈とか理論とかを整然とおっしゃることは非常にお上手です。しかし反面、企業性を発揮させるならば私はやっぱり民間人の登用というのか、この趣旨からいいましても、民間の活力を大いに発揮というのですから、こういう希望をまず述べておいて電監局長のお答えをいただきたい。
○政府委員(平野正雄君) 機構は、宇宙における無線通信の普及発達に資するために国の出資を受けて通信衛星、放送衛星の管理、運営を公正かつ効率的に行うことを目的とするものでございます。したがいまして、公正かつ効率的に業務を運営するためには、機構の代表者である理事長、事務の執行状況を監督する監事につきましては、その職務を遂行するにふさわしい識見と経験とを有する人物を任命することが最も必要であろうというふうに考えるわけでございます。また、理事長を補佐する理事につきましては、郵政大臣の認可を受けて、理事長が任命することとと相なりますが、認可に当たりましては、この機構の公正かつ効率的な運営及び理事の職務の重要性を十分に考慮をいたしまして郵政大臣が審査に当たるという必要があろうと思います。 そういった意味から申し上げますと、先ほども申しましたように、日本の宇宙開発はこれから実用期に入ろうという段階でございまして、このような識見と実力を持つ方々というのはまだそれほど多くはないわけでございます。それだけに、よりすぐった人材を大臣が選択をされまして、任命されることに相なろうというふうに考えております。
○木島則夫君 こういうところでまだ具体的になっていない問題をあれこれ申し上げることは差し控えますが、これは郵政大臣、ひとつ伺いたい。 機構の業務の公正化と効率化を図っていくための、つまり担保措置と言っていいと思いますね。どうやってそれを保証するかという基本的な問題です。公共性ももちろん大事。しかし、民間の活力を生かすという企業性も私は重視していただかなければならない。そして、こういう問題をつかさどる、こういう問題を議論できる人は、いま電監局長も言われたように必ずしも多くはありません。ひとつそこのところは厳選に厳選を重ねて、ただ、お役人の天下りという言葉は私はいやな言葉だと思うから使いたくないけれど、いいですか、そういう点、本当に将来展望を持ってやっていただきたい。これは大臣、確認をしておきたいと思うんです。いかがですか。
○国務大臣(白浜仁吉君) ただいま御指摘の点につきましては、先ほどから各委員の方々からもいろいろ御注意、御希望もございましたが、そうした御意見を十分踏まえて、私ども慎重に取り組んでまいりたいと、そのいうふうに考えております。どうもありがとうございました。
○木島則夫君 まあ慎重にというのは大いに結構ですけれども、ひとつこれから情報化時代、宇宙時代をにらんで、勇気を持ってというのを私は一つつけ加えさしていただきたいと思います。よろしいですか、ひとつ。
○国務大臣(白浜仁吉君) はい、ありがとうございました。
○木島則夫君 機構に運営評議会をつくって、この評議会に定款の変更であるとか、毎事業年度の予算あるいは事業計画など、機構の運営に関する重要事項を審議させるものとし、そのメンバーは、民間の出資者と学識経験者から構成するものとしておりますね。そして、郵政当局は、民間の出資者としてさしむき電電公社、NHK、KDDを予定をされている。 しかし、今後その出資を希望する者があればその参加を拒むものではないという御趣旨もきちっと読み取れますが、いわゆる何ていいますかね、こういう言葉を使っていいかどうか、反対のための反対をするために一株でも持てばいいという意味での出資も私は困ると思うし、またその出資者の利益代弁、まる抱え、こういう機関であってもこれは困るという意味で、非常にこれは大事な問題であろうと思います。で、この構成メンバーについてどのような構想をお持ちでございますか。
○政府委員(平野正雄君) 次年度以降の出資メンバーにつきましては、法律上その範囲について特段の制約があるわけではございませんので、原則的には機構がその目的に照らしまして自主的に判断していくべきものと考えますが、この出資行為によりましてそのまま衛星を利用できるわけではございませんので、出資者としてはみずから利用者など、機構の業務に直接、関接に関係のある者に限定するのが望ましいのではないか、そのように存じておるわけでございます。
○木島則夫君 たとえば電電とか、NHKとか、KDDだけに有利な運営をさせてはもちろんいけないわけであります。したがって、その出資者とユーザーというものは、これはもう別個になるわけであります。全体のユーザーの利益を図っていこうとするのでありますから、ひとつ基本的に過ちのないようにお願いを申し上げておきたい。 次に、その機構が通信・放送衛星を一元的に管理、運営をするものであるとはいいながら、だれにそれを使用させるかという実質的な選択権というものは郵政大臣の免許権にかかってまいります。こういったことから、郵政当局がどのような免許方針をとるのかという点、注目されるわけです。CS2についてはすでに利用目的も明らかになっているようでございますが、それ以後に打ち上げられる通信衛星をどのような機関に利用させることになるのか、その構想をできれば具体的に伺いたいのであります。 これまでのお話では、第一段階としては、電電のほかに消防、警察、建設省を優先的に利用させたいと、こういうふうにお答えがございました。で、第二段階としてはどういうものに利用させていくのか。これから経費がだんだんだんだん安くなれば、これは相当私は利用者もふえてくるだろうと思うし、将来のこういう利用計画とも、利用の増進というか、増幅ということも考えて必ずこういう問題が出てくると思います。いかがでございますか。
○政府委員(平野正雄君) 五十七年度に打ち上げます通信衛星第二号は、人命及び財産の保護のために必要なきわめて公共性の強い通信、あるいは地上系では設定が困難な離島及び辺地等との公衆通信のために利用するということにいたしておりますので、利用機関といたしましては、まだ詰め切ったわけではございませんけれども、警察庁、建設省、消防庁、電電公社等になるかというふうに考えております。 それ以降のユーザーにつきましては、実はこの限りある周波数をどのように使っていこうかということで、地上局の開設の根本基準というのがございまして、その中で、電電公社との対比におきまして、公衆回線の貸与が可能でございましても、法律その他によりまして国民の福祉の向上、人命、財貨の保全等に役に立つ、そういう業務のものに優先して免許をしていうという考え方が、多分ここ数年来の間に電電公社の電話回線がここまで復興をし、また一方、日本のそういった面が画期的に伸びてきた一つの原因ではないかというふうに自負をしておるわけですが、その中に実はこの警察庁、建設省、消防庁というのがございまして、これがいわば全国回線を地上系でも持っておるわけです。 このほかにたとえば電力事業でございますね。これは従来国の基幹産業ということでございますし、最近に至りましても電力の広域需給というような関係で全国回線を持っておるわけでございますが、このような事業者が今後なおかつ衛星まで持つ必要があるかどうかというような点につきまして今後郵政省といたしましても真剣に詰めていく必要があるのではないか。もちろん郵政省が考えましても、事業者側でその気がなければどうにもならないわけでございますけれども、一種の通信政策というような立場から将来を目途しながら詰めていく必要があるんじゃないか、こういうふうに存じております。
○木島則夫君 これは決して遠い将来の問題ではありませんからね、こういうのは本当に先回りをしてどんどんどんどん詰めをしていっていただきたいと思うわけでございます。 さて、民間放送関係者は、さしむき番組の中継用として衛星の活用を考えていると聞くわけでございますが、こういった利用方法は通信衛星の利用と考えられることになると思われます。この場合、仮に民間放送連盟が、民放連が会員に番組の素材を提供するものとして、機構の宇宙部分の提供を受ける道があるのかどうか。もうちょっと平ったく具体的に言ってしまうと、これさえできなければ民放のメリットは何にもないよと、こうなっちゃうんじゃないかと思います。いかかでしょうか。
○政府委員(平野正雄君) たびたび申し上げておりますように、この民間放送事業者が将来の通信衛星を使用いたしました公衆通信回線を利用して番組中継を行うことは、これは実はその地上における電電公社の公衆通信回線を利用して番組中継を行うことと同様、可能であるというふうに考えるわけでございますが、けさほども電電公社の方から話がございましたように、電電公社は地上系におきましては現在ケーブル系と、それからマイクロ系と、これを二ルート化して、場所によりましてはループ化いたしまして、災害対策等を考えてきておる。そうして、ある地点からある対地までの回線につきましては、有線か無線かを問わずいわゆる提供するという立場をとってきております。 これに、このたび通信衛星によりまして宇宙回線がプラスされる、こういうことに相なるわけでございまして、将来、より大容量の衛星によりまして高速データ通信でございますとか、あるいは画像通信でございますとか、そういう衛星に相当大きく依存するような時代が来るまでの間は、これはやはり三ルート化と申しますか、いずれかをもって期待にこたえていく。そして、いずれかが災害で、あるいは故障で不通になりました場合には他のルートに自動的に切りかわる、そういう従来の道をここしばらくはたどっていくんではなかろうかと、そのように存じておる次第でございます。
○木島則夫君 そうしますと、もう少しわかりやすく言っていただきたいんですが、仮に民放連が会員に番組素材を提供するものとして、機構の宇宙部分の提供を受ける道があるわけですね、そうすると。
○政府委員(平野正雄君) 現在のところは、全国的な番組伝送回線は民放、まあNHKにつきましても電電公社の回線に依存しております。で、その電電公社の回線もいわゆるマイクロ回線に依存をしておるわけでございます。したがいまして、今度宇宙回線ができたからといって宇宙一辺倒になるとは思えないんですね。宇宙回線と地上のマイクロ回線が両々相まって、いわゆる公社側からいえば最も適当な回線を提供していく、こういうことになろうかと思っております。
○木島則夫君 なかなかその辺微妙ですね。 次に、衛星放送の実施に当たっては、それが国内向けのものであっても、これは国連の平和利用委員会で検討されている「衛星による直接テレビジョン放送を律する原則案」によりますと、これはもう当然スピルオーバーが問題になってくる。これは現状ではこういう問題の検討がどうなっているのか。わが国ではどのような方針で臨んでいくのか。これはもう民間放送とも大きな関係がありますから、ここのとこら辺は基本的にひとつはっきり聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) 衛星によりまして直接テレビジョン放送を行う場合につきまして、これを律する原則的な案は国連宇宙空間平和利用委員会の法律小委員会で作成作業が続けられておりますけれども、国内向け放送を行うときに近隣国に電波が漏れ出る、いわゆる先生御指摘のスピルオーバーにつきましても、参加国の間にいまだに意見の対立がございます。 東欧圏の国は、スピルオーバーが発生する場合は、国内向け放送を行う場合も近隣国との間で協議すべきであるという主張をいたしております。これに対しましていわゆる西側諸国は、スピルオーバーについて電波監理の必要性に基づく調整が必要となる場合はあるとしても、国内向け放送について国相互間の協議は必要ではないという主張をしておるわけでございます。 ことしの三月から四月にかけまして開催をされました同法律小委員会におきましても、このスピルオーバーの問題は盛んに議論はされましたけれども、実質的な進展はまだ見られないという状況でございます。 で、わが国は、国内向け放送のスピルオーバーに関しましては、その電波の強さが国際電気通信条約で定める限界内にとどまる限りにおきましては協議の対象とすべきではないという立場をとっております。
○木島則夫君 少し先、具体的な問題に私触れたいものですから、そういういまスピルオーバーの問題も国が電波の責任を持つ立場をとるならば、やはり放送検閲という、そういう問題にも引っかかってくるんじゃなかろうかとか、表現の自由の問題をどうするのかと、二律背反的な問題もたくさん出ているわけですね。そういうことについて一つ一つ具体的にいまここでは論議をいたしません。 さて、その放送衛星については、NHKの難視解消に利用するものとしておりますけれど、この開発経費を通信衛星とほぼ同額と見てもかなり割り高のものになると思われますし、また視聴者が集団受信方式をとるにいたしましても、通常のテレビ受信機のほか五万ないし十万程度の過重負担をしなきゃならないということになるようでございます。したがって、その放送衛星の活用に当たっては受信機の低廉化対策の推進、これはもう当然だろうと思います。さらに、その衛星の開発経費についても、国として何らかの助成施策が必要じゃないんだろうかと思われますけれど、まず基本的な郵政省の考え方を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) NHKは御承知のように、全国あまねく普及させることが要請されておるわけでございまして、そのテレビジョン放送の難視聴解消のために努力をしてまいっておりますが、今後におきましては、対象地域が散在をいたしまして、かつ遠隔化してまいりますために、解消のためには経済効率が逐年低下傾向にございます。地上施設による方式では、実用の放送衛星の打ち上げが検討されております昭和五十八年度をながめてみましても、約四十数万の難視聴区域が残存をいたします。これは先ほどNHKの高橋理事が申したとおりでございます。 これを解消するためには多額の経費と相当の年月を要することは間違いのないところでございます。ちなみにNHKの試算によりますと、この四十数万の難視聴世帯を救済するためには約一千億円ぐらいの経費がかかるんではないか、こういうふうに言われております。 一方、放送衛星を利用することにいたしますと、全国の難視聴地域を一挙に解消することができるわけでして、地上施設によりましては実現困難な、先ほどお話も出ておりましたような小笠原などの離島や遠隔地へのサービスが可能になるというような利点を有しております。したがいまして、郵政省といたしましては、難視聴解消に放送衛星を利用することが有効であるというふうに考えておりまして、この放送衛星の実用化を鋭意推進をしておるところでございます。 しかしながら、先生御指摘のように、衛星開発に要する経費が多額になることや、受信者の費用負担の問題などもございますので、受信機の低廉化の促進を図りながら、また衛星の開発、打ち上げ経費の低減化及びこれらの経費のユーザー負担額につきましては、今後関係機関と協議をしながら進めてまいりたいと、そのように存じておるところでございます。
○木島則夫君 さてそこで、こういう問題については非常に技術的な、また科学技術的な専門的知識を要するわけでございます。そこで、郵政省に将来展望を教えていただきたいんでありますけれど、私は大変素朴な質問をいたします。 いまの難視解消です。辺地の難視解消対象戸数、世帯というものが約四十万世帯あるということですね。こういうものを衛星によってカバーする、これは大いに結構です。そのために受信機の改善なり過重負担があるということも私はよく承知をしております。しかし、こういう難視解消対策だけで一体受信機の低廉化というものが期待できるんでしょうか。たった四十万という言い方は慎みたいと思います。これはどうでしょうか、できますか。
○政府委員(平野正雄君) 受信機の低廉化の問題につきましては、すでに先生御承知のように、NHKの技術研究所で開発をいたしました受信系と申しますか、アダプター及びパラボラアンテナでございますけれども、これが諸外国に非常に高く評価をされておりまして、アメリカあるいはカナダにおける衛星放送の実験にも活用されたということは御承知のとおりでございます。いずれ諸外国におきましても同じような方式の採用というものがわれわれ期待されるというふうに考えております。 また一方、当初NHKが開発いたしました受信システムでございますけれども、その後打ち抜き方式が可能であるような、非常に量産及び低廉化に適するような構造になってまいっておりまして、今後さらにこれが実用化に向けて拍車がかかるんではないかと、こういうふうに存じております。 また同じような、放送衛星と同じ十二ギガヘルツ帯を使いましたいわゆる都市難視対策用のSHF放送局と申しますか、これが最近先生御承知のように、板橋地区でございましたかで実用化される、こういったものがだんだんふえてくることも期待されるわけでございます。 また一方、先ほども申し上げましたように、将来はNHKの難視対策のみならず、やはり放送大学にも利用される道が開かれるかもしれない。そういうことを思い合わせますと、技術的あるいは工業的にローコスト化できる道、そういったものをこれからどんどんどんどん進めていくと同時に、衛星放送の実用化に向けて努力していくことが先生おっしゃる低廉化につながるのではないか、そういうふうに存じております。
○木島則夫君 非常に具体的に伺います。 まず難視解消でしょう。放送衛星がまず難視解消のために役立つ。それから、いま電波監理局長がおっしゃったように、将来は教育放送にも向けていくんだと言う。さて、その次はということになるわけですよ。そうじゃないと受信機の低廉化もへったくれも、経済性もないわけです。そういうふうになってまいりますと、これは私一人の危惧かもしれないけれど、確かにNHKというものは全国ネットでありますからこれは全国をカバーする、難視も、都市難視も解消されるかもしれない。 しかし、ローカル放送をここでどういうふうに組んでいくのかという技術的な問題、民放はこれに対してどういう考え方を持つのか。民放は地域、県域放送が中心であります。したがって、悪いけれど、衛星の全国ネット放送なんてやられたら、地方のスポンサーはもう大むくれにむくれて、地方の放送局は全部成り立っていかないということでしょう。そうですね。 そして、全国的に将来NHKがこういうものを採用したときに、じゃ、ローカルの部分をどうやって技術的に放送をしていくか、これはまことに素人考えで恐縮でありますけれど、十二ギガ帯八チャンネルありますね。NHKが二つ、教育が一つ、あと五つある。利用価値があるから、これはもう虎視たんたんとしてこういうものをアプローチをするというのは当然だろうと思うんです。 大変素人考えですけれど、全国ネットの場合に、ローカルを組むために一チャンネルをローカル放送専用として放送して、というようなことで、受信機の側で、家庭の中でスイッチを、チャンネルをひねればローカル放送が出るというやり方だってできないことはないというのが私の素人考えなんです。 ですからこういう問題を、まず難視解消四十万世帯あるいは都市の難視解消をいわゆる優先的にやりましょう。次に、いわゆる教育放送にこれを普及をしていったらいい。これはもう当然考えられる。それからNHKの衛星方式による全国ネットワーク。さてそこで、ローカル放送、民放との関係、そして、それを受けるための受信機の改善には相当の費用がかかる。それが低廉化していかなければ、そんな高いお金でもってネットワークされたって私は払いませんよと言って、いまの受信料制度に影響が来やしないか、こういうことを考えるのは危惧でしょうか。 郵政大臣、私が言っているのは大変素人っぽく言っていますから、大臣も御理解いただけると思うんでありますけれど、いかがでございますか。
○国務大臣(白浜仁吉君) いや、わかりませんね …………………………………
○国務大臣(白浜仁吉君) いや、わかりませんね
○木島則夫君 そういうことに何かなっていく危険性なり、危惧というものが私の中にあるわけですよ。つまり、大いに発展をしていく反面で、とてもとてもいままでの制度、いままでの法、いままでの体制の中では律し切れないものがどんどんどんどん出てきてしまう。それをどうやってカバーしていったらいいのかというのが、この通信・放送衛星機構法案を審議している木島則夫の将来の中で何か大変こう複雑に揺れ動いているわけであります。電監局長、ちょっと整理していただけませんか、この辺を。批判してください、遠慮なく。
○政府委員(平野正雄君) まずおわびを申し上げたいんでございますが、先ほど板橋と申し上げましたが、足立区の誤ちでございますのでおわび申し上げます。 先生の大構想を整理できるあれではございませんけれども、若干先生のお考え方を私なりに補足をいたしまして申し上げますと、受信機の低廉化というのは、今後衛星放送をやるに当たりまして最も重要な問題の一つであろうと、こういうふうに存じます。そのためには、先ほど来なかなか口には出せなかったわけでございますけれども、受信機の低廉化を図りますためには、受信機自体の生産コストの低下だけではなくて、受信者負担の肩がわりを何らかの形で国ができないかどうかというような問題もあろうかと思いますし、また受信機の生産コストを低下させますためには、受信機製造技術の高度化はもちろんでございますが、受信機の需要喚起による大量生産方式の採用というようなことも必要だろうと思います。 またそのためには、カラーテレビが出ましたときに採用されましたような免税措置の実施というようなことが将来考えられないだろうかどうか、こういったこともやはり施策にする必要があるんではなかろうか。さらには、先ほど申しましたように、ただ外国が採用するのを待つだけではなくて、少し手を握って各国とできるだけ軌を一にしていく、協力関係をつくり上げるというようなことも、もし規格の統一等ができるならば可能性が出てくるんではなかろうか、こういう気がするわけでございます。 それから八チャンネルの使い方というのは、それは非常にむずかしい命題でございまして、NHKが難視対策用に二チャンネル使う、こういうことになりますと、あと六チャンネル残るわけでございまして、放送大学が始まれば放送大学に使う。そうするとあとの五チャンネルを先ほど先生がおっしゃいましたようにローカルのニュースという考え方もありましようけれども、民放のローカル番組用のいわゆるテレビに使っていく、こういう構想もあり得ていいんじゃなかろうかというような気がするわけでございます。 これは八チャンネルをフルに使いまして、日本の民放が、地域密着性を非常にいま強調されておる、その地域を経営基盤にする、あるいは番組基盤にするということが必要でございますが、そういった地域、地域に対しまして、いわゆる衛星から番組を降らしていくという道は非常に遠いと思います。 その道につながるものといたしましては、現在アメリカにおきまして、アメリカは御承知のように非常に広大な国でございます。したがいまして、時間差等も考慮をいたしながら、できるだけひとつスポットビームで、いわゆるビームをしぼりまして、そして放送ができないか、あるいは伝送ができないかというような努力を従来からしてきておるわけでございます。また一方、国際的にも周波数を交互、交互に使っていこうじゃないか、そして周波数の効率的な利用に適した道を開いていこうというようなことで、現在もうすでに実用化されているような場所もあるわけでございます。これの延長線に多分そういう技術開発というものがあるだろうと思います。 ヨーロッパにおきましては国と国とが——日本の県と県ではなくって国と国とが隣接をしておる。しからば、そういったところにできるだけ少ないチャンネル数でもってそれぞれの電波を降らしていこう、こういうことになりますと、やはり各国がある程度目標を一にして、技術的な協力もしながら検討を進めていけば、いまのところいつごろできるという目算はございませんけれども、こういう進歩の激しい時代でございますから、案外新しいアイデアも出てくるんではなかろうか、そういうふうなことも考えまして、余り急いで八チャンネルを使ってしまうことはかえって悔いを残すことになりはしないか、これはやはり相当考えませんと既存の放送秩序に及ぼす影響が余りにも大きゅうございますので、慎重なだけではなくって、勇気を持てとさっき先生おっしゃいましたけれども、そういうつもりでやっていく必要があるんではなかろうかと存じております。
○木島則夫君 きょうは電監局長、非常に具体的で結構ですよ、本当に。そうじゃなきゃこの放送衛星機構法案、これやっぱり審議する意味がぼくはないと思うんです。つまり、何のために機構をつくるのかということですから、方法論でしょう、これ、言ってみれば。だから、将来のやっぱり放送のあるべき展望、姿というものがそこに打ち出されなければ幾ら議論をしてもだめなわけですね。たとえは悪いかもしれないけれど、消防車が長いはしごを上げちゃった、しかし、火事はどっかわからないというんじゃこれはしようがないわけです。たとえは大変悪い。 いまのお話を素人なりに私が伺っておりますと、まず難視解消、これははっきりしている。次いで教育放送にこれを当てるんだということもはっきりしてきた。将来NHKのいわゆる衛星によるネットワークということもやられる可能性がある。NHKの理事のお話を聞いても難視解消だけでなく辺地共聴もやめていくんだというようなニュアンスのお話がさっきあった折でございますから、これは当然全国を衛星方式でカバーをしていくという考え方をやっぱりほのめかされたんではないかと思う。 そして、いま電監局長、なかなか示唆に富んだお話をされたんだけれど、ヨーロッパにおいては近隣の近寄った国々が技術提携をしながら何かそこに協力をしているということを、私なんかすぐに短絡して考えるものですから、多過ぎる民放の放送を少し整理でもするんじゃないかななんていうふうに短絡をして、そんなことはないんですよ、ないんだけれど、そこら辺の意味はちょっともう具体的に聞かしていただくとどうなりますか。あと三分しかないんで、その辺、もうちょっと突っ込んで聞かしてくださいませんか。
○政府委員(平野正雄君) こういう考え方がなくもないという表現で先ほども申し上げたわけでございますけれども、NHKが孜々営々として辺地難視対策を進めていったときに、やはり民放も見たいんだというような声があったといいますか、あるという話を聞いたわけでございます。 そういった意味からいたしますと、NHKは全国あまねくということで放送衛星まで使っていろいろ努力をされているという場合に、やはり民放も見たいんだという辺地の方々の要望を地上方式でやっていこうとすると、相当なやはりNHKが四十万で約千億余り、こういうふうに試算をしておるわけでございます。多分それ以上かかるであろうということを考えますと、そういうローカル用のニュースだとか、番組をいわゆるタイムシェアリングで入れていくような工夫があり得るのか、あり得ないのか。その辺は民放の方々の今後のお考え方にかかるのではなかろうか、そういうふうに存ずるわけでございます。 大変大きな問題でございますから、そうあるべきだとかあるべきでないとかということではなしに、やはりこういう時代でございますから、一度お考えいただいたらいかがであろうかということだけ申し上げておきたいと思います。
○木島則夫君 最後に、私要望さしていただきたいと思う。 通信・放送衛星機構法案というのはそれが、そのものが目的じゃないんですよ。これから通信・放送衛星を打ち上げる、それを効率的に、そして、しかも企業的にも採算の合うように一元化していこう、こういうものですね。その先にもう一つ大目的があるわけですよ。ですから、それを前提にしなければ私は本当はいけないと思います。ですから、私はしつこくきょう伺ったわけであります。非常にきょう具体的にお答えになっていただきましたので、こういういい例をこの次の委員会にどんどん伸ばしていただいて、いや本当ですよ、電監局長。そうでないと、この機構法案そのものが目的じゃないと私は思う、はっきり言って。そうでしょう。 だから私は、そういう意味でもう一つ大前提になるものがあってそのための機構法案なんだ。そういうことを私はしつこく申し上げてまいりましたので、どうかそのことを踏まえて、これがいいんだとか、これが本当のあるべき姿なんだということを、こんな短い四十分や五十分の時間の中ではとても私は摘出することも決定することもできない。これはもう局長と同意見でございます。この問題、ひとつ一緒になって検討さしていただきたいという意味で御提案を申し上げ、素人の危惧とか疑問とか、将来どうなるんだろうかなあなんという期待と不安を込めながらいまお話しを申し上げたわけでございます。 ひとつ白浜郵政大臣も事の重大性にかんがみまして、前向きに慎重に、もう一つ勇気を持って御検討をいただきたい。このことを御要望を申し上げて私の質問を終わりたいと思います。 失礼いたしました。
○委員長(赤桐操君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。 別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 通信・放送衛星機構法案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤桐操君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 案納君から発言を求められておりますので、これを許します。案納君。
○案納勝君 私は、ただいま可決されました通信・放送衛星機構法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。 まず、案文を朗読いたします。 通信・放送衛星機構法案に対する附帯決議(案) 政府は本法の施行にあたり、次の各項の実施に努めるべきである。 一、わが国における宇宙の開発および利用の基本理念をふまえ、本機構は平和利用の目的に限り業務の運営に当ること。 一、本機構設立の趣旨にかんがみ、機構が公正かつ効率的に運営されるよう留意するとともに今後機構の業務の拡大について検討すること。 一、通信・放送衛星の実用化を促進するため積極的な助成措置を講じ、国民の福祉の増進に資すること。 右決議する。 以上でありますが、この決議案は、本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて説明するまでもないと存じますので省略さしていただきます。 何とぞ御賛同いただきますようお願いをいたします。
○委員長(赤桐操君) ただいま案納君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤桐操君) 全会一致と認めます。よって、案納君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、白浜郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。白浜郵政大臣。
○国務大臣(白浜仁吉君) ただいま通信・放送衛星機構法案を御可決下さいまして、まことにありがとうございました。 本委員会におかれまして大変御熱心に御審議をいただき、また、多くの貴重な御意見を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。 本法成立の暁には、この法案に対し附帯決議とされました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして今後の運用に万全を期してまいる所存でございます。今後とも一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 どうもありがとうございました。
○委員長(赤桐操君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(赤桐操君) 次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案及び郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。白浜郵政大臣。
○国務大臣(白浜仁吉君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。 この法律案は、郵便貯金の預金者貸し付けの限度額を引き上げることを内容とするものであります。 郵便貯金の預金者貸し付けは、預金者の生活上の必要を満たすため、定額郵便貯金等の預金者に対してその貯金を担保として貸し付けを行うものでありまして、その限度額は、現在一人につき五十万円でありますが、預金者の利益の増進を図るため、これを七十万円に引き上げようとするものであります。 なお、この法律の施行期日は、公布の日といたしております。 以上、この法律案の提案理由について御説明申し上げました。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。 次いで、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 この法律案は、現在、法律により定められております郵便切手類及び印紙の売りさばき手数料の額を、省令により定めることに改めようとするものであります。 郵便切手類及び印紙の売りさばき手数料の額は、昭和二十四年に郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律が制定されて以来、この法律により定められ、今日に至っております。 売りさばき手数料の額につきましては、国等が委託しております類似の事務の手数料の額が、現在、省令などで定められていることをも考慮し、社会的経済的諸情勢の推移等を勘案して、弾力的に改定することができるようにするため、今回これを省令で定めることに改めようとするものであります。 なお、この法律の施行期日は、昭和五十五年一月一日といたしております。 以上が、この法律案の提案理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、速かやに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(赤桐操君) 以上で、両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより両案の質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○案納勝君 それでは、私は両案につきまして質疑をいたしますが、提案理由の説明と逆に、まず最初に郵便法の関係について質問をいたします。 いまも提案理由で説明をされましたように、戦前は売りさばき手数料は省令によって定められている。それが戦後立法化をされました。それで今日に至っているわけであります。この立法化をされた理由をどのようにお考えになりますか。要するに、この当時、戦前の手数料を省令から立法化されたときの事情というものをどのように御理解になっているか。そして、今回再び省令に委任をするということになりましたが、これらの理由についてどのような情勢の変化があってこう変えるのか。その辺をひとつ。
○政府委員(江上貞利君) ただいま御指摘のように、現在の郵便法が制定をされましたのは昭和二十二年でございまして、郵便切手類売りさばき業務を委託する場合には、同法におきまして、法律に定める売りさばき人においてこれを売りさばくこととされたわけでございます。郵便切手類売りさばき所及び印紙売りさばき所に関する法律がこれによって制定を昭和二十四年にされました。 これによりまして成立した本法は、それまで国の許可によることとなっておりました売りさばき人の制度を国の委託契約によることに改めました。同時に、売りさばき人の選定に公募制を取り入れるということなどの改正をいたしたわけでございます。その際、買い受けの際の条件も法律でできるだけ明示をしていた方がいいだろうという考え方で手数料も法定化されたというふうに存じております。で、法律に明示をするということは、確かに買い受けの際の条件を明らかにする一つの方法ではございますが、その際、社会経済的な変化に対応して弾力的に定めていくという配慮につきましては、今日私どもが残されております各種の文書を見ましても余り考慮をされていなかったようでございます。 そこで、今日各種の手数料が定められるに当たりまして国が支払うものにつきましては、おおむね省令あるいは告示といったたぐいのものが多うございます。これらはいずれも社会的な、あるいはまた経済的な条件の変化に対応しやすいといったことがその理由であろうかというふうに存ずるわけでございますが、この法律案もまたそれに対応いたしまして、当委員会においてもかつて御論議をちょうだいしたわけでございますが、今回手数料の定め方につきましては、省令に委任をさせていただきたいということで御審議をお願いしたわけでございます。
○案納勝君 そこで、その点についてまた後ほどちょっと触れることにいたしまして次に進みますが、本年度の予算に郵政省は、予算上売りさばき手数料の引き上げを計上をしているようですが、その予算上に計上されている引き上げ内容というものはどういうものですか。
○政府委員(江上貞利君) 昭和五十四年度におきましては、引き上げの額が約二億五千四百万円でございます。ただし、これは一月一日を予定をしておりますので、平年度に換算いたしますと約十億一千七百万円ということになります。
○案納勝君 そこで、今回の手数料の引き上げ率は全体で何%になりますか。
○政府委員(江上貞利君) おおむね六・四%を予定をいたしております。
○案納勝君 そこで、過去の引き上げ率を見てみますと、四十六年の一月の改定が七・三%、四十九年の一月改定が八・二%、前回、五十二年の一月の改定が石油ショックの関係もあって二〇%、今回が六・四%ということになっておる。これらの引き上げについてどのような算出基準に基づいて手数料の改定というのは実施されておるんですか、この点を。
○政府委員(江上貞利君) 算出の根拠についてのお尋ねでございますが、具体的な手数料率につきましては、買い受け月額の各段階別にそれぞれ切手類を買い受けるための資金に対する金利、郵便局に切手類を買い受けに行く手数及び売りさばきに要する手数等の人件費保管をしております切手類に対する危険負担の費用、あるいはまた売りさばきに要する各種の経費に基づきまして決定をいたしたわけでございます。 なお、過去のアップに対しまして数の上での比較ということでございますが、手数料全体をマクロ的に見ました場合には、前回の手数料改定後今日までの間におきまして、手数料算出の主たる要素でありますところの人件費が一般的に二〇%程度上がっているわけでございます。ただ、一方この間、印紙税法の改定などによりまして売りさばき人の手数料も増加してきておりまして、それがおよそ一四%程度というふうに見込まれております。したがいまして、この二つの要素を勘案いたしまして、およそ六%程度改定の要が認められるというふうに存じてこのような算出をいたしたわけでございます。
○案納勝君 そうすると、毎月月受けの月額、資金の金利、売りさばき手数料あるいは経費、人件費、危険負担、こういうものを勘案してということでありますが、この基準は一定の点数制なり、何らかの基準が省の中で政令で出す場合に確立をされることになるんですか。それとも、それらの手数料やそれらは、それぞれのそのときの事情によって恣意的にと言ったら語弊がありますが、決められて、その手数料の引き上げが行われる形になるのか、その基準というのはどこに基準を求めているんですか。 この具体的な中身について、たとえば要員配置でも点数で計算しますが、こういう具体的なきちっとした基準がないままに、そのときの情勢で、手づかみみたいな形でこれが決められるということについては大変危惧を持ちますが、この辺、いかがですか。
○政府委員(江上貞利君) 具体的に申し上げますと、物価でございますとか、賃金あるいは金利等の動向といったようなもの、さらには切手類や印紙の需要動向、さらにこれらが利用されます諸制度の動向、また他の国等が委託しております類似の事務の手数料の動向といったものを具体的にその都度勘案をいたしまして、一定期間を置きまして新しい手数料の見直しを行っているわけでございまして、決してその都度手づかみでというような算出をいたしておるわけではございません。
○案納勝君 たとえば、物価が五%上がったから、年金みたいにその改定をするとかいう基準はないわけですね。いま言う答弁でしたら、その都度判断をする、その都度判断の基準は変わっていくというふうに受け取っていいですか。
○政府委員(江上貞利君) ただいま申し上げましたような各項目の異動につきましてその都度変えておるわけではもちろんございませんで、ただその判断の基礎となりますところの数字につきましては、二年なり三年なりという期間にそれぞれ数字が変わってまいりますので、その都度適正な算出をやり直してみるということでございまして、算出要素そのものが変わるということではございません。
○案納勝君 それじゃあ、ここでその算出の要素になる要素の部分について、たとえばいま言うように資金の金利、売りさばき手数料をどのぐらい見ているか、今回の六・四%の引き上げに伴うこれらについて資料として出していただけますか。
○政府委員(江上貞利君) ただいま手元に持っておりませんのでL3。
○案納勝君 後からでいいです。
○政府委員(江上貞利君) 後からでよろしければ、後でお届けいたしたいと思います。
○案納勝君 じゃ、次の質問に移りますが、いま何点か質問いたしましたように、今後省令の改正によって手数料の改定が行われることになるわけでありますが、そのときの政府の大臣といいますか、あるいは政府全体の意向、ここまではと思いますが、意向や政治的圧力あるいは政治的手段、たとえば選挙の前になって唐突として大臣の意思が動き、政治的な意思が動いて手数料が勝手に操作をされる、こういうことがあっては私はならない。 今度は法定化が外されるわけですから、省令としても自由に時期を選んで、その幅はきわめて弾力的になるわけですね。したがいまして、いまも答弁をされ、質問をしましたが、その手数料引き上げの時期についても、額についても、実は省令に任せられるということは、一定の基準その他はそのときのその都度判断をしていける、きわめて政治的な関係というものが動きやすいという実は危惧を持つんです。 こういうことあってはなりませんから、今後どのような基準により、どのような姿勢でこの手数料の改定を実施をしていくのか、今後の方針がきちんと、私はこの際当委員会でも明らかにされてなくちゃならぬと思うんです。大臣、いかがですか。
○国務大臣(白浜仁吉君) いま案納委員から御指摘もございましたけれども、そのときそのときの情勢次第でというその身勝手なことは、だれが郵政大臣になろうともあり得ないと私はそう思います。 皆様方がいろいろと十分監視をしておられることでございますし、また事実、国民の皆様方が利用される問題でありますから、そこの売りさばき人なり何なりの収入の面をその他も十分考慮して、そうして適宜これは衆知を集めてとり行うということになろうと思いますので、御心配されるようなことは万々ないと思いますが、どういう基準でお前やるのかと申されますと、先ほど局長からもお話ししておりましたとおりのそうした諸条件を勘案して、十分良識的に取り図らうつもりでございますので、なお御理解いただきたいと思います。
○案納勝君 大臣ね、あってはならない、やってはならないということが往々にしてあるわけですね。私はきょうは議事に協力をしておりますが、本当ならば大臣に郵政将来にかけてという問題の労使問題も少し言いたいですよ。その中で、この間も大臣に言ったように、あってはならぬ、やってはならないことが一つの種になる。で、それは私も現場知ってますからあれですが、それをすぐ引き伸ばしてこれに当てはめようとは考えません。 ただ、ここで先ほどから言っているように、大臣の気持ちはわからぬでもありません。しかし、金に関することで、しかもこれが、私は法定化を外すことについてはそういう反対ではないんです、この種の問題。しかし、一定の基準というものをはっきりさせておかなければ——その基準の運用や基準の適用の問題はこれはしようがありましょうが、私はならないと思います。これは大臣の気持ちはわかるとしても、政治的な手段が介入しないとは言い切れない余地がある。 この辺を私ども心配して指摘をしているんですが、郵務局長、どうですか。そこらあたりについてひとつきちんと。私、大臣の姿勢はわかりました。基準をどうするのか、あるいは今後の考え方、方針というのを明らかにしてもらいたい。
○政府委員(江上貞利君) 売りさばき手数料の額につきましては従来から、先ほども申し上げましたように、社会的経済的な諸情勢の推移等を勘案いたしまして、売りさばきに要する手数に見合う額となるように改定をしてきておりますし、今後もそのような考え方で改定をしていくつもりでおります。 ただ、手数料でございますので、社会経済の動向に見合うと申し上げましても、一定の上限の率はこれはもうおのずからにあろうかと存じます。たとえて申し上げますと、現在五千円以下の売りさばきの場合につきましては手数料が二割となる、他と比べましてもかなり高額なものとなっておりますので、横並びで申し上げますと、これをそうまた改めていくということにはなかなかむずかしい面もあろうかと思いますが、もとになりますところの切手類や印紙の需要動向等の動向もございますので、その意味ではまた売りさばき人の方々の手数料そのものがカバーされる向きもあろうかと思うわけでございます。 そこで、具体的には先ほど申し上げましたような諸基準に基づいて改定をいたしたいというふうに存じておりますので、御懸念のようなことは万々ないように私どもといたしましては今後とも心がけていきたいというふうに存じているわけでございます。
○案納勝君 そこでもう一回、再度お聞きします。この手数料改定については省令に任せられることになりますが、これは当然郵政審議会にかける、こういうことになるんですね。そのように理解をしてよろしゅうございますか。郵政審議会にもかけずに省令でやるということにはならぬと思いますけれども、この辺いかがですか。
○政府委員(江上貞利君) 御指摘のように、郵政審議会は郵政大臣の諮問に応じまして郵政事業等に関する重要な事項を調査審議する機関でございますので、多数の売りさばき人の利益に関する手数料を改定する際には、同審議会にお諮りをするということも考えられないわけではないというふうに存じます。 ただ一方、売りさばき手数料につきましては、直接的には国民あるいは利用者一般の利害に結びつくものではございませんで、むしろその他の、たとえば集配請負人といったような方々の請負料と同じような性格のものでございますので、予算の整合性を図っていきます中で、人件費あるいは物件費などの動向を勘案して決まっていくという性格が強いかというふうに存ずるわけでございます。したがいまして、手数料の改定等につきましてはこのような過程の、プロセスの中で決定をしていきたいというふうに現在は考えておりまして、ただいまのところ郵政審議会にお諮りすることは予定をいたしていないわけでございます。
○案納勝君 私はちょっとそれじゃ納得できないんです。 いずれにしても、先ほど戦後法定化をされた理由、局長からの説明もありましたが、あわせて法定化をされた理由というのは、それなりにやはり切手売りさばき手数料についての法定化をせざるを得ない当時の事情もあったことは間違いない。あるいは法定化することに、弾力性かけたことも今日の省令に変えるに当たっての理由の一つであることもまた私も否定はしませんが、少なくとも切手売りさばきというのは、切手は郵政省全体の中の収入の中心になるものですね。 そうなりますと、この取り扱いの手数料についても、私は物件費やその他の人件費等の動きを見て、しかもその算出基準はその都度検討をして、しかも時期については先ほどの答弁ではありませんが、はっきりした基準もない、こうなってきますと全く恣意的に省令によって改正をされる、あるいは改正しない、こういうことが、今回法定化を外すに当たって、そこまで私はこの問題を取り扱うことについては賛成できないです。 やっぱり先ほどの基準の幾つかの問題がありますが、慎重にこれらについて省令を出すに当たっても、一定の基準の上で公正に行われていく、こういう原則の上で省令の改正等が行われ、手数料の改定等が行われるのが当然だと思いますし、そうなれば大臣の諮問機関である郵政審議会に諮っていくという筋道がきちんと立てられないままに、省令でやりますからそれで省令に一切お任せくださいということでは、私はこれはちょっと認めることができませんが、大臣、いかがですか。
○政府委員(江上貞利君) 繰り返すようで恐縮でございますが、省令に委任していただきまして、決して恣意的に決めていこうということではございませんで、具体的には物価、賃金、金利等の動向、あるいは切手類、印紙の需要動向、さらには他の類似の手数料等というものを参考にして改定をいたしていきたいということでございます。 改定の時期が明示をされないということが御指摘の理由の一つにございましたわけでございますが、改定率というのが非常に大幅なものでもございませんし、従来慣例的にはおおむね三年程度をめどに見直しをしてまいったわけでございます。そのときの各種の物価、賃金、金利等の動向にもよるかとは思いますが、従来のような変動が続きます限りにおきましては、おおむね同程度の期間を置いて見直しをさしていただきたいというふうに存じているわけでございます。 それから、なおこの手数料が国民あるいはまた利用者一般の利害に直接的に結びつくというものではございませんので、当国会におきましても予算の成立過程におきまして十分御審議もお願いできるのではないかというふうに思っておりますし、予算の面においては明示をしてまいることは従来のとおりでございますので、決して審議会にお諮りすることがないからといいまして、郵政省が勝手に、恣意的に決めていくことができるというような性格のものではないというふうに存じておりますので、御理解をちょうだいいただければ幸いだというふうに存じます。
○案納勝君 私は、それは理由はともあれ、手数料の改定、きわめて高額のものではないと言われても、そのときの経済情勢によっては、たとえば五十二年一月の改定では二〇%、その他手数料の一定の基準の改定等についても、これらがたとえば五千円以下については手数料の料金その他の改定もこれも省令に任せられていくわけですね。 これは単に切手売りさばき——大衆的な問題じゃないと言われるけれども、国民全体の問題じゃないというけれども、切手売りさばきをやっている人たちの立場に立っても、郵政省の中で省令でたとえば料金法定化を外された、あとは一切郵政省の権限で省令でやります。そして私は、いま郵務局長が幾ら言っても——それはわからぬでもないが、どうも時と場合によっては、そのときの事情によって基準が変わってみたり判断の基礎が違ってみたりして、売りさばき人にとっても大変私はこれ不満の種をもたらすような気がしてなりません、決定に当たっては。 そのことを私は心配をするので、郵政全体について、料金だけではなくして、郵政審議会というのは審議をいろいろお願いをしてきているわけです。そういう場を通じてこれらの措置については取り扱いをしていくということが私は筋道じゃないか。それがそういう措置もとられない。郵政審議会は、一年に一回か二回ぐらいしか開いてないという審議会じゃないはずですね。金利の引き上げについてもあるいは郵便全体の運営についても、それぞれ郵政審議会には諮問をしたり相談をしたりしているわけです。私はそれをしないで、やります、それで十分ですという理屈は、中身はそう言われることはわからぬでもないけれども、私はここの段階では納得できません。 これは大臣、この辺はきわめて厳しく私の方からこの辺の検討について要望をしたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(白浜仁吉君) 繰り返し局長からも申し上げておりますが、私どもも慎重に諸般の事情などを、経済事情その他を勘案して取り扱ってまいりたいと思いますので、いま案納委員のおっしゃることもごもっともでございますけれども、私どもにお任せいただければというのが私の希望でございます。
○案納勝君 大臣、私はこの辺については反対をいたします。郵政審議会に諮るべきだ、明確に申し上げておきます。
○政府委員(江上貞利君) 売りさばき人の立場に立っての御質疑でもあったかと存じますが、今日までのところ、私どもといたしましては本省の段階、あるいはまた郵政局の段階、あるいはまた郵便局の段階におきまして、売りさばき人の方々とも十分に意思の疎通をできるような場も設けている次第でございまして、今回の改正に当たりましても、決して私どもが一方的にこのような改正案をお願いをしているわけではございませんで、十分に御意向等も伺ってお願いをいたしておる次第でございます。 したがいまして、今後ともこのような意思の疎通につきましては十分に努力をしてまいりたいというふうに存じている次第でございまして、先ほど来申し上げておりますように、具体的に各種の要素というものも勘案をいたしてするわけでございますので、売りさばき人の方々に決して御迷惑をおかけするというようなことがないように心がけてまいりたいというふうに存じている次第でございます。
○案納勝君 私は、いまの言われた答弁にかかわらず、郵政審議会に改定のときは諮問すべきだという考えは変わりません。明確に申し上げておきます。 次に、郵便貯金法の関係につきまして、時間もありません、協力をするという立場でありますので、最近の預金者貸し付けの利用状況について簡単にお伺いしておきます。
○政府委員(佐藤昭一君) 預金者貸し付けの利用状況でございますが、五十三年度につきましてはまだ年度末の計数が確定しておりませんので、五十四年の一月末現在で申し上げますと、貸付件数が四百十三万件でございまして、貸付金額は三千七百五十億円、貸付金の現在高は一千百七億円となっております。年度まるまるということで申し上げますと、五十二年度でございますが、件数が四百七十七万件、金額が三千九百八十四億円、年度末の現在高が一千百二十一億円ということでございます。 また、四十八年の制度創設以来の利用状況を申し上げますと、五十四年一月末現在で、貸付件数が約二千四百十万件、貸付金の累計が約一兆七千七百億円、かようになっております。
○案納勝君 そこでお尋ねをしますが、今回貸付限度を現行の五十万から七十万に引き上げるということになっていますが、七十万という額はどういうことで算出をされた額ですか。
○政府委員(佐藤昭一君) この預金者貸し付けの制度でございますが、もう先生御承知のように、日常生活におきます不時の出費の際に預金者がその貯金を担保として貸し付けを受ける、そして貯金を継続できるようにするということが制度の趣旨でございまして、四十八年の一月に貸付限度額十万円で制度が発足したわけでございますが、その後二十万円、三十万円、そして五十万円と、社会情勢の推移に伴いまして順次引き上げてまいりました。 それによりまして預金者の利益の増進を図ってまいったと思うわけでございますが、今回この限度額を七十万円に引き上げるということにつきましては、これは昨年限度額を五十万円に引き上げました直後の利用状況、あるいはまたこれまでの限度額の引き上げの経緯、それから預金者の御要望等から見まして、七十万円というものが妥当かと考えたわけでございます。 いろいろとこの限度額の引き上げにつきましては考え方はございます。たとえば、もっと引き上げるべしという考え方もあろうかと思うわけでございますが、先ほど申し上げましたように、やはりこの制度が一時の出費のお立てかえということでございまして、またこれを返済していただいて貯金を継続していただくことが有利であると、こういう趣旨でございますので、余り一気に限度額を高くいたしますと、返済の面でいろいろとむずかしい問題が出てくるんではなかろうか。したがって、その結果せっかくの貯金を継続できなくなって、この「ゆうゆうローン」の制度の趣旨に背くというようなことにもなりかねないということで、今回は七十万が妥当ではないかと、かように考えたわけでございます。 ただ、これからもこの限度額につきましてどのように定めるかということにつきましては、制度の趣旨を踏まえながら、これからの社会経済情勢の推移を見ながら預金者の利益に十分配意して検討してまいりたいと、かように考えております。
○案納勝君 この辺も後ほど少し触れるとして次へ進みますが、私は、預金者貸し付けの利用が漸次ふえてきてはいます。しかし、五十二年度に比べるときわめて五十三年度は利用者の貸し付けというのは鈍化をしといいますか、減ってきていますね。しかしながら、今日の社会的状況、要するにサラリーローンやその他にかわって郵便貯金のこの預金者貸し付けというのにきわめて国民、庶民の金融の一つのいわゆるあり方として、私は国民から大変尊重をされてきていると、こういうふうに理解をしますが、まだまだそれでも残高が千数百億程度にしかならない。 制度創設の際に、当委員会で郵政省の答弁では、貸付資金の枠を一応初年度は一千億として、次年度以降は郵便貯金資金の増加額の、一%をこれに加えていく、こういう答弁があった、ここに議事録ありますけれどもね。それによって算出しますと、本年度の貸付資金量は四千数百億に達してもいいんじゃないか。この数字から判断をすると、もう貸付限度というこの七十万、五十万というようなものは廃止して、担保とする預金金額の九割までは貸すと、こういうことになっても私は支障はないと思うのです。 三百万の制限がありますね、三百万した人は三百万の九割まで貸す、そういう措置をとっていくことが、いま郵政省自身も検討されている郵便貯金に関する調査研究会の答申、そういう先行きの道筋等も考えた場合に、私は国民の利便、国民の福祉につながるのではないか、こういうふうに考えますが、いかがですか。
○政府委員(佐藤昭一君) 確かに、現在でも一方でこの限度額五十万という枠をはめ、また一方ではその預金者の預金額のたとえば担保となる、定額といたしますならば定額貯金の金額の九割以内と、こういう二つの縛りがあるわけでございます。ですから、ただいまの御意見のように、片一方に担保となる預金があるんだからそれの範囲内で、たとえば九割であっても貸してもいいではないかという考え方も確かに一つの御意見だと思うわけでございます。 預金者貸し付けのこの需要というものも、先ほどちょっと申し上げましたが、昨年の六月十三日から五十万円に引き上げさせていただきましたが、その直後二ヵ月につきまして抽出で郵便局の状況を調査いたしましたところ、預金者一万二千八百人余りの方についてこの貸し付けの御利用状況を調査いたしましたところ、それまでの最高限度額でありました三十万円以上五十万円までの貸し付けを受けられた方がその中で一八・八%ある、つまり限度額を上げますと約二割近い方がその限度額をオーバーしてお借りになっている。また、この限度額五十万円というぎりぎりの線までお借りになっている方がその中で七・一%おられると、こういうようなことでございますので、確かに限度額を上げればある程度の方がやはりその限度額の上昇に応じてお借りになる需要というのはあるということは考えるわけでございます。 ただ、先ほどの御説明にも申し上げましたとおり、やはりこれは一時の立てかえという形で、しかも貯金を継続していただく、その後も。それによって定額貯金のいわゆる有利性というものを享受していただくということが一つの考え方でございますので、余り貸付限度額が高額になってまいりますと返済もなかなかむずかしくなってくるんではなかろうかと。 現在、貯金の預入限度額が最高三百万円でございますから、それの九割といいますと二百七十万円、それから財形貯蓄の方もフルに御利用いただいているといたしますと六百七十五万円までは借りられる、こういうような形も出てくるわけでございますが、それまで高額になってくるとちょっといま申しましたような返済の点でいろいろと問題ではなかろうか。結局、貯金が継続できなくなるというようなことになりますと、やはりこの制度の本旨からちょっとはずれてくるおそれがあるんではなかろうか、こういったことで、現在私どもの方は段階を踏んで様子を見ながら上げていこう、こういったようなことで今回はやってきたわけでございます。
○案納勝君 これは結局担保なんですね、三百万担保を置いているから仮に九割——今日では三百万担保置いても七十万しか借りられないわけだ。だからね、私はそこまで、たとえば貯金が継続できないから段階的にというよりも、もっとその辺は担保物件を置いているわけですから、九割までは必要に応じて貸してやる。そういう、別に三百万全部というわけじゃないですからね、みんながそうだというわけじゃない。定額ですから十万円している人はその九割の九万円まで。庶民の郵便貯金ですから、それぞれ特に平均的にはきわめて少額な貯金の場合が多いわけですから、その担保物件、担保金額の九割までということに配慮してやるのが郵便貯金の本来のあり方としては私当然だと思っている。これは大蔵省の関係で五十万、七十万と抑えられてきているんじゃないですか。 この辺はこれ以上言いませんが、そこで時間がありませんので、最近郵便貯金の伸びが鈍化しているというふうに私は感じます。この提案されている関係資料の中でも、五十一年度、五十二年度比較をすると、各種郵便貯金の関係で合計で見ても、増加率が五十一年度は前年比二四・三%、五十二年度末では二三・六%とこう伸び率が鈍化をしています。五十三年十二月現在で四十三兆円を超える現在高になっていますが、数字わかるならそれ教えていただきたいんですが、伸び率は前年比どういう状態になっているのか、これについて郵政省はどのように判断をし、どう分析をされているのか、この辺をひとつお聞かせをいただきたいと思う。簡単にやってください。
○政府委員(佐藤昭一君) 五十三年度末の状況で申し上げますと、現金の純増が金額で四兆七千九百六十八億円でございます。これは前年の増加額に比較しまして九六%でございます。その内訳でございますが、通常貯金の方がL3
○案納勝君 いいよ。それで、九六%といえば前年比から鈍化をしているわけですが、その原因等をどのようにお考えになっているのか。どのように分析されているのか。
○政府委員(佐藤昭一君) いま申し上げましたように、現金純増で九六%ということでございますが、通常が二四〇%、それから積み立てが一二五%、定額が八九%とそれぞれこれが前年の増加額との比較でございまして、定額貯金がふるわなかったという形でございます。定額貯金が大体全体の預金額の八五%程度を占めているのが常態でございますので、そういった形からいいますと主力がふるわなかったからということでございます。 こういったことは、一つはやはり昨今の経済情勢がなかなか景気が伸び悩んでいる、その中で勤労者の世帯等の所得も伸びが低かった、また若干最近消費の面が伸びてきて貯蓄率の低下というようなこともあるんではなかろうかと。まだ貯蓄率自体正確な数字をつかんでおりませんけれども、そういったようなことがあるんではなかろうかと思うわけでございます。 なお、前年度との比較で申し上げますと、やはり前年度は金利の引き下げが二回ございまして、五十二年度でございますが、そういったことでの若干の駆け込み預入と申しますか、こういったものも影響があったんではなかろうか。そういったものの対比で若干前年度、つまり五十二年度に比較しまして五十三年度は純増面で伸び悩んだということではないかと現在考えております。
○案納勝君 私はこういうふうに理解するんです。銀行が今日ますます大衆化をしています。そして、きめの細かい預金者サービスを実施をしておる。ここに私は郵貯の伸び率の鈍化の一つの原因がある、こういうふうに見ているんです。最近銀行は預金者に対する融資の拡大を図りながら、その意味でサービスの徹底、各種サービスの拡大をやっているわけですね。特にこの辺については局長も御存じだと思いますが、郵便貯金に関する調査研究会の報告の中にも、いま国民が何を求めているのか、郵便貯金はどうあるべきかという報告書が五十三年の九月に提起をされております。いわゆるパーソナル・ファイナンス充実の必要性というのを説いているわけです。 私はその中身から見ても、きょうはここでそれを論議をする時間ありませんが、せめて「ゆうゆうローン」の貸付限度額撤廃ぐらいは早急にしていかないと、私は今後の郵便貯金全体の伸びという面から見てもきわめて問題があるのではないだろうか、こういうふうに分析をしています。 もう時間がありませんから、私は最後に御見解を承りますが、いわゆる郵便貯金に関する研究会が答申をした、この答申の内容を郵政省がどのように受けとめておられるのか、どう具体化をするつもりなのか、郵政省としてはこれは作文だというふうに受け取っておられるのか、この辺を明らかにしてもらいたいんです。 私はかつてこの委員会で、庶民の福祉を守る郵便貯金のあり方として、インフレに対する目減り問題、少額貯蓄の保障問題、それから預入限度額の引き上げ問題、資金運用と国家政策の問題、省令の姿勢の問題、市中銀行との相違と競合の問題・合理化問題等多くの問題、課題がいま郵便貯金事業の中にある。これは避けて通れない問題だし、このことを真剣に解明をしない限り郵便貯金事業の将来への健全な発展はないだろうと、こういうふうに指摘をしました。 今日の姿勢は、いま申し上げた問題点というよりも、郵便貯金研究会の答申をどう受けるかという姿勢自体にも実は消極性が郵政省の中にある、そういうふうに見られる。いま郵政省の場合は、そういう問題点というものを避けて通って、銀行と競争、競合の問題、金を集める、大蔵省の財政原資をふやす、財投原資をふやすというだけにきゅうきゅうとしているという現状じゃないでしょうか、ざっくばらんに言って。 郵便貯金事業の将来像をどういうふうにするのか、パーソナル・ファイナンスの必要性を報告書で書かれているが、これをどう実現をするのか、どう具体化するのかというのを実は私は明らかにしてもらいたい。そういう面からこの貸付限度額の問題等についても、もっと郵政省、自信を持って打ち出してもらいたいのです。市中銀行との関係についていま郵便貯金が置かれていることも、もう少し中身を掘り下げて分析をしてもらいたい。 私はこの辺について最後時間ありません、まだたくさん問題点がありますが、きょうは議事に協力をするという立場に立っていますから、問題点は後日ということに譲らしていただいて、いま申し上げた点について総括的に私は御答弁をいただきたいと思います、はっきりしたところを。
○政府委員(佐藤昭一君) まず先ほどの民間金融機関との対比でございますが、確かに最近の民間金融機関は相当大衆化路線というものを推進しているということは御指摘のとおりでございます。また、そういったものに対して郵貯はどうか。これがすべてではございませんが、一つの大きな要素といたしまして、やはり民間におきましてはオンラインサービスというものが相当強化されている、こういった点がございまして、こういった点は預貯金あるいは送金決済というようなもろもろの金融サービスの面で郵貯が現在立ちおくれている大きな点であろうかと思います。 したがって現在、昨年の夏以来、郵貯の総合業務オンライン化というものも推進しまして、民間金融機関並みのこういったオンラインサービスというものも十分に進めていかなければならないということで取り組んでいるわけでございます。 次に、この郵便貯金に関する調査研究会の報告の関係でございますが、この報告は、従来余り取り組まれていなかったパーソナル・ファイナンス、すなわち「個人の金融活動」というふうに私ども訳しておりますが、そういった分野に関して初めてこの調査研究会の諸先生方が学術的、体系的な調査研究をやってこられたということでございまして、非常にそういった意味でいわゆる個人貯蓄を対象としております郵便貯金にとりましては意義が深いものと考えておるわけでございます。 いろいろとその中で御提言、あるいは研究の中間的な報告等もあるわけでございますが、そのパーソナル・ファイナンスの一つの大きな担い手として郵便貯金に期待されるということは、私どもも十分これから勉強していかなければならない点と思っておりますが、この報告が直ちにこれからの施策との結びつきとしてどうかということになりますと、やはりまだこれは、この研究がある程度緒についたという段階かと思います。 まだいろいろとこれから掘り下げ、また肉づけをしていくという作業がさらに必要であるということで、さらにこの研究会の活動を継続していただいているわけでございまして、そういった中で私どももまたいろいろと御意見を拝聴しながら、長期的観点からいろいろと今後の事業運営について考えてまいりたいと思っているわけでございます。 現在直ちにそういった点で、いま申し上げましたような意味におきまして、直ちに結びついてどうということまではまいらないわけでございますが、やはり一つの肉づけ、理論づけというものを十分私どもも勉強さしていただきながらこれからよく勉強してまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○案納勝君 この程度にきょうのところとめておきます。 そこで最後に一点だけ。 五十三年の六月六日、当委員会で進学ローンを審議をしております。そのときの附帯決議は、「進学ローンの運用に当たっては、制度創設の趣旨にかんがみ、預入利率及び貸付条件について特段の考慮をはらうよう」にということで、特に各委員から指摘をされたのは積立金利と貸付金利の是正の問題については、全委員一致をした実は指摘でありました。 大臣はこれについて、十二分に意のあるところを理解できるので、五十四年度からこれを実施しますが、それまでに最善の努力をしますと、こう言って約束をしておる。当時服部大臣です。たとえば積立貯金の金利、要するに積み立てなくてはならない金利は、他の積立金利よりも低い。貸付金利は七・一%ですか、貸し出しは七・一%、預金金利は二・八八%、ここのところを手直しすべきだという、これは当時の貯金局長等も前向きに答弁をしています。これはどういう検討がされて今日きているのか。 附帯決議は附帯決議としてそのままにされてきたのか。そんなことはないと思って善意に解釈はしますが、これについてその後の経過はどうなっているのか、これはきわめて厳しい実は当委員会の意見でした。御存じだと思います。その辺のことについて最後にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(佐藤昭一君) この進学積立貯金並びに進学ローンの関係でございますが、幾つかの貸付条件のうちで貸し付けの対象となる進学校の範囲の拡大であるとか、あるいはまた保証人にかわります保証制度、こういったものにつきましては、先生御承知のとおりその後におきまして改善を見てきたわけでございます。 いま御指摘の貸付利率でございますが、これにつきましては、この利率自体がいわゆる国民金融公庫の基準金利であると。これは現在七・七%でございますが、調達資金コスト等から決められているわけでございまして、これをさらに引き下げるということにいたしますと、一般会計の方から利子の補給をやらなければならない。なかなかそういった点が困難であるということでございまして、この点は引き下げということにはならないわけでございます。
○案納勝君 そんなことないよ。積立金利が他の金利、積立貯金よりもずっと安いんじゃないですか。
○政府委員(佐藤昭一君) 私いま申し上げましたのは貸し付けの方でございます。
○案納勝君 貸し付けでしょう。だからその関連でL3。
○政府委員(佐藤昭一君) これも一般の他のローンというものに比べれば、やはり国民金融公庫の貸付金利というものは比較しては低いということは申し上げられるわけでございますが、さらにこれを引き下げるということは、いま申し上げましたような事情でなかなかむずかしいというのが現状でございます。 それからこの進学積立貯金の預入利率の方でございますが、これにつきましては制度発足当初の構想時から実現がいたしましたのが七月でございまして、その段階までの間にはこれは一度金利の改定がございました。スタートいたしましたときが進学積立貯金二年以下で申し上げますと二・六四%と、こういう率でスタートしたわけでございます。これに至りますまでにはそのもとの構想があったわけでございまして、その段階では、昨年の金利引き下げの段階で〇・六%の引き下げというものが行われております。 今回、本年の五月七日の金利引き上げの際におきましては、その辺努力をいたしましたが、余りここで言うほどの成果というほどのことはないかもしれませんが、一応〇・七二%引き上げまして三・三六%ということで改定をしたわけでございます。
○委員長(赤桐操君) 質問者、時間です。
○沓脱タケ子君 それでは、ごく限られた時間でございますので簡単にお聞かせを願いたいと思います。 最初に、郵便貯金法の改正でございますが、これは提案理由の説明にもありますように、預金者の利益の増進を図るために、従来一人五十万円であったのを七十万円にするということでございます。五十万円から七十万円に引き上げたという限りにおいては、確かに国民生活にとっては、預金者にとってはプラスと言えるでしょう。それで、これ七十万円に引き上げると同時に、返済期間とか利息はどうなっていますか。
○政府委員(佐藤昭一君) この引き上げに伴いまして、直接には今回返済期間につきましては手を触れておりませんので、現在、従来どおりの最高六ヵ月という期間でやっております。 それから利率の方でございますが、これは先般、五月七日の金利改定の際に預金金利の引き上げとあわせまして利率の改定、すなわちそれに合わせました改定を行っております。すなわち新利率が大体定額貯金の場合には〇・七%ないし〇・七五%上がっております。それのそれぞれの期間に応じて、それぞれの金利に応じて〇・二五%上積みという従来の方式をそのまま踏襲して新金利を定めております。
○沓脱タケ子君 いまも同僚委員からお話がありましたけれども、郵便貯金の場合に私ども非常に不思議だと思うのは、積立とか、定額とか、定期とかいうことで貯金があるわけですね。早く言えば担保がちゃんとあるわけです。それを、三十万をやんやん言うてやっと五十万、今度やっと七十万ということなんですが、同僚委員のお話にありましたように、本人がちゃんと担保として預けておるわけですから、九〇%ぐらいというのは当然だと思うのです。私は、そこまで一足飛びにいけないというなら、せめて百万くらいの貸し出しは、ちゃんと預金をしてあるのだから、自分のお金使っているようなものなんだから、百万円くらいにして、返済期間をせめて一年に延ばせるというようなことぐらいはやってあたりまえではないかと思うのですけれども、そういうお考えはないですか。
○政府委員(佐藤昭一君) 今回の限度額の引き上げは、先ほど来申し上げておりますように、ひとまず諸般の事情を考慮し、また返済能力等の関係もございますので、二十万引き上げまして七十万ということで御提案申し上げているわけでございますが、今後の諸情勢の推移を見まして、さらに御要望等もよく見まして、引き上げという問題につきましてはさらに検討してまいりたい、かように考えております。 それから、貸し出しの期間でございますが、これは私どもも、だんだんこういうふうに貸し付けの額が上がってまいりますと、やはり返済能力といった点から見ましても、現行の六ヵ月ではむずかしい面が出てくるのではないかということを考えまして、昨年来六ヵ月を一年に延長したらどうかということで検討をしてきているわけでございますが、なかなかまだ結論を得ませんで、この点につきましては延長ということにつきましてさらに引き続き検討し、また努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○沓脱タケ子君 それは、実際に三十万のときから半年で、七十万になっても同じ期間というのは、これは返済する側にとっては大変ですよ。一年ぐらいにするのはあたりまえなことなんですね。御検討になっておられるのだけれどもなかなか決まらないという原因は何ですか。
○政府委員(佐藤昭一君) これは一人当たりの限度額が現在五十万であり、また今回の引き上げで七十万ということでございますが、現実的にはそれぞれの定額貯金の証書一枚一枚で貸し付けを受けられるという形もございますし、そういった点では、時期をずらしてシフトしていくというようなことも、貸し付けを受けられる方、返済されるというような形もいろいろとあるわけでございますので、すべてがいま五十万でやるということでもない、こういった点からいたしまして、その必要性ということについていろいろと議論もしているわけでございます。ただ、私ども基本的には、延ばしていく方がやはりお客様のために御利用しやすいのではないかという観点で検討しているわけでございまして、今後そういった点で実現方努力をしていきたい、かように考えているわけでございます。
○沓脱タケ子君 もう一つのみ込めないのですが、私は昨年の、例の進学ローンの審議のときにも思ったのですけれども、このくらいの貸出金額を引き上げたり、あるいは据え置きなしに返済しているのだから、返済期間の一年ぐらいの延長程度のことは郵政大臣の腹一つでできなければおかしいのですよね、本来。だってそうでしょう、年間三十七兆前後も預貯金を集めているわけでしょう。だから、たまっているのは一体幾らありますんですか。二千兆ぐらいあるのじゃないんですか。いや、年間は何ぼぐらいですか、何ぼたまっているのですか、大体預貯金。
○政府委員(佐藤昭一君) 年間で、五十三年度で大体元加利子を入れまして七兆二千億でございす。五月現在での累計の残高は四十五兆円を超えております。
○沓脱タケ子君 四十五兆も預貯金集めていて、それで預金者が、担保なしに貸してくれというならそれはまた返済が危ないとかなんとかということはありますよ。そんなことも簡単にできないということでは、これは去年も大分大論議になったのだけれども、国民の零細な預貯金を集めて一生懸命に大蔵省へ運ぶというのが郵政大臣の管理の責任だというようなことになるわけですよ。 その辺は先ほどのお話にも出ておりましたけれども、民間金融機関等の、非常に精励をして国民のニーズに合わせる努力というのをやっているという中でいつまででも同じスタイル、姿というのはこれは国民には魅力がなくなるわけですから、その辺の問題についてはもっと大胆に国民の要求というようなものをとらえられるということがきわめて大事ではないかと思うんですよ。 その点で、さっき私利息を聞いたんだけれども、貸出金利で金利というのが一番高くて幾らで、一番低いのは幾らですか。同じですか、全部、たとえば今日ただいまの段階で。
○政府委員(佐藤昭一君) 「ゆうゆうローン」の貸出金利の最高は、これは定額貯金が現在三年を超えるものが五・五%でございますので、それを担保としてのものが五・七五%でこれが最高でございます。それから逆に、定額貯金で申し上げますと、最低は六ヵ月未満が二・五〇というのが担保となる貯金の利率でございまして、貸付利率の方は二・七五%、これが最低になっております。
○沓脱タケ子君 いや、七十万借りるのにそんなに利息の違いあるんですか。
○政府委員(佐藤昭一君) これは従来からそれぞれ担保とされます貯金の利率に〇・二五%を上積みした利率ということで設定しておりまして、その期間お借りになりますと、結局お借りになっている期間、差し引き〇・二五%の分の手数料と申しますか、担保となっている期間も貯金に利子はつきますものですから、それでそれの上積みの〇・二五%がこの貸し付けの利子として結局その方の負担になる、こういう計算方式でやっておるわけでございます。いま継続いたしまして、さらにまたお返しいただきました後は、それだけ長期のものは高い利率で貯金が継続していくわけでございますから、その点は御有利になるという考え方でやっているわけでございます。
○沓脱タケ子君 これは、郵便貯金の問題については、かねがねずいぶん問題がたくさんあるんで、触れ出したらずいぶんいろんなことをお聞きしなければならないわけですが、きょうは大変限られた時間なのでとめておきますけれども。 しかし、七十万が改善だから、とにかく無条件に賛成してもらえるであろうという安易な考え方というのは、郵政省はやっぱりよろしくないと思うんですよ。大臣ね、昨年も進学ローンの論議のときに大問題になったんですけれども、まあまあずいぶん積立金利のひどい低さ、さっきも話出ましたでしょう。よくこんな——関西弁ではえぐいと言うんですかね——えぐいというようなやり方を考え出したものだと思うような、積立金利が低くてそれで貸出金利は高くする、しかも担保がないかというとちゃんと担保を積み上げて借りる。こんなことをやるというので、制度発足をする以前でしたけれども、国民のニーズにこたえるにしては余りにも冷たい制度の内容だというのが大問題になったんですが、それが、話はわかるけれども結局大蔵省の御意見で郵政大臣といえどもやれないんだということが問題になったわけですよ。 そうすると、郵便貯金は、郵政大臣これを管理すると郵便貯金法には書いてあるけれども、その「管理」というのは、集めて大蔵省へ持っていくだけかということで大分問題になったんですがね、やっぱりそういうところというのは脱却をしていく立場というのを確立してもらわなければ、それはいま一定の国家資金に寄与しているという大きな分野はありますよ。しかし、そこだけに目がいっているということでは、国民の郵便貯金に対する魅力というのは本当になくなってしまう。その辺を心して運営していただきたいと思うんです。 特に私申し上げたように、七十万にちょっぴり引き上げた、それは引き上げぬよりは結構なんですが、せめて今日の貨幣価値あるいは国民の生活の中で必要とする場合の金額の限度というのは、最低百万ぐらいのものが借りられるという保証がなかったら、営々として零細なお金を貯金をしている人たちにとっては楽しみがないですよ。せめて百万円ぐらいは貸し出す、一年ぐらいの返済で借りられるということになれば、これはこれとしてまた国民、あるいは預金者にとっての希望なりニーズなりというものは高まってくると思うんで、そういった点を思い切って改善をするという立場を、一遍にはできないということは制度上わかりますから、せめてそれくらいはおやりになる腹を決めていただけるかどうか、その点だけをお聞きしておきたいと思うんです。 その他の問題はまた別の機会にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(白浜仁吉君) 前々からの郵政大臣が非常に御努力をされ、また、委員の先生方が大変御協力をしていただいてこうした貸し出しの方途を考えていただきましたことに対して、私深く敬意を表するわけでありますし、同時に私も党におりました際に、一生懸命郵政側の味方というと語弊がありますけれども、そうした立場に立って努力をしてまいりましたが、いま御指摘もありましたとおり、いろいろ大蔵省側のガードが非常にかたいというか、そういうふうな点でいろんな金融全体の問題とのにらみ合わせもありまして一挙に解決することができない。 私も今年度の予算編成の途中ではいろいろまた大蔵省とも折衝し、この事務当局の局長などは最後の最後までがんばってがんばってまいりましたけれども、なかなか一挙に解決できないというふうなことで皆さま方に非常に御不満を与えているところでございますが、今後も一生懸命私どもも努力をしていきたいと考えております。 私は黙って自分の経験からこう考えて思いますと、私も実は郵便局のお金をお借りしました。経験でございますから私はそのまま申し上げますが、銀行から借りますと三ヵ月分か二ヵ月分は金利は前取りされます。しかし、郵便局の場合にはいよいよ払うとき一年なら一年に一年分の金利を払うことでございますから、これ私は金利としては非常に安いということを体験をしまして、私はそのことを貯金局長にも郵政省の幹部の諸君にも、事実ですからお話ししたわけであります。 こうしたことなどが少しずつ利用者の間に理解をされてまいりますとまた変わってくるのではないかというふうなことも考えて、いまそういうふうな話も実は省内でいたしているようなわけでありまして、いろんな点で、全体の金融の問題を私ども郵政省だけでこれはやれといってもいまの制度ではなかなかできないことでありますけれども、一生懸命努力して御期待に沿うようにしていきたいというふうに考えておりますので、御理解をお願いいたします。
○沓脱タケ子君 時間がありませんので、あと一つ郵便切手の売さばき法の一部改正で、これも同僚委員からすでに御指摘がありましたので、私長くいろいろとお聞きしょうと思っていないんですが、これは省令事項になって手数料の改定等がやれるようにするんだ、こういうわけなんですが、やっぱり私ども気になりますのは、改定をするときの基準というのがはっきりしないというのが非常に心配な気がするわけです。 年金等でも、物価スライドだとか、あるいは物によっては物価、人件費スライドだとかという基準というものがあるわけですね。その辺が、はっきり一定の基準というものが定められておらないで政令にゆだねるということになると、これは時の政治情勢あるいはそのときの情勢に左右されるということになり、大きいところもあるでしょうけれども、一件一件で売りさばき手数料をいただいておるという非常に零細な方々が多いわけですから、その辺の基準というものが定められてないということは非常に不安が伴うわけですので、その点は、今日では先ほどの御説明のような状況のようですけれども、政令によって改定をしていくという場合の基準というものを明示していくというようなことのお考えがあるのかないのか、その辺をお伺いしておきます。
○政府委員(江上貞利君) 実は、今回省令で改正いたしますものは、省令でございますので当然直ちに明示をさせていただくことになるわけでございます。おおむね全国の売りさばき人の六〇%の方の買い受け額というのは、売りさばき額とほぼ同じというふうにお考えいただいてもいいかと思いますが、六〇%の方が十万円以下の売り上げでございます。この段階まででございますと、ほぼたばこの手数料と匹敵する。さらに五万円以下でございますと多少はそれよりもよろしいという形になるわけでございます。したがって、非常に多数の方々に対しましてはかなり引き上げ率もほどほどに、他と比べましても適正な額になってきているのではないかというふうに存じます。この意味でも、私どもといたしましては省令に御委任いただいていい時期にきているのではないかというふうに判断もした次第でございます。 さらに、非常に高額の売りさばきをしておられる方につきましては、従来とも社会的な、経済的な諸情勢の推移等を勘案をいたしてやっておりますし、さらには売りさばき人の方々の御意見も十分にお聞きして改正をいたしておりますので、省令でその額につきましては十分に明示をしていきたいというふうに思います。
○沓脱タケ子君 あれですね。省令ということになれば、社会的経済的条件によって云々ではなしに、たとえば人件費、物件費スライドということになれば、年間のスライドが幾ら以上になれば検討の対象になるというふうな基準の明示というふうな、明確な形での明示をなさるおつもりかどうか、そのことだけ。
○政府委員(江上貞利君) 従来の改正でございますと、計算の基礎といたしましては、確かに御指摘のような計算をいたしておりますし、そのことについては売りさばき人の方々に決して御説明をしなかったわけではございませんで、ただ数式を省令に載せるかといいますと、その辺につきましては現在のところは直ちに数式を載せるというような考え方はいたしておりませんが、しかし、十分な御説明はいたしていくつもりでおります。
○委員長(赤桐操君) 他に御発言もなければ、両案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより両案の討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御意見もなければ、両案の討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤桐操君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤桐操君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(赤桐操君) 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。白浜郵政大臣。
○国務大臣(白浜仁吉君) 電波法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 航海の安全を確保するために船舶の構造、設備等に関する安全措置を定める国際条約としては、現在、千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約があり、わが国もその締約国として、この条約を忠実に遵守しております。しかし、その後の技術進歩等に適応させるため、この条約の改正の必要が生じ、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約が採択されました。この新条約につきましては、現在、未発効でありますが、明年五月には発効することとなっております。この新条約の規定に合わせて、電波法の規定を改正する必要があります。 また、わが国の宇宙開発につきましては、実用化の方向に向けて着実に進展しておりますが、宇宙開発の進展に対処するためには、電波法に宇宙における無線通信に関して、所要の規定を設ける必要があります。 この法律案を提案した理由は、以上のとおりでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。 まず第一に、国際航海に従事する船舶の義務船舶局のうち、船舶無線電信局については、五百キロヘルツの周波数での無休聴守に加えて二千百八十二キロヘルツの周波数での無休聴守を義務づけております。 第二に、船舶安全法第二条の規定に基づく命令により、船舶に備えなければならないレーダーについては、郵政大臣の行う型式検定に合格したものでなければ施設してはならないとしております。 第三に、人工衛星局の無線設備の設置場所を当該人工衛星局を設置した人工衛星の軌道または位置とするとともに、人工衛星局の免許の申請書に添付する書類には、現行の記載事項のほか、その人工衛星の打ち上げ予定時期及び使用可能期間並びにその人工衛星局の目的を遂行できる人工衛星の位置の範囲をあわせて記載させることとしております。 第四に、人工衛星局は、電波の発射を遠隔操作により停止することができ、かつ、その無線設備の設置場所を遠隔操作により変更することができるものでなければならないとしております。 第五に、郵政大臣は、電波の規整その他公益上の必要があると認めたときは、人工衛星局の目的の遂行に支障を及ぼさない範囲内に限り、当該人工衛星局の無線設備の設置場所の変更を命ずることができるとするとともに、その変更によって生じた損失については、損失を受けた免許人に対して補償しなければならないとしております。 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月を経過した日からとしておりますが、義務船舶無線電信局の聴守義務に係る改正規定は、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約がわが国について効力を生ずる日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(赤桐操君) 以上で、趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢原秀男君 まず、電波法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 〔委員長退席、理事案納勝君着席〕 わが国の宇宙利用については、実験用の中容量静止通信衛星、CSの「さくら」及び実験用中型放送衛星のBS「ゆり」、この開発成果を踏まえて通信衛星、放送衛星の実用化をしつつある。こういうふうな形の中で急速な進展を見せているわけでございますが、まず一つは中容量静止通信衛星、二番目に中型放送衛星の開発成果はいかなるものであるか、この点をまず簡単にお伺いをしたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) お答えを申し上げます。 まず、打ち上がっております実験用の通信衛星でございますけれども、一昨年の暮れに打ち上がりまして三カ月間、宇宙開発事業団のチェックを受けた後、三年間を予定いたします実験期に入ったわけでございますが、この間、先ほども御審議の中で出てまいっておりますように、国産のミリ波用トランスポンダー一台及び米国製の同じくミリ波用のトランスポンダー一台が故障をいたしました。 これにつきましても、宇宙開発事業団が鋭意その原因の探求を行いまして、それぞれ原因がわかりました。その結果は、今後実用衛星を製作、打ち上げる際には十二分に活用できるものというふうに存じておる次第でございます。あらかじめ予定をいたしておりました実験につきましては、そのほかのトランスポンダーがきわめて順調に作動をいたしておりまして、実験もそれなりに順調に行われております。 周波数自身が二十九ギガヘルツ及び十九ギガヘルツというような非常に高い周波数帯でございますので、その周波数の伝搬状況、特に雨であるとか雪であるとか、特に多量の雨に弱いという特徴があるわけでございますけれども、そのような減衰量につきましても、従来予定をいたしておりました数値に近い数値が得られつつある。できるだけ長期間にわたりまして伝搬状況、あるいは雨による影響というものにつきましてのデータを蓄積することによりまして、雨の対策というものを日本の技術にいたしたいということでもろもろの実験をいたしておるところでございます。 通信衛星でございますので、 この四千チャンネルの回線に種々の音声その他のインフォメーションを入れまして、実際にどのような通信が可能であるかというような実験もいたしてまいったわけでございますが、それにつきましても当初予定をいたしております状況に比較的近いきわめて順調な成果が得られつつあるということでございまして、早期に実用衛星を打ち上げることが可能であるという状況になってまいっております。 一方、放送衛星につきましては、昨年の春に打ち上がりまして、同じく宇宙開発事業団による三カ月のチェックの後、これまた三年にわたる実験に入ったわけでございます。実験のための特殊な映像を作成をいたしまして、これを伝送いたしまして、全国各地に一メーター、あるいは場合によりますと六十センチメーターぐらいのパラボラアンテナを設けまして、それぞれ山の影響でございますとか、建物の影響でございますとか、いろいろな状況下における映像をチェックしたわけでございますけれども、これまた当初予定をいたしましたとおりの相当いい絵が出ております。いわゆる五段階評価におきまして四ぐらいの映像が当初予定をいたしております本州の地域におきましては得られておる、こういうふうな状況でございます。 それから、そのほかに応用的な実験といたしまして、割り込み中継が可能でございますので、割り込み中継の実験もいたしておりますが、これも非常にスムーズに、円滑に実験が終了しておる、こういう状況でございます。 〔理事案納勝君退席、委員長着席〕 さらには、現在放送をいたしておりませんが、いわゆる静止画像を挿入をいたしまして、そうして全国的にどのような映像が出るかというような応用実験もいたしました。さらには現在の映像よりも高品質の画像も挿入をいたしまして、それがどのような映像として受信できるかというような、将来の放送と結びつくような実験もいたしております。これもきわめて良好な受信が行われておりまして、将来このような方向に放送が進むとするならば一つの将来に対する見きわめがつきそうであるというような状況でございます。 このような状況でございますので、放送衛星につきましても早い時期に実用化が可能であるというような状況に至っております。まだ実験途中でございますので、これから、先ほど来申しておりますように通信衛星、放送衛星につきましてさまざまの実験をいたしてまいる予定でございますけれども、諸先生方の御指導によりまして始まりました通信衛星、放送衛星の実験でございましたけれども、私どもといたしましては、これから先も世界各国が注目するに値するようなりっぱな成果が出るものというふうに期待をしておるところでございます。
○矢原秀男君 どうもありがとうございました。 現行の電波法は宇宙の無線局を予想したものではなく、人工衛星局など無線局に適用するには不十分な面があると、こういうふうに伺っているわけでございます。だから、国際電気通信条約附属無線通信規則に、一つは、衛星通信網の設定に関する国際調整の手続、二番目には、人工衛星局の衛星軌道位置の保持等の規定が盛り込まれたと聞いております。そういう中で、わが国においても、宇宙における無線通信の実用化に伴い、一つは、人工衛星局の無線設備の設置場所、二番目には、技術的条件等に関し所要の規定を設けることが必要となっているように聞いております。 そういう中で、新条約の発効に備えて多数の船舶局に検定合格機器を設置させるにはかなりの準備期間が必要であるので本法案を国会に提出された、こういうふうに御説明をいただいておるわけでございます。非常に妥当な面であろうかと思うわけでございます。そこで、時間の関係もございますので、こういう点を踏まえながら、具体的な面を少々質問をさしていただきます。 一つは、遭難の周波数の聴守義務について伺いますけれども、まずどのような措置が加えられたのか、簡単で結構でございますけれども、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。 従来、電信船と電話船、いわゆる電信によりまして五百キロヘルツを使用いたしまして遭難信号を発信しかつ受信をするという制度がございました。そして、それぞれ電信船につきましては聴守の義務がなされておったわけでございます。また、電話船につきましては、二千百八十二キロヘルツという遭難信号によりまして遭難を発し、またそれを聴守するという制度があったわけでございます。 しかるに、この二つの制度が必ずしも現状にマッチをしないということでございまして、いわゆる二千百八十二キロヘルツで遭難信号を発した船の近くに電信船がいるにもかかわらず聴守ができないというふぐあいがございましたので、電信船に二千百八十二キロヘルツの遭難信号を受信できるような設備を持たせる。聴守は本来電信船に乗っております無線従事者が聴守をすることも可能でございますけれども、場合によりますと人手をふやす必要があるということになりますので、そのような場合には自動的に受信をできる装置を持って聴守をすることも可能である、そのような道を開くことになっておるわけでございます。
○矢原秀男君 そういうふうになりますと、これが実施されるわけでございますが、いわゆる船舶での対応、こういう具体的に現場の問題としてこういうことが完全に対応できる、そういう面での細かい支障というものが打ち出された段階ですぐうまくいくのかどうか、そういう船舶側の方ではどういう形でこれがすぐ即応できるのかどうか、技術的にちょっと心配をしているのですけれども、そういう面では細かい面になりますけれども、気になることがございましたらお答えをお願いしたいと思います。
○政府委員(平野正雄君) このように条約が批准になりますと、先生ただいま御指摘のように当然国内法ができまして、要するに法律上の措置としての電波法の改正が行われまして、そうしてこの二千百八十二キロヘルツの義務検定化が行われまして、もちろん義務検定をいたします段階にはどのような規格のものが最も適当であるかということを現在義務検定を担当いたしております郵政省電波研究所が、いわゆるユーザーである船舶側と製造メーカーとの間で十二分に検討いたしました上で、いわゆる義務検定の中へメーカーから検定品を持ち込んでくる、検定が済んだものを来年の条約発効日——これはすでに五月二十五日に発効と申しますか、条約発効要素を満たしたわけでございまして、一年先の来年の五月二十四日に発効するわけでございます。それまでに船に積み込む必要があるわけでございます。 この電波法がお認めいただけませんと、諸外国は条約を批准して発効しておる、ところが、日本の船はなかなか本来積むべき機械も積めないというようなことになりまして、そのまま外国の港に入ってまいりますと厳重な検査を受けるというような不利な面が生ずるわけでございますので、事は人命、財貨の保全に直結する非常に重要な問題でありますだけに、現在、ただいま申しました関係方面と鋭意問題を詰めまして、現在の流れといたしましては、電波法及び条約をお認めいただけたならば、来年の五月二十四日の発効期までには、それぞれの船舶に本来あるべき姿の設備が積み込める、そういう見通しをつけておるところでございます。
○矢原秀男君 第六条の第五項ですね、免許を受けようとする者の申請書に、いわゆる人工衛星の使用可能期間を記載した書類の提出も必要となっております。宇宙空間における通信衛星の機体については現在実験中であるとともに、高額な費用を要することから、できるだけ長期に使用させるべきとの考え、またこれらとの関連、そういう面はいかがなものでございますか。
○政府委員(平野正雄君) あるいは先生の御質問の御趣旨を取り違えておるかもしれませんけれども、何分にも寿命がございますので、寿命のある限りにおきまして、本来の目的達成のためにそのような条文が置かれておるというように理解をするわけでございます。
○矢原秀男君 最後に、時間がございませんので、これは午前中にも質問が出たと思いますけれども、重複するかもわかりませんが、ちょっと心配なので重ねて伺いたいと思います。 人工衛星局に関し、通信電波への妨害が万一にも生じた場合、もしくは人工衛星局自体に危害が加えられるようなことが生じた場合、仮定でございますけれども、そういう場合はどのような緊急措置、対応を講ずることができるのか、この点最後にお伺いをして質問を終わります。
○政府委員(平野正雄君) 人工衛星の通信電波への妨害、または人工衛星自体に危害が加えられるような場合にどのような措置を講じることができるかという御質問でございますが、まず人工衛星に搭載されます無線局に対します電波妨害の問題でございますが、地上から人工衛星に電波を送信するに当たりましては、非常に高い周波数が普通使用されます。また非常に大きな電力を出す送信機が使用されます。送信アンテナといたしましても、できるだけ利得をふやしますために大きな直径のパラボラアンテナが用いられることが多うございます。また、非常に細いビームを人工衛星局に当てるために、きわめて精密な方向調整技術が必要であるというようなことでございまして、人工衛星局に対して通信妨害をしようといたしますと、このような高度の技術で、しかもこれよりはるかに強い電波を出さなければ妨害ができないということになるわけでございまして、莫大な費用あるいは大規模な装置が必要に相なるわけでございます。 したがいまして、一般には入手がきわめて困難でもございますし、実質的にはなかなか妨害はむずかしいのではないか、こういうふうに存じております。しかしながら、もしそのような事態が生じましたときには、予備の衛星に切りかえるといった方法が考えられるところでございます。 また、地上局の側に妨害があった場合にはどうするかということでございますけれども、そのような場合には当該地上局の使用を取りやめまして、より強力な電波が発射できる他の地上局に切りかえるというような方法が具体的な方法として適当かというふうに思っております。 次に、人工衛星自体に危害が加えられるような場合についてでございますけれども、たとえば別にロケットによって妨害物体を打ち上げて衝突させる、あるいは破壊するということが考えられるわけでございますけれども、このような場合にはロケットの製作、打ち上げ技術、射場その他、一般の者にはなかなかむずかしい、まず不可能ではないか、こういうふうに存じております。 次に、制度上の対策といたしましては、妨害電波の発信源を探査をいたしまして、これを確認した結果が、妨害電波が国内から発射されておるというような場合におきましては、電波法第四条違反として処分をすることに相なります。 また、外国から発射された電波によって混信妨害を受けておるというような場合には、国際電気通信条約附属無線通信規則の第十五条の規定に基づきまして、妨害をしておる送信局を管轄する主管庁に対して、混信除去のために必要な措置をとるように要請をすることができますし、また条約上要請を受けた主管庁は、そのために必要な措置をとらなければならないということに相なっております。 なお、従来通信衛星、放送衛星等につきましては、各国の国際協力のもとに友好的雰囲気の中で開発利用が進められております。国際会議等に出ましたときには非常に各国から質問が出される。現状あるいは将来の見込み等が聞かれる。さらには、最近非常に多いわけでございますけれども、諸外国の主管庁から日本においでになったときには郵政大臣のところに見えましていろいろと話を聞いていかれる。 さらには、科学者、技術者等がNHK、電電公社、国際電電あるいは郵政省の研究所に見えまして、いろいろとディスカッションをして帰られるというような状況でございまして、現時点におきまして、ただいま申しましたような国際的な妨害が生ずるといいますか、妨害を受けるというようなことはまず考えられないと申しましょうか、ないであろうというふうに存じております。
○沓脱タケ子君 それでは、電波法の一部改正について二、三点お伺いをしたいと思っております。 千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約の発効に備えて国内法、電波法の必要な改正をやるということでございます。 最初に具体的なところを一つ聞きたいんですが、七十一条が変更されている一つなんですが、この現在の法律の末尾のところの「無線局の周波数又は空中線電力の指定を変更することができる」というのが、今度の改正案では「無線局の周波数若しくは空中線電力の指定を変更し、又は人工衛星局の無線設備の設置場所の変更を命ずることができる」というふうに改正が提案されているわけです。 それは両方が「変更を命ずることができる」ではなくて、「変更し、」というのは、原法はそのまま変更することができて、人工衛星局の無線設備の設置場所の変更だけを「命ずることができる」というふうに分けて読んでよろしいわけですか。両方に「変更を命ずることができる」というのがかかるのか、そうではないのかという点を最初にお伺いしたい。
○政府委員(平野正雄君) ただいまの七十一条の変更でございますけれども、先生御承知のように、無線局の周波数もしくは空中線電力は指定事項でございますのでこれを変更し、人工衛星局の無線設備の設置場所の変更は必要があって命ずると、こういうことに相なるわけでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、これは「人工衛星局の無線設備の設置場所の変更を命ずることができる」という分だけが改正点ですね。
○政府委員(平野正雄君) そのとおりでございます。
○沓脱タケ子君 七十一条の2の、国が補償するという問題がありますね。変更を命じた場合に受けた損害は、「国は」「生じた損失を当該免許人に対して補償しなければならない」。補償の内容というのを簡潔にお述べをいただきたいと思うんです。
○政府委員(平野正雄君) 七十一条によりまして変更を命じた場合の損失補償でございますけれども、その変更によって生じた通常生ずべき損失に対する補償というふうに従来から考えております。 その範囲でございますが、もちろん各事例ごとに決定を必要といたしますけれども、一般的には、まず、変更するために直接必要となった人件費、コンピュータープログラム作成費、そういったものが考えられます。また、変更を行うためには燃料を消費する場合がございます。燃料にはヒドラジンが使われておりますけれども、この消費によって、必然的に衛星の位置保持可能期間が短縮をされる——本来ならばもっと燃料があって正規の位置に保持することができるんですけれども、変更のために使ってしまっただけ位置保持可能期間が短縮される場合がございます。衛星の寿命が結果的に短くなるというようなことになりますので、場合によりましてはこれに対する補償というものも考える必要が出てくるわけでございます。
○沓脱タケ子君 もう一つ、ちょっと具体的なところを聞きたいのですが、自衛隊法の百十二条を見ますと、「電波法第百四条の規定にかかわらず、同法の規定のうち、無線局の免許及び検査並びに無線従事者に関するものは、自衛隊がそのレーダー及び移動体の無線設備を使用する場合については、適用しない」と書いてあり、適用除外があるんですね。自衛隊がそのレーダー及び移動体の無線設備を使用する場合には適用しないということで、無線局の開局や検査も省略をする。それから、無線従事者の資格の認可も不要になるということのようですが、この通信衛星、人工衛星の場合ですね、ここで言われている移動体に該当するかどうか、これはどうですか。
○政府委員(平野正雄君) ただいま先生御指摘のとおり、自衛隊法百十二条の規定では、自衛隊がそのレーダー及び移動体の無線設備を使用する場合には、電波法の規定のうち、無線局の免許及び検査並びに無線従事者に関するものの適用を除外しておることは御指摘のとおりでございます。で、この場合における移動体の無線設備は、従来は自動車、船舶、航空機等の無線設備を指すものと考えておりました。 なお、人工衛星が、先生がおっしゃる移動体であるか否かにつきましては、この自衛隊法の解釈いかんということになるわけでございますけれども、現段階では、けさほどお話もございましたように、防衛庁の方に具体的な人工衛星の計画がございませんので、まだはっきりしていないというのが実は実情でございます。
○沓脱タケ子君 いや、防衛庁の計画があるとかないとかじゃなしに、法律そのものの読み取り方ですよ。で、「自衛隊がそのレーダー及び移動体の無線設備を使用する場合については」ということで適用除外になっているわけでしょう。だから、人工衛星を移動体と認定するのか、固定局と認定するのかによって、適用されるか、されないかという分かれ道になるわけです。 人工衛星は静止衛星だと言ったって、これは地球との関係で静止させているだけであって動いているわけでしょう、地球と一緒に。明らかに移動体だというのは客観的な事実ですね。こんなもの、固定局だって言えないわけでしょう。だから、移動体と見るのかどうかと言って聞く方がむしろおかしいぐらいだけれども、新たな要因ですからね。この電波法をつくられるときは、あなたがおっしゃったように船舶や飛行機や自動車でしょう、移動体というのは。しかし、新たに加わる今度の場合に、一部改正がやられている内容というのは通信衛星の関係で出てるわけだから。そうでしょう。 だから、こういう場合には、そうすると自衛隊法の適用除外例、電波法の適用除外の中身に、条文に書いてあるわけですからね、移動体というのは。移動体の無線設備を使用する場合には適用しないと書いてあるんだから、通信衛星、人工衛星がまあ移動体であることは明らかなんだけれども、移動体であると考えるのか考えないのかということだけ聞いてるんです。それだけ聞いたら、もう後解釈はいいんですよ。移動体と見るかどうかというんです。
○政府委員(平野正雄君) ただいま先生が申されましたように、全く新たな要因でございまして、この通信衛星は放送衛星と違いまして、いわゆる人工衛星側の電力は非常に小さいわけでございます。そうして、その地上局と申しますか、地球局側の電力が非常に大きい、こういう要因が一つあるわけでございまして、したがいまして、従来の例にならいまして、もしその地上の地球局が移動をいたしまして、そしてある地点にとまりまして通信を開始するというような場合を考えました場合に、場所によりましてはほかの国の地球局との妨害関係が出てくる、あるいは国内の他の地球局との妨害関係も考慮しなければならない、こういう新たな要因が宇宙通信につきましては出てくるわけでございます。 さらには、当然のことでございますけれども、人工衛星側につきましても、あるいはその地上の地球局側にいたしましても、いわゆる周波数の事前交渉でございますとか、周波数の通告、登録でございますとか、そのようなことをいたしませんと、これは混信が他に及ぶ、あるいはこちらに混信を受けるというような形になりますので、そういう全く新たな機能が入ってくるということでございますので、これはやはり防衛庁なりあるいは関係方面と十分に相談をして決めていく必要があるであろうと、こういうふうに存じておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 いや、新たな要因、新たな条件だし、あなたがいま御説明になったようないろんな諸条件、諸要因というのは出てくると思うんですよ。しかし法律はね、文言として出てきてるわけです。だから、「自衛隊かそのレーダー及び移動体の無線設備を使用する場合については、適用しない」という適用除外例になるのかならないのかという分かれ道なんだから、通信衛星、人工衛星というのは移動体と認識されるのか、固定局として見られるのか、どっちなんですかいうて聞いてるんでね。で、それが諸要因があって決まってないというんだったら決まってないでいいんですよ、そういうふうにお答えいただいたらいい。私自身は読んだら、これ、人工衛星は移動体なんやろうかどうやろうか、こう思いますがな。そういう単純なことですよ。
○政府委員(平野正雄君) まだ決まっておらないわけでございます。今後鋭意検討をしていきたいと思っております。
○沓脱タケ子君 そうしますと、決まってないということになれば、決まらないままでほうっておきますと非常にあいまいなことになるわけですね。移動体として認識をして適用除外を受けられるというふうに自衛隊は考えると。また郵政省の方は、いや、そうではないのやと、まだ決まってないけれども、これはやはり物体が動いているんだから移動局なんだという認識の違いのためにトラブルが起こるということがあってはならない。これは早急に意見を統一をされ、そうして新しい事態に適合できるように、必要とあれば改正をなさる必要があるんではないか、そう思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(平野正雄君) 何分にも、防衛庁が人工衛星につきまして部内で余り話題にもなっていない、計画もないということでございますのでいろいろ防衛庁等関係方面と検討はいたしますけれども、相当時間がかかるんではないかというふうに感じております。
○沓脱タケ子君 いや、私無理やりにあなたがいやなのをやってくれと言っているんじゃないけれども、法律上やはり新しい事態に適合するように整備をする必要があるんではないかということだけなんですよ。自衛隊がどうお考えになっていようが、防衛庁がどうお考えになっているかはそれは別の問題で、電波法をわざわざ改正をなさっているんだから、改正をしなければならないような新しい事態というものが出てきているんだから、それに適合しない条文が出てくれば、条項が出てくれば、それについてはこれは法律を詰めておくということは当然管理責任者として任務じゃないですか。それはどうですか、何となく頼りないんだけれども。
○政府委員(平野正雄君) ただいま申し上げましたように、まだ計画はないと言っておりますけれども、先生の御指摘でもございますので、検討に入りたいというふうに存じております。
○沓脱タケ子君 これは私当然だと思うんですよ。新しい事態が起こってきているんだからね。 で、もう一つちょっとお聞きをしておきたいのは、これ船舶の無線局等についての問題が出ているんですけれども、これは午前中に論議をいたしましたわが国の実験衛星とは関係ないんですね。実験衛星は船舶の無線との関係はどうですか。——実験衛星と違いますわ。実用衛星、午前中に論議をいたしましたCSですね。
○政府委員(平野正雄君) 現在実験用に打ち上げております通信衛星CSは、船舶を含めました移動体との通信とは関係ございません。
○沓脱タケ子君 そうしますと、ここで規定をする人工衛星というのは何ですか。マリサットですか。そのことを具体的にはお考えになってこういう規定をなさるわけですか。
○政府委員(平野正雄君) 今回電波法の一部改正の中で改正をいたします衛星は、全部の衛星を含むわけでございます。
○沓脱タケ子君 いや、全部の衛星を含むと言われると、それでは午前中に機構法で論議をいたしましたわが国が打ち上げる実用衛星も対象にしているんですか。
○政府委員(平野正雄君) その意味ではそのとおりでございます。ただ、先ほど船舶と通信をする衛星がけさほど御説明をいたしておりました実験用の通信衛星と関係があるかと、こういうお尋ねでございましたので、船舶と通信をいたします衛星はいわゆる海事衛星と言っておりまして、これから郵政省、運輸省、宇宙開発事業団が協力をいたしまして検討していこうという段階でございますので、この海事衛星はけさほどの通信衛星——実験用の通信衛星あるいは実用の通信衛星とは関係がございませんと、こう申し上げたわけでございまして、電波法で改正する人工衛星は、これはすべての衛星を含むと、こういうことでございます。
○沓脱タケ子君 それは一般論だから当然そうですね。 もう時間がありませんので、最後に防衛庁の方おいでですね。——ちょっと聞いておきたいと思いますけれども、これは先ほどの、午前中の質疑の中でお答えをいただいたんですが、今度つくる機構にはユーザーになることも、それから独自で打ち上げる計画もいまのところはないとおっしゃいましたね。そういうことですか。
○説明員(伊部元康君) そのとおりでございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、いまのところはないというのは、将来はあるということですか。
○説明員(伊部元康君) 午前中の御説明で、衛星のユーザーとなること、あるいは独自の衛星を打ち上げることにつきまして、現在のところ防衛庁としては計画がないということを申し上げましたし、また、現在のところ庁内におきまして積極的にそれらに取り組めと、こういうような声も聞かれないということを申し上げたわけでございます。 ただ、それは将来におきましては、やはり先生御指摘のように、世界の軍事技術の趨勢というようなこともあろうかと思いますので、将来におきます研究課題にはやはりなり得るものであろうと、かように思っております。
○沓脱タケ子君 それはきわめて危険だと思うんですよ。ちょっといまのところ、現在のところとおっしゃったのが気にかかるので、もう一遍お聞きをしておきたいと思ったんですが、防衛庁の場合は、「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」等、国会の決議からいいましても、それは研究課題とか検討課題になれないはずだと思うんですね。これは昭和四十四年ですわ、決議をなされているのは。 この決議によりますと、こういうことを書いてあるんですよ。「わが国における地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙に打ち上げられる物体及びその打上げ用ロケットの開発及び利用は、平和の目的に限り、学術の進歩、国民生活の向上及び人類社会の福祉をはかり、あわせて産業技術の発展に寄与するとともに、進んで国際協力に資するためこれを行なうものとする。右決議する。」なんですよ。決議の立場からいいますと、これは将来もわが国が打ち上げるものとしては防衛庁は考えられないということになるんですけれども、その点はどうなんですか。
○説明員(伊部元康君) ただいま御指摘のございました院の御決議につきましては、十分肝に銘じて承知しておるつもりでございます。
○沓脱タケ子君 肝に銘じているけれども現在のところと言うんですか、将来は別だと、こう言うんですか。
○説明員(伊部元康君) 申し上げたいのは、研究の課題には将来なり得るということでございます。現在のところそのようなことを検討するようなつもりもございませんし、またその検討が進んでいるということでもないことは御説明したとおりでございます。
○沓脱タケ子君 それで、「わが国における地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙に打ち上げられる物体及びその打上げ用ロケットの開発及び利用は、平和の目的に限り」というのが院の意思なんです。肝に銘じてたらこれはできないということになるんですけれども、そのことは御理解になっておられるんですか、おられないんですか。きわめて重要ですよ。
○説明員(伊部元康君) 現在のところ、衛星を打ち上げる計画は全くないわけでございます。これは何遍も御説明しているとおりでございます。 しかし、その将来のことといたしまして、もし万が一、仮定の話でございますけれども打ち上げる必要が生じたと、万万万が一打ち上げる必要が生じたという場合に、当然その決議をされました院を含めまして関係方面と御調整申し上げると、かようなことになろうかと思うんでございますが、これはもう先々のことでございますので、仮定の問題だと思うんでございます。
○沓脱タケ子君 むちゃくちゃやな。国会決議よりも防衛庁が優先するというお考えになったら困るんですよ。国会決議が改められなければ、あなたのところではそういうものは打ち上げられないというかんぬきが入っているんですよ。そういう御理解じゃないんですか、防衛庁というところは。これは大問題ですよ。むちゃくちゃやな、もう。
○説明員(伊部元康君) 現在のところ計画はございませんし、またそのようなことを全く考えてないわけでございます。 あくまでも万万万が一の場合に、そういうような話が具体化いたしましたときに、やはり院の御決議というものがございますので、これは当然にこの院を含めまして関係方面と御相談申し上げまして、お許しをいただきました上で具体的な計画に着手するものと、かように考えております。
○沓脱タケ子君 いや、まあ、院の決議もなめられたものなんですよ。だから、まあその点は、その院の決議というのはそんなに軽々なものではないんだという点を防衛庁はもっと厳しく御理解をいただきたいと思う。だから法律案を修正しておけばよかったんですよね。附帯決議ぐらいつけといたって、院の決議でさえこのぐらいだからきわめて危ないと思うわけです。 その点で防衛庁、院の決議の立場から言ったら、この方針が変わらない限り、防衛庁としてはこれは打ち上げられないんだという立場を鮮明になさるべきだと思うんですが、いかがですか。
○説明員(伊部元康君) 院の御決議はいかなる場合にも十分尊重してまいりたいと思います。
○委員長(赤桐操君) 時間でございます。 本案に対する本日の審査は、この程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四分散会 —————・—————