地方行政委員会 第10号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1979/06/05
会議録
○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 理事の補欠選任に関する件についてお諮りいたします。 神谷信之助君が一時委員を異動したことに伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に神谷信之助君を指名いたします。 —————————————
○委員長(永野嚴雄君) 消防施設強化促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。澁谷自治大臣。
○国務大臣(澁谷直藏君) ただいま議題となりました消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 市町村の消防施設の整備につきましては、昭和二十八年の消防施設強化促進法の制定により、国庫補助制度の確立を見て以来、逐次その充実強化が図られてきたところでありますが、昭和四十九年度には、人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、昭和五十三年度までの五年間、これらの消防施設の整備に係る国庫補助率を引き上げることとされたところであります。しかしながら、昭和五十四年度以降においても、なお相当数の人口急増市町村の存在が予想されますので、これら市町村における市街地の拡大等に伴う消防施設整備の緊急性にかんがみ、この国庫補助率の特例措置を適用すべき期間を延長する必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、これらの市町村における消防施設の整備に係る国庫補助率を二分の一に引き上げる措置を、引き続き昭和五十八年度まで講ずることといたしております。 以上が、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(永野嚴雄君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○志苫裕君 私は、前回の本委員会に引き続きまして、消防職員の団結権の問題について、まずお伺いをいたします。 二十二日の本委員会では、法制局、警察庁、総理府、労働省等からも意見を聞きながらいろいろとお尋ねをしたのでありますが、それをちょっとおさらいをする意味で、冒頭大臣おらなかった部分もありましたから、おさらいをする意味で、ひとつ若干まとめて確認を求めたいといいますか、意見をお伺いしたいと思うわけです。 政府が消防職員の団結権を禁止する理由として、ILOなどへ送った国際文書によりますと、第一に、わが国の消防には三百年の歴史があり、一貫をして警察の一部門だったということなのでありますが、まあ三百年の歴史はともかくといたしまして、戦後の改革によって、概念の上でも制度の上からも警察と消防ははっきり分離をされた。すなわち、一九四八年の警察制度の改革は、この間も御答弁ありましたが、警察制度の民主化、警察から非警察事務を分離をして、警察は警察固有の任務に専心をするという新しい警察の概念を打ち立てた。したがって、消防はそれまで警察の概念に含まれており、制度としても警察の一部門であったものを、警察の概念から取り外して、制度としても明確に分離をした。で、三百年の歴史とこう言うのでありますが、とにかく明治以来続いておった警察の中に含まれておる消防の歴史はここではっきり遮断をされたわけであって、したがって、わが国の現在の法制上、消防は警察の構成員でもなければ警察の一部門でもないというのが、まあ前回いろいろやりとりいたしましたが、一つのまとめになると思うんですが、大臣、まず第一点そのように理解をしてよろしいですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 法律、制度の上からは御指摘のとおりでございます。
○志苫裕君 第二点ですけれども、政府見解の第二は、わが国の消防はその任務内容から見て、学問的にも保安警察の一部と解されておるというのが政府の見解になるわけですが、行政法における警察の観念あるいはその作用を、講学上行政警察と司法警察とに区別をして、行政警察はさらに保安警察と行政警察とに分類されることは定説であるという答弁がありました。しかし、現在わが国において、保安警察、行政警察の区分について実定法規が存在をしないのみならず、今日のように行政作用が稠密かつ相互に錯綜している状況のもとでは区別も困難だし、その意味も薄い、これが第二のまとめになったように思うのですが、そう理解をしてよろしいですか。
○政府委員(近藤隆之君) 学問的には、先ほど先生の御指摘になりましたように、行政警察、それから保安警察というふうになっておりまして、消防が保安警察の一部に属するということは通説であると思っております。ただ、現在の警察庁が消防事務を取り扱っているのじゃなくて、警察から独立した消防庁というものが消防行政を取り扱っておるということもまた事実でございます。
○志苫裕君 ですから、前回のいろいろなやりとりをまとめるとそのようになると思います。 政府見解の第三は、警察と消防は、公共の安寧秩序の保持という同一の使命を有しており、相互に協力することで補完し合っているという見解であります。ここで言う公共の安全、秩序の保持または確保、それから相互協力ですね、この三つが骨組みになるわけでありますが、この公共の安全、秩序の保持、相互協力というのは、警察と消防だけの共通性ではなくて、広く言えば公権力を伴う行政全般にわたることではないですか。この点はいかがですか。
○政府委員(近藤隆之君) まあ警察、消防以外の行政も、究極目的としては公共の福祉の増進ということを目的としておると思いますけれども、それはそれぞれの行政目的を遂行して、結果的に公共の福祉ということになる。それに対して警察、消防の場合には、もっと広く、端的に公共の福祉の増進ということにつながっておるという感じがいたします。
○志苫裕君 そこで、この点からきょうは少し詰めてまいりたいと思うのですが、公共の安全、秩序の保持、相互協力、これが三つ並ぶわけでありますが、特に警察と消防との共通性といいますか、任務の同一性という点では、この公共の安全と秩序の保持と相互協力、これのうち、政府の見解では特にどこに重点があるわけですか。
○政府委員(近藤隆之君) 警察法、消防法、それぞれ第一条に、その任務が規定してありますが、消防の場合には、「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資する」ということになっております。一方警察の方は、「個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序」の維持に当たるというふうになっておりまして、ほとんど、表現といたしましても、公共の安全、秩序の維持ということを大きな任務として掲げております。そして協力関係が、事柄が事柄だけに非常に密接でございますので、警察法、消防法の中でいろいろな協力関係が規定してございます。もちろん消防と警察との任務の違いはございますので、その範囲は、大部分では覆う部分も非常にありますけれども、違う面ももちろんございます。
○志苫裕君 ちょっとすれ違いですけれどもね、私、この間べらべらっと法律の名前を幾つか挙げて、それぞれの法の目的規定に公共の安全をうたい、秩序の保持をうたい、相互協力をうたった法律はほかにもたくさんあります。この前余りべらべらとしゃべったので、ちょっと例示がのみ込みにくかったかもしれませんが。で、私が申し上げたいというか、お伺いしておりますのは、この公共の安全といい、秩序の保持といい、相互の協力といい、これは警察と消防だけのものではないと。たとえば相互協力ということになりますと、まず官庁間協力という大前提から始まりまして、実態的にも法の上でも、それぞれ相互の協力関係をうたった法規はたくさんございますし、それから公共の安全ということになりますとこれはもうずいぶんあります。それから秩序の保持ないし確保をうたったものもずいぶんあるわけでありまして、何か都合のいいところだけ持ってきてこれの根拠にするというのは、まあいささか身勝手といいますか、そういう気もするものですから、ここでお伺いをしたわけですが。 法制局の方おいでですが、あれですか、これ、例示でありますが、たとえば、公共の安全だけうたって秩序の保持がないのが違うのかなと思って見ますと、最大限の秩序の保持だと思われる破防法とか、そういうたぐいの法に秩序の保持がなかったり、それから別のところに秩序の保持があったりいたしまして、まあ政府は安寧秩序と、こう言っているのですが、公共の安全なりあるいは秩序の保持というものの法の規定の仕方というものには、何か一定の規範のようなものがあるんでしょうかね。
○政府委員(茂串俊君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、各種の法律の目的規定の中には、その法律の目的をあらわす規定といたしまして、たとえば火薬類取締法第一条であれば、「公共の安全を確保」という用語を用いておりますし、災害対策基本法第一条におきましては、「社会の秩序の維持」という用語を用いております。それから警察法はもう御案内のとおり、第一条で、「公共の安全と秩序を維持」という用語を用いております。これらの用語は、一般的に申しまして非常に抽象的、包括的な概念でございますが、いわばその法律の究極の目的をあらわしているわけでございますが、総じて申しますると社会公衆の共同生活が一定の危害から予防されまして、あるいはまた法令とか社会慣習等に従って平穏に営まれるように保障するというほどの意味で用られておるものだと思うのでございますが、公共の安全あるいは社会の秩序というのはどういうところが違うかという点に視点を当ててみますると、公共の安全という場合には、あるいは公共の安全の保持という場合には、一定の危害から人の生命身体や財産を守るということに重点が置かれておるわけでございますし、また、社会の秩序、あるいは社会の秩序の保持というような場合には、一定の危害からもたらされる社会の混乱を防止いたしまして平穏な社会公衆の共同生活を維持することに重点が置かれているという違いがあるのではないかと思います。 そこで、各法律をながめてみますると、一々申し上げるわけにはまいりませんけれども、その法律のねらいなり趣旨なり、目的なりからいたしますると、たとえば火薬類の規制の関係の法律でございまするとそれはもちろん社会の秩序の維持というところまで影響が及ぶこともありましょうけれども、どちらかといえばたとえば火薬類が爆発した場合に人の生命身体なりあるいは財産を守るという、そこに力点が置かれておりましょうし、また、災害対策基本法の場合でございますと、もちろん人命なり財産を守ることがその目的として当然考えられなければならないわけでございますけれども、災害対策なんということになりますると、一朝災害が起これば社会全体の秩序が混乱すると、乱れるというような場合が非常に多いわけでございますので、そこで社会の秩序の保持というところに力点を置いて目的規定が置かれているというような違いがあるのではないかと思います。 ただ、それぞれの目的がニュアンスの違った形で置かれておりますだけではなくて、こういった法律目的を達成するために要求される具体的な手段方法とか、あるいは対処行動といったようなものにつきましては、これはまたそれぞれの法律によってさまざまであるということは、これはもう言うまでもないところでございますのでつけ加えておきます。
○志苫裕君 一般論として法制局のお話も伺ったわけでありますが、その種の規定をした法律というのは何も消防法あるいは警察法にとどまらず法制上たくさんある。そのうちそこだけ持ってきて、だから共通なんだというのでは、じゃほかの共通の問題をどうするという問題にもおのずから及ぶわけであります。結局この類似のものは、共通性というようなものは、安全といい秩序といい相互協力といい広範にわたっておりますけれども、結局司法権の作用をあわせ持って法を防護し公の秩序を保持するかどうかですね、その点が、任務の共通性とはいっても、警察と他の行政作用、他の警察作用との基本的な違いになっているのではないですか。そこのところがやっぱり、公の秩序やあるいは公共の安全や相互協力規定があるのはいろいろたくさんありますけれども、司法権の作用をあわせ持つかどうかというところが、警察とその他のところが基本的に分かれておるのであって、何か一部分の共通するところだけを持ってきて、これとこれは同じというふうにくっつけるのにはやっぱり無理がある。もしこれとこれで消防と警察をくっつけるならば、くっつかなきゃならぬものはもっとたくさん出るという形になるわけでありまして、やっぱり線引きというのは、いまのその点になるのではないか。 私はこの間横田喜三郎先生の論文の一部を御紹介を申し上げまして若干御意見も伺いまして、それはそうだという御答弁もありましたけれども、横田先生の論文も、結局、ある種のパニックから秩序を守る、消防もそうだし警察もそうだけれども、警察の場合にはその前段に法の防御というそれがあるわけであって、そういう意味では、消防の場合には何か人為的に法律を犯そうというふうな徒輩が別にいるわけでもないわけでありますから、どちらかというと自然現象的なパニックから来る秩序の保持。警察の場合には、その前に法の防御という、法を乱すというそこから起きるパニックから秩序を守る。この点でその作用というものをやっぱり区別をするべきではないかという見解等も述べられておるわけでありまして、この第三点の政府見解、公共の安全と秩序の保持というのが似ておるというだけでは、これはいささか正確を期してはいない、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(近藤隆之君) 先生はいま消防と警察との差という点に着目されておっしゃっておるわけでございますけれども、そういう着目からすればそうだと思いますが、私どもも消防と警察が同じ行政であるということを言っているわけではございません。ただ、警察権の行使それから消防力の発動、態様が非常に似ている。片や法を守るための犯罪に対する発動である、また、片や風水害あるいは火災に対する発動である、それは違いますけれども、その発動の態様というのは非常に似ておる。したがって、それぞれの法律に掲げてあるところの任務、目的、協力関係というような形になってくるんだろうと思います。
○志苫裕君 いまの御答弁は政府見解の第四点になるわけですけれども、結局、一九四八年の組織分離によって消防の権限はむしろ広範囲になったとさえこの見解で述べておるのですが、たとえ機能がどんなに広くなってきても、刑事警察権こそ警察の本質的な性格なのであって、これと他とはやっぱり峻別されなければならないという性格の問題だと私は思います。この点はなおこれ以上やりとりはいたしませんが。 実は、この間の委員会では、以上四つの見解まで私も言及いたしましたし、それぞれ関係者の御見解や御答弁もいただいたところであります。ここで、しからば三百年そうであったかという三百年分の質問に入りたいところですが、まあその辺はちょっと、江戸時代の話をしても、話だけであって余り生産的じゃありませんから、きょうは少しその辺のところは割愛をいたします。議論をするとすると、やっぱり江戸時代の火消しや町奉行の性格についても、今日のどれに当たるのかといいますと、あの当時の社会の機構といまではずいぶん違いますから、必ずしも単純にこれがこれだといって当てはめにくいですからね、まああんまりその辺の議論は——この間予告しておきましたけれども、これはきょうは割愛をいたします。 そこで、自治大臣はこの間、結局、消防は警察の構成員であるとかないとか、警察の一部門であるとかないとか、学問上はどうだとかという議論はそう大して意味のないことであって、むしろ任務の内容、仕事の内容が団結権になじむかなじまないか、ふさわしいかどうかですね、その辺をもう少しやっぱり詰めていった方がいいんじゃないかという種類の御答弁でありました。私もその点を受けまして、その答弁に沿って以下論議を少し展開をいたします。 政府見解でこれに見合う見解を探してみますと、消防の任務の特殊性は、労使対立の立場で行動することを予定する団結権になじまない。さらに、まあ文言は少し違いますが、団結権を与えると、一致協力の気風が損なわれ、規律と統制が乱れ、消防業務が混乱すると、こういう見解のくだりが、さしずめ団結権と業務内容との議論をするにふさわしい政府見解のくだりだと思います。ですので、まあいろいろと言っておりますが、ざっくばらんな話が、労働組合などあって団結権などあるともういざというときに困ると。ジャンと半鐘が鳴って出ていかなきゃならぬときに、ちょっと待ったなんて言われておったんじゃ、まあそれは困るでしょう。わかりやすく言うと、ジャンと鳴ったときに支障が出るということなんですか、突き詰めて言うと。いかがですか。
○政府委員(近藤隆之君) ジャンと鳴ったときにすぐ飛び出さなければならない、これは救急の場合も同じでございますけれども。そういうような態勢に常にあるためには、職場内において労働者、使用者といったような対立概念を生むような団結権というようなのはそぐわないのじゃないかという感じを持っております。
○志苫裕君 ですから、詰まるところそこに煮詰まってくるようでありますが、その種の考え方というのがたとえば労働法の世界でまかり通るのかどうなのか。国際的な原則としてそれが通用をするものなのかしないのか。中小企業のおやじが、この会社はおれがつくったんだと、つべこべお前たち言うなと、そう言うだけで通用した労使慣行の時代もあったし、それはおやじにはある程度の公の規制が加えられていかなければならぬ時代の移り変わりもあるわけでありますから、その辺の点が問題になる点だと思いますが。 労働省おいでですからちょっとお伺いをいたしますけれども、突き詰めて言うと、団結権があって、ちょっとしたことでもトラブルが起きるようなそういう状況が日ごろあってはジャンと鳴ったときにも出れないから、その職場には団結権はなじまないとこう言うんですけれども、仮に政府の表現をかりれば、「消防の任務と活動の特殊性は、労使が対立する立場で行動することを予定する団結権」と、こう表現をするんですが、では、団結権というのはどういうものですか。
○政府委員(松井達郎君) 一般的に申しまして、団結権と申しますと、やはり労働条件の維持改善を図ることを目的といたしまして、これはまあ団体交渉を通じてということになるわけでございますが、勤労者が団体を結成する権利というふうに私どもとしては考えております。
○志苫裕君 団結権というのは、労使対立の立場で行動することを常に予定するものでありますか。
○政府委員(松井達郎君) 団結権と申します場合には、労使対等を実現するということがやはり一つの基本にあるのではなかろうかと思います。
○志苫裕君 消防庁長官、わが国の労使の場合には、法律上は労使対等と書いてある、労働法では。皆さんのところでは労使対立と、ことさらこうなるわけでありますか。対等の概念と対立の概念は同じですか。
○政府委員(近藤隆之君) 職員の勤務条件をよくするために、対等の立場にあるところの労使がいろいろ議論をし合う、現実問題としては対立する場合が相当ございます。それをこの政府の——日本政府の見解かと思いますけれども、お引きになりましたのは。労使対立という言葉を使ったんだと思います。
○志苫裕君 対等と対立というのは、似ているようでいて私にはちょっとニュアンスが違うわけです。対等という場合には、立場の違いとかそんなものがあっても、労働者の持っておる人格、使用者の持っておる人格、これはやっぱり対等なんですよと。任務の命令系統とかそういうものはありますよ、いろいろとね。あるいはいろんな、まあ主従関係はないにしても、法で規定された、あるいは俗に言う、道徳的に言えば長幼の序とかそういう意味でのものではありますが、ありますけれども、人格としてはやっぱりそれは対等なんです。だから、おまえは何でもおれの言うことを聞けという、そういう発想は実はなじまないわけですけれども、あえてやっぱり皆さんの方は——対等の立場で仕事もよくやるし、話し合いもよくするし、それからまたときには意見が合わなければいろいろと対立もあることは否定をいたしませんけれども、許容された範囲でそれは当然でありますけれども。で、やっぱり対等の立場で労使がお互いに尊敬をし合いながらも、違いは違いでぶつかり合いながらも接するということ自身は、消防といえども何といえども、団結権になじまないというふうに決めてしまわぬでもいい性格の問題だと思うんですね、これは。私は、後刻触れますけれども、それがストライキ権までいきますとね、ジャンと鳴った、ああ休みだ、これじゃいささか問題も起こりますから、そこまで私は言及をしていません。広い意味での団結権のところでいまお尋ねをしておるわけですが、消防の任務の特殊性は労使対立の立場、団結権というのは労使対立でけんかをするんだから、したがって消防になじまないというふうに持っていくのはいささか——大臣も労働省の出ですが、戦後確立をされたこの労働法の精神とでも言いますかね、そういうものとは少しずれているんじゃないですか。いかがですか。
○政府委員(近藤隆之君) 消防活動というのは、私は部隊活動だろうと思います。その意味におきましては、警察活動あるいは自衛隊の活動というものに非常に似ておると思います。対等でどうこうと、まあ個人的に人間として対等であるということは当然でございますけれども、命令一下部隊として行動するという面が非常に強いので、労使対立あるいは労使対等というのはそぐわないのじゃないかと思います。
○志苫裕君 労使対立というのは団結権の有無によって生ずるんですか。消防の問題ちょっと抜きにしましてね、皆さんも一応それぞれの方ですから民間の使用者とは少し違いますけれども、労使対立というのは団結権の有無によって生じますか。国家に対する反乱にしてもあるいは労使の対立にしても、それは法のあるなしにかかわらず起きるときは起きますね。それが法をぶち破って新しい秩序をつくることだってあり得る、これは。あり得ますが、一応法律の中で議論を進めますけれども、団結権の有無と労使の対立というのは、その団結権というのが原因であってしたがって労使対立が生まれるという見方には、私はくみすることはできませんね。大臣、労働問題の権威者でもありますが、いかがですか、その点。
○国務大臣(澁谷直藏君) 非常に微妙なところに触れてくるわけでございますが、私はやはり先ほど長官がお答えしましたように、消防というものの持つ任務の特殊性、その任務を達成するために消防が行動をする、その行動の中身ですね、態様、そういうものの特殊性、これが一番やはり軍隊あるいは警察というものと類似しておるという点は、これは恐らく志苫さんもお認めになるだろうと思うんです。この三者は、いずれも行動する場合の状態が通常の状態ではない、ノーマルの状態ではないという点が共通していると思います。つまりそういう意味では、ノーマルではない一種の非常事態というような状態において行動することを要求される、そういう任務と職務の特殊性を持っておる。で、その任務を達成するために要請される行動、これを効果的に遂行をするために、やはり高度の規律、高度の統制というものが当然の結果としてこれは要求されてくるわけでございますので、そういった任務と職務の特殊性というものから団結権というものが軍隊や警察に適用されないという、現に適用されておらないわけでございますが、そういったようなことから消防についても団結権はなじまないと、こういうふうに従来から政府としては考えておると、こういうことだと存じます。
○志苫裕君 ですから私も議論をしているのですが、どうも大臣も少し私の質問から逃げちゃったけれども。ですから、ある種のパニック、そういうときに対応しなければならないという消防の任務というものはよく私も承知をしています。で、それは大きい規模のものになればなるほどに非常に迅速果敢に部隊行動もしなければならないということも承知をしていますけれども、したがって即警察だ、軍隊だという間には飛躍があることをずっと私も述べてきておるわけですけれども。 労働省、労組法上、一番最初に労組法ができましたときには、確かに労組法で警察吏員と消防吏員が禁止されておったような文言がありました、四条でしたかね。それ、いまもがれていますね。これはどういう理由によるものですか。
○政府委員(松井達郎君) 一番初め労組法ができましたのが昭和二十一年のことでございますが、このときには、いわばかたかな時代の労働組合法でございまして、文章を読み上げてみますと、「警察官吏、消防職員及監獄ニ於テ勤務スル者ハ労働組合ヲ結成シ又ハ労働組合ニ加入スルコトヲ得ズ」という規定がございまして、このときは消防職員は国家公務員であったのではなかろうかと思います。その後、まあ先回の委員会でもお話しがありました、消防組織の改正が行われまして、消防は地方公共団体の仕事になってきたわけでございますが、一方、労働組合法も昭和二十四年に改正になりまして現行の労働組合法の姿になったわけでございますが、同じく四条に、「地方公共団体の警察吏員及び消防吏員は、労働組合を結成し、又は労働組合に加入することができない。」ということになっておりまして、ここでは「地方公共団体の」という限定が加わっております。国家公務員につきましては、これは国家公務員法のもとでもう新しい規定ができましたものでございますから、それについては言及しないということになったわけでございますが、その後昭和二十六年に、地方公務員法が制定されますとともにこの四条は削除されてしまって現在はないという経緯でございます。
○志苫裕君 そうすると、私の理解不足でしたかね、労組法ができたときにはまさに消防は警察の一部門でありましたから——二十一年ですからね、警察制度の改革は二十二年になりますから。で、これはまさに名実ともに警察の一部門でありましたから、旧労組法の第四条で消防、警察が除かれる。ただし、それは吏員に限っておったようでありますけれども。しかしその後、一応別の法律に法規の規定はするけれども、労組法上は消防は分かれたわけでありますからね、したがって消防の問題について労組法で特に禁止の規定をうたう必要はない。労組法上でいけば、他に法規なしとせば、労組法上でいけば消防職員は団結権の禁止はされていないわけですよね。
○政府委員(松井達郎君) 経緯につきましては、もう一度繰り返さしていただきますと、たしか消防組織法ができまして施行になりましたのは二十三年の三月だと承知いたしております。そのときの労働組合法の条文はかたかなの法律の時代でございまして、「警察官吏、消防職員及監獄ニ於テ勤務スル者ハ労働組合ヲ結成シ又ハ労働組合ニ加入スルコトヲ得ズ」という条文が残っている姿になっておったわけでございますが、その後、昭和二十四年の労働組合法の改正におきましては、ここで国家公務員それから地方公務員という二つの、たとえば警察におきましても二つの姿が出てまいりましたので、しかも国家公務員法におきましては団結権が禁止されておるというようなことも踏まえまして、この第四条につきましても改正いたしまして、「地方公共団体の警察吏員及び消防吏員は、労働組合を結成し、又は労働組合に加入することができない。」という条文になったわけでございます。このときには先ほど申しました消防組織法が施行されておりまして、その消防組織法が施行されておる姿のもとにおきましてこういう労働組合法の規定ができたわけでございます。それが、昭和二十六年になりまして、地方公共団体の職員、いわゆる警察職員、消防職員につきましても団結権禁止という点が地方公務員法におきましてはっきり明定されましたので、これに伴いましてこの労働組合法の条文第四条が削除されたと、こういう経緯になっております。
○志苫裕君 わかりました。 先ほどの大臣の答弁に戻って、以下、残された時間お願いいたしますが、大臣の御答弁ですと、何も消防は軍隊でも警察でもないけれども、先ほど述べた、消防のやっておるそういう任務の特殊性というのが、警察や軍隊と同じように、部隊編成をしたりそういうパニックに対応しなきゃならぬので、団結権というものについて留保されておるのではないかというお話なんですが、それが日進月歩を遂げておる人権あるいは国際的な原則、そういうものに一体適合するかどうかが生きた政治の議論になるわけでありますが……。 その前にちょっと法制局の方、あれですか、確かに軍隊か——私はうまく説明できないが、なるほど軍隊がストライキをやったら困るだろうなという気もいたしますわな、率直に言って。これは余り理屈わからぬが軍隊はだめと。しかし、大いにつくってよろしいというのが両極端におるわけですね。この軍隊があって警察があって消防がと、こうずっと以下並ぶわけですが、立法をする場合に、ここからこっちはだめと、ここからこっちはよしという基準というものがあるんですか。団結権あるいは争議権、まあそれぞれありますが、一応いま団結権を議論していますが、団結権というものはここから左は禁止、ここから右はオーケーと、立法する場合の何か客観的な基準のようなもの、あるいは理論上のそういうものがあるんでしょうか。
○政府委員(茂串俊君) 御指摘の点につきましては、非常にその判断基準というのはむずかしい点があろうかと思いますけれども、一般的に申しまして、公務員等につきましてはその地位の特殊性とかあるいは職務の公共性等にかんがみまして、国民全体の共同利益の見地から、いわば労働基本権につきまして必要やむを得ない限度で制限を加えることができるという抽象的なまず基準がございます。したがいまして、この基準から申しますると、やはりその当該公務員の職務の特殊性と申しますか、あるいは任務の実態と申しますか、そういった点にかんがみまして、いま申し上げたような、何といいますか、国民全体の共同利益の見地からしまして一体どういうような影響を与えるかというような点を総合的に勘案しました上で、まあいわばケース・バイ・ケースで考えるということになるのではないかと思います。
○志苫裕君 ケース・バイ・ケースで考えるということになりますと、政策上の問題というのがやっぱり前へくるわけでありまして、これは余り理論的にやってみても、極端と極端なら説明がついても、その辺のまじり合っているあたりへくると説明がつかないという点で私も了承をいたしますが、そういう性格の問題だ。 そうすると、日本政府の政策上の問題ということに話が煮詰まってくるわけですが、そうなってまいりますと、日本は世界の日本でもあり、ちょんまげ時代とも違うわけでありますし、多くの国際関係を持ち、また国際的な約束事にも加わってつき合いをしておるわけでありますから、その点ではILOが日本の、それこそたかが日本の消防の問題について、ずいぶんしんぼう強くいろいろと労使それぞれの提起を審議をされておることに敬意を表しておるんですけれども、それにしても、何か国内で決まりもつかぬであんなところまでのこのこ出ていっているのも、一遍二遍ならいいけれども、年じゅう行っているというのもいささか当事者能力がないような気がして私も残念なんですが、決して私はILOの権威をかりるという意味じゃないんですが、なるほど先ほど大臣答弁のような消防に対する見解もありましょう。しかしそれが国際的に通用するかしないかとなると、案外それは国際的に見ると少数であったりむしろ改善を迫られたりという内容もあるわけですが、もう私長いことは申し上げませんが、ILOでは、いろんないきさつありましたけれども、一九七三年のいわゆる結社の自由委員会の第百三十九次報告、これが、いわばこの問題にはほぼ勝負ありとでも思うようなILOの見解を述べておる。しかも、さらにそれに対して日本の政府がいろいろと見解を述べておるけれども、日本の政府の言い分も幾らか認めてなおかつというふうに、さらに念を押したような報告は、一九七七年の三月の専門家委員会報告でも、日本の消防が若干の特色を有するとしても組合結成の権利否定を正当化するものとは思えないという念を押した、この一九七七年三月の専門家委報告はなっておるわけです。すなわち、一九七三年の専門家委員会報告、それを受けた結社の自由委員会報告、それに向けてのさまざまなトラブルがあって、さらに一九七七年になりますと、なるほど日本の消防には若干の特色はあると、しかし、組合結成を禁止する正当な理由とは思えないと。そしてそれ以降は、早くひとつ日本において決まりをつけてくれよと。そういう種類の見解等が述べられております。私、客観的にここ一、二年のものを見ますと、もうほどほどにしてくれよという、いささかILO様でもうんざりしているような、おれの言い分はもう言うてしまっているじゃないかと、あとはひとつ国内で、もう国際的な舞台では決まっちゃっているんだから、国内の問題としてどうぞおまとめくださいよというところまでILOでは言ってそれぞれ見解を述べておる。 こういう一連のいきさつを見て、そのILOの報告の文言の一つ一つの自分の都合のいいところに食いついて、ああおれの言い分が通ったとか、いやおれの言い分の方が勝っているとかという、そういう論争意味ないんです。大きい流れとして、なるほど早いころの——政府の見解で口実にしておる、結社の自由委員会が二度にわたって、消防が警察に含まれる同視すべき職務との判断見解が示されておるというふうなところにいつまでもへばりついておってはしょうがないわけですよ。その見解というのは、日本の公務員は全部禁止されておると言うたから、そうじゃない、こういうものを除いては認められていますよと言ったにすぎないのであって、それは一九五四年なり一九六一年の報告でそういういきさつがあったけれども、一九七三年にまさに判決に近いような確定的な見解が述べられて、それが数回にわたって確認をされて、日本政府に対して、ひとつ国内でよく改善措置を考えてくださいと、こういうところまできて、最近はうんざりしておるといういきさつをたどってみれば、片言隻句じゃない大きな流れとしては、やっぱり日本政府もこれにかたくなにこだわるという大勢ではなかろう、こう思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) この問題も、もう毎年毎年国内の論議をILOの舞台に持ち込んでいろいろと論議を煩わしておるわけでございますから、そういう状態というものは私は決して好ましい状態ではないと考えます。要するにこの問題は、消防職員に対して団結権を付与することがベターなのかどうかという、これはまさに立法政策上の論議でございますから、世界の大勢はもう言うまでもなく大部分の国は団結権を認めておるわけですから、日本においても別にそれを否定する根拠はないじゃないかという議論もこれは当然出てくるわけであります。しかし、いやそれは世界はそうかもしらぬ、しかし日本の場合はよその国と違う特殊性がある、それから労使の実態ももちろん違う。そういったような点を考慮すると、現在の日本においてはやはり消防については警察と同様に団結権を認めない方が、消防というものの任務の達成上はその方がいい、こういう議論も当然これは成り立つわけでございます。そのどちらが果たしていいのかという議論は、これは裁判官がないわけでございますから、結局、最終的には国会で決めるという以外に、これはもう実際の方途としてはそれ以外に道はない。 そういうことで国会で議論をされておるわけでございますが、この問題は、やはり公共企業体の労働組合に対して争議権を認めるべきである、いや認められないという議論が、ずっと長い間論議を重ねておるにもかかわらずなかなか明確な結論、一致点が見出せないという、そういった問題のやはり一環でございまして、志苫さんの議論も私はよくわかるんですよ。議論としては十分理解できます。しかし、この席上で、政府もそろそろもうそういうことで団結権を認めないというふうな考え方にしがみついていないでもいいじゃないかという御指摘に対しては、さようでございますと言うわけにはこれはとうていまいらない。実際問題としては、自由民主党とそれから大部分の野党の間における最大の争点の一つであるわけでございますので、私どもといたしましては、現在においてはなお、消防職員については現行制度のままでいくべきであると、こういう見解をこれは変えておらないわけでございますので、この点もひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。
○志苫裕君 ですからね、国会での議論も幾らか行われておりますけれども、どうも労使だけでとげとげとげとげやっていますとね、言葉の端々みたいなところの解釈にばかり強くこだわるので、私今回初めて少し大きい流れというふうなものを系統的に取り上げておるわけですが、特に一九七三年の結社の自由委員会の百三十九次報告、これはその年の専門家委員会の報告を受けてなんですが、ここでは「委員会は、団結権と争議権は相異なる二つの問題」であると、「団結権と争議権は相異なる二つの問題であること及び団結権は必ずしも争議権を包含するものではない」というこの指摘が、その後しばしばその点を想起するように報告でも引用をされておるわけであります。これらの国際舞台における議論、そこまで突っ込んだ議論まで考えてみますと、政府の方にこだわりが多過ぎる、もう少し世の中の進展に応じた見解、対応があってもいいじゃないか。しかも国際舞台からしばしば、もうおれの方じゃ決まりついているんだから、あともう国内問題なんだからそこでやってくださいと、言うならそういう文言になっていますよ、最近。それをまた何か都合よく読んでね、国内問題なんだから国内で勝手に決めればいいんだというふうにお読みになるのはこれは偏見なんでありましてね。国内的な問題だと言っておるのは、あと残っておるのは国内で決まりつける問題だけですよと言っているんですよ。国際舞台じゃもう答えは出ているんですよということを言うておるのに、国内的なというところばかり読んで、いや国内的な問題だから国内で勝手にしてもいいんだという、政府が従来から主張しておる消防をどの部門に属させるかはいわば立法上の問題だというようなことと結びつけて恣意的にとらえるわけですけれども、これはあれですか、自治大臣はいまの答弁しかなかなかきょうは前へ出ないんでしょうけれども、私はILOの片言隻句で皆さんとやりとりをするのも余り意味ないからきょうはあえてずいぶん割愛をしているんですが、ILOの動きはそういう方向——私が大ざっぱに物を言いましたが、そういう方向に動いておるということをお認めになるでしょう、国際舞台での議論は。
○政府委員(松井達郎君) お答えします。 つい二、三週間前に、ことしの総会に向けましてのILO条約、いわゆる専門家委員会の意見が出たわけでございますが、それをここで読ましていただきますと、「消防職員の団結権に関する従前のコメントについて、」少し途中を省きまして、「より一般的には、団結権の問題については長期的視野に立ち慎重に検討し続けるとの政府の説明に興味をもって留意した。」という書き方をいたしております。 それで、私どもといたしましては、この消防職員の団結権の問題につきましてILOの場におきましては——私どもと申しますよりも政府といたしましては、先ほどから議論になっております消防職員の特殊性、任務、こういうものについて申しますとともに、またもう一つ、先生が先ほど御指摘になりました問題点として、これは国内で解決すべき問題ではないかというような言い方でもってILOに申してきたわけでございます。先ほどしんぼう強くやっておるとおっしゃいましたが、私どもとしましても操り返しILOに申してきたわけでございます。それで、最近は私どもとしましては、ただいま申し上げましたような意見に見られますように、「団結権の問題については長期的視野に立ち慎重に検討し続けるとの政府の説明に興味をもって留意した。」という言い方でございますので、私どもとしましては、ILOは、団結権について付与しろとかしないとかという言い方をこれまでに比べれば直接的には言わなくなったのではないかというふうに理解しておるところでございます。
○志苫裕君 政府が、二、三度にわたって、わが国における消防職員の団結権の問題は、三公社五現業の問題の決まりをつけて、その上で他の公共部門の団結権問題とあわせて長期的視野で慎重に検討したいというのを、それこそもうしんぼう強く述べておりますから、まあそれに興味を持って留意したんでしょう。興味を持ったというのは、いまごろこんなことを言うているのもおるかというので興味を持つのもいましょうし、何遍言うてもわからぬ国だなという興味の持ち方もあるわけでありますから、これはまたその後の議論がなかなかああいうところの文言というのは日本語みたいにすっと読みにくいですからね、だから都合のいいように読むときもあるわけですが、でも、もうこれでかれこれ二十年近くになりますか、それの片言隻句じゃない大筋の流れを見れば、大臣も先ほどお答えになったように、やっぱり国際的な一般論、一般的な原則としては、消防職員については、組合の結成を禁止をするとか、団結権を頭からもうだめと、そういう性格のものじゃない、だからよくお考えくださいよと、団結権即争議権じゃありませんから。というところまで議論が深まっておるという事実は否定をできないわけであって、やっぱりサミットもすぐ目の前に控えて、あらゆる分野において国際舞台で名誉ある地位を占めようとするわが国において、徳川三百年のしっぽをまだつけているのじゃこれはどうも近代性を疑う。 特に私ががまんがならないのは、徳川三百年はともかくとして、戦後心を新たにしてあの諸改革が行われた、その改革の歴史というものをあえて没却をして、まさに天皇制時代の警察国家機構というようなものが今日まで続いておるような頭でこういう近代を論じようというのだから、まあ皆さん生きているうちにはだめかもしらぬが、これは皆さんの頭はどんなに古めかしくても、日本が置かれておる国際的な立場というものは、こんな古くさいしっぽをつけておくわけにいかぬのですよ。大臣はこの間、そういつまでも人様のお世話になっていないで、日本は日本において国際的な動きというようなものも敏感に受けとめて、やっぱり自分で骨身を惜しまぬで決まりをつけなきゃならない。幸い、まあ機能をしてないけれども、公労協の方には公労協の閣僚会議——基本問題閣僚会議でしたかね、があり、それから公務員の方は総理府の長官を長とする懇談会もあるようですけれども、いろんな政治的な思惑も入り込んで能率は悪いんですが、特に総理府の長官を長とする懇談会の方は課長補佐クラスの人を集めて寄り寄り話し合っているっていうようなことを言っていますが、聞いてみると話し合ったこともないようですがね。あるだけで何もしておらぬそうだけれども、そういうものはどこかへおきまして、自治大臣、これはやっぱりこの問題について、労働問題ではあるが同時に消防職員といえばやっぱり自治省の所管でもありますし、労働省の出身で労働問題に造詣が深くて消防問題を所管する大臣なんだから、あなたの立場は非常にぐあいのいい立場なんですよ。これはやっぱり百尺竿頭一歩を進めてその検討の場を持ってみると。私は先ほど来、ストレートにあすあすに団結権だストライキ権だという主張はできるだけ避けて、とにかく政府がじっと穴に閉じこもって旧来の陋習にとらわれているところから少し窓を開かないかと、そういう舞台装置を考えないかということを結びにするように注意深く議論は進めてきたつもりなんです。どうです、大臣。何かもう一歩出る、そういう検討の舞台。お知恵拝借なら知恵を出す人たくさんいますよ。いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 志苫さんの非常に理を尽くした御議論、御指摘は、私も非常に真剣に拝聴をいたしております。 この問題は、やはり大きく言いますと公共企業体の争議権の問題とも絡む非常に大きな論点の一つでございますから、先ほどもお答えしましたとおりでございまして、いまこの席上で、さらに一歩踏み出せないかというお尋ねでございますが、この点については、現在の私としてはお答えすることはできません。やはり慎重に皆さんの議論にも十分耳を傾けながら、なおひとつ引き続き慎重に検討を続けてまいりたいと考えます。
○志苫裕君 きょうは総理府呼ばなかったんですが、ちょっと話をそらしますけれども、いわゆる公務員の労働基本権問題を議論するという——ちょっと名前を忘れて済みません、何懇談会といいましたかな。
○政府委員(砂子田隆君) 公務員問題連絡会議です。
○志苫裕君 ああ連絡会議、その連絡会議というのは、何か作業日程でもあるんですか。うるさいから何かこんなものを置けやと、こういう調子なんでしょうか。
○政府委員(砂子田隆君) 公制審が終わりました後の残された問題を議論するために公務員問題連絡会議を置いておりまして、現在、交渉不調の際の調整方法なり、あるいは団結権禁止違反に対する刑事罰の問題というのを議論しよう、あるいは消防の団結権問題を議論しようということにしておりまして、格別に日にちを定めて開いているわけではございませんで、その都度、必要に応じて開いているわけでありますが、私も正確な回数は覚えておりませんが、本会議なり局長会議なり課長会議を含めまして五、六十回開いておるはずでございます。
○志苫裕君 まあ五、六十回でもいいんですが、その連絡会議——ぼくはこれ舞台狭いと思うけれどもね、その連絡会議では、当然消防職員の団結権問題も含めて議論をされておるわけですか。
○政府委員(砂子田隆君) ただいま申し上げましたように、交渉不調の際の調整方法でありますとか、団結権禁止に関します刑事罰の調整の問題でありますとか、消防の団結権の問題についても議論しておるということになっております。
○志苫裕君 公制審で、従来の経緯にかんがみ、当面現行制度によるものとし、今後のILOの審議状況に留意してさらに検討するという三つのまとめになって、それに基づいて連絡会議ができたものと、こう理解をするわけですが、それにしても長いですね。三百年の歴史があるからこれから三百年やるんじゃないだろうが、その辺もう少し大臣も真剣にならぬですかな、これは。もう少し真剣になりませんかな。ぼくは舞台が狭過ぎると思う。
○政府委員(砂子田隆君) 先ほど来志苫議員からお話がございましたように、この問題は国内的——本質的には国内的な問題だという政府の主張なり、あるいは長期的視野に立って検討をするんだということの見解なりがある程度ILOで認められておりまして、そういう線から議論をするわけですが、本来、先ほど大臣が申されましたように、公企体等の問題あるいは先ほど申し上げました二つの問題、さらには解決いたしました法人格なり管理職の職に関する問題、こういうことを徐々にやってきておりまして、なかなかこれ関係各省のこともございますし、全体的な労働の基本権に関する問題でもありますから、おいそれと右、左ということにはなかなかまいりませんので、ある程度やはり時間をかけて議論しなきゃならぬ問題だと思っております。
○志苫裕君 いや、私何も言葉じりにこだわるわけじゃないですがね、本質的には国内的な問題で——それは本質的に国内的な問題なんですよ。本質的には国内的な問題だという政府の言い分を認めてILOが本質的には国内的な問題だと言っているんじゃないんですよ。それは皆さんは自分の都合のいいようにお読みになる。これはもう読み方であってね、この問題はもう五遍も十遍もやって、ILOは言うことは言うたじゃないかと、あと残っているのはそっちの国内の問題なんだという意味で国内的な問題なんでありましてね。何しようと勝手だという意味で、政府が国内的な問題だからILOよけいなことを言うてくれるなと、よけいな見解なんか出さぬでくれと言っておるという意味での国内的な問題だというふうに、そういうふうに勝手に読むからこれずいぶんまた手間が長くかかるわけですよ。国際的な趨勢というのは、日本は別に孤立しているんじゃないんですから、鎖国でもなければちょんまげ結ってるわけでもないので、ただ、団結権のない消防職員が海外出張をすれば、団結権のある消防職員と交流もしなきゃならぬわけですよ。それでおまえの国はまだないかという話になるわけだ。洋服着ていたって頭にちょんまげが見えるような話になるわけでしょう。こういうぶざまなことはやっぱりそろそろ卒業しなきゃならぬという意味で、われわれ一人一人の審議だって一国の名誉をかけてやってるんですからね、本当のことを言うと。国際舞台の議論をすれば。 ですから、余りそういうこだわった言い方をしないでひとつ大臣ね、澁谷大臣はあなたはまあいつやめるかわからぬと言ってこの間から遠慮しているが、いままでの答弁はずいぶん歯切れがいいんだ、本当に。自治の復権なんというものは胸のすくような答弁をするんだが、さっぱりだめだね、これは。本当に、これは大臣、あなたが直接この所管になったからあるいは言いにくいのかもしらぬが、あなたは某所で実は非常に明快な見解を述べたこともあるということを承知をいたしましてひそかに敬意を表して、何がしかのアクションを期待をしておるのでありますが、この間の御答弁で、ひとつ検討してみましょうという御返事でありましたが、これはきょうにわかにほいほいという返事が出るほどやさしい問題じゃなくて、私もまだこれ辛抱強く機会あるごとに、本委員会に籍のある限り議論を続けたいと思うけれども、とにかく私は二日間にわたって本当にまじめに議論をしたつもりなんだ。大臣、ひとつそれはくんでもらってね、これ、皆さんの方で十分に、ただおざなりに連絡会議があるからいいわじゃなくて、こういう問題も非常に重要な問題なのでありますから、ひとつ真剣に検討をしてみるという返事は出ますかな。
○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほどもお答えしましたように、この問題はやはり基本的な問題でございます。そして、前回に引き続いて本日志苫さんが展開されました御論議、まことにもう真剣に情熱を傾けて論陣を張られたわけでございまして、私は本当に真剣に拝聴いたしました。ただ、お答えしましたように、この問題は基本的な問題でごさいまするし、この点について私ども——自由民主党も含めて、の考え方と野党の大部分の皆様方の考え方に、やはりなおかなりの距離があるわけでございまして、この点はひとつ今後、事態はいろいろと移っていくわけでございますから、そういったものも十分踏まえて真剣に検討を続けてまいりたいと考えます。
○阿部憲一君 今回の法案は、人口急増市町村の消防施設強化に対する財源措置を五年間延長しようというものでありますが、そこでまず伺いたいのは、この五年間で人口急増市町村の消防力の強化についてはどのような成果が見られたのか、依然不足している点があるとすればどのような面に今後力を入れていかなければならないか。どのようなお考えをお持ちであるかお伺いしたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 昭和四十九年度から五カ年間の間、人口急増地区につきましては、消防施設につきまして通常の国庫補助三分の一を二分の一に引き上げるということになったわけでございますが、この五年間で国庫補助金といたしまして総額七十六億円を人口急増地区に投入いたしております。ちなみに、この間の予算の全体の伸び率というのが四十九年から五十三年までの五カ年間で二・五倍になっておりますが、人口急増地区に投下いたしました国庫補助金の伸び率は三・一二と三倍を超えるような状況でございます。人口がふえますと当然それに伴って家も建ってくるわけでございまして、早急に消防力を充実しなければならないということで、この地区の消防力の強化を特に図っておるわけでございます。 ただ、全体でどういう形になっておるかということになりますと、それぞれの団体がつくっております消防力の基準があるわけですが、それに対して、現有消防力の施設はどの程度の率になっておるかという比較をしてみますと、人口急増地区もそれ以外の地区も大体同じ傾向でございますけれども、まだ基準より相当足りないという状況になっております。ちなみに、消防ポンプ自動車で申しますと、人口急増市町村の現在の基準に対する現有率は六二・八%ということになっております。全国平均では七六・一%でございますので、全国平均を下回るという状況でございます。それから消防水利におきましては、全国が六三・四%でございますが人口急増市町村は七一・三%、これは全国市町村を上回っておりますけれども、いずれにいたしましても人口急増市町村の現在の消防力というものは、それぞれの団体が設定しております消防力の基準に比べて、なお、以上申しましたように低い数値でございますので、なお五カ年間この法律を延長していただきまして、高率国庫補助によりまして消防力の整備を進めていきたいと考えておるわけでございます。
○阿部憲一君 あわせてお聞きしておきますけれども、今後のこの人口急増市町村の動向、人口の流動ということについてどのようなお見通しをお持ちですか。
○政府委員(近藤隆之君) 昭和四十年代におけるような大都会に対する急激な人口の集中といったような傾向は、現在おさまっておるわけでございます。ただしかし、今後の状況を見ましても、大都市近郊には、移り住みました若年層が子供を生む自然増といったような形、あるいは団地等ができる社会増といった形、したがって、全体としての人口流動はおさまったとしましても、大都市あるいは地方の県庁所在地、そういったものの周辺におきましては今後ともやはり人口急増地区というのは存続するであろうと、次々と出てくるであろうという感じを持っております。そういう地区につきましては、やはりまず第一に消防力を強化しなければなりませんので、この法律を存続する意義があるのじゃないかと思います。
○阿部憲一君 そのような情勢を踏まえてこの法案を五カ年間延長なさろうとしているわけでございますが、この五カ年間の延長によって今後どの程度消防力の強化が達成されるかということについてのお考えを伺いたい。 あわせて、この五年間の計画のようなものはどういうふうな、ぴしっとした計画をお持ちなのかどうか、そのこともお伺いします。
○政府委員(近藤隆之君) 消防施設の整備につきましては、国庫補助要求がございますと、その年度を含めた五カ年間の今後の整備計画というのを提出を願っております。人口急増地区につきましても同じようにそういった計画をつくっていただくわけでございますが、そういたしますと、大多数の地方団体におきましては五カ年間で消防力の基準まで持っていこうというような計画をおつくりになります。ただ、その場合に、その消防力の基準というのが現時点における消防力の基準でございます。したがって、私どもそういったものに基づきまして予算要求をいたしておりまして、これまでの例でございますと、大体消防施設につきましては私どもの要求はほとんど予算化されるという状況でございますので、そのままでいけば五年たてば消防力の基準を満たすことになるわけでございますが、ただこの消防力の基準というのは、それぞれの団体がそれぞれの時期において、自分のところの消防力はこの程度であるべきであるというものをつくるわけでございますので、だんだん変わってくるわけでございます。したがって、いまの時点における基準は五年後に満たされることになるかもしれませんけれども、その時点におきますと、また、やはり周りの状況等も変わり、高度な消防機械、設備等も必要になるというようなことで、五年後にどういう数字になるかということは、確たることは申せませんけれども、まあ以上申しましたようなことで御推察いただきたいと思います。
○阿部憲一君 現在、国庫補助の対象となっている施設は、消防ポンプ自動車等の六種類となっておりますが、火災の形態が多様化している中で、消防の体制も各地域の実情によってそれぞれ異なったものになることが考えられますけれども、そのためには各地域の実情に応じてそれぞれの自治体が選択できるように、補助対象の種類をふやすことも必要ではないかと思われますけれども、その辺のお考えを承りたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 強化促進法による補助対象及び人口急増地区におけるところのかさ上げを行っておる補助対象は、先生御承知のように、ポンプと水槽を中心としまして六種類でございますけれども、消防につきましてはこれ以外に相当いろいろな種類の予算補助を行っております。時代がどんどん変わってまいりますもので、それに対応して消防の施設、設備というのも日進月歩で進んでくるわけでございます。そしてもう最近では特に消防無線などというようなものの要望も非常に強いし、無線だけでは足りないので、ファクシミリで国と都道府県と市町村と結ぶというようなことも必要になってくるとか、あるいは地震対策ということになると大きなポンプはもう動かないので可搬式のポンプが要るとか、あるいは従来の消防水利というのは消火栓が主でございましたけれども、やはり飲み水兼用のりっぱな水槽が要るというような、時代がどんどん変わってきますので、そういうものは予算補助で対処してきておりますし、今後も、世の中の移り変わりに伴いまして必要な消防関係施設につきましてはそういった形で対応していきたいと思っております。
○阿部憲一君 昭和五十二年度の決算で見ますと、市町村の消防費の状況は、地方交付税における消防費の基準財政需要額が五千九百五十七億円であるのに対しまして決算額は五千五十三億円で、そのうち一般財源は四千四百二億円ということで、かなりの乖離が見られるわけでございますけれども、このように交付税に見込まれた額すらも消防費として使われていないということはどのような理由が考えられますか。 また、消防庁として、この数字についてどのようにお考えですか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 消防庁といたしましてはまことに残念でございます。消防の重要性、それから現在の消防施設の状況、人員配置の状況、そういったものから考えまして、いまのままではいけないんだということで、毎年毎年地方交付税の基準財政需要額の中には、われわれがぜひこうありたいという形で組み込んでいただいておるわけでございますけれども、なかなかその基準財政需要額までも地方団体が使い切っておらないというのが現状でございます。過去も大体そういった傾向でございますが、昭和四十九年には基準財政需要額対比一〇三・五%と初めて一〇〇%を超えたわけでございますが、その後五十年、五十一年、五十二年、地方財政が非常に苦しくなったことも反映してだろうと思いますが、五十二年度におきましては八六・九%まで下がっておるわけでございます。 で、これはいろいろな原因があろうかと思いますけれども、一言で言いますならば、消防としてはこれだけ財源措置してございますけれども、地方交付税というのは地方団体の一般財源でございますので、市長さんあるいは市議会等の判断によりまして、ほかのより緊急な事業に回されてしまっているのじゃないかという気がいたしますが、私どもといたしましては、消防の現状から見てこういう形では困るので、できるだけ消防力を充実するように、せめて基準財政需要額に算定したぐらいは使ってほしいということを機会あるごとに指導しておるところでございます。
○阿部憲一君 消防職員、消防団員の整備状況ですけれども、施設の基準もさることながら、人員の基準はどの程度充足されておりますかお伺いします。 また人員の不足は、たとえば自動車などでは乗りかえすることでもってある程度カバーできると思いますが、せっかく施設の強化に努めたところで、それを使用する人員が不足しておりましてはむだになるわけですから、人員の基準については大切であり、どのようにお考えですか。
○政府委員(近藤隆之君) 現在消防が持っておりますところの施設を前提といたしまして、その施設を動かすために必要な職員数ということで、これを基準によって計算いたしますと、充足率七七・五%ということでかなりの不足がございます。この不足はどうやって補っているかということでございますが、ただいま先生御指摘ありましたように、乗りかえとかいうようなことも現に行われて、これによって動いておるということでございます。私どもは乗りかえを一概に否定するわけではございませんけれども、いずれにいたしましても七七・五%という数字は、基準のとり方の問題もありますけれどもやはり現在の職員数が足りないということでございますので、今後とも消防職員の数の確保ということにも努力すべきだと思っております。
○阿部憲一君 消防体制の常備化がかねてから進められているわけですけれども、現在のところ全市町村の八四・三%が常備化されているということですけれども、地域別に見ますと、京都、広島、奈良、長野、和歌山等のおくれているところは著しく率が低くなっておりますが、この理由はどういうことなのか。今後の消防の常備化の計画はどのようになっているか、その対策をお伺いしたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 消防の常備化率は、先ほど先生の御指摘のように、市町村数において八四・三%、人口数におきましては九六・七%、こういった地域を常備消防がカバーしておるというところまできたわけでございます。で、いま残っておる常備消防を置いておらない地域というのは、やはり過疎地域、辺地といったようなところで、町村の財政力も乏しく独自で消防力が置けない、あるいは集落の形態が常備の消防力までを置く必要がないと、そういった地域が多いのではないかと思っております。御承知のように、毎年毎年二、三十団体ずつ現在でも常備化が進められております。 で、私ども一部事務組合等を現在推進しておりますけれども、一部事務組合でできるところは一部事務組合に入ってもらう、それができない、あるいはそれの必要のないところは消防団の常備部というものを置く、あるいは近隣の常備消防を持っておる市町村との間に援助協定等を結ぶといったようなことでカバーしていきたいと思っております。御指摘の、京都、和歌山、奈良というところが確かにほかの団体に比べて常備化率が低うございますけれども、これはその地形的な理由もあるかと思います。それから町村の当局の人々の考え方もあろうかと思います。まあいろいろな要素があってこういった形になっていると思いますが、これらの中でも常備化のできるものは、先ほども申しましたように、一部事務組合等を今後推進していきたいと思っております。
○阿部憲一君 五月二十一日に大阪市のウレタン製品加工会社の火事で、出火後十五分で七人もの死亡者を出すという事故が起こっておりますが、この原因は、ポリウレタンの燃焼時に発生する有毒ガスによるものと聞いております。いまのところ、ポリウレタンのような特殊可燃物の貯蔵、取り扱いの基準は市町村条例で定められることになっておりますが、危険物の貯蔵、取り扱いが厳格に制限されているのに比べて、どうも市町村条例の規制は甘いようにも思われます。危険物までとは言わないまでも、十分な指導強化は必要と思いまするけれども、市町村火災予防条例の準則の見直しが必要ではないでしょうか。 なお、現在、特殊可燃物の取り扱いに対する査察、指導等はどのようになされておるのか、あわせて御説明願いたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 大阪の阿倍野区におけるところの工場火災によりまして、七名の方がポリウレタンフォームのガスに巻かれて死亡されたという痛ましい事件が起こりました。ただこの火災は、御承知かと思いますけれども、違法建築であり、しかも工事中に無許可で作業を行っておったということ、それから、大阪市では火災予防条例がございますけれども、それに違反しておる点もあった。それから、通常常識では考えられない、工事用の火花がポリウレタンが積んであるところに落ちてきて火災を出したというような、幾つかのアクシデントが重なっておるわけでございます。 ただ、それはそれといたしまして、こういった事故が起きましたので、私どもといたしましても、この機会に、合成樹脂というものをどう消防法上規制していくかという問題について検討してみたいと思います。従来とも合成樹脂については特殊可燃物としてどのように規制するかということを検討を続けてきたわけでございますけれども、御承知のように、合成樹脂はわれわれの日常生活、身の回りどこを向いても使用されておるというような、非常にわれわれに身近なものでございます。で、これを規制することはそれなりに使用されている方には不便を強いるということにもなるわけでございます。そこで、現在では消防法上は何も規制がなくて、大都市及び幾つかの市におきまして条例によって規制をしておるというような状況でございました。で、この機会に私ども消防法の施行令を見直しまして、それに合わせて条例準則を出しておりますので、それにも手を加えて合成樹脂というものを規制対象に持っていきたいと思っております。 ただ、しかし、先ほども申しましたように、合成樹脂というのは種類も非常に多くて、それぞれ性能も異なっておりますので、合成樹脂の中のどういうものがどれだけの量あった場合にどういう規制を加えるかということについて、なお技術的な検討を加える必要がありますので、早急に結論を出して政令改正及び条例準則の改正に持っていきたいと思っております。消防法上の規制対象といたしますれば、当然のことでございますが査察を行っておりますので、その際に指導をしていくということになろうかと思います。
○阿部憲一君 非常にこの対応策はむずかしいようなお話ですけれども、ぜひ条例準則の改正等を含めて対策を樹立していただきたいとお願いいたしておきます。 次に、先般の上越新幹線の大清水トンネルの十六人の死者を出した火災事故でございますが、これについて伺います。 新聞等によりますと、現場付近に備えられた消火器が一本も役に立たなかったということが報道されておりまするけれども、その後の調査で詳しいことがもしおわかりでしたら御説明願いたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 工事中の大清水トンネルの事故によりましてたくさんの方が犠牲者となったわけでございますが、新聞報道等によりますと、消火器が作動しなかったと。で、しなかったのは、操作方法を誤ったのか、あるいはトンネル内にあったがために品質が変質してしまって消火器としての用をなさなくなってしまっておったのではないかというようなことがいろいろ論議されました。大清水トンネルの中には十九本の消火器があったわけでございますが、それは現在警察がすべて押収しておりますので、消防の方でその性能を確かめるすべがございません。返ってまいりましたら早急に性能を調べたいと思いますが、ただ同じようなトンネル——横に関越自動車道のやはり同じ大清水トンネルというのがあるわけでございます。そこに同じような消火器が十五本入っておりまして、その十五本につきまして私どもの方で調査いたしましたところ、すべて正常に動いたということでございます。 以上のような状況でございますが、消火器が正常に動けばこういう事故は引き起こさなかったであろうということでございますので、こういった工事につきましては消火器を必ず配置する、そしてその消火器が可動するように、操作をする人が十分それを訓練すると同時に、その消火器が古くなっておるといけませんので点検する。訓練と点検と、これを強力にやっていく必要があるのじゃないかと思いまして、関係方面にも十分注意してまいりたいと思います。
○阿部憲一君 百貨店、それから旅館、病院などの特定防火対象物のスプリンクラーですが、スプリンクラー設備等の設置状況はいまどのようになっておりますか。また、この設置義務違反があるとするならば現在どのくらいあるのか。さらに、これに対しては今後どのような措置をお考えなのか、あわせてお答え願いたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 消火器、消火栓、スプリンクラーといったものの設置の遡及適用の関係でございますけれども、五十二年末までに設置を義務づけております百貨店、複合用途、地下街といったような施設につきましては、現在のところ、県庁所在地及び十大都市の平均で見ますと、消火栓では九九%、それからスプリンクラー設備におきましては九八・一%まで達成しております。それから、ことしの三月末まで猶予期間がございました劇場、公会堂、キャバレー、料理店それから旅館、病院、こういったたぐいの施設につきましては、やはり県庁所在地及び十大都市で消火栓につきましては九一・三%、それからスプリンクラー設備につきましては九四・八%までいっております。 猶予期限の到来を控えまして、昨年の夏以来各消防本部を督励いたしましてようやくここまでこぎつけたわけでございますけれども、やはり地下街等はもちろん一〇〇%いっておりますけれども、小規模の飲食店それから旅館、百貨店以外の物品販売業、そういったものについてなお設備が整っていないところが若干あるわけでございます。こういったものにつきましては、それぞれいろいろな理由があろうかと思いますけれども、それぞれの消防本部におきまして個別指導をして法の趣旨に照らして早急に設備をするよう指導してまいりたいと思います。最後には措置命令という手もあるわけでございますけれども、できるだけその前に個別指導で目的を達成したいと思っております。 なお御承知のように、一件だけでございますけれども、東京では渋谷の雑居ビルにおきまして、どうしても設置しないということで、現在措置命令について訴訟ざたになっておる例がございます。悪質なものにつきましては、やはり断固たる態度で臨んでいきたいと思います。
○阿部憲一君 次に、スリーマイル島の原子力発電所の事故以来日本でも注目されておりまする原発災害に対する対策についてお伺いしておきたいと思います。 まず、原子力発電所の災害としてはいろいろな態様が考えられますけれども、消防としては原子力災害に対してどのような責任を分担されておられるのかお伺いします。
○政府委員(近藤隆之君) 地域防災計画というのがそれぞれの団体でできているわけでございますが、それに基づきまして関係機関等との連絡調整を図りながら消防としての任務を全うするわけですが、消防の任務としましては、まず、災害が発生するおそれがある場合には住民の避難誘導を行うということがあります。それから、現実に災害が発生した場合にはもちろん誘導も行いますけれども、住民に被害が及んだ場合、罹災者の救助、医療機関への搬送、そういったような救急業務も行わなければならない、そういうような任務を持っております。
○阿部憲一君 現在、原子力施設において災害が発生した場合には、消防法二十四条の「火災発見の通報」の準用で、消防当局に通報されることになっていると思いまするが、そこで、この通報を受けて消防としては具体的にどのような対応をすることになるのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) それぞれの地域防災計画で連絡方法等を定めているわけでございますが、恐らく原子力発電の場合には住民からの通報ということはあり得ないのじゃないかという気がいたします。で、事故を起こしたその発電所においてまず第一に警察に連絡をいたします。そうすると警察から消防へ連絡が来る。そうすると消防の方から市町村長あるいは県あるいはものによっては国とかいうふうに連絡体制がとられておりますので、それに基づいて、災害が発生したということをまず連絡する。その後、災害の規模等によりまして、これだけの地域に被害が及ぶということであるならば、その地域の方々を避難誘導するといった一連の消防としての任務を果たしていくということになります。
○阿部憲一君 科学技術庁にお伺いします。 原子力発電所等の防災対策連絡会議が置かれていたわけですけれども、この会議においてどのような点が検討されたのですか。 さらに、それを受けてその後の作業の進捗状況はどのようになっておりますか。
○説明員(辻榮一君) 御質問の、総理府における検討の状況でございますが、原子力発電所等に係りまする防災対策につきまして、災害対策基本法に基づいて所要の措置が講じられることになっているのは先生御案内のとおりでございます。当庁を初め政府機関、地方公共団体等におきましては、このための防災業務計画あるいは地域防災計画というものが定められておるわけでございます。政府におきましては、去る四月の三日に総理大臣の指示によりまして関係各省庁が協議をいたしまして、これらの対策が円滑に実施できますよう、現行防災計画の再点検の作業を行うということで、四月の二十七日に今後とるべき措置というものを取りまとめたわけでございます。 その中身は五つございまして、第一は、緊急時の連絡体制を再点検するという点でございます。第二は、原子力安全委員会を中心といたしまするところの緊急技術助言体制の整備ということによりまして、国が地方自治体に対しまする助言とか協力体制を整備していくということでございます。第三点が、国が派遣する専門家の組織体制の整備及び指定公共機関等の協力援助体制を再確認する。それから第四点が、緊急時の放射能のモニタリング要員並びに機器につきまして、これの動員体制を再確認すること。第五点が、医療体制の再確認をする。こういうような措置を当面とっていこうということで、これは比較的緊急の作業として、できるだけ早く各省庁対策をまとめようということを申し合わせたわけでございます。 さらに、原子力発電所等に係る防災対策特有の専門的、技術的事項でございまして、今後なお一層の充実を必要とするものにつきましては、原子力安全委員会が、原子力発電所等周辺防災対策専門部会を設置いたしまして審議を行うこととしておりますので、その結論が出次第、その内容を踏まえて、速やかに各機関の防災対策を一層充実整備するということとしております。 これを受けまして現在、関係省庁が今後行う「当面とるべき措置」——先ほどの五点につきましては、関係省庁間で鋭意検討を進めておりまして、早急に取りまとめて政府みずから責任を持って、万一災害が発生しまたは発生するおそれが生じました場合には、災害対策を必要とする関係機関がとるべき措置を判断いたしまして、それをそれらの機関に指示しまた指導助言をしていくということにより、防災対策の万全を期することといたしておるわけでございまして、それらの作業は、私ども、通産省等と協議いたしまして鋭意進めておりまして、先ほど申し上げました、緊急時に専門家より成る原子力安全委員会を中心とするところの助言体制につきましては、実は本日午前中、そういった専門家の方々にお集まりいただきまして第一回の準備会をやったというようなことで鋭意進めているわけでございます。 また、原子力安全委員会の専門部会の件につきましては、五月二十一日に第一回会合を開催いたしまして、本日、ただいま第二回の会合が開かれて鋭意検討を進めている、こういう状況でございます。
○阿部憲一君 わかりました。 このスリーマイル島の原発事故をきっかけにして、原子力安全委員会の中に、いまおっしゃった原子力発電所等周辺防災対策専門部会が設置されたのでございますけれども、この部会での検討事項はどのようなものか。さらにまた、検討事項をどのように生かしていくおつもりなのか御説明願いたいと思います。
○説明員(辻榮一君) 先ほど申し上げましたように、本日も第二回目の会合が開かれておるわけでございます。この専門部会におきましては、わが国における防災対策の現状及び米国その他諸外国におきまするところの防災対策の状況等を調査検討いたしまして、今後とるべき方法等について審議することとしておるわけでございます。 具体的な検討事項として現在のところ挙がっておりますのは四点ございまして、第一は、防災計画をあらかじめ立てておくべき地域の範囲。どの範囲について防災計画をしておくべきかという点。それから第二は、防災対策を発動するかどうかを判断するための基準。どのぐらい放射線が、放射能の線量が上がった場合にどういう施策をとるかというような具体的な措置でございます。そういったものの基準。それから第三番目は、モニタリングの強化。それから屋内待機であるとか待避等とかの行動をとる際の準備的な指標線量。第四点は、緊急時における環境放射線モニタリングのやり方。それから備えておくべき機器。そういったものの指針でございます。 そういったようなものを考えてやっておるわけでございますが、現在同部会におきましては問題点の整理もあわせて進めているということで、あるいはきょうの審議あたりで新しい検討項目も出てきているかもしれないというような状況でございます。
○阿部憲一君 それでは、消防庁に伺いますけれども、現在わが国の原発立地七県につきましては、すべて地域防災計画の中に原子力災害の対策を一応織り込んでいますけれども、具体的な安全確保手段は十分ではないように思われますが、この点をどのようにお考えになっておられるのか。 また、さらにあわせてお伺いしますが、市町村段階においても、地域防災計画を作成すべきだと、こう思うわけでございますが、この点についてのお考えを承りたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 御指摘のように、現在原子力発電所が稼働しておる七つの県につきましては、すべて地域防災計画ができております。それから、それ以外に原子力に関連があると申しますか、関心があると申しますか、青森県、神奈川県、京都府といったようなところも原子力事故に対する地域防災計画をつくっております。 それから、なお市町村の関係でございますけれども、現在立地しておる市町村の中で、四カ所については現在策定中と。残りはもうできておりますが、その策定中の四町村につきましては、現在地域防災計画をつくるよう指導しておるところでございます。 で、現在の防災計画は、それなりに、原子力発電所に事故が起きた場合に、その程度に応じまして、どの地域の人をどこへ避難させるか、その避難経路、避難方法等について詳細に規定してあるわけでございますが、何分いままでこういった事故があったわけじゃございませんので、現在科学技術庁を中心といたしまして、スリーマイル島の事故を参考といたしましていろいろ検討をされております。それによって、もし現在の計画を手直しする必要があるということであるならば、関係方面と十分打ち合わせて早急に手直ししたいと、そのように考えております。
○阿部憲一君 地方防災会議において、原子力災害に対する地域防災計画を作成いたしましても、地方が独自の力で対処できるかどうかということになりますると非常に心配でございます。そこで、地元で常時原子力施設の安全を監視することはもちろん、緊急の原子力災害に対して技術的専門的知識を持っておる、そしてまた地域防災計画を実行に移すことができるような専門家を地方自治体の中に置くなり、養成するなりすることが必要ではないかと思いまするけれども、この点についての長官のお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 御指摘の点、まことにごもっともだと思います。消防関係者及び市町村長、原子力というものについてそれほど専門的な知識があるわけじゃございません。万一事故が起きます場合においても、どの程度の被害かということは、これは専門家でなければわかりません。そこで、先ほど科学技術庁の方からもいろいろお話しございましたように、専門家の協力ということが何よりも必要だと思いまして、いまどういったふうに専門家を集め、どういった場合に派遣するか等も含めて、いろいろそちらで検討されておりますので、それを受けて私どもとしても適切な対応をしていきたいと思っております。
○阿部憲一君 原子力災害は、原発事故のみならず放射性の物質の盗難だとか輸送中の事故などいろいろと危険性が考えられます。それに対する消防としての準備も考えなければならないわけでございますが、現在の「消防力の基準」では、こうした準備はなされておらないように思われます。少なくとも原子力施設の所在地、放射性物質の主な輸送経路になっている自治体には、放射線汚染防護服や防護測定器、防護マスク等を用意すべきではないかと思います。特に、万一原発の大事故により住民の避難というような事態になったときには、これらの器材の準備がなければ、消防による避難誘導も不可能であろうと考えられますが、財政措置も含めてこのことを真剣に検討すべきではないかと思いまするが、これについての御意見を承りたい。
○政府委員(近藤隆之君) 現在の「消防力の基準」は、原子力災害というようなものを予定しておりませんので、お説のように基準の中には含まれておりません。そして、原子力事故に対する特殊装備というようなものも、現在消防は全然持っておらないというような状況でございます。ただ、これは原子力事故のためじゃございませんけれども、防護マスクといったようなものは、これは一応消防職員は持っております。 それから、原子力発電所が立地されておる特定の地域におきましては、汚染度などをはかる器械というようなものも若干持っておるようでございますが、全般的に見れば、何といいますか、特殊装備はないに等しいという状況でございます。これは原子力事故が起きた場合におけるところの消防の任務と絡むわけでございますけれども、どの程度の装備をしていったらいいか。先ほど来お話があります総理府を中心とした各省の委員会で、スリーマイル島の事故を参考にいたしまして、わが国の原子力発電所事故に備えて、周辺ではこの程度の装備が消防に必要であるということになりますならば、それについて私どもとしても設置するよう指導し、所要の財源措置を講ずる必要があると思います。したがって、いまの段階におきましてはその結論を待らたいと思っております。
○阿部憲一君 関連しましてもう一つお伺いしたいのですが、万一原子力発電所において、周辺住民の避難が必要とされるような事故が起きた場合に、避難誘導方法、それから避難場所の確保、その際の食糧、飲料水の確保等々、いまだ立ちおくれておりまする問題が非常に多く残されているような気がいたします。どのようにこの実態を把握されておられますか。また、今後この種の避難訓練の実施等も検討しなければならないのではないかと思いまするが、これに関して消防庁とそれから科学技術庁の御意見を承りたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) 原子力発電所所在の府県及び市町村におきまして、計画ができておるところでも、現在その計画に基づく訓練というのは、災害が発生したという通知訓練は行われておりますけれども、住民の避難訓練も含めた訓練というのはこれまではやっておりませんでした。そういった訓練をすることが不必要に混乱を招くというような見方もございまして、現在までは行っておりませんけれども、今後どうするかというのは一つの課題だろうと思います。 それから、風水害等に備えていろいろ避難訓練等は、これは現実に行っておりますけれども、そういったものに対応する所要の財源措置というのは御承知のように交付税で行っておるわけでございますが、原子力災害というものをとらえての財源措置というのはやっておりません。これも将来、必要であるということなれば財源措置は講ずる必要があろうかと思います。
○説明員(辻榮一君) ただいまの御答弁を私どもの方から補足させていただきますと、先生御指摘の、輸送計画、退避場所あるいは食糧の確保その他につきましては、一応現在の段階で、先ほど消防庁長官の方から御説明ございました、各県あるいは各市町村の防災計画に盛り込まれてはおるわけでございまして、ただいまこういったものを再点検すると、さらに一層ワーカブルな方法に持っていこうじゃないかというようなことで、それぞれ各県においてその再点検が進められているところでございます。これに必要な経費が今後出てきました場合には、私どもとしまして、そういう点につきましては目下関係者において検討が進められているところでございますが、その検討の結果を待ちまして万全の措置がとれるよう適切に対処してまいりたいと、かように考えております。
○阿部憲一君 最後に、大臣に一言お伺いしますけれども、ただいま原子力に対する災害、これはスリーマイルアイランドの事件から特に大きく取り上げられるようになったわけでございますが、それに対応しましての災害対策というものの措置はまだまだ非常に立ちおくれているような感じがいたしますので、これは消防庁を初め所管の各機関においても、さらにこれの対策を真剣に講ずべきだと思いますが、その辺についての御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 原子力の問題、これはもうわが国にとって非常に重大な大きな問題でございます。しかも、いままで全く予想しなかったような事故がアメリカで発生をした。わが国ではいまだ経験がないわけでございますから、しかし、もう現実に七つの県で原子力発電が稼働しておるわけでございますから、絶対にそういった事故は発生しないという保証をするわけにはまいりません。したがいまして、政府としては原子力発電の安全を確保するということに最大の力点を置いて取り組んでいくことはもう当然でございますけれども、万が一発生が考えられる事故に対しては、ただいま政府委員から各般にわたって答弁申し上げたような方向で、関係省庁集まってこれはもう真剣に取り組んでおります。早急にその結論を出して万全の体制を整備したいと、このように考えて、鋭意取り組んでおるということを御報告申し上げます。
○委員長(永野嚴雄君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後三時四十四分散会 —————・—————