地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 372 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/05/22
会議録
○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 元号法案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(永野嚴雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方交付税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、参考人として公営企業金融公庫総裁柴田護君及び日本道路公団理事森田松仁君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(永野嚴雄君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 財政局長にまずお聞きしたいと思うんですが、例年交付税法の審議が始まりますと、自治体から審議促進の要請の電報がうるさいほど来るんです。今回も、何か一日おくれると利子が八千万とか何千万とか、こういう理屈をつけてきておるんですが、この委員会の審議は五月十日に私がトップでやる予定しておったんですけれども、十日の日にグラマンが起きたら、ばたっとそういう促進要請がとまっちゃったわけです。これはグラマンの喚問の方が重要だからと、地方自治体の方で遠慮したのか、財政局長の方の指図が行ったのか、どうもそこら辺のことは定かじゃないんですけれども、いずれにしてもきょうで約十三日間おくれておるわけですから、地方自治体にとっては大変な金利負担がかさんでおるのではないか。一体このおくれによってどの程度自治体負担がかさんできておるのか、その金利負担についてどのように考えているのか、この点をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 御承知のように、地方交付税の四月概算交付につきましては、もし、今国会の本法案でお願いしておりますような交付税特別会計における借り入れとかあるいは臨時地方特例交付金というふうな特別措置がございませんでしたら、四月に必要額が概算交付されますので、地方団体としても問題はないわけでございますけれども、こういう特別措置が交付税法の改正として織り込まれておりますので、申し上げるまでもないことでございますが、御可決いただきませんとその分は交付できないということで、地方団体としては、いつ交付税法の御可決があり、いっその特別措置による概算交付が行われるかということを非常に心配をしておる。これはもう申し上げるまでもないことだと思います。ことに、五月になりますと五月の給与支払いが出てまいりますので、できればぜひその時点までに特別措置による概算交付が行われることを期待したいという要請が強かったわけでございます。 で、私どもが単純に計算いたしますと、いまお示しのように、法案の成立がおくれることによる金利負担は一日約一億円という金額でございますが、県や市町村によりまして資金繰りの状況は必ずしも一律ではございませんから、このラウンドな数字がそのまま全体の地方財政として負担になっていくというふうにも私は思いません。どちらかと申しますと、資金繰りの窮屈なところは大変苦しゅうございますし、また若干余裕のあるところはそれほどでもないというふうに思っております。 しかし、いずれにいたしましても、おくれることによります金利負担というのが相当程度出てくることはもうこれは否定すべくもないわけでございます。そういう意味合いで、私どもといたしましてもまた地方団体といたしましても、一日も早く御可決をお願いしたいという気持ちがいまお示しのような電報になってあらわれておるものだというふうに思う次第でございます。まあ国会全体の問題が生じましたので、これはやっぱり全体の動きが正常化されませんとなかなかお願いしても無理だということでお話のような状態になったのではないかと、かように思っておる次第でございます。
○佐藤三吾君 局長のお話では一日一億円ですか、大変なこれは加算ですね。しかし、自治省の作為はなかったような答弁ですが、大臣これは、あなた国家公安委員長でもあり、もちろん松野喚問については御尽力いただいたと思うんですが、いま局長からのお話のように、自治体のそのための損害というのは大変なものが報告されたわけですけれども、これはそういう国政の、もっと端的に言うなら与党、政府・自民党の対応が早ければ、野党は一致して要求しておったわけですから、こういう問題は起こらなかったわけですね。自治体財政にとっても大変な責任を持つ大臣として、一体どういうこの問題に対する御見解を持っておるのか。 さらに、いま残されておる岸さんの喚問については、大臣として、当然これは閣僚の一員ですから、引き続き協議することになっているわけですから、これに対する大臣の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 全国の地方自治体にとりまして、大変な重要な関係のある地方交付税法案、一日も早く成立をさしていただきたいと、これはもう当然心から念願をしておるわけでございますけれども、何分これは国会運営のことでございますので、政府サイドの私どもがとやかく言う立場ではございません。いずれにしましても、約九日間ですか、国会が空転したという事態は、私どもとしても非常にこれは残念なことだと考えておりますけれども、幸いに国会が正常化いたしまして審議が開始されたわけでございますので、ぜひともひとつ各委員の御協力をいただいて、一日も早く地方交付税法案を成立をさせていただきたいと、心からお願いを申し上げる次第でございます。 なお、岸元総理の喚問についての私の見解というお尋ねでございますけれども、これも国会、特に各党間のいろいろな折衝があるわけでございますので、政府の立場にある私としては発言を差し控えさせていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 いや、国会の立場もありましょうけれども、野党は一致して要求しておるわけですね。ですから後は、政府・与党の自民党がどう態度を決めるかにかかっておるわけです。そのことは同時に閣僚の一員であり、重要な国家公安委員長の立場もあるでしょうから、やはり大臣の見解をきちっとしてもらわなければ、国民もやっぱり期待しておると思うので、その点はもう一遍明確に大臣の見解をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) これは、まあ松野さんの場合もそうでございますが、野党は全部一致して喚問を要求された。自民党の対応がそれになかなか一致できなかったということで国会が空転をしたと、こういうことでございます。で、岸さんについての喚問、これから国会がどういうことで動いていくのかもちろん私知るすべもございませんけれども、やはりこれはあくまでも国会の問題であり、特に自民党がどういう対応をするかということが一番大きな焦点になってくると思いますが、繰り返して恐縮でございますが、政府の立場にある私としてはこの件についての発言は差し控えさしていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 平素歯切れのいい大臣が、なかなかこの場では慎重な答弁をなさるのですが、しかし大臣、国家公安委員長という立場もあるわけですからね、法務大臣もそういう意味ではきちっとした発言をしておるわけですから、ここら辺はやっぱりあなたもきちっとして、ひとつ閣僚の決定に臨んでいただきたいということを強く要求しておきたいと思います。 そこで、公営企業総裁と約束ございますから、冒頭にまずこの点を聞いておきたいと思うのですが、公営企業金融公庫が地方財政政策の一環として、いま非常に大きな役割りを果たしておる。特に資金調達によるところの地方団体への貸し付けが大量に行われておるわけですが、五十四年度の予算編成が一月に終わりましたですね。その後に三月、五月と二回にわたって債券の発行条件が引き上げられてきた。これはやはり公庫債券の支払い利息の必要額が増加するということは、これは地方団体にとって影響があることだと私思うのですが、一体どの程度の影響が出てくるのか。また、その財源については一体どういうような措置がとられるのか、まず聞きたいと思います。
○参考人(柴田護君) お話しのように、政府保証債の金利が三月、五月の二段階にわたりまして引き上げられました。それについて地方団体にどういう影響があるかというお尋ねでございますが、地方財政そのものにもちろん無縁じゃございませんである程度の影響があると思います。地方団体に対してどういう利子負担がふえるかということは正確には計算いたしておりませんが、まあ大体四十億前後のものがあるだろうと思うのでございます。これは地方財政全体の運営の中で消化していただかなければ仕方がない。この金利改定なるものは、いうならばインフレの予防対策として行われたものでありまするので、まあ公庫といたしましてはやむを得ぬと、このように考えておる次第でございます。
○佐藤三吾君 これは自治省は一体どういうふうに考えられているんですか。私の調査によると、一月時点の年利が六・二%、それが三月に六・六%に上がり、五月に七・三%に上がる、こういった段落から見ると、いま総裁が言ったように金利だけで約四十億程度予算編成時より上がるようになっている。こういったものがそのまま地方自治体の方に転嫁されたのでは、これはやはり地方自治体はたまったものじゃないと思うのです。自治省としてどういう措置をとろうとしておるのか。 同時に大蔵省として、こういう点についてどういう考えなのか。私はむしろ当然に一これは大蔵省の国債の金利の引き上げに伴う措置でしょう。だとするなら、これは大蔵省の方で当然負担すべきじゃないかと思うのですが、どういう見解かお聞きしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 金利の引き上げに伴います利子負担の増加をどの程度と見るかということでございますが、いま御指摘のように、三月に政保債の表面利率が六・二%から六・六%に〇・四%引き上げられました。公営企業金融公庫の資金の基準利率は従来六・六%でありましたのを六・八五%に引き上げたわけでございます。その後五月にさらに政保債の利率が引き上げられますが、これにつきましてはまだ公庫の基準金利がどの程度になるかという最終的な結論が出されておりません。ただ御承知のように、公庫の融資いたしておりますものの大部分はいわゆる特利でございまして、政府からの補給金及び公営競技納付金によりまして利率を思い切って引き下げて今年度では、御承知のように政府資金と一厘差の低い利率で貸し付けておるものが大部分でございます。この特利をどのように決めるかということもこれからの問題でございます。政府資金の利率が決まりました段階でそれと並行して特利を決めるということに相なってまいります。 先ほど四十億円という数字の御指摘がございましたが、これは公庫の融資枠約一兆円に対しまして六・二%と六・六%の差〇・四%で単純に算術いたしますと四十億円ということだと思います。いずれにいたしましても、ことに、いま申し上げております特利事業の利率が政府資金絡みでどう決まるかということにかかっておるわけでございます。したがいまして、数字をいま確定的に申し上げる段階にはまだ至っておりません。しかし、全体として政府資金の利率も上がってまいりましょうから、ある程度の利子負担増が出てまいるということはこれは避けられないと思います。ただ、この点につきましては、地方財政計画におきまして、一般行政経費の中で三千五百億円の予備費を災害分を含めまして計上いたしております。このような予備費の弾力的使用によりまして、利子負担増はほぼ吸収していけるのではないかというふうに私どもとしては考えておる次第でございます。
○説明員(足立和基君) 利率の増に伴います地方公共団体の利子負担につきましては、大蔵省といたしましても、いま財政局長から御答弁ございましたように、地方財政計画上の追加財政需要というもので十分対処し得るものと考えております。
○佐藤三吾君 いまの財政局長の答弁なり大蔵省の答弁では、これは予備費の中から充当していくと、そういう確認でよろしいですか。地方団体にそのことによって迷惑をかけないと。いいですね。
○政府委員(森岡敞君) そのとおりでございます。
○佐藤三吾君 それでは次の問題に移りますが、一昨日自治省が「田園都市構想と地方分権の推進」というのを発表しました。私も見せていただきました。この中では、自治分権、とりわけ財政の自主権確保というのを強調しておりますね。そういう意味ではわれわれも賛成なんですが、反面、今日の財政危機、一割自治、それから中央集権、これは先般の委員会でも大臣が盛んにそれを打ち破っていかなければならぬのだということを強調しておったわけでありますが、これらは今日までどうしてできてきたかと言えば、これは大臣御存じのとおりに、自民党の今日の政治の中でつくられてきておることはこれまた間違いない。なかなか言うにしてできる問題でない内容だということも大臣も認めておるわけですが、そこで、この点に対する一つの具体的な焦点として、毎年地財法二十一条、二十二条に基づきまして、地方負担に伴う事務、事業費の改善申し入れを自治大臣として行っておりますが、五十四年度の場合に一体どういう点が具体的に前進をしたのか、どういう点が問題として残っておるのか、それをまずひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
○政府委員(森岡敞君) 毎年、翌年度の国の予算編成に際して、地方財政に関連する事項について各省庁が留意していただきたい事項を七月及び十一月に申し入れをいたしております。 五十四年度の予算編成に関連いたしまして各省に申し入れをいたしました事項の中で主要な柱は、まず第一に、国庫補助負担制度の改善の問題でございます。ことに生活関連施設の国庫補助負担の充実をぜひやっていただきたいということを申し入れました。 それから第二に、国と地方公共団体との間のいわゆる財政秩序を確立していただきたいと。国費でもって支弁すべきものを不当に地方にしわ寄せをするというふうなことはあくまで避けてもらいたいということを申し入れました。 それから第三に、地方団体の効率的な行財政運営について政府各省庁として協力をしてもらいたい。たとえば、その具体的な例といたしましては、各省庁がいろいろな施策を行います場合に地方団体の職員数の増加やあるいは機構の新増設を伴うような施策は厳にこれを抑制していただきたいということを強く申し入れたわけでございます。 これらとあわせまして、国庫補助負担金に係る超過負担の解消につきましてきめ細かく要請をいたしたわけでございます。 国家財政も御承知のように大変窮迫した状態でございますので、基本的な事項について申し入れた部分について大幅な前進を見たという状態に実はなっておりません。私どもといたしましてはそういう意味合いでは大変不満足な面も多いのでございますが、これは単年度で事柄を全部解決しようと思いましてもなかなかそうはまいりませんので、引き続きたゆみなく努力をしてまいるということが必要だと思うのでございます。 その中で、超過負担の点につきまして、私どもは、事業費総額でたしか五百四十数億円の超過負担の解消は行われましたが、たとえば保健所の問題でありますとか保育所の問題につきましては、地方公共団体が要請しております国庫補助負担基準に比べまして政府各省が現に採用しておられます基準がかなりかけ離れておりますので、これらの点がなお早急に解決を要する問題として残っておるのではないかと、かように思っておる次第でございます。
○佐藤三吾君 具体的な内容でいまお聞きしたかったのですが、超過負担の問題が若干報告あっただけですね。これはひとつ資料を、五十四年度予算のこの申し入れに対する各省のできた実態、資料を一覧表でも結構ですが、後でいいですからいただきたいと思うのです。 それから、五十五年度に対して何を重点に考えているのか、この関連についてですね。
○政府委員(森岡敞君) 五十五年度におきましても、ただいま五十四年度予算に関する申し入れについて御答弁申し上げましたとほぼ同じような事項を中心に申し入れをしてまいりたいと思います。その中でも、先ほど末尾に申し上げました超過負担の解消問題につきましてはさらに具体的に詳細に申し入れをして各省庁の適切な対応をお願いしてまいりたいと、かように思っております。
○佐藤三吾君 大臣、あなた先般の委員会で、超過負担の問題、事務移管の問題、配分の問題、こういつた点についてはことしは決意を新たにしてやりたいと、そういうことで地方制度調査会の方にも諮問しておるのだということを強調しておったのですが、地方制度調査会の中における意見というのは、先般の委員会でわが党の小山委員から御指摘があったように、三十八年当時からもうすでに何回にわたって答申しても、この問題一向にらちが明かない、解決しない。解決しない一番大きな点は何かと言えば、政府・与党にやる気がない。こういうことで、先般の委員会の中でもかなり集中的な非難が出されておるわけですね。あなたが期待するように、九月の小委員会の結論が出るという前提は、何といってもやっぱり大臣自身が、こういう十数年にわたってできないことをやるという、そのやるに当たっての具体的な考え方なり、どうしてできなかったから今度はどうするんだという、こういった決意を示さない限り、私は調査会の中の議論というのは進まないというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、もう十数年前から地方の超過負担の問題、これを指摘されておるわけでございますが、それがなかなか解決されないで現在に来ておる、それは一体どうしてかというお尋ねでございますが、私はこれはこういうふうに考えておるんですが、やはり国も地方も、高度経済成長時代であったわけでございますから、全体的に財政的にゆとりがあったということが最大の解決をおくらせた原因になっているのではないかと私は考えておるんです。ところが、現在のような状態になってきますると、これは地方としてはこのような超過負担というものはとうていこれはもう耐えられないということがきわめて明白になってきておるわけでございますから、したがってこの問題はどうしても解決してもらいたい、解決すべきであるという要請が非常に強くなってきたということもこれは当然のことでございます。そういった実態を踏まえて、自治省としては関係各省庁に対して地方六団体と一緒になってこの超過負担の解消にこれは真剣に取り組んできた。それで、御承知のようにこの問題、大分この数年来軌道に乗ってきたというふうに私は見ておるわけでございます。少なくとも六、七年前の状態とはもう完全に様相が変わってきておる。これはやはり政府もこの問題に対して真剣にこれの解消に向かって努力をしてきておると、こういうふうに申し上げてよろしいのではないかと考えておるわけであります。しかし、依然としてまだ問題はかなり残っておるわけでございますから、そういった残された問題の解決に向かって私どもとしては一層の努力をしなければならぬと、これはもうかたい決意を固めておるということを御了承いただきたいと思うわけであります。
○佐藤三吾君 大蔵省、どうですかね、おたくの方で各省の事業予算をつけるわけですね、こういったときに、自治省が何ぼ決意をして申し入れても、やっぱり大蔵省の方でそれに対応するものがなきゃ私はいつまでたっても進まないと思うんですが、いかがですか。
○説明員(足立和基君) 予算編成に当たりましては、自治省の方から地方負担の増加を来さないような施策、これを各省に申し入れを毎年いたしてございまして、私どももそれを十分に参考にしながら予算編成に取り組んでございます。各担当主計官にもその旨をすべて連絡をいたしまして、それからまた、先ほど財政局長から具体的な事例の御説明として超過負担の問題、補助基準の改善の問題ございましたけれども、その辺のところも自治省と共同いたしまして地方負担の減少というものに力を尽くしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 この問題は私はこれ以上は、先般の小山質問で長く突っ込んでおりましたから、言いませんが、大臣、ひとつぜひいまの決意をやっぱり真剣に考えて、途中で大臣の首がどうだとかいうことじゃなくて、徹底的に追求すると、こういう点は確認しておきたいと思うんですが、よろしいですね。 そこで、これは大臣にお聞きするのがいいのか、財政局長がいいのかちょっとわかりませんが、官庁速報の四月二十四日の報道によりますと、自治省は東京都の財政再建の一環として、地方交付税の不交付団体として割り落としを受けておった義務教育国庫負担の定員定額方式を定員実額方式に変えるんだと、五十二年度の実績を見ると百七十億これによって都財政を救うことができると。また、地方譲与税の不交付団体制限解除をするんだ、検討するんだ、こういう報道がなされております。これは都財政にとって——鈴木都政になったから急に態度を変えるということじゃないと思うんですけれども、どういう内容、時期を考えておるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 義務教育費国庫負担金あるいは地方道路譲与税に関します不交付団体のいわゆる財源調整制度につきましては、東京都からかねてよりその廃止と申しますか、緩和についての御要望があったことは事実でございます。ただ、私どもといたしましては、義務教育費国庫負担金の財源調整制度は、昭和二十八年に従来地方財政平衡交付金の中で算入しておりましたものを二分の一国庫負担制度に切りかえたときの経緯から申しまして、また、地方道路譲与税につきましては、道路目的財源の各地方団体間を通ずる均衡的な配分という観点から申しまして、これを全面的に廃止するということはきわめて困難であるという考え方を持ってまいりました。その気持ちはいまでも同じでございます。 ただ、非常に強い要請でございますので、全く何らの検討も加えられないのかということになりますと、それはいろいろあらゆる角度から検討してみる必要はあろうと思いますが、しかし現段階ではこれを全面的に廃止するということはきわめて困難ではなかろうかというふうに考えております。ことに、またこれは文部省など各関係省にも関連する事柄でございますので、所管省の御意見も伺わなければなりません。そういう現在心境であるわけでございます。
○佐藤三吾君 これは逆に言えば、官庁速報の報じておることは実現性はないと、こういうことですか。
○政府委員(森岡敞君) 官庁速報の記事、私正確に覚えておりませんが、やや勇み足的な表現ではないだろうかという感じが、私としてはいたしております。
○佐藤三吾君 勇み足——そうすると、いま鈴木都政になったから急にこういうことを考えるということでもないと。いずれにしましてもこの問題については確証あるものでない、こういうふうに理解していいですか。
○政府委員(森岡敞君) 先ほど申しましたように、それほど簡単な問題じゃございませんので、官庁速報に書いておられるような方向で直ちに事柄が決せられるということではないと思いますが、ただ、不交付団体の財源超過額というものが、御承知のように、東京都の場合見ましても非常に減少してきております。そういうふうな財政構造の変化というものを踏まえて、いまのままでいいかどうかという検討は、これはやっぱりしてしかるべきだと思うのでございます。現在はそういう段階及び気持ちでございますので、御了承賜りたいと思います。
○佐藤三吾君 なかなかその答弁がわかりにくいんですけれども、いずれにしても、私は大都市の財源確保という面で、先般代表質問の中でも強調したんですが、ただそれが知事がかわったら途端に豹変すると、こういう態度というのは私は許せないと思うんですね。革新であろうと保守であろうと、知事がかわったことによっていままでできなかったことが急にできるとか、こういうことになったらこれは私は大変だと思うので、その点はひとつ強く考慮の中に入れてもらわぬと、今後とも大きな問題になると思いますので……。まあいま検討の最中だといいますから、またこの問題はその結果をめぐって議論したいと思います。 そこで、交付税の問題で質問に入りたいと思うんですが、一つは、保育所に入所した措置児については、一人当たりの単価計算が一体どういうふうになっておるのかと、こういうことで、私の推量ですけれども、国家予算に計上された措置予算を措置児数で割っていく、それを十分の十に割り戻してその十分の一を市町村負担にしていくと、こういう仕組みになっておるのじゃないかと私は思うんですが、そうであれば、五十三年度の措置費が二千七百七十億、措置児数が百八十万。したがって十八万六千円、十分の一で一万八千六百円、こういう数字になるんですが、交付税を見ると一万七千九円ですか、こういう額になっておる。この違いは一体どういうことなのか。 また、御存じのとおりに、ゼロ歳から五歳までの年齢が均一にありますね、措置費については。したがって、いわゆる保育所の場合には、ゼロ歳の方が人手がかかるし、いろんなこの諸経費がかさんでくる。年齢が高くなればなるほど負担が軽減してくる、こういう実態にあるわけです。ところが一万七千九円ということで、交付税は一律に補正されているわけですね。これはやはりどう考えても種別補正の方がより実態に適応するんじゃないか、こういう気がするんですけれども、この点についてひとつお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 五十三年度の交付税計算上の児童措置費の単価の件でございますが、地方交付税の単位費用の積算の基礎として用いました数字は、国庫支出金の総額が二千五百八十億一千九百六十七万円という予算額に対して、予算上の措置人員が百八十九万六千二百十六人と、まあこのような数字を基礎といたしまして、それの十分の一を市町村が負担するという計算をいたしますと一万七千九円と、このようになります。したがいまして、先ほどお話しのありました数字との違いは、分母に用いた人員の違いではないかと思いますが、私どもが用いたのは予算上の措置人員、予算上の人員でございます。 それから、この単位費用を用いまして各市町村ごとの基準財政需要額の算定を行うわけでありますが、その際には、市町村によりまして措置人員に差があります。すなわち、人口当たりの措置人員にかなりの差がありますので、現在は密度補正という形でその団体の総人口に対する措置児童数の割合によって補正を行っております。 ただいま御指摘の点は、措置児童数の中に年齢差があるではないかと、年齢差によりまして一人当たりの措置単価に大きな差があるじゃないかと、こういう御指摘だと思います。確かに年齢によりまして措置単価には大きな差があることは事実であります。ただ問題は、全国を通じましてその措置人員の中身の年齢構成、これが団体によって非常に大きな差があるのかどうか。もし全国的に同じような年齢構成であるならば、総措置人員に対して平均単価を用いることで問題はないわけでありますが、確かに団体によって多少の年齢構成差というものはあるかと思います。ただ、それがどの程度その差が大きなものなのかと、こういった点が問題であろうかと思います。 それから次に、このような措置人員の年齢差が何によってもたらされるのかと、その地域の社会的、経済的な条件の差によってその団体の政策意思に関係なしに差が出てくるということであれば、それは交付税の客観性からしてもこれを算定に反映させるべきだと、このような議論が出てくるかと思います。いままでの検討の結果では、これが非常に大きな年齢構成差が生じているということ、またそれがその団体の政策意図にかかわりなく客観的な社会的、経済的な条件でそれが出てきていると、こういうようなことは私ども把握しておりません。今後もなお検討をしなきゃならない課題であると思いますが、私ども、従来の検討の結果では、そのような事実を把握していないわけであります。 それからまた、確かにこの個々の団体の財政実態を基準財政需要額により的確に反映させるためには、措置人員につきましていわゆる種別補正的な要素を導入するということが、その部分だけについて言えばより適切な算定方法になるということは確かでありますが、ただ同時に、その場合には算定方法がいまよりもさらに大幅に複雑化するという問題も出てまいります。したがいまして、これらの問題を総合勘案しながらさらに研究してまいりたいと、このように考えます。
○佐藤三吾君 これはひとつぜひ実態に即するという方向での種別補正を検討してもらいたいと私は思うんですが、特に行管庁が幼保問題で、四十九年ですか調査をやった実態を見ると、ゼロ歳の保育の実態というのは一%ですね。保育所の実態を見るとほとんどが三歳以上。このことはやっぱり一つの関連も私はあるんじゃないかと思うので、やはり実態に即して保育所の本来の使命——いわゆるゼロ歳から三歳までですね、が適応するような、そういった方向でひとつぜひ早急な検討をしていただきたいということをあえて申し上げておきたいと思います。よろしいですね。——よろしいですか。
○政府委員(石原信雄君) 事実関係をさらに研究してみたいと思います。
○佐藤三吾君 そこでもう一つ、沖繩の問題でお聞きしたいと思うんですが、沖繩とか小笠原諸島がこれは対象になっておると思うんですが、隔遠地補正というのがございますが、この係数を見ると頭打ち制限がやられておるようですね。恐らく遠隔地に対する補正を高めることによってこの島の窮状を打開しようということでつくられたと思うんですけれども、実態を見ますとそういう実態が出ておる。そこで、これはやはりこの機会に、対象が非常に少ないわけですから、仮に頭打ちを解消したからといって財政的に大きな影響を与えるものでないし、またそれがその他の都市に影響すると、こういうものでもないわけです。ところが、それが現実にはこういった島々では大変重要な課題になっているということの意見を強く受けておるわけです。たとえば多良間、南大東村、伊平屋、粟国、座間味、渡嘉敷、渡名喜、北大東村、こういったところが、もし隔遠地補正の六・五〇というこの頭打ちが是正されれば八千五百二十一万程度の増額になる、こういうことで非常に期待が大きいわけですが、この点に対するひとつ見解を承っておきたいと思うんです。 それからもう一つは、御存じのとおりに、沖繩の場合には復帰に際しまして特例法が制定されて、そして言うならかさ上げ措置がとられてきておりますが、そのことが、交付税の場合で見ますとこの特別措置があだになりまして割り落としに・なってきておる。たとえば小学校の校費の事業費補正を見ましてもそういう実態が出されておるわけですね。校舎で七三%ですか、屋内体育館で六八%、こういう割り落としになっている。これではこの特例法の趣旨というものは全然生かされていない。むしろそれが逆に活用されている。こういう実態で、現地では非常に不満が強いわけです。この問題に対して、私はやっぱり特例法の趣旨を生かして、割り落としをするのでなくて補正されなきゃならぬと思うんですが、この二つの問題についてひとつ御見解を承っておきたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) ただいまお尋ねの件の、初めの隔遠地補正に関連する問題でございますが、隔遠地補正という補正は、市町村の立地条件が、具体的には都道府県庁所在地あるいは都道府県の出先機関の所在地からの距離によりまして、旅費とか通信費等の行政費が割り高につくという関係を交付税の算定上反映させようという趣旨で昭和三十九年度に創設されたわけでありますが、その際に、算定要素といたしまして、距離の要素と、それから同じ距離でありましても個々の団体の規模によって小規模な団体ほどその割り高の経費の影響は高くなるという意味で、一種の段階補正的な要素を加味しております。それからもう一つの要素は人口減少率、隔遠地の市町村は、この補正が適用された時期におきましては、同時に過疎化が非常に進行しておりまして人口が急速に減っておりますが、人口が減っても行政費はそのわりには下がらない、したがって人口減少要素を多少カバーしてやる必要があると、こういう考え方から、距離の要素と人口段階の要素とそれから人口減少の要素と、この三つの要素によりまして一般行政経費の割り高分を補正係数に反映させようという仕組みになっているわけであります。 で、その際に、人口段階による割り増し要素を計算するに当たりまして、算定技術上の制約もありまして、人口二千人からの計算をしております。二千人未満の団体につきましては算定技術上の結果から非常に大きな割り増し係数が掛かってしまうわけであります。そこで、これをそのまま適用する場合には、団体によりまして何十倍という係数が出てしまう。人口が非常に小さくなりますと、その係数の一番小さいところが二千人段階で打ちどめになっておりますから、小さな段階になりますと非常に大きな割り増し係数が掛かるという技術的な矛盾が出てまいります。そこで、昭和三十九年度にこの制度を創設いたしました際には、人口段階による補正率は最高五・〇、五倍までということにいたしました。これはその当時関係団体のデータなどを分析して、どんなに人口が小さくなっても五倍以上になることはない、こういう基礎から五・〇〇という頭打ちを設けたわけであります。その後、この点につきましては関係団体の御意見もあり、また私どもも実態を調べまして、昭和四十一年に六・五〇という最高制限率を設けたわけであります。その後今日まで至っておりまして、その後単位費用の増等もありまして、私どもはその六・五〇という最高制限率でもっておおむね関係団体の財政需要の実態を反映できているものと、このように考えているわけであります。 ただ、この点につきまして、昭和四十一年度から今日までかなり時間がたっております。したがいまして、この点につきましては最近の実態等についてさらに検討してみたいと思いますが、ただこの頭打ちそのものをやめてしまえという御意見につきましては、実は沖繩の団体の場合には六・五〇よりももうちょっと高くなるぐらいの団体が多いのでありますが、極端な例で申しますとたとえば東京都の御蔵島の場合などは人口が非常に少ないためにこの倍率が四十四倍になってしまいます。あるいは青ケ島村の場合には三十八倍になってしまう。これをそのまま制限なしで行うのが——金額はそれは団体が小さいですからそう大きな額でありませんけれども、制度としていかがなものか、こういう議論が出てくるわけであります。で、この段階補正につきましては、地方財政平衡交付金制度創設当初からも、余り小さい団体まで段階をセットすることが算定技術上もいろいろ制約がありましてこれは避けまして、そのかわり、たとえば段階補正最高は当時は二・二とかものによっては二・五とかいういろいろな制限率を設けましたが、いずれにしても最高制限率を設けてきたわけであります。外国の例などでも補正係数についてはものによって最高制限制度で不合理を回避しているという例があります。したがいまして、この隔遠地補正につきましても、現在の六・五〇が最近の時点において妥当であるかどうかについてはさらに実態を検討してみたいと思いますが、制限をそのまま廃してしまってそれが何十倍になってもいいかというと、私はやっぱり問題ではないか。これを回避するためにはさらに小さい段階まで想定をするかどうか、補正係数を設定するかどうか、こういったことも研究課題ではないかと思います。いずれにいたしましても、実態面あるいは算定技術面それぞれにつきましてさらに研究してみたいと思います。 それからもう一つのお尋ねは、義務教育施設につきまして、事業費補正を適用する際に、校舎、屋体の建設費の一部、具体的には五%相当を事業費補正に算入しまして、九五%相当は地方債によって措置し、その元利償還金を別途算入する方式をとっておるわけでありますが、この五%部分につきましていわゆる地域差率を適用しております。これは一般的には各地域の建築単価の差、文部省の補助単価等による建築単価等の地域差を反映させるように係数をつくっているわけでありますが、基本的にはこれは各事業費補正のもとに用います建設費の一般財源所要額を反映させるものでありますので、沖繩の市町村につきましては、振興法の規定によりまして、補助率が十分の九ときわめて高い補助率になっております。で、理論上の負担額は一割ということでありますので、交付税の算定上はこのような地方負担額における差というものは、これは反映させざるを得ないと。振興法の趣旨を棒引きするという趣旨ではありませんで、交付税算定上は理論的な負担額というものを算定の上に反映させると、このような見地に立っていまのような地域差率を設けているわけであります。 したがいまして、この問題と、それから具体に、沖繩の各市町村の財政実態が交付税算定と対比してどうなっているかと、この点はもちろん私ども常に考えていかなきゃいけないと思っております。したがいまして、それらの点については基準財政需要額全体の算定の中で、沖繩の実態を反映させる上でさらに何か考慮すべきものがあるのかどうか今後研究してまいりたいと、このように考えております。
○佐藤三吾君 あなたの答弁はよく聞かぬと、初めの方はなかなか調子がいいんだけれども、後段で、締めくくりで何のことはなかったと、こういうことになりかねぬので、もう一遍ここを確認しておきますが、隔遠地補正は、これはもう頭打ちを撤廃ということは極端な問題があるから検討の余地はあるとしても、四十一年設定した六・五〇というのは前向きにひとつ是正すると、こう確認してよろしいですね。 それからもう一つ、いまの割り落としの点は、あなたさっき振興法の棒引きではないんだということを強調しておるようですが、これはしかしどう考えたって実態はそこに、本土の場合には校舎の場合に平均一・〇五から〇・九一。沖繩の場合には〇・二七ですよ。体育館の場合は、本土の場合は一・〇五から〇・九一。これも〇・三二です。いずれにしても、補助高が特例法でもって高率なものだから、その分を交付税で割り落としておることだけは事実のようですから、これは特例法をつくった趣旨というものをひとつ思い返していただいて、特別に沖繩にはそういった条件というものを国自体が保障するということでつくられた経緯があるわけですから、したがって、交付税の問題についても割り落としをなくしていく、こういうことを再度ひとつ確認しておきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(石原信雄君) 先ほど答弁申し上げましたように、六・五〇の制限率につきましては、最近のデータを分析いたしまして、その実態によってもしこれを変える必要があれば変えたいと、そういう意味で再検討してみたいと思います。しかし、いま制限を撤廃してしまう、やめてしまうということは、交付税制度のたてまえからしても困難ではないかと、このように考えます。 それから、沖繩の地域差率の問題でありますが、これは義務教育に限らずほかの経費でも、たとえば北海道特例等地域によって国庫補助負担率に差がある場合にはその差の実態に基づいて地方負担額の計算をしておりますから、法令の規定による補助率の差というものを交付税算定上全く無視してしまえというのは、これは交付税制度としては困難ではないかと思います。したがいまして、振興法の趣旨はそれはそれとして、交付税算定の全体の中で必要があれば考えていくべきじゃないか。この地域差率そのもので補助率、国庫負担率の差というものを考慮の外に置いて率を算定するということはこれはむずかしいんじゃないかと、このように考えるわけであります。
○佐藤三吾君 必要があればじゃなくて、これはひとつ、いまあなたも答弁の中で認めておるように、実態としても現実的に強い地元の要求もあることだし、まあ特例法に言いがかりつけての一つの差別というふうにとれぬでもない。そういう問題ですから、ぜひひとつこの問題について検討をする、そうして前向きに改善を図っていくと、こういうことを確認しておきたいと思いますが、大臣いかがですか。
○政府委員(森岡敞君) 隔遠地補正のいわゆる小規模団体の頭打ちの問題は、審議官から申しましたように、四十一年に率を設けましてからその後変えておりません。実態が変わってきておるということでありますればその実態に応じた再検討は必要だろうと思います。ですから、個々の団体の財政需要の実態というものを真剣に一遍検討してみたいと思います。必要があれば直します。 ただ後段の、沖繩の義務教育施設の国庫負担の特例率の問題は、復帰の際に、地方交付税のような地方財源、地方公共団体の共通財源によって、沖繩の復帰後のいろんな施策をサポートしていくのか、あるいは沖繩復帰後の沖繩振興はすべて国家的見地からの問題でありますから、国費によって直接必要な財政措置のかさ上げをするのかという選択の問題があったわけでございますが、それは当然国費によってやるべきだということでこの特例率が設けられた経緯がございます。ということと、通常補助負担率が十分の五と十分の六というふうに若干の差でありますればそう問題ないのでございますけれども、十分の五と十分の九という格段の高い特例率でございますから、これにつきましては、やはり振興法のたてまえが国費によって十分な措置をするということに基づいておるわけでありますので、この修正につきましては、私はやはりこれを改めるのは困難だと思います。 で、審議官が申し上げましたのは、これはこれといたしまして、沖繩の市町村のその他いろんな財政需要があるわけでございますから、それらにつきまして適確に各市町村の要請にこたえるような財政需要の計算をあらゆる角度から検討してまいりたいと、こういうことで申し上げたわけでございます。私もそのように考えておりますので御了承賜りたいと思います。
○佐藤三吾君 大臣、いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 財政局長のお答えしたとおりでございます。
○佐藤三吾君 まあ隔遠地については検討して直すべきは直すということですが、事業費補正の割り落としの分については、これはこのものの手直しはなかなかむずかしいというのが財政局長の答弁だったと思うのですが、しかし、かわるべき措置というのは一体具体的にどういうものを考えておるのか。私も、いまあなたがおっしゃったように、沖繩の実態から見て地方団体の一般財源の中から充てるんじゃなくて国が特別に措置すべきだということはわかりますよ。わかりますが、しかし、だからといって交付税でもって割り落としをするということ自体は私はけしからぬと思うのですよ。ですから、ここら辺についてはやっぱり現地の強いそういう要求もあることですから、もう一遍ひとつ検討してもらって、そうして是正を図ってもらいたいということを強く申し入れておきたいと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(森岡敞君) この問題はこの問題といたしまして、各種の投資的な経費につきまして、いろいろ沖繩の市町村から御意見がございます。たとえば当委員会でもしばしば御指摘のありますつぶれ地の問題などにつきましても、国の財政の立場で思い切った措置を講ずることが本来必要でございますが、地方交付税あるいは地方債等を通じまして適切な対処をして、沖繩の市町村が財政運営上支障のないようにしていくという問題なども抱えておるわけでございますので、これは一つの具体例でございますが、自治省といたしましては、沖繩の市町村の財政需要にあらゆる角度から適切に対処できるように最大の努力をしてまいりたい、かように思います。
○佐藤三吾君 時間がありませんからこの問題はひとつさらに検討を強く申し入れて、また次の機会に質問してまいりたいと思います。 そこで、都市交通の問題について質問に入りますが、五十二年度の決算概況が報告されております。その内容を見ると、都市交通の再建問題というのは、いろいろな屈折がございますが大体総体的に見れば前進をしておる、こういう内容になっておると私は思うんですが、昨年の委員会で私が取り上げました行政路線、この問題については、たしかあのときわが党からも一つの法案が出されておりまして、これは大臣は違いますが、緊急にこの問題を解決しなきゃならぬと、こういう御答弁をいただいたわけです。できるなら私は五十四年度予算に間に合うようにという注文をつけたわけでありますが、しかし実態は、五十四年度予算には間に合わずに今日まできておるわけですが、これは五十五年度予算編成が目前に迫っておるわけですから、どうしてもこの委員会の中で決着をつけていかなきゃならぬのではないかと思うので質問するわけですが、一体どこにこのおくれの原因があるのか。同時にまた、五十五年度予算の編成期までにはこれは間に合わせるのかどうなのか、この点についてまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(中野晟君) 行政路線の問題につきましては、これは都市交通の上で重要な課題だというように考えておるわけでございます。現在、一昨年の暮れからでございますけれども、公営バス事業の管理者側の方及び関係の組合の方々と一緒に、意見の交換をしながら実は検討を進めておるわけでございまして、現在の段階ではまだ結論は得ていないわけでございます。ただ問題は、採算性には欠けますが、住民の足を確保するためにぜひ維持しなければならない路線の認定につきまして、どのような客観的でかつ合理的な尺度があるかということだと思うわけでございます。で、こういう尺度を都市交通全体の中で一定のものを具体的につくるというのは実際問題といたしまして−なかなかむずかしい問題がございます。また、採算がとれないと申しましても、他の交通機関との競合路線による場合もあるわけでございまして、その場合は路線の再編成を行う必要もあると思いますし、また路面交通の渋滞が不採算の要因となっておるというような問題もあるわけでございまして、そういう場合、優先通行のための努力が必要とされるわけでございまして、私どもといたしましてもいろいろ知恵を出し合いながら、先ほど申しました方々の御意見を承りながら、妥当な結論が得られるよう現在努力しておるわけでございます。
○佐藤三吾君 経過はわかるんですが、それで、五十五年度予算には一体どういうことになるんですか。
○政府委員(中野晟君) そこで、先ほど申し上げましたように、いろいろ意見の交換をしてまいっておるところでございまして、そこら辺の尺度につきましての結論がまだ出されていないわけでございます。私ども行政路線につきましての方策につきまして鋭意努力はしておるわけでございますが、先ほど申しましたようななかなかむずかしい問題が実はあるわけでございまして、認定につきまして。したがいまして、現在まで、先ほど申し上げましたようにまだ結論が得られていないという状況でございます。
○佐藤三吾君 どこがむずかしいのか。たとえば都市交通という場合に、公営だけということについては——渋滞その他は民間もあるわけだから、だから民間もあるときに公営だけということはむずかしいかもしれぬ。しかし、民間も含めて一つの交通政策として行政路線をきちっと取り入れるということについて、どこがむずかしいんですか。
○政府委員(中野晟君) 経過を申しますと、最初公営につきましての問題という形でいろいろ意見が出されておったわけでございます。で、やはり民間につきましても同じじゃないんだろうかと。公営につきましても民間につきましても、問題があることにつきましては同じじゃないかというようなことで、大体いま意見がある程度進んでおる段階でございます。 その次に、今度はその場合に、それでは民間、公営も含めましてどういうような物差しでもって行政路線というものを認定するかという問題につきましてこれからいろいろ意見を交換していかなければならぬ、その具体の認定の基準につきまして、これもむずかしい問題はあるとは思いますが、意見をいろいろ聞きながら方向づけを行ってまいりたいというふうに考えております。
○佐藤三吾君 運輸省来ていますか。——運輸省いかがですか。
○説明員(荘司晄夫君) 自治省の方からお答えございましたように、やはり行政路線の問題につきましては、従来公営交通事業のいわば健全化といいますか、そういう観点があったと思うのでございますけれども、そういう観点から自治省におかれまして、いまお話しのように、関係者集まられましていろいろ協議をされておるということは承知いたしておるわけでございます。私どももこういった御協議の結論を受けまして、御相談がありますれば、私ども民営、公営を問わずバス事業全体の健全な維持整備というふうな観点から、いろいろ補助制度でございますとか、施策もやっておりますので、そういう立場から、御協議があれば十分御相談をいたしたいということできておるわけでございます。 そういうことで、一応これまでのいろいろな御議論を踏まえられまして、御協議があれば十分御相談いたしたいというふうに考えておるわけでございますが、ただ、私どもの立場といたしましては、都市交通の現状といったものが、地方、主として過疎地における交通問題とどういうふうな違いがあるのかとか、公営とか民営の問題とか、いろいろそういった点も考えながら、全体的な制度との整合性を考えて十分検討してまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○佐藤三吾君 これは大臣、もう去年の六月のこの委員会の中でも議論されて、そうして五十四年度予算の編成までには間に合わせるように努力をしたい、非常にむずかしいけれども努力したいと、こういう話があって、結果的には五十四年度予算に間に合わないだけでなくて、自治省が、何か私の聞いておるところでは具体的に出したのは昨年の十二月ごろ一つの対案を出してきたと。こういうようなことで、もっぱら自治省の対応のおくれが今日まで延びておるような現状にあるわけですね。これは大臣の政治力の必要なものでもあろうと思うんですが、五十五年度の予算編成期までには間に合わせるということについていかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) この行政路線の問題は、確かにむずかしい問題の一つでございまして、基本的にはいま大きな問題となっております国鉄のローカル線の問題なんかと共通した性格の問題だというふうに考えております。しかし、とにかくその問題は現実にありますし、前大臣が五十四年度の子算練成に間に合わせるという答弁もしておるようでもございまするし、いずれにしてもこれはもう決着をつけなくちゃなりませんので、自治省としてはひとつ五十五年度の予算に間に合うように努力をしてまいります。
○佐藤三吾君 そういうことでひとつぜひ事務当局の方でも努力をしてもらいたいと思います。 そこで、運輸省にお伺いしますが、いわゆる過疎地域に対する地方バスの生活路線維持費補助というのがたしか五十四年度までになっておったんじゃないかと私は思うんですが、これは五十五年度以降も引き続いてやられてないと、いま過疎現象の問題というのが一つも解決してないこの時期に打ち切られるということになりますと、これは大変なことになると思うんですが、いかがですか。 それからもう一つは、おたくの運輸経済研究センターという中で、地方バス研究会というのが組織されて、ここでこの問題を含めて議論をされておると聞いておるんですけれども、その内容をひとつお聞かせ願いたい。同時にまた、この問題は、いわゆる都市交通の観点から見ても当然私は含まれると思うんですけれども、含まれて議論をされておるのかどうか、あわせてその辺の見解を聞きたいんです。
○説明員(荘司晄夫君) いま御指摘のように、現在の過疎地帯を中心といたします地方バスの路線維持の補助制度というのは、一応五十年度から五十四年度までの五カ年の対策ということで進められておるわけで、五十四年度をもって一区切りということでございますけれども、御指摘のように、まだまだ地方のバスの経営状況というのは厳しい状況にあるわけでございまして、一方地域の住民の方々の足を確保するという見地一つをとりましても、今後経営状況に合わせて路線バスがどんどんと撤退していくということは私どもの立場としては非常な問題であるというふうに考えておりますので、御指摘のように何らかの形で地方バスに対する助成制度というのは継続する必要があるということを私どもとしても考えておりますので、そういう方向で来年度予算に向けて検討をいたしたいというふうに考えております。 そういうこととの関連もございまして、いわゆる陸海空にわたります運輸経済全般に関していろんな調査をしております財団法人でございます運輸経済研究センターにおいて、この賛助会員の一員ともなっておりますバス業界との話し合いでございますけれども、地方バス研究会というものを設けまして、いま言ったような、五十五年度以降の地方バスに対してどんな考え方で臨むかといったようなことを中心といたしまして、自主的な研究会が組織されまして議論をしておるところでございます。内容といたしましては、五十四年度までの補助制度に対します評価でございますとか、そういったものを踏まえまして、今後地方におけるバス路線の維持ないしは整備についてどんな考え方で持っていったらいいかというふうなことを議論しておるところでございます。 なお、都市バスとの関係につきましては、私どもといたしましては、従来地方バスに関しましては、いま問題になっております地方バスに対します補助制度といったもので臨んでおるわけでございますが、従来都市交通につきましてはいわば交通環境の整備でございますとか、あるいは旅客のためのサービス施設の改善でございますとか、そういったものに対する国庫補助、たとえばバスの乗り継ぎターミナルでございますとか、あるいはいわゆるバスロケーションシステムでございますとか、こういったものに対する補助ということを中心に対処していくということでやってきておりますので、若干地方バスに対します考え方とは異なった考え方で対処をしてきておるわけでございまして、そういった意味合いからとりあえずは地方バスについて今後のあり方を検討するということで議論がされておるわけでございます。当然その中で都市バスについてもいろんな対策を今後どういうふうに進めていくかということについてあわせて検討すべきではないかというふうな問題の提起も一部の委員からはなされておるというふうに伺っておりますけれども、申し上げましたような状況でございますので、まず地方バスに関しましていろいろ議論を詰めまして、それとの関連で都市バスについても議論する必要があるということがその研究会の中で委員さん方が一致してそういうことになれば、あるいはそういうこともあり得るかと思いますけれども、現在ではまだ地方バスについて議論を詰めておる、こういう段階でございます。
○佐藤三吾君 わかりました。いずれしても、そういう意見も出ておるようでございますから、過密の中の過疎というか、まさにそういうのがいま都市交通の実態だと思うので、ぜひひとつこれもあわせてこの中で検討をしていただいて、五十五年度以降の方針を出してもらいたいということをひとつ注文しておきたいと思います。 それから、時間ございませんからはしょっていきますが、それと関連するんですけれども、この都市の交通政策というのが、環境整備というのが非常に重要な意味を持つわけですが、専用レーンというものをしいてこられておりますが、これは実態を見ると余り生かされてない。私も再三各都市に参って専用レーンを見てもほとんど生かされていなくて混雑の極を極めておるというのが実態だと思うんです。警察庁に、一体これらの対策というのはどういうふうに進めておるのかお伺いしておきたいと思います。 それからもう一つは、朝日新聞の五月十九日号に、「バス再生・市電の復権」ということで、「道路活用で試行錯誤」という見出しのもとにこういう記事が出ていますね。この中で、バスロケーションシステムというのがいま新宿を中心にやられておるんですが、非常に好評というか、都市バスの再生に大きな方向を与えておるということを提起されておるんですが、私も体験をしてみますと、確かに、どこを出ましたという連絡というのは、やっぱりバスの乗客にとっては、時間を急げば急ぐほど重要な意味を持ってきておると思うんです。この点に対する普及が一いま試行程度でありますけれども、全国的に都市バス政策の一つとして活用されていかなきゃならぬと私は思うんですが、運輸省の見解もひとつあわせてお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(杉原正君) 先ほどお話がございましたように、バスの専用レーン、優先レーン、これをつくりました以上は、やはりその機能が十二分に生かされるようにする必要があるわけでございます。いま、朝夕のラッシュ時間帯を重点にいたしまして、当該レーンあるいはその周辺に警察官を重点的に配置をいたしております。これは事柄の性質上、指導、警告、誘導、これが中心になるわけでございますが、どうしても悪質なものにつきましては取り締まりもしなきゃならぬというふうなことで、昨年を例にとりましても、このバスの専用レーン、優先レーン関係の取り締まり自身も四万件を超えておるというふうな状況でございまして、かなり力は入れてやっておるつもりでございますが、御指摘のように、決してまだいまのやり方で十分であるとは考えておりません。さらに配置運用に工夫をこらしましてこの機能が十分に確保できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(荘司晄夫君) お話しのございましたバスロケーションシステムでございますが、五十二年度予算によります国庫の補助で、新宿の西口にモデル的に整備をいたしまして、その後効果の調査などをいたしておりますが、詳しいデータを持ち合わせておりませんけれども、いわゆるいらいらの解消にかなり効果があるというふうなデータも出ておりますので、私どもとしては一つのサービス改善のための施設ということで整備を促進いたしたいということで、五十四年度予算におきましては九千四百万ばかりの補助金を確保したわけでございまして、まだ確定はいたしておりませんけれども、現在のところでは横浜市ほか二ヵ所程度、五十四年度はバスロケーションシステムを整備いたす予定でおります。今後につきましても、関係の各機関の方々と十分御相談をしながら財政の許す範囲で整備を促進していきたいというふうに思っております。
○佐藤三吾君 運輸省、整備の財政の許す範囲と言いますが、具体的にどういう計画ですか。
○説明員(荘司晄夫君) いまお答え申し上げましたように、五十四年度は約九千四百万ばかりの国庫補助の予算でございますが、来年度につきましては、現在整備個所その他につきましてまだ検討中でございまして、はっきりした数字を持ち合わせておる段階ではございません。
○佐藤三吾君 いまあなたも認めておりますように、非常に効果を上げておると私は思うんですよ。ですから、都市バス政策の一環としてぜひこの問題も軌道に乗せる、しかも全国的に早急に普及させるようなひとつ注文をお願いしておきたいと思います。 それから、自治省と大蔵省になると思うんですが、再建団体のバス更新費補助でございますが、これは五十四年度両省の努力で補助が計上されたわけですけれども、しかし、御存じのとおりに、これは五十四年度で終わる性格のものじゃございません。五十二年度の決算報告を見れば明らかなとおりですが。これは大臣の衆議院段階における答弁を見ますと、五十四年度以降、五十五年度以降を含めてさらに継続し、再建を軌道に乗せていきたいと、こういう答弁をなさっておるのですが、そういうことでよろしいですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) そのとおりでございます。
○佐藤三吾君 これは大蔵省いかがですか。
○説明員(足立和基君) 本補助金につきましては、先生御承知のとおりの経緯がございまして、バスの購入費補助金といたしまして五十二年度まで五カ年計画でいたしました。昨年五十三年度予算でそれを一年延長いたしましたわけでございますが、五十四年度に再建地方都市バスの更新費補助ということで実質的な延長が図られたわけでございます。私どもも、五十四年度限りというようなことではなく、再建地方都市の再建期間が、ある程度地方都市の大半が再建期間終了になるというような時期までこのような補助金を存続させていかなければならない、このように考えております。
○佐藤三吾君 問題は、そういうことで五十五年度以降も続けられることを確認したわけですが、これは第一次再建計画では、四十八年から五十二年までの中には、大都市を含めて再建団体については適用されておったわけです。ところが五十三年度及び五十四年度は、まあいろいろな経緯もあったんだと思うんですが、これが外されておるんです、大都市は。私の調査で、これは自治省が調べた調査とも数字はそう変わっていないんですけれども、それを見ると、いわゆる更新バス——更新をしなきゃならぬ十一年ですか、十一年以上のバスの実態を見ましても、大都市、中小都市ともそう変わりはない。なぜ再建団体でありながら大都市だけ五十三年度以降除外されたのかということについては、これは率直に疑問に感ぜざるを得ないんですが、いずれにしましても、このバス更新に関する経緯の中で外れておるんだろうと私は思うんですが、実態から見ると、むしろ財政再建の面では大都市の方が深刻な部分がございます。もちろん地下鉄に移っていくという実態もございましょうけれども、しかしそういう問題は変わらないわけでございますから、これは答弁要りませんけれども、ひとつぜひ両省の努力で、五十五年度以降は大都市も含めて再建団体には適用していくと、こういう方向を強く私の方から申し入れまして、若干時間がございますが、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(永野嚴雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時七分開会
○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○志苫裕君 最初に、ちょっと一つ二つお伺いしますが、前回の委員会で小山委員とのやりとりで、新広域市町村圏事業ですね、これについての財源手当ての問題で、交付税による措置も何か考えているような答弁もあったんですが、この点もう一度確認します。
○政府委員(森岡敞君) 新広域市町村圏計画は、従来の広域市町村圏の区域なりあるいは仕組みを踏まえまして、さらにその地域全体の将来にわたる中長期的な振興計画を立てていこう、広域圏計画の内容を思い切って見直していこうと、こういう発想でいま進められておるわけでございます。したがって、新たな圏域計画はもちろんこれからだんだんと整備されてまいるわけでございます。したがいまして、その内容についてどのような事項が盛り込まれていくかということはこれからの問題でございます。 ただ従来も一広域市町村圏につきましては地方交付税におきまして、御承知のように、おおむね一圏三億円程度の算入を道路費を中心としていたしてまいりました。新たな計画の内容によりますけれども、私どもといたしましては、当面は地域総合整備事業債という地方債を積極的に活用して、地域振興のための財源を確保してまいりたいと思いますが、さらに中長期的に見ました場合には、地方交付税による財政措置というものも検討対象として考えていく必要が出てまいるのではないかと、こういう感じを現段階では持っているわけでございます。いずれにいたしましてもその内容、確定しておるわけではございませんけれども、そういう基本的な考え方を持っておることを申し上げたわけでございます。
○志苫裕君 それで、前の市町村圏のときからわれわれとしてはどうも交付税で誘導をするようなやり方については同意をしないという立場をとってきたわけですが、それはそれで一つの意見ですけれども、それで一通りそれが終わった。で、私は昭和五十三年四月二十七日の本委員会でこの問題を取り上げまして、いま定住圏構想というのも出てきたわけであるけれども、それの仕事を進めるに当たって交付税はもう使わないかと、かつての市町村圏のように交付税でそういうものを誘導するというやり方はやらないかといって聞いたら、はっきり当時の山本財政局長が答えているわけです、それは考えていないと。 ところで、いまの答弁を聞いておりますと——前のときからそうですが、とりあえずは起債で手当てをして、いろいろと場合によったら交付税も検討をしようかと、こういうことなんですが、実は私は、皆さんの方から出ておるたとえば新広域市町村圏計画策定要綱の、「国及び都道府県の措置」というところの一、「国の措置」のア、イ、ウのウのところに、「広域市町村圏の振興整備に関する事業に要する経費の一部について地方交付税の算定上所要の措置を講ずること。」と書いてあります。検討するどころじゃないんです、交付税で措置をすると書いてある。これはまず前段述べた当委員会における私に対する財政局長の答弁に違背をしておるし、また、しばしば局長が、とりあえずは起債でやって、なお財源の要望も強いので、そういうものは検討してみたいと言うこととも違う。明らかにこう書いてある。この点はどうなんですか。
○政府委員(森岡敞君) 恐らく御指摘の点は、お言葉の中にもございましたように、たとえば国土全体の中で特定の地域を何かモデル的に指定をいたしまして、そこに投資を集中的にやっていく、その誘導的な手段として交付税を用いるということにつきましては、私はこれは行うべきではないと思っているわけでございます。しかし、新広域市町村圏計画というのは、全国すべての市町村の区域を通じてその地域の将来にわたる振興計画を立て、それに基づく事業を思い切ってやっていこうと、こういうことでございますから、まさしく全市町村を通ずる普遍的な地域振興事業であります。それにつきまして、やはり必要に応じて財源措置というものを考えていくということは、これはあってしかるべきではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。 定住圏といい、あるいはその他何々圏といういろんな構想なり発想がありますので、やや紛らわしゅうございますけれども、特定のところをモデル的に選定をして、そこに対して交付税で裏打ちをして誘導すると、そういうことは私は毛頭考えていないわけでございます。すべての市町村を通ずる普遍的な新広域市町村圏計画につきましては、やはり地方債で当面措置いたしますが、将来にわたりましては交付税による財源措置というものも全体を通じて考えていくということは、これは地方交付税の制度の趣旨からいってもまあ妥当じゃないかというふうに思っておる次第でございます。
○志苫裕君 いや、局長、それは詭弁ですよ。なるほど私に対する答弁では定住圏という言葉を使っていますけれども、その当時はまだ新広域市町村圏というのも生まれておらなかったわけだし、前の市町村圏事業のちょうど終わりごろの段階、そろそろ終わるというころですね。だから、それはいまやっておる広域市町村圏というのは続いておるわけですから、終わるまでこれは交付税で措置をしたい。それはぴたっとやめるというわけにはいきませんから、それはわかる。で、新しいものとして、定住圏あるいは広域市町村圏あるいは新広域市町村圏あるいは田園都市とかいうのがこんがらがっていますが、皆さんの方でこれらの一連の問題を整理をした答弁というのは、田園都市という理念に基づいて定住圏という事業、これはその理念に基づいたものだと、それの手法が新広域市町村圏だというふうに、こう脈絡を持たせておるわけですから、さまざまの書面にそう書いてあるんですから、ですから、新市町村圏といい、あるいは定住圏といい、田園都市といい、それは同じものなんだ。で、定住圏しかり、新広域市町村圏しかり、ずっと全国的にそれは波及をしたいというものなんだ。いわゆるモデル定住圏とはわけが違う。あるいは自治省も一時期書いた拠点的何とか圏の整備というものでもないわけですね。 そうしますとね、私ここに議事録持ってきておるんですが、あの当時に議論をして、いまの広域市町村圏の整備が終われば、後、その次の、たとえば定住圏とかなんとかのものを交付税で措置することは考えていないというこの答弁、それはやっぱり約束違反ですよ。そして、いまでも検討課題になっておるものを、もうちゃんと交付税で措置すると書いている。独断ですよ、これは。これどうしますか。
○政府委員(森岡敞君) 御質問の中にもありましたように、その国会におきます、定住圏に関する財源措置の御答弁をしました際には、まだ定住圏とかあるいは広域圏とかそういう考え方に基づいてどのような具体的な手法なり施策を考えていくかということについての明確なる整理なり構想が出ていなかった時期だと思います。したがいまして、まあそのような答弁もあったのだと思うのでございますけれども、しかし、基本的に考えました場合に、私先ほど申し上げましたように、すべての市町村を通じて新たな振興計画を立ててやっていくというものについて、これはもう恐縮でございますが、なぜ地方交付税で措置をしてはいけないのかと、私はそれを非常に疑問に思います。むしろ、やはりその地域の振興を前向きにやっていこうという場合に、もちろん交付税財源が足りませんでしたらそれはできませんけれども、交付税の総量が確保できて措置ができるものならば、地域の実情なり要請に応じて措置していくということは、私はむしろ当然じゃないんだろうかというふうに思うわけでございます。特定のところだけを拾い上げて、それに対して誘導効果を持たせるということは、これは交付税の制度の趣旨に反しますけれども、すべての地域を通じて財源措置を公平にやっていくということでございますから、これは私は交付税制度の趣旨からいって御了承いただけるものじゃないかというふうに思う次第でございます。
○志苫裕君 それは局長開き直ってくるわけですがね、開き直るとおれも開き直らなきゃならない。この議論は、交付税というものはあくまでもいわば自治体が本当に、まさに自治に基づいた使い方をしたい。それを国が考えるある一つの政策意図、政策目的、これに誘導をするように使われるという、それが交付税の性格として望ましくないと。で、前のときの市町村圏についてもいろいろ議論がありましたよ、広域行政そのものについても。議論がありましたけれども、少なくともそれをやればおまえのところには具体的に三億円よけい行くぞとか二千万円よけいに行くぞというふうに、道路の値を変えまして、金が来るんだから。これは、しかしその金はどこから行くのかというと、具体的にはほかの地区からもいで行くことになるわけですから、三年たつとほかの地区に移るから、やがて一巡をすればみんなに来たことになりますけれども、ある段階ではどこかを削ってどこかの自治体に上積みをするという形を通して政策意図というものを貫いておるわけですよ。ですので、交付税をそういう使い方をしないでくれぬかという意味で、また毎回議論して、どこへ橋をつくるか、どこの道を直すかというようなのは自治体の長が考える。それに必要な一般の財源をできるだけ国もめんどうを見てやるという考え方でいいのであって、こういう道つくるのなら金をやるぞと、こういう仕事をするのなら交付税で上積みをしてやるぞという、そういういわば干渉がましいことに財源を使わぬでくれぬかというので言っているわけでね、この議論はあなただってもう原則的には認めていることなんだ。 いずれにしても、これはさっき官庁速報のところで、何か勇み足だというのがあったが、これも勇み足だ、この文章。新市町村圏策定要綱の、「交付税の算定上所要の措置を講ずること。」、その方針はまだ決まってないんです。ここでも議論があった。一時期は国会の質問にそういう答弁もしたんですよ。そうすれば、その後こういう議論も出ておるわけですから、あなたの方の見解があるならば、それはそれを述べて合意を形成するのがあたりまえじゃないんですか。 実は、何で私がこれ感づいたかと害いますとね、たまたま新潟の議会で、新しいそれには銭があるのかといって聞いたら、県の方で、いや、それをやれば交付税でめんどう見てくれるんだという答弁が出たもので、それで私も何の気なしにもらった文書をまた正確に見たら、なるほどそう書いてある。しかもこれは通達で出ているんです、都道府県に。だから都道府県は、新市町村圏の事業は交付税で措置されると見ている。これよくないですよ、こういうやり方は。
○政府委員(森岡敞君) 問題が二つあると思います。一つは、先ほど来お話し申し上げております従来の広域市町村圏計画に基づく事務の共同処理、これはなお引き続き進められていくわけであります。そこで、新広域圏計画なるものをつくりました後に、従来の一圏域三億円、道路費関係を中心とした財政措置、これはなくなるのかという心配が関係市町村から非常に強く出てまいっております。それに対して私どもは、やはりこういう措置というものはなくしてしまうということは好ましくないという感じを持っております。現に、先ほどお話しがございましたが、この交付税の措置によりまして消防、救急あるいはごみの共同処理その他の事務の共同処理というのは非常に進んで、地域の人たちから私は喜ばれておると思うのでございますが、そういう意味合いで、いままでやってきた措置をやめてしまうのかと、こういう話がございまして、それは私どもはすっぱりやめてしまうという気持ちは毛頭ないわけでございます。 いま一つの問題は、新広域圏計画というのは、いまお話しのありましたように、この道路をつくるとか、この病院を建てるとかあるいはこの集会場をつくるという問題ではなくて、どういうものをつくるかということを関係市町村が広域行政機構の中でお互いに相談して、どこに何をつくるということをお決めになるわけでありますから、それに基づいて実施される事業について必要な財源措置をどう講じていったらいいかということでございます。 いずれにいたしましても、どのような交付税上の財源措置を考えるかということはまだ私ども確定しておるわけではございませんが、基本的な方向といたしましては、起債だけでやれと言われてもそれはなかなか、こういう中長期的な先の長い、息の長い仕事はできませんというのが全市町村の強い要請でありますので、私どもといたしましては、それにこたえる措置を考えていきたいという気持ちを持っておりますことを申し上げておきたいと思います。
○志苫裕君 それはね、ですからさきの委員会以来、新広域市町村圏事業というものがどんどん進めば進むほど、ひとつ財源も何とかしてくれぬかと、借金だけではどうもという意見も出てくるから、交付税についても検討してみたいというふうにいろいろ皆さんの議論が発展をしてくることを、私もいまにわかに悪いと言っているんじゃない。これは大臣が来たら聞きますが、大臣も声を大にして胸のすくようなたんかを切っているわけですね、自治というものを本当に思いっ切り発揮をさせたいと。私は、少なくとも交付税で政府の施策を誘導するなと、補助金のように使うなと、そういう意味では、できるだけこの種の誘導的な要素を持たせるべきではない。交付税というのは自治省の金じゃないんですよ、これは。国の金じゃないんですよ、これは。手続は皆さんがおやりになっているかもしらぬけれどもね。自治体が使うんですからね。それを、おまえこういうことをやればよけいに割り増しをしてやるぞと言うのはもってのほか、おこがましいんだ、これは。私これは大臣が来たらなお見解をただしてはっきりさせたいと思います。 その次に、財政連勝通達について一つだけお伺いしておきます。これは主張だけ述べておきますが、財政運営通達は、自治法の二百四十五条に基づくいわば技術的な助言と勧告、むしろ助言の方のものでありますという答弁がかつてありました。私は、この財政運営通達というもの、長い歴史を持つものでありますから、初めのころの非常に自治体財源が厳しいころの通達と、また最近の通達ですね、それぞれ通達には、なるほど時代時代を反映をしまして少しずつ取り上げることや文言、表現も変わっておるようでありますが、いずれにしてもここ数年、特に財政状況が厳しくなってからのこの次官通達の文言を読んで感ずるのは、技術的助言の範囲を出ておる。ああせい、こうせい、あれするな、これするなという式の内容が非常に多い。そういう問題に余り気を配らぬころの通達を読んでみますと、こういうことになりましたからお知らせしますとか、ことしはこういう新しい財政制度ができましたからひとつ御注意願いますとかという、そういう内容。一時期財政問題をめぐって厳しい自治体の状況があったことも確かでありますが、それにしても、まさに権力的関与のような、命令をするような、拘束をするような財政運営通達の性格というのは、やっぱりこれからもうすっかり改めていくべきだと、まずそう思いますが、いかがですか。
○政府委員(森岡敞君) 基本的な考え方は、いまお示しのように、私どもが地方公共団体に対して地方財政の運営についての通達を出します場合には、それは権力的関与というものであってはならないということは私も全く同じ気持ちでございます。しかし、財政運営通達と申しますものは、一つにはその年度の各般の地方財政措置を地方公共団体でよく知っていただくということ、いま一つは、その年度の財政運営について注意していただく事項を各般にわたって各地方公共団体に申し上げるということ、この二点に尽きると思うのでございます。後段の財政運営上いろいろ御注意願いたい事項の中には、地方団体にとっては、まあ率直に言って耳の痛い問題もそれは入らざるを得ない。ここは御理解いただけると思うのでございます。問題は、その表現がいまお示しのように権力的関与にわたるような誤解を招くような表現でありますとそれは私どもは避けなきゃいかぬと思いますが、しかし、事柄自体どうしても御注意願わなければならぬ事項につきましてはこれは明確に申し上げておかざるを得ない、また申し上げておく必要がある、こんなふうな気持ちでいま事務的に案を固めておる次第でございます。
○志苫裕君 まあこのくだりはいささか抽象論でありますから、私もこれぐらいでやめますが、いずれにしても財政が厳しい折でありますから、国と言わず地方と言わず、厳しい財政運営なり執行をしていく心構えは当然だと思うのでありますが、特に地方の時代だとか分権というものを声高らかに主張をされる今日でありますから、国から出るその種の文書についてもいささかも権力的な関与にわたらないようにひとつ十分な御配慮を願いたい、このように要望をいたしておきます。 そこで私は、残された時間でありますが、消防職員の団結権問題にしぼって以下お伺いをいたします。 冒頭にちょっとお伺いしたいんですが、消防職員の団結権問題はILOを舞台にしてずいぶん日本政府も幾つかの見解を述べているんですが、ILOなどに日本政府が見解を述べる場合、その日本政府の窓口はどこですか。私はきょうまずそこの窓口にいろいろこれから聞いていこうと思いますのでね。窓口はどこですか。あそこで日本政府と言っている場合にどこが窓口ですか。
○政府委員(松井達郎君) ILOにおきまして、日本政府を対象にいたしましていろんな意見を求めてまいりますが、すべての問題につきましては、私どもの労働省の国際労働課というのがございまして、そこで意見を取りまとめてILOに申し述べるという形をとっております。
○志苫裕君 そうすると、私はこれからむずかしいことをいろいろ聞くんだけれども、あなたのところが窓口で答弁できるんですか。
○政府委員(松井達郎君) 意見を申し述べます内容につきましては、各省の所管の事項それぞれございますので、それで、各省の所管事項につきましてはそれぞれの省が主体となって意見をおまとめになるわけでございますが、私どもといたしましては、何といいますか、その場を提供すると申しますか、そういうことで、意見を取りまとめる場を提供いたしまして、そこで日本政府の名前においてILOに意見を出すという形をとっております。
○志苫裕君 私も余りその辺の手続詳しくないから、われこそは答えるのに一番適当だというところが逐次答えてください。 ILO八十七号条約の適用に当たっても、あるいはまた国際人権規約の締結に当たっても、国際公務員条約の採択に当たっても、日本政府は一貫をして、わが国における消防は警察の構成員である、あるいは警察に含まれる、あるいは警察と同視すべき職務である、まあ表現は幾つかあるようでありますが、そういう立場、解釈をとっておられるようでありますが、以下その根拠について順次伺うことにいたします。 便宜上、日本政府がILOに送った何回かの見解がありますので、その見解をもとにしましてお伺いをしましょう。見解では幾つかのことを述べておりますが、まず第一に、わが国消防には三百年の歴史があり、一貫をして警察の一部門だったというのが一つの根拠であります。このことをまず聞きますが、果たして三百年の歴史がどうであったかは三百年分これはおいおいと聞きます。そのことはちょっと後回しにしまして、消防にはいろいろな歴史がありますが、少なくとも一九四五年から一九四八年にかけて、わが国は、新憲法の制定、地方自治制度の確立、警察制度の改革、こういう一連の改革と相まって消防制度も確立されたわけであります。長い歴史があるとして、この大改革というものに対する理解がどの程度のものかによって三百年の歴史の見方も変わっていくわけでありますので、ここのところをまず聞きたい。 まず、警察庁にお伺いしますが、警察制度改革の基本といいますか、眼目は何だったんでしょう。
○政府委員(山田英雄君) いまお尋ねの中で、戦後の警察制度の改革、これは、直接の基因となりましたのは昭和二十二年の九月十六日のいわゆるマッカーサー書簡であろうと思いますが、そこでの柱は、警察の民主的管理機構として中央、地方に公安委員会制度を設ける。それから、警察の制度を徹底した地方分権化を図る。したがって、市町村自治体警察を創設する。もう一つは、戦前の警察が持っておった広範な警察権限を限定しまして、これは基本的な秩序維持、公安の維持の職務に限定する。おおむねこの三つの点が根幹であったと思います。 そして、いろいろ市町村自治体警察の運営をしてまいったわけでございますが、その運営の中で、きわめてわが国の国情に即しない点、つまり、大変警察単位が細分化されたために不経済、非能率というような面も出ましたし、治安責任の不明確という点も指摘されまして、これが昭和二十九年七月の第二の警察制度改革の起因となったわけでございます。その場合に、現行警察法におきましては、中央、地方の公安委員会制度は堅持したということでございます。それで、細分化された市町村自治体警察と国家地方警察の二本立てを廃止して、都道府県警察に一元化して、警察運営の能率化、経済的効率化を図ったというところにあろうかと思っております。 ただ、この場合においても、旧警察法において第三の柱として立てられておりました警察責務の限定、これは堅持されたと、かように考えております。
○志苫裕君 消防庁長官、いま、警察制度の基本的な改革、その後の若干の変更もありましたが、御答弁ありましたけれども、さて、そういう一連の改革の中で、消防制度の基本的な変更は何だったのですか。
○政府委員(近藤隆之君) 先ほど先生からも御指摘ございましたように、消防におきましては、三百年の歴史の間ずっと警察と一緒になって仕事が行われてきたわけでございます。そしていま御指摘の、終戦直後の時代におきましては、司令部の命令によりまして警察が地方分権化されたわけでございまして、したがって、その一環といたしまして消防も市町村消防ということになりまして、昭和二十三年、消防法及び消防組織法ができて現在に至っておるわけでございます。 ただ、消防を所管しますところの国の官庁といたしましては、国家消防庁あるいは国家消防本部というのができたのでございますが、これらにつきましては、昭和三十五年に至るまでは警察と同じ国家公安委員会の所轄のもとに置かれておったわけでございます。昭和三十五年に自治省が発足いたします際に、消防と市町村の関係等にかんがみまして、自治省の外局ということで消防庁が設置されたと、こういう経緯でございます。
○志苫裕君 私が聞いておるのは、一貫をして警察の一部門であったと。皆さんそうおっしゃっておる。しかし、注意をしてほしいのは——果たしてそうであったかどうかは後ほどただします、三百年分は。三百年分は後ほど聞きますが、少なくともこの一九四五年の敗戦に伴う日本の政治諸制度の大改革というものを見落として物を言っちゃいけない。 で、先ほど警察庁の官房長の答弁がありましたが、消防に重点を置いていないので、私から申し上げますと、この警察制度の大改革の一つの柱に、非警察事務の分離というのがあった。このくだりを、当時の警察制度審議会に警保局から出した審議資料の中でもこのように言っているでしょう。「警察事務を再検討し、警察事務中本来の職務に関係の薄い事務を整理して他に委譲し、警察は本来の任務たる犯罪の防圧、個人の生命財産の保護治安の維持に専念させることとし、」これによって「従来の警察の概念を整理し新しい警察の概念をうちたてる。」、こうなっています。 それから、いま官房長が答弁になった、いわゆる二十二年九月二十日のマッカーサー書簡に基づく「警察改革要綱」、これの第五、「警察固有職務以外の事項」とこうなっておりまして、自今警察は、警察固有の任務すなわち犯罪人の捜査、逮捕、及び公安の維持に専心し、他の行政事務は挙げて他の省に移し、あるいはなし得る限り地方自治体に所掌せしめる。警察改革のこの要綱、このことは提案理由にもなって出てくるわけでありますが、要綱を見ても、消防は非警察事務として除外をされたんじゃないですか。非警察事務としてほかに分離をされたんじゃないんですか。それがどうして警察の構成員ですか。それがどうして警察の一部門ですか。
○政府委員(近藤隆之君) 二十三年、消防行政は警察庁の方からは分離されましたけれども、それによりまして消防行政の質的内容が変わったということではないと思います。先生のいま御指摘の文書そのものの非警察あるいは警察というのが、どういう使い方をしておるかという点についてはつまびらかにしませんけれども、消防行政が、広い意味での警察行政の一環である保安行政であるということは私どももそうだと思っておりますし、大多数の学者も大体そういう考え方にあるわけでございまして、消防が警察の仕事から分離されたからといって、その行政の内容までが変わるということには私どもは理解しておりません。
○志苫裕君 私は、いまあなたの答弁が、第二の、わが国消防はその任務内容から見て学問的にも保安警察の一部と解されておるというこの根拠の答弁がありましたから、やがてそこへ入りますけれども、念のために申し上げますと、それまでの日本の警察制度の誤った一つの面というのは、警察本来の機能を超えた幾多の行政機能をつかさどって、その集権化と相まって膨大な国家警察をつくり上げたことにあった。したがって、警察から非警察事務を分離し、警察は警察固有、警察本来の任務に専念することとした、それが新しい警察の概念だ、こう述べているわけですよ、当時。こういうことから見ても、私は消防は警察の一部門であるとか、構成員であるとか、同視すべき仕事だとかというこの日本政府の解釈は、一九四五年のあの大改革というものを故意に見落としておる。それに基づいて消防制度というものができた、にもかかわらず、そこの基本を見失っておるのじゃないか。いわゆる改革以前の古い警察国家の当時の警察の概念というようなもので、あえて今日を処理しておるというところに基本的な誤まりがあると思うんです。あなたのおっしゃっておる警察というのは——じゃ、ひとつ警察の概念を聞きましょう。
○政府委員(近藤隆之君) 行政作用としての警察行政と、それから現実にそれを行うところの行政組織としての警察というものは、私は分離して考えるべきではないかと思います。戦前あるいは戦争中の行政組織としての警察というのが非常に肥大化して膨大な権限を持っておった、それを民主化の線に沿って、行政組織としての警察にはこの程度の警察行政をやらせるのが適当であるということで戦後の警察行政機構ができ上がったんだと、私どもは思っております。そして、従来行政機構としての警察が持っておりました消防行政の部分につきましては、これを別途の組織に切りかえたと、そのような理解を持っております。
○志苫裕君 ですから、警察組織じゃないでしょう。警察の構成員でないでしょう。
○政府委員(近藤隆之君) 現在の消防は言うまでもなく警察の組織の一部ではございません。
○志苫裕君 警察の構成員ですか。
○政府委員(近藤隆之君) 広義の警察行政を行っておることは事実でございますけれども、行政機構としての警察の一部ではございません。
○志苫裕君 広義の警察行政——保健所はどっちへ入りますか。
○政府委員(近藤隆之君) 学者がいろいろ述べておりますけれども、大多数の学者が言っておる定説ということからいきますと、警察というのには司法警察と行政警察というふうに分かれるわけでございまして、それぞれについてはあえて説明の要はないと思いますけれども、この行政警察の中が保安警察と狭義の行政警察というふうに分かれる。そして、狭義の行政警察というのは、衛生、交通あるいは営業、そういったような他の行政目的を持つものと絡めて警察行政権を発動することが必要なものにつきまして狭義の行政警察と言っております。 それに対して、保安警察というのは、一般的な社会公共の安全と秩序の維持を目的とする警察ということでございまして、その中で消防につきましては、御承知のように災害に対しまして一般的な社会公共の安全と秩序の保持を目的とするものでございますので、行政態様としては保安警察の一部であるというふうに思います。
○志苫裕君 その部分は、法制局もおいでになっておりますから後ほどお伺いしますが、消防庁長官、あなた、消防制度の基本的な変更は何であったかというのに正確に答えていないから、それでは私が消防組織法を提案をしたときの提案理由を読んで聞かせますから——大事な部分だけですよ。「従来の消防制度と本案との相違の主たる点を申し述べますと、第一に消防という概念は、従来警察の概念の中に包含しておりました。従って消防制度は警察制度の一部門でありましたのを、今回消防の概念を警察より分離独立せしめ、従って消防制度を警察制度より分離せんとするものであります。」これ、政府の提案ですよ。もう一度言いましょうか。「消防という概念は、従来警察の概念の中に包含しておりました。従って消防制度は警察制度の一部門でありましたのを、」今回消防の概念を警察から分離をせしめる、それが第一の特徴ですと、こう言っている。 参考のために、皆さんのところで「近代消防」という雑誌が出ておりますね。「近代消防」の一九七七年十二月号に、消防庁地域防災課の木村良樹という人が論文を書いております。ここには、「消防行政と一口にいっても、その内容は多岐にわたり、中身にも相当幅があるため一概には論じられませんが、主要な部分は、普通、講学上いわゆる警察の概念に含まれる」と、こう言っている。警察の概念に含まれておると言っている。この木村良樹さんというのは、これは課長だか課長補佐だか知りませんが、ずっと後世、一九七七年になると、消防は警察の概念に含まれておると。ところが日本政府は、法案を提案をしたときには、従来警察の概念の中にあったものをこれを分離したんだと、警察の概念より消防を分離せしめたんだと。はっきり違うじゃないですか。一方は概念の中に含まれると言う。一方はその概念からも取り去ったんだと、こう消防組織法の提案理由で政府は述べているじゃないですか。後代に至って、どんな資格があるのかわからぬが、こういう解釈を一般論としてずっと指導しているんですよ。根本的な間違いじゃないですか。いかがですか。
○政府委員(近藤隆之君) 学問的に分類して、現在消防が行っております業務がどういうものに属するかということであると、私は、警察の中の保安行政の範疇に入る部分が非常に多いと、非常に多いというよりも大部分それであるというふうに理解しております。 そこで、消防組織法ができたときは、従来警察が——組織上の警察でございます、それが消防業務も行っておったのを、これまでの警察行政の運営の実態等からかんがみて、これを消防と分離して、警察行政の中枢部分とでも申しますか、この部分を組織体としての警察にやらせる。そして、消防の部分は別途の組織をつくって消防庁にやらせるということでありまして、消防が警察から分離したからといって、その行政の内容までが全く学問的な警察行政の一環でなくなったというふうには私ども理解しておりません。
○志苫裕君 理解しておりませんといったって、皆さんが消防組織法を出すときに、警察の概念から消防を取り去ったと、こう言っておるんですよ。警察の概念には消防は含まれていないと、こう言っておるわけですよ。どこでそんなに勝手に、概念に含まれているんですか。
○政府委員(近藤隆之君) その提案理由をつぶさに検討しなければなりませんけれども、警察がこれまで行ってきたところの警察行政というイメージ、非常にこれが強いものでございますが、その警察庁が行っておるところの警察行政、その中で消防が行われてきた、その消防というものを警察庁の仕事の中から外して別のところにやらせると、そういう意味で、何といいますか、取り除いたということであろうと、またそのように理解すべきであろうと思います。
○志苫裕君 じゃ、これはまた次に。 あなたは先ほどの答弁でも触れたが、わが国消防は、その任務内容から見て学問的にも保安警察の一部と解されておると、学問的にも。もう一つ、著名な学者によってそう解されておると、こう言っています。この点に入りますけれども、まず、ここで言っておる保安警察の概念からお伺いしましょうか。
○政府委員(近藤隆之君) 一般的な社会公共の安全と秩序の維持を目的とする警察行政でございます。
○志苫裕君 法制局おいででしたか。−実定法上保安警察というものはございますか。
○政府委員(茂串俊君) 保安警察という概念は、いま消防庁長官からの説明がございましたように、あくまでも学問上の用語であり概念でございまして、実定法上使われている用語ではございません。
○志苫裕君 実定法上は存在をしないわけですね。 そうすると、ちょっと警察庁にお伺いしますが、警察法二十三条の一項、第五号ですね、ここに「保安警察に関すること。」というのがありますね。この「保安警察」というのは何ですか。法律用語としてここには出てきていましたので、これは何ですか。
○政府委員(山田英雄君) ただいま御指摘の、警察法二十三条の、「刑事局の所掌事務」の中の五号に、「保安警察に関すること。」と掲げてございますが、これは実定法上便宜ここに使いました用語でございまして、学問上の、講学上の警察の概念でいう保安警察とは異なりまして、もっぱら警察法の定める警察組織のうち、刑事局保安部で所掌する事務の一部、具体的には風俗警察、質屋営業、古物営業、警備業の取り締まり及び危険物の取り締まり、さらには公害その他国民生活侵害事案の取り締まりといった内容を指す警察法上の用語として使用しております。
○志苫裕君 消防庁長官、あなたは学問的にも保安警察の一部だとこう言っておられるわけですが、いまの若干のやりとりでも、御存じのように、保安警察というのはまあ講学上そういう使われ方をするけれども実定法上ないと、わが国には。私も保安警察という文章がどこかにないかと思ったら、まああるにはあった、いま言うように。そしていま例示もされましたね。わが国の法体系上はあそこに「保安警察」という文字があって、強いて言えば保安警察の中身があるんですよ。あるけれど、法律的に存在しないんです。それを何で消防を保安警察だとこう言ってがんばるんですか、何の根拠があって。
○政府委員(近藤隆之君) 実定法上の論理ではなくて、講学上警察行政というのはどういった行政を指すのかということで、それを各学者がいろいろ分類しておるわけでございますけれども、そのほとんどの学者の定説とも言っていいものに、司法警察以外を保安警察と狭義の行政警察に分けておるのが大体通説になっておる。そしてその保安行政というものの定義といたしまして、先ほど申しましたように一般公共の福祉を確保するというようなことを述べておるわけでございまして、その範疇からするならばこの保安警察の中に消防行政はまさに入るということでございます。
○志苫裕君 まあその伝でいけば、行政法上警察の概念を考え、それを行政と司法に分けるというお話がありましたけれども、学問の世界で議論をすればそういうことになるんでしょうが、それが実定法として定める意味がないんですね。わざわざそういう区別をしてみたって、非常に行政作用が稠密で錯綜をしておる今日、そういうふうに無理に区別することの意味もないし、また区別しようったってできない、こういうのが一般的に言われておりますわな。だから恐らくそういう実定法も存在しないんだと思うのでありますが、いわばそういう性格の問題なのに、何でここへきて学問の世界を持ち出してきて保安警察の一部だと。その論理を進めていけば、国家の機構や地方の機構はこれみんな多かれ少なかれ警察ですよ。みんな警察です。そういうあなた方の論理でいけば。それをあえてこの法の上では分けて、警察を扱う警察機構というものをつくっているわけでありまして、そこから外されておるんですから。警察の構成員だの、警察の概念に含まれるだのということに固執をしなきゃならぬ根拠、法律的な根拠はもちろんのこと、実態的にも存在をしないんじゃないかというふうに思えてならぬのですがね。一体、実定法上も存在をしない、それで講学上のそういう区分けというものを今日当てはめてみようったって、世の中それに合うようにはなっていない。その現実をお認めになりますか。
○政府委員(近藤隆之君) 突き詰めて言えば、全部が警察行政になるというふうには私は理解しませんけれども、手元に田中二郎先生の行政法の教科書的なものがございますけれども、「ここで保安警察というのは、公共の安全と秩序を維持するために、他の行政と関連なく、それ自体が独立して行なわれる警察をいう。他の福祉行政に伴って生ずることのあるべき警察違反に対処するための、いわゆる行政警察と区別される。」ということでございますので、ほかの行政目的を達成するための警察権の作用というものは、狭義の行政警察ということでございますから、それ以外の一般的な公共の安全と秩序の維持ということでございますので、おのずから限定があり、それに最もぴったりと当てはまるのは現在警察庁が行っておるところの警察行政、あるいは消防庁が所管しております消防行政であるということでございまして、これを具体的にどういった行政組織に行わせるかと、それは実は国内的問題でございまして、どこにやらせれば一番行政目的を達成するのに適当であるかという判断のもとで国会でそれぞれ法律が定められて、具体的なそれを行う行政官庁が定められておるということだと思います。
○志苫裕君 法制局の方、あれですか。いまちょっと消防庁長官の答弁がありましたが、私はむしろそういうことでいくのであれば、非常に単純な言い方ですけれども、むしろ現行法上は、警察機関がつかさどる権力作用というのは保安警察の作用であって、他の行政機関がつかさどる権力作用というのは行政警察というふうに区分けをする方がむしろわかりやすいのじゃないでしょうか。どんなものでしょうか。
○政府委員(茂串俊君) 言葉の使い方の問題かと思うのでございますけれども、ただいま消防庁長官が申し上げたのは、いわば学問上における学説のいわば定説となっておるものを御説明申し上げたわけでございまして、学問的には、まさに近藤長官の言われたようなそういった区分けがなされておる。これはもう美濃部達吉先生以来、田中二郎先生もそうでありますし、また田上穣治先生もそうでございますし、またその他もろもろの著名な学者の方々が口をそろえてこのような分類、区分をして警察の概念を説明しておられるというのが事実でございます。
○志苫裕君 ですから、その講学上の学問の世界での話になりますと、いわゆる警察はあに消防のみならんやでありまして、それなら、消防庁長官そこまで御見識があるならば、消防以外に保安警察と学問的に解されるのは何々ですか。
○政府委員(近藤隆之君) これは、警察、消防という警察庁あるいは消防庁が扱っておりますところのそれぞれの行政は代表的な保安警察でございますけれども、その他の行政官庁が行っておるところの行政の中にも保安警察的なものもあると思います。ただ、どこまでをその保安警察の概念に含めるかということになりますと、先ほど法制局の部長さんの方からも御説明ございました主流の説の中にも、ボーダーライン的なものは行政警察の方に入れたり、保安警察の方に入れたりしておるのが実態でございますので、具体的なその行政作用について判断するほかはないと思います。
○志苫裕君 ですから、先ほど言いましたように、そういうふうにこの両者を区分をすることの実定法は存在しないわけですし、それもいろんなあれによれば、学問の世界で議論をすれば、かつてまだ行政が今日のように稠密でなくて非常にまばらで、それぞれが独立をして機能できる、こういう時代の解釈としてはそれは存在し得ても、今日、もうそういうことの区分をすることの意味もないし区分もできないという学説だってもっぱらでしょう。ですから、この実定法が存在をしないんだと思うのでありますが、たとえば、地方公共団体の騒音防止条例はこれは何ですか。どの機能ですか。
○政府委員(近藤隆之君) その地域の住民の方々の静穏、安全を保持、確保するという面から言えば保安警察的なものであろうと思います。ちょうどたまたま手元にありました学者の書物によりますと、「保安警察的」という言葉を使っております。
○志苫裕君 青少年保護育成条例は何ですか。
○政府委員(近藤隆之君) 青少年の健全な育成を図るという目的が主でございますれば、保安警察というよりも狭義の警察行政ということになるかもしれません。そこで具体的に規定しておる内容いかんによって判断すべきではないかという感じがいたします。
○志苫裕君 公職選挙法は。これは自治省扱っている、これも警察ですね。
○政府委員(近藤隆之君) 保安警察的な面もあるかと思います。
○志苫裕君 そうすると、公職選挙法を扱うのは警察職員ですか、これは。
○政府委員(近藤隆之君) 先ほども申しましたように、学問的に分析していくと保安警察あるいは保安警察的な要素が強いと、あるいは若干あるというようなことになるわけでございますが、それを具体的にどこの行政官庁をもって行わせるかということは全く別問題でございまして、どこの行政官庁に行わせるのが一番その行政目的を達成するのに適当であるかどうかという判断のもとで、国内問題として国でお決めになることだというふに理解しております。
○志苫裕君 ですから、法制局にも先ほどお伺いしたんですが、警察機関がつかさどる権力作用というのは保安警察というふうに大まかに考えておく方がむしろ無難なのではないか。実態に見合っているのではないか。そういう大まかな分け方で戦後の法体系とかそういうものはできたのではないかということを聞いているわけだ。
○政府委員(茂串俊君) 私、立場上、学問的な見地からするところの一般的な保安警察なりあるいは行政警察の区分あるいはその概念についての御説明を申し上げたわけでございまして、いわばそれは学者の通説になっているということを強調して申し上げたわけでございます。 そこで、この警察と消防の関係で、これはILOに対する提出文書の中で、学問的にも保安警察の職務と解されるという点を先生特に問題にされておるのかと思うのでございますが、その面からいたしますると、これはいわば消防と警察の共通点と申しますか、非常に本質的に似ている点を表現する一つのテクニックとしてこういう表現がとられておるのではないかと、私はこれは推察いたすわけでございますが。 いずれにしましても、確かに、ただいまいろいろ例を挙げて御質問がございましたように、保安警察と行政警察の区分というものは、そのボーダーラインにまいりますとかなりはっきりしない点がございますけれども、少なくとも消防に関する限りについて申し上げますと、これはもう学説上も、定説といたしまして、学問上のいわゆる保安警察に属するものであるということは大体の学者が認めておられる点でございまして、ボーダーラインの点を取り上げますと確かに問題はいろいろあると思います、考え方もいろいろあると思いますけれども少なくとも消防についてどうかという点に着目して考えてみますると、これはいわゆる学問上における保安警察の概念に入るということは明らかではないかというふうに考えておるわけでございます。
○志苫裕君 ですから、講学上の保安警察だ、行政警察だ、司法警察だという、こういう区分けというものがあるということは私は承知をしておる。そういう考えでいえば、警察という概念でいえば国家の機構は全部警察ですよ、これは。ですから、その限りにおいては、行政組織としての警察という意味じゃなくて、学問上の警察ということであればこれはみんな警察だ。その辺にいるのみんなこれ警察職員だ、三百万人もいる勘定になる、これね。で、そういうことで議論をしても意味がない。だから、実定法の上でそういう区分けがある。実定法の上で消防というのは警察かと言うと、それはそうじゃないと言う。これはそうじゃない、そのために分離したんですから。 そこで、念のためですが、これは人事院でもいいんですが、たとえば国公法の百八条の二に「警察職員」という表現がありますね。ここで言う「警察職員」というのはどういう職員のことを警察職員——いま講学上の警察の話していましたが、それみんな入りますか、これ。
○政府委員(金井八郎君) 国家公務員法の百八条の二で使っております「警察職員」と申しますのは、警察庁に勤務する職員とそれから都道府県警察に勤務する警察官で、警視正以上の階級を持っておる国家公務員である警察官、これを警察職員と申しております。
○志苫裕君 扱いはわかりました。 法制局、この百八条の二の「警察職員」というのは、法律解釈上はどうなりますか。
○政府委員(茂串俊君) 国家公務員法百八条の二の第五項に言うところの「警察職員」の範囲は、ただいま人事院の方からお答え申し上げたとおりであると思います。
○志苫裕君 したがいまして、消防職員は入りませんね、警察職員には。
○政府委員(茂串俊君) ただいま御指摘の条項の「警察職員」という用語には、消防職員は入りません。
○志苫裕君 たとえば、それこそ保安警察の業務と解されている外国人登録をやっておる出入国管理令を扱っておる職員は、警察職員じゃないですね。
○政府委員(金井八郎君) 入国警備官につきましては、いまの国家公務員法の百八条の二では入っておりませんけれども、これは出入国管理令におきまして、入国警備官につきましては給与法及び国公法の適用上は警察官とするという規定がございますので、この百八条関係の適用に関しましては警察職員と同様に扱います。
○志苫裕君 そうすると、警察職員という、国公法の、まあ地公法にもあるわけですが、その「警察職員」というこの表現は、伸び縮みするんですか。
○政府委員(金井八郎君) いや、伸び縮みではございませんので、国家公務員法と給与法の適用に関しましては入国警備官を警察官とすると、こういう適用上の措置でございまして、概念そのもので、国公法自体で入国警備官を警察官としているわけではございません。
○志苫裕君 そうしますと、消防庁長官、あなたが分けておる講学上、学問上の問題というのは、法律ももちろんそうだし、実態としては全然そうはなっておらないわけですね。こういう学問の問題、非常に高尚な学問の議論をするかと思うと、今度はだんだん次へいきますと、高尚どころかずいぶん質の悪い議論もあるわけですがね。これはあなたの方で、わが国の消防は任務内容から見て、学問的に保安警察の一部と解されておるということになりますと、実はこの種のものは多いんですよ。私は、警察といえば国家公務員全部。極端に言えば国家公務員全部だと。そのうち行政警察と保安警察に分けるんだから、保安警察に関するものはというと、実は私も法律を全部は洗い直していないけれども、学問上これが保安警察だと思う範囲になるとずいぶん広くなる。公職選挙法を扱っているのはほとんどそうですからね。保健所からみんなそうなっちゃう。これが全部消防と同じように、学問的に保安警察の一部と解されておると、こうなったんじゃたまったものじゃありませんよ。実定法上、現行の組織、そういうもので行政は動いているのであって、学問の世界で動いているんじゃないですよ。どうしてそこのところをごちゃごちゃにして物を言っているんですか。
○政府委員(近藤隆之君) 学問上も警察と消防というのは保安警察の範疇に入ることと、それから実定法上も警察と消防とは非常に類似した制度がとられておるということでございます。
○志苫裕君 その点は、第三番目に皆さんは、警察と消防は公共の安寧、秩序の保持という同一使命を有しており、相互に協力することで補完し合っておるというのが第三の理由になっている。警察と消防は公共の安寧、秩序の保持という同一使命を有しておると。 さて、その公共の安寧、秩序の保持という同一使命ということになりますと、ほかにございませんか。
○政府委員(近藤隆之君) その目的が非常に類似しておるという点においては、警察と消防というのは一番典型的な例であろうと思います。
○志苫裕君 典型的な例ですか。——どこの部分なんですか。公共の安全の方なんですか、秩序の方なんですか、どっちなんですか、あなたの方の言っているのは。
○政府委員(近藤隆之君) 両方でございます。
○志苫裕君 両方ですか。
○政府委員(近藤隆之君) 御承知のように、消防の任務といたしまして、法律の規定するところによりますと、「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資する」となっております。 同じように、警察の場合は、「個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序」の維持に当たる。「個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする。」、それぞれ警察法の規定でございます。つまり、片方は災害に対し、片方は犯罪その他に対しでございますけれども、両方とも国民の身体、財産、生命を保護するということによりまして、国の安寧秩序、社会公共の福祉の増進に資するということで、全く類似した目的を持っておるということが言えるのではないかと思います。 もちろん消防の場合には、警察と違いまして、犯罪人を逮捕、拘置する、そういった権限はございませんけれども、それに消防の特殊性からいたしまして、他人の家屋、土地への立ち入り権であるとか緊急措置として近隣物を破壊するとか、これは消防の特殊性としてやむを得ざる場合でございますけれども、こういった警察については認められておらないような強い権限も一部に認められているわけでございますが、警察と消防と相協力いたしまして国の安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進を図るということだと思います。
○志苫裕君 あなたの言うそういう法律目的なら、法律に山ほどあります。熱供給事業法、水防法、それからガス事業法、建築基準法、建築物用地下水の採取の規制に関する法律、交通安全対策基本法、まあ破防法や武器等製造法やそういうのは当然としても、火薬類取締法、大規模地震対策特別措置法、旅館業法、クリーニング業法、河川法。私がいま読み上げたところでも全部同じこと書いてありますよ。これみんな保安警察ですか。公共の安全という点で言えば、これはみんな入っている。 あべこべに、今度は秩序ですね、安寧秩序の秩序の方から言えば、破防法こそ秩序の最たるものかと思えば、逆に破防法には秩序がない。御存じでしょう。武器等製造法、これも秩序の方はないんだ。安全の方だけだ。 だから、安全といい秩序といい、それぞれ法律にたくさん使われておりますけれども、消防と警察だけに類似性があるんじゃないんだ。国の法律は、多かれ少なかれそれは公共の安全ですよ。あるいは秩序の保持ないし維持ですよ。何も消防と警察だけの類似性ではないんだ、法律上。私がいま挙げた法律はほんの一部分。ほとんどの法律にそういうことは入っているんじゃないですか。その点はどうですか。 〔委員長退席、理事金丸三郎君着席〕
○政府委員(近藤隆之君) 個々の法律がそれぞれの法目的を達成するその究極の目的が、国民の安全、秩序の保持にあることは当然のことでございまして、先生の論法でまいりますとすべての法律がそうだということになるだろうと思います。ただしかし、災害に対して国民の生命、身体、財産を守る、犯罪に対して国民の生命、身体、財産を守るというそういった点、最も基本的な問題ではなかろうかという感じがいたします。そういった意味において、消防と警察というのはいわば車の両輪ではないかという感じがいたします。
○志苫裕君 それは全部そうなんですよ。警察と相互に協力をし合うのは——学校と文部省の関係でも、もうあらゆる場合にあらゆる行政機関は協力し合うことになっているんです。国家行政組織法ですか、その中の官庁協力というのから始まりまして、全部相互に協力してやるのはあたりまえですよ。消防と警察だけが類似性があって、そこで相互に協力するんじゃない。あらゆる場合そうなんだ。ましてや、緊急避難時であればなおさらのことだ。 それで、これだけを引っ張り出すことはないと思うんですが、私は、皆さんが余り皆さんの説に固執をし過ぎて、ずいぶん無理なことを言っておるから、何かそういうことを言うておる偉い学者もおるそうだが、皆さんが学説を出すんなら、私の方もだれか偉い人いないかなと思ったら、元最高裁の長官の横田喜三郎先生がこう言っています。最高裁の長官がいたからこれはまあ一番偉いんだろうと思ってね。横田先生はこう言っていますよ。火事や地震の場合に一種のパニックを生ずるから、消防が公の秩序の保持に当たるけれども、それは違法行為から起きるパニックではない。警察は違法行為を防止し、その犯罪行為から起きるパニックを防止して、公の秩序を維持するものですが、消防の場合は、いわば自然現象から秩序が乱れるのを防止するものであって、公の秩序といっても、そこに警察と消防の重要な違いがありますと、こう書いてある。こう言う学者もいるわけ。あなたがどの程度の学者かわからぬが、そう自説だけを固執するものじゃないですよ。ましてや、あなたの先輩に当たるこの方々は、この消防組織法を提案をするときに、先ほど私が述べたような提案理由も述べて消防制度というふうなもののその道歩んでここまで来たわけですね。 いま労働問題という、これは長い消防の歴史から見れば一時期の出来事かしらぬけど、そういうもののために、消防の概念から法律制定の由来から、そういうものを全部指定をしていかなきゃならぬというのじゃ余り視野が狭過ぎる。実定法上存在しない、机の上の学問にしか存在をしない警察の区分、そういうものにこだわってみたところで、そうやって区分けが成立したところで、いまの社会秩序なり、行政には何の役にも立たない。こういうものをむちゃくちゃに展開をするというのは、どうも余り利口なやり方でないと思うんだけれどもどうですか。こういう横田先生の見解はどう思いますか。 〔理事金丸三郎君退席、委員長着席〕
○政府委員(近藤隆之君) 横田先生の見解、そのとおりだと思います。何も警察と消防が全く同じだと言っているわけでないんで、同じであるとするならば消防と警察と一緒にやればいいわけでございますが、またそういう方法もあると思いますけれども、片方が自然現象による猛威から住民の生命、身体、財産を守る。片方が犯罪に対して守るということで、その点において大きな違いがあることは御指摘のとおりでございます。 ただしかし、そういったものに対して国民の身体、生命、財産を守るという点、しかもそれが最も基本的な次元において守っていくわけでございますので、非常に職務内容が類似しておる。実定法も同じような取り扱いをしておるということを指摘しておるだけでございます。
○志苫裕君 そこで、再度法制局の部長さんお伺いしますが、わが国の法律では、消防は警察の構成員であるとか、消防は警察の一部門であるとかということは存在しますか。
○政府委員(茂串俊君) 実定法上におきましては、ただいま御指摘のようなことはございません。
○志苫裕君 そうすると消防は、わが国においては、警察の構成員でもなければ警察の一部門でもないと、これだけはっきりしておるのに、どうしてわが国においては警察の構成員である、一部門であると、こう国際的に述べるんですか。皆さんは法律を超えて何かおやりになるお力を持っていなさるのかな。
○政府委員(近藤隆之君) 行政作用が歴史的に言いましても学問的に言いましても非常に似ているということでございます。これを実定法上どう扱うかということは別問題であるというのは当然でございますけれども、私どもといたしましては、その内容からいたしまして団結権問題に触れるならば、ほかの行政とは違って、警察庁が行っておりますところの狭義の警察行政、実定法でいろいろ具体的にその作用が書かれておるわけでございますが、その作用も全く類似しておるということを繰り返し申し上げておるわけでございます。
○志苫裕君 ですからね、その作用が類似をしておる——そんなら一体、税金を取る、土地の収用をやる、こういう仕事がほかにありますね。この作用は似ていませんか。土地収用、建築規制、徴税、それはそれぞれ何がしかの拘束をし、他人の財産に踏み入って処理をなさるわけでしょう。同じ作用じゃないですか。本来統治権に基づいて行う行政にはそういうものがつきものなんだ。あに消防のみならんや。それを、そういういわば狭義の意味での警察というものを特定をして、いわゆる警察組織として、警察に所掌させておるわけでしょう。警察から外れておるものを、昔一緒だったんだけれどもあえて戦後の大改革で分離をして外したものまでもまた抱え込んで、これは警察だとなぜ言うんですか。消防職員団結権がいいか悪いかの議論なら、それはそれでやればよろしい。なぜ、警察と一緒だからだめなんだ、警察の一部門だからだめなんだという、そういう手法を使うんだね。いろいろありますよ。労働者のさまざまな権利について、公共の福祉とかいうもので、いろんな形での制限が現実には存在をする、その範疇の問題として議論をするのはそれはそれであり得る。だけれども、根本のそこをゆがめて団結権問題にすりかえようというのは、やっぱり正常な論議の立て方じゃない。その点どうですか。
○政府委員(近藤隆之君) ただいま徴税だとかその他の国家権力による住民に対するいわゆる侵害でございますか、そういったものの例を挙げて、どこが違うのだということでございますが、私は、消防、警察というのは、命令一下団結して災害なり犯罪なりに当たる、迅速に団体行動をとることが要求されるという点で、基本的に違うのじゃないかという感じがいたしております。そうでなければ、犯罪あるいは災害を十分に防ぐということは私はできないと思います。その他の国家権力によるいろいろな作用はございますけれども、それはそれほどの緊急性はないのではないかという感じがいたします。
○志苫裕君 そういう議論の立て方はそういう議論の立て方で、労働省等からもお出ましを願って、そういう議論の立て方ならそういう議論の進め方はある。しかしきょうは——実は、私の予定した質問はまだ半分ぐらいなんですが、何かそろそろ私の時間も切れたようでありまして、きょう総理府と労働省からおいでいただいて待機をさせてまことに済みませんでしたが、いまの消防庁長官の答弁に続く後のくだりは、この次の消防の法案の審議もありますから、またそこでやらしていただくつもりです。皆さんは、一九四八年の組織分離によって消防の権限はむしろ広くなったとか、あるいは先ほど言った三百年の歴史だとか、任務の特殊性が労使対立の立場に立って行動を予定する団結権とはなじまないとか、いろいろと見解を述べておるようですが、最後に消防庁長官がお答えになったことは一つの議論の立て方だと思うんです。それならそれで真正面からその議論をしてもいいわけですけれども、きょうは時間がありませんからこれぐらいでやめておきます。いずれにしても余りくだらぬ理屈を並べ立てて、自縄自縛になるようなやり方はやめた方がいいと思うんです。きょうは前段だけ議論をいたしました。三百年分を議論したいわけでありますから、ひとつ御了解いただきます。 最後に大臣、この間からしばしば議論があったでしょう、新広域市町村圏事業あるいは定住圏とか、そういう仕事を進めていく上で何らかの財源の面倒を見なきやならぬ。自治省のいままでの御説明では、起債を、地域振興事業債の方を用意してあるからそれでやってくれと。そうは言うてももっと何とかめんどうを見てくれぬかというような声が出てきてもおるので、交付税措置も可能かどうか検討したいという御返事は、小山先生に対する答弁がずっとあったわけです。実はその前に私に対する答弁は、交付税をもってそういうことに充てることは考えていないという答弁があるわけです。にもかかわらず、自治省から出ておる地方公共団体に配られた文書によると、財源手当てで交付税の措置をすると書いてある。これは約束違反ですよ。どう措置をされますか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 私、どういう質問でどういう答弁があったか、詳細には知らないわけでございますが、前の財政局長がいわゆる定住圏地域に対しては交付税を充てないという答弁があったというような話だと伺ったわけでございますが、これはまあ推測になるわけですが、恐らく当時は、定住圏という考え方は一つの抽象的な考え方として打ち出された段階での話でございまして、定住圏の具体的な内容が固まってこれを行政的に実際に実行に移すという、そういう固まった段階ではなかったと私は思うのでございます。そういう意味で食い違いがあったかと思いますけれども、自治省の考え方は、恐らく私の不在中に財政局長から答弁があったと思いますが、これは交付税を充てていくと、これは広域市町村圏に対してもそうであったわけでございますから、そういった考え方は私どもは一貫しておるつもりでございます。
○志苫裕君 あんたよくわからぬで答弁しておるから……。定住圏というものが鳴り物入りで出たから私はそのときに質問をしたんですよ。定住圏がいいか悪いかは抜きとしましてね。そういうものをまた交付税で誘導するというのはいかがなものかと考えたからお伺いしたんですが、しかし、これはきょうそんなに追い込んでも、そうしましたとはとなかなかいかぬだろうから。ちょっとこれは、皆さんの少し勇み足だかなんだか知らぬが、検討中なら検討中と書けばいいんであってね。勇み足ですよこれは。いずれまたこの点は議論をしますが。 そこで、大臣に私は結論を聞くんじゃありません、結論を聞くんじゃありませんし、この消防職員の団結権問題はこれから少し時間をかけて丁寧に議論をしていきたいと思います。思いますが、大臣はたまたま労働問題については非常に造詣の深い方ですから、ちょっとあなたに残りの時間を少しお伺いしておきたいんです。 まず、あなたを横に置いてしばらくやりとりをしました、消防の団結権問題について。確かに大きい問題ですし、なかなかその簡単に動かぬ問題かもしらぬけれども、議論の立て方として、皆さんはとにかく消防職員に団結権を認めたくない。労働組合つくってもらっちゃ困る。命令一下火の中水の中飛んでいかなきゃならぬときに、ぐずぐず言っておったんじゃ、とてもじゃない火も消せぬから、できればそんなものにやりたくないというその気持ちが何だかしらぬがまずあってね。その言い分を貫く理屈なら何でも持ってくると。持ってくる理屈がもうつじつまが合おうと合うまいと構うことない持ってくるというような国際文書だねこれは、品の悪い文書だ本当に。国際的にも。それはともかくとして、そういうことがあることを承知の上で、しかしそれはどの程度なら人権と調和をできるのか、団結権と調和をできるのかという、その道をこれはじっくり探していったっていいわけですよ。なに三年、五年でできなければ十年かかってもいいでしょうよ、それは。しかし、そういう調和のさせ方というものをこう探っていかないと、この問題はやたらとボリュームが上がるだけだと思うんだな、私は。そういう点でどうですか。論議の立て方、問題の煮詰め方として、大臣は大臣なりの見解がおありになるんじゃないか。どうですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほどからの質疑応答を私拝聴しておったわけでございますが、この問題は御承知のように大変古い問題でございまして、国会においてもずいぶんこれは論議が尽くされてきた問題でございます。それで、結論的に申しますと、消防が警察の中に入るか入らぬかという先ほど来からの応答、立場によっていろいろ考え方も違うわけでございますが、私は、やはりそういう形式的なことよりも、大事なことは消防というものの持つ任務、それからその任務を遂行するために果たす仕事、職務の内容、これがやはり一番大事な実態であろうと私は考えるわけです。こういう任務を持ち、こういう仕事の実態だから、こういうことはいいとかこういうところが悪いという議論でありませんと、警察に入っているからとか入っていないからとかという形式的な議論だけでこの問題はさばき切れない。割り切れない。あくまでも論議の中心は消防というものの持つ任務とそれからその職務の実態、これがやっぱり一番大事な論議のポイントであろうと、私はそういうふうに考えます。
○志苫裕君 大臣ね、この問題ではずいぶん国会でも議論がありましてと言うけれども、余り国会での議論はないんですよ。ILOで盛んにやっていますけれどもね。他国へ行ってやっていますけれども、余り国内では、国会の議論というのはわりあい少ないです。 そこで、少し基本にさかのぼってこれから議論を始めたいところですけれども、任務ということだけになりますと、それは任務は、役所の仕事というのは、とにかくどこかで国家権力を行使しておるわけでありますから、それがまあ強弱の度合いはあれみんな共通はしているんです。全部共通はしている。先ほど言いました土地収用だってずいぶん、いろいろな手続は踏むけれども、乱暴なこともするわけであります。そのうち刑事的な部分に限って警察機構というものをつくって、これは場合によったらひっくくってもよろしい、ピストルも使ってよろしいというので、後の部分の、いわゆる先ほど言った学問上の行政警察とかというその分野に入る仕事は国家、地方公務員、大体共通ですよ。仕事の内容で議論をするならしていっても結構でありますし、それならそれでそういう場をつくったらどうでしょう。そういう場の設定というものぐらいはやらなければ道が開けぬのじゃないですか。大臣どうですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 場というそのこと、どういうことを指しておられるのか、もう少し具体的にお示しをいただきたいと思います。
○志苫裕君 国際的にもこの問題の解決はやっぱり何よりも、ILOで議論するのも結構ですけれども、何もILOに一々指図されてどうこうというのじゃなくて、国内でそういう場を設けて議論をすればいいわけです。いま公務員問題連絡会議でしたか、ございましたね、総理府でしたね。ちょっと、そこはどうなっていますかな。
○政府委員(川崎昭典君) 公務員制度審議会の答申というのがございまして、その答申の中で、この問題はさらに検討するということになっておりますので、その検討のために公務員問題連絡会議というのを現在持っております。これは時に触れて開催をしておるという状況でございます。
○志苫裕君 それはまたそっけない答弁だけれどもね、私がかわって言えば、まあ何にもしていないわけだ。で、大臣ね、確かに、公制審の答申を受けた後、総理府の長官を主宰者にした、この種の問題を議論をする場はあるにはあるんだ。そこは何か構成をお伺いしますと、関係の課長さんかな、そういう人たちをメンバーにして事実上は何もしていないということらしいのだけれども、私は先ほどの、大臣が問題の本質をもっと議論すべきだと言うのであれば、それは皆さんの内側だけで議論をするんじゃない、まあここも一つの議論の場ですよね、国会も議論の場です。同時に、そういうものに関係のある労使でもよし、学者もよし、やっぱりそういう者を含めて、そういうものをもう少し詰めて議論をし合うという場の設定ぐらいはやらなければ、話の糸口だって出ないじゃないですか、どうです。
○国務大臣(澁谷直藏君) これは、国家公務員それから公共企業体の労働基本権の問題をめぐって、御承知のように、何年になりますか、実質八年くらい、例の内閣に設けられました懇談会でもうずいぶん時間をかけて論議をされてきた問題でございます。もちろんこの問題はその中のごく小さな一部分ではございますけれども。しかし、いまだにその最終的な結論は出ておらない。引き続き検討をすると、こういうことになっておるわけでございますから、私どもも引き続きこれは検討をしていくという態度には変わりはございません。 その具体的な場をどう設定するかというような問題はいま初めて伺ったわけでございまして、これをどうすべきか、大事な問題でございますから慎重に検討させていただきたいと思います。
○志苫裕君 まあきょうは第一幕だけですから、この次またお伺いします。検討をしてもらいますけれども、この次のときに、今度は労働者の団結権を初めとしてILOの舞台でのやりとりからお伺いしたいと思っておりますが、そのときにまたひとつ前進をした検討の結果が答弁できるようにこの機会に要望しておきます。 法制局の方、これは結社の自由はあるのですね。消防職員、結社の自由はありますね。
○政府委員(茂串俊君) 結社の自由という意味合いでございますけれども、実定法に即して申し上げますと、地方公務員法の五十二条の五項に、消防職員のいわば広い意味の結社にかかわる規定がございまして、「職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない。」という規定があるわけでございます。したがいまして、理論的に申し上げますれば、いわば地方公共団体の当局と交渉する目的を持たないところの、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とするような、そういったいわば結社と申しますか団体と申しますか、そういうものは地方公務員法上禁止されていないということが言えようかと思います。
○志苫裕君 まあきょうはいいです。
○阿部憲一君 現在、東京都を初めとして大都市財政が当面する問題を中心に、交付税制度のあり方についてお伺いしたいと思います。 まず初めに、法定交付税財源いわゆる国税三税に対する実際の交付税額は、四十九年度までは三二%に若干の上乗せをする程度でもって十分あったわけでございますが、五十年・度以降は、これが自治省の算定方式によってもこの枠内に抑え込むことが不可能となって実質四二%をはるかに超える額となっておりますが、この実態についてどのような見解をお持ちですか、お伺いいたします。
○政府委員(森岡敞君) 御指摘のように、財政経済の異常な激変が続いております。その結果、国税三税の三二%を基礎とする本来の交付税財源でもってしては各地方公共団体の財政運営を保障するだけの交付税措置ができないという事態に立ち至っておりますために、やむを得ず暫定的な措置といたしまして交付税特別会計で借り入れをいたし、その二分の一を将来償還ベースで国庫負担をしてもらう。また、毎年度臨時地方特例交付金を一般会計から交付税特別会計に繰り入れていただきまして、それによって必要な交付税の財源を調達しておるというのが現在の事態でございます。 私どもは、基本的にこれは現下の国、地方を通ずる財政状況から申しましてやむを得ない暫定的な措置だと考えており、中長期的に見て望ましいあり方だとは考えておりません。基本的にはやはり地方税財政制度の抜本的な改正を速やかに行わしていただいて、恒久的な地方税財源の確保のための対策をできるだけ早く確立いたしたいという気持ちを持っておる次第でございます。
○阿部憲一君 この国税三税の三二%という交付税制度は、五十年度以降明らかに破綻を来していると言わざるを得ないわけでけれども、自治省としてはこれについてどのようなお考えを持っておられますか。もう一度お伺いします。
○政府委員(森岡敞君) いま申し上げましたように、三税の三二%相当額では不十分でありますので、特例措置によりまして、借り入れあるいは臨時地方特例交付金という形で暫定措置を講じておりますが、基本的な地方税財政制度の改正を考えます場合には、まず第一に地方税源を思い切って拡充をして自主財源をふやすということ、これが第一だと考えます。 〔委員長退席、理事金丸三郎君着席〕 第二には、地方交付税の総額につきまして必要な増強を行ってまいらなきゃならぬと思います。地方交付税の総額を増額いたしますためには、一つは、本委員会においてもかねがねたびたび御指摘のあります地方交付税率の引き上げの問題、いま一つは、地方交付税がリンクいたしております対象税目を拡大する、すなわちベースを広げまして交付税の増額を行うと、二つの手法が考えられるわけでございます。 いずれにいたしましても、全体としての公共部門と民間部門との資源配分に相当な変更を加えることとあわせて考えてまいらなきやならぬ問題でありますので、そのような観点からできるだけ早い機会に地方税及び地方交付税の思い切った増額をぜひ実現いたしたいと、かように思う次第でございます。
○阿部憲一君 本来、交付税率が引き上げられるか、または制度の改正が速やかに行われてしかるべきであったわけですけれども、いま局長の御説明のように、何ら改正が行われることなくただつじつまを合わせてきたにすぎないとも言われるわけでございまするけれども、その結果、交付税制度の機能そのものがいわば変質されたのではないかと、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、まず三二%との差額の措置として、いま局長も言われたように、これまで特例措置とか特例交付金あるいは借入金などでもって賄われてきたわけでございますが、このことは実質的な交付税財源がきわめて不安定であると、こう言わざるを得ないと思いますが、この点はいかがでございますか。
○政府委員(森岡敞君) 昭和五十一年度から五十二年度までにかけましては、毎年度大幅な地方財源の不足をカバーいたしますために、まあ単年度の措置といたしまして借入金を行って、その償還について大蔵大臣と自治大臣との間で覚書を交換をいたしまして、将来国家財政において善処をするというふうな担保と申しますか、措置をとりながら、単年度ごとの交付税の所要額の確保を図ってきたわけでございます。しかし、地方交付税法六条の三第二項に規定いたしておりますような事態であることが、だんだんと構造的にそういう状態でありますことが明確になってまいりました。そこで、このような単年度のいわば臨時措置ではおっしゃるように不安定であるということから、昭和五十三年度におきまして、当分の間の措置といたしまして、借入金につきましての将来の償還費は実質国が必ず二分の一を負担するという、いわば暫定的な制度改正を行いました。その限りにおきまして、御指摘のような不安定さというものはある意味では解消といいますか、解決したということは言えるわけでございますが、しかし、しょせん借入金でございますから、交付税を長期的にふやすという形には実はなっていない、暫定措置にしかすぎません。ですから、根本的に安定的な措置になっておるとは私ども考えておりません。ただこれは、現在の国、地方を通ずる財政の状況から申しますと、繰り返して申しますように、どうしてもやむを得ない措置としてこういう措置をとらざるを得なかったということでございます。 重ねて申し上げますけれども、本当の意味での安定的な交付税財源の確保ということになりますれば、交付税率の引き上げ及び交付税対象税目の拡大という抜本的な措置がぜひとも必要だと考えます。
○阿部憲一君 大臣にちょっとお伺いいたしますけれども、そのような抜本的な措置というものについてどのようなお考えを持っておりまするか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御案内のように、その柱となる項目につきましては、五十五年度において一般消費税というものを導入しようということを政府・与党基本的に了解をしておるわけでございまして、私どもは来年度予算編成の中でこういった問題を中心に論議を深めて具体的な結論を出したいと、こういうふうに考えています。
○阿部憲一君 ぜひ来年度、ひとつおしゃったような実現のために努力していただきたいと思います。 さらに局長に伺いますが、五十年度以降の特徴として、起債の振替措置が非常に多くなったわけでございますが、このことは一般財源充当額、ひいては基準財政需要額そのものが低く算定されてしまうという結果になると思いますが、このことについてはどのようなお考えをお持ちですか。
○政府委員(森岡敞君) 投資的経費の地方負担額を交付税によって財源措置をいたします場合に、理論的には二つの方法があるわけでございます。 一つは、毎年度の所要地方負担、額に見合うものをほとんど大部分地方交付税の中に組み入れてしまう。これは単位費用をふやす、あるいは事業費補正のような形を活用して入れていくというふうな方法で措置をする。もう一つは、かなり長期の投資もあるわけでございますから、地方債を活用いたしまして、その元利償還費を地方交付税で措置していく。二つの方法があるわけでございます。本当は私は、地方交付税あるいは地方税、すなわち地方一般財源が十分な量でありますならば、できるだけ単位費用や補正等の方法によりまして単年度で措置をしていくということが一番望ましいと思いますが、しかし一部やはり地方債というものを活用していくという面もこれはやっぱりあってしかるべきだというふうに思うわけでございます。そういたしませんと、当年度の、あるいは現在の住民の負担ばかりで将来の住民が利用し得る施設を全部建設してしまうということは、世代間の負担の配分という点から申しまして問題がありますので、やはり地方債というものもある程度活用していく必要があるのだと思います。 ただ、現在の交付税の計算の実態は、お話しのありましたように、実は一般財源が非常に足りないものですから、投資的経費の財源をほとんどもう地方債に振りかえてしまっておる、いわゆる財源対策債という形で振りかえてしまっておるわけでございます。したがって、その限りにおきまして、正常な状態のもとにおける基準財政需要額の算定に比べますと、振りかえた分は単年度ごとに比較をしますと、総体的に基準財政需要額のベースは低くなっておるということは否めないと思います。これはやはりまた先ほど来申しておりますような一般財源がどうしても足りないということから出てまいるやむを得ない措置としてこういう措置をとっておるわけでございます。ただ、長期的に見ますならば、この振りかえたいわゆる財源対策債への元利償還費は毎年度地方財政計画に計上いたします。また、基準財政需要額にも的確に算入をいたしまして、地方交付税の総額及び各団体に対する配分額両面を通じまして財政運用に支障のないような財政措置はしてまいるという仕組みをとっておりますので、長期的に見ますならば、全体としての財政需要を賄うための財源は確保し得る措置はとるという考え方に立っておるわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、将来にわたりまして財源対策債の償還を的確に行っていきますためには、先ほど申しましたように地方一般財源をふやす——地方税及び地方交付税を増額するということがどうしても必要でございます。で、そういう措置を講ずることによって長期的に適確な財政措置を講じていきたいと、かように思う次第でございます。
○阿部憲一君 交付税の総額が地方財政計画全体に占める比重、構成率を見ますと、昭和四十四年度以来、当初二二%ぐらいだったのがだんだんと二〇%台へと下がってきているわけですけれども、この数字についてはどのようなお考えをお持ちですか。
○政府委員(森岡敞君) 地方歳入中に占める交付税の比率は、いわゆる国税三税の三二%相当分だけで見ますとこれは下がってきております。しかし、借入金や臨時特例交付金を加えました毎年度の交付税総額の歳入に占める比率を見ますと、おおむね四十一年度以降二〇%程度でございます。若干上下はございますけれども、全体で見ますとほぼ二〇%前後を保っておりますので、まあいろいろな特例措置によってやりくりをした結果ではございますが、交付税の比重は一定水準を保っておると、こういうふうに見ておるわけでございます。
○阿部憲一君 いずれにいたしましても、ここ数年間の情勢の中で交付税制度が現状に適応できなくなっているというか、あるいは交付税の体系そのものが矛盾を深めてきていると、こういうふうに言わざるを得ないと考えますが、今日このような事態について自治省としてはどのようにお考えなさっているかお伺いしたいと思います。 さらに、今後の交付税制度のあり方についてどのようなお考えなのか、見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 国税三税の三二%でもって交付税総額が足りなくなるという事態が、いわば経済の景気循環に伴う循環的な波動と申しますか、そういうものでありますならば、何も交付税制度の基本に触れる抜本的な改正は必要がないと思うのでございますが、しかし、現在の状態はまさしく御指摘のように恒久的、構造的に交付税総額が三税の三二%では足りないという実態であることは明らかでございます。 〔理事金丸三郎君退席、委員長着席〕 したがいまして、基本的に交付税の総額を確保するための抜本的な改正が必要であるということは御指摘のとおりだと思います。 しかし、そのためには国、地方を通じまして公共部門の財源をふやしてまいらなければ、現実問題としてその実現がむずかしいわけでございますから、先ほど大臣からも申し上げましたように、今後できるだけ早い機会に国民の租税負担の増加をお願いせざるを得ない、そういう措置とあわせまして、並行しながら交付税制度の抜本的な改正を行って、交付税の安定的な増額確保を期するということが必要だというふうに思っております。
○阿部憲一君 次に、東京都の直面する問題について、具体的に伺ってまいりたいと思います。 まず、現在のところ、東京都は交付税の算定上財源超過団体、すなわち富裕団体であるとみなされておりまして、交付税の不交付団体となっているわけですが、反面、現実問題として財政再建団体への転落が憂慮されております。こうした矛盾した現状であるわけですけれども、このような状態について自治省としてはどのようにお考えになっておられますか、お伺いします。
○政府委員(森岡敞君) 東京都のいわゆる財政危機の原因と申しますか、理由は二つあると思います。一つは、歳入面におきまして、四十年代に見られましたような大幅な都税収入の自然増収が経済環境の変化によってこれはもう見込めなくなったということ。他面、歳出面におきまして、高度成長期にかなりいろんな施策を拡充されてまいりました。また、人件費を初めといたしまして経常的な歳出も率直に言って肥大化してまいりました。それらの歳出面における合理化が、十分歳入面におけるこの厳しさに対応できるような対策が率直に言っておくれておる。これはもう否定すべくもないと思うのであります。他の道府県におきましては、五十年度の財政の落ち込み以来、率直に言ってかなり厳しい歳出の節減、合理化に努力をしてまいられました。ことに人件費につきましては、いろんな困難な条件の下で苦しい努力をしてこられましたが、東京都の場合には、その間の努力が私は不十分だったと思います。 そういう二面があるわけでございますので、やはりこれからの東京都の財政を健全化していきますためには、一つには、やはり都自身の内部努力というものがこれは思い切って進められなければならぬと思います。それからいま一つの問題は、税収面におきまして、東京都のような地方団体が必要な財源を確保し得るような税制の改革というものも考えてまいらなければならないというふうに思います。これはまあいわば政府の責任の問題でございます。したがいまして、一面において都の内部努力、それから政府の税制面における歳入を増加させるためのあらゆる対策を考えていく、この両面が東京都の財政危機を救うために必要ではないかと、かように思います。
○阿部憲一君 まあ東京都としては、これまで超過課税だとか自主起債といった財政自主性の拡大策をとってきておりますが、こうした努力にもかかわらず、厳しい状態に陥っていることを考えますと、やはり制度そのものに問題があるんじゃないかというふうな気がいたしますが、これは具体的には後で触れますけれども、東京都としても交付税そのものの見直しを真剣に要望しておりますけれども、これについては自治省はどのようなお考えでいられますか。
○政府委員(森岡敞君) 東京都のいわゆる新財源構想研究会という研究会が発表されました報告書を私ども拝見しておるわけでございますが、その中で、交付税の算定について指摘されております事項が、大きく分けると二つぐらいになると思います。 一つは、他の地方公共団体に比較いたしまして態容補正係数を中心として東京都の補正係数が引き下げられておるのが不当ではないかと、こういう御意見が第一であります。第二は、交付税の基準財政需要額、基準財政収入額を計算いたします場合に、都と特別区を合算しておると、これを廃止すべきではないか。第三点が、投資的経費の起債振りかえ、これは先ほど御指摘のあった問題でございます。その結果東京都が大変損をしておるのじゃないかと、こういうお話でございます。 第三の問題は、先ほど申しましたように東京都だけの問題ではございませんで、各地方団体を通じてのやむを得ざる現在の財政状況下の措置でありますのでこれはさておきまして、第一と第二の問題でありますが、まず、補正係数が不当に引き下げられているのではないかという御指摘でありますけれども、これは私どもはそういうふうに考えておりません。本来交付税はすべての地方団体を通じて均衡のとれた行政水準が確保されるように財源保障をすることを本来の使命としておるわけでございますが、東京都のような大都市の地域と、それから農山漁村を抱えておりますその他の地域との間の行政水準の格差というものが四十年代からだんだん変わってまいっております。たとえば清掃とかあるいは屎尿処理というふうな行政一つとってみましても、従来農村ではそのための処理場を設けるとかというふうな施策は必ずしも必要ではなかったわけです。しかし、社会経済の実態が非常に変化してきております。農村部でもごみや屎尿の処理のために膨大な施設をつくらなければならぬ、こういうふうな事態でございますので、それに見合うような態容補正というものを私どもは考えてまいらなければならない。そうでありませんと、すでに行政水準がある程度高いところは財源は十分確保するが、これから行政水準を上げていかなければならないという住民の要請の強いところは、もういまのままでよろしいんですということになってしまって、これでは交付税の本来の趣旨に即さないことになりますので、公平な財源配分という観点からいたしまして、むしろ補正係数の大都市と農山漁村との格差というものは縮めていくという方が、交付税の本来の姿として妥当であるという考え方を持っておるのであります。 それから第二の、都区合算制度は、これは当委員会でも何度も御指摘がありましたが、東京都の特別区の存する区域につきましては、まず行政事務の面で市町村が行います事務を都が行う、たとえば消防にいたしましても下水道にいたしましても廃棄物の処理にいたしましても、そういうふうな仕組みになっております。一方歳入面では、法人住民税や固定資産税を中心にいたしまして、本来市町村税でありますものを都が徴収をしてその間の財源調整を行いますために、都区財政調整交付金というふうなほかの地方団体には見られない特別の制度まであるわけでございます。それらを総合的に考えますと、都と特別区との一体性というものは、たとえば大阪で申します大阪府と大阪市との関係とは非常に異質の状態になっているわけでございますから、やはりその点に着目して都区合算制度があるわけでありますので、これを現段階で廃止をするということは、私は制度の基本から申しまして妥当ではないと思うのでございます。 以上、主として新財源構想研究会の報告書で指摘されております事項につきましての自治省としての考え方を申し上げた次第でございます。
○委員長(永野嚴雄君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(永野嚴雄君) 速記を起こして。
○阿部憲一君 東京都の要望、それから基準財政需要の問題等、こういった議論が出てくる背景というものを考えますと、交付税算定の基礎となる資料をすべて公開して、その上で算定の是非について国と地方との間で十分建設的な議論を行っていく必要があるのではないかと思いますが、いままでそれが十分行われていなかったのではないかと言えますのですが、この点についてどのようにお考えでございますか。
○政府委員(石原信雄君) 交付税算定の内容につきまして、もっと詳しく一般に公にして、その上に立って十分な論議を尽くすべきではないかという御指摘でございますが、私どもも単位費用の積算基礎あるいは補正係数の改定の基礎等につきましては、できる限りこの内容を詳しく印刷物にして公にいたしております。また、関係の担当課長会議とかあるいは全国知事会、市長会、町村会などの関係の場におきましても、できるだけ改正内容等については御説明を申し上げております。 それから、毎年度の交付税算定につきましての地方団体の御意見につきましては、例年八月に交付税の決定が行われますので、その後を受けて九月から十月ごろ、日を定めましてそれぞれ関係団体の御意見を承る機会をつくっております。そのほか、特に時間は設定しておりませんけれども、随時御意見があればこれを承るようにしておりますし、また、今年度について申しますと、交付税法の改正法案をお認めいただけますれば、これから五十四年度の具体的な算定作業に入っていくわけでありますが、その過程におきましても、都道府県、市町村それぞれにつきまして、担当の課長会議等を通じて御意見を承るようにいたしております。本年度もまたそのような議会を持って、十分意見をくんでまいりたいと、このように考えております。
○阿部憲一君 次に、租税総額の国と地方への配分状況を五十一年度決算について見てまいりますと、徴収段階では国が全体の六三・七%、実質的配分は地方が七六・四%という数字になっております。自治体運営の自主性を高めるためにも、このような中央集権的な税源配分を改めて地方への税源移譲を図っていくべきであると思いまするが、これについて大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 基本的には、私は御指摘のとおりに考えております。地方の時代と幾らかけ声をかけても、実際にその裏づけをなす地方の自主財源というものが現在のような状況では、地方の時代はこれはもう実現しないわけでございますから、御指摘のような方向で私どもはぜひとも地方の税源の充実を図ってまいりたいと考えております。
○阿部憲一君 税源配分について見ますと、五十一年度決算で東京都は、都民一人当たりの租税負担額が五十二万七千九百円と、全国最高であります。還元額はというと−還元額というか、的配分と言った方がよろしゅうございますか、全国で三十二番目の十八万八千八百円になっております。これは一位の高知県の三十三万五千五百円というのに比べますと約二分の一ぐらいの数字となっているわけですが、この数字について自治省の御見解を承っておきたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) いま御質問にございました数字は御指摘のとおりでございます。このことは、法人関係税を中心といたしました現行の国税、地方税を通じました税体系に基づく税源の地域的偏在が非常に大きいということを示しておると思います。東京都の都民一人当たりの租税負担額が五十二万七千九百円で全国第一位であるということは、まさしく各企業の中枢管理機能が東京都に集中しておるというふうなことに起因しておるわけでございます。しかし一方、これをそのままその地域地域の財源にしてしまったのでは、国土全体を通じまして均衡ある振興発展はできないわけでございますので、現在の財政の制度におきましては、御承知のように、その地域的偏在を是正いたしますために地方交付税制度あるいは地方譲与税制度によりまして財源調整の制度がとられておるわけでございます。その結果、実質的な還元額は東京都はかなり低くなるということになるわけでございますが、しかしこの趣旨は、いま申しましたように地域的な税源の偏在というものをそのままにしておいたのでは国民全体の要望にこたえることができませんので、地域間の財源の均衡化を図らなければならないということから出てまいる結果であります。 そこで私どもは、基本的にこういう財源調整、財源保障という仕組みを各地域を通じて行っていくということはこれはやはり必要だと思うのであります。ただその場合に、先ほど大臣からも申し上げましたように、現在では地方税と地方交付税及び譲与税を加えました地方の一般財源というのは、国税、地方税全体の中での約五割、半分が一般財源として地方に交付されております。そのうち地方交付税が約二割、それから地方税が三割強というふうになるわけでございますが、この地方税の分量をもう少しふやしていくということが将来の地方税財政制度のあり方として望ましいという気持ちを基本的には持っております。地方税の分量をふやすことによりまして、いま御指摘のような財源均衡化の制度を維持しながら東京その他の大都市の過密に伴います財政需要を賄うための財源を確保していくということが必要ではないかと、かように思っておる次第でございます。
○阿部憲一君 次に伺いますが、五十一年度決算で還元率を比較してみますと、全国平均が八七・九%、一位の高知県が二八一・〇%、東京都は三五・八%ということで、余りにも数字が違い過ぎる気がいたしますが、大阪が四九・九%、愛知が五五・五%、神奈川が五六・〇%という数字を見てみますと、大都市に対する還元率が余りにも低過ぎるのではないかというふうな感じを抱きますけれども、この点はどのようにお考えでございますか。
○政府委員(森岡敞君) いまお示しの還元率の差は、先ほども申し上げました税源の地域的な偏在というものを調整いたしまして、一定の行政水準を各地域を通じて確保するための財源を配分するという地方交付税制度が中心的な機能を果たしました結果、いまお示しのような数字になっておるわけでございます。大阪、愛知あるいは神奈川というふうな府県の還元率が低いのは、まさしく、このような府県は現在交付税の交付団体になっておりますけれども、依然として歳入中に占める地方税収入の割合は、たとえば高知県その他の貧弱県に比べますとかなり高い。その結果地方交付税の交付額は少額であるというふうなことから出てまいる結果でございます。で、これに国庫支出金が加わるわけでございますが、国庫支出金もまた事業の必要性に応じて配分されるわけでありますので、これを加えました結果もいわゆる大府県と称される地域に対します還元率は貧弱県に比べますと低いという実態になっております。 で、このことは、先ほども申しましたように、根本的には地域間の均衡ある財源配分ということから考えますれば、基本的には必要なことだと思います。しかしまた先ほど申しましたように、できるだけ自主財源をふやしていくということが地方自治のたてまえから申しましても、また国、地方を通ずる行政の効率化という観点から申しましても望ましいことでありますので、今後できるだけ自主財源である地方税の分量をふやしていくということをぜひ努めてまいりたいというふうに思う次第でございます。
○阿部憲一君 基準財政需要額の推移をとってみましても、その伸びは、昭和四十二年度を一〇〇として五十三年度の全地方自治体分の指数が六四二となるのに比べて、東京都の伸びはわずか四六二という数値にすぎません。基準財政需要額そのものをとっても、東京都は他の自治体よりも極端に低く抑えられてきたと言えるわけですけれども、この点はどのようにお考えですか。
○政府委員(森岡敞君) 先ほど申し上げましたように、世の中の推移に伴いまして、東京などの大都市地域とその他の農山漁村地域との間の行政水準の格差が非常に縮小してきております。で、交付税はこういう行政の実態に対応して適切な財源配分を行わなければなりません。そのようなことが大都市地域よりもその他の地域の基準財政需要額の伸び率の方が高くなった原因であるわけであります。 ちなみに、基準財政需要額の伸びを見ますために、これに関連する指標を見てみますと、たとえば都市化の程度を示す指標として人口集中地区人口などの増加率が用いられますが、東京都は三・七%、これは四十五年から五十年までの伸びでございますが、三・七%しか伸びておりません。しかしその他の道府県では一三・九%伸びております。また、第二次、第三次産業の就業者数を同じ四十五年から五十年度まででとってみますと、東京都は〇・六%減少いたしております。しかしその他の府県におきましては八・六%増加しております。次に、交付税で測定単位の数値として人口だとかあるいは道路の面積、延長などを用いておりますが、たとえば人口について見ますと、四十四年から五十三年度までの間で、東京都は七・四%しか伸びておりません。しかしその他の県は一三・九%伸びております。道路の延長について見ますと、東京都は七・九%しか伸びておりませんが、その他の県は一二・六%も伸びております。このように都市化の程度を示す指標あるいは測定単位の数値につきましては過密都市東京の場合にはむしろ鈍化をしてきておって、その他の地域に非常に急激にふえてきておるという実態であるわけでございます。 基準財政需要額の伸びの東京都とその他の県との差というのはまさしくこういう情勢を的確に反映したものだというふうに思う次第でございまして、新財源構想研究会が不当に抑えておるというふうにおっしゃるのでございますが、私どもはきわめて客観的に計算した結果こうなっておるのでございまして、不当に恣意をもって抑えているということは毛頭考えておらない次第でございます。
○阿部憲一君 まあ私の質問自体が東京都に偏ったといいましょうか、重点を置き過ぎた質問であるような感じがいたしますけれども、もう少し、重ねてこの点のことを申し上げて、ひとつ東京都についての考え方というものを何といいましょうか、もっと同情的に御配慮願いたいと、こういうふうに思うわけでございます。 東京都の場合に、交付税算定における基準財政需要額の伸びが他の自治体に比べ極端に低く抑えられてきたわけですが、このことは大都市需要の実態に即した適正な算定がなされてこなかったと言わざるを得ないと思うわけでございますが、たとえば五十二年度に種地区分の評点算定指標へ昼間流入人口が算入されておりますけれども、東京都大都市分は改定前後とも満点で何ら影響を受けていないし、極地区分の改正でも呼称の変更以外は何ら実質的な差が出ていないわけですけれども、この点についてはいかがでございますか。
○政府委員(石原信雄君) 五十三年度の種地区分の改正は、その極地区分の計算の基礎に用います人口集中地区人口などの統計指標が国勢調査結果等で新しいものを使えるようになったということから見直しを行ったわけでありますが、その際に、各市町村の都市化の程度をよりよく反映させる趣旨で、評点要素として昼間流入人口というものを採用したわけであります。おっしゃるとおり、東京都二十三区は従来から最高点でありますから、この評点は満点になりますので、区分の変更によって直接二十三区分の算定にどうこうということはないのでありまして、むしろそれ以下の市町村の分布がより的確に把握できるようになったというように私どもは理解しております。 そこで問題は、大都市の財政需要をより的確に算定するために昼間流入人口の要素をもっと考えるべきであるという点は、評点の計算方法と同時に具体的に各種地に適用される係数の基礎において財政需要がより的確に反映されているかどうか、昼間流入人口分を含めて財政需要がより的確に反映されているかどうかということになろうかと思いますが、五十三年度の補正係数の算定におきましては、各大都市の実態、特に昼間流入人口に伴う増加財政需要等も踏まえて係数を決定したつもりでございます。この点につきましては、今後とも引き続き財政需要の実態をにらみながらその適正化を期してまいりたいと、このように考えております。
○阿部憲一君 大都市を中心とした都市問題についてはまだまだ立ちおくれが目立っていることを考えますと、大都市財政の充実は緊急を要することと考えられますけれども、自治省としてはどのように考えておられますか。さらに、大都市財政をどのように充実していくか、今後の方針をあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 大都市という地域は、申し上げるまでもないことでございますが、企業の生産あるいは個人の消費あるいは物資の流通、どれをとりましても非常に経済活動が活発な地域であります。したがって、またそれに伴って税源がその他の地域に比べますと豊富な地域でございます。反面、人口が集中しておりますのでいろんな財政需要が山積をするという歳出面の圧力もかなり強い地域であります。 そこで、私どもといたしましては、大都市財政を考えます基本的な方向は、税源があるわけでありますから、その大都市がみずからの手で徴収をし自主的に使い得る税、地方税を思い切って拡充していく、これが基本であるべきだと思います。と同時に、地方交付税につきましても、先ほど審議官が申しましたように基準財政需要額の算定に当たってできるだけ大都市の特殊の財政需要はあらゆる角度から的確に反映するように算定に努力をしてまいる、これが第二の問題であります。第三は、大都市の各種の公共施設の建設のために相当の資金を必要といたしますが、それにつきましては地方債を思い切って活用していく。そのための資金調達の面でのいろいろ問題もありますので、それらについて政府といたしまして協力をし援助をしていくという措置を講じていく。このようなことを基本といたしまして大都市の今後の財政に対処してまいりたいと、かように思う次第でございます。
○阿部憲一君 あともう二、三問東京都の立場に立って質問を申し上げたいと思います。 東京都としては、首都としての機能を果たしていく上にいろいろな特殊事情も多くて、それに伴い財政需要も多くなるわけですけれども、そういった点は自治省としても考慮していく必要があるのではないかと思います。たとえば警察業務については、要人警護や外国からの要人出迎え警備等の業務や、また急を要する震災対策などの経費については財政上の特別措置等も検討すべきではないか、このように思われますけれども、その辺いかがお考えでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 首都でありますことによりまして、東京都が他の地方公共団体とは異質の財政需要がかなりあるということは御指摘のとおりだと思います。この点につきましては、交付税の一般的な算定の手法といたしましては、態容補正係数の割り増しを行いまして東京都の首都としての特別の財政需要を概括的に算定するということがまず第一の手法として用いておるわけでございますが、そのほかに、いま御指摘のように、個別の経費につきまして、たとえば警察官についてどうかとかあるいは震災対策についてどうかとかいう問題もあることは事実でございます。 まず、警察官の経費について申しますと、現在は政令定数を基礎にして需要の算定をいたしております。私どもの基本的な考え方から申しますと、警察法施行令で定めております定数は、まさしく東京都の首都としての特殊性を考慮して定められておるものと、こういう前提に立っておるわけでございます。したがって、その定数を基礎毒して算定すれば、警察関係費の地方負担として持たなきゃならぬ経費につきましては的確に算入されておるものというふうに考えるわけでございます。なお、要人警護とかあるいは外国要人の出迎えというふうな警護関係の経費につきましては、これは給与費以外のものは全額国費支弁になっておるわけでございますから、たてまえといたしましては首都としての特性は十分考慮しておるように私どもは考えております。 それから震災対策は、これはその中身が非常に多岐にわたっておりますので、個別にその一つ一つについてどうかということについてのお答えは避けたいと思いますが、たとえば大規模な都市構造の変革というふうな問題になりますれば、地方債の面において思い切った対応措置を講じていくということが必要だと思いますが、しかし、私どもはいままで、いま申しましたように、首都としての特性は十分考慮して財源措置を講じてきたつもりでございますけれども、なお都の立場からいたしますといろいろ御意見があることは十分私どもも承知をし理解をいたしておりますので、なお今後引き続き都の御意見を拝聴しながら検討はいたしてまいりたいと、かように思います。
○阿部憲一君 次に、東京都が交付税の不交付団体であるために受けている財源調整でありますけれども、これはどのようなものがあるのか、沿革と内容を御説明願えますか。
○政府委員(森岡敞君) 不交付団体でありますために東京都が受けております財源調整は三つございます。一つは、義務教育教職員給与費国庫負担金でございます。内容は、義務教育教職員の給与費の二分の一国庫負担の算定に当たりまして、国立学校教員の給与基準による給与単価を政令で定めまして、それに標準法の定数を乗じて得た額の二分の一を国庫負担にすると、こういうものでございます。この理由は、昭和二十五年から二十七年度までは教員の給与費は地方財政平衡交付金によって財源措置をされておりましたが、二十八年度から現在の国庫負担法が施行されまして二分の一国庫負担になりました。そのときに、交付団体につきましては当時の平衡交付金、いまの交付税からこの義務教育費国庫負担金に財源振りかえが行われたわけでございますが、不交付団体につきましては新たに国庫負担金をいわば積み増して財源付与が行われた、そういうふうな経緯がございましたので、通常の他の府県に対する給与費の二分の一国庫負担よりは削減をする措置が講じられたというのが経緯及び理由でございます。 次に、第二が地方道路譲与税の譲与制限でございますが、これにつきましては、道路事業費をできるだけ全都道府県及び指定市を通じまして均衡ある配分をしたいということと、いま一つは、道路財源につきましては、目的財源であります地方道路譲与税だけでなくて、交付税で措置いたしております一般財源と合わせて財源措置をいたしておりますので、道路目的財源につきましては率直に言ってできるだけ交付団体に手厚く措置をしてまいりたいというふうな基本的な考え方もございまして、三十五年度に譲与制限措置が講ぜられ、四十四年度にさらにその譲与制限の内容が強化をされたという経緯がございます。 それから第三に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でございますが、これは三十二年度にこの制度を設けたわけでございます。全体としての金額も、基地所在市町村の実態から申しますと必ずしも十分ではないというふうなこともございまして、一般市町村の方式で算定した額の三割を交付額にするという制限が行われておるわけでございます。これらの三つの譲与制限によりますいわば削減額は、義務教育国庫負担金が五十二年度で約百七十億円、それから地方道路譲与税が五十三年度で約八十八億円、国有提供施設等所在市町村助成交付金は、これは小さな金額でございまして、五十三年度で三千二百万円程度というふうになっております。
○阿部憲一君 私は、東京都の財政再建は、言うまでもなく根本的には都みずからが健全化に努めることによって達成すべきであるとは思いまするけれども、新しい知事のもとで本格的な財政立て直しに取り組む東京都に対して、制度面で援助できる点があればこれを大いに検討すべきではないかと思うのでございます。その点で、地方交付税の不交付団体であるために割り落としを受けている義務教育国庫負担金や地方道路譲与税などを他の道府県並みに支給できないものかどうか。かつては大阪、愛知、神奈川の各府県も制限を受けていたのでありまするけれども、それがいまや東京都だけになっているわけですが、これが果たして適当であるかどうかと思うのでございますが、検討をしていただきたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 義務教育国庫負担金あるいは地方道路譲与税、この二つが大きな財源調整の対象になっておるわけでございますが、かねてから東京都におきましてはこの譲与制限を撤廃してもらいたいという要請が強く行われてまいりました。私どもは、いま御説明申しましたような経緯、これらの制度のつくられました経緯と、それから、たとえば義務教育国庫負担金につきましては、これは自治省の所管ではございませんで文部省の所管でありますので文部省の見解というものも大事でございます。文部省は必ずしも積極的な御意見を持っておられなかったわけでございます。そういうふうなことからきわめてこれは困難だということを東京都に申し上げてまいったのであります。 ただ、東京都におきましては、四十年代に比べますと、財源超過額が、同じ不交付団体ではありますけれども非常に縮小してきたというふうな財政の構造的な変化がある、そこのところを十分理解をして考えてもらいたいという御要請があるわけでございます。私どもは、その辺のところは、確かに四十年代と五十年代に入りまして違うという面はありますけれども、しかし、これらの財源調整制度を全面的にいま廃止することができるかということになりますと、これはなかなかむずかしいというふうに思うのでございます。私どもといたしましては、実態を十分東京都の御意見も伺いながら見きわめて検討はいたしたいと思いますけれども、しかしいま一挙にこれを廃止することにつきましては非常な困難さを伴うのではないかという気持ちを持っておる次第でございます。
○阿部憲一君 最後に、区長会の強い要望でありますので、先ほども局長からこれに触れたお話しもありましたのですが、重ねてお伺いしたいと思いますが、現在特別区は一つの都市とみなして交付税が算定されているために、段階補正係数の適用による割り落としの度合いが特別区ごとに適用する場合より大きくなっているわけですが、これが果たして妥当なものであるかどうかということ。それから、特別区の行政実態を適確に反映した算定というものを検討すべきではないか、こう思うんですけれども、自治省の御見解を承りまして私の質問を終わらせていただきます。
○政府委員(石原信雄君) 御指摘のように、特別区につきましては現在特別区の存する区域を一つの都市とみなして交付税の基準財政需要額の算定を行っております。この点につきましては、特別区ごとにそれぞれ独立の都市としての計算をすべきではないかという御指摘が以前からあるわけでありますが、その場合には、確かに分けて計算することによりましてたとえば段階補正などはかなり有利になってまいります。しかし反面、態容補正の種地計算になりますというと、現在二十三区の区域は甲の十種地という一番高い種地になっておりますけれども、個々の特別区を計算しますと、人口集中地区の人口の規模その他の関係で種地がかなり低くなってしまうという団体も出てまいります。それから、何よりも測定単位の数値によりましては必ずしも各区ごとの分別がむずかしいという問題もありますし、また、現実に二十三区の区域において行われております主要な都市行政、たとえば消防行政でありますとか、下水道行政でありますとか、清掃行政とか、都市計画行政とか、こういった主要な都市行政は現在においてはそれぞれ都において一元的に行われておると、一つの団体として行われていると、こういう実態にもあるわけでありまして、二十三区の存する区域をばらばらにして二十三のそれぞれ独立の都市として計算するということは、一つの議論ではありますけれどもなかなか実行困難ではないか。また、それをあえて行った場合に、果たして現在よよりも特別区の財政実態に合った算定ができるのかどうか、私ども疑問を持っております。したがいまして、この二十三区の存する区域につきましての基準財政需要額の算定におきましては、今後とも全体を通じまして財政の実態に合った基準財政需要額の算定に心がけてまいることが最も現実的な方向ではないかと、このように考える次第でございます。
○神谷信之助君 まず自治大臣にお伺いしたいと思うんですが、最近数年間、御承知のように地方財政はきわめて深刻な事態になってきております。もう瀕死の重症にあるといいますか、そういう事態で、早急に抜本的な手を打たなければ、国の財政はもちろん地方の財政にとっても重大な事態になるのではないかということを危惧をしているんですが、したがって、その辺についての政府の対処、対策、これを伺いたいと思うんです。 そこでまず最初に聞きたいのは、なぜこういう事態を招いたかという原因についての認識ですね、大臣の。これをまず聞きたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) これは、大きな原因としては、やはり石油ショック以来経済の停滞が長期にわたって続いた、そのために税収入が思うように伸びない。それに対して行政需要は年々に拡大をしてきて支出は依然として相当な率で増高を続けてきたと、このアンバランスの積み重ねが現在のような事態を招いた最大の原因であると認識をいたしております。
○神谷信之助君 石油ショックによって経済の停滞が起こってそして税収が減少する、あるいは伸びないと、そういう事態になったというのですが、石油ショックによってそういう日本経済の破綻というのが起こったわけですけれども、日本経済のそれ自身のそういう脆弱性そのものについて一体どういうようにお考えでしょう。
○国務大臣(澁谷直藏君) 言うまでもなく、日本の経済は、とにかく資源エネルギーというものをほとんど持たない。そういう意味ではよその国と比べた場合非常な悪条件といいますか、脆弱さを基本的に持っておる。この点はこれは何人も否定できないわけでございます。そういう経済構造を持っておる日本が四十八年の石油ショックに襲われたわけでございますから、やはりその点ではよその国に比べても非常に最大の衝撃を受けたと、こういうことだと考えております。
○神谷信之助君 資源不足の日本が急速に経済的にも強力な力を持つというために、全世界的に伸ばし切るだけの手を伸ばしていくと、そのためにも急速に進めてきた生産力の拡大、いわゆる高度成長政策、これに日本の経済力自身を逆に無理に背伸びをさしたようなそういう結果、言うなれば高度成長政策自身の破綻によって今日の日本経済の深刻な状況というものが生まれてきたというようには受け取っておられませんですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) この点になりまするといろいろ議論の分かれるところだと思います。確かに高度経済成長時代の日本は、この高度経済成長を支える原動力となる石油その他の資源というものが有限であるという認識がはなはだ希薄であったということは、これはもう否定すべくもない事実だと考えております。そういう点において、高度経済成長に対する余りにもこれに対する無条件的な信頼、そういったものの行き過ぎがあったということは私は否定できないことではないかと考えております。
○神谷信之助君 これは、工場法案の本会議に上程をされましたときに、私がわが党を代表して質問したときにも指摘をしたわけですけれども、高度成長政策に自治体の財政も動員をするということで、埋立地をどんどんつくっていく、あるいは山を切り開いて工場用地をつくる、造成をする。初期のころはそこに工場も来ましたし、同時にまた公害も持ち込んできましたが、後期は、今度は、工場用地の造成はできたけれども不況になって工場何一つ来ないでペンペン草が生えて借金だけが残るというように、前期においても後期においても、結局は国民生活の環境の破壊やあるいは借金をさらに大きくするというようなそういう結果を招いているわけですね。先ほど、午後の論議にもありましたけれども、そういう高度成長政策に自治体の財政を動員するために交付税制度も動員をされるということも伴って、今日の地方財政が、いわゆる日本経済の非常に恐慌的な状況が生まれるにつれて地方財政自身もにっちもさっちもいかぬという今日の事態になってきているというように思うんです。ですから私はやっぱりこの点は、今日の事態についての政府のそういう責任というものをはっきり認めなければ、そして、その責任を認めることによって一刻も早く根本的な対策を立てなければ、その点で思い切った決意といいますか、そのことをやらなければ、今日の地方財政の危機の打開というのは一歩も進めることができないという事態になっておるというように思うんですが、この辺の認識はいかがでしょう。
○国務大臣(澁谷直藏君) いずれにしても、石油ショックを境にして長い間日本の高度経済成長を支えた基本的な条件というものが失われたということはもうこれは事実でございますから、したがって、夢よもう一度というわけにはいかない。こういう点はやはり日本としてこれはもうきちっとした認識を持たなければならぬと、こういうふうに考えております。しかも、石油を中心としたエネルギーあるいは資源の枯渇の問題というものも非常に深刻な問題として対応を迫ってきておるわけでございますから、そういう点も十分踏まえてこれからの日本の経済の安定的な成長というものをどうして実現をしていくかと、こういう目標に向かって私どもは渾身の努力を傾けていかなければならぬと、このように考えております。
○神谷信之助君 そこで自治省にお尋ねしますが、五十年以来財源不足に対する対処の措置として、交付税特会への借り入れあるいは地方債への振りかえ、こういうことで、いわゆる緊急避難的措置といいますか、当面の応急措置を繰り返してきているわけです。緊急避難的措置とかあるいは当面の応急措置といえば、一年なり二年ならわかりますが、これはもう五年続いてきています。 そこでお伺いするのは、五十四年度末といいますか、五十五年の三月、来年の三月末で自治省の方では一般会計、特別会計で起債残が大体どのぐらいというようにお見込みになっておりますか。
○政府委員(森岡敞君) 普通会計、公営企業会計合わせまして、約四十兆円程度になるものと見込んでおります。
○神谷信之助君 ですから、今年度の地方財政計画一年分の総額を上回る起債残高を持つということになります。いずれにしてもこれは地方債の振替措置その他で、政府の方が本来交付税として交付すべき金が財源不足のために地方債に振りかえるなどの措置をなさってきているわけですから、これの元利償還については当然政府が責任を持つという措置をとってこられるし、これからもそういう措置は続けるという、この点は間違いないと思いますが、確認をしておきたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 四十兆円という数字は、いま申しましたように普通会計だけでなくて、公営企業会計の現債高も含んでおります。公営企業につきましては、やはりこれは利用者負担というのが基本でございますから、普通会計分につきましては、お示しのように政府が責任を持ちましてその元利償還費についての財政措置は的確に行うという筋のものであると私ども考えておりますが、ただ、そのためには、国、地方を通じまして公共部門の財源をふやしていただきませんとこれはどうにもなりません。国も措置ができないわけでございますので、あわせて御理解賜りたいと思います。
○神谷信之助君 元利償還の方は政府が責任を持って処理をすると。もちろんその財源の問題、おっしゃるようにあるんですがね。しかし、それで問題は私は片づかないと思うんですね。そういうように地方債に振りかえることによってそれぞれの自治体の起債残高がふえていく、公債費がふえると、こういうことが実際に個々の自治体にどんな影響を与えているだろうか。この点は、自治省の方でどういうように認識されておりますか。
○政府委員(森岡敞君) 中心をなしておりますいわゆる財源対策債につきましては、御承知のように義務教育その他につきましては一〇〇%元利償還費を交付税に算入してまいります。また、その他のものにつきましては八〇%算入してまいりますから、交付税算定を通じての財源措置を踏まえて考えますと、財源総量を政府の責任において確保いたしますれば、個々の地方団体が起債の償還費で沈没してしまうというふうなことに私はならないと思うのでございます。ただ、地方団体によりましてはそういう財源対策債以外に他の事業費に充てるための地方債を相当多額に発行しておる団体もございますので、そういう団体につきましては公債費が非常に大きなプレッシャーになってくるところも中にはございます。それらにつきましては個別に適切な財政措置を講じてまいる必要があろうと、かように思っております。
○神谷信之助君 今年度の場合はちょっと変わってきていますが、大体昨年度までのやつをずっと見てみますと、全体としては、一つは単独事業をできるだけ切り詰める、それから保育園の入園料なりあるいはごみ、屎尿のくみ取り料金なり、こういったいろんな公共料金の住民負担、適正な負担と自治省の方は指導されているわけですけれども、これがもう軒並みに毎年のように値上げを繰り返すと、こういう状況が一つは出ていますね。ですから、自治体が住民の暮らしを守る組織として、そしてまたニーズにこたえて、どんどんとその期待にこたえて事業をやっていくという点でも、片一方で借金がどんどんふえるわけですから、そして自己財源として本来来るべき交付税が地方債に振りかえられたりして、それだけ自由に使える金というのは減るわけですから、ですから、そういう意味では自治体自身の自由に使える財源、財政、これは圧迫をされておるのが当然あらわれてくる実情だと思うんです。 それからもう一つは、やっぱり基準財政需要額の中に元利償還分も当然計上して、それについての財源はちゃんと保障するというようにおっしゃっているわけですけれども、それは結局自治体として必要な財源不足額、その分も含めますから、自治体自身の借金返しなしに、借金を返さない部分を削るわけではありませんという御説明をなさるけれども、実際の問題としては、国の財政も窮屈だからということで自治体の必要財源というのを極力低く抑える、そして、財源不足額というものを全体として抑えながら、しかし抑えてみても今年度のように四兆一千億になるということになるわけでしてね。ですから、公債費比率の増大というのはそういう地方自治体全体の財政構造の硬直化を引き起こす要因になってきはしないか。この辺の見解はいかがですか。
○政府委員(森岡敞君) 財源対策債に一般財源を振りかえました結果公債費がふえてくる、それが地方財政全体としての財政硬直化要因であるということはこれは御指摘のとおりだと思います。ただ私どもは、その結果いまお話しのように、本来必要な経費にしわ寄せをして、財源不足額を将来において圧縮をするとか、そういう措置は絶対にとるつもりはございません。ことしの四兆一千億の財源不足額も、そういう切り詰めと申しますか抑制を大蔵省から求められてその結果決まったものではございません。必要なものは全部計上いたしまして、大蔵省の理解を得て財源不足額の見通しを立てたわけでございますから、そういう意味合いで地方交付税総額の所要額は将来を通じまして的確に確保してまいりたいと思います。 ただ、いまお話しのありました受益者負担の問題あるいは施設の利用料金の問題につきましては、利用者の立場からすれば安い方がいいというのはこれは一般の感情としてはそうでございましょうけれども、しかし、適正な経費を賄うための基準をもって決められております各種の料金は、これはやっぱりちゃんと負担をしていただくということが、本来その行政サービスを継続的に続けてまいりますためには必要だろうと思うんです。いたずらにその料金が安い方がいいというだけで事が済む問題ではございません。利用者は全国民ではなくて特定の人たちが利用する施設なり何なりでございますから、それはやっぱり相応の負担をしていただくということで、利用料金なり受益者負担の適正化、これは地方公共団体もやっていただかなきゃなりませんし、また利用者の方々にもそれについて十分な御理解を得ていただくということが必要だろうというふうに思う次第でございます。
○神谷信之助君 住民の納得の中で、そして必要だということで上がっていくのでなしに、適正化を進めなさいということで政府の方から上げろという指導をするわけですね。しかも、いまインフレの要因がずっと強まってきている状況の中でそういう指導をされるということが、住民の暮らしに責任を持つ自治体の側から言えばこれは重大な問題になってくるわけですね。この点は、それを中心にいま論争をしたいとも思っているわけじゃありませんからその点だけ言っておきます。 私は、もう一つこの点で危惧をしている点は、これは、この間参考人の意見を求めたときに、どの方でしたか指摘もありましたけれども、借金の方は政府の方が責任を持ってくれると、そしてどれだけ財源不足額が出ても自治省はちゃんと責任を持って処理してくれると、こういうところから無責任になりあるいは熱意を欠くと、そういうおそれあるいはそういう徴候が出ているという指摘もあったわけです。これは当委員会でも二、三年前に私一遍指摘をしたんですけれども、一面では政府がつくった借金ですから政府が責任を持つというのはあたりまえである、あるいは財源不足額が生じたらそれについて政府が責任を持つというのもいまの法制上当然のことでありますけれども、しかしまた一面では、そのことによって地方財政を真に確立をして、そして使用できる財源を確保して本当に自主的な行政が進められるという、そういう自治体を追求していくという方向に発展をしない、そういうおそれも片面では持つわけですね。これはイタリアなんかに行っていろいろ聞いてみますと、やっぱりそういう傾向が出てきています、そういった点からも、私はいまの事態を これ毎年のように当委員会でも議論をして、そうして来年度からは少なくとも抜本的改革の第一歩を踏み出すようにということがしばしば指摘をされているわけですけれども、これ、一年送りに次々と延びてきています。 そこで、これは大臣にお伺いしたいんですけれども、この地方財政のいまの問題を解決をしていく上で、大臣自身としてはどういう手順で、どういう段取りでこの地方財政の危機を打開しようとなさっているのか、その辺の構想なり決意のほどをまず聞かしてもらいたいというように思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、一年延ばしで現在までやってきたという、それは事実もうそのとおりだと思います。その結果地方財政におきましては、これは特別会計の分も含めてでございますが四十兆円の累積公債がたまった、それから一方国においては約八十兆円の公債がたまってしまっておる。そして現実には、この国債の消化が非常に困難な状態というものも出てきておると、こういうことを考えてみますると、国、地方を通じての財政再建の問題は、これはもはやぎりぎりのところまで来てしまっておるというのが私の認識でございます。したがって、いままでのようにもう一年いままでの方式で延ばしていこうというような安易な態度ではこれはもはや許されないというところまで来ておるというふうに私は理解をしておるわけでございます。したがって、来年度の予算編成の中で、自民党内閣としては、このぎりぎりのところまで来ておる国、地方財政の再建をどういうふうにして実現をしていくかという具体的な回答を私はもう出さなければならぬと、このように考えております。 その具体的な手順はどうかというお尋ねでございますけれども、ここで一々それを的確にお答えするほどこの問題に対する煮詰めは行われておりません。一切はこれからでございますけれども、ただ、抽象的に申し上げられることは、文字どおりこれはもう非常事態でございますから、非常事態におきましては非常事態に対応するわれわれの決意と姿勢と行動が要求される、こういうふうに考えます。したがって、基本的には税収が思ったように伸びないわけでございますから、どうしてもある程度の国民に対する負担の増額をこれはもうどうしてもお願いせざるを得ない。しかし、国民に増税をお願いする以上は、その前提として国、地方を通じての財政の圧縮ですね、特に長い高度経済成長を通じて国も地方も知らず知らずのうちにやはりぜい肉がついておる、むだな部門というものが私はかなりあるのではないかと考えておるわけでございまして、このぜい肉の切り落とし、むだというものをとにかく一掃するという政府、自治体の、特に政府の、私はもう断固たる決意と行動がこれがもう基本だと、こういうふうに考えております。 それを前提として現在は私どもは一般消費税という形での増税を考えておるわけでございますけれども、これについても、御承知のように、野党はもちろん与党の中でもいろいろ意見が出てまいっておりますから、果たして一般消費税一本でいけるのかどうか。あるいはいろいろな意見が出されておりますように、現行の税制全般に対する根本的な見直しというものも必要ではないかとも考えておりまするし、そういったようなことも含めて私どもはこれは本当にもう後ろがないという場面でございますから、真剣な努力を重ねてまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 もうにっちもさっちもいかぬところに来ておるという点ではやっと認識が一致をしたわけで、私どもはもう五十年の時期からそのことを指摘をしておったわけですけれども、一年延ばしに今日まで来られました。ですから、いわゆるカンフル注射ではもう処理できない段階に来ています。しかも、いま大臣もおっしゃったように、一般消費税については私も当委員会で、一般消費税を導入して地方に一定の財源が付与されたとしても、これは歳出増を必然的にもたらしますから、実際にはプラスにならないであろうし、しかも財源不足額を減らすだけですから、いわゆる特会への借り入れ、あるいは地方債振りかえがその分だけ減るだけですから、枠自身をどれだけふやすことができるかというのはなかなか疑問が出てくるわけです。さらにまたこの間の予算委員会でも指摘をしましたように、一般消費税は各省庁との間でも非常に大きないろんな細かい問題で国民生活に直接かかわるところで多くの矛盾が出てきます。ですからこれは私は天下の悪税だし、しかもそういう多くの矛盾を持っているわけですから、国の財政を確立をするためにはこういう手だてがいいのではないかという提案は先般の予算委員会でもしたわけです。 それから、地方財政の問題については、これもしばしば指摘をしているんですが、私は一遍にはいかぬと思います。で、来年なら来年度ですね、来年度の予算編成を機にして五十五年度からそれこそ一遍に大手術をして、それで地方財政を確立をする、そういう方向をぴちっとするというのはきわめて困難だろう。もうそれほど深刻な状況になってきているんじゃないか。ですから二段ロケット方式でこの地方財政問題というのは解決しなければいかぬ。ですから当面の緊急措置法的なものをつくって、交付税率の四〇%の引き上げや、あるいは超過負担の計画的解消や、あるいは総合補助金制度の導入等、当面すぐやれるものをやりながら、そして同時に政府あるいは自治体あるいは関係する労働者の代表や住民の代表を含め、あるいは学識経験者なんかを含めまして、根本的に、地方税源を含め、あるいは交付税制度そのものも含め、地方自主財源の確立を含めた、そういう抜本的な税制改革を含めた、あるいは事務の再配分を含めたそういうものを一定の期間議論をしながら、国民の合意のもとで五年なら五年の期間に確立をしていくと、そういう手だてが私は必要だというふうに思うんですね。 まあ政府の方ももう引くに引けないところへ来ているし、国債でカバーするわけにもいかぬし、しかも、インフレの危険が非常に迫ってきている段階ですから、国の財政の面でも私は一挙にというわけにはいかぬだろう。大蔵省は、来年度はゼロ%の伸びでそしてそれを基本にして予算要求をしろというような、そういう方針をお決めになったようですけれども、いずれにしろ、そこから出発をするにしても、やっぱり何といいますか、計画というか展望をはっきりさせるということがもう何よりも大事じゃないか。五十五年だけはとにかく乗り切りますというような、そういう考え方ではこれはどうにもならぬ。あっちこっちの知事さんなり市長さんなりにお会いをしても、今日の財政の危機、もう大変困難な状況になっているけれども、一番根本の問題は、先の展望がないと、五年たったらこうなります、そのときにはこういうように制度も変えていきます、そのためにはこういう国民の合意を得る手段を講じますというような、その展望がないところに一番大きな不満、それから不安があるというように見受けているんですが、こういった点について、ひとつ重ねて大臣の御見解をお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(澁谷直藏君) 当面するこの異常とも言うべき財政危機というものを、五十五年度一年間で解決できるというような考え方は毛頭持っておりません。この点はもう全く同じような見解に立っております。したがって、御指摘のように、何よりも大事なことは、将来に対するしっかりした展望というものを打ち立てることだという御指摘も、私は全く同感であります。これがありませんと国民も理解してくれませんし、地方自治体も恐らく理解をしないだろうと思うんです。でありますから政府として大事なことは、御指摘のように、とにかく中期的にあるいは長期的にしっかりした財政再建の展望というものを国民の前にはっきり示すということがまずこれは基本だと考えております。ただ、御承知のように、現在の日本を取り巻く国際環境、非常に激しく揺れ動いておるわけですね。石油のこれからの動向というものを一つ取り上げてみても、これはもう全く予断を許さない様相をはらんでおることも御承知のとおりでございます。そういう激しく揺れ動いておる国際経済の中で、将来のしっかりした展望を打ち立てるということはこれはなかなか至難なことではございますけれども、しかしいずれにしてもこの当面する財政再建の問題を解決するためには、ある程度動くということを前提にしながらも、しっかりした見通しを立てなければならぬということはもう当然のことでございます。 現在、国も地方も大体五十九年度、ですから五カ年計画ということになります。五ヵ年計画で五十九年度には財政収支均衡、単年度均衡、こういうことを目標にして、きわめて大ざっばな財政収支試算を立てておることはもう御承知のとおりでございます。しかし、この財政収支試算はあくまでも試算であり大ざっぱな展望でございますから、こんなもので現実に仕事は進まないわけでございますから、ですから私は、来年度の予算編成がこれは一つの正念場だと考えておるわけです。来年度の予算編成の中で、大ざっぱな収支試算という形で出しておりますこの計画、考え方というものを掘り下げて、肉づけをして、具体化をして、そして国民の前に政府の財政再建の具体的な展望というものを示さなければならぬ、このように考えております。
○神谷信之助君 まあこの問題はこれで終わりますけれども、いま、収支試算で五十九年度にはとんとんにするようにおっしゃっていますが、これは毎年変わっているんですからね。だから余り当てにならぬわけです、いまおっしゃったように。ですから、それでは国民に展望を与えることにならない。なぜ毎年出して毎年変えざるを得ないかというと、やっぱり財政運営の根本が従来型のやり方といいますかね、従来のやり方をそのまま土台にして、そこにメスを入れようとしておらないところに私は根本問題があると思います。具体的にはいままで指摘をしておりますからもうこれ以上やりませんが。この辺はひとつ十分検討をしてもらいたいというふうに思うんですね。 次に、補助金問題に入っていきたいと思うんです。 まず大蔵省にお聞きをしますが、補助金制度の改革をめぐってすでに多くの答申が、あるいは意見が出ております。その中にも統合メニュー化の問題とか総合補助金化などの意見も含まれているわけですが、たくさんありますが、幾つか挙げてみますと、地方制度調査会、これは第一次から第十七次にわたってしばしば、まあほとんどといいますか、この補助金の適正化の問題を提起をしています。それから、昭和三十八年の十二月の補助金等合理化審議会の答申が出ています。あるいは全国知事会の臨時地方行財政基本問題研究会の答申もありますし、全国市長会、地方財政審議会の答申も何回となく出ています。それからさらに昭和五十二年の三月には、自治研修会の国と地方の新しい関係という中でも、この補助金問題についての功罪を挙げて、そしてその改革の方向というように出てきているんですが、大蔵省にお尋ねしたいんですが、こういった問題がしばしば提起をされているんですけれども、この補助金の制度の改革についてどういう検討を今日までされてきておるのか、この辺についてお答えいただきたいと思います。
○説明員(伊藤博行君) お答え申し上げます。 補助金の整理合理化の問題につきましては、先ほど来御議論いただいております国の財政の再建という観点からとりましても、非常に大きな課題の一つでございます。これはいまに始まったことじゃございませんけれども、ここ数年来その整理合理化につきましては相当の努力を費やしてまいっております。その中で、先ほど来御指摘にございましたように、総合補助金化あるいは統合メニュー化という点につきましても、整理合理化の際の大きな柱の一つとして、実践としてもうすでにやってまいっております。具体的に申し上げますと、五十四年度の例で申し上げますと、約百二十件ほどの補助金を約四十件ほどに整理する、統合メニュー化を行うといったようなかっこうで、この数がパーフェクトであるといいますか、あらゆるもののすべてであるということを申し上げるつもりはございませんけれども、一つ一つやれるものから順次実行に移してきておるというふうに申し上げてよろしいんじゃないかというふうに思います。 ただ、一つここで申し上げたいのは、補助金の総合化という議論の中に、非常に異なった行政目的を持った補助金を統合してはどうかというような御議論も中にはございます。しかし、補助制度というのはそれぞれの行政目的を持って設定されておるものでございますので、そういったものを、異質の目的を持ったものを統合するというのはやはり補助金制度というものの趣旨から見てなかなかむずかしいんじゃないかというふうに考えております。私ども行っておりますのは、それぞれの持っております補助金の制度あるいは考え方の趣旨を踏まえながら、その中で地方公共団体の自主性を可能な限り尊重する、あるいは資金の効率的な運用を図るというような観点から、統合化あるいはメニュー化というのを進めてきておるという点だけにつきましては御理解を賜りたいというふうに思います。この方向につきましては今後とも一層の努力をしていきたいというふうに考えております。
○神谷信之助君 いまの、大蔵省の方の、異質の補助金を統合する、それで総合補助金化するというのは、これは否定的な見解を持っておられるようですが、しかし、これ大臣ね、この間も参考人の意見の陳述のときに盛岡の市長さんも言っておったんですけれども、国が七割税金を吸い上げて、そして、そこから交付税で落とす分もあるし譲与税で落とす部分もあります。同時に、補助金という形で落とすわけでしょう。だから、その一定の補助金の部分というのは、その金額を国税の分から地方税にしたら、もう初めから自治体にあるわけですよ、財源はね。何も農林省なり厚生省なりに頭を下げて金もらわぬでも、ちゃんとやれるわけです。そして、それに基づいた上で、必要な、国の政策遂行の面からとかあるいは一定の、一地方自治体では困難な事業とか、そういう特殊的なものについて国が援助をする補助金、こういうふうに限定すればいいわけでしょう。言うなれば交付税交付金のように、補助金でひもつきでくるんじゃなしにクリアに……。いまの国民が出す税負担は変わらなくても、地方自治体の方で自由に使う財源をもっとふやそうと思えばふやせるわけです。そのことは、言うたら異質のものですわね。異質のものを一つの総合補助金みたいにするわけです。一遍にそうするというのは困難だろうから、いまとにかく統合メニュー化という方向で若干自治体の選択の幅を広げてきているわけですけれども、さらにもっとそういう意味ではこの総合補助金制度というのを、異質のものを含めて、農林水産省は農林水産省、厚生省は厚生省ということで、ある程度似たようなものをですね、こういうものを集めて、それを初めから渡しちゃうというような方法というのは、盛岡の市長さんにどうじゃと聞いたら、そうやってもらったら本当にもっと自治体のそれぞれの地域の条件に応じた特殊性、特異性を生かした仕事ができると、こういうようにおっしゃったんですよね。私はそこのところを——これはお役人さんに言うてもあかんので、政治家の責任の問題ですから。この点をひとつ自治大臣考えてもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) これは非常に大事なポイントにかかわる質問でございまして、いわゆる地方の時代、これは言うまでもなく集権から分権へ、画一から多様化へ、中央から地方へと、こういう流れであるわけでございますが、それをこれからわれわれは実現をしていこうと、こういう気構えでおるわけですね。 その中で、これをやろうとする場合にわれわれがまず第一にぶつかるのがいまの補助金の問題ですよ。何といってもこの現行の補助金制度というものは、長年にわたるわが国の中央集権方式というものを支えてきた大黒柱でございますから、これにメスを入れない限り、地方分権なんて幾ら言ってみたって、これはもう絵にかいたもちで終わってしまうんですよ。これ、御指摘のとおりなんです。 ですから私は、いま大蔵省から答弁がございましたけれども、百二十件あったものを何十件に整理しましたというような事務ベースの考え方でこの大問題は解決できるものじゃありません。これはもう発想の大転換が根本になければできるものじゃありません。盛岡の市長の言われたという点は、私はまさしく地方の時代というものは、そういう状態を実現することが地方の時代というものを招来するこれはもう基本だと、こういうふうに考えておりましてね。 私はもう一つ、この問題の中で、来年度の予算編成でこれは具体化していきますけれども、とにかく政府の不要な支出というものを思い切ってこれは切らなくちゃならないわけですよね。いやがおうでもこれはせざるを得ない。そういうことを考えた場合に、現在の補助金方式、小さな何百万、何千万についても一々ひもをつけて、膨大な補助申請の書類をつくらせて、東京に二遍も三遍も陳情に来て、これに大変な時間と金を使っておるわけですよ。これにやっぱりメスを入れなければ、いわゆる効率的な政府なんというものはこれはもうかけ声だけで終わってしまう。私は、効率的な政府、むだのない政府というものを実現しようと真剣に考えるならば、現在のこの補助金方式というものに、いままでの事務ベースの発想ではなくて、ただいま私が申し上げたような新しい発想に基づいた政治的なメスを入れなければならない。これはまた当然そうせざるを得ないというふうに私は考えております。
○神谷信之助君 それで、私も現在の状態の中で、そういう総合的補助金制度のような仕組みはないかどうか調べてみますと、皮肉なことに、私どもは憲法違反と、自衛隊は必要ありませんと言っているんだけれども、その自衛隊の、いわゆる防御施設周辺の生活環境の整備に関する法律に基づいて支出される調整交付金、それから電源三法に基づく交付金ですね、こういったやつがあるんですね。 〔委員長退席、理事金丸三郎君着席〕 どっちも大体余り国民から喜ばれていないところだから、そういう特別のお金を、自由に使えるお金を出せるようになっているようなんです。だから現行の制度の中でも——それは名前は交付金ということで補助金じゃないという言い方もありますけれども、実質上はそういうふうになっておるというやつがあるんですよ。 そこで、防衛施設庁の方にお聞きをしますが、この調整交付金の仕組み、この支出の理由、支出先、あるいは充当事業量等どうなっているかという点について、概略ちょっと説明をしてもらいたいと思います。
○説明員(近藤孝治君) 先生お尋ねの交付金は、防衛施設周辺生活環境整備法九条に基づく交付金だと存じますが、この交付金はジェット機が飛行する飛行場、攻撃または射爆撃が行われる演習場、面積の広大な防衛施設等が、その設置運用等によりまして周辺地域の生活環境や開発に広い影響を及ぼしておりますので、これら周辺地域を管轄する市町村が、その行政であります生活環境等の整備を行うに当たりまして、他の市町村に比べてより以上の努力を余儀なくされておると、こういう実情にございます。そこで、これら防衛施設及び周辺の市町村を、特定防衛施設及び関連市町村として指定いたしまして、これらの市町村が生活環境等の整備として行う公共施設の整備につきまして、これに寄与するように交付をするというのが理由でございます。 そこで、この交付の仕組みでございますが、生活環境整術法の施行規則に規定されておりますところによりまして算定をいたしまして交付をいたします。交付を受けた関連市町村は同じく同法の施行令に掲げます公共用の施設の整備をこの交付金で行ってその費用に充てるというようなことになっております。 それから、具体的に執行する場合の手続は、補助金適正化法の規定によりまして執行いたしております。
○神谷信之助君 この五年間の予算額あるいは決算額、これは一体どうなっていますか。
○説明員(米田昭典君) この五年間の予算額、決算額でございますが、予算額につきましては、昭和五十年度が三十億円、五十一年度が五十億円、五十二年度が六十五億円、五十三年度が八十億円、五十四年度が九十五億円となっております。また、決算額でございますが、昭和五十年度の決算額は二十七億五千四百十四万円、五十一年度の決算額は五十二億三千七百五十七万円、五十二年度は六十五億八百八万円、五十三年度につきましては八十億四千七百二十四万円となっております。
○神谷信之助君 これの予算要求をする場合ですね、これは対象は単独事業に対してやるわけですね、この交付金の使途の問題は。だから、各自治体の単独事業の要求のその積み上げ、それからその伸び、それを考えて予算要求の基礎といいますか、計算をするというようにお聞きをしておるんですがそういうことですか。
○説明員(近藤孝治君) 防衛施設が所在することによりまして、その設置運用によりいろいろと周辺地域の公共団体に対する配慮が必要でございます。その理由は先ほど申し上げました。そこで防衛施設のいろいろな変動等あるいは公共施設の地方公共団体における整備の必要等勘案いたしまして、所要額について概算要求をし、予算をいただいております。
○神谷信之助君 だから結局、補助事業に対して充当するものではなしに、自治体のそれぞれの単独事業に対してこれは充当するということになっているんじゃないですか。そういうぼくは説明を聞いたんですがね。
○説明員(米田昭典君) これの充当の仕方でございますけれども、特定の事業に対しまして地元の市町村から御要望がありまして、さらにそれに対しまして特定の事業に対しまして交付するという形のものではございませんで、年間の各市町村に配賦します額を先に算定して決めまして、それが市町村にいきました後に、市町村はある一定のメニューの中から任意に、自分の市町村がやりたいという事業を選択いたしまして実施するというような仕組みになっております。
○神谷信之助君 いまの調整交付金の対象事業というのは、「交通施設及び通信施設」、「スポーツ又はレクリエーションに関する施設」、「環境衛生施設」、「教育文化施設」、「医療施設」、「社会福祉施設」、「消防に関する施設」、「産業の振興に寄与する施設」、この八項目でありますが、細かくないでしょう。非常にばくとしたものだ。だからもう自治体では、いまおっしゃったように、防衛施設庁からは今年度は何ぼといって金が、三千万とか五千万という金がくるわけです。そうして、この八つの項目ですから、ほとんどもう自治体のやる事業入るわけですね。そうすると、もうそれはその範囲内で、まるつぼその金で事業ができると。文化スポーツの事業をやろうと思えばそれもできるし、あるいは下水道の整備事業をやろうと思うたらできると、こうなるわけです。だから、そのうち、下水道なんかのこの補助事業との関係というのはこれはどういう形になりますか。
○説明員(米田昭典君) 下水道につきましては、通常は整備法の八条によりまして、その採択基準に該当いたしますものは、地元から該当の事業を申請いたしてまいりましてそれに対して交付するという、整備法の八条の条項の適用という場合もございますが、そうでない場合で、ただいまの九条を適用してやる場合には、交付した金額の中で地元市町村が下水道事業を整備したいという場合には、その交付金の範囲内でもって計画を立てて実施するということになっております。
○神谷信之助君 いまそういうお話ですがね、具体的に言いますと、大臣、こういうふうになるんですよ。建設省がやる下水道事業に対する補助事業というのは、いわゆる管口の口径の大きいやつですね。枝管は補助対象になりません。建設省が補助対象にしている分も、結局補助対象率があって足切りがありますし、補助率も十分の六ですよ。そこからずっと各家庭へいく枝管の方ですね、建設省では補助対象にならないいわゆる地元負担になる分は、これはいまのこの調整交付金で負担をすればいいわけですね。こうなるんです。だから、それに使ってもよし、体育館つくるのに使ってもいいし、あるいは産業の振興に寄与する施設に使ってもいいと、こうなるわけですね。これはまあ言うたら総合補助金なんですよ。これが現実にあるわけですね。電源三法の場合は期限がありますけれども、これは自衛隊がある限りあるんですよ。だから自衛隊出ていけと言って運動やったら損するということになるから、うまい仕掛けだと私は思うんですよ。こういう、都合のいいところでうまいこと総合補助金制度をもうすでにやっているんですね。これをぼくはひとつ考えてもらいたいと思うんです。 補助金便覧というので補助金をずっと調べてみました。例のごつい五十三年度の補助金の便覧で見ますと、厚生省は百七十六件あるんですね。さらにそれをずっと細かく、とにかく細かいのがようけあります。文部省関係の補助金も百二十三件、費目別にいうとあるんです。そのうちで、設備費を除いた施設整備関係の補助金、これ見ますと、二十件あります。たとえば高等学校産業教育施設整備費補助金とか、社会教育施設整備費補助金とかいうようにありますね。二十件あります。これも一括しちゃってそして交付する、一件一件やるんじゃなしに。という方法もこれはある。あるいは農業関係、農林水産省関係の補助金の場合も、ある程度一括しちゃって、そして自治体が自主的に使う。いまのようにちゃんと金は何ぼと、それについて今度はこれに使いますというやつを後から報告してまた決算を出すという仕掛けにすれば相当できるわけですね。それで防衛施設庁のやつはもっと広範囲に、もうほとんどの自治体の事業はこれですぱっといく。仕組みはあるんですよ。ですから、頭からすぐ国税を地方税に移すと、これをやると、税制調査会の結論を得なきゃいかぬからこれはなかなかむずかしいでしょう。これはなかなかできぬ、こんなものは。当面、これがあるんだから、それはこういう形でやって、自治体が自由に使える自主財源の一部にしていく。まあ農水省から来たようなやつを文部省関係の学校の方に使う、それはいかぬというやつはある程度当面はあるかもしれぬが。そういう総合化ですね、自由に使える方法、これはひとつぜひとも検討して実現を図ってもらいたいというように思いますがいかがでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほどもお答えしましたように、私は方向としてはどうしてもそうしなければならぬと、こういうふうに考えております。ただ、これを実施するということになりますると、とにかく精鋭な、頑強な日本のビューロクラシーというものが、これはもう猛然たる抵抗を示してくることは、これは火を見るよりも明らかでございますから、問題は、内閣なり自由民主党という政党がこのビューロクラシーにどれだけ抵抗できるかということだと思うんです。しかし、これはやらなきゃいかぬ。どうしてもこれはやらなきゃいかぬ。ぎりぎりそういうところに追い詰められてきていますので、窮すれば通ずという言葉がございますが、私はやっぱりこれはもうやるチャンスだと、こういうふうに考えております。 〔理事金丸三郎君退席、委員長着席〕
○神谷信之助君 次に、財源対策債関係の問題に移っていきたいと思います。 五十一年度の建設地方債八千億円についての措置の問題ですが、これは元利償還費の交付税算入分が一〇〇%分と八〇%分、これ分かれておりますけれども、その理由はどういうことでしょうか。
○政府委員(石原信雄君) 財源対策債は、従来交付税等の一般財源によって措置されておりました財源を地方債に振りかえたものでありますが、その経緯からいたしまして、振りかえられたその起債の元利償還につきましては、従来交付税によって措置されたものと均衡を失しないようにする必要があると、こういう考え方に立って兄君償還の算入率を定めております。 具体的に申しますと、たとえば港湾費の例で申しますと、従来五十年度の当初までの措置の仕方としては、地方負担額の二〇%を地方債を充当する、その地方債の元利償還金につきましてはその三割、三〇%を元利償還に算入しておりました。それから六〇%相当を事業費補正の形で基準財政需要額に算入しておりまして、それから二〇%相当をいわゆる標準事業費のような形で交付税算入しておったわけです。そういう区分になっておりましたが、そのうち、事業費補正で偉人しておりました六〇%部分と、標準事業費で計算しておりましたもののうちの一五%相当を財源対策債に振りかえたわけであります。そこで、この従来事業費補正で算入しておりました六〇%分と標準事業費で算入しておりましたもののうちの一五%分、合わせて七五%分につきましてこれを振りかえたものがいわゆる財源対策債であります。そこで、この七五%分の元利償還については、一〇〇%これを基準財政需要額に算入する。そうしますと、根っこの二〇%分が従来からの分がありますから、起債全体で見ますというと、九五%の起債充当に対しましては六六%を算入するということで従来と同じ扱いになると、そういうことでありまして、振りかえられた七五%分だけをとって見ますというと、それの八〇%を算入することによって従来交付税が十分あった時代の財源措置と同じ結果になるようになるわけです。 一方、たとえば義務教育債の場合で申しますと、もともと七五%を起債充当しておりまして、そして二五%を標準事業費で計算しておったわけでありますが、財源対策債としてはその二五%のうちの二〇%を財源対策債に切りかえたわけであります。その二〇%分については一〇〇%算入をすると、こういう扱いにしております。したがいまして、もともと起債を充当し、それの一部を交付税算入するという方式をとっておりました部分が多いか少ないかによりまして財源対策債に振りかわっていく部分が違いが出てまいります。そこで、起債全体として見ますというと、その振りかえの程度の大小によって算入率に差が出てくるわけでありますが、考え方としては、従来交付税によって財源措置をしておりました部分は、すべて従来の交付税措置と均衡を失しないように、すなわち一〇〇%元利償還を算入すると、こういう考え方に立っておるわけであります。
○神谷信之助君 まあいまおっしゃったように、単位費用で二〇%分を見ておったのを結局五%に抑えて、そして一五%を財源対策債の方へ回すということで、それで八割は算入するということですけれども、大体一般財源として保障すべきものが、国の財源不足のために八千億の負債振替分、これを生み出すために単位費用を二〇%から五%に下げたわけですね。だから、本来一五%分というのは、そういうひもつきではなしに自治体の自主財源として全国に配賦されるべきもの。ですから、それは本来はそういう自主財源としてやってきたわけですから、その分があるからということで一〇〇%保障しないで八割に抑えるということは、将来にわたってそれを政府が保障しないということに一つはなるんじゃないかという点が一つです。 それからもう一つは、各自治体に交付税として、いわゆる自主財源として交付をする金が単位.費用をそれだけ切り下げたわけですからそれだけ減っているわけです。逆に振りかえをやるわけですから、事業をやっているところとやっていないところというそういう差が生まれてくる、格差が生まれる。ですから、これは一般財源を保障するという交付税自身の本来の性格を崩していく措置であるわけです。しかもそれが単年度——先ほども冒頭にちょっと言いましたけれども、緊急措置、応急の措置として五十一年度限りでやられたというならまだそれは緊急避難的なそういう理由もそれはそれなりの理由として成り立ち得るでしょうけれども、ずうっと以後それが続いてきているわけです。こうなりますと、結局建設事業をより多く行う自治体に重点的に配分が行われるということになって、これがずっとこれからも続いていきますと、ますます交付税制度に矛盾をもたらすものではないかというように思うのです。で、財政力とやっぱりこの事業総量といいますか、事業費総額といいますか、それとは一定の相関関係があるというのは、自治省の方の論文にも出ておりますが、そういう点で、一年なり二年なりならばわかるけれども、これがずっとそういう形でこれから以後五十四年度のことしの分まで含めまして同じような措置がなされるということになってくれば、そこに新しい矛盾が生まれるのではないかという指摘も出ていますが、この辺についての見解、いかがですか。
○政府委員(石原信雄君) 財源対策債の導入に伴いまして、個々の地方団体に対する財源措置の面で異動が生ずるという御指摘は、そのとおりであります。ただその点は、先ほどもちょっと一つの例で申し上げましたが、たとえば先ほど引用した港湾費の例などで申しますと、従来でも地方負担額のうちの二〇%は地方債で措置しておりました。それから六〇%は事業費補正で措置しておりましたから、その部分については、起債に振りかえましてもやはり事業を現実に行ったところに財源措置がいくわけですから、財源帰属に変更はないわけです。問題は、従来標準事業費で措置しておりました二〇%部分のうち一五%が起債に移りますので、その部分については確かに変更が出てまいります。このような変更が現在は当分の間の措置として起債振りかえが行われておりますから、これはできるだけ早く標準事業費で算入できるような状態に戻すべきである、戻すことが望ましいと考えております。しかし、こういう事態が非常に長く続くということになりますと、確かに一五%部分については財源措置の仕方が変わってこざるを得ないということはこれは否定できないと思います。
○神谷信之助君 それじゃその点はひとつ、今年度から五十一年度分始まっていくわけですから、後、ずっとどうするかという措置、検討される場合に留意をしてもらいたいというように思います。 次の問題に移りますが、次は文部省にお伺いしますが、児童の急増市町村に対する義務教育の用地費の補助問題です。 小中学校の用地に対する特別の財政需要にかんがみて、四十六年度から用地費の三分の一補助ということになりましたが、この補助金が三年分割で支払われているんですね。この点は一体どういうことでしょうか。用地を買うのは一遍に買いますからね、支払いは。ところがそれに対する補助金が三年分割で来るというのは一体どういうことになっているんでしょう。
○説明員(横瀬庄次君) との補助金は昭和四十六年度に設けられた制度でございますが、考え方といたしまして、いまの三年分割になっておりますその理由は、この学校の用地費補助というのは、児童生徒の急増の市町村のみに適用されている制度でございますが、終局の目的は教室の不足の解消を図るというためにあるわけでございますので、補助の最終的な目的といたしましては、校舎を新増築するというところまでが補助の条件になるわけでございます。それで、一般に学校の整備の実態といたしましては、最初に用地を買収いたしましてそれから造成をして校舎の建築が行われると、こういう順番になっていくわけですけれども、用地取得のときから完成するまでの間が大体三年ぐらいかかっているというようなことから三年の分割交付になっているわけでございます。実際問題として、そういう事情で四十六年度から始まったわけでございますけれども、それ以後八年ぐらいたちまして、大分補助金としては充実しているわけでございますが、実際の事務上の問題といたしましても、学校用地というのは、地権者と交渉するというところから始まりましてその土地が完全に確定するまでには学校建築後三年ぐらいまでどうしてもかかる。その間に、学校用地と一応予定したものについて、それが結局は学校用地以外の目的に使用されてしまうというような例もかなりありますので、事務的には三年ぐらいに分割してやっておりませんと非常に不便だといいますか、逆に分割しているためのメリットというものがあるということは、一般的に市町村の事務担当者あるいは都道府県の関係者からはそういう声が出ております。しかし、実際問題として四十六年度当時の事情といたしましては財政上の理由から単年度で一括して補助金を交付するということができなかったという事情もあろうかと思いますけれども、現在といたしましてはそういう制度で定着してきている実情にあるということでございます。
○神谷信之助君 用地の購入の交渉から実際に支払いまで三年ぐらいかかっているのだからこれでいいのだということでしょう、一つは。おっしゃる理由は。そういうところもあるでしょう。たとえば私がちょっとこれ調べてみましたが、京都の城陽市の場合ですがね。今年度に第三中学と第十小学校、この用地を購入することになっているのですね。それで、これはこれから三年間だから三回にわたって補助金が来るわけですよ。ところがこれ購入する代金の方は一括払わないかぬ。そのため二年度分以降の補助相当額分というのはつなぎ融資で、いわゆる縁故債ですね、しかも枠外債ですから大体金利がばかにならぬと、こう言っています。実際に金利がどのぐらいになるかというと、五十五年度は一千万円、五十六年度が約五百万円、こうなるというのですね。そうすると、この一千五百万というのは、利子だけでそれだけですからね、これはむだですよ。むだ遣いなんだ。だから、おっしゃるような例のところにはそれは三年分割して上げるのもいいでしょう。現実にそうやって一括購入して代金を払うというところに対してはそれにふさわしい補助金の交付の仕方をするか、あるいはその補助金の中にこの千五百万円の利子分も含めるようにするかしなかったら、何のための三分の一の補助制度になっているかということにもなるわけでしょう。だからこれをひとつ検討して、制度的に確立をしていく必要があるというように思うのですが、この点いかがですか。
○説明員(横瀬庄次君) いま御指摘のように、自治体が単年度で取得しました場合の二年目それから三年目の補助金交付までの金利については、現在のところ補助対象にしておりませんが、この補助制度が、一般の市町村には適用がなくて児童生徒急増市町村だけに限られた特例、本当の特例の措置であるということと、それから、これまでのところ、該当市町村の計画をすべて採択できるだけの事業量を確保することがまず先決であるということと、そういう何といいますか、限られた財政の中でどの問題を優先して採択していくかというそういう問題になろうかと思います。そういった意味で、これまで金利の問題については補助対象にしてこなかったことでございますし、現在の状況の中でも、さらに事業量の確保というものが非常にむずかしい状況にもございますので、金利の問題まで考慮するのは大変困難だと存じますけれども一、地方負担軽減のための一つの研究課題であるということは認識しております。
○神谷信之助君 いろいろ理由はあるでしょうけれども、とにかく千五百万円は銀行に利子としてもうけさせているだけなんですよ、いま言いましたように。第二年度一千万円、第三年度五百万、利子だけですよ。こんなばかな金の使い方はないでしょう。こういうのはようけあるんですけどね。これはひとつ本当にやらないと、片っ方で赤字赤字なんて言って、こういうものはようけあるんですからね、補助金の問題では。 それからもう一つお聞きしますが、いわゆる足切りですね。交付率を設けておりますが、その足切りを設けた理由は一体どういうことでしょう。
○説明員(横瀬庄次君) この学校の用地費の補助につきましては、先ほど申しましたように一般的な市町村に対しては適用がないということで、児童生徒の急増市町村についてだけ行われているということでございます。その理由は、当然ながら児童生徒の急増に対処するために一時に多大の財政負担を強いられることになる、その分について補助をしようというのがその趣旨でございます。そういった意味から、補助の対象とならない一般の市町村と急増市町村のバランスといいますか、そういうものを考える場合には、いわば急増市町村の負担している用地費のうち、一般市町村が普通に平均的に負担をしているものまでは一般の市町村と同じでございますから、それを超えた部分について補助の対象にする、そういう趣旨でございます。その割合を数学的に算出いたしまして昭和五十一年度から一まあ当初は四四%ということでございましたが、五十一年度から〇・七になりまして、本年度の予算で、これを引き上げよという非常に強い市町村からの要望がございましたので、算出根拠をもう一度見直しました結果〇・七五に引き上げたわけでございます。
○神谷信之助君 これは、いまの理由は私は理由にならないと思うんですよ。人口急増地域では一遍に大量の学校建設が必要だと、義務教育ですから建てなきゃならぬですね。ですからそういうことで特別の補助制度をつくろうということで三分の一の補助制度をつくったと。ところが実際は足切りやっていれば四分の一の補助になるわけですね。そういうことになるわけでしょう。そこで一般の市町村とのバランスをとるというのは、これは私は法律のてまえからいってもおかしいと思うんですよ。他の一般の市町村とのバランスをとろうと思えばそれは別の手段で考えればいいことだ。つまり他の一般市町村に対して、それだけ低いというならばそれだけ措置をすればいい。あるいは人口急増都市にバランスを置いて、それはまともに三分の一やったらやり過ぎだというのだったら、初めから四分の一にすればいい。そういうものですよ。三分の一にしておいて、それで三分の一まるっぽ見たら一般の市町村から差があるのでそれは足切りをするんだと、それは理屈が通らぬ。足切りをする部分は、別の措置を講ずるべきなんです、一般の市町村には。そのかわり一般の市町村には四分の一しましょうと。そのかわりこっちは三分の一、一〇〇%ちゃんと対象にしましょうというようにするのがあたりまえであって、法律上は三分の一補助や言うて、いかにも人口急増地域の市町村の要求にこたえたようにしながら、実際にはそれだけの補助をしないというのはペテンなんだ。私はこの点はひとつ考えてもらいたいというように思います。 これは文部省だけの問題ではありませんけれども、こういう問題は私はちょっと重要な問題だと思うんですが、自治省にその点お伺いしますが、こういういわゆる足切り論ですね、まあ公共下水道の補助率などいろんな面で、そういう足切りできわめて不当なものが多いというように思うんですが、これについて自治省としての考えは一体どういうようにお考えですか。
○政府委員(森岡敞君) 四十六年度にこの用地補助をつくりますときに、端的に申しまして大蔵省はもう猛烈な反対をしたわけです。本来用地というのは、市町村が取得をすれば未来永劫にわたって持てるもので、財産価値が減るわけじゃない。むしろ地価が上がれば上がるものじゃないか。それに対して補助をするということはもう基本的になじまないという強い意見がありました。しかし私どもは、人口急増地域というのは、みずから好んで人口急増地域になっているのじゃないので、やっぱり社会的な要因によってそうなっているわけです。しかも、従来あった土地に建てかえるというものではなくて、まさしく土地を買って建てなければ建てようがないわけですから、それは違うんだということで強く文部省と一緒に主張したわけですが、およそ土地に対する補助金というのはなじまないという強い反対がありまして、先ほどの三年分割といい、足切りといい、結局オブラートに包んで飲みやすいようにしたというのが当時の最初の経緯でございます。 ですから、私どもはこの足切りといい、三年分割といい、できればこれはもう単年度補助にし、また足切りもなくするということが望ましいということで、文部省にもその旨のお願いをし、ずっとやってまいったんですが、いかんせんこれ五十年代に入りまして国の財政がパンクしそうだと、こういう状況になりましたので、この時点で理想的な形に持っていくといいましてもこれはなかなかむずかしい。しかし、その中でも先ほどお話しのありましたように、七割の足切りを七割五分に文部省努力していただいたわけでございます。引き続き国の財政の状況を見ながら、要求すべき点は大蔵省に強く文部省と協力して要求してまいりたいと、かように思います。
○神谷信之助君 まあこれは文部省だけじゃなしに、建設省の関係、厚生省の関係、幾つもありますからね。自治省も毎年各省にこの補助対象率の問題では申し入れもなさっているようですが、いずれにしても、先ほど大臣の方も、来年度に向けて腹を決めて全体として立て直しをせないかぬというわけですから、やっぱりそういう不合理なものは改善をしていくというように、思い切ってあらゆる面にわたってひとつ検討してもらいたいというふうに思います。 それから、もう一つこれで文部省に聞きますが、用地費の予算単価が四年間引き上げられておりません。五十年度二万八千五百円、平米当たり。そうですね。五十四年度も。この理由は一体どういうことなんだろうかという点ですね。これは交付税の単価に影響してくるわけですが、こういう点についての調査はどういうようにやっておられるのか、この点はいかがですか。
○説明員(横瀬庄次君) いま御指摘のように、昭和五十四年度におきます用地取得費補助の単価は、五十年度から据え置いておりまして、平米当たり二万八千五百円というような単価になっているわけでございますが、これは実際の用地の取得に関して、実際に補助を行います場合には、当然ながら実買収単価とそれから地価公示価格とを基準とした価格、いわゆる鑑定価格が普通でございますが、その価格のどちらか低い方を額として補助単価にしております。これは一般的なやり方と同じでございます。 そういうやり方で五十年度から——まあその前からやっておるわけですが、五十年度からの数値を見てみますと、毎年当然ながら買っているところが違いますので平均単価がだんだん変動していくわけですが、五十年度三万六千円程度が全国の実績の平均値でございましたのが、五十一年度三万円ぐらいになりまして、五十二年度は二万九千八百円、五十三年度も平均値が二万九千八百円ぐらいでございます。したがいまして、もしこれが補助実績が上がっていくようでしたら当然要求していかなければならぬわけでございますが、だんだん予算単価ともほぼ同額になってまいりましたというような経過をたどっておるものですから据え置きになっているというのが実態でございます。
○神谷信之助君 五十四年度は、この間の発表でもまた地価は上がっていますからね、これ、上がってくるわけですから、予算単価をこのままにしますと交付税の単価に影響してくるわけですね。ですから、この点はひとつ実際に即してちゃんとしてもらわないと自治体の方は大変迷惑するということになりますから、この点だけ指摘をしておきます。 それから、これも自治省の方にお伺いしますが、道路公団等の有料高速道路に対する固定資産税課税問題、もう最近数年間その都度指摘をしているわけですが、建設省と協議中ということですが、この五十四年度にも解決をして実施ができるようにしたいというのが昨年の回答でしたが、まだ五十四年度は実現をしていないという状況で、五十五年度には少なくとも解決して実現をするという見通しはあるのかどうか、この点だけお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 有料道路に関する負担問題につきましては、ただいま御指摘がございましたように数年来論議が行われまして、たびたび国会でも審議をわずらわしておる次第でございます。私どもとしても何とか解決をしたいということで、特に昨年、関係省のほかに学識経験者とか地方団体の代表あるいは日本道路公団等も含めまして、有料道路負担問題検討委員会というのが設けられまして、この委員会を中心に六月以来ずっと、有料道路の性格と負担のあり方とかあるいはその方法等につきまして検討を続けてきたわけでございます。せっかく昨年はこの当地方行政委員会で附帯決議等もいただいたわけでございまして、何とか五十四年度で解決したいということで努力をいたしましたが、残念ながら五十四年度予算までには間に合いませんでした。 しかしながら、私どもとしては、関係省庁非常に対立した意見でございましたけれども、何とかこれまとめたいという機運が昨年に比べてこのいろいろな検討委員会の討議を通じて熟してきておるというふうに感じております。何とか五十五年度の予算要求までにはこの附帯決議の趣旨に沿った方向で解決をしたいという気持ちを持っております。
○神谷信之助君 それでは、その次の問題に移りますが、国鉄のローカル線問題です。 ことしの一月の二十四日に運輸政策審議会のローカル線問題小委員会報告、これが出ました。その内容の主要点は、ローカル線のバスへの切りかえ、あるいは特別運賃制度の設定、あるいは地方負担、これなんかを挙げておられるわけですが、運輸省としてはこの答申をどう受けとめてその具体化をどのようにお進めになろうとしているのか、この点、まずお伺いをしたいと思います。
○説明員(丹羽晟君) お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のとおり、ことしの一月に運輸政策審議会の委員によります国鉄地方交通線問題小委員会の報告が出ました。それで、その内容につきましてはいま先生おっしゃったとおりでございますが、基本的には国鉄の方へ残すべき路線と、それから、そうではなくて、バスなり、それから地元が御希望になりますときは第三セクターなりその他の民営鉄道の方へ転換するというようなことを考える、そういうことを内容といたします報告でございます。 それで、そういう御提案があの報告ではございましたが、私どもの方は、いまこの報告書の趣旨に沿いましてその内容を具体的に詰めておる段階でございます。ただ、この内容につきましては、関係します地元に対しますいろいろと影響の大きな問題でございますので、関係省庁ともいろいろ御相談しながら慎重に進めたいと考えております。
○神谷信之助君 自治体負担については具体的にどうお考えなんですか。
○説明員(丹羽晟君) ただいま申し上げましたとおり、私どもはいまこの報告書を受けまして、その中身につきましていろいろと具体策をどのようにするかというようなことを検討している段階でございます。 それで、この報告書の内容につきましては、国鉄へ残る分に対する助成とそれから国鉄から離れる分につきましてのバス輸送なり鉄道輸送なりへ転換した場合の欠損補助等に対する助成と、この報告書の内容にはそういうことが触れてございますが、私どもの方はいまその問題につきましてどのような助成の内容にするのか、その助成の要否、内容、そういったような制度のあり方につき一まして、関係省庁とも御相談しながら進めたいと考えております。
○神谷信之助君 五月の九日から十日にかけての報道によりますと、工事中の路線についてその工事をそのまま継続をするか中断をするかという問題について関係府県の知事の意見を聞くというようなことが報道されていますが、これはどういうことですか。
○説明員(黒野匡彦君) いま財政課長の方からお答えいたしましたとおり、国鉄の地方交通線問題につきましては検討中でございまして、政府としての方針がいまだ出るに至っておりませんが、いわゆるAB線、建設中の国鉄新線につきましては、明らかに建設後開業に至りますと赤字が出るということが一点と、仮に完成後地元に選択をゆだねた場合に、バスの方がいいという結論が出まして、結果において投資した分がむだになるという二つの問題がございます。したがいまして、AB線の工事の進め方につきましては、従来にも増して慎重にやっていきたいと、かように考えております。そのため五十四年度から具体的な工事のやり方を再検討しようと、かように考えまして、その一環といたしまして県知事さんのお考えはいかがですかということをお尋ねした、かような経緯でございまして、五月の十一日付をもちまして各県知事さんあてに文書を出してございます。
○神谷信之助君 これは自治省の方は相談を受けて承認をしたわけですか。
○政府委員(森岡敞君) 運輸大臣から、いわゆるAB線の建設につきまして地元の知事の意見を聞きたいというお話は伺いました。私どもといたしましては、AB線の建設問題は先ほど来御指摘の地方交通線の対策といわば表裏一体の問題でありますので、この地方交通線をどのように措置していくかということは国鉄財政再建のやはり一番大きな課題の一つであると思います。そのような観点からAB線の建設についての知事の御意見を伺われるということは、これはやはり運輸省当局としては当然のことではなかろうかという感じで受けとめております。 ただ、運輸大臣の御親書でございますので、その内容については、私どもとやかく申し上げておるわけではございません。
○神谷信之助君 では、自治省に尋ねますが、そういう場合、それでは自治体の方で負担をしましょうということで自治体が負担をするということになれば、これは地財法の二条あるいは地方財政再建促進特別措置法の二十四条の二項ですね、これとの関連でどういうことになりますか。
○政府委員(森岡敞君) 国鉄自体の経営に対して地方公共団体が財政負担をするということは、御指摘のように地方財政再建促進特別措置法第二十四条第二項において現に禁止をいたしております。したがいまして、私どもは、その基本的な仕組みというものはこれは堅持すべきだと思っております。 次に、第三セクターあるいは民間経営によりまして地方交通線を維持していくというふうな仕組みが仮に実現していくというふうな段階になりました場合に、地元の財政負担というものを求められた場合にどうなるのかということでございますが、これにつきましては、私どもは現在の国と地方との間の事務及び権限の配分、それから財源の配分の実態から申しまして、地方公共団体が財政負担を義務づけられるというふうな仕組みをとることは反対でございます。また、その余裕もないと考えております。
○神谷信之助君 この問題は、五十二年の十一月の一日の当委員会で質問したとき、当時の小川自治大臣も、今日の地方財政の実態からいえば、法律的にもいかぬけれども、あるいは第三セクターその他の形態にしても、そういう財政負担をするような余裕はないと、したがって、「自治大臣といたしまして主張すべきことは主張をするつもりでございます。」という答弁がなされています。ですから、第三セクターという形態にしましても、まあ言うなれば一種の脱法行為ですからね。形態をいろいろ、形を変えても実際には国鉄に対して負担をするということになりますし、現在の財政状況からいっても、これは無理があるというように思う、わけです。 そこで、もう一つ運輸省にお聞きしますが、昨年の十月に鉄道建設審議会で京都の宮津——福知山間の宮福線ですね、これとそれから越美線というんですか、これの工事線昇格が答申をされました。それに関連をして、運輸省の事務当局の方が、地元の方でこれについては特別運賃の設定、あるいはなおそれでも赤字になれば関係自治体が助成をすると、援助をするという了解も得ているということが事務当局の方から述べられて、そうして工事線の昇格になったというように聞いておるんですが、この点は事実でしょうか。
○説明員(黒野匡彦君) いま先生御指摘のように、昨年の十月に鉄道建設審議会で両線の審議をいたしたわけでございますが、実は先ほど財政課長の方からお答えいたしました国鉄地方交通線問題小委員会の最終報告の前に、五十二年の一月でございますが、中間報告というのが出ておりまして、この中で地方交通をどうするかといういろいろな提言がございます。その一つが、地方のローカル線を国鉄線として残すならば、いま先生がおっしゃいましたように特別運賃あるいは国、地方公共団体の助成という手も考える必要があるのではないかという提言が一つの案としてございます。それにつきまして、当時この両線を工事線にするか否かについて関係地方公共団体と議論いたしましたときに、この考え方について賛同をいただきまして、それを鉄道建設審議会の場で御説明は申し上げました。しかしながら、最終報告の形におきましてはこの案が消えまして、第三セクターとして鉄道を維持すると、その際に所要の公的助成を行う、かように案が変わってきておりまして、当時、昨年の十月の鉄建審の場で御説明したときと現在とはその辺大きく事情は変わってきているということを申し上げておきます。
○神谷信之助君 まあ事情が変わったかしりませんが、大臣、これは地元の住民からは、おくれた地域といいますか、後進地域に対してその開発といいますか、振興のためにも鉄道をつけてくれというのはもう長期にわたって念願になっていますね。ところが、いまの国鉄の財政ですから財政的にはそうはいかぬ、もし赤字が出た場合には運賃を特別運賃にしてよけい出してくれるか、なおそれでも赤字ならば地元が負担をしてくれるかと言われれば、地元の方は、そういう住民の期待にこたえるためにも、とにかく何でもつけてもらったら結構だと、それでよろしいと、こういうことになりますね。だから足元につけ込んでというか弱味につけ込んで、地財再建法の二十四条二項に違反をするようなことを少なくとも運輸省がやるべきではないと思うんだけれども、現におやりになって、そうおっしゃいますからそういうことを申し上げて工事線に昇格しますと、こういうやり方。まあいまは、自治省の方からも強いその点についての批判が出た。そこで第三セクター方式でならばよかろうという方向にいま変わってきつつあるわけですね。 しかし片一方では、京都の宮福線の場合でも、これはもうそれこそ二十年来からの強い要求です。しかし、全体としては経済性を中心に工事の順番が決まってきますから、えてしてどうしても新しい新工業地域とかそういうところにはどんどん工事線は進みますけれども、あるいは新幹線なんかのように一定の収入、経済性が保障されるというところは進むけれども、ローカル線なんかではほったらかしになってしまう。それがますます過疎を助長する。だから自治体の市町村長さんなんかは、しかしその中でも何とかふるさとの振興を図るためにも、あるいは若者の定着を考えるためにも、何とか通勤可能な範囲というやつを広げていく、それで鉄道の建設を要望される。要望すればおまえら金出すかと、こうなるんですね。 ですからこの辺は、現に法律でそれが禁止されている行為ですからね、この問題の解決は解決で別途これは自治省と運輸省とも協議をし、政府の責任で、この問題は全体の再建の問題とも関連をするわけですが協議をしながらも、しかも地域の、地元のそういう要望にこたえる道というのを自治省自身もひとつ考えてもらわないと、それでなくてもいままで差別をされて取り残されて過疎に悩んできたわけです。地元だけの利益になるんだから地元負担をするのはあたりまえだというようなことで言えば、東海道線にしろ全部そうなんです。そのときは別にそういうことはやらないで、そういう取り残されて実際にはつくっても赤字になるかもしれぬというようなところにさらに一層の負担を強いるというのは、これは全体の面から言いましても公平を欠く、そういうことになるおそれがあるというように思いますので、こういった点も含めてやっぱり自治省あるいは自治大臣としてもこの問題について運輸省と十分やってもらう。知事に運輸大臣が親書を出すんですから、それは運輸大臣自身のおやりになることで、自治省としてあるいは自治大臣としても干渉がましいことはできないかもしれぬけれども、しかし弱い立場にある知事の皆さんですからね、これあんた、そんなんやったらもう要りまへんと言うわけにはいかぬわけですね。もうそういうことが見え見えなのにあえてそういうことをやられるということにも私ども合点がいかぬわけで、この辺やっぱりそういう弱い立場にある自治体をカバーをして、自治省なり自治大臣の方で食いとめてもらわないと、なかなかこの問題、私はさらに尾を引く問題になってくるんじゃないかというように思いますので、この点についてのひとつ見解を最後にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) この問題も非常に厄介な問題でございまして、とにかく鉄道もないという地域に住んでいる住民、何とかして鉄道を引いてもらいたい。ところが国鉄の方は御承知のとおりの大変な赤字でございますから、大体もうつくりたくないわけですから、どうしてもつくってくれというならば赤字の幾分かは負担してくれと、こういうことになっていっているわけですね。まあ筋道から言えば、御指摘のように法律が禁止しているわけですから、出すわけにはまいりませんと言うことはこれはきわめて簡単なことでございまして、私どもも原則としてはそういう立場で臨んでおるわけでございますが、問題はやはり、まさにピンチに立っておる国鉄をどう再建するかという問題と、そういう中で鉄道もない地域に住む住民の鉄道を引いてほしいという期待にこたえなければならぬという一方において要請がございまするし、まあそういった非常に複雑で困難な問題ではございますけれども、私どもはあくまで地方自治体という、弱い立場に置かれておる地方自治体というものの立場をあくまでも私どもカバーしながら、運輸省とも十分ひとつ話し合いをして解決のめどをつけてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○神谷信之助君 終わります。
○藤井恒男君 最初にお伺いしますが、全国地方自治振興協会というのはどういう団体であるかお聞きいたします。
○国務大臣(澁谷直藏君) いま、ちょっと官房長を……。
○藤井恒男君 そうですか。それじゃそれは官房長来てからにしましょう。官房長が来た時点で合図してください、その時点で御質問します。 じゃ、別な角度から質問さしていただきますが、すでにもう何度も議論に上ったように、地方財政は大変な危機を迎えておるわけです。昭和五十年度以来財源不足額が雪だるま式にふえて、五十四年度には実に四兆一千億もの財源不足が見込まれるという状況になっておるわけですが、こういった中で政府は同じような財源充実策を繰り返し、千八百億円の臨特と一兆八百九十五億円の借入金の国負担分を除いた分はすべて地方負担によって措置されるということになっておるわけです。この五十四年度において、またも私どもから見ますといわば場当たり的な措置にとどまっておるという印象を受けておるのでありますが、政府は行財政制度の抜本改正がなされるまでの臨時応急的な措置であると言っておりますが、政府の意向とは別に、地方においては安定した行政サービスを行うために苦しい財政の中で懸命な努力を続けている。一刻も早く地方行財政制度の抜本改正に着手すべきであるというふうに思っておるわけですが、まずこの点について大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 地方財政再建の問題は、まさしく御指摘のとおりでございまして、もうこれ以上遷延は許されない状態にきておると考えておりまして、来年度の予算編成の中で、行財政の抜本改革に着手をしたいと、このように考えております。
○藤井恒男君 今度のこの法案審議に当たりまして、各委員からすでに指摘されておることではございますけど、このような状況の中で、言うまでもなく地方交付税法第六条の三第二項で、引き続き財源不足となれば、交付税率の引き上げを行うかもしくは地方行財政制度の改正を行うかが義務づけられておる。こういったことから、後ほど私ども四党による共同提案で修正案も提出することになっておるわけだけど、この四〇%への交付税率の引き上げという私どもの主張について大臣は、衆議院の段階での答弁で、大蔵省から出された赤字地方債の発行と相打ちという形で断念せざるを得なかった、こういうふうな答弁をなされておるわけです。私どもは、法律で規定されている義務を履行するという立場に置かれておるにかかわらず、相打ちだから仕方がないというのではこれはちょっと筋が通らない。大臣大変な御努力をなさったことだとは思いますが、相打ちということで断念するというのは、これいかがなものだろうかという気がするわけだけど、どうでしょう。
○国務大臣(澁谷直藏君) その点は私も、現在においてもなお残念だと考えております。あくまでもやはり法の示す線でオーソドックスな対応を私はしたかったということで、最後まで大蔵大臣とも交渉を続けたわけでございますが、いかんせん肝心な国の財政状態がもう火の車という状態でございまして、私どもの主張をどうしても貫徹することが不可能であると、こういう事態になってまいりましたので、涙をのんでわれわれの主張を取り下げたと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○藤井恒男君 昭和五十年度から毎年行われ、そして今回も行おうとしている財源充実策を、政府としては制度改正と理解しておるのかどうか、どうでしょう。
○国務大臣(澁谷直藏君) 制度の改正の一種であるというふうに理解をしておるわけであります。これがそうでないということになれば、これは法律違反であるということになりますから、私どもは法の示す法改正、制度改正の一つの種類であると。しかし、これは一つの種類ではありますけれども決して十分なものではない。非常な欠陥を持った一つの対応策である。したがって、これはあくまでも暫定措置であると、こういうふうに考えております。
○藤井恒男君 私どもは、これは現在の段階の——まあ大臣正直だから正直にお答えになっておるわけだけど、現在のこの状況を取りつくろっているだけのものであって、私どもは制度改正とは見ていない。制度改正ということであるなら、地方行財政制度の改正という形をとるなら、やっぱりせめて後年度に負担する分は国が負担する、国が負担していくんだというのが私は当然だというふうに思うわけなんで、昭和五十年度から五十四年度まで交付税、譲与税特会の借入金にかかわる元金償還額、そして五十一年度から五十四年度までに発行された財源対策債の元利償還金、これらそれぞれについて国が補てんしていくというような考え方、そういったものはおかしなものなのかどうなのか、いかがなものでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 交付税特会の借り入れを全額国庫が負担をする、また、財源対策債の元利償還金について国が全額その元利償還費を特別の臨時特例交付金のような形で財源措置をすべしと、こういう御意見だと思います。そのことが不当な提案であるかどうかということでございますが、私は、国の財政がそれを許すならばそれは一つの行き方だと思うのでございますが、しかし、何と申しましても、いまの財政の実態から言いますと、これはもうとうてい国家財政としてはそういう措置はとれないだろうと思います。ですから国、地方を通じました両方の財政の状況を考えました場合に、特会借り入れにつきましては、現在の国と地方の財源配分、これは一般財源ベースで大体半々でございますから、そういうのを踏まえて二分の一は国庫負担をしてもらうという結論を持ったわけでございます。現在の国と地方の財政状況及び財源配分の状況から申しますと、まあ二分の一国庫負担というこの暫定制度はやむを得ないのではないかというふうに思います。 次に、財源対策債の元利償還金につきましては、これはその全額を地方財政計画に計上し、また、個々の地方団体の元利償還費ベースでは基準財政需要額に一〇〇%ないし八〇%をそれぞれ算入するわけでございますので、その償還に必要な交付税財源を将来政府として責任を持って確保します以上は、元利償還費の全額について全体としての地方財政措置を行う、こういうことになるわけでございます。臨時地方特例交付金という個別の補助金類似の形をとるか、あるいは交付税を含めました地方財源措置全体の中で見るかと、こういう手法の違いになるのではないかと思うわけでございます。
○藤井恒男君 今回の不況で、地方財政の抵抗力というのが非常に弱かったということが明らかになったと思うわけなんだけど、先ほど大臣は、いまでも大蔵省との折衝においてきわめて残念であったということをお述べになったんだけど、これどうでしょう、折衝の過程の感触かもわからないが、大蔵省としては、臨時応急的な措置という形であっても、一たん交付税率というものを引き上げたらなかなかもとに戻せないというような考えがあったんじゃなかろうかと。これは私の推測の域を出ないわけなんだけど、もしそうだとするなら、今度のような厳しい状況があった場合に、交付税率を一定範囲内で上下させるというような、税率の弾力的運用というような制度改革というようなものが考えられないものかどうか。一遍上げてもそれは恒久的なものではない、弾力的にこれは動かしていかれるものであるというような制度改革、そういったものは考えられないものかどうかですね。いかがなものでしょう。
○国務大臣(澁谷直藏君) 実際の提案として、大蔵、自治両省の間でそういう折衝をしたことはございません。しかし御提案は、十分私どもが検討するに足る一つの案ではないかと私は考えます。確かに大蔵省サイドでは、一たん引き上げてしまえば地方財政が非常に好転してもこれを引き下げることは容易でないというふうに考えておるでしょう、これは。そういうようなことも考えますと、財政の悪いときには引き上げる、好転すれば引き下げる、こういう提案は私は十分検討に値する提案だと、このように考えます。
○藤井恒男君 現在特別交付税の配分については、自治大臣の裁量にこれはゆだねられておるわけですが、このために一部自治体からは、算定の基準がはっきりしないというような声、あるいは、一部の意見ではあるが、国が意図的に金額に差をつけるんじゃないかというような批判もあることは事実なんです。この特別交付税のあり方について、こういった声があるという前提に立って御所見をお伺いしたいと思うんですが。
○政府委員(森岡敞君) 御承知のように、特別交付税は普通交付税のようないわゆる一律の算定では捕捉し得ない各地方団体の個別の特別の財政需要というものを捕捉するわけでございますので、そういう基本的な特別交付税の機能から申しまして、地方団体ごとに非常にバラエティーに富む個別の事情をつかまえていきます。そういう意味合いで、各地方団体から見ました場合にその算定内容が必ずしも、何といいますか、一定の算式でぴしっと出てくると、こういうものになっていない面がある、これは事実やむを得ないこの特別交付税の性格から出てくる基本的な問題であろうと思います。しかし私どもは、そうした中におきましてもできるだけ算定の客観性というものを確保いたしたいということで、いわゆるルール化という言葉を使っておりますが、普通交付税のようにはまいりませんけれども、できる限り共通的なルールをつくりましてそれに即して計算をすると、こういう方式をとっております。 たとえば、病院の繰入金等につきましてはベッド数を使いまして、その中で、たとえば救急でありますとかあるいは僻地医療でありますとか、そういうものにつきましては割り増しをするとか、そういう一定のルールをつくりましてできるだけ客観性を保持するようにし、それを自治省令の中で明確に定めておるわけでございます。しかし、その最終のところまでいきますと、これはそういうルールではどうしても見切れないものがあるわけです。たとえば災害が起こったとかあるいは渇水が起こったとかいうふうなことになりますと、現実の歳出の実態を見て財源措置をしなければどうにもならぬというものがございます。その点は残りますけれども、大部分のものについてはできるだけルール化をして、いま御指摘のような批判のないように今後も努力をしてまいりたいと、かように思っております。
○藤井恒男君 次に、普通交付税の算定方法が大変複雑になってきておる。われわれの目から見ても非常にわかりにくい。これを住民にわかりやすいものに、もっと簡便な方法というものを検討すべきであろうと私は思うんだけど、そういったお考えは持っておられるかどうかですね。
○政府委員(森岡敞君) 基本的には、御指摘のように、私どもは普通交付税の算定の方式を簡便化することが望ましいと思っております。ただ、ジレンマがありますのは、簡便化すればするほど具体の財政需要に見合った適確な算入がむずかしくなる。さらに一層一律化いたします。一方、地方団体の方ではさまざまな財政需要に格差がありますから、それを的確に反映するようにいろんな補正をつくってほしいという要望が実はございます。 普通交付税の算定が複雑化しておる一番大きな理由は、態容補正あるいは密度補正、事業費補正、投資補正というふうないろんな補正を使っておりますために複雑化しておるわけでございますが、その補正はどちらかといいますと、各地方団体からの財政需要の的確な捕捉という要請を受けてだんだん詳しくなってきておるというのが実態でございます。ですから、率直に申しまして簡便化の要請と的確な捕捉という問題とが一種の二律背反みたいになってしまっておる。しかし、基本的には御指摘のように、できるだけ簡素化するという方向でこれからも私どもとしては勉強してまいりたいと、かように思います。
○藤井恒男君 現在、一番政府に求められているのは、今後どのように財政を再建していくかというプランを国民の前に明らかにすることだと思うんです。先ほど大臣は、来年度こそは抜本改正をやるんだと、また、先ほど私申し上げた地方交付税の弾力的な運用というのも一つの考え方であろうということもお述べになったわけだけど、まあ私どもは、政府がいまひそかにお考えになっておるところの財政再建の重要な柱としての一般消費税の導入あるいは地方においては地方消費税の導入というようなことは反対なんです。いたずらに国民の負担をふやすよりも不公正税制を是正する、国、地方を通ずる税源配分の再検討−前にも私この委員会で質問いたしましたが、行政事務の再配分、こういった、あるいは見直しというようなものを通じて財政再建の道を明示すべきであろうと思うわけなんだけど、大臣、来年度は抜本改正をやるんだぞというふうにおっしゃったわけだけど、現時点で大体こういった方向づけがあるんだという大まかなプランみたいなものがあれば示していただきたい。もしなければ、大体そういったものをいつごろどういう形で国民の前に示していかれようとするのか、その辺のところをお聞きいたします。
○国務大臣(澁谷直藏君) 現在の時点で、財政再建の具体的なプラン、皆様方の前にお示しするようなものは持っておりません。それで、私どもとしては、来年度の予算編成の作業の中で具体的なものを煮詰めて結論を出したいと、このように考えております。
○藤井恒男君 来年度の予算ももうこの延長国会終われば、サミットが終われば、直ちに具体的に動き始めるわけだから、そう遠い時期じゃございませんので、できるだけ早く構想を示すように御努力いただきたいと思います。 次に、官房長お見えのようでございますから、先ほど質問をしかけた全国地方自治振興協会ですね、これはどういう組織なのかお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(石見隆三君) 全国地方自治振興協会と申しますのは、主として市町村を対象といたしまするいろんな官庁関係の情報の提供あるいは研修雑誌というようなものを出版することを目的にいたしまして、昭和二十四年に設立されたものでございます。
○藤井恒男君 実は私、きょうの新聞で拝見したので、真偽のほどをお伺いするわけだけど、いまお述べになった全国地方自治振興協会、この協会は自治省の監督下にある財団法人であって、その協会の常務理事が協会にないしょで勝手に総額三億一千万円に上る約束手形を乱発していたと、このことが二十一日、つまり昨日発覚して、東京麹町署は背任などの疑いで捜査を始めたということだけど、このことを御存じであるか。あるいはこの報道が正しいものかどうか。その概要をお聞かせいただきたいと思うんです。
○政府委員(石見隆三君) きょうの新聞に報道されておりますことにつきまして、私ども現在の時点で承知いたしておりますことをお答え申し上げたいと存ずるわけであります。 この振興協会が二十四年に発足をいたしたわけでございますが、と同時に、別途株式会社の自治日報社といいますものがその後四十二年にできておるわけであります。この自治振興協会の常務理事をしておりました人が、あわせましてこの株式会社自治日報社の社長ということで今日まで業務運営をしてまいったわけであります。自治振興協会の方は、主として現在の段階では、大蔵省からの委託を受けまして、「時の法令」という雑誌がございますが、これの編集等につきましての委託を受けて業務をやってまいり、そしてまた別途、ただいま申しました株式会社自治日報社の方は自治日報という新聞発行をしてまいったわけであります。このようにして本日までまいったわけであります。 そこで、株式会社はもちろん商法上の会社でありますので私ども関知する限りではないわけでございますが、この財団法人自治振興協会につきましては、もちろんこれは自治省の許可をいたしました法人でございますので、民法の規定によりまして毎年業務報告あるいはまた決算等を徴しますと同時に、おおむね三年に一回程度のめどで実際の法人の業務、決算の監査もしてまいったわけであります。 私ども、そのような業務報告を受け、あるいはまた決算の監査をしてまいりました結果につきましては、たとえば昭和五十二年の決算等を見ました場合、この振興協会は収入金が、ただいま申しましたように委託を受けていわゆる業務をやっておりますので、その収入金が大体三千五百万円程度になっております。と同時に、「時の法令」等の受託事業の収入金が二千九百万円、その他雑誌、たとえば「近代行政技法」というような雑誌等も出版をいたしておりまして、そういうものの収入が五百四十六万円ということに相なっておりますので、決算上は、若干の赤字ば出しておりますが、収支ほぼ相償っておるという状況であったわけであります。 なお、その時点その時点で私ども帳簿書類の不備な点等につきましては適切な指示をしてまいったつもりでありますが、本日新聞に出ておりますこの事案は、新聞にも出ておりますように、この自治振興協会の常務理事が、もちろん理事長に相談することもなく、あるいはまた理事会にかけるというふうな手続を経ずして、ここにも書いておられますように、いわば全く協会には無断で、独断でやったようであります。結論から申しますれば、私ども、このような業務報告あるいは監査等によりましてこの常務理事がこのような裏操作をやっておりましたことは発見できなかったわけであります。 その内容といたしまして、結論から申しますと、これは詐欺事件が絡まっておるのではないかということで、現在警察の方で捜査を進められております。と同時に、一方協会におきましても専門の弁護士さんにお願いをいたしまして徹底的なこの問題についての洗い直しをしていただいておるわけであります。 したがいまして、私ども最終的なこれの結末をまだ伺っておらないわけでありますが、現時点におきまして伺っております限りは、この自治日報社と振興協会との経理がいわばごちゃまぜになっておった、本人がお互いに融通しあっておったということから始まった事件のようであります。この業務自身はいま申しましたように比較的順調にやってきたわけでありますが、何らかの本人の事情があったと思うのでありまして、これを解決いたしますために本人が、新聞にもございますように、全く無断で宮城県の鳴子温泉の土地の購入につきまして仮契約を結んだようであります。もちろん理事会にも諮っておりません。理事長もだれも承知をしておらないわけであります。約一億四千五百万円の手形を出したようでありまして、土地もやはり一億五千万相当程度の土地のようであります。これを買って高く売って、それで利益を上げていままでの——これは公かあるいは個人的か——負債をふさごうとしたようであります。 で、これがわかってきたわけでありまして、そこで協会といたしましては、理事長名をもちましてこの仮契約を直ちに解除の手続をとっております。と同時に、出しました一億四千五百万の手形はほぼ警察に押さえられておるようであります。土地は先方に戻っておりますので、この分につきましては現在の時点では一応解決と申しますか、片がついたかっこうになっております。 なお、そのほかに、新聞にございますように、約一億三千五百万余りの手形を切っておるようであります。これは、この手形が何であるか、相手がはっきりいたさないわけでありますけれども、どうもここに詐欺なりあるいは横領というふうな問題があるのではないかということで、前段申し上げましたように、警察の方で捜査が始まっておるという状況であります。なお、若干わからなくなっておりますこの一億三千五百万の手形につきましても、ほとんどは警察において現在回収がなされたというふうに伺っております。 以上のような状況でございまして、警察の捜査の結果を待ち、あるいはまたその他についての弁護士さんの調査を待ちまして、振興協会としては対応したいというふうに言っておられるような状況であります。
○藤井恒男君 中小の私企業であっても、経理の乱脈によって倒産するということになれば、これは厳しく社会的な責任が追及されるという状況にあるわけです。この全国地方自治振興協会というのは自治省の監督下にあると、そして理事には全国知事会、市長会、町村長会の各事務総長が名を連ねておる、そして自治省のOBあるいは大蔵省のOBが名を連ねておる、こういった団体だと。そういう団体であればこそ三億もの手形が乱発できたんだろうということであって、これはもう中小の私企業が多少土地の投機買いだとかあるいは思惑で株を動かして資金がショートして倒産するというようなものとおよそこれ性質が違うと思う。そういった中で、協会の理事長の話として、協会の実質的活動はこの事件を起こした常務理事に任せきりだったと。これはもうでたらめな話だと思う。まあ理事長も、こういうことになったら「協会は解散せざるを得まい。」ということだけど、私もけしからぬことだというふうに思います。で、理事会にも諮らなかった、何も知らぬ間に勝手に個人が動いておったんだということではこれは責任は逃がれることはできない。いやしくも常務理事なんだから。しかもそこには自治省、大蔵省のOBが名を連ねる協会だし、現に自治省の監督下にある財団法人なんですから、私は厳しくこの内容を追及して、理事長が言うまでもなくそのような不正なものならつぶしてしまうというぐらいのことを当然やるべきだというふうに思うんだけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 私も、実はこの報告を聞いてびっくりしておるわけなんですが、とにかく現在は警察の捜査が開始されておりますから、いずれ事件の全貌が明らかになってくると思います。その決着を待ってこの協会をどうするかということにつきましては、私はこれはもうあくまで峻厳な態度で対処したいと、このように考えております。
○藤井恒男君 これはきょう報道されたばかりで、私も新聞で見て知った範囲のものでございますから、いま大臣お答えになったように、成り行きをよく見て、そして厳正なる態度で臨んでいただきたいと思います。 次に質問いたしますが、補助金の問題なんですが、全国知事会を初め多数の地方団体から、毎年のように地方の超過負担の解消を求める要望が来ておるわけです。この超過負担の解消にどう取り組んでいくのか。たとえば地方団体からの要望の一つに、警察官の勤務する派出所や駐在所についての超過負担の解消があるわけなんだけど、政府としては五十五年度から改正しようというお考えがあるやに聞いておるんだけど、このような問題は大変住民の治安に関するものでもあり、なぜ五十四年度から取り上げられなかったのか。どうなんでしょう。
○政府委員(森岡敞君) いわゆる超過負担の解消問題につきましては、政府の各省の意見とそれから地方公共団体の意見とが必ずしもかみ合わない面が実はあるわけです。と申しますのは、地方公共団体の場合には、どうしても現実に支出いたしました補助事業の専業費と、それから国から来ます補助金の基礎になっておる補助基本額とを単純に比較いたしまして、足りない分が超過負担だと、こういう議論に一般的になりがちであります。政府各省の方は、補助基準をそれぞれ決めておる、あるいは補助単価の積算基礎を決めておる。それはそれで一応合理的じゃないかと、こういう意見が出てまいるわけでございまして、そこで問題は、超過負担を適切に解消いたしていきますためには政府各省と地方公共団体との共通の物差しがなければならぬわけでございます。その共通の物差しを見出します一つの手段といたしまして、従来からやっておりますのは、各省と大蔵省と自治省とが共同いたしまして個別の経費につきまして調べて、その調べた結果標準的な仕様がないものにつきましては標準的な仕様をつくるなりというふうなかっこうで、この部分が超過負担だということを明確にした上で、補助金の積算上予算上解決していく、こういう手法をとっているわけでございます。 で、派出所、駐在所につきましては、実はそのような共同、実態調査がいままでやっておらないわけでございます。各地方団体の要望も大変強いものでございますから、五十四年度におきまして共同実態調査を私どもとしては行いたいということで、警察庁及び大蔵省に強く要請いたしております。その共同調査の結果をもちまして超過負担の解消のための予算措置を行う、こういうふうにいたしたいと思っておるわけでございます。
○藤井恒男君 政府と地方との間に物差しが違う。概念が違う。そのすり合わせをしながらやっておるという努力は認めます。今後もそういった意味ですり合わせをして共同調査をして、超過負担の問題がいつも問題になるんだから、その全容というものを明らかにしていくことがやっぱり超過負担解消のため一番前提にならなければならない。その努力はなすべきだしやっていただきたいと思うわけですが、現在政府としては超過負担というのはどのぐらいあるというふうに見ておられますか。
○政府委員(森岡敞君) そこのところが実は非常にむずかしい問題でございまして、御承知かと思いますが、地方六団体で先般六千数百億の超過負担があるという資料を出されております。ただこれは、先ほど申しました実支出額と補助基本額との差をそのまま使ったようなものが多いわけでございますので、その金額が政府各省が肯定する額にはなかなかならないと思っております。結局、先ほど申しましたように、個々の事業につきまして担当省と自治省、大蔵省が共同実態調査をし、地方公共団体の意見を聞きながら詰めていかなければ金額の積み上がりはできないわけでございますので、総体で何百億、何千億かという見通しをいま私どもとしては持ち合わせないわけでございます。やっぱり個別に積み上げて、じみちにやっていくということがこの問題解決の最大の現実的な方法であろうと、かように思っておるわけでございます。
○藤井恒男君 昭和四十九年に地方六団体が実態調査をして、地方の超過負担は総額六千三百六十億というふうに言っておるわけだけど、いずれにしても、いま局長おっしゃるように全体像が浮かび上がらぬと超過負担の完全解消ということにはならないわけなんで、事業をしぼって共同調査をやるとか、何らかの形でやっぱり全体像の把握ということにまず努めてみると、そして国と地方との間で超過負担の概念が現在違っておるわけだけど、その概念を整えていくというすり合わせを、これはぜひひとつやっていただきたいと思います。 時間がありませんから次に移りますが、実は今国会の冒頭で民社党の佐々木委員長が提案した第二交付税の構想についてお伺いするわけです。 従来から地方自治体の自治の成長を阻害し、中央依存の風潮を助長し国による画一的な行政を地方自治体に強要している国庫支出金、このうち公共事業費のいわゆる普通建設事業費補助負担金分を第二交付税という位置づけをして地方に一括交付する、で、その実施については地方の計画的選択に任して、国の物別の干渉を排除するということを私どもは主張しておるわけです。 さきの委員会における参考人などの話の中にも、これに類する考え方を述べる方もおられました。私はこの補助金の一般財源化へ向けての一つの提案として、このような考え方を自治省としては検討していく用意があるのかどうかですね。衆議院の代表質問の折には的確な答弁もなされておりませんので、重ねてこの辺のところを承っておきたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 各省個別の国庫補助金が、地方団体の自主的な行政運営を阻むという面から問題があるということと、それからさらに最近の国、地方を通ずる効率的な行政という観点から申しまして、補助金はむしろ整理をして、自主的な地方財政の運営に任す方が能率的な行政ができるではないかと、そのような観点から、補助金の整理統合という議論が強まっておることは御指摘のとおりでございます。 その場合に、一つは補助金の目的を統合いたしますかあるいはメニュー化いたしまして、一種の総合補助金というふうな形でやってまいるという手法を主張される方がございます。先ほど来も話が出ておりました。いま一つは、御指摘のように、さらに一歩進みまして、公共事業の補助金のようなものも、まあ第二交付税と申しますか、というふうな形で、弾力的に使えるようにしてはどうかという御意見もあるわけでございますが、補助金の整理統合という基本的な問題は、私どもは、この際、国、地方を通ずる行政上の大きな課題として取り上げてまいらなきやならぬと思いますが、第二交付税という形にまで持ち込むということになりますと、これは大変な行財政制度の大きな改革になります。政府各省のいろんな意見もございますし、また大蔵省もいろいろ御意見があろうかと思います。基本的に、国から地方に支出されます国庫支出金につきまして総合化、弾力化を行っていくという方向につきましては私どもは大賛成でございますが、第二交付税というかなりドラスチックな仕組みにまで持ち込むことについては、なお相当の検討が必要ではないかというふうに思っておる次第でございます。
○藤井恒男君 いま局長おっしゃるように、ドラスチックな方法で第二交付税構想というものを実現していくということになると、これは自治省の中でかなりな詰めをやらなければならない。私どもは、この詰めをやってでもそういう方向に歩んでいただきたいと、そういう条件整備をやるべきであるという考え方を持っておるわけなんだけど、その一つの、まあ前段的なものとして零細補助金の整理統合と、こういうものならできるんじゃないか。昨年十一月に全国知事会が出した報告書の中には、補助金の中で整理すべきものあるいは一般財源化すべきもの、総合メニュー化すべきもの、こういったものがきわめてしさいに報告され、事例を挙げておられるわけなんです。これは現場で実務に携わる知事が、補助金の弊害を一番強く感じて、こんなにたくさん矛盾があるのだと、こんなにまとめられる補助金があるのだと、当事者である知事が指摘しておるわけです。もうすでに御案内のことだと思うけど、余暇施設に関する補助金を取ってみても、七省庁がそれぞれ二十四種類の補助金を交付している。これらの補助金は余暇施設総合補助金として一本化する、これは可能なんです。だから、こういったものはほんの一例にすぎないわけなんだけど、現場の知事がすでに具体例を挙げて指摘しているところなので、自治省はこれら自治体の意見というものに対して十分これは報いていく必要があるのじゃなかろうかという気がします。 これは新聞報道によるところなんだけど、行管庁がこのほど行政改革の基本構想というものをまとめて、これをたたき台にして政府の行政改革案が決まるということなんだけど、こういった中にも各種補助あるいは助成施策の整理という項目が一項目きちっと入っておる。自治省として、先ほど局長お述べになったように、一つの考え方があるように私は聞いたわけだけど、ドラスチックな第二交付税という形に仮にいますぐいけなくても、零細な補助金についてこれをメニュー化するとか、統合化するというようなことを来年度抜本改正をやろうという意気込みを大臣が示しておられるわけなんだから、ぜひやっていただきたいというふうに思うわけです。どうでしょうか。
○政府委員(森岡敞君) 零細補助金につきましては、お示しのように思い切って整理をすると、これはもう必要だと思います。それから、類似あるいは同一目的の補助金が関係各省、あるいは各省の中で各局、各課ごとにいっぱい出ているというのも御指摘のとおりでございます。これらにつきましては、私どもはメニュー化、総合化、総合補助金化という措置を積極的にやらなきゃならぬと思います。先ほど申しましたように、これは単に地方自治という観点からだけでなくて、国、地方を通ずる行政の簡素化という観点からもぜひやらなきゃならぬと思っております。お示しの趣旨を体して、自治省といたしましては関係省庁に思い切った改善策を求めてまいりたいと、かように思います。
○藤井恒男君 次に、細かい問題に入りますが、交通事業についてですが、再建団体のバス購入についての国の補助対象ですね。昨年から横浜、名古屋、神戸、大阪、京都の大都市を外して地方都市に限定している。大都市においても地方都市同様補助金対象とすべきじゃないかということなんだけど、これはいかがなものでしょうか。
○政府委員(中野晟君) バスの購入費の補助金の問題でございますけれども、これは昭和四十八年度から五年間の予定で、再建公営路面交通事業バス購入費補助金という形で行ってまいったわけでございます。これを五十三年度に一年限りということで延長したかっこうになったわけでございます。それでございますけれども、バス事業を取り巻く環境が依然厳しいというようなことから、五十四年度におきましても、新たに再建地方都市バス事業車両更新費補助という形で行うこととしたわけでございます。この場合に、交付の対象団体を、バス事業の再建を行っておる地方団体のうち大都市を除くということにいたしまして、補助の対象車両も車齢十一年以上の現有車両という形にいたしたわけでございます。 これは、大都市におきましてもバス事業の再建が困難が多いということはよく承知しておるわけでございますけれども、一つは、この新しい五十四年度からの補助金が、長期間使用した車両の更新に対しまして補助する。大体大都市におきましては中小都市に比べまして車を更新する時期がわりに早いと、平均車両の年齢と申しますか、車齢が若いということ。それから、大都市におきましては、大阪を初めといたしまして名古屋、京都でもそうでございますけれども、今後地下鉄の整備がどんどん進んでまいりましてバス路線との競合の問題が出てまいるわけでございまして、そのバス路線の再編を今後行っていく。そういう意味で、車両を今後相当減らしていくという問題があるわけでございます。それからもう一つ、地方都市と大都市を比べますと、車の一車当たりの運賃収入と申しますか、これが大都市の方が実は効率がいい、かせぎがいいというような問題がございます。したがいまして、大都市に比べてかせぎが悪いそういう地方都市に対して、バスの購入につきましての補助を行う方が補助の効果という面から申しましていいのじゃないかと、こういうような問題をいろいろ考えたこと。それからもう一つは、一年延長いたしました五十三年度におきましていま申しました大都市が一応除外されておるわけでございまして、五十四年度は五十三年度の実質延長だというように考えたわけでございます。 そういう意味で、大都市を五十四年度におきましても対象から外されておると、こういういきさつでございます。
○藤井恒男君 この今回の改正によって私学の助成を高めたと言っておられるわけだけど、都道府県の場合には主としてそれは高校、市町村の場合には恐らく幼稚園が一番中心になると考えられるわけです。具体的に、この交付税算定の基礎に私立高校、幼稚園についてどの程度の額を見込んでいるのか。特に幼稚園の場合、全幼稚園数の五割以上が私立で占められておる。で、国においては公立幼稚園の整備について建築単価の引き上げなどの措置によって推進に努めているわけですが、交付税においてもその算定費目の中に幼稚園費として項目を設けて地方自治体における幼児教育の充実に資すべきであるという考えを私どもは持っておるわけなんです。その点についてどのように考えておりますか。
○政府委員(石原信雄君) お尋ねの、まず第一の私学助成費でございますが、この経費は、高等学校以下の私立学校に対する助成費として道府県分のその他の教育費の中で算定をいたしております。で、算入額といたしましては、五十三年度の千五百億円に対して五十四年度はこれから単位費用に算入されておる額を基礎として具体の算定を行うわけでありますが、最終的に千七百億円程度が算入されることになろうかと思います。 それから、幼稚園費につきましては、現在経常的経費については市町村分のその他の教育費の中で幼稚園費を算定いたしております。なお幼稚園につきましては、団体によりまして公立幼稚園の園児数が人口比ではかなり差がありますので、密度補正という形でその各団体ごとの公立幼稚園の差を反映するような算定方法をとっておりまして、独立の幼稚園費を新設しなくても、現在の方法で基準財政需要額の算定の的確を期することができるんではないかと、このようなふうに考えております。また、ほかの小学校、中学校と比べまして、幼稚園の法的な性格等を考えますと、他の図書館でありますとか博物館でありますとか、ほかの経費とのバランス、こういったこともありますので、独立の費目を新設するということは現在考えておりません。ただ、ただいま申し上げましたように、個々の団体ごとの財政需要の実態に合うように、密度補正という方法で算定の的確を期している次第でございます。
○藤井恒男君 まあそうつれないことを言わずにですね。この幼稚園というのは、これからの新しい若い家庭にとっては大変な問題なんで、地方団体によってもずいぶん差があるとは思いますけど、十分配慮をしていただきたい。きょうは時間がありませんからもうそれ以上のことは言いませんが。 最後にお伺いしたいのは、現在の地方公共団体の職員構成を見ると、昭和六十年代前半に勧奨退職年齢に達する四十歳から四十九歳の職員の構成比が二六・八%で、三十二万人以上の増が見込まれているわけです。これは知事会の調査によって明らかにされておる。これによって明らかなように、近い将来において退職手当が急激に膨張して、地方自治体における財政硬直化がさらに進むということが懸念されるわけです。国として、私は退職手当の交付税算入率の引き上げあるいは退職手当債を定数削減の条件のつかない勧奨退職にも適用できるというような措置を考慮すべき時期であろうというふうに思うわけなんだけど、自治省としても、当然近い将来の自治体の状況を見てお考えをお持ちだと思うけど、いま申した点についてどのように考えておられるか、お聞きいたします。
○政府委員(森岡敞君) まず地方交付税におきます算入の状況について申し上げますが、退職手当は各地方団体年度間で変動が大きいわけでございますので、基本的な考え方は、給料、これは本俸に対する一定の比率によって算入することにしております。いままでは義務教育関係職員につきましては千分の百二十五、義務教育職員以外の一般職員につきましては千分の百三十ということで算定いたしておりましたが、本年度は、最近の情勢を見合わせまして義務教育職員は千分の百五十五、一般職員は千分の百四十というふうに引き上げを行いまして、その算入の強化をしたわけでございます。 ただしかし、いま御指摘のように、今後、現在の地方公共団体の職員の年齢構成から申しますと、将来非常に退職者が集中してまいる、そのために退職手当の支払いが格段に膨張するという事態が来ることが予想されます。知事会でも大変それについて問題意識を持っておられまして、善処方の要請がございます。しかし私は、この問題は、給与水準あるいは退職手当制度の内容につきまして、まず第一に地方公共団体自身がやはり適正化をやっていただくという必要がこれは一つあると思うんです。しばしば指摘をされておりますように、国家公務員をかなり上回る退職金が支払われておって、それが世の中の批判を浴びておるという面もあるわけでございまして、そこのところは各地方団体の御努力をこれはぜひお願いしたい。しかし、そうはいたしましても、集中的に退職手当がふえてまいる時期が来ますので、それに対しては交付税の措置あるいはいまお示しの地方債なども含めまして万全の対策をその時点に講ぜられますように、早急に検討を進めたいと、かように考えております。
○藤井恒男君 終わります。
○前島英三郎君 もうしばらくのごしんぼうを、よろしくお願いします。 交付税率は三二%のままなんですけれども、いまやこれが完全に破綻を来しているということはもうだれの目にも明らかなわけですけれども、実質四二%以上を確保しているんだということは何となくこううかがえるわけですが、臨時措置とか特別措置で切り抜けるやり方がずっと続いているわけですね。きょうも、抜本的に改革しなければならないとか積極的にとか、あるいは根本的にとかというような言葉は数限りなく聞かれるわけなんですけれども、本当にこの財政破綻に対して来年以降は自治省としてどういうお考えなのか、まずその辺から大臣に伺いたいと思っております。
○国務大臣(澁谷直藏君) たびたびお答えいたしておりますように、地方財政の現状は、もうこのままでほうっておけないぎりぎりのところに来ておるということでございます。したがって、私どもとしては、来年度予算編成の中で具体的にこれをどう立て直していくかという案を探り出して、来年度を——国もそうでございますが、地方財政再建の第一年度にしたいと、こういう意気込みでこれから努力をしていくつもりでございます。
○前島英三郎君 財政破綻寸前というこの現状に非常に危機感を持っている自治体もあれば、また、なにいずれ国がめんどうを見てくれるわいというように安易に構えている自治体もなきにしもあらずというようなことをちらっと伺うわけなんですけれども、また一方で、いまのやり方というのは、自治省がどちらを向いているかわからないと発言する自治体の方もやっぱりいるわけですね。自治体の立場に立って中央に立ち向かっているのか、あるいは中央の立場に立って自治体に立ち向かっているのかということを言う市長さんもまたいるわけなんです。やはり自治体の立場を守ろうとするならば、自主性を増大させなければならないと思います。それがまた地方分権という言葉の一つのあらわれだというふうにも思っているんです。 そこで大臣に、こういう財政状態から抜け出るために、来年からこれだけはやっていきたい、こういう部分では何としても立ち向かっていかなければならないというようなお覚悟のほどを私は伺いたいと思うんです。
○国務大臣(澁谷直藏君) 具体的なこの計画の案については、まだ申し上げる段階に来ておらないということを申し上げたわけでございますが、基本的な心構えとして、国もそうでございますが、地方自治体においても、私は出る方をやはり極力圧縮する努力をこれはどうしてもやらなければならぬ。とにかく税収が伸びないわけでございますから、ですから私も毎度繰り返し申し上げておるように、長い高度経済成長を通じて知らず知らずのうちにやはり行政というものが肥大化しておる。その中に果たしてむだはないのか。もっともっと効率的にやる工夫はないのか。そういったことで、歳出の合理的な圧縮というものをこれはもう真剣にやってもらわなければならぬと、こういうふうに考えております。 しかし、住民に対する行政サービス、これはもうどうしてもやらなければならないものは当然残るわけでございますから、それを賄うだけの財源というものは、これはもうどうしても確保しなければなりません。そのためにはどうしても私どもの見当ではある程度の増税を国民にお願いをせざるを得ないと、こういうふうに考えておるわけでございまして、その増税の方法が、私どもは現在一般消費税、その中での地方消費税、こういうふうに考えておりますけれども、これ一つでこの問題が解決するというようなものでないことももう当然でございまするから、やっぱり総合的に、全般的にこの地方の財源をどうしたならば充実させることができるかということでひとつ全面的な検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
○前島英三郎君 総合的に全面的に改正といいますか、見直しといいましょうか、まあ新しいものを考えなければならないということですが、財政局長、大体いまの部分では一%交付税率を上げると大体どのくらいの額になるのか。
○政府委員(森岡敞君) 一%交付税率を上げますことによる交付税の増加額は、千六百三十五億円でございます。
○前島英三郎君 そうすると、いまの地方財政の破綻を救うということになりますと、大体どのくらい交付税率を算定すればいいということになるのか。
○政府委員(森岡敞君) 実は、各年度によりましてそれぞれ財源不足の状態が違いますし、それからまた、財政対策といたしましては交付税だけでなくて地方税の増強ということも考えていかないといかぬわけでございますから、それやこれやを総合的に勘案しなければなりませんが、仮にこの五十四年度の財源不足額四兆一千億円を交付税で全部はね返すといたしますと、二五%程度交付税率を上げなければ四兆一千億円の穴は埋まらないということに相なろうかと思います。
○前島英三郎君 その辺からまさに抜本的な見直しということが当然必要になってくるわけだろうというふうに思うわけですけれども、さて、交付税の算定方法を一部改正しまして、特殊教育諸学校費というのを新設することにしておりますけれども、ちょっとこの内容につきまして基本的な考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 特殊教育諸学校費につきましては、従来は、道府県分におきましては、その他の教育費というところで、盲学校、聾学校、養護学校の幼児、児童、生徒の数というものを測定単位として算定しておりました。五十四年度から養護学校が義務化されたことに伴いまして、この計算をより適確にするという趣旨から、新たに道府県分に特殊教育諸学校費という費目を新設いたしまして、その中では、まずその算定の基礎に用います測定単位の数値といたしまして、教職員数、それから児童及び生徒の数、それから学級数と、この三つの種類の測定単位を採用することによって算定内容の一層の適確を期するということにいたしております。 なお、市町村につきましては、現在百十四校ほどの学校がありますが、これは普遍的でありませんので、市町村分につきましては従来と同じようにその他の教育費の中で計算を行うことにいたしておりますが、その場合に、新たに密度補正と投資補正を採用することによりまして、算定内容の一層の適確を期したいと、このように考えております。
○前島英三郎君 養護学校の義務化の実施に伴いまして、自治体の財政需要の増加を見るというのは当然だと思うんですけれども、その底にある考え方に若干の心配があるわけなんですね。つまり、財政的にも養護学校に係る費用を見るんだから、障害児は養護学校に行けばよいというような感覚であってもらっては困るわけなんですね。障害児というものは可能な限り普通の子供と一緒に勉強さしていく方向を私はとるべきだというふうに思っているわけです。と申しますのは、健康な子供は一番近い学校に行けるんだけれども、ハンディキャップを持った子供は大変遠くまで行かなければならない。それは、市町村三千二百あるといたしましても百十四校というような大変少ない数のそうした養護学校の現状なわけですから。そういう意味におきましても、やはり極力普通学校の中に障害児も一緒に席を並べることができるというような今後も自治省の指導というものを各自治体にやっていただきたいというふうに思うわけなんです。障害児は物理的に入れない、また使えない。物理的理由だけで拒絶するのが果たして教育的であるかといいますと、そうではなくて、やっぱりどんな子供も等しく教育を受けられるという環境づくりのために御努力をいただきたいというふうに思うわけなんです。可能な限り一般の小中学校もそうした配慮をすることによって障害児が一般の子供と一緒に勉強できるようになっていくということが、まさにノーマライゼーションといいますか、いろいろな人が地域に生活してこそ正常な世の中なんだというようなまた世論づくりもできるんじゃないかという気がするんです。こうした配慮、自治体の努力は必要だと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) これは人間の教育という一番基本的な問題でございまして、お説のように障害児も、可能ならばできるだけやはり一般の児童と一緒に教育を受けるということが望ましいと私は考えます。したがって、全体的にそういう方向で進んでいくように、自治体に対しても指導をしていきたいと考えまするし、また地方自治体のサイドにおいても、そういう努力を真剣にひとつやっていただきたいと、このように考えております。
○前島英三郎君 一つの例なんですけれども、神奈川県の津久井町というところのある中学校では、筋ジストロフィー症で車いすの生徒が入学することになりまして、出入口とかあるいはトイレ等を、町で百万円余りの予算をつけまして改善を図ったわけなんですね。その結果、その子供も学校全体も大変すばらしい教育ができているというので、校長先生以下町の議員さんたちも手放しの喜びようということで、教育というものが、机に向かって一足す一は二というものだけではないんだということをまさに実践したというぐあいに評価もできると思うんですけれども、しかしこれは、現在では大変珍しいケースにとらえられているところというものが、どうしても在宅の障害児に対する教育ができない、あるいはまた養護学校が義務化されても各地でいろいろなトラブルが起きているということにつながるかもしれません。 一方、都内のある小学校では、車いすの女の子が通学していたんですけれども、三年生になって教室が二階になったと。つまり、一年二年は一階だけれども、三年四年は二階、五年六年は三階というぐあいに学校設計指針の中にもうたわれておりますから、三年になったがために自然と教室が二階に移ってしまう。そこで階段昇降機が必要になったわけなんですが、学校も区も教育委員会も、父兄負担を求めているわけなんですね。つまり、本音の部分では養護学校に転校してもらいたいらしい部分もあるわけです。置いてやるんだから費用は自己負担しなさいというような感覚の部分もなきにしもあらずというふうなことなんです。これでは何のための教育なのかわからないというふうにも思いますし、公共的な建築物がそうでなければならないように、一般の学校も一万人が使えるようにしておくということが大変望ましいと私は思うわけなんです。地方財政を考えていくときにそうした配慮が可能になるように裏づけをしていくという考え方が必要ではないかというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 東京の例としてお挙げになりました、そういう施設費を父兄の負担に求めるというようなことは、これはどう考えても不合理だと私は思います。しかし、日本の全国の学校がそういった施設を整備すると、そういう状態にもなっておらないわけでございまして、それをやるためにはかなりの金も必要でございまするし、簡単にこれが実現できるというふうには考えておりませんけれども、私は、一番大事な教育のことでございますから、これは国も府県も市町村も、みんながやはり一緒になって知恵を出し力を出し合って、そういったハンディキャップを持っておる児童が一人でもやはり楽しく明るく教育を受けられるような環境の整備に努力をしていくべきだと、このように考えます。
○前島英三郎君 そこで文部省にお伺いをしたいわけなんですけれども、昨年十月、私は前に述べましたような観点から、学校設計指針の見直しが必要ではないかということをただしたわけなんですけれども、その際、改定作業の中で取り入れていくという御答弁をいただいたわけなんですが、その後どう処置なさったか、伺いたいと思っております。
○説明員(大井久弘君) 御指摘のように、特殊教育諸学佼または特殊学級に在籍するに至らない軽度の肢体不自由児等が通常の学級に在籍するといった場合に、やはり学校施設も肢体不自由児等ができるだけ支障なく学校生活が送れるように、そういった配慮のもとに整備されることが望ましいのではないかというふうに考えております。このような見地から、学校指針の改正に当たりまして、御指摘の点を含めまして、たとえば必要に応じて洋風の便器を設けたり、あるいは階段に手すりを設けるなど、軽度の肢体不自由児等に対する設計上の配慮というようなことを追加したような次第でございます。
○前島英三郎君 いま学校で、小学校で洋式と和式の比率はどれくらいなんでしょうか。おトイレの部分です。
○説明員(大井久弘君) これは、はっきり何%という数字は私ども的確に把握しておりませんが、傾向といたしましては、近年は住宅の便所が洋風になるというようなことから、従来の和風便器にかわりまして一部洋風便器が取り入れられつつあるというようなことを承知しておる次第でございます。
○前島英三郎君 しかし圧倒的に和式のトイレが小中学校は多いわけですね。ところが、私たちの生活の中では五〇%近くがもう洋式化されているという部分も非常に見られるわけです。一つの笑い話ですけれども、うちのおふくろなどは、いなかですからずっと和式を使っておりまして、上京しましてホテルへ泊まったんですが、げたのままあの洋式便所の上に乗りまして、げたですからすべり落ちまして、今度は水を流そうと思ったら水が出過ぎて、あわてて手を突っ込んでとめたというような笑い話もあるぐらいなんですね。ですから普通の学校にも、小学校にも中学校にも、実際子供たちの中でも洋式便所は使えないという子供もまたいるわけですね。そうした社会の多様化にかんがみて、やっぱり半々とはいかなくても、ある程度おトイレが洋式化されるということによって、肢体不自由の子供がどれだけ便利になるかということを考えたときに、ただそうした子供が入った場合に洋式便所をつけるというような感覚ではなくて、いまの生活様式の中ではもう洋式便所は欠かせないものなんだというような感覚をやっぱり学校指針の中にも持ってもらいたいというような気がするんですが、いかがでしょうか。
○説明員(大井久弘君) 学校施設というのは、やはり地域の社会的な環境なりあるいは気候風土といったようなもろもろの条件を加味しながら、その地域の実情に合った適切な整備をされるというのがたてまえではなかろうかというふうに私ども考えております。そういった趣旨から、都市と、都市以外のたとえば農村などにおける子供たちの生活の実態というのはやはり相当違っているのではないかと思いますし、また、住宅などの構造などもかなり違っております。そういった意味で、やはりそういった地域の実態を考慮しながら、学校の施設を整備していくという考えから見ますと、すべてを洋式に今後切りかえていくということではなくて、やはりそういった点を考えながら実態に応じた整備をしていくといった考え方でいくのがたてまえではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○前島英三郎君 私は、すべてを洋式にということを申し上げているわけではなくて、ある程度はその生活様式の中に、また農村にも都会から転校する子供もいるわけでありますし、ただ農村は農村としてとらえるようないまの時代じゃないというふうにも私思うわけでありますから、今後の形の中にそういうことは組み入れていただきたいというふうに思うわけです。 それで、今度の学校設計指針の中に、身体障害児童、生徒等の使用上、洋式便器を設けたり階段などに障害児のための手すりを設ける等、必要な配慮をするというふうな部分がうたわれておりまして、大変評価するところですけれども、たとえば先ほども伊として一つ出しました、学校で、今度は三年生になったから二階に移りなさいと、そういうときには階段を登る車いすがあるんだけれども、それは御父兄が負担しろということではいけないということに解釈してよろしいでしょうか。
○説明員(大井久弘君) まあそのようなものを使わなければ学校生活ができないというようなことになりますと、それは、その対象になる児童が果たして通常の学級に入ることが適切であるかどうか。場合によってはあるいは特殊学級等に在籍するという必要があるかどうか。これらのことにつきましては、やはり教育委員会なりあるいは保護者等がお互いによく相談して、実態を見ながら、協議をしながら割り振っていくというようなことになろうかというふうに思うわけでございまして、たとえば、いきなり通常の学校にエレベーターといいましても、これはなかなかむずかしい問題でございます。そういったことから、やはり実態をよく考えながら適切な対策を講じていくということに尽きるのではないかというふうに思う次第でございます。
○前島英三郎君 どうもありがとうございました。 次に、有料道路通行料金の身障者割引につきまして、ちょっとお伺いをいたします。 実施方法の細目がまとまったとの報告を受けましたし、きょうの新聞にもその旨が報道されましたが、その概要と経過につきまして建設省に伺いたいと思います。
○説明員(杉岡浩君) お答えいたします。 身体障害者の有料道路の割引につきまして、かねてから建設省内で委員会をつくっておりまして、いろいろと検討を進めてきたわけでございますが、このたび——昨日でございますが、建設省及び運輸省の料金変更の認可または許可をいたしまして、いよいよ制度化になったわけでございます。 本措置の趣旨でございますけれども、近年、有料道路が非常に多くなってまいりまして、この有料道路を、下肢または体幹の不自由な方が足がわりとして自動車をお使いになって、有料道路をお使いになるということで、そういった有料道路を使用することを余儀なくされておる身体障害者の方に、社会的あるいは経済的な自立を拒まれないように、今回有料道路について割引制度をとったわけでございます。 それで、その身体障害者の範囲でございますけれども、歩行機能が失われております下肢または体幹の不自由な方ということにいたしております。 それから、自動車の範囲でございますけれども、つまり先ほど申しました下肢または体幹の不自由な方が足がわりとしてみずから運転される乗用自動車ということにいたしております。 それから、割り引きの率でございますけれども、五〇%以内というふうにいたしております。 それから、この実施時期は、一路線を除きまして六月一日ということにいたしております。 それで、実施方法でございますけれども、対象となる身体障害者の方は、福祉事務所に行かれまして、身体障害者手帳に押印を受けまして、そして割引証を交付していただきます。そして料金所へ参りましてその身体障害者手帳を示し、割引証とそれから半額の料金を料金徴収所に手渡すということで、この有料道路の割引制度をとることにいたしております。
○前島英三郎君 その努力は大変感謝したいわけですけれども、しかし、対象者の範囲からより重度の人が外される結果となっております。つまり、車が運転できる人はまだいい。しかし、運転もできない重度の人たちが有料道路を通行するためにという部分も今後の課題にきっとなろうかと思いますけれども、実施状況を見て一層充実をしていただきたいというふうに思うのでございますが、いかがでございましょう。
○説明員(杉岡浩君) 本制度が、先ほど申しましたように、下肢または体幹の不自由な方が足がわりとして自動車を運転される場合−一般道路を利用される場合は平面交差も多くて非常に運転される場合に苦痛を伴うということで、有料道路をお使いになる機会が非常に多いということで、この制度をとったわけでございます。したがいまして、当面は足がわりとして有料道路をお使いになる下肢または体幹の不自由な方ということにさしていただきたいというふうにこの制度を検討する場合にいたしたわけでございます。
○前島英三郎君 関連しまして道路公団にお伺いしたいわけですけれども、サービスエリア等の改善を急ぐ必要があるのではないか。これは何回かこの委員会でもお願いをしたところでありますが、現在の状況と当面の計画をお伺いしたいと思っております。
○参考人(森田松仁君) 日本道路公団が管理いたしております高速道路と一般有料道路でございますが、現在四十二カ所のサービスエリアがございます。身障者用の施設といたしましては、車いす用車路及び身障者用トイレ並びにその位置を表示、誘導いたしますための標識等を設置いたしております。この四十二カ所のサービスエリアのうち現在ございますのは、十二カ所のサービスエリアにおきまして、上り線、下り線合わせてでございますけれども、十九ヵ所の身障者用トイレが設置済みでございます。 今後の計画でございますが、供用中の他のサービスエリアにつきましても、利用度の高いと思われます個所につきましては逐次改良してまいりたい、設置してまいりたいと考えております。また、今後新たに建設されます高速道路につきましては、原則としてすべてのサービスエリアにこれらの施設を設置してまいる方針で進めているわけでございます。
○前島英三郎君 本当に、できてからそうした陳情があって施設改善をするということは、これはやっぱり予算がかかっちゃうんですよね。だから、もう最初につくるときに、歩ける人と歩けない人しかいないのですから、歩けない人のことを考えていただくともう当初予算でできるわけでありますから、今後新規につくられるものに対しては、やはりだれが一番不便なんだということを考慮に入れていただきますと大変いいと思うのですね。 たとえば東北縦貫道なんかで、那須高原のところに車いすでも使えるところがありますが、あれは決して車いすの人ばかりが使っているのではなくて、もう長い間アクセルを踏んだりブレーキを踏んだりしますと階段を上るのさえもおっくうなんですね。したがって、スロープの方を実際健康な皆さんもお使いになるということを考えると、安全運転という立場を考えましても、すでに設計の段階でそうした配慮をやっていただきますと、私どもも何回も何回も、その都度その都度、入れないじゃないかとか使えないじゃないかという苦情も申さずに済むような気がするわけですが、その辺はよろしくお願いしたいと思うんです。 たとえば、私のところにこんな苦情が来るわけなんです。さっき、四十二カ所のうちの十二カ所上り下りという分け方をなさいましたけれども、改善されたと聞いて行ってみたら上りだけで下りはだめだったとか、あるいはながめのいい浜名湖で休もうとしたらトイレが使えなくて困ったとか、海老名は仲間がよく通るんだけれどもいつも横目で見るだけだとか、足柄は上りを改善したというが中心のレストランは使えない、そば屋の方だけだ、身障者はそばを食えというのかとか、いろいろな意見もあったりするわけですね。ですから、利用者の声を聞くとか、あるいはサービスエリアの売店の人にある程度の理解をしてもらうというような指導をきめ細かにやっていただきますと、大変私どもは助かるという気持ちがあるわけなんですけれども、いかがでございましょうか。
○参考人(森田松仁君) ちなみに、五十四年度におきましての計画を申し上げますと、すでに供用中の道路につきましても七カ所、それから新たに供用予定の道路につきまして四カ所、計十一カ所の施設を設置するつもりで進めてまいっております。 それから、先ほど先生も申されました上り下りの問題でございますけれども、現在サービスエリアでそういう施設のあるものの中で、上り線だけで下り線にないものがございます。それは足柄のサービスエリア、牧之原のサービスエリア、それから大津のサービスエリアでございます。これらにつきましては、できるだけ早い時期に下り線につきまして設置してまいりたいということで取り組んでおります。たとえば大津につきましては今年七月にオープンできるようにただいま仕事を進めてまいっておる次第でございます。
○前島英三郎君 たとえば東名高速道路一つをとりますと、海老名とかそれから浜名湖とかというところが部分的にやはり休憩の場所とすれば一番ふさわしいところなわけですね。そういうところにあるたとえばレストランが、三段か四段ぐらいのわずかな階段ですから、そこに、ちょうどここの委員会庁舎の入り口にあるような、ああいうげたをはかせるような形の、ちょっとした知恵でもずいぶん私たち便利に利用することができるわけですから、まあ全体的に予算もありましょうけれども、そうしたちょっとしたきめの細かさでずいぶん喜ばれるんだということもあわせて御記憶いただきたいというふうに思っております。 有料道路の方はそういう意味で大変前進をしてくださっておるわけでありますが、国鉄は、値上げする一方で料金割引の問題点や改善はやってくれないという苦情もまた大変多いわけでありますが、きょうはその問題でちょっと国鉄さんにお伺いをしたいわけですけれども、駅や車両の改善の問題なんですが、現在建設中の新幹線駅は、すでに一部で在来線の駅として使用をしているところもあるようなんですけれども、先般の委員会でも、これからつくられる駅に対しては、すべての人が利用できるように駅舎の設計施工はしてくださるというような御答弁をいただいたわけですが、一部で車いすの人から使いにくいという声もあるんですけれども、どんな配慮をして建設しているか伺いたいと思っております。
○説明員(向井軍治君) 東北、上越両新幹線、現在工事中でありますが、身体障害者の方々の対策といたしましては、視力障害者につきましては駅構内各所に誘導ブロック、それからホームにおいては警告ブロックを設置することになっております。それから、車いす御使用の方々に対しては、車いす使用者用のトイレそれから幅の広い改札さく、それからエレベーターにつきましては新幹線ホームへ上がるエレベーターを設置いたします。工事中の新幹線につきましては全駅についてこのようにいたしますので、十分御利用いただけると思います。
○前島英三郎君 在来の新幹線の「こだま」の停車駅の改善はどうでございますか。「ひかり」の方はある程度車いすでも利用できるようになっておりますけれども、「こだま」はなかなかむずかしいところが多いようでありますけれども、その辺いかがでございましょうか。
○説明員(猪俣為久君) お答えいたします。 ただいまの「こだま」の御質問でございますけれども、「こだま号」の車両の設備につきましては、老朽の取りかえの時期にそろそろ入りますので、現在「ひかり号」で使っておりますような形の設備を持ちました車両を逐次投入していく考えでおります。 問題は、先生御指摘の駅の方の設備の対応でございまして、現在エレベーターその他の地上側の設備の設置の可能性あるいはその工費の大きさにつきまして調査に入ろうとしておる段階でございます。したがいまして、現時点で「こだま号」を利用いたしました運用のシステムと申しますものについて成案を得てはおりませんけれども、いろいろと検討しておる段階でございます。
○前島英三郎君 新幹線の車いす専用室が大変不人気だとの報道がついこの間あったわけなんですけれども、実情はどうなんでしょうかね。理由は何だとお考えになるでしょうか。
○説明員(猪俣為久君) まあいろんな数字のとり方があると思います。年間平均いたしまして算出いたしますと、一部報道されておりますようなニュアンスで、非常に少ないと、五十三年度の実績で申し上げますと、平均いたしまして大体一日約六人ぐらいの利用者になっておりますけれども、やはりシーズンによりまして、あるいは日別によりまして、かなりの波動と申しましょうか、御利用の多いときもございますものですから、われわれといたしましては、なおPRの足らない点その他反省すべき点はございますけれども、今後も御利用方の促進につきましてはわれわれなりの努力をしてまいりたいと思っております。
○前島英三郎君 実は、私なんかもよく新幹線を利用するんですが、飛び込みで乗るのは大変きらわれるわけですね。ですから、二日前とか一週間前とかあらかじめその車両申し込みをする。飛び込みで乗りますと、その車いすの部屋は車掌さんがお使いになっているものですから、ちょっと連絡を聞いてないと、だから車いすの人は利用はできないのだというような断りの苦情もまた非常に多いわけですが、むしろそういうものがあいていたら、車掌さんがお使いになるのもわかるけれども、しかし、その人が来たらさっとその部屋は提供してくれるぐらいの、何といいますか、ゆとりみたいなものがあったなら、もっともっと効率よく利用できるのではないかというような気がするのですけれども、今後、それはよろしく御指導のほどをお願いしたいと思っております。 点字ブロックの設置についてはいかがですか。つい先日裁判がございまして、裁判では控訴されたというようなことをちらっと聞いたわけですけれども、とにかく人命にかかわる問題でありますから、これは目の不自由な人たちももちろん国鉄を利用するわけですし、さらにまた体の不自由な人たちも利用させていただくわけでありますから、そういう意味では点字ブロックの設置ということもやっぱり積極的に取り組んでいただきたいというような気がするんですが、いかがでしょうか。
○説明員(猪俣為久君) 盲人の方々の対策になりますが、点字ブロックにつきましては、やはり一番重要な設備という認識を持っております。先生御承知のように、国鉄の駅が数千という規模に上っておりますので、ある程度整備の順位、進め方というものについては考えてまいらなければならぬわけでございますけれども、五十三年度をとりますと、全国で四十駅以上の駅につきまして新たに点字ブロックを整備いたしておりまして、御利用の多い、たとえば盲人関係の施設、学校等がございます駅とか、あるいは市町村の方で計画がおありの場合にいろいろ御相談させていただきまして駅側の方にも手当をするというふうな形で、順次進めてまいっておるわけでございます。
○前島英三郎君 そういう意味で、有料道路の方は五〇%割引をしていただきましたので、きっと有料道路をお使いになるハンディキャップを持った人たちもますます多くなると思うのですが、国鉄の方は百キロ以遠でなければ乗車賃の割引はないというふうな部分もありますし、なかなか特急料金は割引ができないというようなこともありますし、重ねていつもお願いする内部障害者、いま七万五千人おりますが、この人たちの割引、これ以上の割引はもう国鉄は考えないのだというような部分もありまして、じゃひとつ国鉄の安全対策の面はどうかといいますと、まだまだそういう面では不備な点も多い。さらに、国民の鉄道でありながらなかなか実質問題としてみんなが気楽に使えない、特にハンディキャップを持った人たちは使えない。内部障害者の人七万五千人をもし割引の対象にしてくれるとしたらわずか一億四千万で済むわけですけれども、国鉄は一日三億三千万近い赤字だということでありますが、一億四千万がなかなかめんどうを見てくれないというような冷たい部分を考えるときに、せめて施設面での安全性ということ、それからハンディキャップを持つ人たちも国民の一人であるということを十分御理解いただきまして今後の施設改善にはお力添えをいただきたいと思っております。 どうもありがとうございました。
○委員長(永野嚴雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認めます。 志苫君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、本修正案を議題といたします。 志苫君から修正案の趣旨説明を願います。志苫君。
○志苫裕君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党を代表し、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 地方財政は、御承知のとおり本年度においても四兆一千億円という膨大な財源不足に見舞われ、五年続きの深刻な財政危機に直面いたしております。地方財政がこうした深刻な危機に直面することとなったのは、深刻な不況に起因するのでありますが、その根本的原因としては、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも、産業基盤の整備など中央集権化のもとに大企業優先の高度成長政策を推進してきたことによるものであります。そのため自治体においては、過疎、過密、公害その他の対策に膨大な財政需要を引き起こすことになりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与してこなかったところに地方財政の構造的な危機が招来されたと言わなければなりません。 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するため、地方財政の長期的な見通しに立って、抜本的な恒久対策を講ずるようこれまでたびたび政府に要求してきたのでありますが、残念ながら今回の政府の地方財政対策は、われわれの要求のみならず地方六団体を初めとするすべての自治体関係者の要求をも踏みにじったものと、断ぜざるを得ないのであります。 四兆一千億円の財源不足に対し、政府は、地方交付税率の引き上げを図ることなく、地方交付税特別会計における二兆二千八百億円の借り入れと一兆六千四哲億円の地方債振りかえによって措置し、全く根拠のない二分の一負担方式を固定化しようといたしておりますが、このような財源対策が、地方交付税法第六条の三第二項の趣旨に反していることは言うまでもありません。 今日、地方交付税制度の改革、なかんずく税率の引き上げは、いまや国民的合意となっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な課題であります。このような立場からわれわれは、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来、据え置かれてきた地方交付税率を現行の三二%から四〇%に引き上げることといたしております。なお、この交付税率の引き上げによる交付税の増額に伴い、昭和五十四年度における交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金については、九千七百十四億円といたしております。 第二は、臨時地方特例交付金の増額等についてであります。 その一つは、昭和五十一年度以降発行された財源対策債はすでに巨額に達しており、その元利償還に係る基準財政需要額については、その全額を臨時地方特例交付金で措置することといたしております。 その二つは、昭和五十年度から、五十四年度までの交付税及び譲与税配付金特別会計における借入額の元金償還額については、全額臨時地方特例交付金で措置することといたしております。 以上の措置により、昭和五十四年度における臨時地方特例交付金は、四千五百九十六億円増額し、八千三百六十二億円となります。 第三は、基準財政需要額の算定方法の改正についてであります。すなわち、単位費用のうちその他の土木費に係る投資的経費につきましては、人口一人につき道府県二千八百十円、市町村四百三十二円といたしております。また、その他の諸費に係る経常経費につきましては、人口一人につき道府県二千八百八十円、市町村七千百九十円とするとともに、投資的経費につきましては、人口一人につき道府県三千百三十円、市町村二千百円とし、面積一平方キロメートルにつき道府県八十三万二千円、市町村三十六万四千円といたしております。 以上が本修正案の概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(永野嚴雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、坂元親男君が委員を辞任され、その補欠として長谷川信君が選任されました。 —————————————
○委員長(永野嚴雄君) ただいまの志若君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。澁谷自治大臣。
○国務大臣(澁谷直藏君) ただいまの地方交付税法の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党提案の修正案については、政府としては賛成いたしかねます。
○委員長(永野嚴雄君) それでは、本修正案に対し、質疑のある方ば順次御発言願います。——別に御発言もないようでありますから、原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○佐藤三吾君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に反対し、わが党を初めとする四野党共同修正案に賛成の立場から討論を行うものであります。 昭和五十年度以来の地方財政の構造的危機に対し、地方交付税法の改正を求める声はますます高まっており、いまや国民的課題となっております。ところが政府は、借金による交付税総額の確保とその二分の一の国負担を今後長期にわたって固定化し、地方交付税法第六条の三の二項の規定はもとより、国民の強い期待を踏みにじっております。このような惜置は、地方財政の計画的運営に対する国の責任を放棄するものと言わざるを得ません。 以下、私は、本改正案に対する具体的問題点を指摘したいと思います。 その一つは、地方財政財源不足額の積算根拠とそれに対する地方交付税及び地方債による穴埋めの措置が全く明らかにされていないことであります。毎年自治、大蔵両相の覚書によって決定される地方財政対策は、まさに密室の取引であり、財源不足額の積算根拠は常に霧のかなたに追いやられております。また、財源不足額に対する交付税特別会計における借金と地方債増発の振り分け措置についても、何らルールが示されておらず、まさにつかみ金対策のそしりを免れないものであります。こうした政府の財政対策は、財政の公開、民主主義に全く反していると言わざるを得ません。 その二つは、昭和五十一年度以来の財源対策債に対する償還措置の問題であります。 本来交付税で措置すべきものを財源対策債の名によって地方債に振りかえている以上、これを全額を地方交付税の基準財政需要額に算入することはあたりまえのことでありますが、その償還財源を現行三二%の枠内で措置していることは、交付税率の実質的切り下げと言わざるを得ません。 その三つは、交付税配分の民主化の問題であります。 さきに東京都が報告したように、地方交付税の補正係数の乱用による配分は、明らかに自治体なかんずく大都市自治体に不利になっております。大都市の特別な財政需要の適正な把握も含め、交付税配分を自治省の専売特許化するやり方は、根本的に改めるべきであります。 こうした基本的問題点を持つ政府の改正案に対し、わが党を初めとする四野党共同修正案は、地方交付税の趣旨を実現するものであり、当面、国が措置すべき責任を明らかにしたものであります。自治省が少しでも自治体の代弁者の立場に立つ意思があるならば、率先して賛成するべきであることを強調しまして、私の討論を終わりたいと思います。
○衛藤征士郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、政府提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成し、修正案に反対の意を表するものであります。 政府原案は、国税三税を基礎とする現行の法定額に臨時地方特例交付金三千七百六十六億円及び借入金二兆二千八百億円を加えた額を地方交付税総額とすることによって、地方団体の財政自主性を確保し、かつ行政水準の向上に資するとともに、昨年確立されたルールに従い、借入金純増額の二分の一を国の負担とし、将来における地方の財政負担を緩和し、あわせて地方交付税の配分をより適正化するための諸措置を主な内容としております。 申し上げるまでもなく、わが国の経済は久しく低迷を続け、最近ようやく好転への足がかりを確保できたとはいうものの、財政の現状は低成長時代への対応が整わず、年々増大する財政需要に対しなお巨額の借入金によって対処せざるを得ない状況にあります。 地方交付税制度は、本来、国の税源を基礎として地方団体の財源不足額を十分に補うに足る地方交付税総額が確保されなくてはならないものであります。しかしながら、岡も地方もきわめて異常な財政状況にあることを考えるとき、将来への展望を踏まえつつ、ときに現実的な方策によって当面の課題に対処することもまたやむを得ない場合があります。 かように考えるとき、政府原案における措置は、現在の困難な財政環境を背景に、経費の効率的使用に留意しつつ地域社会における住民の福祉の向上と公共施設の計画的整備等を積極的に行おうとするものでありまして、当面の措置としては高く評価されなくてはならないと思うのであります。これが私の本案に対する賛成の趣旨であります。 なお、政府原案に対する修正案は、さきに成立した昭和五十四年度予算の大幅な補正を求めるものでありまして、わが党としてはとうてい容認することができません。 さきにわが党の金丸理事より、地方税法改正の際、安定成長時代に対応する税制の抜本的改正について政府は今後決意を新たにして取り組まれるよう求めましたが、地方交付税制度についても、税制の改正とあわせて、地方時代の幕あけにふさわしく、十分な税源を基礎とした安定した制度を確立され、地方自治行政の発展を図るよう善処を要望するものであります。 以上、修正案に反対、政府原案に賛成の討論といたします。
○上林繁次郎君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております、内閣提出の地方交付税法の一部を改正する法律案について反対し、日本社会党、公明党、日本共産党並びに民社党提出の修正案に賛成する討論を行います。 地方自治制度発足以来三十年を経た今日、地方財政は膨大な行政需要を抱えながら、昭和五十年度より連続して五年間も財源難に陥り、特に昭和五十四年度の財源不足額は四兆一千億円の巨額に達するという、まさに前例のない最大の危機に直面しているのであります。このような財政危機を招いた原因は、われわれが事あるごとに指摘してきたように、地方財政の構造的欠陥にあります。 大平総理は、田園都市構想を打ち出し地方分権を唱えながら、五十四年度の予算編成及び地方財政対策は全く従来と変わらない借金財政を押しつけているにすぎません。地方の時代の到来に当たり、これまでの経済第一主義を改め、豊かさと潤いと連帯感のある地域社会を実現するためには、従来の中央集権体制を打破し、地方制度調査会等の答申に基づく地方分権をいまこそ打ち立てねばなりません。これまでの一連の地方行財政に対する政府の施策を見る限りその方向性すらうかがえないのであります。しかも、大蔵、自治両省の財政収支試算は、増税のみを国民に押しつけ、全く非現実的な試算と言わざるを得ないのであります。こうした政府の中長期の展望を欠いた場当たり的な対策では、地方自治体の財政運営はますます窮地に陥るばかりであり、このような政府の態度には納得できないのであります。これが反対理由の第一であります。 反対の第二は、五十年度以降の借金財政の積み重ねにより、五十四年度末で地方債残高は全体で四十兆円にも上る膨大な額が見込まれております。この償還費は後年度の地方財政の大きな圧迫要因となることは火を見るよりも明らかであります。このような地方財政の状況は、だれが見ても地方交付税法第六条の三第二項に該当し、交付税率の引き上げ、または抜本的な制度改正をまさに行うべき時期であるにもかかわらず、これらの措置が全くとられておりません。昭和五十四年度の地方財政対策は、交付税会計の借入金の二分の一を国が負担し、残りの二分の一を地方が負担するという昨年度と全く変わらぬものであり、政府の努力の跡が見受けられません。当然、四党共同提出の修正案のごとく、交付税率を四〇%に引き上げ、さらに交付税会計における借入金の元金償還及び財源対策債の元利償還について当然全額国の臨時地方特例交付金で措置すべきであります。 反対理由の第三は、超過負担についてであります。 国と地方の財政秩序を乱し地方財政を圧迫する地方超過負担は、本年度、保健所運営費、保育所措置費、公営住宅建設費等を中心にわずかに改善されているだけで、前年度の改善額に比べて五割強にしかすぎない現状であります。全国知事会等の超過負担解消の要望に比べ極端に少なく、政府の解消対策はきわめて不十分であります。 反対理由の第四は、国庫補助、負担金の整理合理化についてであります。 これについては、地方制度調査会においても、その整理合理化を積極的に進めるべきであると指摘しておりますが、一向に進んでおりません。政府の発表によりますと、五十四年度の補助金の廃止あるいは統合などの整理合理化件数は千二百十七件、金額にして一千二百六億九千万円で、件数、金額とも五十三年度を下回っております。また、五十四年度の一般会計における補助金総額は、五十三年度に比べ二二・八%も伸びており、減るどころかむしろふえる傾向にあります。政府の補助金整理合理化に対する熱意のほどがうかがえないのであります。 以上、四党共同修正案に賛成し、政府原案に反対する主な理由を申し述べ、私の討論を終わります。
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、内閣提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対、日本社会党、公明党、日本共産党並びに民社党共同提出の修正案に賛成の討論を行うものであります。 地方財政の危機は、昭和五十年度以来すでに五年、毎年二兆円から四兆円に及ぶ多額の財源不足額を生じ、しかも政府の地方交付税率の引き上げの見送りと地方債振りかえ、特別会計借入金の二分の一国庫支出による一部補てんという小手先の対策のもとで一層深刻なものとなっています。また、地方財源の保障と財源調整を目的とする地方交付税制度も、こうした政府の対策のもとで財源保障と調整の機能を失い、その矛盾は極限に達し、いまや地方交付税制度の改善を含む地方行財政の抜本的な改革は、全国知事会、市長会を初め、国民的な要望となっています。 ところが、政府のこの改正案は、相も変わらぬ従来の小手先対策の踏襲にすぎないものであります。五十四年度の財源不足額四兆一千億円に対して、地方交付税特別会計の借入金一兆千八百億円、地方債の振りかえ一兆六千四百億円など、大部分が地方自治体の借金となるものであります。このような政府の態度は、地方自治と地方財政の確立に負う政府の責任の放棄であり、断じて承服できないものであります。 地方交付税法第六条の三第二項は、財源不足が引き続き著しいときには、地方財政に係る制度の変更または交付税率の改正を行うべきことを定めているのであり、この五年来の引き続く多額の財源不足という事態が、同法で言う制度の変更または税率の引き上げを必要とする状況であることは明らかであります。にもかかわらず、これを行わず、借入措置でつじつまを合わせようとする違法措置にほかなりません。 さらに、地方債振りかえは、一般財源である交付税を特定化するものであり、特定財源化は交付税法に言う本来の地方自治の促進ではなく、国庫補助と一体化した地方自治と財政自主権の侵害であり、交付税特別会計の借入金とともに、後年度の地方負担を前提としたきわめて不当な措置であります。 以上が、政府案に反対する理由であります。 次に、四党共同の修正案について述べます。 わが党は、今日の地方財政危機を打開し、住民本位の地方自治を確立するために、国と地方の事務、権限の民主的再配分、税財源の地方移譲を含む地方行財政の全般にわたる抜本的改革を提起し、同時に、当面の緊急対策として、地方交付税率の四〇%への引き上げ、超過負担の計画的解消、総合補助金制度の導入などを主な内容とする地方財政再建緊急措置法の制定を提唱してきました。 本修正案は、こうした要請に全面的にこたえ得るものではありませんが、地方交付税率の四〇%への引き上げ、減収補てん債、財源対策債の元利償還も国の負担とすることなどを主な内容とする改善策であります。 これは、地方財源不足は基本的には国の責任で補てんするというきわめて当然の措置であります。 以上の理由から政府案に反対し、修正案に賛成する討論を終わります。
○藤井恒男君 私は、民社党を代表して、政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対、民社党ほか三党共同提出の修正案に賛成の討論を行うものであります。 御承知のように、地方交付税法第六条の三第二項は、引き続き財源不足となれば、地方行財政制度の改正か、もしくは地方交付税率を引き上げるよう義務づけております。 しかるに政府は、昭和五十年度以降、普通交付税総額が財源不足の合計額に大幅に不足する事態が引き続いたにもかかわらず、一時しのぎの策を繰り返し、本年度においてもなお同様の措置をとろうとする政府の態度は、地方交付税法にもとるものであり、法を歪曲解釈してはばからぬ今日の事態こそが地方自治の危機を招来させたと言っても過言ではありません。 今回の修正案は、まずもって交付税法の趣旨を尊重する立場から、また、民社党が責任野党として予算の大宗を損なわずに修正可能であるとの判断に立ち、交付税率の四〇%への引き上げを図っているものであります。また一方、これまで発行された財源対策債や交付税特会の借入金に係る償還についても、国が責任を持って負担するのが当然の措置だと思うのであります。 地方財政再建という問題は、これ以上放置することのできない緊要の課題であります。交付税による地方一般財源の安定的確保を図るため、本修正案を可決されんことを要望して、私の討論といたします。
○委員長(永野嚴雄君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより地方交付税法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、志苫君提出の修正案を問題に供します。 志苫君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(永野嚴雄君) 少数と認めます。よって、志苫君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(永野嚴雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時三十四分散会 —————・—————