地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 381 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/03/29
会議録
○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十八日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。 —————————————
○委員長(永野嚴雄君) 理事の補欠選任に関する件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に神谷信之助君を指名いたします。 —————————————
○委員長(永野嚴雄君) 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに質疑が終局しておりますので、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(永野嚴雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(永野嚴雄君) 地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。澁谷自治大臣。
○国務大臣(澁谷直藏君) ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。 まず第一に、地方税につきまして、地方税負担の現状と地方財政の実情とにかんがみ、地方税負担の適正化、地方税源の充実強化等を図る見地から、自動車税、軽自動車税及び軽油引取税の税率の引き上げ、固定資産税における評価がえに伴う税負担の調整、電気税の非課税等の特別措置の整理合理化等を行うほか、住民負担の軽減及び合理化を図る見地から、道府県民税及び市町村民税の所得控除の額の引き上げ、ガス税の免税点の引き上げ等を行い、第二に、地方道路譲与税につきまして、市町村に対する譲与割合を引き上げ、第三に、航空機燃料譲与税につきまして、新たに空港関係都道府県に対しても譲与することとし、第四に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金につきまして、交付金算定標準額の特例措置の整理合理化等を行う必要があります。 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減を図るため、課税最低限の引き上げを行うこととし、基礎控除の額及び配偶者控除の額を二十一万円に、扶養控除の額を二十万円に、老人扶養親族及び配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族に係る扶養控除の額を二十一万円にそれぞれ引き上げることといたしております。また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額につきましても、それぞれ十九万円に引き上げるとともに、特別障害者控除の額を二十一万円に引き上げることといたしております。 次に、昭和五十四年以後における優良な住宅地の供給または公的な土地の取得に資する土地等の譲渡で所得税において課税の特例が認められるものに係る長期譲渡所得につきまして、特別控除後の譲渡益四千万円以下の部分については道府県民税二%、市町村民税四%の税率により、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分については譲渡益の二分の一を総合課税するとした場合の上積み税額により、それぞれ課税することといたしております。 また、昭和五十四年から昭和五十六年までの間における特定市街化区域農地等の譲渡に係る長期譲渡所得につきまして、道府県民税一・六%、市町村民税三・四%の税率が適用される特別控除後の譲渡益を四千万円に引き上げることといたしております。 さらに、国税において純損失の繰り戻しによる還付の特例措置の適用を受けた特定不況地域中小企業対策臨時措置法の認定中小企業者に対する純損失についての繰越控除期間を三年から五年に延長することとするほか、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法の認定中小企業者に対する純損失の繰越控除期間の特例措置の対象期間を一年延長することといたしております。 なお、この繰越控除期間の延長等につきましては、個人の事業税におきましても同様の措置を講ずることといたしております。 その二は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、劇場、病院等の既存の特定防火対象物の改築に係る課税標準の特例措置を廃止する等特別措置の整理合理化を行うほか、専修学校の寄宿舎の用に供する不動産の取得を非課税とする等の措置を講ずることといたしております。 その三は、道府県たばこ消費税及び市町村たばこ消費税についてであります。たばこ消費税につきましては、たばこの定価改定に伴って予想される昭和五十四年度におけるたばこ消費税の減収を調整するため、製造たばこの売り渡し本数について、所要の補正を行うことといたしております。 その四は、自動車税及び軽自動車税についてであります。自動車税及び軽自動車税につきましては、現行税率が設けられて以後自動車等の販売価格が上昇していること、道路に関する経費が増大していること等を考慮し、その税率を自家用車について一〇%程度引き上げることといたしております。 営業用車につきましては、公共輸送機関としての性格等にかんがみ、一般乗り合い用以外の営業用バスについてその税率を五%程度引き上げることとし、その他のものにつきましては、税率を据え置くことといたしております。 その五は、狩猟免許税及び入猟税についてであります。狩猟免許税につきましては、狩猟免許制度の改正に伴い、その名称を狩猟者登録税に改めることとするほか、放鳥獣猟区に係る狩猟者登録税及び入猟税について、その負担を軽減することといたしております。 その六は、固定資産税及び都市計画税についてであります。 まず、宅地等及び一般農地に係る昭和五十四年度から昭和五十六年度までの各年度分の固定資産税及び都市計画税につきましては、評価がえに伴う税負担の調整を図るため、昭和五十四年度評価額の昭和五十三年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じて定める負担調整率を前年度の税額に乗じて求めた額を限度とすることといたしております。 次に、三大都市圏の特定の市のC農地及びその他の市町村の市街化区域農地に対する課税の適正化につきましては、引き続き検討を加えることとするとともに、現在課税の適正化措置が実施されている三大都市圏の特定の市のA農地及びB農地に係る現行の減額制度につきましては、その適用期限を昭和五十六年度まで延長することといたしております。 その他、固定資産税におきましても、重油の水素化脱硫装置に係る課税標準の特例措置を廃止する等特別措置の整理合理化を行うほか、省エネルギー設備に係る課税標準の特例措置等を講ずることといたしております。 その七は、電気税及びガス税についてであります。 まず、電気税につきましては、産業用電気に係る非課税措置の見直しを行い、電刷子等三品目に係る非課税措置を廃止することといたしております。 また、ガス税につきましては、住民負担の軽減を図る見地から、免税点を七千円に引き上げることといたしております。 その八は、特別土地保有税についてであります。特別土地保有税につきましては、国、地方公共団体、森林組合等が分収造林契約等に基づいて行う造林の用に供する一定の土地を非課税とする等の措置を講ずることといたしております。 その九は、軽油引取税についてであります。軽油引取税につきましては、道路目的財源の充実強化を図る見地から、その税率を一キロリットルにつき二万四千三百円に引き上げることといたしております。 その十は、国民健康保険税についてであります。国民健康保険税につきましては、所得水準の上昇等を勘案し、その課税限度額を二十二万円に引き上げることといたしております。 第二は、地方道路譲与税法の改正に関する事項についてであります。 地方道路譲与税につきましては、地方道路税の税率の引き上げに伴い、市町村の道路目的財源の充実を図るため、市町村に対する譲与割合を現行の五分の一から、初年度にあっては百分の三十二、平年度にあっては百分の三十六に引き上げることといたしております。 第三は、航空機燃料譲与税法の改正に関する事項についてであります。 航空機燃料譲与税につきましては、航空機燃料税の税率の引き上げに伴い、空港関係都道府県における航空機騒音対策事業等の経費に充てるため、航空機燃料譲与税の五分の一の額を新たに空港関係都道府県に譲与することといたしております。 第四は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正に関する事項についてであります。 まず、日本国有鉄道の市町村納付金に係る納付金算定標準額の特例措置につきまして、その対象範囲を見直した上、適用期限を昭和五十五年三月三十一日まで延長することといたしております。また、市町村交付金につきまして、発電所の用に供する固定資産に係る交付金算定標準額の特例措置を廃止する等の整理合理化を行うことといたしております。 このほか、地方税制の合理化を図るための所要の規定の整備を行っております。 以上の改正の結果、明年度におきましては、自動車税、軽自動車税及び軽油引取税の税率の引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化等により千八百二十三億円、平年度二千五百六億円の増収が見込まれる一方、個人住民税の課税最低限の引き上げ等により五百九十二億円、平年度六百九十一億円の減収が見込まれますので、差し引き地方税関係では千二百三十一億円、平年度千八百十五億円の増収となる見込みであります。そのほか、地方道路譲与税及び航空機燃料譲与税におきまして、四百五十一億円、平年度五百八十六億円の増収が見込まれております。 以上が、地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(永野嚴雄君) 次に、補足説明を聴取いたします。土屋税務局長。
○政府委員(土屋佳照君) ただいま説明のございました地方税法等の一部を改正する法律案の主要な内容につきまして、お配りしております関係資料の中にございます新旧対照表により、補足して御説明を申し上げます。 第一は、地方税法の改正でございます。 まず、道府県民税の改正であります。 第三十四条第一項第六号から第九号までの改正は、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額をそれぞれ現行の十八万円から十九万円に、特別障害者控除の額を現行の二十万円から二十一万円に引き上げようとするものであります。 第三十四条第一項第十号及び第十一号並びに同条第二項及び第三項の改正は、基礎控除及び配偶者控除の額を現行の二十万円から二十一万円に、扶養控除の額を現行の十九万円から二十万円に、老人扶養親族及び配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族に係る扶養控除の額を現行の二十万円から二十一万円に、それぞれ引き上げようとするものであります。 なお、基礎控除の額等の引上げによって、住民税の課税最低限は、夫婦子二人の給与所得者の場合、現行の百四十一万八千円から百四十九万円に引き上げられることとなります。 次は、事業税の改正であります。 第七十二条の二十二第四項の改正は、貸家組合法が廃止されたことに伴い、貸し家組合等を事業税の特別法人から除外しようとするものであります。 次は、不動産取得税の改正であります。 第七十二条の四第一項第三号の改正は、学校法人または準学校法人が設置する専修学校の寄宿舎について非課税としようとするものであります。 第七十三条の十四第四項、第五項及び第九項の改正は、各種の公的資金の貸し付けを受けて取得する一定の不動産に係る課税標準の算定方法を合理化しようとするものであります。 第七十三条の二十四第一項の改正は、土地つき分譲住宅を購入した場合の土地の取得に係る税額の減額措置の適用要件のうち、売り主に係る要件を撤廃することによってその適用対象範囲を広げようとするものであります。 次は、自動車税の改正であります。 第百四十七条第一項の改正は、自家用の自動車の税率を一〇%程度、営業用バスのうち一般乗り合い用のもの以外のバスの税率を五%程度それぞれ引き上げるとともに、普通乗用車に係る税率の適用区分を総排気量による区分に改めようとするものであります。 次は、狩猟免許税の改正であります。 狩猟免許税につきましては、狩猟免許制度の改正に伴い、その名称を狩猟者登録税に改める等所要の規定の整備を行うこととしております。 また、第二百生十七条第二項の改正は、放鳥獣猟区のみに係る税率を二分の一に軽減しようとするものであります。 次は、市町村民税の改正であります。 第三百十四条の二の改正は、道府県民税と同様でありますので説明を省略させていただきます。次は、固定資産税の改正であります。第三百四十八条第二項第九号の改正は、学校法人または準学校法人が設置する専修学校の寄宿舎の用に供する固定資産を非課税としようとするものであります。 第三百四十九条の三第五項から第二十四項までの改正は、民生関連設備に係る課税標準の特例措置を廃止するとともに、水資源開発公団が所有する水道または工業用水道用ダムの用に供する家屋及び償却資産に係る課税標準の特例措置を縮減しようとするものであります。 なお、都市計画において定められた路外駐車場の用に供する家屋及び償却資産に係る課税標準の特例措置につきましては、新たに適用期限を付し、附則に規定することといたしております。 次は、軽自動車税の改正であります。 第四百四十四条第一項の改正は、営業用以外の軽自動車に係る税率を一〇%程度引き上げようとするものであります。 次は、電気税及びガス税の改正であります。 第四百八十九条第一項の改正は、ジルコニウム地金、電刷子及び過塩素酸アンモンに係る電気税の非課税措置を廃止しようとするものであります。 第四百九十条の二第二項の改正は、ガス税の免税点を七千円に引き上げようとするものであります。 次は、特別土地保有税の改正であります。 第五百八十六条第二項第八号の二及び第十七号の改正は、国、地方公共団体、森林組合等が分収造林契約等に基づいて行う造林の用に供する土地及び勤労者財産形成促進法による福利厚生会社が雇用促進事業団から融資を受けて新築する住宅の用に供する土地を非課税としようとするものであります。 第六百二条の改正は、土地または家屋を収用することができる事業を行う者が、当該事業の用に供する不動産を譲渡した者等に対し、当該不動産にかわるものとして譲渡するために取得する代替地について、納税義務を免除しようとするものであります。 次は、入猟税の改正であります。 入猟税につきましても、狩猟免許制度の改正に伴い狩猟者登録税と同様所要の規定の整備を行うこととしております。 また、第七百条の五十一の二の改正は、放鳥獣猟区のみに係る狩猟者の登録を非課税としようとするものであります。 次は、国民健康保険税の改正であります。 第七百三条の四第四項の改正は、課税限度額を二十二万円に引き上げようとするものであります。 次は、附則の改正であります。 附則第四条第二項の改正は、特定不況地域中小企業対策臨時措置法の認定中小企業者に係る個人の道府県民税及び市町村民税について、昭和五十三年または昭和五十四年において生じた純損失のうち還付を受けた所得税の額の計算の基礎となった純損失についての繰越控除の期間を、三年から五年に延長するとともに、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法の認定中小企業者に係る個人の道府県民税及び市町村民税について、純損失についての繰越控除の期間の特例措置の対象期間を昭和五十四年まで延長しようとするものであります。 附則第九条第三項の改正は、特定不況地域中小企業対策臨時措置法及び円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法の認定中小企業者に係る個人の事業税について、それぞれただいま申し上げました個人の住民税と同様の措置を講じようとするものであります。 附則第十一条第一項、第五項及び第七項の改正は、国または日本専売公社の補助を受けて取得する共同利用施設に係る不動産取得税の課税標準の算定方法等を合理化しようとするものであります。 附則第十一条第十項及び第十一項の改正は、空港周辺整備機構が航空機の騒音によりその機能が害されるおそれの少ない施設の用に供するために取得する土地及び特定船舶製造業安定事業協会が特定船舶製造業者から買い入れる不動産に係る不動産取得税について、その課税標準を三分の一に軽減しようとするものであります。 附則第十一条第十二項の改正は、第七十三条の十四第四項、第五項及び第九項の改正による課税標準の算定方法の合理化に伴い、暫定的に税負担の調整を行おうとするものであります。 附則第十一条の二第三項及び第五項の改正は、特定市街化区域農地の所有者等が取得する貸し家用住宅等に係る不動産取得税の軽減措置の適用期限を昭和五十七年三月三十一日まで延長しようとするものであります。 附則第十一条の二第七項の改正は、心身障害者モデル工場に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限を昭和五十七年三月三十一日まで延長しようとするものであります。 附則第十一条の二第九項の改正は、入会林野整備等により取得する土地に係る不動産取得税の課税標準の特例措置を税額の減額措置に改め、その適用を土地の取得後引き続き二年以上入会林野整備計画等に適合する利用をしたものに限定するとともに、その適用期限を昭和五十六年三月三十一日まで延長しようとするものであります。 附則第十二条の二の改正は、昭和五十四年度分の道府県たばこ消費税及び市町村たばこ消費税に限り、課税標準算定の基礎となる額に乗ずべき製造たばこの本数については、製造たばこの本数に一定の率を乗じて得た本数としようとするものであります。 附則第十二条の三の改正は、電気自動車に係る自動車税の税率の軽減措置の適用期間を昭和五十五年度まで延長しようとするものであります。 附則第十四条の改正は、公害防止設備に係る固定資産税の非課税措置につきまして、その対象範囲からオイルフェンスを除外した上、適用期限を三年延長しようとするものであります。 附則第十五条第一項から第十項までの改正は、重油に係る水素化脱硫装置及び電子計算機に係る固定資産税の課税標準の特例措置を廃止するとともに、日本自動車ターミナル株式会社の事業用家屋及び償却資産、営業用倉庫、並びに心身障害者モデル工場の家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を二年、工業用水道等への転換設備及び公害防止設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を三年それぞれ延長しようとするものであります。 附則第十五条第十五項の改正は、先ほど御説明いたしました都市計画において定められた路外駐車場の用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置につきまして、その適用を昭和五十六年一月一日までに建設され、または設置されたものに限ることとしようとするものであります。 附則第十五条第十六項から第十八項までの改正は、省エネルギー設備、地方鉄軌道に係る乗降場の延伸工事により敷設した鉄軌道用構築物及び救急病院等の救急医療用機器に係る固定資産税について、課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 附則第十六条第一項及び第二項の改正は、新築住宅及び新築中高層耐火建築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を三年延長しようとするものであります。 附則第十七条の改正は、次に御説明いたします土地に係る昭和五十四年度から昭和五十六年度までの各年度分の固定資産税及び都市計画税の負担調整措置に関し必要な事項の定義を明らかにしようとするものであります。 附則第十八条及び第十八条の二の改正は、宅地等に係る昭和五十四年度から昭和五十六年度までの各年度分の固定資産税について、昭和五十四年度評価額の昭和五十三年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じて、それぞれ前年度の税額の一・一倍、一・二倍または一・三倍を限度とする段階的な負担調整措置を講じようとするものであります。 附則第十九条の改正は、一般農地に係る昭和五十四年度から昭和五十六年度までの各年度分の固定資産税について、昭和五十四年度評価額の昭和五十三年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じて、それぞれ前年度の税額の一・〇五倍、一・一倍または一・二倍を限度とする段階的な負担調整措置を講じようとするものであります。 附則第二十五条及び第二十六条の改正は、宅地等及び一般農地に係る昭和五十四年度から昭和五十六年度までの各年度分の都市計画税について、固定資産税と同様の段階的な負担調整措置を講じようとするものであります。 附則第二十九条の五第一項の改正は、現に耕作の用に供され、かつ、引き続き三年以上農地として保全することが適当であると認められる市街化区域農地に係る固定資産税及び都市計画税の減額措置の適用期限を昭和五十六年度まで延長しようとするものであります。 なお、課税の適正化措置の適用対象外とされる市街化区域農地に対して課する固定資産税及び都市計画税につきましては、改正法附則第二十三条において、引き続き検討を加え、昭和五十七年度から必要な措置が講ぜられるべきものとしております。 附則第三十条の二の改正は、電気自動車に係る軽自動車税の税率の軽減措置について、自動車税と同様その適用期間を昭和五十五年度まで延長しようとするものであります。 附則第三十一条の二の改正は、旧特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法による承認に係る合併後存続する法人等が生産規模の拡大等のために昭和五十四年三月三十一日までに取得して当該事業の用に供する土地については引き続き特別土地保有税を非課税としようとするものであります。 附則第三十一条の三の改正は、住宅用地以外の宅地等に係る特別土地保有税の税額算定の特例措置を昭和五十六年度まで延長するとともに、空港周辺整備機構が取得する土地で航空機の騒音によりその機能が害されるおそれの少ない施設の用に供するもの及び特定船舶製造業安定事業協会が特定船舶製造業者から買い入れて保有する土地に係る特別土地保有税について、その税額を三分の一に軽減しようとするものであります。 附則第三十二条の改正は、いわゆる過疎バスに係る自動車取得税の非課税措置の適用期限を昭和五十五年三月三十一日まで延長するとともに、電気自動車に係る自動車取得税の税率の軽減措置の適用期限を昭和五十六年三月三十一日まで延長しようとするものであります。 附則第三十二条の二の改正は、昭和五十四年六月一日から昭和五十八年三月三十一日までの間に行われる軽油の引き取り等に係る軽油引取税の税率を一キロリットルにつき二万四千三百円に引き上げようとするものであります。 附則第三十三条の二第一項の改正は、個人の道府県民税及び市町村民税について、みなし法人課税を選択した場合の課税の特例措置の適用期間を昭和五十九年度まで延長しようとするものであります。 附則第三十四条の二の改正は、昭和五十四年以後における優良な住宅地の供給または公的な土地の取得に資する土地等の譲渡で所得税において課税の特例が認められるものに係る長期譲渡所得について、特別控除後の譲渡益四千万円以下の部分については道府県民税二%、市町村民税四%の税率により、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分については譲渡益の二分の一を総合課税するとした場合の上積み税額により、それぞれ課税しようとするものであります。 附則第三十四条の三の改正は、昭和五十四年から昭和五十六年までの間における特定市街化区域農地等の譲渡に係る長期譲渡所得について、道府県民税一・六%、市町村民税三・四%の税率が適用される特別控除後の譲渡益を四千万円に引き上げようとするものであります。 附則第三十五条の二第一項及び第三項の改正は、個人の市町村民税について、山林を現物出資した場合の山林所得に係る納期限の特例措置の適用期間を昭和五十六年度まで延長しようとするものであります。 第二は、地方道路譲与税法の改正であります。 第二条及び第二条の二の改正は、地方道路譲与税の百分の六十四の額を都道府県及び指定市に対し、百分の三十六の額を市町村に対し譲与しようとするものであります。 なお、昭和五十四年度分の地方道路譲与税につきましては、改正法附則第十九条において、その百分の六十八の額を都道府県及び指定市に対し、その百分の三十二の額を市町村に対し譲与するものとしております。 第三は、航空機燃料譲与税法の改正であります。 第一条の改正は、新たに空港関係都道府県に対しても航空機燃料譲与税を譲与することとしようとするものであります。 第二条第一項の改正は、航空機燃料譲与税の五分の四の額を空港関係市町村に対し譲与することとし、第二条の二第一項の改正は、航空機燃料譲与税の五分の一の額を空港関係都道府県に対し譲与することとしようとするものであります。 第四は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正であります。 第四条第三項及び第四項の改正は、発電所の用に供する固定資産に係る交付金算定標準額の特例措置を廃止するとともに、変電所及び送電施設の用に供する固定資産並びに水道または工業用水道用ダムの用に供する家屋及び償却資産に係る交付金算定標準額の特例措置を縮減しようとするものであります。 附則第十五項の改正は、土地に係る市町村交付金について、今回講じられる土地に係る固定資産税の負担調整措置に対応して価格の修正の特例を設けようとするものであります。 附則第十六項の改正は、日本国有鉄道の公害防止設備に係る市町村納付金の特例措置の適用期限を三年延長しようとするものであります。 附則第十七項の改正は、日本国有鉄道の市町村納付金に係る納付金算定標準額の特例措置の対象範囲を見直した上、その適用期限を二年延長しようとするものであります。 以上で補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(永野嚴雄君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 まず、いま大臣並びに税務局長の説明を聞いたんですが、率直な感じとして、地方税法というのは標準税法ですからね、言うなら自治体の条例でもって税が課せられていくわけですから、その標準税法である地方税法の中で改正をするなり制定をするなり、もう少し知事や市町村長を信頼して、そして条例の本旨にのっとってやられるということが私は大事じゃないかというようなことをつくづく感じたわけです。 〔委員長退席、理事金丸三郎君着席〕 そういう観点で大臣のひとつ所見をお伺いしたいと思うんです。 同時にまた、地方財政は御承知のとおりに五十年以降を見ますと、非常に悪化の一途をたどっておるわけです。自主財源の柱である地方税を見ましても、四十九年を一〇〇として、五十四年度のいま出された案を見ますと一七九・七という、増収の方向にはいっておるのですが、しかし全体の構成で見ると、四十九年の四一・四が五十四年は三三・四に落ちてきておる。交付税は一体どうかというと、これは余り変わっていない。そのかわり借金である地方債が、これが四十九年の五・九から五十四年は一二・六に倍増しておる。こういうあり方について、まず大臣の所見を承りたいと思います。——大臣に。
○政府委員(森岡敞君) ちょっと数字のお話が出ましたので恐縮でございますが。 いま御指摘のように、地方財源の構成比を見ますると、地方税の構成比が落ち、地方交付税がほぼ横滑り、地方債の構成がふえてきておると、これはもう全く御指摘のとおりでございます。何と申しましても、現在の経済の情勢あるいは企業の業績等が影響いたしまして、法人関係税の伸びがきわめて鈍化をしてきておるということが大きな原因になっておると思います。と同時に、歳出面におきまして、福祉あるいは社会資本の整備ということにあわせまして、景気回復のための財政の役割りというものも増してきておるものでございますから、どうしても所要の財源を確保しながら歳出水準を維持していかなければならぬ。その歳出の維持の中で相当部分が雇用の確保なり、あるいは景気の浮揚のための各種の公共的な投資というものにウエートが置かれておるものでございますから、地方債の分量がふえてきておるということは、これはいわばそのような情勢から出てきた必然的な帰結ではないかと思うのでございます。しかし、このような状態がいつまでも続くということは、これは財政の構造あるいは今後の健全化を志向いたします場合に望ましいことではございませんので、できるだけ早い機会に自主財源地方税の増強を図って、財政構造の健全化に取り組むということがぜひ必要ではないかと、かように思う次第でございます。
○国務大臣(澁谷直藏君) いま財政局長からお答えいたしましたように、これは要するに石油ショック以降日本の経済状態というものが大きく変わったわけでございまして、その石油ショックに対応するための、この六年間これは日本経済全般に大変な大きな影響を与えたわけでございますが、地方財政の面においても、ただいま指摘されましたような大きな影響を受けてきておると、こういうふうに総括できると思うわけでございます。 したがって今後の対策としては、このような状態のままで継続していくということはもちろんこれは適当ではないわけでございますので、いわゆる安定成長にふさわしいような地方財政のあり方、こういったものを基本に据えて地方財政の再建策に真剣に取り組まなければならない段階に来ておると、このように考えておるわけであります。
○佐藤三吾君 いま大臣の発言にありましたように、安定成長にふさわしい財政再建をしなきゃならぬと、これはもう再三言われておることですが、地方自治の本旨からいっても、私はそれが当初から基本でなけりゃならぬと思うんですね。ところが、いま森岡局長が言ったように、国の財政が危機だから必然的にこうなったと。問題はそこにあるのじゃないかと私は思うんです。言うなら、国の財政危機が即地方財政危機になるところに問題がある、必然的になることに問題があるんじゃないか。やはり地方自治の本旨なり、自治分権という立場に立つなら、むしろ地方財源というのは独立税を基本に置いて、そして国の財政危機と直接関係のないような、そういった税財政の確立が基本でなけりゃならぬと私は思うんです。 〔理事金丸三郎君退席、委員長着席〕 いま言われているように、いまの現状のように七割が国税、三割が地方税、そして実際歳出の方では地方が七割、国が三割という、こういうあり方に問題があるのであって、ここにメスを入れない限り、私は大臣が何ぼ強調してみても、大臣にしてみればせいぜい任期中だけの発言だからというような無責任なことになりかねないような感じがしてならぬのです。 ですから、そういう意味合いでは、このいわゆる五十四年度の予算、この期が財政を立て直す私はチャンスじゃないか。むしろこの機会にこそ地方の自主財源をどう確保していくか。いわゆる国と関連のある、たとえば租税特別措置の関係をどう遮断していくかとか、こういった具体的な案が、当然地方税法の改正の中に出てこなきゃならぬと私は思うんですが、しかしいま提案された内容を見ると、相変わらずの姿勢に終始しておる。この点ひとつ大臣の決意を含めてお聞きしておきたいと思うんです。
○国務大臣(澁谷直藏君) 今後の地方財政というもののあり方について、佐藤委員がいま示されたような考え方は、私は基本的にはそういう方向で行かなければならないものだと、こういうふうに考えております。ただ、現実の問題としては、幾ら地方財政というものの自主性、独立性というものを強調しても、しょせんはこれはもう日本の国の中の自治体でございますから、国の財政というものと全然かかわり合いがないというわけにはもちろんまいりません。国の財政、地方の財政、これはいずれも車の両輪と、こういう関係にあるわけでございますから、そして国の財政の状態がもう御承知のような火の車の状態であると、こういう状態でございますので、私どもも地方財政というものの財源の強化というものをぜひ図りたいと、このように考えておりまするし、現に予算編成の際にもそういう姿勢で大蔵省と折衝をしたわけでございますが、何分にもこの現実の情勢というものは、私どものそういった考え方を実現するのにきわめて不適当な状況であったと、こういうこともひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。 国の財政がピンチになればそれが直ちに地方財政に連動するという状態、これを改正すべきではないかという御指摘については、私は基本的には全く同感でございます。そういったような考え方を踏まえて、今後地方財政の再建策というものはどうあるべきか、どうなければならないか、そういったことでひとつ取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○佐藤三吾君 大臣の決意はお聞きしましたが、その決意をこれから御質問します中でひとつぜひ明らかにしていただきたいと思います。 まず三月二十七日の新聞で見ますと、あすの閣議で、地方税法の施行令を改正して、中高年齢者の雇用給付金制度をつくって、高齢者の雇用企業については給与の二分の一を課税対象から除くという特例をつくると、こういう記事が出ておるわけですが、これは一体どういうことなのか。そうしてその規模、内容はどういうものなのか。先ほどの提案の中にも特定不況地域であるとか、円高によるところのしわ寄せを受けておる企業であるとか、幾つか税法の改正が提案されておりますけれどもこの問題について、新聞ですから、大臣の考え方をまず聞いておきたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまの点でございますが、もう御承知のように、現行法上すでに年齢五十五歳以上六十歳未満の者のうちで、雇用保険法その他の法令の規定に基づきます国の雇用に関する助成が行われておる者、そういった者で特に政令で定めております雇用改善助成対象者につきましては、高年齢者等の雇用の安定とその促進に資するという見地から、そういう人々の給与等の額の二分の一に相当する額をこの事業所税従業者割の課税標準となる従業者給与総額に含めないと、二分の一は課税標準から除くと、こういった仕組みにすでになっておるわけでございます。これと同様の見地から、同じくこの雇用保険法に基づいて支給されます中高年齢者雇用開発給付金の支給に係るもののうちで、高年齢者、年齢五十五歳以上の者につきましても、今回の政令の改正でこの雇用改善助成対象者の範囲に含めまして、現行の特例措置と同様の、五十五歳から六十歳未満の者につきまして、給与の二分の一に相当する額は課税標準の給与総額から差し引くということにいたしまして均衡を図ることとしたわけでございます。なお、年齢六十歳以上の者については、もともと従来から従業者に含めないということにしておりますので、給与額の中に含めておりませんから、六十歳以上はすべて除かれておる。こういうことになっておるわけでございまして、私ども、これも推定でございますけれども、今回の対象になる者は、全国的に見て一万三千七百人ぐらいではないかと推定をいたしておるわけでございまして、実際にどういったことになるかはやってみないと明確な数は出ないわけでございますが、従来やっておりましたこと等に対して、新しく中高年齢者の雇用開発給付金という問題が出てまいりましたので、同じような趣旨で改善を図ろうということにしたわけでございます。
○佐藤三吾君 これ、事業所税の措置だと思うのですから、三十万都市以上になりますね。それ以外の都市の中高年層は一体どういうふうになるのですか。それから問題は、道路、公園整備、学校建設など目的としてこの税というのは創設された経緯があるわけですけれども、そういう税の性格から見ればなじまぬのじゃないかと私思うのですが、一体どういう御見解なのか。さらに、これに伴ってどう地方財政の補てんをしようとしておるのか。こういったところまで含めて見解を伺いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) この問題は、事業所税に関します軽減措置でございますから、現在御承知のように事業所税の適用されておるところは、都市でいいますと三十万以上の都市でございます。したがいまして事業所税の適用されていないところには関係はないわけでございます。 なお、この事業所税は御承知のように特に大都市地域におけるいろいろな特殊な事情にかんがみて、特に大都市地域の財源を付与するというかっこうで創設されておるものでございますから、そういった地域において、そういった企業等がどのような行政との対応関係にあるかといったような問題を考えて課税標準等も考えておるわけでございます。そういった意味で、企業のいろいろな規模を見ます場合に、固定資産の面積とかあるいは従業者の給与といったようなものがやはり企業の実態というものをあらわす、企業と行政との関連というものを的確にあらわすものじゃあるまいかということで、そういったものを課税標準にしておるわけでございます。 なお、こういったことで軽減措置をいたしますと、その分は税収として減額になるわけでございますから、翌年の交付税において措置をされるということになるわけでございます。
○佐藤三吾君 大体どのくらいの額ですか。
○政府委員(土屋佳照君) 推定でございますから明確な数字は申し上げられませんが、先ほど申し上げましたように、対象者数が一万三千七百人ぐらいじゃないかと関係方面から聞いて推定しております。それの二分の一であって、かつまた税率が御承知のように百分の〇・二五という非常に少ない数でございますので、額として見れば二千万を若干超える程度ではあるまいかというふうに推定をいたしております。
○佐藤三吾君 私、中高年層が深刻な雇用問題になっていますから、これ以上は深追いをしませんが、しかし、こういった問題は何も国の段階で措置するのじゃなくて、都道府県段階で自治体にこれを任してそういう点をするというのが、地方税法なり地方自治の本旨からいっても私は大事な点じゃないかと思うのです。たとえば四、五年前に法人事業税の不均一課税の動きが自治体に起こったときがございますね。そのときにもやはり国は地方税法を改正して、そして制限税率を下げると、こういうような措置をとっている。そういうように、いわゆる自治に伴う租税権というのがあるわけですから、そういった点に一々くちばしを入れるのでなくて、むしろ自治体の方にそういった点は任していくという、指導はあっても、いきなり法律を当たっていくということでなくてした方がいいのじゃないかと思いますので、その点はひとつ私の方の問題提起として置いておきたいと思います。何か御意見あればまたいただきたいと思います。 そこで、時間がございませんから次に移りますが、代表質問でも申し上げたんですが、法人事業税の外形標準課税への転換の問題、それから課税最低限の引き上げ、医師の事業税の非課税の解消、こういった問題について私は強く申し上げたわけでありますが、率直に言って大臣の答弁納得ができないわけです。なぜかというと、いま大臣の答弁はたしか外形標準課税の導入については一般消費税との関係もあって云々というような、そういう答弁だったと思うのですね。一般消費税の関係ということでなくて、恐らく課税客体が類似しておるのでそういう言い方になったんじゃないかと私は思うのですが、しかし、いまの森岡財政局長の税務局長時代、なかなかこれは積極的だったわけですね。雑誌その他読んでみると、これは入れるべきだと。特にいま大臣も言ったように、安定成長時代に入って特に地方の財源が不安定な要素をなくさなきゃならぬ、より安定的な財源としてはこれは非常にすぐれたものを持っておると、こういうことで森岡局長も税務局長時代は盛んにPRをしておる。それが今度財政局長になったとたんに何か怪しくなってきた。そして大臣の言葉によると、もうできもするか、見通しもわからない一般消費税の問題にこれをすりかえようとしておる。こういったことは私は自治体に対する冒涜であるし、財政自治権という観点からいってもこれはやはり許されない、そういう感じです。そういう意味で大臣答弁というのはどうしても納得できない。また応益原則の立場から見ても、これは必要であろうと私は思うのです。 さらに、医師の事業税の問題についても、非課税であるのが何か診療報酬の方に転嫁されてかえって国民に迷惑をかけるんじゃないかというような言い方をたしか大臣は本会議の中でしたわけでありますけれども、これもちょっとペテンなことであって、私はやはり当時の、病院のいわゆる非課税措置をとったときの昭和二十年代の時代と、いまの医師のありようというのは大変な相違がある。毎年全国の所得番付を見ましても、ほとんど各県で共通してベストテンの中に圧倒的多数いっておるのが医師であります。しかも、事業としてもう非常に高収益を上げておる実態にありながら、いつまでもこれを非課税で過ごすということは許されない。そういう意味からもこの際ひとつ踏み切るべきだと、課税対象に。そういうふうに私は強く思っておるわけです。こういった点について、まず御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 医師の事業税非課税の措置をもう改正する時期に来ているのではないかという御指摘でございます。御承知のように、いわゆる医師の優遇税制、国税の面でそういった優遇税制、これはまあ二十五年間続いてきたわけでございます。これと一体というような関係で事業税も非課税と、こういうことで現在に至っておるわけでございますが、御指摘のように、確かにそれは二十五年前と現在の医者の状態というものを考えますると大変な変化があることはもう御指摘のとおりだと思います。しかも、片や国も地方も非常な財政難ということで、国税面におきましてはようやく今回これの是正の措置を講ずることにして御審議をいただいておるわけでございます。で、地方税の方はそのままに残ったと、こういうことでございますから、私はやはりこの問題も確かにこれはもう検討をしなければならぬ段階に来ておると、こういうふうに考えております。 ただ、この問題は、御承知のように、医師の社会保険診療制度、こういったものと非常に密接に絡み合っておる問題でございますので、そういった問題を、これをとにかく改正しなければならぬという段階に来ておるわけでございますから、そういった問題の一つとして、全般の仕組みをとにかくこれはもう考え直さなくちゃならぬという時期に来ておるわけでございますから、そういう中で私どももこの問題はひとつ真剣に検討をしていきたいと、このように考えております。
○政府委員(土屋佳照君) 第一点の、医師に対する事業税の問題でございますが、ただいま大臣からお話がございましたように、この事業税の非課税措置というのは、二十六年に決定されました社会保険診療報酬の単価等を考慮いたしまして、社会保険診療促進という見地から二十七年に議員提案によって設けられたということでございまして、その後二十九年に国税における所得税等でのいまの七二%の経費率が設けられました際も、これはそのまま事業税の場合はいじらないということになりまして、その後の社会事情の変遷を経ながらも今日に至ったという経緯がございまして、先ほど申されました性格上事業税の経費とされることから、結果的には被保険者に転嫁されて負担することになるというようなことを先般の国会答弁でも申し上げたわけでございますが、いま申し上げましたように、やはり事業税というのは事業活動そのものに対する課税でございますから、事業の経費となるものでございまして結果的には被保険者に転嫁されることを予定しておる。したがって、社会保険診療報酬に対して課税が行われるということになりますと被保険者の保険料負担がその分だけふえるということになってくる。そこで、国民皆保険のもとで、多額の国庫支出金をも財源として賄われております医療保険におきまして、さらにその保険料の負担水準を引き上げるということになると、どちらの方で負担してもらったらいいのかどうかというような問題もございますので、そういったことがあるからそこのあたりは慎重に検討をする必要があろうと、こういう趣旨で答弁をされたわけでございまして、そういったこと等を踏まえまして今回は改正に踏み切るまでには至らなかったわけでございます。国税の今度の改正等を踏まえて検討するという点については、大臣から申し上げたとおりでございまして、ただそこらの経緯については私から若干補足を申し上げたわけでございます。 なお、この事業税の外形標準課税の問題でございますが、おっしゃいますとおり、私どもとしては、事業税の物税としての性格、事業と地方団体の行政サービスとの関連ということから、より的確に課税標準として認めていいというものを模索しておったわけでございますが、そういった意味ではいまの所得課税よりはおっしゃるように外形標準課税がよかろうということで、長年にわたって研究をしてきておったわけでございます。たまたま国、地方を通ずる大幅な財政収支の不均衡の状態がまいりまして、そのために新税を起こそうという機運が出てまいりました。その中で一般消費税の問題が出てきたわけでございますけれども、たまたまその一般消費税の課税標準となる売り上げといったものと、それから事業税の外形標準課税の際に考えておりました付加価値的なものとはおおむね似ておるということでございまして、新税のできる際にまた事業税の外形標準という課税の問題と並立して解決するということはなかなか問題もございまして、一般消費税そのものが地方の方にも配分を受けるという際に、事業税の外形標準課税の問題をあわせて解決するということができるのではないか。その理由は、ただいま申し上げました課税標準となるべきものがほとんど似ておるということ等でございまして、そういったことからこの際あわせて解決しようということになったわけでございます。そこの中にはやはり外形標準課税という問題を片づけられるという前提で私どもは考えておるわけでございまして、その問題を捨てて新しいものに走ったというような趣旨ではございません。その点は御理解を賜りたいと思うのでございます。
○佐藤三吾君 いまおっしゃったように、外形標準課税がよりベターだと。いまの事業税の法人所得中心から見ると、安定性を持っているし。ただ、一般消費税との関係が言われておるわけですが、一般消費税というのは、これは私はむしろ——後でこの問題議論しますけれども、財政的な面から見ると中央集権を増していくだろうし、ぼくらはこれ反対しておるわけですけれども、この外形標準課税については、当事者である自治体も全部双手を挙げて強く要求しておるわけですね。知事会の決議を見ると、もし政府がこれ言うことを聞かなければわれわれは実力行使に踏み切るとまで決意をしてきておる。これに対する反対というのは余りない。それから、いま大臣の発言がありましたように、地方税の安定性なり応益原則なり見たときに、これの方がよりベターであると。こういった面から見ると、いまの地方財政の危機のときに、しかも三割自治だ、一割自治だと言われているときに、独自財源を確保するという、より安定性を求めていくという、そういう意味合いから見れば当然、一般消費税の問題は消費税の問題としても、この際ひとつ踏み切っていくべきじゃないか。何もそこら辺に逃げ口上をつけるのじゃなくて、すべきじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げましたように、外形標準課税の問題は、それ自体として地方の問題として大事な問題でございます。ただ、そこへ新たに新税の問題が出てまいったわけでございまして、その際に課税標準を同じくするものを両方つくるのかどうかといったような問題が出てくるわけでございまして、そこで税制調査会等でもかなりこれは議論を詰めていただいたわけでございますけれども、御承知のように昨年の暮れの答申におきましても、新税のうち一部は地方の独立税といたしまして地方消費税というかっこうで地方に配分をする。したがいまして、他の部分においてはなお私どもとしては財源偏在等を調整する意味において交付税等で措置をしてもらいたいと、こう思っておるわけでございますけれども、税の仕組みとしては、ただいま申し上げましたように、一般消費税のうちの一部は地方の独立税として、まあ仮称でございますが地方消費税という形で地方に分けると、こういう形になっておるわけでございまして、私どもとしても、納税者の便宜等を考えますと、事業税のいまの所得課税の上に別途外形標準課税というものを持ち込む、また、同じようなものを課税標準とする一般消費税が別途国税として存在する、そういったことになってまいりますと、納税者の立場からは非常に問題が多いわけでございますので、そういった点、課税標準を同じくするならばただいまの税制調査会の答申のような形で処理するということが一番全般的にはスムーズにいくのではないかということでございます。 しかも、ただいま申し上げたような地方の独立税という形で税としては配分を受けるわけでございますので、そういった形で従来から主張しておりました事業税の外形標準課税の問題が実質的に片づくということで、一般消費税がまだできておるわけではございませんけれども、そういった形が、一般消費税が導入される場合はそういう形で実質的に問題が片づくというふうに考えておるわけでございまして、その点ではいろいろ御意見もございましたけれども、私どもとしては、国、地方を通じかつまた納税者の立場等を勘案してベターな方法であろうというふうに考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 どうも納得できませんが時間がございませんから。——まあこれは一般消費税を何とかしてつくりたいという政府の気持ちもわかりますが、私どもはこれはあくまで反対の立場ですから。余りこういうことにこだわらずに、いいありようですか、同時に地方の安定的な財政収入という観点から見れば、私は自治省はせめてそこには踏み切ってもらう、そういう決意が必要じゃないかと思いますので申し上げておきたいと思います。 先ほどの、医師の事業税について、大臣は検討すると、検討しなきゃならぬ時期に来たと、こういうふうに御発言ございましたが、そのことは五十五年度を目指して検討すると、実現できるというふうに受けとっていいですね。
○国務大臣(澁谷直藏君) この問題は、非常に大きな問題でございますので、来年度に必ずそれが実現するというふうに私が明言するわけにはまいりませんけれども、まあいずれにしても……
○佐藤三吾君 いや、明言じゃない、あなたの姿勢です。
○国務大臣(澁谷直藏君) 地方の財政難、こういう状態でございますから、全体的にとにかく税の負担をふやしていかなければならぬというのが、これはもう一つの基本的な方向でございます。そういう中で、一般消費税という問題も取り上げられております。しかし、一般消費税だけで問題が全部片づくというものではもちろんございませんので、そういう全体の中で私はこの医師の事業税も、これはもう十分検討しなければならぬ段階に来ておると、こういうふうに先ほどお答えいたしたわけでございまして、これはどういう結論が出るか、いまここで私が明言するわけにはまいりませんけれども、私としてはとにかく来年度の予算編成までには何らかの結論を出さなくちゃならぬと、このように考えております。
○佐藤三吾君 わかりました。ぜひひとつ重大な決意を持って——これやるとまた医師会がいろいろ騒ぐでしょうけれども、押し切って、いまの大臣の言明どおりに来年度予算編成までには結論出すようにやっていただきたいということを改めてつけ加えて注文しておきたいと思います。 問題は、そういった取るべきところの財源を取らずに、そういうところは何というんですか、きわめて寛大な措置をとっている。一番大事な所得税の対比から見ましても、生活保護の基準から見ても住民税の課税最低限の引き上げというのは、これはだれが見たっても不平等であるし引き上げなければならないものがわずか六百億程度でお茶を濁されている。これは大臣の本会議の説明聞きますと、財源がないのでここでがまんしてくれと言わんばかりのお話だったけれども、ある財源を取らずに、そのことを理由にして財源がないからここら辺でこらえてくれというような、こういった説明というのは私は納得しかねるんですが大臣、いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) この点は、本会議でもお答えいたしましたように、とにかく財源難で、大幅な減税というものはとうていもう実施することが困難である。しかし住民税の減税はどうしてもある程度はやらなければならないという状態にあることもまたこれは事実でございます。この両面を踏まえて減税に踏み切ったのが今回の案でございまして、これで不十分ではないかという議論が強くあることは十分に私どもも承知をいたしておりますけれども、同じことをお答えして恐縮でございますが、本年度としては今回の改正がぎりぎりわれわれのできる限度であったと、こういうことでひとつ御理解を賜りたいと思うわけであります。
○佐藤三吾君 きわめて不満ですが、時間がございませんから……。まあひとつ大臣、あなた自身も認めておるように、何というんですか、こういうありようというのは私は決してよくないと思うんですね。だから、せめて六百億という言い方をしましたけれども、これはいま言ったように取るところを取りさえずればできるわけですから、せめてひとつ所得税の最低額に近づくように、ひとつさらに検討してもらいたいと思います。 それから、建設省は来ていますか。——有料道路に対する固定資産税の問題について、この際ひとつお聞きをしておきたいと思います。これは地方自治体から再三にわたって要求されておるわけですけれどもなかなかこれが実現しない。最近聞きますと、有料道路というのはいままでは減価償却を基本に置いておったのが、プール制にして、将来にわたって無料化するということがもうなくなって、有料が定着するというような方向に切りかえたように聞いておるんですが、そういった内容等を含めていまの実態。どの程度の投資をし、そしてそれがどういうふうに運営されておるのか、まず建設省からお聞きしておきたいと思います。
○説明員(山本重三君) ただいまの有料道路、特に高速自動車国道の整備についてのプール制の採用の問題でございますが、これにつきましては、御承知のように現在高速自動車国道の予定路線として全体で七千六百キロございます。そのうち、具体的に整備計画を定めまして建設大臣が日本道路公団に施工命令を出しております区間が五千四百キロございます。これらの道路につきましては、整備といたしましては、特に交通需要の高いところから順次整備を進めておりますので、そういう点からいたしますと、先に整備したところにつきまして個別に料金を徴収してその建設費を償還していくという形になりますと、やはり後から整備される高速道路の整備に非常に支障を来してまいります。特に高速自動車国道と申しますのは、全国の幹線的な自動車交通網を一体として整備すべき性質のものでございまして、そういう意味で、私どもといたしましてはやはり先発道路と後発道路というものの整備の均衡を図るという意味からも料金のプール制を採用実施しております。高速自動車国道につきまして、本来これも高速自動車国道でございまして公共の用に供する道路でございますから、私どももできるだけ早くこういった道路について建設が完了すれば無料解放いたしたいという基本的な考えを持っておりますが、現在の道路財源の実情からすれば、特に高速自動車国道等については有料道路の制度によって整備を進めていかなければいけないという現状でございますので、先ほど申しました点もあわせまして、現在高速自動車国道につきましてはプール制を実施しているという実態でございます。
○佐藤三吾君 税務局長、どうですか。この固定資産税の課税の問題についてどういうふうになっておりますか。たしか五十三年度末までに結論を建設省と詰めるというのがこれまでの経緯じゃなかったかと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(花岡圭三君) この問題につきましては、おっしゃいますように五十三年度中に結論を得たいというふうないきさつもございまして、私どももそういうふうな姿勢で取り組んだわけでございます。そのために昨年の六月、有料道路負担問題検討委員会というものを設けたわけでございまして、この構成は、関係省あるいは学識経験者、それから地方公共団体の代表、また日本道路公団等でございますけれども、そういったことで委員会を設けて審議をしたわけでございます。もともと非常に意見のかみ合わない問題でございまして、建設省、自治省あるいは地方団体、また利用するトラックの関係者あるいは運輸省、こういったことで非常に議論が沸騰しておりまして、結局いまのところ結論が得られていない状況でございます。もちろん附帯決議もございますので、五十四年度の予算編成に間に合うように進めたわけでございますけれども、現在のところそういったところでまだ結論が得られておりません。 しかし、いまの委員会の議論の中におきましては何らかの結論を得る方向でまとめようではないかというふうな機運も出ておりますので、私どもとしましては遅くとも来年度の概算要求の時期までにはこの委員会の結論を得たいと、このように考えておる状況でございます。
○佐藤三吾君 そうすると、大体結論が近づいておると。その結論の方向はどういう内容ですか。来年度予算には大体間に合うということで確実にできますか。
○政府委員(花岡圭三君) その結論が得られるという、まだ内容にまで立ち至って申し上げる状況ではございません。ともかくこういうふうな基本論ばかりやっておったのでは一歩も進まぬではないか、何らかここで妥結する点は見出せないだろうか、そういう空気が出てまいったという状況でございます。そういった中におきまして妥協の案というものが出るかどうか。私ども、何らか地方団体の納得する線でそういったものが出ることを期待しておりますけれども、そういうふうなことを踏まえまして概算要求の時期までには何らかの結論を得てまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 建設省もいまの方向でよろしいんですね。
○説明員(山本重三君) ただいま自治省の方から御説明がありましたように、私どもといたしましても、現在設けられております有料道路負担問題検討委員会の結論を五十五年度の予算要求の時点までには何とか詰めて、その結論が得られればそれに沿って私どもも適切な措置をとりたい、かように考えております。
○佐藤三吾君 これはひとつ大臣もぜひそういう方向で、結論は出たが結果的にはだめだったというようなことがないように、全力を挙げていただきたいと思います。 次に移りますが、軽油引取税の問題についてですが、本会議でも私はこの問題を出したわけですけれども、私の調査が間違いなければ、五十一年度に八十七億、五十二年度に百三十一億、五十三年度は大体——ちょっとここは後でお聞きしたいと思いますが、いずれにしてもかなり膨大な金だと思うのですが、これが大臣の答弁では、通達が法律を上回るようなことではいかないので検討をしたいと、こういう本会議での答弁だったと私は思うのですが、それに間違いないかどうか。どういうふうに法的な措置をとろうとしておるのか。これをちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 本会議で答弁したとおりでございます。
○佐藤三吾君 運輸省参っておられますか。——この資金の使途はどういう使い方しておりますか。
○政府委員(梶原清君) 五十一年度と五十二年度にわたりまして協会が実施をしました部分だけについて申し上げますと、施設整備の関係でございますが、まずバスでは、十四億四千五百万で、バス停の標識、上屋、案内板の整備等を行いました。標識は一万八千百程度、上屋が千六百五十程度、案内板が千百の整備をいたしました。トラックにつきましては、十七億八千七百万の事業資金でもちまして共同輸送サービスセンター六十一カ所の整備、トラックステーション二カ所の整備をいたしました。 第二番目のグループといたしまして、乗務員休憩所等の共同福利厚生施設の整備でございますが、バスでは、四千四百万円でもちまして休憩所を十七カ所、その他の事業。トラックでは、三十八億三千五百万の資金でもちましてトラック会館三十四カ所、厚生施設十六カ所。 それから、その他バスマップの作製、事故防止対策で、バスでは三億三千百万、トラックでは十億八千七百万。 最後に、事業者に対する円滑な融資のための基金造成あるいは利子補給といったもので、バスでは四億三千九百万、トラックでは六十六億六千六百万。大体このような使途でございます。
○佐藤三吾君 こういう膨大な金が使われておるわけですが、これは監査はどうなっておるのですか。どこがどういうふうに監査をしておるのですか。これが一つ。 それから、自治省の方にお伺いしますけれども、こういった通達によって事実上税金が補助その他で交付されておる事例というのがまだあるんじゃないかと思うんですが、たとえば地方鉄道軌道整備補助金ですね、こういった問題等、かねてから知事会や地方六団体から、当然これは国が補てんすべきであって自治体に転嫁すべきじゃないと、こういう強い要求が出されていたんですけれども、そういった事例というのはそのほかに何件ぐらいあるんですか、またどういう内容のものですか。
○政府委員(森岡敞君) 通達によりまして地方団体に、一定の地域の諸団体に対する財政的な支出をしていただくように慫慂する、要請をするという事例はなお相当あると思いますが、実は私ども突然のお尋ねでございますので、現段階で網羅的にどういう状況になっておるかという資料をここに持ち合わせておりません。時間をいただきますれば、調べまして御報告いたします。
○佐藤三吾君 それではひとつ資料を、後ほどで結構ですから、お願いしたいと思います。 いずれにしても、大臣、これは改めるということでございますから、早急にこういったものを正常化していく努力をしていただきたいと思います。よろしいですか。 監査はどうなんですか。
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、この交付金は府県が支出として交付するものでございますから、その使途等について、府県としては県の監査委員が監査をするということがあり得るということでございます。
○佐藤三吾君 あり得るんですか。実際どうなんですか。
○政府委員(土屋佳照君) いろいろな補助金その他の使途等については、県の監査委員会でいろいろ検討されて、逐次いろいろな面についてやっておられるわけでございますが、この件について、それぞれの県が具体的にどういうふうにしておられるか、実は私も細かくは聞いておりませんので、いろいろな時期をとらえて、きょう何部関係といったようなことでやられるところもございますし、そういった補助全体の中でこの問題もとらえてやっておられるだろうと思っております。具体的にどうしておるか、少しそこのところは聞いてみませんと、私もこの場でちょっとお答えできかねるわけでございます。
○佐藤三吾君 実際自治省がこういう通達を出してやっておるわけですからね。そういうものが末端でどうなっておるかということは、やっぱり私はちゃんと把握しておくべきだと思うので、後日で結構ですからその結果をひとつ知らせてください。 そこで、時間がありませんから次に移りますが、許認可関係の問題について御質問しておきたいと思うんですが、岡山県の長野知事が、行政事務の市町村移譲の問題で、許認可業務を移譲するという方向でいま検討して大変話題になっておるわけですけれども、これは地方六団体、知事会等から再三にわたって要求が出されておりますね。問題は何かというと、国の縦割り行政というのが地方自治体の行政を非常に多く阻害しておる、その一番大きなのが許認可の問題なり補助金とかあるわけでございますが、この問題で知事会が、たとえば許認可事務の中で、廃止をするもの十三件、それから緩和するもの五件、移譲すべきもの二十六件、こういった具体的な内容を挙げて、一昨年これは要求しておるわけですが、この問題について、五十三年度、四年度中にこの問題の改善をするということが行政監理委員会等でも約束をされてきておりますが、もし自治省でその辺の扱いがどの程度進んでおるのか、わかれば御報告いただきたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 担当局長が出席いたしておりませんので、具体的な許認可事務の整理状況につきましてはいまここで御報告する資料は持ち合わせておりませんけれども、私どもといたしましては、申し上げるまでもなく、知事会、六団体の要請を踏まえまして、各省庁に対して毎年度各種の行財政上の要請をいたしております。その際に強く申し入れておる次第でございます。具体的な整理の実態につきましては後刻御報告さしていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 これ、私は通告しておったんですけれどもね、通告しておる内容が報告できないということになるとこれはなかなか審議に入れないのですが……。 ではこれはどうですか。行政事務の簡素化、合理化の問題で、これも国庫補助事業の約一千件にわたる問題で、その改善策を申し入れておりますね。この改善策の中で、たとえば一件当たり百五十万程度の補助事業についてはこれは廃止をしたらどうかとかメニュー化したらどうかとか、こういった要求が約三十件、三十事例出されておりますね。それから一般財源にすべきだという補助金が十五件、それから都道府県が国の同一対象者に補助をすることを要件とした国庫補助事業の改善ということで三十一件、国庫負担率を改善すべきだという要求が十六件、これらが出されておるわけですが、この処理は一体どういうふうになっておるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 非常に詳細にわたって知事会から出ておりますが、それぞれについて個別に申し上げることは差し控えさしていただきますが、昭和五十四年度の国庫補助金の整理、合理化の状況は、まず合理化、廃止いたしましたものが百七十四件、金額で六百八十二億円でございます。それから合理化によって減額いたしましたものが三百二十八件、金額で百五十二億円でございます。それから御指摘の統合メニュー化でございますが、これは中身はいろいろの態様がございますけれども、件数で申しますと九十二件を三十三件に統合いたしております。さらに、終期を設定いたしまして、ある時期までというふうな限定を付しましたものが三十八件等でございまして、国庫支出金の整理、合理化あるいはメニュー化の問題、もちろん十分ではございませんけれども、五十四年度においてもいま申し上げましたような努力が行われておる次第でございます。
○佐藤三吾君 これはひとつ資料を、後で結構ですから、下さい。 そのほか、超過負担の問題で、五十四年度予算どうなったか、どの程度解消していったか。これは御存じのとおりに攝津訴訟が始まってもう十年たちまして、いま国分寺訴訟なり下松訴訟なり、訴訟事件にも発展しておる問題ですが、この問題がなお片づいてないたくさんな問題を起こしておるわけですけれども、状況を明らかにしていただきたいと思いますし、もう一つは、補助の改善、超過負担、許認可の改善、これらの事項が私はいま自治体の国、地方を通じての一番むだな部分だと思うんです。同時にまた、自治権という観点から見ましても重大な阻害条件になっておる。こういったものに対して、大臣も本気で取り組んでいくという姿勢があるのかどうなのか、あわせてひとつお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) まず、五十四年度におきます国庫補助負担基準改善の主な内容につきまして申し上げます。 事業費ベースで総額五百二十九億円、国費ベースで三百六十億円でございます。補助単価の改善が事業費ベースで二百五十億円、国費で百八十億円でございます。保健所運営補助金に対する給与格づけの改善あるいは保育所措置に関します給与格づけの改善などがその主要な内容でございます。 次に、補助基準の改善でございますが、補助対象範囲の拡大といたしまして、産休等代替保母につきましての代替職員の対象の拡大を行っております。いま一つは、面積基準等の内容の改善でございまして、警察施設整備費についての面積基準の改善等を行っております。 超過負担の問題は、常に私どもも注意をし、関心を持ち、強く各省庁及び大蔵省に申し入れをし、また調査も続けておるわけでございますが、大体の傾向を申しますと、単価につきましては大分改善されてまいりまして、昔のように現実に必要なものの半分しかくれないとか、そういう状態ではなくなってまいりました。問題は、いわゆる対象差、数量差と申しておりますが、そっちの方にも移ってきておるという感が強うございます。ただ、この問題になりますと、各省の国庫補助負担制度についての基本的な政策態度と申しますか、そういう問題にもかかわってまいりますので、率直に申して、単価のように非常識じゃないかというような話で、なかなか一発で決まらないと、こういう問題がございます。そういう問題で難点はございますけれども、引き続き、この点を含めまして各省庁に強く要請をし、努力してまいりたいと、かように思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 地方分権の確立を目指して、全般的に取り組んでいきたいと、こういう基本姿勢でいろんなことをやっておるわけでございますけれども、私は、地方分権確立のための最も大きなテーマの一つは、国と地方の事務の再配分の問題だと思っておるわけです。でありますから、御指摘のような現在の国の許認可事務、これを一方においては私は相当整理ができるんじゃないかと思うんです。その制度は、つくられたときは必要があってつくられたわけでございますが、その後だんだん年がたって、実際上ほとんど意味がもうなくなっておるというようなものも残っておる可能性もございます。ですから、一方においてはそういった現在の許認可制度全般を見直して、廃止してもいいものは私はもうどんどん廃止すべきだと思います。それから、都道府県にその許認可事務を移譲していくということも当然これはやらなくちゃならない。そういうことで、私はこの問題は最も大きなテーマの一つとして真剣に取り組んでまいります。
○佐藤三吾君 ぜひひとつ真剣に取り組んでもらいたいと思います。 そこで、時間がございませんから次に移ります。 自治省関係の特殊公益法人の問題についてお聞きしたいと思うんですが、いただいた資料を見ますと、何というんですか、聞きたいところが全然出てなくて様子がよくわからない。そこで聞きますけれども、特殊法人が四、公益法人が五十一、これは間違いないですね。認可法人はないというわけですね、自治省関係は。で、役員を見ると、役員の名前がないんですね。そこで、もらった資料を中心に分析をしてみますと、この五十一の公益法人の中で、約半数の二十三というのがこの十年間につくられておるわけですね。さらに、財政危機が始まった時点から見ますと、その二十三のうちの十の法人が昭和五十年前後からつくられてきた。自治省の数字を見ますとこれらの団体に十三人の天下りがなされておる、そういう数字になっておるわけですけれども、五十四年度は一体どの程度またおつくりになるつもりなのか、あわせて御報告いただきたいと思います。
○政府委員(石見隆三君) 自治省が認可をいたしました公益法人は、ただいまお示しにございましたように、現在五十一法人ということに相なっております。 五十四年度どれくらいできるのかという御質問でございますが、御案内のとおり民法法人でございますので自治省がつくるものではございませんで、民間から自治大臣に、民法三十四条の規定によります申請が出てまいるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、現在の時点で、五十四年度どの程度の申請が出てまいりますか、まだ確認をいたしかねておるわけでございます。
○佐藤三吾君 そこでこの内容を、あなたの方から出された報告を中心に見たわけですよ、設立趣旨を。自治省提出の資料をもとにして見たわけですが、たとえば地方行政システム研究所というのが、五十三年度が一億四千万、十一人、四十七年の二月にできていますね。これが行財政調査研究。地方自治協会が、これは一億二千万、十一人、これ四十七年にできています。これは地方自治の調査研究。それから、地方行政総合研究センターというのが四十八年にできておる。これは九千万、五十三年度の予算が。これを見ると、地方行財政、税制の調査研究。それから、地方行財政調査会、これは三億九千万、地方行財政の調査研究。自治総合センター、これを見ると一億五千万の予算で、地方自治の研究調査。資産評価システム研究センターというのが一億三千三百万、これは資産評価の調査研究。ざっと見ると、いろいろと——ちょっと一字ぐらい字句が違いますね、事業内容の字句が。しかし、ほとんど類似形態のものがずっとこうつくられて、それにそれぞれ予算が配置されて天下りの人がおると、こういう実態にあると思うんですが、これはどこがどう違うのか。いかがですか。
○政府委員(石見隆三君) 自治省で許可をいたしました公益法人につきましては、御案内のとおり、地方行政、財政あるいは税制、さらには選挙、さらにまた消防等、まことに多岐多様にわたっておるわけでございます。したがいまして、その設立数もお示しにございましたように五十一ということになっておりますが、地方行政は御案内のとおりきわめて専門的に分化をいたしておりまして、これらの団体はそれぞれの設立の趣旨に沿って地方自治の振興のために活動していただいているというふうに理解をしておるわけであります。 なお、お話にございましたように、それぞれの団体で所管しておりますと申しますか、業務内容が若干重複をしておるということもあることは私は事実だろうと存じます。これはやはり団体として一つの組織として活動してまいります場合に、きわめて局部的な検討だけではなくして関連業務もあわせて調査研究をいたしておりますので、そういう向きにおきましてダブっておるというところもあろうかと存じますが、私どもは、お言葉を返すようでございますが、いずれにいたしましても自治の振興のためにやっていただいておるはずでありますし、ある面では多々ますます弁ずる向きもあろうかと存じております。今後私どもといたしましては、それらの点につきまして各団体ごとで相互に十分連絡がとられますように期待をし、あるいはまた指導もしてまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○佐藤三吾君 いま私が申し上げた六団体の理事長はどなたですか。それから、報酬は大体どの程度ですか。
○政府委員(石見隆三君) 手元に詳細な資料をちょっと持ち合わせておりませんので、私の記憶にあります限りで御勘弁を願いたいと存じますが、地方行政システム研究所の理事長は細郷道一氏であります。地方自治協会は山野幸吉氏であります。それから地方行政総合研究センター……
○佐藤三吾君 前歴もあわせて。
○政府委員(石見隆三君) わかりました。お答えいたします。 細郷道一氏は、前歴は御案内のとおり公営企業金融公庫総裁であります。現在横浜市長であります。地方自治協会は山野幸吉氏でありますが、現在市長会事務総長であります。それから地方行政総合研究センターは理事長三好重夫氏でありまして、現在自治省の特別顧問であります。地方行財政調査会は会長荻田保氏でありまして、現在地方財政審議会会長であります。それから、自治総合センターの理事長は林敬三氏でありまして、現在日赤の社長、地方制度調査会会長をしておられると思います。資産評価システム研究センターの理事長は、現在欠員ということに相なっておりまして、総合センターの理事であります石川一郎氏にその事務を処理をいたしてもらっております。 大体以上でございます。
○佐藤三吾君 いま出された内容は、大体自治省の前任者関係だと思うんですが、内容を見ると、官房長苦しい答弁しておりましたが、これはほとんど類似の内容が別団体ということでつくられておりますけれども、大臣いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 私は、認可法人がどのくらいあって、それがどういう内容の仕事をやっておるか、正確に存じておりません。ただ、いま名前を御指摘になって、伺っておりますと確かに似たような名前が出てくるわけでございますから、恐らくその仕事の中身におきましても類似なもの、あるいは重複している部門もあるかと思いますけれども、いまお答えしたように、その理事長、自治省のOBの方でございますが、私も個人的に懇意な方ばかりでございまして、みんなりっぱな方でございますから、恐らくその公益法人にふさわしいりっぱな仕事をやっておられるのではないかと、これは推測でございますが。少し勉強してみたいと思います。
○佐藤三吾君 大臣ね、勉強してまたその結果を私もお聞きしたいと思いますが、端的に言いますと、自治省が出された資料の内容を見ても見分けがちょっとつかないんですよ。ほとんど同じ趣旨みたいなもので団体ができて、それに一億とか三億とか金がついているということにしかとれない。しかも、資産評価システムなどを見ると、一億三千万の中で六千万は補助が出てますね、国から。そうして、残りの分は何かというと地方自治体の負担になっておる。たとえば県が三万とか二万とかですね。その三万とか二万とかの負担金は今度は交付税でこう見ておる。しかも全額だ。こういういわゆる裏負担の積算として計上されている。しかも、その制度が五十三年にできておるわけですから、五十二年にできたということは、逆に言うならば五十三年五月につくったこの団体を想定してつくったとしか見られない。また、そういう通達も出されておる。こうなると、まさにこれは特殊法人に類する。業務の内容を見ると、固定資産税の評価額を決めていく、基準を決めていくという内容ですから、これはまさに特殊法人に類する内容だと私は思うんです。それが財団法人でつくられてきた。まさに総定員法で、たとえば国が国民に向けて、何割削減したとか行政合理化やったとか、こういうやり方をやる。特殊法人がやかましくなった、特殊法人については厳しくなってきた、そうすると認可法人として公益法人の方に逃げ込んでいくと、こうとられても仕方のない内容が私にはこの調査の中から散見されるんですけれども……。 これは私は、勉強するということで大臣お答えいただいたんだけれども、早急に勉強していただいてこれらの問題についてもっとしっかりしたあなたの判断、決断をすべき時期に来ておるんじゃないか、そう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほどお答えしましたように、不勉強でまことに恐縮でございますが、ひとつしっかり勉強して私なりの判断、結論を持ちたいと考えます。
○佐藤三吾君 時間がございませんから、大臣がしっかり勉強して決断するということですから、それをひとつまた別の機会にお聞きしたいと思います。 そこで、最後になりますが、沖繩つぶれ地問題で、先般決算委員会で建設省、大蔵省を呼んでいろいろ聞きまして、態度を聞いたわけですが、端的に言いますと、つぶれ地というのは——その際に石原審議官もおいでいただいたんですけれども、これは大臣にお聞きしたいと思いますが、沖繩の市町村道のつぶれ地というのは、もう国、県道については一応めどがついたんです。いわゆる戦後処理の一環として、十割国庫負担ということで片づいたんですが、残されておるのは市町村道です。それが四百五十八万平方メートル、これは五十一年調査の結果ですから、まだこれはふえると思います。金額にしますと、その当時の算定で八百九十一億円。ところが、これに対する建設省の考え方、大蔵の考え方を聞いてみますと、いま、一級、二級という幹線道路については、その中から県道に繰り上げできる部分は県道に繰り上げたいと。そうしますとこれは全額国庫負担になりますから。残っておる市町村道の中から新たに幹線になるものについては一級、二級にしたい、それには十分の八国庫がつきますと。あとはどうなるのかというと、あとについては全くいまめどを持っていないと。 ところが、それを数字でこう追っかけてみますと、まだこれは正確に確かめたわけじゃないのですけれども、まだ整理できていませんが、そうなると、国の網に漏れる、全然国の網に漏れて対象にならないという市町村道というのが、講和発効後のやつが約四十九万平方メートル、六十九億程度。それから、講和発効前のもので位置境界不明地域内、これが約二十六万平方メートルで百一億。それから位置境界不明地域外が二百七万平方メートルで三百六十二億。合わせますと大体五百三十二億程度、五十一年積算で。これが市町村、自治体に全部かぶさってくる。こういう内容にあるようなんです。もしこれがやられますと、沖繩の自治体ではほとんどパンク状態になると思うのです。すでに五十四年度予算でこのうちの十億円ですか、十二億五千万のうちいわゆる十分の八の負担の十億が計上されて、そしてそれを受け入れる市町村の中では大変混乱が起こって、いわゆる二億五千万の受け入れ態勢ができないということで、返上する騒動の議論が沖繩で、現地でやられておるのですけれどもね。だから早急にこの問題はめどをつけなきゃならぬ。建設省の話を聞きますと、大体五月か六月ごろにめどをつけたいと、こう言っております。 そういうことで石原審議官の話を聞きますと、自治省としては地方債もしくは交付税等の中で——端的に要約しますと、どうしてもめんどうの見切れぬところについては考えなきゃならぬのではないかと、こういう答弁だったと思うのですけれども、私はこれは間違いだと思うのです。何といってもこの沖繩のつぶれ地現象というのは、いわゆる戦争中は軍の命令、強制疎開命令でつくられたものであるし、さらに占領後は米軍の占領政策の一環としてやられてきた。しかも、五二%が現在なお軍事基地にある。そういう中で戦後三十年間も放置されておるわけですね。そういった戦後処理の最たるものです。私はこれは国が当然全額持って措置するという——本土の例は例にならないのですよ、この問題は。その基本がなきゃならぬということを私思っていますし、ましていわんや地方債、借金でもって処理すべき事項ではない。この辺について大臣の見解を承りたいと思うのです。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、この沖繩のつぶれ地は、そういうものができ上がったいままでのいきさつ、経過、こういったものを見ますると、まさにこれは御指摘のように、国が責任を持って解決するのはもう私は当然であると、こういうふうに基本的に考えます。したがって、国のいまの政策の網にかからない残った部分については、やはり県道に引き上げるとか、あるいは一級、二級、そういったものに引き上げるというその努力をもっと拡大すべきじゃないかと、こう考えます。それを地方自治体の、さなきだに財政困難な市町村の借金でこれを処理するというようなことは、私はもうこれは基本的に間違っておると、こう思いますので、あくまでもこれは国の責任でやるように関係各省と十分これは折衝したいと考えます。
○佐藤三吾君 大変大臣の心強い御意見ございまして、私はこれで質問やめますが、いずれにしましても、五十四年度予算に計上しておる部分は、来月予算が成立するともうこれは当面の問題になってくるわけです。沖繩では三月議会でこれはほとんど計上されておりません、そういう問題で。そのために西銘知事が、もし市町村がやらなければ県道のつぶれ地に使ってもいいなどと暴言を吐いておりますけれども、これは建設省も大蔵省もその趣旨からいってできないということを言っていますけれども、いずれにしてもこの問題の処理は緊急を要する問題でございますし、しかも戦後処理という観点に立って、ぜひひとつ大臣の力でもって努力をしていただきたいと、真剣な検討をいただきたいということを強く要望しまして質問を終わりたいと思います。
○委員長(永野嚴雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 —————・————— 午後一時三十六分開会
○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○夏目忠雄君 最初に、田園都市関係、新しく発表されまして、華々しく新聞紙上をにぎわしておるのですが、それに対する財政的な裏づけというものはどの程度のものをお考えになっておるか。まあ多少はかっこうがつくとすると、一圏域三十億から五十億少なくとも要るだろうと思う。そうすると、四十何カ所かですと約二千億見当が要るんじゃないかなという、まあこっちは素人考えで考えているんですが、財政的な裏づけの規模、スケール——もちろんこれはまだ固まっているとは毛頭思っておりませんが、あれだけのものを発表するのですから、国土庁なり自治省さんなりには大体この程度のものという、ねらいだけで結構です、具体的にはありっこないんですから。大体どの程度のものでねらっておやりになっておるのか。また、その財政的な裏づけというものが、新産都市のように補助率のかさ上げといったようなものでいくのか、もしくは、いままでのものとは全然別個に、上積みという方法でいくのか、もしくはそんなことは一切やらないんで、既存の公共投資といったようなものの傾斜配分でいく、重点配分でいく、こういうのでいくのか、そこら辺のところをまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(石見隆三君) 総理の提唱しておられます田園都市構想につきましての私どもの取り組みといたしましては、一つは、過去十年間やってまいりました新広域市町村圏計画に基づきまして、全国的な基盤整備を今後も引き続き行ってまいりたいというふうに考えておりますことと、第二番目に、人口の地方定住のいわば先導的な役割りを担うであろうと考えられますような地方都市圏域につきましては、これをいわゆるモデル地域として取り上げまして、関係省庁と協力してその整備を進めてまいりたいというふうに考えておるわけであります。 したがいまして、このような計画自身がそれぞれの地方団体あるいはそれぞれの広域市町村圏において今後策定をされていくわけでありまして、私どもといたしましては、将来どの程度のこのための財政的な投下が行われるかということは、現時点では的確にまだ把握をいたしてないわけでございますが、いずれにいたしましても、自治省といたしましては、今後地域総合整備債の活用あるいはその他一般的な地方債の活用等によりまして対応してまいりたい。あわせまして、各省庁におかれましても、これらの施策に呼応したいわゆる補助金の傾斜的な配分というものを私どもは期待をいたしておる状況でございます。
○夏目忠雄君 国土庁はどうなんです。
○説明員(星野進保君) 御説明申し上げます。 ただいま自治省の官房長から御説明がありましたことで大体尽きると思いますが、二月一日の定住構想推進連絡会議で関係省庁で合意していただきましたことにつきまして若干の補足をさせていただきますと、要するに、いま官房長から御説明がありましたとおり、それぞれの省庁が地方の自主的な計画と申しますか、選択を尊重いたしまして、それに関係省庁が相協力いたしましてそれぞれの施策を推進していくということにつきまして合意をしてまいったわけであります。したがいまして、その限りではこれから具体的に地元での計画その他がつくられまして、それに対応して先生御質問の額の問題であるとか、そういうものが順次決まっていくことになるであろうというふうに理解しております。
○夏目忠雄君 ずいぶん無責任な話なんですね。地方で自主的に計画しろと言うても、田園都市ですから、つまり都市機能と農村機能とをいわゆる高次に結合させて、理想的な文化施設なりあれをやっていこうというのは、金は何ぼあってもいいんですよ、地方で。地方で計画を立てろと言えば何百億の計画でも立てられますよ。ただ、現実にそんなもの立てたってどうしようもないから、大体どのくらいのめどで立てなきゃならぬかということは指定された県の当事者としては当然出てくる。広域市町村圏のときだってそうだったんじゃないですか。最初はわずかだけれども広域市町圏つくれば二千万円くれるというような具体的な目標があったんです。今度は何もないんですか。これから皆さんがおつくりになるのを見てこっちは適当に査定すると、こういう方法なんですか。
○説明員(星野進保君) ただいま申し上げましたように、地方でいろいろと計画をしていただきますが、そのときに、すでに関係省庁がいろんな施策は用意しておりますから、そういうものを地方がうまく選択していただく。それと同時に、さらにそれを発展、拡充していくということが基本的な考え方に流れておる話であります。したがいまして、当初から、たとえば先生御指摘のように、何十億であるとか、そういう形で最初に提示するということは現在考えておりません。
○夏目忠雄君 それじゃこういうことなんですか。地方の方で自主的に計画するってね、正直言って地方はやりたいことはこれはもう山ほどあるんだ、しかししようがないから……で、今度指定されれば多少いままでよりは金のつき方が多くなるのかなあと思って計画を立てますわな、立てるとして、それが百億なり二百億なり一圏域にあった場合にどういうふうに処理されるんですか。
○説明員(星野進保君) その計画の内容がどういうふうに具体的に出てくるかという具体の問題かと思いますが、一応地域で策定されました計画に沿いまして、ここの二月一日のペーパーにおきましても、「地域の選択する方向に沿いつつ積極的、優先的に所要の措置を講ずる」という形にしてございます。
○夏目忠雄君 その「所要の措置」を聞いているわけだ。「所要の措置」に対して新しく財政的な上積みをするのか、それとも各省がいままで持っておる既存の投資なり公共事業費なりを重点配分にするようにするのか、それとも全然新しい財布を持ってきてやるのか、そこを適当に措置するというその措置の方法を聞いているわけだ。
○説明員(星野進保君) いまの御質問についてでございますが、基本的にはこういう考え方になるかと思います。 地域でこういう事業を進めてまいりたいということが出てまいりますと、極力従来の補助制度なりそういうものが地域の要求とジャストミートするような形にしていくということがこれから基本ではないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、それをさらに、別の言い方をすれば、いわゆる優先配分、そういうような形で対応していくという姿になろうかと思います。
○夏目忠雄君 どうもよくわかりませんが、大体地方の方で計画を立ててきたら、既存のいままでの各種の補助金のうち、その地域に重点的にひとつやって助けてやろうと、こういうふうに解釈してよろしいようですな。——いいですね。 それでは、次にお聞きしますが、当初新聞などで、大平さんのプライベートな機関が、田園都市というものは一切都市指定はやらぬというふうに書いてあった。それから同様に私どもの方の自民党の構想委員会の文章の中にも、田園都市というものは特定地域を指定しないんだ、こういうふうに書いて、そのように理解しておったんですが、出てきたものはそうじゃなくて、一県に二、三十万のところを目指して一つずつ指定しろと、明らかに指定しろという方針のようですが、プライベートとはいえども総理の相当権威ある機関だと思うし、そういうのが、特定地域を指定するということは弊害だけあってよくないということだろうと思うんですが、特定地域を決して指定するものではないとはっきり書きもし、言いもしているのに、それには全然関係なしに、いきなり一県に一つ、一地域指定すると、どういうプロセスを経てそうなったんですか。
○説明員(星野進保君) 御説明申し上げます。 総理の田園都市構想で、先生御指摘のように、いわゆる特定の都市づくりあるいは都市計画をやるための田園都市構想ではないということは総理のブレーンたちの書きました文章等にも言っているところであります。ただ、そのときに、私こう理解しておりますが、いわゆる田園都市構想というのは単なる都市づくりの話ではないのだと、そうじゃなくてもっと心の豊かさを求めたり、日本のこれからの国づくり、社会づくり、あるいはまあ地域づくりというのでございましょうか、そういうもの全般につきましてのいわゆる基本的な考え方あるいは理念を示したものだと。したがって、俗な言葉で言いますと、とんかちのにおいのするような都市づくりだけに限定されるものじゃないのだということに実は総理の周辺での議論のポイントがあるのではないかと思うのであります。 それに対しまして、なぜモデル定住圏をやるのかということでございますが、これは冒頭官房長が御説明申し上げましたように、まずともかくも先生御指摘のように全国的には従来のいろいろな施策がありまして、特に広域市町村圏であるとかあるいは地方生活圏とか、そういういわゆる一般的基盤整備に役立つ施策があるわけで、それを通しまして、全国的に一体的に整備していくというのが基本であります。それに対しまして、特に人口の地方定住が先導的役割りを果たすということにつきまして、あえて私ども申し上げましたのは、そこは先生もすでに御案内のように、従来大都市と地方とのいわゆる人口の集中、それから過疎化、そういう問題から徐々に、何と申しますか、段階が変わってまいりまして、最近特に注目されるのは、三全総でも言っておりますが、地方への人口の定住ということと同時に、一律には言えないのでございますが、各県それぞれにおきまして、むしろ県内の過密過疎問題、そういったようなものがかなり出てきておるということから言いますと、三全総の趣旨に従いましても、極力人口の地方定住ということに先導的役割りを担うような地域につきまして、ある程度モデル的なものをやっていく必要があるだろうというようなことを考えてやっておるわけでありまして、私どもといたしましては、先生最初に御指摘をなさいました、田園都市構想がいわゆる特定の地域づくりにとどまるものじゃないという趣旨は十分承知しているわけでありますが、なお全体の田園都市構想という広い概念の中でこういう進め方をしていくことが、田園都市構想の考え方にもとるとは考えていないわけであります。
○夏目忠雄君 従来の都市づくりに対する反省の言葉だろうと思うんですが、いまのお話聞いておっても、現実の問題として何も——もうちょっと具体的に言ってくれませんか。従来の都市化政策とは違うんだと、ここが違うんだという何か物でちゃんと示していただけませんか。そうでないとわからぬですわ。
○説明員(星野進保君) 具体的な話ということになりますと、一つ考えられますのは、昭和三十年代にやりましたいわゆる新産都市の話があるかと思います。当時の新産都市の基本的な考え方、これは余りくどくど申す必要もないと思いますが、基本的には、当時の高度成長をしていこうという基本に基づきまして、その高度成長を支えるための重化学工業化、そういうものを地域的にいかにうまく受けとめていくか、そのためにはその特定の大都市地域で、当時第一全総でございますが、昭和三十七年でございますが、大都市地域がかなり過密化してまいりましたので、むしろそういう重化学工業の配置を地方に分散していこうというのが基本的な考え方だったと思うんです。 その場合には何が問題になるかといいますと、一つはいわゆる全体としての高度成長——七・二%の成長期でございますが、その成長を受けとめるための重化学工業化をやるためにどうやって地域に工場を張りつけていくか、こういう発想だったと思うのであります。それで、その張りつき方でございますが、むしろ一つの国家全体といたしまして、全体の成長なりあるいは工業生産をうまくやっていくための全体の張りつけという観点が強かったと思うのであります。 今回、私どもがモデル定住圏と言っておりますのは、あくまでも地域から当然考えが発想されるべきものである。これはなぜかというと、当然当時の高度成長時代とこれからのいわゆる総理のお言葉をかりれば文化の時代と申しますか、そういう時代と時代的様相が変化してくるわけでありますから、それにうまく対応していくためには、地域主体的な地域づくりというものに変化していくというのが大きな違いだと私は思っております。
○夏目忠雄君 哲学はよくわかるんだ。わかるんだが、現実問題として、新産都市なら早い話がそこで工場の立地条件を整備していくんだということで非常にはっきりわかる。ところが、田園都市というもの、これ地方がここで計画しようとする、もちろん新産都市とは違うからね。結局は何です、具体的には。何をつくることを奨励するわけですか。地域からの発想を大切にするというのはわかる。それもよくわかる。わかるが、地域だといったって何を発想するんです。地域の現地の責任者にすれば、十年一日のごとく百年一日のごとく、地方の生活程度を向上しあれをやっていこうということで、全国の各市町村、全部どこもやっているわけだ。そのうちどれを取り上げるか、何だかちっともわからないんだ。新産都市はわかるよね。だから、新産都市の反対のものとして何をお考えになっているんですか。
○説明員(星野進保君) 一言で申し上げますと、三全総の基本目標に書いてありますように、地域地域の住みよい環境づくり、それを目標にするということだと思います。
○夏目忠雄君 住みよい環境ね。——住みよいというのはいろんな意味で人間が、地域の住民が地域に愛着心を持ってそこに定着していこうということをおっしゃっているんだろうと思う。その哲学はわかりますよ。またそのために全国の市町村長というのは苦労しているんですからね。そればかりでやっているんだから。だけど現実問題として何をやるかということになれば、大体中間発表の中にあったような、いろんな集会施設だとか文化施設だとか、そういったようなものを主にしてやるんだというらしいんですが……。新産都市は、日本全部に対して、幾らあのときの高度成長時代であっても、大体日本にはこれだけの工場が要るんだ、そのためには立地条件はこうなんだという上限があったはずだ。だから、そう広がらなくてもいいわけだから、上限があったんだから、私は地域指定をしたってそれなりの十分な理由があると思う。ところが今度は、あなたのおっしゃるように住みよい環境を整えるということなら上限はないわけだ。全国の市町村長がそれを目がけて毎日毎日やっておる。その中で、何の必要があって一地域だけモデル地域に指定するんですか。全部の各市町村が住みよさを求めて一生懸命で努力しているのを、全部に対して鼓舞激励するのならわかるけれども、一県一つ何のためにモデル地域を指定するわけですか。
○説明員(星野進保君) 御説明申し上げます。 先ほど申し上げましたように、先生御指摘のように、全国住みよい環境をつくっていくというのは当然だと思います。むしろ一つの戦略論といたしまして、先ほどのお答えの繰り返しになりますが、一律に言えないのでありますが、県内でのいろんな過密過疎問題だとかそういう問題があるということと、それから人口をいかに地方に定住させていくかと、こういう目的があるわけでありまして、そういう観点から言いますと、かなりポテンシャルのある地域につきまして人口の地方定住を促進するような、モデル圏域という、まあ先導的な地域と言っておりますが、そういう地域をモデル的に計画策定、あるいはその整備を進めていくということが一つの考え方であります。同時にまたそれに付随いたしまして、先ほどこれも申し上げましたが、いわゆる地域が主導いたしまして、それに対応していかに国が支援をしていくかという一つのシステムと申しますか、そういうことをいろいろとこれから考えていかなきゃならないわけでありますから、そういう意味でのモデル性というのも持たせまして、一県に一つ、ともかくも先導的な地域を選んで進めていく必要があるのではないかという考え方であります。
○夏目忠雄君 住みよさの環境を求めて全部の市町村長が一生懸命でやっているところへ一地域を指定して、モデル地域を指定して、それのやっているところを見てこれから考えていくとおっしゃった。考えていくということは、地域におまかせするということじゃないですよ。あなた自身がめんどう見ようという考え方があるから、調査して、そしてどんなようなやり方が一番いいか国が考えてやると、この姿勢だ、モデル地区というのは。 私は、お役人さんの手法で一番いやなのは、審議会つくってごまかすこととモデル地区をつくることだ。この二つがお役人さんの一番悪いいままでの手法だ。田園都市構想というのは、私に言わせれば——大平さんは正直な人だ、最初新聞出た時分には、地方の問題は中央ではもう見切れない。だから地方で処理してもらう。そのために必要とあらば大幅に権限と財源を移譲しようというのが発想の根源なんだ。そこへいつの間にか定住圏構想が入ってきちゃって、それでその発想の一番の根源がどこかへ消えちゃっているわけだ。特にあの中で、従来の政策の配列を見直していこうということが——住みよさを求めている市町村長に一番妨害になっているのは何かというと、従来の補助金行政による縦割り行政のしがらみだ。これはもう私は参議院議員になってすぐ、補助金を第二交付税に切りかえろという主張を新聞に出したから御存じかもしれぬけれども、私の持論なんですが、大平さんの言は、直接言ってないけれども、この補助金制度というものに大きなメスを入れようという言葉なんだ。地方の問題は地方で処理する方が——まあ見切れないという言葉はちょっと議論があるけれども、そんな言葉の上のあれは別として、地方の問題は地方に処理させよう。これは昭和四十年の臨時行政調査会で出した、地方の問題は住民の一番近いところで処理させるという大方針とぴしゃり合っているんで非常にいいんだ。そのために必要とあらば財源も権限も移譲しようじゃないかということは、従来の補助金制度というものをこの際見直そうと、既存の政策の配列を変えていこうじゃないかということなんだね。既存の政策の補助金の配列を変えていこうというのに、何のモデル地区の必要があるんだ。また、この地域だけ政策変えるなんというわけにいかぬでしょう。あなたの言うような、定住圏だか広域市町村圏だか知らぬけれども、そういうものでもってまさかこの地域だけ補助金は総合補助金に切りかえるというわけにいかぬでしょう。そんなことできっこないわけだ。 ですから私は、せっかくのいい着想が全然生かされていないで、それは新産制度とは性格も違うけれども、ただ新しい補助金行政が一つふえるというだけなら、何のための田園都市構想だと私は言いたい。これこそ羊頭を掲げて狗肉を売るという非難を受けなきゃならぬと思うんだ。ですから、一つの地域、そんな発想をやめちゃって、そして、素直に既存政策の配列の見直しというところに本気になって取り組むと——取り組んできた形跡すらないんだな、あの二月一日の十六省庁の合意文書というのは。実際、それに対してアプローチする何らの作業も努力も跡がなくて、いきなり定住圏だとこうくるから、何だそれじゃ従来の補助金行政のちょっと形の変わったものがまた一つふえるだけなんだなというふうに思う。 で、住みよさを求めて市町村長が一番苦労するのは——こんなこと言い出すと話が長くなっちゃうが、これ、大臣に聞いていただきたいんですが、いま市町村はやりたいことがたくさんある。たくさんあるけれどもできやしない、金の方の面から。そうすると、結局政治というものは私は選択の問題だと思うんですよ、これもこれもやりたいけれどもさしあたってこれからやっていこうじゃないかということの。これが一番問題だと思う。そうするときに、市町村長が地域の住民とひざ突き合わせて、皆さんは保育所をつくれ、こっちの道を舗装しろと、こう両方おっしゃるけれども、とてもじゃないけれども両方は無理だ。それじゃ、道路の方はちょっと後回しにして今度は保育所の方をつくろうじゃないかといって、それこそ住民参加のもとに住民とひざ突き合わせてそういう意思が決定されたとしても、市町村長は保育所は保育所で厚生省へ行って補助金の申請をやる、道路の方は道路の方へ行って補助金の申請をやる。どっちがつくか全然わからない。両方だめかもしれないし片方だけつくかもしれぬ。住民の人たちの住みよさというのは、住民の自治に対する参加意識というものは住みよさの中の大事な要素ですわね、その点で市町村長がひざ突き合わせて住民の意向をあれしながらやっていこうとしても、いまの市町村長は、みんな補助金行政で縦割りできているから予算の組みようがない。組むことは組むんだ。保育所もつくります、学校も直します、あれも直しますといって、それで補助金のあれを全部ありったけ国の方へ申請する。ちょうど私に言わせるとえさをつけて池の中に放り込むようなものだ。十本でも二十本でも、補助金の申請をやっておく。どれが食いつくかわからない。四月になって予算が終わってみて、みんな上げてみると針ばっかりのやつもあるし、これはそんなに急がないから、正直言うと来年か再来年でもいいわなと思っているのがこんなでっかい魚がつれてきたり、逆にこれだけは欲しいというものにこんな小さな魚しかついてない。ところが、この魚のでかい方を切って小さい方へ回すというと、適正化何とか法律で市長は後ろへ手が回っちゃうわけだ、ぴしゃっとなっているからね。 ですから、本当に住民とひざ突き合わせしてやろうとする仕事がこの縦割り行政のためにどうにもならないんです。ですから、これをまず破ることが私は、まあ破るといったって、私も五年間参議院でやってみてなかなか破れないということよくわかった。よくわかったが、せめて破ろうとしてどこかに風穴をあけようという努力が、せっかく大平さんが大幅に権限を移譲しようと言っておるのに、しかも、おれはやらないことは言わないよと御丁寧にそこまで言っているんだからね。何とかそこに突破口をつくろうという努力が、二月一日の合意文書の中には全然ないのがきわめて遺憾です。 この点に対する自治省と国土庁の御見解をお聞きしたい。
○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほど来からの議論を拝聴しておりまして、まことに一々もうごもっともな御指摘だと存じます。そこで、この田園都市構想をどう具体化していくかということについて、私の私見も交えて率直にお答えをしたいと思います。 この田園都市構想というものは一つの国づくり、町づくりの理念であると、こういうふうに総理も言われておるわけであります。ですから、大平内閣としては、総理の言われておるような一つのその理念に基づいてこれから日本全体の町づくりを進めていかなければならぬ、こういう立場に立っておると思うのであります。 それでは具体的にどうやるかということになるわけでございますが、これは夏目さん、率直にお答えしますが、具体的にどうやっていくかというその内容、手順、まだ固まっていないわけであります。ですから新年度の予算におきましても、そのために国土庁に三億円余の事務費がついたという程度でございまして、一切はこれから、こういうことだと思います。そこで私は、夏目さん言われておるように、従来の手法をそのまま踏襲してやるというのではせっかくの田園都市構想というものも大した意味がないんじゃないかという御指摘、私は全く賛成なんです。総理がやはり田園都市構想のその基本に地方の分権の確立というものを据えて発言をしておられるわけでありますから、私は田園都市構想のこれからの具体化に当たって、やはり地方の分権を確立するという、その方向に即して具体化するのでなければこれは大した意味がないと、私は率直にそう考えております。 そこで、御指摘になっておられますこの補助金の縦割り行政、これをこのままにしておいたのでは、幾ら地方分権とかなんとか言ってみても実際はほとんど変わりはないのではないかという御指摘はまさしくそのとおりだと思います。でありますから、私は就任以来申し上げておりますように、地方の時代、これはもうほとんどどこでも言われるようになってまいりました。まさにそういった地方の時代をつくろうとするのならば、地方分権というものを確立しなければ地方の時代にならないわけでありますから、当然そういうことを考えなければならぬ。 そうしますと、そのことは具体的に何を意味するかと申しますると、長い間日本の政府の中央集権主義、その中央集権主義に基づいて画一的な行政をやってきた。その画一的行政を支えてきた手法はいわゆる縦割りの補助金制度でございます。ですから、これにやはりメスを入れない限り、幾ら口先で地方分権とかなんとか言ってみても、それは絵にかいたもちになってしまう。私はどうしても本気でこれをやろうとするならば、従来の補助金制度の手法というものにやっぱり思い切ってメスを入れなければならないと考えておるわけであります。そういうことで、これから田園都市構想を漸次私が考えているような方向にぜひひとつ各省庁にも理解をしていただいて一緒になって持っていきたいと考えておりますけれども、何といいましてもやはりこの補助金制度にメスを入れようと、こういうことにどうしても持っていかなくちゃならぬ。 それで自治省としては、すでに制度化されておりまする地方総合整備債、こういった制度がもうすでにでき上がっておりまして、これは従来の補助金制度というものに比べると、いままでのものにはなかった全く新しい手法を示唆しておるわけでございますから、こういった制度をもっと充実をさせる。それからまた、実際のやり方についても具体的な私どもは提案を持っておるわけであります。しかし、御指摘のように、私どもの提案は従来の日本政府の長い伝統であった縦割りの補助金行政というものに対して真っ向からこれ対立するという要素を持っておるものですから、なかなか簡単にこれは受け入れてはもらうことができないでおるわけでございますが、まあ一年、二年で実現をさせる、させなければならぬというような簡単なしろものではないわけでございますから、じっくり腰を据えて、そして進むべき方向はもうきちっと定着をさせて、その方向に向かって私は粘り強く実現を目指して努力を積み重ねていかなくちゃならぬと、このように考えておるわけであります。
○夏目忠雄君 いま大臣から非常に真剣なお話がございまして、大変私もうれしく存じておりますが、私もそうあるべきだと期待してこの田園構想のあれを非常に関心を持って見ておるんですが、二月一日の合意文書というものがいま大臣がおっしゃったような、補助金制度にメスを入れるというような方向がこれぽっちも示されないで、いきなり定住圏というふうに出ているから私は非常に残念だと思う。国土庁は自治省と違って各省の寄り合いだからそうはいかないかもしれぬが、また各省の寄り合いの強みを発揮して……。私が言いたいのは、いま大臣が言ったように一度にできないことは、残念ながら私もそう思う。一度にできないですが、ぜひひとつ、そこを何とかドリルをあけるというような意味で、一つの県に一つと言わないで、一つの省に一つずつそういうものを設けてやったらどうだ、こういうふうに考えるんですよ。ちょっと議論が外れてしまいましたけれども……。 同時に、大平さんは家庭生活というものを政策の考える起点にしようという、これは私は非常に大賛成なんで、従来の高度成長から暮らしのあれをというふうになれば、家庭生活が発想の起点になるべきものなんだ。これはごくいいんだが、それならお伺いしたいんだが、家庭生活という点から考えますると、古くて新しい問題は幼稚園と保育所の問題がある、これはずいぶん争われてきたが、全然解決しておらぬ。で、文部省さんの方は、就学前教育という観点から子供さんの幼稚園というものを考えて、御丁寧にカリキュラムから幼稚園の先生の資格から全部お決めになっておる。就学前教育、あくまでも教育だ、文部省だからね。厚生省の方は、子供を丈夫に育てるというので保育ということで考えておる。しかし、家庭生活の母親の身になってみれば、教育も保育も実際は一体なんで分かれているはずがないんですよ。ですからこれなどは、当然保育所というのはこれは地方の自治体の行政の中で非常に大事な分野なんで、この点がずいぶん、何か聞くたんびに文部省と厚生省で話し合い、検討を進めているという話だが、あと何年お待ちしたら結論が出ますか。ひとつ厚生省と文部省の両方から御答弁を願います。
○説明員(菴谷利夫君) 御説明を申し上げます。 幼稚園と保育所につきましては、先生御指摘がありましたように、片や就学前、小学校前の三歳から五歳までの学校教育を行う。したがいまして、いろいろ目標も立てまして計画的な学校教育活動を行います。それと、幼児でございますので、心身の発達程度もございまして、やはりその忍耐程度というものもございますので、大体標準四時間ということが長い間の経験と教育的な専門的な検討の結果なっております。 それから、これは厚生省からもお話しがあると思いますが、保育所の方は、保育に欠ける乳幼児を対象にするということで、制度の発足が違うわけでございます。 それで、幼稚園の方は、できるだけ最近の幼児教育の重要性とか、さらには国民の幼児教育に対する要請の高まり、そういったことを受けまして、四十七年以来計画的に整備したいということでやっております。それでだんだん両方がふえてきますと、同じ幼児を対象にしている場合には、何か同じように公的ないわゆるサービスというものもねらっていくべきではないか、そういう御指摘がだんだん現実になってまいりまして、一昨々年でございますか行政管理庁からも御指摘がありましたような方向で、両省がそれぞれの関係審議会の委員にお集まりいただいて、そこら両制度の連携というものをいかにしていったらいいかということを一昨年から鋭意続けておりまして、いろいろと具体的には両制度とも相当広く発達しておりますので、単なる理念の問題だけではなくて具体的にもいろいろと考えなければならない。したがって、いまのところは意見交換を主にしておりまして、いろいろと問題点が論議されてまいりましたので、これからさらにその問題点を整理して、できるだけ早く方向を見つけていきたいと、そういう段階でございます。
○説明員(川崎幸雄君) お答えいたします。 ただいま文部省からお話しございましたようなことで大体同じようなことでございますが、保育所と幼稚園というのは、確かに対象児童の年齢あるいは保育内容が近似していると、こういったようなことから、地域によりましては相互に機能が代替されているといったような傾向もあるわけでございますけれども、しかし、ただいま文部省のお話にもございましたように、保育所と幼稚園というのは、やはり目的とか機能、保育所で申し上げますと、やはり母親の就労や病気などによって保育に欠けていると、こういった子供を家庭にかわって保育していく、こういったようなことを目的といたしました児童福祉施設でございます。やはり当面はその目的や機能に即した整備を行っていくべきであろう、そういうふうに考えております。
○夏目忠雄君 もうしゃべる元気もなくなっちゃったですね。——私が申し上げたいのは、文部省はいま言ったように教育という面、これは文部省だからしようがないが、就学前教育という面で、いまのお話でも専門家でやって、りっぱな幼稚園の先生をつくってやるというのは悪いことじゃないです、ちっとも。非常にいいことだ。いいことだけれども、家庭の母親になると、大体幼児に対する本当の人格形成に対して一番大きな影響を与えておるのは申すまでもなく家庭なんだ。まあ数字じゃ言えないけれども、大体八割方家庭なんだ。あと残った一割か二割が幼稚園なり保育所でやるわけだ。ところが、その幼稚園の方はいま言ったように教育の専門家で、一定の課程を経た者でなきゃできないと言えば、それだけの知識のない母親は子供を生んじゃいけないということになるのか、こう言いたくなる。それから、保育所の方も同じことで、保育所を私らさんざんつくりに行ったのだが、一定の坪数がなければいけないとか、このごろは言わなくなったが、一定の人数、定員がなきゃいかぬなんてくだらぬことを言っておったが、定員の方はこのごろ解消したようだが、まだ一つの基準があってこれだけの坪数がなきゃいかぬと、こう言うわけだ。そんなことを言えば、一定の坪数のある家でなきゃ子供を生んじゃいけないということになるのかと、こう聞きたくなる。 私は、子供というものは、子供に対する愛情が一番で、あとは、教育的な知識や保健衛生に関する知識なんというものは、あるにこしたことはないけれども、子供をかわいがる人があればもうそれが幼稚園の先生になり保育所の先生で十分なんだ。それを——しかし、こんな議論をやっていると……、これはやめだ、やめます。 ただ大臣ね、ひとつできるところからやっていこうじゃないですか。これはなかなかむずかしいんだ。できるところからやっていこうという意味で、一つの提案を申し上げたいのですが、先般調べていただいたのがあるんですが、それは、いま農村地帯へ行きますると各部落にいろんなセンター、集落センターだ、環境改善センターだ、何とかセンターだというので、大体金に直して一億から二億ぐらいの鉄筋コンクリートの建物がぼっつらぼっつらと見えるようになってきた。これをおつくりになっておる担当課というものは幾つあるかといいますと、調べてもらって私も見てびっくりしているのですが、農林省では構造改善局の地域計画課というところがその環境改善センターというもののあれをやっておるわけだ。それから同じく構造改善局の中で構造改善事業課というのがある。これが集落センターか何かやっているらしい。多目的研修集会施設というものだ。それから同じく構造改善局の中で就業改善課というのがある。これもやっている。水産庁の中では漁政部の沿岸課でやっぱりやっている。漁村センターというやつですがね。そのほか、基幹集落センター、生活改善センター、山村開発センター。国土庁の方では、地方振興局の中の山村豪雪地帯振興課というのですか、ここで高齢者生産活動センター。みんな一億か二億の建物ですよ。要するにそこで集会して、そして研修をする、場合によっては体操を教えたり、保健婦が健康の指導をするといったような、どれもこれも似たようなものだ。国土庁の中には、そのほかに総務課の中に過疎対策室というのがあって、これは過疎地域総合センターというのがある。それからやはり振興局の中に離島振興課の離島開発センターというのがある。厚生省にもある。厚生省は、公衆衛生局の地域保健課というところに市町村保健センターというのがある。これは保健というのだから多少違うのかと思うけれども、実際の問題は同じことだ。建物のつくりはほとんど同じ。それから同じく公衆衛生局の栄養課に健康増進モデルセンターというのがある。同じく公衆衛生局の結核成人病課に農村検診センターというのがある。今度は児童家庭局の母子福祉課へ行くと、母子健康センターというのがある。公衆衛生局へ行きますと、地域保健課で、へき地保健指導所、これはやっぱり同じようなもの。 まあ一々挙げるのもやめますが、いずれにしましても、これはいま言ったように地域のことは地域に任せないでおれがめんどう見てやるという、親切心から出たんでしょう、恐らく。決して悪意があってやっているものだとは思わない。だろうけれども、実際問題として、それが日本じゅうの全部の農村に残らずこしらえてくれるのなら、お上からくださるものだからだれだってありがたがる。結構なものだ、二億かけようが三億かけようが。しかし、幾らそんなことやってみたって、五、六カ村に一カ所くらいずつしかできやしないんだ。一番必要なのは、各集落に一つずつ要るのだ、こういうものは。集会して指導してあれするというのは、集落に一つずつ要るんだ。この金を全部お任せしちまえば、そんな二億や三億のものを五つか六つの村に一つこしらえないで、各集落に一つずつ、既存の建物へせいぜい二百万か三百万かければ、一応の機能が果たせるものができるんだ。それを、みんなおれの方が一番農村の味方だというような顔してそういうものを——実際そうなんだろうけれども、それで補助金を取りに来いと、おまえの県にはことしは今度は五つ割り当ててやるからななんて言ってね。なっとらぬですね、私に言わせると。ここら辺からまず手始めにおやりになったらいかがでしょうかということですが、その前に、これに対する何か農林省の方のお考えがあったら。田園都市構想というものができたんだからひとつ協力して、この中でやっぱり一番数多いのは農林省だから、農林省がおれの方でひとつそういうものは一まとめにしてやってやろうという気がありますかな。
○説明員(瓜生瑛君) お答えいたします。 農林水産省としては、いま御指摘のような施設をつくることに関連する事業が幾つかございますが、これらの事業の基礎になっております考え方は、農業の再編成あるいは農業の組織化を進める場合に、農業生産基盤の整備であるとかあるいは農業近代化施設の整備だけでなくて、やはり地域の態様に応じた農業に従事する人々の生産あるいは生活の場でございます農村の環境整備、これもあわせて行うことによって初めて活力ある農村づくりを進めることができる、これによりましてまた農業そのもののいろいろ課題へも対応できると、こういう考え方がベースになっております。このような見地から、たとえば新農業構造改善事業でありますとか、山村振興対策事業でありますとか、各種の施策で、それぞれの施策を進める事業の中身の一環といたしまして農村環境の整備を事業種目として取り上げておるわけでございます。で、御指摘のありましたような集会施設が地元の計画で取り上げられる場合に、事業の一環としてこれが建設されている、こういう実態でございます。 で、これらの施設の設置を含みます全体の事業計画は、これは市町村長が地元農業者の意向を十分反映をさせまして計画を作成しておりますし、また、その作成に当たりましては、ほかの同様な施設とか、あるいはほかの施策との関連にも十分に配慮するように指導しておりますし、私どもとしましても、計画の審査に当たってこの点に留意をして、全体の整合を図っているところでございます。で、今後もそういう点には十分配慮をいたしまして、施設の設置が適切に行われること、それからその運営が効果的に行われるように努めてまいりたいと思います。
○夏目忠雄君 そこなんだよ、問題はね。その善意はわかりますよ。善意はわかりますが、活力ある農村というところまで踏み込まないで結構。そういうことは市町村に任せりゃいいんだ。もうみんなで各課でもって——あなたの方の課だけじゃない、いま私が読み上げた課全部が、おれの方がそこまでめんどう見てやるんだっていうんのでやっているんだけれども、方々から来るから迷惑至極なんだ、はっきり言うと。そんな活力ある農村の振興策というのは市町村長に任せなさい。それであなた方は、農林省なら米の値段や豚の値段一生懸命やりゃいいんで、活力ある農村をつくるために集落施設をつくる、何をつくるなどということは挙げて市町村長に任せたらいい、金つけて。そこをおれがめんどう見てやると、先ほど国土庁の方もおっしゃったように、おれがめんどう見てやるという考えがもとだから、そういうのが軒並みに出てきちゃうわけだ。そうではない。そんなことを中央の農林省や厚生省や文部省がお考えになるよりは、現地の市町村長が一番苦労しているんだから、これに金つけて心配させよう。大平さんの最初に言ったことはそれなんだな、地方の問題見切れないと。それで、いま活力ある農村だなんていってやったところ、私は調べてもみないけれども、全国の農村の中の何分の一かでしょう。何分の一ばかりやってみたってだめなんだよ。だから、地方の問題は、そこまではめんどうを見切れないから——正直だ、大平さんという人は。めんどう見切れないから、地方の問題は地方で処理してもらおうという、この大方針に従おうという気がないんじゃ……。 そこで自治大臣お願いしますが、このような調子ですからね、なかなかそれはうんと言いっこないけれども、それでも、全国知事会の中に臨時地方行政基本問題研究会という、私もこれつい最近見たんですが、この中に、補助金の問題を最小限この程度の整理はしてほしいというのが二、三入っております、この中にですね。これは従来地方行政関係の人たちが口を酸っぱくしてしゃべっているんですから、これ、新しく研究するまでもない、なかなかいいこと書いてある。この中のこれ見ますと、知事さんだからやっぱり遠慮深いと見えて非常に遠慮した補助金に対する、せめてこの程度の補助金は総合補助金に直すのがしかるべきだ、この程度のものは整理統合して地方に一括してやるべきだということを事細かに書いてある。で、ここら辺からぜひ、大臣だけでなくて自治省の役人は日ごろ大臣に負けないようなことを言っているじゃないか、いつも地方分権が何とかと言うんだから、ひとつ財政局長さんなり行政局長さんなり大臣を補佐して、せめてどこかから手をつける、この姿勢が非常に大切だと思うんですが、いかがです。
○国務大臣(澁谷直藏君) 午前中の佐藤委員の御質問にもお答えしているわけでございますが、まあとにかく従来やってきた補助金、ひもつき行政というものの弊害というものを、これはできるだけ少なくしていかなければならぬと、基本的にこう考えております。それから、いまお示しになったような各地方団体からの具体的な要望も出ておるわけでございますから、これは一遍になかなかできませんけれども、とにかくできるものからとりあえず、とにかくもう実現、実行していくと、こういうことで、これはまあ真剣にひとつ取り組んでいくつもりでございます。
○夏目忠雄君 心から御期待申し上げまして、見守ってまいりたいと存じます。 最後に、もう少し定住圏のことで国土庁の方からお聞きしたいんですが、先ほど国土庁さんのお話を聞きますると、どこまでも地域の発想によって計画を立てさせる。で、それを、国の分野のものは国でやっていこう、県の分野は県の分野、市町村の分野は市町村の分野でもって、まあある程度の重点配分をしてやっていこうということのようなんですが、それだけ地域の主体性ということを真剣にお考えならば、人口二十万、三十万をめどとして一県一つなどという、また知事の手を縛るようなことはおやめになったらいかがですか。県によっては一つじゃなくて二つの方がいいかもしらぬ、あるいは三つの方がいいかもしれぬ。こんなことは各県によって状況違うんですから、一つにしようが二つにしようが三つにしようが挙げて知事にお任せする。先ほど言ったように、モデル地区をつくってそこで試験的にやるなんという考えは、そういう考えだと困りますがね。そんな考え、試験的にやるなんということない、何もいまさら試験することでもないんだよ、その住みよさというものを求めてみんなが苦労して、やりたいことは山ほどあるけれども、順序、手順を踏んでやっていこうというときに、特にモデルをつくらなけりゃ手順、手管がわからないというのは、先ほど農林省が言われたように、おれがそれやってやるという考え方なんで、挙げて県の方にお任せするということなら県の主体性にこれをお任せしたらどうなんでしょう。 それで、ついでにお聞きしますが、定住圏の圏域というものは自治省の広域市町村圏と全然違った理念で編成がえをやるおつもりなんですか、それとも既存の広域市町村圏というものを、一つもしくは複数のものを合して定住圏ということをお考えになっているのか。広域市町村圏なんというものの区割りなんというものは全然そんなものは御破算で、独自の定住圏というものをおやりになろうとしておるのか、そのどっちか、ちょっと答えてくれませんか。
○説明員(星野進保君) お答え申し上げます。 基本的には先生の最初に御指摘ありましたように、地元で決めていただくことでございますが、後段の先生の、要するに広域市町村圏のいわゆる圏域と、それからわれわれの言っておりますモデル定住圏というものの重なりぐあいについてはどうかという御質問だと思いますが、先生御指摘のように、一つか、二つになるかあるいは三つになるかというのは地元の御選択でございますが、広域市町村圏をこうずたずたにするというのでございましょうか、そういうような形でやるということは私ども全然考えておりません。
○夏目忠雄君 まあそれで一つは安心したんですが、もちろん常識的に考えればそうあるべきだと思うんですが、そこまで考えるならどうです、こういう発想はいけませんか。私の方の県は長野県だが、これ、たとえばの話ですよ、広域市町村圏が十ある。で、おれの方の県は十でもって一つの田園都市圏だと、こういうような発想はいかがですか。これはね、こんなところで話しするのはおかしいけれども、私は長野県で、知事さんとも副知事さんとも話したんだ。それで、どうだね、どうせ地域の主体性ということを言うんなら、いっそ任してもらおう。任してもらうなら長野県はもう全県一区だと。それでやったらどうだと言った。ところが知事さんは、おれに対するお世辞か何か知らぬが、それはいい考えだと。副知事もそれはいい考えだと言うてやっているわけだ。いまは御存じのように地方選挙で、どこ回ったっておれの方が田園都市圏の最適の都市だなんといってみんなでやっているわけだ、金よほどつくかと思っているからね。いま聞くとそんなにつきゃしないんだけれども。つかないならつかないとはっきり言えばこんな騒ぎおさまっちゃうんだけれども、だれ考えても大平さんが、総理が言い出したんだから、まあ一圏域に三十億や五十億つくんじゃないかとみんな思っているからね。それでわあわあ何しているんだ。まあ騒ぐのはいいとして、私の方の知事は前からもうそういう構想で、田園都市構想で、ここの地域にはスポーツ施設、ここの地域には文教施設、ここの地区には何とか施設というふうにしてずっともういままでやってきたんだから、それを乗っければいいんだから、そうしてもらえば非常にありがたいけれども、しかしお役人さんのことだから、どうしても一つの県に一つと言って上の方でもってがんばられれば、おれは一人っきりじゃがんばれないという、まあ正直言えば割りのない話だ。どうです、思い切って知事さんにお任せになるのなら、一つだろうが、二つだろうが、三つだろうが、もしくは全部一かためにして一つだろうが、そこら辺は挙げて知事さんに任せると。私は、知事さんというのは大体一かどの人がなっているはずだ、だからそんな変なことはしないんだから、だからいっそのこと、あくまでもこれは地域で計画を立てて地域で主体性担ってやってくれという話なら、二十万だ三十万だ、一県一つだなんということでおやりになるのをおやめになったらいかがでしょう。どうです国土庁さん。
○説明員(星野進保君) お答え申し上げます。 確かに私ども、原則一県一圏域ということを言っております、モデル定住圏につきましては。ただ、その場合、さらに言っておりますのは、全県下の、要するに県下全体の地域開発の方向なり、あるいは地域整備と申しますか、そういうものをながめて、知事さんがお決めくださいという言い方をしておりまして、国がたとえば指定をするとか、そういう形をとっているわけではございません。
○夏目忠雄君 私の言ったようなことはなかなかおやりにならぬでしょうからあきらめますがね。 それじゃ、一つの県で一つのいま言ったような定住圏をやって、大体目標は、最初にあんたがおっしゃったように全国に及ぼすことが目標でしょう。一定の地域だけ選んでよくすりゃいいという問題じゃない、これはね。新産都市と違うんだから。全部のレベルアップをしようというんだから、全部に及ぼしていかなければいかぬ。広域市町村圏というものも、自治省で十年前におやりになったのは、私の記憶では大体三年間で希望のあるところは全部指定するということでおやりになった。そのかわり金は少なかったけれども。そういうやり方でおやりになるつもりなんですか。それとも、一つの地域に五年なり六年なり、金をつぎ込む期間を長くする——五年も六年もにすれば、全部の地域に及ぼすには三十年も五十年もかかっちまって、その間いい目するのと悪い目するのと出てくるわけだ。その間のギャップをどういうふうに埋め合わせをされようとするわけなんですか。ちょっとお考えのほどをお聞きしたい。
○説明員(星野進保君) 御答弁を申し上げます。 また先ほどの繰り返しになるかと思いますが、私ども、先生御指摘のように、いわゆる定住条件と申しますか、住みよい条件というのを全国にわたってつくっていくという目標は全くそのとおりだと思います。したがいまして、先ほど一等最初に申し上げましたように、たとえば広域市町村圏の施策であるとか、あるいは地方生活圏、それから農水省がおやりになっておりますいろんな、農村定住条件の整備であるとか、そういう施策をさらに充実拡充していくということが一つの前提になっておるというふうに申し上げたわけであります。 それから同時に、私どものモデル定住圏というのは、また繰り返しで恐縮なんでございますが、いわゆる地方の人口定住を促進するため先導的な地域についてやりましょうということでございます。その場合に、先導的な地域について計画づくりだけで終わるというのは、非常にこれはある意味ではペーパープランを積み上げるだけでありますから、ある程度事業なり何なりが進行していくということは背景に当然考えなければ、先生先ほどおっしゃったようにその地域はモルモットになってしまうだけでありますから、そういうことをしばらく続ける必要はあるだろうとわれわれ考えております。
○夏目忠雄君 ちょっともう一度説明してください。私が端的にお聞きしているんだから。一つの地域が計画だけでペーパープランになっちゃいけないから、ちょっとはかっこうになってあらわれるまでに何年ぐらいおかけになるつもりなんですか。そして、それを全部に及ぼすということになると、合計どういうことになるんですか。そこをはっきり答えてください。
○説明員(星野進保君) お答え申し上げます。 一つの地域が何年かかるかということになりますと、これ非常にむずかしい問題でありまして、ある意味では、都市づくりというのは先生も先ほど御指摘ありましたように、百年ぐらいかかっちゃう都市づくりもあるかもしれません。しかしながら、私ども百年河清を待つというのはなかなか大変なことでございますから、ある意味ではその事業の進捗なり、それから事業を進める場合に私ども、先ほど申し上げましたが、いわゆる地方の主体性を維持しながら、しかも先ほど来先生がいろいろ御指摘なさっておりますいわゆる縦割り補助金と、こういう形で表現されておりますが、いわゆる関係省庁が地方の一つのデザインを尊重いたしまして、いかに現行制度の上でうまく補助金なり何なりが地方の要望に合って進んでいくかというようなことを担保していくことが非常に重要だろうと思っておるわけであります。したがいまして、そういうことがある程度実を結んでいくのにはある程度の時間がかかるだろう。しかし、それが二年なのかあるいは五年なのか、十年なのか、あるいは百年なのかということをちょっとただいまの段階で私申し上げる能力がございません。
○夏目忠雄君 そういう話を聞くと反対せざるを得ないな。広域市町村圏だって同じことだ。でき上がるまでに百年かかるか五十年かかるか、そんなものはかかるのはあたりまえの話なんだ。ただ、あなたのようにある程度めどがつくということになりますと、どうしたって、幾ら最小限に考えたって、五年というものはめどがかかりますよ。二年や三年じゃめどがつきはしない。そうすると、その間はよその方はみんな待っていろということになるんだ。それで、ことにさっき冒頭にお聞きしたんだけれども、大体主力のものは政府から全然別口でもって金を持ってくるというのじゃなさそうだね。既存の公共事業費なり何なりというものを重点配分するということになりますと、市町村全部の中からみんな、こじきのおかゆじゃないけれども、ほかの方を取ってきて重点配分するんだから、そういう一つの地域がやっている間はほかの方の地域は指を食わえて、自分の方に当然入るべき財源の上前をはねられて、それで五年なり——五年といったって、その次のところが五年で、五番目や六番目に回っているところは五十年先か六十年先かわからない。その間黙って見ていろということになると、当然地方でもっていままで従来のいろんなやり方で配分してやってきたのを、大きな権力のもとでここへ重点的にやっちゃって、その間は見ていろと、これじゃ話にならぬ。私は、これは大平さんの新しい構想なんだから、財源は全然別から持ってくるというのならまだいい。ところが、みんなのおわんから少しずつおかゆを削ってきてここへ重点配分して、一つの地域だけやるなんというそんなモデル地区なら賛成するわけにはとてもいかぬ。考え直したらいかがです。そうでなくて、いま申し上げたように、一つだろうが二つだろうが三つだろうが、そこら辺は県知事さんよろしく判断してくれという態度に出れませんか。
○説明員(星野進保君) お答え申し上げます。 私ども、これも先ほどの答弁の繰り返しになりますが、要するに、よそからつまみ上げて、よそをへずらして、それでその地域を山盛りにするという発想には基本的には立っていないのでありまして、むしろその地域が選択したものがうまくちゃんとジャストミートして入っていくということが非常に重要だろうと、こういうふうに考えておるわけです。その結果としまして、その地域がいろいろデザインした結果として、実はそこに道路の整備であるとかあるいはいろんな集会所の整備というのが早く進捗していくとか、そういう形になっていくシステムをむしろ念頭に置いて考えるべきじゃないかというふうに思っております。 それからもう一つ、そこのモデル定住圏以外のところはどうするのかという話でありますが、これも繰り返しで恐縮でございますが、先ほど来申しておりますように、広域市町村圏であるとか、これも「新」という形で新しく今回拡充されることになっておるわけでありますから、それだとか、あるいは地方生活圏、それからさらに農林関係の各施策、そういったようなものが当然ほかの地域でも入っていくわけでありますから、特段の不公平その他が発生するというふうには考えられないのではないかというふうに思っております。
○夏目忠雄君 さっき言ったように、地域に計画を立てさせる、そして地域の事業を主にして考えるんだと言うのだが、国や県の事業は別として、地域の事業というのはこれ全部補助金でひもがついているんだ。単独でやっているわけじゃないんだよ。だから、そこへ重点配分するということになれば、勢いほかの方は薄くなるのはあたりまえじゃないですか。地域の計画を盛り立てていくようにするんだなんてうまいこと言ってみたって、結局その地域の市町村の事業というものは全部補助金や何かで、起債でもってひもがついて初めてできるんですからね、地域だけでできるんじゃないんだから。そうすると、そこの方へ重点配分させれば、よその方が薄くなるのはあたりまえの話じゃないですか。そこをやるんだけれども、ほかの方も薄くならないなんて、そんな手品みたいなこと言ったって私には納得できないな。 それで、広域市町村圏がなぜわりにスムーズにいったかといいますと、やはり三年ぐらいでもって希望の市町村圏全部やっちゃうと、こう言ったので非常にスムーズに私はいったと思うんですよ。どうです、そんなことはないと、はなはだしい不公平を生じないと。はなはだしい不公平を生じないようにすると言うなら、まあほんのちょっぴりするならこれはまた話は別だ。そうすれば田園定住圏なんて何の魅力もなくなるから。ほんのちょっぴりするなら。不公正は生じさせないと言うけれども、いま言ったように生じるでしょう、理の当然として。そうじゃないですか。
○説明員(星野進保君) お答え申し上げます。 私、不公正の議論をちょっと単純に使ったような気がいたしますが、必ずしも不公正という観点というよりは、要するに、基本的に申し上げましたのは、その地域で望んでいるものがいかにうまく整備されていくかということが基本じゃないかということを申し上げたわけであります。したがいまして、それがうまく進展することによりまして、恐らくその地域についての整備その他が進むと同時に、それが一つの新しい手法となり得る可能性もあるじゃないかということを再々先ほどから申し上げておりまして、誤解を生じたこと申しわけございません。
○夏目忠雄君 くどいようだけれども、地域が望んでいるものをやるからと言うけれども、どこの市町村だって、望んでいることはみんな望んでいるんだよ。特定の地域だけ、その地域が望んでいることがかなえられるということになれば、これはもう当然おかしなものになりはせぬですか。私は、各市町村が一生懸命でみんな努力しているのを一様に、国土庁がおっしゃる教養なり文化のレベルが高まるように、たとえ薄いものでもいい、一様に上げることに努力をお払いになったらいかがかと。モデル地区なんというものをこしらえて、どうだおれの方のモデル地区——外国人の観光客用につくるのなら別だけれども、そうじゃないんだから、全部のやつを一様に上げる。たとえそれが速度がきわめて鈍いものであっても一様にやっていくという考え方でないと……どうも気に入らないな。しかし、いつまでなにしても同じことですから、これでやめます。 最後に、大蔵省にちょっとお聞きしたいんですが、いずれにいたしましても、いまさしあたりの定住圏の方は別としまして、自治大臣も何とかして中央が持っておった権限や財源を地方の方に移譲するように努力するとおっしゃっておられる。私ども大いにそれも期待をし、これからいろんななにしようと思うんですが、そういうような権限、まあ権限は別として、財源の移譲ということは、大蔵省がおつくりになった補助金等適正化何とかの法律というのがございますな、あれを私は見直す時期に来ているんじゃないか。あの法律のできたときのいきさつ、私は当時は国会議員じゃないから、議事録で読んで知っただけですが、あのときのを読みますと、大蔵省の説明文の中に、とにかく補助金というものは対価なしに国が与えるものなんだ、だから厳重にこれをやらなきゃいけないという思想であれはできているわけだ、あの説明書を読むと。よく当時の国会議員が黙っていたものだと思って、私、感心しているんだけれども、あれほど市町村長をばかにした法律は私はないと思う。今日の補助金などは、たとえばいま言ったように、知事会で言っている補助金のメニュー化だとか、微細なものは全部交付税の方へ算入するといったようなやり方で逐次財源を地方の方に移譲するべき時期に来ておるときに、あの法律は見直しする必要があるのじゃないかと、こう思うんですが、いかがでしょう。
○説明員(佐藤浩君) お答え申し上げます。 この法律は、先生いま御指摘のとおり、昭和三十年に参議院の予算委員会での附帯決議を受けまして制定されたものでございますけれども、その内容といたしますところは、補助金等が非常にたくさんあるわけでございますけれど、こういうものの制度の運用を統一すると、そして、先生いま御指摘のように、補助金が反対給付なくして特定の目的を定めて交付するというような性格を持っておることにかんがみまして、反対給付がないということは、要するに受け取る方が当然の債務というものは生じないのでございますけれど、これは血税を交付する——これは地方団体に限らないわけでございますが、受け取る方に所定の行政目的を達成してもらうように一定の担保はやはり必要かと、不当な使用あるいは不正な使用あるいは不正不当の申請というものはやはり制度的に排除する必要があると、こういう趣旨から設けられておるものでございまして、権限移譲とかあるいは財源の付与の形態が一体どういう形がいいのかという議論は別の問題として、補助金等というものを制度的に存続する限り、こういう制度が適正に運用される担保としての法律はやはり必要なんじゃないかというふうに考えております。 もちろん、制定以来相当年月経ておるわけでありますが、制度の統一的運用とか、あるいは税金の効率的な使用という意味の要請は現在においても変わるところはないというふうに考えられますし、運用の問題はまた別としまして、この法律が考えております制度そのものはいまでも必要かというふうに考えております。
○夏目忠雄君 そうですか、まだ当時と思想は全然変わってないんですね、これは驚いた。対価なくして——ただでくれてやるんだからという思想がおありだ。 それじゃお聞きしますがね、先ほどの例で、農林省なら農林省でもっていろんな集落センターをつくるのでいっぱいあれしますね。それで皆さん予算つけますね。これも対価なくしてやっているんですな。代償なくしてやっているでしょう。そうすると、先ほど私が申し上げましたように、私に言わせればむだ使いもはなはだしい。一部落に二、三百万円の修理費をつけてつくってやればりっぱなものが全部できるやつを、そういう方は目をつぶっているのかね。それで片方の地方団体の方は、対価なくしてくれてやるんだから別かね。地方団体にやるのと、それからいま言ったように、皆さんが予算でもってくれてやると、予算で各省にくれてやる金とは性格違うんですか、同じですか。
○説明員(佐藤浩君) ちょっと御質問の趣旨、あるいは取り違えているかもしれませんが、もう一度繰り返しになりますが、補助金等適正化法は一定の目的を持って交付される補助金等についての制度を決めておるわけでございますけれども、いま先生がおっしゃいました目的の当否でございますね、これはつまりこういうものに助成していいのかどうかとか、あるいは大きな一億単位じゃなくて、もっと二、三百万単位のものにすべきじゃないかどうか。これはまさに実態の議論として確かにあると思うんです。農林省の政策としてそういうのが妥当かどうか、あるいは国がそういう特定の目的、こういう目的のために出していいかどうかということは、これは常に時代の要請とともに検討し、あるいはまた変わっていくということはあろうかと思います。ただ、補助金等適正化法が決めておりますのは、そういう特定の目的を決めて交付いたしますと、その目的どおりにお金が使われているかどうかということを担保するための制度でございますので、そこは若干御指摘の点と問題が違うのじゃないかと私ども考えております。
○夏目忠雄君 いや、目的に違っちゃこれは話にならぬ。これに使えといったものはそれに使わなきゃいけないんだが、いまの適正化法は、その目的に使うのに手順、手だて、様式なんかこれまた細かく言ってあるから、結局各省の方でも、あなたの方に予算をつけてもらうのには、設計から何からみんなこうやるという細かいところまで言われるから、各省だってしようがない、心ならずもかどうかは知らないけれども、あれでやってくるわけだ。そうじゃなくて私は、目的逸したらこれはいかぬ。もう保育所に使えといったやつは保育所に使わなきゃいかぬ。幼稚園に使えといったやつでミレーの絵なんか買われたんじゃこれはとんでもない話だから、目的は目的としてこれはもう厳重に監督する必要があるけれども、その目的を達成するための手だて、手段というものに対して、いまのように厳重におやりにならなくてもいい時期に来たんじゃないかと、こういうことを申し上げているわけだ。目的を逸していいなんていうことは夢さらも思っておらぬ。 もう一つだけ。これは自治省になるんですか、大蔵省になるんですか、午前中の佐藤さんの質問で思いついたんですが、自主財源の話が最初に出ましたですね。で、私はこの自主財源というものはなかなか困難なんで、現在、市町村長がとにかく新しい財源をつくる、もしくは増税をするといったようなものに対しては相当の反対があるわけ。これはもういまの御時世だからしようがない。しかし、その反対を何とか説得して自主財源、独立財源を苦心惨たんしてつくったとしても、そのうち四分の三は交付税で差し引かれてしまう。ちょうど、何といいますか、生活扶助を受けている人が一生懸命で稼いだところが、稼いだ分だけ扶助金から差っ引いちゃうのと同じようなもので、この制度をこのままにしておいて、自主財源をふやせ、独立財源をふやせと言ったって、市町村長が熱が入らないと思うんだ。そこら辺やっているのは自治省になるんですか、大蔵省になるんですか知りませんけれども、それだけお答え願って私の質問はやめます。
○政府委員(森岡敞君) 自主財源といわゆる依存財源というものの構成割合を踏まえて、地方財政の自主性を確立するためにいろんな議論なり課題があると思いますが、要するに、いま自主財源と申しておりますのは地方税と地方交付税、若干譲与税がございますが。これを合わせますと歳入の大体半分を占めておるわけです。そのほかに国庫支出金が約二五%ございます。 そこで、国に完全に依存しておる、さっきから御議論のひもつきの補助負担金というものをできるだけ一般財源に振りかえていくということが、地方財政の自主性を確保するもう第一段階でありますが、次に、それじゃ交付税なのか地方税なのかという問題があるわけです。私どもは、理念的にはやはり地方税だと思います。なぜならば、よく言われることでございますが、みずから納めた税金がどう使われるかという関心なり認識を持つ、完全な結びつきを持つ機縁になるわけでございますが、交付税の場合には、どうしても一たん国庫に納まったものを配分されるわけでございますので、その辺のところはやはり希薄にならざるを得ない。ただ問題は、地方税の場合に税源に地域間の格差がございますから、全部を地方税でやれといっても、それはむしろ地方団体間の財源配分がアンバランスになります。そこで、地方税と地方交付税をいわば適度に組み合わせて、一面においてできるだけ自主的な税をふやすが、他面交付税の機能によってすべての団体が財源を保障されるようにしていかなきゃならない。その場合に、いまは地方税を交付税計算の際に一〇〇%算入いたしませんで、県は八〇%、市町村は七五%ということで、いま二割なり二五%というものはいわば自主的に使える財源として交付税計算の外に置いておるわけでございます。以前はこの留保財源の割合はもっと高かったのでございますけれども、だんだんと経費の算定が、綿密に見るようになってきたのに応じて引き上がってまいりました。そういう現在の仕組みの中で地方税について増税を行っても、まるっきり交付税差し引きになるというわけでは実はないわけでございます。 しかし、そうは申しましても、私どもは基本的な方向といたしましては、現在の税及び交付税の仕組みをまるっきり変えてしまうというふうな基本的な地方財政制度の改正に踏み込むには、まだ時期がちょっと早いように思います。もしそういうことを行いますならば、よく言われておりますように地域間の行政水準に相当格差があってもよろしいと、地域の住民がそこまで踏み切っていただかなきゃいかぬ。そういう問題にも絡まってまいりますので、もう少し慎重に考えていかなきゃならないというふうに考えておる次第でございます。
○志苫裕君 私、きょうは主として土地資産課税の問題を中心にお伺いするんですが、いまの財政自主権といいますか、課税自主権の問題に絡んで、ちょっと考え方だけ聞いておきますが、先ほど来議論がありましたが、地方の時代だ、分権だと言うても、いまだに率直に言って模索の段階で、これが具体的な施策になってあらわれるという状況じゃありませんが、たとえば今度の地方税法の改正を通して、これが一歩分権に近づいたと、地方がある程度自由に振る舞えるというふうな何かがありますか、この中に。
○政府委員(土屋佳照君) 基本的に税財源の洗い直しといったようなところまでは踏み込んでおりませんので、そういった観点からやるとなりますと、事務配分の問題と絡めて研究しなければなりませんが、おっしゃったような意味においては特に大幅な改善をしたということにはならないと存じます。
○志苫裕君 現行の税制を中心に考えますと、一応税の大枠というのは法律で決めまして、個々の自治体が取るんだけれども、それは法律が決める。その法律は、標準と最高という一定の枠が、選択の幅が少しありますけれども、原則としては法律で、これを取れ、これを取るなということを決めているわけですから、その限りにおいては余り地方がどの税金を取ろうかとかどれはやめようかとかという裁量は比較的少ないわけです。そういう法定そのものをやめて自治体でひとつ勝手に取れということになりますと、税目が偏ったり、あるところが取ったり取らなかったりという不公平の問題も出てくる。そういう弊害のあることを承知なんですけれども、法定をして地方の裁量というようなものの幅が非常に小さいということと、地方が全く自由に税金をかけるという仕組みにしておくがしかしそれはまた別な面でデメリットがあるというこの兼ね合いの問題ですね。これを、たとえば課税自主権という物差しに照らしてこの兼ね合いを考える場合には、どう考えればいいのでしょう。考え方をひとつ聞きたい。
○政府委員(土屋佳照君) 地方税制につきましては、基本的に地方団体の自主性が確保されるといったような配慮が必要なことはもういまおっしゃいましたとおりだと思うのでございます。地方自治のあり方という点については、先生のおっしゃいますように、徹底すれば、課税を地方団体の自主的な選択に任すということにもなろうかと思うのでございますが、そうなればまたいろいろと問題が出てくる。諸外国によってもいろいろ税制は違うわけでございますが、特にわが国のような非常に稠密な社会におきましては、非常に地域間の人とか物の活発な交流というものがございまして、行政のある程度の均衡というものを図らなければおさまらないと申しますか、そういった問題もございますので、地方団体間で住民の税負担に著しい不均衡が生ずるということは、なかなか国民生活なり国民経済上の見地から適当でないと言えるわけでございます。そこで標準的な負担水準を設けておるわけでございますが、先生のおっしゃいますような意味において、どの幅まで許されるのかと、そこはどこらが合理的だということになりますと、私は、率直に申しまして、わが国の場合は、余り大きな幅と申しますか、上限というものを設けますと、なかなか先ほど申し上げましたような社会の実態からむずかしいと思います。そういった意味で標準税率と制限税率というような形でやっておるわけでございまして、いまのところ今日の制度のあたりがいいところではないかと思っておりますけれども、ただ全体として見ていろいろな御意見もあろうと思いますので、ただいまおっしゃいましたような点から、私どもも常に新たな見地で考えていかなきゃならぬと思っておりますけれども、どうも余り幅広くやるということはなかなか日本の社会では問題があるように感じております。
○志苫裕君 私も結論を持っていて言うのじゃないのですけれども、たとえば、ある程度法定をしなければならぬという必然性も私は認めるのですが、しかしこれは取っちゃいけないとかこれを対象にしちゃいけないという種類のものがありますよね。これ以上取っちゃならぬというようなものがありますけれども、私は、税金を高く取るかどうかはその自治体が自分の体に似せて考えることですが、むしろある程度、余り指図をするようにこれ以上取っちゃいけない、こいつは課税の対象にしてはいけないというふうに制限をつけるのじゃなくて、少々高いなら高いなりのものを取る、あるいは低いなら低いものを取る、あるいはいろんな対象から取る。といっても、それはむしろ、先ほどの財政局長の答弁じゃありませんけれども、税金を取られるからにはその使途もよく見る。仕事におれも参加をするという、そういう意味での、まさに自治意識そのものが、じっとしておっても国が金をくれるとか、こういうようなことのために国の方にも問題があるが、地方の方も百年中央集権にならされて、何か上から言うてくるのを待つという非常に活力のない状況になっておると思うので、そういうことを考えると、どうぞおやりくださいと、問題があったら地方が直す、高く取られたらサービスよくしろと住民は注文つけるというふうな意味での考え方というのがある程度、もう少しいまよりも強く入り込んできてもいいのではないか。まさに地方の時代というのであれば、そういうふうな考え方も今後いろいろな見直しで考えられるのではないかと思うのですが、どうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げましたが、地方自治を徹底して考え、またそれがうまく機能していくものならば、先生のおっしゃいますように、住民がみずから選択をする中で仕事を行うと、そういうことで、課税の中身についても、たとえば昨年のアメリカのカリフォルニア州における提案十三号のごとく、制限税率を住民投票で決めるというようなこともございます。そういうところもございますが、いろいろな国のその生い立ちによってそういった仕組みというのは違っておりますが、日本の場合、私はどうもそう幅広くやるのは、非常に社会的に余りにも稠密でなかなか問題があるような気がするわけでございます。 そこで、おっしゃいます意味では、一つは制限税率の上げ幅の問題がございましょうし、もう一つは、法定外普通税みたいな形で選択する場合にどこまで認めるんだろうかというような問題だと思うのでございます。制限税率は、いま言ったようなことで、認めるにしても余り不均衡が出ては困るという一応の制約がございますし、それからまた法定外普通税については、やはりほかの国税、地方税と課税標準を余り同じくしているのでは税の累積というようなこともございますし、あるいはまた、全国的な意味での物の流通に重大な障害があるといったようなことになりますと、そういった点からの配慮ということも必要でございますから、おのずからそこには限度があると思うのでございます。ただ、基本的な考え方として、地方ができるだけ自主的にやっていくという点については、まあまあそこらの社会全体の様子を踏まえながらではございますけれども、いまおっしゃいましたような観点というものは頭に置いておかなければならぬだろうという気持ちは私も持っております。
○志苫裕君 これはひとつ、これからいろいろな抜本的な手直しというものに入る時期でありますから、一つの参考にしておいてもらえばいいわけであります。 さて、次でありますが、資産の課税で少しお伺いするのですが、どうも土地の値段というのは化け物みたいなもので、いろいろ、値段の種類といってはあれですが、ございますよね。実勢価格もあれば公示価格もあるし、評価価格もあるし、何か幾つもあるのじゃないかと思うのですが、幾つあるものでしょうね、土地の値段というものは。ちょっと参考のために聞かしてもらえませんか。
○政府委員(土屋佳照君) 幾つあるかということでございますが、公的な制度的な面で私どもが存じておりますのは、一つはいわゆる公示価格というもの、それからもう一つは固定資産税における評価における価格というもの、それから相続税でとっております評価額、そういったものがあろうかと思いますし、あるいは、これは私どもの知らないところで、実際にいろいろな社会の実態を反映した個々の販売実例価格というものがあろうかと存じます。
○志苫裕君 いまお話があったので、私の感じで、高さの順序で言いますと、実勢価格、公示価格、相続価格、固定資産評価と、恐らくこういう順序で並ぶのじゃないかと思うのですが、何かこれ簡単に指数であらわせますか。実勢価格を一〇〇にしておいたら、公示が八〇で、固定資産は六〇で、相続は六五だというような、何かそんなものをだれかどこかでまとめていますか。こういうものはどこも持っていないですか。
○政府委員(土屋佳照君) 一般的な意味ではいろいろ言われておりますが、具体的ないまの四つを通じての比較というのは私どもも持っておりませんけれども、少なくとも固定資産税と相続税は同じ課税上の評価でございますから——細かく申しますと評価の仕組みが違うわけでございますけれども、おおむね類似しておりまして、約九三%程度とお考えいただいていいのではないかと思っております。実際の価格とこれらの感じということになりますと、いろいろと実際の実例価格というものとこういう評価上使っております価格とは違ってまいりますので、ケースによって非常にまた差がございますので、なかなか比較しにくいわけでございます。 なおまた固定資産税等ではいわゆる住宅用の、小住宅用の土地等は特に課税標準を下げるとかいろんな施策もございますので、ちょっと課税上似ておる相続税と固定資産税ではいま申し上げたようなかっこうになっております。
○志苫裕君 実勢価格はこれは売り手買い手の問題ですから欲しいと思ったら幾らでも買うと、角地だったら高く買って裏なら安くするとかいうように、そういう実際のあれですからこれはなかなかあるようでないようなことですが……。いまの九三というのは、相続のやつを一〇〇にすると固定資産税が九三ということでしょう、きっと。それでは、公示価格を一〇〇にすると固定資産税の方は幾つになっていますか。
○政府委員(土屋佳照君) ちょっと申し落としまして恐縮でございましたが、地価公示価格と比べますと、固定資産税の評価割合は平均で四〇%程度でございます。
○志苫裕君 それからもう一つ。 農地と宅地とあるわけですが、宅地というともうピンからキリまでありますから、便宜、農地、商業用地、工業用地、宅地と、こう分けましょうか、これのバランス、どうなっているんですか。
○政府委員(土屋佳照君) バランスというとどこを基準にするかということになるわけでございますが、一平方メートル当たりの平均価格ということで並べてみました場合に、宅地でも、商業、住宅、工業、それから村落地区と、こういう分け方になりますが、その宅地全体を平均して一〇〇と、こういたしますと、商業地区では大体五一一ぐらい、それから住宅地区が一四六ぐらい、それから工業地区が一三〇程度、それから村落地区が三八程度。なお、農地としての田は〇・六、畑が〇・二、山林が〇・一と、そういった形になっております。
○志苫裕君 農地は〇・六ですか。
○政府委員(土屋佳照君) 田が〇・六、畑は〇・二。
○志苫裕君 わかりました。 それでは、今度五十四年度から土地の評価がえが行われるわけでありますが、評価額は、評価がえをした場合、改定された場合の見込みは何%ぐらいな上昇になりますか、宅地と農地に分けますと。
○政府委員(土屋佳照君) 五十四年度の評価がえにつきましては、現在なお作業中でございますから、最終的には確定しておりませんが、地目別に評価上昇割合を見ますと、おおむね田と畑が一・一一倍、一一%増でございます。それから宅地が一・一九倍、山林が一・一六倍と、その程度になるのではないかと見込んでおります。
○志苫裕君 法改正で、負担調整区分がありまして、それぞれ二区分、三区分になっておるんですが、農地について言えば負担調整率が三区分、五十一年法改正のときにはこれは二区分になっておりましてそれが今度三区分になるわけですが、それの理由。 それと、この課税標準と評価額との乖離がどの程度のものであって、これが一〇〇%になるといいますか、調整をされる時期は、こういう負担調整でやっていくわけですが、こういう形でずっと上げていきますと、大体どれくらいの時期になるとその乖離が埋まるのか。これはどうなりますか。
○政府委員(土屋佳照君) いまお話しのございましたように、農地については、五十一年の評価がえのときは五十年の課税標準額と評価額との上昇率に応じまして二段階に分けておりました。今回は、その二段階のところへ少し下に段階を設けまして、三年間で毎年その一・〇五——五%ずつ、三年かかって毎年五%ずつ伸ばしていくと、そういうランクを設けたわけでございます。それはその五十三年度の課税標準額と五十四年の新評価額との間で一五%までの伸びのところ、それを五%ずつ伸ばしていくというかっこうにしたわけでございまして、そういった形にいたしましたのは、いまのような上昇率が一五%、一・一五倍以下のものが大半を占めているということがございまして、特に農業団体等からも、そういった一般農地が一遍に評価額に近づいていくということをできるだけ緩和してもらいたい、できれば税額を据え置いてもらいたいということ等も含めていろいろ要請があったわけでございまして、私どもとしてもいろいろ検討をいたしましたが、固定資産税の据え置きということはいろいろな点から見て問題がございます。しかしながら、農業経営の実態等をいろいろ勘案いたしまして、ただいま申し上げましたように、一・一五倍以下のものが大半を占めているということもございまして、今回特に五%ずつ伸ばす、一・〇五%ずつ毎年伸ばしていくというようなランクを設けたわけでございます。 そういった形で五十一年以降負担調整をとりながら評価に少しずつ近づけてきたわけでございますけれども、五十三年度におきまして、新たな五十四年度の評価がえとの関連でどういった達成率になるかということになりますと、宅地で平均して九九%ぐらい、それから田が九〇・九%、畑が八九・九%、農地を合わせて平均して九一%ということになるわけですが、大体こういった形になるわけでございます。で、この五十四年度で見込みを——これは見込みでございますけれども、大体五十三年度の課税標準額と新たな五十四年の評価額との関連で、その上昇率に応じた区分で見てみますと、先ほど申しました一・〇五、五%ずつ伸ばしていくグループが五一・六%ございます。それから一・一、いわゆる一〇%ずつ伸ばしていくところが二〇・九%ございます。それから一・二、二〇%ずつ伸ばしていくところが二七・五%ということでございまして、相当部分は五十六年度までの間にこれで——いま申し上げたのは農地でございますが、五十六年度までに大体この評価額に近づく。ただ、それでもなおかつ未達成の部分が全体で五・五%ぐらい残るという感じでございます。この五・五%というのは、いろいろな積み残しの関係でもうバラエティーに富んでおりまして、その負担調整措置をやっておりますので、いつまでということになりますと、最終がいつかということになると私どももなかなか見通しがつかない。非常に開きのあるのが、きわめてレアケースでございますけれども、そういうものを考えますとなかなかむずかしいわけでございますが、五十一年度、それからまた今回、三年にわたって段階的に評価額に近づけるように努力をいたしておりますので、特定なものを除いては、一、二回続けているうちにはかなりなところへ近づくんじゃなかろうか、こう思っております。
○志苫裕君 これはつまらぬことを聞いてまことに恥ずかしいんですが、一・〇五倍というのは、ことししたがって一・〇五ですね、初年目に。二年目にはしたがって一・一になり三年目には一・一五になるという計算ですか、これは。
○政府委員(土屋佳照君) 一〇〇が次は一〇五になりそしてその次は一〇五掛ける一・〇五と、こういうかっこうで累積してまいります。
○志苫裕君 わかりました。 それから、固定資産税について、累進税率を導入をするということについての考え方はどうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 固定資産税は、もう先生よく御承知のとおり、本来固定資産自体の価値に着目をして、その資産を所有することに担税力を見出して、それぞれの資産価値に応じて比例的に税負担を設けていくという物税でございますから、土地の種類とかあるいはまた広さとかいったことに応じていろいろと個人住民税のような累進税率を採用するといったようなことで差を設けるというのは、ただいま申し上げましたような固定資産の基本的な性格になじまないのではなかろうかというふうに考えております。
○志苫裕君 大きければ受益の限度が大きいという考え方にはならぬのですか。
○政府委員(土屋佳照君) 広ければ受益の限度という、広さで対応すればそういう言い方もあるいはあるかもしれませんが、固定資産税はあくまでも固定資産の価値ということに着目をしておるわけでございますから、やはり広ければ広いだけ、その分だけ同じ税率であっても負担は高くなるというわけでございまして、それよりもさらに今度は累進的に課税をしていくということにはなじまないんじゃなかろうかというふうに考えます。
○志苫裕君 わかりました。 いろいろ細かい点をただしたり、ずっとお伺いをしていきまして、最後に少し意見を申し上げます。 次に農地課税ですが、一般農地について、御存じのように五十一年改正法の附則二十条では、いろいろな価格の推移や農業経営の状況などを検討するということがあるわけですね。法律で、検討するということを書くのは、非常に珍しい法律だと思うんですよね。あえてそれを入れて、検討するといういわくつきの条項になっておったわけでありますが、これはどのような検討が行われたのでありましょうか。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお話しのございましたように、法律上、「今後における農地の価格の状況、農業経営との関連等を考慮して更に検討を加え、その結果に基づき、必要な措置が講ぜられるべきものとする。」といったような、おっしゃいましたような、法律としては特異な条文があるわけでございますが、この問題につきましては、私ども各方面からの御意見を伺いながら、税負担のあるべき姿ということを政府税制調査会においても十分御審議を願ったわけでございますが、今回は、「現在の一般農地の税負担の水準、今回の評価替えにおいて見込まれる評価上昇の程度及び最近までの農業所得等の推移の状況等を総合的に勘案すれば、引き続き、前年度の税負担を基礎とした段階的な負担調整措置を講じつつ、適切な負担を求めることが適当である。」、こういった答申がなされたわけでございます。そういったことで私どもといたしましても、法の規定に基づきまして、まさに価格の推移状況とか経営状況とか、参考としてはたとえば生産者米価とかいったようないろんなことも踏まえまして、また評価の引き上げの状況等も踏まえて固定資産税の負担を求めるということをいたしたわけでございまして、その結果、たとえば先ほども御質問がございましたように、従来の農地については二段階を三段階にして低い段階を設けたといったようなこと等もあったわけでございまして、そういったことで私どもとしては今後とも農業経営の状況等にいろいろ配慮して、適切な措置を講じていきたいというふうに考えております。
○志苫裕君 法律にまで検討課題を書いたわけで、そこには農地の価格の状況、農業経営との関連を考慮して検討を加えるということになれば、当然検討委員会のようなものがいろいろの人を集めて設置をされて慎重な検討が加えられるべきもの、こう理解をしておったのでありますが、どうもそんな検討機関が設けられたということもついぞ聞かなかったようなのでありますが、 〔委員長退席、理事金丸三郎君着席〕 農林省もおいででありますが、農林省の方は当然この検討の仲間に入らなきゃならぬはずでありますが、その検討に関与いたしましたか。
○説明員(若林正俊君) お答え申し上げます。 政府部内における検討過程におきまして、十分税務当局と相談をいたしてまいりました。ちなみに、法律で規定しております「農地の価格の状況、農業経営との関連」でございますが、五十一年税制改正時における基礎データ年次である四十九年と、その検討時でございます五十二年とを指数で御紹介申し上げますと、田でございますが、田につきましては一・二九倍、畑につきましては一・二七倍。それから農家所得でございますが、農家所得は一・三五倍、それから農業プロパーの農業所得につきましては一・二四倍というような上昇でございました。なお、農業所得の相当のウエートを占めます米価の単価を参考までに申し上げますと、一・二七倍と、こういう状況になっております。 このような農業の経営の状況、農地価格の推移等を勘案をし、かつ宅地等との税負担の均衡という視点からも調整をいたしました結果が、先ほど自治省の税務局長御説明のとおり、農村部において上昇率が比較的低いわけでございまして、これら農村部の固定資産税負担が急激に引き上げられていくというような事態を回避する必要があるという判断で、刻みをさらに下の段階で設けて、一・一五倍という刻みを設けた調整を特に講じた次第でございます。
○志苫裕君 いまお伺いいたしますと、たとえば経済指標で価格が田で一・二九、畑で一・二七、それから所得の方で、農家所得が一・三五、純農業収入というので一・二四、六十キロ当たりの米価で一・二七、いずれにしても一・二、三のところにいるわけですね。で、一・一であれ一・二であれ一・五であれ、上がっているのだから、ひとつしかるべく直すかというのも一つの考え方ですよね。農業の諸状況を見ると、その程度の、事実上三年で一・二とか一・一なんというのは、言うならば何にも変化がないようなものだ。これは別にこの際は上げぬでもいいじゃないかというのも一つの考え方でしょう。そこで、たとえばこの一般農地の課税について言えば、ずいぶん長いいきさつがありまして、据え置き据え置き据え置きと、こう何年かやってきまして、そして五十一年法のときに直した。五十一年法のときに直したときには、一・二五とか一・二八とかという数字じゃなくて、二・幾らとか三・らという数字じゃなかったんですか。だからこれはひどいやというので幾らか、まあ農業の諸般の状況はあるけれども、余りバランスがとれてないのもおもしろくないというのでそれなりの整合性が生じたのかもしれないけれども、今度の場合、一・二、三ぐらいで、必ずしもその整合性があるとも言いにくい、という主張だってあっていいわけだね。その辺の点についてはどういう、まあ一種の判断ですけれどもね、いかがですか。——自治省から聞きましてから農林省の方聞かしてください。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどお話しのございましたような検討項目もございまして、いろいろ私ども検討いたしたわけでございまして、その中身は、農林省あたりからいろいろ資料もいただいて私どもも検討したわけでございます。そこで上げ幅というのは、全般として前のときよりは少ないじゃないかというようなことでございますが、前回のときは、かなり長期間税負担を据え置いてやっと五十一年から新たに上昇を求めたといったようなこともございます。それに比べれば若干低いわけでございますが、それに応じまして私どもも、先ほど申し上げましたように農地については一一%程度の引き上げといったような、平均的に一一%程度の評価の引き上げといったようなことを考えておるわけでございまして、そして御承知のように、金額で言うのも何でございますが、いま反当たり、九百九十一平米当たりの田の五十三年度における税額が年間七百六十七円、畑が二百五十五円と、年間でこういう数でございますから、まあ一割程度引き上げてもそう大きな影響もない。逆に宅地あたりは一九%ぐらい引き上げるというようなこと等もございまして、そういった並び、負担の均衡といったようなこと等をもいろいろ勘案いたしまして、若干はこの際引き上げるべきだということでやったわけでございまして、農地自身のいろいろな手法に基づいての特殊な配慮というのは私どもとしては加えて負担を求めることにした。そしてまた、負担調整措置についても、たびたび申し上げて恐縮でございますが、従来とは違った負担の求め方をするというものも加えたということでございます。 〔理事金丸三郎君退席、委員長着席〕
○説明員(若林正俊君) ただいま税務局長が御説明になりましたとおり、わが方も、農林省として種々の条件を検討いたしましたが、この固定資産税の税負担の均衡という一つの税の性格をも考慮する必要があるという税務の立場も十分理解できるわけでございまして、所要の負担調整措置をさらにきめ細かく講ずるということで了承をいたしました経緯でございます。
○志苫裕君 いま、他の農政上の措置をきめ細かく講ずると、その中身は抽象的でわからないけれども。私は必ずしも、いろんな環境に置かれておる農地についてこれぐらいな倍率で直ちに改定をしなきゃならぬという必然性は少し薄いような気がいたしますが。これで増収見込みはどれぐらいになりますか、農地分で。
○政府委員(土屋佳照君) 大変恐縮でございますが、ちょっと、土地だけの分をいま計算……
○志苫裕君 じゃ、後ほど。
○政府委員(土屋佳照君) 調査をいたします。
○志苫裕君 免税点未満の地積割合はどれくらいになっていますか。
○政府委員(土屋佳照君) 免税点未満のものは、五十三年度の状況で見ますと、田で総地積のうちで五・二%でございます。それから畑が一〇・九%ということに相なっております。
○志苫裕君 この点については以上で質疑を終わりまして、次に行きましょう。 次は、市街化区域内の農地についてお伺いしておきますが、改正法では、C農地三年延長、A、B農地の減額制度も三年延長という内容になって、とかくここへたどりつくにはまあずいぶん上を下への議論になったところでありますが、減額制度の実施状況、概況御報告いただけますか。
○政府委員(土屋佳照君) 実施状況ということでございますので、団体でどういったことをやっておるかということでございましょうか。
○志苫裕君 いや、減額適用している団体は何割ぐらいか。減額率がこの団体の中では何%ぐらいしているか。これでいいです。
○政府委員(土屋佳照君) いま、いわゆる宅地並み課税が行われております特定市街化区域農地を持っておる市が百八十三ございまして、そのうちで百七十四市、九五%が条例を制定いたしております。その内訳を申し上げますと、減額の額が五〇%未満のところが三・八%、六〇ないし七〇%未満の減額をしておりますところが一五・八%、それから七〇ないし八〇%のところが七・一%、八〇ないし九〇%が二三・五%、九〇ないし一〇〇%が六・六%、それから一〇〇%のところが三八・三%と、こういった形になっております。
○志苫裕君 ちょっと済みませんが、九五%の団体がとにかく減額を適用しておると。あと段階別にありましたが、それをならしますと減額率は何%ぐらいになりますかな。——そんな数字の出し方は無理かな。大まかな数字でいいですが。
○政府委員(土屋佳照君) ちょっとこれは、税額とか地積とかではわかりますが、団体で……
○志苫裕君 わかりませんか。いいです、いまの数字で結構です。
○政府委員(土屋佳照君) ちょっと具体的にどの程度ということは言いにくいと存じます。
○志苫裕君 これは大臣、ちょっとお伺いしますが、いずれにしても、いま報告があったように、いろいろな曲折を経ながら、A、B農地からは宅地並みの税金を取ると、しかしまあいろんなこともあるだろうから減額してもよろしいという仕掛けをつくったわけですね。そうしたら、減額をしましょうという団体は実に九五%に及んでおるというんだから、ほとんどの団体が減額をしておるわけです。そして、じゃあどの程度減額しておるかというと、段階別になるようですが、ちょっと大きいところでは八、九割もですね。だから事実上みんな減額しておるということですね。そういう実態、とにかく三年間の一つの法律をつくって、その実績としてはほとんどの団体が相当の額を減額しているという結果が出ておるわけですよ。そうしますと、やっぱりこの本文の方にいろんな意味で無理がある。それが非常に整合性のあるものであれば、本文どおりずうっと減額などなくていけるわけですよ。しかし、現実には減額をしなきゃならぬ、それも相当の額で減らさなきゃならぬという実態があらわれておるという状況について、大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(澁谷直藏君) これはやはり、法律ができて課税を引き上げると、こういうことになったけれども、実際の適用に際してはそれがなかなか困難であるという実態がある。でありますから、その実態に即して地方で減税をしておると、こういうことだろうと私は考えております。
○志苫裕君 政治家ともあろうものが、それじゃ答弁にならない。無理があるから減額をしているんだろうということは事実です。あべこべに言うと、法律が実態に合わないという見解も出ませんか。
○国務大臣(澁谷直藏君) この点が実は非常に問題でございまして、ずいぶんことしの予算編成の際も大議論をやったわけなんですが、全く相反する意見が両立しておりまして、なかなか合意を見るに至っておりません。そういうことで、三年間を現行のままでいって、その間にひとつ大いに議論をして結論を出そうと、こういうことになったわけでございますので、そのいま御指摘の点あたりの見方が実は非常に問題の焦点と、こういうことになっておるわけであります。
○志苫裕君 そこで先ほど来、地方の時代だ、田園都市だという大平さんの発想が出てきたわけですけどね。この田園都市、私もこの間本会議で議論をしたり、ここでもずいぶんやりとりしましたが、率直に言って、いろいろ試行錯誤あってよし、模索あってよしと。しかし、発想方法としてはやっぱりなるほどなというものも確かにあると思うんですよ。たとえばあの田園都市構想は、何も田舎の方ばかり考えているんじゃなくて大都市のことも当然考えるというんです。いままで、宅地並み課税というのは、ただ少し税金取りたいというばかりじゃなくて、そうすることによって手放してもらって宅地をどんどんつくりたいという、いわば土地利用政策というふうなものも入っておるわけですね。ここで私は、たとえば田園都市構想というものが俄然脚光を浴びて、その発想の中には、都市に緑を置こう、空間を置こう、そういう風物に触れることによって人間の心も豊かにしようと、あらゆる物から心まで入っているわけですね。そうすると、ただやたらとその辺をつぶして優良な宅地を広げりゃいいというばかりじゃない、もう少し総合的な、色合いを変えたものをこの都市政策全体として見直してもいいと、こういう状況が一つ生まれていると思うんです。そういうことから考えると、都市農業の見直しとかあるいは空間緑地の保全とか、それにはそういう緑地保全もありますけれども、もう少し大胆な意味でこういう都市農業あるいは空間緑地、そういうものの保全というものを、いわゆる田園都市構想に照らしてもう少し考え直していい。それこそ大平構想は、この構想に照らして従来の施策や制度やそういうものについて、配列を変えたりあるいは捨てるものは捨てたり、改めるものは改めるということを骨組みにしておるのでありますから、こいつは乗りかかった船だから最後までいけなんということは考えないで、もう少し都市農業なり空間緑地なり、そういう大都市における自然の導入なりというふうなものを積極的な意味で考えていい、こう考えるんですよ。現に、いま言いましたように、まあ地方の市町村長も政治家ですから、一遍にがたっと値段を上げたんじゃ抵抗もあってこの次の選挙も危ないから減額適用をしておこうやというだけじゃなくて、そういうものをそのまま置きたいという住民のニーズというものにやっぱり市町村長受け答えしているんだと思うんですよ、これはね。 そうしますと、先ほど私冒頭に言いましたように、やっぱり法律の方が少し無理があるのであって、実態の方にむしろ合わせることを考えなければいかぬのじゃないか。これは後ほど農林省の方にも聞きますけれども、現にそれぞれの自治体では、農林省はそういう市街化区域内の農政は見放しちゃったけれども、しかし自治体ではそれなりの手当てを講じているわけですよ。あるいはまた消費者行政などとも合わせながら。そういうところの農業施策というようなものに国がめんどう見ないだって結構自治体やっておるわけですから、そういうさまざまな状況を考えると、これはあんまりいままでの行きがかりにこだわらないで、見直しの時期ではないか。ただ政治的な便宜で、これやったら農民票が取れるとか取れないとか、そんなけちな話じゃなくて、もっとどえらい都市づくりという視点でも考え直していいんじゃないか。いままでやっぱりハードな時代でありましたから、やたらと宅地が欲しいという、そういうものがあるいは走り過ぎたのかもしらぬですよ。こういう点で大臣どうですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 総理の田園都市構想というものも打ち出されておるわけでございまするし、そういう観点に立って従来の政策も見直していこうと、こういう姿勢でおるわけでございますので、ただいまの御提言は貴重な御意見として拝聴いたしておきます。
○志苫裕君 あなた、拝聴ばっかりしとらぬで、具体的な手順を考えてもらわぬといかぬのですよ。——これは自治省の仕事でもあるのですが、現に、そういう都市農業というものについて、自治体は自治体なりに自分の町づくりプランの中でいろいろ都市農業について工夫をしておるでしょう。こういうものについて何か実態を自治省としては把握しておりますか。
○政府委員(石見隆三君) 都市農業に対しまして、市町村で独自の施策をどのようなことをやっておるかというお尋ねであるかと存じますが、その実態につきましては私ども残念ながら詳細には調査をしあるいは承知をしておらないわけでございますけれども、いまお話しございましたように、都市におきます緑地空間を確保したいとか、あるいはまた災害時におきます安全対策というような観点から、それぞれの立地条件を生かしながら農業の振興を図っているところもあるということは、私ども部分的な調査ではございますけれども、承知をいたしておるところでございます。
○志苫裕君 自治省が調査をしていなければ私らのいろんな把握で申し上げますと、やっぱり何かやっています。やっていないなんということはありはしません。大体九〇%ぐらいの市町村がそれについてもう何らかの工夫をしていろいろやっておるわけです。 そこで農林省、こういう市街化区域内の農業施策というのはどうなっておりますか。
○説明員(若林正俊君) ただいまお話しございましたように、都市農業というのは一般的に非常に立地条件が恵まれ、早くから商業生産としての農業が発達してまいっておりますので、かなりたくましい農業もなお現に存在しているわけでございます。そういう立地に着目しまして、市街化区域として将来宅地化を図るべき地域に入らざるを得ない、そういう立地にありますために市街化区域に入るという状況になりましても、周辺の状況等から相当期間にわたって農業を継続するという事態は当然予想さるべきことでもございますので、先ほど、農林省何も施策を行っていないといいますか、放置しているかのような御質問でございましたが、通常の農業経営を維持していくにあたって必要な各種の援助指導措置、たとえば普及でありますとか、病害虫の防除でありますとか、家畜衛生関係の措置でありますとか、また、果樹野菜などにおきます比較的投資の効用が長くないものについての助成とかというようなものは、それなりに講じているところでございます。 そういう意味で、各自治体が市街化区域の性格に応じましてそれぞれ自治体なりの工夫をこらして各種の農業施策を講じているのは承知いたしておりますが、一般的に国の施策といたしまして原則的に対象にしないことといたしておりますものについて、さらに自治体が独自の工夫をこらしてやっている例もございまして、二、三私ども承知しています点を御紹介しますと、東京都では、一定規模以上、一応一ヘクタールということになっておりますが、そういうまとまりのある市街化区域内の農地については、七年以上にわたって農地として保全するということを知事との間で協定を結んだ場合には、その協定にかかわる農業につきましては、農業用施設、農機具などのほか、簡易な圃場整備等の事業も補助事業として実施するとか、神奈川県におきましては、四ヘクタールから十ヘクタール、これは相当のまとまりでございますが、そういう相当のまとまりのある集団農地で、五年以上営農を継続するということで生産緑地としての指定を受けましたものにつきましては、小規模の土地改良事業を初めとします各種施設の整備について助成をすると、こういうような措置が講じられております。
○志苫裕君 そこで、私が何にもしていないと言ったら、やっているんだとおっしゃるから、それは結構な話でありまして、じゃ、そう言って力んだついででありますから、あなたせっかく御紹介のあった東京都とか神奈川ですね、そういう例の御紹介がありましたが、やっぱりそういうものにも農林省手をかしたらいいじゃないですか。
○説明員(若林正俊君) 都市が都市としての立場で助成をいたしますには、農業生産ということのほか、都市としての緑地空間の保全とか災害の防止でありますとか、あるいは広い意味での災害防止に当たりますが、豪雨等による温水対策というような意味も含めます水路の改修とか、そういういわば都市的な要素を加味しながら各自治体が工夫をこらしているものというふうに理解をいたしております。 私どもの方も、たとえば現在水田の再編対策をいたしておるわけでございますけれども、水田に他の野菜等の作物を作付けて転作を進めるということのために排水などの所要の基盤をいじる必要があるというような場合に限っては、ただいまも土地基盤整備について助成を行ったり、また都市近郊におきます指定の地場野菜の産地育成というような観点から野菜の生産産地につきます各種投資も対象にいたしております。その地域の性格とかあるいはそこでの土地利用の状況などを種々検討をいたしまして、状況に応じて農業施策についてさらに検討をしてまいりたいと思っております。
○志苫裕君 いずれにしても、都合のいいときだけ田園都市持ってきて——この間ぼくも本会議で総理とやりとりしたときに、ひょっとするとこの田園都市構想というのが、田園という名前が田舎的なものだから田舎の方ばっかり見ているけれども、田園都市構想という町づくりの理念あるいはプランは、同時に大都市にも対応力がなければ、現実に日本の人口の七、八割は大都市に集まっておるんですから、ということで総理のああいう答弁も出ておるわけでありまして、当然そういう理念に照らして現行の制度の見直しや配列を考えるというのは農林省にも適応してもらわぬと困るわけでありますね。先ほど自治大臣からも、御意見拝聴でさっぱりそこから先は出なかったけれども、せめて農林省も御意見拝聴ぐらいになっておらぬと整合性がないわけですから、私これは強く要望しておきますよ。 そこで、時間来ましたからいままでお尋ねしたのをまとめて言いますと、まず先ほど言いましたように、いままでの市街化区域を決めてそこを宅地並みの評価をして税金を取るという、ただそういうハードな面だけを考えないで、いま言ったように、発想を少し、新しい時代の転換点に立っておることにふさわしくひとつ発想方法を変えるべきだ。 二番目に、だから課税も——そうかといって高高と売ってやろうと思って遊ばしているのあるわね。あんなものは何も農地として取ることはないんですよ、がったり取ればいいと思うんです。ですからこれはどちら側に立って考えるかということですが、私はむしろそれなら農地課税にしておいて、現況農地でなかったら宅地並みに取るというのだって目的は達成をできるわけであります。先ほど、現に法律をつくったけれども八、九割は減額を適用し相当の額を減らしておると。というのは、どっちから見ても五分五分だということなんですよ。農地にしておいて現況宅地であれば取るということでも通用をするし、宅地にしておいて現況農地であれば取らないか減額するというのもまあ似たようなものだということになるわけですよね。それなら一つの考え方として、農地課税ということをたてまえにしておいて、現況宅地だったら有無を言わさず取るということなら、農林省の方の農業施策もいままでよりはちょっとはましになるという考え方をするわけです。 そういう発想を整理をした上で農村も、農業地帯としてどんどん発展をさせるという意味での農業施策をぼくは求めているんじゃないけれども、いま私が指摘したようなそういう目的にかなうレベルの農業施策はやっぱりやったらいいだろうという意味で、以上の三点を提起をするわけですが、大臣と農林省それぞれお答えいただけませんか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほどもお答えしましたように、この問題はとにかく本当に対立した意見が二つあるわけでございますが、これをひとつ真剣に討議を深めて結論を出そうと、こういうことでございますから、委員のただいまのいろいろな御指摘は貴重な御意見として十分留意したいと、このように考えます。
○説明員(若林正俊君) 確かに、社会の環境の変化に応じまして各種農業に求められます要請も変わってまいってきていると思います。そのような要請の変化も十分考慮しながら、新しい状況に対応した農業の位置づけということは検討してまいらなければならないものと、こう理解をいたしておりますが、税負担の問題につきましては、実は土地所有者の方がいつでも転用をしたいというそのフリーハンドを保持しつつという問題がございますので、その辺相当期間にわたって農業が営まれるということの客観的な状況の把握等も含めましてさらに検討をさせていただきたい、このように思います。
○志苫裕君 最後ですが、先ほども、俗に言う医師優遇税制でやりとりが佐藤委員とありました。国税の部分の方はまあ済んでしまったみたいな話でありますからここでは触れませんが、大臣、この間もいろいろ答弁がありまして、それは大平内閣の閣僚でありますから、いわゆる内閣の決めたこととあべこべのことは言えぬだろうけれども、しかし地方税ぐらいは取ったっていいんじゃないですか。国税の部分というのはあれが一定の合意点のようなことであなた答弁されているけれども、地方税の方は遠慮なしに取りなさいよ。そこまで何も——それもちょっと手直しじゃない、全然取らないじゃないですか。国税は不十分だけども幾らか取るんですよ。地方税はまるまるめんどう見ているんですよ。これはもうちょっと考えたらどうですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 午前の佐藤委員の御質問にもお答えしたように、とにかく国税の方は手直しをやったわけでございますから、地方税をこのままでいいかどうかというのはまさにこれはもう大変な議論が出てくる点でございますので、私どもは来年度予算編成までにこの点をひとつ十分検討したい、このように考えております。
○阿部憲一君 まず、大臣に御質問しますが、今回の改正案は、住民税で若干の減税を行ったほかには余り見るべき改正はないと、こう思われるんですが、今日の地方財政の状況、それから今後の予測等を考えますと、租税負担の増加を求めざるを得ない状況にあることもまた事実でありまして、そういった状況にあることはあるのでございますけれども、それにしても政府の態度というのは単にそういった事態に対処して増税待ちというか、あるいは財政危機を乗り切るには大幅増税で事足れりとすると、このような態度に思われてなりませんけれども、この辺大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 国、地方の財政難は限度まできておると思うのです。したがいまして、この財政の立て直しのためには、基本的には国民にある程度の増税をどうしてもお願いをしなければならぬ、このように考えておりますけれども、ただ増税をお願いすればそれでいいというようには私は毛頭考えておりません。やはり国民にそれだけの負担をお願いするわけでございますから、そのかわり政府も地方の自治体もこれだけの努力はしますと、こういう姿勢を示すことはこれはもう当然のことだと、このように考えております。
○阿部憲一君 大臣のお考えはわかりましたけれども、しかしながら、現実において増税ということに相当ウエートを置かなければならぬという状況であることは否めないと思います。それで、増税ということを前提にした場合に、やはり私たちはその以前にやるべき問題がある。要するに、それは不公平を是正をして国民の納得のいく税制に改めてからいわゆる増税案などを提示するということでないと、とうてい国民の合意を得ることはできないと思われるのであります。 そこで、まず不公平税制の一つとなっている租税特別措置等の整理合理化について、大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) いろいろな租税の特別措置が実施されてきておるわけでございますが、それはそれなりにそういう制度をつくる必要性があってつくってまいったわけでございますが、ただ情勢の変化が当然ございますから、かつては必要であったけれども、いまではそれほどの必要性はないというものもございましょう。そういうことで、これはもう常にこの特別措置全体について見直しをしながら、廃止すべきものは廃止する、こういう努力をしなければならぬと、このように考えておりまして、今回の予算編成に際しても、政府は政府なりの考え方でこの問題とは取り組んで、かなりの整理もやったわけでございます。今後とも私はやっぱり常にこの租税特別措置というものがこのままでいいのかどうか、廃止すべきものがあるのではないかという、そういう観点に立って見直しを常にやっていきたいと、このように考えております。
○阿部憲一君 これについて、先ほどちょっと問題になったと思いますけれども、例の医師優遇税制、これについて大臣の御所見をもう一回お伺いしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 今回政府が提案をしております医師優遇税制の是正でございますが、これでは足らないもっとやるべきだ、こういう意見ももちろんございます。しかし政府としては、とにかく二十五年もずっと手がつかなかったこの問題に対してとにかくメスを入れたわけでございますから、私はそれなりに評価をしていただきたいと、このように考えております。
○阿部憲一君 国の租税特別措置などについての整理合理化ですね、これに伴って地方税の増収はどの程度の額になるか伺いたいのです。 またもう一つ、地方税における非課税措置の整理合理化によってどの程度の増収になるのか、あわせて御説明願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 国の租税特別措置の整理合理化に伴います額が、初年度、五十四年度でございますが、六百二十億の増収と相なるわけでございます。平年度で千四十八億と見込まれております。 地方税においても、先ほど大臣からお答えいたしましたとおり、非課税措置等の整理合理化をいたしましたが、事柄が非常に小さいものが多うございまして、金額といたしましては、初年度五億、平年度十六億と、そういった増収額の見込みになっております。
○阿部憲一君 いまの租税特別措置の関連では、十分な改正ではないものの、一応整理されてきていると、こうも思いまするが、地方税における非課税措置の整理はほとんどとまってしまったと言ってもよいではないかと思うんですけれども、これは一体どのような理由によるものか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 私どもといたしましても、租税特別措置等につきましては絶えず見直しを行っておるわけでございます。額としては先ほど申し上げましたように小さいわけでございますけれども、今回も実は廃止したものが九件ございます。縮減合理化が十五件で合わせて二十四件。電気税の非課税品目の整理も三件ということでございますけれども、全体としては、御指摘のように、少ないではないかといった御指摘もあろうかと思うのでございます。 しかしながら、非課税措置等の中には、これも御承知のとおり、たとえば新築住宅に対する軽減措置のように、主として個人が利用するといったものもございますし、あるいは中小企業対策とか農林漁業対策として利用されておるというものがございまして、政策効果とか地方税の仕組みなどの見地から見ましても、なお現段階では存続させた方がいいのではないかというものもかなりあるわけでございまして、そういう点はひとつ御理解を願いたいと思うのでございまして、どうも一概に全部一遍に整理合理化ということはできないわけでございます。 ただ、当然今回存続することとされた措置につきましても、情勢の変化に応じまして今後も絶えず新たな見地から見直しを行っていくということは、私どもとしても努力をしなければならないというふうに考えております。
○阿部憲一君 地方税法では、通常、非課税等の適用を受けるパターンは、特別法で定められた法人あるいはその法律に基づく活動などを中心として行われておりますが、これをまず廃止する必要があるのではないか。といっても、一挙に廃止するのが無理であるならば、三年程度の期間を区切って、その時期が来たらば一たん廃止をして、それからまた一年程度の期間を置いて、再度特例の必要が出たならばまた前回と同様の措置をとるというようなことにすべきだと思います。さもないと、もう非課税措置の整理は限界ではないかと思うのでございまするが、その辺のお考えいかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) ただいま申し上げましたように、非課税措置については毎年見直しもいたして、できるだけの整理合理化を行うことにしておるわけでございますが、特に今後一般的な税負担等を求めなければならないといったようなことも議論されておるような状況でございますので、従来にも増して整理合理化については私どもも努力しなければならないと思っております。 ただ、いま非課税措置等見直す方法としていろいろと御指摘をいただいたわけでございまして、たとえば一律三年の期限を設けて見直したらどうかというようなことでございますけれども、先ほども申し上げましたように、個人が利用するような新築住宅に対する軽減措置といったようなもので、一たん途中でやめてしまうということもできにくいものも相当あるわけでございますので、なかなか一律に三年の期限を設けるというようなことには問題があると思われますが、可能な限り期限を付すこともしたり、常時見直しを行うといったような点で、御趣旨に沿って私どもとしても今後検討してまいりたいと思っております。
○阿部憲一君 次に、住民税の減税について伺いますが、今回の改正による減税額は、初年度で五百六十八億円、平年度では六百六十二億円ということでありまするが、これは自治省の説明によりますれば、五十四年度の消費者物価の上昇見込み四・九%分だけ引き上げた場合の所要額となっているわけですけれども、昨年度減税が見送られていることを考えますと、減税規模としては残念ながら非常に不十分なものだと、こう言わざるを得ないんですけれども、その辺いかがでございますか。
○政府委員(土屋佳照君) 今回の住民税におきます課税最低限の引き上げにつきましては、御承知のとおり百四十一万八千から百四十九万という形にしたわけでございますが、これは地方財政の状況とか、所得税の課税最低限以下の所得者層、そういった方々の住民負担の問題等を総合的に勘案して、苦しい地方財政の中でできる範囲内で減税を行うということにいたしたわけでございます。もともと私どもとしては、住民税の課税最低限を考えます場合は、住民の税負担とか負担分任の性格を持っております住民税においては、納税義務者数等ということも頭に置かなければなりませんし、また地方財政の増強ということも考えなければなりません。そういったことを総合的に勘案して検討をすべきものでございまして、物価の上昇に見合って必ずその調整を行うべきものとは考えていないわけでございまして、物価上昇とか、そういった社会の変化ということは、これは考えなければならない要素でございますけれども、上昇があればそれにパラレルに上げていくというような仕組みではない、ただいま申し上げました総合的な事情を見て判断すべきものだと思っておるわけでございます。結果的に今回の引き上げが五・一%ぐらいでございますが、それを言うならば、これは前年所得課税という意味では五十三年度の物価上昇は四・四%程度ということになるわけでございます。ただ、おっしゃいます趣旨は、住民負担は前年所得課税ではございますけれども五十四年度の所得から払うんだから、その四・九%もあわせて考えるべきじゃないかという御趣旨かもしれませんけれども、基本的にはただいま申し上げたようなことで物価上昇というわけではございませんし、また、前年所得という意味ではそれを上回った引き上げをしておるということでございます。厳しい地方財政の状況から見て、できる範囲内でということで、これ以上のものは今回は見送らざるを得ないということでございます。
○阿部憲一君 今回の改正案によって課税最低限は標準世帯で百四十九万円となるわけですが、一般標準家庭の生計費やそれから生活保護世帯に対する給付額と比べてみますといかにも低い額でありますが、これについてはどのようにお考えですか。
○政府委員(土屋佳照君) 住民税の課税最低限を考えます場合は、最低限の生活費部分に対しては課税しないと、そういった趣旨があることはもう事実でございます。そこで、この住民税の今回の課税最低限と標準家庭の生計費、いわゆる標準生計費と比較いたしますと、これよりは下回っておるわけでございますけれども、標準生計費というのは標準的な生活を行うために必要とされる支出と、そういうことでございまして、これはいわゆる最低生活費というものとは違うわけでございまして、課税最低限が標準生計費を下回るということがあっても、それはちょっとその基準が違いますので、私どもとしてはやむを得ないと思っておるわけでございます。
○阿部憲一君 この課税最低限ですけれども、公明党としては百五十八万円というものを要求しているわけなんですけれども、これについての御所感はいかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げたわけでございますが、今回の課税最低限の引き上げは、苦しい地方財政の状況の中で、私どもとしては、特に所得税における控除失格者等の税負担の軽減といったようなことを中心にいたしまして、財政状況はそうではあるけれどもできる範囲内で課税最低限を引き上げようとしたわけでございまして、その際には直接パラレルには働かないわけでございますが、いろいろ仰せになったような問題等も頭に置きながら、総合的にただいまのような百四十九万という引き上げにしたわけでございまして、おっしゃるような数字に引き上げるということになりますと減税額も非常に多くなってまいります。もろもろの状況等を考えて今回はこれにとどめ置かざるを得なかったということを御理解願いたいと思うのでございます。
○阿部憲一君 同じようなことを繰り返して聞きますけれども、この課税最低限百四十九万円ですね、これは生活保護世帯の給付額が百四十万ほどになっていることを考えますと、月額にして一万円も違わない額となっているわけですが、生活保護世帯とほとんど変わらない所得者に課税されるという実態は正常ではないと私は思いますけれども、この辺についてのお考えをあわせて承りたいのですが。
○政府委員(土屋佳照君) 課税最低限と生活保護費との関連のお尋ねでございますが、お示しのように、五十三年度の生活保護基準は給与所得者の標準世帯で百三十九万二千円ということになっておるわけでございます。五十四年度の課税最低限と比べまして大きな差ではない、先生非常に小さい差じゃないかとおっしゃるわけでございますが、私どもとしてはそこらも頭に置いて九万八千円上回っておるという形になっておりますし、また、地方の財政の状況とか住民税の性格から見れば、今回はこれ以上の引き上げを行うことば困難であるということで改正をやるということにしておるわけでございまして、住民税においては、先ほども申し上げましたように、最低限の生活費部分には課税しないという趣旨から生活扶助費について非課税としておるわけでございますけれども、この百三十九万二千円というものは、それに教育扶助とかそういったものも含めて比較しておるわけでございまして、総体的に見て、たびたび申し上げましたような地方財政の状況と住民税の性格等から見て、今回はこれ以上の引き上げを行うことは困難であるということを御理解を願いたいのでございます。
○阿部憲一君 今回の各種の控除の引き上げ額を見ますると、すべて控除が一律に一万円ずつの引き上げとなっております。果たしてこのような一律一万円ずつという一列並びのやり方でよいものかどうか。一律一万円という数字になったのはどのような根拠によるものであるか。その辺の事情を御説明願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 今回の住民税の減税は、もうたびたび申し上げましたような趣旨に基づいて、いろいろな事情を総合的に勘案して、できる範囲内で減税を行うこととしたわけでございまして、その際に、お尋ねのように、一万円でなければならないという根拠は何かと、こうおっしゃいますと、理論的に明確にこうこうこういうことであるとその根拠が示されるものではないわけでございまして、やはり低所得者層の負担の軽減といったことで、地方財政の状況等を見ながらできる範囲内で引き上げをやったということでございます。私どもとしては、必ずしも各所得控除を一緒にしなければならないというふうには考えてないわけでございますが、そのときの情勢によっていろいろ改善の仕方もあるわけでございますが、その際においてはおっしゃいましたような一万円ずつでいいのかと、あるいはもっと控除間についての公平というものを考えるべきじゃないかといった御趣旨だろうと思いますが、そういった点についても十分考慮しながら今後検討したいと思っております。
○阿部憲一君 国税では、五十年から基礎、配偶者、扶養、この三控除の額については同額にされて課税の簡素化が行われているわけですが、住民税だけはいまだに扶養控除は他の二つと比べて一万円低くなっている。これはどういうわけですか。特別な意味がございますか。
○政府委員(土屋佳照君) 御指摘のとおり、住民税の各種控除の中で扶養控除だけが一万円低くなっておるわけでございますが、今回も各控除を一万円ずつ引き上げるということにいたしておりますので、その差はそのままとなっておるわけでございます。これは、今回の改正におきましては、もうるる申し上げましたような厳しい地方財政の状況等を勘案して、できる範囲で課税最低限の引き上げを行うということにしましたために、各控除をそれぞれ一万円引き上げるということにとどめざるを得なかったわけでございます。また私どもとしては、各控除を必ずしも同額としなければならないものとも考えておりません。 しかしながら、所得税の例を引かれたわけでございますけれども、四十九年度の税制調査会の答申におきましても、所得税においてこれらの控除額を均一にするという考え方に対応して、住民税についても一致させることを目途として逐次縮小をしていくことが適当だといった指摘が行われておるところでございますので、五十年度、五十二年度においても順次控除額の差を縮小したところでございますので、今後ともこういった答申の趣旨を考慮して、引き続いて検討してまいりたいと思っております。今回は、先ほどから申し上げたようなことで一万の差はそのまま据え置いたということでございます。
○阿部憲一君 いままでの住民税の課税最低限の引き上げを見ますると、局長も先ほど言われましたように、必ずしも物価上昇に合致しているわけではないのでございますし、また、生活保護費の動勢やそれから所得税の課税最低限とも連動しているわけでもないわけでございますが、この課税最低限の基準をどのように考えていますか。また何らかの納得のいく基準を設けるべきではないかとも思いますけれども、その辺についてお考えを承りたいと思いますが。
○政府委員(土屋佳照君) 基本的には、先ほどから申し上げておりますように、最低生活費には課税しないといったような考え方で見ていくということであろうかと存じますが、もう一つ、住民税の課税最低限につきましては、地域社会の費用というものを住民がそれぞれの能力に応じましてできるだけ広くこれを分任していくと、これが望ましいという観点に立脚をいたしまして、国民の生活水準なりあるいは税負担の状況なり、納税義務者の推移なり、そういったこととか、またさらに地方財政の状況等を総合的に勘案いたしまして定めていくべきものだと思っておるわけでございます。したがいまして、今後課税最低限を具体的に検討しどうしていくかということを決定するに当たりましても、機械的に一定の方式で決めていくというのではなくて、ただいま申し上げましたような諸般の状況を総合的に勘案して決定すべきものであると考えておりまして、課税最低限の基本的なあり方、何か一定の納得のいく基準でそれに応じて常に一定の額が決まっていくというようなことにしたらどうかということでございますけれども、そういった基本的なあり方という問題についてはなお税制調査会等の審議を踏まえて検討を重ねてまいりたいと存じます。ただ、なかなか機械的に一定の方式で決めていくというようなルールというのは決めにくいのじゃないか、やはり総合的な情勢判断のもとに住民税の性格に応じて決定していかざるを得ないのではないかといった感じを持っております。しかし、なおいろいろな方々の御意見等も踏まえ、御趣旨の線に沿って検討はいたしてみたいと存じます。
○阿部憲一君 住民税の所得割の納税義務者はどのくらいになりますか。またその数は、全有業者のうちどのくらいの割合になるものか、わかりましたらお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 住民税の所得割の納税義務者数を昭和五十三年度で申し上げますと、三千七百四十三万人程度でございます。そこで、全就業者に対する割合といたしまして、総理府統計局の労働力調査の五十三年の平均所得者数五千三百六十五万でございますが、それに対する割合、これを就業者に対する割合ということで取り上げますと、大体六八%程度というふうに相なります。
○阿部憲一君 いま六八%というお答えが出たんですけれども、十年前はもっとパーセンテージが非常に少なかったと言われておりまするが、それはおわかりでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 大変恐縮でございますが、ちょっと十年前までは持っておりませんが、たとえば五十年の場合が六四%ぐらいでございます。若干低くなっております。
○阿部憲一君 私がちょっと聞いたのは、十年前はもう五〇%台だったというふうに聞いておりますが、そうすると、要するにだんだんとパーセンテージがふえてきているわけですけれども、納税義務者である人たちが数字的にだんだんふえてくると、六八%の者が納税義務者であるということ、この実態は、所得の再配分効果ということを考えますと、はなはだこれは問題になるのではないか、こう思うのですけれども、その辺についてどういうふうにお考えですか。
○政府委員(土屋佳照君) いま、所得再配分効果といったようなことをお話しがあったわけでございますが、私どもといたしましては、先ほども申し上げたわけでございますが、住民税は地域社会の費用について住民がその能力に応じてできるだけ広く負担を分任をするという性格のものでございます。そういったことから、課税最低限等を定めるに当たりましても、そういった住民税の性格に立脚をしながら、生活水準なり税負担なり地方財政の状況等のほかに、住民税の納税義務者数の推移についても配慮しておるわけでございます。所得再配分の見地からの御指摘のあったような問題につきましては、住民税というのは所得税のような所得再配分的な性格を有するものではないわけでございまして、広く住民に負担を求めるという性格からもたらされた結果であって、やむを得ないものであるというふうに私どもは考えております。 なお、そうは申しましても、所得税、住民税を合わせた所得に対する課税負担のあり方の問題につきましては、今後とも慎重に検討する必要があるだろうというふうに考えております。
○阿部憲一君 社会的弱者に対する配慮でありまするけれども、障害者とか老年者、寡婦、それから勤労学生ですか、こういった人に対する控除については、弱者に対する擁護という見地から他の控除と切り離して別途毎年度見直しを行っていくというようなことも必要ではないかと思いますが、その辺についてのお考えはいかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 御指摘のございました障害者、老年者、寡婦、勤労学生、こういった方方につきましては、そういった方々の社会的な状況を考慮いたしまして、特に社会的に費用がかかるといういわゆる追加的費用というものをしんしゃくする趣旨から、基礎控除等の一般的な控除に加えまして障害者控除等というものがそれぞれ設けられているところでございますけれども、今回の改正においては、先ほどから申し上げておりますような地方財政の状況ではございますけれども、他の所得控除と同様に引き上げを行ったわけでございます。そういったことから、数字で見ましても、これらの控除の額は一般的な控除の額との比較においても相当な水準にあると私どもは考えておるわけでございます。 なお、いまおっしゃいましたように弱者擁護と申しますか、そういった言葉でいいかどうかは問題でございますけれども、まあ社会的にハンディキャップのある方々、そういった方々に対する控除等のあり方につきましては、他の方との税負担の均衡にも配慮しながら今後とも十分注意して検討していくべきであろうかと思っております。
○阿部憲一君 土地などの長期譲渡所得については、譲渡益現行二千万円となっていますが、これが四千万円以下の部分については一定税率による分離課税となり、それを超える部分については譲渡益二分の一、現行は四分の三ですが、この譲渡益の二分の一を総合課税するということになっているわけですけれども、これは所得の総合課税による租税負担の公平化という考えに逆行しているものではないかと、こう思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 今回所得税において土地譲渡課税の特例措置について改善が行われて、ただいまお示しのような形で改正されることになっておるわけでございますが、従来からこの土地譲渡課税の特例措置については所得税と同様の措置を住民税でも講じておるところでございます。そういったことから今回の住民税の改正も、所得税と同じように、当面の住宅政策なり土地政策の緊急性にかんがみまして、税制調査会の答申の趣旨に沿いまして、一方では短期土地譲渡の重課制度とか法人の土地譲渡益重課制度等の現行の土地税制の基本的な枠組みは変えない、それは維持しながら優良な住宅地の供給と公的な土地取得の促進に資するものに限りまして部分的に必要な手直しを行うということでございまして、まあ所得税の改正とあわせてそういった住宅政策等の目的が達成されるというふうに考えておるわけでございまして、非常にこの枠組みを変えない部分的な手直しということで、また特殊な政策に合致するものということで、特に私どもとしては税負担の公平化と申しますか、そういった総合課税による公平化という点に逆行するというふうには考えていないわけでございます。
○阿部憲一君 次に、特定不況地域中小企業対策臨時措置法の関係ですけれども、認定中小企業が五十二、五十四年に生じた純損失のうちに、還付を受けた所得税額の計算の基礎となった純損失の繰越控除期間が三年から五年に延長されることになっていますけれども、この辺の事情はいかがですか、理由をお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 特定の不況業種に対する依存度が大きい地域におきます多数の中小企業者の経営が非常に悪化をしておる。また、それによりまして雇用事情も悪化しておるという状況がございます。したがいまして、そういった状況にかんがみまして、中小企業者の経営の安定を図るために、御承知の特定不況地域中小企業対策臨時措置法が制定されたわけでございますが、これは、これらの中小企業の経営の安定がただ単に企業者だけの問題ではなくて、雇用問題なり地域問題とも広く関連をするものであるということでございますことからとられた措置でございまして、その税制面における具体的な措置といたしまして、所得税におきましては、認定中小企業者の昭和五十三年あるいは昭和五十四年において生じた純損失に係る繰り戻し還付の対象期間を二年延長するということでされたわけでございます。通常還付されるよりももっと前二年にさかのぼってまで還付ができるというふうにされたわけでございます。 これを受けまして個人の事業税におきましても、所得税における特例措置の適用を受けて還付をされました所得税額に対応する純損失額の繰越控除期間、地方税の場合はこれは繰越控除というかっこうでやっておりますので、その期間を対応して二年延長するというふうにしたわけでございます。趣旨は所得税の場合と同じことでございます。
○阿部憲一君 そうすると、これはあれでしょうか、いまの認定を受けた中小企業の不況といいましょうか、損失の続く状況というものは大体これからも続くような状況だと思いまするが、そうすると、さらにこれをまた延長するというような可能性もお考えになっておられますか。
○政府委員(土屋佳照君) 今回新たにこういった形で改正をしたいと思っておるわけでございまして、将来どういうことになりますか、そこらはもう少しこの期間こういった特例を当てはめてみまして、実態を見た上で、また必要があればどうするかということは所得税と、国税の場合と地方税と軌を一にするわけでございます。いろいろ検討した結果、対応策を考えるということになろうかと存じます。
○阿部憲一君 円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法の関係では、純損失の繰越控除期間の特例措置の対象期間を五十四年までと延長されているわけですけれども、この理由をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) この円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法の認定中小企業者の純損失の繰越控除期間の特例措置は、御承知のように、一昨年の円相場の高騰によりまして深刻な打撃を受けた中小企業者の経営の安定を図るということが、これまたこの当該企業者のためだけではなくて、雇用問題等の面でもあるいはまた地域経済の面でも非常に重要であると考えられましたところから、五十三年度の税制改正においてすでに措置をされておるものでございます。しかしながら、その後も依然この外国為替相場は円高の基調で推移をしておると、若干変化はございますけれども、円高の基調であるという点は変わらないと存じます。関連中小企業者の経営も十分に回復したとは言えない状況でございますことから、所得税におきましても純損失の繰り戻し還付——こちらの方ば還付でございますが、繰り戻し還付の特例措置の対象期間を五十四年まで延長するということが適当であるということにされたわけでございます。それを受けまして個人事業税におきましても、同じような趣旨で純損失の繰越控除期間の対象期間を五十四年まで延長するということが適当であるというふうな判断をしておるわけでございます。
○阿部憲一君 次に、みなし法人課税を選択した場合の課税の特例措置の適用期間を五年間延長することになっていますが、これの理由をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、みなし法人課税の特例制度は、個人事業所得者に対しまして法人に類似した課税方式を認めることによりまして、個人企業経営の近代化とか合理化を推進すると、そういった政策目的から所得税では四十八年、住民税においては昭和四十九年に創設をされたものでございまして、この制度は住民税においても所得税と同じような課税方式を採用することによって、両者が相まって所期の目的を達成するというふうに考えられておるものでございます。 そこで、このみなし法人課税制度の創設に当たりましては、その適用期限については所得税において昭和五十三年まで、それから住民税においては昭和五十四年度までの暫定的な制度とされておるのでございますけれども、昨年の所得税の改正によりまして今後とも個人企業経営の近代化とか合理化をさらに推進させることが望ましいということとして、五十八年まで五年間もうすでに延長されたところでございます。そういったことで、一年おくれでなります住民税につきましても、今回所得税と同じ趣旨から五十九年度までさらに五年間延長することといたしまして、所得税と軌を一にして両税相まって目的を達成するという趣旨から延長をしたわけでございます。
○阿部憲一君 関連してお伺いしますけれども、事業税のみなし法人課税の導入について、実施を望む請願も出ていたようですけれども、これについてはどのようにお考えでございますか。
○政府委員(土屋佳照君) この問題は、いろいろ意見のあるところでございまして、御承知のとおり、事業税というのは地方団体と事業との受益関係に着目をいたしまして、事業に対しまして事業活動量等に相応します地方団体の行政経費の負担を求めると、そういった性格のいわば物税でございまして、この場合の事業活動量を測定する基準といたしまして、現行法上事業に係る所得を用いているということになっておるわけでございます。こうした形で、事業税というのは同一人に帰属するすべての所得を課税対象として所得の再配分に資する所得税のような税とは若干異なる税でございますから、個人の事業の所得を事業主の報酬とされる部分と法人の所得とみなす部分と区分するということにしたらどうかという御提案ではございますけれども、これには二つの理由で難点があると思うのでございます。 一つには、事業所得は本来勤労から生ずる部分と資産から生ずる部分とが単純に合計されたものではなくて、渾然一体となってこれは所得が出てくるわけでございます。これを分別する理論的な基準をなかなか求めることがむずかしいという点が一点でございます。 また、第二点としては、この事業主報酬制度というものは、事業主みずからその勤労から生ずる所得を評価をするわけでございますから、自分の勤労部分は幾らということを評価するわけでございまして、所得の名目いかんを問わず同一人に帰属をするすべての所得に対して課税する所得税等においては、それはそれなりで対応のしようがあろうかと思いますけれども、その勤労から生じた所得とされる部分を課税対象から除外をする事業税の場合は、その部分は除外して事業所得を計算するわけでございますから、そういった事業税においては、この制度を選んだ者と選ばなかった者の間に税負担の著しい不均衡をもたらすということもございます。また、これは事業主が自由に勤労部分を決められるわけでございますから、額の決め方いかんによっては選択者同士の間でも税負担の不均衡をもたらすというおそれがあるわけでございます。そういったこと等もございます上に、個人事業税の納税者が非常に激減してくるということ等も懸念されるわけでございます。 そういった点から、私どもとしてはそういった請願等もございますし、望む声もございますけれども、なかなかこれは容易には踏み切れないというふうに考えておるわけでございます。別途事業税においては、こういったことは配意しながら、事業主の勤労から生ずる所得を概算的に控除します御承知の事業主控除制度というのを確立しておるわけでございまして、そういった意味で個人事業者の税負担の軽減は図っておるところでございます。
○阿部憲一君 個人事業税の白色申告者の事業主控除については現在二百二十万円で、これは五十二年改正以来放置されたままの数字になっておりまするが、青色申告者の事業主の給与支払いの額との均衡はどうなっているか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) お示しのように、個人の事業税におきます事業主控除額は、四十五年以来、毎年のように引き上げられてきたわけでございますが、現在は二百二十万円ということになっております。そして、その納税義務者数が四十五年度では二百十万人ぐらいであったものが、五十二年度には四十九万人というふうに激減しておるわけでございまして、こういった控除額なり納税義務者の数等から見ますと現在においては零細事業者の負担は相当排除されておるというふうに考えております。また、個人の事業者全体としても税負担は相当程度軽減をされておるというふうに考えております。そういったことと地方財政状況等を勘案して、今回は事業主控除額を据え置くということにしておるところでございます。 また、先ほどいろいろ申し上げましたが、事業主報酬制度と事業主控除制度は基本的に異なるものでございますし、そこらは必ずしも一致する必要がないという点もございます。なお、この青色申告者の事業主報酬制度の実態と比較しても、私どもとしては著しく異なるものとは考えていないわけでございます。
○阿部憲一君 次に、自動車税の関係ですけれども、今回の改正で、いままで軸距による課税区分を廃止して総排気量にされるわけですけれども、このような改正をされた理由はいかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 現行法では、御承知のように普通乗用車の税率は軸距によりまして二つに区分して定められておるわけでございますが、普通乗用車が御承知のように非常に多様化してまいったわけでございまして、軸距、いわゆるホイールベースを基準にするよりも、むしろ総排気量を基準にする方がエンジンの性能、ひいては自動車の性能をより正確に反映するものでございまして、課税の基準とすることが適当であると私どもとしては考えたわけでございます。また、このようなやり方につきましては、かねてから地方団体を初め、関係方面の要望も強かったわけでございます。そういったことを考慮いたしまして、今回、軸距を基準とする法を改めて総排気量に変えるということに改正したいと思っておるところでございます。
○阿部憲一君 次に、固定資産税の関係を伺いますが、家屋の評価基準が改められて、評価額の引き上げが図られたそうですけれども、どのような改正をされたか、また、平均して従来からどのくらい高くなっているかお伺いします。
○政府委員(土屋佳照君) 今回のこの評価基準の改正は、主として再建築費評点基準表に定めております標準評点数の改正でございまして、その改正は、改正前の標準評点数が四十九年一月現在の東京都の——特別区でございますが、東京都における建築物価水準によっておりましたものを、昭和五十二年一月現在の同じく東京都におきます建築物価水準によって算定がえを行ったということでございます。その結果、新築分の家屋の評価額につきましては、木造家屋で平均一・二倍程度、非木造家屋で平均一・一三倍程度上昇するものと思っております。なお、在来分の家屋についても新評価基準というものは適用されるわけでございますが、これによって五十三年度の評価額を上回るというものにつきましては、原則として五十三年度ままに評価額を据え置くというふうにいたしております。
○阿部憲一君 この評価基準の改正は、現在行われている住宅金融公庫の融資枠の拡大や住宅取得控除制度の拡充といった住宅建設、持ち家の促進策とは逆行するものではないかと、このようにも思われまするけれども、この点についていかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 固定資産税におきます家屋の評価は再建築価格を基準とした評価方法によっておりまして、評価時点における建築費の状況に見合った評価が行われるものでございます。したがいまして、建築費が上昇すれば評価額も上昇することはこれはもうやむを得ないものでございまして、これをもって直ちに住宅建設、持ち家の促進策に逆行するとは私どもは考えていないわけでございます。住宅建設の促進に対する税制上の措置として、評価とは別個に私どもとしては固定資産税において新築住宅に対する減額措置等をとっておるわけでございます。そういったこと等を総合的に御判断いただきたいと思っておるのでございます。
○阿部憲一君 この固定資産税の土地評価額とそれから公示価格あるいは相続税の評価額との関係はどのようになっておりますか、お伺いします。
○政府委員(土屋佳照君) 昭和五十二年の一月の地価公示におきます、これは一万五千五百八十地点でございますが、その地点につきまして、地価公示価格に対します固定資産税の評価額の割合を見ますと、平均で四〇%程度になっております。また、似たような形の相続税に対する割合は、都道府県庁所在市の昭和五十四年度の固定資産税の最高路線価では昭和五十四年度分相続税に対しまして九三%程度ということになっております。
○阿部憲一君 住宅政策との絡みになりますが、最近都市の狭小宅地いわゆるミニ住宅の開発ですね、ミニ開発とも言われておりますが、これが問題になっているのは御承知のとおりでございますが、たとえば建蔽率や容積に応じた税の負担の増減をするといった、固定資産税で何らかの措置をとればどうかとも思いまするけれども、こうした考えはいかがですか。お立場上説明していただきたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 基本的に、私どもは——私どもと申しますか、固定資産税は、この固定資産自体の価値に着目をして、その資産を所有することに担税力を見出してそれぞれの資産価値に応じて比例的な負担を求めると、こういった性格を持った物税であろうかと思うのでございまして、財産税でございます。これを御指摘のようにたとえばその建蔽率とか容積率に応じまして税負担に差異を設けるということは、ただいま申し上げましたような基本的な性格になじまないのではなかろうか。具体的な事例をいろいろ考えてみましてもやはり多くの問題を生ずるのではなかろうかというふうに考えております。
○阿部憲一君 省エネルギー対策のために機械設備の課税が軽減されていますけれども、一般家屋等についても断熱材使用の場合には同様な措置をとるというようなことにしたらどうかと思いまするけれども、この辺についての御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 最近、お示しのような断熱材を用いる住宅等出てきているわけでございますけれども、その辺につきましては、省エネルギーの効果といったものがどうも明確でない。また、これに対して講ずべき税法上の施策の政策的な効果についても現段階において明確な位置づけがないし、また私どもとしても判定しにくいということもございまして、現段階において直ちに固定資産税等の軽減対象とすることが適当であるかどうかについては慎重に検討する必要があるのではないかと思っております。今後、この省エネルギーという問題がいろいろ出てまいりますので、省エネルギー住宅の建設促進に関する総合的な対策の検討とあわせまして、税制としてどのように対応していくべきかということについては研究をしてまいりたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 次に、農地の固定資産税についてですけれども、一般農地の税負担が五十一年度から引き上げられてきたわけですが、今回も再度前回と同様に引き上げられておりますが、過去据え置かれていたものが五十一年度以降急に引き上げられているのはどういう理由かお伺いしたい。 あわせて、農地の地価は農業収入によって変動しているのではなくて、宅地との関連でもって上昇しているのが現状でありまするが、その意味で農地の評価制度、税負担のあり方をどのように考えるか、あわせてお伺いいたします。
○政府委員(土屋佳照君) 農地に係る固定資産税につきましては長年据え置かれてきたわけでございますが、その当時におきますわが国の農業経営の実態とかそれに対する農業政策等との関連を考慮いたしまして、三十九年度以来ずっと据え置かれてきたわけでございます。据え置かれたのはただいま申し上げたような理由でございます。しかしながら、この間におきまして三十八年度から四十九年度の間でございますが、田畑の価格とか農業所得、生産者米価等がいずれも二倍ないし三倍の上昇を示しておるということにかんがみまして、農業政策との関連を考慮いたしたとしましてもその税額は余りにも低いのではなかろうかというふうに考えられ、また宅地等との均衡を図る上からも、一般農地の税負担をこれ以上据え置くということは適当でないのではないかというようなことでございます。そういった状況から、五十年十二月の税制調査会でも、「現行の据え置き措置を廃止し、段階的な負担の調整措置を講じながら、課税の適正化を図ること」が適当である、こういった答申が出されましたので、五十一年度に引き上げまして、五十三年度までの間、段階的にその負担調整をとりながら負担を求めてきたわけでございます。 なお、農地の地価は宅地との関連で上昇しているのが現状だというようなことから評価制度等をどう考えるかということでございますが、固定資産税は、農地を含みます土地、家屋、償却資産を通じまして、資産の価格に応じて税負担を求めるというふうにされておるわけでございまして、そういった点からやはり社会経済情勢の変化に対応して負担の適正化を期するために、御承知のように、三年に一度評価がえということをやっておるわけでございます。この場合に、農地の特殊性に応じましていわゆる限界収益補正といったようなことなどを加えまして特性に応じた取り扱いをしておるところでございます。また、税負担についても、実情に応じて負担調整措置を講じ、五十一年と五十四年比べますと、本年はまたさらに新たな方式を入れるといったようなこと等もやりまして、そうしながら評価額課税に近づくように措置をしておるところでございまして、こういった現行の評価制度とか税負担のあり方は、私どもとしては現状に即したものであるというふうに考えておるところでございます。
○阿部憲一君 A、B農地の宅地並み課税が、条例によって一般農地並みの課税になっておる分が多くある。先ほどもお話しありましたが、重ねて承りたいのですが、これでは、一方では所得税、住民税で土地等の長期譲渡所得の課税を緩和して土地の放出の促進を図るといっても、政策的な整合性に欠けることになるのではないかと思いますが、この点いかがですか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお話のございましたように、住民税におきましては、所得税と同様に、当面の住宅政策なり土地政策の緊急性にかんがみまして、現行の土地税制の基本的な枠組みは維持しながら、優良な住宅地の供給あるいは公的な土地取得の促進に資する一定の長期譲渡所得について部分的な手直しを行うということにしておりまして、これによって土地の供給促進を図るということをすることにしておるわけでございます。一方また三大都市圏の特定市のA、B農地につきましては、周辺の宅地との負担の公平ということと、それから一方ではまた宅地の供給促進の見地からいわゆる宅地並み課税を行っておるわけでございまして、これらは、それぞれ宅地供給促進という意味では、似通った点もあるわけでございます。 しかしながら、御指摘のように、市街化区域農地のございます地域全般におきます都市施設の整備がおくれておったり、土地区画整理事業等の開発事業も当初予期されたようには進んでないといったようなこともございます。そういったこと等もございまして、現実の農業の姿との調整を図るといった趣旨から、減額制度というものをこの場合には設けておるわけでございますが、これは宅地の供給促進という土地政策の要請と、周辺宅地との間の税負担の不均衡を是正するという見地から措置をされました宅地並み課税を、地域の実情に応じてきめ細かく運用するということから設けられた制度でございますので、まあそういった現実との調和ということからとられたわけでございまして、基本的に宅地並み課税の趣旨をこういった減額制度が損なうものとは考えていないわけでございます。したがいまして、一方では長期譲渡所得について供給促進を図りながら、こちらでは阻害しておるのじゃないかということは私どもは考えてない。やはり基本的な面で政策的には似ておる点がある、整合性は失ってないというふうに考えておるところでございます。
○阿部憲一君 時間が参りましたので、この一問だけを最後にお伺いしますが、国道の舗装率、改良率の状況を見ますると、国道の目的財源は地方へ回すべきではないかと考えられますけれども、特に国においては道路目的財源の必要性の希薄化に伴って一般財源化の声が上がっているわけですが、この際地方への配分強化を行うべきではないかと、こう思われますけれども、この辺についてお考えを承りたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、道路におきます目的財源比率というものは、地方は非常に低くなっておるわけでございます。特に第八次道路五カ年計画が発足いたしまして事業量が相当ふえた。そのうちで特に市町村の場合は事業量では二倍にもなっておるにかかわらず、特定財源比率というものが二七%ぐらいになってしまっておるということでございまして、国道に比べて非常に低いということでございます。私どもとしても、かねがねからそういった点において地方の特定財源比率というのを高めてもらいたいということで要請をしておったわけでございますが、直ちにはこれはなかなか解決しない面もございます。 そこで、今回軽油引取税等の引き上げを行います際には、そのふえた分は市町村税へ回すといったようなことで、内部的にはいろいろと調整をとっておるわけでございますけれども、おっしゃいますように、道路の整備は進んでおっても、特に生活道路的な色彩の強い市町村道等の整備がおくれておりますので、そういった点がもう少し推進できますように、御趣旨の線に沿ってできるだけの努力をいたしたいと考えております。
○委員長(永野嚴雄君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(永野嚴雄君) では、速記を起こしてください。
○政府委員(土屋佳照君) ちょっと一言訂正をさせてください。 最後のところで、軽油引取税の増額と申し上げましたが、地方道路税の増額、したがって地方道路譲与税の増額でございまして、言い間違えまして訂正をさせていただきます。
○神谷信之助君 まず、自治大臣にお尋ねをしたいと思います。 今日、地方財政の空前の危機に当たりまして、自治体の自主財源の確保がきわめて重要なことは御承知のとおりであります。その一つとして、一般消費税を導入してその一部を地方財源に加えるという構想が云々されているわけですが、これはきわめて重要な問題だと思います。ところが、この一般消費税の導入の方針をめぐって、一般消費税の五十五年度導入は、昨年の十二月二十七日に自民党総務会決定がされる。さらに一月二十五日、この国会における金子大蔵大臣の財政演説では、五十五年度のできるだけ早い時期に実施するため必要な諸準備を進めていくというように述べておられます。こういうように五十五年度導入、しかも早い時期に実施をするというのが自民党及び政府が公式にとってきた方針だというふうに思っているわけです。 ところが、最近ちょっと様子が変わってきて、齋藤幹事長が三月十五日日本商工会議所の総会で、一般消費税については、「党としては何も決めていない。五十五年度をメドに検討してみようということになっているが、心配する必要はない」というようにお述べになったと、これは日経の三月十六日付で述べておるわけです。それから大平総理も、これは朝日の三月二十四日付によりますと、「「五十五年度導入」を自民党が決めているが、」——大平さんの方は自民党は決めているとおっしゃっていますが、「いちど決めたからといってにっちもさっちも行かないものではない。」と、こういうように従来の自民党と政府の方針が変わったかのような発言が最近ふえてきています。 こうした大平総理なりあるいは自民党首脳の発言は、一般新聞でも選挙戦術のにおい濃厚というように報道していますし、けさの朝日新聞の投書欄を見ますと、茨城県の石川さんという人の投書で、消費税見送りは選挙対策ではないかというのが出ております。地方選挙の争点からこれは外す、あるいは国民の批判を回避をするため、そのための欺瞞ではないかと言わざるを得ない状況が起こっておるんですが、この一般消費税の五十五年度導入という問題をめぐって、自民党あるいは政府、あるいは閣議、それぞれ一体どういう議論になっているのか。この辺まず大臣から正確なところをお聞きしておきたいと思うんです。
○国務大臣(澁谷直藏君) 一般消費税を五十五年度に導入するという方針は、御指摘のように自民党の党議として決定をしております。政府もまた総理あるいは大蔵大臣の国会における発言の中で、やはり五十五年度には導入したいと、こういうことを正式に発言をしておるわけでございまして、この基本方針はいささかも変わっておりません。ただいま御指摘になりました齋藤幹事長あるいは大平総理の新聞における発言等は、私も新聞は読んでおりますけれども、別に閣議等においてこれが取り上げられて従来の方針を変えるといったようなことは一切ございませんので、既定方針はそのまま踏襲されておると、このように承知をいたしております。
○神谷信之助君 そうなりますと、一般消費税の五十五年度導入というのは自民党の党議でも決まっているし、閣議でもそのことは確認をされておると、政府でも確認をしているということです。ですから、きわめて重大だというように思います。さきの予算委員会の総括質問でこの問題を私が質問しましたが、例の運賃の問題、家賃の問題あるいは尿屎、ごみ収集等々多くの矛盾点、問題点があります。仮に導入したとしても、国と地方との配分の問題、これがまだ大きな開きがあるということも明らかになっておる。さらに、地方団体に少し配分をされたとしても、これは物品、サービス提供に直接課税されるわけですから、自治体の支出の増は免れませんし、何よりも物価を高騰させる導火線になる危険もあるというように思うのです。 本来私は、地方自治体というのは、住民自身の住民の暮らしを守るための住民のための組織だ、そしてその自治体が地域住民の暮らしを守るというのが本来の任務であるわけですし、自治大臣はそういう自治体に対して、憲法に言うところの地方自治の本旨に基づいて助言と勧告を行うと、言うなれば住民自治の強化あるいは住民生活の向上を進める自治体政策の一層の前進強化を進めていく責任を持っておられるというように思うんです。そういう自治大臣の責任からすれば、この一般消費税については、多くの自治体、議会も反対の意見を、決議をしているという状況も生まれておりますが、当然住民生活にとって負担を一層強いるところのこの一般消費税のようなもの、きわめて悪質な大衆課税については率先をして反対をするというのが、自治大臣の責任からすれば当然ではないかと思うんですけれども、それはそれとして、一般消費税そのものについて大臣御自身の御見解はいかがでしょう。よい税金というふうにお考えですか、悪税というふうにお考えですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 国、地方を通ずる財政の危機的な状態、これを立て直さなければならぬというのはもう緊急の、まさに国家的な大きな課題になっておるわけでございまして、それをやるためにはどうしてもある程度の国民に対する増税をお願いすることが必要であると、こういう立場にあることはもう御承知のとおりでございまして、どのような増税が適当であるかという問題になってくるわけでございますが、政府の税調におきましてもあらゆる角度から検討した結論として一般消費税という形の増税が適当であろうと、こういう答申が出されたわけでございます。それを受けて、先ほどお答えしましたように、自民党としても党議で決め、政府としても政府の方針としてこれを決めておるわけでございますから、私は個人の立場におきましても、やはり一般消費税という形の増税が現在の段階においては適切であろうと、このように考えております。
○神谷信之助君 これは予算委員会の総括質問でも大分議論しましたから繰り返しませんが、私はこういう悪税を導入するのではなしに、総括質問の中でも具体的に、財源はあるではないかということを試算をした資料も出して提起をしたわけです。きょうはこの問題を議論をするつもりはありませんからこの程度でおきますが、この一般消費税の導入によってあたかも今日の地方財政の危機が乗り切れるかのような、そういう発言なりあるいはそういう示唆をされるということは、私は言語道断というように思います。この点を指摘をして次の問題に移っていきたいというように思います。 次の問題は、臨海工業地帯の固定資産評価の問題であります。大変失礼な初歩的な質問をして申しわけないんですけれども、固定資産税は収益税的財産課税とそれから応益税的財産課税と言われているようでありますが、この意味はどういうことでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 固定資産税の性格というものは、いろいろな言い方があろうかと存じますが、私どもとしては、固定資産税はそれぞれの償却資産なり土地なり家屋なりの資産価値に着目して課税されるまさに資産課税、財産課税であるというふうに考えておるわけでございまして、いまおっしゃいました収益税的な意味という点から見ますと、資産価値というものから判断するわけでございますから、その土地から幾ら現に収益が上がっておるかということを直ちに評価に反映させるという形は少ないというふうに考えておるわけでございます。応益的という意味では、あるいは、地方団体との関連において応益性というものはあるわけでございますから、その応益性ということを広く含めて負担を求める場合に、その資産的な価値ということに着目をするということになるだろうというふうに考えるわけでございます。
○神谷信之助君 土地に対する課税標準ですが、これは「適正な時価」というようにされておりますが、「適正な時価」というのは具体的には何に求めておられるわけですか。
○政府委員(土屋佳照君) 「適正な時価」という場合に、基本になるのは売買実例価格だというふうに承知をしておりますが、ただ売買実例ということは、現実問題にはいろいろなそれぞれの土地に付随します条件というものがございますから、そういった条件によって価格というものが決まっていく例が多いわけでございます。したがいまして、私どもが固定資産で評価として用いております場合は、そういった特殊な事情を除いた正常な意味での売買実例価格というふうに考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 臨海工業地帯の評価というのは、この場合どういうようにされるわけですか。
○政府委員(土屋佳照君) 臨海工業地帯の評価につきましても、同じような考え方をとっておるわけでございます。
○神谷信之助君 だから、いわゆる路線価でずっと臨海工業地帯も評価をしていくというやり方をとっておられるわけですね。そうすると、もとの海岸線よりずっと低い評価が出てくるということになるというのが一般的傾向ではないでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 臨海工業地帯の土地は、御承知のように、概して埋め立て地が多いわけでございますから、その場合、埋め立て地につきましては大体譲渡契約の際に十年の転買禁止条項等が設けられておるというのが通常でございます。そういったこと等から、売買実例が少ないということもございまして、評価についてはそれぞれのところでいろいろと苦労されておるようでございますが、私どもが見たところでは、臨海工業地帯の埋め立て地でございますその工業用地と、それに接続をしております後背地の住宅用地との評価額を比較をいたしますと、いろいろな事情によって違うわけでございまして、埋め立て地あるいはその背後地の標高差によります高波の危険度とかあるいは地盤とか道路の取りつけ状況といったようなこと等におきまして具体的な面で価格形成要因が異っておるということもございまして、市町村によっては埋め立て地の評価額が高い場合もございます。またその逆の場合もあるということで、実態によっていろいろ違うようでございます。
○神谷信之助君 いずれにしましても、いまもお話がありましたが、臨海工業地帯の場合は売買実例がどうしてもほとんどありませんから、だからいわゆるもとの海岸線あるいは直近の住宅地域、それからずっと評価をしていく路線価方式でいく、そういう方法をとられているようです。とりわけ分譲価格が現実には一つの基準になっておるというように思うのですね、いろいろ聞いてみますと。 ところが、この臨海工業地帯に企業が進出をする。生産活動によって利潤を得る、また得ることができるということで進出をしてくる。そして、臨海であるためにその背景に巨大な岸壁を有して、大きな収益力を持った土地と評価もしていく、そういうことが当然考えられるわけですが、そういった点に着目をしてこの臨海工業地帯の評価というもの、これを考える必要はあるんじゃないでしょうか。
○説明員(渡辺功君) ただいま御指摘の点は、臨海工業地帯には、大きな岸壁を使うような場合があれば、むしろ手前の住宅地よりも評価が高くなる場合があるのではないだろうかと、こういう御指摘だと思いますが、事実そういう場合がございます。これにつきましては、私どもが示しております評価基準の中にも、そういう場合には市町村長が適切な補正をして評価を実施するということが書いてございまして、それに基づきまして、市町村によりましては、水際補正であるとかあるいは岸壁補正であるとか、それはいろいろな名前で呼んでおりますけれども、そういう補正をやっている事実がございます。
○神谷信之助君 ところが、大体そういうところは企業城下町と言われるようなところが多いわけで、企業に対して強い姿勢がなかなかとりにくいという状況が生まれています。また、これは千葉県の君津市の場合ですけれども、評価が二段階になっているんですね。ここでは新日鉄の土地が七百五十五万平米余りあります。四十年に埋め立てをして四十二、三年ごろから工場が進出をする。したがって当初は坪二千円、すなわち売却値段、これを基礎として評価をする。五十一年の評価ではこれが二段階の評価になっていて、平米当たり六千九百円と六千四百円、これはまだ工場が建設途中という場合もありますからそういう評価をしている。五十四年になって、平米当たり八千八百円になったわけです。ところが、実際はこれ以上もっと評価を上げていきたいというように考えるのだけれども、それがそうはいかぬというのですよ。国道十六号沿いの、工場と反対側の民間の土地の基準評価地点は平米当たり三万円ですから、臨海工業地帯の五十四年の評価が大体八千八百円とするという条件になってきているんですけれども、これ、ものすごい開きがある。ですから、これをもう少し縮めていきたいというわけです。ところが県の指導で、千葉港の川鉄、それから市原の五井に幾つかの企業が入っている。それから袖ヶ浦というようにずっときて君津へきていますから、それに右へならえという状況ですね。だから、それ以上上げてもろうたら困るということで、正当な評価がやられていないという実情も生まれています。こういう点はいかがでしょう。
○説明員(渡辺功君) ただいま御指摘の、君津市の具体的な実例については私ども承知をしておりませんけれども、幾つか聞いております臨海工業地帯の造成地につきましての評価につきましては、それぞれの市町村におきまして、住宅地との関係でいろんな状態があるようでございます。といいますのは、ところによりましては住宅地よりも埋め立て地の方が状況が非常によろしいと、そこで住宅地よりも埋め立て地である工業用地の方が評価が高くなっておるという場合もあります。しかしながら、多くの場合は、ただいま先生御指摘のように、後背地の方が交通条件であるとかあるいは宅地としての熟成度であるとか、そういった面が上でありますものですから、そこで評価においてそういう差が出ている、こういうふうに承知をいたしております。 その隣接する市町村との関係でありますけれども、これらにつきましてはやはりそれぞれの市町村間におきまして事実上は相談し合いまして、その評価について隣接地で段差が生じないように実質的な均衡を図っておるものと、こういうふうに私どもは理解しております。
○神谷信之助君 後で意見を申し上げますが、実例をもう少し言いますと、市原の場合は、臨海地帯とそれから国道沿いの既存の土地の評価が、当初から見ると逆転をしています。昭和三十八年、いわゆる臨海工業地帯は平米当たり七百九十四円でした。隣りの八幡という道路を隔てた地域は、これはたんぼでしたから平米当たり百八十六円です。ところが四十五年ぐらいになりますと、逆に臨海工業地帯四千七百十円、平米当たり。ところがその八幡地区は六千五十円になっておる。それから五十一年で見ますと、臨海工業地帯は九千二百二十七円に対して八幡地区は一万三千五百二十九円。こういうふうに、八幡地区の方がさらに評価額が上がってきます。これはなぜかというと、八幡地区はもともと農地だったのが住宅街になって、地価高騰時ですから、売買実例がずっとふえて急上昇する。臨海工業地帯の方は売買実例がないのでそれほど上がらないと、こういう状況であるわけです。ですから売買実例では現実的な収益力のない宅地は収益力に着目されるけれども、臨海工業地帯では、収益力の巨大なところでも売買実例がないということで十分それに着目されないというような結果がこの市原の例では出ているんじゃないかと思うんです。そこで私は、それぞれの近隣の市町村で調整をしてというようにおっしゃっていますけれども、このような状態では、土地の収益力に着目をして課税をする、それが現在の臨海工業地帯の評価では適正な評価ができていない状況が生まれているのではないか。だからこれに正当な課税をする必要があると思うんです。 そこで、たとえば堺なんかは、先ほどおっしゃっていましたように水際線加算ですね、これなんかをやっておられて、現在ではいわゆる臨海工業地帯の方が近隣の住宅地域の評価額を上回っているところも一部ですけれども出てきています。いわゆる評価がえの時期時期にそういう点を十分いろんな角度から着目をして合わしていきますね、調整をしていく、そういうのを重ねてきて、現在では、臨海工業地帯と住宅地域の大体似た水準のところ、一部は住宅地よりも工業地帯の方が評価が高いところも生まれていると、こういうようになってきているんです。 ですからこの点、先ほど千葉の場合のように、当初埋め立てをした千葉港の川重から始まって、それに右へならえでずっと君津に至るまで抑えられるという実例も出てきていますし、逆に市原のように、住宅が急増したところではべらぼうな差が起こっておるという状況があります。したがって、これはそれぞれの近隣の市町村で相談をしておやりなさいということだけでは、実際の問題としては、市町村の力も弱いしあるいはまたそういうところへどっと来た企業ですから、非常に企業城下町になっていますから、当該の自治体だけではなかなか力が弱いわけですから、自治省の方でもこの点を調査をして改善をしていくような指導、そういうのをひとつやる必要があるんじゃないかと思うんです。関係市議会では、いつもこの臨海工業地帯の評価問題が議論になって、自治体自身も非常に苦労をされているわけですが、こういった実情も調査をして、そういう改善をする指導をやってもらいたいと思いますがいかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 私どもが全般的に見たところでは、五十年度から五十一年度の評価がえの際の条件を見ましても、全般的には臨海地区というものはまさに大工場地区でございますけれども、ほかに比べてむしろ上昇率は高まっておるというふうに把握しておるわけでございます。しかし個々具体的にはいまお示しいただいたようないろんな事例があるだろうと思っておりますし、私どももこの評価の適正化ということは当然考えなければなりません。ただそういった評価が行われた背景にはどういうことがあったのかということも十分調べる必要がございますので、ただいまお示しのところをも含めまして今後の評価のあり方についてはよく実態を調査をして研究をしてみたいと存じます。 〔委員長退席、理事志苫裕君着席〕
○神谷信之助君 次に事業所税の問題に移っていきたいと思うんです。 事業所税の課税し得る団体が人口三十万以上と——若干特別に指定をしておるところがありますけれども、これでは私は実情に合わないというように思うんです。 一つの例を申し上げたいと思うんですけれども、守口市は人口三十万以下ですけれどもいわゆる特別の指定で事業所税の課税ができるということになっております。ところが、この守口市と隣の門真市にまたがって、松下電器産業と松下電子と松下電子部品、この三つの会社があるんですね。大体面積は両方の市に半分ずつにまたがっている。守口市の方は大体十七万平米。そこから億単位ぐらいの税収が、事業所税が上がっているというんですよ。ところが門真の方は、面積はほぼ同じですが、まあ従業員の方は若干少ない。ところが、これは指定をされておりませんから、事業所税は取れない、課税ができない。こういう状況になっているんです。ですから、この人口三十万以上という、あるいは一定のそれを救う道で、特別の指定の措置というのがありますけれども、この辺を見ると、やっぱりこういう実情に合わない問題が起こっているんじゃないかと思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) ただいま実例を挙げての御質問でございますが、御承知のように課税団体の範囲というのは、改正等も行ったわけでございますが、東京都の区部なり指定都市なり、あるいは首都圏の既成市街地を有する市、あるいは近畿圏の既成都市区域を有する市と、人口三十万以上の市に限定されているところでございまして、この趣旨はもう先生よく御承知のとおり、大都市地域における人口、産業等の集中に伴いまして都市環境が非常に悪化しておる、そういったことの整備のために特に財政需要がかさむということから財源付与をしたということでございますが、当初考えられましたとおり、東京なり近畿圏の場合、いま例で挙げられました近畿圏の場合は、既成都市区域というものを近畿圏整備法ができましたときに決めた、そういったあたりがまさに過密地区であるということで、これはまあ三十万というような人口とは関係なしに最初から指定されておったわけでございます。ただ、守口、門真にかけての実例を挙げられたわけでございますけれども、私、よく実態を存じませんので、具体的に意見を申し上げることもただいまではできませんけれども、法の趣旨は、ただいま申し上げました大都市地域の都市環境の整備のための財源付与といったことでございますので、一応の法律に基づく地区割りなりあるいは大都市と言われるような三十万以上の市ということで区切っておるわけでございます。 具体的にどういった状況にあるのか、私どももそこの状況を調べた上でこういった問題をどう考えるかということについては研究をしてみたいと存じますが、税制調査会におきましても御承知のとおり事業所税の課税団体の範囲を現行以上に拡大することについては慎重に対処すべきだといった趣旨がございますので、一般論としては私どもとしては課税地区を広げるということについては消極的でございますけれども、御指摘の点につきましては私どももいろいろ法律そのものは研究を常にしなきゃならないということもございますので、よく勉強さしてもらいたいと存じます。
○神谷信之助君 国土庁が五十二年の八月につくりました三全総ですね、あれには例の、先ほども問題になりました定住圏の問題ですけれども、「定住圏の中心都市については、人口規模二十万人を境にして人口増加力及び教育、文化、商業等にかかわる都市施設整備の状況に顕著な差が認められる。」と、こういうように言っています。さらに、「人口二十万人以上のその他の中心都市は、県庁所在都市等が多く、大都市から分散される諸機能を受け入れるなど、今後とも、人口、産業の増加が予想される都市である。したがって、人口及び産業等諸機能の集積にあわせ、周辺地域を含めて秩序ある市街地の整備を図るものとする。」というように言っています。ですから、この三全総、政府の機関の一つ国土庁で、いわゆる人口二十万以上と、人口が二十万を超えると顕著に集積が始まり、集積のまた利益を受ける、そういう条件が生まれるということになりますと、この集積による収益に着目をしてつくられた事業所税ですね、これを三十万以上という限定をするというのは、私はそういう意味では根拠に薄いんではないかというように思うんです。 逆に、先ほどの夏目先生の議論でもありましたけれども、いっそこの点では事業所税は必要に応じて、法律上では規制をしないで、後で条例で、それぞれの自治体の状況に応じ必要に応じて条例で課税をすることができるというように、自治体の自治権というのをさらに拡大をするという、そういう見地からもこの辺を再検討する必要があるんじゃないかというように思うんですけれども、いわゆる地方への権限移譲の一つの実例としてお考えになってはいかがかと思うんですが、この辺、自治大臣いかがですか。 〔理事志苫裕君退席、委員長着席〕
○国務大臣(澁谷直藏君) 御案内のように、この制度は当初人口五十万以上と、こういうことでスタートしたわけでございますが、その後三十万以上と、こういうふうに改正されて現在に至っておるわけであります。それで、先ほど税務局長からもお答えしましたように、税制調査会においてはこの範囲を拡大することについては慎重にやるべきだと、こういう指摘も受けておるわけでございますので、私どもとしては、いま直ちに現行のこの制度を改正しようとは考えておりませんけれども、御指摘のような事情もよく調査をして検討してまいりたいと思います。
○神谷信之助君 それは十分ひとつ検討してもらいたいと思うんですね。 それから、その次ですが、電気税の非課税措置の問題です。これは当委員会で毎回のごとく附帯決議で行われておるわけですけれども、五十四年度の改正でもたった三品目という状況なんです。これなぜでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 電気に関する非課税措置につきましては、私どもも毎年見直してきておるわけでございますけれども、この非課税の措置が設けられた趣旨にかんがみまして、一応のこれは基準を設けてやっておるわけでございますが、関係省庁といろいろと詰めをいたしまして実態等も聞かしてもらいながら資料等を集めてやった結果こういった対象が出たわけでございまして、その他のものについてはやはりその製造費に占める電気料金の割合といったようなことから見て、直ちにどうも非課税にしにくかったということでございまして、結果的に、関係省庁と詰めた結果が三品目ということに相なったわけでございます。
○神谷信之助君 毎年洗い直しをしてずっときておられるとおっしゃるんですけれども、非課税の税額で見ますと、やっぱり年々ふえてきているわけですね。四十八年度は五百二億円です。それがその後毎年、五百七億、七百七十二億、七百五十億、八百二十一億、八百四十一億、そして五十四年度は八百九十三億という予定になっています。ですから、見直しをずっとやりながらも実際に非課税額というのはふえてきているんですよね。ですからこの点は、決議から言いましてもちょっとおかしいというように思うんです。 続いてお聞きするんですけれども、電気の一番かかると言われているアルミ製造ですね、この産業でも合理化がどんどんいま進んできています。プリベーグ方式ですか、この方式では電極部門は課税対象となったと、電極部門については。その経過をひとつ報告してもらいたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) アルミニウム地金の製造に直接使用します電気に係る電気税につきましては、これは非課税とされておるわけでございますけれども、ただいま御指摘がございましたように、製造方式には、従来からのゼーダベルグ方式のほかに、技術革新によって最近プリベーグ方式というものが普及してきておるということを聞いております。私も技術的にはよくわからないわけですが、このプリベーグ方式によりますアルミニウム地金製造工程において使用しております電極の製造に用いる電気、この電極の製造自体に用いる電気というものは、アルミニウム地金の直接製造の用に供する電気として非課税となるかどうかといったことがいろいろなところで議論になっておりまして、特に愛媛県の東予市において問題となっておりまして、五十二年の八月に照会がこちらにあったわけでございます。これにつきましては、きわめて技術的な問題もございますので通産省とも十分協議したわけでございますが、その結果、照会のあった電極の製造に使用する電気は、アルミニウム地金の製造に直接使用する電気とは認められないといったような判断がございましたので、五十三年二月にその旨を回答したわけでございます。 そういったことで、ここらの考え方については、地方団体においては従来からこれを非課税に当たるものとして判断しておったところでございますけれども、通産省とも協議をした結果直接使用する電気とは認められない、こういったことで課税をするという方向で考えるべきだということになったわけでございます。
○神谷信之助君 これは、いまお話しになったように、愛媛県の東予市ですね。 これ、地方税法によって三年前にさかのぼって遡及適用できますが、この点についてはどうお考えですか。
○政府委員(土屋佳照君) 地方税法におきましては、電気税についてはいまお話しのございましたように三年間さかのぼって課税ができるというふうに規定されておるところでございまして、課税だということになると遡及適用すべきであるという考え方も出てくると存じますが、先ほども申し上げましたように、新たな製造方法が導入されたという事態に伴って新しい判断を必要としたと、こういった事情も一つにはございます。また、地方団体におきましては従来からこれを非課税に当たると、アルミニウム地金製造の一つの工程でございますから当然これは非課税に当たるというふうに判断してきておったところでございまして、そこに納税者との長期にわたる信頼関係というものが存するというような事情もございますので、こういった事情を総合的に勘案をしますと、むしろ遡及して課税しない方が妥当であるという判断もあるところでございまして、この問題は、そういった具体的な実情、実態というものを踏まえて、過去の経緯がございますので、それぞれの地方団体において実情に応じて総合的かつまた慎重に判断をすべきものというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 それはちょっとおかしいと思うんですよね。地方税法上は、納税者の方に責任がある場合には五年前にさかのぼって税の徴収ができるし、あるいは加算金を課すことができると。こちらの方は、今度は徴収する側については、三年適用の場合では、それの除外例といいますか、いわゆる徴収自治体側が瑕疵があった場合にはそれはだめなんだというようなことは何の規定もないわけです。事実はどうかというと、電気税の非課税の申告は企業の方から出されるわけですね。ところが、その扱う関係の職員というのは東予市には一名しかいない。そういうのが多いんですけれども。そういう複雑な実際技術的に専門的なメカニズムというのはそれはなかなかわからぬわけですよ。そういう技術進歩によってゼーダベルグ方式からプリベーグ方式というんですか、ぼくもよく知りませんが、それに変えれば今度は直接の使用にはならないと、そういう電極部分は今度は課税対象になるという変化というのは、一番よく知っているのは企業の側です。企業の側が一番よく知っているわけです。あるいは、合理化が進んでそういう技術が採用されれば、通産省は早く知ることができる。自治省も専門家じゃありませんからわかりませんよ。だから、企業の方なり通産省の方なりが、そういう事態が起こったらすぐ正直に自治省の方にも言わなければいかぬし、市町村の方にも言わなければいかぬ。言うならば、そういう点についての正直に問題を提起をする、そういうことをやっていない状況があるわけでしょう。だからこの点は私はちょっとおかしいというふうに思います。すでにこれはいつですか、四十六年——五十年ですか、仙台高裁の判決で御承知のように、金属マンガンの製造に使用する電気についての非課税の問題について、過年度分にさかのぼって賦課徴収決定をしても、それは禁反言の法理または信義則に違反しないという判決も出ているわけですね。ですからこの点で消極的になるのではなしに、またそういう消極的な指導をしますと、これまた前例になって、今度は市町村の側、自治体の側からそれを見つけ出さない限りは、彼らの方がほおかぶりしている限りはいつまでたっても非課税対象になってしまうという状況になるわけでしょう。だから私はこれは非常に慎重にもっと検討してもらわないと、自治省のそういう消極的な態度ではこれから以後に、将来に禍根を残す危険もあると思うんです。 こういうアルミ工場が全国で十五カ所あるというように聞いているんですが、その実態は調査をなさっていますか。あるいは調査をして改善をしていく、そういう指導を行う必要があると思うんですが、この辺も含めてちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 法律的に申しますならば、ただいまお話しのございますように、三年間さかのぼって課税することができるわけでございます。 ただ、遡及適用するかどうかといった判断の場合は、これは全般的にその状況を把握して地方団体で判断さるべきものであると私どもは思うわけでございますが、先ほど申されました仙台の例あたりは、地方団体が課税しようとしてそれが争われて、それが非課税であるかどうかということが高裁で決まった、こういった例——山形でごさいますか、決まったわけでございますが、その例と今回の場合は、私は若干事情が違うように思うのでございます。技術的に私もよくわからないわけでございますけれども、このプリベーグ式の電解炉を見ますと、どうもやはりアルミニウム地金の製造に直接使う電気であるかないかの判断が非常にむずかしい。一つの機械の、電解炉の一体をなしておりまして、何か取りかえがきくということだけのことらしいのでございますけれども、それを通じてアルミウム地金をつくっていくわけでございまして、一般的に見てそれは直接使用する電気だというふうに思われてもおかしくないという状況であったようでございます。そういったことから地方団体自体がこれは当然非課税に当たると判断してきており、企業が特に、率直に言いますと、知らないことを悪用して隠しておったということでもないようでございます。 そういったことから、私どもとしては、先ほどるる申し上げましたような事情もございますので総合的に判断をして、今後の課税は明確になったわけでございますから当然といたしまして、遡及するということについてはやはり地方団体が判断していかれて、当該会社等との信頼関係と申しますか、長年の課税上の関係というものを考えて判断をされたらよかろうというふうに思っておるわけでございます。 なお、現在アルミウム製造工場は八社で十七工場あるそうでございます。そのうちこのプリべーグ方式を採用しておるのは六社六工場ということで、関係団体は六市であるというふうに聞いております。私どもとしては、この問題について、先ほどの東予市のように照会があった団体につきましては適宜回答をしたところでございますけれども、関係のところ、もう御承知のように非常にこういった問題はそれぞれよく連絡もとられておりますようでございますから十分御承知のようでございますけれども、具体的な問題については十分事情を踏まえて課税するかどうか判断をいただいたらよろしいと思っておりますし、そういった点からこちらへ相談があれば、私どもとしてもその実情を聞いた上で総合的な指導ができる面については指導したいというふうに考えております。
○神谷信之助君 そうすると何ですか、いまの六市のところは、相談をしてくれば自治省としては話をしようということで、相談をしてこなければ知らぬ顔しておるということになるわけですか。
○政府委員(土屋佳照君) こういった問題、共通の問題でございますから、もう十分その実情は各市承知しておると私どもの方は確信をいたしておりますが、ただいまのお話にございましたが、私どもとしてもこういったことがあいまいになってはいけませんので、念のためになるかもしれませんが、これについての判断はこういうことであるということは連絡をいたしたいと存じます。
○神谷信之助君 ただ、いまの東予市は、これは言うたら住友の城下町みたいなところですからね。市としても、遡及して課税をしたい、徴収したいと思っているけれどもなかなかそうはいかぬ。県に相談をするけれども、県も、県自身で判断せぬで自治省の方に問い合わせをしているようです。ですから、これいまも非常に遡及については消極的なようですが、私はそれは悪い前例を残すことになるおそれがあるというように思いますし、それから、いままで毎国会、毎年毎年この電気税の非課税措置については附帯決議がついているという、そういう実情からいって、さらに積極的な対策を検討してもらうように要望しておきたいと思うのです。 その次の問題に行きますが、五十四年度の固定資産税の評価がえに伴って、固定資産税が決定されますと、とりわけ心配されるのが借地借家人に対する便乗値上げの問題、家賃のですね。五十二年の評価がえのときには、そういう便乗値上げはするなという趣旨の通達を出しておられるようですが、今回もお出しになるでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 従来、便乗値上げがないように通達を出しておりますが、今回におきましても同様に通達指導を行う予定にいたしております。
○神谷信之助君 ところがね、この通達だけでは不十分なわけです。そういう便乗値上げをしてはいかぬよということを周知させる必要が私はあるんじゃないかと思うんですね、大臣。通達しているだけでは、実際には便乗値上げであちこちで紛争が起こる、そういう実態が続いているんです。 そこで、政府の広報といいますか、総理府で担当していると思いますけれども、これに言って、そちらで国民に周知をさせるような措置を講ずる方法も、通達と同時にとってもらうということもひとつ検討してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) ちょっとそこらの事情を申し上げますと、私どもとしては、今回の評価がえの際は、五十四年度から五十六年度までの三年度にわたって負担調整を講ずることにしておりまして、その点について税負担の増加が地代、家賃へどの程度反映するかということも調べたわけでございますが、増加率は大体五十四年度は〇・四%程度ときわめて小さいわけでございまして、とれによって現実問題として引き上げといったようなことは出てこないだろうと思うのでございますが、ただいまおっしゃいますように、それを理由に便乗して値上げをするというようなこともございますから、五十一年と同様に通達指導をしたいと、こう思っておるわけでございますが、この問題が、もともと固定資産税との関係で取り扱うわけでございますので、課税団体である個々の市町村が住民に十分PRをするということがまず基本であると私どもは考えておるわけでございます。そういった意味で、市町村のいろいろな手段を通じまして、市町村がもちろんマスコミ等も使ったり自分たちの広報紙も使ったり、住民に対してそれぞれ身近な手段をもって徹底をしてもらいたいと、これがまあ第一義であるというふうに考えております。 なお、ただいまお示しのございました政府広報については、これ自体が地方税の問題でございますので、直ちに政府広報というかっこうで取り上げてもらえるかどうか問題もあろうかと思いますが、建設省なり総理府とも協議の上、いい方法があればそれにこしたことはございませんので、検討さしていただきたいと存じます。
○神谷信之助君 最後になりますが、先ほども議論になりました例の農地の宅地並み課税の問題であります。これは結局従来どおりやろうということに決着がつきつつあるわけですけれども、先ほど大臣がおっしゃっていましたように、結局、とりあえず妥協してもう一遍さらに検討しようということになったわけでしょう。この問題については私は昨年の十月の十七日の当委員会で大分議論いたしましたのできょうはもう繰り返しません。私はしかし都市近郊農業の果たす役割りですね、あるいは都市における緑地の確保の問題、あるいは防災の観点、こういった問題の軽視がこういう宅地並み課税というようなものを生んでいるんじゃないかというふうに思うんです。ですから、いわゆる都市計画法に言う市街化区域の農地は、おおむね十年間で市街化してしまう、宅地化をすると、そういう点もやっぱりこの際見直す必要があるんじゃないだろうか。さらにまた、それを補てんをするということでできております生産緑地法も実際には十分に運用されていない。そういう状況も先ほど言いました前回の委員会では実例を示して申し上げたわけでありますけれども、それらも含めて考えてみる必要があるだろう。先ほどお話がありましたように、結局宅地並み課税をやりましても、ほとんどの自治体で条例で逆にそれを補てんをするという措置をやらざるを得ないということは、宅地並み課税自身がやっぱり矛盾をしているというそのことを証明しているというように思います。ですから私も、まず農地として課税をする、それで、実際に農業をやっていない、農業経営をやられていないということになれば、それはその実際の実態に応じた課税をすればよいというように思うわけです。ですから現在の状況を続けますと、結局そういう政府の方の無理のしりふきを自治体がやらされておるわけですね。自分たちはまた条例をつくって一〇〇%から六〇%ぐらいまでの補てんをせなならぬ。それで交付税措置については大体七割ぐらいしか見てもらえないということになるわけです。ですから、そういう矛盾があって常に自治体が、市町村の方がしりふきをせなならぬという状況が起こっておるわけです。 ですからぜひとも、これからまだ三年ありますけれども、これら先ほど言いました都市計画法の問題、生産緑地法の問題含めまして検討をしてもらって、大臣の政治責任をかけてでもがんばってもらって、この辺の矛盾を、自治体は本当に困っているんですからね、改善をしてもらいたいという点を、最後に大臣の見解をお聞きしたい。
○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほど志苫委員の御質問にもお答えしたわけでございますが、御指摘の点は非常に傾聴に値する内容を持っておりますので、今後の検討に際しましては十分ひとつ参考にして取り組んでまいりたいと考えます。
○神谷信之助君 これで終わります。
○委員長(永野嚴雄君) 暫時休憩し、午後六時四十分から再開することといたします。 午後六時五分休憩 —————・————— 午後六時四十一分開会
○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井恒男君 大分時間も経過しておりますので、はしょって、重複するところを避けて御質問いたしたいと思います。 まず最初に、昭和五十四年度の税制は、私どもから見ると増税一色というような見方をせざるを得ないわけなんですが、その中で若干の減税が講じられておるわけです。減税の中の大きなものとしては、住民税が初年度五百六十八億円、平年度六百六十二億円の規模でなされておるわけですけど、まず、この減税規模をどのようにしてお決めになったのか御説明いただきたいと思うんです。
○政府委員(土屋佳照君) 今回の住民税の減税につきましては、御承知のように、非常に明年度地方財政が厳しい状況でございましてなかなか余地はないという状況でございましたけれども、最近の国民生活水準の推移とか住民負担の状況等から見まして、所得税の課税最低限以下の所得者層、すなわち控除失格者層の住民税負担の問題もございまして、総合的に勘案して、苦しい中でできるだけの範囲内で減税を行うということにしたわけでございます。そういった意味で控除を一万ずつ上げたわけでございますけれども、その控除自体が、理論的に一万円というのが絶対的な必然性を持つというわけのものではございませんが、私どもとしては、何とか先ほど申し上げたかっこうでできるだけの減税をしたいと、そういったことで上げ幅として一万円ずつという形で課税最低限の引き上げを図ったわけでございます。
○藤井恒男君 いまのお話ですと、もろもろの状況を勘案してということなんだけど、そのもろもろというのはやはり漠然としたものじゃないんだろうし、何かそこに根拠がなければならないと私ば思うんですが、そういった面についてもう少しどのような根拠——これ額で決まるわけですからね、この額を算出するに至った要因といいますか、どこにポイントを置いておるんだと、何を目安にしたのかという点についてもう少し聞かしてもらいたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 総合的な判断であるわけでございますが、一例的に申し上げますならば、一つは所得税の控除失格者等について住民税負担を軽減をしたいという考え方が一つと、それから、全般的に見ますればそれとパラレルに考える必要はないわけでございますが、やはり物価等から考えられます国民生活水準の推移といったようなこと、その他の政府のいろいろな施策に関連するいろいろな数字もございますので、そういったものを見て若干引き上げたいと。引き上げる際に、どの程度引き上げることが可能かとなりますと、幾らということはなかなか言いにくいわけでございまして、四兆を超える赤字でございますから、幾らまでならできるという判断はできないわけでございますけれども、最低限一万円程度ということでやったわけでございまして、例としてはいま申し上げました生活水準という意味では物価等の動き等も考えましたし、それからもう一つは、所得税の控除失格者についてできるだけの負担の軽減をしたいと、まあそういったこと等を勘案したわけでございます。
○藤井恒男君 端的にお伺いしますが、この予算委員会に提出した自治省の資料によりますと、五十四年度の消費者物価の上昇見込み四・九%でしたね、これだけ引き上げた場合の所要額が大体平年度で六百二十一億という形になるわけでして、いま御答弁ありました内容によりますと、財政の状況だとか物価の状況だとか、もろもろの要素を勘案してということなんだけど、大体所要の額が物価上昇を調整する額にほぼ見合う数字になっておるというところから、その意味におけるもろもろの要素はあるにしろ、物価調整減税的な色彩が濃いというふうに見られるものなのかどうか、この辺のところを聞かせていただきたいと思うんです。
○政府委員(土屋佳照君) 消費者物価等との比較で考えますならば、住民税が前年所得課税でございますので、私どもとしては通常五十三年度の物価の上昇率ということを判定の材料にするわけでございますが、これは大体四%でございます。それに対応しまして百四十一万八千円から百四十九万円への引き上げは、大体五・一%でございますから、そういった意味では超えておることになるわけでございますが、私どもはそういった意味で物価調整減税という観点からこれを行ったものではなくて、やはり先ほど申し上げました地方財政の状況とか住民税の性格、これはできるだけ広く負担を分任するといったようなこと等もございますので、納税者の推移とかそれから負担の状況とかそういったことを考えて減税をしようということでございまして、物価上昇率に応じてこの程度ならよかろうということでやったわけではございませんで、そういったことを勘案しながら、減税はしたい、しかし財政的には非常に大幅な赤字であるといった状況の中で、最低といえばやっぱり一万円単位の引き上げということになってまいりますから、そこらのところを総合的に勘案したと、こういうことでございます。
○藤井恒男君 この住民税負担のあり方という点から見て、特に課税最低限というものについて、そのあるべき水準というものを示す必要があるんじゃないかというふうに考えるんだけど、この点についてはいかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 住民税の課税最低限のあるべき水準というのは、これはただいまも申し上げました、住民税の性格やその他地方財政の状況とかいろんな客観情勢をもとにして判断をして決めていくということでございまして、たとえば所得税の控除額との関連でどうかとか、いろいろそのほかにも何か判断の基準があるかわかりませんが、そういうこととか、物価との関係ということではなくて、物価等も参考に、判断の材料にはなるわけでございますけれども、私どもとしては、いま申し上げました全般的な総合判断で決めていくわけでございまして、こういうある一定の基準があって、財政状況なりその他の条件がどうであろうと必ずそれによって引き上げていくというような一律の機械的な定め方というのはやはりどうであろうかというふうに考えておるわけでございます。
○藤井恒男君 自治大臣ね、私、大臣にお伺いしたいわけなんだけど、従来は、いま御答弁のあったようなことで私は推移してきたと思うんです。しかし、これからの状況を考えると、国民に理解を求めて税負担をふやす場合も非常に多くなってくる。これは国民も素直にその辺は、それは賛成ということじゃないにしても、現在の財政状況から見れば、心ある人はある程度のものは考えなきゃいかぬということであろうと思うんです。これは私うらはらのことだと思うんだけど、そういった非常にタイトな状況の中であるなら、増税減税ということについても、まあ増税する場合には比較的これ計数的なものが出てくるわけなんだけど、減税についてもある程度計数的にその減税するバックグラウンドというものを国民にあらかじめ理解させられると、こういうようなたとえば環境になれば、それは減税というのはこういう形で行われていくんだというような、国民に示していくという方向をとっていいんじゃないだろうかという気がするんですが、私は地行に来てこれ初めてでございますからね、あんまりいままでのやり方ということを知らない、素人なんです。そういった立場から見た場合に、今度の措置についても何となくこうつかみで、財政状況から見てもあるいは物価上昇のことも総合的に勘案してまあこれぐらいだと、刻むなら万単位だということであるなら、なかなかその辺のところについて、これから増税気構えという問題もある中で、もうちょっと計数的なものでの管理、あるいは国民にその辺のことからの理解、得心、説明ということができないものかどうなのか。そういったことはまるっきりとてつもない発想なのか。いかがなものでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 私は、そういう考え方は突拍子もない考え方であるとは思いません。でき得ればそういったものがあって、客観的に予測できるという状態が望ましいかもしれませんけれども、何といっても税の問題は、増税にせよ減税にせよその基本にある財政状態がどうかということが基本だと思うんです。幾ら減税したくても、財政がもう逼迫しておってどうにもならぬという状態では、これはもう実際問題としてやりようがないわけでございますから、そういう意味で、御指摘のような一つの客観的な基準をつくり出すということは、実際問題としてこれはもう至難のことではないかと私は考えるわけであります。したがいまして、そのときそのときの物価の動きなり基本にある財政の状態、納税者の生活状態、そういったようなものをやはり総合的に勘案をして、その中で妥当な減税なら減税の額を決めていくということがやはりもう実際的ではないかと、このように考えております。
○藤井恒男君 ちょうど地方選挙が行われておりまして、私どもも地方に出向くわけですけどね、どこに行っても地方財政の逼迫した状況、国においてもそうなんだけど、そういったことが素朴な地方の方たちからも口に出てくるという状況です。そういった中から、これだけ財政が困窮しているというのであればある程度の増税ということはもういたし方ないんじゃないかというような声を出す人もおるんです。そういった形で、今後どのようになっていくのか、私も定かじゃありませんが、増税するにしても、財政需要そうして税負担をやっぱり比較考量していくということが私は大切だと思う。 で、今度の目的財源として使われている軽油引取税と地方道路税が今回引き上げられておるわけなんだけど、その引き上げの原因が第八次道路整備五カ年計画に基づくものだと私は判断するわけなんだけど、いまこの時点において道路の建設というのをこれほどまで税負担を求めながら実施すべきなのかどうか。それに昨今の石油消費の問題についていろいろ言われておるときでございますが、道路建設というものをこのエネルギー諸税で賄うということは、今度はエネルギー政策として取り行う場合に自己矛盾する。で、増税によってエネルギーコストが上昇して国民生活や産業に悪影響を及ぼす。つまり、従来のように何次計画何次計画というようなものを決めて、これを決めたから増税を求めるというような発想、それはいまのこの時期にあってはもう改めていくべきじゃないかという考えを持っておるんです。 だから、先ほども申し上げたけど、この税負担のあるべき姿というものをいまの問題に当てはめてみても、エネルギーの諸税体系を全部一遍洗い直してみて、そういった中から道路なら道路の計画というものが策定されていくべきだろうと思うんです。いろんないままでの経過措置があって、私の言うことが余りにも唐突のことなのかもわからぬけど、まあ素人なりに考えると私はそういうふうな気がしてならない。 国民の所得が年々増大していくというときになるとわりあい受け入れやすい面もあるわけなんだけど、一般の給料所得者なんかの場合には、ベースアップというようなものだってこれはもう消費者物価の値上げ分をきりきりのところで終わっておるわけなんだ、この二、三年というものは。そういった状況にある国民ということを考えていくと、いま私が申し上げたような発想、方法というものに今後組みかえをしていくという展望を示してもいいんじゃないかという気がするわけなんでね、その辺のところ、お考えがあれば一遍聞かしておいてもらいたいというふうに思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 税のあり方を全面的に見直すときに来ているのではないかという御指摘でございますが、確かにある意味におきまして、いままでの税のあり方というものを全面的にやはり洗い直して検討すると、そういう段階に来ていると私も思います。ただ、御指摘の、このエネルギーの関係における税のあり方、これを見直すべきではないかという御指摘には、いま直ちにそうすべきだというふうに私は考えておりません。私は、ただいま申し上げたように一般消費税の導入ということまで踏み切らなければならぬという状態に追い込まれておるわけでございますから、そういう意味で、従来あったこの租税、税のあり方というものもやはり全面的にそういう立場で洗い直すときに来ておると、こういうふうに考えておるわけであります。
○藤井恒男君 いま大臣が一般消費税の問題についてちょっと触れられたわけだけど、私は、そういった意味での発想というか、物の考え方からすれば、今度の大臣の所信表明で一般消費税というものについての考え方を取り入れたということは、ある意味で私は一つの展望——これ、いい悪いは別として、展望を示していると私は思うんだけど、それじゃ大臣として、この一般消費税について現在どの程度作業が進んでおるのか、その点について聞かしてもらいたいと思うんです。
○国務大臣(澁谷直藏君) これは御案内のように昭和五十五年度から実施に移したいと、こういうことで、目下大蔵省においてこの消費税の中身ですね、どういうような仕組み、それからどういうような内容の消費税にするかということで、鋭意その作業を詰めております。まだ最終的な内容が固まっておりませんので、私どもとしては大蔵省の原案が固まった段階で、自治省は自治省としての立場からいろいろと意見を申し上げていきたいと、このように考えております。
○藤井恒男君 大臣が所信表明の中で、「一般消費税につきましては、そのうち地方公共団体に配分される額の一部を地方消費税(道府県税、仮称)とすることとし、昭和五十五年度中に実現できるよう諸般の準備を進めることとしております。」と、こういうふうにお述べになっておるわけなんだけど、いまお話しありましたように、どの程度の税率にするのか、それは大蔵省でもちろん詰めていくことでありましょうが、自治省として、この一般消費税というものを道府県税とするのか、また地方交付税の対象税目とするのか、この点についても全くまだ白紙の状態ということなんですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 自治省としての考え方はもうまとまっておるわけです、ただいまの点につきましては。独立の地方消費税という形でこれは実現をしたいということが一点。それからもう一つは、いま御指摘にもございましたように、地方交付税の対象にも自治省としてはこれを取り上げていきたいと、こういうふうに考えておりますが、結局国と地方との財源の配分の問題になってくるわけでございまして、大蔵省としては、第一の地方消費税という形で設定をするということについては、大蔵省もこれは異論ありません。ただ後段の問題については、恐らく大蔵省としてはかなりの抵抗をするだろうと、相当な抵抗をするだろうというふうに私どもは予想をしております。しかし、この問題もまだ両省との間に本格的な折衝に入っておりませんので、今後の問題になっていくわけでございますが、私どもとしては、自治省としては、この両面でぜひとも自治省の主張を貫いていきたいと、このように考えておるわけであります。
○藤井恒男君 これは、国と地方の財源配分、もうきわめて重要な大きな問題をはらんでおるわけだけど、これはどうなんでしょうね、大蔵省の一般消費税なら一般消費税についての——まあ少しこれは遠のいた雰囲気にあるわけだけど、しかし総理もあれだけ答弁しておるし、かなりはっきり物を言っておるところなんで、やり方はこれいろいろあるわけでしてね、現に大蔵省などではそれぞれの産業界にいろいろアンケートをしておるような状況でございますので、これをわれわれは取り入れることについて賛成しておるわけじゃありませんよ、しかしいま大臣おっしゃったように、仮に、それを取り上げざるを得ないんだということになれば自治省として確たる考えがある、それが大蔵省との間に大変争点になろうというところまで言われるのであるなら、やはり私は、税率は税率としてこれは数値を当てはめていけばいいことなんで、自治省としてのこれの取り組みに対してある程度早目にその構想を国民の前に示したらどうなんでしょう。そのことによってわれわれとしても、あるいは地方自治体としてもいろいろ論議を起こしていくということ、そのことも決して私は無意味なことではないと思うんだけど、そういった考えがあるのかどうか。やっぱりそれは大蔵省と詰めて全部セットされた形でなければ物が言えないものなのかどうか、その辺どうなんでしょう。
○国務大臣(澁谷直藏君) 総理もたびたび答弁いたしておるわけでございますが、何分この消費税という税は、初めてのことでもあり日本の国民にはなじみがないわけでございます。したがって、この新税を導入せざるを得ないというその客観的な背景、それから新税の内容、そういったものを国民に十分示して、そしてその御理解を得る努力をしなければならぬと、こういうふうに考えておるわけでございますが、いま御指摘の、自治省のこの財源配分に対する考え方をいまの段階で国民に示すべきではないかという御質問だと思いますが、私はちょっとまだ早い。もう少し大蔵省の案が固まって、適当な段階で私としては決断をしたいと考えておりまして、現在はまだちょっとその時期ではない、こういうふうに考えております。
○藤井恒男君 これはまたいずれ機会を見てなおお聞きしていきたいと思うんですが、この所得課税というのは総合所得課税が望ましいと思うんだけど、いかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) お話しのございましたように、所得課税につきましては、税の本質あるいは税負担の公平の見地から見まして、すべての所得を総合して課税することが本来税制として望ましいものであると、私どももそう存じております。
○藤井恒男君 総合所得課税が望ましい、しかしそれが現実になされておらないということは、それは徴税技術上の問題なのか、あるいは政策的な配慮によるものなのか、いかがなものでしょう。もちろん内容、個々の問題にもよりますけれどもね。総合的に見て。
○政府委員(土屋佳照君) 本来は総合課税が税制として望ましいことはお示しのとおりだと私どもも存じますが、そういったたてまえをとりながらも各種の政策的な要請、あるいはまたいまおっしゃいましたような技術的な問題等から分離課税等の例外措置を講じておるわけでございます。たとえば、利子配当所得等の分離課税を選択するといったような場合は、これは政策的な要素というよりも、むしろ技術的に非常に問題があるといったような例も一つとして挙げられると思うのでございますけれども、それ以外にも、政策的な要請から例外措置を講じておるということはいろいろあるわけでございまして、いわゆるこの租税特別措置のあり方の問題でございまして、こういったものは絶えず全般として見直しながら、政策目的が消えれば洗い直すというようなことを絶えず繰り返しながら考えていかなければならない問題であろうというふうに考えております。
○藤井恒男君 結局、課税というのは所得を総合化した上で課税するのが公平な税負担であると、それが望ましいものだという御答弁であるわけなんだけど、土地などの長期譲渡所得について、これはいま言った所得の総合化が理想的な姿ではあるが、これに背馳する、まあ背馳と言っては何だけれども、逆行するような方向になるんだけど、しばしば述べられておることでありますが、課税緩和の理由のポイントは何であるかということをお聞きします。
○政府委員(土屋佳照君) お話しのございましたように、この土地譲渡所得課税の特例措置につきましては、今回所得税と同じような形で、住民税でも緩和特例措置をとろうとしておるわけでございますが、これは当面の住宅政策あるいは土地政策の緊急性にかんがみまして、税制調査会等でも答申がございましたので、その趣旨に沿いまして、基本的には短期土地譲渡の重課制度なり法人の土地譲渡益の重課制度等の現行の土地税制の枠組みを維持しながら優良な住宅地の供給と、それから公的な土地取得の促進に資するものに限って部分的に手直しをしようというわけでございまして、全く政策的な配慮から所得税の改正とあわせて地方税においても改正しようというわけでございます。
○藤井恒男君 この課税の緩和措置の適用を受ける土地は、租税特別措置法第三十一条の二第二項で言う「優良住宅地」ということになるわけだけど、これらの土地で、都市計画法の「開発許可」を受けて行う面積一千平米以上の住宅造成の用に供するための土地、あるいは都市計画区域内の宅地の造成につき、開発許可を要しない場合において、個人または法人が造成する面積一千平米以上の住宅造成の用に供するための土地も含まれているということになっておるのですが、この中で言うこの一千平米という面積は、どのような根拠によるものなんですか。
○政府委員(土屋佳照君) 今回の措置は、国の租特法の三十一条の二の改正と同じでございまして、千平方メートル以上の一団の宅地の造成のための譲渡が対象とされておるわけでございますけれども、これは一団の宅地が余り狭小である場合は優良な住宅地の供給に資するということが期待をできないということが一面でございますし、また、現在の都市計画法の開発許可制度、あるいはまたこれに準じて行われます都道府県知事の優良住宅地の認定制度が千平方メートルを基準として行われておるということ等を考慮して、大蔵省なり建設省なりいろいろな関係方面で検討した結果、こういった基準ができたわけでございます。
○藤井恒男君 現在、不十分であるが土地の売買価格の上昇を抑える税制として特別土地保有税があるわけですが、これの免税点が二千平米。となると、この一千平米以上二千平米の間の面積を持つ土地の所有者は、土地を高く売っても税は従来より軽くなる。一方買い手も、特別土地保有税がかからないから高く買うということにもなって、結果、今度の税制改正では一千から二千平米の間の面積を持つ土地の価格が急騰するというような危惧はないのかどうか。いかがでしょう。
○政府委員(土屋佳照君) あるいは御趣旨をよく理解していないのかもしれませんが、今回のこの優良住宅地の造成等のための譲渡に係る長期譲渡所得の課税の特例は、先ほど申し上げましたように、一団の宅地の面積が千平方メートル以上とされておりますので、たとえばこの特別土地保有税の——まあ若干目的は違うわけでございますけれども、たまたま特別土地保有税の例をお引きになりましたので申し上げますと、二千平方メートル以上のものであっても当然にこの特例措置が適用されるということになるわけでございます。他方、この特別土地保有税そのものについては、もちろん対象は特別土地保有税の場合は昭和四十四年一月一日以後のものでございますし、この長期譲渡所得はそれ以前に、四十三年末以前に取得しておった土地の譲渡ということで、そこらは違いますけれども、土地保有税について見ましても、二千平方メートル以上の土地であった場合でも優良住宅地の造成の場合は課税対象から除外されるというのがもう通例でございますので、したがって、千平方メートルから二千平方メートルまでの土地についてもこれは特別土地保有税は課税はされません、免税点以下で。ございませんが、そういう二千平米以上であっても優良住宅地の場合はこれはもう免除されるという例になっておりますので、したがってその意味でも同じでございます、条件は。そういったことから、ただいまおっしゃったようなことは余り起こらないのではなかろうか。これは実態にどういうふうに変化していくか、これは私どもわかりませんが、税の面からはそう変わりはないというふうに考えておるわけでございます。
○藤井恒男君 そうすると、これは保有税の免税点を一千平米にそろえるということは、必ずしも余り意味もないということですか。
○政府委員(土屋佳照君) 結果的に私どもそうではないかと存じますが、特別土地保有税の免税点が御承知のように三段階に分かれておりまして、最初の免税点が東京都の特別区及び指定都市の区について定められておる二千平方メートルということになっておるわけでございますが、これは土地の投機的な取引の抑制を目的とするというこの税の趣旨から見まして、この程度以上のものということで決められておるわけでございますし、またその二千平方メートルというのは、御承知のように、同一の市町村内に同一人が所有する土地全体の合計面積を言うわけで、一団地というわけでもないという差がございます。それからもう一つは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、特別土地保有税というものが適用されますのは昭和四十四年の一月一日以後のものであり、もう一方の方は、長期譲渡所得の対象になるのは四十三年末以前のものであるという点も違っておりますし、いろいろに両者が違っておるということがございます。そういったことがございますので、基本的にどうも性格は違うのではないか。 ただ、先生のおっしゃいますように、特別土地保有税としても、投機的な取引の抑制を目的とするが、一面ではその課税強化によって宅地化の促進にも資しておるという性格もあるではないかと、そういう趣旨だろうと存じますが、若干この組み立て方がちょっと違っておるように思いますので、必ずしも一致しなけりゃならぬというふうには考えておりません。
○藤井恒男君 わかりました。 次に、これは五十五年四月一日から施行ということですね。そうだとすれば、改正について何も別に急ぐ必要はないと私思うんだけど、これは何か政策効果をねらっているんですか。
○政府委員(土屋佳照君) 結論的に言えば仰せのとおりでございまして、今回の土地譲渡課税の改正は、所得税と同じように、当面の住宅政策とか土地政策の緊急性にかんがみまして実施するものでございますが、従来から、この土地譲渡課税の改正につきましては所得税と同年度に改正を行うことによりまして、所得税と住民税を合わせた土地譲渡所得の課税の取り扱いについて、その内容を一般国民に明らかにして改正の実効を期することとしておるわけでございまして、時期的に見れば来年の四月からではないかということで、その前にやればいいじゃないかということも御説のとおりでございますけれども、やはりこういった政策的な効果をねらっておりますものは、確実にここからこういうふうになりますよということがわかりませんと納得を得られないという点もございまして、従来からこういった方法をとっております。今回も、来年の問題ではございますが、あわせて改正しようと、こういうことにいたしたわけでございます。
○藤井恒男君 同じような政策的配慮からなら、老人扶養控除の五万円の特別控除が国税で取り入れられるということであれば、なぜ地方税でも措置されないのかというような不公平感。まあ土地の問題は、いろいろな政策的配慮はあろうにしても、これは持てる者の問題ですからね。そういう点で、同じ政策的配慮で同列でいいじゃないかというような声もこれ出てくるわけなんです。この辺のところは、私はあえて答弁を求めませんが、やはり十分国民の、民意を配慮すべきだと私は思います。要するに、今後先々の問題であるが、かなりな税負担が強まっていくということにこれからはなっていくんでしょうが、そういった場合、増税の前に租税負担の公平化というものを国民が強く要望をしておるということを、いま申したような点も含めてひとつよく御記憶にとどめておいていただきたいというふうに思います。 その次に、固定資産税における特定市街化区域内農地の課税についてお伺いするわけです。 まず、この特定市街化区域内農地の面積と、条例によるあるいは農地課税審議会の議を経た減額対象農地の面積、これはどのぐらいの比率になっておるものでしょう。
○政府委員(土屋佳照君) 減額状況が五十二年度ベースになっておりますので、五十二年度で申し上げますと、特定市街化区域農地の面積は一万一千五百四十九ヘクタールでございまして、そのうち減額対象となった農地の面積は約六八%でございます。
○藤井恒男君 この減額対象農地の要件として、「三年以上農地として保全することが適当」なものという規定があるわけだけど、これは三年以上農地として使用するのが望ましいということを意味するものかどうか。どうでしょう。
○政府委員(土屋佳照君) 減額措置が講じられることになります農地の要件は、所有者から申告がありました場合に、「現に耕作の用に供され、かつ、当該申告があった日の属する年の一月一日から引き続き三年以上農地として保全することが適当であると認められるもの」というふうにされておりまして、これは減額対象農地を認定する段階における判断の基準となるものでございまして、現実に三年以上農地として使用しなければ減額制度の適用を否認するというものではございません。
○藤井恒男君 この減額対象農地は、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法、まああめ法というふうに言っておるわけですが、住宅金融公庫融資の金利の特例あるいは譲渡に係る所得税の軽減、不動産取得税及び固定資産税の軽減などの措置の対象になるのかどうか。
○政府委員(土屋佳照君) お話しのございました、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の規定によりまして、住宅金融公庫の資金の貸し付け等の特例の適用が受けられる市街化区域農地は、いわゆる宅地並み課税が行われております三大都市圏の特定の市のA農地、B農地ということにされておるわけでございます。したがって、これらの市街化区域農地が減額対象農地であるかどうか、実際に減額対象になっておると否とにかかわらず、住宅金融公庫の資金の貸し付け等の特例の対象となるわけでございます。
○藤井恒男君 そうすると、地方税法で農地として保全するのが適当として認めておきながら、いわゆるあめ法で宅地にすることに対して援助するというのはこれは矛盾じゃないですか。
○政府委員(土屋佳照君) 市街化区域内の農地の宅地化を促進するという点に焦点を当てて考えてみますと、御指摘のとおり、市街化区域農地に係る減額をむしろ行わないということの方がいいのではないかと、そういった意見も確かに意味があるように存ずるわけでございます。しかし、この市街化区域農地の減額措置というのは、宅地並み課税がされております地域において都市施設の整備等がおくれておると、当初予期したとおりには進んでいないといったようなこととか、むしろ市街化区域内にあって農地として当面保全することが適当であると認められるものについて、たとえば生産緑地等の制度の活用も必ずしも十分に行われていない、こういったことがございまして、市街化区域であるということは要するに十年以内に優先的計画的に市街化するということでございますから、そういった地域であるけれどもなかなか現実問題として市街化しにくいと、そういったただいま申し上げたような実態があるわけでございます。 したがって、実情に即した課税を行いますためにはこういった減額制度は当面必要であるというふうに考えておるわけでございまして、減額に当たりましては、土地区画整理事業の施行に係る区域内の農地といったようなもの、あるいは、普通の農地でも〇・一ヘクタール未満のものはもともと減額の対象にしないといったようなことがございますし、また減額対象農地の認定については、市町村の条例の定めるところによって、農地課税審議会の議を経て実情に応じてきめ細かく運用されておるということにされておりますので、これは市街化区域農地の課税の目的から見ても、そういった措置があるからといって直ちに矛盾するものとは私どもは考えていないわけでございます。
○藤井恒男君 これは一面だけから見れば、一面だけの見方かもわからぬけど、どうもこれは私は矛盾しておるような気がしてならないわけだけど、まあそれはいいでしょう。 地方税法では、減額対象農地は固定資産税、都市計画税が減税されるとなっているわけですが、たとえば三年経過しないで宅地として使用したり転売した場合は、宅地並み課税の追徴はあるのかないのか。いかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 特定市街化区域農地にかかっております、現に耕作の用に供され、かつ三年以上農地として保全することが適当であると認められると、こういった要件は、先ほども申し上げましたように、減額対象農地を認定する段階におきます判断の基準となるわけでございます。したがって、このように認定をされた減額対象農地が三年以内に売却されるとか、あるいは転用されたといたしましても、減額された当初の時点にさかのぼって宅地並み課税をするということではございません。
○藤井恒男君 結局追徴というものはないわけですか。いま私が申し上げた転売した場合ですよ。
○政府委員(土屋佳照君) それはございません。
○藤井恒男君 とすれば、農地にしておいてもよいし宅地化してもよいということになるし、宅地化促進にはその面からはならないわけですわな。——この二つの制度は、税制度や財政援助で、宅地化を促進した方が所有者にとっても有利になるということにウエートがあるんじゃないですか、本来は。
○政府委員(土屋佳照君) そこらの考え方は非常にむずかしい点でございますが、先ほどから宅地並み課税というのは見直すべきだといったような御意見もございましたけれども、そもそも宅地並み課税ができましたゆえんというものは、もう先生よく御承知のように、この市街化区域内における農地というものが非常に変貌してきておりまして、線引きがされたこの市街化区域内の土地は、これはもう現に市街化しておるか十年以内に優先的かつ計画的に市街化する区域とされておりまして、そこにある農地というものは許可を得ないで、届け出だけで直ちに宅地として利用することができるといったようなこともございまして、現実の売買価格というものも宅地化を前提とした形で売られておるというようなことがございます。そういったこと等もございまして、周辺の宅地を所有しておる人から見れば、これはどうもやっぱり課税上不公平ではないか、そういう声が強かったわけでございまして、そういった意味から、課税の適正化ということと一方では宅地化の促進ということで設けられたわけでございます。 そういった意味から見れば、おっしゃるとおり減額というのはおかしいという議論にもなるわけでございますが、減額されるのは先ほどちょっと申し上げましたが、全部が全部減額されるのではなくて、たとえば一般農地については〇・一ヘクタール以下、したがって三百坪に満たないような、建物と建物の間にあっていわばちょっと何かネギでも植えたかっこうで値上がりを待っておるといったようなところは、最初からこれはもう減額対象に法律上できないわけでございます。だからこそ固定資産税で百七億のうち五六%、六十億が減額をされておりまして、五十億近い金が実際は入っておるわけでございます。そういうのはいまのような値上がり待ちのようなところが課税されておるわけでございまして、そうでないところはそれじゃどうだということでございますが、そういうところは、本来ならもっと都市施設等が整備されればあるいは宅地化できるかもしれませんが、そこらが十分済んでないということもあって、現実問題としては農地としてしばらく残しておかなきゃならぬというようなところもある。 そこで、現実的な解決を図る意味で、調和を図る意味で、そういったところを減額制度をとる、一定の要件にかなうものは減額措置がとれると、こうしておるわけでございまして、確かに減額そのものから見れば効果は削減しておるようでございますが、全体として見ればその市街化区域農地のあり方に対しての現実的な処理方法であると私どもは考えておるわけでございます。
○藤井恒男君 もう少しお聞きしたいわけだけど、時間もありませんのでこの問題はこれでとめておきたいと思います。 私は最後に、固定資産税でこれはお尋ねしたいんですが、固定資産税の新築住宅に対する二分の一の軽減が適用される住宅は百平米以下となっておるわけですが、所得税での住宅取得控除の対象となる住宅は百六十五平米以下ということになっておるわけです。で、税の目的は同じじゃないわけだけど、この固定資産税の新築住宅に対する軽減措置適用の住宅面積を一致させた方が納税者の側からはきわめてわかりやすいわけなんだけど、そういった方法はとれないものかどうか。やっぱりこれは分けておかなければいけないものなのかどうか。その点お聞きして、質問を終わります。
○政府委員(土屋佳照君) お説のような御意見もあろうかと存じますが、一つには、この新築住宅に対します固定資産税の減額措置というのは、一般の、言うならば庶民住宅が新築された場合に税負担を軽減するということで、税制面から住宅建設の促進を図るということで認められておるものでございます。現在適用を受けます宅地面積は、おっしゃるように百平米以下ということにされておりますが、その要件は、最近の新築住宅の平均床面積がおおむね八十平方メートル程度であるということ、それから建設省の第三期住宅建設五カ年計画においても、六十年の平均的な世帯におきます平均居住水準が百平方メートルということにされておること、それから大都市圏で百平方メートルを超える住宅は二割に満たないといったような実情を考慮して決められたわけでございます。 一方、所得税の住宅取得控除制度におきます床面積要件は百六十五平方メートルとなっておりますが、所得税の税額控除は三・三平方メートル、一坪当たり千円とされておりまして、最高三万円とされておりますから、実質的には実は九十九平米、約百平米と余り変わらぬというような措置になるわけでございまして、特に大きな差があるとは考えていないわけでございます。 また、所得税と固定資産税は、最初に申し上げましたように、趣旨が必ずしも同一ではなくて、所得税においてはこれは住宅一般の優遇措置、固定資産税は一般庶民の住宅に対して軽減措置を図ろうと、こういう趣旨でございまして、若干そこらが違うので、私どもとしては必ずしも一致させなきゃならないと……。しかし、さっき言ったような、実質的に似ておるならそれでもいいではないかという御意見もまた別に出てくると思うのでございますけれども、まあ私どもの立場からすれば趣旨が違うということと、実質そう変わらないという意味で、特にこの際直さなければならないというほどのことはないであろうというふうに考えておるわけでございます。
○前島英三郎君 お疲れのところ申しわけございません。もうしばらくごしんぼういただきたいと思います。 今日の地方財政の状況は、一方では税収入を確保し、また一方では住民の税負担を軽くしなければならないきわめて困難な時代を迎えているわけなんですけれども、いずれにしましても小手先の努力ではどうにもならない状況じゃないかというような気がするわけです。思い切った抜本的な対策を必要としていることはだれの目にも明らかだと思うのです。きょうもその辺につきましていろんな委員の方からの御質疑があったと思うのですけれども、東京都の財政危機にいたしましても、国の責任というのも大分大きいのではないかというような気がするわけです。大都市の財政需要を正当に見ていないし、また、都と区の財政需要等につきましても合算していることなど、ずいぶん問題は多いと思うのですね。結局地方財源の総額を拡大する努力をもっとしてもらわなければ、これはもうどうにもならないのじゃないかというような気がするわけです。つまり、全体としてパイを大きくするということであると思うのですが、同時に、東京都や大都市向けのパイを獲得してもらわないと、今日の危機というのはこれはもう毎年毎年繰り返されて乗り切ることはできないであろうというような気がするわけですね。自治大臣のその辺の決意と姿勢をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘の点は、私も全く同感でございまして、やはりこの際、地方に配分される財源の枠全体を拡大をしないことにはこれはもう何をやってもどうにもならない。したがって、そういう方向を目指して、税を含めての財政再建対策を進めていかなければならぬと、こういうふうに考えております。
○前島英三郎君 こうした状況の中で、地方自治体においてはぜい肉を落とすなどの内部的な努力が傾けられつつあるんですけれども、そのぜい肉という部分が、ともすれば福祉予算の削除というような形の中に非情に移行される部分もあったりいたしまして、その当事者であるわれわれは大変それを危惧しているわけです。課税権にしましても地方債の発行の権限にしましても、また国から大きな制約も受けている。これらはその地方自治体の自主性にゆだねるべきものがずいぶんあると思うんですけれども、その辺、大臣はどんなふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 増税をお願いする前提として、国も地方もぜい肉をとにかく切り落とす真剣な努力をしなければならぬと考えております。ただ、その際に、福祉というものが真っ先にそのやり玉に上がるのではないかという御心配、私はそのようなことがあってはならぬと考えておるわけであります。福祉というものの重要性については、いまさら申し上げるまでもないことでございまして、私どもは、そういう方向に走ってはならない。そういうことではなくして、長い間続いた高度経済成長の過程で知らず知らずのうちにやはりぜい肉がついておるわけでありますから、そういったものを本当に簡素で効率的な行政府というものの立場に立って切り落とせるものは切り落とさなくちゃならぬ、そういう努力をなおざりにして福祉に矢を向けるというようなことは断じてあってはならぬと、このように考えております。
○前島英三郎君 次に、地方税におきましては、通達によりまして、身体障害者が購入し使用する自動車に係る自動車取得税、自動車税、それから軽自動車税は免除されているわけなんですね。これは単に税金をおまけしましょう、経費を安くしてあげましょうという目的ではないわけでありまして、身体障害者は自立していきたい、しかし移動ということに大きな制約があるためにどうしても自立の道が閉ざされているというのが現状だろうと思うんです。ですから、その移動の足となる自動車にかかる費用を抑えることによりまして、障害者の自立を促して、所得を得る機会、雇用される機会をふやすという政策効果が期待されるわけなんですが、そういう意味で私はこの処置は大変評価しているわけなんです。 ところが、国税におきましてはこうした観点が大変欠けているんですね。自動車の購入、運行に係る国税として、物品税、重量税それからガソリン税というのがある。私としては、このいずれについても考慮してもらいたいと思うんですが、いろいろ検討してみると、すべて一挙に解決するというのは大変むずかしい問題も含んでいると思うんです。そこで、ガソリン税などにつきましては一部自治体の負担——私の故郷でもあるし中村政務次官の故郷でもある山梨県などでは、一人当たり月五十リッター県が負担していると、そういういわゆる先取りをしている自治体なんかもあるわけですが、当面私は物品税について、これはひとつ国の判断の中で、その運転する障害者自身はもとより生計を一にする人たちに対してもこれはやっぱり免除をしてしかるべきだというふうに思うわけです。 ひとつその辺で、大蔵政務次官に伺いたいわけですが、まず歩行困難な身体障害者の利用に適する構造の乗用車が開発されるべきだと思うんですね。いまは運転装置を後から取りつけている、これにも大変費用がかかるわけです。座席の構造にせよ乗降装置にしろ、改善開発の余地があると思うんですけれども、そういうことで、ハンディキャブとかチェアキャブというようなものが昨今は大変出てまいりまして、その改造をしているというようなことなんですが、これにも物品税は当然かかっているわけですね。こうした構造の乗用車の物品税の扱いは、どういうお考えでこれから取り組んでくださるか、その辺をまず伺いたいと思うんです。
○政府委員(中村太郎君) 現在の物品税につきましては、これは前島委員も御承知のとおりでございまして、下肢または体幹の不自由な人がみずから運転する乗用車についてのみ物品税が免除をされておるところであります。本来、物品税の性格、つまり、人にかけるでなくて物にかけるというたてまえからしますれば、歩行困難な身体障害者の利用に供するということが明らかな場合、はっきりしている場合には、これは当然免税措置の対象となるというふうに考えておるわけでございまして、今後はそういう方向で十分検討してまいりたいというふうに存じております。
○前島英三郎君 歩行困難な身体障害者の足がわりとして利用される乗用車の物品税については、地方税の免税措置と同様に、身体障害者と生計を一にする者が購入するものも免税にすべきではないか、こう思うんですけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(中村太郎君) 御質問の趣旨に対しましても十分私どもは理解をいたしておるわけでございまして、地方税の取り扱い等も比較勘考をいたしまして、身体障害者と生計を一にするその人が購入した場合も含めて、前向きに積極的に検討いたしたいということをお約束申し上げたいと思います。
○前島英三郎君 それは近い将来ということですね。来年度あるいは再来年度と、その辺はまだはっきりはお返事はいただけませんですな。
○政府委員(中村太郎君) これ、法律改正もございますので、なるべく早い時期にいたしたいと、このように考えております。
○前島英三郎君 続きまして厚生省にお伺いしたいと思うんです。 電動車いすが補装具に繰り入れられることになりまして、いよいよ私たちも、閉じこもっている重度な人たちが率先して表へ出られる、これはまさに板山課長の御苦労もついに日の目を見たということで、われわれはもう大歓迎をしているところであります。しかし、その支給要件がどうもいろいろ心配する声も多いんですね。これどのようになさるおつもりか。もうすでに厚生省の案がありましたらお伺いしたいと思うんです。
○説明員(板山賢治君) 電動車いすの支給要件につきましては、まだ最終的な案には至っておりませんけれども、現在のところ重度の歩行困難者であって、電動車いすによらなければ歩行機能を代行できないとか、そういう方の中で低所得の世帯の方——低所得というのは所得税の非課税世帯というふうに考えておりますが、そういう方を対象にしたわけであります。この対象者を低所得世帯に限定いたしましたのは、電動車いすの補装具化を三年計画で実施したいと、このように予算で考えておりますので、まず優先順位ということを考慮いたしましてそのような措置をとりたいと考えております。
○前島英三郎君 電動車いすを使用する人々の生活実態から考えて、たとえば屋内などでは手動の車いすも必要であろう。まさか日本の家屋構成の中で電動車いすが畳の上をというわけにはいかないわけなんですが、そういう意味では手動の車いすも必要であるという人が圧倒的に多いわけなんです。当然両方の併給を考える必要があるのではないかと、こう思うのでありますが、当面その考えはどうでございましょう。
○説明員(板山賢治君) 今回の電動車いすの補装具化という最大のねらいが、足にかわるものという観点でございまして、手で車いすが動かせる方につきましては手動車いす、それを使うことがまたリハビリテーションというふうな観点からその機能を維持向上するという面でプラスになるということで、この併給ということについては慎重に検討させていただきたい、このように考えております。 いま御指摘のように、家屋構造その他から電動車いすだけで屋内での生活ができると考えられません。そこで、そういう方につきましては手押し車といいますか、歩行器といいますか、あるいはいすつき歩行器という、そういうふうなものの併給をすることによってそのニーズにこたえたいと、このように考えております。
○前島英三郎君 将来にわたってもその併給ということはどうなんでしょうね。まあ近々は無理といたしましても、将来そうした併給という部分のめどというものはございますか。
○説明員(板山賢治君) 今回、電動車いすの補装具化を三年計画で予定をいたしておりますので、当面はこの補装具化の完全実施ということに私どもは最重点を置きたいと考えております。いまお話しのようなことにつきましては、今後の利用状況というふうなものも十分に検討をさせていただきながら、慎重に検討をしたいと思います。
○前島英三郎君 日常生活用具として、すでに電動車いすを給付を受けている人たちがいるわけですね。こういう人たちも今後補装具としての給付を受けたものとみなすと、こういう受け取り方をしてよろしいでしょうか。これから厚生省の出されるものから補装具になるのか。すでに生活用具として受けている人たちも、これを一つのきっかけとして補装具とみなすのか、その辺はいかがでしょうか。
○説明員(板山賢治君) 従来の施策などで電動車いすを受けられました方、あるいは他からの寄贈というふうなものもあるかと思いますが、そういうすでに持っておられる方が修理をするという場合におきましては、先ほど申し上げましたように、今回の補装具化の措置によりまして、電動車いすの支給対象になり得る人でありますればその修理につきましても支給の対象としたいと、このように考えております。
○前島英三郎君 続いて、文部省に一つお聞きしておきたいと思うんです。 養護学校の義務化の実施、もう本当に目前に迫っておりますが、各自治体の教育委員会がまちまちのやり方をしているというのが実態のようであります。実は、一つの例としまして宮崎県では、保護者も幼稚園で一緒だった父兄も、さらに医師も、普通学校で十分やっていけると言っている田中留美子ちゃんという女の子がいるわけなんですが、この子は脳性小児麻痺ですね。ところが、普通学校でもやっていけると周りの人が言うにもかかわらず、無理やり養護学校に入れようとしておる——これはその父兄の見解でありますが。本人や親の意向を無視しまして。つい先日の日曜日、二十五日ですが、教育委員会の職員が自宅に押しかけまして、就学通知書を無理やり受け取らせて——三十分ぐらい、いま困ると、突然来られても困るんだ、いや受け取れ、いや困る、いや受け取れということの押し問答のあげくに、就学通知書を受け取らせて帰ったと、こういうことなんでありますが、これはやっぱり教育行政のやることではないのじゃないかというような気がするんですが、文部省の見解を伺いたいと思います。
○説明員(久保庭信一君) 心身に障害を持つ児童生徒の教育は、その障害の種類や程度に応じて小中学校または盲学校、聾学校、養護学校へ就学をさせて適切な教育をそれぞれ行うということになっておるわけでございます。そういう趣旨に沿いまして、市町村の教育委員会及び都道府県の教育委員会におきましては、専門的な見地から子供の障害の種類、程度を見きわめるという観点から、医師、児童福祉施設の専門的な職員、また教育職員等から成る就学指導委員会というものを組織をいたしまして、その意見に基づき、また父兄の意見もお聞きするなどいたしまして、それぞれの子供に合った適切な教育が行われるようにしておるわけでございます。 そこで、ただいま御質問の宮崎市に住む田中留美子ちゃんのことでございますが、このお子さんにつきましても、宮崎市及び宮崎県におきましては、それぞれ就学指導委員会から専門的な見地からの意見を聴取をしております。また御父兄に対しましても、宮崎市におきましては数回にわたりまして就学指導も行っておる。また県におきましても、就学相談等も応じておるということでございまして、それらに基づきまして、いま先生おっしゃられましたように、過日、二十五日の日曜日に、休日であれば御父兄の方も御在宅ということも考えて、通常であれば郵送で済む就学通知書を県の職員が持参をして、じきじきに御父兄にも会ってお話しも申し上げ、またそこで伺う御意見もあればお伺いするなどして、直接にお渡しをするという努力を重ねてお渡しに行ったというわけでございまして、私どもは、宮崎県としてはそれなりの努力をしてこれまで来ておるのではないかと考えておる次第でございます。
○前島英三郎君 昨年文教委員会で、当時の砂田文部大臣でありますが、レアケースという言葉が再三出てまいりまして、まあ就学指導委員会という存在も確かに理解できるのでありますが、それが一〇〇%その部分がごり押しされて親の意見が無視されてしまうというようなことがあっては、やっぱり真の教育ではないというような気がするわけですね。そういう意味では通達の趣旨が徹底していない模様でもありますし、そして教育委員会あるいは市のとり方というものが、やはり文部省といわゆるかみ合わない部分というのがまだこうした一つのトラブルのきっかけにもなるんじゃないかというような気がするんですが、学校教育法施行令の二十二条の二の表をただ単にしゃくし定規に適用しないで、教育的、医学的、心理学的に、総合的かつ慎重に判断していただくことをやっぱり文部省として徹底させるべきだ、三千二百以上の市町村があるわけですけれども、そうした就学指導委員会にその辺は徹底させるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(久保庭信一君) 先生のお言葉にございますように、それぞれの盲・聾・養護学校への就学をさせる障害についての基準は学校教育法施行令に定められておるわけですが、その考え方等については通達も出し、また会議等でその趣旨も徹底をし、また就学指導についての進め方については、会議等を持って各県の指導も行っておるところでございますが、子供の障害の状況というものはまことに千差万別でございまして、発達の時期にあります幼い個々の子供の状況を十分見きわめるということは、専門家の方々のお力もかりて進めておるわけですが、これからも就学指導委員会の委員についての研究協議会を進めるなどいたしまして、十分就学指導が子供の状況に合った形で行われ、適切な教育が行われるようにこれからも各県に対して指導を重ねてまいりたいと思っておる次第でございます。
○前島英三郎君 五十四年度に養護学校が義務化になりますと、当然こうした問題が幾つか出てくるでしょうし、何よりも、就学指導委員会がどういう肩書きの人であるにせよ、その障害を持つ子の親がやっぱり最高の医者であり、最高の教師であり、それから最高の就学指導委員だと私は思うわけですね。就学指導委員会が一〇〇%絶対的な一つの判定ではなくて、できる限り親御さんの意見を……。また、親御さんがその子供を教育する上に、健康な子供は近い学校に行けて、障害を持った子供が遠くまで行かなければならないいろいろな問題。こうした意味でも、その子供たちを送迎しなければならない車にも税金が画一的にかけられる、ガソリン税も画一的に二五%引き上げになるというもろもろの点を考えてみましても、こうしたいろいろな増税攻勢が、やっぱり弱者が泣かなければならないという部分を関係省庁の皆さんに心にとめていただきまして、八時三分まで時間はございますが、皆さんお疲れの御様子でございますので、ここで質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(永野嚴雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君)御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○小山一平君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 一九七三年を一区切りとして、地方財政には大きな変化があらわれております。 一つは、言うまでもなく、わが国経済が不況とインフレのどろ沼に落ち込み、高度成長の矛盾が至るところに露呈したことであります。この結果、地域経済は相対的地盤沈下をもたらし、さらに産業間格差及び企業間格差を深刻にして地方財政を直撃し、深刻な危機に陥れています。特に、大都市財政悪化の傾向も顕著となっています。 二つには、こうした状況下にあっても財政需要の増大を余儀なくされ、さらに地価、建設資材を初めとする行政単価が増大する一方、不況の結果としての歳入減によって収支バランスが大きく崩壊し、国、自治体間の税財政構造の矛盾がだれの目にも明らかになったことであります。地方財政は政府の借金政策によって当面の破綻を免れていますが、今後二、三年後に回ってくるこれらのツケは、現行地方税財政では対応できないことも明らかであります。こうした状況下にあって、政府は一般消費税の創設によって財政危機を打開しようとしており、自治省においても地方消費税として地方財源を確保するほか、地方交付税の基本税目への繰り入れを図ろうとしておりますが、現行税財政制度の根本的諸問題を放置したまま国民負担の増大によって切り抜けようとすることは断じて容認できません。 このような立場から今回の改正案を検討すると、わが党は幾つかの基本問題を指摘しないわけにはまいりません。 一つは、地域経済及び地方財政の変化に対応した地方税制のあり方の問題であります。すでに申し上げましたように、地方財政の危機の原因が地域経済の低下にあることは明らかであり、これを乗り越えるために景気対策、雇用対策など企業活動を促す財政需要もまた増大しております。そして、集積利益に課税する地方及び大都市税源を拡大していくことが強く望まれているのでありますが、今回の改正案には、こうした課題への方途もまた展望も何ら示されておりません。 二つは、不公平税制の是正の問題であります。政府は一般消費税導入によって国民の税の不公平負担を拡大することには熱心でありますが、不公平な諸制度の是正には全く不熱心であります。社会保険診療報酬課税の特例措置について、政府は国税において是正したと強調しておりますが、全くのごまかしにすぎず、肝心の地方税制については一〇〇%非課税措置が継続されております。このような態度が許されるはずがありません。 また、大企業へのさまざまな優遇措置とその地方税へのはね返りをともに廃止することは、国、自治体間の不公平を是正すると同時に、地方財政の危機打開の有力な道でありますが、これらについても根本的な改正策は示されていないのであります。 三つには、田園都市構想と地方税制の問題であります。大平総理は、全く実体のない構想をうたい上げるとともに、地方分権を主張しておりますが、地方分権の基本をなす税財政制度の改革については、今回の改正等にはその片りんさえ見ることができません。 今回の改正案の具体的問題点は枚挙にいとまがありませんが、二、三の点について申し上げます。 まず第一に指摘しておきたいことは、個人住民税の課税最低限の問題であります。生活保護世帯とほぼ接近した個人住民税の課税最低限が、いかに勤労世帯に重い税負担となっているかは改めて指摘するまでもないところであります。 第二は、農地の宅地並み課税の問題であります。すでに政府は、これまで農地の宅地並み課税について農地課税審議会の議を経て、実質的に減額する措置を講じており、このことは宅地並み課税そのものが全く不要なことを政府みずから認めたものと言わざるを得ません。生産緑地法の規定を厳格に運用し、宅地並み課税は全廃すべきであります。 第三は、法人事業税の問題であります。法人事業税について、これを外形標準課税に転換することは緊急の課題であるにもかかわらず、一般消費税に取り込もうとすることは断じて許されません。 第四は、軽油引取税の問題であります。今回も税率を引き上げ、約二百億円をバス及びトラック業界に交付金として交付しようとしておりますが、法的裏づけのない不明朗な形でこうした措置を講ずることには基本的に問題がございます。 以上、特徴的な問題点を指摘してまいりましたが、年々地方税制改正においては技術的かつ末梢的な範囲にとどまり、根本的改正を怠っている政府の怠慢をここに強く指摘をし、私の反対討論を終わります。
○金丸三郎君 私は、地方税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議を代表して、賛成の意を表するものであります。 本法律案は、地方財源の充実強化と住民負担の適正化を図るため、地方税制について、自動車税、軽自動車税及び軽油引取税の税率の引き上げ、評価がえに伴う固定資産税負担の調整、電気税の特別措置の整理合理化、住民税の所得控除額の引き上げによる減税等を実施するとともに、市町村に対する地方道路譲与税の充実、空港関係都道府県に対する航空機燃料税の譲与、国有資産等所在市町村交納付金法の整備等を主な内容とするものであります。 現在、景気対策、雇用、教育、福祉、その他国政の各面から見まして、地方自治行政の比重が重きを加えつつあり、また地域行政に対する住民の期待が質量ともに増大してきておりまして、地方自治の健全な発展のため、地方自治団体の財源を充実強化することがきわめて重要な課題となっております。しかしながら、明年度の国家財政の状況は、国債の大量発行に依存せざるを得ない状況にあることも周知のところでありまして、地方財政対策もそれと軌を一にせざるを得ないところであります。 本法律案は、他の諸施策にあわせて、わが国の経済を安定成長軌道に移行させつつ住民負担の軽減と地方財政の強化など、当面の課題に対処しようとするものでありまして、現下の状況におきましてはおおむね妥当な措置であると思うのであります。 最近、経済もようやく好転の兆しを見せ、わが国経済は安定成長の方向に向かいつつありますが、高度成長期と異なり、現行の税制のもとにおきましては、年々増加する住民の行政需要等に十分対応することは困難になってきております。 政府におかれては、こうした地方財政における構造的な財源不足に対処するため、来年度以降の地方税制の改正に当たっては、強い決意をもって地方財政の真の充実強化を図られることを期待し、賛成の討論といたします。
○阿部憲一君 私は、公明党を代表して、政府提案の地方税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 まず第一に、残念ながら今回の政府原案は、財源不足額が地方財政計画規模の一〇%をも超えるに至った今日の非常事態に対し、何ら解決の方途を示し得ないからであります。地方財政危機が叫ばれて以来、政府は税財政制度の基本的な改正の必要性を何度も表明したのでありまするが、その具体的措置は一向に実施されず、今回もまた何ら見るべき対策がとられておりません。国と地方自治体間の税源配分を再検討し、地方税源等の自主財源の充実強化を図るべきでありますが、今回の政府案は対策が講じられておりません。 次に、政府は、今日の財政危機を乗り切るために大幅な増税をもって対処されようとしております。国民に租税負担の増加を強いる前に、まず税制の不公平を是正し、国民が納得のいく税制に改めるべきであることは言うまでもありません。ところが、今回の地方税における非課税措置等の整理は昨年度よりも少なく、不公平税制の是正に真剣に取り組んだとは申せません。さらに、国税の租税特別措置による地方税への影響を遮断することも、十分な努力が払われているとは思われないのであります。 次に反対の理由は、住民税の減税措置が十分とは言えないからであります。今改正案では、課税最低限を百四十九万円まで引き上げられてはおりますが、生活保護世帯に対する給付額や一般標準家庭の生計費と比べると、まだはるかに低い額であります。住民税の課税最低限は、少なくとも百五十八万円にまで引き上げるべきであります。 次に、法人事業税でありますが、今改正案においても多年の懸案とされてきた法人事業税の外形標準課税の導入が見送られております。 以上、反対の主な理由を申し述べまして、私の討論といたします。
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 改正案に反対する理由の第一は、今日の深刻な地方財政危機下において、地方税制度に求められている改革の方向とは全くかけ離れた内容となっていることであります。すなわち、大企業、大資産家に対する課税強化につながる改正は、租税特別措置のごく一部の手直しを除いて何ら手をつけておらず、むしろ拡大さえしています。逆に住民には負担強化を求める内容となっています。また一方、多年にわたる地方財政危機にあえぐ地方自治体の自主財源の強化という点から見ても、何ら見るべき改善がなされていないのであります。さらに、断じて容認できないことは、地方財政収支試算に明らかなごとく、本改正案が最悪の大衆課税である一般消費税の早期導入を不可欠の前提として進められていることであります。 第二に、個人住民税の三控除引き上げは、おのおのわずか一万円であり、この程度の引き上げでは、個人住民税所得割の納税義務者は、物価高の進行に伴って一段と増加が見込まれ、実質的な増税と言うべきであり、住民税の大衆課税の性格が一段と強化されることであります。 第三に、評価がえに伴う固定資産税、都市計画税の大幅引き上げがわずかばかりの負担調整措置を講じていますものの、本来課税すべきでない生活用固定資産に最も負担が重いものとなり、しかも、都市計画税は昨年の税率五〇%引き上げに次ぐ二年続きの大幅引き上げであるのに対して、大企業向けの減免措置は引き続き温存されている点であります。 第四に、市街化区域内の農地、いわゆる宅地並み課税を三年間据だ置く措置でありますが、これはあくまでも宅地並み課税の制度を維持することを前提としたものであり、都市における緑地、空地の確保あるいは都市農業の振興の見地からしても廃止すべきであります。 第五に、自動車関連諸税の大幅引き上げでありますが、改正部分の増収額千八百億円のうち、千二百億円と実に三分の二を占めるものとなっております。しかも、この税がここ数年来たびたび引き上げられており、車の所有者が四千万人を超えていることを考えてみても、勤労住民に著しく負担を求めるものと言わざるを得ません。 第六に、長期譲渡所得に対する課税の大幅な緩和措置についてであります。確かに優良宅地への売却、公的機関への売却など、一定のものに限っておりますが、この改正は、この間たびたび行われてきた土地税制の骨抜き措置をさらに一歩進めたものであります。この緩和措置は大都市での宅地供給を促進させるという効果よりも、かえって売り惜しみや地価のつり上げを招きかねないものであり、また一部の土地所有者や不動産業者など高額所得者を優遇するものとなり、新たな不公平を拡大するものであります。 以上、主要な反対理由を申し述べて、改正案に対する私の反対討論を終わります。
○藤井恒男君 私は、民社党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行いたいと思います。 地方自治体の財政危機が叫ばれて五年目を迎えるのでありますが、この地方財政の危機は一時的な現象ではなく、わが国の産業、経済、社会の大きな変貌に伴って、国と地方との行財政制度が、地域住民の多様化していく要請にこたえられなくなったことに起因しているのでありますから、臨時的、応急的な当面の対策で解決できるものではなく、抜本的な対策を必要とするわけであります。ここに今回の地方税法の改正の大きな意義がなければならなかったのであります。しかるに、政府改正案は、当面の予算措置を事務的に処理するということにとどまって、これが五年間も続いている。地方財政の未曽有の危機に対する政府の認識と対策は、全く欠如しているといわなければなりません。 本改正案では、昭和五十二年以来二年ぶりに住民税の減税が行われることになり、標準世帯夫婦子二人で課税最低限が百四十九万円に引き上げられることになっておりますが、かつて住民税の課税最低限は所得税の八割程度が妥当と述べていた政府自身の水準にはほど遠いものとなっており、課税最低限の引き上げが何を基準に行われるのか、国民にはっきりと明らかにすることもなく、きわめて小規模な減税にとどまっております。 また、自動車税、軽自動車税の税率の引き上げにしても、すでに自動車に対する各種の課税は相当の額に達し、大衆的な交通の手段である自動車への課税は過大なものとなっております。特に所得水準の低い農漁村地域において、自動車はいまや欠くことのできない交通手段となっており、これ以上の課税強化は利用者の利益に著しく反するものであります。にもかかわらず、いまだに十分な論議をすることもなく、取りやすいところから取るといった政府の発想は、とうてい国民が納得できるものではないのであります。 地方自治体は、間断のない安定した行政サービスを図らなければならず、地方税制の抜本改革は、もはや一刻の猶予も許されない状況にあることを申し上げて、反対討論といたします。
○委員長(永野嚴雄君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 地方税法等の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(永野嚴雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 志苫君から発言を求められておりますので、これを許します。志若君。
○志苫裕君 私は、ただいま可決されました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方税法等の一部を改正する法律案に対附帯決議(案) 政府は、地方財政の現状にかんがみ、左記の事項について速やかにその実現を図るべきである。 一、国、地方自治体間の税源配分を抜本的に再検討し、地方自治体の財源の強化、充実を図ること。 二、個人住民税については、住民の生活実態に即し、引き続き負担の軽減に努めること。 三、法人事業税の外形課税については、速やかに導入に努めること。 四、法人所得課税の地方への配分割合の強化を図るとともに、事業所税の課税団体の範囲の拡大等都市税源の充実に努めること。 五、家庭用電気税の軽減に努める一方、産業用電気税の非課税措置の改廃等、地方税における非課税措置の抜本的整理を回るとともに、国税の租税特別措置による地方税への影響を遮断するよう努めること。 六、利子、配当所得については、速やかに総合課税に移行するよう努めるとともに、それまでの間、地方税に対する補填措置を講ずること。 七、一定規模以下の居住用資産にかかわる固定資産税については、さらに軽減するよう検討すること。 八、地方道路の整備の状況にかんがみ、特に市町村道の道路目的財源の充実を図るとともに、昭和五十五年度から有料高速道路に対する固定資産税の課税、又はこれにかわる措置を講ずること。 九、一般農地並びに市街化区域農地に対する固定資産税の負担については、農業経営との関連をも十分考慮し、適切な措置を講ずること。特に、市街化区域農地については、営農継続の意思が確認される場合には、都市的土地利用との調整を図りつつ、小規模土地改良等農業施策の導入が図られるよう検討すること。 右決議する。 以上です。
○委員長(永野嚴雄君) ただいま志苫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(永野嚴雄君) 全会一致と認めます。よって、志苫君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、澁谷自治大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。澁谷自治大臣。
○国務大臣(澁谷直藏君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して、善処してまいりたいと存じます。
○委員長(永野嚴雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後八時十七分散会 —————・—————