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87回国会参議院1979/03/01

地方行政委員会 第3号

発言数
298
登壇者
21
会派数
7
開催日
1979/03/01

会議録

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  地方行政の改革に関する調査を議題といたします。  地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件、並びに昭和五十四年度自治省関係予算及び警察庁関係予算に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大臣、初めてでありますから、少し大臣の所見を冒頭に伺いたいと思います。  大臣は所信表明で、「かねてから民主政治の基盤は地方自治にあると確信しております。」と、以下地方自治に対する認識を述べておるのでありますが、特に大きな転換期に直面をしておるし環境も厳しいから、長期的な展望に立った行財政の見直し、建て直しが必要だと、こういう認識を述べておるのでありますが、ひとつ改めて地方自治に対する大臣の所見をまず冒頭に伺いたい。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 所信表明の中に申し上げておるとおりでございますが、私は、地方自治体というものは民主政治の基盤であり根っこである。したがって、この地方自治体の健全な発展というものが国の全体の発展を支える基盤であると、このように認識をしておるわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 特に、環境が厳しくて、大きな転換期に直面をしておるという認識を示されておるのですが、その中身は何ですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私は、大きく言って、明治以来百年の日本の歩みというものは中央集権の歩みであったと、こういうふうに見ておるわけであります。そして、その中央集権の流れの中で行われてきた行政は、一言で言うと画一的な行政のあり方であった。それが一つの大きな限界に突き当たっておるわけでございまして、したがって、最近におきましては地方の時代とか地方分権ということがほとんど常識のように言われるような状態になってきておる。それは言われておるだけではなくて、まさしく日本のこれから進む方向というものは、そういう地方分権、そしてまた地方の多様化を吸収するような方向で国、地方の行政が進んでいかなければならぬ。そういう意味における大転換期に直面しておるのだというのが私の認識でございます。  他面、情勢が非常に厳しいという意味は、もう改めて私が申し上げるまでもなく、現在の国、地方を通ずる財政危機、毎年毎年赤字の状態が続いて、しかもその赤字が逐年累積をしておるという状態であるわけでございますから、そういう意味で、「地方自治を取り巻く環境はきわめて厳しい」と、このように考えておるわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私も大筋大臣の所信に賛成でして、とかくいま景気が悪くて財政が思うようにいかないものですから、そういうところだけに焦点を合わせて、大変だ大変だといって論じられる可能性があるんですが、確かに財政は大変です。しかし、考えてみると、地方自治体いつでも財政がこれで楽だということは昔からなかったのでありまして、ただある時期、高成長の時代に少し自然増などが入ってきまして、インフレなども加わりまして、そんなに窮屈さというのが目立たなかったというだけでありまして、不況になれば一遍に、ちょうど化けの皮がはがされたように構造的な欠陥が露呈されるというだけのことなんでありまして、まあ構造的には昔から危機であったと思うのです。でありますので、大臣がむしろ長い視点に立ってこの日本近代化の歩みの中で改めて地方分権というものを提起をされたことに敬意を表します。しかし、以下若干お伺いしますが、まあそういう認識を示されても、じゃ有効な思い切った手だてが用意をされておるかということになるとなかなかそうもなっておらない、そう思うのでして、これはおいおいただしてまいります。  そこで私は、通告しておきました田園都市構想に入るんですが、田園都市構想そのものについてはいずれまたおいおいと問うとしまして、このことの提起を一つのきっかけにして、地域社会づくりとか、地方の自主性とか、あるいは地方分権とか自治だとか、そういうことが論じられるようになったのは大変いいことだと思う。もちろん、田園都市構想に対してそれぞれの省庁が何らかのアクションを起こしておりまして、必ずしもみんながみんな分権とか地方の問題を論じておるわけじゃありませんけれども、少なくとも自治省は、この問題を契機に、非常に強く、まさに自治、分権あるいは個性のある町づくりとか、そういうサイドで問題を取り上げたことは結構だと思いますし、たとえば大臣も、「この理念に基づき、国全体を通じてそれぞれの地域の特性を生かしつつ人間居住環境の総合的な整備を図るためには、地方自治体が主体となって新しい社会の形成に取り組む必要」があると述べられている。また、財政局長も、「地方財政」という雑誌の一月号でしたか、「これらの構想の根底には、従来の集権型の国土開発という発想を改めて地方分権指向型の地域社会づくりをすすめるという理念が基本的にあるものと思われる。」、こういうふうに述べておるので、自治省がそういう視点で取り上げておることは非常に結構でありますけれども、ただ、たとえば財政一つとってみても、地方の税財政のほとんどを法律で規定しておって、税金取るのから一切果てまで全部法律で規定をしておる。まあ別の面で言えば、だから国が責任を負う体制とも言えるんですが、しかし、はしの上げおろしまで、税財政等を法律で縛る、国で縛るという状況のもとで、果たしてこういう大臣や財政局長が述べておるような、特に財政局長に至っては、もう自治体がいままでのように政府の方ばっかり向いて、何やってくれるか、どの金くれるかというようなことを口あけて待っているような姿勢はやめろと、もう自信を持ってイニシアチブを発揮せよと、こうハッパかけるんですがね。まあハッパをかけられても、先ほど言いましたように、たとえば税財政一つを見ても、全部法でこれを規定をする。そこには弾力性も自主性も地方の個性も出てこないという状況、これに手をつけない限り、何を言ってもこれは大臣だめだと思うんですが、どうですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のとおりだと思います。  それで、私は先ほど申し上げましたように、大きく言って明治以来、百年以来の国、地方行財政のあり方の大転換期にきておると、こういう認識でございまして、したがってこれは一朝一夕に、一年や二年の短期間でそれが一遍に改まるというようなことはもちろんこれは期待できないわけでございますが、ただ私としては、これから進むべき方向というものをはっきりと認識をして、その方向に向かって着実な改革の歩みを進めていかなければならぬと考えております。  こういう観点に立ちまして、昨年から続いております地方制度調査会に、根本的な地方行財政のあり方がどうあらねばならないのかという諮問をいたしておるわけでございまして、私は、この地方制度調査会には、ただいま申し上げたような私の認識を申し上げて、おざなりの答申ではなくて、百年以来のこの大転換期に即応するような思い切った洗い直しの答申をして出していただきたいと、このようにお願いを申し上げておるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 財政局長は、「地方財政」という本では、三つのテーマを掲げておるようですが、何か所見がありますか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 雑誌の論文でございますので、その最初にも断っておりますが、私見ということでございます。役所として統一した意見ではないということをまずお断り申し上げたいと思います。  私は、現在の地方行財政制度というものは、いま御指摘がありましたように、住民の負担の地域間の均衡化ということとそれから財源保障、すべての地方団体を通ずる財源保障というものが根幹にあると思います。それは裏返して見れば自然ある程度画一的にならざるを得ない。地方団体の自主性なり弾力性というものはフルに活用できるという仕組みにはなっていない。しかし、そのことが行政の負担と行政のサービスによる受益というものとの関連を非常に希薄にしてしまっておる。いまも御指摘にありましたように、地方公共団体がどちらかというと政府各省の方にばかり目が向いて、住民の方に必ずしも目が向かないというデメリットが出てきておると思うのでございます。そういう意味合いで、それらの点をいわゆる分権型の構造に持っていきますためには、いま少しく税財政あるいは行政各般にわたって弾力性を持ったような仕組みというものを考えていくべきではないか。  ただ、いま大臣が申し上げましたように、一遍にそれをやると申しましてもそう簡単ではございません。やはり国民的な合意というものを形成しなきゃならぬ。しかし、その国民的な合意を形成する一番の基礎は地方団体が自信を持つことだと、自分自身の問題なんだからということで自信を持つことだということが一番大事だと思うのでございまして、そのことを強調したかったわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 後ほどもまた聞きますけれども、私は先ほど、自信を持ってイニシアチブを発揮せよ、分権だと、こう言っても、早い話が財政一つをとってみても、はしの上げおろしまで法律で率直に言って規定をされておる。あるいはまた、補助金という——補助金も最近はメニュー方式というのがはやりますけれども、原則としてはやっぱり国が着たい洋服の形を地方に押しつける。国の補助金規定に合わなければもらえないわけでありますから、やっぱりこれも事実上は地方財政の不足につけ込んで補助金でつるという中央集権の一種でもあるわけですね。こういうものについて、まあ大臣は、そういうことだから地方制度調査会等にも諮問をしていい答えを求めたいと言うんですが、私も地方制度調査会の委員でしてね、いろいろ意見は言うんですが、余り通らないんです、これはね。通らないで、何のことはない自治省の事務局あたりで書いたのが通る。あなたの方がやっぱりしっかりしてもらわぬとだめなんですこれは。現実は。当面、税財政なりそういう補助制度なりですね、財政局長は、私見では、補助金の総合調整というような表現などもちょっと使っておるようですけれども、何か私見がありますか。あるいは御意見ありますか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私は、基本的には行政事務、仕事、それからその仕事を遂行するための金、財政、この両面にわたって見直しを行って、地方に任せてもいいやつが相当あると考えておるわけであります。それをもう断行すべきときに来ておると、こういうふうに考えておるわけでございますが、その中で、いま御指摘のございました補助金の問題、これは言うまでもなく従来の中央集権的な行政の手法、中心になってきております手法であるわけでございますが、この補助金のあり方というものにも私は根本的なメスを加えなければならぬ時期に来ておる、こういうふうに考えておるわけでございまして、この点についても地方制度調査会でひとつ根本的な、基本的な答申を出していただきたいと、このように期待をしておるわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあいまのところはまだ着想という程度ですな。いずれまたこれは、大臣と長いつきあいになるかすぐかわるかそれはわかりませんが、いずれおいおいとまた真剣にやっていきましょう。  さて、そのものずばり田園都市構想というものについて順次お伺いをいたします。  あなたが言い出したのじゃないのにあなたに聞くのも酷ですが、あなたもずいぶん田園都市構想についても所信で述べられておるわけでありますから少しお伺いしますが、まあ人間そう大した知恵があるものじゃないんで、大体昔あったようなことを思い出してそれに改良が加えられたりしてくるんですが、まず、この田園都市というものの歴史的系譜なりあるいはそれが長い歴史の中でどう扱われてきたのか、今日どういう時代的背景を持ってそれが登場をするのか、この辺を少しただしたいわけであります。何か総裁選挙のときにほいと言うたら新聞がいいこと書いたんで、何となくそれに向いて走っているというふうなものじゃないだろうと思うので、大臣もずいぶん、まあ太鼓持ちとは言いませんが、高く評価をして、「田園都市構想は、今後における日本の進むべき方向を見定め、自由な、そして幅広い立場で国家形成の基本理念を展開したものであります。」と、こうあなたもおっしゃっている。——と大平さんが言うておりますというんじゃないんですよ、これは。  そこで、先ほど言いましたように、そういう田園都市というものについての歴史的系譜なり、それがどういう扱われ方をしたのかということなどについて、そして今日この時代に提起をされておる背景は何なのかということについて、大臣あるいは自治省当局のまず所感を伺いたい。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) お説のように、人間の考え方というものはそんなに変わるわけはないわけでございまして、田園都市という考え方も、かなり古い歴史を持った言葉であると承知しております。私は直接その本は見ておりませんが、旧内務省時代に、明治の四十年代に、田園都市というかなり浩瀚な本が発行されておるそうであります。したがって、田園都市という考え方そのものは決して新しいものではありません。ただそれが、現実の政治、行政を指導するような一つの大きな政策として登場してきた。大平内閣においてはまさにそういった形でこの田園都市構想というものが登場しておるわけでございますから、それにはそれだけの背景がなければならぬ、これはもう当然なことであります。  そこで、一体その背景はどこにあるのかというと、私はやはりこの十数年間にわたって続いたわが国の高度経済成長、これによって日本は確かに経済的に大きくなりました。生活水準も上がった。大変な変化を遂げたわけでございますが、その中で、いままでわれわれが経験しなかったようないろいろな新しい事態が発生をしてきた。その一つは公害であります。それからもう一つは、やはり物質的には豊かになったけれども精神の面はどうか。いわゆるわれわれの社会を支えておる連帯感、思いやり、そういったようなものがどうも希薄になっておるのではないかという、これも大体一般的な認識ではないかと思うんです。物質に少し傾斜し過ぎておる。もっと精神とか文化というものを見直して大事にすべきではないかという反省が国全般にやはり起きてきておると思うんです。そういった従来の物質、経済に傾斜した国全体のあり方に対する反省、そういうものが田園都市構想というものを新しい意味で登場させた一番大きな背景ではないかと、かように私は考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いま大臣がちょこっと触れられた、精神面が強くかかわっておるというのが、まあ今度の田園都市構想の新味であると同時に、さっぱりわからないんですよね、実は。  いまも言いましたように、われわれはよく、特に高成長、昭和三十年代から今日に至るまで、都市の過密対策であるとかあるいは工業やその他の地方への分散であるとか、あるいはまた、いろいろな地域生活圏の確立であるとか、あるいはいろいろな、スローガン的に言えば、緑と太陽と空間をとか、こういうスローガンに象徴されるような施策が幾度も提起をされたことがあるし、またそれをうたい文句にしてさまざまな施策がずっととられておることを承知をしております。実は、今度出たものもよくよく淵源にさかのぼってみると、何のことはない、そういう考え方なんですよ。  まあもともとの初めは、私も大して学者じゃないからわかりませんけれども、産業革命が始まって、ロンドン等で都市に人口が集中してくる。そこには当然いろいろな公害、ばい煙等が起きる、スラムが始まるというようなところから、一種のニュータウン的な、それから少し離れたところにそういうものを、居住環境をつくるというようなことから始まっているようなんでありますけれども、実は、わが国でもいろいろ試みられたり、また諸外国でのそういう田園都市の発想やこの手法というものは、必ずしも成功をしていないわけですよ。で、成功をしていないのはなぜかということに実は大したメスも加えられないままに、またしても前と同じような、文言が少し違うだけであって、前と同じような中身を持ったものを新しい言葉で強調しているということを、私はこの田園都市が出されて以来つくづくと感じておるわけですね。  そもそも田園都市とかガーデンシティーとかニュータウンとかいろいろな——少しずつ違うんでしょうが、その種のあれは、わが国で言えば過密対策であるとかあるいは新産都市の形成であるとか、広域生活圏だ、地方生活圏だというふうなさまざまないわば努力、試み的なものも、わが国にもないわけではないんですが、その種のものが、大平さんの言葉をかりれば、もはや日本のそのような物質文明を追い求めるようなそういうものはもう限界に来た。だから経済中心から文化中心への大きな時代の変革なんだと、こういう認識の上に田園都市が出てくるわけでありますけれども、一体、いままで田園都市のような発想や試みや手法というようなものはあった、それがなぜ成功しなかったのか、なぜうまくいっていないのか、ここのところを一遍押さえたことございますか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私の乏しい知識では、まあイギリスがそういったようなことをやって、一つは成功し一つは失敗したという歴史があるそうでございますが、つまびらかには承知をいたしておりませんけれども、ただ、わが国におきましては、いま打ち出されておるような田園都市構想という明確な一つの思想的な背景、一つの具体的な政策の追求目標として掲げられたことはなかったのではないかと、私は思うんです。わが国においては。それは新産都市とか工特とか、そういったようなものは実際にやってきておるわけでございますけれども、そういったものと今回の田園都市構想というものは、明らかにその背景も内容も違うわけでございますから、ですから私どもとしては、諸外国のそういった成功した例、失敗した例、そういったようなものも十分参考にしながらこれからやるわけですから、ぜひわが国においては成功をさせなければならぬ、このように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大臣は、従来さまざまにとられた施策とは背景も内容も異なるんだというお説ですから、じゃ、何が異なるのかをぼつぼつたださなきゃならぬのですが、まあ都市には都市の構成要件というものがあるわけでありますが、しからば田園都市を構成する要素は何と何ですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) これは大平総理の書かれたものにもありますように、抽象的ではございますが、都市の持つ高い生産性、つまり都市機能、それと田園というものの持つ豊かなきれいな自然環境、そういったものを調和させた生活空間をつくると。きわめて抽象的な表現で恐縮でございますが、追求すべき共通の目標としてはそういうことだと認識をしております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 それはあそこの自民党の建物のところにスローガンがかかっているんですね、「都市に田園のゆとり 田園に都市の活力を」とね。まあスローガンじゃさっぱりわからぬのでありましてね。  たとえば田園都市構想、古い文献等によりますと、田園都市というのは、たとえば能率的な産業、健康的な市民生活が同時に保障されるとか、あるいは一定限度以上に都市の規模が大きくない、あるいはいわゆる緑、農業の地帯に囲まれておるとか、あるいはまた、当然そういう町づくりとなりますと少なくとも土地というものに公有化もしくは社会的な規制が加えられるとか、そういった内容を伴うともいう文献もあるんですが、そうなってまいりますと、たとえば巨大都市といっても、たとえば東京一つ見ても、日本はまさに巨大都市という現実を持っておるわけでありますが、一体その巨大都市の現実というものが田園都市に対応できるかどうなのかということがまず問題になると思います。それからまた、いままで新産から始まっていろんな工場の分散、地方の中核都市づくりというふうなものが成功しなかった要因の中に、実は土地とかそういうふうなものに社会的な規制が及ばない、あるいは自由競争、弱肉強食の経済の仕組みがそこにありますから、少々の誘導策等ではてこでも動かないという現実だってあるわけですね。  そういうような諸要因のために実は成功をしていないわけでありますが、たとえばこういう巨大都市という現実が、この田園都市というものに一体対応できるのか。田園都市が巨大都市に対応できるのかどうなのか。田園の中に都市をつくるというのであれば、手法さえあれば、さきに言いました公的規制とかそういうふうなものがそれぞれ法律的にも整っておれば、まあ田園の中に都市をつくるというのは一面幾らか可能性があるかもしれませんがね。現実はこういう巨大都市なんです。一体田園都市構想というものが新しい施策の用意なしに——用意があっても、対応できるんだろうかという点に私は非常に疑問を感ずるのですが、どうですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、巨大都市、東京とか大阪あるいは横浜といったような巨大都市、これを田園都市に改造しようということは、これはもう言うべくして実行困難な課題ではないかと考えます。それで、大平総理の構想では、はっきり書いておりますように、大体人口三十万前後程度の、志苫委員の御指摘の中にもありましたように、田園の中に都市をつくろうと。むしろ後者の方の発想が田園都市構想の発想ではないかと、そういうふうに私はとらまえておるわけです。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これはいずれ機会があれば大平さんにも聞きますが、田園の中に都市をつくる、それを詰めて言うから田園都市というのじゃ少しく変わったもので、それなら現実日本に存在をするこの過大都市とかというふうなもののあれはいささか放棄をしたことになってしまうわけであります。  いずれにしても、私は緑と空間と太陽というそういう概念を与えてみても、現実の都市との距離を縮めることはなかなか困難であるという、またそのためにいままでできなかった経験や歴史も持っておるわけでありまして、挫折をしたといういきさつもあるわけでありますから、これは本格的にこれをというのであれば、たとえば二十五万都市構想にしてもそうでありますが、日本という社会経済体制のもとでは、田園の中にぽっこり都市をつくるといいましても、一切そういう法体系は整っていない。わずかに、まあ少し税金まけてやるとか補助金くれてやるとかという、そういう誘導策というふうなものが試みられるにすぎないわけでありまして、私は、先ほど言いましたが、ここよりも向こうがもうけがあったら向こうへ行く。相手に勝つためには人でも平気で殺すというふうな、こういう弱肉強食の生存競争にさらされておるような仕組みの中からは、実は何遍これ唱えてもそういう手法は見つからぬのじゃないかという気がします。で、まあしようがないから、そこでソフトウェアだハードウェアだということで余り物の方は見ないで、物より心だよ、人間万事心だよということで、心と理念を説くだけに終わっておるような気がするんですね。  これは概念の問題でありますから、少し自治省に焦点をしぼりましょう。自治省からいただいた資料で、「田園都市構想の具体的推進について地方自治体の創意とイニシアティブによる新しい地域社会の形成 自治省」という文章等ございまして、「都市と農村の一体的整備」、「地方自治体の創意による施策の展開」、こういう内容を掲げておるのでありますが、私、実はどこかで読んだことがあるような文章のような気がしてしようがない。ここで言うたとえば「都市と農村の一体的整備」、表につけた名前は違いましても、昭和三十六年の第一次総合開発計画の新産都市構想、私はここに新潟県のものを持ってきておりますが、ずいぶん分厚いものでありますけれども、たとえばそういう中にもこれに類したものは書いてあるわけですね。「工業開発に伴なう工業生産の増大、人口の流入、物資の流動等の急激な発展に対応するため、建設基本方針に基づき、地区全体の秩序ある土地利用を計画して、工場用地、住宅用地、公園緑地、農地等を合理的に配置するとともに総合的な都市機能を充実させるため、産業基盤整備に偏することなく、生活環境施設、教育施設、文化施設等の整備をはじめとする社会開発にも留意して「太陽と緑と空間」のある人間尊重の都市づくりを行なうものとする。」、で、ここで言う「中心都市の雇用機会、教育、医療、文化等都市機能の集積を高め、同時に周辺農山漁村の生産、生活環境の整備を促進し、」と、実はほぼ同工異曲であります。あるいは昭和四十四年の新全総による広域市町村圏、あるいはこれは建設省ですが、地方生活圏、あるいはよく叫ばれた過密過疎対策、格差是正、あるいはまた、昭和四十七年に出ましたか、田中元総理の列島改造論の中に出てくる二十五万都市構想、そして今度の三全総における定住構想、あるいは新市町村圏計画。ほぼ同じ命題が繰り返されているんじゃないでしょうか。経済の成長期であってもその反省期であっても、不況期であっても低成長期であっても、どんなに背景が違っても、掲げられる目標は同工異曲という感じがしてならぬのでありますが、大臣は、それでも地球は動くみたいな話でありまして、背景も内容も異なるとこう先ほどもおっしゃるのですが、私にはどうも余り違うようには思えない。いかがですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 確かに、いまお読みになった文章を聞きますと、いまわれわれがやろうとしておる田園都市構想と余り違わない、確かにそういう感じを持って聞きました。ただ、私先ほども申し上げたように、何といってもやはり新産都市の政策を掲げて展開しようとした背景には、日本のまれに見る高度経済成長というこの大きな背景があったことはもうこれは客観的な事実であります。したがって、書かれておる文章は同じような文章であっても、その重点、アクセントというものは、やはり産業開発、工業の発展、ここにウエートが置かれておったということも、これはまた客観的な事実であろうと思うのです。  そこで、そういったようなことをいろいろとやってみてきて、そして現在の時点に来て、先ほど申し上げたように、やはり産業あるいは経済、物質に傾斜し過ぎておった、そういう反省から今回はこの田園都市構想というものが打ち出されてきておるのではないかと思うわけでございまして、確かに書かれた文章を文字の上だけ見ますると余り違わないじゃないかという御指摘はまさしくそのとおりだと思いますが、私は、いま申し上げたような意味で、やはり背景とこれからわれわれが追求しようとするこの政策の内容とは相当違いがあるし、また違いがなければならぬ、このように考えておるわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 国土庁はいらっしゃいましたな——ちょっとお願いします。  私、いま大臣と少しやりとりをしまして、国土庁、昔は国土庁じゃなかったのでありますが、あなた方の前身も含めて、いわば第一次総合開発計画以来この種のテーマにはずっと取り組んでおられる。そのときどきに新産が出たり広域圏が出たり生活圏が出たり定住圏が出たりさまざまありますが、その発想方法自体にはやっぱり一貫して変わりがない。行政の継続性があると言えばそれまでの話ですが。にもかかわらず私は、とりもなおさずそれが大平さんの言う田園都市じゃないかとこう思うのですけれども、いやそうじゃない、これは全く新しい背景、いやむしろ過去の反省の上に立って出されたものなんだと、こう言うのですが、国土庁はどうお考えですか。

星野進保国土庁計画・調整局計画課長

○説明員(星野進保君) 御説明申し上げます。  ただいま大臣の御答弁にありましたとおりで私特につけ加えることはないのでございますが、御質問でございますので、その点につきまして若干私どもなりの考え方をちょっと御披露させていただきますと、大臣が御説明になりましたように、第一全総の新産都市の出てまいりました背景と申しますのは、これは先生もうすでに御承知のとおり、当時所得倍増計画というのがございまして、それでそのときに、要するに欧米先進国並みの生活水準に早く追いつくとか、当時非常に国際収支が赤字であったためにいかに早く国際収支をよくするか、あるいは当時非常に所得格差だとかそういういわゆる二重構造と言われていたようなものがありましたので、それを早期に解決するためにどういう手法をとったらいいかということでとられましたのが重化学工業化の方向であったと思うのであります。それをどうやって地域で受けとめるかということで、いわゆる大都市周辺地域だけではすでに過密が進んでおりますので、そこで、いかにそういう工業立地というものを地方で受けとめるかというのが片一方の大筋の方向だったと思います。と同時に、私ども地域屋のサイドからいたしますと、常にそこに住んでいる方々の居住環境をよくしていくというのはこれある意味で永遠の目標でありますし、常に出てくる目標であります。したがいまして、そこで過密過疎であるとかそれぞれの居住環境水準の向上であるとか、そういうものが常に追い求められていくものだろうと思います。  そういう経緯がありましたが、その後、これも先生御承知のとおり、一応高度成長期をうまく進んでまいりまして、その結果わが国の生活水準もかなり欧米水準に近づいてきたという状況であるとか、あるいはそれを引き受けまして国民の価値観が多様化してくるというような状況になってまいりまして、そういう状況を踏まえて、先ほど大臣のお話にもありましたように、従来のいわゆる物質第一主義と申しますか、そういう問題、あるいは工業第一優先主義と申しますか、そういう問題に反省を加えながら豊かな居住環境と申しますか、そういうものをつくっていこうと。そのときに、特に人と人とのつながりだとか、あるいは連帯感であるとか、そういうものはもう一回反省を加えて重要な視点にしていくべきではないかという時代的な変化を踏まえておるものだというふうに私理解をしております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 せっかくの答弁ですがね、まあ私にしますと、いささか語るに落ちたという感じなんです。たとえば新産を一例に引きまして、何のことはない、あれは産業政策であり高度経済成長政策としての地方の受けざらだといういわばお話なんです。私らもそうだと言って主張したんです。ところが、いやそうじゃないんだ、それこそ緑と太陽と空間論で、実は計画全体の中には、その資金計画全体からいきますとむしろ環境や周辺整備の方が大きい計画だった。私は新潟の新産都市及び工特地域の事業の進捗状況を見た。まさに後でつけ足した方はちっとも進捗していないんだ。まあ不況になってメーンの方も進捗していませんがね。こういうものの反省の上に立つ、こういうものの一連の経過を踏まえて反省の上に立つというのなら反省をしているものはまだ進んでおるわけ、これは。こういうことをやってきて、反省して、新しい発想でと言いながら、この反省している品物はどんどんどんどん進んでいるわけですよ。こういう矛盾にも突き当たるんですが、どうも私にはこの辺の点が解せないので、いま、少しいきさつにも触れてみたわけです。  まあいろいろと大平さんの所信表明から引例をすれば、こういうことになっているんですね。順を追って申し上げますと、わが国は経済的豊かさを求めてわき目も振らずに走ってきました。——何かわき目も振らず走ってきたと、田中さんがそんなこと言っていましたね、わき目も振らないで走ったと。しかしながら、われわれはこの過程で自然と人間との調和あるいは自由と責任の均衡、精神の内面に根差した生きがい等に十分な配慮がなかったという反省の上に立って、急速な経済成長のもたらした都市化や近代合理主義に基づく物質文明は限界に来て、もはや経済中心の時代から文化重視の時代に至ったという認識を示した。そして、文化の重視、人間性の回復を施策の基本の理念に据えて、家庭基盤の充実や田園都市構想を推進をする。これに照らして、いわばその理念、構想に照らしていままでの施策の見直しをしたり改めたりつけ加えたり捨てたりしていくんだと、こう言っておるんですね。  ところがですよ、これは政治家としての大臣、ちょっと聞いてくださいね。大平さんが言われましたように、反省を示し、認識を述べ、その構想を提示し、一応手法も述べた。ところが、どの省庁も一斉に、ああおれがやってきたことが、おれがいまやっていること、おれがこれからやろうとしていることというものが、それなんだ。おれがやっていることが実はそれなんだ。おれがやろうとしていることがそれなんだと。だれ一人おれのやってきたことはなるほど間違っておった、反省をさせられる、手直しをしようと言う者はおらぬのですよ。私はここに各省庁のそれぞれの見解を持っています。国土庁は国土庁で、ああそれはあの定住圏、これがそれなんだ。自治省は自治省で、ああ広域市町村圏、これがそれなんだと、みんなそう言っているんですね。  大平さんの言っていることをもしまじめに受け取るとすれば、その前には反省もありいろんな認識を示されておるわけでしょう。そういうものにはだれ一人も触れずに、ああおれがやってきたことがそれなんだ、おれがやろうとしていることがこれなんだということで、おれのやってきたことは間違っておったとか、ここのところは改めなきやならぬとかと言うような者は一人もおらぬ。各省庁がやってきたこと、やっておること、やろうとしていることが田園都市構想に沿うんだと、いや田園都市構想そのものなんだというのであれば、改めて反省も認識も手法も言う必要ないですよ。改めて田園都市構想などという百年も昔のをアナクロニズム的に持ってくることはないんですよ。そう思いませんか。言葉を変え、目先を変えていままでと同じことをやろうというんなら、これは国民愚弄もはなはだしい、そう思いませんか、大臣。あなた大臣だけれども、同時にひとつ政治家として、なるほど官庁というのはそういうところだなという感じしませんか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 人間は言うまでもなく万能じゃありませんから、われわれの人間の歴史は大きく言ってすべて試行錯誤の歴史であると言っていいと思うんです。ですから、そのときは一生懸命これが一番ベストだと思ってやったことも、しばらくたって振り返ってみるといろいろな欠陥が出てくる、これが人間の歴史だと思うのでございまして、いまわれわれが議題にしておりますこの田園都市という考え方につきましても、新産都市は、もうやるときは一生懸命これが日本のためにベストの政策であると、こういうふうに考えて一生懸命努力をしてきたわけでありますが、それが十年あるいは十五年たって振り返ってみるといろいろな欠陥が出てくる、時代そのものが変わってくるわけでありますから。そういう意味で、この今回打ち出された田園都市構想というものは、大平さんが言われているように、いままでのそういったあり方に対する反省、そういう反省に立って見直しをして、これから新しい政策を追求していこうと、こういうことだと思うんです。  そこで、各官庁がいままで自分たちのやってきたものは、まさにその田園都市構想そのものにぴったりなんだという主張は、そのとおり主張しておるとすれば少しこれは反省が足りないと私は思います。それがぴったりだというようなことはあり得るはずがないのでありまして、ぴったりであれば何も改めて田園都市構想なんというものを総理大臣が言い出す必要はないわけでありますから。まさか各官庁にしても、いままでやってきたものが田園都市構想にぴったりだというような言い方をしておる役所はないのではないかと思いますが、私は、そういう思い上がった姿勢ではなくて、いままでやってきた政策にはこういう欠陥がある、こういう足りない点がある、そういう反省に立って、足りないものはつけ足す、そういった姿勢で取り組んでいくべきであると考えておるわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いや、各省庁の文書を見なさいよ。田園都市構想にあやかって、できるだけ仕事でも予算でも分捕ってやっていこうというような——これぴったりだと、みんなぴったりと書いてある。あなた読んでないですな。各省庁出ているのは、もう自治省から始まって国土庁から、みんなぴったりだと書いてありますよ、これ。おれがやっていることがそれだというて。とにかく大臣、中には一人ぐらいね、田園都市構想は昔からわれわれがやっているのであって、そんな新しくもない、古くて昔だめになったようなことを何でいま言うておるんだと言うのがおってもいいと思う思うけれども、おらぬな、これ。みんな自分の仕事の上に田園都市という名前つけてね。そうしたらちっとでも予算をもらえるかというんでね。そういうことじゃ本当の意味で田園都市構想成功しませんよ。そのうち新田園都市構想なんぞと言わなければだめになっちゃいますよ。  結局、おれのやっていることがそれなんだと。捨てるものは捨て、改めるものは改め、まとめるものはまとめて発足するという姿勢がなくて、いままでやっておることはそのまま押さえる。こういう終わったのまでそのままにしておいて、反省を示した分までそのまま続けて、そうして次々と新しいものをつけ加えていきますが、行き先は全部自治体なんだ。自分は一つなのにいろんなところからわあっとこう来るわけね。大迷惑ですよ、本当に。  ともかく、自治だ、分権だ、個性のある町づくりだということを改めて自治省中心に強調するのでありますが、また財政局長も私見とはいえ、地方は大いにひとつ中央待ちなんかしないで、天井ばかり見ておらんでやれと言うてまあハッパをかけるんですが、自治だ、分権だ、個性のある町づくりだと言うのなら、思いっ切り地方にやらせなさいよ。何も隣の県と隣の県が同じかっこうの洋服着る必要ないんですから。納得と合意があったら、自分のカラーに合う洋服着ればいいわけでしょう。国の基準に合った洋服を北海道から沖繩まで着ることはない。それがここで言う心の問題だと同時に、いわば本当の、まじめな意味での大平さんの言う田園都市構想なんでしょう。だとすれば、地方に思いっ切りやらせる。補助金だとか起債だとか、いろんな繰り道具のようなものじゃなくて、その財源はまるっきりもう地方にやっちゃう。少なくとも補助金は、個別的な事業補助じゃなくて総合補助金とでも言いますかね、せめてそれぐらいのところまでは踏み出さなきゃなるまいという気がしますが、どうですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私は、基本的には志苫委員と同じ考え方に立っておるわけです。それが真の地方分権ということだと私は考えておるわけでございまして、したがって、今度の田園都市構想を推進するに当たって、私は大事な点が二つあると、こう言っているんです。一つは、田園都市をつくり上げていくわけでありますから、その主体、中心になるものはあくまでも当該の都道府県、市町村であると、これが一つ。それからもう一つは、その主体である都道府県、関係市町村が、自分たちの田園都市構想というものをつくり上げてこれを実行に移していく。それに対して政府各省はそれぞれの分担の領域を通じてこれに援助、指導をしていくと、こういうあり方でなければならぬ。その場合に一番私どもが警戒しなければならないのは、ただいま御指摘にもありましたように、各省がばらばらで自分の思い思いの施策を地方に押しつけると、こういうことになったらもう大変なことになるわけでございますので、そういった各省ばらばらの、セクショナリズムによるばらばらな指導というものを排除しなければならぬ。この二つが、私はこの田園都市構想を具体化するに当たって私どもが注意しなければならない最も大事な要点だと考えておるわけであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあだめな省庁の中でも自治省は、大臣がいま答弁をしたようにわりかし地方というものを大事にしておるので敬意を表しますがね。しかしまた、あなた閣僚の一員でありますから、自治省あたりでごちょごちょ言っていたってだめなんでありましてね、大いに要望と期待を申し上げておきますが……。  国土庁あれですか、国総法の七条の二に基づく都府県の総合開発計画ですね、これはいわば届け出られてというか報告されて、国によってオーソライズされたといいますか、そういうものはございますか。

星野進保国土庁計画・調整局計画課長

○説明員(星野進保君) ただいままでのところございません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 自治省はどこになるんですかな、柳沢さんのところですかな。都道府県は事実総合開発計画を持っているでしょう。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 全都道府県において独自の総合開発ないしは総合計画をつくっております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これはどういうことですか。都道府県というのは怠け者が多くて届け出一つ、報告一つしないんですか。国土庁は一件もないとこう言うが。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) ただいま手元に法律はございませんが、国総法の七条の二で規定しております「都府県総合開発計画」と申しますのは、法律に基づいて、昭和二十五年当時、全国では全国総合開発計画、都府県におきましては都府県総合開発計画、あるいはブロックにおきましては地方総合開発計画、そういう計画の体系化というものを国で考えまして、法律に規定したものでございます。しかしながら、その後二十数年間、三十年近くの間におきまして、都道府県はむしろ地域の自主性に基づいて総合的な開発計画をつくったわけでございます。特に、国が予定しておりました都府県総合開発計画と申しますのは、どちらかと申しますとハード的なものであって、たとえば教育とか文化とか医療とか、そういうようなものにつきましては余り入っておりません。したがいまして、そういう見地からむしろ都道府県は独自の見地から総合的な計画をつくったわけでございまして、それで十分にその目的は達成していると考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあこれは物は考えようですけれどもね、確かにいまお答えがありましたように、地方は地方のカラーを生かしましてね、総合的なプランニングをやっているわけです。しかし、じゃあ全く地方が勝手にやっているかというと、私も昔は自治体におったわけでありますが、このようにつくりなさいといって、分厚いいろんなモデルのようなものですかな、それはそれなりに作成過程にはいろいろ手とり足とりと言っていいに近い指導といいますか、もあるわけだ。だから、大体似たような書き出しに始まって似たような結びに終わっている。番号の一の一、一の二の二なんていうのは、ああいうスタイルから大体似ているんだね。私は、確かに地方には地方なりにそういうものがあるんですね。しかし、報告がないというのかあっても受け付けないのかは別としまして、そういう都道府県の方がむしろ賢明なのであって、国の枠に当てはまったそういうものに組み込まれることによって自分の個性が消されると、そういう国の権威主義、枠組みというようなものに案外反発をしているのかもしれないですね。  いずれにしても、現実は法律があっても、そしてどこの県にもあるのに一件もないというこの奇妙な相互関係ですね、この中にやっぱり私は地方の本当に創意や個性を生かした計画を思いっ切りいわば推進をするというこの相互関係にないと、国と地方が。こういうことをこの問題で一つ指摘をしておきたい。地方の自主的な計画、総合開発計画を持っておるんですから、もし、それにさまざまな援助や知恵や工夫というようなものがどんどん相互に有効にそれぞれの分担に応じて機能をしておれば、いまごろ田園都市構想などというものは出てこぬでも済んだかもしれない。大臣みずから反省などと言わなくても済んだかもしれないという気がしてならぬので、ひとつ一連の問題としてこの際は提起をしておきます。  時間が過ぎたので地方財政問題に少し入ります。  最初に自治大臣、あれですか。五十四年度の地方財政の収支試算、何かきのう出たというのを新聞がきょう書いていました。それと、五十四年度地方財政対策にかかわって、自治、大蔵両大臣の覚書が結ばれているはずでありますが、この二つを委員会に提示できますか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 地方財政収支試算は本日国会に提出いたしましたので、当委員会にただいまお配りいたします。  なお、覚書もあわせて——失礼いたしました。覚書はちょっと用意いたしておりませんので、覚書は後刻配付させていただきたいと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 じゃ、収支試算、あったらさっと配っていただけますか。   〔資料配付〕

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いずれまた地方財政計画や交付税等の審議もございますので、細かくお尋ねする時間もなくなったようですが、一つ二つ。  このいま手元にもらいました地方財政収支試算、来年以降いわゆる財源対策債などというものは出さないで税金を取ってやっていくということになりますが、要調整額が五十五年度で三兆七千九百億、以下三兆三千四百億、二兆五千六百億、一兆二千五百億と、こういうふうになるのでありますが、これは何か積算の根拠はあるんですか、税金について。新しい財源について。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) ただいまお配りいたしました「地方財政収支試算」の積算の根拠は、御承知の「新経済社会七カ年計画の基本構想」で経済成長率あるいは租税負担率あるいは社会保障移転支出の水準をそれぞれ示し、また公共投資の水準なども示しておりますが、それらに基づきまして、さらに先般大蔵省が提出いたしました国の財政収支試算も参考といたしまして、そういう仮定を置きまして、五十四年度から六十年度までの地方財政の姿を鳥徹したものでございます。したがいまして、いま御指摘の税制につきましては、経済社会七カ年計画で予定しております六十年度の租税負担率を二六・五%まで引き上げざるを得ないという前提で計算いたしております。  ただ、税制の内容といたしまして、どのような租税負担の増加を国民にお願いするのかということについての具体的な中身は、この中にはもちろん盛り込まれておりません。租税負担の水準をどう考えるかということまででございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 そうすると、具体的に一つだけ聞いておきますが、地方税ですね、この二ページ目を読みますと、「国・地方の税源配分の割合には変更がないものという前提で、国の増税に対応する地方税の増税を想定して試算した。」、そうすると、下にありますように、五十五年度は五千五百億、以下計三兆七千八百億円の増税が一応見込まれておるんですが、これは何か具体的に提示できますか。

土屋佳照自治省税務局長

○政府委員(土屋佳照君) この財政収支試算におきましては、ただいま財政局長からお答え申し上げましたように、一応この五年間での増税額を三兆七千八百億ということに試算をしておるわけでございますが、この額は、具体的なものの積み上げと申しますより、いま説明ございましたように、新経済社会七カ年計画の基本構想で、昭和六十年におきます国民の租税負担率が二六・五%である、そういう形に逐次なっていく場合においてはどういった負担の増加になっていくかということを一応推計をいたしました。それともう一つは、そういった新しい増税がない場合、一〇・四%と仮に試算をいたしました経済成長率の場合に地方税の弾性値が幾らであるかということで、通常の自然増収というかっこうで税収がふえていく場合、それと比較をいたしまして、最終的に租税負担率がそうなる場合との差がこれくらいなってまいりますと。そういう形に持っていくという前提をとります場合は、一般的な自然増収との幅がこれだけあるので、そこへ近づけるためにはこれだけの増収というものを税で考える必要があるという、いわばその一定の前提に基づいた一つの試算というものでございます。  したがって、ある年度において具体的にそれではそれだけ要るという場合に、いかなる税でどういった増収策をとるかといったような問題は、その時点におきます経済情勢なり財政状況等を総合的に勘案して決めていくべきものでございまして、総体の流れの中で一定の前提のもとにおきます一つの試算にすぎないということでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 そうすると、ある種の税を想定をしてそれを積み上げてみたものではないということですか。

土屋佳照自治省税務局長

○政府委員(土屋佳照君) そのとおりでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 一般消費税は想定されていますか、この中に。

土屋佳照自治省税務局長

○政府委員(土屋佳照君) 一般消費税そのものの問題はございますが、具体的にいつから導入してどうだということではなくて、一つのそれは有力な方法であろうとは考えておりますが、具体的にこの中でどれだけという形で組み込んでおるわけのものではございません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いずれこれは税法の審議でやりましょう。  それから、ことしの財源不足額に絡んでなんですが、五十三年三月の収支試算のケースIでは、五十四年度の収支試算の見通しは四兆三千億円財源が足らなくなるだろうという見通しを立てておったところですが、その後経済の見通しも思わしくないし、狂ってきたし、下回ったし、かつ例の前倒し分というのがことしはなくなるなどということを考えると、とても四兆三千三百億円ではおさまるわけがないんだがなという感じがしないわけでもない。しかし、去年の審議でも私申し上げましたが、ことしの例に当てはめて言えば、一体なぜ四兆三千三百億なのかというと、まあいろいろなことをやっておる皆さんだけがわかっておるのであってわれわれはちっともわからない。あるいは大蔵省といろいろやっているうちに足して二で割ってこうなったのかもしれないし、何でもいいが話のついたところを、あとは全部つじつまが合うように計数を整理するというやり方もまたあるわけでありまして、率直に言うて、いろいろ地方財政計画等さすがに皆さん一銭の狂いもなく整ってはおるが、信用に値しないわけですね、なぜ四兆三千三百億円なのかということについては。四兆三千三百億円何でだというと、あとはまあ大体合っていますからお伺いすることはありません。二分の一とは何だといって腹を立ててみても、去年の法律があるんですからまあこれはしようがないとしてですよ。どうですか、どうして、私さっき言ったいろんな要素を考えるとね、去年の見込みで言えば四兆三千億だった、あと三百億円だけ狂っただけということでしょう。これだけさまざまな変動があるのに三百億円の狂いじゃあるまいという気がするんですが、いかがなものですか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 地方財政収支試算で四兆三千億、税制改正なかりせばという要調整額でございまして、五十四年度の地方財政計画における財源不足は四兆三千三百億でございます。これはもうはからずも一致をしたということでございます。と申しますのは、地方財政収支試算で見込んでおります歳出をごらんいただきますと、給与費その他の経常費は名目成長率と同じ程度で伸ばしておりましたが。しかしこれはベースアップが低率であるということ、あるいは給与費の先組みが二・五%という例年の半分であるということというようなことからかなりこれはダウンしたわけです。一方投資的経費は伸びました。歳入面でも、交付税が当初見込んでおりましたよりも若干落ち込まざるを得ないというふうな面がございましたが、国庫支出金が若干ふえるというふうなことがございました。まあそういう個別の項目ごと入り組みがございますけれども、最終的に四兆三千三百億という数字になったわけでございます。  なお、この財源不足につきまして、何か足して二で割るというふうなことをやったのではないかというお話しでございますが、そういうことは毛頭ございません。私どもは、毎国会申し上げておりますが、この地方財政計画の財源不足を計算いたします場合には、通常の各省予算のように、自治省が予算要求をして大蔵省がそれを査定するという形は絶対に使わないと、客観的な指標に基づきまして、かつ国の予算の見込みを事前にある程度情報を承知いたしまして、それでもって一挙動で決めるということで、削るとか削らないとかそんなふうなやりとりは全然いたしておりません。したがって、最初に申しましたように、これはもうはからずもこういうふうに四兆三千億台ということで一致したということでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 「はからずも」なんですけどね。私は、だから、はかったとは言ってないですよ、はかったかはからぬのかもわからぬのですよ。はかったなという気もするわけですがね。ですから、私は去年、少しむちゃを言うようだけれども、皆さんが借りた金の半分は返すというののルール化が制度だ制度だといっておっしゃいましたから、しかしその前のどれだけ借りるんだという、あるいはどれだけ足らぬのかというのも、実は、すべてを法定をして地方財源を保障するといういまの仕組みになっているわけですから、それならそれの算定方法のようなものもルール化をしてくれないか、それならすぐわかるということを言ったんですが、それはなかなかできないということなんですが、いまのところはそれでお伺いしておきましょう。  時間がないですから、財政問題はいずれまた交付税審議でお伺いすることにして、これは行政局になりますか、五十三年十一月でしたか、次官通達が出て、特定不況地域振興総合対策という仕事を始めておられるんですが、これの現状どうなってますか。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 御承知のごとく、自治省は特定不況地域についての総合対策というものを推進いたしますために、いまおっしゃいました十一月二十四日にこの実施方針というものを定めたわけでございます。そこで、これを受けました都道府県は、地域の経済活動の停滞が著しいために、地域経済なりあるいは住民生活の安定を図るための総合的な施策を講ずる必要があるというような地域につきまして、企業の経営なりあるいは雇用の安定あるいは公共事業等の活用、そのほか地域の経済の振興のために必要だという施策につきまして、特定不況地域振興総合対策要綱というものを定めましてこれを推進することにいたしまして、私どもと相談の上、本年の一月に百三地域、百八十一市町村につきまして対象地域とすることに決めたわけでございます。  そこで、この対策要綱はいま出つつある段階でございますが、自治省といたしましては、地方団体によるこのような施策の円滑な実施に資するために、その実施に必要な経費につきまして地方債の弾力的運用を図るなりあるいはまた特交等につきまして所要の財政上の措置を講じたいとただいま考えている次第でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ですから、そういうことは次官通達で出ておる。地方債は五千八百億、特交八百二十億とか言いましたね、これの弾力的運用の中身は。違いましたか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) いま御説明いたしましたように、各県、市町村から、地域の不況のための総合振興対策の計画と申しますか、それをつくっていただきまして、それをいま協議を受けております。大体まとまりましたが。中小企業の金融でありますとかあるいは地場産業の育成でありますとか、そういう事務的な経費と申しますか、これの総額が大体五百億円程度、一般財源が百二十億円程度ということになっております。そのほかに公共事業、単独事業のような建設事業が、これも非常にラウンドな数字でございますが、二千五百億円程度ございます。そのうち地方負担は大体三百数十億円程度というふうに見込んでおります。特別交付税で考えていきます場合には、最初に申しました事務的な経費の百二十億円の一般財源を中心にやってまいりたいと思っております。しかし、この特定不況地域以外の不況で困っておる地域もありますので、それらの市町村も全部含めまして、私どもは現段階では百数十億円の特別交付税の配分をいたしたいと思っております。  地方債につきましては、なお続々と出ておりますので数字はまだまとまっておりません。年度末まで、地方債の弾力的な活用によりまして、雇用の吸収のための建設事業の実施を強く推進していきたいと、かように思っております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ちょっと済みません、この通達を出したころの何か説明とか、その辺では、起債の枠は五千八百億円ぐらいですよと。私も何かでかいなとは思ったけれども。それから特交は八百億ぐらいですよというお話しをしたんじゃないんですか。私も、弾力的運用といっても、五、六千億どこにあるのかなと思ったんですが、いま聞くと二千五百億ぐらい、地方債で。五千八百億用意したんだが、二千五百億に終わりそうだというのですか、どっちですか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 恐らくいまのお示しの地方債の数字は、昨年の九月補正で単独事業の地方債を二千七百億円追加計上いたしました。また、公共事業も増額されましたので去年の地方債もふやしております。それらを合計しての数字だろうと思います。と同時に、私がいま申しましたのは百三地域、百八十一市町村という特定不況地域だけでございますから、そのほかの地域でも、先ほど申しましたようにこの地域指定に入ってないけれども個別の不況産業があって何がしかの措置をやっていかなきゃならぬと、そういうところもあるわけでございますから、それらを含めますと、やはり地方債の先ほどお示しの数字というものは十分その下支えになっておるというふうに考えていただきたいと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 そうすると、この対策要綱というのは、あなたの表現をかりると続々と出ておると言うんですが、出ますか、百八十一市町村、百三地域から。出ますか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 現にすべての市町村から出ております。その中身につきましていま精査いたして協議いたしておりますが、その合計がいま申し上げた数字でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 現段階でそんな数字ということですね。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) しかし、これはもう全部の市町村、百八十一市町村全部の数字でございます。

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 財政局長、発言の際は委員長の許可を得てください。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 どうも、私の質問の仕方が悪かった——わかりました。  ちょっと税金で一つだけ聞きます。  大臣、医師優遇税制について、ことしはああいう形で出ておるんですが、地方税に関する限りで言えば、事業税は非課税だし、それから例の所得税の方も、あんな形なら地方税に対するはね返りも減るわけですが、自治大臣としてはこの医師優遇税制、いわゆるこの問題についてどういうお考えをお持ちですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 今回政府が行おうとしております医師優遇税制の是正でございますが、いろいろな評価はございますけれども、とにかくいままで手をつけられなかった問題であったわけですから、それに対してこれだけの改革を加えたということは、私はそれなりに評価していいのではないかと、このように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 税務局長、医師優遇税制、どれをどうするかですが、優遇税制というものを撤廃しますと、交付税で幾らはね返ってきて、地方税で幾らの収入になりますか。

土屋佳照自治省税務局長

○政府委員(土屋佳照君) 現在の社会保険診療報酬に係ります特別措置、これによります影響は事事業税で五百四億、それから住民税で五百十二億ぐらいというふうに考えておるところでございます。国の減収額が千五百七十億でございますから、それの三二%分ぐらいが影響しておるということでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大臣、余り積極的じゃないですな。あなた何か医師会と御関係でもありますか。——ないですか。ではもうちょっと積極的になってもらわぬと困りますよ。  消防の質問も用意しておりましたが、これは交付税審議のときに譲らしてもらいますので、消防庁の方、申しわけないですが御了解願います。——でも一つぐらい聞いておかぬと悪いですかね。  建築基準法改正見送ったそうですが、消防としてはどうお考えですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 今国会におきまして、建設大臣が建設委員会において、建築基準法改正あるいはそれにかわる特別法の制定を見送るという発言があったと聞いております。この問題は、御承知のように大洋デパートあるいは千日前デパートの大火によりまして数多くの死傷者が出たという反省の上に立って、私どもの所管でございます消防施設につきましては、四十九年の法改正によって遡及適用をしたわけでございますが、建築基準法の改正につきましてはいろいろ論議がありまして、現在に至るまで建設省当局におかれましていろいろ検討されたと聞いております。その結果、法改正によるのがいいのか行政指導によってやるのがいいのか、いろいろ一利一害があると思いますけれども、慎重な検討の結果、行政指導でやるというふうに踏み切られたと聞いておりますので、私どもそれによって実効が上がるということを強く期待しておるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 消防庁長官ぐらいは、やっぱり非常に遺憾だと言わなきゃだめですよ、それは。あなたのところ先に走っておるんですからね。  これはいずれやりますが、どうも消防防災の体制を見ますと、出先は全部消防一つなのに農林省おり厚生省おり林野庁おり何とかおりでね、これもさっきの田園都市じゃありませんけれども、ずいぶんやっかいなんですよ。私はやっぱり消防庁を中心にしてそういうものをすべて、規制するなら規制するという、何かそういう枠組みですね、これを強く今後主張したいと考えておりますが、これ、時間がなくなりましたので、いずれまた後日に譲らせてもらいます。  最後に警察ですが、三千三百人の増員が今度提起をされておるのでありますが、ひとつこれの内訳と配置基準をお伺いしたい。

山田英雄警察庁長官官房長

○政府委員(山田英雄君) 五十四年度予算案の中で盛られております警察官の増員は、ただいま御指摘のように三千三百人でございます。内訳は、団地対策等の外勤警察官千六百七十七人、それから留置所の看守体制の強化、及び暴力団対策の推進のための刑事警察官、それが千二百七十八名。それから次に、新たに供用開始されます高速道路の安全対策のための交通警察官、これが百四十五人。それから、新東京国際空港警備隊の昭和五十四年度分の要員としまして二百人、総計三千三百人でございます。  この増員がお認めいただけました場合には、いま申し上げました項目ごとに、各都道府県警察ごとに、必要性あるいは人口負担の不均衡の是正、そういうものを配慮いたしまして各県警別に配分いたしたいと思っております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 外勤千六百七十七名以下、看守強化、暴力団対策、高速安全、成田警備といろいろあるようですが、いま世上言われておる核防護隊というのはこのうち何名ですか。

山田英雄警察庁長官官房長

○政府委員(山田英雄君) 核防護隊という形では考えておりません。ただ、核防護につきましては、ただいま国際的にも国際原子力機関の勧告も出ております。核物質等の供給国でございますカナダ等につきましては、原子力協定の改定に際しまして核施設等に対する適切な防護措置というものを要求してきております。そういう意味合いにおきまして、核物質を貯蔵しております施設につきましては所要の警戒体制を整備する国際的要請があるということで、本年度はただいま申し上げました外勤警察官千六百七十七人の中で、福井、茨城、大阪、この比較的需要度の高い施設を管内に持ちます県の外勤警察官の増員の中に警戒のための要員を配備いたしたいと、かように存じております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 茨城、福井、大阪——核防護隊と言わぬそうですが、何か核防護のために、これ、何名ですか。

山田英雄警察庁長官官房長

○政府委員(山田英雄君) 私ども、一応百六十名程度の警戒要員は三府県合計で要るのではないかというふうに考えておりましたが、警察官の増員が、私どもの考えておりますよりもなかなか増員できなかったという、予算上増員がお認めいただけなかったという事情もございます。したがいまして、できる限りの十分な警戒ができる措置、それを各県の警察本部長において検討してもらうということで考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 時間がないですがね。官房長、歯切れが悪いですよ、あなた。私らがいただいた資料では、核防護要員として茨城に百十八人、福井に四十人、大阪に六十一人、計二百十九人配置をする、こういうふうに承知をしておるんですが、これ違いますか。

山田英雄警察庁長官官房長

○政府委員(山田英雄君) ただいまおっしゃられました数は、私どもが各県に三千三百人の増員を配分いたします際に、その三府県に配付することを考えておる外勤警察官の総数でございまして、おおむねそういう数であろうと内々考えておる数でございまして、その中で各本部長に核物質を貯蔵しておる施設の警戒に十分な外勤警察官を配置せよということをお願いしてまいりたいと考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 核防護隊でも核防護要員でもいいですが、国際原子力機関の勧告等あるわけでありますから、そういう核防護要員なり核防護隊が具備すべき装備なりあるいは装備の基準なり、こういうものがあるんでしょう。御説明いただけますか。

山田英雄警察庁長官官房長

○政府委員(山田英雄君) 施設の警戒に当たります外勤警察官の装備等につきましては、とりあえずは現有装備を活用してこれに当たると考えております。ただ、これとの関連でございますが、核物質を運搬します場合、原子力基本法等の改正によりまして公安委員会に指示権が本年の三月から与えられておりますので、運搬途中における不測の事態に備えまして、装備としてGMサーベーメーターというような放射線探知器、それから警戒に従事するパトロールカーに乗ります警察官に核汚染が万一の場合ないような保護服、そうしたようなものの最低限の装備は本年度予算においてもお願いしておるところでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 最後にしますが、自治省と警察庁の間に何か少しめんどうなやりとりがあるらしいので、どうも官房長の発言も余りすきっとしないんですがね。私らもそう素人じゃないのでありまして、いろんな国際的な基準なり約束事なりということを承知をしておるので、カテゴリー1というこれによりますと、少なくとも武装力を持った防護要員といいますか、防護隊というものの設置が望まれておるわけであります。さあそれ一体武装力というのはどこまで持つのか。機関銃でも持つのか。一体武装力を具備をして防護しなければならぬ事案というものはどういうものを想定をするのか。いろいろ問題点のあるところですが、いずれまたこれはこの次にやりますので、官房長、もう少しあなた親切に答弁できるように、この次までにちょっと用意してくださいよ。あなたほどの人が勉強しないわけないんだ。おれにうそ言っているんじゃないかと思うけども……。  まあいずれにしても、費用負担区分の問題について私は当然問題にしたいんですが、やっぱり一般の外勤とか、その辺、交通事故が多いから取り締まろうとかいうのとは違って、特定の施設をそれぞれ特定の要員によって配備をするということになりますと、これはやっぱり自治体にとっては迷惑な話だと、自治体負担からいいますとね。私は、成田のときに皇宮警察のような成田警察でもつくれと言っていろいろと自治省官房長、警察庁相手に議論をしたけども、無理して、いや、あれも警察法の言う一部負担なんて、成田の警備隊全部からいえば全部負担なのに、千葉県警全部からすると一部だなんというようなことを言うて、これはついにおいたんですが、この種の防護隊もそうですが、この種のものが次々と想定されてくるということになりますと、これは警察制度そのものにも問題がありまして、それならみんな国家警察にするとこれまたいささか別の面で問題もありますけれども、何かやっぱり考えなきゃならないという気がするんですが、自治省当局はどう思いますか、これ。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) まさにいま御指摘のような警察制度の基本に触れる問題でもあり、また、国と地方の負担区分にも関連するという面もありますので、私どもは核防護隊という形でおやりになることについては非常に疑問を呈したわけでございます。それらの点をいろいろ勘案しながら、できるだけ早い機会にどうあるべきかということを決めていただきたい。装備については、これはもちろん大蔵省の所要の予算措置が必要でございますから、そういう点も含めて明確な位置づけをして、その上で防護隊をつくるならつくるということではなかろうかと考えております。

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時十分休憩      —————・—————    午後一時六分開会

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件、並びに昭和五十四年度自治省関係予算及び警察庁関係予算に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 先日、大臣の所信をお伺いしました。きょうは私が大臣に初めて質問をすることのできる機会でございますから、最初に二、三の点について大臣の地方自治に対する基本的な認識といったようなことをお尋ねしたいと思います。  先日の所信のごあいさつの中で、「長期的な展望の上に立って行財政両面にわたり見直しを行い、地方自治の基盤の一層の充実を図ることが必要」であると、こう述べられましたけれども、大臣は、見直しを行うべき問題点は、具体的にはどういうことだと認識されておるわけでございますか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 午前の答弁でも申し上げましたように、私は、従来の中央集権のあり方から地方分権型の行財政のあり方に移行していかなければならないというふうに考えておるわけであります。  それで、地方分権とは一体それでは何だということになりますが、私は、地方自治体の自主性、主体性というものを充実させていくということがその内容だと考えておるわけであります。そのためにはやはり一つは余りにも中央に集中し過ぎておる行政事務というものをもっと地方自治体に移譲すべきである。これが一つだと思います。それから、仕事をやるためには当然金が要るわけでございますから、それの裏づけとしての地方財政の充実というものを図っていかなくちゃならない。大きく言ってこの二つだと思うのでございますが、これは言うべくしてなかなか簡単にこれを実行するということは容易なことではないわけでございますから、そういう意味で長期的に一つの方向を見定めて、その方向に着実に接近するように努力をしていくべきだと、かように考えておるわけであります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 いままで幾人かの大臣に対してこの問題の御質問を申し上げましたが、地方分権を土台にして、その方向へ向かって改革を進めていかなければならないと、こういうはっきりした見解をお聞かせをいただいたのは今回が初めてでございます。大変結構なことだと思いますが、私も憲法第八章の地方自治の規定は、日本の政治、行政制度の基本に地方分権というものをしっかりと位置づけたものと、こう認識しておりますが、大臣も私と同一の認識のように思います。  そこでお尋ねしたいと思いますが、戦後約三十年余を経過しまして現在の状況は、財政面で特に集権化が進んで、極端な中央依存の構造になっている。また、自治体の事務のうちに国の機関委任事務が非常に増大をしている。いずれも分権の方向ではなしに中央集権の方向に戦後三十年進んできてしまった、私はそういうふうに現状を見るわけですが、大臣はいかがですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私もそのように認識をしております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 ひとつその認識に基づいて今後大いに御努力をしていただくようにお願いをしておきます。  時間もありませんから、財政問題とか多くの問題でお聞きをしたい点がございますが、きょうはそれを省いて、次の機会に譲ることにいたしまして、一、二の問題のみについてお尋ねをいたしたいと思います。  日本の高度成長によって都市化、工業化が急速に進んでまいりますと同時に、過密過疎の現象と地域産業経済の不均衡発展が生じております。その結果、今日では国も自治体も多様な難問に直面しておりますけれども、それに対応するに当たって、国と自治体の責任範囲などを混乱させたり、あるべき秩序を崩したりするような事例が出ております。その一つは国鉄の建設や運営に対する自治体の財政負担の問題です。全国の各地方において新幹線やローカル新線の建設を要望する声が非常に強いのは当然でございますけれども、この地方の切実な要望、地方の弱みにつけ込んで、国と地方の責任分担のルールや財政秩序を無視して、自治体に財政負担をさせるような道をつくるとすれば、将来大変なことになることは明らかだ、こういうふうに私は心配をするわけです。この考え方に立ちましてお尋ねをしてまいりたいと思います。  国鉄会計は昭和三十九年から損失金を生じて、幾たびかの国鉄財政の再建計画がつくられましたけれども、いずれも計画倒れに終わって、特に昭和五十年以降は毎年一兆円に近い赤字を出して、累積債務は増大の一途をたどっています。参考にその実態と、さらにその中で、赤字ローカル線の実態はどうなっているか、このことについて簡単で結構ですから御説明を願います。

前田喜代治日本国有鉄道経理局会計課長

○説明員(前田喜代治君) お答え申し上げます。  国鉄財政につきましては、先ほど先生からお話しございましたように大変悪化しておりまして、たとえば五十二年で申し上げますと収支で約八千三百三十九億の赤字を計上いたしております。これは前年に比べますと八百億ばかり改善されておりますが、かなりの額であることは事実でございます。また、繰越欠損金は、これ、一時国鉄の赤字につきまして特別債務整理勘定というのを特別に設けまして別途会計をしている分がございますが、それを除きました一般勘定で申し上げますと、約一兆八千億の赤字を抱えているというのが実態でございます。  それから、ローカル線でございますが、国鉄の場合に、ローカル線といいますか国鉄全体の収支を区分して毎年発表いたしております。これは国鉄の営業線が約二万二千キロございますが、そのうち九千二百キロばかりを地方交通線と申しまして、それの収支につきまして特別に公表しているわけでございますが、これでまいりますと、幹線系の方は、さっき申し上げました八千三百三十九億という赤字額のうち約五千七百億が幹線系で出ておりますが、地方交通線の方で約二千三百六十四億、これは助成金をいただいておりますので、それを当然入れた上で二千三百六十四億ばかりの赤字を計上しているのが実態でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 昭和四十三年度でしたか、赤字ローカル線の撤去構想というのが出ましたね。まあ撤去などということになると地方の猛烈な反対があって思うように進まないのは当然でございますが、現在この構想はどんなふうな形になっていますか。

前田喜代治日本国有鉄道経理局会計課長

○説明員(前田喜代治君) 昭和四十三年に、いわゆる国鉄のローカル線のうち八十三線区というのを選びまして、約二千六百キロございましたが、これにつきまして道路転換というようなことを打ち出しましてその後逐次進めたわけでございますが、実績といたしましては、実際にはほとんど進捗してないのが実態でございまして、その後またローカル線問題につきましては、国鉄の再建計画が議論されるたびに新しい形で爼上に上りましたが、最近は運輸省の中にございます運輸政策審議会でお取り上げいただいておりまして、つい最近これにつきましての考えが一つ打ち出されたわけでございます。国鉄の場合、これが一つの考え方として出ておりますので、これから政府御当局で具体的な措置ないしは手続がとられると思いますが、それに従いまして国鉄としてもローカル線の問題については取り組んでいきたいと考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 いま御説明があったとおり、一月の二十四日に運輸政策審議会の小委員会が「国鉄ローカル線問題について」という提言をいたしておりまして、ここにその資料もいただきました。国鉄路線として今後維持していくもの、AB線ね。それからその他の路線として、第三セクター、民間事業者にこれを譲渡するなり貸し付けたりして、それによって運行業務を行うというような考え方。あるいはバスにかえるとか撤去するとかいろいろあるようでございますが、今後国鉄路線として維持していこうとする部分、それからその他とされている部分、これは、いま御説明のあったローカル線九千二百キロの区分、大体どんなふうに考えられておりますか。

前田喜代治日本国有鉄道経理局会計課長

○説明員(前田喜代治君) 先ほど申し上げました九千二百キロと申しますのは、国鉄が自身で、四十六年からでございますが、正式に決算を区分いたしまして発表しているときに選んだ線区でございまして、自動車とのコスト比較あるいは線区の特性等を考慮して一応選んだわけでございます。ただ、運輸政策審議会の方で御審議いただいた答申が出ておりますが、それにつきまして恐らく具体的な、たとえば基準ですとか配分の方法、あるいは地方自治体あるいは地元との協議の仕方といったようないろんな手続が決まると思いますが、したがいまして、そこである程度の基準が出ますと国鉄としても特定の線区をまた選ぶということになろうかと思いますが、先ほど申し上げました、いまやっております九千二百キロとこれから行われようとするものは必ずしも同じではないというのが実態でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 国鉄が今後ともみずから運行業務をやっていく以外のものですね、国鉄の直接経営でなくて、そこから外そうというものがおおむね五千キロなどと報じているのを見たことがありますが、これは大体そんな見当になるだろうと見ていいわけですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 先生いまおっしゃいました五千キロでございますが、先ほどの運輸政策審議会の委員によります小委員会の報告書、それを文字どおり仮に施策に移すとすればほぼ五千キロ程度になるのではないかというふうには計算いたしております。しかしながら、私どもは、その報告書の趣旨に沿いまして具体的な政策としていかにするかということはもう一度検討するということで作業中でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 国鉄にお尋ねしたいんですがね、ここに提案されている、第三セクターなり民間事業者に今後委託をしていくというこの考え方。国鉄自身が、専門家が、長い歳月の貴重な経験をもってしても赤字でどうしようもないというのを、第三セクターに委託をしたり民間事業者に委託をして経営ができるはずがないと思うんですが、どうですか。第三セクターにしたり民間にしたら経営が軌道に乗る可能性でもあるとお考えになりますか。

前田喜代治日本国有鉄道経理局会計課長

○説明員(前田喜代治君) 確かに先生おっしゃいましたように、ローカル線の問題というのは単に国鉄の企業努力では改善できない面がございまして、いろいろ、構造的とわれわれは申しておりますけれども、そういう素質的な要素がございます。したがいまして、これを国鉄でいま持っております赤字が、まあ仮に第三セクターというようなことになった場合にどうかという御指摘でございますけれども、国鉄におけるいろんな制約等から離れた場合にはある程度弾力的な営業ができるという面があるとも考えられますし、それから単に国鉄の経営ということだけでその路線を云々するというのではなくて、やはりローカル交通をどうするか、それを確保するためにどうかというような観点から考えていろいろな措置がとられるということになれば、また国鉄が経営しているのとは違った要素が出てくるのではないかと思いますが。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私にはそれがわからないんですがね。それでは国鉄は、第三セクターなり民間業者なりの経営よりもむだがあったりいろいろ欠陥があって、効率的な経営というものができないということですか。第三セクターや民間業者の方が国鉄よりも、同じ路線の経営をやっても、何とかやりようがあるというふうに認識されるわけですか。どうしようもないから切って捨てて、拾いたかったら拾いなさいということですか。どっちですか。

前田喜代治日本国有鉄道経理局会計課長

○説明員(前田喜代治君) 実は、私立ち入っていまいろいろ考え方を申し上げたわけでございますけれども、実は、国鉄といたしましては、先ほど申し上げたように、運輸政策審議会等で御討議いただいたものが具体的にどういうかっこうで、基準なりその取り扱い方について細部を詰めた中でお話しがあろうかと思いまして、現在私のところで、国鉄といたしまして直ちに第三セクターにすべきであるとか、その方が好ましいとかということを申し上げているわけではございませんが、まあ一般的に申し上げますと、この運輸政策審議会の御答申の中では、単に国鉄経営という面だけじゃなくて、公共輸送をどうするかという観点から取り上げていただいておりますので、そういう中でローカル線問題というのを取り上げられますと、いままでとは多少違ったいろんな措置もとられ得るというふうに考えられるのではないかと思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 いまそのことをここで議論してみても始まらぬことですけれども、しかし私は、この小委員会の提言を読んで、国鉄の直接経営ではどうにもならぬから第三セクターか民間業者に委託したらよかろうなどという考え方は、これはとても納得できるものでもないし、またそんな考え方を受け入れる自治体もなければ民間の業者もないと思いますよ。これは、こういう提言はあるにもせよ、ひとつ責任を持って御検討くださるようにお願いをしたいと思います。  それから、これがその問題の昨年十月、新線運営費の赤字について地元自治体が負担をするという確約に基づいて、宮福線、越美線という二つの、新線建設基本計画にこの二つの線を組み入れることを決定した、こういうふうに言われておりますが、そのとおりですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 若干長くなりますが、正確を期すために経緯も含めましてお話し申し上げたいと思います。  いま先生御指摘の両線につきましては、四十八年に鉄道建設審議会の方から基本計画に入れるようにという建議をいただいております。しかしながら、他方で国鉄財政が非常に悪化しているという状況にございまして、私ども扱いに苦慮していたわけでございますが、たまたま先ほどの運輸政策審議会の小委員会の中間報告——先ほど先生おっしゃいましたのは最終報告でございますが、その前段階で中間報告という形で五十二年の一月に、地方交通線問題に対する取り組み方についての考え方が出されております。その中に、国鉄線として残すならば国鉄は合理化をやる、利用者の方には特別運賃ということで少し高い運賃を負担していただく、さらに国と地方公共団体で赤字の穴埋めをすると、こういう一つの提案がされていたわけでございます。  そこで私どもは、特にこの両線について地元の方も非常に熱意があったということもございますものですから、県の方と御相談いたしまして、国鉄財政の事情、中間報告の趣旨等をお話し申し上げて協力もお願いした。その結果、この両線に関係する県から、このA案に対して協力しましょうと、こういう同意をいただいたということでございます。  しかしながら、いま先生おっしゃいました、基本計画に入れるということがこの同意を根拠にして行ったというわけではございませんで、その前段階において一つのファクターにはなったわけでございますが、あくまでも鉄道建設審議会に諮問いたしまして、そこの答申を受けてやったということでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私は、地方自治体は、こんなところへ財政負担をすることのできるようなそんな地方財政計画もないし、あるいは財政構造にもなっていないと思うんですよ。この法的根拠はどうですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) おっしゃるとおり、現在の法制から見まして、非常に問題のあることはわれわれも承知いたしております。中間報告におきましても、この報告を直ちに実施するにはいろいろ問題があると、「国民一般の理解と納得がなければその実効を期し難い。」というような表現になっておりまして、私どももそのような県との打ち合わせ、それだけをもって直ちに事が済むとは考えておりませんで、関係方面の御納得を得て、あるいは法律改正を含めた所要の準備が整ってからできるのではないかと、まあその段階では思っていたわけでございます。  しかしながら、先ほど先生おっしゃいましたように、最終報告が一月に出まして、実はこの中間報告は、現段階においてはいわば自然消滅という形になっております。私どもは、この中間報告が最終報告になった場合には、いろいろ御協議申し上げて施策の具体化ということについて考えなければいけなかったと思いますが、現在は若干形の違った方向に進んでいるということでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それでは、新線をつくる、赤字が出る、赤字が出たら地方自治体がその中で——どのくらいになるか知らぬが、財政負担をすると、こういう考え方について、自治省の御見解をお尋ねいたします。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 国鉄の財政が大変な状況にあるということは、私どもも運輸省当局からかねがね承っております。大変なことだと思います。  ただ、現在の事務配分あるいは財源配分の原則から申しまして、たとえば地域交通に関する行政の権限はすべて政府において所掌されております。地方公共団体が地域交通についていろんな提案を持っておりましても、それは自分の手ではどうにもならないという状態であります。同時にまた、財源は、国鉄についてはやはり当然国のサイドでその経費を負担していくというたてまえをとっておられるわけでありまして、別にその分の財源を地方財政として与えていただいておるわけではございません。そのようなことから、現在の地方財政再建促進特別措置法二十四条におきまして、国鉄に地方公共団体が負担をするということは、明白に禁止をされておるわけであります。  それらを総合的に考えまして、地方ローカル線について、赤字が出るから地方公共団体に財政的な負担を求めるということは現行制度上とうてい考えられませんし、私どもは将来にわたってもそれは不可能であると、かように思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そういたしますと、運輸省は、地方団体が新線運営費の赤字について負担をしますという確認書を取ったと、自治省はそれは違法であってとうてい認められるべき筋合いのものではないと、全くこれは相反するわけでございますが、運輸省は、こういうことを進める過程で自治省と協議されましたか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 私どもは、いまの確認書なるものにつきまして、そういうお話を事後に伺いまして、関係県にただしました。この確認書なるものは、別に、最終責任者である知事がその当事者になっておられるわけではないように私ども見ております。ですから、先ほど運輸省御当局からお話しがありましたように、運政審の小委員会の中間答申を踏まえてこういうふうなやりとりがあったということだと思います。最終報告ではそういう考え方は完全に消えておりますから、将来、この二線につきまして赤字が生じました場合に、地方公共団体が財政負担をするという事態は生じないものと、かように考えておる次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 運輸省、それでいいですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) いま自治省さんの方からお答えがございましたように、中間報告の出た後、この小委員会におきましていろいろ議論がありました。私どもも、地方財政がいかに逼迫しているかということを私どもなりに認識しておりまして、その委員会における議論におきましても、その辺も含めた議論がございまして、先ほどの最終報告に至ったという経緯でございまして、いま自治省さんのお答えのあったとおりでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そうすると、この確認書というのはもう消滅したということですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) そこにございます「地方公共団体の助成」云々ということは、現在は確実に消滅しているというふうに私ども認識しております。しかしながら、国鉄財政がいかに厳しいかということについてそれなりの御理解は関係県にいただいたということで、それなりの評価は私どもなりにさしていただいているということでございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 どうもはっきりしないんですがね。確認書は一たんは取ったが、もはやこの確認書はほごになったと、いまこれは生きておらないと、こういうふうに理解していいわけですね。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 確認書には、中間報告のA案に沿って協力しましょうと、こういう同意をいただいておるわけでございまして、そのA案そのものがいまや最終報告では消えておりますものですから、先生おっしゃいましたとおり、そういう意味におきましては、具体的な存在意義は失っているということはおっしゃるとおりかと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それでは、こうした問題を扱っていく場合に自治省と十分協議をしていくべきだと思いますが、今後自治省と十分協議をして、そして皆さんと自治省の間に見解の相違が生ずるというようなことが絶対ないようにすると、こういうふうにはっきりお答えを願っておきたいと思います。いかがですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 政府部内ではいろいろ議論ございますが、政府全体といたしましては、先生のおっしゃることきわめて当然のことと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 当然のことだから当然のようにやると、こういうことでいいですね。  そうすると、この二線の扱いというものは今後どうなりますか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 先ほどの小委員会の報告が出まして、私ども、国鉄の現在営業中の地方交通線、それから現在鉄道建設公団の方で建設中の新線を含めまして、具体的にどのように措置するかということを検討中でございまして、その検討結果を待って扱いを決めたい、現段階ではさように考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そうしますと、この二線について建設基本計画に組み入れることを鉄道建設審議会が決定をして大臣に答申したけれども、これはあくまで答申であって、この答申を受けて基本計画に組み入れるという結論を出すのは今後のことだと、こういうことですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 私のお答えの仕方が悪かったと思いますが、基本計画の方にはすでに入っておりまして、答申を受けますと私どもは当然それを履行する義務がございます。昨年の十二月二日で基本計画に入っております。私がいまお答え申し上げましたのは、基本計画に入れた後具体的な工事のやり方——現在基本計画に入っております新線が全部で四十線ほどございます、これをどのようにこれから工事をするか。あるいは極端な場合工事のペースをダウンするかという問題があるわけでございまして、それにつきましては現在の小委員会の報告の趣旨を踏まえて具体的な策を検討中である、かような状態でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 基本計画に組み入れられると工事は実施いたしますと、こういう方針が決定したことになりますね。これがどういう年次計画でどういう方法で進められるかということはこれは別問題でございますが、工事が行われるという方針は動かないものと、こういうことになりますが、その場合、いま問題になった地方負担がなくてもこの決定に基づいて工事が行われると、こう解していいわけですね。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 現在、国鉄新線をつくります方式は、全額国費、これは出資金、補助金いろいろございますが、全額国費でつくるという制度になっておりまして、この辺については現在のところ変更する考えはございません。

小山一平日本社会党

○小山一平君 ただね、どうせこの線も赤字路線になるんでしょうから、その赤字に対してどう対応するかと、ここがこの確認書の内容だと思うんですよ。ですから、この確認書が消滅してしまったとすれば、将来赤字が出ても、地方に金を出せ金を出せ、約束があるではないかなどということは一切申さないと、これでいいわけですね。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 先ほど申し上げました地方交通線の小委員会の最終報告では、国民経済的観点から輸送効率の低い分野、言いかえますと鉄道よりもバスの方が輸送効率がいいという分野につきましては、地元の皆さん方の御意見を聞きながら、あるいはバスに転換する、あるいは第三セクターで鉄道として維持する、あるいは既存の私鉄事業者が引き受けてやるというようないろんなメニューを選択していただくというふうになっておりまして、国鉄線として維持したまま地方公共団体から助成をいただくという制度はその中にはのっておりません。したがいまして、いま先生のおっしゃったような事例は、この小委員会の報告書に従った施策を進める限りにおいては生じないと、かようにわれわれ考えております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 そうしますと、この二線が建設された暁にも、必ずしも国鉄がその運行業務を行っていくとは限らない、こういうことですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) いま、まさにその辺をどうするかということを検討中の段階でございまして、こうするのだとはっきり申し上げられない段階でございます。小委員会の報告書そのものはいま私の申し上げたとおりでございまして、それを具体的な施策として政府としてどのようにするかということをいま検討していると、こういう段階でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 私が心配するのはね、どういう形にもせよここで国鉄に地方団体が負担をするというような道を開くと、今後の新幹線もそうでしょうし、また新線建設などというものが取り上げられる場合ももちろんそうだし、それからいま御説明のあった国鉄路線として維持するもの以外の路線で、バスにするとか第三セクターに委託をするとか、こんなふうなことが検討される路線についても、それが具体的な段階になると、恐らくは地方ではもう猛烈な反対で、いままでどおり国鉄でやってもらいたいと、こう言うことはもう目に見えておるわけですよ。そうだとすると、このあらゆる路線について地方負担というものが拡大されてくる危険がある。そこでこのことはここでしっかりとけじめをつけておく必要がある、こういうことで申し上げているわけです。まあ今後自治省と十分協議をしておやりくださるそうですからいいんですが、協議をされて、自治省の見解と反するようなことを皆さんの方で、出先と直接取引で事を進めるようなことはおやりにならないでしょうね。このことをはっきりさしておいてください。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 先生の御趣旨、十分に尊重さしていただきたいと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それから、私はもう一つ問題にしたいのは、こうしてはっきりはしないけれども、恐らく五千キロにも及ぶであろうと言われるローカル線を国鉄の経営から分離をしたりあるいは廃止をすることになるかもしらぬという検討が行われているのに、一方では新しい赤字路線がどんどんつくられる。どうしてこんなことが行われるのか私どもには理解ができないんですよ。  そこでお尋ねしますけれども、鉄道敷設法、その別表というのがありまして、ここに予定線というのが列挙してありますね。それで、ちょっとこれに追加されたこともあったようですが、大体その予定線の中から、今回問題になっている二線のように、基本計画へ組み入れていくと、こういうことでしょう。そこで、この予定線のうちから工事線に組み入れられて現在着工しているもの、未着工のものがございます、この数と、この工事線は一体何年かかって完成をして業務開始ができるのか。ちょびちょびちょびちょび何十線も手をつけて、いつになったら運行できるかわからないようなところへむだな投資をたくさんやっているんじゃないですか。その状況をちょっと教えてください。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 敷設法で決まっております線区の中で、現在工事線ということで運輸大臣の基本計画の指示が出されておりますのは合計で四十七線、約二千キロの延長でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それでこれは、四十七線は何年かかれば運行開始ができるのですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) この四十七線の中には、大都市近郊で比較的輸送密度が高く利用者の利便に供せられる線と、地方におきまして輸送密度の低いものまでいろいろな種類がございます。早いものですとあと二、三年で開通という線もございますが、この全部を開通するということは具体的には現在めどが立つ状態にはなっておりません。

小山一平日本社会党

○小山一平君 あなた、それは少し無責任じゃないですか。ここに莫大な投資をしていくんでしょう、毎年。そして運行開始にならなければ、その投資はそこに眠ってるわけですよ、利息もつかずに。それがいつになったらでき上がっていつになったら運行開始になるか見当もつかぬなんという工事を、四十七線のうちそれが何線になるか知らないけれども、おやりになっていくなんというのはね、これは少しおかしいじゃないですか。それでも工事をやるからには、どの線は年にどのぐらいの予算でどのぐらいできて何年たったら完成すると。これ、みんな一つずつの工事計画というものがあるんでしょう。その一覧表を出してくれますか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) いまの四十七線、これは運輸大臣の方から鉄建公団の方に工事をするようにという指示の行った線でございまして、かねてから、まさに先生おっしゃいましたように、ばらばらに投資するのはむだである、重点投資をするようにという議論がございますし、その中で一部の線は事実上は工事をまだ着手していないという線もございます。われわれといたしましては、できるだけ重点投資をいたしまして順番に開通していくということで、投資の効率的な活用というのはわれわれなりに図っている状況でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それでは、いまあなたのところでは、その年次計画も完成年次も五里霧中で見当もつかないと、こういう御答弁だと受け取るより仕方ありませんが、それでいいですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) この四十七線の中で、工事を後回しにしている線、これにつきましては、まだ具体的な工事も着手していませんものですから、いつできるかということは具体的に申し上げられません。しかしながら、かなり優先的な予算の配分をいたしまして重点的な投資をしている線につきましては、それぞれ一応のめどがあって工事を進めております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 それ、何年の予定ですか。何カ年の予定になっていますか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) これは線ごとにそれぞれ事情がございまして、先ほどの繰り返しになりますが、近いものですとあと二、三年でできるという線区、あるいは十年前後かかる線区、いろいろございます。しかしながら、先ほどの繰り返しになるかと思いますが、小委員会の報告が出まして、国鉄の赤字線そのものをもう一度見直せという形になっておるものですから、われわれといたしましては、このような工事のやり方が果たして妥当かどうか、現在検討中という段階でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 もう余りでたらめ過ぎて、どうもこれ以上このことをお聞きしてもらちが明かないと思いますがね。  そこで問題になるのは、この鉄道敷設法の別表、予定線ですね。たくさんあります、百何十かあると思いますが、一体この別表はいつ作成されたものですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) この敷設法ができましたのは大正たしか十一年でございます。その後、この別表につきましては十数回の見直しが行われております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 見直しが行われているといったって、そこへ若干のプラスアルファがついただけでしょう。大体ね、大正の時代というのは自動車どころか自転車さえもまだ大衆には行き渡っていなかった時代ですよ。その時代に、鉄道をどういうふうにつくるかという予定線を百何十もこしらえて、昭和も五十四年になってもまだこの大正の時代のものがそのまま残っているなんていうのはね、おかしいと思いませんか、これ。大正時代なんていうそんな古い、もう交通事情なんていうものが全く変わってしまった今日、通用するはずはありませんよ。ですから私は、そんな古いものはこの辺で一たん廃棄をして、そうして必要があれば新たに検討をして別表をつくるぐらいのことをやる時期に来ていると思いますが、どうですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 先生のおっしゃるような御意見があること、われわれも十分承知しております。われわれ、国鉄新線の建設につきましては、この敷設法の中から選びましてやるという制度になっておりまして、そのときどきの情勢に応じて対処しておりまして、国鉄財政が悪化して以来、この敷設法から工事線の方に上げた線は先ほど議論になりましたその二線以外にないということで、非常にシビアな運用はしてきております。当面そのような法律改正によらずに十分対処はできるのではないかと思いますが、この問題につきましては、国会等の場におきましてもひとつ御議論いただけたら幸いかと思います。

小山一平日本社会党

○小山一平君 しかし、皆さんはこういう問題を実際に扱うお立場ですから、大正年間に、つくられた建設予定などというものを後生大事にして、その中から適当なものを拾っていくからいいんだなんという認識はおかしいでしょう。皆さんの方で、もうそろそろこれは何としても時代が変わっちゃっていまの時代には通用しないから、これはこの辺で廃棄をして新しい検討をするならすると、すべきであると、こういう考え方ぐらいは皆さんでしっかりお持ちになってしかるべきじゃないですか。皆さんそういうことをできる立場じゃないですか。

黒野匡彦運輸省鉄道監督局国有鉄道部日本鉄道建設公団・本州四国連絡橋公団監理官

○説明員(黒野匡彦君) 私ども、実際の運用に当たりましてその辺は十分配慮してきたつもりでございますし、国鉄の赤字線及び現在建設中の新線につきましての検討をいたしている段階でございます。この敷設法の扱いにつきましては、その結果を待って、あるいは必要に応じて検討するということになろうかと思っております。

小山一平日本社会党

○小山一平君 これは私の意見だけをはっきり申し上げておきますがね。  国鉄当局にお尋ねしたいんですが、こんなようなぐあいに、国鉄が大変な赤字を生ずる、新幹線をつくっても赤字が出る、ましてやローカル線なんかつくればますます赤字が出る、そういうことはもうよくおわかりですけれども、つくる方は運輸省の方で、こういう審議会か何かで意見が出るにしても、そこで方針を決めて鉄建公団に工事をやらせて、さあできたから国鉄さんあなたのところでこの業務をおやりなさいと、こういう形のように私は思うんですね。国鉄当局は、いまこの大変な赤字をしょってその再建に苦慮しているときに、新たな赤字路線をつくるなどということに対してどういう御意見を持ち、どういう主張をされているんでしょうか。

井上六郎日本国有鉄道建設局計画課長

○説明員(井上六郎君) いま先生おっしゃいましたとおり、最近の新線の建設につきましては、鉄道敷設法に基づきまして、鉄道建設審議会の議を経て、運輸大臣の指示によって鉄道建設公団が行っておるということでございますが、国鉄総裁としましては、鉄道建設審議会の委員として国鉄経営の立場から意見を申し述べておる。それからまた、工事の内容については公団から協議を受けることになっておりまして、国鉄の意見を計画に盛り込んでいただくように努力をいたしておるという状況でございます。しかしながら、新線建設の問題につきましては、先ほど来ございました国鉄地方交通線と同様に、公共輸送手段の選択にかかわる総合的な交通体系の観点から判断される問題であろうかと思いまして、運輸政策審議会の地方交通線問題小委員会の報告も出たことでございますので、今後その報告によりまして種々の具体的な対策が検討される段階になっておりますので、慎重に対処いたしたいというふうに考える次第でございます。

小山一平日本社会党

○小山一平君 もう時間になってきましたから、これ以上はお尋ねしている余裕がありません。そこで、結論から申しますと、今後国鉄の新線建設にいたしましても、あるいはそこから生じる赤字にいたしましても、地方自治体に負担を求めるなんということは一切やらないと、こういうことでやっていただきたいし、私どもはそういう立場で厳重に今後も見守っていくと、こういうことをはっきりさしておきたいと思います。  それから、国鉄当局も、どこかの方で政治路線などと言われる赤字路線ができて、そして、それをしょい込まされて赤字がふえるという、責任だけが国鉄が追及をされると、こんなことでは、私の目から見て国鉄当局はまことにお気の毒だと、こう思うんですよ。しっかり経営者という立場で、主体性を持って、特に新線の建設などということについては国鉄としての主張というものをはっきりやっていただきたいと、こういう御要望を申し上げておきます。  あと何分ですか。——それでは、あと三分あるそうですから、もう一つ別個のことをお尋ねします。  地方自治体が、無秩序な宅地開発や建築などによって都市の環境悪化だとか住民の間に紛争が発生するとか、こういう問題を防止するために指導要綱を設けて規制をする、いわゆる指導行政、要綱行政というものが全国に広く行き渡って一般化して定着をしていると思います。自治省はこの要綱行政をどういうふうに評価されておりますか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、特に大都市周辺の人口急増地帯において、いま言ったように乱開発、そういったことが進んでいくわけでございますから、それを秩序を立てて一つの都市づくりを進めていくために、市の考え方を要綱にまとめて、その要綱に従がって町づくりを進めておるという、確かにこれは全国的に定着をしてきております。私は、この要綱行政というものは、いま申し上げておるような人口急増地域においては必要であるし、また適切なものだと判断をしておるわけであります。

小山一平日本社会党

○小山一平君 この要綱行政にかかわる問題として、東京武蔵野市が、要綱に従わずに建築を強行したマンション業者に上水道の給水を拒否したことで、業者から告訴されて、東京地検八王子支部が市長を水道法違反の疑いで起訴すると、こういう問題が発生をいたしました。このことをきょういろいろ議論するつもりはありません。しかし、これを契機にして、この要綱行政そのものに対する批判のような議論、あるいはまた悪質な業者が要綱を無視して工事を強行すると、こういったような危険もなしとしないように思いすす。  そこで、いま大臣も御答弁のように、自治省はこの要綱行政というものを評価をされて、そうして、今後もこの要綱行政によってりっぱな都市建設ができるようにという方向で考えておられるように思います。ひとつこれは地方自治体の条例制定権にもかかわる問題でございますから、いろいろ、特に建設省あたりからこのことに対する意見もあるようでございますから、大臣のその考え方、方針で、要綱行政というものが有効に機能をするように、一層の御指導と御努力をお願いをしておきます。  以上です。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私も、最初に大臣にお尋ねしてみたいと思います。  まあ毎年この時期に大臣所信をめぐっていろいろの論議が展開されるわけです。それで、われわれ大臣所信についてはいろいろ地方行財政の面で大きな期待を持ちながらこの大臣所信というものを見てきたわけですが、大臣は、今度新たにかわられて、この委員会が初めてということだと思いますが、毎回同じ時期に同じようなことをやって、大きな期待を持ちながら出てくるんだけれども一向にかわりばえがしない。私は澁谷自治大臣に大きな期待を持っておるわけですけれども、今後のいわゆる逼迫した地方行財政をどうしていくのかというこれはやっぱり一に大臣の双肩にかかっていると、こう思います。そこで、お初にお目にかかるというか、そういう意味で、これからの自治大臣の今後の地方行財政に対する構想ですね、これをまずやっぱり聞かしてもらわなければならぬのじゃないか、こういうように思うわけです。その点で大臣の確信というか、明確にひとつお話し願えればと、こう思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 各委員から冒頭に同じような質問が出てまいりまして、それに対しまして同じようなことを答えておるわけでございまして、非常に恐縮に存じますが、私はやはり、時代は明らかにもう中央集権から地方分権への方向に移行しつつある。そして、自治省という立場は、その地方分権への移行をますますこれを促進していかなければならない立場にあると、かように考えておるわけです。それで、その地方分権を確立するためには、どうしても地方自治体というものの主体性、自主性というものを確立する方向でいろいろな諸施策を進める必要がある。一つは、仕事をもっと地方に移譲するということ、それからもう一つは、地方の財政基盤というものをもっと強固にするということ、この二つがやはり中心の課題だと考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いま大臣がおっしゃったことについては、われわれももろ手を挙げて賛成です。また、そういう立場からいろいろと論議を続けてまいったわけです。しかし、考えの中では確かにそうなければならない、時代の変遷、経済の大きな移り変わり、いろいろな角度から考えても、これはもう当然いま大臣が言われたような方向に進んでいかなければならないことはわかり切っている。わかり切っているんだけれどもそのようにいかない、そこが問題なんですね。  ですから、大臣も今回の所信の中で、「長期的な展望の上に立って行財政両面にわたり見直しを行い、」——いまおっしゃっているとおりですね。「地方自治の基盤の一層の充実を図ることが必要であります。」と、こうあるわけですね。ところが、それでは、ここに「昭和五十四年度の地方財政対策について」という資料があります。これを見ましても、大臣がいまおっしゃっているような考え方がこの中にどういうふうに反映されてきているのかという、今度は現実の問題としてこれは大きな焦点、こう言っていいだろうと思います。  ですから、われわれが見た限りでは、大臣が言っているような構想、そういうものが一つも具体化されていないんじゃないかという感じがするわけです。  何年も先のことをこうだと。それは長期計画、中期計画大切なことです。だけれども地方行財政というのは、いま始まったことではなくて少なくとも昭和四十八年以降、オイルショック以降、大変な状況に立ち至っている。そういう中で大臣が交代された。で、いま大臣のそういうお話しがあった。それが即座にこういう中に反映されてきてしかるべきじゃないか、現実の面で。何もないんじゃないか、私はこういう感じがするわけです。どこに大臣のそういうお話のようなものは具体化されているのか、その点ひとつお聞かせを願いたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 午前から申し上げておりますように、とにかくわが国における中央集権的な行財政のあり方というものは、明治以来百年以上続いてきた一つの体制であるわけであります。その体制を逆の方向に進めていこうという大転換期に入っておるというのが私の認識でございまして、したがって、この百年以上続いた中央集権の体制を地方分権の体制に推し進めていくということは、それはもう生やさしいことではございません。したがって、これは私が大臣になったから直ちにそれが具体的な形になって出るというほどの生やさしいことでないことはもう皆様も十分御承知のはずであります。  私は、ただ政治家として、基本的な認識として、そういう方向に向かって進まなければならない、そういう行政の目標をきちっとやはり立てる必要がある、そういう意味で申し上げておるわけでございまして、したがって今後はその目標に向かって、法律あるいは財政の面で着実に改革の仕事を進めていかなければならないと考えておるわけであります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ですから、問題は、いわゆる地方行財政が逼迫をしているということはこれは現実の問題なんです。さっきも言ったように、遠い将来を見通しての考え方というのは、失礼だけれどもだれでも考えられる。いま逼迫したこの問題をどうするかということ、これがやっぱり一番現実の問題として重要な問題だ。ですから私はそういう立場から、毎年毎年同じようなことを言うわけですけれども、そこのところが大臣が新しくかわられて——これまた暮れにはかわっちゃうかもしれない、失礼ですが。大臣が昭和六十年までいてくれればこれはどうということないかもしれないけれども。非常に不安定なんです。ですから、そのたんびにみんな構想ばかり各大臣が打ち出して、現実の問題はそう簡単に、明治以来百年なんというふうなことが言われて、いつまでたっても、だからそう簡単にいかないんだというんじゃ、これじゃ余りにも無策と言う以外にない。  そこでわれわれは、いままでいろいろと提案もし、そしてこうなくちゃいけないかという、いま大臣が構想の一端を述べられた、そういう考え方をもとにしていろいろ現実の問題と取り組んできた。ところが一つも変わらない。ですからやっぱりどこか変えていかなきゃならない、どこかを。それは一遍には変わるわけにはいかない。それこそ明治百年。一遍でひっくり返すわけにいかない。だけれども、どこかが変わってこなくちゃいけない。ところがどこも変わらない。それじゃいつになったら変わってくるんだと、こう言いたくなるわけですね。  ですから私は、そういった意味で、本当は現実の問題を踏まえて、さしずめ五十四年度にいま入ろうとしているわけですから、その時点で大臣が何をなさるのかということになると、予算を見ても何にもないということで、これは具体的にいま少し聞いてみますけれども、まあ時間も幾らもありませんから大した論議にはなりませんが、そういった点をお聞きしたいわけですよ。  たとえば、これは申し上げるまでもなく、地方交付税率の引き上げをこうしろとかああしろとか各党言っているわけです。それは大臣の考えの中にもあると思いますよね。だけれども、それがなかなか実現はむずかしい。あるいは行政改革の問題でもいろいろある。それも現実を踏まえてそう簡単にいかない。だけれども、何か、こうしていくぞと、当面の問題。こういうものを一つでも聞かしていただければ、私は非常に目の先がどれだけか明るくなるんじゃないかという感じがするんですが、その点どうでしょうね。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) これから進もうとする基本方向については、恐らく各委員と私との間に大きな食い違いはないと考えております。したがって、これはやはり政治全体に課された大きな課題であるわけでございますから、皆様方の御意見も大いにひとつ聞かせていただいて、そういったものを参考にしながら私どもも真剣に取り組んでいきたいと考えるわけでございます。  そこで、具体的に何もないじゃないかという御指摘でございまして、これは私率直に言ってそのとおりだと言わざるを得ないと思うんです。確かにこの数年来続いておる地方財政の窮迫した実態、これを踏まえて根本的な解決をしようとするためには、これはどうしても地方交付税率の引き上げというものを断行することが一番適切である、これはだれでも考ることでございまして、私どもも五十四年度の予算案の編成の際は、大蔵省に対して強くこの点を主張したわけであります。しかし、御案内のように、地方財政という立場から言えば地方交付税率の引き上げが望ましいことはもうこれは明らかでございますけれども、残念ながらこれに対応するだけの力を国の財政が持っておらない。これもまた各委員の恐らく御承認になる点だろうと思うんです。地方の財政よりももっともっと大きな赤字を抱えて国の財政はまさにもう危機的な状態にあるわけでございますから、そういう中で地方財政が困るから交付税率を上げてくれと幾ら私どもが——がんばることはがんばったんですが、残念ながら現在の国の財政の状態ではそれに応ずることができないと、これが大蔵省の主張でございまして、最終的には私どももその大蔵省の主張を認めざるを得なかった。そこで、昨年制度化されましたあの暫定措置によって、しかし実際の地方自治体が行政を運営していく上に支障のないように、その点につきましては現在の与えられた条件の中では最善の対策を講じたと、このように考えておるわけであります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 大臣がそういうおっしゃり方をいたしますと、非常に矛盾を感ずるんです。ということは——そばについている方から返事が出てくると思いますが、それじゃ、今回のその不足額四兆一千億、このいわゆる赤字補てんとして、いろいろこれ手当てしましたね。臨時特例交付金一千八百億、それから交付税特別会計の借り入れ二兆二千八百億、それから建設地方債の増発、これは一兆六千四百億、そういうことになっていますね。それで、そのうち、地方交付税の増額分というふうにここにうたってありますけれども、地方交付税の増額分として計上したものは、いわゆる臨時地方特例交付金と交付税特別会計の借り入れ、これを含めて二兆四千六百億と、こうあるわけです。これは地方交付税の増額分としてある。そうすると、地方交付税率はどれだけになりますか、これ。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 地方交付税の増額分と書いております意味は、各地方公共団体に交付される地方交付税が二兆四千六百億円増額されたという趣旨でございます。これはもう御承知のとおりでございます。そこで、二兆二千八百億円借り入れいたしましたうち、半分は国が持つというルールができておるわけでございます。その半分の分を現在の国税三税で割り返してみますと、大体六・七%ぐらいに相なります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうでなくて、私の言っているのは——いままでの論議をよく聞いていてくださいよ、大臣との。いま地方交付税率の引き上げという問題でもって大臣も答弁したわけですよ、私に。それも簡単に上げられないんだよと、大蔵省との話し合いの中で。そうでしょう。だけれども、上げられないけれどもこういうふうに手当てをしたでしょうと。しかも、この五十四年度の地方財政対策についての資料、この中には、いわゆる財源不足の手当てとして、地方交付税の増額分としてここに載っているわけだ。それはいまあなたが言った半分は国が持つんだという面はあるけれども、だけれども、それは二兆四千六百億でしょう。それを合算するといわゆる地方交付税率はどれだけになるのかという話をしておるんです。よく聞いておいてくださいよ。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) どうもお答えが十分でございませんで失礼いたしました。  二兆四千六百億円を国税三税で割り返えしますと約一五%ぐらいになります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 わからないな、全く一年生に言っているようなものだ。あのね、三二%というのはもう初めっから決まっているわけでしょう。——後ろで教える人もよく聞いていなさい。冗談じゃないよ、あなた。私がこういう言い方をするのが悪いのか、幾ら言ってもわからないそっちが悪いのか。——三二%というのは決まっているんだよ。三二%というと幾らになったかな、全体でもって十六兆幾らでしょう、その三二%でしょう。それに合算すると幾らになるんだと言っているんだよ。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) まことに申しわけありません。根元が三二%を超えますと約四七%という数字でございます。どうも失礼いたしました。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それを初めから言えばいい。  それじゃ、五十一年度から五十三年度までは、年次を追ってどれだけになっていますか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 毎年度の借り入れを交付税率に置き直した数字をいま手元に持っておりませんので、後ろで急いで計算いたしますが……。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それじゃぼくの方で言うよ。——こういうのが意地が悪いというんだよね。これはね、ことしは四七%でしょう。それで、五十一年度は四三%になるんです。それから五十二年度が四〇%、五十三年度は四三%、こういうことになっているんです。で、五十四年度は四七%、こうなっているんですね。ですから、このあれを見ても、国が一生懸命地方財政を何とかしようというその努力というものはこういうものからうかがえるんです。努力はうかがえる。努力はうかがえるけれどもそれでいいというものじゃない。そこが違うところでしょう。ごっちゃにしちゃっちゃいけない。  そこで、大蔵省と折衝をしたと。だけども簡単にいかないんだと。簡単にいかないというのはことしだけじゃないんです。いままでずっと簡単にいかない。だから変わらないんですから。そこで実績を見るんです、実績を。お国のふところは火の車。だから言うならば地方のめんどう見られませんよ。だけども、見られませんよということでほっかぶりしちゃうわけにいかない。だから何らかの措置をとらなきゃいかぬ。それがここに載せられてきたものですね。  そうすると、私は現実主義者。大臣は大蔵省と交渉したがだめなんだと。お国の財政が、いわゆるふところがもう火の車なんだから、だからだめなんだと、こういうことなんだ。しかし実績を見ると、五十一年、五十二年、五十三年、五十四年と、われわれが主張するいわゆる四〇%交付税率引き上げ、これを上回っているんです、毎年。そうでしょう。だとするならば、大臣が大蔵省と交渉したけれどもお国も火の車だからそういうわけにいかないんだという理屈は成り立たない。やっているんだから、現実には。だから、その辺はぼくは、大臣の言った、交渉したけれど火の車でどうにもならないと、そういうふうに思わないんです。ですから、この辺を大蔵省はどう踏まえているのか。この覚書なんてこんなもの、大それた「覚書」なんて印刷して配るほどの内容じゃないけれどもね、閣僚同士があたりまえのことを話し合ったというだけのことだ。何にも目新しいものはない。  ですからその辺、現実的にはそうやって四〇%超えているんですよ。そういう実情というものをどう考えるのか。いわゆる地方交付税率を定着さしても何ら不思議はないじゃないかという感じがする。また何ら差しさわりはないじゃないか、何ら不都合はないじゃないか、こういう感じがする。それができないという理由はどこにあるのかと、そこのところを突っ込まなければならない。そこで明快な答弁をここで。これは大事なところですから。実績をぼくはこうずっと挙げてきた。そして、なおかつ理屈の上では火の車でどうにもならないと。どうにもならないと言うけれども、どうにかしてきたんだ。にもかかわらず、今度は交付税率を上げろと言うと、ああでもない、こうでもない。しかしやってきたんだ。それならできないことないじゃないか、火の車であっても。こう思います。  で、大蔵省——大蔵省いないの。呼んでないですからね。呼んでないのは来てないよね。(笑声)——その辺、やっぱり大臣、理屈というのは——これ、大臣にお説教するみたいな言い方だね、申しわけないことに。理屈というのはね、自治大臣として、地方行財政、さっき大臣が言われたように大変に重大な問題だという立場があるのね。何とかこの点は講じなくちゃいけないという、そのためにはそれなりの、いわゆる相手をばちっと文句言わせないだけのやっぱり筋通さなければいかぬわけよね。私はそう思うんですよ。大臣が言っているように、本当に火の車でどうにもならないんだ、だから三二%でもって全部賄わせてきたんだと、いままで。こういうことならば何にも言わないんです。こういうふうにちゃんと手当てしてきたんだからね。その点どうですか。どう考えておられますか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) おっしゃるように、交付税率そのものを引き上げて、そして地方財政の必要な財源を賄い得ることができればこれが一番いいということはもう言までもございません。ですから、自治省としては、ことしばかりじゃなくて去年もおととしも交付税率の引き上げをぜひやってほしいということで、歴代の大臣が大蔵大臣とやってきたわけであります。ことしもやったわけです。しかしどうしてもそれが実現することができなかった。実際はこれだけの金を出しているではないかという御指摘でございますが、これ、中身が言うまでもなく違うわけですね。借入金、借金になっているわけでしょう。そしてその半分は国が負担するけれども、半分は自治体で負担してもらわなければならぬと、こういうことになっておるわけでございまして、根っこそのものを引き上げるというものとはその内容において大変な隔たりがあるということはもう言うまでもないわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まことに苦しまぎれの答弁と言わざるを得ないんでね。そうなると、また今度はそこでやっぱり問題が出てくる。私は、いま大臣がおっしゃったことは、そんなことはもう大臣の御発言とも思えない。まあ昔高等小学校というのがありましたね、その程度の答弁だというような感じもしておりますけれども。  いま大臣の話ですが、交付税特別会計における借入れね、これは半分ずつだと、ですから、一兆一千四百億円が行ったとするんですよ。だけれども——いいですか、いろいろ言いますからね。だから、一兆一千四百億円は国が負担しようというんです。そうでしょう、借り入れにしろ何にしろ。これは地方に関係ないんです。あとの一兆一千四百億円は地方がいわゆる借り方だ。返さなきゃならない。そういうことになるでしょう。だから、どっちにしても、この半分は国が見ているわけですから、その財源は国が見ているわけです。だから一歩譲って、大臣の言った一歩譲って、半分は借金だと、地方の方の。借金ということは、まるまる二兆二千八百億じゃありません、一兆一千四百億ですと。その分は国が負担しているんだから、その分はどうするんだということになる、こういう理屈がある。そうでしょう。そう言えますね。だから大臣の言われた、その内容は決しておまえさんが言うようなものではない、内容はもっと込み入っているんだよということ。だからいわゆる頭から交付税率を上げるというわけにはいかないんだと、こういうことなんです。それではだから納得はできないんです。全然出してないんじゃないんだ、半分は国が見ている。それだけ国から手当てしているんですからね。  そこでもう一つ、ここで「地方交付税の増額」とありますね。これは地方交付税の増額にはならないじゃないですか。地方交付税とは、法律でも決められ、そしてそれは地方固有の財源である。だれも手をつけられない。ただ便宜上田がそれを取って、そして三二%を渡しているわけです。だけれども、もともとこれは地方の固有財源。固有財源ということは国でも手をつけられない、このことについては。そういうものが地方交付税じゃないんですか。だから違うという、ここで臨時地方特例交付金だとかあるいは交付税特別会計だとか、そういう制度的に全部こう分離しているんですね。地方交付税じゃない。ところが「地方交付税の増額」としてある。私はこれは地方交付税の増額分にならぬのじゃないか。大臣がいまのようなことを言うからそれ言わなくちゃならない。そうすると、地方交付税というのは地方固有の財源ですから、これは半分地方に負担さすのはおかしいんです、これは。こういう書き方するのは。どうですか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 十分御承知のことと思いますが、二分の一国庫が持ちますといいますのは、将来、交付税特別会計が借り入れたものを返していく段階で、二分の一国が負担をすると、こういうことでございますので、これは五年据え置きの十五年償還ですから、五年先から国の負担が始まる。したがって、五十四年度においては国は別に二分の一は支出を要しないわけでございます。そういう意味合いで、六・数%の二兆二千八百億円、あるいは二兆四千六百億円でもよろしいのでございますが、それを現在の交付税率にいたしますとまさしく五十四年度の国の歳出がふえるということになるわけで、そこのところが大蔵省としてはどうしてものみ込めないということであったわけでございます。将来の国の債務と、二分の一は国が債務として負担しますということでありますので、そういうことならという話に実はなってきた。  それから後段の、「地方交付税の増額」ということに書いておるのはおかしいではないかというお話でございますが、ここで「地方交付税の増額」と書いてありますのは、各府県や市町村に配分いたします地方交付税を二兆四千六百億円増額いたすと、こういうことでございまして、おっしゃるように三二%そのものはふえておりません。したがって、別途後に御審議を予定しております地方交付税法の改正案におきまして、三税の三二%プラス臨時地方特例交付金及び交付税特別会計の借り入れの総額をもって五十四年度の地方交付税とするという交付税の総額の特例に関する法律案を御審議いただくことにしておるわけでございます。個々の地方団体が受け取ります交付税は二兆四千六百億円増額すると、こういう趣旨でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ちょっとわからない部分があちこちあるんですが、私は、いわゆる地方交付税というのは、地方交付税という以上それはもう法律で決められているんだと、地方固有の財源だ。だれも動かせない。ところが、これはいまの大臣の言から言うなら、半分借金じゃないかと、地方の。てめえが借りててめえが返すのに何が地方交付税だ。半分は地方の負担でしょう、二兆二千八百億の。地方交付税じゃないじゃないですか、それは。自分が借りるんじゃないか、自分が返すんじゃないか、理屈が合わないじゃないか。私、そこのところをはっきりしてくれと言うんだ。変な理屈でなくてね。何回も言うんですが、地方交付税というのはそれは地方固有の財源である。もらうのはあたりまえです、三税の三二%。あたりまえなんです。ところが、地方交付税の増額分の二兆二千八百億円は、半分だけは国で見ましょう、半分はお前さんの方の借金ですよということなんだ。そうすると自分の金じゃないか、借りたのは。返すということは地方交付税じゃないじゃないですか、これは。それをどう考えていらっしゃるのか。やっぱり明確にしなくちゃいかぬ。  こういう非常に、それこそ地方の危急存亡のときですよ。国もそうだと言うかもしれないけれどもね。国の方はまだ、いま大臣地方分権なんて言っているでしょう。それほどまだ国の方が有利な立場にあるということを自分で証明しているわけですからね。国も赤字だが、向こうは三割自治だなんて言われる中で、それはもっともっと苦しい。それであんた、地方交付税なんてでかい顔してね。地方交付税なんて、そうじゃない、自分が借金して返さなくちゃならないのに何が地方交付税だ。そこをもっと明確に私はしなくちゃいかぬと言うんだ。これはお前さんの借金だよという何か口座つくりなさいよ、これ。こんなばかげた話はない。地方交付税といっていかにも国がめんどう見ているみたいなことを言っているけれども、地方の借金じゃないですか。交付税じゃないじゃないですか。どうなんですか、そこは。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 国税三税の三二%だけでは五十四年度の交付税が足りないというところから問題が出発しておるわけでございまして、そこで臨時地方特例交付金と交付税特別会計の借り入れを加えて、先ほどお話しのように四七%ということの地方交付税を確保しておるわけでございます。  問題は、おっしゃる意味は、後年度に返すものを交付税と言うのはおかしいという御指摘ですが、それは法制度上はこれはやっぱり交付税ということになるわけですので……

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 どうして。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) それはもう地方交付税法の中で、それを地方交付税の総額とすることで御審議を願うわけでございますから。まあ表現として私は間違っていないと思うんです。  問題は、いまお話しのように、自分が二分の一返すものを、それがいいのか悪いのかと、それで十分なのかという御指摘だろうと思うんです。それについては私どもは、二分の一は将来の償還時における毎年度の地方財政計画にその償還費が計上されてくるわけですから、それで幾ら足りないという、その時点の勝負になるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 おかしくないというのはあんたがそう思っているだけの話で、少なくともわれわれは、地方交付税といったらそれは国が幾ら、地方が幾らとお互いに分け前を決めてあるんでしょう、地方交付税というものは。だからこれは、自分が借りて返すんだから地方交付税にならないです、これは。それは抜くべきだ。「地方交付税の増額」だなんというような麗々しい表現の仕方は間違っているというんだ、私は。その一兆一千四百億、それは別途の名目だ。それで出すというならすっきりするよ。地方交付税の増額分というのはおかしいじゃないか。私はそう思うんだ。これがおかしくない、おかしい、おかしくない——おかしくないというその根拠をじゃどこに置いているのかという問題になってくるんだな。そうでしょう。地方交付税というのは地方のものだ、地方の取り分だ。だれにも遠慮することはないんだよ。返すだなんてとんでもない話だよ。そうでしょう。にもかかわらず返さなくちゃならない。それが地方交付税というのはどういうわけだと、それは疑問が起きてあたりまえなんですよ。もっとすっきりしたやり方でやればいい、こう思うわけね。この辺のところを、じゃ答えてみろと言っても、また、おかしくないと思いますとかね、そんなことで終わっちゃうんじゃないですか。ほかにありますかな、もっといい答弁が。いい答弁があれば、私はこう座ってお聞きしますけれどもね。あんまりなさそうな感じだから……。  それで、ここで地方債ちょっと聞きましょうか。地方債の、「建設地方債の増発」が一兆六千四百億でしょう。これは、大蔵省は盛んに赤字地方債、それを進めているわけです。国とあれでね。国も赤字なんだからというようなことでやっているわけ。だけれども、いろいろ自治省も反対したでしょう。で、それはあきらめた、大蔵省がね。それで、許される枠内でいわゆる建設地方債の増発が行われた、一兆六千四百億。そうでしょう。赤字はもうやめたんでしょう。赤字はやめたんだ。それで、まことに幼稚な質問だけれども、なぜ赤字をやめたのか。赤字地方債はなぜ認めないのか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 私どもは、現在の地方税財政制度の仕組みからして赤字地方債というのは、いまの地方財政の状況からいいますと、発行することは法律の趣旨に反するという考え方に立っておるわけです。  と申しますのは、しばしば御指摘のあります地方交付税法の六条の三第二項におきまして、引き続き著しく地方交付税の総額が足りない場合には、交付税率の引き上げを行うか、あるいは地方行政または財政に関する制度の改正を行うと、こう書いているわけです。そのことは、結局詰めて申しますと、国が責仕を持って地方の必要な財源を確保するということを示しておるわけだと考えるわけです。したがって、赤字地方債と申しますのは、個々の地方団体が自前で借金をしてきて財源を調達して穴埋めをするものですから、それでは交付税法六条の三第二項に規定しております、国が制度的に財源を保障する措置を講じなければならぬという責めを果たしたことにならない。だからこの赤字地方債の発行ということは、現在の地方税財政制度の仕組みから言えばとれない、こういうことで大蔵省の納得を得たわけであります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 だから、いわゆる建設地方債、ここまで出した。これ借金ですよね。地方の借金はここまでだよと、五十四年度は。こう決められたんでしょう。法的に決められていると。そのとおり。赤字地方債というのはよくないんだと。決まっているんだ。そんなことわかっているんです。だけれども、そういうふうに決めた。ところが、いわゆる「交付税特別会計における借入れ」だ。これ半分は地方の借金だ、一兆以上ね。これ借金なんです。どう違うんですか。地方債、建設地方債をここまで認めたというのは。ぎりぎりいっぱいなんじゃないですか。もっといいんですか。いけないんでしょう。いけないんだとするならば、それ以上借金できないはずだ。できないはずの地方に対して半分持てということは、一兆円以上のものを借金してよろしいと、こっちの面では。ということにならないんですか、借金なんですから。借金ということは、あくまでも借金ですよね、これは。だから、これ以上借金しちゃいけないということは、地方行財政運営上まことにいわゆる好ましくないという見地からそういった結論が出るわけでね。にもかかわらずこの措置の中では一兆円、このほかにまだいわゆる借金ということになるんですね。その辺の絡みをどういうふうに考えているんですか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 建設地方債も借金であることはもちろん申し上げるまでもありませんが、ただこれはお話の中にもございましたように、地方財政法五条の、建設事業の財源に充てる地方債でございますから施設も後に残ると、こういう面で違います。しかし、赤字地方債になりますと、それは経常的な経費、たとえば人件費でありますとか、物件費でありますとか、そういうふうなものの財源に穴があいてそれを埋めるというのが赤字地方債になります。これをもし発行しますと、その始末は個々の地方団体が責任を持ってやらなきゃならぬことになります。  しかし、交付税特別会計の借り入れは、交付税特別会計という国の特別会計で借り入れるわけでございますので、その償還が将来もしできない場合には、その段階でやはり国が全責任を持って必要な償還費のめんどうは見る、こういうことになってまいるわけでございますから、いまは国庫負担二分の一、交付税特別会計の償還二分の一ということにしておりますが、その二分の一は先ほども申しましたように短年度財政計画に乗っけまして、もしそこで、穴があけばさらに地方税財政制度の根本的な改定というものによって、あくまでも政府が責任を持って借り入れの償還については措置をしていく。そこに大きな違いがあると私どもは考えておる次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 理屈の上ではわからないわけではない。そうすると、地方債だってね、建設地方債はいわゆる枠が決まっているわけ。ここまでならばいいよという。それならば、もし間違いがあってもそれは国でまた何とかしてあげられるじゃないかという目算があると思う。だとするならば、意味合いからすれば一つも変わりはないんです。だから、いわゆる特別会計の借入金。そのうちの半分は地方の借金なんですから。  私の言いたいことは、地方債はそこでしぼってて、それ以上は借金はできませんよと。だけども、こっちでは借金しているじゃないか。国の方が借金押しつけているじゃないか。それはどういうことになるのですか。私から言わせれば押しつけているんだ。だから、地方交付税なら全部国で見たらどうだというんだ。それなら地方債の枠をもっと広げてやって、利率は違うかもしれないけれども借金には変わりがないんですから、借金が多くなれば地方財政をよけい圧迫するという見地からいろいろとあなた方が考えて、こうすべきだ、ああすべきだと。いわゆる地方債はこれまでだとこう言っている。にもかかわらず特別会計での借り入れはその半分はまた借金だと。それは操作という以外ないじゃないか。こんな感じがするんですよね。見せかけじゃないか。いま私が言っているように、実質的にはみんなそうなっちゃうじゃないか。苦しむことは地方が間違いなく苦しむじゃないか。その点をどう考えているのかと、こういうことですよね。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 実質的に交付税特別会計の借り入れが地方財政全体の借金であると、これはもうお話しのとおりでございます。何度も大臣から申し上げましたように、交付税率の引き上げのような恒久的な財源措置ができますればそれに越したことはないわけでございますけれども、それが壁があってどうしてもこうならざるを得ない。ただ私は、赤字地方債でありますと、それは何と申しましても個々の団体が発行するわけですから、発行の段階で苦労が伴いましょうし、また償還の段階でやはり自分の責任になるわけです。ところが、この特別会計の借り入れは、まさしく政府の責任で二分の一の償還についても将来適確な財源措置をやらにゃいかぬと、こういうことになっておるわけですから、その点では地方団体の受けとめ方は明らかに異なっておる。  むしろ私どもは、その点についていろいろ最近議論がございます。借金の痛みを地方団体はわかっていないじゃないかという議論がございます。そういう問題が一つございますけれども、しかし、現在の地方税財政制度を基礎にして考えますれば、やはり政府として必要な交付税はあらゆる措置を講じて制度的に確保する責任がある。こういう観点から、赤字地方債は不可であり、交付税特別会計の借り入れという方式によらざるを得ないと、こういう考え方をとっておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それは、赤字のあれはわかりますよ。だけども、国が責任持つんだ責任持つんだというその話ですよ。それじゃ、いままでにもうどうにもならなくて、こういう措置を国がとってくれたけどもどうにもならなくて返せないと。地方が返せない。それで、それじゃしようがないと、その分はみんなまけてはやるよと。去年か何かにちょっとあったけどもね。そういうことでなくて、いわゆる一つの政策としてそういう措置をとったんだけども、どうしてもどうにもならないから、もうそれは要らないよと言って、特別会計で借りた分を回収しないと、国が。地方から。そんなことは何回もあるんですか、いままでに。ちゃんと返したんでしょう、地方は。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 特別会計の借り入れは、大幅にふえましたのは五十年度以降でございます。したがって、現段階でまだ財政がまずいから、徳政でチャラにするというふうな事例は全くございません。まあ大蔵省もそう甘くございませんから、将来にわたって償還金棒引きなんということ、これはあり得ないと思います。私どもは、必要な償還財源は政府として必ず確保するという決意を持っておりまして、またそうしていかなきゃならない。棒引きということじゃなくて、償還するに必要な財源をあらゆる制度改正を通じて確保すると、そういうことだと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それは地方が償還、国に対していわゆる特別会計に対して償還をする、その措置を国でまた見ますと、こういうことをいまあなた言っているんですか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 交付税特別会計から資金運用部資金に償還をしていくわけでございます。その財源を制度的に必ず将来にわたって確保すると、こういうことでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 だから、その財源を確保するということは、地方からも返していくわけでしょう。年度を分けて、何年据え置き、何年から取る、そんなことないんですか。地方は全然その分について返す必要はないと、こういうこと——じゃ、この一兆一千四百億は地方負担分ではないということになるんですね。そこのところわからないから聞いているんですからね。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 個々の府県、市町村から地方債の償還費のような形で交付税特別会計に返してくると、こういうことは全くございません。交付税特別会計の中で借りた分の運用部への償還と、こういう仕組みになっておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 だから、特別会計の中に金がなかったら返せないでしょう。その特別会計が返す金は国が全部見るのかということを聞いているんです。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 現在の仕組みは、将来にわたってその二分の一は国庫が負担し、二分の一は交付税特別会計が負担をするということになっておりますから、その二分の一の償還財源を必ず確保するということは私どもの責任だと考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そんなことはあたりまえのことじゃないか。私の言っているのは、地方が返さなくちゃならないんでしょうと言っているんですよ。それならばやっぱり地方の負担じゃないかと。ただかっこうつけただけじゃないか、これで。何でそんなしちめんどうくさいことをあなたは言っているのかというんだ。私の言っているのは明確なんだよ。その半分は特別会計からとにかく借り入れしたんだから、そして地方にいくんだから、それは年次を追っていつかは返さなきゃならない。それは負担になるんじゃないか。だからさっきから言っているように、交付税というものを含めてそれは交付税にならぬじゃないかと。だから、こう言っているわけです。それともう一つは、一方でもってこれ以上借金しちゃいけないよと言いながら、国の操作としてはそういう操作をしておる。やっぱり借金じゃないか。そこに私は矛盾を感ずるということを言っている——まあこれは、これから先幾ら言ったってね、余り大して、ただこっちがどなるだけになっちゃうから。どなるということは質問じゃないということになりますから……。  そこで、もう時間もありませんからね。いままで、戦後、昭和二十九年度からずっと今日に至るまで、いわゆる地方交付税率が変わってきた。ということは引き上げられてきた。そのときの引き上げのときの理由は、どういう理由に基づいて引き上げを行ったのか、この点をひとつ聞かしてください。二十九年以降。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) そのときどきの状態によりまして理由は必ずしも同一ではございませんが、地方財政の窮状を打開するために引き上げたという例もございますし、また、減税が行われましてそのために交付税の総額が落ち込む、それを確保するために交付税率を引き上げるというふうな例もかなり数多く見られました。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私はもっと明確にね、二十九年から四十一年まで税率が引き上げられてきたんだ。引き上げるということについては、その年度年度においてそれなりの理由がなければ引き上げが行われるわけがない。ところが、いまのあなたの答弁は実に大ざっぱなんです。やはり物事を進めていくということについては一つ一つが明確でなければ正確な前進というものはあり得ないんだ。大ざっぱじゃ。だからそういう意味で、二十九年からどういう理由で上がったのかというのを一つ一つ答えてもらいたいんですよ。それが今度はこっちの判断の基礎になるんですからね。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) それでは一つずつ申し上げます。  昭和三十一年度の交付税率の引き上げは、地方債の一般財源振りかえ、地方財政の赤字発生阻止及びその合理化に対する措置といたしまして交付税率が引き上げられております。  それから、たとえば三十二年におきましては、所得税減税による地方交付税の減収を回避するための措置として交付税率が引き上げられております。  それから三十四年度、これは国税の減税及び入場税の減税に伴う減収の補てんのための措置として交付税率が引き上げられております。  それから三十五年度は、これは臨時地方特例交付金というものでございますが、後に交付税率になりましたが、これは住民税の減税に伴う減収の補てんのための措置として交付税率が引き上げられております。  それから、一番最近で申しますと四十一年度でございますが、これは地方団体の財政需要の増高とそれから国税の減税による地方交付税の減収、もろもろの要素が重なりまして、ことにこの時点においては国が初めて本格的な国債発行ということの財政運営方針になりましたので、それに対処いたします意味も含めまして交付税率の引き上げが行われた。  主要なものを申し上げますと、以上のとおりでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこで大臣、いまそれぞれ引き上げの理由、根拠についてお話しがあったわけですが、たとえば減税をしたと、減税というのは言うならば一時的な問題。いいですか、頭かしげなくていいんですよ。地方交付税法六条の三第二項の趣旨から見て、地方財政が引き続き「著しく」なんですよ、これは。ことし減税をやったから交付税率を上げなくちゃならないというものではないわけです、法律からいって。減税によって、今度三税の収入が減ったから交付税率を上げたというんです、これは。  それから、これなんかはいいと思うね、景気の後退により、特に法人税が悪かった、四十年。それから四十一年、これはまた景気の停滞によって。まあその後景気が上昇した。四十年、四十一年はやっぱり景気に関係してくる。その時点で交付税率が上がった。景気が停滞するということは、景気が停滞してもお国だけは豊かだというわけにいかないでしょう。やっぱり苦しいんだ。その中で国は、いわゆる法に基づいて、交付税法に基づいて、言うならば法の精神を生かした、ここで。ところがいまは何年続いているんですか。これは引き続き著しくもいいところじゃないですか。何で法の精神が生かされないのかということに疑問を持つことはあたりまえです。  国民の皆さんはそんな細かいことまで御承知ないと思う。だから国に任しているという形がとられているんでしょう。だけどわれわれとすればね、おかしいじゃないかと。いままでのいわゆる交付税率引き上げの経過を考えたいときに、これを踏まえたときに。いままさに最悪のときです。最悪のときだからこれは当然引き上げてしかるべきではないか、なぜ引き上げないのかという、その引き上げられない根拠というものをやっぱりこれは明らかにしなきゃいけないと思うんですよ。さっきから言っているように、手当てはちゃんとして、何とか四〇%近い地方交付税。ごまかしだけれども。そういう形をとっているわけだ。それならば定着したいわゆる地方交付税率というもの、これがぼくはやってできないことはないじゃないか、こういう感じがしてならないんです。  その点、最後に大臣の御答弁を願って、とうとう時間になりましたので終わりたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、この数年来の地方財政の状態は、まさしく交付税率の引き上げをもって対処すべき事態であるということは御指摘のとおりだと思います。したがって、われわれとしては交付税率の引き上げをぜひやってもらいたいということで、大蔵省に対して執拗にこれは最後まで粘ったわけでございますが、いかんせんわれわれの主張を実現するだけの国の財力がない、一言で言うとそういうことでございまして、残念ながら暫定措置によらざるを得なかったと、こういうことでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いつまでたっても見込みがありません。  どうもありがとうございました。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 朝からずっと質問が続いて大臣もお疲れでしょうが、あとしばらくでございますので、よろしくお願いします。  初回でございますので、先の方たちの質問と多少重複する面があるかとも思いますが、各会派を代表して質問しておるわけでございますので、そのところは御理解いただいてお答えを賜りたいと思うんです。ただ、初回でありますならば、大臣の地方自治に対する所信をお聞きすべきでありますが、これはもうすべての方がお聞きして、お答えもほぼ同じでございますので、私も理解するところでございますからこれは割愛させていただきます。  時間が短うございますので直ちに内容に入りたいと思うのですが、いまも質問のありました地方財政計画について、基本的な問題についてお尋ねいたしたいと思います。  昭和五十四年度の地方財政計画の歳出規模は三十八兆八千十四億円、一般財源の不足額は過去最高の四兆一千億円の巨額に達するわけですが、この財源不足額対策というものは、本年度とられておる対策も来年度とろうとしておる対策も、これはもう同じパターンを繰り返しており、来年度も再び抜本的な制度改革をその意味においては回避しておる。このことが結果して自治体の借金財政という状況を、場当たり的な資金対策として終始しておると言われてもやむを得ない状況じゃないかと思うのです。  この結果、五十四年度までの交付税会計の借入金と財源対策債の合計額が実に十兆八千六百四十五億円にも達する。これらの償還額は国庫負担を考慮しても後年度の地方財政をかなり圧迫すること、これはもう明らかなことだと思うのです。来年度の交付税総額は、交付税の先食いとなる巨額の借入金と地方債に依存しながら、実質国税三税比の四七%相当額に達する。今後低成長の経済環境というのを余儀なくされるわけでございまして、現行制度により総額の確保を図るということはもう限界に来ていると私は思うのですが、この辺について大臣のお考えをお聞きしたい。  また、所要額の不足は、国税三税の税収の落ち込みばかりのためとも言えない。需要面において、新たな財政需要である教員あるいは警察官などの定員増、あるいは公害環境対策、社会福祉施策などに係る経費を地方交付税に吸収してきた、このことも大きな問題じゃなかろうか。さらに、この四年間にわたり発行された財源対策債に係る元利償還金のきわめて大きな増額等、財政需要が増高してきたにもかかわらず、現行の交付税率を昭和四十一年度以来据え置いたままにしてきている、こういったこと。先ほど来大臣も苦しい答弁をなすっておるわけだけど、交付税の所要額は一時的な財政需要によって不足を来しているのではなくて、きわめて恒常的な要因によって不足しているということが明らかである以上、やはり地方税源など一般財源の強化を図るという措置がとられてしかるべきではないか。これは大臣の地方自治における所信表明に照らしてみても、ただ国がこういう状況にあるのだからというだけでは済まされないのじゃないか、こういうふうに思うのです。  政府が地方財源不足対策として毎年度繰り返してきた措置、これはまた来年度においても講ぜられようとしておるわけだけど、単に財源不足を量的に確保するという措置にしか見られない。要するにそれはもう糊塗策である。本来の交付税制度の持つ意味というもの、これは、釈迦に説法でありますが、国税で徴収される地方共有の独立税源であり、その配分を通じて地方行政の計画的な運営を保障していく、こういった機能をいまのやり方というのはその意味において無視したものと言われてもしようがないのじゃないかというふうに思うのです。  そこで大臣にお伺いしますが、政府は地方団体の切望している地方交付税率の引き上げというものを、本年度は、先ほど来ずいぶん粘りに粘ってがんばったんだというふうにおっしゃるけれども、果たして、これからの展望としていつ行うのか。五十五年度以降も相当の財源不足が見込まれているのに、一体どのようにこの地方財政再建のための地方税財政制度の抜本改正を行おうとするのか、この辺の基本的な考え方と方策というものをやはり大臣の所信として聞かしていただきたい。  まあこれは大臣の顔を逆なでするようなことになるかわからぬけど、予算編成の際、自治大臣は大蔵大臣に、地方交付税率の引き上げ、確かにこれは要求をなすったわけだけど、これはもう四囲の情勢から見て例年繰り返すたてまえ論で要求したのだと。その意味において、執拗に粘りに粘ったと先ほどの御答弁があったけど、われわれの耳に入ってくるところでは、先にもう答えも出ておるということで、形式的な要求であったということがこれは一部報道もなされておるわけでして、この辺について、そうじゃないならきっぱり大臣としての考え方を聞かしていただきたい。これはもう全国三千三百の自治体が財政危機に陥って、交付税率の引き上げということを熱望しておるわけですから、その辺は十分大臣の所信として聞かしていただきたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 交付税率の引き上げは形式的におざなりに主張したのではないかという御指摘でございますが、これは衆議院の地方行政委員会でも同じような質問があったわけでございますが、決してそのようなものではございません。われわれとしては、法のたてまえから言っても、あくまでも地方交付税率の引き上げによって対処することがしかるべきであるというそういう考え方に立って、最後まで主張したということがこれが事実でございます。  それからなお、御質問の、地方財政は大体構造的な赤字の状態になっておる、いわゆるびぼう策、暫定措置というものではもう限界に来ておるのではないかという御指摘につきましては、私も同じような認識を持っております。これはしかし地方財政だけではございませんで、言うまでもなく国の財政も同じように危機的な状態に立ち至っておることはもう御承知のとおりでございます。したがって、これから国の財政の再建、地方財政の再建をどのような方法で、どのような手順で実行していくかということは、これはこれからの政治の面における最も重大な課題になってきておると考えております。したがって、国の財政再建については、御承知のようにすでに大蔵省から昭和五十九年度において赤字公債の発行をゼロにするという財政収支試算を国会に提出をしております。これに準じて地方財政の再建をどうするかという私どものこれは大ざっぱな一つの鳥瞰といいますか見通しでございますが、本日当委員会にも提出をしたわけでございますが、国と同じように昭和五十九年度においてこの財源不足の状態をゼロにすると、こういう一つの目標を定めて、したがってこの間における中期的な計画として、現在やっているような暫定措置ではなくして、本格的な対策によって地方財政の再建を何とかして実現をしたい、このように考えておるわけでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 なるほど、きょうお配りいただいた、五十九年度の収支均衡という形の見方については、これはまあいろいろマスコミもコメントしておりまして、昨年三月に出したのと二年のずれは一体どうなんだというようなこともあるし、これはもう少し勉強さしていただいて次回にお聞きしたいと思うわけだけど、しかし、当面の問題として、地方交付税における基準財政需要額というのが年々増加の傾向にある。これを、いま大臣は遺憾なことで本旨に沿わないと言っておられるけど、現実にいまやっておる施策というのが、交付税率の見直しを行って交付税総額を上げるということをせずにこれを地方債に振りかえるというこの行為それ自体が、私は、地方行政の自主性を損なわずに財源の均衡化を図るという制度、この趣旨に反する。で、基準財政需要額が自治体の標準行政を行うために必要な経費を合理的かつ妥当な水準で算入すべきである、こういうことを規定しておる交付税法の根幹、これを否定しておることになるんじゃないか。  だから、事は、現在の国の財政というものの状況の中から地方自治体を見つめていくというこの姿勢、結果してそうなっているわけですからね。これは、世はまさに転換期にあって地方分権を図らなきゃいかぬという大臣の御所信といささか異なる。そして、しかもそれは法の趣旨にも反することじゃないだろうか。だからそれは金があるないという問題ではなかろう、そこまで深く堀り下げて考えていくべきだし、その面において大蔵あたりとの折衝というものも行っていかなければならないと思うんだけど、この辺について重ねて大臣のお考えをお聞きしておきたい。その意味で、私はいまの問題はそれはわかると、これはそうは言ってもいまの問題はわかる。だから、この趣旨に基づくなら、本気にいつごろこれやろうとするのかということについても大臣のお考えをはっきり言っておいてもらわなきゃいかぬというふうに思うんです。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私どもは、この財政再建については、これはもう猶予のできない状態にきておるという考え方を持っております。したがいまして、五十五年度の予算編成においては、国、地方を通ずる財政再建に対する制度的な対応をどうしてもこれはやらなければならぬと、かように考えております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 これはいずれまた総括質問が行われることもありますので、その折に重ねてわが党の考え方も織り込んで大臣の御所信を承りたいと思うんです。  次の質問ですが、財源対策債は五十年度以降合計六兆一千二百六十一億円も増発されております。これらの元利償還費は、後年度の基準財政需要額に算入されることになるわけだけど、そのためにそれだけ交付税総額が圧縮される。現在、財源対策債償還費に対する国の財政援助はほとんどない。本来なら全額国の責任において措置すべきであるというのが私どもの考えなんだけど、国庫負担を拡大する考えはないのかどうか、お聞きしておきたいと思います。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 財源対策債につきましては、先ほども御指摘のありましたように、交付税と一般財源が適切に確保される時期でありますれば交付税で措置をしておった部分でございますので、将来にわたってその元利償還費を交付税の基準財政需要額に算入をすると、こういうことにいたしております。その結果、いまお話しのように、交付税にしわ寄せを受けるではないかという問題、確かに出てまいります。そこでその必要額を加えました交付税所要額を将来確保するように制度的な措置を私どもとしてはとりたいと、こう考えているわけでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 地方財政計画についてはもう少しお聞きしたいんだけど、五十分しかきょう時間がありませんので、残念ながらもう次に移らざるを得ません。残余の問題は後ほどに留保しておきたいと思います。  その次に、不況地域対策についてお伺いするんですが、実は昨年秋の臨時国会の前に、私ども民社党は不況対策を柱とした特定不況地域対策臨時措置法についての制定を要求して、おおむねその線に沿って通産省、労働省から法案が策定されるところとなったわけです。   〔委員長退席、理事金丸三郎君着席〕 つまり、特定不況地域中小企業対策臨時措置法、特定不況地域離職者臨時措置法などがそれでございます。その折私どもしきりに耳にしたことは、特定不況地域を抱える、しかもその地域に構造不況業種を存在させ、それに依存する地域経済、これが大変な状況になっておるというところから、自治省においてもこの特定不況地域、つまり城下町法案と称する法案を策定する動きを耳にしました。私はずっと八年ほど商工委員会に属しておりましたので、もっぱら私どもは中小企業対策として通産省の法案について目を向けておったのだけど、自治省案がいつまでたっても出てこない、この辺の経緯ですね。非常にこれは重要な問題であって、なぜ呼応して臨時国会に出てこなかったのか。当初は一番先に旗上げたと思うんだけど、それが途中で立ち消えになった経緯をお聞きしたいと思います。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 私ども自治省といたしましては、特定不況地域の振興のために、特に地域経済の振興ということになりますと、地方団体が中心になって総合的、計画的に地域の振興を図らなければいけないというふうに判断をいたしまして、かつ政府一体となって、通産、労働、自治というような形で立法を当初のうち考えたいと思いまして、臨時国会に向かいまして関係各省庁と相談をしたわけでございます。で、立法化の検討を行ったわけでございますが、何分とも総合的な対策でございますので、国と地方国体との関係でございますとかあるいは時間的な制約もありまして、見送ることにいたした次第でございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 この一、二カ月の経済の動きは、確かに予想よりも明るさがとみに見えておることは事実です。しかし、これとてもエネルギーの問題、それを基幹とする基礎資材の高騰などによって、脆弱な企業体質がどのように変化していくかきわめて憂慮されておるところだと思うんです。   〔理事金丸三郎君退席、委員長着席〕 全体的にはそういった動きを見せながらも、なお素材産業の一部には依然として構造的な要因によって動きがとれない、危殆に瀕しているという産業も存在する。その産業を抱えた地域は雇用の問題を初めとして目を覆うばかりの状況にあるわけでして、しかも政府の指導によっていわゆる特定不況産業安定臨時措置法に基づいて業種指定を受けた産業は抜本的な構造改善を迫られておる。設備を償却して三〇%近くキャパシティーを落としていこうとするわけですから、ますますその城下町は疲弊する、こういう状況にあるわけです。そういう実態を見つめて、自治省としては、現在それらに対して通産、労働から出た二つの法案以外に、自治省として独自の施策をどのように進めておるのか、その概要を御説明いただきたいと思います。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 自治省といたしましては、いま御指摘の観点も含めまして、地方団体が中心となりまして総合的かつ計画的な地域の振興を図らなければいけない、こういう見地から、昨年十一月に特定不況地域振興総合対策実施方針というものを定めました。これに基づきまして、関係道府県と十分に相談をいたしました結果、百三地域、百八十一市町村につきまして地域を選定をいたしまして、それぞれの地域におきまして地域振興総合対策要綱というものを知事がつくり、これにつきまして自治省として必要な指導なりあるいは税財政上の措置をただいま講じているところでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 この要綱に基づいて百三地域、百八十一市町村を指定したということだけど、この要綱に基づく措置が現在も動いておるのかどうか。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 要綱といたしましての措置といたしまして、財政上の措置でございますが、起債の優先配分とそれから特別交付税上の措置があるわけでございますが、先ほども財政局長の方から答弁がありましたように、自治省といたしましては、現在特別交付税の審議中でございますが、それにつきまして一部措置をいたし、また最終的にも措置をしてまいりたいと考えている次第でございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 特別交付税はそれじゃどれぐらい用意しておるのか。そして、特別交付税の対象事業をどのあたりまで見ておるのか。その辺をお聞きしたいと思います。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 現在、各府県、市町村から数字を、先ほども審議官から申しました地域振興総合対策要綱に基づきます事業を聴取いたしましてまとめておりますが、ラウンドな数字で申しますと、大体百八十一市町村で三千億円程度というふうに見込んでおります、事業の規模でございますが。そのうち、中小企業のきめ細かな金融の対策でありますとか、あるいは地場産業の新たな技術開発でありますとか、あるいは雇用促進のためのいろいろなあっせんでありますとか、非鉄金属鉱山地域におきましては鉱業基金の出資でありますとかいろいろなのがございますが、そういう事務的と申しますか、建設事業以外の経費は大体五百億円、その一般財源が百二十億円程度というふうに見込んでおります。私どもは、最終的には百数十億円の特別交付税をこの百八十一市町村を含めました企業不振対策として配分をしてまいりたいと、かように思っております。  建設事業の事業費が約二千五百億円でございまして、そのうち地方負担分が約三百九十億円程度でございますが、これにつきましては、地方債を大幅に充当いたしまして措置をしてまいるというふうに考えておる次第でございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 いま自治省で考えておられる起債あるいは特別交付税、これだけでは私は城下町を救済することにはならないと思う。もっときめの細かい方法をとらなきゃならないわけなんだけど、それにしても、この特交の対象とする事業はどういうものかと、地域でそれ決まるまで手をこまねいて待っておるというわけにいかぬわけですね、これは。だからどうしても不況対策事業としてこれは特交の対象になる事業だぞということがわかることと、実際その事業を興こして不況を乗り切ろうとすることに時間的なずれが出てくるわけなんで、だからその辺、特交の対象となる事業というものはどういうものなんだということを早くきめ細かく地方自治体に知らしてやるということが必要じゃなかろうかというふうに思うんです。この辺についてどういうお考えを持っておるのかお聞きしておきたい。  それから重ねて、不況地域対策として、いま考えておられる起債と特交というのがあるわけだけど、それ以外に地方債に対する利子の補給、あるいは公共事業の実施時期の繰り上げ、さらには公共事業の補助率の引き上げ、こういった総合的な施策も私は不況対策として必要だと思うんだけど、そういったものを網羅していくお考えがあるのかどうかお聞きしておきたいと思うんです。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 各県や市町村が行います不況対策の事業につきましては、先ほども申しましたように、融資関係といたしましては貸付あるいは利子補給、それから地場産業対策といたしましては、技術開発あるいは特産見本市、品評会というふうなものの開催、その他中小企業の経営指導等がございます。雇用問題につきましては、各種の技能訓練、職業あっせん等もございます。さらにまた、大規模修繕のための単独事業というふうなものも含まれております。それぞれにつきまして、各県が策定いたします地域経済振興総合対策の協議の際に、どんどん進めていただくように私どもとしてはやっておりますので、五里霧中で仕事が進まないという状態ではないと私どもは考えております。  ただ、特別交付税でございますから、補助金ではございませんので、これだけの仕事をやれば何分の一いきますよと、こういう計算はできませんが、大体こういう項目についてこういうルールで計算しますということは各市町村とも十分知っていただいて、おくれないように時宜に適した事業ができるように強く指導してまいりたいと思います。  なお、利子補給とか国庫補助率の引き上げの問題になりますと、これは自治省のみで事柄を解決することはできません。先ほど御指摘の政府全体としての施策をどうするかという問題になってまいります。  ただ不況業種の状態も、お話の中にもございましたように、鉄鋼とか一部の繊維とか、あるいは非鉄金属とか商品市況がかなり変わってきておる状態もございますから、それらを踏まえて、いわゆる企業の不振対策、不況対策というものにつきまして、これから改めて考えていくということではなかろうかという、条件の変化というものを頭に置きながら、今後各省と相談していきたいと思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 少しマスコミあたりで過剰反応を示して、現在の景気を楽観視する向きがあるわけだけど、現実として、素材産業などがオイルショック以降減量経営でもう企業それ自体がやせ細っておるわけですからね。したがって、いろいろな不況カルテルであるだとか、あるいは円高のメリットとか、あるいは減量経営、金利の低下などによる外からの要因で利益が現在出ておる。だから増収増益じゃなくて減収増益という状況ですから、だから私は、少し、一歩下がった状態で現在の状況を見守っておるということでは、屈折点が出たときにばたばたといってしまうということが非常に心配されるわけです。したがって、一つの地域にあって中堅企業が倒れたら連鎖倒産という形に引きずり込まれていくわけですから、その辺なおきめ細かく時宜に適した措置を講じていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  それでは、次に移らしていただきまして、これも午前中の質疑の中でいささか出ておった問題ですが、総理大臣の田園都市構想についてでございますが、実は、国会が開会されると同時に自治省のヒヤリングを受けたわけでございますが、私どもとしてはそのヒヤリングの中から大臣の言われるこの田園都市構想というものがもう一つのみ込めない。それと既存の、これまでの数々の構想があるわけでして、それとどのように重複しておるものを整理するのか。国土庁にもいろいろヒヤリングを受けたわけだけど、もう一つぴんとこぬというのが実態です。まあ、これは総理の政治哲学だと言えばそれまででございますが、しかし、これから現実の問題として動いていくわけでございますので、少しお聞きしておきたいと思います。  自治省の新広域市町村圏計画の策定と地方都市圏構想についてお伺いしたいと思うんですが、もちろんこれは総理大臣の田園都市構想に関係してです。かつて三全総において定住圏構想が発表された折に、関係省庁が競って予算獲得に動いてきた経緯があります。各省庁にまたがっていろいろな形で予算がつけられておる。今日大平さんが田園都市構想というものをぶってから、先ほど来申すように、大平さんの田園都市構想というのがまだ具体的にまとまっておらないという状況であるからなおのこと、それぞれの省庁においていろんな企画が出てくる。自治省においても新広域市町村計画、地方都市圏構想、いずれもその一環としていま位置づけられておるわけなんだけれども、自治省から関係省庁の協議をした経緯を一部資料としてわれわれ入手しておるんだけど、各省庁の企画といったもの、これは自治省側から見てどういったものなのか、大ざっぱで結構ですが一度お聞かせいただきたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 総理が打ち出しました田園都市構想を具体化しなければならぬ、これはまあ政府全体の責任であるわけでございます。そこで、御指摘のように、それぞれの各省庁が自分の所管の範囲内でその田園都市構想につながる施策をそれぞれ推進しようとしておるわけです。  それで、関係省庁が十六あります。午前の質問でも私お答えしたんですが、この田園都市構想を具体化する際に大事なポイントが二つある。一つは、この計画の樹立、立案、それから実施、それの主体はあくまでも地方自治体でなければならぬということが一つ。それからもう一つは、各省がばらばらで地方に自分の施策を押しつけるようなことがあってはならない。この二つが大事なポイントだと私は考えております。こういう立場に立って、関係十六省庁の代表者の会議をこれまで数回にわたってやったわけですが、まあ幸いに私どもの主張が各省庁の代表者の間に理解をしていただきまして、とりあえず各都道府県原則として一カ所田園都市の候補地を選択しよう。で、その選択は当該の都道府県が関係市町村と協議して決める。これを私はもう最大のポイントだとして主張したわけでございますが、この点幸いに各省庁が了解したわけです。  従来は、御承知のように、新産都市にしても工特にしても全部これは中央で指定をしたわけでございますから、その指定を獲得するために全国各都道府県が中央に日参をして、大変な時間とお金のロスを展開したことは御承知のとおりでございます。そのようなことを今回また繰り返してはならぬというのが私の基本的な考え方でございまして、そういう意味で今回の田園都市の選択はあくまでも都道府県が関係市町村と協議して決める、この点を主張したのが、ただいま申し上げたとおり関係各省庁の理解を得、同意をするところとなったと、こういうことが一つございます。  したがって、地方がその選択をして、計画を立ててくるわけでございますが、それに対して各省庁がばらばらな指導をやるのではなくして、省庁が意思の統一を図って、そして政府全体として足並みをそろえたこれに対する助成、指導を行っていくと、ここまでは大体足並みがそろってきたというのが現在の段階でございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 この広域市町村圏というのは、昭和四十四年の第二次全総計画、新全総ですね、これを受けてできたものなんだけど、全総計画が二次から三次に変わっても、実態としてこの地域整備計画がそれにつれて大きく変わったということは余り聞いておらない。要するに私は地域の総合行政というのは、長年にわたる地域の行政の積み重ねに基づくものなんだから、それをシャッポがかわってそのアイデアを先にこう出して、そのアイデアに全体が振り回されるということは、私はいいことじゃない。そういう意味で、いま大臣のおっしゃる、やっぱり地域が拠点であるということと、十六ある省庁をばらばらにせずにできるだけ一つにまとめなければ、アイデアがかえって混乱を招くしロスをつくるというふうに思うわけでして、この辺についてはいま大臣のお考えをお聞きしましたので、その御所信で進めていただきたいと思います。そういう考えでよろしいですか。  それじゃ、時間がありませんので先に移りますが、地方公務員関係についてお伺いしたいと思うんです。  国家公務員の定年制について、人事院は昨年二月、内閣から意見を示してほしいとの要請にこたえて検討を進めておる。そして、ことしの夏定年制導入を提言する方向での基本方針を固めたということを聞かされております。同時に、週休二日制についてもすでに試行の段階を近く終えようとしておるわけですが、このような経緯を踏まえて今後どのように進めていこうとしておるのか。  なお、地方公務員の定年制の問題について、自治省ではかつて法案を国会に提案して廃案になったという経緯があるわけですが、昨今のこの定年制の制定という動きの中から、国家公務員の定年制の動きと関連して、自治省としても定年制導入を考えるという意味から、地方公務員に対しても何らかのアクションを起こしていかなければいけないんじゃなかろうかと思うんだけど、これをどういう形でどのようにしようとしておるのか、この点についてお聞きしたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私は、国も地方も、公務員が国、地方を通じて定年制を実施する段階に来ておる、このように考えております。御指摘のように、国家公務員については人事院も間もなく勧告を出す、そういう作業を進めておりますし、政府もまたそれを受けて国家公務員の定年制の実施に踏み切ろうと、こういうことで待っておるわけでございますから、したがって、自治省としては、この国家公務員の定年制の施行と並行して同時に実施したいと、このように考えております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 それは地方自治体における条例で扱うのか、あるいは廃案になったけどもう一度法案を出すのか、その辺はどういうお考えですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 細部を詰めておりませんけれども、一般論として地方公務員に関する定年制の施行に関する法案を提案をして、その法律に基づいてそれぞれの地方自治体が条例をつくると、こういうことになるのではないかと思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 それは自治省として、大臣として大体いつごろにそれを実現したいと思っておられるか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 私は、この問題はそうもうちゅうちょをし、遅疑逡巡する段階はとうに過ぎておると考えておりまするので、これは国の方にも——もちろん私は国務大臣の一人でございますから、できるだけ速やかに法案を国会に提案するようなそういう構えで取り組んでいきたいと考えています。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 大体国全体のおおよそコンセンサスも得られるような雰囲気にあるし、人事院もそのような方向で動いておるということだから、大臣のその強気のお考えであるなら、今国会に法案でもつくるかあるいは次の通常国会には法案として提示したいというぐらいの強いお考えがあると思うんだけど、どうなんでしょうか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) ただいま出ましたように、人事院の勧告がことしの夏ということでございますから、それを受けてということになりますると、この国会ではどうしてもこれはもう無理でございますので、恐らく来年度の通常国会になるのではないかと思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 よくわかりました。その方向でひとつ力いっぱいがんばってもらいたいと思います。  その次に、最近にわかに話題になっております地方自治体における事務の移譲について、自治省としてのお考えをお聞きしておきたいと思うんです。  広島県が皮切りになって知事の権限、許認可事項、これを市町村長に移譲するという措置が進められておる。その他の都道府県にあっても、にわかに広島県への照会が相次ぎ、すでに愛媛県あるいは静岡県、さらに神奈川県。神奈川県などの場合には、単に許認可事項の移譲にとどまらず、もっと広く、サービス部門に対してもこれを市町村に移譲するというような動きが出ておるということでございます。これらの都道府県の動静について、その概要をお聞きしておきたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 各府県におけるこの問題に関する動きは、ただいま御指摘になった、そういうことでございます。私は、この動きは、行政の今後のあり方としては、地方分権の確立という観点に立ちまして望ましい方向だと考えております。  それで、この間宮澤広島県知事にも来ていただきまして、その考え方、またその実施の状況等も親しく聞いたわけでございますが、何分やはりいままでやったことのないことをやるわけでございますから、まあ知事は非常に熱心に推進しようとしておるわけでございますが、現実の反応は、これを受け取る側の市町村サイドで必ずしもてきぱきとこれを受け入れるという態勢にはないようでございます。これは無理もないことであるわけでございますが、私は、地方の時代、地方分権と、最近は一種の流行語のように言われておるわけでございますが、この地方の時代の「地方」というのはあくまでも市町村ということだと思うんです。都道府県ではなくして、市町村それぞれの自治体が中心になって、その地域に最も適合した町をつくる、村をつくる、これが本当の意味での地方の時代だと私は考えておるわけでございまして、したがって、国の都道府県に任せてもいい仕事はどんどん都道府県に移譲をしていく。都道府県がまた市町村に移譲してよろしい事務はどんどん市町村に移譲していく。全体としてはひとつそういう方向に持っていきたいなと、このように考えておるわけであります。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 この事務移譲については、配分をめぐって各省庁の間にも多少異論もある。そういう中でいま自治大臣が、これは国から県へ、県から市へ行政事務整理、行政機能というものを移譲していくということは、住民の利便の観点からも、今日的地方自治のあり方からいっても歓迎すべきことだというふうにおっしゃったわけでして、これはぜひ多少意見の異なっておる他の省庁に対しても私は督励していただきたい。それをいろんな名目をつけてむしろ逆な方向に押していこうとする動きが出てまいりますと、大臣の所信で言われた今日的地方自治のあり方に背を向けることになる。だから大臣が、「時代の要請に即応する行政態勢の整備」という項目を一項設けておられるわけですから、この点は私もいま大臣のお話しを聞いて得心いたしました。ぜひひとつ進めていただきたいと思います。  これはそれで終わりまして、時間がありませんから、警察について私ちょっとお聞きしておきたいと思います。  国家公安委員長の所信表明の中に、「地方警察官三千三百人の増員」を図ることとなったということでございますが、この三千三百人というのは、昭和四十六年を除いて毎年多いときで五千人、少ないときで二千人の増員となっておる状況に照らして、どういう位置づけになるのか。五十三年版の警察白書によると、警察官一人当たりの人口は日本は五百六十七人、西ドイツは三百九十九人、イギリスは三百九十三人、アメリカ三百八十五人、こういう数字になっております。したがって、いろんな外国と直ちにこの数字を比較することにはなるまいと思うけど、わが国の場合、この現在の警察の規模、これがわが国の現在の世相に照らしてどうなのか、こういう点についてお聞きしておきたいと思います。  時間がないから、あわせて細かいこともお聞きしておきたいんだけど、昭和四十七年六月に警察庁は総合対策委員会という名で、「七〇年代の警察」という冊子を出しております。ここで非常に細かく警察官あるいは警察のあるべき姿を指摘しておるわけでございますが、この中間報告の中でも、署の人員は二百人ないし三百人を対象にすることが管理上上限だと指摘しておる。一方、いまの地方自治の動きを見ると、行政それ自体が広域化の方向をたどっておる。こうしたとき、この警察署管轄区域というものがどのように見直しをされていくのか。しかも、それは地方都市と大都市ということではいささか対応も違う、こういう点も今日的な問題だと私は思うんです。そういった意味で、過去に出したこの報告書のようなものを、もうぼつぼつ、時間もたっておるわけだから、この際出してみたらどうだろう。そして、現時点での中期展望に立った警察のあり方というものを国民にやっぱりアピールすべきじゃなかろうかというふうに思います。とりわけ、昨今のいろいろな犯罪の多様化、国民の不安というようなことなども考えて、その必要性を痛感するわけでして、この辺についてもお考えをお聞きしておきたいと思います。  最後に、いささか警察の皆さんにはいやな思い出かもわからないけど、ことしは新年早々から若手の警察官によるいろんな行為があって、どちらかといえば警察受難の年という形になったかと思うんです。これはやはり警察の国民からの信頼という面から見れば遺憾なことである。今後は、「若年警察官の指導、教養については、昨年来、逐次所要の措置を講じている」という所信表明もあったわけでして、信頼される、愛される警察という形のためにも、これからどのように不祥事件の再発を防止していくのか、これも大臣の御所信をお聞きしておきたい。  以上です。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 最初の、警察官の定員の問題でございますが、白書でも指摘しておりますように、日本の警察官一人当たりの人口が五百六十名を超えている。大体欧米の国々においては三百人台、大変な開きがあるわけでございます。言うまでもなく、最近のわが国の警察の仕事というものは年々増大する一方でございまして、諸外国の定員と比べた場合に、これだけの警察官の仕事に対応するためには、どうしてもやはり警察官の定員が不足しておるということは否めないのではないかと考えております。しかし、そう言ってもそう一遍に警察官を増員するということもこれはもう不可能なわけでございますから、私どもはやはり長期計画で逐次増員を積み重ねていくという方式によらざるを得ない。そこで、当面の目標としては警察官一人当たり五百人ぐらい、欧米では三百人台でございますが、五百人ぐらいまでは何とかひとつ持っていきたい、これを目標に粘り強く進めていきたいと考えております。  それから第二番目の、警察署の一署当たりの職員の数が二百人から三百人が限度であると、望ましいと報告書の中で述べておるそうでございますが、これはやっぱり一人の人間が把握できる人間の数というものはおのずから限度があるわけでございますから、まあ二百人とか三百人という数が適正であるという考え方はこれは私は首肯できると思うんです。ただ、現実の問題としては、大都市と田舎とでは事情が非常に違いますのと、もう一つ、この警察署の仕事というものは、市町村を初めその他の行政機関との連絡協調ということが非常に大事なファクターになっておるわけでありますから、その辺の関連も見きわめなければならぬ等々ございまして、この点は今後ともひとつ検討をさせていただきたいと考えます。  それから、その報告書を出してから大分もう年月もたっておるから、現在のような事態を踏まえて、将来に対する警察の展望というものを国民に対して明らかにしたらどうかという提案は、貴重な御意見として十分拝聴しておきたいと考えております。  それからもう一つ、若い警察官の資質の向上、私はこれは特に重要な事項だと思いまして、所信表明の中にも申し上げたわけでございますが、私は、全体として日本の警察官というものはきわめて優秀で、そしてまじめに職務の執行に精進していると信じております。ただ、そういった全体の警察官の中でときどき不心得者が出て、国民に迷惑をかけるばかりではなしに、同僚二十万の警察官全体の国民からの信用を著しく傷つけると、まことにこれはもう残念なことだと考えております。したがって、こういった不心得者が出ないようにあらゆる角度から対策を講じていかなければならぬと私は考えておるわけでございまして、そのために昨年から青年警察官教養推進要綱というものをつくりまして、それによって施策を展開をしておるわけでございます。ここにテキストを私いただいておりますから、これを読み上げます。   第一に、心理適性検査の複数実施を含む採用方法を改善採用の際に十分適性があるかどうかをチェックしようと、こういうことであります。   第二に、採用時教養を二年のスパンで考え、第一線での見習い勤務を終えた者の補修教養を質、量ともに充実させること   第三に、青年警察官を直接指導監督する立場にある巡査部長、警部補の指導能力向上を図るための教養の充実   第四に、部外有識者によるカウンセリング体制の充実   第五に、職場内コミュニケーションの確立と独身寮の居住環境の整備  以上の五本の柱を中心にした諸施策は、昨年来すでにできるところから実施しているところでありますが、より一層の徹底を期するため、来年度予算要求におきましては、採用試験の関連経費、各種教養関連経費、独身寮の改善関連経費等を約三億二千万円盛り込んでおりますので、この経費を活用して対策を講じてまいりたいと考えております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 どうもありがとうございました。     —————————————

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。     —————————————

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま、佐賀市に本拠を置く宮地組という暴力団が傍若無人の無法、不法行為を重ねておりまして、これが佐賀県政にとっての大きな問題点になっております。私は、きょうはそのうちの採石法違反の問題について取り上げてみたいというふうに考えております。  まず、警察庁に伺いますが、佐賀県警と佐賀警察署が一月の二十二日と二十五日の両日、採石法違反容疑で佐賀市の福光物産宮地忠美前代表取締役、それから横尾吉久現代表取締役、その他の関係者を逮捕して、二月の十三日に幹部二人を起訴したというふうに聞いております。その容疑の内容はどういうことでしょうか、それをまず伺いたい。  それからもう一点、昨年の十一月十六日には森林法違反などの容疑で同物産の製砂工場などを捜査しているそうですが、その容疑の内容もお聞かせいただきたいと思います。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) お尋ねの件でございますが、佐賀県警におきまして本年の一月の二十二日に三名、一月の二十五日に五名、その後二月の二十四日に一名の計九名の福光物産関係者らの採石法違反容疑がございまして、これによりまして逮捕をいたしております。その容疑事実は採石法三十三条というのに規定をされておるわけでございますが、知事の認可を受けないで花崗岩を採取したこと。それからまた、採石法三十三条の八に規定する知事の認可に係る採取計画に従わずに花嵩岩を採取したと、そういうことが容疑の事実でございます。  それから、昨年の十一月の十六日に、森林法違反等の容疑で福光物産の事務所等につきまして令状による捜索、差し押さえを行っております。その後の捜査によりまして、先ほど申し上げました採石法違反の事実が解明されましたわけで、これまでに関係者九名を逮捕したということ。なお、一名を指名手配をいたしまして現在捜査中と、こういう状況でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その十一月十六日の捜査ですね、容疑内容は森林法違反というふうにおっしゃいましたが、新聞などによりますと、不動産侵奪、それから銃刀法違反、これも容疑内容になっているようですが、その点はどうですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) そういうものもあるわけでございますが、罰則の重い採石法違反に吸収をいたして処罰をするという形になってございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この福光物産ですね、これは暴力団宮地組経営の採石会社だというふうに言われておりますけれども、宮地組とそれから福光物産との関係をどう見ていらっしゃるか。  また、宮地組のメンバーが、これまで逮捕された人が大分あるようですが、その実数と延べ人員。それから容疑の内容とその件数ですね、これをお聞かせいただきたいと思います。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 宮地グループと福光物産の関係というのは、これは福光物産というのは採石並びに土砂の製造販売をしている会社でございまして、福光物産の幹部社員の中には宮地組の者が数名入っておるというような関係で、佐賀県警では宮地組と福光物産とは相当関係の深いものであるというふうに考えておるようでございます。  それから、宮地グループが暴力行為などを行ってきたということで、どの程度の検挙があるのかということでございますが、四十五年以降現在までのところ、宮地組及び福光物産の関係者の検挙の実数は二十八名、うち逮捕者が二十六名ということになっておりますが、延べ数にいたしますと——延べ数というのは、一人の人が二回とか三回とかこう逮捕されるという、延べ数にいたしますと七十四名検挙をいたしまして、そのうち逮捕者が四十五名に及んでおるというような状況でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 どういう容疑内容で、それらが何件ぐらいあるのか、それもちょっとおっしゃってください。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 詳しく統計をとったものをいま用意をいたしておらないのでございますが、内容につきましては、殺人とか傷害とかいうのがございまして、七十一件あるわけでございます。全部内容を申し上げましょうか。七十一件でございますので、大分細かくなってしまうんですが。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 後から資料でいただけますか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) それでは、後から資料で差し上げるということにいたします。  大体主なものは、殺人が一件、殺人未遂が一件、傷害が八件、暴行が六件、恐喝が九件というような形で、総計いたしますと七十一件ございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私、ここに佐賀県警が佐賀県議会に提出した資料を持っているんですが、この中に、宮地忠美、これは先ほどの福光物産の前の代表取締役だと思いますが、これと宮地正治というのが二人でいろんな事件を引き起こしているのが載っております。この宮地正治というのはどういう人物ですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 宮地正治というのは、これは宮地組の首領でございます。今回採石法違反で検挙されました宮地忠美というのがおるわけでございますが、これが兄でございまして、宮地正治はこの忠美の実弟ということになる。兄弟の関係でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま、殺人行為も犯しているというお話がありました。これの内容ですね。どういう理由で殺人が行われたのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 池末庄吾という、これが容疑者になるわけでございますが、池末庄吾という者が宮地組の組員でおるわけでございます。で、宮地組の組長の実兄で宮地忠美、これが、太田重機という会社がございまして、そこの社長は太田福松という人だったのでございますが、この太田福松さんが山林の売買をいたしまして、それで、その山林の売買に絡みまして——この山林の売買は後で申し上げますが——絡みまして損害賠償の請求訴訟を提起されたわけでございます。それが係争中であったわけでございますが、昭和五十年の十一月の二十六日の午前九時三十分ごろにこの太田重機の事務所を訪れまして、この訴訟の撤回を要求をしたわけでございます。ところが太田社長がこれに応じなかったということに憤激をいたしまして、同所において持っておりました拳銃で同人を殺害いたしました。池末は同日殺人、銃砲刀剣類の違反でございますが、銃刀法違反で逮捕されまして、起訴、公判というような状況に現在至っておるわけでございます。  で、もめましたその民事上の係争中のものというのは、例の被害者になられた太田さんが、宮地忠美の所有しておった山林の一部を土砂採取の販売目的で買い受けられたのでございます。そのときに、売った方の宮地自身は、もう山土の販売というものはしないという契約をしておるのにかかわらず、売った山の土をまた販売したというようなことで、その損害賠償請求の訴訟を起こされておったわけです。その損害賠償訴訟を起こしているやつを取り下げろということを言い、取り下げなかったというので、拳銃でいきなり撃ってしまったというような殺人事件になっておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私、現地で聞きましたところが、いまおっしゃったような内容での殺人事件が行われたということと同時に、この太田重機という会社が、やはり福光物産と同じように、採石、それからまた土砂の採取というのを商売にしているわけですね。それで、その仕事をやめろということを再三要求している。言ってみれば、それを聞かなかったためにとうとう殺してしまったというのが実相じゃないかというのが現地の人たちの意見ですね。  それで、その後この太田重機がそういう要求に従わないでなお商売を続けているわけですけれども、その太田重機の山にトラックや何かを入れて砂を運び出さなきゃならぬ。ところが、そのトラックの通り道ですね、これを福光物産が買い占めてしまって、そうしてトラックを入れさせない。入れさせないばかりじゃなくて、バリケードまで築いて、そうして商売させないようにやっている。いまだにそれをやっているらしいですよ。しかも、この福光物産の社員あるいはまた宮地組の組員だろうと思うんですが、市内をバイクやらそれからオートバイあるいは自動車などで回って歩いて——住宅などの敷地の造成をやっていると、これ真砂土が要るわけですね。そうすると、その真砂土どこから買ったんだということを問い詰めて、自分の会社から買わない場合は、おどし上げて無理やり自分の会社から買わせるということまでやっているようです。  こういうような暴力を背景にした、人殺しまでやりながら、やっているというやり方について、やはり私は厳しくこういうものは取り締まらなきゃならぬじゃないかというふうに思いますが、その点どうでしょう。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) もうおっしゃるとおり厳しく取り締まりを、その都度検挙をやっておるわけでございます。  ただ、ちょっとお話しの中にバリケードの問題がございましたんですけれども、これは、バリケードを設置いたしました道路は、ちょっと私どもの方の調べでは違っておりまして、実はこういうことなのでございます。バリケードを設置いたしました道路というのは開拓のためにつくられた私道でございまして、太田重機、福光物産とも道路使用料を支払って利用していたそうでありますが、この道路沿いに社会福祉施設等がございまして、ダンプカーが通ると危険ということで、道路の管理者や福光物産、太田重機で話し合いが行われまして、福光物産が五十三年の一月ごろに迂回路をつくりまして、太田重機のダンプカーもその迂回路を通ることにしたわけでございます。そういうことで、前の道路、旧道の方にはコンクリートのバリケードを設置したというような形になっておるのだそうでございます。  先ほどのお話しのように、自分のところの土を無理やりに使わすというような横暴な商売というのはこれはあり得ないので、当然そういうようなことについては厳重に取り締まりをやっていかにゃいかぬということだと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは通産省の方に伺いたいと思うんですが、この福光物産というのは佐賀県知事の登録を受けた採取業者だということになっているわけです。それで、これはまあ一般論として聞きますけれども、知事の登録を受けているという採石業者が先ほどお話しのあったような採石法違反を犯したという場合、どういう処置がとられ得るか、その辺をまず伺いたい。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 知事登録をしております採石業者が採石法の違反を行った場合に、採石法上どういう措置がとられるかというお尋ねでございますが、違反事項の内容に応じまして当該採石業者を管轄する都道府県知事が行政処分を行うということができるようになっております。すなわち、たとえば違反によって災害を起こすおそれがあるというような採掘をやっている者に対しましては、緊急措置命令を出しまして採掘方法等を改善させる。あるいは、採掘を始めますときに採取計画の認可を受けるわけでございますが、その認可どおりにやっていないというような場合には、極端な場合はその認可の取り消しを行う。あるいは無認可で採掘をしている、あるいは認可の取り消しの処分を受けているのに採掘をしているというような場合には、さらに登録の抹消というような処分ができるということになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 採石法の三十二条の十に、「通産大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた採石業者が次の各号の一に該当するときは、その登録を取り消し、又は六箇月以内の期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。」ということになっておりますね。で、今回県警が、三十三条違反ということを先ほどおっしゃった、そういう容疑で逮捕されたわけですけれども、そうしますと、この三十二条の十ということが該当するということになりますか。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 現在の容疑が事実であるということになれば該当いたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、三十二条の十のいま読みましたところですね、「登録を取り消し、又は六箇月以内の期間を定めて」とありますが、「事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。」、二通りの処分が出ているわけですね。これはどういう場合に取り消しになり、どういう場合に事業の停止という処分になるのか、その点を伺いたい。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) これは違反の内容によりますが、認可いたしました都道府県知事が、その内容によりまして、おっしゃいました範囲内で処分をするということになっておりまして、こういう場合はこうというはっきりした規定というものはございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 重ねて伺いますけれども、登録の取り消しといえば、これは言ってみれば一番重い処分じゃないかというふうに思いますね。そういう場合、たとえば、たびたび県知事などから指導を受けて、しかしそれに従わないというような場合ですね、考えられることは。あるいは特別に悪質行為をやったというような場合取り消しになるのじゃないかというふうに思いますが、その点どうですか。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) おっしゃるとおり、悪質な違反であれば取り消しに該当することになると思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、県警が逮捕しただけでなくて  起訴をしたと。しかも、先ほどお話しがありましたように、森林法違反、それからまた他人の財産の侵奪等々をやっているんですね。しかしその中で一番重いということで、採石法違反ということで起訴したんだという御趣旨の発言がありました。やはりそれなりの根拠を持って起訴をされたというふうに思うんです。それが訴訟にたえないと見れば恐らく起訴も見合わせるのじゃないかと思うのですが、恐らく訴訟にたえるだけの十分な根拠ありというふうにごらんになったから起訴をしたんじゃないかというふうに思うんですよ。ところが、県の方はどういう態度をとっているのか、県の処置について伺いたいのです。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 知事に登録いたしました業者が、採石事業の実施にかかわる法律違反を行った場合の行政処分の権限、これもまた昭和四十六年の九月の法改正以来都道府県知事に委任されておるわけでございますが、本件に関しまして佐賀県当局は、福光物産が違法に採取した疑いがあるということで、採石法に照らして厳正な処分を行うというふうに私どもは聞いております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その厳正な処分ということは一体どういうことですか。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 具体的な内容につきましては、佐賀県が現在行政処分の内容を検討中であるということで聞いておりまして、具体的なあれにつきましてはまだ佐賀県としても決めていないというふうに聞いております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 先ほど、一般論として、三十三条違反を犯した場合三十二条の十に該当するという点を伺ったわけですね。そうすると、この福光物産も三十三条違反を犯しているという疑いで起訴されているわけですね。当然のことながらこの三十二条の十に基づいて、「登録を取り消し」もしくは事業の一部停止ですか、「全部若しくは一部の停止」と、こういう処分になっていくんじゃないでしょうか。これは法に基づけば当然そうなると思うが、どうですか。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 本件につきましては、県警の方では三十三条違反ということで検挙、起訴をされたということでございますが、県の方の調査いたしました段階におきまして、実は、本件については福光物産がやってないと、丸勝建設というのが、これは福光物産のダミー会社でございますが、福光物産でなくて丸勝建設が、自分がやったということを言ってきたと。それから、採石をやったのではない、そこに掘ってあった石を移動したのであって、これは採石法に触れるものではないというようなことを県の方へは申し立てたということで、県としてはその辺の事実の認定が先であるということで、現在それを調査中であるというふうに聞いております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 県の方は県の方として後からもう少し私申し上げたいことがあるんです。しかし国の方としてね、もし仮に三十三条違反ということであれば、当然三十二条の十で、「登録を取り消し、又は」「事業の全部若しくは一部の停止」と。当然のことじゃないですか、どうですか、その判断は。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 処分を実際に行いますのは都道府県知事でございますけれども、先生おっしゃいましたような容疑が事実であるということになれば、先生おっしゃるとおりだと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 しかも、この二通りの処分ですね。これについて先ほど私伺ったら、悪質な場合は登録の取り消しということになるだろうという御趣旨の御答弁があったわけですが、私、これは非常に悪質だと思うんですよ。当然これは登録の取り消しということが最も妥当な処分だろうというふうに考えます。  そこで、非常に悪質だということのその内容について、幾つか私申し上げたいと思うんです。ぜひこれはよくひとつ聞いておいていただきたい。  一つは、この宮地グループ、これが採石法違反を犯すに当たって、先ほど不動産侵奪の話が出ましたけれども、他人の持ち山を勝手に削って採石している。ひどいことをやっているわけですね。不動産侵奪の内容について、ちょっと警察庁の方からお聞かせいただきたいと思います。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) お尋ねの事件の件につきましては、三名ばかりの土地の所有者が被害にかかっておるというようなことを聞いておるわけでございます。——名前、申し上げましょうか。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 はい、できましたら。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 副島義孝四十七歳。それから木原正義六十歳。それから栗原シズ五十七歳の各氏でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 他人の土地をそうやって許可も得ないで勝手に削り取っている。これは知事の許可もないし、本人の許可もないと、こういうことです。  しかし、そのほかにも勝手に山林を削り取ったというのがあると思うのですけれども、その持ち山というのが、たとえば宮地芳子など宮地グループの構成員という持ち山がかなりあるんじゃないでしょうか。どうですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) やはり宮地芳子氏の持ち山もございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そのほか宮地グループの構成員の持ち山もかなりあるでしょう。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) いま、私の方には、構成員の方ではこの方のが来ておるだけでございますが。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 県の方が県議会に提出した資料があるんです。それ見ますと、無認可で宮地グループが採石したという土地の所有者、これの名前がずっと出ております。時間がないので一々読み上げませんけれども。その中には宮地グループの構成員かなりあるんですね。  ですから、まあ宮地芳子一例でもいいんですけれども、とにかくね、自分の家族——宮地芳子というのは宮地忠美の奥さんですね、自分の家族や組員に土地を買わしておいて、そしてそこのところを知事の認可も得ないでもってどんどん採石する。これは意識的、計画的な行為だというふうに見なきゃならぬと思うのです。決してこれは偶然にやったものじゃないということをはっきり私は見なきゃならぬと思うのですね。それが一つ。  それからもう一つ。先ほど警察庁の方からのお話しもありましたが、採石法違反だけじゃないんです。そのほかにもいろいろやっているんですね。私、ここに、県議会が「川上川・嘉瀬川問題に関する要望決議」というのをやっておりますが、その決議文の内容を持っております。これは、県議会の川上川・嘉瀬川対策特別委員会、これが昨年の十二月二十日に出した特別決議ですが、その中に、決議の二ですが、「業者の砂利採取法、河川法、森林法、採石法等違反の疑は明らかであり、その規模、内容は極めて大きく悪質である。  県当局は、行政処分を速やかに行なわれたい。」と、はっきりうたっている。この対策特別委員会が宮地グループの行為についていろいろ調査した、その結果としてのこの決議ですからね。一々細かく言う時間がありませんから私申しませんけれども、いろんなことやっているんですよ。暴力団として人殺しもやれば、殺人未遂もやれば、恐喝もやれば、傷害事件も起こす。それだけじゃない、採石法違反。これに加えて、いま読んだ河川法、森林法、砂利採取法、これらの法律にも違反する行為をたくさんやってるんです。採石法違反というのはそのうちの一つなんだ。まさに悪質なやり方だというふうに私は言わざるを得ないんじゃないかと思うんですね。  それからもう一点、通産省が出している採石技術指導基準というのがあります。これを私見てみましたら、採石をする場合に、大体角度六十度くらいで土地を採石するという指導基準になっているんですね。ところが、実際はそうなっていないんですよ。私ここに現地の人たちが——殺されるのを覚悟で撮らなきゃ危なくて撮れないんですが、殺されるのを覚悟で撮った写真、幾つかここに持ってきております。ぜひこの機会に見ていただきたいと思うんですが、(写真を示す)これ、六十度の傾斜ですか。九十度近いじゃないですか。至るところにこういう状態があるんですよ。いつ土砂崩れが起こるかわからぬという状態を平気で放置して、そうしてやっているというのが実情です。後からこれはお届けしますから見てください。  それから、こうした数々の不法行為の結果どういうことになったか。私は、採石法の三十三条の四ですね、ここには自然環境等々、それからまた公共の福祉に違反しないようにということがはっきり書かれていると思うんですけれども、まさに三十三条の四に真っ向から違反するようなことをいろいろやっているんですよ。たとえば、一つは自然の大破壊。(写真を示す)これもそちらからもし見れたらごらんいただきたいと思うんですが、ここに流れている川が嘉瀬川という川です。こちらが上流。だから嘉瀬川の左岸から撮った写真ですね。この辺は佐賀の嵐山と言われまして、風光明媚、水がきれいなところだったんだ。ところがどうです、この左岸の方、これは福光物産が採石のたびにこれほど掘っくり返している。それだけじゃない、この対岸の山々、こうして削り取っているんですよ。この辺が先ほど話の出た他人の土地、不動産侵奪で削り取ったところです。全くそれはもう自然環境破壊もはなはだしいという状態がつくられている。  しかも、こういうところで取った砂をこの嘉瀬川の水で洗っているんです。そして真砂土を取っている。どろはどんどん川に流れる。そうしてその真砂土を取った残りの土を、これ、昔中の島と称されて中州だった、その中州にどんどん積み上げている。高さ十メートルくらいの大きな堤防のようなものができている。そうして、これも色づきじゃないですがそれが中の島の様子です。非常にはっきり出てますが、その土を積み上げた上の方で、これ池みたいになっていますが、ここでどろを洗っている。そうして、真砂土を取った残りの土をどんどんこう積み上げている。これは土どめも何にもしていないんです。雨が降ればどんどん崩れて川へ流れ込む。ですから、天下の清流と佐賀県人が誇っていた嘉瀬川が、どろがいっぱい沈積しまして、そして、ここに写真がありますけれども、人が歩けばこんな状態で、どろの中にのめり込んで足跡がちゃんとつくというような状態になっているんです。下流の方もずっとどろが沈でんしてるんですよ。これ、もう自然の大破壊です。さっき私ちょっと読み上げた県議会のこの要望決議の中にも、「自然の大破壊」という言葉がはっきり書かれている。  それだけじゃないんです。中の島にこうやってどろを積み上げるでしょう。そのために、この嘉瀬川というのはここに中州があって集中豪雨なんかがあったときには遊水地の役割りをしていた。それでも以前はこの辺に水がつかって大きな災害を引き起こしている。そこにどろを積み上げて事実上堤防状態にしてしまった。しかも、県の方が流量を誤りましてね、これほとんど放任しているんです。したがって洪水が起こるおそれがあると、集中豪雨が来たらどうするかと周辺の人たちは大問題にしている。そういう事態が進んでおりまして、公共の福祉が著しく踏みにじられているというのが実態になっております。  この近くに大和町という町がございますが、その大和町の町議会が出した意見書を私、持ってきておりますので、参考までにちょっと読んでみますと、大和町議会が五十三年十二月の二十二日に出している「川上川改修並に真砂土採取事業に対する意見書」というところにこういうことが書いてある。「しかし近年乱開発が進行すると共に、河川は汚され、緑の山は削られて昔の面影を失いつつあります。しかも河川や採石場の状態は、一旦集中豪雨にでも襲われるなら流域住民はもとより佐賀平野一帯に甚大な被害を及すであろう事は明らかです。」と、「佐賀平野一帯に甚大な被害を及すであろう」と言っているんですよ。  こんなことがこの福光物産の不法行為、無法行為によってやられているんです。採石法違反というのはこうした行為の一端にすぎないんです。まことにこれは悪質なやり方だと見なきゃならぬと思うんですね。ですから私は、国としても当然の判断として、これは三十二条の十の中でも一番重い登録の取り消しという処分こそが最も適切な処分じゃないかというふうに思いますが、その点どうでしょうか。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) ただいまの写真を見まして、私ども、非常に被害が大きいということにびっくりしたわけでございますが、通産省といたしましても、厳正な処分を実施するように佐賀県の方を指導してまいりたいと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 厳正な処分をするように指導するというのは非常に結構なことですけれども、しかし、ひとつよく心にとめておいていただきたいことがあるんです。それは、いままさにあなたが指導すると言われた県当局の態度なんですよ。ほうっておけば厳正な処分なんかするはずがないと思われる節が数々あるのがいまの県当局の態度なんです。その点をよくひとつ心にとめておいていただきたい。  たとえばこれは現地の新聞に載った記事ですけれども、ことしの二月十五日の朝日新聞にこういう記事が載っているんです。県当局は、昨年九月の段階で、福光物産が採石法違反を犯して無認可の土地から採石をしているという事実を知っていたんだと。しかし、それに対していろんな理屈をつけて処分しなかったというのが一つ。それからもう一つは、ことしの二月三日の朝日新聞ですけれども、県警が手入れをして起訴までした。その根拠となった資料を、これは県がもし必要ならばいつでもごらんなさいということで県にもその旨通知したと。県は一向に見に来ない。これでは県は厳正な態度で処分するつもりがあるのかどうか疑わしいという趣旨の記事です。そのほか、まあ私、いろいろ申し上げたいことがあるんです。この写真をお見せしながら申しました。私も現地に行って調査しまして、これはもう県の態度を聞いてびっくり仰天したんですけれどもね。こんなことをいままで全部野放しにやらしているんですよ、県が。いくつかの法違反、こういうことがはっきりしてきている。全部県はそれを黙認して野放しにしてきている。  そういうことですが、特に私さっきちょっと申しましたけれども、県の工鉱課が県議会に提出した資料をこう見てみますと、福光物産が採石している土地ですね、認可されているところと認可されてないところ、はっきり挙げて書いているんです。この資料、必要ならば後でコピーして差し上げましょう。違反を犯しているということをちゃんと知っているんですよ。それでもなおかつ何の処分もしない。言語道断でしょう。そういうことを十分に頭に入れておいて厳正な処分をしなきゃならぬと思いますね。させなきゃならぬと思う。起訴されたので裁判の結果待ちというようなことじゃ、私はならぬと思いますね。裁判の結果が出ようが出まいが、この問題については県が独自な判断で処分しようと思えばできるわけでしょう。その点どうですか。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 先生おっしゃるとおりでございまして、県の判断で行政処分はできることになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、県がこうしたいま申しましたようなあいまいな態度をとっている背後に、県当局と暴力団との癒着関係があるんじゃないかと思う。これは県民の強い意見ですし、私も同意見ですよ。  たとえば、私現地調査に行ってわかったんですけれども、県当局が、この嘉瀬川のすぐ左岸を国道二百六十三号線というのが通っている、それの拡幅。拡幅と同時にこう湾曲しているのを直線にするということも含めての、国道二百六十三号線計画というのを発表した。これが昭和四十六年です。で、この計画によりますと、中洲をはさんで一方が嘉瀬川一方が西光寺川と二つに中洲によって分けられている。西光寺川は埋め立てて、そうして嘉瀬川の方を若干拡幅して川を一本にしようという計画も、二百六十三号線計画の一つとしてつくられておる。ところが、その直後に、福光物産が採石業を始めてこの中洲に土を積み上げるということを始めているんです。そうして、結局いまどういうことになったかといえば、西光寺川は埋め立てられた。もしこの中洲が河川敷に指定されていれば、どろをそんなに積み上げて、そうしてこれをならしていずれ旅館を建てるとか別荘を建てるとか言っているそうですけれども、そんなことのできるはずはない。事前に県の計画をキャッチして、そうしてどろを積み上げて西光寺川を埋め立てて平地と同じような状態にいましつつある。これは信濃川河川敷事件とよく似ているでしょう。いずれあの信濃川の霞堤が本堤に変わるだろう。河川敷はそのうち河川敷でなくなる、指定解除になって。そこで、これ買っておけば大もうけできるというのでね、買って、現実に大もうけしようとしているのがいるわけでしょう。全く同じようなことですよ。これは県との癒着関係がなきゃとうていできない。  しかも、いまここに、私、宮地正治という男が出している「佐賀政経実報」という、ことしの一月一日号を持っております。宮地正治といえば、先ほど御答弁いただきました宮地グループの親玉だという。首領だという。その男が出している新聞に、どうですか、佐賀県知事が、「年頭の辞豊かで伸び行く郷土 これが実現に努力したい」という見出しで記事を載せているんだ。さっき、佐賀県議会の特別委員会の決議、これは十二月だと申しましたね。昨年の初めもしくはおととしの暮れごろから、この宮地グループのやっているむちゃくちゃなやり方が県民の間で大きな問題になっている。県にもたびたび住民代表が行って追及しているし県議会でも大きな問題になっている。しかも、昨年の九月には採石法違反を犯しているという事実までつかんでいる。新聞記事によれば。そういう実態を踏まえながら、佐賀県知事がこの暴力団の首領が出している新聞に年頭の辞を載せるというのはどういう意味を持っているか。想像に余りあるでしょう。しかも、この新聞には、「一九七九 明けましておめでとうございます」ということで、佐賀県選出の衆参両院議員が全部名刺広告まで出している。こういう癒着関係があるんです。普通の厳しい態度で指導しますなんということじゃとうてい問題解決できないんだ。その点をひとつよく頭に入れて、本当に厳正な態度で指導をしていただきたいと思うんです。その点どうですか。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 採石法は、災害の発生を防ぎつつ、かつ採石業の健全な発展を目指すという目的のもとに制定されておるわけでございますが、先ほど先生お話しございました、当初の認可に当たって、災害が起こってからあるいは事故が起こってからだけでなくて、認可に当たって、採取計画、それから採掘後の計画あるいは採掘時における技術上の問題等々の指導というものをさらに一層厳正に実施するということで県を指導すると同時に、今回の件につきましても、県の方といたしましても、先月の二月の二十日でございますか、嘉瀬川連絡協議会の御質問に対しまして、採石法に照らして厳正な処分を行う考えであるという返事を出しております。昨日、私電話で県に問いただしましたところ、現在県議会中であって、そのような趣旨で昨日県議会においても答弁をしたということでございまして、県議会終了後直ちに具体的な処分の検討に入るというふうに聞いておりますので、私といたしましては、その推移を厳正に見ながら指導をしてまいりたいと、かように考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 どうせ採石法に基づいて処分をするということであれば、手続上これから聴聞会などを開いてやることになるだろうと思う。一方は暴力団ですよ。いままで県民を暴力でおどし上げてきている。これを商売にしている男だ。この聴聞会に暴力的な圧力をかけないとはだれも保障できない。同時に、いま申しましたように、県当局とこの暴力団と癒着関係にある。そういうことを十分にひとつ考慮をして、そういうことのないように特別な注意も与えながら、あなた自身も悪質な行為だと言われた、その悪質な行為を犯した人間に対して、法に基づく厳正な処分をすべきだと思うんですね。そういう指導をしていただきたいと思う。どうですか。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 承知いたしました。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう時間が来ましたので、最後に伺いたいことがありますが、県の方に、大豊物産という名前で、これは宮地芳子という人が代表取締役になっている。そして、採石業の登録をしているんですね。県の方がそれを認可している。いいですか、この宮地芳子というのは、先ほど警察庁にも伺いましたけれども、宮地忠美、これの奥さんです。宮地忠美というのはもう御存じのとおりですよ。ひっくくられて起訴されている福光物産の前の代表取締役。まさに宮地グループの一番中心に座っている方ですよね、宮地芳子というのは。この方が代表取締役で採石法の登録を受けているんですよ。これは恐らく宮地グループも、福光物産その他ではもうもたないだろうと、恐らく登録の取り消し処分などでやられるかもわからぬということで、いち早く出したものと見なきゃならぬと思う。これは隠れみのです。しかも、宮地グループの有力幹部の一人ですよ。こんな会社にもし仕事やらしたらまた何やるかわからぬですよ。当然これは登録の取り消しをやるべきだと思う。この点どうですか。  それから、大臣に一言伺いたい。大臣、時間がないものですから一緒にかためて申しわけないんですが、公安委員長と大臣ということで、最後に伺いたいんですが、いまお聞きのとおり、暴力団がのさばり返って県民を暴力でおどし上げる、人殺しもやる。そういう暴力団が採石業を営んで、むちゃくちゃなことをやって、これを県当局が見逃してきた。癒着の疑いがある。こういう事態について、国家公安委員長としても自治大臣としても、やっぱり厳しい態度で対処していただきたいと思います。その御決意も伺いたいと思います。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 宮地組が別の法人を設立いたしまして、夫人の名前で登録を申請したということは、登録をされているということは事実でございまして、この登録の申請時におきましては、法律にございます登録の拒否要件に該当するところはなかったということで登録されたわけでございますが、今後、先生先ほどおっしゃいました採石法三十二条の十という法律に照らしまして、条件が幾つかございますが、そのいずれか一つにでも該当するというようなことであれば、登録を取り消すということも考えられると思います。検討させていただきます。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 暴力団というものに対しては、これの絶滅を期して徹底的な取り締まりを展開しておるわけでございますので、本件に関しても厳正に対処してまいります。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 朝からの委員会でございまして、いつもしんがりはもう大方皆さん疲れ切ってしまうんですが、もうしばらくおつき合いをいただきたいと思います。  自治省は、各自治体の行政をやりやすくしてやる一つの役目というものもあろうかと思いますけれども、障害者の福祉でも自治体が率先して開始しまして、自治体から生まれた一つの福祉というものが、いま国の施策の中にも数多く取り入れられているところでございます。たとえば福祉の町づくりもその一つでございまして、仙台とかあるいは町田市あたりが率先して四十八年福祉都市宣言をして以来、厚生省がモデル都市事業を開始したのでございますけれども、その後、全国に広まったこういう運動に厚生省ではまた五十四年度の中におきましては福祉都市事業費というものを新しく予算化いたしましてその辺にさらに着手していく。これは、一九八一年は国際障害年にも当たりますので、そうした意味も含まれているわけでありますが、しかし、これらのいろいろな声に対しまして水を差すようなことがいま現実に起きているわけです。これはまあ責任の一端は国にあろうかと思いますので、まず大臣に伺いたいところでございます。  といいますのは、福祉の町づくりの象徴でもあります車いすの国際シンボルマークですね、御存じだと思います。国際シンボルマークというのはもうこれはいろんなところで皆さんごらんになっているからわかると思うんです。これはもう世界各国共通のマークでございますから、あえて示さなくても、こういう形のものでございます。国会にも幾つかございますし、飛行場にもございますし、あるいは公共物の中にも昨今つくられております。この国際シンボルマークを使った標示には、実は意匠登録をされていたわけです。調べますと、確かに昭和五十年二月に登録になっているわけです。意匠登録に使われた国際シンボルマークというのは、昭和四十四年にアイルランドのダブリンで開かれた国際障害者リハビリテーション会議評議委員会で決められたものでございまして、これは何人もこれを悪用してはならぬ、乱用してはならぬという一つの精神のもとに、世界各国がこれをシンボルマークとして、障害者の社会参加のために、公共的なものの中にこのマークを掲示することによって、より多くの人たちと元気よくやっていこうと、こういう一つの精神であるわけなんです。  ところが、これが意匠登録をされたわけでありまして、日本でもいろんなところでこれが標示されておりますので、そんなのが登録されているというふうには、みんな知らなかったわけです、当然のことながら。ですから、足利市とかあるいはまたそのほかの市町村でも、障害者が駐車するその駐車場に棒を立てまして、そこに車いすのシンボルマークをつけて、身体障害者の皆さんの駐車場ですという掲示をしたところが、この意匠登録をした業者が各地の自治体を回りまして、これは権利の無断使用であると抗議して歩いたというわけですね。これは幾つか事例が私たちのところにも寄せられておりますし、まあ報道もされているところなんです。実は、この登録した会社の代表の人は高橋さんという人ですが、日本道路設備株式会社というので、建設省のいろんな公共事業をやっている。道路のカーブの滑りどめとかあるいはいわゆるカーブミラーですね。こういうふうなものをつくっている会社ですから、当然全国またにかけてやっているものですから、いろんなところでその仕事をしながら、実はGメンみたいなこともやっていたわけです。で、幾つか指摘されたりしたんです。  そうしますと、いろいろこう形を変えたりするんですけれども、もうこんなめんどうなことなら、こんなものが意匠登録されているなら、もうやめたというように投げ出すようなところもあるし、またそういうムードにもなりかねない。これはやっぱり大変ゆゆしい問題だと思うんですね。今後、自治体の中で福祉を育てるという意味におきましても、まず、自治大臣、この一件についてどういうように思われますか。これは率直な御意見で結構なんですけど。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 意匠登録をされておるということになると、これはやはり無断使用ということになりますると、抗議を受けてもやむを得ないという感じもいたしますが、しかし、こういったものを登録をして福祉の充実というものを阻害するということもこれは望ましくないわけでございますから、調査しまして何らかの対策を講じたいと思います。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 福祉行政を推進する上で、この意匠権というものが障害になっていることはまことに残念なことであるわけです。  そこで特許庁に伺いたいわけですが、意匠出願についてはいろいろやっぱり規定があるだろうと思いますが、どういうぐあいに取り扱っているわけですか。まずその辺から伺いたいと思います。

和田裕特許庁審査第一部長

○政府委員(和田裕君) お答え申し上げます。  意匠制度は、先生御承知のとおり、創作された意匠の保護とその利用を図るものでございまして、これによりまして意匠の創作を奨励し産業の発展に寄与すると、こういったことを目的としてやっておりまして、実際に出願された意匠につきましては、意匠法に基づきまして一定の要件を備えた意匠につきましては登録してこれに独占的な権利を与えると、そういったものでございます。特許庁におきましては、年間五万数千件に及びますところの出願につきまして、敏速かつ確実に審査しなきゃいけないという立場から、資料に照らしまして審査をしているということでございます。  本件につきましても、意匠法の規定に照らしまして、当時の条件に照らしまして登録要件があると判断して登録したものでございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 五万数千件の出願率というのはこれは世界一だそうですけれども、その処理は最低というような酷評もあるわけですね。一つのものを頼みましても四年五年なんというのはざらであるというようなことも言われているわけですけれども、しかしこれは、意匠法によると、公知のものや容易に創作できたものというのは登録できないとなっているにもかかわらず、このシンボルマークのように公然知られたものが登録されているわけです。ですから、意匠登録の要件というのは、創造性があるということをさっきもおっしゃいましたけれども、その要件をまず説明してもらいたいと思うのですがね。

和田裕特許庁審査第一部長

○政府委員(和田裕君) お答え申し上げます。  基本的にはいま先生おっしゃったとおりでございまして、要件としては、第一に新規性のある意匠であることということでございまして、これは具体的に申し上げますと、意匠法の三条第一項でございます。当該出願と同一または類似の意匠が、日本国内または外国において公然知られているかどうか。または刊行物に掲載しているかどうか。こういった観点から判断いたしまして、仮に公然知られていると、あるいは刊行物に掲載されているという場合には登録されない。これが第一点でございます。  第二点は、創作性のある意匠であることということでございまして、同じく意匠法の三条二項に書いてございまして、当該出願が日本国内において広く知られた模様、形状等に基づきまして、当業者、要するに意匠関係業者が容易に創作できた場合には登録されないという規定でございます。  その他、公序良俗違反のものについては登録できない、こういったようなことでございます。  簡単に申し上げますと以上でございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 本件の国際シンボルマークにつきましては、その出願前に、シンボルマークが昭和四十五年以降数回にわたりまして国際リハビリテーションニュースに掲載されているわけですね。そのニュースも持ってきておりますが、これがそうなんです、国際リハビリテーションニュース。この意匠登録が出願されたのは四十七年ですから、その二年前にはこういうものが発刊されて、広くそうした関係者には配付されているわけなんです。それと同時に、昭和四十六年の十一月十五日には、これは福祉都市宣言をまず真っ先にした仙台の河北新報で報道されているんです。これだってこんなに大きく報道されているんです。ごらんください。「「車イス通れます」出入り口やトイレ シンボルマーク張る 福祉のまちづくり動き出す」。これは昭和四十六年十一月十五日です。さらにもう一つ出しましょう。NHKのテレビです。第一チャンネル。これは昭和四十六年十一月二十七日朝九時から、「身障者も住める町づくり」。この番組のディレクターにも伺いましたけれども、全編車いすのマークを放送しまして、ひとつ徹底してください。皆さん障害者自身も徹底してください。そしてまた、その施策を講じる皆さんも、こうしたものが国際シンボルマークとしていよいよ生まれたんですということが放送されているわけです。  にもかかわらず、四十七年にはこれに足をつけただけでこの人が出願をして意匠登録してしまったということになりますと、これはやっぱり特許庁何をしておったかということになると思うんですね。で、日本国内において広く知られたということは、これで周知だと思うんですよ。これだけ報道が、しかも、ある市などでは市の広報として全戸に配ったというような、こちらにその広報の資料もございますけれども。それにもかかわらず登録をしている。これはもう登録できないものじゃないかというような気がするんですけれども、審査時にこの事実が知られたとすればどうであったですか。

和田裕特許庁審査第一部長

○政府委員(和田裕君) お答え申し上げます。  特許庁といたしましては、先行する意匠につきましての資料を年間三十万件程度収集整備しておりまして、審査官はこれらの資料に照らしまして登録要件の有無の審査を慎重に行っております。しかしながら、本件につきましては、非常に残念なことに審査時には御指摘の資料が入手されておりませず、したがいまして審査官はこれを利用することができなかったということのようでございます。われわれといたしましては、そもそも保護を与えられるべき公共的マーク、特に先生御指摘の、身障者にとりましてきわめて重大な意味を持ちますマークにつきまして、結果として一私人に独占をもたらすようなことになるとは全く予想しておらなかったことでございます。  先生御指摘の、仮に審査時に御指摘の資料が入手できていたらどういうことになったかという御質問でございますけれども、先生御質問のとおり、日本国内において広く知られた形状に基づきまして容易に創作できた意匠出願として、意匠法第三条二項の不登録事由に該当していようというふうに考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 そういうことを伺うと、これはもう明らかに——大体おかしいんですね。こんなものを登録した方もおかしいし、大体それを許した方もおかしいと、そう言わざるを得ないと思うのです。その高橋さんの関係者は、正直言ってまさか通るとは思わなかった、こう言っているのですね。しかも、これが五十年に一応登録されているというこの形跡を見るにつけましても、もう五十年の時点におきまして——私が昭和四十八年に車いすになって、それ以前に私自身でさえもう知っておったわけでありますから、その審査の過程で、五十年にその登録が許されたということであれば何らかの処置はできなかったものであろうか。たとえば厚生省に一発電話を入れてもいいし、あるいはそうした関係者の方々を審判員として声を聞くような雰囲気もあってしかるべきではなかったかという気がするんですけれども、その辺を怠ったということになりますと、私は正直言って特許庁のミスであろう。しかし、ミスという言葉を言いましてもそれはミスであるということはきっと答えにくいだろうと思いますけれども、これは明らかにぼくはミスだと思うのです。  それで、いまこの国際シンボルマークがそうした一業者の意匠登録によって非常に使いにくくなっている。そのために無効審が出されていると思うのですが、その辺はいかがですか。

和田裕特許庁審査第一部長

○政府委員(和田裕君) お答え申し上げます。  先生御質問の、無効審が出されているかどうかということでございますが、現在、五十一年七月二日付で、意匠法第三条一項一号及び三号、それから同条二項及び第五条一号、二号に違反して登録されたという理由によりまして、無効審判が請求されておりまして、現在審理中でございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 五十一年に出されましてことし五十四年、三年たってもまだ結論が出ていないわけでありまして、そういう意味におきましては、まあ全国的に福祉都市づくりをやっていこうと、そしてまた障害者も健康な人たちもいてこそ正常な世の中なんだと、そういう感覚で広くその運動を展開していくんですが、今後これが、意匠登録がやっぱり何らかの形で審決が下らないことには、うかうかとこの町づくりも推進できないという非常に厳しい事態にいま立ち至っていると思うのです。こういうことを一つ一つ照らし合わせましても明らかに早期結審をしてもらいたいと思いますし、こうしたものがやっぱり、意匠登録する方もする方だが許した方も許した方だということは絶対これは否めないと思うのです。大臣いかがでございますか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほどから伺っておりますと、当時知っておったならば恐らく許可をしなかったろうと、こう言っておるわけでありますから、これはやはり少なくともその登録を許可した過程において慎重さを欠いたという点は否めないと思うのですね。しかもそれに対する無効の訴えが出ておるそうでございますから、とにかく速やかに結論を出すべきだと思いますよ、これは。通産大臣ともお話ししたいと思います。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 ぜひお願いいたします。  現在、このような事態を引き起こしたことは、やっぱり私とすれば、再びこういうようなことがあってはいけない。日本は意匠の面でも特許の面でも、五万数千件とさっきおっしゃいましたか、大変な数の出願があるわけですけれども、時間がかかっても、こういう結果を生むようなことがあってはやっぱり特許庁に反省を求めざるを得ないという気がするわけですけれども、今後どういう施策を講じられるか、お話しを伺いたいと思います。

和田裕特許庁審査第一部長

○政府委員(和田裕君) お答え申し上げます。  いま先生御指摘の御趣旨をよく踏まえまして、なるべく速やかに結審に持ち込むよう最大限の努力をしたいというふうに考えております。  また、今後の対策といたしましては、これまでも各省庁から申し出によりましていろいろこういった公共マークが採用されるときには御連絡をいただいていたわけでございますけれども、さらに綿密に連絡をいたしまして、公共性のあるマークが各省庁の関係の公共的団体によって採用される、あるいは制定されるといった場合には、必ず当方の方にそれが資料として入ってくるような体制にいたしたいというふうに考えております。  またさらに、われわれの収集いたします資料等につきましても広く資料化を行いまして、それが審査官の手元に最も敏速に利用できるような体制をつくりまして、資料の面で十分遺憾なきを期したい。それによりましてこういったことが起らないようにしたいというように考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 その登録した人は厚生省に権利を買ってほしいと申し入れたとか、あるいはさらに自治体を回って、無断使用をチェックして回りまして——これ府中とか足利がそうです。国会図書館の入り口にも似たものがあるけれどもこれも意匠法違反であるとやはり電話があったそうでございます。これが実は国の公共事業をやっている会社なんですよね。そういう意味では一番出願者が速やかにこういうものを知る、国際シンボルマークなんですからこれは。どこの国だってこんなものを意匠登録しているなんという形跡はないんです。日本だけなんです。全く恥ずかしい思いがいたしますので、その辺は速やかに結審してもらいたいと思います。  それでは、次にまた質問させていただきますけれども、大臣は当委員会における所信表明で救急業務につきまして触れなかったのでお伺いしたいわけですけれども、救急隊員の講習を進めているんですが、計画どおり進められているかということ。  また、兼務の隊員等の多い地方では逆に負担になっているというような声も聞くんですけれども、その辺どう配慮なされているかお伺いしたいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 救急隊員の資格といたしまして現在消防庁で定めておりますのは、そのための講習百三十五時間を経た者、あるいは一定の資格のある者、その中から救急隊員を選考するということになっておるわけでございます。ただ、現実の救急隊員は、現在四万一千人ばかりおりますけれども、その基準に達しておる者は三割程度というような状況でございます。私ども、救急隊員というのは人命を預かるものでございますので、できるだけ早急にその資格を救急隊員が確保するようにやっていかなければならないと思っております。昨年の十一月に消防法の施行令を改正いたしまして、五十七年の四月一日という目標を置きまして、それまでに講習を進めるということにしておるわけでございます。しかし、このためには全国各都道府県あるいは指定都市が持っておりますところの消防学校あるいは日本赤十字社の講習、それから各地区で行われる医師会の講習、そういったものを積極的に開くことによりましてこれに対応しなければならないと思っております。  ただ、そこで先生がいま御指摘になりましたところの、消防職員で救急隊員を兼務しておる者が、現在七七%ばかりがそういう形でございます。大都市などの消防ではそういうことはございませんけれども、田舎の方へ参りますと消防職員の数が少うございますので、現状はいま申したように兼務職員が多いわけで、こういう方々に資格を与えるための講習を行うということがこれから必要になってくるわけでございまして、そのためには所要の財源措置を各地方団体に講ずるとともに、先ほども申しました消防学校等の体制もさらに整備していかなければならないと、そのように思っております。何分人命を預かるものでございますので、非常に困難ではございますけれども、このままほうっておくわけにはまいりませんので、全力を尽くしたいと思います。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 そういう意味では大都市と小都市との格差が一層深まっていると思うんですね。この「ほのお」という全国消防協会編集のことしの本にある隊員が、つまり、「資格習得の目的は、搬送途上等における傷病者に対し適正な応急処置を行わしめることにある」が、この百三十五時間というのはとても兼務の状態では習得できるものじゃない。にもかかわらず、それは何年度計画かの中でこれをもう義務づけられてしまっている。そういうことになると、つまり応急処置をなぜ行わなかったのかというような今度はかえって訴訟を受ける対象になったりすると、医者ではないんだからそれが非常にむずかしいと。われわれはどうしたらいいんだというような悩みがありましたんですけれども、そういう意味におきましても、隊員の資質向上、ということも必要なんですけれども、しょせん医師のかわりはやっぱりできないと思うんですね。  そこで、医師が現場に駆けつけて適切な初期診断なり処置をすることも必要になるわけなんですけれども、何か厚生省側ではわりあい救急隊員の資質向上資質向上ということを言っている。こちらでは一定の限度がある。だから結局たらい回しみたいな形になって、責められるのは救急隊員みたいな部分があると思うんですね。その辺の厚生省とのいわゆるかかわり合いの持ち方ですね、どのように行われていくおつもりか。また、ドクターズカーを広く実施するというような、そういう考えの声もあるんですけれども、そんなものはいかがでございますか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) この救急業務につきましては、消防庁と厚生省と一体となって事に当たらなければならないというのは当然のことでございます。ただ、救急業務はこのところ非常にふえてまいりまして、五十二年は年間百七十万回、十八秒に一回救急車が飛び出しておるというような状況でございます。けが人が起きた場合あるいは急病人が起きた場合、一刻も早くそこに救急隊員が到着いたしまして適当な病院に搬送しなければならないということで、私ども、救急業務については今後とも厚生省と協力して努力してまいりますが、ただ先生のおっしゃいましたドクターズカー、これは非常に何と申しますか一番適切な方法だろうと実は思うのでございますけれども、現在の救急自動車には医者は乗せておりません。これはいろいろ問題がございます。医者を乗せる場合に、その業務をいまのように消防が行うのがいいのかどうか、それからまた医者をどういう形で確保するのか。それから、あるいはこれも御承知だと思いますけれども、現在救急のもう半分以上というのが内科系でございまして、急病でございますね。で、病状によってそれが専門医が行かなければならないということになりますと、どういう病状であるかというその情報の問題もございますので、ドクターズカーの問題は私ども研究事項としてはどうしてもやらなきゃいかぬ問題だと思っておりますので、今後とも厚生省の方と十分連携をとって検討を進めていきたいと思っております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 救急告示病院の数はここ数年何か伸び悩みだというようなこともうかがわれるわけですが、特に国公立の病院がそれぞれの地域でやっぱり基幹的な役目を持っているわけですから、この辺が率先して救急業務ということをやらなければならぬと思うんですけれども、所管はこれは厚生省だと思いますけれども。  私の例なんかで言いますと、私は昭和四十八年六月三日に刈谷市の舞台で転落して、生まれて初めて救急車に乗ったわけです。そうしますと、すぐ目と鼻の先に病院があるんですね。豊田病院という大きな病院が。これはもう百メートルぐらいのところにある。ところが、二つの市を越えて整形下科の救急病院に運ばれてしまう。そういう意味でやっぱり救急隊の皆さん方が地域の病院といろいろなコンセンサスをとって、いろんな形で重症の人に対しては、それは何よりもこういうところだというある程度の認識を持って搬送していただかないことには、私も結局はその病院じゃだめで、豊田病院に帰ってきたわけです。結局そこに運ばれればよかったものがずいぶん先の方まで運ばれてしまう。それも幾つか病院を回ったそうですけれども。そういう形で、助かるものも助からないというようなケース、私の場合は幸い助かりましたけれども、そういうケースがあるわけですから、隊員の資質の向上と同時に、そうした地域の病院でこうした形のものはどういう病院がいいんだということを把握すると同時に、やはりドクターたちとの連携というものをとる、ということはすなわち厚生省とも連携をとって、今後も間違いのない救急業務というものに専念していただきたいと思います。  それでは、統一地方選挙が近くなりましたので、ちょっと選挙関係のことでお伺いしますが、五十三年、昨年の四月十三日の当委員会で、私が在宅投票制度及び投票所の身障者への配慮について質問したわけですけれども、最近の知事選で在宅投票の実績及び投票所の配慮の状況などはどうであったか。もし結果がわかりましたら御報告いただきたいと思います。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 御指摘のとおり、ことしに入りましていわゆるプレ統一地方選挙という形で七県の知事選挙が行われました。その選挙の実施状況でございますが、何分にもまだ終了間もないものでございますので、電話で照会した程度でございますので必ずしも網羅的ではございませんが御報告させていただきます。  七県のうち、石川県と愛知県はちょっとまだ把握をしておりませんようでしたが、青森県が八十八名、山梨県が二百五十四人、奈良県が八十五人、愛媛県が百四十七人、熊本県が百十四人、これ数だけ申し上げるとちょっとわかりませんが、前回の大きな選挙といいますと五十二年の七月の参議院の選挙がございますのであれとの比較をいたしますと、やはり投票率が全般的に落ちておるということから絶対数として減っています。ただ、たとえば山梨県のように投票率が非常に高いところはむしろ前回の参議院のほとんど倍ぐらいにふえている。そういうような、大体ある程度投票率に比例したような形の増減状態であるということでございます。  それから、投票所に対する配慮でございますが、これはもう先般来御指摘されているとおりでございまして、それに従いまして、私ども、歩行に困難な身体障害者の方とかあるいは老人という方の利便を図るために二階以上の部屋に投票所を設けることは極力避けるようにという指導を常々いたしております。  それで、今回のいわゆる七つの選挙でございますが、愛知県につきましてはまだ県として掌握しておりません。石川県が、五百四十二の投票所のうち十七カ所だけがどうも二階に設けざるを得なかった。それから奈良県が、七百十四カ所のうち十七カ所は二階に設けざるを得なかったということでございます。それから青森県、山梨県、愛媛県、熊本県は二階以上に投票所を設けたケースはないと、こういう状況になっております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 そういう意味では、これからの統一地方選で、なるべくいまおっしゃられた県も含めまして、やはり在宅投票というよりも投票所で一票を投じたい、行使したいというのが身障者の切なる希望でございます。万やむを得ず在宅投票ということになるのですが、これがなかなか郵送料の負担がばかにならないということでありまして、お金を出してまで投票するならしない方がいいという、それでなくても毎日生活が青息吐息なんだというような声もあるわけでありまして、その辺、公費で負担するということですね。昨年も私申し上げましたが、公費で負担するということについて研究するとの答弁があったわけですが、その後どうなっているのでしょうか。郵府省との話し合いはやってくださったかどうか、その辺も伺いたいと思います。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 昨年、郵便投票制度に関しまして経費の負担の問題の御指摘がありました。その節お答えいたしましたとおり、選挙権を行使するという場合においては、一般的にはバス代とか交通費というのは自前で行っているというのが現状でございます。そういう中において、在宅投票における経費の負担をどのようにするかということをその後も引き続いて検討いたしております。  ただ、御承知のとおり在宅投票は、かつて二十六年に、旧法の時代におきましていろんな問題を起こしたことがございます。その結果二十七年に廃止されまして、四十九年に法律改正、それで五十年から初めて実施と、こういう過程を経たものでございますので、私どもは、当面といたしましてやはりこの在宅投票が円滑に実施されるということに専念しているという状況でございます。  で、御指摘の問題もこの一つの問題として研究すべき問題と考えておりますが、根本的には一体これがいわゆる郵便料金制度の問題であるのか、あるいは選挙制度の問題であるのかというのが根本的に問題でございまして、実はちょっと郵政省とその点のニュアンスの違いはあるのでございますが、それはそれといたしまして、私どもはやはり選挙制度の一つの問題ということで深刻に受けとめるべきではないかということでおります。ただ、何分にも五十年に実施されましてから幾つかのまだ経験もありませんし、さらにまた近く統一選挙もありますので、そこからの実績も踏まえながら引き続き検討さしていただきたいと考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 統一地方選挙でできる限り、まあやむを得ないという人は仕方がないにいたしましても、近くの投票所で一票を行使するというのが大いなる望みでございますから、また在宅投票をせざるを得ない人たちのためはそれなりの厳しい現実に置かれているということも御承知おきいただきまして、十分な御検討を心からお願いしたいと思っております。  続きましてもう一つ、宝くじの問題ちょっとお伺いしたいと思っておりますが、財政難の自治体にとりましては貴重な財源の一つが宝くじであると思いますけれども、現在は都道府県と指定都市のみ発売の権利がありまして、これにつきましてはほかの市町村もこういう財政難のときにはぜひ加えてほしいというような声もある由に聞くんですが、その考えはいかがでございましょうか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 現在、法律に基づきまして発売権が認められておりますのは、御指摘のように都道府県と指定市だけでございます。市町村から、市町村も発売させてもらいたいという強い御要請があることも事実でございます。ただ、県の発行にいたしましても、現在、広域的な協議会をつくりましてそれで発売をいたしまして、それぞれまた収益を配分すると、こういうたてまえをとっております。三千を超えます市町村につきまして、こういう協議会というのを一本でつくれるかどうか。それぞれ議会の議決も要ります。それからまた、その収益の配分をどのような基準で行うか、この辺のところも非常にむずかしい問題がございます。法律的、技術的にむずかしい問題がございますので、市町村の要望もさることながら、制度的な解決はこれはなかなかすぐは間に合わない。  そこで、私どもといたしましては、県が市町村分の宝くじを県の立場で発行いたしまして、その収益を市町村に帰属させるという方向で、来年度からこの要望にこたえる措置をとりたいと、かように考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 地方財源として基礎的、継続的なものを宝くじに求めるというのはまた反面どうかと思うというような声もあるんですが、その辺はどうなんでしょうか。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) そういう御意見も中にはございますが、しかし、なかなか宝くじ人気がようございまして、庶民の楽しみという面ではかなり普及しております。昭和二十年代からずっとやってまいりまして定着しておりますので、一面においてそういう庶民の娯楽の的にもなり、他面また地方公共団体の貴重な財源になっておりますので、私どもといたしましてはやはりこの仕組みというものは大事な仕組みとして尊重してまいりたいと、こう思います。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 どこの施設なんかに行きましても、新しい、国の規定以外のものでつくられたものは、日本船舶振興会なんという大きな看板がかけられておりますし、あるいは中央競馬会とか自転車振興会という部分に非常に福祉がすがっているわけでありまして、むしろそういう意味では福祉関係のいろんな諸施策がこうした宝くじ、国民的な人気のあるものでやってくれれば大変いいんじゃないかというような気がするわけですが、一九八一年は国際障害年に当たるわけでありまして、そういう意味でこれに向けて障害者福祉を飛躍的に前進させていくべきだと思うんですが、その場合、何らかのプロジェクトに対しまして宝くじを発売するといった案は検討の余地があるかどうか。まあ万博とかそうしたものにはそれはなされておりますけれども、厚生省もこれからプロジェクトをつくりまして、一九八一年に向けて、世界的な国際障害年を迎えようとしているわけですが、そうしたものに対する検討の余地というものはいかがでございましょう。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 国際障害年におきまして、地方公共団体がどのようなプロジェクトなり事業を行うかということは、これからの問題だと思いますが、もしそういう適切な事業なり課題がありまして宝くじの収益をそれに充当し得るものであれば、私どもとしてはひとつ検討課題になり得るものと思います。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 どうもありがとうございました。

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) ほかに御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時四十一分散会      —————・—————

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