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87回国会参議院1979/06/06

大蔵委員会公聴会 第1号

発言数
47
登壇者
10
会派数
4
開催日
1979/06/06

会議録

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会公聴会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨五日、渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。  また本日、高平公友君及び竹内潔君が委員を辞任され、その補欠として戸塚進也君及び真鍋賢二君が選任されました。     —————————————

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) 本日は、日本専売公社法等の一部を改正する法律案につきまして、四名の公述人の方々から御意見を伺います。  この際、公述人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  皆様には、御多忙中のところ御出席をいただきまことにありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の本案審査の参考にいたしたいと存じております。  これより公述人の方々に順次御意見をお述べ願うのでございますが、議事の進行上、お一人十分程度でお述べを願い、公述人の方々の御意見の陳述が全部終わりました後、委員の質疑を行うことといたしますので、御了承を願います。  それではまず谷本公述人にお願いいたします。

谷本たかし全日本農民組合連合会書記長

○公述人(谷本たかし君) 全日本農民組合連合会の書記長をしております谷本であります。  まず初めに、総平均二一%の製造たばこの値上げ問題について若干の意見を述べさしていただきたいと存じます。  今回の製造たばこの値上げについて幾つかの理由が挙げられておりますが、そのうち最も大きいのは、国家財政の確保の問題が一つであり、もう一つは、専売公社が合理化努力を行ってきたが、コストが上昇してきておるので値上げせざるを得ないという、二つの事情が挙げられております。  総原価で見てまいりますと、昭和五十年に値上げをいたしましてからことしで約四三%の原価の値上がりになると見られております。その中身を見てまいりますと、一般管理費の上昇が五七%とされ、製造原価の方は三五%の値上がりであるというふうに見られております。  この事実は一体何を示すものか。私は、この二つの事実の中から読み取れるものは、専売労働者の賃金や葉たばこの収納代金が上がったから総原価が大幅に上がったというのではなしに、ここには物価上昇の反映の姿があるのではないかと思います。その点は、葉たばこの価格の上昇で見てみますとなお一層鮮明であります。  昭和五十年から昨年までの葉たばこ価格の上昇を見てみますと一五%にしかすぎません。その間、消費者物価は二三%上がっております。価格のアップが一五%であるのに消費者物価が二三%も上がっているというのは何を示すのでしょうか。これはとりもなおさず、消費者物価の値上がりというのが葉たばこ価格を引き上げてきたというふうに言わなければなりません。コスト上昇は明らかに消費者物価の上昇が大きく響いた結果のものと言わなければなりません。  そういう立場から見てまいりますというと、今回の値上げはそのしりぬぐいを消費者の犠牲において行うものと言わなければならないでありましょう。  それでは専売事業の関係者はどうなのかというと、専売事業の関係者も決してそのらち外ではありません。  製造たばこの値上げを行いました場合に、経済の高度成長期には、値上げを行って消費が落ち込んでも、大体三カ月程度あれば消費は回復いたしました。しかしながら、低成長期に移りましてからは、値上げを行いますと消費の落ち込みは長期的に停滞をいたします。昭和五十年の製造たばこの値上げはそのことを事実をもって示しております。  そうした結果が出てくればどのようなことになるかは言うまでもありますまい。専売の労働者にとってみれば雇用情勢が著しく悪化するであろうということであります。  また、葉たばこ耕作者の立場から見てみますと、現在原料葉の在庫が約六カ月近く過剰であると言われる中で、葉たばこ耕作者は減反を余儀なくされておるのでありますが、製造たばこの値上げによって消費が停滞、落ち込みますと、この減反にさらに拍車がかけられるということになってまいります。製造たばこの値上げがどういう程度に及んでいくかについては必ずしも明確になっておりません。専売公社の経営についての長期見通しも不明確であります。そういう状態の中で総平均二一%もの製造たばこの値上げを行うことは、暴挙のそしりを免れ得ないだろうと思います。したがいまして、専売公社が持つ公共性の機能をこの際発揮すると同時に、税負担の軽減で製造たばこの値上げは見送るべきなのではないかというのが私が申し上げたい結論であります。  次に、納付金率法定化、製造たばこ定価の弾力化、並びに輸入たばこ定価決定方式の明確化問題について、若干の意見を申し上げたいと存じます。  納付金率の法定化とは何か。大ざっぱに申し上げるならば、これまで専売公社が、総売上代金の中からかかった諸経費を差し引いた残り、これを国庫に納めればよかったものが、納付金率の法定化の中では、まず国庫が取る分が最初に決められて、その残りで公社経営が行われるというような関係になってまいると思います。使った分の残りを国庫に納めるということと、国庫が取った残りで公社経営を行うということは意味が全く違ってまいります。しかしながら、国庫の取り分が五五・五%であって、まあこれまでのそれと余り変わりはないから大した変化も出ないだろう、ということが言われております。しかしながら、私はそうだとは思いません。  御承知のように日本経済は物価上昇含みの経済であります。消費者物価は上がっても下がることはまずないだろうというのが大方の見方であります。そういう中で専売公社がいかに合理化努力を行いましても、合理化努力を上回るコストの上昇というのは今後もあり得るのではないか。今回の製造たばこの値上げは、確かにそういうふうな形で値上げが行われようとしているわけであります。そうしたもとで、物価が上がるという状態のもとで、葉たばこ耕作者にいたしましても、あるいはまた専売事業に従事する労働者などにいたしましても、消費者物価並みに価格、賃金を上げてほしい、あるいは生産性の向上分は価格ないし賃金の引き上げに充ててほしいという要求を持つのは当然であります。そういう状態の中で五五・五%の残りの四四・五%で賄い切ることができるのかどうか、問題は私はここにあると思います。  で、四四・五%で賄うことができない事態が生じた場合には定価を引き上げればよいのではないかとする考え方がございます。現に納付金率の法定化とともに製造たばこの定価弾力化というのはそういう意味合いを持って提案されたものだと思います。しかしながら、製造たばこの定価を引き上げますと、私ども耕作者の立場から言いますと、減反に拍車がかけられるという状態が出てまいります。問題はそれだけではありません。国内の製造たばこの定価が引き上げられてまいりますと、輸入たばことの値開きがさらに縮小されるという形のものが出てまいります。このことは国産たばこの消費が減退されていくということを意味するものと言ってよいでありましょう。輸入たばこ定価決定方式の明確化とはそういう意味合いを持ったものだと言わなければなりません。  以上のような新しい仕組みの中でどういう事態が生まれるか、専売の労働者にとっては賃金か雇用か、この二者択一が一層強く迫られる事態が生じでくるでありましょう。また、専売労働者とともにいまの専売制度、たばこ産業を支えております葉たばこ耕作者の立場からすれば、低価格と減反の強化を一層余儀なくされていくでありましょう。新しい制度のもとでは、財政が確保されても専売事業の経営は減量経営に向かわざるを得ない。そういう状態が強まってくるものと思います。してみるならば、新しい制度は角をためて牛を殺すというような結果になりはしないのか、その点が私は案じられるのであります。  今後の専売公社の経営の計画が全体としてどういうぐあいになっていくか、その辺のことについての見通しがないままに新制度に変えていくことは冒険も同然であるというふうに申し上げなければなりません。私は、耕作者とそして専売労働者という立場から見た場合に、この納付金率の法定化と製造たばこ定価の弾力化並びに輸入たばこ定価決定方式の明確化については反対であるということを申し上げなければならぬと思います。  以上であります。

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) どうもありがとうございました。  次に、木下公述人にお願いいたします。

木下和夫大阪大学名誉教授

○公述人(木下和夫君) 日本専売公社法等の一部を改正する法律案につきまして、これに賛成の立場から私見を申し述べます。  たばこ専売事業の現在の状況について認識しなければならない基本的な問題点は何かと申しますと、第一に、先般の昭和五十年度の定価改定以後たばこの消費が停滞していること、第二に、国内産の葉たばこの価格が国際水準に比べてきわめて高く、かつ品質においても著しい劣化傾向を見せており、しかも大きな過剰在庫を抱えることを余儀なくされているという点、第三に、このために専売公社が合理化のための企業努力を続けているにもかかわらず、原価の上昇を吸収することができず、専売益金率が低下し続けており、かつ経営資金が窮迫化しているということ、第四に、最近において貿易自由化交渉からの国際的圧力が急速に加わっているということを挙げなければならないと思います。  したがいまして日本専売公社は、いま申し上げましたような現状にかんがみて、わが国のたばこ産業を長期的に維持しかつ発展させる。このことを通じて財政専売であるところの重要な要請、すなわち、国及び地方公共団体の財政収入を安定的に確保することに努力すると同時に、たばこ産業に関連いたします公社職員はもちろんのこと、たばこ耕作者、たばこ販売人、その他数多くの関係者の日常の活動と生活とに対して重大な責任を自覚せねばならないと考えます。  すなわち、たばこの価格形成を公正なものにすると、そして安定的にたばこを供給し、財政収入を確保するために努力を傾け、また、最近の社会的な問題となっております喫煙と健康問題等について積極的にこれに対応していくこと、専売事業の計画及び管理の効率を高める等の要請に合うように制度面における改善を行って、公社の自主的な経営体制、責任体制を確立する必要があると思うわけでございます。  そのためには、まず第一に、現行の専売納付金制度につきましては、税相当分と企業利益相当分とが分離されておりませんために、経営の指標あるいは経営成果というものが不明確となっております。その結果、経営責任もまたはっきりしない状態にならざるを得ないことになっております。また、税相当分が明示されていないということは、他面におきまして定価の現実的な改定を試みようとしてもこれを著しく困難にさせておりまして、ひいて財政収入を不安定化させる要因ともなっております。  この点に関する制度改革の方向といたしましては、消費課税制度に一挙に転換するか、あるいは納付金率の法定制度を採用するかの二つの道が考えられるのでございますが、現に、昨年六月の公共企業体等基本問題会議の意見書、また昨年十二月の専売事業審議会の答申、また昨年十二月の政府税制調査会による五十四年度税制改正答申、あるいは財政制度審議会の建議等にかんがみましても、いま申し上げました二つの選択の道のうち、当面におきましては納付金率の法定化の方向を採択すべきであると考えます。また同時に、昭和五十四年度におけるたばこ定価改定はやむを得ないものであると申し上げざるを得ないのでございます。  この場合、納付金率の法定におきましても、定価改定におきましても特に留意すべき点が二つあると存じます。  その一つは、改定されます定価の水準がわが国の租税負担水準及び専売公社の過去の経営実績と今後の経営見通しから見て妥当な水準でなければならないということでありますし、第二は、税相当分に見合う法定納付金率は一定率方式ではなくて、わが国の嗜好品課税の一般的あり方を考慮して、上級品には高く下級品には低いものでなければならないと考えるわけでございます。  第二に、現行の専売納付金制度のもとでは、前にも触れましたように、税相当分が明らかでないために、定価改定の必要ができましても、値上げの理由について消費者や国民の理解が得にくいという事情がございますために、市場の実勢を反映した適時適切な定価改定が行われにくいという欠点があったわけでございます。  その結果、このことは公社経営に対して商品計画や利益計画の策定を困難にさせるということになってまいります。もちろん、これに対しましては抜本的に現行定価法を廃止するという意見もあり得るわけでありますけれども、制度の急激な変化を避けるという意味では、現行定価法の一部を改正して、最高価格に物価ないし賃金によるスライド方式を取り入れつつ定価法定制の緩和を図るという方法がより現実的であろうと考えます。  ただ、この場合いわゆる緩和化の内容の検討につきましては、憲法を初め財政法三条、特例法、現行定価法及び専売納付金制度との関係に慎重な検討が望ましいのは当然でございまして、また、他面において消費者及び国民の利益が十分に担保されるよう慎重な考慮を払うべきであります。今回提出されております法律案の内容は、これらの点に十分配意したと認められるものと判断いたします。  第三に、従来たばこ製造及び販売について公社の市場独占に対する批判があるわけでありまして、より効率的な運営を確保するための方途について、たとえば公社の民営化を主張する意見もあるわけでございます。また。近年の貿易自由化の進展に対応いたしまして、市場を開放せよという外国からの要請も高まりつつあります。これに対しましては、まず輸入たばこの流通面における取り扱いを可能な限り客観的なものにしていくということ、メーカーあるいは輸入代理店による市場活動を段階的に現在の状況から緩和していくこと等の検討課題があるわけでありますが、とりわけて輸入たばこの価格決定原則を明確化する必要に迫られておるわけであります。したがって、国産製品の競争力に十分な配慮を行いつつ、できるだけ早く内国税相当分及び関税相当分を明確にし、わかりやすいものにする必要があると考えます。  ところが、前に触れましたように、現行の専売納付金制度のもとでは内国税相当分が不明確でありますために、この面からも現行の定価改定の仕組みを変える必要が出てくるわけであります。今回提案されております納付金率の法定によって定価決定の方式が明確になりますれば、内国税相当分が明確になりますと同時に、輸入製造たばこにもそれが適用されることになります。  さらに、現行のいわゆる三者協定によって定められる輸入たばこ価格の中には関税相当分が入っておるのでありますが、これが不明確でありますために外国からの非難の的となっておるわけであります。したがいまして、従来の関税免税規定を廃止いたしまして、新規に関税法及び関税定率法の適用対象とすることはぜひともこの際早く実現されるべきものと考える次第でございます。  以上で終わります。

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) どうもありがとうございました。  次に、秋山公述人にお願いいたします。

秋山咲子主婦

○公述人(秋山咲子君) 秋山でございます。  私は、専門的知識を持つものではありませんので、家庭の主婦が生活実感として受けとめているという、そういう立場から、今回のたばこの値上げ及び専売公社法案等の改正案について意見を述べさせていただきたいと思います。  まず一つは、たばこ値上げの問題ですが、今度のたばこの値上げをすることによって約〇・四%も全体の消費者物価を押し上げる結果になるということが経済企画庁調べでも推定として出されております。もちろん、このことは家計にもはね返ってきますし、たとえばマイルドセブンを一日二十本吸う人で月に約一千円の負担となるということが言われております。次々に値上がりをする物価に悩みながら、毎日の家計をやりくりしている者にとっては、千円でもやはり大変な値上げだというふうに考えざるを得ません。たばこが値上がりしますと、どうしても喫煙者は決まって一日に吸う本数を減らすしか方法がないということで切り抜けようとするわけです。そうなりますと全体的に需要が減り、財政収入へも影響するのではないかというふうにも考えます。せめて政府の機関である専売公社でつくっている、しかも専売品のたばこぐらいは値上げしないでほしいと思います。  二つ目の問題は、専売納付金制度を改正して納付金率を法定化し、その税の相当分を明確にするということの問題ですけれども、確かにいままでたばこの税金はよくわからずに、何となく五〇%ぐらいじゃないかとか、それ以上らしいということは聞いている程度でしたけれども、この状態から見れば、税率の相当分が明らかにされるということは一つとしてはいいことではないかというふうにも考えられます。  ただ、このたびの法案改正に見られるように、たとえば一級品が五六・五%とか、あるいは二級品が五五・五%というもので、税率そのものが五〇%以上となりますと、幾ら嗜好品といえども少し高いという感じを受けます。税分がもっともっと安くてもいいのではないでしょうか。そういうこととあわせて、この税金の相当分が明らかになったとしましても、どのような方法で国民や消費者によくわかるようになさるおつもりでしょうか。たとえば包裏——包み紙に明示するとか、あるいは店頭に種類ごとあるいは銘柄ごとに掲示するとかいう、そういう方法が必要じゃないかというふうに考えますけれども、こういうふうな点についても御検討をお願いしたいと考えます。  三つ目の問題は法定制緩和という問題ですけれども、製造たばこの種類と等級別最高価格の特例ということで、国鉄運賃のように、国会審議を経ないままに最高価格の三〇%までは大蔵大臣が決められるという点ですけれども、独占企業であり、専売品であるたばこの価格を、財政に赤字が生じた場合とか、あるいは赤字が生じるおそれがある場合などという、それだけの理由で物価の変動率の範囲内とはいいながら、審議会の議を経ただけで値上げできるというのは大変問題があるのではないかと思います。これは、特にこのように専売品、独占品目が国会審議の場から外されるようになっていきますと、他の公共料金にも大きく影響するということが一番心配な問題だと言えると思います。  現在では、財政法の三条の適用を受けて国会審議を行って決めているたとえば電報、電話料金とか、あるいは郵便料金までもやはり同じような方法で決められるようになっていくのではないかという、そういう大きい不安を持っているというのが私たちの実感です。  その上、専売事業審議会といいましても、私たち一般市民にはどういうような人がどのような審議をなさっていらっしゃるかということも全然わかりません。できれば消費者あるいは国民の意思が反映できるようにするために消費者の代表を入れるなどの方法は考えられないものかという点なんです。それと、審議会で十分審議を尽くされるのは当然でしょうけれども、今度のように重要な価格の問題を決めるのは、やはり最終的にはどうしても国会で審議した上で決めるべきだというふうに思います。  四番目の問題なんですけれども、専売公社の運営といいますか、経営といいますか、たばこの新製品が発売されるたびに感じるわけですけれども、最近発売される新製品は高級品というのでしょうか、高いたばこのみが出されているような感じがいたします。目先を変えて、ただ売ればいい式の製造発売ではなくて、もっと安くて軽い、安心して吸えるような新製品も出してほしいと願っているのが喫煙者、そういうふうに願っている喫煙者も多いのではないかというふうに考えますので、こういう点についても御検討をいただきたいというふうに考えるわけです。婦人の喫煙者も最近はふえていますし、たばこを吸うということが日常の生活の中で大分一般化されてきています。そういう中では、やはり嗜好性の状況などについても、ただ新しいもの新しいものを出していくということではなくて、嗜好性の状況などについても調査するなどの方法も考えてみることがいいんではないかというふうに申し上げたいと思います。  最後に一つ申し上げたいと思いますが、このことは直接的には今回の法案と関係はないかもしれませんけれども、でも今後に向けて御検討いただければという立場で申し上げます。  非常に最近嫌煙権とか、そういうふうな問題が出てきておりますけれども、たばこの吸い方のマナーの問題などにしましても、専売公社の責任ではない、個人の問題だと言われてしまえばそれまでですけれども、たとえばたばこがかなり日常生活の中に入ってきていることを考えますと、たばこと生活環境とかいうようなものについてはやはりかかわり合いがないというふうには言えませんし、そういうことをもう少し問題にされてもいいんではないかというふうに考えるわけです。やはり喫煙者が多くなってきているという、そういう状態の中では専売公社としても売るだけの立場ではなくて、マナーというか、あるいは嫌煙権の運動などについて、起こるそういう背景等も分析するなどして、正しいたばこの吸い方とかあるいは健康に対してはどうかなどの宣伝にもある程度力を入れていくことも意味があるんではないかというふうに思います。  いずれにいたしましても、いままでよりも手続や審議が簡単になって、専売公社の都合だけによって値上げがされるようになるという方向だけはぜひやめていただきたいということです。  以上、幾つかの問題点について述べましたけれども、専門的知識がありませんので、本当に私は生活実感として自分が感じている点だけを申しまして、ただ値上げについてはどうしても反対をしたいと思いますし、そういう立場で終わらせていただきたいと思います。

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) どうもありがとうございました。  次に、藤村公述人にお願いいたします。

藤村久生全国たばこ販売協会副会長

○公述人(藤村久生君) 全国たばこ販売協会に勤務しております藤村でございます。  日本専売公社法等の一部を改正する法律案につきまして、意見を開陳申し上げたいと存じます。  まず、今回のたばこの値上げの案でございますが、現在行われておりますたばこの定価がほぼ三年半前に決まったものでありまして、その後、物価、労銀などの高騰によりまして、専売公社の企業努力だけではこれがカバーできないということで、益金率が低下しつつあるわけでございますが、消費者の立場からいまお話もありましたとおりでありまするし、われわれ消費者に接する窓口の者から見ましても、たばこの定価を上げられないで済めば非常にいいことだと思うんでございますけれども、国費は国民が何かのかっこうで負担しなければいけないということから考えますと、大きな歳入の一部門を担当させられておりますたばこの専売事業がだんだん寄与率が低下してまいりまして、予期せざる減税というふうなかっこうになってくることは、やはり是正されなければいけないんではないかと考えられる次第でございます。  その是正される程度がどれぐらいがいいかということになりますと、これまたいろんな指標があると考えられるのでございますが、結論といたしまして、今回提案されておりまする二一%平均というのがほぼ妥当な線であるように考えておる次第でございます。  その次に、制度的な問題が三点あるわけでございますが、そのうちの第一点、納付金率の法定の問題でございます。  もしもたばこの定価が物価の動きあるいは販売事業の全体の趨勢にかんがみまして、適時に適当な額が実現しておるということを仮定しました場合におきましては、恐らく財政当局とされましてはたばこの中に入っておりますいわゆる消費税相当部分のほか、独占的な地位の反映部分でありますとか企業努力の成果とか、それを全部ほとんどそのままで国に帰属させる現在の制度の方が恐らくいいとお考えであろうと思うんでございますが、現実にはなかなかたばこの定価が専売の使命を振りかざして、ただそういった理屈の上で適時適切に変えてくださいということが現実の問題として非常に困難なようでございまして、公社の力及ばざる部面の影響で常にかなり業績が低下してしまった時期におきまして、ときどき是正がされておるというのが現状であるように考えられるわけでございます。  たばこはまだ利益があるから値上げをしなくてもいいというような御議論まであるように拝聴しておるわけでございますが、この際、納付金の率を法定することによりまして公社の責任と財政貢献度を明確にいたしますことは、一面におきまして公社に一層の企業努力を促しますとともに、適正なたばこ定価の実現に対しての世論の理解を得る足がかりとしても適当であると考えるわけでございます。したがって、この制度は現在どうしてもとっていただかなければいけないんではないかと考えるわけでございます。  それから、納付金の率につきましては、これまたいろいろな計算の方法があると考えられますけれども、その中におきます地方消費税の率が二八・四%あるということとの関連におきまして、五五・五%というのがいいか悪いかというようなことにつきまして、いろいろ検討の余地がないこともないような気もいたしますけれども、全体の総合したトータルにおきましては、従来の負担の水準でありますとか、諸外国の例とか、いろいろなことを総合勘案して算定されたもののように承知いたしておりますので、これで妥当なものだと考えるわけでございます。したがって、納付金率の法定は必要であるという見解でございます。  その次に、法定制緩和の件でございますが、これは納付金率の法定とうらはらの関係にある一連の案件としてぜひともに実現させていただかなければいけないと考える次第でございます。  従来の納付金の制度の場合におきましては、たばこの定価の改定が物価の高騰などにおくれてまいりましたときには、そのしわ寄せは全部国庫に回ってしまう仕組みであったわけでございますが、今回の改正によりまして、公社は、その損益いかんにかかわらず一度率の納付金の納付の責任を負うことになりますので、従来のような重い法定制度のままでまいりますと、いつも流動する経済情勢の中で公社が恐らくいつもいつもとりおくれになりまして、公社の経営が現実には非常にむずかしくなるような感じがするわけでございます。また他、面、米の価格でありますとか国鉄の運賃料金、私鉄の運賃など、国民生活の上でたばこよりもはるかに必需性が多い、たばこをのんでいる人は国民の半分足らずでありましても、国鉄に乗らない人は一人もないんじゃないかと思いますが、生活に関する必需性のもっと高いものや用役の価格が行政府の裁量にゆだねられておりますことなど考え合わせますと、たばこにつきましてはもっと法定制を緩和していただいて、法律で定めることになっておりますから、その法定制度は生かしながらも個々の定価ではなくて、定価を決定する方式を法定していただくということが一番妥当ではないかということが、たばこ販売に直接携わる者の多年の考え方であったわけでございますが、特に従来からの制度といたしましても、そういった考え方がわれわれとしてはされていたんでございますが、特に納付金率の法定制が行われますと、それが必要であると考えるわけでございます。こういった見地から見ますと、今回の法定制の緩和の程度は、われわれがたばこ業界だけの立場から考えておりました案に比べては、かなり不完全と申しますか、十分でないような気がいたしますけれども、法律上政治上の深い高い見地との総合的な御検討の結果、これが一番いい限度であるという判断に達して、その結論のもとに提案されたものと考えられますので、納付金率の法定の最小限度の裏づけとしまして、本項目の実現をぜひお願いすべきであると考えておる次第でございます。  最後に関税率のことでございますが、非常に私の勉強の足りない部門でわからぬことが多くてお恥ずかしい次第でございますが、外国からもっとたばこを買えとか、国内でもっとたくさん売れというところまでは非常によく腹へ入るんでございますけれども、それの国内における売り方が高過ぎるとか、価格形成の基準を明らかにせよというふうなことは売り手としてはよくわかりますが、専売制度のもとで一元的にたばこの販売を運営しておる、たばこの事業を運営しておる立場からは、どうもそういったような事情が先方に非常に十分な説明がされていないんではないかというような気までいたすわけでございますけれども、現実には複雑な国際関係の中で価格形成の基準を明らかにすることはどうも避けられないことのようでございますので、そういった立場から見ますと、納付金率の法定と絡みまして関税の適当な額の設定は絶対必要であると考えられますので、この制度三点一括で早期に実現をしていただくことが必要であると考えられるわけでございます。  特に、この秋には東京ラウンドがあるというようなことも聞いておりますので、そのためにもわが国としての立場がはっきりしてないと、交渉上非常に不利なことが多いんではないかということで、ぜひこれが早く実現することをお願いしたいと思うわけでございます。自由にしてしまうと、えらい乱に引き上げるんではないかというような御意見もあったようでございますけれども、この外国たばこの関連におきましても、むちゃな価格の上げ方は絶対できませんし、また、今回の法定制緩和の案は二重にも三重にも非常に厳重なかんぬきがかかっておりますので、上げようとしてもそうむちゃくちゃな上げ方をすることはできないような内容であるように承知いたしております。ぜひ早くこの法案が成立しまして、専売の機能が十分発揮されることを祈りたいと考える次第でございます。  以上で終わります。

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) どうもありがとうございました。  以上で公述人各位の御意見の陳述は終わりました。  それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

藤井裕久自由民主党・自由国民会議

○藤井裕久君 きょうは公述人の皆さん、本当にお忙しいところありがとうございました。  それじゃ、一つないし二つずつ、御発言いただきました順序に、お話の中で疑問に思うところ、またお伺いしたいことをお聞きしたいと思います。  谷本さんに一つ伺いたいんでございますが、まあこの値上げすることによって経営が減量経営になるんだと、それが職員なり葉たばこの関係の方にしわが寄るんだと、これは私、見通しの問題ですから、ここで特にどう見通すかということについて再度お伺いすることはいたしませんが、ひとつ一番疑問に思いましたのは、この納付金率の法定化が反対であるという点でございます。  実は、もちろん昭和五十年のときのいろんな国会での御議論はお聞きと思います。衆議院、参議院、しかも全党がどうも昭和五十年値上げを持ってきたときに、一体何のために値上げするのかがはっきりしていないじゃないかと。一体増税なのかそれとも公社が経営が悪化したために値上げするのか、それがわからぬじゃないかと、それはけしからぬと、以後そういうことをはっきりさせてこなかったら値上げは認めないぞと、こういうずっと議事録があるわけなんです。参議院では決議になっておりませんが、衆議院では、合理的な価格形成をはっきりさせろということが附帯決議になっております。これは全党一致の附帯決議になっております。いまの谷本さんのお話では、どちらかというとこの税部分の明確化はいいんだと、そうとらざるを得ないお話なんでございます。そこについての御所見をもう一回伺いたいと思います。税部分は明確でなくていいと、いまのままがいいと、こういう御議論についての、再度もう少しお話を承りたいと思います。

谷本たかし全日本農民組合連合会書記長

○公述人(谷本たかし君) 税自体を明確化するという点に限っては私も異論はございません。問題はその中身であります。  一たん五五・五%というぐあいに決めてまいりますと、この五五・五%というのは固定化されるのではないかというぐあいに私は受け取ります。これが固定化されるということになってまいりますと、先ほども申し上げましたように、インフレ経済含みの中では、やはり労働者の賃金にいたしましても、あるいはまた葉たばこの価格にいたしましても、せめて消費者物価の上げ幅程度上げてもらわなきゃならぬし、また生産性が向上すれば、それに見合った引き上げは当然のこととして労働者も農民も要求するというようなことになってまいると思います。そうなってまいりますと、残りの四四・五%ですか、これでもって賄うことができるのかどうか、賄うことができないというような状態が生じてまいりますと、やはり労働者の賃金を抑えるとか、あるいはまた葉たばこの収納代金を抑える以外に道がなくなってくるのではないかということを私は案じます。ですから問題は、この五五・五というのが不動のものなのかどうか、そしてこの五五・五%なるもので法定化していこうというねらいは、実は専売公社の経営を一層合理化さしていきたいんだという考え方があるわけでありますから、そうだとするならば、これは動かさないものだというぐあいに私は受けとめていいのではないかと思います。そうであってみるなら、結局企業合理化のしわ寄せは専売事業に携わる関係者——専売労働者であるとかあるいは耕作農民が、数は非常に多いわけでありますが、そこへしわ寄せがいくのではないか、そういう意味で、この法定化問題については大変な疑問を私どもとしては持たざるを得ないということであります。

藤井裕久自由民主党・自由国民会議

○藤井裕久君 おっしゃっている趣旨はわかりました。しかし、これはきょうは議論する場じゃないので特に申しませんが、やはり専売制度である以上は安定的な率で税収が確保されるということが非常に大事なんで、その後の問題、いまのお話ですと、一切のしわは全部税収でしわを受けろと、こういうことですから、これはやはり専売制度自身の問題にかかわる問題で、基本的には私は反対でございますが、きょうはそういう議論の場じゃございませんから、おっしゃっている意味はわかりました。  それから木下先生にお伺いしたいんでございますが、木下先生はさっきさらっと、この間の五十三年六月の公企体問題の会議の意見群では消費税を仕組むか、または納付金率を仕組みなさいという意見が出たと、それを納付金率で仕組んだことは妥当であると、こういうお話がございました。  実は、この納付金率で仕組むか消費税で仕組むかということについては、いろいろ前から議論があったところだと思います。世間では納付金率で仕組んだことによって、これは専売制度を維持する前提であるというふうにとっている人が非常に多うございます。これは全く素直にそうとるのは当然だと思います。  もちろん、ヨーロッパの専売制度では、専売でありながら消費税をとっているところもありますから、論理的にどうこうという問題ではないと思いますけれども、経緯的に言いまして、一般消費税か納付金率かと言われて、そして政府が納付金率を仕組んできたということになりますと、専売関係者は広くこれは今後検討課題であると言いながらも、専売制度を維持するんだなというふうにとっているのが一般なんでございます。先生の財政学者としての御専門の立場から、そこいらのわれわれの素朴な感情についてどういうふうに御意見を持っていらっしゃるか伺いたいと思います。それが一つなんです。  それからもう一つ、先生はまた税制調査会の一般消費税部会の会長でいらっしゃって、大変見識の高い御答申を出されたと思っています。この一般消費税がどうなるかはまだこれからの問題だと思います。思いますが、専売との中でどうやって仕組んでいくかと、調整を図っていくかという問題が実はぼやっとしているわけです。  たばこというものは、専売納付金率だけでやっていくんだというようにもとれるし、ヨーロッパでやっているようにダブルで仕組んでいくんだというようにもとれますが、この議論がいろいろあった中で、先生のむしろ個人的なお感じの方がよろしいんだと思いますが、どう考えておられるか、二点伺いたいと思います。

木下和夫大阪大学名誉教授

○公述人(木下和夫君) お答えいたします。  第一の問題は、先ほど藤井先生自身御指摘のように、納付金率の制度を選んだから、現在の専売公社の組織の維持あるいはこれの改廃というものと必ずしも外国の例を見ても結びつかないと御指摘がございましたが、私も全くそのように考えております。  ただ、当面消費税でやらないで納付金率の方法を選ぶのは、やはり制度の全体の変化の程度をなるべく小さくしておこうという配慮から、私もそれに賛成をして、納付金の率のアップという形で問題の解決をすることを選んだわけでございますが、全くそういう現実的配慮を無にいたしまして、白紙の上でたばこの製造産業という一般的な問題として考えました場合には、やはり消費税の方が望ましいというのが理屈だろうと思います。ただ、わが国の現実を踏まえましたときに、いまの公社を民営化するということが具体的にはほとんどむずかしい問題をたくさん抱え過ぎておるというように思いますので、私は現状維持の方向でお話を申し上げたわけでございます。  それから第二番目の問題は、実は私としては非常にお答えしにくい問題でございまして、わが国の一般消費税と申しますのはヨーロッパの付加価値税とはすっかり違いまして、極端に申しますれば、その長所をかなり捨て去っておると、また短所をかなり導入しておって、これは賛成をかち得るために苦労したのが、逆に純粋性を放棄してしまったという感じがなきにしもあらずでございます。  そういう残念なことではありますけれども、合意に達するまでに、合意を達成させようとすれば、そういう措置も講ぜざるを得なかったということでございますが、事たばこに関連いたしましては、もし将来、一般消費税が導入されることになれば、たばこに対する消費税の上積みとして一般消費税が重ねて課税されるフランスやイタリアの例に近いものになるのではないかというふうに考えております。  しかし当面は、仮に一般消費税が導入されたといたしましても、現在のたばこに対する専売納付金については、これに重ねて課税をすることはしないという立場で私どもは答申をまとめたわけでございます。したがいまして、ごく先の、将来の問題ということになりますと話がまた別になってまいりますが、当面は、恐らく一般消費税と今回のいわば専売納付金というのはパラレルに進んでいくものであって、重ね合わせられるものではあるまいというふうに考えております。

藤井裕久自由民主党・自由国民会議

○藤井裕久君 秋山さんに、それじゃお願いいたします。  消費者のお立場でもいらっしゃるんで、実はWHOの健康問題についての御議論は、新聞などでよくごらんになっていると思います。ところが、WHOで過去三回勧告があります。一九七一年すなわち昭和四十六年、それから一九七六年すなわち昭和五十一年、一九七八年——昭和五十三年ですが、いずれにつきましても、宣伝方法だとか販売方法についていろいろ規制をしなさいということと並びまして、紙巻たばこ全般に対する課税を強化しなさいと、課税を強化することが健康問題にとって大切でありますということを、いずれも勧告をいたしております。  私は、現在の水準からいきなりぽんぽん上げるということが、これは消費者というか喫煙家の方に対して大変な大きな影響を与えるんで、目先どうこうということを言うわけではありませんが、せっかくの機会でございますので、WHOのそういう物の考え方の基本、つまり紙巻たばこは課税を強化して価格が高い方がいいんだと、こういう物の考え方の基本について御意見を承りたいと思います。

秋山咲子主婦

○公述人(秋山咲子君) 私は、最初お断りいたしましたように、専門的にいろいろなことを研究しているというわけじゃありませんので、実感的に、生活の中から自分が日常感じていることを申し述べましたので、そういう立場からいきますと、課税が強化されるというようなことはもっての——もうとんでもないことだというふうに考えざるを得ません。  だから健康という問題については、それはやはり個人個人の、まああれにもなってくると思うんですが、ただ、申し上げましたのは、いろいろなたばこを、どういうふうな内容のものかよくわかりませんけれども、いろいろなたばこが次から次へと新製品で出てくるというそういうふうな中で、たばことかがんの問題とか、いろいろ出ていますので、そういうことから考えると、ある程度公社の側もただ売るという立場だけではなくて、健康の問題についても少しいろいろな点から研究して、そういうふうなものとあわせて、売る立場というだけじゃなくて、ある程度の責任を持って売る立場は安全なものを売るという、そういうふうな立場でやはりやっていくべきじゃないかと、そういうふうな立場から申し上げました。  課税の問題については、もうとても、税金が高くなることは何といっても反対の立場でございます。

藤井裕久自由民主党・自由国民会議

○藤井裕久君 ありがとうございました。(「大蔵省出身の人とは違うんだ、考え方が」と呼ぶ者あり)——WHOですよ、これは。WHOですからね。  藤村さんに、それじゃ伺いますけれども、実は藤村さん、さっきおっしゃいましたんで——私と全く同意見なことを言われたんですが、実はこの納付金率の法定、これはまあほとんどの皆さんが是認をしていらっしゃるというか、ぜひやるべきであるというのが国会なり全般的なお考えですね。その場合に、先ほど来のお話のように、どこにこのしわが寄っていくかという話なんですね。  一つは、まず、公社の経営合理化努力ということがありますね。それから葉たばこだとか何とか職員だとかいう話も出ますが、これは私は葉たばこは、たばこ専売法の規定に従って厳格にやっているわけですから、しわは寄るはずがないし、職員の方々に対しても、いまの賃金交渉なり公労委の仕組みという中で、寄るわけがないんだと思うんですね。あとは公社の合理化だろうと思います。特に製造部門を中心とした合理化だろうと思います。そうなってきますと、やはり物価なり、先ほど来のお話のように、物価の上昇、賃金の上昇ということを考えるときに、経営として最小限成り立たすには、法定制の緩和ということはどうしても必要じゃないかというふうに私は考えているんです。むしろ、納付金率の法定ということと法定制の緩和というのは全く一体だというふうに考えているんです。私はそう考えておりますが、藤村さんはどういうふうにお考えですか。

藤村久生全国たばこ販売協会副会長

○公述人(藤村久生君) ただいまおっしゃいましたように、納付金率の法定と定価法定制の緩和とは、ほんとにもう一本のものだと考えておるのであります。  実は、先ほど納付金と消費税の関係のお話がございましたが、たばこの販売業界では、かつて納付金率、つまり消費税だけを法定して、法定制の緩和はお願いしない案が公社当局にあった時代がございます。業界はそれに絶対反対をいたしまして——消費税導入反対ではなくて、法定制緩和を伴わない納付金率の決定、消費税率には絶対反対であると。  その理由は、先ほど申し上げましたように、まあ非常に首が回らなくて経営ができなくなる可能性が多いと。その場合に公社は大いに合理化はされるでしょうけれども、それでも足らぬところは業界に、あるいは消費者へのサービスの低下にとか、いろんなところへ、公社以外にもしわが寄ることのないように努力はされるでしょうけれども、結局寄る機関が非常に多いということで、これはもう裏表、法定制の緩和と一体でなければいけないという考え方をいまも、これまでも持っておったと、こういうわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 公述人の皆さん、大変御苦労さまでございます。貴重な意見を賜りまして、感謝申し上げます。  まず、谷本公述人にお聞きをしたいんですが、先ほども公述の中で触れておいでになったかと思うんですけれども、まあ葉たばこに限りませず、最近は米の減反、あるいはまた他の畜産、農産物の自由化、あるいはそれらに関する輸入の圧力、こういうものが日本の農業全体を取り巻く環境として深まってきているわけでありますけれども、例外ではなくて、このたばこも半年分からの過剰在庫を抱えている。加えてまた、値上げによって、たばこ全体の消費の停滞から来る葉たばこの需要の減退、あるいはそこからまた、結果として減反なり廃反というようなことが惹起されるんじゃないかと、そういうふうな気がするわけですが、まあ結果としてそういういわば生産調整というふうなものが余儀なくされるという見通しの中で、谷本さんは今後、この値上げあるいはその他の一連の措置が講じられた後、葉たばこ耕作という面にどういう見通しというものが考えられておるのか、耕作者の今次改正措置についての意向を含めまして、たばこ耕作の今後についての展望をお聞きをしたいと思います。

谷本たかし全日本農民組合連合会書記長

○公述人(谷本たかし君) 日本農業が大変厳しい環境の中にあるのではないかと、そういう中で、減反を余儀なくされつつある葉たばこ耕作問題について、葉たばこ耕作者がどのような意向を持っており、とりわけ新しい制度の中でどういうふうな考え方を持っているのかというような御指摘であったと思います。  まず、日本農業がどういう厳しい状態に置かれているかについて、初めに若干触れさしていただきたいと存じます。  いま過剰だと言われておるのは、米や葉たばこだけではないのでありまして、ミカンにいたしましても牛乳にいたしましても、あるいは豚肉、卵、ブロイラー、そしてまた野菜にいたしましても、生産が過剰だとされております。日本農業の主な作目が軒並み生産が過剰だという状態になってきたのは何なのか、この点がまず第一の問題だろうと思います。  日本の経済が不況になりましてから、雇用不安もありまして、農民が従来よりは若干生産に力を入れた。そのために日本の農業の生産が伸びたという事実もございます。他方、政府はこれまで不足するものは輸入すると言ってまいりました。国内の生産が伸びたのならば、不足すれば輸入するという論理は、生産が伸びた分だけ輸入は削減されなければなりません。ところが、輸入は削減されるどころか、逆にふえておるのであります。このようにして見るならば、いまの日本農業が見舞われておる生産過剰というのは、輸入がつくった過剰だと言わなければなりません。  葉たばこの場合も決してその例外ではないと思います。もちろん葉たばこの場合は、葉組みの関係をどのようにするかというような問題等々もございますが、国産葉と競合する外葉も輸入されているというような事実等からいたしましても、やはり輸入が生み出している過剰部分もかなりあると見てよいのではないかというふうに思います。  そういう中で、葉たばこ耕作農家は、葉たばこ耕作への期待は非常に強くなっているのであります。なぜなら、葉たばこ生産の場合は、他の農産物と違いまして計画生産であること、そして価格は、私どもから見れば決して高いものではなくて安いものでありますが、一定水準に維持されているということ、こういうふうなよさがあるわけであります。  したがいまして、日本農業がそれぞれ困難な状態に直面している中で、耕作者といたしましては、この際専売制度が持つ公共企業体としての性格を公社が発揮しながら葉たばこ耕作を守ってほしい、こういうような期待感が非常に強いわけであります。  それでは、新しい制度が成立した場合に一体どういうことになっていくのかということであります。これは私、先ほど申し上げたとおりであります。  そういう中で、私どもが主張をさしていただきたいと思いますのは、新制度へ移ること、これはやはりやめていただきたいということなのであります。しかしながら、どうしても新制度に移っていくんだ、新制度を前提とした場合に、葉たばこ耕作者はそれじゃどういう要求を持つのかということについて若干述べさしていただきますならば、次の点が強調されてよかろうと思います。  その第一点は、先ほど藤井先生からの御指摘の際にも申し上げましたが、納付金率の法定化、この五五・五%というのがやはり弾力的に運営されてしかるべきではないのか。経済情勢の著しい変動などが生じた場合には、この五五・五%の納付金率というのが弾力的に運営されてしかるべきではないのか、この点がまず第一番目に御希望申し上げたい点であります。  それから二番目の問題といたしましては、関税率の問題であります。関税率は九〇%というぐあいにされております。これについてはアメリカなども関税率が非常に高いといったような意向があるやに聞いております。当然のことといたしまして、アメリカは貿易不均衡是正というような立場から、日本に対して製造たばこないし原料葉たばこをもっと買い付けてほしいというような強い希望を持つでありましょう。  私ども農民の立場からいたしますと、工業製品の輸入を拡大されたがために、その帳じりを農民に持ってくるということについては私どもは反対であります。したがいまして、この関税率の九〇%は将来ともに維持していただきたい。  またそれとともに、アメリカは、当面日本のたばこ市場の中で外国たばこが占める比重が一%にすぎないが、これを当面は三%、つまり三倍にしていきたいという希望を持っているようであります。またさらに、それを突破口としながら、やがては一〇%にまで拡大したい意向があるやに聞いております。そうしたアメリカの強い圧力に日本の政府は屈しないで、日本のたばこを守っていただきたいということもあわせて御希望を申し上げておきたいと思います。  またさらに、新しい制度のもとで製造たばこの定価が弾力化されるという状態の中で、専売事業審議会の議を経てたばこの値上げが、一定限度内の値上げが決められるというようなことになるようであります。この点については、やはり私ども財政民主主義の立場からいって、国会が決めるのではなしに、審議会の議を経て大蔵大臣が決めるというあり方については疑問を持ちます。   〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕  疑問を持つと同時に、そういう形でこれからの定価を決めていくのだということにするのだとするならば、やはり審議会構成、この審議会構成について、もっと国民の多くの意見が吸収できるような、そういう構成にしてしかるべきなのではないか。残念ながら、現在の専売事業審議会の構成というのは、そういう構成になっておるとは私どもは認めがたいのであります。したがいまして、その審議会の構成などについても御検討をいただきたいということなどを御希望申し上げておきたいと存じます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 先ほど来からも、またただいまも触れておられました納付金率五五・五%の弾力化をぜひひとつ考えてもらいたい、こういう御意向ですね。これは今後の当委員会でのまた審議で局並びに公社とも議論をしなければならぬかとは思っているのですが、いままでの議論の中で、私などもまあそれに類する考え方と言いますか、端的にこの五五・五%という納付金率を固定化するとか、弾力化すべきだとかいう議論じゃなくて、いわば葉たばこそのものがいま公社における製造原価の五〇ないし六〇%を占めている、しかもその価格の水準というのは、外国産の葉たばこに比べれば二・五倍から三倍である、こういう基本的な国産葉たばこにかかわる問題が厳然として存在しているわけですね。それを公社が葉たばこ耕作者とタイアップして、今日までいわば一定の補償措置を講じてきているというふうに私たちは見ているわけであります。いまやそれでいいんだろうか。  たとえば先ほど公述人おっしゃったように、お米を初めその他の畜産物、すべて輸入によってつくられた過剰という状態が現出しているという、そういう見方からするならば、葉たばこも同然ではないのか。まあ喫味の問題その他、品質の問題がありますけれども、葉たばこも結構国産品と同じような質のものが輸入されているのだ、こういまおっしゃったと思うのですね、言葉をかえれば。そうすると、これはもう単に公社一当局だけで今後の国内産葉たばこ耕作という事業を維持していくには荷が重くなってきているのじゃないのか。もっと総合的にその施策を考えるべきだし、したがってそれは当然農林水産省全体としての農政負担という観点から考えるべきじゃないのかというふうな議論が実はいままで当委員会でも、私もずいぶん強調してきたのですが、いま公述人のお話しのように、それを詰めていって、たとえば納付金率というものに焦点を合わせれば、したがって固定化は困るのだという——これは論理として私は全く納得ができるのですが、果たしてその程度でいいんだろうか、そういうことだけでいいんだろうか。また、納付金率の弾力化といっても、仮にそれが当局は考えてはいないと思いますが、いないと思いますけれども、一定の幅でそういう制度が、弾力化という制度を持ち得たとしても、それはもうプラス・マイナス何%かですね。恐らくそれをプラス・マイナス二〇%も、上限一〇%、下限に一〇%というふうな幅をすら持つことはなかなかむずかしいだろう、いまの財政事情からして、というふうにも思いますので、これは議論をしたいと思いませんが、弾力化という観点だけでなくて、もっと広く、農政全体の中におけるたばこ耕作のあり方というものを考えていくべきじゃないか。実は、かねがね議論の中で、かつて二十数万人おられた耕作者が現在は十二万人弱であると、こういう公社からの御説明もありました。そうしたら、平均家族三・何人として三十万人以上はやっぱりたばこ耕作事業に携わっておられるんだなあと、これは生活面でやっぱり考えなきゃならぬ大問題じゃないか、こんなことも議論としてはいままでやってきていますが、これという今後の解決策が見定まっているわけじゃないんですけれども、この点は時間がありませんので簡単にお答えいただけるなら一言お答えいただいて次に移りたいと思います。

谷本たかし全日本農民組合連合会書記長

○公述人(谷本たかし君) 外葉と国産葉の値開きが大体二・五倍から三倍であると、そういう中での国産葉使用問題については農政負担として考えるべきではないかといった御指摘がございました。この部分について若干申し上げたいと存じます。  これは、日本農業全体で見ましても、労働生産性の向上は主な先進国の中でも日本は第一位であります。農業の労働生産性は非常に伸びておるんです。葉たばこの場合もそうであります。そうであるにもかかわらず、葉たばこで言うならば外葉との値開きが二・五倍にもなったのはなぜなのか、この点が私はやっぱり明確にされる必要があるだろうと思います。  なぜ二・五倍になったのかという点について、たとえば、昭和四十六年以降値開きが生じてきておるのでありますが、四十六年と五十三年のキログラム当たりのたばこの代金を見てまいりますと、二・三倍になっております。ところが一方、四十六年から五十三年にかけての消費者物価の上昇は二倍になっております。一般労働者の賃金はどうかというと、約二・五倍になっております。ということは、葉たばこ価格の上昇は、消費者物価の上昇並びに労働賃金の上昇、その反映として葉たばこ価格が上昇したものというぐあいにとらえていいのではないかと思います。言いかえるならば、葉たばこ耕作者がサボって値段が高くなった、生産性を向上させないで高くなったというのではなくて、農業の外的条件ですね、それによって値上がりがしてきているというぐあいに申し上げてよいのではないかと思います。  それとともに、もう一つ強調させていただきたいと思いますのは、輸出のし過ぎで円高になった。円高でもって、かつては三百六十円で買えたものが二百円前後で買えるようになった、つまり輸入価格が安くなった。こういう状況のもとで値開きが二・五倍になってきたということを私どもは申し上げたいのであります。したがいまして、私どもの希望といたしましては、物価の抑制を一層強めながら他産業並みの賃金が保障される価格を実現さしていただきたいということとともに、工業製品の輸出のしりぬぐいとしての輸入はやめていただきたいし、輸入は削減していただきたいということをこの際再度お願いを申し上げたいということであります。

福間知之日本社会党

○福間知之君 もう一点だけ最後に谷本さんにお伺いしますが、いまの御答弁で一部含まれておりましたけれども、外国産葉たばこに比べて決定的に価格が高いということですね。これは国内における葉たばこ耕作の四十六年度、あるいは五十三年度比における生産性の推移とか、あるいはまた外的要因による価格の高騰とかいう話はわかりました。決定的に外国産に比べて高いということが一つ問題があって、これは将本、国内におけるたばこ耕作事業、耕作面積、人口、耕作人員ですね、そういう面を含めてかなり改革を果たさなければならぬという要因があるんじゃないのか、要素がそこに、という問題点ですね、一人当たりが耕す面積が小さいと、端的に言えば。そういう点はやはり外国に比べれば土地も狭いことだし、そのわりに人口密度が高い国ですから、常識的にあたりまえのことですが、しかしそれじゃやっていけないので、そういう問題に少し議論としてはぶち当たっているんです、当委員会も。しかし、いまそこで急に解決策はありませんよ。ありませんけれども、勝手に、過去における耕作人員当たり面積というようなものはいまふえているわけでしょう。一人当たりの耕作面積はぐんとふえて生産性は上がっているわけです。それをさらに推進していく必要があるんじゃないか。そのためにはどうあるべきなのかということが実は議論としてはあるんです。それは専売公社だけではとてもなし得る仕事じゃないんです。そういう問題について一言最後にお聞きして谷本公述人への御質問は終わりたいと思います。

谷本たかし全日本農民組合連合会書記長

○公述人(谷本たかし君) やはり葉たばこの生産性を抜本的に引き上げていくのには、規模拡大が不可欠だろうと思います。それでは規模拡大ができるのかと言いますと、残念ながらできるような条件にございません。  じゃどうしてなのか、若干問題点を申し上げますと、一つは土地の値段の問題がございます。たとえば米で言いますと、規模拡大をする場合に、十アールの拡大をやったと、大体十年間米づくりを続けてその取得した、支払った土地価格の代金がペイされるというような状態が以前の状態でありました。ところが、高度成長以来地価が大変上がりまして、米で言いますと四十年かからないと規模拡大したものがペイしないというような状態になっております。これはなぜかと言うならば、農地の価格が転用価格含みの価格になってきているという点に問題があるからであります。したがいまして、この土地の価格問題をどうするか、これをまず解決しないと規模拡大が非常にむずかしいという点が第一点として挙げられてよいと思います。  それから、二番目の問題として挙げておきたいと思いますのは、兼業農家の問題であります。いま政府は第二種兼業農家の土地離れを促進していきたいというようなことで、ことしから幾つかの新たな土地流用化事業なども始めてきているところであります。ところが、これはやってもむだですね。といいますのは、第二種兼業農家の雇用と賃金、そうして社会保障、ここのところがきちんと整備されないと、やはり第二種兼業農家が土地離れができないという状態があるわけであります。その点は、高度経済成長時代よりももっと不況に入りましてからむずかしくなってきております。特に雇用、賃金関係では兼業農家へのしわ寄せというのがかなりきつくなっておりますから、ここの辺の関係をどう解決するのか、これがやはり二番目の問題だろうと思います。  それから三番目の問題として挙げておきたいと思いますのは、現状の中で規模拡大をするのには、所有権を取得するのではなしに利用権を設定さしてもらう、つまり借地農方式で規模拡大をするしかないというのが唯一の道とされているわけであります。  ところが、利用権を設定さしていただくと、借地農方式で規模拡大をするという場合に、小作料はかなり高い水準にあります。大体水田でいいますというと、低いところで三万円、高いところで五万円というような状態であります。ですから、そういう高い借地料を払っても償うことができるような価格補償、これがまず整備されなければならぬと思います。  そして、最後に四番目の問題として挙げさしていただきたいのは、資本投下の問題であります。資本をもっと農業に対して積極的に投下するということが必要ではないかと思います。  以上のような四つの問題を見てみますというと、やはり規模拡大をしていくのには農政の枠組みだけではどうにも解決できないという問題が多くなっているわけであります。そういう状態の中で、残念ながら政府が実施しているものはどうかというと、ほとんど後ろ向きである。たとえば農政について見るならば、農産物価格は抑える、輸入はふやしていく、農林予算は圧縮するという状態であります。  また、雇用の問題にいたしましても、底辺にある兼業農家の雇用問題の解決についてはほとんど手が触れられてないといった状態でありますし、また地価対策にいたしましても、ほとんど対策らしい対策はないといったようなことからして、規模拡大というのは思うように進み得るような状態にないと、この点は専売公社が幾ら孤軍奮闘してもそう簡単には問題の解決は得られないでありましょう。してみるならば、先ほど先生が御指摘になっておりましたような、外葉に比較して高い国産葉を使うということは農政負担と、こういう意味を持つのではないかという御指摘でございましたが、私もそういうふうに思います。やはり農政負担的にそこのところをやっていくようにしないというと、日本のたばこ産業は原料葉の供給が大部分外国に頼るような状態になっていってしまって、日本のたばこ産業は加工業産業になってしまうのではないかというぐあいに思います。  そしてまた、さらにそのことは食糧危機が不可避であるというようなことが言われておりますが、それはちょうど昭和三十八年に食糧危機が言われた当時に、専売公社にいたしましても外葉の調達が思うようにいかなかったといったような経験などもあるわけでありますから、そうした点なども踏まえてみるならば、やはり農政負担という考え方で国産葉を主体にしたたばこづくりを行っていく。そしてまた、他方規模拡大についても規模拡大が進み得るような前提的な条件をどう整備するかということについて積極的に取り組んでいくことが必要ではないかと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 次に、木下公述人に一、二点お伺いしたいと思います。  公述人いろいろと幅広く御活躍していただいていることをよく承知をしておりますが、たとえば、いまの専売公社のあり方をめぐって先ほど来からいろいろお話が出てますように、限られた専売公社のいまのたばこの定価改定、あるいは納付金率の法定化、定価の弾力化という問題にしぼって焦点を当てて考えてみましても、ただいま谷本公述人もいろいろお述べになりましたが、多分に考えさせられる問題点を含んでいるように思うんです。そういうことを踏まえまして、たとえば専売は独占事業でございますので、商品の市場における競争原理は全くといっていいほど働かないわけですね。これはしたがって、国鉄と私鉄の関係とも違うわけですね。強いて言うならば、外国たばこと国産たばことの関係が国内市場で多少競合するというにすぎないわけですね。その外国たばこは現在わずか消費量の一・二%しか輸入されていない。それを近い将来三%にせいとか、あるいは一〇%にしてくれとかという外圧がかかってくるわけですが、競争原理という面から見て、独占事業体なので特に私木下公述人に御意見を一応お聞きしたいんですが、輸入たばこというものは、やっぱりいろんな国内における反発は各般であろうともふやしていくべきだとお考えかどうかということ、そしてその延長線上でいわば基本問題調査会あたりで民営化という方向が出されているんですが、それは一気にはむずかしいと先ほど公述人もおっしゃいましたね、それは私どももよくわかるんですが、だが全くそいつはやはり考慮の余地はないのかどうか、むずかしいむずかしいで結局は現状維持でいくしかないというふうに、そういう考え方に傾斜しているのかどうか、そこらが少しもやっとしていましてね、これは政府当局も実は基本問題調査会から出た答申全くたなの上へ上げちゃって手がつけられないと、こういうことなのですけど、果たしてどうか。  そのうらはらの関係で、だが一気に民営化などを考えられないとするならば、じゃあいまの改正の措置のように財政専売としてのそういう納付金率を法定化するとか、あるいは定価の弾力化も三〇%というかなりの枠で設定しなきゃいかぬとかというふうなことをとれば、全くこれは逆に競争原理というものに逆行する方向のような気がしてならないですね。だから、そこは非常に判断としてはむずかしいんですけども、論理的に見てどうお考えなのか。

木下和夫大阪大学名誉教授

○公述人(木下和夫君) まず第一に、公共企業体等基本問題会議の先般の意見書を引用いたしまして、   〔理事梶木又三君退席、理事藤田正明君着席〕 私の意見を、当面の問題の処理の意見を申し上げましたが、仮に現在のたばこ事業を民営企業に行わせるということになりますれば、単一の企業ではなくて数個の企業になり、かつその間に競争させるという形になり得るかと思います。そういう純粋に民間生産物、民間財の競争にこのたばこという商品が適しておるかどうかという問題になりますと、私は若干疑問が残るわけでございます。それは普通の食品等々の、一般のわれわれの日常生活で購入いたしまして消費いたしますものとこのたばことはいささか性質が違う。言いかえれば生存に直結してない一種の嗜好品でございますし、その上健康の問題というのがきわめて重要でございますから、むしろその点から言えば禁止的な影響を持つほど高い価格をつけるというのがこのたばこに対する税を課税するとすれば窮極のあり方だろうというふうに思います。  現に、たとえば御承知の経済学者でボールディングという人がおりますが、非常に広い見地から議論しておる人でございますが、たばこに対する課税の根拠というのは結局は禁止、消費を禁止させることを目的にするということさえ申しております。したがって、言いかえれば民間の競争で果たしてそういう健康問題等環境の問題にうまく対応することが一体できるだろうか、しかも、そこでほかの商品における市場競争のメリットというものをこの業界に期待することが妥当であるかどうかということになると、非常に大きな疑問があります。  それから第二の疑問は、複数の企業が民間の経営としてたばこの製造及び販売を行うといたしますときに、先ほど御指摘の外国との競争ということになりますと、現在よりももっと競争力は弱くなる。言いかえれば、現在は一つの単位でございますけれども、それが複数の民営企業になりまして小規模のものが幾つかあるという場合に、たばこ産業として外国と競争するというときに、とうてい資本力といい販売力といい耐え得ない状況にわかれているんではないかと思います。したがって、一応民営化というのは普通あるいは常識的に考えます場合には、競争原理という見地を非常に優越的に考えれば納得し得る議論のように見えますけれども、この商品につきましてはなかなかその長所があらわれにくいとしか思えません。したがいまして、私は少なくとも現在のところいまの公共企業体としての日本専売公社の財政専売を目的として設立、活動しておる状況を格別変更するという必要は認めないで、むしろ現状のままできる限りの効率化を図っていく、いわば市場競争の長所を何とかして入れていく経営方針を持続していただきたいと思うわけです。  もう一つつけ加えますと、専売と申しましても、御承知のようにスウェーデンはいち早く専売を離脱いたしましたが、先ほどの御質問に対してお答えをいたしましたときに、フランスとイタリアの例を挙げましたけれども、フランスとイタリアは流通専売はこれは廃止しておるわけでございまして、日本の場合だけが流通専売が依然として残っておりますが、専売と申しましても製造と流通と大きく分けて二つ分かれますので、その辺で専売からの離脱が必要であるとすれば若干の考慮はあり得るかと思いますけれども、しかし、目下のところわが国の日本専売公社については、経営形態は現在のままでよろしいのではないかと考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 大変含蓄の深いお話があったんで、時間があればもう少しお聞きをしたいんですけれども、隣でもいろいろといま意見が出ていましたが、ちょっと残念ですが、時間がありません。  で、秋山公述人にちょっとお伺いしますけれども、まあ納付金率を決めまして財政の収入を確保するという措置がとられるわけですね。その場合に、その納付金の使途に関しまして、まあ最近は、先ほど来話も出ています健康と喫煙の問題など、それに関する研究等も、公社もいままでも膨大な金を投入して委託研究などもやっているんですけれども、何か御婦人のお立場で、この専売納付金のより効果的なといいますか、期待される使途というふうなものについてお考えがありましたら、お聞きをしたいことが一つ。  それから、先ほど公述人も触れておられましたけれども、まあ嫌煙権運動などが最近はかなり広範囲になってきているわけですけれども、反対にまた喫煙権というものを主張する立場もあることはあるわけでございます。  嫌煙権というものを考えてみますと、そういう権利を主張する背景には、やはりそれぞれの人々が——たばこを吸う人の話ですけれども、たばこを吸う人々のマナーの問題というのが一つはあると思うんですね。あるいはまた、先ほど公述人御指摘の、公社としてもう少しそこらあたりの運動を側面でやったらどうかと、そういうところへ金使ったらどうかと言わんばかりの話がありましたけれども、まあ人々のマナーということもあると思うんです。  特に、日本人はそういう面でのマナーが非常に、余りよくないということが言われるわけですけれども、女性の目から見て、喫煙者に対して特にこういう点は困ると、こういうふうにしてほしいというふうな御指摘があったら、二番目にひとつお聞きをしたいと思います。  それから、秋山公述人はたばこをお吸いになるのかどうか知りませんが、女性の喫煙者が大分ふえてきていると、十数%になっていると、こうお聞きしていますけれども、これは一体理由はどこにあるんでしょうか、以上三点お聞きしたいと思います。

秋山咲子主婦

○公述人(秋山咲子君) その使途の問題ですけれども、お金の使い方の問題なんですけれども、確かに私はいまこれという、何といいますか、効果的なものをすぐ考えてあるというわけではありません。ただ考えられるのは、やはり、たとえばたばこが原因でがんになるとかなんとかという、そういうことは一般的には言われていますけれども、医学的にどこまでどうかということはまだ明らかにされていないわけですが、ただ一般的にいま言われている、それでもたばこを全面的に——お酒はやめてもたばこはやめられないという人が非常に多いとか、そういうふうな状況を見るときに、体に害が絶対にないということじゃないと知りながらも喫煙しているという人が多いんじゃないかと思います。それだけまあたばこというのが、直接的に生活とかかわり合いがあるわけではありませんけれども、非常にかかわり合いがあるというふうなことを考えますと、先ほど環境の問題も言いましたけれども、やはりそういう何らかの研究ですね。研究の費用に充てるとか、それからこれは細かいことかもしれませんけれども、最近は駅で禁煙タイムというものをほとんどの駅がいま実施しているわけですけれども、守っていない人がずいぶん多いというのを見受けますね。だからそういうふうなことについても——益があればやっていると思うんですけれども、公社としても、たとえばたばこの吸いがらを入れるものについてもう少し——ただ、いま吸いがら入れでも、入れればいいということじゃなくて、もう少したばこの吸いがら入れるものにも工夫して、何かどこにでもそういうふうなものが、駅に限らず、道路でもどこでも、吸いながらぱっと捨てるというようなことじゃなくて、そういうふうなところにも少し——ささいなお金かしれませんけれども、そういうところにも使うとか、工夫をしていけば、いろいろな面で効果的なのが上がってくるんじゃないかというふうに考えるものはあると思います。  それから、女性の喫煙者が大変多くなったというのは本当にそのとおりだと思うのですが、最近は喫茶店なんかへ行きましても、たばこを吸っている特に若い婦人が多くなっているのを見受けますし、そういうことからいきますと、これはまあいま国際婦人年が大分叫ばれまして、男女平等という問題が大分出てきています。昔ですと、女のくせにたばこを吸ってというようなことが真っ先に言われたんじゃないかと思うのですけれども、そういうことじゃなくて、女とか男とかいうことじゃなくて、たばこを吸いたい人はたばこを吸うということがわりに一般化されてきているんではないかと、これは権利というようなそういうむずかしい問題ではなくて、きわめて一般的にそういうふうなことが出てきているのじゃないかというふうに考えますので、そういうこととあわせていけば、やはりこれはただたばこを吸って、たばこを吸う側もそうだと思うけれども、吸えばいいというものではなくて、もう少しマナーの問題についても、喫煙者の側もやはりある程度考えるということと、あわせて、売る公社の側でも、やはりそういうふうなことについて、もう少しPRできる面がいろいろとあるのではないだろうかというふうに考えるわけですので、そういう点では、今後いろいろなところに調査をされたり、意見を徴したりしながら、いい方向に、そういう方面の施策を講じていただければという立場であります。  以上であります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 藤村参考人にお尋ねをいたしたいと思うのですが、私どももたばこの小売人組合の決議というものをいただいておりますけれども、この決議の中に、適時適切に定価改定は行うべきだというふうに示されているように記憶しておりますけれども、適時適切という意味はどういう意味なのか、ちょっと私どもわからないのですが、その点をひとつ御説明をいただきたいと思います。  それから第二点は、いまも御婦人の喫煙の問題が出ておりましたけれども、特に未成年の喫煙という問題は、法律でもこれはとめられているところでありますけれども、まあ一番問題になる点は、小売店が具体的にどう売るか、この辺が一番大きな問題点の一つだろうと思うんですけれども、現実には小売店では売っていないだろうと思うのですけれども、しかし、現実に片っ方では吸っている人がいるということでありますが、どういうふうな処置をされたらいいのか、この際教えていただきたいと思います。  それから三つ目の点は、これはむしろ皆さんの組合員の間に問題があるように私は思いますけれども、最近はたばこにもギフト券というのが大分出回っているようであります。ところが、お酒、ビールなんかのギフト券と違いまして、まだ余り、量が少ないような感じも私はしているわけでありますけれども、したがいまして、小売商の人が、まあ都会の中のギフト券なんかが非常に利用されているところであればこれはいいと思うんですけれども、利用されていないで、もう一ヶ月に二、三枚しか入らないというようなところの小売人というのは、そのギフト券を現金にかえると、——お客さんの持ってきたギフト券を現金にかえるということですね、これが非常にめんどうなんですよ。現実にどこでも、どこの銀行でもかえてくれるという問題でもないんです。そういう点で足を運ばなくちゃいかぬ。あるいはそのたびに行くというほどたくさん来るわけじゃありませんから、かなり寝かしておかなくちゃならぬという問題もある。こういう問題を一体どのように処理をされているのか、されようとしていらっしゃるのか、この点も教えていただきたいと思います。  それから木下先生に一問お尋ねしたいと思いますが、先ほどのお話の中で消費税にするか納付金率にするか、こういうお話があって、まあ納付金率の方が変化の程度が少なくて当分いいだろうというふうに私はお聞きをしたわけでありますが、この酒とたばこというのを比べてみますと、税金として取られる部分は大体両方とも同じぐらいの金額になるわけですね。片っ方は酒税というような形で取る、片っ方は専売納付金という形で取る徴税費というのは、恐らく酒税の方がずっと安くてこっちの方がうんと高くなっているだろうと私は思うんですけれども、そういう面から見てやはり順次消費税というものにしていけばいろいろの問題が非常に私は解決しやすい面が多かろうと思うんですけれども、先生はその点で納付金率という率でいって、それを消費税というふうにやがては変えていくのがいいんじゃないかというふうにお考えなのかどうなのか。その点をお伺いをいたします。

藤村久生全国たばこ販売協会副会長

○公述人(藤村久生君) 三点御質問をいただきましたので、この順序でお答えを申し上げます。  適時適切に値を上げろというのは具体的にどういうことかという御質問でございますが、大変抽象的にしかお答えできないのは残念でございますが、定価を物価が少し動くごとにしょっちゅう変えていくことが一番適時で適切だとは考えておりませんけれども、昭和五十年の定価の改定の際に非常にごめんどうをおかけしましたけれども、あのとき五割近くの大きな引き上げになったことは御承知のとおりであります。定価法定制度のもとにおきましては、専売公社御当局もたばこの定価を引き上げていただきたいという考えを持っておられる場合でもどうもつい腰が重くなっておる。それがだんだん積もってきてあのような数字になったように私は感じております。それで、あのときは七年越しぐらいだったと思いますけれども、今回は三年越しで二割ぐらいの案をお出しになっているわけでございますが、やはり物価の動向を見ながら余り大きな値上げにならないで、余りずるずると公社の財政状態が、財政専売の実を余り上げなくなることのないように見合って考えていけるようなことがいいんではないかと。えらい抽象的でございますけれども、年に一回がいいのか二年に一回がいいのかということまではちょっと私といたしましては判断もできませんし、気持ちはそのようなことであるということでひとつ御容赦を願いたいと思います。  それから二番目に、未成年者の喫煙、小売はどうしているかと。これはなかなか大変むずかしい御質問でございますが、未成年者が吸うことが明らかな場合にたばこを売り渡すことのないようにということは、公社の現地におきましても御意見を厳重に指導しておられるはずでございますし、二十五万人おりますので、一、二例外があるかないかとなりますとわかりませんけれども、そのような方向で商品を扱っていると確信いたしておりますが、お父さんのかわりに買いに来たとか、未成年者が現にあらわれる場合にどう判断するかというような応用問題もあると思います。  それから、現に未成年者が吸っているではないかという御指摘だと思いますが、これは自分が小売店から買ってしまった場合も考えられるかもしれませんが、あるいは自動販売機で買ったようなことがあるかもしれません。あるいは人からもらったというようなことがあるかもしれませんけれども、未成年者であるかないかわからぬ年齢ぐらいの人が来たらどうするんだというまた御質問をいただくと大変困るんでございますけれども、明らかな未成年者には売らないような指導が行われておるということでひとつ一応御答弁にさしていただきたいわけでございます。  それから、ギフト券につきまして、大変よくお調べをいただいた御質問をちょうだいいたしまして恐縮でございます。  実は、たばこのギフト券というのは他の商品のギフト券に比べて非常に遅く誕生いたしております。それで、全国でまだ発行してないところもある状況でございます。   〔理事藤田正明君退席、理事和田静夫君着席〕  私から申し上げるまでもないことでございますが、お酒のギフト券はずいぶん古く各地方の酒販連合会などで発行していて、その後全国の券が出て、ある時期には併存しておったように聞いております。現在も併存はしておるけれども、全国流通一定で全国連合会が発行しているものがだんだん主流になってきているというふうに聞いておりますが、お酒の場合と違いまして、たばこは、お酒はあんな大きなものを持って歩くのは大変でございますからギフト券の効用が非常に高い。同時に、一個当たりの取引の価格がたばこより高いわけでございます。したがって、流通マージンもかなりのものをかけておられる様子でございますので、それを銀行へ持っていくと銀行で金になるというふうなこともできるように聞いております。たばこの場合には、物が専売品でございますので、そもそもその専売品をこれでお渡ししますという券を、たとえば百五十円のを三個渡す券は四百五十円であるという場合に、四百五十円で券をつくって渡しますと諸経費が赤字になりますけれども、それにプラスした額で出してもいいのかどうかということが一時大変問題であったこともございます。それで、ある地方の連合会ではとうとうその流通経費を取らないで券を出してスタートしたところもあるんでございますが、とてもそんなことはよその連合会ではまねができないということで、現在は、先般の定価改定以後若干の流通経費を加味したもので、その流通経費の一番大きなものは、券を売った方はたばこと違いまして券のマージンはないわけでございますが、たばこ券を持ってこられて引きかえますとそのたばこがマージンを生むわけであるということで、券を売る方にも若干の手数がかかるではないかと。そういうふうな、それは一例でございますが、そのような流通経費を加味したもので買っていただいておるわけでございますが、御指摘の中で、その引きかえてからギフト券が金にならないが、これはどうしているんだと。そういうのが御質問の要点だったと思います。  大変くやしく思いまして、銀行で何とかうまくならぬかと思いましたけれども、銀行を使いますととても流通経費が賄えないのが現状でございますので、大変引きかえた方にはごめんどうでございますけれども、単位の組合、連合会のルートを通じて金にかえておる。そうすると全国に連合会が二十一ありますので、そのお互いの交換が大変でございますから、連合会間の帳じりの中央決済だけを全国たばこ販売協会がお手伝いをして全国流通の実を保ちやすいように骨を折っているというわけでございますが、ここに公社御当局もおられるのでございますが、公社にはずいぶんできないお願いを、研究をお願いしているのでございますが、たとえばギフト券持ってきたらたばこの配給が受けられるようになると早く金になるんではないかと。これはずいぶん御無理だと思いますので、いまここで公社に陳情いたしておるわけじゃございません。たとえばそういうふうなことで、せっかく全国にある配給網をうまいこと使って流通性がふえないかとか、一生懸命に勉強はいたしておりますが、現在は勉強しているだけで非常に実効性のあるいい案を持っておりませんので、そういった意味からもギフト券の流通は余り全国的ではございませんけれども、やはり消費者からたばこのギフト券を求める声もございますので、近く全国の連合会で発行するようになると思います。非常にたくさんな利益はないけれども、消費者に対するサービスとしてやはりやるべきではないかという思想がだんだんふえてきているように見ておるんでございます。  以上でございますが、よろしゅうございますか。

木下和夫大阪大学名誉教授

○公述人(木下和夫君) 竹田先生の御質問にお答え申し上げます。  第一に、酒税との比較でたばこ消費税の問題の話がございましたが、一般的に申しまして、消費税にした方が現在の制度よりも納税者にとってはわかりやすいという長所がございますので、原則的には消費税の方が望ましいと言うことができます。  ただ、今回の納付金率の法定ということになりますれば、やや消費税の長所に近いものが取り入れられまして、たばこを買います人はある程度の納付金率の推定ができるという意味では、私は一歩消費税に近づいたものというふうに解釈をいたします。  第二番目に、それではその理想の形態が消費税であるならば、消費税になる場合にはどのような方式が考えられるかということでございますが、恐らく諸外国の例を見ましても、たばこに対する消費税は、個別消費税としてたばこ消費税というような名前で残ることにならざるを得ないのではないかと。そうしますと、本来消費財サービスに対して全面的に定率の課税をするというような一般的な消費税が導入された場合にはどうなるかということになりますが、その場合には、たばこ、酒あるいは特定の燃料、ガソリン等でございますが、そういうものに対しては消費税をかけ、その上裸の価格に付加価値税、一般消費税を課税して両方ダブるというのが少なくともヨーロッパの例でございます。そうなりますと、総合いたしまして、現在ヨーロッパでは、たばこに対しては私は五〇%以上七〇%、あるいはそれ以上の負担がかかっているんじゃないかと思いますが、なぜ、じゃ、たばこや酒やあるいは特定の燃料に対してそういう重い課税を行うかという説得的な理由の説明は別にないわけでございますけれども、私どもが税の性格から議論をいたします場合は、やはり、これは先ほどもちょっと申し述べましたが、消費を減らすとか、あるいはできるだけ節約するように持っていかせるための一つの手段というふうにしか解釈ができませんので、現在の、いまの日本専売公社の財政専売というたてまえ、これといま申しました考え方とは必ずしも矛盾なく一致するわけではないわけでございます。したがいまして、財政専売というのは、やはり税の形とは別に、一定の公営企業体の活動によって、何とかして、できる限りの収入を獲得したいという活動でございますが、税の方は、やはり基本的には消費を抑えるということでございますので、この辺の、現実の、いわば調整といいますか、妥協といいますか、というものが長い間行われてきたというふうに思います。したがって、消費税化した場合の消費税のその性格というようなものを突き詰められますれば、いまヨーロッパで行われているように、きわめて高率の二段階の課税をしておる品物は、すべてこれは節約ないしは消費の減少を期待しての税と言わざるを得ないと、このように思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 初めに、谷本公述人に伺います。  先ほどもいろいろ議論が出ておりました国内産葉たばこの価格ですが、外国と比べて大変高い、その原因等についてるるお話がございまして、将来のことにも触れられておりましたが、素朴といいますか、率直に言いまして、どうして二・五倍というふうな大変高い開きが出てしまったのか。先ほどございましたけれども、これはやはり今後ともこういう状況が続いていくのか。さらにまた、格差は広がっていくのか。もちろん円レートの関係がございますが、それは一つ別にしまして、これは変動のあるものですから、そういうことを別にした上でも、この価格というのは、将来とも縮まる可能性というのはあるのかないのか。その辺、どういうふうに見通しを持っておられるのか。先ほどいろんな御要望がございましたが、そういったことがある程度解決をしたという仮定においてどうなるのか、どういう見通しがあるのか、お答えいただきたいと思います。  それからもう一つは、これも議論が出ておる民営化の問題ですが、これは私の感じですから誤りがあるかもわかりませんが、アメリカの今回の日本との経済摩擦、電電公社の政府調達、こういつたことを見ましても、日本の政府がやっておる仕事についてかなりいろんな圧力をかけてきておるわけです。たばこについても、御承知のように、たばこを輸入しろということを言ってきておりますし、下手をいたしますと、この外圧のために民営化をやらざるを得なくなった場合、私は、もろに、一番先にかぶってくるのがたばこの耕作者であると、農民の方に大変その影響が出てくる、これは一番、私、心配をしておるわけです。しかし、最近のアメリカの日本に対する経済攻勢を見ますと、かなりそういった点まで来るのではないか。電電公社の政府調達もある程度妥協したような形にもなっておりますけれども、私は、これでおさまるようなアメリカではないと、こう見ておるわけでして、それだけに、日本農業全体もそうですが、特に葉たばこの耕作についてきちんと強いものにしておかないと大変問題が出てくる、そのときになったのでは遅いと私は感じておるわけです。そういう点でどういうふうにお考えになっておるのか。特に民営化という問題について御見をお伺いしたいと思います。

谷本たかし全日本農民組合連合会書記長

○公述人(谷本たかし君) 第一点は、国産葉の格が非常に高い、そうした状況が今後とも続くのかどうかという御指摘でございました。  外葉と国産葉の値開きが拡大していくのか縮まっていくのか。これは、一つにはやはり円高がどういう状態に今後推移していくのかという問題があろうと思います。そこのところに非常に左右される度合いが私は強いと思います。それともう一つの点は、今後の日本経済のあり方の中でインフレがどんなぐあいに進むのか、これによってやはり国産葉がかなり上がる場合もあり得るし、インフレが余り進まないということになれば国産葉価格がそんなに上がらないで済むであろうというふうに思います。ともあれ、たばこ耕作農民の生産性向上の努力はこれまでも続けられてまいりましたし、今後も続いてまいります。  ただ、先ほども申し上げましたように、一挙に規模拡大をやってコストを大幅に下げ得るような見通しがあるかというと、残念ながら、いまの農業を取り巻く環境条件としてはそれは期待し得ないというぐあいに申し上げなければならぬと思います。ともかくも、私どもは生産性を向上さしていきたいと考えるが、どうにも私どもの手の及ばない円高問題、インフレ問題、あるいはまた農業を取り巻くその他の多くの環境条件といったようなものに左右されざるを得ないというぐあいにしか申し上げようがございません。  それから二番目の民営化の問題であります。外圧のために民営化がされてくる可能性があり得るのではないか、そうして民営化がされた場合に葉たばこ耕作者が最も困るのではないかという御指摘でございました。御指摘のとおりであります。  民営化がされてまいりますと、経済合理主義が一層貫徹されるようになるでありましょう。そういう状態のもとでは、国内での原料葉の調達というよりも、外国にそれを求めていくというようなことになっていくものと思います。ちょうどそれは、昭和三十年代の初頭に、日本の麦の生産というのをやめてしまって、外国は安いから外国に頼りましょうという政策を政府自身がおとりになったことがございます。あれと同じような状態が出てくるだろうと思います。当時は、日本の麦作は内陸が中心でありまして、そして製粉工場なども内陸にあったわけでありますが、外国の麦に頼るようになりましてから、日本の麦の産業も臨海工業地帯の方へ再編されていくというような過程が生まれてまいりました。それと同じような形のたばこ産業の合理化再編成というようなものが行われるようになってまいるだろうと思います。そうして、そういう中で犠牲にされるのは、専売労働者もそうでありますが、それ以上に犠牲にされて壊滅的な打撃を受けるのが原料葉部門を担当しております国内の葉たばこ生産であるというようなことになってまいるであろうと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 木下公述人にお伺いいたしますが、先ほど消費税の件が出ておりましたが、いまのお話だと、仮に消費税的なものに変えた場合、一般消費税プラスそういったたばこ消費税ということでかなり高率になる、こういう御指摘でございますけれども、私はどちらがいいかどうかについてまだ結論めいたものは持っておりませんけれども、仮にいま政府が意図されておる一般消費税が導入をされた、私たちは反対をしておりますが、そういったことを仮定した場合、やはり日本も、先ほど先生の言われたようなヨーロッパ型になるのか。しかしその場合、別に一般消費税だけで、たばこもそれだけにしておくということも可能にすることはできるわけですから、そういった場合はどうなっていくのか。仮にそういった消費税が導入された段階においては、たばこ消費税はどういうふうな形が理想的であるとお考えになっておるのか、これがまず一点。  次に、いま私が谷本公述人に質問したのと同じ質問を申し上げるわけですが、いまも申し上げたように、大変外圧が厳しくて、私はそれによって、ほかの理由よりも民営化に踏み切らされてしまう。そういった場合、大変影響が出ることは、いま谷本さんの公述で明らかになったわけでございますが、この点を木下先生はどうお考えになっておりますか。  もう一つは、電電公社に一つは焦点を当ててきたんですが、今度はたばこ専売に、いま製造たばこの輸入で焦点を当てておりますが、さらにもっと強い専売の政府調達といったら言葉が適当かどうか私わかりませんけれども、そういったことで、また改めてくる可能性というのは十分あるとお考えになっておりますか。その点、お伺いしたいと思います。

木下和夫大阪大学名誉教授

○公述人(木下和夫君) 第一の問題点でございますが、先ほどお話し申し上げましたのは、ヨーロッパ諸国の例として、たばこ消費税の上に付加価値税が加わる例を申し上げたわけでございますが、昨年私どもが一応仮の案としてつくりました一般消費税の概案では、御承知のとおり、たばこは一応除外するという線であの案をつくっております。ただ、これも御承知のとおり、納税義務の除外水準を二千万円と定めましたので、ほとんどすべてのたばこ小売業者はこの除外に該当いたしますので、きわめて少数の者が、これ以上の者があるそうでございますが、私どもはこれに重複して課税しないような、言いかえれば、よしんば納付金という形が消費税に変わりましても、わが国の一般消費税とは重ならないような形で考えております。しかし、ヨーロッパ方式でございますと重ねるわけでございますが、私個人の考え方は、重ねる方式を私は支持したいと思います。重複して課税しても構わないという考え方でございます。  それから、第二番目の民営問題につきましては、先ほども一部申し上げましたけれども、さしあたり現行の制度を、経営形態は維持して私は差し支えないと思いますが、これから長期にわたって民営という目標が定まりますれば、そのプロセスにおきまして、やはり民営企業にかなり近いような形へ段階的に持っていくというようなステップが必要だろうと思います。そういうステップなしに直ちに民営化ということは、現実実現も不可能であろうし、また摩擦も多いと思いますので、もし民営化の方向へ進むといたしましても、相当期間をかけて、いろんな段階を経ていかなければならないであろうと思います。  しかし、いずれにいたしましても民営の形が決まりませんことには、いま抽象的に議論をすることも非常にむずかしゅうございますが、私は民営でたばこの製造ないし販売がうまくいくという自信は持ち合わせておりません。  それから第三の電電に対する政府調達問題で、米国からの圧力のようなものが専売公社に対してもやはり出てくる可能性があるか否かという御質問でございますが、これはもう全くあなた任せでございまして、私の印象では、やはりこの交渉というのはもっと包括的な形で行うべきであるのに細かく入り過ぎた、まことに残念だと思いますが、その印象がぬぐえないと同時に、細かいのになってまいりますと、ある問題が片づいてもまた次の問題に移るという逆に危険性がございまして、専売公社の問題にまで及ばないというようなことは、とても私は現在の時点では申し上げられない、あるいは及ぶかもしれないという気でおります。  以上でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 秋山公述人にお伺いをいたしますが、先ほど非常に高級なたばこばかりをどんどんつくられて、結局は高いものを買わされてしまうと。これが私は現在いろんな分野にあると思います。それは付加価値が高くなったから、いいものなんだからということで、実際は消費者の方はごまかされておるといいますか、それで消費者も納得をしておると。確かに経済の大変厳しい時代、あるいは所得の少ない時代は、まあ悪くても安いものを求め、ある程度所得がふえてくれば、少々高くてもいいものをという、これは人間の欲望ですから、ある程度はやむを得ないと思いますが、それを政府なりあるいは公共企業体、あるいはまた業界が意図的にそういったことをやることについては、私も大変反対といいますか、反発を覚えるわけです。これは大変卑近な例で恐縮ですが、秋山さんはこういうのをどうお考えになっておるか。  いまのたばこの問題とはちょっと関係が外れますけれども、私はいいものを出すことによって悪いものを全部ネグレクトしていくというやり方に対する一つの例として申し上げるのですが、たとえば駅弁一つ取り上げましても、あの値上げというのは非常な高妙な値上げの仕方をするわけです。最近はもう五百円弁当があたりまえ、最近六百円が出てきた。七百五十円が出てきた。八百円。そうした場合、だんだん最初四百円であったのに四百五十円をつくって、そちらの方が中身は少しよくしてあるわけです。実際これは五十円アツプしているか十円アップしているか、中身一々われわれ調べられませんのでそのままになっておるわけですが、その次五百円を出してくる。そうした段階で大体四百円が消える仕組みになっているんです。その次、五百五十円なり六百円が出てきて一番下をカットしていく。大体そういうことで、ずっとじわじわ上げてきているのが、私、いつも新幹線に乗ってうろうろしておりますから、いつもあれ頭にきて買っておるんですけれども、いつの間にか低いのがなくなってしまうわけです。そういうやり方を——あそこも駅弁というのは競争があるようでないわけですね。国鉄の弘済会が入っておりまして、五、六社人っておりますけれども、実際競争がないと同じなんです。そういった点をたばこあたりがやってきますと、これはやはり買いたくとも安いものがないという結果が出てきますので、こういったことについて、私は消費者の立場でもう少しそういった面は声を大きくしてもらいたいと、こうかねがね思っておりましたし、また国会で機会をとらえてやったこともありますけれども、そういった点を私強く感じるわけです。案外消費者というのは、かなり消費者運動をやられておりますが、そういう巧妙なやり方についての批判といいますか、運動というのは少ないように私も思っておりますので、そういった巧妙な値上げの仕方ですね、これはたばこだけに限らないのですけれども、これはどういうふうにお考えになっておりますか。  それからもう一つ、主婦の立場ですから、先ほどちょっと未成年の喫煙の問題が出ておりましたけれども、これはやっぱり学校教育と家庭教育、そうしてまた売る方の立場、こういった点では、自動販売機というのは大変便利なんですが、やっぱり未成年が喫煙をどんどんやるようになったきっかけの一つに、私は自動販売機というのがあるんじゃないかと。これが全部私は直ちにやめてしまえという極端なことは申し上げませんけれども、これはある程度制限をしていく方がいいのではないか。  ただその場合、これはまた後で藤村さんにもお伺いしたいと思いますけれども、この二点について秋山公述人どうお考えか、お伺いしたいと思います。

秋山咲子主婦

○公述人(秋山咲子君) 率直に申し上げまして、本当にいろいろな物価が値上がりになってしまってから、ずいぶん高くなったと気がつくのがほとんどの場合だというふうに考えるわけです。たとえば床屋の問題、理髪の問題にしても、たとえばパーマネントだとか、そういうふうなものにしても、あれはやっぱり組合があって決めていると思うのですけれども、私たち利用する側には全然何の相談もないし、上げますよという予告的なものは多少あるかもしれませんけれども、そういうふうなものもほとんどないという状態の中で、どんどん一年に何回も値上げなりがされているという、そういう状態があるわけですね。ところが、やはりいま先生がおっしゃられましたように、実際に利用する側、消費者の側というのは、本当に上がったことに対して文句は言うんですけれども、みんながその声を、上がることを防ぐためにやはり声を大にして反対しよう、絶対困るということを言うというのは非常に弱いんじゃないかというふうに考えるわけです。  私も、たばこの問題について本当に不勉強で十分な意見が申し上げられませんけれども、本当にたばこの問題を見ても、この間上がったばかりなのにまた上がるのかという、そういう感じですし、地下鉄に乗りまして、この間まで八十円、一区間が八十円だったのがもう百円に上がっているというふうな感じで、   〔理事和田静夫君退席、委員長着席〕 本当に周囲を見回しますと、知らない間にどんどんどんどん上がっていっている。  それに引きかえて、実際に働いている人たちの賃金というのはそんなには上がっていないということなんですね。そうしますと生活に大きく負担がかかってくるというふうなことで、やはりいまおっしゃられましたように、もう少し私たちがいろいろな物価の値上げの問題にしましても関心を持って、反対すべきところは反対していくというような、そういう方法をとっていかなければいけないんじゃないかというふうに考えるわけです。  それから、未成年者の問題については、本当にそのことについては問題だと思いますが、たとえば週刊誌とか、このごろ非常にいろいろなものが出まして——たとえばインベーダーゲームとかというのが、最近非常に喫茶店に行きますとほとんどのところが入れているような状態で、非常にあれについては何とかしなければという感じを持つわけなんですけれども、私たちも週刊誌、悪質な週刊誌の自動販売機については調査して、PTAなんかで追放するという運動もやってきましたけれども、たばこの問題については、先ほども言いましたように、必ずしも買っている場を見ても、それが果たして本人が吸うのかどうかというところまでわかりませんので、自動販売機で買っている者でも家の者に言われて買っているのかという場合があって、非常にそこの判断がしにくいわけですけれども、常に問題になることは、中学生からもうたばこを非常に吸っている生徒が多いというようなことが問題になりまして、これについては、やはり父兄の立場からもっと大人の責任として、そういう問題についての対処を考えていかなければならないというふうに言われています。  それで、そういうことから考えますと、たとえば雑誌の、週刊誌の自動販売機の運動をやったように、追放する運動をやったように、もしたばこの自動販売機でたばこを買っている生徒がだんだん多いというようなことも全然調査できないわけではありませんので、ある程度調査をして、そういうふうなものが多くなっていくというようなことでありましたら、やっぱり自動販売機の問題についても少し考えていただくというふうな方法もとらざるを得ないんではないかというふうに考えるわけです。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 藤村公述人にお伺いいたしますが、私、四年前の値上げの際にも少し質疑をしたんですが、たばこの製造年月日の表示の問題なんです。お酒の場合はきちんと表示されていて、ビールの場合が全然なかったので、私がこの委員会で取り上げまして、現在御承知のように、ビールについては上、中、下旬が入るようになりました。たばこについては入っておるんですけれども、ほとんどの方は御存じないわけです。政府答弁は、たしかあのときはそういう必要が余りない、実際、問題があればすぐたばこ屋さんでかえてもらえるから問題がないということできたんですが、これだけ消費者のいろいろな関心がふえておるわけですから、やっぱりたばこについてもああいう銀紙のところへぽんと判こを押してあるだけで、表では全然わからないわけですよね。ほかのものも結構ありますけれども。ジュースだってわかりませんよね、消費者は。知っている人は知っていますけれども。たばこの場合も、私はある程度消費者がわかるようにした方がいいんじゃないかと。当時の大蔵大臣、現在の大平総理ですが、御存じなかったんですよ、たばこの製造年月日がどこに入って、どういうふうに解明するのかということですね。そういうことで、ここにいらっしゃる先生でも御存じない方、非常にいらっしゃると思うのですよね。そういうことで非常にわかりにくい。これをどうお考えなのか。実際たばこの場合、古いものだからかえてくれというのはどれくらいあるのか、またそういう必要は全然ないのか、その点と、先ほどの未成年の問題に関係いたしますが、自動販売機というものは今後ふやしていった方がいいのか、皆さんの立場として。やはり、この辺でもうやめにした方がいいのか、その点の御見解をお伺いして終わりたいと思います。

藤村久生全国たばこ販売協会副会長

○公述人(藤村久生君) 二点につきまして御質問がございました。  この製造年月日の表示の問題につきましては、私の私見でいいんだと思いますので、そのつもりでお答え申し上げます。  ほかの食料についてももちろんそうであろうと思いますけれども、たばこにつきましてはどの辺からが悪変かということはなかなかむずかしいのでございますけれども、明らかに悪変だというものにつきましては、いまのお話しのように引きかえが当然されておるわけでございます。  それから、たばこが製造者から小売店に渡りまして売られるまでの期間が地方によってずいぶん、通行客あるいは居住者、お得意さんの種類によってずいぶん違ってまいりますので、恐らく公社御自身は内部的なコントロールのためには製造年月日をはっきり知っていなければいかぬということもお考えでございましょうけれども、消費者にそれを示す方がいいかどうかということになりますと、ちょっと私もよく考えさしていただきたいと思いますのは、これは大変無責任なことを申し上げるようでございますが、味に関係がございますけれども、悪変によってほかの食品と同じような被害はないわけでございまして、どの辺までおいしいかということだと思います。京都のお菓子屋さんは、店へ来る人にその場所でしか売らぬというようなしにせの方もあるように聞いておりますが、たばこにつきましても一番おいしいのは、ちょっと私よく存じませんが、四週間まではいいとか、ある常識が当然あり得ると思いますけれども、それだけに絶対回転をさせるということが可能かどうかということと実益とのバランスの問題もあると思いますので、これは私の私見といたしましても検討を要する問題だと思いますけれども、どちらでなきゃいかぬということをはっきり私自体の認識を持ってお答えがいたしにくいのでございますが、私の現在の認識はその程度であることを申し上げるよりほかないと思います。  それから未成年者と自動販売機の問題、これもなかなか頭の痛い問題でございまして、未成年者がたばこを買うことにつきましては、先ほどの御質問にもお答えしましたように、本人が対面販売で来ますと非常にコントロールがしやすいわけでございますが、自動販売機はそれがむずかしいのでございます。それでは、これを全然廃止した方がいいかどうかとなりますと、かなりの方が自動販売機で買っておられますので、消費者の利便も考えなければいけない。地方によりましては、お酒につきましてもたばこにつきましても、ある時間以降は売らないようにしたらという御指導のある地区もあるようでございますが、たばこがなくなったというので急に——あれはどうも、なくなると非常に吸いたくおなりになるものでございまして、たばこ屋を探してもあいていなかったので自動販売機で買ったというような事例もございますので、非常に兼ね合いの問題になると思います。現在やっております方法は、未成年者がそれを読んでくれても、そのとおり従ってくれるかどうか非常に疑問でございますけれども、未成年者はこれで買ってはいけませんというような表示はいたしております。  それから、地方地方でやはり厳しい制限を総合判断としてするのは無理だとお考えのところと、かなりきつい制限をしておられますところと、地方地方の相違のあらわれとしてだと思いますけれども、非常に全国でも区々になっております。非常に一元的に判断はしにくい問題であろうかと、その結果であろうと思うのでございます。  それから、さらにふやす必要があるかどうかという御質問が入っておるわけでございますが、現在たばこ店の、持っていないところもございますが、ほとんどが据えつけておりますので、新品の交換とか機能の向上などはあると思いますが、恐らく積極的に奨励してふやさなければいかぬという事態ではないと私は思います。  余り十分御満足いただけるお答えではないと思いますけれども、私の所見といたしましてお聞き取り願いたいと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 どうも皆さん御苦労さまです。  先ほど来国内における葉たばこ生産をめぐっていろいろ御質問が出ておりますが、私も二、三質問をいたしたいと思いますけれども、一つは、国内産葉たばこの買い入れ価格ですね、いまでも外国産のものとの差があるという話でありますが、本来的に労働に見合う価格といいますか、生産費を償う価格、そういった点では全日本農民組合の中での御議論としては、いまの買い入れ価格がどの程度に改善をされる必要があるのかということでお考えになっているかということが一つです。  それから二つ目は、葉たばこの耕作者がかつて二十万人あったのが十二万人まで激減をしてきているというお話も出てきておりますし、それから先ほど来外国からの葉たばこ輸入による圧迫が特に最近強まっているというお話が出ておりますけれども、実際に日本の国内の葉たばこ耕作の希望の状況はどういう状況なのか、農民組合としての何か集計をされておるような数字的なものもあれば、そんな点を含めてお聞かせをいただきたいというふうに思います。  それから三つ目に、外国産による圧迫をできるだけ排除をして国内産の葉たばこを優先をしていく、そのために国内産の葉たばこの品質向上について何か国の施策に対して希望をする、そういう点も含めての御意見があればお聞かせをいただきたいと思います。

谷本たかし全日本農民組合連合会書記長

○公述人(谷本たかし君) 佐藤先生、大変恐縮でありますが、二番目の点はどういうことでございましたか。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 実際に国内での葉たばこ耕作についての農家の皆さん方の希望をされておる状況ですね、それはどういう状況だろうかということです。

谷本たかし全日本農民組合連合会書記長

○公述人(谷本たかし君) まず第一番目の、買い入れ価格の問題についてどのように改善すべきか、その点について私どもはどう考えているかという御指摘であったと思います。  いまの専売公社が買い入れる価格の算定方式は生産費方式であります。生産費方式でございまして、それも平均生産費であります。本来自由経済のもとでの農産物価格が決まるべきあり方というのはどうなのかという原点上の議論があると思います。この点については、農産物の価格は限界生産値の生産費によって決まるというのがこれまでの通説であります。そういう点でいきますと、平均生産費方式というのは私どもの立場から見てはなはだしく不満であります。またさらに、葉たばこ価格を算定する場合の家族労働の評価がえについてでありますが、現在は投下労働の大部分が葉たばこ産地周辺を基本とした中小製造業の賃金ではじかれております。やはり農民の労働を社会的に一人前の賃金に評価がえをするというような点では、賃金のとり方がいささか低過ぎるのではないかというのが私どもの考え方であります。  繰り返して申し上げますと、生産費のとり方が平均生産費というのは不当であると、そして家族労働の評価がえについても社会的な一人前の賃金としての評価がえになっていないと、この辺の点を改善すべきではないのかというぐあいに考えております。  それから、二番目の葉たばこ耕作の希望状況の問題でありますが、前にも申し上げましたように、専売制度のもとで葉たばこ生産は計画生産であること、そして低いながらも一定の価格の水準は維持されていること、そういうふうなことなどから、葉たばこ耕作者といたしましては、規模拡大の希望、あるいはまた現在葉たばこを耕作していない農家でも耕作をさせてほしいという希望がかなりふえております。この点は高度経済成長時代とはかなり違ってまいりました。高度経済成長時代は葉たばこ耕作を希望する者が少なくて、専売公社の職員が一升びんを持ちながらたばこ耕作者に働きかけなければ葉たばこ耕作をしてもらえるという状態になかったというような状況でございました。最近そういうふうに、いま申し上げたように耕作の希望が大きくふえてきたというのは、価格が改善されたという点もありますが、それ以上に指摘されなければならないのは他作物の条件ですね、これがより悪くなってきているというような点が強調されなければならぬと思います。  次に、三番目の品質向上の問題であります。この品質向上の問題については私どもも異存はございません。ただ問題は、これまでの増産政策、その増産政策のあり方が品質低下を招いたというぐあいに私どもは考えております。ですから、これまでの専売公社の指導が量目重点であって、そして品質劣化がしてきた中で、いきなり品質向上というのを持ち出されたという点では、耕作者の間にはかなりの戸惑いがございます。しかしながら、品質劣化を正して品質を向上させなければならないというのは、外葉との関係からいたしましてもやらねばならぬことでありますから、品質は向上させてまいりたいというふうに考えております。ただ問題は、品質を向上させる上で、たとえば買い入れ価格の値開きを非常に開いている、等級間格差を開いているというような形で急激にやられてまいりますと、品質格差の価格差の拡大というのが、言ってみるならば葉たばこの買いたたきに通ずる側面が出てくるというような点等々もございまして、現在専売公社が指導あるいはまた品質向上のためにいろいろな価格政策の変更などもしてきているところでありますが、そうした問題については幾つかの問題があるというぐあい考えているところであります。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それでは木下さんにお尋ねしますが、今回のたばこの定価値上げ平均二一%ということでありますが、いずれにしてもこの種の公共料金の値上げはいわゆる国民負担の逆進性を強めるということは明白な問題だと思います。  ところで、木下さんも税調の責任あるお仕事をなさってこられまして、税調としてもかねがね不公平税制の是正というこういう言い方で、いわば国民負担の逆進性を是正をすべきだということをかねがね税調の答申にも、今日までの何回かの答申文書の中でも触れられている問題だと思いますが、今回のこの法案の中に——納付金率の法定の問題はいまちょっと、これはこれ自体として私の意見ありますけれども、この問題は議論の外に外すということにいたしまして、いわゆるいま私が触れました負担の逆進性の強い公共料金の値上げ、当面の問題で言えばたばこの定価値上げ、いわんや法定制の緩和も含めてこれが今回提案をされておるというこの問題について、こういう政策選択をいまの時期に行うということが、今日まで税調としていろいろ議論をされてきたその議論の流れに照らして、果たして妥当と考えられるかどうか、仮に国の財政に対する増収の何らかの政策選択をしなくちゃならぬというふうにいたしましても、そういう逆進性を強めるような性格のものに求めるべきではなくて、むしろ負担の累進性を強めるようなもの、こういうものにこそ政策選択を求めるべきではないかというふうに、特に税調で御議論をなさってきている今日までの流れとの関係でお尋ねをするんですけれども、どうでしょうか。

木下和夫大阪大学名誉教授

○公述人(木下和夫君) たばこの定価改定、とりわけて引き上げということが負担の逆進性を刺激する、あるいは強化するという御指摘でございます。  確かに私ども一般に直接税、間接税、総合的に所得階層別に税負担の状況を検討いたしますときに、たばこと酒とに対する税を除外いたしますれば大体比例的な税でございますけれども、この二種類のものを入れます場合には、御指摘のように逆進性が濃厚にあらわれてまいります。  ただ、この問題に対する考え方は、まず第一に税や料金の中でどうしても不可避的に逆進的となる傾向を持つものがあるということでございます。  公共料金というお話が出ましたが、たとえば国鉄の料金にいたしましても、郵便の料金にいたしましても、これを逆進性とか累進性という面から考えました場合には、その人の所得の状況に応じて国鉄の料金、運賃を変える、あるいは郵便料金を変えるということまでしなけりゃならないのかという問題まで、実は公共料金一般の問題を考えますならば出てくると思います。そういう場合にはやはり一々その人の所得の状況に応じて公共料金を変えるという、逆進性の見地から、これを防止するという見地から変えるということはできない相談でございまして、同じサービスを受ける場合には一応所得に関係なく負担をしていただくというのでいまのおおよその公共料金体系はでき上がっていると私は思います。しかし、非常に逆進性に敏感に反応なさる向きは、実はその議論を進めれば国鉄の料金や郵便の料金までそれが及ぶことを恐れられるという議論になってしまいはしないか、そこまでは私どもは逆進性の議論を拡大することは避けるべきではなかろうかと思うわけでございます。  そうしますと次の問題は、それではたばこや酒というものが、これなしには社会の摩擦を防ぐことができない、あるいはせっかくの勤労の後の喜びを味わうことができないといったかなり文学的と申しますか、あるいは精神的な面を強調された議論もございますけれども、どんなにその議論を推し進めましても嗜好品であることには間違いがない。したがって、食料品にはこれはもう課税を強化いたしますことは逆進性を強めるという点から当然私どもも十分考えますけれども、嗜好品についてまでこの逆進性という議論を拡大するのには限度があろうかと思います。  他面、たばこの問題を考えますときには、たとえば公共企業体共通の問題としての経営のいわば効率性ということを考えると同時に、公共性というものをあわせて考えていかなければなりませんが、じゃ公共性を強調する余り経営の効率ということは無視してよろしいのかということになると、やはりその両者の調和を図るということが必要になろうかと思います。御承知のとおり、昭和五十年の年末を基準にいたしまして、たばこの値段は全然動いておりません。しかし消費者物価指数はその間に、五十三年の八月をめどにして計算をいたしますと、五十年の十二月以降、消費者物価は二〇%の上昇でございます。それに対応してたばこは全然動いてないということの、いわばしわ寄せがいろいろな面にあらわれてきておる。そうすれば、たばこだけを値上げをとめるというような話というのは、やはりいまの財政専売をたてまえとする日本専売公社に対してこれを要求することはまことに無理であるというふうに思います。  それから、それでは個々の税目というよりも全体として税の負担というもの、あるいはこういう公的な料金の負担というものの全体のあり方が累進的である、あるいは逆進的であるという判断をどうして現実の政策の中に入れてくるかと、どのようにして入れてくるかという問題になろうかと思いますが、私どもは個々の税目における逆進性や累進性の問題よりも、日本国民全体の所得の分配の状況及び課税によって——この課税というのはあらゆる種類の税を含みますが、課税によってその所得分配が悪化しておるのか、あるいはよくなっておるのか、分配が進んでおるのかどうかというような判断をするためにさまざまな方法があることはもう御承知のとおりでございます。  その結果を見ますと、これはまことに御同慶にたえないと思うんでございますが、わが国は先進諸国の中では所得分配はきわめて均等化しておるトップクラスの国に入ることは、先般のOECDの調査でも明らかでございまして、それに課税の影響を加えますと、むしろそれを強化しておるという事実が実は国際的な調査からわかっております。私どもはこれで満足しておるわけではございませんが、できる限り今後逆進化しないように、税制の全体としての効果が逆進化しないように努力を払うつもりでございますけれども、そのつもりである税制調査会が、昨年の十二月に「昭和五十四年度の税制改正に関する答申」をまとめました折、たばこの定価改定につきましては、答申の中で、「たばこについては、日常生活に密着したし好品であり、家計に与える影響を考慮するとその小売定価の改定は慎重に取り扱うべきであるとする意見もあったが、その定価が昭和五十年度の改正以来すえ置かれており、この間における原価の上昇の結果、たばこ消費に対する税負担率がかなり低下しているので、その調整を図るため、小売定価の改定を行うことが適当であると考える。」という御意見になったわけでございます。御指摘のように、私どももできる限り表面的、形式的な逆進性を抑え、そして今度は実質的な累進性の強化の方へ努力するつもりでございますけれども、この問題だけ取り上げて、これを逆進的とみなされてこれに反対をするというような考え方は私はただいまのところとっておりませんので、今年度の税制改正に関する答申の線で、先ほど意見を申し上げたわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 まだほかの方にも御質問したいんですけれども、私の持ち時間終わりましたので、失礼します。

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) 公述人の方々には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。  明日は午前十時委員会を開会することとし、これをもって公聴会を散会いたします。    午後四時九分散会

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