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87回国会参議院1979/05/29

大蔵委員会 第19号

発言数
255
登壇者
17
会派数
5
開催日
1979/05/29

会議録

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十五日、熊谷弘君が委員を辞任され、その補欠として藤川一秋君が選任されました。  また、昨二十八日、勝又武一君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君が選任されました。  また本日、河本嘉久蔵君及び藤川一秋君が委員を辞任され、その補欠として真鍋賢二君及び山本富雄君が選任されました。

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) 日本専売公社法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き福間君の質疑を行います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 先日に引き続きまして質問を続けたいと思います。  前回のときも申したんですが、健康といわゆる喫煙の問題につきまして五十三年度で一億一千五百万円、五十四年度で一億三千万円の予定、こういう金額を公社が支出をして委託研究をされているわけでありますが、聞くところによりますと、過去十年来二十三の大学あるいは研究所で委託研究を行ってきたと、こういうことのようですが、まとまった報告がいままでになされていないわけであります。せっかく多額の費用を出して研究をされているわけでございますが、その研究の結果報告というものを文書で当委員会に提出を願いたいと思うんですが――これは委員長に対する要請でございますけれども、これに関して公社としては提出をしていただけるかどうかを含めまして所見をお聞きしたいと思います。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) お答えいたします。  委託研究の成果の公表でございますが、この前、先生の御質問に対しましてお答え申し上げましたように、現在までのところでは研究課題のほとんどまだ研究途上でございますので、まあ非常に専門的、部分的な問題が多いということで、公社としましては直接発表するよりも、むしろ研究を委託した方自身が学会とか専門学術誌に発表するという形で対処してきたわけでございますが、これにつきましては、御指摘のようにかなり長い年月委託しておりますので、この研究成果を何らかの形で公表したいと考えておりますが、何分非常にむずかしい内容でございますので、一般の方に理解していただくように、もうちょっとわかりやすくかみくだいて書けないかと、そういうことで検討し、先生方にお願いしているわけでございますが、なかなかむずかしい。  しかしながら、御指摘の点もございますので、今後そういった適当な形で発表するような方向で検討したい。とりあえずは生の報告と申しますか、すでに、最近の例で言いますと五十二年度の研究の報告の概要というのが出ておりますので、それを御提出すると同時に、この一月に専門の先生方から構成しております喫煙と健康に関する研究運営協議会というのが公社の内部にございますが、そこでこれまでの委託研究の経過と今後の展望について、専門的でございますが、取りまとめていただいたのがございますので、この両方をあわせて御提出したいと考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 確認しますが、委員長、そういうことで公社側として一応提供できる資料があるようでございますので、ぜひ提供方を要請したいと思います。よろしゅうございますね。  次に、来年WHOのメーンテーマが「喫煙か健康かあなたの選択」、こういうスローガンが予定されているようでございますが、国際的に喫煙と健康に関する議論も年々高まっておりますし、そういう中でいわば人間に対する啓蒙としてWHOもそのようなテーマで会議を開くわけでございますけれども、これは専売公社当局のみならず、大蔵大臣、これは大蔵省だけの問題でもありませんが、厚生省その他も含めて、いわば国連の機関の会議でありテーマでございますんで、これは国としてどういう取り組みをすべきかということを一応やっぱり考えてみるべき課題ではないかと思うんですけれども、特に当委員会は大蔵大臣所管でございますので、大蔵大臣の所見をお聞きすると同時に、専売公社を管轄している大蔵省の責任者のお立場で、内閣に一定の意思表明をぜひお願いをしたいんですけれども、その点含めての御所見をお聞きしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 健康の問題はこれはゆるがせにできない問題でございますから、十分その点に対する対応策を講じて今後の専売事業の運営に当たらなければならないと存じます。  ただ、ただいまの専門家の研究過程におきましては、まだ最終的な結論を得られるような材料が正直言って出ておりません。しかし、各国ともそういう点に十分の注意を払いながら努力をしておる次第でございますので、日本としてもそういう国際会議の開催に当たりましては、各国と協力して今後問題の所在を詰めてまいりたいと、こういう気持ちでおります。

福間知之日本社会党

○福間知之君 少しまあ具体性がないのでわかりにくいんですけれども、要するにこのWHOの会合というのは、たばこと健康、喫煙と健康ということで、どちらかというと、たばこを吸うことによる肉体的その他の害毒からどのように健康を守るべきかということで議論があるんだと思うんですね。そうしますと、どうしても一方においてたばこというものを、特にわが国は専売事業として国の責任でやっていると、一応喫煙、たばこというものを肯定している立場でやっているわけですね。と同時に、それに伴う害毒をどう防ぐのかというこのテーマとこれは二律背反といいますか、これ相入れない性格のテーマなんですね、だと思うんです。  そうしますと、WHOはこの種の取り上げ方をするということは、どちらかというと健康をいかに守るのかという方にウエートのかかったいわば議論なり政策なりというものを出し合った会合になると、こういうふうに常識論として予想されます。  したがって、やはり先日の質問でも申し上げましたように、わが国の喫煙と健康に対する、特に健康によりウエートを置いた政策がどのように打ち立てられ具体化されているかということがやっぱり発表されなきゃならぬし、それがない限りこの会合に参加していく意味がないと思うんですね。そういう点で、やや大臣の御答弁じゃ抽象的でございますが、やはり健康を守るための具体的な施策をいままでの実績の上にさらに積み上げていかなきゃならぬと。  たとえば先日も申し上げましたように、たばこのケースに記されている表示も、日本の場合は「吸いすぎに注意しましょう」という。まあ少しきれいごとに終わっているわけですね。まああのとき申し上げたように、外国の表示というものに比べれば少し考え直す時期が来ているんじゃないかなと、こういう気がするんですけどもね。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 大変むずかしい二律背反の問題をどう扱うか、これは政府としても十分考えなきゃいかぬことでございますが、まあいまお話のございましたように、「吸いすぎに注意しましょう」という程度で学者の研究がそろうまで打ち切るのか、もう一歩進んで危険ですよというところまでの注意をするのか、そこら辺はこれから十分対策を協議していかなきゃいかぬと思っております。いずれにしても、この国際保健デーは厚生省の所管になっているものですから、専売なり大蔵省でまた議論を詰めてその開催までに対応策を講じていきたいと、こういうことでございます。また、さらに一歩前進させるならどうするのか、そこら辺は実は結論を出していない段階と御承知いただきたいと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 公社にお聞きしますが、この間私、外国、アメリカでしたか、デインジャーと、危険という表示があるということを指摘しました。そのほか調べますと、何かヨーロッパでもあるようですね、「キャン・ダメージ・ユア・ヘルス」ですか、かなり厳しい標語があるようです。公社の方でお知りの表示をちょっと参考までに言ってみてください。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) たばこに関する表示でございますが、各国の例を調べてみますと、いろいろな例がございます。  害があるとしております国の表示、スウェーデン、これは十六種数ぐらい、いろいろございます。それからノルウェー、これは「毎日の喫煙は健康に有害です」と、こういう表示でございます。それからアメリカは、御承知のように公衆衛生総監は、シガレットは、紙巻たばこですね、「紙着きたばこの喫煙はあなたの健康に危険である」「イズ・デインジャラス・ツー・ユア・ヘルス」と判断していると、こういう表示でございます。それからオーストラリアは、やはりこれは州によっていろいろございますけれども、多くの州は、「喫煙は健康に危険」、すなわち「ヘルス・ハザード」、こういう表現でしております。  大体これが害があるとする国の例でございますが、害があるかもしれないとする国の例もございまして、たとえばイギリスでございますが、これは英国政府からの警告としまして、「紙巻きたばこはあなたの健康を著しく損なうおそれがあります」と、英語で言いますと、「キャン・シリアスリィ・ダメージ・ユア・ヘルス」と、こういう表現をしております。それからニュージーランドでございますが、これは「喫煙はあなたの健康を損なうかもしれない」、英語で言いますと「メイ・ダメージ・ユア・ヘルス」。それからベルギーでございますが、これは「シガレットの喫煙はあなたの健康を損なうおそれがあります」と、こういうような「おそれがある」とか「かもしれない」という表示もございます。  それから三番目は、吸い過ぎ、吸い方に注意を促す国としまして、日本がその例でございますが、それからカナダがございます。カナダは警告としまして、「カナダ保健省は喫煙量が多くなればそれだけ健康に対する危険がふえることをお知らせします。深く吸い込むのは避けましょう」、こういうような表現でございます。それからフランスは非常に簡単でございますが、「吸い過ぎは危険」、こういうようなことでございます。それから韓国は日本と大体同じでございます。  以上が表示している国でございますが、参考までに表示していない国としましては、西ドイツ、イタリア、スイス、ソ連、オーストリア、オランダ、デンマーク、お国柄によっていろいろでございます。  以上でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 それぞれの表示の文章がそれぞれの国の何となくイメージを象徴しているような感じもしますし、全く日本の表示が当を得てないということでもなさそうですね。しかし、これだけ健康の問題がクローズアップしていると、たまには少し表示を変えてみるというのも新鮮味があっていいんじゃないかと、そんなことも感じる次第でございます。  次に、実は青少年と喫煙の問題について少しお伺いしたいんですけれども、これはきわめて重要だと考えられまするし、先日も少し議論が行われましたけれども、これは文部省の管轄になるかしりませんが、中学生、高校生等教育の機会を通じた啓蒙ということも当然必要だと思うんですね。  しかし、それはそれとしまして、現実にはいま問題になっているいわゆる自動販売機、これは小売店の店頭にもかなりふえているような気がしますし、その他の娯楽施設、喫茶店などにも置かれるようになっております。これはしたがって安直にだれでもがコインを入れれば買える、こういう機械でございます。人手をかけないで合理的にたばこの販売が行えるというメリットがあると同時に、青少年等のまた利用ということで社会的な問題もなきにしもあらず、こういうふうに考えます。まあ最近はポルノ雑誌等も自動販売機で売られているということでかねがね問題になっているところです。  したがってたばこに関しましては、ポルノ雑誌とは違いますが、たとえばアルコール類などと同じような意味で、青少年の安易な自動販売機による購入ということについて、少しくわれわれその当事者としては、あるいは当局としては一考を要する問題を含んでいると思います。  したがって、まあ一つは、最近におけるたばこの自販機の増加推移というようなものを明らかにしていただきたいし、それに関してどういうところに最も置かれているのかというようなことについても、資料があれば御説明を願いたいわけであります。

立川武雄日本専売公社理事

○説明員(立川武雄君) たばこの自動販売機につきましては、御承知のように、販売店の労働力の不足等の問題からいたしまして、販売店の営業時間が短くなる、あるいは休日がふえる、あるいはビル等の売り場がふえますということで、最近七、八%ぐらいふえております。台数で申し上げますと、五十年度十七万八千台ぐらいございましたけれども、五十二年度では二十万七千台、五十三年度の資料はまだ取りまとめ中でございますけれども、二十二万台を超えるんではないかという状況でございます。  この自動販売機を通じましてどのくらい売り上げているかという推定、大変むずかしいわけでございますけれども、サンプル調査をいたしますと、大体公社の売り上げの一六%ぐらいのものが自動販売機を通じて売られているんではないかという推定をいたしております。そういうことでございますので、自動販売機は大変お客様の購買利便ということに寄与しておりまして、これをまあやはり使いましてたばこの販売を続けていかなきゃならないという状況にあるわけでございます。しかしながら御指摘のように、青少年に対します、未成年者の喫煙防止との関連で問題もございますので、私どもといたしましては次のような施策を講じておるところでございます。  一つは、最近自動販売機だけを幾つかの機種を設けておりますコーナー等がございますが、そういったところにつきましてはどうしても管理が不行き届きで、目が行き届かないといったところがございます。そういう管理が行き届かない場所の設置はなるべくしないということで指導をしております。  それからもう一つは、自動販売機の前面には、未成年者の喫煙は法律で禁じられているといった趣旨の表示を大きく見やすいように掲示するといったことで対処をしておるところでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 昨年の十月付で行政管理庁の行政監察局が「自動販売機行政の現状と問題点」という調査報告を出しておりますね。これ見ますと、酒類ですね、あるいは先ほど申し上げたような種類の雑誌、それから衛生器具、そういうものについての自動販売機に関するいろんなデータが載っているんです。たばこがちょっと見つからないんんで不思議なんですけれども、特にこれは未成年者対策のところで載っておるんでございます。たばこが載ってないですね。ちょっとこれ不思議なんですが、まあこれの内容見ますと、先ほど機械のところに何というかステッカーみたいのを張ると、こうおっしゃっていましたが、そういう統一的な貼付というふうなものをしている機械がどれくらいあるかとか、あるいは夜間、深夜、ある時間を過ぎたら自動タイマーが働いてその商品がもう出てこない、こういうようなシステムにしているところとか、あるいは市民運動として大阪市あたりでPTAが中心になって三ない運動をやって啓蒙活動をしているとか、いろんなことが調査の結果出ておりますね。  だから私は、先ほどの説明で自販機による売上比率も全体の売上高に貢献している度合いが高くなってきたと、こうおっしゃっておられまするから、なお一層青少年に対するこの自販機のあり方についてさらに研究を進めていただくことが望ましい、こういうことを要望をしておきたいわけであります。これは常時やっておられるわけですか。

立川武雄日本専売公社理事

○説明員(立川武雄君) 自動販売機に張ってある未成年者の喫煙は禁止されておりますというステッカーは、これは公社でつくりまして販売店に対して必ず張るように指導をしております。したがいまして、自動販売機には全部張ってあると思います。ただ先生おっしゃいますように、ある時間が過ぎたら販売を中止するというところまではやっておりませんけれども、なお検討してまいりたいと考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 大臣にちょっとお聞きしたいんですが、もうサミットも迫ってまいりましたし、政府調達問題がいよいよ日米間合意に向けて一つの重要な峠に差しかかっていると思うんですね、ストラウスさんもおいでになるようでございますし。  そういう状況の中で、全般的な問題はともかくとして、たばこに関しまして最近少しさざ波が大きくなってきているように私は印象を受けるのですけれども、これはいかがですか、関税率等に関しまして。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 関税率は、今度は九〇%に製造たばこについて引き下げることを御提案しておるわけですが、まあそういう税率の明確化をすることによってある程度の理解を得られるものと考えておる次第でございます。  ただその問題以外に、向こうはもっと値段を下げてくれとか、あるいは小売店舗を広げろとか、手数料を上げてくれとか、広告を自由にさしてくれとか、いろんなことを言ってきておるわけです。これはきわめて事務的な問題でございますので、まあ業者とわが専売公社との間でいろいろ話し合いを続けてもらっておるのでございますけれども、値段の問題は、これはEC等の値段と比べましても決していま考えておる値段が、国内で販売させる値段が高いとは考えておりませんし、製品の質から言ってもある程度高いことはやむを得ないと思っておるわけでございます。  それから広告の問題は、実はこれは専売公社の日本たばこの広告についても、先ほどお話が出ておりましたような健康の問題もございますし、そう大々的に宣伝すべき問題ではないと考えております。まあ一定の枠の範囲内で認めるということにしようかというような話し合いがいま進んでおると聞いております。  手数料も、一〇%にすればそれは製品価格にはね返ることでございますので、それをどうするかという、販売価格にはね返る問題をどうするかということで、小売店の関係は、これはもう需要がふえればそれは認めたってちっとも構わないことでございますが、そういう問題を絡めていま事務的に折衝中と、こういうふうに御了承賜りたいと存じます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 折衝をされているということですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) ただいまのお話でございますけれども、この問題は、初めの話は、昨年の二月にアメリカのたばこ協会が、いわゆるTFCと申しておりますが、通産省が所管しております日米貿易円滑化委員会というのがございますけれども、そこにクレームを出してまいりました。それがそもそもの初めでございました。その問題を通じまして、アメリカ政府の方と私どもの方でいろんな話がございました。ただいま大臣がお答え申し上げましたような問題が、そこでクレームとして提出されたわけでございまして、そのおのおのにつきまして私どもの方で説明すべきところは説明をし、また広告の問題のように何らかの手を打つ必要があるだろうというふうに考えられるものにつきましては、このように手を打ってはどうかというようなことで、これはアメリカのたばこの会社と公社の方でございますけれども、公社としましては、国内におきましてやっておりますような一種の自主規制と申しますか、そういうふうなものをかぶせたところでやるのはどうだろうかというような提案もいたしておるわけでございまして、現実に個々の問題につきましてはアメリカ側と折衝をいたしておるというのが実情でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 サミットを控えまして、その前段で調達問題について非常に重要な時期でございますので、多少微妙な内容につきましては、これはお答えがしにくいと思うのですけれども、大臣のいまの御説明でも九〇%の関税率ということを明示するということにはなるんですが、私いろいろ勉強してみますと、どうもすんなりといきそうじゃない。本則三五五というのがいままでの実績であって、それを関税率九〇ということで表示し直しているということで、もともとゼロだったんじゃないかと向こうは言いよるから、恐らく交渉は苦しいだろうと思うのですが、それはともかくとして、ヨーロッパ並み、EC並みの水準だということで私は一応理解をしたいと思うのですけれども、輸入たばこにつきましては。  ところで、今回国内のたばこが仮に上がることが決定したとしますと、輸入たばこについても当然一定の価格引き上げということが予想されるのですが、そこらあたりはどうなんですか。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 輸入たばこにつきましては、先生いま御指摘のように関税率は一応三五五となっておりますが、専売公社が輸入するものにつきましては関税定率法の十四条の五号で免税ということで、それでいままでは三省、大蔵省と私どもと経済企画庁との間で非公式に輸入たばこの益金率はいわゆる地方消費税、国庫納付金、それにある程度の関税というものでおおよそこの水準に決めましょうという取り決めをして、いままで価格決定をしておったわけでございます。しかし、何分制度的に明らかでないものですから、外国から見ると輸入たばこについては日本は恣意的な価格決定をしているのではないのかというような御指摘があったわけでございます。  したがいまして、この御提案を申し上げております法案では、関税率をはっきり公社輸入のシガレットについては九〇%、これは公社が納めますと。そのほか内国消費税として地方消費税を含めて国内の一級品相当、五六・五%の内国消費税相当分をかけますという制度をこの制度で仕組んでおります。  したがいまして、今回公社製品は値上げになるわけでございますが、あわせまして、いわゆる外国たばこにつきましても、今年度の向こうの、いわゆるメーカーの供給価格、日本に対します幾らで売りますという価格の提示を待って、それにこの算式で機械的に計算しますとおのずから価格が出てまいります。  そういうことで、現在ある程度のところは、すでにオファー価格が出てまいっておりますが、何と申しましても、いま日本の輸入たばこの大半のシェアを持っておりますのは米国のメーカーでございます。この有力三社がまだ出してきておりません。この制度の仕組みの審議を大変注意深く見守っておりまして、いままでのところ出てまいっておりませんが、私どもぜひ早く出してくれということで、つい最近もいわゆる期限を切りまして何日までに新しい今年度のオファー価格を出してください。そのオファー価格によって、そのときの為替相場はロングランでとる以外はございませんが、その為替レートをとりまして、この制度にあてはめた新価格の決定というものを国内品と同時にいたしたいという考え方でおります。

福間知之日本社会党

○福間知之君 だから、いまこの委員会における法案審議というものを注意深く見守っているはずであると、こういうことのようですが、私もそう思うのです。したがいまして、有力な三つの大手筋が、アメリカのメーカーですね。これのオファー価格がわが方としては早く知りたい。向こうの方は少しでも延ばしてということでしょう。しかし、仮にいまの法案の内容というものを前提にすれば、アメリカ側は大体見当はつくはずですね。そういう点ではオープンにこれは議論がされ理解されていると、こういうふうに思うのです。  そこで、一つ予想される問題点は、とにかく原材料費が安くつくられているアメリカ製たばこについてはそんなに値段を上げない。いや、むしろ極端に言えばCIF価格を下げるというようなことをやろうと思ったら一時的にやれぬことはないのですね。そういう可能性というものはあるのですか。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 先生御案内のように、米国におきましてもかなり国内の物価の騰貴がございます。これはたばこメーカーといえども例外でございません。  それから、日本の市場は大変彼らは重要視しておりますので、ほかの諸外国に米国製品を提供する値段よりも、日本の公社にいままで提供している値段は、向こうの大体軍隊並みの価格、海外の軍隊ございますね、そういう軍隊並みに供給する価格ぐらいで提供してきているわけです。  当初、私どもこういう制度の折衝の前の価格はかなり上がった価格で、このぐらいにしたいというような意向があったわけでございますが、そういう価格ですと大変いまの算式当てはめますと高くなりますし、私どもはおおよそ過去のアメリカ製品の提供の傾向値がございますので、対前年どれぐらいのオファーの価格のアップという傾向値がございますので、こういう仕組みを十分彼らに知らせまして、これぐらいのオファーで大体為替レートは過去何カ月平均の為替レートを使うと値づけはこのぐらいになりますよというようなことまで向こうに知らして、いまオファー価格の提供を求めている次第でございまして、いままでよりも下がるとかいうような事態は、オファー価格が下がってくるという予測は、いま私どもはしておりません。

福間知之日本社会党

○福間知之君 その点はこれでとどめたいと思います。  ところで、たばこの消費というものが昨今は停滞ぎみである。今後の需要の予測といいますか、見通しにつきましても特段に拡大していくというふうな見通しもない。  となりますと、公社経営という観点からいえば、今後ヒット商品といいますか、魅力的なたばこというようなもの、いわば新製品ですね、そういうものの開発ということが重要になってくると思うのですけれども、当面、あるいは近い将来いろいろと考えられておると思うのですけれども、特段にいままでと違った技術的な新規なものを開発して新商品を売り出していく、こういうふうな手だてがすでに用意、準備されているのかどうか。そこらあたりをひとつお述べ願いたい。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 新製品の開発につきましての公社の基本的な考え方でございますが、やはり消費者の嗜好傾向に合わせるということを基本に、既存銘柄の改善を含めましていろいろと検討しているところでございます。  最近の消費者の嗜好といいますと、緩和でうま味のある低ニコ低タール製品、こういうものが好まれるという傾向にございます。同時にまた、他の一般商品と同様でございますが、嗜好が多様化したりあるいは高級化といいますか個性化している、こういうような傾向もうかがわれるわけでございますので、公社としましてはこれらの消費者の要望に沿うようにいろいろと商品開発の技術を使いまして商品開発に努めているわけでございますが、特に現在と著しく違うような新しい製品につきましては、これは大分先の話でございまして、現在特に検討いたしておりません。  ただ、最近はいろいろ新製品を開発いたしておりまして、過去の例でいたしますと、五十一年度は三銘柄、それから五十二年度は四銘柄、それから五十三年度は七銘柄を新しく出しているわけでございますが、本年度につきましても数銘柄の開発、検討を進めているわけでございます。  特に技術といたしましては、そういった喫味、緩和化の諸施策としまして、原料加工処理技術、特にニコチンを減らすとかタールを減らすような技術、それから緩和刻みとかシートたばこといったようなものを需要を拡大するとか、それからフィルターとか巻紙、チップペーパー、こういった材料品の改善、こういうことを図ることによりまして何とか緩和化したマイルドなそういった商品をつくりたい、かように考えているわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 いろいろいま御説明がありましたけれども、画期的な新商品というところまではいかないにしてもという前提でのお話でした。だからやむを得ないかと思うのですけれども、先日申し上げたように、吸えば健康にプラスになるというふうな商品が画期的な商品、そしてマイルドで喫味もあって低ニコチン、低タールなんという、そういうのが理想的なたばこだと思うんですけれども、そうなるとたばこという呼称は適当かどうかまで疑問になるのですけれどもね。新商品はさしあたって、しかし喫煙と健康というテーマに対してアンチではない、逆らうということはない、少しでもそれにマッチしたような成分のものにしていく、こういう努力は多少とも行われるわけですか。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 先生御指摘のように、喫煙と健康問題、重大に受けとめておりますので、できれば何とか国民の皆さん、消費者が安心して吸っていただけるようなたばこができればということで取り組んでいるわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 次に、暫定最高価格の決定のあり方について御質問します。  今回の値上げ緩和法に関しまして、値上げ要請が公社当局からでしょう、出されたときに、大蔵大臣はどのような処置をとられて対応されますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 今後の値上げの場合でございますが、公社の決算におきまして赤字が発生した場合、あるいはそれが確実であると認められる場合には、法律には書いてございませんけれども、事実上の問題としまして公社から申し出が私どもの方にあると思います。それがございました場合には、現実に公社決算が、赤字決算が出ておる場合はもう確実でございますが、確実と見込まれるというような場合に、それが事実絶対間違いなく赤字に転落してしまうかどうか、あるいはそれが単なる一時的な要因とかそういうものではないかどうか、そういうようなことを十分検討いたしまして、いわゆる物価等変動率を算定し、どの程度の幅のものになるかというようなことを検討いたしまして専売事業審議会にお諮りをするという段取りになろうかと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 専売公社、先日私御要望申し上げましていただいた「製造たばこ定価法第二条第三項の物価等変動率に関する政令案(大綱)」ですね。これいただいたのですけれども、大変これ専門的に算式あるいはその内容が設定されておりまして、ちょっとわかりにくいですね。その点を少し一般にわかりやすく概略説明を願いたいことが一つと、それからもう一つは、ざっと見ましても「実施年」とか「基準年」とか「実施事業年度」とか、こういう基準年度のとり方についても表示が違いますし、それから「三年前年」とか「前々年」とか、いろいろなまた表現の違いがありまして、これで一体どのように運営するのかいなと気になりますので、わかりやすくちょっとこれ説明していただいて、これは時間の関係で十分ここで議論はむずかしいと思います、同僚議員がまた後ほどお聞きするかもしれませんけれども、私資料を要求しました関係上、わからなければ何にもなりませんので、ちょっと御説明願いたいと思います。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。  確かに、先生のお手元にお配りしました資料、算式で非常に見にくい資料で大変恐縮でございますが、実は厳密に書きますとこういうふうになってしまいまして、先日もお答え申し上げましたように、公社の原価がアップしていってだんだん公社のいわゆる内部留保に充てる利潤が減ってまいる、それを合理化で吸収できないと。原価というものを大きく分けますと原料費と原料費以外になるわけでございます。  原料費以外のものですと、これも原料費以外の経費がいわゆる卸売物価関連経費と消費者物価関連経費と賃金指数の関連経費というふうになってまいります。  それから葉たばこの方も、国内産葉たばこにつきましてはやはり卸売物価関連と消費者物価関連と賃金指数関連経費になります。それから輸入葉につきましては、日銀の卸売統計物価の輸入品価格指数というものを使う考え方でおります。  ここで「基準年」「実施年」と言っておりますのは、いわゆる基準年になりますのは、この法案をお認め願えますと五十四年が定改を実施した基準の年でいわゆる法律で最高価格をお決め願う、この法律でいま御提案申し上げておる価格を決めていただく年が基準年になります。それから、今後何年かを経過しまして、この間総裁が申し上げましたように、いまの政府見通し等によれば総合的に私どもの実績によりますと大体五十八、九年ぐらいが赤字転落になる。そうすると定改実施が五十九年か六十年ということになりますが、その年が今度はいわゆる定改を、新たに暫定最高価格のもとでその許容範囲の中においての個別の銘柄の定改を実施する年に当たります。したがいまして、そういった卸売物価、消費者物価、それから賃金指数等の客観指標の五十四年を起点にしました年から実施するまでの経過年数によって、たとえば四%ずつ伸びていくとしますと四%が五乗された年というのが実施年になるわけでございまして、その五乗をするというような意味が入っているわけでございます。  それから、そのそれぞれの今度は物価指数と賃金指数にウエートがかかっております。これは当然総原価の中に、この間お話し申し上げましたように、総原価の中に、原材料費とまあ分解しますが、分解しましていわゆる卸売物価関連指数のウエートが何%、消費者物価の関連指数が何%、それから賃金指数の関連ウエートが幾らだという重さが出てまいりますので、ただ単にいわゆる基準年から実施年の伸び率だけを算術平均しても意味がございませんので、これは公社の実際の原価構成のいわゆるたとえば四年なり五年間の推移を全部疎明資料として大蔵省に提出します。  これで大蔵省はその数年間のウエートというものを見て、卸売物価関連には二十何%とかあるいは消費者物価関連には三〇%、賃金には五〇といったような、仮の数字でございますが、その原価構成のウエートを掛けて、そうしますと、五年経過した後の総体の物価等変動率がたとえば二五なら二五とうことが出てまいります。そうしますと、いわゆる基準最高価格に暫定最高価格を決められる範囲はその物価等変動率の範囲内でございますので二五。それが仮に三〇を超えるような場合があっても三〇が限度でございますので三〇ということになるという、まあ大変わかりにくい説明でございますが、そういうことでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 もうひとつわかったようでわからないんですけれども、とにかくこれはまあアルファベットAから途中を抜いてXまでいろいろ書かれていまして、これを一つ一つお聞きしない限りちょっとのみ込めないと思うんです。それはさておきます。  さておきますが、要するにあれですか、このたばこ価格を上げたいという場合に、毎事業年度の決算を通じまして、この年の損失がこれだけだったと損失がはっきり出た場合、あるいはまた来年度の損失は確実に出るだろうと、こういう認定がされる場合、判断される場合ということですね。その場合、値上げのいわば前提の条件、これはその経済的な、あるいは物価その他の環境でそういうものがいわばまず考えられるということが大前提ですね、これは。あるいは公社の内部経営のいろんな収支状況、葉たばこのそれを含めあるいはフィルターの価格アップを含めその他のコストアップ等々を含めて、そういう内部的な要因も含めて、そういうものがとにかく環境として、背景としてまず前提条件になる。  そして具体的な値上げというのは、したがって、この算式ですね、この算式。要するに物価等変動率というこのものを乗ずると。要するに物価等変動率によって乗じたこの額が具体的たばこの引き上げ額に、なる、それ以外の要因はもうない。すべてこの算式にいま申した前提条件は収斂されていると、こういう考えでいいのかどうか。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 公社はこの御提案申し上げます制度が仕組まれますと、大蔵省には、先生の、静止した経済状態ならともかくも、ある程度消費者物価が上がり、まあ政府見通しでも四・九と、それから賃金指数も今年度の場合にもう五・幾らとか六%というように上がってまいっております。こういうものの累積で公社事業が赤字になったとき、あるいは年度途中で私ども月次試算表を毎月やっておりますが、ことに上半期を過ぎて下半期に入ってまいりますと、いわゆるたとえば前年黒字だったけれども大変黒字が小さいと、それからそういった当然増経費が非常に大きいというようなことで、年度途中の試算表結果、明らかに今年度は相当の赤字が出ますよという事態が生じた場合に、まず大蔵省に対しまして公社のたばこ事業が赤字になりますということを、そういう疎明資料を添えまして大蔵省に通知をいたします。それと同時に、事実上暫定最高価格の設定についての要請をいたします。  それを受けまして大蔵省は、先ほど監理官から御説明しましたように、その赤字要因がどういう要因なのか、一時的な要因ではないのか、公社の合理化努力が十分あったのかどうなのか、そういうことをいろいろ検討しまして、その上で経済企画庁等のもとに置かれます物価政策安定会議とか、そういうところに傍ら諮りながら専売事業審議会に諮るわけでございます。これはあくまでもこの算式によります暫定最高価格を決めるというのが、この算式で暫定最高価格を決められる限度がこの算式でございます。  で、まあ限度いっぱいに大蔵省がお決めいただきますと、私どもはこれはいまこの御提案申し上げておりますように、一級品は十本百円というふうに、二級品は七十五円というふうにこの法案で全部書いてございますが、これにこの算式で出ました機械的な数字を掛けた数字が暫定最高価格を決められるあくまでも限度でございまして、暫定最高価格が専売事業審議会の答申を得て決まりますとそれを大蔵大臣は公告いたします。  それを受けまして公社は、今度はその暫定最高価格の範囲内におきまして個別の、個々の銘柄につきまして原価の上昇度合いとか需給の動向とか、いわゆる市場の動向等を十分勘案しながら、一級品、二級品、三級品とも物価等スライドは同じように働くわけでございまして、その範囲内においてその個別のいわゆるそれぞれの銘柄についての定価改定についての認可申請を大蔵省にすると。  したがいまして、この算式はあくまでも大蔵省が暫定の最高価格を定める限界価を示した、公社が値上げできるのはその限界値までか限界値以下であるというふうにお考え願えればありがたいと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 一つの暫定最高価格の限界を示したということで、具体的にはそれ以内におさまる場合もあると、こういうように理解していいわけですね。  それはそれとしまして、いまの御説明でもありましたように、また、先ほど私申し上げたような物価その他の経済的な要因というものの変化が前提としてある、それを総裁の方で判断されて専売事業審議会に一定の資料を出して御審議願うわけですね、それから専売事業審議会の方に大蔵大臣を通じて諮問される、それでまた調査会の方へ戻ってくると、こういう仕組みになるわけですね。そうして個々の銘柄を最終的にそこで決める、こういうわけですね。それはわかりました。  それで、たとえばただいまの説明の中で、あるいは先ほどの説明の中でちょっと感じたことは、たばこの原価がそういう特に内部的な要因、あるいはまた葉たばこなどのコストアップ、人件費のアップ等、主として内部的な要因が――内部的と言うと語弊がありますけれども、公社の直接関知すべき内部的な諸要因というもので二〇%以上、仮に二四、五%コストがどうも上がって、これはたばこ値上げしないと赤字だというふうな事態が出たとしましょう。ところが物価等変動率で計算したら一八%ぐらいであったと、その差が仮に七%あったとした場合、これはやっぱり暫定最高価格の変更というものを申し出ることができるわけですか、この仕組みでいきますと。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 公社のたばこ事業が一つの事業年度において赤字になれば、暫定最高価格を定めてくださいという要請は私どもはいたします。先生御指摘のように、実際の原価の上がりがこういう客観的な指標ではじいた数字を超えているような場合も、場合によってはないではないかもしれません。しかし、あくまでも公社が定価改定ができますのは、この算式ではじかれました客観指標の中が限度でございます。したがいまして、公社は今後できるだけいろんな公社を取り巻く環境、関係集団とかあるいは公社の内部の職員とも協議を尽くしまして、できるだけいわゆる客観数値等まで上がらないように、できるだけ話し合いを続けまして、協議を尽くしまして、いわゆる原価のアップを抑制していくというような努力をいたしたいと、このように考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 残り時間がわずかになりましたので、大臣にお伺いしたいんですけれども、例の専売事業審議会の構成メンバーとその人数なんですけれども、これは衆議院の討議も私の方で調べまして承知しているつもりですけれども、ぜひひとつ現在の九名のメンバーを、わが党は六名ぐらいふやすべきじゃないかと、そして消費者その他関係のある団体から代表を加えていただきたい、そして暫定最高価格を今度は大臣の方でお決めになっていくということでございますので、なおさらではないかなと、こう思うんですが、これは国民の各層の意見を反映するという民主的な運営と審議ということを念頭に置いたわれわれの提案でございますが、ぜひこれは前向きに受けとめていただきたいということについて、大臣からひとつ見解をお聞きしたい。  もう一つ、時間がありませんので、別のことですけれども、これは当局と大臣にお聞きしたいんですが、例の公企体の意見書で民営化問題というのが打ち出されておるわけですね。それの取り扱いですよ。政府もその趣旨を尊重する旨閣議決定をされておるんですけれども、大蔵省当局としては尊重するために、じゃ具体的にはどうするかという作業でも始まっておるのかどうか、その点をひとつお聞きしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 第一段の審議会のメンバーの構成でございますけれども、現在九名の委員で運営をされることになっておりますが、事柄の性質上、各方面、専門家以外にもやはり消費者代表にも入っていただいて御討議いただくことが適当と私どもも考えますので、特別委員として六名程度追加いたしたいとただいまのところ考えております。公社の労働者代表一名、それからたばこ小売人の代表一名、関連事業の代表者、たとえば配送会社の代表者一名、そのほか消費者代表三名ということですが、女性も含めてひとつ三名ぐらい出したらどうかということで、人選等につきましては十分配意しながらやってまいりたいと考えておる次第でございます。  それから第二段の民営の問題でございますが、これはもう福間さんも御承知のとおり、専売公社は十二万たばこ耕作者を抱えております。この処置をどうするかという問題、それからやはり相当数のたばこ小売店を控えておるわけでございますので、簡単に幾つかに分けて民営に切りかえますよというわけにいかぬのです。まあそういう問題全般につきまして、たばこ及び塩専売事業の問題の懇談会がございますので、そこで学識経験者の意見を聞いておる最中で、十分慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 このたびの日本専売公社法等の一部を改正する法律案には、内容的には製造たばこの小売定価の改定、また専売納付金率の法定化、さらに定価法定制の緩和化、関税率の設定などが盛り込まれているわけでございます。   〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕  たばこ喫煙のわが国の現状を見ておりますと、成年人口の伸び率が鈍化していること、あるいは喫煙と健康の問題がいま強く論ぜられていること等によりまして、販売の伸びも非常に鈍化していると思いますし、さらには原料の高騰や海外からの輸入増大の要請等がございまして、きわめてたばこの問題につきましては転換期に差しかかっている、このように思います。  今度の法案の内容を見ましても、特に定価の法定制の緩和化につきましては、国会の審議抜きの値上げの道を開くわけでございまして、憲法の財政民主主義、租税法定主義の精神あるいは財政法第三条の条項を踏みにじるような結果になるということで、全く納得がいかない重要な問題を含んでいるわけでございます。  私は、最初に、簡単に製造たばこの小売定価の改定につきまして、物価等との関連におきまして御質問したいと思います。  最初、本年の四月一日から値上げしたいということで法案が衆議院に出されたわけでございますけれども、昭和五十四年度の専売納付金を、値上げしなかった場合は大体五千二百八十六億円と見込まれ、四月一日より値上げした場合は七千五百三十億円と算定されて、差し引き二千二百四十四億円程度の増収を見込んでおられたわけでございますけれども、今日まで、五月一日、また六月からもちょっと無理だというように大分おくれているわけでございますが、それによって増収見込みというものがどのように変わるのか、これが第一点ですね。  それから消費者物価に与える影響というものを、今回の値上げによりましてほぼ〇・三七%程度と言われておりますけれども、その数字的根拠は那辺にあるのか、まずこの二点をお聞きしたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) お答えいたします。  初めの増収見込みの点でございますけれども、先生御指摘のように、定価改定をいたさない場合に比較いたしますと二千二百四十四億円程度増収に国庫歳入といたしてなる予定でございます。これが五月一日の値上げを予定いたしておったものでございますから、言うならば十一カ月分でございます。したがいまして一カ月おくれるといたしますと、おおむね二百億程度国庫歳入が減少するのではなかろうかというふうに考えております。  次に、消費者物価の問題でございますが、これは今回平均約二一%の値上げをいたしますと、消費者物価に〇・三七%程度の影響を来すというふうに考えております。これは五十年をベースといたしますたばこ物価指数、消費者物価指数を基準にいたしまして計算をいたしたものでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、数字的な問題をお聞きしておきますが、製造たばこの販売数量の推移を見ますと、昭和五十年に値上げいたしましたときには、その翌年度の昭和五十一年度におきまして製造たばこ販売数量は、本数におきまして対前年度比九九・六%と減少しているわけでございます。  それで、前にいただいた資料では、五十三年度の見込みが対前年度比一〇二・六%と見込んでおられますけれども、これは確定値が出たのかどうか。それから昭和五十四年度におきましては、値上げした場合としなかった場合の販売数量の推移はどの程度見込んでいるのか、その辺お尋ねしておきたいと思います。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。  いま先生御指摘の五十三年の数字でございますが、いま先生国内普通品でございますが、いわゆる輸入品とか特殊作物でありますと寒暖の関係がありますので、国内普通品で上半期の傾向からいくと、先生御指摘のような伸びを示すんではないかというふうに見ておったわけでございますが、残念ながらそういきませんで、数字が確定いたしまして、大体三千十四億本から切り上げて十五億本ぐらいという数字でございまして、したがいまして対前年一〇〇・一%という伸びになりました。  それから五十四年でございますが、もし定改なかりせば私ども大体三千百三十億本、これもちょっと強気な数字でございますが、三千百三十億本という見込みを定改なかりせば売りたいと、努力すれば売れるんではないかというふうに思っておりました。定改があればそれから百十億本減りまして三千二十億本というふうに見ております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 そうすると、五十三年度の見込みが予定よりも七十五から七十六億本減ったことが確定したわけでございますから、まあ対前年度比国内普通品で一〇〇・一%と、このようになったわけでございます。それから見ると、値上げをもししたとすれば三千二十億本でまたまた一〇〇・一%程度の予定だと、このようにお伺いしたわけでございます。  それでもう一つの数字をお伺いしたいんですが、平均単価の推移がまた国内普通品ということで資料が出ているわけでございますけれども、これも五十三年度の見込みじゃなくて確定値が出たと思います。また、五十四年度の予定も少し変更されたと思いますが、その辺の数字をお聞きしておきたいし、またさらに製造原価の推移ですね。これも昭和五十三年度見込みが確定したと思います。また昭和五十四年度の予定がどのように変わったか、その辺の数字もお聞かせいただきたい。

立川武雄日本専売公社理事

○説明員(立川武雄君) 五十三年度の数量につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように〇・一%の伸びでございます。  単価につきましては、普通製品の単価でございますけれども、六十八円二十八銭ということで、対前年が六十七円三十五銭でございましたので一・四%の増加になっております。十本当の単価でございます。   〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕  五十四年度につきましては、同じく普通製品の十本当単価で七十九円九十二銭を予定しております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それから、先ほど製造原価の推移をお聞きしたわけですが、それとあわせて益金率の推移と総合納付金率の推移、これは五十三年度の見込みから確定したと思いますし、五十四年度も定価改定なしの場合と定価改定をした場合と両方に分けて予定されていると思いますが、その数字をお聞きしたい。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 原価の関係でございますが、当初五十三年度の見込みを五六・九%の益金率で見込んだわけでございまして、幸い円高の傾向がございまして、また、国内の消費者物価が大変鎮静化したというふうなことで、現在確定的な数字は計数整理の段階でございますが、それよりも約一%強はよくなるのじゃないかというふうに益金率の関係は考えております。  原価の関係は大体この間から申し上げておりますように、いわゆるこの間の定改をしました五十年を起点にしまして、原価が、総原価でこの五十三年で大体一三〇というのが一二七、八ぐらいに指数としてとどまるんではないんだろうかというようなことでございます。五十四年につきましては、先生お手元に出しました資料にありますような定改なしの場合と定改をした場合、定改なしの場合がたしか五五・五、六%の益金率見込み。それが定改をすることによりまして、これは五月から実施を予定してでございますが、五九・六、七ぐらいまで回復するだろうという見込みでございましたが、ちょっとこの点は今度は逆に、今年に入りましてから先生御案内のように大変原油等の価格の問題、それから昨年はわれわれにプラスに働きました円高傾向といったような関係が大変落ちついて、ある円のレベルで落ちついてまいっておりますので、ちょっとこの数字はいま幾らになるだろうということを申し上げかねる次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 大蔵大臣、いまいろいろ数字をお聞きいたしましたけれども、やはり私は、消費者物価の高騰との関係におきまして、昨年十一月ごろから卸売物価が御存じのように急騰しておるわけです。それが約六カ月たちますと消費者物価に影響を及ぼしてくると、もう先月ごろから影響が少しずつあらわれてくるころだと思います。そのほかいろいろな公共料金の値上げによりまして、やはり消費者物価がここでまた、昭和四十八年におけるいわゆる狂乱物価までには至らなくても相当の消費者物価の高騰があるんじゃないかと、このように国民はみんな心配しているわけでございます。それで、やはり理論上からいってもこのたびのたばこの値上げというものが消費者物価に〇・三七%の影響を与えると、こういうことが言われているわけでございます。  いまいろいろな販売数量の推移等を聞きますと、昭和五十三年度におきましても、当初見込みよりも七十五億本ほど減ったという数字が出ているわけです。これがまた値上げ等をいたしますと、私は昭和五十一年度におけると同じように、もっともっと、販売本数が減ってくるんじゃないかと、このようにも思われるわけでございます。  またさらに、いまお聞きしたところによりますと、製造原価の推移を総原価で見ますと、昭和五十三年度の見込み、総原価一三〇・九を見込んだのでありますが、これが一二七から一二八にとどまるということで、総原価も低くとどまっておるわけでございますから、そういったことを考えると、私は、この際消費者物価等への影響を考えてもこのたばこの値上げというものは抑制すべきではないか、あるいは凍結すべきではないか、このように思いますけれども、いかがお考えでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 多田さんのせっかくのお話でございますけれども、先ほども政府委員から御説明いたしましたように、消費者物価に対する影響は〇・三七%程度でございますし、むしろ今日のこの消費者物価に対する影響は海外要因の方が今日は大きく響くんじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、公共料金全体としての値上げの幅は〇・八%ぐらいの範囲におさめ込むような計画で進めてまいっておるような状況でございます。  たばこ自体の消費者物価に及ぼす影響というのは比較的軽微と私どもは思っておるような次第でございまして、特にこれが生活必需品、米麦というようなものならば別でございますけれども、嗜好品でございますし、一方、先ほど来御議論のありましたような健康との問題に関連するような別の問題も控えておりますので、ぜひひとつこの値上げはお認めをいただきたい。特に私どもがいま一番苦慮いたしておりますのは、ことしの財政、ことし以後の財政をどうやってバランスをとっていくかということでございまして、月二百億円の収入というのはなかなかこれはほかのものに頼ることができないような状況でございます。  今日、国債の売れ行きの状況も大変厳しい段階に至っておりますし、嗜好品としてのたばこに相当程度の税収を求めるのは世界各国いずれの国もやむを得ずとっているような政策でございますので、ひとつここのところはぜひよろしく御理解を得たいと考えておる次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 このたばこの値上げというものは、御存じのようにたばこだけの値上げではないのでございまして、その他の公共料金、国鉄運賃とかあるいは私鉄料金とか、あるいはさまざまの、授業料の問題とか、そういったものの上にかぶせられたたばこの値上げでございますし、そういったものが重なりますと、やはり大きく消費者物価に影響を及ぼすわけでございます。またさらに、たばこの定価値上げというものになりますと、やはり低所得者層にも大きな負担を及ぼすわけでございまして、そういった観点から私は承服できないのでございます。  次に、私は定価法定制の緩和化につきまして、重大な問題を含んでおりますので御質問申したいと思います。  私は、先ほど申しましたように、これが国会の審議抜きの値上げに道を開くわけでございまして、憲法の財政民主主義あるいは租税法定主義の憲法八十三条、八十四条の精神、あるいは財政法第三条の条項を踏みにじるものではないか、このように考えるわけでございます。  まず初めにお聞きしたいのは、御存じのように憲法第八十三条には「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と財政民主主義の原理を説いているわけでございます。  また、次の憲法第八十四条には、「あらたに祖税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」、いわゆる租税法定主義が説かれているわけでございます。  またさらに財政法の第三条には、これは財政収入と国会の権限の条項でございますが、「租税を除く外、国が国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上田の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」、この租税法定主義の精神をやはり踏んで財政法が定められているわけでございます。  昭和五十二年におけるいわゆる国鉄運賃の法定制緩和化の際にも、衆議院の運輸委員会において法制局からの答弁では、はっきりと、憲法八十四条は租税法定主義と言われているものである。これと財政法三条との関係につきましては、租税以外のものにつきましても、たとえば専売価格あるいは国の独占に属する事業の事業料金について、法律に基づき、あるいは国会の議決に基づいて定められなければならないと財政法三条に規定しているというふうに考えられるわけでございますという答弁もはっきりなさっているわけでございます。  そういう点において、私は最初にこの憲法八十四条と財政法第三条との関係、どういう関係にあるのか、まずお尋ねしておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 憲法八十三条、四条では、新たに租税を課し、租税を変更する場合には、法律の定める規定によることを必要とするという、その憲法の精神を受けて財政法第三条が制定されておるわけでございまして、これは法律的な、純粋な法律的な議論として申し上げるわけでございますが、財政法三条では「租税を除く外」云々と書いてございまして、専売価格は「すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」と、この「基いて」という字句の解釈でございまするけれども、法律の規定によりという書き方をしておれば、一々の価格まで法律の規定で雷かなければいかぬぞと読めるわけでございますが、「基いて」というのが、法律に根拠があればいいというふうな公権的な解釈が従来とられている次第でございまして、今回の法定緩和制度もこの財政法三条の規定に反するものではないというふうに私どもは考えて御提案を申し上げているような次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 いま大蔵大臣が財政法第三条というものは憲法八十四条の精神に基づいているものであると、このようにお述べになったわけでございますが、私はその条項から考えましても、特にこのたばこ専売におきましては財政法三条の中でも重要な地位を占めるものだと、このように考えるわけでございます。  なぜならば、御存じのように財政法第三条の特例に関する法律というものが昭和三十三年に施行されておりますが、それには、やはり戦後の経済緊急事態が存続しているということで、いわゆる特例の対象にされたものはいろいろあるわけでございまして、その特例の対象外とされた、あくまでも財政法第三条を厳しく適用させなければならないというものに、第一番目に製造たばこがあるわけでございます。製造たばこの定価です。それから第二番目には郵便、電信、電話、郵便貯金、郵便為替及び郵便振替に関する料金並びに国有鉄道における旅客及び荷物の基本賃率というものが、これはあくまでも財政法三条の適用するものとして残されているわけでございます。  私は、このような財政法第三条の特例に関する法律というものは、物価統制令が廃止されないから存続するんだというようなことで存続しておりますけれども、立法論といたしましては、今回このような経済状況にありましてはこういったものはむしろなくさなければならないものだとは思いますが、たとえ存続しているとしましても、やはり私はこの製造たばこの定価というものはあくまでも憲法八十四条または財政法第三条の適用を受け、また租税法定主義という精神に立っていかなければならないものである、このように強く感ずるわけでございます。  そして、たばこ専売は、そのほかに私は、税のほかとはなっておりますけれども、実質的にもう消費税の意味をはっきり持っているわけでございますから、なおさら厳格にしなければならないと思うんです。  昭和五十二年度における国鉄運賃の値上げに対するいわゆる法定制の緩和化を図られたときも、私はこれは絶対そういうことは認めるわけにはいきませんけれども、そのときの議事録を見ましても、国鉄のように財政法制定当時に比べまして独占度が著しく低下しているという実態に応じまして、これは許されたいというような答弁を法制局も、また大蔵省側も、また運輸省側もなさっていたわけでございます。  しかし、今回のこの製造たばこの定価法定制の緩和化という問題は、私はそういった国鉄運賃以上の大きな重みを持っていると思うのでございまして、もしこういうものが許されるとすれば、今度は郵便だ、あるいは電信電話だと、このように拡大解釈されていくことは目に見えているのでございまして、私はこの際こういった製造たばこにおける定価法定制の緩和化というものは、憲法の精神あるいは財政法の条項から考えても撤回すべきものである、このように考えるわけでございます。もう一度ひとつ大臣の御見解を承りたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 先ほどの答弁、ちょっと舌足らずでございましたんで改めて申し上げますが、八十四条は租税法定主義の規定でございまして、三条はその精神に沿っておるわけですが、その精神をむしろ受けておって、「租税を除く外」云々の規定ができておると思うんでございます。  税については、税率は、たとえば関税の特別の場合を除いては全部一々法律で出さなければいかぬと、これはもう大原則、鉄則になっておりますけれども、専売価格でございますとか、あるいは事実上田が独占する事業については、すべて法律または国会の議決に基づいて定めなければならないと三条で書いております。その手続を慎重にし、いやしくも恣意にわたることの、行政権の乱用にわたることのないように言っていることは私は今後も厳守していかなけりゃならぬと思います。  ただ、こういう租税とそれ以外の専売価格なり、国の独占にかかる事業料金について書き分けをしておりますのは、やはり場合によると情勢のいかんによってある程度行政権で料金を動かさざるを得ない場合も予測して、根拠は法律でしなきゃいかぬけれども、たばこの価格自体を全部法律で書けという趣旨ではないと思うんでありまして、やはり価格を決める根拠は法律ではっきりしろということの趣旨で書かれておると思います。  特に今日のようにきわめて多数の種類のたばこが販売され、また、公社自体の動きによってある程度これを改定しなけりゃいかぬというような情勢の際には、全部それを法律で一々規定することよりも、一定の厳重な条件のもとにおいて政府の行政権のもとにお譲りをいただくこともこれは可能なんではないかというふうに私どもは解釈いたしておる次第でございます。  しかし、お話の趣旨は全く私ども気持ちは変わっておりません。今後の価格の決定につきましては、十分財政法の趣旨に沿った運営をやってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は、まだまだ納得ができないのでございまして、先ほども申しましたように、たばこ専売の場合ははっきりと実質的な消費税の意味を持つものでございまして、このように国が独占している価格というものはきわめて租税に近い性格を持っているわけでございます。事実、やはりいままでは基準最高価格といたしまして国会の審議に委ねていたわけでございますが、今回は暫定最高価格というものが、いわゆる三つほどの歯どめがあるとは言っても、国会の審議によらないで三〇%までのいわゆる定価の引き上げというものが図られるわけでございまして、その辺から言えば、私はやはりこれは憲法の精神あるいは財政法第三条の条項というものを御都合主義で拡大解釈したものであると言わざるを得ないものでございます。  このように、たばこのように国民大衆が利用するものであり、しかもこのように政府が定めた料金の支払いを強制される立場になるわけでございまして、先ほど申しましたように、実質的な消費税の意味を持つんだと、それからこういったたばこの定価というものは租税に近い性格となって国民大衆を束縛するんだということになりますと、私は軽々にこういった定価法定制の緩和化というものを図るべきではないということをあくまでも申したいわけでございます。  で、私は、納付金率の今度の法定化に伴いましてますます公社自体の経営というものが厳しく要求されるわけでございますが、まあ赤字が顕在化するということもある程度想定できるといたしましても、国鉄のように現に赤字を抱えての緩和というものとは違いまして、赤字がまだ発生していない現段階において予防的措置としてこの定価法定制の緩和化を図るということはますます問題ではないかと、このように思うわけでございますが、大蔵大臣はこの点をどう考えておられますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 先生御指摘のように、確かに今回の専売公社法の改正におきましては、国鉄の五十二年度の改正と違いまして、赤字が現にある、国鉄のように現に赤字がある、それを解消して財政の再建を図るという目的を持った改正ではございません。納付金率を法定化いたしますことによりまして、御承知のように専売公社の経営体質というものが今後赤字に転落することが可能なものになるわけでございます。そういう専売公社の経営体質というものの変化に対応しまして、財政法一三条の規定の趣旨に沿う範囲内におきまして公社の企業努力、企業責任というものをはっきりさしていくための一つの方策を講じたいというのが今回の改正の趣旨であるわけでございまして、国鉄とは違った意味合いを持っておるというふうに御理解をちょうだいいたしたいのでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は、現行の定価法、基準価格、最高価格を国会で議決するやり方、これを適時適切に運用していくならば、たとえ公社で対応し切れないようなコストアップの要因が若干あったとしても乗り切れるんじゃないかと、このように思うわけでございます。  どうも、このたびの法定制の緩和化をねらって暫定最高価格を大蔵大臣が定めることができるようにしたというたばこ定価法第二条の改正案というものがはなはだ納得できないわけでございまして、私はあくまでも定価法定制を緩和するのではなくて、現行どおりの基準最高価格を引き上げるやり方というものを遵守すべきだと、このように思いますが、なぜいままでのやり方を遵守するのではいけないんですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 先ほどもお答えいたしましたように、今回の納付金率の法定化によりまして、公社の企業体質というものが転換をしてまいります。  また、この納付金率の法定化と申しますものにはいろいろな意味があるわけでございます。  その一つといたしまして公社の責任体制、自主性の向上ということをねらっておるわけでございます。そういうような面からいたしまして、公社が企業として自主性を持って、責任を持って経営を運営していくというたてまえから申しますと、財政法三条というものの大きな枠の中で、その枠の中で公社の企業性が発揮できる、自主性が発揮できる道というものを講じてまいるということが必要ではなかろうか。  日本専売公社法の目的にも書いてございますように、能率的な経営をやっていくということが公社に課されている責務でもあるわけでございます。現実に定価を改定しまいります際には、たばこの売れ行きでございますとか、外国たばこの状況とか、そういうふうなものを考えながら、定価の改定が必要な場合に、その上げ幅等につきまして種々検討をする、そうしてその情勢に応じた判断によりまして定価改定というものも考えてまいらなければならないわけでございまして、そういうふうな企業的な企業対応というものをするためにもぜひともこういうような、お願いしておりますような、非常に厳格な条件をつけた、恣意的にわたらないような条件をつけてございまして、そういう条件のもとでの弾力的な運用というものをぜひともお願いをいたしたいということでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 いま厳格な条件をつけたとおっしゃいますけれども、その一、二を具体的に私はお伺いしたいと思います。  たばこ定価法第二条の改正案には、「損失が生ずることが確実であると認められる場合として政令で定める場合」というようなことをおっしゃっておりますけれども、これは具体的にはどういう場合を想定なさっているんですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) たばこ事業で損失が生ずるという場合は、もちろんこれは決算によりまして決算上赤字が発生するということでございます。それ以外の何ものでもございません。  「損失が生ずることが確実であると認められる場合」という場合でございますけれども、これは、たとえば前年度におきまして収支がとんとんである、ところがその翌年度におきましてはいわゆる当然増経費、たとえば人件費でございますとか、特に人件費につきましていわゆる春闘の結果ベースアップが行われるというようなことで人件費の当然増というものが当然考えられます。  そのほか、たとえば減価償却費の増加であるとか、原料費にしましても、原料費の原価計算は総合的なスライド平均方式をとっております。計算上出てまいります。そういうふうなものを勘案してまいりますと、当然赤字になるというようなことが事態として考えられるわけでございます。そういうふうなものを経理の推移を見ながら確実に当年度赤字に転落するということ、これはもうだれが見てもそのような状態になり得るであろうというようなことにつきまして十分な証明が得られるという場合に限るわけでございます。どちらかと申しますと損失が発生したという方が主体でございまして、生ずることが確実であるというのはどちらかといいますと大変従的な、非常に言うならば特殊異例の場合についてのものであるというふうに考えておるところでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 いまたとえ一事業年度において損失が発生したからといっても、私は直ちに大蔵大臣が暫定最高価格を勝手に定めて定価改定を行うということは厳格な歯どめではないと思うんです。少なくとも私は、たとえば利益積立金が残っている、こういう段階においてはこういった暫定最高価格を定めて定価改定を行うということはやるべきではないと、このように思いますけれども、その点はいかがですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 先生の御指摘の点、ごもっともな点があるわけでございますが、ただ専売公社の利益積立金と申しますものは、一般企業、会社のいわゆる利益というものというよりも若干違ったと申しますか、限定された性格を持っておりまして、専売公社の利益積立金は、公社の運営上必要な資金を留保いたしておくというものであるわけでございます。公社は数千億に上ります葉たばこの存廃を抱えなければ経営が成り立たないものでございます。そのほかに、もちろん工場その他の固定資産投資もございます。そういうような資金、そういう在庫投資、設備投資を含めましての投資のための資金手当てというもののために必要なる資金でございまして、現実にこのお金が公社のたとえば預金なりあるいは――預金はできませんが、国庫において運用するそういう余裕資金としてあるものではないわけでございまして、すでに施設であるとかたな卸し資産であるとかそういうものに化体してあるものでございまして、そういうものの投資のために必要なる資金であるというふうに御理解をちょうだいいたしたいのでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それから、衆議院の委員会審議等における会議録等も私は拝見したのでありますけれども、どうしても納得がいかない面もたくさんあるわけでございます。  たとえば暫定最高価格の限度を基準最高価格の一・三倍とするというように定めてありますけれども、なぜ一・三倍としたのかという根拠についてもはっきりした御答弁がないのでございます。一体これはどういうわけでございますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 一・三倍までのところ、法定の最高価格の一・三倍までのところしか暫定最高価格を決めることは許されないというふうに縛ってあるわけでございますが、この一・三倍の根拠でございますけれども、これは考え方といたしまして、暫定最高価格を決めなければならないような事態になったときにおきまして、原価の上昇がどの程度あるかということを考えまして、その暫定最高価格を決めさしていただく幅は少なくとも原価の上昇部分は回復をさしていただく、そういう限度でこれを決めたいということで一・三倍といたしたわけでございます。  たとえば、五十四年度の政府経済見通しのままで今後も物価、賃金等が推移いたしますというふうに仮に仮定いたしますと、専売公社が経営が赤字に転落いたしますのはおそらく五十八、九年――九年ぐらいになるのではなかろうかというふうに計算されるわけでございますが、その時点におきますたばこの原価の上昇割合というものが二五%から三〇%くらいの間に達するというように推定されるわけでございます。  その原価の上昇部分はこれを回復さしていただくということをめどといたしておるわけでございまして、それ以上、原価上昇部分以上までも回復さしていただくというようなことでこの一・三倍というものの枠を考えておるわけではないわけで、少なくとも原価の上昇部分は回復をさしていただけるだけの幅をここでちょうだいをいたしておきたい、かようなことでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 そうしますと、この基準最高価格の一・三倍まで暫定最高価格を定めるといたしますと、昭和五十八、九年までもつんじゃないかとお考えのようでございますが、じゃそれまで何回ぐらいの定価改定というものを想定なさっているわけですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 赤字になった場合、あるいはそれが、先ほど申しましたような特殊異例な事態でございますけれども、赤字になることが確実という場合でなければ暫定最高価格を決めることはいたさないことになっておりますものですから、現在の状況でございますと、五十八、九年のころまでに暫定最高価格を決めるということはあり得ないというふうに考えます。現在の経済情勢が続くといたしまして、五十八、九年に初めて公社経営が赤字に転落するであろうというふうに見込まれますから、その時点で初めてこの条項を発動さしていただくということでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 ちょっと私には大変甘いように感ぜられるわけです。  これは議事録にもはっきり残ることでございますが、ほんとに昭和五十八、九年まで果たしてもつのかどうかわかりませんが、それじゃ昭和五十八、九年ごろいわゆる暫定最高価格を決めるような事態が生じたといたしまして、その一・三倍までの暫定最高価格というものが昭和五十八、九からさらに何年ぐらいもって、何回ぐらいの定価改定ができるのか、その辺の先の見通しをお伺いしたい。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) これは五十八、九年、たとえば五十八年に赤字に転落いたしますとしますと、定価改定をいたさなければならないのは五十九年度になろうかと思いますが、その際の定価改定の幅をどうするかというのが一つのファクターでございます。その五十九年前後のたばこ消費の見通しというものを考えてまいらなければなりません。  たとえば、仮に二五%原価が上がっておる、したがいまして二五%程度の値上げができるといたしましても、現実にそれだけの値上げができるかどうか、それはそのときの情勢を見なければわからないわけでございまして、場合によりましては一五%、二〇%のところでおしまいにしてしまうかもわかりません。  そういたしますと、赤字の回復、内部留保の回復というものがどの程度になるか、そこの割合によって決まるわけでございまして、内部留保がどの程度回復するかということがそれによって決まりまして、その決まった内部留保が再び原価の上昇によって食いつぶされるのはいつかということになるわけでございます。仮に二五%なら二五%原価が上がったとしまして、二五%値上げをいたしますと、その次にはやはり、三年か四年くらいは経済情勢が現在のようなことで続くといたしますと、もつのではなかろうかと思います。  しかし、その次に値上げをいたそうといたしますと、三割という限度がございますものですから、幅は五%しかもう残っておりませんので、恐らく二度目の定価改定は公社としてはできません、政府としてはできませんで、国会で定価法の御審議をお願いするという運びになろうかと思います。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は、この基準最高価格と暫定最高価格の関係というものは、法的にどう考えておられるんですか。また、いまの予想としては二回の定価改定はできないだろうという予想もありますけれども、逆に二回の定価改定もあり得るという予想もまた立つわけでございます。  その場合、暫定最高価格が二回定められるのか、その辺ですね、それはどうなんですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 暫定最高価格は、一度決めますと、この御提案申し上げております法律によりまして、再度同じような状況が発生いたしました場合には、その暫定価格を改定することができるというふうに定めさしていただいております。  したがいまして、先ほどの例で申しますと、二五%原価が上がっているにもかかわらず、たとえば一〇%しか値上げをいたさなかったというふうにいたしますと、次に赤字に転落いたしましたときに、法律で定めております価格の三割の限度内でございますならば、もう一度暫定最高価格を改定することも当然できるというように御提案申し上げておる法律をつくっておるわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次にお尋ねしたいのは定価法改定案第三条におきまして、品目ごとの小売定価は専売納付金並びに地方たばこ消費税を納付するとともに原価等を勘案して定めるという旨の規定がなされておりますけれども、今回の値上げ案の銘柄ごとの小売定価というものがこの要請に適合しているのか。もし適合しないものがあればその措置はどうなるのか、その辺をお伺いしたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 定価法の第三条におきまして、定価の決定の原則をうたったわけでございます。原価を償い、かつ地方税、専売納付金、そういうふうなものをちゃんと償うということが第三条の趣旨でございます。  しかし、今回この法律をお認め願えますと、たばこの定価そのものが専売公社からの申請によりまして値上げされることに相なります。その値上げによりましては従来からの価格体系がございますので、この条項に直ちに適合しない銘柄が出てまいることが考えられます。そのため、今回のこの法律案の中におきまして別途規定を置きまして、当分の間、この三条の規定に反するようなことが出ることもやむを得ないというふうに規定しておるわけでございます。  このたばこの種類といたしましては、たとえばゴールデンバットでございますとか、沖繩が復帰しましたときに沖繩でつくられておりましたたばこ等でございまして、いずれも今回改定をいたしましたところでは、原価、地方消費税、専売納付金というようなものを賄い切れない価格に相なるわけでございますので、暫定的にこの三条のそういうすべてのものを償えない状況のものにつきましても、その価格体系の中で存続することができるというふうに規定をさしていただいておるところでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 先ほども質疑はあったのでございますが、衆議院の大蔵委員会審議の最終段階で、専売事業審議会で暫定最高価格の審議には九名の委員がいらっしゃるほかに、特別委員に六名ほど参加してもらうというような方法を取り入れたいと大蔵大臣は答弁されておりますけれども、専売事業審議会法を改定しないと委員の数をふやせないから特別委員に参加してもらうという方式をとられるのか。その辺の真意をさらにお伺いしたいと思いますし、また、大臣も先ほどおっしゃったように、この六名の特別委員の任命というものは専売事業直接関係代表者として三名、専売公社労働者代表一名、あるいはたばこ小売人代表一名、たばこ配送等関連事業代表一名。また消費者代表さらに三名と、合計六名という要望があったわけでございますが、大蔵大臣としてはその要望に沿ってこの特別委員の任命をなさるお考えであるのか、その辺をお伺いしたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 先ほど来、多田さんからも御指摘のございましたように、たばこの価格の決定はこれは慎重にしなければいけませんから、そういう意味で現在の九名の委員のほかに労働者側、あるいは関係業者側から、小売店側からのほかに、国民各層から消費者の代表もお入りいただいて、六名程度の委員を追加して慎重に御審議いただくような方向で今後運営してまいりたいと思います。  特別委員ということにいたしましたのは、これは毎年常時たばこの改定を考えておるわけじゃございませんで、それこそ四年に一遍か五年に一遍というようなことになるわけでございますので、そういう必要が生じたときに特別委員ということで御参加いただく方が適切ではないかと私どもただいま考えておるような次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 いろいろ私は定価法定制の緩和化にかかわる問題でお尋ねしたのでございますけれども、これは国会の審議抜きの値上げに道を開くということ。また憲法の第八十四条並びに財政法第三条の精神条項を踏みにじるものだという観点から、どうしても私は撤回を求めたいのでございます。ただし、同僚議員もこの点は後でおやりになると思いますので、次に私は関税率の設定につきまして若干お伺いしたいと思います。  現行の輸入製造たばこにかかわる関税率は三五五%、葉たばこは二〇〇%でございますが、専売公社が輸入される場合は関税定率法第十四条第五号によりまして免税とされているわけでございます。それが今回新たに関税を設定しておりますけれども、その趣旨の真意は那辺にありますか。また、紙巻たばこにつきましては九〇%の関税率を設けておりますが、その根拠はどこにありますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 今回新たに関税率を九〇ということで、紙巻たばこにつきまして九〇とお願いしておるわけでございますが、これは専売納付金率の設定との関係において関税率を新たに課すということによるものでございます。  従来、専売納付金は専売公社のいわゆる益金処分といたしまして国庫に納付されてきたものでございます。したがいまして、あらかじめ関税を徴収するといたしますと、国庫に納付する部分が、その部分だけ減少するということでしかないわけでございます。したがいまして、関税定率法によりまして関税は免税といたしておきまして、利益処分である専売納付金と一緒に納付するという制度をとっていたわけでございます。  今回、専売納付金率を法定することに相なりますと、その部分が脱落いたすことになります。関税率を今回新たに課すといたしまして、適切な率をお願いするということが必要に相なるわけでございます。  そこで、九〇%の根拠でございますけれども、関税の率を九〇を算定するに当たりましては、外国のたばこのCIF価格と、国産のたばこのそれに対応しますような種類のたばこの販売原価というものを比較いたしまして、国内におきまして公正、適正な競争関係が維持できるという点を求めまして、これを九〇%というふうに設定したような次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、輸入たばこは現在何種類の銘柄が輸入されておりますか。そして関税率が九〇%となることによりましてこれがどのように変わるのか。また、国内たばこの値上げによって外国たばこも値上げしようとお考えなのかどうか。その辺をあわせてお尋ねしたいと思います。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 現在外国たばこは約百五十銘柄輸入いたしております。そのうち半数の七十五銘柄が一般銘柄でございまして、残りの半数はサービスセンターであるとかいった特殊なところでしか販売いたしておりません。今度関税率を設定いたしますことによってこの銘柄に特に変動が起きるとは予測いたしておりませんけれども、外国からは日本はいい市場であるというふうに考えられておりまして、恐らくもっと買ってくれという要求は出てくるものと考えておるところでございます。  それから、今回の製造たばこ定価法の改正によりまして国産のたばこにつきましては定価改定を行うわけでありますが、輸入たばこにつきましても、この法案を御承認いただきますと関税率が新たに定まりますし、また納付金率が法定化されます関係上、新しい制度に従って当然価格を決めなければならないということになるわけでございますが、先ほど後藤がお答えいたしましたように、まだ外国の製造会社からの本年度のオファー価格が出そろっておりません。  私どもといたしましては督促をいたしましてオファー価格の提出を求め、それに基づいて今度の制度改正、及び、大体六カ月間ぐらいを考えておりますけれども、その間の為替相場を基礎にいたしまして計算いたしますと、今度は輸入たばこの国内販売価格というのはほぼ自動的に決まってくる、こういうことに相なるわけでありまして、その価格を決めて公示するということに相なります。

多田省吾公明党

○多田省吾君 そうしますと、関税率の関係とか、あるいは外国のたばこ定価等が全部出そろった段階であと六カ月ほどたてば大体外国たばこの値上げも決まるだろうというお話でございますけれども、大体主な銘柄について言えば、現在幾らのものが六カ月たてばどの程度に値上げされるのか、いわゆる見通しとか予定というものもおありだと思うのですが、どのように考えておりますか。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 六カ月と申し上げましたのは、過去六カ月間の円相場とそれからドルとかあるいはポンドとかの為替相場を使う、こういうことを申し上げたのでありまして、価格改定は今度国産たばこについて価格改定を行うと同時期に輸入たばこについても価格改定を行うわけでございます。その点、私の発言が適当でなかったので誤解されたかと思いますが、御了解いただきたいと存じます。  それで、輸入たばこの値段がどうなるかということは、まだオファー価格が出ておりませんので正確に見通すことができないのでございますけれども、現在のところ八十ミリの品物ですと二百五十円ないし六十円、それから八十五ミリ以上でございますと二百八十円ぐらい――二十本一箱入りでありますが――になっておるわけでございます。オファー価格を年々メーカーの方から、一〇%程度引き上げてほしいというのが従来からの傾向でございます。そういった傾向から判断いたしますと、今度の関税及び納付金率を法定化することによりまして二十円ないし三十円の値上げを必要とするかと思います。ただ、これには先ほど大臣からも申されましたように、小売人手数料が現在輸入たばこについては七%になっていますが、これを国産品と同じように上げてほしいという点があるわけでありますが、これを上げますともっと値上げをしなきゃならぬということになりますので、その辺のことにつきましては今後そういった外国メーカーと折衝をしなきやならぬ問題が残されておるわけでございます。いずれにいたしましても、外国たばこにつきましてもある程度の値上げはせざるを得ないというふうに考えておるところでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 六カ月と申したのは私の誤解でありましたが、まだいわゆるオファー価格なるものが出そろっていないとか、あるいは外国からも、小売商からだと思いますが、マージンを上げてほしいとかという要望もあるとか、また外国からのいろいろな要請があるとかおっしゃっておりますけれども、そうしますと、国内たばこの値上げが決まればすぐそういったものにすべて対処できると、そして、最低二十円ないし三十円またそれに上乗せ分を含めてそういった価格が大体国内たばこと同じ時期に外国たばこの値上げも決定されるということでございますか。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 私どもといたしましては、国産たばこの価格改定と同時期に輸入たばこの価格につきましても決定をいたしたいと思っておるのでございますが、先ほど申し上げましたように相手方のあることでございまして、オファー価格が私どもが期待しているようなときまで出されるかどうか、それから小売マージンの問題について一挙に七%を一〇%にしないで徐々に上げていくというようなことなどにつきまして先方との間で話し合いがつくかどうか、こういった点がございますので、私どもとしては同時に行うべきであると考えておりますけれども、その間あるいは若干の差が起きるかもしれません。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、葉たばこの関税率を無税とした理由はどういうわけですか。むしろ葉たばこ耕作者保護のためには葉たばこの関税率も有税とすべきではないか、このように思いますが、その辺どう考えていますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 先生の御指摘ごもっともなところでございます。ただ、葉たばこは現在輸入をいたしておりますのは専売公社に限られるわけでございます。したがいまして現在も免税という取り扱いになっておるわけでございます。そのような事情は製造たばこの場合と若干違うわけでございます。  したがいまして今回無税ということにいたしておるところでございまして、葉たばこの輸入が専売公社しかできないという事情がございますので、葉たばこ耕作者の保護という面からは今回無税ということでお決めいただきましても従来と何ら変わるところはない、その保護に欠けるところはないというふうに考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 たばこ関税というものを保護関税の立場から考えておられるのか財政関税と考えておられるのか。また、そのいずれも含んでおると思いますが、どちらの方にウエートを置いておられるのか、その辺をお聞きしておきたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) たばこの関税につきましては、今回お願いいたしております率はこれは保護関税でございまして、財政収入を上げることを目的とする関税というふうには考えておりません。

多田省吾公明党

○多田省吾君 今回関税を、専売公社が輸入した場合とそれから携帯輸入等の需要の場合と二段書きとした理由は那辺にあるのか、お伺いしたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 専売公社が輸入いたします場合に比べまして、その他の者が輸入する場合の率を高くしてございます。この二段書きにし、しかも率を変えておりますものは、一つは、今回の制度によりましていわゆるたばこ消費税というものを導入するのではなくて納付金の率を法定するという制度にさせていただいたことによるものでございます。  輸入品に対しまして国税等を徴収する法律がございますが、との法律によりまして国内消費税は税関におきまして関税と同時に徴収する仕組みになっておるわけでございます。しかし、専売納付金は消費税そのものではございませんので、納付金に相当する部分を携帯輸入なさるたとえば旅行者から徴収することはできません。しかし、これが消費税に相当するものであることもまた事実でございます。したがいまして、そういう点を考慮いたしまして専売公社以外のものが輸入するたばこにつきましては公社が輸入しますたばこよりも高い関税を払っていただくという制度にする必要があったものでございます。そのために二段書きにいたしておるわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 今回の関税率の設定によりまして、まあ輸入たばこの価格決定というものはより明確となるわけでございますけれども、近い将来、もしたとえば円高ドル安というようなものがまた続くような場合には、その価格面において格差が生じないかどうか。その場合価格決定に当たりまして弾力的に対処する方法があるのかどうか、お聞きをしたいと思います。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 先生御指摘のように、この制度が仕組まれますと価格決定方式は大変明確になってまいります。  問題は、いま先生御指摘のような為替相場、いわゆる円と相手国、輸出国との通貨の力関係になろうかと思いますが、これも大変毎日毎日のような変動がございますんで、やはり短期でこういうたばこの定価というものをしょっちゅうかえるような性格のものではないと私どもは考えております。いままでも大体年に一回というようなことで見直しを行っておりますんで、先ほど総裁が申し上げましたように、今度の国内品の定価改定に合わせまして輸入品の定価改定も行いたいと思いますが、それは定改時から定改時の過去六ヵ月ぐらいまでの円の相場というようなものを結局円建て購入価格を基本にして価格を定めたいと考えております。その後、またかなり長期間円高というようなことが続くような傾向が今後またこの秋、あるいは来年以降続くようなことがあれば見直しまして、それは価格を下げる要因に働くわけでございますが、その措置はその措置としてとりたいというふうに考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 ですから私は、まあ昨年のように円高ドル安が急激にやってくるような場合は、消費者保護のために輸入たばこを安くするとか改定するとかという措置が弾力的にとられるものと理解いたすわけでございますが、さらに今回の関税率の設定が自由化の拡大、ひいては民営化を招来するというような引き金になるのではないかとも思われますが、その点はどう考えておりますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 関税率の設定は先ほど来御説明申し上げておりますように、納付金率の設定との関係で出てまいる問題でございます。この納付金率の設定は、いわゆる民営化というものとは別個のものとしてわれわれは考えておりまして、専売公社の経営の自主性、財政収入の確保、あるいは消費者から見たたばこの中に占める税の部分の明確化、すなわち価格決定方式の明確化ということを目的といたしたものでございます。先生御懸念のように、これが民営化の引き金になるというふうには理解をいたしておりません。

多田省吾公明党

○多田省吾君 ですから、その前に私がお伺いしたいのは、この専売制度下において輸入の自由化がどうなるのかですね、その位置づけ、またその対処方法。それから今回の関税率の設定によって外国製品の輸入拡大というものが相当図られるのではないかと思われますけれども、それをどう展望しておられるのか。それがまたたばこ事業に対してどういう影響を与えると考えておられるのか、その辺をまとめてひとつお答えいただきたい。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 私ども、やはり現在の国際社会におきまして大変国際関係というものは重要だというふうに考えておりまして、輸入たばこにつきましても過去から非常に、消費者が需要する限りにおいては輸入たばこを入れますという措置をずっととってまいってきております。最近でも、一般小売店二十五万店に対して一万四千店が外国たばこを一般的に取り扱っております。数は一万四千は少ないというように外国メーカーは印象を受けておりますが、しかしこれは、月のいわゆる売上高が三百個というものを基準に、これを配送効率と考えながら決めておるわけでございまして、そういうふうな販売店数は非常に最近はふやしております。  それからいわゆるボンド方式、向こうのメーカーなり向こうのメーカーの代理店の責任において日本の保税地域、保税倉庫にたばこを運んでさておいて、消費者の需要があれば公社はいつでも輸入申請をして引き取って、そして配送ルートに乗せるというようなこと、あるいは過去は外貨割り当てでございましたが、現在はIQを外しまして自動承認にするとかいうふうに、いわゆる輸入品につきましても消費者が好む限りにおいては入れるという実は態度をとってまいってきております。したがいまして、今年度先ほど先生の御質問にございましたように国内品は〇・一%の伸びでございましたが、輸入品は約二割近く今年度も伸びておるような次第でございます。  で、今後この制度を仕込むことによりまして非常に価格形成原理が輸入品については大変明確になってまいります。それに対抗しまして、公社としましても、やはりそういう仕組みを明確にした以上は価格決定方式が自動的に決まるわけでございますから、それに負けないような、いわゆる対抗するような商品の開発、投入をいたしまして、全般的にはこういう仕込みで彼らには彼らなりの努力がなされると思いますが、われわれもそういうことに負けないように一生懸命がんばっていきたい、このように考えておる次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 わが国のたばこ産業を保護するのは、具体的には関税しかないと思われます。また、外国の自由化への圧力というのはますます私は強まるものと思います。その辺の関連で関税率の変動をもし考えるとすればそれを低くするのか高くするのかというふうなことで、政府としての対処方針はどのようにお考えですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 関税率の設定につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、国内国外の製品たばこの適正、公正な、公平な競争が国内でできるようにということをたてまえとして決めてあるものでございます。現在お願いいたしております率は、今後特殊な非常に大きな変動というものがない限りこれを守ってまいる。そうして現在ございますたばこの価格差というものが外国におきますCIF価格によって変動するという仕組みを現在の状況で維持していくということが正しいというふうに考えておるわけでございます。現在アメリカを初めヨーロッパ諸国からいろいろ言われておりますけれども、いわゆる自由化と申しますのは、製造たばこにつきましてはすでに制度的には自由化になっておるわけであります。ただ、特に米国が言っておりますのは差別をなくしろという話でございます。こういう現在お願いしております制度が成立いたしますと、われわれといたしましては、いわゆる差別をしておるというところは従来からもございませんでしたが、明確に外国に示すことができるわけでございまして、そのようにいたしまして、差別あるいはいわゆる非関税障壁ということによる非難というものが当たらないものであるということを十分説明をいたしまして諸種の外国からの要請というものに対処をしていきたい、かように考えておるところでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 そうしますと、外国からのそういった強い要請によってどうしてもその関税率というのは引き下げる一方だと、引き上げるようなことは当分考えられないだろうという、そういう見通しですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 関税率の問題は、その算定いたします原則というものがございます。その原則に従いまして算定をいたすわけでございまして、当分、私ども現在お願いいたしおりますこの率というものが適切であるというふうに考えております。国内におきます製造たばこの競争力が現在よりも劣ってくるということになればこれは上がる場合もございますでしょうし、あるいは競争力が高くなるということになれば、それが関税率を改正しなければならない程度のものになるということになればこれは下がる場合もあるということでございますが、当分の間は現在のものが適切な率であるというふうに考えておるわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 現在のところは製造たばこの輸入拡大の圧力だけが強いと思いますけれども、近い将来、葉たばこの輸入拡大の要請がもしあったときにはどう対処されますか。

永井幸一日本専売公社総務理事

○説明員(永井幸一君) 葉たばこの輸入につきましては、現在時点でもかなりの国からいろいろのお話があるわけでございますが、基本的に申し上げますと、葉たばこは製造たばこの原料でございますので、ことしなり来年なり再来年なり、ここ数年間のたばこが、シガレットがどの程度の売れ行きにあるのかということを見ながらどの程度製造していかなきゃいけないかと、そのためにはどういう原料が必要かということで、国内の原料と輸入原料あわせまして総合的に考えているわけでございまして、輸入の要請があったから直ちに輸入を拡大するという性質のものではないわけでございまして、今後ともそういうことで必要な原料を安定的に確保するという立場から対処いたしてまいりたいというふうに考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 輸入たばこの価格は、先ほど総裁がおっしゃったように、国会の議決を経ないで決められておりますけれども、これはどのような根拠によりますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 輸入たばこにつきましては、財政法三条の特例の中から外されておるわけでございますが、これはいわゆる為替のレート、それから外国から輸入します場合のそのいわゆる輸出会社、外国製造会社の価格が非常に変動するというような事態があるわけでございますので、それに適切に対応していくということから財政法三条の特例に関する法律の中から外されておるというふうに理解をいたしております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それで、輸入たばこのシェアは年々増大していると聞いております。昭和五十三年度も国内たばこは〇・一%しかふえていないのに輸入たばこの方は二割ほどふえているというふうなこともお聞きしたわけでございますが、もっと詳しく、毎年どの程度輸入たばこのシェアというものが年々増加しているのか、また将来の見通しはどうなのか、その辺をお聞きをしておきたいと思います。

立川武雄日本専売公社理事

○説明員(立川武雄君) 輸入たばこの最近の輸入の状況でございますが、この五カ年ぐらいについて申し上げますと、四十九年度は総数量で約二十九億六千万本でございます、これはシガレットだけでございますが、国内の売上高に占めますシェアが一%でございます。五十年がそれが三十二億六千七百万本の一・一%。五十一年は定価改定がございまして二十七億一千五百万本の〇・九%。五十二年が三十億二千五百万本で一・〇%。五十三年度は三十億九千二百万本、シェアが一・二%でございます。  それから、今後の見通しでございますけれども、先ほどから御議論がございますように、アメリカ、EC等と輸入たばこの取り扱いの問題についてまだいろんな事項について話し中でございます。そのルールが決まりますと私どもといたしましてはそのルールに従って輸入たばこの取り扱いをしていきたいと考えておるわけでございます。  最近、多様化と申しますか、消費の高度化といった傾向もございますので、そういう取り扱ルールに従った取り扱いをいたしますと少しずつふえていくんではないかという想定をいたしております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 この問題の最後でお聞きしたいんですが、五月の初めですね、ある新聞によりますと、アメリカの葉巻たばこ製造業者で組織しておりますシガー・アソシエーション・オブ・アメリカ、アメリカ葉巻協会が、「日本政府及び日本専売公社は輸入葉巻きの価格を不当につり上げ、宣伝面などで外国葉巻き業者に対して差別政策を取っている」といたしまして、大統領通商交渉特別代表部、STRに提訴をしたと報ぜられておりますけれども、これが事実かどうか。  また、もしこれが事実だとすればこれらの措置に対するわが国の対応をいかがなされるつもりなのか、お尋ねしておきたいと思います。

岡島和男日本専売公社管理調整本部総務部長

○説明員(岡島和男君) ことしの三月十四日にアメリカのシガー協会がアメリカの通商交渉特別代表あてに、シガーの日本に対する輸出に関しまして制限措置がとられておりますので通商法に基づく対抗措置をとってほしいということの提訴を行いました。そしてその旨が三月三十日の連邦公報に公告されたわけでございます。  その内容の大筋は、向こうの言い分によりますと、専売公社がアメリカ製のシガーに対しまして不合理な価格の設定を行っておる、また輸入制限を行っておる、そうした措置の撤廃を実現するために大統領が適当かつ実施可能な措置をとるよう通商交渉特別代表が勧告することを求めると、こういうような内容の提訴があったわけでございます。  それでアメリカの関係法規によりますと、連邦公報に公告されましてから三十日以内、つまり四月三十日でございますが、四月三十日までに提訴人の申し立てに関しまして見解を述べたい者は意見を提出することができると、こういうふうになっております。  公社といたしましては、大蔵省さらにまた外務省またさらに現地の大使館といろいろ相談いたしまして、四月三十日に通商交渉特別代表あてに意見書を提出をしたわけでございます。  で、提訴の中身につきましては大変に長いものでございますから一々御説明を省略いたしますけれども、全体といたしまして大変に事実の誤認に基づくものが多いというところでございます。  それから、公社といたしましてはすでに十分説明をしておったものにつきましても、必ずしも理解をしてなかったのか、その辺よくわかりませんけれども、そういうことを取り上げて提訴をしたということがございますものですから、そういう点につきまして十分な公社の考え方を説明したいということで反論を出したと、こういう状況にございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 大蔵大臣にいまの点も含めまして、日米交渉に関連しまして輸入製造たばこの小売マージンを国内製造たばこ並みに引き上げるべきであるとか、それから輸入拡大要請であるとか、いろいろな要望があったと思いますし、また、大蔵大臣も衆議院の委員会においてもその点触れられておりますけれども、いまの、現時点におきまして大臣はこういった日米の経済関係におきまして、このたばこの問題に限ってどう考えておられるのか、御見解をお聞かせいただきたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) ただいま総務部長申し上げましたように、いろいろな誤解でトラブルが続いておるようでございますけれども、一番の問題は関税率九〇%に三五五%から引き下げることにいたしまして、関税負担の明確化をやるということによってこれは相当向こうの日本に対する理解を深めることができたかと思うんでございます。これは高い安いの問題は別にいたしまして、とにかくここまで明確にいたしたのでございまするから、私どもとしてはあくまでもこの線に沿って交渉をしてまいるつもりでございます。  それから、具体的な個々の問題につきましては、たとえばもう少し輸入のシェアをふやすという問題もございましょう。専売公社は従来から大体国内の一%くらいだと思うのでありますが、必要に応じて輸入するという政策をとっておりますから、需要があればそれはそれに応ずべきでございますが、現在のところは一%程度ということでございます。  それから店舗をふやせよということも、これは需要のある地域におきまして必要に応じてまた考えていったらいいと思うんです。  マージンの問題も先ほども申し上げたとおり定価にはね返る問題でございますから、これはよほど双方で話し合いをしてもらわなきゃいかぬと考えておるのでございます。  それから広告の問題は、日本の専売公社の広告も遠慮してもらってやっておるような状況でございますんで、大々的に新聞の二面使ってたばこの広告されたんじゃ困るというわけでございますので、総量、大枠を示してまあこの範囲内でおさめてくれよというようなことでいかざるを得ないかと思うんでございますが、漸次そういった点の話し合いは軌道に乗ってきておると私は伺っております。     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として勝又武一君が選任されました。  午前中の質疑はこの程度とし、午後二時二十分まで休憩いたします。    午後零時四十四分休憩      ―――――・―――――    午後二時二十二分開会

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  日本専売公社法等の一部を改正する法律案について、休憩前に引き続き、多田君の質疑を行います。

多田省吾公明党

○多田省吾君 今回、専売納付金制度を改善しようとされまして、専売納付金率の法定化に踏み切られたわけでありますけれども、その趣旨及び概要を簡明にお述べいただきたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 今回、専売納付金の率を法定することにいたしております。  この趣旨は、従来専売納付金が専売公社の利益の中から納められる、いわゆる利益処分として納められておりました。その結果、利益が多ければいわゆる国庫納付金部分、消費税に相当する部分が多い、利益が少なくなればそれが少ないというふうなことになりまして、いわゆるたばこの定価に占めます税相当部分というものがはっきりいたしておりません。そういう状況にございましたものでございますから、国会におきまして、前回の定価改定の折などにおきまして、たばこの定価に占めます税相当部分というものを明確にしておくことが必要があるというような御趣旨のお話もございました。また一方から申しますと、専売公社といたしましては利益を上げても国庫に吸い上げられてしまうというような事情があったわけでございます。したがいまして企業努力と申しますか、そういうことによる利益によりまして利益を上げるといたしましてもそれが公社の手元に残らないということで、公社の自主性というものが損なわれ、企業意欲というものも損なうおそれもあったのでございます。  またそれと同時に、国庫の方から申しますと、国庫収入というものが安定的でないというような面もございました。   〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕 そういう点から、今回これを改正いたしまして、定価の中で一定割合は必ず国及び地方に税相当のものとしてこれを納めるというようにし、定価の決め方というものを明確にしようといたしておるのでございます。これが今回専売納付金率を法定化しようとする趣旨でございます。  その概要でございますけれども、全体として従来から国庫納付金及び地方たばこ消費税が国及び地方に対しましてどの程度の貢献をしてまいったかというような点、それからもう一点は、専売公社として今後企業として成り立っていくためにはどの程度の内部留保というものが必要であるか、そういうようなこと等を勘案いたしまして、平均いたしまして関税収入を含めまして五六%程度にそういう国、地方に対します財政寄与というものが上がるというような率がほぼ適当であろうというふうに考えまして、これを納付金率に換算いたしますと、関税部分を除きますと平均しまして大体五五・五%程度に相なるわけでございますが、これを平均の率といたしまして、高いたばこには若干高い負担をしていただく、安いたばこには低い負担をしていただくという一種の累進構造というふうなものも中に入れるという考え方に立ちまして、現在御提案申し上げておりますように、一級品のたばこにつきましては五六・五%、二級品のたばこにつきましては五五・五%、三級品につきましては四四・五%というような率で紙巻たばこにつきましては率を設定いたし、また葉巻、パイプ、刻みにつきましては、それが従来から持っておりますいわゆる益金率というものを勘案しまして、今回御提案申し上げておるような率で納付金率を法定さしていただきたい、かように考えておる次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 現行の専売納付金制度の改善につきましては、納付金率法定制の方法と消費税制度の導入との二つの制度があったわけでございますが、その違いはどういうものか。それから、外国では大体どういう制度をとっているのか。また、果たして専売制度とこういった納付金率法定制とか消費税制度とかというものがなじむものかどうか、その辺のお考え。それから、今回は消費税制度の導入ではなくて納付金率法定制という方法をとった理由は何か。この四点をあわせてお聞きしたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 今回は納付金率の法定という形で改正をお願いいたしておるわけでございます。納付金率の法定と消費税制度というものとの相違でございますけれども、具体的に申しますと、その効果と申しますか、そういうものにおきましては実質的にこれは異なる点はございません。たとえば国庫へ納付いたします消費税でございますと、これは公社経営から申しますと消費税といたしましていわゆるコスト、税金としてコストになるわけでございます。納付金といたしましても、やはり経営上のコスト、経費として今後経理をしてまいるというようなことでございます。税部分は納付金率といたしましても、税に相当するものとして定めるわけでございますのではっきりいたします。  財政収入の確保あるいは経営の自主性の確保という面におきましても同じような効果を持っておるわけでございます。いわゆる税というかっこうになりますと国対国民という対応関係でございますが、これが納付金でございますと公社法の一部改正でございますので、国と公社の関係を規定するという、そういう形式上の違いはありますけれども、その実態においてはほとんど変わりないというふうに御理解をちょうだいいたしたいのでございます。  外国におきましては、大体におきまして消費税制度がとられておるということでございます。これは民営の国であろうと専売制をしいておる国であろうと同様でございまして、したがいまして、専売制度そのものと消費税制度というものとは必ずしも両立しないものではない、かように考えております。  今回消費税制度ではなくて納付金制度を導入することにいたしたわけでございますが、これはまあいずれの制度をとりましても効果的には同じでございますけれども、消費税制度でなく納付金率というかっこうにいたしましたのは、一つは、現行制度が専売制度、専売公社制度をとっております。この公社制度にかかわります一連の法律、たばこ専売法、日本専売公社法等、そういう法律の一つの体系の中で取り扱わさしていただくということで、本来の目的も十分達成できますし、また消費税といたしましても、まあ納税義務者といいますのは、これは専売公社一社になるわけでございますから、そういうようなことも勘案いたしまして今回御提案申し上げているような制度を採用さしていただきたいと、かように考えておるわけでございます。     ―――――――――――――

梶木又三自由民主党・自由国民会議

○理事(梶木又三君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、岩動道行君が委員を辞任され、その補欠として竹内潔君が選任されました。     ―――――――――――――

多田省吾公明党

○多田省吾君 今回の納付金率の法定化によりまして、公社にとりましては経営責任が明確になったということで一層厳しさを増したわけでございます。で、経営の効果が上がらなければ、その事業の非能率性、また非合理性等が厳しく追及されるわけでございます。まあそういう意味で、公社が収益向上のためにコスト上界などの理由をもって安易な値上げに走るのではないかという懸念が十分考えられるわけでございますが、そういった点はございませんか。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 確かに先生御指摘のように、いままで公社がこういう完全専売を始めたのは明治三十七年でございまして、七十数余年、こういう益金の中から納めるという仕組みでございましたが、これではやはり国民の前に、あるいは消費者の皆さんの前にたばこに幾ら税金が入っているかわからないというようなことで、過去いろんな審議会、調査会で御指摘も受けましたし、五十年定改時の附帯決議の際にも、この専売納付金制度の抜本的な見直しという御指摘を受けまして、今回こういう制度提案をいたした次第でございますが、御指摘のように、こういう長い制度を続けてまいりまして、これをいままでの益金処分から、必ず、事業成果がいかにあろうとも公社はこういうふうないわゆる税相当でございますので、国、地方に納めなければならないということに百八十度変わったわけでございます。したがって、大変公社につきましては経営責任が厳しく問われる。反面、公社の経営責任もはっきりし、いわば公企体としての経営のいわゆる「健全にして能率的な」運営という面の指摘なり問題批判も起ころうかと思いますが、いま先生御指摘のように、たばこの市場環境は、先生の午前中の御質疑の中にもございましたように、市場は大変停滞傾向にもございますし、同時に、輸入たばこにつきましても先生の御指摘にございましたように、今後は自動的な向こうのオファー価格によっていわゆる価格が決まってくるというような仕組みになって厳しいいわゆる輸入品との競争関係に立たされるわけでございます。  したがいまして、公社としましてはいろんな、積極的にはいわゆる国際競争力を持った、あるいは消費者のニーズに合った低ニコ低タールで喫味のある製品というようなものを投入しまして、それで市場基盤の拡大なり消費者満足の増大ということに努めますと同時に、コスト面におきましてもいろんな、原料から製造コストから販売管理に至るまで、いわゆるコスト管理を厳しくいたしまして、決して安易な値上げにならないよう十分な経営努力を続けてまいりたいと、このように考えている次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それから、専売納付金率の法定化に伴いまして、納付金率の水準を平均おおむね五六%程度とされましたけれども、その根拠と、それから種類別、等級別に納付金率を設定された理由を、簡明で結構ですからお述べいただきたい。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 納付金率を平均化しまして、これは関税収入を含めまして国、地方への寄与の度合いを五六%程度、納付金の率としましてはおおむね五五・五%程度にいたしているわけでございますが、これは過去の国、地方に対しますたばこの財政への寄与の度合いを勘案し、また、諸外国におきますたばこがしょっております税の負担の割合、それからまた、内部的には今後公社が企業体としてやっていく上におきましてしかるべき率でなければなりません。そういうところがどのあたりかというようなことを総合的に勘案しましてこの率を決めさしていただいたわけでございます。  また、その種類別、等級別にこの率を設定した理由でございますけれども、現在までの長い期間にわたりまして各種たばこ銘柄がございますが、その各種銘柄につきまして価格体系というようなものができ上がっておるわけでございます。  これは非常に日本特有でございますけれども、一番安いたばこは現在で四十円、高いたばこは二百円というようなことになっておりまして、五倍もの差があるわけでございますが、そういう価格差のある価格体系でございます。その体系の中でしかるべき税負担部分というものを決めてまいるということをしなければならない。  それからまた、高いたばこにはやはり高い負担というものをお願いしてしかるべきではなかろうか。一種の累進性というものを加味するというようなことから等級別の納付金率を設定することとし、また、種、類別につきましても、紙巻、刻み、パイプ、葉巻と、おのおの一つの価格が定着しております。その定着した価格によりましていわゆる益金率というものが種類別に異なってきておるわけでございます。それを、その定義してまいりました価格体系というものを崩すということもこれは経営上相なりません。そういうようなこともございまして各種数別にも納付金の率というものを違えたものにいたしておるということでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それから、念のために諸外国におけるたばこの税負担水準というものがどのようになっているのか。したがって定価はどうなっているのか。今回法定される納付金率の水準は諸外国と比較して妥当なものかどうか。それから諸外国と言っても、西欧諸国あるいはアメリカのみいままで私たち聞いていたのでありますけれども、おわかりになれば北欧諸国あるいは東欧諸国もあわせてお願いしたいし、税負担水準がわからなければ、おおむねの定価だけでも結構ですから、諸外国との比較においてひとつお尋ねしたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 外国におきます税水準でございますが、わが国におきまして五五・五と申しますのは、これは地方たばこ消費税部分を含んだ率になっておりますが、その五五・五というものと比較しまして日本は決して高いものではなく、むしろ低いものに相なろうかと思います。  外国におきましては、特に西欧諸国におきましては付加価値税あるいはセールスタックス――売上税というものがございますので、それを加味したところで考えてまいりますと、大体におきまして、ヨーロッパは七〇%程度に達しますし、アメリカでも六〇に近い数字に相なろうかと思います。そのようなことから、わが国の率はむしろ低い方であって高いものではないというふうに御理解をちょうだいいたしたいと思います。  たばこの定価でございますけれども、定価につきましては、これはいろいろな比べ方がございます。特に西欧諸国やアメリカにおきましては、たばこの定価というのはそれほど種類によりまして大きな格差がないわけでございます。日本は先ほど申しましたように、五倍以上の格差があります。したがいまして、一律に比較するというのはなかなか困難でございますが、たとえば消費いたしております上位銘柄幾つかをとって計算をいたしてみますと、イギリス、西独というようなところは非常に商うございまして、二百円、あるいはそれ以上というようなところになります。アメリカはほぼ一律の定価になっておりまして七十五セントからその近辺ということでございますので、百五十円から六十円程度に相なろうかと思います。日本で上位銘柄数銘柄取って平均しますと、大体百二十円から三十円程度ということでございまして、先ほど申しましたイギリス、西独、アメリカと比べますと、いずれも低いところにきておるというのが実情でございます。  なお、北欧その他のものにつきましては、私、現在手持ちで持っておりませんのでございますが、調べましてまた後ほど御説明にあがりたいと思います。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) 先生の、北欧諸国とか共産圏のお話が出ましたが、私どもも正確な資料は持っておりませんが、個別の出張者なり視察者等の話を聞きますと、やはり税負担も先ほど監理官が申し上げましたように、西欧諸国並みに相当高いものでもございますし、たばこも大変やはり、特別なたばこは別にしまして、喫味のあるたばこは相当高くて、一般的にはそう喫味がよくないという話を聞いております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 納付金率を設定する場合に、従量制、従価制及び両者の組み合わせが考えられますけれども、今回従価制を採用した理由は何か。諸外国の例を見ますと消費税が多いようでありますが、従量、従価の組み合わせとか、あるいは従量とか、そういうものが比較的多いようでございますが、わが国はなぜ従価制を採用したのか。その理由をお述べ願いたいと思います。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 先生御指摘のように、構造といたしまして、諸外国におきましては従量、従価の組み合わせというのが一般的であり、あるいは従量制だけをとっておるという国もございます。これに対しまして、今回私どもの方でお願いいたしておりますのは、定価に対する率としまして従価制をお願いいたしておるわけでございます。  これは現在地方たばこ消費税あるいは小売人手数料、たばこにかかるこのようなものが定価に対する率ということで決められておりますので、整合性を持たせるということから従価制ということを考慮したものであり、従価制を採用さしていただきたいと考えたものでございます。  また一方から考えますと、従量制といいますのはどちらかと申しますと逆進性といいますか、そういう性格も持つものでございますので、そのような点もあわせ考えまして、今回従価制を採用さしていただきたいと、かように考えておるわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 後ほどたばこ耕作問題につきまして御質問したいと思いますが、たばこの価格に占めるコストの中でも葉たばこ原料の割合が比較的大きいわけでございますが、納付金率の法定化に伴いまして、たばこ耕作者へのしわ寄せというものが起こるんじゃないかと、このように考えられますが、その点はどのように考えておりますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 納付金率を設定いたしますことによりまして、平均しまして五五・五が経費として一遍に落ちてしまう。残ったところで原価を償い、それから小売人の手数料等を賄うということになるわけでございまして、午前中も先生御指摘ございましたように、第三条でそれを賄うような定価にするようにと定めてあるわけでございます。  このことによりまして原料葉たばこの定価、公社が購入します場合の価格に影響しないかということでございますけれども、たばこの価格につきましては、別途たばこ専売法によりまして専売公社総裁のもとに耕作審議会が設けられておりまして、耕作者の代表の方々がお入りになったところでその定価について十分御審議を尽くされ、それを公社総裁が受けられて価格をお決めになるわけでございます。また、葉たばこの価格は生産費を償え、しかるべき所得を、報酬が得られるように決めなければならないということも法律に番いてあるところでございまして、そのような葉たばこの耕作者へのしわ寄せがないような仕組みになっておるわけでございます。この法律上の仕組みを今回のこの制度によりまして変えておりません。従来と同じように十分耕作者の意見、そういうものを聞きながら定価が決められていくことに相なるというふうに理解いたしております。    〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕

多田省吾公明党

○多田省吾君 先ほど御答弁いただきましたように、納付金率が種類別、等級別に差がついているのは、わが国においては四十円から二百円以上というように価格差が五倍以上にも及んでいるのでというような理由も挙げられたわけでございますが、本来納付金というものは消費税と同じ性格のものだとおっしゃいましたように、喫煙者が支払うものでありまして、喫煙者は自分の好みに応じて一級品にするか三級品にするか三級品にするかを決めるわけでございますから、公正な税負担ということから考えますと、納付金率は一定率の方がよろしいのじゃないかと、こういう考えもあるわけでございます。何かそのほか理由があるわけですか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 納付金の率を等級別に定めましたにつきましては、価格差というものがあることによりまして、各等級別に見ました、いわゆるたばこの益金率というものが、おのずから差が出てまいるわけでございます。  したがいまして、その各等級が持っております益金率を超えるような税率を――税率と申しますか納付金率を定めるということに相なりますと、たばこの定価が、定価の決定原則、今回の第三条にありますような原則を適用いたします場合には、現在のたとえば二級品、三級品の価格というものは現行の価格体系と異なった価格、簡単に申しますと現行のたとえばゴールデンバット、しんせい、エコーというような三級品の価格をもっと上げなければならないということに相なるわけでございます。  しかし、現存一つの定着した価格体系というものがあるわけでございますから、この価格体系を崩していくということは経営上も大変な問題でございます。この価格体系を維持していくというたてまえのもとに各等級別の納付金率を定めさしていただきたいということでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 国に対する納付金と地方たばこ消費税とがバランスするように決められているようでありますけれども、その理由をまずお伺いいたしたいと思いますし、次に、この納付金率の法定化によって財政収入の安定的な確保が得られるということは一応評価できますけれども、私は国の財政事業も大変だとは思いますが、それ以上地方財政の危機が現在あるわけでございます。  国の財政の方はまだまだ不公平税制の改正とかこういった勇断を持って行えば乗り切れる面があるわけでございますが、地方財政の方はやはり法律に縛られて非常に厳しいわけでございまして、そのほか地方交付税率の引き上げ等もなかなかやらないような状況ですから、私はせめてこの八〇年代は地方の時代とも言われるわけでございますので、また、総理も田園都市構想等を提示されているわけでございますから、こういう観点から見ても、フィフティー・フィフティーということではなくて、思い切って地方の方へ消費税がたくさん回るようにした方がよろしいんじゃないか、このように考えますが、大蔵省当局としてはこれをどのように考えておりますか。

名本公洲大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(名本公洲君) 確かに地方財政というのは大事でございまして、公経済の中におきます国、地方はいうならば車の両輪をなすような関係にあろうかと思います。現在国の財政も一方ならぬ大変な事情でございますが、地方もまた同様な状況にあることは事実でございます。  しかしたばこにつきまして、これは一兆三千億、五十四年度でその程度になりますけれども、の財政への寄与、国、地方を通じましての財政への寄与をするわけでございます。この車の両輪をなす大切な財政に対しましてフィフティー・フィフティー、同じように寄与をするというのは一つの考え方ではなかろうかと思うわけでございます。  また、この地方の財政のために財源を割くということについてでございますけれども、国、地方を通じまして事務の配分をいかがいたすとか、そういう大きな観点からこれを御検討いただきまして、一つたばこだけではなく、国、地方を通ずる財政全体の立場から御議論をいただくべき問題であろうかと思いますが、たばこだけについて考えてみますと、車の両輪をなし、その規模もほぼ匹敵する二つの財政がほとんど同じような割合でたばこから貢献をするということは一つの考え方として御納得いただけるものではなかろうか、かように考えるのでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、たばこ耕作問題について若干お尋ねしたいと思いますが、まず大蔵大臣に、わが国のたばこ耕作者が今回の法改正によって大きな影響を受けるというおそれが十分あるのでございます。やはりたばこ耕作者に今度の法改正がしわ寄せにならないように保護すべきであると思いますが、まず最初にその点について大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 十二万のたばこ耕作者がわが国におりますので、今度の改正によってしわが耕作者に及ぶというようなことになりますとこれは大変でございます。そういう面に十分配慮しながら今後のたばこ専売事業の運営をやっていきたい、こういう基本姿勢に変わりございません。たばこの収納価格等につきましては十分従来からも審議会に付議して価格を決定しておりますし、この問題は従来どおりとひとつ御了承賜りまして結構でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 現在たばこ耕作者面積の調整を行っていると聞きますけれども、その理由をお述べいただきたいと思います。また、どのように行っておられるのか。また、将来の耕作面積計画はどのようにお考えになっているのか、この三点をお伺いしたいと思います。  特に私は資料をいただきますと、昭和四十五年から昭和四十九年まで耕作面積が激減しているわけでございます。それから昭和四十九年から昭和五十二年までの間に漸増いたしまして、昭和五十二年から五十四年度に至るまでまた漸減している、そういう耕作面積の増減があるわけでございますが、どうしてこうなったのか、その辺の事情をお伺いしたいと思います。

永井幸一日本専売公社総務理事

○説明員(永井幸一君) お答えを申し上げます。  ただいま四十五年以降の耕作面積につきまして先生から御指摘がありましたとおりでございまして、昭和四十年代の後半ごろには農家からの他産業への流出が非常に多かったわけでございます。そういった理由からたばこの耕作者の数もかなり減ってまいりましたし、面積の面につきましても非常に減ってまいったわけでございます。  そういったことから、われわれといたしましては、国内生産の規模を維持してまいりたいということでいろいろな対策をとってまいったわけでございますが、五十年代に入りまして、たまたま、先生も御承知のとおり、ほかの産業が大変停滞をいたしまして、そういった意味から農外雇用の需要が非常に減ってまいりました。そういったことともう一つは、たばこ作の収益性がほかの作物に比べてかなり安定していたというようなこともございまして、耕作規模が大変旺盛になってまいったわけでございます。  一方、たばこの消費につきましては、けさほど来いろんな御議論がございましたように、景気の停滞に加えましていろんな嫌煙権の問題だとか、そういった点もございまして、たばこの売れ行きが停滞傾向にあるわけでございます。そういった影響を受けまして消費が伸びないということ、それからたばこの生産の調整がなかなかそういろんな事情から計画どおり進まないというようなことから、国内産葉の在庫過剰という現象が強くなってまいっているわけでございまして、公社といたしましては、昭和五十三年作を境にいたしまして需給を正常化いたしてまいりたいということで生産調整を実施をいたしているわけでございます。  具体的に面積を縮小いたします場合に、もうすでにかなりの地域でたばこ耕作が農家経営なりあるいは地域農政の中に組み込まれているという実態を考慮いたしますと、たばこ耕作農家の経営の安定のためには、続いて耕作をいたしたいというふうに希望される耕作者に対しまして耕作面積を縮小していただくように、どう言うんですか、強制的に縮小の方向に持っていくということは大変いろんな意味で影響が大きいということもございまして、現在までの時点では、耕作者が廃作をされる、耕作者御自身の御希望によって廃作される、これは後継者の問題でございますとかいろんな問題からやめたいとか、あるいは面積を減らしたいという方もいらっしゃるわけでございまして、その全体の縮小面積の範囲内で生産調整をやるということで漸進的に実施をさせていただいている段階でございます。  今後どうするかということでございますが、現在の時点では国内葉たばこの生産数量がわれわれの方で予定しております使用数量に比べまして、これは今後の売れ行きを見なければなかなかわからないわけでございますが、やや上回るのではないかということでございまして、基本的にはやはり五十五年度以降も生産調整は実施しなければならないのではないかというふうに考えておりますが、先ほど申し上げましたように、在庫数量と申しますのは、もちろん在庫の絶対的な数量もございますが、一体それを何年かかって使っていくかということ、つまり今後売れ行きがどういうふうになっていくか、それに伴ってどういう種類のたばこをどういうふうにつくっていくかということにも大きな影響がありますので、このたび御提案を申し上げております定価改定後のたばこの売れ行きを見ながら、耕作農家の経営面も一方では考えて、従来どおり総合的な見地から毎年毎年耕作審議会の議を経まして決めてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 国内の葉たばこ生産はもちろん農家でありますし、第一次産業でございます。いま農業は米の生産調整あるいは他産業からの圧迫、外国からの圧力等によりまして大変厳しい情勢に立たされているわけでございます。葉たばこ生産はその中でも比較的安定していると先ほどお答えがあったわけでございますが、いままでもいろいろな助成策がとられてきたと思いますが、今後の振興策はどのようにしていかれるのか、いままでの助成策、今後の振興策についてお尋ねしておきます。

永井幸一日本専売公社総務理事

○説明員(永井幸一君) 先ほどお答え申し上げましたように、昭和四十年代の後半では高度経済成長のもとにありまして、国内の農業と他産業の生産性格差が大変拡大をいたしたわけでございます。そういった中で離農現象が起こりまして、葉たばこ生産も減退するという事情にあったわけでございます。  そういった問題に対処いたしまして、たばこ作を農家経営にとりまして魅力ある作物に育成をしなければならないんではないかと、片方では、主要原料である国内葉たばこにつきましてコストの低減を図り合理的な価格水準のもとで安定的な調達を図ってまいりたい、そういったようなことを緊急の課題といたしまして、昭和四十八年から五十二年までの五年間、最初は五年間を予定しておったんでございますが、途中で一年延びまして五十三年までの六年間にわたりまして、生産性向上ということを中心といたしまして、われわれの方ではこれを第一次生産対策と呼んでいるわけでございますが、補助事業を実施してまいったわけでございます。苗床とか乾燥、貯蔵施設だとか農業機械等の整備に対する補助金の交付、あるいはたばこ作作業の受委託促進に対する補助金の交付、そういったたばこ作経営近代化施設に対する整備事業の補助事業を中心といたしまして助成措置を講じてまいったわけでございます。  昭和五十三年度でそれが終わったわけでございますが、五十四年度からは、先ほど来申し上げておりますように大変状況が変わってまいりまして、全体としては生産、在庫が過剰であると。今後たばこの耕作をどういうふうにもっていくかということは、どうしても一つには低下しつつある品質を一定の線まで回復してまいらなければならないということ、それからもう一つは、やはり生産費の上昇を防ぐために生産性を向上しなければならない、この二つの柱を大きく取り上げまして、五十四年度から五カ年間にわたりまして、これもわれわれの方で勝手につけた名前でございますが、第二次生産対策事業ということで補助事業を中心といたしまして予算をつけていただきまして、本年度から実施に入ったということでございます。これはやはり品質改善、高能率生産施設の整備に対する補助金を中心といたしまして、それ以外にもたばこ作作業の一貫体系の受委託促進に対する補助金の交付、あるいは品質改善の普及の拠点といたしまして、実証展示農場をあちらこちらにつくりまして、それの展示をするといったことを中心としながら補助事業を今後五カ年間にわたって実施をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 専売公社自体としては、今後法改正によりまして経営の合理化さらに徹底しなければならないという課題があるわけでございますが、その経営合理化の方向性をまずお伺いしたいと思います。  その次には、何といっても原料コストの合理化を志向しなければならないという問題があるわけでございますが、具体的に現在どう考えておられるのか、この二点をお伺いします。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) お答え申し上げます。  公社のこれからの経営の方向でございますが、新しい制度のもとにおきまして企業成果を上げますとともに、この事業の維持発展を図っていくという目標に向かいまして、何といいましても基本的には消費者の嗜好に合ったたばこを幅広く安定的に供給すると、それから同時に、国際化の進展に伴います厳しい環境条件に対応して国際競争力を強化する、そのために公社の全組織を挙げまして生産性の向上とかコストの低減等を図りましてより高い能率の達成に努めるということが必要と考えているわけでございます。こういったことによりまして、消費者、国民の支持を得ながらたばこ産業全体の調和ある発展を図ってまいりたいと考えている次第でございます。  御指摘の原料コストの合理化の施策でございますけれども、生産面だけじゃなしに製造面におきまして原料加工技術の改善とか歩どまりの向上等を図りますとともに、葉たばこ生産面におきましては、先ほど御答弁ありましたように第二次生産対策を中心といたしまして、品質の改善とか生産性向上等の施策を着実に推進してまいりたい、かように考えているわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 そうしますと、公社の総原価の五割を占めております原料費を今後どうするかという問題、それからそれに相反する問題といたしまして、現在過剰在庫という大きな問題を抱えているわけでございます。またさらに、葉たばこ耕作者をいかに保護していくかという課題もあると思いますが、こういった三つの問題をあわせて解決していくということは非常に大変だと思いますが、どういうお考えでやろうとしておりますか。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 御承知のように、原料費は特にたばこの売り上げ原価の約六割を占めているわけでございまして、今後公社としましてはコスト引き下げを図っていく場合におきまして最も留意していかなきゃならぬ、そういった限界要素であるわけでございます。  ただ国産の葉たばこにつきましては、国際的に見ましても品質面で劣っておりますし、かつその価格は約二倍半と、こういう割り高でございますので、公社としましては原料費節減の施策といたしまして葉たばこ生産の合理化、それから原料使用技術の改善等に努力しているわけでございます。ただ、その上に最近消費の停滞傾向がございますので、国産葉たばこの在庫は過剰になっております。  そこで、先ほど御答弁ありましたように、五十三年度から葉たばこ生産調整ということを実施いたしまして何とかこの在庫の適正化を図りたいと努力しているようなわけでございます。こういった施策を効率的に推進するためには耕作者の方々の御協力と御理解を得ながらこの新しい第二次生産対策、これを今年度から実施いたしまして国産葉たばこ生産の安定化ということに配慮していきたい、かように考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 避けては通れない問題といたしまして、過剰在庫が三十六カ月分もあると聞いておりますけれども、この過剰在庫になったのはいつごろからか、またその原因はどこにあるのか、さらに、今後過剰在庫のなくなる見通しをどう考えているのか、お尋ねしたいと思います。

永井幸一日本専売公社総務理事

○説明員(永井幸一君) 公社といたしましては、国内、国外から購買いたしました葉たばこを公社で保有いたしまして、熟成をさせまして喫味をよくするという意味から、おおむね二十四ヵ月程度の在庫が標準ではなかろうかということで仕事を進めてまいっているわけでございます。  現在時点におきます在庫でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、絶対的な在庫の数字を今後の使用見込みで割り返しまして一体何カ月分ぐらいの在庫を持っているかと、こういう計算をするわけでございますので、今後の売れ行き、あるいは売れ行きに伴って一体製造でどの程度の葉たばこを使用するかという見込みが出てこないとなかなか正確な在庫月数というのは出てまいらないわけでございまして、いまの段階で何カ月あるかということは、なかなか計算をするのにいろんな見方がございましてむずかしいわけでございますが、達観いたしまして標準在庫に比べて十カ月ぐらい多いんではなかろうかというふうに思っているわけでございます。  一体、こういう在庫がどうしてふえてきたのかということでございますが、実は昭和五十年度ごろにもすでに二十四カ月を超えていたわけでございます。ただ、五十年までは先ほど来御答弁申し上げておりますように、毎年毎年生産数量が急激に減ってきた年でございまして、このままでいけば遠からず二十四カ月を大幅に割り込んでしまうんではなかろうかということが大変危惧をされた時期に当たるわけでございます。  そういったことから、生産の面でも何とか国内生産の規模を維持していかないと、これは将来原料に困るような事態が起こるんではないかということを心配いたしまして、いろんな意味での生産に対する刺激政策と申しますか、インセンティブの政策をとったわけでございます。  そういったことが一つと、それからもう一つは、全体的な他産業の不況からたばこ作への回帰現象と申しますか、そういったものが起こりまして、五十年以降また急激に耕作に対する意欲が農家の方々の中で非常に強くなってまいったということでございまして、五十年ごろは非常にそんな大きな数字ではございません、小さい数字でございましたが、多少標準在庫を上回っていた。その上に、先ほど来申し上げておりますように、五十年以降生産が順調にふえ出したということ、一方では販売の方が思うように伸びてこなかったというようなことが重なってまいりまして、在庫が急激に増加したということでございます。  まあ、そういったことの影響から在庫の数字が非常に大きくなりましたので、先ほど申し上げておりますように、五十三年作から再編策の範囲内での生産調整を進めさせていただいている次第でございます。今後につきましては、われわれとしても余り大きな在庫をいつまでも抱えているということが必ずしも好ましいことではございませんが、一方では先ほど申し上げておりますように、地域農政あるいは個々の農家経営の中にたばこ耕作というものが非常に大きなウエートを占めているという事実も無視できないわけでございまして、そういったことを総合勘案しながら面積で調整をし、あるいはできれば海外からの引き合いをとってみるとか、そういったこともいろいろ考え合わせまして今後の在庫処理を図ってまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 いまお話を聞いておりますと、生産調整といい見通しの誤りといい、私はお米の場合と質は違いますけれども形の上ではちょっと似ているんじゃないかな、このように思うわけです。われわれもお米につきましては昭和四十一年の参議院の予算委員会なんかでは東大の大内教授なんか呼んで、お米がどうしても足りなくなる、ですからアフリカあたりで日本のお米をたくさん生産するようにしなければならないんじゃないかなんて、このような質疑がまじめに行われたわけでございまして、その後二、三年してから、もうたちまちお米が余り過ぎて生産調整というように変わっていったわけでございます。  たばこの話を聞きましても、昭和五十年度ころはだんだん耕作面積も減っていくし、過剰在庫というような問題は考えられなかったわけでございますけれども、いま急激にやはり過剰在庫というものが問題になり、残念ながらこの調整を考えなければならないということになっているわけでございます。  海外からの引き合いもやってみようということでございますが、まあ海外価格と比べても二倍半も高いということでございますし、品質も余りよくないということで非常に厳しい問題もあると思うんです。しかしながら、やはり私は、ただ生産調整、面積調整一本やりで生産農家にだけしわ寄せをするというようなことはやってはならないことだ、このように思うわけでございます。  次に私は、昭和五十一年、昭和五十二年産の葉たばこの品質が非常に劣化しているということでございますが、その理由はどういうわけでございますか。単なる天候の不順ばかりではなくて、根本的にやはり私は公社の指導にも誤りがあったのではないかと、このように思いますけれども、この点はいかがでございますか。

永井幸一日本専売公社総務理事

○説明員(永井幸一君) お答え申し上げます。  先ほど来申し上げておりますように、五十年以前、四十年代の最後のころには大変耕作人員が減ってきたり、面積が減ってまいったり、そういった傾向が顕著でございまして、これは何とかして面積をある程度維持し数量を確保しないと大変困るというようなことでございまして、そういったことから第一次の生産対策と、先ほどお答え申し上げました第一次生産対策の一番大きな柱が生産性の向上ということに力を注いでまいったわけでございますが、もちろん生産性さえ上げればどんな品質のものをつくってもいいんだということではなかったわけでございますが、たまたま各等級間の価格差が縮まったこともございまして、生産者の受けとめ方がやや公社の本来意図したことと違ってまいりまして、限られた耕地からできるだけたくさんの数量をとる方向に向いたということは避けられなかったと思います。そういった面で、われわれの方も指導にやや手抜かりがあったのではないかという先生の御指摘につきましても率直に反省をいたしている次第でございます。  こういった結果を考慮いたしまして、昭和五十二年作から何としても品質を改善をいたしましてシガレットの原料として十分に使える、葉たばこを原料として使ったシガレットが国際競争にもたえられるような品質のものにしていかなければ、これからはなかなか国際的に自由化されつつあるたばこの産業が維持していけないのではないかということを、そういう反省も踏まえまして、品質の昭和四十七、八年程度への回復ということを第一義に挙げて指導を進めてまいっているわけでございます。  まあ、五十二年からそういうことで重点的な施策を講じてまいっているわけでございますが、たまたま五十一年は東北地方で大変長雨があり低温であったこと、あるいは五十二年にも関東とか南東北で成熟期に曇天が続いたとか、そういった、天候だけではないとは思いますが、天候の面でもなかなかぐあいの悪い状態があったこと、それから、なかなか方針を切りかえましてもそうあしたからすぐそういう方式というわけには、実効が得られるというわけにはなかなかまいりませんで、品質改善の効果はなかなかあらわれてこなかったわけでございますが、昨年の五十三年作は大変全国的にもたばこ作にとりまして非常な好天であったということにも恵まれましたし、過年度来続けてまいりました指導もだんだん実ってまいりまして、種類、地域間で若干の差はございますが、全体としては品質改善の方向に顕著に向かいつつあるというふうに考えておる次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 いまお答えございましたように、私も公社の推進された第一次生産対策として生産性の向上、省力化あるいは量産というものを奨励されて、肥料でも燐酸肥料なんかを非常にたくさんぶち込んだ結果、大きな葉はできるけれども品質は悪いというような姿になったということも聞いております。それによって、天候も悪かったし、味も落ちた、品質が悪くなったのではないかと、こう思われますが、昭和五十二年度から質をよくするためにいろいろな対策を講じておられるということもお聞きしたわけです。  ただ、やはり私は、耕作者の方々の話によりますと、品質をよくするにはどうしてもそれだけ手間暇をかけなければ品質はよくならない。五十三年度のように好天に恵まれるという結果も大事でありますが、やはりそれだけの努力も手間も必要なわけでございます。そうすると、その分生産時間が長くなりますからコストアップということにもなりかねない、大変な問題があるわけでございますが、その点もよく考えていただいて対処していただきたい、このように思うわけでございます。  次に私は、品質の劣化というのは、予定していた一等、二等、三等という最も販売シェアの商い一級品に使用する葉っぱが不足いたしまして、三級品に使うところの原料葉である四等、五等が過剰になったと、このように聞いておりますが、そのように理解してよろしいのですか。

松井元義日本専売公社総務理事

○説明員(松井元義君) 品質的に言えば先生のおっしゃるとおりでございますが、五十三年度におきまして下級葉を使用するに当たり、製品喫味に悪影響を与えないように考慮、加工処理等の新技術を積極的に導入したこと、五十三年度の作柄が五十一、五十二年度に比較しまして改善されたといったようなことがありまして、現在では上級葉、下級葉の在庫の偏りといったような点は解消されてきております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 三級品というのは、もともと販売シェアも一〇%しかなくて益金率も低いわけです。今後公社は新製品の開発または国民の嗜好に合わせて考えるとおっしゃっておりますが、そうなりますと益金率の高い一級品もしくはそれ以上の銘柄に力を入れられて、どうしても三級品の開発はなおざりにされやすい。そうしますと四等、五等の過剰問題は将来ともなくならないのではないかと思われますが、この点どのように考えておりますか。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 今後の商品開発に当たりましての基本的な考え方、これは午前中この委員会でもお答え申し上げましたが、やはり消費者の嗜好傾向に合わせて原料、技術、材料、いろんな要素を踏まえまして市場投入するということを考えているわけでありますが、何といいましても最近の消費動向、やはり所得水準の向上もございまして、高級化、多様化の傾向が強く見られます。すでに一級品の全体に占めるシェアが七割を超えているというような現状でございます。  この一級品のシェアは、御参考までに申し上げますと、昭和四十五年度は全体の約三割でございましたが、昭和五十年度には約六割と倍増いたしましたし、昨年度、五十三年度は七一%になっている、このように一級品のシェアがふえております。そういった事実が一つございます。  と同時に、最近の商品開発におきまして特殊な加工処理というものを加える、こういうことによりましてマイルドな商品を生み出すということをいたしますと、どうしてもコストの関係からいたしまして新しい製品は一級品の銘柄が多くならざるを得ないというような事情がございます。  ただ、原料使用に当たりましては、銘柄それぞれの喫味、特性を維持するためにいろいろ原料の配合というものに意を用いているわけでございますが、その中におきまして、一部下位等級の原料葉につきましても特殊な加工処理を施すことなどによりまして付加価値を高めながら使用していくというのが現状でございます。今後ともこの国内産葉の品質改善の向上に努めますとともに、技術面といいますか、原料加工処理技術の開発等によりましてできるだけ下級葉の使用拡大ということに取り組みまして、過剰在庫を少しでも減らすという方向に持っていきたい、かように考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 昭和五十三年度は作柄もよくて品質もよかったということで非常によろしいわけでございますが、昭和五十一年、五十二年と残念ながら作柄が非常に悪かった。  そうしますと、二年間の熟成を要するということでございますから、ことしあたりからいよいよ市場に出回るたばこの品質が落ちるのではないか。品質が落ちたたばこをいままで以上に高く国民は買わなくちゃいけないのかというおそれがあるわけでございます。品質管理と申しますか、品質の保全、品質の向上のためにどういう努力をされているか、お答えいただきたい。

松井元義日本専売公社総務理事

○説明員(松井元義君) 製造たばこの喫味、品質は、原料葉たばこ、それからブレンド、香料、材料品、原料加工処理技術、こういったものが総合化されてつくられるものでございますけれども、その中でも原料葉たばこは喫味、品質を決定する上できわめて大きい位置を占めております。それゆえ作柄が悪かった五十一、五十二年産葉の使用年度に当たります五十三年、五十四年度につきましては、従来より良質な外葉を使用することによりまして製品の喫味、品質を落とさないように努力してまいりましたが、単に葉組み割合を変更するだけでは十分でございませんので、公社といたしましては従来なかった新しい加工処理の方法とかあるいは新しい香料ソースの使用といったような新技術を積極的に開発、投入いたしまして、喫味、品質を落とさないように努めてまいっている状況であります。  また、品質管理につきましては、喫味、外観、品質等につきましての管理実施要領をつくりまして、それに基づきまして各工場から出荷される製造たばこに不良品が生じないように、それぞれの要素につきまして厳密な原料管理、工程管理、香料管理、あるいは外観、品質着理を実施しておる次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 先ほどから少しずつ外国産の葉たばこの輸入問題につきましてお話がございましたけれども、いま輸入しているのはどういう種類のもので、そして特に一級品のような場合は使用の割合はどのくらいになっているのか、それから将来国産葉の使用をもっと品質改良等によって拡大できないものかどうか、その辺の事情をお伺いしたいと思います。

松井元義日本専売公社総務理事

○説明員(松井元義君) 輸入葉は大別いたしまして黄色葉、バーレ一葉、オリエント葉、それからパイプシガー等に使っております特殊葉、この四種数がございます。これは国内産葉では達成できない品質特性を有する香味料あるいは準香味料、そのほかにニコチン含量も低くて癖の少ない緩和料でございます。輸入葉の使用割合はおおむね三分の一でありますが、今後の消費の変化とか、国内産葉の品質の動向等の関連で変わってくる性格のものでございます。この割合は固定できないものでありますが、当面現行レベルの割合の維持を目標としていく考えでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 今後の新製品の開発の方向といたしましては、午前中から言われておりますように、低ニコチン、低タール化がますます進むと考えられますけれども、それに伴って現在の国産葉たばこの使用量というものが減少するというおそれが十分考えられますが、その辺はどうですか。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 御指摘のとおり、最近は低ニコチン、低タールを志向したものが多くなると思われるわけでありますが、そうなりますと、一般的に輸入葉に比べましてニコチン含有量の多い国産葉にについては影響を受けるのではないかと、こういう問題があるわけでございますが、これにつきましては、現在でも原料加工技術なり新技術の開発ということによりまして、できるだけ国産葉を使用するように努めているわけでございますので、今後ともそういった方向で取り組んでまいりたいと思っております。特に原料加工処理技術といたしましては、すでにニコチンを低減する技術も大体完成しておりますし、それからタールを下げる技術、これはなかなかむずかしいわけでございますけれども、材料品の改善、たとえば高ろ過性のフィルターとか開口チップペーパー、あるいは荷気孔度の巻紙等々、こういったものを使用すると、それからさらには緩和刻みとかシートたばこの使用を拡大すると、こういったことによりまして何とか努力したいと、かように考えているわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 現在国産葉と外国産葉を比べますと、残念ながら品質、価格ともに日本産は非常に劣っているということを聞きまして非常に残念に思っておりますが、私は天性とか土質とかいろいろ条件はありましょうけれども、日本においては米でも野菜でも、あるいは柑橘類でも、あるいは繭等の問題でも、あるいはホップなんかでも、努力あるいは技術指導等によって相当あらゆる農産物が品質向上という姿があるわけでございますが、私は葉たばこといえどもやはり何か方法があるんじゃないかなと、このように思うわけです。  それで、日本に最も適した葉たばこというものも考えられるし、それが成功すれば外国にもどんどん輸出もできるわけでございますが、具体的にこのような品種改良に対する見通しというものがおありなのかどうか、それから葉たばこ耕作者に対する技術指導はどのような点を重点に指導なされているのか、この点をお聞きしたいと思います。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 国産葉たばこの品種改良、開発の問題でございますが、この問題につきましては日本に適した葉たばこがないかということでございますが、私どもの改良、開発の主な目標といたしましては、香喫味の向上ということ、それから耕作の安定、これをねらいといたしまして、その上さらに病害に対する抵抗力といいますか、いわゆる耐病性の付与ということに力点を置いて取り組んでいるわけでございます。  具体的にそういった有望な新品種はどうなっているかということでございますが、まず黄色種につきましてはブライトイエロー四号の系統を親としましていろいろかけ合わせる、いわゆる交配組み合わせによりまして、現在の第一黄色種であります黄化三一九とかバージニア一一五よりも香喫味のすぐれた品種で、しかも立ち枯れ病とかウドンコ病に対する抵抗力の強い品種を育成したいと思っておりますし、第二黄色種MCにつきましてはウドンコ病抵抗性を付与すると、そういった育成を進めておりまして、この黄色種の新品種につきましては現在産地におきまして五十三年度、五十四年度と導入試験を実施中でございます。  それからまた、在来種につきましては第五在来種白遠州につきまして赤星病の抵抗性を付与するという問題、それから第三在来種のだるまにつきまして疫病の抵抗性を付与した品種というものを開発するということで、これはいずれも検定試験の段階――導入試験の前の段階でございますが、に入っているわけでございます。  それからバーレー種につきましては、現在バーレー二一にウドンコ病抵抗性を付与した品種のいま導入試験に入っておりますし、またバーレー二一よりも商い香喫味をねらいとしました品種が本年度から検定試験に入っているわけでございます。  なお、将来のニーズに備えまして、さらに低ニコチンを目指しました育成というものもたばこ試験場で開始されておりますし、さらによりよい品種をねらいとしましたいろいろな交配和み合わせの検討も行っているような次第でございます。

永井幸一日本専売公社総務理事

○説明員(永井幸一君) 耕作者に対する技術指導の重点でございますが、先ほど来お答え申し上げておりますように、最近大変品質が劣化の傾向が見られたということを受けまして、ここ数年来品質の回復ということを最重点課題として指導をしてまいっているわけでございますが、もちろんそれに合わせまして収量の適正化あるいは生産性の向上と、こういう二つの柱をつけ加えながら指導をしてまいっているわけでございます。  品質の向上につきましては種類本来の品質特性の維持あるいは生産の安定化ということのために正常な樹形への回復ということを非常に重点としてやってまいっているわけでございます。そういったことから所定の目標数量に接近をしていただく、この接近をしていただくことがまた間接的に品質の回復にも役立つということでございます。  具体的に申し上げますと、品質の回復につきましてはやはりどうしても圃地のいいところを選んでいただく。野葉の跡地でございますとか、従来前作の肥料がたくさん残ったところですと、どうしてもその肥料を吸収して大型の葉ができてしまうというようなこともございまして、いい圃地を選んでいただく。あるいは肥料を適正に施していただく。余り多肥に渡らないようにやっていただく。あるいは耕作管理あるいは乾燥管理、そういったものを適正にやること、それから熟度をよくしていただくこと、比較的長く圃地に置いていただいて熟度がよくなってから収穫をしていただくこと、それから農薬のかけ過ぎとか、そういったことによる品質の低下した葉っぱの生出をできるだけ防止していただく、あるいは土壌条件を改良していただく、そういったようなことをいろいろやってまいっているわけでございます。  それから生産性の向上につきましては、先ほど申し上げました第二次生産対策を中心といたしまして、できるだけ高能率な生産施設を整備していただいて、そういったことを通じて生産性の向上に資していただきたいということを指導の重点にいたしているわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 現在わが国で製造されているたばこは五十銘柄もあると聞いておりますけれども、私はまあ国民の幅広いニーズにこたえるためには銘柄をたくさん備える必要があるという点もありましょうけれども、まあ外国と比べても非常に銘柄が多いようにも見受けますし、今後経営の合理化がさらに強く要請されますと、販売シェアの低い銘柄の製造は中止しなければならないとか、あるいは国産葉の使用量の多い銘柄でシェアの多いものを研究開発するとか、いろいろなお考えがあると思いますし、また、いまはコンピューターも非常に発達していることでございますから、そういった点も勘案して、一体この銘柄の改廃ということにつきましては、また新しい銘柄の開発ということにつきましては、どのように考えておられますか。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 現在の製造たばこの銘柄でございますが、五十もあって多いではないかというような御指摘でございますが、この問題につきましては、やはり最近の消費者の嗜好の多様化というものがございまして、できるだけそういった需要にこたえるということでいろいろ特徴のある銘柄を開発してきたわけでございます。  ただ、御指摘のように、需要が僅少となった場合におきまして、その銘柄を廃止するとかあるいは改善するということは確かに考えられるわけでございますが、全体といたしましては、消費者嗜好の多様化への対応ということを考えますと、銘柄数はやはりそう減らない、むしろ少しふえるんではないかと予想されるようなわけでございます。  ただ、わが国におけるたばこの数でございますが、外国と比べましても決して多い方では――最近の外国の事情でございますが、多い方ではないと思いますし、それに輸入品対抗ということをこれからは考えていかなきゃならぬ。いろいろと輸入品がこれから出てまいりますので、それに対抗するためにも、やはり世界的なそういった製造法を取り入れました新製品の開発投入を図る、こういう必要があると考えているわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 まあたばこ耕作者にとっては大変なことでございますが、先週の土曜日でございますか、山陽地方をひょう害が襲いまして大きな被害があったわけでございますが、被害状況はどうなのか。またこの前の日曜、おとといでございましたか、関東地方にも一センチぐらいのひょうが降りまして、やはり葉たばこに相当被害があったと聞いております。こういった場合の耕作者に対する補助というものがどのようになっているか、われわれとしては手厚い補助をお願いしたいのでございますが、その点お答えいただきたいと思います。

永井幸一日本専売公社総務理事

○説明員(永井幸一君) お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘ございましたように、五月の二十六日から二十七日にかけましてほぼ全国でございます、中、四国地方から関東、東北地方にわたりまして降ひょうがございました。生育最盛期でもございましたので、かなり被害を受けておりまして、全体で二千六十四ヘクタールに被害を受けております。そのうち全損、これは収穫皆無というのが大体八十三ヘクタールばかりございます。それから、七〇%以上被害を受けておりますのが百三十一ヘクタールぐらいございます。特に中国地方でございますが、岡山、広島、山口、島根地域、かなり大きな被害を受けたわけでございまして、小豆大からピンポン玉大ぐらいのひょうが降ったようでございます。  それによります葉の折損、脱落、幹折れ、そういった被害が出ておりまして、収穫皆無になりましたのはそのうちの岡山で約五十五ヘクタールでございます。そういうところでは廃作ということになるのではないかと思います。  公社におきましては、直ちに技術員を現地に派遣いたしまして、いろんな対策の万全を期したわけでございますが、ひょうのかたまりでございますとか、落葉でございますとか、そういったものを圃地外へ出すこと、あるいは中耕をやること、薬剤を散布をすること、それから幹折れがございました場合にはわき芽を伸ばしましてもう一遍やってみるということ、それから一筆全損圃地は当然直ちに災害補償をするというようなことで処置をいたしております。なお、災害が一筆全損でございません場合には、産地調査をいたしまして、収納時にその被害状況に応じましてそれぞれ所定の災害補償を受けるということでその手続もとるようにいたしております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 公社の出先機関といたしまして各地区に生産事務所というのがあるわけです。これに対応しまして耕作組合というのがありますけれども、このたばこ耕作組合の機能また必要性というものは公社にとってもたばこ生産にはなくてはならないものだと思いますけれども、これはどのように公社として認識され、どのように育成されていくお考えでございますか。

永井幸一日本専売公社総務理事

○説明員(永井幸一君) お答え申し上げます。  たばこ耕作組合は、葉たばこの生産の発展と耕作者の経済的地位あるいは社会的地位の向上を図るためにたばこ耕作組合法という単独法に基づきまして組織されました耕作者の共同組織でございます。こういった目的に沿いまして自主的にいろいろ諸事業を行っておられるわけでございます。  一方、公社といたしましても、専売事業の健全な発達を図ってまいりますためには、国内産葉たばこの生産の上にぜひとも必要な事業幾つかあるわけでございまして、その一部を耕作組合に依頼をいたしまして、耕作組合の協力を受けながらその実効を期しているという現状でございます。  たばこ耕作組合は耕作者の組織いたします団体でございまして、国内葉たばこ生産の共同の担い手であるというふうにわれわれとしては考えているわけでございまして、今後とも耕作組合と十分な意思疎通を図ることによって共同の理解と協力のもとに国内生産の問題点の解消に努めてまいりたい、と同時に、国内生産の維持発展を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。そういったことでございますので、公社から依頼をいたしました事業に要します経費につきましては、たばこ耕作組合に手数料を支払いまして、だんだん事業内容も充実してまいっておりまして、その額も年々増加しているという状況でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、専売公社職員の方々に関する問題について一つだけお伺いしておきたいと思います。  たばこ工場等の合理化に伴いまして二交代勤務がやられているわけでございますが、職員の方々の健康に影響はないのか、また健康管理対策はどうなっているのか。  もう一点は、このような二交代勤務などの労働強化によりまして、公社における労働災害の状況はどうなっておりますか、また公社は職員の生命の安全についてどのように対処しておりますか。この二点をお伺いしたいと思います。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) お答え申し上げます。  公社のたばこの製造工場三十七ございますが、いろいろな新鋭機械、設備等の導入その他いろいろな合理化をいたしておるところでございます。そういった合理化の機会に際しましては、職員の安全でありますとか、健康管理でありますとか、そういったことには十分配慮しながら進めておるわけでございますけれども、端的に申しまして二交代の工場で職員の健康あるいは安全、そういった面にほかの工場と比べて差が出ておるかということでございますけれども、現在までのところ数字的にはほとんど差がないというようなことでございます。二交代工場につきましては、職員の健康管理のために幾つか一般の工場とは違いました健康管理のための施策を講じております。  たとえて申しますと、いわゆる定期健康診断、通常は年一回でございますけれども、二交代工場につきましては年二回いたします。その他通常は三十歳以上の職員にだけ行います循環器系の検診を年一回、これは全員についてやる、そういったようなことでいろいろ健康診断、健康管理の面にも配慮いたしておるところでございます。  災害の面でございますけれども、結論的に申しますと、先ほど最初に申し上げましたとおりでございまして、特に一般の工場に比べて二交代工場なるがゆえに災害が多いということはございませんけれども、ただ設備が変わりますものですから、変わりました直後は若干多いような傾向がございます。その後作業の習熟その他によりまして、訓練等によりましてだんだん低下をいたしておりまして、現在のところはほかの工場と比べて特に差があるというようなことではございません。今後も健康管理、安全管理には十分配慮してまいりたいと考えておるところでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 次に、日本専売公社法の第二十七条の二項で、公社が大蔵大臣の認可を受けて出資されている工場がかなりおありだと思います。配送会社あるいはフィルター工場、香料工場等何社ございますか。そして、こういったたばこ関連産業の方々は何人ぐらい全部でいらっしゃいますか。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 現在公社が出資しております関連企業でございますが、配送会社が五社、それからフィルター会社が五社、それに香料会社が一社、その他工場関連と称しまして工場の構内作業あるいはダンボール等をつくっております会社が二社ございまして、合わせて十三社ございます。これらに勤務しておる者でございますが、約五千人でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 もし今度の法律改正によりまして、たばこの値上げあるいは外国たばこの輸入増大、こういったことでこういった関連会社が需要減の影響あるいは厳しい合理化の影響をもろに受けるんじゃないか、このように思いますけれども、こういった影響に対する対処の仕方をどういたされますか。

小幡琢也日本専売公社総務理事

○説明員(小幡琢也君) 確かに、今回の定価改定によりましてたばこの需要が一時的には減退は免れないんではないかと見られているわけでございますが、公社といたしましてはできるだけたばこの需要の早期回復に努力したいと考えております。ただ、そういった一時的な事業量の減少ということに対しましては、これらの各関連産業におきましてそれぞれ経営努力いたしまして、いろいろ効率を上げるというようなことを現在やっておりますので、その努力によりまして安定的経営が図れるよう対策が講じられるわけでございますし、決して事業量の減少が従業員に影響を及ぼすことのないように配慮していくものと考えております。公社といたしましても、そのような指導に万全を期したいと考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 最後に、たばこと健康の問題で一点お伺いしたいと思います。  たばこと健康の問題、あるいは嫌煙権の問題につきましては、現在最大の重要な問題となっておりますが、後ほど同僚の議員も長い時間をかけてお伺いするでございましょうから、私は一点だけ最後にお伺いしておきたいと思います。  ニコチン、タールの表示でございますが、小売店に張ってあるということでございますけれども、余り見かけません。また、国鉄等の駅の売店なんかではほとんど、より以上見かけません。また、自動販売機にはマイルドセブンの広告が張ってありますが、ニコチン、タールの表示を私は義務づけるべきではないか、このように思いますが、この点いかがお考えでございますか。

立川武雄日本専売公社理事

○説明員(立川武雄君) ニコチン、タールにつきましては、毎年一回の調査結果を、大体秋ごろでございますけれども、公表しているわけでございます。  その新しい数字ができますと、現在売り場が五十万ぐらいございますけれども、売り場のためにステッカーを公社が用意いたしまして、約六十数万枚用意しております。それから、これを販売店に依頼いたしまして、店頭自動販売機、あるいは販売店が出張販売をしているケースがございますが、そういうところに掲示するように指導しているところでございます。  なお、別途簡単なチラシをつくりまして、約五百万枚でございますけれども、お客さんの出入りの多いサービスセンター等におきまして御利用いただいているわけでございます。先生おっしゃいますような不備な点がございますと大変問題でございますので、今後一層適正に表示するように指導してまいりたいと考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 一応形だけは整えてやっておられるようでございますが、やはり売り場五十万にステッカーを六十数万用意したからといって、全部張るとは限りませんし、半分ぐらい風に飛ばされることもないでしょうけれども、なくなる場合もあるわけですから、こんなことで私は十全を期すことはできないと思います。  やはりいまおっしゃったように、たばこと健康という問題は重大な問題でございますので、注意を喚起する精神を十分持っていただいて、果たして六十数万ステッカーを用意してもどの程度張られているんだろうかとか、あるいは何カ月の間張られているんだろうかとか、何日の間張られてなくなるんだろうとか、そういった点も十分研究されて調査をされて、これは十全を期していただきたい、このように思います。

立川武雄日本専売公社理事

○説明員(立川武雄君) なお、適正にニコチン、タールのステッカー等が売り場に張られるように注意してまいりたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 今回の法改正で約二一%ばかり小売りの定価が引き上げられるということになるわけですが、いま卸売物価の方では、先年の物価狂乱直前の状態に非常によく似てきているという状況で、物価問題は非常に重大な時点に来ていると用います。こういうときに、国鉄を初めとして政府関係の機関が相次いで公共料金の値上げをやる、これはきわめて重大なことだというふうに考えざるを得ません。  ところで、公社からいただいた資料を見てみますと、いままで値上げのたびに販売数量の伸び率が落ちているということが歴然と出ております。普通でいえば五%から七%程度の年伸び率でしょうけれども、昭和四十三年の場合、値上げのために伸び率が一・四%に落ちている。それから、特に五十年大幅に値上げをしたわけですけれども、この場合には伸び率わずかマイナス〇・四%ということで、絶対的にも伸び率が落ちるというような状況になっているわけです。私は、やっぱり今回の値上げがこれと同じような結果を必ず引き起こすだろうというふうに思わざるを得ません。  ところで、その販売の状況ですけれども、近年に至るにしたがって伸び率が落ちてきて、特に五十三年度の場合には伸び率わずか〇・一%、値上げなしにもこういう状態ですね。これは一体どういうところに原因があると考えていらっしゃいますか。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 製造たばこの消費の件でございますが、わが国の場合には成年人口一人当たりの消費本数はアメリカに次いで多い状況になってまいっておるわけです。したがって、アメリカにおきましては、すでにもう十数年ほど前から消費が停滞ぎみになっております。ふえる年もありますけれども、減る年がかなり多いといったような状況になっております。わが国も約十年ほどおくれてアメリカと同じような傾向をたどるのではなかろうかというふうに私どもも推測いたしておるのでございます。  ただ、お話がございましたように、昭和四十年代におきましては、成年人口成りが戦後の第一次ベビーブームとそれに次ぐベビーブームがありまして、成年人口成りが多かったこと。それから経済の状況も比較的よかったといったようなことで、年々五%ないし六%ぐらい数量がふえたのでございますが、四十三年の定改のときには、これは定改をやると大体一、二年近くは消費が停滞するのであります。四十三年のときには幸いにして値上げを六月に行いまして、四カ月ぐらいで回復したわけでありまして、その結果、四十三年度といたしましては四十二年度より減らなかったのでございます。五十年度でございますと、昭和五十年の十二月十八日に値上げをいたしまして、その後の影響が長く消費停滞になりまして、四十三年のときと比べてはるかに、一年を超えてもまだ前年の姿に戻らないというような状況がありましたために、先ほどお話しのように、五十一年度は〇・四%減少したのであります。五十二年度に入りまして四・二%ふえたのであります。  ところが、五十三年度になりますと、いまお話しのようにわずかに〇・一%、ほとんど横ばいに近い数字になったのでございますが、これは一つは先ほど申し上げました成人人口成りが一%ほどに落ちてまいった。それから御承知のように、オイルショック後不況が長引いておりまして、春闘によるベースアップも一けた台の下の方の数字が続いておるといったようなことで、何といいましても、たばこは男がその小遣銭の中から毎日払う。ところがその小遣い銭が、御承知のように五百円亭主であるとか千円亭主であるというようなことになりますと、なかなかたばこを購入するのに向けにくいといったような状況になりまして、消費が停滞ぎみでありますし、特に私ども影響が大きかったと思いますのは、健康と喫煙の問題から、当然ではございますけれども、特に昨年の春ごろからいわゆる嫌煙権問題ということが取り上げられまして、マスコミによって大きく宣伝され、その結果禁煙列車であるとか、駅における禁煙タイムであるとか、あるいは病院その他、人の大ぜい集まるところでの禁煙といったようなことが行われまして、喫煙の機会が減って消費者の一日当たりの消費数量、喫煙本数というものが減ってまいった。こういったことが影響してまいっておると思います。  したがって、今回値上げいたしますと五十年定改ほど大幅な値上げではございませんけれども、やはり四十三年のときよりは大きい影響――四十三年のときには御存じのように一八%強の値上げでございましたが、あの当時よりはもっと大きい影響があるのではないか。下手をすると値上げ実施後一年間近くは消費がもとへ戻らないのではないかということを心配いたしておりまして、専売公社といたしましてはできるだけ早く需要が回復するように努力してまいりたい。このように考えておるところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまおっしゃるような事情で、国民もだんだんたばこ離れが始まっているんじゃないかと思うのですね。ところが今度三〇%の範囲で国会にもかけないで大臣の認可で上げることができるというようなことになってきますと、ちょうど国鉄がやったように、今後も頻繁な値上げをやる、値上げをやればやるほど、ちょうど国鉄離れが進んでいるように、やっぱり国民のたばこ離れも進まざるを得ないと思うのですね。この点ははっきり私は申し上げておいて差し支えないと思っているのです。  ところで、次に伺いたいことは、最近の国際会議で、日本はもっとたばこを輸入すべきだという、かなり強い圧力があるんじゃないかというふうに考えております。あの電電公社の例でもわかりますように、黒字減らしなどの理由なども使って相当アメリカあたりから葉たばこはもとよりだけれども、製品たばこを日本はもっと輸入しろという強い圧力がかかっていると思うのですが、大体輸入についてはどういうことになりますか。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) お話しのように、最近たばこ離れというように言われるようなことが起きておることも事実でございますが、ただ、今回の製造たばこの定価法定制の緩和化によりましては、専売公社が欠損になった場合あるいは欠損になることが確実と認められる場合に、大蔵大臣が基準最高価格の三〇%増しのところまで暫定最高価格を決めることができ、その暫定最高価格の範囲内で専売公社が大蔵大臣に申請いたしまして小売価格の改定ができるというのでございまして、国鉄がおやりになったように何回もやれる性質のものではないのであります。欠損になって、一回やればまた回復いたします。その回復した後にまた欠損になったからやろうといいましても、そのときには三〇%を超えるというようなことになりますと、これは国会で製造たばこ定価法の改正について御審議をいただくことになりますので、私どもとしましては大変うまくいって一五%、一五%二回。しかしそれはほとんど不可能で、一遍しかできないというふうに考えておるのでございまして、したがって、私どもは国鉄のように国鉄離れによって値を上げたけれども収入はふえないというような事態が起こらないように十分配意いたしてまいるつもりでございます。  なお、いまお尋ねのように、葉たばこにつきましてもアメリカだけではございません。そのほかの各国から国際収支の上で日本の方が輸出超過になっておる。輸入不足ではないか、そのインバランスを回復するために葉たばこを買えという要求は大変強いものがありまして、各国大使がしばしば書簡を私の方におよこしになるわけでございますが、ただ先ほど永井が申しましたように、私どもといたしましてはたばこの製造本数、消費本数が減り――減りといいますか消費本数が伸び悩んでおり、製造本数が伸び悩んでおりますので、過剰在庫をむしろ生じておる状況でございます。不必要な原料葉たばこを購入することは、たとえ国際収支のアンバランスを改善するためとは言え、できにくいことでございますので、この点は事情を申し上げてお断りいたしております。  ただ製造たばこにつきましては、御存じのようにわが国の場合には輸入たばこのシェアが一%、昨年はようやく一・二%、三十六億本になったわけでございますけれども、大変低いのでありまして、外国では大体六%ないし八%、多い国では一二%ないし一四%の輸入たばこがあるわけでありまして、そういった点からいたしますと、日本の消費者がそういう外国たばこを好むような傾向がございますのである程度今後ふえることは避けられないのではないか。ただ専売公社といたしましては、そういう消費者の意向があればそういう消費者の意向に沿ったような国産たばこをつくりまして、それによって輸入品と競争をやっていきたい、それによって消費者のニーズをつかんで国産品の拡大を図っていきたい、このように考えておるところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 国内たばこの売れ行きも鈍化している、それに輸入たばこが今度もっと入ってくるおそれがある、競争は激化するという条件ですね。それに加えまして今度は専売納付金を五五・五%いわば国が天引きするわけですよね。こうなってきますと、仮にたとえば葉たばこの値上がり、あるいはフィルターなどの値上がり、これは今度は専売公社がいわばひっかぶることになるわけですな。  そこで私考えるんですよ。そういう状態に必ずなっていくだろう。その場合かなり特に生産工程での合理化、これ厳しく進めることになるのじゃあるまいかというふうに考えているわけです。いまたとえば機械化だとかあるいは工場の統廃合だとかあるいはまた調整工場の増加だとか、そういうものについてはどういう計画になっておりますか。

後藤正日本専売公社理事

○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。  公社は四十三年に長期経営計画というものを出しまして、それ以来第一次中計あるいは第二次中計というものを、五カ年間の中期の経営計画を出しております。これは公社の管理運営事項でございますが、何といっても事業のパートナーとして組合にも十分承知してもらう必要があるということで、事前にそういうものを示しまして協議等を重ねている次第でございます。  現在は第二次中計がオイルショックによりまして大変見直しを迫られました。したがいまして、五十一年からいわゆる新中計と称しておりましてそれの経営計画を持っておりますが、いまのところ私どもが工場統廃合を新たに考えておりますのは、現在関西に高槻工場と京都の工場と茨木の三工場がございますが、この三工場を統廃合いたしまして京都に一工場の新鋭工場をつくりたい。茨木工場につきましては、これはあとは流通基地として使いたいというような計画を持っております。  先生御指摘のように、公社は今後こういう税をはっきり納めなければならない立場に今度はなるわけでございますので、したがって公社の経営責任も反面大変国民の皆さん方の前に明らかになるわけでございます。公企体として専売事業法の第一条には専売事業の健全にして能率的な運営ということが示されております。しかし、いまのような世の中で十分いろいろな関係集団、あるいは労組等も協議を尽くしましてお互いの十分な対話と協力の納得の中で初めて経営改善もできるものだと私ども考えておりまして、そういう方向への経営改善には取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私はたばこをのんでいるのですが、たばこなんかあんまり売れない方がいいと思っているのです、率直に言うと。それから、いまおっしゃった適正で能率的な運営ですか、これもまこと結構なことだと思うのですよ。しかし、これから先の公社の経営難が、そこで働いている労働者に全面的にしわ寄せになるというようなことはあってはならないと思うのですね。私は、その見地から、きょうは特に専売公社で働いている人たちの労働災害の問題について伺っていきたいというふうに考えております。  いまおっしゃった合理化、特に一九六九年六月の第一期中期計画の実施に伴って、専売公社では頸肩腕障害など非災害性の疾患が労働者の中に多発していると思うのです。いま全国で頸肩腕障害など非災害性疾病による労働災害認定申請者の数と、そうしてその中から業務上の災害であるとして認定された者の数、これをおっしゃっていただきたい。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) お答え申し上げます。  四十九年から五十二年までの状況を申し上げたいと思います。四十九年は災害を含めまして……

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 非災害性のものだけでいいです。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) 四十九年、五十年はございません。五十一年に四十六名の非災害性の疾病の申請がございまして、業務上と認定をされましたものが三名ございます。したがいまして四十三名は業務外と認定をされたことになります。五十二年は六名非災害性の疾病ということで申請がございまして、六名全員業務外と認定をいたしました。そういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その非災害性疾病の中で頸肩腕障害、これの数字はわかりますか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 四十九年から五十二年に至ります間の頸肩腕並びに腰痛についての数字はいまお話し申し上げたとおりでございますが、ただいまのところ、この中で頸肩腕症候群が幾ら、腰痛が幾らという資料を持ち合わしておりません。いずれにしてもこの数字は合計の数字であります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、いま挙げた数字も非常に少ないと思います。なぜかといいますと、いま公社で働いている人たちの中に、頸肩腕障害だとかあるいは腰痛だとか、いわゆる非災害性の疾患ですね、私はこれは業務と非常に密接な関係のある疾患だと思いますけれども、それが多発していると思うのですね。昭和四十六年の三月に公社が発表した頸肩脚部、腰部疾病の調査結果というのがございますね。いまお持ちですか。――持っていますね。その中で伺いたいのですが、調査人員は二万二千九十名、それでそのうちの罹病者、これが男子五百四十五名、女子千十三名、合計して千五百五十八名ということになっていると思いますが、どうですか。イエスかノーかでいいです、数字はお互い持っているんですから。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) 頸肩腕五百八十一名、腰部五百九十一名、以上でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 余りとんちんかんな答弁じゃなくて、端的にイエスかノーかでいいですよ、同じ数字持って聞いているんだから。ただ確かめてみたいから言っているんです。  女子の罹病者は千十三名でしょう、罹病者数は。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) ただいまお尋ねの数字でございますが、これは頸肩腕なり腰部に、腰痛についての、罹病者と言うことが正確かどうかちょっとわかりませんが、いわゆる非災害性疾病と呼ばれます頸肩腕なり腰部についての疾病があるという数字ではございませんで、私どもの方で職員の健康管理の実情を調査をしたいということで、頸肩腕部なり腰部についての何らかの疾病がある者ということについての調査をいたしました数字がいま先生のお話のございました数字でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 何らかの疾病があるから罹病者と言ったんですよ。それでこの女子の罹病率ですね、これ九・二九%、そうですね。  そうしますとね、これ十一人に一人の割りで障害を訴えているわけですね。これは当時の電電公社の同じような統計に比べてみると六倍なんですよ、六倍。いいですか。先ほど、前の委員へのあなた方の答弁で余りほかの職種と比べてたくさん出ておりませんというようなことを言いましたがね、女子の罹病率については電電公社の六倍ですよ。ずいぶん出ていると見なきゃならぬ。特に頸肩腕部の罹病者、悪いということを訴えている人ですね、七百八人中五百五十五人が女子ですよ。どうですか。七百八人中五百五十五人が女子でしょう。そうですね。つまりパーセンテージで言うと七八・四%。女子に頸肩腕部の障害を訴える人が圧倒的に多いということがこれではっきり示されていると思うんです。そうしてもう一つ伺いたいのは、罹病者、病気があると訴えている人千五百五十八名のうちで千四百二十六名、これが技能職だということになっておりますね。どうですか。――うなずいているからそういうことだと思うんです。  つまりあなた方が調査して、そうして頸肩腕部や腰部に疾病があるんだということを訴えられたと人たち、これがこの中で九一・五%が技能職だいう。つまりたばこの巻き上げだとか包装だとか、そういう直接作業に従事している人たち、これの比率が圧倒的に高いということなんです。これは業務と非常に密接に関係してこうした病気が起こっているということを示すものだと見て差し支えないんじゃないですか。この点どう思います。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) 先ほど職員部長から申し上げましたとおりで、この調査は、業務上であるかないかとかいうことは別にいたしまして、四十九年の十月一日から一年間、つまり五十年の九月三十日までの間に頸肩腕部あるいは腰部につきまして受診をいたした者あるいは病気欠勤をいたした者を集計をいたしました数字でございまして、その中には比較的軽度な、たとえば肩がこるといったような者も入っておるわけでございます。いわゆる頸肩腕症候群といったものの数字とはちょっと違うと思いますので、その点を御理解いただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 頸肩腕症候群だと言っているわけじゃないんですよ。何回も言っているでしょう。頸肩腕部などにいろいろ訴えがあった人、そうでしょう。その人の中の九割以上が技能職だということは業務と非常に密接な関係があると見ざるを得ないんじゃないかということを言っているんです。  次へ進みますが、先ほど頸肩腕障害で労災認定の申請をした人、その中で業務上だと認定を受けた人、この数はお答えがなかった。私の方で、これは一九七七年までの数字を調べてみたんですが、浜松工場で申請者が八人。そのうちで業務上と認定された人が一人、鳥栖工場では三十六人が申請をして業務上と認定された人がわずかに一人。茨木工場では二人が申請をして全部これは業務外。平塚原料工場でも二人が申請して全部業務外だと、こういう数字があるんです。  いま言ったように、技能職でしかもその中で女子の比率が非常に大きいです、頸肩腕部や腰部に何らかの問題を訴えた人は。そういう状況の中で申請者が異常に少ない。そうしてまたその申請者の中でも業務上と認定された者が、現在もそうだと思いますけれども、わずか二人しかいない、私はこれは異常な事態だと思うんですね。  そこで伺いたいんですが、七六年の三月二日に衆議院の社会労働委員会でわが党の寺前議員が質問をいたしました。  質問の趣旨は、公社の業務上災害の認定や補償の体制がまだ十分整備されていないという点を質問したわけです。その後、労働協約などもできたようですけれども、いま公社のこの点についての体制はどうなっておりますか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) お答えします。  いま先生の御指摘のとおり、数年前寺前先生から当国会におきましてこの非災害性疾病についての認定の手続等につきましていろいろ御指摘がございました。その主要な点を申し上げますと、一つは認定……

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 結論だけ言ってください。経過はいいですから。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) それぞれの件につきましては、私どもその後改善をいたしたつもりであります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いや、どうなっているの。あのね、認定権者がだれなのか等々ですね、この災害の認定の体制といいますか、これを端的にお答えいただきたいんです。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) お答えを申し上げます。  前回国会等で御質問等もございましたので、その後労働組合との間に業務災害補償に関します協約等も締結をいたしました。また、業務災害だけを取り扱います苦情処理手続の労働協約等も締結をいたしました。  お話が出ました認定の問題につきましては、事柄の性質上、従来どおり公社が認定をいたすことは変えておりませんけれども、公社の認定に不服がある者は、先ほど申しました業務災害補償のための専門の苦情処理機関等もつくりましたので、そこにかけることができる、かようなことにいたしておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 あなたのところは指定医ですね。公社が指定したお医者さんですね。これに申請者全員について鑑別診断を受けさしているというふうに聞いておりますけれども、そのとおりなのか。  それからもう一点、いまの苦情処理委員会ですね。これは公社側二名と労働組合側二名とで構成されていて、満場一致制になっているということを聞きましたが、この点そうなのか、端的にお答えいただきたい。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) お答えをいたします。  第一点の、専門医療機関の鑑別診断をお願いをするということは、私ども現在、先ほど申し上げました労働協約の附則の中で、全国三十三の契約大学病院等をお願をいたしまして、労使間で合意をいたしまして、そこの専門の先生の鑑別診断をお願いをするというたてまえをとっております。  それから、業務災害補償のための苦情処理の会議の構成でございますけれども、これは先生お話しのとおり公社側二名、組合側二名、さようなことでございます。  ただ、一般の苦情処理会議は全員一致というたてまえをとっておりますけれども、業務災害補償の苦情処理協約におきましては、全員一致というたてまえはとっておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、業務上の災害の問題については公社は加害者の立場だと思うんですね。ところがその公社が、まさにみずからの責任で引き起こした業務上の疾病について、これが業務上かそうでないのかを認定する人になっている、これは大変な問題だと思うんですね。  それから、いまお話しがあったように、申請した人は公社の指定したお医者さんに全員鑑別を受けさしている、これも大変な問題だと思う。  それから、その問題に不服のある者は苦情処理委員会に提訴することになるんでしょうが、これ、公社側二名、組合側二名、いずれにしても私は、そう言っちゃ失礼だけれども、病気のことについては余り専門の御知識のあられない方々、これが苦情の処理をやる、こういうことになっているようですね。  私は、先ほど公社自身の調査の中でもはっきり出ておりますように、体の異状を訴える人たち、特に非災害性の疾患ですよ、訴える人たちが現場の労働者に多い。特にその現場の労働者の中でも、巻き上げや包装という女子が働いているところでたくさんの人たちが訴えている。その数に比べてみて労災の申請者が異状に少ないし、特に業務上だと認定された人がわずか二人だと。これはいま言ったように加害者が認定をする、公社が指定したお医者さんに全員鑑別を受けさせる、こういうところに根本の原因があるんじゃないかと思うんですね。  まず、この指定医の鑑別診断、これを義務づけているという問題について伺っていきたいと思うんです。  福岡県の鳥栖工場で、一九七三年から七四年ごろから頸肩腕症候群を訴える者が続出しました。七五年の秋に組合の要請で久留米大学の医学部の環境衛生学教室の前田先生という方が、希望者は百十七名、この百十七名というのは、当時の鳥栖工場の女子流れ作業者二百六十七名の四四%を占めております。全員ハイライト、エコーなどの巻き上げや包装の職場で働いている人たちです。これについて検診をやった。  その後、さらに精密な検討を加えられて、日本産業衛生学会の機関誌「産業医学」の第十九巻第一号、昭和五十二年の一月号に論文を発表されております。「紙巻きタバコ製造工場の女子流れ作業者にみられた頸肩腕障害」、こういう題です。執筆者は前田勝義先生、平山八郎先生、高松誠先生、三人の方になっている。あなた方もこれごらんになっているでしょう。イエスかノーかでいいですよ。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 私どもの方では、この鳥栖工場におきまして、いま先生からお話のありましたような調査がございまして、この報告が出たことは聞いております。  その後、私どもの専売公社にもこの久留米大学から調査結果についての報告が文書でございました。  いま先生の御指摘のございました「産業医学」というこの冊子でございますが、この内容を調べました結果では、高松というこの久留米大学の教授でございますか、この方から送られてまいりました私どもへの参考資料とは、対象者数は同じでございますが、分類につきまして一部一致していないようなところがございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 あなた方のところにどういうものを送られたかぼくは知りませんがね。しかし、これは正式に専門の雑誌に発表されたものですから、私はこれを根拠にして幾つかの点を伺いたいと思う。  この中で、いろんな重要な問題が書かれているわけですが、特に一番最後の「要約」というところに、この百十七名の方の精密な診断の結果、日本産業衛生学会頸肩腕症候群委員会の病像分類、これは改訂案の方ですが、これに基づいて症度の分類をやっております。  これを見ますと、症度I度が十二名、II度が六十三名、III度が三十六名、IV度が六名、V度はゼロと、こういうことで、大体III度以上が病人だというふうに見てよろしいとこの本にも書いておられる。  それで、この前田先生がこの論文を書かれる前だと思います、集団検診をした直後に、組合の方にもう少しわかりやすい形で症度分類をやって報告をしておられるようです。組合の資料を見てみますと、このちょうど症度IV度、六名とさっき言いましたが、この六名についてだと思いますが、「重症期であり休業加療が必要」だというわかりやすい説明になっております。それからIII度、三十六名となっておりますが、この中に、恐らくうち九名は「悪化期にあり休業加療が必要」というふうに組合に言われた方が入っていると思う。十五名は「進行期にあり日常生活上不便苦痛が増してくる」というふうに組合の方に言われた方も入っておられると思う。いずれにしてもこれは非常に重大な問題だと思うんですね。百十七名の被検診者の中で、これ以上は病人だと言われた方の率が、これが一五・七%を占めている。これは非常に大きな数字だと私は思います。――失礼しました。ちょっと数字間違えました。一五・七%じゃないんですね。III度とIV度を加えてみると四十二名ですから、百十七名の受診者のうちの四十二名となると三五・九%、こういうことですね。ですから女子流れ作業者全員二百六十七名に対する四十二名の比率を見てみますと一五・七%という数字になる。この集団健診に希望してこなかった人もあるかもわかりません。来た人だけで見ても、現に巻き上げ、包装の職場で働いている婦人労働者の中の一五・七%が頸肩腕障害の病人だと、しかもそのうちの六名は非常に重いという診断になっているわけです。  それで、この表の9というのがありますが、これを見てみますとさらにびっくりすることがある。この有病率ですね。これの下限と見て差し支えないと思うんですが、ハイライト巻き上げ工場は従業員数が五十三名の中で、III度、IV度と見られた有病者は十一名だから比率は二〇・八%になります。エコーの巻き上げ工場職場、これは現在員九十名、そのうちの十一名が有病者だから、これは一二・二%という率になる。ハイライトの包装職場、七十二名のうち十七名が有病者だから二三・六%。これが最下限の有病率、こういうことになります。エコーの包装職場は五十二名中三名で五・八%、これはちょっと低い。ちょっと低いが、最低の有病率が二三・六%という職場もある。専門の先生が集団健診した結果そういうことになっている。そうしてこの論文によりますと、頸肩腕障害多発の事態と業務との関連性を四点にわたって指摘している。細かいことは言いませんけれども、そして次のように結論しております。  「以上のことから、この工場の頸肩腕障害の多発は、疫学的には、業務に起因するものと判断した。」、十九ページに明確にそう書かれている。  私ここにあなたの方からいただいた数字を表にしたものを持っております。この黒いのが鳥栖工場の現場で働いている職員の一人当たりの年間たばこ生産本数、これは昭和三十年から昭和四十四年ごろまでは多少のでこぼこはあるけれどもそうふえていない。ところが、さっき申しました第一次中期計画発表ごろから、たとえば昭和四十五年には一人当たり七百四十万本であったものが四十六年には一千百二十万本にはね上がり、そうして五十年には一千三百九十万本にさらにはね上がる、以前に比べて二倍近い一人当たりの生産高になっている。まさにこの一番ピークのころに。だから昭和四十八、九年ごろから頸肩腕障害を訴える者が多発しているんです。  こちらは浜松工場で、同じような傾向をたどっております。業務関連性は、まことに私はこれだけでも明確だと思うんです。  ところが、それにもかかわらず、さっきも言いましたように、せっかく災害の申請をしてもなかなか業務上の災害だと認定をされないと、こういう状況です。  伺いたいんですけれども、鳥栖工場で恐らくここで診断を受けた、病気だと言われた方々がほとんど含まれていると思いますけれども、公社に労災の認定の申請をやりました申請者数はどのくらいで、業務上の認定者数はどのくらいなのか、これわかりますか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 鳥栖工場におきましては、今日までの中で非災害性疾病につきまして業務上認定の申請をいたしました者が四十五名でございまして、その中で業務上の認定を受けました者が一名でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この申請をした人たち、鳥栖工場の工場長は全員指定医の鑑別を受けさしたと思うんですね。  それで伺いたいんですけれども、私ここに組合が発表した「罹病者の実態調査」という報告書を持っております。これには申請した人の名前と申請時の病名が全部書かれている。それにどういう体の調子かということも全部書かれている。一々名前を申し上げるわけにはいきませんけれども、この資料によりますと、ここの工場の申請者の中で、これは三十六名についての調査ですけれども、全員巻き上げ、包装職場、これにいま働いているか、かつて働いたことのある人ばっかりです。婦人ばっかりです。申請傷病名は頸肩腕障害二十一人、頸肩腕症候群九人、これは同じようなもんですな。それから頸肩腕症三人、頸椎骨軟骨症、これが二人、それから記入なし一人です。これは組合の資料に記入がなかった。  そういう病名でほとんど圧倒的な人たちが頸肩腕症候群もしくは頸肩腕障害ということで労災認定の申請をやっている。ところが公社の指定した鑑別医、これはこれらの人たちに対してどういう診断をやったのか、指定医の鑑別の結果ですね。これを病名別の人数で言ってください。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 私どもの方の資料によりますと、人員ではこの四十五名が業務上認定の申請を行っておるわけでございますが、ただ、件数としましては一人が二件というのがございまして、件数は四十六件になっております。  この内訳につきましては、まず一人の業務上、先ほどお話ししたとおりでございますが、そのほかの者につきまして異常のない者という者が十六名でございます。その他の者につきましては大変病名が多岐にわたっておりまして、一々ここで挙げるのも適切ではないかと思いますが、それぞれに何らかの病名がついているということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私が調査した数字によりますと、これは初めのころに申請した三十三名ですね。一人は業務上の認定を受けて左頸腕症候群という病名で業務上の認定を受けている。ほかの人はいまおっしゃった異常なし。これがまあ私の調査では十五名ですから、恐らく調査漏れもあるでしょうから、あなたのおっしゃった数字が正しいんでしょう。  それからうなじの部分ですね、項部痛――うなじの部分の痛いやつです、項部痛七名、変形性脊椎症三名、そのほかいろんな病名で各一名ずつ出ていますね。  これは私は驚くべきことだと思うんです。異常なしというふうに指定医から鑑別診断の結果を聞かされた人の中には、久留米大学医学部の専門のお医者さんが、先ほど申し上げた教室のお医者さんが症度IVだと、つまり重症期にあって休養が必要だという診断を受けた人も入っているということを言われている。何でこんなに違うのか。私はここに公社の指定医の鑑別というものが業務上の認定をしないための一つの道具として役立てられているんじゃないかという疑いを抱かざるを得ない根拠があると思うんですね。  それで伺いたいんですけれども、公社は一体労災の申請者をなぜ全部公社の指定した医者に鑑別診断をさせるんですか。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) いわゆる非災害性の疾病、疾患、特にお話が先ほど来出ております頸肩腕症候群あるいは腰痛、そういった病気につきましては、発生原因につきましてもお医者さんの間にいろいろな御意見があるようでございます。また、こういった病気は本人の自覚と申しますか、自訴――自分から訴えるということと、それから多角的治験と申しますか、周りから見た状態、そういったものがなかなかはっきりいたしません。そういうことで、私どもといたしましては業務上外の認定を慎重にまた公正に行いますために、特に全国を十一ブロックに分けまして、三十三の――大学病院が主でございますけれども、そういった権威のある医療機関に鑑別診断をお願いをいたしまして、その診断と、また、本人たちが働いております作業、実態、職場の実態といったものを十分参考にしながら業務上外の認定をいたしておる、こういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 業務上外の認定がなかなかむずかしいというのはほかの病気でも同じことですよ。何で公社だけが、申請する人はみんなそれぞれ主治医もしくは専門医の診断を得て、さっき言ったように診断書を添えて病名もはっきり言って、そうして申請をしている。何で公社だけがその全員を自分の指定したお医者さんにもう一回鑑別させるのか。こんなことは普通民間の場合やられてないですよ。指定医の鑑別診断を事実上強制している、そういうことになるんじゃないですか。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) 私ども専売公社におきまして、公社として最終的には業務上外の認定をする、あるいはそのプロセスに専門の医療機関の鑑別診断をお願いをしておるということは、民間の場合とはちょっと事情を異にするかと存じます。  と申しますのは、民間の場合はいわゆる労災補償保険法ということで国がその一般的な業務災害の補償をいたします。三公社、私どもだけじゃなしに、ほかの二公社も同様だと存じますが、三公社の職員、労働者はいまの労災補償保険法の適用外になっております。したがいまして、私どものところではたてまえ上私どものところでこの業務上外の認定をいたしませんとその区別がつかない、弁別がつかないということでございまして、ちょっと民間の場合とは、労災保険でやっております民間の場合とはちょっと事情が異なるかと存じます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そんなの何の説明にもならぬじゃないですか。大体、加害者である公社が認定権者で、幾らでもまずいと思えば業務外だと言うことができるんだ、そういう権限持っている。しかも、それに加えて、患者さんがいつもかかっている主治医、あるいは専門医の診断を経て申請をしているのに、それが全員公社の指定したお医者さんで鑑別診断をさせなきゃならぬ、強制している。公社のあの協約の二十九条に、その「必要があると認めるときは」「公社の医師または公社の指定する医師の鑑別診断を行なうことができるものとする。」と、こうなっていますね。いかにも必要があるときだけだという印象に見えるんですよ。ところが三十条を見ますとね、これには罰則がついている。「公社は、職員またはその遺族が正当な理由がなくて前条に規定する報告もしくは文書その他の物件を提出せず、または鑑別診断に応じない場合には、次の措置を行なうことができるものとする。」として、「(1)補償の実施にかかわる認定を留保する。(2)第十四条に定める休業補償の額を減ずる。ただし、その給付額は基準法第七十六条に基づき算出した額を下らないものとする。」、罰則までつけて公社の指定した指定医に鑑別を強制している。  労働省に伺いたいんですがね、民間の場合、大体労災の認定、これは労働基準監督署に出されるわけだと思うんですが、その場合に、主治医もしくは専門医の診断、これで大体認定するんじゃないでしょうか。そして特別に判断困難だという特殊な場合に、局医あるいは指定した医師に鑑別を求めるということが普通になっているんじゃないですか、どうですか。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 労働省で所管をしております労災保険におきましては、申請者が主治医の診断に基づいて申請をいたしてまいりましたものにつきまして、必要なものにつきましては受診命令等によってさらに専門の先生の診断をしてもらう場合もございますし、それから同時に、私ども細部の認定基準というものをつくっておりまして、作業の実態が医学的な治験から頸肩腕症候群障害を発生しやすい作業、そういうものにつきまして詳しく地方の監督機関に通達をいたしておるところでございまして、その通達に従いまして作業の実態等を私どもの関係の職員が調べる等によりまして、またあるいは主治医等から提出された細かいデータをもとにいたしまして、判定しやすいものにつきましては受診命令等の措置を講じないで認定している事例もございますが、中には鑑別診断を労働者の同意を得て行う場合もございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 だからその点ね、公社の場合はまるきり違うんですよ。申請者全員を罰則をもって指定医の鑑別を受けさせる。こんなことやれば指定医のさじかげん一つでしょう。さっきの例で言えば、専門の環境衛生学教室の専門の先生方が精密な診断をやって、有病者四十何名ということまで診断をして、これは業務上に起因するんだということまでやっている。ほとんど、それらの人たちが労災の認定を申請したら鑑別医のところに全部持っていって、その鑑別の結果、一人を除いては全員業務外だと、まるっきり違った病名をくっつけて全部削り落としてしまった。こんなばかなことありますか。  労働省に伺うんですが、労働者には医師選択の自由というのがあると思うんです。これは労働者に認められた基本的な権利だと思う。その立場から、公社の指定した指定医に全員鑑別診断を受けなきゃいかぬということを強制している、罰則をもって、こういうこと正しいでしょうか、どうですか。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 職業病の認定に関係しまして医師を労働者が自由に選択できるということは、当初の診断を受ける段階においては当然守られなければならないことだと私ども考えております。  しかしながら、専売公社のように労働基準法の規定に基づいて実施する機関におきましては、使用者の側で第一次の補償の認定といいましょうか、職業病か否かの認定をいたす形になっておりますので、その使用者の段階で鑑別医の診断を受けてくる必要があると、こういう取り決めをすることもこれ差し支えがないという見解を私ども持っております。特に専売公社の場合は、労働協約によりまして労使間でそういう鑑別医の診断を受けるというたてまえが合意されておりますし、さらにその具体的な鑑別医の選定につきましても、協議を労使の間で行っておるという形で運用されていると聞き及んでおりますが、そういうようなことで実施している方式は、これは妥当なものだと私ども考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは労働省、ちょっとおかしいんじゃないですか。労働安全衛生法の六十六条ですね。これはまあ健康診断についての条項ですが、それの第五項にはっきり労働者の医師選択の自由ということが原則的にうたわれておると思うんですね。これは民間で働く労働者であろうと、あるいは専売公社などの公社で働く労働者であろうと、これは奪うことのできない基本的な権利だと思うんですね。  しかも、この間一月に、下川さんという新日本製鉄化学で働いている労働者の労災申請について、会社側の方が、これが会社の指定する医者に診断を受けろということを強制したことが一つの争いの原因になって、そうして福岡地裁の小倉支部で五十四年一月二十九日に判決が下りている。ここでは就業規則のことではありますけれども、「被告の主張する欠勤の特例を認めた就業規則の規定は、同規定による特例の扱いを受けるための要件を定めているにすぎず、会社所属の医師又は会社指定の医師の診察を受けたり、療養を受けたりすることを従業員に義務づけているとは到底解することができず、原告が会社の指示する病院での受診を拒み、他の医師につき療養を行ったからといって右就業規則の規定に反しているということはできないし、療養補償や休業補償に関する右労働協約の規定も、組合員が右各補償を受けるための要件を定めているにすぎず、これに一定の義務を課すものではない」という判決が出て、企業者側もこれに従った。この判決は私、非常に重要だと思うのですね。  やはり労働省もこういう判決が出ているという点を十分に考慮して、公社が申請者全員について公社指定の医者の鑑別を受けることを罰則をもって強要している、この点については医師選択の自由という見地からもっと検討すべきじゃないですか。私は著しくこの医師選択の自由は公社の場合に奪われている、踏みにじられていると見ざるを得ない。  そうしてこの結果どういうことが起こっているか。先ほど鳥栖工場の例を申しました。業務上認定者たった一人、あと全部業務外という鑑別診断の結果が出ている。それに基づいて公社も全部業務外だと言って一人を除いては認定を下した。ひどいことをやっている。  それだけじゃないんですよ。浜松工場に松本澄美子さんという方がおられる。この方は昭和四十四年に頸肩腕障害の診断を主治医から受けて、公社にその労災認定の申し入れをした。ところが公社は、いやそういう制度がないということを理由として一向に認定業務に取りかからない。公社にそういう制度ができてから主治医の診断で、正式にと言っていいのか、改めて認定の申請を出した。  ところが公社は、指定医の鑑別を受けろと、あるいは組合を通してこいというような口実をつけて一向に認定業務に取りかかろうとしない。松本さんはこれに耐えかねて、そうして基準法の八十五条、これで浜松の労働基準監督署に申請をした。そうして、基準監督署で業務上の認定がおりて一その前に公社はそういう事態を前にして業務外の認定を下した。ところが、監督署の方が業務上の認定を下したために、その後で業務上だという認定を改めてし直した。その間何年かかったか、実に六年ですよ。この間の本人の苦しみ、詳しくは言いませんが、十分に考えてみる必要があると思う。  指定医の鑑別を受けなければ認定をおくらす、そういうことがこの労働協約に書かれて、その最大の犠牲者になっている。こんな罰則つきの、しかも全員指定医の鑑別受けることを強制するというような制度が間違っていることは明らかじゃないですか。どうですか。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 職業性疾病の問題、特に頸髄障害あるいは腰痛等非災害性のものの認定等につきましては、大変医学的にも困難な問題がございますし、それから、疾病の内容と関連しまして、本人の素因と申しましょうか、あるいは既存疾病と申しましょうか、ほかの疾病との関係の鑑別が大変重要な場合がございます。そういう関係から、認定をする関係で鑑別医の診断を得るということは、一つの方法として当然予定されていい制度ではなかろうかと私ども思っております。しかも労使の間で合意が得られた形でやられておりますので、そういう手続に従って鑑別を受けて申請に対する決定をしてもらうと、こういう手続に労働者の側も従っていただくような態度が望ましいのではないかと私ども思っております。  特に身体の問題でございますので、一人の先生の判断だけではなくて、他の先生の判断も仰ぐということは決して本人にとってマイナスになることではないと私ども考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 鑑別医が全然要らないんだ、やめろと言っているんじゃないんです。鑑別医も場合によっては必要でしょう、指定医の鑑別も。しかし、基本は労働者の医師選択の自由に基づいてかかりつけのお医者さん、専門医、これの診断で当然認定業務をやるべきじゃないかと。特別に問題があって判断が困難だというときにそれは指定医の鑑別を受けるということはふだん行われているし、私もそれまでは否定するわけじゃないんですよ。いまのこの労働協約では全員指定医の鑑別を受けることを義務づけているんです。いいですか。受けなければ罰則でもってやると。罰則つきですよ。そんな労働協約ありますか。労働協約でもこれは労働基準法に従わなきゃならぬ。労働基準法に違反する労働協約などというものはこれは無効であるはずです。  さっきも申しましたけれども労働安全衛生法、これには医師選択の自由がはっきりと認められている。そしてこの労働安全衛生法というのは、これは労働基準法、昔その部分であったのを独立立法に変えたにすぎない。労働基準法と並んで労働者擁護の基本的な法律と見て差し支えないと思うんです。その法律が認めている医師選択の自由、これを真っ向から踏みにじっているこの協約、これは間違っているんじゃないですか。労働省としてこれ改めるというように公社に申し入れるべきだと思うがどうですか。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 先生御指摘の労働安全衛生法の健康診断に関する規定での医師選択の自由と申しましょうか、使用者の指定する検診機関について検診を受けることを希望しない労働者が他の医師の検診を受けて、それを提出すればよろしいという形で、いわば医師の選択の余地を認めた規定が確かにございますが、これは健康診断の実施に関しての規定でございまして、補償の実施に関してまで規定されている規定とは解釈の余地もないように私ども考えます。そんな関係から、専売公社の労働協約が直ちに労働基準法なりあるいは安全衛生法による規定に違反して鑑別医の制度が無効であるということは言えないように思います。しかし、補償の実施に関して専売当局及び労使の間でなお検討を加えていただくことがあるいは望ましいことかとも思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 専売公社総裁どうですか。労働組合に対してこの二十九条、三十条でしたかな、これをもっと労働者の医師選択の自由を尊重するという見地から協約の再検討を、これを申し入れる用意ありますか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 先ほど来からたびたびお話が出てまいりまして、多少重複するところがございますが、私どもとしましては業務上認定を行います場合には、一つは医師の所見、一つは本人が従事いたします業務の内容の調査ということを参考にいたしまして、労働省の認定基準に基づきまして業務上外の認定を行っておるところでございます。  この医師の所見につきましては、いわゆる非災害性疾病というものは大変いろいろの症状なり、発生要因についての見方があるわけでございまして、そういう中で私どもとしましては災害補償の公正な運用ということを図る立場から、鑑別診断ということを労働組合とも協定の上実施をいたしておるところでございます。  なお、労働協約の第二十九条、第三十条についての御指摘がございましたが、第二十九条で、必要によって鑑別診断を受けない場合、このときには三十条の規定が適用がございますが、この場合は条文では、正当な理由がなくてこういうような鑑別診断に応じない場合ということになっておりますが、この措置としましては一つは認定の留保というのがございます。これは先ほどお話ししましたように、公正な運用を図るという意味で鑑別診断を必要としておるわけですが、この鑑別診断がない場合にはなかなか認定ができないというようなことで、認定を留保せざるを得ないということでおります。  第二点には「休業補償の額を減ずる。」という規定がございますが、「ただし、その給付額は基準法第七十六条に基づき算出した額を下らないものとする。」ということで、基準法で保障している範囲のものは補償を行うというような措置をとっておるわけでございまして、私どもとしましては現行協約によって適切な運用を今後も図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 鳥栖工場の労働者が専門医から頸肩腕障害だという診断を受け、また自分たち自身も非常に苦しんでいるんですよ、体が悪くてね。ところがみんな業務外だとされたと、一人だけ業務上になったと、どうしたらいいかと、心の中でみんな泣いているし、怒っているんです。  総裁、どうですか。鳥栖の工場の人たちが自分の主治医――もう指定医の鑑別というのは信用はできないんだから、自分の主治医や専門医の診断で改めて労災認定の申請をしたときに、指定医に全部鑑別させるというようなことをしないで認定業務に入るべきだと思いますがどうですか、その意図ありますか。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 先ほど来から御質疑について応答がございましたように、私どもは専売公社の労働組合である全専売労組との間におきまして協約を結んで、非災害性疾病の場合にはこういう手続で認定を行い、その結果補償を実施するという約束をいたしておるところでございます。いまのところ労働組合の方からその協約の改定についての申し出もございませんし、現在のところ労使の間ではきわめて円滑に業務災害補償に関する業務が行われておるところでございますので、せっかくの先生のお話ではございますけれども、やはり私どもとしては協約に定めているとおりの手続によって労使が話し合って決めたことでございますので、それを守っていくのが正しいやり方である、このように考えておる次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 総裁、違った答弁なんですが、せっかくそういう答弁があったんで改めて言いますよ。  良識のある労働組合、労働者の側に立つ労働組合であれば、いずれこういう協約について改定をあなた方に申し入れてくるだろうと思うんです。しかしそれを待たずとも、いまここで議論を聞いてておわかりだろうと思う。指定医に全部鑑別さしてそこでふるい落とすと、ひどいことをやっているんだ。一生懸命に働いて、その仕事のために体はがったがたになっているんだ。そいつをそういうひどいやり方で業務外に認定をして、鳥栖工場なんて間もなく福岡工場と統合するといううわさだ。そうして、ここで新鋭機械を入れて二交代制をやろうとする。いま業務上で認定したらその際首が切れない、だからいまのところ業務外にしておいて自動的にやめざるを得ないような方向に仕向けるというのがあなた方の意図なんだ。――あなたはいま首を振っているけれども、もしそうでなければ労働組合に対して協約の改定を公社の方から申し入れるべきだと思う、それが一点。  もう一点は、鳥栖の工場の人たちが主治医や専門医の診断で、つまり公社の指定医以外の信用のできるお医者さんの診断で労災の認定を申請したら、鑑別医を通さずにすぐに認定業務に入るべきだと思うがどうかということを伺っているんだ。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 先ほどお答えいたしましたように、この協約につきまして私の方から改定を申し入れるつもりはございません。  なお、鳥栖工場の職員から災害補償の認定の請求がありましても、やはりこの協約に定めるところによって公社の指定した医師の鑑別診断を経ないで補償をするというつもりもございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 労働省の方はどうです、基準法八十五条に基づいて、鳥栖工場の労働者で、公社から業務外という認定を受けた人たちが、自分の主治医、専門医、この診断によって認定の申請をしたらこれは受理して速やかに審査し、認定をしますか。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 専売公社の災害補償につきましては、先ほどお話がございましたように労災保険の適用が外されておりまして、労働基準法の規定によって使用者責任としての補償を、使用者でありますところの専売公社において実施する仕組みになっておるわけでございます。  したがいまして、その第一次的な判断はすべて専売公社の機関において行うことになっておるわけでございまして、ただその第一次的な業務上外の判断につきまして異議がある労働者、不服がある労働者等は労働基準法八十五条の規定に基づきまして労働基準監督署長に対して不服の審査の申し立てをすることができることになっております。また、その監督署長の決定に不服がございますときには、さらに審査官の審査を受ける制度ができております。  そのほか、その決定にもさらに不服がある場合には裁判によって決定をしてもらうという制度、仕組みに法律上なっておるわけでございます。それらの不服の機構によりまして適正な判断が行われる形になろうかと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 不服のある人が申請をしたら、受理して速やかに認定業務に入りますかと聞いているんです。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 専売公社の第一次の認定が業務外と決定したような人に関しまして、その方が不服で労働基準法八十五条の規定による審査申し立てを行いました場合には、監督署はその申請を受理をいたしまして、速やかに公正な審理を行うたてまえをとっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは次に、専売公社の浜松工場の松本澄美子さんという方の職場復帰の問題について伺いたいと思うんです。  この方は頸肩腕障害、疲労性背腰痛で公社から全国最初に業務上の認定を受けた方であります。公社が頸肩腕障害で認定をした方が鳥栖工場にも一人おる、その二人の中の一人なんです。  この方は五十一年の十二月二日に公社から業務上と認定を受けたんですが、非常に重い障害のために休業中であった。しかし職場復帰を希望して、五十三年の三月十日に静岡労災病院で鑑別診断を受けた。それからさらに八月の十五日にも労災病院、これは公社の指定病院ですね、労災病院でやはり鑑別診断を受けた。これは職場復帰ができるかどうかという症状把握のためですね。重ねて八月二十八日に診断を受けたところが、労災病院から一カ月後に復職可能だという診断が下った。  ところが、本人は自分のことですから体の状態はよく知っている。一カ月後に通常勤務に服するなどという自信はとうていないんだ。かかりつけのお医者さんに相談しても、その点は本人の意見と同じだったわけですね。  そこで十月の二十五日に主治医に診ていただいて、職場復帰は可能だけれども相当期間のリハビリ勤務を要すると、さしあたって一日二時間程度の仕事をして、そうして段階的に仕事に慣れるようにした方がいいという診断をいただいた。それでその主治医の診断書を添えて職場復帰をしたいと公社に、浜松工場に申し入れたんだ。  ところが浜松工場でどういう態度をとったかといいますと、一日二時間の仕事をしながら段階的に職場に復帰していくという制度がないんだと、こう言うんです。だからそういう復帰は受け入れられないといって復帰させないんです。――いいですか、本人は復帰したいと行っているのに、制度がないからといって復帰させない。そうして何と言うかと思うと、労働協約でいわゆる勤務軽減措置、普通そう言われております勤務軽減措置がある。これでやれと言っている。この事実知っておりますか。イエスかノーかで言ってください、時間が余りないから。知っているか知ってないか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 松本澄美子さんから、いろいろな条件はございますけれども、二時間程度の職場復帰ということについての申し出があったことは事実でございます。公社としましては所定勤務時間の全時間について正常な労務が提供されるということを予定をいたして職員を採用しておりまして、また、公社の業務は流れ作業のようなものでございまして、こういった作業の性格からも特にこういったことが要請されるわけでございますが、ただ、この頸肩腕なり腰痛といった疾病の特異性にかんがみまして、私の方では労働組合との協議を経まして四時間程度、いわゆる半日出の勤務というものを認めまして、職場復帰というものをやりやすくするような軽減措置を昭和五十三年の一月一日からとっておるわけでございます。  浜松工場では、松本澄美子さん御本人に対しまして、この制度の適用を受けられて職場復帰をしたらいかがかというようなことをいろいろ説明をいたしましたけれども、松本澄美子さんは、いまの制度では職場復帰ができないというようなことで応じていただけないというふうに聞いておりますが、公社としましては、御本人がこの制度を利用いたしまして職場復帰ができますよう療養されまして、健康を回復されることを望んでおる次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 よくもそんなしらじらしいことを言えたものだと思うのですね。松本さんが、それは困ると言っているのは当然のことなんですよ。いまあなたのおっしゃったいわゆる勤務軽減措置なるもの、私も読んでみました。そうしましたら、この措置は頸肩腕障害などの病気で引き続き百八十日以上休養した者に適用される。そうして、一日四時間の勤務、これを六十日以内続けて――これもしやったら、午前の場合ですと八時五分から十二時まで連続して仕事をしなきゃならぬ、その間休憩時間わずか十分ぐらいということになる、そういう仕事ぶりなんです。それ六十日間続けることができる。それが済んだら今度通常勤務に服すことになっている、そういう制度だ。主治医は重い頸肩腕障害、四時間では無理だからさしあたり二時間程度の就労をして、段階的にだんだん職場になれ、体もその中で訓練をして治していったらいいという診断をしているのに、あなた方は四時間、三十日、それで次には通常勤務に服せよ、こういう制度でなければ復職させないのだと、こう言っている。とんでもないことですよ。現にそういう制度で職場に復帰した山崎さんという方が、ところが、その制度では余りきつ過ぎるということで、やっているうちに病状が悪化した。とうとう休職する。そうしてそのうちに――これは後から事情は申しますけれども、公社のいやがらせなどもあってとうとう退職をせざるを得ないということになった。業務上の災害だと公社も認めた人ですよ。あなた方の責任で病人にしたんだ。その責任を感ずるどころか、復職したいといって申し出ている人間を、きつい仕事をさせるようにしていやなら復職するな、これじゃ業務上の認定を受けたメリット何にもなくなるんですよ。復職できないのだ。こういう病気の人たちは職場になれ、職場でわずかずつでも体を訓練することがまた治療の一つの道でもある。  それで伺いたいんですけれども、総裁どうですか、これ至急改める必要がある。主治医や本人の体の条件や希望、これに基づいて職場復帰、これができるような措置をすぐに講ずるべきだと思いますがどうですか。いや総裁に聞いているんです。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 先ほど職員部長からお答えいたしましたように、私どもが職員を採用するときには、通常の状態において勤務することを前提として採用しておるわけでございます。それをまあ先生がおっしゃるように松本澄美子さんにつきましては、確かに業務上の理由で非災害性疾患の認定を受けたわけでございますけれども、今度職場に復帰するというときに、われわれの労使の間で考えました一日まるまるでなしに、半日だけ勤務して残りの半日は休んで、そうして体の回復を図っていくということに対して、それさえできない、二時間しかできないという状態を言われるならば、それはまず、まだ職場復帰するには無理な体ではないか、四時間ぐらい働けるような体になって初めて職場復帰していただいて、そしてだんだん体をならしていただいて一日勤務していただくというような形に持っていくのが本筋ではなかろうかと思うのでございまして、二時間しか勤務できないということであれば、まだ職場復帰するには御無理な状態ではないかと、このように考える次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 総裁、あなたね、労働関係の法律もう少し私は勉強して労働者保護の見地に立って物を考えてほしいと思うんですよ。  私、労働省に伺うんですが、労働安全衛生法には労働者の健康管理義務というのがうたわれていると思うのですね。主治医も病人も四時間じゃ無理だと言っている。二時間から始めて段階的にと言っている。それを無理やり四時間やれ、やらなきゃ復職させないというのは一体正しい態度なのか。特に四十八年の十一月五日に基発第五九三号という通達出ていますね。この中に「療養期間中の計画的就労」という項でいろいろ書かれておりますけれども、私はこれは主治医の指示に基づき患者の実情に適合した方法で就労させるように指導せよということだと思いますけれども、その点どうですか。この二点。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 労働安全衛生法で、事業主に労働者の安全及び衛生を確保する義務が規定されております。その規定に従って職場の中の安全衛生を確保するとともに、あるいは罹災した労働者が職場に復帰する際にも適切な措置をとっていただく等の措置が望ましいわけでございますが、具体的な法律に基づくところの規定はそれらについて現在のところ規定されておりません。いわば訓示的な規定になっておるかと思います。  第二点の四十八年の通達につきましてでございますが、これは私ども頸肩腕症候群あるいはむち打ち症等の疾病につきまして、社会復帰が、職場復帰がなかなか困難であるというようなところから、この通達を地方の機関に出して具体的な被災者の職場復帰を促進するように、こういうようなことで通達を出したわけでございます。  この通達は指導通達でございまして、主治医の指示に従いましてできるだけ段階的に、しかも職場に慣れてくるような方途を講じながら労働者の職場復帰を促進するようにと、こういう趣旨から通達されたものでございます。御指摘のように、その主たる指示内容は、主治医の指示するところに根拠を置いている規定に、通達になっております。しかしながら、この通達は各職場全体に共通するといいましょうか、一般的な形での通達として出しておりますので、職場の実情等によりまして労使でどういう形で受け入れるか、あるいは使用者の労務管理の体制、あるいは労働者の意向、被災労働者の復帰に関する意向、そういうものとの関係で十分な調整がなされて実現するのが一般の例でございまして、画一的な形で全国どこの企業もすべて同じように段階をとって就労さしているということではございません。それらの企業の実情によってできる範囲内でやっていただいている、こういうのが実情でございます。  専売公社のただいまのお話の場合には、主治医の指示といいましょうか、判断が一日二時間の就労に適すという形でのお話だということでございますが、先ほども当局からお話がございましたように、四時間ぐらい就労できる段階になったら就労するという体制をとろう、こういう形で専売公社の方でその復帰の方途を考えておられるようですが、それも一つの方法であろうかと思いますが、なお、症状なりあるいは主治医の判断なりあるいは企業の都合なり、そういうものによって適切な判断がそれぞれの現場で行われることが望ましいかと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 病人というものは健康状態それぞれ違うわけですよ。職場復帰可能だといっても、さしあたり二時間から始めて、そうしてだんだん段階的に、あなた方の言う四時間ですね、あるいはそれ以上にやることが最も適切だという病状の人もあれば、一遍に四時間から始めることのできる人もあるいはいるかもわからない。それはかかりつけの医者、専門医、これの判断が非常に大事だと思う。  それを、労働協約で一日四時間、これから始めるんだと、六十日間やってそうして後は通常勤務に服させるんだと。これ画一的にそんなことをやられたら病人はとてもたまらぬですよ、これは。これは労働協約があっても私は公社の業務命令でもできると思う。あるいは労働組合にも相談すれば、恐らく労働者の立場に立つ労働組合であれば二時間からの段階的な就労、これは労働省の通達にもはっきりそういう措置がうたわれているわけだから、その点は了解できるだろうと思う。  総裁、重ねて聞きます。何十年もあなたのところで働いて、その仕事のために大変体を悪くして、しかも復帰したいという熱望を持ってそうしていま復帰の申請をしている。その人に対して、四時間働けるまではだめだと、これじゃ治りようがないんですよ。体の治療のためにこそ段階的就労という措置もあるんです。この病気はそういう性質を持っている。そのくらいのこと総裁どうですか、できませんか。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) 委員長。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いや、総裁にお答えいただきたい。最高責任者にお答えいただきたい。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) まず、私どもの工場の実態を申し上げますと、ほとんどが機械作業で、しかもそれに組作業で従事をしておるわけでございます。事務作業のように一人一人が自分の分担の仕事を持って自分の仕事として処理をするというわけにはまいりません。したがいまして、この半日の制度を設けます前にもいろいろな議論あったわけでございますけれども、一般的なこういう病気に対する職場復帰を速やかに行おうということでこういう協約をつくったわけでございます。  私どもの協約は、一つ違いますのは、業務上のものだけではございませんで、こういった病気にかかりました場合は業務外の方でもこの協約の適用を受けるということになっております。その点が一つ違うかと思います。  それから、四時間という点につきましては、先生いろいろお話ございましたけれども、私どもの職場の実態が機械作業で、流れ作業で、しかも大半の者が、特に女子の場合は組作業で従事しております者がほとんどでございますので、一人二時間だけというわけにはちょっとまいりません。半日にいたしましても作業編成をまた半日やりかえるということが要るわけでございますけれども、それはこういった病気の特質にかんがみましてそういうこともやむを得ないんだということでやっておりますので、二時間ということは私どもの作業の実態からいたしますとどうもなじみませんので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 総裁、重ねて伺います。いいですか、あなたのところで働いて病気になった労働者のことですよ。なるほどいまおっしゃれば組作業だと、そのとおりでしょう。しかしまた同時に、何百人も働いている工場です。一人の労働者の職場復帰訓練のための作業のやりくりぐらいはつかないはずがないです。あなたの責任でそのくらいのことはやってくださいよ。どうですか。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 先ほど来いろいろお話がございますけれども、ただいま石井が申し上げましたように、私どもの仕事の実態からいたしまして、一人一人が別々に自分だけの仕事をやっているというときならそれはいろいろ考える余地もないではございませんけれども、特に女子の作業員の場合におきましては、組をつくってチームで働いておりますので、組をつくったうち一人は二時間しか働かない、あとは残りの人でやれというような組織にはなかなかやりかねますので、いろいろお言葉ではございますけれども、私どもとしてはまず御当人が療養に専念されまして、早く四時間でも勤務できるまでの体の状況になっていただきたい。それを念願してやみません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 公社がどれほど冷血かということがよくわかります、本当に。  労働省、この実情をよく調べて、ひとつ適切な申し入れを公社の方にしていただけませんか。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 専売公社の頸腕等に関しましての患者の職場復帰に関しましてお話しでございますが、ただいまこちらでお話をお伺いしておったところで承知しているような次第でございます。  なお、公社の当局の方とその実情等について後日詳しく御連絡をさしていただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう一人、この職場復帰の問題で貴志三保子さんという方の問題について伺いたいと思うのです。  この方は、主治医の診断がありまして、五十二年の十月九日に職場復帰の申請をした、やはり段階的就労の。ところが、公社の方は松本さんと同様の理由でこれを拒否した。このために私病扱いで休職せざるを得ない。体が悪いですからね。しかも、この公社の勤務軽減措置によりますと、四時間、六十日以内働いて、その後通常勤務に復さなきゃならぬということになっているのだが、これに耐えられない者は休職扱いになるのですね。そうして休職扱いになった場合には、前の休職期間にそれが通算される。せっかく復帰しても、そして働いても中断されない、通算されてしまう。しかも半日勤務だから残りの半日も休職扱いになる。こういうことに制度がなっている。このためにこの貴志さんという方は松本さんと違って労災に認定を申請したけれども、これは業務外という認定を受けた。そのために全部私病扱い。私病扱いになると、公社の規定では一年半以上休業すると賃金と手当ては六〇%に切り下げられる。二年半以上休業すると無給になる。そうして三年休業すると解雇。こういうことになっている。まさに貴志さんは就業したいんだと言って要請しているのにもかかわらず、だめだといって断られて、そのためにとうとう昨年の暮れですか、十月の五日ですけれども解雇を通告された。三年休業したということでね。これは余りにひどいと思う。いま公社側の態度は実に頑強な態度を私に対する答弁の中で示しているわけです。結局のところ自分のところでこき使って病気にした人間、これを事実上三年間の休職に追い込んで、そうして規定に基づいて解雇をするということをねらったものとしか考えられない。総裁どうですか。こういう人たちを救済しなきゃならぬと思うのですね。松本さんを含めて。  特に貴志さんは、いま退職扱いだということになっているけれども、本人はいやこれは公社の責任で、私就労したいのにさしてもらえなかったのだからこの退職扱いを受けるわけにいかぬ。あくまでも就労したい。こういうことを希望している。本人は就労の意思がある。公社のこういう勤務軽減措置、これに従わなければ就労させないぞという態度からこういうことが生まれている。この点を考えてこの退職扱いは取り消しにして、主治医の診断に基づき、また本人の希望に基づいて直ちに職場復帰措置を講ずべきだと思うがどうですか。これはもうとにかく総裁、あなたの判断聞きたいです。

泉美之松日本専売公社総裁

○説明員(泉美之松君) 個別の事件を持ち出されますと、私も総裁でございますから専売公社の業務の全体について見ておるつもりでございますけれども、そう細かい問題についてまで私のところには上がってまいりませんので、いま急にお話を承っても、私に的確にお答えできるかどうか大変問題でございます。ただ私の常識からいたしますれば公社が病気にしたと、こうおっしゃいますけれども、貴志三保子さんの場合には業務上であるという認定がされなかったのでありまして、もしその認定に不服でございますれば、先ほどもお話がありましたように、労働基準監督署に救済の申請をすることができるのでありますが、それをしないでおいて、休職になって休職期間が満了になったから退職になる、これは当然の成り行きでございまして、自分のところにかつて働いておったから休職期間が満了したけれども解雇はしないんだというふうにはなかなかまいりかねるのでありまして、大ぜいの人を管理いたしておりますので、やはり規定の定めるところに従ってやっていきませんと、ある人は救い、ある人は救わないというわけにはまいりません。やはり規定をきちんと守っていくのが結局労働者全体のためになるのではないか、このように考える次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 とにかく私は驚くべきことだと思うんですね、本当に。職場の労働者のことも総裁少しは目を配ってほしいと思うんですね。  もう一点聞きます。松本澄美子さんは、これは業務上災害と認定をされてからもう二年半もたっている。ところが、この間、法に基づいて当然支払われなければならない療養費補助がまだ本人の手に渡っていない。なぜ渡ってないんですか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 松本澄美子さんにつきましては、業務上認定をして以後に御本人からの療養補償の請求がございまして、この請求に基づきまして浜松工場長は補償額を算定をいたしまして本人に通知をいたしまして、支払いの手続をとったわけでございますが、松本澄美子さんは補償の内容に同意できないというようなことで受け取りを拒否をされたということでございます。  そこで、浜松工場長はやむを得ず法務局の浜松支局に補償額を供託をしておるわけでございますが、本人は逐次、法務局浜松支局から内金というような条件で受領をしておられるということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 あなた方は、内金としても払わないで供託しているのじゃないですか、どうですか。その供託、内金としても本人に渡さないで、全額供託しているのじゃないかと聞いているの。その供託した金額、いままで幾らになっているか、合計。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 私どもとしましては、受領をいたしていただけませんので、補償額を供託をしております。ただ御本人は、その供託をしております法務局の浜松支局から御本人の方で内金という条件をつけて受け取られておるということでございます。それで五十四年の三月の末までの松本澄美子さんの請求金額は約百六十八万円でございます。このうち浜松工場の方で支払いの手続をとりましたもの、支払いをいたしましたものは約百二十一万円でございまして、その差額が約四十七万円ということになっておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 松本さんとの間で問題になっている点は、私が手に入れた資料によりますと、公社は松本さんが出してきた療養費の請求額、これを査定をして、特に新幹線の料金、それから私鉄の特急料金、これは認めないということなんですね。そうでしょう。そうして、公社の査定額を総額として受取書を書けということを言っている。松本さんの方は、病状もあるし、新幹線へ乗ってくるのは当然のことだし、また法のたてまえからいってもこれは全額払ってもらいたい、だからこれは総額という受取書は出すわけにいかない、ここが争点だろうと思うんですね。この係争点、これはおくとして、本人が内金なら受け取ると言うんだから、内金として払って、受取書もそういう受取書をあなた方も受け取るということをやったらどうですか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 療養補償の範囲の決定につきましては、私ども労働協約におきまして労働基準法施行規則の第三十六条に準処するということになっておりまして、細部の運用につきましては労働者災害補償保険法の運用というものを準用いたしておるわけでございます。浜松工場長は、これによりまして補償額を算定いたしまして支払い手続をとったものでございますが、この内容について対立をいたしておりますものを、これは金額の中でいま先生の御指摘のございました新幹線代、私どもの方では急行料金は支払うことになっておりますが、この新幹線代との差額が一番大きな金額になっておりまして、こういった点で私どもとしましては労災の運用というものに従って補償をいたしておるというところで、なかなかこの辺の同意が得られないということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 だから松本さんが合意、同意しないという点はこれはさしあたり留保をして、それ以外の金額については業務上の疾病だという認定を下した人で、当然療養費を払わなければならぬ。直ちに本人に渡すような措置をとるべきじゃないですか。そのためには受取書を総額というふうに書いたら本人受け取れないんです。だから内金なら内金ということで払うようにしたらどうですか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 私どもの方で算定をいたしております根拠としましては、労災保険法の運用というものにならっておるわけでございます。これによって算定をしたものが総額というふうに理解をいたしております。そういったことで御理解を願いたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 労働省、ちょっと伺いますが、あなたの方で出している通達で「労災保険法第十三条第一項第六号に掲げる」云々ということで、三十七年の九月十八日の基発九五一号というのがございますね。これに患者の移送費用もこれは療養費として払えということになっておりますね。その移送費用の中に「通院」というのがあって、そしてその「費用の範囲」としては「移送費として支給する費用は、当該労働者の傷病の状況等からみて、一般に必要と認められるもので、傷病労働者が現実に支出する費用とすること。」と、こう書かれておりますね。ですから、いまあなたが言われましたけれどもね、これには新幹線や私鉄の急行、特急料金払っちゃいけないというようなことは書かれていないんですよ。頸肩腕あるいはまた疲労性の腰や背の病気の人が鈍行でどこどこ来るというわけにはいかぬのですわ。浜松から川崎まで来るのに新幹線を使い、私鉄の急行を使って、これは病気を治すためにもそれは必要なんですよ。そうでしょう。いま国税庁でも病人について新幹線で定期やなんかを買って通勤するのもこれは費用として当然認めているんです。国税庁ですら、と言ったら悪いけれども、国税庁ですらそういう措置とっているのに、あなた方の措置は余りに冷酷じゃないですか。この辺は改めるべきだと思うけれどもどうですか。

森宗作日本専売公社管理調整本部職員部長

○説明員(森宗作君) 私どもはこの具体的な療養の範囲というものにつきましては、おおむね労働者災害補償保険法というものの細部運用というものによっておるわけでありまして、まあ松本さんが特急に乗られるということで特段の特別な扱いをするということはいかがなものかというふうに考えておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまの点についてもう一回ちょっとただしておきたいんだが、双方の係争点ですね。これはなお両方でいろいろ相談するとして、それ以外のものについて全額本人に手渡すと、渡るようにするという措置はできるかどうか。やるべきだと思います。当然のこれは法的な義務ですから、それをひとつ確かめたい。  それからもう一点。公社は労働協約で高齢職員等退職に関する協定というのを結んでいると思います。これの第五条ですね、特別昇給という項ですが、退職時に勤続二十五年以上の者には八号の特別昇級を行うということになっている。勤続二十五年以上の人はいわば八号俸上げてそれに応じて退職金もふえると、こういう仕組みだと聞いています。  ところがね、高柳令子さん、瀬崎はつさん、この方々はもう勤続三十年以上になっている。休職期間を除いても二十五年以上になっている。ところがこの人たちについては高齢者退職制度というのの取り扱いになっていない、これは直ちにこの扱いをすべきだと思いますがどうですか。これらの人たちは労災認定の申請者です。労災を認定したからということで懲罰的にこういう措置をとっているんじゃないかと思わざるを得ないんですよ。直ちに改めてこの措置を適用すべきだと思いますが、どうですか。この二点伺いたい。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) まず第一点の療養補償が御本人に渡るようにという点でございますが、私どもといたしましては、規則に基づきまして算定しましたものを御本人にお渡しすべく手続をいたしたわけでございますけれども、御本人の方が受領を拒否されましたので……

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 拒否しているんじゃないよ。拒否しているんじゃないんですよ。

石井忠順日本専売公社総務理事

○説明員(石井忠順君) お渡しできなかったということでございます。私どもとしては御了解をいただいて円滑にお支払いができることを、むしろ当然のことでありますけれども、期待をしておるわけでございます。  それから第二点目の高齢退職の扱いでございますけれども、私どもの退職手当、公社職員の退職手当につきましては、公務員の退職手当法が全面的にこれは適用になっております。その規定に上りまして、勤続二十五年以上あるいは一定の年齢に達しますと勧奨退職といったような制度があるわけでございますけれども、そういったものの適用に関しまして休職者にどうするかということが一つ問題が若干ございます。  従前の運用といたしましては、休職になりました事由が休職期間の満了までに消滅をするということが見込まれると、そういう場合には勧奨をするというようなことで運用してまいりました。ただ、休職になりました事由が休職期間中に消滅するかどうかというあたりはかなり判定がむずかしい問題ございまして、やや実態上の扱いが区々になっておったかと存じますが、最近そういった具体的な運用基準を統一をいたしまして、休職期間が通算をいたしまして二年未満の職員については勧奨を行う、そういったようなことで取り扱いをなるべく同じようにするということでいたしておる次第でございます。個々の方につきましてのことは、ちょっとここでは控えさしていただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ちょっと委員長、事実と違うことを言われたから。ちょっと事実と違うことを言うから重ねて言っておきますがね、松本澄美子さんについては療養保障の受け取りを拒否しているわけじゃないんです。さっきも言いましたように通院の費用のあなた方の算定の問題について意見が分かれているが拒否しない。内金として払ってほしいということを言っている。拒否しているんじゃない。その点を十分頭に入れて合理的な解決措置を考えてほしいと思う。  それからもう一点、この高柳さんと瀬崎さん、これは休職じゃないんです。もうやめているんです。退職ですよ。特に瀬崎さんについては解雇扱い。ですから休職じゃない。それなのにもかかわらず、ほかの人には適用されている高齢者退職扱いが適用されていない。至急に改善すべきだと思う。それでなければ労災申請者に懲罰的な扱いをやっているというふうにしか考えられない。その点要望します。

坂野重信自由民主党・自由国民会議

○委員長(坂野重信君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にいたします。  次回は明三十日午後一時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散会

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