大蔵委員会 第18号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1979/05/24
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、藤川一秋君が委員を辞任され、その補欠として熊谷弘君が選任されました。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 日本専売公社法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を徴取いたします。金子大蔵大臣。
○国務大臣(金子一平君) ただいま議題となりました日本専売公社法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 昭和五十四年度の予算編成に当たっては、現下の厳しい財政事情に顧み、歳出の一層の節減合理化に努めるとともに、税収及び税外収入について、制度の見直しを行い、歳入の確保に努めることとしたところであります。 その一環として、小売定価が昭和五十年末以来据え置かれてきた結果、製造原価の上昇に伴い、売り上げに占める専売納付金の比率が相当の低下を見ている製造たばこについて、その小売定価を改定することとし、所要の改正を行うことといたしたものであります。 また、現在の専売納付金制度のあり方等につきましては、従来から種々の議論があり、制度の改正の必要を生じております。このため、昨年十二月の専売事業審議会の答申を踏まえ、製造たばこの価格形成方式の明確化、財政収入の安定的確保と日本専売公社の自主性の向上、その経営の効率化を図る見地から所要の改正を行うこととしております。 以下、この法律案につきまして、その大要を御説明申し上げます。 第一に、製造たばこの小売定価を改定するため、製造たばこ定価法において法定されている種類ごと、等級別の最高価格を、紙巻たばこについては十本当たり十円ないし三十円、パイプたばこについては十グラム当たり十二円、葉巻たばこについては一本当たり十円ないし四十円、それぞれ引き上げることとしております。 第二に、専売納付金制度の改正につきましては、現在、日本専売公社法において、専売納付金の額は、日本専売公社の純利益から内部留保の額を控除した額と定められておりますが、これを製造たばこの種類ごと、等級別に応じ、小売定価に売り渡し数量を乗じた額に法律で定める率を乗じて得た額から、道府県たばこ消費税及び市町村たばこ消費税の額を差し引いた金額とすることとし、これにより、財政収入の安定的確保を図るとともに、小売定価に占める国及び地方の財政収入となる金額の割合を明らかにすることとしております。 なお、法律で定める率は、製造たばこの種類ごと、等級別に応じ、三一・〇%ないし五六・五%と定めることといたしております。 第三に、専売納付金制度を改正することに伴って、日本専売公社の経営がその企業努力だけでは吸収し得ない原価の上昇によって圧迫されるおそれが生ずることとなることにかんがみ、現行の最高価格法定制を基本的に維持しつつ、たばこ事業において損失が生じた場合または生ずることが確実であると認められる場合で、たばこ事業の健全にして能率的な経営を維持するために必要と認める場合に限り、大蔵大臣は、あらかじめ専売事業審議会の議を経た上、法律で定める最高価格に丁三を乗じた額を限度として、物価等変動率の範囲内において、製造たばこの種類ごと、等級別に暫定的な最高価格を定めることができることとしております。 このほか、専売納付金制度の改正に関連し、輸入製造たばこの価格決定方式を明確化するため、関税定率法において、日本専売公社が輸入する製造たばこを無条件免税の対象から除くとともに、製造たばこに係る関税率を改定する等所要の改正を行うこととしております。 以上、この法律案につきまして、提案の理由及びその内容を申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 なお、本法律案は、衆議院におきまして、その施行日が「公布の日」と修正されたほか、これに伴い、第三条のうち附則に一項を加える改正規定について所要の修正が行われておりますので御報告いたします。
○委員長(坂野重信君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○福間知之君 今回の製造たばこの値上げ、平均で二一%と承知をしておりますが、額の引き上げとあわせまして、ただいまの提案説明にもありましたように、制度改革という一面が含まれておるわけでありますが、当局としては今回のこの改正が、いわゆるたばこの関係産業といいますか、関係者にどういうふうな影響があるとお考えなのか、基本的な問題についてまず公社のお考えをお聞きをしたいわけであります。 申すまでもなく、今回の値上げを伴う改正というのは、国民の生活、平たく言えば、物価一般に影響がなしとはしない。当局の側も〇・三七%程度の物価への影響を予想されておるようでございますが、御案内のとおり、昨日の当院の本会議でも、各野党の代表が質問で触れておりましたように、国鉄はすでに八%の運賃値上げを行いました。その前には、ガソリンだとか高速道路料金あるいは米価、政府管掌の健康保険料金、国立大学の入学金あるいは授業料など、政府が主導的に公共料金をどんどん上げてきているという経過があるわけでありまして、特にこのたばこの場合、それらの公共的な料金の上にさらに引き上げを図ろうというわけでございますが、これは専売当局のたばこ製造のコスト、そういう面から今回は値上げを余儀なくされていると言うよりは、国の財政事情からくるところの要請という理由の方が大きいのじゃないか、これは私はそう思うんですが、一応基本的に、いま申し上げたような状況認識の上に立って今回の値上げというものを考えた場合に、どうもすっきりと理解するに苦しむわけでありまして、まずは一応基本的な当局としての今回の値上げを含む制度改正などの見解をお聞きをしておきたいと思います。
○説明員(泉美之松君) いまお話にございましたように、たばこの定価を引き上げますと一時的にではありますけれども消費が減退することになるわけでありまして、これは公社にとってのみならず、たばこに関連する関連産業にもかなり大きな影響を及ぼすわけでございます。そのほか、いまお話しのありましたように、消費者物価に対しましては、お話しのとおり、今回の値上げによりまして〇・三七%消費者物価の上昇に響いてくるというような点もございます。また、現在愛煙家の方は三千五百万人いらっしゃるわけでございますけれども、この定価改定を機会にたばこをやめるとか、あるいは本数を減らすとかいう方もかなり見込まれるわけでありまして、そういう点からいたしますと、今回の小売定価改定の及ぼす影響というものは私は大変大きなものがあるということは考えておるわけでございます。 しかし、そういった環境にありながらなお値上げをするという点につきましては、いまお話しのありましたように、昭和五十年の十二月に定価改定を行いました後、総原価におきまして約三〇%のコストアップを生じております。このコストアップによりましていわゆる益金率が低下してまいっておりますので、今回の定価改定によりまして益金率を昭和五十年の値上げ当時の姿にまで戻していきたいというのが一つでございます。 いま一つは、おっしゃいましたように、最近の財政事情からいたしまして、今回の定価改定によりまして、定価改定がなかった場合に比べまして専売納付金を約二千二百億円増加する。それによって国及び——さしあたりは国だけてありますが、これが平年度化してまいりますと地方団体の財政にも寄与する額が大きくなってまいるわけでありまして、そういった国及び地方団体に対する財政寄与をふやす、こういう意味合いでございます。 それではその財政的な需要とコストアップの分とどっちが大きいかというようになりますと、これは計算の仕方でなかなかむずかしいのでありますけれども、大体財政的な需要の分が五五%、コストアップの分が四五%程度とお考えいただいてよろしいかと思います。両者が相合わさって今回の二一%程度の値上げということに相なっておるわけでございます。 もう一つ制度改正の点は、これは昭和五十年の定価改定の際に衆議院で附帯決議がつけられまして、現在の専売納付金制度ですと利益の中から納めるということになっておりまして、本来たばこには消費税相当の税金がかかっておるべきものなのでありますが、それが、利益があった場合にその利益の中から納付するということでは税としての性格が全然あらわれなく、利益が減れば納付金も減ってもいいという形になるわけでありますが、それでは大変おかしいことになりますので、今度制度改正をいたしまして、利益の中からではなくて、たばこを売り上げましたならば、そのたばこの種類及び等級別に応じて決められました率を乗じた金額から地方たばこ消費税を差し引いて、その残りを国に対して専売納付金として納付する。つまり、今後は利益処分でなくて損金処分で納めていく、こういうことにお願いしたいということで制度改正をお願いしておるわけであります。 そうなりますと、いままでは利益の中から納付金を納めておりましたので、利益が減れば専売納付金が減るということになっておったわけでございますけれども、今度のような制度改正を行いますと、まず地方消費税と専売納付金を納めてしまう。その後の利益があればそれは専売公社の内部留保になるということになるわけでありますが、その金額がコストアップによってだんだん減っていくということになりますので、そういうことを考えると、その利益かなくなって欠損になる、あるいは欠損になることが確実と認められる場合におきましては、製造たばこ定価法を国会に提出しなくても、大蔵大臣が定改後の物価及び労賃の変動率の範囲内におきまして暫定最高価格を決める。 その暫定最高価格は、今度の決まりました最高価格の三割増しの範囲内でありますけれども、その範囲内であれば、大蔵大臣が専売事業審議会にお諮りして暫定最高価格をお決めいただいて、その暫定最高価格の範囲内で小売価格の改定の申請を大蔵大臣に提出いたしまして、大蔵大臣の御認可をいただいて定価改定ができる。しかし、これは恐らく一回しか使えないと思いますけれども、そういう制度をお願いいたしたいということで今回の法律案の改正をお願い申し上げておる次第でございます。
○福間知之君 大蔵大臣、大臣としていかがですか。
○国務大臣(金子一平君) ただいま専売総裁から御答弁申し上げたとおりに私どもも考えておるのでございまして、長い間据え置きにいたしました結果、売り上げに占める専売益金がだんだんと減ってまいりまして、最近の情勢に合わせてある程度これを合理化しなきゃいかぬという気持ちで、総裁はコストアップの分が四割五分、それから益金の引き上げの分が五割五分くらいの割合と考えておりますが、私も大体半々くらいのウエートでこういうことが適当であろうと考えておるような次第でございます。 特に、消費税の一環でございまして、各国とも税負担はたばこにつきましては七割前後というようなところが多うございますので、そういった各国における税負担とのバランスも考えながら、まあこの程度のことはやむを得ないというふうに考えて御提案申し上げたような次第でございます。
○福間知之君 公社のいまの説明で、益金率、納付金率が低下しているというお話ですけれども、これ大蔵委員会の調査室の参考資料がありますが、二十二ページ、二十三ページ見ていただいたら、そうなってないじゃないですか。益金率は昭和五十年の定価改定のときに比べて五十一年、五十二年、五十三年ともに五十年改定時を上回っているじゃないですか、益金率が。 それから、これは大臣にお聞きしたいんですけれども、先ほど私申し上げたように、このところ卸売物価、きのう経企庁長官が説明されていましたように、年率で二二%からの卸売物価の上昇、あるいはそれが消費物価へもはね返らないという危険はないということでございますね。まあ政府が主導の公共料金などがすでに幾つか上がっておる。たばこがそれにまた加わるということなんですが、私はやっぱりことしの経済の状況を考えた場合に、やや心理的にインフレ含みという懸念がしてならないわけですね。それにさお差すようなことにこのたばこ値上げがなるんじゃないかという点が一つ。 それからまた逆に、公社の方も先ほどおっしゃったように、値上げによって喫煙者のたばこを吸う量が少し減るんじゃないかとか、結果としてそれは売り上げに響いてくるということも考えられるわけですが、そういうのを総合して考えた場合に、どうも上げ幅も大きいような気がするし、率直なところ大蔵大臣は財政の元締めですから、いまの財政事情から言えばこれくらいは何とかしてほしいとおっしゃるんでしょうが、客観的に見てちょっと上げ幅にしても大きいような気がするし、その理由がもう一つ納得できないので、重ねて公社と大臣に聞きたい。
○説明員(泉美之松君) 先生のおっしゃるのは、昭和五十年度はたばこ事業の益金率が五四・四%ではないかとおっしゃることだと思いますが、これは御存じのように、昭和五十年の十二月十八日に定価改定を行ったのでありまして、五十年度の大半はその値上げ前の数字でございますので、しかも十二月十八日に値上げしまして、あと一月、二月、三月というのは消費の余り多くない状況でありましたので、益金率は五四・四%、五十一年になりましてそれが平年度化いたしまして六〇・五%というふうになっておるのでありまして、私は五十一年の六〇・五%に比べまして、その後だんだん低下いたしておりまして、昭和五十四年度にもし定価改定を行わないならば五五・三%というふうに落ち込むだろう。それを五十一年当時までにはなりませんけれども、六〇%に近い数字に戻すということを考えておる、こう申し上げたのでございまして、益金率は確かに前回定改後の五十一年に比べまして下がってまいっておるのでございます。
○国務大臣(金子一平君) いま福間さんからお話のございました公共料金の引き上げの全般の問題でございますけれども、ことし集中的に公共料金の引き上げが行われることになりましたので、私どもとしてはやはり物価対策は大変大きな政策の柱でございますので、特に生活に響くようなもの、たとえば米でございますとか運賃等につきましては、引き上げの幅を抑えましたりあるいは実施の時期をずらして極力緩和措置をとるようなことにいたしたわけでございますが、たばこは、御承知のとおり、国民になじみの深いものでございますけれども、何といっても生活必需品とは違って一種の嗜好品でございまして、各国ともたばこにつきましては相当の財政負担を求めているのが現状でございますので、二一%程度のことならば、今日の財政事情から言えばやむを得ないのじゃないかというふうに考えたわけでございます。 消費者物価に及ぼす影響は、福間さん先ほどおっしゃっているように〇・三七%と試算されておりますが、これはことしの消費者物価の目標が四・九になっております。昨年に比べて〇・九%上げになっておりますが、その公共料金引き上げ分全体を含めているのです。たばこの値上げも含めての四・九ということで大体おさまるのではなかろうかと思うのでございます。 ただもちろん、六月のOPECの総会によって原油にサーチャージがこれからどれだけ乗っけられるかというようなことを考慮に入れますと、これはまた話は別になりますけれども、全くのいまは不確定要素でございまして、政府といたしましてただいまできるだけの範囲で検討を加えたところでは四・九の中におさまるのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○福間知之君 公社にちょっと参考に、これは思いつきで恐縮ですけれども、各年度ごとの総売上額という数字がなかなか出てこないんですね、公社関係の資料では。これは意識的に発表されていないんじゃないかというような気がするんですけれども、ちょっと参考までに最近のやつを教えてください。
○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。 最近五カ年間ほどのたばこの総定価代金、これは定価でございますので、実際はこれから小売人手数料を引いたものが公社の売り上げ代金になりますが、総定価代金で最近五カ年間を申し上げたいと思います。 四十九年が一兆二千八百四十七億円でございます。五十年が一兆四千五百八十億円、五十一年が先ほど総裁が申し上げました五十年の十二月十八日の定改の影響がございまして一兆九千六百二十一億円というふうに急に上がったわけでございます。五十二年が二兆七百六十五億円、五十三年度——見込みでございますか、これで二兆一千五百三十億円というような状況でございます。
○福間知之君 じゃ確認しますが、いまおっしゃった数字が先ほど私が示した資料の益金率の欄と対応するわけですね。
○説明員(後藤正君) さようでございます。これはあくまでもたばこの総定価代金でございますので、これから小売人手数料、これの約一〇%が小売人手数料で消えます。それからいわゆる公社の今度は製造原価が消えてまいります。残ったものがいわゆる地方たばこ消費税、これも公社は損金でございますが、一応たばこ消費税と、それといわゆるたばこ事業におきます国に納めます専売納付金、それから公社の資金繰りのための内部留保、いわゆるたばこ事業益金でございますが、地方たばこ消費税とたばこ事業益金を分子にしまして、総定価代金を分母にしまして割り返した数字を私ども俗称益金率と称しております。それが先ほど総裁が申し上げましたような率になるわけでございます。
○福間知之君 ちょっと細かいことで恐縮ですが、先ほど総裁の方も三〇%から原価上がっていると、こうおっしゃいましたね。その中で原料費あるいは工場経費というのは比較的高いようなんですけれども、その総原価の中でいま公社側として一つの、何といいますか、注目——、注目というより関心の高い原価値上げの部分というのは、概況をちょっと説明してください。
○説明員(後藤正君) 先ほど申し上げました公社の大きく言いますと仮に六〇%私どもが目標にしています益金率ということは、残りが四〇%でございますので、その中から約一〇%の手数料が取られますと、三〇%が公社の原価だというふうにお考え願えればよろしいかと思います。その総原価の中で約一七%が販売及び一般管理費でございまして、残りの八三%が製造原価でございます。 今度は製造原価の内訳でございますが、製造原価の内訳のやはり大きいものは何と申し上げましても葉たばこ費、原料費でございます。今度は八三%を一〇〇にした場合の大きな原価要素別でいきますと、約六割が葉たばこ費でございまして、二割が材料費、それから一〇%が賃金、一〇%が光熱水料とかいういわゆるランニング経費というふうにお考え願えればよろしいかと思います。 それで、どんどん益金率は下がっていっておりますが、やはりこの大きな原因は、私ども何と申しましてもいまの市場動向から考えまして、またあるいは国民の公共企業体としましてできるだけ経営合理化を労使協議に付しながらやってまいるわけでございますが、最近の益金率低下の大きな原因は、やはり葉たばこ費が、先生御案内のような四十八年暮れのオイルショック後のいわゆる葉たばこの人件費、物財費の異常な高騰によりまして、大変葉たばこの収納価格を引き上げざるを得なかったという状況がございます。この状況がいわゆる原料費、それから石油製品を主としております材料費等にもろに響いてまいりました。それからまた、労賃も御案内のようなオイルショック後の物価動向を受けまして、あの翌年度等の賃金アップは相当大幅なものがございました。こういうことが最近の原価アップになり、それが逆に申し上げますと益金率低下というようなことになったわけでございます。
○福間知之君 いまのお話で原料費、特に葉たばこのコストが高くなってきているということ、これは後ほど少し詰めた議論をしなきゃならぬかと思っておりますが、基本的に私は日本の専売公社といいますか、たばこの製造あるいは販売政策との関連で、葉たばこという耕作事業をどうするのかということが大きな問題だろうと思っております。しかもこれは、単に専売公社のみの責任なりあるいはまた範疇で対応していくことがいいのかどうか、そういうことも含めて問題が少しあろうと思います。これは後ほどひとつ議論をしたいと思うのですけれども……。 ちょっと一般論に返りますが、今回のこの値上げというもの、私は特に民間の出身ですから考えまして、売り上げが余り伸びないとか、あるいはその他の要因でたばこの製造販売というものの環境が大分変わってきつつある、国際的にもそうだと、こういう事情の中では、普通ある商品というものが売れにくくなって売れ行きが悪くなってきたとなれば、代替商品として新しい商品を、使用価値のある、あるいはまた適切な価格による、あるいは新しい技術を加味した付加価値の高い商品というものを出していくわけですね。どうもしかし、たばこの場合はそういうふうな視点というものが薄いんじゃないかと、こう思うんですね。 まあ、現在は専売公社も大分在庫を抱えておられるようですし、そういう事情を考えますと、これから需要の見通しを考えても、いわんや価格をこういうふうに今回の二一%程度上げるとなればなおさらのこと、先行きの見通しというものが一般の企業ではとても安心していられない、こういう感じがしないわけじゃないんですね。これは専売公社という、たばこはもう独占しているんだというその強味があるからわりあいに先行き不安感というものはないかもしれませんけれども——首、横に振っておられますが、総裁いかがですか、それは。 私はやっぱりそういう民間企業の経営という感覚で考えた場合に、少し殿様商売的なところがあるのじゃないかなあと、こういう気がするのですがね。
○説明員(泉美之松君) 御指摘のように、現在たばこはひとり日本だけでなくて、諸外国におきましても財政事情からいろいろ増税などもありますし、それにコストアップもありまして各国とも値上げをやっているわけでありますが、各国とも値上げを行いますとどうしても消費が落ち込むということで大変苦慮いたしているのが世界的な傾向でございます。日本の場合におきましても、独占事業であるからといってなかなか安心できないのでありまして、私どもといたしましては、今後ますます経営努力によりまして生産性の向上を図り、コストの低下を図っていくという努力が必要であるというふうに考えておるところでございます。 ただ、嗜好品でございますので、何とかヒット商品が出ますとある程度の期待ができるところでございまして、実は、いまのところ昭和五十二年の十一月に売り出しましたマイルドセブンが大変な勢いでふえていっております。これが私どもの経営の上におきまして大変力になっておるわけでございますが、これに次ぐヒット商品を出さないと長続きがいたしかねますので、そうしたヒット商品をつくるべくいま一生懸命に努力をいたしておるところでございます。恐らくこれは、ほかの各国のたばこ会社あるいは専売当局、同じような考えにおるのではないかと思うのでございます。 それと同時に、いまお話しがございましたけれども、たばこにつきまして、健康と喫煙という点からいたしまして、原材料を、葉たばこだけでなしに、それ以外の原材料を何とかこなして使っていくことはできないかという努力も各国ともやっておるわけでありまして、わが専売公社もその努力をいたしておりますが、いまのところ大変残念なことに、そのコストがまだ普通の葉たばこの値段ほど安くならない。これは大量生産がまだできない関係もございますけれども、何とかそういう点につきまして技術的な改善を図って大量生産ができたならばもっとコストが安くなるというような原料を開発していくことができないものかどうか、こういった点についても目下努力をいたしておるような次第でございまして、これも各国競争でやっておる次第でございます。
○福間知之君 その葉たばこ以外の新原材料なるものは、後ほどお聞かせ願いたいと思うんですけれども、局長、いまおっしゃられた総裁の話じゃないですが、四十九年以来、年率平均一%程度の伸びだと、こういうふうに聞いているんですが、これからの見通しというものについては、新しいそういう新製品でもって需要を拡大するという前提を念頭には置かれているんでしょうが、その上で、果たしていままで、ここ数年の販売数量の伸びというものの傾向はどのように変わる見通しですか。
○説明員(立川武雄君) たばこの売れ行き状況は最近やや低迷しております。五十一年から五十二年にかけましては、これは数量でございますけれども、四%台伸びたのでございます。五十三年度に至りまして、三%台ぐらいの伸びる力はあるかなということで計画をいたしましたけれども、特に昨年の八月以降、対前年を割る月が出てまいりまして、結果といたしましては、五十三年度は、数量におきまして対前年の一〇〇・一%、〇・一%の増加ということになったわけでございます。 しかしながら、様子を見てまいりますと、どうもその原因は、正確にはつかみ切れなかったのでございますけれども、御承知のように嫌煙権の運動でございますとか、健康と喫煙の問題でございますとか、あるいは景気の回復が長引いてるといったことが相当影響いたしまして、喫煙者率と申しますか、たばこを吸っていただく方はそう急に減っていないような感じでございまして、一人ずつお吸いいただく本数が若干減っているような感じでございます。特に最近になりましてこういったことがやや一段落したような感じがします。 したがいまして、成年人口の伸びがまだ一%台ございますし、私どもといたしましては、たばこの消費構造が傾斜的に減少していくということは考えておりませんで、少しずつでございますけれども、まだ消費量は伸びていくんであろうというふうに期待をしております。 ただ数年前は、数量にいたしまして四%、五%前年に対比いたしまして伸びたわけでございますけれども、そういう力はなくなりまして、一%台あるいは二%台ぐらいの伸び率になるんではなかろうか。 それにいたしましても、新製品の開発でございますとか、さらに販売店を通じましてお客様にサービスをいたしますとか、いろいろな販売努力を続けていかないとそういうことにはならないのではないかというつもりで販売の努力をいたしておるところでございます。
○福間知之君 この伸び率が非常に低いという推移の中で、専売公社の企業的な経営という面から考えた場合に、たとえば工場が一つ分ぐらい余ってるとか——たとえばですよ、先ほどの益金率の低下は一応別にしまして、企業経営そのものについて、雇用の問題ももちろん含みますが、特徴的な事態、それに対する対応策、そういうものはどうとってこられましたですか。
○説明員(後藤正君) 現在、先ほど立川理事から御説明申し上げましたように、ここのところ販売数量の伸びが、ちょっと経年的に申し上げますと、五十年の定改によりまして五十一年は対前年九九・六、それから五十二年は、これがまた回復しまして、一〇四・二%という回復になったわけでございますが、五十三年が、前半はよかったんですが、ちょうど先生御案内のような昨年の前半ごろから非喫煙者の権利を守る会、いろいろな団体なりいろいろな活動がございまして、急に売れが鈍りまして、今年度は対前年一〇〇・一というようなことでございます。 しかし、先ほど立川理事が申し上げましたように、まだまだ一年間に約百六十万の成人人口が誕生していくわけでございますので、私ども健康喫煙なり世論には十分配意しながら販売努力をすることによりまして、市場の強化なり拡大に努めてまいりたいということを考えております。 それで、いまそういうような売れない状況の中で、やはり公社経営に直接的に何か問題が生じておるのではないかという御指摘は、これはやはり端的に申し上げますと、国内産葉が、オイルショック以前までは大変日本の葉たばこというのは減少傾向にあったわけでございます。それがオイルショック後、日本の経済のいわゆる停滞期と申しますか、そういう時期に入りましてまた葉たばこ耕作意欲が大変大きくなってまいりまして、現在耕作審議会で十分御議論を尽くしながら、ある程度自然廃減作の中で協議を尽くしたいわゆる生産調査ということで、約一千ヘクタールぐらいの生産調整をしておりますが、それにしましても、いまのこの売れ見込みては公社の——公社はたばこ専売制でございますし、全量収納、全量買い上げでございますので、葉たばこ在庫というのがやはり三十数カ月というような状況でございます。 で、何と申しましても、やはり専売制である以上はこの国内産葉をどうしても使い込んでいくということをいろいろな工夫をしてやらなければなりません。したがいまして、いままでは国内産葉が減るときにはわりに需要も伸び、それに追いつくためには、どうしても必要な日本でできない葉っぱというのは外葉に頼らざるを得ませんが、ある程度緩和補充料等も入れておったわけでございますか、最近みたいな国内生産の動向ですと、やはり外葉は本当にもう日本ではできない香喫味とか、あるいはオリエント、香りのある葉たばことか、あるいは非常に低ニコ低タールといった東南アジア方面の葉たばこ——これは日本の風土ではどうしてもニコチン、タールが高くなります。そういう低ニコ低タールといったような必要外葉にしぼっていま公社は外葉を入れておる。あとは国内産葉——ちょっと最近いわば回復傾向にございますが、一ころ品質が国内産葉は非常に悪くなりまして、いま耕作者と話し合いまして、品質改善に一生懸命お互いに協力しながら取り組んでおりますが、一番大きな問題は、やはりいまの国内産葉の質にあろうかというふうに思うわけでございます。
○福間知之君 いまの需要の減退を防ぐための新しい商品の開発、原材料の葉たばこ改良等に御努力されている一端がいまお話しされましたが、それはともかくとしまして、この四月の下旬ごろに報道された中で、専売公社当局として、売れ行き不振の原因として、一つは景気の低迷と言いますか、そういうものの一般的な背景があったということ。それから先ほども触れられておりました嫌煙権運動などの盛り上がりと言いますか、そういう一面があった。それからいま年間百六十万人ですか、成人になられるという人が、それがちょっとにぶっているのじゃないかというふうな見方ですね。それは私お聞きしているのですよ、私知りませんけれどもね。 それから、フィルターつきたばこの需要は天井に届いているというふうなこともおっしゃっているようですけれども、さらに、当然のことでしょうが、東京とか大阪など大消費地での需要が減っている、その影響が大きいということ。何となく構造的なたばこ離れというふうな傾向が感じられると、こういう見方をされているようですかね。これは一体どこに重点があるのですか。
○説明員(立川武雄君) 私どもも、五十三年の特に秋以降——四月から七月くらいまでは比較的順調でございましたけれども、秋以降急に落ちまして、いろいろな調査をやっているわけでございます。的確にはつかみ切れませんけれども、先ほどちょっと申し上げましたように、消費の量を決めますものは喫煙していただく方の率でございます。これは少しずつ減っておりますけれども、特に昨年の秋以降急に減ったというデータは出ておりません。やや少しずつ減っている傾向はございますけれども、一番響いておりますのは、一人平均、喫煙者の方が一日二十四本ぐらいお吸いになっていただいているわけですけれども、これが〇・一本減りましても消費量に響きますので、これが例年より若干落ちているような傾向がございます。 そこで、もう一つは地域別の売り上げの数量なんかを見てまいりますと、一つは嫌煙権運動と申しますか、それに関連いたしまして、昨年の九月ぐらいから列車におきます禁煙区間が長くなり、禁煙タイムがふえたこと。あるいは喫煙場所の制限等ございまして、これはごく一部の調査でございますけれども、たばこが吸いにくくなっているというような御意見もございます。そのことが一つ。 それからもう一つは、地域別に見てまいりますと、わりあいに構造不況業種を多く抱えている地域の売り上げが前年に比べて落ちているようでございます。あるいはまた、これもごく一部の話でございますけれども、料理飲食店等を抱えております売り場を持っております地域が落ちているといったことがございます。 したがいまして、的確には推定しにくいわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、喫煙場所の制限等に関連しますたばこの吸いにくさ、あるいは景気の回復が長引いております結果、消費か伸び悩んでいるということが中心ではなかろうかと。喫煙者率が急に落ちているといったことは見えていないわけでございます。 そういうことで、何に中心があるんだろうという点は的確に申し上げられませんけれども、私どもといたしましては、そこら辺にウエートがございまして昨年秋以降のそういう結果になったんではないかと推定している次第でございます。
○福間知之君 いずれにしましても、そういうたばこ消費の状況の中における値上げということですから、これは時期としては総裁、いいんですか、悪いんですか。
○説明員(泉美之松君) 実は、昭和五十三年度におきまして酒税の増税がございました。そのときにたばこも酒税と一緒にどうだというお話が財政当局からあったのでございますが、先ほど申し上げましたように、五十二年の十一月からマイルドセブンを全国発売いたしておりまして、それを市場に定着させる必要があるということからいたしまして、五十三年度の値上げは困りますということでお断りして酒税の増税だけ行われた経緯があるわけでございます。 そこで、五十三年度におきましては専売公社の内部留保の中から千五百六十九億円、特別納付金として納付する手続をとりました。それで五十三年度の財政問題は処理されたわけでございます。 五十四年度になりますと、なるほどたばこの売り上げが余りよくないという状況はあるわけでございますけれども、やはり五十年十二月十八日以後のコストアップをある程度解消しておきませんと公社の益金率がどんどん下がっていく心配がございます。 それからまた、この機会に専売納付金制度につきまして抜本的な改正を図っていくことが将来の財政収入の安定化、それから公社経営の責任の明確化及び公社経営の成果の評価の上におきまして重要なことになるという考え方からいたしまして、制度改正とあわせまして今回小売定価の改定をお願い申し上げておるのであります。 確かに、時期から言えばもっとたばこの売れるような時期がくればなお望ましいわけでありますが、いまのところそういう時期がくるかどうか。以前のような年間五%も六%も消費数量が伸びるといったような事態は私は今後は予想されない。先ほど営業本部長から申し上げましたように、今後は一%ないし二%程度の数量の伸びしか期待できないのではないか。これはアメリカを初め先進各国において大体もう十年ほど前からそういった傾向にあるわけでありまして、日本もだんだんとそういった国と同じような傾向になってきつつあるのではないか。 そういう点からいたしますと、もっと数量のふえる時期を選んだらというお言葉、大変ありがたいお言葉でございますけれども、なかなかそういう事態は予測されませんので、この際定価改定も行って、そうして新しく需要の開拓を図っていく、その方がいいのではないか。そして、先ほど申し上げました制度改正によって、従来でございますと、専売公社が利益があれば納付金として納めるということでございますので、はなはだ率直に申し上げて恐縮でございますけれども、かせげばかせぐほど持っていかれるのはどうもという空気がなきにしもあらずでございます。今度のような制度改正によりまして納付金として決まった額は納める。しかし、残った利益は内部留保できて公社の経営基盤が堅固になる。そういうことになりますと、やはり人間でございますので、そういった経営努力のいたし方も変わってくると私は考えておるのでございます。そういう点からいたしますと、早くこの制度改正を行って公社の経営基盤を強化するというふうにもっていくことができれば大変幸せである。このように考えておるのでございます。
○福間知之君 今回のこの値上げの中身なんですけれども、ちょっとお聞きしたいんですけれども、平均的には二一%程度ということですが、かねがね衆議院段階でも議論があったようですけれども、値段の比較的に高い商品については値上げ率が低くなって、これはそういう考え方が間違っていると決めつけるわけではないんですが、言うならば、大衆に人気のある商品により高率の値上げが課されている。こういうことです。そういう表現の方がぴったりするのですが、これはいわゆる私どもが言う大衆課税を地で行っているようなやり方なんですけれども、これはどう考えますか。 たとえば、先ほどおっしゃった人気のあるマイルドセブン、これはどうも政策的に少し抑えて、たとえばハイライト、しんせいなどに比べれば下目にしているようですけれども、そういうやっぱり配慮がうかがえるんですが。どうも全体としては高級品には比較的低率の値上げ、大衆的に人気のある商品には高率の値上げと、こうなっておってちょっとお聞きをしたいんですけれども。
○説明員(泉美之松君) 先生のおっしゃるような見方もあろうかと存じますけれども、私どもといたしましては、たばこのコストアップという点からいたしますと、ハイライトもマイルドセブンもセブンスターも同じようなコストアップなのでございます。その点からいたしますと同じように三十円ずつ上げていくことが適当だと。率からいたしますと、なるほどセブンスターとマイルドセブンはいま百五十円でございますので三十円上げますと二〇%アップだと、ハイライトは百二十円でございますので三〇円上げると二五%アップではないかというようなお話もあろうかと思いますが、私どもコストの増加状況からいたしますと、ハイライトもセブンスターもマイルドセブンも同じようにコストアップの額は変わりませんので三十円ずつ上げていく。下級品の方につきましては、ゴールデンバットは十円でしんぼうするといったようなことになっておるのであります。それからいま百七十円の銘柄、みねなどでございますけれども、これはだんだん値を上げていきますと外国製品との競争の問題が出てまいりますので、これもコストアップの額の三十円にとどめておきました。それから、その上の二百円のキャビンであるとかジョーカーであるとかこういったものは、外国品との競争はありますけれども、これを三〇円アップということではいかにも値上げ率が低くなりますので、これは外国品との競争ありますけれども二〇%アップの二百四十円にすると、こういうふうな配慮を加えた次第でございます。やはりコストの点と、それから値上げ後のそういった商品の外国品との競争などの状況を考えまして値上げ幅を決めておるような次第でございまして、先生のおっしゃるような大衆品の値上げ率を高くしてというふうな意図のもとにやっているわけではございません。その点はひとつコストの状況を考えてやっておるんだというふうに御理解いただきたいと存じます。
○福間知之君 いや、だから私も慎重にその点は先ほど申し上げたつもりなんですがね。 マイルドセブンは五十三年の売上本数七百七十二億本と資料に出ています。これは公社の中でも最も代表的なヒット商品で、売り上げのウエートは第一位と。公社の売上本数の中で何と四分の一強、二五・六%を占めている、一位です。それがやはり二〇%の三十円の値上げ、こうなっているわけですね。どうもここらは、セブンスターも第二位で六百六十三億本、ウエートは二二%、ハイライトは四百九十九億本、第三位でウエートは一六・五%と、こういうことですね。しんせいは先ほど二八・五%の値上げとおっしゃいました。まあそうですね。ハイライトは二五%の値上げ、マイルドセブンは二〇%の値上げ、しんせいは、これは価格自身がいまでも七十円ということで安いわけですから、これを三十円上げる、百円にするというのはきつかろうというんで、しかし十円じゃ安かろうというんで二十円としている、率としては比較的高い二八・五になってしまったと、こういうことだと思うんですよ。 そうすると、やっぱり公社として一番人気のあって売れ行きのいい商品にとにかくほどほどの値上げ率をあてがわないと増収額が思うようにふえないということだと思うんですよね。これはもう理屈じゃないですわ。これは公社の意図はよくわかっている。それを大衆の最も買いやすくて人気のある商品に高い率をかけているから大衆課税だと、こういうふうに私たち言っているわけですけれども、それは盾の両面の見方でありまして、一概に公社のやり方が全く理不尽だと、こうは思いません。だけれども、結果としてはこういうことになりますから、より多くの愛好家、喫煙家のニーズにあった商品が比較的に高い値上げになるということですから、その面だけを見ればやっぱりその分だけ消費は減退する、あるいはまた安い方にかわる人があるかもしれない、あるいは本数を減らすということになるかもしれない、これは理の当然として推定されるわけですね。 これ大臣にお聞きをしたいんですが、昨日の本会議答弁でも、いや一時は消費は減退するけれども、またしばらくしたら戻るんだと、こういうことをおっしゃったんですが、専売公社としては、先ほどの説明のとおり、今後一、二%の需要の伸びしか見込めないというのが世界の趨勢だと、わが国もまさにその域に到達していると、こうおっしゃるわけですね。 そうしますと、これは後の議論になるんですけれども、やはり専売公社の商品政策、価格政策、あるいはまた、たばこの製造販売という企業的な経営思想、基本的な思想、そういうものをこれから大いに私たちは議論をしていかなきゃならないし、そして国民のための専売公社のあり方というものをつくっていかなきゃならぬ大きな課題を含んでいると私は思っているんですけれども、大臣はどうお考えになりますかね。 こういう値上げを、さしあたっては二一ですけれども、さらに制度改正で今後は三〇%範疇における大臣認下でできるというふうなシステムに切りかえていくわけですが、果たしてそれでいままでのように専売公社というものをやっていけるのかどうか。 特に私は大臣にお聞きしたいのは、この今度の制度改正で、納付金というものは五五、六%水準でがっちり確保していくということが大前提になっていると思うんですけれども、これは私は専売公社の総裁よりも大臣と私たちは議論をしなきゃならぬ問題だと思うんです。これは後々民営化の問題も出ていますから、それとの絡みで何かどうも割り切れない問題がそこにあるんですよね、私どもから見れば。 それはともかくとして、昨日答弁でおっしゃったように、また需要はもとへ戻ってくるわいなと、こういう安易な見方でいいのかどうかですね。
○国務大臣(金子一平君) きのう本会議で御答弁申し上げましたのは、過去の値上げの際の経験から申しますと、今度の二一%の値上げによりまして一時三%ぐらいの消費の減退が続きましょうと、しかし、ある程度の期間を置きますと大体それはもとに戻ってきたのが従来の傾向でございましたけれども、最近のような嫌煙思想がだんだん広がってまいりますような状況のもとで、同時にまた、若い層がだんだんと減ってきておりますような状況から申しますと、私はそう大きくこれから消費が伸びるということは期待することはむずかしいと思います。しかし、何%増しかの先ほど総裁の言っておりますようなコンスタントな消費の定着というものは考えられるんじゃないかと思います。 ただ、だからといって私どもは現在の税率に相当する部分あるいは専売益金の部分をこれからむやみやたらに引き上げられるかというと、それはやはりそういかないんで、おのずからやはり常識的な限度にとどまらざるを得ない、これは当然のことだと思っております。むやみやたらに今後政府に権限をお預けいただいたからといってそれを振り回すつもりは毛頭ございません。ただ、いろんな物価騰貴その他の関係で、ほうっておいたらまた税相当分がぐっと落ち込むというようなときに、一定の厳しい条件のもとで政府にひとつ値上げを、引き上げをお許しいただきたいと、こういうことでお願いをしている次第でございます。 消費の傾向という点から言いますと、私はそれこそ先ほどお話しのございましたような新製品を見つけまして、あるいは日本の葉たばこ耕作のやり方を変えて良質の葉たばこをうんとつくって、うまいものを安い値段で売り出すというようなことになればこれは別でございますけれども、現状でそう急に伸ばせるものとは考えておりません。
○福間知之君 これ総裁と大臣に申し上げるんですけれども、いま専売公社の経営は赤字じゃないわけです、黒字なんですね。いままでのようなシステムで計算する限り公社の経営というものは赤字にはならないはずです。私の方でこれわかりやすくちょっと書いてあるので読みますけれども、専売納付金=(総利益−総損失)−(資産増−長期借入金増)、この算式でいくと、確かに先ほど来の説明で益金率や納付金率が漸減傾向にあるということはあっても、納付額の絶対額はふえているわけです、と私は見ているんです。 こういうことである限り、今回の値上げは、冒頭私が疑問を投げかけたように、むしろ税収を安定的に確保、増額していくためではないのかと、こういう見方が一つできるわけですね。 もちろん、総裁盛んに先ほどおっしゃっていたように、公社としての自主的な努力のしがいが今度は出てくるんだよとおっしゃいましたけれども、その一面は認めます。それは結構なことです。 しかし、私がいま申しているのは、それは一応別にしまして、黒字であるにもかかわらず値上げをするということになりますと、これは公社という性格上公益性に大きくもとるのではないかと、そういう疑問があるわけであります。増税が目的だと、消費税的なこの納付金の額をふやしていくということが、言葉を変えれば増税というふうに言い得るわけですけれども、それが目的だとなりますと、一般的な物品税あるいはいま大蔵大臣が一生懸命になっている消費税など間接税ですね、それとの関係でこれは考えなきゃならぬというまた新たな視点が生まれてくるわけでありまして、とにもかくにも五五%強の高率な間接的な税金というものなんですから、これを今後定着さしていく、法律によって法定化していく、定着さしていくということですから、これは考えようによればもう大変なことなんですね。 これは総裁らはこんなことは当然言われるだろうとお思いで、先刻アメリカその他の民営のたばこ企業などとわが日本専売公社とのそこらの財務の取り扱いについて比較検討もされていると思いますけれども、私たち日本の国民の側からすれば専売公社しかないんですから、だから先般の審議会から出された民営化志向の答申などについては抽象的に一つの共鳴を持つのも無理からぬことなんですよ、一般国民の立場から言えば。 それは具体的に言っていけば、こういう問題点がみんなに知らされていけばなお一層疑問が出てくると思うんですよ。私がいま申し上げたように、専売公社は決して赤字企業ではないんだ、膨大な黒字を出している企業なんだ、こういう観点で、専売納付金というふうなものをどう見ていくのかということについて整理して見解を伺ってみたいと思います。
○説明員(泉美之松君) お話しのように、現在専売公社は赤字ではございません。黒字でございます。しかしその黒字というのは、本来たばこに消費税相当分というものが課税になる、それを専売納付金という形で国庫に納めるということになっておるからでありまして、専売事業をやっておりながら納付金も納められないような経営状態になったのでは専売事業をやっている意味がなくなってくるのでございまして、たばこの専売事業というのは、国及び地方団体に対しまして財政寄与を行う財政専売であるということが最も大きなその使命になっておるわけでございますので、財政専売としての使命を尽くすことができないようなことでは専売制度に置いておく意味はなくなってくるわけでございます。 そういった点からいたしますと、先ほども申し上げましたように、専売納付金というのは、利益があったら納めろ、利益が減ったら減ってもいいといったような性質であってはいけないわけでありまして、たばこを幾ら売り上げたならばそのうちから専売納付金としては幾ら納めなさいということであるべきだと思うのでありまして、そういう点からいたしまして、私どもは前回五十年の定価改定の際に国会から附帯決議がつけられまして、専売納付金制度の改善を図れと、こういうお話でございましたので、その後鋭意検討いたしまして納付金率の法定化、しかも一律ではなくてたばこの種類及び等級別に納付金率を法定化し、地方消費税を納めた残りをその法定した率で計算した額から引きましてそれを国庫納付にするということを考えておるわけでありまして、したがって黒字であるのに値上げするのはと仰せられましても、本来黒字であるべき性質のものでございますので当然のことではないかと思うのであります。 ただ、今度のような制度改正を行いますと、専売納付金と地方消費税を納めた後の内部留保というものが、私どもの予測では、当初五月一日に本年定価改定を行いますと五十四年度では約千億の内部留保ができるというつもりでおりましたが、これがだんだんおくれてまいっておりますので、だんだんその額が減ってまいりますけれども、まだ五十四年度で赤字になることはございません。しかし、それが年々コストアップなどが加わっていきますと、数年後には赤字になるということになるわけでございまして、そのことからいたしまして、製造たばこの定価法定制につきまして緩和化をお願い申し上げておるような次第でございまして、この納付金率の法定化に当たりまして、平均五五・五%という数字をお決めいただいて、シガレットの二級品及びパイプたばこに五五・五%ということをお願いし、シガレットの一級品にはそれより高目の五六・五%、シガレットの三級品は値段が安い関係もございまして四五・五%の納付金率と、こういうふうにお決めいただいて——失礼しました。パイプは五〇%でございまして、葉巻きが五五・五%でございまして、訂正させていただきますが、そういう納付金率にお願いしておるのであります。 各国のたばこにかかる消費税を見ますと、ヨーロッパ各国はいわゆる付加価値税がございますので、日本と違ってたばこに対しましては付加価値税を合わせますと小売定価の七〇%程度の税負担ということになっておるようでございます。日本の場合はまあこの程度でということでお決めいただいた次第でございまして、アメリカの場合よりはやや高うございますけれども、まあまあこの程度でお決めいただければ私どもとしては今後十分財政需要におこたえできるものというふうに考えておるところでございます。
○福間知之君 いま納付金率の話が出ましたので、同じようにその点についてお聞きしたいんですけれども、まさに今回の改正の柱の一つになっているわけでありまして、平均で五五・五%、おっしゃったように付加価値税を含むヨーロッパの七〇%よりは低い、アメリカと大体横並びだ、こういうお話ですね。アメリカよりちょっと高いですか。 五十年のたしか衆議院の大蔵委員会の附帯決議で、あるいはまた審議会答申などにもあったいわゆる税という部分を明らかにされた、こういうふうに考えるんですけれども、まあ私これが果たして妥当なのかどうかというのがちょっと見当がつかないんです、正直言いましてね。 外国との比較において判断される、あるいは国内のいろんな要素を勘案されて判断されている、財政の事情も考慮しながら、いままでの実績、推移というものの上に立って判断された、それが一番大きいのじゃないかと思うんですけれども、何か具体的なこの妥当性についての根拠があるんですか。
○政府委員(名本公洲君) 納付金率を平均五五・五程度で定めさしていただいておるわけでございますが、これを、そこらあたりがほぼ妥当であろうというように考えてまいりますにつきましては、もちろん実際に事業をおやりになります専売公社と私どもとの方で種々議論をした結果でございますけれども、考え方といたしまして、先生御指摘に相なりましたように、過去のいわゆるたばこがしょっております地方、国に対します財政への寄与の割合というもの、これは非常に重要な決定要因であるというふうに考えます。 それと同時に、そういうような面と同時に、公社の経営という面につきましてもこれは考えてまいる必要があろうかと思います。余りにも高い率というものを定めるということになりますと、当然公社の経営というものは成り立ってまいらないわけでございます。そういう面から考えてまいりますと、今回お願いしております平均的な納付金率で五十四年度の予算から計算してみますと、先ほど総裁からも申し上げましたように、公社に大体千億程度の内部留保ができるということになるわけでございます。売り上げに対しまして大体四%ぐらいのものでございますが、この四%というのが公社の経営上適当であるかどうかという面からの、公社経営という面から見ますと、そういう面からの御検討も必要であるわけでございます。 まあ公社も製造業でございますから、一般製造業としてどの程度の経常利益というものを一般的には持つんだろうかというような問題。 それから先ほど先生納付金の計算の方式について御指摘ございましたが、納付金を計算しますときに、現在の専売公社法におきましても、あるいは国の企業でございます印刷局とかアルコール専売におきましても、それらの企業が行います投資、これは固定資産投資、在庫投資あるわけでございますが、そういうものに対する資金繰り資金として相応のものを公社の中に残しておくということが求められるわけであります。 そういうような面を考慮いたしまして種々検討をいたしました結果、まず平均で五五・五程度というのはおおむね妥当な線であろうという結論に達しまして、それをお願いいたしておるような次第でございます。
○福間知之君 内部留保一千億という一つのめどが先ほどから出ているわけですけれども、平均で五五・五という納付金率とすれば、たとえば一兆円の売り上げがあったとすると五千五百五十億円ですか、これは国庫納付金あるいは地方の消費税ということになる。残りの四千四百五十億円、これが単純に言って公社の取り分と、それでもって経営の諸経費をすべて賄うと、単純に言ってそうなるわけです。そのうちの一千億が内部留保だと、こういうふうに聞き取れるんですがね、私流に解釈すれば。それでいいですか。
○説明員(後藤正君) 先生の一兆円という仮定を置きますと、これは定価で一兆円といいますと、まずそれの定価の、先ほど先生おっしゃったように五千五百億が国と県、市町村に行くわけでございます。それから、一千億が小売人手数料で小売人に行くわけでございます。したがいまして、六千五百億がそういうことで国と地方と小売人の方に回っていきます。したがって、あとの三千五百億が公社の原価と、それと内部留保ということですが、先ほど私どもがお答えしました約一千億、今度の定改をお願いして約一千億の内部留保といっておるのは、これはいまの二兆五千の規模で計算した数字でございますので、いまの約四%でございますので、したがいまして、一兆という仮定をいたしますと四百億が内部留保ということになります。
○福間知之君 それで、二兆ですか、二兆五千億ですか、として売り上げ二兆五千億として一千億と、こういうことですね、四%ということですな。 それでいわゆる公社としての何といいますか、再生産諸費用は賄えると、こういうことのようですけれども、それで十分というと語弊がありますけれども、仮に二兆五千億の売り上げの企業が——巷間に余りないですがね、日本の大企業といえども。それで一千億というのは、私の感覚からすれば決して高くない。逆を言えば、納付金率の方が割り高であるということになるわけです、民間企業的センスをもってすれば。 まあこれは単に専売公社の企業面の近代化とか、基盤の強化とかそんなことは差しおきまして、働いている方々の福祉の費用もこれ必要ですし、いろんなことを考えますと、一千億というのは二兆五千億の売り上げでですからね、果たしてその売り上げ自身がどうも怪しいんであってそう当てにはできない数字だなあという感じを先ほどから聞いておって持っているわけです。したがって、私はやはり、この納付金率というものの妥当性というものが、いま説明があったんですが、そういう角度からいくならば、私はちょっと逆に高過ぎると思いますよ。もう少し留保分をふやしてもいいと思うんです。さらにそれを発展させれば、そんなに留保分は要らぬとなれば、値上げ率を少し抑えるということは可能になるということになるわけです。 だから、既定のものを積み重ねて考えていけば、整然といま御提案されているような姿になるんでしょうけれども、やはりこれはいつかはそういう精査な洗い直しを一遍してみるということも必要だと思います、ここでにわかにというわけにはいかぬかもしれませんけれどもね。 利益を国民に環元していくという角度に立てば、もちろん総裁おっしゃるように専売事業ですから、国や地方に納付金が納められないようなことでは困る。だからそれを最低限保障する価格というものはしたがってもちろん設定しなきゃならぬ、これはもう当然のことでございますけれども、妥当性が問題になるわけでして、財政状態が厳しいからといってここで千億円削るということもどうかとは思いますけれども、しかし、国民の値上げに対するいわば不満等を考えれば、やっぱりわれわれは、ぎりぎりの線でこれはいかなきゃならぬ、こういうふうに思っているわけです。 で、その議論はそれとしまして、どうもたばこの品種によりまして、いつまでたっても余りペイしないような商品があるということも聞くんですね。どこの民間の企業といいますか、大衆的な商品を扱っているメーカーなど、特に多品種のものを同じ企業の中で扱っている場合にいつも困る問題は、五年前に出していまないから部品がないじゃないかというふうなことが、これは民間の第二次、製造業の商品の場合あるわけですね、アフターサービスがきかないとか何とか。たばこはそれはないんですよね。つくらなかったらそれっきりで、多少扱いたいやつが不満を持っているけれども、どこかへ変わっていくわけですね。それが一概にいいとは言えないにしましても、ペイしない商品というものについては、これはいままでもある時期に区切りをつけたことがあると思うんですね、確かに。現在はやっぱりそういうものが一応挙げれば幾つかあるんですか。
○説明員(泉美之松君) 先ほど福間委員から内部留保千億という金額についてのお考えがございました。確かに民間企業で二兆五千億の売り上げというような大企業は、新日本製鐵、トヨタ自動車、日産自動車——日産自動車よりちょっと専売公社の方か多いかと存じます——そういう民間企業との比較におきまして千億の利益というのが多いか少ないかというのは、いろいろ考え方もおありかと思いますけれども、まあ民間企業でございますと利益が出ましてもその約半額は法人税と事業税に納めなければなりません。専売公社の場合にはその点、法人税、事業税が非課税になっておりますので、その税金相当分を考える必要がないという意味では、もう税引の千億というふうにお考えいただきますとそれほど低くもない、そうかといって多過ぎるとも言えないと私は思うのでありまして、年々コストアップが約二百億余りずつ生じてまいりますので、そうしますと約四年ないし五年ぐらいでは——五年たたないうちにでありますけれども、四年ちょっと過ぎるとこの内部留保はゼロになる、赤字になるというふうに考えられるところでございます。 そこでその場合には、お願いしておりますようなやり方で定価改定をさせていただきたい、こう申しておるのでございまして、そういった点からいたしますと、いろいろ御意見はおありかと思いますけれども、今回の納付金率の平均の五五・五というのは、過去の経緯からいたしましても、あるいは諸外国との比較からいたしましても、おおむね妥当なところではないか。 御承知のように、地方消費税が府県と市町村と合わせまして二八・四%、これはしかし前年単価でございますので、当年単価に直しますと二八%、したがって国と地方とで大体同じようなふうに分けるといたしますと五六%が妥当なところになるわけでございますが、関税が加わってまいりますので、輸入たばこの関税を考えますと、それが将来ふえることを考えますと、五五・五%とその関税分を合わせて大体五六%程度というふうに見ることができますので、今回の納付金率の平均の五五・五%というのはそういった点からもほぼ妥当な数字ではなかろうか。おまけに、公社の内部留保という点からいたしましても、法人税、事業税を納めなくても済むという点から言うと、千億という金額は税引き後の金額としてはかなりの金額と見ていい。 まあ先生は、それがよいのなら少し値上げ幅を抑えろと、こうおっしゃるのかもしれませんけれども、全体として、先ほど後藤が申し上げましたように、五十四年には五月一日定価改定の予定で見込んだ数字が二兆四千七百八億の定価代金になっておる、まあ二兆五千億をちょっと切っておる程度でございますけれども、これがおくれましたのでだんだんと減って、いつ実施になるかによってこの金額がもっと減りますけれども、それにいたしましても二兆四千億程度にはなろうかと思うのでございます。そういった点からいたしますと、今回の納付金率及び内部留保はいろんな面から見てほぼ妥当な数字ではないかというふうに私ども考えておる次第でございまして、その点を御理解いただきたいと思うのでございます。 それから下級銘柄の中には原価を賄えないものがあるというお話、確かにゴールデンバットであるとか、沖繩のハイトーンであるとかバイオレットであるとか、あるいはパイプたばこの桃山、こういったものは原価を賄っておりません。これは法律の附則にありますように、この点については当分の間、大蔵大臣の承認を得てこの規定は適用しないということになっておりまして、本来このたばこの製品は専売納付金を含めた金額であるべきものでありますけれども、こういった銘柄のものにつきましては専売納付金を賄うことができないことになっておるわけであります。 ただ、それではそういう下級銘柄はやめてしまったらどうかと言われましても、これはまあ愛煙家の方もおられるわけでございますし、私どもとしましては、製造銘柄がたくさんあります中のごく一部でございますので、これは全体として専売納付金を納められることができれば、こういった原価を賄えないような銘柄のものも一概にやめるわけにはまいらない。これはまあ専売公社の公共性の面から見ましても、そういう消費者がおられるという前提のもとにやっていく必要があろうかと思っておる次第でございます。 ただ、こういう銘柄がどんどんふえてまいりますようなことになりましては困りますので、その点は、私ども今後とも原価管理というものを十分徹底してやってまいりまして、コスト割れということの事態が大きく生じないように努力してまいる所存でございます。 ただ、コスト割れを起こさせないためにコストを低くしようとしますと、どうしても喫味に影響するおそれがございます。喫味が変わってきましては、せっかく銘柄を残しましても消費者の方に御満足をいただけないという心配も生じてまいりますので、この点につきましては、今後私ども大変骨が折れるとは思いますけれども、大いに考慮してやってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○福間知之君 その納付金率の妥当性については、まあこれはなかなか結論が、そう竹を割ったようには出ない問題かと思うんですがね。 たとえばこれはどういうことでしょうか。この数年、先ほどの、前回価格改定の行われた五十年の末、十二月十八日ということでしたが、その五十年に総合的な納付金率は四八・九という数字がありますね、このときの益金率は五四・四なんです。五四・四なんで、前年あるいは後年に比べて確かに益金率低いんですね。納付金率もぐんと下がっているんですね。それから五十一年五三・〇、五十二年五四・七、大体復元を示しているんですがね、ここいらはなぜこう比率が下がったんですか。
○説明員(名本公洲君) 五十年度におきまして益金率が下がりましたのは、先生御指摘に相なりましたように、十二月十八日というところで定価改定に相なりましたために益金率が下がったわけでございまして、五十年のときにも、五月一日の値上げを予定させていただきまして、その五月一日の値上げということでまいりました節には、益金率は大体ほぼ六〇%に回復するという予定であったものでございます。それがおくれた結果、このような益金率になったわけでございます。 それから五十一年度以降、いわゆる総合納付金率、国庫に対します納付金、それから地方たばこ消費税を加えたものが総定価代金に対しまして占める割合というものが、こういうふうに五十一年度で五三%、五十二年度で五四・七というふうになっておるわけでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、専売公社がいわゆる生産のために、在庫投資あるいは設備投資をやっていくためのお金というものを適当な水準で専売公社が留保していくということが、これまた大切なことでございまして、これは先ほども申し上げましたように、法律でもそういう点が書かれてあるわけでございます。 ちょうどこの時代は、まず第一に在庫投資から申しますと、葉たばこが石油ショックのときに四〇%以上の値上がりを示しまして、葉たばこの在庫投資というものが急激にふえました。それから、これは専売公社におきます設備投資というものもかなりなテンポでこの当時進んでいたわけでございます。そういう点も考慮いたしまして、内部留保というのがかなりの額に達しておるわけでございます。したがいまして、現行の法律で申しますと、先生がおっしゃいましたように、いわゆる総利益から資産の増加額を引き、さらに長期債務の増加額を引くという計算方式になっておるわけでございます。そういう計算過程から、国庫に納付金として納める部分というものが定価代金というものに対しましては落ちてきたというのが実情であるわけでございます。
○福間知之君 そうしますと、今回この改定ということが行われるという前提でいけば、納付金率五五・六%維持しても全体としてそう支障はないと、こういうことのようですね。 ところで、その場合の中身なんですけどね。これは、たとえば製造原価の推移という表をちょうだいしているんですけれどもね。五十年度を一〇〇とした製造原価、販売及び一般管理費、トータルとして総原価の比率が出ていますね。五十三年はこれ見込みになっていますから、そういう前提で判断しなきゃならぬのでしょうし、さらにその見込みの上に五十四年度の予定数値が入っているんですね。 ここで、たとえばいまおっしゃった葉たばこというのは原料費に入るわけですか。材料費なんですか、原料費ですか。この原料費、材料費、労務費、工場経費というものの中身、主なものをちょっと御説明をしてください。 葉たばこが大変上がっていると、こういうお話ですけれども、それは果たしてどこまでのウェートをこの中で占めるのか。あるいはまた、労務費というのは賃金中心にした人件費だろうと思うのですけれども、これは最近余り上がっていませんので、この数字で妥当かと思うのですが、しからば工場の経費というのはこれは一体何なのか。その概略をこの原価についてちょっと御説明ください。
○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。 公社の売り上げ原価、大きく分けまして製造原価と販売及び一般管理費というふうに分かれるわけでございます。いわゆる製造原価を俗に売り上げ原価と称しておりますが、その中で一つの大きな要素は、原料費——これは葉たばこの費用てございます。それから材料費でございますが、これはいわゆる巻いておりますフィルタープラグとか、外包装をしております膨化用紙とか、それからさらにはセロファン、カートンというたようないわゆるたばこに付属してそのまま、たばこという商品を形成をしておりますほとんどのものが材料費でございます。 それから人件費は製造原価でございますんで、製造に関連している従業者の賃金、それから諸手当、それから共済負担金とかいったようなものが人件費になっております。 それからその他は、減価償却費であるとか、いわゆる光熱水料であるとか、そういったいわゆる工場のランニングコストといったようなものがその他経費というふうになっておるわけでございます。 で、先生お手元の要素別の製造原価の推移、五十年を一〇〇にしまして、原料費が一二七、五十四年予定でございますが、一二七・八、それから材料費が一二〇、労務費が一二一・五、経費等が一四九・五と、製造原価が計で一二五・四、それから総原価では一四三・一というふうになっております。が、 これは、原料費につきましては、先ほど私がちょっと御説明申し上げましたように、四十八年暮れからのオイルショックによりましてちょうど原価を構成します原料費、葉たばこ費が一六・六四とか四四・三三というふうに大変大幅に収納のいわば価格を引き上げざるを得なかったということがこの原料費の最近の非常に高騰にきいておる。それから材料費につきましても、いわゆるフィルタープラグ等々でございますが、これを固めますいわゆる可塑剤とかのりとか、いろんなものは皆石油関連の製品でございます。したがって材料品も相当の高騰をした。労務費につきましては、製造工場の場合におきましては現在労使協議を尽くしながらできるだけいわゆる高速機に切りかえておりますので、いわゆる賃金アップ等もございますが、できるだけそれを機械代替をさせながらいわゆる賃金の上昇というものをできるだけ原価要素的には抑えていくような努力をしております。 経費の方はどちらかと申しますと、これは消費者物価関連の非常に強い経費でございます。いわゆるCPI関連で大変強い経費でございまして、したがいまして消費者物価が五十年以降——最近こそ鎮静化いたしておりますが、一時期はいわゆる五十年から五十一年に大変消費者物価が上がりましたので、そういうことで経費等が上がっておるのと、最近は人件費のほかに機械を入れまして減価償却費、資本投資がふえておりますので、そういう意味で、非常に大型工場の稼動に伴いまして私どもの方は建物は定額法、それから機械装置等は定率法という減価償却法をとっておりますので、稼働に入りますと、大変償却費が初年度から二、三年は非常にふえてまいります。そういうこともございまして経費等の上げ率が高い、そういうような状況でございます。
○福間知之君 続いて、それに関連して、いわゆるこういう経費の推移で、それは個々にいまおっしゃられたように原料費、材料費あるいはまた工場経費それなりにわかります。あるいはまた消費者物価がらみでの管理費だとか販売費ですか、こういうものの高騰、これもわかります。これはパーセントで出ていますからね、ちょっとあれですけれども、実際は金額的に出るともう一つはっきりするんですね、ピンとくるんですよね、それが一つ。 もう一つは、これは製造原価、総原価だけの推移ですね。大臣がおりませんが、納付金を納めた後の実際のうちの内部留保ですよ、これの推移が金額で出てたらいいんですけれども、出ていませんが、言える範囲で一遍ちょっと教えてください。
○説明員(後藤正君) 公社の内部留保は、結局いわゆる資産増に対する資金手当ての性格を持っております。通常民間会社ですと、いわゆる固定資産につきましてはできるだけ自己資本で賄う、それからたな卸し資産についても大変、一部のものについてはいわゆる自己資金、あとは借り入れしようというようなことでございますが、公社の場合のいまの内部留保は御案内のようにたな卸し資産の中で大変葉たばこのウェートが高うございます。 というのは、二カ年間蔵置して熟成しないと葉たばこの特有の喫味が出てまいりませんので、したがって、いまのところ約七千億に上るような葉たばこについての内部留保、いわゆる資産を持つわけでございます。したがいまして、私ども内部留保につきましては大蔵と協議を尽くしながら、大体過去平均五〇%ぐらいの、資産に対して約五〇%の内部留保というようなものをいままで実績として持っておりますし、それからいま仕込まれました税率によりましても、大体今後もその資産増に対して来年千億と申しますと、来年の大体資産増は、これは見込みでございます——葉たばこなんかは天候によってできたりできなかったりしますので見込みでございますが、来年は八三%ぐらいの、資産増のうち八三%は内部留保で賄える。それが平均しますとどんどん積極的にいろんな、いわゆる市場の強化とかのことは別にしまして、今度は原価の方の管理からいきますと、いまの内部留保が毎年毎年やはり消費者物価、卸売物価、労賃等の上がりによって内部留保額がだんだん減っていって、何年かたつとそれがゼロになって赤字になるということになるわけでございます。 それで、いま最近のちょっと例示だけでございますが、御参考までに申し上げますと、内部留保額でございますが、五十年定改を実施いたしましたときは、これは六百三十七億の内部留保をいたしました。それから定改が平年度化しました五十一年でございますが、千四百七十二億円、五十二年は千二十八億円、五十三年度は、これはまだ決算はもう少しよくなると思いますが、いわゆる予算的な数字では約三百億というふうに五十三年は減ってまいります。—— いま実行見込みが手元に参りましたが、実行見込みではいわゆる物価の鎮静化等もございまして、資産増も比較的抑えられた結果、いわゆる五十三年では七百二十二億の内部留保になります。 それが、いま御提案申し上げておりますような定改をお認め願いますと、五十四年度ではそれがまたいわゆる千億台に回復していくということでございます。
○福間知之君 じゃ、これは参考までにお聞きをしておきたいと思います。 次に、先ほどの納付金の問題に関連しまして、専売関係の事業の審議会がございますが、今回のこの改正内容についても審議会での検討と答申があったものと思うんですけどね。専売関係のこの審議会というのは、私多少関係の筋から意見を聞いているんですけれども、もう少し中身のある討議がほしいとか、言っては失礼だけれども、余り実の入った討議を十分していただけてないというふうなことを耳にするんですが、これは多分にそうだとすれば構成のメンバーに少し配慮をする必要があるんじゃないかと、こういう気がするんですがね。これは公社の方にお聞きしていいのかどうかわかりませんが、大蔵大臣そういうことをお感じになったやに聞くんですが、いかがですか。
○政府委員(名本公洲君) 専売関係の審議会というのは、総裁の諮問機関は幾つかございますが、大蔵大臣の諮問機関といたしましては、日本専売公社法にございます専売事業審議会におきまして、専売事業に関します各種の事項につきまして大臣に建議あるいは答申をちょうだいいたしておるわけでございますけれども、その構成メンバーは全体で九人でございまして、そのうち一人の方は葉たばこ耕作者、その他専売事業に直接関係をお持ちの方が任命され、もう一人は公社の職員の方の中から任命をさしていただいておりますが、残りました六名の方、委員長は別にいたしまして、六名の方々は、学識経験豊かな方々でございまして、現在のところ大学の教授の方あるいは新聞社の方、あるいは一般の女性の方がお一人入っていただいておりますし、また専売事業に詳しい方も一人入っていただいている。そのような構成でございまして、従来から非常に広い視野から専売事業につきまして種々御討議をちょうだいいたし、非常に有益な御意見をちょうだいいたしているものというふうに私どもとしては考えております。 なお、今回のこの制度を改正するに当たりましては、昨年納付金率の法定の問題、あるいは定価法定制の問題につきまして非常に詰めた議論をいただきまして、昨年の暮れにこの審議会から御答申を大臣あてにちょうだいいたしたわけでございます。 私ども、今回お願いいたしております制度改正は、おおむねその答申の線に乗りまして改正案をつくりまして御審議をお願いいたしておるような次第でございまして、私どもといたしましては、この専売事業審議会におきます御議論というものは、非常に高い立場から、かつ、広い立場からの有益な御議論を常にちょうだいいたしておるというふうに考えておるところでございます。
○福間知之君 これもしばしば問題になる国鉄の監査委員会、電電公社の経営委員会等に比べまして、専売公社の場合にメンバーの構成という面で、何といいますか、もう少し開かれたメンバーにした方がいいんじゃないかと感じているんですよ。 大臣、これは衆議院の大蔵委員会でもすでに議論があったと聞いていますし、繰り返すことはしませんけれども、やはり専売事業というものに精通された人が少ないという印象なんですよね。労働組合の代表を入れるということもいいでしょう。すでに元組合の代表であった方も入っておられると聞いていますが、新たに今後納付金率の法定化もするわけですし、少しメンバーを充実してはどうかなあと。関連の業者の代表などももっと入れたらどうかというふうな意見が私どもの側にあるわけですけれども、これは大臣の方で思い切られれば、そう私は支障のある問題じゃないと思うんですよ。特に多額の手当を提供しなきゃならぬということでもありませんしね。まあ人数が多少ふえるんで事務当局が煩瑣だということはあるかもしれませんが、しかしやっぱり現在のメンバーを見ましても、私持っていますけれども、ちょっと不十分じゃないかなあと、こういう気がしているんですが、いかがですか。
○国務大臣(金子一平君) 福間さんのおっしゃるとおり、従来の九人の方は、それぞれの専門のお立場の方、あるいは学識経験者という立場でお入りいただいて、十分委員会としてのお仕事をやっていただいておると考えておりますけれども、今度は、定価の改定につきましても審議会でお任せいただくというようなことになりますと、やはり私どもとしては、さらに広く専門家にもお入りいただき、あるいは消費者代表にもお入りいただくということが必要と考えますので、衆議院における論議も踏まえて、その点につきまして定価改正の際には考慮したい、こういうように考えている次第でございます。
○福間知之君 大臣、それはぜひひとつ、繰り返しませんけれども、衆議院段階の議論も踏まえて、参議院の私どもとしても強く要望しておきたいと思います。これが今後の専売の労使関係ということにも有形無形に影響がある問題だと判断をいたしますので、善処をお願いしておきたいと思います。 次に、少し具体的な点でお聞きしたいのですが、今回の価格改定に伴って、当然たばこ耕作者とか小売店への影響が出てくるわけでございますけれども、現在定価の、先ほど来のお話でも一〇%程度の手数料が必要であると、こういうようにおっしゃっているのですけれども、小売店の側はいまその手数料に関してはどういう受けとめ方といいますか、あるとすれば要望が存在しているのでしょうか。
○説明員(立川武雄君) 現在、たばこ販売店の手数料は平均的に申し上げますと一〇%でございます。年間に九千万円を超えます場合は、その上積みの部分につきましては七%の高額調整というのがございます。大多数は一割でございます。なおまた、輸入たばこについては七%といった体系になっております。 価格改定をいたします場合に、四十三年、五十年の際にも議論がございましたけれども、ある意味では税収がふえる部分もございますので、一割を若干調整したらどうかといった意見もあったわけでございますけれども、今回の価格改定に際しましては、五十年の価格改定以後、先ほどもお話がございましたように、消費者物価、賃金等も二割以上上がっておるというようなこともございます。また、定価改定の前後にはお客さんの仮需要に対応するとか、あるいは定価改定の際には現品を調査いたしまして差益を納付するとか、あるいは自動販売機の調整をお願いいたしまして、なるべく早くお客様に不便をおかけしないような作業がございます。それからまた、価格改定をいたしますとどうしてもやはり売上数量が若干一時期下がることになりますので、一緒になりまして、改定後の市場の維持、回復に向かって販売努力をお願いしなければならないということがございまして、今回の価格改定に際しましては、一割を従来どおりの体系で据え置きたい、かように考えております。販売店の組合も据え置きということは以前から申しておりましたけれども、そういう考えでございますので、現在のところ手数料について特に意見はございません。
○福間知之君 小売店の組合は、何か集会などを持って幾つかの決議をしたりしておるようですけれども、その中では手数料の引き上げというようなことは言ってないですか。
○説明員(立川武雄君) 今回の価格改定に際しましては、一割を調整するようなことはしないでほしいという、そういう意見はございましたけれども、結論が据え置きということになりましたので、特に伺っておりません。
○福間知之君 私、何も引き上げろということを強調しているわけではないんで、そこらとも大体意思疎通は終わっていると、こういうことでございますね。 じゃ、今度はたばこ耕作者の問題、影響はどういうふうに見てられますか。
○説明員(泉美之松君) たばこ耕作者の方が一番心配されておりましたのは、今回のように専売納付金が法定化されると、公社は何とかして葉たばこの代金を少なくしてコストのアップを避けようと思うに違いないと。そうすると、今回のような納付金制度の改正をやられることはたばこ耕作者としては大変心配だというお話が一時あったのでございます。 しかし葉たばこの価格というのは、先生御承知のように、たばこ耕作審議会に諮問いたしまして、その審議会の答申によって決めるものでございまして、なかなか公社の一存でこれを下げるとかいうふうにはまいりかねるものでございまして、私どもとしては、今後ともたばこ耕作審議会で公正な判断をしてその価格をお決めいただくことに変わりはないのだから、今回の納付金制度の改正によって耕作者の方が影響を受けるものではないということを御説明申し上げまして、およそ納得をいただいておる次第でございます。 ただ、その際耕作者の方からお話がありましたのは、通常の状態ならいいけれども、公社が赤字になるようなときには、どうしても公社から葉たばこの値上げまかりならぬと言ってくるに違いない。そういう点から言うと、この製造たばこ定価法定制の緩和というものと今回の納付金制度の改正と、それから今回の小売価格の改定、この三者は三位一体として考えてもらいたい。どれか一つでも欠けたらたばこ耕作者としては反対するというようなきつい注文がついておる次第でございます。
○福間知之君 大変なことを総裁おっしゃるんで、そうすると、全部これセットでとにかく認めてもらわなければ困る、こういうふうに脅迫をされているような気がするわけですけれども……
○説明員(泉美之松君) 耕作者の方が申しております。
○福間知之君 それを代弁されているわけですからね。 この値上げによって現在生産調整しているわけでしょう、葉たばこの方はね。そういう立場で葉たばこの業者が心配されている、そういうことはそれなりにわかりますわね、これ。 だから、要するに先ほども葉たばこで七千億円抱えていると、こういうお話が出ていましたけれども、営業部長さんでしたかな、出ていましたね。これからかなりの在庫もあることだし、その上に、しかし耕作者に対して全く生産調整を長期にわたって持続させていく、あるいはそれに対する一定のまた補償を、お米の話じゃないですけれども、専売公社独自でやっていくと、こういうことが一応考えられるわけですよね。 果たして長期的に見た場合に、今回の制度改定によって耕作者が心配するようなことを公社側はさしあたって犠牲のしわ寄せをするということはお考えになってないでしょう。それはそうだろうと思うんですよね。しかし長期的に見て、葉たばこ耕作者の現状が果たしてどうなっていくのか、改善されてくるのかどうか。特に、先ほど来の説明でもありましたように、外国産葉たばこを大量に使わなければならないと、しかもその価格は安いということですからね、日本の二・五分の一ぐらいでしょう。そういうことになりますと、耕作者たる者、心配であることはもちろんですし、公社としてもこれは放置できない問題ですね。私どもも専門家じゃありませんので、そこいらは短時間の質疑応答ではわかりませんけれども、どういうふうに育成をしていくのかという問題ですね、これは当然お考えになっていると思うのですけれどもね。
○説明員(永井幸一君) お答えを申し上げます。 先ほど来われわれの方から御説明申し上げておりますように、近年大変需要が停滞してまいっているわけでございまして、そういった事情から、現在の生産高は国内葉のわが社における使用所要高を超えているわけでございます。 毎年毎年累積して在庫がふえていくという形になっておりますものですから、一昨年来若干の生産調整をやらしていただいているわけでございますが、その生産調整をやるに当たりましては、現在葉たばこの生産が農家経済の中に占めているウェートというものが非常に大きいわけでございまして、特に南九州でございますとか東北でございますとか、そういった地域におきましては、農家経営の中に非常に大きなウエートで葉たばこの生産というものが組み込まれているわけでございまして、それを一律に取り去るということはなかなか農家経営の面から大変むずかしい面があるわけでございまして、そういったことも考慮をいたしまして、現実に労働力不足でございますとか、たとえば、たまたま御不幸なことに耕作者の方が亡くなられたとか、そういった耕作者の側のいろんな御事情で廃作をしたいとか、あるいは去年は一ヘクタールつくっていたものがことしは八十アールに減らしたいとか、そういう減作をしたいとか、そういった方がかなりいらっしゃるわけでございまして、そういった耕作者からのお申し出の廃減作の範囲内で面積を減らしていくと、強制的にはカットしないというたてまえでここ二年ばかり調整をさしてまいっているわけでございます。 そういったことで、若干の調整をさしていただかなければ、葉たばこの所要とそれから生産とがなかなかマッチしてこないという事情は一方にあるわけでございますが、もともと四十年代の終わりごろから国内産の葉たばこの品質が大変低下をしてまいっております。これはいろんな事情がございまして、いろんな事情の複合でございますが、結果的には、肥料をたくさんやって単位当たりの収量をふやした方が耕作者の方々の実入りが大きいというような結果からそういう方向に向いてきたと、葉たばこの生産がそういう方向に向いてきたということであったかと思います。 そういったことを続けてまいりますと、最近のようにシガレットの需要が大変売れ行きが悪い状況の中では、これはそういうことで品質の悪い葉たばこからシガレットをつくりますと、どうしてもシガレット自体の品質が悪くなるというようなことになりまして、これはたばこ産業全体として考えますと消費の基盤自体が維持できないというようなことにもなってくるわけでございますし、片方では輸入シガレット、先ほど来これもお話しになっております輸入シガレットとの対抗の問題もございまして、輸入シガレットにだんだんマーケットを食われるということになりますと、これは全体のプールが小さくなるということにもなるわけでございまして、そういった意味から今後の国内産葉たばこの使用量を高めていくためにはどうしても品質を向上し、全体のシガレットのマーケットの消費基盤を維持していくということがぜひ必要だということでございまして、耕作者あるいは団体の方々ともいろいろお話を申し上げまして、ぜひ品質を四十七、八年程度の品質にまで回復をしてもらいたい、そういったことから公社も肥培管理、乾燥管理その他について御指導申し上げますし、価格体系の面でも等級間の格差を広げるという措置をとることによりまして品質向上を図ってまいりたいということで合意が得られているわけでございまして、昨年、五十三年作につきましては天候がよかったこともありまして、そういった方向に大変向かってまいっているわけでございます。 基本的にはそういうことでいい葉たばこをつくり、そのいい葉たばこを原料としたシガレットを消費者に供給するという形を通じて需要の基盤拡大を図ってまいりたい。そういうことによって、国内産葉の安定的な生産対策に資していきたいというふうに考えているわけでございます。
○福間知之君 葉たばこ耕作者はいまどれくらいで、ここ数年どれくらい減ってきているんですか。 それからもう一つは、自主的な申し出、耕作者の希望によって減反を一応進めていくという立場をとっていると、こういうことでございますが、それでいてなおかつかなり在庫を抱えているというわけですね。 私などかねがね疑問に思っているのは、いつもこの大蔵委員会で附帯決議なんかがついていまして、葉たばこ耕作に対する項目もあるんですが、これはことしもやっぱりこれついているわけですよね。大臣笑っておられますけれども、実際そうなんです。同じようなことがついているんです。 それでわが国が、公社の方が海外産葉たばこをかなり輸入して使っていると同じように、国産のものを少し外国へ買ってもらうと、まあいまその逆の立場で問題が大きい時代ですけれども、しかしたばこの、葉たばこという一つの特殊商品について需要はないこともないと思うんですが、幸い日本にも余っているんだとすれば、そしてあちらで新しいブレンドを開発していくというふうなこともあっていいとは思うんですよね、口で言うほどやすくはないでしょうが。減反、減反でこちらの方は往生しているというだけじゃ知恵がないんですよね。そこらも果たしてどうなのか。 それから、減反をされている耕作者の方が、じゃ何に転換を、転作をされているのか。恐らくお米じゃないだろうと思うんですよね。その三つ少し御説明ください。
○説明員(永井幸一君) 耕作者の人員でございますが、昭和三十五年から四十年ごろまでは三十二万強の人員がおられたわけでございますが、四十五年には二十万、五十二年には十一万九千名、五十三年は十一万六千名でございます。現在十一万強という数でございます。 それから輸出でございますが、これも先生御案内のとおり、先ほどもちょっとお話ございましたように、国内産の価格がいわゆる国際マーケットといいますか、葉たばこというのは国際商品でございますので、各国でかなりの輸出、交流が行われているわけでございますが、そういった品質、価格、それから使用適性とか、そういったものの比較におきまして二倍半を超えている価格になっているわけでございますので、もし輸出をするといたしますと、かなり安く供給をしないとなかなか世界マーケットじゃ流通してまいらないという状況でございます。 過去におきまして、昭和四十年前後にはバーレー種を中心といたしましてかなりの数量が諸外国に輸出されておったわけでございますが、特に四十七、八年ごろのオイルショック以後の収量、価格の急激な上昇によりまして全く国際市場性をなくしてしまうという現状でございます。 ただ、先ほど来先生からも御指摘ございますように大変在庫が多いわけでございますので、一体どういう価格まで引き下げればどれくらい売れる見込みであるのかということを現在調査を始めている段階でございまして、一体どの程度まで引けばどの程度の物が売れるのだろうかということをいろいろ調査をいたしたいということで、いま商社などに頼みまして、一体どこがどういう価格でどういう物を買っているかということを調べている段階でございます。 自然廃減作は先ほど申し上げましたようなことで、ここ数年、四十九年ぐらいから十一万九千、十一万八千、十二万一千というあたりを動いておりまして、大体いまの段階で二千人から三千人程度おやめになっているんではないかと思います。おやめになっている原因が、先ほどちょっと申し上げましたように後継者がいないためにやめるとかそういったような事情でございますので、たばこはどうしても十アール当たりの労働がかなりかかるものですから、労働時間がかかるものですから、たばこをおやめになった後は比較的労働時間のかからないその他の作物にお移りになるか、あるいはお休みになっているか、そういうことではないかと思います。
○福間知之君 四十年近くまで三十二、三万人の耕作者がおられて、現在で約三分の一に減っているということでございますがね、いまのお話では。生産量はその割りには減っておらない。それだけ生産性も上がっているわけですね。果たしてこれで大体耕作者の数は下げどまりになるのかどうなのか、ちょっと見当つきませんがね、まだ減っていくのかどうか。 そういうこととあわせて、先ほど私が申し上げた国際的な商品として売れないのかということについては、いまの御説明では何か価格の面で市場性をなくしていると、こういうふうな印象ですが、品質の面では果たしてどうなのか。本当に価格の面だけなのか。またどういう努力をされているのか。 商社に頼んでいろいろ知恵もかしてもらっているとおっしゃっていましたけれども、これが結局単に耕作者の数が多いとか少ないとか、ふえたとか減ったとか、生産性が上がったとか下がったとかいうことだけじゃなくて、わが専売公社にとってこれかなり大きな問題だと見ておるわけですよ。これからの推移としてどういう見通しがあるのか。もっとこれは減っていくと、いやそれはもう単位面積当たりの生産量はふえて、それで絶対量はしかし減らない。一方、公社の使う外国産たばこのウェートは高まっていく。そして国産たばこのいわば製造原価は決して低くならないので国際市場性はなくなって輸出もできないんだ。何かふん詰まりのようなことになるのかどうか。 これは冒頭ちょっと総裁に私も申し上げましたように、単に専売公社だけの問題として見ていいのかどうか。要するに農林水産がらみの対応ということを必要とするのじゃないのかというふうな視点をちょっと私いま含んでいますけれども、そういう観点でどうですか。先ほどの御答弁にさらに付加をしていただかなきやならぬかと思うんですがね。
○説明員(泉美之松君) たばこ耕作者の推移は先ほど永井からお答え申し上げたとおりでございまして、現在のところ十一万六千人程度の数字でございます。非常に遠い将来のことはわかりませんけれども、ここ数年は恐らく十一万程度で推移するのではないかと。 で、一人当たりの耕作面積はふえていく傾向にありまして、耕作面積全体としては、先ほど申し上げましたような廃作、減作がありますので、その廃作、減作が大体二千ヘクタールあるいは二千ヘクタールをちょっと超える程度ございますので、その分は減っていくと思いますけれども、耕作者としてはそう大きくは減っていかないのではないか。十万、十一万を切るようになるのは二、三年先であり、その後も十万台はある程度維持していくのではないかというふうに見ております。 ただ、先生のおっしゃるように、国内の葉たばこの在庫が余っているんだから何とかそれを輸出して解決はできないかという点でございますが、品質的にはニコチンレベルが日本の葉っぱは高いものでございますから、世界的に緩和化な傾向にある状態では必ずしも好まれる葉っぱではないわけであります。しかし、国によりましてはニコチン、タールの含有量の多いたばこを少しまぜることによって味を濃くすることができますので、そういう意味で日本の葉っぱに興味を示しておるところもなきにしもあらずでございます。 ただ、先ほど永井が申しましたように、価格面からいたしましてちょっと国際価格から離れ過ぎておりますので、なかなか輸出ということが容易でないのが実情でございまして、先ほど永井が申しましたように、目下各方面に働きかけまして、何とか輸出の成果を上げることができないかというふうに苦心をいたしておるところでございます。 お話しのように、葉たばこ耕作ということは、その需要者は専売公社であるわけでございますけれども、農家の現金収入としましてはかなり大きなウェートを占めておるものでございまして、わが国の葉たばこ耕作が大きく落ち込むというようなことになりましては農家にとって大変なことでもございますので、私どもといたしましても農林省と緊密な連絡を図りながら、何とかして、たばこ耕作は結局畑作振興につながるわけでございますので、農林省とその点についていろいろ打ち合わせをしながら進んでまいっております。今後ともそういった意味での努力を続けてまいりたい、このように思っておるのでございます。
○委員長(坂野重信君) 暫時休憩いたします。 午後四時十五分休憩 ————————————— 午後四時二十分開会 〔理事藤田正明君委員長席に着く〕
○理事(藤田正明君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、福間君の質疑を行います。
○福間知之君 先ほど総裁お答えいただいたんですけれども、葉たばこ耕作者十一万五、六千人、家族入れて三十数万から四十万になろうかと思います。当分はその規模で推移するだろうと、こういうことでございますが、先ほどのいわゆる納付金率を引いたあとの四四%程度の残り分の取り合いが、いわばたばこ関係団体で起こるという心配ですね。これは架空のものじゃなくて論理的にはそういうことが推定されるわけですよ。これは公社側、小売店の皆さん、あるいは従業員の皆さん、また耕作者の皆さん、それぞれ関係する方々の立場で取り合いっこが起こってくるということが考えられる。もちろんそんなことがあっちゃいけないんですけれども、常に適切な分配というものがなされていかなきゃならぬのですけれども、非常にせっぱ詰まってきますとそういういがみ合いなども起こってくるわけです。やはりそういうことを一応念頭に置いて、それぞれの立場の利益というものを応分に考えていくのがお互いわれわれの立場だと思うのです。 そこで、問題なのはこのたばこ耕作なんです。これは本当にむずかしい問題だと私も思いますし、長期の見通しを出せと言ってもそう簡単にはそれはあろうはずもないかもしれませんけれども、いままでの一応推移というものは、これはやっぱり一つの理屈じゃなくて実績として十分われわれが判段の基準にすべきだと思うのですね。さらにまた、現況たばこをめぐる社会的な環境、消費の停滞ということですね。あるいは国際的な立場で外国製たばことの競合ということも高まっても減退することは考えられないと思う。そういうことを考えると、やっぱり販売店の皆さんの立場、利益もさることながら、葉たばこ耕作者の問題はきわめて困難かつ重要だと思うのですね。 それで、私が先ほど申したように、たとえばまだ当分生産量の方が消費量よりも多い、耕作者の方々の減るスピードはそんなに早くはない。無理に減作、減反をやらすわけにもいかぬ。廃反ですか、廃作、減反をやらすわけにもいかぬとなれば、どこかでそれをかぶらなきゃいかぬわけです、当分の間は。 そのつなぎの手だてとして私は少し海外に買ってもらうわけにいかぬのかなと、こういうことを感じておるわけでして、その場合に価格の面で市場性がないというのであれば、これは大蔵大臣との御相談、農林水産省との御相談ということになるんでしょうが、本当にこれは総裁あれですか、長期のプランということまで私は申しませんけれども、早速何かできることから関係当局の協力を得てやる必要があるのかないのか。さしあたってやっぱり余っているものを金にかえる。ニコチン、タールが日本の場合はちょっときついとこういうお話ですけれども、それは技術的に海外での嗜好に合うような調合とかいうようなことができないのかどうか。そのまま、生の生地のままで国産たばこを使わなきゃならぬのかどうか、そのことは技術的に私はわかりませんけれども、それよりも価格の面で問題なんだというのであれば、それは私は少し方法を考えればいいんじゃないかなと。まああんなものあれでしょう、長いこと、ウイスキーじゃないけれども、たるで置いておくとよくなるというようなものじゃないんでしょうから、保管する場所も要るし手数もかかるんですから、余り古いものを抱えているというのもいかがかなと思うんですよ。 そういうふうな観点で、この葉たばこ耕作という仕事の構造的転換に向かってのいわば政策ですな、こういうものはそう私たちが考えるほど切実じゃないんでしょうか。まあまあのんびりしておけばあなた心配せぬでもよろしいよ、こうおっしゃるのかどうかですな。先ほどの話で七千億から抱えているというでしょう、在庫を、葉たばこで。大変なものですよ。売り上げ二兆円強で、在庫を葉たばこだけで七千億抱えておれば、そのほか紙巻きたばこの商品の在庫もあるんでしょうから大変なことですよ。それこそこれは民間企業にたとえて言えば大問題でして、そんな観点で皆さんの御苦労をされているその中身を少し御披露をいただきたいと思っているのですがね。
○説明員(後藤正君) まず、先ほど先生が葉たばこの見通しは非常にむずかしいであろうと御指摘ございましたのですが、確かに大変、まあ先ほどは三十五年ぐらい起点ですが、私が記憶しております四十年ぐらいの公示面積ですが、約八万六千町歩あったわけです。それがいわゆる高度成長とともにどんどん減りまして五十年の公示面積は五万六千まで減ってきたわけです。しかしながら耕作人員というものもそういうふうに減っていった。したがって三十五年当時三十五万がいま十二万とか十一万ちょっとになっておりますけれども、今度は一人当たりの耕作面積は約倍増しているわけですね。 それから同時に、収量が品種改良とか大量性品種の投入によりまして非常に収量が、もう昔は二百キロとると大変、労働時間も物によっては九百時間もかかっておった、平均で六百時間。それがいろいろないわゆる省力栽培を公社進めましていま四百時間、これでも非常に多いわけです。それから生産性は上がっておりますが、四十八年のオイルショック以来の大変な石油関係のあれによって国内産葉が非常に割り高になり、同時にいまみたいな状況の中でたばこの売れも悪い。したがって先ほど大変公社経営にとってこの葉たばこ問題は重要だというのは、私ども非常に基本的にそこのところに視点を当てているわけであります。 したがいまして、四十八年から私どもの第一次の生産向上対策というのを実施したわけです、約六年間で。五十四年からは第二次の生対というのに取り組んでおるわけです。 一番やはり問題は、一つには喫味がどうやったら昔のような喫味に改善できるか。これはやはり消費者にいいたばこを提供しようとする以上は、どうしても農産物加工でございますので、加工技術でカバーするのにも限度がございます。やはり生地の葉たばこがよくなければ、いまのところ三分の二が国内産葉を使っておりまして、三三%外国葉使っておりますので、どうしてもその主体原料の国内産葉の生地をよくしないと味がよくならない。それでいろいろなことでこの二、三年耕作の方々と十分話し合いして改善に努めている。たまたま五十年産葉、天候にも恵まれましてやや回復傾向にある。今後はさらに、一番基本になっておりますのはやはり土壌改良でございますので、第二次生対では土壌改良を中心にした一つの品質改善対策をやると。 それからもう一つには、割り高であるという大きな原因の中にはやはり生産性の問題がどうしてもあるわけです。したがいまして、私ども日本のいまの畑作というものには、いまつくっております葉たばこはどちらかというと比較的他種産業への就業機会の少ない南九州とか四国とか裏日本、東北でございますが、どうしてもやはり地域条件なり傾斜地、のり地が非常に多うございますので、そういう中でいわゆる中型の一貫機械化といったような形の中でその生産性を、資本投資と一方の労務費の節減とかそういうものとの兼ね合いでございますけれども、どうやったらもっと生産性を上げていけるのかと。それからいわゆる共同作業とか受委託の促進とか、そういうような対策を織り込んでまず品質をよくする。それから国際的に割り高であるというのはやはり生産性の問題、それにいま言ったそういう視点を当てて、重点的ないわゆる第二次生対というものを今年度から大蔵省と協議しまして予算をつけていただきましていま取り組んでおる。 葉たばこ問題は、たばこ産業で生きている限りにおいては、その主原料である葉たばこというのは大変大事でございますし、したがってそういう考え方のもとに鋭意現在取り組んでおるということでございます。
○福間知之君 詳しい御説明あったのですけれども、もう一つちょっとわかりにくいのですね。生産性は上がってきた、単位当たりの生産量もしたがって上がっていると。どうなんですか、外国に比べまして、たとえば単位面積の生産量がなおかつ低いということがあるんですか。あるいは耕作者の数と耕作面積、耕作数量の関係でやはり見劣りしているのか。先ほどちょっと何かオイルショックの影響でとおっしゃいましたけれども、それは資材その他の関係ですか。何が外国より二・五倍も高いという原因なのかということ、ちょっと具体的に少し言ってください。
○説明員(後藤正君) 葉たばこのいまの収納価格算定方式は、平たく言いますと、ある基準年からその後の物財費と労賃の上がり方の上昇度を掛けまして、それで一定の算式のもとで収納価格を決定するという仕組みになっております。オイルショックの影響と申しますのは、物財費の関係でいわゆる石油関連、一番——黄色種等は火力乾燥でございますので灯油をたくわけでございます。灯油か御案内のように大変——あのときにいわゆる原油価格で一バレル一・何ドルから十二ドルとか十何ドルに上がったわけでございますので、これがもうもろにまず影響してまいりました。 それから移植等でマルチとかいろんないわゆる被覆栽培しておりますが、そういう石油製品がまず上がってしまう。それから、当然耕運機等の燃料なり原油、いわばエネルギーの基礎でございますので、いろんな資材費も上がった。それが直接的なことでございますし、労務費につきましても、あのときのいわゆる消費者物価等によりまして賃金等が非常に上がっていった。その結果、いわゆるオイルショック以後、国内産葉は大変割り高になっていったという、割り高の原因はそういうことでございます。 それから、基本的になぜ高いかというお話でございまして、これは収量は決して日本は低いわけではございません。むしろ収量的には外国は十アール当たり大体二百二、三十というのが平均なものでございます。わが国の場合は逆に平均的にいま二百七十キロぐらいとれております。品種によっては三百キロ、十アール当たりとっているわけでございます。収量は高い。ただ、日本の農業の特殊性としまして、大変限られた耕地で土地当たりの生産性を高めるために大変多投多肥と申しますか、労働力の多投多肥をいたします。その関係で労務費の関係が全然諸外国と比べて比較になりません。いまわが国の場合に、十アール当たり平均で約四百時間ぐらいですが、アメリカでは、実働でございますが、これは大体五十時間強ぐらい、それからほかの諸国でも大体二百時間ぐらい。 そういうことが結局国際的に比べて、非常に広い農地で余り手をかけないでとっておるというたばこと、狭い耕地でできるだけ土地当たりの生産性を上げるためのとり方というものとのいわば生産費の違いということになろうかと思います。
○福間知之君 大体何かわかってきたようですね。構造的なものじゃないかということを私は言っているわけです。だから公社だけでどうにかなる限界がおのずからある、どうにもならないことはもうどうにもならない。さながら、いま農政問題でお米が余っている、あるいはそれを転作をしなければならぬというようなことと性格的にはやっぱり似ていると思うんですね。 だからそれをどうしていくのかということは、すぐに妙手があるとは思いません、時間の経過とともに情勢の変化を待っていく以外にはないのかもしれませんが、いかにもコストとして高い葉たばこを、総原価の中で五〇ないし六〇%を費用的に占めるわけでしょう。その三分の二は国産葉たばこだということですからいかにも高いわけですよ。これを放置して日本の専売公社のあり方を考えるということも、ある見方からすれば無理なことかもしれません、そういう重荷を抱えながらの公社経営ということになりますと。これは問題が少なからず大きいですから、今後どうしていくのかということ、それこそ審議会なども真剣に対応してもらわないといかぬわけで、単に公社の民営化ということだけを狭い視野で考えていくということで解決するものでもないし、大問題だと思うんです。 総裁、この問題はもうこれ以上やりませんけれども、総裁としてはこの大問題である葉たばこ耕作のあり方ということについて、理想的には公社としてはどういうふうにしたいとお考えですか、将来にわたって。
○説明員(泉美之松君) お話しのように、わが国の葉たばこ耕作はひとり専売公社だけでなしに、農林省にとりましても、いや日本全体の農業のあり方の問題と関連して大変大きな問題であると私ども考えております。従来から専売公社が需要先になっておりますために、葉たばこの問題はどちらかと言うと農林省よりも専売公社の仕事だというふうにとられてまいっておるのが実情でございます。 しかし、先ほども申し上げましたように、公社だけで対応することがもうできないような状態になってまいっておりますので、農林省とも十分打ち合わせしながらやっておるわけでございますが、何といっても大切なことは、主産地と申しますか、先ほど後藤が申しましたように、九州であるとか四国であるとか、裏日本であるとか東北であるとか、そういった産地を特定して、その主産地でたばこをつくる。主産地というのは、結局そこでたばこをつくるのが最も能率的に行われ得るような地域でございますので、その主産地を育てていくというのが一つ。 それからもう一つは、後藤が申しましたように、わが国の場合十アール当たりの労働力投下時間というものが大変高いのでございますが、どうやって労働時間を減らしていくか、これにはある程度機械化が必要でございますが、アメリカのような大型農機具ではやっていけませんので、日本に向いたような中小型の農機具を開発してそれを使っていくようにしていくということ。 それからまた、一人当たり耕作面積を広げることができるところにおきましては、一人当たり耕作面積を広げることによって生産性を高めていく、それによってコストが下がっていくと、こういうようなことを総合的に考えていく必要があるわけであります。私どもといたしましては耕作者の方々に、たばこというのはもう品質が一番大切なんだから、収量をたくさんとってもうけようということをされても、それではいい品質のたばこができなくっては公社も困りますし、また公社が困るということは耕作者の方の将来のためにもよくないことなんですから、どうか品質のいいたばこをつくっていただくようにお願いしたいということで話し合いをずっと続けて、耕作者の方の理解を得てやってまいっておるわけでございます。 ただ、農作物でございますので、一年一作でございますので、なかなか御理解はいただいておりましても、その改善というのは遅々として進まないというのが実情でございまして、私どもとしましては、今後、先ほど申し上げましたようないろんな手だてを講じまして、わが国の葉たばこ耕作というものの生産性の向上ということに努力してまいりたい、このように考えております。
○福間知之君 総裁、もう一遍その点ちょっと追加して聞きますけれども、第一種兼業とか第二種兼業とか一般にありますわね、農家の生産体制としてね。十一万五、六千の葉たばこ耕作者が専業でみずからの手でやっていられる方ばかりではないと思うんですよ。委託耕作と、実質的には他の農家に頼んでやってもらっているとか、そういう姿はかなりあるんてすか。——お聞きしたいことはこういうことです。いまの総裁の御説明で、現在の生産数量を一応妥当な数量水準と仮定した場合に——した場合ですよ、仮定です、あくまでも。それは十一万六千よりも七万人で、七万耕作者でされる方がいいわけでしょう。先ほどのお話で、外国との比較においても、より広い面積をより少ない人員で、しかもより短い労働時間で耕作ができればいいわけでしょう。 それがどうも、何かいま観念的に私考えているのは——お話聞いて感じているんてすけれども、生産性は上がったとは言うけれども、それは過去において現状は改善されたというんであって、外国に比べてみりゃ全然そうじやないんだということがわかったわけですよ。それじゃ、それはいつまでも外国の葉たばこよりも二倍も二・五倍も高い葉たばこを使わなきゃならぬということになるんで、これは大問題じゃないかと感じたわけですよ。だから、理想的にはどうあるべきでしょうかと、総裁はどうお考えでしょうかということを聞いたのはそういう含意があるわけですよ。 結局、十一万五千人が八万である方がベターであると、七万五千の方がベターだということなんですよね。それは果たして期待できるのかどうか、そういう姿を。そうでなければこのコスト下がらないですよ、葉たばこのコストは。しかし、おまえさんとこはもうたばこおやめなさいと、Bさんの方にもう譲ってやってもらいなさいと言うわけにいかぬですからね、これ。お米も困っておるのはそれですからね、いま。これはどう解決する道がありますかね。
○説明員(泉美之松君) なかなかそううまく、すぐ解決するという方法は、率直に申し上げましてございません。ただ私どもとしましては、いまのところ、共同育苗であるとか共同作業であるとかというようなことを広げてまいっておりますが、できれば農事実行法人ということになりまして、各人がそれぞれの耕作地を持って自分のところだけでやっていくというんではなしに、できるだけ大ぜいの人が共同して作業をしていくことによって、機械の効率も上がりますし、それから労働力の配分もうまくいきますし、そういうことが必要ではないかと思って進めておるわけでありますが、御存じのように、農家の方はわりあいそういう点で共同ということについて余り考えないで、自分の力だけでやっていきたいと、こういう色彩が強うございますので、なかなか骨が折れるのであります。しかし、最近は育苗の点におきましては共同化が非常に進んでまいっております。この育苗を基礎にいたしましてさらに共同化を進めていきたい。 まあお話しのように、いまの十一万の人が七万でつくられるようになれば大変生産性上がるわけですけれども、そのように何万人の人に、あなたはたばこ耕作をやめなさいと言うわけにはまいらないのでございます。したがって、できるだけ共同してみんなでやって、そうすると労働時間があきますから、そのあいた労働時間で何かほかの仕事をやるなりほかの農産物をつくるなりしてやっていけばいいのではないか。実際は、たばこ耕作をなさっている方は、たばこ専業という方がかなり多いのでありまして、そして自分の土地を人に貸して人につくってもらうというんでなしに、人の土地を借りてたばこをつくっているという人がかなり多いのであります。そのためにたばこ耕作の場合、特にそういう事情の強い九州なんかにおきましては、十アール当たりの小作料がたばこの場合はかなり高い。それは、たばこは労働力を多投する必要ありますけれども、十アール当たりの収益としてはかなり大きな収益が図れますので、ある程度の地代を出しても他人の土地を借りて耕作面積を広げて、自分の労働力に合ったような面積のものをつくっていくのが最も合理的な経営ができる、こういうことになっておるのでございます。 私どもといたしましては、したがって、黄色種の場合でございますと、できるだけ一ヘクタール以上の耕作をやっていただく。在来バーレーになりますと、なかなかそう面積を広げることはできませんけれども、それにしてももっと、いまのように二十アールとか三十アールという面積でなしに、もう少し大きい面積でつくっていただいた方が農家の方にとっても生産性の向上に役立つのではないか。そういう意味で、農地の賃貸ということが今後かなり大きな問題になってくると思うのでありますが、これにつきましてはやはり農林省と十分打ち合わせながら、どこかの地域で小作料が余り上がっていきますとほかの農作物にも影響がありますので、農林省と打ち合わせをしながら何とかして農地の賃貸流動化と申しますか、そういった点を図っていく必要があろう、このように考えておるところでございます。
○福間知之君 何か聞けば聞くほどややこしくなってきてますけど、全体として在庫がふえているという話と、いまのお話しのように、耕作をする立場からいけば自分のところの人手に見合ったより広い面積を耕すということが望ましい、こういうお話なんですね。しかも土地を借りてやっていられるという耕作者が結構ある。しかも実入りが比較的にいいのが葉たばこだということ、そういうお話がいま出たんですね。そうしますと、いよいよもってこれなかなかむずかしいことですね。 民間のことを出してまた恐縮ですが、競争原理というものが第一に余り働かないわけです。もうよくても悪くても専売公社にだっこにおんぶというふうな背景が一つあるんですね、これ。当然いい商品を割り安でつくってくれるAというブロックの耕作者の方々、その商品はよい値で喜んで買わしていただきましょう、そうでない部分は買いませんよと、これが余りないんでしょう。ないというよりもそういう措置はいたしかねると、そういうことをやったら大変だと。ここにやはりより基本的には問題がひそんでいるような気がするわけですよ。もちろん日本列島全国的に見て私申し上げているわけではない、いまでも限られた地域で葉たばこは重点的に生産をされているわけですから、当事者にとってはこれは公社の政策変更があれば大問題でございますがね。 しかし、いつまでもそういう状況でいいんだろうか、何かそれをより合理的な体制に転換を促進していくというための手だてというのがちょっと私ども素人ではわかりかねるわけですよ。やはり今後私は公社の立場として、先ほどもおっしゃってたように、農林とかまた大蔵とも力を得て、協力を得てやっていただかなきやならぬのは当然ですけれども、ぜひ国産葉たばこと外国産葉たばことのコストの違い、したがって買い入れ価格の違い、そういうものは歴然としていますだけに、しかもそれが今後そう容易に改まらないんだとするならばなおさら、五年計画なり、やや中期的プランニングのもとに積極的なひとつ改革の仕事を手がけられるということを要望しておきます、これは。 ここでこんなものどんな議論をしてたって解決のめど出ませんけれども、しかしやっぱりこれは問題はありますよ。だから衆議院あるいは参議院でも五十年のときも決議がついていますしね、ついておってもその間一遍もこんな中間報告をしてもらうこともなかったし、これは一遍また私大蔵委員をやっている間は中間報告を求めることにもしたいと思いますけれども、やっぱり具体的にこの決議を実行するためのだれかが火中のクリを拾わにゃいかぬのでありましてね、そういうことをもう強く私要望しておきたいと思います、この場では。 何も葉たばこ耕作業者をいじめるとかどうとかじゃなくて、やはり聞けば聞くほどこれは難問を抱えているような気がしますので、それだけにどこかがリーダーシップを発揮していかないと解決が三年おくれ、五年おくれるわけですから、大いにそういう点は議論を闘わせながらあるべき姿を求めていこうじゃないですか。どうもきょうお話聞いただけでもむずかしい問題だなと思いました。まあそれはそれでおいておきたいと思います。 次に定価法の弾力化、法定制緩和と、こう言っている問題につきまして、ちょっと話題を移したいと思います。 たばこというのは嗜好品だといえばそれまでですけれども、専売公社の専売商品であるということとあわせて国民生活に、吸わない人は別にして吸う人にとっては必需品的性格を持っている商品であります。これを昨日の本会議でも財政民主主義とか、財政法三条に基づいて国会の審議権を留保しておかにゃいかぬのじゃないか、こういう主張を私どもはしているわけでございます。 今回これで最高価格を一・三倍の範疇において大臣認可ができるようにしようと、こういうことでございますが、いろんな前提条件がすでに提示されていますわな。しかしどう考えても何かいままで大蔵委員会が審議をし、議決をしてきた価格決定に関してその必要をなくしようということについては抵抗を感じないわけではないんです。やはりその都度国民の立場に立った議論を大蔵委員会は当該委員会としてやるべきではないかと私は思うんですけども、特に専売公社という公共企業体という立場から見て、当委員会あたりがチェック機能を果たすという意味からいっても、今回の措置に切りかわるということは果たして国民的に納得が得られるものかどうか。 国鉄の例を見ても明らかでして、総裁、今度の国鉄の値上げ、どのようにお感じですか。国鉄と専売公社とは違いますがね、経営の実態が違いますがね、国鉄の再建などとはほど遠いですよ、あんなもの。ますます国鉄離れが進んでいってどうなるんだろうかというふうな危惧を抱くんですよ。まああれは法定制を緩和したからやったと言えばそういうことも言えるかもしれませんが、それ以前の問題があるわけですから、ここでの議論の対象にはなりませんけれども、私は先ほど来申し上げたように、公社の経営それ自体は決して赤字ではないし、今後もそうはならない、こういう見通しなんですがね。それでいてなおかつ法定制緩和ということを行うという理由は一番大きなものは何ですか。
○政府委員(名本公洲君) 今回定価法を改正さしていただきまして、法定制につきまして緩和をお願いをいたしたいというゆえんのものでございますが、これは従来からの国会での御議論にかんがみまして、今回製造たばこの納付金につきまして率でこれを法定し、国及び地方公共団体にいわゆる税相当部分として納める部分を明確にするということにいたしたわけでございますが、そのようにいたしますと、従来、専売公社は、先生おっしゃいましたように、見かけ上非常に大きな利益を持っておりまして、およそ赤字に転落するということは考えられない企業であったわけでございます。また、仮に収支とんとんということに相なりました場合には専売納付金を納めないというようなことに相なることになっていたわけでございますけれども、今回その納付金というのを従来の利益処分という形から専売公社の経費ということに経理上の取り扱いも変わることに相なるわけでございます。したがいまして、いわゆる内部留保というものだけが公社の利益ということに相なります。したがいまして、従来の経営とは変わりまして、原価の高騰がありました場合には赤字に転落することがあり得る体質に変わることになるわけでございます。 一方、専売公社も戦前のいわゆる専売局とは違いまして、企業として効率的にその事業を運営してもらうというたてまえのもとに、専売公社というものに戦後、昭和二十四年に改組をいたしたわけでございます。公社になりました本来の目的は、企業性を発揮して生産性を上げていくということであるわけでございまして、これは公社法の設立の目的にもなっておるわけでございます。 そのような公社が、一方におきまして利益が、いかに経営努力をいたしましてもその経営努力の成果は国が吸い上げてしまうという事態から離れまして、経営努力の成果は公社に残るという形に納付金率の法定化によってなるわけでございますけれども、同時にそれが、原価の高騰によって赤字になり得る体質をも持つということでございますが、赤字になってしまったような場合、これはもちろん公社におきまして懸命な経営の努力をしていただきまして、赤字になるということを極力防いでいただかなければ相なりませんけれども、そういう経営努力では吸収し得ない原価の高騰というものがあった場合には、利益部分はその都度減ってまいるわけでございまして、それが累積いたしまして赤字に転落してしまうというような事態は当然想定できるわけでございます。そういう場合に公社といたしまして対応するために、今回この定価法の一部を改正していただきまして、弾力的に定価の決定が行えるようにぜひお願いをいたいたい。かようなわけで、今回この定価法定制の緩和というものをお願いいたしておるわけでございます。
○福間知之君 大蔵大臣、きのうの本会議での御答弁でも、これは財政法三条に違反しておらぬ、こうおっしゃいましたけれども、その根拠はどのようにお考えになりますか。 結局、国鉄の場合もそういう論法なんですよね。しかし私、ここで、拡大解釈だからけしからぬとか何とか言いませんけれども、率直なところ、大臣として、私、一遍お聞きしたいと思っていたんですが、たとえば先般この委員会でも、例のアフリカの開発基金増資あるいは米州開発銀行の増資、それに際しましても、増資についての限度額を予算で設定する、執行については当局の判断でやっていく。ただし当委員会で議論して、やはりその都度、大臣からしかるべく状況、事情について説明をする、こういうことがこの間当委員会でも行われたでしょう。 あの種の問題ともあわせ考えまして、今回のこの専売に関しての法定緩和は一連の流れとして私はこういうものが出ていると思います。それによるメリット・デメリット、それはいろいろありますし、時間があれば少し議論をしてみようと思っているんですけれども、まず大臣、そういう一連の流れをどのように判断されているのか。 これはあえて付言しますが、私は、いままでのシステムが絶対いいということを必ずしも前提にしておりません。しかし、そういう流れは部分的に判断しちゃいかぬと私は思うんです。それこそいま財政の、予算の決め方にしても、すでにゼロベース予算主義的な発想を取り入れるような気持ちでいまは取り組まなきゃならぬと。先般総理大臣もこの席で、例年よりもっと早く予算について厳しい取り組みをやりたいと。現に大臣はそれを受けていまやっておられますね。ですから、そういう中に含めて、私はこの過去のシステムの転換というものを総合して見直していかなければいかぬ、こう思っています。 だからそういう観点から言えば、私どもがいままで要求してきたたとえば税制改正にしましても、本当に高度成長時代の名残のものは思い切ってやっぱり改革せにゃいかぬし、何か都合のいいことだけシステムの転換をやって、どうも抵抗が多いし、手がつけられにくいというようなものは後回し後回しにするのでは、私は効率的な行政ということもほど遠いだろうし、まさに財政の確実な再建ということも少し停滞するだろうし、そんな観点で一遍お聞きをしたいとかねがね思っていたんですよ。 これだけじゃないんですよ、法定緩和は。すでに過去において議論をして、しかもそれぞれが何か納得できぬままに決まっちゃっているという感じなので、一遍この機会に大臣にお聞きをしたいと思っておったんです。
○国務大臣(金子一平君) 財政法第三条の考え方の問題でございますけれども、法律的に申しますと、租税の場合は、これは当然税率を一々法律で決めなければいかぬことになっております。関税の特殊異例の場合は別でございますけれども。しかし、専売価格等は法律に基づいて定めなければならないということは、基本は法律に基づかなければいかぬけれどもという余裕を私は税の場合と区別して書き分けておるんだろうと思います。私どもも、従来価格を法律でお決めいただきまして、それで今日まで御審議をいただきながらやってきておりますから、決してそれを大きく逸脱するとか崩すとかいうような気持ちは毛頭ございません。それは今後もしっかりと御審議いただかなきゃいかぬと思っておるんですが、ただ、たばこのような幾つかの種類があって、時の情勢によって原価が高騰して身動きがならぬようになりましたというような場合には、ある程度厳格な法律上の要件のもとに、かくかくしかじかの場合はそれじゃひとつ政府にげたを預けてやろうかというお許しがいただけるんじゃなかろうか。こういうことで今度の法案を御審議いただくようなことにしたわけでございまして、決して無条件に、何でもかんでも政府で勝手に決めますよというようなことをお願い申し上げているわけではない点を御了承賜りたいと思うのでございます。 四つの条件というのは相当厳しい条件でありまして、しかも専売事業審議会の議も経なきゃいかぬことにしておりますし、それでその枠はちゃんと決まっておりますから、決してこれをもって行政権が勝手にやることになるとは私ども考えていないわけでございます。そこら辺をひとつぜひ御理解いただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
○福間知之君 大臣、そうおっしゃいますけれども、私冒頭に申し上げましたように、この種の公共的な性格のある価格あるいは料金、これは国がリードして上げているというふうないま状況なんですよ、国民の目に映っている印象はそういう印象だと思うんですよ。きのうも、国鉄が一年ちょっとで三回も四回も上げたじゃないかと、こういう話が出ましたね。この事態をどう大臣としては考えられるかということですよ。 それは上げないでいければ金子大蔵大臣としては上げたくないとおっしゃるでしょうけれども、さりとて、ちょっと皮肉な言い方をすれば、専売公社なかなかしっかりやっておるのに、もう二、三年で赤字がくるという、そういう展望で法定制緩和をやろうとしているのかと、こう言われたら片腹痛いでしょう、総裁も。しかし、皮肉に言えばそういうことですよ。国会うるさいから三〇%以内ひとつ認めてくれと、そういうことですからね、皮肉に言えばそういうことを言いたくなるわけです、正直に言って。 で、たばこ全体の、先ほど来議論がありましたように、需要の面から見ましてもそう伸びないと。しかし一方で、どうもこれは原料高あるいは国内の物価騰貴、コストアップ、そんなものが予想されるわいと、こういうことはおありかもしれませんよ、皆さんの側にね。しかし、それは私どもといえども同じ社会で生きているんですから、その場合はまたたばこの値上げということもこれは当然議論の対象になるだろうし、なって当然だと思います。それで、先ほどの話ではないけれども、原材料である葉たばこの問題が大きく横たわっているからなおさらのことです。われわれはそういうふうに比較的理性的に考えています。値上げだったら何でも反対だと野党はおっしゃると、こう思っていられるかもしれませんけれども、しかし反面それは理性的に考えていますから、その都度やっていただくのが、当面は一番よかったなと、何も二一%上げるに際して、法定制緩和でさらに三〇%の追加できるというふうなことを出されるのはいかにも憶病じゃないかと、専売公社の総裁何だと、こう私は言いたいんだけれども、正直いって皮肉を言えばそうですよ。だから大臣においても、そういうのはこれは庶民の感情だと思っているんですよ。それはたばこ値上げしたからあしたからやめようかという人がそんなにわんさと出るとも思いませんから、それは皆さんもたかをくくっていられるんだと思いますけれども、やっぱり当面の物価の情勢というようなものを見た場合に、二一%の値上げとこれを一緒に出してこられたことについては余り感心した姿勢ではない、そういうふうに私は思っております。 じゃ、仮に三〇%上積みの法定緩和をしたといたしましよう。総裁、これ次の値上げはいつごろになるんですか。
○説明員(泉美之松君) 将来のことはなかなか明確に予測することは困難でございますけれども、私どもの長期計画と申しますか、中期計画というのをつくっておるわけでございますが、その中期計画の考え方からいたしますと、本年定価改定を二一%行いました後、この法律の要件にありますように、専売公社が赤字になるかまたは赤字になることが確実と認められる場合というのは、昭和五十八年または昭和五十九年になろうかと考えております。 そのときに大蔵大臣に暫定最高価格をお決めいただくように要請申し上げ、大蔵大臣が暫定最高価格をお決めいただいたならば、その範囲内で小売価格、銘柄別の小売価格の改定案を申請いたしまして、御承認を得たならば定価改定を行いたい、このように考えておるところでございまして、五十八年か五十九年の辺になろうかと存じます。
○福間知之君 まあそれはいいでしょう。その間まだ情勢がどういうふうに変わるかわかりませんからね、いまは言質をとろうとは思いませんけれども。 ところで、再値上げに当たってのいろんな条件がありますが、特に物価等変動率というのがありますね、事前にお話をしておったんですが、この物価等変動率という中身について、具体的な算式といいますか方法といいますか、わかりやすくひとつ説明をしていただきたい。どうもいままで聞いたところ、頭が悪いのか、もう一つぴんときません。
○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。 これは後ほどまた理事の方に御相談申し上げまして、政令案の基本的な考え方というようなものを申し上げまして、それによって御説明した方がもっと端的におわかりになるかと思いますが、平たく申し上げますと、公社がだんだん内部留保が減って赤字になるというのは、いわゆる原価が上がっていくということになりますが、原価を構成しておりますものは、いわゆる卸売物価関連の経費、それと消費者物価関連、代表的なものは、卸売物価関連といいますとやはり材料費とかそういうものが卸売物価関連でございますが、それから消費者物価関連、これは販売一般管理費とかそれからいわゆる日常の業務運営費みたいなもの、これが消費者物価関連です。それからいわゆる従業員の賃金、それから葉たばこも先ほど申し上げましたように物財費と人件費でございますので、これも卸売物価、消費者物価関連と人件費というふうなそれぞれの要素に分かれてまいります。 その客観的な指標はすべていわゆる消費者物価は総理府のCPI調査の結果というものを私ども使うことを考えておりますし、卸売物価につきましては日銀統計の卸売物価指数、それから労働関係の賃金指数につきましては、これは労働省の毎勤統計の賃金指数を使う考え方を持っておりますが、それを五十四年のこの御提案申し上げております定改年、これはわれわれ基準年と呼んでおりますが、 〔理事藤田正明君退席、理事梶木又三君着席〕 これでお認め願えますと、これから先ほど総裁申し上げましたような一定の前提を置きまして、今度は公社が赤字になる時点というものまでの経年のその物価上昇の傾向を見まして、それに今度は実際の公社の総原価のそれぞれ卸売物価関連経費それから消費者物価関連経費、賃金指数関連経費のウエートをそれぞれのいわば物価上昇度に掛けますと、そうするとウエートを掛けた総原価のいわゆる客観的な上昇度というものが出てまいります。 それが一つの暫定価格を決める場合は、あくまでも公社の一のたばこ事業年度において赤字が出たときか赤字が出ることが確実なときであって、しかもいま申し上げましたような物価指数の関連の中で、それでそれが仮に三割というものを、何か異常な事態があって三割を超えるようなことがあったら、もうこの暫定措置は効かなくなりまして、すぐ一条の基本に戻りまして、いわゆるいまお決め願おうとしております法定価格の改正ということでございますが、それでさらに専売事業審議会にお諮り申し上げて、十分御審議を尽くした上で暫定最高価格をお決め願う。いまのいわゆる物価変動率等と申し上げておりますのは、いま申し上げました三指数、それとそれぞれの経年のウエート、そういうことは政令で細かく条件を限定をするという考えでおる次第でございます。
○福間知之君 その政令案ですな、政令案というか政令ですね、これは委員長、今後の審議のためにもぜひひとつみんなにいただくようにしていただきたいと思うんですけれども……。 ところで、またこれは後々の議論で他の委員からもお話が出ようと思いまするので、それを通じてまた勉強したいと思いますが、いままで値上げを何回かやってきていますが、その都度のいわゆる値上げのための根拠、試算、算式といいますか、理由ですね、そういうものを今回はこの政令の中でちゃんと整理をしてやろうということなんですか。いままでとはまた違った考え方の基礎に立って今後は対処しようとするんですか。先ほど来お話があった卸売物価指数だとか、あるいはまた消費者物価指数、賃金指数、いままでは抽象的にそういうものを勘案しておったということで、今度はそれをやや科学的、数学的に定式化すると、こういうことなんですか。
○説明員(後藤正君) 過去の定改は、先生御案内のように、四十三年に名目で一八・強の定改、それから五十年に四八・強の定改を公社はお願いをしたわけでございます。 今回の場合は、基本的に違いますのは、いわゆる完全専売、明治三十七年でございますが、行ってまいりましたいまの専売納付金、益金処分ということを基本的にいわば税相当部分としまして、内国税相当部分ということでいわゆる納付金率を法定するというふうに性格を変えたわけです。 したがって、いままで関税率の関係も内国消費税の部分がわからないものですから、葉巻きを除きますシガレットとかパイプ等は三五五といったような大変高率の関税率であったものを、今回は公社が輸入するものについてはシガレットの場合は九〇%というような関税率に直すというような改正案をこの提案でお願いを申し上げておるわけなんです。これがいままでの長い間続いてきたことと基本的に違うと思うんです。 これはもう過去いろんな審議会でも言われましたし、第二次関係閣僚協議会の基本問題会議答申の中にも、やはりいまのあり方では財政収入が低下している、何のための財政専売かということが厳しく批判されておりますし、そういうことにこたえるためには、とにかく公社はこの際是非というものをはっきりさせ、反射的に公社経営責任を国民の皆さん方の前に明らかにする必要があるというのが今回の大変従来の定改と変わった点だろうと私どもは心得ております。 それで、先ほど先生に申し上げておる指数は、これはあくまでも暫定最高価格というものを決める場合の政令基準でございまして、私どもは公社が赤字になりました場合には、こういうしかじかの状況で赤字になりましたという疎明書類をつけまして大蔵大臣に提出をいたします。で、事実上、この法案がお認め願いましたら暫定最高価格をお決め願うことを要請するわけでございますが、その際の基準が先ほど申し上げましたような政令の基準によって決める。 そういう暫定最高価格があくまでもこの法案で御提案申し上げておりますような第一条で決めております一級品、二級品、三級品、それから特殊たばこといった最高価格があくまでもこれは基本でございますので、それに先ほどの変動率が一律にかかっていくわけです。それが暫定最高価格の限度になってまいります。 それが決まりますと、私どもはその暫定最高価格の範囲内におきまして個別銘柄のやはり消費の動向とか、あるいは原価の上昇度合いとかいろいろなことを総合勘案しながら、公社に課されておる公社事業の健全にして能率的な運営にどの程度の値上げをすればこたえることができるかということで、個別のいわゆる価格というものを私ども大体見込みまして、それで申請をする。 ただ、先生が先ほども御指摘のように、いまたばこ産業を取り巻いている環境は大変厳しくございまして、私どもできるだけいろいろな経営努力によって原価上昇というものを食いとめたい。また、今度の制度を仕組みますと、輸入たばこにつきましては向こうのオファー価格——向こうのいわゆるCIF価格によりましてCIFで提供してまいります円高の購入価格で外国たばこの価格は自動的に決まってまいりますので、これとの競争関係も大変厳しいものになりますので、そういう意味で私どもも大変、暫定最高価格の要件は要件としまして、個別の定価改定に当たりましてはそういうことを総合勘案しながら慎重に実施してまいりたい、このように考える次第でございます。 〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕
○福間知之君 先ほど申し上げた政令ですね、考慮されている政令。これは物価変動率の中身についての具体的な算式その他内容を含んでいるものと思いますが、その政令案ですね、今週中ぐらいに委員長の了解を得て提出を願いたいと思うんですが。
○政府委員(名本公洲君) 御要請のございました政令案でございますが、政令となりますと法制局その他の協議が要るわけでございますが、そういう協議などが済んでおりませんけれども、こういうものとして決めたいというものはございますので、可能な限り今週中に御提出を申し上げるようにいたしたいと思います。
○福間知之君 次の審議に間に合うようにという意味で私は今週中と申し上げた。 と言うのは、私もちょっと調べてお聞きした程度ですが、われわれもやっぱり十五項目ほどの数値をA1からXぐらいまでいろいろな数値を決めまして加減乗除しているわけです。だからこれはよほど、ここで議論だけしておってもしようがないので、少し吟味をしないといかぬし、また当局の方もああそうかと、やっぱりこういう点ちょっと考え直したらいいな、という点もあるかもしれぬですからね。そういう意味で審議に間に合うようにひとつ御提出を願いたい。こういう意味ですから。
○政府委員(名本公洲君) 今週中に提出申し上げるようにいたします。
○福間知之君 価格決定の弾力化といいますか、法定緩和といいますか、そういうもののためにやはりいまおっしゃられたような今後の対応措置を真剣に考えられているということはわかりました。その内容は、これからもさらに続く審議の中でひとつ明快にしていかなきゃならぬ、こういうふうに思います。 総裁、先ほど来からのお話を聞いており、いまの後藤さんのお話も合わせまして、結局、今回二一上がったとした上での三〇%というものを考えた場合に、小刻みで上げるというふうなことよりも、かなり許容率に近い水準まで一遍に上げるというふうな可能性が大きいのか。たとえば値上げは三年ないし四年に一回ですわな、いままでの経過から言うと。そうすると、マキシマム三〇%という幅で、多くて二回、あるいは一回で少し残ると、二回目はもう無理と、そういう可能性の方が大きいのかどうかということですけれども、これは詰めた話じゃなくて、こういうふうに法定緩和をした場合に公社としてはどういう扱いをするのかなあと、こういうことを何となく感じてお聞きしているんですけれども。仮に、先ほどおっしゃられた五十八年ごろといいますとあと四年ですわな、四年間は上げないというふうな考えで大体においてよろしいのかどうかですね。
○説明員(泉美之松君) 先ほども申し上げましたように、今回法定制の緩和をお願いいたしておりましても、それが使えるのは、専売公社が赤字になるか、または赤字になることが確実と認められるという場合でございますので、そういった場合に暫定最高価格の範囲内で個別銘柄ごとの定価改定をお許しいただきたい、こういうことで申し上げておるのであります。 したがって、五十八年になるか五十九年になるかわかりませんけれども、赤字になるという事態が生じないとできないことでございますので、本来ならば、先生おっしゃるように余り消費に影響がないように少しずつ上げることができればそれはまあ一番結構なんでありますけれども、赤字にならぬ限りはできませんので、やはり赤字になることが確実になって、どなたからもなるほどそれじゃ専売公社が赤字になるなというふうに御理解いただいたときに上げるわけでありますから、そのときにはその当時の物価上昇率、これ今後どうなるかわかりませんけれども、そういう点からいたしますと余り小さな値上げということではなくて、やはり二〇%台の上げになるのではなかろうか。したがって、それは私の見るところでは一回だけしかできない。その次に上げようと思ったらもう全部足して三〇%を超えることになりますので、一回だけしか使えることはできないものというふうに覚悟いたしております。
○福間知之君 大臣、反面において納付金率はこれはこれ以上上げるということはありますまいね。どうなんですか、これ。
○国務大臣(金子一平君) 納付金率は、いま御審議いただいておりますようなことで、財政事情が動かぬ限りは私どもはこれをすぐいじるような気持ちはございません。今後大きな変革があればそれは別でございますけれども、このままでいきたいと考えております。
○福間知之君 それじゃ逆に大臣、逆の意味の情勢変化というものがあったとして、この納付金率というのを下げるということを考慮される場合ありますか。
○国務大臣(金子一平君) 御承知のとおりの財政収支試算の見通しの現状でございますので、ここ当分、下げられるような見込みはまずないと考えております。
○福間知之君 まあ語るに落ちた話はやめておきましょう。 次に関税率の問題に入りたいと思いますが、これは大変むずかしい要素を持っている問題だと思いますが、いま外国のたばこは百五十種ぐらいですか、国内産は五十種ぐらいなんですね。約三倍の銘柄が入っているわけですか。 最近、御案内のとおり、特に日米間での貿易摩擦というのは非常に広範囲に波及をしてきまして、わが国政府も対応にかなり苦労をしているわけですが、このたばこについても従来の九〇%税率を約三分の一ぐらいに引き下げろという要求があるんですか、いま。
○政府委員(名本公洲君) たばこの関税率でございますけれども、現在は、専売公社が輸入いたしまして販売するたばこにつきましては関税は免税ということになっております。法律上は関税定率法に三五五%という率、これは非常に古くからある率でございますけれども、あるんでございますが、いわぬる専売納付金が利益処分でございますこともございまして、その専売納付金の中には関税相当部分も含んでおるということにいたしまして、関税は免税にいたしております。したがいまして、関税を下げると申しましても、まあ言うならば下げる対象がないわけでございますので、今後あり得るとしますと、この法律をお通しいただきますと紙巻きただこにつきまして九〇%の関税率にいたすのであろうかと思いますけれども、現在のところこれを何%にしろというような要求はまだ参っておりません。
○福間知之君 いま外国たばこの国内におけるシェアというのは約一%、三十億本と聞いているんですが、そうじゃないですか。
○説明員(泉美之松君) 昭和五十三年度の外国たばこの販売数量は三十六億本でございまして、一・二%を占めております。
○福間知之君 その一・二%のシェアを何か一〇%ぐらいにしろというふうな要求があるんですか。
○説明員(泉美之松君) 別に何%にしろという要望ではございませんけれども、諸外国の事例からいたしますと、外国からの輸入たばこのウエートが一・二%というふうに低い国は余りありません。大体五、六%から一二、三%になっておるのが実情でございます。したがって外国から言われておりますのは、何%ということではないけれども、もっと輸入たばこを専売公社は買うべきではないか、こういうようなお話はございます。
○福間知之君 一〇%でないにしろ、一・二%はやはり低いと、こういう認識が海外諸国にあるとするならば、いまの電電開放問題じゃないですけれども、これは専売公社として今後どう対応されるお心づもりか。 電電公社の場合、これは私、予算委員会でも大分議論をしたんですか、結果として——対応の姿勢がよかったか悪かったか議論のあるところですが、結果としていまこれは大変なことになっているんですよ。これは後藤さんうなずいていられますけれども、御承知だと思うんです。非常にわが国はいまそういう意味でつらい立場に立っています。だから、あえて政府調達物資とは言いませんけれども、しかし専売公社で専売でございますので、公社はある意味ではたばこという商品の分野で海外との貿易摩擦を起こさないようにすべきであるという意味合いで、仮に一・二%は低いということであれば今後どうするかということを、実は向こう側から強い要求として突きつけられない前に対処策を考えるべきだと私は思うんですが、現在どのようにお考えですか。
○説明員(泉美之松君) 私どもといたしましては、別に外国たばこの輸入を抑制するという考えはございませんで、もう一昨年からいわゆるボンド方式と申しまして、需要があれば向こうのメーカーなりあるいはその代理人である日本の商社の責任におきましてボンド地域にたばこを入れておきまして、たばこが売れれば公社から発注してそのボンド地域から引き取るということにしておるわけでございます。 したがって、外国たばこの数量がふえるかどうかということは、日本のたばこ消費者が外国たばこを吸うかどうかということによって決まってくるような組織になっておるのでございます。先ほどおっしゃいました百五十銘柄のうち、よく売れている銘柄約半数程度はそういうボンド方式になっております。結局は、日本の消費者が外国たばこを吸うか国産たばこを吸うか、そのいずれかによって決まるわけでございます。私どもの方でどうするこうするということよりも、消費者が決定することであるというふうに考えております。
○福間知之君 資料によりますと、「現在、専売公社が輸入する製造たばこは無税扱いとなっている。これは現行専売納付金制度の下では、関税を別途課税しても関税相当分だけ専売納付金が減少するに過ぎないため、関税相当分を専売納付金に含めて国の財政収入として徴する方が制度になじむとの考え方による。」。今回紙巻きたばこ、基本税率九〇%ですよ。こういうことなんですが、外国側から見たらこれはどういうふうな印象を受けますか、特に問題ないですか。
○政府委員(名本公洲君) 関税率の高さでございますけれども、これは各国外国製品と国内製品とが当該国内におきまして公正に競争ができるということを保障するためのものであるわけでございます。したがいまして、各国におきましてこの関税率は非常にまちまちであってしかるべきでありますし、現実にそのようになっておりますが、たまたま私どもの方で今回お願いしております九〇%、これは外国たばこと国内専売公社で現実に製造しておりますたばこの原価差から計算をいたしました結果出てきた数字でございますが、この数字は、たまたまEC各国がEC域外から輸入します場合に課します関税率と同じ率になっております。 国によりまして、たとえばアメリカあたりは、アメリカの関税はいわゆる従量制になっておりますので、何%というふうになっておりませんので換算をしなければなりませんが、換算いたしてみますと三〇%程度でございまして、日本の九〇%よりはうんと低いわけでございます。これはアメリカは葉たばこも国内でいいものがたくさんできますしいたしますので、低くて当然でございますでしょう。先進各国から比較してみまして、紙巻きたばこ九〇%というものは決して非常識なものではありません。そういう状況であると思います。
○福間知之君 御説明もありましたけれども、私どもの方でもこのECの関税率で紙巻きたばこは九〇%、パイプは一一七、葉巻は十本で五二と、こういうふうに承知しています。それに比べますと、今回の措置は特段に高いとは思いません。そうすればこれはそう大きな問題視することはないと、こういうことでいいわけですね。 それからもう一つ説明の中で、「輸入製造たばこに係る内国消費税相当分と関税相当分は不明確である。」と、こういう説明でございますが、これはどういうことですか。
○政府委員(名本公洲君) 現在の納付金の制度は、先ほど来御説明申し上げておりますように、利益処分として専売納付金があるわけでございます。その専売納付金の中で、いわゆる消費税に当たる部分がどれだけで関税に相当する部分がどれだけであるということは、これは各個区分をしていないわけでございます。言うならば混然一体となってそれが専売公社の利益というかっこうになっておるわけでございます。そのことを申しておるものと思います。
○福間知之君 全くわからぬこともないんでしょうけれども、やはりわからないですね。 じゃあ次に、例の喫煙と健康に関しまして、厚生省もおいでのようでございますが、これまず公社の方にお聞きしたいのです。 きのうも本会議で出ていましたが、いままで一、二億円のお金を投下して専門機関に委託研究をお願いしているようですけれども、一向に経過の報告がないということで大臣も歯切れのいい答弁はなかったようですけれども、これはここでも恐らくないでしょうからね。しかし、今後どうするかということなんですけれども、一応専売公社としてどういう成果があったと御判断ですか。
○説明員(小幡琢也君) お答え申し上げます。 公社は医学的研究を専門の機関に昭和三十二年以来お願いして行っておりますが、御承知のように、喫煙と健康の問題といいますものはなかなかむずかしい問題でございまして、いろいろと肺がんの関係から始めまして、肺がん以外の呼吸器疾患あるいは心臓血管系の疾患、あるいはまた内分泌に及ぼす影響、ニコチンの薬理の問題、さらには最近は妊婦とか胎児に対する影響の問題、あるいはまた受動喫煙といいますか、たばこを吸わない人がたばこを吸っている人のたばこから影響を受けるという問題、いろいろ広範に研究をやっているわけでございます。 それで、現在までこの成果はどうなっているかという御質問でございますが、私ども専門家でございませんので医学の専門の方々にいろいろと御意見を聞いたりしておるわけでございます。現在までのところは、いろいろ諸外国の研究もございますが、疫学的といいますか、統計的な見地からいいますといろいろデータがございます。 たとえば重喫煙といいますか、非常にヘビースモーキング、これは肺がんの主要な原因であるとか、あるいはまた心臓疾患、特に心筋梗塞とか狭心症などの心臓障害がある、まあいろいろな指摘がされていることは事実でございます。 しかし、これは疫学的な分野でございますが、医学的研究といたしまして専門家の方々の御意見は、疫学的研究も大事でありますけれども、それだけではなしに、やはりもっと広く病理学の分野あるいは臨床医学、こういったところから喫煙と健康という因果関係の究明をしなきゃいかぬ、そういうことで諸先生方も鋭意努力していただいているわけでございます。現在までのところではなかなか解明ができない。 といいますのは、この問題は疫学的ではいろんな事実が指摘されていることは確かに事実でございまして、たとえばたばこを吸う方と吸わない人との肺がん死亡率につきまして、喫煙者の方は非喫煙者の三・六二倍という高い死亡率が出ておる、そういうことはございますけれども、やはり病理学といいますか、そういった科学的証拠を追求するということから言いますと、この健康問題といいますのはやはりいろいろな要因が複合しているわけでございます。 特に大気汚染とか生活環境といったような外的要因の問題、それからあるいはその方の体質なり遺伝、あるいは既往症とか、いろいろ内的素因もございますので、こういったいろいろな要因が複雑にかかわり合って出てきているわけでございますので、その中の喫煙という要因だけを取り出して見つけるということはなかなかできない、まあ現状ではできない。将来はあるいはできるかもしれないということで、現在なお結論を得る段階には至っていない。 したがって、今後さらに研究を充実いたしまして、そういった他の要因とのかかわり合い、あるいはさらにはまた広く精神心理的研究、そういうものを含めまして総合的な研究の拡大が必要である、これが私どもが委託しております諸先生方の大体の御意見でございます。 したがって、端的にこの喫煙が健康に害があるかどうかということはなかなか一義的に断定することは非常にむずかしいと言えるわけでございます。 ただ、私どもはそういう段階でございますけれども、やはり国民の健康ということは非常に重大な関心事であることは事実でございますので、もっとこれを充実するように持っていこうということと同時に、やはりそういった健康ということへの消費者の関心ということから、ニコチン、タールの低い製品が求められているということでございます。そういうわけで、まあいろいろ加工技術とかフィルター、香料、あるいはシートたばこ、いろいろそういった技術的な面からも検討いたしまして、低ニコチン低タール製品の開発ということも大いに進めていきたいと考えております。 それから、先生御指摘の研究成果をなぜ公表しないかという問題につきましては、私どもも何とかできるものならこれは公表したいと考えているわけでございますけれども、何分いま申しましたように、研究課題の多くはまだ研究途上でございますので、そういった完結していない中間段階におきましてこれを発表するということは、結局非常にそれが専門的かつ部分的になりますし、また、発表の仕方によってはその部分的なところをとらえる、あるいは誤って伝えられるということもあるんじゃないかということで、私どもが委託しております研究者の方自体がそういうことはどうかなというふうに疑問を持っておられる、そういうのが実情でございます。したがいまして、いままでは公社としましてはそういう状況でございますので積極的に公表いたしませんで、研究をお願いいたしました委託者の方御自身が学会とか学術の専門誌に発表するという形で対処してきたわけでございます。 ただ、いつまでそういうことをしていたらいいかということになりますので、私どもは先生方にお願いして、ひとつ何とかわかりやすく発表するようなそういった取りまとめをお願いできないかということもいろいろとお願いしているわけでございますけれども、専門家の方が簡単にまとめるということは非常にむずかしいということで今日に至っているわけでございます。 ただ、御指摘のこともございますので、私どもは何とかどういった形でこれを公表したらいいかということにつきまして、さらに委託研究者の方の御協力を得ながら検討していきたいと考えております。 それから、とりあえずといたしましては、実は衆議院の段階で御要求がございまして、生の報告でございますが、昭和五十二年度の研究報告の概要とそれから先生方がこの一月に一応お取りまとめいただきました現在までの委託研究の経過と今後の展望という、これも非常に専門的な小冊子でございますが、これを衆議院の方に御提出したような次第でございます。
○福間知之君 厚生省の方、おいでですね。——ただいまの公社の御報告とあわせまして、国立がんセンターの平山博士あたりがショッキングなデータを新聞発表されたりしていまして、特に肺がんとの関係で厚生省は一貫していままで対応されてきたと思うんですけれども、最近の状況について御説明願いたい。
○説明員(長谷川慧重君) 紙巻きたばこの人体への影響につきましては、ただいま御説明があったわけでございますけれども、私どもは一九七〇年にWHOの事務局長からの報告、あるいは七四年の専門委員会報告が出されておるわけでございまして、そういうWHO関係の報告あるいはただいま先生からお話ございましたように、厚生省のがん研究助成金によって行っております研究の結果をいただいておるわけでございます。 その研究の中身といたしましては、喫煙者の場合には肺がん死亡率が非喫煙者に比べまして三・六倍高いというような報告を得ておるわけでございます。 こういうような報告を受けまして、私ども厚生省といたしましては、こういう喫煙問題に対する対策といたしましては、喫煙が健康に及ぼす影響というものについては疫学的な結果であるにいたしましても、そういう結果が出ておるということを踏まえまして、従来から保健所等におきましていろいろな面での健康教育、たとえば母親学級あるいは各種の検診等におきましてそういう健康教育の場の中で喫煙の健康に及ぼす影響についての教育を行っておるわけでございます。 また、成人病予防週間あるいはがん征圧月間の中にいろいろな行事におきましても、そういう面でのPRといいますか、国民に周知徹底を図っているわけでございます。 それからまた、国民の健康づくり推進活動の一環といたしまして、健康づくり振興財団で行っておりますテレビの番組におきましても、たばこと健康の問題というようなことで放送しておるところでございます。 それから、もっぱら健康にいろいろな問題を生じておる方々が集まってまいります国立病院あるいは国立療養所におきましては、喫煙による影響等も考慮いたしまして、昨年喫煙場所の制限等の措置を通じて対処しておるところでございます。 それからなお、引き続きたばこの健康に及ぼす影響につきましては、厚生省にございますがん研究助成金等を通じまして研究を進めておるところでございます。
○福間知之君 これは専売公社総裁、大臣等、口にはされぬだけでいろいろと思いは同じだろうと思うんですがね。ここに平山さんが書いている文章の中でこういう部分があるんですよ。世界保健機関——WHOてすね、「(WHO)は、すべての形式のたばこの宣伝、広告の制限、禁止を、加盟国政府に勧告している。ノルウェー、フィンランドを始め、十二カ国以上の国々で、既に禁止されている。米国でも、テレビ広告は禁止され、紙面広告にもきびしい制限が設けられている。日本もWHOに加盟している以上、積極的にその勧告に従うよう切望する。」と、以下云々といろいろデータも交えて書いているわけですね。 これは実際むずかしい問題ではありますけども、厚生省は厚生省のお立場なりに、いま御説明があったように、教育の中からそういうことについても啓蒙していこう、啓発していこうという姿勢、それは必要でしょうし、あるいはまあ公社は公社で先ほど説明がありましたが、もう一つ歯切れよくありませんでしたけど、やっぱり一遍中間報告を一応はしなきゃならぬと思う。 それよりも私は、中間報告もさることながら、まあ平山さんあたりがやっぱり指摘されている趣旨をある程度何といいますか、すっきりと素直にこの問題を私たちはやっぱり意識していますよということを表明するには多くを語る必要はないんです。 たとえばいま日本のたばこは外箱に、「吸いすぎに注意しましょう」と、こう書いている、何となく白々しいじゃないかという意見があるんですけれども、これを外国のようにデンジャーと、危険と、これは一歩も二歩も進んだ姿勢の表示ですよ。何か売る方が商品に危険だと書いて売るのはそれはどうもちょっとおかしいと言えばおかしいんですけれども、そこがこのたばこなるものの社会的な一つの問題を持った性格の商品なんですよね。だから、まあこれは議論すればいろいろこれだけでもずいぶん議論はあるでしょう。まあ専門家の方のいろんな研究を勉強すればいろいろあるでしょう。本も出ていますからね。だけどそれも結構ですが、まあ結論ははっきりしているわけで、やっぱり有害だとは言えないということははっきりしているだけに、その商品をどう扱うかということなんですな、これ。 で、先ほど読み上げたようなWHOのこの勧告あるいはそれに伴う各国の対応の措置、これは日本も受け入れるべきではないかと思うんですがね、この点はいかがか。 それから、来年は特にWHOのテーマでは、「喫煙か健康かあなたの選択」と、こういうテーマが掲げられているようですね。だから、これは古くてやっぱり新しい課題だと思います。 したがって、専売公社としてもこの問題については、本業の専売公社経営とあわせてその最も大事な一つのやはり課題というぐらいに認識をしていただいて、受けとめていただいて、今後に対処してもらいたい。それを私たちは特に期待をしたいと思うんです。喫煙と健康問題、まさに社会的な問題として避けて通れないと思います。 六十年代前半から私たち日本人全体が経験したことは、やはり重化学工業優先の政策、あるいはそれに伴って起こってきた例の公害問題でありました。公害問題にこのたばこの問題は一面類似している面があると思うんでありまして、当時私たちは公害というふうな言葉すら耳新しかったわけであります。 ところが、その後これは社会的に大きなひずみをあちらこちらに現出をしてしまいました。私たちは日進月歩のこの技術革新の中であらゆる商品を通じて物質的にはかなりの発展した社会として生活を享受してまいったわけですけども、その底には、裏には、やはり知らず知らずのうちに私たちの人体をむしばむような毒素のある商品というものもまあ一般的な飲食物の中にも胚胎をしてきているわけでありまして、これはもう砒素ミルクのことを取り出すまでもありませんし、それだけに、今後われわれはいままでの高度成長の中で起こってきた有形無形のひずみを常に振り返りながらチェックをしていく、こういう観点で社会生活というものの展望というものを考えていかなきゃいかぬと思うんですね。 たばこはそういう意味で、確かに嗜好品ではございますが、だからといってその持っている肉体に及ぼす害毒というようなものを無視してはならないと思います。それを調和させながらやっていくのが現代人の英知でなきゃならぬ、こういうふうに思うわけでありまして、最後に一言この点を申し上げて、私の質問、時間が参りましたので終わりたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にいたします。
○委員長(坂野重信君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本専売公社法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回は五月二十九日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時七分散会 —————・—————