大蔵委員会 第10号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1979/03/29
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中村利次君 五十四年度の予算案で租税特別措置の見直しが、これは私どもにとっては大変不満なものもあり、とうてい賛成するものではございませんけれども、しかしまあ、政府としてはずいぶん努力をして一生懸命やったんだと、こういうお気持ちだろうと思いまして、そういう限りではやっぱりそれなりの評価をし、そういう努力に対しては私は率直に敬意を表したいと思います。 そこで、これはかなり大幅な見直しをされておるわけでありますけれども、しかし、本委員会でも委員会の議論を通じていろいろな問題提起がされました。また、この租税特別措置については各界からもいろいろな主張なり意見があるわけであります。 そこで、まず最初に大蔵大臣にお尋ねをいたしますけれども、五十五年度以降は、どういう方針といいますか基本姿勢といいますか、どういう姿勢でこの租税特別措置の見直しをしていこうと思っておるのか。その方針というか、基本的姿勢、もし具体的な、こういうものも具体的に考えておるんだよというのがございましたら、そういうものも含めてまずお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) ことしは、財政再建を前提にいたしまして、極力手を広げていろいろな問題を取り上げたものですから、ポイントがぼやけておるということでいろいろ御批判もありますことは十分心得ております。 それで、これはまあ一遍こっきりのものではございません。来年度も財政再建はさらに強力に進めなきゃいかぬと思いますので、今日までいろいろ各方面から、もちろん国会の論議を通じて御提案いただきましたような点につきまして、さらにメスを入れていきたいと考えておる次第でございます。 ただ、これはもう中村さんもとくと御承知のとおり、五十五年度以降の経済を、六%成長の安定成長路線をたどることをいまのところは前提といたしておりますが、今後どういう経済の動きになるかによりまして、政策の重点をどこに置くかということがやはりその年々によってある程度変わってまいりますから、そういう点も絡めて本年度の後半から、それじゃ何に重点を置いていくかというようなことを考えていきたいと思うんです。 ただ中心になるのは、いろいろ御批判もございますけれども一般消費税というものを中心にして、もし増税をほかの方でやるとすればどういうものをあんばいしていくかということで、具体的に検討していきたいと考えておる次第でございます。当然この場合には政府の税調におきましても、中期並びに短期と申しますか、五十五年度の税制をどうするか、中期の税制をどうするかについて、さらにいろいろ御諮問を願い御答申をいただいて、あわせて進めていくつもりでおります。
○中村利次君 いま大臣もおっしゃいましたし、あるいは税調の答申でもはっきりと触れられておりますように、この租税特別措置はいわゆる財源としては、五十五年度以降も積極的な見直しをおやりになっても、それほど大きな財源になる可能性はこれはもう薄いと思うんですよね。だから、いま大臣もおっしゃったし、あるいは政府の税調の答申にもございましたように一般消費税の導入を考える、これには私どもは異論がある。これは後ほど時間があればちょっとそれについての質問もいたしますが、財源としてよりもやっぱり不公平の是正、納税意欲にかかわるいろんな問題がこの租税特別措置には含まれておると思いますね。そういう立場から、私はいろいろございますけれども、短い時間の中でどうしてもお伺いをしたいと思いますのは、土地税制の問題ですね。 これは私は、前にもこの問題に触れたこともございますけれども、これは申し上げるまでもなく、税制で土地の供給を促進するということは、実はこれはできる話ではないと思うのですね。いわゆる補完的な役割りを税制でどう果たせるのか果たせないのかということだと思うのですが、この前も申し上げましたように、戦後の土地の供給あるいは土地価格、特に供給の促進というのは、補完的な役割りとしての税制の面で目的を達したという実績は私はないと思うのです。今度私どもが非常に危惧いたしますのは、かなり前から関係業界あるいは商社、金融筋等、土地税制の緩和についての要望がかなりの期間かなり強かったと思います。ところが、今度緩和をされた土地税制を見ますと、そのものずばりで、ここはけしからぬ、あそこはけしからぬという、そういうほどのものを私は正直言って——それは文句をつけれはいろいろありますけれども、それほど目くじらを立てなきゃならないほどのものでもないんじゃないかという気もいたしますが、しかし現実にそういう経過をたどって土地税制の問題が具体化されようとすれば、もうすでに地価は上がっているのですよね。 これはいろんなインフレ懸念がある。特にイランの政変がエネルギー、石油問題なんかにもたらした影響で、日本は今後よっぽど誤りのない政策、対策をとらないとかなりの影響を受けそうであるというときでもございますから、そういうインフレ懸念のあるときに、すでに税制の見直しが、私は確かにこれが契機になって土地の値上がりというものが出てきておるんではないか。やっぱりまたぞろ七、八年前のあの土地を投機の対象としてとらえた、あれほどまでではないけれども、何かこういうものが、土地税制の見直しというものが動くと、とにかくそれに悪乗りをして土地の高騰を招くというよりも、人為的にそういうことを図る、こういうおそれがないのかどうか。 そうなりますと、土地の供給を促進をしたいという、そういう税制面での補完的な役割りというのが全く裏目に出て、考えてもいないような国民の指弾を浴びなきゃならないような、そういう結果になっては困る。そしてまたそのおそれが多分にあると思うのですが、大蔵大臣はどういうぐあいにお考えでしょうか。
○国務大臣(金子一平君) 今日宅地供給の問題が大きな社会的な、あるいは政治的な問題の一つであることは申すまでもございませんけれども、いまも中村さん御指摘いただきましたとおり、税制だけで土地の供給を促進できることではないと私も考えております。全く補完的な効果を税制面で持つだけで、やはり本来の土地政策があって、その一環として税制面でもお役に立てばということで私どもも土地税制を考えておる次第でございます。 ただ、むしろ土地感は、問題が出てから急に土地の値上がりが始まったというわけでは私はないと思うのであります。特に住宅宅地の少ない都会地周辺はミニ開発が相当進みまして、そういうことと宅地不足ということで漸次宅地の値上がりが浸透してきたと思っておるのです。これをほうっておくわけにまいりません。手をつかねて見ておるわけにもまいりません。宅地供給の促進策がなかなか進まないのです、正直言って。 そこで、われわれの担当しておる税制の面でどれだけ宅地供給にお役に立つかと言えば、やはり今回御提案申し上げましたような、優良宅地の供給の者に限ってひとつある程度税を安くしましようということが精いっぱいの限度だと思うのであります。 これをやることによってむしろ土地の値段を上げるというよりは、私どもは少しでも土地の供給にプラスになればという気持ちでこの程度の線に踏み切ったわけでございまして、従来どおり置いといたら、それこそ私はにっちもさっちもいかぬで、政府は一体何をやっておるのだということになりゃせぬか。そういう考え方のもとに踏み切ったわけでございまして、なお細かい点につきましては、主税局長から考え方の基本について補足させます。
○政府委員(高橋元君) ただいまも大臣からお答えがありましたですが、今回租税特別措置法で御提案申し上げております土地税制関係の改正は、これは御案内のことだと思いますけれども、優良土地の供給に係る長期譲渡所得の部分的な緩和でございます。春以来、確かに地価の変動の指数を見ておりますと、四月以降東京圏、三大都市圏いずれを通じましても地価の上昇の傾向がございまして、私ども税制の問題で土地の、住宅宅地の供給促進ということを考えてまいります際に、地価の高騰に拍車をかけるということがあってはならないというふうに厳に考えながらいろいろな議論をしてまいったわけでございますが、土地の短期譲渡、つまり自分の利用を目的としていなくて投機的に土地を買い込む、そういう場合に、御案内のように四〇%または総合の一割り増しと いう重い税金がかかることになっておりますが、その短期譲渡は動かさない。短期譲渡についてたとえば保有五十年たてば長期譲渡に直してもいいではないかというような御議論もありましたけれども、四十四年一月一日以降取得の土地については、短期の重課の制度をそのまま維持をいたしました。 それから長期譲渡につきましても、一般的に比例課税部分が適用される二千万円と、それからそれを超える四分の三、この枠は動かさない。それから法人の土地重課制度についても、それから地方税でありますところの特別土地保有税につきましても、この制度は原則としてその根幹を動かさないということにいたしまして、いま大臣からもお話のありました、たとえば公的な土地取得、それから千平米以上で開発許可または都道府県知事の許可を受けて造成されるところの優良な形質の住宅地、それの供給。それから五十戸以上の、または三十戸以上のマンション、五十戸以上の建家の団地、こういうもので住宅の質が良好であることについて都道府県知事の認定を受けたもの、または市町村長の認定を受けたもの、こういうものにつきまして非常に限定をいたしまして、長期譲渡所得、つまり四十三年以前から地主が持っていた土地の供給というものを促進するために必要最小限にしぼったということでございます。 一般的に、土地に関する税制を緩和してまいりますと、これは四十四年以降の税制について経験があるわけですけれども、土地の供給は確かにふえたということだと思います、四十四年から五十年の実績を見ますと。ただその場合に、いわゆる不労所得と申しますか、土地の譲渡に基づきますキャピタルゲインが発生して、それに対する課税が比較的緩いことによって社会的な反発を招く、そういう経験を持っておりますので、五十年以降の土地税制につきましては、課税について社会的なバランスということからかなり重い制度を租税特別措置でやっておるわけでございます。その期限が五十五年までありますので、五十五年まで土地税制についての基本的な考え方、枠組みというものは動かさない、その範囲で、当面、供給面で問題があると考えております先ほど申し上げました二つのグループと申しますか、租税特別措置法で申せば六つのグループでございますが、そういうものについて部分的に緩和をお願いをいたすというのがその思想であります。
○中村利次君 私も大臣や主税局長のお答えに異論を唱えるものではございません。そのとおりだと思うんですよ。しかしやっぱり優等答案であっても、その結果、実際に土地はどう動き、それから国民世論はどう動くのか、大体世論はどういうぐあいにこれを判断し見るんだろうかといういろんなものを総合的に考えますと、なかなか異論を持たない御答弁に対しても、出てくる答えはなかなかそうもいきませんよということを申し上げざるを得ないわけですね。全国銀行の貸出残高が百三十三兆余りある中で、不動産業向きの貸し出しの残高が約九兆ばかりあるとか、それから銀行の不動産担保の金融額が五十三年の三月末、五十二年度末ですか、二十八兆五千五百億あるとか、これは金利負担を加えながら、融資を受けている方は非常に困っているわけですから、そういうものの救済ではないかという疑いが、これはそうであろうとなかろうと、国民はそういう疑いを非常に強く持っているわけですね。 そこへ御答弁をいただいて、それに異論は唱えませんけれども、やっぱり各方面から、そういう業界方面から要望のあった土地税制の緩和がある、そしてこれはどうも大蔵省だけにお答えをいただくのも——きょうは国土庁も建設省もお見えになっておりますね。 どうなんですかね、この土地の問題については、税制上は補完的な役割りなんだけれども、それで目的を達成できるのかどうかということですが、本来的には、これは土地が投機の対象となって狂濤乱舞をしたころ、やっぱり所有権の一部を制限すべきではないかという意見もあった。そういうのがかなり議論をされそうになってきましたよね。 ところがオイルショックで、まあ投機も何も、日本じゅうが大変なパニック状態になって、そうしてその復興に狂奔をして現在に至っておりますけれども、またこの土地問題というのは非常に心配の種になってきておると思うんですが、国土庁や建設省はどうお考えでしょう。
○国務大臣(金子一平君) ちょっと、国土庁、建設省からお答えの前に、一言私から申し上げておきたいんでございますが、土地ブームが起こりました時代に、法人を中心にして土地の買い占めが盛んに行われました。それを抱え込んで、いま企業が困っておることは事実でございます。この救済ではないんです、今度の改正は。法人の持っている土地を軽くしてやろうという、売ったら軽くしてやろうというのは今度の税制ではないんでございます。 今度の税制は、個人の長い間持っているやつを売った場合に、優良宅地の供給に限って安くしょうということでございますから、そこはひとつ誤解のないように。法人救済ではないということが一つと、それから、そういう企業の状況でございますので、今日企業の手元流動性が相当増加していると一般に言われておりますけれども、だからといって、企業がすぐ簡単に土地の買い占めに走るとか、あるいは貸し出しを受けて仮需要で土地を買うというような状況に私どもはいまなっていないし、また、そういう仮需要による貸し出しについては厳に金融機関に警告を発していることだけはひとつお含みおきをいただきたいと思います。 以上でございます。
○説明員(佐藤和男君) 私どもからお答えさしていただきます。 土地政策の基本は、先ほど先生がおっしゃいましたような四十七、八年の土地の騰貴という非常に苦い経験を踏んまえて国会でおつくり願いました国土利用計画法にございますように、地価の安定を図ることと同時に、土地の利用の適正化を図ってまいる、その二つにあろうと存じます。 具体的には、いまほどおっしゃいましたように、国土利用計画法におきまして、土地のいわば投機的取引につきましては、これを排除する十全の措置がとられてございます。また、土地税制におきましても、先ほど来御説明がありましたように、短期重課等の基本的枠組はそのまま残されておる。 もう一方の土地利用の適正化に関しましては、国土利用計画法もございますし、かつまた、都市計画法、農振法というような個別の利用規制法によりまして乱開発を抑制すると同時に、具体的には、先ほど来問題になってございます宅地供給の促進というのが当面の一番の課題ではないかと存じます。 で、宅地供給の促進につきましては、当然のことながら、市街化区域のいわゆる都市計画法の線引きの見直しないしは計画的な宅地開発の促進というようなことが本筋でございまして、それと同時に、今回お願いしてございます土地税制の改正によりまして宅地供給措置の増進を図るということを、もろもろ総合的に今後とも実施してまいりたいと存じております。
○中村利次君 投機の対象にした企業法人等の買い占めが対象になっていないというのは十分に承知をしております。先ほどのお答えにもございましたが、四十三年の四月一日以降の分、それから対象は個人である、そのとおりだと思いますが、やっぱりこわいのはマインドがどうなるのか。それから、時間がすっかりなくてもっといろいろ建設省、国土庁等も含めて突っ込んだ質問をしたいんですが、これはミニ開発の問題にしましても、先ほどから出ましたけれども、防災問題がこれは大変な、特に首都圏を中心として課題になっておりますけれども、公団のつくったアパートですか、住宅というのはあいていて、どんどんどんどんミニ開発が進んで、それで消防車も入らないような、何か二、三十坪、百平米はまるでないようなところに家が二軒も建てられる。それが庶民がまるで手の届かないような大変な高値で、不思議なことにはこいつがどうも売れるというんですから、私はどう考えても不思議なんですけれども、そういう問題、いろいろ質問したいんですが、これはやむを得ません。時間がございませんからあきらめまして、国土庁、建設省の方たちは申しわけございませんでした。せっかくおいでいただいて、御答弁をいただくつもりであったのにろくな質問もできませんで申しわけございません。 次に移りますけれども、これはやっぱり土地の供給促進について税制が補完的な役割りを果たすのと同じように、先ほどもちょっと触れましたが、イランの政変によって世界のエネルギーバランス、石油事情というものか大変に憂慮をされておるわけであります。通産省お見えになっておりますね。——私はこれは、予算委員会でも指摘をしたんですけれども、資源大国の、エネルギー資源なんかでも大国のアメリカが大変に大騒ぎをして、そしてその反応もまことに敏感ですな、イラン政変に絡む対策にしても、具体的な対策を出したのは一月の三日ですから。資源小国というよりも無資源国の日本が三%節約の具対策を出したのはそれから四十日も五十日もおくれてでありますけれども、見通しを誤ったんではないかという質問には、通産大臣はそうじゃないんだというお答えでございました。 私は、通産省かオイルショックの経験を考えて、下手に大変だ大変だという深刻感を与えたんでは、またパニック状態になりかねないという、そういう配慮は、これは決して間違ってはないと思うんです。日本人の国民性というのは、どうもやっぱりそういう点、何かあると公共心が乏しいというのか、買い占め売り借しみ、人はどうなっても自分さえよければというのが、もう土地の買い占めあたりからオイルショック前後あたりには露骨にこれが出たわけでありますから、政府が正しいコントロールをやるのを私は批判するものではございませんけれども、しかし、ちょっとやっぱり余り悠長に過ぎますと、これはまたえらいことになると思うんです。 五%の石油の節約がIEAで決まって、日本もその対策をお出しになった。ところが、こうなってまいりますと、量だけではなくて価格の面でより一段と石油の節約をしませんと、これは日本だけで用が足りるものではございません。もちろんIEAあたりでまた新たな課題として取り上げられると思いますけれども、そういう点についてはここ一両日の新聞に通産省の対応なんか出ていますけれども、大体どういう対応をお考えになっておりますか。
○説明員(箕輪哲君) ただいま先生御指摘のように、OPECの決定が、従来第四・四半期から適用されるという価格を四月一日から適用する、七月以降は未決定である。それからそのほかにプレミアムつけてもよろしいという決定があったわけでございます。 価格の面での対応ということになりますと二つあろうかと思いますけれども、国際的な原油市場での振る舞いぶり、それから国内での行動と、二つあると思います。これが私どもの考えでは、第二・四半期におきます価格アップを単に先取りしたもので終わるんであれば、これは織り込み済みの話であるというふうに考えております。ただ、国際的に買い急ぐということがありますれば、プレミアムというのは依然として高く続くであろうと、それだけはやっぱり各消費国が自制力のある行動をとるべきであろうというふうに考えております。 国内的には、やはりいま先生御指摘のように、安くする可能性もないわけではございません。しかも、先高ということはほぼ明らかなわけでございますので、この際買っておけという動きが起こることも考えられるわけでございます。この点につきまして、やはりわれわれとしては自制力のある行動を各需要家がするということが不可欠のことだろうと思いますし、そのような要請はしてまいりたいと考えておりますけれども、ただその際には、この際上げておこうというような、いわゆる便乗値上げについては十分ウォッチしていく必要があるだろうと、そのように考えております。
○中村利次君 十月までの一四・五%の値上げを繰り上げたんなら大したことはないということですけれども、私も、それはそういう見方はやっぱりとるべきじゃないと思うんですよね。大したことはないことは確かでありますけれども、それでも、繰り上げただけでも一千億を超えるやっぱり金が余分に要ると言われておりますから。 それからなお心配なのは、四月、七月、十月の、七月の前の六月に七月以降のやつをまたOPECは総会にかけて決めようとしているわけでありますから、これはやっぱりプレミアムを含めて、石油価格はかなりわれわれが想像する以上に上がりそうである。こういう想定をしてその対策を立てませんと、やっぱり楽観的な何とかなるだろうということでは、何というのですか、それに対する痛みというものが非常に重かろうと思うんですね。 そこで、節約がどういうようになっておるのかということを、これはもう、またこれは時間がさっぱりありませんからね、たった一つだけ取り上げても、新聞、テレビなんかでも報道されておりますように、ことしは暖冬なんだ。ところが灯油の需要はふえていると言う。暖冬で灯油の需要がふえるなんてばかげたことは、結局灯油の大食い機器が生産をされて、それがかなり売れているという証左でしょう。私は、こういうのは通産省あたりの行政指導で、アメリカあたりはあの資源大国が、高い排気量の車には課徴金をかけて、低い排気量の車は優遇措置をするというやり方をやってますね。だから、石油大食いの機器なんかは何とか行政指導でそういうものの生産をしないと、こういうことはできないものですか。
○説明員(箕輪哲君) 先ほどの説明が舌足らずであったと思いますので、一言だけ追加させていただきますが、あとは担当の方から節約の問題答えさしていただきますが、私どもは価格のアップを軽視しているわけではございませんので、むしろいま先生御指摘のように七月以降どうなるかわからぬ、不透明な部分があります。それから、需給がタイトであればそれだけプレミアムも高くなる可能性もあるというふうに見ておりまして、その先々の原油価格の動きについては非常に細心の注意と危惧を持っているわけでございます。その点だけ、つけ加えさしていただきます。
○説明員(高沢信行君) FF式暖房機を中心とした機器の問題についてお答え申し上げますが、FF式暖房機につきましては、確かに従来型のストーブに比べますと多消費型でございますけれども、それだけキロカロリーベースで見ますと出す熱量もまた大きいわけでございますから、本来、同じ温度まであっためるためにはほぼ半分の石油をたけば同じ効果は発揮できるものでございますけれども、FF式暖房機につきましては御承知のとおり、室内の空気が汚れないという非常に大きな利点を持っているわけでございます。そのように、機器にはそれぞれ、エネルギーの消費効率が非常に高いという、これも一つの性能でございますけれども、そのほかに快適さであるとかあるいは便利さであるとか、それから場合によっては安全さ、これは空気が汚れないということはそれだけ安全性が高いというわけでございますから、そういったもろもろの性能を意味しているわけでございまして、そのもろもろの性能がバランスよく製品化されているのがいい商品というように私ども考えているわけでございます。したがいまして、エネルギー多消費であるということだけでその製品を規制したり、そういう考え方というのは必ずしも適切ではないんじゃないかというふうに現段階で考えているわけでございます。
○中村利次君 どうもそこら辺が私は納得できないんですよ。日本は石油資源はないんですよ。もうそれは現在ただいまのところは九九・八%から輸入でしょう。それから石油バランスはもう崩れつつある、価格の面ではどうもえらいことになりそうである——なっておる、現在。 ですから、省エネルギーをどう成功させるか、石油の節約をどう具体的に成功させるか。これはただ単に、全くの無資源国の日本という立場だけでなくて、国際的な役割りからしてもやらなきやならぬことですよ。ところが室内の空気が汚れないから、これはやっぱり暖房器具としてはある意味では優良製品だというお考えをお持ちなんだ。 私は、室内の空気は確かにそれは汚れませんけれども、総合汚染から言ったら何ら変わらないですね、これは。大気を汚すという点では、外に出すわけですから。だから私は、室内が快適だから、だから石油の大食いをしてもいい……。これはテストしてごらんなさいよ、かなり違いますよ。それから灯油を燃やす暖房器具だって、いろんなものでずいぶん違いますよ、暖房をとる場合の石油の消費量は。だから、そういうところまできめ細かく石油の節約をできるような行政指導、器具の選び方、そういうことはできないものですか、もう一回お伺いします。
○説明員(高沢信行君) 一般的に、機械器具の性能としてのエネルギー消費効率の向上ということは、御指摘のように大変重要な問題だと思っています。いま国会に提案をしております、通称省エネルギー法案と申しておりますが、正式の名前をエネルギーの使用の合理化に関する法律案、この中でも、機械器具の効率向上のための諸措置を一章を設けて規定をしているわけでございます。この考え方は、いまおっしゃったような機械器具の製造メーカーに対しまして効率向上を義務づけるということで、国がそのガイドラインをつくりまして、そのガイドラインを達成するように機器のメーカーに効率改善をしていただくという措置をその中に盛り込んでいるわけでございまして、この法案の早期成立を期待をいたしまして、成立した段階でその多消費型の機械器具につきましては、そういった中の機械器具に特定をいたしまして効率改善をしていくというふうに考えているわけでございます。 なお、FF式暖房機について申し上げますと、従来型のストーブというのは、エネルギー消費効率の点ではほぼ一〇〇%、これは室内に熱量を全部出してますから、効率からいきますと、一〇〇の石油をたきましても一〇〇の効率を出している、むだは一応ないというふうに考えられますが、FF式暖房機につきましては、排気ガスを外に出してるためにエネルギー消費効率の点では多少落ちますが、それでも九二、三%のエネルギー消費効率はあるんじゃないかと考えておりまして、効率が悪いということでは必ずしもそれほど悪いということではないんではないかと。非常にいわば大型の機器になってますから、それだけ多消費であるということはおっしゃるとおりでございますが、エネルギー消費効率の点でいきますとそれを特に非常に悪いという機器ではないというふうに理解をしてるわけでございます。
○中村利次君 やっぱり石油を多く消費していいのかどうか、節約をするのが目的だということになれば、そこに焦点を合わして対策を講じなきゃいけないと思うんです。時間がなくなってしまいましたから、申しわけございませんが、通産省どうもありがとうございました。 そこで大蔵大臣に、まあ土地の供給促進のためには補完的措置として土地税制のことを考える、あるいは産業転換投資促進するためには特別措置を考える、そういうもういろんなことを政策的におやりになるわけでありますけれども、とにかくいま省エネルギー、石油の節約ということは国際的にも大変重大なことでありますし、特にこの全くの無資源国の日本にとってはこれはもう決定的な課題だと思うんですね。先ほども申し上げましたように、アメリカなんかでは、あれだけの資源大国が、自動車の排気量にまで課徴金かけたりあるいは優遇をしたりするような、非常にきめの細かい対策をやっておるわけでありますけれども、これは通産省、大蔵省というような区別なく、政府として、やっぱり税制上も、この省エネルギーというのは資金の裏づけをどうするか、税制的にどうするか、いろんなことがあると思いますけれども、非常に深刻で重大なエネルギー、石油の問題でありますだけに、税制上の措置を含めた省エネルギーということをお考えになっておるかどうか、あるいはこれから具体的にお考えになるかどうか、これは私はぜひそういうことを考えていただかなければいけないと思うんですが、いかがでしょう。それを伺って質問を終わります。
○国務大臣(金子一平君) 中村さんのおっしゃること、よくわかるんです。政策的に物品税についても軽減措置を場合によれば取り入れろという御提案でございまして、特にエネルギー問題やかましい今日でございますから、おっしゃることはよくわかるんですが、物品税というのは御承知のとおり、もう一定の金額以上の物に一律に一〇%とか一五%課税するような制度になっておるものですから、体系上なかなかなじまないという問題があるわけでございまして、特にまあ、将来一般消費税に物品税を吸収するというようなことになりますと、これは課税これは非課税というわけに、あるいは軽減措置を講ずるというわけにいかぬ問題はございますけれども、事柄の性質上、十分ひとつ担当省とも連絡の上、検討さしていただきます。
○市川房枝君 私は最初に、この租税特別措置法についての私の到達した考えを申し上げて、大蔵大臣または大蔵当局からそれについての御意見を伺いたいと思います。それから交際費について少し伺い、ついでに、所得税法になりますけれども、寄付金についても伺いたいと思います。 今回の租税特別措置法の改正案は多様な問題を含んでおりまして、これを理解するのに私としては骨が折れました。同僚議員の方々の御質問を初め、大蔵当局の方からも御説明を伺いましたし、また友人たちからも意見を聞きまして、私なりの解釈をいたしたわけでございます。 医師優遇税制の手直し、あるいは有価証券譲渡益の課税の強化や交際費課税の強化等、国民から指摘されてまいりました不公正税制の是正のための御努力は認められます。私はむしろもっと強化をすべきだと思いますが、しかし一歩前進であることは間違いないと思います。 他方、産業転換投資促進税制の創設や、あるいは土地、住宅税制の緩和などのように、不公平をむしろ拡大すると思われる改正が含められているように私には思われ、残念に存じます。 政府は、すでに不況から脱出したと言明しておいでになりますか、それなのにいま不況産業に属する企業が取得する機材設備等について二年間にわたり収得価格の一〇%相当額の税金を控除する、そういう必要があるかどうか、ちょっと私には疑問に思われます。 さらにまた、宅地供給促進のためという大義の立場から、土地を売却した人に対する税金を軽減するというのは全く私には理解ができません。いままでも土地成金の言葉にあらわされているように、地価の上昇により莫大な不労所得を上げている人がいわば特権階層として現在存在し、国民としてはこれに対して課税強化を求める声が強まっております。ヨーロッパ諸国のように、土地は個人の所有であるけれども、同時に国の土地である。つまり公共的性格を持つものという理論に立って、土地の売買で私腹を肥やすことができないような税制をつくるべきだと思います。これに逆行するのが今度の土地税制の改正ではないかと思われます。 租税特別措置法の一部改正案について、その前進面と後退面を慎重に考えてみたときに、私はどうしても後退面の方が大きいように思われます。不公平税制の是正の方向に向かって改正に全力を尽くすのが政府の義務だと思われますのに、こういう改正案が出てきたことは私にはちょっと理解しかねます。不公平税制の是正の度合いに強弱かあるということはいたし方はありませんけれども、しかし不公正税制の拡大、不公平の拡大という逆コースの法改正が盛り込まれているようなんで、その点どうも納得ができないんでありますが、大蔵当局、大臣でもいい、当局でもいいんですけれども、私のこの考えに対してもちろん反対ということになるでしょうけれども、一応御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) 特別措置につきまして、ある程度メスを入れてまいりましたことについて御評価いただきましたことは深く感謝申し上げます。 いま、ただ後退した面もあるんじゃないかとおっしゃるんですが、政策税制として幾つかのものを今度新しく盛り込みました。その一つが産業転換投資税制でございます。これは去年は投資につきましては一定額減税しますよという制度をとったんでございますが、そういうことじゃなしに、今度は御承知のとおり不況産業、それに関連する下請、又請の企業がたくさんございまして、まあいまその転換に大わらわになっておる最中でございます。特に今日のように雇用問題が大きな政治問題、社会問題となっております際には、やはりスムーズに転換さしてやることが政治としては一番大事なことでございますので、従来の投資減税制度を産業投資転換税制ということで不況産業から切り抜けるためにある程度お役に立てばということでこの制度を盛り込んだわけでございます。 土地税制のことは、いま中村さんにもお答えしたのでございますが、私どもとしては、このままほっておいたんじゃ本当に土地の供給がストップしてしまう、まあせめて優良宅地の供給についてだけある程度減税すれば幾らかは、そう大量に土地の供給が実現できるとは私どもも思っていないのでございますが、国土庁や建設省とも相談をいたしまして、どの程度の枠の範囲内において緩めるのならば世間の皆様にも納得していただき、またある程度の土地供給が促進できるんじゃなかろうかと、こういうことでこの案を盛り込んで御審議をいただいているわけでございますから、ぜひひとつ御了承賜りたいと思うわけでございます。
○市川房枝君 いまの大臣の答弁の中で、いろいろ、時間がありませんので細かいことに触れていけませんけれども、いまの土地の問題でいいますと、まあ一般の土地というか、小さくても自分の土地に家を建てたいという一般大衆の非常な強い希望、それにこたえられるというか、それはまあ建設省だの何かの役割りだといえばいいんですけれども、しかしこの税制で幾らかそういう場合に軽減するというようなことがついていますと、私どもそういうプラスになると思うんですけれども、何だかこの点だけだと、かえっていままで土地を買ってそしてもてあましている大企業といいますか、いろいろな商社、それを助けてやる、むしろそういうようなことの結果になるのじゃないかと思われて、どうもちょっと賛成しかねるわけなんでございますが。
○政府委員(高橋元君) 土地税制でございますが、先ほども大臣からも御答弁がありましたことでございますけれども、今回の土地に関する租税特別措置法の改正は本年の一月一日以降土地を取得した者に対しての問題でございます。それからまた、その軽課の対象になりますものは、昭和四十三年以前から土地を持っております個人たる地主でございます。したがいまして、現に企業が土地をたくさん買い込んでおるではないかという御指摘がたくさんございますけれども、そういう御指摘があるといたしましても、企業が現に持っておる土地については軽課の対象になるわけではないわけでございます。たとえば小学校を建てますとか、高校を建てますとか、道路を敷きますとか、ごみ焼き場をつくりますとか、保育所を建てますとか、そういう公的な取得のために土地が必要な場合に、現在の税制のもとは税金が高いからといって売り渋る地主さんがあるということもまた否定できないと思いますが、そういう地主さんから土地を公的な用途に出してもらうために必要な改正というのが一つでございます。 それから一つのまとまった形を持ちました良好な住宅地というものの必要なことも事実でございまして、そういうものをまとめてつくっていきます際に、現行の税制がある意味では足かせ手かせになっているという御指摘もございまして、そういった優良な住宅地を、どうやって優良な住宅地を確保するかという現行の土地利用関係の法制との関係がございますから、たとえば千平方メートル以上でそれから開発された状態が良好で、またはその建つ家が良好でということについて知事さんなり市長さんなりが認定をした場合に認定ができる、そういう事業のために地主さんが土地を売っていく、そういう場合について土地に関する現在の税制を若干緩和するということに限定をいたしております。 したがいまして、委員からお話がありましたように、土地についてたとえば企業が持っておる土地を売りやすくするという意図は毛頭ございませんし、昭和四十四年以降買った土地について、これはもう現在でも、それから四十五年以来そうでございますけれども、普通に売った場合に、総合所得税の一割増しという高い税金を取る制度は変えておらないわけでございます。もっぱら非常に限定をいたしまして、公的な土地の取得なりそれから優良な住宅地の供給、それは結局また庶民の要望しておる住宅の建設を促進するということにつながるわけでございますから、そういうものに限定をいたした税制の緩和であるということについて御理解をぜひ賜りたいというふうに考えます。
○市川房枝君 いまのお答えに対してもいろいろありますけれども、時間ありませんから省きまして、次に、交際費のことで簡単に伺いたいと思います。 交際費の課税の実態を見ますと、昭和五十二年度の支出額は二兆四千億円にも上っておりますが、これは昭和四十年度の四倍に当たっております。このうちの六五・五%に及ぶ一兆五千八百億円は法人税の課税を免れております。この交際費の非課税分が多過ぎるというのが国民多数の実感だと思います。税金を納めるより飲んだ方がいいと、得だと、こういうことで交際費を乱費する傾向が見受けられます。このような社会的浪費をやめさせるというためにも、交際費課税を厳しくすべきだと私は考えております。 今回の法改正によって幾らか厳しくなっておりますが、私はもっと厳しくしてもいいではないかと思うわけです。交際費非課税分が半分もあるというのは不公平税制を根本的に改めたことにはなりませんと思います。 交際費の六〇%は飲食費だと聞いておりますが、その中で営業上どうしても必要な喫茶代とか食事代ぐらいはほんのわずかで、大半はアルコールの飲み代に消えているんではないかと思われます。資本金一千万円以下の法人に対する非課税限度額、いままでは四百万円であったのが、今度もそのまま四百万円になっているようですが、これは高過ぎる。どういう理由で四百万円になっているのか、それちょっと説明していただきたいと思うんですが。
○政府委員(高橋元君) 昭和三十九年度の税制の改正で、交際費のうち損金に算入される額を計算いたします際に、法人一個につきまして一律に四百万を引くという制度ができました。それ以後、この四百万円といういわゆる定額控除というものにつきまして、その引き下げを行った方がいいんではないかという御指摘が非常に強くて、私どもといたしましても交際費の損金算入割合について、ただいま委員からお示しのありましたように、さらに損金不算入割合を上げていくということが社会的な要請にこたえるゆえんでもあるというふうに考えまして、定額控除額を引き下げるようにいろいろやってきたわけでございますけれども、今回一千万以上の法人につきましては四百万円から三百万円に、それから五千万以上の資本金の法人につきましては四百万円から二百万円に引き下げたわけであります。一千万以下の資本金の法人については、依然として定額控除が残っているではないかという御指摘、まことにそのとおりでありますけれども、元来その交際費の損金不算入制度と申しますものが創設されました際には、資本金一千万円以上の、つまり個人企業形態と違いまして、会社という形をとって事業を行います企業を対象として創設されたわけでございます。 わが国には法人が約百五十万ございますが、その中の資本金一千万円以下のものが、恐らく百二、三十万あると思います。これは一千万円以下と申しますと、ほとんど従業員もございませんで、大体のものは家族企業形態でございますから、本来個人について交際費の規制がありませんのとそこは同じようなことであろうかと思います。そういうことで、かつては交際費の損金不算入制度の適用除外にしておったわけですが、現在でも、恐らくその四百万円の定額控除が認められる中小法人と申しますか、零細法人と申しますか、そういうものの大部分は支出交際費というものはとうてい四百万に達していないというのが現実だと思います。しかしながら、たまたまそういうものの中で、損金不算入限度を超えておるというものがあるといたしますと、そういうものにつきましては、往々大企業と零細企業と申しますか、親企業と下請と申しますか、そういう関係で交際費の支出を余儀なくされておる。たとえば受注の便宜を図るために、そういうことのために支出を余儀なくされているものが多い。たまたまあるとすればそういうことによるものだという指摘もございまして、そういう零細企業というものが置かれておる特殊な性格から、かつての、三十六年以前の考え方に戻りまして、一千万円以上の——そう言っては言葉が悪いかもしれませんけれども、法人としての形態を備え、法人としての社会活動をやっておる、そういうような法人につきまして、定額控除を切り下げていくということにいたしたわけでございます。
○市川房枝君 国税庁がおつくりになっております税務統計から見ますと、法人企業の実態という昭和五十三年三月にお出しになりましたものを拝見しますと、資本金一千万円以下の法人数は、いまもお話がありましたけれども、全法人の八五%を占めておった。それで一社当たりの交際費支出額というのは、資本金百万円未満の法人で年間五十九万円、百万円から五百万円までの法人では九十三万円、五百万円から一千万円までの法人でさえ百六十二万円という数字が出ております。実際には百六十二万円以下しか交際費を支出していないのに、非課税分を四百万円というふうにしているのは、いまいろいろお話がありましたけれども、どうも納得がまいりません。これでは政府が交際費の浪費、つまりむだを奨励しているというようなものではありませんでしょうか。非課税限度額を半分以下に切り詰めるべきだと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 交際費の課税制度につきましては、今後とも交際費の支出の実態を見て検討を続け、必要によって課税を強化していくべきだというふうに思いますけれども、ただいまもお話がございましたとおりでありますが、国税庁が行っております会社標本調査結果報告というのによりますと、一千万円に達しない法人の場合には、四百万円という定額控除を超えて交際費に課税されておるものは、たとえば一番小さい百万円未満の法人ですと、千社のうち八社であります、〇・八%、それから五百万と千万の問の企業でも十一社のうち一社であります。そういう企業が、なぜそんな多額の交際費を使うのかという理由につきましては、それはよくいろいろ各社ごとに事情が違いましょうけれども、やはり私先ほどお答え申し上げましたように、そういう企業が置かれておる零細企業として、また下請企業としての弱さと申しますか、そういうものが多分に交際費支出を余儀なくさしておるという事情があることも考えなければならぬというふうには思います。 それからまた、交際費の四百万という限度額をそのまま置いておくことによって会社が要らざる交際費の支出をするんではないかと、こういう御懸念もあろうかと存じます。全くそれがないとは思いませんけれども、交際費は大体において売上金額に比例しておるわけであります。売上金額のたとえば一%とか三%というふうに、業種によって違いますけれども、大体比例をいたしております。売り上げが小さくて、したがって所得が小さいのに交際費を出せば赤字になってしまうわけでございますから、会社がつぶれてしまう。そういうことが原則としてないわけですから、したがって、そういう特殊の地位に置かれた弱い法人というものの配慮で、四百万なりというような定額控除が残っておるわけでございますけれども、そういうものの便益を受けるという法人が、悪用しようという法人または乱用しようとする法人は、原則としてまれだというふうに考えてよろしいのではございませんでしょうか。
○市川房枝君 欧米諸国においての交際費の課税を見ますと、日本より非常に厳しくなっております。アメリカではそれが「通常かつ必要なもの」という規定があり、イギリスや西ドイツでは「合理的なもの」とあり、フランスでは「業務に直接必要なもの」という範囲が限定されており、そういうものに限って損金が認められているにすぎません。 それでアメリカでは社交施設、スポーツ施設等の経費は全額課税になっておるわけでありますが、日本でも交際費の非課税範囲を欧米諸国並みにもつと「合理的なもの」に狭く限定すべきではないでしょうか。料亭や高級のバーやゴルフなどへの支出を全額課税すべきではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋元君) まあ確かに一つのお考えであろうと思います。外国の法制でいきましても、イギリスの交際費課税というのは一番きつうございまして、海外顧客について支出される合理的な額の交際費を除き、原則として損金として認めないという制度がございます。その他の国では、通常かつ必要な交際費というものは損金算入をいたします。したがって、日本のように金額で限度を置くというような税制は日本だけでございます。 その場合に個別の支出交際費の支出内容と申しますか、そういうものが社会の常識に合わないではないかという御指摘がございました。私ども内容について交際費の否認制度というものが可能であるかどうかということをずいぶん時間をかけて検討しておるわけでございますが、しかし、百数十万という法人の一々が支出をいたします全体で二兆四千億の交際費が、どういう内容のもので、この内容のものは否認してもいいか悪いかということを個別に、たとえば税務官吏が調査をして判定をするということはこれは非常に繁雑であるということがあると思います。繁雑を忍んでやるとしましても、なかなかそこまで納税者の方々の、いわば良識と申しますか、そういうものと税務当局の判断というものが一致しない場合があるわけでございますからトラブルのもとになる。やはりアメリカ、イギリスという——アメリカは別にしまして、ヨーロッパの諸国のように法人が数か非常に少なくて、その内容がいわゆる企業であるというようなもの、そういう法制のもとでの税制というものがある。日本のように、まあ七人の株主が集まって五千円の株式を払い込めばそれで法人になっちまうという場合のもとでの法人税の税制というのは、やはり執行の面も考えますと異ならざるを得ないというのがいままでの検討の結果でございます。しかしながら、ただいまの御提案も確かにお考えであると思いますので、私どもとしては今後とも交際費の支出の状況等を具体的に調査をしながらいろいろ考えてまいりたいというふうに思います。
○市川房枝君 交際費については私ども、まあ婦人といいますか、家庭側でいいまして、実は息子がといいましょうか、あるいは御主人が会社でそっちの担当になりますというと、それこそただで毎晩のように飲んでいると、そういう癖がついちゃうといいますか、それで今度は係がかわりますというと、今度は自分の金では飲めないということで、その影響を家庭が実は受けていて、私どもはそういう文句を実は友だちといいますか、知っておる人からときどき受けることがありまして、だからむしろ職員といいますか、働いている人たちのモラルの問題に私は非常に関係してくると。いや働いている人だけではなくて、その企業そのもののモラルにも——このころのいろんな問題——ロッキードやその他の問題なんかにもやっぱり私は関連をしてくると思いますので、そういう点からもむしろ交際費を、全廃ということはできなくても、非常に厳しくしていただきたいということをこの際お願い申し上げておきます。 それからついでに、最初に申し上げましたように、交際費と関連して、租税特別措置法ではなく、これは所得税法ですけれども、寄付金についても簡単に伺いたいと思うんですか、寄付金は所得税法の規定によって、企業には資本金の百分の二・五ですか、の寄付限度額というものがあって、その範囲内は無税になっているはずだったと思いますけれども、一体そういう名目でどの程度、最近の年度においてどのくらい無税の寄付金がつまり支出されているのかと。いや限度額を超せばそれは課税の対象になることは承知しておりますが、それが一体どれくらいあるのかということをまず伺いたいと思います。
○政府委員(高橋元君) まあ寄付金でございますが、昭和五十二年度の国税庁の税務統計で見てまいりますと、支出された寄付金は法人の場合には千五百九十億円であります。千五百九十億円でございますが、先ほどもお話の中にもございましたように、資本金の千分の二・五と所得の百分の二・五と、その両者の平均、それが支出限度額でございますから、その会社ごとに支出限度を超えて課税されましたものが、そのうちに三百六十六億ございます。 なお、先ほどお答え申し上げたそういう損金算入の限度額の方を会社ごとに計算をいたしまして合計しますと二千九十五億となります。 もう一回繰り返しますと、千五百九十億支出されました。それが全体としての損金算入限度額は二千九十五億でございます。しかしながら、社別に限度を超えたものがございまして、それが三百六十六億で、その分は課税されておる、これが法人でございます。
○市川房枝君 この限度額のパーセントが一体どうして決まったのかというか、あるいは私は多過ぎるという感じがあるのですが、これをもし。パーセントを少なくして課税をするというと、それだけ税の増収になるわけなんです。この方に全然まあ触れていないといいますか、租税特別措置法でないから、これは別の法律だからですけれども、しかし考え方としては、やっぱり税の増収に苦労しておいでになる大蔵省当局としては、私はそのことを考えていただいてもいいんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 法人の寄付金の損金算入制度または不算入制度、その沿革を見ますと、昭和十七年以来ほぼ現在の損金支出限度額というものが決められて、それを、小さい修正はございますけれども、ほぼそのままで推移してきていると思います。 それで、法人の寄付金につきましては対価がないんだから、法人の事業活動とは本来関係がないとも言える。それは法人の事業の結果である所得の処分、だから利益処分でもいいんじゃないか、こういう考え方がありまして、そこで法人が社会的な実態として活動いたします際に、これは法人の支出として損金性を見てもいいではないかと思われる限度というものを、昭和十七年の時代から今日まで毎年毎年見直してきまして、大体現行あります資本金の千分の二・五と所得の二・五%を足したものの平均ということで見ていっていいんではないかという考え方でいまの損金算入制度が出ておるわけであります。確かにこれを加重いたしますと、おっしゃるように税収につながってまいるわけでございますから、私どもも決してその辺の検討をなおざりにしているわけではございませんけれども、交際費の場合にはいわゆる社用消費税というものがございます。それに対して寄付金の場合には社用消費税というのは認められない、原則として認められないと思います。たとえば慈善でございますとか学術でございますとか社会福祉でございますとか、むしろ奨励してもいい寄付金の支出というものもあるわけでございますから、その辺を勘案いたしまして、こういう損金算入限度額というものを設けておるわけでございますが、なおこれも交際費の課税の強化と並びまして、寄付金の支出の実態を見ながら、今後検討を重ねなければならない問題であるというふうに存じております。
○市川房枝君 実は無税の寄付限度額といいますか、これが私は相当いわゆる政治献金のもとになっているわけなんです。ですから、企業の資本がふえ、利益が上がれば、それだけ税金のつかない寄付する金が企業にあるわけでして、したがって政治献金がふえるといいましょうか、ということになって、私はいわゆる政治の面から言ってこの寄付の限度額というものをやっぱり再検討すべきだと、交際費とこの寄付とはまあ別になり、法律も別になっていますけれども、実際の運営の内容というものを見まするというと、ほとんど両方同じようなというか、ことになっておって、交際費というものがちゃんと規定されて、そして会社の経営として必要な金がそこから出る、莫大な金が出る。いやこれをもっと少なくしてほしいと私も言い、それから当局も今度は少なくはなさって、その点は評価をしているわけですけれども、献金の方は、私は本当は寄付限度額なんというものはなくてもいいんだと、必要なものは交際費の方で、現在も本当は出して、両方から出しているというか、交際費の中に機密費なんというのがあって、それが本当は政治献金に回っていくみたいでもあり、だからこの寄付の限度額というのは本当はちっとも余り問題になっていないんです。国会でも問題になっておりませんけれども、大蔵省の側としては、私は税制の問題から、いわゆる税の収入ということから言えば相当な額にこれでなるんだし、そして、これは国民がいわゆる政治献金というものに対して関心を持ってまいっておるし、これはまた政治献金の税制上の扱いの問題、これは雑所得としていま扱っておいでになりますが、その問題はきょうは時間がありませんので伺いませんけれども、ひとつ大蔵当局としてこの問題を考えていただいて、税制ばかりでなくそういう副次的な、私が申し上げたようなむしろ政治のモラルを向上するという点からも考えていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 所得税法上特定寄付金となりますいわゆる政治献金でございますが、これにつきましては政治資金規正法上、現行制限がございます。公職の候補者に対する寄付につきましては、候補者一人について百五十万円まで、献金する側から見まして年間二千万円までとなっております。それから政党なり政治団体なり公職の候補者以外のいわゆる政策団体、後援団体でございますが、これにつきましては、一の団体について百五十万円まで、それから支出する人の側から見て年間一千万円までという制限が政治資金規正法上設けられておりまして、その範囲しか税法上特定寄付金、つまり所得税法の課税から引くということにならないわけでございます。 法人につきましても、政治資金規正法上寄付の制限というのが資本金に応じてございまして、これは七百五十万円から一億円というふうに承知しておりますが、その範囲の寄付しか政治資金規正法によってできないということになっております。しかし、税法上は特別に何も認めておりませんで、寄付金の損金算入限度額の範囲内で損金に算入するということになっておりますから、先ほどの千分の二・五なり百分の二・五というものの枠の中で動いていくわけであります。したがって、いま仰せのようなことは、政治資金規正法上の一つの、私ども役人の口から申し上げるのも大変恐縮でございますが、政治家のモラルなり何なりということからのモラルからの政治資金規正法上の検討の対象というふうに存じますけれども、現行の法人税なり所得税法上の寄付金の損金算入限度額というものがそれに直ちにかかわっているかどうかという点はあろうかと思います。
○市川房枝君 いまお話しの政治への寄付のそれに対する租税特別措置という、それは寄付した個人に対しての減税の問題であって、私も承知をしているんですが、これは昨年の改正で新しくできたわけなんですが、これはむしろいわゆる政治献金をそういう企業からによらないで、なるべく個人からの寄付によるというむしろ趣旨であって、それはそれでいいと私は思うんですけれども、少し違いまして、私は大蔵省の立場としては、ひとついまの寄付限度額のパーセントを少し何とか減らすぐらいのことを、そうすれば税の増収ができるわけですから、そういうことでひとつ御検討願いたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) 寄付金の関係は、国でめんどう見られない学校法人や社会福祉法人に対する寄付を広く認めてくれよという御要望もございますし、文化財の保護等に特別の大蔵大臣の認可のやつを認めてくれというようなこともございますが、いま特に市川さん御指摘のは一般の企業の寄付金の問題だろうと思います。これはもう時勢に応じて随時やはり見直す必要があると思いますので、今後の課題として、いま御指摘の点は十分検討させていただきます。
○市川房枝君 いまちょっと大胆のおっしゃった社会福祉法人あるいは学校法人といいますかへの寄付に対して、無税の扱いを大蔵省がしていらっしゃることは私も承知しております。それで、いまの寄付限度額による金がそっちへも回っているということは承知しているんですか、しかしその金の中で、そういういわゆる公共的な金に寄付されているのとそれからいわゆる政治献金と称されるものとどういう割合になっていますかと、それわかりますかと申し上げたときに、過去にあるときに大蔵大臣から、それはわかりますから後で知らせますとおっしゃってくださって、それからまた後でそれはわかりませんとおっしゃって、結局はわからないことになっておりますけれども、私が予測するのには、いまの学校や公益法人なんかはその中から出る場合もあるし、それから特別に申請をすれば許可をされるんでしょう。だから、その限度額と関係ないわけであって、だからこの寄付は私は大部分は政治献金に回っているんだと予想するわけですけれども、この問題は別として、いまの寄付限度額のパーセントをもっと少なくするということを考慮するとおっしゃってくださって、しかしそれを実現してくださるように期待をしまして私の質問を終わります。
○委員長(坂野重信君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、藤川一秋君が委員を辞任され、その補欠として真鍋賢二君が選任されました。 —————————————
○野末陳平君 この租税特別措置による減収額を五十四年度平年度の分を見てみますと、だんだんここのところ数年で様子が変わってきておりまして、いま少額貯蓄の利子等の非課税措置、これがかなり大きくなっているということに気がつくんですが、別に例のマル優について批判をするわけではないんですけれども、最近経済情勢もかなり変わってきつつありまして、マル優の枠を、いま普通マル優の枠三百万をもっとふやせないかと言う人も中にはいるようですし、それから国債ですね、国債の特別マル優が一応三百万なんですが、この国債の個人消化にいろいろ問題が出てきた今日の時点で、これから国債がもっと個人にはまっていく場合には、この国債の特別枠三百万を拡大してほしいというような声もときどき聞いたりするんですね。 そこで、このマル優の枠の問題からまずお聞きしていきますが、どうですか、国債がどうにも消化がむずかしくなって、個人にはめたいんだという強い要求が出てきたときに、国債の特別マル優の枠をいまの三百万から拡大するというようなことが検討の中に入っているかどうか、まずこの辺から聞きます。
○政府委員(高橋元君) そういう御指摘というものは私はあることは否定できないと思います。しかし現在、たとえば少額公債、いま仰せの公債別枠でございますが、これによって非課税貯蓄を利用しておられる方は全体で二百七十五万件でございまして、その非課税貯蓄の一件当たりの残と申しますか、三百万に対する現在の貯蓄残高か八十三万円というのが現状のようでございます。 確かに、非常に大きな貯蓄を持っておられる方が、三百万の枠を突破してしまいそうだから一二百万の枠に何がしかを追加すべしと、それが国債の消化にプラスになるという面を持つことはそれは確かに否定はできないでしょうけれども、しかしながら、御指摘もありましたように、現在すでに一人当たり九百万、財形をつければ千四百万というような少額貯蓄の限度を持っておりますので、それをさらに公債の部分にプラスすべきかどうかということは非常に慎重に考えなければならぬ問題であろうというふうに考えております。
○野末陳平君 ぼくは、国債が売れないから個人に売りたいと、そのためにえさのようにして特別枠をふやすなんということがよくないと、そういうことですから、いまのお答えは意思がないようですからいいと思いますが、当然それは普通のマル優枠の三百万についても言えることだと思うんですね。むしろこれを、いまのお答えの中にもありましたけれども、財形も含めれば千四百万円ぐらいになっているし、これは平均貯蓄額をはるかに上回っているわけですね。それから、普通マル優の三百万に対しても平均で残高八十三万ですかね、いまの。これはいまの枠でも十分過ぎるぐらいであって、むしろ大衆感情には逆行するかもしれませんが、普通マル優の枠すらも三百万というのは縮小の方向で検討すべき時期に来ているんだと、経済情勢の背景も変化も考えれば、ぼくは縮小してもいいんではないかというふうに考えますが、これについてはいかがですか。
○政府委員(高橋元君) 戦時中でございますが、国民貯蓄組合というのができまして、それの預金利子について優遇制度ができまして、それ以来少額貯蓄というものはいろんな変遷を経ながら現在の所得税本法の制度となって定着をいたしておるわけであります。そういうふうに少額貯蓄について利子非課税制度があるということが非常に長い間続いておって、この制度が国民生活に定着してしまったという点は無視できないというふうには考えます。 しかし、税制調査会で昨年の九月以降、利子・配当所得の総合課税への改善ということについていろいろ具体的、専門的な御検討を願っているわけですが、税制調査会の中でも少額貯蓄なり郵便貯金の利子非課税、利子・配当所得課税全体について検討を加えるべきであるという御意見が出てきております。私どもも課税される、貯蓄の利子非課税制度をつくっておられる、いろいろの貯蓄の利子というものの間にいろいろ税制面、また執行面の問題があることも承知をいたしております。税制調査会でそういう御意見が出てまいっておるわけでございますから、ただいま野末委員からお話のありました観点も含めて、今後さらに税制調査会で早急に検討が深められていくと、五十五年の税制改正時までに結論を得るべく私どもも努力いたしますし、税制調査会に御検討願いたいというふうに考えておるわけであります。
○野末陳平君 事実、大衆生活に定着しているマル優ですから、これはこのままでもいいという声が強いかもしれませんが、現実にこの恩恵をこうむっているのはかなりの金持ち階級に偏っていると思うんですね。ですから、指摘の点も含めて検討してほしいと思いますね。 それから、次にいま租税特別措置の改正案について、内容に入りますけれども、いままでの改正に比べて今度のはかなり前進していると思います。それから、中でも例の開業医の優遇税制に関しては、これはもうぼくはこの委員会で四、五年にわたってうるさくやれやれと言ってきた方ですから、ともかくこれだけの改正が出たことは一応評価しているわけですから、廃止の方向で少なくも手がかりをつかんだという意味での評価はしているわけです。だけども、ぼくはもうちょっと、せめて税調答申ぐらいにくると思っていましたから、その点で不満といえば不満があるわけですから、そこのいわゆる税調答申と今度の改正案の差を中心に優遇税制について意見を聞いてほしい。それに対してまたそちらの対応を、これは確かめておきたいんですがね。 まず、税調答申とそれから今回の改正案との比較ですけれども、これはもちろんどの点とどの点が変わっているかというのは一目でわかりますけれども、当局側がまずどこが違っているんだという点を、具体的に問題意識としてどこを持っているか、確認する意味で違いを明らかにしてほしいんです、具体的に。
○政府委員(高橋元君) 五十年の税制調査会の答申で社会保険診療報酬の課税の特例につきまして、現行の特別控除を「社会保険診療報酬からの控除を実態に近い概算的な実際経費卒及び他に例をみない社会保険医の特殊性とこれに基づいた税制上の配慮として説明づけられる特別の控除」、この二つの部分を組み合わせて構成し直すということで提案をされたわけでございますから、その基本的な考え方は五十年の答申と、今回御提案して御審議をお願いいたしております案とは基本的に一致しております。 ただ、具体的に控除率につきまして千五百万円まで七二%となっておりましたのを、今回御提案申し上げております案では二千五百万円まで七二%といたしております。それから千五百万円超三千万円まで六二%となっておりますが、それを二千五百万円を超えて三千万円まで七〇%、三千万円を超えて四千万円まで六二%というふうにいたしております。それから三千万円から五千万円までの間の部分について五七%というのが五十年答申でございますが、今回は四千万円を超えて五千万円まで五七%というふうになっております。五千万円超の部分について五二%、ここは原案と変更ございません。 繰り返して恐縮でございますが、収入階層四千万円以上の部分につきましては五十年度答申と全く同一でございまして、それ以下の収入階層の比較的少ない部分につきまして、五十年の答申で提案されました控除率を若干刻みを上げた。それから七〇%という控除率を二千五百万円と三千万円の間について新設をしたという点が五十年答申と今回の案との差でございます。
○野末陳平君 具体的に聞きますが、税調では四段階になっているんですね。改正案は五段階になっているわけです。そうすると、この区切り方の不自然さは、これは後で聞くとして、四段階になっているのを何で五段階にしなければいけないのかという、ごく初歩的な説明からしてほしいんですがね。
○政府委員(高橋元君) 七二、六二、五七または七二、七〇、六二、五七、そういう個々の刻みについての控除率がそれぞれ問題になるわけでございますけれども、それらを全体としてあわせて比較的中小規模の社会保険医の特殊性と、それに基づいた税制上の配慮として特別控除額がうまく構成されるかということが問題、より大きな見方であろうと思います。収入階層の低い社会保険診療報酬の医師につきまして、社会保険医の公共性に十分配慮するということでつくられておるわけでございますが、負担の激変を緩和するという点にも若干の配慮をいたしまして、二千五百万円と三千万円の差額五百万円の部分につきまして七〇%という控除率を設けたわけでございます。
○野末陳平君 ちょっと余り一どきにごちゃごちゃ言わないでくださいね。問題点かどこにあるかわからなくなっちゃうんです。 いま非常に重要な点を二、三お答えになりましたけれども、少しずつ言っていかないと、結局何となくムードでごまかされちゃうようなことになったらまずい。 というのは、この間参考人に、税調に来ていただいたら、若干の手直しがあったけれどもこれは非常に満足しているということだったんですね。ぼくは、税調が満足しているというのはどういう意味かわからないくらいに、これは満足すべきことではなくて、やっぱり不満ではあるけれども、不満ではあるけれどもこれだけのことをとにかくやったんだから、そういう点では評価しているというのが正しい見方じゃないかと思うんですよ。 そういう意味からいまお聞きしているんですが、まず一つの問題から見ますと、医療の公共性をいろいろ考えて、それを中小の保険医に対して配慮したというけれども、それならば二千五百万円以下の開業医に対していままでの七二%認めてという、これならわかるんですよ。一億、二億でも二千五百万円以下の部分はやっぱり七二%の恩恵を受けるわけですね。それをごっちゃにして、中小保険医の立場を考えて公共性でと、こういうお答えになると、それはちょっと待てと、以下の部分というところに問題があって、ちょっといまのは上も下もひっくるめた大ざっぱな考えで、ちょっとおかしいんじゃないかと思うんですがね。だから、ごちゃごちゃとそちらお答えになるかもしれないが、ぼくはまず刻みをいろいろにしている必然性が余りないから一つ一つお聞きしょうと思っているわけです。 とにかくいまのは、何か公共性という医師会が言いそうなことを大蔵省が振りかざして説明するというのはちょっと良心にとがめているところもあるんじゃないかと思いますね、いや本当に。もう少し、やりたかったけれどもやれなかったというならともかく、ごまかそうというのはどうも余りいい気分じゃないから。 ごまかそうごまかそうというのは——大蔵大臣ね、ぼくが言ったでしょう、今度の改正案はとにかく手がかりつけたんだから評価はしますが、問題点がどこにあるかということをやはりはっきりさしておかなきゃいかぬ。そこに税調と比較してどこが甘くなっているか、どこが骨抜きになったかということをはっきりしておかないとやっぱり今後まずいですよ、このままでごちゃごちゃとまた三年も五年もやっちゃ困りますからね。 ひとつ、じゃあ具体的にもっと聞いていきましょうか。 五段階になりましたね。五段階になって一番違う点は、七〇%というラインを新たにこの控除率を設けて七二と六二の間に入れたことですね、これが税調の答申とは違いますね。もちろん税調のがこれが理想で、これと違うからいかぬと言うんじゃないんですがどうでしょうか、税率のきざみ方が七二、六二、五七、五二と来ていたのにかかわらず途中に七〇が入った、この七〇%の控除が、たとえば率だけで言うなら六七とか、そうだったら説明がつくかもしれませんが、七〇%という、何でこれ出てきたんですか。この数字は、ほかの数字と比べるから七二でなきゃいかぬという理由はなかなか説明はむずかしいでしょう。少なくも七〇%の控除率を新たに設けてそこに当てはまる階層をつくったという、これはなぜか、これをはっきり。さっきもちょっと触れているようですから、もうちょっと具体的に言ってください。
○政府委員(高橋元君) おしかりを受けるかもしれませんが、各種の刻みを合わせて、全体として収入階層の低い部分についての特別控除をつくっていくということでございます。 七二をなぜ新設したかというお尋ねでございますが、これは長年こういう制度になじんできた社会保険医の社会保険診療報酬課税につきまして負担の激変を緩和するという点にも配意するという趣旨でございます。
○野末陳平君 負担の激変を緩和するということを強調されるけれども、そうするとこれは激変だから今回七〇にしたけれども、当然これは経過措置ですね、負担激変の緩和というのは。 そうすると、これはいつまでもこのままにしておくわけにはいかないということになりますからね、この点ではどうなんですか。今回は負担の激変緩和で七〇を設けたけれども、さてじゃあ次はどうなんですか。
○政府委員(高橋元君) ちょっと話がそれますようで、またおしかりを受けるかもしれませんけれども、現在医師の社会保険診療報酬の収入階級別に人員がどう分布しておるかということを御参考に申し上げておきたいと思います。 全体として二千五百万円以下の今回の刻みが適用になりますお医者さんの数ですが、これが四四%でございます。それから二千五百万円と三千万円の間の刻みに当たります方が八%でございます。三千万と四千万の間の方が一二%でございます。四千万と五千万の間が一〇%。五千万円から一億の間に二〇%。一億の上に六%。 そういうふうに、これは五十二年の税務統計からの推計でございますから、四捨五入して申し上げましたが、そういう分布になっております。これは五十年答申当時の社会保険診療報酬の収入階層分布とかなり変わった形になっております。 当時は、たしか私の記憶ですと五千万円超の、つまり実額課税が適用になる収入階層におられるそういった医業の方は全体の六%ぐらいになっております。それが現在二六になっておるわけであります。その部分につきましては、五二%という実額に基づく概算経費率というものを存置しておるわけであります。したがって、五十年答申と今回の答申とを比べていただければ、実額課税による五二%部分の適用が非常に多くなっておるということは事実だと思います。 中小規模の社会保険診療報酬課税の特例を認めてもいいであろうと、そういう特別控除の対象になる部分というものは、四年前と現在とではかなり社会保険診療報酬の収入状況、それから医業の所得状況というものは変わっておりますから、それをどういうふうにつくっていくかという問題はございますけれども、なぜ六七でなくて七〇だとこうおっしゃる、確かにそこはありますけれども、社会保険医の特殊性に基づいた税制上の配慮と申し上げたのは五十年答申の言葉でございますから、そういう特別控除を構成いたしております全体としての組み立てとして私どもは考えておるわけでございます。したがって、そういう特別控除の適用対象になります方々の収入部分というのは、五十年答申の状況と現在とは非常に変わっておりますから、したがって特別控除全体としては収縮しておるわけでございます。したがって増収が出てくると、こういうことに御承知を願いたいというふうに思います。
○野末陳平君 いまのお答えの中で、五千万円超の部分がこれがかなりふえて、時間の経過でふえて、しかもここはこのままになっているからきついと、これはよくわかりますから、この点じゃ開業医に与える影響は相当大きいと思いますね、ここはいいんです。 しかし、収入の分布がずっと変わってきた、それももちろん当然で、いま挙げていただいた数字を見ると確かに四年前とは変わってきている。しかしながら、この七〇%の新たに設けられた二千五百万から三千万のところにいる人、これは五百万しかベルトがありませんから少ないのはあたりまえですけれども、やっぱりここにラインを引くのはどうもいまの分布からいっておかしいように思うのですがね。二千五百万以下が四四%あるわけでしょう、そうですね。次が八%と一二%になっているけれども、これ大体一緒くたにしたって別におかしくはないんで、まあ分布なんですから、別にこれによって線の引き方をどうこう言えませんけれども、何か上にはきつくなった、だけれども真ん中から下のあたりに関しては非常にばらばらというか無原則で不自然という感じは否めませんね。 で、二千五百万円にした理由を聞きましょう。千五百万円だったわけですよ、一番下が、二千五百万円にしたのはどうしてですか、一番下の部分を。
○政府委員(高橋元君) 地域の中小診療所というものを中心にいたしまして、できるだけその特殊性と申しますか、公共性に配意していこうという趣旨でございます。 それから、昭和二十九年から、よかれあしかれ二十五年間こういう税制が、本年三月をもって改正をお願いしております従前の税制が続いてまいりましたので、その点につきましても若干の配慮が必要だというふうに思っております。 千五百万円を二千五百万円に上げた根拠というお尋ねでございますが、これにつきましては、下の方の収入階層の部分について配慮する一方で、上の方の階層について、五十年からただいままで四年たっておりますけれども、その経過しているにもかかわらず全く引き上げを行っておりませんで、したがって特例適用者の特例適用部分と申しましょうか、特例控除適用部分というものをきわめて圧縮しておる、そういう総合した考え方の中ででき上がっておるというふうに御理解をいただければありがたいというふうに思うわけでございます。
○野末陳平君 だけどね、常識的に言って税調答申当時は千五百万円以下でもって七二をつくっていたんですが、今回は時代も変わっているしということで二千五百万に上げて七二を残していますでしょう。これ二千万円ぐらいだったら妥当だと思うのですよ、時間の経過を織り込んでいるのだと。だから七二%のベルトは千五百万を税調が答申したが、現在では二千万円ぐらいが妥当だと、こういうことならまあそうだろうと思いますよ。だけれども、二千五百万円に上げるでしょう、次にすぐ三千万円のラインを設けてここは七〇でしょう、こういうのはどう考えても不自然なんで、二千万ではどうしていけなかったんですか。
○政府委員(高橋元君) まあ物価とかいろいろの要素を考えてみますと、御指摘のように二千万円というのも一つの考え方だと思います。 私、申し上げますことは、一つ別の見方でございますけれども、先ほど私が五千万円超の方が全体で四十八年当時には六%ぐらいしかおいでにならなかっただろうと申し上げておりましたが、そのときに七二%ということが、税調から御答申のありました千五百万円未満の収入階層の方が実は五〇%を超えておられたのでございます、当時は。先ほど申し上げましたように、二千五百万円以下の階層の方は今回の改正案では、五十二年の分布によりますと四四%ぐらいおいでになるだろうと申し上げたわけですが、中小の社会保険医に対する特別控除の構成でございますから、中小保険医の方々の全体での位置づけというものも考えてつくらなければならないわけで、したがって五十年の答申そっくりそのままと、それを物価でスライドするという考え方は私どもは全くとっておりませんで、四千万円以上につきましては全く五十年答申のとおり、先ほど来繰り返してお答えしております。そういう考え方でございますけれども、中小の特例適用者について特別の配慮をするとすれば、その辺にも意を用いなければならないんではないかということを申し上げて、激変を緩和するとかいろいろなことをお答えをした次第であります。
○野末陳平君 なかなか説明もむずかしいし、それからこっちもこうしなきゃいかぬと言っても税調の答申というものがずっと権威のあるものとしてきたときに、やはりこれとの比較でしか言えませんけれども。 ひとつどうしてもいままで余り議論にならなかった点で、この開業医の優遇税制について考えなきゃならない点をお聞きしたいのですが、五千万円超の部分というのはこれからますます社保収入がふえていくだろうと、医療費の増大に伴って。その場合にあくまでもいわゆる高額所得者——一億円、二億円という医者はどんどん年ごとにふえているが、こういう医者かいわゆるあなたのおっしゃる公共医療に従事してそんなたくさんの収入もないような中小の開業医と同じ条件で、少なくとも特別控除のある、特別控除込みの概算経費率を適用される部分を持つわけですね。で、五二%。だけれども、この五二%以下の必要経費の医者もいるわけですが、これが五二で法定でずっと概算経費でいくということに疑問が出てくるんじゃないかと、問題が出てくるんじゃないかと、これを考えているんですね。 いままでは何で千五百万にした、二千五百万にしたという技術的なことばかり聞いたんですが、それに対するお答えというのはなかなかそちらもすっきりしたお答えがないようなんで角度を変えるわけですが、どうなんでしょうね。高額所得の医者のみを責めるわけじゃないんですが、こういう医者も五二%という概算経費率を幾ら上に行っても適用を受けるということにして構わないのかどうか、今後こういう問題点というのはこの税制に起きてこないのかどうか、起きてきてもこれは構わぬとおっしゃるか、その辺をちょっと今後のために聞いておきたいと思うのですがね。
○政府委員(高橋元君) 営業ということには当たらないと思いますが、医業の方々の所得は税の執行の面では庶業という形でとらえてやっておるわけでございますけれども、そういう事業所得につきまして実額の収入支出で所得を算して課税すべしという御議論が、これはもう原則としてそうだと思います。ただ、社会保険の診療報酬につきましては収入がガラス張りになっておる、それからその支出面での経費もほぼ類型的である、しかもその経費について一々個別の記帳を要求すれば、診療活動といいますか、診療の能力と申しますか、そういうものに影響してくる、長年概算経費課税になじんでいる、そういうことも考えて社会保険診療報酬につきましては概算経費控除の制度をなおしばらくというか、当分の間続けるのはやむを得ぬ、こういうのが五十年の答申の考え方でございます。今回御提案申しております改正案も同じ考え方に立っております。 五二%の概算経費率が実態に近いものというお答えをたびたび申し上げておりまして、これにつきましてはそれ相応の根拠もあるわけでございますけれども、そういうことで考えてまいりますと、社会保険診療報酬が一億円という方を考えてみますと、五二%がずっと比例的に経費だと考えました場合との差額が七百四十万円ぐらいございますので、経費率は五九%ぐらいでございます、一億円の場合には。これは五二よりも経費率が大きいから、したがってその部分が高額収入のお医者さんについても依然として中小規模の医業の方と同じように適用になるのはおかしいじゃないかという御指摘かと思います。 それにつきましては、収入がふえていけば五二%の控除適用部分というのはますますふえていくわけでございますから、したがって、そういうような経費率も次第次第に低くなってまいるわけでございますけれども、現時点では、先ほど来御説明申し上げておりますように、この考え方は妥当なものというふうに考えておりますけれども、御指摘の点は、社会経済情勢の推移に応じて今後とも十分フォローしてまいらなければならない問題だろうというふうに考えております。
○野末陳平君 いろいろ説明がありましたけれども、大蔵大臣ね、もちろん大臣の方も今回の改正案が百点の答案だということは思っていらっしゃらないと思うんですね。当然ぼくもそうです。でも、まあほぼ合格点であろうとは思っています。しかし、問題点というのをはっきりさしておいていただかないと今後どうするかという点について、やはり当然ぼくは廃止すべきだと思いますから、それがいつであるかということが問題なんですから、そのためにもやはり問題点ははっきりさしておかなければいけない。 で、七〇%という新たな枠を設けたということと、それから上にはきついとはいうものの、やはり二千五百万円以下、三千万円以下という部分の刻み方を税調答申とは別にしたという、新たにつくった、この二点が少なくも甘いと思うんですね。今回の改正案はここがガンで、これが物足りない。その点だけは大臣も認めているんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがですか。もういろいろ説明聞いても……。
○国務大臣(金子一平君) 主税局長から繰り返して申しましたからくどくどしくは申しませんが、下の方の階層の刻みをよりきめ細かくして実情に適するように、激変緩和の実効を上げられるようにということでいまのような新しい段階を設けたと私は考えております。 ただ、上の方の問題一億円以上のあれをどうするかというような御指摘、これは今後も十分考えなきゃいかぬことでございまして、今後の社会経済情勢の推移に応じてこの制度自体を考えていかなきゃならぬ、この気持ちには私変わりございません。ただ、二十五年間続いた制度でございますから一遍に一〇〇%白紙に還元しろといったってこれはなかなか実情に即さないことでございますから、精いっぱい考えたあげくの案だと御了承賜りたいと存じます。
○野末陳平君 時間もないですから開業医の優遇税制はこのぐらいにしておきますが、問題点だけはわかっていただけたと思っています。 それで、ついでに医療に関係して言いますと、確定申告で医療費控除を中心とした還付のケースが非常にふえている、これはいいことだと思いますが、その反面、特に医療費控除については解釈がまちまちで窓口で混乱していると思うんですよ。 ぼくなんかの知っている範囲でも、やはり税務署の中でも係によっては解釈が違う面があったりして、これはやむを得ない面もわかりますが、納税者にとっては困る。人がかわったらオーケーになっちゃったと、これはやはり困るわけです。 そこで、こういうことも防げるようにいろいろ納税者サービスを考えなきゃならないんでしょうが、まず、混乱を少しでもこれから緩和して、税務職員も申告のときにじっくりと内容を検討できるために一つ提案したいんですが、この医療費控除はほかの所得控除と同じにサラリーマンの場合に年末調整の対象にすることを研究してみたらどうかと、これは非常にむずかしい面がありますよ。これはなお解釈はむずかしい。税務処理の専門家でない人が医療費控除をあれこれやるんですから。だけれども、きちっとした領収書のあるものとか、あるいはこういうものに限って、同じ領収書でもこういうものに限ってはいいとか、ある程度の内容についての指導をして年末調整でもって医療費控除かある程度できるというようなことが考えられないのかどうか、あるいはそれを検討しないと、これから確定申告の季節にますます税務署も忙しくなって大変じゃないかと思う。まずこの点についてはどうでしょう、技術的にいろいろ難がありますが、お考えを聞いておきます。
○政府委員(高橋元君) 医療費控除をいま受けておられる方は五十二年の統計で見ますと四十万人をちょっと超えたぐらいの方、四十一万二千人でございます。そういう方々の便宜を図るために確定申告を待たずに年末調整で控除還付したらどうかと、こういう御提案でございます。確かに納税者の便宜ないし医療費控除の早期の実現ということからしますと一つの御提案であると思いますけれども、医療費控除の場合に、たとえば生命保険料控除と違っております一番の大きな点は、全体の所得の五%を超えている部分について控除をするということでございます。源泉徴収義務者はその給与の状況はわかりますけれども、その他の所得がよくわからないわけでございます。サラリーマンであっても、たとえば原稿料の収入があるかもしれない。配当取っているかもしれない。そういうときに、その他の所得を分母に入れて控除額を決めていくということが源泉徴収義務者について適正にできるかどうか、かえって混乱が起こるんじゃないかという点が一番の問題であろうかというふうに思います。税制上の仕組みとして五%というような、所得の五%の控除というものをなくしてしまうということもなかなかむずかしいと思いますので、したがって、そういうものとのかみ合わせでまいりますと、御提案非常に、確かにすぐれた御着想だと思うんでございますけれども、私ども現行の税制の中にそれを入れ込むということについてはむずかしい点があるというふうにも考えておりますので、御理解をいただければ幸いだと思います。
○国務大臣(金子一平君) 大変これいい御提案だと思うんですけれども、いまのような難点が一つございます。あるいはその会社だけの給与の場合のみ認めるとか何かできないか。私どももこれ十分事務的な、技術的な問題が多うございますので、あわせて検討さしていただきたいと思います。
○野末陳平君 確かに技術的にめんどうになって、かえってまた混乱が起きたりして、そういA不安もありますからね。やれるんだからやれという意味じゃないんですよ、やはり検討してみてはどうかということなんです。 で、いま五%の話出ましたけれども、五万円の方がむしろ一般じゃないかと思うんですが、その点についてもちょっと聞いておきましょうか。
○政府委員(高橋元君) 国税庁から後からお答えいただきますけれども、年所得の五%が五万円に達しない場合、いずれか低い金額ということでございますから、恐らく百万円の所得の方は申告をなさらないでしょうから、五万円ということが多いのかもしれません。そこらはよくわかりませんか、実情は国税庁からお答えをいたします。
○政府委員(藤仲貞一君) ただいま主税局長からお話がありましたとおりでございまして、ほとんどが五万円というぐあいにお考えいただければまず間違いなかろうかと思います。
○野末陳平君 だから主税局長の五%にこだわる考え方はちょっと違うかもしれないと思うので、あえて五万円の方をいま持ち出したんですが、なおこれは実現を目指してとは言いませんけれども、ちょっと検討してみてください。 それから同時に、この医療費控除でいきますと、もう時間もありませんが、この委員会でも、それから決算委員会でも言ったんですが、領収書がもらえない。これはいろいろありましたけれども、特に、少額の領収書の積み重ねというのがやはり大事なんですね。納税者がこの制度を知れば知るほど大きいのは簡単に領収書かもらえるのですよ、どちらかというと。少額の領収書はもらいにくい、家族いろいろありますから。これの積み重ねということを考えると、やはり少額領収書がもらいにくいという実情を税務当局も考えて、一定額以上はこれは領収書がなければもちろんだめだと。だけれども少額の積み重ねの場合、つまり小口に関しては何かほかの方法考えられないだろうか。いまは現実に家計簿でもってある程度認めてもらった場合もあれば、あるいはほかの何か、メモみたいなものが通る場合もあればとか、いわゆる窓口の印象というか、主観に左右される部分が多いですよ、小口に関しては。 だから、これはどうなんでしょう、やはり一種の、各家庭が税務署の指導によって医療費の明細のような書式があって、それに基づいて記入してあって、年月日、経費、診療内容、医者の判がそこにあるというか、そのような便宜を図る方法もいずれ編み出さなきゃならないんじゃないかと。いまでも結構やっているのだから、いいとおっしゃればともかく、やはり納税者の不満は小口の領収書が医者へ行ってもらえないというところにある。しかも医者ははっきりそうは出しませんよ、一々めんどうくさいから。そこで領収書にかわるべきものとして、ある程度一般性を持たせる必要があると思うのです。家計簿でもいいよ、メモでも大丈夫だよ、いやそれはだめだよと、こんなのがあっちゃいけませんから、その意味で、小口領収書の積み重ねがかなりの額になるというケースを想定して、どうなんでしょうか、ひとつ医療費の明細書を各家庭が確定申告用の、こういうものを用意しておけば認めてあげますというような方向というのは打ち出せないかどうか、国税庁の方のサービスとしてそのぐらいのことは検討できないかどうか、それがあれば非常に便利だと思いますが、その点をお聞きして、時間来ましたからやめましょう。
○政府委員(藤仲貞一君) ただいま野末先生からお話のございました税務署において取り扱いが違う場合があるとか、それから納税者との間にトラブルがあるということを私ども承知しております。これは結局は領収書の添付または提示がないので、支払いの事実の確認が困難であるということに起因しておりますことは、もう先生御承知のとおりでございます。そういうことで、私どもはやはり政令所定の領収を証する書類を入手していただきまして、確定申告の際に添付または提示していただくようにお願いをしているんでございますが、いまお話がございましたとおり、どうしても入手できないという場合があることは事実でございます。特に、少額の領収書でなかなか医師等がこれを出してくれないという場合があることを私ども承知いたしております。そこでそのような場合、いまお話がありましたように、何らかの書類に医療を受けた者の氏名、支払い年月日、支払い先、それに支払い金額等を記載したものについて医師等の印を押してはどうかというような御提案でございますが、内容がそういうものであります限り、領収書が入手できない場合の領収を証する一つの方法であると私ども思います。そういうことで今後部内において十分検討をさしていただきたいと存じます。
○委員長(坂野重信君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。 午後零時九分休憩 —————・————— 午後二時四分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、野末陳平君が委員を辞任され、その補欠として有田一寿君が選任されました。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 休憩前に引き続き、租税特別措置法の一部を改正する法律案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 総理に、日米首脳会談、東京サミットの日程がそれぞれ決まったようでありますが、まず教えてください。
○国務大臣(大平正芳君) 日米首脳会談でございますが、先般来アメリカ側と折衝いたしておりましたところ、五月二日に決まりました。 そこで私は、四月三十日に立たせていただきまして、五月の七日帰国さしていただくという大枠で国の内外に御了解をいただくようにいま話し合いを進めております。その間の細かい日程、議題等につきましてはまだ折衝中でございますので、ただいま御報告する段階には立ち至っておりません。 東京サミットでございますが、先般東京におきまして関係各国の代表による準備会議が持たれました。三月二十二日、二十三日でございまして、六月の末に東京において開くということ、そしてどういう議題にするかということも意見の一致を見ることになりました。それで、それを持ち帰りまして各国の首脳の了承を取りつけておるようでございますので、間もなくその了承か取りつけられ次第、発表されることになると思います。
○和田静夫君 日米のトップがかわるたびに日本の総理が参勤交代のようにアメリカの大統領に会いに行く。で、大平総理はそういう慣行に批判的であると伝えられていたわけでありますが、あえて忙しい日程を都合してカーター大統領にお会いになる、会いに行かれる。私はこのような被占領国的慣行を大平さんの時代なればこそやめるべきである、そういうふうに考え続けてきましたが、残念ながらそういう結果にならない。 第一に、国会の会期中に総理が、五月の連休とはいえ、それを利用しながら出かけていくということについてはどうも許容できないものがある。まあ福田前総理もそういう形をとられたんですが、国会の会期中に総理が外国を訪問する慣行というのはやっぱりやめるべきだろう。 第二に、東京サミットか六月末に開催されることになっておる。そのときにカーター大統領に会えるはずであるが、それ以前に緊急に会いにいかなければならない理由ですね、これをお聞かせください。
○国務大臣(大平正芳君) 私は、日米首脳の間におきましては間断ない対話が必要だと思っております。そして、その対話を通じて相互理解が深まることが両国のためばかりでなく、世界にとりましても大事なことだと思っております。しかし、和田さんも仰せのように国会が開会中でございまするし、国会には予算案を初めといたしまして重要な法案の御審議をいただいておるわけでございまして、まず第一に国会に全力投球をしなければならぬ立場にあることは仰せのとおりでございます。したがって、私はそういう心がけでまいったのでございます。 しかし、国会の方の展望も、全部ではございませんけれども、大体の見当がおかげさまでついてまいりましたので、なるべく早く日米間で首脳の間の意見の交換の機会を持ちたいと考えておりまして、国会その他の行事に支障のない時間帯におきまして、日米双方が都合のいいときを考えておったのでございますが、幸いにちょうど五月二日という時点に決まりましたことは幸いであったと考えておるわけでございます。 仰せのように、六月の末に東京サミットが開かれる予定になっておりまするし、米国の大統領もお見えになることになっております。けれども、いま日米間は御承知のようにMTNの終結を前にいたしまして、若干経済の問題が残っておるわけでございますので、そういった状況でございますし、日本に対する世論も大変険しいときでございまするので、サミットを待つことなくアメリカをお訪ねすることにはそれなりの意味があろうかと思っております。また、東京サミットを成功させるためには、何をおいてもアメリカ側の全幅の協力を仰がなければならぬわけでございます。アメリカ訪問によりまして、サミットに臨む両国の意思の疎通が十分図られておるということは、サミットを成功に導くしにおきましても有益であろうと判断いたして、そのような手順にいたしたものでございます。
○和田静夫君 非常にいま重要な発言は、国会の見通しがおつきになったそうでありますが、きょう明確にここでは租特の法律案は否決になります。明日の本会議だって、これは否決になれば私は明後日ぐらい大平内閣は解散をやられるか、総辞職をやられるかというどころに立たされていると思っているんです。それぐらい深刻な事情にあるにもかかわらず、国会の見通しがついたなどという総理のお考えを是とするわけにはいきません。国会の見通しがついたというのはどういう御理解ですか。
○国務大臣(大平正芳君) 国会の見通しがついたと私申し上げていないのでございまして、国会の展望もあらかた見えかけたという意味に申し上げておるわけでございまして、五月二日の日米会談をお願いいたしましてもそう無理なお願いではなかろうと判断いたしたわけでございます。
○和田静夫君 日米間の現在の緊急課題を挙げるとすれば、いわゆる経済摩擦、貿易不均衡の問題だろう。 ところが、報道されているところでは、首脳会談を経済問題の交渉の場とすることは避けて、グローバルな視野で日米関係と日米の世界的役割り分担を考えていきたいということのようであります。そうすると、東京サミットの前に緊急に会談すべき問題なのかどうか。毎回日米首脳会談のたびに公式には関係改善、役割り分担で意見交換されることということになっているんですが、その実、ハワイ会談のような実務者レベルなのかどうかわからない、生々しい経済問題が具体的に取り上げられる。これはたてまえと本音ということなのか、それとも国民に知らされないだけなのか。それともアメリカと日本の会談に臨む態度に認識の相違があるのか。いずれかに原因があると私は考えざるを得ないのでありますが、この五月初旬の会談、恐らく具体的な日米経済摩擦の解消手段の話が出ると思うのですが、それはどういうふうにお考えになっていくわけですか。
○国務大臣(大平正芳君) 当面、政府調達の問題を初めといたしまして、若干の火急に解決を要する問題があることは和田さんも御承知のとおりでございます。そういった問題は、きのう訪米いたしました牛場政府代表の手でできるだけ解決をしていただくようにお願いをいたしているわけでございまして、私どもの会談ではそういった問題のネゴシエーションというのではなくて、もっと中長期にわたった展望に立って日米政治経済の取り組み方について話し合いをいたしたいものと考えております。 しかし和田さんも御承知のように、日米間の貿易往復四百億ドルに上る大規模なものでございます。こういう大規模な貿易をやっておるということは、いつも問題があることは避けられないわけでございます。したがって私は、冒頭に申しましたように、日米間におきましては間断ない対話をして理解を深めておかないと、事が起こった場合にどじを踏むようなことがあってはいけないと思うのでございまして、五月の会談が特に特別な意味を持っておるものとは思いませんで、間断のない対話の一環であるというように御理解を賜りたいと思います。
○和田静夫君 この会談では防衛、軍事というような問題についてはかなり突っ込んだお話し合いをされますか。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、また議題とか細かい日程につきましてはいま検討いたしておるところでございまして、どういう議題をどういう手順で取り上げるかというようなことはまだ決まっておりません。ただ従来の慣例から見ますと、日米間には安保条約を持っておるわけでございまして、防衛問題というものは議題になっておったようでございます。私といたしましては、特にこの際、今度の会談特有の問題として防衛問題を取り上げようという気持ちは、いまのところ持っていません。
○和田静夫君 その防衛問題に関連してなんですが、けさの報道によりますと、永野陸幕長は昨日防衛懇話会に出席して、防衛計画大綱について決定当時と現在では客観情勢が除々に変化してきている、「近い将来の大綱の修正にボツボツ頭を向けていかねばならない情勢にある」と述べたと報道されています。 私は実は二十三日の日に、この問題を一般質問で取り扱ったばかりであります。そして私はこういう方向にあろうと思って、防衛大臣並びに防衛局長に物を尋ねたら、これは防衛層長明確でありますが、別表を含んで、私の質問に対して別表の改正もしないと、これは答弁が非常に明確であった。私はいわゆる五次防まで踏まえて、すなわち七年先あたりまでを踏まえて、別表まで含めて問うたのに対して、いまのように修正の必要はない、これは大変明確だったのです。明確だったから私はそれ以上追わなかった。 ところがきのう永野陸幕長は、この防衛大臣並びに防衛局長の参議院予算委員会一般質問におけるところの答弁を外において全面的に否定をする、そういう挙に出たわけですね。しかも別表にも言及して具体的否定発言をやっているわけです。総理、この食い違いは重大であります。局長の方針を一制服陸幕長が外部で気楽に否定する、これは国会での行政当局の発言を否定することにもなりかねない、私は許せない、防衛方針を再度明確に徹底するとともに、この陸幕長の処分を含めて、総理、責任の所在を明らかにしてもらいたい。
○政府委員(原徹君) けさの新聞の報道でございます、私が二十三日の日に防衛計画の大綱を修正する考えはないということを申し述べました、防衛庁長官もそう申しております。陸幕長の発言でございますが、陸幕長は、その防衛計画の大綱をいま修正する必要があるというふうには言っておりません。そこのところは新聞の方がちょっとオーバー、ニュアンスのところはございますけれども、いまの防衛計画の大綱ができましてから私どもも全くその事情が変化してないとは思ってはいないわけでございますが、防衛計画の大綱を修正するほどの変化だとは思ってはいない。ただし、防衛庁長官が申しておりますように、事態は大変厳しいということを申しておりますが、でございまして、これから先しばらくは大変重要な時期であると考えておりますから、事態の推移を冷静に見守らなければならない、そういうことはそういうふうに思っておりますから、そのことを陸幕長が申したわけでございまして、私どもと陸幕長との間に意思の疎通が欠けておるというようなことは全くございませんので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○和田静夫君 これは総理からぜひ答弁をもらっておきたいんですが、いま報道ばかりじゃありません。けさのNHKの七時のニュースも、まあ報道に含めばそうですが、ニュースも同じことを伝えているわけですね。 そして、これはそういうふうに抗弁をされましても、じゃ日本の報道機関、マスメディア一切が誤りを犯している、こういうことになりますから、そんなことに私はならないと思うのであります。 予算委員会において論議が進行をしているときに、そこでは否定的な発言をしておきながら、それと全く逆の方向というものが——われわれはそういうような情勢の変化があるだろうということを言って、共通の広場において論議をしようとしているわけですね。そこでは論議の口を閉ざしておいて、そして総理など責任者の知らないところでもって制服の発言が行われる、こんな事態というのはやっぱり許せませんからね。これは大平内閣としては厳重に、今後こういうことが起こらない、そういう保証というものを明確にしておいていただきたいと思うんです。
○国務大臣(大平正芳君) 国会に対しましては、もとより内閣が責任を負っておるわけでございまして、一政府の公務員の発言というようなもので政府の全体の政策としてお取り上げいただかないようにお願いしたいと思うんでございます。いま陸幕長の発言につきましては、防衛庁の方から弁明がございましたように、防衛庁で分析解明いたしましたところ、いま御報告申し上げたとおりに心得ておるわけでございまして、防衛計画大綱を変えるというようなことを申したわけではございませんし、このことにつきましては、本院におきましても防衛庁長官から御答弁申し上げておるわけでございますので、それによってひとつ御承知を願いたいと思います。 それから、公務員の発言につきましては注意をしなければならぬという仰せでございまして、それはそのとおり心得ていきたいと思います。
○和田静夫君 東京サミットについてでありますが、私はどれだけ意義があるのか疑問がないわけではありませんけれども、それはさておくとして、日本が成長率等について約束をさせられるのではないかという懸念がやっぱり相変わらずあります。まあノーベル賞受賞の経済学者サムエルソンではありませんけれども、今日の経済学は一年先を見通すほど精緻な科学ではないと、こう言っているわけでありまして、そういう精微な科学でないものをもとにして編み出されるところの成長率などというものか、そんなに公約的に守られるわけのものじゃないだろうというふうに私は考えますが、一体そういうむずかしい成長率という予測のむずかしいものを国際公約のように言う。そして、達成できなくなるとアメリカの大統領から約束違反を責められる、こういうような公約というものを私はすべきではないと思うんです。で、成長率の公約というものを今度の東京サミットでおやりになりますか、やりませんか。
○国務大臣(大平正芳君) そういうことは考えておりません。
○和田静夫君 総理、石油にかわる代替エネルギー開発のために石油節約税を各国でつくろうと、創設しようと、そういう構想があるようでありますけれども、そういう構想を提案するお考えありますか。
○国務大臣(大平正芳君) いまエネルギーの節約につきましては、先般政府の方で大綱を決めまして、自発的にいろんな冷暖房を初めといたしまして、若干の自発的な御協力を国民にお願いしておるところでございまして、いまその他の手段によって、税その他強制的な手段によって節約を強いるというようなことはまだ考えておりません。
○和田静夫君 OPECが原油のことし十月からの値上げ予定分を、半年繰り上げ実施することを決定をしたようであります。そのほかに各国上積み分がある。そうすると、国際経済への影響が問題でありますが、日本の景気、物価にどういう影響が出るか、あるいは今年度の経済見通しの前提が変わったわけでありますから、こういう見通しとの関連はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(大平正芳君) ことしの予算は、御承知のように大体石油、原油につきましては一年を通じて一〇%ぐらいの値上げというものを踏まえて組んであるわけでございます。この間のOPECの発表によりますと、若干それは上目になっておりますが、その上積み分を、一応どういう影響があるかということを大胆な試算をしてみますと、卸売物価で〇・六%、消費者物価で〇・三%ぐらいの影響になるのではないかという見当をつけております。もっともあなたがおっしゃるように、各原油生産国がプレミアムをその上に乗せてまいるということになりますれば、それだけ影響は増幅してくると思いますけれども、それはまだわかりません。しかし、いま伝えられておる程度のものでございますならば、わが国の生産活動はもとよりでございますけれども、わが国の物価の基調に大きな影響を及ぼすものとは考えていないわけでございまして、われわれといたしましては、周到な経済政策の運営を通じまして影響を可及的に最小限度にとどめるように努力をしてまいるということが当面われわれの任務じゃないかと思っておりまして、経済計画を変えるというようなことはいま考えておりません。
○和田静夫君 日銀が四月から六月、窓口指導で貸出増加額の規制を実施することにして、過剰流動制の吸収に乗り出すようであります。で、日銀の規制がいよいよクラウディングアウトを強める傾向があるというふうに考えられますか、総理はそういうふうにお考えになりませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 日本銀行の方では、金融政策の運営をやや警戒中立型に持っていきたいという気持ちを持たれておるということは承っております。けれどもしかし、金利政策を頭から変えていくというようなことは考えられていないようでございまして、いまの状況からいたしまして日本銀行のとっておる姿勢はわれわれとして理解できると考えておりますし、このことが直ちに大きな経済政策の基調の変更を意味するというように私はとっておりません。
○和田静夫君 総理、私はすでにクラウディングアウトは発生していると考える。それはともかく、銀行の貸し出しと国債との調整問題はともあれ存在をしております。現状では三月国債から金利を〇・四%引き上げたということで言えばなおこの流通金利と乖離がある。その限りでは、国債は相変わらず御用金調達だと言われても仕方がないと思う。そして御用金調達である限りは、発行に歯どめがかけられないということになると思う。市場実勢に合わせること、それをもとにした国債管理政策を確立する必要がある、そういうふうに痛感をいたしますが、総理のお考えいかがです。
○国務大臣(大平正芳君) 国債政策は反省してみると、やや政府も六分一厘の国債を考えたということは、成功を急ぎ過ぎたきらいがありはしないかと私もいま考えておりますけれども、しかし、若干その点についての是正が行われておるようでございまして、いま御注意がございました点につきましては、大蔵当局もよく注意されて、国債管理政策に狂いのないように配慮していっておると思います。詳細な点につきましては、大蔵大臣おられますからお聞き取りを賜りたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) まあ最近の経済情勢、金融情勢から、市場では長期金利の引き上げが近く行われるんじゃないかというような期待感が大分盛り上がってきました関係で、六分一厘国債の値下がりも行われたようでございますけれども、私ども市場の実勢を十分考えながら、いま総理からお話のございましたような〇・四%程度の引き上げをやっておるわけでございます。私どもは、いろいろの御心配の点を御指摘いただきましたけれども、いますぐクラウディングアウトが出てくるというような、設備投資についての企業の意欲がまだ盛り上がってきておるような段階ではないと思いますので、今日の低金利政策の基本方針だけはしっかり堅持していけば、今日の国債——いま私どもの方で考えている程度の国債の消化に万遺憾なきを期することができるだろうと、こんなふうに考えておる次第でございます。ただ、市場の実勢に応じた国債の多様化につきましては、十分心してやらなきやならぬと思っておりますので、今後そういう点につきましては十分な配慮を重ねるつもりでございます。
○和田静夫君 そう言われますと、たとえば最近、事業債は希望額からどれぐらい削減されていますか。——時間がありませんから、それじゃ後でそれ承ります。 ちょっと税制の問題ですが、この医師優遇税制ですか、いわゆる階層別に分けて必要経費率を定めるという案でありますが、この必要経費率の数字の根拠ですね。これが、ずうっと論議を聞いていましたが、どうも明らかではない。まあ本当はそこ聞きたいところですがね。それぞれの階層に何人、何%いるのか、あるいは二分の一程度とかあいまいな数字ではなくて、これは正確なものが出されなきゃならぬ。特に、私は必要経費の加重平均ですね、この辺がもっと明確にならなきやならぬと思っているんです。しかしもう時間がありませんから、そこのところはあれこれ言いません。 ただ、一つ、埼玉県医師会の雑誌で、五十四年一月十日号というのをお読みになったかと思うんですかね、ここで自由民主党の参議院議員である同医師会長、福島茂夫さんが、みごとに、いまやられている大蔵省の物の言い方が誤っているかということを論破されているわけです。それは「租税特別措置法改廃論議に関連して」という文章か福島さんの名前で載っています。これは埼玉県医師会の調査をもとにした六百九十二医師の自主的な回答に基づくものでありますから、私は信憑性が非常に高いと思って、非常に興味深く読みました。 で、総括か一般でやろうと思ったんでありますが、時間がなくてその機会がありませんでしたが、全平均は、保険収入二千六百十五万八千四百十五円、経費は五四・五%なんです、明確であります。そうすると、この階層は改正案だと経費七〇%で、その差は一五から六%、金額にして約三百九十二万円にこれ私の計算によればなる。まさに骨抜き改正と言うにふさわしいことかこの埼玉県の医師会の調査で明らかであるし、自由民・三党、現職の参議院議員福島茂夫さんの手によって明らかにされているわけです。大蔵省いかかですか、この調査がでたらめだと言われますか。
○政府委員(高橋元君) 最初にお尋ねの、社会保険診療報酬収入階層別の分布、お答え申し上げておきます。 これは五十二年の課税統計からの数字でございますが、二千五百万円以下、これが四四%でございます。それから二千五百万と三千万の間、これが八%でございます。三千万円超四千万円以下一二%でございます。四千万円超五千万円以下一〇%、五千万円超一億以下二〇%、一億超六%、そうなっております。 それから第二の、埼玉県の医師会で言われる経費率でございますが、私どもが課税統計から推計いたしております実態の経費率は五二%ということで、会計検査院の五十一年度についての検査の結果とほぼ一致をいたしております。 ただいまお示しの点は、五千万円以下の社会保険の収入部分について、社会保険医の特殊性に対する配慮に基づく特別控除というふうに税調答申でも言っておりますところの五七%、六二%、七〇%、七二%という特例の特別控除の部分の経費率を入れております関係でそうでございますが、今回の案でお願いいたしております五千万円超の部分について適用されます五二%は、実態経費率にほぼ等しいものというふうに私どもは考えておる次第であります。
○和田静夫君 ここは異論がありますが、時間がありませんからあれですが、もう一つ税の問題で指摘しておきたいのは配当に伴う課税です。二重課税を排除するという仕組みの問題でありますが、通常法人擬制説に立って課税原則が立てられているからだと言われているわけですが、支払い配当軽課措置あるいは配当控除、受取配当益金の不算入、そういう二重課税排除措置によって、たとえば標準家庭で課税最低限は株主配当だと四百四十万三千円。一方給与所得者は二百一万五千円、二倍以上の開きがありますね。総理、ここのところはもう再考すべきところへ来ている、そういうふうに思うし、四十三年七月の税制調査会では、長期税制のあり方についての答申ですでに述べられているわけですね。もう十年経過をしているわけですから、この辺いかがです。
○政府委員(高橋元君) 配当だけの所得者の課税最低限が夫婦子二人の場合四百四十万三千円であることはいまお示しのとおりでございます。ただしこれにつきましては、お話の中にもございましたように、法人税と所得税の二重課税の調整というための配当控除、それから法人税の配当軽課税率というものが働いている結果、こういうことになっておるわけでございます。この点を、たとえば受取配当の益金不算入、配当軽課、配当控除、すべてを廃止して、法人の所得及び法人からの分配について完全に法人税を課し、それについて完全に所得税を課すべきであるという御主張は多年承っておるわけでございますが、五十二年の秋の税制調査会の中期答申の中では、これは御高承のとおり、そういった法人税の基本的仕組みに属する事項について、これは企業優遇であるというような、または政策税制であるというような定義を下すことは相当でないので、したがってこういう点を除いて、政策税制について整理をすべきであるという御答申になっておるわけでございます。 企業税制、それに関連するいろいろな問題につきましては、今後とも検討はいたしていくわけでございますが、ただいま仰せのように、四十三年の答申の中で、すでにそれが税制調査会によってこういう考え方が否定されておるということに私どもとしては承知をいたしておらない次第でございます。
○和田静夫君 税調というのは、これは総理の諮問機関でありますから、総理からぜひ答えていただきたいわけでありますが、私はこの一般消費税以前にとにかく考える余地がある問題としてこれは存在をしている、そういうふうに思いますが、これは総理そうお考えになりませんか。
○国務大臣(大平正芳君) これは和田さん初め社会党の皆さんとずいぶん論戦を重ねてきた問題なんで、私も大蔵大臣時代皆さんのお相手になった問題でございますが、これはどういう仕組みをとるかという問題でございまして、こういうことをやっておることが非常に配当所得者にフェーバーを与えておるというようなものでは決してないと考えていますので、もし変えるとすれば、また当然法人税制、個人税制全体として取り組み方を変えなければいかぬわけでございまして、こういう処理、調整の仕方をやることも一つの方法として、税制調査会でもいろいろ論議の末これを支持してくれておると私は承知いたしておるわけでございます。したがって、いまこれをにわかに変えるつもりはございません。しかし、十分御論議をいただいた場合におきましては、熱心にこれは討議してしかるべき課題だと思います。 それから、税調の方は大変りっぱな方々が委員をお引き受けいただきまして非常に熱心に検討していただいて、政府が持っておる最も権威のある審議会の一つとして私は世間的な信用も非常に高いと存じておりまして、この方々から支持を得ておるということは、政府としても非常に力強くむしろ考えておるところでございます。
○和田静夫君 一般消費税について、これはもうわが党初め反対が非常に強い。大型税であってこれまでとタイプの違う税金だけに、私は国民的合意が必要と考えます。その点では五十五年実施はいまの状況で考えられませんか、他の税及び利子あるいは配当所得の総合課税問題を含めて、の余地が非常に多いと思うんです。一般消費税はその後だと考える。まず現行税制度の不公平税制あるいは制度改革をやることが先決なはずでありまして、ここのところは簡単に総理の決意を聞きたいんです。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのように、一般消費税を端的に取り上げてお願いするというような横着な考えはないんです。この問題につきましては、やっぱり歳出歳入全体につきまして十分見直しを行って、そしてしかる上これが必要であるという御理解を国民からいただかなければならぬと存じております。したがって、本年度から直ちにお願いするということをよしまして、五十五年にひとつやらせていただこうといま考えております。ことしはそういう問題として十分論議をしていただきまして、この一般消費税問題の背景にあるいろんな問題につきまして十分論議を深めてもらいたいと、そして初めてこの問題に取りかかっていただく基盤かできるんじゃないかと考えておるわけでございます。 そういうことで、この国会におきましても、衆参両院を通じまして、反対は反対でありながらいろいろ御論講をいただいておることを感謝しておるところでございまして、一層ひとつ論講を深めていただきたいと思います。
○和田静夫君 もう何か答弁技術に引っ張られながら時間だけ費やしてきましたけれども、政府調達のこの門戸開放の問題で、これは先日、わが党の福間委員が一般質問の席上でいろいろの論議を繰り返しました。通産大臣や電電公社総裁の間の意見の相違が大変明るみに出ましたし、あるいは国鉄、運輸省との間にも相違があるようであります。それにもかかわらず早期決着を図るとすると、見切り発車になるということになるようになるんでしょうか。いわゆる五十億ドル強で決着へという内容を教えていただきたいわけでありますが、ともあれそれで七十五億ドルを主張するアメリカ側の納得が一体得られるものなのかどうか。今明日無理でも日米首脳会談までにこの問題に決着をつけるという、そういうタイムリミットで考えられているのかどうか。 仮に決着がつかない場合ですか、この問題で閣僚レベルあるいは民間レベルなどの機関設置について日本側から提案する用意があるのかどうか、政府調達門戸開放問題の政府方針、そういうものをこの機会に承っておきたい。 時間もありませんから、この門戸開放問題を見て感じることは、私は、たとえば沖繩交渉におけるあの繊維のように、いけにえをつくってアメリカの矛先をかわすような態度ではないかということなんですね。仮にもそういう気持ちがあるとすれば、私は日米だけでなく、日本、ECについても、そしてその他の諸国との間にも経済摩擦が引き続くのではないか、そういうふうに思うんです。決して小手先で解決をしないでしょうね。 報道されている限りですから正確なニュアンスがわからないところがありますが、アメリカも、そして来日中のハフェルカンプEC副委員長も、日本の経済構造を内需主導型へ転換する要求をしているということであります。特に非関税障壁の撤廃が強く主張されているようですね。そうした立場を総理はどう理解をされるのか、そしてそういう要求にどうこたえていくのか。東京サミットでもこれは重要なテーマになるんだろうと思うんですが、ひとつ総理のただいまの心境というか見解をお聞かせください。
○国務大臣(大平正芳君) いまわが国の貿易収支、経常収支が相当大幅な黒字にあることは御案内のとおりでございまして、それはどこかの国の赤字になっていることでございます。アメリカ、EC諸国はまあ赤字、日本のその黒字を背負っておる赤字国、日本から見れば赤字国の方に位しているわけでございますから、アメリカやECが日本の開放貿易体制を進めてもらいたいと、輸入の拡大によってこの黒字幅を縮小に持っていってくれということを申すのは、それなりに私は理解できると思うのであります。 われわれといたしましては、しかしこれもそれぞれの業界にはそれぞれの理由があることでございますので、開放体制に持っていくための努力はわれわれもいたしますけれども、ECやアメリカ側におきましてもそれなりのわが国に対する理解も持ってもらわなければいけない。過去百年間、わが国は本当に赤字に泣いた国でございますので、われわれはいまこのように黒字国であるけれども、これが非常に安定していつまで続くかわからないという不安もないわけではないわけでございますので、業界が持っておる不安についても十分先方の理解を持ってもらわなければいかぬと思っております。 これ理論闘争いたしましても始まらぬわけでございますが、現に政府調達の問題というような姿でこの問題が鋭角的に出てきておるわけでございますから、そこで私は、何としてもこれは早いところ片づけなければいかぬと思っております。関係方面にもできるだけ御理解を得まして、可能な譲歩はしていただいて早く解決しようと、アメリカ側にも理解を求めて解決しようというわけで、きのうの午後出発いたしました牛場さんには、あなたの手でこれは何とか解決してもらいたいと、やってみましょうということでございますが、どういうところで一体アメリカと日本が処理がつくのか、それはまだ、せっかくの御質問でございますけれども、私にもわかりません。わかりませんけれども、この機会に牛場さんの折衝を通じて解決したいと、またしなければならぬのじゃないかと考えておるわけでございまして、そのためには関係方面にはそれだけの理解と協力をお願いしなければならぬのじゃないかと考えておりまして、それがどういう見当になるかということは いまここで申し上げるほど私も自信がないのでありますが、いずれにせよこの機会に解決すると、またしなければならぬのだと、そうして、それは日米双方とも一応了解がつくところで解決しなけりゃならないし、それはできない相談ではないのじゃないかといま思っております。
○国務大臣(金子一平君) 和田さんの先ほどの事業債の発行状況でございますが、三月の発行希望額は去年の十二月のアンケートによると約千五百億と言っておりましたけれども、実際の発行額は八百億円足らずと。それから来年度の資金の需給見通し、これは全くの仮の計算でございますけれども、金融部門における資金の増加量を見ますと、本年度が三十二兆三千億に対して来年度は三十六、七兆円だと思うんです。そのうち民間向けの貸し出し、これは事業債も含めてですが、五十三年度は二十兆五千億くらいのものが二十二兆円くらいになる。一方、公共債の実質負担分は十一兆余りのものが新年度は十二兆くらいになるだろうと、大体いまの資金の動きから見るとそういうところにおさまりそうなんです。なお、この数字は今後検討いたします。
○福間知之君 ちょっと関連で総理に。 先ほどの総理のお話に関連しまして、非常に重要な問題だと私思いますので、一言申し上げたいのですけれども、日米間は非常に重要な関係でございます。われわれも大事にしてきましたし、これからも大事にしていかなければなりません。 しかし、いまアメリカが日本の産業構造の調整を要求したり、あるいはまた内需拡大の五カ年間の計画を示せとまで言っているわけであります。電電問題、国鉄問題等、政府調達関係につきまして、仮にそこで一億ドル、二億ドル調達を可能にしたところで、いま言う七十五億ドルと五十億ドルの差があることと、私は数字の上、金額の上ではそんなに縮まるものじゃないと思うんです。特に私気になるのは、アメリカは貿易を中心にした経常収支での日米間の落差をやかましく言っている。私は、先ほど総理もおっしゃった理論闘争やっても仕方がないという言葉がありましたから、私、あえて一言申し上げたい気になったんですけれども、やはり理論闘争はやるべきだと、日本の置かれている経済の現状あるいは対外関係の重要性、貿易の必要性というものを徹底的に理論闘争やるべきだ。そして、認識をしてもらって、その上で経常収支だけ見てもらったら困る、貿易加工立国ですから一定の黒字はわれわれ必要とするんですから、総理おっしゃったように、かつては国際収支の赤字が、天井が低くて赤字で泣いたわけですね。経済成長の足を引っ張ったわけです。いまはそうじゃない。したがって、われわれはあくまでも基礎収支で比較していく、物を見ていくというやはりアメリカ側の頭の切りかえをやらしていかなければならない。その限りにおいて、われわれは内部的には構造の転換、あるいはまた資本の収支、経済協力、そういうものを通じて国際収支は全体としてバランスを図っていく、これは私は日本のこれからの基調でなければならぬと思うんですが、これ一点、総理に特に私は強調しておきたい。サミットに、あるいはアメリカに行かれたらぜひその点は強調願いたいと思います。
○矢追秀彦君 最初に総理に訪米について伺いますが、今回の訪米でアメリカが最も日本に強く要求してくる点の中で日本にとって大変厳しいと思われるもの、まず一番厳しいものとしては何であるか、大体順位で二、三点挙げていただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) まだそういう、どういう問題を取り上げるかというようなお話し合いはこれからでございまして、いまは矢追さんおっしゃるように、どういう問題を一番強く向こうが主張されるかというような点はまだ見当はつきません。ただ、今日のような日米経済関係、調整を要する時期でございますので、われわれが想像がつきますことはわが国の輸入の拡大でございますとか、市場の開放でございますとか、そういった問題に向こうが強い関、心を持っておることは否めないことではないかと考えております。
○矢追秀彦君 私は、先ほども和田委員から指摘がございましたが、成長率の問題で、具体的な数字は別として、日本に強い経済成長を迫ってくることは十分考えられると思います。ところが、成長率は五十三年度末で政府の見通し、改定見通しまで及ばない。しかも五十四年度はいままでの公約、いわゆる国際公約とされた七%をダウンされている。またそれも、今後の現在の現況から見てその達成すら私は大変むずかしい、こう思うわけです。特に原油の値上げ等が影響してきますので。 そうなりますと、この成長を強くアメリカが要求してきた場合、結局最後に日本にとらされる道はインフレになっても構わぬから成長率を上げろと、こういう主張がくるのではないか。現に小坂経済企画庁長官はそういった意味のことについて不満を記者会見で述べておられることを私、新聞で拝見をしたわけですが、アメリカのインフレ、現在でも相当の強いものがありますから、それから比べると、日本は大したことないではないかと、もっとやれと、こういうことを非常に私は心配をするわけですが、それに対して総理はそういう方向でアメリカが攻めてくるとお考えですか。もしそうくるならば、どういう反論をされるのか、お伺いしたい。
○国務大臣(大平正芳君) 経済の成長をどのようにあんばいしていくかというようなことはその国が決めることでございますので、日本としては日本の立場を考えまして独自な判断でやってしかるべきことと考えております。現在は、予算を編成するときに経済の見通しを決めまして、それによって経済の政策の運営の方向を内外に示しておりますので、私が訪米することによってこの基本的な姿勢を変えるというようなことは考えていないのであります。 第二に、あなたがおっしゃるようにインフレはどの国も歓迎するところじゃございませんし、何としても避けなければならぬ課題であることは申すまでもございません。われわれとしてインフレ政策、いやおうなしに実行をするというようなことはいたしてはならぬと考えております。 しかしながら、一方アメリカにおきましても国会を中心といたしましてわが国に対して大きな不満はありますことも、こういう異常な黒字を記録しておる国でございますからあることは事実でございますし、アメリカ当局としてもやっぱり国会、コングレスの方のそういう空気に対していろいろ日本の経済についての説明をされる必要があろうかと思いますが、そのことに関連して、私はアメリカとしてはことしの問題ばかりでなく、来年の問題ばかりでなく、ここ中長期にわたって日本の経済はどういう展開を見せるであろうかというような展望を知りたいのではないかと考えております。 経済の成長の問題、経済の構造の問題というような問題もちらほら議論されておる、新聞にも出ておるようでございますけれども、そういった問題はやっぱり中長期にわたって日本の経済がどういう展開を見せるであろうか、日米関係はどのようになっていくであろうかというようなことは十分知りたいところじゃないかと思っております。 ただしかしながら、経済の予想というのは大変むずかしいことでございますので、私どもとしてもできもしない展望をつくって見ても始まりませんので、できるだけむずかしい仕事では——しかしむずかしい仕事だから手がつきませんというわけにもいかない。そのあたりどういつだ見当をつけてまいりますか。いまの基本の運営の姿勢を変えることなく、その上にそれを踏まえまして中長期の展望を、これは小坂君のところでもいろいろつくっておるところでございますけれども、展望をひとつ少しでも明らかにして、アメリカ側の理解を求めるように努力は惜しむべきでないと考えております。
○矢追秀彦君 さらにアメリカが、最近まで東京ラウンドとかいろんな人が参りまして要求した中に、先ほど来も議論が出ておりました政府調達のことであるとか、あるいは関税のことであるとか、いろいろございますけれども、やはりアメリカが次の戦略として日本に強く要求してくるのは、これも出ておりますが、やっぱり産業構造の問題、また、流通も含めまして、日本が大変長い間かかってもなかなか改善していない問題をついてくる可能性が十分考えられるわけですが、これはそう簡単に向こうから攻め込まれたからといって、日本がオーケーした場合いろんな混乱が起こってくるわけですね。いま中長期のビジョンというようなことのお話ございましたけれども、新経済七カ年計画まだ具体策が出ておりません。これから訪米あるいは東京サミット、そういった結果いかんによっては七カ年計画の具体的な——いま骨組みたけですから、具体的な中身については手直し等は考えられるわけですか、その辺はいかがですか。 それと、その前にいま申し上げた、相当強くアメリカが日本に要求してくる、要するに輸出主導型といいますか、それでもうでき上がっていると思います。これをぶつ壊さぬ限りは絶対黒字は減らぬと、そういうふうに彼らは考えているわけですから。 しかし、日本が生きていくのは輸出しかある程度ないわけですから、内需を幾ら拡大したって限界があるように私は思いますので、そういう点は日本の立場というものもアメリカを初めEC諸国にも理解をしてもらわなきゃ困ることですから、その点も含めてどうお考えになっておりますか。
○国務大臣(大平正芳君) 日本経済は孤立しているわけじゃございませんで、世界経済の組み合わせの中でやっておるわけでございます。したがって、日本自身としても今日のような世界経済の状況に照らしまして、みずからの産業政策につきましてはいろいろ考えるところがなけりゃならぬと思うんです。アメリカから要求されるとか要求されないとかいうようなことではなくて、わが国自身の立場といたしまして、たとえばエネルギーが非常に高くなる、あるいはこれが入手しにくくなるというようなことは一つの与件として出てきておるわけでございますから、こういう場合にはやっぱり省エネルギーということを頭において産業の構造を変えなきゃいかぬのは当然の道行きなんでございまするし、また、中進国の追い上げがこのように激しくなってきておるときでございますから、いやおうなしに、日本といたしましてもみずからの産業構造のあり方については検討を加えていく客観情勢にあると思うんでございます。したがって私は、産業構造という問題をいまのままじっと維持するんであるなんというかたくなな態度は、これは日本として日本自身の利益のためにとるべきでないと考えておりまして、今後の日本が生きていく上においていろいろやらなければならぬことがある、そういう日本の要請。 それからアメリカ側は、対日赤字がこんな状況ではやり切れない、これは何とかしてくれという要求もわからぬわけじゃないわけでございまして、アメリカがどんな注文をわれわれによこしますか、それはそれとして、虚心に聞いてみる必要はあろうかと思いますが、ただ、それだからといってそれをうのみにせにゃならぬ義理合いはないわけでございまして、十分先方もよくそのあたりは私は日本の経済についての理解は持っておると思うんでございまして、これから中長期にわたって、こういう世界経済の状況の中で日米がどういう取り組み方をしていくかという課題の中で問題の解決が模索されて、そして私はそこで解決を見出していくよりほかに道はないし、またそうしなければならぬし、そうできると私は思っております。取り越し苦労は余りしないで、一生懸命に勉強していけば道は開けるんじゃないかと思っています。
○矢追秀彦君 七カ年計画は。
○国務大臣(大平正芳君) 七カ年計画は、こういういま申しましたような客観情勢でございますので、内外の状況を踏まえて経済企画庁中心にいま練っておるところでございますし、また役所の、大蔵省の方では財政再建のもくろみをいろいろ立てなければなりませんので、そういったことで政府側の作業はそれ自体進めていっておりますけれども、そういう道程におきまして日米交渉が行われるわけでございますので、われわれは日本の状況を向こうによく説明せにゃいかぬと思いまするし、先ほど申しましたように、先方の注文は注文として承って、われわれのプログラムの中でこなしていけるようにしていかないといけないんじゃないかと思っていますけれども、それはできることと思っております。
○矢追秀彦君 産業構造の転換の中で、いま第三次産業が伸びておる。例を挙げると、外食産業などは大変伸びを示しているわけですね。これは大体アメリカの傾向に似ているわけです。アメリカがやはり第三次がかなり大きくて、日本と比べるとアメリカの方が第三次の比率がまだまだ高い。ということは、日本も今後まだ第三次が伸びる余地か——大体アメリカと似ておりますから、あるように考えられもしますが、私はもちろん第三次がふえることをすべて悪とは言いませんが、やはり一次とか二次というものをきちんとしておかないで三次をふやすと大変不安定な感じを受けるわけです。したがって、今後の三次はある程度ほうっておいても伸びる可能性があるわけですが、やはり第一次、第二次というものを私はきちんとしておかないといけないと、こう思うのですが、その点三次に対する考え方、それから振り返って一次、二次をどうされるか、総理のお考えをお伺いしたいのです。
○国務大臣(大平正芳君) これからの経済成長が第三次産業の面で大きなフロンティアが考えられるということは仰せのとおりでございまして、最近の雇用の吸収なんかを見ましても、第三次産業に大きく依存しておるようでございますけれども、矢追さんがおっしゃるように、これはやっぱり一次産業、二次産業あっての第三次産業でございまして、これにツーマッチ依存するというようなことはあってはいけない。第一次、第二次産業は基礎的な産業といたしましてあくまで重視していく必要があることはあなたの御指摘のとおりと心得ております。
○矢追秀彦君 次に物価の問題ですが、総理は先ほどもちょっとおっしゃっておりましたが、今回のOPECの値上げに対してそう影響がないと記者会見等でもおっしゃっておりますが、これ私大変甘いのではないかとこう思うわけです。というのは、昭和五十三年度は大体政府の見通しにまあ消費者物価も落ちつくと私は思います。 ところか、最近の卸売物価の高騰、それと、五十三年度と五十四年度と大変違うことは、五十三年度が物価がわりあい安定したのは一つは円高があったこと、もう一つは野菜等の季節的なものがわりあい安定をしておった、それから賃金がそう上がらなかった、それから公共料金も五十三年度予算ではそう大幅な値上げ、たくさんの項目がなかった、そういうふうなことが五十三年度の物価の安定になってきた。ところが五十四年度は、いまの石油を別にしても公共料金がかなり値上げに入っておる。経企庁では一・五あるいは一・六しか影響がないと言われておりますが、これが一つ。それから円高が最近の傾向としては円安になってきておる。そこへ加えて海外のいわゆる原材料——非鉄金属あるいは木材等に見られるようなそういった原材料が海外の市況で上がってきた。これが大変、もう半分ぐらい卸売物価の上昇に影響をしておるわけですから、これが現在の状況です。だから野菜等の季節商品が、これはわかりませんよ、天候いかんによって、これが仮に中立的に働いた、あるいは賃上げも去年とほぼ同じように仮に仮定したとしても、そのほかの要因で全部押し上げる。そこへ加えてこのOPECの値上げと、こうなりますと、総理の言われるようなそう影響ないというようなことは言えないんじゃないかと、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) いや、影響がないとは言ってないわけで、われわれかもう手に負えないことになるとは考えていないと、われわれとしては管理可能な状態ではないかということを申し上げたわけでございまして、今回のOPECの値上げをそう軽視しているわけでは決してないわけでございます。
○矢追秀彦君 それに加えて私が指摘をしたいことは、これは先ほど午前中分科会でも経企庁長官にも要望しておいたんですが、すでに買い占め売り惜しみというのが始まっておると。これはこの前のような大がかりなものまではいってないので、まだ家庭の主婦がトイレットペーパーを買いに走る、あるいは洗剤を買いに殺到するということまではいっておりませんが、石油関連の製品ではかなり現場においては倉庫かいっぱいであるにもかかわらず品物が出てきていない、こういったことで大変いわゆる中小零細企業といいますか、実際最前線で仕事をしておられる方は困っておられるわけで、そういう声を実は私、最近頻繁に聞くわけです。特にアクリル樹脂であるとか、これ具体的に私、数字見ておりませんのでいいかげんだと言われるかもわかりませんが、たとえばシンナーなどは去年の十月から比べたらいま三倍になっておると、どうにもならぬと、こういうようなことも聞いておりますし、しかし原油の備蓄は政府の方針どおりちゃんとある。ナフサもあるわけでしょう。OPECが値上げしたと言っても、まだ本当は響いちゃいけないのに、もう現実には下では始まっておるわけです。倉庫の株もいま上がっているわけですね、倉庫株か。こういうことから、私はもう現実にはこれがもう進みつつあると、小さい規模で。オイルショックの経験があるだけに悪徳業者はなおうまくやるわけです、この前の経験があるだけに、わからないようにうまく。だから、こういった点でひとつ総理、これは現場を調べていただいて、これはパニックが起きる前に手を打っておいていたたかないと大変なことになるわけです。そうでなくてもいま上がってきているわけですからまた爆発的になる。これを私大変恐れておりますので、ひとつまた——きょうの経済企画庁長官の答弁では、具体的な例を言っていただければそれに応じて処置をしますと。だから、私いろいろ持ち込みたいと思いますけれども、まだ私も具体的に倉庫を調べに行ったわけじゃありませんので脅えませんが、いろんな方からの声ではもうそうとしか考えられない状況が出て来ておりますので、これぜひ総理、勇断を持ってやっていただかないと、ただエネルギー五%節約をしたからこれでおさまるとか、先ほど来まあそう影響ないんだというふうに襲われておりますけれども、これは大変問題なんです。その点ひとついかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 石油にしても入荷は去年より二百万キロリッター多く入荷しておりますし、この最需要期はおかげさまで経過しましたが、これから不需要期に入るわけですから、これから着実に入荷したものは備蓄の方へ積んでいって十月の需要期に備えていく用意ができておるわけでございます。世界的にもイランの減産はございましたけれども、アラスカだとか北海の油田の生産はふえてきておるわけでございまして、そんなに悪い状況ではないと思います。 それから、矢追さんの御指摘の生活必需品の需給関係も心配した状況にございません。でございますから、国民が賢明である限りこれは管理可能だと思うのですよ。だけれども、みんながばかになってしまったらこれ総理大臣何ぼ逆立ちしてもだめですね。やっぱりみんな賢明にやってもらわなければいかぬので、いまごろから買いだめ売り惜しみというようなことをやられたのではこれはたまったものではございません。したがって、われわれ政府としてはできるだけ大きな目をあけて監視していくつもりでございますが、国会の方におきましても十分御注意を喚起していただきたいと思います。
○矢追秀彦君 総理、ぜひそういう、国民が賢明であるように、それはトイレットペーパーはそうかもしれません、買わなきゃいいというようなことで、新聞紙でかえるとかね、そこまでいくと極端ですけれども。ところがいま言ったいわゆる原材料ですよ、建築資材とかいろんな生産に当たっていらっしゃる方たち、それを使わないとできないいろんなものかあるわけでしょう、直接個人がいわゆる生活必需品として使うもの。ちょっとしんぼうすればそれは買わなくてもいいようなものも中にはあるかもしれませんけれども、現実に私余り最近頻繁に聞きますので申し上げたわけで、いずれ私も実態調査をきちんとした上でまたいろいろ申し上げたいと思いますが、ぜひこれは監視はお願いしたいと思います。 それから、もう時間ですから最後に。 今回医師税制、先ほど来もいろんな議論が出ておりましたが、総理は今回のこの税制改正によって国民の不満もとれ、医師、歯科医師の方も納得したものだと思われますか。
○国務大臣(大平正芳君) 必ずしもそう考えません。ただそういう方向に、納得いただく方向に努力をいたしておるわけでございまして、そういう努力は今後も重ねていかなければならぬ。医師税制につきましてはこれでもう万々歳だなどと私は、医師税制ばかりでなくいろんな特別措置がそうでございますけれども、これはやっぱり社会経済情勢の推移に応じて見直していってよりよいものにしていかなければいかぬことは当然の政治の責任であると思っております。
○矢追秀彦君 総理は、やはり最終的にはこの税制は撤廃という考えをお持ちなんですか。
○国務大臣(大平正芳君) これは社会保険診療体制との関連がございまして、そういう半ば公的な医療機能というものは日本の医療制度の中でどういう位置づけになりますか、そういうことの関連におきまして税制もまた考えていかなければいかぬのじゃないかと思いまして、税制だけがひとり歩きしていいとは考えておりませんので、いまの御質問に対しましては医療制度との関連におきまして適正な税制を、これは税の方の原理から申しまして適正にやってまいらなければなりません。したがって、医療制度との関連も考えながらより適正な制度というものはやっぱり考えていかなければならぬじゃないかと考えております。ただ、こういう問題は激変を起こしちゃいけませんので、今度の措置は激変緩和という意味で、こういう程度でいましばらくやらしていただくということでございまして、その間にまたいろいろ考えて、より適切なものを次には考えていくようにいたしたいと存じております。
○矢追秀彦君 お医者さんや歯医者さんは今回の改正に余り満足されていない。しかも国民は医者や歯医者はぼろもうけしておる、もっと取れ、これじゃなまぬるいと。そういうことで、結局どっちもすっきりしないままでこれが終わろうとしておる。ということは、いま総理がおっしゃった医療制度そのものをこの税の問題と同時にきちんとしなければいけなかった。そっちの方はまだうまくいかない、そのまま税の問題だけ中途半端な形で出てきたと、ここに私は大変問題があると思うわけでして、健康保険制度の問題も含め、医療そのものが本当に国民も信頼できる、あるいはお医者さんも納得できる、そういったものにしないと大変なんですよ、いま。総理、御承知だと思いますけれどもね、現場は。 患者さんは患者さんでお医者さんに不満たらたらです。そのような悪徳医師、歯科医師のいることは事実です。これは私はきちんとしなければいけないと思いますし、また片方においてお医者さん側から見ると、ものすごい患者さんもいるわけですね。訴訟ばかり専門でやるような訴訟マニアみたいな患者さんも来るわけです、現実に。しょっちゅうかみついてくるような患者さんも、もう最初からお医者さん不信感で来ている。薬だけもらっても全部捨てちまう、これが現実にあるわけですね。これはやっぱり医師と患者さんの信頼性の回復ということは、ちょうど政治家と国民の間の不信感と全く同じような関係になっておるわけです。だから、私はやっぱり政治は基本的にたださなければいけない、その次に医療制度をどうするか、これはもう長年言われてきて何もできていない。しかも、教育問題を含めてこれ問題になっている。また、財政の中でも三K赤字の中で食管とか国鉄以上にもう健保の方は大変な財政負担がかかって、もう三兆三千億ですね、五十四年度では。これはまだまだ膨大する。財政の面でも苦しくなっておる。これは本気になってかかってもらわないと困るわけですけれども、それは総理徐々に徐々にと言われる、総理独特の政治哲学もわからぬじゃありませんけれども、ある程度の方向を示してそれに精力的に取り組むことをしていただかないと、これは禍根を残すと、結局何にもならないと、かえって何か患者さんの方が損するんじゃないかという気持ちを受けるんです、今回の税制の結果は。私その方を憂えているわけです、そうさしちゃいけませんけれどもね。その点について答弁をいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 矢追さんの持たれる憂いを私も共通に持つものでございまして、医療制度の問題をこのまま放置しておいていいと思いませんし、これには相当勇気を持って取り組まにゃならぬことも仰せのとおりと思うわけでございまして、そういうものとの関連におきまして医師税制の問題につきましても今後検討を進めていくようにいたしたいと考えております。
○佐藤昭夫君 まず最初にお尋ねをしますが、わが国経済の危機と財政の破綻はかつてない大きなものとなっていますが、この事態を打開し、不況を克服し、財政の再建を図ることか国政上の緊急課題となっていることはもう言うまでもありません。その際に、何を基本にして具体的な施策を組み立てていくのか、私は国民生活の安定、これが最大の課題、一番の原点とされるべきであるというふうに考えるのですが、その点について総理の御見解どうですか。
○国務大臣(大平正芳君) 国民生活を原点に物事を考えなきゃならぬという点は私全く同感でございまして、この石油危機が起こりましたときも財政問題を考える場合に、大変大きな、三兆八千億もの歳入欠陥が起きましたけれども、国が国民に対するサービスを削るとか、あるいは福祉水準を落とすとかいうようなことをしないで、まず一応財政でそういうもののほこりをかぶっておいて、国民生活は守りながら漸次客観情勢の展開を待って徐々に財政問題を考える、経済問題を考えるというようにいたしたわけでございまして、わが国の政府がとりました政策も、いま佐藤さんおっしゃるとおり、国民生活を守りながらやらなけりゃならぬという配慮で、方法もタイミングも考えながらやってまいったつもりでございますし、今後もそういうことでいかなけりゃならぬと思っております。
○佐藤昭夫君 ぜひただいまの御答弁のとおり、国民生活の安定というのを一番の原点にして具体的な施策を組み立てていく、そういう角度で先ほど来同僚委員の発言にもありますように、わが国の財政運営がアメリカヘの協力とか、大企業への優遇とか、こういうところに偏っていかないように、ぜひいまの基本的立場を貫徹をしていただきたいというふうに思うんであります。 そこで、具体的に今回の法案を見ました場合に、いわゆるこの不公平税制の是正がきわめて不十分なものにとどまっているというふうに痛感せざるを得ません。 そこで、前回の委員会で大蔵大臣に対する質問で、大企業優遇となるいわゆる政策税制について、つまり引当金とか準備金、特別償却、こういう問題についても今後も一定の見直しをやっていくんだというお約束をいただいているわけでありますが、この点大蔵大臣、間違いありませんね。
○国務大臣(金子一平君) 各種準備金、引当金等につきましては今後も厳しい見直しをやってまいりたいと思っております。準備金は相当改正のメスを入れたと思うんですが、ただ引当金だけは、これは企業——法人の課税所得を合理的に計算するために認められておるものでございまして、制度自体優遇措置と考えることは適当でないというのが政府税調の基本的な考え方でございますけれども、繰入金自体を適正に見直していくことは私どもはぜひ必要である、こういうふうに考えておる次第でございます。
○佐藤昭夫君 いまもありましたように当然のことだと。退職給与引当金制度なんかについては、前回、多少むずかしい問題あるけれども、今後も税調での審議をお願いをしていこうという御答弁をなさっているわけでありますが、また、先日二十三日の当委員会における参考人の質疑で、御報告聞いておられることと思いますが、木下税調会長代理も、五十二年税調答申の中で法人税について負担増を求める余地があるというふうにしておったところでもあり、今後も法人税について必要な見直しをやっていく、そういう問題を検討していくのだというふうに木下さん発言をしていられるわけでありますけれども、そこで今後法人にかかわる税について全般的に検討審議をする、政府の側からも税調に向けて積極的な審議を提起をしていく、こういう基本態度で進めてもらいたいというふうに思うんですけれども、特に税調の問題総理の諮問機関でもありますので、総理の基本的見解を、法人税全般についての見直しを加えていくということについての基本的見解をお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) 法人税の負担、先進国に比べて実効税率で多少まだ低いじゃないかというような指摘が政府税調でもなされております。私どもは、ことしはむしろ景気回復とか雇用の問題に最重点を置きましたから、こういう時期にいますぐ負担の増を求めるのは適当でないと考えまして、そういうふうにした次第でございますけれども、今後の財政需要か筒まるにつれてどう法人税の税率自体を考えるかということにつきましては、今後も検討を加えてまいりたいと思っています。
○佐藤昭夫君 総理の基本的見解どうですか。
○国務大臣(大平正芳君) 税制調査会におきましては、税制税目全体につきましての検討をしなければならぬことは当然でございます。あなたの言われる法人税もまたその例外でないと考えております。
○佐藤昭夫君 先般ある新聞に、大蔵省が富裕税の創設を検討しているという報道が出ておりますが、この富裕税は大企業優遇と並んで大資産家優遇の税制、これを是正をするという意味で非常に有効なものだろうというふうに思うわけですけれども、これを実施の方向に向けて具体的な検討をやるという意思なのかどうか、この点どうですか。
○国務大臣(金子一平君) 富裕税も政府税調でもいろいろ御検討いただいたんです。ただ、資産の把握や評価につきましていろいろ執行上の厄介な問題がございまして、そう簡単にはできないぞという結論が出ておるわけでございまするけれども、われわれとしましても、さらにそういういろんな点についての実現性の是非につきましては、今後も検討を進めてまいるつもりでおります。
○佐藤昭夫君 今回有価証券譲渡益課税について若干の見直しの提案が出されているわけでありますけれども、その内容は余りにも僅少にとどまってお話にならぬ内容だと思うんですけれども、言うまでもなく、この関係で大株主や大資産家が大もうけをしているということやら、悪質なものは脱法行為も行っているというのは周知の事実だろうと思いますが、所得税法の第九条で非課税となっているのも問題、あるいはかの悪名高い政令第二十六条第二項の五十回かつ二十万株というあの規定、こういったものについて是正をする考え方はないのか。これも税調で、段階的に課税の強化を図っていくのが適当だという答申もすでになされておるという問題の性質に照らして、ぜひ早い時期に改定をやるべきだと考えますが、どうですか。
○国務大臣(金子一平君) 一遍に全部課税しろと言っても、これはなかなか資料の把握体制もできていないことでございます。政府税調の考え方に沿って、段階的に課税を強化していくという意味におきまして、今回の同一銘柄二十万株という規定を加えたわけでございまして、今後もこういった点につきましては十分検討いたしてまいります。
○佐藤昭夫君 一般消費税の問題についてお尋ねをいたしますが、今回のいわゆる不公正税制の是正が非常に不十分なものにとどまっておる反面、政府の側は一般消費税の導入ばかりを非常に強調しているという感を深くするわけですが、この税が史上最悪の大衆課税であるということは、つとに指摘をしてきている問題でありますが、最近二十三日ですか、総理は自民党の集まりで、一般消費税は五十五年度導入を自民党が決めているが問題はむずかしく、一度決めたからといってにっちもさっちもいかないものではない、という発言をされておるとか、また自民党内で一般消費税導入反対の請願書、これを地方選のさなか、選挙を目当てにしてか財政再建か迷って、当面は政調会長が預かりにしていると、こういう報道が新聞にも出ているわけですけれども、総理、お尋ねをいたしますが、一般消費税の導入をもう断念の方向を向いているのか、それとも選挙目当てのためのポーズとしてこういう発言が投げられておるのか、その点はどうなんですか。
○国務大臣(大平正芳君) 一般消費税の問題が端的に問題になっておるようでございますけれども、問題は財政再建でございまして、このような赤字財政を中央、地方を通じていつまでもやるわけにはまいりません。 そこで、歳入歳出を見直していくということはもとより大事でございますが、政府の展望といたしましては、いろいろやりますけれども、結局これは五十五年度には一般消費税をお願いするというようなことにならぬと問題は処理つかないんじゃないかという展望を持っております。 しかしそれかといって、こういう政策をお願いするにつきましては、先ほど和田さんからも御指摘がございましたように、いろいろやらなきゃならぬことはたくさんあるわけでございますから、そういう検討をことしは大いに国会の内外においてやっていただくということをお願いしておるわけでございます。 私が自民党の集まりで申し上げたのは、一般消費税に賛成する、反対するという議論がそれは確かに党内にもあります。反対の方もございますが、反対の方はやっぱり代案といいますか、これによらなくてもこうすればできるじゃないかという代替政策を出していただかないといけませんぞということを申し上げておるわけでございまして、そういう道まで全然封じてしまう、にっちもさっちもいかぬ、もう決めたんだからそういう議論はもうしちゃいけないのであるというふうにかたくなに私は党内にお願いしておるわけではございません。党内ばかりではなく、党外におきましても、私は大いに建設的な御意見は聞くだけの余裕を持っておるわけでございます。しかし私ども政府の展望といたしましては、なかなかいろんな工夫をやってみるけれども、結局は一般消費税という問題をお考えいただかなけりゃならぬようになるのではないかという展望を持って、それを中心に議論を深めてくださいということをお願いいたしておるのが、いまの私の心境でございます。
○佐藤昭夫君 どうもいまの御答弁では納得できません。国民を幻惑をするような、片や国民の皆さんの合意をつくっていくんだと、そこを強調されながら、国民にはますますわかりにくくなる、幻惑をするようなそういう発言がいろいろやられる。こういう状況のもとで、とても一般消費税の導入というようなことに合意か得られるものではありません。そのことを強く強調をしておきたいと思います。 時間がありませんので、医師税制の問題について最後に少し聞いておきたいと思います。が、 今回の五段階概算控除方式、これはさっきも言われていますように、医師にも不満があるし、国民の側からもすっきりしないということは、この委員会でも多くの委員から指摘をされてまいりましたし、二十三日の参考人の多くも同様の意見であったと思うのです。先ほど総理も、今後必要に応じて見直しはやっていくんですというふうに答弁をされておりますが、この見直しに当たっては、すでに御承知のように、わが党としては必要経費を実額控除方式に改める。医師個人の所得と医療経営の所得を区分をして、個人所得には一般勤労者と同様の課税方式をやる、医療経営には医療の公共性が発揮されるよう一定の軽減措置を講ずる、こういう提言をやっているわけですけれども、こうした点も含めて、しかもうんと先というのでなくて、できるだけ早い時期に医師税制のさらなる改善を行うということで努力をやってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(金子一平君) 共産党の御提案の第一点の実額経費控除方式を改め云々という、当分これをやってもいいという考え方、これは今回五二%の概算経費率を残すことにおいて、大体基本的には同じ考え方に立っておるとお考えいただいていいかと思うのであります。 それから、医師の個人所得と医療経営の所得を区分しろという問題これは厚生省が医療法について法人化の道を開くかどうかという問題にかかってくる問題であろうと思います。税制の問題はその上に乗っかって課税することになりますので、御承知置きいただきたい。 それから第三点の、医療の公共性を保障しろという問題につきましては、特別控除制を今度設けております。それは全く同じ立場で今回御提案を申し上げているわけでございますので、今回の政府提案は、きわめて合理的かつ現実的な案だと思っておるのでございますが、さらに今後も社会経済情勢の推移に即応して十分検討いたしてまいります。
○佐藤昭夫君 いま言われました法人の医療制度のあり方の問題については、これまた一人法人、これを認める方向での医療法の改正をやるという方向も、もうすでに前回も確認をされているわけでありますから、ぜひそういうことで、積極方向での改善をお願いをしたいというふうに思うのです。 最後にお尋ねしておきますが、もしも今回の改正案が四月一日からの実施になりますと、青色申告やみなし法人の申請期間もすでに過ぎて、暦年途中のために多くの開業医は必要な対応ができなくなると、こういう問題が指摘をされているわけです。医師の皆さん方の団体からは、とりあえずこの二十六条の改正実施時期を延期されるようにという要請が出ているわけですけれども、いずれにしましても、こういう法の切りかえに伴う手続上の不合理、矛盾、これをこのまま放置できる問題ではないと思うのですけれども、こうした点についてどういう措置をされるのか。もちろん私どもは、この法案をいよいよ否決をすると、こういう局面へ来ているわけでありますけれども、ただ法の合理性という点で、この点についてお尋ねをしておきたい。
○政府委員(高橋元君) 青色申告または事業主みなし法人課税、こういう問題になりますと、一つは帳面が整備されておって、暦年すなわち一月一日からの記帳がすでに開始されておるか、また、みなし法人課税でございますと給与の支払いがあるわけでございますから源泉徴収の実施が行われておるか、そういったことが前提としてそういう課税方式の選択ができるわけでございます。したがって、青色申告につきましては当年の三月十五日、みなし法人課税の選択権は前年の末、こういう制度は、そういったただいま二つの制度の根幹が、たとえば記帳、帳簿の整備、もう一つは源泉徴収ということになっている以上、当然のことであろうというふうに考えるわけでございます。 そもそも今回の御提案申し上げております改正案は、五千万円以上の部分について特例経費率を五二%としておりまして、これは実額経費率である、ほぼ実額経費率であると、たびたび申し上げております。今回の改正で七二から五二まで五段階控除率になったからといって、実額控除へ移行する方がそれほど多いというふうには思いませんけれども、青色申告なり、みなし法人課税の制度の本質からして、ただいまお話ありましたようなことに対して対応することは大変むずかしいと思いますので、御了承をいただきたいと思います。
○佐藤昭夫君 がまんせいということで済まぬでしょう。
○国務大臣(金子一平君) これはむずかしいんですよ。
○佐藤昭夫君 だから言っている。 終わります。
○中村利次君 極端に短い私の質疑時間でございますから、これはもう租税特別法、それから税制、一般消費税等を含んで総理の御所見を伺いたいことはたくさんございますけれども、これはあきらめませんと、とてもさまにならないわけであります。 そこで私、まず総理の政治姿勢についてお伺いをしたいと思うんです。 歴代の総理で、たとえば田中さんあたりではかなりあれは大演説もぶたれましたし、三木さんもかなり演説をぶたれたし、福田さんも福田さんなりに経済問題なんかでは、これでなければというかなりあれですね、演説をぶたれた。 しかしながら、まあ何と言うんでしょうね、私は毎々そういうことを指摘してきましたけれども、政府で決められたことの修正が、五年半前の石油ショック以後の経済運営、あるいは財政政策等についてはやっぱり修正をせざるを得なかった。ところが、そういうものをこう聞きますと、優等答弁だかどうだか知りませんけれども、逃げ答弁というのが非常に多かったんです。私は大平総理にはそうでない、施政方針演説なんかでもこれはかなりの政治哲学を感じましたから、そういうものを期待したんです。それから、新聞等の世論調査なんかでも、大平内閣ができた後、非常に高い、かなり高い支持率があったのも、やっぱり何かすかたんを食わされてきた、そういう国民のもどかしさを、大平総理は何か変わった持ち味で政治をやってくれるんではないかという期待感があったんではないかと思いますよ。 ところが、一カ月、二カ月、三カ月、だんだんたつに従ってきょうの質疑、それから総理の答弁等を伺っていましても、総理は正直なのかおずるいのか、何かこう受け取りようによっては、歴代の総理よりもいま一段とつかまえにくいというか、扱いにくい気がするんですよ。これは非常に期待が強かっただけに、一体大平総理の政治姿勢はどうなんだろうという疑問を非常に強く持つんですけれども、答えにくいかもしれませんけれども、どうでしょう、ひとつ総理、率直にお答えいただけませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 政権をあずかる前から、あずかった後から、政権をあずかった途端、その前後から今日まで私は全然変わっておりません。ただ、中村さんにお願いしたいのは、まだこれは三カ月余りでございまして、ウオーミングアップをやっているときでございまして、ぼつぼつこれから御批判を仰ぎながらいろいろな政策をやってまいらなければいかぬと存じております。
○中村利次君 どうもウオーミングアップでございましたら、ひとつぜひ、ウオーミングアップを否定をいたしませんから、大平総理でなければ、ほかの人は持たない持ち味を政治の上に生かしていただきたいと思います。 私はやっぱり国民が非常にすかたん食ったみたいな感じを強く持ったというのは、いや、いや、これは大平内閣に対してじゃなくて、歴代ですね。たとえば経済成長の下方修正、物価問題が優等生だ優等生だといって非常に鼓吹されますけれども、確かに物価問題では日本は数字の上で見てこれはりっぱでございますと私どもも言わなければならぬでしょう。しかしこれは私は円高だとか不況のなせるそういうもの要因というものが非常に強く作用して、そして卸売物価なんかがずっと落ちつき、あるいは非常に何と言うんですか、低い水準で維持した。ところがいま、何かこの円高がストップをして、ここのところ二百七円台のようでございますけれども、円高傾向にストップがかかった、海外市況がどうもインフレ含みであるということになると、すでにもう卸売物価が異常なまでに上がってきておるわけでありますから、これから先の私はこの物価問題というのは、いままでの歴代内閣が自慢をしてこられたようなそういう推移はこれは求めることは無理ではないか。よほどこれはもう腰を据えた物価対策というものをやっていただかなければかなり心配なことがあるんじゃないか。その上にイラン政変に絡む石油需給の問題が、むしろ私はこれは量の面よりも質問時間が非常に短いですからやってしまいますか、まとめて総理の御答弁をお願いいたしますか、価格の面で大変にどうも憂えられるものがあると思います。確かに先はどの和田、矢追両委員の質問で、私も、いやいやこのままならば、六カ月の繰り上げ値上げならば大した影響ではございませんよと受け取ったんですが、総理は、いやそういうことを言ったんではなくて、影響はあるけれどもどうにもならないというようなそういうことにはならないと思っておるという御答弁でございました。 確かに六ヵ月の繰り上げ値上げ分だけでどれだけ外貨が出ていくのかと言えば、円に換算して一千億か一千億余り、そういう意味ではこれは大した影響はないと言えるかもしれません。しかし、とにかくイラン政変をきっかけにして石油の需給が私はそれほど大変に憂うべきものではないと思うんですよ。二百万バレルがアンバランスであるということがよく言われておりますけれども、私はそれほど深刻に受け取る必要もないと思うのに、とにかくOPECは六ヵ月間の繰り上げ値上げをやったんです。そうしてあと七月以降は、そうなると十月、ことし一ぱいはそれでおしまいでなければならないのに、七月以降の分については六月にまたやろうと。それから、プレミアムですらこれを認める——ただし穏健派たったサウジアラビアはこれはやらないというけれども、サウジアラビアがこの間のOPECの総会に示した姿勢、それから七月以降の分は六月に決めようというこういうOPECの姿勢、こういうものを考え合わせますと、これは日本の経済、物価、景気、雇用問題あるいは国民生活、こういうものに与える影響というものはかなりなものがあると受けとって、それに対してどう対策をするか、これは渡米あるいは先進国首脳会議等の場でいろんなそういうことが議論されるんでございましょうけれども、私は日本も、また世界も、やっぱり省エネルギー、エネルギー、石油を節約することから目先始めていく以外にはないと思うんですよ。そういう意味で日本の石油節約の実情、現状、実態を見ますと、私は、失礼ですけれども寒心にたえない。このイラン政変の石油に対する影響に対する反応が、資源大国のアメリカと無資源国の日本とまるで違うじゃございませんか。それから、私はこれはやっぱり政府として行政指導によって省エネルギー、石油節約のやり方を具体的にきめ細かくやるべきである、あるいは補完的には税制までも駆使をしてやっていかなければ所期の目的を達成することは、これはむずかしいと思う。 総理ひとつ、もう時間が来ちゃいましたから私はこれでやめますけれども、これは何といってもエネルギー、石油あるいは電力、ガス、そういうエネルギー問題につきましては各省庁で、失礼ですが、なわ張り根性があったんではどうにもなりません。やっぱり総理が陣頭指揮をして実を上げなければ、私は政治は省エネルギー政策、石油政策をどんなにりっぱなものをおくりになっても答えが出なければ三文の価値もないと思うんですよ。ぜひこの答えを出していただいて、五%節約をお決めに、これはIEAのあれもあってお決めになりましたが、これでは私は不十分だと思うんです。イラン政変から中東政情に、目先、私は短期的には量の問題はそれほど心配する必要はないと思うけれども、やっぱり価格で、それが国際経済、日本の経済、国民生活、そういうものに与える影響のことを考えますと、よっぽどこれは腰を据えた省石油政策というものを、答えを出していかなければどうにもならぬと思うんですが、総理のこれはまあひとつ率直な、そして大胆な、正直な御答弁を求めて、質問を終わります。
○国務大臣(大平正芳君) エネルギー問題につきまして大変深い憂慮を持たれておられるわけで、私どもいろいろ御鞭撻をいただいたことを感謝します。 問題はこの事態が管理可能かどうかと、しかし管理可能な状態にせんならぬわけでございますが、この前に石油危機が起こりましたときと今日と比べまして悲観すべきことばかりじゃございません。一つには、需給のめどか一応はついておるわけでございまして、この前はさっぱり五里霧中であったのであります。それからまた、生産国と消費国の間に対話が全然なかった。今度はそういうことはございませんで、自由な意思の疎通ができる状況にございます。それからまた、両陣営とも、生産国の方も消費国の方も危機管理についての知識や経験を持ってまいりまして、そういう事態に冷静に対応する用意ができてきておるわけでございます。それから、為替の問題も去年は大変乱高下がございましたけれども、ことしになりまして二百円ちょっと乗ったところでずっと小康状態を呈しております。今度の石油危機が起こりましてからも、OPECのああいう発表がございましたが、為替市場に大きな変動を来すことなく小康状態を続けられておることは、世界としては評価しなけりゃならぬ事態だと思うんでございます。したがって、先ほど矢追さんのお話もございましたけれども、国民が賢明である限り、国民が余り踏み外さない限り、私はこの事態を政府が乗り切ることはできるんじゃないかと実は考えておるわけでございます。問題は、政府かやっておりますことは供給の安定を確保することでございまして、それは先ほど申しましたように一応の目安はつけてきておるわけでございます。 一方、消費節約でございますけれども、いろんな強制手段を講じることなく五%の節約は可能であろうということでこの間お願いをいたしたところでございまして、これでやってみましてどうしてもいかないという事態が起こりまするならば、われわれといたしましては考えなきゃいけませんけれども、日本国民は私は相当水準の高い対応力を持っておると思うのでございます。エネルギーにいたしましても、GNPに対するエネルギーの消費率は一番低い国でございまするし、パー・キャピタルのエネルギーの消費もまた先進国の中では一番低いわけでございまして、日本人は熱管理、熱の節約という点につきましては、われわれが心配する以上にいろいろ心配してくれておるわけでございますので、私はこの事態は決して悲観すべき事態ではない。もちろん中村さんおっしゃるように、今日の事態の深刻さを十分一方において考えておかなければなりませんけれども、今日の事態は悲観すべき事態と見るべきでなくて、こういうせっかくわれわれが持っておる知識と経験というものと技術というものを十分くみ上げることに成功すれば、これは管理できない危機ではないと考えておりますので、今後とも十分御鞭撻をいただきたいと思いまするし、私どもも全力を挙げて対応してまいりたいと思っております。 —————————————
○委員長(坂野重信君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、多田省吾君及び渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として原田立君及び市川正一君が選任されました。 —————————————
○市川房枝君 私は、いま審議中の租税特別措置法には含まれていませんけれども、国民から不公正な税制だとして批判をされている課税について、総理に簡単に伺いたいと思います。 それは政治家個人に対しての課税でございます。 実は先般、この問題についてこの委員会で大蔵大臣あるいは国税庁当局に質問をいたしましたが、納得のいく答弁か得られなかったので総理にお伺いをすることにいたしました。 それは、政治家個人の収入であります政治献金の大部分は企業からの寄付によるものでありますが、これは所得税法の寄付限度額の規定によってほとんど無税になっております。もらう方の政治家個人は所得税法の雑所得とし、政治活動に使って残りがあったら課税をするとなっておって、届け出の必要はなく、ほとんど無税となっております。この事実を総理はお認めになりますかどうですか、まず伺いたい。
○国務大臣(大平正芳君) 個人の政治献金が雑所得として税法上取り扱われておるということは承知しております。
○市川房枝君 税法上で雑所得となっておりますが、その扱いとしては、政治献金としての収入の中から政治活動に使った残りがあったらそれに課税する、残りがなければ届け出なくてもいいという規定になっておりますね。 それで、先般私は、この政治家の中で残りがあったとして申告された方が一体ありますか、それは何件ありますか、それからそれの納税額は一体幾らありますかと実は伺ったところが、わかりませんと言って逃げられちゃったんですよ。ということは、私に言わせれば、結局届け出ているような人はないんだ、結局無税なんだと、こういうことに私は解釈をしておるんですが、だから国民は非常に不明朗だということで批判をし、また政治家、政治というものに対する不信の念をここでも持っていると、私はこう言っていいと思うんですけれども、国税当局、そのことについて何かつけ加えてくださることがあればまずおっしゃってください。
○政府委員(藤仲貞一君) お答え申し上げます。 国税庁では、政治家だけの申告や調査の状況を取りまとめておりませんので、政治資金に係る雑所得の申告状況というものについては統計を持っておりませんことはただいま仰せのとおりでございます。しかしながら、全体の統計はございませんが、政治家の中には政治資金に係る雑所得を申告しておられる方があるということをわれわれは事例として承知いたしております。
○市川房枝君 私は別にその方のお名前だの政党所属のことを伺おうとはしない。ただ、何々税務署管内で何件あったということは私は調べられるはずだと思うんです。そうしてくだされば、なるほど議員の中にも良心的な方がおいでになるということが一般にわかるんだから、それはきょうでなくてもいいんですけれども、次の機会にひとつ伺わせていただきたいと思います。 去る三月十七日の参議院予算委員会で青島幸男氏が私と同じような質問を総理に申し上げたようでございます。そのときに総理は その問題は前からある問題だし、検討させてもらいたい、その問題を税法上で扱うかあるいは政治資金規正法の中で扱うかということは検討させていただきます、とおっしゃったようです。私は、この問題に対しての総理のはっきりしたといいますか、一歩前進の態度をお示しくだすったんだと思って大変うれしく思ったんですが、この席でついでにもう一遍このことを確認していただけたらありがたい。
○国務大臣(大平正芳君) 私は、民主国家の税務のあり方といたしまして、特定の立場の人について特にこうするというんじゃなくて、政治家であれだれであれ、税務当局としては公平に取り扱うのが民主的なあり方だというように思っているんです。ですから税務当局に、政治家への献金を洗いざらい調べさしてその残りが正確かどうかというようなことを税務当局に調べさすというようなことをやると、私はそれは税務の行き過ぎになるんじゃないかと、そういうように思っております。 そこで問題は、むしろこれは、市川先生が提起されている問題は政治資金規正の問題だと思います。そこで政治家の政治資金というものをどう公正に規正していくかということの問題として提起された、そういうものとして受けとめるべきじゃないかと私考えておるんです。 ところが、この政治資金規正法というのは、この申告この三月末で三回目になるんです。三年目ですね。だから、五年たてば見直そうということになっているんですが、私はもうそろそろ、その間に三回の申告事例が出てきたわけでございますから、それを踏まえた上で、やっぱりこれは、その問題ばっかりでなく、政治資金規正法全体についていままでの申告実績を踏まえて一遍検討し直してみる必要があるんじゃないかというように考えておる、それについてはひとつこれから検討さしてくださいと——余り材料がないのに検討すると言ってもいけませんから、もう大体三年たちますと相当の材料が出てきておると見るべきじゃないかと思いますので、そういうように申し上げたわけです。
○市川房枝君 政治資金規正法、五年たったら見直すという規定がありまして、それはこの前私が伺ったときも総理は、三回報告が出たらそのことに着手するとおっしゃってくだすっているんですが、いま私が申し上げた問題は、あれは政治家個人の収支であって、いまの政治資金規正法というのは個人は含まれていない、つまり政党もしくは政治団体だけなんですね。だから、それにさらに政治家個人の収支の問題も取り上げてくださると、それは私は前から希望しているんですが、個人は省かれていて一切入ってはおりません。ですから、御検討くださるときに、その点も初めからはっきり個人のということで検討してくださるようにお願いしておきます。 時間が参りましたから、これでやめます。ありがとうございました。
○糸山英太郎君 私の持ち時間は十分ですから、十分で——去る二十日の質問、私は留保しました。 総理並びに大蔵大臣に五問だけ伺います。そして、その五問の答えによっては、私はまだ賛否を決めておりませんから、どうか明確な御答弁をお願いしたいと思います。 二十日のこの委員会でも指摘しましたが、総理、改正案の中身は、医師優遇税制の是正を初め、どれをとっても重要法案ばかりです。それなのに、全部をまとめた形で一遍に提出し、一遍に審議せよというのは大体むちゃくちゃな問題だと、私はそう思います。この改正案の成立によって不公平税制のすべてが是正され、一般消費税導入のための環境が整ったともしお考えでしたら、それはお考え違いだと御注意を申し上げたいと思います。信頼と合意の政治を目指す大平総理ですから、まさかそのようなお考えではないと思いますが、不公平税制の是正に関して総理の根本的な御見解を最初にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 租税特別措置法は、御承知のとおり、そのときどきの社会経済情勢に即応した政策税制や暫定的な措置を定めておるものでございます。社会保険診療報酬課税の特例でございますとか、有価証券譲渡益課税でございますとか、交際費課税、揮発油税の税率の引き上げ等はいずれも税制として重要な項目であることは御指摘のとおりでございますけれども、そのいずれもが政策税制なり暫定的な措置でありますので、現在御審議を願っておる租税特別措置法の一部を改正する法律案として御提案申し上げ、御審議をいただいておるものでございます。 で、こういう政策税制は年々歳々これは見直していかなければならぬわけでございまして、今回われわれが御提案申し上げることによってすべてのことが片づいたなどと考えておるものではないのでありまして、年々歳々鋭意やってまいらなければならない努力の一環として、本年度はこういうものを御提案申し上げて御審議をいただいておるという性質のものでございます。
○糸山英太郎君 不公平という点から言えば、改正案では二番目のテーマになっております有価証券譲渡益課税の強化案も決して公平とは言えないと思います。改正案の第一のねらいはいわゆる買い占めの防止にあると思いますが、二十万株ぐらいでは買い占めにはなりません。どういう理由から二十万株で線引きされたのか、私にはよくわからない点があります。また、一株五十円の株を二十万株買った場合は一千万円です。一株千円で二十万株買った場合は二億円です。投下資本が違うのに同じ二十万株ということで線引きをし、その譲渡益に課税されるとなると、公平という納税の大原則から考えていかがなものでしょうか。これらの点を大蔵大臣は、今後の方針として、投下資本金額で行うか発行株式の%で行うのかどちらかのお考えかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(金子一平君) 有価証券譲渡益に対する課税につきましてはいろんな考え方があるかと思いまするけれども、政府としましては執行面等にも配慮しまして、そのバランスにおいてぎりぎりのところて今回のような課税形態をとることとしたものでございます。今後におきましても、今回の改正後の課税状況等を見ながら当然検討してまいるべきものと考えておりまして、その際、いま糸山さんから御指摘のありました点につきましても十分配意しながら勉強してまいりたいと考えております。
○糸山英太郎君 今後検討なさるという御答弁いただきましたので、次に大蔵大臣に伺います。 この問題、私は再三申し上げてきました。筋論から申せば一株からでも課税すべきではないのでしょうか。たとえば宝くじにたとえますと、百枚買って当たったら課税だと。一枚買って当たったら非課税だと。全く同じ意味です。リスクを伴う株式売買ですから公平に扱うのが筋ではないのでしょうか。二十万株という線引きではなく、今後は千株からあるいは一万株からでもいいですから線引きを考えるべきではありませんでしょうか。御答弁伺います。
○国務大臣(金子一平君) 有価証券譲渡益についても、総合課税の対象とすることが望ましいという御指摘はそのとおりでございます。しかし、前にも申し述べたことでございますが、税制調査会の中期答申でも指摘がございましたように、有価証券取引を把握する体制がまだ十分整備されておらない今日、総合課税に移行する場合には新しい不公平を招くというおそれがございます。そのため段階的に課税強化を図っていくことが適当であると考えておりまして、今回の改正はこの方向に沿った課税の強化を御提案申し上げた次第でございます。今後ともこのような方向に沿って検討を続けてまいることといたしたいと考えております。
○糸山英太郎君 総理に伺います。 私は、予算委員会を初め大蔵委員会で証券行政のあり方に関しては大蔵当局に反省を求めながらいろいろと問題点をただしてまいりました。証券取引法など現行法令の趣旨が大衆投資家の保護という点にある以上、行政当局は法の趣旨を忘れずに現行法令の適切なる運用と行政指導に当たるのは当然のことです。 私は、最近特に目立ってきている大手証券会社のモラルの低下、そして大衆投資家が犠牲になって暴利をむさぼる悪徳商法の証券会社を許せません。私の質問に対して大蔵大臣は、証券取引法の不十分な点について今後とも十分検討してまいりたい旨の御答弁をされましたが、総理からもぜひ証取法を大衆投資家サイドに立って公平で安全性のある証取法に改正することをお願いしたいのです。証取法五十条の強化などは特に検討していただきたい問題です。総理、いかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのように、証券市場の健全な発展を図りますためには、証券会社はその営業姿勢について十分配慮しなければならないことは当然であると考えます。このような見地から、証券会社に対しましては従来から法令等によりまして営業態度のあり方を規制いたしますと同時に、随時検査等を実施いたしまして不健全な営業行為が認められればその都度是正を図ってきたところであります。けれども、今後とも投資者本位の営業姿勢に一層徹するよう厳しく指導してまいりたいと思います。 現行法令は昭和四十年の免許制移行時に相当整備されたところでございますけれども、そして現在におきましてもそれなりの制度的な対応力は持っておると思いますけれども、なお御指摘の趣旨をも踏まえながら、法令の不十分な点につきましては証取法の改正も含め、今後十分検討してまいるよう指示することといたします。
○糸山英太郎君 ただいまの総理の御答弁は証取法の改正を含めと言われましたので、もちろん五十条などにいろいろと問題点がありますけれども、それも強化されることを示唆されたものと私はお受け取りいたします。 私は、大衆投資家ばかりを課税対象にして証券会社あるいは買い占めを進めている大手証券会社などに何も厳しい行政指導が行われてない。証券会社から、大蔵省は私たちの下にあるというようなばかにされたような大蔵省の現在の行政指導では大変困ります。ですから大蔵大臣、ただいま総理から力強い御発言がございました。これを機会にどしどしと証券会社に対する厳しい行政指導をしていただくことをお願いしませんと、この法案には賛成できません。大蔵大臣、最後の御答弁をいただきます。
○国務大臣(金子一平君) 証券行政につきましては、今後とも法令等に基づいて厳正な態度で執行に当たってまいるつもりでございます。
○委員長(坂野重信君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○勝又武一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本案に対して反対の討論を行うものであります。 わが国の財政危機の根本原因が成長優先の放漫な財政運営にあることは明らかであります。歳入面で見れば各種特別措置等の存在によって法人の税負担は逆累進的となり、所得税においては勤労所得はきわめて重課税であるのに、資産所得については軽いという全く課税原則から逸脱した結果を招いているのであります。 また、法人の受取配当益金不算入制、配当軽課制度、各種引当金制度、あるいは配当控除制度についてその不当性、不合理性を何ら改めることなく現在に至っていることは、政府の大企業と巨大資産家優遇税制温存の姿勢を示すものにほかなりません。 政府は、大企業優遇の指摘に対して、常に企業会計原則を言われるのでありますが、減価償却、各種準備金、引当金、繰入金等はきわめて過大に認定し、評価損としての損金算入を認めているにもかかわらず、土地、株式等の増加益、つまり評価益について課税せよというわれわれの主張に対して一顧だにもしないのはなぜか、きわめて不当であると言わざるを得ません。 しかも、大企業の法人に対する優遇措置は国税の軽減免のみでなく、莫大な地方税の減収を生じさせ、大企業への国の歳出上の優遇措置とあわせて著しい不公平を生じ、言葉だけの地方分権に終始し、地方財政の破綻を決定的にさせているのであります。 政府は、まず、歳出面で予算の三分の一以上に及ぶ補助金の徹底的な洗い直しをこそ真っ先にすべきであります。国税、地方税をあわせて税体系の抜本的な改革、徴税機構の簡素化、統一化にこそ着手すべきであります。 次に、いわゆる医師優遇税制の是正内容は全くの骨抜きであり、きわめて不十分であります。また、土地税制についても、その内容はかつて土地あさりに狂奔した不動産業界などの意向を取り入れたものであり、国民から見ればこれらの改正が地価高騰の引き金になる可能性が大であり、の持ち家取得がますます困難となることや、遊休土地所有者の税負担緩和という不公平税制の拡大につながることを指摘したいのであります。 さらに、今回のガソリン税率の引き上げについては、産業優先につながる道路財源化方式、すなわち目的税制度を改め、これら税収を福祉施設拡充に充てることこそ優先すべき政策と考えるのであります。いまこそ政府は、逆進性の強い一般消費税の導入を完全撤回すべきであります。租税特別措置の抜本的是正を初めとする税の不公平是正をこそ最優先すべきであります。一般消費税導入の前提としての税の不公平是正論はまさに論外であり、思い切った税制改革こそが必要であります。そのためには、わが党が提唱している富裕税、土地増価税の創設、利子・配当所得の総合課税化、法人税の累進化等、勇断を持って実施することを強調したいのであります。 本委員会の採決は全国民注視の的であります。 以上述べてきました巨大企業に対する各種の優遇措置の廃止、利子・配当課税の強化、交際費、広告費への全面的課税等は、まさに国民の側から言う不公平税制の最たるものであります。 本委員会における本案の否決は質疑経過から見て決定的であり、これはまさに歴史的事件であります。政府はこの国民の声に耳を傾けるべきであります。政府の猛省を促して本法案に対し反対することを表明し、私の討論を終わります。(拍手)
○梶木又三君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対しまして賛成の意向を表明するものであります。 現下のわが国財政は、歳入予算の四割近くを国債収入に依存するという厳しい状況にありまして、何らかの新たな財源調達策を講じない限り、現行の行財政水準を維持することは望み得ない状況にあります。つまり、今後においては、税負担の公平化になお一層配意しつつ、国民の皆様に税負担の増加をお願いしなければならないのであります。 しかし、最近ようやく経済諸指標が景気の回復基調を示しているところであり、強力な増税路線を敷くことは好ましくない情勢にあります。 そこで、不公平税制として国民から指摘されてきたものについて、これを是正することを前提として、現行税体系のもとで増収措置を講ずることが当面の施策として妥当性があると思われるのであります。 ここ数年の租税特別措置法の改正では、この趣旨にのっとり、企業優遇税制を中心にその整理合理化が進められてきており、今回さらに特別償却など五項目を廃止し、価格変動準備金の段階的整理を初め二十五項目を縮減するということで、私どもといたしましても、政府の特別措置の縮減合理化に向けての決意を強く支持するのであります。 とりわけ、四分の一世紀にわたりまして存続してきた社会保険診療報酬課税の特例について、その課税強化を実施していることは国民から高く評価されるものと考えます。 また、交際費課税については、中小企業に配意しつつ、いわゆる四百万円基準を原則として二百万円に引き下げ、損金不算入割合を九〇%に引き上げるなど思い切った課税の強化を図っておりますし、特定不況産業等に従事する中小企業者等の事業転換が円滑に図れるようその措置を講じているほか、同居する老親等に係る扶養控除の特例を創設し、優良宅地供給等に資する場合に限り、土地等にかかわる長期譲渡所得課税の緩和を図るなど、改正案では中小企業対策、福祉、住宅対策等にきめ細かな配慮を加えており、まことに時宜適切な措置と考えます。 以上申し上げました理由により、本改正案に対し賛成の意を表明して討論を終わります。(拍手)
○矢追秀彦君 私は公明党を代表して、ただいま議題になっております租税特別措置法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。 税制度において今一番大切なことは税の基本である公平の原則であります。現行税制で国民が一番不満を感じているのはこの公平の原則が守られていないことであり、その典型が本日議題になっております租税特別措置法であることは明白であります。この租税特別措置法の抜本的改正なくして不公平税制の是正はあり得ないのであります。 本改正案につきましても、大衆課税とも言える揮発油税の引き上げによる増収が二千三百二十億円であるのに対し、その他の整理合理化が千九百二十億円であることからも、政府の不公平の改善策は口先だけで実態が伴っておらず、国民に負担を強いるのみであることは明らかであります。これが反対の第一の理由であります。 反対理由の第二は、利子・配当所得に対する優遇税制を放置していることであります。税制調査会の答申でも、利子・配当所得の総合課税の実現を志向しております。政府は特例の適用期限である五十五年末を待って何らかの是正をするようにしているようですが、課税の不公平が現存することは明白であります。それを一日延ばしに延ばし、全く手をつけようとしないことは、いたずらに国民の不信感と不公平感を増高させるものであります。 反対理由の第三は、法人関係税について微調整で事足れりとし、抜本改正の方途すら明確にしていないことであります。 政府は、法人関係の租税特別措置についてはその縮小合理化に努力してきたと自画自賛しておりますが、その内容はきわめていいかげんであり、適正化されたとは言いがたいものであります。 たとえば交際費課税の強化について一応の評価はしたいと思いますが、これも税改正のたびに少しずつ強化していくのみで、明確な方途がないようであります。また、貸し倒れ引当金の縮小を見ても、実際の貸し倒れ発生率と引当率を比較すると、いずれの業種も三倍から五倍の引当金を認めているといった状況であります。 反対理由の第四は、社会保険診療報酬の課税の特例の改正についてであります。今回の改正では、国民の医療制度に対する不安感や税の不公平感を完全に解消するものとはなっていないことであります。また、健康保険制度の抜本改正や医療制度の改革については、何ら国民が納得できるものが示されておりません。 このような状態のまま、少々税の手直しをしただけで表面をつくろおうとする政府のいいかげんな態度に対して国民は強い不満を持っているのであります。今後とも国民が納得できる医療制度の改革、そして医師税制のあり方が速やかに再検討されるべきであります。 反対理由の第五は、土地税制の緩和などインフレ助長と不公正の拡大の誘因になるおそれがあることであります。 土地税制の緩和では、いわゆるあめ部分のみを改め、土地供給の総合的税制を放棄しているこのやり方は、すでに地価上昇の引き金になっております。大規模の土地の保有者、不動産業者だけが喜び、庶民にとってますます高ねの花となってしまう土地になるような税制改正は時代の逆行であり、不公平の拡大であります。 以上申し述べてきた理由によって本法律案に反対をするものであります。 以上、私の討論を終わります。(拍手)
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表し、本法案に反対の討論を行います。 その理由の第一は、大衆課税を強める一方、大企業、大資産家への新たな優遇税制の拡大を図っていることであります。 政府は、経済危機を招き、財政を破綻に追い込んだみずからの責任にほおかぶりをしたまま、一般消費税の導入を予定して、今回の税制改正においても、所得税減税を見送ったほか、本法によるガソリン税の引き上げ、さらにはたばこの値上げなど、一兆数千億円を超える国民負担の増大を図っております。 ところが、一方大企業に対しては産業転換投資促進税の新設で援助を強めております。これは不況業種対策、中小企業対策に名をかりた大企業優遇税制の拡大以外の何ものでもありません。しかも、本税制が大企業の過去の過剰投資について何ら問うことなく、税額控除という最も有利な形での減税を図るものであり、政府の大企業優遇ぶりを如実に語るものにほかなりません。 また、大土地保有者の土地譲渡所得課税の緩和も、大口譲渡ほど実質税負担率が軽減されるばかりか、政府のねらう宅地供給、公共用地確保策としてはきわめてその効果が疑わしく、かえって地価高騰の引き金となりかねないものであります。これはまさに大土地保有者、大資産家優遇の税制改正にほかなりません。 第二の理由は、不公平税制の是正がきわめて不十分なことであります。 政府は、今回できる限りの是正を行ったとして、残るは一般消費税と言わんばかりの主張を行っております。しかし、今回改正された貸し倒れ引当金も実態より三ないし五倍も多い繰入率が認められ、価格変動準備金も長期存続を図るなど、大企業優遇の諸引当金、準備金の縮減もきわめて部分的であります。また、法人受取配当益金不算入など、法人税法本法にかかわる軽減措置には依然手をつけないままであります。交際費課税やキャピタルゲイン課税も非課税原則のままに温存されております。 社会保険診療報酬課税の特例の是正は、若干の手直しとはいえ、医業の実態を無視したものであり、医療制度や税制を国民本位に改革する展望とは結びつかない不合理で場当たり的なものであります。医療制度全体の改善とともに、医業税制は、第一に必要経費の算定方法を実額控除方式とする、第二に医師個人の所得と医療経営の所得を区分し、個人所得への課税は一般勤労国民と同様に扱う。第三に医療経営所得については医療の公共性が発揮されるよう、一定の軽減措置を講ずる。以上の諸点を踏まえて合理的なものとしなければなりません。 第三に、国民本位の税制改革、財政再建への手がかりをつくるものではなく、一般消費税導入への導火線としていることであります。 今日の経済危機、財政破綻のもとで国民本位の経済財政の再建を図ることは緊急の重大課題であります。そのためには、従来の高度成長型税制、財政の仕組みに厳しくメスを入れ、国民本位に転換を図ることをおいて道はありません。 今回の税制改正においては、その決意の一片もうかがい得ないばかりか、依然として従来型税制を温存拡大しながら、財政危機打開の道は一般消費税以外にないかのごとくに宣伝し、導入への地ならしを進めているのであります。 一般消費税がすべて消費者国民への負担の転嫁を基本とする最悪の大衆課税であるばかりか、景気回復を阻害し、財政再建にも役立たないものであることは、わが党がつとに指摘し、明らかにしてきたところであります。 以上のように、今回の租税特別措置法の改正並びに税制改正は、国民生活とわが国の経済財政を立て直すよりも、むしろ圧迫するものと言わざるを得ないものであり、強く反対するものであります。 あわせて、本委員会で本法案に反対する意見が多数である、このことは同時に国民の声であり、政府・自民党としてもこの国民の意思に謙虚に耳を傾け、対処されるよう強く申し添えて私の反対討論を終わります。(拍手)
○中村利次君 私は、民社党を代表して、租税特別措置法の一部を改正する法律案に反対の討論をいたします。 五十四年度の予算案は、その三九・六%を公債に依存し、中でも八兆を超えて特例公債に依存しなければならないという確かに異常な状態であります。当然、歳出をどう削減し、歳入をどう図っていくかということがこれが決定的な政府あるいは国会の政治課題であろうと存じます。 政府は、歳入増につきましては一般消費税の導入によることとし、その前提としての税の不公正、不公平の是正をこの租税特別措置法の一部改正案に求めようとしているわけでありますが、とうていこれは国民の同意を得られるようなものとはなっておりません。歳出の削減につきましてもしかりでありますし、租税特別措置法の見直し、改正につきましては、確かに本年度は広範にわたって手をつけておりますし、ここ二、三年この問題に真剣に取り組んできたその姿勢は、私は率直にこれを認めます。 しかしながら、一般消費税導入の前提としての税の公平という立場から考えてみますと、とうてい国民の合意を得られるものではございません。 なお、新税等の導入もございますけれども、総括的に見て、私は一項一項についての意見を省略いたしますけれども、総括的に言って、とうてい国民の合意を得られるものではないと思いますと同時に、物によってはかえってどうも後向きになりかねない改正すらあるわけであります。 以上、私は本法案に対して反対をいたします。(拍手)
○委員長(坂野重信君) ほかに御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 租税特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(坂野重信君) 少数と認めます。よって、本案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案及び賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案を便宜一括議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。金子大蔵大臣。
○国務大臣(金子一平君) ただいま議題となりました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案及び賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 最近における米の需給は連年の豊作による生産量の増大、米消費の減退傾向等から供給過剰の状態が続き、このため、食糧管理特別会計の国内米管理勘定はいわゆる過剰在庫を四百八十万トンも抱えることとなっております。 このため、政府は、一方で米の生産調整と他作物への転作を内容とする水田利用再編対策を推進するとともに、米の消費拡大につき最大限の努力を傾注して、米需給の均衡の回復に努めているところでありますが、他方、現に保有しております過剰在庫の米穀につきましては、やむを得ずこれを一定の計画のもとに加工食品の原材料の用、飼料用その他食糧以外の用途に売り渡し、または輸出を目的として売り渡す方法によって処理することといたした次第であります。 この場合、過剰米の売り渡しに伴い国内米管理勘定に生ずる損失は相当多額に上るため、その発生の年度に全額これを一般会計から補てんすることは財政上困難でありますので、前回の過剰米処理の例にならい、食糧管理特別会計法の一部を改正して、この損失の一部を国内米管理勘定において繰越整理するとともに、七年度内の期間において一般会計から同勘定へ計画的に繰入金をしてこれを補てんすることができることとしようとするものであります。 なお、この損失の整理の規定は、昭和五十四年度以降の予算について適用することといたしております。 次に、賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案について、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 賠償等特殊債務処理特別会計は、連合国に対する賠償及び財産の補償その他平和回復に伴い支払いを要する特殊債務の処理に関する政府の経理を明確にするため、昭和三十一年度に設置されたものであります。 これら賠償等特殊債務のうち、賠償につきましては、フィリピン賠償を最後に昭和五十一年度をもって解決の上支払い済みであり、同会計の主要な使命は終了いたしております。現在残されておりますのは、対日私的請求権、いわゆるクレームの一部のみでありますが、これも近く解決が見込まれることとなっております。したがいまして、同会計をこれ以上存続させ、一般会計と区分して経理する必要はなくなったと判断されますので、昭和五十三年度限り同会計を廃止しようとするものであります。 本法律案は、賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止するとともに、同会計の廃止に伴い必要な経過措置を定め、同会計に属する権利義務を一般会計に帰属させることといたしております。 以上か食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案及び賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案の提案の理由及びその内容であります。何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(坂野重信君) 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案に対する質疑は後日に譲ることとし、賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案について質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 賠償等特殊債務処理特別会計法を廃止する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(坂野重信君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回は四月三日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会 —————・—————