大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 29 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/02/13
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十二月二十三日、塩出啓典君が委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任されました。 また、同月二十六日、穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君が選任されました。 また、二月十日、野末陳平君が委員を辞任され、その補欠として森田重郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 理事の辞任の件についてお諮りいたします。 福間知之君から文書をもって、都合により理事を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ただいまの理事辞任に伴う欠員のほかに、委員異動に伴う欠員が一名ございますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に和田静夫君及び矢追秀彦君を指名いたします。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策について金子大蔵大臣から所信を聴取いたします。金子大蔵大臣。
○国務大臣(金子一平君) 今後における財政金融政策につきましては、先般の財政演説において申し述べたのでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。 最近のわが国経済の情勢は、物価が安定する中で、公共投資の拡充、施行促進の効果が浸透し、設備投資や個人消費も次第に堅調に向かい、内需を中心として安定した成長への道を着実に歩んでおります。また、企業収益にも順調な回復傾向が見られます。 他面、雇用情勢は、求人数が増加するなど改善の兆しが見受けられますものの、総じて厳しいものがあります。また、国際収支は、経常収支の黒字縮小基調が顕著になってきておりますが、なお一層の縮小が国際的にも期待されております。 こうした中にあって、財政収支の不均衡は、ここ数年、拡大の一途をたどっております。 このような内外経済情勢のもとにおいて、私は、特に、次の三点を当面の緊要な課題として、政策運営に万全を期してまいりたいと存じます。 第一は、均衡のとれた経済社会の実現であります。 現在、わが国経済は、これまでの高度成長を支えてきた内外の諸条件の変化によって、重大な構造変化を余儀なくされております。また、この過程において、失業率の上昇や需給の不均衡や財政赤字の拡大等の種々の構造的問題が発生し、その解決が重要な政策課題となっております。 私は、現下のわが国経済が抱える構造的諸問題は、経済全体の需要を拡大するだけでは解決できない面があり、むしろ、これらの諸問題に対処するためには、現在の構造変革期の実態を正確に把握し、新しい経済構造に即応したじみちな努力を続けることが要請されていると思います。 以上のような観点から、私は、今後においては、雇用、需給、物価、国際収支、財政等国民経済の各分野において、均衡のとれた経済社会の実現を目指すことが、何よりも肝要であると考えております。このような各分野の調和の上に立った経済発展こそ、新しい社会の基盤を確立するものであると確信している次第であります。 第二は、世界経済の安定と発展のために貢献することであります。 世界経済が現在抱えている課題は、雇用機会の増大、インフレの克服、国際収支の不均衡の是正等の諸問題であります。わが国は、世界経済に大きな影響を及ぼす立場にある国の一つとして、これらの課題の解決のために、積極的に貢献していかなければなりません。 このため、わが国としては、対外均衡の回復を一層確実なものとするよう努めるとともに、通貨安定のため、今後とも各国と協力してまいりたいと考えております。 また、自由貿易体制を維持強化していくために、最終段階を迎えた東京ラウンド交渉が実りある内容をもって早期に完結するよう、一層の努力を傾けてまいりたいと考えております。 なお、外国為替管理制度等については、その全面的な見直しを行いまして、原則自由の新しい法体系とするため、現在、鋭意作業を進めておる段階であります。 さらに、世界経済の均衡のとれた成長のため、開発途上国に対する経済協力の大幅な拡充強化を図ってまいることとしております。 第三は、わが国財政の再建であります。 わが国財政は、昭和五十年度以降、特例公債を含む大量の公債に依存する異常な状況にあり、昭和五十四年度においては、歳出歳入についてのあらゆる努力にもかかわりませず、なお十五兆円を上回る公債発行を余儀なくされております。 わが国経済の健全な発展のためには、財政再建が、いまや、最も緊要な課題であることは何人も否定できないと存じます。 財政の再建のためには、まず、歳出の厳しい見直しが必要であります。昭和五十四年度予算編成に当たっては、一般行政経費を極力抑制するとともに、政策的経費についても根底から見直すなど、歳出の節減合理化へ一層の努力をいたしました。 同時に、福祉の充実等についての国民の強い要望を考えれば、今後ともある程度の財政規模を維持することは、どうしても必要であり、したがって、これに見合う歳入を確保しなければなりません。 このためには、制度、執行の両面にわたる税負担の公平を図ることが強く要請され、政府としては、後に述べますように、社会保険診療報酬課税の特例の是正を初めとする、租税特別措置の整理合理化を一層強力に進めることとしております。 しかしながら、現在の財政収支の不均衡は、これらの努力のみでは解決が期待できない大きさになっております。わが国財政は、もはや一般的な税負担の引き上げによらなければ、経済の安定、福祉の向上という財政本来の使命を果たすことができないところまで来ておるのであります。 先般の税制調査会においても、このような考え方に立って、早期に一般消費税を実施すべきである旨、答申が取りまとめられたところであります。 政府といたしましては、この趣旨に沿って、一般消費税を昭和五十五年度のできるだけ早い時期に実施するため、必要な諸準備を積極的に進めてまいる所存であります。次に、当面の財政金融政策について申し述べます。 まず、昭和五十四年度予算につきましては、厳しい財源事情のもとで、経済情勢に適切に対応するとともに、できる限り財政の健全化に努めることを基本として編成いたしました。 このため、一般会計予算におきましては、まず、経常的経費についてその節減合理化に努め、緊要な施策に重点的に配意しつつも、全体として極力規模を抑制することとし、一方、投資的経費につきましては、厳しい財源事情のもとで、できる限りの規模を確保することにいたしました。 この結果、両部門を合わせた一般会計予算の規模は、前年度当初予算に対し一二・六%増の三十八兆六千一億円となっております。また、公債の発行額は、十五兆二千七百億円を予定しており、公債依存度は、三九・六%になっております。 なお、財政投融資計画の規模は、十六兆八千三百二十七億円となり、前年度当初計画に比べ一三・一%の増加となっております。 さらに、税制等の改正につきましては、まず、現下の厳しい財政事情に顧み、揮発油税等の税率の引き上げ、たばこの小売定価の改定を行い、歳入の確保に努めるほか、受益者負担の適正化を図ることとしております。 また、税負担の公平確保の見地から、社会保険診療報酬課税の特例を是正するとともに、有価証券譲渡益課税を強化するほか、価格変動準備金の段階的整理を初めとして、企業関係租税特別措置の整理合理化等を一層強力に進めることとしております。 他方、経済社会の要請に即応して、産業転換投資の促進、優良な住宅地の供給増加等に資するため、所要の措置を講ずることとしております。 最近の金融情勢を見ますと、金利水準は戦後最も低い水準にまで低下し、企業の資金繰りも総じて緩和基調で推移しております。このような状況のもとにおいて、当面の金融政策の運営に当たりましては、現在の緩和基調を維持することを基本として、引き続き、物価の安定に留意し、通貨供給の動向を見守りながら、金融情勢に適切に対処してまいりたいと考えております。 さらに、昭和五十四年度におきましては、国債、地方債等の公共債の発行が二十六兆円に近い巨額なものになると見込まれますが、金融情勢等に十分配慮しながら円滑な消化に努めてまいりたいと考えております。また、国債の種類及び発行方式の多様化、安定的な投資家の育成、流通市場の整備等につきましては、今後とも、なお一層配慮し、国債管理政策の適切な運営に努めてまいる所存であります。 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。 本国会において御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、昭和五十四年度予算に関連するもの十件、その他一件、合計十一件でありますが、このうち九件につきましては、本委員会において御審議をお願いすることになると存じます。それぞれの内容につきましては、逐次、御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いする次第であります。
○委員長(坂野重信君) ただいまの大臣の所信に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、昭和五十三年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院大蔵委員長代理理事高鳥修君。
○衆議院議員(高鳥修君) ただいま議題となりました昭和五十三年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、二月二日、衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出いたしたものであります。 御承知のとおり、政府は、昭和五十三年度におきまして米の生産抑制の徹底と水田利用の再編成を図るため稲作の転換を行う者等に対し、奨励補助金を交付することといたしておりますが、本案は、この補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。 すなわち、同補助金のうち個人が交付を受けるものについては、これを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合には、圧縮記帳の特例を認めることといたしております。 なお、本案による国税の減収額は、昭和五十三年度において約六億円と見積もられるのでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提出を決定するに際しまして、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。 以上が、この法律案の提案の趣旨とその概要であります。 何とぞすみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(坂野重信君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○福間知之君 稲作に関する今日わが国の問題点は幾つかあることはもう御承知のとおりでありまして、過剰米が生まれ出るというこの体質が、どうやら悪い意味で定着化しているというふうにも考えられます。あるいはまた、生産を抑制するための出費が大変かさんでいるということも問題でありましょうし、あるいはまた、余剰米の処分にかなりの国費が出費されるということを余儀なくされているわけであります。 こういうふうに考えますと、稲作については大変将来にわたって問題は大きいと、こういうふうに思うんですが、農林水産省は、現在のそのような稲作にかかわる事態についてどのように考えているのか。まあいまの提案で転作を奨励していくという方向はとられてはおるものの、毎年こういうことがこの時期に行われなきゃならぬというふうになっているわけですけれども、もう少し中長期的な展望に立った政策というようなものがあってしかるべきだと思うんですが、どのように考えておられるかということをお聞きしたいと思います。 時間がありませんので引き続いてお聞きします。 具体的に需給のバランスをどう均衡させていくのか、その計画なり目標の時期というようなものを明らかにしていただきたいと思うんです。 それから三つ目に、先日新聞でも報道されましたが、古米の売却に関する中身を御説明を願いたいと思います。 以上三点、農林水産省にお聞きしたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 第一の稲作といいますか、米問題に関する基本的な方針いかんと、こういう御質問でございますが、米の過剰というものが一方存在する中で、他方では飼料作物とか麦とか大豆、大部分を輸入に頼っている物があると、こういう状態の中で米の需給のバランスを回復しつつ、一方国内で不足する農産物についての生産を高めていくというのが農林水産省の基本的な姿勢でございます。 ただ、残念ながら米の過剰基調、これがなかなかなくなりません。一方では過剰米が累積すると、こういう事態でございまして、これを米需給のバランスを回復するために五十三年度から十カ年計画で米需給均衡化対策、これは米の消費拡大と水田利用再編対策、これを二本柱とするものでございますが、これを鋭意進めているわけでございます。 それから二番目に、じゃ具体的にどういう目標なりを持っているのかということでございますが、これはただいま申し上げました米需給均衡化対策、十カ年の計画ということでございますが、この十カ年計画というのは、稲作収入と他作物の収入とのアンバランスがございますので、それを補てんするという意味で転作の奨励金を出しておりますが、そういう奨励金を出す、そういう手法によって米の需給均衡を回復するという、その期間を十カ年というふうにしておるわけでございますが、そういう奨励金を出すという手法で単年度の需給均衡を図るというのは、もうこれは毎年毎年そういう形にしていかなければならないということでございます。そういうことでございまして、残念ながら五十三年度は作況指数一〇八という大豊作でございましたので、計画を九十万トン生産が上回るというような事態になりましたが、そういう豊凶は別として、今後五十四年度以降米需給が均衡するように最大限の努力をいたしたいと、かように存じております。 それから古米の売却の中身ということでございますが、これにつきましては、すでに発生しております過剰米、これを処理するということでございまして、年産で申し上げますと五十年産から五十三年産、四カ年の米でございます。これがことしの十月末、米穀年度末でございますが、この過剰米が約四百八十万トンになると見込んでおります。そこでこれを五十四年度以降五カ年で処理をするということでございます。 その処理の用途でございますが、まず工業用と言っておりますが、中身は米の加工品でございまして、みそとかせんべい、しょうちゅう、そういうものでございます。それから二番目が輸出用でございます。三番目がえさ用ということでございます、私ども、処理の順序としましてはただいま申し上げましたような順序が一番適当ではないか。財政負担もその順序で、工業用が一番財政負担が少ない、えさ用が一番多いということでもございますので、そういう順序で処理していくことを考えております。 そしてその損失額でございますが、今後約九千億の損失額が出るだろう、こう見込んでおります。この損失につきまして、特別会計法を改正させていただきまして繰り延べ処理をするということをさせていただきたいと、かように存じております。この繰り延べ措置につきましては、第一次過剰のときも同じような措置をとっていただいたわけでございますが、七年間の繰り延べ措置をするということを考えておるわけでございます。 以上が古米の売却の内容でございます。
○福間知之君 一問だけ。 大蔵省にお聞きしますが、稲作転換、いわゆるお米については減反ですが、これに補助金を出して、さらに今回の措置で減免措置が講ぜられる。となりますと、いまのお話のように小麦とか大豆とか、国として重要な作物を奨励していく上で何か不公平が拡大するんじゃないのかと、助成措置の面で不公平が拡大するんじゃないかと、こういうふうに考えられるんですけれども、この点について大蔵省としてはどういうふうに考えられるか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 水田利用再編奨励補助金は、本来ならば農業所得の収入金額になるべきものでございまして、通常の事業所得にかかわるものとして過剰所得を計算すべきものと、このようには考えております。しかしながら、国会の御意思によりましてこのような提案がございまして、政府としてはあえて反対しないという立場をとっております。その意味で、さらに不公平というふうなことは、われわれといたしましては、米の過剰基調を背景といたしまして農家に転作等を要請するという非常に国の強い政策、こういうものに基づく異例の措置として交付されるものと、このように考えております。不公平の点、あるいは麦の作付奨励補助金のような他の作物に対する生産奨励金と、こういうものとはやはりその間に一つの線が画せるのではないか、そこにやはりそれなりの法案の理由があるのではないかと、このように考えております。
○福間知之君 終わります。
○鈴木一弘君 最初にお伺いしたいのは、毎年毎年、所得税の申告の始まるぎりぎりいっぱいになるとこの法案が出てくるわけです。これははなはだ解せないんです。本来ならば、すでに奨励補助金が出てくるということは、まさか二月になって 決まったわけじゃないわけでございます。そうすれば、当然所得税の申告のぎりぎりのところで出てくるんじゃなくて、もっと早く考えられてあたりまえだと思うんです。通常国会の中に出てきてもよろしいし、あるいは秋の臨時国会に出てきてもいいわけです。それがこんな遅く、いつもかけ足で持ってきて質問時間は短くしろ、三分だ、六分だなんておかしなことになっている、どういうわけなのか、私は非常に解せないものがございます。この点についてどういうふうに考えているか、まず衆議院の提案者の方にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(高鳥修君) ただいまの御指摘まことにごもっともだとは存じますが、私どもは、先に政府の方で翌年度の税制をどのようにするかということを見きわめた上で、その中で措置されていないものについて当然議院として適当であると考えたものについて衆議院側でいろいろ相談をいたしまして、この特例措置を講じようということにいたしたものであります。もとより、議院の独自性から考えまして議院の方が先行していけないということは少しもございませんので、今後、ただいまのような御意見をしんしゃくしながらさらに十分検討いたしてまいりたい、このように存じます。
○鈴木一弘君 政府のいわゆる税制の法案が云々という話がありましたけれども、秋の臨時国会のときには悠々出せるということですよ、言えばね。この点はこれから先考えてほしいと思います。 それからもう一つ、ここで農林水産省に伺いたいんですけれども、米作からの転作の奨励ということでありますけれども、農産物価格の価格体系というものが非常にバランスが崩れている、アンバランスになっていると、それがこの転作奨励金制度によってさらに混乱を大きくしている、こう考えざるを得ない。 たとえば、十アール当たりの平均所得でも、これは米が八万、麦類が二、三万、大豆が三万、ジャガイモ三万円というふうになっていくと、米に比較して大変低いということになる。こういう点からも問題が大きいということが考えられるわけですから、そういう点一体どういうふうに考えていくのか。こういうような大豆なら大豆、ジャガイモならジャガイモで同一のものでも、やはり生産地によってまた大きな差も出てまいりますし、そういうことから需給関係のバランスというものを考えたら、もう少しこれは考えるべきじゃないかというふうに思います。その点についての考え方を聞いておきたいと思います。
○説明員(小島和義君) ただいまの御指摘の点は二点あろうかと存じます。 一点は、米に比べて他の転作物が収益性が低いという問題でございますが、これは私どもも一般的にそういうことは言えるかと存じます。したがいまして、米過剰のもとにおいて他の作物に転作をしていただくためにおいてその収益性の差等を補うものといたしまして転作の奨励交付金を出しておると、こういうことでございます。 もう一点の需給の問題でございますが、確かに需給事情によって価格が変動する作物も多いわけでございます。今日、転作の主力でありますいわば特定作物は、大体そういう需給上の問題がない、たとえば麦のように食管が一定の価格で買い入れる、こういったものが中心でございまして、現実の転作も大体三分の二ぐらいはそういう需給上の問題がない作物で行われております。ただ、野菜のように、過剰ということではございませんが、少しつくり過ぎますと値段が下がるというものもございますので、そういう需給上の調整、指導をきめ細かくやりながら転作を進めていくと。また現に過剰であるというふうな作物につきましては、特別な例外の場合を除いては転作の対象としない、こういう考え方で進めておるわけでございます。
○鈴木一弘君 いわゆる転作奨励によって転作による畑作物をつくっているところと既存の生産地と同じ品物でも所得の格差がありますよね、この辺はどう思うんですか。
○説明員(小島和義君) 御指摘のように、一物一価という思想からいたしますと、どちらの、畑でつくろうが水田でつくろうが農家の手取りが同じであるというのが理想であると私どもも思っておるわけでございます。ただ、現実にいままで米をつくっておりました水田で他の作物をいわば奨励金なしでつくらしていくということになりますと、現在の段階においてはなかなか収益性のギャップが多過ぎる、こういう意味におきまして、その補てん的な意味で奨励金を出しておるわけでございますが、長期的な思想といたしましては、作物の収益性の向上によりまして奨励補助金の水準が切り下げられていく、ないしは奨励金なしでも転作が行われると、こういうふうなことを一つの理想といたしまして考えておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 水田利用再編という名の強制減反二年目を迎えるわけでありますが、農家の経営を守る点でも、日本農業の発展の見地からも、わが党はこのような施策に強く反対するものでありますが、これを前提にした上で、やむを得ず転作を行う場合、国の転作奨励補助金を税の特例とするというのは、いわば当然のこととしてこれには賛成をするものです。 ただ、この点に関して二つほど質問をいたしたいと思いますが、一つは、国として転作を促進する上で、転作がやりやすい、採算が合うようにその条件整備を進めることが必要だということはもう言うまでもないと思います。 一例ですが、京都府では五十三年度の特定作物転作のうち三八・二%が麦に転作をしたわけでありますが、しかし、急場の転作でもあったために技術指導も不十分であり、種が雑多のものの寄せ集めのため、反当たり平均五俵の収穫のはずのところ一俵ほどしかとれなかったというところが相当数出ている。また規格外が大量に生まれて、一俵平均一万円のところ二千円ぐらいでしか売れないというところも多く生まれているわけですが、同様のことは転作のさらに大きな比重を占める大豆についても言える問題であって、私も直接福岡県の農業団体の皆さん方からも訴えを聞きましたし、現に京都府の中ではもう五十四年度は大豆はやめたいと、こういう声も強く起こっております。 こうした点で、転作の条件整備を自治体任せではなくて、転作を強制するからには国がもっと責任を持っていく必要があるだろう。こうした点で、一つは水田を畑作に転換する上で新しい作物に合致するよう農地の改良を行う問題、それから転作作物の良質の種を、種子を確保する問題それから転作作物の販路の拡大をする問題こうした問題について五十四年度どのような改善策をとられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○説明員(小島和義君) 土地改良の問題でございますが、従来から水田で転作を進める上において必要な土地改良等の事業につきましては、水田転作の特別措置費というものを計上いたしておりまして、地域の御要望に応じまして必要な土地改良投資が行われるように措置をいたしておりましたが、特にその中でも排水問題についての要望が非常に強いという事態を踏まえまして、五十四年度予算におきましては、公共事業の中において排水対策の特別事業といたしまして新たに二百三十億円の予算を計上さしていただいております。また、そのほかの事業につきましても、農林関係のいろんな予算を活用いたしまして条件整備に努めてまいる所存でございます。 それから種子の問題でございますが、麦、大豆等につきましては極力採種圃産の種子を充てるように指導をいたしておるわけでございますが、初年度でもあり、採種倒産の種が足りないということから、臨時にそのほかの圃場からとれました種子で良質なものを供給したような事例もございます。ただ、これから二年目に入るわけでございますので、初年度種の足りなかったところにおきましては、新たに緊急な種子の生産を行わせておりますので、初年度のような混乱は少なくなるのではないか、こういうふうに思っております。 それから販路の拡大問題も先ほどお答えいたしましたように、転作の主力の作物につきましては余り販売上の心配がないような作物をということにいたしておるわけではございますが、中には、やはりつくりはしたが売るときに困るというものもないわけではございません。そういう問題につきましても、必要な流通販売のための施設設置等を助成いたしますとともに、具体的な市場につきましても新しい作物が円滑に売れていきますように、市場関係者などとも十分相談をしながら進めてまいるつもりでございます。
○佐藤昭夫君 昨年の当委員会で、本法案に関連をして、転作に当たっての農家の自主性を尊重する、そういう立場からお茶も転作補助金の対象とすべきではないかという質問をしてまいりましたが、お茶は過剰状態にあるためにむつかしいという答弁でありましたので、再検討を要望してまいりました。京都とか静岡のようにお茶を伝統的な特産物にしている、こういう地域に限ってでも対象に加えることを検討すべきではないか。また、問題の根源であるお茶の過剰の一つの原因であります輸入を規制をするために業者の強力な指導をすべきではないか。こういった問題についてはどうでしょう。
○説明員(小島和義君) お茶は需給上の心配があるわけでありますが、現在各地とも新植意欲が非常に強いということでございまして、特定の県に限ってこれを転作の対象にするというのは非常にむずかしいと思います。ただ、例外的に品種とか栽培の方法とか、栽培の地域によりまして需給上の問題がないと思われるものにつきましては、知事が地方農政局長と協議をすることによりまして特別に認めるというような道は講じております。 それから輸入の問題につきましては、これは四十八年ごろでございますか、一万二千トン以上の輸入が行われた時期がございますが、その後輸出国側の事情の変化もありまして、現在では輸入量は五千トン強というふうに減ってきております。入れておりますものも大体すそ物の増量材的ということでございますので、全体の需給にそれほど支障があるものとは思っておりませんが、新たに開発いたしまして輸入するような事例も心配されますので、昭和五十年に、政府が輸出入銀行でありますとかあるいは経済協力基金というものを通じまして海外に援助いたします場合には、国内に輸入されるような緑茶は対象としないように関係機関にお願いいたしてございます。
○佐藤昭夫君 終わります。
○委員長(坂野重信君) 他に御発言もないようですから、質疑は終了したものと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 昭和五十三年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特別に関する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(坂野重信君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回は二月十五日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十六分散会 ————◇—————