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87回国会参議院1979/06/05

商工委員会 第11号

発言数
241
登壇者
21
会派数
7
開催日
1979/06/05

会議録

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨四日、河本嘉久蔵君が委員を辞任され、その補欠として真鍋賢二君が選任されました。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) エネルギーの使用の合理化に関する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、参考人として日本エネルギー経済研究所所長生田豊朗君及び東京経済大学教授川上正道君の御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、皆様には御多忙中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の本委員会における審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  なお、議事の進行上、参考人の方々には、それぞれ二十分程度御意見を順次お述べ願い、陳述が全部終わりました後に、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  また、発言の際は、その都度、委員長の許可を受けることになっておりますので、あらかじめ御承知おきください。  それでは、まず生田参考人にお願いいたします。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所所長

○参考人(生田豊朗君) ただいま委員長から御指名をいただきました日本エネルギー経済研究所の所長の生田でございます。  ただいま私ども石油消費国が経験しておりますエネルギー情勢でございますが、これは御承知のように短期的には石油の需給の逼迫、原油価格の高騰という形であらわれておりますけれども、この状況、情勢は、いわゆる一過性のものではございませんで、私はこれから恐らく長期間続くであろう長期的かつ構造的な石油不足時代、エネルギーの高価格時代の幕あけであるというように考えております。  こういう事態が起こりますのは、恐らく一九八〇年代の後半から一九九〇年ごろにかけてであろうということが、かねがね各国の専門家あるいは政府機関その他によりまして予測されていたわけでございます。それが数年あるいは十年以上繰り上がりまして、いま目の前にあらわれているということになりましたのは、二つその原因があると思います。  一つは、申すまでもなくイランの革命の影響によります石油の減産、輸出の減少でございます。それからもう一つはサウジアラビアの石油戦略の変化であると考えられます。  イランにつきましては、革命以前は約一日当たり五百万バレル、自由世界の石油消費の約一〇%を輸出していたわけでございますが、革命の進展によりましてそれが一時的に全く途絶いたしまして、その後回復には向かっておりますけれども、まだ本格的な輸出は開始されておりません。今後予想されます水準も、イラン政府の発表その他から推測いたしますところでは、革命以前の水準の大体三分の二あるいは六〇%どまりだろうと思いますので、今後ともイランからの石油の輸出が革命以前の水準まで回復することは、まず考えられないというように言ってよろしいかと思います。  それから、サウジアラビアでございますけれども、これは従来、どちらかと申しますと、石油消費国のことをかなり考慮いたしまして、石油の輸出あるいは価格決定をしてきた国であります。同時に、世界最大の石油埋蔵量を持っている国でございますし、また石油の輸出も世界最大の規模で行ってきたわけでございます。さらに、サウジアラビアは、いわゆる石油のスイングプロデューサーと言われておりまして、自国の石油の生産及び輸出をかなり大きな幅で増減することによりまして、国際的な石油市況の調整を行ってきたわけでありますが、その調整のやり方は、先ほど申しましたように、どちらかと申せば石油消費国のことを考慮いたしまして、石油の供給量の確保、価格の安定に努めてきたわけでございます。そのサウジアラビアが、イラン革命の進展それから中東和平の実現に伴うアラブ連邦の加盟国内部の政治的なあつれきによりまして、若干石油戦略を変更してきております。つまり、従来のようにサウジアラビアが増産をすることによって、世界の石油の需給状況を安定させ、石油消費国のエネルギー確保に貢献するというような方向を多少修正しております。私は、巷間伝えられますように、サウジアラビアが大幅に石油政策を修正してしまって、全く石油消費国の立場を配慮しないようになるとは考えておりません。考えておりませんけれども、従来に比べると、やはり若干の修正は現実に行われているわけでございまして、それが現在の世界の石油の需給状況に非常に大きな影響を与えているというふうに考えられます。  こういうことで、昨年の年末と対比いたしまして、五月末現在におきまして、OPECの原油の平均価格が三一%すでに上昇しております。  今後の見通しでございますけれども、六月の末にOPECの中間総会が開かれるわけでございまして、そのときには標準原油の価格の修正、それから全体の原油価格体系の調整、その他若干の措置が恐らく決定されるであろうというふうに考えられますので、それによって平均価格がさらに少なくとも数%は上昇せざるを得ないというように思います。したがいまして、ことしの年末におきましては、昨年の年末と比べまして、原油の価格は恐らく、低く見ても三五%、高く見ますと四〇%以上という大幅な上昇になることは、まず避けられないというように考えております。こういう情勢は、初めに申しましたように、ことし一年だけのことではございませんで、今後継続するというように考えなければいけないわけであります。継続すると申しましても、ことし一年間のような石油の需給の逼迫の状況、価格の大幅な上昇が、今後ともそういうテンポで継続いたしますと、恐らく世界経済は大混乱になるということでございますので、私はそういう、ことしと同じ情勢が毎年続いていくというようには必ずしも考えないわけでございますけれども、初めに申しましたイランの革命、それからサウジアラビアの石油戦略の微妙な変化を主な原因といたしまして、世界の石油の需給状況が一変いたしました、それを背景としまして、OPECはかねがね主張しております長期的な石油戦略、つまり石油資源の長期的な保存を図るために、供給をなるべく制限して価格を引き上げていく、その価格引き上げの上限は、石油代替エネルギーの供給コストと同じところまで引き上げていって、それによって石油代替エネルギーの供給力及び消費を増加するとともに、石油資源の保存を図る、こういうOPECの長期戦略でありますが、かねがね表明されておりましたOPECの長期戦略がもうすでに実施に移されたというように考えますので、来年度以降におきましても、若干の石油価格の上昇、それから需給のポジションといたしましては慢性的な売り手市場化が避けられないというように思います。価格の上昇につきましても、最低限考えられますのは、世界のインフレ率と同じ程度の価格の上昇でございます。つまり、それによって原油の実質価格の低下を防ぐということでございますので、これが最低限でありまして、恐らく、産油国はそれに多少の上乗せをしまして、原油の実質価格そのものを少しずつ引き上げていくということを考えておりますし、それを実行に移す準備をしていると思いますので、慢性的な売り手市場化とうらはらでございますけれども、そういう継続的、段階的な原油価格の上昇はまず避けられないと思います。  そういう情勢でございますので、今後、長期的に、つまり石油代替エネルギーの中でも石油に非常に近い性質を持っております石炭の液化、ガス化でございますとか、カナダのオイルサンドの開発でありますとか、こういうものが実用的な供給量として登場してくるのはまだかなり先のことであります。恐らく、今世紀の終わりごろにならないとそういう段階にならないと思います。さらに、太陽熱、核融合、その他の新エネルギーが実用化されますのは、さらにそれよりも後で、二十一世紀の中ごろ以降ということになると思います。したがいまして、そういう新エネルギーなりあるいは石炭の液化、ガス化、カナダのオイルサンドの開発、そういうものに対してわが国としても協力をするとか、あるいは自主的な努力をするとかということはもちろん必要で、現在からそういう努力を積み重ねていくことが必要でありますけれども、それまでの間におきましても、もっと身近な代替エネルギーの開発と、それからもう一つは、この省エネルギーでございますが、これを中心にいたしますエネルギー政策を強力に展開いたしてまいりませんと、そういう石油の慢性的な供給不足、高価格時代に対応し切れないと考えます。この対応し切れないということは、すなわち経済成長率がそれで制約を受けるということであります。経済成長率を自発的に下げるということではなくても、これはいままでの何回かの経験でも明らかでありますように、エネルギーの供給制約、価格の上昇によりまして、恐らく、インフレの懸念あるいはインフレの実現を通じまして、スタグフレーションという形をとって成長率が鈍化してくる、これは日本経済だけではなくて、世界経済の成長率も鈍化してくるということでありまして、これがいわゆるエネルギー危機でございます。  このエネルギー危機そのものにつきまして、時折、誤った観念が言われることがございます。つまり、エネルギーの供給が制約されるとか、あるいはエネルギーの価格が上昇すると、それによって経済成長が鈍化する、あるいは世界経済、日本経済が停滞するから、エネルギー危機は事前に防止される、つまり、エネルギー危機というのはにじを追いかけるようなものであって、見えるけれども、そこにたどり着くことはないんだ、したがって、エネルギー危機は起きないというような誤った考え方が時折言われますが、これはエネルギー危機のあらわれ方についての認識の間違いでございます。つまり、エネルギー危機と申しますのは、すべて単独であらわれるものではございませんで、そういう経済危機あるいは国民生活の危機という形であらわれるということでありますので、日本経済の健全な成長、国民生活の安定と発展を考えますためには、やはりこのエネルギー問題を基本的に解決しなければいけないというように思います。  先ほども申しましたように、その対策といたしましては、まず第一に省エネルギーでございます。これは、短期的な問題と申しますよりも、いま申しましたような長期的、構造的なエネルギー問題に対応しますための基本的な対策と申し上げてもよろしいかと思います。この省エネルギーにつきましては、これもまた、時折非常に誤った考え方があるわけでございます。これは省エネルギーがかけ声だけでごく簡単にできるというような考え方でございます。しかし、これはそう簡単なものじゃございません。省エネルギーの実現のためには、やはりいろいろ強力な助成手段が講じられませんと省エネルギーの実は上がらないわけでございまして、推進運動だけで省エネルギーができるのであれば、これは、実は、問題は非常に簡単でございますけれども、そういうものではないと私は考えます。したがいまして、今後、そういう省エネルギーの実を上げますためには、強力な助成手段が講じられなければいけないというように考えております。  それからもう一つは、石油代替エネルギーの開発と利用の拡大でございます。これは、先ほど申しましたように、幾つかの時間的な段階がございますので、たとえば、太陽熱を十分利用できるようにすれば当面の石油不足に対応できるということにはならないわけでございますので、時間の違いを十分に考慮することが必要でございます。当面は石炭の再利用、それから天然ガス、原子力、そういう現実的な代替エネルギーの利用以外には方法がないわけでございまして、そのもう一つ後に地熱、石炭の液化、ガス化、オイルサンドあるいはアメリカのオイルシェールの開発というようなものが参りまして、その次の段階にいわゆるソーラーエナージーあるいは核融合というような新エネルギーが来るということでございますので、その時間的な違いを間違えないことが大事であるというふうに思います。その全体の期間を通じまして、この省エネルギーは一貫して必要な対策でございます。したがいまして、これもたとえば省エネルギーを強制的にやるということは、その理論的には可能でございます。たとえば、一〇%の省エネルギーを実行しようとすれば、あらゆるエネルギーを全部割り当て制にいたしまして、前年度実績の九〇%しか割り当てなければ、一〇%の省エネルギーが簡単に実現できるわけでございますが、これは経済全体に非常な悪影響を与えるというように考えますので、私は、やはり自由経済、それから民主主義、この二つを原則にして省エネルギーを進めていくことが必要であると考えます。自由経済の原則と民主主義の原則、この二つの原則を踏まえまして省エネルギーを進めていくには、やはり強力な助成策が中心になって行われるものでなければならない、助成策を中心にして誘導していくというのが省エネルギーの正しい政策的な方向である、かように考えます。  こういう考え方に立ちまして、私は、ただいま御審議中でございますエネルギーの使用の合理化に関する法案につきまして、基本的に賛成するものでございます。  以上でございます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ありがとうございました。  次に、川上参考人にお願いいたします。

川上正道東京経済大学教授

○参考人(川上正道君) では、私は、当面のエネルギー危機とその打開策ということでお話ししたいと思います。  初めに、当面のエネルギー危機の実態ですね、これはいま生田さんからお話しあったようなことですが、昨年の末にイラン革命が起こって石油輸出国第二位のイランの輸出激減をもたらし、中東原油の輸入に大きく依存しているアメリカ、日本、フランス、西ドイツ、イタリア、イギリスなどに大きな打撃を与えました。また、ことし三月末に突発したアメリカのスリーマイル島の原発事故は、すでに先進国のエネルギー源の一端を握り始めている原子力発電の将来性に大きな疑問を投げかけることとなりました。  実は、一九七三年十月の石油ショックのとき、原油価格は一バレル約三ドルから約十二ドルへと四倍化し、世界資本主義を深刻なスタグフレーションに追い込み、その後も原油価格はOPECの手で随時引き上げられてきました。そして、今度のイラン革命を契機に再び原油価格は需給逼迫から十七ドル前後にまで騰貴し、スポットものでは三十五ドルから四十ドルで売買されるという状態になっています。現在の原油暴騰はOPECの力だけでなくメジャーの供給削減策も大きく作用しています。石油ショック後、OPECの力はメジャーに対し相対的に強まっていますが、なお、メジャーは一日数百万バレルの原油を買い付け、これを世界じゅうに売りさばく力を持ち、日本は原油輸入の約七割をメジャーを通して購入しています。メジャーは非資本系列企業への原油供給をやめようとしているので、日本はこの点からも圧迫を受けようとしています。  ところで、アメリカは、OPECの攻勢に対して西欧と日本を仲間に入れ、IEA——国際エネルギー機関をつくり、この原油供給の減少をエネルギー危機としてとらえ、石油消費の五%削減、新エネルギー技術の開発、とりわけ石炭液化の共同開発への協力を訴えています。  通産省が去る五月三十日に明らかにしたところによりますと、今年度の日本の原油輸入は需要予定量より約七%、二千万キロリットル不足する見通しだと言います。これは前記のイラン革命以後の石油事情を端的に反映したものです。また、スリーマイル島原発事故も日本の今後の原子力発電の増設に大きな壁になることも明らかです。このような形であらわれているエネルギー危機は、日本だけでなく、とりわけアメリカを中心とした世界資本主義の危機のあらわれであると思います。  では、このエネルギー危機から脱出するにはどうしたらいいのか、それにはまずその原因ないし本質について明らかにしておく必要があると思います。  次に、二番目にエネルギー危機の原因と本質。  アメリカは早くからエネルギー危機を警告し、特に七三年の石油ショック以後さらにこれを強調していますが、このエネルギー危機の内容としては、とりわけ石油が枯渇する有限の資源であるという点に根本原因を求めるものとなっています。石油資源が有限であることは間違いのない事実ですが、少なからぬ専門家は、当面のエネルギー危機をこの点に見る石油危機論については幻影におびえるもの、あるいは十分対応できると見ており、いずれにしてもそれは危機の本質ではないというようにとらえています。  すなわち、元ニューヨーク工科大学教授馬場周二氏はこう述べています。すなわち、米国地質調査所のグロスリングによれば、中東だけで二兆バレルの可採埋蔵量があるとされ、石油供給の物理的限界については何ら問題は見出されない。また、谷原順夫氏はこう言っています。メジャーがその海底油田の開発などの活動を通して今後十五年ないし二十年で石油資源が枯渇するとは実のところ信じていないと考えられる。探鉱、開発の技術は改善され、進歩していくものであり、その中で巨大油田も含め中小油田も新たに発見、開発し、また、現在既存油田の採取率を高めるようになることは明らかであるというふうに言っている。  ところが、東亜燃料工業常務中原伸之氏は次のように、やや石油資源の限界性に危機を求めるかのような見解を述べています。すなわち、地球上で究極的に生産可能の石油埋蔵量は約二兆バレルで、そのうち既発見分は約一兆バレル、人類はこのうち三分の一をすでに消費し、残りの三分の二を確認埋蔵量、いわば手持ち在庫として持っている。未発見分が約一兆バレルと考えられる。現在の確認埋蔵量を年間生産量約二百億バレルで割ると、大体三十数年で手持ち在庫を使い切ってしまうことになる。しかも、この確認埋蔵量の約七割がOPEC十三カ国に偏在しているという事実は、OPECに自然的独占力を与えた。なお、未発見埋蔵量約一兆バレルは海底その他自然条件のより劣悪な地域に賦存しており、発見されたとしても当然コストは割り高につくであろう。また年間新規発見量の過去三十年の平均百八十億バレルから最近五年間平均百五十億バレルへと落ちているというふうに言っています。  このように、石油資源の有限性についての認識は専門家の間でもかなりの幅がありますが、石油資源の有限性については一応念頭に置きながらも、当面のエネルギー危機の本質を考える場合にはこの点を副次的要因、あるいは人間にとっては根本的には解決できない問題として、すなわち自然的条件としておけばよいと考えられます。  では、現在のエネルギー危機の根源あるいは本質はどうとらえるべきでしょうか。結論から先に言えば、それは戦後アメリカの世界戦略、すなわちアメリカを中心とした世界の主要資本主義国と親米派の発展途上国の軍事的、政治、経済、社会の統一結集した力を対ソを中心とした反社会主義の戦略がとどまるところを知らない核軍事力競争を米ソ間に呼び起こし、ひいてはアメリカ、西欧、日本という主要資本主義国をエネルギー、とりわけ石油資源を湯水のごとくに浪費させ、公害をまき散らす産業を肥大化させる経済構造をつくり上げ、それを年々猛烈な勢いで拡大させてきたからです。  一九七五年時点における人口一人当たりエネルギー消費量は、日本を基準としてアメリカは三倍以上、西欧諸国とソ連は大体一・五倍、フランスは大体日本ぐらいです。ほかの西欧諸国は一・五倍程度ですが、アメリカは異常な高水準です。アメリカは世界人口の二十一分の一の人口にすぎないのに、世界エネルギー消費量の実に三分の一を占めているわけです。一九七六年の数字によれば、石油輸出の七割以上が中東、そのうちアラビア半島とその周辺諸国だけで約六割を占めています。とりわけサウジアラビアの約二五%、イラン一六%強が目立っています。  ところで、第二次大戦末期には、米系メジャーはこの中東原油を完全に押さえ、アメリカは戦後西欧復興の物的基礎としてこの中東原油を安値で西欧に流し込み、またその後、日本に対しても、特に六〇年安保改定後、中東原油を日本のエネルギー源の本命とさせてきました。その結果、西欧と日本はエネルギーを従来の石炭と石炭火力あるいは水力発電中心から石油、石油火力中心に転換させ、これらの先進国を油づけの経済構造にしたばかりでなく、需給逼迫の石油エネルギーを補完するものとして危険な原子力発電を推進させることになります。とりわけ、日本はアメリカから導入した軽水炉とアメリカに濃縮してもらったウランを燃料とした原子力発電を、安全性の点検を怠ったまま急増させることとなりました。アメリカ自身は第一次世界大戦後に始まる自動車文明の上に、第二次世界大戦後は核軍事力を中核とした先端産業を上乗せし、この産業のみを拡大させ、エネルギー源としては第一に石油、約五割。次いで天然ガス、三割。続いて石炭は一割七分ぐらいですね。これは一九七二年の数字ですが、に依存してきましたが、七七年からは石油輸入を年間四百億ドル、ことしは五百億ドルを予定し、狂気のように石油備蓄を行っています。また、アメリカの政府は原子力に戦後七五年までに、七五年ドルで一千億ドルを投じましたが、大半を核兵器の開発に向け、民間の原子力発電には八十二億五千万ドルだけを使いました。この金額も少なくはないのですが、七五年中に全アメリカのエネルギー消費量のうち、原発が供給し得たのはようやく一%にすぎなかったのです。  三番目に、エネルギー危機の打開策について。  アメリカは、非同盟諸国と世界民主勢力の核廃棄の反対運動にもかかわらず、核軍事力を対ソ優位に保つことに焦点を据えた政治、経済構造をこれからも強化する構えを示しています。したがって、エネルギー浪費の経済の仕組みを温存することとなります。イラン革命とスリーマイル島の原発事故は、アメリカのエネルギー打開策を原発の見直し、石油消費の節約と、石油にかわる代替エネルギーとしての石炭の復権、特にその液化を西ドイツと日本の資金を導入して推進することなどに力を入れることとなります。このアメリカのエネルギー危機打開策は、危機の根源であるところの自動車文明と核軍事力をてことした世界戦略を維持した上での、いわばびほう策であり、アメリカのエネルギーを握る多国籍企業体、メジャーの利益を優先しながら、OPECのこれ以上の力の向上を同盟先進資本主義諸国たる西欧と日本の消費削減の協力に大きく依存する打開策と言わざるを得ません。石油節約といってもエネルギー浪費の経済構造を温存しておいて強行したのでは、真の効果は発揮できるはずがないと思います。アメリカが石油にかわる代替エネルギーとして目下のところ一番重視している石炭の液化は、巨大な設備投資を必要とし、いまの異常な高値を呼んでいる石油に比べても非常に割り高につき、採算に乗るのは遠い将来のことです。その他の代替エネルギーについても、石炭液化と同じであり、既存の石炭や水力を別とすれば、原子力発電が辛うじて採算に乗る可能性があります。しかし、原発についてもフル操業ができての話であって、現在のような危険な状態で、恐ろしい低稼働率ではとうてい採算に乗らないでしょう。スリーマイル島事故が見事に実証したように、原発はいわば原爆の落とし子であって、軍事用の原潜のための軽水炉の発展したもので、もともと平和利用のものとしては失格なのであり、原発の問題は振り出しに戻して、純平和用の原発として開発し直すために真剣な研究を開始するべきであると考えます。  さて、日本におけるエネルギー危機は、日本が戦後一貫してアメリカの世界戦略の一環に組み込まれ、そのエネルギー政策に追随してきたために、日本の国内資源である石炭や水力の利用を十分に活用する道をみずから閉ざし、中東原油と石油火力及びアメリカ直輸入の原子力発電に大きく傾斜する方向をたどり、その極限的状況にまで至った時点で突発した石油ショックを契機として発現したのです。したがって、このエネルギー危機はまさに石油危機であり、原発の危機であったと言えます。  この日本のエネルギー危機を抜本的に解決する端緒をつくるためには、まず日本が日米軍事同盟から抜け出し、みずからのエネルギー政策を日本民族の自立という立場から自主的に決定しなければなりません。ところが、いまの日本の政府がエネルギー対策として打ち出しているのは、アメリカの意向に従って石油の五%消費削減、アメリカ石炭液化開発への協力、アメリカその他からの石炭の輸入拡大、さらに北極海やスエズなどの油田開発の協力あるいは実施、そして原発の一時的見直しにとどまっているのです。  まず、石炭について言えば、国内産を一九六〇年の年産五千七百万トンをピークとして漸減から急減に向かい、昨年度は千八百五十五万トンにまで落ち込んでおり、政府はこれを二千万トンに復活させるのがやっとと見ております。日本炭より割り安の海外炭の輸入を急増させる方針です。七七年六月の政府案では七五年度の六千二百三十四万トンの海外炭輸入を、八五年度には一億二百万トンに著増させることにしています。なお、一般水力についても政府の対策はきわめて消極的で、一九七五年度から八五年度にかけてわずかに年率二・四%の増勢を見込んでいるにすぎません。  さらに、石油消費の節約については、竹内長銀調査部長は「いまの日本が五%節約を達成するのは、まさに至難のわざで、残念ながら不可能に近い」と言っております。これは朝日新聞の四月六日付。一九八五年度の原油輸入予定量四・三二億キロリットルという政府案も困難になると思います。また、日本の原発についてはアメリカに追随している限り、国民の合意は得られることとはならないでしょう。  こうして、いまの政府のエネルギー危機打開策は真の解決策にはならないと思いますが、政府はいまこそ、いまのエネルギー浪費型、公害型の産業構造を、エネルギー節約型、非公害型の産業と運輸交通体制へというふうに転換させ、第一次エネルギー自給率わずかに一〇%という状態を、国産の石炭と水力の徹底的見直しによって改善させるとともに、中東だけでなく、あらゆるエネルギー資源産出国からメジャーを通さずに原油や石炭を輸入する方向を強め、さらに原子力を初め代替エネルギーの平和的利用のために国力にふさわしい資金を投入し、平和日本の礎を築くべきであると考えるものです。  以上で終わります。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ありがとうございました。  以上で参考人の意見の開陳は終了いたしました。  これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣がお急ぎのようでありますから、外務大臣に冒頭に質問をいたします。  先般のIEAにおける大臣演説の最後の部分を読ましていただきました。こういうことに最後締めくくっておられます。   最後に私は、エネルギー供給の不安定性が世界経済の持続的発展の制約要因となることを許してはならないことを、今一度強調したいと思います。むしろこのようなエネルギー供給の不安定性に対しては、我々先進消費国がIEAの枠内で一致協力して対処し、これを乗切るとの決意を示すことにより、世界経済の将来に対する信頼を回復することこそ我々に課された責務であると信じます。 こう結んでおられるのであります。  そこで、私はこの前のこの委員会で、いまのこのエネルギー危機を打開する道は、特に石油の供給不安定を打開する道は消費国、産油国及び途上国が一堂に会して、現在の世界人口に対するエネルギーの総量を考えながら会議をしていかなければとても無理ではないか。OPEC諸国に消費国が一致団結して対決するような姿勢ではとうていこの石油危機を打開できない、エネルギー危機も打開できないということをこの前の委員会で通産大臣には質問いたしたのでありますが、外務大臣が欠席でありました。この間のIEAの閣僚理事会の大臣演説を読ましていただきました。私が危惧しましたように、外務大臣の演説は石油供給の不安定という、これに対決してIEA諸国が一致団結してがんばっていかなければならぬと、こういうように締めくくっておられると理解するんですけれども、そうでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) エネルギー問題が消費国側だけの団結によって解決はできない、消費国と産油国がよく話し合うことによってのみ解決できるということは、私も小柳先生と全く同意見であります。したがいまして、私は演説の中で、原稿には産油国との対話という言葉があったのを消して、協調という言葉に変えております。フランスのパリで開催されましたが、フランスがIEAに加盟してない理由も、いま小柳先生がおっしゃったような理由であって、いま消費国だけで集まって騒動したらかえって危険だというのが、フランスがこれに加盟してない理由でございます。私が最後に主張いたしましたのは、消費国が団結をして産油国に当たれという意味ではなくて、足並みをそろえろというこういう意味であります。と申しますのは、あの理事会の各国の代表の演説を聞いておりまして、いささか言うことと内心と違うのではなかろうかと、こういう不安を持ったわけであります。たとえば、備蓄九十日を総会では決めておりますが、その九十日を各国が備蓄するために先を争ってやれば、ここに価格の引き上げが当然出てくるわけであります。また、スポット買いが近ごろはやっておりますが、これもつらくなればなるほどスポット買いをして自分の国のエネルギー問題に見通しをつけて、そして他の国を制限するというエゴイズムが出てきたら大変である、こういう不安を持ったわけでありますが、会議が終わってから直ちに米国では石油の購入に対する補助金を出す、ECとこの問題で激しくいがみ合っていることは御承知のとおりでありまして、私の演説の最後に協調という点を言えばよかったわけでありますが、協調という話をした後でいまの言葉を結んでおりますから、消費国と産油国の対決というふうな誤解を受けたことはおわびをいたしますが、私の趣旨はそうではなくて、あくまで消費国だけが団結をして産油国に当たるということではなくて、足並みをそろえて抜けがけをしないように、これが消費国の団結、そしてやっぱり産油国と話し合わなきゃならぬと、こういうことが私の趣旨でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで、いま大臣がおっしゃったとおり、あの会議が終わりました後、アメリカが原油購入に対して補助金を出すなど、いま新聞報道でも騒いでいます。日本などに対しまして、特に私がいま発言いたしますのは、東京サミットを控えまして、わが国がここに各国から元首を招いて一緒にやるわけでありまして、したがってこの際わが国はかつてジスカールデスタン大統領が提唱いたしました国際経済協力会議、CIECなどの構想を、この際わが大平内閣が何らかの形でサミットに打ち出し、あるいは反映させ、わが国が主導権を持ちながら産油国、消費国、途上国の対話ができるような方向に国際的な空気を動かす、このことが私は人類のエネルギー危機に対する一番の緊急の課題ではないかと思うのですけれども、このCIEC、現在まだ休眠状態のようでありますが、これに対する見解と東京サミットでわが大平内閣がそういうものを何らかの形で前面に出す御決意があるかないかお聞きいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 産消両方の話し合い、協調ということは、江崎通産大臣と一緒に私は絶えず強調したところであります。そこで、各国の意向を聞いてみますると、現状なかなか微妙でありまして、いまのIEAとそれから産油国の会と、これが話し合うということもこれまたかえって逆に両方が対決する危険性がある。したがって、まず何らかの方法でそれぞれ個々に話をして、何とか機運をつくって、いま小柳先生のおっしゃったような方向に持っていきたいということが、産消協調という方に理解を示す国々の大方の意向でございます。したがいまして、一遍にそういうふうに持っていけるかどうかわかりませんけれども、今般のサミットでエネルギーが一つの大きな問題になることは当然でありますから、その際はいま小柳先生のおっしゃった方向に推し進めるような方向で会議を進めていきたいと考えているところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ANCTAD総会が終わりまして、私どもその会議の内容に立ち入っておりませんが、新聞はこういうふうに報じております。ANCTAD総会は発展途上国の失望の中で閉会された。特に途上国グループが産油国と非産油国、中進国と発展途上国などの分裂を深めた。なお、石油問題の対立もあってと、こういうようなことを新聞報道をやっているわけです。いままあ途上国が経済全体の問題を言うのはわかりますけれども、エネルギー問題を中心にして、中心課題にサミットが開催されようとするときに、ANCTADのこの総会が石油問題を中心にしないまま不信感を深めて閉会したということについては、非常に失望しておるのでありますが、この中のいきさつをちょっと御説明を願いたいと思うのです。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) お答えをする前に、先ほど落としましたことを一つ申し上げます。  私が江崎さんと一緒にIEAで強調しました、あるいは会議の合い間の雑談で努力しましたことは、産消対話ばかりでなくて、いまの開発途上国も入れて世界全部でエネルギー問題を解決しなければならぬということが私の考えであります。  さて、ANCTAD総会でありますが、日本の新聞は、日本が両方の間にはさまって困窮したという表現をしておりますが、これはやや表現が誤りでありまして、南北問題は先生御承知のとおりいまや新しい哲学に向かって前進しなければならぬ時期になってきております。それは、助ける助けられるという相対的な関係ではなくて、新しい哲学の二本の柱は一つは保護主義、一つは相互依存主義の二つだと私は理解をいたします。そこで、ANCTAD総会の大体の空気を申し上げますると、この総会がアジアで開かれたということ、それから南北問題については特に日本は重大な責任と関心を持っているという意味で、大平総理が出席をしてここで意思の表明をしたわけでありますが、この意思の表明というものは評価をされました。その後で米国の代表、西独の代表等が演説をいたしましたが、米国からあの御承知のヤングという優秀な大使が演説をしたわけでありますが、この際はグループから公開質問状を出すなどという内々の騒ぎもあったぐらいで、やや不満を与え、日本、西独それからアメリカ等先進国の間に南北問題に対する関心のやや開きがあるように私は見受けたわけであります。そこで、日本は両方の間に立って調停しようとしたのではなくて、ASEANの国々と足並みをそろえてこの会議を成功に持っていくべきを終始イニシアチブをとって積極的に努力をいたしました。この点は評価をされたわけであります。一方には先進国の方に米、独、日本の熱度にやや差がある。それから一方には、御承知のとおりにASEANのグループとアフリカグループと東欧グループの三つのグループがありまして、それぞれ現実、穏健、急進というふうに差があるわけであります。そういうわけで、ロムロ議長、ASEAN、日本は一緒になってこれを何とかアリューシャン宣言に盛られた新しい国際経済秩序という方向に向かって一つずつ積み重ねて持っていこうじゃないかと努力をいたしましたけれども、急進派はなかなか多様な決議や発言をいたしまして、保護主義については合意を見たが、相互依存主義については合意を見なかったと、こういうのはまことに残念でございます。そこで、南北問題もサミットではこれまたぜひ一つの大きな問題として取り上げなければならぬ問題でありますけれども、いま準備委員会でそれぞれやっておりますが、なかなかサミットでは日本がよほど腰を入れてがんばらぬと南北問題というのはうまくいかぬのじゃないかと、こういう心配をしているのが実情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣にはもう一問でありますが、この前通産大臣には申し上げたんでありますが、アメリカなどが中心で石炭液化など石炭見直しですね、対策を立てています。まあ私どもの概算でありますから、正確でないかもわかりませんが、いまのたとえば二十ドル原油にしても石炭液化の費用、現在ではその倍ぐらいかかるんではないかと言われ、しかも日本に石炭ございません。液化するような石炭ない。そうしますと、ドイツには石炭ございます。アメリカにも近くに石炭ありますから、アメリカやドイツが中心になって石炭液化に励むであろう。日本も資金を投資するであろう。その本当の恩恵というものは日本にはないではないかという気もいたします。したがって、先般のIEA理事会の話の方向は、石炭を中心にその拡大策で急場をしのごうという空気があったようでありますけれども、もちろん日本のこの二千万トン体制すら十分ない時期でありますから、そのことよりむしろもう少し石油を大事にわれわれが安心して買える体制、このことこそこのサミットの大きな課題だと思います。したがって、アメリカがたとえば原油購入に補助金を出すなどについては、ある機会にちゃんと会議の場で抗議をして、そして全部の世界の、国際的に見て公平な売買であると、公平な石油対策であると、そういうものがサミットで打ち出される、それを私どもは、特にこのわが国会は期待をするんでありますけれども、外務大臣の最後の決意を聞いて外務大臣の質問はこれは終わろうと思うんです。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いま参考人のお話も承っておったわけでありますが、その中で日本の流通機構の開放、新たなる産業構造というお話がありましたが、これは私、深く感銘を受けながら聞いたところであり、また、いまの小柳先生のお話も深く肝に銘じて承りました。心配いたしますのは、いまからサミットまで約一月でありますが、この間にまた産油国から価格の引き上げなどが打ち出される可能性も相当あると見て、このエネルギー問題は相当サミットでは深刻な問題になってくる、しかもこれについては各国の意見は必ずしも一致してないと、こういう点もあるわけであります。  いまの石炭の問題につきましても、やはり日本は、通産大臣からしばしば言われておりますとおりに、日本の国内に石炭がない。そうするとよその方から買わなきゃならぬ。アメリカの考えている石炭液化に日本、西独が協力をする、これもおっしゃるとおりであります。したがいまして、その石炭の液化、利用、こういうものを日本が研究開発だけに労を出して、受けるところが少ないというようなことのないように専門の通産大臣とよく相談をして、いまの御発言の趣旨が通りますように十分努力をし、サミットにおいてもそういう点を主張する所存でございます。  なおまた、この産油国側の足並みといいますが、参考人が言われたように一国一国がエゴイズムで自分の国の石油を満たそうという考え方は誤りでありまして、近くの方からある国は石油を買う、その国の遠いところはわが日本がこれをもらうというように、何かもう少しかみ合ったような流通機構の開放、産業構造の改革調整ということも真剣に考えなきゃならぬと思っておるところであります。ただいまの御発言はありがたくこれを拝聴いたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょっといまの外務大臣、最後のことに関連いたしまして、イランは国内政情不安定でありますから、いま求めませんが、サウジアラビアにつきましては、特に日本の外務省として、外務大臣として御配慮があっておると思うんですけれども、ちょっといい機会でありますから、この公式の場で御発言を求めておきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 仰せのとおりでありまして、よくエジプトの援助が話題に上るわけでありますが、私は大統領にも国務長官にも中東に対するわが方の懸念と関心はきわめて重大である、しかしこれに対する援助または外交のやり方はアメリカとは全く違っている、わが日本はエジプトにも応分の援助はいたします、ただし、それは先般の条約調印に基づくアメリカのエジプト、イスラエルに対する公約の一部を担当するものではございません、日本独自がいたします、したがいましてこれに反対をしているアラブ連合についてもそれぞれ経済援助をするつもりでありますということは、はっきり明言しております。私はそういうつもりでありまして、幸いイランの方はいまのところはきわめて日本は順調にいっているわけでありまして、減産、価格の引き上げ等もありますが、日本は格別の関係にある。しかし、イランの政情というのはなかなか前途は逆睹しがたい。サウジアラビアもエジプトとの関係は非常に密接で、かつてはサウジアラビアの方からエジプトに対する援助を頼むということをしばしば私に言われておったようでありますけれども、このサウジアラビアとエジプトの関係というのはだんだん対立の方に深まってくるような気がいたします。  そこで、サウジアラビアの一つの特徴は、産油国で金はありますけれども、やはり中東地域全般の一つの中心である意識が強いわけでありますから、サウジアラビアはアラブ連合についての経済援助と協力等も日本に話があるわけでありますから、これと十分協力をしていきたいと考えております。ただ、この際、この前の石油危機のようにこちらが石油を目当てに乗り込んでいっては逆効果でありまして、ピッチャーの役目ではなくてキャッチャーの役目で、向こうから要求されることにこれに応えていきたい、これが私の基本的な考え方でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ありがとうございました。  通産大臣に外務大臣と同じ質問、総理がおれば総理一人でいいんですけど、さきの国際経済協力会議のもう少しこれを生き返らせるというあいさつ、通産大臣としてこの産油国、消費国及び途上国がもう少し胸襟を開いてこの石油の供給の安定に対して話し合う体制というものが必要である。したがって、このCIECというものが一応形はまだ消えてないようでありますから、通産大臣の今後の御決意を聞きたいんですけれども、これがまあ消えたのか消えぬのか、私もはっきりわかりません。この点についての見解を聞いて、その上での決意を聞いておきたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) CIECは、せっかくジスカールデスタン大統領が提案をいたしましたが、いまのところは、実際には動いていないというもののようでありますが、先ほど来の小柳委員の御主張は、私も拝聴をしておりました。外務大臣も答えておりましたように、やはり日本は日本の立場として産消対話もぜひ進めるべきでしょうし、まあこの形式はいろいろあろうと思います。アメリカ側は、いわゆる産油国が節約をしてくれと、われわれも努力をしてイランの減産分をカバーする意味で増産をしておるが、こんなに買われたのでは値段は上がりますよと言いながら、その節約の実行ができないのにそういう主張にどう対応するのかといったようなアメリカの意見。いやそうではないと、節約はもとより実行するわけだが、もっとお互いが冷静に対処してスポット物を買いあさるというようなことは極力手控えて、そして国の事情によって、同じOPECといいましてもそれぞれまた産油国、消費国事情が違います、しかし、アプローチできるところから一つずつ話し合いを進めて、そしてその情報をもとに何らかの合意を見つけるということは不可能ではないではないかと、やっぱり対話は、それぞれの国情に応じやるべきだという主としてフランスの主張、ドイツなどもこれにやや同調いたしておりますが、そういった意見もあるわけですから、これはサミットでも議論になりましょうし、われわれ日本側としてもやはりそういった意図を持っております。御承知のように、日本が——さっき外務大臣も答えておりましたから、くどく繰り返す必要はないと思いますが、前回の石油ショックのように、何か日本が石油を求めて独自の行動に出るとか、いかにも自分だけよければよしとするような印象を外国に与えるような行動は差し控える。これがさっきピッチャーではなくてキャッチャーだといったような表現になったんじゃないかと思いますが、そのあたり情勢をよく見きわめながら、十分ひとつ御趣旨を体して対処してまいりたいというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この前の委員会でも発言いたしましたように、今度の東京サミットが、このエネルギー問題で大きく国際的な流れを変えるという会議ではないかと思いますのでいま発言したわけでありまして、総理にも十分ひとつこの委員会の意向をお伝えを願いたいと思うんです。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) よく伝えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま一つは、これ五%石油を節約しなきゃなりません。これは至上命令でありましょう。産業に半分使うにいたしましても、五%節約いたしますと、経済成長率が大体一%程度低下するというのは常識ではないかと思うんですが、いま公共事業を後半抑制するという、そういう方針も政府はとられておるようでありますが、それやこれやを考えますと、もう一つは、いま卸売物価が上昇いたしまして、秋にはインフレ気配があります。景気は後退するわ、それから物価は上がるわというような、こういうものが予想されます。それで、いま地方を回りましても、大きな会社の幹部諸君もあるいは中小企業の諸君も、そういうものに対して非常に懸念をしておるわけです。この間ちょっとここで発言いたしましたように、この法律を審議するからでありましょうか、もう地方のトラックの油が三割ぐらい削減されている。したがって、トラックの営業ができないと泣き言を言っている。そういうものがトラックだけじゃないと私は思うんですがね。だから実際は、政府としては何もそこまでいっていませんと言う、そこまでいってないと言うにかかわりませず、トラックの油がもう三割削減されましたと、どうしてくれますかという情勢ですね。そういう情勢を考えまして、大平内閣の閣僚としていま御質問いたしますが、この五%節約はやらなきゃなりませんけれども、経済成長率の鈍化あるいは低下及び物価上昇による不景気、購買力不振ですね、そういうものをいまどういうふうに考えておられるのか、通産大臣から聞きまして、後、トラックの話はもう一回、エネルギー庁長官から聞いておきたいと思います。けさ、また電話がかかってまいりまして、そういう情勢ですよと言うんです。だから、まず大臣からお聞きいたしましょう。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 私ども、いま経済は非常に順調な足取りをとっておると思うんです。もう、時間の関係もありますから、くどい話は繰り返しませんが、卸売物価こそ、海外要因等によりまして大変な値上がりを見せておりますが、おかげで消費者物価は安定をいたしております。まあしかし、これもいずれ連動をしてくるであろうということが言われまするだけに、私どももこの経済の足取りを十分注意深く見きわめておるわけであります。まあ需給のバランスのとれませんものは、通産省としても極力この需要にこたえ得るように生産を行政指導しておるというのも実情でございます。  問題は、やはり何といっても、まず耐久消費物資を中心とする消費者の購買意欲が、昨年来非常に高まったこと、これが先行して、現在御承知のとおり、生産の設備投資なども、政府が当初予定いたしましたものを上回っております。先ごろここで申し上げたか存じませんが、とにかく日本の高度成長時代の一番ピーク時の生産が上がりましたのが、石油ショック後の昭和四十九年の一月の時点であります。それで、それをこの三月には七%も上回るというような事態であります。したがいまして、経済は油の問題さえなければ、まことに予定どおり、サミットにおいても六・三%の実質経済成長率はどうにかことしは達成できるのではないかというような形でございましたが、油を中心に値上がりをしておる。これが引き金になって消費者物価のアップにつながったりなどしては大変でありまするので、私どもも厳に便乗値上げを戒めておる。  それから、トラックの話はいずれエネルギー庁長官にということでございまするから省略いたしますが、現にそこに石油はあるんです。なるほど高値は呼んでおるが、四−六の場合は二百七十万キロリットルも昨年同期比にして余分に入っておるんですね。それをなぜ買いあさるのか。買いあさるから、また売る側においても売り惜しみというか、ある程度の制限をしていく。まあこれは先高見込みということがあるかもしれません。そういったことの今後絶対ないように、なかなかこれはむつかしいことでありまするが、地方通産局を含めまして、一週間に一度ずつ、かねて申し上げておりまするように、厳重に監視をしチェックをしておる、報告書を本省に求めておるというような形で調査をしておるところであります。今後といえども、便乗値上げなどのありませんように、この点は厳重にひとつ配慮をいたしたいというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの、大臣ですね、卸売物価は上がっておりませんとおっしゃいますけれども、上がっていますよ。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 消費者物価ね。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いやまだ消費者物価まで影響しておりませんけれども。  それから経済成長率も五・五——この間も発表しておるように、六を目標にやっていますけれども五・五です。それがまだ下がりますよ。上がりませんですよ。それが今度は雇用問題なり企業不振に波及してまいる。きょう経済企画庁長官いませんので経済論争できませんけれども。したがって、いまわれわれが論議しておる省エネルギー法というものは、非常に重要な一つのいまの日本の経済界のポイントを握っていると思います。だから、ここで慎重に審議しておるわけでございますが、したがって、これから秋の、特に秋まで待たぬかもしれません。私はこの法律が出まして消費節約をずうっと行政指導しますというと、今度は買いあさりが出まして、部分的にはパニック状態が発生しやせぬかと、そう懸念しておるんですが、具体的にそれじゃトラックの油がいま不足しているという問題と、後の通産局などの、何というんですか、調査状態といいましょうか、そんなものをエネルギー庁長官から説明してもらいましょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) いまトラックの軽油について三割くらいカットされた、そういう具体的な事例があるというお話でございましたが、その具体的個々のケースと、それから全体とは区別して考えなければいけないと思っております。  まず全体の方で申しますと、三割削減じゃなくて、むしろ軽油につきましては販売量が急速に増大をしておるというのが事実でございます。あらゆる石油製品のうちで軽油の販売量が一番伸びております。いま五月の数字につきましては目下調査中でございまして、正確な数字は申し上げられませんけれども、とにかく他の石油製品と比べて非常に販売量は伸びておるというのは事実でございます。  これに対しまして個々のケースになりますと、これはいろんな事情で削減されているケースもあり得ると思います。第一には石油会社の事情でございまして、イランの石油を従来たくさん輸入しておった石油会社、これはふところが非常に苦しくなっておりまして、顧客の需要に応じ切れない。去年一〇〇買った人に対して、ことし一〇〇売れないというような、そういう事情がございます。それから次に、今度は顧客の側の事情でございますが、顧客の中には従来特定の石油業者から買わないで、業転物、まあ日本の国内のスポットマーケットでございますが、スポットマーケットからばかり買っておった、あるいは大部分をスポットマーケットから買っておったと。それはなぜかと言えば、スポットマーケットの方が安かったからでございますが、要するに特定の石油業者と余り深い関係を持っていなかったと、お得意でなかったというところがございます。こういうところにつきましては、ふところが厳しくなった石油会社は買いに行きましても断わってしまうというケースが多々あるわけでございます。  したがいまして、いまこの三割削減とおっしゃいましたケースは、一体いかなる事態に当たるのかということは、私どもここでお聞きしただけでは何とも申し上げられませんわけで、買いだめをしておるのか、売り惜しみをしておるのか、またもっと別の理由があるのかは、それは個々の事情をお聞きしませんと、ここでは何とも申し上げられません。ただ、全体としては軽油の売れ行き、販売高はむしろ伸び過ぎちゃっておる、節約と逆の方向に向かっておると。多分これは過積み規制等が非常に大きな影響を持っていると思いますけれども、そういうことになっておりまして、特に中間三品——灯油、軽油、A重油、この三つの売れ行きがよ過ぎて、節約と反する方向に向かってしまっておる、これについてわれわれは一体どう対処すべきかということでいま非常に困っているところでございます。これ下手をしますと、こういう状態が続きますと、先生御指摘のようなパニック等に至るおそれもございますので、この石油業者それから石油のユーザー両方で非常に慎重で冷静な対処が必要であるというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 実際起こっておるからね、いまここで発言しているのですから。それ個人じゃありませんよ。ある地区のトラック業界の代表がちゃんと持ってきていますから。したがって、いまの日本の情勢ではそんなことは起こり得ないことだという答弁を聞きました。したがって、やっていれば何か不誠意あるいはいきさつ、欠陥があるんでしょうから、そう言ってやりますよ。それをもう確認しておきますね。  最後に、一昨年のIEAの理事会で対日勧告が出ました。この対日勧告で部分的にたくさん——部分的にやりますからね、問題があります。  この間私は、ガソリン税の道路建設のみならず、エネルギー政策への使用ということで大蔵省に質問しましたら、そんなものいま変える意向ございませんと答弁がございました。きょうはもう答弁求めませんがね、大蔵省から。  この勧告なるものについて、もう少し何といいますか、履行義務を大きく感じましてやっていきませんと、せっかくのIEA理事会というものが権威がなくなりますが、対日勧告に対する通産省のとらえ方を大臣から聞いておきたいと思うのです。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) これは私どもも重要に考えております。したがって、勧告の中の対象となっていましたものには次のようなものがあります。  たとえば、「民生部門」では「太陽熱利用等に関する既存住宅への助成」、それから「灯油価格の引き上げ」というようなのがありますね。それから、「運輸部門」では「ガソリン税の」「エネルギー政策への使用」、それから「効率的公共輸送機関の維持」、「都市内での自家用車使用の制限」、それから四番目に「燃費による累進的自動車税の導入」と、それから「エネルギー部門」としては「適当な地域での地域暖房の促進」、二番目に「省エネルギー、ピークロード対策のための電気料金体系の採用」。それから、本法の対象となっていない事項についての考え方でありまするが、これは太陽熱の利用、それから新エネルギーの導入等であります。エネルギー供給政策の一環としてこれをとらえるべきものだというふうに考えております。  本法は既存エネルギーを使用するに際しての使用の合理化を図ろうというものでありまして、新エネルギーへの転換は、これは対象としておりませんが、やはりいまIEAが勧告しました線によりまして太陽熱の利用を初め、新しい技術開発、そして新代替エネルギー、もとより現在あるものを多用化していくことは当然なことでありまするから、新エネルギーをどう開発するかという点につきましては、財政難の折からでありまするので、全部政府予算に依存というわけにもいけないということであるならば、これは受益者負担を含めて何らかの措置を早急にとる必要があるということで、これはまた成案を得次第御相談を申し上げたいというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまおっしゃったように、この法律、いまわれわれが論議している法律を通しますと同時に、この附帯決議、きのう理事から見せていただきまして、りっぱなものがあります。こういうものを完全に行政指導していただくと同時に、いま大臣がおっしゃいました対日勧告、まことに具体的に対日勧告が出ています。これを内閣として腹を決めて実施される、予算も組んでいくと、そういうものが一番いま将来の日本民族に対する私どもの責任じゃないかと思うのです。したがって、大臣の、これをなるべく早い機会に、総力を挙げて実現しなければならぬという決意をお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 御激励を含めての御熱心な御趣旨は私傾聴いたしました。  本日、これは東京サミットに向けて、エネルギー節約をどうするかという具体策などについて総理もヒヤリングを求めております。これは事務当局だけが行ってよく話すことになっておりますが、新エネルギーの開発についても、先ごろカーター大統領との間で一つの前進を見せる協定に調印したことは御存じのとおりでございます。十分御趣旨を体して努力をしたいと思います。御協力をお願いします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ありがとうございました。質問を終わります。

馬場富公明党

○馬場富君 最初に参考人の川上先生にお尋ねいたします。  先ほど先生の御発言の中に五%節減ですか、日本の現状から言って非常にむずかしいではないか、そういう意見が出ておりましたが、この五%節減に対して、現在日本の実情として、先生がどのようにお考えになっておるか、その点ちょっとお答え願いたいと思います。

川上正道東京経済大学教授

○参考人(川上正道君) 先ほど、竹内宏さんという長銀の調査部長が、朝日新聞のことしの四月六日の「石油不安の実像」という連載の中の四番目に登場されているのですが、先ほどちょっと引用しましたのは五%節約はぜひしなきゃいかぬけれども、できないだろうと書いてあるんですね。いま御質問された質問があるんじゃないかと思って持ってきたんですが、その理由が書いてあるんです。その理由は、いま景気がよくなってきたんで、そうしますと四十八年の石油ショックのときにも見られたんだけれども、仮需要が出てくると言うんですね。「合繊衣料を例にとると、小売段階で一〇%在庫をふやせば、合繊原料段階で三三%、石油製品段階で四六%の在庫増につながり、原油需要は一・五倍から一・八倍にもなってしまう」と。御承知のように、昨年の十一月ごろから景気が鉱工業生産なんかも伸びてきたし、卸売物価も先ほどお話があったように物すごく伸びてくるわけですね。こういう中で、景気がいいから、よくなったから在庫をふやさなきゃならない、手当てしていくということで、むしろ原油の需要が先ほど通産の局長がお話しになっているように、何か現実にはふえている。節約じゃなくてふえているというのは、こういうことの反映だと思うんですね。私は先ほどの御報告はこういう意味じゃなくて、いまの景気局面で節約がむずかしいということは竹内さんが言われるとおりなんだけれども、構造的に、つまり石油が、アメリカの文明というのはとにかくもう自動車をみんなたくさん持っていて、そして輸送なんかもほとんど自動車です。だから、そういうあれだから、石油を物すごく使うわけですよね。それから日本の場合は、石油を使っているのはほとんど五七%ぐらいが産業であって、これが、鉄鋼業とか特に石油を使う産業がどんどん高度成長の中で発展してきている。そういう構造があるのに、それを直さないでただ節約と言ってもなかなか困難じゃないかというのが私の意見で、それに対して竹内さん言うのは、構造というより、いまの景気局面から見て、非常に原油の消費はむしろふえるはずだということを言っておられるんですね。私は、だからそれは否定しませんけれども、構造的に直していかないと、節約は大変いいんだけれども、いまのような石油事情であれば、すべきだと思うけれども、それを本当にやる気なら、それをやるような対策を示さなければわれわれは納得できないということを申し上げたんですが。

馬場富公明党

○馬場富君 じゃ、続きましてやはり川上先生に。その一つば原因の中で言われた、日本の戦後の政策、アメリカ依存のそういう立場が日本のエネルギー危機の一つは問題点でもあるという点の御指摘がございました。そういう立場からこれを改革するためには、日本民族自立のエネルギー対策を考えなきゃならぬという御意見でしたが、そこらあたりに立って、自立のエネルギー対策というような点で何か御参考になることがございましたら、おっしゃっていただければと思います。

川上正道東京経済大学教授

○参考人(川上正道君) 先ほどは簡単に申し上げたんですが、日本は資源が不足の国であることは皆さん御承知のとおりですが、石炭はわりあいたくさんあるわけですね。ただ、質が悪いと言われているけれども、しかし使い道によっては昔はずいぶん使っていたわけなんで、国鉄なんかももっと石炭で走らすとか、そういうことをすればもっと使えるわけなんです。ところが、日本の場合は特に一九六〇年以降、石油をどんどん、年率二〇%ぐらいで輸入しましたよね。そういう中で石炭は、三池炭鉱のあれ、廃鉱に近いところまで追い込むというようなことが全国的に行われて、それから石炭の技術者なんかもほとんど散り散りばらばらになった。学者においては二人しかいないという話なんですからね。そういう状況をつくり出しておいたから、いまや二千万トンに石炭をふやすことすら大変だということになっていると思うのですね。だけどこれは、もっと石炭を重視する、本当に重視するんなら重視するような政策を立てればできることなんですよね。ただ、金はかかりますよ、いまの段階では。だから、そういうこととか、水力はもっと——御承知のように、敗戦直後は水主火従、水力が中心で火力は従である。それがアメリカの方針で日本がそれにあの当時は石炭より石油がぐんと安かったから、そういうように経済的には乗るのは当然ですけれども、それに乗り過ぎたと私は思っているんですよね。それで結局、水力の開発をやめるというか縮小して、そしてもっぱら火力に中心を置いてきて、逆転したわけですね。火主水従に転換する。それから発電そのものが、従来は石炭でたいていたのを原油あるいは重油をたく。それを燃料にする。こういうことですから、もっと水力にも力を入れるというようなことをすることと、それからもちろん、石油は大分石油を使う仕組みになってしまっていたから、これを節約するといっても急にはなかなかできないわけだけども、石油は、だからわりあい輸入しなきゃならぬと思いますね。しかし、それを自主的に日本がどこの国とも対等なあれで、アラブの国から輸入する場合でも、アラブと直接交渉して輸入できるような、そういう方向へ持っていくというようなこと、それから原子力発電については、日本はもうアメリカ直結の軽水炉という、この前スリーマイル島で事故を起こしたあの系統のものが多いわけですね。ほとんどそうでしたね。そういうことと、それから濃縮することは日本はまだできないわけです。いま開発しているようですけれども、実用には至っていない。こういう自主的なあれがなくなってきているのを、自分で平和利用のための原発というものを開発していく必要があるというふうに、そういうようなことを意味しているわけですが。

馬場富公明党

○馬場富君 五%節減はやはりかけ声ではなくて、具体策がなければいかぬということだと思いますが、その一つのポイントの中に、石炭の使用の問題がいま挙げられましたけれども、やはり石炭にしても、もちろん代替のエネルギーの液化やガス化にいたしましても、コスト高になってくる、こういう点についてはやはり、経済を考えたときには、これは全部行き詰まってしまうのじゃないか。全然これは私はどうにもならないというふうに見ていいんじゃないかと、こう思うわけですね。そういう点について先生の方から。

川上正道東京経済大学教授

○参考人(川上正道君) ガス化とかそれから液化ですね、これは先ほど私ちょっと引用しました馬場という元ニューヨーク工科大学の教授が書いているんですが、馬場という人の意見はもう本当に経済、経済というか、単位当たりのエネルギーの値段がもう左右するという考えらしくて、液化なんというのはもうものすごくコストがかかると。大体石油に換算して一バレル三十五ドルぐらいになるだろうというような考え。だから、そういうのはもうずっと先の話だと。これは先ほど生田さんの方からもお話があったとおりで、これはしかしアメリカはいまそれを、アメリカはものすごく石炭たくさん持っているし、それを日本とか西ドイツに協力させながらすればかなり見通しがあるようなんですね。日本の場合はそういうアメリカ式の液化がすぐ使えるかどうか相当問題だというふうに言われておりますし、ただ、日本の場合は相当これはよく考えてから、研究を先にやるべきだというふうに、ガス化も大体同様だというふうに思っていますけども。だから、石炭の場合は石炭そのものを使うというのにどうしたらいいかという、日本はかなり石炭を前から使っていたわけで、そういう技術者はずいぶんいたんですね。そういうのは本当に損失なんですよ、日本の。そういう技術者を散り散りばらばらにさせて、もはや復元、復帰できないというような状況に追い込んでいる。こういう人々をもう一回集めるか、若い人々を訓練して、そういう日本の資源を十分に活用できるような体制をつくり上げる。それから、液化なんかについては研究をやっぱりある程度進める、原子力と同様に考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 次に、生田先生にお願いします。  第二次石油危機をいま迎えるというような声で非常に騒ぎが大きくなってきておりますが、やはりその中で特に日本が第一次のあのオイルショックのとき以後、ドイツやイギリスの一つのエネルギー政策の立て直しに比例して、日本は現状維持をしておって流されたと、そういう点についての一つは政策の立ちおくれということが識者の中に強い批判が出ておりますが、その点について先生の御意見をお伺いしたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所所長

○参考人(生田豊朗君) 昭和四十八年——一九七三年でございますが、このときに第一次石油危機、わが国で言っております石油ショックが起きたわけでございまして、それから五年余り経過しております。残念ながら、わが国におきましてもその間エネルギー計画、エネルギー政策が完全に満点と言えるほど進捗したかといいますと、私はそうではないと思いますけれども、ただ、これはわが国だけではございませんで、世界各国、特に石油消費国と申しますか、先進工業国のほとんどすべてについてそういうことであったと思います。この主な原因は、一つは代替エネルギー戦略につきまして技術的な問題、あるいはその施設の建設についての受け入れ体制、言葉をかえて申しますと国民の同意でございますが、それの取りつけについて各国とも必ずしも十分な効果を上げ得なかったということが一つ言えると思います。  それから、もう一つは今後の見通しでございますけれども、果たしてその次の石油危機がいつごろ来るのかという点につきまして、いろいろの見解が出てきたわけでございます。  まあ私どもは先ほど申し上げましたように、今度のようなイラン革命あるいは中東の政治情勢の変化などがなければ、あるいはなくても一九八〇年代の中ごろには現在と同じような状況が訪れるであろうと。したがって、もっとエネルギー戦略を早く進めるべきであるということを提言しておりましたけれども、学者の中には、先ほども御紹介申し上げましたような考え方、これは私は間違いだと思いますけれども、エネルギー危機は永久に来ないというような楽観論が流れまして、こういう将来の展望についてのいろいろの見解が出てきて、それの受け取り方、理解の仕方について各国の国民とも多少戸惑っていたということが言えると思います。しかし、かつて楽観論を言っておりました学者、専門家も現在の事態を踏まえまして、これでもまだ大丈夫だと言っている人は一人もいなくなったわけでございますので、多少表現は穏当を欠くかもしれませんけれども、そういう余り論理的でない楽観論はエネルギー戦略の展開に非常に悪影響を与えたというように考えております。  したがいまして、エネルギー危機が繰り上がって目の前にあらわれたという現状から考えますと、これまでの五年間に十分な政策の効果が実らなかったことは大変残念でございますけれども、過ぎたことを言ってもしようがありませんので、これからなるべく急いで積極的なエネルギー戦略を展開していくことが急務であるというように考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 最後に、同じく生田先生に、これは政策の問題でなくて、やはりエネルギー問題の理論の一つの問題として、いまかなりソフト・エネルギー・パスのいろいろな問題が論議されておりますが、その点についての先生の御見解を御説明願いたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所所長

○参考人(生田豊朗君) 先ほど川上先生がいろいろお話しになりましたことがいわゆるソフト・エネルギー・パスの考え方を一部踏まえておられるというように私は理解しておりますが、このソフト・エネルギー・パスということを私は根本的には否定いたしません。これはやはり今後の超長期の世界的なエネルギーの需給を考えてまいりました場合に、今後世界経済が発展いたしますためには、発展途上国の経済がさらに拡大する、したがって生活様式も近代化し、生活水準も向上するということも当然必要でございますので、それにさらに発展途上国の人口の増加、これはかなり急激でございますが、そういうことも考えますと、現在先進工業国だけで問題を受けとめておりますエネルギー問題が、発展途上国も含めた世界的規模で、しかも超長期の視点で考えてまいりますと、これはなかなか容易ならざる事態だと思います。そのためにはソフト・エネルギー・パスという考え方をある程度導入することが必要でございまして、そういう経済構造の省エネルギー化、それから生活様式の切りかえ、さらに、その根本にあります人間の価値観の切りかえ、こういうものを徐徐に進めてまいりませんと、人類全体としてのエネルギー問題の解決にはいろいろ支障が出てまいるというように考えているわけでございます。  しかし問題は、このソフト・エネルギー・パスの考え方が、先ほど私もちょっと申しましたように、いまでもすぐごく現実の問題として利用できるというように考えるのはやはり誤りではないかと考えております。たとえばエネルギーの供給力の増大あるいはエネルギーの開発の推進に反対される立場の方とお話をいたしますと、従来の物の豊かさを中心にした価値観を切りかえて心の豊かさを中心にする価値観を持つことが必要であり、それをすることによって、たとえば原子力発電だとか石炭の利用だとか石油の消費であるとか、そういうものを少なくする、あるいはやめてしまうことも可能であるというようにおっしゃるわけでございますけれども、これは非常に文学的には耳に快く響く言葉でございますが、それでは具体的にその価値観の切りかえをどういうふうにするのかということになりますと、これは価値観の切りかえというのは前提条件でございまして、その次に生活様式の変化、変更あるいは経済構造の切りかえというのがついてこないと、実際にそのソフト・エネルギー・パスの効果はあらわれないわけでございます。たとえば昭和三十年代の終わりのころから四十八年の石油ショックまでの十年間で、わが国のエネルギー消費は二倍にふえたわけでございますが、たとえば昭和三十年代末期のころの国民の生活水準、生活様式あるいは経済構造に一挙に戻すことが可能であれば、計算上はわが国のエネルギー消費は二分の一で済むということになるわけでございますが、これは私は現実的に不可能であると思います。というようなことでございまして、その現実性におきまして問題があるわけでございますので、ソフト・エネルギー・パスの問題というのは、超長期の少しずつ進めていく漸進的な方向としては確かに傾聴にも値すると思いますし、いろいろ政策の中に取り入れていくことは必要かと思いますが、これを現実の問題の打開に、たとえばことし五%の石油の消費の節約ができるかどうかというのに、それをソフト・エネルギー・パスでいこうというのはいささか問題があるというように考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 どうも御苦労さまです。  時間が非常に限られておりますので、私きわめて集約的な御質問になるかと思いますが、御了承いただきたいと思います。  先ほど川上参考人の御意見の中で、世界の原油の七〇%を握っている国際石油資本、いわゆるメジャーでございますが、その支配、及びこれに従属している日本のエネルギー政策というものが、今日のわが国のエネルギー危機の一つの大きな原因になっているという点を指摘なすったんでございますが、その上に立って川上参考人にお伺いいたしたい第一点は、最近産油国の原油価格の引き上げに伴って、国際石油資本——メジャーが相次いでわが国の石油会社に値上げを通告してまいっております。さらに国内でも、先日政府が家庭用灯油の価格据え置き指導を撤廃いたしましたことから、今月に入ってかなりの値上げを示しつつあります。こういう原油価格とかあるいは石油製品価格の値上がりが、日本経済あるいは国民生活、これにどういう影響を与えるであろうか、こういう点についてお考えになっていらっしゃることをお伺いしたいと思います。

川上正道東京経済大学教授

○参考人(川上正道君) 石油の価格がずっと、七三年の十月には大体四倍ぐらい上がりまして、一バレル十二ドルぐらいでしたが、それから随時上がってきて、最近のイラン革命でイランが生産を縮小して、輸出も大分減らしましたんで、それが一つのきっかけであったと。それから、さっきお話あったんですが、サウジアラビアも前ほど供給をふやさないというようなこともあって、スポット物ではずいぶん上がっている。スポット用は大体一割ぐらいらしいですけれども。しかし、この原油の価格の値上がりが、単にそこだけにとどまらないで、特に日本の場合は原燃料の輸入が全輸入の七割近くに達しているので、非常にいろんなほかの価格もずっと値上がりしてきて、特に円安にいま若干なっておりますんで、もっと値上がりが非常に激しくて、さっきからちょっとお話に出ている卸売価格が、去年は大分値下がりしてたのが、十月を境に十一月から上昇に転じていると。この前の狂乱物価と言われた、石油ショックの前のいわゆる土地ブームがあった一九七二年の後半から七三年にかけての状況に、いま非常に似ているというふうに言われてるんですよね。これは、物価の上昇率が二けたになってきていると。それからさらに、いま先ほどちょっとお話しした景気が上昇に転じているという点も、ちょうど石油ショックの前の状況に非常に似ていて、いわゆる需給ギャップという、鉱工業生産の実際に生産する能力と実際の需要の間の幅がずっと非常に開いてまして、需給ギャップ率というのが一時ひどいときは二〇%ぐらいあったんですが、だんだん不況が長引いている間で縮まってきて、いまやかなり、需給逼迫までいかないけれども、それに近くなっているので、このまま石油の価格を引き金とした物価上昇、この物価上昇の要因の半分以上、それから、円安による分を含めると七割かぐらい、その要因で上がっちゃってるというふうに言われてるんですね。しかし、本当の原因は、各国ともいま景気が上昇ぎみになっていることと、日本がそうなっていることが本当の原因じゃないかと言うエコノミストもいますが、まあいずれにしても石油ショックの前の状況に非常に似てきているという。だから、このままへたするともう一回石油ショックが来る。さっき生田さんが言われたのはずっと先のことですけれども、それがもう近い将来あるかもしれないということを「エコノミスト」という雑誌である人が書いてましたが、まあ、ちょっとそういう状況にあるわけですね。それで、そうすると、先ほど通産大臣が言われてたけど、消費者物価はいま安定してるという。その消費者物価もいまに、国鉄料金などの値上げもあるし、連動してきそうなんですよね。大体三カ月から六カ月ぐらいおくれりゃ連動してくるんで、もう、ちょっと上がりぎみになってますよね。大体いまあれは、三、四、五月というふうに東京都の卸売物価はすでに上がっているわけですね。こういう状況はもう先を示してるわけであって、必ずもう、いま何か手を打たないと。だから、さっきの分析してる人は、いまもう一回公定歩合引き下げなきゃだめな時期にきてるというようなことを言ってるわけで、つまり景気を鎮静させなきゃいかぬような状況にきてるということを言ってるわけですが、まあいずれにしてもそのことが消費者物価の値上がりは、いま市川議員から御質問あったのはその点なんですが、灯油価格がいま十八リットルが六百六十円ぐらいで出回ってるのが九百円ぐらいになっちゃうっていうんですね。こういうことが出てきているということで、これは非常に危険な状況であって、こういうことが、卸売物価の上昇が石油ショックの前の状況に近づいていて、それから消費者物価もいずれそうなりそうなのがいま灯油価格なんかに反映して出てきてるわけであって、このことは、国民生活をもちろん圧迫するし、それから景気はさらに、さっきちょっと申し上げたように需給逼迫になると、それで物価が上がってくると、今度は生産がダウンするんですよ。だから、物価が上がって生産がダウンするんだから、これがいわゆるスタグフレーションになるという状況は間近に、手を打たないとね、なってると。だから、石油削減というのは、先ほど生田さんがちょっと私のこと批判したけど、現実の問題として変えないと、変えるところから変えていかなけりゃ、いつまでたったって変わらないんだから。そういうところへきているというふうに思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 時間も迫りましたのでこれで最後にいたします、が、御両者に伺いたいんでありますが、いま私ども審議しておりますエネルギーの使用の合理化に関する法律案、いわゆる省エネルギー法案と申しますが、この対策としては、工場設備、あるいは建築物、自動車、機械器具などの効率などを対象にいたしております、御承知のとおりだと思います。こうした省エネルギー対策、これはいろいろの問題があるわけでありますけれども、一層効果的にこれを進めていく上で、この法案で十分なのかどうかですね。まあ先ほど園田外務大臣が御答弁の中で、参考人の御意見、産業構造の転換について非常に感銘深く聞いたと。江崎大臣はそのときいらしったかどうか、ちょっと私。私もまあ、たとえば川上参考人の消費型、公害型産業構造を転換さしていくことの重要性を非常に重要な提起として伺ったんでありますが、そういうことを含めて、もしなお不十分であるとすれば、どういう対策が長期、短期にわたって必要なのかということを少し生田参考人、それから川上参考人から伺えば幸いであります。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所所長

○参考人(生田豊朗君) 私はこのエネルギーの使用合理化に関する法案でございますけれども、省エネルギー対策といたしましては、いわば必要最小限度、ミニマムのものだと思います。わが国の石油消費、エネルギー消費の約六〇%が産業部門でございますので、この産業部門から手をつけるというのは私はそれでよろしいかと思います。しかし、ただいま先生のお話にもございましたように、ほかの消費部門、たとえば農業部門でございますとか、それから交通部門、それから民生部門、そういうほかの部門につきましても、逐次この省エネルギー対策を拡大していくことが必要だと思いますので、今後またここで十分政府で御検討いただきまして、なるべく早い時期にこの対象を拡大していくということが私は必要であると考えております。  それからもう一点、産業構造でございますけれども、私もその産業構造を切りかえることによって省エネルギーの実を上げるということには、基本的には異論はございません。むしろ、必要なことだと考えておりますけれども、そう簡単にいかないということを申し上げたわけでございます。たとえば、これは私個人の計算でございますけれども、産業連関表とコンピューターを使いまして、GNP一単位あたりのエネルギー消費が最小になるような産業構造、これは簡単に計算できるわけでございますが、一年半ほど前に計算したことがございます。そういたしますと、わが国の産業のほとんど全部が第三次産業になる。それから素材産業などはゼロになってしまうということでございまして、現在の産業構造と比較いたしますと、大体百万人以上の失業者が発生する。それから、貿易収支が非常に大幅なアンバランスになるという非常にゆがんだ形になってくるわけでございますので、私は産業構造はいろいろなファクターによって決められていくものでありますので、エネルギーの消費という見地だけから産業構造を決めていくというのは、いま申しましたような大変ゆがんだ形になりますので、やはり現実的な政策といたしましては産業構造の変化は段階的に漸進的に少しずつ進めていく、そういうことをいたしませんと経済が混乱し、結局国民生活も混乱するというようになると考えております。

川上正道東京経済大学教授

○参考人(川上正道君) いまの生田さんのお話なら賛成です、全然変えないのかと思ったから。だんだんに変えていくということを私も言っているわけで、一挙に変えることはもちろん不可能だし、特に私が重視しているのは、物的産業ですね。やっぱり工業、それから農業、林業、水産業、それからマイニング、こういうもの。たとえどマイニングにとっては昔は石炭というのはマイニングの中の大きな比重を占めてたんですよ。それが——私は国民所得というのを政府の機関でやってたんでね、そういうふうに計算だけよくやったんですが、物すごく減っちゃったんですね、マイニング。それから、水産業なんかもいま大きな打撃を、二百海里問題で起こっていまして、これはやっぱりお魚というのは海の真ん中には余りいないのですね。だから、沿岸へ行くかほかの国、つまり日本の遠洋漁業というのは、ほかの国の沖合いから沿岸でとっているわけなんですよね。そこで余りとり過ぎて、ほかの国はもう大変迷惑しているわけです。日本は日本に公害産業をどんどんつくって、日本の沿岸では魚をとれなくしてるわけですよ。こういうのじゃなくて、日本の沿岸とかそういうところで魚がとれるような、それくらい公害を防止するような、そういう措置をすべきだというふに思います。それはそういうためにまたエネルギーが要るかもしれないけれども、その点はだんだんエネルギーの効率な産業に切りかえていく。さっき農業の話もありまして、農業でもそうですよね。温室なんかで石油をどんどんたくようなそういうのをやって、米などは、穀物はどんどん減少させていく、こういうのを改めていく、そういうのが産業構造の変化であって、構造変化なのであって、同じ産業であったってその内容をよく見なければ変えることなんかできないわけですよ、そういうことを私は思っているわけです。  もう一つは鉄道の問題ですけれども、私最近出た統計を見てびっくりしているのですけれども、日本で貨物の輸送量はいまや自動車が、つまりトラックで運んでいるのが全体の三七%です、億トンキロで。それで国有鉄道は一〇・五%に減っちゃってるわけね。内航海運が五二・三で、これが一番多くなっていますけれども、自動車のトラックでだんだん長距離輸送をやっているわけですね。アメリカはその点は自動車は人を運ぶのに使っているらしいですよね。それで、鉄道はもっぱら貨物を運んでいるらしいですよ。この方が、まだアメリカの方が合理的だと思いますけれども、国のあれがありますからあれですけれども、いろいろ輸送関係などについても、アメリカは自動車文明というのは、もうこれはまた人を運ぶのは全然使ってないんですよね、鉄道なんてほとんど。こういうことはまた問題だと思いますけれども、日本は日本に適した、こんな狭いところにこんなに自動車どんどん走らすような、そういうようなのはやめた方がいいんじゃないかと私は思うんだけれども、まあこれはまた差しさわりがあるけれども、そういう少し抜本的なことをやらないと本当の意味の、ただかけ声で五%節減をするというだけ言っても、とうていそうはならないだろう。だから、この法案に書いてあることは、生田さんが言われているように本当のミニマム、もっと根本的にやらないとかけ声に終わるだろうということを申し上げたいわけです。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ありがとうございました。終わります。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 一言ごあいさつを申し上げます。  参考人の方々には御多忙中のところ、長時間御出席をいただき、また貴重な御意見を拝聴させていただきましてありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。どうぞ御退席してください。  引き続き質疑を行います。

井上計民社党

○井上計君 時間がありませんので、エネルギー庁長官に一つだけお伺いいたします。  たしか三月の当委員会であったかと思いますが、石油、ガソリンそれから灯油等の配給制の準備のためのチケットのことについて伺いました。そのとき長官は、有時立法と同じような考え方であると、このような御答弁があったと記憶しておりますが、そこでどのような情勢になったとき、あるいはどういうふうな事態に陥ったときに配給制を実施せざるを得ないのか、それから現在のチケットの準備状況、これをひとつお伺いいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 配給制というのは、よほどの最悪の事態でなければやるべきではないというふうに私は思っております。最悪の事態というのはどういう事態であるかということになりますと、石油需給適正化法で石油の需給について重大な不均衡が生ずるおそれがあって、国民経済が混乱する、正確な表現忘れましたが、そういうような事態でありますと、閣議の議を経て内閣総理大臣が告示をするということになっておりますが、まずそういう告示が出されているということが第一の前提であろうというふうに思います。告示が出ておりましても、告示のもとでやるべき手段、方法というのはいろいろあるわけでございますが、その中で配給制、切符制の実施というようなことは、その中でもまた一番最後にやるべきことであるというふうに考えておりますが、それが具体的にどういう条件であるかということは、抽象的に申し上げることは非常にむずかしいのではないだろうかというふうに思います。いずれにしましても、そういうことはよほどのことじゃない限り軽々にやるべきものではない。やりますとまず行政が、そういう配給制をやるような体制にいまのところまあなっておりません。それから、そういう行政の体制が不十分なままで配給制等を実施いたしますと、やみの問題であるとか横流しであるとかあるいは不公平が起こるとか、行政コストが多くて非常に摩擦現象が起きてきましていい結果は得られないおそれが強いと私どもは考えておる次第でございます。ですから、極力回避したいというのが現在申し上げられるところでございます。  それから切符につきましては、これは昭和五十二年くらいから予算要求をずっと毎年やっておりました。やっておりました理由は、石油需給適正化法という法律がすでにできておる。このできた趣旨は、昭和四十八年の石油危機に照らしまして、だれもその危機が来ることは好まないけれども、絶対来ないという保証はないわけでございますから、その危機に対しては需給適正化法という有時立法がすでにできておる。その有事立法で配給制もやれるということになっておりますのに、その配給制を実施するための切符がないというのでは、これは法律を施行する立場からいって困るではないかということで、予算をお願いしておったわけでございますが、なかなかつけていただけなかったんでございますけれども、五十四年度予算で予算をつけていただいたということで、いま印刷を準備中でございます。  以上でございます。

井上計民社党

○井上計君 終わります。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 私も法律案の内容について幾つかの質問を用意しましたけれども、きょう私どもが審議をしておりますのはエネルギーの使用の合理化に関する法律でございますから、審議の方のエネルギーの使用も合理化をした方がいいんじゃないかと思いますので、細かい質問は全部取り下げまして、通産大臣に一言だけお伺いをいたしたいと思います。  先ほど生田参考人のお話にもありましたように、私どもこの法案の中身を検討いたしますと、産業用のエネルギーの合理化、ある意味ではかなり狭い範囲の合理化、つまり節約的なものが多くて、エネルギー多消費型の技術からエネルギー小消費型の技術というか、そういうものへの転換の手法というのがちょっと不十分じゃないだろうかという気がいたします。  それから家庭用エネルギー、民生用エネルギーについても、住宅の断熱性の向上ということですけれども、さらにソーラーハウスその他、もっと積極的な石油エネルギーの節約の手法が入らなきゃいけないと思います。さらに輸送機器の問題、それから農業の問題、いろいろ追加をしなければならない問題が多いんじゃないだろうかという気がいたしております。その意味で、これはあくまでも省エネルギー法としては入り口であるという認識を私も持っているわけですが、これをひとつフェーズワンならフェーズワンという形で、フェーズツーを今後通産省として考えていただくということが必要ではないかと思いますが、その辺についての基本的なお考えをお伺いをして、一問だけで私終わりたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 要するに今度のこの法案は、やはり第一条の目的にもありまするとおり工場、建築物、それから機械器具についてエネルギーの使用の合理化に関するそれぞれ所要の措置を講ずると、こういうところに一番重点があるわけなんですね。使用の合理化は、これはもう当然なことでありまして、わが国としてもエネルギーの有効な活用、これがもう何よりの条件であります。したがって、むだを排除する、むだの排除と技術革新による効率の向上、この双方を位置づけたところに意味があるというふうに考えております。たとえば工場で言いまするならば、新たな設備投資を要しない運転管理の改善によるむだの排除、それから効率の向上、新たな設備投資による効率の向上の両方を含む考え方、そういった点でこの法律を位置づけたわけでありますが、現実的には私は経済界筋というものは、前の石油ショック以来先ほども申し上げましたように、あの高度成長時代よりも生産が上がったにもかかわらず、おおむね消費量というものが横ばいで来ておるという、これ非常に重要な点なんですね。しかし、これもやはりなおなお効率化していくためには、この法律があることがなお望ましい。それから民間部門について言いまするならば、いまお話も先ほど来出ておりまするように、もっとソーラーシステムを導入すること等について、この法律ではあの程度のものでありまするが、これをやはり出発点として大いに普及に努めまして、もっともっと生活の中にソーラーシステムというものが何といいましょうか常識化する、そういうことをねらっておるわけでありまするので、どうぞひとつ今後とも御協力を願わしいと思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 私、一問でやめようと思って省エネルギー型の質問をしたんですが、大臣はどうもちょっとお答えをいただけなかったので、エネルギー多消費型であるにもかかわらず内容がちょっと乏しいと思うんです。つまり私の方は、これはあくまでもフェーズワンだと、つまり第二段階というものを考えなきゃいけないんじゃないですかと、それについての御所信を伺ったんでありまして、いまのお話ですとこれで十分だというお話ですが、それでは私は納得できない。それだけお答え、一言で結構です。省エネルギー型でやっていますから。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) よくわかりました。  まずこれを通していただく。そしてこれは衆議院側でも附帯決議がついておりますが、今後にかけましてやはり適時適切に十分前向きに検討をして、時に改める必要があれば改めることもやぶさかではないというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 済みません。  どうもそうすると私と認識が違うんですが、もう当面はこれで十分だと、必要があれば改めるという認識ですね、その第一段階だと。これ以上もっと突っ込まなければ本当の意味の省エネルギーというものが実現されるとは思えないと、そういう認識ではないわけですね。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 法律を通していただきまして、まずここで基礎を先ほど申し上げたような事情において固める。そして必要があればと言っておりまするが、もうこれだんだん現実はいろんな必要が前に迫っておりますね。ですから、それは適時適切に対処をしたいと考えますと、こういうことで御理解をいただきたいと思うんです。そうでないというと、もう一遍法案を出し直せということになりますので、政府としては精いっぱいの答弁をしておるつもりでありますから、御趣旨は十分承りました。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 わかりました。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  エネルギーの使用の合理化に関する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、大森昭君から発言を求められておりますので、これを許します。大森昭君。

大森昭日本社会党

○大森昭君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読をいたします。    エネルギーの使用の合理化に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、輸入エネルギー依存度の低減及びエネルギー供給の安定化を図るため、石炭、太陽エネルギーをはじめとする新エネルギーなど石油代替エネルギーの開発導入を積極的に推進するとともに実効ある省エネルギーの達成を期するため、省エネルギー型産業構造への転換、総合交通体系の見直し等に努めること。  二、エネルギーの使用の合理化に関する判断基準等を策定するにあたつては、関係業界等の実情を考慮するとともに、その目標、方法等を明らかにし、周知徹底に努めること。  三、エネルギーの使用の合理化の実効性をあげるため、指示に従わない特定事業者に対しては、必要に応じ適切な措置を講ずるよう努めること。  四、省エネルギーの重要性について、国民各層の認識を深め、その理解と協力を求めるため、エネルギ−の使用の合理化の具体的方法及びこれによる省エネルギー効果等について、きめ細かな情報の提供に努めること。  五、エネルギー消費の実態及び動向えを適確に把握するため、必要な統計等を一層整備、充実すること。  六、エネルギーの使用の合理化等の施策の実施にあたつては、中小企業に対する金融、税制上の措置について特段に配慮すること。  七、ムーンライト計画の研究開発推進体制の充実を図るとともに、民間の省エネルギー技術開発の促進に努めること。   右決議する。  以上でありますが、この決議案は、本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては、改めて説明するまでもないと存じますので、省略させていただきます。  何とぞ、御賛同いただきますようお願いいたします。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ただいま大森昭君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、大森昭君提出の附帯決議案は全員一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、江崎通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江崎通産大臣。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして万全を期する所存でございます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時十一分休憩      —————・—————    午後一時三十七分開会

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  産地中小企業対策臨時措置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明等につきましては、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 限られた時間でありますので、法案の内容につきまして端的にお尋ねをいたしておきたいと思います。  まず最初に、本措置法案の第一条の「(目的)」に「中小企業者が円相場の高騰その他の最近における経済的事情の著しい変化に対処して」と、実は書いてあるわけであります。このいわゆる「最近における経済的事情の著しい変化」ということは、具体的にどういうものを指しているのか、このことをまず第一にお尋ねをいたしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いま御指摘のこの第一条の「(目的)」に掲げてあります「最近における経済的事情の著しい変化」ということでございますが、それの一つの例がその前に書いてございますように、「円相場の高騰」というのが一例として挙がっておりますが、いま考えておりますのは、一昨年の夏以降円高になってまいりまして、その結果、この輸出品を生産しておる産地では輸出が減少したということがございます。また逆に、類似の製品が海外から輸入されまして、その輸入品がふえたことによって産地の製品の需要が減退をしたというようなことがございます。そういう円高による輸出輸入両面の影響というのが、これがこの産地の経済にとって構造的な変化を強いることになりましたので、これを一番大きな例として挙げておるわけでございますが、そのほか考えられますのは、現在の時点ではいま申しましたとおりでございますが、将来考えられますることは、たとえばエネルギーとか原材料の価格が非常に高騰いたしまして、その産地が構造的な変化にさらされるというようなことも考えられております。しかしながら、いまのところ、現在の時点では円高による輸出輸入両面の構造変化というものを対象にしておるということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、国内的ないわゆる需給の問題でありますとか、あるいは国内の経済的ないわゆる諸条件によって産地が影響を受けたというようなことは、この「(目的)」の中に入っていないというふうな理解をせざるを得ないと思うのでありますが、その点についてはどうですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この内容につきましては、ここにありますように「経済的事情の著しい変化」というだけでございますから、要因が国内的なものであっても入るというように考えております。ただ、一時的な景気変動というふうなものは入らないわけでございまして、やはりそれが構造的な変化になってきたというふうな重要な変化、著しい変化というものであれば入り得るということでございます。  これについては、絶えず状況を把握しておりまして、必要なものが出てまいりますれば、それを入れていこうというふうに考えておりまして、実はこれは、第二条で業種を指定するときに、その業種の指定要件として、そういう経済事情の著しい変化というものを具体的に政令で指定することになっております。したがいまして、検討いたしまして、必要があれば政令で逐次指定していくというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いま長官から御説明がありましたんですが、私も第二条第二項一、二、三号とそれぞれ「特定業種」とかいう規定がございます。その中の第三号で、「相当数の中小企業者の事業活動に支障を生じ、又は生ずるおそれがある」。いまの長官の御答弁からまいりますれば、政令でその都度指定をしたいというようなお話でありますが、この第三号の「生ずるおそれがある」という点を前提にいたしますと、相当広範囲にわたって私は対象を考えていく必要があるのではないだろうかというような実は感じがいたすわけであります。いまお話がありましたように、国内的要因も入る、しかし一時的なものは入らないんですというような御答弁がございましたので、今度のいわゆる「特定業種」とは、輸出入に関係する事業者のみならず、そうでなくて経済的事情の変化によって影響を受ける特定業種も入るという私は理解をいたしたいと思うのでありますが、この点もう一度確認をいたしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いま先生のおっしゃったことでいいとわれわれも考えております。そういうふうな理解でございますが、ただ現実の問題として、当面たとえばこの五十四年度で指定をいたしますのは、政令でも、円高による輸出の減少、それからまた輸入の増大による需要の変化というふうなものを対象にいたしておりますので、当面はそれで出発いたして、事態の変化につれて逐次必要があれば指定をしていくという、時間的な段取りはそういうことになろうかと考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 次に、いわゆる特定業種の指定の基準についてお尋ねをいたしておきたいと思うのでありますが、どのような考え方で特定業種を指定していくのか。法律によれば、相当部分が中小企業者によって占められているとか、あるいはまた事業活動の一部が特定の地域に集中していなければならぬとか、いま申し上げたような第三号の輸出入及び国内的要因ということになるわけでありますが、この特定業種の指定というものはどういうような構想をお持ちになっているのかお尋ねいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 指定の要件は三つございまして、いま私申しました第二条の第二項にそれが列挙されておりますが、一つは中小企業性のある業種であるということでございますが、これはその事業活動の大体半分以上が中小企業者によって行われていることということを基準にして考えております。それから第二点は、産地性があることということでございまして、中小企業がやはり集中をしておらなければいけないということで、具体的に言いますと、ある一市町村において、たとえば中小企業者が相当数、五十企業以上というふうに考えておりますが立地しておる。そしてまた、その規模が年間の生産額で言いますと、十億円程度であるというようなことを一つの基準にしております。それから第三は、先ほど申しました政令で指定をする原因によって、その地域の中小企業者の事業活動に支障が生じておるということでございまして、これも具体的には一定期間内にある程度生産額が減少するというふうなこと、あるいは減少するおそれがあるというふうなことを基準として考えておるわけでございまして、これは一応内規として現在考えておりますが、ただ産地の実情というのはいろいろ実態は区区でございますので、一応の内規はございますけれども、これについては法の趣旨に合うように弾力的に運用していきたいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 一応、特定業種の大体具体的な構想はわかるわけでありますが、さらに私先ほどの質問と関連をいたしまして、この特定の業種に指定される業種ですね、特定の業種に指定される業種、伝えられるところによりますと、後ほど聞きますが、産地の問題については、新聞で初年度九十産地とかいろいろなことが言われておりますが、この特定業種として指定される業種といたしましては、初年度どの程度の業種をお考えになっておるのか、もしも数がおわかりになればお答えいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この特定業種の指定は、若干、その指定をいたしまして振興計画等をつくりますので、あらかじめの準備が要りますので、初年度は予算的な規模といたしましては九十産地という規模で予算を用意をしております。しかしながら、これも実態に即してやっていくわけでございますので、この準備が整い次第指定をしていくというふうな順序でございますが、大体初年度は九十ぐらいはやれるだろうということでございます。必要な指定は、その後次年度において相当必要なものは指定をしていく、初年度に相当準備をして、次年度以降にこの指定をしていくというふうな態度で考えておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 法律のたてまえから申し上げますと、特定の産地イコール特定の業種というような考え方も成り立つわけでありますけれども、一応たてまえという点からまいりますれば、一産地一業種というようなことではなくて、たとえば特定の産地は特定の産地として指定する、そして特定の業種としては特定の業種として業種指定をするというように、二つのいわゆるたてまえになっているのではないだろうかと思うのであります。したがって、産地指定イコール業種指定というような形には法律はなってないと思うのであります。したがって、極端に言えば、産地指定数と特定業種指定数とは数が一致しないというふうに理解しておるんですが、その点はどうですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法律によりますと、特定業種というのは、一つの業種を地域を限って指定するということになっておりますので、たとえば瀬戸の陶磁器とか石川県の絹人絹織物とかいうふうに地域名とその業種名が挙がるわけでございます。したがいまして、この業種につきましては、必ずしも先ほど申し上げました九十の業種でなくて、その同一の業種のもので地域が幾つも出てくるということに相なろうかと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 また逆に、一つの産地の中で業種の違ったものがある。いま瀬戸というお話がございましたが、具体的に私ども視察に参りましたけれども、一方におきましてはノベルティーの問題がある、一方においては陶磁器製タイル、モザイクの問題がある。つまり一つの産地で二つ以上の業種が指定を受けなければいわゆる産地振興にならない。長官のいまお答えになりましたように、一つの業種が数地点というのではなくて、逆に一つの地点で数業種の特定業種もある、こういう理解をしていいんじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょう。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この業種の指定、つまり地域を限って指定するというのは、その後に出てまいります振興計画とかそれから個々の事業者がつくる事業の合理化計画等がうまく動きまして、その産地の振興に寄与するというのが目的でございます。したがいまして、その同じ地域の中でも、業種指定を分けた方がより合理的な振興が進むというふうなものでございますれば、二つ以上に分けても差し支えないというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、特定の地域の問題についてちょっとお尋ねをいたしておきたいと思います。  中小企業庁等の調査によりまして、代表的産地の概況という一覧表がございます。その中に、たとえばの話でありますが、県下一円を対象にするというようなものが実はあるわけであります。いままでの「特定の地域」という概念でまいりますると、たとえば市町村単位とか、あるいはもう少し政令指定都市等におきましては区単位とか、いろんな考え方が出てきてもいいのではないだろうかというふうに思うわけであります。現に群馬県におきましては、製糸の関係の協同組合は、群馬県製糸協会協同組合、これは群馬県一円を対象にしてそれぞれ製造が行われているというような例等がございます。したがって、この「特定の地域」というのは具体的にこういうような県下一円を対象にして行われておりまする製造業等の中小企業者に対してはどのような対象としてお考えになっているのか、あるいは政令都市なり他の市との関係についての単位はどうなっているのか、あるいは小さな町村やあるいは市では、たとえば数カ市町村をもって一つの産地とするというような、いろんな具体的には業態業態によってさまざまな状態が出ているわけであります。したがって、「特定の地域」とはかくかくのものだといって線を引くことが非常にむずかしいのではないだろうかと思うのでありまして、「特定の地域」とはいかなるものを具体的に指すのか、その考え方をお尋ねいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法律の目的は、産地の中小企業者が産地組合に結集いたしまして、そこで体質改善を図っていくというのが基本的な目的でございますから、その目的に照らして考えてみますと、これはやはり実態に応じて考えるべきである。したがいまして、場合によっては一つの市町村という場合もございますが、複数の市町村にまたがることもあるし——これは複数の市町村にまたがることが一番多いと思いますが、そのほか県下一円というものでもいい、あるいは大きな市町村でございますとその一部ということで指定してもいいというふうに、その辺は非常に弾力を持って考えまして、都道府県等と相談をしながらこの法律の運用に一番便利なような形で指定をしていきたいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 次に、「特定の地域」は具体的にどういうような手順で指定をされていくのか。法案の内容からまいりますれば、振興計画なりあるいは事業合理化計画なり、すべてこういった計画は、「特定業種」とし、あるいは「特定の地域」として指定を受けました後に、当該府県の知事の承認という項目が実はあるわけであります。この法案の流れ出ました趣旨からまいりますれば、「特定の地域」の指定については、いまのお答えではございませんけれども、各都道府県知事の言うならば推薦、言葉は妥当かどうかは存じませんが、推薦を受けたものの中から中小企業庁が指定をするというような手続になるのか、あるいは、中小企業庁は昭和五十三年八月に一番円高のときに全国的に主要な調査をおやりになっておりまするから、その調査結果等に基づいて独自の立場で御指定をなさるのか、この「特定の地域」の手続につきましてお尋ねいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 法律的には主務大臣が指定をするということになっておりまして、その指定をするときには——主務大臣というのは業種所管大臣でございますから通産大臣でないこともございますので、指定をしようとするときには通産大臣に協議するとともに、都道府県知事の意見を聞かなきゃいけない、こういうことになっております。しかしながら、われわれの方といたしましては、産地の実態というのを一番知っておるのはむしろ地元の都道府県ではないかというふうに考えておりますので、この法律が制定さしていただきますれば、直ちに都道府県とよく話をいたしまして、この地域指定の考え方を十分お話しをいたしまして、そしてその考え方でもって都道府県でひとつ選んでいただく。そうしていまおっしゃったように都道府県からこういうものを指定したらどうだろうかという意見をまずあらかじめ聞きまして、そしてその中から選んでいきたいというふうに考えております。したがいまして、法律上は決める際に意見を聞くということでございますが、実際の運用は事前に十分都道府県の意見を聞いてやっていきたいということを考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、都道府県の段階で指定を希望するところが非常に殺到をして、都道府県といたしましてもいろいろ順位をつけがたいというような場合、これはやはり法律どおり主務大臣のところへ複数の——複数という言葉は悪いですけれども、仮に、一定の枠はございませんけれども、余りにも九十という初年度の指定以上にたくさん来た場合に、やはり通産省といたしましてはその最終的な指定というのは法律どおり行う、主務大臣として通産省が行うというような考え方でいいんですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 候補が非常に多くなりますれば、主務大臣の側で調整をして決めるということになろうかと思いますが、実際問題といたしましては、先ほどから申し上げますように、この特定業種の指定をいたしますとすぐに振興計画をつくり、それの承認を受けるというような手順も必要でございますので、ことに初年度はあらかじめ事情がわかっておりませんものですから、相当準備の整ったところから指定をしていきたいと思っております。それからこの指定は、何と申しますか、今年度指定を受けなければだめだということではございませんで、準備ができ次第指定ということですから、来年度に指定をしてもこの効果は変わらないわけでございます。したがいまして、われわれとしましては、そういう準備の進んだところからだんだん指定をしてまいりたい、そして今年度ある程度九十を超えますような状態でございますれば、それは次年度の指定ということで、次年度なるべく早く指定をしていくというふうなことで地元の御要望にこたえていきたいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 しかし、新聞で伝えられるところによりますと、一応法案が五月段階で通るという前提ではありますけれども、七月上旬にも地域指定をやる。そしてこの見出しからいきますと、岐阜の関だとか愛知の瀬戸など九十カ所は一応指定される模様だと、こう書いてあるわけなんです。したがって、私ども、こういう作業が進んでおることは、長官がいま御答弁になりましたよりももっと地元ではたくさん進んでおるんじゃないだろうか。逆に言えば、昨年の八月以来このいわゆる産地振興法をつくるに当たって、各都道府県にはそれぞれ中小企業庁の行政指導が行われているのでありまして、私は相当数の希望が殺到するのではないだろうかというような実は感じがいたしましたので、念のためにお聞きをいたしたわけであります。  そこで次は、昨年の中小企業庁の八月の調査によりますと、輸出向け採算円レートは二百二十円台から二百四十円台に集中しているわけであります。今後の産地振興上適正な円レートというものはどのぐらいのものが望ましいとお考えになっているのか、これをちょっとお尋ねいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 中小企業庁では、一昨年の中ごろから円高の傾向が起こってまいりまして以来、産地の状態を絶えず調査をしておりまして、最近でも代表的な二十一の産地を選びましてほとんど一月に一遍ぐらい、これは電話照会などを中心に調査をしております。そこで、最近の四月末の時点で調べまして、一体どのぐらいのレートなら引き合いますかというふうな質問でございますが、そういたしますと、大体二百二十円から百九十円ぐらいの間に引き合うというふうな話が出てくるケースが多うございます。したがいまして、現在の時点が大体二百二十円ぐらいでございますから、現在の時点はある程度引き合っておるというふうにわれわれは理解できるわけでございます。ただ、この相場につきまして、ことに政府当局がある水準で適当だということは、いまの変動相場制のたてまえから言うと非常に言いにくいことでございますので、われわれといたしましても相場が幾らであれば適当であるというふうなことはちょっと言いにくいわけでございますが、調査の結果はそういうことに出ておりますし、これも中小企業白書にも出ておりますが、一昨年の暮れあたりに聞きますと、やはり二百四、五十円でなければ引き合わないというふうな議論が多かったわけでございます。その後、産地で非常に努力をしていまのような数字が出てきたわけでございます。したがいまして、相当の努力をした結果の現在から見れば、現在の為替レートで何とかいくのではないかというのが現状でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、衆議院で修正されました人材養成の問題につきましてお尋ねをいたしておきたいと思うわけであります。現に私どもが視察をいたしました瀬戸におきましても、実は次のような瀬戸陶磁器工業組合の資料が提出をされております。たとえば、就業従業員は約一万二千五百人でありますが、その年齢構成を見てみますると、実に五十一歳以上は四千八十八名、三二・七%の多きに実は達しているわけであります。いわばいわゆる従業員の高年齢化が目立つわけであります。同時にまた、結果におきまして新しい技術者等が採用されておりませんので、技術者の不足というものも今日真剣に考慮を払わなければならぬような状況に相なっているわけであります。こういったことを考えましたときに、人材養成というものは非常に重要な要素を占めるのではないだろうかというふうに思うのでありまして、この本法案に規定する技術者養成の具体的な施策というものは、どういうものをお考えになっているのかお尋ねいたしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) われわれも産地における技術者の養成というのが、今後の産地の対策の成否を決する大きな要因であるだろうというふうに考えております。従来とも技術者養成につきましては都道府県とかあるいは中小企業振興事業団におきまして中小企業の技術者研修を実施しております。ただ従来の研修は、高等学校卒業程度の人に大学程度の技術の研修をやるということが中心でございましたが、だんだん新製品とか新技術の開発というふうに内容がむずかしくなってまいります。今後の技術開発力を養成するためには、産地の中小企業の方々にももう少し高い程度の知識を持ってもらう必要があるということでございまして、五十四年度からは新しいコースといたしまして地場産業振興高等技術者研修というのを各都道府県の公設試験研究所でやることにいたしまして、その程度は大学卒程度の人に大学院程度の技術を教えていくというふうなことを現在考えております。さらに来年度以降に向けましても、技術研修についてはもっと充実するような政策を考えたいということで現在検討中でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これも実際問題といたしまして、一応予定されておりまするものは、全国で二十四課程、二分の一ないし四分の一程度を補助をしようというわけでありますが、そういたしますと、やはり産地組合にそれだけの力がありませんとこういったいまお話のあった地場産業振興高等技術者研修というものはなかなか開催でき得ないきらいがあるわけであります。したがって、私はやはり販路開拓でありまするとか、また予定されておりまする技術振興のための補助金というようなもの等考えまして、こういった技術者の講習等に対しましては国と都道府県が全額負担をしてやっていくというような制度にいたしませんと、なかなかむずかしいのではないだろうかというような実は実感を持つものであります。  そこで、こういった技術者研究というものは、ただ単にいま申し上げたようなあるいはお答えになったような制度だけではこれを全うしたとは言い得ないのでありまして、むしろ既存の各大学あるいは工業専門学校あるいは実業高等学校等において、やはりその産地産地に適した地域の学校が積極的に技術者養成に協力をしていくというようなことが、私は望ましいのではないかと思うんであります。そういう点について、文部省所管あるいは高等学校等については、都道府県教育委員会の所管でありまするけれども、通産省としてはこういったいわゆる教育行政に対して、人材養成という立場から協力を求めていくという姿勢が必要ではないかと思うんでありますが、その点について所感を伺いたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 各産地においての技術者養成に際しまして、そこに所在いたします工業専門学校とか、工業高校というようなものを活用する、あるいは大学を活用するというようなことは非常に重要なことだと思いますし、また必要があればそういうものをひとつ新しくつくるということもまた必要になろうかと思います。したがいまして、こういう点につきましては、ひとつ地元の県とかあるいは組合の方ともよく相談をいたしまして、そういうことが必要だということになりますれば、われわれといたしましても文部省に要望するというようなことにいたしまして、そういうものの実現を促進してまいりたいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 先般も視察いたしましたときの愛知県陶磁器工業組合から、次のような率直な陳情が実は文書にして提出をされているわけであります。その中身を簡単に御紹介いたしますと、「中小企業者は一人親方的、自主自存型の性格が多く、業界の安定を図るための組合運営に一部落ちこぼれハミ出し者があり全体行動に支障を来し、一体となった行動ができないばかりか全体行動の足を引っ張り、ひいては業界の墓穴を掘る結果となる。」生業、個人的あるいは家内工業、職人的等の集団化協業化、共同化等の促進について国の施策で救済できるものがあったら法制化を願いたいという陳情書が文書で提出をされておりまして、口頭で、たとえば農協法に似たものをつくってもらいたいという陳情が出されております。この点についてどうお考えになるのかお尋ねをいたしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 実は瀬戸の組合からの御要望、われわれの方も文書で承知をいたしております。このお気持ちは確かによくわかるわけでございまして、いまの時代にやはり中小企業者としては団結して事に当たらなければなかなかうまくいかないということが往々にしてございますし、そういうときにアウトサイダーがいて団結がうまくいかないというのは、もう組合をやっておられる方、大部分の中小企業の方にとっては大変つらい話で、問題点であるという御指摘はよくわかるわけでございます。したがいまして、実際の運用としてそういうことがないようにわれわれも十分指導し、県も指導しておるわけでございますが、ただこれを法律上どう手当てするかということになりますとなかなかむずかしい問題がございます。いまの組合というものは加入、脱退の自由というのが基本的な考え方になっておりまして、これを何と申しますか、制限するということは、やはり組合の自由な運営、民主的な運営というところにまた問題が出てまいります。したがいまして、そういう組合精神の基本的な考え方と、それからいま申しました実際上の問題点とをどう調和すべきかということで、実はわれわれも相当長い期間をかけていろいろ議論をしておるわけでございまして、われわれといたしましては、実はこの問題は中小企業協同組合法のやはり相当基本にわたる問題であろうということで、ただし、こういう問題を全然不問に付してほうっておくわけにはいかないということで、実は今年から中小企業団体中央会等でこの問題を少し議論をしようじゃないかということで、現在議論をしておる最中でございます。ただ、これをすぐに法律上割り切った解決をするということは非常にむずかしいということは、われわれも重々考えておるわけでございますが、何とかうまい方法がないものだろうかというのが現在の検討しておる過程でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 この問題は単にアウトサイダーという問題よりも、極端な言い方をいたしますと本産地振興法の結果にも大きく影響するのではないだろうかというふうに私は実は憂慮をいたしているわけであります。たとえば先ほど御質問いたしました第二条の定義の中で、第二項にそれぞれ「特定業種」の範囲が限られております。その第一号に「その業種に属する事業の事業活動の相当部分が中小企業者によって行われていること。」と、この「相当部分」というものは、たとえば極端な言い方をいたしまして、産地組合に加入しないアウトサイダーの業者が多かった場合に、振興計画なりいわゆる事業合理化計画等がたとえ県知事の手によって承認を受けても、アウトサイダーが多いためにいい結果を生み出さない。言うならばアウトサイダー対策はこの産地振興法の帰趨を決するといっても私は決して言い過ぎた表現ではないと思うんであります。そういう点で、いま長官がお答えになりました方向でさらに一層の努力を私は期待をいたしておきたいと思います。  引き続いて、私はこのいわゆる産地振興法の中で、産地内に限ってという一つの限定はございますが、事業転換の実は項がございます。さきに中小企業の事業転換措置法によりましていろいろと事業転換等が行われていると思うのでありますが、そのまず第一に中小企業の事業転換措置法によって事業転換を行った件数はどのくらいあるのか、これをお尋ねいたしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 事業転換を促進するために、事業転換法が昭和五十一年の十二月から施行されておるわけでございます。その後大体二年半近くなりますが、その運用実績を申し上げますと、大体法律で認定を受けまして、その認定を受けますと金融上、税制上の恩典を受けられるということでございますが、認定件数がこの五月現在で百五十一件ということになっております。それから四月末で中小公庫とか国民公庫の融資を受けた実績が大体百十七件、三十七億円余に上っております。これはやはり過去の推移を見ますと、五十年ごろからの不況に伴いまして、やはりなかなか思い切って転換むずかしいということで五十年、五十一年、五十二年ぐらいは余り数値が上がっておりませんが、その後五十三年になりましてまたある程度件数が上っておるというふうに考えております。したがいまして、今後また相当増大するんではないかというふうに期待をしておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 今回のいわゆる産地振興法の事業転換と、いまの中小企業事業転換法との関係はどうなっていくのか、これをちょっとお尋ねします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 事業転換の促進につきましては、やはりこの事業転換法を中心にしてやってまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、産地において事業転換をするという場合には、ことに産地内で転換事業をやるという場合には、雇用関係も、つまり従来の仕事をやめてしまうんじゃなくて、新しい仕事をやることによって雇用関係も維持できるということ、それから資本も外へ出ないというようなこと、そのほか地域経済にとって非常にプラスであるというようなことから、産地内の事業転換についてはいま申しました事業転換法の恩典よりも、より何といいますか、恩典を厚くいたしまして積極的に推進したい、こういうふうに考えておるわけでございます。その内容といたしましては、事業転換貸し付けの金利が一般の事業転換法の貸し付けよりももっと有利にする、もっと安くするということと、それからもう一つは税制上特別償却、事業転換に伴いまして新たに取得した機械について初年度四分の一の特別償却を認めるというふうな、いわば恩典の上乗せをしておるということでございます。したがいまして、この産地で、産地内の事業転換をする場合には、通常の事業転換法の恩典を受けるとともに、さらにそれ以上の恩典を受けるということでございまして、いわばダブル適用になってくるということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは、最後に通産大臣にお尋ねして質問を終わりたいと思いますが、この法案はまあ特殊性から七カ年間の時限立法ということになっているわけであります。ちょっと大臣先ほど席をはずされますとき、私と長官のやりとりが実はあったんでありますが、どの程度の円レートであれば、いわゆる輸出業者は、こういった産地の人々は採算が合うのかというお話をいたしましたときに、ことしの四月現在の調査では、二百円から百九十円台の円レートであれば、ここまで自分たちも努力してきたんだから、何とか今後も採算が維持できるんじゃないだろうかというような実はお話があったわけであります。この法案が考えられましたときは、昨年の八月の時代でありまするから、一番円高の最たるものでありまして、百八十四円程度だったと思うんです。でありまするから、相当まあ環境が違ってきているわけであります。現実にいま円レートが二百二十円前後というようなこと等考え合わせますと、むしろこれ私はいまのいろんな内容、振興計画、事業合理計画、あるいは時間がありませんでしたから、事業転換だけをお尋ねいたしましたが、中小企業の事業転換とダブって有利に扱いたいということ等を考えますると、たとえば事業転換一つをとってみましても、これは従来の法律よりもさらに優遇した、私は進んだ内容ではないかというふうに思うわけであります。そういうようなことを考えまして、恒久的にやはり私はこの法案が残るべきではなかっただろうかというような実は感じがいたすわけであります。中小企業の振興というたてまえからいたしますれば、七カ年の時限立法ではなく、むしろ恒久法としてこの法律をつくり、そしてそのときどきの円高相場によって助成措置の内容を具体的に変えていく、コントロールしていくということの方がよかったのではないだろうかというような実は感じがいたしますので、この点についての所感を伺って質問を終わりたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 円レートはフロートしておりまするので、政府当局がどれくらいが適当ということは、これは原則的には言わないことになっておるわけですね。先ほど御指摘のあった瀬戸の陶磁器などで言いますと、二百二十円まではしんぼうしてきた。二百二十円より円高になったときに、わあっとお互いのところへ、地元ですから陳情がありましたね。私はあのあたりの感覚というものは切実なものをあらわしておると思うんであります。それじゃ、いまの二百二十円がいつまで続くかということになりますと、これもフロートですから、いまの諸外国のインフレの状況もありましょうし、あるいは策動もありましょうし、投機的な要素も入るということを考えますと、やはりどうもこれはいまの円相場の高騰とそしてその第一条に「その他の最近における経済的事情の著しい変化に対処して」と、こう幅を持たせておるわけでございまするので、そのあたりは御了解をいただきたいと思います。そして、二年間は産地指定をいたします。もちろん、永久立法的性格も持っておると思います、相手が中小企業ですから。ところが、さて新製品の開発にいたしましても、新販路の開拓にしても、そういった問題というものはいつでも自由にまあやれるわという安易につくことよりも、大体の期間を決めて、その間に努力目標を置いて早急に構造改善をするなり、企業転換、事業転換をするなり、あるいは新製品の開拓をするということが望ましいのではないか。これはまたその事情によりましては、そこで弾力的に役所としても判断をいたしましょうし、また国会側でもいろいろ御判断をいただくということもあろうかと思いますが、まあ原則としてはこういう形でいくことの方が効果を高める上に役に立つのではなかろうかといったような判断に立っておるわけであります。  それから、先ほどのアウトサイダーの問題ですね、私聞いておりまして、あの陳情書に書いてあることは全く同感ですね。これは御承知のように平電炉メーカーの場合もいろいろあります、もうほかにいっぱいありますね、不況業種であればあるほど。ですから、いまいろいろ検討をしておるようでありまするが、私はいまここでも話ししておったんですが、たとえばアウトサイダーをもって自任する者は、一匹オオカミですから、そういう者にはたとえば中小企業金融はしないとか、自今中小企業対策はしませんよと、そちらも勝手なら、政府が何も国民の税金を基礎にしたいろいろな中小企業対策というものは、積極的にすることはできませんよというようなことなどはできるのではないか。加入の自由を制限するということになりますと、いろいろ問題があろうかと思いまするが、何か一工夫はないものか。これは私どもも検討、努力いたしまするが、またいろいろ名案などありましたら御教授を願いたいというふうに考えます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは、引き続いて質問をいたします。  いま目的であるとか、それから産地指定、特定業種の指定等についていろいろ答弁があったわけですが、先ほど初年度としては指定産地の数は九十カ所くらい考えておるということであったわけです。そして、この指定については主務大臣が各都道府県知事の意見を聞いて最終的に判断すると、こういうことなんですが、この九十地域というのは各県から上がってきた数字がほぼそうなっておるというのか、予算措置上ことしは九十というふうなもう一定の構想といいますか、当初もうこれくらいでいいということを想定をしておいて、そしてそれを年次別に割り振った数字の初年度が九十ということなのかどうか、その辺お聞かせ願いたいと思うんです。具体的に言えば、現在は何県から何地域ぐらいが推薦をされてきておるのかということと、それから九十カ所といっても業種数からしたら幾つくらいになるのか、この点をお聞かせ願いたいと思うんです。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この九十と申しますのは予算的な積算でございます。したがいまして、御案内のとおり、予算は十二月の末ぐらいに決まるわけでございます。十二月末からまあ一月初めに決まるわけでございますが、その時点において従来のこの各地における産地のいろんな検討状況などを踏まえて、九十という数字を積算をしたわけでございます。  具体的に各県には、実はまだ法律を議決願っておりませんから、決まったということで言うわけにはいきませんので、こういう法案を国会に提案をしておりますということを県に流しております。そして県にもそういう頭でひとつ候補地を考えてみてくださいということは言っておりますが、まだ具体的に県から幾つというようなものが上がってきておるわけではございません。したがいまして、この法案を通していただきますれば、早急に県に連絡をいたしまして、それではひとつ候補を出してくださいということをまあやりたいと思っております。ただ、われわれ考えておりますと、この法律の仕組みにもございますように、事前にある程度産地も準備をし、県も準備をするという必要もございますので、この九十と、県から上がってくる数字がそう食い違うことはないんではないかと最近の様子では考えております。むしろ、出てくるのは少し少な目ではないかというふうに考えておるんでございますけれども、これはまあ実際に候補が上がってこないとわかりませんが、ということでございますので、われわれの段取りとしては九十で初年度は地元の御要望に十分応じられるんではないかというふうに考えております。そして、来年度大体この指定を二年間にわたってやるということを考えておりますので、来年度は十分これからよく県と御相談をして、必要なものは全部指定できるように予算措置も講じていきたいというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 法案準備の段階で各県と相談あるいは説明ということでほぼ出てくる県、産地というのは予想されているんじゃないかと思うんですが、予想されている現在の産地数はどれくらいになっておりますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) その点はまだ少し幅がございまして、はっきりは申し上げられかねますが、大体予算上の積算とそう違わない数字ではないだろうかというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いろんな県ではうわさではなくて、各県としてもこの問題については真剣なわけですから、たとえば新潟県の場合をとりますと、もうすでに五十四年度予算でも計上されているわけですね。そしてそこにはもう七産地が上がっているんですよ。これは円高騰で一番深刻な問題を抱えた皆さんも御承知の燕の洋食器というのは、これは典型的な産地を形成し、また非常に中小零細企業の不況をもろに受けた産地だというふうなことで、私としてはこれはもう県でもトップに上がっている産地ですから、当然これが除外されてこのほかに指定を受ける産地なんていうのはあり得ないというふうに思っているんですが、そういう点で予想としては七産地ということで県では計画をしているわけですが、大体いまの答弁ではほぼ県で考えられている件数、産地数と予算数というのはほぼ一致をしているというのは、そういうふうに理解をしてよろしいわけですか。   〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 県もこの補助の一部を担うということになっておりますので、県によりましては県会で予算を出しておるというところもございます。そういうところは現在この九十の数に比べればまだ相当少ないわけでございます。逆に申しますと、したがいまして、県でそういう予算措置をしておるところは、県においても非常に準備が整っておると、それからまた産地においても準備が整っておるというふうに理解ができますので、そういうところの数は現在では九十よりも相当少ないということでございますので、そういうものは常識的に言いますと産地に指定される可能性が非常に高いと、こういうことに相なるかと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは時間が非常に限定をされておりますから、あらかじめ質問要項も出しておったと思いますので、幾つか申し上げますから簡潔にひとつお答えをいただきたいと思うんです。この後、石油問題で若干緊急質問をしたいと思っておりますから。  この産地振興ビジョンについてですが、これは産地ごとに作成をされていくのかどうかということと、それからそのビジョンについては当該産地のいろんな歴史的な経過、風土とか慣習とかあるいは産業の実態等いろいろあるわけですから、そういう点で画一的なものでなくて、本当に産地のいろんな諸機能というものが十分生かされる、こういう点で配慮がなされるべきだと思うんですが、まずこの産地振興ビジョンについて以上二点、ちょっとお答えを願いたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 産地振興ビジョンは都道府県で作成するわけでございますが、これはやはり産地ごとにつくります。  それから御指摘のとおり、今回の産地振興対策のやはり一つの特徴は、産地における歴史的な過去の経過とかあるいは現実に置かれておる経済状態というものを尊重した、現実に即した計画をつくるというのがねらいでございますので、この産地振興ビジョンにも当然その産地の特殊性というものを大きくうたい込むというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次に振興計画なんですけれども、すでに産地では独自の計画をつくっておるところもあるわけです。そういうものと今回の法案によって出てくるものが、どういうふうに生かされていくのか。  それから、国がこの独自計画の実施について積極的な助成措置というものを講じていくのかどうか。また講ずるべきではないかというふうに思いますが、この点どうなのか。  それから、本法の振興計画は自治体の振興計画もあるわけですから、それとどういうふうに関連づけられていくのかですね、この点。  それから、近代化促進法に基づく近代化計画、それから構造改善計画と本法の振興計画とはどこが一致しどこが違うのかですね。特に違う点はどういう点が違っておるのかという点。  それから、繊維産地の場合、今回の振興計画は繊維工業構造改善事業とどのようにリンクするのかということですね。  それから、計画の中に設備共同廃棄事業というのが考えられているのかいないのかという点。  それから、一番私どもは心配いたしますのは、そういう計画の推進に伴って、最終的に中小零細企業というものが切り捨てられていくという、そういうことになるんじゃないかと。そうなると雇用確保どころか、この法の実施によってますます混乱というものが産地に出てくるということになっては大変だと思うわけですけれども、そういうおそれがあるのかないのかですね。  幾つかの点一括して申し上げたんですが、この点についてお答え願いたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 第一点の産地ですでに独自の計画をつくっているときに、それをどういうふうに考えるかということでございますが、本法案で結局産地の組合が振興計画をつくりまして、都道府県知事の承認を受けるということになっております。したがいまして、この独自の計画がつくられておりますと、この振興計画が早くそれを生かしてつくれるということでございます。しかしながら、最終的にはこの計画の承認を得る必要がございますけれども、われわれといたしましては先ほど申しましたように、産地で産地の特殊性に応じてつくった計画を尊重するということを本旨といたしておりますので、この独自の計画が十分承認を受ける計画に生きてくるということになろうかと思いますので、この計画の承認あるいはその後の計画の実施というのが、独自の計画があれば非常にスムーズに進むんではないかというふうに考えております。  なお、この助成につきましては独自の計画自身については、たとえば、組合については活路開拓事業というようなものについて、従来も組合の活路を開拓する場合の研究調査費というものを助成をしておりますが、今後も、組合について、そういう産地に限らず組合自身の今後の活路開拓についての勉強をする場合には助成を続けていくというふうに考えております。  それから第二点の、自治体の産地振興ビジョンとのリンクでございますが、結局、組合のつくります振興計画は、一つの基本方針をつくります。それから、組合の構成員がどのような方策を立てるかということの指針をつくるわけでございますが、その指針をつくる場合、それから基本方針を立てる場合には、やはり都道府県知事がつくりました振興ビジョンが非常に参考になるというふうに考えておりますし、実際問題は、自治体が振興ビジョンをつくるときに、つまり都道府県が組合の方々あるいは学識経験者等を集めて議論をするわけでございますので、実際問題としては都道府県がつくる産地振興ビジョンの中に組合の方の御意見も相当入っておるということでございますので、この振興計画というのは産地振興ビジョンの内容を十分取り入れることができるということでございます。  それから、産地振興ビジョンの本来の趣旨は、産地振興計画を都道府県知事が承認をする場合の基準でございますので、そういう意味では、承認をする場合に振興ビジョンというものが振興計画のいわば判断基準になるということに相なっておるわけでございます。  それから、近促法に基づきます諸計画と本法の振興計画、どこが違うかということでございますが、近促法というのは、大体国が中心になってある業種業態に対する近代化の目標をつくり、そして組合がそれに対する計画をつくるというたてまえになっておりますが、業種をむしろ全国的に考えてどういうふうに持っていくかというふうなのが従来の考え方の主体になっておったわけでございます。これに対しまして、産地法におきましては、むしろ国がある目標をまず決めるというようなことはいたしませんで、産地自身で産地の中小企業者が産地の組合に結集をいたしまして、産地組合が独自の振興計画をつくるという点が一つ違っております。  それからもう一つは、組合がつくります振興計画というものは、個々の組合員のやる具体的なことまで拘束をしておりませんで、組合は組合員のやる事業についての何と申しますか、大方針といいますか、指針だけを決めておく、そして個々の組合員は組合員として独自の対策を考えるということで、個々の組合員の特殊性も生かすというところが従来の近促法に基づく諸計画と変わっているところではないかというふうに考えるわけでございます。  それから、繊維構造改善計画との関係でございますが、これは、われわれといたしましては、繊維構造改善計画と産地振興計画というものは重複して適用いたしたいということでございまして、繊維産地の方々はこの繊維法での考え方と産地法での考え方をうまく生かしていただいて、またその助成も十分それぞれの面で取り入れていただいて、そして繊維産地の振興をやっていただければいいということでございまして、片一方の適用があるから片一方の適用を排除するというふうなことは考えておりません。  それから共同設備廃棄事業でございますが、これについては御案内のとおり中小企業振興事業団が高度化事業といたしまして対策を講じておるわけでございますので、今後も、そういう産地でもこういう振興事業団の高度化事業に合致するというものであれば大いに支援をしていきたいというふうに考えております。  それから、この振興計画で小規模零細企業が切り捨てられるのではないかというふうな御心配でございますが、この計画自身としてはあらゆる業種を含んだ振興計画を立てるということを考えております。ことに小規模企業者については、経営力が弱いということから、個々の事業合理化計画をつくるに際しましても非常にむずかしい点はあろうかと思います。そういう点については小規模企業対策というものを進めておりまして、都道府県なりあるいは商工会、商工会議所あるいは中小企業団体中央会というものがそれぞれ指導をしておりますので、そういう指導とこの産地対策をうまくミックスさせまして、指導をしながら産地対策を進めていくということを考えております。そういう点で各いま申しました機関にもよく連絡をとっておりますので、今後この計画の進行によって御心配のようなことが起こらないように十分注意をしてまいりたいというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次に、事業転換対策について二点ほどお聞きしますが、先ほどの質問に対しても幾つかお答えがあったわけですが、産地内ではなくて今度は産地外へ事業転換をする場合の助成措置なり指導というものをどういうふうにお考えになっているのかという点と、もう一つは、個々の事業体でなくてある程度まとまって、産地ぐるみと言ったらいいのですかね、産地の中にはいろいろな業種があるわけですけれども、産地ぐるみと言える規模で特定の業種が転換をやっていくというふうなものについての指導であるとか助成措置、そういうものがどういうふうになっているのか、この二点をお聞きをいたしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 先ほども御説明申し上げましたが、事業転換については基本的にはすでに制定させていただきました事業転換法で実施をしていくということを考えております。しかしながら、産地内の事業転換をいたす場合には、産地振興にも非常に役に立つので助成措置を上乗せをするという考え方でございます。したがいまして、産地の企業が産地外へ出て転換するという場合は、一般的な事業転換法の助成措置の適用を受けるということでございます。それから、産地の相当部分の企業がいわばグループとして転換をするという場合には、これはわれわれといたしましては、恐らく産地内転換というのが主体であろうかと思いますので、これは振興計画の中に組み込みまして、そして先ほど申しました助成の上乗せ措置を講じて推進していくというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次に、近代化対策についても二、三お聞きをいたしたいと思いますが、原材料の安定的確保と新しい原料利用のための技術開発、そういうものについての助成というものを検討されておるのかどうかということと、それから、組合による共同仕入れ、共同販売等の共同事業促進のための助成というふうなものを考えておいでになるのかどうか。それからもう一点は、産地の流通機構近代化のためどのような対策を講じたらいいのかという点で、どういうふうな指導をされようとしておるのか、また、どういう方針をお持ちなのか。  以上三点お聞きをいたしたいと思うのです。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いま申されました前段の原材料対策等々につきましては、やはり振興計画の中の一環の事業というふうに考えております。それからまた、個々の中小企業者が事業合理化計画でもそういう計画を立てるということもあり得ると思いますので、そういう計画を立てて承認を受ければそれに対するいろいろな助成があるというふうにわれわれは考えております。  それから流通の問題でございますが、これは産地の業種指定が製造業が中心になりましても、やはりその製品を販売する流通機構というものが非常に産地の振興にとって重要な問題であるというふうにわれわれも考えております。そこで、この法律にもございますように、振興計画をつくるときに関連業種ということを指定することになっておりますので、流通業者つまりたとえば問屋さんとかそういう者も関連業種に指定をいたしまして、そうしてこの指定を受けた関連業種、これは個々の事業でも組合でも結構なんですが、それが本体の特定産地の特定業種の組合と一緒になりまして振興計画をつくるということを想定しております。したがいまして、必要な場合にはそういう流通業の方々も一緒に振興計画をつくって、そうしてその地域の近代化に努めるということが望ましいというふうに考えておるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次、金融対策についてお聞きをしたいと思うんです。幾つか聞きたいんですが、時間の関係もありますし、あるいは他の委員の皆さんからも質問が出るかと思いますから、二点ほどにしぼってお聞きをしたいと思うんです。  産地振興貸付金が六・一%、それから円高の場合ですというと五・三%というふうになっておるわけですが、円高の緊急融資に対してこちらの方は利息が高いんじゃないかというふうに思うわけですけれども、もっと金利を下げる必要があるんじゃないかと思いますが、この点どうかということと、それから貸付枠は円高の場合は四千億円程度だったんじゃないかと思うんですけれども、今度はどの程度なのか。二、三百億程度ということになるときわめて少ないんじゃないかという感じがいたしますので、その点をお聞かせ願いたいと思うんです。  いずれにしても、全般的に、せっかくこういう法案ができるわけですから、これに関連する金融措置についてはもう少し優遇措置を講じていく考え方があるのかないのか、そういう全般的な考え方もあわせてお聞かせ願いたいと思いますし、円高融資の場合には利子補給等もあったわけですが、そういう考え方も特定の場合といいますか、特殊な事情の場合には今後考えておいでになるのかどうか、以上、お聞きいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 金融措置について御説明を申し上げますと、産地振興貸し付けといいますのが新製品、新技術の開発のため、あるいはコスト低減のための設備投資でございますが、これについては中小企業金融公庫とか国民金融公庫等の特別利息の最低利息を適用するということにいたしたわけでございます。最近までは六・〇五%でございまして、これは最低利息といいますのは資金運用部の金利並みということでございます。しかし、その中でも、特に先ほど申しました産地内の事業転換というものにつきましては、さらに優遇をして、いわゆる先ほどお話のありました円高融資並みにするということで五・三%という金利を考えておったわけでございます。ただ、御案内のとおり、公定歩合が引き上げられまして一般的な金利体系が上がりましたので、この資金運用部並みというのが実は六・六五%になったわけでございますので、この産地振興貸し付けもそのようになります。それから、円高融資も五・三%が五・五%になりましたので産地内の事業転換も五・五%に相なったわけでございますが、今後ともなるべく安い金利が実現するように努力をしていきたいというふうに考えております。  なお、資金枠でございますが、これは別にこの際は考えておりません。先ほどお話にありましたように、円高融資については実は一昨年の十月以来最近まで、大体四千億以上という相当大きな額の金が使われましたが、この産地振興につきましてもこれは別に限度を設けておりませんので、必要があれば幾らでも貸し付けていきたいというふうに考えておるわけでございますので、今後は大いに利用をしていただきたいというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 最後に、地元からの要望等もすでに出されておると思うんですよ、これは特に大臣も聞いておいていただきたいと思いますけれども。  実は、私が昨年の秋、三条と燕へ参ったときに、原材料の入手が非常に困難であると、しかも高いと。鉄鋼業界は不況で大騒ぎをしておって操短までやっておるのに、ところが中小企業の必要とする丸棒が、丸棒の鋼材、この入手が非常に困難であって、しかも高いというふうなことでどうなっているんだという話があったわけです。たとえば燕の場合ですと、組合側がドイツから一括してステンレスを輸入をしておる。わざわざドイツから輸入をする必要はないわけなんですが、原料のステンレス鋼というものが国内の大手鉄鋼メーカーから購入すると非常に高いということで、直接西ドイツから輸入をしておるということなんです。これは大臣、実は再処理に絡んで東海のあの再処理工場の酸回収蒸発かんのパイプに穴があいて、この修理に国内のステンレス鋼ではだめだということで西ドイツから今度全部輸入をしたんですね。これだけ日本の科学技術が進歩しているとか金属関係というのはすぐれておると言いながら、実は西ドイツから輸入をしなきゃならぬという点で、ステンレスはそんなにまだ日本の技術が優秀でないのかどうか、これは一つ疑問があるんですね。高いことも高いということで、西ドイツから輸入をした方が安いということなんですね。ところがそういうことで関税を、現行が六ないし八%だそうですけれども、これを半減できないのかという点が、これ多分陳情書が行っていると思うんですけれども。  それから、上記の輸入資金が現在商工中金より借り入れになっておる、この金利が現在六%になっているわけですね。これも引き下げていただきたい、こういうことが出ているわけですね。  それから、その次のはこれはちょっとむずかしい問題だと思うんですが、ノルウェーとかデンマーク等のとっている金属洋食器輸入制限措置の撤廃を図るようにということなんですが、こういう輸入制限の問題はわが国でもいろんな制限をいたしておりますから、事は非常にむずかしいと思うんですけれども、これと関連をして実は繊維の問題で韓国からの輸入が非常に多い。これは新潟県のことを申し上げて恐縮なんですが、一番よく知っておるので申し上げるんでして、これは何も新潟県に限ったことではないんです。十日町であるとかあるいは五泉、見附、栃尾という多分産地指定になるこれは繊維の産地なんですね。ところが韓国から和装品などの半製品を含んで——ちょっと正確には記憶をしておらないんですが、五年くらい前の輸入総額が日本政府の発表ではたしか七、八百億だったと思うんです。ところが、韓国の商社の発表では千二百億円なんですね。こういうものが非常に安く入ってくるために、とうとう十日町では一流と言われた大企業が倒産に追い込まれていったということがあるわけですね。したがって、こういう新しい法案ができて産地を育成していくという趣旨は大いに結構なんですけれども、実際の企業活動をやっていく原材料の入手がいま言ったような状況であったんでは、これは大変なわけなんですね。そういう点で輸入の問題、さらには関税障壁の問題、いろいろむずかしい問題がかかわってくると思うんですけれども、そういう点もひとつ総合的に検討されて善処をしていただかないと、基本的にはどうにもならなかったというふうなことになってはせっかくの法案が生きませんので、その点に触れてひとつ御見解をお聞かせ願いたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この産地が振興計画を実施していくに当たりまして、単に振興計画の内容だけじゃなくて、いま仰せのような原材料の問題、その他いろんな問題を解決していかなきゃいけないということは御指摘のとおりでございます。燕、三条につきましても、従来からそういうお話も伺いまして、国内のメーカーに対する価格指導等々もやったわけでございますが、まだまだ問題は決して御指摘のとおり完全に払拭したというようなことではございません。今後もいろいろむずかしい問題もございますが、そういう点は振興計画の実施と並行いたしまして、そういう関連の問題の解決も十分努めていきたいというふうに考えております。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 輸入制限の問題につきましては、これは各国ともに制限品目があります。わが国なども二十七品目ぐらい残存品目がありますが、これは御承知のとおりほとんど農産品が中心で、工業製品などはわずか四種類ぐらいというようなわけで、だんだん外してきておりまするので、目下これはECという関係で強力にその撤廃方を要請しておるわけであります。私ども機会あるごとに先方からも来ますし、こちらからも参りましていろいろ話し合いをしておるところであります。それから、日本の——どうもいまステンレスが悪いという話はちょっと私も意外でして、日本のいまや製鉄技術というものは世界最高と言われるようになりました。ましてや特殊鋼がドイツに負けるかなあというようなことで、ちょっと私不勉強を恥じておるわけでございますが、いま関係者が来ておらないようでございますので、よく調査いたしまして、まあ私も若いころは実は特殊鋼会社の社長の秘書みたいなことをやっておったことがありまして、ちょっと意外の感を本当はいま持ったわけでございます。値段の点についてはいろいろいま価格指導をしておるという話がございましたが、よく精査してお答えいたしたいと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは、本法案に対する質問は以上で終わりまして、実は緊急に石油の輸入に絡んで質問をいたしたいと思いますし、また大臣の見解などもお聞かせ願いたいと思うんですが、この二日の讀賣新聞朝刊に「商社が欧州で原油転売 スポット市場で巨利 割安の通常契約物 イランが強硬抗議」こういうふうな非常に大きな見出しで報道されているわけです。すでにこの報道については大臣もごらんになっておると思うんですね。今度の東京サミットでもエネルギー問題、とりわけ石油問題が中心的な議題になろうといたしておりますし、これは単にサミットだけではなくて、開発途上国あるいは南北問題、さらには現在の非常にむずかしい中東の政治情勢とも絡んだ問題であるわけなんですね。それが一部の私にして言わしむれば悪徳商社、悪徳商法ということで、世界的な注視をあびている石油の問題でこのような行為が行われるということは、単なる自由主義経済という、そういうことでは済まされない大きな問題を含んでおると思うんです。そういう点で一体量の多少というのはこの場合には問題にならないと思うんですね。そういう点で、私は事実というものが一体どうなっておるのか、知る限り明らかにしていただきたいと思いますし、それからまず最初にその事実関係がどうなっているのかお聞かせ願いたいと思うんです。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 本問題は私も新聞記事を見まして非常に重要に考えたわけです。それは私自身がIEAに参りましたときにシュレジンジャー・エネルギー庁米長官と話し合いをして冷静に対応しようというIEAの取り決めがあるじゃないか、日本も一時はスポット物を買ったことはあるが、少なくともいまは輸入商社を一々チェックしてスポット物を高価で買わないようにという行政的な指導をしておるのだと、だからアメリカのエネルギー庁の次官がとにかく少々高くても入手できるならば入手しろというような記事が、ニューズウイークに掲載されて、それが日本の新聞などにも伝えられておるが一体どうなんだといって実際抗議をした事実があります。そういうときにこの報道でしょう、驚いたわけですよ。そこで詳しいことはそこに石油部長がおりますので経緯を詳しく申し上げさせますが、結論を申しますと、そういう事実はなかったという報告を聞いて、実は一安堵しておるというのが現状でございます。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(神谷和男君) 事実関係につきまして補足して御説明をさせていただきます。御承知のようにこの讀賣新聞の報道はイランの石油、イランの原油に関連した報道でございますけれども、イランからのわが国の最近の原油の輸入状況は、三月の上旬にイランが原油の輸出を再開いたしまして、この段階ではまだスポットでございましたが、御承知のように新聞で報道されたように三井物産が第一船を引いてきた。これは日本に引いてまいりましたし、れっきとした精製会社に納めております。その後若干のスポット物を二、三の社がこれも日本に購入をしております。これらの購入の量並びにユーザーについても、われわれは一応裏打ちをとってございます。さらに四月に入りましてからNIOC——イランの国営石油会社でございますが、これらと日本の精製会社の一部並びに複数の商社が長期契約を締結いたしました。いわゆるDD契約と称するものでございます。ところがこの段階で仮契約と申しますか、当初のサインから本契約の段階にまいりまして、イランではいろいろの事情があったんだろうと思いますけれども、当初の契約数量を二五%カットしてまいりました。この理由についてはいろいろの憶測がなされておりますが、NIOCは必ずしも明らかにしておりません。最近に至りましてさらにその上にイランのNIOCからこのDD契約を圧縮してほしい。これは日本のすべての商社ではございませんで、むしろ大口の商社数社にその申し入れがございました。この際、私ども大使館等を通じましてできるだけ一本でイランの国営石油会社と話し合いをさせたわけでございますが、先方の理由の中に一つは古い顧客にどうしても回さなければならないという理由、これが正面だっての理由でございますが、うわさとして日本の商社がスポット市場に回して利益を上げておるというような風聞もあるというふうな話も付随的にございました。しかし御承知のようなわが国の状況でございますので、イランのNIOC等にそのような誤解があっては困る。私どもはこのDD原油契約の締結の際に、実需のない契約は結ぶなということを商社に非常に強く指導しておりましたので、私どもはそういう浮き玉の余裕はないと、したがってNIOCが誤解でいろいろ削るようなことがあっては大変だということで、わが国に入りました船を一杯一杯チェックいたしまして、NIOCと大使館経由ですり合わせをいたしました。  ここで一つだけ明らかにしておかなければならないことは、当初の契約の段階から一部の商社がNIOCの了解のもとに、日本以外の国のためにイランのNIOCと結んだ契約が若干ございます。これについては、それもすべてNIOCとすり合わせいたしましたが、NIOCはこれらはすべて承知しているものである。こういうことで、先方が日本の商社あるいはリファイナリーに輸出したものは正確に日本に入っておるということは確認をされております。したがいまして報道にございますように欧州に正規物を転売してスポットマーケットで巨利を博したという事実は、私どもの調査した限りにおいては存在いたしておりません。アジアの一部の国が、総合商社等持っておらない、あるいは現地に駐在員等もないというような国の依頼に基づいて、NIOCとそれらの国のために一部契約を結んだものがあり、それらはNIOCの当然の承知しておる流れで、それらの国に正規のDDものとして流れておるという事実はございます。したがいまして、日本もイランとのDD契約等につきまして、かなり先がけて交渉を行い契約を結びましたので、おくれました他の国の一部の関係者の中でいろいろなうわさを流す向きもございまして、それらがNIOCの耳に入ったものと現時点では私ども了解しております。現在までのところそのような事実はございませんし、今後も私どもはそういう形で契約された長期契約ものについてはフォローし得る体制になっておりますので、フォローしてまいりたいと思っております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると、この讀賣新聞の報道というものは事実と反するということですか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(神谷和男君) 少なくも正規ものを欧州に転売して巨利を博したということは、私どもの調査した限りにおいてございません。  それからNIOCがそのことについて抗議をしておるという事実はございません。ただ、先ほど申し上げましたように、一部ルーマーと申しますか、うわさということで、そういううわさがあるという疑念を先方が呈し、それに関しては調査の結果を先方とすり合わせをして疑義は解消をいたしておると、こういう状況でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 私がちょっと聞いたところでは、量は多くないけれども、わずかだけれどもあるようだということは聞いておるんですよね。だから私は、国際状況を考えて、いろんな政治情勢を考えて、これはもう抑えてしまうということは、それは政治的な措置としてはわかるんです。しかし、私はそれでは済まないと思うんですね。いずれはまた真相というのは明らかになるだろうということと、量がわずかであっても、いやしくもこういう行為が行われたとすれば、私はそれらの商社に対してはやっぱり厳重な、制裁という言い方はちょっと、内容にもよるわけですけれども、今後再びかかるようなことが行われない、厳重なやはり行政指導というものが私は当然なされるべきだろうと思うんです。こういうことが行われることによって、国内の石油製品がまたこれに拍車をかけて値上がりをしていくということが行われて、いろんな、一波万波を呼ぶ結果が出てくるんじゃないかというふうに思いますので、いまの石油部長の世界的な政治情勢を配慮した発言はわからぬわけじゃないんですよ、しかし、私はこれが完全に事実無根だというふうには思ってないんです。少数はあるということを聞いているんですよ、これは。信頼ある筋から聞いているんです。したがって、私は大臣ね、ここでありましたということを言ってくれと言っているわけじゃないですけれども、少なくともこういう報道がされているんですから、より以上各商社に対して厳重にこういうことのないように行政指導というものを強化をしていただきたいということとあわせて、国民には五%節約ということを強調して、私ども国会議員にも省エネルギーということで、省エネルギールックなんというものまでやろうという時代に、こういうことがまかり通ると、国民生活にだけ犠牲を強いるという、そういう行政であってはならぬわけですね。そういう点で、とかく、石油に限らず悪徳商法というものが堂々と大手を振ってまかり通る、最近の商業道徳の低下と言ったらいいんでしょうか、そういうものをやっぱり是正をしていく必要があると思うんですね。そうでなきゃ百の説法何とやらということでありまして、何を言ったって国民はそんなもの、言うことを聞きません。そういうことで、ひとつ大臣、何かあると思いますから、厳重にそういう点での指導をお願いしたいと思うんです。  以上です。そのことだけお聞かせ願いたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 私、吉田委員のいまの警告は全く同感です。少なくとも、たとえわずかでも本当にありとすれば、これはやっぱり日本はIEAの申し合わせに背くばかりか、そういうこと自体が、量のいかんにかかわらずエコノミックアニマルと言われるような汚名を浴びせられる原因になるわけですね。そんなわけで、私も石油部長によく調べるようにと、そしてさっきの答弁のような結果が得られてほっとしたわけですが、なおそういうことが自今あってもなりませんので、御趣旨の点は十分体して今後とも十分細心の注意を払いたいと思います。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 本案につきましては同僚委員から大体質問もありましたので、私は産地振興のためのいろんな要望等も交えまして具体的問題についてお伺いしたいと思います。  そこでまず、産地が新技術の開発、新商品の開発等、振興計画に取り組むためには、たとえば京都の丹後織物工業組合のように、その前提として生産調整と過剰設備の処理による産地全体の減量が必要になっているわけであります。こうした当面の対策と、今回の産地振興対策の推進をどう調整していくのか、この辺ひとつお伺いします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 繊維産業につきましては、設備の過剰ということで、全国的なベースで繊維産業の供給能力とそれから需要というものを考えて調整を図る。それから、設備廃棄事業も進んでおるわけでございます。産地対策はそういうふうな経済環境の中で、今後の日本の新しい経済の流れに沿ってどのように体質を改善していくかという将来の目標を決めて、それを産地組合を中心に実施していくというのが産地対策でございます。したがいまして、こういう設備処理というものをむしろ前提にいたしまして、それによっていわば減量経営が実現したというところから、さらに今後経営体質の強化を図っていくという一歩前進した対策をこの産地対策で実施していきたいということでございます。したがいまして、減量対策を進めていくという一つの繊維対策を踏まえた上で、さてそれに対して具体的な今後の新製品、新技術の開発等々の産地対策をどう進めていくかということを、この産地法で実施していきたいということでございますので、実質上はこの二つが非常に結びついて効果を上げていくというふうになろうかと考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 そこで、新技術の開発は産地組合だけの力で取り組めるものは少ないわけでありまして、先ほど申し上げました丹後織物工業組合では、染色関連技術を導入して、従来の素材としての白生地にとどまらず、より完成品に近い製品開発を目指しておるわけであります。そのためには、染色排水処理技術の開発について助成を求めておるわけですが、これらの技術開発について小的な試験研究機関の活用等の助成措置を講ずる、こういうことはいかがなものか、その点はいかがですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおり、産地の、地元の中小企業がなかなか独力で技術を開発するということも非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、従来とも公設の試験研究機関がその地域の産地ごとに産地に即応した技術を指導していくということを実施しておるわけでございますが、これに対しまして、国といたしましても公設試験研究機関に対して技術開発の研究費補助金、これはそういう産地の技術をテーマを決めて新しい技術を研究するという補助金でございますが、こういう補助金とか、あるいは技術指導事業費補助金、これは公設試験研究機関の職員がこの産地の中小企業者の技術指導をするというための経費でございますが、こういう補助金を交付いたしまして促進に努めておるところでございまして、今後も公設試験研究機関の、何と申しますか、研究力を拡大強化するという点については十分力を入れてまいりたいというふうに考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 いまおっしゃったこの公的な試験研究の補助ですね、どの程度出ておるわけですか。現状こうなっておるとか、お聞かせ願いたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 先ほど申しましたこの技術指導事業費、指導経費が五十四年度予算では大体五億七千万ぐらい出ております。それから技術開発研究費、これは公設試験研究機関ごとにテーマを定めて国が助成をするということでございますが、これが四億三千八百万円ということでございまして、いずれも五十三年度よりはある程度増加はしております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 さらに、産地の振興計画の策定と実施に当たりましては、産地独自のこれは長期計画に基づいても十分に取り入れられ、助成措置が講じられる必要があるわけでありますが、たとえば、私は京都なんですが、京都の西陣織物工業組合では、産業映像情報システムの導入あるいは共同計算、共同集金システム等、取引の共同化の促進、賃織団地の建設、産地独自の市場安定基金の創設、ファッション商品等の新用途商品の開発、これらのプロジェクトを検討をしておるわけであります。これはいずれも数億円ないし十数億円の資金を必要とするわけでありますが、国等積極的な支援につきまして、いま通産省はどういうふうにお考えになっているでしょうか、その点いかがですか。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 京都の西陣の組合は非常に意欲的な組合でございまして、ただいま先生おっしゃいましたような幾つかの事業についての構想を持っております。映像情報の関係の西陣の組合についての活用の問題でございますけれども、これについては昨年から通産省といたしましても若干の助成を行いながら、ひとつこれを具体的に詰めていくということを考えております。  また、賃織団地あるいは市場安定基金あるいはファッション商品等新規用品の開発、こういったことにつきましても、それぞれ高度化資金なりあるいは構造改善事業協会の振興資金なり、あるいはただいま御審議をいただいております産地法に関連しての助成、そういったものも含めましてひとつ積極的に助成をしてまいりたいと、かように存じております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 これはひとつお願いしたいと思います。  そこで、先般当商工委員会が産地を視察して参りまして、京都の西陣にも寄ったわけですよ。そのときにいろいろ要望もあったんですが、それも、いま申し上げたのもそうでありますけれども、最も強烈な要望は、一つは通産大臣も耳が痛いでしょうけれども、いわゆる省エネルギーということでノーネクタイというようなものは余りやられるとわれわれ業者は困ると、そういうこともありました。これは耳に入っておるでしょうが、これはこれとして、その次に例の蚕糸事業団の生糸一元化輸入の問題に関連いたしまして、いま生糸の国際相場は非常に安いわけですね。それを一元化輸入で安いものを一キロ幾らですか、七、八千円のものを国内相場で一万五、六千円でわれわれはいただいておると、高いものを買わされて、それでイタリアとかEC諸国のネクタイなんかにとても立ち打ちできない。これは何とかひとつ一元化の問題について再検討願えないかと、こういう強力な要望もあったようですが、これはいかがなものですか、通産大臣。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいま御指摘のように、この一元化輸入の弊害の問題はかねてから私ども痛感をいたしておるところでございますけれども、これは四十九年以来の法律改正後の問題でございますが、いずれにいたしましても、やはり、蚕糸業も成り立っていただかなくてはならないという問題もございますので、蚕糸業と絹業関係、この両者が両々相まって共存共栄できるようなやり方はどういう方法があるのかという立場から、ぜひ私どもとしましてはこの一元化輸入の制度をもう少し、絹業も成り立っていくようなそして蚕糸業も成り立っていくような形での制度というものについてひとつ知恵を出しまして、見直しを多少時間がかかりましても行っていきたい、かように存じておる次第でございます。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 先ほどの西陣の問題は、抗議電報など含めまして、また陳情なども受けまして、私も、やはり相手が零細な企業だけに深刻に考えております。ただ、私率直に申しましたのは、来年も五%節約と、同じように夏は二十八度以下には冷房をしないというような情勢になれば、もうすでに大衆は満員電車に乗って通勤するときにはノー上着、ノータイじゃありませんかと。そうだとするなら、そのネクタイ自身でも何か一つ工夫あってしかるべきだと、これは新製品開拓の場面ですよということを率直に申しましたら、いままだやっているんですが、土曜日から伊勢丹でサマービジネス・ルック展というのを開きましたら、ネクタイを西陣からも出品しております。見ますと、これ、こう首絞めている普通のネクタイですが、これちょっとここへひっかけるだけですが、第一ボタンを外してこの辺へひっかけておけば、ちょうどこれを緩めて、何といいますか、ネクタイを緩めた形にでもここへぽっとつけられるとか、チョウネクタイ——まあよくコムでこういうのがありますが、何かいろんな工夫をこらしまして、やはり努力をしておられるようであります。私は本当に頭の下がる思いがしたわけでございますが、しかし、省エネルギーといい、あるいはいろいろこの政策遂行の上におきましてやはり中小企業、零細企業のことは絶えず頭に置く必要は痛感いたしておりまするので、いま御指摘の点はよく今後とも配慮したいと思います。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 そこで、もう少し具体的に私はお伺いしたいと思うんですが、まず最初に、別にネクタイに限ったことはありませんが、最近の絹需要についてはだんだん厳しゅうなるものと思いますが、この絹需要の動向、今後の推移、これをどう見通しを立てていらっしゃるのか、その辺からまずお伺いしたい。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 絹織物でございますけれども、先ほどお話がございました、やはり生糸価格が非常に最近上がりておるということもございますし、それから生活様式が非常に洋風化しておるというようなこともございます。いろいろな事情から全体としての絹織物需要というものは最近減少傾向にございます。これは総理府の家計調査の中の被服費、この被服費も少しずつ減少しておりますけれども、その中でも、やはり和装用の被服費というものの落ち込みが大きいというようなこともございます。最近多少景気の回復に伴いまして少しよくなっているという面もございますけれども、ことしあたりどうかという見通しにつきましては、せいぜいよくて横ばい、やはり少し減少するかもしれないという程度の実は見通しを、業界も私どもも持っておる次第でございます。したがいまして、そういった状況の中で、やはり絹織物の需要拡大という点が重要であろう、かように考えておりまして、その手段といたしましては、私どもとしましては、繊維の事業協会の振興資金というものもございますけれども、さらに蚕糸事業団の中にやはり同様の趣旨の助成金の制度がございますので、こういったものもあわせて活用いたしまして、着物の需要拡大、絹織物の需要拡大といったためにひとつこれを使えるようにしていきたいと、かように存じておる次第でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 そこで、いまおっしゃったように、蚕糸価格安定法に基づきまして現在蚕糸事業団が輸入を一元化しておるわけでありますが、中国、韓国等からの輸入糸価はいまどのくらいになっておるのか。それから、国産の生糸相場はどの程度なのか。その点まずお伺いします。これは農林省から。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) お答え申し上げます。  現在、生糸の現物市況でございますが、これは横浜が中心になりますが、一キロ当たり一万五千円内外ということでございます。それから、お話のございました中国糸あるいは韓国糸の輸入価格でございます。これは最近やや円安の傾向といったようなこともございまして、五月の中国糸につきましては関税諸掛りを入れまして一万一千八百円程度、それから韓国糸は一万一千八百五十円程度というふうに承知しておる次第でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 国内相場と輸入物の糸価、これはかなりの開きがあるわけですが、この差額につきましては蚕糸事業団が積み立てしていることと思うわけですが、この輸入生糸を国内の受注者に対しては、絹織物業者に対しては、やはり国内の相場と同じように売るわけですか。それとも若干割り安になるのか、その辺いかがですか。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) お答え申し上げます。  現在輸入糸、外国糸でございますが、輸入した外国糸の売却につきましては二通りの方法でこれを行っておりまして、一つはただいま申し上げましたように実際に外国相場がそのままはね返る、それに関税諸掛り、そういったものを加えて売却いたしますところの実需者売り渡しというルートで絹業者に流れる分と、それから糸価、つまり一般の生糸価格でございますが、それがある一定水準を超えるといったようなときに、市場の対応策という形で売却をいたします売り渡し、こういった両者の道筋がございます。お尋ねでございますが、実需者売り渡しの分につきましては、一般の価格、通常の輸入価格といったようなものに関税諸掛りというものが加わりまして実需者に渡ってまいる、こういうことに相なっております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 その両者の売り渡しの比率と価格はどの程度なんですか。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) お答え申し上げます。  実需者売り渡しにつきましては年間三万俵ということでやっております。それからもう一方の方は、先ほど申し上げましたように、市場価格が高騰するといったようなときに売却いたす分でございますから、これはいかほどということではございません。糸価が高いといったようなときに、たとえば昨年度のような場合には大分売却いたしましたようなことでございますが、その価格は大体一万五千数百円といったようなことで売却しております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それから、昭和五十三年度のこの決算の方も大体固めつつあると思いますが、蚕糸事業団の利益金についてはどのくらい積み立てをしておるのか、この辺お伺いします。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) お答え申し上げます。  昭和五十三年度の日本蚕糸事業団の中間安定等勘定、ここで国産糸の売買なりあるいは輸入糸の売買という事業をやっておるわけでございますが、そこにおきます差益金、これは国産糸の売買でありますとか、あるいは輸入糸の売買、あるいは運用、そういったものが収益になるわけでございますが、そういったものの収益発生状況、これは五十三会計年度につきましては現在決算中途でございますので正確な数字はお許し願いたいと存じますが、約五十五億円見当というふうに承知しております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 要するに、端的に言うと輸入生糸を国内相場で売って五十五億ほどたまっておると、そういうことなんですかね。その辺にですな、やっぱり絹織物業者の不満もあるわけでして、われわれは高い生糸を買わされて、生糸一元化で事業団は五十五億もためておるじゃないかと。その金をもう少しこちらの方にも還元してほしいというのが、これがまず本当の声らしい。声ですよ。  そこでお伺いしますが、その五十五億はどういうふうな使途に使われるのかですな、五十五億。その辺まずお伺いします。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) 日本蚕糸事業団法に基づきます利益金の処分につきましては、従来は積立金という形で処理してまいりまして、その過程で助成事業というようなものもやってまいったわけでございますが、今回繭糸価格安定法の一部改正というものが行われることになりましたので、その相当部分が蚕糸業安定資金といったようなところに積み立てられる、こういう法改正が行われたような次第でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 いままで蚕糸価安定資金として放出をした例がどのくらいあるの。その安定資金をね、放出した例が。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) 日本蚕糸事業団からの助成事業につきましては、従来からも種々やってまいったわけでございますが、たとえば五十一年度について申し上げますと五千四百万、五十二年度につきましては二億一千百万、五十三年度につきましては三億六千六百万と、こういった助成資金を支出しておる次第でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それは蚕糸振興のための助成であって、あなたがいまさっきおっしゃった蚕糸価格安定資金としてどういうふうに使ったか。要するに、糸価が上下するために、下がったらこれを助成していくわけでしょう。いまあなたがおっしゃったのは、三億何がし、これは五十五億の中の一部ですけれどもね、これは助成とは別じゃないの、助成と安定資金とは。その辺どうなんですか。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) 今回の法律改正によりまして、蚕糸業安定資金というものを日本蚕糸事業団の中間安定等勘定に設けるということでございますが、こういった蚕糸業安定資金というものは蚕糸業の経営の安定、そういった部分に支出する……。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 振興資金じゃないの。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) さようでございます。蚕糸業振興資金でございます。失礼しました。訂正させていただきます。蚕糸業振興資金でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 ですからね、あんた安定資金と言うから、それは相場の安くなったときの助成じゃないかと。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) 失礼いたしました。訂正させていただきます。蚕糸業振興資金でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 助成資金が大体いまお話がありましたように三億程度と。その三億程度の中身をちょっとおっしゃってくださいよ。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) ただいま申し上げました三億六千六百万、これは五十三年度におきます全体の数字でございますが、この中身といたしましては、繭の生産改善対策事業といったような繭関係、繭の生産合理化関係の事業や、あるいは生糸の需要増進事業、こういったことでございまして、生糸の需要増進事業につきましては、五十二年度は六千六百万というものを支出いたしてございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 あなたね、もう少し丁寧に答弁してください。中身を私は聞いているんですよ。大ざっぱに言わないで。大体ここに資料があるんだから、会議録に残るんでしょうが、いいですか。  だから私が聞きたいのは、いわゆる繭の生糸の生産業者に幾ら幾らと、その内訳は幾ら幾らと、これは繭をつくっている生糸の生産側ですよ。それと片方はその生糸を利用して絹織物をつくって、それは製品化して売る方ですよ。だから、生産者とお客さんの関係にあるわけですよね。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) 繭生産改善緊急対策事業、これに二億八千七百万、それから繭の生産活動強化事業、これに五百万、それから養蚕農家リーダー養成特別事業、これに六百四十万、それが蚕業関係の支出でございます。  それから生糸の需要増進につきましては、着物の着つけ指導でございますとか、それからビデオテープによります広報教育の促進、それから絹の着物の展示普及促進という事業に六千六百万ばかりを支出しておる次第でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それは何年度ですか。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) 五十三年度でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 ですから、これ要するに五十三年度は生糸の需要対策で三億六千四百七十八万三千円、これを生産者側と消費者側に分けまして、繭をつくる方には約三億ですね、二億九千八百四十八万九千円、それから生糸を消費する業者の方には六千六百二十九万四千円、こういうことでしょう。これは通産大臣も聞いておいてくださいね。くどいけれども、もう一遍申し上げますと、中国から韓国から安い生糸を輸入して、それを国内相場で高く売って、そのもうけた金が大体五十五億ある。その中で、生糸の需要対策として生産者側の方には約三億、それから絹織物業者の方には大体六千万、こういう比率でしょう。ですから、私がこれはこれだけどっちかいうと、繭をつくって生糸をつくる方は生産者側でしょう。それを利用していろいろ織物つくる方はお客さんでしょう、これ。もう少しお客さん側の方に、織物業者の方にサービスする必要があるんじゃないか。それをまた現地も要望してますわ。もう少しその金、われわれ高いもの買わされているんだから、もう少しこの点は生産者側が三億で、われわれが六千万、この辺に多少の不満があるようですから私は申し上げている。そうしますと、この生糸の需要増進対策としては、いまおっしゃった着物の着つけ指導事業あるいはEVRシステムによる広報教育活動事業、テレビの宣伝事業、絹の着物の展示普及促進事業、こういうものが入っておるわけですが、これは事業団が企画してやるわけですか、それともたとえば日本絹人繊織物工業組合等に任せるのですか、どうなんですか。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) 事業団の助成事業ということでございますから、事業団が事業計画、そういったものを拝見させた、これは当然でございますが、現在のシステムといたしましては、たとえば日本着物振興会あるいは日本絹人繊織物工業組合がその会員になっておりますところの日本絹業協会というルートから、さらに事業団、日本絹業協会それからたとえば日本着物振興会、こういうルートで事業を行っておる次第でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それならいまの需要対策、生糸の需要増進事業ですね、わずか六千万しかないんですが、これをもう少しふやす考えありませんか。いま私がるる説明いたしましたが、まず通産省側から御意見聞きましょう。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいまお話しのような趣旨もございますので、私どもといたしましては農林省とこれまでもいろいろ話し合いをいたしておりました。対象となるべき事業もできれば、各産地それぞれでやります需要振興のための事業でありますとかあるいはいろいろな調査研究等でありますとか、多少事業の幅もできれば拡大していただきたいというようなことも含めまして、増額をしていただくように目下お話しをしておる最中でございます。

松岡将農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○説明員(松岡将君) 農林水産省といたしましても、やはり生糸の加工品、つまり絹の需要の増進というものを重視しております。それで、ただいま通産省の局長からのお話といったようなこともございまして、五十四年度につきましては金額のみならず事業対象範囲というものも拡大したい、こういうふうに考えておりまして、具体的には金額的には一億七千八百万ぐらいの予算を計上いたしました。  それから、考え方といたしましても、ただいま通産省の局長の方から申し上げましたように、たとえば新製品の開発の事業でありますとか、あるいは産地ごとの絹業地の振興宣伝事業、こういった部門につきましても事業の対象範囲を拡大してまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 大体了解いたしました。  それで最後に伝統的工芸品に関しまして一問だけお伺いしますが、これは現在まで全国で百十八産地、百五品目が指定をされておるわけでありますが、せっかくこういう制度をつくっていただきながら、まだまだ不満があるようであります。項目はいいとしても、結局は予算措置等の問題になるわけでありますけれども、現地の声でもありますのでお伺いしてみたいと思います。  これは、あの法案が制定されたときも、附帯決議に「伝統的工芸品類似の外国製品の輸入及び販売に対しては、伝統的工芸品産業」の存立が脅かされることのないよう十分対処すること、また「伝統的工芸品の取引の安定等のための事業に関する税制上の優遇措置につき検討すること。」という事項が入っておるわけですが、あちこち伝産品指定の現場を回ってみましても、なかなか予算措置の面におきまして、税制上の面において不満があるわけですが、これをさらに前向きの方に検討する意思ありませんか、その辺いかがですか。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○政府委員(栗原昭平君) まず、輸入問題でございますが、これは特に問題になっておりますのは伝産品のうちで大島紬でございます。これにつきましては、韓国と二国間で話し合いをいたしまして、輸入の数量枠を決めますとか、あるいは大島紬の表示につきまして両端に表示をする、あるいは畳み方も平畳みにする、あるいはみやげ品としての数量も十反から三反にすると、いろいろなそういった措置も講じておるところでございまして、今後とも私ども十分注意をしてまいりたい、かように考える次第でございます。  それから、税制につきましては、附帯決議の中にも税制上の優遇措置といったようなものが出ておりまして、これにつきましては従来までも三点ほど税制上の優遇措置というものを講じてまいっておるわけでございますが、現在お話のございますのは、取引安定のための税制というようなお話が実はございまして私ども伺っておるわけでございますけれども、これを、何らかの事業のための積み立て的な考え方でございますと私どもとしても非常にこれ取り上げやすいわけでございますが、現在業界で考えております取引安定のための基金といったようなものは、利益留保的な考え方に非常に近いものでございますので、これをそのまま取り上げるということはなかなかむずかしい。したがいまして、もう少しこの辺の考え方を税制になじみやすいような形に変えていく必要があるんではないか、まあこんな感じを持っておりますけれども、ひとつまた十分検討させていただきたい、かように考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 この法律の指定基準というのを言われておるわけですけれども、その点をどのように考えられておるか、一点お尋ねしておきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この業種指定の要件でございますが、これは二条の第二項というところに三つの要件が掲げられておりまして、一つは中小企業性の業種であることということで、大体この中小企業の生産額がおおむね二分の一以上を占めておるというふうなことを基準にしております。それからもう一つの基準は、産地性を持っておるということでございまして、これはまあ一つの地域にこの中小企業が集中しておるということでございますが、おおむねの基準といたしましては、一つの市町村でたとえば事業所の数が五十以上あることと、あるいは生産額、取引額等が十億円以上あることというようなことを一つの基準にしております。それから第三は、その事業活動にいま支障が生じておるというふうなことでございまして、これは一定の時期から比べまして生産が五%以上減少しておるというようなことを考えておるわけでございます。まあそういうふうなものを一応の内規といたしましてやるわけでございますが、この産地の実情というのはやはり非常に各地域の特殊性がございますので、この適用に当たっては十分弾力的に実施していきたいというように考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、指定業種の問題になってきますけれども、ここで一つの初年度には五十四業種ぐらいをというような声も出ておるわけですけれども、これはその数の状況と、これは初めから大体そういうものの数を限って進めていくのか、それともある程度までこれからの状況によってそういうものをふやしもし、また減らしもしていくという状況にあるのか、どうですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この特定業種の指定は、法律にもございますように、業種を地域を限って指定するということになっております。したがいまして、たとえばほんの一例でございますが瀬戸の陶磁器というふうな地名とそれから業種名が挙がるわけでございます。これにつきましては、考え方としては、こういう地元が振興計画をつくると、そしてその産地の組合を中心に振興事業を実施していくというふうなこの法案の仕組みを、大体やる準備が整ったところから逐次指定をしていくというふうに考えておりますが、予算上の積算としては五十四年度は九十の特定業種を指定をしようというふうに考えております。そして来年度は、さらに準備が整ったところを十分今年度内に調査をいたしまして、地元で機運の盛り上がったところは必ず指定ができるように措置をしていきたいというふうに現在考えておるところでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 それじゃ中小企業庁としては、一応いままでに予備的にそういうものに対して一つは調査をなさったかと。たとえば参考資料のあたりにはまあ約三百ぐらい、これずっと見てみますとそういう関係にふさわしいやっぱり地域や産地が指定がされておると、こういうように私見るわけですけれども、こういう点について事前の調査がなされたかと、それで、そういう中でやはりその関係の産地や業種と多少接触を保ちながら現在も進めてみえるかどうかと、その点ですが。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この産地につきましては、従来ともこの産地の動向をも把握するという意味におきまして、中小企業庁は十年ぐらい前からずっと調査をいたしております。その対象が大体三百をちょっと超えたぐらいございまして、そういうのが一つの参考にはなっておるわけでございますが、現在われわれがこの産地法による指定をしようというときには必ずしもそれにとらわれずに、むしろ業種、業態の実態を一番把握しておりますのは都道府県等の地元でございますので、この法律が制定されますれば直ちに都道府県に御連絡をいたしまして、都道府県からこういうのが適当でないかというものをあらかじめ申し出てもらおうというふうに考えております。ただ、この法律ができましてすぐにそういう連絡をいたしましてもおくれるという問題もございましたものですから、実はこの法案を国会に提出したときに、まだこの法案は決まっていないけれども今国会にこういう法案を提出したと、ですからそういうことを頭に置いて業種について御検討願いたいということは御連絡をしております。したがいまして、正式に各府県からどのぐらい出てくるかというのはまだはっきりいたしておりませんが、われわれといたしましては先ほど申しましたような手順で指定を進めていきたいというふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 初年度の対象の地域をどのぐらいに大体考えてみえるかという点と、最終段階、これを段階に分けて進めていくというように聞いておりますが、最終をどこらあたりまでに置いてこの計画を進めてみえますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 予算措置といたしましては初年度九十産地を指定できるような予算を準備しております。したがいまして、初年度は府県から御連絡をいただいたものの中から九十ぐらいを選んでいこうということでございますが、先ほどもお答えしたんでございますが、これについてはやはり産地の方の準備も要りますので、府県から出てくるものと、この予算で大体積算をしておる数字とはそう大して開かないと思っております。それから、この法案は大体二年間で業種を指定いたしまして、その後五年間の計画実施期間を置くということで七年の限時法になっておるわけでございます。したがいまして、ことしと来年で大体必要なものは指定をしていこうということで、むしろ主力は来年にかけてこの必要なものは全部指定を済まそうということで、これから調査にかかりたいと思っております。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、この地域指定のまとめ方ですけれども、これはどのあたり市町村だとか、そういう基準があるでしょうけれども、そういうあたりの一つの大まかな目安はどうかということと、それから、大きい都市等の問題はどのように地域を区分しているかと、この点ですが。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 地域はこの法律の目的を達成するために一番都合のいい地域を決めたらいいというふうに考えておりまして、具体的にどうでなきゃいけないということは考えておりません。したがいまして、市町村単位の指定になるわけでございますが、一つの市町村だけという場合もあり得ますし、それから複数の市町村を合わせて一つの地域にするということもあり得ます。それから、まあ若干例外的にはなりますけれども、県下一円にその産業が散らばっておって産地を形成しておるというところもございますので、何県一円というような形での指定も例外的には存在するかと思います。それからまた、もう一つ大きな地区におきましては、たとえばこの産地というのは必ずしもその町村単位のところじゃなくて大きな市、たとえば大阪とか東京のようなところ——これはまあ、東京は区でございますが、のようなところも必要があれば指定しようと考えておりますので、そういうところはそういう行政区画の一部ということになる場合もあり得ると思います。いずれにしても、その法律の目的でございます産地の組合を中心に中小企業の体質改善を図るというのに一番まあ都合のいいような地域の指定をいたしたいというふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 そうしていきますとですね、対象が一地域一業種というような形になってきます。そうしてきますとですね、まあ先ほどの基準等から推していきますと、ひとつ事業数が五十だとか、あるいは年間売り上げが二十億だとか、あるいは結局三年間の売り上げ高が五%以上減少した地域だとか、やはりいろいろな一つの限定が出ております。その中で最近産地、そういう県の段階でですね、そういう関係の地域とは折衝が依然保たれておるようでございますし、そういう点でいくと、やはり大きい地域ですね、まあこの指定の基準が一つは最低だと見ますとですね、大きい産地を持ち、大きい企業構成を持ちですね、そういうような地域産業と、基準すれすれに対象になったところとのね、一つはやはりそういう補助やそういう計画等についてもですね、一律にいくとずいぶん矛盾が出るんじゃないかという声がいま出てきておるわけです。まあ先ほど長官がおっしゃいましたように、陶磁器の瀬戸なんというと大きい地域ですし、相当の数もあると、これも一つだが、小さないわゆる町村に一つあるね、この結局事業所を持つですね、たとえばそういう組合も一つだと、こういうことになってくるとですね、そういう点でずいぶん矛盾が出てくるんじゃないかと、そういう点の、まあ今回は別としても、今後の中でそういうものは是正されていく考え方があるかどうかということをひとつお尋ねしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法案の趣旨は、ただいま申し上げましたように、この産地を形成しておる地域の中小企業者がこの組合を結成して、その組合の共同的な事業を中核にまあ個々の中小企業の合理化も図って、新しい経済環境に適応できるような体質改善を図っていくということでございます。したがいまして、このねらいといたしましては、規模の大小というものは問わないということで考えておりますが、まあ具体的な運用になりまして、規模が小さいことによって資金力が弱いというようなことで、やりにくいというような点があるかもしれないと思います。したがいまして、それは個々の地域の実情に応じてわれわれはいろんな対策を講じていきたいと思っておりまして、この規模の大小によらず所期の目的が達成できるように今後も配慮して、十分配慮してまいりたいと思っております。

馬場富公明党

○馬場富君 そういう状況でですね、たとえば補助等の問題等についてもね、高下が考えられるかどうか。どうですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いまのところは、この一組合当たり幾らというふうな単価が決まっております。これも以内ということでございますから、実際は個々の組合が立てました具体的な計画に従って助成が出てくるわけでございます。したがいまして、その過程において十分この、そういう内容も考えがら実施をしていきたいと思っております。したがいまして、具体的な運用については規模が小さいから非常に不利をこうむるというふうなことのないように、十分配慮いたしていきたいと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 それからもう一つはですね、やはりそういう関係対象の地域のですね、業者や組合等でみんな心配をされておるのは、過去の中小企業に対する対策措置というものはやはり今回もですね、いわゆる振興計画なり、あるいは事業合理化計画等、やはり都道府県や関係官庁に出して、そういう了解のもとに進めていくということになると思うんですが、こういう手続上の問題が過去にも複雑で、もうそのために実際言うと産地対策なのか書類づくりの対策なのかという実は憂いがずいぶん出てきた。そういう点について、各産地とも非常にこの点について脅威を感じておるし、そいつは大丈夫かという点があると思います。どうか、いよいよこの中小企業の不況対策等につきまして、これだけいろんな何点か対策も立てられ、迫られてきておる状況の中にありますので、どうかそういう点で目的にはっきりとかなう状況であれば、書類やそういうものについてもやはり中小企業や組合等の手間が省けるところはどんどん簡素化して、一つはこの目的を達成できるような実情でしっかり詰めてもらいたいと思いますが、その点どうでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) その点につきましては、御指摘どおりだと思います。今後十分注意をいたしまして、余りこの計画づくりにですね、非常に組合の精力がとられてしまうということがないように、計画づくりといいますか、非常に書類づくりでございますね、というふうなものに精力をとられないような配慮をしてまいりたいと思います。それから、まあやむを得ないいろんなやはり計画をつくるための調査なり研究が必要だと思いますが、それについても、実はその計画をつくるための経費についても補助を出すということにしております。ですから、必要なものについては国からもあるいは県からも補助をするということにいたして、その裏打ちの上でなおかつやはり余りそういう手続が繁雑にならないように、十分考えていきたいと思っております。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) この点はね、私どもも中小企業庁に対してやかましく言っております。まあこれは生活産業局ですが、この間の繊維構造改善法の延長にしましてもね、あの事業団での実際利用数というものは微々たるもんでしょう。そして、また延長するね。これはやっぱりね、いま御指摘の点がきわめて重要だと思います。もちろん国の金を貸すことですから、それはまた助成することですから、十分計画を厳にチェックすることは必要でしょうが、簡素化がやはり一番大切なことだというふうに考えます。

馬場富公明党

○馬場富君 まあ大臣からも答弁いただきましたが、特に長官の方からですね、やはりそういう書類の窓口は都道府県になるわけですから、長官は大丈夫だとおっしゃっても、事実いままでも調査の運び方あたりでかなりそういう複雑なものをみんな体験しかけているわけですよ。またこれは二の舞いを踏むような傾向になるんじゃないかというんで、その点都道府県によく指導してもらいたいと思いますが、どうでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いまの仰せの点については、都道府県に十分徹底するように今後十分指導をしてまいりたいと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 これは法案外でございますけれども、あと一点だけお願いします。  昨年、不況産業法が成立いたしまして、五年間の時限立法で出発したわけでございますが、今年に入ってアルミだとかあるいは平電炉あるいは合成繊維などの業種の設備凍結ということが一つは話題に上がっておるわけでございますが、やはりこのような一つは業種の需給ギャップというのは完全に解消されたかどうかと、こういう点について御答弁願いたいと思います。

矢野俊比古通商産業省産業政策局長

○政府委員(矢野俊比古君) いま御指摘の点につきましては、中長期的にこの法律が見ているわけでございます。したがいまして、それぞれこの設備処理のための安定基本計画、まあいろいろ業種によって違いますけれども、三年ないし五年という期間を持っておりまして、そういう中長期的に見れば、私どもはまだ需給ギャップが解消するというふうには考えておりません。

馬場富公明党

○馬場富君 まあそういう点で確かに一時的にですね。景気がよくなったように見えたり、あるいは価格面についても安定したような状況に見える面もあるかもわかりませんが、いまやはりあなたがおっしゃったようないわゆる状況がまだ多分にある。過去の、まあいまの平電炉にしてもアルミも合成繊維にいたしましても、あの構造不況の大きいショックというのはですね、やはり社内の赤字として大きく残っておる。そういう点で、いまちょっと上向きになったからといって、こういうやはり問題を極端に行った場合に、またもとのとおりになってしまうというような結果になりますし、まだ私はそういう点では完全にいわゆる構造不況業種等が安定して軌道に乗ったという状況ではないと、いまはまだしばらく見るべきだと、こういうのが至当ではないかと思いますので、その点よろしくお願いしたいと思います。

矢野俊比古通商産業省産業政策局長

○政府委員(矢野俊比古君) いま御指摘のとおりでございます。私どもはいま基本計画、安定基本計画を修正するとか改正するというつもりは、全然そういう意思は持っておりません。ただ、私ども現在、さっき先生触れました物価問題というお話ございました。設備処理につきましては御承知のとおり、いわゆる廃棄と休止がございます。したがって、いわゆる国内、まだそこまで私はいっていると思いませんが、国内の需給要因というふうなことで、いわば供給の方が需要に追いつかぬというふうなことがたまに出れば、これは基本計画を直す以外にありませんけれども、臨時的にはそういう場合に休止設備を動かして、できるだけ物価の価格上昇ということにならぬような、そういう点の機動的な処理は必要という時期があるとは思っております。しかし、基本計画を直す意思は全然ございません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私、最初に政府の産業政策と中小企業政策の基本姿勢についてお伺いをいたします。  近ごろ日本の産業政策とか中小企業対策につきましては、海外からの批判が強まっております。最近では日米間で経済摩擦を解消すると、こういうことで電電公社の門戸開放の要求が強く押しつけられております。政府はこれに応じようとしておりますけれども、そのほかにもアメリカからは円高対策、これで講じられました為替変動緊急融資制度、こういうものとか、あるいは中小企業の施策を保護政策であるとかと、また、非関税の障壁であるとかと、こういうふうなことで具体的な施策に対してまで干渉と言っていいほどの注文がつけられているわけです。いままた主要国会議、サミットを前にいたしまして、産業調整という名のもとで日本の産業政策に圧力が加えられようとしているわけです。こういう外から押しつけられた産業政策は、国内では経済摩擦を生じるのはこれは必然的に生じてくるわけですし、いま問題になっております産地の問題、中小企業への影響、これはやはり一番甚大だというふうに思うわけなんです。中小企業へのやはり今度は対策を講じようとするわけですから、こういう中小企業への影響が甚大だというふうな問題について、私は一体どういうふうに産業調整を図ろうとなさっていらっしゃるのか、政府はどう対応をされようとなさっていらっしゃるのか。この基本的な姿勢をまずお伺いさせていただきます。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 中小企業への影響はやっぱり最小限に食いとめるために、繰り返しませんが、従来ともいろいろな措置を法律化してとっておるところであります。貿易のインバランスが相手の中小企業、相手の企業にやはり相当な影響を与える。影響を与えるから外からも要求が来る。これはやっぱり自由貿易を拡大均衡に持っていくためにはどうしても避けられない一つの現象だと思います。そこでわれわれとしては、中小企業に対しても構造改善をしたり、今度の産地法にも見られまするように、新製品を開拓したり、新販路を開拓したり、とにかく前向きに中小企業の体質そのものを知識集約型のものに持っていこう、付加価値の高いものに持っていこう、こういう努力を続けて、世界的に見ても相当な成果を上げておるというふうに言われるわけでありまするが、なお、今後とも十分配慮をしてまいりたいと考えます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 大臣もおっしゃいましたように、いままで中小企業、それから産地に対しましては、円高法とかあるいは倒産防止法とかあるいは不況地域対策法とか、いろいろ実施はされてきております。確かに実施はされてきておりますけれども、いままたこういう法案を出さなければならないというふうなことは、ここにも「産地中小企業振興対策について」ということで中小企業庁がまとめておられますけれども、「このまま放置した場合には、今後数年のうちには多くの産地中小企業が疲弊し、これに伴う社会経済問題が発生するという事態が予想される。」というふうに御自身でもおっしゃっておられるわけなんです。私はやはり産地の中小企業が振興するということを基盤に据えて、いろいろと対外経済政策も立てていく。対外経済政策というのはもちろん重視しなければなりませんけれども、一国の産業構造政策というのは、これは自主的にやはり考えるということが基本だろうと思うわけなんです。いま必要なのは、やはり豊かな地域振興のためにはどのような産業構造を形成していくかということを考えることだと思うんです。この点に立ちまして、地域の産業構造のあり方とかあるいは中小企業の存立基盤、産地のあり方、これが私は明らかにされなければならないと思うんです。  こういう立場から御質問を申し上げますけれども、知識集約型産業構造と、こう言われながらも、現在の産業構造といいますのは、依然として中身は重化学工業優先の産業構造であり、工業再配置促進が主体になっているというふうに思うわけなんです。ですから、各地域の産業構造ビジョンの見直しをする必要があると思うわけなんですけれども、政府はいまの地域の産業の構造政策をどのように進めていくお考えなんでしょうか。その点をお伺いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 今後の日本の産業を振興していく上において、地域とのつながりを重視していかなければいけない。ことに中小企業は地域に根差した産業でございますから、そういう点を考えていかなきゃいけない。いま御指摘のように、地域の経済開発も、外から大企業を持ってきて開発するというだけではなしに、その地場地場にあります産業を振興していく、それがまた地域の経済の開発になるというふうな観点もわれわれは考えておるわけでございます。したがいまして、現在八〇年代の通商産業政策ビジョンというものを検討をしておりますが、その中で各地方通産局ごとに広域の地域産業ビジョンを策定をするというふうなことを進めておるわけでございます。こういうビジョンの進行過程におきまして、いま申しましたような地域と産業の連関性というものを解明し、具体的な計画としていきたいということで考えておりまして、その過程におきましては、この産地中小企業対策臨時措置法の措置というものもまた位置づけてまいりたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、地域の産業ビジョンの見直しを真剣にしない限り、やはり産地の振興はあり得ないと思うわけなんですが、いま八〇年代の通商産業政策の長期ビジョン、また中小企業の長期ビジョン作成に取り組んでいるという御答弁がございましたけれども、地域経済の重要性から考えまして、いま問題になっております産地または地域の特色を生かす、こういう地場産業の振興を重視するということは非常に大切だろうと思うんです。いまビジョンづくりに取り組んでおられると、しかもそれが長期のビジョンづくりだというふうな御答弁ございましたけれども、そういうビジョンづくりの中にこの産地または地域の特色を生かした、私はやはりビジョンづくりをすべきだというふうに思うんですけれども、こういう点はどういうふうに取り入れて準備作業を進めていらっしゃるんでしょうか、そういう点をお伺いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いま御提案申し上げております、この産地中小企業対策臨時措置法の考え方もそうなんでございますけれども、この振興計画というものは、むしろその土地土地の産地で考えていく、そしてその産地の歴史的なあるいは地理的な実情を生かした計画を積み上げていくということをこの法律でも考えておりまして、今後の中小企業対策の一つの基本的な考え方にいたしたいというふうに考えております。  八〇年代の中小企業ビジョンを考えるにつきましても、産地の特殊性を十分生かしたものにいたしたいということで、いま鋭意検討しておりますし、さらにまあ若干意欲的に考えますと、単にこの中小企業というものは産地の経済的な活動に寄与するだけじゃなくて、産地の社会的、文化的な活動にも寄与するためにどう中小企業があるべきかというところまで考えてみようじゃないかということでいろいろ検討しておるところでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまの産地の現状と申しますのは、大変な状態でございまして、私はやはり国の責任は重大だというふうに考えております。いま産地の現状と申しますのは円高、これが放置をされておりますし、国際競争力を強めるということを重視した産業政策がとられております。政府に言われるままに産業構造の転換なども行われるというふうなことで、産地の不況が産み出されているというふうに思うわけです。  それで、いままで、先ほども申し上げましたけれども、円高法とか、あるいは倒産防止法とか、不況地域対策法とか、こういうものが制定されておりますけれども、これはあくまでも緊急避難的なものでございます。本法も中期、長期的と、そういうことを見越しての対策と言われておりますけれども、これまあ時限立法でございます。  私は産地の、いま御答弁ございましたように、経済だけではなしに文化的なことまでも含めて考えていこうというふうな御答弁がございましたけれども、やはり産地では非常に不況が深刻なので、本法に対する期待が強いわけなんです。しかし、ここまでお考えになるなら、私は、委員会派遣の話も先ほどから同僚議員の中からたくさん出ておりましたけれども、私も瀬戸とか京都とか神戸とかと、こういう産地を視察に参らせていただきました。その視察の中で一番強く出ていた御意見、それだけではなくて他の産地からも一番強く出ている御意見と申しますのは、やはりこれは輸入規制など、毅然としたやはり対外政策をとってほしい、こういうのが一点でございます。それから一般消費税の導入、こういうものは困るという反対の声が強く出ております。私は、この機会にこういう声を政府にお伝えしておきたいと思うんです。  やっぱりこういう基本的なところがなされなければ、産地の振興などということは、本当は困難だというふうに思うんですけれども、私は何もこのいま対策を講じられようとしていることに不足を申すわけではございませんが、こういう施策と一緒に、産地の死活にかかわる、こういう声を本当に真剣に聞いていただかなければ、こういう要望に十分耳を傾けた中小企業施策を進めていかれるということを、ちょうど私委員会の視察にも参らせていただいたので、この機会に強くそれを伝えて要望申し上げますが、いかがでございましょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) 御意見の存するところは私どもも全く同感であります。  しかし、中小企業もやはり自営ですから、何といってもまず自助努力をしていただく、これが先決であることは申すまでもございません。政府として対策する点については十分遺憾なきを期したいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、いま産地が痛切な声を上げているということをいつもやはり基盤において中小企業対策を今後立てていただきたいということを、また重ねて御要望申し上げて次の質問に移らせていただきます。  産地振興の上で、地方自治体が果たす役割りというのは重要だと思うんです。産地が地方の特性なり、それから経済的基盤に立脚して繁栄してきているものだけに、やはり各自治体の地方経済政策と産地の振興策、これは切り離すことができないというふうに思います。産地を振興させていく上で地方自治体が果たすべき役割りについて一体どのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか、その点をお伺いいたします

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 先ほど申しましたように、本法の目的が産地の具体的な実態に即応した対策を講ずるということでございますので、この対策を推進していく上においては、国ももちろん非常に大いに関与しなければいけませんが、自治体が非常に大きな役割りを占めてもらわなければいけないというふうに考えておるわけでございます。  具体的にはこの法案には出ておりませんが、産地の業種が指定されますと、都道府県としては産地の振興ビジョンというものをつくっていただくことになっております。これについては、その必要な経費は国が補助するということになっておりますが、都道府県におきまして、地元の企業の方方あるいは学識経験者等々を集めまして、この産地の将来の振興はどういうふうにしたらいいかという長期的なガイドラインをつくっていただくということになっておりまして、これがまた組合等とか中小企業者がつくりました振興計画、あるいは事業合理化計画の承認に当たる基準にもなるわけでございますが、こういうものをつくるという過程で、都道府県等がこの法案の運用に非常に大きく貢献するんではないかというふうにわれわれは期待をしておるわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまの御答弁のございましたように、産地中小企業対策、これは策定することにもなっておりますし、それから産地中小企業対策推進協議会、これにいまおっしゃいましたように学識経験者とかあるいは産地の人とかというのを交えてこういうのをつくるというふうにおっしゃいましたけれども、そうしてまたこの各産地組合が振興計画をつくる上での指針ともなる、そういう役割りも果たすという御答弁ございました。私は、各産地組合がつくります振興計画の場合というのは、どうしてもやはりその産地内部の問題に限られるというふうに思うわけで、どうしてもそこに目が行くというのは、これは避けられない事実であろうと思います。  したがって、都道府県の振興ビジョンというものには、地域経済政策の中に産地をどう位置づけるかというふうなことをやっぱりちゃんとつくらないといけないと思うんです。たとえば資源とか原材料の確保とかあるいは都市計画とか、流通網、これを整備するとか、あるいは雇用問題とか立地とか公害とか、こういう対策など、いわゆる産地を取り巻く内外の環境整備でございますね、こういう問題、さらには製品をどう開発していくか、あるいは市場開拓、こういう上で自治体が果たすべき役割りはどういうふうな役割りなのか、こういうことを明確にした上でビジョンづくりを求められていると思うんです。振興ビジョンの中にはこういう問題も盛り込んでいくんでしょうか。そういう点をお伺いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 都道府県につくっていただく産地中小企業振興ビジョンというものは、いま申し上げましたように産地中小企業者が事業の振興を図るための一つのガイドラインを提供することでございます。それですから、中心はその中小企業対策ということでのいろいろな具体的な対策に対する一つの指針が出てくるわけでございますが、その指針をつくるに当たっては、いまおっしゃいましたようにその地域における都道府県ごとにおける特殊性、あるいはその流通の問題とか立地の問題とかいろんな問題がその基盤になっているわけでございますから、その基盤としてそういうものを考えていくということは当然必要だと思います。  それからまた、全国的な産業のあり方の中で、その地域がどうあるべきかというようなことでございますから、このビジョンについてもし都道府県から御依頼がありますれば、全国的な産業の状態というものについてもわれわれの方からもいろいろ御意見を申し上げて、そういう各般の見地から検討したビジョンになるように実施していきたいと思います。   〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 当面は、緊急の対策を中心としたビジョンというふうな面も出てくるかと思うんです。しかし、中・長期的に視野を広げた本法でございますので、私が先ほど申し上げたような、そしていま長官の御答弁にもございましたようなことが含まれたやはりビジョンづくりでなければいけないと思うんです。ビジョンそのものも今後やはり強化充実していくということで御指導をお願いしていきたいと思います。  そして、産地の振興の中心的な内容とも言うべき産地中小企業の高度化、近代化が進められていく中で、私はやはり危惧をしている問題がございますが、それは弱小の企業が切り捨てられていくような事態が起こるのではないか、そういう事業転換が行われるのではないかということなんです。すなわち事業転換推進ということが弱小企業を切り捨てていく道具にされるのではないか、こういう危惧を抱きますけれども、こういうことがないようにやはり心がけていただかなければならないというふうに思います。その点で、特定地域振興診断のこういう実施がございますけれども、そういう実施に当たりましてもこれは単に事業団の融資の条件に合わせて特定地域振興診断、これをするんだとかというふうなことであっては困ると思うんです。やはり振興ビジョンとか振興計画が事業団の近代化促進の枠内に押さえ込まれるということのないような幅広い診断、やはり自主性を生かした生き生きとした診断、こういうことができるように、私は学識経験者とかそれから産地の人なども含めて、人の面でもあるいは内容の面でもやはり配慮する必要があるというふうに思いますけれども、こういう点いかがでございましょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この振興計画を策定してそれを実施していく段階で、零細企業者が切り捨てられるということがないようにというお話でございますが、これについてはやはりこの振興計画の作成主体であります組合というものが、組合員の意向が十分生かされる民主的な運営になっておらなければいけないということで、われわれの方も商工組合とか事業協同組合ということで特定をしておるわけでございますが、その運営の具体的な内容についてもわれわれ十分見ておりますし、これはもちろん県にもよく見ていただかなければいけないわけでございますが、そういう零細企業者に負担がかからないようにやってまいりたいと思います。また零細企業者、御存じのとおり小規模企業対策としていろいろな対策が進められておりますので、そういうものとこの産地対策とをうまく組み合わせまして、零細企業者にむしろ重点的な指導がいくような配慮をいたしたいということで、たとえば商工会議所とか商工会とかあるいは県の中小企業団体中央会というようなところにもよく連絡をして実施をいたしたいというふうに考えております。  それから特定地域の振興診断でございますが、これはいま御指摘のありましたように振興事業団が高度化融資をする場合の診断とは違った扱いをしたいと思っておりまして、これは県が独自の診断をするということにいたしております。したがいまして、県が特定地域の振興診断をやるときには十分必要な人材をそろえまして、そういう点で現実に即した診断ができるようにわれわれも県と相談をしながら実施をしていきたいということで考えておるわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 現状についてお伺いいたしますけれども、いま県とか市が中心になりまして産地製品の市場開拓を意欲的に進めている、こういう産地発展のために貢献されているという例がございましたら、具体的にお教え願いとうございます。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 各府県も各産地の市場開拓というものについてはいろいろ独自の政策をやっておりまして、たとえば海外市場開拓という面につきましては、世界各地にございますジェトロの事務所がございますが、そういうところに府県の職員を出向させておるというような地域もございます。それからまた、定期的な市場調査というものを県下の中小企業者が行く場合に助成をするというような制度もやっているところもございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 具体的な県名はわかりませんですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) ちょっといま具体的な——いまジェトロに職員を出向させておりますのは大阪府でございます。大阪市もございます。市場調査の方は私いま具体的な都道府県名はちょっとわかりませんが、まあそういうものがございます。それから国としてやっておりますのは、御承知のとおり中小企業振興事業団がいろんな情報を集めて府県に流しておるということが一つと、それからジェトロが都道府県の要請に応じて指導しておりまして、ジェトロも全国各地に事務所を持っておるということでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いま自治体、具体的には私は何か岩手県の南部鉄器なんかは相当おやりになっていらっしゃるんじゃなかろうかというふうなことを聞いておりますけれども、やっぱりこういうふうな自治体が内外市場への需要の開拓とか、それから製品のあっせんとか、こういうことに乗り出すということは非常に大切なことだと思うんです。そういう点につきましては国としてもその促進とそれへの援助についても、先ほど少し御答弁の中にございましたけれども、将来にわたってもこういうことは必要ではなかろうかと思うんです。こういう方策はお強めになっていく方向をお持ちでございましょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) その必要性については御指摘のとおりだと思います。今後も国はこの府県に対してあるいは中小企業の組合に対してそういう情報の提供、指導というものをやってまいりたいと思っておりますが、主としてこれはやはり中小企業振興事業団の事業として、今後拡大をしてまいりたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 法の二条の二項、特定業種の問題につきましては、けさほどから討議がございました。この指定要件について第三号で言う、いわゆる円高その他の経済的事情の著しい変化によって生ずる事態であって政令で定めるものというふうになっておりますけれども、これに関連してお伺いいたしとうございますが、兵庫県の場合たとえばマッチとかそろばんというふうな産地がございます。いわゆるこれは個々の円高等云々ではございません。それでこれはやはり技術革新に伴って生活様式の変化が起こるというふうなことで事業活動に支障ができてきているわけなんです。こういう産地もございますけれども、こういう要因についても指定要件に加えていくお考えがございますでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この政令で指定する内容につきましては、さしあたって今年度はこの円高による輸出の減少、あるいは円高による関連商品の輸入の増大による需要の減少というふうな事態を指定をすることにいたしております。そして、ここにございます「経済的事情の著しい変化」というのは単なる景気変動ではなくて、構造的な変化をもたらすものという観点で考えております。そこで、お尋ねのような生活様式の変動に伴いましてだんだん需要が減少するというようなものにつきましては、確かに一つの構造的要因であろうかというふうに感じられます。したがいまして、そういう問題につきましてはひとつ具体的な検討を進めまして、現在の時点で指定するに必要な事態になっておるかどうかを十分検討した上で、最終的な決定をいたしたいというふうに考えております。なお、マッチ等は実は従来の例の近促法の体系で相当な施策を講じております。ことにまたマッチは全国的に言いまして兵庫県に集中しておりますから、そういう意味で対策としては相当近促法で進んでおるという事実はございますので、そういう事実を踏まえた上でひとつ今後いろいろ考えてみたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 産地と申しましても非常に多様にわたっております。たとえば、委員会派遣でも参りました神戸のゴム産業の場合でございますけれども、このゴム産業といいましても、原料も違えば、できてきた製品も違うというふうになるわけです。航空機のタイヤから、それからゴルフのボール、これをこういうふうにいろいろ製品も多岐にわたっております。しかし、ゴム工業ということで共同組合がつくられている、こういうふうになっております。それから、兵庫県の三木の場合は原料は一緒なんです。しかし、できてきた製品ははさみとか工業用の工具というふうに違ってくるんです。それから、豊岡にはかばんがございます。かばんということでは一緒なんですけれども、原材料が皮とかビニールとかそれから杞柳とか、こういうふうに違ってくる。こういうふうに実にさまざまなんですね。産地の指定に当たりましては、こういう産地の事情を踏まえて柔軟な形で私は指定をされるべきだというふうに考えておりますけれども、この点はいかがでございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 確かに産地というの歴史的な条件、経済的な条件でいろいろ形が変わったものもございまして、一律にはなかなか言えないというふうな認識でございます。したがいまして、産地に対して特定業種を指定する場合におきましても、そういう実態を十分生かした形にいたしたいと思っております。そこで、考え方としては、業種の指定の際にどういう業種を指定するか、つまり先ほども例に出ておりましたが、同じ陶磁器でもタイルとそれ以外のものとを区別する必要があるかどうかというような問題もございます。それからいまの御指摘のいろんな例もございます。そういう場合に必要があれば業種を二つにするというやり方も一つございます。それからもう一つのやり方をわれわれ考えておりますのは、たとえば大きく業種で、これはまだ単なる例でございますからそう指定するということではございませんが、たとえばゴム工業という指定をいたしまして、そして実際の振興計画では、共通部分もございますが、わりあい各論的に振興計画の内容をその業種に即したものをつくって、各論を幾つかつくって振興計画としてまとめるというふうなやり方もあろうかと思います。いずれにいたしましても、そういうふうに指定のやり方、それから振興計画のつくり方、それはまた承認をする基準にもよるわけでございますが、そういうつくり方等をうまく使いまして産地の実態に即したような形にやってまいりたい。少なくともこういう点で画一的な方針で取り扱うということはこの法の趣旨に反しますので、われわれとしては実態に即してやっていきたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 本法案では関連事業者も含めて産地組合が主体となって振興計画をつくるというふうになっておりますけれども、産地組合の割合が非常に大きくなっているわけです。現在の産地は見てみますと近促法の構造改善事業、繊維法の改善事業、これが行われております。たとえば、先ほども挙げましたけれども、豊岡のかばんの構造改善ではかばんの製造工業組合と卸や材料、これが商業協同組合、こういうのが一体となって実施をしております。それから播州産地では五つの組合が集まって構造改善事業を実施すると、こういうふうになっております。こういうふうな産地というのは非常に数が多いと思うんです。これまで行われてまいっております構造改善事業の目的を損わないように配慮しながら、産地組合の一体性を保つように振興計画というのは実施できなければいけない、そういうふうに指導なさるべきだと、こういうふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおりだと思います。したがいまして、この振興計画をつくるに当たりましては、先ほどの業種の決め方でそういうものを一つの業種として合併して決めるというやり方もございますし、場合によっては、たとえば問屋さんとメーカーという場合には、メーカーの業種を指定いたしまして問屋さんをこの法律に基づきます関連業種という形にして振興計画は一本につくるというやり方もございますが、そういうやり方をうまく使いまして、従来からの近促法等々の積み重ねてきた実績がむしろさらにうまく活用できるような振興計画をつくっていくようにいたしたいというように考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 産地の中で多数を占める、まあ半数ぐらいじゃなかろうかと思いますけれども、私繊維の産地につきましては問題が大変多いと思うんです。繊維法の審議の際にも私繰り返して申し上げましたし、確認させていただきましたけれども、繊維産地につきましては産地組合よりもいわゆる異業種結合のグループを優先すると、こういうことで産地組合はその補完的な役割りを期待すると、こういうことでございました。産地組合の主体性、自主性が明確にされませんでした。今後繊維法に基づいて構造改善事業が進められていくことになるわけなんですけれども、こういう点は一体どういうふうに調整をなさろうとしていらっしゃるのか、こういうことをお伺いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 基本的な考え方といたしましては、繊維の産地につきましては繊維の構造改善の法律と産地法とを両方うまく適用いたしまして、両方の援助をいたしましてその産地の振興を図っていくというふうに考えておりますが、具体的な産地につきましては、それぞれいまおっしゃるように縦のグループと産地の組合との関係、いろいろございます。したがいまして、これについてはよく地元の実情を把握いたしまして、県と産地の方々とわれわれとがよく相談をしてそれがうまく生きるような振興計画のつくり方を考えていきたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、先ほどの繊維法の審議の際に、やはり異業種結合グループを優先するというふうな御答弁がございましたので案じているわけです。ですから、本法が実際に実行されていく上で絵にかいたモチにならないように、やはり十分な御配慮をしていただきとうございます。  さらに、繊維法のときにも私これを問題にいたしましたけれども、産元を通じまして繊維の産地に合法的に商社が入ってくることになるわけです。産元にはアウトサイダーも多くて産地の攪乱要因になることが憂慮されるわけです。その他の産地でも商社が重要な役割りを果たしております。産地振興、この上で実際に市場を結ぶ商売をこういう商社がしているわけです。こういうふうな商社の果たしている役割りがどうなっているかということは、これは産地にとっては欠かせない問題だろうと思います。そこで、買いたたきとかあるいは暴利をむさぼるとか産地の企業を犠牲にする、こういうふうな商行為というのは、これはどうしても防止しなければならない、ここに厳重な目を光らせなければならないというふうに思うんです。振興計画を実施していくためには、私はいままで以上の適切な指導をなさる必要があると、こういうふうに思いますが、いかがでございましょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 原則といたしましては、この産地の中小企業対策を進めていく上において、産元商社というものの力も協力を得まして産地の振興を図っていくということにいたしたいと思っておりまして、この振興計画をつくるときに、産元商社等もこの関連事業者として一緒になって振興計画をつくるということを希望しておるわけでございます。ただ、そういう商社等の活動がいま御指摘のような問題がある場合もあり得るわけでございますから、これについてはおっしゃるとおり振興計画の実施に当たって十分なわれわれの方の配慮が必要かと思います。これについては、やはり第一次的にこの振興計画を承認をいたします都道府県と、それからわれわれとがよく連絡をとりながら問題を起こさないような十分な配慮をしてまいりたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 長官の御答弁の中に、産地の組合の運営はこれは民主的な運営でなければいけないというふうな御答弁がございましたけれども、産地の組合が振興計画を策定するに当たりまして、小規模な業者とかあるいは末端の下請業者の意見が切り捨てられるというふうなことがないように、やっぱりそういう意見を十分に吸収した計画が立てられるように私は配慮を行う必要があると思うんです。県が計画を承認するに当たってこの点も考慮するようにというふうなことで検討をなさっていただきたい、こう思いますけれども、いかがでございましょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この振興計画の作成、それから具体的な運用に当たって小規模企業者、零細企業者というものがしわ寄せを受けないようにするということはやはり重要な点でございまして、先ほども申し上げたとおりでございますが、いまおっしゃったように、具体的にこの組合を指導する第一次的な窓口は都道府県でございますので、今後この法律の運用に当たって、まあいろいろ都道府県にも連絡をしながら実施をしてまいりますので、その際にいまのような問題も十分都道府県にも連絡をいたしまして、われわれの方も気をつけることと相まって遺憾のないようにいたしたいと思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 産地が新商品を試作するとかあるいは展示するとか、新商品の開発などの新商品開発能力育成事業、こういうのが出ておりますね。それからまた展示会とか見本市とかキャンペーンなどを行います需要開拓事業、こういうものに対しましては非常に期待が大きいわけです。  そこで一つ例を挙げますけれども、神戸のケミカルシューズ業界などではイタリアなどと技術の情報交換をいたしまして高級化、ファッション化などを図る努力をいたしております。何といっても新しい製品を売り込むというときには、信頼を高めていく上には見本市とか展示会とかというのは非常に私は効果があると思うんです。豊岡のカバンなどでもブランドを高めていくために産地の名を上げていこうというふうなことで、見本市を考えておられるというふうな具体的な動きもございます。  技術研修を行う地場産業振興高等技術者研修、これは実施をなさるということになっておりますけれども、このように実施の希望も非常に強いわけです。見本市とか展示会などというのは、これは一度行ったらもうそれで効果が上がってしまったというふうなものではなくて、こういうものは繰り返し繰り返しやはり実施をするということが非常に効果を上げるというふうに思うわけです。産地が新しい商品を積極的に開発に取り組んでいくとか、こういうことが具体的に計画が出てくるなら、私は引き続き補助をしていくというふうなことが、さらにこの効果を高めていくというふうになると思うんですけれども、そういう政府としては効果を高めていく上で補助を継続していこうという、そういう意向をお持ちでございましょうか、その点をお伺いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 確かに見本市等は一回限りでなくして、繰り返しやることがまた新商品開発に非常に重要なことであろうかと思います。したがいまして、われわれが考えております組合に対する新商品開発能力育成事業等補助金というものについては、一回やったらもう終わりということではなくて、継続して助成をしていくということを考えております。また、こういうものを助成をやるについては、そういう問題に非常に知識のあります中小企業振興事業団だとか、あるいは海外でございますとジェトロとか、そういうものの援助も十分やってまいりたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それでは、私この辺で質問を終わらせていただきますけれども、こういう産地に対するやはり振興対策を十分に、仏つくって魂入れずということではなくて、先ほどの御答弁を実際に実行していただきたい、それと先ほど申し上げましたように、中小企業対策というものを全般としてもっとしっかりやっていただきたい、このことを御要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。産地中小企業対策臨時措置法案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、大森昭君から発言を求められておりますので、これを許します。大森昭君。

大森昭日本社会党

○大森昭君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読をいたします。    産地中小企業対策臨時措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、最近の円相場の変動が中小企業者に与えている影響等の実情にかんがみ、その安定化のための諸施策を推進し、さらに構造的不況の長期化、輸入品の急増の影響等中小企業をめぐる厳しい環境に対応した適切な施策を実施するとともに、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、対象業種及び地域の指定については、産地の実情に即してこれを弾力的に行うこと。  二、振興計画等の認定及び実施にあたっては、現行制度による施策との有機的な連係・調整を図るよう配慮すること。  三、振興計画の策定等にあたっては、特定業種の関連事業者の合理化事業の推進等についても十分配慮するよう指導すること。  四、本法による助成制度の内容改善について今後とも検討すること。  五、産地の下請中小企業者の保護に遺憾なきを期するため関係法令の厳正な運用に努めること。  六、産地組合及び産地中小企業者の振興計画、事業合理化計画の円滑な実施を図るため、産地組合の育成強化をはじめ、必要な指導、助成に努めること。  七、新製品、新技術開発推進のための体制整備に努めるとともに、開発成果を産地中小企業者が十分利用できるよう必要な対策を講ずること。   右決議する。  以上でありますが、この決議案は本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて説明するまでもないと存じますので省略させていただきます。  何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ただいま大森昭君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、大森昭君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、江崎通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。通産大臣。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理

○国務大臣(江崎真澄君) ただいま議決をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重をいたしまして、産地中小企業振興対策の実施に遺憾なきを期してまいる所存であります。ありがとうございました。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十六分散会      —————・—————

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