商工委員会 第7号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/04/26
会議録
○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十五日、柿沢弘治君が委員を辞任され、その補欠として有田一寿君が選任されました。 —————————————
○委員長(福岡日出麿君) 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○森下昭司君 先日、参考人の各位からいろいろな御意見を承ったわけでありますが、それを前提といたしまして、二、三お尋ねをいたしておきたいと思うわけであります。 まず最初は、かねてから繊維業界におきましては取引の近代化という問題につきまして、いろいろ各方面から話題になっているわけであります。五十二年の一月でありますか、繊維取引近代化憲章、あるいは五月には書面契約の行動指針というものが出されまして業界の指導に当たっておられるわけでありますが、業界の方も自主努力といたしまして繊維取引近代化推進協議会、団体として五十余りが参加をしておみえになるようでありますが、そこで業界の総意というものをまとめて取引改善に協力をしていくというような体制下にあるようでありますが、先日の参考人の御意見を聞いておりますと、なかなか取引改善の点につきましていまだ返品問題でありますとか、あるいはまた押しつけ的な商行為でありますとか、あるいは書面契約等が抜きに行われている実態というものについて若干触れられていたわけであります。そういったことを考えますと、なかなか改善の成果というものが上がっていないというふうに私は見えるわけでありますが、今日、取引の実態についてどのようなひとつ御認識をお持ちなのか。また、今日までの努力によりまして顕著に取引の実態が変わりまして近代化されたというような成果があった点について、まず最初にお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) ただいまお話のございましたような、各種の取引改善についての努力をいたしているわけでございますが、この取引改善の具体的な顕著な効果というものについては、残念ながら私どもとしてもいま申し上げるほどのことは実はないわけでございます。ただ一部業界におきましては、値段を後に決めるというようなやり方、あるいは歩積み、歩引きといったような慣行についての悪に事例が少なくなったというような話がございます。全体といたしまして非常に顕著な改善を見たという状況には目下ないというのが実情でございます。
○森下昭司君 一朝一夕に直ちに改善が行われるというものではないということは、私も認識としては持っているわけであります。ただ先日も、参考人の御意見の中で、たとえばアパレル産業の問題といたしまして、アパレル産業の業者からいわゆる発注がある、下請の縫製業者がこれを受けて納品をする段階で、初めて加工賃の決まるというような実態だという点についてお話があり、かつまた付属品等の納入が期日までにおくれました場合には、業者によっては縫製業者にペナルティーを科するというような過酷な状況になっておる。こうした具体的な問題について、もう少し行政当局が取引近代化のために努力をしたらどうなんだという点が実は強調されておったんです。したがって、そういう実態というものを十分御認識になっているのかどうか。いま言ったように確かに近代化はできてないというお話でございますが、そういう具体的な取引実態というものを御認識になっているのかどうか。そういう点をひとつお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) 取引慣行についての実態的な調査につきましては、実は昨年の六月にかなり多数の千三百六十社を対象に調査などをいろいろいたしておるところでございます。 たとえば、書面契約につきまして、どの程度の企業が書面契約を現実にやっておるかというようなパーセンテージについて具体的に申し上げますと、本当の意味での書面契約を取り交わしているのは昨年の時点ではまだ一八%にすぎない。それから、伝票等で処理をしているものが七四%である。それから、何もそういった書類を使っておらないものが八%である。こういったような状況などもございまして、私どもとしても実態の把握に努めているわけでございます。 ただいま、いま先生の御指摘のございましたような値段を後で決めると、工賃を後で決めるというような具体的なお話がございましたけれども、こういったやり方は、経営合理化を著しく阻害するといったような意味におきまして、私ども産業政策当局にとっても好ましいものではございませんし、また下請代金支払遅延等防止法としてもこういったやり方は禁止されておるといったようなことでございますし、この問題につきましてはさらに関係当局とも十分御連絡をとりまして、厳重に対処いたしたい、かように考える次第でございます。
○森下昭司君 そこで、局長は衆議院の商工委員会におきまして、たとえば、返品率が高い、手形サイトが長い、書面契約が十分でないというような実態等につきましてお話がありまして、近代的でない取引慣行を合理的なもの、近代的なものに行うためには、たとえば、独禁法の体系の中で不公正取引に該当する一切の行為は、この体系でしかるべく対処すべきだと自分は思うということが一つ。 第二点としては、下請関係につきましては、下請代金支払遅延等防止法の体系の中で定められた手続によって当然これは処理すべきであるということを実は強調されているわけであります。 ところが、残念なことには、このようないわゆるお考え方がありましても、きのうたとえば公正取引委員会が三越の押しつけ商法につきまして、昨年の実態等についてそれぞれぞれいわゆる調査をした上で、ことしの四月に排除勧告をした。残念ながら昨日三越は、その排除勧告に対しまして従わずに、審判を要請したということになっているわけであります。 局長がいま言われましたように、このいわゆる取引の実態で、独禁法の体系の中で処置すべきものは処置してもらいたいというようなことを強調されましても、実際に審判に持ち込む——審判は、これは制度上あるわけでありますから、持ち込むことをどうのこうのと言うつもりはございませんけれども、事実問題として長期化する。たとえば、昭和五十一年の日本楽器の事件もいまだ審決がおりてない、審判中である。今回、私は、三越への排除勧告に対する審判も相当長期化するのではないか。こういうことになってまいりますと、私は局長のお考えになっているように、それぞれの法体系のもとで処置をすることは当然だと思うということを強調されましたが、実態は、なかなか遠い道のりを歩くようなものではないかという感じなきにしもあらずなんです。ですから、私は考え方としてはうなずくものがあるのでありますが、この三越の問題等を考えましたときに、このいわゆる法体系以外に、通産省として、たとえば先ほど申し上げた取引近代化推進協議会というものをお持ちになっているようでありますが、これは業者の自主努力の一環であります。もう少し指導の強化という点について具体的な措置をなさる必要が私はあるんじゃないだろうかというような実は感じがいたしますが、こういう点について、御意見があれば承りたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 私の衆議院におきます答弁におきまして、いま御指摘のあったようなことを申し上げたかと思いますが、考え方といたしまして、違法なもの、非常に悪質なもの、そういったものにつきましては、ただいまお話のございましたように、独禁法体系なりあるいは下請法の体系なり、こういったもので本来対処すべきである。しかし、違法ではないけれども近代化の上から望ましくないようなもの、非常におくれたシステム、そういったものにつきましては、これはもう当然通産省の役割りといたしまして、この部分については、われわれとしてもできるだけ、より近代的なものに変えていく努力をする必要があると。一応そういう仕分けで申し上げたわけでございますが、もちろん違法であるもの、悪質であるものは当然処罰の対象になるわけでございますが、その前段階として、私ども行政当局といたしましても、当然何らかのガイドライン的なものというようなものなども考えまして、当然事前に何らかの措置をすべきではないかという御指摘もあろうかと思います。 ただいまの三越の件につきましても、これは百貨店を所管いたしますのは産業政策局でございまして、とりあえず私どもとは別の問題でございますけれども、当然そういった意味で、事前にいろいろ百貨店協会等に対しても御指摘があったかと思いますけれども、私どもといたしましては、できるだけ幅広く全体としての取引改善の中で、そういった事前予防的なものも含めまして措置を考えていきたい、かように存じておる次第でございます。そういった意味で、業界全体の総意を得ながら、現在繊維の取引近代化推進協議会の中で、歩みは必ずしも速いわけではございませんが、一歩一歩着実に進めていただきたい、かように要望もし、支援も申し上げておる、こういう状況にあるわけでございます。
○森下昭司君 これは江崎通産大臣に私お尋ねをいたしておきますが、いまも局長からお話がありましたように、三越の排除勧告が出ましたときに、日本百貨店協会は、自主的に公正取引について、規制基準というものを協会自身がつくりたいということを実は述べているわけであります。これはこれからの作業だと思うのでありますが、私は先ほども申し上げましたように、独禁法上審判を仰ぐ制度というのがあるのでございますが、日本楽器事件ではございませんけれども、百貨店の中で三越が、ほかも同じような似たようなことをやっているにもかかわらず、なぜ三越だけが問題になるのかというような考え方でもしも審判を仰いだといたしますならば、これは私は業者のモラルと申しますか、社会的な立場から申し上げましても、一つ問題が残るのではないだろうか。むしろ、百貨店協会が自主的に規制基準を設けられるというのならば、早急にその基準をおつくりになって、そして三越自身がその基準に従って、今後の販売方法を考えていく、変更していくという態度が望ましい。その時点で、もしも私は三越さんが審判を申請したものを取り下げるという事態もあっていいのではないかと思うのでありますが、社会的なモラルということを前提にいたしまして、こういう制度があるから、争うつもりはないけど、反省すべき点は反省するというような、きょうは何か常務さんの談話が載っておりましたけれども、そういうお気持ちがあるならば、素直にもっと物事を考えて、社会的なやはり批判にこたえていくという態度が望ましいと思うのでありますが、大臣のお考えがありますればお伺いいたしたいと思うのであります。
○国務大臣(江崎真澄君) おっしゃるように業界自体が自主的に一つの販売基準といいますか、行動基準のようなものを作成することができれば、私は非常に望ましいことだと思います。また、特に消費者と密着しておるデパートなどにおいて子ういう基準ができることは、むしろ奨励されていいというふうに思います。 それから、これは三越に限りませんが、最近の大型店舗等々との競合において必ずしも——ああいうデパートが買い手の立場に回るわけですね、商品を仕入れる場合に。売り手との関係が、そんなに買い方が強いものではない。それは大量に仕入れて、もっと安くいいものを売ろうという、いろんなスーパーその他このごろ競合しておりますね。ですから、そういうあたりにも私は一つの不満のようなものが有名デパートの意識の中にあるのではないか。いわゆる買い手市場が絶対的に強くて、そうして売り主であるところの卸問屋等に無理難題を本当に吹っかけるほど強いのかどうなのか、この辺には大変疑問があるということを、これはデパート経営者の一般論として私、耳にしたことがあります。そういう見解が聞かれるにつけても、いま森下さんがおっしゃるように、自主的な一つの基準ができれば、大変それは結構なことですし、消費者を初め一般国民にもそれは知悉されるわけですね。特に取引上、大変有力な基準になるわけですから、ぜひそういう機運があれば、それを醸成することば望ましいというふうに私も考えます。
○森下昭司君 この問題は、しばらく私は事態の観測をいたしたいという気持ちを持っているわけでありますが、まあ私自身といたしましては、やはり返品の問題などを考えてまいりますと、スーパーにいたしましても百貨店にいたしましても、従来同様の経営の形態を続けていくことが、果たして国民の消費という立場から妥当かどうかという議論になってくるのではないだろうか。たとえば百貨店でも、つい一週間ぐらい前までは高い定価の値段がついておったものが、一応バーゲンの時期になりますれば、それが半額になってしまうというような、要するに販売の仕方を時たま私ども見受けるわけでありますが、そういうようなことをいつまでもいつまでも続けていくことが、先ほど申し上げたように、果たして国民の消費的動向とマッチするかどうか、若干の疑問を持っておるものでございますが、そういった点から考えましても、やはり取引の近代化ということは、先ほど局長からお話がございましたように、大変むずかしい問題ではありますけれども、具体的に改善の措置を一歩一歩やっぱり進んでいくという体制で今後も続けられたいということを希望しておきたいと思うわけであります。 二番目の問題は、私、この間、参考人の間におきましても、やはり加工賃の問題について相当御意見があったわけであります。特にゼンセン同盟の宇佐美さんからは、加工賃が高くないために低賃金をどうしても強いられてしまう。そのためにますます細分化というような形で、二重、三重の下請構造が進行してしまって、いよいよ家内労働への依存度が高まってくるような結果になる。これはいま審議いたしております構造改善事業の趣旨と相反するような結果になるという点について御意見があったわけであります。その他の参考人からも、加工賃をもう少し何らかの形で基準と申しますか、ある一定の地域最賃制と同じように加工賃の問題についても考えてくれたらどうなんだというような御意見も具体的に実はあったわけであります。もちろん、業者と業者とのお話し合いでありまするから、原則的には両者の合意がなければ成り立たないわけでありますが、私は自主的なやはり加工賃の決定の段階におきましても、余りにも、不当さという言葉は適当かどうかは別にいたしましても、余りにも安い加工賃であればどうしても賃金にしわ寄せがいくという結果になるわけでありまして、その辺はやはり労働省等と連絡をいたしまして、通産省がある一定のやはり加工賃が確保できるように業界に指導勧告をするとか、指導を強化していくという考え方があっていいのではないだろうかと思うのでありますが、加工賃問題についてひとつお考えを承りたい。
○政府委員(栗原昭平君) 加工賃の水準を具体的にどう考えるかという一般的な考え方につきましては、ただいま先生もお話がございましたけれども、やはりこれは基本的には当事者間の問題であるというふうに私どもも考えておる次第でございます。そういった意味で、政府が個別の加工賃の決定に一般的に介入するということは考えにくいわけでございますけれども、ただ不当に低い加工賃を押しつけるというような場合には、これは私は独禁法の不公正取引の対象になり得ると思います。それから、その加工賃を決める場合の両者間の契約が下請関係にあるというような場合には、これは下請代金支払遅延防止法の規制の対象になり得るというふうに考えます。それ以外に、先生御承知のように、家内労働法という法律がございまして、この法律に基づきまして、むしろ家内労働においては実質最賃に近いような考え方で、これについてはやはり加工賃の水準というものもある程度規制をすべきではないかということから、この水準についての取り決めができるような形になっておりまして、これは労働省の所管の法律でございますが、私どもといたしましても、地域別にこの家内労働法に基づきます加工賃の決定等が行われます場合には、特に業界その他との連絡も通産省としては労働省と連絡をとりながらしかるべき指導というものはしてまいりたい、そういうふうに考えているわけでございます。
○森下昭司君 加工賃問題につきましてはいろいろと論議を呼ぶところでありまして、今後またいまお話がありました趣旨に沿って御努力を願っておきたいと思うわけであります。 そこで、時間の関係もございますので、また参考人の御意見の中で、秩序ある輸入ということを前提にいたしまして幾つか問題が出されていたわけであります。その中である参考人から、私どもといたしましては発展途上国、中進国ですか、そういう国々からの追い上げということが問題になっておりますときに、たとえば香港でありますとか台湾あるいは韓国というものが、従来非常に意識の対象になっておったということであったのでありますが、先日の参考人のある方からは、中国の繊維製品について若干の実は問題提起があったわけであります。昨年の繊維製品の関係からまいりますれば、韓国が十億三千五百十四万七千ドル、台湾が二億八千百八十八万三千ドル、香港が一億四千四百七万六千ドル、これは「貿易動向」の三月号、おたくの通商調査課の資料に基づきますとそういう数字が出てまいります。合計いたしますと、この三つで十四億六千百十万六千ドルですね。それに対しまして中華人民共和国は、この資料によりますれば総計三億七百二万九千ドルであると、いわば五分の一程度というような数字上の問題が出てくるわけであります。でありまするが、私は数字上の問題からまいりますると、参考人の方が御指摘になりましたように、従来どおりやはり韓国が一番主体でありますが、台湾、香港というような三つが特に関心を呼ぶものでありまして、さほど中国の繊維製品のわが国への輸入については余り大きな問題点はないのではないだろうかという感じが実はするわけであります。そういう点について、現在の中国からの輸入の問題、それから今後の中国側から日本に対する輸出、日本は輸入するわけでありますが、そういった問題がどう発展していくのか、どういうような動向を示していくのか、見通しがありますればお尋ねをいたしておきたいと思うのであります。
○政府委員(栗原昭平君) わが国と中国との繊維貿易でございますが、中国からの輸入のわが国の繊維輸入に占めますシェアでございますけれども、ここ数年間見てみますと大体十数%程度で、余りシェアが伸びているという数字には相なっておりません。そういう意味では先生御指摘のように余り心配がないではないかという見方もできるわけでございますが、日中国交回復以来、その日中の貿易あるいは経済関係をさらに拡大させようという全般の流れの中で、繊維につきましてもぜひ中国との取引を進めたいという業界の中のムードというものは御承知のように非常に高うございます。さらにその裏づけをなしますものは、特に最大の繊維の取引相手でございます韓国でございますが、この韓国が特に最近労賃が非常に上がっております。年率にして三割以上も上がっているというような状況もございまして、これからはむしろ韓国よりも中国ではないかというような業界としての一つの先行きについての見方というものもございまして、中国中国という声が非常に昨今強くなったわけでございますが、実際のここ数カ月の動きを見ますと、昨年の末ぐらいまではかなり数量的にも増加したという傾向がございましたけれども、ことしに入ってからやや落ちつきぎみであるというようなのが現状でございます。と申しますのは、やはり中国におきましては設備の近代化が非常におくれておるというものがまず一点考えられますし、それと同時に納期についてかなり長期間を要するというような問題もございまして、必ずしもスムーズに商取引が進行するような状況にはないというのが実態だろうかと思っております。ただ、将来どうかというお話でございますが、将来はやはり全般的に日中の貿易取引なり経済関係というものを拡大させようというわが国の方針の中で、繊維の貿易も漸次拡大するというふうには思いますけれども、これはいろいろ繊維につきましては両国間の経済情勢その他諸条件いろいろございますので、必ずしも明確に申し上げられませんけれども、やはり漸次拡大する方向にはまいるのではないか、かように存ずる次第でございます。
○森下昭司君 先般、やはり局長がお答えになっている中で、香港、台湾、韓国で昨年は全体の輸入の六割強に当たっていると、そして将来のいわゆる見通しといたしまして、たとえば、これら三つの地域の状況からまいりますと、合繊関係は一九七〇年にはわが国の一割弱程度の能力しかなかったと、それが一九七七年には約五割の設備を持つに至ったと、また紡績関係の生産設備能力におきましても、一九七〇年はわが国の四分の一程度でありましたが、これが現在は二分の一程度に能力がふえてきた、生産数量からまいりますと、わが国と比較いたしまして合繊は七〇年一五%程度のものが現在五三%生産している、紡績関係はもうわが国と同じ水準にあるのではないか。絹織物は七〇年が二八%でありましたが、現在はもう七〇%の生産能力を持っているということをお述べになっていて、やはり具体的な数字からまいりますれば、将来もまた現在と同じように台湾、香港、韓国のこの三つの地域からの輸入問題をどう扱っていくかということが、わが国の秩序ある輸入をどう具体的に展開をしていくかということにも通ずるというような御趣旨のお話があるわけでありまして、いまの中国の先行き見通しの問題等を関連をいたしますと、韓国が年々労賃が三割程度上がって、韓国から今度は中国ではないかというような業界の御意見は、やや私、早計的な御判断ではないだろうか。いまの設備能力あるいは生産能力という点から考えますれば、将来にわたりましてもやはりこの三つの地域はわが国にとって主要な追い上げ国であることは間違いないというふうに私思うのでありますが、この点についてもう一度中国との相対比較関係の上に立ってお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 韓国、台湾、香港等近隣の発展途上国におきます繊維に対する取り組みという意欲は非常に強いものがございまして、もうすでに国内の自給化は当然達成しておりますし、安い労働コスト、さらには政府の輸出振興策というようなものを背景にいたしまして、積極的に輸出市場に出てきておるという状況でございますし、現実にわが国に対する輸入のウエートを考えてみましても、これらの三国がやっぱり繊維輸入の最大の問題点となり得る国であるというふうに私も思います。 これらの国それぞれ事情は異なりますけれども、これは多少私見にわたりますけれども、韓国は最近の状況を見ますと、確かに賃金の絶対格差というのが日本とかなりあるわけでございますけれども、賃金の上昇率もかなり高うございますし、熟練労働者も、繊維のような軽工業から機械とかいろいろほかの産業にむしろ移って、非常に繊維労働者の熟練度も落ちてくるというような問題もございますし、それは否定することはできないと思います。ただ、いま非常に大きな絶対的な格差がすぐに縮まるかと申しますと、これはなかなかそう簡単には縮まらないので、やはり今後ともわが国との関係におきましては、韓国というものが輸入の相手先としては非常に大きなウエートを占めるであろう、かように考えるわけでございます。中国につきましてはそう簡単にシフトするというような問題ではないと思いますけれども、やはり長期的に見ますれば、輸入の相手としてはかなりのウエートを持った国になるんではないか、かように考えておる次第でございます。
○森下昭司君 中国は、先般ピエール・カルダンが初めてやってきてファッションショーを北京で開催したことが重大ニュースのように伝わるわけでありまして、まだまだわが国のアパレルとの関係とか、あるいは知識集約型の状況から比べますれば、私は相当な隔たりがあるのではないかと思うのであります。生産能力、設備能力からまいりましてもそういったことが言えるのではないかと思うのでありまして、ただ、先般は価格が安いということを非常に強調されておりまして、通産大臣もまた、特定品目について余り低廉な価格でわが国の輸出市場が荒らされるならば、それはある程度秩序ある輸入という立場に立って考えなくちゃならぬということは一遍お答えになっているようでありますから、そういう点で、全般的な視野に立って今後もひとつ御検討をいただきたいということを要望して、時間がありませんので最後に一つ。 日米繊維交渉、これは本年一月東京で行われまして、一応通産省といたしましては、まず第一に原則自由の確保。第二には特定品目の規制については、少なくとも今年から規制を始められるようなものにつきましても、たとえば本年度の輸出の影響がないような形の枠組みの中で交渉をした。したがって結果は、ことしは別段わが国の繊維業界にとっては余り大きな痛手ではないというような御見解であると聞いております。ただ、先般新聞の報道でございますけれども、アメリカの政府が、いわゆるアメリカ国内の業者と業界の近代化と輸出拡大に努めるという約束と引きかえに、繊維衣料製品の輸入規制を強化するというようなことで双方が合意をした。したがって、二国間の繊維輸出規制協定というものを強化するということを保障するということになったわけであります。わが国は十品目につきましてアメリカと二国間協定があるわけでありまして、この一月の繊維協定で結ばれていた協定と、このようないわゆる二国間の繊維協定の規制を強化するという新しい事態とは矛盾しないのかどうか、つまり、一月の協定の内容について変更はいささかもないかどうか、その点だけを確認いたしたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) これは変更はございません、結論的に言いますと。むしろ、これは輸入管理をより厳格に行おうという対象国は香港とか韓国とか。日本は、いま御指摘のように、協定どおりということで三年間向こうと話し合いがついております。
○馬場富君 最初にニット関係で、先般愛知県の岡崎を中心としたニットの産地で、三友、真和ニット協同組合の倒産のため、産地の六〇%の生産を占める組合だけに大きい打撃を与えておりますし、この地方の産地では致命的な問題となっておるわけであります。これに対する概要と対策を説明していただきたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) ただいまお話のございましたように、真和ニット工業組合が三月の三十一日に、四月の三日には三友ニット協同組合が、さらにその翌四日には濠綿がそれぞれ破産の申し立てを行いまして、いわゆる濠綿グループ全般としての経営破綻が表面化することになったわけでございます。 この原因等につきましては、三者ともかなり共通した面がございまして、五十二年ごろからの販売活動の展開の失敗でありますとか、あるいは暖冬の影響によります大きな在庫負担、さらには関連企業でございます興南ニットといった取引先に対しまして支援の失敗、不良債権の膨大化と、こういったような事情が重なりましてこういった事態に追い込められた。さらに、資金繰りの悪化に対応しまして融手がかなり発行されたというようなことから、県当局あるいは通産局等もこの破産の一月ほど前からずいぶん支援を申し上げたわけでございますが、金融機関としてもこの融手問題等もございまして、最終的にはやむを得ず今日の事態になったと、かように経過としては承知をいたしておるわけでございます。 なお、この三者の負債総額は全体で百八十四億円というふうに私どもとしては聞いております。 こういった状況に対しまして私どもとしては、まず影響の面でございますが、この三者の生産ウエートというのは岡崎地区の三割も占めるという状況でございますし、関連企業も九十社程度あるということでございますので、特にこの地区の関連中小企業に対します影響を懸念をいたしておるわけでございます。 これに対します関連中小企業対策といたしましては、名古屋通産局に岡崎地区ニット産業緊急対策室を設置いたしまして、県、市、関係機関、財務局あるいは金融機関などとも密接に連絡をとらせまして、現地相談会の開催、あるいは中小企業の倒産対策緊急融資制度の活用、信用保険法に基づきます倒産関連保険の適用、下請中小企業に対します取引のあっせん等の措置を講じてまいったわけでございます。また、愛知県岡崎市におきましても、緊急融資、利子補給等の緊急対策を講じられております。こういった対策を全体として活用することによりまして、できるだけ関連企業への影響を極力回避しますように、私どもとしても格段の努力を払ってまいりたいと、かように存ずる次第でございます。
○馬場富君 特に三友ニットについては、構造改善事業の通産の指導のもとに行われておる組合でありますし、真和についても、やはり通産省の指導のもとに行われておる組合であるということでございますけれども、そういう点について、その監督指導がどのようになされておったかという点と、融手の乱発等については事前に気がつかなかったのかどうかと、こういう点ですがいかがでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 御指摘のように、私どもといたしましては、その計画承認の段階におきまして一応これらの企業グループに対しますチェックは行ってきたところでございます。また、承認以降の段階におきましても県当局は月に一回指導、診断というものを行って状況の把握に努めてまいったところでございます。こういった中で、今回の不幸なケースが発生したわけでございますが、私どもといたしましては、構造改善計画の意図において誤りがあったということでなしに、実際の運用の面でいろいろ問題があったと考えております。運用と申しますのは、具体的に申しますと、たとえば三友ニットの場合には組合員からだけではなくて、組合員以外の人から製品を大量に購入して販売するといったような事業をやって、それがうまくいかなかったというような、構造改善事業以外の事業の失敗というようなものが一つの大きな原因となっておるというようなこともございますし、あるいは経営者につきましてもこういったトップマネージメントにおいてかなり問題があったというふうにも考えておるわけでございますが、今回のこの不幸なケースにつきましては私どもも十分このケースの実態を把握いたしまして、われわれにとっての教訓といたしまして、今後の運用についても十分役所としても配慮をしてまいりたいと、かように存ずるわけでございます。 なお、融手等の問題につきましては、わりあい最近の時点に至るまで承知しておらなかったというふうに報告を受けている次第でございます。
○馬場富君 特に融手の乱発が三十億円に上ると、こういうふうな数字も言われておるわけです。ここらあたりは非常に致命的な打撃でもあるし、また関係者に大きい波紋を与えておるという状況ですから、やはり関係組合員ももちろんだけれども、関連社の関係にもそのためにもう立ち上がれないというような状況まで出てきておるわけです。そういう点で、やはり立ち直りのために現在要望されておるのは借入金の金利の点ですね。それからもう一つは、やはり期間の延長の問題と担保の問題が非常に結局関係業者から強く訴えられておるわけですが、この点について何かお考えがあるかどうか、御説明願いたいと思うんです。
○説明員(山口務君) 関連企業に対しましては、御承知のように、国、県及び市の方で倒産関連融資を実施いたしておるわけでございます。国の金利は、通常金利に加えまして、特別のケースにつきましては六・三%ないし六・八%となっておりますが、これを補完いたします意味で市の方でも利子補給あるいは保証料の補助というものをやっていただいておるわけでございます。これらに加えまして、これは新しい融資についての制度でございますけれども、既存の借り入れにつきましては、従来から不況業種に属します企業につきましてはその実態に応じまして借入金利の軽減措置を講ずる、こういう対応策をとっておりますので、今回の岡崎地区のニット業者につきましてはこの運用をきめ細かくやっていくということで対処してまいりたいと思っております。
○馬場富君 この点ひとつ通産、県、市とも連携の上、やはり強力な推進をお願いしたいことを要望するわけです。 次に、この地域にやはり二百七十社のニット業者があるわけです。ところが、この中でやはり倒産の被害を受けたのは八十五社ということに私の方の調べではなっておるわけですが、実はもちろん関係者はそういう直接の被害ですけれども、関係のない業者まで実は波動を受けて困り果てておる。特にその中で、いままでやはりニット製品というのは大商社が取引となって行われておる点がほとんど主体なんですね。そういう点でやはりこの八十五社以外のあと三分の二に当たる業界についても、非常に大手商社が手控えをしてしまって仕事がないという現象が起こっておるわけですよ。この点について当然関係当局としてそういうまじめな健全な業者については、きちっとやはり商社が従来どおりこれは仕事を進めていくという指導をすべきであると思いますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) この三社の倒産に関連いたしまして、地元の関連業界におきまして御指摘のような信用不安的な動きがございます。地元の業界におきましても産地の信用回復のためにいろいろな活動をなされておりますけれども、私どもといたしましても県等と協力いたしまして、通産局が関連の商社に対しまして原糸の供給、仕事の継続等につきまして文書あるいは口頭をもって強く協力要請を行っておるという次第でございます。細かい点は省略いたしますけれども、今後も産地の混乱を回避するために機会をとらえまして関連業界に働きかけを行っていきたいと、かように存ずる次第でございます。
○馬場富君 特に取引関係にある大手に対して、やはり関係のない業者について手控えのないような従来どおりの仕事を継続することを強く指導してもらいたいと思います。それから、この倒産のために関係より出た商品がニット商品にして五十万枚ほど浮いておると、こういうふうに言われておるわけですよ。これは倒産の影響から商品がストックされたというか、そういう対象のために取引の対象外に外されてきたということが言われるわけですが、秋の需要期を控えてこれが不当処分される傾向が非常に強いと。そのために一般の取引の値段等について大きくこれをかき回していくというような傾向がもう強く心配されておるわけですけれども、この点についての当局の対策をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) ただいま御指摘のように、この三社につきまして愛知県の資料によりますとかなり大量の在庫が残っておるということは私どもも承知いたしております。この破産企業の在庫処分につきましては、いろいろ賃金弁済でありますとか債権者等の関連がございますので、子の円滑な処理が要求されるという必要性もあるわけでございますけれども、一方御指摘のように短期間に大量のものが処分されるということになりますと、市況にも非常に影響が出てくるという心配もあるわけでございまして、こういった問題につきましては実はその程度の報告しかまだ私ども受けておりませんけれども、地元につきまして早急に事実関係を確かめたいというふうに考えております。ただ、五十万枚という数量につきましてはやや大きいのではないかというような感じも持っておりますけれども、さらにもう少し実情については把握をいたしまして、適切な指導を申したいというふうに、かように考えておるわけでございます。
○馬場富君 この問題につきまして、大臣に最後に岡崎といえばニットの産地、そのニットの中でもう三友、真和、濠綿あたりが崩れてくると、あの地域では実際三十億からの融手の乱発からいって、もうこれは本当に岡崎のニットが立ち上がれない問題になってくるんではないかということが予想されておるわけですが、その点についてやはりそういう伝統的な産業でもございます。また産地有力産業でもあるわけですから、そういう点についてひとつ通産当局にこれに対するやはり強力な対策をひとつお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) お話のとおり、あの辺の最も中心的な産業ですね、これが大変な影響を受けて、今後も消費者筋の手控えが行われるなんというようなことになりますと、これは地域ぐるみの不況を招きかねませんし、また零細なこれら中小企業者にとっても大変な痛手でありまするので、十分名古屋通産局とも連絡を密にしたり、愛知県の商工部等とも連絡を密にいたしまして、いま局長が申しましたように、万全の策をとってまいりたいと考えます。
○馬場富君 ここで大臣、きょう箱根でエネルギー問題の専門家会議が行われておりますが、これには天谷エネルギー庁長官も出席しておるわけですけれども、この会談の趣旨と、日本としてのこれに対する腹構えを聞かしていただきたい、こう思います。
○国務大臣(江崎真澄君) サミットにおいてこのエネルギーの問題が大きく取り上げられることは当然考えられるわけであります。先ごろの理事者レベルの打合会におきまして、わが国がエネルギー問題についてのポジションペーパーを担当することになりました。いま天谷エネルギー庁長官が中心になってこのポジションペーパーの成文化を進めておるところであります。この案の完璧を期して理事者クラスの検討が行われる。また、ポジションペーパーに漏ればないのかどうかということなどが話し合いの対象になるわけでありまするが、その目指すところは、第一は、イランの政変以来石油が減産し、いわゆる二百万バレル・パー・デー、これだけ足りないということから、五%の節約を御承知のとおりIEA加盟国が推進をする、こういうたてまえからこれがどう実施されるのか、この節約の実施についてまず議論が行われます。 それから、あと第二点としては、石炭でありますとかの液化技術、原子力等の代替エネルギーをどうするか、これがやはり問題になりましょう。それから、太陽熱であるとか核融合であるとか、そういった次の新しいエネルギーをどう開発、研究を進めるか、こういったことが問題になる、ポジションペーパーの中心議題であろう、こういうふうに私ども考えて進めておるわけであります。
○馬場富君 これには世銀等もかんで、やはりその一つは発展途上国へのエネルギー協力という立場で協力基金等の設置ということの方向性が検討されるようでございますが、これに対して日本政府としての考えはどうでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 今朝の朝日新聞で、私もいま御質問の後進国のエネルギー対策をどうするのかということについて見たところでありますが、これがまだ具体的に問題になるかどうかということば具体化されておりません。結論から言いますると、推測記事ではないかというふうに考えるのであります。ただ言えることは、石油の値段がどんどん上がってまいりますると、後進国としては非常に困った立場に追い込まれることは、これはもう前の石油ショックに見ても明らかであります。したがって、後進国のこのエネルギー開発に対する協力をどうするのかということは、今度のマニラにおいて開かれるUNCTADにおいても当然議論になる点であるというふうに考えられます。かれこれそういうことを考えますと、やはりサミットにおいて後進国のエネルギー開発に対する協力をどうするかということは、やはり一つの大きな話題として取り上げられるであろうと、このことを推測して書いたものというふうに思います。 それからまた、これが話題になればわが国としてももとより応分の協力をしていくことは、これは必要なことだと思いますし、それぞれの関係諸国と話し合いをしながら進めてまいりたいというふうに考えます。ただ、何か新聞では、昨年カーター大統領が五億ドル程度の基金を設けて、そうして途上国に対するエネルギー開発援助に協力をするという、相当具体的な説明が加えられておりましたが、そういうことは、あるいは会議の中身で話し合いがなされたかもしれませんが、積極的にそういう話し合いがボン・サミットにおいて進められたということはないというふうに承知いたしております。
○馬場富君 最後に、同じ立場がやはり日本にも、一つは発展途上国以外にも言えるんじゃないか。それはいま当局が行われている省エネルギー対策もその一環ではないか。それとあわせまして、最近特に原油の値上がりから石油の大幅値上がりが発表されておりますけれども、ここらあたりの関係ですね、値上がりの問題と省エネルギー問題に対してわが国としての大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 先ほど来申し上げておりまするように、二百万バレル・パー・デー足りないということで、それが世界消費量の五%であるということからこの五%節約が言われております。ですから、わが国としてはやはりまず節約をすること、これはもう当面の喫緊事としてどうしてもこの五%節約は徹底しなければならないということで、先ごろも、もう少し徹底してこの節約政策が進められるように官公庁を初め民間にも呼びかけたところであります。 値上がりの問題でありますが、これはやはり節約をすることによっていわゆるサーチャージ分、プレミアムと言ってもよろしゅうございますが、そういったものがどんどん産油国の恣意に任せて上積みをされないようにわれわれとしては努力していく必要があろうかと思います。まあ五%昨年の事態では余っておった。そこで値崩れを来した。ところが、今度は五%足りないということによって、一つの国際的不安感を背景にして際限のない値上がりが続くとすれば、これは大変なことであります。したがって、あの石油ショックのときもそうでありましたが、あわてて対処することば消費者にとって大変なマイナスであり、むしろあのとき非常にもうけたのは産油国及び石油関連業者であったということを考えまするときに、冷静に対処し、本当に節約を徹底していけば、法外な高値をこれから永続的に呼ぶということはある程度防止できるのではないかというふうに考えます。 その意味は、昨年の同期の一・四半期においても——二・四半期はこれは六月までですから見通しになりまするが、はるかに増量されて入荷が可能であったということですね。 一−三月は百万キロリットル、いや四−六は二百七十万キロリットル余分に入ってくるであろう、こう言われておるんですね。量はあるんです。ですから、量はあるという言い方はちょっと言葉が適当でないかもしれませんが、量は確保されておる。だから、あわてることはないので、本当に節約が徹底すれば私はそのサーチャージ分が恣意にまかせてどんどん付加されるということはあり得ないというふうに思うのであります。したがって、いまお尋ねの点に一言でお答えするならば、やはり節約の徹底、これの一語に尽きるかというふうに思います。
○安武洋子君 今回の法改正によりまして、構造改善事業を行える事業主体が拡大されまして、大手原糸メーカーとか産元系列を通じまして、大商社などが構造改善の事業に参加してくることになります。そこで、こういうことによりまして産地の系列化とかあるいは産元の参加の形態によりましては産地の混乱も予想されます。中小企業や下請企業が大企業の優越的な地位の利用によりまして被害を受けるという、こういう問題につきしては、こういう危険性があるということにつきましては私、せんだっての質問の中で申し述べました。繊維業界に無用の混乱を起こすか、また賃機も含めて中小零細企業がともに発展していくか、これは通産省の本法の運用に私はかかっていると思うんです。 そこで、法改正による新たな事態に対応する運用方針につきまして二、三お伺いしてまいります。 まず最初でございますけれども、構造改善事業の負担金です。特に商品開発センターの負担金と運営のあり方についてお伺いをしたいわけです。負担金につきましては、賃機などからは負担金ばかり取られて直接的なメリットがない、こういうふうな意見が出されております。また、参加企業からは、負担割合についてもこれはまたいろいろと意見の出ているところでございます。そして、新たに産元が加わりますと、本来設備等を持たない産元の負担をどうするのかという問題が出てくると思うんです。これらの問題についてどう対処をしていくお考えなのかお伺いをいたします。 それからまた、商品開発センターの成果というものはこれは当然参加者全部の利益として還元される、こうなるのが当然だと思うわけです。産元等の参加でこれが損なわれることのないように私は厳密な指導をなさらないといけないと思うんですが、基本的なまずお考えをお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) お話しのように、現在の構造改善計画の承認基準におきましては、構造改善の事業の実施者のすべてが費用の一部負担を行うという要件に相なっております。この場合におきまして特に小規模の繊維事業者の費用負担、これについてはもう少し義務づけを緩和すべきではないかといった要請が業界の一部からあることは、私どもも承知をいたしておるところでございます。このすべての人が費用の一部を負担をするべきであるという考え方は、やはりその費用の負担との見合いにおいて共同の施設の共同利用といったことをやっぱり皆さんにやっていただくということとのうらはらの問題として義務づけが行われている、こういう考え方でございます。私どもとしましては、この実施者のすべての人が共同に利用するということが確保されるような、そういう趣旨に沿った形が確保されるようなことであれば、ただいま御指摘の負担金というものも何らか要件の緩和が考えられ得るんではないかというようなことも考えておりますし、この問題につきましてはそういった趣旨に沿って可能であるかどうか、その辺につきましてはさらにもう少し研究さしていただきたいというふうに考える次第でございます。 それからいま一点の、商品開発センターにつきましての共同利用におきまして産元等が入りました場合に、その人だけがその施設の利用をして、ほかの方が施設の利用をしないというようなことに相なっては、やはりこの制度の本来の趣旨に相反することになりますので、一組合員がまず過半利用するような商品開発センターというようなものは、助成の対象から原則として除外するという考え方は従来からあるわけでございますけれども、今後も制度の改正に伴いまして、大企業あるいは産元等が参加したグループにおきまして、この共同利用というものが実施者に成果が均てんされるというような基本的な考え方に立ちまして制度の運用に心がけたいと、かように存ずる次第でございます。
○安武洋子君 いまの御答弁に重ねてお伺いをいたしますけれども、商品開発センターの設置が義務づけられておりますけれども、中小企業ではなかなかこういうことは容易なことではございません。構造改善事業をむずかしくしている一つの理由になっていようかとも思うわけなんです。しかし、設備リースを利用しまして設備の近代化を図ろうと、こういう意欲は持っているわけです。商品開発と設備リースは密接不可分な関係でございますけれども、当座は民間の研究機関を活用したいと、こういう考え方もございます。産元商社などの参加によりまして、こうした考え方は私は一層強くなっていくのではなかろうかというふうに思うんですけれども、どういうふうに対処されるお考えでございましょうか。 それからまた、大企業の研究機関を利用する場合、その成果とかノーハウなどがどうしても大企業に回されてしまう、よい成果がグループに還元されないというふうなことも考えられるわけなんです。こういう点の御指導はどうなさるでしょうか、そういう点をお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) 私どもといたしまして、商品開発センターというものは、構造改善の事業の実施者によりまして共同して利用されまして、そして新しい商品なり新しい技術の開発にそれぞれ取り組んでいかれるということが望ましいというふうに考えておりますけれども、こういった趣旨に基づきまして考えてみますと、この共同の施設というものが必ずしも自分がその施設を持っているということでなくてはならないというふうには実は考えてはおりません。したがいまして、その商品開発センターといったような共同の施設につきまして、これを他の人から賃借をする、リースを受けるというような場合も幅を広げて考えていきたいというように実は考えておるわけでございます。ただ、その場合におきまして本当に名目的にお借りしますというようなことで、実際には大企業の研究施設なり何なりを形の上だけ借りることにして、実際は余り使わないというようなことで商品開発センターがあるということにいたしまして、設備リースを別の面で受けるというような、いわば脱法的な動きというものも予想されないではございませんので、そういった点にも注意をいたしながら、リースなり他から借りるということで、本当の意味での商品開発センターの機能を備えておられるというようなものについては幅を持って弾力的に考えていきたいと、かように考えておる次第でございます。
○安武洋子君 商社とか大手メーカーとかまたそのダミーそれから下請企業、こういうものはどうしてチェックしていくかということは私は大きな問題だと思います。制度的に大企業や系列会社のチェックが必要だということは申し上げるまでもないことなんです。幾ら中小企業に過重な負担がかからないようにするとか、大企業の優越的な地位の乱用があればチェックすると、こういうことを言いましても、運用上のやはり担保がなければいけないと思います。現在でも大企業の資金とかあるいは系列会社では出資企業の出資金、出資比率あるいは役員派遣の企業名、それから役員構成、取引関係があれば取引企業と取引形態、こういうものが確認できることになっております。構造改善事業の全体計画の記載事項には、これはなっていないわけなんです。参考資料にすぎないわけです。それで、今度系列の産元の参加などによって指導上こういう資本関係とか取引関係は必須事項になってくると思うのです。私は都道府県段階の指導審査に当たっても、それから大臣の承認に当たっても、指導機能を強めるためにもこれは私、全体計画の記載事項としてやはり記載させる、そして厳密な指導をする必要があるのではなかろうかと、こういうふうに考えておりますけれども、いかがお考えでございましょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 大企業とのグループ化につきまして、この運用におきましてそれが大企業の不当な支配につながらないような運用というものは、私ども十分心がけたいというふうに考えております。この場合におきまして構造改善の事業計画の承認の段階、さらには承認後におきましても、それぞれチェックをいたしたいと考えておるわけでございます。 具体的には、まず計画承認の段階でございますけれども、まず計画の内容の一つといたしまして、計画の実施者につきまして記載した諸般の書類というものを出させまして、大企業自身についてはもとよりでございますけれども、大企業との人的な関係、資本の関係、取引の関係というものを十分にチェックできるような体制というものを考えたいというふうに存じております。そして、その運用に当たりましては、法律の第四条第五項に承認基準が定められておりますけれども、この計画の内容が基本指針に照らしまして適切なものであるかどうか、こういった判断を行うことにいたしております。特に、大企業のグループ化によります不当な支配という問題につきましては、取引条件というものがやはり具体的にあらわれてくる現象としてとらえられる問題であろうかと思いますが、不当な取引条件といったものを中小企業に課さないように、こういったことを防止するために、取引関係につきましても構造改善事業計画の内容として提出させたい、かように考えております。 この際に、先ほど先生御指摘のように過重な負担を課さない、特に小規模繊維事業者について配慮するといったことでチェックをいたしたいというふうに考えている次第でございます。
○安武洋子君 参考人の、先日、御意見をお聞きしました。参考人の御意見を聞きましても、それからまた産地の方々のお話を聞きましても、産地組合を一層活用していく必要があるのではなかろうかというふうに思うわけです。これまで改善事業がうまく進まなかったという一つの原因は、これまでいろいろ努力をなさってこられている産地組合というもの、これを活用しなかった面も強いのではなかろうかと思うわけです。産地組合が軽視されているために旗振りの方もいらっしゃらない、そして構造改善の意欲もなくしてしまう、こういう面もございます。自助努力というのが問題にされておりますけれども、こういうことがやっぱり産地組合ですね、こういうものが軽視されている中では意欲も損なわれてしまうわけです。ですから、いまでも旧来の仕事にしがみついていこう、好きこのんで旧来の仕事は捨てないんだと、そういう産地組合は私はないと思うのです。やっぱり、これまでの蓄積を生かして産地組合、産地全体がやっぱり振興していこうと、事業も栄えさせていこうというふうな御意見をお持ちなわけなんですけれども、私はやっぱりこういう産地組合というものを一層活用して、産地全体をやはり繁栄させていくというふうなことを考えなければならないと思うのです。そういう具体的な施策というのはどういうふうにお考えでございましょうか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) 特に繊維産業におきましては、織物業を中心に産地組合というものが組織化の中心になっておりまして、各産地におきまして非常に重要な役割りを果たしております。これまでの構造改善の運用に当たりましては、特に四十九年代の新しい異業種間連携——縦型の構造改善ということに当たりましては、既存の業種ごとの産地組合というのはとかく横の関係にございますので、対応に戸惑いがあった、そういった意味で、先日の参考人からのお話のように、自分たちは必ずしも十分に新しい構造改善に対する取り組みができなかったということを申しておられると思いますが、私といたしましては、やはりこの産地組合というものが現実にいままで長い期間にわたって培った経験なりあるいは豊富な人材もお持ちでございます。そういった力をこれからの構造改善の推進にやっぱり積極的に活用していただきたいというふうに存ずるわけでございまして、そのためにもこの今回の法律の改正、延長を機にいたしまして、産地組合におきましてはこの新しい制度のまず周知徹底につきましてぜひ御協力をいただきたいというふうに思っております。その際に具体的に、たとえば繊維の構造改善の事業強化の登録指導員という制度もございますけれども、こういった登録指導員には産地組合の職員を委嘱するといったようなことも考えたいと、かように存じております。こういったことを通じまして、新しい制度の普及あるいは指導、周知徹底といった面でひとつ積極的な役割りを担っていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○安武洋子君 いま御答弁にございましたその産地組合の指導員というのは、それは有償でございますか。
○政府委員(栗原昭平君) これは従来の制度としては無償でございます。
○安武洋子君 毎日働いております機屋さんの意見を、十分なやっぱり工賃が保証されなければやっていけない、それから工賃が保証された上でいままでの技術を向上させていって設備の近代化を図っていくというふうな御意見をお持ちなわけなんです。構造改善、構造改善といいましても、織布業界なんかでは機屋さんのこういう体制が整っていないというのがいま非常に問題なわけなんです。私はやっぱり十分な工賃が保証される、そしてそれを生かして技術も向上させていける、そして機械の設備も新しくすると、こういうふうなことが、体制が整っていなければ成果が上がるはずがないと思うわけなんです。こういう構造改善していくにも前提を欠かしてはだめだというふうに思っております。構造改善事業をおやりになるということも非常に大切なことですけれども、そのいま私が申し上げた前提条件を早急にやはり整備していくということが私は大切だと思う。こういう対策をどうお取りになるのか。幾ら汗水を流して働いておりましても、有効な輸入規制とか逆輸入を目的とするような設備投資ですね、海外投資です、こういう規制がされていないために、もう仕事の存亡が問われるというふうな状態にもなっているわけです。不合理な取引も改まっていないというふうな状態です。ですからこういう面で、先日の参考人のお方も逆輸入の規制とか不合理な取引の改善というのはやはり望んでおられたわけです。業界もこういう問題を非常に要望むしている。しかしそれにもかかわらず、有効な手段を通産ではおとりになろうとしていないというところに問題があるわけです。ですから、これでは基盤整備どころか、基盤をずっと突き崩していくというふうなことになってしまいます。ですから、私はここでお伺いしたいわけですけれども、本当に構造改善、構造改善と言う前に、やはり基盤を整備していくというふうなことを緊急にやっぱりなさらなければいけないし、いま申し上げた業界挙げてやはり基盤を突き崩すような逆輸入の規制とか、あるいは不合理な取引改善とか、それから海外投資の規制ですね、逆輸入を目的とするような。こういうふうなものに対して、やはり私は一定の政策をお出しにならなければいけないと思うのです。一体日本の繊維産業を今後どのように発展させていこうとお考えなのか。私、明確な政策展開の方向を大臣にお伺いいたしとうございます。
○国務大臣(江崎真澄君) 先ほどから局長もお答えしておりまするように、知識集約型の産業に取り組めない零細企業者、これはやはりあると思います。したがって、それをどういうふうにするべきかという点に御質問の中心があるように思いますが、やはりこれは小規模の繊維事業者につきましては、従来から施設の共同化事業の対象として生産関係の共同施設の設置、それから設備の近代化に対する助成措置、こういったことを講じてきておるわけでありまするが、今度の法改正とあわせてそれらの事業のいわゆる要件緩和を行うこととしておるわけであります。主として小規模繊維事業者を対象とする産地組合による技術指導などの助成を行う。これは非常に有効に働くというふうに考えております。特にまた、この零細企業の経営の近代化を推進するために、小規模企業対策の一環として商工会等による経営相談であるとか、経営指導の実施、それから経営改善資金の融資制度、設備近代化資金の無利子融資、これは特に零細な人々に利用をしてもらうために対策しておるものでありまするから、まあこういったものを一層きめ細かに運用をしていくことが大切であるというふうに考えておるところであります。
○安武洋子君 私、やはり繊維業界全体を繁栄させていくという観点では、やはり先ほども申しましたように、現地の機屋さんなどが工賃が十分に保障されなければならない。構造改善、構造改善と言う以前のやはり不公正な不合理な取引ですね、こういうものが改善されなければならない。その上に立ってやはり構造改善というものがなされるというふうにならなければ、基本的な条件が整わなければならないと言っているんです。それからやはり、そういう条件を切り崩していくというもので海外投資とか、あるいは逆輸入とか、それからこういうものがあるわけですから、こういうものに適切な、私は有効な手段、こういうものを規制していくというふうな手段を講じられなければ、やはりこの繊維業界を発展させていくというふうなことにはならないと思うわけなんです。そういう点をどうお考えなのかということを再度お伺いさせていただきます。
○国務大臣(江崎真澄君) それは、ですからわれわれは構造改善を進めようとしておるわけです。ね。企業全体にやはり活力を持たせることがいまの下請工賃を適正なものにしていくやはり基本になると思うんです。まあそのための構造改善である、こういう説明ができると思うんです。いや、それには中進国などの追い上げ、あるいは中進国での合弁企業の逆上陸、こういったものを制限すべきではないか。もとよりそれも一つの御意見でありまするが、まあ日本のように貿易をもって立ち、しかも自由貿易体制を確保して今後貿易立国としてやはり永久に立っていかなければならない国柄としては、なかなかそれを規制するということはむずかしい。ただ、その商品が多量に入ってきて、しかも不当に安く売られるというときには、これは当然対策も措置もとることができますが、いまのように中進国と貿易のインバランスが大きく存在するという段階では、現実の問題としてばなかなかむずかしいわけであります。そこで、知識集約型の構造改革をやっていこうと、一方ではまたアパレル部門に重点を置いて日本のアパレル部門におけるおくれを取り戻すというよりも、もっともっとこの進んだものに構造改善をしていこうと、こういう構想を立てておるわけでありまして、これは口で言うことはやさしいわけでありまするが、現実の問題としては、いまあなたが御指摘になるようにむずかしいいろいろな問題があると思います。これはやはり通産省が責任を持って十分きめ細かに対策することによって解決を図っていく、また業者の自主努力、当然これは自由企業に立っておる以上は必要であるというふうに考えます。
○藤井恒男君 きょうは時間がございませんので、かいつまんで二、三お伺いいたします。 まず大臣にお伺いいたしますが、一般消費税の問題が見え隠れしておるわけでございまして、これはひとり繊維産業だけではございませんが、とりわけ繊維産業にあっては流通の近代化が叫ばれておるところでございまして、一般消費税の導入ということにつきましては大変危惧をしておるところです。現在、もう申すまでもないことですが、大変な不況の中でおおむね三割五分ほど人員も繊維産業から離れたという状況の中で、何とか薄日を受けておるわけですが、せんだっても参考人のある人が申しておりましたように、繊維産業それ自体先を見ればきわめて不透明な要素が多い。その人は四つのオーバーということを言っておりましたが、過剰借り入れ、そして過剰設備、さらに過剰ストア、そのために計画生産ができずに、乱売等による赤字、あるいは過剰輸入ということによる競合、そしてバーゲンというようなことを言っておりましたが、これは非常にうがった、よく見た見方だと思うんです。きわめて脆弱な、しかも中小企業をたくさん抱えた、しかも流通が立ちおくれておるこの繊維産業に一般消費税を導入するということは大変なことになるわけです。大臣としていまのこの時点、景気がまあ何とか頭を上げてきたかなというこの時点における一般消費税導入についてのお考えをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は、御承知のように、まあ四〇%近い公債に依存をしておるわが国の財政事情を背景にして、国家収入をどうするかというところから始まりまして、御承知のように、ことしの一月、五十四年度税制改正要綱の中で五十五年度中に実現できるよう諸般の準備を進めると、こういうことで一応閣議の決定を見たわけであります。その後予算審議の段階におきまして、大平総理はどうぞ十分御議論を願いたいということで、構想を一つのたたき台というようなこの方向を示しまして、そして皆様方に議論を求めておるところであります。一般業界からもまあいろいろこの御意見が出ております。これはもう通産省などには特に反対だという意見が相当強くもたらされておるところでございます。したがいまして、私ども政府部内における検討に当たっては、今後一般消費税の導入ということが一体景気や関係業界にどういう影響を与えるのか、特に中小企業などに及ぼす影響がどうなるのか、そのあたりをしさいに留意しながら具体的な仕組みについて十分検討をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○藤井恒男君 生活産業局長として、生活産業であるところのこの繊維産業を所管する立場から、一般消費税の導入というのはどういうふうに見ておられるか、いかがですか。
○政府委員(栗原昭平君) 繊維産業におきましては、特にこの流通経路がきわめて複雑で、かつ迂回性が高いというような特色がございます。さらには、特に川下の段階におきましては、過当競争といったような非常に激しい競争が行われておるという実情からいたしまして、実際に流通段階におきましては、先ほど来御指摘もございますように、繊維の取引についてはさまざまないろいろな問題点が出て、取引改善という要望が出ているような実態にあるわけでございまして、そういった中におきましてこの一般消費税かどういう形で具体的に影響を繊維の各段階にもたらすのか、その辺につきまして具体的にひとつ業界からの御意見を十分ちょうだいいたして、その御意見に基づいて私どもとしても十分、先ほど大臣も申しましたように、個別具体的な実態に即しまして検討いたしたいと、かように考えておる次第でございます。
○藤井恒男君 これは大臣もよく気をつけておいていただきたいんだけれど、俗に繊維産業三十万企業と言われるわけだけれど、流通の段階に入りますと、丼池の問屋にしても大阪の船場にしても名古屋の長者町にしても、小さないわゆる小売業、問屋というものを数えていきますと、これはもう大変な数である。それらの繊維の流通が生産段階においても商社が介入する、その他産元商社あり中央卸、地方卸さまざまなものが介入して世界に例がない、日本にも他の産業に見られないような迂回性を持っておる。こいつを短絡化するということは口で言ってもできることじゃない。しかも、それらの取引が書面契約すらできない、電話一本とそろばんですからね。これにいま言うところの一般消費税を導入していくということになると、これはもうパンクするわけですよ。そういうことを考えると、口では何とか検討するということだけれど、さてこれ来年度から一般消費税も導入するんだとなると、どのようにそれを措置していいかわからない。もう大変な私は混乱に陥ると思う。この辺は十分繊維の実態、大臣もよく御存じでございますから、見た上で私は善処していただかなければならないというふうに思いますし、業界も大変神経とがらしておるところですから、何分よろしくお願いしたいと思うんです。 次に、前回の委員会でもこの合繊の需給協議会について公取からいろんな意見が出されておりまして、これはもう申すまでもなく合繊の糸というのはオール織維の五割以上を占めておるわけですから、繊維が安定するということはつまり合繊が安定しなきゃならない。そういう意味からポストカルテルの一つの方策として、過当競争をいかに防止せしめて繊維全体の安定を図るという立場に立てば、合繊の需給協議会というのはどうしてもやらざるを得ないという状況と私は判断しておる。四半期ごとにこれをやろうとするわけだけれど、公取としては好ましくないという見方をしておるわけで、繊維全体から見ればこれはジレンマに立つと思うんですね。通産省としても。この辺についてどのような見通しを持っておるのか、今後どう対処しようとしておるのか。私どもからすれば現在の需給協議会の持ち方あるいは統計のつくり方などに、公取として好ましからざる面があるというものの、繊維全体の実態論からすれば、ああいう形をとらなければどうしようもないじゃないかということなんで、その辺についてのお考えをお聞きしておきたいと思うんです。
○政府委員(栗原昭平君) 私どもといたしましては、ただいま先生のお話のあったような必要性にかんがみまして、合成繊維につきましては、ポストカルテル対策といたしまして、よく需要見通し方式というふうに言っておりますけれども、こういった形での対策を講じたいというふうに考えております。このやり方といたしましては、まず需給協議会におきまして四半期別の需要見通しをつくります。この需給協議会は合繊の化繊協会だけでなくて、関連の各業界全体を含めました関連事業者の御意見を承って、その意見に基づいて役所として決めるという立場での協議会でございます。そして、その需要見通しに基づきまして各社がそれぞれ自主的に生産計画を通産省に出してくる。こういった形でポストカルテル対策をやりたい、かように考えております。この場合におきまして先日もお話がございましたけれども、需要見通しを通産省がつくること、需給協議会の場を利用して通産省がつくることについては、何ら問題がないというふうに私ども考えております。ただ、独禁政策上問題がありとすれば、各社が生産計画をお立てになる際に、横の関係でいろいろカルテル的な動きをされるということが問題があるということでございますので、私どもとしましてはこういった横のつながりといったような、独禁法に反するような動きにつきましては、厳に業界にも戒めておりますし、そういったことがあってはならないというふうに考えているところでございます。 なお、こういった生産計画をとるといったような形でのポストカルテル対策でございますけれども、これはポストカルテルという意味合いからいきまして、そういつまでも続けるべき性質のものであるというふうには実は考えておりません、私どもといたしまして。そういった意味におきまして当面しばらくの期間、この生産計画をとるということで、一定期間後には生産計画をとることはやめたい、かように考えております。ただし、需要見通しをつくる需給協議会については、これは何ら問題もないことでございますし、引き続き将来も続けていく、こういった形で考えているわけでございます。
○藤井恒男君 この需給協議会それ自体は、本来提言に基づいてポストカルテルのために生まれたものじゃないんであって、いわゆる繊維のロスを省くあるいは輸入外圧をどうやって調整していくかというところから私的諮問機関としてできたもの。たまたまそれを活用しておるわけなんです。私はポストカルテルという形でこれを活用することを是とする立場をとるわけなんだけれど、通産省いわゆる国の省庁に対して公取が独禁違反の対象として調査するあるいはチェックする、これは過去にも例を見たわけでございますが、一般の国民から見れば国のいわゆる省庁が、省あるいは庁が行う行為に対して独禁が調査を行うというのは大変これは複雑な見方になるわけでして、私としてもその辺のところはよく大臣も心得て、この公取筋との話し合いをして、不測の事態のないようにしていただきたい。要するに、これは合繊の需給協議というのは、不当な取引という角度よりも繊維全体の安定のために、まして不況法に基づく現在措置を講じつつある段階なんだから、これはもうこれなくしてはどうしようもないということをしっかり腹に据えて、通産省としてはやっていただきたいというふうに思います。 時間がありませんので最後に、もう一つだけお聞きするわけですが、それはつい最近スフ糸について日本室内装飾織物工業協同組合連合会、これが上場廃止について通産省に陳情をしておるはずです。私どもはもう前々から私自身この委員会で工業製品であるところのこの繊維製品、繊維品を投機の対象にするのはいかがなものかということを指摘してきておるところです。現在、綿、スフ、毛糸、生糸などにおいてこの商品取引の対象にされておるわけですが、この商品取引の対象にするのはリスクヘッジの必要性ということなんだけど、現実にはこれが大変もう災いになっておる。このようなことをいつまでも続けていいものかどうか。まあ繊維工業審議会でも五十一年の十二月七日、五十三年の十一月十七日、この二回にわたってこの取引所の上場問題について、その廃止を含めて抜本的に検討しろということを言っておるわけです。まあ落ちついておるときはともかく、何か少し不安定要因が先に見えるなということになると、この上場品の乱高下というのは目を覆うようなものでございまして、この取引所の問題について前々から言われておることだけど、現在どういうふうに見ておるのか、将来どうしようとしておるのか、この辺のところをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 確かに、商品取引所がその対象品目のリスクヘッジの面で効用があったことは、私、確かだというか否定できないというふうに思いますが、また弊害もそれなりにあります。いまお示しのような意見もありまするので、通産省としては、農水省と近く協議をいたしまして、商品取引についての基本問題を、特に多角的にこれを検討する懇談会を発足させようということで対策をしておるわけであります。したがって、いま御指摘のありましたような点については、その場で十分論議を尽くして妥当な結論を得るようにしたいというふうに考えております。
○藤井恒男君 最後に、これはもう答弁私は要りませんが、いまの上場問題については、繊維品の上場制度というのは、いま現在、消費者ニーズに的確に対応できる繊維の生産流通システムをつくろうとしておるこの段階に、私は逆行しておると思うんですよ。これは消費者ニーズということを考え、あるいは繊維産業のいま求めておる方向性から見れば、これは逆行しておる。だからこの点は、私はしっかりやってもらいたい。 それから、前委員会で私申し上げたこの輸入問題についても、せんだって六人の参考人全員がやはりこの輸入問題については強い不満を持っておる。先ほども大臣の御答弁に、貿易立国だからどうこうというふうにおっしゃるけど、しかしそれは世界全部がガットの場で、生活産業品目である繊維については特殊なルールをつくっておるわけなんだから、だから貿易立国なるがゆえに、ラッシュする特定品目について、そのことが日本に失業を呼び起こし市場を混乱せしめるなら、ガットのルールに基づいてこれを措置することは、国際市場をオープンにしようという方向に背を向ける行為でも何でもない、世界全部やっておることなんだから。なぜ日本だけがそれをできないのかという気持ちは依然として持っておりますので、この点はきょうの附帯決議にもはっきりこれは入っておりますから、どうぞひとつよろしく勇気を持ってやっていただきたいということをお願いして、終わります。
○委員長(福岡日出麿君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大森昭君から発言を求められておりますので、これを許します。大森昭君。
○大森昭君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読をいたします。 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、わが国の繊維産業が国民生活に密着し、地域経済の中で重要な役割を果している実情にかんがみ、国内外の厳しい情勢に対応しつつ、その安定的発展を図るとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、構造政善事業を円滑に進めるために、構造改善事業計画の承認基準の緩和及び運用の弾力化、手続きの簡素化を図るとともに、本制度の周知徹底に努めること。 二、産元、親機を対象とする構造改善事業計画の承認にあたっては、中小企業及び下請事業者に対する下公正な取扱いや優越的地位の濫用の防止等を配慮するとともに、計画の実施についても必要な指導を行うこと。 三 アパレル産業の振興を図るため、人材育成基金の充実、既存の人材育成機関及び教育機関の効果的な助成・活用に努めること。 四 繊維産業における雇用問題の深刻化にかんがみ、雇用の確保に一層努めることとし、とくに中小企業労働者の雇用対策には万全を期すること。 五 繊維製品の生産・流通段階における取引については、書面によらない取引契約、不当な返品及び値びき等不合理な取引慣行を改善するため、必要な指導を行うこと。 六 繊維製品の特定品目の輸入が急増し、国内の繊維産業に重大な被害が生じたり、その恐れをもたらすような場合には、輸入及び海外投資に対する行政指導、相手国への自粛要請、さらには繊維貿易に関する国際ルールに基く措置等適時、適切な対策をとること。 右決議する 以上でありますが、この決議案は当委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて説明するまでもないと存じますので省略させていただきます。何とぞ御賛同をいただきますようお願いいたします。
○委員長(福岡日出麿君) ただいま大森昭君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、大森昭君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、江崎通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
○国務大臣(江崎真澄君) ただいまの附帯決議の御趣旨はしかと承りました。本法の施行に当たりましては、十分附帯決議の趣旨を体しまして運営をいたしたいと思います。
○委員長(福岡日出麿君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、よう決定いたします。 午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 —————・————— 午後一時十四分開会
○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が選任されました。 また、有田一寿君が委員を辞任され、その補欠として柿沢弘治君が選任されました。 —————————————
○委員長(福岡日出麿君) 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○馬場富君 先日に続きまして質問いたします。 円借款の中で特に輸銀関係でございますが、ソ連向けバンクローンによる消費財輸出の仕組みについて御説明願いたいと思います。
○政府委員(水野上晃章君) バンクローンの仕組みについて申し上げます。 バンクローンは、通常の延べ払い金融の場合には、日本の輸出入銀行等から輸出業者にお金を貸しまして、そのお金をもとにいたしまして輸出業者が相手国の輸入業者に延べ払いをするものでございますが、このバンクローンの場合には、日本の輸出入銀行等が直接相手国の銀行にお金を貸しまして、そのお金をもとにいたしまして相手国はわが国の輸出業者に対しまして現金で決済をする。その決済をいたしましたお金を銀行間で長期で返済するという形になっております。 もう少し具体的に手続から申し上げますと、まず両国の銀行の間で融資契約というものが締結されるわけでございますが、これは総枠でございますとか、輸入できる物資でございますとか、あるいは返済期間、金利等を決めるわけでございますが、そういった契約ができますと、相手国の輸入業者とわが国の輸出業者の間で商談が進められまして、商談がまとまった段階で相手国の輸入業者から相手国銀行に対しましてこのバンクローンを利用したいという申請が出るわけでございますが、それを受けました相手国の銀行がわが国の輸出入銀行等に対しまして、この資金を利用することについての了承を求めてくるわけでございます。その了承を求められますと、わが国の輸出入銀行等は、融資契約に照らしましてこれはふさわしいものであるということを検討いたしまして、ふさわしい場合には相手国に必要な資金を貸し付ける。その金を利用いたしまして相手国の銀行から輸入業者にお金が回り、それがさらにわが国の輸出業者に決済されるという形をとっておるものでございます。
○馬場富君 そこで、いまの説明の中であるように、この円借款の中で日本商社の手によって日本商品がソ連側に輸出されるという、そういう一つの流れがあるわけですが、大体、七八年度一年度でも結構ですが、この総額とあわせまして、その中でニット製品がどのくらい輸出されておるか、合計で結構ですから、簡単に御説明願いたいと思います。
○説明員(小林慶基君) 御説明申し上げます。 プロジェクトはただいま三つございまして、第二次KSプロジェクト、これは森林開発でございますが、それから南ヤクートの石炭のプロジェクト、それからサハリンの石油、天然ガスの探鉱プロジェクト、この三つあるわけでございますが、いずれも七七年の数字を申し上げますと、まず第二次のKSプロジェクトにつきましては、メリヤス生地、織物関係が十億四千四百八十五万円。それからメリヤスの製品が同じく十億一千三百九十九万六千円。それから縫製品が七億五千五百三十七万八千円。合計で三十一億七千五百万円余となっております。 それからなお、次の南ヤクートのプロジェクトにつきましては、七七年の数字でございますが、化合繊の織物、ニット生地、これが九億八千六百六十五万五千円。メリヤス製品が八億九千五百四十万一千円。縫製品が四億三千九百三十八万九千円。計が二十七億四千百万円余となっております。 それからサハリンのプロジェクトにつきましては、同じく化合繊の織物、ニット生地がこれが約十二億でございます。それからメリヤス製品が十一億二千三百万円余。それから縫製品が十六億七千五百万円余。計三十九億九千八百万円余。 こういう数字に相なっております。
○馬場富君 相当な繊維製品としては輸出量ですが、その中でやはりかなり三分の一はニット製品で占められておるということがいまの数字からも言えるわけですが、この輸出商品は日本の繊維でなければならないという考え方でございますか。その点はどうでしょうか。
○説明員(小林慶基君) たてまえからいきまして、先生のおっしゃるとおりでございます。
○馬場富君 それに対するチェックはどのようになされておりますか。
○説明員(小林慶基君) このチェックの仕方にいたしましては、原産地証明というものをこれは関係団体で発給いたしておりまして、それを役所がチェックするというシステムになっております。
○馬場富君 その役所はどちらですか。
○説明員(小林慶基君) 通産省の生活産業局通商課でございます。
○馬場富君 ところが、これは事実は、その中で商社は日本商品を買う場合、値段等の関係もございますが、韓国製品を日本商品として輸出しているという点がニット業界でも問題視されておるわけですが、これは先般も当局に私注意をしておいたんですが、この点はどうでしょうか。
○説明員(小林慶基君) ただいままでのところ、私どもの方といたしましては具体的な事実はまだ承知しておらないわけでございますが、仮にもそのような事実がございますとすれば、制度のたてまえにかんがみまして大変遺憾なことだと存じますので、早速私どもといたしましては調査をいたしまして、関係商社あるいは輸出組合、それからメーカー団体等に注意を促して、今後このような事態が起こらないように指導、措置してまいるつもりでございます。
○馬場富君 業界等の話によれば、日本商社がソ連と輸入公団との契約がなされると。ニット製品の場合は、これを韓国で製造させて二重箱で、表箱がメード・イン・コーリャンで中箱がメード・イン・ジャパンと、こういう包装で日本に出荷されて、そして日本でその表箱がはがされて、日本からはメード・イン・ジャパンで輸出されると、こういう事実が実は業界の中ではっきりと問題にされておるんです。こういう立場からも、やはり当然これは産地証明も日本ということになるわけですが、問題は、契約上も私は問題点もありますし、また輸出の国際信用上からも私は大問題だとこれは思うわけです。特にこのニット関係については日本の不況産業でございます。そういうのを、やはり日本で受注すべきものをわざわざ商社が韓国あたりに受注してやっておるとしたら、よけいそういう点についてもやはり国策上も問題があるんじゃないか。この点どうでしょうか。
○説明員(小林慶基君) 先生の御指摘のとおりだと思います。先ほど申し上げましたように、私ども現在まだ具体的な事実は必ずしも承知しておらないわけでございますけれども、早速調査いたしましてそういうことのないように措置してまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 委員長にお願いしますが、これは後刻また御報告いただきたいと思います。 それで、もう一点は、先ほども、午前質問いたしましたが、こういう大きい倒産がニット産地の岡崎あたりで起こっております。そのような状況からいたしまして、やはりこういう円借款による輸出等については、産地の業界等もやはり時期等考慮されれば値段等が安くても当然商談ができると、こういうことを言っておりますので、そういう方向性の努力をひとつされたいと思いますが、どうでしょうか。 〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕
○説明員(小林慶基君) 現在までのところは、バンクローンによる輸出といえども通常の貿易と同じように、必ずしも国内メーカーの方に連絡するとかそういうような希望を聞くとかということはいたしておらないわけでございますけれども、まあ先生の御指摘のとおりだと思いますので、いままでの例で申しますと、前の年度に翌年度の発注の希望リストがソ連側から参ることになっておりますので、今後はこの種のプロジェクトにつきましては、商社側だけではなく輸出組合とかそれからメーカー団体等に十分説明をいたしまして、希望するメーカーの受注機会が得られるように努力したい、かように考えております。
○理事(古賀雷四郎君) ただいま馬場先生から御要請のありました報告につきましては、ひとつ後日速やかに御報告を願いたいと思います。
○説明員(小林慶基君) 調べた結果、御報告いたしたいと思います。
○馬場富君 これに関連いたしまして、ちょうど中小企業庁も来ていらっしゃると思いますが、官公需の受注の中で特に繊維製品等が構造不況で困り果てておる。そういう点についての中小向けの受注をもっとふやすべきであると考えますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(左近友三郎君) 繊維製品につきましては、いわゆる官公需法に基づきまして中小企業者に関する国の契約の方針というのを毎年閣議決定をいたしておりますが、その中で特に中小企業の製品の多いもの、そしてまた国が相当発注するものというものを中小企業官公需特定品目ということにいたしておりますが、その中に繊維製品を入れておりまして、その発注の情報の提供を中小企業者にするとか、あるいは受注した後の内容を中小企業者に知らせるとか、あるいは発注元であります各官庁はこういう特定品目については十分中小企業に発注するように配慮するとか、いろんな手を講じておりますので、御指摘のように、今後の官公需につきましては、ことに繊維製品につきましては中小企業製品が十分に受注できるように努力をいたしたいというふうに考えております。
○馬場富君 最後に、いまのソ連向けの繊維輸出もございますけれども、あわせまして、午前私が質問いたしました、そういう産地の大半を揺るがすような倒産が起こって、実は仕事面で困り果てておるのがいま岡崎方面のニットの実情でございますので、そういう点につきましてもそういう方向性を考えながらひとつ対応していただけぬかと、こう思いますがいかがでしょうか。
○政府委員(左近友三郎君) この岡崎のニットの問題につきましては、われわれも非常に対策を確実に実施してこういうことが起こらないように考えておりますので、不況対策というものを進めながら今後繊維産業の振興というものに十分努めてまいりたいというふうに考えております。
○市川正一君 私は、経済協力基金法改正案の審議に関連いたしまして、わが国の経済協力、経済援助のあり方について、この際、長期的視点といいますか、巨視的見地から参議院のこの場において政府に対する質問を若干行います。 今回の法改正は、昨年七月西ドイツのボンで開かれた先進国首脳会議や、またIMFあるいは世銀総会などでの公約を実行するためのものであるというふうに承知いたしております。また、東京で開かれるサミットあるいはUNCTADのマニラ総会も予定されておって、政府としても一定の行動が求められているところであると思いますが、わが国の経済協力に対する発展途上国の批判、いろんな意見というものは単に資金額の問題ということにあるんではなしに、実はその内容に多く向けられているというふうに私は考えております。 そこで、まず経済協力のあり方の問題でありますけれども、これは発展途上国の経済の自立と発展、福祉の向上を図るために、わが国の自主的な立場から、社会体制のいかんを問わず、すべての国と平和、中立の原則に立って民主的に進めることであり、発達した工業国として世界の平和と諸民族の独立、全人類の社会進歩のため積極的に推進すべきものであると考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま市川委員の御指摘のとおり、わが国にとりましての特に南北問題に象徴されるこうした発展途上国に対するわれわれの協力というものは、もちろんその国々の民主的な発展と平和のために、さらに大きく言うならば、世界経済全般のために必要欠くことのできない協力であると考えておりまして、すでに三年倍増というような経済協力のやや中期展望もわれわれは持って努力をいたしているところでございますが、今後ともさらにこうした経済協力の持つ大きな意義を十分踏まえまして努力を進めてまいりたいと思います。
○市川正一君 私の申し上げた見地というのは、ここに通産省が出しました「経済協力の現状と問題点」という七八年度版がございますけれども、この中に経済協力、この意義について四点述べてありますけれども、基本的に私は合致するものと考えるわけでありますが、そういう立場から考えまして、いま長官の見解に沿いつつも、じゃ、現実のわが国の経済協力がそういう立場にふさわしく進められているのかどうか、その点について長官の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) われわれの経済援助は、やはり何と申しましても相手国側のニーズに基づいて行うことが最もいい方法だと考えております。したがいまして、そうした面においては、特にその条件等において相手国側からの御批判をいただいている点もございますけれども、その点につきましては、今後大いに改善に努力をしてまいりたいと思います。特に、この条件のソフト化ということはきわめて重要な要件であると考えておりまして、今後は一応高い評価をわれわれは受けていると思いますが、さらに高い評価をいただけるような努力をいたしてまいりたいと思います。
○市川正一君 そこで、具体的にちょっとお聞きしたいんですが、わが国の経済協力の実績についてでありますが、一九七七年末の数字で結構ですが、韓国、インドネシア、フィリピンへの経済協力の金額の累計及び経済協力の総額に占めるその割合をそれぞれ各国ごとにお示しいただきたいと思います。また、政府開発援助の中心的役割りを果たしております海外経済協力基金の直接借款、これについても同様の実績を承りたいと思います。
○政府委員(宮崎勇君) お答えいたします。 経済協力の国別の実績累計につきましては、経済協力の形態が非常にさまざまでございますので、一概に計算するというのは大変技術的にむずかしいわけでございますが、一九七八年十二月末現在で交換公文のベースでわが国の資金協力、これは技術協力等は除外してございますが、累計で三兆九千八百四十三億円となっております。一番大きなのがインドネシアでございまして八千九百六十六億円で全体の二二・五%、二番目が韓国で五千七十七億円、パーセンテージにいたしまして一二・七%、三番目がインドでございまして四千三百六十六億円で一一%、それからフィリピンが四番目でございまして三千八百七十六億円で九・七%になっております。 それから、海外経済協力基金によります直接借款は、承諾額で見まして四十一カ国、一兆八千九百三十三億円となっております。主な国について申し上げますと、一番大きいのがインドネシアで六千百四十億円、全体の三二・四%、二番目が韓国二千百一億、全体の一二・二%、フィリピンが三番目で千七百九億円、全体の九%、四番目がタイとなっておりまして千二百六十四億円、六・七%、五番目がビルマ千百五十七億円、六%等となっております。 〔理事 古賀雷四郎君退席、委員長着席〕
○市川正一君 いま示されました実態からも明らかなように、わが国の経済協力の全体の三分の一以上、インドネシア、韓国、それからフィリピンを寄せますと、四四・何がしになりますね。インドネシアと韓国だけでも三五%。また基金の直接借款、その半分以上が、いまの三カ国合わせますと、私ここでのトータルですが、五三・六%。こういうふうにいわばアジアの反共政権、独裁政権にきわめて集中的に回されている。まことにその点では不可解であります、基本的な見地から、先ほど長官が述べられたことと関連して。そこで、これらの国への経済協力について年度別に私実績をたどってみたのでありますが、まず韓国、これはわが国からの政府貸し付けを見ますと、一九六四年まではゼロであった。それが例の日韓条約が結ばれた六五年からは多額の貸し付けが行われております。またインドネシアについてもそうでありますが、一九六五年まではゼロであったものがいわゆる九・三〇事件で軍事独裁政権ができ上がった六六年以降は円やドルでの借款が立て続けに供与されている。この背景には、たとえばインドネシアの場合マリク・インドネシア外相の対米関係改善の発表が六六年の四月に行われているわけでありますけれども。これと対照的な動きを見せているのがベトナムに対する経済協力であります。ベトナムには一九六一年からいわゆる当時の南ベトナムには実施をいたしておりましたが、南ベトナム政権が崩壊し、ベトナム全土が解放された七六年以降はゼロになっております。こういう一連の傾向というものは、わが国の経済協力がアメリカのアジア政策に沿って実施されているという事実を示すものと言わざるを得ないのでありますが、いま申し上げた経過的事実及びそういういわば傾向というものについて確認をされますか。
○政府委員(宮崎勇君) 戦後のわが国の経済協力というものは、もともと賠償という形から始まっておりまして、したがいまして、その影響が大きく出ているわけでございますが、各国別の援助はわが国の経済力の充実と相手方の事情、発展段階あるいは要請に応じるという形で進められておりまして、御指摘のようにアメリカから云々というようなことで経済協力が行われているわけではございません。
○市川正一君 私は偶然そういう数字の結果になったというものじゃないと思う。たとえば、この日本輸出入銀行、これが「二十年の歩み」というのをせんだって出されましたけれども、これを拝見しますと、「日米経済協力としての東南アジア開発」という項がございます。そしてこの中でこういうふうに述べられております。「日米経済協力による東南アジア開発の構想がアメリカ政府内で具体的な形をとってでてきたのは、二十六年」これは昭和のことですが、「三、四月頃のことであるが、その基本的な考え方は、わが国の設備・技術・労働力を最高度に利用して、アメリカおよび自由圏諸国の防衛体制の一環として、またアジアにおける工場として活用していく、というものであった。」というふうにきわめてリアルに、さらにまたこういうふうにも言っています。「アメリカの軍備の拡張および対外援助の軍事援助重点化は、必然的に対日援助削減のために日本経済の自力化促進及び東南アジア諸国に対する経済援助を日本が一部負担するよう期待させることとなったのである。」というふうに述べております。さらにまた、これは一九五一年七月に発表されたアメリカのウィルソン国防動員総本部長官の構想を受けて、当時訪米中であった石川一郎経団連会長は、こういうふうに明白に言っております。「アジアの市場はきわめて尨大なものであり、西方諸国民がアジアの必要とするすべてのものを供給することは不可能であり、とくに現在の再軍備の時期においては不可能である。そこに日本と西方諸国が平和と貿易と工業において協力し、いま貧乏と汚濁の中に生きていて共産主義者の喰いものとなっているアジア民衆の生活を豊かな幸福なものたらしめるため、これに是非とも必要な物資を供給する途が開かれているわけである。」というふうにこれなりの言い方をしておりますけれども、まさにこれが原点であったわけです。一九五一年のことでありますが、まさにその原点がこれだったんです。 私、論を進めたいんでありますが、同時に指摘しなければならないのは、わが国の経済協力がこうした発展途上国に対するアメリカの新しいアジア戦略、私どもこれを新植民地主義というふうに言っておりますが、これに協力をしていくとともに、日本の大企業がこれらの東南アジアの各国、その現地資源と国民を犠牲にしていく、そういう形で利益をむさぼっている点であります。たとえば一九七七年度末現在の海外直接の投資許可額の累計を見ますと、総計二百十二億一千百万ドルのうちその二八・五%を占める六十三億二千八百万ドルがアジアに向けられております。また、国別の伸び率を七七年累計と七〇年累計とを比較してみますと、韓国は二十四倍、インドネシアは十三倍、フィリピンは五倍というふうに大幅なものになっております。わが国の財界と政府の関係担当者が入ってつくりました「南北問題と日本経済」、これは日本経済調査協議会が発表したものですが、御承知だと思います。この中にもこういうふうに述べているんです。「政府ベースの円借款あるいはクレジットラインの設定などにより、経済開発に協力すると共に将来の商業ベースでの援助の「地ならし」をすることも必要となろう。」というふうに言っておるんでありますが、私、長官に特にお伺いしたいんですが、こういう経済協力なるものが実はいま言ったここにあるいわば「商業ベースでの援助の「地ならし」」、そういうねらい、そういうものと結びついて行われているという意図、そういうものを、あるいはそういうおそれというものを全くお感じになっていないかどうかお伺いしたい。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いずれにいたしましても、相手国側が特に発展途上国である限りにおいては、その国の経済状態をよくすることがその国の人々の幸福になるという基本的な考え方は否定できないことでございまして、そのような援助によってその国がだんだんと経済的な発展、社会的な安定を取り戻していくということの過程の中から、当然次の段階においては世界貿易の、いわゆる商業ベースによる世界貿易の相手国としての資格を備えてくるものであると思うのでございまして、そうした意味から見て、これが直接的な意図としての商業ベースの開拓のための前駆的な措置ということでなくて、将来のやはり世界経済の拡大ということは、やはりそれは商業ベースの貿易の拡大でございますので、私はそのようなふうに現在は理解をしておるところでございます。
○市川正一君 私はその点では、根本的にいわば国民の税金を使って日本の大企業、その海外進出、そういう形で事態は進んでいるという認識を持つものでありますが、これは引き続きまたいろいろ見解を詰め合わしていきたいと思っておりますが、現にわが国のこの企業のそういう海外進出について、またその活動についてこれら発展途上国からさまざまな意見が出ております。その二、三の批判の言葉でありますが、たとえば公害産業を輸出しているとか、あるいはまた、国の経済や工業の自立化に役立っていないと。短期間に利益を上げて日本へ持ち帰ることしか考えていない。あるいはまた、日本の商社が外国へ投資する目的は、経済援助と言いながら現実には自己の利益の追求だけである。さらにまたいわく、日本企業家は無責任である。東南アジアの森林開発で木材を取った後は野となれ山となれでおれの知ったことじゃない。後は大洪水や大災害を引き起こして被害を受けるのは地元の人である。知っていながらやるんだから始末が悪い。日本政府も適切な指導をしてない。等々の言葉が寄せられています。これは「中央公論」の座談会での引用でありますが、こういう点に政府としては耳を傾けていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 特にわれわれは、アメリカが各国に対する経済援助を実践しておる。それに対するそれぞれの国の受けとめ方が非常に多種多様であるということ、そしてある場合にはむしろその意図がきわめて利己的なものであるというような評価さえされ、それが公に公刊されておる書物にもずいぶん見た経験がございます。いまのお示しになりました公害輸出であるとかあるいは自己の利益だけのことであるとか、そうしたような批判というものは、これはまた私はその時点、時点において利益を受ける者と利益を受けなかった者あるいは多少の被害を受けた者、それぞれによって私は多種多様な批判が生まれてもいたしかたないと思いますが、基本的に申し上げればやはりせっかくわれわれは貴重な国民の税金を使わしていただいているんでありますから、その援助の効果がその地域の国民のために特に有効に働いて、私は感謝を求めるつもりはございませんけれども、その有効に働いているという認識を相手側の国民が持っていただけるように、そうしたことが最も大事な点であるというふうに考えます。今後はやはりそうしたことが実現するためにも、いままでとっておりましたような大規模なプロジェクトに対する援助に集中することなしに、やはりその国々の住民の福祉の向上のために小さなプロジェクトでもいいからそれを根気よく掘り起こして、そしてわれわれの行動したことがその地域のためにとってもよかったことだと思われるような、そうしたプロジェクトにも特に今後は力を入れてわれわれの協力を進めていこうということを基本的に現在決めておるわけでございます。今後はそのような方向で努力をしてまいりたいと思っております。
○市川正一君 私は、さらにもう一つこれに関連した問題でどうしても指摘しなければならないのは、こういう進出、これが発展途上国ばかりでなく、わが国の労働者、ひいて国民にも大きな犠牲を強いているという問題であります。たとえば、きょう午前中繊維の問題についていろいろ質疑も行われましたけれども、それもその一つでありますが、あるいは弱電関係、さらには私、大阪とかかわり合いがありますが、東大阪に伸線という産業、地場産業がございます。これまで含めてこういうものが発展途上国の安い労働力を求めて海外進出する。結局、日本に逆輸入されてきて、そして国内のわが国の労働者が大量に首切られていく、あるいは中小企業が倒産していく、こういう事態がこの海外援助などとセットして進められている。たとえばこれは松下電器でありますが、一九七四年三月と七八年三月、四年間の比較をいたしますと、この間に一万二千八百人労働者が国内で減っているわけです。逆に海外では六千七百人ふえているんです。また、東洋紡を見ますと、国内で七千二百人減らしておりますが、海外では九千人ふやしている。旭化成は国内で二千九百人減らして、海外で四千五百人ふやす。こういうふうにわが国の労働者に、あるいは中小経営者に深刻な被害が及んでいるんであります。私は、こういう経済協力なる名のもとに、これは狭義の基金という活動だけではございませんけれども、被進出国ばかりでなく、わが国の労働者やあるいは中小経営も犠牲にしていく、こういうやり方、これは冒頭にお尋ねいたしました正当な経済協力と言えるんでしょうか。私は根本的に大いなる疑問は持つものでありますが、長官いかがでしょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの市川委員のお話は、すべて個別企業の実際の経営上の問題であると私は思います。これがどのような意図によって行われたかつまびらかに存じませんが、現在いま御指摘になりましたような企業は、日本でもきわめて優秀な大企業でありますし、同時にまた非常に強大な労働組合をそれぞれ持っておるところでございます。したがいまして、当然現在の経営の運営の中で労使協議会が何回も開かれることは、これはもういまや常識化しておりまして、このようなプロジェクトを考えた場合に、そしてまたそのことによって配置転換とか、そうしたような事態が起こることについては、事前に十分私は労使間において話し合われているというふうに私はいま考えるものでございます。したがいまして、この問題だけにつきましては、言うところの日本の経済界における労使関係の中での問題でありまして、しかしそうしたことが非常に不幸な大量の失業、現実の失業をもたらしているという事態になれば、これはやはり十分そのようなことのないように配慮するのが、当然私は経済界並びに労働界のそれぞれの方々が心すべきことではないかと思います。国といたしましては、このような事態をただ放任するとか、あるいはそのような方向を特に進めるんだという意図は全くございません。言うなれば、最初に申し上げましたように経済協力によって、そしてそのことが相手国側の利益になり、そしてまたそのことがひいては世界経済の拡大に役立つということが一番のねらいでございまして、決してそれが国内の失業をもたらすために意図的に行うものでないということは十分御理解を賜っておきたいと思っております。
○市川正一君 長官、これは個別企業の単なる政策問題ではなしに、やはり日本の産業界全体にかかわる問題だと、私はそう思います。そしてそれを放任もしないしまた推進もしない、全く無責任である。 私は、たとえば雇用問題が今日的にかくのごとく重大化しており、そしてまたいろいろ零細企業が逆輸入等々、私どもの本委員会でも繊維の問題を午前中まで審議いたしましたけれども、事態はおっしゃるようななまやさしいことではないわけです。文字どおり国の政策が問われているわけです。私はただいまの長官の答弁はまことに無責任きわまるものだとあえて言わざるを得ない。 さらに私は問題なのは、こうした経済協力がさきのソウル地下鉄、あるいはインドネシアのLNGなどに見られる汚職腐敗の温床になっているという事実であります。これは先年朝日新聞が紹介掲載いたしました各商社の代表者の次のような見解はまことにその意味で興味があります。 これはある商社の社長、六十八歳でありますが、「ワイロは合法化すべきだね。」要するに開発途上国への経済協力の問題でありますが、そして「そのカネに見合う働きをさせれば支出の名目がたつんだから」というふうに言い切っています。 また、これは三菱商事の社長であり、後でまた触れますが、大いに絡み合いのある田部文一郎社長でありますが、「ワイロの問題?」とクェスチョンを置いて、「当該国のモラルに照らして、常識程度なのか、行き過ぎかということだろう。そういったことには一切手をふれないということでは、大きな範囲の市場から撤退せねばならないかもしれない。」こういうことが多く連載紹介されておりますが、いわば賄賂を必要なものとして堂々と見解をこういう形で表明している。しかも、責任ある日本の経済の上で地位を持っている人たちが、国民の血税がこういう賄賂に使われること、こういうことを私は政府としては容認されるのかどうか、私は当然厳しく指導される責任があると思うのですが、この点重ねて伺います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの御引用になりました商社の代表者の言葉そのものは、われわれといたしましては十分批判をしたいと思います。そのようなことが日本の経済協力の基本理念であるかのごとき誤解を受けることは、われわれにとりましては非常に迷惑至極でございます。そのような意味合いにおきまして、特に今後はそのような考え方が、相手国がどこであれ、新聞紙上において言われるようなことのないように注意を喚起いたしたいと思います。
○市川正一君 それでは具体的な問題として幾つかお聞きしたいのでありますが、対韓国への借款であります。その代表的なものの一つに御承知のソウル地下鉄での借款があります。基金の借款で行なわれたソウル地下鉄は、いまではいわゆる日韓癒着の代名詞のように言われて、対韓借款の全面的見直しを提起いたしております。ところが、重大なことは、政府や基金はこうした黒い疑惑を徹底的に解明する立場に立つんではなく、たとえば、石原総裁お見えになっていますけれども、総裁も覚えていらっしゃると思いますが、去年の十月二十七日、本院の決算委員会で私が質問いたしたのに対しまして、事業計画の円滑な完成達成が中心だというふうに問題をすりかえてお答えになった。そして疑惑解明の責任と努力を事実上明確にされない、放棄されている。 さらにまた、基金の野崎総務部長、当時でありますが、これは去年の二月一日の毎日新聞で、「リベートが含まれていても、韓国に貸した金は、返済されているのだから、融資の実施機関としては問題ない」、こういうふうに語っておられます。いわば政府資金の、これを使ってのリベートですね、リベート商法を追認さえしておられるのであります。 私は長官にお伺いしたいんですが、たとえばこういう野崎総務部長らと見解を一にされるのか。もしそうだとすれば、基金による借款が不正なリベートとして流れていくことがあっても、それは結構だということになると思うんですが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は野崎総務部長さんを知りませんし、また、そのような記事があったことも存じておりません。しかし、一国の経済協力あるいは経済援助というものがきわめて利益誘導的なものであってはならぬ。この点だけは明確に申し上げておきたいと思います。
○市川正一君 わかりました。 会計検査院にお聞きしたいんでございますが、一般論として会計検査院の立場から見て、国家資金を使った貸し付けの中にリベート分まで含まれているというふうなことは、これは容認できないと思いますが、検査院の立場から見ていかがでございましょうか。
○説明員(中村清君) 本件の場合につきましては、問題を別といたしまして……
○市川正一君 一般論として。
○説明員(中村清君) 一般論として申し上げたいと思いますが、政府関係の金融機関の検査に当たりましては、貸付金が貸し付けの目的どおりに適正に使用されているかどうかということは非常に重要な検査項目の一つでございますので、貸付金額の中にリベートのようなものが含まれているということが明らかな場合には、決して妥当だとは認められません。 したがいまして、適切な処置を行う必要があると、こういうふうに考えております。
○市川正一君 わかりました。 そこで、またいわゆるソウル地下鉄問題に戻りますけれども、これまでのソウル地下鉄を含む対韓の借款で、経済協力の名のもとに国民の血税を使い、そして商社などによるもうけ本位のリベート工作が事実上進められてきたと。実際、先ほど私触れました三菱商事の田部社長ですね、昭和五十二年十二月十七日の衆議院の予算委員会でこういうふうに参考人として出席された田部社長が答えられております。 要点を御紹介しますと、「地下鉄問題が浮かび上がった。」そこで、「あらゆる手段を講じてでもこれはぜひわれわれでとりたい、」「ちょうどそのときに、韓国の有力な民間の財界人から、自分がひとつ力をかそう、自分がかせばこれは必ず物になるぞ、こういうふうなことが申し込まれました。われわれもそう申し込んだ人のいろいろな過去の経歴その他を考えますと、その人が言うことがまんざらでたらめでもない、ぜひこれを使えばこれは物になるというふうに確信いたしましたので、その人の言う金額、お話しのとおり二百五十万ドルでありますけれども、それをその人の指定する口座に振り込んだわけでございます。以上です。」というふうに国会の場でお答えなすっている。ですから、利益追求のためにはあらゆる手段を講じて仕事をとる。その一つが二百五十万ドルによる韓国の政財界へのリベート工作であったということをおっしゃっているわけです。 そうしますと、その経済協力の名のもとで行われたこういうソウル地下鉄借款が、商社による利潤追求と同時にこういうリベート、いわば賄賂でありますが、こういうものをいわば公然と行われたという事態について長官は、これで結構なことですということで御容認なさいますか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま伺った限りにおいては、これはまことに憂慮すべきことであるというふうに思います。
○市川正一君 私、長官がおっしゃるとおりだと思います。憂慮すべき重大な事態だ。だとしますと、私はこれをやはり究明する必要があると思う。 石原総裁は、先ほど私去年の決算委員会での御答弁を紹介いたしましたけれども、そういうふうに問題をいわばすりかえておられる。ちょうどあの当時問題が新たに出てまいりましたので私質問いたしたのですが、たとえば、この車両の価格水増しについての調査を行うという問題でありますが、海外の経済協力基金における業務方法書によりますと、「貸付け、出資及び調査の実施に当っては、資金の効率的利用を図り、その適正を期すること。」というふうにうたわれております。だとしますと、二百五十万ドルのリベート分、これまで含んだソウル地下鉄借款は、業務方法書で言う資金の効率的利用、その適正化に反することは、これは明白であると思いますが、貸し付け先の協力などを得て最大限の調査努力をされるべきだと思いますが、この点、基金の責任ある御見解を承りたいと思います。
○参考人(石原周夫君) 市川委員が御指摘になりましたように、昨年の十月にいまお話しのようなお答えを申し上げたわけであります。その際にも申し上げたわけでありまするが、基金の業務というものは、やはり借款がその目的に有効に使われて、それが所期の成果を上げるという点がポイントであろうかというふうに考えております。したがいまして、借款の相手方でありまするとか、あるいは事業の実施主体でありまするとか、あるいは現実に考えられる経済的背景というようなものを考えまして、その中でそのプロジェクトが十分に実を結び、それだけの効果を上げるかどうかという点をポイントいたしまして審査をいたしておるわけであります。市川委員御指摘のような価格問題がその中に含まれるわけでありますが、もちろん価格が著しく不当に高い価格であるということでありますると、その計画自身の経済性という問題にも関連をいたしてまいりまするから、価格もその意味におきまして一つの審査の要素になるわけでありまするが、この内容につきましては、その価格を原価計算的に積み上げるというようなことはいたしておりませんので、その価格が、たとえば類似の例、これは市川委員御承知のように、昨年以来衆議院、参議院の幾たびかの機会に申し上げたわけでありまするけれども、果たして類似価格などから見て適当であるかどうかというような点の審査はいたしまするが、原価計算的にその内容を見ることはいたしてないわけであります。いまお話のありましたような、私どもの借款の相手方でありまする相手国政府あるいは相手国の調達機関、そういうものに対しまする限りにおきまして十分な審査をいたしておるつもりでありまするけれども、その相手国の調達機関に供給をいたしたものがその売上金をどういうふうに使用いたすかということにつきましては、私どもの審査の範囲外でございます。そういう意味におきましては、私どもがそういう内容に立ち入って審査するということはいたしておりません。
○市川正一君 海外経済協力基金業務方法書は、あなた方がこれにのっとってお仕事をやっておられる、私はこれに基づいてお聞きをしているわけですからね。 少し話を進めさせていただきますが、この二百五十万ドルのリベートでありますが、これはいつどれだけずつ送金されたか、基金の方からお答え願いたい。
○参考人(結城茂君) 私どもからお答えするのは適当かどうかわかりませんが、先般国会等で商社筋が発言された内容について聴取している限りにおきましては、当時の記録をたどりますと、昭和四十六年の四月に百二十万ドル、昭和四十八年の一月に百万ドル、それから五月に三十万ドル、計二百五十万ドルということを当時国会で参考人が述べられたときの議事録によりまして承知しております。
○市川正一君 しかりであります。まさにいまおっしゃったように、第一回目の四十六年四月というのは、その四カ月後の八月に日韓定期閣僚会議が持たれている。そして、八千万ドルの基金からの借款が合意を見るという時期といわば見合っております。二回目の四十八年の一月の百万ドル、これは三菱商事が韓国の調査庁に入札書類を提出した時期、これに当たります。第三回目の四十八年の五月、この三十万ドルは日本側と調達庁が契約書に調印した時期であります。まさに符牒合い、かっかなめかなめ、要所要所で金が送られているんです。そこで、こういうふうに国会での調査で事実が明白である。いまお答えがあったようにあなた方も御承知なんです。にもかかわらず、基金としてこの実態を解明しようとする姿勢に立っておられない。伺いますが、基金が車両価格の原価、これ昭和五十二年三月八日に国会に資料として出しておられるんです。これちょっと委員長、済みませんが、総裁と長官にちょっと見ていただきたいんですが。
○委員長(福岡日出麿君) はい。 〔資料提示〕
○市川正一君 言いかえれば、ここでちゃんと、何で二千五百八十万円の差額が出てくるのかと、それはかくかくしかじかやということをまことしやかに数字まで挙げて書いているじゃないですか。そうして、これは不当ではなかったということをあなた方が証明された。しかし、水増しがないどころか、商社自身の言明によっていわばリベート分が含まれていると、これは衆議院の予算委員会で田部三菱商事社長自身が「粗利益の中から」二百五十万ドルを「支出しておる次第でございます。」というふうに答えているわけです。これもう御承知のはずです。だとすると、この資料はこれは間違いであったということで撤回されているものと私確認いたしますが、そういうことですね。
○参考人(石原周夫君) 先ほどもお答え申し上げましたように、価格の関係におきましては原価計算で検討するというようなことをいたしておりませんので、類似の車両調達の場合と比較をしていかがであるかという見方をいたしておるわけであります。ここにありまするのはその幾つかの——幾つかではありません、これは国内車両価格の差が出ておるわけでありまするが、都営六号線でありますか、それの比較を出しておるわけでありまして、これはこういうことで差額が出てまいるんだということを国会に御提出を申し上げたわけでありまするから、これは今日においても依然として同じような御説明を申し上げるということに相なるかと思うわけであります。
○市川正一君 いいかげんにしなさいよ。わからぬのやったらわからぬと言えばいいじゃないですか。それがそういう能力もないくせに、あなた、こんなまことしやかなものを出して、類似価格のごとくやと、しかしこれはその後に田部三菱商事社長が、違うと、リベートちゃんと入っておるということを国会の中で予算委員会で言っているじゃないですか。しかも、あなた自身がこういうことを答えているじゃないか。昨年の二月の衆議院の予算委員会で、四百十万円の水増しについて石原総裁は「まったく答えられずに立ち往生。「鋭意調査します」との答弁でようやく切り抜けるありさまだった。」、これは朝日新聞の報道ですから、文学的表現はそれは知りませんで。だけど、あなた、「鋭意調査します」と答えているじゃないですか。だから、わからなければわからないと、いやこれは三菱商事の方から聞いたんやと言うのやったら言うで、それはそれで筋のある答弁です。私はそういう点でまことに遺憾です。私は、この点でも会計検査院自身も、これは五十二年三月十六日の衆議院の予算委員会でありますが、こういうふうに答えておられる。「なかなか資料が入手できない。私ども海外経済協力基金に対しましては検査権限がございまして、そちらで持っていらっしゃる資料については十分われわれも徴取いたしましたし、調査もいたしましたが、何分十分な資料がございませんので、できれば仕様の詳細とかあるいは原価計算書、そういうものについてもわれわれに見せていただきたいということをお願いしたわけでございますけれども、現在のところそれが参りませんで、私どもとしては的確な結論を得ないまま推移しているような状況でございます。」と、こういうふうなお答えがあるんですよ。それにもかかわらず、あたかも疑惑がないというような説明に終始し、たとえば前の大来総裁ですが、前総裁に至っては、全般的に見て妥当であろうというふうなことをぬけぬけと言っておられますが、こういうような態度をとってきた基金、これはまことに私、責任重大だと思います。どうですか、この点で総裁何かおっしゃることがあったら言ってください。
○参考人(石原周夫君) 市川委員御指摘になりましたときの問答は、私実は着任前の話でございまして、配付いたしました資料も実は私着任の前にお配りをいたした資料でありまするから、その後にいろいろ検討いたしました結果もあわせて申し上げているわけでありますが、その後いまに配付をいたしました資料の都営六号線の車両のほかに、常磐線の車両であるとかいろいろな御指摘もありまして、そういうものに対する比較の表はその後に随時提出をいたして、また御質問にもお答えをいたしてきているわけであります。 ただ、繰り返して申し上げまするが、会計検査院が申されまするように、原価計算というようなものをベースにしてチェックをするというような方法を実はとっておりませんので、それを先ほど来申し上げましたような審査のポイントというものが、その事業が確実に実施され、所要の効果を上げるかどうかという点に重点があるものでありまするから、価格も一つの要素でありまするけれども、そういうような審査の方法を従来からとってまいったと。したがいまして、いろいろ御指摘のありました他の類似の線につきましての御説明はその都度衆議院、参議院の委員会において申し上げてまいってきたわけでありまするが、いま申し上げましたような類似の例との差額はどうして出てきたんだということにつきましては、そのたびごとに御説明を申し上げてきているわけであります。
○市川正一君 私、いろいろこの原価計算その他のいわばデータや仕様その他まで立ち入って、いわば体制もないということならば、あるいは権限もないということならば、それはそれとしての筋だと思うんですね。しかし、疑惑がないとか、これはもう潔白だとかいうふうなことは言えるはずがないわけでしょう、そうなれば。そんなことをあんた言う資格も権限もまた体制もないということになるでしょう。それを、これは白やとか疑惑はないとかというふうなことを言う必要はさらさらないじゃないですか。だとすれば、一体どこからそういう資料をもろうてきているんだと、だからこういうものをお出しになって、類似の云々というようなことだけれども、これでもうつじつまがますます合わぬようになってきているわけでしょう。だから、これはもう撤回されているんでしょう。これは要するにもうこのときに出したけれども——五十二年三月八日ですか。
○参考人(石原周夫君) この資料は、ここにございますように、五十二年三月の八日に提出いたしましたものでございまするが、その後常磐線でありまするとか、私ちょっといま全部覚えておりませんが、二、三の類似車両との価格、調達価格との比較をいたしましたものは、そのとおり申し上げておりまするけれども、それは別にこれを撤回してかわりに出したということではなくて、そういう点の御指摘がございましたので、そのおのおのまた違う場合の調達車両との比較を申し上げて御報告を申し上げたわけであります。
○市川正一君 私が言うてるのは、田部三菱商事社長が七七年の十二月の衆議院の予算委員会で、粗利益の中から二百五十万ドルも支出しておった次第でございますということをちゃんと言うているわけですよ。だから、あなた方の方でこういうつじつまを合わして、二千五百八十万円の差額が何で出るかということをいろいろ計算してはるけれども、これはあなた、その根拠がなくなってきたわけですよ。だから、こういうものは、二百五十万ドルいわばくすねているわけだから、この二百五十万ドルどこにも入ってないじゃないですか。入ってないものを何か白々しく出すこと自身、国民を、さらには国会を愚弄するものだということを私言ってるんですよ。 それで、時間がもう迫ってまいりましたので、私、こういうソウル地下鉄をめぐる疑惑というのは、単に車両価格が水増しにされていたとかそういうことじゃなしに、その水増しの分が日韓両国政界への工作資金に使われた疑いが持たれているものとしてきわめて重大な問題だと、こう思います。伊藤刑事局長も金の流れに重大な関心を持っているということを言明されておりますけれども、私本来ならば本日伊藤刑事局長にも御出席を願っていろいろ問題の解明をいたしたかったんでありますけれども、伊藤局長もいろいろ航空機等の問題で御多忙のようでありますし、きょうは時間も限られておりますので、いずれ改めて機会を得てこの問題については解明をいたしたいんでありますが、たとえばアメリカの下院の国際関係委員会、例のフレーザー委員会です。この最終報告は二百五十万ドルのうち百二十万ドルは韓国の大統領選挙の資金になったというふうに指摘している。さらにいま大きな政治問題になっておる航空機疑獄でも、疑惑の中心人物である岸元総理は、このソウル地下鉄問題でも最大の疑惑の人物の一人と指摘されております。したがって、この問題の解明は、私金権腐敗政治の一掃と結びついて国政上もきわめて重要であると、こう考えております。とりわけここには基金を通じて国家資金が二百七十二億四千万円も投入されているんです。経済企画庁としても今後この基金を通じての借款をいろいろ検討される上で、あいまいにされるべき問題ではないと思いますが、長官いかがでございましょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) このソウル地下鉄問題に関しましては、実はわれわれも新聞報道に出るまで私個人は全く知らなかったことでありまして、そうしたことが私たちの所掌しております協力基金の資金が、やはり相当ただいまの御指摘のようにこのケースには入っておるということ、そうした意味から申しましても今後はこうした事態に対しては十分注意をしていかなくてはならないし、もちろん細かくチェックする権限は基金にはございません。これは相手国側の関係もあってそうしたことは機能はないんでございますが、しかし、これなども全く善意で恐らく担当者はやったんではないかと思います。しかし、その裏に意外に御指摘のような事実があるとするならば、こうしたこともあったんだというその現実を踏まえて、今後は特にこうした問題について十分配意し、また可能な限りの検討をして慎重に資金運営をいたすように万全を期したいと存じます。
○市川正一君 了解いたしましたが、御努力を期待しております。 最後に、会計検査院にお伺いをしたいんでありますが、こうした不正防止のために法の改正をお考えになっていらっしゃるように伺っておりますが、その目的その他いまの構想をお聞かせ願えれば幸いであります。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。 私どもでは会計検査院の権限の拡大、強化を図るべしという衆議院及び参議院の御決議がございましたし、また参議院の決算委員会におきまして昨年の六月に、当時の福田内閣総理大臣の御答弁がございまして、それは会計検査院の検討を待って政府として対処したいという御発言がございましたので、それをその御趣旨を受けて私ども昨年来政府関係各省庁と折衝を重ねまして意見の調整に努めたわけでございまして、最近私どもとしては最終の法改正の要綱案をつくった次第でございます。この内容といたしましては、両議院の御決議の御趣旨と会計検査院が憲法上田の収入、支出の決算を検査するという機関であるという性格を考慮いたしまして、先ほど来先生おっしゃっておられるように、国家資金の使途に対する検査の徹底を図るという見地から、主として公庫とか銀行の融資業務の適否を検査するに当たりまして、その融資先に対しましてその融資の適否を判断するに必要な最小限度の調査がその融資先に対して及ぶことができるという、そういう趣旨の法改正を願っているわけでございまして、その一方では私どもとしましても公権力の過剰介入というようなことになってはいけないので、融資先の立場を十分尊重するという趣旨のものでございまして、現在関係方面とこのことについていろいろ折衝しているところでございます。
○市川正一君 最後に。長官、いまお聞きのような会計検査法の改正のいろいろ検討が行われているようでありますが、いずれ閣議でも議せられると思いますけれども、この点について長官の積極的な御見解を承って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 毎々申し上げておりますように、やはり国の仕事はこれは全部国民の税金であると思います。税金の使い方を大切にするということは、これはもう政治の一番基本でなくてはならぬと思います。したがいまして、その行使が適正であってほしいということは私一人だけの考えではない、これは恐らく歴代内閣どなたもお思いになったことだと思いまして、会計検査法の改正が、まだわれわれは拝見しておりませんが、その内容につきましてもただいま申し上げたような精神がさらに検査法の改正の中に大きく生かされるよう期待をいたしております。
○市川正一君 ひとつがんばってくださいね。頼みます。 終わります。ありがとうございました。
○柿沢弘治君 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案に関して、与えられた時間の中で質問をいたしたいと思います。若干、経済協力の基本問題でございますが、政府の開発援助の中で特に円借款の部分の拡充というものを鋭意努力をされているわけですけれども、その面では予算面の拡充もさることながら、それに先行する援助の約束といいますか、その部分の拡大にいままで以上の一層の努力をする必要があるというふうに考えるわけですけれども、その点に関して政府としてはどのような努力をされているのか、また今後どのような努力をしようとしているのか、その点について御質問したいと思います。
○政府委員(宮崎勇君) 先生御指摘のとおり、これから援助を増大していく場合に約束をふやしていくということがあろうかと思います。五十二年度に約三千五百億円、五十三年度四千五百億円、五十四年度もさらに拡大の予定でございます。それで、そういう援助約束の拡大と同時にこの執行率を上げていくということが必要でありまして、この点についての努力も進めているわけでございます。執行率は五十一年度の六六%から五十二年度七四%、五十三年度には八八%と大幅に上昇しておりますが、今後ともこのように続けてまいりまして、円借款の拡充を進めてまいりたいというふうに考えております。
○柿沢弘治君 まあその面でときどき耳にするわけですけれども、わが国の経済協力に関して案件の決定等がおくれると、国内での省庁間の調整等に手間取って、それが原因なんじゃないかということも言われるわけですけれども、その点についてはそうした批判を招かないように、四省庁からさらに六省庁体制とか、各省いろいろな発言の機会を求めているようですけれども、その点について今後どう改善をしていこうとしているのか、その点お伺いをいたしたいと思います。
○説明員(大鷹弘君) 円借款の供与に関しましては、ただいま柿沢先生から御指摘のありましたように、四省庁の協議体制で運営しております。これには外務省、大蔵省、経済企画庁、通産省、この四省庁が参加しているわけでございます。外務省は外交政策の見地から、大蔵省は財政政策の見地から、それから経企庁は経済政策の見地から、それから通産省は通商政策の見地から、それぞれの立場からこれに参加しているわけでございますが、個々の案件につきまして時として四省庁の見解がすぐに一致しないという場合もございます。その場合には時間をかけて、そうして最終的には四省庁のコンセンサスというかっこうで供与方針を決めてまいります。最近はそういうあれが大分スピードアップされまして、それほどのおくれは見せておりません。しかし、今後とも、先生からせっかく御指摘がございましたとおり、四省庁の間の協議体制をさらに緊密にいたしまして時間的なおくれが生じないように努めたいと、こう考えておるわけでございます。
○柿沢弘治君 その点に関しましては援助供与国から喜ばれるようなといいますか、本当に必要とする時期に援助の約束実施が保証されるよう、ぜひ関係省庁の御尽力をお願いをいたしたいと思います。 それから、開発途上国で本当に必要としている援助案件というものをどうやって発掘していくかということが、これからの大きな問題だろうと思いますが、その点について政府として援助を三年間倍増という場合に、どのような形でそうした開発需要の発掘に努めようとしているのか、その点についての方針、考え方があればお伺いをいたしたいと思います。
○説明員(大鷹弘君) ただいま柿沢先生おっしゃいましたとおり、わが国の援助は相手国に喜ばれるような援助にしなけりゃならないということにつきましては、政府としても全く同様の認識を持っております。そこで、どういう案件が先方に実際に喜ばれるものであろうかということ、つまり案件の発掘に関しましては政府としても積極的に努力をいたしております。 その例を申し上げますと、まず第一に、現地にあります大使館が経済協力基金の駐在員、あるいは国際協力事業団の駐在員、こういう方々と協力をいたしまして、先方、相手国政府と接触をすることによって何が相手にとって本当のニーズであるか、どういうものが一番喜ばれる援助であるかを調査し、発掘に努めております。また大使館がないようなそういう小さい、たとえばアフリカのようなそういう国々もございます。こういうところに対しましてはわが国から、東京から調査団を派遣いたしまして、先方の政府と具体的な話し合いをするということで、いわゆるプロジェクト発掘ミッションというものを派遣しているわけでございます。このほかに、たとえば世銀であるとか、あるいは国連のUNDPであるとか、こういうマルチの機関の代表者、現地におります人たち、こういう人たちの意見を聞いたり、情報を収集をいたしておりますし、さらに責任について言いますと、債権国会議であるとか、あるいは協議グループであるとか、そういう機会がございますので、そういうところで鋭意そういうものの発掘に努めているというわけでございます。
○柿沢弘治君 私も昨年十一月にアフリカ諸国を回ってまいりまして、日本の援助に対する期待が非常に大きい。しかし、彼ら自身が一体どういう形のものがこれからの民生安定といいますか、経済安定に役立つのかはわからないという部分も率直に言ってあるだろうと思いますので、その点についてそうした経済協力案件の発掘について積極的な御努力をされるように、関係省庁のこれも御尽力を期待したいと思います。 そのときに気づいた問題なんですけれども、わが国の無償と有償との関連、技術協力というものとその後の資金協力というものがある意味でばらばらに行われている。それをもう少し有機的に関連させられないだろうかということを考えるわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○説明員(大鷹弘君) 円借つまり有償資金協力にいたしましても、あるいは無償資金協力にいたしましても、具体的な案件が実現可能、実施可能であるかどうか、つまりフィージビリティースタディーというものをやりまして、それが実施可能であるかどうかということを調査するのがこれが前提でございます。その場合に国際協力事業団が枝術協力のかっこうでチームを現地に派遣していろいろ調査をすると、こういうことになっております。他方において逆にすべての国際協力事業団がやっております技術協力が、わが国の資金援助に結びつくかと申しますと、これは必ずしもそうではございません。と申しますのは、わが国のそういう技術協力、まあ開発調査と申しますのは資金協力とは独立にやることになっております。これがしばしば先方、相手国政府の希望である場合もあるわけでございます。つまり、日本からそういう技術協力はもらうけれども、資金の手当ては必ずしも日本にとらわれないで、ほかの方からも考えたいということをはっきり言う国もあるわけでございます。いずれにしましても、しかしながら実際において技術協力をやっておりますその半分ぐらいは日本からの有償、無償の資金協力につながっているというのが現実でございます。
○柿沢弘治君 それでは最後に、三年間倍増という計画で、いまこの基金法の改正の問題ともわれわれ取り組んでいるわけですけれども、この三年間倍増というものが達成された後、一体どういう見通しを持っていらっしゃるのか。そこでストップということではないと思うわけですけれども、その辺についての援助の基本的な方針をお伺いをして基本問題を終わりたいと思います。
○政府委員(宮崎勇君) 政府開発援助の三年間倍増につきましては、本年度の予算でも措置しておりますが、現在までの執行率その他を考えますと、大体目標の三年以内にその目標を達成するというのはほぼ確実であろうかと思います。先ほど御報告申し上げましたように、執行率はこのところ大幅に上昇しております。三年間倍増を達成いたしました後につきましては、現在政府におきまして新しい長期経済計画を策定しておりますので、その中で盛り込みたいというふうに考えておりますが、できるだけ速やかに早い時期に先進国水準に追いつくという目標で今後とも経済協力を充実させていきたいと、そういうふうに考えております。
○柿沢弘治君 それでは基金の運営の問題に移りたいと思います。総裁にもおいでいただいて恐縮でございますが、これから借入比率を拡大をする。これによって思い切って援助の、円借款の拡大を図りたいとおっしゃっているわけですが、その場合一つ気になりますのは、やはりそれに応じた審査体制の拡充というものが必要になってこようかと思います。しかし同時に、だからといってコストを上げていってしまっては、彼ら援助を受ける立場にとってコストの高いものになってしまう。ソスト化という命題に相反することになる。その意味でなかなかむずかしい二律背反の課題を総裁以下基金の皆さんこれから達成をしていかなきゃいけないわけですけれども、現在の基金の経費なりコストなりの状況、経費率というものがどのくらいになっているのか。国際的に見て簡素な政府機関と言えるのかどうか、その辺についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
○参考人(石原周夫君) 柿沢委員の御指摘のございました経費率の点でございますが、最近のところで〇・二%の一とか二とかいう数字になっておりまして、五十一年から申しますと〇・二三三、五十二年が〇・二〇六ということになっております。五十三年、五十四年は全くの試算しかございませんけれど、〇・二%を少しでも切るところに持っていきたいと考えておりますが、業務量の増大と、いま柿沢委員の御指摘の審査ばかりでございませんけれど、審査を中心といたしました人員の増加を図ってまいらなきゃなりません。ただ、これが簡素であるということになりますかどうか存じませんが、世界銀行あるいはアジア開発銀行あるいは比較的業務が類似をいたしておりますドイツのKWという借款供与機関がございますが、一人当たりの年間処理量で比較をいたしますると大体ドイツの二倍弱であります。アジア開発銀行の四倍弱になりまするか、でございまするから、能率的に申しますとその逆数になるわけで、そういう点から申しますると少数のスタッフで案件の処理をいたしておるということはある程度言えるかと思いまするが、それで十分であるかどうかということになりまするとこれは問題であろうかと思いまするので、最近もここ三年ほど比較的政府機関の中では人員増を認めていただいている方だと思いまするけれども、今後も引き続き政府側の十分な御理解をいただいて、人員の所要の増加を図ってまいらなきゃならぬというふうに考えております。
○柿沢弘治君 そうしますと、これからの事業量の拡大に従って人員その他組織の拡充という方向で計画を立てていらっしゃるわけでございますね。
○参考人(石原周夫君) 業務量の拡大の方につきましては、先ほど政府側から御答弁のありましたような一般的な方向がございまするし、まだ倍増の期間も五十五年まで残っておるわけでありまするので、当然それに応じました増強を図ってまいらなきやならぬと考えております。
○柿沢弘治君 経費率がそういう意味では上がっていくおそれがある。それと同時に、いままで出資と借り入れの比率が一対一であった場合、資金コスト、金利のコストが三%前後でおさまっていたものが、一対三になってくればこれは当然四、五%に上がるわけでございます。そういう場合に全体のローンのソフト化という国際的な命題と相反してくることになると思うんですけれども、その点については今後どう対処しようとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(宮崎勇君) 今度の基金法の改正で借入限度を一対三に引き上げるということをお願いしているわけでございますが、そうなりますと資金の調達コストとそれから貸付金利との逆ざやということが資金の多様化という過程で出てくるという可能性もあるわけでございます。その場合には現在の基金法に交付金を受けるということができることになっておりますので、そういうことによりまして、条件が悪くならないように、この借入限度の引き上げあるいは資金の多様化とその条件の緩和ということと矛盾しないように措置をしたいというふうに考えております。
○柿沢弘治君 そうすると、借入限度額が引き上げられて借入枠がふえる。今年度からそうした措置が必要になってくる。たとえば補正予算でやるとかもしくは来年度予算で手当てをしなきゃならないと、そういう問題なんでしょうか。
○政府委員(廣江運弘君) 先ほど宮崎局長がお答えいたしましたのは将来においてということでございまして、まだ五十四年度は収益率、限界率大体とんとんでおさまると、多少余裕があるぐらいに思っております。将来のことにつきますと、そのときどきの資金コストがどうなるか、まあ出資金の割合であるとか経費がどうなるかというようなことがございますので、五十四年度は交付金の必要はないと思いますが、五十五年度以降のことにつきましてはまだ申し上げる段階にはございません。
○柿沢弘治君 そうしますと、そこは今後のその事業量の拡大といいますか、ディスバースメントの拡大に従って財政当局と弾力的にといいますか、相談をしていくと、そういうことになるわけでございますか。
○政府委員(廣江運弘君) おおむねそういうことになっていこうと思います。
○柿沢弘治君 今回借り入れの限度額が広がって、それが日本の援助の拡大につながっていくということは、国際的なわが国の約束を果たすという意味でも大変望ましいことですけれども、同時にそれが援助の質を下げるということになってはこれまた問題でございますので、その点についてはソフト化の傾向といいますか、要請にも相反しないように、できるだけ両立するような形で今後の基金の運営、援助の質の改善というものが図られますように、関係の皆さんの御尽力をお願いをいたしたいと思っております。 それからもう一つ、先ほど人員の拡充という話がございましたけれども、援助案件等については、ある意味で一件一件内容が違うわけでございますし、そういう意味で基金のプロパーの職員をどんどんふやしていくということになりますと、後でその援助内容が、たとえば工業開発からインフラに変わった場合、人が要らなくなるといいますか、特定の人が遊ぶようになってくる。しかし、やっぱりこういう政府関係機関というのは、一度雇ってしまいますとなかなか中身を入れかえるということができない。そういう意味では外部のコンサルタントとか専門家とか、そういうものをアドホックで活用していくということが機構としての柔軟性、機動性を保つ上で必要ではないかと思うわけですけれども、そういう方向での審査体制の拡充強化というようなことをぜひお考えをいただきたいと思いますが、その点について具体的な御検討といいますか、お考え方がありますでしょうか。
○参考人(石原周夫君) おっしゃいますように、人員全体の問題でありますうちで、特に審査の問題というのは拡充を要する重要なポイントであろうかと思います。普通の金融機関の審査と違いまして、私どもの方は技術的な検討を非常に必要とするということがございます。したがって、技術関係の人たちがある程度充実をする必要がございますので、四十九年から五十三年までの間に——もとの人数が少ないからではありまするが、技術関係の職員は倍増をいたしておるわけであります。今後もそういう意味で技術関係の充実というものがある程度要るだろうと思います。ことに先ほど来当委員会で御議論のございましたような社会開発というような保健でありますとか医療でありまするとか教育でありまするとか都市計画とかいうような問題になりますると、従来とまた違った、柿沢委員御指摘のような問題が出てまいるわけでございます。そういう新しい問題についてもそうでありまするし、従来の問題についても量がふえてまいりまするとそういうことが出てまいりまするが、ある程度は自分自身の、基金自身の職員としてある程度の数は持たなければならないと思いまするので、ある程度の増加は必要だと思うんでありまするが、いまお話のございましたような、ことに特殊な問題がございまするから、そういうような特殊な問題に対する技術者を職員として持っておくということは不可能でもありまするし、非効率でもございまするから、そういうようなことは避けまして、従来も柿沢委員御指摘のような特別な技術の関係につきましては外部の方に委嘱をいたしまして、お手伝いをしていただいている。今後におきましてもそういうようなことは十分に活用してまいる必要があるというふうに考えております。
○柿沢弘治君 それでは、締めくくりでございますから、基金を監督していらっしゃる企画庁長官にお伺いをいたしたいと思いますが、先ほど申しましたような援助の拡大要請の中で援助約束を拡大し、しかもその審査なり何なりを迅速化していく、そういう点で今後とも一層の監督といいますか、長官の御尽力をお願いをいたしたいと思いますし、それから、いま総裁からお話のあったように、審査の効率化、審査の内容、質を高めると同時に、効率的な政府機関としての経済協力基金をつくり上げるという面で、ぜひ企画庁長官の御尽力をお願いをいたしたいと思いますが、その二点についてお考えをお伺いいたしまして私、終わりたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 非常に委員から前向きなお言葉をいただきまして、われわれといたしましては、この経済協力がきわめて重要であるという認識は、昨今特にまた強く感じておるところでございます。しかし、そのやり方とか、あるいはその協力をすべきプロジェクトそのものの対象が、やはり一義的に相手国の満足を得るということ、このためにはやはりもちろん、その合意は政府対政府になりますが、しかしその種はむしろ、民間の方々の意見も十分にひとつわれわれは配慮したい、伺いたいと思っております。たとえばドイツなどでやっているような、宗教団体がこうした問題には非常に積極的に政府のプロジェクト決定には参加をしているというようなことも聞いておりますが、そうした方向がいいのかどうかは別としまして、もちろん在外公館のきわめてきめ細かなリサーチを前提にいたしますが、同時にまたアイデアにつきましても、民間の方々の意見等も十分ひとつ入れて、そうしてこのせっかくの経済協力が、行った後に相手方からは悪口を言われるようなことであっては、全くこれは何のためにやるのかわかりませんから、こうしたようなことにつきまして十分配慮し、またスピードアップをし、そして日本の国際経済に対する協力の姿勢に対して他国が疑念を持たないような努力を続けたいと思います。
○委員長(福岡日出麿君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○市川正一君 私は日本共産党を代表して、ただいま議題となりました海外経済協力基金法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。 反対理由の第一は、先ほどの質疑でも明らかにされたように、わが国の経済協力の三分の一以上が、アメリカのアジア戦略に基づいて、重要拠点になっている韓国、インドネシア、フィリピン、タイなどに集中しており、アメリカの東南アジア援助の肩がわりを果たすものになっていることであります。これは、アジアにおける新たな緊張強化と結びつく危険があることを指摘しなければならないのであります。 反対理由の第二は、わが国の経済協力、とりわけ基金の直接借款がわが国の独占大企業の海外進出の地ならしの役割りを果たしているからであります。アジア地域に対する直接投資は全体の半数を占めており、各国の中で第一位となっております。この結果、経済協力の相手国の国民から、日本の経済協力は日本企業の利益追求が目的で、経済協力の名に値しないなどという批判も出されているところであります。しかもわが国の大企業は、これらの地域で低賃金で多くの労働者を酷使しながら、国内では減量経営の名によって首切り、合理化を強行し、午前中の討論の中でも明らかにされた繊維問題にも見られるように、わが国の独占大企業による逆輸入などによって、わが国の中小企業と労働者に犠牲を強いているからであります。 反対理由の第三は、経済協力の個々の内容がほとんど公開されないばかりか、協力事業がどのように実施され、その国の国民に真に役立っているかどうかも実質的にチェックできない仕組みになっており、基金がつかみ金的運用にならざるを得ない状態になっております。このため、ソウル地下鉄事件に見られるように、基金の借款が政・財・官界を巻き込んだ汚職、不腐の温床になっているからであります。いま、経済協力についての根本的に検討をされなければならないものは、このような政府の経済協力のあり方こそ、まさにそれであります。 経済協力をその目的にふさわしく発展させるためには、第一に民主的公開の原則に立って、すべての援助協力計画とその予算を国会で審議するようにすることであります。 第二に、自主性の原則を貫き、アメリカのアジア戦略への協力、下請をやめることであります。 第三に、新植民地主義反対の原則に立って、大企業による経済的侵略活動を厳しく規制することであります。 第四に、平和、中立の立場に立って、社会体制のいかんを問わず、すべての国と平和五原則に基づく経済交流を進めることであります。 第五に、社会進歩を目指す国際連帯の原則に立ち、発達した工業国家として世界の平和と諸民族の独立、全人類の社会進歩のために積極的な経済協力、技術協力を進めることであります。 以上、わが党がかねてから主張している経済・技術協力の五つの原則の立場から進めることこそ、真に国益にも沿うものであることを申し述べて、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
○委員長(福岡日出麿君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福岡日出麿君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大森昭君から発言を求められておりますので、これを許します。大森昭君。
○大森昭君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党及び新自由クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読をいたします。 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、最近における経済協力の重要性にかんがみ、政府開発援助予算の増大と質的改善、その執行の促進並びに官民一体の経済協力実施体制の整備・強化等を図るとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、対外経済協力施策の総合的・体系的かつ効果的な実施が可能となるよう関係各省庁間の連携の緊密化など統一的な運用体制を確立すること。 二、わが国が国際的に表明した対外援助の早期実現に努めるとともに、相手国の実情に応じて、社会開発援助の強化を図るなどの配慮をすること。 三、政府開発援助が国民総生産に占める比率を速やかに先進国の水準に到達せしめるよう努力するとともに、今後の財政収支の展望を踏まえ、経済協力の計画的な推進に努めること。 四、技術援助の重要性の認識にかんがみ、技術者及び相手国の実情に精通した人材の養成に努めるとともに、これらの技術者等の海外派遣の拡充を図ること。 五、経済協力推進に不可欠な海外コンサルタント及びコンサルティング企業の育成・強化に努めること。 右決議する。 以上でありますが、この決議案は、本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて説明するまでもないと存じますので、省略させていただきます。 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。
○委員長(福岡日出麿君) ただいま大森昭君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福岡日出麿君) 多数と認めます。よって、大森昭君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、小坂経済企画庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小坂長官。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 御審議の過程におきましていろいろな御質問、御意見をいただきましてありがとうございました。 ただいま御決議になりました附帯決議の御趣旨は、これを体して善処いたしたいと思います。
○委員長(福岡日出麿君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、よう決定いたします。 —————————————
○委員長(福岡日出麿君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査のうち、産地中小企業及び石油備蓄に関する実情調査のため、委員派遣を行うこととし、派遣委員等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五分散会