商工委員会 第5号
- 発言数
- 308 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/04/10
会議録
○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず委員の異動について御報告いたします。 昨九日、井上計君が委員を辞任され、その補欠として藤井恒男君が選任されました。 —————————————
○委員長(福岡日出麿君) 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明並びに補足説明につきましては、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○森下昭司君 まず議題の質問に入ります前に、この機会でありますから、特に通産大臣に私は、アメリカの原発の事故問題につきまして、若干二、三お尋ねをいたしておきたいと思うわけであります。 アメリカのスリーマイル島原子力発電所の事故が、わが国の原子力発電所及び今後の計画並びに国民に与えた影響は実は大きいと思うわけであります。原発所在地を初めこれから建設を予定されている自治体には、その対応にさまざまな動きが実は示されているわけであります。たとえば、林田京都府知事は、関西電力の久美浜原発計画につきまして、国の責任で安全が確認されるまで建設すべきではないとの否定的な見解を明らかにいたしております。あるいは矢部敦賀市長は、同市に原発を立地している日本原子力発電あるいは動燃事業団に対しまして、直ちに運転を停止して総点検をせよ、第二には、新増設を計画中の原発は、アメリカの事故に関する国の最終判断を待って進めるという申し入れを実は行っているわけであります。また、原発所在市町村協議会、これは会長はいま申し上げた矢部敦賀市長でありますが、国と原子力安全委員会に対しまして、住民不安に対処するため、事故原因、状況、国内対策の見解を早く示す等、文書で実は要請いたしておるところであります。原発を監督いたしておりまする通産省といたしまして、このような地方自治体を中心にして、さまざまな動きが示されていることに対しまして、この事故をどう見ているのか、またこの事故を契機にいたしまして、通産省といたしましてどのような対応策を考えていこうとするのか、まず基本的な方針について大臣のその御見解を最初に承りたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) アメリカの今回の事故につきましては、大変私どもも重要な事態であるという認識に立って、あとう限りの情報を的確に入手できるよう努力をいたしておるところであります。しかし、今日に至りましても事故の原因及び状況の詳細についてはまだ定かでありません。しかし、カーター大統領は、今回の事故は世界に与える影響も非常に大きいので、的確にこれを究明すると同時に、世界に向かって明らかにしたい、そのことが今後の原子力発電及び原子力の平和利用にも大きくつながることである、こう申しております。したがいまして、私どももその情報を待機すると同時に、国民に向かってもやはりその原因等々について、はっきり説明をし、了解、納得を得ることが必要である、こういうふうに考えております。 通産省としましては、今後原子炉の安全対策を考えてまいります上で、非常な重要な意味があるという受け取り方をいたしております。そこで、本来ですと、こういう場合は事故原因がはっきりしてから各電力会社などに通達をするということかもしれませんが、現在キャッチし得た情報をもとにしまして、エネルギー庁長官から関係電力会社等に対して、保安管理についての注意喚起、運転管理体制をどうしておるか、これらについての注意喚起等々、こういった点を中心にして再点検の指示をした次第でございます。 今後さらに、情報の入手、検討に全力を上げることはただいまも申し上げたとおりでありまするが、特に原子力安全委員会の意見を踏まえながら、原子力発電の安全確保についてさらに一層万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○森下昭司君 いま安全対策について十分注意を払っていきたいということでありますが、実は四月六日に、通産省は十五道県の原子力安全対策担当者の会議を通産省で開いているわけであります。そして、当面の、いま大臣からお話のございました保安管理体制でありますとか、住民対策をめぐりまして協議がなされたというふうに聞いておるわけであります。その際、災害時の避難などを盛り込んだ地域防災計画について国の指針を早く示してもらいたい、それから事故や行政の方針についての情報を適確に提供してもらいたいというような諸点が各地方の関係者から提案、提起をされたというふうに報道されているわけであります。たまたまきょう、原子力安全委員会はこの防災計画につきまして、国のといいますか、原子力安全委員会の立場からの何らかの指針を明らかにいたしまして、国に勧告という言葉を使っておりましたが、勧告をするというような、実はきょう報道がなされていたわけでありますが、県段階における防災計画というものは全国的にやや整備をされているようでありますが、市町村段階のこの防災計画というものがなかなか具体的になされていないというのが現状ではないかと言われておるのでありますが、原子力安全委員会が国に対して勧告をするというたてまえをとっておりまするけれども、通産省としてはいま大臣からお話がありましたように、安全対策を重視するという立場からまいりますれば、積極的にこの市町村の防災計画に対する国の指針というものを明確にしていく必要があると思うのでありますが、この点についての通産省側の考え方をひとつお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生がおっしゃいました災害対策の問題につきましては、一応万一事故が発生した場合の手続、これはすなわち電力会社から直ちに国及び地方公共団体に連絡するとか、それに基づきまして保安規程及び運転要領に基づく必要な対策を上げる。それからまた、放射性物質の大量放出のような事故が外部に影響を及ぼすおそれがあるようなときには、災害対策基本法で定めるところにより、必要な応急対策をとるということになっておるわけでございます。しかし、先生がいまおっしゃいましたように、実際的な定めがワーカブルに発動できるか、機能するかということについての御疑問であろうかと思いますが、そういう点につきましてはさらに地方公共団体とともに、また関係省庁と協力いたしまして、その災害計画が十分に機能できるように再検討していきたいと、こう考えております。
○森下昭司君 きょうの報道によりますと、原子力安全委員会はそれを見ればどんなことを直ちにしなければならないということが一目瞭然にわかるようなわかりやすいものをつくるんだと、こう言っておりますが、通産省としては原子力安全委員会のそういった勧告を待って防災計画の指針をお考えになるのか、通産省独自の立場で防災計画の指針をおつくりになる考え方があるのか、この点だけもう一度伺っておきます。
○国務大臣(江崎真澄君) この問題につきましては、従来の防災基本計画にも原子力発電所等々の事故にどう対応するかということが一応決められておりますが、過ぐる先週の閣議におきまして、大平総理から特に災害対策の責任者である総理府総務長官に対して関係各省庁と十分緊密な連絡をとって、このアメリカの事故の現実に徴してあらゆる情報をとって具体的な対策を速やかに立てるようにと、こういう要請が強くなされたところであります。 したがいまして、事務当局におきましても、目下従来の災害基本法にはあるとは言いながら、もっと詳細、現実に即した対策を今後とるということで準備しておることも、私から申し添えておきたいと思います。
○政府委員(児玉勝臣君) 原子力安全委員会の御意見について新聞報道がされておりますが、その中でいま先生がおっしゃいましたように、だれが見てもわかるような災害対策でなければならないということでございますが、まさに御意見ごもっともであると思います。そういう意味で、非常にわかりやすい、しかも機能的な災害対策の基本計画をつくることに通産省といたしましても尽力いたしたいと思いますし、また、各方面のたとえば地方公共団体での災害計画の作成についても、われわれの立場から協力いたしていきたいと思います。 そういう点で、ある成案ができました時点でさらに安全委員会の御忠告といいますか、そういうものも御意見をいただきまして、さらに安全なものにしていきたい、こう考えております。
○森下昭司君 これはいま大臣からもお答えがありましたように、保安管理関係とか運転管理関係とか注意を促したというお話でありますが、アメリカの原子力発電所の事故は機械的要因のほかに人間的要因と申しますか、要するに、技術者の操作の誤りでありますとか、あるいは錯覚でありますとか、こういうようないわゆる人間的要因に基づくミスで事故が拡大をされたと、私、実は、理解をいたしておるわけであります。事の詳細はまだわかりませんけれども、そんなふうに理解をいたしたおります。 そうだといたしますと、大臣からお答えになった運転とか保安という、保安の中に広義に解釈すれば入るのでありますが、当面やはり現場技術者の研修と申しますか、再教育と申しますか、そういうことが一つの事故の私は大きな要件になるのではないだろうかと思うのであります。 ただ単に電力会社に注意を促して、電力会社独自で再教育を行いなさい、再研修を行いなさいというのではなくて、国が何らかの場を設けて電力会社全体を技術者を再研修をし、あるいは再教育をしていくというようなお考え方はないか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(児玉勝臣君) 原子力発電所の安全確保を図るためには、ただいま先生おっしゃいましたように、設備面からの規制ばかりでなく、運転員の適確な操作ということが大事なことであるわけでございますが、このために従来からも電力会社等においては原子炉等規制法に基づきまして原子炉施設の運転巡視、点検それから非常時の処置、運転員の保安教育ということを内容といたしました保安規程を策定いたしまして、通産大臣の認可を受けることになっております。今回の問題が起こりまして、直ちにこの保安規程の内容の問題、さらに保安規程を受けて、各電力会社またはサイトにおいて具体的につくられております運転要領が適確であるかということの再点検を実施しておりまして、近々その報告が出てまいりますので、それを検討した上、先生がただいまおっしゃったような再教育の問題も含めまして適確な対策の手を打ちたい、こう考えております。
○森下昭司君 要望いたしておきますが、このほかいろいろな問題点がたくさんあります。たとえば伊方原発の訴訟問題の判決からいたしますと、相当今後安全論争が再燃をするというようなおそれもあります。あるいはまた、通産省としては原子力発電の稼働率を上げるために、定期検査の期間を短くしようというような動きがありますが、これに対しましても若干の疑問等が出されておるとか、いろんな点で多くの問題点がございますので、いまお話がありましたように適確なひとつ対策というものを速やかに樹立して、そして安全対策のために努力を払っていただきたいということを要望して議案の質問に入りたいと思います。 そこで、ただいま提案をされました改正案は、五十三年十一月十七日付の繊維工業審議会並びに産業構造審議会からの「今後の繊維産業の構造改善のあり方」についての答申を受けて、いわばこれを前提として提案されたと理解しているのでありますが、そういう理解でいいのかどうか、まず最初にお尋ねいたします。
○国務大臣(江崎真澄君) おっしゃるとおりでありまして、今回の法改正は昨年十一月の繊維工業審議会、それから産業構造審議会の答申に基づいてなされたものであります。
○森下昭司君 この答申は、繊維産業業界の現況につきまして次のように述べているわけであります。 需給調整効果の浸透等から一部の製品の市況について、一時の深刻さが薄れてきたが、先行きは依然として不透明な状態である。 このような生産の停滞、市況の低迷等により、企業収益は著しく悪化し、多くの企業が経営面の困難に遭遇することとなった。 そしてさらに、昭和五十三年に入っても上半期で七百件台の倒産があり、 高水準となっている。七月以降については、若干落ち着く傾向もうかがえるが、依然として予断を許さない情勢となっている。 と答申をされているわけであります。しかし、現在の状況は、繊維は構造不況とはいえ、やや好況感を呈しているわけでありまして、いささか情勢の分析と申しますか、見通しと違った点が答申されていると思うのでありますが、この点についてはどう思われますか。
○政府委員(栗原昭平君) 昨年十一月の答申時点と現在とを対比してみますと、若干、これは品種によって差はございますけれども、景気の状態について差があることは事実でございます。しかしながら、繊維をめぐります内外の諸環境というものを見ますと、やはり一つには近隣諸国の追い上げという問題がございまして、この状況はこの時点あるいはその前の時点と対比いたしましても、全く変わっておらないというふうにまず一つ考えているところでございます。 さらに、これからの内需の伸びといったようなものを考えてみましても、低成長への移行に伴いまして急速な伸びというものもそう期待できないといったような状況は、やはり変わりがないというふうに考えておりまして、そういった内外の諸環境というものはやはり今後ともさらに厳しさを増してくるような状況にあるのではないかというふうに考えている次第でございます。
○森下昭司君 この問題につきましては、後ほど若干お尋ねをしておきたいと思うのでありますが、いわゆる需給の見通しというものは非常にむずかしい点がある。これは一時的な現在を好況と見るのか、やや先行き明るい継続的な好況と見るのか、いろんな見方が実はあると思うのであります。私どもといたしましては、一応先行きの問題といたしましていま局長がおっしゃったように、諸外国との競合問題でありますとか、あるいは内需の好転が期待されないとか、いろんな見通しをお述べになっているのでありますが、私自身は若干今日の好況の状態から判断をいたしますると、やや本改正案を提案する前提条件というものが一部崩れておるのではないだろうかというような実は感じがいたしているわけであります。したがって、この点はお互いの見解の相違という点もあるかとも存じますが、私は若干答申の出された時点と今日時点とにおいては、この答申の繊維業界の情勢分析、誤りとは申しません。誤りとは申しませんが、若干のやっぱり違いが率直に出ているというふうに理解しておるのでありますが、その点はどうですか。
○政府委員(栗原昭平君) 生産の状況等について見ますと、昨年の夏時点、それからその後にかけまして若干繊維の生産は上昇傾向にあるという数字は出ております。そういった意味において繊維をめぐります数字的な支障というものは若干改善を見ておるということは申せると思います。また、市況につきましても、一部品種を除きまして少しずつよくなっているものが多いと、そういったようなことは申せると存じますけれども、繊維は先生御承知のように非常に動きの早い商品でございまして、仮需の発生あるいは将来輸入の問題等々も含めて考えますと、先行きというものは現状から見ましてもきわめて不透明だと、この答申に書いてございます様態であろうかというふうに考えているわけでございます。実は業界サイドにおきましても、特に綿等につきましては非常に先行きについての不安を持っておりまして、現在、繊維の需給協議会という場におきまして通産省も入り、紡績業界のみならず、関係の需要業界、商社等も加えまして、先行きについていろいろ議論をいたしておるわけでございますけれども、なかなかこれについて確固たる見通しが得られないというのが現在の状態でございまして、必ずしも現在の短期的なサイクルが継続し得るかどうかという点については自信が持てないという状態でございます。
○森下昭司君 私は合繊だけを取り上げて、あるいは一方的な見解になるかもしれませんが、ことしの三月期、旭化成は経常利益で約二百億円、東レは百八十五億円、帝人は百五億円、その他ユニチカ、クラレ、三菱レイヨン等、大手七社は大増益になるという予想がなされているわけであります。さらに、九月期の見込みも増益基調をたどるというような観測がなされているわけであります。したがって、私はいわゆる現在の繊維業界の好況というものは、さらに相当期間続くのではないだろうかというような実は感じがいたします。そのためには、この法案の改正案提案されておりまする内容が実施をされる、あるいは過剰設備が廃棄、格納されるということが完全に実施をされるというようなことが一つの前提にはなると思いますが、そういう感じが実はいたしておるわけであります。 なぜ私はこういうことを申し上げるかといいますると、この答申の中には、 昭和五十一年に繊維工業審議会は、昭和四十八年以降の情勢変化を踏まえて昭和四十八年の答申の中間的見直しを行った際、現行法の期限である昭和五十四年六月末までの期間が、根本的な構造改善を実行するための最後の機会であり、総力を挙げてこれに取り組むよう強く要請した。しかるに、その後も繊維業界の構造改善への取組みが十分進んでいないことは、前述の厳しい内外情勢の下でやむを得ない面があったことも認めざるを得ないが、誠に遺憾である。 と、こう述べておりますね。これは答申の三ページにも明確に書いてあるわけであります。この答申の趣旨を素直に理解をいたしますと、私は本改正案は業界の自主努力あるいは業界の自助努力と申しますか、そういうものが実はなされなかった。なされなかったものを結果において政府が肩がわりをして、これを救うというようなことになっておるのではないかと思うのでありまして、改正案の提案の条件というものはやや私は希薄ではないかと、こう思うのでありますが、その点はどうですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 私、御指摘の点は非常に重要な点だと思うのです。大体、業界の自主努力なくして構造改善などというものは行えるものではございません。これは業界に対する一つのやはり警告として森下さんのおっしゃることはよく業界側も受けとめなければならぬと思います。ただ、問題はいま局長がお答えいたしましたように、中進国の追い上げが厳しゅうございます。御承知のようにもう、ただ織機が織布だけというなら織布してくれる時代でございます。紡機が糸を紡いでくれる時代です。そうなると、ここで国民のニーズにこたえた高度な製品をつくって、やはり先進国としての繊維産業を今後どう維持、発展させていくかということになりますと、これも大変な大仕事であることに間違いはないと思います。知識集約型に切りかえるという、言葉は簡単でございますが、これをいま御指摘の自主努力と相まって急速に実現いたしませんと、これはまた、いまは好況でもまた行き詰まりを生じてしまうということでこの延長をお願いしておるわけでありますが、御指摘の点については、今後とも業界に対して、十分注意喚起をしてまいりたいというふうに考えます。
○森下昭司君 いま大臣から率直なお答えがあったんでありますが、この答申はさらに、 繊維産業に対して特別な助成措置を講じていくことに対する国民の厳しい監視の目を謙虚に受けとめ、再びかかる事態を繰り返すことなく積極的に構造改善に取り組むよう強く希望する と、こう結んでるわけです。局長が言われますように、中進諸国、まあ諸外国の競合問題、あるいは内需に余り期待できない、いや輸出も期待できませんよと言いますと、これまた五十九年の期限が参りますと、また延長だとか、さらに恒久化していくような傾向を私は心配するわけでありますが、こういう答申の、 積極的に構造改善に取り組むよう強く希望する。 それから、国民の批判を謙虚に受けとめる、監視の目を謙虚に受けとめるということを指摘しておるわけでありまするから、何らかのところでこういった繊維産業に対する助成問題については、一応の区切りをつける必要があるのではないかという感じがいたします。したがって、私は、一応の五年の延長はともかくといたしまして、さらに再延長というものが予想されるのかどうか、その点についてちょっと確認をいたしておきたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 当然、期限を切ってお願いしておるわけでありまするから、延長などということは考えておりません。御指摘のように、いままでにも、まあ第一次の設備廃棄を伴う構造改善が、業界の必ずしも十分な努力の成果が上がり得ませんでしたね。こういったことがいまのような御質問になるわけですから、今度の延長の機会に、私どももこの繊維業界の事情を多少知っておりまするだけに、厳重にやっぱり注意喚起をしながらいかなければならないというふうに思っております。
○森下昭司君 そこで、最近の繊維業界は好況が伝えられているわけであります。これはまあ円高による原料安でありますとか、不況カルテルによる需給調整の結果だというふうに言われているわけであります。したがって、そのほかに好況になった原因というものはどういうものが考えられてきたのか、その好況の原因についてお尋ねします。
○政府委員(栗原昭平君) 現時点におきます繊維の市況が非常によろしいという原因でございますけれども、まず第一は、いま先生おっしゃいましたように、需給関係がいろいろな理由によりまして好転したということがまず第一点挙げられようかと思います。この原因といたしましては、やはり設備の共同廃棄等によります過剰設備の処理というものが進んできておる、あるいはさらに、不況カルテル等によりまして減産を行ってきておるといったような供給面での理由がまず第一に挙げられますが、さらに、繊維自体の需要につきましても、景気全般の回復に伴いましてやはり少しずつ増加してきておる、こういったことを加えまして、需給の好転ということが第一の理由として挙げられようかと思います。それ以外の理由といたしましては、いまもお話にございました円高によります原料安ということは、一つ収益向上の原因として考えられるかと思います。しかし、それ以外にもやはり企業の全体としての、ある意味では減量努力と申しましょうか、そういったような合理化努力というものも当然あったと思われますし、それ以外に、さらに現状の金融緩和の状況のもとにおきまして、やはり企業の金利負担というものが非常に軽減されておるといったようなこともその理由として挙げられるかと思います。以上のようなことが主たる理由であろうかと存じております。
○森下昭司君 そういたしますと、先ほどから何回もお答えの中にも出ておりましたけれども、発展途上国の追い上げの問題でありますとか、あるいは過剰設備の問題でありますとかいうような、構造不況の従来原因とされてきた問題はまだ解消されていないと、今回の好況はそういった長年のいわゆる構造不況原因とは別の形で、好況の原因がもたらされてきているというような理解でいいのかどうか。
○政府委員(栗原昭平君) 構造不況としての要件でございますけれども、そのうちの一つでございます過剰設備の存在という——第一点でございますが、につきましては、いまも簡単に申し上げましたけれども、繊維につきましては、中小企業については設備の共同廃棄事業というものを川中、川下の各段階におきまして現在実行中でございまして、まあ一〇〇%うまくいってるとまでは申し上げられませんけれども、かなりの程度進捗をしておるというのが現状であろうかと思います。さらに、大企業につきましては特定不況産業安定臨時措置法に基づきます設備の処理というものを合繊、綿、毛等について現在進めておるという状況でございまして、これについても進行中、こういう状況でございまして、過剰設備の処理につきましては相当程度前進が見られるという状況ではございます。 ただ、いま一つ、繊維、これは、わが国の繊維産業は御承知のように輸出競争力というものがかつては非常に強かったわけでございますけれども、現在は輸出市場におきましてもちろん近隣諸国との競争で非常に困難を感じておる、したがって輸出も将来減少せざるを得ないという状況にございますし、また、国内におきましても昨年一年を通じましてかなり輸入の増加が見られるわけでございまして、こういった輸入の定着傾向というものが今後も予想されざるを得ないという状況でございますので、こういった問題に対してどのように対応するかという点は、やはり私どもとしては大臣先ほど申し上げましたような知識集約化という方向で近隣諸国との競争に対応していかなくちゃいかぬというふうに考えております。この点につきましてはまだ対応がおくれておるという実は認識でございます。 そういった状況のもとにおきまして繊維産業いかにやるべきかということでございまして、私どもといたしましては、この法律のねらいといたしております、繊維産業全般を消費者ニーズに即したような意味での高級化、多様化、個性化といった知識集約化の方向に持っていきたい、また、こういう方向に持っていくことが近隣諸国との競合にも生き残っていける条件であるというふうに考えておりまして、そういう方向でひとつ今後努力をいたしたいと、かように考えてるわけでございます。いずれにいたしましても、設備の処理というのはこういった前向きの構造改善をするための一つの基盤整備の条件であるというふうに考えておりますし、また、これをうまくやっていくことによってこの前向きの構造改善がさらに促進できるいい条件をつくり上げる要素にもなり得る、かように考えておる一わけでございます。
○森下昭司君 そこで、先ほどもちょっとお答えがあったわけでありますが、この好況の原因の陰には、減量経営という名のもとに多数の従業員の要するに首切りと申しますか、人減らしと申しますか、そういったものが大きく寄与したのではないかと私ども思うんであります。というのは、需給関係の調整もさることながら、この減量経営というものが私は今日の好況の大きな原因の一つになっておるのではないだろうかというふうに思うわけでありまして、試算をいたしてみますると、東証一部上場の繊維会社の各社の従業員数は、五十年九月末をピークといたしまして、五十三年九月末では実に四〇%近く減っておる、減少しておる。それから、発展途上国との競争力を失いました綿紡績各社の減量が目立っておりまして、従業員も四十七年以来一貫して減少しておりまして、五十三年までに実に半分以下になった企業が多いんであります。これは明らかに私は好況の原因の中の大きな要素を占めておるのではないかと思うんでありますが、通産省としてはどういう見方をしておみえになりますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 必ずしも減量経営だけではないと思いますが、これはもう時間をとりますので申し上げませんが、たとえば綿紡績は、さっき局長も答えておりましたように、昨年の夏非常に暑かったこととか、したがって天然繊維志向型になったとか、化繊の場合は円高差益があったとか、いろいろございますね。いろいろありますが、やっぱり人員の整理といったことが大きな原因をなしておることは、これはもう数字が現実に示しております。これは私、率直に肯定いたします。 そこで、先ごろも労働大臣と話しまして、企業がだんだん好況感が出てきたり回復期に向かえば、雇用の社会的責任というものをやはり十分感じられ、雇用の維持とか雇用の確保とか、そういったことに十分社会的意義を見出して、安易な整理などはなさらないようにということを私ども通産省側からも、労働大臣にとどまらず、私どもからも企業側に要請をした次第でございます。御指摘の点はごもっともだと思っております。
○森下昭司君 いまの大臣の御所論は私もよその何かの雑誌で拝見をいたしましたが、景気が立ち直った以上は企業も社会的責任で従業員をふやすべきだという何か主張をなさって、財界が若干通産大臣に、それはちょっと受けられませんよというような話があったということは聞いております。そういった努力を今後もぜひひとつ私は期待をいたしたいというふうに思っております。 そこで、昭和三十一年に繊維工業設備臨時措置法というものが制定されましてから、いろんな繊維関係の法律が制定をされて、繊維産業の振興のための努力がなされてきたわけであります。特に昭和四十二年に初めて特定繊維工業構造改善臨時措置法ができ上がったわけでありますが、このときに紡績の過剰設備を廃棄する計画がありましたが、全くそのときは実効が上がらなかったというふうに実は伝えられているわけであります。 四十二年当時の計画と実績について、概要でいいですからちょっとお示しをいただきたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 特定繊維工業構造改善臨時措置法に基づきます過剰設備の処理でございますが、このときの法律に基づきまして紡績についての過剰設備の処理は、二百四十万錘以上二百八十万錘という形で最初に基本計画で定められたわけでございます。この計画は、その後事情の変更によりまして目標錘数が百十万錘以上百五十万錘以下というふうに改定をされております。 この計画に対しましての実効の状況でございますが、まず計画期間中に実績として出てまいりましたのが八十五万錘の設備処理でございます。しかしながら、この八十五万錘に加えましてこの処理以降四十七年から四十八年にかけまして対米の輸出自主規制に伴います設備処理というものが行われまして、全体といたしましては百七十三万錘の設備処理が行われたというのが過去の実効の数字でございます。
○森下昭司君 いま、そういうお答えがあったわけでありますが、私の見聞いたしましたところによりますと、紡績設備のうち二百六万錘を廃棄する計画が立てられていた。ところが、この計画が四十二年から四十九年ということになっておりますが、その期間中に逆に百二十三万錘の設備増強を見ていると言われているというようなことが、実は伝えられているわけであります。こういった結果にどうしてなってしまったのか。いま局長が言われましたように、四十七年、四十八年の対米輸出規制分を含めますと全体で百七十三万錘設備を廃棄をしたというのでありますが、私のあるところでお聞きしたところによりますと、四十二年から四十九年において逆に百二十三万錘の設備増強が行われたというふうにも聞いておるのでありますが、これは事実と相違いたしておるのかどうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(栗原昭平君) いま御指摘の期間中におきます精紡機の錘数の推移でございますけれども、この間におきまして統計上の精紡機の区分が四十二年あるいは四十九年で実は違ってきております。そういう点もございまして、これをきちっと対応させて比較することはなかなかむずかしいという状況にございますけれども、私どもの承知いたしておりますところでは、やはりこの期間中にかなりの錘数の減少があると——ちょっとこの数字は私自身出所をよく承知しておりませんけれども、ある数字によりますと約九十四万錘の錘数の減少があるという数字が出ております。
○森下昭司君 これは大臣の御出身地でありますが、私は尾西の方へ参りましたときに、かつて設備廃棄をする一方、最新設備をどんどんどんどんおやりになる。たとえば西ドイツの製品で、一台の能力が前の廃棄した台数よりも数倍も能力のあるようなものを設備なさるというような点で、矛盾があるではないかという実はお話を聞いたことがございます。したがって、あながちこの期間中百二十三万錘の設備増強をなされたというのは、まあ局長の言われるように区分の仕方が四十二年と四十九年に違ったというだけでは、やや私は理解をしがたいと思うのでありますが、一応こういうように現場におきましては、一方において廃棄する中で、一方において事実上設備増強が行われていたという事実は、私は指摘することができるのではないだろうかと思うのでありますが、こういう点については全然通産省は関知しておみえになりませんか。
○政府委員(栗原昭平君) この時期におきまして、先生御指摘のように一部企業におきましては、やはりそういった意味での増設ということを行っている事実はあろうかと思います。この関係の中で、たとえば紡績協会、綿の関係でございますけれども、こういった関係についてはわりあい数字もはっきりしておりますし、減少傾向というものも明らかに見られるわけでございますけれども、それ以外についてはいろいろ問題があったかというふうに、現時点では考えております。
○森下昭司君 ここに私は「特繊法に基づく構造改善の進渉状況」というちょっとした一覧表が手元にありますが、その中で特定織布業関係の過剰設備の処理の状況等を見てまいりますと、当初計画、これは四十六年度目標でありますが、当初計画と実績とを比較いたしますと、実績は二三%しか過剰設備が廃棄されていないというようなことが実は出ているわけであります。あるいはメリヤス製造業関係におきましては、企業の集約化とか設備の近代化等が余り進んでおりませんし、特定染色業におきましても同じような傾向が出ておるわけであります。メリヤスとか特定染色業は別にいたしまして、特定織布業等は比較的中小企業関係が多いわけでありますが、こういうところにおける過剰設備の廃棄状況は、実際の数字だけでは実効効果が余り上がってないというふうに出ているわけでありまして、いま局長から紡績関係の問題についてのお答えがございましたけれども、私はやはり、全体として受ける印象は設備廃棄というものが、従前は余り実効効果が上がっていないというような印象を免れないのですが、この点についてはどうですか。
○政府委員(栗原昭平君) 特繊法時代におきます設備の廃棄の問題でございますが、もちろん私どもといたしましてはこういった設備廃棄の対象になります織機につきましては、登録制というものが団体法に基づいて施行されておりまして、新設は制限されておるわけでございます。その中におきまして設備の処理というものは、たとえばこの時期におきまして綿、スフにつきましては二万二千台でありますとか、絹、人絹については一万三千七百台でありますとかいったような、それぞれ処理というものが行われておりまして、この限りにおきましては実態は問題はないというふうに考えられるわけでございますけれども、しかしながら、御承知のようにこの業界の中におきまして、必ずしも登録制について十分なエソフォースが行われていないという実態もございまして、御承知のように無籍の問題といったようなものも一部あったことは御承知のとおりでございます。これらにつきましても、四十年代の後半におきまして一度きれいに整理をしたということは御承知のとおりでございまして、現時点においてはかような問題は発生はしないだろうというふうに考えておる次第でございます。
○森下昭司君 そこで、今度の構造不況対策法——特定不況産業安定臨時措置法に基づきまして、綿紡績業の安定基本計画の概要がほぼ決まりまして、近く繊維工業審議会の決定を受けて通産大臣に申告するというような形になるようでありますが、この概要の中身の中で、本年十月ごろまでに現有設備能力の年間百二十万トン——精紡機にいたしまして約一千万錘でありますの六%に当たる六万七千トンを廃棄または格納するというようなことが概要として計画をされているようであります。これはいままで申し上げたような紡績業界の実態等から判断をいたしますと、相当いろんな困難な諸条件があるのではないだろうかというふうに私は思うのでありますが、この実施の点について、一体見通しとして確信を持てるのかどうか、これをまず最初にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 御指摘の綿等紡績業につきましての安定基本計画つくりを現在行っている次第でございまして、今月の後半の時点におきまして最終的に決定をするようなことになろうかと思っております。そういう段階でございますが、その内容といたしましては、お話のございましたように現在の紡績設備の約六%を自主的に廃棄するというのがその内容になろうかと思います。現在、紡績協会等の内部におきまして十分この内容について詰めておるところでございますけれども、この六%の設備処理というものはこの基本計画が決まった暁におきましては、十分実施可能であるというふうに私ども承知しておるところでございます。
○森下昭司君 実は、この合繊にいたしましても梳毛紡にいたしましても、一応構造不況の法の対象として指定を受けて、それぞれ安定基本計画をでかしているわけであります。この合繊と梳毛紡に関しましては、通産省の指示カルテルの発動を実は求めております。ところが、綿紡に関しましては適用をしないで、業界の自主的処理に任せるというお考え方のようでありますが、綿紡だけなぜ指示カルテルを発動をしないのか、この理由を明らかにしてもらいたい。
○政府委員(栗原昭平君) 御指摘のように、合繊、梳毛紡につきましては、業界の中の検討過程におきまして、結局設備処理につきましては各社、プロラタと申しますか、ある一定の比率でそれぞれの持っておる設備を廃棄しようというプロラタ方式で設備処理をやろうという合意の内容になっておるわけでございまして、このプロラタということで自分の保有設備の一定比率を廃棄していくというやり方でございますと、どうしても横並びという問題がきわめて重要なことになりますし、そういった点を担保するためには、やはりどうしても共同行為の指示といったことが必要であるという実態があったわけでございます。それに対しまして今回、綿等紡績業におきましては、これは業界の中の自主的ないろいろな話し合いに基づいて決まったことでございますけれども、先ほど申し上げましたような自主廃棄とか、各企業がそれぞれ自主的にその過剰設備の分を廃棄していこうというやり方をとることにいたしました。こういったやり方でありますれば、必ずしも共同行為の指示ということは必要はないというのが現状の判断でございまして、また共同行為の指示なくしても現状の業界内の動向から見ますと、この計画の実行は可能であろうかというふうに考えておる次第でございます。
○森下昭司君 いまの説明からまいりますと、私は綿紡績関係の方が指示カルテルが実は必要ではないかという感じを強くいたすわけでありまして、というのは、従来綿紡関係というのは足並みがそろわないということで有名な業界であります。石油危機の繊維不況の中で何回も不況カルテルを結成いたしましたが、大手の日清紡は業績がよいためにこの不況カルテルに加わらなかったという過去の実態がございます。それから、今度のこういったいわゆる設備廃棄問題について中京地区の、これは私どもの名古屋地方で、大臣、近いので御存じでございましょうが、大手の都築紡績あるいは近藤紡績等は、国際競争力を無視した設備廃棄には反対、との態度を実はとっておるわけであります。今回のこの自主的な設備処理に参加をしないものと見られておるのであります。こういった点について、私はむしろ綿紡業界ほどの方が、合繊とか梳毛紡業界に比べればカルテルを必要とすると思うのでありますが、こういった日清紡あるいは中京地方の都築紡績、近藤紡績等の態度について通産省はどうお考えか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) ただいま御指摘になりました企業につきましては、それぞれの企業の理念というのが実はございまして、昔から、たとえばお話にございました日清紡につきましては、そういった業界全体としての設備の処理あるいはカルテルといったような時点におきましては、それぞれ御異論を持っておられるという企業でございます。そういった実態がございまして、今回の設備処理に当たりましても、従来自分たちとしては過剰な設備というものは一切持ってないというたてまえのもとでやっておられますものですから、恐らく今回の廃棄におきましても、これらの企業につきましては具体的な廃棄計画というものは持っておらないんじゃないかというふうに私は考えておりますが、ただ、だからと申しまして、紡績業界、現在の紡協加盟各社の設備処理全体の計画といたしまして、先ほどの六%といった設備の処理というものができないかと申しますと、これは現在の積み上げその他によりまして、これは可能であるというような見通しを私どもとしては持っております。
○森下昭司君 これは私、なかなかそういう答弁では理解しがたいのでありますが、いま申し上げた日清紡、都築紡、近藤紡だけで設備能力は全体の一六%、先ほど申し上げました百千万トン、約一千万錘ですね。一六%の約百六十万錘実は所有いたしておるわけであります。これをいま局長からお話がありましたように、具体的にこの廃棄計画はないものと思う、しかし全体計画は必ず実行できるのだということになりますと、百六十万錘の六%、単純計算でまいりましても約十万錘です。これを抜きにしていわゆる六十万錘、約一割ですね、一割に相当する設備を廃棄をするということは、相当私は難事業ではないかと思うのです。ただ、具体的に廃棄計画なんかない、だから仕方がないんだと、ほかの紡績会社に私はしわ寄せをするという結果にならざるを得ないと思うのであります。こういうものを全然処置をしない、規制しないでやるということは、果たして合繊とか梳毛業界との関連から申し上げまして、妥当性あるかどうか。つまり、もっと言葉をかえて言えば、暴れん坊とやんちゃ坊には全然手をつけない、手をつけられないというようなことで、果たしていわゆる行政として私は妥当性があるかどうか、若干の疑問を持つものでありますが、この点についてはどうお考えですか。
○政府委員(栗原昭平君) 設備廃棄の進め方自体につきましては、これはやはり各業界それぞれの実情に基づきまして、それぞれの業界が自主的な判断におきましてどのような廃棄を行うかということをお決めになるというのが、やはり基本ではなかろうかと思っております。そういった意味におきまして、合繊あるいは梳毛紡につきましては、プロラタという意思統一ができたわけでございますが、綿につきましては任意廃棄という形でしかまとまらなかったというのが実態であろうかと思います。しからば、任意廃棄というかっこうで本当の過剰設備の処理ができないということであれば問題でありますけれども、この六%につきまして、それぞれ他の企業は自分のところの販売能力に対しまして、あるいは将来計画に対して、これだけ自分は過剰であると思うというそれぞれの判断におきまして設備を処理される、あるいは新鋭設備でなくて非常に古い設備を持っているということでこれはやはり廃棄していこうというような、それぞれの企業の判断におきまして廃棄設備を出される、そういったものの計画の総計が六%にはなるというのがいまの実情であろうかと思いますので、現在の綿紡業界の実情から考えますと、いまのやり方で業界の処理を進めていかせて差し支えないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○森下昭司君 私は、最初に実は指摘いたしましたように、綿紡業界は非常に足並みがそろわない。したがって、仮に指示カルテルをつくってやろうとすれば、業界内では混乱が起きる可能性の方が強いというような御判断が先行いたしておるのではないだろうかという実は感じがいたします。私は、行政といたしましてこういうようなやり方というものは非常に妥当性を欠くおそれがあるので、いまのお答えからも若干の私は疑問を持たざるを得ないと思うのであります。したがって、今後の全体の計画の中でどう実施されていくのか十分ひとつ監視をいたし、機会があればまたこの問題について質問いたしたいと存じます。 それから整毛関係ですね、整毛関係につきましては、つい先日、日本整毛工業協同組合連合会というものが設立されまして、八十一社の参加、廃棄台数二百九十六台、大手を含めて総台数の一一%に該当するというようなことをお決めになったようでありますが、この業界は中小企業振興事業団の設備共同廃棄事業制度を利用いたしましてやるわけでありまして、構造不況法の適用を受けなかったということになるわけでありますが、他のいわゆる梳毛、綿、合繊等が構造不況法の対象になって設備廃棄をいたすわけでありますが、この整毛関係だけなぜこのいわゆる構造不況法の対象としなかったのか、この理由はどういうことですか。
○政府委員(栗原昭平君) 構造不況法の適用対象とすべきかどうかの判断と申しますのは、やはりこれは第一義的には当該業界の自主的な判断ということになります。制度といたしましては申し出といったような手続を経て指定に至るわけでございまして、そういうことで業界自身の御判断であろうかと思いますけれども、特にこの業界の実態からいたしまして、やはり中小企業が非常に多いということも考え、さらに制度といたしましても中小企業振興事業団の共同廃棄事業というものを活用した方が、この組合員にとっても有利な設備処理が可能であるというような実情からいたしまして、現在設備共同廃棄事業に乗りたいということで検討をされておるというふうに承知しております。
○森下昭司君 これは、私は他の業界と比べましていわゆる組織的な構成が非常におくれたということが原因じゃないかと思うのであります。そして、いまお話がありましたように、自主的な討議と申しますか、自主的な協議がおくれましたためにこういう形態をとらざるを得なかったのではないかと思うのでありまして、これはやはり、私は全体として行政指導の範囲内でできる限り効率的な、効果の上がるような各種の制度を利用さしていくという点から、今後また問題としてやっていただきたいというふうに思うわけであります。 そこで、ちょうど公正取引委員長もお見えになっておりますから、それに関係いたしました問題といたしまして、三月十五日に東レと帝人と旭化成など合繊十社の社長会で不況カルテルの継続申請を断念するということを決められたわけであります。これは通産大臣が三月九日の参議院の予算委員会におきまして、まあ打ち切ってもおおむねよかろうというような御答弁をなさった影響と、公正取引委員会の態度などから、こういうような決定になったと思うのであります。合繊の社長会は、必ずしも採算ラインには達していないが、延長申請をしても公正取引委員会の認可はむずかしいという見解から継続を断念した、というふうに言われているわけであります。これは先ほどから局長が言われまするように、業界の自主的判断だ自主的判断だというような点等からまいりますと、若干自主的判断に対しまして制約を受けたような実は感じがあると思うのでありますが、この点について通産大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(江崎真澄君) これは業界の動向も見ておりまして、事務当局側の判断も内部説明というような形で当然受けるわけでございます。それから業界の動向も、業界の一つの考え方というようなものがやはり私どものところへ間接に伝わってまいります。そういうようなことが、確実に延長しないということを言ったわけではありませんが、一つの方向としての意見を求められましたので、多分延長しなくてもいいような雰囲気ではなかろうかと、正確に私答弁を覚えておりませんが、そういうような方向をきっと御答弁申し上げたと思います。そういったことは影響なしとしないと思います。影響なしとしないと思いますが、これは局長などがしばしば答えておりまするように、最終的には業界の自己判断によって結論づけられるわけでありまして、もし私どもがそういう見通しというか、言葉のあやはともかくとして、そういう発言に異議があれば、当然また業界としても強い反発があるわけでありまするが、その後そういったこともなく今日に至っておるわけでありまして、最終的には業界の判断に基づいたものと、こういうふうに考えております。
○森下昭司君 公正取引委員長は、公正取引委員会という立場からいたしますれば、社長会は公正取引委員会の認可はむずかしいと、どういうふうに社長会は御判断になるのか、それは別といたしまして、公正取引委員会としてはこの不況カルテルの延長問題についてはどういうお考え方をお持ちになっているのか、それをお示しいただきたい。
○政府委員(橋口收君) 合繊のカルテルにつきましては、独禁法上のカルテルになりましてからことしの三月でちょうど満一年になるわけでございます。その前にいわゆる勧告操短という期間が約半年ございました。一年半の間、ある種の共同行為による生産調整をやってきたわけでございますし、その間、構造不況法に基づきまして設備の凍結、廃棄ということもあったわけでございますし、昭和五十六年までは設備の新増設は禁止する、そういう設備面からのもろもろの措置があるわけでございます。いま申し上げましたように、長期間共同行為が続いておるということは、これは本来好ましくないということでございますし、また、かたがた市況も回復をいたしておりますから、私は国会では合繊の共同行為につきましてはそろそろ卒業してもらいたいという表現をとったわけでございまして、そのときの考え方といたしましては、合繊のほかにアルミニウム地金、合成繊維用の染料というのがあったわけでございますが、なかんずく日本経済に対する影響等から考えまして、合成繊維とアルミニウム地金につきましてはできれば卒業してほしい、こういう考え方を表明したわけでございます。 そういうことを申し上げました基礎としましては、合成繊維につきましては糸別に不況要件があるかどうかにつきまして検討いたしておったわけでございまして、中には不況要件がまだ残っておるものもあったかと思いますけれども、糸相互間には代替性もございますし、すでに採算ラインに乗っている糸もあるわけでございますから、合成繊維全体としてはそろそろカルテルをやめていただいてもいい時期ではないか、こういう情勢判断と計算の根拠に基づきまして卒業してほしいという表現をとり続けておったわけでございます。
○森下昭司君 そこで、通産省は四月−六月期から四半期ごとに合繊の需給見通しを作成するということを決めておみえになるようであります。この需給見通しは、合繊の需給関係についてガイドラインを発表し、業界の生産活動に目安をつけさせるのが目的であると言われておりますが、これは私は事実上の不況カルテルの延長ではないかと思うんでありますが、この点についてお考えをお尋ねいたします。
○政府委員(栗原昭平君) 合繊につきましては三月末で不況カルテル切れになりまして、その後のポストカルテルというような点につきましては、特に合繊が輸出比率が非常に高いということから、輸出力の内需還流の問題でありますとか、あるいはいろいろな仮需の発生の問題あるいは石油を原因といたします原料価格の高騰問題等々いろいろな問題がございまして、そういった点を踏まえまして、やはり一種のガイドラインと申しますか、需要見通しにつきましての指針を設けるのが適当であるという判断で、四月から需給見通しを作成する、これを公表するという措置をとることにいたしたわけでございます。 しかしながらこれにつきましては、もちろん通産省として業界に対して生産計画を提出をさせ、業界自体の判断におきましてこのガイドポストを参考にしながら生産量を自主的に考えていくということでございまして、横のカルテル的な連絡は当然あってはならないことでございますし、また私どもといたしましては、この需給見通しについての運用の内容といたしましては、原則的には行政指導もしないという立場で臨んでおりまして、御指摘のようなカルテル同然ということの実態ではないというふうに考えております。
○森下昭司君 三月二十一日の朝日新聞の記事によりますと、篠島義明原料紡績課長の談話といたしまして、「合繊業界のカルテル後の過当競争を防止し、長期的安定化を図るのが目的。原糸の五割以上を占める合繊が安定すれば、繊維産業全体の安定化にも寄与する」というような話からも、私は事実上の不況カルテルではないかと思うんであります。ここで言う「合繊業界のカルテル後の過当競争を防止し」という、この過当競争の防止というのは、独禁法の、たとえば「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」という禁止項目との関係で、具体的にはどういうことを意味しているのか御説明いただきたいんです。
○政府委員(栗原昭平君) 先ほども御説明申し上げましたとおり、これは一種のガイドラインとして、合繊各社が自主的にこのガイドラインを参考にしながら、みずからの生産量を判断していく、考えていくというシステムでございまして、この間には当然カルテル的な横の連絡があってはならないという前提での問題でございますので、いま御指摘のような心配という点はなかろうというふうに私どもとしては考えております。
○森下昭司君 まあこれは新聞の報道ですから、短い言葉になっておりますから、いまのような局長の御答弁の趣旨はこの短い記事の中にはあらわれてないわけであります。短絡的な理解の仕方かもしれませんが、「過当競争を防止し」とあれば、これは独禁法に該当するような印象を受けるのは当然ではないかと思うんであります。自主的にそのガイドラインを設けさして、自主的に生産量を調整するんだというような実はお話があるわけでありますが、そういう考え方になりますと、この需給見通しをつくる手続と申しますか、つくる方法と申しますか、そういうものが私はやはり一つ重要な要素になってくるのではないかと思うんであります。 伝えられるところによりますと、化繊協会、紡績協会、ニット工業組合連合会など関連業界も参加をする予定でありますが、生活産業局長の私的諮問機関でありまする繊維需給協議会の中に合繊委員会をつくって需給見通しを立てる。その場合には各社からいろいろと生産計画を出させるあるいは実績を報告させるなどなどからこういう計画が立てられるというのでありますが、局長の強調されまする自主的ないわゆるガイドライン一を設けて、自主的にみんなが生産協力をするんだというようなことになりますれば、局長の諮問機関でありまする繊維需給協議会の中に合繊委員会をつくるというような形は、いかにも、業界自主的な指導ではなくて、通産省主導による需給見通しの作成という印象を受けるのでありますが、需給見通しはいかなる方法でつくられるのか、この点ちょっと明らかにしていただきたい。
○政府委員(栗原昭平君) 誤解があるといけませんので申し上げますが、まず需要見通しは、これは業界がつくるのではなくて、通産省がつくるということでございます。通産省が作成いたします場合に、単に合繊メーカーの意見を聞くだけでなくて、関連事業者、これは先ほど先生のお話になったいろいろな意味での関連事業者、これはユーザーを当然含みます事業者の意見も聞きながら通産省が作成をするということでございまして、その意見を聞く場といたしまして需給協議会という場を使っていくということで考えております。したがいまして、需要見通し自体につきましては、そういうプロセスを経まして通産省として決めたい。 できた需要見通しについて、それでは各社がそれぞれ自主的にどう判断をしてそれぞれ生産をしていくかという、これは各社自体の御判断の問題であると、かように考えております。
○森下昭司君 そこで、公正取引委員長にお尋ねいたしますが、公正取引委員会は、伝えられるところによりますと、この需給見通し作成のやり方によっては、独禁法第八条第一項に該当するおそれがあるというような見解を持っておみえになると思うのでありますが、いま局長が言われましたように、通産省がガイドラインをつくる、そのガイドラインの実施は業界の自主的ないわゆる協力と申しますか、そういうことで実施をさしていく、行政指導はしないということが非常に強調されているんですが、こういうような内容について公正取引委員会としての見解をひとつお尋ねいたしておきます。
○政府委員(橋口收君) 合繊業界の共同行為を廃止いたします際に、廃止後の一時的な混乱防止のために何らかの措置が必要ではないかということにつきまして、通産省と公正取引委員会の間に意見の相違は全くございません。 先ほども申し上げましたように、糸別に検討いたしまして、物によっては不況要件があるものもあるという可能性もございましたが、そういう立場からやはり申請をすべきではないかという意見と、全体としてやはりこの際は申請を遠慮した方がいいという意見が合繊業界にあったように承知をいたしております。 そういう点から申しまして、いわゆるポストカルテル対策として何らかの措置を求めたいという業界の御意向があり、それに対して私どもも基本的には賛成をいたしておったわけでございます。したがいまして、問題はそれから先でございまして、私どもが特に申し上げておりますことは、あくまでもポストカルテル対策ということでございますから、経過措置でなければならないということであります。ぜひ期間を切ってほしいということを強く業界にも、また通産省にも申し上げております。 それから、内容の問題でございますが、いまお尋ねがございました需要見通しの作成の方法につきましては、特に問題があるとは考えておりません。通産省の責任において、業界やユーザー等から意見を聞いた上で需要見通しというものを作成される、そのこと自体につきましては全く問題はないと思います。まあ、要はそれから先でございまして、その需要見通しに基づきまして各社が生産計画をおつくりになる、その生産計画に対しまして通産御当局が何らかの調整を加えられるということは原則的にないということを、栗原局長は先ほど御答弁になったわけでございますが、仮に調整が行われるということになりますと、それはいささか問題があるのではないか。つまり、基本的に申しますと、需要の見通しだけをつくるということにつきましては、これは独禁法上問題がないわけでございまして、また逆に申しまして、供給計画だけをつくるということであれば、これまた問題がないわけでございまして、その需要と供給との出会いがあるというところに実は問題があるわけでございまして、そういう点から申しまして、需要の計画をおつくりになって、いわゆるガイドポストとして業界にお示しになるという、そのこと自体は問題がないというふうに考えております。
○森下昭司君 そういたしますと、いま公正取引委員会も、一時的に混乱を防止するという見地に立てば、必要性については認めているということでありますが、問題は、期間を切れということに一つ問題があると。いま、伝えられるところによりますれば、通産省は四半期ごとにつくりたいという希望があるわけでありまして、期間を切れということになりますと、この四半期という期間が果たして妥当かどうか、また、いわゆる今後一年なり二年なり三年なりというふうにやっていくことが妥当かどうかという議論になるわけでありまして、期限を切れという点について、通産省側としてはこういった期限を切れという公正取引委員会からの要望に対しまして、どの程度の期間があれば一定の混乱を防止するために必要だということに該当するのかどうか、お考えになっておみえになりますればお答えいただきたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 私どもといたしましても、この合繊の需要見通しに基づいての生産計画の徴収といった形でのポストカルテル対策、これはまさにポストカルテル対策というふうに考えておりまして、いつまでもやっていくべきものではないというふうに了解をいたしております。現在、その具体的な期間につきましては公正取引委員会と相談中でございます。
○森下昭司君 私は、いわゆる需給の見通しを作成するためには、それぞれ、この場合は化繊協会が主体になると思うのでありますが、化繊協会などが作成をすると。これを通産省が化繊協会の作成したものを認めていくというような形になるのではないかと思うのであります。そういうような場合に、化繊協会などにおきましては、事業者同士が話し合ってそして実効のある需給見通しをつくっていくということは、なかなかこれはむずかしいのではないだろうかという実は感じがいたすわけであります。化繊協会が作成する段階で意見がまとまらないというような場合は、通産省がこれを指導して、そしてこういうような形にしてみたらどうだろうというような行政指導があるのではないだろうかという心配がございますが、こういうような場合を想定した場合にとる通産省の態度についてお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(栗原昭平君) この需要見通しの作成につきましては、あくまでも通産省の責任において作成をするということでございまして、もちろんその際に合繊業界の意見を聴取するということはあろうかと思います。しかし、それはあくまでも一つの参考意見でございまして、これにつきましてはユーザーも含めた関係者の意見もあわせて聴取をいたしまして、総合的に判断をして通産省として一つのものにまとめていくと、かように考えております。
○森下昭司君 そういう基本原則は先ほどからお述べになっておることでありますが、仮にその基本原則で需給見通しができましても、先ほどお話がありましたように行政指導で介入をしないとか、あるいは公取委員長がお述べになりましたように調整をすれば独禁法違反の疑いが出てくるとか、いろんな点がありますが、仮に通産省がおつくりになりましたこの需給見通しにつきまして、化繊協会なら化繊協会の中でいわゆる実効のある実施ができ得ないというような場合が私はあるのではないかという心配がございますが、その場合は、通産省といたしましては仕方がない——仕方がないというのは過当競争になるわけでありますが、そういうような事態になっても仕方がないと、こう傍観なさるようなお気持ちがあるんですか。
○政府委員(栗原昭平君) この需要見通しに対しまして、合繊メーカー各社がそれぞれ自主的に御判断になってつくられた生産計画自体が、たとえば非常に大きな数字になると、これをそのまま放置しておきますと合繊業界に混乱を招くだけでなくて、このユーザーでございます織布業者でありますとか、メリヤス業者でありますとか、そういった関連の事業者にも非常に大きな混乱を生ずるというような事態というものが、仮に非常に強く想定されるような場合におきましては、これは私先ほど原則として行政指導はしないということを申し上げたわけでございますが、非常に例外的な場合におきましてはこれはやはり役所の責任において何らかの措置を講ずる必要があるのではないかと、こういうふうに考えております。
○森下昭司君 そうすると、公正取引委員長、役所は何らかの行政指導をするしかないというお答えがいまあったわけでありますが、これは独禁法からいってどうなんですか。
○政府委員(橋口收君) これは先ほども申し上げましたように、期間をできるだけ短くしていただきたい。つまり、緊急異例の事態に対しておとりになる措置であろうというふうに理解をいたしておるわけでございますから、恒常的にそういう措置をおとりになるということは、これはもう本来は好ましくないということを申し上げたわけでございまして、仮にいまおっしゃいますような業界の混乱が招来されるような異常な事態が生じた場合にどうするか。問題はこれは昭和四十九年の狂乱物価の際のいわゆる行政指導とカルテルに関する政府の統一見解で明らかにされておるわけでございますから、仮に行政指導があってそれに基づいて業界が話し合いをしてある合意の形成を行うということであれば、これは当然独禁法違反でございますから、仮に産業御当局が調整をされまして、その調整を受けて業界で話し合いをして生産量を決定する、個別の業者の生産量を決定するということがあれば、これは当然独禁法違反でございますから、そういう意味におきまして、まあ言葉は悪いのでございますが、いわばすれすれのことをやるわけでございますから、そういう点から申しまして、ぜひ短期間で打ち切っていただきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。
○森下昭司君 行政指導につきましては、いろいろとよくその根拠につきまして議論のあるところであります。たとえば、石油化学の問題等につきましては石油業法を適用するというようなことは、前の河本通産大臣時代よくお話があったわけであります。私は、砂糖ではございませんが、たまたまこういうガイドラインを設けますと、結果におきましてこれが生産調整への事実上の指導が行われて独禁法に触れる行為になるというようなことがあるわけでありまするから、いまのお答えで一応問題は明らかになりましたんですから私はそれ以上申し上げませんけれども、十分ひとつこの需給見通しの実施の問題については、今後私は慎重な態度をとられたいというふうに思うわけであります。 そこで、公正取引委員長にお尋ねいたしておきますが、昭和二十八年に、合繊業界に対しまして通産省が減産を指示したものを、公取委員会は独禁法違反事件として摘発をした、みずから公正取引委員会が摘発なさったという経緯がございますが、この違反事件と今回のこの需給調整、さっきも申し上げたように問題点はありますが、とにかくいま伝えられておる需給調整との相違点というものは具体的にどういうことになるんですか。
○政府委員(橋口收君) 経済部長から御説明申し上げます。
○政府委員(伊従寛君) 昭和二十八年のケースでは、通産省が行いましたスフの月産量の総枠に関する操短勧告を受けまして、日本化学繊維協会が昭和二十七年三、四月の生産量を決定したというカルテルを行ったわけでございます。今度の通産省の需要見通しにつきましては、先ほどからお話がございますように、需要見通しを中心としたものと理解いたしております。
○森下昭司君 そういたしますと、通産省がスフの月産量の総枠を決めたと、今回は需給見通しとして総枠ではなくて一応のガイドラインを設けたという、簡単に言えば、強制的に実施をされるのか、それとも強制的に実施をされない一つの目安として設けたものと、そういう違いだというふうに理解していいんですか。
○政府委員(橋口收君) これはあくまでも需要サイドの見通しでございますから、おっしゃいますように、大体向こう三カ月間でこの程度の需要があるだろうということを、産業官庁が責任を持って発表されるわけでございますから、それを受けて個々の業者が生産量を決定すると、こういう仕組みであればこれは問題ないわけでございまして、仮にその需要の見通しに基づきまして各社が集まっておのおのの生産量を決定するということになれば、これはまさに昭和二十八年のスフに関する独禁法違反の事件と同じケースになるわけでございますから、そういうことにならないように善処をしていただく必要がもちろんございますし、またそういう状態になるような方角に行政指導が進むことはぜひ御遠慮願いたいということを申し上げておるわけでございます。
○森下昭司君 一応この問題はこの程度にいたしまして、この答申によりますと、 繊維産業の過剰供給・過当競争体質が顕在化しやすく、企業体力の疲弊をもたらすおそれが大であって、構造改善への積極的取組みの大きな阻害要因となることが懸念される。このため、繊維事業者の自主的判断のもとに、過剰設備の処理、企業の集約化等を進めることにより知識集約化を目指した構造改善の円滑な推進のためその基盤を整備する必要がある。 と、まあ述べているわけであります。 そこで、五十三年の一月に帝人の大屋社長が、合繊八社を対象にいたしまして四グループヘの再編成提案というものを実は提案をされているわけであります。この問題について通産省がその実現化に私は努力をしなかったのではないかと思うのでありますが、なぜこの実現化について努力されないのか、まず、その理由をお尋ねします。
○政府委員(栗原昭平君) 昨年の一月に、いま御指摘のような構想が新聞紙上に発表されたということは御承知のとおりでございます。これにつきましては、やはり現時点に立って考えて見ますと、やはり構想実現につきましてそれぞれの企業においてまだ解決されるべき問題がいろいろ残っておったというのが実態でございまして、したがってまだ日の目も見ておらないということであろうかと思います。私どもといたしましては、国際競争力の強化という観点から、現在の合繊企業の再編成というものが早急に進められることは望ましいということははっきりしておるわけでございますが、さればと申しまして、じゃ具体的にどのような再編成の姿が望ましいかということにつきましては、これはやはり政府主導型ではなくて、民間の各社がそれぞれ自主的に御判断になり、その責任におきまして再編成を行っていただくのが適当であると、かように考えておる次第でございまして、その限度におきまして私どもとしても必要な御支援を申し上げたいと、かように考えておるわけでございます。
○森下昭司君 公正取引委員長にお尋ねいたしておきますが、大屋さんの構想とは旭化成と鐘紡、あるいは東レとクラレ、帝人とユニチカ、東洋紡と三菱レイヨンというようなことが構想になっておりまして、朝日ジャーナルの昨年の二月二十四日号にその詳細が実は載っているわけであります。これは独禁法で言う集中排除の関係からいって、こういう四グループ再編という問題は独禁法と無関係のものとして考えていいのかどうか、その点をちょっとお聞きをしておきます。
○政府委員(橋口收君) これはその事業分野ごとにマーケットシェアを判定するというのが原則でございますから、具体的な問題になりました場合には、合成繊維の糸別に判断する必要があるのか、合成繊維全体として判断していいのか、いろいろ問題があろうかと思います。各社合成繊維以外のものもつくっておられますから、そういうものとの関係においてどういうふうに判断するかという問題があると思いますけれども、原則的には市場占拠率が二五%を超えました場合には厳重な審査を行うという原則がございます。したがいまして、仮に四グループに集約されるということになりますと、これは二五%ずつということに計算上なるわけでございますが、そういうことであれば比較的問題は少ないのではないかというふうに思います。 ただ、その企業の合併につきましては、いろいろな考え方があるわけでございまして、単にマーケットシェアだけで判断するというのも余りにも機械的ではないかという考え方がございます。まあ、当該商品の国際競争力の問題、輸出入の関係の問題、商品の代替性の問題等ございますから、そういうものを総合的に勘案いたしまして、場合によりましては二五%を超えるものでありましてもこれは合併しても差し支えないという判断を下す場合もあり得ると思います。そういう点から申しまして商品の性格、性質、将来性、それから国際環境、国際的な企業規模等総合的に判断して結論を出すべきものだというふうに考えております。したがいまして、まだいますぐというわけではございませんが、合併に関しまして二五%といういわゆるガイドラインが果たして適当かどうか、これはあらゆる角度から検討して、できれば将来は合併についてのある一つの考え方をお示ししたいというふうに考えております。
○森下昭司君 そこで、いわゆる再編成論議というものは、先ほど前段で質問いたしましたように、繊維業界が非常に好況期を迎えたというような観点からやや後退をしておると、もう大屋さん自身が、伝えられるところによりますれば、黒字に各社がなってきたので、他社とどういわゆる手を組もうかというような気もなくなってくるというようなことを語っておみえになるそうでありまして、再編成問題についてはやや私は全体として後退したのではないだろうかというようなことになっている現状ではないかと思うのであります。いま栗原局長からは、国際競争力等をつける意味からも、再編成問題については望ましいというような考え方が出されたわけでありますが、もちろん業界のいわゆる自主的な努力といいますか、協議と申しますか、そういうものが前提になるということになるわけでありますが、こういった点について、業界の自主的な協議というような形ではなく、通産省がある意味においては火つけ役と申しますか、あるいはそういった再編成への環境づくりをするといいまするか、そういうようなことを今後おやりになるようなお考え方はないのかどうか、この点をちょっとお尋ねいたしておきます。
○政府委員(栗原昭平君) 再編成につきまして、政府が余り飛び出した形で政府主導型の編成を行うということは余り適当ではないのではないかという考え方を実は私自身持っております。やはり、お話ございましたように、各社がそれぞれの判断に基づきまして具体的な再編成というものはそれぞれのビジョンに基づいておつくりになっていただく、役所としてはその範囲内におきまして御支援申し上げる、こういった立場で、望ましいけれども支援はそういった限度において行っていくという考え方で臨んでまいりたいと、かように考えます。
○森下昭司君 しかし、最近日本化学繊維協会の会長であります旭化成の宮崎社長は、非常にこの再編成問題に執念を持っておみえになるというふうに私実は聞いておるわけであります。これは協会会長としての業界まとめ役の立場にある者として当然であると思うのでありますが、一つには東レ、帝人に対抗いたしまして繊維部門の強化を図ろうとする旭化成の戦略がその中に含まれているというふうにも実は伝えられているわけであります。具体的には鐘紡、ユニチカ、三菱化成工業との共同出資によりまするポリエステル専業メーカーであります日本エステルヘの参加、そして、ポリエステルで帝人、東レに対抗する第三勢力をこの日本エステルを中核にいたしましてつくり上げることが実はねらいだというふうに言われておるわけであります。したがって、これは一つの業界のいろいろな内部事情にもよるのでありますが、いまお話がございましたように、大屋さんの四編成問題は好況のためにやや後退を余儀なくされている。しかし、一方においては、業界内のいわゆる競争と申しますか、競合と申しますか、そういうような観点からこういう新しい再編問題が実は提起されている。ですから、私はいま申し上げたように、通産省として再編問題について真剣に取り組み、業界任せではなく、環境づくり等をやったらどうだということを申し上げたのでありますが、こういった動き等は、通産省として先ほど申し上げた原則的には再編成については国際競争力等を増す上において望ましいという立場をおとりになっているのではありますが、そういう立場からこういった動きについてはどうお考えですか。
○政府委員(栗原昭平君) ただいま旭化成を中心としたいろいろな動きについてのお話があったわけでございます。私どもわきから見ておりましてそういったお気持ちがあるのではないかということは耳にしたこともございました。ただ、私どもの立場といたしまして、具体的なケースにつきましてこれを望ましいものとして役所がこれをむしろ引っぱっていく形でプッシュするということにつきましては、役所自体の立場といたしまして望ましくないという考え方を持っておりまして、こういった構想につきましてもそれぞれ各企業それぞれのお立場がございますわけでございますので、そういったいろいろな問題点というものの解決のしぐあいと、それぞれの各企業としてのお立場といったものも十分踏まえた上で、ある程度具体的に動き出すというようなことを前提にしながらひとつ考えてまいりたいと、こういった——はがゆいとおっしゃられるかもしれませんけれども、立場をとってまいりたいとかように考えております。
○森下昭司君 そこで、私はこの構造改善の実効、効果を上げるという点からまいりますと、一面においては内需を喚起をする、一面においては輸出を振興する、一面においては輸入をある程度規制をしていくというようなことにならないと、なかなか繊維産業の振興ということはむずかしい問題ではないかと思うんであります。 産業構造の長期ビジョンによりますれば、内需は昭和五十年に比しまして昭和六十年には二・八%程度の伸びではないか、輸出は逆にマイナス三・四%というふうに非常に減少する。その反面、輸入は八・五%の増加となるというような、いわゆる長期の見通しをお持ちのようでございます。ここで答申で言う輸入の増加を余儀なくされるおそれが大きいという指摘からすれば、このようにもう六十年には五十年の八・五%も増加をするということが見通しとして立てられている以上、何らかの私は規制をしていく必要があるのではないかというようなことが言われるわけであります。 よくガットの二国間の問題だとか、いろんなことがよく韓国問題出たときとか、あるいはその他東南アジアの発展途上国等の追い上げがあったとか、いろんなときによく話題になっておりますが、私はやはりこういう点からまいりますれば、輸入問題についてはある程度規制をしていく必要があるというふうに私は考えるわけであります。 現に、この間江崎大臣が名古屋にお行きになりましたときに、たしか興和紡績の社長から、輸入についてはガイドラインをひとつ設けて、そして秩序ある輸入をやってもらいたいという要望がなされたというふうに私実は聞いておるわけであります。そういう点等から考えますと、輸入の措置、規制と申しますか、そういうものについてお考え方があればお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 繊維製品の輸入動向につきましては、七七年は全体として鎮静化の傾向にありましたが、またここへ来まして景気の回復等もあって増加傾向をたどっております。この規制措置いかんというわけですが、これはなかなかそう簡単にはいかないと思います。 ということは、市場をその輸入の商品によってどの程度攪乱されたか、この一つの判断もあります。それから、極端に安いものが多量に入ってくる、こういう場合にはその動向を見きわめまして行政指導の方法もあると思いますが、現在、御承知のように輸入が多い対象国は、中進国ないし発展途上国であります。たとえば綿布だけといいまするならば、その輸入量の七〇%は中国である。韓国などは最近の統計によりましても賃金は六分の一であります。台湾が五・五分の一ですか、中国大陸はもっと低いというわけですね。ですから、同じような機械でたださらし木綿を織るというならば、賃金の安いところにこれはもう競争のしようはないわけであります。そんなことから、付加価値の高いものを何とかしてつくるような環境づくりをしていきたい、これが今度の法律延長の大きな理由にもなっておるわけでありまして、いま直ちに、先ごろ名古屋を公式訪問いたしましたときに要望もありましたが、ガイドラインの設定ということはきわめて困難だということを申し上げたわけであります。これは市場攪乱を引き起こす可能性がある事実の存在がまず第一に必要である、それから二番目にはそういった品物が国内産業界にどの程度の損害を与えるか、また現にそのおそれが存在するかどうかということの詳細な判断及び現実的な資料を要するわけでありまして、きわめて困難であるという方向はお答えをしておいたわけでありまするが、そうかといって極端に安い商品が入ってきて、先ほど申し上げますように市場を攪乱するというような事態があれば、これはやはり行政指導に出なければならないと考えますが、あらかじめガイドラインを用意するということは、現在の通商関係事情などから申しましてもいささか困難なことであろうというふうに考えておるのでございます。
○森下昭司君 そこで、時間の関係でちょっと残余の質問ははしょりまして、地元の問題を数点お尋ねをいたしておきたいと思います。 それは最近、三月三十一日に、愛知県の岡崎市におきまして真和ニット協業組合、それから四月三日には三友ニット協同組合、そして四日には産元でありまする株式会社濠綿というものが連続倒産をいたしているわけであります。この一連の倒産の原因は一体何なのか、どういうふうにつかんでおみえになるのか、その倒産の原因をまず最初にお尋ねいたします。
○政府委員(栗原昭平君) 三友ニット、真和ニットあるいはその産元たる濠綿の倒産でございますが、この原因はそれぞれ多少共通した面がございまして、やはり基本的には一昨年ごろからのそれぞれの組合なり企業の販売活動がなかなかうまくいかないという点があったわけでございますが、さらに輸入品について不良が多発したというようなことでありますとか、あるいは暖冬によりまして在庫がふえたというようなことから業況が悪くなってきたという一般的な状況があったわけでございます。 それに加えまして、これらの組合あるいは企業の関連企業でございます興南ニットという企業に対しまして、この企業が非常に経営が悪化いたしまして非常な不良債権を持つに至ったということが特殊な事情として加わったと、こういったものがこれらの資金繰りの悪化ということにつながりまして、そしてそれぞれかなり多くの融手といったものを発行せざるを得ないような状況になってきたというのが現在に至る倒産の背景であろうかというふうに考えております。
○森下昭司君 そうしますと、一口に言えば融通手形の発行等をおやりになり、あるいは野方図な組織の拡張を行ったというふうに伝えられているわけであります。一口に言えばこれは経営者の放漫経営というものが原因だというふうな理解の仕方を、実は現地ではしているわけであります。ある意味におきましてはこういったこの協業組合及び協同組合は、いわゆる特繊法の構造改善の事業として実は行われてきたわけでありまして、こういうような倒産が起きるということは非常に残念なことでありますが、いまのような原因の説明によりますれば、一応放漫経営による倒産である、いわば経営者の責任だというふうな理解の仕方をしたいんですが、その点はどうですか。
○政府委員(栗原昭平君) これは現在のニット業界全体が、こういった傾向で非常に困っておる状態にあるというわけでは必ずしもございませんで、やはりそれぞれの企業なり組合の特殊事情ということに基づく倒産であろうかと思います。その原因をなかなか一口に申し上げるのは困難ではございますけれども、企業の経営者としての判断について問題があったということも一つ有力な原因であろうと思いますし、また不幸なことには、関連企業に非常な不良債権を持つに至ったというような特殊事情もあったことは事実でございます。そういったことのミックスというふうに考えざるを得ないかと思います。
○森下昭司君 そこで、この三友ニット協同組合につきましては、一応公的な融資を受けておりました関係もございまして、毎月一回必ず愛知県が業務状況というものを組合から聞くことにいたしておったということでありますが、これがある程度的確に報告をされ、そして的確に分析をされておりますれば、こういった事態を回避できたのではないかという一部の声もあるわけであります。しかし、結果におきましてはこういうことになりましたから、このいわゆる営業の状況報告等というのが単に形式的に行われておるんではないだろうか、いわば行政指導上の欠陥というものはなかったのか、この点、県とどういうようなお話し合いがあったのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 御指摘のように、これらの組合につきましては、県としての診断、指導というものが毎月行われておりまして、それぞれ県から承ったところによりますと、いろいろな指摘を行っておられるといった状況も報告を受けておる次第でございます。しかしながら、なかなか実際の商売ということに関連をいたしましてむずかしい点があったんではなかろうかというふうに思いますけれども、特に、このこれらの組合あるいは企業が経営が非常に困難になってまいりましたのが表面化するというのは、二月に入ってからでございました。二月の末ごろからは愛知県もそれから名古屋の通産局も非常な努力をいたしまして、関連の金融機関等に対しても働きかけを行うとかいったような御努力をされたところでございます。私ども中央の金融機関に対してはいろいろ私どもからもお願いをするといったようなこともやっておりました。私どもといたしましてはできるだけのお手伝いをしてきたんではないかというやうに考えておる次第でございます。
○森下昭司君 次に、この下請関連倒産を防止するために、具体的に現在はどのような御処置をなさったのか、これをお尋ねいたします。
○政府委員(左近友三郎君) この三友ニット、真和ニットというふうなものの倒産に伴いまして、下請企業が重大な影響を受けるということでございますので、これは通産局に対策本部を設けて、県と協調しながらこの下請企業に対する倒産関連の融資の実施、それから金融機関の援助、それからまた、下請企業振興協会を通じます下請企業に対する仕事のあっせんというふうなものを集中して行うということで現在実施中でございます。
○森下昭司君 そういうことを具体的にお尋ねをしておきますがね、五日、六日の二日間、岡崎市役所内で岡崎地区ニット産業関連倒産防止相談所というものを名古屋通産局が主体になってお開きになっておる。そこで相当数の業者の方が相談にお見えになっておる。主にこの融資問題についての御相談が多かったと。一件当たり五百万円から二千万円程度の希望がありまして、平均一千万円程度なんですね、融資を希望するという状況であったというふうに聞いておるわけでありますが、このいわゆる相談の内容の中からいたしますと、融資がやはり当面の対策として必要ではないか、こういう私は理解をいたしておるわけでありますが、この融資問題についてはどのように対策をお示しになっておられますか。
○政府委員(左近友三郎君) これは政府系の中小企業の三機関、すなわち、商工中金、国民金融公庫、中小企業金融公庫というようなものの貸し付けの中に、倒産対策緊急融資という制度がございまして、倒産の関連の企業にはこの緊急融資ということで金利についても必要があれば配慮をするという制度ができておりますので、その緊急融資を活用して必要な資金の供給に努めたいというふうに考えております。
○森下昭司君 これは連絡が入っているのかどうか知りませんが、この緊急融資制度を適用されて、たとえば融資を実際に行ったという実績はありますか。
○政府委員(左近友三郎君) この融資のあっせんに、先ほど申しました会合等で努めておりますが、現在までこの三友ニット、真和ニットの関連の企業について融資を実行したという報告はまだ受けておりませんが、これはなるべく早く必要な融資が実行できるように、関係の三機関にもよく連絡をとって処理したいと思います。
○森下昭司君 そこで、政府系三公庫は中小企業信用保険法に基づく緊急融資、それから愛知県は倒産防止資金や経営安定資金の融資を行うと。岡崎市はこの政府系三公庫の融資を受けた人に対しまして、半年間利子補給をするというようなことが通産局を中心にして関係当局者が集まったときに一応決まったわけであります。これは私に対するお話があったときの中身ですが、いまたとえば倒産関係緊急融資というような制度の活用を長官は強調されたわけでありますが、一般企業の経営破綻の場合は中小企業信用保険法に基づく倒産企業に指定することによって、下請など取引先に特別の金融措置で救済ができるが、協業組合や協同組合の場合はそれができないというようなことが来ているわけなんです。そういたしますと、この三友ニット、真和ニットの下請け関係者は中小企業信用保険法の対象にはならない。濠綿の下請関係だけはそれは適用を受けるというようなことになると思うんでありますが、この点はどうなっているんですか。
○政府委員(左近友三郎君) この企業の倒産に伴いまして、その取引関係にあります関連中小企業の非常に窮境に陥るという者を助ける意味で、中小企業信用保険法に基づく倒産関連保険制度というのがございます。倒産関連保険を受ける者の一つの条件は、倒産をした企業を倒産企業として指定をいたしまして、その指定した企業と取引のある者についてこの保険を適用するということになっておりますが、この倒産企業の指定に当たっては、現在の法律上は「会社及び個人」という規定になっておりますので、御指摘のとおり組合というものは入らないという問題がございます。ところが、今回の場合につきましては、この倒産関連保険の適用になる条件のもう一つの条件といたしまして、通産大臣が不況業種として指定した者については適用があるということになっておりますので、その方の条項でこのメリヤス製造業等々の者を不況業種として指定されておりますので、その条項が生きてまいりまして、倒産関連保険の制度が適用になるということでございますので、今回の場合は問題がないかというふうに考えております。
○森下昭司君 いま、特定不況業種に指定されていると、ニットなどもそうでありますが、そのために県の信用保証協会の保証で融資を受けることができるというふうに説明があるわけであります。その場合は、たとえば先ほど申し上げたのでありますが、愛知県が倒産防止資金あるいは経営安定資金の融資を行うというのでありまして、これは融資限度が二千万と、利率が五・七%というようなことに実は相なっているわけであります。それから、先ほども申し上げましたように、岡崎市は、政府系三公庫から融資を受けた人に対しまして半年間の利子補給をするというようなことになりますと、後段長官が御説明がございました、特定不況業種であると倒産関連制度が利用できるんだと、こう申し上げましても、県の信用保証協会の保証を得て倒産関連防止の資金を受けるということになりますると、これは普通の市中銀行ないしは、細かくいけば信用組合までその対象になるわけでありまして、岡崎市の利子補給の恩典に浴することができないということになるわけであります。これは私はやはり同じ下請でありながら、ただ向こうが会社である、こちらは協業組合または協同組合であったためにいわゆる三公庫の対象にならない、したがって利子の補給も受けられないというようなことは、大変私現地の側から言えば問題が残るんじゃないだろうかという感じがいたします。そして私、中小企業信用保険法の中の第二条(定義)の第二項、この中には、「中小企業等協同組合」「特定事業を行なうもの」あるいは二の二に、「協同組合であって、特定事業を行なう」というものは中小企業者というふうに規定があるわけなんですね。とすれば、私は会社、個人に限定をしないで、広くこういう協同組合、協業組合の下請業者も同じような扱いをすることの方が妥当性があるのではないかという感じがいたしますが、この点についてひとつ御見解を承っておきます。
○政府委員(左近友三郎君) 私の先ほどの説明がちょっと不十分でありましたので、それを補完さしていただきたいと思いますが、先ほど申しましたように、倒産企業というものの指定は組合はできません。したがいまして、この倒産した企業が組合でありますと、それの取引先である中小企業者が直ちに倒産関連保険の適用を受けないということがございますが、その倒産関連保険の適用を受けるもう一つの条件といたしましては、いま御指摘にありましたように、不況業種として指定された業種に属する中小企業者は、全部やはり倒産関連保険の適用を受けることになります。その場合の中小企業者という中には、いま御指摘の法律の定義の中小企業者ということでございますので、組合は入るわけでございます。したがいまして、今度の場合には倒産関連保険も受けられますし、それからまた、倒産関連保険を受けられるということは——ここが私ちょっと先ほど申し上げなかったんですが、実は中小企業関係の三機関、商中とか中小公庫の融資も受けられるということになっております。したがいまして、今回の場合は下請の中小企業者は政府系の三機関の金融を受けられますので、したがいまして岡崎市の援助も受けられるということでございますので、今回は支障はないということになっております。
○森下昭司君 念のためにそれじゃちょっと確認をしておきますが、法律上は会社または個人ということになっておるけれども、特定不況業種としての指定を受けておりますると、協同組合、協業組合の下請業者は、この会社または個人の下請業者と同じような制度のもとで恩典を受けることができる、事実上変わらない、こういう理解の仕方でいいですか。
○政府委員(左近友三郎君) 先生の仰せのとおりでございますが、はっきり申し上げますと、つまり取引の相手方が倒産をいたした場合にこの保険が適用になりますが、その取引の相手方が会社または個人であることが必要だということでございます。しかし、そういう条件で倒産関連保険を受けられるほかに、別の条件、つまりそれ以外の条件としまして、特定の不況業種に属しておれば、これはもう組合も含めて中小企業者は全部倒産関連保険を受けられるということでございますので、今回の場合はその第二の理由で全部の恩典を受けられるということでございます。
○森下昭司君 終わります。
○委員長(福岡日出麿君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後一時五分開会
○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○下条進一郎君 繊維産業に関連いたしまして、昨今の一般的な景況の動向についての判断と申しましょうか、報道というものは、おおむね好況に向かいつつあるというような概括的な見方が一般に通っておるようでございますが、御承知のように繊維産業というのは、長い歴史の中で好況、不況の波を乗り越えて今日まできたわけでございます。その性格から言えば、きわめて近代的な面もあれば、またきわめて旧時代的なものがあり、その意味においてやはり構造改善事業というものは、相当徹底してやらなければならない。このように考えるわけでありますが、どうも昨今特に糸をつくる面、紡績面の段階においては、この好況ということでせっかく通産省の方で御指導なさっていらっしゃるそのような構造改善事業というものが一服ぎみである。むしろこのままスクラップ・アンド・ビルドということではなくして、そのまま現生産能力を置いて生産を続けていく方が収益につながる、目先の収益につながるというようなことで、せっかくの構造改善事業というものが案外進んでいないんじゃないか。こういう例があるのでありますけれども、そういう全体の産業動向に対する、特に繊維の産業動向に対する御認識はどのようになっておりますか。まずそれを伺いたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 御指摘のように、繊維産業全般につきましては、一ころに比べましてかなり景況がよくなってきておるという判断は私どもも同様でございます。ただ、これはあくまでも昨年初来の需給関係が締まったと申しますか、設備廃棄なりあるいは不況カルテル等による減産を背景にいたしました供給の減少ということとあわぜまして、全体の景気の回復に伴いましての需要の増加というのが、たまたまうまくマッチしたという需給関係の好転を背景にいたしました市況の好転、これはもちろん先生ただいま御指摘になりましたように、繊維というのはむしろお天気にも左右されることが非常に大きい産業でございます。夏場の需要が非常にふえ光というような特殊事情もございますけれども、いずれにしましてもそういった需給関係の好転を背景にいたしました好況感というものが現在に至るまで続いておるという状況だろうかと思います。しかしながら、繊維は非常に足の早い産業でございまして、先行きはかなり不透明でございます。特に、需要の伸びもそう大きいものが予想されるわけでもございませんし、近隣諸国からの追い上げといった内外市場におきます競合の激化という問題もございますし、なかなかむずかしい問題を今後とも抱えていく立場にあるというふうに考えております。そういった意味におきまして構造改善についての熱意が薄れるというようなことは、これはあってはならないわけでございまして、特にいままでの業況を見ますと後ろ向きの構造改善と申しますか、設備の処理についてはまあある程度は進んでおりますけれども、たまたま少し景況がよくなりますと少し過剰設備の処理、もうちょっと待とうかというような動きもなきにしもあらずということでございますので、この辺については私ども十分業界の自覚、反省を促しまして、そういった一時的な動きに左右されないような構造改善を進めていただきたい。かように要望いたしておる次第でございます。さらに、こういったせっかく景況がよくなりました時点を一つの踏み台にいたしまして、前向きの構造改善についても積極的にひとつ踏み切っていただきたい。かように考えている次第でございます。
○下条進一郎君 全体的な認識、私も大体同じような考え方を持っております。しかしながら、いまの御説明の中にもありましたように、どうも構造改善が進んでいない。あるいはいま最近はどうも見送られがちであるというのが現状だと思います。それに関連いたしましてこの法律ができてから約五年でございますが、当初通産省がこの法律をお出しになったときの予定から見て、現実に積み上げてやった実績というものは私は余り進んでいないんじゃないか、それが私はやはりいまのような繊維産業に対するある意味での、天候に左右されるとかいろいろ外的要因によって左右される浮動的な要素がたくさんある、そういうものによって一時しのぎでやってきたという面があったために、こういう基本的な取り組み方、これに対しての注意なりあるいはそういう関心なり、そういうことに対しての努力というものがやや怠りがちであったんじゃないか、私はそのように考えるわけでございます。そういう点につきましてこの実績はどのように見ていらっしゃるか、そしてそれが伸びなかったということについては通産省はどのような検討をされたか、その点を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 現行の新しい構造改善の方式に移りましてからの実績は、一般の構造改善事業につきまして現在まで五十六件、施設共同化事業につきましては十九件、合わせて七十五件ということでございまして、予算の消化状況から見ましても予定した予算の一割とか二割、こういった水準程度の消化しか行われておらないというのが実情でございます。これにつきましては、業界の意識のおくれといった御指摘もさることながら、やはりオイルショック後の長期の不況の継続、さらには円高による非常な不況といったような前向きの構造改善に取り組みます余力に乏しかったといったような実情もあろうかと思います。あるいはまた、構造改善の制度自体になかなかなじみにくい、使いにくい点もあったんではないかという反省もございまして、今回の法改正におきましてもそういった点も加味いたしまして御提案申し上げている次第でございます。
○下条進一郎君 確かに、そのように非常に予算の方でも努力されたんですけれども、ステールしたものが非常に多かったということで、私は意外にこの親心が実際の業界に伝わっていなかった、その意味において構造改善が進んでいない面が多多あるということを非常に惜しむわけでございます。その観点から、これ新たに一部を改正されてまた出していらっしゃるわけでございますが、この改正の要点はすでに御説明がありまして承知しておりますけれども、このような改正でそれでは通産省の方は繊維産業の構造改善というものはもう画期的に進むと、そのくらいに自信を持っておやりになっていらっしゃるのか、どうなんですか、そこら辺の腹の中は。
○政府委員(栗原昭平君) 今回の改正の御提案を申し上げるに際しましては、業界からも種々実情を聴取いたしまして、まず現行構造改善につきましての制度自体が非常に使いにくい点があるという点に関しましては、これを地域の実情なり業種、業態に即した構造改善という立場から検討いたしまして産元、親機を中心にしたグループも構革のグループとして対象にできるようにするといった改正も含めまして、あるいは助成の制度の内容につきましても、設備利子の比率の改善でありますとか、あるいは小規模事業者に対します施設共同化事業の拡充でございますとか、そういったような制度自体の改善も行っておる次第でございます。さらに、今後もこういった制度のPRに関しましても十分留意をいたしまして、われわれとしてもできるだけこの新しい制度のもとにおきます構造改善が進みますような努力をいたしたいと思っておりますが、しかし何を申しましてもやはり構造改善というのは、基本は業界自体の自主的な御努力というものが何としても前提になるべきものだと思いますし、そういった意味におきまして、この厳しい内外情勢が今後もさらに深まっていくといった認識に立ちまして、ひとつこれを機会に大いに活用していただきたい、かように考えている次第でございます。
○下条進一郎君 確たる信念を持ってやっていただくこと、大変望ましいと思いますけれども、くどいようでございますが、好況のときにやはりこういう前向きの大きな事業をしっかり取り組んでおくということが、不況に対して備える体質を強化するということになるわけでございますので、どうかその点ゆるがぜにされないように行政指導を徹底していただきたい、このように要望する次第でございます。 そこで、大臣にお伺いしたいんでございますが、近く総理も訪米されますし、またサミットもございます。そういう場合に、アメリカ側あるいは諸外国、EC等からの希望で、日本の産業構造、これがどうもちょっと不況になるとすぐ輸出ドライブがかかってしまう、海外市場にオーバープロダクションで生産した商品をともかくも大いに売り込むと、こういうことで大変に外国に迷惑をかける、そういうことでなくして、ある程度国内の需要もつくような体質に変えてくれという要望が方々からきておるようでございますが、そういう観点に立って日本の全体の産業、もちろんこの繊維産業も含めましてそういう産業の将来のそういう構造については、大臣はどのような構想をお持ちで指導していらっしゃるかというような点を伺いたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) これは重要な御指摘だと思います。ですから、やはり内需を喚起する、この内需喚起のために、不健全な財政事情でありまするが、景気をどう持続させるかということで、ことしの困難な予算編成をやってのけたわけであります。今後ともやはり内需志向型にもっと持ってまいりませんと日本の企業は相対的に困る、これがアメリカ側の言い分ですね。したがって、そうかといって無資源国でありまするから、資源を輸入して輸出で立っていかざるを得ませんが、やはり内需を活発にする、内需を活発にするならば、この繊維の問題に限って申しましても、いずれ後から御議論の存するところだと思いまするが、アパレル部門をよほどしっかり人材養成をしたり、開発をしたりすることが必要だと思います。お説のように、構造改善事業というのはやはり多少でも好況感のあるときにゆとりを持ってやる、これもう絶対必要ですね。さきの五年間においてそれこそ微々たる利用度しかなかったということは、いろいろやはりこれは反省の要素を多分に蔵しておると思うんです。ですから、たとえば国が好況感をもたらしながら日本の製造業の合理化をここ一両年来進めておるように、やはりこの構造改善というものはやる時期というものがありましょうから、そういうときには思い切って進める必要がある。今度アパレル部門に力を入れて人材養成をすると言っていますが、これも私は、繊維工業構造改善事業協会というのがあります、通産省の外郭団体に。こんなものにまかせるだけでほっておいたら、まあこれは一億五千万円のむだ遣いでしょうね。民間からも一億五千万円拠出することになっておりますが、これは本来ならこの構造改善事業について、生活産業局長などがここに来てスタッフで一生懸命になって弁解に努めているわけですけれども、この繊維工業構造改善事業協会の会長初め関係者をこういう委員会にお呼びいただいて、そしてどういうふうにやるか、今後のアパレル部門一億五千万円の構想いかんなんということで、こうやってもらうなら相当効果上がると思いますね。その前に私がこういうところにもうちょっとしっかりするようにいま督励をしておることです。これを従来のようなペースで事を運ぼうなんというようなことでしたら、御指摘の点は非常に重要になってくる、これは私自身が政治家だからそういう面を痛感するわけです。これはそういう意味で、知識集約型の産業で本当に国民のニーズに合った製品をつくるように指導をしてまいりたいということをしきりに考えております。
○下条進一郎君 大変前向きに御心配していらっしゃる、ぜひそのようなことでしっかりやっていただきたいと、このように思います。 そこで、繊維部門についてもうちょっと二、三の点を伺いたいと思いますが、この繊維の方で好況感か出ているというのは、糸をつくる分野は大体全体的にそういう感じでございますけれども、さらにそれを製品にする段階、たとえばニット、そういう面においてはまだまだやはり不況感なり非常に厳しい条件が残されておるようでございます。そういうもの、さらにまたそれから先に進みまして流通段階に入るということになりますと、決してそういうような楽観は許されないんじゃないかと思いますが、その点はどのように最近の状況をつかんでいらっしゃいますか。事務当局で結構でございます。
○政府委員(栗原昭平君) 御指摘もございましたように、天然繊維でございます綿あるいは毛につきましては、最近かなり川上の部分がよくなってきております。合繊につきましても、一ころよりは多少よくなってきておりますが、これは非常な好況というほどではございません、まあまあという状況でございます。一方、川中の各産地、特に機屋さんを抱えているような産地につきましては、これは綿あるいは合繊等見ましても、現在のところ合繊の産地におきましても綿の産地におきましても、多少産地によって差はございますけれども、まあかなりいい状態に総括してなるのではないかというふうに思います。ただ、それ以降の段階におきましては、やはり製品にもいろいろそれぞれの特色もございますし、用途も多種多様でございます、扱う品物もそれぞれ差がございますので、すべてがいいというわけにはこれはまいらないということでございまして、特に川下のアパレル部門については非常に数も多うございますし、非常に競争も激しいという状態が続いておるわけでございます。そういった状態でございまして、御指摘のように流通段階あるいは川下、アパレル部門につきましてはまだ依然としてかなりの競争が残って、それぞれ濃淡の差があるというふうに考えております。
○下条進一郎君 おおよそそういうことではないかと私も思います。 そこで、ここで特に税制あるいは金融面についてのいろんな優遇措置を考えていらっしゃるわけでありますが、この対象にならない分野、そういうところに対してはどのような措置を考えられるか。要するに、あとたとえば二年待てば何とかなるだろうという分野もあるわけでございます。そういうところに対して、行政当局としてはどのような温かい手を差し伸べて、たとえば金利の安い資金を融資するとか、そういったことに対して考えていらっしゃるかということを伺いたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 繊維は、御承知のように特に製造段階を考えてみますと、従業員が一企業当たり十人平均ということで、全体としてもきわめて小規模な、零細な企業の集まりでございます。こういった中小企業をグループ化して知識集約化方向に全体として誘導していくというのがこのねらいでございますけれども、御指摘もございますように、すべての人が、あるいは非常に小さい中でもさらに小規模の方が全部この制度に乗っかっていくことができるかどうかという点は御心配があろうかと思います。私どもといたしましては、この構造改善の制度の中では特に施設の共同化といった観点から、小規模企業者に限りまして要件を非常に緩和をいたしまして、別に異業種間連携というようなむずかしい試験を通らなくても、その小規模の方が一緒になってとにかく設備の近代化をやっていこうという場合には、非常に低利の、二分六厘での高度化資金を貸していくことができる、リース事業として貸していくことができるというような制度を今回もさらに要件を緩和して拡充するということをまず第一点にやっております。 それから、今回、産元、親機を含めましたということの一つには、産元、親機が抱えております賃加工の業者、非常に小さい方が多いわけでございますが、こういう方々がみずからグループを結成するのはなかなかむずかしいという立場におられますので、産元、親機というものを中心に結集しながらグループ化を図っていくことができるようにしたい、こういった気持ちも一つあるわけでございまして、構造改善の中でも特にそういった小規模の方々については、できるだけ制度に乗りやすいような方向で考えていきたい、かように考えておる次第でございます。
○下条進一郎君 そこで、いろいろな方策をやっていただくわけでありますけれども、いま貿易は原則として自由化というようなかっこうになっております、絹糸等については若干ガットの割り当て等ございますけれども。そういう意味において、外国品の輸入という問題が日本の国内市場に対して与える影響、これは大変に大きいと思います。その意味においてMFA等の関連、そういうものについてこれからどのように対処していかれるか、これは中で構造改善をおやりになっても、外からのそういう外圧が相当加わってまいりますと、これはなかなか市場も相当つらいというようなことに当然なるわけでございまして、現在そういう面の問題もたくさん出ているわけでございます。それについては、これからこの調整というものはなかなかむずかしいと思いますけれども、どのように対処していかれるか、その点の御回答をいただきたい。
○国務大臣(江崎真澄君) これまた非常に重要な御指摘だと思います。MFA、セーフガードの発動に当たりましては、現在わが国が大幅な国際収支黒字国であるということ、特にまたこの繊維製品が単純な製品ほど中進国ないし発展途上国から入りやすいということなどによりまして、これは現実の問題としてはなかなかむずかしい問題だと思います。ただ、極端に低廉な物が多量に入ってまいりまして、わが国市場を攪乱するというような場合には、当然これは国際的取り決めによってMFAを要請することもできますが、いまこの場面ではそういった弊害が大変なことになっておるということには該当しないと思っておるわけです。したがって、知識集約型の製品をつくるように、今後非常にこれ急がれるわけですね。ですから、いま局長も説明しておりましたように、アパレル部門の開拓、これが私本当に十数年おくれておると思いますよね、これはしかし今度は人材養成から始めようというわけですから、大変結構なことで、やっぱり基礎づくりから始めなければならないような事態というのは、やっぱり相当なおくれが現実にあるということですね、しかし、それに目を覆うて知らぬ顔ということではなくて、まずそれに気がついてそこから始めるということは非常に結構なことだ、したがって、さっき申しましたような構造改善事業協会などに簡単に資金をゆだねて、その動きに任せることなく、やっぱり民間の衆知を集め、また、それぞれの大学には学部もないわけじゃありません。したがって、学者その他を動員して急速に効果が上がるような形でいくことが大切で、MFAの規定はありまするが、現在の場面では現実にはこれを適用することはなかなかむずかしい、したがって^大いに対策を急ぐべし、こういうふうに考えております。
○下条進一郎君 最終的な方法だと思います、MFAを利用するということは。その前にいまおっしゃいましたように、基本的には日本の繊維産業界の体質を強化するということだと思いますが、いまお話がありましたように、アパレル部門を相当拡充する、強化する、近代化するということは当然だと思いますが、日本の繊維産業は——日本は繊維産業国と言われて長いわけでございますけれども、意外に私はそういう脆弱な面をたくさん持っているんだと思います。たとえば高級品については、これまたECにやられる、下級品については後進国にやられる、中級ぐらいが大体何とかなるということだと思いますが、やはり上級のもの、中級のものにどんどん向かっていけるようになるし、底辺のアパレルもどんどん近代化しなければいかぬ、そういうふうに考えますので、ぜひ相当な決意を持ってこの面に取り組んでいただきたい、このように要望する次第でございます。 なお、こういう貿易関連につきましては、非常にむずかしい問題が絡んでまいりますけれども、これにやはり為替相場の問題というものもやはり大きな影響を持つと思います。けさのテレビにおきましても、現在渡米中の園田外務大臣が向こうの政府当局と会談された場合の三つの問題点、その一つに、円が安い方向に動いていることについて、その反動として輸出がまたドライブがかかるんじゃないかという面の懸念を持たれたやに聞いております。これは大変な問題にまたつながると思います。その点について、大体現在の為替相場の動き、それからまたそれのこれから先の動向等について、大蔵省の方から最近の一番新しいところのホットニュースをひとつ御披露いただきたいと思います。
○説明員(大場智満君) ただいま御質問がございました為替相場の動向についてお答え申し上げます。 けさはかなり落ちついてきておりまして、先ほど午前中の終わり値は二百十三円五十五銭ということになっております。御承知のように、円レートはことしに入りましてから円安の方向になっておるのでございますが、私ども見るところ大体理由が三つぐらいあると思います。一つは、経常収支の黒字がかなり減ってきていることだと思います。特に三月になりますと、三月の上中旬の通関統計しかいま出ていないわけでございますが、この通関統計で見ますと、輸出入がほぼ均衡しているという姿になっております。これが昨年の三月上中旬の数字を見ますと、約九億四千四百万ドルの黒字でございます。これがことしの三月の上中旬が均衡しているというふうになっている、これが第一でございます。それから第二には、石油とかあるいはインフレ問題ということが円の先安感を醸成しているのではないかということが言えるかと思います。それから三番目に、やや技術的な点になりますけれども、最近、これは日本とアメリカの金利差の問題もあるかもしれませんが、長期資本、短期資本の流出がかなり大きなサイズで続いております。こういったことが現在の円安をつくってきているというふうに考えております。 ただ、先週二百十六円八十銭ぐらいまでいったわけですけれども、今週になりますと大体二百十四円前後で推移しておりまして、特別な事情がない限りは、先週のような大幅な円安、急激な円安ということは起こらないのではないかというふうに考えております。ただ、為替相場の将来を、まあ半年先、一年先となりますと、これはもう非常にむずかしゅうございまして、軽々に判断できないわけでございますが、インフレ率格差あるいはアメリカ、日本双方の経常収支の赤字、黒字がどのようなスピードでどのように減っていくかという問題、それからさらに、最近は円の相場のあるいはドルの相場の先行き期待感というものが非常に大きな影響を市場に与えているように思いますので、そういった要素で決まっていくのだろうと思っております。
○下条進一郎君 相場の動きは、現状は御説明いただいたようなことに私も思いますけれども、やはり先行きの見通し、そういうものが市場の心理に非常に結びつく。これから先、輸入がふえるあるいは輸出はだんだん安定してくるだろうということになりますと、やはり輸入予約が非常にふえてくると、こういうことで、どんどんと円が落ちていくというかっこうになりがちである。その意味合いにおいて、これからの国際収支という問題の見通しも、やはり当初非常に騒がれたような形での私は黒字にはならないんじゃないかと、むしろいいかっこうに落ちつくんだろう。そういうときに無理やりして輸入を特別にふやさなきやならないということになるのか、あるいはまた輸出にさらにドライブがかかるのをほったらかしておいていいのかどうかというような問題については、これはむしろ通産省の貿易関係の方の御管掌だと思いますが、どのように見ていらっしゃいますか。
○政府委員(水野上晃章君) 御指摘のように、円が安くなりますということは、輸出につきましては一応好影響といいますか、輸出を伸ばす競争力がつくという形の方向には働くと思います。ただ、昨年秋以来の非常に高かった百七十円台を出ますようなレートというのは、中小企業その他にとりましてはまことに厳しい状態でございまして、現在なお前年同期に比べまして輸出は一三%程度下回った水準を一月、二月、三月と続けておる段階でございます。したがいまして、円が少し戻ったからといいまして、直ちに輸出がふえるというふうには私どもは考えておりません。輸出をふやしてまいりますためには、かなりの商売のネコその他の期間がございます。したがいまして、為替レートが安定をいたしましてしばらくそれが続きますと、少しずつ輸出が戻ってくるということが現実的な動きではなかろうかと思います。 また輸入につきましては、先生御指摘のように、経済の上昇につれまして原材料その他ふえてまいっておりますし、また石油その他の原材料値段も上がってまいっております。また、昨年来製品輸入の増加ということで、アメリカ、ヨーロッパを初めとしまして製品輸入もふえてまいっております。したがいまして、私どもは現在のところはっきりした見通しは申し上げられませんけれども、政府の当初考えました七十五億ドル経常収支の黒字という線は達成できるのではないかというふうに考えております。
○下条進一郎君 いまおっしゃった五十四年度の見通しもそうですけれども、五十三年度の貿易の黒字幅も政府が考えていらっしゃるよりは小さくなるんじゃないかと思いますね。そういう意味において、だんだん為替がクリーンフロートで動いていることによって、自動調整作用がある意味ではいい形で動いているんじゃないかと思うんです。それに対して私がいま申し上げているのは、国内のいわゆる物価高というような問題がちらほら問題になりつつあるというときに、あえて通産省の方では、緊急輸入という従来の方策を依然としてお続けになる必要があるんだろうかどうか、こういう点でございます。その点いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 原則的にやはりことしは二十億ドル程度の緊急輸入をやろうと、こう言っておりますが、しかし何も国際収支の帳じりがだんだん黒字幅が少なくなったということになれば、もともと緊急輸入というのは臨時異例の措置ですから、いつでも見直しをすることはできる。原則は二十億ドル程度をやろうと、この方針に現在変わりはございませんが、もとより今後ともの推移をしさいに見極めていきたい。 それから、円安の問題ですがね、これは私はけさの閣議でも申したことでありまするが、二百十五、六円前後だからといって、余り安い安いと言うのは本来おかしいので、昨年は二百三十九円ぐらいから始まったんですね。そしてちょうどいまごろは御承知のとおり二百二十円を割るかどうかというわけで、二百二十円は日本企業の死活ラインであるなどと言っておったんですね。したがって、昨年の場合は、アメリカ側の多少インフレ傾向なども手伝って、円が高過ぎた、これがほどほどに是正されつつある。第一、物価高を誘うときに、円安円安なんという言葉が余り大きくなりますと、まさに便乗値上げなどにも藉口することになりますし、私は二百二十円が言うところの採算ラインであるなどという、去年の上半期のあの言葉などを思い起こしますにつけても、ほどほどであるというふうに現在認識しておるような次第でございます。
○下条進一郎君 どの程度の相場がいいか悪いかということは、これは輸出サイドと輸入サイドの両方の利害の問題がございますので、非常にむずかしいと思います。しかし、大臣の御感触もまた一つの御意見だと承りますが、これからのただ問題といたしまして、やはり先ほどちょっと触れまして大臣にお尋ねいたしましたように、内需を大事にしなきゃならない、何かあるとすぐに輸出ドライブがかかるような体質にしないようにある程度もっていかないと、また国際的にいろんな問題が起こる。特に、バイラテラルな日米関係だとかあるいはEC関係だとかいう問題がありますと、これは個々の問題に入りますけれども、基本的にはやはりそういう輸出にドライブがかかりやすい体質になるべく持っていかないようにしなきゃいけないのじゃないか、その点で大臣先ほどおっしゃったように、去年の立場で見れば、先ほど二百七十円でなきゃとてももたぬだとか、二百三十円でなきゃもたぬというような時期がございましたけれども、だんだんいわゆる減量経営なり合理化なりが進んでまいりますと、やはりそこまでいかないでもある程度採算がとれる。すでにそういう調整ができたものがまた円安になったために輸出ドライブがかかるようになると、またぎくしゃく国際的にするのじゃないか、そういう点をちょっと心配しておるわけでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) おっしゃるとおりです。そういう点では私はひとつもうフロートしておりまするときに、幾らが適正価格なんというようなことは言えるものじゃございません。しかし、昨年のまだ新しい記憶で、日本の企業の採算ラインは二百二十円である、これ以上高くなったら大変だと、あれは一つの私は標準と見ていいような気がするんですね。そうだとするならば、いまが極端に安いというものではないのではなかろうか。それで、また全体の合理化が、二百二十円よりもっともっと高くなっても、全部が採算がとれるなどというふうに合理化が進んでおるとは思いません。特に、中小企業の面などではその点が明らかに出ておるわけでございまして、そのことを申し上げたわけです。理論としての下条さんのお話はよく理解できます。
○下条進一郎君 私も大臣のお話よくわかります。 そこで、われわれ生活に関連し、またいまのような繊維産業にいたしましても中小企業にいたしましても関連がありますのは、やはり当面考えられる石油の値上げに伴う電気、ガス料金の値上げの問題じゃないかというわけでございます。 石油の問題につきましては、この前税制改正のいろんな審議の段階のときに、要するにOPECの当初の見通しの値上がり率と、それから石油税の値上げの率と両方を、六月一日に税制は実行するということでございますから、その全部が実行されていわゆるガソリンスタンドの小売の石油は一リッター当たり十五円だと、両方を入れて、ということで私たちははじいたことを記憶しております。ところが一方、石油税の値上げはまだ六月一日にならない、それからまた従来石油の原料の輸入というものがかなり実際的には古いものがまだあるわけでございますが、もう一般のガソリンスタンドは当然それを織り込んだようにどんどん上がってしまっております。というような状態でございます。 ですから、これは私たち一般の庶民から言った場合、あるいは中小企業者がやはり経費の中に入るわけでございますから、そういう値上がりというものはかなり心配している向きがあると思います。加えてこれから先になりますと、当然サーチャージの問題も出てくる。あるいはまた高いコストの石油も入ってくる。それから六月からは税が上がるということになりますと、一体どのような形になるのか。下げるときにはなかなか下がらなかったけれども、上げるときは上げる要素がないのにもう上がってきている。ここらを一体通産省の方ではどのように考えていらっしゃるのだろうかということをちょっと懸念するわけでございます。
○政府委員(神谷和男君) ただいま御指摘のように、六月一日からガソリン税が十円七十銭引き上げられる予定になっております。それから、今後の問題といたしましては、御指摘のように四月一日から先般のOPECの臨時総会によって引き上げられたアラビアン・ライトの標準入荷で十四ドル五十強までの引き上げ、さらにそのほか最近イラクあるいはアブダビその他がサーチャージと称しまして、その上に一ドル二十ないし一ドル九十ぐらいの上乗せをしております。アフリカ等では三、四ドルの上乗せをしておる国もございますが、わが国の場合にはいま申し上げましたような範囲のサーチャージがさらにこれに加わってくるというふうに考えられますので、この十円七十銭のガソリン税の値上げ以外に、OPECの値上げ分がやはりコスト高ということで価格に影響してくることは避けられないだろうというふうに考えております。ただ、これが計算どおり幾らになるかということは、先ほど来御議論のございました円が今後どういうふうになっていくかということも非常に響いておりますし、私ども大臣の指示によりまして石油業界並びに流通業界に対しましては、OPEC値上げを国民経済に吸収するに当たって、その第一段階としての石油業界は最大の企業努力を払うとともに、便乗値上げ等およそ国民の非難を受けるような行動を慎むよう要請いたしておりますので、関連業界の最大限の努力を期待いたしたいと考えております。ただ、これによってこれがゼロになったりするようなことが期待し得るような幅ではございませんので、最大の努力を要請しながらその価格動向の行方を慎重に見守ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○下条進一郎君 それでは、電気、ガスの方はどう見ていらっしゃいますか。
○政府委員(豊島格君) 電気、ガスにつきましては、昨年十二月とことしの三月のOPECの原油引き上げ決定、それから最近では円安にもなっておりますので、非常に五十四年の収支というのはゆとりのないものになっておりますが、北海道電力以外の八電力会社、それから大手三ガス会社につきましては、今後原油価格が大幅なプレミアム、一部ついておるわけですが、それがさらに上乗せが行われる、あるいは七月以降追加値上げが相当大幅に行われるということで、非常な事態の変化がある場合は別でございましょうが、若干のその辺の変化に対しては、何とか五十四年は現行料金を据え置くということで従来方針どおり維持できる、また維持させなければならない、このように考えております。
○下条進一郎君 この前の円高による値下げのときの御説明から、きょうの御説明には一応一貫性があると私は受けとめます。したがいまして、よほどの予見が変わらない限りということでぜひとも電気、ガス料金というものは、これは一般の庶民の生活に関係あるばかりでなく、中小企業あるいはここで構造改善やっていただこうという繊維産業等にとりましても、非常に基本的な大事なコストでございますので、その点はいま御説明いただいたように急に上がるということのないように、しっかり見守ってやっていただきたい、このように特に要望する次第でございます。 最後に、大臣に重ねてくどいようでございますけれども、申し上げまた御努力いただきたいと思いますのは、いわゆる中小企業というのは非常に日本の産業の中核でございます。特に、繊維と申しましても大きな紡績会社をもちろん頭にぴんとくるものもございますけれども、しかしその背景にあるいはまたそれからさっきおっしゃったようなアパレルというような問題を含めまして、至るところに中小企業が非常に多いわけでございます。したがいまして、通産大臣におかれましては中小企業のことももちろんよくやっていただいておるわけでありますけれども、中小企業というものは非常に数が多いし、それからまたこれ各省にまたがるものも非常にあるわけでございます。また逆に言えば各省の中の大部分が中小企業だ、こういうことになりますので、そこに中小企業の一貫性ある政治、私は通産の方は縦割りに通産行政をやっていただく、あるいは運輸省もそうであります。あるいは農林省も、あるいは厚生省もそれぞれやっていただくわけでありますけれども、中小企業というものがやはり持っている、要するに非常に虚弱体質な面についての温かい行政上の支援というものを、やはり政治の面でしっかり考えていただきたい。これがわれわれ前から要望申し上げているところの中小企業の専門大臣を閣内に設置していただきたい。すでに前においては牛場さんのように対外経済担当大臣というものを設けられたこともあるわけでございますが、私はそれももちろん大事と思いますけれども、もっともっと中小企業のために朝から晩まで閣内においてこれはどうなった、金利が上がった、どうするのだ、あるいは輸入がふえてきてどうなるのだ、そういう時々刻々の中小企業に対するいろいろな問題を本当に大所高所から幅広く見ていただく大臣を設置していただきたいということを、強く要望しておるわけでございますが、大臣からの御感触を承ります。
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は、非常に御熱心に下条さんから予算委員会でも御質問がございました。私も中小企業対策については大臣に就任以来懸命に努力してまいっておるところでございます。現在の通産省の組織としては、これはどうも大臣否定してくださいよと、こう言われております。それからまた、私も現在の構成から言いまして、果たして、簡素でしかも効率的な行政機構を整備していくという上から言って、改めて中小企業省を設け、また、そこに専任大臣を置くことはいかがであろうかという感じも持ちますが、しかし、これはもう大変御熱心な御質問ですし、仰せの意味は十分理解できまするので、よく承って将来の問題にしたいと思います。
○下条進一郎君 じゃ、よろしくお願いいたします。 以上で質問終わります。
○中尾辰義君 私は、法案に入る前にちょっと織物業界の当面する諸問題につきまして若干お伺いをいたしたいと思います。 まず、公正取引委員長にお伺いをいたしますが、絹織物の原産国の表示について、これは昭和四十八年十月十六日の公正取引委員会告示第三十四号、商品の原産国に関する不当な表示の運用細則、この細則が施行されたときと、それから六年後の今日とは絹織物につきましては実情が適応しないのではないか、むしろこれは改正の要があるんじゃないかと、こういうことを考えながらまずお伺いしたいんですが、この運用細則によりますと、原産国とは織物の場合は「製織後染色するものにあっては、染色。」と、こういうふうにあるわけであります。そうしますと、外国で製織をされた原反が日本国内で染色されれば原産国は日本になると、こういうことになるわけですか、その点いかがでしょう。
○政府委員(橋口收君) いま最後の方におっしゃいましたのは、外国で織物されたものがという意味であると思いますけれども、いま、外国で織物の形態になって日本で染色されたものがその原産地はどこかと、こういうお尋ねだと思います。それはいまの施行細則では、まさに染色された土地である日本が原産地になる、こういうことでございます。
○中尾辰義君 そうしますと、これがいま問題になっておるんで、この原産国の表示をそのまま適用した場合に、一元輸入の生糸制度を利用して、はなはだしい安い価格の生糸によって生産された絹織物が大量に輸入をされ、国内の絹織物産地を圧迫し、絹業を不振に追いやり、ひいては絹業と車の両輪であるところの養蚕をも不振に至らしめ、蚕糸政策を空洞化するおそれがある。万国共通価格の毛糸、綿糸、人絹、化合繊の製品についてはこの細則が適用されても、日本独自の蚕糸政策によって外国生糸とのはなはだしい価格の差のある絹製品については不適法である、こういうようなこれは現場の声があるわけでありますが、その点いかがでしょう。
○政府委員(橋口收君) 普通、織物の場合でございますと、糸を染色して織るというのが普通の形態であろうと思います。ただ、いまおっしゃいましたように、織物の形態になって織物に対してプリントその他で染色する、こういう技術も発達をいたしてきておるようでございますから、そういう点で申しますと、染色された土地が日本でありましても、実際の織物の生産は外国であるという場合があるわけでございますから、そういう点から申しますと、最近の技術の発展等から見ますと、この細則が非常に適当かというふうに申しますと、いま申し上げましたような点を考慮いたしますと、必ずしも最適であるというふうには考えておりません。
○中尾辰義君 この原産国表示が告示されたころは、和装絹織物が国外で製織をされ輸入されることはなかった。つまり、昭和四十八年十月十六日にこれは告示になったわけですから、およそ大体六年ぐらい昔の、以前の告示ですからね。今日、商社は諸外国の生糸の安いのを利用して香港、マカオ、シンガポール、台湾、ニューヨーク等において日本から織機を輸出設置をしてどんどん和装絹織物を生産あるいは染色して輸入搬入をしておるわけであります。そういうように、ちりめんの産地である京都の丹後ちりめん、そういうようなマークをつけて市場に流し、絹和装産地を脅かしておるわけですね。そうして、それがこの法によって原産国は日本、丹後ちりめんと、こういうふうに表示をされても違法ではない、そういうことになっておるわけでありますが、このように法の裏をかいて利益を追求する、おもに商社でしょうけれども、これに対しては産地を守るという点から言うても何らかの行政指導等をすべきじゃないのか、こういうことも考えているんですが、これはいかがですか。
○政府委員(橋口收君) 昭和四十八年に原産国表示に関する不当表示の問題、それから運用細則を決めたわけでございますが、これは当時関係業界から意見も十分聞いた上で定めたものでございますが、先ほど来申し上げておりますような情勢の変化等もございますので、この細則のままでいいかどうかにつきましてはよく検討いたしてみたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 それで、これは数年前にこの商工委員会でも問題になった、例の大島つむぎの問題、特に、韓国から擬製の大島つむぎがどんどん出ることで、この委員会において問題になったわけですね。この運用細則を見ますると、大島つむぎの場合は、つむぎの原産国は、製糸、染色、これがいずれの国で行われたかにかかわらず、製織が行われた国とされておるわけです、原産国。そうしますと、この大島つむぎと同様に、原産国とは、製糸、染色がいずれの国で行われたにもかかわらず、製織の行われた国とすべきである、こういうように強力な産地の意見があるわけですが、ただいま検討をすると、こうおっしゃったわけですけれども、この点はいかがです、もう少し前向きの積極的な御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(橋口收君) いまお話の中にございましたように、たとえばつむぎ等でございますと、糸を染色しまして、それを国内で縫織する。したがいまして、縫織する国が日本であるかどうかということによって、その原産地の表示をいたしておるわけでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、先回りして申し上げたわけでございますけれども、たとえば糸に染色をいたしませんで、織物の形態で外国でつくってそれを日本に持ってきまして染色するというような技術が発展してまいりますと、いまの規定ではこの染色地が日本ということになりますので、これは原産国表示がないと、いわば日本ということになるわけでございまして、そういう点で、まさに合理性に欠けるところがあるのではないかと、こういう御指摘であるというふうに思いますので、これは先ほど来申し上げておりますように、いまの細則が四十八年の時点で決めたものでございますから、これが適当かどうかにつきましてはよく検討いたしてみたいと思いますし、またこういうように決めてございますから、絶対にこれでなきやならないというふうに私どもの方がこだわっておるわけでもございませんので、これは業界の意見もよく聞いてみまして、必要があれば改正するというふうに検討いたしてみたいというふうに考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 はい、了解しました。 次に、通産大臣、公取にお伺いしますが、いまの場合は染色の場合ですけれども、外国産の絹和装品を、日本産地のマークをつける。外国でつくって、ちりめんをですが、それを製品を、たとえば京都の丹後なら丹後に持っていく、それを、製品は外国のでしょう、それを産地でちょっと練るわけでしょう。練っただけでこれが日本産地の丹後ちりめんである、こういうようなマークを入れている。これは大体私設の精練であり、アウトサイダーですよ。でありますが、産地協同組合が産地の歴史ある伝統を守り、品質、特徴、声価を育成、保持すべく、原産地表示の商標を原反に貼付あるいは捺印するにしても、商標認可を受けるまでに、直ちに私設のアウトサイダー工場が、これに類似のもの、あるいは同一のものを作製し、使用するケースがあって、産地の品質、特徴、伝統が破壊されているが、これについて産地育成保護の方法として、通産省認定のマーク、そういうものを作製、使用させるとか、適切な方法を考えてはおらないかどうか、この点いかがです。意味わかりますね。
○政府委員(栗原昭平君) ただいま御指摘のように、各産地におきまして協同組合なり工業組合が当該産地の産品、たとえば大島つむぎあるいは西陣等につきまして、それぞれ独特のマークをつけておるという実例は私ども承知をいたしております。これらのうち、たとえば大島つむぎの地球印でありますとか、あるいは西陣のめがね印、こういったものにつきましては、御指摘もございましたように、商標法上の認定を受けてやっておるという実態だということを承知しております。 こういった商標法上の手続がおくれるために、アウトサイダー等がこれに類似のマークをつけるという実態の御指摘かと思いますけれども、私ども、商標法上の手続が若干現在おくれていることは承知しておりますが、一方、各産地の実情についてさらにもう少しよく実態を聴取いたしまして、具体的にどういったものについて、どういった実例が出てきておるのかと、その辺についてはよく検討をいたしまして、いま御指摘の点につきましても研究をしたいと、かように考えております。
○中尾辰義君 要するに、商標の認可というものは、これは特許庁ですが、非常に時間かかっちゃうんですな。その間、このアウトサイダーがこれに似たようなものをつくってやっておるわけですから、その辺をカバーする意味で、通産省で何か考えられないのかと、こういうことなんですけれどもね。その辺はいまおっしゃったけれども、地元の意見等も聞いてということですが、これ何とか考えられますか。まあ検討はわかりますけれどもね。この辺、いま即答はむずかしいかしれませんけれども。実際、特許庁のあれ私も見学に行きましたがね。かつて特許法の改定のころでしたけれども。たくさん似たようなものが来ておりまして、時間が相当かかっちゃうですな。その辺ひとつ検討してくれますかな。もう一遍前向きで。
○政府委員(栗原昭平君) この認定制度自体についてもいろいろなやり方があると思いますし、また産地の御要望というものもいろいろな形の御要望もあると思いますし、いま少しく実態も含めましてよく研究をさしていただきたいと思います。
○中尾辰義君 次に、繭糸価格安定法が、加工後輸出を前提とした保税生糸の輸入を、生糸輸入制度の適用除外としていることを悪用して、保税加工工場製品が、和装品を製織し、一たん国外へ輸出し、それをまた輸入するという形式をとり、不当行為をして業界を混乱せしめているが、これはどういう業者なのか、その辺いかがです。
○説明員(松岡将君) 現在、繭糸価格安定法の除外規定といたしまして、保税加工用のものにつきましては、輸出貨物の製造に使用する原材料ということでございまして、農林水産大臣の認定を受けまして、一元輸入の適用対象外、こういう形になっておるわけでございますが、関係いたしますところは、輸入業者、それから保税加工、それから輸出業者、こういう三者構成になっているのが通例のようでございます。現在、保税生糸輸入の認定に当たりましては、農林水産省といたしましても、輸入契約書なりあるいは売買契約書といったものと、それから原則といたしまして輸出契約書というものを添付さしているわけでございますが、一たん輸出された貨物が再輸入されるか否かという点につきましては一保税生糸の輸入及び加工の段階で把握するということはちょっと困難だという実情がございます。 ただ、御指摘のような点がございますれば、保税加工用の生糸の適用除外の規定に照らして問題があるというふうに考えられますので、関係機関、通産省ともども実態把握の上、適切に指導をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 あなたべらべらしゃべらぬと、私が聞いたのを答えればいいんです、後で聞きますからな。会議録に残る点もあるんだ。 それから、私に答えるんじゃなしに、国民の業界に答える、そういう意味でやってくださいよ、いいですか。 それから、保税生糸を認めた経緯は、これはどういうことから成っているのですか。
○説明員(松岡将君) 保税そのものにつきましては、輸出に用いますものについては保税加工ということでございますが、特に、四十七年に生糸の一元輸入制度というものが導入されまして、現実に生糸の一元輸入というものが行われるに至りましたのは四十九年の八月一日からでございますが、以後、生糸の一元輸入というものが行われている。それで、この保税加工用生糸につきまして、一元輸入を適用対象外ということにいたしております趣旨は、輸入されたものがまた輸出されるということでございまして、したがって、基本的に申しまして国内の生糸・絹製品需給に無関係である、こういう趣旨であるというふうに存じておる次第でございます。
○中尾辰義君 ですから、保税生糸が認められたというのは、もちろんこれは税金は保留してあるわけですから、ただし、その糸を加工したものは外国に輸出をする分、こういうことですか。それは日本に逆輸入しちゃいけない、そういうことですね。
○説明員(松岡将君) 保税加工用生糸につきまして、これを一元輸入の適用対象外、日本蚕糸事業団によります一元輸入の適用対象外というふうにいたしておりますのは、ただいま先生が申された御趣旨だというふうにわれわれ理解しております。
○中尾辰義君 ですから、この保税加工業者が外国から安い生糸を買って、それを加工して外国に輸出をする、そこまではいいですよ。それをまた日本に持ってきておる、それで業界が非常に混乱しておるから、これは不満の声があるわけです。それで私は聞いているんですよ。いいですか。 その次に、最近の輸入をされる保税糸の年度別の数量ですか、かなり増加をしておるということですが、この点、いかがでしょうか。ここ四、五年の伸びをずっとおっしゃってください。
○説明員(松岡将君) 最近の保税生糸輸入数量について申し上げますと、四十九年、五十年、五十一、五十二、五十三、会計年度でございますが、実績で申し上げますと、四十九年度は千七百七十五俵、それから五十年度が五千十六俵、五十一年度が九千四百五俵、それから五十二年度が一万五百十七俵、それから五十三年度は二月まででございますが、一万八百五十六俵ということでございまして、最近、じりじりと輸入数量が増加するという傾向がございます。
○中尾辰義君 そのようにふえておるわけですがね。 そこで、次に、保税工場の認可申請、これも相当増加をしておると聞いておるわけですが、数字的に、これを、ひとついまと同じように、ここ数年の動きを数字でもって説明をしていただきたい。それが一つと、なぜ保税工場の認可申請が増加をしておるのか、この点、お伺いします。これは大蔵省ですか。
○説明員(奥田良彦君) お答え申し上げます。 絹の加工を目的といたしました保税工場の数でございますが、現在七十工場ございます。これを年度別に許可をいたしました件数で追ってまいりますと、四十八年まではちょっと後でお答えするといたしまして、四十九年からお答え申し上げます。四十九年に二件ございました。五十年はゼロでございます。さらに五十一年には十八件ございました。五十二年に七件。それから五十三年が八件でございます。それで、ことしになりまして三月までで三件の許可を行っております。 それで四十八年まででございますが、四十七、四十八とございませんで、それまでの四十年からの経過を大ざっぱに申し上げますと、四十一年に十三件、四十二年に八件、四十四年五件、四十五年四件、四十六年一件と、大体こんなふうになっております。
○中尾辰義君 その前に、この保税糸の増加の数字を伺ったんですが、これは国別にわかりませんか、輸入国側の。
○説明員(松岡将君) お答え申し上げます。 先ほど五カ年の数字を申し上げましたが、たとえば、五十三年度総計で二月までで一万八百五十六俵というふうに申し上げましたが、そのうち中国が九千三百四十六俵、ブラジルが千三百三十俵、北朝鮮が百八十俵というふうに相なっております。
○中尾辰義君 これは通産大臣にお伺いしますが、いまお聞きのように、保税生糸、保税工場もここ数年ずっとウナギ登りにふえておるわけですね。そして、保税工場認可の趣旨に反して、当然輸出をすべきものが、外国で加工するなりして、輸出したものをまたこっちへ持ってきておる。そういうことで非常に業界が混乱し、産地も不満を持っておる。このことにつきまして、大臣はこれは何とか監視、指導等をする必要はないのかどうか。もちろん貿易は自由でありますけれども、これは法の盲点を、脱法行為みたいなもんでしょう、これは。いかがでしょう。
○国務大臣(江崎真澄君) お説のとおり、これは脱法行為であります。したがって、正当な競争に耐えられなくなるわけでありまするから、私どもも関係機関とよく連絡をとりまして、実態がどういうふうになっておるのか、これはいま委員の御指摘になるような問題を含めましてよく実情調査をいたしまして、保税加工輸出入業者、織物業者等の関係者に対する指導を適確にひとつ行ってまいりまして、こうした脱法行為を絶滅するような努力をいたしたいと思います。
○中尾辰義君 ちょっと質問が後先になりましたけれども、大蔵省、さっきの保税工場の認可申請につきましては、あなた方はどういうことを審査し、どういう基準に合っておれば許可するのか。出したものをぼんぼん許可しておるのか。いま私が質問したようなこういう背景があるわけですから、申請したものを何でも許可するというようなやり方ではちょっとまずいんじゃないかと思うんですね。
○説明員(奥田良彦君) お答え申し上げます。 保税工場の許可に当たりましては、もちろん法令によって審査いたしまして許可をしておるわけでございますが、その許可に当たりまして、私どももできるだけ種々の面から検討して、単に法令に書いてあるばかりでなく、いろいろな面も考慮したいというふうに考えておるわけでございます。ただ、許可の要件といたしまして、法令上にございます要件といたしましては七項ばかりございますが、欠格になりますのは従来法律違反はやっていないかとかいったようなことでございまして、そのために御趣旨のような何か規制をやるということには法律上はなっておりません。
○中尾辰義君 私がいま質問しておる趣旨は、いまあなた聞いておったでしょう、そういう脱法行為に類するものをどんどんやりながら、そして保税工場、保税業者がうまい汁を吸って内地の業者を苦しめておる。そういうことですから、これは大臣、大蔵省の認可は法令に合っておりゃ幾らでも認可をすると。これはなんぼでもふえますよ、こういうことでやったら。この点どういうふうにお考えになっておられますか、通産省としては。それはまあしょうがないとおっしゃるのか。ちょっと御意見を伺いたい。
○政府委員(栗原昭平君) 現実に保税工場の認可を受けて輸出をしておる人の中で、非常にまじめな人、それから先生御指摘のようにふまじめな脱法的な行為をやっておる人、いろいろあろうかと思います。私どもとしましては、この制度においてまじめに本来輸出品を製造するためにこういった保税加工をやっておる人というものが的確に保護をされ、仕事もできるという形で運用されることが望ましいわけでございまして、脱法的な行為というものをされる方がその中に入ってまいりまして、またこういう方のやっていることが各産地において問題になっておるということは私どもも聞き及んでいるところでございますので、こういったことが現実に行われないように、ひとつ、先ほど大臣も申しましたけれども、関係機関とも十分御連絡をとりまして適切な運用が行われるようなことで、私どもといたしましても輸出業者なり、あるいは関連繊維業者に対して必要な指導も行ってまいりたいと、かように存じでおる次第でございます。
○中尾辰義君 そうしますと、一遍大蔵省で保税工場として認可をしたら、もうそれはそのまま放置してあるのか。その間一遍ぐらい、脱法行為等につきましてやっておらないかどうなのか、その辺は全然監督しないわけですか。いかがですか。
○政府委員(栗原昭平君) この保税関連の手続でございますけれども、私ども通産省といたしましては、農林大臣が生糸一元化輸入の適用除外ということで認定をされますに際して、その認定を行う場合の協議を受けるということで参画をいたしておる立場でございまして、実はそれ以上のことはないわけでございますので、なかなか保税工場におきます輸出関連の実態について把握しにくい実は立場にございます。そういうことでございますので、全体を見渡して、一体どういう形であれば本当に逆流してくるようなそういう輸出というものを抑えられるのか、また、そういうケースが具体的にどこをチェックすればよろしいのか、そういったような点につきまして、ひとつ関係の役所とも十分連絡をとってまいりまして、御指摘のことについて何とかひとつ知恵を出してみたいというふうに考える次第でございます。
○中尾辰義君 これはこれ以上言いませんけれども、大体あなた、事件が出てからやるということでは遅いんですよ、大臣、これは。 次の問題に入りますけれども、二国間協定によって、わが国と韓国との間に絹織物の数量協定があるんですが、これほ現在どうなっておるのか。その辺をお伺いしたい。
○政府委員(栗原昭平君) 現在、日韓両国の間におきましては絹織物に関する二国間取り決めというものを結んでおります。それによりまして、絹織物の総体の数量についての取り決めを毎年協議して決めていくということをやっておる次第でございます。
○中尾辰義君 その中身。
○政府委員(栗原昭平君) 韓国との協定の中身でございますが、絹織物に関しましては昭和五十三年度の数字といたしましては絹織物千五十五万平方メーターという数字が協定の数量と相なっております。
○中尾辰義君 そうしますると、これは絹織物を一括して、それだけという意味でありますか。
○政府委員(栗原昭平君) 総体の数量で決められておるという趣旨でございます。
○中尾辰義君 そうすると絹織物でありますとどんなものでも、要するにその数量以内であればよろしい、こういうことですか。これがまたいろいろと問題もあるわけで、しかしあなたの方で、それは韓国との協定はそうなっておりますけれども、実際に輸入される絹織物の種類別の統計はとっていない。その辺、いかがですか。
○政府委員(栗原昭平君) 私どもといたしましては、輸入統計の細分化によりまして輸入の実態を把握するという見地から、インボイス統計という形で、輸入インボイスによりまして、たとえば絹織物につきましては和装あるいは洋反の別、それから組成の繊維別、形態別、こういった形で比較的細分した形でのインボイス統計を行っております。
○中尾辰義君 そのインボイス統計は何種類ぐらいあるのか。これはわかっておりましたら……。その主なものだけでもよろしい、数が多ければ。何種類あって、主なものはこういうものがあると。それはいかがですか。
○説明員(村田文男君) インボイス統計におきましては、繊維品全般といたしまして八十品目をとっております。これのうち絹織物につきましては、先ほど局長から申し上げましたように、組成別かつ用途別をとっておりますので、何種類——ちょっと計算がなかなかむずかしゅうございますが、通関統計に比べましてはるかに詳しい統計になっております。
○中尾辰義君 これは後でいいですから、そのインボイス統計をひとつ資料を出していただきたい。 それから、これは現地の質問でありますけれども、いまの答弁でわかったんですが、特に絹織物のしぼりというようなものは、これは輸入の総枠であれば、幾ら来てもよろしいわけですね。その点が一つと、それから、このしぼりというのがインボイス統計にあるのかどうか。それから、そのしぼりも、全部しぼったのもあれば、一部しぼりとか、そういうのもあるわけですな。その辺はどうなっておるのか。ちょっと質問が細かいですけれども、お伺いしたい。
○説明員(村田文男君) インボイス統計にはしぼりの分類もございまして、しぼりの用途等にも分けて分類いたしております。それで一部しぼりという御指摘の件、私ども具体的な実例にまだ接しておりませんが、見ておりませんが、これにつきましても、しぼりの分類に入るものと理解いたしております。
○中尾辰義君 そうしますと、絹織物全般につきましては枠があるがその枠の中でインボイス統計をとって、どういう絹織物の種類が日本に輸入されておるか、それはわかるわけですね。それに対して非常に多くて業界に迷惑かけておるようなものは、この枠内におきまして、多少の行政指導による調整等はできるわけですか、その辺いかがですか。
○説明員(村田文男君) 協定の中で枠を設けておりますのは大島つむぎだけでございます。しぼりにつきましては、いまだ業界の方からしぼりが多くて困る、そういうことで協定の中でさらに細分をしてほしいとか、あるいは行政指導をしてほしいというような具体的な要請に接しておりません。したがいまして、今後そういう事態になりますれば、その段階で検討してまいりたいと思っております。
○中尾辰義君 次に、先ほども少し申し上げましたが、生糸の価格差を悪用して、香港、マカオ、ニューヨーク等の外国に織機を設置して、和装品を生産、輸入する者はどういうような業者、商社であるか、それ、わかっておりましたら、ひとつ挙げていただきたい。こういうような大資本の大手商社によるやり方につきましては、当然これは行政指導等によってやるべきであると思うわけでありますが、この辺、大臣はどうお考えになっているのか、その辺いかがですか。
○説明員(村田文男君) 香港からは昨年約四百万平方メーターの絹織物が入っております。これの大部分はいわゆる青竹ということで大変日本の業界に影響を与えたものでございますので、昨年十一月これを事前許可制により規制するということに踏み切っております。 それから、アメリカにつきましては、いままでは非常に少なかったんでございますが、昨年の後半からふえてまいりまして、十二万平米ぐらいのものが入っております。全体から見れば少のうございますが、かなり急カーブにふえております。したがいまして、こういうものが正常な輸入なのかどうかにつきまして、いまいろいろ検討中でございます。 それから、御指摘の取扱商社の名前でございますが、これは直接規制しているものでございませんで、私ども、先ほど御指摘のインボイス統計によってこれを把握しておるわけでございまして、インボイス統計、これは事柄の性質上公にできないインボイス統計の個票でございますので、統計そのものは発表いたしますけれども、インボイス統計の個票そのものを外へ出さないという決まりになっておりますので、具体的な商社名を出すことは控えさしていただきたいと思っております。
○中尾辰義君 これは、あなたはそうおっしゃったけれども、大体新聞等にもちらほら出ておるわけですからな、私も確認したわけじゃありませんけれども、名前が出ておるのは、特にうわさに上っているのは、これは香港、マカオ、ニューヨーク、ここら辺に織機を置いているのが、蝶理ってあるでしょう、御存じでしょうな、それからグンゼだとか伊藤忠だとか、こういうことが上っておるわけなんですよ。 そこで、お伺いしたいんですが、これは日本の国内におきましては、前国会でも法案があったんですよ。織機が過剰だからそれを廃棄処分する、そのために若干景気も上向いておるわけですわな。国内におきましては、廃棄処分をやれということでやっておるわけだ、大臣。それを外国におった大商社が香港、マカオ、ニューヨークとかに織機を置いて、それをどんどん輸入しているんでしょう。しかも、その織機の廃棄処分に対しては、われわれの国費を融資するなり補助するなりしておるわけですよ。そういう点から、どうもこの問題は、これは相当考え直してもらいませんと、非常にこれは問題がある。まして、織機には登録制というのがあるでしょう。そうすると、外国につくる物は登録はない、幾らでもできるわけでしょう。そういう点につきまして、どうお考えになっているのか、その辺いかがでしょう。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は、私どもも平素から憂慮をしておる点であります。非常に問題がありますね。こちらでは設備廃棄を含む大変な構造改善事業を推進しておるというときに、外国と、これは日本の企業というよりは合弁会社でしょうね、そういう形で入ってくるわけですから。これが貿易のインバランス等によってとめようがないなどということは、大変これ、困った問題だと思っております。これは御指摘の点はよく私ども承知しております。ほかの製品にもたくさんあるわけでございまして、したがって、そういう問題を引っくるめて、どう対策するか、今後の問題として十分検討したいと思っております。
○中尾辰義君 じゃ、あとは二、三、法案につきまして同僚議員からも質問がありましたけれども、若干時間もあるようですからお伺いしたいと思います。 構造不況業種として繊維業界はオイルショック後、そういうような代名詞までとって今日まできたわけですけれども、先ほどからのお話を聞きますると、かなり市況の明るさが見えたということでありますし、この明るさが見えた点につきまして、いろんな要因があると思いますけれども、どういうような要因が重なって、こういうように若干の好転を見たのか、それと今後の見通し、それにつきましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) 現在の繊維の景況がよくなっておるという原因でございますけれども、やはり基本は繊維に関しましての需給がかなり好転をしたということがまず第一点挙げられようかと思います。これは設備の処理なりあるいは不況カルテル等による減産といったことに加えまして、やはり全体の景気の好転とともに繊維に対する需要もぼつぼつ増加し始めている、こういったことを背景に需給が好転し、在庫も減少してきておる、こういったことが市況好転の一つの大きな理由だろうかというふうに思います。さらに、それに加えまして、繊維の企業としての景況観がよくなっているということは、これはやはり収益が向上していることと結びつくわけでございますけれども、やはりこの背景といたしましては、一つには企業努力と申しますか、減量経営というようなことも挙げられましょうし、さらには原材料が円高によりましてコストが引き下げられておるというような面も当然あろうかと思います。それから、さらに全般の金利低下に伴いまして、借入金の金利支払いが減少しておるという点も、これは見逃すことができないポイントであろうかと思います。そういった点が全体として総合されまして、収益向上につながっておるというふうに考えておる次第でございます。 次に、これからの見通しいかんというお話でございますが、これは実は率直に申し上げまして、先行きについてはきわめて私ども不透明であるというふうに考えております。現時点におきまして、もちろん需給がややタイトになってきておるということはございますけれども、これが本当の意味の実需に結びついた需要の拡大であるのか、あるいは繊維特有の仮需と申しますか、そういったものがどのくらい入っておるのかというあたりのことについて、なお定かでないという点が非常に多うございます。ほかの統計を見ますと、繊維の最終需要というものは必ずしもそう大きくふえておるわけでもございませんし、一方生産の方もふえていく、あるいは輸入もそれに見合ってふえていく、こういった状況を考えますと、需給のバランスというものもいつまで現状のようなことで推移できるのかどうかかなり疑問があると思います。そういった意味で、先行きについては私どもかなり心配をしておるというのが率直な感じでございます。
○中尾辰義君 それから、外国のたとえば韓国なら韓国の賃金等もかなり上がってきたんじゃないかと、採算ベースの点から日本に対しても少し有利になったと、そういう話も聞いている。その辺どうなっておるんですかな。
○政府委員(栗原昭平君) たとえば韓国でございますけれども、日本に比べまして賃金水準が六分の一であるというような話もございます。しかし、一方韓国はかなりのインフレでございまして、毎年三割以上も賃金コストがアップしているというような実情にございまして、わが国とその辺においては非常に大きな差があるわけでございます。したがいまして、少し長い目で見た場合に、この絶対的な賃金格差がどうなるかということを判断いたしますと、やや私は縮小の方向に行くであろうという見通しを持っておりますけれども、しかしすぐにこの絶対的な格差が縮まるとも思えませんし、そういった意味ではやはり賃金格差というものは当分残ると思います。したがって、わが国といたしましては知識集約化と申しますか、高級化、多様化を図っていきながら付加価値の高いものに漸次繊維全体の需要構造、供給構造を持っていく必要があるんではないかというふうに考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 次に、綿等紡績業の設備処理につきましてお伺いしますが、綿紡界、紡績業界が需給が好転したので設備処理をこれは中止するというようなことはないのか、その辺いかがですか。
○政府委員(栗原昭平君) 綿等紡績業につきましては、現在繊維工業審議会におきまして安定基本計画を策定中でございます。内容といたしましては、現在約一千万錘でございます紡績設備の約六%を自主廃棄しようという内容でございます。 私ども将来の紡績の需給を中長期的に考えてみますと、やはり内需はそう大きく伸びない、一方、輸出は数量的に減少せざるを得ない、輸入はかなりのスピードでやはりふえざるを得ないであろう。こういった状況を考えますと、過剰度というものは当然やはり残るということが想定される次第でございまして、したがいまして、そういったことを前提に中長期の見通しのもとにおきましては、やはり過剰設備の処理というものを実施していく必要があるというふうに考えております。
○中尾辰義君 次に、景気が好転ということに伴って、産地によっては一方では古い設備を処理し、他方では新しい機械を導入するなどしていると聞いておるわけです。たとえば合繊織物の産地である石川県では、ウォータージェットルームという新鋭機を導入して増産をしている。このような傾向がずっと推移しますと、再び過剰設備の過剰生産を生むことになる。こういうように思うんですが、政府はどのように考えておるか。
○政府委員(栗原昭平君) 現在、特に合繊の産地でございます石川県等におきましてはウォータージェットルームというような新鋭設備導入がかなりのスピードで行われておるということを私ども承知いたしております。この導入状況の数字もございますけれども、こういった新鋭織機、革新織機の導入によりまして生産性は非常に上がるわけでございまして、これはそういう意味ではやはり構造改善の一環としてきわめて重要なことであるというふうに考えますけれども、一面これが仮に古い織機がそのまま残るというようなことになりますと、せっかく共同廃棄等を行っているような現在の事態においてはきわめて問題があるというふうに考えますし、また、この新鋭織機一台を入れた場合に古い織機何台をつぶすかというようなつぶし方の換算の問題も別途あると思いますし、そういった点も考えまして、私どもといたしましては、この問題については無籍織機といったようなものの発生のないような取り締まりの強化という問題とあわせまして、一体こういう新しいもの一台をつくった場合に、古いもの何台をつぶすかといったこの換算率についても、さらによく現時点で見直しを行いたい、かように考えている次第でございます。
○中尾辰義君 局長ね、あなたも御存じでしょうけれども、この織機の廃棄処分というのはいままで何遍もやったでしょう。私も商工委員会にちょっとおりましたけれども、ニクソンショックの後だとか、オイルショックの後だとかね。それで、景気が悪いとこういう話が出てくるんです。そのたびに買い上げて、あるいは融資をして多額の金を使っておるわけでしょう。これは景気がよければまたふえてくるでしょう。御存じでしょうけれども、その点をよく考慮しておやりになりませんと、これは幾ら金をつぎ込んでも足りませんよ。一体その辺どうお考えになっておるのか。 それと、これで織機廃棄処分、これは何回目ですかね。その点をお伺いしたいんですがね。
○政府委員(栗原昭平君) 先生御指摘のとおり、この廃棄は、過去におきまして、たとえば繊維の旧法時代に一遍やっております。これは昭和三十一年から三十八年の間でございますが、この間において一回。それから繊維新法時代、これは三十九年から四十一年の間にさらに一回やっております。さらに特繊法の時代におきましても行っておりますし、そういったものを数えても数回に及ぶ設備の買い上げ処理ということをやってきた歴史があるわけでございます。これは御承知のように、政府が補助金を出すなり何なりといったかっこうで政府主導型の買い上げということが過去において行われてきたわけでございます。 私どもといたしましては、現在の共同廃棄制度というのは、やはりこれは業界の自己責任で自己の判断でやってもらいたいということを強く従来とも考えてきておりまして、今回の設備の共同廃棄におきましては、業界が振興事業団の資金を借り入れて業界の判断でひとつつぶしてもらいたい、こういう制度のもとに現在の共同廃棄制度をやっておるわけでございます。 そういった意味におきまして、従前よりは私どもといたしましても改善をされた制度になっているというふうに考えておりますけれども、これの実行に当たりまして、やはり効果のあるような、再びまた無籍が発生することのないように、またこういった時代におきまして、廃棄率等によりまして、さらにまた過剰度がふえることのないようなやり方というものに十分注意をしてまいりたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 私も繊維業界をちょっちょっと回ったりしますけれども、要するにここの産地で減らしても、こっちでふえたんじゃわれわれ犠牲じゃないか、そういう声もあるわけですな。それで、国全体としてこれ考えてもらいませんと、やっぱり産地主義というのがあるわけですからな。これはそれ以上お伺いしません、時間がありませんから。 それから、先ほどからお話が、質問があったんですが、これも構造改善事業、これも今回は延長ということですが、過去今日まで余り進捗状況がよくないと、これは先ほど承りましたけれども、どういうところにこれ原因があるのか。これは命令でやるわけにはいかない、どこまでも指導でございますから、それとも法案そのものに魅力がないのか、もう一遍ちょっとお伺いしたい。
○政府委員(栗原昭平君) 過去五年間におきます構造改善が進まなかった理由でございますが、やはり第一に考えられますのが、ちょうど発足直後にオイルショックがございまして、それ以降繊維産業は非常に長い不況の期間が続いたわけでございます。しかも、その後半の時期におきましては、御承知のように円高の発生ということで非常に苦境に立ったという状況でございまして、やはり前向きの構造改善をやるだけの業界あるいは企業としての余力に乏しかったということがまず第一点あったろうかと思います。 それから、二番目に考えられますのが、やはり今回行いました構造改善というものは縦型と申しますか、異業種間連携というものを中心にいたしました知識集約化ということを中心にした構造改善でございまして、理論的な運用ということに過ぎましたために非常に使いにくい制度になっておったというようなことが一つ、いろいろ業界からの意見、要望承った際に出てきた問題でございます。この点につきましては、今回助成の制度の内容の改善なり、あるいは産元、親機を含めましての制度自体の改善といったようなことも含めまして、できるだけ使いやすいような形への改正ということを心がけている次第でございます。 そのほか、制度のPR等についても多少問題があったのではないかという反省もいたしておりまして、こういった点についても今回は十分に配意してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○中尾辰義君 これは、繊維問題には中小零細企業もあるわけですね。たとえば家庭で、狭い家の中に織機を入れて、がちゃがちゃがちゃがちゃやっている。こういう人たちも、いろいろ意見はあるでしょうけれども、どうも構造改善とか近代化とかいうようにしてもらうのはいいかしらぬけれども、私らはこの中で織機三台据えてがちゃがちゃやっていて、働きたいときに働く、寝たいときに寝ると、これでいいんですよ、そういう声も多分にあるんじゃないかと思いますよ。そういう点はいかがです。聞いていらっしゃると思いますけれども、どう考えています。
○政府委員(栗原昭平君) 繊維産業全般としても非常に零細な規模になるわけでございますが、特に家内労働的に、先生おっしゃるような形で土間に織機を置いて、あるいは撚糸機を置いて作業をするといった程度の非常に企業形態以前のようなかっこうでの繊維企業というものが非常に数多く存在するということは、私も承知しております。これはこれなりに競争力を持つという意味合いも別途あるわけでございますけれども、しかしやはり私どもといたしましては、こういった零細、小規模の企業形態の方もやはり全体としてグループの中でメリット、そういう方にもメリットのあるようなグループづくりということをやっていただけるようなことがやはり一番方向としては望ましいんではないかというような気持ちを持っておりまして、小企業は小企業なりにこういった制度も活用していただくようなことをひとつぜひ考えていただきたい、かように考えている次第であります。
○中尾辰義君 これで終わりますけれども、そこでいまグループの話が出たわけですけれども、産元と親機を構造改善事業の担い手に含め、産地におけるグループ形成を容易にしたこと、これが今度の改正案の主な問題点でありますけれども、これで多少はグループ形成もスムーズにいくと思いますけれども、これによって産元、親機が比較的優越した地位を利用して下請への支配を強めると、そういうことがないように十分に注意をする必要があるんじゃないかと思います。いかがでしょう。
○政府委員(栗原昭平君) 御指摘のとおりだというふうに私どもも考えております。グループづくりに当たりましては、全体としてグループの中の零細の方にも十分メリットが行き渡るような形でのグループづくりあるいはグループの運用ということが望ましいというふうに考えております。したがいまして、産元、親機等がその優越した地位を利用して、そういった配分についての不当な動きが出てこないような形のチェックというものを当然いたすべきであるというふうに考えておりまして、構造改善計画の承認の際あるいは承認以降におきましても必要なチェックを行いまして、場合によっては取り消し等も含めた措置も頭に置きまして、十分そういったことのないような運用に心がけたいと、かように考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 じゃ時間が来ましたので、これで終わります。
○安武洋子君 法案の一部改正が提案されておりますけれども、現行法によりまして構造改善事業、その中でも特に中小零細企業の知識集約グループの育成、これが所期の目的を達成されずに終わろうといたしております。 〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕 これはことしの六月までが構造改善の最後の機会と、こういうふうに言われていたものです。そこで、まず原点に立ち返りまして、この構造改善事業を推進することによって日本の繊維産業といううものをどのようなものにしようとしておられたのか、それが一点です。 そして、繊維産業は中小零細企業が大部分を占めております。こういう中小零細企業を主な対象としながら、中小零細企業の地位向上等をどのようにして図ろうとされていたのか。あるべき繊維中小企業、中小零細企業ですね、その中小零細企業像をどう考えておられたのか、まず基本的なところを最初にお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) ただいま御指摘がございましたように繊維産業、これは一企業当たりの従業員は十人前後ということになります。きわめて中小、零細規模の企業の多い産業でございまして、したがいまして、この構造改善に当たりましても、私どもといたしましては、これはもちろん中小企業のためだけの制度ではございませんけれども、考え方としてはその大宗を占めます中小零細企業についての制度であるということを頭に置きまして、したがいまして、その制度もたとえば中小企業振興事業団といったところに一番のメリットがありますような制度を中心に組み立てておるという次第でございます。これらにつきまして、今回さらに改善、充実を内容として図っておるわけでございますが、特にこのうち零細な方に対する配慮といたしましては、一般の異業種間連携に伴いますグループ化の援助以外に、そういった異業種間連携の基準なしに小さい方が単純に集まられた場合でも助成の対象になりますような施設共同化事業という制度を考えておりまして、この制度についてもさらに要件を緩和する等の措置を今回とっておりますけれども、そういった形で、特に零細の方にもまず設備の近代化等を図っていただける、そして、ある程度そういった方が力をつけていただいた段階で、さらに一般の正式のグループ化に踏み切っていただく、こういった形での構造改善というものを考えておる次第でございます。まあ全体としての数量的な位置づけということは、これはなかなか困難でございまして、想定はいたしておりませんけれども、私どもとしては、その大宗を占めます中小零細企業について主として頭を置いて助成策その他についても考えておるという次第でございます。
○安武洋子君 抜けておりますが……。日本の繊維産業というものをどういうふうにしようとしておられたのかということ、現行法で。
○政府委員(栗原昭平君) わが国の繊維産業の発展の歴史を考えてみますと、御承知のように二つ特色があろうかと思います。一つは、糸、綿といいますか、天然繊維については特に紡績段階——糸の段階でございます、こういったところに非常に頭でっかちの形で成立をしていた。それから、新しく出てきました合繊産業につきましても、この綿の段階の設備能力が非常に大きいという意味で、やはり頭でっかちの形になっております。そういった形態でございまして、さらに輸出に対する依存度がきわめて高かったということでございます。これからのわが国の繊維産業を考えてみた場合に、そういった量的な輸出だけを頭に置いた繊維産業というものは、やはり生存がだんだん困難になっていくというふうに考えますし、やはりできるだけ付加価値の高い、バランスのとれた、川上だけでなくて川中、川下についても、十分幅のある形での繊維産業というものに全体を移り変わっていかないと、わが国の繊維産業としてはなかなかこれから中進国等の追い上げにも対抗できないというふうに考えておりまして、そういった全体の流れを進めるためにも、知識集約化と申しますか、製品を高級化し、多様化し、高付加価値化する、こういった形での構造改善というものを進めていく必要があるのではないかと、かように考えておる次第でございます。
○安武洋子君 一九七六年十二月に繊工審の提言が出されております。繊維産地の大部分を占めております中小零細企業だけではなかなか構造改善が進まない、やはり商社や産元の持つ商品企画力を活用しよう、こういうふうな方向転換をされているんではないかと思います。構造改善の進め方の発想、考え方の転換を図らなければならなくなった背景というのは、一体どういうことをお考えなのでしょうか。また、この提言を受けて、通産省はどういう措置を講じてこられたのでしょうか。そういう点をお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) まず第一点の、産元、親機等の関連のことでございますが、一つは、現在の構造改善のやり方におきまして、とかくやはり地域の実態なり、業種、業態に即さないような形での構造改善のやり方が中心ではないかという御批判をかねていただいておりまして、そういった意味におきましてもう少し実情に即した構造改善ができるような、そういうことを考えよという御指摘が各方面から非常に強かったということがまず第一でございます。それにこたえるために、産元、親機等を含めた構造改善グループも、一定要件のもとには構造改善の対象にし得るという今回の改正の一つのポイントが出てきた背景があるわけでございますが、いま一つ、この背景といたしましては、やはりそういった産元、親機を含めたグループというものは、現在産地におきまして非常に多い賃機形態の方もそのグループの中で応分のメリットを受けられるようなグループづくりということがその中でできるんではなかろうかと、こういう意味合いも含めまして産元、親機を今回政策の対象にし得るような改正を考えたわけでございます。これは御指摘のように五十一年提言にも触れられておりますし、今回の五十三年十一月の繊工審・産構審の答申の際にも十分検討をしていただきまして、こういった方向でひとつ改正を行ってはどうかという御指摘をいただいたところでございます。
○安武洋子君 私は、提言以来発想の転換、すなわち商社とか産元の商品の企画力とかあるいは情報の収集力、それから販売力、こういうものを活用しようという考え方はずっと貫かれてきていると思うんです。昨年の繊工審・産構審答申、これを拝見しますと、中堅、大企業を積極的に活用していくのも有効な方法である、こういうふうにされております。四十八年の答申と比べてみますと、中小零細、これが消えまして、中堅、大企業、これが非常に目につくわけです。何といっても私はここに発想の一つの転換があると思うわけですけれども、一体今回の改正、まあ産元とか親機を実施主体に加えるということによって、この構造改善事業が一体どれぐらい促進されていくのかというふうにお考えなんでしょうか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) 数字的に申し上げますのは非常に困難でございますけれども、この産元、親機を入れることの効果でございますけれども、現在、産地におきます機屋さんの約六割が賃機形態をとっておるという統計がございます。全体の六割を占める方が実際問題としてこの産元なり親機の賃加工という形で仕事をしておられるということでございまして、この六割をカバーする産元、親機について適切な構造改善グループづくりというものが行われますれば、私どもとしてはかなりの前進になるんではないかと、かように考えておる次第でございます。
○安武洋子君 私はね、効果の上がるものでありさえすればと、これは提言に書いてございますけれども、こういう発想というのはどうもいただけないと思うんです。合繊の大手メーカー、商社の力を活用できる中小零細業者があるのかどうかという点が一つ疑問です。それから、やはり原点に返りまして、織布とか染色整理業とか、こういうのは中小企業の人が多いわけですけれども、こういう織布とか染色整理業の中小企業の振興、こういうものをやはり基本にすべきではないかというふうに考えるわけなんです。こういう中小零細企業の繁栄がなくては私は構造改善、これはまたまた産地の中小零細企業というのが大きな商社の食い物にされてしまう、企業の食い物にされてしまう、そういう危険性が大変高いと思うわけなんです。ですから、私はこの、効果の上がるものでありさえすればという、こういう発想というのはどうにもこれはいただけない、こういうふうに思うわけですけれども、これはひとつ大臣の考え方をお伺いいたしとうございます。
○国務大臣(江崎真澄君) もとより零細企業の多い繊維産業であります。大手企業ももとよりありますが、この対策はやはり中小企業、零細企業に均てんすることが私どもとしても一番望ましい、これをどう今後新たな方向に持っていくかということが重点であるというふうに考えております。いまの御指摘の点については十分配慮しながら今後の対策をとっていきたいと思います。
○安武洋子君 御答弁が一つ抜けたんですけれども、やっぱり合繊の大手メーカーとか商社とか、そういう力を本当に活用していけるような中小零細業者が本当にあるのかどうかという点を、非常に私は疑問に思うわけなんです。 それで、これは後で御答弁を一緒にいただくということにいたしまして、次、実際問題のことをちょっとお伺いいたしますけれども、現行法に基づいて構造改善グループ、まあ大臣の承認を受けて事業を行っているものはこれは五十六でございますね。その他に承認を受けていながらその後事業をやめたグループがあると思うんです。その事例と事業をやめた理由、これを簡単に説明していただきたいんです。先ほどのとつけ加えて、いまの分を御答弁いただきます。
○政府委員(栗原昭平君) まず、いまお尋ねの構造改善計画の承認を受けた後やめたような事例ということでございますが、数字といたしまして現存するもの五十六グループでございますが、それ以外に中途で構造改善事業の中止、計画の承認取り消しということを行った事例が現在までに三件ございます。これらについては、当該グループがみずから独自の立場で計画を実施したいということで取り下げを表明してきたものが一件、それから有力構成員の経営破綻等によりまして事業の継続が困難になったものが二件、こういう内容に相なっております。 それから、先ほどのお尋ねに関連しての化合繊メーカーと大企業とのつながりの話でございますが、現状を考えてみますと、大企業といえども産地におきますいい機屋さんをできるだけ多く関係を持ちたいということは非常に強い希望としてあるわけでございまして、そういった意味におきまして中小企業の機屋さんが大企業のグループの中でいろいろうまくやっておられるという事例もかなり実際問題としてあるわけでございます。これは構造改善グループとは別の問題としてひとつ現実に動いておる実態だと思いますけれども、私どもとしましてはそういった形も当然あり得る。それから、この構造改善グループの中でそういったことが行われるということもあながち否定する必要はないのではないか。ただし、その場合には大企業が優越した地位を利用して不当なことをやるというチェックだけは十分やらざるを得ない、こういう立場で対処をいたしたいと考えております。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと、さっき私への御質問でしたから補足しますが、私も繊維地帯の出身ですからある程度よく現実を知っておるつもりでございますが、やはり大手企業も下請ないし協力工場にいい企業を持ちたい、これはいま局長が言ったとおりでございます。したがって、今後グループが直接関係がなくっても、グループとしてやはり大手メーカーのいろんな情報それから技術、そういった面に十分教えを受けられるような雰囲気づくりをしていくことは、やっぱりこれ行政指導として非常に大切なことだと思います。大手企業に対してそういった指導をしていくこと、これは構造改善という大目的の前にはやはり大手といい中小企業といい同じような目的があるわけですから、日本の全体のレベルをアップするという意味で、十分ひとつ通産省側としても配慮をしていきたいというふうに考えております。
○安武洋子君 いまのような御答弁の行政指導をぜひしていただかなければいけないことがあるので、私はいまの御質問を申し上げたわけなんです。いま事例を、何件途中でグループづくりをやめたのがあるかということをお伺いいたしましたが、その中の一つはエリモ事業協同組合だろうと思います。そして、名前はお挙げになりませんでしたけれども、これは中核企業である染色の市新が倒産したということでグループが立ち行かなくなったというふうに承知をいたしております。 そこで、お伺いいたしますが、この市新と申しますのは、社長、専務これが六七%の株を保有いたしております。主要な取引先は商社である三陽が九〇%、それから丸紅が一〇%でございます。三陽という商社は、これは市新の社長が副社長でございます。専務が監査役をやっております。三陽の筆頭株主は丸紅です。役員には丸紅の常務取締役が三陽の常務をやっている。また、監査役にも丸紅の常務が入っておられます。そのほか役員にも丸紅の出身者が入っているわけです。資金面から見てみましても、人的な関係から見てみましても、取引関係から見てみましても、丸紅、三陽、市新というのはこれは非常に密接な関係があるわけなんです。この市新が突然五十二年の二月に事業閉鎖をいたしております。五十三年七月に破産宣告をしております。この破産宣告を受けるということになって、そこで構造改善グループが中止になったわけです。この間の事情は全く不可解としか言いようがございません。構造改善グループというのは、大臣の承認を得るには都道府県段階の審査を経る必要があるわけです。そういう承認を受けて、しかも政府融資を受けたグループでさえ、商社は倒産させるということを私は申し上げたいんです。この自己破産宣告をめぐりまして、現在大阪府の地労委で審理が行われているわけですけれども、これは私どもの市川議員がこの前のときに質問をいたしております。で、このときは、市新が構造改善グループの中に入っているというふうなことについては触れていないわけですけれども、この構造改善グループの一員である市新、この問題につきまして市川議員がこれを御質問申し上げたときには、推移を見守りたいというふうなことを申しておられますが、私はいま推移を見守るというふうな段階ではないと思うのです。先ほども私が申し上げましたように、これは大臣の承認を得て、そして大臣の承認を得るには都道府県段階の審査を得る必要があるわけなんです。こういう承認を受けてしかも政府の融資を受けている、こういうグループでも商社は倒産をさせてしまう。丸紅とかこういう三陽ですね、これはぴったり市新と非常に密接な関係がある。 こういうことになりますと、私は市川質問のときには推移を見守りたいとこういうことでございましたが、そういう段階ではないと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(赤川邦雄君) 構造改善事業でございますところのエリモ事業協同組合の認可の取り消しの原因が、その有力メンバーでございますところの市新の工場閉鎖であるということは事実でございます。そして、なぜ市新が工場閉鎖をしたかにつきましては、オイルショックによりまするさらし染加工の需要減退に関連しまして捺染に転換したと、その結果それがうまくいかずに、捺染に転換したけれども捺染の需要の減退によって事業の廃止を行ったというのも事実でございます。ところが、それが非常に市新の、この企業が三陽及び丸紅と関連が深いということで、不当労働行為であるというふうな申し立てがございまして、それに関連いたしまして大阪の地方労働委員会がただいま審理中であるということでございます。したがいまして、その大阪の地方労働委員会の審理中の案件につきましては、その不当労働行為につきましては当面この推移を注目したいというわけでございます。
○安武洋子君 私は、労使の問題について申し上げてはおりません。商社のこの構造改善グループ、その市新ですね、この市新は企業の再開につきましては、これは三陽、丸紅の役割、責任がはっきりしているわけであります。これ市川質問もう一度申し上げてもよろしゅうございますが、この時点では構造改善グループの一員であるということには触れておりませんけれども、ここのところでは債権のほとんどは丸紅、三陽、そして労組のこの三者が合意いたしますと再開は容易だと、丸紅に対して市新の企業再開のための強力な適切な指導ということで、これは大臣にもお願いをいたしております。市新の企業再開については、この三陽と丸紅、ここが本当にやるというふうになればいいわけなんです。しかし、これは大阪の地労委のあっせんにも両者とも責任者も出さずに不誠実な態度をとっております。そして市新再開のかぎは丸紅、三陽の態度いかんにかかっている、大阪の地労委は和解あっぜんを打ち切っているじゃありませんか。ですから、いまただ推移を見守っているというふうなことでは困るわけなんです。市新の倒産の理由がないということ、もうこの前のときに市川委員は指摘をいたしております。しかも商社の一存で、こういうふうに大臣の承認を受けて構改事業、これをやっている、そういう中核の市新を倒して、やはり企業というのはもう構改事業、このグループ全体をつぶしてしまうというふうなことを平気でやるわけなんですね。私はここに問題があるというふうに思っているわけなんです。こういう問題を単に労使の問題として対処をしてもらっては困るわけです。こういう点をどういうふうにお考えでしょうか。やはり市川議員が申し上げたように、丸紅に対して企業再開のための努力を通産省としても強く要請すべきだというふうに思いますが、いかがでございますか。
○説明員(赤川邦雄君) 構造改善グループの取り消しの原因が、その組合員でございますところの市新の組合脱退にあったというのは事実でございます。そして、組合脱退の理由が市新の工場閉鎖でございまして、その点も事実でございます。ところが、工場閉鎖の理由につきましては、需要減退に伴ってうまくいかないという観点から市新は工場閉鎖を行ったということに対しまして、労働組合はそうじゃない、大企業、大商社によるところの組合つぶしであるという点で、不当労働行為として提訴しているということでございます。したがいまして、その点につきましては、不当労働行為の問題につきましては、大阪地方労働委員会の審理にまちたいということでございます。
○安武洋子君 だから、商社活動としてどうなんだということを私、申し上げている。労使の問題は地労委のいまのあっぜんの問題で、それは労使の問題なんです。私はこういう企業活動としてどうなんだと、丸紅に対してこういうふうに企業再開のための適切な指導をしなくちゃだめですよと、先ほどから私が申し上げているのは、構造改善グループの、いま構造改善の問題を進めているんですけれども、合繊の大手メーカーとか商社の力、これを活用できるような中小零細企業があるのかということを言ったわけです。そうすると、大臣の方からでしたでしょうか、下請にいいところを持ちたいというのはやっぱり大きな企業の望みであると、そして下請もまた大企業からいい情報とか、そういうものをもらえるような、そういう雰囲気づくりをしていくような行政指導をしなくちゃいけない、こう御答弁があったわけなんです。ところが、そうでない例がここにありますよと、この市新というのは、丸紅が企業を再開させろというふうに思うと企業の再開ができるんですよということを申し上げているわけです。しかも構改、これを進めてきたわけです、大臣の承認を受けて。その中でこういう不当なことが行われているから私は問題にしています。市新は企業閉鎖の直前の五年間にわたって二十五億円の設備投資を行っております。そして、染色業界でも最先端を行く設備になっています。また、公害防止についても優秀な設備を備えております。したがって、企業閉鎖になるような状態では本来なかった。これは前のときにも市川議員も申し上げておりますけれども、私も重ねて申し上げたいんです。いま二年たっておりますけれども、設備には油も差すあるいは覆いもかけてちゃんと保安もやっている。いつでも操業再開して稼働できる、そういう状態になっているんです。そして債権のほとんどが丸紅、三陽、こういうところが持っている。それで労働組合と三者が合意すれば企業の再開は容易なんだと、こういう状態が出ておりますよと、だから今後こういうふうな構造改善を進めると。大臣に御答弁いただきましたけれども、これに沿ったような指導をいましていただかなくちゃいけないんじゃありませんかということを御質問申し上げております。大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 私も現実に細かいことはよく知りませんが、お話を承る範囲ではどういうことであろうか、はなはだ疑問に思うわけです。何かほかに、いまお示しのなかったような点で、再開に至らないような難問題でもあるのではなかろうか。労働組合とうまくいっておれば、これ、何よりなことですが、そういう点で何か経営者側とのギャップ、また親企業とのギャップ、何かトラブルがあるのではなかろうかなというようなことを思いながら承っておるんですが、実情に即しましてよく調査をいたします。
○安武洋子君 これは市川議員のときも大臣からそういう御答弁をいただいておりますので、そのときは、こういう構造改善のグループに参加しているということは申し上げておりませんけれども、一般的な商社活動、これはどんなことを商社、大企業はしてもいいよということではなくて、やはり社会的な一つの規制があるわけなんです。ですから、そういう活動として、市川議員も申し上げ、大臣もそのときに調査をして適切な処置をしようというお約束をいただいておりますので、急いでやはりおやりいただきとうございます。
○国務大臣(江崎真澄君) わかりました。
○安武洋子君 これは二月の十五日でございますので、ひとつぜひもう一度お願いいたします。
○国務大臣(江崎真澄君) よくわかりました。
○安武洋子君 いま申し上げましたのは、一つの例を申し上げたんです。やっぱり産元等が構造改善グループに加えられることになりますけれども、大企業の行動には時としてやはりいま申し上げたようなことがあるというふうなことなんです。それでやはり利用されるだけと、中小零細企業は、というふうなことが起こらないように、私はこの商社とか大企業などに、参加してくるという問題につきましては厳しいチェックが必要だと思う。チェックはする、するというふうに先ほどから同僚議員には御答弁でございます。しかし、どういうチェックの仕方をなさるのかという具体性はございませんので、そこのところをひとつお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) 具体的なチェックのやり方でございますが、まず計画承認の段階におきましては、これは各都道府県あるいは通産局に置かれます指導援助委員会の場におきまして、この構造改善計画の内容の一つといたしまして計画の実施者について記載した書類というものを提出させることにいたしております。この中で、産元等と賃加工業者との取引関係、資本関係、こういったものを十分把握するということをいたしまして、こういった実態把握を前提といたしまして計画承認の段階においてチェックをするということを考えております。 なお、この場合の計画承認の承認基準でございますけれども、これは基本指針の中で繊維事業者は小規模事業者と共同事業を実施するに当たっては、小規模事業者に過重な負担を課することのないよう特に配慮するものとするということが決められておりますので、系列支配等、こういった方針に沿わない計画については承認をしないという立場で厳重にチェックをいたしたいと思っております。 さらに、承認後におきましての問題でございますが、運用におきましてこういった方針に沿わない事態を生じました場合には、法律の八条の規定に基づきまして大臣が指導助言を行うという道もございますし、さらに五条二項の規定に基づきまして計画の承認を取り消すという形のチェックもございますので、そういったことも頭に置きまして必要なチェックを行いたい、かように考えております。
○安武洋子君 産元とそれから産地、それから商社と合繊メーカーの関係についてお伺いいたしますが、今回の法改正によりまして、産元、親機、これが事業主体に加えられるわけでございますけれども、産元のどういう機能を生かしてグループ化の促進をしようとなさっていらっしゃるのか、産元の本当にどういう機能を生かされようとなさっているのかということを御質問申し上げます。
○政府委員(栗原昭平君) 産元につきましては、あるいは親機につきましては特にこの構造改善におきまして着目する点は、この情報収集機能なり商品開発機能といった点に着目をまずいたしたい、これが知識集約化をねらいといたしますこの構造改善のねらいに即したものであるという前提におきまして構造改善グループの一員としての産元、親機というものの活用につながるものではないかと考えております。もちろんこの産元、親機につきましては、単に注文を出すというだけの立場の人ではなくて、実質的な生産活動と申しますか、製造または加工の委託の事業を原料等の支給を行ってやるものと、こういった形の産元、親機等に限ると、こういう内容で私どもとしては考えておる次第でございます。
○安武洋子君 産元といいますのは、産地に対しまして大変大きな影響力を持っております。石川の産地では先ほど御答弁なさっておられましたけれども、約六〇%が産元の系列下にあるというふうなお話でございました。私ども実際に聞きますと、実際は九〇%ぐらいだろうというふうに言っております。播州では通産省の産地調査、これを拝見いたしますと、産地内の生産発注のほとんどが産元商社を経由していると、こういうふうになっております。全国で賃機の比率といいますのは六〇%ぐらいと、こういうふうに言われておりますけれども、産元や商社はこれらの賃機にどれぐらい発注しているものなんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 非常に明確な資料ではございませんけれども、私どもの承知しているところでは、この賃織り、平均約六〇%の賃織りのうち産元商社からの委託にかかわる分というものは、これは毛織物はちょっと別といたしまして、これは親機からの委託が非常に多いものがございますので、毛織物を別といたしますと、産元商社からの委託というのは約七〇%前後というふうに考えております。
○安武洋子君 産元は商社とか合繊メーカーとかこういうところで取引上に密接な関係がございます。それから、通産省の調査でも産地によりましては大手商社の支店が産元の役割りを果たす、そして地場の産元といいますのはその下請になっていると、こういう例もございます。 それから、輸出の多いところでは産地全体——全体と言っていいほどですね、輸出商社の下請になってしまっていると、こういうところもあります。産元は原糸メーカーとも当然のことながら取引があり密接な関係であるというふうにもなります。こういう産元が構造改善グループを形成することになるわけですけれども、単純に生産と流通の協調とだけは私は言っておれないんではないかと、こういうふうな非常に産元というのは商社とか合繊メーカーとか密接な取引関係にもありますし、非常に大きな影響力を持っているというふうなことになりますと、いろんな私がいま申し上げたような形態もあるわけです。ですから、生産と流通の協調と、そんなのんきなことだけは言っておれない事態が起こるのではないかというふうに危倶をいたしますけれども、この点いかがお考えでございますか。
○政府委員(栗原昭平君) この産元の機能、果たすべき役割りにつきましては、産地によってさまざま、いま幾つかの御事例がありましたけれども、さまざまでございますが、まあ私どもこの産元、日本全国で約九百六十ぐらいあるんだろうというふうに思いますが、そのうちいわゆる大企業と言われるようなものは二十程度ということでございまして、まあ比較的大企業である産元というのは数が少ないわけでございますが、まあ、いずれにしましてもかなり大きなウエートを占め、優越した地位というものを持っておる企業も多いわけでございますので、そういった立場の中で具体的な構造改善グループづくりというものは、特定の企業のそういった支配力の強化に役立つというだけのものに終わらないような、全体としての運用というものをやはり私どもとしても心がけていきたいと、かように考えております。
○安武洋子君 そう望みたいわけなんですが、そして私も産元とか商社の現実を全部否定するものではございませんけれども、しかし以前から日本化学繊維協会ですか、ここでは構造改善に対しまして親企業、子会社が入った集約化が認められないのは現実的でないと、こういう態度を再三表明なさっておられます。それからまた、通産省の産地調査でも化学繊維協会ですね、ここは構造改善が進捗しない理由、問題点を挙げておられますけれども、資本金十五億超の企業並びにそのダミーをグループ内に含むものは助成対象から外していることとか、あるいは産元、商社が中心となるグループが助成の対象外になっている、こういうことなどを挙げておられるわけです。それから、日本紡績協会も大・中堅企業の下請系列的な企業グループも助成の対象になっていない、このことが制度運用上の問題というふうに挙げておられます。力の強い大手メーカーからは以前からこういう声が上がっているわけです。ダミーも入りにくいとか下請系列的な企業も入りにくいと、しかし何としてでも参加したいというふうなことなんです。当面、大手メーカーや商社が直接入ることは考えられないけれども、何らかの形で入ろうとしているというふうな動きがずうっとあったこと、これはこういうことからもうかがえることなんです。商社、大手メーカーはアパレル産業への進出とかファッション化とか高級化、これを目指して、これまでも産地が築き上げてきた技術とか施設とか、こういうものを利用して自分たちの利益目的のために産地内の産元とか各業種、これを再編成しようとなさっているわけです。こういう大手メーカーとか商社の行動にどのように本当に対処なさっていくのか、中小零細企業の経営はこういう中で本当に守られていくのかというふうなことを私お伺いいたしとうございます。
○政府委員(栗原昭平君) 現在の構造改善制度の中におきまして、いわゆる大企業が入った場合にその助成の内容というものがどうなるかということでございますが、その当該大企業に直接メリットのあるような制度には余りなっておらないというのは御承知のとおりでございます。主たる助成の対象というのはやはり振興事業団を通じますこの非常にきわめて低利な融資というものが中心になっておりまして、当該大企業については開銀等の助成というものもありますけれども、これは現在の金利体系の中でそれほど大きなメリットがあるものではございません。そういう意味におきまして、私どもは仮に大企業が入ったグループがつくられた場合を想定いたしましても、メリットを受けるのは中小企業がメリットを受けるという制度になっておりまして、そういった意味におきまして中小企業に十分のメリットのいくようなグループ形成というものでありますれば、これは大企業が仮に入っておりましても全体としてそれが知識集約化に役立つようなグループづくりであれば、これはやはり推進すべきであろうと、こういった立場でおります。ただ、先ほどから申しておりますように、こういった大企業の優越した地位利用ということによります支配力の強化というものが行き過ぎないように、そういうチェック、歯どめというものは、これはぜひとも必要でありますし、そういった体制はとるつもりでおります。
○安武洋子君 いまの問題の旦一体例を申し上げとうございますが、ジョーゼットというのはいまや日本の誇るファッションの主流の位置を占めるようになっております。薄地のジョーゼットといいますのは輸出も伸ばしております。しかし、そのほとんどを生産しておりますのは、これは先ほど出ておりました北陸産地でございますが、これはいまフル稼働をいたしております。合繊メーカー、商社がここに入り込みまして、産元それから機屋の獲得それから設備投資競争、これをいま繰り広げております。川上が川中とか川下をどう自分の手中におさめていくかというふうなことで、高付加価値商品戦略、この中で産地の中に自分の生産力をどう伸ばしていくか、どう自分の生産力を確保するかというふうなことで懸命になっているというのが実態なんです。合繊メーカーは、傘下の機屋の財務状況とか技術力とか、こういうのを見ながらジェットルームを導入していると。そしてそのシェアも東レが四〇%、帝人が二〇%、旭化成が一二%、東洋紡が八%、こういうふうになっているわけです。これは資金面だけではございません。安定した原糸の供給が必要であるからこういうふうになっていくというふうなことなんです。この中で資金面、ジェットルーム、これは償却するというふうになるにはこの受注を確保する。ジェットルームなんかは償却していく。この受注を確保しようと思えば大変なことなんですけれども、それだけの力を持つ機屋ということになりますと、限られてくるということで、機屋の中でも格差が大きくなるというふうな状態も生み出しているわけです。こういういわば無原則的なジェットの導入で、非常にこの産地の中に不安定な要素が生まれているわけなんです。ジェット導入がふえればふえるほど当然工賃も下がるということは、これは目に見えております。それから、償却のためにはメーカーの指示どおりの仕事もしなければならないというふうになります。しかも、原糸メーカーの設備処理減産というふうなことで供給不足も見込まれる、こういうふうになりますと、発注がカットされますと、その分は産元、商社に頼らざるを得ない、こういうことで機屋は産元とかメーカーに生殺与奪権を握られているというかっこうになるわけです。またこのジェットといいますのは、韓国とか台湾にもいま大量に輸出をされている、こういうふうな製品の違いはありますけれども、こういうふうになりますと、また逆輸入という問題も起こってくるわけです。ですから、過剰供給は避けられないという見通しもあるわけです。こういう大手合繊メーカーの川中とか川下への進出、またいつもの混乱を起こしていくというふうな可能性を秘めているわけです。設備廃棄事業も進展が危ぶまれるというふうな状態があって、いま好転だ好転だと言われている中身というのは、実にこういう先ほども不透明だとおっしゃいましたけれども、不安定要素をいっぱい含んでいるということなんですね。ですから、私は先ほどから御答弁ございますけれども、大手メーカーとか商社の行動を厳重に本当にチェックしなければいけないと思うわけなんです。こういう問題について、一体どのように本当にいまの具体的な問題挙げておりますので、こういう問題についても、本当に具体的にどう大商社、それからメーカー、チェックなさろうとされるのかというふうなことを私はお伺いいたしとうございます。
○政府委員(栗原昭平君) 特に、北陸産地におきまして、ただいまお話のジョーゼットブームというものが起きております。これの背景を考えてみますと、やはり合繊メーカーにとりまして、糸なり綿なりという付加価値のない輸出なりなんなりでは、とても赤字でやつでいけない。やはり、どうしてもこれをつぶしまして、付加価値の高い商品に切りかえていくということが、これからの進むべき道であると。これはまあ私どもも当然川上の頭でっかちの態勢というものを少しずつならしていくと、川中なり川下なりの体質を強化していくと、こういう姿になっていくことは望ましいと思いますし、まあジョーゼットというのはそういう知識集約化商品の最近における一つの典型的な例だというふうに思いますけれども、そういった形で、合繊メーカー自体も付加価値の高いものに切りかわっていくという中での一つの現象であろうというふうに思っております。その企業としての戦略というものは、御指摘のようにいろいろあろうかと思いますけれども、現実に産地の機屋さんの立場からしますと、加工賃は非常に高い水準になっておりまして、これは合繊メーカーのスペース獲得競争というものが、やはり非常に熾烈になっております。まあ現在のところは受注も満杯ということで非常に潤っておるという状況だろうかと思います。したがいまして、私どもといたしましてはこういった状況というものが少しでも長く続くようなことをやはり考えざるを得ない、これが一番合繊メーカーにとっても、またその下請である機屋さんにとってもメリットのあることであろうというふうに考えておりまして、実は合繊不況カルテルを廃止しましたけれども、その後の大きな混乱のないようにということを配慮しておりますのも、やはりそういう機屋さんの段階での大きな混乱があることが非常に問題であるということを念頭に置いておるわけでございまして、まず全体の需給の中で大きな混乱が生じないようにするということが一つあろうかと思います。また、仮に不幸にいたしましてそういう問題が生ずるような場合には、これは昭和四十年不況といったような段階で機屋さんが非常に大騒ぎになったわけでございまして、そういったことにならないように注意いたしたいとは思いますけれども、そういった問題、仮に生ずるようなことがあれば、その中におきまして通産省としては当然しかるべき措置をとらざるを得ない、かように考えている次第でございます。
○安武洋子君 いまの状況が長く続くようにと、うんとおっしゃいましたけれども、私が御質問申し上げたのは、いまの状況は非常に不安定要素が多くて長く続かない、混乱を起こすと、そのための歯どめをどうなさいますかということを私は御質問申し上げたつもりです。 それでさらに、それも含めて御答弁いただきたいんですが、質問を進めますが、大手合繊メーカーとか商社と申しますのは、編み物、それから染色、織物の各分野で二次の加工とかアパレルに進出して、知識集約化、高級化、ファッション化、こういうことで各分野で激しい競争を展開しております。私は産元もこの例外でないと思うんです。原糸メーカーのこのような動きの中で、産元がいま岐路に立たされております。と申しますのは、現に整理淘汰は進んでおりますけれども、合繊メーカーは、産元を産地の二極分化体制推進の中核というふうにしようとしているわけです。大手メーカーの方針に基づいて生産されております差別化素材を本当に使いこなす、それから高付加価値品をつくり出す産元になる、こういうことは合繊メーカーの代理者として、中小の機屋のオルガナイザーとしての道を進むのか、あるいはコンバーターとして自主生産、自主販売を目指すのか選択せよと、こう迫られているというふうに思うわけなんです。繊維の加工部門、流通部門に進出するコンバーターの機能といっても、もうすでに原糸メーカーが進出していま余地がございません。具体的な例を申し上げとうございますが、時間の関係で省略いたしますけれど、これは御存じであろうと思います。私、一つ例を挙げますけれども、播州の産元の例を挙げてみますと、資本金規模、従業員規模で見てみますと、これは千差万別なんです。小さい産元といいますのは、従業員五人から十五、六人、資本金も百万円から五百万円、大きいところでは従業員百人以上で資本金が九千七百万円とか八千五百万円、非常に格差があるわけなんです。 〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕 で、産元が繊維工業の中に位置づけられるのは結構なことなんですけれども、商社や大手メーカーのねらいというのは私は明らかだと思うのです。これまでもそうでございますけれども、産元の系列化が一層進んで、産地がますます商社やメーカーのまる抱えになってしまうというふうに思うのです。構造改善を実施する適格性のチェックだけでは大企業の不当な支配が食いとめられないというふうに思います。大企業の不当な支配につながらないようにと、答申には書いてございますけれども、不当な支配につながらないようにと、具体的にどういうふうな措置をなさるのか、先ほどから非常にいろいろお答えでございますけれども、私が具体的な例を挙げておりますけれども、本当にそういう問題に対してはこういう措置を講じていくんだという、もう一つ具体性に欠けた御答弁しかいただけていないので、いまこういう例を挙げましたが、その点を御質問申し上げます。
○政府委員(栗原昭平君) 先ほどもお答えしたところでございますけれども、なかなか具体的なケースに即しませんと、具体的な解決の案というものを申し上げにくいわけでございますが、いずれにいたしましてもグループである小規模企業者に過重な負担を課することのないような配慮というものを念頭に置きまして、グループの中におきまして適正なメリットを賃加工業者、小規模企業者が受けられるような、そういった形でのチェックというものを承認段階、あるいは承認以降の運用の段階においても必要なチェックを行ってまいりたいと、かように考える次第でございます。
○安武洋子君 さらに、もう一点お伺いいたしますけれども、播州の産地では産地内の生産とかそれから発注のほとんどが産元商社を経由しているのが実情であるということは御存じであろうと思います。播州では五つの組合が中心になって構造改善を行っておりまして、それなりの効果は上がっているわけなんです。ここに、今度の法改正によりまして産元を主体とするグループ形成をするということが可能になるわけです。整経とかのりづけとか織布とか染色と整理、こういうものが一体となっていままで構造改善を行ってきたわけなんですけれども、産元を中心として整経とか染色とか織布とかと、個別の企業をピックアップするというふうなことで新たなグループというものがつくられる可能性があるわけです。いわば産地としてまとまりを持って産地組合をつくっている中に、産元別に縦割りのグループができるということがあるわけなんです。こういうことは、他の産地でもグループづくりの方法はいろいろとありましょうけれども、こういう問題が出てくるのではないかと予想をされるわけです。せっかく苦労をして産地組合を運営して、これまで構造改善事業をやってきたのに、産元グループごとに分断されてしまう、こういう危険性というのがこれで私は出てくるのではないかと思うんです。これではいままで苦労してきた産地組合の役割りを軽視することにもなりますし、それからまた、それに組み込まれております賃機などの工賃なども厳しい条件に追い込まれてしまうというふうなことにもなりますし、これまで進めてきた構造改善との関係、これの問題については一体どう対処をなさるのかというこの点をお伺いいたします。
○政府委員(栗原昭平君) いま挙げられました播州産地の構造改善は、御指摘のように五つの工業組合が一体になりまして構造改善を行っておるという非常に産地ぐるみの珍しい例かと思います。この中で新しい産元グループ等が新しく構改グループを結成するというような場合の考え方でございますけれども、一つの考え方といたしましては、現在のこの五組合からなります構改事業の中に産元も入っていただくというかっこうは一つあり得るかと思います。これはそれなりに問題はないやり方であろうかと思いますが、いま一つの方法といたしましては、産元が新しく組合をつくる場合でございますけれども、この場合には、現状の五つの組合の構改事業というのは商品開発セーターをつくり、共同施設をつくるといった形での集約化事業を行っているわけでございますが、やっておらない構改事業もあるわけでございます。これはたとえば設備リースといったような事業はやっておらないということでございますので、仮に新しい産元のグループが構改を行うような場合には、いまある組合の構改事業というものを補完するようなかっこうで、施設をつくるにしましても仮に現在あるものと重複しないようなやり方でやりますとか、あるいは事業を行うに当たりましても、いまやっておらない設備リース事業をやるとか、そういった形で全体として補完できるような、産地としては重複のないような形での構改グループづくりというものも考えられるのではないかと、かように存ずる次第でございます。
○安武洋子君 大手合繊メーカーとか商社は高付加価値、それからファッション化ということでアパレル部門に積極的に進出しております。繊維産地で競争を繰り広げているというのは、先ほどから私再三繰り返して申し上げております。今回の法改正ではこういう大企業の行動というのが、これが規制されるというよりはより一層活動の場を提供する、中小零細企業とか産地の経営努力の芽を摘んでしまうということになりかねない一面を持っております。法の運用というのが私は非常に大切だと思うんです。 私が先ほどから再三いろいろの例を挙げて申し上げてきたわけなんですけれども、この法の運用というのが非常に大事になってきているときに、運用に当たって私は大臣の決意をひとつここでお伺いいたしとうございます。
○国務大臣(江崎真澄君) 運用に当たりましては、いま御指摘になったような弊害を生じませんように、やはり親企業を入れる以上は当然そのメリットが中小企業、零細企業の集まりであるグループに対して十分反映するように努力をしていきたいというふうに思います。そしてまた、弊害を生ずるような極端な例がありまするときには、法に照らしてそれぞれ行政指導をすることは可能であります。
○安武洋子君 時間が迫ってきましたので、ちょっと最後に労働省お越しでごさいましょうか——最低工賃の問題についてお伺いいたします。 最低工賃の実態というのはまだまだ不十分ですけれども、やはり少しでも実情に合わせていくためには、できるだけ改正を早くやる必要があると思うんです。労働省ではこの点についてどう対応なさっておられますでしょうか。
○説明員(花田達郎君) お答え申し上げます。 最低工賃につきましては、先生御指摘のとおりに、決めましてから一定の時日が経過いたしませんと、経済事情あるいは工賃の実態その他、最低工賃を決めましたときの諸事情が変わってきますので、場合によっては実効性を失うという場合が間々ございます。したがいまして、一定の時日が経過いたしますとそういう事情を勘案いたしましてできるだけ改定を急ぎたいというふうに考えております。ただ、賃金と違いまして変化が非常におくれていると、あるいは御案内のとおり最低工賃を決めますときに作業工程別に、しかも商品別に決めるということでございまして、しかも標準時間の換算とか必要経費の計算とか非常に複雑な作業を経ますので、かなり審議の時間に手間取りましてなかなか思うように改定ができない場合もあるかと思いますけれども、私どももできるだけそういう変化に合わせて、実効が失われないように改定をするつもりで努力をしておるところでございます。
○安武洋子君 おっしゃるように、改正を早くやっていただきませんと、どうしても賃機業者が不利になります。時間のたった最低工賃というのが基準にされてしまうからです。播州の産地の最低工賃は五十二年の七月に決められております。現在では実勢工賃と非常に隔たりが多いわけです。 ちょっと例を申し上げますと、これはヤール当たりですけれども、ギンガムですと五十二年の七月は三十二円です。そして五十四年の三月の実勢は四十三円から四十七円で十五円の差が出ております。それからドビークロスで五十二年七月六十二円です。五十四年の三月の実勢は八十三円から八十五円ということでこれは二十円の差が出ております。それからジャカードでは五十二年の七月八十円、五十四年の三月の実勢で百五円から百二十円で四十円の差。それからドビー朱子のハンカチで七十五円です、五十二年は。それが五十四年の三月の実勢は百十五円ということで、これも四十円の差が出る、一例を申し上げましたけれども実勢との格差が非常に大きいわけなんです。ですから、私は特段の措置がいま必要ではないかというふうに思いますが、その点をお伺いいたします。
○説明員(花田達郎君) 一般的に申し上げますと、最低工賃でございますので実際の工賃がそれ以下はあってはならないのでございますけれども、上があるということは間々あることでございます。ただ、最低工賃を決めましたときに調査いたしました工賃の実態から動くということになりますと、御指摘のとおり実効を失うということになりますので、そういう場合には速やかに改定したいと存じております。 先生、実例に挙げられました例につきましては、近々改定のための諮問が審議会の方に労働基準局長からなされるということを聞いております。
○安武洋子君 では、それを早急に急いでいただくということを強く申し添えまして、質問を終わります。
○藤井恒男君 なるべく重複するところを避けて端的に御質問いたします。 まず、取引の問題について質問をいたしますが、五十一年の十二月七日の繊工審の「新しい繊維産業のあり方について」の提言の中で、繊維における流通の改善についてかなり細かく提言がなされておるわけです。なお、五十三年十一月十七日の同じ繊工審の答申の中にも、これを受けまして「構造改善事業のための基盤の整備」の中に取引関係の改善について述べております。もうすでにずいぶんこれは論議され尽くしたことでありますが、繊維産業の場合、川上から川下、そして小売に至るまでその流通がきわめて迂回的であり、しかも非近代的である。それがゆえにかなり中間におけるそれぞれの高次加工段階での適正な付加価値が付与されていない。何とかこれを短絡することが大切であり、そのことはむしろ構造改善事業以上に繊維産業にとって、それぞれのポジションにメリットを及ぼすであろうと言われておるし、私もそう思います。 そこで、通産省に最初にお聞きするわけですが、繊維取引近代化推進協議会というものが提言の線に沿ってつくられておるわけですが、これまでどのような動きをし、どれほどの実効を上げておるか、まず、このことについてお聞きいたします。
○政府委員(栗原昭平君) 五十一年の提言にも触れられておりますように、繊維の取引流通近代化推進協議会というものが五十一年に設置をされまして以降、繊維取引憲章の制定、特にその中でも書面契約の推進といったことに力を入れてまいっております。さらに最近におきましては、地域別、業種別に、たとえば毛製品なら毛製品というようなものにつきましての取引改善指針といったようなものを検討しております。少しずつ具体的な地域別、業種別の問題にもアプローチをしていこうと、こういった形で作業を進めておるという段階でございます。 なお、この取引改善につきましては、この推進協議会を通じまして、毎年推進月間というようなものも設けまして、近代的取引慣行の制定というものに努力をいたしているわけでございます。私どもといたしましては、取引近代化ということは非常に繊維産業におきましては特に古い歴史を持つなかなかむずかしい問題でございますけれども、こういった協議会という形での業界の総意を結集した形での場というものを通じまして、取引改善といった問題に取り組んでまいりたい、かように考えている次第でございます。
○藤井恒男君 きょうは時間がありませんから、私は全体的な繊維の流通の問題じゃなく、少し的をしぼって染色業界における取引の問題について質問してみたいと思うんです。 通産省も把握しておられることだとは思うが、これは大臣も選挙区が一宮で、あそこには中小の染色がたくさんあるわけですから御存じだと思いますが、公取委員長、私がいまから申し上げることが公取として見た場合にどのような問題が指摘できるか、これ一遍お聞きします。 まず、この染色の取引の場合の実態は発注者が白生地ですね、いわゆる原反を染色業界に持ち込みます。そして持ち込んでから、現在時点では大体二カ月ぐらいは染色業者がこれを保管するのが通例です。一たん不況になりますと、それが三カ月ぐらいに延びます。その間、染色業者はその白生地を自分の工場の敷地内に保管せざるを得ない。もちろん、その保管料は一切支払われることはありません。大体二ないし三カ月、長ければもっとになりますが。その後染めについての指図書が来るわけです。そこで二週間とか三週間かかって指図書に基づいて染色業者がそれを染め上げる。今度染め上がった後、この染めた後の生地ですね、それはなおその染色会社においてみずからの敷地内に保管せしめられる。そして今度は出荷指図書が来て初めて出荷することになり、そのときに代金決済を行う。これがまあ大体中小染色メーカーの取引の実態です。 こうした場合の倉敷料の問題、保管料の問題あるいは決済方法ですね、これは私は優越的地位の乱用だと思う。しかし現実には、これがもう全国的に行われておる実態なんで、このために業界は泣いておるわけです。この間もちろん業界としては労働者に対する賃金を払わなければならない、それだけのスペースを確保しなければ発注の機会は与えられない。その土地代ももちろん要るわけですわね。 まあこういう不合理なことがあるんだけれども、これについて公取としてはいままでこれを調べたことがあるか、あるいはこういうことが現に行われたときに、それは最近三越などでいろんな例をごらんになっておられるようだけれども、それらに徴してどのように判断するかお聞きしたいと思う。
○政府委員(橋口收君) いまお話ございました染色業者と発注者、主として商社等との関係であろうかと思いますけれども、われわれ従来下請関係のありますケースにつきましてはいろいろ調査をいたしておりますし、それから下請代金支払遅延等防止法は従来はどちらかと申しますと、支払い条件とかあるいは決済条件を中心として行政をやっておったわけでございますけれども、この二、三年円高に伴うもろもろの問題の一環としまして、支払い条件の問題とか決済条件の問題ではなくて、実際の取引の条件の問題についての下請業者からの苦情というものが大変強く公取に訴えられているわけでございまして、そういう観点から私どもも行政の重点を漸次実際の契約の取引の状態、条件について移しておるわけでございまして、いろいろな調査もいたしておりますし、昨年の三月にはそれらの調査に基づきまして、関係団体に対しまして繊維製品の取引の公正化についてという通達を出しておるわけでございまして、その主な内容を申し上げますと、第一には、取引条件の書面による明確化という問題でございます。それからあとは、いわゆる一般的な慣行として歩引きという制度がございます。これを廃止するべきであるということを言っております。そのほかに第三点としましては、不当返品とかあるいは不当値引きの廃止ということをうたっておるわけでございまして、これは繊維製品全般についての問題でございますが、主として絹織物を中心とした問題でございまして、なかんずくおっしゃいますような染色業者との間の問題につきましてもこの原則はそのまま妥当するというふうに考えております。 ただ、おっしゃいましたような事例、たとえば本来であれば発注者が保管すべきものを染色業者が保管させられるといったような問題につきましては、これは何よりも取引条件の書面による明確化ということが一番大切ではないかと思うわけでございまして、やはり従来、ともするとはっきりした契約書による契約ではなくて、事実上の話し合いによっていろいろな取引が行われている。その中におっしゃいますような、いわゆる不公正な取引方法というものが介在する余地があるわけでございまして、これが親事業者と下請事業者との関係であれば、これは下請代金支払遅延等防止法によりまして、たとえば受領の遅滞であるとかあるいは不当返品であるとかあるいは不当値引きであるというようなことで取り締まりができるわけでございますが、仮に親会社と下請事業者の関係がない場合には、これは原点に戻りまして独禁法による不公正な取引に該当するかどうかという問題になるわけでございまして、私どもとしましてはいわゆる強者と弱者の力のバランスをとるということが独禁政策の最大の眼目の一つだというように考えておりますので、そういう事態につきましては実際の現実の姿というものをよく把握をいたしまして、また必要があれば調査もいたしまして必要な措置をとりたいというふうに考えておるわけでございます。
○藤井恒男君 だから、いま私が挙げたような例が現にあった場合には、これは不公正な取引ということになりますね。いま挙げたような、先ほど私が申したような例が現にあった場合には。
○政府委員(橋口收君) その点は、いまもちょっと申し上げたわけでございますけれども、たとえば書面による契約としていまおっしゃるような内容のことが明確にうたわれておると、それについて染色業者も同意しているということになりますと、これはなかなか厄介な問題があるのではないかという感じがいたします。ただ、契約になっておりましても、明らかに優越的地位の乱用行為であれば、これは当然対象になるわけでございますから、契約書があればいいという意味ではございませんけれども、仮に契約書に明らかにうたわれているということになりますと、これはちょっとむずかしいのではないかという感じがいたします。しかしながら、恐らくはそういうことがはっきり契約にうたわれておるわけではないと思いますし、仮に契約にありましても実態に即して明らかに強者と弱者の間のバランスがとれていないということであれば、これは当然独禁法の問題として検討する余地は十分にあるんじゃないかと考えております。
○藤井恒男君 書面契約というものを促そうと努力しても、なかなかそれができないというのが実態なんで、書面契約があるなしの問題でなく、実際の商取引、それが弱者が本来泣いておるんだけど、相手が強者なるがゆえに、受注機会を確保するがために泣かされておるという状態が現にあるわけだから、だから支払遅延防止法にしても本人が申告しなかったら何にもないということでは公取の存在価値もない。だからこの辺のところはよく調べていただいて、いまおっしゃる委員長のお話では、これは十分検討の余地があると、あるいは疑わしい問題だということなんで、一遍これは調べてもらいたい。いずれにしても出荷主義ですから、現金決済が出荷主義、現金じゃない、これは全部手形なんだけど。その間かなりの時間眠っちゃうということになるわけですから、それを強いられておるということに解していただきたいと思うんです。 それからいま一つ、染色業界で同じようなことが言えるんだけれども、先ほど言ったそれで出荷すると、商社が再び染め上がった反物を買い取るわけです。買い取ってその後これをアパレル、縫製業者に持って行ってそして縫製させるわけです。再び商社がそれを買い取って問屋を促して地方に卸していく。そこで売れなかった場合に、もうすでに縫製品になり上がって売れなかった場合にこれを返品する。その返品も染色クレームとして返品しておる。これは私は明らかにいわゆる強者と弱者の取引の問題に該当すると思うんです。なぜならば、本来決済して受け取った場合には、おのれの責任において染めの検反をすべきであって、受け取って次の段階の縫製業者に回しておきながら、それを売れないからといって染色クレームをつけるというのはこれは言語道断だと思う。しかし、これは現にあるわけですから、こうなった場合には有無を言わさずに公取の管轄する問題になると私は思うんですけれども、どうでしょう。
○政府委員(橋口收君) 先ほど申し上げました繊維製品の取引の公正化ということを問題として取り上げましたときに、一番どこにしわが寄っているか、一番どこがその状態に置かれておるかということを検討いたしたわけでございますけれども、やはりおっしゃいますように最後のしわは染色業者に寄るというきらいがままあるわけでございまして、さっきもちょっと申し上げました難引きというような制度は、いわば染色業者を泣かせるためにある制度だというふうに申し上げてもよいぐらいでございまして、本当にちょっとした染色のぶれ等で染色業者に責任を転嫁する。いまおっしゃいましたように、縫製品になってなおかつそれが売れ残った場合に、染色業者まで戻ってくるというような形態もまま散見されるわけでございまして、これはどう考えましてもおっしゃるように業者の地位の乱用というように普通考えられるわけでございまして、さっきもお話ございましたように、やはり具体的な事実につきましてできれば御教授いただきまして、わが方としては積極的に調査をした上で一番いい方法で問題を解決するように努力したいと、こう考えておりますので、こういう席でなくて結構でございますから、具体的な事実についてひとつ御教授いただきたいと思います。
○藤井恒男君 大臣、大臣の選挙母体ですよ。だからよく大臣も調べられて、これは一定の基準を何かつくらなかったら、それはお互い得心してそれでも商売しておるんじゃないかといったらそれだけのことなんですよ。だから、現実に繊維産業全体について幸いいま少し薄日が差しておる状況だけれども、染色が一番泣いておるわけですね。その染色に常にこの問題が起きる。そして好不況の谷間に常に染色がある。いまいみじくも委員長おっしゃったように、常にしわが寄るわけですよ。付加価値も、本来一番つくべき付加価値のポジションにありながら、メーター何ぼという請負加工賃でしょう。だから、私はこれせっかく提言に沿って推進協議会というこのための制度もあるんだけれども機能していない。だからこれは大臣ひとつ警告でも出して、そしてその辺一遍洗って、公取で罪をつくるのが目的じゃないんだから、適正にそこの品物が合理性を持って流れるように特段のひとつ督励をしていただきたい。いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 全く御指摘のように、これは非常に古い商習慣でここへきておるんですね。しかも、いま繊維取引近代化推進協議会で話し合いがなされておるように、一定期間を経過したものについては保管料を取りますと言うと、それはどうぞ御自由に、よそへ行きますからというわけで、中小染色業者というものは泣き寝入り状況ですね。それから、従来が先ほどからお話しになったような習慣できておるものですから、これがあたりまえだとする業者のあきらめのようなものもあるわけですね。これはいけませんね。ですから、十分私どもも配慮をしたいと思います。特に、こういうだんだん多少明るみが差した時期にこそ、そういう古い因習を改めていくチャンスだというふうに思いますので、十分そのあたりは配慮したいと思います。
○藤井恒男君 委員長、結構です。またひとつ具体的な問題で……。 それじゃその次に、輸入問題について少し私の考えも申し述べながら御意見を承りたいと思うんだけれども、最初に、昭和五十三年五月十一日に繊維需給協議会が五十三年度繊維需給見通しと中間実績を発表しておるわけです。この輸入に関して見通しと実績が大きく狂っておる。つまり、輸入が見通しより大幅にふえておるわけですね。これはどうしてこういうことになったのか、この辺まずその原因をどのように見ておるのかお聞きしておきたいと思うんです。
○政府委員(栗原昭平君) 五十三年でございますが、前年輸入が、前々年に比しまして、ほぼ横ばいの後を受けまして、御承知のように輸入が急増をしたということでございます。その結果といたしまして、ただいまお話のございました五十三年度の見通しとの間にかなりの乖離を生じたということかと思いますが、これは直接の原因としては二つ挙げられようかと思いますけれども、まず一つは、やはり繊維全体の需給がかなり締まりまして市況が好転をしたということが第一点挙げられようかと思います。それから第二点といたしましては、やはり昨年一年間を通じましての急速な円高という過程におきまして、輸入について非常にいろいろな面でメリットが生じてきた、これが繊維の輸入増加に非常にあずかって力があった、この二つの点が特に昨年におきまして輸入が急増したということの背景にあろうかと思います。
○藤井恒男君 実は私はそうは見ないんですわ。それは一つの証拠として韓国の例を取り上げますと、一昨年韓国はみずから合繊設備の新増設を禁止したわけですね。ところが、その後国際的な供給過剰に対して解消策としてこの増設をストップしたわけなんだけど、こいつを解禁したわけですよ、昨年。なぜそれを解禁したんだろうということになると、私はやっぱりECのMFAの交渉をめぐってMFAそれ自体の延長交渉が難航する、したがって、ECとしては合理的な逸脱という形で韓国、香港に対して伸び率の逓減、カットバックを強制するわけですよ。現実にこれそうなった、結果的に、昨年暮れ。それを韓国が見越して、しかも日本で構造改善を進める中から需給が整って、商品市況がいま局長がおっしゃったように回復してきた。その市場転換を日本に諮ってきておる。ちょうどそれは軌を一にしておるわけですね。この辺の、私の言うような見方というのは余りにもこじつけになるんだろうかどうかですね。私はきわめて常識的に見てそうなっておると思うんですよ。急に紡績設備を九十万錘ぐらい増設しておるし、そして総合対策を策定して積極的に増設をやらし、それに対して優遇措置を与え、そして韓国の政府、業界が一体となって日本の市場に的をしぼってやってきておるわけです。そのために軒並みに二ないし七倍に輸入量が増大しておるわけです。この事態をどう見るかですね。いかがでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 韓国が現在輸出振興を旗印にいたしまして、官民一体になりまして繊維も含めまして輸出の振興を図っておるということは先生御指摘のとおりかと思います。これがEC、アメリカ等とのMFAの強化に伴いますわが国へのシフトであるという見方も、あるいは当然一つの見方として成り立ち得るというふうには思いますが、それにいたしましても、やはりわが国におきます市況の好転あるいは輸入についての円高メリットといったような点がこれ大いに加速しておるというような事実、その他やはり全体としての低価格といったような問題も含めまして、そういったものの総合的な反映であろうかというふうに考える次第でございます。
○藤井恒男君 いま局長おっしゃったように、ECあるいはアメリカあたりの締めつげに対する輸出市場の日本へのシフト、たまたまシフトしても、日本で商品がだぶついておるような状況なら何もシフトしませんわね。たまたま市況が回復してきた、なぜ回復したのかと言えば、それは操短によるものであり、人員整理によるものであり、大変な政府も援助し、業界もみずから出血しながら市況回復に努めたわけでしょう。だからこっちにシフトしてきた。しかもそれは業界のあるいは産業の自然の流れではなくて、韓国政府によるいわゆる援助措置ですな。国策としてぼっと持ってきておるわけだ。こういう状況を普通の状態と見るかどうか。私は輸入規制をやるべしという論を持つ者ですよ。先ほど大臣は輸入規制の問題について御答弁なすって、市場攪乱という立証は非常にむずかしい。局長も衆議院の商工委員会で同じようにおっしゃっておる。ところが、いま言った状態、これはどう見るのか。さきに日米繊維戦争と言われたとき、わが国はアメリカに泣く泣く二国間協定を結ばされたわけなんだけど、そのときのわが国とアメリカとの関係、果たしてわが国がアメリカに輸出しておる輸出内容が、輸出の実態というものがアメリカの特定品目について被害を及ぼしておったかどうか、われわれはこれは反対したんだけど、政府は強引にこれを押し切ったわけなんだけど、たとえばアメリカはわが国に対して昭和三十六年のSTA、三十七年のLTA、早くから日本の対米輸入を規制しておったんだけど、そのときの化合繊の輸入量はアメリカの国内消費量に対して一・六%ですよ。そしてその後一番ふくらんだときでも六・二%ですよ。そうでしょう。そういう状況にありながら、わが国に対していろいろな制度で二国間協定を結んでおるわけでしょうしわが国の現在の輸入量というのはいま申したように二ないし七倍です、特定品目について。そしてわが国のしばらくの間の倒産件数なんて目を覆うばかりのものでしょう。先ほども御質問があったけど、四十三年九月から五十三年四月までの間、繊維産業で職を失った人間は二十三万三千五百四十四名、二三・八%の減少でしょう。ひどいところなんかになると、化学繊維なんていうのは五〇・五%減ってますよ。半分ですわ。そういう状況をもってしてもなお大臣はわが国に被害がないというなら一体どういうときに被害があるんだろう、何だということになりますよ。どうなんです。
○国務大臣(江崎真澄君) 私は被害がないとは決して言ってない。被害があることはもう現実によく理解しておるつもりであります。アメリカとの場合はあの場面でも繊維がたまたま交渉の対象になったわけでありまするが、高度成長を遂げながら大変な日本のやっぱり対米貿易におけるインバランスがあった、そこで繊維製品について目を向けられた、必ずしもあの当時日本の製品ばかりがアメリカ市場を圧迫したんじゃなくて、むしろワンダラーブラウスその他中進国の製品が相当アメリカ市場を圧迫したことは、これはもう御承知のとおりでございます。ところが、貿易インバランスに基づいて繊維製品がやはり交渉の対象になった、ちょうど今度のガットに基づく政府調達コードを決めるに当たって、電電公社の調達物資の開放などが爼上に上がったと同じような傾向があったことは否めないと思いますが、もちろん内容的にはそれぞれ違った事情がありますが、大まかに言えばそういう背景があったというふうに私ども理解しておるわけであります。そういう場合に、いましからば韓国を取り上げてみましても、昨年、一昨年ともに三十億ドルないし五十億ドル近いわが方にインバランスがある、黒字があるということのためになかなかこれを規制しにくい状況にあるということをここで御答弁申し上げてまいったわけであります。しかし、極端に市場を乱すようなものが多量に入ってくるというようなことになれば、これは状況をしさいに注視いたしまして国内の業者に行政指導をする、あるいは韓国側にも申し入れをするなどなど方法はないわけではありませんが、現在の状況では相当むずかしいということを申し上げておるわけでございます。
○藤井恒男君 これは大臣一遍よく勉強してもらいたいんですがね、私は日韓議員連盟の幹事としてことし二回韓国へ行きまして、韓国の国会議員の諸君と討論してきたんだけど、日本と韓国の間の貿易がインバランスである。なるほどそうだけど、日本が韓国に輸出するものによって韓国に失業を来しておるか。一つもないですよ。そのために韓国の経済成長は著しく外貨を獲得して韓国の産業は栄えておるんですよ。その見返りとして入ってくるのは繊維でしょう。そのために繊維産業は大変なダメージを受けておる、これはもうだれでも認めるところですわね。しかも、そうやって入ってくるものが韓国政府によって輸出優遇制度を持ち、政策的な価格決定を行っておる。こうなってくると、要するに、わが国で構造改善を行って、価格競争力をつけよといっても、この輸入品との競合に対してこんな構造改善やったって勝てっこないですよ、国策として持ってきておるんだから。どうしようもないですよ、これ。結局その論をエスカレートしていけば、日本の繊維産業というものは国際的な水平分業の中でつぶしてしまえということに極論すればつながるんですよ。それでいいのかどうかという問題ですわね。だから、大体世界のどの国にあっても、どの国も自由貿易は認めておる。わが国ももちろん認めておる。しかし、そういう中にあっても繊維品は例外だと、それは必然的に先進工業国と発展途上国との間には交錯するものなんだと、だからこそガットのもとにMFAという制度が設けられておるわけなんです。そして、工業先進国が全部それを適用しておるんでしょう。ところが、私は日本は単細胞だと思うんですよ。わが国は自由貿易なんだから、自由貿易を志向する日本が輸入規制するのはおかしい、そんな論理は一つも成り立たぬですよ。だから、問題はMFAも言うごとく、その品目について明らかに市場を攪乱し、あるいは攪乱するおそれがあるその品目については、ガットの精神に基づいて二国間協定を持つべしということなんですからね。だから、わが国が輸出しておるもの、たとえばわが国がアメリカに弱電を輸出する、あるいは鉄鋼を輸出する、そのことによって鉄鋼なり弱電が失業者を招くというんであれば、それはわが国が自主規制するごとき状態にある。しかし、わが国は繊維製品もなお輸出産業じゃないか、みずからも輸出しておりながら輸入規制するのはおかしいというけど、しかし、わが国が繊維製品を輸出することによって、相手国がそのことによっていわゆるガットの精神に基づく被害立証があるのかと、あれば自主規制したらいい。また現にわが国はその意味において過去も自主規制はしてきた。だから、輸出産業であろうとも品目によって現に被害があるなら、その品目について輸入規制をガットの精神に基づいて取り行うことは何もおかしくない。それは国際的に認められておるところなんです。しかるがゆえに、私は各党の御同意をいただいて五十三年十月二十日の本院商工委員会で附帯決議、特別決議をしておる。これをよもやお忘れじゃないと思うんですよ、これは院の決議ですからね。だから、輸入急増によって被害を受けている品目について、MFAに基づく二国間協定の締結を促進する、あるいは繊維品輸入関税の国際水準並み引き上げを図る、輸入関連業界に対し政府の行政指導を強化し、輸入の秩序化を進める、繊維輸出国の政府、業界に対しわが国繊維衣料産業の現状、雇用、失業の実態を訴え、理解を求める、この趣旨に基づいて、 最近における繊維製品の輸入の急増が構造不況下にある繊維関連産業に与えている影響にかんがみ、速やかに適正な対策を講ずるよう検討すること この付帯決議をつけておるんですよ。これは全く無視しておるんですよ。提言にもきちっと書いておるんですよ、繊工審の提言にも、秩序立てて。これも無視しておるんですよ。だから、需給貿易問題に関する委員会が持たれたって一回しか会議開いてないでしょう。何にもやってないんですよ。ほったらかしなんですよ。これで大臣がいま答弁されるようなことというのはこれはとんでもない話で、大臣のこれは所管事項ですからね、だからこの辺はやっぱり所管大臣として、しかも繊維産業、選挙地盤でしょう。これはもっとはっきりしなきゃだめですよ、それは。どうなんですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点はよく私も理解しておるつもりなんです。しかし、日本が現在、韓国一国をとってみましても、その貿易インバランスの額の大きさ等々から見て、なかなか問題がある。それで、これはやっぱり全般で判断するわけですから問題があると思います。 それから、七八年は大変な輸入増であったわけでありまするが、先ほど来生活産業局長もお答えしておりまするように、これが果たして本年も続くであろうかという点については多分に疑問もあるわけでありまして、まだ規制措置をするというのにはいささか距離がある。したがって、そんなことを言えば日本はつぶれてしまうんじゃないかという御指摘は私も痛いほど、おっしゃるように選挙区を控えておりまするだけに、よくわかります。したがって、やや遅きに失したが、やはり付加価値の高いもの、知識集約型のものに日本も転換をしてまいりませんと、これはたとえきょう制限をすることができても、あすの日にはもうやはり立っていけない産業になってしまう。したがって、この好況感のある今日の時代のうちにぜひひとつ付加価値の高い知識集約型の製品をつくるような努力をしてもらう。これはやっぱりどうもそういうことが先進国の仲間入りをした日本には求められておるというふうに思うものであります。先ほどもお話の出ておりましたジョーゼットなど、ああいったものならば十分競争にたえるし、世界の市場からも進んで輸出を求められておる。ですから、そういう努力をやはりこの機会にやらなければならぬので、ただ規制をして安易につくということで当面は糊塗することができるかもしれませんが、わが国の繊維産業の将来という長期視点に立てば、やっぱり自主努力が必要だと考えます。それをできるだけわれわれ担当省においても側面協力をしていく、指導の誤りなきを期したい、こういうふうに考えます。
○藤井恒男君 これは時間がないからまた後で次の委員会でひとつ大臣と少し討論さしてもらいたいと思うんだけど、ガットのもとにMFAというものができたのは、発展途上国における工業化の初歩的段階が繊維産業に集中する、そして先進国との間に必ずこれは交錯する、しかも交錯するんだけど、そこに先進国といえども、あるいは発展途上国といえども、やっぱり繊維産業というのは、いかに知識集約化を図ろうとも、膨大な労働者がそこに存在する。だから、社会問題だと。アメリカでもそうだったんでしょう。アメリカでも日本に——沖繩との関連があったかもしらぬけど、やっぱり社会問題化する。それが政治問題化していっておるわけですよ。わが国もこれ同じなんですよ。いまでも現に二百七十万人繊維で飯食っておるわけでしょう。だから、そいつは代替品にかえて、代替国にかえて、おまえらやめちまえというわけにいかぬのですよ。だから、政治家はそこを見なきゃいかぬ。しかもそれは産地性を持っておる、零細である。われわれが言っておるのも、現在そういう状況ではいけないから、構造改善によって高付加価値の品種に転換していこうと、あるいは産業それ自体も縮小し、または場合によっては業種転換も図ろうと。そこで出るはみ出し人間については、別な職業訓練をして、そして雇用保険制度を適用してそして路頭に迷わぬようにしようと。これらの一連の措置を講じておる時期ですよ。要するに構造改善を行う目標年度までの間ですよ、永久じゃないんですよ。いま一生懸命韓国のことも香港のことも思い、あるいは台湾、中国のことも思って、こっちは自分の体を変えつつある。その間は一部センシティブな品目についてですよ、全部じゃないですよ、その品目についてはもっとオーダーリーにやったらどうですかということが、私は何も自由貿易主義を阻害するものではない。元来、世界全体がフリーマーケットではないわけですよ。フェアなマーケット、要するに友好競争しましょうということなんだから。フリーを阻害するんじゃないですよ、フェアにいきましょうということですよ。そのためのフェアなルールというのがガットにおいてMFAというルールが決まっとるんだから。それだってECは破るわけでしょう、合理的な逸脱だと。われわれはそんなこと言ってない。そのルールに基づいて、センシティブな品目についてその間一定期間これはひとつあんたのところ待ってくださいよと言うことは、一つもおかしくない。私はそう思う。まあ大臣の答弁いまにわかには出てこないと思うけど、−また次の機会にこれはやりますから、ひとつ御検討いただきたい。残念ながら時間が来ましたのでこれでやめます。 どうもありがとうございました。
○国務大臣(江崎真澄君) 御意見はよく承りました。
○柿沢弘治君 藤井委員からの大演説もありましたし、(笑声)もういろいろと質問が出ておりますので、最後ですから若干法律について伺っていきたいと思います。大臣もし所用がありましたら……。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと恐縮です、それじゃ……。
○柿沢弘治君 まあ私どもも繊維工業の構造改善臨時措置法の延長ということに基本的に反対ではございませんけれども、考え方をひとつ確かめておきたいと思うわけです。 現在の法律ができました四十九年までは、特繊法によるいわゆる横型の合併、統合というものが繊維の構造改善の基本的な姿勢だったと思います。それが現在の法律によって異業種提携とか垂直統合という考え方が取り入れられて、法律的にといいますか基本的な考え方が変わったわけですけれども、その段階でなぜ異業種提携、垂直統合、縦型を中心に考えていきたいというふうにお考えになったのか、そのときの経緯を伺いたいと思います。
○政府委員(栗原昭平君) ただいま御指摘のございましたように、昭和四十二年来の特繊法の時代におきましては、国際競争力の強化という観点から、主として同業種間の横型の設備の近代化、合理化ということをねらいにした構造改善が行われてきたわけでございます。しかしながら、その後四十年代の後半に至りまして発展途上国なり中進国の輸出市場あるいは国内市場におきます統合というものがだんだん激化をしてまいりました。私どもがその時点で考えましたことは、結局特にこの十兆円に及ぶ国内市場というものを中心に物を考えていきます場合に、現在の消費者のニーズというものが、よく言われます高級化、多様化、個性化すると、そういった消費者のニーズに即したような品物をつくっていくということがやはりわが国内市場を確保するゆえんではないかと、まあこういう考え方に立ちまして、知識集約化ということを念頭に置きました縦型と申しますか、異業種間連携と申しますか、そういった形での知識集約化路線というものを中心にいたします構造改善を四十九年度以降実施をいたしてきたわけでございます。まあこの方向は、昨年十一月の繊工審、産構審の答申の際にも議論をいたしましたけれども、基本的な方向としてはやはりこれは間違いがないのではないかと、この方向で行くべきではないかということに相なっておるわけでございます。
○柿沢弘治君 まあ縦型の構造改善というものに四十九年から方針を変更したわけですけれども、しかしこの五年間の実績は必ずしも芳しいとは言えない。もちろん、それは石油ショックその他さまざまな外的条件があったと思いますけれども、縦型の異業種間連携、垂直統合というものを政策的に助成していく。それによって繊維産業を振興していくという考え方自体に、政策としてなかなかむずかしい面があるんじゃないだろうかという気がするわけです。つまり、横型でございましたらいわゆる規模の拡大、それに伴う生産性の向上、コストダウンという、非常に古典的な意味でのコスト効果がございますけれども、縦型の場合、しかもそれが高付加価値化、知識集約化ということになりますとなかなか政策の爼上に上りにくい。まあある意味ではハードではなくてソフトの面ということになってくるわけですが、その点が、どうも今後ともこの法律の政策効果というものに私は疑問を持つわけですけれども、過去五年間で一体異業種提携はどのくらい行われ、計画に対してどのくらいの達成率だったんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) これまで五年間の構改の進捗状況でございますが、構造改善計画、これは一般の計画でございますが、につきましては、この五年間に件数として五十六件、参加企業としては三千三百七十六社ということに相なっております。またこれ以外に、小規模企業者を中心にして行われます施設共同化事業計画につきましては十九件、参加企業といたしまして千五十四という数字に相なっております。この件数あるいは予算の使用実績等を見ました場合に、特に予算との対比におきましてはかなりの使い残しを毎年見ておるという状況でございまして、私どもとしても満足すべき達成率であるとは考えておりません。
○柿沢弘治君 大体、予算で計画した金額の三分の一ぐらいと聞きましたけれども、そんなところでございましょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 二、三割、三分の一、その程度の数字でございます。
○柿沢弘治君 まあ今度はその縦型だけではなかなかむずかしいということで、改めて産元、親機等を入れて横型的なものを含めているわけですけれども、そういう意味では、また特繊法時代への逆戻りというふうに考えるんでしょうか、それとも縦型の基本的な方針というのは変わっていないというふうに考えていらっしゃるわけでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) ただいま御指摘のありました後段の考え方でございまして、私どもとしては、縦型の際に考えました情報収集機能あるいは商品開発機能といったものを中心にしました異業種間連携と申しますか、そういう考え方に基づきます知識集約化路線というものを考え、変えるつもりはございません。ただ、一部同業者のグループの中でもそういった知識集約化の機能を備えるようなグループがあるならば、それを排除する必要はない。むしろ、そういった情報収集機能なり商品開発機能を持ったグループづくりが同業種の中のグループにあるとすれば、それは取り上げていってもよろしいのではないかと。まあそういった意味で、今回横型の一部のものも対象に考えていくということでございまして、全体としての考え方には変わりがあるわけではございません。
○柿沢弘治君 まあ変わりがないということになりますと、従来の方針の踏襲で、それを幅を広げたというふうに考えられるわけですけれども、それで果たして今度大丈夫だ、現在の法律のような形で計画に対して達成率が二、三割だということにはならないでうまくやれますという自信はお持ちでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) この知識集約化路線、これはなかなか簡単なものではないということは私どもも十分承知しておりますけれども、やはり一つにはこれからの内外情勢、特に繊維をめぐります内外情勢は先ほども御指摘のありましたように非常に厳しいものもございます。そういったことを踏まえまして、これ以外に繊維産業として本当に存続していく道はないんだという意味での業界内の認識というものも最近きわめて高まっておりますし、またかたがた先ほど下条委員からもお話もございましたように、業界の景況全体も設備処理率その他の進捗も踏まえまして基盤づくりができておると、こういった少しよくなった時点にこそ前向きの構造改善が初めて行われるという条件が備わるというふうにも考えられますし、そういった業界内での動き、客観情勢の好転、こういったことも含めまして、さらに制度上の改善等もあわせ考えますと、私どもとしましては、今回はひとつ新しいこの形での構造改善というものを業界のバイタリティーによって実行していただけるようになるんではないかというふうに考えておるわけでございます。
○柿沢弘治君 そうしますと、件数的に、もしくは金額的には、旧法といいますか、現在の法律の規模に対してはどのくらいの規模になるという見通しといいますか、計画はお持ちなわけでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 私どもといたしましては、五十四年度予算で二百五十億円という金額ベースのめどはございますけれども、件数等につきましての数量的な目標は特段に立ててはおりません。
○柿沢弘治君 二百五十億円というのは五十三年度、五十二年度等と比べるとどのくらいになるわけですか。
○政府委員(栗原昭平君) 五十三年度予算におきましては五百億円強の金額でございましたけれども、若干今回はこの規模が縮小されております。
○柿沢弘治君 私は、通産省の大変御苦心というか、苦労がとってもよくわかるんです。というのは、従来の高度成長型の時期の助成策というのは規模を拡大していく、生産設備の合理化を図っていくということでコストダウンをしていけば競争力がついてきた、助成の効果が上がったということになるわけですけれども、これからのまさに文化の時代といいますか、ソフトウエアの時代、知識集約型産業の中で、どうやって産業としての競争力を高めていくか、コストダウンを図り、むしろコストというよりも消費者に対して魅力ある商品をつくっていくかということは、従来の政策手法ではなかなか対応できない。その意味で、どうも現在のこの繊維工業構造改善臨時措置法自体が、従来の政策手法の中に何とかしてそういうソフトウエアの助成といいますか、付加価値的なものの助成をのせたいという願いがわかるんですけれども、必ずしも政策手法として成功していない。特に、助成の手法というものが相変わらず低金利の金を貸していくということだけでうまくいくんだろうか、もう少しその点について新しい工夫というのがあっていいんじゃないだろうか。これは繊維工業だけではなくて、情報関係の機械情報振興臨時措置法のときにも申し上げたんですけれども、何らかの形で全体の通商産業政策といいますかの中で、新しい手法の開発というものが考えられなきゃいけないと思うわけですけれども、その点については生活産業局長の所管の分野を逸脱するかもしれませんけれども、何か新しい工夫は考えられないんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 非常に貴重な御意見をちょうだいいたしまして、私もざんきにたえない次第でございますけれども、なかなか現実の政策手法をいろいろ頭に置いて考えました場合に、現在のこの制度というものはかなりよくできている制度の一つではないかというふうに実は私自身考えている次第でございまして、これからもよく御提言の趣旨については検討さしていただきまずけれど、ひとつこういった方法でいま一たびトライしてみたいと、かように考えている次第でございます。
○柿沢弘治君 その意味では、今度新しく法律の中にといいますか、施策として導入をされます人材育成というものは、その点では新しい手法ということが言えるんだろうと思います。 具体的に少しお聞きしたいわけですけれども、これから政府が一億五千万、さらに民間の出捐を一億五千万依頼をして三億で人材育成をやると言っておりますけれども、この民間の出捐については大体めどがついているんでしょうか。それから、具体的に何をやろうとしていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) この三億円の基金に基づいて行います具体的な事業でございますが、まず人材育成に必要な情報の収集、分析、提供、あるいはこの人材育成に必要な教材、教育技法、カリキュラムの開発、こういったものに対する調査研究、これは実は民間の人材育成に際しまして共通的に最も現在欠乏している分野であろうかと思いますが、そういったものに対する調査研究、それからいま一つは人材育成機関とか民間の現在行っております人材育成機関に対します講師費用等に係る助成金の交付、こういったようなことがとりあえず頭に置いております具体的な業務でございます。 なお、この民間出捐分一億五千万円につきましては、現在私どもとしても、アパレル業界がもちろんメーンになりますけれども、これに限らず川上の化合繊分野あるいは紡績業界、あるいは川中の織布の業界、染色の業界、さらには広く小売業界、流通業界等も含めて幅広くひとつ出捐をお願いしようと、かように考えておりまして、目標達成は可能であろうというふうに存じております。
○柿沢弘治君 この一億五千万という政府の出資は一年限りですか。それとも五年間毎年出してもらえるんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 昭和五十四年度限りという一億五千万でございます。
○国務大臣(江崎真澄君) これはいまお答えしたとおりですがね、私先ほどどなたかの御質問にもお答えしたように、繊維工業構造改善事業協会というものに委託し、民間からもということで、人材養成やいろいろな計画を推進するわけですね。その計画がですね、これ実際おくれているんですからね。ですから、その実効が上がるということでこの予算措置をしておるわけですが、相当成果が上がるというめどがつけば、当然これは継続的にまた予算要求していいものだというふうに私ども考えております。またそして、繊維業界全体の生きる道がもうここにあるんですね、集約して物を言えば。ですから、やはりこれは今後とも大いに力を入れたい。局長とも話しておるんですが、ただ構造改善事業協会というものに渡しっ放しで、さあそっちでやれと言ったって、これようやりませんよ。ですから、この予算を有効適切に使うためには民間の衆知を集めたり、学会の衆知を集めたりして、やり方はいろいろあると思います。構想すれば一億や三億で足りるものじゃございません。これは大いに力を入れて今後伸ばしていきたいと私は考えております。
○柿沢弘治君 通産大臣の問題意識というのは私も大変賛成でございます。いま大臣がおいでになる前に申し上げていたのですけれども、従来の繊維工業、特に繊維工業に限らず、すべての産業政策というのは規模を拡大をして、合理化をして、生産性を上げてコストダウンをする。そうすれば必ず競争力がつくし消費者に喜ばれると、こういうことだったわけですけれども、特繊法までの繊維工業もそうだったわけですが、それではもう消費の拡大とか収益の上昇を望めないという事態になっている。つまり高付加価値化、ある意味では文化の時代の中で、どういう形で物に価値、物質的な価値ではなくて精神的な価値といいますか、そういうものをつけ加えていくかということになってくると、なかなか産業政策の手法、いままでの手法になじまないわけです。現在の法律がうまく機能しなかったという点も、もちろん外的な条件が恵まれなかったことがあると思いますけれども、どうも知識集約化、高付加価値化というものに対する助成として、金利の安い金を貸しますだけではうまくいかないんじゃないだろうか。ですから、計画に対して実績が二、三割という状況が続いている。今後ももしその手法をずっと続けていくのであれば、余り政府から繊維工業に対する援助の手というのは期待できないというふうに事実上考えざるを得ないと思うのです。その意味でもう少し知識集約化型の産業、産業の高付加価値化を進めていく場合の産業政策としての手法というものを思い切って転換をしていく必要がある。つまり物でなくて、物に目に見えない価値というものをどうやってつくり上げていくかということですから、一つは人材育成などがそうした手法になるんじゃないだろうかという気がするわけです。ただし、私が伺いたかったのは、この一億五千万、もしくは三億という金額の中で、これ全部使うわけじゃなくて、それの果実でやるわけですから、そうすると三億として二千万ぐらいですか、年間二千万ぐらいになりますね。もう少しになりますか、どのくらいですか。
○政府委員(栗原昭平君) 現在の金利水準を考えますと、いま御指摘のような数字であろうかと思います。
○柿沢弘治君 そうすると、結局これもまた申しわけに何か政府がやってますというだけになってしまうおそれがある。それで、協会に、まさにお金を渡して適当に使ってくださいということでカリキュラムもやってみたけれども、いままでのカリキュラムに対して毛の生えた程度のものができるということでは、実際に業界にとってああ政府にやっていただいた。それによってアパレル産業の振興にずいぶんプラスになったという形で、果たして効果が出るだろうか。それから、それによってメリットを受ける、研修を受ける人たち、これによって育成される人材というものが全体の業界の人材の中でごくわずかというのでは、これは衝撃効果もインパクトもないと思うのですね。ある程度の数がそうした形で新しく養成されて業界全体に散らばって、業界全体を引き上げる効果がなければいけない。呼び水効果というものもわずかに使ったのではポンプも呼び水にならないわけで、ある程度の思い切った金を入れていくということが必要になるのではないだろうか。そういう意味では、実際の呼び水効果として効果の上がる規模というのはどのくらいだという見通しを立てながらやっていかないと、単に予算折衝の過程で若干つけていただきましたということだと、結局は協会に対する一つの、やりましたよというかっこうだけになってしまうじゃないかということを恐れるわけですけれども、その辺はどうでしょう。
○国務大臣(江崎真澄君) おっしゃるとおりだと思うのです。それで繊維工業構造改善事業協会の役員が私のところへ表敬に来ましたよ。一にらみしときましたが、これは儀礼的なものですから黙ってごあいさつを承っただけですが、あの人たちに任しておいたのでは大した期待はできないなあと思った。したがって、これは局長を初め、いまの通産省のスタッフが中心になってやはり民間の創意工夫を生かしながら、民間はやっているんですから、アパレル部門の研究や開発努力は。ですから、民間はもう相当進んでいるんですよね。したがって、そういうやはり組織の知恵を導入しながらやっていかなければならぬ。これは私が言う意味は速記録ぐらいは見るでしょうから、構造改善事業協会というものは私ががみがみ言わなくってもよほど自覚をして、大臣こういうふうにやりたいと思いますというような提案ぐらいをされていいのではないか。いままでの構造改善事業でこの人たちはずいぶん金使ってるんですから、したがってそれくらいの創意工夫がなければいかぬと思うのです。ここへ傍聴に来るぐらいの……、来てますか、来てないか。ここへ傍聴に来るくらいの熱意と努力がなければ、どんな法律を延長しても私ども政治家の立場から言うならば、これは成果は上がらないというふうに思います。したがって私はこれ責任感じております。 それから、こういう人材育成という、まず基礎から開拓しようという努力を局長以下のところで発議したことは評価していいと思って、私は、ぜひ成果あらしめたいと思うから、要らざることをちょっとあなたの貴重な時間をかりてお答えしたわけです。
○柿沢弘治君 構造改善事業協会のあの人たちに任しておいてはという、あの人たちというのは、通産省の古手のお役人と、こういうことですか。
○国務大臣(江崎真澄君) そのようですね。ですから、これはやっぱり努力してもらわにゃいかぬということです。政府のこういう外郭団体というものが本当にしっかりしてもらわにゃいかぬ。いや、中には無論りっぱないい人もおるでしょう。おるでしょうが、いま私が例示したように、ここへ傍聴に来るくらいの熱意がこういう団体には要るんですよ。そういうことがない。それで国会の審議でもそういう実際に、何といいますかその衝に当たっておる人たちに質問をしていただいて答弁を求めるというような、これは参考人という形になりますわね、というようなことになると、もう少し緊張の度合いが高まる。そうでないというとこちらが風よけになって、いわば後輩ですからね、先輩のやはり気息をうかがいながらガード申し上げるというようなことになってはならぬということを申し上げておるので、いま直ちにこの人たちがそうだということを言っておるわけではありませんので、これはよろしくひとつ御了解願いたいと思います。
○柿沢弘治君 私確かにポイントだと思いますので、ぜひ通産大臣、そこのところは叱咤激励を今後ともお続けいただきたいと思うわけです。私もその点でお伺いしたがったんですが、政府が出資をする、協会の仕事がふえる、それによってまた理事の数がふえるとか役所のポストがふえるとか、そういうことはないんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 役員の増加等はございません。
○柿沢弘治君 そういう意味で公務員のOBの人たちの老後の世話をする機関になるというものをつくっていくのでは、これは国民は納得しないと思いますし、税金の使い道として必ずしも有効とは言えないということだと思いますので、その点はぜひ監督官庁としても御配慮いただきたいと思います。 それから、先ほど通産大臣からお話がありましたように、まさに民間業界でもこうしたファッション化といいますか知識集約化はどんどんやっているわけですから、それに対してお役所仕事というものが果たして競争力があるかどうか。それに役立つものができるかどうか。書類と何かをふやしてそれで終わりということにならないように、ぜひ衆知を集められるような機構をぜひお考えをいただきたいというふうに思います。これは先ほども申しましたように、これからの産業政策の手法、文化の時代、文化産業論というものが言われながら、それに対応する政策手法がどうも開発されていないという点が、日ごろ私どもも気づいている点でございますし、もちろん当局の方は十分お気づきである。しかし、なかなかうまくその点が発見されないといいますか、新しい政策手法が見出せないというところに悩みがあるということはよくわかりますけれども、新しい芽が出ましたらぜひ民間の創意と工夫、活力を利用しながら、それを伸ばしていくという形でお願いをいたしたいと思います。 あと、この繊工審の答申の中で、新法を取り巻く基盤といいますか、背景として幾つかの問題が取り上げられております。先ほど藤井委員から指摘されました取引改善の問題、これも私伺いたかったんですが、先ほどお話が出ましたので、一つだけ伺っておきますが、この中で 繊維工業構造改善事業協会の債務保証制度の充実等を検討するとありますけれども、この点については何らかの施策が考えられているんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 今年度特に拡大したことはございませんが、昨年度保証基金の増額を行っておるという事実はございます。 なお、この取引改善に関連しましての信用保証でございますが、たしか三十四億円の保証実績がございまして、取引改善に関連しまして共販事業を実施いたしますとか、そのほか取引関係の改善の関係の資金需要に対しまして、信用保証協会として保証しているという実績はございます。
○柿沢弘治君 それからだんだん話が小さくなるかもしれませんが、小規模事業者に対する技術指導事業補助の充実というのがございます。この答申の中でも、 小規模事業者が、製品の高級化、品種転換等に円滑に対応していけるよう、商工組合等による技術指導の推進を図る。 とございますけれども、この点について、これがこの一億二千五百万の予算と考えてよろしいわけでしょうか。それは従来のベースに比べてふえているんでしょうか。それとも同額なんでしょうか。対象、中身の充実が図られているんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) この技術指導の関連の予算でございますが、名称といたしましては繊維工業振興指導費補助金という名称でございまして、今年度の予算といたしましては七千七百万という内容になっております。これは昨年度よりも約四百万ほど増加になっておるというものでございます。内容といたしまして昨年と異なりますのは、従来、巡回指導方式分としてだけ考えられておりましたものに対しまして、今回は特にアパレルにつきましては、講習会方式ということで、各産地ごとに技術に関しましての講習会を行うという形での予算が若干追加をされているという点が新しい点でございます。
○柿沢弘治君 この辺についても、むしろいろいろと充実強化といいますか、新しいアイデアをつけ加えていただけたらというふうに思います。そうしますと七千五百万というお話でしたけれども、この通産省からいただいた一枚紙の方で「4 小規模事業者に対する技術指導事業補助の充実等」一億二千五百万とございますけれども、この一億二千五百万というのはまた別なんでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 技術指導に限って申しますと、ただいま申し上げました七千七百万がこの内数として入っております。そのほかの金額は事務的経費等が残でございます。
○柿沢弘治君 輸入の問題は、藤井委員がお触れになりましたので、私も伺いたかったのですがやめますが、もう一つの問題としての過剰設備の処理の問題、紡績については先ほど別の委員からも御質問がありましたけれども、昨年、一昨年と行われてまいりましたメリヤス、くつ下、絹製品その他の設備廃棄の問題、これは順調に計画どおり進行しているというふうに考えてよろしいのでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 中小企業振興事業団の設備共同廃棄の実施の状況でございますが、繊維に関しましては昭和五十二年度から四業種、これは絹織物、くつ下、綿スフ織物、化紡繊長繊維織物、この四業種、それから昭和五十三年度からさらに追加をいたしまして十二業種、現在十六業種の共同廃棄事業を行っております。これにつきましては、おおむね二割前後の過剰率を頭におきまして、その廃棄を行うということが主たる内容になっております。この実施の状況については、たとえば絹織物等については八十数%の計画に対する実行率であったと思います。それから、綿織物につきましてはやはり八〇%前後の遂行率であったと思いますが、その中で若干おくれておりますのが化紡繊関係の織物の織機の廃棄が現在遂行率が五割前後というふうにおくれております。これはやはり北陸産地等におきます現在の産地の好況と申しますか、そういった実態を反映しまして若干おくれておるということでございますが、全体としてはおおむね順調に進んでおるものというふうに考えております。
○柿沢弘治君 そうしますと、今後この構造改善事業のための基盤整備として、さらに設備の廃棄をする、もしくは縮小するというような業種はない、一応終わったというふうに考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(栗原昭平君) 現在、若干の業種が新しく手を挙げてこの共同廃棄事業を行いたいという申し出もございますので、それについて検討いたしておるという状況でございます。
○委員長(福岡日出麿君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(福岡日出麿君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、次回の委員会に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十八分散会 —————・—————