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87回国会参議院1979/05/24

社会労働委員会 第9号

発言数
341
登壇者
22
会派数
6
開催日
1979/05/24

会議録

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告をいたします。  昨二十三日、渡辺武君、粕谷照美君及び初村滝一郎君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君、目黒今朝次郎君及び田代由紀男君が選任されました。     —————————————

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案及び港湾労働法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  まず、港湾労働法の一部を改正する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。栗原労働大臣。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ただいま議題となりました港湾労働法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  港湾労働法は、港湾運送に必要な労働力の確保と港湾労働者の雇用の安定その他福祉の増進を図るため、一定数の日雇港湾労働者を登録するとともに、優先的に雇用させることによって、港湾労働者の雇用の調整を行うことを目的として、昭和四十年に制定され、国民経済の発展に大きく寄与してまいりました。  しかしながら、近年コンテナ輸送の増大等港湾における輸送革新が著しく進展し、港湾運送業務における日雇労働者への依存度が逐年低下しております。このため、登録日雇港湾労働者の就労機会が減少し、登録日雇港湾労働者に支給する雇用調整手当の収支状況もきわめて悪化しております。  このような情勢を背景として、港湾調整審議会から雇用調整手当制度について、立法措置を含め緊急にその改善策を講ずること等を内容とする建議が労働大臣に対して提出されたのであります。  政府といたしましては、登録日雇港湾労働者の雇用と生活の安定を図るとの立場からこの建議の趣旨を尊重し、港湾労働法を改正する必要があると考え、関係審議会に諮り、その答申に基づいて、この法律案を作成し、提案した次第であります。  次に、その内容の概要を御説明申し上げます。  第一は、登録日雇港湾労働者に対して、雇用保険法を適用し、日雇労働求職者給付金等が支給されるよう措置するものであります。  第二は、ただいま申し上げた措置に伴って、雇用調整手当と日雇労働求職者給付金等との調整が必要となるため、雇用調整手当の日額が日雇労働求職者給付金等の日額を上回る場合は、その差額に相当する雇用調整手当を支給することとする等所要の規定を設けるものであります。  なお、この法律案は、昭和五十四年十月一日から施行することとしております。  以上、港湾労働法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。  雇用保険法等の一部を改正する法律案の趣旨説明はすでに聴取をしておりますので、これより両案の質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 私は雇用保険法の一部を改正する法律案について、労働大臣及び関係省庁に御質問をいたしたいと思います。  まず、労働大臣にお伺いをいたしたいと存じますが、労働大臣の訪米と今後の労働行政の基本姿勢についてお伺いをいたしたいと思います。  わが国の労働事情、特に政府の労働行政をめぐる内外の批判は厳しさを増していると思われます。大臣は今回の日米首脳会談に同行されまして、ECやOECDの代表が参加をいたしました先進国労相会議に出席をされたのでありますが、まず、今回の訪米の目的及び先進国労相会議における議題と討議の内容をお聞きしたいと存じます。特に同会議における日本側、わが国の主張、討議結果に伴う今後のわが国の労働行政への必要な措置等について伺いたいと思います。また、アメリカ等における先任権制、年金制度と定年制、労働時間の短縮と雇用増との関係といった当面する諸課題について調査、研究が行われてきたのであれば、これらについてもこの際あわせてお伺いをいたしたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 多少時間をとって恐縮でございますけれども、非常に重要な問題でございますし、余り省きますと意味をなしませんので、その点を御了解いただきたいと思います。  私、今度訪米いたしましたのは総理に別に同行したわけじゃございません。たまたま総理が五月の二日にカーター大統領との会談をされると、私は三日、四日に俗に言う先進国の労働大臣会議があるということで、日にちがくっついておりましたので特別機に同乗させてもらったわけでございまして、総理とともに行ったというわけではございません。したがいまして、私は今度は先進国労働大臣会議が目的でございまして、そこで何が話されたかということでございますが、その前にちょっとお断りをしなきゃならぬのは、今度の労働大臣会議には開襟シャツを着ているようなつもりでフリーにトーキングをしようじゃないかと、いままでもこれは公開をしておらない、議事録もとらない、今回もそういうことで忌憚ない意見をお互いに交換をいたしたい、こういうことで招かれたわけでございます。したがいまして、私が発言した内容につきましては詳細に述べることができますけれども、よその国がどう言った、こう言ったということについては多少御遠慮しなければならぬこともあろうかと思いますので、その点は御容赦をいただきたいと思います。  私が向こうへ行きまして、なぜ日本の労働大臣を含めてやらなきゃならぬのかという点について疑問があったわけでございます。今回は日本の労働大臣の日程に合わせてこの会合をしようということでございますから、巷間言われているように、時間短縮の問題とか週休二日制とか、そういったことについて日本に対して厳しい批判が出るのではないかなどということもございまして、ある意味ではそれも期待して行ったのでございますが、結果はそういうことではなしに、むしろアメリカが世界のリーダーとしていろいろやっていきたいと、しかし、いまアメリカだけの力でリーダーシップをとっていくというのは非常にむずかしいのじゃないかと、むしろ西ドイツとか日本とか、そういった国々の協力、そういうものを得ながらやっていかなければ、これはアメリカがリーダーシップをとれないんじゃないかというようなのが会議全体を通じまして私が感じたところでございます。  そして、話されました議題につきましては、いわゆる国際公正労働基準の問題、それからいま一つは、積極的な雇用調整の問題、それからインフレと雇用という、この三つの議題につきまして腹蔵ない意見を交換したわけでございます。特に私が発言をいたしましたくだりは、この国際公正労働基準ですね、これがアメリカがカナダを通じて提案した大きな課題でございますが、いわゆるOECDその他の国々からいたしますと、これはちょっと問題じゃないかと、国際公正労働基準をつくるというのは結構だけれども、俗に言う先進国、開発途上国を含めての問題となると、余りこの基準というようなものが高くなると、むしろ開発途上国からの輸出をシャットアウトする結果になりゃしないかと。労働条件はこうしなきゃならない、ああしなきゃならないというような、そういう基準が高くなりますと、これはむしろ非常に、先進国が保護貿易はいけないと言っていながら開発途上国に対して保護貿易をすることになるのではないかと、こういう点が強く指摘をされたわけであります。しかもガットでこれを実行するというのは、貿易上の問題について、労働条件がよくないから貿易——輸出認めないというようなことになったらえらいことじゃないか、だから、そういう基準をつくるにしても、公正基準というのでそれが非常に高いところに決まることは問題であるし、それからいま一つは、ガットの場でやるというんじゃなくて、これはILOの場でやるべきじゃないかというような意見が出ました。私も発言を求めまして、国際的な公正な労働基準をつくるという趣旨には賛成だと、同じような条件でもってやらなければこれはアンフェアであるということがありますし、アメリカの意図するところが全般的な意味で言うならばそれはそれとしていいのではないか。ただ、各国からも御指摘のあったとおり開発途上国の関係というのはきわめてデリケートであるし、この点についての取り扱いというものは慎重でなければならない。各国が、ミニマムといいますか、公正基準というよりもむしろ最低この程度の労働基準にすべきだというミニマムというような意見があるけれども、そういう趣旨には私も賛成である、実現可能なところからステップ・バイ・ステップでやっていくべきじゃないか。だから原則としては賛成であるけれども、開発途上国との関係を十分に配慮して、実現可能な目的を設定をしてステップ・バイ・ステップでやっていくべきであるという趣旨の話をしたわけでございます。  これは私が言うのもちょっとおこがましいことでございますが、後でアメリカの労働長官のマーシャルさんが記者会見をいたしまして、全体の取りまとめの中で日本の労働大臣からもそういった意見があって、これはすぐにという意味じゃなくて、ステップ・バイ・ステップで目的を達成するように最小の基準をつくりたいというようなコメントが行われたわけでございます。  まあインフレと雇用の問題につきましては各国とも非常に悩んでおります。むしろ日本なんかずいぶんうまくいっているんじゃないか、そういうような趣旨の発言が討議の中でございました。で、私は日本の事情を説明いたしまして、日本も諸外国から内需を拡大しろと、黒字減らしをしろというような強い要請もこれあり、いろいろやっているんだと。しかし、これはただ簡単にやれるものじゃないんで、予算の歳入の四〇%を国債に依存をしているんだと、大変な財政的な危険を冒してやっているんだという話をいたしたわけでございます。これにつきましては西ドイツの労働大臣から、四〇%というのは本当かと、公共事業の中の四〇%じゃないのかというようなことを言っておりましたけれども、いやそうじゃないんだと。それはとても考えられない、よくまあインフレにならずにやれるものだなと、わが国は一五%の国債発行であると。アメリカはマーシャル長官が、いや私のところは五%だというような話がございまして、日本はうまくやっているようだけれども、財政的にはなかなか大変だなというような認識を向こうは持ったのではないかと思っております。  それらが私から発言した主な内容でございます。全体としては、雇用とインフレの問題についてはなかなか決め手がないと、お互いにいいところは学び合おうじゃないかというような雰囲気でございました。  それから、この先進国労働大臣会議の中で、先ほど先任制の問題とか、いろいろアメリカとか各国がとっている制度について話し合いが行われたかという御指摘でございます。これはございませんでした。ございませんでしたけれども、私はマーシャル長官との単独会見のときに一つ疑問を投げかけたんです。というのは、わが国の国会では、議論の中でいろいろ諸外国の制度について、外国ではこういうことをやっておるけれどもどうだというのがあるんだと、私もその点については真剣に検討しなければならぬと考えておるけれども、アメリカあたりでもいろいろ法律で雇用問題、失業問題等を規制をするといいますか、そういうことをやっておられるけれども、なぜあなたのところは法律でいろいろなことをやられるのかと、その理由を聞きたいというふうに話しましたところが、マーシャル長官が、それは日本の労働大臣、大変ポイントである、またある意味においてわれわれの頭の痛いところであると。アメリカは御案内のとおり、異民族といいますか、違った民族がたくさん集合しておる、みんなばらばらなんだと、民族的に見ると。それから、国会と政府と、それから連銀ですね、こういったものがそれぞれ独立をしておって、ほうっておいたらどこへ行ってしまうかわからないというようなものがある。だから、そういう意味合いで、何かやっぱり共通の目的というものをつくって、それでまとめていく以外には手はないんだと、そういったようなことから法律的な規制をするんであって、これはアメリカの社会風土から来る必然的なものであって、そういうことを御理解をいただかないといけないと。したがって、法律をつくってみても、それじゃその法律が必ず実現できるかどうかということについてはそう簡単にいかない。ハンフリー・ホーキンス法なんかも持ち出しましてね、そういうのをつくってあるけれどもなかなかこの実現はむずかしいんだと。しかし、全体として締めくくらなきゃいけないというのが向こうの言い方でございました。私は、それぞれの制度というものについては、それぞれの社会風土、政治風土というものを無視してこれを一律に論ずることは適当でないなという気持ちを持って帰ってきたわけでございます。  総じてこれらの会議、これらの会談を通じて、今後の日本の労働行政に対してどういう覚悟で臨むかという結論を申し上げますと、私の感じからすると、日本の国会では、本当に国会の皆さんが真剣にこの雇用問題について取り組んでおられる。で、政府の方も鞭撻をいただいておりますけれども、わが国の実情に合った方向で積極的な建設的な御意見というものを取り入れて、いままでのベースでやっていくべきじゃないか。しかし世界の中の日本でございますから、こういう先進国の労働大臣会議等には今後も積極的に参加して、世界の方々の御意見、情勢等も参考にして今後の労働行政に資していきたいと、こう考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 わが国とアメリカ、特にまたEC、この貿易戦争とまで言われる国際摩擦の中で、まあ偏見と誤解もあるとは思いますけれども、三月末のECの対日基本戦略秘密文書、この中では、ウサギ小屋に住む仕事気違いという驚くべき表現までしております。このことは昨日の本院における本会議においてわが党の田中寿美子議員が指摘をしたところでありますけれども、六月六日からは第六十五回ILOの総会が開かれて、高齢労働者の労働及び引退に関する重要問題について討議が行われることになっていると思います。また、さらに六月二十八日からは東京サミットといった重要な会議が開催されるなど、緊急に対処すべき多くの課題に直面をしている現状だと言えます。今後わが国の労働行政をいかに推進をし、先進諸国にいかに対応していこうとされるのか、この際労働大臣の基本的な取り組みについて、その所信を伺いたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ILOとの関係、あるいは東京サミットとの関連についてのお尋ねだろうと思いますけれども、わが国で御案内のとおり一番大きな問題は、これは高齢化社会の問題ですね、高年齢者の雇用をどうするかという問題。ことしのILOの総会でもこれが問題になるわけでございますけれども、今度の国会でも、国会の皆さん方の御審議をいただきましていろいろの制度の拡充強化を行っているわけでございますけれども、まあILOの場でもこれらの問題が取り上げられて積極的に論議されることはきわめて有益だと思います。ただ、その際考えなきゃならぬのは、それぞれの社会経済上の事情、国内的な問題がございますので、一律にこれを論ずるわけにいかないと思いますけれども、この高齢化社会の問題については積極的にわれわれ取り組んでいかなきゃならないと思っております。そういう意味合いから、ことしの総会におきましては、この問題が実りある結論が出るようにわれわれも準備をしなきゃならぬと思っておりますし、ただいまのところ関係省庁ともその点について十分に打ち合わせをしていきたいと考えております。  東京サミットでは、私どもがいま承知している限りでは、直接、雇用というような課題はないようでございますけれども、しかし、いずれの問題をとりましても全部雇用に関係をしてくると思います、濃淡はございましても。そういう意味合いで、東京サミットにつきましても、先進国からどういう問題が取り上げられるかということにつきましては、十分に私どもも事前に勉強し、先進国から、日本がとっております労働行政というものは非常におくれておるというような指摘のないように努力をいたしたいと、こう考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 大臣もお読みになったと思いますが、けさの毎日新聞に大変大きな見出しで、先進国の低成長が続くと、で、OECDについても、中期経済の見通しというのは大変暗い、特に雇用改善も望めないというような大変な見出し。こういうような厳しい国際環境の中で、わが国の雇用失業情勢というのは依然として厳しいわけでありますね。景気の回復の基調にもかかわらず三月の完全失業者は百三十五万と、前年比では二・〇八%、九万人が増しているという現状です。それからまた、就業者の増加傾向の中で、製造業、運輸、逓信業など大幅な減員です。これは資料によりますと、中高年齢者の男子常用労働者の失業の増加、そして長期化、臨時、パートなどの不完全就業者の増大と、これに伴う賃金、雇用構造の悪化の傾向が資料によりますと指摘をされているわけです。  こういうような労働市場の現状についての認識といいますか、その上に立って今後の見通しと、さらにその対応についての対策といいますか、これをまず伺いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 雇用構造の悪化の問題と、それから労働条件、特に賃金構造の悪化の問題と両方のお尋ねでございましたが、私からは雇用構造について御説明申し上げ、賃金関係については基準局の方から御説明申し上げたいと思います。  いま先生御指摘ございましたように、確かに全体として失業率も高く厳しい雇用情勢にあるという点は御指摘のとおりかと思うわけであります。したがいまして、五十四年度におきまして、いわゆる六・三%の経済成長の達成をやる、あるいはその雇用対策の面におきましても、御案内の中高年齢者を常用労働者として雇い入れた事業主に対する大幅な助成をやる、それによって十万人の雇用増を目指すというふうな緊急雇用対策の実施をやる、いろいろな施策を総合的にやっているわけでございます。ようやく、最近その製造業とか運輸業とかの求人の増加が著しい、顕著になる傾向があらわれております。また失業者の数自体も、先ほど先生は昨年に比べてふえているというようにおっしゃいましたが、そうではございませんで、ここ三カ月連続して前年を下回っている状況でございます。それから臨時の求人が前年に比べまして減りまして、常用求人が大幅に伸びるというふうな傾向があらわれております。これも、いずれも表だ数カ月の傾向でございますから改善の兆しというふうに申し上げるべきだと思いますが、そういう意味での改善の芽が出てきておるわけでございまして、そういう意味でこの芽を一層拡大しますように、先ほども申しましたような諸施策というものを、総合的に、しかも十万人雇用等は必ず実現をさせてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  それから、賃金関係につきましては基準局から申し上げます。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 賃金の格差の問題で、まず規模間の格差について見ますと、最近特にこれが拡大しているといった傾向は認められないと思います。その意味では、賃金構造が最近特に悪化しているということは言いがたいと思いますが、今回第三次産業を中心に、中小零細企業が増加する、それからまたそこに働く労働者の数がそういう意味で増加していると。これは中小企業の労働者は大企業の労働者と比べて賃金格差がある、一般に賃金が低いということから、そういった中小企業性のある産業に雇用増が見られるということからくる賃金面での平均的な形で労働者が低いのではないかという問題はあろうかと思います。私ども、もちろん監督指導の面で労働条件の改善向上に努めているわけでありますが、最低賃金をてこといたしまして、労働者の労働条件の向上改善ということを今後も図ってまいりたいと、このように考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 次に、定年のことについて伺っていきたいと思うんですが、定年の延長について労働省の行政指導ですね、そういうのにもかかわらず、企業の四一%が依然として五十五歳定年制を固持しているといいますか、そういう状況にあるわけです。大臣も御承知のとおりに、年金懇で老齢年金の六十五歳支給、そして大蔵省は公務員の年金の六十歳支給の法案というものを用意して、中高年齢者の生活不安というものを増大させる私に言わせれば無責任な提案が行われているわけであります。一方労働省は、昭和六十年に六十歳定年制を一般化したい、こういうようなことを言われているわけです。また人事院は、五年後をめどに六十歳定年制を検討していると言われています。  これら政府の年金と定年制をめぐる問題というのは、ばらばらな各省勝手といいますか、こういうようなことが現実に行われている今日でありますが、こういう状況というのはきわめて私は遺憾であると思っています。したがって、労働者の生活の安定を現実に即して実現をしていくためには、基本的には定年制と年金支給というものをリンクさせる必要がある。そのためには、何といっても六十歳定年制というものを早期に実現させることが必要であると思うんです。で、六十歳定年の早期法制化をめぐる労働行政の基本的な問題については、今後労働省は、こういうふうなばらばらな現状でありますが、いかなる先導的な役割りというものを果たしていかれるのか、また具体的な問題としてのその対策というものを、大臣としてはどういうふうに実現をさしていこうとするのか、この際大臣の御決意をひとつ伺いたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 率直に申し上げまして、ただいまの御指摘は非常に重要でございますが、かつきわめて困難な問題であります。で、これは重要であるが、かつ困難であるという現実を踏まえた上で、それぞれ英知をしぼって努力をしなければならぬ問題であろうと思います。私も年金懇のあの答申というのを一応聞かしてもらいましたけれども、年金懇に盛られているあの思想というのは、それなりにやはり私は理由があると思いますし、それなりの考え方だと思っております。ただ、ただいま御指摘のありましたとおり、私どもの立場からいたしますると、定年と年金というものはできるだけ関連性を持たせるというのがわれわれの願いでございまするし、そういった意味合いから、そこら辺をどう調整していくかというのが大きな課題になる。これはもうそういうものを調整していかなきゃならないという問題がいま出ているわけでございまして、それを具体的に今後精力的に、厚生省だけでなしに、厚生省がまあ一番主でございますが、厚生省を初めとして関係各省庁ともよく話を詰めていかなきゃならないという課題だと思っています。  定年について言うなれば、私どもは昭和六十年度をめどに六十歳定年をひとつ積極的にやっていこうということでいま行政指導しておりまするし、また、ことし自民党と各党とのお話し合いの中で、審議会で法制化を含めて御審議をいただくということでございますから、そういった経過をも見守りたいと、こう考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 そこで大臣ね、私は具体的に提案をいたしたいと思うんですが、急速な高齢化社会の到来に対応して、いまのように各省ばらばらな施策でなくて、この際政府全体で総合対策というものを早急に樹立していただく、その中心的な役割りをぜひ労働大臣にやっていただいて、いま申し上げましたような経済社会、年金、定年制、中高年齢の雇用確保、いろんな諸要件の総合的な場をひとつ政府の中でおつくりになっていただきたい。これが一つであるし、二つ目として、定年制の延長の法制化については、少なくとも二、三年後には六十歳定年制の法制化をすることを目標に行政指導というものを強化をいただいて、段階的にやっぱり私は実現をしていくべきではないか、こういうふうに思うんです。  で、こういうような、いろいろ労働省に対する積極的なその役割りを果たすというようなことの大きな期待もありますから、いま申し上げました二つの提案について、ぜひこれはお願いも含めて申し上げるわけでありますが、労働大臣の積極的なお取り組みと、積極的な今後の実現に向けての御決意、所見、そういうものを伺いたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 労働省なり労働大臣が、こういった年金から雇用を全部含めて、それらを含めて先導的な先進的な役割りをやれという御意見でございます。まあ正直に言いまして、私はこれらの問題は目下の緊急な大きな課題だと思っております。でありますから、先導的であるとか、あるいは何とかと、そういう言葉は別といたしまして、労働大臣としても、一国務大臣といたしましても、御趣旨を踏まえて関係省庁の皆さんと一緒になってがんばっていきたいと、こう考えております。  定年制の法制化の問題につきましては、ただいまお話ししましたとおり、法制化の問題も含めて審議会の議を経るということになっておりますので、その場に譲りたいと、こう考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 大臣、大変厳しい情勢の中でありますが、そういう意味では期待もありますし、私どももそういう意味では激励もしながら、まあ大変労が多いと思いますが、その辺も大臣の労の多いことについての敬意を表しますといいますか、激励をいたしたいと、こういうふうに思いますので、今後もひとつ積極的なお取り組みをいただきたい。  次に、週休二日制について伺いたいと思いますが、特に経済企画庁、通産省、大蔵省の方にもおいでいただいていると思いますけれども、それぞれが前向きの御検討をいただいていると思います。で、総理も今回の訪米を通じて週休二日制の実現を急ぐべきだというようなことを指示したとも伝えられているわけであります。これらの動きについて、各省それぞれ前向きに検討されているというんですが、労働省としてはこれらの実情といいますか、実態把握というものをされておりますかどうか、それが第一であります。それから、されているとすれば、今後の具体的な対応についてどういうような役割りを果たそうとされるのか伺いたいと思います。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 私どもすでに一昨年の十一月に、労働大臣の諮問機関であります中央労働基準審議会で公労使三者一致の御意見をいただいております。まあこれは労働者の豊かなゆとりのある職業生活の実現、いわゆる労働福祉の面でございますが、のみならず、最近問題になっております国際的な観点、あるいはまた長期的に見ました場合の雇用機会の確保という点から行政指導で当面強力にこれを推進すべきであると。これは労働時間短縮の一環として週休二日制ということを御建議いただいております。また昨年五月、衆参両院の雇用の安定に関する決議の中でも、やはり行政指導によって労働時間短縮及び週休二日制の実現を図っていけと、こういう御趣旨のこともございます。私ども、それ以来地方の労働基準局あるいは監督署まで通じまして、労働省といたしましては、民間に対して、まずこの労使のみならず広い意味での国民的なコンセンサスを醸成するということのために、中央ないし地方の段階で業種別会議あるいは労使の会議その他あらゆる機会を通じての普及徹底ということに努めてまいっております。その中で、やはり一つには、たとえば金融機関とかあるいは公務員の問題が取り上げられておりまして、やはりこれを先行すべきかどうかというような御議論が当然あるわけでございます。で、まあ長い目で見ますと、やはり国民の一般的な意識と申しますか、社会慣習と申しますか、そういう中にこういった週休二日制というものが定着していく必要があるということから、先ほどの私ども広い意味でのコンセンサスづくりということをやっておるわけですが、具体的にたとえば銀行の問題になりますと、これはまた大蔵の方から御説明があると思いますが、私どもも関係各省間におきまして情報の交換あるいは政策推進についての連携をとるということから、週休二日制の関係省庁連絡会議というものを設けております。この中でいろいろと問題が検討され、かつその推進方についての連携体制ということが議論されているわけでありますから、それに関連いたしまして、銀行あるいは公務員等の週休二日制の推進をどうすべきかということの各省が現在踏まえておられます問題について私どもも十分認識はしております。そうして私どももそれと十分に連携を保ちながら、今後の推進についての措置をともどもとってまいりたいと、このように考えております。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 経済企画庁お見えだと思いますが、新経済社会七カ年計画の中で、完全週休二日制の実施について六十年までに五%したいという発表もありますわね、その点について伺いたいと思うんですが。

長瀬要石経済企画庁総合計画局計画官

○説明員(長瀬要石君) 経済社会七カ年計画の基本構想におきましては、「週休二日制については、欧米諸国並みの水準に近づくことを目途として、その一般化に努める。」というふうにいたしておるところでございますが、産業なり企業の実情によりまして導入に難易の差もあろうかと思いますので、本案作成までの過程で関係各省とも十分御相談をしながら、できる限り具体的にその方向を明らかにしていきたいと、このように考えている次第でございます。特に五%というようなことを……

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 六十年までに五〇%。

長瀬要石経済企画庁総合計画局計画官

○説明員(長瀬要石君) お答えいたします。  週休二日制につきましてその一般化に努めるということでございますので、まあ質的な面も含めまして過半を超える姿になることが望ましいと考えておりますが、明示的に五割を超えるというようなことを計画の中でいま申しているわけではございません。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 先ほど雇用構造の中でも問題になりましたが、時間がありませんから週休二日制について確認をしたいと思うんですが、完全週休二日制を一〇〇%実現させることを目標にして、それならば具体的実施計画を立ててそれを一般化と同様に実現させる、そして各分野における段階的な実現ということを推進していく必要があるわけですね。ですから、これらについてひとつ確認でありますが、労働省の方でひとつその一〇〇%実現に向けての推進について伺いたいと思うんです。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 第一は、いま先生のお言葉ではございますが、先進と言われます、たとえばアメリカあるいはヨーロッパのECの国々の中でも、西ドイツとかフランスとかというようなところでも、全産業をとってみますと大体七〇%から八〇%ぐらいというところが完全週休二日制の態様でございます。したがいまして、わが国ではこの産業、企業の規模とか、ありようとか、いろいろまちまちでありますし、また中小企業などでは非常にコスト増に結びつくというような諸般の問題もございまして、当面はともかくこの労使並びに国民的な規模でのコンセンサス、その中で順次実現をしていこうというような考え方で進めておりますので、いま先生御指摘のような一〇〇%実現のためにどのようなプロセスをたどっていくかということまで、具体的に計画として申し上げる段階ではなかろうと思います。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 わが国の雇用をめぐる情勢というのは大変厳しいことはもう再三先ほどからお話ししているところでありますが、先ほど雇用構造の中でもお答えいただきました十万人雇用の問題でありますね、この雇用増大措置の実現についてでありますけれども、本法案では中高年齢者雇用開発給付金制度の大幅な改善を中心として十万人雇用の増大措置の一環として提出されたと、こういうふうになっております。従来の施策を一歩前進させたということについては評価できるところでありますけれども、このような各種給付金の支給実績というものは十分でない。その受給要件の緩和及び制度の周知徹底が図られるように関係委員会で要望されているところであります。この際、その具体的な改善策というのは何か、それをまず伺いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 給付金の種類なり、あるいは手続等の簡素化の問題でございますが、確かに御指摘のように、種類がいろんな場合に対応するためにそれぞれの要請に応じてつくられておりますので、非常に多岐にわたって、それが活用上不便な面があるという点は確かにそういう問題があるわけでございます。ただ、最近の状況の中でも、たとえば雇用奨励金のように、支給対象が違うたびにこれを給付金として一つずつ数え上げているというふうなものがございまして、それらにつきましては、むしろこれを統合した方が活用もされやすいんじゃなかろうかと、そういうふうな観点から、関係各方面や安定審議会等の意見も聞きながら、その種のものについてはできるだけ統合するという方向で比較的早く着手できるものとして実施をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  それから、事務手続の面でございますが、これは昨年十月に労使の意見を十分伺いまして、ほとんどそのとき出た労使の御意見は取り入れて大幅な改善を行ったわけでございますが、ただどうしても残っておりますものが、いわば不正乱用の防止等の角度から行われているもの、特に会計検査との絡みから残っているもの、そういうふうなものにつきましてでございまして、現行いまあるものはほとんどがそういう必要なもの、ぎりぎりなものにしぼっているつもりでございますけれども、なおしかし中小企業等の利用を考えます場合に、御指摘のようにできるだけ手続等の簡素化という点の御指摘の趣旨は賛成でございますので、今後もできるだけ簡略化できるものがないかどうか真剣に検討して努力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 百種類にも及ぶと言われている雇用関係各種給付金ですね、こういうような効率的に運用するための統合化と手続の簡素化なんかについて、私は改善する必要があるんじゃないかなと思う点が幾つかあると思うんですが、そういうことの内容についてはどうなんですか、御検討されておりますか、簡素化については。どうなんですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 内容と手続と両方の簡素化という場合に問題があるわけでございますが、先ほど申しましたように、当面すぐ気がつきますものとしましては、たとえば同じ雇用奨励金でも支給される対象によって要件が若干違うというようなことから、これを全部対象別の雇用奨励金ということで一つずつにしているわけでございます。  若干、例で申し上げますと、雇用奨励金も高年齢者の雇用奨励金、特定広域紹介対象者の雇用奨励金あるいは特定産業離職者の雇用奨励金、心身障害者の雇用奨励金、同和対策対象地域住民の雇用奨励金、寡婦等に対する雇用奨励金と、同じ雇用奨励金だけでももう六つになっているわけでございます。確かに要件等についての若干の違いがございますから、そういう意味で一つずつにするというのも意味がないことはないのでございますけれども、しかしやはり、こういうものは同じ雇用奨励金ということで、対象に応じて要件が若干違うんだというふうに整理した方が、扱う第一線もあるいは利用される労使の方も便利ではなかろうかというふうな角度から、こういうものについてはできるだけ統合をしたい、また比較的早く実施できるのじゃなかろうかというふうな考え方に立ちまして、先ほど申しましたように、関係の当事者の方やあるいは安定審議会等の御意見も伺いながらその統合を実現してまいりたいというふうに考えているわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 大変細かいことでありますけれども、高齢者の雇用率の達成のための未達成企業に対する実効ある措置ということについては、どういうような具体的なそういう未達成企業に対する措置を考えられるのか。仄聞するところによりますと、高齢者の雇用達成に対しては計画の作成があるわけですね。従来より対象企業規模というものを拡大したとも言われていますけれども、その措置内容、たとえば千人規模から五百人以上の規模に計画の作成命令というのを行うというようなことも含めてあると思うんですが、その点についてちょっと御説明をいただきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) ちょっと頭のところを聞き漏らして恐縮なんでございますが、高年齢者の問題でごさいましたでしょうか。——わかりました。  高年齢者の雇用率の達成の問題でございますが、この点につきましては、特に高年齢者の雇用の割合の低いのは大企業、これは御案内のとおりでございます。したがいまして、雇用割合が低い大企業につきまして計画的に雇用率の達成を図ってもらおうと、こういうことで達成計画についての命令を出しているわけでございます。この命令は五十三年度において初めて発することにしたものでございまして、本年の三月までに命令を出す。これに基づきまして、各命令を受けた事業主からは本年六月末日までに計画を提出するということになっているわけでございます。  で、現在のところ、すでに出しているところもあるわけでございまして、約三百十件ぐらい命令が出ておるわけでございますが、最終的には五百五十件ぐらいになるのじゃなかろうかというふうに考えている次第でございます。  なお、この計画をつくりますときに、その過程におきまして適当でないものについてはこれを改善をしていただく、それから計画が出された後につきましては、その計画の実施状況をフォローする、あるいは計画の中にこれを実現するための手段として定年延長、あるいはそれがすぐむずかしければ再雇用制度を採用する、そういうふうなやり方でもって、具体的な高年齢者の数がふえていくようなそういう達成手段についても、極力その企業の実情に応じた方法をとっていただくというふうなやり方で、作成の過程あるいはその後のフォローを通じて、この計画により雇用率の達成が実現できるように努力をしてまいりたい、またその趣旨で各第一線にも指示をいたしているという状況でございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 余り時間がありませんので端的にお聞きしますけれども、身体障害者の雇用率達成の現状はどうでしょう。   〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 御存じのように、これは毎年六月一日で全数調査をやっているわけでございますが、それによりますと、実際の雇用率が一・一一%でございまして、一昨年に比べると、一・〇九でございましたから、ほんのわずか改善された、あるいはほぼ横ばいといいますか、そういう状況なわけでございます。しかし法定雇用率をかなり下回っているという点は、確かに指摘を受けているとおりでございまして、そういう意味で今後ともこの雇用率の達成に努力をしてまいらなきやならぬというふうに考えているわけでございます。

高杉廸忠日本社会党

○高杉廸忠君 大体もう私に与えられました時間が来ましたので、厚生省の方においでいただいて船員保険の関係や、経済企画庁の方、それから大蔵省の方にも銀行法等の改正でもお伺いしたいと思いましたが、時間がありません。  最後に私は、大変申しわけありませんが、大臣にひとつこれからの取り組みについて再度御決意を承って質問を終わりたいと思いますが、先ほど来雇用保険法の改正について私の方からも提起をいたしました点も含め、高齢化社会の到来に備えて、これに対する対応策やあるいは定年制の問題、時間短縮、週休二日制、こういうもの、そしてまた雇用情勢をめぐる厳しい中でありますし、十万人の雇用の創出等も大変だと思います。しかし、私どもはこういうような厳しい情勢にもかかわらず、やはり働けば安心して暮らせるような、そういう指導というか行政というもの、実現をしなきゃならぬ今日の課題であります。大臣に最後の御決意を承りまして、大変不十分でありますが、私の審議に際してまだ多くの課題を残しながら質問を終わりたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 御指摘の点をも含めまして、私は今度の国会で国会側からいろいろ御意見が出され、また私どもの方からそれぞれ答弁を申し上げたわけでございますが、その答弁を申し上げましたことにつきまして、その後実際にどうこれが運用されておるかということにつきましては、これから省を挙げて確認をしていきたいと、そして足らざるものがあったら、これを補っていかなきゃならない。どうしてもできないものがあったら、これこれの事情でできないのでぜひ御協力いただきたいと、そういうことをいたしたいと。ただここで言うだけでなしに、それをできる限り確認をし、そして実行できるものについては積極的にやっていくということでいきたいと思いますので、この上とも御支援、御鞭撻を賜りたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私は、港湾労働法と雇用保険法と関連する問題について若干質問をいたします。  港湾労働法の改正案が提案されておるわけでありますが、きょうは運輸省港湾局長来ていますね。まず所管大臣である運輸大臣に聞きたいんだけれども、大臣がなかなかとれないというから港湾局長に大臣の代理として、この港湾労働の置かれておる日本経済の全般から見た位置づけを、おたくさんたちはどういうふうに理解をしておるのか。私は少なくとも港湾というものは、国または県がこれを築港してそしておぜん立てをして、きちっとつくってあって、それをつくるはつくったけれどもその後の管理、労務提供のあり方、労働の内容などから見ると、国がつくっておきながら、その運用管理に当たる業者、労働者の実態を見ると、港湾労働法という特別立法をつくらなければならないような劣悪な環境に置かれておる問題が依然として私は解消されていないと、こう思うんですが、これは港湾というものの位置づけを、日本経済から見てどういう位置づけにするかと、その認識の仕方がやっぱり根底になけりゃならぬと、こう思うんですが、いかがでしょうか。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 大変広範な御質問なものでございますから、どのようにお答えすれば的確に御質問に答えられるかわかりませんけれども、まず、ここ数年間の経済の停滞ということが港湾に非常に反映しておりまして、ただいま事業者も労働者も大変苦しい立場に置かれているのが現状でございます。しかしながら、まあ私ども、これから先の海運の貨物の見通しを考えているわけでございますけれども、こういう安定成長ということになりましても、やはり着実に港湾の貨物というものはふえていくべきものだと思っております。そういうことで、港湾の整備も行っていくわけでございますけれども、それの実際の直接の運営に当たる事業者としましては、申すまでもないわけでございますけれども、港湾運送法のもとにその事業者の指導をしていくという立場をとっているわけでございます。ちょっと、広範な御質問でお答えが的確でなかったかもしれません。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 労働者を管理している労働大臣は、どう位置づけされていますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 港湾労働の問題につきましては、本来的に業務に波動性があるという基本的な宿命を抱えておりますほかに、最近の不況を反映いたしまして、さらには運送のやり方についての技術革新の進展等のいろんな要素、つまり構造的な要素、一次的な要素が絡み合わさりまして、そういう意味で、たとえば日雇労働者をとってみますと、その依存度が著しく低下をする、そういうふうなことから、たとえば港湾労働法の中核的な制度の一つである雇用調整手当の財政上に大きな問題が生ずる、その他の問題、あるいは基本的に先ほど先生から御指摘がございましたような、港湾運送全体の構造改善的な問題と絡んだ意味での基本的な問題についての抜本的な見直しの問題等々の問題が山積している状況であるというふうに認識しているわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私は、そういう問題の前に、これは私の認識が違っているんでしょうか。わが国は大平大臣初め歴代大臣が、先ほど労働大臣のヨーロッパにおけるあれにもありましたけれども、まあ貿易立国という一つの言葉で表現されていると、それから、私たちが好むと好まざるとにかかわらずいろんな、社会党は社会党の持論があるわけでありますが、まあわれわれ初め大臣も、皆さんが食べている食糧の七割近くはやっぱり毎日毎日船でやってくる。この国会に使っているこの材木も、これは日本の山から切るんじゃなくて、材木は海から渡ってくる、エネルギー資源も九〇%近く海から渡ってくると、いわゆる港湾という問題、海運という問題、造船という問題、この三つ、港湾と海運と造船、この三つは、いま私が述べた日本の国民生活から見ても、日本経済から見ても、経済構造根本から見ても、港湾という労働は、まあわれわれ国鉄でいろいろ文句は言われておるけれども、国の基幹産業としてきちっと国が管理し、国が経営し、国が需要と労働を確保する、それくらいの私は基幹産業だと思っているんですよ。そんな雇用手当の調整がどうのこうのなんということは枝葉末端のことであって、それはおたくたちの姿勢が悪いからそんなことが出てくるんであって、少なくとも造船、海運、港湾は、日本人が生きるための、日本の経済が生きるための基幹産業だと、私はこう思うんですよ。しからば、それならばそれらしく、基幹産業らしい国の政策があっていいではないのかと、こう思うんですが、いかがでしょうか、大臣。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) いまの御認識はそれなりの見識だと思います。ただ問題は、だから国が全部まる抱えでやるということはなかなかできないわけですね。そのほかにも、これは基本的な問題だというのはそれぞれの分野からあるわけですね。   〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕 それから、御案内のとおり、私が言うまでもなく資本主義、自由主義体制でございますから、その中でどうしていくかと、しかも港湾等につきましては、荷受けその他の関係で、だんだん技術革新がいやでもおうでも進んできている、その中から出てくる一つの悩みでございますので、そういう意味合いで、いまの与えられた環境の中でどうしていくかということでいろいろお互いに苦労をしておると。基本的な問題については港調審等でも抜本的な検討をするということでいまやっていただいているわけでございまして、そういう意味合いでこれはやっていく以外には手はないのではないかと、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 いや、すらっと肩すかしを食わせないでよ。私が言っているのは、いま言った港湾と海運と造船という三つの産業は、日本という国が生き抜くために、経済も国民の生活も、絶対必要な国の基幹産業として位置づけられるべき産業だということについていかがですかと私は言っているんですよ。そうならそうで結構なんですよ。それについての大原則を、まずいまから議論するのに確認したいと、こう思っているんです。いかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 基幹産業という意味に問題があると思うんですが、私は、基幹産業というものをどれとどれが基幹産業であると言うのはなかなかむずかしいと思うんです。ただ、重大な産業であるということは間違いないと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 まあへ理屈ではないけれどもね、おたくさんたちは、三公社五現業は三公社五現業として国の大事な仕事だと、こう言っていますね。鉄鋼は鉄鋼で基幹産業だといっていろんな助成措置をしているんですよ。造船は造船で景気のいいときはどんどんつくって、景気が悪くなるとどっとこれにも金を貸して、いわゆる操短をやって操短の補償をする。それでも足りなければ利子補給をやってさらに造船界を助成するという国の政策が入っているんですよ。それと同じような位置づけに港湾と海運がありませんかと言っているんですよ。海運は海運で助成ありますね。造船は造船で助成がある、ただ一つ港湾だけが取り残されているような気がしますので、まずお互いに議論するに当たって港湾というのはやっぱり日本国民の生活に絶対不可欠なものだと。船で荷物運んだって、揚げて運搬しなければ家庭に行かないでしょう、地域に行かないでしょう、各企業に行かないでしょう。港湾というのは人間ののど笛じゃないですか、日本経済から見れば。ですから、その基幹産業の位置づけをどうするとかなんという、そんなへ理屈を言わないで、日本国民が、日本の経済が生きるために絶対必要な産業部門だと、この点の認識はいかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) そういう意味では絶対に必要な産業だと思いますよ、これは。だけれども、世の中で絶対に必要でないという産業がないかというと、それぞれございましてね、そういう意味で一般論として非常に重要な産業であると、それが、重要な産業が基幹産業であるという言葉で言われるならばそれはそのとおりでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃもっと言葉をかえて言えば、港湾の管理、それから業務の形態、そこに働く労働者の労働の条件、そういうものについては、少なくとも国が直接手をかしている国鉄であるとか、あるいは全逓であるとか、あるいは公務員であるとか、そういう方々にせめて準ずるぐらいの労働環境、あるいは国のいい意味の管理、そういうことをする必要があるなと私は原則的に思うんですが、この考えはいかがでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先ほどからも大臣がお答え申し上げておりますように、非常に重要な産業でありまして、これにつきまして種々の配慮をしなければならぬというふうに考えますが、たとえば三公五現とそれに準ずるという、その準ずるの意味にもよるわけでございますけれども、そういう意味で、たとえば、やり方がほぼ同様なやり方で労働条件等が決まるというようなことになると、なかなかこれはその基本的なやはり産業のあり方等の検討の上で出てくる問題ではなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 あのね、前段は調子いいこと言って、後段になるとびびびっとしり抜けするんだけれども、港湾といっても、トラックを運転する方もいらっしゃるし、いろんな起重機を操縦する方もいるし、船舶をしている方もいると、じゃこの三公社五現業など、地方自治体を見た場合にそれに類似する産業がないかというと類似する産業はあるんでしょう。そういう類似する産業の皆さんと同じくらいの労働条件なり労働環境なりというものをやはり原則的に確保するような法構成というのが港湾労働行政で必要ではないのかと、もっと具体的に言えばそういうことなんですよ、その点いかがですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 重要な産業でございますから、その社会的な水準から見てできるだけその労働条件、作業環境等を整備すべきであるという御趣旨として私どももそう考えるわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 なかなか官僚答弁で、言質をつかまれないように、つかまれないように逃げていますから、わからないわけではありませんが、私はこの問題で堂々めぐりをしてもしようがありませんから、私たちはそう認識して取り組んでいます。でありますから、本来この港湾労働法をつくったときにも、田中寿美子先生とか、衆議院に行った湯山先生とか、いろいろな先輩各位の苦しい闘いがありました。私たちも労働組合運動という面から港湾労働者の実態、いわゆるやみ労働、暴力集団的なやりとり、そんな本当に前々近代的な労働環境から改善するために港湾労働法というのがつくられたと、こう思うんです。私もその経緯は知っています。  そうして、今回財政面からいろんな手当てをするという緊急な措置なわけでありますが、私は前段港湾局長も含めてしつこく聞いたのは、港湾労働というものをどういうふうに位置づけるか、問題のとらえ方をするか、その観念が足踏みしておってはちっとも前に進まないじゃないか。進まないから港湾労働法を六大港からほかの港にこれを拡大するとか、共同雇用の方式であるとか、これは沖繩で何とか成功しょうと思ったら、業者か政府か知りませんが、茶々が入って成功しなかったと。いわゆる共同雇用方式、あるいは職域の拡大、いわゆる港湾労働法を前向きに前向きに進めていって、おたくさんがいま答弁しようとしているその姿勢とどの時点でかみ合うのかなということを期待して前段で私はしつこく質問したんです。そういう点から見ると、この港湾労働法の現状的な位置づけと、おたくさんたちいま三人が答えた中身とを考えますと、港湾労働法というこの労働法は、むしろ内容面を充実しながら重要な産業に働く方々にふさわしい労働環境あるいは労使関係というものをつくるために、前向きに前進させるべき性格のものだと、こう私は思うんですが、いかがでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生御案内のように、現在基本的な問題について港湾調整審議会において御議論をいただいているところでございますが、この議論を進めるためにも、現在御提案申し上げておりますような港湾労働法の中核的な柱である雇用調整手当制度自体の財政的な危機というものを克服しないと、基本的な問題の議論が進まない、こういうふうな観点で、緊急な問題として御提案を申し上げているわけでございます。したがいまして、この法案が成立することによりまして基本的な問題についての御審議もさらに審議がテンポを早めて進むというふうに私どもは考えているわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 いや局長ね、あなたが今度の港湾労働法を一部改正するために、港湾調整審議会に出して議論されたそんな経緯は私も百も知っています。ただ私は遺憾に思うのは、おたくさん方に、運輸省の港湾局長も含めてお願いしているのは、この港湾調整審議会に、資料もらいました。前段はなかなか気持ちのいいことを書いているんですよ、だっと気持ちのいいことを。だんだん後の方に行くと、細野局長と大臣答弁と同じで、前広でかっこういいんだけれども、だんだんだんだんしぼんでいって何を言っているかわからない、こうなっちまうんですよ。これは私はここにもらっているのは、一九七六年九月十六日、港湾調整審議会の吉岡委員が、魅力ある港湾労働の確立のためにというものを提言をしたんですね。提言をしてから今回の答申見ると、三年ちょっとくらいたっているんですが、ちっとも中身が前進していない、ちっとも中身が。いわゆる港湾労働法は六大港に限定する、登録要員と非登録要員の関係を議論してみたり、金の問題を若干議論してみたり、環境全体の根本的な整備には引き続き検討中、引き続き検討中といって、検討中検討中となっちゃう。なぜこんなに三年も四年もかかって検討中検討中と延びるのかということを私なりに分析してみると、政府の根本姿勢がきちっとしていないからだと、こう思うんですよ。あなた方は業者業者と言って民間業者に責任をぶっかけるけれども、根本は政府の姿勢にあるんじゃないですか、根本は、政府の姿勢に。港湾労働というのは大事な仕事だということの認識の仕方、受けとめ方に、なにあんなの従来どおり任せておけばいいんだと、労働組合と社会党がわあわあ騒ぐからちょっぴりちょっぴりやっていればいいんだと。そうして、おれの任期中には問題が起こらないように、まあ二年、三年局長しておれば、後から後からどんどん次官にいくんだから、あるいは自民党から代議士とか参議院に出るんだから、まあその間に事なかれで働けばいいんだと。ただ、じっとしておられないから、百円や二百円調整手当を上げてやると。その域を出ていないんですよ、この三年間の議論を読んでみると。だからやっぱり前段に私は返ってくると、こう思うんですよ。その点はどうですか。こういう提案を本当に受けとめてやっているのかどうか、ひとつ考え方を聞かしてもらいたい。これはおたくも知っておるでしょう。一九七六年九月十六日、港湾労働対策に関する意見書、魅力ある港湾労働の確立についてという意見書です、これは。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 港湾労働をめぐるいろいろな環境問題、労働条件問題、その他いろんな問題が起きている点は御指摘のとおりでありまして、したがいまして、関係の労働組合から、この改善の点についての積極的な御意見が出されていることも私ども承知しているわけでございます。そういう問題をめぐって、関係労使、それから学識経験者を含めて、雇用調整審議会におきましていろいろな議論が行われてきたわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、とりあえずの問題として、とにかくこの雇用調整手当の財源問題を解決しなければ、むしろ港湾労働法そのものについての業界側の、いわばこんな制度は要らないんじゃないかというような、そういう極端な議論まで出かねないような状況でございまして、基本問題の解決のためにもどうしてもこの財政問題の解決が不可欠であるということで、緊急な措置として御提案を申し上げているというふうなわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 やっぱり堂々めぐりだね。まあきょうは時間が三十分というわけでありますから、今度は港湾労働法だけで一日時間とってもらってやりますわ、堂々めぐりをしていますから。  それで、いまちょっとありましたから、一つだけ確認しますが、この財政問題の調整のために、今回緊急な法案を出したといって、この審議会で議論されたということはわかります。これはやっぱり結論から言うと、この財政問題にかこつけて港湾労働法をどんどんどんどん骨抜きにして、最後はパアにしてしまうと、そういう戦略路線はないんでしょうね。これは責任ある答弁ですから、大臣からあるかないか、永久に国会議事録に残るんですから、ひとつ大臣から責任ある答弁もらいたいと思う。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 御指摘のように、これを奇貨として、あるいはこれを利用して骨抜きにしようと、そういうような気持ちは毛頭ございません。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、それは再確認します。  それからもう一つは、全港湾が、港湾労働者の雇用と生活保障制度に関する仮協定書というものを日港協と四月十一日仮調印したのを御存じですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 港湾労働者の生活保障基金制度等につきましての労働組合と港運協との間に四月十一日に仮協定が調印されたという点は承知をいたしております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この協定書を見ますと、いま言った審議会の議論の中身よりも相当具体的に前進面があるんです。これは労働者側とこの日港協の努力のたまものだと思うんでありますが、この中身を見ると、港湾労働者の保障制度ということについては、港湾労働者年金制度、最低保障賃金制度、職業訓練制度、転職資金制度などがありまして、いま私が前段で提起しようとした幾つかの基本的な問題について合意に達して、これを開始をするための努力がいまからされると、いわゆる資金の問題をどうするか、適用の問題をどうするか、幾つかの問題が、大事な問題が残っていると思うんですよ。この中で、やっぱり労働省なりあるいは運輸省の港湾局が、この問題について本当によりよいものにしていくという意味の側面の援助がきわめて大事なウエートを占めていると、こう私は思うんです。いやしくもこれに水を差すようなことはないと思うんですが、むしろ差すならば温かい水を差して、むしろ水だけでなくて金を差し入れて、政府の方も出してやるよと、がんばれよというぐらいのやっぱり私は制度があってほしい。薬害医療制度にも金出すということを言っていますから、まあそこまでは言いませんが、やっぱりこういう基幹産業にも、労使がこういう自主的な努力をしているんですから、金の面でめんどうぐらいは少し見てやるよというぐらいの気持ちも含めて、これはやっぱり促進すると、こういう立場が行政指導として必要だと、こう思うんですが、これは大臣と運輸省にお伺いします。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 港湾労働の問題につきましては、この労使関係というのは非常に着実に改善されつつあると思っております。ただいま先生のおっしゃいました仮協定、恐らく今月の月末あたりに調印されるのではないかと思っておりますけれども、こういうことで、労使両方の非常な協力で着実に進歩していると私は評価しているものでございます。  なお、きょう御審議いただいております港湾労働法も、その面で事業者の強化ということにつながりますので、大変ありがたい措置だと私ども思っておるところでございます。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) この基金制度等の実現につきましては、私どもも労使の話し合いが十分まとまるように積極的に協力をしてまいりたいと、こういうふうに思っておるわけであります。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それで、まあこれと関連して、時間がありませんから、私全部一つ一つ確認しようと思ったのですが、これは一々読み上げませんが、全港湾の方から十二項目のこの港湾労働法の改正運用に伴う質問書が出て、これは労働省が中心になって港湾局とも相談して、疑問点に対する回答メモというものを出しておるんですがね。この回答メモについては間違いがなければ、時間の節約上——一項の「港湾労働法を一部改正することによって、ILO港湾労働条約の批准や港湾労働法抜本改正が見送られ、港湾労働の基本的問題の解決ができなくなるのではないか。」という、いま言った第一項の質問を含めて、これが第一項から十二項の「地区審の権限を強化するとのことであるが、どのような内容になるのか。」というところまで十二項目あるわけでありますが、これについては時間の関係上質問を省略しますが、私が質問して、この回答メモのとおり回答したという点を確認して異議はありませんか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) そのとおりで結構でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃありがとうございました。確認いたします。  それから、このいま言った日港協との協定書の中の第五項に、「実施期日は、昭和五十五年一月一日を目途とする。」と、ここはいいんでありますが、「但し、イ、その間合理化による企業倒産及び事業縮小等により、既存の港湾労働者の解雇問題等が生じた場合、港毎の協議により再雇用など就労保障についての努力を行なう。ロ、止むを得ず他の職業に転職せざるを得ない場合は、小委員会の協議に基づき協定日にさかのぼって転職資金を支給する。」と、まあ大変きめ細かく原則をうたっておるんです。それで、私はこういう原則に伴って、これは港湾局長に申しわけないんだけれど、去年の十月十九日、運輸委員会で私が取り上げました関西の福崎運輸の問題ですね。この問題について、去年の九月二十二日、私もこの福崎運輸、岡谷工機、それから海運局、大阪府、それから若干暴力問題もあったんで警察関係、あるいは労働基準局など全部回って、本件問題はちょっと度が過ぎるじゃないかと、早急に解決方をしてほしいということを国会で申し上げました。その際にあなたは、日本港運協会、大阪の協会長さんが仲に入って何とか円満にまとめるための努力をしていると、こういう話もありましたし、海運局長も、私の現地調査に対して、いわゆる限定許可ではあるけれども親子関係のようなものだと、したがって、親子関係と似たようなものであるから、本件問題についてはさらに解決に努力したい、そういう話があって、私も、これは荷物がなくなったんではなくて、荷物はあるんだけれども、荷物の流し方を変えただけだと、だから、荷物の流し方をもとに戻せば福崎運輸は仕事があるんだ、そういう例も申し上げて、公式、非公式を問わず善処方を申し入れておったんですが、現地の話ではいまだに解決していない。十何人の方々は非常に生活に困りながら、同僚のカンパで生活をしたり、アルバイトをしたり、土方をしたり、それで現在生活をつないでいる、こういう現状は依然として変わっていない、現在でも。いま五月ですね。半年間になるんですが、もうそろそろ解決してもいいころだなと。すぐ解決すると会社側に怒られるから、もう半年も苦労すれば雇用保険法の期限も切れるから、そろそろ解決してもいいんじゃないかと、こう思うんですが、その後どうなっているんでしょうか、これ。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 経緯につきましては、先生十二分に御承知だと思いますのでくどくは申し上げませんけれども、おっしゃいましたように、日本港運協会の大阪の地域の協会長が仲立ちになりまして、非常に努力を重ねております。しかしながら、先生もちょっと御指摘になりましたけれども、貨物の流通経路が海から陸の方に移ったというような関係もございまして、仲立ちというものが思うようには早く進展していないということは事実でございます。しかしながら、大変粘り強くと申しますか、非常に一生懸命に現在でもその努力を続けているように聞いております。私どもといたしましては、これまた御承知のとおりでございますけれども、大阪の地裁等で直接紛争の問題にもなっております。これも相当の審理が重ねられている状況でもございますので、その辺よく見きわめながら、もう少し大阪の港運協会長の努力を見守っていきたいというふうに考えているところでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この大阪の地区の協会長は具体的にどういう問題解決のルールを示しているんですか。結局私は、限定許可ですから、岡谷から荷物をストップされれば荷物はないんでしょう、この福崎は。だから一遍にパアなんですよ。だから、運輸省がこういう限定許可をする際には、やはり荷物を供給する方の親会社、たとえば岡谷なら岡谷の問題についても、十分全般的な物の流れを見ながら、やっぱり、限定許可をしたこれは岡谷から見れば子供の関係にある福崎について、十分な配慮をしないと、会社の都合だけでぽんぽんやられたら、そこに働いている経営者と労働者が一遍にパアでしょう。まあ経営者は親会社の岡谷の方で何とかかんとか吸い上げてどこかへ持っていくというような、経営者サイドは何とかかんとか飯の食い方はあるけれども、ぽんと切られた労働者はそのままほうり出されるということに限定免許の因果関係があるんじゃないですか。私はそこを海運局長に言ったんですよ。最初は関係ないと言っておったけれども、だんだん、そう突っ込まれるとやっぱり限定許可をした近畿海運局長に責任がある、責任が。親子関係として。そこのところをもう一歩突っ込んで、どうだと言ったら、やっぱり仕事を再開するかあるいは別な仕事を持ってくるか、あるいは限定許可の内容をもう少し洗い直して成り立つようにするか、どの道か三つか四つの道をいろいろ考えてみましょうと。本神にもお話しします、あるいは地区の協会長さんにも努力してみますと、こう言ってこられたから、私はその幾つかのルールについて本当に交渉されたのか、動いたのか、交渉して動いたけれどもどうにもならないのか、その辺のやつを、公開で言えない面があるなら言えない、後で目黒ちょっと耳打ちするから、解決を前提にちょっと耳打ちするからと言うんなら、いい話なら、何もここでしゃべることないけれども、いろいろやってみたけれどもどうにもならないということなのか、まだ余韻があるということなのか、その点はどうなんですか。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) まず第一に、これまた先生重々御承知で申しわけないんですけれども、問題の福崎運輸の事業の廃止というものは、法律のたてまえからこれは許可せざるを得ないということで実際に許可をいたしまして、その当面の会社はなくなっているわけでございます。そこでその福崎運輸の貨物の荷主であった岡谷工機というところと、日本港運協会の方といろいろ話をしているというのが実情でございますけれども、先ほども申しましたような事情もございまして、一言で言えば、入り口のあたりでなかなか解きほぐれが出てきていないというような状況が、一言で申せばでございますが、あると思います。しかし、いずれにいたしましても、先生もおっしゃいましたけれども、具体的なそういうところまで立ち至っていないんではないかと私は思いますけれども、さらによくその状況を細かく聞きまして、そして何かの方法が見出されればそちらの方に向かって努力をしたいと思いますし、もし先生の方にもこれに関する情報等ございましたら、教えていただければ大変ありがたいと思う次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは、会社は会社のメンツがある、岡谷は岡谷のメンツがある。あるいは、聞くところによると、この福崎運輸は全港湾に加盟しているから、全港湾をやめればまた仕事を見つけてやるとか言ったとか言わないとか、あっちこちデマが飛んでいるんですが、私は、そういう問題意識があったにしてもなかったにしても、少なくとも限定免許という特異な形態の運輸業ですから、やはり労使不介入といっても、海運局側にも一半の責任がある、私はそう思っているんですよ。運輸一般ではないですから、限定許可ですから。ですから、限定許可をした経過から見れば、ここに再就職になるのか、再開になるのか、あるいは別な会社をおたくの方で世話をしてやって、この海運協会の会長さんが世話をしてやって、いままで岡谷さんが与えておった程度の仕事をどこかと話をつけて新しい仕事を見つけてやるとか、とにかく物を運ぶ仕事さえあれば再建はなるわけですからね。その際には、海運局長は、そういう仕事の面さえ見通しがつけば再認可はあり得ると言っているのだ、私に。再認可はあり得ると。再認可をしましょうと海運局長は言っている。となれば、仕事のルートなんですよ。岡谷さんから再度話し合いをつけてもらうか、あるいは地区会長さんが仲に入っているから、別なところから仕事を持ってきてこの福崎運輸に限定許可の仕事を預けるか、その二つだと思うんですよ、当面の問題は。私は都タクシーで三年かかったから、なかなかむずかしいこういう運輸産業のこじれというものは問題があるかもしれませんが、去年から大分やっているんですから、この仕事はことしで足かけ三年目です。三年目ですから、三年たてば何とかということもあるから、もうそろそろ私はいまの時が解決のチャンスだと思うんですよ。これ以上言えなければ、もう一度現地を督励して、関係者を説得して、本件問題が円満に解決するよう再度努力を願いたいし、これは労働省の方も、大阪府の労働部の方からいわゆる援助方なりへあるいはアドバイスをして、円満解決するようお願いしたい、こう思いますから、両者からこれに対する決意のほどをひとつ聞かしてもらいたい、こう思うんですがいかがですか。簡単で結構です。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 先生もおっしゃいましたように、これは労使の紛争の問題でもあり、非常にむずかしい面が多いわけでございます。したがいまして、運輸省の立場としましても、直接的に介入していくというのは必ずしも適当でない、やはりこういう問題というのは、その地域におきまして、かつその仕事なり何なりの内容に直接密着した人たちの手によって解決するのがもう最良の道だと思います。それを中心といたしまして、私どももさらによく情報をとりながら、検討を続けていくと申しますか、できるだけの努力を重ねていきたいというふうに思っているところでございます。

松井達郎労働大臣官房審議官

○政府委員(松井達郎君) この問題は、先ほどお話が出ましたように、大阪地労委に係っておりまして、どうも審議は大詰めに来ておるようでございますが、それはそれといたしまして、ただいまお話がありました件につきましては、大阪の労働部とも連絡をいたしまして、私どもの行政でお手伝いできることがあればやってまいりたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、それは私も点検しますけれども、御指導方をよろしくお願いします。  それからもう一つ、関西というところはいろんな問題が起きるところなんですが、上組事件というのがありましたね、四年ほど前。この社労委員会で何回か、当時、山崎昇社労委員長当時でありますが、三年半、四年ぐらい前で、上組事件の暴力事件を国会で取り上げて、最終的にそういうことはやらないと、こういうことで円満解決した。私もきのう熱を出して寝ておったものですから、本来ならば社労委員会の議事録を調べて、何月何日にこういう議事録があると言ってここに議事録を持ってくればよかったのですが、きのう熱を出して寝ておったものだから、議事録は別途また参考にしながら出します。  これは、簡単に要件だけ言うと、五月の二十二日ですね、これは砂子海運とかというところだそうでありますが、ここが解散関係を組合に提案して、組合は不満だと。これははしけ関係なので、そのはしけの近くでピケを張りながら組合集会をやっておった。そこまでは私はいいと思うんですよ。会社から提案があって、組合が反対で集会を開いていると。その集会を開いているところに五十人ほどがバスに乗って、全部それは上組の社員だそうです。上組の社員が五十人ほどバスに乗って、ピケを張って反対集会をしている組合の集会に殴り込みをかけてきた、殴り込みを。そして築港支部の後藤書記長が一週間のけが、そのほか六人が二日ないし三日の打撲症、これだけのけが人を生じた、こういうことがありました。これは運輸省に、港湾のことですから、全港湾の方から厳重抗議を申し込んだと聞いておりますが、その厳重抗議を受けておるかどうか。受けておるとすれば、調査をして現状をどういう認識をしているか。あるいは、これは上組事件といって社会労働委員会が相当タッチをして、労働運動に暴力団が介入してけがをさせることはけしからぬという前の経緯もあって、そのいわくつきの上組がまた同じケースで、バスで運んできて殴り込みをかける。こういうことは、やはり前回の経緯からいってけしからぬと私は思うんですが、この件に対して労働省で情報をキャッチしておるかどうか。両者から、この件についてここで聞かしてもらいたいと、こう思うんです。

松井達郎労働大臣官房審議官

○政府委員(松井達郎君) まず、私の方から申し上げます。  労使関係の問題に暴力が入ってくるということは、いかなる事情がありましても、いかなる原因がありましても、私どもとしては許せないことだと思っております。  それで、先生の御指摘の、この砂子海運と申しますか、実は先生の御質問があるということで、大阪府にきのう急遽連絡をとりました。まだ概要の、ごく概要の程度で、詳しいことは私どもとしてもよくつかんでおりません。ただ、何人かのけが人が出たということで非常に残念なことだというふうに思っております。私どもとしましては、暴力行為が労使関係に入ってきちゃいかぬということにつきましては、先生御指摘のとおり四、五年前にこの委員会、それからほかの委員会でもこの上組問題が取り上げられまして、そのときにも申し上げたわけでございますが、それを機会に、そのときもまた機会にいたしまして、関係者にこういうことをやっちゃいかぬということを周知徹底してきたわけでございますが、そういう経緯もあり、さらに詳しい事実の調査、照会をいたしたいというふうに思っております。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 運輸省の方には全港湾の吉岡委員長から昨日電話がありましたそうでございます。そして詳細がわかりませんので、現地の海運局に内容調査を命じたという段階でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは労働省と港湾の方はわかりました。私はやはり早急に事態を調査をして、この上組の皆さんがバスに乗って殴り込みをかけるという、一体だれがどういうルートで指令をしたのか、それをきちっとやっぱり調べてもらいたいんです。三年前の事件のときも、ああでもないこうでもないと逃げておったけれども、われわれが現地に行って労務担当者を現に前に置いて、私はびっくりしたんですがね、ジャイアント馬場より大きい人が二人両方におって、真ん中に労務担当がおって、その労務担当をよく見たら、あれ、あなたはどこかで願を見たことがありますねと言ったら、私と一緒に何年か前に労働運動をした仲間ですよ。労働の仲間の人が前におって、人格を尊重して名前は言いませんが、両端にジャイアント馬場ぐらいのでっかい人がおって、入っただけでも私みたいな心臓の弱いのは圧倒されるような雰囲気の中で追及して、結局はバスの運行については会社側が指示しました、もってのほかだと、こうなって、謝罪したんですがね。そういう前歴があるんですから、私はやっぱりバスをだれがどういう系統で指令、指示をしたのか、会社との因果関係をきちっとしてもらいたいんです。この問題は私は仮にやっぱり会社がタッチしておったということが客観的に立証されれば、上組に対する港湾関係の免許については一時保留する、取り上げる、これぐらいのことをやらないと、労働者をいじめるには紙くずのようにやるなんてもってのほかですよ。ですから、私はこのバスの関係者を調べて、因果関係があったらやっぱり一時免許の取り上げをして、事実関係をもう一回洗って、今後一切そういうことはいたしません、いわゆる港湾労働法の指示に従って働く労働者を大事にいたしますということがきちっと確認されない以上は再免許を与えないというぐらいの——業者が一番弱いのは免許取り上げですから、それぐらいの強い姿勢で取り扱ってもらわないと、こういう暴力団事件はなくならないし、これを放任することが港湾労働をますます前近代的な労働環境に追いやるということで、行政側も手をかしているということになってしまうんですよ。これに警察が全然介入しなかったら、警察も手をかしているということになってしまうんですよ。それなら前段の港湾労働の近代化などは何の飾りかと、こうなってしまうのですから、こういう一つ一つをやっぱり行政は大事に取り扱っていくということが必要ですから、結論は、調べてもらって、関係していたら免許を取り消し、一時取り消し。再審査をして、善悪を明らかにして再検討なら再検討する、そのくらいの姿勢を持ってほしいということをお願いいたしますが、港湾局長、どうですか。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 先ほども申しましたように、まだ調査を命じた段階でございますので、それ以上の予測したことは申し上げる立場にございませんが、十分に調査をしたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは労働大臣、どうですかね。労働者を守る立場から、私がいま言ったような形が公然と労使関係で行われているということがあった際には、やはりそれを指示した業者、指示した会社の方はやっぱり——私が言っていることは無理でしょうか。それとも、やっぱり目黒はうまいことを言うなと、運輸省はがんばれ、こういう大臣の答弁をもらえれば非常にいいんですがね、大臣、いかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ただいま港湾局長からもお話がございましたように、これから実態をよく調査する、そして適切な処置をする、こういう趣旨でございますから、私はそういうことでいくべきではないかと、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ私は、この前の新幹線のトンネルの事故のときにもさらりと逃げられたんですがね、これは委員長、所管大臣じゃないからさらりと言うんだけれども、労働者の保護に関する事項とか、こういうものについては、やっぱりここだけの答弁じゃなくて、調べたら、関係大臣が出てきて議員の質問に答えるということについて、この前の運輸大臣も残っていますからね、どっちも運輸大臣だから。この前は大清水トンネルのあの火災事故ね、十何人死んだの、あれも大臣答弁残っているんですよ。それも含めて港湾局長、よく調査して、次回の委員会に免許の取り消しも含めて答弁できるように準備方を要請しておきます。これは要請です。答弁は要らないです。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) これは委員長からも特に政府機関に対して、答弁する場合に責任ある、処置ある答弁をひとつ次回の委員会でできるように特に申し上げます。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 調査にどのくらいの日数がかかるかということがわかりませんので、次回の委員会でどの程度に御報告できるかということは——まあそういうことだけ申し上げさしていただきます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私は売り言葉に買い言葉しません。まあ誠意を持ってやってください、お願いします。問題は、結果については申し上げますから。  それから、雇用保険法の問題でいま同僚の高杉さんからいろいろ質問がありました。私も時間が余りありませんから、二つ三つだけ御質問いたします。  この雇用保険法の一部改正は、訓練などを中心にいろいろ十万人雇用の一環として提案されているという点はわかります。ただ、私はどうしてもわからないのは、いろいろこういう制度をつくる、あるいはPRをする、こういうふうにやっても、私は一番遺憾に思ったのは、この「エコノミスト」に書いてあった記事なんですよ。いわゆるおたくの直接の審議に携わっておる方が、「エコノミスト」の七九年二月六日の雑誌で「失業問題と雇用政策を問う 予防や事後処理から雇用創出を」という高梨さんという方ですね、この人が同じ「エコノミスト」の二十ページに書いておる「問題の所在」という点で三つばかり挙げているのですがね。その中に、いろんな制度をつくって、先ほど高杉同僚委員も言っておりましたが、雇用機会の保障あるいは再訓練という意味も含めていろんな制度をつくるけれども、予算はがっぽり取るけれども、さっぱり中身が、一割か二割、多くてまあ三割か四割程度という程度しか消化されていないと。そうしますと、今回の法改正は、現行の制度を一〇〇%改善して、もうどうしても雇用を確保するために、これでは間に合わない、間に合わないから金をくれいといってやった予算の増額ということにならないんではないか。ただ頭の中で、ああ訓練期間が必要だ、じゃ訓練の期間について生活を保障しようと。生活保障しようということはいいんですよ、これは前進ですから。今回の改正は私は悪いとは言いません。今回の改正案そのものは前進だから結構です、賛成いたします。賛成しますが、もっと振り返ってみれば、そういう制度自体がなぜ十分に運用されないんだろうか、一生懸命苦労して盛った予算が、なぜ一割や二割や三割ぐらいでなってしまうんだろうか、何があるんだろうかと。しかし、雇用条件は依然として厳しい。雇用条件が緩和されて、せっかく労働省がつくった制度のお世話にならなくても何とかやっていけるんだという雇用情勢たらば、それなりに意味がわかります。ところが、高杉委員なり、この前片山委員が言っているとおり、依然として雇用情勢は厳しい、厳しいけれども制度はちっとも十分に活用されない。これは委員会の報告を見ましても、そういうこと指摘されていますね、今回の答申見ますと。どこが問題なんだろうかということについて、これは私らも行政官じゃないからわからないんですが、その点は大臣にはおこがましいから、窓口として、どこが問題で今回はどういう点をどういうふうに手をつけて、来年度の決算には委員会で再び同じことを言われないようにこういう方向でやりますよということを、ひとつ法の運用と発展のために、問題点と取り組みを聞かしてもらいたいということ、ここが一番だと雇用保険で私は思うんでお願いしたいと思うんです。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) この雇用安定事業関係あるいは四事業関係の給付金でございますけれども、基本的にはひとつ性格的に御理解をいただきたい点は、本来的にこの給付金関係についてこれが活用されるのに非常に波動性があるということが基本的な性格のものとしてまずありまして、したがいまして、ある時期にどっと出るけれども、ある時期にはそれがぐっと少なくなるというふうなことが基本的にあるわけであります。そういう意味で、安定資金といういわば基金的な制度を設けまして、ある年においてある程度余った場合にはそれを全部資金に積み立てまして、今度どっと出るときには、その積み立てた資金の中からこれを活用していくという仕組みになっているわけでございます。そういう意味で、この御指摘の給付関係の大部分について、そういう本来的に波動性があるという性格の給付であり、したがって、そういう意味での弾力的な安定資金という制度が設けられているんだという性格については、ひとつ基本的に御理解をいただきたいと思うわけであります。  ただ、それにしても各給付金を見た場合に、非常に少ないものがあるじゃないかという御指摘、これまた御指摘に私どもは真剣に検討しなきゃならぬ問題だというふうに考えているわけであります。大ざっぱに申し上げますと、予算の全体的な消化の点、四事業全体としてはもう七割以上ぐらいいっているわけでございますけれども、その中で安定事業と、それから改善事業の給付関係がかなり消化率が悪いわけであります。その原因は、一つには、たとえば雇用調整給付金のように、一時休業に対する援助の仕組みでございますけれども、これは制度発足の当初には予算の四倍ぐらいも出てその対処に苦しんだぐらいでございまして、それが最近になって、その当時に比べれば十分の一ぐらいに減っている。これはまさに雇用調整そのものの一時休業という形でやる実態が減っているという実態から来ている問題でございます。それから、たとえば定年延長とか、それから地方での工業立地関係の奨励関係のものにつきましては、やはり景気の停滞がかなりこれが長期化したことの原因が大きく影響を受けているんじゃなかろうか。それから共通の問題としては、やはり制度の周知が十分徹底していないというふうなことがあるわけでございます。  それじゃ五十四年度以降をどうするつもりかというお尋ねでございますけれども、私どもは、一つにはいろいろ消化率が比較的悪いという中におきましても、たとえば中高年齢者に対する開発給付金につきましては、これは現在でも非常に要望が多く、支給が進んでおりまして、恐らくいまのところの推計では五十三年度中には予算の二倍近くまで消化されるんじゃなかろうかというふうな状況でございます。したがって、一方において求人がようやく上向きになってきているという情勢、一方において、先ほど高杉先生も御指摘がありましたけれども、それにもかかわらずなかなか常用の雇用というものが伸びていないというふうな、そういうところに着目しまして、中高年齢者を常用で雇ってくれた場合には、従来ある開発給付金の支給期間なりあるいは補助率というものをもう抜本的に強化しまして、現在でもかなり活用が進んでおるわけでございますから、これを飛躍的に拡大することによりまして、かなり給付金関係の財源というものが消化をされるということを期待をし、またぜひこれは実現をしなきゃいかぬと、こういうふうに思っているわけでございます。そのほかのものにつきましても、たとえば定年延長あるいは継続雇用関係につきましても、これは五十四年度予算そのものでも大幅に増額していただきましたほかに、先般の予算の際における与野党のお話し合いによりまして、五十三年度に比べまして、実質的に結果としては二倍の額に一躍して強化されるというようなことでございますし、一方最近新聞等にもちらほら百貨店その他で定年延長というものが実現、具体化するという気風も出てきておるわけでございますから、こういうときに従来の指導を一層工夫を重ねて定年延長等が実現をするようにしてまいりたい。その過程で、その定年延長奨励金なり継続雇用奨励金というものが活用されるようにしていきたい。そういうふうに雇用情勢の推移と、それからPRというものを具体的に絡めながら、こういう予算というものが十分活用されるように努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私は一つはお願いしたいのは、決して努力はしていないとは言いませんが、中高年齢とかそういう方々を実際に雇ってみて、あるいは雇おうとした際に、どういう問題があるのかという経営者サイドの一回世論調査をして、そのニーズに合うような私はやっぱり努力をもう一回工夫してもらいたいと思うんです。同時に、労働三団体ですか、同盟を除いた労働三団体が、ことしの春闘でいま局長がるる述べたことをさらに具体化するための幾つかを七項目にわたって提案されましたね。もう時間がありませんから言いません、中身は。この提案と、いま私が言った定年に近い方々を実際に雇ってみて、どういう助成があれば持っていけるんだがなと、そういう経営者のアンケートを聞いて、それを、ミックスして、このせっかくある資金の運用を図ってもらって、来年は予算が足りないからもっとくれよと、そういう情勢をつくるための御努力をお願いしておきたい。  それからもう一つ、私は時間があればと思ったんですが、この政策推進会議、大体まあそのイデオロギーは私は言いません。イデオロギーは特に言いません。この基幹産業十三組合の離職者の動向調査、これは私は非常に教えられる点がいっぱいあると思いました、一読しまして。これらを参考にしながら、いま言ったせっかくつくった予算を消化するような努力をお願いしたいと、こう思います。これは要望です。答弁要りません。  最後には、私は林野庁の方がいらっしゃっておりますが、今月の十四、十五、十六、三日間、民有林の方々などを中心に特に振動病に対する対応の請願があったわけでありますが、率直に言って、国有林の議論は大分ここでされましたし、林野庁なり厚生省、労働省含めて三者協で努力されておりますが、それなりに努力を多とします。しかし、民有林のこの振動病というのは、非常に最近急速に、まあこれは厚生省、労働省の健康診査ですか、健康診査なども功を奏してきておると思うんですが、大体五千名程度、国有林の三千名に対して五千名程度、そのうち八百名程度は港湾とか、国鉄の線路をパンパンやるとか、そういうのですが、大体四千二、三百名は民間の林業の方々が大体振動病に認定されていると、こういう情勢になってまいりまして、国有林の情勢から推論しましても、まだ私は民有林の数がふえてくる、こういう気がいたします。したがって、これは林野庁あるいは厚生省、労働省三者一体になって、この国有林は当然でありますが、民有林に伴う振動病の予防、治療、職場復帰、生活保障などについて、労働大臣にも林野庁長官にも、農林大臣にもおのおの要望書が届いておると思いますから、その要望書の中身を私は時間がありませんから言いませんが、次回に十分議論しますので、前向きに、特に民有林に対する問題について取り組むことを、これは林野庁と大臣から決意だけ聞いて私の質問を終わります。

渡辺武日本共産党

○説明員(渡辺武君) お答えいたします。  民有林労働者の中での振動障害患者は、先生御指摘のように最近増加傾向をたどっておるわけでございます。労働省の方で職業病の疾病として認定されていま治療中の方は、五十三年三月末現在で二千七百五十七名というようなことであると私たちは聞いておる次第でございます。  基本的にこのような振動障害対策につきましてわれわれが考えておりますことは、当然のことでございますけれども、まず第一は、このような病気が発生しないように予防対策に万全を期していかなければならないということ。第二番目は、不幸にして罹病された方々に対しましての治療に万全を尽くすという点に尽きるかと思います。  このため、私たち農林水産省におきましても、労働省あるいは厚生省と十分密接に連絡をとりまして、それぞれの立場で障害対策の拡充に努めてまいっておるわけでございますが、その中で、農林省におきましては、従来から予防対策というところに重点を置きまして、たとえば振動機械使用時間の規制の徹底とか、リモコンチェーンソー等、振動障害を起こさないような機械の開発あるいはそれの導入の促進、あるいはチェーンソーを使います方々に対しましての特別教育等々の事業につきまして、必要な助成を行って実施をしてまいっておるわけでございます。  また、五十四年度からはそれに加えまして、一つは健診あるいは治療体制につきまして、各県にネットワークを形成していただくということにつきましての必要な助成、あるいは振動障害対策を促進するに当たりましても、まずその実態の解明あるいは振動障害対策につきましての啓蒙、普及の強化というような面での助成、さらには一人親方という特殊な労働形態の方々が林業労働には多いわけでございますが、このような方々に対します特殊健診の実施につきましての助成等々、新たな予算措置等も講じた次第でございます。将来ともにこのような振動障害対策についての対策につきましては、拡充を図り、振動障害が一刻も早く終息状態になるということを期待して努力いたしておる次第でございますし、今後ともその努力を続けてまいりたいというように思っておる次第でございます。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 各省庁とよく連絡をとりまして適切に対処いたしたいと、こう考えております。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩をいたします。    午後零時七分休憩      —————・—————    午後一時九分開会

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。     —————————————

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 午前に引き続き、雇用保険法等の一部を改正する法律案及び港湾労働法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

渡部通子公明党

○渡部通子君 政府は今国会を雇用国会と名づけまして、雇用対策の充実のために雇用保険の各種事業の拡大による雇用創出、失業の予防、これらに力を入れてきたことはよくわかりますが、三月になりましてまた完全失業者が上ってきた、こんな状況を見ますと、一兆七千億円もの雇用対策費を計上しておりながら、まあどれだけの失業の予防や雇用の創出、あるいは完全雇用等に効果を上げたのか、あるいは上げつつあるのか、まずその感想を伺いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 非常に雇用失業情勢が厳しいという点は御指摘のとおりなわけでございますが、ただ、いま完全失業者の数についての御指摘ございましたが、三月は季節的に毎年ここがふえるピークの時期でございまして、そういう意味で季節調整をしますと、失業率にしまして二・〇八ということで、もちろん二月に比べるとちょっとふえておりますけれども、対前年あるいは昨年の年末までに比べますとかなり減少の傾向にあるわけでございまして、そのほかの求人につきましても、製造業なりあるいは運輸業等を中心に増加傾向にあるとか、あるいは求人の中身につきましても、従来非常に多かった臨時、パートというふうなものがむしろ対前年比で減りまして、常用求人の方が非常に拡大傾向にあるというふうな傾向がここ数カ月あらわれてきているわけでございます。で、これはやはりまだ兆しと見るべきでありまして、完全に改善効果が、たとえば雇用者数なり何なりに明確にあらわれるところまでまだいってないわけでございますが、しかし、たとえば今度お願いしております中高年齢者の開発給付金につきまして、その補助率なりあるいは支給の期間なりというものを大幅に拡大いたしますれば、現在起きている常用求人の拡大傾向と実際の失業者との結合というふうなことが非常に結びつきやすくなるんじゃなかろうかというふうな意味で、私どもは非常に期待をし、またぜひとも私どもの考えております十万人雇用という目標を実現をしなきゃいかぬというふうに考えているわけでございます。そういう意味での施策がようやく効果を持つような、そういう環境条件がやや整いつつ、出てきつつあるというふうなことに乗じまして一層の効果を上げてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 午前中も各委員から指摘をされた問題でございますが、予算をふやしていただくのは結構でございますが、それがなかなか適切な運用、消化がされていないという点、私もこの点が一番残念というか問題だと思うわけです。したがって、こういったことについて若干もう少し細かく伺いたいと思います。  まず、雇用保険の四事業別の収支、これを雇用安定事業と雇用改善事業の五十一年度からの収支を、簡単で結構ですが伺いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 五十一年度からというお尋ねでございましたので五十一年度から申し上げます。  収入が千四百四十六億、それから支出が九百三十九億、資金の繰入額が五百七億で資金残高が五百四十六億。それから五十二年度が、保険料収入が一千六百四十七億、それで支出の計が千百十二億、安定資金の繰入額が五百三十五億、資金残高が合計で一千八十一億という状況でございます。五十三年度はまだ年度途中でございますので数字がないわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 それは、雇用安定事業と雇用改善事業においてはどうなっておりますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 雇用安定事業で申し上げますと、五十二年度の実績でございますが、予算が四百七十七億、実績が百三十三億でございます。それから雇用改善事業が、予算が百九十億、実績が五十八億という状況でございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 これは逐次聞きたいんですけれども、大変時間がかかりますので省略をいたしまして、要するに消化率というものがまだまだで、まあ御存じのとおりですからそれは言いませんけれども、何とかもう少し消化ができないものだろうかと、どこにネックがあるであろうかということは午前中の指摘にもありましたし御答弁にもございました。それから、いろんな要望団体等のこともございますので、あえてここで蒸し返すことはいたしませんけれども、なぜ実績が悪いのかという点について、給付の手続の複雑さだとか、あるいは給付条件の緩和が必要であるとかということはまあ言われてはきているわけなんです。言われてはきているけれども、なかなか実際の窓口においてそれが実効を上げていないという点で、私その点少し具体的に伺ってみたいと思います。  と申しますのは、一つ要望書を私いま持っておりまして、これは関西の方の繊維組合のものでございますけれども、ここから出ております要望について具体的にひとつ御答弁を願いたいと思います。  この組合員数は大体一千近い企業がございまして、従業員数は七千名近くおります。しかし、そういう大きな組合でありながら、十人以上の事業所数というのはわずかに八十企業でございまして、あとの事業所数は全部十人未満の企業、あるいは家内工業所という中小零細になっています。そういう繊維織物の協同組合の要望でございますが、まず中高年齢者雇用開発給付金について、その現行の支給要件というのがどうしても公共職業安定所の紹介により雇い入れた人と、それからもう一つ、雇用保険の受給資格者等で公共職業安定所に求人申し込みをした人、こういう条件がつけられているわけなんです。ところが、この企業、事業所におきましては、ほとんどが零細企業で職業安定所に求人申し込みをしているという人が非常に少ない。ほとんどが事業主の自己採用によっているわけでございます。したがって、この条件を付せられておりますと、その中高年齢者雇用開発給付金というものがこれだけあるよと言われていても実際はいただくことができないということでございまして、何とか、安定所の紹介を原則としてもいいから、自己採用分も認めてもらえないか、あるいは雇用保険の受給資格者を原則としても、事業主自身の求人努力による採用も含めてもらえないかという、こういう現実の現場の声がございますが、これに対してはどういうお答えがありますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 一方におきまして、先生御指摘のようにできるだけこの制度が利用されやすくしなけりゃならぬという要請がございますと同時に、この制度は、先生も御案内のように中高年齢の求職者で就職がなかなかむずかしい方にこの制度によって実際に求人、求職の結合を促進していこうと。   〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕 で、しかもそれが単に雇われたというだけではなくて、それによって中高年齢者の数なり割合がふえていく。つまり、片一方でもって切っておいて片一方で入れたというんではこれはだめで、その結果としてその中高年齢者の数なり割合がふえるという、そういう一つの制度的な目的を持っているわけでございます。したがいまして、そういう意味で高年齢者等につきましては、一般的にも就職が非常にむずかしいという前提、しかもまあいま申しましたような政策目的の効果を確認する上での調査等にかなり手数を食っても、高年齢者については安定所が後追い的にでも確認をやろうじゃないかというふうなことで、高年齢者のところまでは安定所の紹介ということを必ずしも要件としないところまで現在持ってきたわけでございます。しかし、中年の方になりますと、就職の難易度等にもかなり個人差がございますし、それから労働者のたらい回しをやるとか、いろんな脱法的な問題を防ぐための確認等も、これは数が多くなりますと非常に大変なわけでございまして、そういう意味で現在までのところは高年の方については安定所の紹介という要件を外しまして、中年の方につきましては、これはまだ継続をさしていただいているという状況でございます。  なお、たとえば中年の方を採用したというふうな場合につきましても、採用するに当たりまして、私どものこの制度が適用になることを要件にしているというふうな、いわば条件づき採用みたいな形であるというふうなことが明らかな場合には、私どもはそういう意味での事後的なものについては、これは実情に即して対象にするというふうな、実情に即したまた考え方も導入してまいりたいというふうなことで、当面対処をさしていただいているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 定年延長奨励金についても伺っておきたいと思います。  この条件が、やはり定年が労働協約または就業規則により定められていることと、それから、昭和四十八年四月一日以降定年年齢を五十六歳以上に引き上げられたと、これが支給要件にある。そしてこのパンフレット見ますと、この要件すべてを満たすものと、こう書いてあるわけでございます。やっぱり中小、零細の企業がほとんどのため、ここでは労働基準法第八十九条に基づく就業規則の作成義務のないところが多いわけでございます。ですから、就業規則とあるのは少しやっぱり要件としてはきついと。また労働協約については、労働組合組織がある企業はわずか十企業にすぎないと、実態がこうなんです。ですからこの二つの要件で縛られますと、せっかくある定年延長奨励金というのはもらえないわけです。この条件緩和はお願いできないかということです。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 定年の問題は、これは結局制度的な問題でございますので、したがって制度的にこれがやはり担保されないと政策効果というものを上げたというわけにはちょっとまいらないわけでございます。ただ、先生おっしゃいますように、就業規則がなかなかつくりにくいような小零細企業が多いというのも事実なわけでございますが、この辺はやはり監督署なりと御相談いただいて、監督署等も就業規則等の模範例等は持っておりますので、そういうところ、あるいは安定所へ直接御相談いただいてもある程度のことはできると思いますが、そういう形で、やはり方向としてはそういう制度的にきちんとするという方向で対処していただくというのが、この制度のみならず労使関係全体についての近代化の方向ではなかろうかというふうに考えられるわけであります。そういう意味で、しかもこれは制度化をされれば、その制度化されたときに適用になった人について、たとえば五年延長すればその五年間と、こういうことでございますから、したがいまして、いま直していただければ今年の適用者から、三年延ばすなら三年間について適用になるということでございますので、したがって直せばすぐ適用になるという、そういう仕組みのものでございますから、できるだけ就業規則というものをつくって、それによって制度に乗っけていっていただくという方向で、それに個々の方で力が及ばないという場合には、事業所が幾つか集まって、そういうたとえば社会保険労務士を使うとか、あるいは協同組合の方が少しそういうことを勉強していただくとか、あるいはその場合に、先ほど申しましたように監督署や安定所が援助をしていくとか、そういうやり方で制度的に乗せていく方向で解決をさしていただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 おっしゃるのは全く筋論でございますけれども、現場で火の車で仕事をしている、本当に家内工業的な事業主にとっては、とてもそこまで手が回らないというのが実情じゃないかと思うんです。だから、それだからこそ伺っているわけなんでございますが、もう一つ、雇用奨励金についても伺っておきたい。  それはやはり条件が、職業安定所の紹介により雇い入れた人、それからもう一つは、五十五歳以上六十五歳未満の人と、こうありますが、やはり現場の要望としては、自己採用分も事後承認でもいいから含めて認めてほしいと、それから最低年齢をせめて四十五歳以上ぐらいにしていただけないかと、こういう要望が出ておりますが、いかがでございましょうか。   〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕

清水傳雄労働大臣官房参事官

○説明員(清水傳雄君) 現在の高齢者の雇用奨励金は、御指摘のように五十五歳以上という形で運用いたしておるわけでございます。これは、この制度につきましては、いわゆる雇用者増を図るとかいう要件はすべて取り外しておりまして、そのかわり金額的に雇用開発給付金のような五分の三とかあるいは五分の四とか、こういう高率の補助率ではなしに定額制というふうな形でやっておりまして、そういう意味合いで、逆の意味で弾力的に活用していただけるというふうなことも一つのねらいにいたしておるわけでございまして、本格的な中高年齢者対策といたしましては、現下の情勢にかんがみまして、雇用開発事業の中におきます中高年の雇用開発給付金、これを中心的な施策として活用をしていっていただきたいと、このように考えているわけでございます。幾つも制度ございますけれども、これも四十五歳ということにいたしますと、非常にまた逆の意味でややこしい面もございますので、そういうふうな形でやってまいりたいというふうに思っております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 私、このいま三つの事例についてだけ伺ったわけでございますが、一貫して思いますのは、職業安定所というものが大きな働き、窓口になっているということでございます。で、職安の紹介によるものというのが大変大きな条件としてみんなついてくるわけですけれども、それならば、やっぱり職業安定所のもう少し運用というか、それを親切に、行き届いた、そういう働き口にしていただかなければ困るわけです。まあこれは二月ごろの調査でございましたか、政策推進労組の調べ、労働組合会議ですか、この調べが報道されておりましたけれども、「離職者に冷たい職安」と、こういう見出しですね。「希望入れず「一方的」「やはり頼りは前の会社・知人」とか、こうなってきているわけです。ですからこのアンケート調査の中でも「再就職はできたか」というところで、再就職できた人のうち一番多いのは「もとの会社のあっせんまたは紹介」、これが全体の三六%、「親せき、知人」が二三%、これに続いて「職業安定所を通じて」というのがわずかに一一・九%になっているわけですね。こういう実情から見ましても、給付金の枠はたくさんある、これだけお金があるから使いなさい、使いなさいよと、しかしもらう方では、職安を通じてなきゃだめ、職安を通じて再就職したなどという人はわずか一二%もいないという、こういう実情では確かにお金が余っちゃうのは当然ですね。それで、先ほど局長の御答弁聞いていると、確かに筋論です。そういうふうに就業規則をちゃんと直ちにでもいいからつくって、それから職安を通してと、その現場でやってもらっても支給するからと、こうおっしゃいますけれども、先ほども申し上げたように、家内工業でやっていたりあるいは五人や六人の人を使ってやっている中で、そういう人たちが直ちに就業規則をつくろうといったって、どこからどう手をつけていいかわからないというような実態も多い。そこを職業安定所が丁寧に、こうしなさいよ、ああしなさいよと、こう教えてくれるかということ、実際問題として。また、そこまでいって、それだけやろうというだけのゆとりを持たないというのが実情の零細家内工業が多いという、こういう立場から見れば、職安に対する御指導をもう少しきめ細かにやってもらえるか、あるいは先ほど申し上げましたような条件緩和にもう少し弾力的運用というものを温かくやってもらえるか、その両方をちゃんとやっていただかなければ、単に基金に積んでおくからいいと、今度また別の場合にどっとそれを出すんだと、そういうことで予算をプールすればいいものとは違うと思うんです。その点について局長と、それから大臣の御答弁もいただきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 職安のサービスをもっと充実すべきじゃないかという御指摘は全くそのとおりでございまして、私どもも現在、安定所の仕事のやり方についての再編整備をやっております。その考え方は、一つにはいま御指摘のようにいろいろ細かい御相談に応じなきゃならない方と、それから、情報を提供することによってむしろ自主的に求人求職の判断をしていただける方、あるいはその中間の方とか、いろいろ態様によって非常に安定所の対処の仕方も変わるべきではなかろうかと、そういう観点から態様別の職業紹介という制度を現在採用しまして、これを各地方の安定所で実験をやっているわけでございます。いま申しましたように念入りにサービスをしなきゃならぬ方と、それから情報を提供する等によって十分御自身ができるというような方をまず最初の窓口のところで判断をして、そこのところで判断した形でそれぞれの窓口に行っていただいて、そこでそれぞれに対応したこちらも対応をしていこうじゃなかろうかと、そういうやり方で現在安定所で実験をしております。  それからもう一つは、安定所のいま御指摘のようにいろんな問題についての指導を強化できるように専門官制度というものをもっと強化していこうじゃなかろうかということで、いろんな専門官について専門的な相談指導ということができるように教育訓練をやると同時に、そういう体制を整えていこうということで、したがって、たとえば紹介関係の課なんていうのは、課を全部つぶしまして、そこにたくさんの相談指導に応ずる指導官というようなものを設けまして、課長さんが後にいて係員の人が窓口にいるというんじゃなくて、それぞれの自分の専門に応じて相談業務に応じていこうじゃなかろうかというふうなことを現在各安定所で実験をして、ここ二年ほど実験をやりまして、かなり労使の方からの評判もいいものですから、これを拡大していこうというようなことでサービスの充実をやっていこうと思っているわけであります。そういう意味での安定所の組織なり機能というものの再編整備の中で、いま御指摘のような十分な相談あるいは指導というふうなことができる体制に持っていきたい。  それからもう一つは、ことし、たとえば今年度の予算でございますけれども、不況業種、不況地域を中心にしまして約六百人ぐらいの相談員の増員をしていただいているわけでありまして、もちろん本来の職員自体の増員も今回かなりやっていただいたわけでございますが、それでは十分ではありませんので、それに加えていま申しましたように六百人ほどの相談員を増員していただきまして、そういう形で民間の、あるいはOBの方の力をかりて相談業務をもっと親切にやれるようにしていこうじゃなかろうかというふうな、いろんな工夫を一方において加えているわけでありまして、そのことと、それから、先生御指摘のような制度自体についての内容なり、あるいは手続なり、あるいは要件についての問題についても、現在安定審議会の中に事業部会という専門の部会を設けまして、その中で、労使の方からこの安定資金制度についても、なぜ活用されない、どこにネックがあるのか、そういう問題について労使双方から十分意見なり要望を出していただいて、それをもとにして審議会自体としてもその問題に真剣に取り組んでいただいて、そこから改善の方策というものを見出していこうということで現在検討をお願いしている最中でございます。昨年の十月に一遍簡単な検討を三者でお願いをして、その結果取り入れられるものは取り入れたのでございますけれども、さらにいま申しましたように、基本的にもう一回見直そうじゃないかということでそういう点の検討もしている。その両方の側面から、先生の御指摘の問題についても対応できるようにしてまいりたいというふうに考えているわけであります。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 政府委員から申し述べたことに尽きるわけでございますが、総括的に申し上げますと、これらの制度が本当に有機的に弾力的に運用されることを願っておるものです。したがいまして、御注意の点はよく頭に置いてやるつもりでございます。  ただ私、一番問題にするのは乱用ですね、乱用の防止との接点をどうするかということだけなんです。金を使ってもらうのは結構なんです。ただ下手をすると乱用をされると。乱用をされると、これまた別の角度から何やっているんだということになりますから、その点がございますが、あとはもうおっしゃるとおりできるだけ弾力的に運用すべきものであると、私自体も今後の行政指導の中の一つとして、自分みずからも窓口を見ましていろいろ考えてみたいと、こう考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 ぜひそれをお願いしたいと思います。結局知人もない、もとの会社の世話にもなれないという人が駆け込むのが職安ということでございますから、そこで冷たくされると結局行きどころがなくなってしまうわけでございまして、その乱用という点は私も一それはわかります。しかし、それはそれとして、窓口に対する弾力的な運用といま大臣おっしゃいましたが、そういう指導こそ窓口にしていただきたい、大臣の意向として徹底をさせていただきたい、これを念を押してお願いをしておく次第でございます。  で、雇用保険関係の各種給付金、これは問題になっておりますけれども、たくさんあると、百以上もあると私も聞きますが、現実には幾つあるのでございますか。

清水傳雄労働大臣官房参事官

○説明員(清水傳雄君) よく、百以上というふうなお話がしばしば出るわけでございます。これは雇用保険法の失業給付、基本手当でございますとか、いろいろな雇用保険法本体の給付もございます。それから建設のいろいろな雇用改善のための事業団についての給付、すべてのものを含めてそういうふうなことでございまして、いわゆる現下の情勢に対処いたしまして、雇用の促進その他というふうなことでもって動いておりますものといいますか、いわゆる雇用創出その他というふうなものと結びついてできておりますものは約三十ぐらいでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 わかりました。動いているということですからそれ以上何ですけれども、これは宙門家でもなかなか複雑でわからないと、こう聞くものですから、私などは知らない前に、もうお手挙げしてむずかしいそうだということになっているわけです。ですから、一般の事業主の方たちがややこしいなと思うのは当然だと思うのですけれども、そういった複雑化した関係法を体系化して整備の必要はないものか。特に特定不況業種離職者法、これなどができまして、よけい複雑になっているんじゃないかと思いますけれども、簡素化し、系統化するおつもりはあるのかないのか、それも伺っておきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 御指摘の給付の中でも、たとえば同じ雇用奨励金なのに、もらう人の対象別に名前をくっつけて一つずつに勘定していって、これも要件が違う点が少しありまして、たとえば高年齢者に対する雇用奨励金と寡婦の方に対する雇用奨励金、当然これは対象が違いますから要件が多少違いますが、しかしそのたびに一つの給付だといって勘定すること自体がやはり必要以上に複雑な印象を与えるんじゃなかろうか。やはり雇用奨励金は一つで、それでもらえる人はこういう人だというので、その場合に多少要件の違いがありますという方がわかりやすいんじゃなかろうかと、そういう意味で、その種のものについて、これもなくなったというか、本当に整理するというと自分たちの対象の給付がなくなったんじゃないかという逆の誤解が出るおそれもございますから、十分関係者にも理解を得た上で、それから審議会にもかけて、そういう点でできるものの統合をやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  それから一方、たとえば事業主の方が高齢者を雇用したいと思うのだけれども、そのときにもらえる給付金としてはどのぐらいあるのかということ、そういう本当に具体的な問いになると、そのときに関係になる給付金の数というのは本当に知れているわけであります。ですから、むしろ高齢者を雇う場合に要る給付金、それから寡婦の方が訓練を受けるという場合にもらえる給付金とか、そういう目的別に整理をしますと、案外何といいますか、簡単な制度なわけであります。だから、そのことを安定所もよく知っていて、それから聞かれたときにすぐ答えられるようにしておくということがむしろ大事なんじゃなかろうかというふうに考えておるわけでありまして、そういう意味で、そういう相談にこられた対象別の給付金を逆に整理するというやり方、その場合に、どうしても役人が給付を整理しますと、保険としての制度はこれで、それから一般会計の制度はこれで、それから建設でいくと何とかと、こうなりますが、それは高年齢者を事業主が雇うときはこうだとか、あるいは労働者が職業訓練を受けようと思うときにもらえるものとしてはこういうものがあると、そういうふうに整理をすると、これは使う方も、それからあるいはおいでになる方も案外わかりやすいということから、そういう整理を現在県や安定所でも自分で工夫してやっているところがずいぶんあるんですけれども、その中で一番うまく整理しておられるのを私どもの方で見て、それを逆に各県の方にお配りするとか、いろんな工夫をして、現実に窓口で活用のされやすいかっこうというものにまだまだ工夫の余地があるのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。そういう両方の側面から、いまいろいろ出ております非常にわかりにくいとか、複雑だとかというふうな御批判にこたえてまいりたいというふうに思っているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 御苦労でございますけれども、それはぜひお願いをしたいと思うんです。  それから、ついでにもう一つ申し上げておきますけれども、こういうパンフレットお出しになりますね、「雇用の安定のために 事業主の方への給付金のご案内」、これももう少しやさしく親切につくれないものかと本当に私は思います。これは何もお役所だけではなくて、政治家全般に通ずることだと思うんですけれども、どうも政治家の用語はかたいと、だからよく街頭演説なんかでも浮き上がっているんですね、政治家の話というのは。お役所のパンフレットを見ていても私そのいうに思うんですけれども、やはりこれでは本当に家内工業で細々とやっていらっしゃる、特に最近は奥さんで事業主になっている方も多いんですね、そういう人たちが読んで、まずこれは理解できなかろうと思うような単語や活字がずっと並んでいるわけです。これで給付金がこんなにあるよあるよと言われて周知徹底に努力するとおっしゃられても、もう少しこういう工夫をしていただかないとわかりにくいと思う。最後に書かれてよることは、「ここに掲載された給付金の外にもいろいろな給付金制度があります。」「詳細については最寄りの公共職業安定所でおたずね下さい」と、ぶっきらぼうなんですね、これは。だから、どんなのがあるかと大まかな一覧表つくるだけでも、これは一ページあればできることだと思うし、職業安定所に来てくだされば御親切にいたしますと、こう一言書いておいてくだされば、そちらで窓口指導するよりも、これを見たら窓口の人がやっぱり違反できないから、むしろその方が私は効果があるのではないかというふうに思うわけです。これは対象者に対して、事業主に対してでなくって、窓口の職員自身に対する心理的効果としても非常な指導になるのではないかと思うわけです。そういうきめ細かなことをやっていただきませんと、非常にお役所パンフレットで、給付金の御案内というのを見たとたんにこれはおれにはわからないと、こういう事業主のおじさんがたくさん出てくるんではないかしらと私は思うわけです。ですから、本当に火の車で、一日働いて汗まみれになって、しかも月末に赤字の計算をしているというような本当にささやかな人たちに、行き届いた、わかるような、取りつけるような、そういうパンフレットを労働省はぜひともつくっていただきたいと、私これをお願いしたいと思っております。  それから、これも午前中の御指摘にも出ましたけれども、中高年齢者雇用促進の問題、この特別措置法では、従業員百人以上の企業が五十五歳以上の高齢者を六%以上雇用するよう、こう定めているわけです。労働省はこれに対して努力をなすっていらっしゃることは午前中の答弁でわかりました。そして、六月までに計画表を提出してもらって、そして定年延長とか再雇用制度などをやっているかどうかということでフォローなさるということも伺いました。しかし、これが大企業の方に効果が上がっていないということ、これがせっかく法律をつくっていても私は非常に残念だと思うわけなんですね。で、法自体の取り組みが弱いのではないかと、この法律が精神規定であって罰則がないというようなところにやはり弱さがあるのではないかと考えるわけでございますが、政府としてこの法律を多少なりとも義務規定にするように改善するお考えがあるかどうか伺いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 高齢者の雇用率が大企業について特に実効が上がってないじゃないかという御指摘でございますが、結局、雇用率の達成計画を作成をするような命令を出したのがことしの一月が初めでございますので、したがって、いまそういう意味での行政指導の質的な抜本的な強化をしているプロセスでございますから、すぐ効果が上がるというわけにまいらないわけでございますが、しかし、それにしてもなかなか雇用率の状況が昨年に比べてもほとんどよくなっていない。もちろん不況という問題があって、そういう意味では巷間非常に高年齢者中心にいわばねらい撃ち的に切られているんじゃないかという御指摘があるわけで、また個々のケースを見るとそれに近い例も確かにあるわけですが、しかし、申し上げましたように、雇用率自体がほとんど横ばいであったということは、逆に言うとこの雇用率の効果として高年齢者がいわばねらい撃ちで切られることを防衛していたという、そういう役割りは十分果たしたんじゃなかろうかというふうに思っているわけであります。つまり、高年齢者の実際は、全体として製造業なんかとりますと従業員数が減っているわけでありますから、その減り方を見るとむしろ高齢者の減り方の方が少ない。ただし率としては高齢者の方の数が少ないので余り上がらないんですけれども、実際の全体に対する減り方を見ると高齢者以外の方の減り方の方が大きいという状況になっているわけでありまして、そういう意味での下支えの役割りは十分果たしてきたんじゃなかろうかと思っているわけであります。したがって、景気がある程度改善方向に向かいつつある状況の中で、今度は前向きで率が上がる方向にもっとこの制度というものが活用されるようにしていかなきゃならぬというふうなことで、午前中お答え申し上げましたようないろんな仕組みで考えているわけであります。  一方において、これを義務化するという問題でございますが、これにつきましては、やはり何といっても問題は定年延長との絡みの問題がございまして、自分のところの定年を延長しないで雇用率を上げるということははなはだ不自然というものでございます。つまり自分のところの従業員は五十五歳で首切って、そして五十五歳以上の人を横から連れてこないと雇用率が上がるというわけにはいかぬわけでございますから、どうしてもこれは定年延長問題と絡むわけであります。したがって、定年延長をやるとすれば、賃金の問題、それから退職金の問題、人事管理の問題、この辺をどうしても条件整備をしなきゃならぬという問題がございまして、それと並行して進めなきゃならないという意味で、早急にこれを義務化するというのはなかなか問題があるんじゃなかろうか。それから一方、身体障害者のあれを見ましても、義務化すると必ずぽんとはね上がるかというと、これも必ずしもそうではございませんで、やはり基本は、特に雇用関係は長期間の継続雇用の問題でございます。つまり、入れても労使間がおかしくなってすぐ首切られるようでございますと、これは全く本来の目的に沿わないわけでありまして、雇用されてそれが長く維持されるためには、やはり経営側の、この問題、つまり高年齢者問題あるいは身体障害者問題に対する基本的な理解というものが、どうしても、迂遠なようでもこれをどうしてもやらなきゃいかぬ問題でございまして、そういう点を総合しますと、やはりすぐ義務化することにはいろいろ問題がある。しかし、定年延長の問題等につきまして、一方においていまのテンポじゃ遅いから実効を上げなきゃいかぬ、そこで実効ある定年延長の推進方策について審議会で法律問題を含めて御検討いただくことになっておりますので、いろいろ問題があるという問題意識はございますけれども、その御審議の結果を尊重して私どもも対処してまいりたい、こう思っているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 わかりました。御苦労はよくわかりますけれども、そして効果が上がらなかった場合、会社名の公表等もお考えの中にはおありなんですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 身体障害者については、御存じのように法律の中で、勧告等に従わない場合についての公表の制度というものが手続的にも明らかにされているわけであります。高年齢者についての公表問題には二つの側面で問題があるかと思われるわけであります。一つは、法律に全くその点に規定がないものですから、一方において安定所の守秘義務みたいな、安定機関の守秘義務みたいなものがあって、それとのすり合わせ上これがやれるかどうかという点は法的に少し詰めてみなければいかぬという問題が一つございます。それからもう一つの問題は、もし法律的には少なくとも違法ではないということになりましても、公表制度というのは軒並みに違反しているときに公表するというやり方をとりますと、みんな公表されてだれも痛みを感じないということにもなるわけであります。ですから、身障者についての手続規定が厳格に書かれているというのは、ある意味ではずっと狭めていって、本当に困る人だけ、つまり手続的にも勧告をし、いろんなことをやるにかかわらずやらないという、そこまで追い詰めたものが公表されるというような仕組みであって初めて公表という制度の意味があるんじゃなかろうか。そういう意味での実効性を上げるための公表というものがもしやれるとしても、そのときの手続なりやり方というものをどうするかという実体的な問題とこの二点ございまして、その両方を詰めた上で公表制度を導入するかどうかについて判断をさしていただきたいと、こう思っているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 おもしろい答弁だと思います。そうしていただければ一番いいんですけれども、たくさん大企業の名前が挙がってきたからといって、これ効果がないとは言い切れないと思います、私は。これは私の見解です。わかりました。  こうなりますと、やっぱり今度は中高年齢者の職業訓練体制というのが非常に大事なことになってくるのではないかと思いますけれども、これに対する方策があったら聞かせていただきたいし、それから、そのためにはやっぱり中高年の雇用がどのような職種で発展していくかという適切な見通しと現状認識というものができていなければならないと思うわけでございます。そういった点で、雇用発展職種の研究開発などどんな進展状況にあるのか、その辺の見通しをお聞かせいただきたいと思います。

石井甲二労働省職業訓練局長

○政府委員(石井甲二君) 職業訓練につきまして、現在の雇用失業情勢のもとで、あるいは産業構造が変わってくるという状態のもとで、職業訓練が非常に大きな役割りを果たす時代に入ったことは確かでございます。  現在、職業訓練の体制の問題をまず申し上げますと、この前の法律改正によりまして幾つかの改正をしていただきました。一つは、従来の職業訓練、いわゆる公共職業訓練という器を変えていくという問題が一つです。それは一つは、たとえば現在雇用促進事業団が行っております総合職業訓練校、これを技能開発センターというふうに変えまして、いわゆる離転職者訓練と事業内の在職労働者の向上訓練と、そういう二つの役割りを果たすように改正をいたしました。それからもう一つは、公共職業訓練校だけではこういう変転の状況に対応できませんので、現在各種の民間の訓練機関、たとえば各種学校とかあるいは専修校とかそういうものが広範に存在しておりますが、そういう民間の訓練施設に委託をするという方式を拡大をいたしまして、さらにいろいろ現在の実行の段階で問題になっております、たとえば入校時期が非常に固定的であるということに対しまして、これを多様化するような方向に持っていくことも考えております。  以上のようなことで、体制としては一つの体制をつくり上げたわけでございますが、さらにこの前の国会の御論議の中でありましたように、従来いわゆる訓練延長の期間が一年でございましたけれども、これを二年にするということもこの一月から始めたわけでございます。そういう体制をつくった段階でありますが、一つはやはり労働者の方々、失業されている方々もそうでありますし、これから転換しようとする方々が職業訓練を受けるという意欲といいますか、これをもう少し喚起をしなくちゃいかぬだろうと思います。それには職業訓練の体制についての理解を深めるということも必要だろうと思います。  それからもう一つは、受け入れ側として、やはり先生御指摘のように職種なりあるいは科目というものを現実に合わせる、あるいは地方のニーズに合わせる、あるいは長期的に発展的なものにする、そういう努力が必要だろうと思います。そういうことでやっておるわけでございますが、職業訓練校というのは長い歴史を持っておりますが、指導員の方々も非常に古い方々もおりますし、その転換をどうするかということは、大変言葉では簡単でございますが、非常にむずかしい問題がございます。それで、私どもとしてはこの問題については、一つは発展職種についての開発を安定当局と合わせながらこれから検討を進めてまいりたいということと、それから、できるだけ労働者の方々の本当に適性に即したような訓練を導入をするために、今度の予算で約一週間ぐらい職業訓練あるいは能力開発という問題を含めた適応講習をやることにいたしております。そういう措置でございまして、法律改正を契機にしまして、都道府県、国あわせまして現在鋭意進めているという段階でございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 それはよくわかるんですけれども、やってらっしゃることは。その中高年の方たちに魅力ある職種というものを開発してもらうということが私はもうお願いしたいことでございます。あちこちの訓練学校なんかお尋ねしてみましても、確かにこう魅力を持って集まってくるかなと思うと、首をかしげるような職種です。東京のある訓練所では、一番中高年に適しているのはビルの管理、これなんかわりに喜ばれているようでございましたけれども、やっぱりこれならおれもやってみようかと、こういうような職種を開発していく、特に不況業種等のところでは産業構造が大きく変わっているわけですから、それにかわるアイデアと離職者を迎えるだけのやっぱり職種の開発ということがいま一番大事ではなかろうか。それにひとつ、審議会等もたくさんおありのことでございますから英知を結集して、確かに長年やった商売から、仕事から手をかえるというのには、受ける側にも大変な抵抗と臆病さかげんもありますし、もう年もとっていることですからあれですけれども、私はやっぱりもう少し魅力ある科目というものが、中高年とそれから婦人に対して職業訓練校の中に設けられていいんではないか。いまやってらっしゃる御努力は十分認めますけれども、プラスアルファのチャーミングなものを何かひとつ生み出していただきたいということをお願いさしていただきたいと思うんです。  それから、こうやって議論をすればするほど中高年の再就職、そういったものはむずかしいなと、大変なことだと、こう思わずにはいられないわけでございまして、本当に効果ある政策、中高年対策というものは、やはり定年延長してもらうということが一番根本的なことになるのではないかと思います。そういう意味で私ども提案をいたしておりました年齢差別禁止法、これに取り組んでいただくことが抜本策ではなかろうかと思います。衆議院の附帯決議を見ましても、定年延長の推進については立法化を含めてやると、また午前中の御指摘にも出たようでございますので、どうかそれについていつ審議会にかけて、どういうプロセスで立法化の方が進められていくのか伺いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 定年延長の実効ある方策、延長推進のための実効ある方策につきましては、審議会としては総理府に置かれております雇用審議会が一番妥当ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。その理由としましては、たとえば安定審議会というふうなことも考えられるわけでございますけれども、やはり賃金の問題とか退職金の問題とか、あるいは人事管理の問題というふうな広い領域での並行して検討しなきゃならない問題がございますのと、それからもう一つには、民間の問題を中心ではございますけれども、公務員の定年問題とも一絡みがございまして、全般的な意味で総理府の審議会で広い角度から御検討いただくのが一番いいんじゃなかろうかというふうなことで私どもは雇用審議会にお願いをしたい。雇用審議会につきましては、現在雇用対策基本計画の改定の問題を御検討いただいているところでございますけれども、これがめどのつき次第できるだけ早い機会に諮問を申し上げていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 できるだけ早い機会というのはいつごろになりましょうか。と申しますのは、やはり厚生省の方の六十五歳に向かっての年金、あちらはもう大変さっさと来国会にというような形で進んでいるわけです。そういったことも考え合わせますと、できるだけ早い機会に、いま雇用審議会という審議会名は伺いましたけれども、その期間はもう少し具体的になりませんでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先ほど申しましたように、この夏ごろまでに雇用対策基本計画の策定をしようということでいま御審議の最中なわけでございます。もちろんそれが終わってからというのではとても遅いと思いますので、私どもはこの検討にある程度めどがついた段階で、できるだけ早くというふうに申し上げましたが、そんな三カ月も四カ月も先という意味ではなくて早急に諮問を申し上げたいと。ただし、それが今月中とかなんとかまではちょっとまだ具体的になっていない、こういう意味でございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 次に、審議会のことを少し伺っておきたいと思います。  雇用問題政策会議、これ四者構成と伺っておりますけれども、野党が雇用の創出機構を主張いたしましたときに、それを退けて雇用問題政策会議ということを大変御主張なすったと思うんですが、その位置づけ、構成、運用等についてお聞かせください。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 雇用問題政策会議は、いま先生からお話しのように、必ずしも四者構成というふうに明確なあれではございませんが、少なくとも四者は入っているということでございまして、そのほかたとえば必要があれば各地方自治体関係の方とか、あるいは一般の消費者の代表の方とか、よくその辺関係者の方の御意見も伺いながらそのメンバーというものは決めていきたい。その場合に政労使公益の四者は少なくとも含めなきゃいかぬだろう、こういうふうに考えているわけでございます。それからこの運営についても、いままで労使の方ともいろいろ御相談をしているわけでございますけれども、いまのところその基本的な問題をここでひとつ取り上げていこうではなかろうか。したがって、たとえば政労使でいいますとトップレベルの方で構成をしていくべきものではなかろうか。そこでいろいろ出た御議論を、たとえば先ほども御質問ございましたけれども、発展職種などについての開発研究をやります中央の開発研究会なりあるいは開発委員会なり、あるいは地方の開発委員会なりというものに反映をしていくというふうな形でいったらどうだろうかと。それから、従来の安定審議会等につきましては、たとえば先ほど御質問のございました各種の給付金等の実効がどうやったら上がるか、これ現在検討中でございますけれども、そういう問題を議論いただく。ですから、政策会議でそういう点についてのいろんな御意見が出た場合には安定審議会に反映をさしていくというふうなことで、政策会議はいわばトップレベルでのいろんな大所高所からの御議論を承る場、と同時に広く各界からも御意見を承る場というふうな位置づけで考えてまいりたい。それを具体的に、たとえば中央、地方の開発委員会なりあるいは各種の審議会なりにおいてそれぞれの領分に応じてこなしていく、問題に応じて。そういうふうな関連づけで考えているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 わかりました。  じゃ、雇用問題政策会議が大体中心になって、中央や地方に設けようという雇用開発委員会、あるいは学識経験者でつくっている雇用情報研究会、こういったことも有機的に連動していくということでございますね。で、各種の審議会大変たくさんあるようでございますが、果たして有機的に機能はしているんでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 安定審議会の例で申し上げますと、その安定審議会が活発に開かれてないじゃないかという御批判をしばしば耳にいたしましてから、県にもよるんですけれども、実際にほとんど開かれてないというようなところも絶無ではないわけであります。しかし、最近雇用問題が非常に重要になってまいりますと同時に、全国的に見まして安定審議会の開催件数もかなりふえてきております。それから一方において、安定審議会とは別途にもう少し広い範囲で、たとえば産業関係のところも含めました形で、あるいは場合によっては知事さんなんかもお入りいただいた形で、雇用問題なり、あるいはそれこそ産業労働問題全般として御議論いただくというふうな場が、これも各県にかなりできております。そういうものがまた飛躍的に数多く開かれている状況でございます。私どもは、そういう広い意味での御検討の場というものも非常に重要でございますから、それ自体も進めていただきますと同時に、安定審議会も、やはりたとえば十万人雇用問題等を実現するためにも安定審議会の場でいろいろお知恵をかりながら、あるいはPRのお手伝いをしていただくなりというようないろんなことをしていかなきゃならぬという意味で、これを積極的に開催するように各府県にも指示をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 いま仰せのように大変ばらつきもあるようでございますし、それから、よくやっていらっしゃる審議会と、ちょっとなくてもいいんじゃないかと思うような審議会も非常に数が多いという私の印象でございます。で、お願いできますれば、労働省に関係する中央、地方の審議会、あるいは身体障害者雇用促進協会及び労働大臣の私的諮問機関あるいは雇用促進事業団等の構成、審議実績、こういったものを網羅した資料があったらお出し願いたいと思うんですが、いかがなものですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 全部網羅した資料というのはむずかしいんでございますけれども、それぞれについて別々の資料があり次第先生のところにお届けするようにいたしたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部通子君 最後に労働大臣に御質問申し上げたいと思います。  先ほど午前中に、先進国労相会議に御出席をされた中身と御感想につきましてはつぶさに伺いましたので、それは省略することといたしまして、また六月六日からのILO総会でも高齢者問題への対応が議題に上がると、こういうふうに伺っております。で、今国会が雇用国会、特に中高年を対象としたというところへしぼられてこれだけ議論もさしていただきましたし、これからどうしても実効を上げなきゃならないという大変な課題になってきておりますので、それに対する労働大臣のお取り組みの御決意と、それから本当に私不勉強ですけれども、諸外国の労働状況というものが、たとえば定年になってから年金をもらうまでに十年も間があるというような、まあそれをいま縮めていこうという努力の最中かもしれませんけれども、そういう実情が世界においてはどんなふうになっているのか、どんな所感をお持ちで大臣はそれにお臨みになろうとしていらっしゃるのか、その辺を伺っておきたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ILOの問題と関連して先ほども申し述べたわけでございますけれども、高年齢者社会というのは非常に重要な問題でございまして、私どもも及ばずながら高年齢者の雇用対策につきまして真剣に取り組み、また御審議をいただいておるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、このILOの総会におきましても、諸外国のいろいろ御意見を聞いて、われわれの方が参考になるべきことは参考にしていかなきゃならないと考えております。ただ、私は先ほども申し上げたのでありまするけれども、やはりいろいろの慣行、制度というものは、その国の社会風土、そういうものと密接な関係もございます。そこら辺は十分に考えて、いいものを伸ばしていくというかっこうでいかなきゃならぬじゃないかと思います。いずれにいたしましても、やらねばならぬこと、やった方がよろしいこと、そういったことにつきましては前向きに検討していきたいと、こう考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 終わります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私は与えられた時間で港湾労働法の一部改正について質問をしたいと思います。  一時間しかありませんからこれもまたお断りしておきますが、各審議会の答申であるとか、それから衆議院のやりとりは十分承知をいたしておりますから、そこらはダブる必要はありません。  そこで、端的にまずお聞きをしたいんでありますが、今回の港湾労働法の一部改正は、きょうも大臣から提案説明がありましたように、港湾の雇用調整手当、これが経営者の負担が非常に大きくなった、かつ赤字が累積をしている、このままでしておきますと雇用調整手当制度自体を維持することが困難になる、そこで緊急対策としてこの雇用調整手当関係についての収支の改善を図りたい、それがために雇用保険法との調整と、こういうふうに提案の趣旨を承ったのですが、それで大臣よろしゅうございますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 大体そういうことでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 大体と言われましたが、その大体というのはどういう意味ですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 言葉じり云々じゃございませんが、私が読みましたのは、ずっと長い文章を読んだわけです。いま安恒さんがおっしゃったのはその中の一部分でございますので、そういう意味で大体と、こう言ったわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 一部分じゃないんじゃないでしょうか。長い文章を読まれましたが、今回の法案の改正の趣旨はそこにあるんじゃないか、こういうことを聞いているわけです。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) さようでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そこでお聞きをしますが、これは港湾局長もお見えになっていると思いますから、午前中、目黒さんと大臣、港湾局長との間に、港湾労働の位置づけについて、基幹産業であるか重要産業であるかと、かなり議論されました。私はそれを拝聴しておって、角度を変えて次のような角度からお聞きをしたいのであります。  まず、わが国の港湾施設は、基本的な生産手段である港とそれから基本施設、そういうものは国や地方自治体が建設をして管理をしている。そして、その港と施設を船会社、荷主などの企業が使用し、下請である港運業を通じて港湾労働者を働かしている、そして大きな利益を受けていると、こういうふうに、いまの港湾荷役関係、港湾全体をまず理解をしていいのではないかと、こう思いますが、その点は港湾局長並びに大臣どうお考えになりますか。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) ちょっとくどくなるかもしれませんけれども、まず、港湾の施設は、大体地方公共団体が港湾の管理者ということになっておりまして、岸壁とか防波堤とか、そういう基本施設につきましては港湾管理者が建設するというのが大原則になっているわけでございます。一部、港湾管理者と協議が調いました施設につきましては国が直轄事業としてつくるということもあるわけでございますが、これもでき上がりました時点で港湾管理者に管理を委託するということでございます。で、その場合にいろいろ港の種類あるいは施設の種類によりまして、国の負担なり補助というものが出ていくわけでございます。なお、上屋等の機能的な施設につきましては直接の国の補助等はございませんで、起債等のあっせんをいたしまして、港湾管理者が独自につくっていくという形でございます。  そこで、そういう施設を利用いたしまして大変大事な貨物の動きというものが行われるわけでございますけれども、それの最も実際的な作業という面では、申すまでもないことでございますけれども、港湾運送事業者が行っていると、こういう形でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いまの局長の中で、港の施設、それからつくり方、管理、これはもう私もそのとおり。問題は、それをだれが利用するのかというと、一つは船会社、それから荷主ですね、そしてその仕事を直接担当しているのは港運業者で、これが港湾労働者を使っている。このことは間違いないわけでしょう、そのことは。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 一般に運輸業の一つの性格ではないかと思いますけれども、実際に動きます物とかあるいは人というものと、それを動かします会社なり人というものがありまして、その後者が港湾運送事業者であり、そこに働く労働者ということになっているわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 港湾運送事業者がだれかとか、港湾労働者がだれかと聞いているんじゃないんですよ。わが国における港湾問題というものを議論をするときに、まず前提を私はきちっとしておこうと思うんです。それはどういうことかともう一遍言いますと、わが国の港湾は、基本的生産手段である港と基本的施設そのものは国や地方自治体が建設し管理をしている、ここまでは間違いないですね。それから、その港と施設をだれがどう使っているかということになると、一つは船会社、荷主など企業が使用する、そしてこれを下請である港運業者が今度は港湾労働者を働かせる、こういう構造に港湾の利用ということはなっておりはしませんかと。ですから、あなたが飛ばしておるのは船会社、荷主を飛ばしておるわけです。船会社、荷主もやはり港なり施設を使うことによって利益を享受しているんじゃないんですか、それは。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) おっしゃるとおりでございますけれども、ちょっと一部だけ念のために申し上げますけれども、たとえば工場等で、場合によりますと港湾管理者以外の者が直接自分で基本的な施設を持っている場合もございますので、これは念のためでございます。  そして、その港を利用しておりますのは、先生のおっしゃるとおりに船会社という見方もありますし荷主という見方もあります。それから運輸という面に着目いたしましたときに活動しているのは港湾運送事業者であると、こういうかっこうでございまして、必ずしも下請というようなことではなくて、港湾をめぐります活動を別の角度から見たというような関係の方がよろしいんじゃないかと私は思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そこで、私はまずそこまで認識がある程度一致するとお聞きしたいんですが、魅力ある港湾労働という問題で、これは関係審議会の中でも魅力ある港湾労働制度をやはりつくらなければならぬと、こういうことの合意ができています。そこで、魅力ある港湾労働をつくるために何が必要かということ、それで目黒さんがぼくは盛んに聞かれたと思うんでありますが、私はやはり、いま申し上げたように魅力ある港湾労働をつくるためには、いま挙げた関係者が協力をして解決に当たらなければならぬと思うんです。いわゆる直接には港運業者、それから港湾労働者、それからいわゆる荷主、それから船会社、それから地方自治体、国、この六つがいわゆる協力して解決に当たる、また責任を持つ、こういうことがないと私は港湾問題というものは解決できない、こういうふうに思いますが、この点は港湾局長と労働大臣、両方にお聞きをします。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) ただいまの先生の御意見に私全く賛成でございます。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 基本的に、いまお挙げになった方々が、この港湾労働者の職場の魅力ある職場づくりというものについて御協力をいただかなければならないものであるという点については、私どもも同感でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 港湾局長は全く賛成だと言うし、細野さんはあえて基本的にという修飾語をつけられたんですが、何か意図はありますか、あなたは。基本的にというのはどういう意味ですか。私は言葉じりをとるのはいやですけど、こういうことは非常に重要ですからね。私はいま言ったように、港湾労働問題を魅力ある港湾労働にするためには、いま名前を挙げたものがお互いに協力をし合って、責任を持ち合ってやらないとうまくいかないだろうと、こう質問した。運輸省の方はそのとおりだとおっしゃった、あなたは基本的にとおっしゃる、その基本的にというのはどういう意味ですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 具体的な問題になりますと、いろいろその間にニュアンスの問題が出てくるかと思われるわけでございますが、基本的にはおっしゃるとおりではなかろうかと、こういう意味で申し上げたわけであります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 さっきから言っているように、官僚答弁ということで用心に用心をするのはいいけど、やはりすぱっとしたところはすぱっとしないと私はいけないと思う。政府委員というのはそういう意味で呼んであるのだから、説明者であるならば法の解釈だけしてくれればいいけれど、大臣や局長呼んでいるのは、やはり政策問題を議論するんですから、これからの答弁についてちょっと注意しておきます、あなたに。憶病であることはいいことだけではないんですからね、それだけ言っておきます。  まず、そこでそういう認識ができたわけであります。そういう認識が出てまいりますと私はやはり二つの問題があると思う。というのは、今回なぜこういうことをしなければならなくなったかという背景には、いわゆる常用労働者は必ずしも減っていない。ところが、日雇労働者の利用率が非常に減ってきているわけですね。そこでどうしても雇用調整手当が赤字になっていると、こういうことになっています。ところが、あなたたちがお出しになったのは、どうも単なる財政収支に重点を置かれているんじゃないだろうか、もしくは港湾業者の、経営者の負担増を軽減をするというところだけに今回の改正の重点が置かれていはしないかということ、いわゆる木を見て森を見失うという昔のことわざがありますが、どうもそういう気がしてならないわけです。それはなぜか、このことについて二つのことをこれからお聞きをしていきたいと思います。もちろん雇用調整手当制度というものが港湾労働法の一つの骨子になっていることは承知をしていますから、そのこと自体の改正が悪いと言っているわけじゃないんです、私は。しかし、まだ本質的にやるべきことをお忘れになっていやしませんかと、こういう意味でこれからお聞きをします。  第一点は、ILO条約の問題について、衆議院でもかなりのやりとりがあっていますが、ILO百三十七号条約ですね、港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約、百三十七号条約及び勧告について。これは御承知のように、政府はILOで賛成をされておりますね、このときに。ところが、わが国においては未批准になっています。ですから、その未批准になっている理由、それからILO条約、勧告と国内法との間に何か矛盾点があるのかどうかということ、この点について、これももう時間をあれをするために私の方から言いますと、局長は二つのことを挙げられていますね、なぜいま批准ができないかということについては二つのことを挙げられている。一つは前文の解釈に問題がある、解釈に一致しない点があると。それからいま一つは登録制の問題に問題がある、こういうことで、そして最後の逃げとしては関係審議会でいま慎重審議をいたしておりますからその審議と相まってと、こういうやりとりで衆議院段階では終わっているわけですね、衆議院段階では。私はこの議事録を拝見をいたしまして、なかなかそれではわからないわけです。そこで、もうダブった答えは不必要でありますから、衆議院で答えたこと以上に、ざっくばらんなことを言って、衆議院で答えられたことは読んでいますから、いま言った未批准の理由、それから国内法との矛盾点があるのかどうか、こういうような点について端的に答えてください。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) いま先生が御指摘になった三点に尽きると思います。なお三点目につきましては、現在抜本的な問題について御検討をいただいているという趣旨で申し上げたわけでございますが、   〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕 そういう意味でございますれば、いま先生御指摘の三点に尽きるかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そこで、まず前文の解釈に問題があるというのは、これは衆議院でも矢山先生も言われているように、私はなぜ前文の解釈に問題があるのかというのがわからないわけですね。いわゆる港湾労働者が新しい荷役方法の導入がもたらす利益の配分にあずかるべきである、このことはILO条約の中にもこれは書いてあるわけですね、これ。書いてあるわけです。まずエキスだけを読みますと、「貨物の移動を速め、船舶が港湾において停泊する時間を短縮し及び輸送の費用を低下させることにより、当該国の経済全体に利益をもたらし、また、生活水準の向上に寄与するであろうことを考慮し、」云々ということで、これはもう明確に書いてありまして、そして「港湾労働者が、新しい荷役方法の導入がもたらす利益の配分にあずかるべきであり、」と、こう書いてありますね、何でこんなところの解釈が食い違うから批准ができないのか、その点についてひとつ言ってください。私はこれを読む限りにおいて至極明快に書いてありまして、このことにおいて食い違いが起こるはずがないと、国全体が利益を受けるということ、またこういうことをやることによって貨物の移動が速くなる、港湾において停泊する時間が早くなる、そういうことによって荷主も船主も関係者全部がやっぱり利益を受ける、国民全体も利益を受ける、だからそういうことに基づいて利益配分に当然港湾労働者があずかるべきであると、こう書いてあるのに、何でそこのところに食い違いがあるのか、何でそれがあるから批准できないと言っているのか。というのは、お断りしておきますが、労働者側がこう言っている、経営者側がこう言っている、対立があるからと、それじゃ理由にならないわけですね。それはあることはあるでしょう。しかし、それに対して政府はどう考えるかということがないとだめなんです。労働者側がこう言っている、経営者側がこう言っている、対立がありますから当面いまのところ見送っておきますじゃ、何のために国は賛成をしたのか、ILO条約の批准をする先に賛成をしたか。保留とか反対をしているのなら別ですよ、そうじゃないんですから。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) いまの先生お読みになりました前文の解釈の問題、そして関係当事者の中に、いまの前文の読み方の問題として、船主や荷主を含めての共同雇用までにいかなければ、その前文に書いてある要件を満たしていないことになるんだという、そういう解釈をされる方がありまして、それは私どもはそこまでは読めないんではなかろうかというふうに思っているわけでございますが、そういう点について、そこまでいかなければ条約の条文を満たしていないのであると、こういう当事者の間に御意見がありまして、そういう意味でそこのところをあいまいにしたままで批准するというのはなかなか問題があるのじゃなかろうかと、こう思っておるわけであります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そこで問題になるのはですね、そこまで読めないという、なぜ読めないか、だから私が聞いたわけですね。港湾事業というのはどういうものだろうかと聞いたら、これは国や地方自治体がつくって管理をし、そしてそれに関係するものとして船会社、荷主、そして港湾業者、港運業者、労働者というものがおる、そういうものの総合運営の中で港湾事業というのが成り立っている。そしてまたその利益というものもILOが言っているように受けるのは、いま挙げたほかに国民全体、国全体もやはり利益を受けることになるんだと、こう書いてあるわけでしょう。そうしますと、あなたはそこまで読めないとわれわれは考えているんだと、労働組合側が言うからそこの意見が一致するまでほっとくんだと、こういうことに聞こえるんですが、いま私が言ったような新しい荷役方法が発見をされ、開発をされることによって利益を受ける人はだれとだれだと思いますか。ILOの条約に書いてあるとおりじゃないでしょうか。新しい運送方法、荷役方法が改善されることによって受けるのは、最終的には国全体の経済にも大きな影響を与えるし、国民経済にもプラスになると思いますが、当面ぼくはいわゆる船主であるとか、それから荷主であるとか、それからいま一つは港湾運送業者、それからそこで働いておる労働者全体がやっぱり利益を受けるんじゃないでしょうか、そうじゃないですか、その点は。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 利益を受けないということを申し上げているんではなくて、その条文から、当然にそれぞれの方々が負担をする共同雇用にまで至らなければ、その条約の要件を満たしたことにならないという点については問題があるというふうに申し上げているわけであります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 共同雇用のところでそれは議論をすることにしましょう。その点はそのまま置いておきましょう。  第二点目の、この登録制度についてまた意見の違いがあると、こういうことを言われていますが、私はこれも意見の違いはむしろ違うというところに無理があるんじゃないかと思う。というのは、いまわが国の港湾労働法というのは、日雇いについては登録制度になっておる、常用は届け出制度になっておりますね、いま現在、港湾労働者は。そこで、労働組合側が言っていることを私が読みますと、届け出制度というのは、港湾労働に関するILO条約の登録に該当しないんじゃないか、少なくとも不十分ではないか、該当しないまで言い切るといろいろ問題があるかもわからぬけれども、少なくとも不十分ではないか、こういう指摘をしているわけです。私はこの指摘は正しいと思うんですよ。不十分ではないかと。それはなぜかというと、これは後から聞いてまいりますが、いまの届け出制度の中からいろんな問題が起こっているわけでしょう。衆議院で島本先生がいろいろ質問をされているように、これはたとえばやみ雇用、それから偽装雇用ですね、人付リースの問題、それから口数手配の前もっての調整の問題、それから常用労働者の相互融通の問題ですね、こういう問題がたくさん起こっていますね。これはなぜそういうことが起こるかというと、いわゆる私から言わせると届け出制度というしり抜けになっているところにこういう問題が起こり得る余地があると思うんです。これは後から議論します、中身について。   〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕 ですから、その意味から言うと、私は批准できない第二の理由として、登録制度の解釈について問題があるというところはどうしても理解できないんですが、その点どうなんでしょうか。私は、少なくともこの登録制度にした方がいいと思いますし、いまの届け出制度ということでは不十分で、そういうやみ雇用という問題をつくり出す温床があると、こういうふうに思うんですが、どうですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 十分かどうかという点についてはいろいろ御議論のあるところだと思いますが、条約に違反するかどうかというようなことはまた別問題であろうかと思うわけであります。そういう意味で、条約の批准に際しまして、わが国の港湾労働法の制度を説明いたしまして、それで先生御指摘のように、常用については現在届け出制度をとっているが、この届け出制度自体が条約で言う登録に該当するものと考えるという意見表明をしたことに対して各国から異議がなかったという経緯が一つ。それからもう一つの問題としましては、同様の趣旨で、イギリスがそういう日本と同じような主張をしまして、イギリスの提案によりまして各国の国内法令の定めるところにより登録をするという、各国の国内法令によるというところで、日本側が主張していたのと同じような内容のものを修正提案をして、そのとおり修正をされているというふうな経緯からかんがみまして、私どもは現在の常用についての届け出制度が、御指摘のILO条約に違反するというふうには考えていないわけでありますが、その点について異論が労働側にあるという点はまた先生御指摘のとおりなわけであります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、ぼくはいま違反する違反しないということよりも、実態論として、いわゆるろILO条約の条文はここに持っておりまして、子のことはよくわかっている。そこで問題になるのは、いまのわが国の届け出制度ということについては、いまあなたは十分か不十分かというが、不十分じゃないですか、不十分だからこんな問題が起こっているんでしょう。あなたたちは立入検査もしてこれだけ違反がありましたということを言っているじゃないですか。さらに大臣は、今後も港湾労働者の雇用安定のために、こういう問題についてはきちっとやっていきたいということを衆議院で答弁しているわけです。現実にやみ雇用、偽装雇用、偽装常用、人付リースの問題、口数手配の前もっての調整の問題、常用労働者の相互融通の問題、こういう実態があることをお認めでしょう。こういう実態があって立入検査した結果摘発されたのも、これは私たちがいただいている資料に出ていますね。こういう実態がいま港湾労働の問題の中で起こっていることは御承知でしょう。また実態お認めになるでしょう。それも否定するんですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 常用の港湾労働者を含めての基本的な問題については、今後審議会で検討するということになっているわけでありまして、したがって、先生の当初の御質問の御趣旨である条約に違反をしているかどうかということが問題になって、いまその条約の批准問題が一つのネックになっているという点から言えば、いまの点については私どもは条約に違反をしないと考え、労働側は条約に違反しているとお考えになっているという点がネックになっているということなわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そういうことを聞いているんじゃないんだよ。私は条約が批准できないネックの問題の一つとして、登録制度の解釈があるというから、それはわかったと、政府の主張と労働側の主張はわかった。わかったが、それを前向きに進めるために、問題の解決のためにいま聞いていることは、届け出制ということは不十分ではないか、それは不十分な裏づけとして、いまわが国は常用については届け出制、日雇いは登録制という二本立てでやっている。ところが、その結果起こってきたのは何かというと、日雇いの雇用、いわゆる就職あぶれというのがたくさん出てきている。それは一つは経済変動におけるところの荷物の荷動きという問題も私はあると思う。しかし荷動きだけで説明できないものがたくさんあるわけですね。今日のだんだんだんだんいわゆる登録されている日雇労働者をなぜ使わないのかということの動きの中の一つの問題として、いま私が挙げたやみ雇用であるとか、偽装雇用であるとか、偽装常用であるとか等々がたくさんあるじゃないか、このことを解決をしないとこの港湾労働者の職場の安定ということができないわけでしょう。そうすると、届け出制度ということには不十分さがあるということを労働組合も指摘をしているし、私もそう思う。だから、不十分さがあるということを認めるのかどうかということをぼくは聞いているのであって、いま審議会で審議しているとか審議してないということじゃないんだ。審議会で審議していることは審議していることなんです。しかし、私がきょう大臣とあなたに来てもらっているのは、審議会の審議は横目でにらみながら、あなたたちはどう考えているかということを聞きに来ているんですからね。これからもう審議会で審議している間は何も答えられぬというんなら、大臣も局長も何も要らぬのですよ、それは。そうでしょう。審議会の結論が出るまでは一切答えられぬというなら、大臣やら局長やめたらいいと思うんだよ、そんな能がなければ。そんなことないでしょう。私は審議会で議論されていること知っています。それから審議会の中間答申も全部これは読んでいます。ただ、私がいまお聞きしていることは、いまの二本立てでやると港湾労働者の雇用安定ということについて、どうも私から言わせると、こういう問題が後を絶たないわけですから。いろいろ立入検査をし、取り締まりをやっておっても起こっているわけでしょう。そこに一つは届け出制というところに不十分さがありはしないかと、こういうことを聞いている。あるのかないのかと答えてもらえばよい。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 偽装雇用とかやみ雇用の問題についていろいろ問題がある点は御指摘のとおりであります。その解決の方法としてどういうやり方がいいかという点について、いま総合的な検討をしていただいているわけでございますから、したがって、個別に個々の制度についてストレートに、これが原因でもってそういう問題が起きているんだというふうに必ずしも言い切れないんじゃなかろうかというふうに考えるわけでありまして、やはり総合的に判断をすべき問題じゃなかろうかというふうに思うわけであります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 総合的に判断をするべきなら、あなたはどう考えるんですかということを聞いている。審議してもらっているというのは答えにならないんだよ、そんなことは。わかっている、審議してもらっているということは。担当する大臣として、局長として、いま言っているようなこういうやみ雇用とか偽装とか、いわゆる常用労働者の相互融通とか、こういう問題をなくするためにはどういう考えをお持ちですかと聞いている。審議会で審議してもらっているということは答えにならない。そんなことは前の議事録に何ぼでも書いてある。責任ある局長として、どうしようとするのかと言っているんです。こういう問題がたくさん起こっていることは事実で、こういう問題をなくして、港湾労働者の職場を安定をさせる、それがために具体的な施策、方針について考え方を聞いている。審議会で議論しているようなことを答えるなら来てもらわなくても結構なんです、そんな答えだけ言うんだったら。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) どうも先生のお話にやや反するようなことで恐縮なんでございますけれども、審議会に御判断をいただいているというのは、やはり私どもだけでは判断しにくいいろんな総合的な広がりがあるから、そういう意味で、いろんな学識経験の方に総合的な角度で御判断をいただこうというわけでございます。したがって、先生が御指摘のように、その間にもう政府としての考えはあるべきじゃないかという点も確かにおっしゃるとおりなんですが、同時に、しからばこういう審議会で御議論いただいている最中に、個別にずっと全部お聞きになって全部答えれば、答えはみんな出ちゃうという、そういうことは、審議会にお諮りしていること等も、やはり私どもから見れば、審議会の御判断を待って検討しようという私どもの基本的な姿勢とはやはり抵触するんじゃなかろうかと、こう思うわけでございます。ですから……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そんなのは三百代言が言うこと。なぜかというと、私は日本の代表的な審議会には全部出てきました、いままで議員になる前に。そういう使い分けをしてはいけない。私はこういうことを言っている。審議会を軽視しろと言っているんじゃない。審議会の答申待ち、そのことはわかる。しかし、審議会の中においてでも、議論する際に政府側の考え方を求められる場合がある。もしくはこういう方向にしていただきたいということを言うことは、審議会の委員は文句言わないんです。あんまり詭弁を使ったらいけないんだ。あなたたちが審議会で何をやっているのか、公益委員を裏から適当に根回しをして、いんぎん無礼にも自分の施策が生きるような運動を幾らでもいままで審議会でしておるじゃないですか。私は労働省の審議会、厚生省、大蔵省、農林省、各日本の代表的審議会と言われる審議会の委員はほとんど全部しましたよ。そのときに政府官僚がとる態度というのはよくわかっている。だから私はこれを超えない範囲で聞いている。それなのに、いや各界の英知を集めるためにいま聞いておりますからと、それじゃ答えにならぬ。そのことはいい、英知を集めることは。だから、私は審議会を拘束するようなことを言っているんじゃない。そういう英知を集めて議論されている中で、いま港湾労働者の雇用安定についてこういう事態が起こっていることについて、労働大臣として、もしくは職安局長として、どうしたらいいと思っているのかということを聞いている。そのことも答えられぬなら全く能がないと言うんだよ。そうして、あなたはこうしてもらいたいと思っても審議会はそのとおりにうんと言うかどうかわからないよ。それはあなたの案がよければいいと言うだろうし、悪ければ、ここをこう直せとか、あなたの案にこういうことをつけ加えるということを言うんですよ。それが審議会なんだよ。それなのに君たちは国会に来ると、審議会で議論中、議論中、英知を集めておりますと、そういう逃げ方をする。それはそういうことで逃げ切る人もおるだろうけれども、ぼくのように審議会を二十も三十もやってきた人間にはそんなことは通用しないんだよ。はっきり答えてください。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) いま御指摘のように、やみ雇用や偽装常用を排除するということだけに限って申し上げれば、私どもはその点については、やはり効果的な立入検査を強化するというやり方が一番基本的に対応をしているんではなかろうかと、こういうふうに思っておるわけであります。そのほか、関係事業主団体を通じて各業者に対するやみ雇用、偽装常用等をやらないような指導の徹底を図るということも非常に重要なことではなかろうかというふうに思っておるわけであります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃお聞きしますがね、人付リースの問題はどうするんですか。私は港湾の荷役機械の賃貸し業、私は機械だけ貸すということは間違いではないと思います。しかし、人をつけて貸すということは明らかに違反だと思うんですが、衆議院における答弁は非常にあいまいです。こういう問題はどうするんですか。それから、常用労働者の相互融通の問題、これも私は明らかに違反だと思うんですが、こういう問題は単なる立入検査では済みませんね、立入検査だけでは。やみ雇用や偽装雇用、こういうものはわかるでしょう。しかし、人付リースの問題なんかそういうことでは解決できないと思いますが、それはどうしますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 人付リースの問題につきましては、現在その実態がかなり広がっているということでございましたので、私どももその実態についての調査をやっているわけでありまして、そういう意味での調査の結果を待って私どもも対処の方法を考えてまいりたいと、こう思っておるわけであります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 四月十日の答えと全く同じですね。きょうは何日ですか、あなたその後調査したんですか、いつまでかかるんですか、調査は。国会でそういうことが問題になったら、そんな同じ答えでは通らないんだ。何月何日までに調査を完了します、何月何日に方針をと、こう言ってもらわぬと、衆議院で言ったことと同じことをここで言う。よほどあなたどうかしているね。衆議院で四月十日、きょうは五月何日ですか。それなのに同じことを言ってて通ると思っているんですかね、同じことをここで答えて。少し大臣てきぱき答えさしてください。衆議院でしゃべったことと同じことをここでしゃべるなんて不見識じゃないですか、君は。実態調査をやるなら何月何日までに実態調査を完了するとか、その後方針を立てるとか、こういうことを答えるべきなのに、ばかにしてはいけないよ、国会議員を。何ですか、衆議院で答えた議事録の棒読みじゃないか、そのことについては。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 実態調査につきましては、かなり立ち入った調査まで必要でございますので、最終的な調査をいつまでというのはなかなか申し上げにくいのでございますけれども、とりあえずの調査としては秋口までには終了したいと、こういうふうに考えているわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いいですか。私が聞いていることは、いわゆる機械の貸し業というのは、これはすぐわかるわけですね。通産省を通じて調べればすぐわかることなんです。たとえば横浜港に何千社あるとか何百社あるとか。あとは今度は人づきでやっているのかどうかということの調査でしょう。そんなに長くかかることないでしょう。人づきで、しかもいま問題になっているのは港湾労働法の指定をされているところでしょう。六大港ですね、いま議論していることは。その調査に大変だ、大変だ、秋口なんという。大臣、こういう調査は国会で問題になったら早くやってくださいよ。早くやって、その上で方針を立てて答えてください。どうですか、大臣。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私も御指摘の点はよくわかるんです。ただのんべんだらりと同じことを繰り返すというのはよくないと、私も同感でございます。で、私としていま考えておりますことは、ここで、国会の方も御審議が大分進んできておりますので、労働省全体として、国会側にいろいろ答弁し、お約束をしております、その点について、私みずからがこの問題についてはどうだと、この問題についてはどうだと、いつまでにこれをやるかと、そういうけじめをつけたいと思います。そうして適当な機会に国会に御報告申し上げたい、こう考えておりますので、いましばらくお待ちをいただきたいと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そういうことですから、次回また社労日にはこういうことを——今国会は、まだ労働日ありますから、お聞きをしますから、少なくとも、私は声を荒げましたが、衆議院で答えたことと同じような答えをして、法案をさえ通してもらえばいいという、そういう消極的な姿勢はひとつやめてください。そういう消極的であるならば、そういう人は早くやめてどっか関係団体にでも行くなり、午前中目黒さんが言ったように、議員になってもらっては困るけれども、そういう消極的な人は。その方がいいと思いますよ。衆議院と参議院と同じようなことをのんべんだらりと答えて逃げ切ろうなどという人は、もう官吏としての意欲はない、そういう人は。そう思いますから、少なくともここに出てくるときには、衆議院でどんな答弁を自分がしたのか、そのことについてどんなことが聞かれるのかという心構えをきちっとして出てくるようにしてくださいよ。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) いろいろ御指摘ございましたが、私は、政府委員はそれぞれ一生懸命やっていると思います。ただ、御指摘のとおりいついつと、こう言われましても、この点については多少時間をかしていただかなければならないということがございますので、この前こう言ったじゃないか、この前こう言ったじゃないかという御激励も結構でございますけれども、私どもも、これはずるけていこうと思っておりませんので、いましばらくわれわれの誠意というものを見守っていただきたい、こう思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あんたが言っていることはわかっているんだよ。たとえば、ぼくが聞いたときに、この調査は秋なら秋ごろまでにやりたいと言えばこんなことにはならないんだよ。衆議院と同じことを答えるから怒るわけ。調査中でございます、時間がかかります、それじゃ答えにならぬでしょうと、こう言っているんです。秋までやるならやりますと、こう言えば、秋ごろまでやりますと言うなら、ああそうかと、それじゃできるだけ早くやってくれということでこの問題すっといくんです。そういう意欲を持ちなさい、こう言っているんだ。あたりまえですよ、国民が聞いたらびっくりしますよ、あなた。  そこで、第二番目に聞きたいんですが、今度は共同雇用の問題です。これも衆議院でかなりのやりとりがされています。私は、魅力ある港湾労働をつくるためにはどうしても共同雇用制度、これがぜひ必要だと思います。そこで、衆議院の審議が終わった明くる日に、仮協定でありますが、海湾労働者の雇用と生活保障制度に関する仮協定毒ができ上がりました。これは目黒委員が聞かれたとおりであります。このことについての評価もすでに目黒さんが港湾局長と労働省の方にも聞かれましたから、このことはダブリを避けます。  そこで私は、この中でひとつぜひお聞きをしておきたいと思いますが、まずこの中で一番問題になっているのは、完全な共同雇用制度というものを目指していかなければならぬ。それがためには、やはりここで一番問題になりますのは、基金を設ける、そこで基金の財源をどうするかという問題があると私は思うんですね。こういう点について、この仮協定書を見ながらここでいろんなことをやっていこうと、その財源問題等々についての考え方を、まずこれも運輸省、それから労働省、両方から。皆さんも仮協定書は非常に結構なことだと、こういうことでありますから、これらについての考え方をちょっと聞かしてください。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) この仮協定、先ほども申し上げましたように、恐らく今月末ぐらいに調印がされると思いますけれども、それがされました後に具体的な問題についてさらに詰めが行われていくわけでございます。それを私どもとして十分に見守っていきたいということでございます。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) ちょっと御質問の御趣旨取り違えているかもしれませんが、私どももこの協定自体が円滑に実現するように労使に協力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、どっちも全く月並みな答弁なんですね。私が聞いていることは、この中で一番これからこの協定を実行していく上の一つの問題としては、基金の財政問題に問題があるんじゃないだろうかということを聞いているんです。  そこで、そういうことやっておったら時間がたっていきますからこっちから聞いていきたいと思いますが、私はこの仮協定書というのは非常にいい制度だと思っている。ですから、皆さんもこれが成立するようにと。ところが一番問題になっているのは、完全な共同雇用制度を目指すためには、この協定では基金についてはひとつ港湾業者に任してくれ、こういうことになっているわけですね。しかし、私はきょう当初から言ってきたように、魅力ある港湾労働を維持していくためには、やはり国と地方自治体と船主と荷主と港湾業者、港湾労働者、これの協力関係がないとうまくいかないんだ、こういうことを聞いて、皆さんもそのとおりだと。そこで私は、完全なこの共同雇用制度を目指すためには、やはりここに書いてあるような事業を遂行する基金については、港湾の業者と労働者だけに任しておいても問題が解決できないんじゃないか。もちろん港湾業者が一つの中心になることは事実です。しかし、それには船主も荷主も国も地方自治体もそれぞれ協力していくと、これがないとなかなか共同雇用制度というのは私はうまくいかないと思いますが、そういうことについてこの協定を一歩足がかりにして、労働大臣、それから運輸大臣の代理、どうですか、前向きにお考えをお持ちになりませんか。いま言ったように、魅力ある港湾労働をつくるためにはこういう事業をしなきゃならぬ、その事業をするのにはお金が要る、そのお金は、ただ港湾業者だけに任しておっても解決ができないんじゃないか。それはなぜかというと、いわゆる港湾運送業の利益を享受するのは、労働者と運送業者だけではないわけなんです。それは荷主も利益を享受するでありましょう、船主も利益を享受するでありましょう、また国全体の経済から考えても利益を享受するでありましょう。その意味から言うと、こういう基金については、それぞれがやはり応分に財政をある程度支出しながら魅力ある港湾労働というものをつくり上げていくと、こういう考えが私は前向きに出てしかるべきだと、こういうふうに思いますが、まず労働大臣、どうでしょうか。——大臣に聞いている、大臣に。事務当局の答弁はいいから大臣に。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 共同雇用制度を実現するためにということで、共同雇用制度というものが出ますと、これは衆議院の委員会でもいろいろ論議されまして、政府委員も答えたわけでございますが、この共同雇用制度というものがいろいろの経過があるわけですね、これ非常にむずかしいわけです、この取り扱い自体が。そういう観点から考えてみますと、この問題については従来のいきさつからも見て、港調審等で、これは抜本的な問題ですから十分に検討してもらうというのが労働省としては一番適当ではないかと、こう考えておるわけでございます。いまお話しのお考えについて、それは一つのお考えだと思いますけれども、それが、それでいくべきだ、それでいった方がよかろうというところまでに言うのにはいささか早いのではないかと、こう考えます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、私の聞き方は、共同雇用制度が完全なのができ上がるかどうかはまだこれからの問題といたしまして、やはり共同雇用を初め、魅力ある港湾労働の確立を図るために諸制度が必要だということで、この諸制度が仮協定で書いてあるわけですね。ですからこれは共同雇用制度と書いてないんです。港湾労働者の雇用と生活保障制度に関する仮協定書と、こうなっているわけですね、そうしてその中でやるべき事業がたくさん書いてあるわけなんです。ところが、それに対するお金が要るわけです。その金は、ただ単に港湾業者だけに出せといっても限度があるでしょうと、だから私は、利益を享受するところの船会社や、それから荷主やら、それから国や地方自治体もある程度財政をこの中に入れながらやる。たとえば今回の場合でも、雇用保険法の一部改正というのは、いわゆる一般の雇用保険法を回そうということなんですよ、財政的にはね。労働者全体、経営者全体から取り上げたやつをあなたたちは回そうということなんでしょうが。本来は、港湾業者が自分たちだけで持っておった分を持ち切れぬから、財政的に回してやろうということなんでしょう、今回の法の改正も。これは一つのアイデアなんだ、このことは。しかし、それだけでは解決しないんだ。解決しないからここに書いてあるようなことをしなきゃならぬ。それにはお金が要る。そのお金について私は、それぞれ利益を受けているところがやはり応分に負担をし合う。たとえば荷物一トン当たりに幾らとか、そういうことを決めて出し合うとか、いろいろなやり方がありますね。たとえばアメリカの炭鉱労働者の場合には、石炭を一トン掘れば幾らということの金を出して、それで福祉事業全体をやっているというようなやり方等々でやる。そのことについて前向きにどういうお考えをこの協定書を見ながらお持ちですかと、また国としてやっていく意思はないのですかと、こういうことを労働大臣と港湾局長に聞いている。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) まず前提でございますけれども、港湾をめぐるいろいろな関係者があって、それがそれぞれ力を尽くしてやっていかなければいけないというのは先ほど申し上げましたとおりでございます。しかしながら、そのそれぞれがどういう形で、どういうふうに現在関与しているかということは、いろいろそれぞれの場所に応じてやっているわけでございます  そこで、ただいまの御質問でございますけれども、この基金の問題につきましては、この仮協定書でございますけれども、に書いてございますように、「基金制度の管理運営及び財源等については労使協議してきめる。但し、当面の措置として財源については日本港運協会が責任をもって確保する。」、これが労使の詰まっております仮協定の内容になっておるわけでございます。私、午前中にも申し上げましたように、この港湾運送事業の労使の関係というのは非常によくなってきていると思います。そしてその直接の当事者の両方がこういう仮協定を間もなく本物として調印されようとしているわけです。そこで、いまの財源の問題につきましては、この二人がこういうことをいま考えて仮協定書に明記されておるわけでございます。したがいまして、私はそれを見守っていきたいということでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 ちょっとあなた、港湾局長、人の質問よく聞きなさいよ。あなたにこんなものの解釈をここで教えてもらうほど頭がばかじゃないんだよ、私は。あなたが見守っていきたいということも何回も聞いているんだよ。そんなこと聞いているんじゃないんだよ。あなたたちの政策としてこういうことをやるのにはお金がかかるでしょうと、だからそれはいわゆる港湾運送業者だけでは不十分じゃないでしょうか、そこであなたたちのこれからの政策として、少し船主も応分に出さないのか、荷主も出さないのか、それから国や地方自治体も若干の財政援助もしようじゃないか、そういう前向きの政策をお持ちになるのですかならないのですかと、こういうことを聞いている。これを見守るとか、この解釈をあなたから聞かしてもらわなくてもいいんだ。時間がもったいないの。そんなもの日本語ですから読めばよくわかるんです。あなたたちに聞いているのは、そういう政策を、魅力ある港湾労働をつくるためにはどうしてもここに書いてあるようなことをしなきゃならぬ。それがためにはお金が要る。そこで港湾業者は、当面おれたちが何とかする、少しそのことについては引き続き協議しようと言っていることはよくわかっているんだよ。しかしそれだけではうまくいかないから、そこで国としてのお考えはないのですかと、そういう方向に、前向きに指導していく方向はお持ちであるのですかないのですかということをお聞きしているわけですから、それに答えてもらわなければ、見守るとか見守らぬとか、解釈なんてあなたにわざわざ忙しい時間来てもらって聞かないでも、私読めばわかる、こんなことは。

鮫島泰佑運輸省港湾局長

○政府委員(鮫島泰佑君) 繰り返しでございますけれども、こうやって両者が非常に一生懸命やろうとしているわけでございます。それを先がけてといいますか、途中の段階で私の方から積極的に入っていくべきではなくて、これを見守って、そして私どもがそれに対して対応する方がこういう問題に対してはよろしいんじゃないかと私は思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃあなたいいわ。やっぱり運輸大臣が来なきゃだめ、そんな話じゃ。  労働大臣どうですか。私が聞いていることは、このことは結構なことだ、しかしこれをさらに充実させるためには業者だけでは負担能力の限界があるわけですよ。だから、どうしても負担能力の限界を超えるものについては利益を受ける者がある程度応分に出すということについて今後検討していくとか、もしくはそういう前向きの指導をしていくつもりですかどうかと、こういうことを聞いているんですから、大臣、あなた答えてください。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私は、いま運輸省の方から答えられたのが現時点においては妥当ではないかと思います。ただ、国として積極的に——そんなことはわかっている、国として出すのか出さないのかということになりますと、御案内のとおりきわめて厳しい財政状況でございますから、ここで国の方が積極的にいいことならいつでも金を出そうということは言えないというのは現状でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 ぼくは、国としてだけじゃなくて、こういう利益を受けているものについて、たとえばあなたたちの行政として、やはり船主も少し持ってもらったらどうかとか、地方自治体も財政の援助をしたらどうかとか、国も財政の援助について考えるとか、そういう施策はあっていいんじゃないでしょうか。その施策をあなたたちが、いやおれたちは全然持たぬと言うんなら何をか言わんです。それは持たぬなら持たぬ。しかし、この魅力ある港湾労働というものをしていくためには、いわゆる港湾運送業者と労働者だけでは残念ながら十分ではない。それがうまくいくというなら何もこんな法改正することないんですよ、今回。うまくいかないから一般の雇用保険から助けてやろうということでしょう、これは。そういう法律を出しておきながら、今度こういうことを聞くと、いやいやと、こう言っている。本末転倒しておるじゃないですか。だから、私はあなたたちが出されていることについては賛成をするつもりだ、そういう一つの国の意欲。しかしそれだけでは不十分だから、せっかくこういう協定ができ上がって当面は労使でやっていこうとしている。しかし労使でやるのには限界があるから、あなたたちが前向きに、船会社にも一遍考えてくれぬかとか、それから荷主にも考えてくれぬかとか、そんなことはあってもいいんじゃないですか、本当に魅力ある港湾労働をつくっていこうとすれば。そういう考えを大臣が前向きにお持ちになって、それが生かされる。ただしそれがいますぐ——国の財政が厳しいからどうとか、そんなことわかっています。しかし、そういう意欲がないと前進しないから、そういう意欲をお持ちなのかどうかということを聞いているわけです。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) これも繰り返しになりますけれども、いま労使でこの基金問題についてせっかく詰めておられるというところでございます。私どもはそれに期待をするわけでございますけれども、しかし、御指摘のとおり、国とか地方団体とか船主とか、そういった方々の協力関係というものは今後も推進していかなきゃならぬ問題だと思います。その協力の態様についていろいろとこれから知恵を出せということでございますれば、それは当然でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃ、もう時間がだんだんなくなりますから、どうかこの点は港湾局長の方も運輸大臣とよく御相談を願って、やはり前向きの政策を持って、あなたも専門家として考えて、労使だけで、いわゆる港湾運送業者と労働者だけでこれだけのことがやれるかやれないかというのは、あなたは専門家だからわかるはずなんですから。私は、ここに書いてあることを全部完全に労使だけの金でやれるとは思わないんです、率直なことを言って。どうしてもやはり、まあいまでもたしかトン当たり三円か何ぼかのあれを取っていますね。それも一つの方法なんですから、それを三円を上げていくというのも一つの方法なんですから、そういういろんなことを考えないと、いわゆる港湾労働者の雇用と生活保障、そして魅力ある港湾労働というのはでき上がらぬことは事実なんです、現実の実態は。ですから、どうか前向きにひとつ大臣にもお伝えを願って御検討を願っておきたい。  きょうはこれぐらいにしておきますが、この次に、その前向きに考えられた結果、たとえば、安恒さん、あなたが言っている方法じゃなくておれたちはこうしたいんだ、こうすればうまくいくんだということをぜひ次回お聞かせを願いたいと思う。  そこで最後に、わが国の場合に、やはりどうしても最終的には共同雇用システムというものをやっていかなきゃならないんじゃないか。でないとどうもうまくいかないと思うんです。そこで、いまさっき大分論議したんですが、私が調べたところによると、登録制のところと共同雇用システムのところと、欧米先進諸国いろいろの実例があるようですね。しかし、この問題についてあなたたちは将来労働省としてどうされようとしているのか。私は問題の解決は、いわゆる共同雇用システムが一番いいというふうに思っていますが、現在はわが国は、日雇いは登録制、それから常用は届け出制、こうなっていますね。そしていろんな問題が出ていることもお認めになる。それが解決策としてこの共同雇用システムと登録制、それから届け出制、まあ日本の場合には。ですから、日本のような制度は一番おくれているわけです、これは。ですが、ヨーロッパの事例等を考えながらどういう方向に持っていこうとしているのか。これも審議会で議論中と、こういうことでありますが、議論中のことは知っていますが、労働省として、もしくは運輸省として、特にこれは労働省ですね、雇用問題ですから、この問題はどういうふうにしたらいいというふうにあなたはお考えになっていますか、労働大臣としてどう考えられるか。諸外国の実例などを見ながら、わが国におけるこれからの港湾労働の安定のためにはどういう方向に行けばいいというふうにお考えになるのか、その考え方を聞かしてください。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 先ほども申しましたけれども、これは歴史的に非常に経過があり、重要かついろいろとこれを克服するのに困難があると思います。そういう問題を港調審で御審議をいただく場合に、あらかじめこちらの方がこうした方がいい、ああした方がいいというのはなかなか言いにくいと思うんです。私どもの行政の立場では、意見を聞かれたときにこうすべきだということを答えるのも一つの方法であるし、あるいは答えないで、議論の推移を見ながらお互いの考え方の中でこういうふうに行くべきではないかという意見を述べるというのも一つのやり方じゃないかと思う。私はこの共同雇用の問題は審議会の審議の中でそこら辺をよく考えながら適切な意見を述べるべき問題じゃないかと、いまの段階で言うべきでないと、こういうように考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 諸外国はどういうことになっているでしょうか、共同雇用と登録制等の運営について代表的な諸外国の実例はどうなっているでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、諸外国の場合に共同雇用というはっきりした形をとっているものと、それから登録制をとっているものと二つありまして、たとえば西ドイツ、それからオランダのような国は、先生御指摘のような共同雇用制をとり、それからアメリカやイギリス等におきましては登録制度、ほぼ日本と同じような制度をとっているというふうな状況でございまして、これはいずれもそれぞれ一長一短あるとか、いろいろ運営上にそれぞれの国も悩みを持っておられるようでありまして、そういう意味でそれぞれの実情を私どもも勉強すると同時に、わが国の実情に即したあり方というもりを検討する必要があるというふうに考えておるわけであります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃこれで終わりますが、私はいまのお答えに不満足です。なぜかというと、これは研究をしてまた次回にあれしていただきたいと思いますが、まあアメリカは別ですけれども、西ドイツ、オランダ、イギリス等ははっきり共同雇用システム、登録制度にきれいに分けられませんね。大体共同雇用というものを下敷きにしながら登録制と一体となってほぼ運営されているところが多いというふうに、私どもの調査ではそうなっている。まあ労働省の調査では、西ドイツ・ハンブルク港は共同雇用システムと、オランダのロッテルダム港はそうだとか、登録制度はイギリスのロンドン港、こう言っていますね。しかし私どもが港湾を通じて調べましたところ、大体この共同雇用というものを下敷きにしながら登録制などが一体となって、日本のような、私がさっき挙げたような、やみとか偽装とか、いろいろややこしい法の裏をくぐるとか、ごまかすとか、そういうことはヨーロッパ各国ではできないような制度になっています。ですから、これはいま審議会で議論中ということでありますから、どうか大臣いま少しヨーロッパの実態を正確に調査をされて、そしてわが国において一番いけないのは、いまさっき私が挙げたようなもぐりがたくさんあってはいけないんですよ。立入検査というような検査だけでは解決していないんですよ。立入検査も不十分なんです。そんなことよりもそういうことができない制度をつくることが一番だと思うんですね。やっていることを立入検査して摘発することも悪いことではないけれども、摘発しなくてもいいような制度をつくらなきゃいかぬと思います。そういうことについて、ひとつこれは労働省、それから運輸省協力をして、そのことがないようなことについて御研究願っておきたい、こういうことを申し上げて終わります。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 五月二十一日の新聞を見ますと、労働省は「崩れた「年功賃金」」という表題で「労働省調査」ということで朝日新聞で発表しております。ちょうど富士山を登っていって急激にがけから突き落とすように六十歳から六十五歳に転落をしておる。日本の国は生涯雇用だとか、終身雇用だとか寝言を言っておりましたけれども、本音は低賃金構造で、若い者の労働者がなぜ町にあふれないかというと、御承知のように、七万四千九百円かそのぐらいで安い賃金で雇える。ですから若い労働者を欲する。ところが、御承知のように、年功序列賃金などというのはインチキでございまして、それは役人様のことでございまして、官公労か大会社でございまして、一般の商社は、御承知のように、あなたの方で年齢別賃金は全産業平均で言えば一番上がいわゆる幾らになっていましょうか、二十一万七千三百円、低いところで七万四千九百円になっておるようでありますね。それも働くのは十七歳から働いて、六十で一番悪いところで言うと十三万九千九百円に落ちておる。これは平均でありますからもっとたくさんもらっておる人もおりましょうが、いまや日本の国は、古来美風だ、わが国の美しい風習だなどと言われたものはなくなって、ドライに、戦後これだけの産業をつくり上げた先輩に対して足げりをするようないわゆる政策をとっておるのが現状だと労働大臣はお考えになりませんか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 御趣旨の意味が、中高年齢者というものは非常な苦労をしておると、してきたと、それに対していまの世相は足げにして大事にしていないんじゃないかという趣旨の御発言と承りましたが、足げにしているしていないというのは別といたしまして、中高年齢者という雇用の問題が非常に重大な問題であって、この問題についてはまさに真剣に取り組まなきゃならないという意味では全く同感でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私は、大臣は忙しいから新聞など読む暇がないんでしょうけれども、五月二十一日の朝日新聞の表を見ると、山の形ができ上がって滑り落ちておるわけです。賃金のことですよ。賃金が、あなたみたいに高給で何の心配もないような御身分はよろしゅうございますが、私たちは四十歳から四十五歳が最高になって、それから後滑り落ちていく。それで実は子供たちが学校へ行く、嫁に行くということになる。金が要るようになったらどんどん下がっておるというようなことで、何が終身雇用だ、何が生涯雇用だ。いままでぬかしたんです、そういうふうに資本家の餓鬼どもが。そうですね。資本家というか、財界というか、いわゆる経済界という人たち、人を使っておる人間のやつらはこういうことを大きなことを言っておったんですが、経済が一たん石油ショックだなどということになったら、とたんにいわゆる本当に人間をぼろくずのように捨ててしまった。そして、いまあるものは、実際は五十歳以上の方方にとっては窓際の人生とか何とか言われるように、もうやめてくれと言わんばかりの作戦をとる。賃金も下がってくる。こういうような情勢であることについては、私はけしからぬと言っておるのじゃないんです。それにかかわらず、もう一つの問題は、それだけではありません。実はあなたの方の報告によると、二十年ぶりの高さということで、昭和五十年度平均として三月に再び二%だというけど、二・二%のいわゆる失業率を持っておる。その失業しておる内容が、いわゆる中小企業を中心とする中高年齢者になっておる。こういうものについて、先ほどからお話があるんですが、完全失業者をなくしていくことも大変大切なことでありますが、問題は、いま私の方からきちんと聞きたいのは、中高年齢者をどうして守るのかと、こういうようなことになれば、例がありますから、これについて賛成をしてもらいたい。たとえばアメリカとか西ヨーロッパの国においては、年金と雇用との関係で言えば、具体的に言えば、年金支給年齢と定年、リタイア、退職とはちょうどリンクするようになっている。中高年齢者の雇用の確保、たとえばそのためには、会社が困ったら若い者は雇わずに年寄りをちゃんと守る先任権制度があります。日本の国でいろんな珍しい機械を外国に先んじて入れる経営者ですから、人間を大事にしなければいかぬという、日本の国は資源がないけれども人間が資源だと、こういうようなことを福田も三木も——田中は言うたかどうか、あれは疑獄があって物を言わぬでやめたからわからぬけれども、大平も言っておるんと違うんですか。人間が日本の国の最も大切な資源ならば、これについて当面私はこの先任権制度といいますか、お年寄りを大事にしてもらいたい。大体、審議会に来ている連中見ておると六十歳過ぎた連中ばかりです。ポンコツですから、それでは。審議会に来ているのありますね、あなたたちが審議会の先生集めていますな。六十歳以上のような人が多いですな、これ。あれは頭きくんですか。あれがきくんなら一般の民間の人間がきかぬということはおかしいですな。意味わかるでしょう。私は三十分しかないから余り——いやだったら答えなくていいんですよ、一人だけで演説するから。腹が立ってしょうがないんですよ。何々審議会、何々審議会というのによう来ておるおっさん見たら、もう老化現象じゃないかと思うような人で、学者だからりっぱだからということで、時代が明治憲法時代に育ったような人が偉そうにやっておるがね、失礼でございますが。私は明確に言いたい。いま当面、戦後に日本の国をこれだけつくった人間を失業させるようなことだけはさせぬ。若い者はちょっと失業したってしんぼうせい、何ぬかすか、おまえらうろうろするな、もっとボランティアか何かして就職の機会があるまでしっかりやらんかい、勉強せいと、こういうふうに言う男にならぬですか、人間に、男にですよ。おやじになりませんか。いわゆる若い者をいいかげん雇うているのをやめて——若い者が町にあふれれば革命が起こりますよ、棒切れ持って走り回りますし、火炎びん持って走り回る。ところがそれがこわいから若い者を低賃金でようけ雇って、年寄りは五十になり四十五になればどこも雇ってくれませんから、窓際行ってでもじっとしんぼうしますわな。減量経営やっておるんですよ、これ。首切って、あなたの方は雇用と言えばどこ雇われてもいいと。それはそうですよ、官吏の人は一たん年金がつきますよ、併給もききますよ。厚生年金の場合は在職すればもらえませんよね。もらえても在職年金の場合は、またこれは在職老齢年金もありますけれども、しかし原則的に言えば併給はできませんよね。これ役人中心じゃないですか、恩給といって天皇からもらって。一銭も掛金を掛けていない者が一兆円も金取っていますね、いま。いや極端に言いますよ、極端に。日本の国は恩給族、これがはびこっておるんじゃないですか。こんなもの貢献したとか何とか言うんだったら掛金掛けてくれ、いまから。こういうふうに言いたい。  いま質問したのは、富士山の絵をかいたように、賃金が若いときから順々にしか上がらずに、四十歳、四十五歳になってようやく上がったと思ったら、ひゅうっとおりてくるような形でしょう。こんな賃金構造になっていることについては大臣は知ってほしい。知らぬと思うから私は言うのです。  それで局長の方に言いたいのだが、雇用を安定させるとか何とか言いよるけれども、雇用を安定させるのは若い者と違う、若い者はほっとけ。いま年金もらわなきゃならぬ年になってから賃金が引き下げられる。そうしたら年金が少なくなるんですよ。わかりますか。いまのような年功序列の賃金やめようと思ったら、初任給みたいなことを言わないで一人前労働とは何かと決めて、それに達すればちゃんとした、いわゆるいま三十歳になるか四十歳になるか知らぬけれども、もらっている賃金、家族を養えるだけの賃金を渡すようにちゃんと国が指導していく、そうしなきゃならぬ。ついこの間まで、つぶれかかった、つぶれかかったと言って一兆何千億円もの金をたくさん出したけれども、みんな増収減益、増収増益、こういうことになっておる。ところが、助かっておらないのはわれわれいわゆる働いておる者だよ。特にいま言うように五十歳以上の方々が追い込められておる。このことについて、中高年労働者と違うんですよ、新規労働者をまた雇わなきゃならぬのですよ、大臣が知ったとおり。一年間に七十万から八十万新規雇用をしなきゃ大変になろう。これについてほっとけなどと言っているんじゃないんです。しかし、それもさることながら、年金と退職と雇用——雇用が切れるとには、年金上げますから下がってくださいと言えるような体制にしたい。にかかわらず、片一方の方の年金懇を初めとして、いわゆるお金がないから年金支払うのはずっとおくらそうと、それから第二、第三の就職をしたらいいじゃないか。賃金が低くても一生涯通ずればほどほどのものをもらえるに違いない。こういうお年寄り、もう金もあり地位もあり、とにかく何の苦痛もないような審議委員がようけ来てのたもうてますよ。社会保障制度審議会で言っていますがね。好きなことを言っていますよ、私から言わせたら、本当に。一般の人たちはそんな生活をしてないんです。ですから、雇用の問題については単なる数の問題でなくて、これだけの日本の国の経済をつくった者たちに対して、具体的に年金と雇用とがつながっていく、雇用があるか年金があるかどっちかにしてあげる、これが厚生省と労働省が力を合わすべきことだと思うが、大臣もそう思っておると思うんだが、大臣、考え方を聞くんですよ、私は数字など余り言いたくないんです。どうですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 定年と年金という問題についていろいろ広範な事案を挙げられてお尋ねになりましたけれども、私どもも、定年になった、その後年金に続けられる、こういうふうな状態が一番よろしいと。ですから、そういうふうになれるようにできるだけベストを尽くしていかなきゃならないと。当面は昭和六十年までに定年を六十歳にするということで定年問題をいまやっているわけです。長期的に見ますと、これからは寿命も延びますし、働ける方々もあるわけですから、そういう意味合いで長期的には六十五歳まで働く場を確保したい。しかし、当面は昭和六十年までに六十歳定年を実現したい、そして年金とこれがつながるように、できるだけつながるように努力をしたい。年金懇の方からいろいろ意見が出ております。これはいろいろの意味からいってやはり相当大変な問題ですから、こんなものはどうでもいいというわけにいかない。しかし、年金と定年との問題をまたどうさせるかということも大問題でございまして、そこら辺については今後厚生省、労働省、その他関係省庁と具体的な詰めをしていかなきゃならない、こう考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私が申し上げる問題として、先任権制度ということを外国はやっておるんだと、こう申しましたんですが、やはり新しい制度としては、古い言葉で言ったら敬老精神というか、われわれはその人々の導きによって今日あるんですから、その人たちに対する措置をとろうという新しい発想はいま生まれてきませんか。やっぱり若い安い労働者を雇って、安い労働者、若い人を雇って、柔軟な者を雇って、そして安い賃金で働かすというような考え方にいまの資本家は成り立っておるんですが、それは肯定されますか。そうするならば年金の掛金も少なくなりますし、医療の保険の掛金も少なくなりますからね。労働者の総数としましては、これからは出産率は少のうございますから、どうしてもこれから六十歳から六十五歳までの人たちにも働いてもらわなきゃならなくなる時代が来ると思うんです。実際は、人口上から言えばいまのように五十五歳でやめてくださいなどということになってないはずです。いまから二十年後の話をしておるんですよ。いまの話をしていませんよ。目の先のこともわからぬ人間に二十年先の話をするなどあれですが、私は二十年先を見ていま言っておるわけです。いま年寄りを大事にできぬのならば大変なことになろうと思うから、明確に、制度上いろいろ意見があろうけれども、諸外国が先任権制度をつくっておる。それと同じように、言葉で言えば年金といわゆる雇用をつなぐと、こういうぐあいです。それが先任権制度です。会社は、人が余ったら年寄りから首を切るんじゃなくて、若い者から首を切る、こう言い切ってほしいのです。若い者は勉強したらまだ間に合いますよ、ほかのこと勉強できますよ。四十五過ぎてから勉強したって遅いんですよ。大臣みたいに偉くなれば別ですがね。私みたいにあほはできません。ですから、そういうことはどうかということを聞いていますから、それは局長すかっと答えてください。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) わが国の年功序列賃金たり、あるいは年涯雇用制度なり、いろいろな雇用慣行と、それからアメリカの雇用慣行——先任権というのは主としてアメリカで一番確立されている制度でございますけれども、そういう制度、それからヨーロッパはまた少し違う制度でございますけれども、そういうものの全体、トータルとしてこれはどちらが合理的なのかという基本的な問題があるわけでありまして、確かに先生御指摘のような点で、先任権制度みたいなものが非常にすぐれている点もあることも事実でございますが、トータル的に見てどういう制度が一番妥当なのかということになるわけでございます。  現在のところ、労使間におきましても、私どもも、やはり現在のわが国の賃金雇用慣行制度というのは、それなりのかなりの合理性を持っているのじゃなかろうか。ただし、たとえばいま先生御指摘がございましたように、高齢者の雇用問題党を考えます場合に、いまの賃金体系はこのままではとても問題があるというふうなことから、それを部分的に直すことによって、従来の制度の持っている長所は生かしながら、問題点というものはためていくという方法はないだろうか。そういう方向でいま模索をしているというのがわが国の現状ではなかろうかと思うわけでございます。そういう意味で、先生御指摘のように、先任権制度に代表されますような高年齢者に対する十分な配慮をする方向についても、それはそれなりのいろいろな施策によって生かす方向を考えていくべきじゃなかろうか、こういうふうに思っているわけであります。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 とにかく、終身雇用とか生涯雇用とかいうのはみんなうそだったし、企業一家などということも全部うそだし、日本株式会社もうそ。カーター政権の方がずっとえげつなくアメリカの国益のために日本の国へどろ足で踏み込んできても、大平という総理大臣は、アメリカの第五十一州になったのかどうかわからぬが、余り腹も立てずににこにこ笑って帰られる。こういうふうなつもりで見ております。私が見ておるのですからね、大臣は見てないけれども。もう腹が立ってしょうがない、頼りなくて。牛みたいなものだけれども、モーと鳴いとるだけのことでそれから後あらへん、こう思うんです。しっかりしてほしいと思います。  私は、なぜそんなことを言うかというたら、まずその次に、日本の国民の人口のうち半分は女性であることについて認識がされる。勤労者の三分の一が婦人労働であることも理解ができる、こう思います。ところが、ここではとたんに年金懇の委員さんの餓鬼どもというか、人たちはこんなことを言っておりますね。厚生年金保険における保険料率及び老齢年金の支給開始年齢の男女差は解消すべきである。女の方が早くもらえるようになったらけしからぬから男と女と同じようにもらえるようにせえと。金を払わぬ方にはすぐに男女平等と、こう言いますね。そんなら、私の方の田中寿美子さんも含めて、粕谷君も含めて提案しておる男女雇用平等法を早く通してくださいよ。基本的な男女雇用平等をしないでおいて、年金だけはすぐに払わぬ方は男と同じようにおくらそうじゃないか。どんな厚かましいやつばかり集まっておるんですか、年金懇の餓鬼どもは。先生などと言いませんよ。年金懇の言っておるのは、そういう金、金、金、金、金、何でも言えば金。私は金が欲しいと言っておるんじゃないんです。われわれは、古来から年寄りを大事にするというのは戦争負けるまでの風習だったんです、済みませんが。おじいちゃんに怒られたり、お父さんに怒られたら考えよった。もう考えへん。大臣になったりなんかするからおかしいことを言っておるんだけれども、私はいまでもそう思っておるんです。と思うと、なぜ今度こういうことになるんだろうか。と申しますのは、男女の差別問題については、裁判で若年定年制や結婚や出産、退職制などについて判決が幾つかあります。こういうことについては、企業に対してただ勧告するだけでなくて、こんなことは法律的にもできない、こういうように明確にできませんか。まず、そんなことはできません、男女における性別によるところの定年制の差別はしてはならぬという法律、議員立法でもいいからつくってほしいというならつくりましょう、いま野党間で。どうですか、民社党さんも第二院クラブもおるがね、ここにちょうど。これは困るのじゃないですか。私は、本当は差別したい者が集まっておるのでなければ、この際男女の差別をなくするということではちゃんとそういう決め手をする。女だからやめてくれ、こういうことについて、若年定年制などをしく——私は定年ということについての抵抗はあるのです。あなたの方は十五歳から六十五歳まで労働人口に入れてあるわけです。労働人口の総枠に。本当のことを言うと、高校までいくものだから、十七歳とか十八歳から働いておるものだから、表にはいま大方のものが十七からしか出ておらぬですね、労働省のやつ。そうですな。今度朝日新聞とかが発表した賃金の実態表です。何も調べてないからわからぬだろうけれども、通告してないのだからしようがないけれども、とにかくそういうようになっておる。  ですから、若い人々をいま雇っておるのは、低賃金だから雇っておった。女の人を三分の一雇っておるというのは、パートタイマーとか臨時とか、そういうことでやめてもらえるものと前提をして、チープレーバーとアメリカの人が言うのはあたりまえですよ。そういうものを基礎にした日本産業をまだ夢見ておるんですか。男女は能力に応じてきちんと処遇されるのであって、性別によって、男とか女ということによって、定年とか、そういうものを設けたりすべきでない。まして働ける者は働いてよろしい。そのかわり、そのときに年金とはどうクロスをするのかということだけが疑問であります。疑問というか、解決すべきです。そうですね、人間一生働いたらいかぬことはないと思う。ボランティアという働き方もありましょうし、金をもらうという働き方もありましょう。人間が動くと書いて「働く」のですよ、労働大臣。あなたの労働の「働」は、人が動いたら働くのですからね、ぶらぶら動いておるというのではありませんけれども。そういう意味で、明確に私がお聞きをしたいのは、いわゆる定年制について、これからは最高裁の判決があろうとなかろうと、どんな企業においても、若年停止あるいは退職、これは絶対させない、こういうことについてきょう約束をしてもらいたい。そうしたらもうあと質問をすぐやめたいと思います。大臣どうですか。これはあたりまえのことで、年寄りを大事にせいということについて賛成、あとはそれはひとつ決意を述べてください。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 男女平等の雇用を確立しろというお話のように思いますけれども、この点につきましては、かねがね労働基準法研究会の報告等の中にも、男女平等法を制定すべきであるというような御意見もございまして、それは非常に貴重な御意見でございますから、これらを関係の審議会に諮っていろいろ御審議をいただきたいと、そういうふうに考えておりますし、また具体的な行政指導の中でも、男女の定年等について差別のないようにいま鋭意指導をしているところでございまして、そういう方向に向かっておるということを御承知いただきたいと思います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 指導しかしないということですから、まあやむを得ませんが、これは認めないという法律をつくるべきだと思う。こう思っています。いや、そうしちゃいかぬ、定年制をしいちゃいかぬ、差別をしちゃいかぬ、指導などすべきでないと思います。けれども、あなたの方は、どうせ経団連から、あるいは日経連などから言われたら物も言えぬようになっておる労働省でしょうから、労働組合が攻め寄せたときの日だけちょっと防波堤になっているぐらいのことでしょうから、答えられぬと思いますからこれ以上しませんが、労働省が労働組合のある諸君を守ってくれなどと言っているんではないんです。労働組合もないようなところを守ってほしいんです。何回も言っているんです、わからぬでしょう。大きい私の所属した全電通とか、また国鉄とか大きいような組合というのは自分で勝手にやれるんですよ。ところが、五人か六人しかおらぬようなところで雇われている人たちというのは、あなたたちがしつかりやらなきゃできないようになっているんですよ、これはもうわからぬでしょうけれども。そういうところで日本の労働者が相当数、いわゆる三分の二とは言いませんけれども、それに近いほどの数がおるというような状態を見たら大変でしょう。全労働者の総数の三分の一が組織できて、組織ができないのが三分の二でしょう。そのことは、言葉をかえて言えば中小零細企業と、こういうことになりましょう、実際上。私はそういう意味で申し上げている。  老人に対してですが、そこで基本的な問題として年金、医療、生きがいの対策でありますが、老人医療保障が七十歳でありますが、退職後の医療給付、いわゆる保険から切り離されたら後、その間の医療保障について労働省はどう考えておるか。厚生省に聞くべきではありませんで、労働省はそのときの年寄りをどう思っているか。働かしているんですからね、働かした後老人の医療についてどうなっていますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 御質問の趣旨ちょっとよくわからなかったのでございますが、要するに、働いている限りにおいて業務上関係の保障は労働省で行いますと同時に、一般的な医療については厚生省の所管であるというふうに承知しております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私は、勤めている間についてはいわゆる健康保険が適用されたりするでしょう。勤められなくなればどうなるかといったら医療の無料化というような制度ができて、七十歳以上になっておりますが、しかし、これはかねてから取りやめたい、これを廃止したいという政府の意見がありますが、そういうことになりますと大変なことになる。これは警告をしておきたい。使うだけ使ってあと知らぬふりするというのがあんたたちのやり方でありますから、そのようにひとつならぬようにしてもらいたいと思います。これはもう私の意見として申し上げる。どうせそういう考えしか持たないだろうという前提です、使い捨て、人間というものは物であると。  そこで、雇用保険の日雇労働求職者給付金に関連して聞きたいんですが、雇用保険の一般被保険者の基本手当の日額の自動的変更が、事実上日雇労働者よりも一般労働者の方が速やかに行われているのではないか。それは日雇いの賃金アップが約五〇%、一般の賃金アップが約二〇%であった場合に自動的に変更が行われることになると考えます。そういう意味で、一般の基本手当は前職の賃金の六〇%から八〇%になっているんでございますが、この原則は日雇給付についても保障すべきではないかと思います。これをまず聞きたい。  一般の失業手当より低い条件にある日雇いの失業手当を五段階にするなど、その給付水準の引き上げに特別の措置を講ずべきであると思うがどうか。この二つについてお答えを願いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) まず日雇いの失業給付につきまして多段階化すべきじゃないかという問題について申し上げますと、ランクがたくさんあるかどうかということによって、必ずしも労働者にランクが多ければ有利であるというわけでもないわけであります。つまり、ランク自体が簡素化されていれば、その間において損する人も得する人も、この多段階にした場合においてもあり得るわけでありますが、ただ問題は、ランクの幅が大きいために、いまおっしゃいましたように平均給付率との関係で六割を切る人が出てくるというふうな問題が一つあり得るわけであります。そういう意味で一つの問題点ではございますけれども、これを行います場合の財政的な問題及び事務的に非常に煩瑣になるという問題が一つございまして、そういう意味で現在検討をさしていただいておる問題でございます。  それから、スライド問題につきましては保険課長からお答えをさせます。

川上忠憲労働省職業安定局雇用保険課長

○説明員(川上忠憲君) スライドの問題につきましては、現在先生御承知のとおり、日雇労働者につきましての制度は、一般の雇用労働者の場合に毎月勤労統計という調査がございまして、賃金の変動の実態が毎月正確に把握できるという実情にあるわけでございますが、日雇労働者につきましてはそのような調査がはっきりしたものがないというような事情もございまして、日雇労働者、一、二、三級に分かれておりますその中のどちらの方に片寄っているかと、上の方に非常に片寄ってきました場合にはスライド制度を発動すると、こういう制度になっておりまして、現時点における客観的諸条件のもとではやむを得ない制度であろうかと存ずるわけでございます。  先生御指摘のように、賃金水準が一般の労働者が変動したような場合に、それと見合ったような形で変動するということにいたしますと、これは技術的な問題、あるいは制度的な問題といたしまして種々問題が出てまいりますので、なかなかそういう制度の採用は困難であるというふうに考えておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、さきの当委員会で、定年延長奨励金は中小企業三十六万円、大企業二十七万円に、継続雇用奨励金、中小企業は十八万、大企業は十三万五千円に引き上げ、中央職安審議会の議を経てできるだけ早く実施をする、具体的には雇用保険法の一部改正の実施時期とこれを合わせたい、このような確認を得ました。また、定年延長につきましては、立法化問題を含めできるだけ早い時期に雇用審議会に諮問する、検討のめどは一応二、三年をめどとしたい、こういう確認をとったわけでございます。  そこで、雇用発展職種研究開発委員会につきましては、名称を雇用開発委員会と改め、中央の委員会に対応して政労使公の四者構成による地方雇用開発委員会を全国五カ所に早急に設置するというところまでの確認はいただいたわけでございます。しかし、中央の雇用開発委員会につきましては、五十四年度予算で六百五十五万九千円が計上されているわけでございますが、地方の雇用開発委員会につきましては予算の計上がございません。この件に関しまして、わが党と公明及び自民党、三政調会長会談におきまして、自民党の河本政調会長は、地方雇用開発委員会一カ所当たりの予算は四百ないし四百五十万円とし、当面予備費をもってこれに充てていきたい、こういう説明をされているわけでございますが、労働省として今後どのように予算を措置し、執行されようとしておるのかお伺いいたします。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) ただいまの開発委員会等の予算関係でございますが、現在財政当局とも相談してこの実現方については完全に意見の一致をしておりますが、何をもって充てるかという点については、今後とも財政当局と適切に対処をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 あわせまして、労働市場センターの機能充実のために学識経験者による雇用情報研究委員会を設置する、このことに関しても予算措置が行われておりません。これも同じく河本自民党政調会長は、予備費の使用により五千万円を確保したいと、こう説明されておりますが、これについてはいかがでございますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 必要な経費を確保することにつきましては、この点につきましても財政当局と基本的に意見が一致しておりますけれども、その財源として何を充てるかという点につきましてはまだ決まっておりませんで、今後大蔵省とも相談しまして適切に対処したいと、こう思っているわけであります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 大臣にお伺いいたしますが、以上二点、いま局長から答弁のあったような現状でございます。しかし、これは公党間のいわゆる公約といいますか、約束事でございます。大臣といたしまして、これら予算費目について責任を持って大蔵省と話し合いを進め、これらの執行に万遺憾なきを期していただきたいと思うわけでございます。その確認を求めたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 何をもって充てるかということは別といたしまして、責任を持ってお約束したことは実行いたします。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 続いて、私は予算委員会の総括質問の際にも、さらに集中審議の際にも指摘したところでございますが、再度突っ込んで御質問をしたいと思います。  わが国の雇用政策は、昭和四十九年を転機として大きく転換をしつつございます。すなわち、発生した失業に対する事後的対策としての生活救済、職業訓練、職業紹介等による再就職の促進というたてまえから、これに加えて失業の予防、雇用の安定、さらには現在積極的雇用創出のための政策手段がこれに加えられつつあるわけでございます。私たちはこのような転換を要求してもまいりましたし、政府のとりましたこのような方針を評価するものでございますけれども、しかし、こうした立法化や改善の努力が果たして今日の深刻な雇用情勢に十分機能しているかどうかという点にはなお多くの問題を残していると思うのでございます。大臣のこの点に関する認識をお伺いいたしたい。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 御指摘の点につきましては重々私も承知しておりますし、いままでの委員会におきましてもそれぞれお答えをしたところでございます。私は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、御指摘をいただいたようなことにつきまして、私みずからが私なりに点検をして、そしていま皆さんに御審議いただいておる法案等も通りますから、そういったものを踏まえまして、これが本当に適切に機能するのかどうか、みずからできるだけ確かめてみまして、そして改善するところがあるならばまた改善の策を講じたいと。要はお約束したことを、あるいは御指摘を受けたことについて真剣に取り組んでいくということがこの際は必要ではないかと。そういうことなしに、ただああいうことをしたい、こういうことをしたいというだけではいけないのではないかというのが私のいまの心情でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それでは、具体的にお伺いしたいと思うのでございます。  さきに申し上げましたように、昭和五十年以来の立法や法改正は、率直に言いまして緊急対策的といいますか、対症療法的な対応策であったと思うのでございます。それで、このため各種の制度が積み重ねられまして、国や自治体の実施する助成金や給付金は百種類を超えております。また、各種法律間にも整合性を欠く面が散見されるわけでございます。私は、制度の種類が多いということは、十分な政策効果を期待できるということとは直結しないと、こう思うわけでございます。この際、昭和五十年以来積み上げられました各制度を、それぞれの制度の有効性を基準として一連の雇用関係諸法の体系化、整備を図っていく、これが一つの大きな課題ではないかと、こう認識をするのでございますが、そのような検討に着手されるか否かをお伺いいたします。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、現在のいろいろな制度なりあるいは給付金等におきまして非常に複雑化をしているという点は事実でございます。それから、同時にそのことが、それぞれの産業なり地域なり、あるいはそのときの情勢に応じた必要からできているものでございまして、これを統合するとなると、高いところに合わせて統合するというのは大変むずかしゅうございます。かといって低いところに合わせるのも非常に問題がある。そうするとなかなか統合しにくいという問題がありまして、そういう意味で、統合についての今後ともそういう角度から見つつ検討を進めていかなければならないと思っておるわけでございますが、同時に、現在はむしろ問題に対処して実効ある制度を確保するということが、よりこういう変動期でございますのでそこに重点が置かれていくのもまたやむを得ないんじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。したがいまして、先ほど大臣からお答えしましたように、制度の実効性の確保に力点を置きながら、しかもその中で長期的な見通しに立って制度の体系化、統合化ということも考えていくというふうな方針で対処をさせていただきたいと、こう思っておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、制度の実効性の確保を最優先的に考える、これはもう当然そうあるべきだと思います。しかし、大臣、いまいろんな多くの点から問題が指摘されまして、職安審議会の公益委員みずからが、どうも制度が複雑過ぎてわれわれ自体も十分に理解できないということを堂々と公的な本の中にも書かれておるわけですね。したがって、一般の民間産業に働いている労使が、いかにこの問題に取り組む場合難解であるかということは御承知のところだと思うのでございます。どこをどう変えていくのか、これは技術的に大変むずかしい面があることを私も承知しておりますけれども、ひとつ大臣、このことを関係審議会の検討を、まあ諮問するといいますか、そういうところまでひとつ第一歩踏み込んでいただけませんでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 法律制度等の体系化みたいな大問題は別といたしまして、いま先生御指摘のように、給付関係等につきましては、確かに複雑多岐にわたっておりますので、現在すぐやれるものとして、たとえば全く同じ雇用奨励金でありながら、対象者が違うたびにこれを一つの給付金として運営しておりますものにつきまして、こういうものを統合するというような方向は、これは比較的早くできるんじゃないかということで、関係当事者や審議会の御意見も聞いてこの統合を考えてまいりたい。それから、一方におきまして、現在各種の給付金が非常に消化の悪いものがかなりあるわけでありまして、そういうものについて、なぜ消化が悪いのか、その原因がどこにあるのかというような検討を、安定審議会の中に専門の事業部会というのがございまして、その中で御検討をしていただいているところでございまして、そういう検討の過程において、こんなものは統合した方がむしろ使われやすいんじゃないかというような御意見も出るかと思われるわけでありまして、そういうすぐやれるもの、それからそういう御検討の中でまたいろいろ御意見の出てくるものというふうに分けて現在検討させていただいているわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 雇用安定事業関係でいろいろ給付金なり奨励制度が十分活用されてない面がある。それは、一つは私がいま申し上げました制度の複雑さにあるわけでございますが、もう一点、たとえば雇用調整給付金制度など休業規模要件が厳し過ぎると、現在の雇用失業情勢に対応して十分これが機能するためにも、こういった休業規模要件を緩和するなどの改善措置がさらに望まれる。これはもう大きな世論であろうと思うのでございます。この点大臣いかがでございましょう。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 安定資金制度につきましては、昨年十月、先生も御案内のように労使の意見を聞いて、その際に、会計検査上必要なもの等を除いてほとんど労使の御意見を入れて要件緩和等を図って一応の効果を上げたつもりでございますけれども、しかしまた、いま先生御指摘のように、依然として調整手当の規模要件その他要件緩和を要望する声が強いわけでありまして、そこで御指摘の点につきましても安定審議会の意見を聞きながら十分検討したいというふうに考えておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 その検討をぜひ早急に進めていただきたいと思うのですが、その検討の一項目として雇用調整給付金等の給付率の引き上げ問題、さらに景気変動等雇用調整事業に出向に関する給付金制度を新設をしてもらいたい。これは現在各民間企業は非常に苦労を労使がいたしておりまして、何としても解雇という問題を最小限に食いとめなければならないということで、出向という形をとる減量化というのが相当各方面にあらわれているわけであります。こういう問題を、私は景気変動等の雇用調整事業の中に加えていくということは、わが国の失業予防、雇用確保という面において一つの有効な手法ではないか、こう思うのでございます。これらもひとつ前向きに、ただいま局長の申されました検討の一項目として、十分労使の意見を聞き、その中でそしゃくしていくべき課題であろう、こう思うのでございます。いかがですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先ほどの規模要件の緩和の問題につきましては、私ども積極的に前向きの方向で検討したいというふうに考えておるのでございますけれども、いま御指摘のございましたこの雇用調整給付金の給付率の引き上げの問題になりますと、これは私どもほかなり問題があるんじゃなかろうかと、こう思っておるわけでございます。その理由は、これは御存じのように、休業手当は、これは基準法上の事業主の義務になっておるわけでありまして、それについて先ほど先生がおっしゃったような趣旨で、幾ら事業主の義務であってもこれはなかなかその負担上いろいろ問題があるとすれば、これは失業の予防という観点から何らかの補助、助成をする必要があるんじゃないかという考え方に立ちまして、そういう意味で、現在大企業等については二分の一、それから特に中小企業につきましては負担能力が低いということで三分の二というかなり異例の助成をしているわけでございまして、これ以上さらに助成率を引き上げるとなりますと、そういう意味で制度の趣旨本来からいってかなり問題があるんじゃなかろうかというふうに考えるわけであります。まあ先生のせっかくのお話でございますから、労使の方々の御意見を聞いて議論をしていただくという点については別に私ども否定をするわけじゃございませんけれども、そういう意味でのかなり問題があるという点についてはひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。  それからさらに、出向給付金の問題でございますけれども、景気の変動に対処して、一時的に過剰となった労働者を他の企業に出向してもらうというのがかなり行われている制度であって、これに対して何らか助成が要るんではないかという御趣旨自体は私どももかなり同じような気持ちがあるわけでございますが、しかし同時に、先生御案内の現在の安定法の規定から見まして、非常に短期的に反復継続して出向をするというふうなことが広まること自体については、これまた法律上の問題もございまして、そういう意味での安定法の規定の運用なり、あるいは現在の労働力の需給のシステムの全体についての検討の中で、基本的長期的に検討されるべき問題を実は含んでいるように思われるわけでありまして、そういう意味で、単なる安定資金制度の要件問題としてだけでは取り上げにくい面がございまして、そういう意味で少し慎重に検討させていただきたい。当面すぐというのはなかなか困難じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、給付率の問題、これは一つの発想でございますけれども、わが国の雇用対策といいますと、三百以内は中小企業、それを一名でも超えると全部大企業と、こういう分類なんですね。これは大蔵当局の姿勢も通産当局の姿勢も全部そこらで線が引かれております。しかし問題は、欠落しておりますのは中堅企業の対策ということなんですね。装置産業における三百を超える企業、これは相当の規模でございますけれども、労働集約産業における三百というのはまだこれは中小企業の部類でございます。そこらの問題が、一挙に二分の一と三分の二という段差がそこに生まれておる。私は全般の問題の検討とあわせまして、そういう二段階方式が果たしていいのか、その中間に何らかの中堅企業に対する配慮というものを加えていくべきかどうか、これも一つの課題であろうと思います。  それから、後者の出向給付金の点も、私もやみくもにこの出向制度が乱用されることを慫慂しているわけでは決してございません。しかし、これは適確な一つの条件等を具備するならば、私は雇用対策として一つの有効な手段足り得ると、こう思うわけでございまして、ここらも大臣ひとつ従来の発想に余りこだわらないで、現実を見て機能的に対応する、こういう大臣の姿勢をぜひ期待したいと思うんです。大臣、この点いかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 発想の転換をしろというのは御激励かと思います。私もできるだけ余り旧来のことにこだわらずにいきたいと思います。ただし、よく考えてみまして、やはりできないものはやはりできない。古くて新しい問題というのも、中小企業なんかのどこら辺にするか、中堅企業、中小企業か大企業かというようなこういう問題は、全く古くて新しい問題です。新しくてまた古い問題ですね。ですから、絶えずそういったことについて考えをいたしながら前進できないものかどうか、そういう積極的な気持ちで対処してまいりたい、こう考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、いままでの質問を総括しまして、この際大臣に三つの点を強く要望いたしておきたいと、こう思います。  その第一は、雇用安定資金制度はその利用率が低いことが指摘されております。昭和五十三年、ただいま局長も申されましたように、秋の臨時国会で適用条件の部分的緩和は行いましたけれども、この際、雇用関係法全般について早急に見直しを行いまして、適用条件を実態に即するようにできるだけ緩和し、あわせて申請手続の簡素化という問題についても改善を図るべきではないか、これが第一でございます。  第二には、この際、給付水準の、ただいまも申しましたが、見直しを行いまして、その改善を図ることにより利用率を高める、そして立法の趣旨を満たすということが第二でございます。この点、定年延長奨励金など、われわれの要求に従いましてこの第一歩が切られたことを私たちは評価いたしております。  第三には、雇用関係法の内容や運用上の諸点について関係労使に周知せしめるための努力、そして積極的活用がこれによって行われるという体制づくりの問題でございます。  私はこの三つの点を今日まで労働省がやっていなかったとは申しませんけれども、なおより意欲的にこの三点に対して取り組んでいくということが、現下深刻な雇用情勢の中にある民間産業労使の強く求めている点ではないかと、こう思うのでございます。これは大臣の決意の問題でございますから、ひとつ大臣より御所見をお伺いいたしたい。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 先ほども申しましたとおり、私はいままでの行政指導というものが本当に行われたかどうか、また、いま柄谷さんから御指摘があったような点を含めましてどうあるべきかということを、余りいままでのことにこだわらずに自分みずからもよく検討していきたいと考えております。ですから、そういう検討した結果、しかるべきときに国会に御報告申し上げたい、こう考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 ぜひそのように期待をいたしておきます。  次に、職業訓練制度についてひとつお伺いしたいと思います。職業訓練制度につきまして、過般この訓練法の改正を行いまして、産業構造の転換に伴う労働力の構造的な移動、すなわち産業間、職種間及び地域移動のためのプール的機能を果たすようにしようという趣旨の位置づけが行われたわけでございます。しかし、現実にそれが有効に活用されているかどうかといいますと、必ずしもその法改正の趣旨が十分に生かし切れていないというのが率直な現状ではないか、こう思います。  そこで、法改正の趣旨を生かしていくためには、たとえば訓練科目、単位制などの訓練方法、教官の再訓練などの再検討とあわせて、私は講師の外部委託制の拡大というものを配慮していくべきではなかろうかと思うのでございます。当委員会が神奈川県の視察を行いましたときに、神奈川県では県単事業として外部委託講師制度というものをつくりまして、いわゆる労働省の機構下にある講師と外部に委託いたしました講師団とが相連携をとりつつ対応しておる、それがきわめて大きな効果を上げているということを県当局から聞いたわけでございます。大臣も一度職業訓練施設をごらんになっていただきたいと思うんでございますが、機械も決して新しいとは申せませんし、技術革新時代に対応できる果たして訓練内容を行っているかどうか、これにも問題がございます。私なんか、まあ印刷機械などちょっと見ましても、これは十年前の印刷技術ではなかろうかなという感じさえ受けるのでございます。私は、そういう点で教官の再訓練というのは、全総訓の皆さんがいろいろな抵抗をされているということも聞くのでございますけれども、まあ新しい職業訓練体制ということになりますと、そこらはもっと先を見て教官自体も再訓練に努力すべきでありましょうし、そこで補い得ないものは外部の講師といわゆる連合する、こういう発想をぜひ取り入れていくべきだし、それなくして職業訓練行政の効果を期待できないとすら思うのでございます。この点いかがですか。

石井甲二労働省職業訓練局長

○政府委員(石井甲二君) 職業訓練につきましては、この前の法改正によりまして一つの体系をつくっていただいたわけでございます。現に現在そういう方向で努力をいたしておりますけれども、御指摘のように、訓練校の場合にいわゆる指導員、先生でございますが、かなり古い方もおられることも事実であります。したがって、これを新しい職種なりあるいは指導の方向と必ずしも密着できない悩みが実はございます。で、御指摘のように、私ども予算的にも機械その他についても相当予算は取っておりまして、これの更新をいたしておりますが、指導員について、一つは、既存の指導員の方々を訓練大学校に計画的に再訓練体制をとりまして、これを現にやっておりますし、さらにこれを強力にやっていきたいと思います。  それからもう一つは、御指摘の外部講師の問題でありますが、この外部講師の活用ということは今後非常に大きな問題だろうと思います。特に第三次産業の訓練が非常におくれておりまして、これの体制をつくるには、新しい指導員を採用するというよりは、むしろ経験のある、特に定年退職をした高年齢の方々でもむしろ経験上非常に有効な知識を持っておりますから、そういう方々を今後の訓練の指導体制の中に繰り込んでいこうということで、現に各県にも指示をいたしておりますし、それから、この七月から能力開発協会が発足いたしますが、そこに職業訓練のいわゆる講師を登録をいたしておりまして、各事業内を含めたいわゆる部外講師の一つの体制をそこでもとろうというふうに考えております。御指摘のように、非常に問題は多うございますけれども、その推進には今後とも続けてまいりたいというふうに考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 大臣、いまの外部講師制度の拡充問題ですね、これはぜひ来年の予算の際には、こんなことを県単事業でやらしているんではなくて、やっぱり労働省、そう大きな資金を要するわけではないわけですから、ひとつ大臣、いつまで労働大臣やられるのか私存じませんが、ぜひこれは栗原労働大臣の善政として、やはりそういうものを確保するような御努力を願いたいと思います。  さらにもう一つ、私たびたびこの委員会で指摘しているのでございますが、船員保険ですね、これは陸上といままで歩調を合わして、国会も雇用保険法の一部を改正すれば船員保険法も並べて改正する。厚生省関係も同じなんです。ただ一つ欠落しておりますのは、陸にある雇用安定資金制度が海にないということなんです。これはやはり陸と海との均衡を図りつつ法律の整備を図ってこようといういままでの慣例からして、昭和五十一年でございますから、それからもう三年を経過してなお安定資金制度が海の上に適用をされないということは、これは一つの大きな宿題を残している、こう思うのでございます。この点も、私は今国会でこの問題が解決されることを期待しておったのでございますけれども、残念ながら間に合いません。これは早急に検討を進められまして、私はでき得るならば秋の臨時国会、まあ開かれるかどうかわかりませんが、その際ぐらいまでには、せめてこの点に対する改善の道をつけていく、これが必要ではないか、こう思うのでございます。この二つについて大臣いかがでございましよう。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 第二点目につきまして先に私からお答えさせていただきたいと思います。  船員関係の安定資金制度につきましては、これは先生御案内のように、厚生省が保険を所管し、それから船員関係の行政自体は運輸省が主管するというような関係でございまして、現在両省の間で、先生の御指摘のような問題点は十分問題意識として持った上で両省が詰めているという段階でございまして、私どももその御協議の中身が前向きで出ることを期待しているわけでございますが、何分にも直接のうちの所管の関係でございませんので、そういう意味で、両省の協議自体が前向きにできることについて、私どもがいわばモラルサポートをできる点については十分してまいりたい、こういうふうに思っているわけでございます。

石井甲二労働省職業訓練局長

○政府委員(石井甲二君) 外部講師についての現状については、現在の予算の中でも外部講師を雇うことができますけれども、それは、たとえば再訓練に行ったとか、そういう補充の段階でやっておりますので、来年度予算におきましてこれを本格的な指導員体制という形で要求をしてまいりたいというように考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 時間が余りありませんので、もう一点、これは余りいい答えが得られないと思いますので要望だけにとどめておきますけれども、私はたびたびこの新しい労働雇用政策の転換というものに対応して、果たして労働省の現機構が適切なのかどうかという点に対して問題を指摘してまいりました。いろんな改正の意見が出ては消え出ては消えということで、旧態依然としたがっての高度経済成長時代の労働省機構が現在もなお続いている、これが実態でございます。この点早々のお答えはいただきにくいと思うのでございますが、大臣、ひとつこの点は、スクラップ・アンド・ビルドとかいろいろ行管は言っておりますけれども、雇用問題は非常に現下の重要な問題でございます。労働省の政策にも大きな質的転換が漸次行われておるわけでございますから、この点は大臣、ひとつ真剣に御検討を願いたい。このことは要望だけにとどめておきます。  続いて、港湾労働法に関して御質問をいたします。  最初に運輸省にお伺いをいたしますが、私は現行港湾労働法が制定されましたのは昭和四十一年だったと、こう記憶するわけでございます。ところが、本格的な港湾の構造変革というものが行われ出しましたのは、四十二年にコンテナが出現をいたしまして、立法後大きな変革があらわれているわけでございます。そこで、港湾整備計画の推進によりましてバース整備も急速に完備されてきました。その結果、沖仲仕から経岸荷役、そして複合一貫輸送等港湾の様相はさま変わりをいたしております。わが国の港湾の主役でございましたはしけ運輸、船内及び沿岸荷役を中心とする在来の荷役形態はいわゆる衰退の一途をたどりました。結果として、港湾の関係労使に大きな影響と被害を与えているというのが実態ではないか、こう思うのでございます。  まず運輸省に、このような港湾の構造変革といいますか、そういったものに対する現状認識と、そして将来展望について、時間の関係もございますから簡潔に、しかも要点を得てお答えを願いたい。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○説明員(山田幸正君) 御指摘のとおり、わが国輸送革新いろいろございますが、一例としてコンテナ輸送について申し上げますと、昭和四十二年に日本と北米との間の航路がコンテナ化されたということでございまして、それ以来わが国におきましてもコンテナ埠頭の整備が行われてきたわけでございます。そのような関係で、港湾労働者の雇用そのものもかなりの影響が出てきたということは事実と存じます。  それで、今後輸送革新がどの程度進むであろうかという予想でございますけれども、たとえばコンテナで申し上げますと、現在のところかなりのコンテナ化が進んでおりまして、今後はそれほど大きな進展はないのではないか。ただ、まだコンテナ化されておりません航路もございますので、今後はそういうような航路は若干ずつコンテナ化されていくというような状態じゃなかろうかと存じます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、その展望自体が非常に甘過ぎるのではないかと、こう思うのです。ある有力な業界の方が、昭和五十二年八月に四十万トンのはしけを廃棄処分をした。もちろん、これには国の措置が講ぜられたわけでございますけれども、しかし現在百二十万トンなお保有しておりますはしけのうち、半分の約六十万トンは今後過剰の傾向になってくるのではないかということを公式の書物に発表されております。私は、いま運輸省は港湾の革命といいますか、構造改革は一応一段落したような印象でございますけれども、そういう印象の中で本当の意味での私は雇用対策というものが生まれてくるはずはないと、こう思うのでございます。運輸省にお願いしますが、この点、一応港湾関係の業者、労使を交えて、ひとつ将来展望というのがどうなるのか、そのことをやはり正確に把握することの中から産業対策と雇用対策というものが初めてスタートが切れるのではないか、こう思うのでございます。そういう機会を設けて、あなたの言われた認識が正しいのか、私の言っております認識が正しいのか、その点に対してもやもやでは対策が立てられませんから、そういう機会を持っていただきたいと思うんですが、いかがです。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○説明員(山田幸正君) 御指摘のとおり、はしけ運送業につきましては、確かにおっしゃられますように四十三年以来取扱量が減少いたしております。そのこともございまして、昭和四十八年と、それから五十二年の二回にわたりまして御指摘のような買い上げ廃棄が行われたわけでございます。現在でもそのようなはしけの量が過剰ではないかという御指摘でございますが、私ども港ごとにどのようなはしけ量が必要であるか、それからそれに対応するような施策として、たとえば多いということになればどのような方法でそれらの対策を講じていくかということも含めまして、現在私ども対策を検討いたしておるところでございます。このような事項につきましては、運輸大臣の認可しております公益法人で、港湾近代化促進協議会という機関がございまして、その場で現在のところ検討が行われておるということでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、公的な場における近代化の検討、これは大いに進めてもらいたいと思うのでございますけれども、非常に港湾関係の労使が不安を持っておる。また異なった意見、いわゆる異見を持っておることも事実でございますから、ひとつこれは近代化委員会の検討と並行して、関係する人々の意見を運輸大臣ないしはその関係局長が直接聴取するという、それを今後の行政の大きな参考意見にしていくということは私は当然あってしかるべき政治の姿勢だと、こう思うのです。その一点だけ、やるかやらないかだけお答えください。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○説明員(山田幸正君) ただいま申し上げましたように、港湾近代化促進協議会という協議会で現在やっております。したがいまして、その辺の成果を見ながら今後どのような対応をしていくか検討さしていただきたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 まああなたの段階ではそれ以上の答弁無理だと思うのですが、労働大臣ね、国務大臣として一度運輸大臣とよく話してくださいよ。やはり大臣が適切な助言をしていただいて、私は意見を聞くこと自体を妨げるという理由は何もないと思うんですね。その点ひとつ大臣として、きょうは運輸大臣出席しておりませんので、労働、雇用を預かる大臣として非常に関連のある問題ですから助言をいただきたい、こう思います。  あわせまして運輸省に伺うんですが、いわゆる一種、二種のはしけは構造不況業種として指定されております。しかし私は、港湾荷役というものは一連のものでございますから、そこだけを構造不況業種として指定してもそれでいいというものではないと思うんです。いわゆる二種の船内、四種の岸壁、これらも私の知るところによりますと構造不況業種と指定されて当然のようないま実態にあると、こう思うわけでございます。二種及び四種への不況業種指定の拡大について、運輸省の見解をお伺いします。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○説明員(山田幸正君) はしけの操業につきましては、先ほど申し上げましたように、四十三年以来取扱量そのものが減少の一途をたどっております。先生御指摘の船内二種業種でございますが、二種業種さらに四種の沿岸業種につきましては、いままでの荷扱い量の推移を見てまいりますと、昭和五十二年には落ち込んでおりますけれども、その後若干増加しておるというような傾向がございます。したがいまして、船内荷役、沿岸荷役につきましても、たとえばはしけのような、構造的にずっと減っていくというようなことになりますれば対象業種として指定も可能になろうかと、かように考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それじゃ労働省に今度お伺いいたしますけれども、非常に楽観的ないまの御説明なんでございますけれども、現状を見ますと、日雇港湾労働者の就業機会が減少をしておる。これは労働省の統計でも出ておるわけでございますけれども、しかしそれは決して日雇港湾労働者に限られている問題ではないんですね。現在、常用港湾労働者におきましても就業機会が年々縮小いたしております。私の出身であります神戸等は一カ月の就業機会は大体十二日ないし十三日でございます。しかも、特定不況地域として指定されております室蘭港では、過般、常用港湾労働者が約三百人解雇されたということが報道されております。それは決してはしけの労働者だけではないんですね。いわゆる船内、岸壁、これらを通じて雇用情勢は全般的に沈下をしておるわけでございます。その点、いま運輸省はそういうことを言われたわけでございますが、雇用指標の面から見て、労働省は、はしけだけであって船内、岸壁は深刻でないと、このように雇用指標の中から読み取られますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 船内、沿岸を区別した数字をちょっと持ってきておりませんので恐縮でございますが、神戸港自体の常用港湾労働者の最近の就労状況を見ますと、ことしの一月で平均就労日数が十八・九日、それから二月で二十・七日、それから三月が二十一・一日ということで、前年に比べてみますと約一日ぐらい減っている、そういう状況でございまして、確かに常用の方にも就労上の問題が出てきているということは看取ができるわけであります。そういう意味で、私ども、今回の法律自体は緊急に調整手当の財源措置という問題を取り急ぎ措置するということでございますけれども、今後、常用の港湾労働者の問題を含めて、港湾労働法全体についての見直しをしようということになっておりまして、その中では、先ほど先生御指摘の、当然そういう問題を議論する場合には、港湾運送業全体の今後の見通しがどうなるかというような問題について、関係の労使の方を含めまして御議論をいただき、御意見を伺った上で、そういう基本問題に当然取り組むべきものというふうに考えているわけでありまして、そういう中で、私どもも、全体としての港湾運送業に対する的確な見通しを得られるように議論を深めさせていただきたいと、こういうふうに思っておるわけであります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、昭和四十一年に港湾労働法が制定されましたときの提案趣旨説明を読み返してみたのでございますけれども、これは単なる日雇港湾労働者の雇用調整のみを主とした体系ではございません。当然、常用港湾労働者を含めたいわゆる産業全体としての雇用対策法であるということが十分に読み取れるわけでございます。しかし、今日まで約十数年経過いたしておりますけれども、その立法の趣旨の片方は種々の対策が講ぜられてまいりましたけれども、大臣いま申されましたように、常用の方はこれから検討しよう——いままあ検討しておられるのかどうか知りませんが、そういう段階であるわけですね。しかも、特定不況産業として指定するかどうか、これは運輸省と労働省の合い議すべき問題でございます。私はこの問題について、余りのんびりはしておられないんでございましょうが、いたずらに時間を経過させるべき問題ではないと思うのでございます。これはもう統計とればすぐわかるわけでございますから、ひとつ労働省側としても、この常用港湾労働者の雇用情勢、これを特定不況産業でいくのか特定不況地域でいくのか、これはいろいろ方法はあるわけでございまして、ぜひ総合的港湾労働者の雇用対策法という実効の上がる内容に改善いたしますとともに、当面この特定不況産業の範囲指定というものにつきましても早急な検討と結論を求めたいと、こう思うのでございます。いかがでしょう。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 港湾労働法自体につきましては、先生御指摘のように、今後基本的なその見直しをいたします際に、当然常用港湾労働者等も含めまして全体的な対策を検討していきたいというふうに考えているわけであります。  なお、御指摘の特定不況業種等の適用関係の問題でございますけれども、これは先生もよく御案内のように、特定不況業種の指定要件としましては、法令に基づく行為または国の施策に基づく事業規模の縮小等ということがその要件とされているわけでありまして、そういう意味でこの船内、沿岸等につきまして、国が法令に基づく行為または国の施策というようなことで事業規模の縮小等を計画的に実施しなければならぬような、そういう実態にあるかどうかというところがその適用についての一つの基本的な分かれになるわけでございまして、その辺につきまして、運輸省の方ともよく連携をとりまして実態をよく確かめた上で対処をさしていただきたい、こう思っているわけであります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私の把握するところによりますと、日雇い、常用とも労働者はいわゆる過剰状態にある、しかもこの港湾労働というものの宿命は非常に波動性が大きいということでございます。となりますと、私は常用港湾労働者についても、いわゆる登録制というものを制度化して、いわゆる共同雇用制度といいますか、雇用調整を中心とした労働力のプール制度というものが必要な時期を迎えているのではないか、こう思うのでございます。いま局長の申されました検討の中に、こうした問題について前向きに対処しつつ検討する、こういうお考えがあるのかどうか、その点いかがでしょう。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 登録制度を採用することがいいかどうかというような問題は、結局総合的にいろんな制度の中で判断されなければならない問題でございますので、当然今回の検討項目の中にはそういうものを含めて検討されることになるわけでありますが、その際に、何が何でも登録制度というものを常用に採用しなければならぬ状況かどうかという点については、いま申しましたように総合的な角度から検討さしていただきたいと、こう思うわけであります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 大臣、大臣も御承知のように、港湾産業というのは歴史的に非常に後進性の強い産業でございます。特にわが国の労使関係は、前近代的な状況下にあると指摘されてもやむを得ない面を多く残しております。しかも、わが国の国民経済を維持し発展させるという視点から考えますと、きわめて重要な産業であることもまた否定しがたい事実でございます。そういたしますと、私は、港湾機能を円滑に運用していく上にとって、この際、いま局長も述べられたのでございますけれども、法制定以降に急激な変化があらわれてきておるわけですから、一部の手直し、これも緊急性があるものは手直しすることは私たちは賛成でございます。しかし、それに満足することなく、これはいわゆる産業別雇用法でございますから、私は、現港労法の根本的な見直しを行いまして、早急に現状の港湾の実態に即する方向に法を抜本的に改善する、それが必要であろう、こう思うのでございます。これはもう技術的な問題ではございませんので、ひとつ大臣、御決意を伺いたいと思うんです。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) いまも政府委員からもお話がございましたが、たとえば常用雇用者について登録制にしろというようなことでございますが、登録することによってどういうことを期待するのかと、その目的ですね、その目的いかんによっては登録すること自体それだけが有効であるかどうか、ほかにないかどうかという意味で総合的に検討しなきゃならぬというお話があったわけです。それから、この港湾労働関係について非常に大きなむずかしい問題ができておるということは御指摘のとおりでございます。私どもそれを逃げて通ろうというんじゃない。   〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕 ただ、雇用調整手当、この収支ですね、この収支の問題でいままでなかなかいがみ合っておったやつ——いがみ合いと言うとおかしいんですが、そういう対立というものをとって抜本的な問題、基本的な問題に移ろうということでございますので、そういう意味で、この法律を通していただきまして、港調審等を中心としてそういうことについて積極的に取り組んでいっていただきたいと、そういう願いと、われわれができる限りのことはいたしたいと、こう考えているわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 さきの委員も指摘された問題でございますが、昭和四十八年ILOの第五十八回総会で、港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約と勧告が採択されております。しかもその趣旨は、新しい荷役方法によって利益を受けるものはその利益の範囲で犠牲となるものを救済すべきであると、これが条約及び勧告の一貫して流れる精神でございます。私は当然そういう精神に立つべきであろうと思うんですね。ところが、事情あって、今日まで世界の先進海運国はほとんどこの条約を批准しているにかかわらず、わが国はその条約の批准がなされていない。これは海運先進国として大きな私は問題を残していると思うのでございます。調査する、いろいろなことを言っておられますけれども、これは大臣、ひとつこの問題はもう批准すべき時期ですよ、私はそう思うんです。いかがでしょう。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) この条約の批准につきましては、けさほど来も御議論ございましたように、関係当事者の間でこの条約の解釈についてかなりシャープな意見の相違がございまして、したがってそういう点についても、結局のところは、その全般的な港湾労働対策自体についての方向が固まれば、かなりそういう意見の相違というようなものも片づくという面もあるわけでございまして、そういう意味で当事者間におけるこの条約の解釈についての意見の不一致をできるだけ解消し、かつ港湾労働全体についての今後の基本的な方向というものが明らかになった段階でこれを批准するというのが最も妥当な方法ではなかろうかと、そういうふうに考えているわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 主務官庁としては、そのような安全な方法をとられるというのは私もわかるんですよ。しかし、それだけじゃ済まないんです。これはもう政治家として、当事者間の意見が多少調整する必要があるとすれば、やはりこれは早く批准するんだという前提に立って政治家たる労働大臣がその調整に努力される、そしてその批准を促進する、これが政治じゃないんでしょうか。大臣いかがでしょう。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私もILOの諸条約の締結について、どうも条約の批准、そういうものについてなかなか、国内法ですね、国内的な議論が煮詰まらない限りやらないというやつ、これについて私なりにいろいろ研究してみたんです。   〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕 そうすると、これは私の判断では、諸外国のILOにおける条約批准といいますか、そういう物の考え方と、日本なんかの物の考え方の中に多少違いがあるんじゃないかと。諸外国の方はまあ大きくそれでいこうと、あとは次第次第にこう条件——条件といいますか、客観情勢を見ながらというような感じでいくと、言うなれば性急でない、こういうようなものがうかがえる。日本の場合は、すると、すぐに条件を整備しろ、しなきゃけしからぬ、なぜこれ批准したんだと、そういったようなものがあるように私には見受けられます。これは間違っておったら別でございます。そうなりますと、やはりこの条約の批准というものを契機として余り性急にやられると国内的に非常に困る場合もあると思うんです。そこら辺もございますので、いま局長の言いましたように、この条約の解釈をめぐってシャープな意見の対立があるという段階でこれをやるということは、やはり日本の風土に合わないと思うんですよ。これは決して後退でも何でもない、それが日本の風土に合わないと、そういうふうに私はいま考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 大臣、この点は局長の立場に立たれた非常に思いやりのある答弁をされておるわけでございますけれども、やはりこれは大臣、いつまでも意見に相違があるということで、世界の先進海運国がもう皆批准しておる問題ですから、大所高所に立って大臣みずからがこの調整に乗り出されて早くこれが批准される。そうしないとこれは海運日本の恥ですよ。その点大臣に強くこれは求めておきたい。  そこで、時間も余りありませんのでもう二点にしぼってお伺いしますが、一つは、この法律設定のときに附帯決議が行われております。それは適用拡大の問題でございます。ところが今日、適用は依然として六大港に限定されているわけでございます。しかし、いまのわが国の実態を見ますと、同じ東京湾内の京葉港、大阪湾内の尼崎港、さらに博多港、こういったところは一つの湾のいわゆる港の群をなしておるわけですね。そこで、いま太平洋を航行中の船がある、東京湾に向かへと、こういう無電が飛ぶ、東京湾に入ってくる、さあどこの港に入ろうか、横浜港、東京港はこの適用地域だと、ひとつ千葉港に向かへということで船は千葉の方へ流れていく、こういう現象がいっぱいあるんですね。私は特定不況地域である室蘭、三池港など含めまして、やはり京葉港、尼崎港、博多港などは速やかにこの適用の拡大を図りまして、法の抜け道があるというようなことは決して望ましいことではないわけでございますから、現在の海運として荷役の実態に即するように、もう法制定の決議が十三年ですか、そのままになっておるわけですから、この際早急な洗い直しと適用の拡大が行われてしかるべきであろう。この点に対する質問と、もう一つは運輸省に最後に、現在港湾運送事業法によりますと、いわゆる免許制がとられ、公示料金制が立てられております。ところが現在公示料金のダンピングは天下周知のもう現実でございます。約二〇%程度のダンピングが行われているであろうと、こう言われております。その公示料金の中には、いわゆる労務賃金というものも含まれて公示がされているわけです。そこでダンピングが行われるということは、それだけ何といいますか、労働条件にもしわ寄せが寄せられている。私はこの港湾運送事業法の趣旨はいまや空洞化しつつあると言っても過言ではないと、こう思うのでございます。この際、港湾の広域化に対する制度の見直しとあわせまして、免許基準の改正、十六条下請条項の見直しなど、港湾運送事業法についてもひとつ根本的な見直しが行われるべきではないか、このように思っております。  以上労働省に対する質問一つと、運輸省に対する質問一つを申し上げまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) この港湾労働法の適用を拡大すべきじゃないかというお尋ねでございました。  先生御指摘のようないろいろな問題があることも事実でございますが、同時に現在の港湾労働法自体がその適用上にいろいろな問題があって、抜本的に見直さなきゃならぬという状況にあるわけでございまして、そういう意味で、そういう抜本的な改善を必要とする状況にある中で、これをそのままの形でもって全国の港湾に拡大することについては非常に問題も多いんじゃなかろうかというふうに考えられるわけであります。そういう意味で、とりあえず隣接港に拡大する問題がどうかということで、この点につきましても港湾調整審議会で調査をしていただきました上で、先般の建議の中で審議会としてのお考えは出されているわけでございますけれども、そのお考えの中には、隣接港の中に専用埠頭の占める割合がきわめて高いものがある、それから、その港湾労働者の給源なり募集方法も適用港湾との間に大きな差があるというふうなことから、直ちに現段階で隣接港へ拡大するには問題があるんじゃないかというふうな御意見であったわけでございまして、したがいまして、やはり全般的な見直し作業の中で、そういう見直しが行われた場合の港湾労働法の適用をどこにすべきか、こういう角度から御検討をいただくのが適切なんではなかろうか、こういうふうに思っているわけでございます。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○説明員(山田幸正君) 先生御指摘の港湾運送料金のダンピングの件でございますが、港湾運送料金の収受状況につきましては、毎年各地方の海運局が料金監査を行っております。最近の監査によりますれば、一部について適正に収受されていないというような事例もございました。したがいまして、このような状況でございますので、運輸省といたしましては、港湾運送事業者の全国団体でございます日本港運協会に対しまして、港湾運送料金の定額収受の確保についてという通達を発しております。これを受けまして、日本港運協会におきましては、中央と、さらに地方の協会にそれぞれ料金実施委員会というものを設置して完全収受をすべく努力をいたしておるわけでございます。また個別の事業者につきましては、毎年料金監査を行っておりまして、料金の収受状況をその都度チェックをいたしております。違反事実が判明いたしますれば、これを是正するように指示しておりまして、この点につきまして強力な指導を今後とも続けてまいりたいと考えております。  それから一般的な制度の改正はどうかという御指摘でございましたが、私どもとしては現在のところ法の運用で指導してまいりたいと、かように考えておりまして、必ずも法律改正あるいは制度改正そのものが必要であろうという認識ではございません。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 初めに当たりまして、高杉委員の方からお話がありましたときに、大臣のお答えとして、先進国労働大臣会議に出席したのであって、首相と同乗させていただいただけであるというようなお答えがありまして、その中に、西ドイツと日本の協力なしではもういまやアメリカの先導型はあり得ない、インフレと雇用の問題は各国とも悩みの種である、高齢者の雇用対策は世界各国の問題であると、こういうようなお言葉が内容的にあったように思います。  で、私の聞くことは諸先生方と違って大変小さいのですけれども、その先進国の労働大臣の会議の中に、たとえば心身障害者の雇用対策、そういうような問題は語られたのでしょうか、それとも全然取り上げられなかったのでしょうか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私が先進国労働大臣会議に参りました内容につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。今度のやつは相当、何といいますか、グローバルな大きな観点から問題を取り上げておりますので、そういう意味合いからすると、その雇用の中の一つでございます具体的な問題について、そう突っ込んだ話はなかったわけです。身障者の雇用の問題については、そういう意味では触れておりません。触れておりませんけれども、私の感触では、だから身障者の雇用問題を各国がおろそかにしているとか、そういうようなものではないと思うのです。私は日本と同じように、ここに集まりました労働大臣といいますか、労働省の代表は、わが国同様身障者の問題について真剣であると、こういうように考えております。言葉には出ませんでしたけれども、言葉に出なかったからそれがどうこうというのじゃない、こう考えます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 各国のいろいろな状況を、いろいろな情報によって知ることはできるのでございますけれども、身障者の雇用問題等に関しては、日本という国は残念ながら大変おくれているということは大臣もお認めのはずだと思いますけれども、今回の法改正における身障者の雇用対策についてちょっとお尋ねしますけれども、中高年齢者雇用開発給付金制度の大幅な改善を中心としました、十万人の雇用増大措置の一環として提出されたものと言われておりますけれども、この身障者対策というのは具体的にどんなような内容になっていましょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 五十四年度におきまして、一つには重度障害者等を雇ってくれた事業主に対しまして月十万円、これを二年間、ですから全部で二百四十万円ということになりますが、その雇用助成をしたいというのが一つでございます。  それからもう一つは、従来からあります各種助成金を改善をしていこうということで、特に重度障害者等の多数雇用事業所に対する助成につきまして、その要件として、従来全従業員の三割が身体障害者でなければならぬというふうな規定があったのを、それを取っ払いまして、人数だけで済むと、こういうことにいたしましたのと、それから助成の限度額が五千万円であったものを一億円にするというふうな、かなり大きな要件緩和なり、内容の改善を図ったというふうなことが主なものでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 そうしますと、この十万人雇用増しというこの今度のこれに含まれているということなんですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) ぎりぎりの数字の正確さで申し上げると、十万人雇用というのは、中高年齢者の雇用開発給付金と、それから雇用保険の受給者の開発給付金と、それから特定不況業種の開発給付金という、この三つの開発給付金によりまして、雇用開発事業という事業を創設をしたわけでございますが、その事業によるものが十万人でございます。で、そのほかに、いま申し上げました身体障害者に対する雇用の助成金等による人数は、それとは別枠に私どもは考えているわけでございまして、正確に申しますと、その助成金によって重度障害者等五千人を、年間でございますけれども、雇用しようと思っているわけでございますが、これはまた十万人プラスということに、ごく正確に申し上げればなるわけでございます。私ども大ざっぱに十万人と申し上げておりますのは、全体ひっくるめて申し上げているわけでございますけれども、正確に言うといまのようなことでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 そうしますと、プラス五千人ということですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) はい。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 それから、これはこの前もお尋ねしたんですけれども、現在のつまり心身障害者の数ですね、それからその就業者数、それから未就業者数、これはつかんでいらっしゃいましょうか。それからもう一つは、障害別、等級別などの人数、これをそちらの方に御通告しましたのでお調べくださっていると思いますけれども、さらにこれらの方の労働能力別、適応職種別、こういうことも数字が出ますでしょうか。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(田淵孝輔君) 身体障害者の総数は先生御承知のとおりでございますが、昭和四十五年の厚生省の調査では、全国で約百三十一万四千人というふうに報告されております。その後、次第に身体障害者の数は増加の傾向にあると、こういうように言われております。  それから、身体障害者の就業率は、労働省の方の昭和五十年の推計によりますと五四・二%ということで、一般の健常者に比べてかなり就業率は低うございます。一般の方々の就業率は六五・七%でございますから、それに比べてかなり低いと言われております。  それから、私どもの職安の窓口では、身体障害者につきましては、求職登録という制度をとっておりまして、現在就職しておられる方も含めまして登録制をとっております。それの最近の数字では、登録者全数は全国で二十四万二千人でございます。五十三年十二月末で二十四万二千人でございます。その中で現在失業しておられるといいますか、求職中の方が、有効求職者が三万一千人ございます。それから現在就業中の方が十九万八千五百人ございます。現在まあ病気の進行その他で保留中の方が一万二千五百人、そういう状況になっております。  なお、お尋ねの障害部位別等の詳しい状況につきましては、昭和四十八年に一度実態調査を労働省独自でやったことがございますが、その後調査をいたしておりませんでしたが、昨年度十月に、事業所別、それから個人別にそういう実態調査を、それも国会等の御指摘もございまして実施したところでございますが、現在まだ集計中で、集計が終わっておりませんので、まだこの場で御説明するような材料を持ち合わせてございません。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 そうしますと、労働能力別とか適応職種別とかということをいま集計中と、こういうことですね。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(田淵孝輔君) はい。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 ただ問題になりますのは、つまり、いまそれを集計していらしゃるわけですよね。そうしますと、そういうものが全部つかみ切れていなければ、実態がつかみ切れていなければ雇用対策という策が立てられないんじゃないかと、こういうふうに感じるんですが、どうですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) この実態調査について遅いではないかという御指摘でございますが、それはおっしゃるとおりだと思います。ただ、同時に、非常に立ち入った調査をすることにつきまして、就労者自身の方からもそういう点についての非常に反論もあるという、非常に調査自体がむずかしい経緯があったという点も先生御存じのとおりでございまして、そういう意味で、ようやく関係団体等の御理解も得て、かなり突っ込んだ調査ができるようになったのが昨年であったというわけでございまして、結果的に確かに遅いとは思いますけれども、その間いろいろ努力の結果、調査ができるようになったという点もひとつ御理解をいただきたいと、こう思うわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 それは私もよくわかります。それはもう労働大臣の前でこういうことはむしろ馬に念仏になるかもわかりませんけれども、日本が実際にこういった方たちに目を向けたのは昭和三十年代も後半ですからね、四十年に入ってからと言っても過言じゃないと思いますよ。昭和三十五年以前は、下手すると、大臣もおわかりでしょうけれども、高町という言葉がありますわね、要するに見せ物ですわ。各お祭りがありますると、そういうところに見せ物小屋がかかります。で、「親の因果が子に報い」なぞというせりふを述べながら、その中で身障児者が売買されていた時代もあるんです。で、日本人が本当にこういった問題に目を向けるようになったのは昭和二十年代にヘレン・ケラー女史が来てからですよ。そのときもまだ、ただまごまごしていればヘレン・ケラー女史をむしろ見せ物的な感覚で見ていたんですよ。そうして、私が事実昭和三十年の前半ですが、横浜の港祭りに出かけたときに、実際に港祭りのお祭りの風景の高町の中にそういう小屋が何軒もあったんです。三十年ですよ。そうして、こういう方に目が向けられるようになったのは本当に四十年代なんですよ。で、われわれが森繁久弥とか伴淳三郎とともに「あゆみの箱」という運動を始めて十六年です。その十六年前は、いま局長がおっしゃったように、それこそチャリティショーというものを行いまして御招待しても親御さんが連れてこないんですよ。親御さんがそういうお子さんを連れてくるのは、札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡、京都、こういう大きいところだけなんです。同じ名古屋から四日市へ行ったら一人も来ないんですよ。そういう親御さん自身にもそういう感覚というのがあるんです。ですから、いま局長がおっしゃったように、その実数は確かにつかみにくいことは事実です。でもね、少しでもそれを早めていただかなければ、来年度の予算だって組めないわけでしょう、本当のこと言って。もうそろそろ始まるでしょう、ことしは。そういうことの実態をつかみ切れないうちは、どうしてもこういう身障者に対する雇用対策というのは立てられないのが実態ではないかと思うのです。ですから、こういう問題に対して、こういうことが行われるようになって、多くの国民の方々がその姿を見たときに、なるほど日本という国は福祉国家なんだと言われるときが来るんじゃないかと思うんですよ。ですから、一日も早くその実数をおつかみくださって、それに対する施策を考えていただきたいと思います。よろしいですね、大臣。  まあ、この障害者の雇用対策としては、企業側の受け入れの問題がいつも言われることなんですけれども、雇用率を定めて、あるいはこの給付金などの措置がとられておりますけれども、その実績はきわめて不十分であるということはもうしばしば申し上げていることでございますけれどもね、これ単に行政指導とか、お金をつけるということだけでこの雇用増大というのは図れるものじゃないんですね。もっともっと必要なもの、何かがあるわけなんです。その何かというのは、これはもう人間対人間の問題でしかないと思います、私も。特に障害者の雇用を進めるために、現在障害者専門の何か窓口として援護係というんですか、置かれているんだそうですね。その組織、体制、施行の実態、これどういうふうになっていましょう。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(田淵孝輔君) 先生がおっしゃられましたように、全国の各職安には身体障害者の雇用の担当として大体援護係という係で所管いたしておりまして、そこには専門の就職促進指導官という職名の専門の職員を全国的に配置しておりまして、身体障害者雇用促進法の改正以来この仕事が非常に多くなってきておりますので、職員の増員にも努めているところでございまして、ただ残念ながら、私ども所管の窓口で事業主に対するいろんな指導をしましても、なかなか社会全体の中で条件整備といいますか、いろんな問題が多うございまして、また雇用環境も悪いというようなことで、雇用ははかばかしく進んでおりませんけれども、私ども現場に参りましても、非常に一生懸命担当の職員は張り切ってやってきておると思います。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 いまおっしゃったように、大変何か人手が足りなくて、この援護係の方が困っているということは聞きました。大臣、どうなんでしょうか、あんまりこういう方々は人数をふやすということは、行政改革その他の面からいくと余りいいことじゃないとは思いますけれども、こういう係の方々が少ないために、なかなか身障者に対しての意をくみ上げることができないというようなことも問題があるんですけれども、どうでしょうか、この担当の方の人員増加ということはお考えいただけますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生も御案内のように、非常に増員等のむずかしい段階でございますけれども、しかし、たとえば五十三年度と五十四年度を比べますと、心身障害者についての促進指導官が二百十四人から二百三十九人に二十五人増員になるというふうな状況でございまして、この辺の増員につきましても、かなり重点を置いて対処してきていることは事実であるわけであります。ただし、全国の安定所が出張所まで入れると五百ぐらいある中で、全体で二十五人ということでございますからそれでは不十分じゃないかという御指摘もまたこれ当然なわけでございますが、ただ、先ほど申しましたような、非常に全般的に増員がむずかしく、下手をやりますと増員より減員の方が多くてネットで減ってしまうというような中で、その中でやりくりしながらいまのような増員をこの部門にやっているという点はひとつおくみ取りをいただきたいと思うわけであります。  なお、私も安定所へ行ったときに、援護係の仕事等を見る機会が何回かございましたけれども、実際に職員自体が手話を覚えまして、やはりお見えになったたとえば聾唖者の方なんかが、こちらが普通の筆記のような形でしか話を聞けないようであればなかなか溶け込んできてくれないんじゃないかというようなことから、職員の人たちが夜、手話の勉強に行って手話ができるようになるというような、そういうことを、これは東京都で言いますと飯田橋の職安等でそういうことをやっておりましたり、あるいはほかの県の場合でも、そういう点で援護係のみならず、その隣接の係までが手話の勉強を夜やって、ようやく少し話せるようになったということを大変喜んで、文章なんかで書いているのを見たりしているわけでございまして、そういう意味で、じみながらも各第一線の職員はずいぶん涙ぐましい努力をしてくれるなということを私は痛感をしたこともしばしばございまして、そういう点につきましてもおくみ取りをいただきたいと、こう思うわけであります。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 結局任せられた数少ない人員の中で、そういう血のにじむようなといいましょうか、本当に人間としての心を持った温かみのある対策を、個人個人の方が努めていらっしゃるわけでしょうね。そういうことに対して、一番親元の労働省側の方がそれにこたえてあげなければ、大変私はあれですよ、窓口の出先機関の人は気の毒だと思います。一生懸命やってくれているんですから。それと心身障害児者自身が、最近、大変やはり国の方も力を入れてくれるのにこたえて、みずからも自立精神を出そうとがんばっているわけですから、ますますひとつ御援助願いたいと思います。  毎度申し上げますが、この間も何か百五十億円の納付金、これを何か作業所の方にお使いになったというふうなお話をちらっと伺ったんですが……

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(田淵孝輔君) 先生かねて御指摘の共同作業所に対する助成を拡大するという御意見でございまして、私どもとしましても、共同作業所というのにもいろんな形態がございます。しかしながら、私どもは一応この納付金制度は雇用関係を前提として、事業主という形で、また働いている方が労働者という形で行われていれば問題なく助成をして差し上げられると、こういうふうに申し上げまして、また実際、それに近い形でも、必ずしもきちんとした形をとってない場合には、御指導申し上げて、雇用関係を擬制したような場合には助成をするという姿勢で来たわけでございますし、また関係者等にも、そういうところがあれば適切な指導をするという呼びかけをいたしまして、十数カ所の共同作業所から声がかかりまして、現地へ職員を派遣していろいろ実態をお聞きしながら御指導申し上げて、中にはどうしても雇用関係とはとうてい言えないというものもあったわけでございますが、二カ所ばかりにつきましては、はっきり雇用関係と認められるということで助成金を支給した実績が出ております。あと数カ所についても、現在まだいろいろ指導中でございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 大変それは私はすばらしいことだと思います。共同作業所へ行きたいという希望者が非常に多いんですね、この心身障害者の中には。とにかく、この間も申し上げましたけれども、学校は卒業したけれども就職先がない。そうしますと、耳から耳へ、口から口へという伝で、共同作業所という場所がある、そこならば、みんないわゆる肩すり合わせて、寄せ合って、お互いを助け合いながら仕事ができるというので、まことに希望者が多いんです。ですから、いまおっしゃってくださったような方法をとってくださいますと、大変この方たちの張り合いが出てきますし、その納付金という私は金の精神が生きてくるんじゃないかという気がします。どうぞひとつよろしくお願いします。  私の与えられた時間、まだもう少しございますけれども、私は時間をいっぱい使わなければならないという観念は一つもございませんので、ただ一つ、港湾問題で伺いたいのですけれども、大臣は、マーロン・ブランドという映画俳優の主演しました「波止場」という映画ごらんになったことありますか。——ありませんか。いわゆる波止場で荷役する方々が搾取されて、ついには自分たちでかち取るという筋の、大筋を言えば。これはしかしアメリカだけの話ではないですね。日本にもこれと同じことが行われていて、現在もあるんではないでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 港湾労働法自体がああいう事態の起きないようにという趣旨でつくられた法律でございまして、したがいまして、基本的にはああいうものがない状況になっておるわけでございますが、やみとか偽装とか、そういう形で行われるものにつきましてこれをどういうふうに是正をしていくかという問題は依然として残りますけれども、基本的にはああいう実態というものが港湾労働法の適用港においてはない体制になっているというふうに考えておるわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 先ほど柄谷委員がおっしゃっておりましたけれども、非常に前近代的であると。恐らくそれを指しておっしゃっているんじゃないかと思います。そうして神戸の最大の暴力団と言われる、これも名前を挙げる必要もないでしょう、全国的な広域暴力団、この暴力団のもともとの資金源がそれだったんですね。その組織から大きくなっていったわけです。横浜にもあります。至るところ港にはあるわけです。そうしますと、ここでやって、諸先生方が一生懸命情熱を傾けて、大臣あるいは局長とお話しし合っているのは、じゃあくまでも表面のきれいごとなことだけであって、実際にはそういう組織で悩んでいらっしゃる方々も多いのであるということを考え合わせますと、一体、じゃここで何をしているのだろうかと私は非常に疑念を持つんですよ。いまも局長がおっしゃいました。これはあくまでも基本的なものであって、実際はとおっしゃいましたね。こういう組織があって、これを何とか整理するという方法はないんですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 私が基本的にと申し上げましたのは、全体の体制としてそういう状況にはないという意味で申し上げたわけでございまして、ただ、それじゃすみを突っついてみた場合に全くないかと言われると、これはやはりそういうことが、特に先生御指摘の映画の場合には、非常な暴力行為が中心になって出てきている問題でございましたが、そういうものは非常に少なくなっている。むしろ通常の事態の中ではないわけでありまして、そういう意味でかなり制度的には改善をされているというふうに考えておるわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 仮に、本当にそういった映画もどきのことがあったら大変だということでありまして、もうあのようなことは、いまの現在そうははっきりしたものはないと思いますがね、大臣、やっぱり裏の方ではあると思います。どうぞひとつ関係諸官庁と御連絡あそばして、できるだけこういうことのないようにひとつやっていただかなければ、この労働法というものは生きてこないと思います。いかがでしょう。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 完璧を期すべきであるし、完璧を期したいというのはわれわれの願いです。しかし、私が言うまでもなく、人生というものは、それを期してもなかなかできないことがあります。ですけども、それを期するために、ここで皆さんとともに論議をしその道を求めていくということは非常に有益であって、決して無益ではないと考えております。どうぞ御鞭撻をいただきたいと思います。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 終わります。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) どうもありがとうございました。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大変長時間の審議で大臣以下局長もお疲れだと思いますが、しばらく質問をさしていただきたいと思います。  いまも港湾労働の暗い部分について指摘がありました。局長は暴力事犯はないという、そういうたてまえをおっしゃったんですが、現に午前中も目黒委員から、大阪の港で起こりました株式会社上組の暴力による労働争議に対する不法な介入、このことによって全港湾労働組合の役員である人が、平穏公然とピケットを張っていた中で、全身打撲の重傷を負って入院する、現にこういう事件が二十二日に起こっているわけであります。港湾労働の近代化という問題は、一つには体制の近代化もありますけれども、その裏にはやみの手配師、暴力団の介入、あるいは港湾労働関係から暴力の排除、これはまさに国民的なコンセンサスを得られる重大な課題でありますが、現に二十二日にこういう暴力事犯が起こった、私はこれはきわめて遺憾だと思いますが、近代的な労働関係の育成、あるいは労働者の権利保護に責任を負う所管の大臣として、いまもお話がありましたが、具体的にこの事案についてどうお考えでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 労働関係のみならず、つまり一般社会におきましても、暴力が、どんな理由があろうとあるということは、これは許すべきものではございませんので、そういう意味で、私どももかねてからあらゆる機会を通じて関係者に、暴力行為というものはいかぬということ、たとえばいろんな通達等の中でも、適切な場所にそういう点を常に触れているわけでございまして、今後ともその趣旨の徹底に力を尽くしてまいりたい、こう考えているわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 今度の場合特に悪質なのは、労使関係と関係のない第三者会社なんですよね。この労働組合の争議は、これは御存じでしょうけれども、砂子海運株式会社の企業閉鎖に対して労働組合がピケを張った。ところが、その労使関係のない第三者である上組が暴力的に襲いかかったという、こういう事案ですね。私はここで局長にお願いしたいんですが、十分注意していくとおっしゃったが、具体的にこの事件について、現に水上警察の皆さんも近くにいたそうですが、調査を一つはしていただきたい。そして、いまあなたがおっしゃった通達その他で繰り返し指導しているという具体的な指導として、現地において指導を貫く、暴力を排除する、こういう方針で一つは対処してほしい、これはお約束いただけますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) これは大阪の問題でございますので、大阪府の労働部を通じまして、暴力行為等についての、これは労使関係のみでなく、もう当然この社会においてあってならないものであるという点の趣旨の徹底を期したいと、こう思っているわけであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 調査して指導されるということですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 当然これは暴力行為問題でございますから、警察の問題でもございますので、協力しながら調査をしてまいりたいと、こう思っておるわけです。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 この上組という会社は、全港湾の労働組合を敵視して暴力で組合から脱退させるというようなことを過去にやった前歴もある会社です。私はこういう会社を運輸省が正当な業者として認可をしているということにも問題があると考えておりますが、運輸省お越しになっていると思いますが、同じように調査をして、そしてこの会社が、まさに港湾労働関係上許されないそういう前歴と、今回の事件の悪質性等も考えて問題があるなら、私は認可の取り消しという処置までやってしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。

山田幸正運輸省港湾局港政課長

○説明員(山田幸正君) 御指摘のトラブルにつきましては、現在、現地の近畿海運局におきまして詳細な調査をいたしております。私どもといたしましては、その調査結果によりまして適切な措置を講じていきたいと、かように考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 調査結果によって思い切った適切な処置をとられることを重ねて要望しておきたいと思います。  当委員会でも、朝からこの港湾労働に関連をしてやみ雇用の問題がいろいろと議論をされてまいりました。私も、この問題は港湾労働の近代化というその底にある根深い問題としてこの問題を取り上げてひとつ政府の検討を求めたいと思っております。  具体的な事実関係から、私は政府がどの程度把握していらっしゃるか知りたいと思うんですが、昭和五十三年の六月二十九日、株式会社大阪港湾作業という、そういう会社が、実はやみ雇用で日雇労働者を雇用しておりまして死亡したという事故があった。この死亡事故について労災の申請をしなければならぬという、ここに至って初めて、他人名義で労災申請できませんから本当の名前を出さざるを得ないということで、やみ雇用であるということが明らかになった。この事実はつかんでおられますか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 先生ただいま御指摘ございましたのは、恐らく藤原運輸の大阪港支店というところの事件だろうと思いますが、五十三年に死亡事故を発生させまして、その死亡した労働者につきまして、常用港湾労働者の臨時使用届の末提出が判明したという事件でございます。この件につきましては、港湾労働法二十一条違反であるということで、今後このようなことがあったら検察庁へ告発をするという旨の警告書を事業主に交付しております。また関係機関、それぞれ海運局あるいは港運協会等には今後このようなことのないように注意されたいという意味の指導をお願いをしております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いま御答弁いただいたのは、五十三年八月十二日発生の藤原運輸の事件、私がさきに言ったのは、五十三年六月二十九日にも死亡事故があって、これが問題になった事件を指摘したんですが、これはつかんでおられませんか。藤原運輸はわかりました。つかんでないならないで結構です。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 大阪港湾作業というところの事故でございますか、六月の二十九日でございますか、——一応大阪府からは報告が来ております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 注意処分その他はありましたか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 私、その件につきましては詳細に知りませんでしたが、いま聞きましたところによりますと、同様の趣旨の警告書を交付すると同時に、関係機関にも同じような指導をしておるようでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 結構です。  もう一つ、五十四年一月二十六日、ことしの一月ですね、これは事業所名は大阪荷役株式会社の事件です。これにつきましては、実はこの会社が常用港湾労働者名簿ということで職安に届け出た名簿で、一月二十六日に宝船埠頭で鹿島丸の冷凍作業に従事さした常用者名簿が労働組合の手に入ったわけです。そこで、労働組合がこの名簿に登載されている人たちに電話をしてチェックをして調べたところ、この名簿に登載されている二十七名中八名の人が、いやその日は私は家にいて仕事に行ってませんよ、どこどこに行って仕事をしていませんよ、こういう事実が判明をした。早速組合はこれを申告をして、行政官庁でも調査をされたと思いますが、この調査結果ととられた処置について御報告してください。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) ただいま御指摘のございました大阪荷役の件でございますけれども、確かに先生御指摘のように、労働者側の通報によりまして立入検査をいたしましたところ、五名の日雇労働者をいわばやみ雇用をしていたという事実がわかりました。その結果、港湾労働法十六条違反であるということで、五十四年三月一日に警告書を事業主に交付いたしますとともに、今後登録日雇港湾労働者を使用するように厳重に指導をしたところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 こういった事例は、まさにこの国会が慎重に論議をし、また政府も進めてきた港湾労働法によって日雇労働者の登録制あるいはまた業者が常用である場合には届け出制といったことで、いわゆる港湾労働における暗い部分をなくしていくという、こういうせっかくの努力を裏から破っていく悪質な行為ですね、こういう行為に対してどういう罰則があるんですか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 港湾労働法には、十六条におきまして日雇港湾労働者以外の者を使ってはならないという趣旨の規定がございまして、その点についてはそれぞれ罰則がございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 国会が罰則まで定めて厳重に労働者の利益や権利を守り、港湾労働の近代化を進めようとしているわけですが、いま御報告があったように、罰則が適用されたのは一件もない。厳重警告や注意ということだけで済まされておる。これで根絶ができるでしょうか。  重ねて伺いますが、いわゆるやみ雇用問題について、罰則が適用されて、業者がその罰則の適用を受けた事例はつかんでおられますか。いままでありますか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) この法律違反で刑罰を課せられた事例があるかどうかは、現在のところ手元に承知しておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 あなたが知っている限りありますか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 私が知っている限りございません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣、こういうありさまであります。私はこれは政府の処置が甘いと思うんですね。政府の処置が甘いというだけでなくて、いま私が指摘した問題も全港湾労働組合がみずから調査をし、調べ、そして申告をして調査をした結果こうなっておると、こういう事実なんです。全港湾労働組合が法を守る立場でこういう活動をしなければやみに葬られてわからなかった事例であります。  これ以外に、ここに私は写真を持っておりますが、これはどういう写真かといいますと、去年の五月六日にやみで雇われた労働者が冷凍荷揚げ作業をやっておりまして凍傷にかかりました。それが発覚すると大変ですから、これを使った業者はどう言ったかといいますと——凍傷で指の切断の危険があると、こう言ってびっくりして訴えたところ、二万円やるからしんぼうせよ、こういうことをやった。そこで、この労働者が全港湾の労働組合に駆け込んできて、そういう不当なことは許せぬということで苦労して労災認定の申請をやって彼の権利を守ったと、こういうことであります。  こういうことを私は本当になくしていかなきゃならぬと思うんですが、これをなくす責任は何といっても私は行政官庁の側にあると思うんですね。法の厳格な執行、適用をやっていかなきゃならぬ。せっかく罰則がありながら、大臣も局長もいままでやみ雇用がさんざん国会で論議されながら、警告を出しながら、罰則適用をされたのは一件も御存じないというんです。大臣、どうお考えでしょうか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 実態をよく調べまして、なぜ罰則をかけなかったか調べてみたいと思います。その上でお答えをいたしたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私は、労働者の権利を守りあるいは港湾労働の近代化を進める上で、いまの大臣の実態の調査、その結果を持った御意見が重要だと思いますからぜひ御検討いただきたいと思うんです。  そこで、もう一つ伺いたいと思うんですが、立入検査がしばしば問題になりました。これは職安、行政官庁でも苦労してなさっていらっしゃることは私もよく知っております。私がいただいた資料でも昭和四十六年には検査実績六大港で一千百六十一件、四十七年二千七百五十八件、四十八年三千五百七十三件、四十九年三千百九十三件、苦労して立入検査をおやりいただいております。ところが、これが五十年になりますと二千件台に減ってきたんですね。五十年二千五百七十四、五十一年二千百八十九、五十二年二千百五十二、五十三年二千二百八十五件、こう減ってきた理由はどこにあるんでしょうか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 立入検査が減ってきた理由ということでございますが、確かに御指摘のように、五十年になりましてから三千件台から二千件台になっております。理由といたしましていろいろあるだろうと思いますが、一つには港湾労働法自体大分浸透をしてきたということもあるだろうと思います。したがって、その港湾労働法に対する違反件数も五十年代から非常に減ってきておるということも事実でございますし、そのような関係から立入検査をそれほどと申しますか、いろいろの問題を指摘する場合におきまして、立入検査をわざわざせずともいろいろな事業主の指導等でわりあいと違反等が発見できるということもあったということだろうと思います。ただ、先生御指摘ございましたように、今後の問題につきましては、港湾調整審議会からも立入検査等を有効に活用して、いわゆるやみ雇用等を絶滅せよと、こういう御建議もいただきましたので、各県、各安定所につきまして今後立入検査を十分に活用して、このようなやみ雇用等の発生しないようにということで指導をしていきたいというふうに考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いまの答弁納得できませんよ。検査が順調にいって違反件数が減ってきて、それなりの体制ができてきてから減ったんだろうと思うとおっしゃったが、そうじゃないから私はこの質問の初めに、ごく最近のやみ雇用の具体的事実を指摘したでしょう、大臣も検討を要するとおっしゃったでしょう。あなたがおっしゃるような理由で検査回数減らしているとすれば、これは実態を正しく把握しない役所の怠慢じゃありませんか、そうなりますよ。仮に五十三年二千二百八十五件、こう実績調査をやっておりますが、違反件数は何件ありますか、お手元の資料で。私の方は十五件になっております。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 五十年におきます立入査によって見出しました違反事業所数は、私どもの資料では十九件ということになっております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 五十三年は。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 五十三年は三十件でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私が十五件と言ったより多い数字が出てきたんで、私の調査がこれは不備だったわけですけれども、それはともかくとして三十件もあるでしょう。だから、あなたがおっしゃった理由が全く理由にならぬということがはっきりした。検査回数はやっぱりふやすということには鋭意努力する必要があると思いますが、いかがですか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 先ほども申し上げましたように港湾調整審議会からも立入検査等を強化するようにという御建議をいただきましたので、そういう点も踏まえまして今後立入検査の回数等をふやすように各関係安定所には指示をいたすつもりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ぜひ指示をしてください。それと同時に、私がもう一つ指摘したいのは、立入検査の検査方法とその実効性なんです。いまあなたがおっしゃった審議会の答申、五十四年一月十二日に栗原労働大臣あて出されました港湾調整審議会の答申でも、御存じのように「効果的な立入検査を実施していく必要がある。」とございますね、効果的な立入検査。本当にそのとおりなんです、衆議院の附帯決議でも効果的な立入検査を要求しております。また後で、本院でも同じような附帯決議がなされるでありましょう。いま私が大阪荷役株式会社の例で指摘したのは、大臣、立入検査に関連して非常に大事だからです。立入検査をします、名簿の提出を求めます。そうすると、この名簿には常用労働者あるいは日雇労働者の登録ある者の名前だけを実態と違って書きそろえてあったら、検査官はその人間と一々突き合わせてその場ですぐわかるわけありませんから、その名簿を見てやみはないと判断すれば違反件数はそれ自体は発見できないわけです。こういうことがあるので、この事件が重要であると指摘をしたわけですが、こういうことをなくすために、全港湾労働組合はいろいろ知恵をしぼっております。そして、大阪では大阪港地区職業安定審議会でも意見を出しまして、最も効果的な方法は、それぞれ登録した労働者が胸にプレートで登録番号、登録証をつけまして、そして自分の顔写真入りの証明書を胸にプレートでつける、そういたしますと、これは働いている人間の顔と証明があるわけですから、一見して他人であればわかっちゃうわけですね。たとえば、大臣でも外国へ御出張になる、私ども行きますが、成田へ参りますと、警備が厳重ですが、日航の職員はすべて写真入りのプレートをつけておりますね。だれが見てもその真正性、真実であることはわかります。こういうプレートをつけるようにすれば、立入検査の際にも一目見てよくわかるし、それをつけることによって、やみ雇用を業者ができなくさせる重要なモメントになると、こういう指摘をしておりまして、私はこのワッペン着用というのは非常によい考えだと、こう思っておりますが、思い切ってこれを進めるという、そういう方向で指導なさるおつもりは労働省ございませんか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) ただいま先生が御指摘になりましたワッペンの問題でございますが、この点は大阪港におきまして、大阪の地区審の今年度の定数問題を審議する際の一つの条件といいますか。前提条件として、やみ雇用を絶滅しなければならないんではないかというところの議論から、このようなワッペン等を各港湾労働者に着用させることによって、やみ雇用の識別を容易にしようではないかという発想方法で御提案があったものというふうに承知しております。  で、この件につきましては、現在大阪の地区審におきまして、どのような方法でやれば具体的に、また効果的な方法があるかということで検討をしておるというふうに聞いておるところでございまして、われわれといたしましても、従来から、立入検査等をやった場合に、具体的にそのやみ雇用、偽装雇用をされていた労働者かどうかということの識別に非常に苦慮しておったところでございますので、この辺、大阪港におきます実施状況等を見まして、非常に効果あるということであれば、各県に対してもこういうような方法があるということで指導をしていきたいというふうに考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そうしますと、いま御答弁のように、これは実際効果あると私は思いますが、仮に大阪でこれが実施されれば、六大港その他に適宜な方法として指導して広めていきたい、これはその答弁のとおりに、大阪の結果を待ってぜひ検討を深めていただくことをお願いしておきます。  時間がありませんので、私は大阪の危険物取扱専用埠頭の問題も聞きたいと思ったんですが、これは省略をして、このやみ雇用問題が後を絶たないという背景は一体何だというようにお考えいただいておるでしょうか。私は公定運賃料金、これを下回るいわゆるやみ運賃、これをダンピングということでやられていく。これがどうしても、登録された労働者よりもっと安い労働者を雇用したいという、業者のそういう意欲から、そういう安い雇用労働を求めてやみが横行していく私は背景の一つに、かねてから言われておりますダンピング問題ということを見逃してはならぬと思うんですが、その背景にこのダンピング問題があるということは政府もお考えですか。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) 先生御指摘ございましたように、港湾調整審議会の公益委員の先生方が議論をしていただいた過程におきましても、どうしてこのようなやみ雇用というようなものがいろいろ起こるんであろうかということの御議論がございました。その中で、先生御指摘のように、根っこはダンピング問題があるのかもしれませんけれども、要は、その登録日雇港湾労働者を雇用することに伴うコストが非常に高いということ、それに港湾日雇労働者を使いますと現行ですと千八百円の納付金を納めなければならない、あるいはそのほかに年金制度ですとか、いろいろな負担が事業主にかかってくる、そういうようなところから、一銭でも安い労働者を使いたいというところから出てきておるんではないかと、まあこういうような御議論が大勢であったというふうに私は承知しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いや、政府としてはどう見ているか。審議会の意見は私も知っていますよ。政府としてはその背景にダンピング問題があるというように見ているんじゃないかと、また、見なければおかしいんじゃないかという私の質問なんですよ。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) ただいま審議会における議論の過程を御紹介いたしましたけれども、私といたしましても、やはり日雇港湾労働者を雇用するに当たってのコストが非常に高くなってきているということは指摘せざるを得ないというふうに思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 あのね、コストが高くなっているということがやみの背景だなんて言ったらね、登録され、届け出され、正当に労働する労働者の正当に受け取る賃金も含めて、もろと抑えろという議論を政府はやるつもりですか、それやらなきゃやみがなくならないという、こういう認識ですか。大問題ですよ、この答弁はね。私は絶対認めるわけにいかぬ。どうですか、皆さん。むちゃくちゃな答弁ですよ、あなた。反省しなさいよ。

斎藤邦彦労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(斎藤邦彦君) いま御説明いたしましたけれども、私はその労働者自身の賃金が高過ぎるとか、そういう意味で申し上げた趣旨ではございませんで、何といいますか、要するに日雇港湾労働者、正規のものを使いますと、納付金等で非常にコストがかかるということが一つの原因になっておるんではないかということを申し上げたわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 納得できませんよ。大臣、答弁お聞きになっていてどう思われますか。そういう姿勢でやみ雇用をなくすということなら、コストを下げるということで問題は逆に労働者に返ってくろじゃないですか、正当に保護されている労働者に。そんな労働省の姿勢で港湾労働これからやつていくんですか。私は絶対にこの答弁、納得できませんよ。大臣、いかがですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 橋本先生のいまのお話は、確かにこの問題に対する原因の考え方が対策に結びついていないとおかしいじゃないかという御指摘かと思いまして、そういう意味で私も先生の御主張、気持ち、よくわかるわけであります。課長から申し上げましたのは、一つには、納付金等が高くなってきているという事情も確かに一つありまして、その辺が今回の法改正によりまして、まあ現在高いのみならず、今後放置するとどうなるかという問題もあって、そこのところを対策と結びつけまして、今回の保険法との一体になることによりまして、それによって解決をしていこうという対策と一つ結びついているわけでありますが、しかし、まあ基本的に主なる理由がどこにあるかという点、なかなか私どもも見きわめがむずかしいんですけれども、そのダンピング問題とも関係があるという点については、私どももそれは否定できないんじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣、複雑な重要な問題が背景にありますから、今後いろいろな意味で目を大きく開いて御検討をお願いしておきます。  で、港湾の労働関係の今後の問題として、いま御存じのように情報化システムの導入が進められていこうとしておりますが、これについて労働省はどういう対応をお考えなのか、このことを伺いたい。  これは端的に言いますと、いま横浜市を中心にいたしまして、港湾情報処理連絡会議がつくられ、私も議事録、ここに手元にありますが、回を重ねて議論をされております。そしてまた、民間の財団法人運輸経済研究センターだとか、日本情報処理開発協会、これも財団法人ですが、ここでもって情報システム化の組織化について研究が進んでおります。これに対して運輸省や通産省はこれに深く関係をしていらっしゃるんですね。たとえば港湾情報システムの開発研究、運輸経済研究センターの資料によりますと、港湾情報システムの開発研究には厚生省公衆衛生局検疫所管理室長、運輸省港湾局計画課長、運輸省海運局外航課長等がその委員として名を連ねてお入りになっていらっしゃる。その他いろいろあります。ところが、この問題は単に運輸省が一枚かんで港湾の情報システム化によって日本の六大港を含む港湾の近代化の名のもとに、荷役あるいは滞船、あるいは荷物の集積その他をコンピューター化して情報化していくということで近代化を進めていくということが出てくるわけですが、これは私は現在の港湾労働に大きな変化と構造的な重大な問題を将来惹起するだろうと見ている。たとえばコンテナ化が非常に進みましたが、あれほど大きくコンテナ化が進むということが一体あの当時労働省は予想されただろうか、十分予想されなかっただろう。この情報システム化の推進は勢い省力化に結びつきます。省力化は同時に、現在でも雇用不安ないしあるいは港湾で働く多くの労働者の皆さんが雇用の増大を要求している中で、雇用の減少を結果的にもたらすという重大な問題にかかわってくるであろう。これはいままでの研究報告で議論されている中でも明白に言われております。これは労働省も御存じだと思いますけれども、たとえば作業会社については、これは作業能率は高くなって駐在作業員当たりの生産性が高まる。これは省力化につながりますね、当然。そしてたとえば六十名を要したのが十八名減員できるとか、一船一名は減員できるとか、件数についても、現場派遣人数の減員問題についてもそういう研究がなされている。これは労働省としては、この情報化システムが六大港に大きく及ぶとするなれば、将来雇用問題不安を重大化させる問題として早くからとらえて対処しなきゃならぬ問題だと思っておるんですが、いままでの労働省の対応なり、現在の考えは大臣いかがでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、名古屋港ですでに一部稼働しているように聞いているわけでございますけれども、そのシステムが普及した場合に、貨物の内容とか動静の把握の能率化、あるいは各種の手続や統計が迅速化される、そういうふうなことでございまして、港湾管理者や海貨業者についてある程度省力化が期待されているというふうに聞いているわけでございます。したがって、事務職員の雇用面に影響が出てくるということは十分考えられるわけでございますが、当面、いまのところは港湾の荷役業務そのものについてはこの効果が直接及ぶことはないのじゃないかというふうに考えているわけでございますが、しかし、このシステムの発展する方向についてそれがどういう影響を持つかという点は、先ほど先生も御指摘ありましたように、予想外のいろいろな影響を持つ場合が出てまいりますので、したがいまして、今後とも運輸省とその他関係機関とも密接な連携をとりながら、このシステムの発展の動向を見守ってまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 局長ね、いまの御答弁では私十分な対応がおくれると思うんです。いまあなたは、荷役業務については稼働日数の減少等は来たさないだろうとおっしゃったが、そうはいかないですよ。この荷役関係の集中的な作業が入ってまいりますと、当然労働波長が長くなってきますよ。そしてまた集約化されていきますよ。そしてコンピューター化は、同時にコンテナ化と並行して進んでいけば、ますます荷役労働というのは港湾の近代化の中で減っていくという趨勢にあるんですよ。だから、この点についてはこの情報システム化ということがどういう全般的に影響を与えるかはもう少し深刻な立場でおとらえになって対処されるのが当然ではないかと、こう思いますが、いかがですか、私の考え間違っておりますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、コンテナ化その他の問題と結びついた場合にいろいろな影響が出てくることも考えられるわけでありまして、そういう意味で、さっき私申しましたように、当初予想されるよりも影響が非常に大きいという場合もあり得ますので、そういう意味で十分関心を持ってフォローしてまいりたいというふうに考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣、局長も十分関心を持ってフォローされるというお答えですから、そのとおりやっていただきたいんですが、現にこの民間なりあるいは名古屋、横浜で港湾管理者が進めているこの研究に、いま私が指摘したように、運輸省が課長を派遣するなり何なりして参加されておるのですね。ですから、この点については私は労働大臣として今後局長がおっしゃったようなフォローする上で、運輸大臣と協議するなり、運輸省と定期に研究の進行度合いを検討するなり、そういう計らいは大臣として政治的におとりいただきたいと思いますが、いかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) いま局長が申し上げましたとおり、雇用の方に大きく影響を与える、そういう可能性が見えるということになりますれば、これは港調審でも当然取り上げなきゃならぬでしょうし、労働省もこれについては十分目を光らせなければならぬ。もちろんいま御指摘のとおり、運輸省等とも十分連絡をとって対処をしていきたいと、こう考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そういうことで、最後にきょうも当委員会で議論になりましたが、このようにわが国の港湾の近代化がコンピューターシステムの導入も含んでずっと進んでまいりますと、朝から議論になりました、安恒委員も柄谷委員も御指摘になりましたが、問題のILO条約の批准ですね、これの体制整備ということがやっぱり私は当然重要になってくる。こういう大きな総合的な見地からILO条約の批准についても、全般的に大臣はやっぱり大きく目を開いて検討を進めていく、深めていくということを私はお約束していただきたいと思いますが、いかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 目は細い目でございますけれども、しっかり開いて物をよく見るつもりでございます。ただ、ILOの批准につきましては先ほどお答えしたとおりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 その点がわれわれ委員各位の不満として残りますが、それはまたいずれ議論を深めることにいたしまして、時間が参りましたからきょうの質問終わります。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 委員長、午前中の質問で、時間がなかった関係で全港湾と社会党の港湾対策特別委員会が事務レベルで確認した問題について、一項から十二項まで確認をしたわけでありますが、事務局と話をしましたら、これはやはり委員会で発言をして議事録に掲載してもらいたいということを申し添えないと議事録に載らないと、こういう扱いであったので、午前中に確認した事項でありますから、議事録に参考資料として添付してもらいたいということを委員長にお願いしておきます。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) いま目黒委員の御意見につきましては、理事会で協議をし、要望に沿いたいと思います。  他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより両案に対する討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、これより採決に入ります。  まず、雇用保険法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。〔賛成者挙手〕

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 ただいま可決されました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、雇用安定事業等が雇用失業情勢に対応して十分機能を果たすよう、休業規模要件の緩和等の改善措置を講ずる等その適切な活用を図るとともに、雇用関係諸給付金の統合と手続の簡素化に努めること。  二、急速な高齢化社会の到来に備えて、総合的な対応策を促進するとともに、特に定年延長の推進等については、立法化問題を含め早急に検討すること。    また、高年齢者雇用率の未達成企業に対し実効ある措置を講ずるとともに、中高年齢者雇用開発給付金の周知と積極的活用に努めること。  三、雇用拡大、失業、再就職などの雇用情勢の調査・分析の機能の強化を図り、職業訓練について、一職種の開発等その内容の充実に努めること。また、中央、地方の雇用関係審議会などの機関が十分に機能できるよう、その運営について配慮すること。  四、日雇失業給付について段階制の是正等その改善について可及的速やかに所要の措置をとること。  五、船員の深刻な雇用失業情勢にかんがみ、雇用安定資金制度の創設についてできるだけ早急に検討するとともに、船員保険における失業保険非適用の漁船船員について、その実態を考慮して特段の配慮を払うこと。  六、雇用失業対策の実効ある運用を図るため、公共職業安定所の機能の充実と強化を図り、このため必要な定員の増加に努めること。   右決議する。  以上であります。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、栗原労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。栗原労働大臣。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、努力してまいる所存でございます。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 次に、港湾労働法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 ただいま可決されました港湾労働法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    港湾労働法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。  一、常用港湾労働者の雇用の安定化関する施策を含む港湾労働対策の抜本的な改善について、引き続き検討を行うこと。  二、登録日雇港湾労働者について、月十四日以上の就労が確保される体制が確立されるよう、就労保障協定の締結などにつき関係事業主に対し適切な指導を行うこと。  三、港湾労働者の資質の向上を図るため、港湾関係者の十分な話し合いの下に、登録日雇港湾労働者について、円滑な新陳代謝が行われるよう努めること。  四、効果的な立入検査を実施すること等により、港湾における適正な雇用秩序を確保し、登録日雇港湾労働者の優先雇用体制の確立に努めること。   右決議する。  以上であります。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、栗原労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。栗原労働大臣。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、努力してまいる所存でございます。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 次に、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。栗原労働大臣。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ただいま議題となりました国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその内容を御説明申し上げます。  漁業離職者及び特定不況業種離職者につきましては、昭和五十二年十二月に制定されました国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法に基づき、特別な就職指導の実施、雇用保険法の特例、職業転換給付金の支給等各般の施策を講ずることにより、その再就職の促進と生活の安定に努めてきたところであります。  しかしながら、漁業離職者及び特定不況業種離職者につきましては、今後においてもなおその発生が予想されますので、政府といたしましては、現行の漁業離職者対策及び特定不況業種離職者対策を今後も引き続き実施する必要があると考え、この法律案を作成し、提案した次第であります。  その内容は、昭和五十五年一月二日に効力を失うことになっております国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法の有効期限を延長し、昭和五十八年六月三十日までとしようとするものであります。  以上この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。  本案の自後の審査は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時九分散会      —————・—————

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