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87回国会参議院1979/04/26

社会労働委員会 第6号

発言数
281
登壇者
26
会派数
6
開催日
1979/04/26

会議録

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告をいたします。  昨二十五日、穐山篤君及び高杉廸忠君が委員を辞任され、その補欠として目黒今朝次郎君及び野田哲君がそれぞれ選任されました。     —————————————

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 次に、本日の委員会に日本鉄道建設公団役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 次に、労働問題に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 大臣の所信表明をこの前聞いて、いろいろ選挙中でもあったし春闘もあったんで、もう一回読ましてもらったんですが、その前にちょっと、ことしの春闘で、私も大分長い間携わってはきたんだけれども、ちょっとこれは考え方を聞かしておいてもらいたいものがあるんですが、総評の富塚事務局長と政府側の官房副長官が大分テレビでやり合っておったようでありますが、政府が介入する介入しないでね。それは何ぼ言ったってあなたは介入しませんと答えるんだから、それはおくとして、公労協の賃金を扱う公労委が、これは何といっても政府が主導権を握っておるんですから、従来は電機労連、電力など、それから私鉄などの相場、その上に公労協のはねっ返りというパターンを繰り返してきたんで、私も現職当時、公労協事務局長も含めて、動労委員長も含めて何回か政府に交渉した際には、電機労連とか電力とかそういうだけではだめだと、国鉄の関連があるのであるから、私鉄、日通関係が出なければだめであるということで、終始一貫、私も歴代労働大臣から突っぱねられてきたわけなんですがね。今回がそういう従来のパターンを乗り越えて、公労委が自主的に私鉄を上回るあれをやったということは、私はそれなりに前進だと評価したいと思うんですよ、従来の経緯からいって。しかし、それは結局政府が従来の経過から考えて公労委の中西会長に対して何らかの指示を与えたのか、本当に自主的に中西会長の判断でやったのか、その辺の関係をひとつ労働大臣として、公労協を扱う窓口として、あなたが政府側の責任者ですからお考えを聞かしてもらいたいと、こう思うんです。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私は前々から申し上げておるわけでございますけれども、公労委の権威を高めるということで、公労委については良識ある行動をお願いをしてきております。今回も公労委の自主的な判断であのような結論を出されたのではないかと、こういうふうに考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうすると、従来、たとえば公労委側も各当局も、それから労働大臣も、公労委の賃金決定については民間の相場が必要だと、その民間の相場は私鉄が中心だと、こう言ってきたこと、これは新聞でありますから、私も合って確認したわけじゃありませんが、これは中西会長が毎日新聞で、調停作業が終わり、午前十時四十分、公労委事務局で中西会長が記者会見の中で、公労委や労働省の調査で民間大手の賃上げは平均五・六%強と、こういう数字が出ているからもう踏み切っていいんだと。こういうことは、従来の主張とこれは質的に違っているんですよ。これも公労委の判断だと、政府はそれを認めると、こういう立場ですか。

桑原敬一労働省労政局長

○政府委員(桑原敬一君) やや技術的な点がございますので、私からお答えいたします。  前々から公労委は民間準拠という原則で紛争処理をしてまいっております。したがって、民間準拠というのは、いま公労委の会長が、お話しのように一定の決まっております業種、業態の賃金の出方を見て、それをもとにして調停を進めておられまして、今回もそうでございます。ただ、やや違いますのは、四十六年と五十年がございましたけれども、私鉄よりも先に決まったというのはきわめて例外的な年であったと思いますけれども、それにいたしましても、ことしも私鉄は第一回、第二回の回答が出ておりまして、大体大きな姿が出てきていると、そういうようなことも御判断の材料になったというふうに聞いております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 公労委の権威を高めるということについては私も賛成ですから、それをとやかく申しません。  そうしますと、公労委を舞台に公労協関係の労使関係が改善されていくという方向から見ますと、労働大臣も労使関係の改善ということを掲げておるんですが、公労委の権威を上げるということと、前の労働大臣の時代に公労懇というものを設けて、この基本権問題、労使関係問題について詰めようやと。一部、動労も反対しておったけれども、動労も中央委員会で全体に足並みをそろえていこうというように、一歩下がってこの問題についてやろうと、こういう前の労働大臣の構想があったわけですね。この公労懇と公労委の関係を議論しますと、私も公務員制度審議会で何回かこのスト権の問題を議論したんですがね、公労委の公益委員の段階では、もうそろそろ毎年毎年違法スト違法ストって世間、マスコミの材料になっておるだけではなくて、公益委員の皆さんは、やっぱり一定の制限をつけて、たとえば私鉄並みなり、労基法の関係なり、あるいはもっときつくするか、それはまあ若干の公益委員の判断によるけれども、そういうことに踏み切るべきじゃないのかという点を長い間公労委の公益委員の方々が、個別的にあるいは団体的に議論されているんですがね。そういう労働基本権の方向性というものについても、今回のこの公労委の判断をきっかけにやっぱり前向きに、もう労働法は実体法ですから、いろんな議論はあったにしても労働法は実体法だと私は信念を持っていますが、その実態から見て、しかも、公労委の公益委員の方々の判断から見ると、もうそろそろこの問題についても、一歩この春闘を機会に八十年代に向けて新しい時代を求めると、外務委員会では人権条約が云々という段階ですから、前向きに検討する、公益委員の方々の意向を尊重して、この際公労懇を含めて前向きに検討するべき段階ではないかと、こう私は、ちょうど春闘の中間ですからまた言いますがね、この点はいかがでしょうか、考え方だけ聞かしてもらいたいと、こう思うんです。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) スト権の問題につきましては、基本問題会議の意見書によりまして、私どもはそういう方向で対処いたしたいと考えておりますが、公労懇でいろいろ胸襟を開いて話し合おうということにつきましては結構なことでございますし、私になりましても、先ごろ公労懇第二回目を開いたわけでございます。正直申し上げまして、いまのところまだ何か非常になじんでいるという空気はございません。しかし、産労懇などの経過を聞いてみますと、最初はなかなかなじまなかったと、しかし回を重ねるごとに情を発すると申しますか、非常にいい空気になりまして、いま産労懇は私は大変いいと思うんです。したがいまして、公労懇も回を重ねるごとにお互いの意思疎通が十分になされて、いろいろの問題を虚心に話し合える場になるのではないか、またそのような場にするために政府といたしましては努力をいたしたいと、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この問題はもう何回か、十何年、二十年近くかかって議論してきて、学者の皆さんなりILOなり、聞いたんですから私はもうくどくど申しません。ただ、たまたま今回春闘に当たって中西会長が政府も介入しないで自主判断したと、そう言われますと、この自主判断をした、権威を高めて——労働問題を一番知っているのは公労委の公益委員ですよ、そうでしょう。公労協関係の、労使関係の問題点あるいは労使関係の改善、合理化問題、権利問題も含めて、いまの郵政のマル生問題も含めて、かつての国鉄マル生の問題も含めて一番いいことも悪いことも知っているのは私は公益委員だと思うんですよね。公益委員の大将が中西会長だ。だから、この際権威を高めるということはいいことだから、いまの大臣のことも聞いて、この公労懇の主導権も、やっぱり公益委員あたりを十分に活用して労使関係の改善と公労法関係の整備をどうするかということについて、公益委員の方々の私は地位を十分に、活用って言っちゃ失礼でありますが、十分にきかしてもらって、早い機会にこの公労懇等の関係を軌道に乗せてもらいたいものだなと、こういう要望でありますから、これは答えは要りません。ひとつお願いいたします。  それから二番目に、大臣所信の冒頭に雇用問題がありまして、これは本会議、予算委員会でもさんざんやられてきているから、ここで同じことを繰り返してもしようがないと思うんですが、二つ三つ聞かしてもらいたいと思うんです。  五十年代上半期の経済計画ですね、完全失業率という言葉を使ったこともあるし、失業率については一・三%ということでずっと五十年から五十四年まで前期計画で来たと。それで、後期になって、去年の十一月だったか、前の労働大臣が雇用問題閣僚懇談会に報告して一・七という議論をされて了承されたと、こういうことを新聞報道で聞いているんですが、その後いろんな政府部内にも議論があって、それがいいとか悪いとか、あるいは二・〇ぐらいでもいいじゃないかとかという議論があったように聞いておりますが、この辺の展望といいますか、おたくの政府の統一見解といいますか、それらをちょっと参考までにまず冒頭聞かしてもらいたいと、こう思うんです。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 新経済計画につきましては、現在まだ策定の最中でございまして最終的な結論まで至ってないわけでございますが、先生お尋ねのように、経済計画の基本になりますと、その基本構想の段階におきまして、最終目標年次でございます昭和六十年に失業率、これは完全失業率という言葉を使っておりますが、これを一・七%以下にすると、こういうことで各関係省の間でも思想統一をしているわけでございます。その点につきまして、現在のところではまだその基本構想におきます一・七%という考え方について政府の各省の間の考え方が統一されている点についての変更はございません。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 すると、まだ検討の段階だ上いうことですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 最終的な計画につきましては検討段階でございますけれども、先ほど申しましたように、一・七%そのものについては動いていないということでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは前に、私も時間がなぐて議事録確認する時間なかったんですが、前に右田労働大臣がおりまして、私も社労に一番最初入ってきたとき、雇用問題で、このごろ完全失業という言葉がなくなっているけれどもどうなんだといって質問したことを記憶しているんですが、そのときの石田労働大臣は、完全失業という問題については大体丁二%ぐらいが世界の常識じゃないかということを言ったことを記憶しているんですがね。これは一・三でもちょっとおかしいじゃないかといって私はかみついたことがあるんですが、一・七になると大体おたくの計算では百万以上の失業者がおるという状態を想定されておるわけですね。払うすると、一・七が動きませんということは、裏を返せば百万人の失業者はこれはやむを得ませんと。これは統計上に出てくる百万であって、この前河本自民党の政調会長が予算委員会で質問した議事録を読んでみると、河本政調会長でさえ、このほかに大体二百万人前後の潜在失業者がおるということを言っておったんですがね。統計のからくりは別にして、百万ということは潜在も含めて大体三百万程度の失業者はやむを得ないという労働政策というものを固定化するという考えに結びつくような気がするんですが、それでは雇用雇用と言って、労働大臣が声を大にして雇用の議論をしても、計画自体が百万人、潜在含めて三百万、それを固定化する労働政策というのは私はちょっといただけないんですが、いかがでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 失業者の数ができるだけ少ない方が好ましいという先生のおっしゃる御議論もよくわかるわけでございますが、同時に、産業社会が進歩していく過程におきまして、あるいは個々の労働者が自分の職業選択をする過程におきまして、いろいろな形で摩擦的あるいは一時的な失業者というものが、これがある程度の数がいるというのは、むしろ、少なくとも自由社会における一つのノーマルな形でもあるわけでございまして、そういう意味で、いわば需要と供給との絡みで、需要が不足することによってそこから失業者が発生をしてくるという意味でのその失業というものが大きな問題でございますけれども、そういう需要と供給とが総体として見合っていくという状態の中である程度の失業者が出るということは、これはもうやむを得ない現実なわけでございます。そういう観点から見まして、現在も進行しつつありますが、今後におきましても、労働市場の近代化、その他労働市場の環境変化によりまして、たとえば女子の就業者の方がふえていく、その女子就業者の労働のビヘービアから見まして、従来のように職を失うと家庭に戻られるというんではなくて、そのまま失業者として残られるという、そういうビヘービアが高まってきている、あるいは若年者等を中心に職業に対する選好度というものがだんだん高まってくる、ですから簡単には仕事に飛びつかない、こういうふうな傾向がふえてくるというふうな労働市場の状況の変化というものを加えまして考えました場合に、大体需給が見合った中でも一・七%程度の失業者というものは残る、あるいはあるという姿というものを六十年ごろについて描いて、その程度であっても一応完全雇用というふうに言えるのではないかというのが政府全体の思想統一なわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私が言っているのは、当時の石田労働大臣に完全失業者の定義について私が質問したとき、一・二か一・三、そういうのが国際慣行であるし、私もそれが望ましいという大臣答弁をもらっているわけだ。この前、冒頭石田労働大臣が言ったのと、いま言った栗原労働大臣の時代に完全雇用を目指すという政策目標から見ると、おたくのいま局長の言い回しはその場その場で変わってくる、私が聞いておったのといまのやっとがね。一・二か一・三が一・七と、それは需要と供給でやむを得ないというそんな理屈、何もそんな理屈をおたくから聞こうと思わないんで、失業者をどうなくすかと。しかしいろいろな経済変動があるから、最低丁二なら丁二程度は必要だろう、やむを得なかろうと。しかし、一・二に対するいろいろな職業の訓練とか生活の保障とかあるいは転換とか、そういうものは別な補完的な制度によって労働者の生活を守ってやるんだと、こういう理屈ならそれなりに私わかるんですよ。ところが一・七になると、ずいぶん一・二から一・七と飛躍してくるもので、ちょっと疑問に思って問題提起をしたんです。もう時間がないからこの問題はいいです。  ただ、聞くところによると、大蔵省は財政優先で二%を主張してみたり、それから民間の銀行筋の諸君も、女子労働者と中高年労働者の対策さえきちっとすれば二%台でいいではないかとかという銀行筋の意見があるとか、それからもう一つは、日銀の森永総裁は、これ以上国債発行が限界に来ているから、まあ二%でもやむを得ないじゃないかという談話を発表したり、ずいぶんあちこちから雑音があるんですよ。私は一・七自体に不満でありますから、そういう雑音に迷わされないように、ひとつできれば私は一・七を一・五でも六でも、あるいは一・四とか現行の一・三に近づける努力を私はしてもらいたい。そのためには、何といっても経済政策を、労働大臣も言っておるとおり、従来の物量中心の経済政策から雇用中心の経済政策に経済全体を転換する必要があると、こういうことを言っておることは、私は筋は賛成なんですよ。筋は賛成なんだけれども、出てくる中身がむしろ現状よりも後退していくという点はどうも私は納得できない。その点を大臣から、もうやむを得ないならやむを得ないけれども、やはり政府全体としては雇用を中心に経済体系を組み直す、こういう気があるのかどうか、その辺の基本的なやつをもう一回聞いてこの問題を終わりたいと、こう思うんです。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私ども、雇用ということにつきましては、労働省だけでなくて政府全体、非常に重点を置いて、いま曲がりなりにもその努力をしていると思うんであります。今度の予算編成に当たりましても、この点につきましては私もできるだけの努力をしたつもりでございまするし、政府といたしましても、雇用を中心として予算がどのように消化されるかということについて、できるだけ把握しようということで、公共事業等を中心といたしまして努力をしているわけでございます。しかしさらに、それで足りるかというと足りるものではない。今後は、産業政策と労働政策、特に雇用政策というものは緊密に連携をとってやらなきやならないということでございまして、雇用というものを非常に重視して今後の経済政策をやっていくものと思います。  ただ、いま目黒さんお話しのとおり、これは一億一千万の経済でございますので、われわれがこうしたいと思ってもすぐあすからできるというものじゃございません。私の考え方としては、そういう思想に立って一歩一歩着実に前進していく、そういう努力を尽くしていきたいと、こう考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、それはお願いします。  それから、これは前の藤井労働大臣も、雇用問題閣僚懇談会で企業の人減らしのあり方について警告を発したということもありますし、森永日銀総裁も、雇用問題というのは本当にまあケース・バイ・ケースで、きめ細かく、その状況に応じた指導をする必要があると、こういう発言も日銀総裁がしているんですが、私は地方を歩いてみると、必ずしもその問題が的確になっていないと思う。  たとえば、私この前、岩手県の北上市にある北上音響という問題について、この前労働省の労政局長にも事前にお願いしたんですがね、私はこの問題を見てみると二つ問題があると思うんです。一つは、これは七十一人の家庭のお母さん方なんですよ、農家の方々。その方々を使っておった誘致産業ですか誘致企業ですか、市の。この企業が台湾だかどこかに別な会社をつくるためにその会社をつぶすという提案をした。それはつぶす提案をする際に、まあいろいろありました。結果的には、最終的に地方労働委員会——地労委が中に入って、あっせん案を出してこれで締めくくりしようやというときに、まあ労働法のたてまえからいって問答無用と、上に行けばいいという形でなかなかしないと。だから、これは何回も私は労働委員会とか運輸委員会でもやってきたんですが、地方のローカルの紛争については、やっぱり調停委員会のあっせんなり調停案というものを一つの足がかりにしてこういう問題は解決するという行政のあり方をひとつ私は求めたいと同時に、現に紛争しているんだから、この問題について労働省側が、県なり企業にどういう指導をされたか、ひとっ、三月の四日ですか、四月三日に私は労働省の方に話をしてありますから、その経過をちょっと聞かしてもらいたいと、こう思うんです。

桑原敬一労働省労政局長

○政府委員(桑原敬一君) この事件につきましては、私ども前々から関心を持って処理をしようという努力をいたしております。お話しのように、なかなか労使紛争の解決がすっきりいかないという点はございますが、お話しのように地労委で一応のあっせんを出したわけでありますから、私どももこういった制度が十分やはり権威を持って生かせるためには、そういうあっせん案が受諾されるということが最も望ましいと、こういうふうに思うわけでございます。したがって、地方の問題でもございますので、第一は岩手県の労政を通じてできるだけの努力をこれまで積み上げてきたわけでありますけれども、やはり最終的には、御承知のように退職金の積み上げ等の問題が一番争点になっておりますので、こういった企業の指導的な立場にいます通産省と連携を十分とりながら、もう少しの間の詰めでございますので、関係官庁等を通じましていま努力をいたしております。きょうの午後、自主交渉の形でありますけれども、和解の努力がなされようとしておりますが、私どもさらに通産省と連携をいたしまして、円満な解決ができるように努力をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 三月四日は四月三日の間違いですから訂正しておきます。  それで、それはきょうの午後行われるということも聞いておりますから、最大の努力をしたいと。時間がないからあっせん案の内容は申しません。ごく当然のことなんですよ、あっせん案というのは、労働法として。  それからもう一つは、これは厚生省きのう呼ぶ暇がなかったのですが、健康保険の取り扱い。これは二月の二十八日に解雇にしたということで、四月の六日投函をして四月の八日に本人が受け取っているんですよ。それで保険事務所の方は、三月一日からうちの組合員じゃないと、健康保険のね。三月と四月、一カ月ちょっと、組合員は知らないからそれでかかっているわけですね、健康保険で。ところが、通知して三月一日以降はおたくは組合員でありませんからといって一カ月後に本人に通知がくる。いままでかかったやつを全部払えということが病院から本人に来ているわけですよ。こんな私はぶざまなやり方はないと思うんです。健康保険の関係であるならば、いま局長、あっせん案で何とか妥結しようというのなら、妥結した時点が健康保険の関係については一応整理をする時期というふうぐらいにして考えてやらないと、このお母さんたちがかわいそうですよ。三月、四月かかった健康保険を十万も二十万もいまから払いなさいと言われたって、国民健康保険の手続をしているわけじゃなし、全然無保険の状態にいまなっているんです。そういうのは、これは企業の責任ですから、企業の責任できちっとするというのもこれは当然だと思うんですが、細部の問題は連絡していないですが、考え方として私はそれが当然だと、こう思うんですが、局長いかがですか。

桑原敬一労働省労政局長

○政府委員(桑原敬一君) 健康保険の取り扱いの問題は私ども所管じゃありませんので、有権的なお答えできませんけれども、総合的に言って労働者の福祉と申しますか、保護をする立場にあります役所でありますので、そういった観点に立って厚生省とよく連絡をとっていきたいと、こういうふうに思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それはお願いいたします。  それから労働大臣、石巻の鈴木鉄工という造船関係の部品を扱っているところがあるんですが、ここで、従来二百海里の関係がありますから助成はしたと、ところがあれパアになっちゃった。造船と二百海里をまともに石巻は受けたんですが、この鈴木鉄工というのが、労働省にもこの前お話ししましたが、新しい仕事を開発して会社の再生を図ろうとがんばって、労働省の方からも審査を受けて、その機械はいい、安全だというお墨つきをもらって、いまあちらこちら北陸とか、それらを含めて販路の開拓をやっているわけです。販路の開拓をやっているんですが、どうしてもやっぱりお金のつなぎが足りないといって、銀行に行くとだめだ、選別融資ということで、おまえさんはまだ見込みがないからだめだといったような、七十七銀行ほかから断られる、地元銀行から。せっかく業種転換をして労働省のお墨つきをもらって何とか立ち上がろうといって約三百名近くの従業員が必死になってやっているのだけれども、金のつなぎがなくなってしまうということがあるので、そういう新しい転換をするものについては、設備の改善については何か補助があるらしいのですけれども、設備は現有設備を使いながら新しい仕事を開拓する、そういうものには融資の対象にならないということになっているそうです。きょうは通産省呼んで、その不況業種の関係で聞こうと思ったけれども、これは時間がなくてできませんでしたから、宮城県の労政を通じて石巻の鈴木鉄工の問題については事情をよく調べてやっぱり立ち上がれるような条件づくり、そこの労働者の雇用の安定という条件づくりに労働省サイドからもひとつ努力してもらいたいということを申し上げますが、いかがですか。

桑原敬一労働省労政局長

○政府委員(桑原敬一君) お話しの件につきましては、私どもも努力をいたしたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 ひとつ要請しておきます。  六十分の時間と思ったら五十分なので、あっちこっちはしょっておりますが、それからもう一つは、労働災害の問題で大分力を入れて力説されておるのですが、建築関係が三分の一で大変だということで特段の措置を講ずると、こう述べておりますが、特段の措置とはどういうことか、後ほど関係者から文書でひとつもらいたいと、こう思うのです。  せっかく参考人に来てもらいましたから、この前の清水トンネルの火災事故、これについて鉄建公団からちょっと、新聞でみんな見ているのですから、原因と対策だけ簡単にお話し願いたいと思います。

大平拓也日本鉄道建設公団理事

○参考人(大平拓也君) 三月二十日午後九時四十分ごろ、大清水トンネルにおきまして坑内に火災が発生いたしたわけでございますが、その火災事故の原因につきましては、使用済みとなりました大型削岩作業台、これはジャンボと称しておるわけでございますが、これの解体作業中に発生したわけであります。酸素切断機の火花が、燃えやすいもの、これは漏れた油ないしおがくずなどではないかと思いますが、それに引火したためではないかと考えられております。  その結果といたしまして総計十六名のとうとい犠牲者を生んだわけでございますが、出火の原因につきましては現在関係機関において現場検証中でございますので、その結果とあわせて吟味してまいりたいと考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これは一九七二年十一月、北陸トンネル事故があって、まあトンネルの火災というのは大変なものだということで大分議論したんですがね。きょうは来ておりませんから申しませんが、しかし一九七七年、一昨年ですか、これは湯沢トンネルにも事故があって、あのときもいろいろ議論があったと思うんですよ。それでこの原因は調査中であるから云々ということは、それはそれでわかりますが、しかし何といっても、ぼろきれがあったとか、あるいは私もああいう溶接機械、電気、ガスを含めて溶接機械、私も自分で経験していますからどうこう言いませんが、火花が散るということは百も承知のことだね。それのところに油をしぼったおがくずとかぼろくずを置くとか何とかということは、安全作業のイロハのイじゃないですか、これは。そういうことについてやはり孫請だといってもそれは鉄建公団の私は責任逃れにはならないと、どういう安全管理をしておったんですか、これは。

大平拓也日本鉄道建設公団理事

○参考人(大平拓也君) 五十二年の七月に湯沢トンネルで火災事故がございまして、この事故は幸い人命の被害は免れたわけでございますが、このような事故を再び起こさないように早速全国の工事部長会議、支社長会議等を開催しまして、火災事故の防止に厳重な指示を行ってまいったところでございます。これを受けまして現地の支社、建設局では、さらに現場に即した具体的な要項を従来の対策に加味いたしまして立て、各建設所長に示達するとともに業者も指導してまいったところでございますが、結果的には今回のような事故を起こした、まことに遺憾と考えております。  なお、新潟建設局で行った処置につきましては、いろいろございまして、長くなりますので結果的に申し上げますと、事故を起こすまでの間に十二回の通達その他業者を含めましての安全会議を行ってまいりましたが、先ほど申し上げましたように結果的には事故を起こしたということでまことに遺憾と考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 だからね、十二回通達出したって孫請、ひ孫請、ひひ孫請までやっておる仕事が新幹線の建設の現場なんでしょう。いままでも十三人死亡して二百五十名前後負傷事故起こしているのですね、上越新幹線だけで。東北新幹線も同じような事故を起こしている。これは何回も社労なり運輸なりで言われて、労働者の安全管理はやりなさいよ、やりなさいよと。あれは私も二回行っていますからね、現地視察に。全部孫請、ひ孫請でこれは投げっ放しですよ。  だから、私は逆に労働省に聞きますよ、労働省はこういう労働者を災害から守るということをどういう——まあ通達はいいわ、通達なんて何にもならないんだから。現に現場のチェックをやっているかやっていないかということです、現場のチェックを。

野原石松労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(野原石松君) 労働省といたしましても、建設現場、特にトンネル工事については、従来から災害が多発する事実もございましたので、これをマークいたしまして、工事計画の段階から施行に至るまで、一貫して本省、地方を通じて総合的な対策を進めてきておるわけであります。特に現場の監督指導、やはり監督官が足を運んで実際の現場の状況を見て問題点を指摘し改善を求める、こういうことに意を払い、この大清水の現場につきましても、昨年二回にわたり現場の監督を行い、必要な措置事項について改善を求めております。それにもかかわらずこういった火災の発生を見たということは大変残念なことであり、そういったことから、私どもとして、ほかのトンネル工事現場にも同じような状況があるのではなかろうかということを懸念いたしまして、現在全国のトンネル工事現場から約五百を選びまして、特に火災の防止に対してどういう対策をとっているか、あるいは緊急時の避難対策、これはどうなっているかというようなことを重点として一斉監督をやっている段階であります。その結果を見、さらにまた現在大清水の火災事故についても原因の解明を急いでおりますので、それらをあわせましてさらに関係業界に対して必要な要望もいたしたい。さらにまた、こういった災害の防止について法制上の必要な強化、手直しもする必要があるのではないかということで、そういった検討も進めておる段階でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この解体作業に使う火花の問題については、これはどうなのかね、おたくは二回も現場を見て指示を与えたと、こう言うし、こっちは十二回も通達を出してきちっとしていると。その官庁としての仕事はやっているように見えるけれども、現に現場の諸君はわからないままやっているわけですね。そうすると、問題は私は責任の所在をどうするかという問題だと思うんですよ、責任の所在を。私は率直に言って、十六名も亡くなったら鉄建公団総裁は辞任すべきですよ、責任とって。対社会に対してこれだけの過ちを犯す、これだけの大事な問題を起こす、これだけの人間が亡くなって、こういう官僚の責任とるんだよということをきちっとしないと、ずるずるずるずる、通達出した、点検したと、こういうふうになりかねない。私は、少なくともこれだけの事故を起こしたら、これは運輸大臣にも物を言いたいと思っているけれども、やっぱり鉄建公団総裁は責任をとって辞任すべきですよ、安全の手抜かりですから。労働省もそのぐらい厳しく、労働者の命を守るということについて、お役所のなわ張りはあるけれども、官庁は官庁としてきちっとやるべきだし、前田建設は前田建設として責任をとってもらう、あるいは新幹線の工事を前田建設を解約する。そのぐらいの強硬手段をとらなければ、この問題は今後注意します、今後注意しますというだけでずるずるずるずる。やられるのは労働者だけ、家族だけ、しかも出かせぎ労働者、こうなってしまう。悪循環だ。ですから、私はやっぱり責任をとる、それから、これを起こした前田建設は契約を破棄する、そういう体制の上に新幹線の工事の建設をやり直す。運輸大臣が点検をしたら、鉄建公団の方では、交通新聞を見ますと四月中旬ころやると、こんなのんきなことを私は思ってない。運輸大臣の通達が出たら全仕事をやめてまず一斉点検をする、全国工事現場を一斉点検をして異常がないということを認めて初めて仕事の再開をするというぐらいの慎重さが、亡くなった十六人のみたまに報いる措置じゃないですか。四月中旬まで待っているなんて、そんなことを言っていられないですよ、これだけの事故を起こして。そういう点について、まず労働者を守るべき労働大臣の私は基本的な労働災害に対する見解を聞かないと、労働災害は依然として繰り返す、こう思うんですが、大臣いかがですか。いまの責任の追及と、契約の解除と、一斉にやめて安全点検をやってから再開をする、この三つの条項について。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私、詳細をつまびらかにいたしませんので、ここで、こういう責任をとるべきだということは私の権限内でもありませんし、また言うことは適当でないと思いますが、ただ一般的に言いますと、こういう大きな事故がなかなかやまらない、その中に責任問題の所在が明確でないということであるならば、一般論といたしまして、どういう責任を具体的にとるかは別といたしまして、責任の所在を明らかにする、そういうことは当然のことだと、こう思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、これはあと理事会で。きょうはこれ以上言ったってあれですから、次の機会に、まず運輸大臣と鉄建公団の総裁を喚問して、この問題は追及を保留にします。関係大臣と公団の総裁を求めて改めて追及するというので理事会で御相談願いたい。いかがですか。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) よろしゅうございます。理事会で相談します。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、この問題は理事会で御相談、配慮してもらって、関係大臣が出た段階でさらに具体的に追及します。  ただ、お願いだけは、鉄建公団ね、安全点検は、これはあなたの方で自主的にできることですから、やっぱり一斉にやめて、一回全部点検して安全を確認してから工事を再開すると、この措置だけはぜひとつてもらうように最大限の努力をしてください。どうですか。

大平拓也日本鉄道建設公団理事

○参考人(大平拓也君) 事故の起こりました翌日の二十一日、運輸大臣からの特別の指示がございまして、トンネル工事の施工中のものについての総点検ということで、早速全国のトンネル現場を一斉総点検いたしまして、その結果といたしまして、当面の対策として早速とるべき道をとりましたので、十分安全に施工しておるのが現状でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それは結局経営者の責任ですから、私はどうこう言いません。事故の再発につながらぬようにやってもらうと。  それから最後に、労働大臣、労働基準法研究会から出た問題の取り扱いについて、この前三月の十三日、労働大臣と婦人少年局長に申し入れして善処方をお願いしたのですが、われわれとしては、この中身を読めば読むほど、そして、前におたくさんたちと仕事をともにした田中寿美子初代の元婦人課長の意見などを聞けば聞くほど、この問題はいろいろな問題を波及させるということで、私は了解できないという基本的な考えを持っています。  それで、何といっても、女子労働者の実態賃金の実態、あるいはパートとか内職の方々の実態などを見ましても、まだまだ下積みの女子労働者が苦労していらっしゃるのですね、賃金の面、時間の面においても、あるいは労働の面においても、あるいは母性保護の面においても。この前私が厚生日に、手や指のない子供たちがなぜ生まれてぐるかと言ったら、流産防止のための黄体ホルモンを飲んでおる方がやっぱり全然関係がないとは言えないということを厚生省自身も認めておったように、流産防止に黄体ホルモンを飲む、黄体ホルモンを飲むと手足のない子供が生まれてくる、こういう悪循環を女性なるがゆえに受けるんですよ。子供には何の罪もないんですよ。そういう永久にぬぐい切れない、子供の生命に社会的な危害を加えるというのは、これはわれわれ親としては絶対、どういう表現をしたらいいかわからないくらい子供に対しては罪ですよ、社会的な大人の罪ですよ。そういうことを考えると、深夜作業をなくすとか、あるいは時間外労働どうだとか、あるいは有害業務の扱いどうだとか、これだけに焦点を合わせたこの報告書は、もう一回やっぱり出発点からやり直すべきだと、婦人労働者の実態をよく知っている方々あるいは婦人労働者自体、そういう方々からよく意見を聞くと。こんな高級官僚みたいな、高級のホワイトカラーだけのことを考えてこの問題を論議したらとんでもないことですよ。だからそういう基本的な問題について考える意思はないですか、大臣の見解をもう一度聞かしてもらいたいと、こう思うんです。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○政府委員(森山眞弓君) 労働基準法研究会の先般十一月末に出ました報告書は、労働基準法施行以来三十年余りたちまして経済社会条件が非常に変化し、また婦人自身の能力、意欲も大変に変わっているということを踏まえまして、今後の婦人労働法制のあり方について非常に貴重な御意見を含んでいるものであると考えております。で、この内容はすでに婦人少年問題審議会、中央労働基準審議会に報告させていただいたところでございまして、これを今後どのように取り扱っていくかということは、労使の代表が入られましたそれぞれの審議会におきまして十分御検討をいただくということになっておりますので、その結果を待って対処いたしたいと考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 だから、その審議会、基準審議会にかけるのもいいんだけれども、その前に政治的に大臣として、いま私が言ったような婦人労働の実態から見て、その深夜労働の緩和とか時間外労働緩和とか、そういうことに焦点を合わせたこの報告書は、女子労働の解放という点から見て当を得たものかどうかという政治的判断をあなた自身がする必要があると思う、婦人少年局長の前に。あなた自身が婦人労働の実態を見て——労働省は皆婦人労働の実態を調査するんでしょう、その実態から見てどうなのかと。あなたはやっぱり婦人少年局長の言うとおり、まあそれは当然だというお考えかどうか、大臣の見解をまず聞きたい。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私は、婦人少年局長が言うたから私がこう言うという意味じゃございません。私もいま目黒さんのおっしゃったようないろいろの御意見があると思うんです。私自体もこの報告書というのは非常に興味を持ちまして、いまいろいろ読ましていただいているんです。それに対するいろいろな反対の意見等もこれからよく勉強したいと思っております。しかし、いずれにいたしましても、これらの問題を本格的にやるのは、労使の方々の御協力をいただいた審議会で御議論いただくのが一番いいと。それを一労働大臣が自分の職権で、これはよろしくないとか、これはよろしいとか、そういう偏見をあらかじめ与えることはよろしくないと思います。ですから、いまのお話の問題を含めましてね、十分に審議会で討議していただくことが一番妥当ではないかと、こう考えます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ確認しますがね、わが党は男女平等法とか母子保護法ということを国会に提案してお願いしたんだけれども、もうおたくの自民党の反対でなかなか実を結ばないんですよ。今度報告書を見ると、冒頭に男女平等法というのをつくれと、それが前提だという問題が提起されているんですがね、私はこの男女平等法の問題について、大臣として、社会党の提案の際には反対したけれどもやっぱり必要なんだなと、こういう気持ちに現在なって、政府みずからの手で立法措置をしようという意思があるのかどうかですね、この際聞かしてもらいたい。これは審議会に関係ないと思うんですよ。これは政策の問題だから大臣だ。いやいやあんたは要らない、大臣、政策の問題だから、官僚は要らない。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 大臣、答えて。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私は、男女平等法というものの制定ということは必要だと思いますよ。ただし、審議会のやはり議を経るべきだと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうすると、必要だと思うと、しかし中身については、報告も出ていることだから審議会の動向を見て立法作業にかかりたいと、そういう見解ですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) さようでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 その際に、わが党が出している男女平等法についても十分参考として内容の吟味に応じてもらえると、こういう努力はいかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 参考にすることは当然でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、それはひとつ立法過程で努力願います。  ただ一つ、私は地方を今回選挙で歩いて、どこの企業とは申しません、企業がまたあれですから。婦人少年局長ね、この報告書をもう御丁寧に刷って、各会社が労務担当者に皆渡して、そうして労務担当者がそれを勉強して、それで実際にこの深夜作業とか、時間外労働とか有害業務取り扱いとか、そういうものはなくなるんだから協力してくれと、さもこう決まったように——労働大臣はいまから諮ると言うけれどもね、さもこれがもう決まって既定事実のような労務管理が労務管理者を通じて、現地で、地方で行われているんですよ。これは私は恐ろしいことだなと思いました。で、この前婦人局長に会って、十三日、いまから慎重にやって婦人会議の皆さんの意見なども聞いてと言っておられたでしょう。ところが現にこれが生かされて労務管理のてこになっているんですよ。これは早急にやっぱり日経連とか関係者を通じて、それはやめろという行政指導をぜひやってもらいたいと、こう思いますが、いかがですか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○政府委員(森山眞弓君) 現在は従来の労働基準法が有効であるわけでございますから、その労働基準法を守っていただかなければならないということは当然でございます。で、この基準法研究会の報告は、新しく昨年末に研究の成果として発表されたものでございまして、それを今後の問題として勉強していただくということは差し支えない、むしろ望ましいことだと思いますが、勉強していただく際に、一部だけを取り上げてそこだけを強調する、あるいは都合のいいところだけを利用するというようなやり方ははなはだ残念であると思います。むしろ、この報告書を十分勉強していただくならば、男女平等法の制定の必要ということから母性保護の充実ということも含まれておるわけでございまして、女子保護規定の再検討ばかりを言っているわけではないということがわかっていただけるのではないかと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 だから、その婦人少年局長のいま言った答弁の気持ちが、現場の女子労働を扱っている管理者にストレートに入るように何らかの行政指導なり、あるいは県に対する指示なり、あるいは日経連の労務委員会に対する指示なり、そういうあなたのいま言ったことがストレートに通るような監督指導方を、特にこの問題が誤解に受けるもとになりますから、善処方を要請して、あとほかの関係、国鉄その他を呼んだのは申しわけありませんでしたが、時間が十分短縮になつやので申しわけありません。おわびして次回に譲りまして質問を終わります。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 まず経企庁にお伺いしますが、心業における昭和五十二年度の決算の動向、また昭和五十三年度末の動向、特に四・四半期までの間にどのような経営状態になっておるか、これについてまずお答えを願いたいと思います。

横溝雅夫経済企画庁調査局内国調査課長

○説明員(横溝雅夫君) お答え申し上げます。  まず、五十二年度の企業の決算状況でございますが、企業の決算につきましてはいろんな統計がございますが、最近時点まで引き続いて見れるという点から、日本銀行が行っております短期経済観測と申します統計によって見てまいりますと、製造業におきまして、五十二年度上期は売上高が〇・七%前期に比べて増加し、下期は一・八%の増加と。それから、このように売上高は増加いたしておりますが、経常利益は五十二年度上期がマイナス五・二%、下期がマイナス四・六%と、五十二年度は二期連続マイナスという状況でございました。  ところで、五十三年度に入ってからの景気動向という御質問でございますが、五十三年度に入りましてから、五十二年初めからの急速な円高の影響によりまして、輸出が五十三年度に入りましてかなり顕著に減り始めまして、他方輸入がふえまして、そういう海外要因からはデフレ的な要素が強まったのでございますが、御案内のとおり五十二年度、五十三年度引き続いて政府が共公事業を中心に財政面から刺激策を強めておりますので、まずその官公需が非常によく出ている、それから設備投資も、電力の設備投資が大きく出たということもございますが、五十三年度にかなり出ている、個人消費も底がたいというようなことで、いままで弱かった内需がかなり堅調になってきております。したがって、経済成長率という観点から言いますと、過去三年ばかり、大体五、六%程度という数字は大した変化がないのでございますが、中身として、海外需要が弱くなったけれども、内需、特に設備投資とか個人消費とかいう民需がだんだん火がついて着実に増加し始めているという内容の変化がございます。  そういうことを背景にいたしまして、先ほどの企業収益でありますが、五十三年度に入りますと、日本銀行の短期経済観測によりますと、上期は売上高がマイナスゼロ、いわゆる減収と言われたやや若干のマイナスでありましたが、これは円高の影響がありまして卸売物価が下がったというようなことがあると思いますが、下期は、予想でありますけれども三・二%の増加、ところが顕著な変化は経常利益の方でございまして、五十三年度上期は二五・七%前期に比べてふえております。ただ、下期の予想はマイナス一・一%、若干の減益が見込まれておりますが、これは造船とか石油精製等が欠損であること以外に、自動車とか食料品とかいう、いままでかなり好調であったところがやや反動減的な要素もございまして、基調として増益基調は続いておると思います。  それから、まあそういう民需に火がついてきた、景気回復がだんだん底がたくなってきたということを背景にいたしまして、雇用情勢も五十三年初めには、たとえば求人倍率が〇・五二倍程度であったのが最近は〇・六五倍と、まだ一にはかなり間がありますけれども、かなり回復してきているとかいう好影響も出ております。しかし他方では、御案内のように昨年十一月から円安に転じたものですから、さらに海外物価高も加わりまして、卸売物価が十一月以降、それまで低下しておりましたのが上昇してきているというのが最近の一つの問題点かと思います。ただ、消費者物価はまだ依然きわめて安定しておりまして、大体前年に比べて二%台、二・五%程度の上昇にとどまっております。大体そういう状況でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いまお聞きのように、大体減収増益であってみたり、増収増益に変わってきたりした原因が、円高あるいは円安、インフレ、こういうことにあると思うんですが、本年度の末の完全失業者数、その傾向について労働省はどのように把握されていますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 本年度末の完全失業者数についてのお尋ねでございますが、先生御案内のように、三月という月は季節的に非常に毎年毎年失業者のふえる月ではございますが、しかし一方におきまして、最近完全失業者が、昨年に比べまして前年同月比で見て減る傾向が出てきているわけでございまして、そういう意味で、五十四年三月末の失業者数というものを推計するのが非常にむずかしい現在状況にあるわけでございます。そういう意味で、従来の前年同月比の数でまいりますと、昨年あたりはずっと十数万台前年よりも高いという傾向を続けてきておりましたが、ここのところ、一月は前年同月比一万増、それで二月になって急に十五万減というふうな、非常に極端な形での数字が出ておりますので、そういう意味で三月の数字というのは非常に推計がむずかしい。そういう意味でこういう公の場で断言的なことを申し上げるのはひとつ差し控えさしていただきたい。ただ申し上げられるのは、従来の水準に比べて、前年同月比で見て十数万増というふうなことにはならないんじゃなかろうかと、こういうふうに考え、また期待もしているわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 数として何万名になりますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 五十三年度全体として、年平均で百三十万という数字を政府の統一的な物の見方としているわけでございますが、この数字自体について現在のところいろいろ検討すべき事態も出ておりますけれども、まだ変更していないという状況でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 常用労働者がふえたということで、労働省が、この間四月の十六日の毎日新聞によれば、昭和五十年と五十三年の対比をしておるんですが、そのうち従業員千人以上の規模の大企業では、八割近くは新規学卒や系列企業からの出向受け入れ、逆に三百人未満の中小企業では七、八割、または三十人未満の方々の零細企業では九割をいわゆる中途採用によって賄っておると、こういうことであり、臨時雇用、パート、日雇いなど不完全就業者または季節労務者、零細家内労働者などを合わしてどのような数になっておるのか、数字的にお知らせを願いたい。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 季節労働者につきましては、定義によってかなり幅があるわけでございますが、労働省の調査で申し上げますと、五十三年六月の調査で、五十二年の出かせぎ労働者の数を調査したものでございますが、これによりますと、三十三万三千人という数になっておりまして、ピーク時の四十七年の五十四万九千から毎年かなりだんだんと減っているという状況でございます。  それから、家内労働者でございますが、これは私どもの局ではなくて、労働基準局の方で調査をしたものによりますと、家内労働に従事する方の数は、五十三年十月で百四十五万というふうになっております。なお、家内労働者そのものの数は百三十四万という数でございまして、この数も減る傾向にございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 この結果は、賃金や雇用構造が悪くなったり、雇用の不安がかなり長期的に改善されないのではないかと心配するのでありますが、いかがでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 御指摘のように、雇用の伸びているのが中小零細のところ、あるいは三次産業関係であるということから、従来の考え方でいきますと、非常に労働条件の悪いところで労働者数が伸びているのじゃないかという心配を持つわけでございますが、しかし、たとえば賃金構造基本統計調査その他の調査によりますと、確かに五十一年ぐらいまでは、たとえば規模別に見た賃金の格差等が開く傾向がございましたが、五十二年の賃金構造基本統計調査によりますと、それがまた持ち直して格差が縮まるというふうな傾向も出てきているわけでございます。で、また、それぞれの就業している先につきましては、率直に申しまして三次産業関係の詳しい実態がわかる調査がないという点で、今後その辺の調査を充実しなければならぬと思っておりますが、私どもの把握できるいろいろな角度でやってみますと、比較的従来のいわば労働力が非常に過剰ぎみに就業していた伝統的な卸、小売というふうな面のふえ方も若干ございますけれども、それよりもいわば対事業所サービスとか、あるいは教育福祉関係とか、そういうふうなやや近代的な形での雇用の方が伸びているというふうな状況もあるわけでございます。そういう意味で、一概に現在の雇用構造というものが非常に悪化の方にいっているというふうにも断言できないわけでございますが、しかし、先ほど申しましたように、たとえば業種なり職種なりの伸びているところと、その辺の賃金の実態とかその他の労働条件の実態とのリンクした統計がなかなか手に入らないというふうなことで、私どももそういう点についての今後調査を十分やって、それぞれの調査結果に基づいて、それぞれのたとえば近代的なところが伸びているのであるならば、そういう点について対応した訓練なり紹介なりの体制を考えるべきでございますし、それから非常に問題のあるところでございますれば、そういう点についての労働条件対策等についてやはり必要な措置を考えていくべきじゃなかろうかと、こういうふうに考えているわけであります。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 生産水準が昭和五十年と五十三年を比べると、労働省の統計でも一・五倍に上がっておると、こういうふうな状態の中で、いわゆるその労働者の増加の部分については、臨時、パートタイマー雇用ないしは残業時間の増加に負うところが大きく、労働者総数は四・一%、うち常用が五・二%の減で、増加は食品などの四業種にすぎないと、こう言われるような状態を一日も早く脱却しなきゃならない。これはもう答弁を必要といたしませんが、いま生産水準は一・五倍も上がる、減量経営も度が過ぎる、こういうふうに考えるのでありますが、とにかくこれはまあ日本政府と資本家がぐるになってやっておることでありますからどうせ直りはしませんでしょうが、ひとつ気をつけてほしいと思います。  それから次のことですが、本年一月に示されました新経済社会七カ年計画の基本構想によるものでございますが、平均五・五から六%の実質経済成長を目指しておると書かれておりますが、完全失業者を二%——先ほど目黒委員から一・二%ないし一・三%までの間が平常ではないか、それを一・七%までにとかと言っておるが、そのときには完全失業者を二%以下に抑え、特に世帯主の失業率の低下に努めるということで大臣がおっしゃっているようですが、計画自身の推移と、これからそれをどのようなプロセスでやっていかれるのか、大臣からお答えを願いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) とりあえず私からお答えいたします。  今度の新経済社会七カ年計画におきましても、雇用問題と、それから物価の安定ということがいろいろな政策目的の中でも最重要課題の一つとされているわけでございます。そういう観点で、政策上の目安としまして完全失業率を一・七%以下にし、先生御指摘のように世帯主の失業率についてはそれよりももっと抑えていこうじゃないかと、こういうふうなことを政策の目安といたしているわけでございます。  そのプロセスにつきましては、現状においてなかなか雇用失業情勢厳しいものがございますし、当然計画の前半期におきましては、その経済的な意味での需給の大きなギャップを抱えている業種等もございますので、そういう意味で、この計画の期間の前半におきまして、物価の動向に十分配慮をしながらも、雇用及び経済的な需給のギャップの改善に重点を置いた経済運営を行う、これによりまして計画期間の後半において経済的な需給ギャップが縮小する、そういう過程で雇用情勢の改善にも具体的に結びつけていこうじゃないか、そういうやり方によりまして、さっき申しましたような非常に雇用情勢のむずかしい中で一・七%以下、それから世帯主の失業率についてはもうちょっと抑えていこうじゃないかと、こういう目安の実現をぜひやってまいりたいと、こう思っておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 労働省が検討中の第四次雇用対策基本計画は、当然インフレなき完全雇用の達成を求めておるものだと思いますが、これは大臣いかがですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 現在雇用審議会で検討中の問題でございますので、私からお答えを申し上げます。  第四次雇用対策基本計画が、いま申しましたように現在検討中のものでございますから、その内容を詳しく申し上げるという段階にないわけでございますが、しかし、当然その基本的な性格は、先生御指摘のように、インフレを起こすことのないようにしながら完全雇用状態に持っていくためのそういう目標の設定と、それから、それの実現のためのいろいろな諸施策について総合的に御検討をいただくということが基本であろうというふうに思っておるわけでございます。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) いま政府委員からいろいろお話がありましたけれども、基本的には計画は計画としてこれはつくらなきゃならぬ。しかし問題は、その計画がいつも達成されないと、あるいは計画よりもさらによくするという努力が必要ではないかと思うんです。そういう意味では、われわれといたしましては、諸施策を総合的に有機的に推進する行政をしっかりやらなければならぬと、こう考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは、どのような具体策を検討しているのかということについてはただいまのところ言えないと。それと、いま大臣が言明されましたけれども、それだけではなくて、今日の雇用政策では、構造的に雇用不安を解消する方向に向けてやらなければ、これだけではだめだと、こういうふうに御返答があったと理解してよろしゅうございますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) さようでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 政府の言う雇用問題とは、国内的というよりも、企業規模的または業種別に限っておるんではないかと考えられます。国際的な視野でとらえた場合何が問題であり、中期、長期にわたる問題あるいは緊急対策には労働省としては今日どんな問題を抱えておりますか、政策の問題でありますが。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 最近、国際経済の動向とわが国経済との関連がますます密接化しておりまして、したがいまして、先生御指摘のように国際経済の動きがいろいろ雇用問題に影響力を持っているわけでございます。そこで私どもは、中長期的な問題としましては、やはり基本的には国際経済と調和するような産業構造を実現していくということが基本ではなかろうか。そういう意味で、産業所管官庁と密接な連携をとりながら、今後の産業構造の変化、これをできるだけ早く明確な見通しを持ちまして、それに対応した雇用対策の充実を図っていく。また逆に、その雇用問題において問題がある面につきましては、産業構造の構造政策について反映をしていくというふうなことが必要であろうというふうに思っているわけでございます。それから一方、短期的には、たとえば輸入の増大とか、あるいは二百海里規制の問題とか、いろいろな意味での影響を受けつつあるわけでございまして、そういう意味で、そういう点の雇用問題につきましては、まず当該業種の所管官庁と密接に連携をとりまして、産業政策自体としての対策をとっていただくと同時に、先生も御案内の安定資金制度とか、特定不況業種あるいは特定不況地域に対する特例法なり、あるいは転換給付制度など、そういういろんなものを総合的に活用しまして失業の防止あるいは離職者の再就職の促進に努めてまいりたいと、こう思っているわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 まあそのぐらいの程度だと思いまして、実は緊急の問題として、問題がありますところのいわゆるガット、東京ラウンドにかかわる政府調達物資の問題ですが、特に電電公社の資材調達が、御承知のように二十億ドルというのですから四千億円アメリカから買わないといけないと、こういうことで、七十億ドルのうちの三分の一の負担をすることになっておるようでありますが、大体貿易の不均衡ということを一つの種にしてアメリカは何をねらっておるか、それで、そういうことについて労働省は日本の労働界のいわゆる状態はどのように把握されておるか、まずお聞きをしたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) この貿易関係その他の問題が、雇用に与える影響というのはいろんな側面にあるわけでございます。先進資本主義国との間にもございますし、発展途上国との間にもまたわれわれとしてはいろんな関連の問題があるわけでございます。そういう意味で、やはり基本は公正な秩序のもとで自由な貿易のあり方、あるいは資本の自由化というふうなものが基本であって、それに対応して、それぞれの国が国際協力のできる形での産業構造に進んでいくということが一番基本であるかと思われるわけであります。そのことから伴って起こる個別の雇用問題等につきましては、それぞれの実情に対応した対策をとっていくというふうな基本的な考え方で、産業官庁とも連携をとっている次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 わかりました。  きょうは外務省が来ておられますが、この問園田外務大臣が行かれて、本体部門を含めて開放するということについて同意をしたと言われています。本体部門とは何でありますか、まずお伺いします。

羽澄光彦外務省経済局次長

○政府委員(羽澄光彦君) お答えいたします。  園田外務大臣が訪米されましたときには、この政府調達の問題を含めまして、東京ラウンドとか、日米間の経済摩擦と言われております問題については交渉しないという前提で行かれまして、向こうがどの程度のことを考えておるかというような点について種々大臣として感触を持たれたと思いますけれども、結局交渉はされてこなかったと、したがって、本体を含めて開放するというような話はしてこなかったものと了承しております。また、その後のことでございますけれども、大臣が帰られましてから、特に今週の初めからでございますが、東郷大使と先方ストラウス代表とのまに、この政府調達の問題を含めまして話が行われたわけでございますけれども、今回の交渉においてはついに最終的な妥結には達することができなかったというのが現状でございます。と申しますのは、技術的にもいろいろむずかしい問題がございまして、漠然とした形で解決してあいまいな点を残すよりも、これからはもうちょっと技術的な側面についてさらに詳細を詰める方が適当であろうと、こういうことになったわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 素人が言うことについては余り納得できないことがあります。と申しますのは、通信機、コンピューターの業界の人ならだれでも言うんですが、今日のIBMの問題がございます。カーター政権には、御承知のようにバンス国務長官、ブラウン国防長官、ベル司法長官、ハリス住宅都市開発長官と、四人の高官を送り込んで、日本の国に対してコンピューターネットワークを売り込もうとしておる。いわゆる量ではない、質である。御承知のように、ビットというのは百七十九字一秒間に送れることであることは御承知のとおり。こういうような、スパイまがいのCIAを使う、またはユーロネットワーク、この間本会議で総理大臣に言うたけど、アーウーぐらいしか答えてくれなかったけれども、そういうように、ECですら大変だと、ECの国とわが国との間でも意見を一致さして、そういうことは開放しない、お互いに開放しないということになっておる。にもかかわらず、アメリカの餓鬼だけというか、アメリカだけがなぜこういうような、日本の神経を全部盗み取ろうとするのか、まず外務省はそれを知ってやっておるのかどうか、こういうものは、言うたら自分の脳髄をとられるようなもんですから、システムですから。それについてきりきりと返答してください。

羽澄光彦外務省経済局次長

○政府委員(羽澄光彦君) まず、この通信問題に関しましては、これが中枢であると、それできわめて重要であるということは十分外務省としても認識した上でやっておると申し上げることができるかと思います。また、ECとの関係でございますけれども、これは国際ラウンドの一環として交渉しておりますために、いまの段階を申しますと、まずコードができまして、そのコードをECはどこまで適用するとか、日本はどこまで適用する、アメリカはどこまで適用するということで、まず各国が、オファーと言っておりますけれども、ここまでというようなところを出したことがございます。その以後、日米間で御存じのようにこの問題が特に詰められまして、先ほどちょっと申しましたように、今回の今週初めから始まりました交渉では妥結に至らなかったわけでございますけれども、日本とEC問ではこれを解決——まあ何といいますか、開放しないとか、そんなような話は現在までにございませんで、交渉の進め方としましては、日本とアメリカとの話がつくと、それに基づいて日・EC間とか、その他政府調達のコードに参加する国との関係が調整されるという段取りになるはずでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 だから、素人をだまそうとするんですが、私素人と違うんですよ。EC間ではそんなことはどこの国もやっていませんよ。そんなもの。ECといって一つの経済圏でやろうかという国ですらそれだけはやらない、こう言っておるのに、なぜ日本の国に要求しますか。この間イギリスに行きましたけれども、何もECの域内ではやらないと決めておる、アメリカも要求しないと言っておる、白人同士は。われわれ有色人種に対して差別をするのか、支配をするのか、ベトナムで戦争し、朝鮮で戦争し、人殺しばっかりしてきたアメリカは、もう一度日本の国を自分らの配下にしようとしておる。こんなのにぺこぺこぺこぺこと、総理大臣になりました、どうぞよろしく。ちょうど昔の琉球の王様が、中国や島津藩や江戸に、いわばお礼に来よるような形で、これから二、三日たったら大平が行くそうでありますが、そんなことは真っ平御免だと思うんですが、外務省いかがですか。

羽澄光彦外務省経済局次長

○政府委員(羽澄光彦君) いま先生がおっしゃいましたとおりに、ECが政府調達の適用体としてこの部門を開放していないとおっしゃるのはまことにそのとおりでございます。またアメリカは、それが民営であるということによりまして政府調達になじまないという理由をもちまして言っておらないことも事実でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 アメリカは、いわゆる特定のウエスチングハウスといいますか、あのエレクトロニクスをつくっておる会社が九五%やっておるんですから。それは民営だから、官営じゃなくて。実際上彼らはいわゆる随意契約でやっておる、国内は。日本の国だけに競争させようというのは、真に言えばDEXを中心とする、データ通信を中心とするコンピューターを日本の国に入れるための巨大なガリバー企業が日本を支配するための手段だということだけ指摘をし、日本の外交を守ろうと思えば日本の情報通信を守ってもらいたい、外務省に対してはそれだけ要請しておきます。それ以上ありません。  そこで、労働省ですが、本問題の本質について多くの問題を含んでおるんですが、情報通信産業、電電公社、KDD等と、通信建設会社あるいは通信機器、通信機械、器材関係の関連労働者はどのくらいおられると判断されていますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生のお尋ねに明確にお答えできるような数字になるかどうかわかりませんが、五十一年の工業統計から通産省にお調べいただいたものによりますと、通信機械器具、同関連機械器具製造業の従業員の数につきましては、三十万三千七百というふうに聞いております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 その場合、日本電信電話公社が昭和五十二年度に発注した金額は六千二百六十五億円だと言われておるうち、通信機械が三千五百億円程度だそうです。そういうことで、従業員の数でありますけれども、通信機器が百五十社、通信電線電材が百社、通信建設会社が七十社、合計三百二十社で、ざっといま言われた三十万だと言われております。そうすると、それに電電公社の職員が三十二万おりますから、これについての人員は大体六十万から六十三万ぐらいの割合のものだと考えるわけです。これについて、先ほど申しましたように一貫的な作業であるために、外国の方から物を入れてくる場合に一番打撃をこうむるのは小さい零細の企業がやられるということになる。これについては昨日の大平総理大臣の答弁では、そのようなことが起こらないように政府の責任で政治的な判断でやるんだから全部責任を持ちたいと、こう言っておりましたが、それは御承知しておりますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 新聞の記事等で拝見いたしておりますが、まだ具体的な御指示等をいただいておるわけではございません。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 アメリカは、何が何でも開放してくれと言っておるかどうかわかりませんが、門戸を開放するとすれば当然労働者に影響を及ぼすと思いますが、その点は局長どう思いますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 通信機器等を導入することによって影響が出るということは、一般論としてはおっしゃるとおりでございますが、ただ現在、先生も御案内のように、米国と交渉を重ねているところでございますので、関連業界や雇用問題にどの程度の影響が出てくるかという点につきましては、現時点ではとてもこれを推計するなり何なりというふうな段階ではないわけでございます。そういう意味で、御指摘の問題につきましては今後関係省庁と密接に連携をとりながら、交渉の推移をよく関心を持ってフォローしてまいりたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 政府は十万人の雇用をつくり上げることだけでも大変手柄のように言っているんでしょう、ひな壇から演説せざるを得ないときに。六十万人の方々のうち——製造業ですよ、これ。開放して、いわゆる三割なり四割をアメリカからいただくということになれば、すぐにそこでいわゆる十万なり八万なりの人たちが失業することになる、雇用不安になるということになる。雇用問題とするならば、この問題については明確によく検討してもらいたい、労働省側がもう少し労働省側として。私は日本の神経である通信情報をアメリカのIBM、GEなどに渡すべきではないという、これは国防上の立場です、国家防衛上の立場ですね。どこの国が外国の通信機器に頼るばかがおるかと、こう思いますが、そのばかがおるんですから。開放に行って、うろうろストラウスとかウスラウスとかいうおじさんとで、園田さん会うたとか会わぬとか、ユスラウメというのは聞いたけれども、ストラウスとか、ストライプだったらわかるけれども、どうも向こうの直球が強くてこちらがノックアウトされそうでありますから、そういうことについて労働者に影響があることであるから、労働省としてはこれについてきちんとした態度をとっていただけますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 片山さんのお気持ちはよくわかります。しかし、いま世界の中で日本がそれぞれ平和と安全を保っていくということでございますので、いろいろ当方とすると理に合わない、はなはだけしからぬと思うようなこともあるわけでございますけれども、そこら辺は相対的にやはり調整をしていかなければならないというところに非常に苦しさがあるわけでございます。しかし同時に、この問題につきましては、私もまだ総理から直接聞いておりませんが、新聞紙上によりますと、いま御指摘のありましたとおり、国内的には影響のないように善処をするというお話でございまするし、またそういう方向で行くのが政治の当然の姿であろうと思います。そういう意味で、今後これは関係閣僚の間におきましていろいろ協議をいたしまして、雇用面につきましても私は労働大臣という立場から主張すべきは主張し、それを実現に向かって邁進をしていきたいと、こう考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 当該産業労働者にとって死活の問題だというだけでなくて、いわゆる労働省は、いま大臣がおっしゃったように日本の国の主体性を貫いていただく。特に情報通信という場合、大変非常に重要な問題でありますから、ほかのものの売り買いとは違う、異質のものだ、脳みそのようなものだ、神経だと。自分の神経をよその神経に頼むということはしない。素人はわかりませんですが、システムということになっていまして、部分品を買うということにならない、全部買いかえになってしまう。一つの品物を買うならばほかのものを全部かえなきやならぬ。富士通の品物なら品物、松下なら松下、日立なら日立ということになったらそれでなってしまって、いまいろいろと問題があるように、私はアメリカが今度参入してくるのは、やはり三千五百万の加入電話を持つこのマイクロウェーブ、同軸ケーブルを完備した、至れり尽くせり、全国即時自動化された、ダイヤル化されたところに、いわゆるデータ通信網というものをアメリカが持ちたい、それを支配する。日本アイ・ビー・エムであるかどっか知らぬけれども、そうすることについては国益上通信の基本的な立場から認めないという立場でありますから、これ以上追及いたしませんけれども、いわゆる売れるものと売れぬものとがありますけれども、通信だけは売れない。われわれのいわゆるプライバシーを中心とし、国益を中心としてみてもそうであります。アメリカが欲しいのは何もほかのものじゃなくて、いわゆるコンピューターなり電子交換機というものであって、ほかの雑品ですね、単なる電話の受話器などを売ろうという気はない。ですから断られましたでしょう。断ったのは、もともと、先ほどのIBMの会社の餓鬼が四人もアメリカ政府の高官に入ってきておるんですから、カーター政権は四人の閣僚に取り囲まれていますから、カーターが来年選挙ができるかできないか、どこから金もらうかについて大変でございましょうが、負けて帰ってもらったら困る。もうたくさんです。そういうようなことを申し上げます。  今日、そういうようなことでありますから、栗原大臣は大平さんを非常に尊重して、うちのおとうは石橋をたたいても渡らぬ性格、きちんと情勢を見きわめて近日中にもこれで行きましょうというようになりましょうなどと、この間も新聞で書いておったんでありますから、ひとつあなたはおとうというほど仲がいい大平さんのことです。大平さんを私は誠実な人だと思うから、日本の国民のいわゆる心を裏切らないようにしてもらいたい。ほかのことは別であります。塩をなめても、飯が少し足りなくても、情報だけはいわゆる敵に売らないように——敵という言葉は適当じゃありません。わが国が独立するようにしてもらいたい。いまの言葉は取り消します。  そこで、本来のことですが、雇用政策の確立は経営政策に従属するものとしての過去の発想をやめて、まず雇用政策があって経済を考えるというように、考え方を逆に変えていただきたいと思いますが、大臣のお気持ちはいかがでしょう。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 経済政策、産業政策、雇用政策、言葉としてはいろいろございますけれども、従来はやはり経済政策とか産業政策の方が優先をしておって、雇用政策の方がおくれておったんじゃないかという感じを私は受けます。したがいまして、いまの段階になりますと、経済政策の、経済のいろいろの変化に伴いまして労働政策が後追いをしておったというような感じがいたします。しかし、それではいけないということで、政府におきましても雇用問題を非常に重要視しておりまするし、今後ますます雇用問題の重要性を強調するとともに、経済政策、産業政策とよく連絡をとりまして進めていきたいと、こう考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私は、いままではやはり日本の経済を大きくすることによって雇用を安定させたいと考えてきたと思うけれども、一億四千万人にたる、静止人口を迎えるまでの間に高齢者社会がありますから、相当の考え方、雇用とは何か、賃金とは何か、こういうことについてのいわゆる抜本的なものが必要だと考える。いままでの古い人は、どうも学者同士ですが、集めて、ケロケロと審議会やっていますが、聞いておったらもう居眠りするような話をしますね。まあ社会保障制度審議会に出さしてもらっていますが、なるほどなるほどと感心するよりも、もうなかなか、明治時作にお生まれになっておるのか知らぬけれども、悠々たる話です。こんなことでなしに、もう少しきびきびとした形でやってもらいたい。その審議会の会員、皆さんの大先生でありますから、その人についてけちをつける意思はありませんけれども、われわれは、基本的には雇用を優先をさせるということは、そのために年金の問題、医療の問題、教育の問題というように広がっていく。いかに雇用政策を立てるかということが日本の経済をそれではどう発展させるかということだ、もうこれ以上日本経済をどう発展させるのかということの方に重点を置かないようにしてもらう、これについて意見の一致を見たものとして一方的に考えておきます。あなたが反対と言っても私の方そう思っています。そういうことで次に移ります。  そこで、雇用制度、雇用創出機構の設置が野党を含めて関係団体からも出されておるんですが、やはりこういう機会に国民の総意を、特に労働者の意見を十分に反映してもらって、学者でなければ人にあらずとか、役人でなければ人にあらずとか、閣僚にあらずば、国会議員であらずばとかいうような感じのあるようなんじゃなくて、公労使政の四者で機構をつくってもらって必要な強制力を持つようにしてもらう。そうして、やはり年金の拠出ができるような形、保険料の支払えるような状態、そして適切ないわゆる文化的な生活が営める標準的な年金とかがいただけるような状態に努力してもらいたい。そのためにはどうしても、政府は賛成をしていませんけれども、あなたの方から言い出すべきではないか。むしろ雇用創出機構という、これは民社党の方も言っておられるし、われわれも言っておるんですが、いろいろと意見が違っておってもいいから、とりあえずそのことについて踏み切っていく、やろうじゃないかという土俵をつくっていく。パンクしたら仕方がありませんけれども、パンクしないうちから、そうやってもだめだ——そのときに使用者も入るだけじゃなくて政府も入ってもらう。もう一遍国会で議論をしなくても、大体国会にくれば万歳、それはよろしいと、こうなるような議論にならないか、大臣の御答弁をいただきたい。だめですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、これだけ雇用問題が重要になり、またむずかしい段階になりますと、雇用問題につきまして各界の知恵を結集していろいろ対処していくということが必要でございます。そういう意味で、まあ五十四年度におきまして雇用問題政策会議というようなものを私ども提唱しまして、これにつきましても労使の方からその運用についてのいろんな御希望がございまして、そういう御意見も反映しながらこの政策会議を運営してまいりたいというふうに思っているわけでございます。そのほか地方に、これはまあ先生から先ほど御指摘ございましたように、野党の方からの御要望に対応する形で、地方に雇用開発委員会というようなものを設けていくことになっておるわけでございますが、そういう点につきましても、いま御指摘のような運用によりまして、できるだけ創意工夫、各界の知恵を結集する形で雇用問題に対処してまいりたいと思っておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 先日社会労働委員会が派遣をされました視察の報告を聞きました。特定不況地域指定については、昨年制定の際、委員会で弾力的に運用を行って不況地域の離職者を救済するよう指摘をし、藤井前労働大臣から、運用面において生かすよう最善の努力をするとお答えをいただきました。  そこで、その派遣の報告の中に、阿南市の場合、自治省の特定不況地域振興総合対策実施方針に基づくところの特定不況地域には指定されておりまして不況地帯のわけですが、離職者法の不況地域には指定されていない。私は離職者法の指定する基準が現実に合わないからだと思います。指定基準を改めて、七十カ所程度にふやし阿南市など当然入るべきだと考えるんですが、通産省とも協議をされる用意を持っていただきたいと思います。と申しますのは、自治省の指定をしたのと政策的なバランスをとっていただき、共同して地域振興をやってもらいたい、こういう考えでありますが、大臣いかがでしょう。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 具体的な問題でございますので、政府委員から答弁をさせます。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 特定不況地域につきましては、まず中核どなる市町村について、特定不況地域中小企業対策臨時措置法に基づきまして、事業活動と雇用に関する状況を勘案しまして、通産省と労働省が共同して指定をするということになっているわけでございます。この場合、事業活動に関する状況につきましては、特定事業所の工業出荷額が当該市町村のおおむね三分の一以上であるということを要件としているわけでございます。御指摘の徳島県の阿南市につきましては、特定事業所の工業出荷額が、通産省の方から伺いますと、当該市の出荷額に占めるウエートが、工業出荷額でございますが約一三%ということで、かなり基準から見てかけ離れているわけでございます〇一方、雇用関係の指標につきましてはおおむね基準に該当する水準に近いわけでございますが、ただ昨年の八月には月間の有効求人倍率が〇・二六倍であったものが、最近これが急速に改善の方向に向かいまして、〇・四四倍になっているというふうな状況でございまして、そういう意味で、現状においてここを指定するというのはなかなか困難ではないかというふうに思っておりますけれども、今後の推移を見ながら検討さしていただきたい、通産省とも密接に連携をとりたいと思っております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 最後に中高年齢者対策についてですが、五十歳代の労働人口は、このまま推移していきまして昭和六十年では幾らになるか、こういうことについてまずお伺いしたい。  五十五歳定年制の現状はどうなっているか、これは二つ目です。大臣は、去る一月三十一日本院本会議の私の代表質問に対し、当面六十歳定年を一般化したいという答弁がございました。こういうことを考えてみますと、われわれはこれからの方針を決めるに当たって、先ほどの二つの質問と、その六十歳定年を目指すといいますか、その中間値をことしはどのぐらいとられますか、お答えを願いたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) まず、私から六十歳定年の問題について私の考え方を申し上げます。  昭和六十年までに六十歳定年ができるようにもうできるだけがんばりたい、六十年をめどに六十歳定年をぜひやりたいという気持ちは変わりございません。なお、厚生省の方から年金の受給資格の引き上げ等の問題も協議してまいっておりますので、高年齢社会に対しまして、年金とのリンクの問題もございますので、定年延長につきましては積極的にやっていきたい。詳細といいますか、残余の問題につきましては政府委員から答弁をいたさせます。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 六十年の五十歳代の方の労働力人口の見通しについてのお尋ねがございました。これにつきましては、現在策定中の新経済社会七カ年計画の基本構想の中で、今後昭和六十年までの間に五十歳代の労働力人口が二百六十万人前後増加する、一挙に中高年化が進むというふうに見通しているわけでございます。したがって、その昭和六十年におきます五十歳代の労働力人口は千百万人前後になるというふうに見込まれるわけでございます。  それから次に、定年の現状等についてのお尋ねがございましたが、労働省の雇用管理調査によりますと、定年年齢を一律に決めております企業の中で、五十五歳定年というものがかつては代表的な、日本の定年というのは五十五歳だと言われるぐらいでございましたが、その割合は年々減少しておりまして、十年前の四十三年に約六三%であったものが、最近では、これは五十三年の数字でございますけれども、約四一%ということで、二二ポイントほど低下をこの十年間の間にいたしております。変わりまして、六十歳以上の定年の企業でございますけれども、これは漸次増加の傾向にありまして、十年前には約二二%であったものが、最近では約三九%というふうに一七ポイントほどふえているわけでございます。こういうことで、長期的に見ましても定年はかなり着実に伸びておりますし、それから不況下におきましても、延長のテンポが若干鈍りかつ延長の幅が高度成長の過程では一挙に五十五から六十へ持っていくというふうな形であったものが、最近は一年とか二年という短い延長の幅になってきているというふうな点はございますけれども、いずれにしましても定年延長が進んでいるというふうな状況でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 終わります。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩をいたします。    正午休憩      —————・—————    午後一時十分開会

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  午前に引き続き、労働問題に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私は、きょうは労働大臣の前回の所信表明に対する一般であります。持ち時間が五十分でもありますし、それからすでに私の先輩委員が二人質問をされましたので、いわば三番手ということですから少し細かい中身のことのお聞きをお許しを願いたいと思います。  それからいま一つは、質問の通告を本当ならきのうしなきやならなかったんですが、きのうの朝までストライキ回避のためにお互いに努力して徹夜しておりましたもので、質問の通告がけさになりました点もおわびをしておきたいと思います。  そういう点で、まず、大臣の所信表明の中で、雇用問題の解決は国政の最大の課題となっておると、そしてそれに自分も全力を挙げたいと、こういうことで、雇用問題については、これは予算委員会の集中質疑さらにきょうも二人の先輩委員からいろいろ質問をされました。そのときに一番問題になりますのは、一つは積極的な雇用のつくり出しと、こういうことですね。たとえば十万人雇用と、そのほかにやや中長期になるかもわかりませんが、積極的雇用つくり出しの一つの重要な課題として、時間短縮や週休二日制あるいは年休の完全実施、あるいは中高年齢層雇用のための定年延長問題等々があるわけです。これについてもかなりいままでやりとりがされております。ところが、一番与党と野党との意見が分かれるところは、私ども野党としては、こういう問題は労使だけに任しておっても現実片づかないと、だから、場合によれば必要な立法措置をという議論はいつも展開される。そうしますと大臣はこれを受けて、いやそれはやはり労使問題だから行政でやりたいと、行政指導の強化でやりたいと、こういうやりとりで、そこですれ違って終わっているわけです、いつも。これはどの委員会の議事録を見ましても、野党側からは、たとえば解雇制限法であるとか、もしくは週休二日制なり時間短縮についても基準法の改正をやったらどうかとか、定年延長等についても、アメリカにおけるところの法律等ならってどうだと、こう言うと、いやそれは労使問題だからということで大臣は逃げられて、行政と、こうなるわけですね。ところがそれから先がなかなかです。  そこで、私は非常に今度の大臣になって意欲的だと思いましたのは、こういうことを言われているんです。私が大臣になりましたから強くいままでの行政指導を見直してみたらどうかと、だから、いままでの労働省の行政指導でやってきたことをもう一遍この際見直すと、そして、本当に労働省としても行政指導をしたと思い切って皆さんから言っていただけるようにわれわれはがんばりますと、こう答えている。非常に結構なことです。  そこで、まず大臣に質問したいのは、行政指導について見直しをされた結果、どことどこに問題があったのか、それを今度はあなたは積極的にみんなからなるほどと、いわゆる行政指導を思い切ってしたなと皆さんが言われるほど私はがんばりますと言われた、そのがんばることは何と何と何だと。いま申し上げたことについて、いわゆるこの時間短縮、週休二日、年休完全消化、定年延長、こういう問題について行政でやると。じゃ、いままでの行政は見直したらどこに欠陥があったとか、もしくは、欠陥とまで言わなければどこに不十分さがあったと、だから私の代では行政としてこれらの問題については具体的にこうやりますという、その法律というところではもうすれ違いの論議になりますから、あなたの見直した結果の行政指導は、これらの問題を具体的にどうしようとされているのか、そのことについてお聞かせ願いたい。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私が国会の場でただいま御指摘のように申し上げたことは事実でございますし、いまもその気持ちは変わっておりません。ただ、もう完全に全部見直しちゃったかといいますと、これは見直しておると、見直しつつあるというところでございまして、別にそのときに答弁して、今日までに全部見直しちゃったというようなものではございません。これはもう安恒さんもおわかりのとおり、見直すというてもこれは時間のかかることです。ただし、これはおくらせるという意味じゃなしに、早くやりたいと思いますけれども、いま見直しを始めると、あるいは始めつつあるというふうにお考えをいただきたいと思います。  なお、この際に、その具体的に見直しを始めた、あるいは見直しつつあるという具体的な問題につきましては、政府委員からそれぞれお答えをいたさせますけれども、基本的な考え方について申し上げますと、たとえば週休二日制などについても、ただ週休二日制、週休二日制と言ったって意味ないじやないかという御議論があるわけです。まさにそのとおりでございまして、週休二日制等はどこかからやはり割り切っていかなきゃならない。私はその場合に、やはり銀行といいますか、銀行が金融業務を土曜日には休むというようなところから入っていった方がいいんじゃないかと考えておりまして、政府におきましても銀行法の改正やっておりますけれども、私は銀行法の改正を早くするように大蔵大臣にも言っておりまするし、大蔵大臣もそういうつもりでいま準備をしております。銀行が済んだ後はどうするか、銀行が土曜日なら土曜日休むということになりますと、これは郵便局とか農協とか、そういう金融機関もこれは休むと、業務を休まざるを得ない。そうなってきますと、今度は郵便局が業務を休むということになりますと、官公庁が休むということの先鞭になるわけですね。一遍に快刀乱麻を断つがごとくびしっとやれるんならいいんでありますけれども、そういうことはいままでの経験からいたしまして、言うはやすく行うはかたい、徐々に進めていくと、そういうようなことが好ましいのじゃないかと考えております。そういう意味で、いま私どもは、たとえば週休二日制等の問題についてはそういう思想をこれから徹底さしたいというふうに考えております。  それから、定年制の延長の問題につきましても、御案内のとおり年功序列型の賃金体系、これを直さなければ進まないと、いままではどうも見ておりますと、使用者側の方もそういう問題を一つのエクスキューズといたしまして、だから定年制が延長できないんだと、こう言う。それから労働組合の方でも、最近大分違ってきておりましたけれども、いやいやその問題についてはできるだけこちらの方からは触れたくないという問題があったと思うんです。しかし、この高年齢化社会を迎えまして経営者の方も労働者側も、この問題を避けて通るというわけにいかぬのじゃないかと。したがいまして、私どもは、経営者側といいますか、財界の代表の人たちに対してそういうことを言うと同時に、労働界のナショナルセンターの人たちにもそういう話をしているんです。そしてぶっつけ合って、お互いにどっちが言い出すとか言い出さないじゃない、その問題についてこう口火をあけていこうじゃないかと、そういうコンセンサスを得るようにしなきやいかぬ。地域的、産業別にそういう推進会議をするだけでなしに、ナショナルセンターの段階でそういうことをすべきじゃないかと、そのために今後経営者側にも労働団体側にも強く呼びかけていくと、そういう基本姿勢のもとに、具体的にどうするかということをいま事務当局でいろいろ検討し、また行っているところでございます。ですからあとは事務当局から。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 事務当局がちょっと答える前に、大臣いまの答弁で、大臣は大平内閣になって大臣になられましてね、大臣がそうお答えになったのは、議事録はこれ三月の社労委員会でお答えになっているわけですね。ですから私は、完全に見直されたというのはどうかと思いますけれども、もうあなたが大臣になられまして、行政指導を見直すということなんだから、いま聞くと、何か見直しつつあるとか、これからだって、それじゃいわゆるその場限りの答弁になるんです。私はこれからはいろいろ皆さんにお聞きするときには、何年何月にどんな発言をされて、それにどう責任を持たれたかと、こういうことで聞くわけですから、きょうまた三月の段階と同じことでは困るわけです。少なくとも全部終わってなければ、見直した結果この問題とこの問題は不十分だったとか、これはやっぱりこういうふうにした方がいいと、しかしまだこれが残っておると、こうお答えになるなら私はわかるわけです。たとえば一つの例を言いますと、時間短縮の問題について大臣がいろんなことを言われますけれども、これはもうあなたの大臣になる前から、週休二日はどこから手をつけるかというのは与野党の中でかなり議論をして、まず銀行からということになっているんですよ、まず銀行からと。その次は官庁ということも、これはもう国会の場の議事録を見たら、あなたの前の大臣も皆答えているわけだ。そこで私たちは、じゃいつにするんだと、銀行をどうするんだと。だから、いま銀行法をやっていると、私は急ぐように言いましたと、これじゃいままでの大臣と同じなんですよ。そんなことを聞いて、はいそうですかと言っても、これもまたお粗末になる。私から言うなら、それなら、そこまであなたが言われるならば、少なくとも銀行法の改正は今年度やるならやるとかね、でなければ、きょう午前中の私の先輩の委員の質問のとおりに、どうもわが国というのは、経済は少しずつ上向いていますけれども、具体的に百万人台の失業者というのはなかなか克服できないわけですね。そうしますと、たとえば銀行法なら銀行法の改正については、もうやっぱりタイムリミットをつけてやっていくというところに、あなたがいままでの行政を見直して、さすが今度は労働省は行政指導としてもよくやったと言われるようにしたいと、こう言われているわけですから、そういうことの意味で、きょうは中身の答弁を求めておりますから、これから答えられる局長は、そういうふうに具体的に、何を大体いつごろをめどにしてやるんだということを言ってもらわないと、たとえばきょうも午前中ありましたように、定年延長なんかは、六十歳になることについて六十年をめどにしてやっているとおっしゃいました。それならば達成をどういう年次で、いま五十五年ですから、どこからどういうふうにしていくということをある程度具体計画を明らかにしてもらって、そしてそのことについてわれわれ国会はさらにそれを検証を深めていくと、そうすれば具体的に問題が進んでいくと思う。でなければ、いつもの一般的な抽象論的なやりとりを幾ら政府当局と私たち野党側がやっておっても余り前進がないと思うんです。そういう意味で、私はきょう、かなりあなたがいままでの行政をこの際思い切って見直して、そして今度は国民からもほめられるような行政指導をしたいと、こう意欲的に答えられているし、それからもうすでに一カ月以上たっていますから、かなりぼくは見直しをされただろうと、こう思って聞いているわけです。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 御希望に沿うようなスピードでないことを本当に遺憾に思います。ただ私は、自分の言葉には責任を持ちたいと思いまして、すでに国会答弁をベースにいたしまして、関係の農林省関係の諸団体を呼びまして具体的にいろいろ指示をして検討していると、そういうことでございまして、この問題をないがしろにしているわけじゃございません。ただ御希望に沿うようなスピードでいかないことは大変遺憾に思っておりますが、気持ちは、言いっ放しで済まそうということはございません。  なお、銀行法の問題につきましては、大蔵大臣も、私の聞くところでは、次の通常国会をめどに改正案を出したいということでございますので、その点もつけ加えておきます。あとは政府委員より。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 私から時間短縮、それから年次有給休暇の消化、それに大臣がお答えになりましたが、週休二日制の行政指導の推進状況につきましてお答えを申し上げたいと思いますが、もう御案内のとおり、これは労働基準審議会の建議並びに衆参両院の決議に基づきまして行政指導を強めていくということで私どもやっておるわけでございます。  その課題は、一つは過長な残業時間の削減でございます。それから第二が、年次有給休暇の消化を完全消化に向かって促進をしていく、それから週休二日制の普及促進ということの三点を当面の重点課題といたしております。これには、一般的にはまず労使並びに国民の理解、コンセンサスというものを深める必要がございます。中央段階におきましては、主な産業ごとに労使が同じテーブルについていただきまして、いわばその関連企業、未組織労働者も含めてのその産業における労働時間短縮、先ほど申し上げた三つの課題につきましてどのように進めていくかということを、労使が自主的に御協議をいただくということを一つやっております。さらに地方段階では、まだそれ以前に、企業経営者に非常に理解が不十分であるという点があろうかと思いますので、県に一般的には設けられております産業労働懇話会あるいは基準審議会ないし地方の経営者団体、業界等に、いろいろな機会を通じまして浸透を図っておるというようなことで現在進めておるわけでございます。  さらに、具体的に時間短縮の中身に入りますと、これは実は一つ過長な時間外労働の削減ということをとってみますと、労使が時間外労働協定をして初めて合法的に時間外労働ができるわけでございますが、これが非常に、何といいましょうか、天井が抜けていると申しますか、しり抜けになっていると申しますか、それ以前の時間外労働協定の締結の状況が、上限がどうも画されていないというような実態がございますので、これについては基準法の施行規則の一部改正をいたしまして、時間外労働協定の様式を改めて、労使が協定をする際に一定の期間において上限を画するということを内容とするように指導を強めるということの規則改正を、実は基準審議会の御答申をいただきまして今年の一月一日から始めております。さらに、交代制などにおきまして、予備要員のないような形で、交代明けにまた引き続き、有給休暇をとった者あるいは欠勤をしてしまった者の穴埋めをするというようなことで、非常に過長な労働時間になっているような場合がございます。これらについては予備員をできるだけ配置するようにというような指導を、現在集団的に、あるいはまた個別指導的に行うように進めております。  また、年次有給休暇の消化につきましても、これを妨げていることの一つに、年次有給休暇をとった場合には、それがたとえば精皆勤手当あるいはボーナスあるいは勤務成績というようなことの評定の場合欠勤扱いにする、あるいは何らかの不利益な取り扱いをするために年次休暇が非常にとりにくいというような実態が相当ありますので、これはやはり基準法にストレートに違反するかどうかはともかくとして、基準法の精神からいって好ましくないということで、この辺の指導も強めてまいっているところであります。まあ本年の一月から施行規則を改正して、実際に具体的な基準局段階あるいは基準監督署段階での指導を進めておりますので、現在はこれを一層徹底を期してまいりたいと、こういうことでございます。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 定年延長関係の行政指導の強化について御説明申し上げます。  従来の行政指導は、私どもは定年延長の必要件と、それからそれを実施する場合の条件ということについての関係者に対する理解を普及させる、これを中心にやってきたということでございまして、そういう意味で、先ほど御説明申しましたように、その指導の効果もあり、定年延長が現在まで着実に進んできているというふうには考えているわけでございます。しかし、これもまた先ほど申しましたように、不況下におきましてそのテンポが鈍っておりまして、一方高齢化が非常に急速に進むという状況で、このテンポではとても間に合わないという危機意識を私どもも持っているわけでございます。そこで、そういう点を考慮いたしまして、まあ先ほど先生からも御指摘ありましたように、昭和六十年に六十歳定年を一般化するというこの大目標を、今度の七カ年計画の中に入れていこうというのがまず第一点でございます。その場合に、単に七年後に六十歳定年ということであっては、その途中のプロセスにおきまして、いわばチェックの段階というものを置かないと、実効が上がらないままに年月が過ぎるということがあってはならぬと、こういう意味で、私どもは計画期間の前半におきまして、少なくとも五十八歳以上、つまり六十歳でできるところはもちろんやっていただくわけですけれども、それがなかなかむずかしい場合でも、五十八歳以上定年というものをまず一般化することを目標にしてやろうではなかろうかというふうな、計画をまずチェックするという体制をとってまいりたいということが一つでございます。  それから、先ほど大臣からもお話ございましたように、この定年の延長という問題は、その前提条件として賃金体系の問題、退職金の問題、人事管理の問題等々のいろんな問題と密接に関連しておるわけでございまして、そこを抜きにして進めていくことが非常に困難な情勢でございます。したがいまして、この点につきまして、まず労使についてのこの問題に関する理解を徹底させるほかに、どうしてもこれがネックになってすぐに定年延長ができないという場合には、一つのやり方として、まず再雇用制度でもってやっていただく。で、その結果ある程度固まったところでこれを定年延長に切りかえていただくというやり方の方が実効が上がる場合も現実に見ているわけでございます。そういう意味での、場合によっては二段方式というようなやり方も取り入れていこうじゃないかと、それによって先ほども申しましたように、何とか経過期間の前半に五十八歳以上ということをまず実現をし、残りの後半で六十歳まで持っていこうじゃないかというふうな考え方をとっておるわけであります。  それから、関係労使の理解理解といってもなかなか徹底しないじゃないかというふうな問題もあるわけでございます。そういう点につきまして、私どもは、幸いにことしの二月に関西の代表的な労使を網羅している、三百数社の労使が集まっておられる産業労使会議におきまして、六十歳までの雇用延長をまず早急にやろうじゃないかと、その場合に、前提条件になる先ほど申しました三つの問題につきまして、労使としては大体こういう方向で進もうじゃないかというふうな合議が行われたわけでございます。私どももこれは非常に参考になることでございますので、同様のコンセンサスづくりというものを各ブロックなり、あるいは県別なりにやっていただくようにやってまいりたい。そうしますと、この合意に参加をされた関係の企業のところはもちろんその線に沿って努力をしていただくということになりますし、また御協力もいただきやすいと思うわけでございますが、それのみならず、参加された方と同種の業界、あるいは関連の業界というところに、参加者のみならずこの問題についての理解を持っておられる方を通じまして、横へひとつそういう機運というものを、あるいはやり方というものを広げていただくということに御協力をいただいてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  さらに、中高年齢者につきましての雇用促進に関する特別措置法の中で、御案内の高齢者の雇用率達成のための計画の作成命令という制度がございますが、この計画の作成を、大企業で違反の幅の著しいところに対しまして、つまり雇用率の悪いところについて計画の作成を命ずるという制度をまず生かしてこいうじやないかと、その場合に、その計画を、単にいつまでに履行するということじゃなくて、その場合にどういうやり方で計画を達成するかという計画の達成手段まで書いていただくことになるわけでございますけれども、その場合に定年延長なり再雇用というものをひとつ計画達成の手段として強く働きかけていこうではないかというふうなことを考えているわけでございます。こういうことをもう少し円滑に行かせるためには、さらに助成措置を大幅に拡充することが必要であるということで、御案内のように五十四年度におきまして定年延長奨励金についての大幅拡充をし、さらに予算の審議に際する与野党問の合意に基づいて、これをまたさらに引き上げるというふうなことを現に検討しておるわけでございます。  それから、先ほど大臣からもお話ございましたように、賃金あるいは退職金、人事管理という問題になりますと、むしろ経営側が、積極的にこの問題に対する解決のための経営側の案というものを持たないということが、やはり問題が進むことをおくらせている大きな理由でございますので、そこで、たとえば昨年発足しました高年齢者雇用開発協会等におきまして、こういう定年延長する際の賃金、退職金、あるいは人事管理等についてのいろんな改善の事例を実践的に収集していただきまして、そういう角度から、経営側がこの問題について労働側に提案する案づくりというようなものをも積極的に進めていくというふうなことをこの協会を通じてやってもらう、あるいは日経連その他の経済団体を通じてやってもらうというふうなことを考えてまいりたいというふうに思っているわけでございます。  大体こういうことを総合的、並行的に関連させながら実施して、何とか先ほど申し上げましたような六十年に六十歳定年が一般化するという目標を達成してまいりたいと、こう思っておるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 もういままで国会で答弁したこととダブったことは答えなくていいから、わかっているからね。たとえば、いま二人の局長に聞きましたけれども、ほかの委員会なりわれわれの質問で答えたことと余り域出ていないんだ。私はそんなこときょう聞こうと思っていないんだから。それからさらに突っ込んだことを聞こうということで、たとえば基準局長が前段に言ったようなことは、そんなことはもうあなたじゃなくて、前の局長もその前の局長もいつも同じことを答えているんだ。問題はそういう状況の中で、具体的にどうしていくのかということをぼくは聞いている。  そこで、後段の方にある程度具体的なことを少し言われたから聞きますけれども、いわゆる一月一日から時間外労働の上限についてのあれを始めていると、こう言われていますね。これもこの前委員会で答えているんだよ。だからきょう聞きたいのは、それからすでにもう四月終わりになろうとしているから、具体的に調査したらそういうのがどれぐらいあるのか、それから、その通達が出た結果、具体的にどういう実効が上がっているのかと、問題はどこにあるのかと、そういうふうに答えてもらわないと、一月からそんなことを始めましたというのは、もうあなたたちは二月にほかの社労委員会で答えているんだよ。私はそれを承知の上で聞いているんだから。  それからいま一つ、これもお聞きしておきたいけれども、年次有給休暇をとったからといってボーナスが減らされたり精勤手当が減らされる、そんなばかなことない。しかしあなたは相当あると言った、わかったと。それじゃ相当あると言うんなら、調査した結果何社くらいあるのか、そういうそんなばかなことをしている会社が何社ぐらいあるのかと、それに対してあなたたちが、そういうことでは年次有給休暇はとれないからそんなことやめなさいと、こういう行政指導していると言うんだから、その指導した結果そういうばかな会社がどのぐらい減ったのかと、そういうことを私はきょう聞かしてもらいたい。そういうやっぱり議論を深めていかないと、前段の話はもう各委員会で、何もあなたじゃなくても前の局長でも答えた。しかし後段に二つ言われたから、それならそれで具体的にそういうところが何社ぐらいあって、われわれの指導の結果こういうふうにそれが改まりつつあると。それは全部一遍にはいきませんよ。しかし、そういうふうに委員会の中の議論というのは深めて答弁をしてもらいたい。  それからその次、職安局長ですがね、そのあなたが答えたようなことも、これも何ぼでもいままで耳にたこができるほど聞いているんです。そこで具体的に、さらにどう進めるのか、たとえば後段に若干言われましたけれども、賃金とか退職金とか、人事管理の問題にネックがあると、そんなことはもうあなたの前からも、ずっと前から言っているんだよ、そんなことは。そこでそのネックを解きほぐすためにどうするのかと、一つ関西の産業労使間の会議が参考になる、これももう何回も聞いている、予算委員会でも聞いているんだから。参考になるんならなるで、その参考になることをどう普及さしていこうとしているのかと、具体的に。それから、いま言われたように、日経連その他に研究してもらうとか、その他で研究してもらっていると、同時に、労働組合側でも研究をしてもらわなきゃならぬし、それからきょうも午前中目黒さんが言われたけれども、おせっかいせぬでいいときはやたらにおせっかいするわけだ。たとえば私鉄の労使の賃金交渉に、霞が関、霞が関という言葉がちょいちょい出てくるわけだ。そんな頼みもしないときはおせっかいしておいて、こんなときになるとえらい労使に任せて任せてと言うわけだ。むしろこういうときこそ、あなたたちが、たとえば賃金や退職金や人事管理のあり方について議論をするなら、させるための具体的な審議会つくるとか委員会つくるとか、またあなたたちのお得意中の得意である学者だけ集めていわゆる指針的なものをつくるとか、そういうときにはえらい消極的で、おせっかいせぬでいいときになるとやたらにおせっかいをしてくると。ですから、私はどうもあなたたちの答弁が不満でならぬのは、やはりそういうものについて一歩前に踏み出すと。それはなぜかというと、今度の大臣はいままでの行政をみんな見直して、今度はさすが新大臣になったら労働省も生まれ変わったようにかなり強力ないい意味の行政指導をしておると、こう受け取っているから聞いているんだよ。しかしあなたたちがいま言ったことは、過去の委員会の議事録見てごらんなさい、同じことを百年一日のごとく言う。それでは何か、大臣が言っていることと局長連中がやっていること、大した変わりがない、これが一つ。  それから、時間がありませんから、またいずれその具体的なことについて、いま言ったことについて何かあれば答えてもらいたいし、なければこの次までに、いま言ったようなことについて、たとえば具体的な資料を出してください。たくさんあるとおっしゃるんだから、どのぐらいあるのかと、どのぐらいあってどういうふうに改善されているのかということね。  それからその次、中高年齢の雇用率六%という目標ですね、これもいまちょっと職安局長答弁されたように、雇用率の達成計画、それから作成命令、これを三月末まで具体的な実施命令もつけて出せと、こういうことを言っていますと、こういう答弁をされた。三月末は終わりました、いま四月末ですから。その結果がどうなっていますか、これについてひとつ聞かしてください。以上二つのこと。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 私にお尋ねの件について、一つは、いわゆる三六協定の届け出様式につきましては、本年の一月一日から規則が改正され施行されることになったわけです。ですから、これは当然特に使用者中心に相当のPRをいたさなければなりません。その浸透を待って、そしてこれを実際に監督に乗っけていく、あるいはその結果を調査するというようなことになっておりますので、私どもは、一月から三月までを周知徹底期間ということで集団指導ないし個別指導の期間に充てまして、四月、五月のその結果につきましては、その後調査をいたしまして、それに基づいて強い指導をしてまいりたいと、こういうことでございますので、現在まだ結果として申し上げられる段階ではないことを御了承いただきたいと思います。  それから、先ほど申し上げました有給休暇をとったことが精皆勤手当あるいはボーナス等に影響するということを申し上げましたが、この調査は、一昨年の十二月を基準にいたしまして昨年調査結果をまとめましたところで、五千事業所ほどいたしましたところでは、影響があるというのが二一・七%ございました。その中で精皆勤手当が四五%、それからボーナスが三五・五%というような影響があること、これはどうしても中小企業的な規模のものに多いことは事実でございますけれども、そういう結果に基づきまして私ども行政指導をしていこうと、こういうことでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 前段のやつはわかったけどね、後段のやつは、こんなものはあんた基準法違反じゃないと言うけどね、私たちからすると、年次有給休暇とか、年次有給休暇をとることによってボーナスが減らされたり精皆勤手当が減らされる、そんなばかなことはない。そういうものはどんどんやってもらわなきゃいかぬ。そんなもの基準法違反だ、私から言わせれば。どうして、年次有給休暇というのは法律でもきちっと認められているのに、それをとったからといってボーナスが減らされると、そんなのがおととしの調査で去年わかっておったら、そんなものはね、それこそ大臣ね、ばしばしそういうようなことぐらいやめてもらいたいってね、それはできませんというような経営者いないと思うよ、表面切って言うと恥かきますよ、そんな。あたりまえでしょう。年次有給休暇とったら何でボーナスが減るんですか、何で精皆勤手当に影響するんですか。それでは年次有給休暇の意義がないじゃないですか、法律的に。そんなにたくさんあるんだったら、どうしてびしびしびしびしやらないんですか、そんなばかなことないじゃないですか、あんた。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) ですから、先ほど申し上げましたが、基準法の規定そのものということになりますと、年次休暇を請求したのに、特にその時期はまずいという、いわゆる時期変更権と申しますか、それが適当に行使できないようなケースにもかかわらず有給休暇を許可しなかったというケースが基準法違反ストレートになるんでございまして、いまのような場合は、ですから行使を妨げているということで、基準法の精神からいってもちろん好ましくないということは私ども認識しておりますので、強い指導をしてまいりたいと、こう言っているわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 大臣ね、あなたが意欲的に行政を見直すというのはこういうところなんですよね。これは基準法の精神から考えても、こんなばかなことないんですよ。年次有給休暇をとったからボーナスが減らされたり、精皆勤手当に影響があるなどというのは、これはもう憲法の精神からいっても、労働組合法の精神からいっても、基準法の精神からいってもおかしい。こんなところこそ何も遠慮要らないわけ、遠慮要らない。そういう結果がもうおととしの調査で去年現在でわかっておるというなら、せめてまず、あなたも大臣になったら、そういうことはいけませんと言うことによって労働者が年次有給休暇とりやすくなるわけですから、このことは何もむちゃなことするわけでない、法律を守れということなんですから、そういうことを積極的にひとつぜひやってもらいたいと、官僚じゃなく大臣に聞く。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私、個々のケースについて少し聞きまして、よく検討して対処いたしたいと、こう考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いやいや、それがすぐ、いわゆる大臣答弁というんで、個々のケースじゃないんですよ。いま言ったように、いいですか、もうはっきりしているんです、ケースは。年次有給休暇をとることによってボーナスが減らされたり精皆勤手当が減らされるというのは、局長も言っているように、基準法の精神からいってもおかしいと言っているんだよ。そんなおかしいことを平気でやっておることが、年次有給休暇を消化することの妨げになっておるならば、そのことはやっぱりもう大臣としては直ちに直してもらうと、あたりまえのことだ。何も個々のケース聞かなきゃわからぬことじゃないんだよ。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 基準法違反であるかどうかの認定は、これはいま局長が言うたとおり、なかなか微妙なことのようでございますけれども、いまのようなケースは好ましいケースではないと、したがってそれに対して行政指導をするというのは当然でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あれはどうですか、職安局長、いまさっき言った雇用率六%の達成計画と作成命令、それから具体的な実行命令。三月末まであなたは全部を見ると、こういうことを前の委員会で言われていますから、三月末過ぎて四月ですから、どうなっていますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) この雇用率の達成のための計画の作成命令でございますが、先生いまおっしゃいましたように、五十三年度におきまして初めて取りかかったものでございますが、ことしの三月末日までに命令を発出しなさいと、それからこの命令に基づきまして、事業主の方からは達成計画を安定所に本年六月末日までに出しなさいと、こういうふうな指示を私どもの方でいたしているわけでございます。本省への正式報告は、したがいまして六月以降になるわけでございますけれども、現在事実上把握したところで申し上げますと、三月末日までに発出したものが百五十五件、それから四月以降に発出したもの、見込みを含めまして百五十四件、さらにいま申し上げました数が全府県を覆っておりませんので、全体を含めますと大体五百五十件ぐらいの命令が発出されることになるのじゃなかろうかというふうに考えておる次第でございます。なお、その出された計画の内容等につきましては、先ほど申しましたように、六月末日までということになっておりますので、六月、若干ずれるかもしれませんけれども、六月過ぎにできるだけ早い機会に把握をしたいと、こう思っておるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 これもまた水かけ論で、私が読みました議事録の限りにおいてあなたは六月などと当時は答えてないんですよ。きょう言ったら、また、いや最後は六月だとこう言うんですから、まあしようがないですね。今度は六月になったときに、また七月や八月やと言わぬようにしてくださいよ、いいですか。この前あなたが私の同僚委員に答えたときのやつは、いずれもそれらは三月末にと、こう議事録になっていますからね、公式の議事録。そのときにあなたは六の字は一つも言うてないんだ。きょう私が聞いたら、今度は最終的には六月だと言うから、わかりました、もう六月というのはすぐ来るんだから、六月末になったときに、今度いやいや実はあれは七月だ、八月だと言いませんな、それだけは確認しておきます。いいですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先ほど申しましたように、六月末日までに提出ということになっております。したがいまして、若干のずれがあってもできるだけ早くそれは早急に把握をしたいと、こう思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いやいや、そんなすぐまた若干のずれとか、できるだけ早くということじゃなくして、そういうのをいわゆる言い逃れ答弁だと言うんだよ。自分の言ったことに責任持ちなさいよ。責任持てなかったら余裕を持った答えをしておきなさいよ。そのときそのときで言われて、そのときそのときでいわゆるその場だけ逃れればいいということじゃないでしょう。そういうことをやっておったらますます国会というのは国民から笑われることになるんだよ。だから、実際三月なら三月と答えたけれども、六月になるということにして、こっちが重ねて念を押すと、若干おくれてもできるだけ早くと、こう言っておけば、この次ぼくから念を押されたら、いやできるだけ早くと言うておきましたと、こう言って逃げるんでしょう、あなたは。そんな答弁は不満足です。六月と言ったら六月でちゃんとやりなさいよ。いいですな。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 六月末日を励行するように極力安定所に対して督励をいたします。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 その次、労災保険のことについて、もう時間がだんだんなくなってきたんですが、労災保険の一層改善のための制度の見直しを行いたいということを言われていますが、具体的にどういう条項をいま見直しの作業なり議論がされているんでしょう。それから、これもすでに先輩の片山委員から、労災の現在本人が障害年金、一級障害とか二級を受けている、それが死んだ場合に、遺族年金の問題が、これも去年ぐらいのときに問題になりまして、実態調査をするとそのときに約束された、実態調査を。実態調査をされましたか、具体的にどうなっていますか。それから、それに基づいてこの問題についてどういう改正なりを関係審議会で議論されるんですか。この問題非常に重要な問題だと思いますから、答えてください。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 労災保険制度の改正問題につきましては、これは昭和五十一年に法改正をしていただいておりますが、その後のいろいろな状況の変化も著しいので見直しが必要ではないか、こういう観点で実は労災保険の審議会、これは公労使構成の審議会が労働大臣の諮問機関としてございますが、これで労災保険制度全般の問題につきまして、現在御検討いただいている段階でございます。審議会に基本問題懇談会というものを設けていただきまして、その中で検討していただいている段階でございますので、具体的にどういうものをどういうふうに変えるかというようなことまで、いまの段階でお答え申し上げることはちょっと困難だというふうに考えております。  それから、昨年、いま御指摘のありました点につきまして、実態調査の点でございますが、これは本年の三月に労災年金福祉協会を通じまして実態調査をいたしました。現在回収段階ないしは調査結果についての集計段階でございますので、この結果がまとまりますのは、これは正確に申しましていつごろというふうにまだ申し上げられないんでございますけれども、実態調査は三月現在でいたしました。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 これも時間がありませんから、私は、いまどういうことが検討項目に上がっているかということですから、いま答えてもらったらまた時間がたちますから、後で検討項目をください。それから、実態調査をもう片山委員が問題にされて年限たっていますから、実態調査をことしの三月にしたということですから、したならば、その集計がいつできるのか、これも後で聞かしてください。そして同時に、その集計に基づいて、今度いませっかく労災保険制度の見直しのための作業が進んでいるわけですから、それにあなた反映させなきゃ意味ないですよ。いまあなたが言ったように、調査はしたけれども集計はいつかちょっとまだ見通しが立たぬと、そんなことじゃ困りますよ。せっかく審議会で議論しているんですから、その審議会に間に合わなきゃ意味ないです。何のため調査したのか、また何のために調査を国会で片山委員に約束したのか、こういうことになりますから、どうかひとつそのことについて、後でいいですから検討項目については聞かしてください。  それから、その次、労政局長にお聞きをしたいんですが、これも時間が余りありませんから、簡単なお答えでいいんですが、最近不当労働行為、これももう長い間の議論になっているんですが、不況になればいろいろ不当労働行為が出てくる。そこでこれを地労委、中労委というところで争う、もしくは裁判で争う。ところが、いまの現行労組法というものは、不当労働行為の救済について、地労委で命令が確定してもさらに中労委ということで数年かかっているわけですよ。これは私も労働委員十年ぐらいやったんですが、当時から何とかこのことについての改正をしなきゃならぬじゃないか、こういう議論を全労委総会の中でも議論されているまま進んでいない。ところが、私は高度経済成長期が終わって不況期になればなるほど、不当労働行為の救済命令の実効性というものについて検討しなきゃならぬ段階に来ているんじゃないか。たとえば一つの例を言うなら、地労委なら地労委で命令が確定した場合、なお中労委に争うこと、そのことを拒否はできませんけれども、とりあえずその命令を実行しながら争っていくというやり方も一つの方法ではないか、こう思いますね。でないと、不当労働行為、加害者と被害者があって、被害を加害者が加えておって、最後はいわゆるおわびをすればそれでしまいだと、こういうことじゃ意味ないわけです。そういう意味から言うと、私は不当労働行為の実効性の問題、時間が余りありませんけれども、どういうふうに考えられているのか。それから、最近の処理日数なんかちょっと簡単に、主として日数のところじゃなくて考え方ですね、どうも最近たくさんの不当労働行為が、三年も四年も、多いのは五年も長くかかって、実効性が伴っていないという事例をたくさん私のところで聞きますから、そのことについて労政局長から考え方を。

桑原敬一労働省労政局長

○政府委員(桑原敬一君) 不当労働行為事案の処理の問題につきましては、昔からの懸案でございます。お話しのように、昭和四十年ころは、一件の処理する日数というのが二百日か三百日程度のものが、いまは五百日を超えるようになってきております。これはいろいろ原因がございますが、だんだんやっぱり、お話しのように不況というような問題の背景の中で事件がだんだん複雑になってきているというようなこともございましょうし、件数自体も非常にふえてきているということで、全体の処理がおくれてきているということでございます。  結局、この前国会でもお願いいたしまして、一つは委員を増員をしてその事案の処理の能率を上げていく、あるいは事務局を充実していくというようなこともいろいろやってはおりますけれども、やっぱり基本的には審査の手続の問題、それから審査体制の問題それからお話しのような実効確保の問題、こういう三つぐらいに分けられて、非常に問題が根深く横たわっております。アメリカあたりは、こういった労働委員会で命令が出ますと、直ちに高裁に移っていくというような仕組みも考えられるわけでありますけれども、日本の土壌に合うような制度をやはり考えていかなきゃならぬ。いずれにいたしましても、これは非常に法律的ないろいろの基本的な問題もございますので、現在、日本で一番トップレベルと言われる学者、学識経験者を集めまして、労使関係法研究会というところで、そういう三つの問題について、特に実効確保の問題も含めまして検討を進めております。できるだけ早い機会に成案を得てこの解決に向かっていきたいと、こういうふうに思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いま言われたように、だんだん不況になればなるほど処理日数——これ逆なんですよね、不況になったら処理日数を早めてもらわにゃいかぬわけです。それが逆なことになっていますから、せっかく研究会持たれているなら、やはり私は早急に研究してもらいたい。往々いままでの運動としては、労組法改正というのはもろ刃の剣だと、こういうことで労働組合側もしり込みするという場合がありましたけれども、私は、今日そんなこと言っておられないと思うんだ。不当労働行為は加害者と被害者の立場なんですから、その限りにおいては明確なんですよ。そういう意味から言うと、私はやっぱり実効性があるためのこの改正ということは急がなきゃならぬというふうに思いますから、どうか、いま研究会が進んでおるならば早急にひとつ結論を出してもらいたい。  時間がいよいよなくなってきました。最後のことで関係者、運輸省、それから鉄道建設公団、警察等お見えになっていますが、実は私は午前中の目黒先輩委員の質問を聞いておりましてね、いずれ交特で清水トンネル問題はじっくり議論をしようと、こう思っておったんですが、どうも午前中の答弁を聞いていると、大変腹立たしくなって、これはいけないなということで、少し一、二お聞きをしておきたいと思うんですが、第一に、まず十六名の方の死亡原因というのは、死因は何でしたか。これは警察庁が詳しいということですから、警察庁の方でまず死亡原因を言ってみてください。

加藤晶警察庁刑事局捜査第一課長

○説明員(加藤晶君) お答えいたします。  大清水トンネルの事故で御指摘のとおり十六名の死者が出ましたわけでございますが、これにつきまして検死をいたしました。一部死体につきましては司法解剖を実施いたしたわけでございます。その結果、この方たちの死亡原因はいずれも一酸化炭素中毒死であるということが判明いたしております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そこで、お聞きをしたいんですが、これは労働省にも運輸省にも、鉄建公団にもお聞きしたいんですが、原因は解明中ですという言葉が返ってくる。なるほど裁判などになったときのこの原因問題について、火災の原因についてはいま司法当局が調査しているということで、これもまだ結論が出ないのは遅過ぎるぐらいに思うんですけれども、まだやっているというんですからそのことを聞こうとは思わない。死因ははっきりしているわけです。そこで通達を七つ出したとか八つ出したとか、総安全点検やっているとか、こんな議論じゃなくして、再びトンネルの中で火災が起こらないという保証はないわけですね、しかもこれは五・三キロ、長距離の長いトンネル。そうすると、死亡が一酸化炭素中毒死であったということがはっきりした、死亡原因、が。そうすると、それがための防止について具体的なことをどう考えたのか、いまもトンネル工事をやっているところがあるわけですから、どういう具体的な防止を考えたのか、また運輸省はどういう指導をしたのか、労働省は労働基準局としてどういう指導をしているのか。再び起こらないという保証はないわけで、起こらないことがいいのですが、起こらないという保証はないわけですから、起こったときに助ける方法、私はいろいろあると思いますが、そういう問題についてそれぞれ労働省、運輸省、それから特に建設公団ですか、七つの通達を出したとかなんとか抽象的なことばかり言っておったのですが、そういうことについて具体的に聞かしてください、具体的にどういうふうにその後しているのかということについて。

野原石松労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(野原石松君) 確かに先生御指摘のように、トンネル火災についてはそういう火災が起こらないようにするということはもちろん基本的に大事なことでありますが、同時に、起きた場合にこれを最小限に食いとめるといいますか、そういう初期消火、それから、火事でありますから、特に最近の新建材となりますといろんな有害な煙が出てまいります。そういったことで勢い被害が大きくなりがちでありますので、そういう際にどのような措置をとるか、しかもこれを迅速にとらなくちゃいけません。そういうこと、さらにまた、そういうことにかかわらず、それによって火災が最小限に食いとめられればいいのですが、今回のようにトンネルが貫通したといったような場合に非常に通風がつきまして、どうも防ぎ切れぬというような事態も考えられますので、そうなりますと、やはり現場から退避しなくちゃならないわけであります。そういう緊急避難体制、この後の二つ——第一の火災を防ぐということに問題があるのですが、後の二つの方がもっと手際よく処理されれば今回はあれほど大きな被害は招かなかったのではなかろうかというふうにも思われるわけであります。  そこで、私どもとしては先生御指摘のように、起きた場合にそれをも最小限度に食いとめる、こういったことについてはとにかく消すための消火設備も要るし、またこれはあるだけではなくて、ふだんからちゃんと保守点検をやって、いざという場合にすぐ作動するようにしておかなくちゃならぬ。それからまた、そこに作業する人が実際にそういうものをすぐ使えるようにふだんから教育しておくと、こういうことも大事であります。それから、何というか、そういった場合の抗外との連絡あるいは緊急避難、あるいは救護に行く場合の体制、この辺いろいろ問題がありますので、従来からそういった点も含めまして、かなり強力な監督指導をしておるわけですが、今後はさらにその体制を強化したいということで、現在ほかのトンネル工事現場についても、その辺の実態をきめ細かく調査しておりますので、そういった状況等踏まえ、それからその緊急避難体制については若干法制的な手当ても将来に向かってちょっと必要じゃないかということも考えておりますので、その辺につきましても今後検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

山上孝史運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山上孝史君) 運輸省といたしましては、この種の事故の再発を防止するために指導の徹底を図る所存でございますが、ただいま先生も御指摘のように、その具体的な内容につきましては事故原因の究明を待つ必要がありますが、しかしそれを待っておられませんので、とりあえず先生も御承知のとおり、事故発生直後の二十一日の日に、運輸大臣から国鉄と、それから鉄建公団に対しまして、目下建設中のトンネルにつきまして安全総点検の実施を指示いたしました。これに対しまして、この四月の二十日に国鉄、鉄建公団両総裁から運輸大臣あてに総点検の結果の報告書の提出があったのであります。  その内容につきまして簡単に御説明申し上げますと、まず総点検の方法でありますが、これは両者とも本社の課長等現地に派遣をいたしまして、災害防止設備機器の取り扱い、点検状況、それから異常時の即応体制について点検をいたしました。総点検の期間と実施の個所について申し上げますと、国鉄はこの三月二十七日から四月の三日まで、それから実施の個所は、国鉄は現在工事中のトンネル三十カ所、おおむねこれは三百メーター以上のトンネルであります。それから鉄建公団について申し上げますと、総点検の期間は三月の二十七日から四月の七日まで、実施の個所は同じく現在工事中のトンネル二十六カ所であります。  総点検の結果について申し上げますと、現在工事中の両方合わせまして五十六カ所のトンネルの施工状況はおおむね良好であったのでありますが、さらに安全の徹底を期するために、これから申し上げるような事項につきまして早急に改善を行うように、現場と、それから関係者に対しましてそれぞれ指導をいたしております。  具体的に申し上げますと六つありまして、まず第一は、坑内における火器使用時の管理体制の徹底を図る。第二は、消火器はメーカー及び製作の時期によりまして取り扱い方が異なるのでなるべく型式の統一を図る。三番目に、坑内電話、消火器、救助用具の置き場等は、坑内照明が断たれた場合でもその所在が確認できるように表示灯の整備を図る。四番目に、入坑者に対し緊急事態を知らせる手段を停電時にも対応できるように対策を図る。五番目に、緊急時における早期避難の徹底、それから避難訓練の実施を図る。六番目に、緊急時における関係機関への早期連絡の徹底を図るということでございまして、これらにつきましては設備改善等を要するものは多少準備期間が要りますが、これも含めまして五月中には全部完了させる見込みでございます。  このような報告を両総裁から運輸大臣が受けまして、運輸大臣といたしましては早急に必要な措置を終えて、この種の事故の再発防止に万全を期するように重ねて指示をしたところでございます。いずれにいたしましても運輸省といたしましては、今回の事故の原因と安全総点検の結果を踏まえまして、関係方面の指導の徹底をさらに期したいと、かように存じております。

大平拓也日本鉄道建設公団理事

○参考人(大平拓也君) 鉄道公団といたしましては、運輸大臣からの特別の指示によりまして総点検の結果を、先ほど局長が申されましたような報告を二十日にいたしたわけでございますが、その内容自体十八日の日に、六項目にわたりまして実行方につきまして総裁より現地支社長並びに局長に通達をいたしまして、その強力なる推進を図っております。したがいまして、今後二度とかような事故を起こさないというふうに努めてまいりたいと考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 委員長から時間が超過した点、再三注意受けているんですが、そちら側が長いんだから。ダブっていることはいいから簡単に最後の一問だけ。  私はどうも聞いていてね、あなたたちは簡単なことを見落としているんじゃないですか、労働省も運輸省も鉄建も。なぜかというと、それで私は死因を聞いたんだ。一酸化炭素中毒死でしょう。そのとき作業員に防毒マスクを持たしていましたか、当時。私の調査では持たしてないじやないですか。五・三キロのトンネルを掘るときに、火災が起こったときに防毒マスクがあれば相当助かるんですよ。当時作業員は防毒マスクは一つも持っていない。そういうようなことをどうして労働省も運輸省もあなたたちも気がつかないんですか。私は事故が起こったときにすぐ呼んだんだ、鉄道監督局。説明に来た。防毒マスクを持たしておったかと聞いたら、いや持たしておりませんでしたと。だからせめて私はその後の点検で防毒マスクを持たせると、こういう長いトンネルのときに事故が起こったときに防毒マスクがあることによって一酸化炭素中毒をかなり私は防げると思う。そういうようなことをどうしてしないんですか、これが一つ。  それからいま一つは、責任問題については、昔は鉱山保安局長は炭鉱がばんと爆発すれば、全部通産省の保安局長はその都度責任とっていましたよ。だからなかなかやっぱり保安局長のポストというのはいやがったんですね。自分の炭鉱がばんと一発いったらそれでやめる。きょうも午前中聞いておったら、これは目黒さんも保留されておるからいいけれども、いや今後起こさぬようにしますって、だれが責任とるのかということ。鉄道建設自体もまだで、これはいずれ五月に入ったら交特開きますから、交特開くまでの間にちゃんと責任とるものはとってきてください。でないと、今度は時間が長いですからきっちり聞きますから。それだけ言っておきます。以上です。  防毒マスクのところを。

大平拓也日本鉄道建設公団理事

○参考人(大平拓也君) 防毒マスクでございませんで、空気呼吸器ということで、五十二年七月の湯沢トンネルの火災事故以来、現場に即しまして局長がいろいろ通達といいますか、基準を決めまして配置いたしたわけでございますが、各工区に十個の空気呼吸器を備えるように指示いたしまして、現にこの火災現場にも十個の空気呼吸器が備えられておりました。ただ、この空気呼吸器といいますのは使用時間が非常に短うございまして、あくまでこれは救助用ということでわれわれ考えておったわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 各人に持たせろと言っているんです。各人が持っておるべきだと言っているんです。終わります。

渡部通子公明党

○渡部通子君 私も、最初に労働行政の基本姿勢について大臣にお伺いをいたしたいと思います。  所信表明の中において、雇用問題の解決は現在国政の最重要課題、こう大臣もおっしゃっておりますが、しかし、今国会の衆参両院の集中審議あるいは関係委員会の審議を通じて、労働省の姿勢は決して積極的であったと評価はされていないと思います。ですから、極端に言えば労働省休眠論、こんな議論まで出てきているような状況でございまして、景気の回復基調ということが言われておるにもかかわりませず、依然として厳しい雇用失業情勢、これが続いているわけでございまして、わが国の労働事情が国際摩擦まで招来をしている、こういう状況下における労働大臣の現状認識、それから今後の雇用対策の基本方針、これをまず伺っておきたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 別に言葉じりをとらえてどうこう言うわけじゃございませんけれども、労働省、休眠しているとは思っておりません。そういう議論があるということで、がんばれということだろうと思いますが、これでも一生懸命目をあけて何とか雇用情勢を改善させたいということで努力していることだけは御理解いただければ幸いでございます。まず最初にこれだけ申し上げます。  御案内のとおり、最近ちょっと景気の回復が堅調になりつつあると、現に製造業とか、運輸通信業の方では大分雇用もふえてまいりましたし、それから、一方有効求職者もいままでから見ますと横ばい状態になっておりますし、求人倍率も〇・六五というふうにだんだん上がってきております。ですから、確かにある程度堅調になってきたと思うのですけれども、しかし、まだ依然としてことしの二月現在で完全失業者が百二十一万、失業率が一・八八%ということでございまするので、なかなか厳しい情勢というふうに認識をしております。そのほか造船業等でまだ若干の離職者が出るような状況にもございますし、それから、一番これからの課題として大きなのは石油ですね、石油の値段もさることながら、石油の大口需要というものをこれは制約しなければならぬというふうになりますと、それが直ちに雇用問題に関係をしてきますので、若干失業に関する各指標がよくなってきたとはいいましても行き先不安でございますので、労働省というのは、いままで先見性がなかったと、今度の場合は多少よくなりつつあると言っておりますけれども、われわれは、そういう現象はいつまで続くかわからぬぞというぐらいのつもりで、しっかり腰を据えて雇用対策をしなければならぬという気持ちでございます。したがいまして、全般的に見ますとやはり経済成長の問題があります。どの程度の経済成長が適当か、しかし経済成長だけでなかなかこれやれるものではございませんね、きめ細かにやらなければいかぬ。だから、公共部門をどうするとか、あるいは社会福祉とか教養文化とか、雇用をどういう方面にやっていくか、関係各省庁あるいは民間の力も網羅しまして総合的に対策を講じなければならない。今度雇用問題政策会議とか、あるいは中央、地方に開発委員会、そういうものを設けて具体的な雇用創出の問題について真剣に取り組もうというのも、私どもの気持ちのあらわれでございます。特に昭和五十四年度の予算では、いままでの雇用開発給付金といいますか、これを大幅に拡充強化をする。まあ大したことないじゃないかと言いますけれども、なかなかいい考え方ないんですよ。いい考え方があったら私はいつでも具体的に持ってきてくれと、だめじゃないかだめじゃないかという御叱咤もありがたいけれども、具体的にこういう仕事があるのになぜやらないのかというのをぜひ持ってきていただきたいといういま話をしているわけなんです。ですから、私どもはそういうことでいろいろ謙虚に皆さん方の御鞭撻をいただきたいと思いますけれども、政府としては五十四年度の予算で、いま申しました雇用開発給付金等の大幅拡充によってやっていきたい。それから定年制の延長の問題、あるいは長期的には時間短縮とか週休二日制とか、そういったもので雇用を拡大していきたい。また現実的ないまどきの話だけでなしに、中期的、長期的に考えなければならぬというので、新経済社会七カ年計画の中にも、そういったものを具体的にわれわれの考えを入れていくように努力をいたしたい。まあ皆さん方から見ますとまだまだ御不満の点があろうかと思いますけれども、私どもはできるだけ御批判は謙虚に受けとめてやりたいと思いますので、積極的な御批判と、また建設的な御協力をいただければ大変ありがたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部通子君 いま御答弁の中にもちょっと触れられましたけれども、新経済社会七カ年計画基本構想、この中において、六十年までの新しい経済計画及び第四次雇用対策基本計画、これを検討中と伺っておりますけれども、その内容をあらあらお教えいただきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 現在、お尋ねのように新経済社会七カ年計画自体は策定の最中でございます。しかし、すでに七カ年計画の基本構想が発表されておりますので、これに即して御説明申し上げますと、まずこの七カ年計画では、雇用問題を物価問題等に十分配慮しながら最大の政治課題として取り組んでいこう、こういうことが基本的な姿勢として規定をされているわけであります。そういう立場で、昭和六十年度の完全失業率を一・七%程度以下にする、特に世帯主の完全失業率をなるべく低い水準にとどめる、これを政策上の目安とすることにしているわけでございます。この実現のために、先ほど大臣からもお話ございましたけれども、適正な経済成長の維持の問題、産業構造政策の展開等雇用機会の拡大創出を図る、つまり総需要的に雇用機会の拡大創出を図るということをまずやろうではないか。それから、並行しまして、教育訓練体制の確立、職業紹介の充実等雇用政策の積極的な展開を、つまり個別具体的な施策を並行してやる必要があるというふうに考えているわけでございます。さらに、特に一番問題になるのが中高年齢者に対する問題でございますので、その雇用対策を推進し、計画期間中に六十歳定年が一般化するように努めるというふうな対策を基本として進めたいということを規定をしているわけでございます。  なお、目標達成のプロセスにつきましては、計画期間の前半に、物価の動向に十分配慮しながら、雇用及び需給の改善に重点を置いた経済運営をやっていこう、これによりまして、計画期間の後半には需給ギャップを縮小させて雇用情勢の改善に具体的に結びつけていこう。つまり、前半はやや雇用の改善がおくれるけれども、こういう需給ギャップが解消した後半において特に強く雇用の改善を図っていくことが可能なのではないかというふうな考え方に立っておるわけでございます。  それから、第四次の雇用対策基本計画は、これはもう雇用審議会で現在全くその御審議の最中でありまして、経済計画のような基本構想的なところまでまだいっていないわけでございますが、したがいまして、その御審議の内容等について、あるいはその計画の内容について申し上げれるような段階ではございませんけれども、ただ、私どもとしましては、労働力需給の両面にわたって構造変化が現在進みつつあるわけでございまして、そういう中で雇用の安定を図るとすると、やはり雇用の拡大、創出という問題中高年齢者対策の充実の問題、産業構造の変化を見通しながらの雇用対策をどうするかという問題、それから職業訓練の充実、こういう問題がこれからの大きな問題であると考えておりまして、雇用審議会におきましても、これらの事項について御審議をいただければ幸いであるというふうにお願いをしているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 中身のあらあらはわかったんですけれども、この計画自体がまだ本答申が出ないというような状況にあるようです。まあ東京サミット、イラン情勢を初めとする石油問題あるいは原子力の問題、こういったものが影響しているんではないかという話もありますし、あるいは空中分解してしまうんではないかというような批判すら出ておりますけれども、この当計画自体の見通しについて大臣いかがお考えでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 現在、経済計画につきましては夏ごろまでにその策定をしようということで各省協力して策定中でございまして、特に現段階におきましてこの策定が著しくおくれるとかいうふうなことは聞いておらないわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 じゃ、それは本答申がやがて出て、この七カ年計画はきちっと夏ごろには出ると、こういうことでございますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 現在そういうめどで鋭意各省協力して策定作業をやっていると、こういうことでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 そこで、労働力需給の動向について若干お尋ねをいたします。  労働供給が、この四年間、すなわち四十九年から五十三年までの統計を見ますと約二百二十二万人増加していると、しかしこれを性別に見ますと、男子の増加が九十五万人、それに対して女子の増加が百二十六万人と男子をはるかに上回っているようです。背景はいろいろ考えられるとは思いますけれども、女子の就業機会がパートとかあるいは零細の企業に増加をしている結果であろうと私は考えます。こうした女子労働力の増大に許してどのような見通しをお持ちか、現状把握をしていらっしやるか、まずその点について伺いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、最近女子の労働力の進出あるいは労働力率が高まるという顕著な傾向にあるのは事実なわけでございます。これは、一つには不況下においてまず女子の労働力率が減ったという問題があります。つまり、主婦労働力等が家庭に戻るというかっこうで雇用調整が行われて、それがある程度景気の回復とともにもとに戻るような意味での復元的な作用というものは、これはいつの景気後退期にもあるわけでございまして、したがって、その範囲のものかどうかということが一つの問題になるわけでございまして、数字的に見るとまだ一時減った労働力率が回復するぐらいの現在までのところは程度なんでございますけれども、この動向がいわば景気の後退する前に戻ったところでとまるような動きかどうかという点については、私どもはそうではないんではなかろうかというふうに考えているわけであります。その理由としましては、たとえば今後の長期的な問題としまして、女子の労働力の学歴の高学歴化というものが進みつつある、あるいは社会参加の意欲が非常に進んでいる、あるいは子供を養育しなきゃならぬというふうなことから解放されて余裕の時間を持つようになっているとか、いろいろな要因が重なりまして、そういう女子の労働力が進出しやすいようないろんな条件ができているところへいまの景気が回復動向に向かったというようなことが重なり合ってきている。つまり短期的な景気循環要因だけによるものではなくて、中長期的な女子の構造変化といいますか、そういうビヘービアの変化というものに根差しているのではなかろうかというふうに考えられるわけであります。それから同時に、これはわが国だけの動向ではございませんで、各国とも女子の労働力率が最近上がって、しかもそれが一時的でないという状況が出ているわけでありまして、つまり国内の状況から見ても各国の状況から見ても、いまの御指摘のような女子労働力率の向上という問題は、これは一時的なものでないというふうに私どもは見ているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 その復元的だという仰せでございますがね、それは認めるにしても、その場所がいわゆるパートとか、零細中小企業とか、そういうところに復元をしているのではないかという実態はおつかみになっていらっしやらないのですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 御指摘のように、雇用の伸び方が非常に鈍くなって、いわゆる限界雇用係数が下がって、さらにその伸びている中身も臨時、バードが常用よりも多いというのは、確かにいままでそういう状況にあるわけであります。で、その臨時、パート等の数等も、これは統計的にわかるわけでございます。ただ、まあ最近その常用求人の伸びが臨時、パート求人の伸びよりも伸び方が大きくなるというような形でようやく常用求人化の動きが出てき、また、一時は労働力調査なんかで見ますと、男子雇用者の伸びが一万人ぐらいなのに残りは全部女子雇用者であるというような、そういうふうな極端な動きもあったわけでございますけれども、最近ようやく、まだ女子の方の伸びが大きいんですけれども、男女間の差が非常に縮まってきているというような傾向もございまして、そういう意味で、御指摘のように、特に昨年の夏ぐらいまでの一年間の間にそういう大きな特色が見受けられましたが、最近ようやく正常化の方向にも戻りつつあるということが言えるかと思うわけであります。

渡部通子公明党

○渡部通子君 聞いたことだけ実は簡潔に答えていただきたいの、そうしないと時間がなくなりますのでね。そういう傾向を聞いているんでなくて、その実態調査はしていますかしていませんかと、現実を正確に把握していらっしゃいますか、イエスかノーか伺えばいいんです。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先ほど申しましたように、数字的には統計があって把握しております。それから、個別の実態調査等は婦人少年局においておやりになっているというふうに思います。

渡部通子公明党

○渡部通子君 要するに、トータルの数字的な傾向だけつかんでいただいたんでは実態はわからないわけです。だから私は、先ほど申し上げたように、復元的大いに結構ですけれども、それがいわゆる零細、中小、パート、こういう中に追いやられてしまっては、いわゆる第二市場的な労働市場というものが女子労働者によってつくられていくんではないか、非常に不安定で、賃金は安くていつまた雇用の安全弁として処理されるかわからないというような形で女子労働者がふえるということは、決して喜ばしいことではございませんからね。それは高学歴化が進んでハイクラスのもふえるかもしれませんよ。だけれども、大部分というものは、私たちが実態調査をした限りにおいては、決してそんないい待遇で復元しているわけではないわけですから、その辺、もし実態を個別に掌握していないとなれば追跡調査をなさる必要があると思いますけれども、いかがですか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○政府委員(森山眞弓君) パートタイマーを中心にいたします労働の実態と申しますか、統計調査につきましては、その問題を認識いたしまして、ことしの初めに労働統計情報部でやっております調査の中で実態調査をいたしたところでございます。まだその結果は出ておりませんが。

渡部通子公明党

○渡部通子君 じゃ、そのうちに実態調査を出していただけるとして、ただそういう傾向というものが、これはもう先般私社労の委員会で、私たちの調査で御質問しましたけれども、現実にパートを中心にふえているという状況はあるわけですから、それに対する対策、いわゆる女子の不安定な労働者の増加傾向に対する対策というものを当然お持ちでなきやならないと思うんですけれども、その点はいかがでございますか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○政府委員(森山眞弓君) 先生御指摘のとおり、最近の女子労働者の増加という中には常用労働者も相当数おりまして、実際問題としては常用労働者の方がやや多いんですけれども、パートタイム労働者、臨時労働者の面で増加している面も確かにあるわけでございます。パートタイム雇用につきましては、女子自身の職業生活、家庭生活との両立の面からいって便利であるというような点、あるいは女子自身が希望してそのような職種に就業しているという面もございますけれども、御指摘のようにパートタイム労働、臨時労働の名のもとに劣悪な労働条件によって就業せざるを得ないというような人たちがあるということも事実でございます。私どもといたしましては、そのようなことがありませんように、特に婦人少年局の立場からは、女子が女子であるということを理由にいたしまして、不安定な労働力となり、安上がりの労働力として使われるということがないようにということを主眼といたしまして、行政指導に積極的に取り組んでいるところでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 婦人少年局の御努力わかるんですけれども、まあこういう雇用の厳しい情勢の中で、行政指導という形がどの程度、下まで徹底されるか、あるいは行政指導されても現実に企業がそれを受け入れられる実情にあるかということになると、非常にむずかしい問題だと思うんです。ですから、こういうときこそ、これは再三言っておりますけれども、最低賃金法だとかパートの身分保障だとか、そういったことが強力に行われていかなきゃならないし、何らかの意味で行政指導を越えて法制化という方向へ向かわなければ、やはりこれは下に実行を徹底させるというわけにはいかないと思うわけです。ただでも中高年の雇用がこれほどむずかしい中で、まして女子の雇用となりますと非常に厳しいということは、これはもう言うまでもないことでございますから、そういう意味で、私ども年齢差別禁止法というようなことが大分議論されておりますし、提案もしてまいりましたけれども、それにあわせて性差別禁止法というものも当然なきやならないと、私どもでもそれは用意はいたしておりますけれども、そういった趣旨のいわゆる男女平等法というものですね、この法制化というものが当然ここで考えられなければならないと思いますけれども、労働省のお考えはいかがですか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○政府委員(森山眞弓君) 職場における男女の平等を確保するという問題は、この数年来非常に大きな問題として取り上げられてまいりまして、特に昨年の十一月末、労働基準法研究会から、今後の女子労働の法制についてのあり方が提案されました中で、まず第一に、職場の男女平等を確保するために新しい法律が必要であるということを御提言いただいているわけでございます。これは現在の状況を考えてみますのに、非常に貴重な御提言であるというふうに受けとめておりますが、いずれにいたしましても、これは関係の審議会におきまして審議をしていただきました上で具体化に進めてまいりたいというふうに考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 この件ではぜひ大臣の御所見を伺っておきたいんですけれどもね、いまも申し上げましたように、非常に低い労働条件で女性の労働者というものがふえてくる。そこへこの間の労基法のような答申が出てまいりましてね、保護撤廃などというようなことが言われてまいりますと、これはもう世論が反発し、働く女の人たちが、特に大多数の底辺で働く人たちが、これは大変なことになったと、こうなるのは私当然だと思うんです。ですから、その前にやはり男女平等、性差別禁止という、そういう立法をきちっと前向きに大臣が声明をしておく、そういう姿勢をはっきり示しておく、この基本的な問題の下に次の労働行政というものが行われていかなければ、非常に個々の企業において、あるいは労働者にとっては不安要素が多いわけです。ですから、この問題についてはひとつ大臣から積極的な前向きな姿勢を伺っておきたいと思うんです。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) いま森山局長が言うたような意味において、私は男女平等法の制定は必要だと思っております。ただ問題は、どういうふうに具体化するかという問題がございまするし、内容を詰めていかなきゃならぬ、そういう意味合いにおきましては、関係の審議会で十分に御論議をいただく、これが必要じゃないかと、そういうふうに考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 じゃ積極的にそれは必要を感じていると、この御答弁は承りました。  審議会にしてとおっしゃいますが、そのプロセス、大体の見通しですね、大臣、これからILOの会議もやってまいりますし、それから東京サミットもやってまいりますし、その前に五月三日、四日お出かけかどうかわかりませんけれども、国際的な水準からいっても当然の話でありますから、そういう場に出た場合には必ず迫られる問題だと思いますし、ひとつもう少し具体的に、どういうプロセスをお持ちなのか、これもはっきりしていただきたいと思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○政府委員(森山眞弓君) 昨年の十一月に研究会の報告が出されましてから、労働基準審議会、それから婦人少年問題審議会にはそれぞれ御報告をさしていただきまして、特に婦人少年問題審議会におきましては、婦人労働部会という部会でこの問題を十分詰めていこうということになりまして、その後二、三回部会を開いていただいているところでございます。今後もこの問題につきまして、集中的に部会における審議を詰めまして、できるだけ早く具体的な結論をいただきたいと考えておりますが、ただ御承知のように、この問題は非常にむずかしい問題が絡んでおりますし、また関係するところが大変多いものですから、いまの段階でいつごろどのようにということは申し上げられないのがはなはだ残念でございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 それじゃ、残念ですが申し上げられないということですから、現段階においてはそういう御答弁だというふうに承っておきます。ただ、大臣が積極的に男女平等法というものの必要をここではっきり答弁なすったということだけをきょうありがたくちょうだいをしておきたいと思いますので、どうか中高年の年齢差別禁止というものがこれだけ話題になっております中で、ならば性差別の禁止ということはとなりますと、まだ非常に議論が上がってこないというこの状況、私はこれはワンパターンで、一つのセットにして議論されて当然だと思いますので、私どもの方としても、その法制化というものについては鋭意取り組みたいと思いますから、ひとつこれに対する大臣のもう一遍決意だけを伺わせてください、一言。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ですから、私は男女平等法というものの必要性を認めておる、しかしこれは関係するところが非常に大きいし、問題も複雑であるから、関係審議会の議を経まして適切に処理いたしたいと、こういうことでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 じゃこの問題は、また次の機会の議論に譲らせていただきます。  次に、定年延長の問題について伺います。先ほども議論がいろいろ出ましたので、なるべく重複は避けたいとは思いますが、大事な点は重複するかもしれません。その点は御容赦を願いたいと思います。  定年延長の法制化問題につきましては、関係審議会の議を経て検討する、自民党の提案を尊重するという労働省の態度のようでございますが、年金懇の答申後の厚生大臣と労働大臣との話し合いで、昭和六十年に六十歳定年制を実現させると、こう述べたと言われますけれども、そのお話し合いの中身、どのようなものであったか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 厚生大臣からの呼びかけに応じまして、私ども年金問題についていろいろお話をしたわけでございますが、その際に私が申し上げたことは、労働省としてはかねがね昭和六十年をめどにして六十歳定年を実現いたしたいと、そういうことで進んできておる、この考え方にはいまも変わりはないと、むしろ気持ちとしては、もっと早く六十歳定年を実現したい考えだけれども、当面そういう考え方でおることには間違いないと。しかし、年金の財政が非常に苦しくなると、大変な問題だということもこれは十分に理解できるので、そういった観点から、年金と定年という問題についてももう真剣に考えなきゃならぬじゃないかと、われわれとしては定年後は社会保障につながると、そういう考え方が好ましいと思うと。定年、その後はいわゆる年金もらえるというふうになるのが好ましいし、また高齢化社会で、定年を今度は六十歳から六十五歳と、そういうふうにふやしていくというには、なかなかこれ口で言うほど簡単じゃないわけですよね、口で言うほど。非常なこれは苦労が要る。しかし、年金は年金としての財政づくりに事情があると、その間の問題をどういうふうに埋めていくか、これは避けて通れないことだからいろいろと検討しようじゃないかと、こういうのがこの間の厚生大臣と私との話し合いの中心課題でございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 それで、確かにおっしゃるとおりに非常にそれはむずかしい問題だと思うんです。しかし、これはやっぱり厚生省の方がどちらかといえば積極的でいらっしゃるような感じを受けます。で、年金支給の開始年齢を六十五歳の方向が厚生省の側から打ち出されて、次期通常国会に関係法案を提出すると、こういう積極的な姿勢を厚生省の方が示されている。どちらかといえばその外圧で労働省もそれに応じていると、むしろそういう印象が免れないわけでございます。先ほども御答弁ありましたから重複は避けたいと思いますけれども、確かに六十年に六十歳ということは、私が考えてもこれは大変なことだろうなと思います。上半期において、中間で五十八歳と、こういう先ほど局長の御答弁もありました。重ねて伺いますけれども、五十五歳の定年制がいまなお四一%と、こういう状況の中、五十年以降四年間で六十歳定年が〇・七%しか伸びていないと、こういう中で、労働省どのぐらい一生懸命叱咤激励してくださるかわかれませんが、これから三、四年で五十八歳、それで六十年に六十歳という定年制は勝算はおありなんでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 定年を延長するという点が、たとえば高度成長の過程で、しかも比較的恵まれた環境にある産業等においてかなり急速なテンポで進んだという時代もあったわけであります。しかし、現在の段階においてその定年を延長するということが、いよいよその賃金体系その他の問題に十分労使が対応していただかないとならぬという問題があって、これが口で言うほど簡単でないという点はまさに先生の御指摘のとおりであります。しかし、同時に高齢化のテンポというようなものを考え、あるいはいまの年金の問題等もあわせ考えまして、私どもは、困難があってもこれはぜひともやらにゃいかぬというふうに考えまして、そこで先ほど申し上げましたように、いろいろな実効性を持ち得る手段を工夫しまして、それを一つづつ、しかもそれを関連づけながら実施をして実現をしたいと、こう思っておるわけでございます。  一方、最近、先ほど関西の労使会議のお話を申し上げましたが、関西の労使会議におきましても、そういう意味で、現在のところ大体五十七、八まで再雇用制度をとっておる企業が多いので、それをまず定年延長に切りかえて、さらに六十までその再雇用制度を採用して、それからその再雇用をさらに今度六十の定年に切りかえるというような、そういうことをお考えになってこれを実行しようとしておられるわけでありますが、そういう機運がかなりほかの地区にも影響が出てまいりまして、最近関東におきましても同じような動きが出ているやに私ども聞いているわけでありまして、そういう意味で、その一環として、たとえば最近電力会社関係等におきましても、定年を五十八歳とか五十九歳とかいうふうに、あるいは少なくとも再雇用はもう六十までいっておられるというふうな状況でございまして、そういう動きが随所にまた出てきていることも事実でございまして、そういう機運に乗って、私どもは、先ほど申しましたような施策を総合的にやりながら実現をしてまいりたいと、こう思っているわけであります。

渡部通子公明党

○渡部通子君 やはりむずかしいという状況下でございますから、一、二年後には満六十歳定年制、これが法制化されることが一番望ましいんではないかと思います。したがって、それを目途にして具体化を関係審議会に諮問すべきではないか。それはどの審議会にいつ諮問なすって、結論を出すのにどのくらいの期間を考えられているか、その辺をもしおつもりがありましたら教えてください。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) お諮りする審議会は雇用審議会というふうに考えております。それから、諮問を申し上げる時期でございますが、これは諮問の内容をどういうふうにするかという点について現在私ども検討しておりまして、できるだけ早い機会に諮問を申し上げたいと、こう思っておるわけであります。  それから、検討のめどというお尋ねでございますが、これも検討自体は審議会御自身の御判断にもよるわけでございますので一方的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、政府としましては、やはり二、三年めどというのが妥当なところではないかというふうに考えているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 公務員の定年制の問題でございますけれども、この間も世論調査で発表されておりまして、六三%の人が必要だと、こう答えて、しかもそれはずっと増強の傾向で、こういう六三%の人が必要という結果が出たという報道がされておりました。国家公務員の場合、五十二年十二月に行政改革の一環として「定年制を導入するものとする」ことを閣議決定されておりますけれども、総理府としては今日までどのような取り組みをされてきて、どの辺まで検討されていらしたのか。

川崎昭典総理府人事局次長

○政府委員(川崎昭典君) 先生御指摘の定年制の閣議決定がございまして、その後人事院に検討を依頼したわけでございます。現在人事院で鋭意検討をされておるわけでございますが、総理府といたしましても昨年世論調査をいたしまして、ただいまお話しのように六三%が公務員に定年制を設ける必要があるという世論であるということを承知しております。なお、だんだんふえておるというふうなお話かと思いましたが、前回五十年度の同種の調査では六〇%ということでございまして、まあ私どもとしましては大体同じというふうに考えております。これらの調査結果は、人事院の意見が出ました段階で、定年制に関する検討を進める上での非常に貴重な参考資料になるというふうに私ども現在考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 定年制の年齢については、この調査では六十歳ぐらいが適当とする声が過半数を占めておりますが、私どもの党でも、六十歳をめどにしながらも最終的には六十五歳、これを目標と、こう考えておりますが、総理府としてはどのような見解をお持ちでございますか。

川崎昭典総理府人事局次長

○政府委員(川崎昭典君) 総理府としましては、現在人事院に意見を求めておりますので、総理府自身の意見というものを申し上げる段階にはないかと思います。また、事務の作業の手順としましても、いろいろ資料を集めておるという段階にございまして、何歳かという検討の段階にまで至っておりません。

渡部通子公明党

○渡部通子君 閣議決定が五十二年ですからもう二年以上たっているわけでございますから、まだ段階でないなどとおっしゃらずに、ひとつ急いで取りまとめをしていただきたいと思うんです。  次に、労働時間のことについても伺っておきたいと思いますが、労働時間の短縮問題週休二日制等の問題については、国際的摩擦等からもさらに緊急に取り組まなければならない課題となっております。ところが、現実はなかなか逆でございまして、最近の調査においても、企業の人員削減あるいはパートの増加、時間外労働増大、こういったことの結果が現実に出てきております。欧米先進国に伍し得る基本的な労働条件の整備について労働大臣から基本的な御見解を伺ってみたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 労働時間の短縮並びに週休二日制等の問題につきましては、御指摘のとおり、これは国際的な観点からも、また福祉という観点からも、また、われわれとすれば一番関心の深い雇用という面からもそういうふうにしなきゃならないという認識でございます。ただ、それを具体的にどう措置するかということは、法律をもって一遍にやるという考え方もあるようでございますけれども、私どもは、中基審の答申あるいは両院の決議に基づきまして、いま行政指導を徹底させると、そういうことで臨んでいるわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 労働時間短縮に関するILO第一号条約以下多くの関係条約を何一つ批准していないという、これは非常に残念なんですけれども、速やかに四十時間労働制、あるいは時間外労働の規制等を内容とする基準法の改正及びILO条約批准の時期ですね、こういつためどを明示して条件整備を急ぐべきだと思いますけれども、いままで、なかなか国内法が大変だから大変だからという、それを理由に延ばすのではなくして、やっぱりいつごろまでには何とか批准をしたいんだと、こういうめどをもうそろそろ立てて条件整備を急ぐときだと思いますけれども、いかがでございますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 担当の局長がおりませんのであれですが、私の承知している限りにおきましては、国際条約を承認するためには国内的にきちっと片をつけておくと、こういうことでのようでございます。したがいまして、国内的な問題が片づかない前に、いついつというようなめどということをこの際申し上げるわけにはまいらぬと思います。

渡部通子公明党

○渡部通子君 そういう御答弁でずうっといままでも来ているわけでございますから、ただ、これほど雇用問題は大事なときでもございますし、国際環境というものが厳しくなっておりますから、いままでどおりの発想でいったならばそれはなかなかできるものではないと思うんですね。だから逆に、一応このくらいでもうめどをつけて、そしてそれまでに何とか国内条件の整備を急ぎたいという、こういう立場に姿勢を変えていただきませんと、ずるずるとなかなかできないことではなかろうか。希望でございますけれども、この希望を労働大臣は受けていただけますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 希望としてしかと受けとめました。

渡部通子公明党

○渡部通子君 だから、なかなか労働大臣はすばらしい御答弁をなさるんだけれども、国会を一貫してなかなかかたいという評価が出ている。ですから思い切って、こういう雇用国会と言われるような大事な国会でございますので、少し羽目を外してでも、蛮勇をふるってでもやってみようかと、ひとつそういう踏み出しを、私は希望としてではなく、もう現実にお願いをしているわけでございます。  同じように週休二日制についての問題でございますが、これもむしろ通産省の方が積極的ではなかろうかと。先ほど定年制についても厚生省が積極的ではなかろうかと私申し上げましたが、週休二日制についても、石油問題等に関連して早期実施を言っているのはむしろ通産省ではなかろうか、こういう印象を免れ得ないわけでございます。大平総理も、二十四日の日米欧委員会のメンバーに対して、余暇の充実の第一歩として週休二日制、これを具体化したいとはっきり述べていらっしゃるようです。で、この問題についても、まず労働省が音頭をとるという役割りを果たしていただきたいと私は心から願うものです。で、週休二日制の実施についての今後の具体策についてどういう検討が行われているか、内容を伺いたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 労働基準局長どうしたんだ。どこへ行っているんだ、委員会中に。だめだよ、そんなことじゃ。

渡部通子公明党

○渡部通子君 それではその問題はちょっといらしてからに譲りまして、総理府はいらっしゃいますね、引き続き。−それじゃ総理府に一点伺っておきますが、公務員の週休二日制、これには給与法の改正等が伴うと思いますけれども、この辺の作業はどうなっておりますでしょうか。

川崎昭典総理府人事局次長

○政府委員(川崎昭典君) 公務員の週休二日制につきましては、これは人事院でただいま鋭意検討中と、特にこの夏あたりをめどに検討しておるというふうに伺っております。私どもの方では、週休二日制というものの形態が、世界各国いろいろあるといったようなことを研究しておる段階でございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 週休二日制の問題ですけれども、答弁ダブるかもしれませんけれども、通産省の方が御熱心ではないかという印象を私たちは免れないといま申し上げました、石油問題等からですね。労働省がこれは音頭をとるべき最たる問題だと思うんです。大平総理ですらこれを表明している。こういう段階にあって、事務当局の方では具体的にどう進んでおりますか。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 私どもの方は四十七年からずっと週休二日制の行政指導をしておりまして、四十七年に提唱いたしましてから非常に促進されたわけです。それが五十一年、二年あたりでちょっと頭打ちになっておりまして現在に至っております。したがいまして、私ども現在やっておりますのは、まず民間につきましては何と申しましても経営者のこの問題に対する理解、それからそれが労使のコンセンサスの上で推進されていかなければならないという点、あるいはまた、実際にサービスとか商業とかというようなものになってまいりますと、国民が、たとえばそういった店でも、週休二日をとることによって店を閉じてしまうことの生活、サービスでの不便というようなこともある程度認容していただかなければならぬという面での国民の一般的な理解というものも必要でございますので、私どもは中央、地方を通じましてPR、周知に努めますとともに、それぞれの労使の産業別の会議あるいは経営者団体、あるいはまた、地方の場合にはいろいろな形での団体あるいは会議等を通じまして周知に努めているところでございます。ですから、具体的なことになりますと、たとえば先ほど大臣もちょっとおっしゃいましたが、金融機関につきましての施策の問題、あるいはそれが公務員についてどういうふうに進めていくかというようなことになりますと、私どももちろん関係官庁と一体となりまして連絡推進のための会議を持ちまして、そういったところでの具体的な進め方については煮詰めておりますけれども、民間の場合にこれを実際に、先ほども申し上げましたが、たとえば時間外労働の過長なものの規制とか、あるいは有給休暇の完全消化というような形での基準法をベースにいたしました行政指導というようなことよりも、むしろそういった一般的な国民のコンセンサスないし労使の協力推進というようなことを中心に進めていかなければならない課題だというように考えておりまして、そういう面での努力をしているということでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 国民のコンセンサスはもうかなりできてきているわけです。むしろ給与法だとか銀行法だとか、そういうことの方がネックになっている。だから行政の方がおくれているんですよ。だからその辺、いま関係官庁といろいろ連絡会議をやってというふうにおっしゃるけれども、その音頭をとるのが労働省ではないかと、通産省や厚生省や、そっちの方から言われてやるようなことではなくて、定年制の問題にしても週休二日制の問題にしても、労働省が先陣を切って旗を振らなきやならないんじゃないかと私は申し上げたいんです。だけど労働省が一番後追い的に外圧によって動いているというような印象を免れない。そういう意味で休眠論ということを私は冒頭に申し上げた。決して眠っているという意味じゃないけれども、薄目かもしれませんけれども。そういうわけで、何とかこれは積極的に進んでいかなかったならば、労働大臣は五月三日、四日にはお出かけになるんですか。そこで大体この週休二日制とか定年制の問題についてどういう御意見を示そうとなすっていらっしゃるわけですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 別にほかの省が先陣を切って労働省の方が後じゃないかということについてとやかくございませんが、私は労働省が先頭を切ってこういう問題をやっておると、また私みずからも自負しております。実は大平総理大臣が週休二日制のあの発言をされましたけれども、私は総理に対して、もうこれは今日的課題であるので、これを総理のリーダーシップのもとにやられることが必要ではないかという進言をした者の一人でございます。また総理もそれはそのとおりだということでございまして、内閣といたしましてもこれは積極的に取り組むということでございます。そのためにどこからどうするかということになりますと、具体的な問題になると、まず、これはずいぶん言い古された言葉だと言いますけれども、しかしなかなかこういうものは一気にいくものではございませんが、今日の段階になりますと、それじゃ銀行からいった方がいいじゃないかと、そこで銀行法の改正を次の通常国会をめどにしてやろうじゃないかというふうになってきておるわけでございます。そういう意味で眠っておりませんので、どうぞ御鞭撻を賜りたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部通子君 私は、御苦労のほどはよくわかっておりますけれども、さらに何とか具体化してほしい、実効をもたらしてほしいと、これは応援のつもりで申し上げております。三日、四日お出かけのようでございますから、ぜひともその場でも、日本人はウサギ小屋に住む働き中毒などと決して言われないように、具体的に大臣として御意見を表明されていただきたいし、東京サミットが控えておりますので、そういった意味では日本の労働者に歓迎されるような、そういう方向でひとつお臨みいただきたいと思っております。  総理府の方でまだ検討中ということでございましたけれども、ひとつ人事院の方の週休二日制問題、こういったことも督励をして進めでいただきたいし、それから担当の労働省の局長さんに、関係省庁と打ち合わせてと、こういうことでございますけれども、それをひとつ積極的に進めていただいて、銀行法の改正が来国会にということでございますし、金子蔵相もそれに対しては積極的な御答弁をなすっていらっしゃいますから、そういったことを一つ一つ積み上げていただいて、国際的な緊張、摩擦というものを少しでも解くという方向に労働省がひとつ御努力を願いたい、こう思います。  で、週休二日制並びに定年制の問題をそれで終わりまして、もう一つ大臣に伺っておきたいんですけれども、十万人の雇用創出の問題ですね、これ確かにありがたいことなんですが、低成長時代が続く中で、産業構造の転換や減量経営の犠牲となっている中高年齢失業者、こういった等も含めて政府では十万人の雇用創出をその対策の柱としていらっしゃる。現在完全失業者が百三十万人とかなんとか言われている中でこの雇用創出規模というのは、ありがたいけれども非常に小さいと、こう感じざるを得ないわけです。そして十万人の雇用創出、これがどのように進んでいるのか、現実に。そのプロセスと、それからこの規模をもう少し大きくなさるべきではなかろうか、それに対して現在時点でお考えはございませんか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 十万人の雇用創出が少ないじゃないかと、失業者が百三十万人もあるんだからというのは、一般的に皆そうお思いになると思います。しかし、御案内のとおり、雇用創出するのは非常にむずかしいことでございまして、基本的に、いい仕事があったら、厳しい財政状態であるけれどもそれは国は出すべきだという考え方なんです。ただ金を出せば雇用ができるというものじゃございませんので、そこに苦しみがあるわけです。私ども、そういったことからいろいろ勘案いたしますと、既存の制度の中で、もう大幅にこれを拡充することによって利用する者が多くなるというものは何だということから考えたのが、今度の十万人雇用政策の中高年齢者を中心とする雇用開発給付金の大幅拡充なわけでございます。ですから、私どもはこれが最善とは思っていないけれども、しかし、現状においてはまずこれをやるというのが、一番われわれに課せられたまともな道ではないかということでやっておるわけでございます。なお、こいねがわくば、この制度が、いままでいろいろ予算をとっても消化されないじゃないかというような御批判が制度の中にございますが、この制度がそういうことのないように弾力的に運用して期待にこたえたいと思います。ちょうどこれは、景気がうんといいときにこういうものを出したって意味ないわけです。景気がうんと悪いときにこういうことをしても、これはなかなか、いや十万円もらってもいやだよというのがあると思うんですね。ですけれども、少しずつよくなってきているというときですから、ある意味においては誘導政策としては非常にいいのではないかと、したがいまして、御希望があればこれは弾力的に運用するということでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 最後にもう一点お伺いをしておきます。  ハンディキャップのある方たちの雇用の問題ですけれども、心身障害者についてはその就職が特に困難な状況でございます。現に雇用率の達成状況は大企業になるほど悪いと、こういう状況のようで、心身障害者の就職を促進するための具体的な雇用対策、それから障害者の雇用を促進するために納付金制度をもっと積極的に活用して、事業主に対する助成措置というものを強化することが必要だと思いますけれども、その二点について伺っておきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 身体障害者の雇用の促進は結局二面あると思うわけでございます。一面は事業主側が身体障害者の雇用問題について理解を持ってくれるということがやはり基本的に必要で、そのことは、雇用した後でまた雇用が継続するためにも絶対不可欠な要件であります。ただし、こちらの方は、そう急にことしと去年でもってまるきり事業主の頭が変わったというようなことはあり得ないわけでありまして、これは時間がかかっても、こつこつじみに継続的、集中的、しつこくやるしかないと、こう思っておるわけでございます。しかし、それだけではとても現在の雇用率から見てかなり下回っているものがなかなかはかばかしく進捗いたしませんので、何とか実効のある方法はないかということで考えまして、五十四年度予算の中で身体障害者、これは重度の方と、それから中高年の方と、それから心神薄弱の方、この方を雇っていただいた場合には月額十万、年百二十万、二年間で二百四十万という、ちょっとこれもけた外れの雇用奨励制度を設けまして、それによって緊急にとにかく雇用の増というものを図って、やはり雇ってみた結果その誤解が解けるという面もあるんじゃなかろうか、あるいは認識不足が改まるという面もあるのじゃないか、つまり、使ってみたらなかなかやるではないかと、これもまた一つの行き方ではないかということで、そういう意味で思い切った制度をとってみたということが一つ。それからもう一つは、重度障害者を多数雇い入れていただく事業所につきまして、設備の設置に当たって支給される助成金につきましても、これも要件緩和とその限度額を大幅に上げておりまして、こういうふうな制度と、先ほど申しましたじみな方のしつこくやる方と両面やって、今年度においてできるだけの実効を上げてみたいと、こう思っておるわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 わかりました。それはそういう制度があることを周知徹底するということが非常に大事だと思いますので、そのお願いをつけ加えまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 新しく栗原労働大臣の登場で、いろいろ積極的な意欲をお持ちであろうと期待もし、質問をしていきたいんですけれども、時間の関係もございますので、具体的な問題を通して、そのお答えによってその姿勢はどの辺にあるか採点をしていきたいと、そう思いますので、ぶっつけ具体的な問題に入らしていただきたいと思います。  まず、北炭夕張の問題でございまして、これはもう当委員会で私何回も取り上げてきた問題でございます。夕張新鉱はいま再建計画の最中でございます。労働者も非常にこれには協力もし、何とか再建したいという意欲でございます。しかし、その労働者にとって言わせれば、生産計画そのものがネコの目のように変わる、そしてもう実行できないようなそんな計画じゃなくて、将来見通しがちゃんと立つような、そういう根本的な政策をつくってもらいたい、何よりも、それにはまず保安の立ちおくれがないように生命の安全を守ってほしい、まあ非常におくれているということでございますね。それから、労働者の高齢化が進み、この先五年間で三〇%も定年で減っていく、新採用も条件と実際とが違うということで、十人入っても歩どまりは二人くらいだということであれば、人員的にも技術的にも非常に行き詰まりをするのではないかと。そういう中で、この労働者は五十一年以降期末手当の半額カット、退職金の未払い、それから賃上げストップ、五十四年の二月、三月は賃金カットをしたというのにも協力をいたしておりまして、現在未払い金は、一人について五十ないし九十万というものを残しているわけでございます。そういうような状態の中で、自分たちも協力する、しかし、何よりもまず保安についてしっかりやってもらいたいというのは私は当然のことだろうと思うわけでございます。その保安条件について、労働者の代表が参りまして、石炭部長にもお願いをいたしまして逐次改善されてきております。いままでどういう点がどういうふうに改善すべきだと指導したというのがなかなか労働者にはすぐにわからなかったと、それがお願いした結果、こういう点について監督官が指導しましたよという内容が労働者にわかるようにやっていただいたということで、これは大変よかったと喜んでいるわけでございます。  しかし、この夕張というのは本当にいろいろ問題がございまして、私も行くたびに問題が次々と起こってくるわけです。通産省としても、保安の問題を御指導いただいたということは非常によかったと思いますけれども、現実にまだ非常に危険な個所が残っているというようなところがたくさんございまして、きょうは時間がございませんので、労働者に一体どうなっているんだと言ったら、こうなんだというこれは図を書いてくれまして、ここが坑道が大変狭い、そしていろいろな機材を積み込んでいったら人はとても通れるようなものじゃないよと、それから、何か事故が起こったら、とてもじゃないけれども救助なんかできるというような状態ではない、はわなければならない坑道もあるというような、鉱車が通れば人が歩けない坑道というようなものもまだあるということなんでございます。こういうのが放置されまして、事故が起きてからではもう本当にこれは大変なことでございますので、いままでいろいろやっていただいたことはありがたいと思いますが、これも差し上げますので、具体的にこういうところがこういう状態だというふうに言っておりますので、もう一歩こういう保安について積極的に御指導もいただいて、万遺漏なきよう、一たん事故が発生いたしますとこれは人命の問題でございますので、強力な御要請をお願いしたい。それについてのお答えをいただきたいと思います。

有沢潤通商産業省立地公害局石炭課長

○説明員(有沢潤君) ただいま先生御指摘のとおり、保安問題は北炭再建の一つのかなめでもございます。そういうことで、私ども、先生御存じかと思いますけれども、札幌の鉱山保安監督局、ここで監督しているわけでございますが、そこにプロジェクトチーム……

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 済みません、簡単に。やっていただけますかどうか。やるというならやるでいいです。

有沢潤通商産業省立地公害局石炭課長

○説明員(有沢潤君) そういうことでいろいろ努力しているところでございます。今後とも、いろいろ改善をされてまいりましたが、いまだ不十分の点も散見されますので、われわれとしてはなお一層努力してまいりたいと、かように存じます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 これは私は本当にしつこいくらいにお願いしたいと思うのですけれども、四月の上旬だけでも、一週間の間に「支柱の磯部武三さんが、アーチの「ヘーシ」にたたかれて、顔面が大きく裂ける重傷を負って入院。神経などの後遺症も心配されます。」という事故がございます。それから、「工作の沢田富士男さんが、電車にもまれて足首を骨折。ぶらぶらになるほどの大怪我。」をいたしました。それから、「十四日には、三井建設の金谷盛雄さんが、まき上げた鉱車とサイドダンプにはさまれて、骨盤の座骨骨折、尿道断裂、膀胱に血のかたまりがたまって尿が出なくなるという重傷で、あやうく命を失うほどの事故にあう」と、こういうようなのがわずか一週間の間にも出てきているわけなんでございますので、いま積極的に保安については指導するとおっしゃっていただきましたので、もう本当に重ね重ねその保安の問題についてはよろしくお願いしたいと思います。そちらもう結構でございます。それだけしっかりやってください。  それから、次はボーナスの問題なんです。これももう何回もで、労働大臣は初めてお聞きになる問題かもしれませんけれども、この北炭というのはちょっと大した会社でございまして、これ特殊な問題なのでよく聞いておいていただきたいと思います。  北炭新鉱のボーナスの不払いというのがございまして、これは五十一年の夏冬分、それから五十二年の夏冬分、それから定着奨励金というものも不払いになっております。これは何人分で総額計算なさいましたら幾らになっておりますでしょうか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 先生御指摘の五十一年から五十二年にかけましての期末手当の不払い額については、私ども額を承知いたしておりません。で、実は昨年北炭の再建計画の見直しが行われました際にこの問題が提起をされておりまして、当時他の会社よりもボーナスが低く決められたということは話として承知いたしたわけでございますが、ただそれは労使協定の上でそういう形になったんで、その差については今後経済の情勢が好転した時点で考慮するという労使協定もあるやに伺っております。そういう意味ではその分が不払い額とは基準法上言えない問題も出てまいります。具体的な額については承知をいたしておりません。  なお、定着奨励金につきましては、かつて当委員会でも御質問等ございまして、過去相当前にそうした制度が導入されて、それが不払い額になっているということは承知いたしております。額としてはたしか七億六千万円程度の額と承知いたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 期末手当の不払い分が幾らかというのがつかめないとおっしゃいましたけれども、つかめないような仕掛けになっているわけなんです。これも、たとえば労働者にこういうのが−ちょっと遠くてわからないかもしれませんけれども、こういうようなのが行くわけなんですね。そうしますと、これ全部暗号になっているわけなんです。五十一年上期の手当は「2、Bイ」と、こういうふうな暗号になっておりまして、下期の場合は「2、Bロ」になっているんですね。それから五十二年の夏は「2、Bハ」で、冬が「2、Bニ」と、こういう全部記号で出てくるわけなんです。労働者もわかりません、これでは。そこで、組合の方からこれの読み方が知らされるわけなんですね、そうしますと、「2、Bロ」というのは五十一年の下期であるというようにこれが出て、この解読書がないとこれはわからないような仕掛けになっていますから、おたくの方でわからないとおっしゃるのは当然のことだと、そう思うわけなんですね。こういうので見ますと、たとえばここにちょっと三枚だけ持ってきたわけですけれども、この人は勤続三十四年の方ですけれども、現実に残っている分というのが八十五万未払い分が残っていると。この人は十年なんですけれども、これは七十五万七千円残っている。この人は二十二年で七十六万五千というような、こういう数が、本人にはわかるわけですけれども対外的にはわからないというようなやり方をやっているわけなんです。この言葉はちょっとどうなるかわかりませんが、払われていないですね、期末手当が。払われていないで残高これだけありますよというボーナス分に対して議事確認事項というのがあるわけなんです。五十一年、五十二年の上期、下期、払ってない差額は昭和五十七年以降五カ年で支払うということの確認事項になっているわけです。つまり五十一、二年分を五十七年から五カ年で払うということですから、ざっと十年先にならなきゃもらえないということが確認事項できちっと書いてあります。それから、今度その利子については、五十一年上期の利子については五十四年九月から計算しましょうと、この利子についても三年半以上無利子だと、こういうふうなやり方が出ているわけなんですね。こういうのを見ますと、これは労働者が非常に不安に思うのは私は当然だと思うわけです。つまり五十七年から五年間、あと十年たたなきゃもらえないと。法律的に言えば賃金債務と申しますんですか、これについては、労基法でも、二年間は法律的には保証されていたとしても、十年先まではこんなのは保証されていかないわけですよね。だから労使で協定を結んで、それで十年先に払うよと言われても、会社が実際問題金がなかったらどうにもならないんだというようなことになれば、これはもう全く空手形になるという心配も出てくるわけでございましょう。それから、本人が不幸にして事故死というようなことになった場合はどうなるんだというような、そういう問題がここに出てくるわけなんですね。こういうような問題について、これはちょっとやり方がひどいんじゃないか、当然払うべきものであるわけですから、こういうような問題について労働大臣、こんな実情ね、どういうふうにお考えになりますか、御所見を伺いたい。採点するんですからね、伺いたいと思います。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) いま先生御指摘の議事確認の内容も、昨日ちょうだいいたしまして拝見をいたしております。実は私どもも、従来から承知いたしております経緯と、その議事確認照らし合わせてみますと、一つ問題がございますのは、そうした債権、つまり、ボーナスを払わなきゃならないということが確定してある期日ですね、払わなきやならない時期が過ぎたのに未払いに終わっているものは、これは労働基準法上の問題として処理をしなきゃならないわけでございます。先ほどちょっと触れましたように、労使協定で五十一、二年当時の期末手当については、大手四社の五五%に相当する額とすると、ただし他の四社との差額については将来云々、しかも具体的には別途供与、こういう形になっておりますので、その意味から申し上げますと、いわゆる賃金債権としてまだ確定していない性格のものと見られる分があるわけでございます。そういう点がございますので、当然に賃金債権として確定している分についての不払いとなりますと、これはもう基準法の問題になりますけれども、そうじゃない部分がどうもあるやに受け取れ得ますので、その点はなお私どもとしても実態を調べてみたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それはきちっと言えばそういう問題があるかもしれません。お調べいただきたいと思います。しかし、具体的に私が言ったわけです。ボーナスを押さえてあって、そして五十七年からあと五年で払いますよというようなことは、これは正常な形ではないと私は思うんですね。それは労使協定があったかもしれない。しかし、当然払うべきものがそういうふうに延ばされているというのは決して好ましくないものだというふうに考えて当然だと思うんですけれども、大臣いかがでございますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 基準法違反の問題については、いまも話したとおり、それははなはだよろしくないということで、処置しなきやいかぬと思います。そうでない労使交渉の問題については、労使交渉に任せるというのは原則でございますけどね、これが好ましくないことは全くお説のとおりでございます。そういう意味では、好ましくないという認識に立って行政指導がどこまでできるかというふうになると思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 大変好ましくないことが次々とこの会社では起こって、御苦労もおかけしているわけです。  同じように退職金の問題がまたございます。退職金未払い状況、総額は、これはどういうふうになっておりますでしょうか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 北炭会社が昨年分割をされましたわけでございますが、そうした、要するに北炭関係の分割されたものを含めまして、四社から完全に退職されました方の退職金の不払い額は、ことしの二月末現在で総額三十四億八千三百六十万五千円となっております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 退職金の問題も、これやっぱりいまおっしゃったように二つ考えなきゃならない、二通りあるわけなんですね。つまり、夕張第二炭鉱を完全にやめて、山から、会社から出ていっちゃったという者に対する退職金と、それから、その山は閉山してやめたけれども、今度新鉱に引き続き就職したという、そういう二つの退職金の問題があるわけです。その初めの、いまおっしゃいましたね、三十四億八千三百万円と、これは完全退職した八百四十六人の分なんで、これは完全に退職したんだから当然払わなければならないお金というふうに考えられるものだと思うんです。この支払い計画というものが出されておりますね、これは時間がないから、いただきましたので私見せていただきました。これは五十五年度に終了の計画というふうになっておりますですね。これについても、ぜひこれが五十五年度というともうすぐでございますが、毎年の計画が出ておりますので、五十五年に本当に終了できるようにぜひ指導監督を強めて見守っていただきたいということをお願いしたいと思います。いかがでございますか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 御指摘の支払い計画につきましては、昨年七月監督機関に提出をいただきました。で、従来から懸案の問題でございますので、その計画に沿って支払いをやってもらうように会社側に対してもその後繰り返し監督指導を行っております。ただ、御承知のように経営状態が非常に悪化しておる状況にございますので、現在必ずしもその計画どおりいっておりませんが、これは私どもとしても、今後引き続きさらに監督指導に当たってまいりたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 会社もなかなか大変だということはわかりますんですけれども、前、石田労働大臣が、会社の経営が大変だからといって払うべきものを払わないというのはこれは理由にならないというふうに、労働大臣としてはっきりおっしゃっていただきました。ですから、やっぱりそれは当然のことだと思いますので、いま課長さんおっしゃいましたように、五十五年度で払えるように、ほっておきますとまた延びるという危険もございますので、ずっと見守っていただきたいと思います。  それから、新鉱に引き続き就労している第二のケースですね、第二鉱をやめて今度新鉱の方に移った人、それからまた北炭の他の山に就職した人、この人の退職金というのは三分の二が払われて、三分の一が今度新たに入った山をやめるときまで凍結というような約束になっているわけなんです、三分の一はね。その山を本当にやめるときまで凍結するということになっております。この退職時、閉山時の協力をするというときに閉山時の条件交渉というものがございまして、合意して労使で協定いたしまして、特別加給金というのがございまして、残額が一人当たり二十ないし百万についてあるわけです、特別加給金というのがね。これは閉山公布以降一カ年間社内預金として凍結すると、これも労使協定で結ばれているわけなんです。そもそも、またこれもちょっと微妙なところになるかもしれませんけれども、社内預金の凍結というのはそもそもこれは労基法違反ですね、十八条違反に私はなると思うわけです。で、ここの労基法十八条の中の終わりの方でしたけれども、「使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。」という文章がございます。そこで一つのお願いは、これも空手形にならないという保証がございませんので、約束どおり、五十四年の九月まで凍結という約束になっておりますので、五十四年九月には必ず特別加給金の凍結、これが三百七十八人分で三億三千万円ございます。これは凍結解除を必ず約束どおりにやらせるということをきちっと目をつけておいていただきたいと思います。  それから、三分の一の退職金の未払いで凍結になっているというのが、これが七百名で約十五億とか十六億とかというような数になっているわけなんです。こういうものについて、凍結されているのを全部返せとは会社の事情もございますから言えないんですけれども、労働者の側にしてみれば、いや子供が結婚するとか、入学するとか、いや病気になったとか、いろいろな事情がございますですね。そういう特別な事情のある人には一部でも可能な限り払ってあげてほしいと、全額返してなんて言っていません。これだけ協力するというので約束もしているわけです。しかし、万やむを得ないときにはその凍結されているものから、少しでも会社側は誠意を示して返してもらいたいというようなことを、私は当然やってもいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、そういうように御指導いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 完全退職者の方の支払いが非常に多額に、不払い額が多額なために、順次計画的にやっておりまして、その場合特にそうしたいろいろな生活上の理由から資金を必要とする方に優先的に支払うということは、これは従来会社側も、また組合もそうした点十分留意して処理をしてまいっております。私も現に昨年その点は確かめましたけれども、そういう処理はされて去ります。  いま御指摘の点は、凍結分についての御質疑九と思いますが、その取り扱いについて従来の労使協定その他どういう形になっているのか、まだ私ども具体的に承知してない点もございますので、この点は詳細事情を把握いたしてみまして対応していきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 特別加給金の社内預金の凍結分について、ことしの三月十四日に、取り扱い適正化についてということで御指導なすっていらっしゃいますでしょう。その取り扱いの適正化という、とは、言葉では適正化といっても具体的にはどういう内容で御指導いただいたんでしょうか。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 労働基準法の規定によります社内預金は、現に在職している方の社内預金を扱うというのがたてまえになっております。すでにやめられた退職者の方の預金を扱っておりますと、これは基準法の問題じゃなくて、別途出資その他に関する取締法でございますか、そちらの問題にも移行するおそれがあるので、そうしたことの違反がないように十分留意してほしいという趣旨で指導いたしておるわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そういういろんな事情もございますので、いま申し上げましたように、社内預金の凍結解除をきちっと約束の九月までに、延ばすことのないようにという指導と、それから退職金の未払いの分とボーナス未払い分というその凍結されたものについて、特別の事情があってどうしてもというような場合には情状しんしゃくして引き出すことができるようにということは当然だと思いますので、重ねてそのことをお願いしたいと思います。よろしゅうございますね。

小粥義朗労働省労働基準局監督課長

○説明員(小粥義朗君) 先ほどもお答えいたしましたとおり、労使協定、特に移行者分の退職金の凍結の仕方でございますが、その点の労使協定その他なお私どもつまびらかにしない点もございますので、そうした点を確かめた上で適切な対応をいたしたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 もう私も北炭問題、余り何回もやるのいやですよね、課長さんももう本当にあきれていらっしゃると思うし、私もあきれちゃうんだけれども、行くたびに問題起きてくるんですね。これもう本当に大変な会社なんですよ。大臣もちょっと目をつけておいていただきたいと思いますけれども、そこで犠牲になるのはやっぱり何といっても労働者でございますので、やっぱり労働者を守るという立場からも十分な指導監督もしていただきたいということを、大臣にも重ねてお願いしたいと思います。首振っていらっしゃいますが、いいですね。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 適時適切な指導監督をいたしたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ次の問題に移らせていただきます。  次は、札幌に本店があります北洋相互銀行の従業員組合に対するいろいろな問題でございます。大蔵省は来ていらっしゃいますね。——これは労働省と大蔵省の立場でいろいろお伺いもしていきたいと思います。  北洋相銀の従業員組合の支援共闘会議というのは現在六百三十三組合、四十七万人で支援共闘会議が結成をされております。この要求の第一は何かと言いますと、この組合の分裂に対して会社は不当介入をしていること、これについて反省せよというのが第一の問題。それから第二の問題は、第二組合との差別的昇格、差別賃金を是正しろ、こういう要求で共闘会議というのが大きくいま組織されているわけです。その共闘会議が、先ほど言いましたように六百三十三組合、四十七万人という方たちで組織をいたしておりまして、こういうビラを何号も続けて出しているわけでございます。ここで言っておりますことは、ちょっとこれ読み上げたいと思います。「北洋相銀の大塚社長は、組合を分裂させたあと今日まで、八年間にわたって従業員組合員(第一組合員) に露骨な昇格・昇級の差別を続けています。その実態は下表のとおり、」と数字が挙がっているわけです。「職員組合員(第二組合員)の登用六一六名に対し、従組員の登用はわずか十三名という状況です。このため、同期生の全員または大半が役付行員になっているのに、従組員のほとんどはヒラ行員のままです。その結果生じた同期生との賃金差別額は、該当者一〇二名で一億九千四百万円(八年間の累計額)もの膨大な金額になっています。従組員であるとの理由だけで、同期生と一年間に一三九万円も差別(四三歳大卒者)されていることは、単なる賃金差別にとどまらず、明らかな〃人権侵害〃です。」と、こういうふうにビラで訴えているわけです。また、同じように「昭和45年11月に日本銀行から〃天下り〃してきた大塚社長は、わずか半年後の翌年5月に一部役付組合員らを使って従業員組合を強引に分裂させました。」と、こういうふうにチラシに書かれて、そしてこれがきょうの問題になるわけなんですが、これもこの組合分裂に、ここに書いてあるように、日本銀行が一役買ったと思われる節があるわけなんですね。これは昭和四十一年四月二十一百「北洋相互銀行実地調査所見」というのが、日本銀行考査役木村芳雄さんの名前で出されております。これは十三ページあるわけですけれども、この十三ページの中で、実は八ページにわたって組合活動に関する干渉とも言える内容があるわけです。この内容ちょっと読んでみますと——いっぱいあるんです、八ページあるんですから。「労使関係をみると、残念ながら必ずしも正常な状態とはいい得ないように思われる。御行組合の全相銀連加盟後に改訂された労働協約においては、専従者の増員や組合オルグの際の賃銀無カット、斡旋、調停を経ることなく七十二時間の事前通告によりスト実施可能、経営や人事などの重要事項の経営協議会への付議などが認められている。一方給与については、収益に多少の余裕のみられた従来はもとより収益面からの制約が強まってきた昨年末においても、結局大幅な引上げが行なわれ」云々と、こういうふうに書かれているわけです。   〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕 つまり、大幅賃上げやったのはけしからぬというような内容になっていますね。それからまたここのところには、「今回のベース・アップ要求が御行としては初めての全相銀連との共同署名により提出され、またベ・アとならんで勤務時間三十分短縮の要求がなされていることは、従来の一方に偏ったバランスと無関係ではないように思われる。」と、つまり、ここでは産業別統一への干渉と見受けられる文章があります。それから、今度またあるわけなんですけれども、「御行の給与体系は定例給与、賞与ともメリットの殆んどないかつ男女同一の年令給であり、このため勤労意欲の盛り上りが阻害されていることは否めない。また、定年が六十才のこともあり一般に職位昇進が渋滞し勝ちで、」云々と、つまり給与体系の中身にまでこういうような所見という形で出しているわけなんですね。これはちょっとひどいじゃないかと、日銀の立場でこういうような、まさに労使介入に入ってはならないと、入るべきではないと思っていらっしゃるだろうに、こういうようなことが実際に行われたということが、これも問題になりまして、そしてこれは四十九年の二月八日の衆議院大蔵委員会でこれが取り上げられまして、佐々木日銀総裁も、一時労使問題について意見を求められ、こちらも言った時期があったと、そういう事態を反省し、労使関係について口をはさむべきでない、最近は取りやめた、今後ともやる考えはないと、   〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕 一応反省をなすって御答弁を国会でいただいているわけでございます。  それが、今度またその後こういうのが出されているわけです。いま読みましたのは四十一年、これは四十七年の九月九日、日本銀行考査役上林裕さんです。ここの中身ちょっと申し上げますけれども、これは日銀から大塚さんという社長が天下りしていったと、そしてその大塚さんが組合分裂をさせて非常に成果を上げたと、こういうふうな見方で物をおっしゃっています。この天下り、日銀から行った分裂の仕掛け人と組合の方は書いておりますけれども、これに対してこういうことを評価してるですね。「大塚社長を中心とする経営陣の勇断によるショック療法が施されてきた。」と、確かにショック療法のような大きな力だったと思います。「幸い、この間役職員全行あげての協力体制が漸次固まり、これら改善努力の成果は顕現してきた。すなわち、労使関係は急速に改善の方向を辿り、職員の士気は盛り上り、業容は昨年以降上げ潮テンポに変わり、昨年末資金量は二千億円の台乗せをみ、資産内容も今回調査の結果、大幅な改善をみている。この間における役職員各位のご苦労とご努力に対し、深甚な敬意を表したい。」と、こういうふうになっているわけなんです。つまり、労使関係が改善の方向をたどったということは、結局第一組合を分裂させて、そして第二組合にてこ入れをしていったことを指して、労使関係は急速に改善の方向に進んだというような評価をされているわけですね。はっきり言えば、組合分裂して第二組合を育成させたと、それが「改善の方向を辿り、」と、そしてその組合に対してのいろいろな干渉や何かに対して大変いい業績であると、「深甚な敬意を表したい。」というところまで、おまけがつきましてこれが出されているわけなんです。これは四十七年の段階でございますので、現段階では大蔵省、日銀はまさかこんなことをなすっていらっしゃるとは思いませんけれども、そもそもこの問題が起きた発端というのはこういうところから始まって、八年前のことでございましてね、こういう発端から来たわけなんですよ。そして、いまこの共闘会議というのは非常に盛り上がりまして、いろいろこう宣伝ビラが具体的に出ておりますので、非常にみんなから支援されているわけなんです。たとえば「年間三十六億円もの経常利益をあげ、従業員一人当りでは日本の代表企業である新日鉄の十七倍にものぼっています。」と、こういうふうにもうけているじゃないかと、それなのに大企業に対しては利率が三・何%、それから中小企業やサラリーマンについては六・何%というような高い利率をかけているなんて、いろんなものが中身から出ていますよ、こういう紛争になりますとね。このあります場所が札幌の大通り公園という公園のテレビ塔の下の、札幌で一番人の出入りする場所でございます。ここで毎月一回共闘会議が集会をやるわけなんです。そうすると、銀行さんにとってはね、これはもう大変あれですよ、銀行業務の上から、こんなところで座り込みやられたり、旗出したり、そして支援共闘会議のみんなが、千人くらい集まったときもありまして、もう四、五百人はざらなんですね。しかも、春だけじゃなくて、寒いときもこうやってその辺がわんわんとこうなるわけなんですよ。  そこで、私はお願いがしたいわけなんですけれども、こういうことが起こった発端というのは、日銀さんの、こういう問答で明らかになったように、やはり具体的には介入という事実につながってくるのではないかと思います。それから、労働者にしてみれば、ここにもありましたけれども、大学卒で従業員のAさんという人は、四十二歳で百三十八万九千円の差が出てくると、これはもういろいろ年金にもはね返ってくるわけでございますからね、労働者にとってはこれはもう非常な不利益だというふうに考えるのは当然だと思います。それで、こういう第一組合、第二組合に分けて差別しているというのは、たとえば第一組合は共産党だと、社会党が応援していると、だからこれは赤の指導による、特定政党による指導だというふうな攻撃がかけられてきている。そうしますと、労基法で言えば三条の差別というものにもひっかけようと思えばひっかかるような差別支配ではないかなというふうにも考えられるわけなんです。私はここでいま申し上げたいのは、こういう状態このままにしておいてはいけないと思うんですよ。何とか話し合いのテーブルについて、これを善処していかなければならないというふうに私はやっぱり前向きに進めていく必要があると思うわけなんですね。そこで、大蔵省としても、やっぱりいろいろお立場もあろうかと思いますけれども、これは決して好ましいことじゃやありませんね、お互いにとって。だから、それが円満に解決するように話し合いを進めて、そして円満解決に持っていくようにというふうに、大蔵省としても銀行におっしゃっていただいていいのではないかと、そう思うわけです。それからまた、労働省としても、こういう事実がございまして、私時間がございませんので一方的に話をいたしましたけれども、やっぱりこういう差別というものは好ましくないと、だから、労働省としてもこの差別の実態も調査していただきたいし、そしてこれについて、過去のことをとやかく言うよりも、前進するために、この解決のために可能な努力を労働省にもお願いしたいということで、きょうはその御努力をお願いしたいと。大変それぞれのお立場もございましてね、余りいい仕事じゃありませんからやりたくないことはもうわかっておりますけれども、やっぱりこのままにしておきますとどうにもなりません。ますます混乱が広がるばかりでございますので、そういう点で大蔵の方には御協力いただいて円満解決への力をかしていただきたい。そしてまた、労働省にも実態をお調べいただいて、大蔵とも御相談もいただくときもあろうかと思いますが、何しろ円満に解決できるようなお力をいただきたいと思いますので、双方からお答えをいただいて、時間でございます、終わりにしたいと思いますが、どうぞよろしくお願いをいたします。

吉居時哉大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(吉居時哉君) 私ども、相互銀行に対しましては相互銀行法に基づきまして監督の立場にあるんでございますけれども、これは法律にございますように、当該相互銀行の業務とか財産の状態を調べると、こういう観点から監督しているわけでございまして、直接に労働問題に関与するという立場には実はございません。そこをひとつ御了解いただきまして、したがいまして、私どもとしましては、こういう問題に介入できる立場には実はないわけでございますし、また、いまいろいろ問題になっております案件の中には、私ども承知しております限りでは司法当局にかかっているような案件もあるやに聞いております。そういうふうな状況でございますので、私どもとしましてこれに直接どうこうというわけにはいきませんけれども、ただいま先生からお話ありました御趣旨につきましては、当該金融機関にお伝えいたしたいと、こう思っております。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○政府委員(岩崎隆造君) 私ども事情を調べさしていただきまして、ただ、これは私ども労働基準局の担当でございますが、必ずしも労働基準局関係の問題ではないかもしれません。労使関係の問題だと思いますので、そういう事情を調査いたしましてしかるべく適切な処置をさしていただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 大臣もよろしくお願いします、お聞きになっておわかりになっていただけたと思いますので。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 雇用問題に関しましては、当面する最重要課題であるだけに、私は本国会で三月十日の予算委員会総括質問、三月十六日の雇用問題集中審議及び三月二十九日の第四分科会でそれぞれ質問を行ったところでございます。本日は、さらにそれを補足する意味において若干の質問をいたしたいと思います。  その質問に先立ちまして、私の質問に対応いたしまして、直ちに労働大臣が身障者雇用促進協会など、労働省外郭団体の業務実態に対して各局長に洗い直しを指示されたということを伺っておりますが、その姿勢を評価いたしますとともに、立法の趣旨にかなう十分な活動が、これら外郭団体において行われるよう引き続き適切な指導に努められますように冒頭期待いたしておきたいと思います。  わが党は、昭和五十四年度の予算を審議するに当たりまして、公明党とともに老齢福祉年金の引き上げ等とあわせ当面の厳しい雇用情勢にかんがみまして、雇用対策の強化について予算修正を行ってまいりました。これに対して、自由民主党から三月二日に回答があったわけでございますが、これに基づいて衆議院社労委員会の修正可決によりまして、老齢福祉年金については八月から月額二万円への引き上げ、これに連動する福祉年金、五年年金、児童扶養手当等の引き上げも行われることになりました。雇用対策に関しましては去る二十三日、民社、公明及び自民党の政審会長会談においてさらに細かな詰めが行われたところでございます。この各項目について若干の確認をいたしたいと思います。  まず第一に、雇用発展職種研究開発委員会につきましては、この名称を雇用開発委員会と改め、政労使公の四者構成による地方雇用開発委員会をできるだけ早く五カ所に設置する、こういう政府の対処方針であることが衆議院の社労委員会で明らかにされております。そこで、どの地域に設置をするのかということにつきましては、これは各地方との連携も必要とすることだと思いますので、直ちに御回答は無理かと思うのでございますけれども、できるだけ早い時期にと。私はこの時期は本国会の会期中に行うべきではないかと、こう思うのでございますが、その設置のめどをいつごろに置いておられますのかお伺いいたします。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) いま、これからお尋ねになる諸問題につきましては、自由民主党と公明、民社等、各野党との間の話し合いの問題だろうと思います。したがいまして、私から一括してお答えをすべきかと思いますけれども、具体的な問題にも触れますので答弁は政府委員からさしたいと思いますので御了承いただきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生からお話ございましたように、雇用発展職種研究開発委員会につきましては、名称を雇用開発委員会ということで政労使公の四者構成で五カ所設置するということでお答えがあったわけでございます。その時期でございますが、私どももできるだけ早くというふうに考えておりまして、いま先生からも御指摘ありましたように地方との連携の問題もございますし、それから個所づけ自体についてまだ関係方面ともよく打ち合わせなければならぬという問題もございます。したがいまして、そういうことを終わりまして、できるだけ早くと、こういうつもりで先生の御趣旨もよく体してやりたいと、こういうふうに思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 これは大臣、非常に期待されております機構だけに、私は今国会会期中、仮に万々おくれましても六月中にはそれぞれの諸般の手続が終わりまして、この設置というものが行われるべきであろう、こう思います。御努力願えますでしょうか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 御意思は十分わかりましたので適切な措置をとりたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 それで、その中央、地方を含む雇用開発委員会につきましては、私はいま直ちにという希望を持っておりますけれども、なかなかそこまでいきませんでした。しかし、少なくとも実績を見て法制化の検討を行うべきである、こう思っておるのでございますが、その用意はございますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 何分にも初めての試みでございますから、私どもも開発委員会につきましてはその実績を見た上で必要があれば法制化についても検討してみたい、こういうふうに考えているわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 必要があればというのは非常に消極的な印象にもとれるわけでございます。私はやはり積極的に設置をしようという姿勢で実績を見る、やっぱりそういう積極的姿勢が必要ではないか、このことは言っ放しでございますが私の意見を述べておきます。  次に、定年延長奨励金、中小企業現行三十万円を三十六万円に、大企業二十万円を二十七万円にそれぞれ引き上げ、継続雇用奨励金は十五万円から十八万円、大企業は十万円から十三万五千円に引き上げると、これも明らかにされたところでございます。これについて中央職業安定審議会の議を経てできるだけ早く実施する、こういう政府の対処方針でございますが、この実施時期についていつをお考えでございますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 実施の時期はできるだけ早くと考えておりますが、現在国会で御審議いただいております雇用保険法等の一部を改正する法律案の実施と合わせまして、審議会にお諮りして実施をするようにしたいと、こういうふうに現在考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 雇用保険法一部改正は成立後一カ月以内の公布、即日施行と、これが政府原案でございます。その時期には一緒にしたいと、こう理解してよろしゅうございますね。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) そのつもりで現在鋭意検討しているところでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 第三に定年延長の推進につきましては、先ほどの渡部委員の質問に対しまして、雇用審議会にできるだけ早く諮問をする、検討の時期は二、三年をめどとしたいと、こういう答弁が行われたところでございます。しかし、私は労働省は六十年に六十歳定年を行政指導により一般化したいと、これが現在の方針ですね。ところが年金基本構想懇談会の報告書には、六十五歳、受給開始年齢、これを段階的に実施する、こういうことがうたわれているわけでございます。そういたしますと、二、三年という時間をかけることが果たして老齢化社会の急ピッチで進むという現状の中で適当かどうかということに対して疑問を抱くわけでございます。私たちはこれを法律制定即実施ということを求めているわけではないわけですね。法律というものは一日も早く制定すべきだ、そして実施までの間に一定の猶予期間を持ち、この間これに対応する姿勢を、態勢を整えていくべきだというのが私たちの主張でございます。そういうことを考えますと、この答申を得るめどというものは、二、三年というのは余りにも老齢化社会進展のピッチと比べて遅過ぎるのではないか、こういう率直な印象を受けるわけでございます。その促進について大臣これを早めるお考えはございませんですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) これは方法論でございますけれども、法制化を決めて、そしてその準備をするというのも一つの方法です。しかし、私どもがいままで考えておりますことは、要するに法制化といいますか、定年を延長する、六十歳に延長する、このネックは何か、それについてあらゆる角度から論議をする、言うなれば論議をずっと積み重ねていく、そうしますと、ある一定のところで結論を出す、結論を出せばそれからすぐ実施できると、その方が現実的ではないかというふうに考えておりますので、適当な期間を置くことの方がよいのではないか、そう考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 ちょっと大臣視点が違うんですよ。大臣の言われるのは、定年六十歳制というものを前提に一つ置かれていまのような発想を述べられているわけです。しかし、老齢化社会ということになりますと、私たちの要求でも今後六十五歳定年というものが当然訪れてくるであろう、またそうせざるを得ないような老齢化社会の実態ではないか。問題は六十五歳定年というものをこの際踏まえたまず第一段階としての六十歳定年の法制化、こういう視点での審議会の議論というものを期待いたしたいのでございます。そこで、六十歳でぽつんと切れた、法制化されるか行政指導によるかは別として、六十歳定年は仮に一般化された、しかしそれからまた進んでいくわけですね。一方、年金に関する問題が生じてくる。私はこの問題につきましては、幸い社労委員会で年金問題に関する集中審議の場も設けられるやに聞いておりますので、その際改めてこの相互の関連については質問をいたしますけれども、この時期を二、三年に置くべきか否か、これは非常に今後の定年問題の重要な政策の根幹に触れるべき問題でございますので、これは一応改めて私も意見を申し上げ、この短縮方について要望いたしたいと思いますので、余り固定概念として二、三年必ずかけるんだというお気持ちだけはひとつこの際おいていただきたい、こう思うわけでございます。  次に第四に、労働市場センターの雇用情報機能の充実に関してでございますが、今後の労働情勢からながめまして、私は地域別、職種別の求人求職状況、職業訓練等について幅の広い情報を提供する、そういう内容の充実が要請されることが一つと、第二には、このような有効な情報を全国規模のネットでできるだけ速やかにこれを伝達していく、この二つが今後の課題ではなかろうかと思うのでございます。これについて予算措置もとられたようでございますけれども、いつごろから私たちの要望にかなう情報提供活動を行われようとしておるのか、その時期についてお伺いいたします。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先生のお話しのように、内容の充実の問題もありますれば、全国規模でこれをできるだけ迅速にいつでも入手できるようた形にするという、そういう体制の問題もございます。私どもは、そうなりますと、労働市場センターの電子計算機への入力の問題等もございまして、そういう意味で学識経験者によります雇用情報研究会を設けまして、そういう中でプログラムを組み、どういうものを入れてどういうふうな形でやるかというようなことをまず検討しまして、その中から、いま御指摘のいろんな内容でも各般にわたるわけでございますが、できるものから手をつけていくと、こういうやり方で、全体としてももちろんできるだけ早くということでございますが、中でも着手のできるものから先にやっていくと、こういうことで対処をさせていただきたいと、こう思っておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は雇用保険のトータルシステムの全面的実施、これは労働省の計画によりますと五十五年からでございます。それが済んでからいま言う今度は雇用情報の伝達が進んでいくということになりますと、これが非常におくれてくるわけですね。これは大臣、私はいま局長も申されましたけれども、全面的な情報提供網というものは、いま言われましたように相当慎重な準備というものを必要とすると思うんでございますけれども、すべてを待って実施するというのではなくて、部分的に可能なものは、まず一つでも二つでもこれを補強して実行に移していく、そういう段階的にこれを強化していくという、そういう姿勢が、働いておる人々の、また現在失職中の人々の要望にこたえる道ではなかろうかと、こう思うんでございます。そのような方向で御検討願えますかどうか、お伺いします。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) まさにいま先生御指摘のような方向で検討させていただきたいと思っておるわけであります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 以上で政府の対処方針に対する一応の確認質問を終わりまして、次に、年齢による雇用差別の禁止問題について御質問をいたしたいと思います。  ILOでは、高齢労働者の就業の機会と待遇の均等を図るための条約もしくは勧告をつくるという動きがあるやに承知いたしております。聞くところによりますと、ことし六月の第六十五回総会で第一次討議に入る、来年の総会で最終的な結論を取りまとめる、こういう予定であると聞いておるところでございます。そしてこのために、ことしの三月の初めに第一次討議のたたき台として、三十三項目のレポートが各国に送られたということでございます。  そこで、まずお伺いいたしますのは、政府はこのレポートの作成に当たりまして参加をされたのかどうか、それとも事前に意見を求められ、これに対してわが国の意見を述べたのか、このことをまずお伺いします。

関英夫労働大臣官房長

○政府委員(関英夫君) ことしの六月のILO総会におきまして、中高年齢者の問題、これを議題として取り上げるということにつきましては、一昨年五十二年の十一月の理事会で決まっております。で、ことしの総会の討議の資料といたしますために、ILOの事務局におきまして質問書をつくりまして、各国政府に送ってまいりました。この質問書を先生いま御指摘のレポートとしてお取り上げになったんだろうと思います。これに対しまして、各国政府からILO事務局に質問書に沿って回答が送られたということになっております。したがいまして、質問書はILO事務局で作成し各国政府が回答したと、こういうことになっております。  なお、来るべき総会におきましては、この各国政府間の回答をもとにいたしまして、事務局で討議の基礎となる資料を作成して総会の討議に付すると、こういう段取りになると承知いたしております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 このレポートの内容によりますと、たとえば「加盟国は国内政策のワク内において、年齢の進行に基づく、雇用及び職業における差別の防止のための措置をとるべきである。これと両立しない法令や行政上の慣行を廃止または修正すべきである。」とか、「高齢労働者の労働能力を維持するため、職務及びその内容を労働者に適合させるべきである。」とか、「一定年齢における引退を強制している法律及びその他の規定は再検討されるべきである。」とか、非常に重要な示唆がこのレポートの中に盛り込まれているわけでございます。六十五回総会といえばあと余すところ一カ月余でございます。この六十五回総会に、政府は具体的にどういう態度をもってこの問題に対処されようとしておるのか、お伺いします。

関英夫労働大臣官房長

○政府委員(関英夫君) 労働省といたしましては、ことしの総会におきまして中高年労働者の問題が討議されるということにつきましては、まことに時宜を得たものというふうに考えておりますが、この中高年労働者の問題につきましては、それぞれの国の経済事情、社会事情あるいはいろいろな雇用慣行、そういうものと密接に関連いたした問題でございまして、国により非常に多様で非常に複雑な問題だろうと思います。そういう意味で、各国の国内事情、これを十分に踏まえてその解決が図られるべきものだというふうに考えるわけでございます。このような観点に立ちまして、ただいま先生いろいろ御指摘になりました総会の討議資料をもとに討論が総会で行われるわけでございますが、それに対して日本政府としてどういうふうな態度で臨むかということにつきましては、いま申しましたような観点に立って、現在関係各省と政府の意見というものを検討中、こういう段階でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 新聞に報ずるところによりますと、これは真偽わかりませんが、労働者側理事は賛成、使用者側理事は反対、そして政府も、まあいま官房長申されましたけれども、わが国の実態からして直ちにこれに応じがたいというような姿勢で反対の態度をとるのではないかということが報ぜられておるわけでございます。後ほど私触れますけれども、このただ単なる年齢ということだけの理由をもって採用が規制される、また若年定年制の問題とか、希望退職に当たって、その人の能力とか知識というものとは無関係に、ただ年齢だけが理由となって人員整理ないしは解雇が行われる、これはまことに不当なことではないか。で、過般の委員会において大臣も、それは決して好ましいことではないと、こう言われたわけですね、労使交渉の問題ではあるにしても望ましいことではない、こう御答弁になったわけです。そうしますと、問題は、条約ないし勧告の内容いかんにもよりますけれども、私は原則的な立場としては、やはり年齢というものを理由とする雇用の差別はあるべきではない、これが政府の姿勢の根幹に据えられるべきではないか、こう思うのでございます。いま検討中ということで逃げられたわけでございますけれども、その点について、いわゆる技術論は別にして、いわゆる基本的な物のお考えというものが一体どうなのか、これをお伺いいたします。

関英夫労働大臣官房長

○政府委員(関英夫君) お尋ねの新聞報道というものを私もよく存じませんが、恐らくそれはこの国際的な文書の形式を、条約とするかあるいは勧告とするかというようなことに関しての問題ではなかろうかというような気もいたします。まだ討議資料の個々の項目につきまして、政府側が賛成だとか、あるいは経営者側がどう、労働者側がどうということにはまだ至っていないんではなかろうかというふうに現段階では私は考えております。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、中高年労働者の問題といいますものは、その国の経済事情、社会事情あるいは雇用慣行、そういうものと非常に密接に結びついた問題でございます。ただいま先生御指摘の年齢によるいろいろな雇用上の取り扱いの問題も、単に年齢だけによる取り扱いといいますよりは、賃金、雇用、そういうものの慣行と結びついてわが国の場合に行われているものだろうというふうに考えます。世界の各国それぞれいろんな雇用慣行、雇用事情がございますので、そういう意味で、この中高年労働者の問題を国際的な文書にして取り上げていくということは非常に結構だろうと思いますが、条約をもって強制的に行うということについては、政府としては消極的に考えざるを得ない。やはりこれは各国が、それぞれの事情に応じて改善を図っていくその指針となるような勧告の形式が望ましいと、こういうような考え方で、質問書に対する政府の意見としてもそういうふうに回答いたしております。また、ILOからの情報によりますと、勧告とすべきだという意見の国が多いというふうにも聞いております。いずれにいたしましても、ことしの総会の討議に対しましてどういう態度で臨むか、いま政府部内で協議している段階でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 まあ新大臣になられましてからそういうことはないと思うんでございますが、従来のILOの条約ないし勧告を見ますと、条約は決まってもなかなか批准がされない、また勧告というものがなされても、その勧告の趣旨に沿う実施というものがなかなか行われない、これが残念ながら今日までの実態ではなかったかと、こう思うのでございます。勧告にすべきか条約にすべきか、私はむしろ条約が望ましい、こう思う者の一人でございますけれども、その条約、勧告のいかなる形式を問わず、ILOの場でそういうものが来年できるわけですね。そういうものに対しては、より積極的にわが国においても法制を整え、改正すべきものは改正し、また行政上行うべきものはそれを行っていく、そういう姿勢がきわめて肝要ではないか、こう思うんでございます。これは労働行政の姿勢にかかわる問題でございますので、大臣の方からお答えを願いたいと思います。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 私も、実はこの国会で年齢差別禁止法についていろいろと御質疑を受けたわけでございます。で、私は私なりに考えてみますと、やはり年齢差別禁止法というのがわが国に行われないで諸外国に行われている、それは一体何に起因するか。やはり官房長が話しましたとおり、それぞれの国の経済社会の実態というものがあると思うんです。年齢差別禁止法の場合には、能力主義といいますか、そういうものが根底にあると思うんです。わが国の場合には終身雇用制といいますか、そういったものが背景としてあるんではないか、そういうことの中で高年齢者をどうするかという問題のときに、年齢差別禁止法をつくれば高年齢者が直ちに雇用が増すかどうか、しかし、そうした場合若年の方はどうなるのかと、いろいろ問題があります。それからまた、わが国の終身雇用制度というものが、本当にこれが悪なのかどうかということを考えてみると、一概に言えない。  実はこれ、余分になりますけれども、この間TUCのマレー事務局長が参りまして、約一時間十分にわたって私といろいろ話をしたんです。その後も英国大使館の晩さん会でやったんですが、彼は、日本と英国を比べてみまして、日本の方が経済活動が非常に活発である、どこに起因するかというと、やはりよくわからぬけれども、しかし日本の終身雇用制度というものが相当活力を与えているんではないか、こういう話がありましたから、いや、そこがいま問題になっているんだと、これがあるから定年制その他がなかなかいかないのであってという話をしたわけです。そうしたらば、そこら辺はある程度モディファイしたらいいじゃないかって、われわれが考えているようなことを言いましたからね。そういう意味合いからいたしますと、やはりその国その国の社会経済、風土に合わせて制度というものは考えるべきではないか、そういうふうに考えておりまして、いまのところ私もこの問題については慎重な態度をとらざるを得ないと、そういうことでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は労働大臣とここで議論する気はないんでございますけれども、私は、この終身雇用制というものといわゆる年功序列型賃金体系、これが一体になっているというのが今日までのわが国の雇用慣行であったわけですね。私は、その終身雇用制、これはこれなりに非常に雇用に活力を与えメリットが非常に労使ともにある。ただ、それと不離一体の関係であった年功序列型賃金というものが、定年制の延長なりいろんな問題で労使間の一つの問題になってきた、これはもうそのとおりなんです。しかし、その年功序列型賃金体系というものは、いわゆる公務員は別としてですよ、いま公務員はまだ依然として続いておりますが、民間産業の場合はですね、もうすでに大企業、中小企業、零細企業たるとを問わず年功序列型賃金体系というものはもう崩れているんですね。これは労働省みずからの調査された資料によっても、もう大臣、一遍そのデータをよく見ていただきたいんですけれども、もうどんどんどんどん年功序列で五十五歳まで、六十歳まで上がっているんだと、そういう意識を持つこと自体は、やっぱり時代認識に錯誤があるということになりかねないのではなかろうかと、こう思うんですね。したがって、その点がもうすでに実態は変わってきておる。この実態を考えれば、わが国にその年齢差別禁止法を従来の概念で受け入れがたいとするのは、これは経営者の物の考え方であって、やはり労働行政という立場に立つ大臣としては、それらの実態をもう一度よく深く御認識願ってこれからの行政をリードしていただきたいと、こう思うんです。いかがですか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 柄谷さんから、私ときょうここで論争をするつもりはないというお話でございますから、私も時間の関係ございますからこれ以上申し上げませんが、実は実態につきましても、そういう御指摘いただきましたので、さらに労働省の事務当局に、柄谷さんからこういう御指摘いただいたけれどもこれはどうなんだということで調べさせましてね、それによりますと、やはり私の考え方はそう間違っているものでないという認識でございますので、後ほどまたこの問題についてはいろいろ御高説を賜りたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 まあ同じ労働省のデータでどうしてそんなに違う見方ができるのか、これは大いに私もわからぬところでございますけれども、こんなことをやっておってもしようがございませんから、一遍わが国のいわゆる年齢別の賃金の実態というものとその変化の経過というものにつきましては、これは改めて、実際、統一の資料でやっておるわけですから、これを一遍突き合わせながら、その実態認識をやっぱり共通のものにするために、私も努力しますから大臣もひとつその点一遍話し合う機会を持ってください。  そこで、いずれにしても、この五十三年八月の労働省の指標によりますと、離職票受給者の約半数は中高年齢者で占められております。それから、完全失業者数の対前年増加率、これは五十三年十二月の労働省資料でございますけれども、中高年齢者が三〇・八%と際立ってふえておる、これはもう事実でございます。いわゆるこれらのうちの大きなウエートは、やはり若年定年制の導入やら、また希望退職という名のもとでの人員整理、それにまあ年齢的な要因というのが非常に大きなウエートとして占められておったとか、それと、もう現在の定年から来る問題でございます。しかも、これ一回離職いたしますと再就職がいかに困難であるかということは、これはもう有効求人倍率が如実に示しているわけですね。そこで、再就職求めようと思っても、職安の窓口へ行きましても、何々工何歳未満と、皆年齢制限が入っているところが多いんですね、それがもうほとんど大部分ですよ。そうすると、年齢を理由に職場を去り、年齢を理由に再就職が阻まれる、これが率直な現状なんですね。私は、何といいますか、扶養家族を抱え、しかも戦後あのインフレの混乱期を切り抜け、日本経済の基礎を築き、そしていまや中高年になっておるそういう人が、このような年齢を理由とするものでいま置かれている環境にあるということは、私は一つの社会的不公正ではなかろうかとすら思うのでございます。で、人生五十年時代というものに培われた現在の雇用慣行というものを、人生七十年時代というものに振りかえて考えていくにはここに発想の転換が必要である。大臣は過般の質問に対しまして、労使といわゆる定年制問題について論議を深めていきたい、こう言われたわけですが、定年制というのもこの年齢差別の一部分なんですね。広くこの年齢差別という問題は単なる定年年齢だけではなくて、いわゆる解雇の基準なり採用の基準なり、各所にこの年齢というものがいまあるというのがこれは労使慣行でございます。したがって、私はこのILOの条約審議に当たって、政府として適切な方針を持って臨まれることを私は期待いたしますけれども、あわせて労使との話の中に、ただ定年だけという問題ではなくて、全般にわたるこの年齢差別のあり方というものについてやはりその是正を求めていく、そういう行政の指導が当然あってしかるべきではないかと、こう思うのです。いかがでしょう。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 労使の間の話し合いの中でこういう問題も取り入れていくべきときではないかと思います。それによって、いろいろの問題点が出てくると思うんですね。いままでは突き合わせて議論していませんから、問題が出てこないわけです。たとえば年齢によって就職を差別しないと、あるいは離職する場合にもそれをさせないというようなことになりますと、今度は逆に若い者の方でも離職さしていいのかどうかとかいろいろ問題が出てきますね、そのことがいいとか悪いとか、いろいろの方面で問題が出てくると思うんですよ。問題が出てきてその中でどうあるべきかという姿を見詰めるためには、こういう問題につきましても、今後労使との話の中でわれわれがテーマとして持ち上げることは適当ではないかと、そう考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、スウェーデンの雇用保障法、アメリカにおける年齢差別禁止法、そして今回のILOにおける条約もしくは勧告の採択、このように自由経済を原則としている諸国においても中高年齢者の保護を図らなければならない、そのための法制化が必要である、これはもう自由経済諸国におきましても一つの大きな底流になって、いま生まれてきつつある現実ではないかと、こう思うんです。そこで、日本は日本として確かに大臣の言われましたように、日本の実態に即するものでなければならぬ、これはもう当然のことでございます。しかし、それなるがゆえにこの立法というものをちゅうちょすべきでもないと思うんです。やはり中高年齢者に対する差別禁止の立法は必要である、この前提に立って、それでは日本として最もどういう形がこの内容として適切であるのか、その内容においてこそ日本的な特徴というものが検討されるべきだ。日本は違うんだというだけをもってこの世界の大勢に逆行することは許されないと私は思います。  時間に規制がございますので、また改めての機会に質問いたしたいと思いますけれども、こういう趣旨を十分体されまして、ILO総会に臨まれる政府の姿勢が、われわれ、そして国民を落胆させるような姿勢を絶対とってもらいたくないと、これだけを強く申し述べまして私の質問を終わります。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 私が質問に立ちますと、各委員の先生方を初めとして政府委員側の方も、また何かおもしろい話するんじゃないかなんという期待をかけてごらんになられるので、非常に私はやりにくいんですけれども、いままで拝聴いたしまして、やはりさすがに専門家の諸先生方は、国の中の大きな労働問題というものに取り組んでいらっしゃる真正面の姿勢というのがよくうかがわれます。私の経てきた社会では、第一、組合などというものはできっこない社会でございまして、かつてこういうことがございました。まあ、笑い話として聞いていただきたいと思います、大分脳も疲れているでしょうから。テレビがやっと普及し始めました昭和三十七、八年から四十年ちょっと前でした。余りにもテレビ、ラジオの出演料が安くかつまた労働時間が意外と長い。労働時間とわれわれは言いません、出演時間と言いますが。ところが、余りにもその使い方が、一番動く範囲の年齢に、対象になる若手の芸人がおりますが、この芸能人をまるで綿のごとくこき使うんですね、ちりあくたのごとく。そこで、われわれのいかにテレビ、ラジオ界に示す存在が大きいかということを、ひとつテレビ、ラジオ界にショックを与えようじゃないかと。そこで、全員出るなという相談をしておったわけです。そこへ電話がかかってまいりまして、ある出演者に電話がかかってきて、こういうテレビ、ラジオ界に出るのよそうよという相談をしているところに出演依頼の電話が来たら、はいはいってすぐ言っちゃったやつがおるんですね、これが林家三平なんです。こういうような状態ですから、われわれの社会では、こういった諸先生方が真剣に取り組んでいる労働問題、こういうのはわれわれの社会にはないんです。そのかわりといってはなんですが、一つの企業の中に入って、年齢が来れば一定の位に着いて一定の給料がもらえて安閑としていられるような、そんなのんきな社会ではわれわれはないんです。演芸場に出演しまして、一回に入るお客さんが千人未満、その一回入ってくる千人未満のお客様の前でおもしろくないよという査定を受ければ、おもしろくないよと言われたその一回の出演の査定が、あいつは本当によかったんだなと言われるには一年以上かかるんですよ。そのぐらい厳しい社会なんです。ですから、皆様方のお話を伺っていて、給料がどうのこうのと言われると、大変私はむしろうらやましいぐらいに思うんです。  さあ、ところで本題に入らせていただきますが、いきなり失礼なことを聞きますが、労働省の方にお答え願いたいんですが、いま日本人の労働人口というのはどのぐらいなんですか。いいですよ、正確でなくたって。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 就業者数にしまして約五千五百万人ぐらいでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 厚生省来てらっしゃいますね。恐れ入りますが、厚生省の方に伺いますが、身障者人口ですね、身体障害者の総人口並びにその中で働けるであろうというような数、これちょっと言ってみてください。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○説明員(板山賢治君) 身体障害者の数は、昭和四十五年という大変古い数字でございますが、全国で、これは十八歳以上ということになっておりますけれども、百三十一万四千人でございます。この中で当時就業をいたしておりました者、働いておりました者が約六十万、五十七万九千人という数字が出ております。先生の御指摘の働けるかどうかという点につきましては、なお詳細にこの調査はなされておりませんので、働いておられます者は五十七万九千人であります。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 四十五年というともう九年も前です。おおむね十年ですね。その後の調査というのは全然なさっていらっしやらないんですか、それともやりにくいんですか、できないんですか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○説明員(板山賢治君) 実は身体障害者の実態調査は五年に一度従来実施をいたしておったのでございまして、昭和五十年にもこの実態調査を実施いたしたいということで計画をし、着手寸前まで参りました。当時、精神薄弱者の実態調査と身体障害者の実態調査を一緒にやるという問題から、その調査の用語その他につきましてややむずかしい表現、適切でない表現などもあったということもありまして、一部の障害者団体等関係者からの強い批判、反対がございまして、せっかく着手しながら調査が全国集計にまで至らなかったという経過がございます。ただ、そのような状態の中で放置いたしておってはいけないということで、実は先般御審議をいただきました本年度の予算におきまして、本年はぜひ身体障害者の実態調査だけは実施いたしたいと考えまして、しかるべき予算措置をとらしていただいたのでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 いまおたく様のお話を伺っていますと、そういう団体がそれぞれあって、そのほかの団体からいろいろと文句がついてくる、だからこういうことになったと言うんですが、恐らくあれ、おたく様の方のやり方が悪かったんじゃないかと私は解釈してますよ。こういうのは、個々の団体でその代表者とねんごろにお話し合いをなさればそんなことは絶対にないと思うんです。ざるの上へ何でもかんでもぽかんと乗せて、ほれ一緒くたにびゃっとやるからそういうことが起きたんでしょう。それ反省なさっているわけですね。——ああ、そんならいいですよ。  さて、そうしますと、労働人口が五千五百万で五十七万九千人が身障者で働いていらした人の数としますと、これ一%ですね、約。そういうことかどうか知りませんけれども、この第八十七回国会社会労働委員会における労働大臣の所信表明というのがあります。これを拝見しますと、一番最初には、とにかく雇用不安定であるから雇用の問題を促進せにゃいかぬと、そして第一の項目には「十万人の雇用創出」というのがありますね、そして、政府の総力を挙げて雇用問題の解決に取り組む所存である。その次が労働災害の問題、その次が職場における男女平等の促進、その次が健全で安定した労使関係の形成について。この中に済みませんがこの一%の身障者の雇用問題というのはさっぱり出てこないんですが、これはどの辺に入っているんですかね。別に身障者という言葉はありませんよ、ありませんけれども、どの辺の活字の中に入っているんでしょうか、身障者の雇用問題は。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) お手元のこの所信表明の中の第一の雇用問題の解決の中に含めて私どもは考えていたつもりでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 すると、どのところですか、これ。活字で言うとどこのところですか、私はさっぱりわからないんですよ、何しろこういうのにうといものですからね、教えてください。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) ここの表現は、全体としまして失業者の数が非常に多くて、これに対する対策が必要だという観点から書いてございますので、したがいまして、文言的に表現として出ておりませんけれども、その中で雇用問題全体の重要性の中で考えているつもりでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 しかし、そういうふうに言われてみれば、この中にそういうのが入っているのかなと思えば思えるし、思わなきゃ思えない。こういうところにもうすでに私は——それは労働大臣に私は別に恨みもつらみもないんですけれども、こういうのを見ますと、この五千五百万という人間の一握り——一握りよりかもっと少ないかもわかりませんよね、五十七万九千人、こういう人たちは一体忘れられている存在なんだろうかと。たとえばこれを身障者の方がごらんになったら、一体おれたちをどういうふうに政府は見ているんだろうかとか、あるいは労働省は一体どういうふうに見ているんだろうとかというような観念は必ず持つと思いますけれども、大臣どういうふうにお受け取りになりますか。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 下村さん、身体障害者の問題について本当に熱心にやられておりますので、そういう観点から見るとまことに物足りないというのはよくわかります。しかし、こういう文章というのは、限られた字数でいろいろのことを書きあらわさなきゃならない、そういう意味合いからいたしますと、身障者以外の方々でもおれたちのことは何にも書いてないじゃないかという反論もあろうかと思います。問題は、この中に書いてある書いてないということもそれなりの問題にはなりますが、しかし、より重要なことは、身障者に対してどう労働行政が施行されるかというところにございますので、その辺で御理解を賜りたいと思います。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 結構でございます。  さてですね、この間もお伺いしたんですが、いわゆるその身障者雇用促進制度もできました。大変これは結構なことでございますけれども、何となく有名無実になっているような感じがするんですけれども、納付金を伺いましたが、たしか三月十六日の雇用の集中審議のときは百五十億円というようなお答えでございましたですな。それでその百五十億円というのはね、実はこれはどんぶり勘定といいますか、わしら単細胞ですから、一人年間——つまり月間三万円ずつ納付金を企業が納めるとして、満たない場合ですね、そうすると一年間三十六万円としてこの三十六万円で百五十億円割ってみたんです。と、何と四万六千六百六十六人分なんですね、四万六千六百六十六人分。これは大きな数だと思いますよ。そうすると、それだけの人間が救われるわけですわな。で、この金の使い道を私はこの前々からも申し上げているんですけれども、どうなりましたか、その後この百五十億円というお金の使い道なんですがね、どういうふうになりました、その後は。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 納付金を有効に身体障害者の雇用が促進される方向に活用すべきだという観点に立ちまして、私どもはこの五十四年度予算におきまして、身体障害者の中でも重度の方、あるいはその中高年の方、あるいは精神薄弱者の方、こういう方を雇ってくださった場合に、その事業主に対しまして月額十万円、年間百二十万、これを二年間支給するというかなりまあ思い切った助成制度を設けることにいたしております。そのほか重度の障害者等多数雇っていただいた場合の事業所に対する施設整備の助成金等についての補助率なり、あるいはその限度額などを大幅に引き上げる等、いろいろなその助成金制度の内容の充実を図りまして、これがより広く活用されるように考えてまいりたいと、こう思っているわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 それで、たとえばこの重度障害者の場合には、障害の程度による等級というのがございますね、一級障害とか、二級障害とかね。厚生省に伺いますが、たとえば車いすに乗っていらっしゃる方、これたしか一級でございましたね、一級ですね。で、二級あるいは三級、四級の中にも、脳性小児麻痺でお体の動かない方もいるわけですね、それちょっと区別してみてください。三級、四級、障害者の程度でございます。いいですよ、詳しくなくて。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○説明員(板山賢治君) これは障害の程度、態様で等級というのがなかなか分類しにくうございますが、まあ身体障害者の等級表は一級から七級までございまして、障害者手帳の交付の対象になりますのは六級まででございますが、七級というのは軽度でございますけれども、その軽い障害が幾つか重なったときに合わせて六級になると、こういうふうな仕組みになっておりますが、具体的に幾つか例を挙げるというようなことになりますと、これは長くなりますけれども……

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 結構です、挙げなくて。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○説明員(板山賢治君) よろしいですか。  そんな形で、いま先生の御指摘の麻痺障害者の方、脳性麻痺とか、あるいは筋ジストロフィーでありますとか、そういった、手足の切断ということではなくて、あるいは目が見えないということではなくて、手足の能力が減退している麻痺障害者の方のような場合には、いわば複合した形で、それをいまの障害程度の中でどの等級に格づけするかは大変に専門的な判定を要すると、そういう状況になっております。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 労働大臣、実はここに問題があるんですわ。これはね、職業安定局長、よく御存じのはずだと思いますが、ここに私は新聞の切り抜きがあるんです。全盲ではないんですが、左の視力が〇・〇九、右は明暗、明るいか暗いかを判別できる程度、この女性がおるんですけどね、神奈川県の川崎市幸区に住んでいる小川時子さんという二十九歳の女性なんです。この方が品川区の職員として採用されたんです。十九人の中からたった一人採用された。何やってるか、電話の交換やっているんです。この方、片方が〇・〇九ですから、二センチぐらいのこんな大きな一文字ですね、一字をこのくらい大きく書けば見えるんです。そのために、職員の名前からこの部課からですね、どこへどうやったらどこへ通じるかというやつを全部分厚くして、自分でこう一生懸命見て、早く記憶して覚えようと努力している。まあこの方はこれでいい。  それから今度は、これはまた銀行っていうのは実にいいかげんだなと思いましたが、「都市銀行としても重度障害者に門戸を開いた初のケース。」と、これは住友銀行なんです。これは車いすに乗っているお嬢さんなんです。初めてですと、これが。安定局長、これ聞いといてくださいよ、これで重度なんですよ。  それからいま一人はですね、世田谷区で車いすの職員が誕生している、こういうふうにね。ぼくに言わせりゃ、これは新聞のネタになるような問題じゃないと思うんです、これはもっと日本人の意識が高ければね。何のことはない、あなた、タクシーの中へ忘れたお金届けてね、運転手が、善行である、あたりまえのことなんだ。それとこれ大して変わらないでしょう、こういうことはね。  これが一級なんですよ、この方たちが。ところが、三級、四級と、つまり企業主の方がこういう状態を知らないで、三級、四級なら軽いんだろうといって、じゃうちで雇ってみようかと。これが小児麻痺で動けないんですよ。で、一級で両足がなくて、車いすで十分に活動できる、上半身丈夫なんですからね、視力もある、こういう人が一級なんです。そうしますと、厚生省と労働省というところではどういう連系プレーができているのか、それが私はいつも心配になるんです。  それでこれは提案なんですが、労働大臣、こんなこと考えられませんかね。角度を変えて、身障者のお体の不自由な程度の等級はそれでいいんです。ところが、何ですか、まだ動く機能ですか、正常に動く機能を何か残存機能と言うんだそうで、余りいい言葉じゃありませんね、これは。その残存機能によって仕事のできる範囲といいますか、それこそ仕事のできる等級というようなものを識別するということは私は可能だと思うんですが、厚生省と労働省とお互いに話し合ってやれば。どうですか、大臣。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) おっしゃいますように、その身体障害者の障害の状況と、それからその個々の職業に持っていった場合に実際に仕事ができるできないというものとの間にかなりずれがあるわけでございまして、そういう意味で、確かに職業ができるという角度から、職業遂行能力がこの面ならあるとか、この面ならないとか、こういろいろ出てくるわけでございますが、そういう意味での判定ということが必要だという点は私どももそのように思っておるわけでございますが、ただ、それの研究を現在もやっているわけでございますけれども、客観的にあるいは皆さんから御納得が得られる形での成果というものがなかなか研究の結果として出てきていないというのが現状でございまして、したがって御指摘のように、いろいろな制度にそれを当てはめた場合にいろんな問題があるという点は、私どもも、認識が足りないというおしかりを受けるかもしれませんけれども、それなりの認識を持っているつもりでございます。確かにそういう問題がございまして、今後ともその辺の制度とのすり合わせの問題等につきまして研究をさしていただきたいというふうに思っておるわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 厚生省の方はどうですか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○説明員(板山賢治君) 身体障害者の雇用といいますか、就労をめぐります問題につきましては、労働省と私ども事務当局、常に研究協議は重ねておるわけでございますが、障害程度の判定あるいは等級の仕組みという点につきましては、確かに身体障害者福祉法の観点というのは、生活能力というふうなものに着目しまして、その福祉をどのような手だてで推進していくかということに着目をいたしている歴史的な経過がございまして、いまおっしゃいますような職業能力という、あるいは稼働能力ということに着目した観点からの再検討を、両省一緒になりましてしなければいけないという御指摘は確かにそのとおりでございますので、さらにこれから研究を重ねていきたいと思っております。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 それで、その両省のいまのお答えを伺いますとこれが生きてくるんですよ、この所信表明が生きてくるんですよ。そこで初めて、ここにございますわな、「職業能力開発協会の設立等により、」こういうように出てきますわ、「生涯職業訓練体制の確立」と、この中へ入ってくるわけですよ。おわかりでございますね、大臣、こういうこと。この間大臣、たしか三月十六日、私お尋ねしたときに、厚生省とお話し合いしてくださるというようなお話をなさっていましたけれども、その後お話しくださいましたですか、そういうことに関しまして。どうですか、いまの案は。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) 事務当局で厚生当局と話をするということでいまやっておるわけです、いまお話のあったとおり。私が厚生大臣にこれの話をするというのはまだでございます。ただ、御案内のとおりいろいろ問題抱えておりますので、忘れているわけじゃございませんがまだそこまで至っておりません。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 それから厚生省に伺いますけれども、今度リハビリセンターですね、国立の。何か大変アドバルーンを大々的に上げておやりになるようですけれども、このリハビリセンターの、たとえばここに私こういうのをもらいましたけれども、どういうふうにして、どういうふうな訓練するかというんですけれども、これの大ざっぱなひとつ職業訓練するまでの機能、順序ですね、これをちょっと御説明してください。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○説明員(板山賢治君) 所沢にできます国立の身体障害者リハビリテーションセンター、ここはまあ私どもの一つのスローガンといいますか、最もそれをあらわす形でよろしいという表現が、医療から職業までの身体障害者のリハビリテーションを一貫して行うと、こういう形になっておるのでございまして、まず典型的な例を申し上げますと、交通事故その他で手足の切断をされたという方がおられますと、その急性的な医療は救急医療その他の病院の一般医療で行われるわけでございますが、その急性期が過ぎまして、もうこの障害はなかなかもとに戻ることはできないと、身体障害者になってしまうことがおよそ見込まれる場合に、この障害者の方に対してリハビリテーションという観点から医療を行うというその段階で、病院からの紹介あるいは福祉事務所等からの紹介によりまして国立のリハビリテーションセンターに回ってくる、紹介がされてくる、こういう形が一番典型的だと思うんです。そういう障害がありましたときに、センターではその方を診断をし、そして評価をし判定をいたしまして、この方のこれからのリハビリテーションのプログラムというものをつくりまして、そして所沢のセンターでどこまでなし得るかということを評価をし測定をいたしました上で、それからの生活訓練、さらに並行しての医学的リハビリテーション、こういうものを続けまして、あるところで、先ほどからお話が出ましたまさに職業能力、稼働能力の判定を、労働省があそこにおつくりいただきました職業リハビリテーションセンターの専門家と、私どものセンターの専門家が一緒になりまして判定委員会をつくり、そこで評価をすると、そして職業リハビリテーションセンターに通所をすることによって職業が身につき社会復帰が可能ならば、その職業リハビリテーションセンターにあそこから通所をして訓練を受けると、こういう形で推移してまいりまして、私どもの方のリハビリテーションセンターの入所期間というのは、期間の限定をいたしておりませんが、そのケース、ケースで少しずつ違うと思いますけれども、まあ二年程度になるでしょうか、さらに職業リハビリテーションセンターの二年以内での訓練、こういう過程を経まして社会復帰をしていく、職業へついていくと、こういうようなのが最も典型的なリハビリテーションの流れだと申し上げることができると思います。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 この表を見ましても大変りっぱなシステムになっているように見受けますけれども、労働省の所轄というのは、公共職業安定所、安定所の方から来た場合、この初期評価とか作業評価というのがあるんですけれども、ここのところはどういう見方なんですか、これは。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(田淵孝輔君) 労働省の方で所管いたしております職業リハビリテーションセンターの方では、原則としては、厚生省所管の医療的なリハビリテーションを終わった方々を受け入れて、その方々を、まあ初期評価と申しますのは、障害の種類、程度とか、あるいは基本的な基礎的な職業能力あるいは生活能力、あるいは人と面接する場合のいろんな心理的な評価、そういうような基礎的な評価を初期評価過程で行いまして、さらに時間をかけまして、現場に作業部門を置きまして、その作業をやらせてみた過程で作業評価というような、作業をどれだけ熱心にやるかとか、あるいは作業に対してどういう態度で接するかというような面、そしてどういう方面に向いているかと、職業訓練のどの職業訓練を受けてもらえれば将来職業に結びつくかというような評価を、実際の作業との絡みでやるのがその二番目の作業評価でございます。  それから、定員は一応一年間百人で、最高二年まででございますので、在校生は二百人という定員になりますが、それに若干もし余裕があるような場合には、あるいは安定所の求職者なども受け入れる余地はございますが、原則としては厚生省サイドの医療リハビリテーションの終わった人を私どもの方で職業リハビリテーションをすると、こういう流れになっております。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 それでこの厚生省関係ですと、何ですか、二万円程度までめんどうを見ていただく、それから労働省の方ですと八万円程度というような給与があるように承っているんですが、それは事実でしょうか。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(田淵孝輔君) 労働省の方のこの職業リハビリテーションセンターは、法律的には職業訓練校という形に位置づけられておりまして、現在、ほかにも身体障害者の職業訓練校がございまして、身体障害者が職業訓練を受ける場合には職業訓練手当が支給されることになっております。この施設につきましても、そういう意味から、職業訓練を受けるわけでございますので、訓練手当として約八万円程度の手当が支給されると、こういうことになっております。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○説明員(板山賢治君) 私どもの所管しますセンターの入所者が受けます訓練手当というのは、身体障害者福祉法によります更生援護施設、この中に入所いたしますと、更生訓練費という形で、失明者の場合には月に一万二千円の手当が出ます。これは従来四千九百円でありましたが、今回の労働省の訓練校とのバランス等を考えまして、受講手当というふうなものに見合います金としての一万二千円という額に改善をいたしました。その他の施設の場合ですと五千百円でございます。それ以外に、入所者は生活費等につきましては、高額の所得がない限りは公費で全部お世話をすると、こういう仕組みになっておりますので、訓練校の方の手当の総額との比較におきましては差が出てくる、そういう仕組みでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 もちろんこれはお国の方でやってくださることですから、こっちがえらいもらえてこっちが少ないとか、あるいは厚生省関係でいきますと医療その他も全部入りますので、このことに対する差別がどうのこうのということは申し上げられませんが、ただ私が一番心配しますのは、こういう広大な施設ができて、より目玉的な商品ができて、そこで訓練を受けた人間と、いままで既設の訓練校ですね、そういう訓練校を経てきた人と、こういう特別な場所に、いわゆる大みえ切ってできたところと、これ卒業してきた場合に同じように扱われるのでしょうか、どこかで差がつきますか。そんなことはないと思いますけれども、どうなんでしょう、就職する場合に。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(田淵孝輔君) 私どもは、この職業訓練を終えた方々の就職につきましては最大限努力をいたしまして、技能を有効に発揮できるように就職のお世話をしたいと、職安の方ともタイアップして、そういうことを検討いたしておりますし、就職できると思いますが、ほかの訓練校と特別の取り扱い、差をつけるということは考えておりません。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 ぼくの時間はもうありませんから、もうこれ以上申し上げませんけれども、たとえば肢体不自由校でございますとか、あるいはその他のいろいろな施設校を出まして、さてやっと就職する段になりますると就職口が非常に狭い。中には入ったらすぐに倒産、こういう会社もずいぶんあります。そうすることによって吐き出される人たちがいっぱいいます。こういう人たちが一番望んでいるのが共同作業所なんですよ、一番望んでいるのは。で、平均とりますと、パーセンテージからいくと、共同作業所へ行きたがる子供さんがたくさんいるんです、高校生あたりでも。ですから、私がもういつも申し上げましたように、あの納付金ですね、大きな額なんですから、四万六千六百六十六人も養えるだけの額なんですから、そのお金をそういう作業所の方に回していただいて、使っていただいて、作業所を少しでも大きくしていただいて、そこで大ぜいの方が楽しんで仕事ができるような施設、これが本当の心の通った福祉じゃないかと私は思うんですけれども、そういうような方向に向かって労働省としては動いていただけますでしょうか、これを大臣にお尋ねして終わらしたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) この納付金につきましては、この制度のできる経緯、それから、したがってその経緯を反映して法律上雇用関係ということを前提にいたしておりますが、前回にもお答え申しましたように、雇用関係という形で運営できるような形のものにつきましては、むしろ積極的に私どもも御相談に応じてこの納付金の対象になるような、そういう指導を、受け身ではなくやってまいりたいと、こういうふうに思っているわけでございます。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 次に、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。栗原労働大臣。

栗原祐幸自由民主党労働大臣

○国務大臣(栗原祐幸君) ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  わが国の雇用失業情勢は、景気が緩やかな回復の傾向にある中で、依然として厳しい情勢にあります。  このような情勢に対処し、離職者の再就職の援助とともに、雇用機会の増大のための施策をさらに積極的に推進していくことが重要となっております。  政府といたしましては、離職者の再就職を容易にするため、公共職業訓練等を受講する離職者に対する援助を強化するとともに、民間の活力を生かして中高年齢者等の雇用機会の増大を積極的に図っていくこととし、これらの事項を中心として関係審議会に諮り、その答申に基づいて、この法律案を作成し、提案した次第であります。  次に、その内容の概要を御説明申し上げます。  第一は、雇用保険法の一部改正であります。  その一つは、公共職業訓練等の受講を容易にし、かつ、公共職業訓練等の修了者の再就職を促進するため、現在公共職業訓練等を受講している期間についてのみ行われている失業給付の給付日数の延長に関する措置を充実し、新たに、雇用保険の受給資格者が公共職業訓練等を受けるために待期している場合及び公共職業訓練等を受け終わってもなお就職が困難な場合についても、一定の日数を限度として給付日数を延長することができることとすることであります。  その二つは、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由による雇用機会の減少に対処し、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、雇用安定事業の一環として、新たに、事業主に対して中高年齢者等の雇用機会を増大させるために必要な助成及び援助の事業を行うこととすることであります。  第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正であります。  雇用安定事業等の四事業に係る保険料率は、現在、賃金の千分の三・五の率とされておりますが、雇用安定資金の積み立ての状況に対応してこの保険料率を弾力的に調整することができるようにするため、雇用安定資金の残高が、四事業に充てるべき保険料徴収額の一年分に相当する額を超えるに至った場合には、四事業に係る保険料率を一年間千分の三に変更することとしております。第三は、船員保険法の一部改正であります。  その一つは、船員保険についても、雇用保険と同様に、先ほど御説明申し上げました公共職業訓練等を受講する者に対する失業保険金の給付日数の延長に関する措置の充実を図ることであります。  その二つは、船員保険の失業部門の保険料率を当分の間千分の三引き上げることであります。  以上、雇用保険法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

対馬孝且日本社会党

○委員長(対馬孝且君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。  本案の自後の審査は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時六分散会      —————・—————

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