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87回国会参議院1979/04/16

航空機輸入に関する調査特別委員会 第2号

発言数
394
登壇者
21
会派数
7
開催日
1979/04/16

会議録

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) ただいまから航空機輸入に関する調査特別委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言御報告申し上げます。  本特別委員会は、去る一月三十一日の本会議におきまして、その目的を「航空機輸入に関し徹底的に調査しその真相を解明するため」とされ、その名称も「航空機輸入に関する調査特別委員会」と改められましたので、御報告いたします。     —————————————

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) 委員の異動につきまして御報告いたします。  去る十一日、上田哲君及び峯山昭範君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君及び中尾辰義君が選任されました。     —————————————

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) 理事の辞任についてお諮りいたします。  田原武雄君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) 次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  先ほど御報告いたしました委員の異動及びただいまの理事の辞任に伴い、現在、理事が二名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に岩崎純三君及び矢原秀男君を指名いたします。     —————————————

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) 航空機輸入に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 法務大臣は二、三日前、ある新聞のインタビューの中で、今度の航空機問題についての捜査はいよいよ本陣に迫りつつあると、こういうような趣旨の発言をされておりますが、法務大臣のあのインタビューの問題には幾つか私も問題を感じておりますので、これは後にして、まずこの本陣に迫りつつあると法務大臣が言われている今度の航空機疑惑の問題について、捜査の進展状況について、御報告を法務省の方からお願いしたいと思うのです。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) いわゆるダグラス・グラマン問題に関する捜査状況について御報告申し上げます。  まず、検察当局が、昨年十二月十五日及び本年一月四日に米国証券取引委員会が行いましたマクダネル・ダグラス社及びグラマン社についての申し立て書、両社の月例報告書等の公表を契機といたしまして、両社による海外不正支払いの問題に関し、わが国において犯罪が行われた疑いがあるか否かにつきまして、右の月例報告書等の関係資料を慎重に検討いたしました結果、同月九日、わが国において犯罪が行われた容疑ありとして捜査を開始したのでございます。即日、検察当局から米側非公開資料の入手方の要請がございましたので、法務省としてはこれを受けて、外務省を通じ米国司法省との間で資料入手のための日米司法取り決め締結のため折衝を行いました結果、ロッキード事件の際に締結されました日米司法取り決めを右二社の問題に拡大適用することといたしまして、一月十九日の閣議決定を受け、同月二十三日、ワシントンにおきまして、いわゆるダグラス・グラマン問題に関する司法取り決めを締結したのでございます。この取り決めに基づき、二月十六日にはグラマン社問題関係の、三月十六日にはダグラス社問題関係の米側資料がそれぞれわが国に到着いたしております。その間、検察当局はダグラス・グラマン問題解明のため、各方面において指摘されております多くの問題につきまして、相応の関心を払いながら、司法取り決めに基づき米側から入手いたしました非公開資料にあわせて、国内において収集した関係資料の検討、関係人からの事情聴取等、鋭意捜査を進めてまいりましたが、三月十四日、日商岩井東京本社の航空機部長を外為法違反、私文書偽造容疑で、同部次長を私文書偽造容疑でそれぞれ逮捕いたしますとともに、同日及び同月二十三日、右容疑で日商岩井東京本社等数カ所の捜索を行い、その後四月二日に海部同社前副社長を右外為法違反容疑で逮捕し、同人方などの捜索を行い、同月四日には右航空機部長らを逮捕容疑などで起訴し、航空機部長につきましては、同月七日、背任容疑で重ねて逮捕し、さらに同日及び同月九日に右の外為法違反容疑で海部前副社長所有のマンションなど数カ所を捜索するなどいたしておりまして、現在、以上の被疑者ら関係人の取り調べ及び押収した証拠品の分析、検討など鋭意事案の究明に努めているところでございます。  なお、今回の問題に関しまして、二月二十一日、福田赳夫氏を告訴人とし、氏名不詳者を被告訴人とする名誉棄損事件の告訴がなされておりますが、告訴事実の概要は、被告訴人はいわゆる海部メモなる文書を多数頒布し告訴人の名誉を棄損したというものでございます。また、二月十四日の衆議院予算委員会に証人喚問されました有森國雄氏が証言を拒絶したことにつきまして、三月八日、同委員会委員長から最高検察庁に対して議院証言法違反で告訴がなされ、さらに四月四日には、御承知のとおり参議院予算委員長から、海部氏につきまして、議院における偽証の件で同法違反の告発がなされておりまして、以上三件とも現在ダグラス・グラマン問題とあわせて東京地方検察庁において捜査中でございます。  以上でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 後で幾つか具体的に伺ってまいりたいと思うんですが、まず最初に、法務大臣に伺いたいと思います。  法務大臣は、先日のある新聞とのインタビューの中で、捜査は本陣に追っている、そういう段階に一歩入り込んでいる、こういうふうな発言をされています。日商岩井の強制捜査が行われ、そうして海部元副社長以下幹部の逮捕、こういう捜査の段階を経て本陣に迫っているということは、つまりその次に本陣が具体的にあって、すでにそこの城門をあけて入っていると、こういうようなことなんでしょうが、本陣というのはどこですか、これは。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 御案内のように、私どもの責任は刑事責任を追及する、こういうことでありますので、刑事責任を追及するという仕事から言えば、まあ俗な言葉ですけれども本陣に迫っておると言っていい段階だ、そういう私は印象を持っておりますので、そのことを申したわけであります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 その刑事責任の追及で日商岩井の強制捜査を行われて、副社長以下幹部三名を逮捕して捜査をやられて、それから、本陣に迫っているということですから日商岩井の向こうに本陣があると、こういうことでしょう。その本陣というのは一体どこなんですかと、こう聞いているんです。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) いまも申しますように、刑事責任を追及するという立場でおるんですから、刑事責任を究明する上においては、いままでやってきましたところで一番肝心な部分というか、本陣に迫っておると、そういうことを言ったわけであります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 つまりいままで入りの方については、日商岩井に入ってくる金、あるいは裏金づくりの問題については強制捜査の対象になっており、いろいろ国会の審議の中でもある程度の内容が解明をされてきたわけです。だから法務大臣の言われる刑事事件について、この「本陣に迫っている」というのは、つまり出の方が明らかになりつつあると、こういうことなんですか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) そういう詳しいことは刑事局長からお答えいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 率直に申し上げて、御指摘のとおりに御理解いただいていいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 わかりました。  もう一つ法務大臣に、この新聞に載ったインタビューの記事の中で見解を伺っておきたいと思うんですが、法務大臣はE2Cの予算の凍結については早期に解除すべきだという発言をされているわけですが、この発言には率直に言って私は二つの問題点を感じているんです。一つは、この予算の凍結というのは国会審議の中で決定をされ、これに対して大平総理も同意をする、こういう措置がとられているわけであります。これに対して捜査の指揮に当たる法務大臣が、早期に解除すべきである、こういう発言をされるということは、一つは、この現在の措置について、内閣の法務大臣、一番関係の深い法務大臣が国会で決定された措置に介入をされている。あなたは早期に解除すべきだというのは、もう一点は、国策上必要な飛行機であればどういうゆがんだ疑惑があってもそれはそれとして早期に購入をすべきだと、こういう見解をお持ちなんですか、この点いかがですか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 多分新聞の記事でお尋ねだろうと思うんですけれども、いつでも断って言っておりますけれども、もともと私の所管ではないと。ただ、所管でなくても私も政治家です。政治家としての発言あるいは政治活動の自由は奪われておるわけはないと私は思っておるんです。ですから、所管外のことだって政治家として発言することはどこに一体奪われておる法的根拠があるのか。そんなむちゃなことだったら民主政治はできやしないと私は思っております。それはそれでありますが、国会の審議は私も十分知っておりますよ、それは。まさか知らぬわけはないんですよ。国会もいわば議長預かりになっておるんであって、だめになったとかどうとかという結論が出ておるわけではない。だめになっておるというのをよくしろと言うなら、まるでこれは議長預かりということと抵触しますよ。そうじゃないんですよ。議長預かりでございましょう。国会の立場は  一つも侵しておる意味はないんです、と私は思っております。  それで、それからまた、実質的なことでありますけれども、これこそ私がこの議場などで触れることじゃありません、それはますますもって。ここでお尋ねになることも、お尋ね自身が矛盾だと思うんですね、いまのお立場から言えば。ですから触れない方がいいとは思いますが、所管外だから言ったことがよけいなことだと言われるならお尋ねにならぬ方がいいと思うんですけれども、お尋ねになるんですから。でありますけれども、私はまあ所管外であるけれども関係を持った面もあるんですな。こっちは犯罪の捜査をやりおる。どこか関係を持った面があるんですね、直接ではなくとも。そうでございましょう。  そこで、犯罪の方は私どもがせいぜい究明いたします。悪いことがあればあるというふうにはっきりいたしましょう、精いっぱい。それとこのE2Cとの関係がどうなるのか。関係が間接にというか、まあなきにしもあらずだと思いますね。それだから国会の議場でもお尋ねにつれて言った場合もあるんですけれども、犯罪があればそれは追及しますよ、それはそれでやりましょうと。一方、このE2Cの問題は、これがまあ日本の国防上要らぬものだという議論がもう確定すればこれは消えちゃうわけですよ、E2Cなんかやめちゃえばいいということにはっきりなるべきですね。しかしそうでもない。それじゃ要るというので、E2Cというものが機種としてこれはいけないものだ、もっと優秀なものがあるとか、かわるべきものがあるとかいうことがはっきりすれば、これもまた没ですね。まあそうでもないと。それからあとは、いろんな経過はあったかしらぬが、結論的に価格が、いろんなことがあったのでそこに含まれたりしてひどい不当な価格になっておると、こういうことがまた論証されれば、その価格——予算に関係しますからそこでまた一つ問題になってくる。しかしながら、そういうこのE2C自身の導入についての本筋の問題点がそうこない、ただ犯罪が何かそれにまつわってありはしないかということならば、そっちは究明いたしますから、本筋は本筋として結論を出していただいたらどんなものかと。私はこれは正しい議論だと思っているんですね。そのことを申し上げておるわけであります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 法務大臣も政治家だから、政治家としての自由な発言は保障されるべきだと、こういう趣旨のことですけれども、内閣の一員であればおのずからその言動には制約があると思うんです。あのインタビューの中では、私どもが共感を呼ぶ部分もありますよ。しかし、いかにもこれは法務大臣としてのインタビューに答えた話としては少し不穏当な面があるんじゃないか。まあ聞くから言わなければいけないということですが、私はこの問題は指摘だけして次の問題に進めますけれども、閣僚、なかんずく今度の問題についての法務大臣という立場、このことはやはりおのずから立場というものがあって、制約される面があるんだと、こういう点はひとつ指摘をしておきたいと思うんです。  そこで、法務省刑事局長に伺いたいと思うんですが、いま捜査の概況について御報告があったわけですが、日商岩井の海部元副社長、外為法の違反で四月二日に逮捕されております。この容疑によりますと、本院の予算委員会での証言は明らかにこれは偽証であるということが明確になっております。そういう立場で予算委員会から告発をしたわけであります。そうしてもう一つは、カリフォルニア・ファースト・バンク・ロサンゼルス支店、ここにキヨシ・ニシヤマという架空の口座を開設をした。このことに関与した。そしてボーイング社からの追加手数料を預金した。このうちの四十七万ドルが使途不明で、一つの捜査の対象になっていると思うんですが、日商岩井の経理を経ないでそのような口座の開設を行ったりあるいは金の操作をしている、このことは捜査の進展の中で、背任あるいは、四十七万ドルが行方がどうしてもわからないと、こういう場合には横領というような別の容疑が海部八郎には出てくるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 一般論として申し上げますけれども、山岡を再び逮捕しました事実、これは一種の手数料を会社の経理へ入れることなく山岡名義の預金口座に入れたということで、背任罪ということで捜査をやっておるわけでございます。それからも御推察のように、一般的に、会社の経理の手の届かないところで全くそれぞれの人間が自由にできるような形で預金口座を設けて、そこへないしょに金をつぎ込んでいくというようなことは背任罪を構成する可能性が多いと思われます。また、その口座の使い道によりましては横領罪あるいは業務上横領罪、こういうものの成立を考える余地が十分にあると思うわけでございます。問題は、さような場合に時効制度というものとどういう関係があるかということが一つ残るわけでございますけれども、お尋ねに即して申し上げれば、構成要件を充足するという意味では犯罪を構成するという可能性が大変多い捜査だと思われます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そういたしますと、今後、もう海部八郎の身柄の拘束期間はかなり期間が迫っていると思うんですけれども、今後の進展によっては、再逮捕して身柄を拘束してさらに取り調べを行う、こういうこともあり得る、場合によってはあり得ると、こういうことですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 海部氏の勾留期間は今月の二十三日まで残っておりますので、およそ検察として捜査をいたします場合に、なるべく身柄の拘束などというものは長くならないようにすべきでありますから、二十三日までに全力を挙げて所要の捜査をやると思いますけれども、ただいまお尋ねいただきましたように、それでもどうしても十分な解明まで行き着かなかった、かつ他の犯罪容疑が新たに出てきたというような場合がございますれば、御指摘のような措置がとられる可能性がないというふうには申し上げられないと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 一月五日に日本の国内でSECのレポートが発表されたその直後から、日商岩井の本社及びアメリカ支店、アメリカ日商、この関係先を含めて広範にわたって帳簿の改ざんとかあるいは証拠隠滅工作が行われたという情報がありますが、その事実はいかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 詳細な報告を私受けておりませんけれども、昭和五十一年のロッキード事件の発生、それから今度の問題の提起等がございましたわけで、関係して、言葉は悪うございますが、いわゆるすねにきずを持つ向きでは、いろんなことをお考えになるということもまたあり得ることであろうと思います。しかしながら、詳細については報告を受けておりませんので御容赦いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 国税庁ではアメリカの方に調査に行かれたわけですか、今度の問題に関連をして。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) お答えいたします。  アメリカの方に調査官を派遣しておりますけれども、一般的な調査ということで参っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 一般的な調査の中に日商岩井あるいはアメリカ日商なども入っていますか。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) お答えいたします。  現在検察庁におきまして捜査が進められておる段階でございます。従来の慣例といたしまして、検察庁で捜査が進められている段階におきましては税務調査の方は差し控えるということでございまして、そういったふうな意味で、日商の関係につきましては、その他の一般的な事項につきまして向こうの方での調査を進めてまいったと、こういうことでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 その一般的な調査の中で帳簿が改ざんをされていた、こういうような痕跡は感ぜられなかったですか、いかがですか。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) お答えいたします。  ただいま御指摘の内容につきましては、検察庁の方での捜査の関係するような事柄に関する部分ではないかというふうに思うわけでございまするが、このたびの調査におきましては、日商岩井のその他の事項に関しまする調査ということでございまして、その調査の内容につきましては、個別の事項でございまするのでお答えは差し控えさせていただきたいと存じまするけれども、ただいま先生が御指摘でございますような帳簿の改ざんというようなことがあったというふうには聞いておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 一月四日にアメリカでSECのレポートが発表されて、その直後からアメリカ日商の経理責任者の——これはまあMということにしておきますが、このMの指揮でこの関係帳簿の改ざん、証拠隠滅が行われた、こういう情報がありますが、これに加えて日商岩井の東京本社の軸部社員あるいは法律顧問的な立場の人が現地にも飛んでいる、さらに、東京の本社から相当数の社員がその応援のためにアメリカに派遣された、こういう情報があるわけですが、法務省の入管の方に伺いますけれども、一月五日直後ぐらいから中旬にかけて、日商岩井の亡くなった島田三敬氏、それから山岡あるいは今村、こういう人たちがアメリカに行っているという状況はいかがですか。

小杉照夫法務省入国管理局長

○政府委員(小杉照夫君) お答え申し上げます。  私どもの記録によりますると、島田三敬氏、今村雄二郎氏、両氏につきましては、ことしに入ってからの海外渡航歴はございません。しかしながら山岡昭一氏につきましては、一月の六日出国いたしまして、同月十二日に帰国という記録がございまして……。

野田哲日本社会党

○野田哲君 十何日。

小杉照夫法務省入国管理局長

○政府委員(小杉照夫君) 十二日でございます。私どもとしては山岡氏は訪米したものと推定いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 法務省の捜査当局の方の刑事局長に伺いますけれども、この帳簿の改ざん等に東京銀行が参画をしている、こういう情報がありますが、その事実はいかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 先ほども申し上げましたように、この証拠隠滅的な行為の具体的内容については報告を受けておりませんし、また、実はこの種事件の捜査におきましては、仮定の問題で申し上げますが、帳簿の改ざんその他が行われておるというような場合には、この改ざんの事実を発見をいたしましてその点から追及をしていき、最終的にはその復元を図るということが捜査上きわめて有益な一つのテクニックでもございまして、そういう観点で、仮にお尋ねのようなことを私承知いたしておりましたといたしましても、捜査上の非常に微妙な問題でございまして、この段階でお答えすることは御容赦いただきたいと思うわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 先ほどの捜査の報告の中でも触れられておりました海部メモについて伺いたいと思うんです。  さきに予算委員会で、これは私直接担当していたわけですが、有森國雄氏から事情聴取を行っているわけですが、この有森氏は予算委員会での証言で、海部メモについての質問になると、外為法違反で刑事訴追を受けるおそれがある、こういう口実で証言を拒否しているわけですが、これは前に伊藤局長からも集中審議の際にこのことについて、外為法ではすでに時効が完成しているという意味のことを言われているわけですが、すでに時効が完成をしているにもかかわらず、外為法で刑事訴追を受ける、こういう口実で証百を拒否しているということは、海部メモの内容を承知をしていて、それを証言することが彼の立場上非常に困ることがあるんじゃないか、こうとしか考えられないわけですが、海部メモの内容についてある程度の把握が現在されているのかどうか、これを伺いたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 海部メモにつきましては、申し上げるまでもなく大変古い時点でつくられたものとされておるわけでございます。したがって、まあその記載内容自体が仮に真実であったとしても、犯罪捜査としては時効の壁の向こう側にあるわけでございます。しかしながら、本日も冒頭に御報告申し上げましたように、有森氏の証言拒絶罪の事件あるいは福田赳夫氏の告訴されました事件、こういうものが現在検察当局の手中にあるわけでございまして、これらについて捜査を進めようといたしますと、どうしても海部メモの存在、内容等については避けて通れないわけでございます。したがいまして検察当局でもこの問題については、先ほど御報告いたしました外為法、私文書偽造等の問題と並んで鋭意現在詰めておるところでございまして、いずれそのうちにその結果について明らかにできるときも来るのではないかと、かように思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 海部メモの真相を明らかにしていこうとすれば、告発をされた福田赳夫氏、それからメモに名前の挙がっている岸、松野、中村、こういう方々からも事情聴取を行われるはずだと思うんですけれども、この点はいかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) まあ現在、海部メモをめぐります諸問題を詰めておるところでございまして、ただいま御指摘のような人たち、これは海部メモの内容の真否を判断しようと思うと、場合によっては必要になる方々かと思いますけれども、現在検察当局としてはまだそこまで詰め切ってはいないと、かように思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 このボーイング社のSR747、この追加手数料として支払われた百五万ドル、このうちの四十七万ドルというのがいま疑惑の対象になっているわけですけれども、この四十七万ドル、総トータルで八十五万ドルですか、特にこの四十七万ドル、これがロサンゼルスのカリフォルニア・ファースト・バンクの支店にあったキヨシ・ニシヤマ名義の預金。そこで、この預金からの払い出しというのはどのような方法でいつごろやられているわけですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) キヨシ・ニシヤマ名義の預金の口座の出入り等についてはおおむね解明を遂げておりますけれども、現在それをめぐりまして海部氏が勾留されておるわけでございまして、そういう関係もございますので、その内容については御容赦いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この問題につきましては、四十九年から五十年の間に四回に分けて、分割して払い出しが行われたと、こういうようなかなり詳細な新聞報道などもあるわけですけれども、この点いかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 最近各新聞におきまして、頭文字などを用いていろんな報道がなされておることは私承知しておりますが、その内容につきましては、先ほど申し上げたような段階でございまして、肯定も否定もいたしません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いま刑事局長が言われた頭文字でいろいろ報道されている、この四十七万ドルのうちのある金額の行方について二人の人が介在をしていた、こういうことで、KそれからI、こういう頭文字でいろいろ報道があるわけですけれども、この点はいかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 先ほどもお答えしましたように、そういう報道のあることは十分承知しております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 このKとかIなる人物につきましては、このKについてはジャーナリストでジャパンポストの久保俊広氏、それから一については日大の助教授をやっている、その前はジャーナリストであった伊大知昭司、こういう人ではないかという情報がありますが、先ほど否定も肯定もいたしませんと、こういうことだったんですが、この点はいかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 新聞で報道されておりますI氏とかK氏、これはその報道の内容を私なりに見ますと、伊大知氏については実名を挙げて報道しておるところもあるようでありまして、K氏の方は、私の過去の知識等からその報道を読みますと、そういう御指摘の人のような感じを持つ次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 けさの読売新聞では、新たな情報として、第二次FXに関連をしてやはり外国から来た電報の報道があるわけです。この中にイオチ云云ということがあるわけですが、これは大体同一人と考えていいと思うんですが、いかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 私も頭文字がIでございますけれども、いま御指摘の人物は大変珍しい名字でございますので、御指摘のけさの読売新聞の報ずるところの伊大知氏とその他の新聞の報ずる伊大知氏とはおおむね同一人物だろうと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁の方に金の問題などで少し伺いたいと思うんですが、8Kレポート、この日本政府にかかわる項で、一九七〇年から七七年の十二月三十一日までの間に、グラマン社は日本商社の子会社に、日本政府に転売する軍用機部品の売り込みを行った、こうあるわけですが、この日本政府に転売する軍用機部品の売り込み、これは防衛庁の方では実際買っているんだろうと思うんですが、品目、数量、価格、年次、これはどういうふうになっていますか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) グラマン社関係のフォーム8Kレポートにありますグラマン社製航空機の購入部品でございますが、この中身は、チューブアッシあるいはベアリング、ボルト、ノーズホイール等約六百五十品目でございまして、昭和四十五年度から昭和五十二年度にかけまして約四億八千万円契約をいたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この購入した部品というのは、使う機種は一体どの飛行機に使う部品なんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 主としてS2F型哨戒機でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この売り込みについて十四万ドルのディスカウントが日本政府には隠されるという状況のもとになされた、こういうふうに述べているわけですが、この点はどういうふうに把握をされているわけですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) SECの報告を見まして、私どももこの十四万ドルのディスカウントという意味がはっきりしませんでしたので、この一月の初めにグラマン・インターナショナル社長のオラム氏が参りましたので、そのときにグラマン社としての見解を尋ねたわけでございますが、その際、事実上のコミッションであるという回答をいたしていたわけでございます。一方、この部品についての代理店でございます住友商事の方にも説明を受けたわけでございますが、これはグラマン社と住友商事との間に締結されている代理店契約に基づく代理店手数料として受領したものであり、経理上も明確になっており、また国税庁に対しても報告しているというふうな報告を受けたわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁としては、この部品輸入の手数料はこれは払ったのですか、どうなんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 輸入手数料としては約六百万円を支払いまして、これは契約金額の中に含まれておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、総金額で四億八千万に対してアメリカの側からは十四万ドルのディスカウントが行われた、防衛庁の方でも六百万円の手数料を払った、こういうことになっておる。これはそうすると手数料の二重取りをやっているということですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 私ども防衛庁で外国から輸入をする場合には、その物の品代というものを一つは正確につかむ、適正であるかどうか判断するということが一つと、それからこの輸入諸掛かりといいますか、直接な輸入に必要な関税でありますとかあるいは輸送料でありますとか、こういった経費を見るというのが二番目の問題でございます。三番目は、輸入する場合に商社がいろんな、さっき申しました輸送上の業務でありますとかあるいは関税の仕事でありますとか、そういった輸入に伴いまして商社の担当者が走り回るわけでございますので、そういった経費に見合うものとして、いわば防衛庁が輸入手続をする、それに見合うものとして、それにかわるものとして商社に輸入手数料を払っておるわけでございます。  一方代理店手数料は、代理店としてのいわば外国メーカーの代理店活動に対する経費ということでございますので、私どもは性格は全く違うということで、二重払いであるとは考えていないわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 あなたの方では二重払いと考えていないと言われたって、これは明らかに両方から手数料を取っているわけですね。両方合わせると総額四億八千万円に対して十四万ドル、それから防衛庁の方から受け取った六百万円、両方合わせるとこれは一〇%になるですね。これはいかに言っても納得のできるような状態ではないと思うんですが、いかがですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) まあ、ただいま申し上げましたように、私どもとしては完成品を扱う場合に、あるいは部品を扱う場合におきましても、輸入につきましては代理店手数料というものが払われるということになっておりまして、私どもとしてはこれは国際慣習上のものであるというふうに考えておるわけでございますが、なお、先般も予算委員会で申し上げましたとおり、ロッキード事件以前におきましてはこの代理店契約の実態というものを契約の際に必ずしも十分に把握してないといったこともございますので、私どもは主な装備品を購入する場合には代理店契約書というものを必ずとるように現在いたしておりまして、そういう実態をにらみながら一層その辺ぬかりのないようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 結局、その十四万ドルのディスカウントがなされたということは、これは今度のSECの報告があって初めて防衛庁は知ったわけでしょう。しかも、それは日本政府には隠されるという状況のもとで払われたと、こうなっていたわけですから、日本政府としては知らなかった、これはやむを得なかったと思うのですけれども、事実が明らかになったわけですね。事実が明らかになって、隠して十四万ドルが払われていた、そして防衛庁の方からも六百万円の手数料を払っている、両方合わせると、これは総額に対して一〇%というのはコミッションとしてはこれは異常ですよ。それでも防衛庁の方ではこれは無罪放免されるわけですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 私どもその当時は、先ほど申しましたように、代理店契約書自体をとるということはやっていなかったようでございますが、ただ、そういった部品等を輸入する場合には代理店であることの証明をとっておりますので、何らかの形で代理店手数料が払われるんじゃないかということは予想していたわけでございます。  また、政府に対し隠されていたというふうなたしかSECの報告であったと思いますが、一方では国税庁の方には報告といいますか、を提出していたということもあるようでございまして、その辺の解釈等はいろいろあるわけでございますが、私どもは、いずれにしましてもこの関係につきましても関係のところでの調査等も行われておりますので、私どもはその推移を見て、もし問題があればもちろんしかるべき措置をとりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 山下長官、少しこの防衛庁の買い方が、さっきは国税庁の方には報告されていた、これは政府が知っていたことだということだけれども、これは税金上の手続が適正に行われていたということであって、価格の中に含まれていたことの意味とは別の問題なんです。問題は、この一つをとってみても、この前私が指摘をしたRF4Eの問題にしても、少し防衛庁の物の買い方というのはずさんだとは思いませんか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 防衛庁の調達につきましては、その価格につきまして十分厳正に調査し、進めてまいったのでございますが、特にロッキード事件以後は代理店契約書の提出を求めるとか、あるいは価格調査を強化する等いたしておりますので、そしてまた、政府間契約方式を導入するとかいたしておりますので、十分その点についての公正を期しておるわけでございますが、ただ、代理店契約書を入手しない以前におきましての問題の御指摘につきましては、そうした経過を踏まえまして、私どもとしてはただいま所要の措置を講じておるところでございます。  ただ、この問題につきましては現在関係当局で御解明中でございますので、その解明を待ちまして、ただいまも申しましたように、しかるべき措置を講じたいと思っておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 もう一つこれに関連した問題ですが、この8Kレポートでは、一九七七年から八年にかけて、住商が日本政府の行った余剰部品の競売でグラマン社の代理店として入札に成功した、こういうふうな記録があるわけですが、この払い下げ部品の品目、数量、それから価格、これはどうなっているんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 部品払い下げの問題でございますが、これはUF2型航空機につきまして、これはかなり前にアメリカ政府から無償供与によって取得した救難機の部品でございますけれども、これが全機老朽化いたしまして用途廃止を行ったのでございまして、その返還をやったわけでございますが、この措置に伴いまして不用となった専用部品につきまして、昨年三月に指名競争の入札を行いまして、住友商事に約千二百万円で売却したものでございまして、部品名としましては、UF2の専用部品、シールラバーほか約二千五百品目でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これを住友はグラマン社の子会社に幾らで売り戻しているか御承知ですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 住友商事から住友商事アメリカに対しまして七万六千五百ドルで売ったというふうに承知いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 八万五千ドルではないんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) ただいま申されましたのは、住友商事アメリカからグラマン社の関係でございまして、これはいまお話のございました八万五千ドルでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 結局、この部品の操作だけでも約五百万、利益率にして四〇%ぐらいの利益を上げているんですよ、長官。しかも、この入札は、SECの報告によりますと、競争入札者とこの商社との間に、他の者がわざと低い入札をする取り決めがなされていたと信じていたが、少なくとも一社がまじめな競争入札をしたようである、こうなって、つまりこれは談合が行われている、こういうふうな指摘がされているわけですが、この入札の状況というのは一体どういう状態の札が入れられているんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) いま最初に申されました約五百万円云々ということでございますが、これにつきましては、運賃でありますとかあるいは保険料その他の輸出関係の諸掛かり等も入っておりますので、その分全部利益じゃございませんで、大部分はむしろこういった運賃とか保険料、そういった諸掛かりでございますので、御理解いただきたいと思います。  それから談合の関係でございますが、五十三年の二月の二十日、七社をもちまして入札を行ったわけでございまするが、これは落札というものはなくて不調に終わったわけでございまして、さらにその後、三月の末であったと思いますが、入札を再度いたしまして、これは住友商事を残して他は辞退するということになったわけでございます。で、この間私どもとしましては会計法令に従いまして厳正にやったわけでございますので、談合があったというふうには思っておらないわけでございますが、いずれにしても事柄の性質上、関係当局の調査の結果を見て考えたいと思っておりますが、私どもとしては関係の法令に従って適切にやっておりまして、そういったものはなかったというふうに理解いたしております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 最初七社が参加をした、そして落札がされなかった、そして再入札で結局これは住商だけだったと、これは価格にしてみれば五百万円、これには諸掛かりがかかっていると、こういう指摘があったわけですが、いかにも、この経過を考え、諸掛かりがあったにしても、非常にいまの経過を聞いても、私どもとしても何かあったんじゃないかと、こういう印象を受けるわけですが、これはいま装備局長のお話では関係当局の調査を待ってと、こういうことですが、これは伊藤刑事局長に伺いますけれども、これはやはり対象になっているんですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 今回の事件の捜査のやり方として、検察当局といたしましては、SECの公表資料あるいは国会での御論議、マスコミの報道等でいやしくも指摘された事項を全部並べまして、それをその全部について犯罪が伏在するかどうかということを吟味をして、白いものは白いで落としていくというようなやり方をやっておるわけですが、ただいまの御指摘の飛行機部品の払い下げの問題については、わりあい時期の新しいことでございまするので鋭意調査をいたしたと思いますが、犯罪の嫌疑は認めておらないようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 談合の疑いが非常に強いわけですが、そうなってくるとこれは刑法九十六条の競売入札の妨害、談合行為、この刑法九十六条の三に該当する行為ということにはならないんですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 当然刑法九十六条の三の二項でございましたか、談合罪に当たるのではないかという観点で内偵を十分やったはずでございますが、結果においては当該構成要件に該当する事実は認められなかったように聞いております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 RF4Eについて伺いたいと思うんですが、防衛庁のいままでの答弁によりますと、このRF4Eについては四十八年に総額六十四億四千三百万、この中で五十八億円が日商岩井に払われている。四十九年には百四十九億四千八百万円、このうちの百九億円が日商岩井、それから五十年には二十五億一千五百万円、この中の二十二億、これをそれぞれ払っている。全体で二百三十九億六千万円、そのうちの日商岩井に対する支払いが百八十九億、こういうふうになっているわけですが、もう一回これは確認しておきたいと思うんです、これでいいですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) RF4E購入にかかわる契約金額は二百三十九億いま六千万円というふうにおっしゃったようでございますが、六百万円だと思います。このうち日商岩井の関係が百九十五億七千四百万円——約百九十六億というふうに申しておったと思います——ございまして、そのほかはレーダー関係の装置でありますとか、初度部品の一部、あるいは機体の空輸代というようなものになっております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 このその他の四十数億円というのは、これは一体どこに払ったわけですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) たとえばこの側方——横の方でございます、側方偵察レーダー装置及びその関係の初度部品につきましては約二十五億円を、これは住友商事を契約の相手方として払っております。それから、レーダーの警戒装置につきまして、これは国産品でございまして、東京計器に約二億五千万円、それからその他の初度部品としまして約十四億円、これは国産もございますし輸入もまじっておりまして、関係各社非常に多数でございますので名前は省略さしていただきます。それから、機体の空輸の経費として約一億五千万円をアメリカの空軍の方にFMSで支払っております。  以上でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 住友商事には手数料を払っているわけですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 輸入手数料をこの契約金額の中で払っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それは何%で、幾らですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 約一千万円でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この住友商事とそれからアメリカ側、メーカー側との間の契約、あるいは手数料の契約、これはどうなっているか承知されておりますか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 先ほど申しましたように、当時は代理店契約書というものを提出をさせておりませんので、承知しておらなかったわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 当時は承知していなかったが、いまはどういうふうに承知されたんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) この関係については現在も代理店契約書をとっておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、売った側から幾ら手数料を取っているか、これは全く知らないということですか。これはちょっとのんき過ぎやしませんか。長官いかがですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 先ほども申しましたように、現在は、ロッキード事件以降代理店契約書の提出を強力に求めまして、それを一方でにらみながら価格というものを適正にやるということにしておりますが、当時は代理店であることは知っており、かつ代理店契約に基づく手数料は支払われるであろうということは予想していたのでございますが、代理店契約書自体はとっていなかったということでございまして、しかしながら、その購入する品物につきましては、いろんな類似品の価格でありますとか、あるいは過去のいろんな品物の価格の実績でありますとか、そのほか市場価格というようなものも十分調査いたしまして、その価格を適正に把握して購入いたしておりますので、私どもとしては価格自体において問題があったというふうには考えていないわけでございますので、御理解いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 予想はしていたけれども、調査していないのに価格が適正であったかどうかという判断はできないんじゃないですか。  国税庁はこれどういう調査をやっておられますか。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) ただいま御指摘のございました内容につきましては、私ども確認をいたしておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 長官ね、こんなこんにゃく問答ではしようがないですがね。明らかにアメリカ側からも手数料を取っているということを予想していたというわけでしょう。どれを見てもみんな両方から手数料を取っているんですよ。だから先ほど言ったように防衛庁の調達というのは非常にずさんじゃないですかと、こういう指摘をせざるを得ないと思うんですが、いま聞いておられてどうですか、防衛庁長官としての認識は。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) RF4Eの部品に関する住友商事との調達について、二十五億円でございますか、それについてのいまの御指摘の点につきましては、当時はただいまも申しましたとおり、代理店契約書というものの提出を求めておりませんでした。しかしながら、その可能な限りにおきまする十分な価格調査をいたしまして公正を期したのでございますが、その後、代理店契約書というのは本来第三者間の契約でございまして、それはまあ任意に提出することになっているわけでございますけれども、現在は代理店契約書を提出いたさせて十分公正を期しておりますんですが、率直に申しまして、代理店契約書を提出いたさなかった時代についてのあり方につきましては、その後の経緯につきましてわれわれとしては十分公正を期するような仕組みを考えているわけでございまして、まあ、しかし本来代理店契約書というのは第三者間の契約でございますので、そうした点の配慮があったかと思いますけれども、しかしながらこのような経緯でございますので、公正を期するという意味においては現在は代理店契約書を提出させておる、そうした意味において十分公正な措置を期しておりますので、御了解賜りたいと思う次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 了解ということにはちょっとならないと思うんで、いかにもずさんだということを再度指摘しておきたいと思うんですが、このRF4Eの二百二十八万ドルというえたいの知れない金があるわけですが、この中の十二万ドルという技術指導料、これはどういう性格のものなんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) ただいまお話のございました十二万ドルの技術指導料については、私どもは承知しておらないのでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは明らかになってからも全然この問題については事情を聞かれていないんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) この二百三十八万ドル自体につきましては、まさに捜査の対象になっているというふうに承知しておりますので、私どもは、この問題については私どもとしての十分な権限を持たない立場での調査を控えさしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 法務省ではこの十二万ドルというのはどういう性格のものと認識をされているわけですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) そもそもこの二百三十八万ドルというのがなかなか一口や二口で言えないような非常に複雑怪奇なものでございまして、したがって、いま御指摘の十二万ドルの問題についても、検察当局としては日商岩井なり先方なりの言い分その他について承知しておると思いますが、これは全部の一環として、二百三十八万ドル全部を分解、解明しないとはっきりしたお答えができない、そういう性質のものであろうと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁の方としては、このRF4E、これは仕切り売買という非常に簡単な調達方法がとられているわけですが、これで技術指導料の十二万ドルを含めて二百三十八万ドルという事務所経費というものが必要であったというふうな認識をされているわけなんですか。その点いかがですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) ただいま伊藤刑事局長からも御答弁がありましたように、二百三十八万ドル自体がどのようなものであるかということは私ども自体もよくわかりませんので、ただいまの先生の御質問にはちょっとお答えしにくいわけでございまして、御了解いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 だから、結局防衛庁としてはRF4Eの購入に当たってはこういうものは全然知らなかったし、必要がない金だと、こういうふうな認識を持っておられるわけですね。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) RF4Eを購入する際には、これも予算委員会で申し上げたわけでございますが、この価格につきましていろんな調査をしまして、私どもとしてはこのRF4Eの購入価格自体は適正に把握して支払いをしたというふうに考えておりまして、その際に、この二百三十八万ドル云々ということは全くそういう意味では関係がないわけでございまして、いずれにしましてもこの二百三十八万ドルの性格等がわかりませんし、また当時としては私どもはそういった価格自体の調査ということでやっておりまして、そういう意味では関係が直接ないというふうに考えておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 再度これは刑事局長に伺いたいと思うのですが、このRF4Eの購入に当たっては、この二百三十八万ドルは初めからユーザーである防衛庁には隠されていた。後でいろいろ証人喚問などで海部証人などから名目はつけられているが、しかし防衛庁の方の支払いを見ると、たとえば為替リスクとかその他海部証人が挙げた理由については、それなりに正規の契約の中で処置されていると、こういうふうになっているわけです。そうすると、結局この二百三十八万ドルというのは全く裏金づくりとしての性格を持っている、こういうふうに私どもは受けとめざるを得ないんですけれども、これはいかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) まずもって申し上げられますのは、ダグラス社から受け取ったのではないことにしたかった金であるということが申し上げられるわけですが、なぜそうであるのかというようなことにつきましては、きわめて複雑怪奇なる状況がございまして、現在その点を鋭意詰めておるわけでございますし、また本院の予算委員会から告発のございました海部氏の偽証問題とも関連いたしますので、いずれ明らかになる時期があると思いますけれども、この際は御容赦いただきたいと思います。さしあたりちょっと考えてみましても、山岡、今村等の公判の段階になればおのずから出てこざるを得ない面もございますので、しばらく御容赦いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 政治献金の問題について伺いたいと思うのですが、去る三月三十一日の証人喚問で、日商岩井の辻前会長、これは社長当時の問題について証言をされているわけですが、松野頼三氏の政治団体である松籟会について正規の自治省の届け出では、一回限り百万円、四十九年上期、こうなっているのですが、辻証人の証言では、一回だけではなかった、ずっと松野さんのところの後援団体には政治献金を出している、こういうふうな証言があるのですが、もう一回これは自治省の方に確かめたいわけですが、自治省の方への届け出は松籟会としてはどういうふうになっていますか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 松籟会が松野頼三氏の関係団体であるかどうかということにつきましては私どもとしては承知しておりませんが、松籟会ということで届け出がありました団体につきましては、御指摘のとおり百万円だけの届け出がございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 国税庁としては、四十二年から十年間、日商岩井の税務調査の中で、辻証、言では九億八千万円の政治献金が行われた、こういうふうな証言があるわけですが、どのように把握をしておられますか。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) お答えいたします。  国税庁といたしましては、政治献金の内容を把握はしておりますけれども、個別にわたる事柄でございますので、その内容について申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 個別にわたらないで、それでは昭和五十三年までの十年間で幾らになっていますか。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) 昭和四十三年から五十三年三月までの政治献金ということでございまして、かなり古い年度まで含まれておりますけれども、おおむねそのような金額と理解していただいてもよろしいんではないかというふうに思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そのような金額というのは、つまり九億八千万という証言のような金額と、こういうことですか。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) お答えいたします。  さようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 伊藤刑事局長に伺いますけれども、答えられる範囲というのは非常にむずかしいと思うんですけれども、検察庁ではこの日商岩井の関係書類をいろいろ押収されたと思うんですが、その中にこの政治献金のリストとか、あるいは寄付金の台帳、こういうものは含まれているわけですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 詳細報告を受けておりませんが、恐らくそういった関連の帳簿も押さえておるのではないかと思います。ただ、検察当局としては、余りこの政治献金そのものというようなものは必ずしも興味がないわけでございまして、特に、届け出られております献金などにつきましては犯罪捜査としての対象外であることが普通でございますので、むしろ検察当局としては、いま御指摘のような帳簿を仮に押さえておるとしましても、正規の帳簿に載っておるものでないようなものが興味があると、こういうことではなかろうかと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 自治省に伺いますが、出した方では五十三年までの十年間で九億八千万出したと。で、届け出の方は一億二千万円ぐらいしか届け出られてない、届け出のない八億六千万円ぐらいの金というのは、これは扱いとしてはどうなるんですか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) あらかじめお断りいたしたいと思いますが、自治省で所管しておりますのは、自治大臣所管の政治団体が結局寄付を受けたというものでございまして、特定の寄付者が政治資金を一体どの程度出したということを全部掌握しているわけではないわけでございます。したがいまして、たとえばどんなものが入ってないかというと、自治大臣所管分の政治団体以外のもの、たとえば、政治家個人への寄付というようなものは自治省は掌握しておりません。   〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕  それから、さらにまた五十年の改正前におきましては、会費というものの形は寄付の中に入れないで報告されました。別なものでございました。寄付だけが細かい報告がありまして、会費についてはほかの収入として一括されておりますので、これもまた掌握されてないと、そういうようなことで違いが出てきているというようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 国税庁に伺いますけれども、この日商岩井が出した、そして届け出は、結局自治省で所管をしているのは政治団体だけだと、それは国民協会を含めても大体二億にもなっていない。そうすると、約七億これは個人に行っているということになるわけですが、個人に行っていて届けがないと、こういうことになれば、これは扱いとしては個人所得という扱いになるんじゃないんですか、いかがですか。

藤仲貞一国税庁直税部長

○政府委員(藤仲貞一君) お答え申し上げます。  御承知のとおり、政治献金を個人が受け入れました場合には雑所得の収入金額ということに相なります。それから政治活動のために使った費用がございました場合には、それを差し引きまして、なお残額がございます場合は所得税法上雑所得として課税されるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、日商岩井はこの十年間で九億八千万出したと。団体としての届け出は一億数千万円。そうすると、その誤差の約八億円、これは個人に渡っているとみなされるわけでしょうが、そうすると、これは日商岩井のリストは、先ほどの答弁では、持っているけれども個々に発表すべきものではないと、こういうふうな答弁をされたと思うんですが、当然これは、そうすると、リストがあるとすれば、そのリストの個人個人について税法上の適用をどうされるべきか、こういうことについて審査をされるべきではないかと思うんですが、それはやっておられるわけですか。

藤仲貞一国税庁直税部長

○政府委員(藤仲貞一君) お答え申し上げます。  政治資金に係る雑所得につきましても一般の所得の場合と同様に私ども常々資料をいろいろ収集いたしまして、そういうものと申告書を突き合わせまして総合的に検討した上で、課税すべきものがあれば課税しておるわけでございます。ただ、私ども、日商岩井といたしましてこれを全部審査しておるかどうかということはこれは承知しておりませんが、そういうような政治献金を日商岩井が支出しているという事実がございますれば、それを資料化いたしまして個々の政治家ごとに検討をいたしておるはずでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 公的な場ではっきりと、この出した側の方とそれから受け取った方の団体の届け出との間に八億もの誤差があるということが明らかになったわけですから、これは当然、やっているはずでございますではなくて、これは厳密にやるべきことではないんですか、いかがですか。

藤仲貞一国税庁直税部長

○政府委員(藤仲貞一君) お答え申し上げます。  そのとおりでございまして、私ども、ただ人手が十分でないという面はございますので、いままで国会でもいろいろ御議論がございましたように、納税者の増加に比べまして職員数の増加が必ずしも得られないと、こういうことがございますので、悉皆にこれを調査するということは、これはもう全般的にむずかしい状況でございますが、調査を要すべきものについては調査をいたしておると、かように考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 警察庁に伺いたいと思うんですが、ロッキードの捜査のときに、いわゆる有森メモというのが押収をされていると思うんですが、これはまず警察庁の方でどういうふうに承知をされているか伺いたいと思います。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 有森メモの問題につきましては、この二月の二十一日付の朝日新聞で報道されたものを御指摘になっておるかと思うんでございますけれども、ロッキード事件の捜査の際に、まあ警視庁と東京地検及び国税局とが共同をいたしましてロッキード社の日本本社を捜索をいたしました。その際に押収資料といたしましてとったんではないかというようなことが言われたわけでございます。で、当時この押収資料の保管につきましては国税局が中心でやっておりまして、必要により三者がその内容を見るというようなことをやったわけでございます。しかしながら、警視庁といたしましては、お尋ねの有森メモなるものにつきまして調べたわけではございませんで、当時はロッキード事件に関連をいたしまして有森氏がロッキード社のコンサルタントであったということの話がございました。それを中心にして聞いたという状況なんでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、この有森メモというのはいまどこにあるんですか、国税庁ですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 私どもとしてはちょっと十分これについては関知いたしておりませんが、ロッキード事件が始まっておりますので、公判が始まっておりますので、恐らくそちらの方に回っておるんではなかろうかというふうに思うわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは伊藤さん、この有森メモというのはおたくの方の関係でいま扱っておられるわけですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 私どもの立場としましては、捜査過程の捜索におきまして何を押収したかということは明らかにしないたてまえにしておりまして、仮にそういうものがあったといたしましても、現在ロッキードの公判係属中でございますので、公判廷へ出ましたような場合には明らかにすることができますけれども、そうでありません限り、押収物の内容についてお答えすることは御勘弁いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 刑事局長に伺いますが、これは別の問題ですが、先般赤坂のクラブが脱税容疑で捜査をされているわけですが、これはやはり今度の航空機の問題と関連があるんですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 日商東京本社のすぐそばにある店でございますので、そういうことをお考えの向きが相当あったようでございますが、これは純粋にそれ自体の税法違反で処理したわけでございまして、今回の捜査と関連はございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 最後に、防衛庁に伺いますけれども、防衛庁では調達の業者を決める場合に一つの基準というものがあるんじゃないんですか。業者資格登録細目とかいうようなものがあるやに伺っているんですが、これはいかがですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) いわゆる予決令に基づきまして、過去の実績その他を調べまして相手方を決めておるということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 その中で、   〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 不誠実な行為があったとかあるいは社会的に疑惑を招くような行為があった場合には、この登録から抹消する、こういう規定があるんじゃないんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 予決令におきまして「一般競争に参加させないことができる者」というような規定がございまして、その中に幾つかの規定がございます。たとえば「契約の履行に当たり故意に工事若しくは製造を粗雑にし、又は物件の品質若しくは数量に関して不正の行為をした者」、あるいは「落札者が契約を結ぶこと又は契約者が契約を履行することを妨げた者」、あるいは「正当な理由がなくて契約を履行しなかった者」というふうな規定が六項目ばかりございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それは一般競争ですか。随意契約でやっているたとえば代理店、こういうものを抹消するような規定はないんですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) いま御指摘がございましたように、一般競争の場合に規定がございます。あとはないようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、現在でも日商岩井、これだけ世間から疑惑の目をもって見られており、現に強制捜査を受けている日商が、依然として部品の取り扱いとかあるいはライセンス生産についての代理店としてのコミッションを受けている、こういう事実については、これはそれをキャンセルする規定はないんですか。ないんですね。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) ないと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは長官、大変結構な業者にとっては規定ですね。大体、丸紅がロッキード事件のあのスキャンダルを起こしたときに、地方自治体、地方公共団体は、地方公共団体の取引関係には直接かかわりはなくても、ほとんどの地方公共団体は、えりを正すということで、よけいな疑惑は受けたくないということで、ほとんど丸紅との取引を停止をする措置をとったわけです。防衛庁の調達は、これだけ疑惑を受けていても、今日なお飛行機の部品の取り扱いとかライセンス生産を橋渡しをした手数料が入ってきている。これが、この規定がないからといって、妥当な措置と思われますか、いかがですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 防衛庁の調達につきましては、いささかも国民の皆様の疑惑を招かないように公正を期さねばならぬことはもう当然でございまして、私どもはそのことを心がけたいと思っておりますが、ただ、いまの問題につきましては、現在関係当局で御解明中でございますので、その推移を見守りつつ、その結果を待ちましてしかるべき措置を講じたいと思っておる次第でございますが、ただそのしかるべき措置は何かと申しますと、これはそれぞれ第三者の間の代理店契約でございますので、これはそうしたことの本質はやっぱり本質として承知しておかねばならぬことでございますけれども、いずれにいたしましても、現在の関係当局の御解明を待ちまして、われわれとしては国民の疑惑を招かないように今後とも努力をいたしたいと思っておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 御解明を待ちましてということで、これは解明というのはどういう時期なのかということになると、いろいろあるわけですけれども、一般競争入札については、不誠実な行為があればそこでもう競争入札には参加させない、こういう措置がとられている。随意契約で扱っているこれについては当局の御解明を待ってと、これはやはり世間の疑惑を晴らすことにならないんじゃないですか。これはやはりこれだけの世間から疑惑を受け、捜査の対象になっているんですから、あなたの方ではFMSだから全く業者の入り込む余地はないんだと、こういうふうに世間には説明をしているようですけれども、現にこれだけの疑惑があっても、FMSでやっていても、日商岩井がこれだけの疑惑を受けながらやはり依然として手数料が入る、コミッションが入る仕組みができているわけでしょう。これをやはり明確にここでシャットアウトをする、そういう措置は当然とられるべきではないんですか、どうですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) FMS方式につきましては、今後の問題でございますが、これはもういま御心配になられる点は絶対に介入する余地はないのでございまして、これだけははっきり申し上げたいと思う次第でございます。ただ、いま政府委員から申し上げましたような、一般競争の場合と随意契約の場合とについてそのようなことがございますけれども、私どもは決して国民の疑惑に対してかばうとか何とかするという気持ちはさらにございません。あくまで公正を期したい考えでございます。しかしながら、いま現在御解明中でもございますし、それはまた遠からずはっきりしてまいると思いますので、その上を見まして、しかるべく対処いたしたい、こういうような次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これだけの疑惑を受けている商社が依然として防衛庁へ調達をされる飛行機に関連をして利益を上げているということは、これは世間は納得しませんよ。一般競争入札で不誠実な行為があれば指定業者からはずすのに、なぜこの随意契約で大きな金額を扱っているものがはずせないんですか。そんなことは了解できません。これは指摘だけして、時間が参りましたから終わります。

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) 午前の調査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      —————・—————    午後一時五分開会

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) ただいまから航空機輸入に関する調査特別委員会を再開いたします。  航空機輸入に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 航空機輸入問題に関する審議は、予算委員会から本委員会に移されたわけでありすすが、その間の内容については、けさほどの野田委員の質問に対し、伊藤刑事局長からお話がございましたとおり、四月の二日には日商岩井の海部八郎が逮捕され、同じ四月七日には同航空機部長である山岡昭一が背任容疑で再逮捕されておりまます。したがいまして、捜査は順調に進んでおられるわけでございますので、私からも捜査内容について何点かお尋ねをいたしたいと思います。  まず、伊藤刑事局長は、去る四月十一日の衆議院航特委の理事会におきまして、E2Cの代理店変更に介在した件について御発言がございました。アメリカのSECの非公開資料の中でその件については明らかになっていると思うと述べております。また、この名前等についても把握をしていることを示唆されておりますけれども、その折に、商社を紹介したこと自体これは犯罪にはならないと述べられ、仮にその人が代理店変更に絡んで金銭の授受があったとしても、それ自体は今回の捜査対象となっていないという旨を明らかにされております。私も、商社の紹介自体は犯罪にならないかもしれませんが、代理店変更に絡んでもし金銭の授受があったとしたならば、それは当然犯罪の対象になるのではなかろうかと思います。いわば捜査の対象となるものと思いますが、それがならないという御発言でございますので、この件につきましては理解に苦しむものでございますが、ただ、それが時効が成立をしておるために犯罪構成の要因とはならない、犯罪構成の要因にならなければ検察当局としては興味のないものでございますから、そういう考え方に立ったのか、この辺についての御見解をお尋ねします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) まずもってお断りを申し上げたいと思いますが、御指摘の衆議院の航特委理事会におきまして、私、事件の捜査概要の御報告を申し上げたわけでございますが、非公開の理事会でお話し申し上げたのでございましたが、翌日でありましたかの新聞を見ますと、一部の新聞にいろんなことを私が申し上げたように書かれておりまして、その多くは私が申し上げたところと全く異なるニュアンスの報道でございましたので、当惑をいたしております。したがいまして、ただいまお尋ねの代理店変更に介在した人が仮におるとして、その人の関係が捜査の対象から全く除かれておるというようなことは一〇〇%言っておらないわけでございます。もちろん、古い話でございますから、そのこと自体一般論で言えば時効が完成しておったり、いろんな障害があると思いますけれども、毎々国会で御説明申し上げておりますように、今回の問題は古くからの、またかつ広い間口にわたります一連の出来事でございまして、当然御指摘のような点も吟味しながら捜査を進めなければ、今日的な問題についても解明ができないわけでございます。そういう意味におきまして、捜査の対象としていないというような事実はございませんので、その点御理解いただきたいと思います。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 次に、それではボーイング社からの追加手数料百五万ドルのうち使途不明の四十七万ドルは、海部の国会証言にあったように、インドネシアあるいはサウジアラビアの受注工作に使われたのかどうか、捜査の経過を踏まえて御答弁を願いたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) いわゆる四十七万ドルの使途不明金と言われますものの行方につきましては、検察といたしまして逐次解明をいたしておるところでございまして、その解明の結果につきましてはいずれ明らかにされると思いますけれども、現在その関連で海部氏を勾留しておりますので、この際詳細のお答えは差し控えさしていただきたいと思うわけでございますが、あえて申し上げれば、サウジアラビアとかインドネシアとかいうような関係のものではないように見ております。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 詳細な内容については差し控えたい、ただしインドネシアやサウジアラビアの受注工作に使われたものではないように思うと、こういうことでございますが、詳細にわたって多少恐縮でございますけれども、四月十四日の新聞に、この四十七万ドルのうち数十万が二人の人に渡された、そういう新聞の報道があるわけでございますが、この報道と捜査内容は一致をしておるのかどうか。詳細な件で恐縮ですが、ひとつ……。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 大変微妙な点についてのお尋ねでございますが、さような報道のあることは承知しておるわけでございまして、細かい点についてのお尋ねということではなく、大筋についてのお尋ねであろうと思うわけでございまして、そういう意味であえてお答えするといたしますと、肯定も否定も現段階ではいたしかねると、こういうことでございます。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 次にお尋ねしたいことは、米国のジェット・エア・リーシング社から全日空へのボーイング727五機のリースに伴う仲介手数料六万三千ドル、これを山岡は米国内の山岡の名義の秘密預金口座に振り込み、このことが背任容疑で再逮捕されたわけでございますが、この六万三千ドルの行方については、その後捜査の経過の内容でどうなっておるでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 山岡のいわゆる再逮捕事実になっております背任の件でございますが、御指摘のように、山岡個人名義のアメリカにあります銀行口座に不当に振り込まれたわけでございますが、その行方と申しますか、その支出先につきまして、これは十分吟味をいたしませんと、背任罪の成否、ひいてはあるいは横領になるんじゃないかというような点についての捜査が尽くせませんので、現在鋭意調査をいたしておりまして、これも次第に明らかになりつつあると、かように存じております。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 横領の可能性ありということでございますので、これからの捜査の行方を見守っていきたいと思います。  次には、海部八郎逮捕の被疑事実は、ボーイング社からの百五万ドルのうちの三十万ドルについての外為法違反ということでございますが、MD社からの事務所経費二百二十八万ドル、この件については午前中も一口や二口で言えないきわめて複雑なものであると言われましたけれども、その中の、多分交互計算分になっておるものと記憶しておりますが、四十五万ドルに関しての海部の共犯関係の疑いがあるのかどうか、お尋ねいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) その点の山岡、今村らの被疑事実となりましたのは、四十五万ドルに関連いたしますところの数通の私文書偽造の件でございます。この私文書の偽造を解明するには、四十五万ドルの交互計算勘定の処理、これを明らかにしなければなりませんし、それを明らかにするには二百三十八万ドルの性格そのものを明らかにしなければなりません。そういう観点から、現在、検察当局ではこの二面三十八万ドルをめぐる諸問題について鋭意解明をしておるわけでございまして、その間において海部氏がこれに関与しておるかどうかということがいずれ明らかになってくるのではないかと思います。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 今月の二十三日に海部の勾留期間が切れるわけでございます。そこで、刑事局長は、これも秘密の理事会であって外に漏れるはずがないということでございますけれども、これも全く内容と現実が違うかどうかわかりませんけれども、次の段階に発展するのは四月二十三日まではない旨の発言がされているように報道されております。とするならば、四月二十三日まではないし、その以降に次なる段階への発展がある、そう解釈できょうかと思います。この場合、次なる段階とは一体何を指向しておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) まず、お尋ねの前提となりました私の衆議院航特委理事会におきます発言ぶりを申し上げますと、一部の方から、この問題についての中間報告というようなものの時期の見通しはどうかと、こういうお話がございまして、これに対しまして、私は、中間報告というようなことをされるかどうかはもっぱら大臣のお考えに属することでございますが、捜査が流動的に動いておる段階での中間報告ということは適当ではないのではないかと思う、したがって、きわめて形式的な一般論を申し上げれば、海部氏の勾留満期が二十三日でありますので、それまでの間に中間報告の時期が到来するということは万々ないと思われますというようなことを申し上げたことがございます。それが何人かの口を伝わって、ただいま御指摘のようなことになったんだと思われるわけでございまして、捜査はきわめて流動的なものでございまして、二十三日の前に何もないとか、二十三日が過ぎたから何かがあるとかいうふうなことをいまの時点で申し上げられるわけもございません。証拠を追い求めて、一つずつ事実を積み重ねて捜査を進めておるわけでございまして、すべては今後の捜査の積み重ねによると、かように御理解いただきたいと思います。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 いままで私は、私自身が、あるいは今回の一連の事件を通しまして国民が知りたいと思った問題点を概略お尋ねしたわけでございますが、そこで法務大臣にひとつお尋ねしたいと思いますけれども、アメリカでは、当事者の証言がなくては真相の解明と申しましょうか、事件の解決が困難な問題、たとえば贈収賄罪であるとか、あるいは選挙の買収であるとか、こういう問題につきましてはイミュニティー法の適用によって犯罪解明の効果を上げている例があります。したがいまして、法務省としてこうした一連の疑獄事件を通しまして、このイミュニティー制度のわが国への導入についてはどのような考え方を持っていらっしゃるのか。もちろん、わが国の法体系やあるいは土壌の異なる面からいたしまして、直ちにこのイミュニティー制度というものがなじむものとは思われませんけれども、イミュニティー制度の発想を踏まえながら、この種制度についてのお考え方についてお尋ねをしたいと思います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) イミュニティーというのは、日本では片落としと昔言ったと思うのであります。ちょっと記憶が正確でありませんけれども、選挙法で、古いときに、片一方が自白したら勘弁する、こういうことがあったんじゃなかったかとも思う、まあいわゆる片落としでありますね。それでこれにつきましては、なるほどこれは何というか、罪をあばくというか、には効果的な面がありますですね。ただ、罪を犯しておるのをそういう方便というか、のためにもうゼロにしてしまうというその本質論がやっぱり残るわけでありますし、それから、まあ選挙などでは昔乱用されたというか、逆に敵側の陣営の者が何というかことさら事犯になっちゃって、それであばいてしまう、こういうことが行われたりして弊害もあったというようなことも聞くんですな。相手の陣営の人がいわば買収を故意にされて、そしてあばく、そういう弊害があったというようなことも聞いておるような気もいたしますし、国民感情として、日本の人の気持ちから言って、人をばらすということが素直に受け入れられるだろうか、そういう点もありまして、これはよほど考えてみないと、効果的だという一面は考えられますけれども、これをやったらどうかというところにはちょっと距離があるんじゃないだろうか。まあ結論を申し上げる意味じゃありませんけれども、ちょっとこれは距離のある問題のように私は感じております。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 距離があるという考え方が最終的な現段階における法務大臣の御見解のように承ったわけでございますが、小さいものがいつも問題の焦点になって、大を逃がしてしまう、そういうきらいも今日までの一連の経過の中でなきにしもあらずでございますので、これからも存分にひとつ御検討をいただきたいと思います。  次に移ります。  私は、さきの予算委員会におきまして、政治に対する国民の信頼を回復するためには、真相の解明はもちろんでございますけれども、それと同時に再発防止、この重要さを訴え、政府の対応策についてお尋ねをしてまいったわけでございますが、きょうはこうした問題についてより具体的に、特に会計制度とその見直しの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  ロッキード問題を初めといたし、グラマン、ダグラス、ボーイングと、アメリカからの航空機輸入に関係しての問題点の一つといたしまして、企業会計の処理の方法が批判の対象とされております。それは帳簿に記載しない裏金をいとも簡単につくり出したり、あるいは添付書類さえそろっていれば架空の契約書で自由に金が出し入れできるという実態であります。また、航空機の輸入に対する疑惑は常にアメリカのSECによって問題が提起をされ、わが国に波及してくる、こういう状態でございます。このことは、わが国企業は企業の社会性、そうした問題に対しての認識の度合いが少ないのではないか、さようにも思われます。  企業会計というのはもちろん企業のために行われる計算でございましょうけれども、企業会計は単に企業自体のためにのみ行われるものではないことも周知の事実であります。社会経済活動の一翼を担う企業活動は、利害関係者が増大すればするほどその社会性も増大するものであります。つまり、企業の会計を通じ、利害関係者は企業の実態を知ろうといたします。債権者は企業の支払い能力を、投資家は企業の収益力を、税務当局は課税所得を、そして消費者は料金や価格を通して企業の収益力の大小を知ろうとするものであります。しかしながら、企業会計はこうした単純な収支計算にのみとどまるものではございません。社会的な客観性というそういう物差しも必要なのではないでしょうか。  そこで大蔵省にお尋ねをいたしますけれども、今回問題になっております日商岩井の裏金づくりのための不正な経理操作についていかなる見解をお持ちなのか、お伺いをいたします。

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○政府委員(渡辺豊樹君) 日商岩井に伝えられておりますような裏金というものが存在いたしました場合には、これは日商岩井に本来収入として計上すべきものが計上されていなかったということに相なろうかと思います。企業会計原則の立場は、企業の財政状態と経営成績というものを正確に報告をする、正確に会計処理をするというのが企業会計原則の基本的な考え方でございます。これに基づきまして企業が適正な会計処理をいたします場合には、いま申し上げましたような収入というものはすべて収入として計上しなければならないわけでございます。仮に収入として計上すべきものが計上されなかった場合には——企業会計原則に即して財務諸表が作成され、上場会社等の場合にはそれに基づきまして有価証券報告書が作成、提出されるわけでございまして、仮に計上されてなかった事実が確定いたしました場合には、投資者保護の観点からもその有価証券報告書の訂正というのが行われてしかるべきものというふうに考えております。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) お尋ねではありませんでしたけれども、確かにこの企業の関係も、今回の事件を見ておりますと、大いにこういうことの起こらぬように考え、協力してもらわないというと、こういうことはもう再び起こらぬとなかなか言えないような気がするのであります。企業会計については行政上の監督の問題もあるわけです。それから時と場合によると、どうにもならぬときは罰則の強化の問題もあるわけでありますし、それから、横でありますけれども、脱税事犯、税金の方から入り込んでいく——脱税事犯に対してこのままでいいかというようなこともあるわけでございますが、しかし、できたら企業が自分で自主的に自省自粛するというふうになることが一番望ましいと思うのでありますね。それで、やはり投資家の利益も守らなきゃならぬし、社会的な責任も企業にはあるということでありますから、企業会計について企業が自分で内部的な監査制度などももっと効果的なものにする、それから公認会計士などにもある種の社会的な責任を負うてもらってこれを活用するというようなことも抱き合わせるとか、われわれの社会のことですから、できるだけ上から抑えつけたり罰を食わしたりということは少なくして、自発的によくしていくということが一番望ましいことであることは申すまでもないのでありますから。  それで、われわれの関係にしましても、例の商法の改正の問題がありまして、会社法の関係でありますね、この問題にいま取り組んできておるわけであります。この問題の一環としましても、自分で自粛していく、責任を守っていくということに持っていくためにどうしたらいいかという問題があると思っておるのであります。この問題は、商法というのがああいう法典にありますので、一カ所だけに手をつけるわけにいかない、手をつけるなら全般的にというようなことになって、改正がなかなかはかどらぬわけですが、そんなことばかり言わぬで、必要な部分は改正をするなんということを少し前向きに考えたらどんなものだろうかという私は気持ちを持っておるんです。後日また法典化——コーディフィケーションをやればいいんですから、そんな問題もわれわれの方にあるということを、研究問題があるということを申し上げておきたいと思っております。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 ただいま法務大臣から企業会計に対する見解、特に積極的に商法改正等を含めて検討していきたいという気持ちを持っておる、そうした中で、わが国は自由主義経済でございますから、企業みずからがみずからを規制する、それが一番いいんだというお話がございましたけれども、確かにそうだと思います。しかし、そういう体制の中で繰り返し繰り返しやはり問題を惹起している。どうしようもない場合にはやはり法の規制のもとで措置をしていかなければならない問題も数多くあろうかと思いますので、さらに質問を続けてまいりたいと思いますけれども、企業会計を行うに当たりましては、基本となるべき原則がございます。その中の一つに明瞭性の原則または公開性の原則と言われるものがあります。これは財務諸表によってだれもが企業財務の内容を判断できるようにすることのためでございますけれども、今回の日商岩井の裏金づくりのための会計操作は、明らかにこの企業会計原則に違反するものと思われますけれども、この点についての大蔵当局の見解と、会計原則違反に対する処置等に対してどのような対応策を持っていらっしゃるのか、お伺いいたします。

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○政府委員(渡辺豊樹君) 企業会計原則の基本的な考え方は、いま先生御指摘のとおりでございます。先ほども御答弁申し上げたわけでございますが、収入として計上すべきものを計上せず、裏金として操作いたしました場合には、企業会計原則に基づく会計処理をしていなかったということになるわけでございまして、これは当然に確定いたしました段階で訂正されてしかるべきものでございます。したがいまして、現在検察当局において捜査が行われているところでございますから、私ども直接に会社から事情を聴取する等のことは差し控えておりますが、事実が確定いたしました段階で、当然そのような不適正な会計処理はさかのぼって財務諸表の上において訂正を求める考えでございます。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 捜査の過程の中で、ただいまの問題については大蔵当局としても調査をしていきたいと、こういうことでございますので、了解いたしたいと思います。  次に、今回企業会計上問題となり、私文書偽造等で逮捕の原因となりました架空契約等の問題は、企業会計上不実の記載が行われたことでございまして、いわゆる粉飾決算の要因であると思われます。わが国におきましては、大蔵省に対し有価証券報告書を提出するよう義務づけられている企業などが不実の記載をもとにした報告書を提出いたした場合には罰則が適用されることになっております。本件について大蔵省としてはどのような対処の仕方を考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○政府委員(渡辺豊樹君) 有価証券報告書の虚偽記載が行われました場合には、先生御指摘のような粉飾決算の例の場合に、大蔵省におきましてこれを告発した事例がございます。しかし、財務諸表の記載につきまして、量的に質的にそれがどの程度のものであるかということによって、処理の仕方、また対応の仕方はいろいろあるわけでございまして、したがいまして、本件につきましてはその内容、金額等が確定いたしました段階で判断したいと考えております。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 次に、わが国におきましては、企業に対し有価証券報告書を提出をさせ、財務諸表の適否を判断するのみでございますが、アメリカにおきましては、SECに対し企業はまず10Kレポートを提出し、SECでではこれにに基づき、単なる財務諸表の適否を審査するのではなしに、書類を作成するまでの行為にまで審査を行っております。もちろん、SECの機関が日本における大蔵省証券局、公正取引委員会、検察庁などの役割りをあわせ持っているとは言え、提出されました10Kレポートに疑問が生まれてまいりますると、そこで8Kレポートを提出をさせ、綿密な審査を行っているのでございますが、これも企業の社会性を重視しているからでございましょう。わが国におきましても、企業の社会性の認識を高めるとともに、常に監督できる体制を確立していくべきであると考えられますけれども、この点についての大蔵当局の見解をお尋ねいたします。

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○政府委員(渡辺豊樹君) SECと大蔵省の証券局がよく比較される場合が多いわけでございますが、SECと証券局の機構その他の違いについてはすでに先生よく御承知のとおりかと思います。なお、日本とアメリカの場合の大変大きな違いと申しますのは、SECが投資者保護のために企業が提出されるそういう報告書に一つきまして、SECの判断でさらに開示を求める必要があるという判断をいたしました場合には、さらに企業に対して資料の提出等を求めることができるわけでございますし、かつ、企業がそれを拒否いたしました場合には裁判所にその提出命令を求めることができる。つまり、SECが単にアメリカの証券法に基づきまして——その権限を行使いたします場合に、そのSECの権限というのが非常に強くかつ効率的に働くと申しますのは、アメリカの司法制度と申しますか、裁判制度というものがバックにあるわけでございまして、したがいまして、全般的にこの問題を考えます場合には、そういう点を含めまして総合的に検討をいたしませんと、単に証券法上のSECの権限ということだけであのような活動ができているのではないということをひとつ御理解いただきたいと思う次第でございます。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 今日、日本が大変な経済大国になりました。その要因にはそれぞれの商社の果たした役割り、その大きかったことを私は否定するものではございません。しかし、猛烈社員であるとかあるいはエコノミックアニマルという言葉に象徴されるように、売らんかな一点張りということでは国際社会のひんしゅくを買い、あるいは経済的に孤立することも免れないのであります。したがって、この際、再発防止の面からも、先ほど法務大臣からお話のございましたもろもろの問題について一応抜本的に見直すというか、ふるいにかけ、アメリカのSECの制度その他の問題等々十分あわせ検討しながら、日本の土壌に合うような、しかも企業の社会的責任への自覚を促すことができるような、そういう法体系の整備等々について一層の努力をお願い申し上げたい。それは当然に六月末に行われまする東京サミット成功への道にもつながるはずであろうと思います。この件については、もう時間がございませんから、見解だけを述べておきます。  防衛庁長官に幾つかの問題をお尋ねする予定でございましたが、間もなく時間でございますので、一点だけお尋ねしたいと思います。  先ほども野田委員からお話があったのでございますけれども、E2CはFMSでアメリカの政府から購入するという形をとると言われております。したがってそこには商社の介在はないと防衛庁は言っておるわけでございますが、しかし、日航がボーイング社から直接購入しても手数料というか口銭が日商岩井に支払われております。ですから、FMSだからといってMD社から日商岩井に手数料が渡らないという保証はないのであります。この点防衛庁はMD社にしかと念を押す必要があろうかと思いますが、いかがでございましょうか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) E2CにつきましてFMS方式をとる場合、代理店手数料等が価格に算入されない旨はアメリカの政府が保証するものでございますし、それからまた、グラマン社と日商岩井との間の代理店契約そのものにおきましても、FMS方式の場合には手数料が支払われない、そのことがはっきりしておりますので、それを十分確認いたしておりますので、ただいま御指摘の点につきましては御心配の余地は全くないものと考えている次第でございます。

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 終わります。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まず、法務大臣にお伺いをいたします。  法務大臣、灰色高官名の件でございますけれども、ロッキード事件のときには、三木内閣ではいわゆる灰色高官名を衆院ロッキード特別委員会の秘密会に報告をしました。古井法務大臣は、先般の新聞報道を私読んだわけでございますけれども、この三木内閣の姿勢を変更されるやに思うわけですけれども、その点はまずいかがでございますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) お尋ねは灰色高官名の公表問題ではないか、そう思うのであります。あの節、国会の秘密会に出します、こういうことで当時資料を出されたようであります、たちまち世間に出てしまいましたが、それは別にしまして。そこで、それはそれでありますが、国会の方で国政調査という立場で、単に犯罪問題だけでなしに政治的な道義的な責任の面まで究明される、これは国会の立場上当然のことで、もっとおやりになったらいいと私は思っておるんです、実は。思っておりますから、そのことは結構だし、不十分だぐらいに思っておりますが、ただ、いわゆる灰色高官名の公表というのは、何か犯罪捜査の資料を出せ出せという、つまり国会で独自にお調べの問題ではなくて、犯罪の資料を出せと、こういうことになってくるので、一つ問題が起こってくるのであります。  で、道義的責任をわれわれは追及しておるんじゃありませんで、犯罪を追及しているので、その間の資料をほかの目的に出して使おうと、こういうことになるので、犯罪ではシロになってしまった、本人には迷惑かけてしまったと、それをそのシロになった部分を、犯罪のための資料を出せ、こういうことになるということが、それが一体——目的がもともとそのために集めた資料じゃないのですから、その面から言えば不完全なものでありますし、それから強制権まで使って集めた資料でありますので、それをほかの目的に使われるということになると、これはその関係した本人の名誉とか人権とかそういうことがどういうことになるものだろう、国政調査権は非常に大切な国会の権限ですけれども、憲法は明らかに国民の人権ということをもう大原則にしておるし、これがまた民主社会が生まれた一番基本で、一人一人の人権というものを非常に大切にしておるという大原則は一体どういうことになるだろうか、ここが問題になるわけでありまして、それについて、その点は行政府におるわれわれがそういう原則を尊重するというだけではない、憲法にも明瞭に書いてあるとおりに、「立法その他の国政の上で、」この人権の問題は「最大の尊重を必要とする。」と、「立法その他の国政の上で、」と書いてある。国会もまたこの原則を尊重されなければならぬという大原則がある。  ですから、国会の方でもよくそこは考えていただいて、そうして資料の問題についてはどういう考え方を立てられるか、立てていただきたいということを私はいままで言っておるのであります。出すの出さぬのという前に、われわれもこの大原則の問題を考えるが、国会もその憲法の大原則の問題をどう考えられるか、慎重に考えていただきたい。で、きょうはまだ灰色にも何にも捜査の途中でございますので、何が灰色なのやら、またどういう人が、関係の者が出てくるかわからぬ段階ですから、きょうの話じゃありません。ですから、まだ時間もありましょうから、われわれもそうですけれども、国会も考えていただきます、こういうことを申し上げておるのでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま私が灰色問題を取り上げておりますのは、あなたが公表せずという観点のお話をされていらっしゃるから、それについてのあなたの姿勢を伺っているわけです。で、いまどしどしやっていただきたいという御答弁もありました。しかし、これはうがって言えば、あなたが自民党の皆様の方へ言われなくてはならないことであって、それを国会すべてという形で私たちに言葉を返していらっしゃる。そこには一つの、あなた自身もおわかりかと思いますけれども、先ほど申し上げたように、それは自民党さんの方へあなたがお話をされていろいろと言われなくちゃいけないことで、私たちに対しては、姿勢ははっきりしているわけですから、その点は明確にしておきたいと思います。で、いま最初に申し上げておりますのは、あなたが先般は灰色は公表せずという発言があるやに伺いましたので、いままずその一つの点をただしているところでございます。  で、私は、主権者たる国民に対して責任を負う公人として最もその行動が正されなければならない閣僚、国会議員、公務員は、その名誉についてすら、刑法第二百三十条ノ二にも見られますように、全体への奉仕者として一般人とは異なった立場にあるとも考えてもいいと思います。また、公人が国民の批判の目に広くさらされるべきは当然のことであろうと思います。したがって、この事件に何らかのかかわり合いを持つ以上、事件の全貌解明のために、また日本の将来のためにも、刑事責任の有無にかかわらず、疑惑を持たれた公人が、公の人が主権者たる国民の前に明らかにされるべきことは私言うまでもないと思うわけです。そうなってくると、私はこの点について、法務大臣、私がいま申し上げた点、重ねて伺うわけですけれども、どのように考えていらっしゃるのか、伺います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) お尋ねは、政治家は自発的に国会に出て立場を明らかにすべきだと、こういうお説ではないかと思うのであります。私は、この点については共鳴を感ずるところが実はあるのでありまして、政治家は一般の国民の人よりもより厳しい戒律に立っておると思うのであります。でありますから、一般の人以上に自戒自粛をしなければならない。いいことだけ、特権だけ得る話じゃないと私は思うんです。責任の方も感じなければならぬと思うのであります。しかしながら、この問題は、政治家の道義的な政治的な責任ということはいわば自己責任でありまして、めいめいが責任を感じ責任を果たすということが一番大切だと私は思うので、他から強制されたりどうこうされるというよりも、それが政治家のあり方だと思うのでありますから、そういう意味で、自分で出てどんどん話されるぐらいな政治家があっていいどころじゃない、それが日本の政治家であってほしいぐらいに私は思っておるので、そういうことはいままでからも、きょう申し上げるんじゃない、思って申し上げておるんであります。そういうことでありますから、自分がこれは責任を感ずる、責任を感じて責任を果たすという問題だろうと、そういうふうに思いますので、それから先は国会がどう思っておられるかは、これは国会の御判断、お扱いの問題と言うよりほかないと思っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 灰色高官の公表については、三木内閣も公表には賛成であっただけではなく、自民党そのものも次のような条件を付して賛成をしているわけです。それは昭和五十一年九月八日、文書が自民党から次のように発表をされております。ちょっと読ましていただきますと、いわゆる灰色高官の公表について各党から提出された公表基準案、一つ、自由民主党案として五十一年の九月八日でございますが、これには、   ロッキード事件は外国の資本によってわが国の政治、行政を左右しようとする性質をもつものである点から、国民はこの事件に対して強い不信感のもとにその真相解明に重大なる関心をもっており、国会はこの事件の徹底的究明を決議し、また政府は法律の許す限りにおいて事実を公に明かにすることを声明してきた。   ロッキード事件の刑事事件等法律違反の点に関する解明は当然であるが、それ以外においても、この事件の政治的、道義的責任を解明し、政治の自己浄化作用によって政治道義を正し、政治に対する国民の信頼に応えることは、今の政治に課せられた基本的責務である。   ロッキード事件発覚以来、検察庁等の政府機関の手により鋭意事件の解明が進められており、その概貌がほぼ把握された現段階において、国会は事件の政治的、道義的責任を明らかにする立場から、政府に対し、憲法および刑事訴訟法の人権の保護、捜査密行の原則を考慮しながら、この事件により起訴された者以外のいわゆる“灰色高官”につき左記の基準によって公表を求める。  ここでも「政府に対し、憲法および刑事訴訟法の人権の保護、捜査密行の原則を考慮しながら、この事件により起訴された者以外のいわゆる“灰色高官”につき左記の基準によって公表を求める。」と、こういうふうに明確になっております。  そして、その次の段階では「ロッキード事件に関するいわゆる「灰色高官」として一般に公表すべきもの(この場合は氏名、受領金品額、事実の大要を明かにするものとする)。」、一つは、「ロッキード事件の金品の授受による収賄罪その他の犯罪の成立が認められるが、公訴時効の完成により不起訴となるもの(時効不起訴)。」、二番目には、「ロッキード事件の金品授受による収賄罪その他の犯罪の成立が認められるが、軽微又は情状により不起訴となるもの(微罪不起訴)。」、三つ目には、「ロッキード社の売込みに関し依頼を受け、ロッキード事件の金品の授受があったが、職務権限なきため罪とはならないもの(罪不成立)。」、こういうあれで灰色高官の公表というのが明確に出されていらっしゃるわけです。  そこで、私がこの灰色高官の「公表せず」と言われたあなたに対していまこのように取り上げておりますのは、この航空機の輸入に関する疑惑解明について法務大臣が大平内閣においてロッキード疑獄の解明に当たり清廉潔白なる政治家として法務大臣に就任された、このように国民はすべて広く理解をしておりました。そういう時期において、グラマン、ダグラス、ボーイングと、アメリカの航空機製造会社がそろいもそろって売り込みに関する不正の疑いが日商にあるのか、その航空機会社にあるのか、これは調査の後判明すると思いますけれども、いずれにしても不正が発覚をしてまいったわけです。  ロッキード事件発生以来歴代内閣の対処姿勢というものは後退に次いで後退をしていると国民はきわめて批判をしておりますが、こういうふうな中で国民の輿望を担って登場されたと言われますか、その法務大臣古井さん、あなたが先般の新聞社のインタビューの中において、「捜査は本陣に迫っている。これから先、出てくるものはまだメドがつかないが、納得のいく所までやる」と。この場に私おりませんでしたので、報道の言葉を活用させていただいているわけですけれども、その一つ、最初に「時効や職務権限がなくて起訴しない灰色高官の公表は、人権上の問題があり応じがたい」、いまもあなたから御答弁をいただいたわけです。ですから、自民党の総意の結集の中から灰色高官の公表についてのこういう条件が出されて公表に踏み切られた、今回はこれにのっとってそうしてあなたもやっていただけるものと——まあもう少し先になりますけれども、それがこういうふうな大きな後退をあなた自身がなさっていらっしゃる。この点について重ねてあなたのお考えを、私は五十一年九月八日の自民党の方から出されましたこの灰色高官の公表という公表基準案まで私の姿勢を改めてここまで持っていくんだと、こういうふうに明確にこれは御答弁をいただくのが当然であろうかと思うわけですけれども、いかがでございますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) まずもって真相究明、こういうことで、いやしくも犯罪事実、罪になるような事実があれば、よけいな政治的な考慮——よけいなということはまずいですが、政治的な考慮とか、そういうことは抜きにしまして、払わないで、これはどこまでも究明し追及していくということは一つも変わりませんし、また、きょうまでそのとおりにやってきているつもりであります。お気づきがあったらおっしゃってみていただきたいと思います。むしろ早目にやり過ぎるぐらいやっているのじゃないかぐらいに私は思っております。  問題は、そういう犯罪の追及というんじゃなくて、政治責任の問題なんですね。政治責任の問題は、行政府が政治責任の追及をやるんじゃなくて、国の最高の国家機関である国会がなさるべきことであって、国会がやられる以外に場所がないんですね。それと、自発的な政治家の行動ですね。でありますから、それについては国会で十分究明されることは結構でありますし、大いにやっていただきたい、ほかにやるところがないですから。このとおりの考えでありますから、一つも前進も後退もあったものじゃないんです。  問題は、灰色高官と称するもののお話でありますけれども、この点については、よく国会の方でも、いわゆる言うところの灰色高官というものはそれはどういうものである、観念もはっきりし、これの資料、まあ出すものがあれば出せとか、国会でよく御相談になって——そのために集めた資料じゃないですから、私どもの資料は。犯罪のために集めた資料なんですから、不完全なんですよ、その目的から言えば。それから強制力まで用いて集めた資料なんですから。法は犯罪のために資料を集めることを許しているために強制力まで用いたものなんですから。それに対してその資料を渡せとおっしゃるなら、よく国会も考えて、考えを立てられておっしゃっていただきたい、で、まだ時間があるから、その辺はよくお考えの上でおっしゃっていただきたいと、こういうことを申し上げておるんでありまして、一つも後退も何にもしておるわけじゃないんであります。  ただ、つけ加えて申し上げていることは、一体人間の基本的人権というものをどう考えるんだ、この点が十分に考慮されなければならぬ、こういうことを私は申し上げておるだけのことでありまして、どっちかというとそっちの方が手薄だと私は思っているんです、実は。これは憲法の大原則であるどころじゃない、民主主義社会のこれは人権宣言が出発点ですよ、人間一人一人の人権、権利というものを尊重するというところは。ですから、そこの辺もよく考えていただきたい、こういうことを申し上げているので、国会の方でお考えのときには、そういう意味でございますから、後退でも何でもありませんから、よくお考え願いたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 法務大臣、あなたのよく言われることはわかるわけです。わかるけれども、ではあなたが新聞社のインタビューでお話をされた「「灰色」公表せず」という問題は、早きに失したおそれがあるのではないんですか。その点についてもう一つお伺いしたいわけです。  もう一点は、国会で云々の話があなたからしきりに出るわけですけれども、与野党をこういうふうに大別しましたときに、野党の方では合意がしてあるわけです。ただ、いろいろと課題になりますのは、あなたが出ていらっしゃいます自民党さんの方でございますので、あなたが自民党さんの方にこういう意見の調整等々でやられたのかどうか、それを国会国会といきなりすべてに返されるということも、一つは誤っているところがあるんではないかと私思うわけです。だから、まず最初に申し上げております「「灰色」公表せず」とのあなたの発言は法務大臣としては非常に早まり過ぎた、こういうことになろうかと私思うんですけれども、その点いかがでございますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) どういうふうにお受け取りになっているか、「公表せず」とか言っているわけじゃないんですよ。国会の方が決めておいでになってからの、それを受けてのわれわれの方は話なんですから。で、お決めになるについてはよく考えてお決めください、お決めになっておらぬのに出しませんも何も言ったことはない、また言う時期じゃないんで、ちっともこっちが先走って、出しません、決められても出しませんとか言っておるわけじゃないんですから、そこは誤解のないように願います。  また、私は大体この灰色問題が早くから議論になるのはもうどうかと思っているんです。これは当初から私は言っているんです、いまは捜査、真相究明の段階で、それに一生懸命ですよと。だから、まだ灰色とかいう問題、早いと言うけれども、しかし、しきりにこの問題に触れられるから、またほかの方面でも触れられるから、仕方なしに意見を申し上げておるにすぎないんですから。問題にしていただかなきゃ触れる必要は一つもないんです、これ。これはこっちが早まって言っておるつもりももともとないわけであります。  また、国会が御意見をお決めになるについて自民党の者が渋っているじゃないか、こういうお話です。が、国会がお決めになるのを、いまこういう立場におります私が、行政府にいまとにかく座っておる人間が国会でお決めになる問題にどうだこうだ一これこそおまえ出過ぎだ、引っこんどれと、これはしかられてしまう問題になるんではないかと思うんでありますから、そういう立場もひとつ御理解願いたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 大臣、いま自民党さんの灰色高官の公表を出しましたのは、自民党さんの方の公表の内容が非常に進んで、そうして実行された。で、さらに期待をされた法務大臣が先般のお話の中で「「灰色」公表せず」とのお言葉が出てくるから、そういう点で例を引いて内容を話をしながらあなたに答弁を求めているわけでございます。そういう観点から考えますと、どうも三木内閣のときの国会に対するときの姿勢から大きく後退していることは、私あなたのこの発言を見ておりますとそういうふうに感じるわけです。あなたはいま答弁の中では、そうではない、こういうふうに言われているわけでございますが、そういう点についてはいまいろんな具体例を申し上げながら、いまあなたの姿勢というものを、御答弁のとおりであれば前向きの姿勢できちっとこの解明のために全力を挙げていただきたいと思います。  もう一つは、灰色高官名云々が出ましたんですけれども、ロッキード事件のときは、先ほどもお話があったろうかと思いますけれども、ある時点を区切って中間報告もなされたわけでございます。そういう観点からまいりますと、法務大臣も大体この進行の形の中から中間報告のめどをどの点に置いていらっしゃるのか、御意思を伺っておきたいと思います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 中間報告の問題についてお尋ねでありましたが、私の方は犯罪を究明していくということがきょうの問題でありまして、それで、これだけはやらしていただきたい、国会の方の進行状況の方で犯罪の捜査を途中で抑えてしまうとか、そういうことはさしていただきたくない、これはこれでもうあなたもおっしゃるように究明をするところまでさしていただきたいと、こう思って、そっちにいまかかっておるわけであります。報告するために犯罪の捜査をしているんじゃないんで、犯罪を究明するために捜査しているんですから、そっちの方だけはとにかくやらしていただきたい、こう思っております。  で、またきょうの段階で中間報告をお求めになるかどうか。これは、お求めになるかならぬかでわれわれは考えるほかはありませんけれども、捜査の方の状況は、前々もうお聞き願っておるように、あのとおりの段階でございまして、これはその段階に応じて、きょう出せと言われればきょうの段階で、きょう説明しろと言われればきょうの段階で言うしかない、先なら先で言うしかないんでありますからして、その段階に応じてのことになると思います。これは、われわれの方の仕事といいますか、犯罪の究明、後日の裁判の追及というようなものに支障がない——支障があることは勘弁していただくほかはありませんし、そういう事情も考えながら、お求めがある場合にはわれわれの方も考えるべきことは考えたい、こういうふうに思っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 法務大臣にこれは御答弁いただきたいんですが、たとえば稻葉前法務大臣は、ある面ではあけすけに国民の皆さん方に語りかけていくというふうな点もあったわけでございます。こういうふうなことで、私も、法務大臣も非常にまじめなお方でございますけれども、ある面では、新聞報道等を通してでも結構ですけれども、やはり国民に語りかけていただくような、そういう非常に示唆に富んだような形の面もやはりあっていいのではないかと思うわけです。たとえば五月の連休明けにはどうなるだろうかとか、まあいろいろとあろうかと思うんですけれども、そういうふうに今後の進展の見通しを通しながら、やはり国民の方々にもいろんな形で話しかけていく、そういう面もあっていいのではないかと思うわけですが、その点いかがでございますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) まあ、国民とともに政治は語らなきゃならぬのでありますから、お説ごもっともな面があると思います。ただ、私の方の仕事は何しろ犯罪関係でございますから、あんまりやたらにしゃべくりまくって、どうだこうだと言うのは、これはちょっと、事柄が事柄ですから、こういうことを余りにぎやかにするのは私はどうかと思っているんですよ、この犯罪のことを。だれの名誉にも、だれの利益にもならぬで、そうひどく隠すこともないが、ひどくにぎやかにこれ、派手にプレイアップする必要もないじゃないか、日本の名誉のためにもなりゃしないと私は思いますんで、そこらを考えながら、別に隠すわけじゃないが、ことさらににぎやかにする必要もないじゃないか、こういうふうに思っておりますので、淡々とした姿勢でひとついたしてまいりたいと思っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 それで、法務大臣、あなたは「現在の国会の証人喚問のあり方には疑問を抱くが、政治家は進んで喚問要求には応じるべきだ」、こういうふうにも話をされていらっしゃいますが、事実でございますか。   〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 先ほども申しましたように、政治家個人個人は、だれに責任を問われるとかいうよりも、これは国民に対して責任を負うているわけですし、めいめいが言わば自己責任で、自分で反省し、自分で責任を果たしていくというのが政治家のあり方だと私は思っております。行政部内に勤めておる公務員の人々などは上役がおって監督をする、こういうものですけれども、政治家ですからね、やはりこれは自己責任という考え方でやっぱりいくのが本当じゃないか、他からかれこれと言うよりも。そういうふうにこれは思っております。で、めいめいの考えを余りかれこれ言うことも……。だからかえって権威を侵すようなぐらいな気持ちがするわけであります。御注意がありましたら私どもの分野で考えるべきことは十分考えたいと思いますから、幾らでも意見をまた遠慮なしに聞かしていただきたいと思っております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 私、大臣の御発言を伺いながら、政界からもやはりいろいろと関係筋のものが出てくるんではないか、こういうふうに考えているわけですが、先日も衆議院の航特の理事会でも岸さんと松野さんと喚問に来ていただいたらどうだというふうな声も出ているようでございます。そういう中で、向こうの三つの航空機の会社で、やはり日本政治家との交友関係等々についていろいろ話が出ているわけです。  先般私たちが向こうに参りましたときにも、ハリー・F・カーン氏は、やはり私たちに、文書というか、そういうふうな中で、私は次の日本国総理大臣を知る光栄に浴しました、吉田、鳩山、岸、池田、佐藤、福田及び三木の各氏です、この方々にとって価値があると思われる情報、ここでは特に中東情勢の発展に関するものをときどきその方々にお知らせできる特権に私はあずかっていたのです、そして岸氏とも親しい関係でした、彼は私の訪日中、時折正餐に招いてくださいました、また岸氏は、訪日中に偶然東京に居合わせた私の友人をゲストとして同伴することを許してくださいました、こういうふうに出ております。で、グラマンとの関係で名前の出た三人のゲストの中でも、ノーマン・ポール氏は元米空軍長官であり、トーマス・チータム博士は国防総省に枢要な地位を占め、ロバート・タウンゼント提督はすぐれた海軍経歴の持ち主でした、彼らはグラマン社の代表として招待されたわけではありません、しかしながらそういう人たちと一緒にいろんな情報交換の話をいたしましたと、こういうふうに、よいとか悪いとか、そういうことではなしに、いろいろなくだりの中で、やはり政治家の方々や、それに対応するアメリカの方でも軍事専門家等々であるとか飛行機専門家である等々、こういうふうな名前の方々と非常に親しくしたということがハリー・F・カーン氏の文書によっても明らかでございます。だから、私は、やはり捜査をなさっていらっしゃるわけですから、いまここでシロクロとか、そういうふうなことは全然わからないと思いますけれども、海部メモ等いろいろと政治家の名前が挙がっているわけです。これは事実かどうかは今後の捜査に任されるわけでありますけれども、挙がっておりますからいまこの名前を私も話しておるわけでございますが、こういう中で海部八郎氏が逮捕をされたわけです。  ここで刑事局長にお伺いをしたいわけでございますが、もうここまで金の流れというものが恐らく捜査の段階で一つ一つチェックをされておりますけれども、あとは政治家への贈与についてどうなるのか、こういう問題の過程というものが進められているのではないかと思うわけです。そういう意味で一つ一つをお伺いをしたいと思いますけれども、まず最初に、どの程度まで捜査が進まれているのか、話される段階で結構ですけれども、お伺いをしたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 捜査がどの程度進んでおるのかというきわめてむずかしい御質問でございまして、外形的にあらわれているところにつきましてはけさほど御報告したとおりでございまして、さらにそれに付加して何か申し上げるといたしますれば、御報告いたしましたような外形的な事実に関し必要な関連事項を鋭意捜査をいたしておる、こういうことでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 では、一つ一つをお伺いしたいと思うんですが、私は政治家へお金が流れたという立場の中で、まず一つ一つを伺いたいと思いますけれども、報道にも出ておりますけれども、まず一つは、軍用機の導入、機種決定に権限のある政治家への贈与、これは対象として捜査をされておるわけでございますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) もとより、この軍用機の導入あるいは機種決定について職務権限のおありの方がそのことについてお金をもらわれたというようなことがございますれば、断じて看過できないことでございますので、もちろんそういうことがあってほしくないことでございますが、あるかないか十分念頭に置いて捜査をいたしております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 二番目には、軍用機導入に発言力のある政治家への贈与というものを頭に置いて捜査していらっしゃるのか、伺います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) ただいま御指摘の「発言力のある」という表現でございますが、職務権限がないが発言権があるというような人が仮におるといたしまして、この方が航空機の購入に関して何らかの依頼を受けて金を受け取られます、そういう事実関係を仮に想定してみましても、犯罪にはちょっとなりかねるのではないかというふうな気がいたします。したがって、そういうものを犯罪捜査対象として頭に描いて捜査しておるということはございません。要するに、検察当局としては本件問題をめぐっていろいろ動いております怪しげな金というものの流れを鋭意追っておるわけでございまして、その中からどういうものが出てくるか、出てきた時点で、犯罪捜査の対象となるかどうか、それを見きわめながらやっておる、こういうことでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 三番目には、午前中も政治献金等等のお話が出ておりましたけれども、日商岩井族的存在の政治家へというふうな形でやはり想定されながら捜査をされているかどうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) およそ一国の政治に関与されるりっぱな方で日商岩井族などというものがあるということを私どもちょっと考えかねますので、さようなことは念頭に置いていないと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 四番目には、対抗機種の導入を推進し、日商岩井にとって障害になる立場の政治家への牽制のねらいがあったかどうか、そういう立場ではどうですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) お尋ねの趣旨がちょっと私にとってはやや哲学的でございまして、十分理解できないのでございますが、先ほど来申し上げておりますように、本件の諸問題をめぐって動いております怪しげなお金、これの流れを証拠に基づきまして追い求めておるということで御理解いただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃ、最後に伺いますけれども、五番目には、導入とか機種決定問題で国会審議に絡んで政治家にいろいろ関係しているか、そういうような点はいかがでございますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) まあ、国会審議に関与され得ますような方にそのお金が仮に渡っておったというようなことが確認されました際には、その金が国会審議と絡んでおるかどうかということを検討することになると思いますが、物事はまず金が動いたかどうかということを確認することが先でございまして、その先の先をまずもって考えて捜査をしておるということではございませんので、御理解いただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ちょっと質問を飛ばしてみたいと思いますけれども、別な話になりますけれども、これはまず運輸省か通産省だと思うんですけれども、まあ運輸省でも結構でございますけれども、いまボーイングと日本との中において日米民間航空機共同開発が行われております。まずこの点について御承知であればちょっとお伺いをしたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 通称7X幾つかというふうな形で言われております共同開発と申しますか、そういったようなことが行われていることは運輸省として承知はいたしておりますが、これは所管は通産省であるかと思いますので、私どもはそれ以上委細は承知をいたしておりません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この問題については、ボーイング社の会長発言というものが、日航との間に日商岩井の関係が代理店としてあった、ないという問題が、われわれ航空機会社を訪問したときも、会長からは日商岩井がすべて代理店をしたと。ところが、最近の書簡ではそういうことは一切ない。非常に責任のある立場の方々の変動が非常に大きいので、私はこの問題も今後の課題としていろいろ検討したいと思いますが、この日米民間航空機共同開発も五年以上いまかかっているわけですけれども、日本の政府も関係をしながら、このボーイングと民間機の開発が進められておるわけでございます。こういうふうな問題についても、日本政府がやはり二回以上も当社を訪問されている、こういうふうな形の話も出ているわけでございますけれども、これは運輸省……。すべて通産省関係でございますか。  それから、あわせて国の補助金ですね。財団法人の民間輸送機開発協会というのがあるわけでございますけれども、国の補助金の問題、そうして役員についても政府関係からはタッチをしているのかどうか、こういう点、もしわかれば御答弁いただきたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 先生御案内のように、航空機の生産は通産省の所管でございますので、いま御質問のございましたような内容につきましては運輸省といたしましては所管官庁でございませんので、申しわけございませんが、私どもの方からお答えすべき立場になかろうかと存じます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 次に、全日空のリース契約の仲介手数料について伺いたいと思います。  検察庁は、さきに外為法の違反、私文書偽造、同行使罪で起訴された山岡昭一日商岩井航空機部長を、去る四月七日、背任容疑で再逮捕されたわけですけれども、その容疑事実をもう一度御説明をお願いしたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 概要次のとおりでございます。  被疑者山岡は、日商岩井機械第三本部東京航空機部長として同部所管の各種契約の締結及び契約に基づく手数料の取り立て、受領など同部の業務全般を統括し、日商岩井のため忠実にその職務を遂行すべき任務を有しており、契約に基づく手数料等を受領するに当たっては日商岩井に入金すべきであるのに、右機械第三本部長島田三敬らと共謀の上、自己の利益を図る目的で右任務に背き、昭和五十年一月から同年十二月までの間、日商岩井がジェット・エアー・リーシング・インコーポレーテッドから受領すべき仲介手数料六万三千八百十九ドル四十三セントを、同社をしてシアトル市のシアトル・ファースト・ナショナル・バンク・メトロポリタン支店の被疑者名義の当座預金口座に振り込み入金させ、日商岩井に対し同金額相当の財産上の損害を与えた、刑法二百四十七条の背任罪、こういうことでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 全日空はPSA及びJL社からリースしたボーイング727及び737型の輸送について輸送代行料等の名目で日商岩井に対し十一機分、約四千四百万円を支払っているということは広く論議をされているわけでございますが、重ねて入金事実を国税庁にお尋ねするわけですが、この点については確認をされているわけでございますね。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) お答えいたします。  ただいまお尋ねの全日空に関しまする四千四百万円の輸送代行料につきましては確認をいたしておりません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 おりません。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) はい。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃ、この問題については国税庁としては今後どういうふうにされようとしておられるのか、その点もう一度伺いたいと思います。

西野襄一国税庁調査査察部長

○政府委員(西野襄一君) ただいまの件につきましては現在検察庁でお調べの被疑事実に関連するところでございますので、私どもといたしましては、新しく課税関係に影響するような事実が判明いたしましたその時点で新たな課税関係を見直しまして、所要の措置を講じてまいりたい、このように考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この点について伺いたいと思いますが、シアトル・ファースト・ナショナル銀行の山岡名義の口座はいつ開設をされ、また閉鎖をされたのか、この点はいかがでございますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまお尋ねの点は現在捜査をしております中身そのものでございますので、御容赦をいただきたいと思いますが、先ほど被疑事実を読み上げました五十年一月云々とございましたが、それよりもうちょっと前からあったというふうに御理解願っていいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま御答弁をいただいたわけですけれども、これは口座の開設は当然外為法によって許可を要すると思われるわけでございます。そういうわけで、許可を受けていたのかどうか、この点もお伺いを重ねてしたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) その点を直接お答えするのはいかがかと思いますが、ないしょの口座でありますから、当然許可を受けていなかったというふうにお考えいただいていいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 山岡名義の口座から昭和五十年中に入金された六万三千八百ドルはいつごろ引き出されたのか。で、そのほぼ全額が五十一年以降日本国内に持ち込まれたということが確認された報道というものが出ているわけですけれども、この点はいかがでございますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 現在山岡をいわゆる再逮捕いたしましてやっております捜査の相当部分といいますものはいまの使途の解明でございまして、それを鋭意やっておりますので、いずれ明らかにできると思いますが、ただいまの時点では御容赦をいただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いまお話しいただきましたこの金の使途ですけれども、逮捕容疑では故島田常務と共謀して自己の利益を図るためとされております。で、山岡自身か、故島田常務と山岡とが、いずれにせよ着服したように見られておるわけですけれども、少なくともいわゆる海部グループのためにプールしたのではないかと推測はされます。この「自己の利益を図るため」の意味の説明ですね、現況までもしお話しできましたら伺いたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 背任罪の成立要件といたしましては、自己または第三者の利益を図るという目的あるいは会社に損害を加える目的、こういったものの存在が要件になっておるわけでございます。  さてそこで今回の容疑事実について見ますと、会社のコントロールの及ばないところへ預金口座をつくって、いわば島田、山岡両氏らの自由裁量で動かせる金をこさえたわけでございます。しかしながら、ときどき会社犯罪でそういう現象があるわけですけれども、裏預金口座をつくったからといって直ちに背任罪になるわけではなくて、そこに、先ほど申しました自己または第三者の利益を図るなどの目的が存する場合に背任罪を構成するわけでございまして、そういう一般論からいたしまして、本件の裏預金口座と申しますものは、この自己の利益を図ることをも含めたいろんな目的で会社のコントロールから外れたところでつくられたと、こういう被疑事実の構成になっておるわけでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この金でございますけれども、最後の行く先は確認をされたのか。もう一つは、贈収賄に結びつく可能性を持っているのか。この二点お伺いいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 金の行く先は逐次確認しつつあります。その結果はいずれ明らかにできると思いますが、贈収賄云々の点についてはまだ報告を聞いておりません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この六万三千八百ドルが全日空とJL社とのリース契約の仲介手数料として昭和五十年ごろに支払われたということになるわけですが、四十四年から五十一年にかけて続いているわけです。こういうふうな中で、この間継続して仲介の手数料が入っていた、こういうふうに考えられると思うわけですが、したがって仲介の手数料というものがもっと多額に上るのではないか、こういうふうにも考えられるわけでございます。ですから、この点は金額的にどの程度まで確認をされているのか、その点を伺います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 金額の点はおおむね確認いたしております。その額についてはただいまちょっと申し上げかねますが、容疑事実になっております六万何千ドル、これはそれらの一部であるというふうに御理解いただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この仲介手数料についてですけれども、故島田常務の口座にプールされて流出したとか、全額が山岡名義の口座に入ったとも言われておりますし、そういうふうなことではっきりしないわけでございますが、これらの仲介の手数料がどこに入り、どのようにプールをされたのか、再確認の意味で伺いたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 大体どこに入り、どういうふうにプールされ、どういうふうに使われたか、だんだん解明しつつあるわけでございます。  なお、ここでお断りしておきたいのでございますが、本件問題をめぐりますいろんな事象と申しますのを検察当局は鋭意真相の究明に当たっておるわけでございますが、捜査に当たりまして一つの問題点といたしましては、時効の壁というものが相当厚いものがあるわけでございまして、したがいまして、ただいまお尋ねいただいております件も、そういう問題もにらみ合わせながら容疑事実を構成したり何かしておる、こういうことを御理解いただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 くどいようでございますけれども、これらの六万三千八百ドル以外の仲介手数料というものが、いま御答弁で、相当数あることを私も伺ったわけですけれども、この六万三千八百ドル以外の仲介手数料、これがやはりその流れでございますけれども、日本国内に入ってきたのか。その使途ですね。もちろん、捜査が及んでいるから先ほどの御答弁だと思うわけですけれども、その点についてお伺いします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) だんだん具体的な際どい御質問になりましたので、この辺でもう御容赦いただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃ、局長、金の入りの面については時効にかかっている部分でも、出については時効にかからない場合があるとも思われるわけです。だから、当然捜査範囲もそこに含まれていると思うわけですけれども、この点についてはいかがでございますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) まあ一連の後ろ暗い操作といいますか、作業といいますか、が存在しました場合に、諸般の状況から、しっぽの方だけを刑事事件として取り上げるという場合もあるわけでございますが、その場合も、頭からしっぽまで全部調べてみないと、しっぽのしっぽたるゆえんがはっきりしないわけでございまして、そういう意味で所要の捜査は着々と進めておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃ、次に移りますけれども、先般もいろいろと報道等でも出ているわけですが、政府の専用機三機購入についてですけれども、昨年の夏購入が検討された政府専用機についてですけれども、機種決定がどのように検討が行われたのか、伺います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 政府専用機につきまして運輸省の担当官が相談にあずかったことは事実でございますが、これは所管が運輸省でございませんので、私が立ち入ってお答え申すべき立場にございませんので、御了承いただきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 これは、防衛庁長官も閣僚としては相談にあずかったとか、見解を求められたとか、そういうことはございますか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) さようなことはございません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃ、次に移りますけれども、ボーイングの大韓航空への売り込みについてコミッションが日商岩井を通過して韓国に流れている、こういうふうに言われてきておるわけでございますが、この点については捜査は、というのか、どの程度までタッチをされているのか、お伺いします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 従来から申し上げておりますように、およそ国会等でお取り上げになりました問題点は全部網羅してリストアップいたしまして、端から全部、犯罪の伏在はないかどうか吟味しておる状況でございますが、ただいまの大韓航空関係で日商岩井を通り抜けたと言われております分につきましては、犯罪の嫌疑を認めたというような報告にはまだ接しておりません。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 この韓国へ流れた金というものに日商岩井が参加した、こういう形になりますけれども、昭和四十七年のソウルの地下鉄問題、新韓碍子の問題との関係、いろいろと取りざたをされているところもあるわけですけれども、この点は御調査をいただいているのかどうか、伺います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) ソウル地下鉄問題も一国会で真剣にお取り上げになった問題でございますので、当然検察当局としては念頭に入れておるわけでございますが、先ほどお答えいたしましたのが現状でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ボーイングの百五万ドルとか、そのコミッションのうち四十七万ドルが使途不明金、ここで問題になりますのが、領収書のない使い方がされていることですね。で、日商岩井の首脳陣は、本委員会の証言、ここでの証言で、発展途上国へのプロジェクトの場合は領収書の取れないことがあることを認めておりました。日商岩井の商法というものが、韓国とか、インドネシアとか、サウジアラビアとか、領収書を出さないところに金を流すというやり方、こういうふうな問題点を考えておりますと、その流れの痕跡を不明にしているようにも思われるわけです。そういう意味において、この四十七万ドルの追及とともに、これは先ほど申し上げた大韓航空の問題等々でもございますけれども、この領収書が取れないと平気で認めている、こういう日商岩井の発言に対して捜査当局がどういう反応を示して、それらに対して捜査をされていらっしゃるのか、そういう点を最後に伺って、やめたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 捜査当局としては、領収書の取れる金、取れない金というようなことを余り頭の中にこだわりを持たないで、要するに、怪しい金がどう動いたかということを専心詰めておるわけでございます。  ところで、お金の動いた事件という場合に、これは一般論でございますが、私自身の経験も含めて申し上げますと、受取がない、あるいは暮夜ひそかに授受されたと、そういうお金でありましても、お金も一種の物体でありますから、物体がA点からB点へ動けば、必ずそこには軌跡があるわけでございまして、これは物すごく古いことならともかく、検察当局が努力をすればその軌跡は必ずつかめるという、そういう確信を持って——確信と申しますか、信念を持って捜査に常に当たるわけでございます。いつもそのとおりいくとは限りませんけれども、そういう決意で常に捜査に当たっておるということだけ申し上げておきます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 政治工作にお金を使われて、それによって政策決定がゆがめられる、この点に国民の今日の怒りがあるというように思います。したがって、このメカニズムを国民の前に明らかにするということが必要だというように思うのです。  そこで、三月の二十二日の当院の予算委員会の証人喚問で山村証人は、「政治資金でございますか。実は、本委員会に私が召喚されるにつきまして、会社当局に説明資料をつくっていただくようにお願いしておりましたところが、十四日でございましたか、検察庁の強制捜査によりまして、資料全体が持って行かれたようでございます。」、こういうように証言をしております。わが党の調査によりましても、この政治資金関係の資料が押収されたことが大体確実なようであります。  確認をしておきたいと思いますが、したがって捜査当局で、政治献金関係ですね、この関係の資料、これを押収されているというように思いますが、いかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) どのようなものを押収しているかは申し上げかねるわけですが、証人が宣誓の上でおっしゃっておるところから御推察いただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、山村証人は大体十年間で九億八千万円政治献金、それから井上証人は年間一億円を下らなかったというように言っています。それから、先ほど午前中の国税庁の答弁では、ほぼおおむねその程度の金額ということも確認をされています。ところが、自治省に対する届け出は約一億二千万円ほどです。この差の金が、この差額が何の目的でだれに流れたのか。で、政治献金の資料はすでに押収されているようでありますから、当然、その政治献金の対象者、それからその目的あるいは表面上の名目、こういったものについて捜査当局としては御調査をなさっていると思いますが、いかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) いろいろ本筋の捜査をいたします際に何らかの参考になろうかということで押さえておるとすれば、押さえておると思うのでございますが、さりとて、さようなものの中身を現在逐一調べておるというような段階では私はないと思います。まだそんなところまで手の回るようないとまはないと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まだ手が回らないという段階で、捜査の発展段階ではずっとそこへ伸びていくということにもなるという意味を含んでいるわけですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) もし——まあ仮定の上に仮定を重ねて恐縮ですけれども、そういうものが押収されておるとして、そこに記載されておるものにつきまして何らかの犯罪の容疑があるということになれば、早晩調べざるを得ないと思います。その程度の吟味は逐次やると思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、法務省にもう一度お伺いしますが、この政治献金に関する資料は、当院の予算委員会で山村証言も明らかにしていますように、国会の方の質問に応じてこれを公表するつもりでその資料の作成を準備をしてもらった、こういうように言っています。だから、本人自身は、この国会でその内容について質問があれば証言なする、そういうつもりであった資料であるというように言えるわけです。  そこで、私はこの資料をしたがって当然公表してもらいたい、とりわけ五十年以降について法務省として責任を持ってこの内容を公表していただいてはどうかというように思いますが、その点はいかがですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) いずれ捜査上不要にたりますれば還付いたしますので、そうすれば、日商岩井の会社役職員において十分御利用いただけると思います。それからまた、日商岩井の幹部の方々が、国会の御要請に応じて、どうしてもその中身を見る必要があるということであれば、それをしも拒むほどの必要もないかと思います。したがって、私、捜査の現段階におけるそのものの——そのもののと申しますか、そのものがあると仮定したそのものの内容の利用価値をつまびらかにいたしませんが、国会の御要請というようなことがございますれば最大限の御協力を申し上げる用意があると思います。ただし、それは検察当局が強制権限をもって押収しましたものそのものの内容を、検察当局として国会へお出しするということにはならないわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それでわかりました。  それじゃ、検察当局の方で実物が押収されているとして、実物があるとすれば、当然国会の方が要請すれば、日商岩井を通じて、要請があればコピーをしてでも提供する、そういうことが可能であるということですね。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 日商岩井の関係の方が誠意をもって国会の御調査にこたえたいとおっしゃいます場合には、できるだけの配慮をしたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、証人喚問のときにも問題になりました松野頼三民の政治団体が幾つかありますが、その一つである松籟会について自治省への届け出の内容を調査をしてみたわけです。そうしますと、一つの特徴があります。  それは、五十年の下期の届け出を見ますと、当期収入は千八百五万六千二百七十二円のみで、寄付金というのは一円もありません、ゼロです。ところが、五十一年になりますと、本年収入が五千百二十四万九百二十九円。その中身を見ますと、党費または会費として、八人分、百六十一万円、それからいわゆる寄付金ですね、これとして三千四百三十四万円、この野付のうち明らかになっているのはK氏とM氏の二人の個人のみです。あとは法人その他の団体の分として金額のみが記載をしてあるだけであります。それから五十二年度の分を見ますと、五十二年度の本年収入は三千七百五十四万二千六百八十七円。その中身は、党費または会費は、七人分として百七十九万円、それで、法人その他の寄付として三千九十二万円、この寄付のうち、記載されておるのは東菱薬品、東の菱と書きますが、東菱薬品と山口シネマ、この二つの会社で月十万円ずつ十二カ月分、それぞれ百二十万円ずつということで明らかになっておって、そのほかの二千八百五十二万円については、その中身について記載がありません。  これは、五十年以前と、それから五十一年以降変化をしているわけですが、これはまあ政治資金規正法自身が改正になったことによるわけです。ただ、ここで疑問なのは、旧法では一件五百円以上の寄付については報告の義務があるわけですね。したがって、仮に寄付があったとしても、寄付なしとして、法人からたとえ百万円以上の寄付があったとしても、寄付ではないとして処理をすると、そうすれば報告が不要になる。ですから、五十一年度の松籟会の番付金というのはゼロになっているわけです、内容を説明する必要はないわけです。ところが、新法になりますと、一件百万円以下なら総額報告だけであります。百万円以上になりますと内容を明らかにしなければならぬ、こうなります。したがって、五十二年度については二社から百二十万円ずつ、これは表に出して、あとは百万円以下の小口ばかりということにして総額報告だけでよいと、こういうことになってきているんですね。  いずれにしても、これは私は、政治資金の中身を国民の前に明らかにしていくという点で、きわめて不透明、全く不透明なことではないかというように思うんです。しかも、問題なのは、一体本当なのかどうなのかということ、この届け出の内容がですよ。それが真実か否かということをチェックするところが現在ないんじゃないかというように思います。  で、政治資金規正法の二十五条には、虚偽事項を記載をして報告をすればこれは罰則がちゃんとあります。しかし、その罰則があっても、自治省へ届け出た中身が本当かどうかということは自治省の選挙部ではチェックしてない、チェックするところがないわけです。これでは法律上の効果が発揮されないんじゃないかというように思いますが、この点、自治大臣の御見解、いかがですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 政治資金の問題は、まあ政党あるいは政治家の政治活動にとってきわめて重大な関係を持つものでございまして、したがって、その政治資金のあり方をどう規制するかということは、これはやはり非常に重大な問題であるわけでございます。で、三木内閣のとき、御承知のように、かなり思い切った政治資金規正法の改正をやって現在に至っておるわけでございますが、果たしてこの現行法のままでいいのかどうか、ただいま御指摘になったような点も含めて、これはいろいろ議論のあるところでございます。で、御承知のように、現行法は、五年目に運用状況を踏まえて見直し、検討すると、法律自身がそういうふうに規定をしておるわけでございますので、私どもは、ただいま御指摘のような点も含めて、この五年間の現行法の運用状況を十分精査をして、改正を要する点があれば改正をする、そういう姿勢で臨んでおるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 旧法のときは一件五百円以上の寄付は全部明らかにする、届け出をする義務がある、報告をする義務がある、今度新法になって、今度は寄付の方は百万円以下まではよろしいと、こうなると、もうそこでどんぶりになって表に出ない。結局、こう変えてみたけれども改正をした意味がないし、しかも、それが真実であるか虚偽であるかをチェックするのをどこでやるのかというと、それはない、罰則だけはあるという点は、これはひとつ十分検討してもらいたいというように思うんです。  さらに、松野頼三氏の政治団体、いま四つあるわけですが、そのうちの三つ、松籟会、これは港区の白金台のフルールモンド、事務所の所在地であります。それから松涛会、これは目黒区のハウス小山一〇二。それからもう一つは松揚会、これは中野区の新橋マンションの五〇五、このようにこの三つ、事務所はそれぞれ場所が違います。ところが、届け出の中身を見ますと、連絡場所の電話番号は皆五〇八局の七二〇六になっております。五〇八の七二〇六というのは、衆議院の第一議員会館の二〇六号室、松野さんの事務室であります。この電話番号が三つとも同じ届け出の内容で、電話の連絡場所、連絡方法になっております。そこで、私どもの方でフルールモンドに電話をしてみたわけです、「松籟会の事務所ですか」と。そうすると、若い女性の方が出られまして、「えっ松籟会……」ということですね。「ここは花屋のフルールモンドでございます」と言う。そこで、「松野さんの松籟会関係の方はどなたかおりませんか」と、こう聞いたら、年配の女性にかわって、「ここにはいないんですよ」と。そこで、「どこに連絡をすればいいんですか、議員会館の方でしょうか」と、こう聞いたら、「さあ」ということであったわけです。つまり、これ事務所、松籟会の事務所は白金台のフルールモンドにあるということに届け出はなっているけれども、事務員もいなければ、実体がないということじゃないかと思うんです。だから、これはもうぺーパーカンパニーではなしに、ぺーパーオフィスですね、これでは。こういう実体のない状況ですね。これで政治団体としての実体が存在をするというようにお考えでしょうか。この点いかがでしょうか、自治大臣。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 先ほどからいろいろ実体との関係についてありましたが、先生御承知のとおり、基本的には、政治資金規正法のたてまえというものは、政治団体をつくるということができた場合におきましては、その団体みずからが報告する、それから、それに対する収支がされました場合はそれを報告する、その届け出なりあるいは収支の報告というものを国民に公表することによって国民の不断の批判と監視のもとに置くということによってその目的を達しようということでございまして、そういう立場から、私ども自身が実態との乖離というものを調べるということにはなっていないわけです。したがいまして、ただいま御指摘になりました松籟会、松涛会、松揚会ということにつきましては、いま御指摘になりましたところと現在私どもが承知しているところの報告を受けた事務所とは若干違っているようでございますが、申し上げましょうか、念のため。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いいです。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) よろしゅうございますか。  私の方が報告を受けたのは違っているようでございますが、先ほど申したようなたてまえから、私どもはあくまでもそれぞれの団体がそれぞれの責任を持って報告した事項を受け、そうしてそれを公表するということによって国民の批判を待っている次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ちょっと質問に対する回答になっていないですよね。こういう政治団体でも、いま言いましたように、事務員もおらぬし、何にもないような、ただ所在地はそこになっているけれども、それでも政治団体としての実体を備えているというようになるんですか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 先ほど申し上げましたとおり、私どもは当該政治団体の実態がどうだこうだということを実は把握する立場にございませんで、むしろ、それぞれの団体がみずから政治活動を行う、あるいは政治資金規正法の各条に該当する政治団体であるということを認めて、それに対する収支をするという段階において報告されたものを私どもとしてはこれを受理し、そうして公表するということになっておるわけでございまして、実態との遊離関係というのは私どもは掌握しておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ですから、形式さえ整っておったら、実体があろうと何であろうと、あるいはまた虚偽であろうと、別にそれは問題にならないということになるわけですね。ですから、これは私は、先ほどの問題とも同じですけれども、この辺せっかく法二十五条で罰則まで決めておきながら実際にはそれがチェックできない、形式的に整っておったらもうそれは実体を備えたものとして認めざるを得ないし、それが真実か虚偽かもチェックできるそういう機能がない、しかし罰則だけがあるという点では、先ほど検討するということですから、十分これは検討の中に入れてもらいたいと思うんです。  それで次に、松籟会のさらに経費についての届け出ですが、私ずっと調べてみると、非常に納得できない不明朗なものがあるんですよ。五十一年の届け出によりますと、事務所費が六百三十五万八千四百二十九円となっております。五十二年度の事務所費は七百二十一万九千百七十一円となっております。この事務所費について領収書はどうかという点を聞いてみますと、事務所費は経常経費だから領収書は不要だと、届け出の際。政治活動の分の経費のみ領収書が必要だということで、ですから、この事務所費が領収書を伴わない、ただ届け出の金額として記載をされているわけです。それじゃ事務所の所在はどこかといいますと、先ほど言いました港区白金台の二の九の十三、白金台マンション、フルールモンド内、すなわち松野夫人の経営する花屋さんですね。こうなっています。  それから、先ほど言いましたように、電話連絡の場所、いわゆる事務担当者というのは、五十一年度は飯田経子さん、五十二年度は山口一美さんになっておりますが、どちらの場合も電話の番号は五〇八の七二〇六です。すなわち、議員会館の松野さんの事務所になっております。だとすると、この事務所費五十一年度、五十二年度合わせますと千三百五十七万七千六百十円、こんなに必要なのかどうかというのは、どうも合点がいかぬことになるでしょう。花屋さんの方にはだれも事務員はおらないでしょう。そういう状況です。  さらにもう一つ経費を見てみますと、その中に贈答品、花代というものがありますが、これにも私若干の疑問を感ずるんですが、五十一年度を見ますと、五十一年の八月二十七日に四十八万七千円、それから五十一年八月三十日、三日後です、九万八千五百円、五十一年の八月三十一日、また翌日です、八万五千円、合計六十七万五百円支出をされております。それから五十二年度の方は、五十二年の一月十二日に六十三万二千五百円、五十二年の五月九日に六万六千百五十円、五十二年の八月六日に四万円、合計七十三万八千六百五十円。この贈答品の花代を合計しますと、二年間で百四十万九千百五十円。その花の購入先は港区白金台二の九の十三、すなわち松野夫人の経営をするフルールモンドになっているわけですね。  さらにもう一つ、人件費でございますけれども、五十一年、五十二年のこの松籟会の代表者というのは岩下了吉さんで、この方は松野議員の第一秘書として登録をされています。したがって、給与は国から出ているわけであります。会計責任者及び事務担当者、これは同一の人が担当しておりまして、先ほど言いましたように、五十一年は飯田さんという女性の方、五十二年は山口さんという、恐らく女性の方だろうと思います。それぞれ一人ずつしかいない。だとすれば、人件費として五十一年に八百八十二万七千八百八十六円、五十二年度は六百二十四万九千八百円、これがそれぞれ支出されたことになっておりますが、ちょっと多過ぎるように思われるんですね。  このように、支出の部分を見ますと、疑義があるわけです。それで、さきの事務所費が二年間で千三百五十七万七千六百十円ですが、これを仮に家賃とすれば、この事務所の経費とそれから花代合わせて二年間で千四百九十八万六千七百六十円、約千五百万円が松野夫人のフルールモンドに入金をしたことになるわけです。  ところで、このフルールモンド及びさらにもう一つあのマンションにあるようですが、これらの店舗なり居室購入に際して銀行や日商岩井から借金をして、いまなおそのローンの返済中だというように言われているんですが、だとすれば、日商岩井から政治資金として松野さんところの松籟会に流れ、そして事務所経費とか花代あるいは人件費という名目で支出されて、それが松野夫人のところに入ってくる。そしてそれがローンの返済に充てられるということになりますと、それは形式上は借金をして、そうして正当に日商岩井から購入をしたという形式は整っていたとしても、実際上は無償提供されたということにもなりかねない、そういう疑いを持たざるを得ない、そういう内容になってきているんですね。  したがって、この点ひとつ法務省にもお伺いしたいんですが、日商岩井のそういう政治資金のリスト、これは表へ出ておるのは一億二、三千万円しか届け出は出てないんですが、松野さんのところへは四十九年に百万円いっただけですから。ところが、それ以上にどんどん金は流れている、片一方では。これは、前回の辻証人が「私の記憶では一回だけではなかったように思うんでございますけど、どうもずっとこうあったんじゃないかと思うんですが、」と、こうおっしゃっています。だから、一回だけじゃなしに、ずっと松野さんのところの後援会松籟会に対しては政治献金はされている、ところが、自治省に届け出ているのは一回百万円だけ、四十九年の上半期に一回だけです。あとはどういう名目にしろ出されているんだけれども、そのリストは検察庁の方で持っておられるわけです。ですから、そのリストとも関連かして、これらは実質上は無償提供になった可能性——先ほどの怪しげな金の行方を探しておられるわけですから、そういう怪しげな金の一部としてこういうものも存在をするんではないか。当然、だからその点では捜査の対象になり得るんじゃないかというように思います。  それからもう一つは、事務員もいなくて、実体のない、にもかかわらず先ほど言いました巨額の人件費とか事務所経費が出されている。これはきわめて不明朗であると同時に、政治資金規正法の虚偽事項記載等に違反の疑いもあるように思うんですけども、これらの点について法務省はどのような見解でしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) どういうわけで松野氏の話だけが出てきたのかよくわかりませんけれども、いずれにしましても、現在私ども承知しておりますところでは、検察当局は、ただいま御指摘になりましたような会社の帳簿に書いてあるような金はいまのところ相手にしておらないわけでございまして、もっと本件問題の根源にかかわる問題を真っ先にやっておるわけでございます。これは帳面にそのとおり書いてないわけでございますから、相当な努力を伴うわけでございまして、いまその方面の解明で手いっぱいでございます。ただ、ただいまの御指摘は、私何の予備知識もなしに伺っておりましたわけですが、いささか興味なしとしないように思います。念頭に入れておきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 じゃ、交代します。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ちょっといまの質問に関連をして簡単に確認をしておきますが、選挙部長がさっきおっしゃった事務所の所在地ですが、われわれが確認したところ、松籟会の事務所は五十二年まではフルールモンドにあったことは間違いないんじゃありませんか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 私どもに報告されました現在における状態を申し上げます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いや、五十二年度の。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 私ども何年度、何年度というよりも、むしろそのときの報告の現在の状況で申し上げているわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私が聞いているのは、五十二年度までの報告の事務所は、松籟会はフルールモンドではなかったかと言っているんです。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) ちょっとお待ちください。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 こっちは見てきておるから。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 五十二年度の報告現在における所在地はちょっと資料が手元にございませんので、後でまた御報告いたします。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それはもうけしからぬじゃないですか、そんなことぐらいわからぬようでは。間違いないんですよ。  で、五十二年度までフルールモンドだとすると、さっき神谷委員が指摘した年間六百万を超える莫大な事務所経費、なぜそれだけの経費が実体のないところに要るのか、これは問題になるんですが、五十二年度までのそういう支出の届け出については政治資金規正法の規定によりまして当然領収書がつけられねばならないはずですが、事務所経費についてはだれの名義の領収書がついておりますか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 御承知のとおりでございますが、政治資金規正法の第十二条の二項によりまして領収書をつけるものを決めておりますけれども、先ほど言いました事務所経費につきましては領収書をつけることにはなっておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 つけることに……

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) つけることは必要になっておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 なっていない。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) はい。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そういうところで領収書の必要ないものに莫大な年間六百万円以上の支出をする、こうなりますが、そうなりますと、届け出というのは実際に実体に沿わないものであっていいというわけじゃないから……。政治資金規正法は二十九条で、報告書には「それぞれ真実の記載がされていることを誓う旨の文書を添えなければならない。」、こうありますが、だれのどういう文書が添えられておりますか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) いま直ちに、御指摘ありましたのでお答えしかねますが、現物がちょっとここにありませんので……。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 自治大臣、法務大臣、おわかりのように、松籟会については実体のない事務所である。ところが、その事務所経費年間六百万以上支出して、自治省令の定めるところで領収書の添付は要らないと。領収書の添付の要らないところに莫大な経費支出を出している。それで報告書を出してくる。これは非常に問題があるわけですね。  こういうわけで、私は松籟会の支出について重大な真実性を疑う疑惑があると思うんですが、こういう問題については、真実性の問題は一切問題ないという先ほどの選挙部長のそうとれる答弁というのは問題がある。だから、私が指摘したように、二十九条で「真実性の確保のための措置」というのが決められておるし、同時に、三十条、三十一条で、自治大臣の「監督上の措置」というのが決められている。だから、報告書に形式上の不備があるとかあるいは記載すべき事項の記載が十分でないとか、つまり自治省が監督上見て不当だということになれば、それについて改めて訂正等を命ずるために一定の調査等をするという、こういう監督上の措置がとれることになっている。この松籟会の支出、これについてはきわめて疑義が多いので、私は、自治大臣としては法令の不備だけに終わらせないで、三十一条の監督上の措置を発動して、調査及び真実性の内容について検討を加えるということをやるべきだと思いますが、自治大臣いかがですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 先ほど政府委員から答弁いたしましたように、現行法は、法律に基づく報告書を提出をさせる、その内容について自治省が一々くまなくその内容が正確であるかどうかということをチェックするということのたてまえになっておらないわけであります。これは決して逃げるつもりの答弁ではありません。現在の法のたてまえがそうなっておる。でありますから、そういう現行法のたてまえが果たして適切であるかどうかという、そういった議論は、これはもうたくさんあるだろうと思いますが、いずれにしても現行法のたてまえはそうなっておらない。したがって、自治省としては、たくさん数が多いいろいろな政治団体について、それを全部一々精査するというようなことはやっておらないわけでございますから、この点は御了承をいただきたいと思うわけであります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 自治大臣ね、全部やれということを制度的に私言っているんじゃないんですよね。松籟会の支出については問題があることを指摘したわけです。いいですか。フルールモンドというのは奥さんがやっておられる花屋である。そこが事務所として五十二年まで届け出られて——われわれ自治省へ行って調べてきておるんですよ。何でそこに年間六百万を超える事務所経費が要るんだろう。事務所経費というのはこれは領収書を添付しなくてもいいということをうまくネグって、事務所経費で支出しているという疑いもある。あなたは、真実性を追及するというようなことは、これは法のたてまえ上欠陥があることをお認めになったけれども、欠陥があるということで済まされないで、現にこの現行法によっても、私が指摘したように、二十九条なりあるいは三十一条で監督上の措置がとれるというたてまえもあるんだから、これに基づいて松籟会についてもう一遍検討を加えると。そうして不備があれば訂正させるという措置がなぜとれないのですか。全部私やれと言っているんじゃないのですね。少なくともいま問題になっているように、問題があるとお感じになりませんか。だから、監督上の措置として、二十一条に基づいて報告書の洗い直しをさせると。あたりまえじゃないでしょうか。自治大臣いかがですか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 非常に数多い政治団体があるわけでございまして、たまたまある特定の政治団体を取り上げて、この内容を十分精査をしてと、こういうことになりますると、どうしてもそこに公正を欠くという問題が出てくるわけでございます。やるならばやはり全部やらなければいかぬ、こういうことになってくるわけでございまして、この点については直ちにイエスと、こういう答弁はいたしかねます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 三十一条は全部やるための規定じゃありませんよ。個々別々の問題がある場合に監督権を発動する規定ですよ。なぜこれ、やらないのですか。納得できませんよ。松野さんだからやらぬのですか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 先ほどから三十一条を御引用でございますが、この三十一条に規定してございますのは、要するに、書面の形式上の不備あるいは記載すべき欄に記載することが書いてない、こういう全く形式的な訂正の問題でございまして、ただいま御指摘のような事実上の問題までを規定した趣旨ではないというふうに考えられております。  なお、先ほど申しました松籟会の事務所でございますが、五十四年の三月の二日に変更の届け出が出ております。したがいまして、五十四年の三月二日前の主たる事務所の所在地は、御指摘のとおり、東京都港区白金台二の九の十三、白金台マンション、フルールモンド内ということでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 奥さんの花屋さんを事務所にしておったらぐあい悪いから、最近届け出を変えたとも考えられますな。  選挙部長ね、三十一条についてあなたは非常に形式的なことを言ったけれども、そんなことなら三十一条の規定の意味はなくなっちまいますよ。形式上書類が不備だけとは書いてないじゃないですか。「形式上の不備があり、又はこれらに記載すべき事項の記載が不十分である」——払ってもないものを書いていれば不十分じゃないですか。どうですか。うそのことを書いていれば不十分じゃないですか。もう一遍答えてくださいよ。うそでも書いておったら十分ですか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) ただいまの御指摘でございますが、書類の形式上の不備というのはまさに形式上の不備でございまして、「これらに記載すべき事項の記載が不十分である」というときには、記載すべき事項が記載してないというような場合、それから、まあだれが見ても明らかにこれはもちろん間違いであるというときでございますが、しかし、これが事実上の調査を待たなければならないものまでも要求している趣旨ではないというふうに理解しております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 だれか見ても明らかに——あなた、電話かけたって通じない、事務員はいない、事務所は奥さんの花屋であると、認めたでしょう。そこへ六百万も金が要るというのは、だれが見たって、あなた、一見明白におかしいじゃないですか。もう一度答えてください。こんなことを当然許すんですか。これは三十一条を発動すべき事案ですよ。書かれている内容が不備ですよ。うそとわかって書いているんです。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(大橋茂二郎君) 先ほど言いましたとおりでございまして、たとえば電話をかけてその実態を調べるというようなことを待ってまでの不十分というものを期待したわけではございません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 幾ら言っても、これはやらないと腹に決めておられるようですから、だめですね。しかし、自治大臣はさっき、こういう不備な法律は改正の必要があるという意味も含めて検討するとおっしゃっている。  法務大臣、いかがでしょう。この航空機疑獄が生ずる、その基本的な原因として、   〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 先ほどの法務大臣のインタビューでも、「一番の問題は政界のいわゆる金権体質だ。」と、こうはっきりおっしゃっていますね。私も金権体質をなくさなくちゃならぬと思います。その金権体質をなくす上で、いま私どもが指摘しているような、この政治資金規正法がいかにざる法であるか、そして堂々とうそとわかり切っていることを書いて出しても、記載上不備だと選挙部長や自治省が認めなきゃそれで通ってしまうと。こういうことをやっているから金権体質というのはなくなりませんよね、なくなりませんよ。こういう意味で、今度の航空機疑獄に関連して、法務大臣としても、政治資金規正法の改正は必要だと、いまの議論、やりとりをお聞きになって、私は痛感されたんじゃないかと思いますが、いかがですか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 今後の再発防止の問題などを考えますというと、政治資金というところに非常に問題があるような、私個人は、気がしておるんです。それは、もとはまあ政治の金権体質ということになるかもしれませんがね。そこまでさかのぼっていかないというと、どうもこういうことをなくしていくということができないんじゃないだろうか。それはただ現行法の不備の問題という程度でないような気がしておるんであります。問題が、これいよいよになるとむずかしい問題ですからね。そういうことを考えましても、できるものやらできぬものやら見当つきませんけれども、どうもここが大きな大事なところだと、こういう印象を持っているのが現段階でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 政治資金規正法についてのお考えは、現行の。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 政治資金自体について私は問題があると思っておりますので、それを規制している法律の実態的な考え方が問題ですけれども、法制自身にもいろいろ問題がある、極端に言えば、ざる法みたいなきらいがあるのかなあ、あるんじゃないかなという疑問を持っておる。そこまででございます、いま。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 とにかく、日商岩井が年間一億円を超す政治献金、表に出ておるのが十年間でわずか一億二千万、こういう状態ですから、政治資金規正法というのをこれはもう厳格にやらなくちゃならぬと。これはあたりまえですね。  この日商岩井が出した——出したといいますか、山村氏が証言で言った日商岩井の総額九億八千万円に上る政治献金のリストですが、いま刑事局長は、日商岩井の会社が国会の調査に協力するという意思があれば、検察庁としても事実上の協力を、便宜を図ることにやぶさかでないという御答弁をいただきました。これは、具体的には、日商岩井が検察庁にお出しをしております政治献金リストを国会に提出してもよいという山村氏が証言で言ったような趣旨でこれを明確にするならば、手続としては、仮還付という手続をとって、一たん日商に返し、それから国会にという、こういう仮還付の手続をとってでも協力をするという、こういう御意思だと私は受け取ったんですが、そういうことで間違いございませんか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 捜査上現に必要なものを仮還付することはできません。したがいまして、先ほどもちょっとお話がございましたが、日商岩井の幹部の方が一生懸命この国会で証言するのに必要な資料を整えようというので作表をしておられる途中で検察庁がいただいてきてしまったというようなことがもしあったといたしますと、若干お気の毒な面があるわけでございまして、で、これもそういうものが検察庁にあるという前提の上に立って申し上げますれば、せっかくの作業がしり切れトンボになっておって、そのために真実の証言がその意味でできなかったというようなことがありますれば、検察庁へお申し越しいただいて、検察当局として差し支えがない範囲において見せて差し上げるということは当然やってもいいんじゃないかと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 わかりました。  次、捜査問題について若干質問をさしていただきたいと思いますが、まず、古井法務大臣にお伺いをしたいのです。  大臣は、午前中も問題になりましたが、最近のインタビューで、「捜査としてはいわば本陣に迫っている」というお話がございました。ただし、その次に、「政界工作の問題については、まだヤマに来ているとはいえない」というお言葉もございました。で、問題は、海部逮捕の後は金の流れの追及、そして政界工作を念頭に置いて捜査を進める必要があるということは刑事局長も何度も御答弁をなさっているとおりですが、この事件が、数々の疑惑が指摘されておりますけれども、不明朗な金の使途の問題で島田氏が着服したとか、あるいはだれかが横領したとか、背任したとかいったようなことで、十分手が政界工作の究明に成功しなくて、いわば日商岩井事件どまりということで終わってしまうのではないかという心配も、一部国民の中には、正直に言って、現在出ておるのでありますが、法務大臣の腹構えといいますか、法務大臣の決意として、いわゆる日商岩井内部事件にとどまらないで、徹底的に政界工作を含めて今後究明をしていくという確信がおありかどうか、改めてお伺いしたいと思うのです。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 日商岩井事件にしてしまおう——とんでもない、そんな考えは毛頭ありませんので、ただ、いろいろなことがああいうふうに出てくるわけですね。私もよくは知りませんけれども、背任、横領なんというようなことが。背任、横領などが飛び出してくるとか、いろいろなことが飛び出してきておるのですから手間を食っていることは事実ですけれども、金の流れはどこまでもこれは追及していくんですから、流れていなければそれだけのものですけれども、流れておる限りは政界の方もやめるなどという話とは私は思っておりません。検察の者は皆そういう考え方を持っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 わかりました。  で、徹底的に今後の捜査の進展を期待するわけですが、そこで、刑事局長にお伺いしたいのは、捜査の重点は金の流れに移っていると。そこで、どの金の流れか。問題の四十七万ドルでございますね。どの金の流れかということをまずお伺いしたいんですが、いかがでしょう。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 今回の疑惑を解明するために検察が分析検討してまいりましたし、また現在もやっておる対象は、すべての金であります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そのすべての金の中に、例のRF4Eにかかわる二百二十八万ドル——未収金が三十一万ドルあるようですが、この金全体も、いまおっしゃったすべての金の一部に入っておりますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) そのように御理解いただいて結構でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それから、RF4Eに関連をいたしまして、正規の手数料と言われております一機当たり四万ドル、合計四十三万一千ドルがございますが、この受領はどういう形で行われたのか。私どもの調査では、これは例の四十五万ドルと同じように、同じ時期にロンドン支店が代理受領という形で本店との交互計算で処理されているというように私どもの調査ではつかんでおりますが、これは間違いございませんか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) ただいま一機四万ドルとおっしゃいましたけれども、一機三万ドルの間違いだと思います。  この分は私どもから内容を御報告したことはないんですけれども、国税庁長官が御答弁になっておったと思いますが、これは正規に日商岩井の経理に入っております。したがって、ロンドン支店云々という関係はなかったように思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 山岡らに対する起訴状を拝見いたしますと、この正規に入った手数料四十三万一千ドルと二百三十八万ドル、このうち二百三十八万ドルを隠蔽しようと企てて云々という起訴状の記載がございます。この二百三十八万ドル全体を隠蔽しようと企てというように読めるんですが、そういう趣旨であることは間違いございませんか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 二百二十八万ドル全体をダグラス社からもらったんではないことにしようと思ったということはどうも事実のようでございます。ただし、後に、その一部正規に経理に入っておるものもあるように思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 なぜこの事務所経費として出される金をダグラス社から出たということについて隠蔽しようとしたか、この目的が一つの重大な疑惑を解くかぎになるかと思うんですが、この問題について、まず、事実の問題として、事務所経費という問題ですね。実際に事務所経費ということになりますと、海部証言が非常に重大でありますが、海部証言によりますと、RF4Eということの関連では、新しく事務所を開くとか、そういう問題とは関係なかった、こういうことをはっきり言っておるわけであります。このセントルイスの事務所というのはファントムの導入に関連をして開かれた事務所でありまして、だからその後RF4Eがありましても人員増なぞはやっていないことは証言でも明確になりました。そこで、この事務所経費をダグラスが出したというのは、RF4Eだけに要る事務所経費ではなくて、もともとこの事務所はセントルイスにファントムに関連をして設置されたという事情でありますから、ダグラスがこの事務所経費名目で二百万ドルを超える金を出したのは、RF4Eだけじゃなくて、ファントムに関連していたのではないか、RF4Eにも関連していたのではないか。それからさらに、この金が五十三年に入っておりますから、まだ未収金もあるようで、請求すれば入るはずですが、その後のF15、こういったダグラスの軍用機の一連の売り込み全部に関連をしてダグラスとしては了承して出したのではないかというように私は考えられると思うんですが、捜査当局のお考えはいかがでしょう。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) いま御指摘の二百三十八万ドル関係の金は途中で名目がすり変わったりなんかしてはおりますけれども、要するに、表の金に入ったわけでございます。それを見る限りにおいては、さして怪しくもないような感じがするわけですけれども、よくよく吟味すると、いま御質問にありましたように、疑惑の一つの部分になるわけでございまして、そういう意味で、このお金をめぐるもろもろについて現在鋭意捜査をしておるわけでございます。また、そのことは参議院の予算委員会から告発をちょうだいしました海部氏の偽証の問題にも関連いたしますので、中身の詳細についてはしばらく御容赦をいただきたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 要するに、四十七万ドルの使途不明だけじゃなくて、この二百三十八万ドルが全体として疑惑に包まれておる、そういうことであります。  そこで、防衛庁に伺いたいんですが、これだけの巨額の事務所経費がなぜ必要であったかという問題で、海部氏は最初、為替リスク、輸送保険、人件費、金利、防衛庁制服来訪の接待費、こういうことを証言いたしました。ところが、その後防衛庁が抗議をして、証言は一転をして、残るところは人件費だけということになりました。もし人件費だけということになれば、もともとセントルイスにある事務所、これは日商が負担しておるんですから、RF4Eで新たな負担が加わったわけではない。こうなると、事務所経費というのは全くの名目であるという実体が明らかになったと思いますが……。そうですね。全くの名目だ。防衛庁としてはこの事務所経費二百三十八万ドルというのは、本当にRF4Eの事務所経費で必要であったとはいまは思っておられないんじゃありませんか、どうですか。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) この二百三十八万ドルにつきましては、いま捜査当局で捜査中でございまして、私どももその中身についてはわかりかねる状況でございますので……。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 疑問があるとは思われるでしょう、海部証言をごらんになってですね。

倉部行雄防衛庁装備局長

○政府委員(倉部行雄君) 実体についてはよくわからないというのが正直なところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 これは防衛庁長官、無責任ですよ。国会で海部証言があったんですよ。抗議までされているでしょう、防衛庁は。為替リスクおかしいぞ、防衛庁の制服接待おかしいぞ、残るところは人件費だけですわ。そうなると、防衛庁も、二百三十八万ドル、あんなものはおかしいというのはわかってなくちゃならぬ。長官、どうですか。まともにあんな金、事務所経費で本当に要ったと思いませんね。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 海部証言のうち、防衛庁職員に対する何か接待云々のようなことにつきましては、そのようなことは私どもも全然ございませんので、そうしたことで会社の方に申しましたところが、その後の証言ではそんなことは否定されておりますので、そのことにつきましてはいま申し上げたとおりでございますが、その余のことにつきましては目下御当局で解明中でございますので、われわれとしては、その解明を待った上で承知いたしたいと思っている次第でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 解明の結果じゃなくて、海部がそう言っているんですからね。防衛庁の姿勢もおかしいと思うな。  RF4Eで防衛庁は調査団を派米しておりますか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) RF4Eの機種選定につきまして防衛庁は調査団を出しておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 調査団を出していないのに海部氏がもし防衛庁制服組の接待だと言ったとしたら、これは何の接待なのか。うそを言ったら偽証ですね、これ。そうでしょう。調査団を出していないんでしょう。調査団を出していないのに制服組の接待だと言ったら、これは偽証。じゃ、ほかの調査団の接待に使ったんだと言うなら、これはまた別。大事なことを言っていますよ。これは偽証の疑いが一つまたはっきり出てきた。  防衛庁に聞きますが、四十九年ごろから後今日まで、調査団を出したのはE2Cで二回出しておりますね。それからRF4Eはない。あとはファントムF15。このファントムF15、それからE2C、これでそれぞれの調査団をどの時期に何名、随員も含めて何名、そして行動日程、これ全部正確にまとめて報告していただけますか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) ただいまは持っておりませんが、まとめることは可能でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 報告してもらえますね、まとめて。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) まとめて先生に御連絡いたします。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 防衛庁長官に伺いますが、そういう調査団なりあるいは在外武官なりが日商岩井から一切、接待は全然、一回も受けていない、これは調査の結果言い切れますか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) そのようなことはないと承知いたしております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 これからその問題もいろいろ調べなければならぬと思いますが、一応、いまのその調査団の行動日程を出していただいて、改めて質問します。  そこで次にE2Cをめぐる問題について御質問をしたいのですが、このE2C問題についてハリー・カーン氏が、最近、読売とのインタビューで重要な事実を指摘していること、これは長官もお読みになったかと思います。  まず最初に伺いますけれども、このハリー・カーン氏は、E2Cの問題について、日本に参りまして、そしてチータム氏等が防衛庁長官であった松野頼三氏と会ったという事実をカーン氏は明確に言っております。この点について、事実は調査されましたか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 私もその記事につきましてはおおよそ目を通しましたのですが、どのような御指摘か、いま伺ったばかりでございますけれども、私にとりまして、そのことが防衛庁のE2C選定につきまして問題のあるようなことは、その記事を見ましたときも見当たりませんでした。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 冗談じゃないですよ、長官。それはまたひどい答弁ですよ、あなた。ほんまにまともに新聞読んでいるのかな。  こう書いてあるじゃないですか。「ポール、チータム両氏は去る六九年当初、訪日した際、E2C売り込みのための日本政財界の人脈をつくる過程で松野元防衛庁長官と会った。」と、こう言っているんです。「政財界の人脈をつくる過程で」と。この事実について調査しないとはどういうことですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 私は防衛庁の機種選定につきまして責任を持ってお答えいたしておるのでございまして、いま御指摘のような方々がどのようにお会いになってどのような話し合いをやったかということは、機種選定につきましては関係のないことだと考えておる次第でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それじゃ長官、同じ新聞でカーン氏はこう言っていますね。「ハワイ会談以前に、日商岩井がE2C問題で日本政府当局者と接触したと思うか。」という質問に、カーン氏は「私の知る限りでは、彼らは」つまり日商岩井は「防衛庁と接触した。」と、こう言っていますよ。この事実をお調べにならなきゃいけませんね、どうですか。機種選定をめぐる経過について、工作のために日商岩井は防衛庁と接触したとカーン氏は証言している。どのような接触があったのか、日商岩井とE2Cに関して防衛庁は。全部洗い直して調査すべきですよ。いかがですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 日本の信頼すべき新聞に載りました記事でございますから私も拝見いたしましたが、いろいろとお話がございますけれども、ただ、私どもといたしましては、その外部の方々がどのようにされたかにつきましては、従来からお答えしているとおりでございまして、何か御指摘のようなことで当方が疑惑を受けるようなことは絶対にございませんし、また、われわれの関知しない範囲でいろいろございますか知りませんけれども、それは私どもの御答弁する限りではございません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 長官、端的に聞きますが、日商岩井は防衛庁に接触したとカーン氏が言っておる、これはうそだとおっしゃるんですか。そんな事実は絶対ないとおっしゃるんですか。調べてないんじゃないんですか。どうですか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) E2Cの選定につきましては、防衛庁は責任を持ちましてこれをやってまいったものでございますので、いまのようなことがあったかどうかにつきましては全然関係のないことでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 関係あるじゃないですか。日本内部で工作を日商岩井がやったとチータム氏も言っているんですよ。チータム氏はアメリカでマーシャル・グリーン氏を通じて工作をやった、これは事実はっきりしている。日本で日商岩井がやったとチータム氏は言っている。カーン氏の話も合うじゃないか。日商岩井が防衛庁と接触して、購入を進める方向で日商岩井が工作したんだ、接触した叫んだと、こう言っている。機種選定経過は防衛庁が責任を持ったと言うが、その背景に日商岩井が防衛庁と接触したとカーン氏は言っておる。日商岩井がどういうように、防衛庁のだれにどう接触したのか、事実があるのかないのか調べるのが、いまE2Cの問題が出ているときに長官としての当然の態度じゃありませんか。いかがですか、もう一回答弁してください。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 防衛庁は責任を持って機種選定いたしました次第でございまして、それで、チータムとか言われる方がいろいろ発言されておりましょうが、私どもの……

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 カーン氏も。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) カーン氏ですか。——私どもはあくまで技術的、専門的に防衛上の見地から選定いたしましたのでございまして、その間の経緯でいろいろお話がございますから、私はそのことについて一々論評することは差し控えますけれども、防衛庁といたしましては、仮にそういうようなことがあるかどうかわかりませんが、そのようなことによって全然機種選定は影響されておりませんので、責任を持って選定したということを申しあげておるわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 あったかどうか、そんなものに影響はされておりませんと言うが、調べなくちゃいかぬじゃないですか。日商がどのように防衛庁に接触したのか調べなくちゃいかぬ。その事実をはっきりした上で影響があったかどうかを判断すればいい。まず調べなさい。いかがですか、長官。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 私どもとしては、従来御答弁申し上げておりますが、それらの経緯を通じまして責任を持って御答弁申し上げておる次第でございまして、そのようなお話が仮にあるといたしましても、それは外部でそういうことが取りざたされたことでございまして、私どもにはいささかも関係のないことでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それは無責任答弁ですよ。このE2Cの問題があって、凍結までなっておるじゃないですか。あんた、何と思っているんですか。われわれは削除を要求しているけれども。もう時間が過ぎたようですから、残念ながらE2C問題いろいろ聞きたいことがあるんですけれども聞けなくなってしまいました。これは近いうちにもう一遍やってもらって、長官に私聞きます。  最後に二点だけ聞きますが、E2Cをめぐる疑惑については、商社変更、これに介在した政治家の名前がSEC資料で日本に来ている可能性もある。商社変更の問題がありますね。カーン氏の密約の問題がありますね。そしていま言ったように日商の働きかけがある。そしてハワイ会談をめぐってグリーン氏が言っているようなそういうE2Cの話が出たという事実もある。このE2Cをめぐる問題については捜査の範囲内に入っておりますか。いかがですか、刑事局長、この点だけ、まず一点聞きたい。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 従来も申し上げておりますように、本件の問題をめぐるいろんな疑惑すべて犯罪があるかどうか解明しなければなりません。その中の一つの要素でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 最後の質問です。  ということでまだ解明し尽くされていないから、捜査当局もE2C問題に関心を持って捜査を進められている。こういうときに法務大臣、あなたが、E2Cの凍結はおかしい、早く採用するなら採用したらいいんだ、こういうことをおっしゃるのは、E2Cをめぐる疑惑についてはもう捜査は進まぬ、あるいはこれは捜査上、捜査の対象になっていないという印象を世間に与える重大な法務大臣としての発言じゃありませんか。一国会議員としての発言じゃなくて、現にあなたは法務大臣だ。捜査当局はこれも視野に入れていま進めている。われわれは、だから削除せよと言ってきたんですが、こういうときに、この前のインタビューであなたが、凍結はおかしい、早く採用するものは採用したらいいとおっしゃったことは、法務大臣という立場において重大な問題がある。この発言は取り消されるべきだと私は思いますが、いかがですか。これで終わります。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) これは繰り返しになって恐縮ですけれども、まあE2Cにかかわらず、この飛行機にかかわらずずいぶんいろんなものが出入りしたり運動したりするということはあるんですわね、ほかのことにでも。しかしながら、それだからと言ってE2C自体が間違っているかどうかということにはすぐは結びつかぬのであって、騒ごうがどうしようが、しゃんと真っすぐやってしまったらそれだけのもので、そこでその点について、E2C自体が間違っておるという、そこがはっきり出てくれば、これはE2Cが問題ですよ。騒ぎがあったとか途中で金をもらった者がよしんばあったと言ったって、それはそれとしてやればいいので、E2C自体の採用ということがいけないことであった、間違ったことだということがはっきりすれば、これは大問題ですよ。私はそこを、不正とかなんとかあるかないかということは究明する。しかしながらE2C自体の採用が間違っておったかどうかは、本筋としてもっと究明したらどうだ。あるのかと、それが。そこにまつわった問題はいろいろ議論が出ていますよ。まつわった問題はどこまでも究明いたしますよ。私から言えば、そのまつわった問題の方は議論があるけれども、E2C自体が間違いだと、採用が。という御論議がどうも私はぴんとこぬのですよ、そういう意見が。究明はいたしますよ。そういうことなんでありますから、別に他意はないですから誤解のないようにお願いいたします。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 時間がありません。終わります。

和田春生民社党

○和田春生君 いままで同僚委員の質問で、具体的な個々の問題についてはある程度質疑が重ねられておるわけです。限られた時間で同じような問題で押し問答いたしましても余り有益ではございません。私は少し角度を変えて、法務大臣並びに防衛庁長官に、政治責任及びこういう腐敗の防止、さらにまたその究明ということについての所見をもっぱら中心にただしたいと思うんです。  で、先ほど来の質問におきまして、法務大臣にまずお伺いしたいんですが、いまもその種のことをちょっと橋本委員の質問にお答えになっておりましたけれども、ことさらににぎやかにする必要はないのではないか、こういうことをおっしゃいましたね。にぎやかにするというのは、法務大臣、どういう意味なんでしょうか。先ほど来の同僚委員の質問にあなたそうお答えになっているんです。この事件についてことさらににぎやかにする必要はないじゃないかと思うと、こうあんたおっしゃっている。にぎやかにするというのはどういう意味でしょうか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 私は初めから言っておることでありまして、調べることはもう徹底的に調べればいいが、それはちゃんと静かに調べておればいいんで、調べますだどうだこうだというようなことばかりにぎやかに言わぬでもいいじゃないか、真相を究明することが大切だ、そういうことを私は言っておるのでありまして、真相究明自体をどうこうしようと言うんじゃないんですから、そこはひとつ混同のないように真意を御理解願いたいと思います。

和田春生民社党

○和田春生君 別に誤解はしていないんです。真相を究明するという真相は、法務大臣はどういうこととお考えになっていますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) よく真相究明ということを言われるが、何を真相究明と考えておられるのか、質問される方に私はいつも聞いてみたいと思っているんです。いろんな意味で含みを持って言われるんです。私は私なりに、ああ、こういうことが真相解明という意味だろうかと腹には考えておりますけれども……

和田春生民社党

○和田春生君 それをおっしゃってください。それを伺っているんです。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 尋ねられる方がいろんな意味でその真相と言われるんですね。定義を言っておいてから質問してもらった方がよくわかるんです。真相は——私は前から言っておるんですよ。犯罪があるかないかということは第一の問題ですよね、最小限度の。しかしながら犯罪だけの問題じゃない、真相究明というのは。不正不当がないか、あるいは非倫理的ないろんな事実がなかったかどうかというところも、もっとそこまで真相究明ということにはやっぱり考えていかなければこの出来事というものはわからない。それも視野を狭くして役所だけ詰めたって、この出来事の全貌というものはわからぬと私は思うんですよ。そういう意味で広いと思うんですよ、これは。役所だけでもないし、企業にもあるし、政治にもあるし。ですから、広い意味でこの一連の出来事を、実態を明らかにすることが私は真相究明だと、こう思っておる。ただ、私どもの守備範囲は守備範囲で決まっておりますよ。私どもがどれもこれもという意味じゃありませんよ。国会がなさることがあると、だから言うんですよ。そういうふうに思っております。

和田春生民社党

○和田春生君 ここは国会であって、裁判所でもなければ検察庁でもないわけです。で、法務大臣の、法務大臣限りの守備範囲というのは、法務に関しての責任者だということは承知しているわけですね。したがっていまおっしゃるような、たとえば関係商社その他の関係者の間に不正とか違法行為がある、たとえば外為法の違反あるいは北自任横領、これは検察の徹底的追及に任して裁判で決着をする、これが筋だと思うんですね。さらに航空機輸入に伴う政府関係機関のずさんな処理というもので法律に違反するもの、犯罪行為になるものでなくても不当な行いというものがあると思います。これは国会としては政府を追及しなくてはならないと思うんですね。  そればかりではなくて、もう一つ問題がある。こんなに議論になるのは、これは後から防衛庁長官にお伺いしますけれども、たとえば兵器の購入、航空機の機種選定にしてもどういう基準で機種選定をしているのか、そういうことが一般に明らかになっていないんです。防衛庁の責任でやっているやっているとおっしゃいますけれども、責任でやったというのはどういう基準でそれをやったかということが明らかにされていないからいろんな疑惑が出てくるわけです。これは後から質問いたします。  そういうような問題があるけれども、法務大臣、問題は航空機の導入の過程で汚れた銭を手にした政治家がいるかいないかということでしょう。そうして、そういう金を取った政治家がおったとする。そして、そういう政治的圧力で機種選定とか防衛計画がねじ曲げられておったとすれば、それはけしからぬということが、私はそれが問題の本質だと思うんです。で、金は取っておったけれども何も影響がなかったというと、実力で入った大学の入学生について、おれが入れてやったと言って金を取るどこかの大学の先生みたいなもので、これはもう詐欺行為ですから、政治家の風上にも置けないし、これはこれでまたインチキな話になってくるわけですけれども、いま騒ぎになっているし、にぎやかになったのは、アメリカのSECの資料やいろいろな関係で、そういう問題に絡んで不正な金を、あるいは犯罪は構成しない、違法行為にはならないかもしらぬけれども、汚れた金を受け取って、重要な防衛政策、機種選定等に圧力を加えてゆがめた、そういう政治家がいるのかいないのか、いるとすればだれだ、それはどういう役割りを果たしたのか、私はそれが焦点だと思う。追及の中心だと思うんですよ。その点に対して、法務大臣は法務大臣だけではなく国務大臣だと思う。閣僚の一員ですよね。もっぱら検察の方の調査に依存しておって、それにどうしようかという、政府自体も絡んでいる問題について積極的な意見を一つも言わぬじゃないですか。あなたがりっぱな口を言われるんなら、それをどういう方法で解明をされようとしますか。具体的に、端的にお答えください。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) お尋ねが少々わからぬところがあるんですけれども、つまり犯罪になるものはわれわれなり検察の方で究明していきますよ、どこまでも。犯罪にならない問題ですね。犯罪にならない分野ですね。

和田春生民社党

○和田春生君 いや、なるかならないかの……。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) ならない分野のことは、これは残る問題は、いわゆる俗に言う政治的道義的責任とか政治家なら、ということでしょう。それはだれが一体そういうことを究明するか。その役を持つのは国会じゃないか、日本のいまの国家機構では。ですから、国会がおやりになるべきことじゃないか、こういうことを私は始終言っているんですね。ですから、それは私どもがやらないとかやるとかいうより、やるべきことじゃないんですよ、行政部局としては。そういうまた出過ぎをやるべきことじゃないですね。ですから、問題は広い。犯罪だけじゃない。広いが、だれがこれを究明していくかという役割り分担がここにはっきりあるんじゃないかと、私はそう思うんですね。ですから、国会でおやりになるべきことは十分おやりになったらどうだ、国会のおやりになることじゃないかと、私はそう言っているわけです。

和田春生民社党

○和田春生君 それは先ほど来の質疑の中でもお聞きいたしました。私は、いまそうおっしゃることについて幾つかの重要な関連事項があると思うんです。日本の場合には、アメリカと違って行政府と議会というものが峻別されておりません。御承知のとおり議院内閣制です。現在の大平内閣は自由民主党を唯一の与党とする議院内閣なんです。ですからあなたもバッジをつけていらっしゃるんです。衆議院議員なんです、法務大臣も。そういう関連もありますから、あなた自身が、法務大臣だけれども所管外についても政治家として発言をしても民主主義のもとでは当然ではないか、そういうふうにさっきおっしゃっておったわけですね。そうすると、国会が、そういうことに関連しておかしな金を受け取った政治家がいるかいないのか、おるとすればだれで、どんな役割りを果たしたか明らかにしようとする。いまのところ名前が出ているのは与党の議員ばかりです、現在のところこの問題に関係しては。そうすると、それを明らかにするために検察の調べの結果を待ってやるということは金を送った方の流れから調べるということ。受け取った方はこの中におるかもわからない。一番いい方法は名前の出た関係者を証人に喚問することではありませんか。国会に来てもらって、ここでその人に直接尋ねればいいわけです。潔白で身に覚えがないのならば堂々とそのことを言えばいいわけです。あなたは衆議院議員として、いわゆる与党内閣の閣僚として、そういう意味で疑惑の焦点に立っている証人を喚問することにそれでは賛成なさいますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) これは法務大臣としての立場から申すことじゃないのですから、それはあなたもおっしゃっておるとおりで、一政治家あるいは自民党国会議員、こういう立場での意見でございましょう。そうでありましょう。

和田春生民社党

○和田春生君 そうです。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) それをここで私に言えと、こうおっしゃるわけですか。

和田春生民社党

○和田春生君 そうですよ。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) それはやはり私が一政治家として国会の場で言うことじゃなくて、それは雑談なり茶飲み話なり、あるいは新聞記者の人がつい話のついでにどうだこうだというときには、それは一政治家の発言として何ぼでも言いますよ。けれども、国会の場で自民党議員だからどうせいこうせいと言って、混同いたしますよ、ここでやりますことは。そこはひとつ立て分けてよくお考えを願いたいと思います。

和田春生民社党

○和田春生君 それを分けるわけにいきませんね。国会でおやりなさいと言いますけれども、野党側から証人喚問の要求とか重要な資料提出の要求が出た場合に、いつも与党の反対でつぶれるというのが通例なんです。国会でやってくださいとあなたは言うんです。国会で究明に対しての有力な手段として、そういう疑惑をかけられた人々、それがいいかげんな疑惑だったら御本人にとっても大変私は迷惑なことだと思うんですよ。そうでしょう。あらぬうわさをかけられたんでは御本人の名誉にとっても政治生命にとっても耐えられないことなんです。だから、ないものならない、あるならあるとはっきりする、それは私は国会の責任だと思いますよ。何もかも検察に任せるというんだったら、戦前、検察ファッショなんといういやな言葉がありましたけれども、政界としてそれも検察にゆだねるという形では自浄作用は望めませんよ。政界に起こった政治的責任はみずからの手で処断すべきだと私は思うんです。あなたもそう思ってしかるべきだと私は思います。それならば、あなたは与党議員の一人として、そういう究明の手段について賛成をするかしないか、あるいは賛成するかしないかということをここで言えないとすれば、いいと思うか悪いと思うかということをお答え願いたい。  これは山下防衛庁長官にも同様、衆議院議員であり、与党議員であり、自民党内閣の閣僚である立場において、それをお答え願いたいんです。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 一自民党議員としての意見をここで言えと、こういうお話でありますが、自民党という政党に属する人間としての立場は、自民党にはそれなりの、言うまでもないことで、ちゃんと機構があり、機関があり、それから担当の委員の方もあり、やっていることですから、ですから、ここの議場で自民党議員だからどう、だからおまえ意見言えと言われても、それは軽い話は無責任な場所ならいいですけれども、そういうわけには——言ったところで意味ないですもの。自民党という政党を私背負っておるんじゃないですから、きょう。それからまた、どういう党内役員をやっているわけでもないし、それから担当の特別委員会に席を持っているわけでもないですから、どういうわけでそれを無理に聞かなければならぬのでしょうか、むしろそれを伺ってから申し上げたいと思うんです。

和田春生民社党

○和田春生君 無理に聞くわけじゃないんですよ。あなたはさっきからその真相の究明というのは国会でやれと言っている。国会でやるということは、いま言ったようなこの問題に関する政治的な汚職といいますか、政治的な疑惑の問題だと言っている。それを国会でやろうとすれば、現に犯罪容疑者があった場合に、犯罪容疑が濃厚になれば検察庁が逮捕をする、取り調べをするというところから事実を追及していくわけでしょう。じゃ、国会議員の中に容疑をかけられたという者がおれば、その人に来てもらって国会みずからがその真否をただすということを抜きにして国会自体で究明の手段がありますか。あったらあなたにお聞きしたいんだ。それさえ言えないとすれば、法務大臣としてかっこうのいいことを言っているけれども、結局責任逃れをして国会に責任をかぶす。国会でやろうとすると与党が反対する。自民党には機構がある、わしは何も言えぬ。法務大臣やめなさいよ、そんなこと言っているんだったら。お答えください。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 話を混同しないように願いたいんです。法務大臣の仕事じゃないんですから、お話は。法務大臣をやめろもくそも関係ないんじゃありませんか、そういうことは。いまのお話は法務大臣としての私の職責なら、私は最後までの責任を負いますよ。それ以外のことをお尋ねになっておって絡めるということは筋が通らぬと思う。民社のりっぱな議員さんとして筋がちょっと通らぬじゃないかと私は思います。一議員として意見を言え、それは私ここで言う必要ないと思うんです。私は、一議員としてここでそういう意見を言うことは答弁申し上げる限りでないと言っても構わぬと思うんですよ。しかし、そういうかた苦しいことは言いませんよ。言いませんが、これについては毎々申しますように、政治家の責任、ことに道義的な政治的責任なんというのは、まずもってめいめいが考えるべきことです、どういう責任を負っているのか、どう考えるかということは。そういうことが私は一番中心だと思うんです。で、それから後は国会で考えられることで、まずもってめいめいが考える。それを国民が批判する、あの政治家はだめだとか。国民が最高ですから、批判する材料を提供する。これが一番議員の、そういう政治家としての責任のポイントだと私は思うんですね。ですから、それはめいめいの考えるべき自己責任の問題だと、私はそう思いますが、間違っておりましょうか。ですからこれはわれわれがかれこれ言う、他の人間が言う問題にはちょっと距離が遠いように思うんです。私はそう思うんです。

和田春生民社党

○和田春生君 私は前提を置いて言っているんですよ。議院内閣制だ。自民党を唯一の与党とする現在の大平内閣ではないですか。あなたも衆議院のバッジをつけておられる。だから、法務大臣という職責で言えばそれは法務省限りかもわからぬけれども、そういう関連した立場がある。あなた自身も、政治家として発言するのは民主主義で当然だと言われている。しかも、法務大臣という非常に重要な焦点に座っているから、その意見さえも言えないような見識のない人なら法務大臣やめたらどうですかという意味で言ったんです。責任をとってやめなさいといった意味じゃありません。そういうふうに受け取ってください。それをあなたがお聞きになるかどうかは、民主主義ですからあなたの自由ですよ。さっきからあなたが言っているのは、国会にある国会にある、国会でおやりくださいと言うけれども、それはアメリカの政府の役人が国会のことだから国会にと言うんならわかりますよ。日本の仕組みはそうじゃないじゃないですか。だから、それは責任逃れではないですかと言っている。そういうような国会自体がやることについて、一番重要な手段というものについて、あんたは賛成か反対か、いいと思うか悪いと思うか、それを議員個々が判断をするんだ、それが責任だと、それは全くの言い逃れですよ。防衛庁長官いかがでしょうか、そうしたら。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) いや、ちょっと待ってください。  お尋ねじゃありませんけれども、アメリカならいざ知らず、議院内閣の国だからアメリカとは違うというお話ですけれども、日本においても国会の権限、立場、役割りと政府の立場、役割りとの分界はあるんですね。

和田春生民社党

○和田春生君 あります。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) そうでしょう。政治責任とか政治的道義的の問題とかいうことを政府というか行政府の方が——政府の立場とすれば、そういうことは私は出過ぎだと思うんですよ、行政権の方の話としては。そういうことは同じことだと思うんです、日本でも。と思うんですね、これは。ですから、そこはアメリカと日本と違うと一口には言えない。その点は同じだと私は思いますね、この点は。ですからそれと、それからわれわれが職務を持ってやっておる職務の関係のことと、それはまた一つの問題でありますわね。ですからあんまり混同しないように、職務の関係、国会議員個々の政治責任の問題はどう論ずべきか、だれが論ずべきか、これは絡めないようにやっていただけませんか。法務大臣けしからぬというような話じゃ私はどうも筋道がわからないんです。頭がぼけているせいかもしれませんけれども。

和田春生民社党

○和田春生君 頭はぼけていませんね。非常にしっかりしていらっしゃるんで、うまいぐあいに言い逃れしょうとしているわけです。わざと私の質問を取り違えてみせたりしているテクニックは大したものだと思うんです。  私が申し上げているのは、法律的、制度的な問題で言っているんじゃないんですよ。この問題を究明するためにわれわれは何をなすべきかという問題を取り上げた場合に、委員会のシステムだって、こういうこちらに委員がおって政府に質問をするという形にならざるを得ないわけでしょう、運用上。そうではなくてみんなが、与野党議員がラウンドテーブルでどうすべきかということをみずからで議論をする、そういうかっこうにしていないじゃないですか。そうしたことをやろうということをわれわれは何度か提案したけれども、いつも与党側の反対でつぶれているじゃありませんか。したがって、法律的、制度的な問題じゃなくて実態的に、本当に究明をするという熱意があれば、大平内閣の閣僚全部が私がいま提案したようなことについて賛成だ、与党もそれに応じてやれと言ったら、一発で決まることなんですよ。そこを私は言っているわけです。お答えにくいことを私はこれ以上追及しようと思いません。しかし、あなたがわかっているんなら、雑談でもいいですから、委員会が済んだ後で、和田春生の提案はおれは賛成なんだと、与党の中で大いにそのためにがんばろうとおっしゃってくださいよ。それすらも言わなければ、あなたは結局口先だけだという形になりますから……。  防衛庁長官はどうですか。その点、一言。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) やはりこの問題は国会が御判断の上——私も国会議員の一員ではございますけれども、しかしこうした問題については国会として御判断の上お決めになることでございますので、国会議員の一員として意見を申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。

和田春生民社党

○和田春生君 この問題はこれ以上押し問答しておっても、時間の関係もございますから、私の考え方を申し上げておきました。どういうふうに行動されるかは事実を通して判断をしていきたいしいうふうに思います。  ところで、航空機の疑惑につきましていろいるな疑問がいままで出されておりました。特にE2Cの導入に関しまして日商岩井から働きかけがあったかどうか、同僚委員の御質問があったわけです。長官は、それはもう防衛庁の責任でやったんで関係ないことだとおっしゃったわけだ。しかしこの種の問題全部が、ソ連とか中国というような共産国の、すべて政府がコントロールしておる全体主義経済体制なら別ですけれども、アメリカにしても西ヨーロッパにしても日本にしても、商社もあれば各民間航空機会社もあるわけです。それがいろいろなつながりを持って、いろんなものを研究開発し、つくっているわけですから、自分のところの品物はいいと言って売り込もうとする、ありとあらゆる形で働きかけるというのは私はあたりまえだと思う。それを働きかけないようなそういう企業なら、これはもう脱落していく以外に方法ないわけですね。当然そういうものがあるという前提に立って物を考えにゃいかぬわけです。ですから、あなたのおっしゃるように防衛庁の責任で決めたんで関係ないというのは答弁にならないんですわ。あったと考えるのが普通なんです。いろんなコネを通じていろんな形で売り込みをやり、これはいいですよ、これをやればお得ですよと来るのはあたりまえと私は思うんですね。  そういう中で疑惑を招かないということのためには、まずそういうような兵器の導入、機種選定、あるいは国内開発にしてもしかりであります。国内企業との関係が出てくるわけですね。一体どういう基準、どういう手続でそれを、基本的な方針を決めるのか。それに基づいてこれこれのデータによって選定をしたということがはっきりしておれば、疑惑が生じたとしても解明できると思うわけですね。ところが、現在防衛庁にそういう体制はありませんね。あるんでしょうか。あればそれをお聞きしたいと思うんです。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) ただいまの御指摘につきましては私どもも十分お答えを申し上げたいと思いますが、実は機種選定につきましては、たとえば航空機でございますならば航空自衛隊の要求性能というのがございます、こういう性能を要求いたしますということが。それに従いまして今度は選定基準を考えるわけでございます。そして、その航空自衛隊の要求性能を満足し、そして選定基準に合致するものは機種として決定されていくわけでございます。それはいろいろ調査団を派遣するとか、また中において十分慎重にやってまいりますので、たとえばE2Cにつきましては、その要求性能、選定基準を申しますと、洋上目標の探知能力にすぐれている、その能力が十数年にわたり有効である、運用に際しては軽易に機動が可能である、費用対効果の面ですぐれている、しかも現有の飛行場を大幅な改修を施すことなく使用し得る、いろいろこういうことを、基準に合致するものを決めたわけでございます。先ほど御指摘がございまして、いろいろ外部からの動き等のお話もございましたけれども、私ども、こうした要求性能を満足し、選定基準に合致することを本位としてやっておりますので、外部から不当な圧力なり影響を受けたことはございませんので、その点責任と自信を持ってお答えを申し上げている次第でございます。

和田春生民社党

○和田春生君 いまの、大変技術的なことに焦点を置かれたようですが、私は、やはり日本の自衛隊にしても、防衛任務に当たる、そうすれば装備については最新鋭、精強なものを持って、こういうものを持たなければできないと、責任を果たすためにとことん追求していくというのは当然だと思うんですよ。それはがらくたのおもちゃのようなものでもいいというんなら、そんなものはない方がいいわけですね。それはしかし全体から見れば、そういうような純軍事的な、技術的な面からの選定基準というものもある。しかし、国家予算の制約、国全体の防衛政策とか安全保障政策との兼ね合いという政治的な要素が加わってくるわけです。経済的な面では対費用の効果というものの制約があるわけですね。あるいは将来を考えた場合に、いまは高くついても国産技術を開発した方が日本の自主防衛体制のためにはプラスであるということもあるだろうし、しかし、それは高くつき過ぎるからぐあいが悪いとか、あるいは日本の憲法制約その他から考えて、日本が高度の兵器を生産をする、どこまで突き進むのがいいかどうかというような要素もあると思いますね。そういうような政治的な選択の要因というものもあるわけです。一体それは日本の政府の中で、国防会議が一応そうしたものに対しては政府サイドではそれをコントロールする機関ということになっているけれども、私たちの承知する限りE2Cその他の問題の機種選定について、そういう総合的な形でこれこれこれこれの理由によってこういうふうにしたと、こういうきちんとした経過は承知していないんです。むしろ、われわれの目に映るところ、説明を聞くところでは、しばしば方針が転換をしておって、行き当たりばったりで、いつの間にか知らぬけれどもそこに落ちついておったと、こういう経過をたどっていると思うんですね。そういう点で、長官としてこのままでいいとお考えでしょうか、どうでしょうか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) たとえばE2Cの問題につきましては、御指摘のとおり国産にすべきか輸入にすべきかという議論があったことは確かでございます。技術開発をやるということについて言うならば国産はよろしゅうございます。しかし機数の関係等によりまして、費用対効果を考えた場合に、それは果たして経済性の観点からして適当かどうかもございますので、いろいろ論議をしてまいりましたことは事実でございますけれども、最終的にはわれわれが責任を持ちまして、これは輸入というふうな、国産化というものを一応やめましてそれで輸入にする。輸入についてはそれではどのような機種がいいかということを決めてまいったわけでございますし、他面また、たとえば防衛計画の大綱によりましても、これはもうすでに決定されておりますが、これは警戒飛行部隊というものは、すでにそれには導入することが決められておりますけれども、それがずっと欠落しておるという関係がございます。やはりわれわれといたしましては警戒飛行部隊をどうしても導入したいと思いますが、それは五十一年に決められておりますけれども、五十二年、五十三年と慎重に調査いたしまして、バッジとの関係も調べて、そして国防会議におきましてそうした経過を踏まえてその判断をいたしたわけでございますので、先ほどは技術的なことを申し上げましたけれども、政治的な選択という点につきましてはいま申しましたようなことで、御了解が得られますようにわれわれとしては慎重の上にも慎重を期して決めているわけでございます。

和田春生民社党

○和田春生君 この点、一連の経過を顧みまして、また時間を改めまして、特にE2C選定に至る一連の経過については具体的にいろいろお尋ねしたいと思っているんです。  それはきょうは置いておきまして、基本的な姿勢としてぐらぐらしているという印象を与えたことは少なくとも間違いない。私は、印象だけではなくて、その間にははっきりした基本方針はなかったと思うんです。そうでなければあんなようにくるくる急転回するはずがない。これはE2Cが不適当か適当であるかという、さっき古井法務大臣も何かそのことについて、純技術的に見ていいか悪いかという問題じゃなくて、決めるというのにはそういうふうな選択の幅がいろいろあるわけですね。それをコントロールするのが私はシビリアンコントロールだと思う。国会で機種選定に至るまでに、その根本における、いま言ったような国の安全保障政策とか、あるいは国内の技術開発の問題だとか、あるいは費用対効果の問題であるとか、あるいは日米安保条約との関係における日本の防衛分担の問題であるとか、そういうものを総合的に勘案をして日本並びに日本近海の防空体制はどうあるべきだ、その防空体制を整えるためにはこれほどの予算、こういうものが必要ではないかということは国会で議論されておりませんね。私はそこに一番大きな問題の根源があると思うんです。ですから怪しげな政商が介在をしたり妙な疑惑を生んだり、そういうことがいろいろできてくると思うんですね。  そういう意味で国会に防衛委員会を設置しなさい、私どもは前々から言ってきているわけです。もう十年前からつくっておれば様相は恐らく大分違っておったんではないか。あるいはそれに伴う疑惑が生じてきても、本筋の問題は本筋の問題として明らかになって、疑惑の問題でおかしなことをやったやつは、それは犯罪があれば犯罪行為として処断できる。きちんと整理されるわけです。それがきちんとしていないものですから全部こんがらかってきてしまっているというきらいなきにしもあらずなんですね。そこで、防衛庁長官として、政府の中では防衛政策の——総理大臣が一番最高責任者ですが、あなたが実務上の責任を持っておられるわけです。防衛委員会を設置をするということは好ましいか好ましくないかという質問はいたしませんよ。それを国会にきちんと設置するということに、残された国会の期間あなたは最善の努力をされますかしませんか、そのことをお伺いしたい。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 私はかねがね御答弁申し上げておりますが、やはりシビリアンコントロールの一番のポイントは国会におきます審議であると、かように考えております。国会の御審議というものは、そのシビリアンコントロールの原則に照らして有効に機能していただけるということは私は個人として賛成でございます。ただこのことも、先ほどの御答弁でも申しましたけれども、やはり国会でお決めいただくことでございますので御了承賜りたいと思いますが、その点におきましての私の意見は申し上げて、ただ、最終的に国会でお決めになることでございますので御了解賜りたいと思います。

和田春生民社党

○和田春生君 いまの点は、私は、単にこの場逃れに、国会のことだから閣僚としていまの立場で言いにくいというようなことだけで済ましておいていいことであるとは思わないんです。やはり国会にそういう専門の機関を設置しまして、賛成、反対、いろいろな立場があるでしょう、徹底的に議論をしていくということが、シビリアンコントロールというのは国民の代表として国会がコントロールするということなんですから、軍が優先じゃないんです、政治が軍をコントロールすることですから、これはもうぜひ必要なことだ。やはり多数派の自民党がその気になれば、いま国会内においても与野党を通じて、形をどうするかということに多少制度的な問題で議論はありましても、合意も形成されようとしつつあるわけですから、この事件を教訓として踏み切るべきだと思う。同時に、いまのような有名無実と言っては失礼かもわかりませんけれども、国防会議をきちんとしまして、国会の防衛委員会が、政治的に政策の決定あるいは立法府としてのその機能を果たしていく。それに基づいて行政府としての中核として国防会議がきちんとやる。そのもとにおいて航空自衛隊なら航空自衛隊、海上自衛隊、陸上自衛隊、それぞれがその与えられた与件の中でベストを尽くすのにはどういう装備をやるべきか、どういう方法をとれば対費用効果で一番適切なのか、あるいは日本の防衛政策上マッチするのか、これを検討をするということをきちんとしなくちゃいけないと思うんです。今後こういう問題に絡む汚職あるいは汚職容疑を防止するというためにはそれが非常に必要ではないか。それをやったからすべてなくなるとは思いませんが、それすらないというところにロッキード、グラマン、ボーイングと、次から次に全部出てくるという一番大きな理由があるんじゃないか。これは、法務大臣それから防衛庁長官、二人しか国務大臣がいまこの席に出ておりません。やはり大平さんがおれば総理・総裁にこのことは追及することですけれども、いわば内閣を代表してここへ来てもらっているわけですから、ひとつ十分それは考えていただきたい。  そこで、いまの国防会議というものをもっと機能的なものにする、そして国会の審議と、それから実力部隊との中間における政府の責任機関としてきちんとさしていくと、そのことについてはいかがでしょうか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 国防会議の問題につきましては私の立場においてお答えすることは必ずしも適当でない点がございますが、ただいま閣僚と申しますと法務大臣と私でございますし、私がそれに関連いたしておりますからお答え申し上げますが、国防会議の運用の改善につきましてはかねがね検討されているところでございますので、率直に申しまして国防会議も、ただいま御指摘のございましたように、国会におけるシビリアンコントロールの形、またわれわれにおきましては、政府におきましては国防会議というものがシビリアンコントロールの形でございますから、いま言ったシビリアンコントロールの原則に照らしましてその運用の改善を図るべきことは当然であると思うわけでございまして、今後ともその点について努力いたしたいと思います。

和田春生民社党

○和田春生君 それからもう一つ、これは防衛庁長官にお伺いしたいんですけれども、先ほど来の質疑の中にも出ておりましたけれども、商社が介在をすると手数料を払わなくてはならないというような形で、政府間の有償軍事援助——FMS方式をとればそういうことは排除できるというような意味のことをここでも言われましたし、ほかでも政府は言っているわけですね。しかし、非常に複雑で多岐にわたって、しかも技術も日進月歩をしている、そういうものについてFMS方式で全部処理できるはずがないと私は思うんです。またそれでやるということは、対費用効果の面で、政府が総合商社並みの調査情報網、海外駐在員をやるということが果たして納税者に対する適切な措置かどうかという大きな疑問があると思うんですね。そうなってくると、当然今後、そうは言ってもそうはいきませんよ。やっぱり商社とか、特に日本の場合には総合商社、いろんな民間企業が介在してくることは私は避けがたいと思う。避けられると思う方が幻想だと思う。それを避けがたいという前提に立って不正を防止をするということが重要ですね。変なことが起こらないようにする、それについてはどういう方法をとろうとお考えになっているのか、それをお聞きしたいと思うんです。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 不正の防止につきましては、かねがね申し上げましているとおりに、たとえば代理店契約書を提出させるとか、価格調査を強化するとか、誓約書を提出させるとか、そうした中でその政府間契約方式もできるだけ取り入れていく、こういうふうに申し上げておるわけでございまして、政府間契約方式をすべてでやるとは申しておりませんし、また物によりましては、たとえばE2Cのようなものも初度調弁でございますね、これはもうFMS方式の方がよかったということで採用いたしておるわけでございますが、すべてこれによるとは言われません。いま御指摘の点もございますし、それからまた細かい部品等につきましては、たとえば日本の中小企業もこれに関連いたしている点もございますし、そうしたことを勘案いたしますならば、すべて政府間で仕切っていくということはこれはもう問題もあろうかと思いますけれども、主要な装備品等につきましてはできるだけ政府間契約方式でやっていこう、こういうわけでございますが、しかし一般商社を通ずる方式も、これは私は、物によりまして、ケース・バイ・ケースによりましてはこれは当然認めてもいいと思いますが、そうしたときには、いままでの御審議の経過を踏まえ、従来のいろいろな問題等も踏まえまして、あくまで不正が行われないようにこれはもう十分注意していかねばならない、このように思いますけれども、方式自体につきましては、ただいま申し上げましたようなことで御了解賜りたいと思う次第でございます。

和田春生民社党

○和田春生君 先ほど、国会における防衛委員会、名称はいろいろ考えられると思いますが、設置、国防会議の改組、そして、そういうような防衛関係の装備の決定、導入について明確な基準と手続というものをオープンにしていく、軍事機密に属することは別でありますけれども、そういうことが必要だということも申し上げましたが、今度は具体的に行われる取引関係についての不正防止について、私はまず第一に、そういういま長官がおっしゃったようなずさんな処理をしないようにするということは必要ですが、法律に触れる犯罪があれば別です。犯罪がなくても、やっぱりこれは不当である、まずいことだというやり方というのはあり得るわけです。そういう場合にはやはり内部における処分というものを厳正にやる、いいかげんなことをやった者はそこのところで処分をされるということをきちんとしなくちゃいけないと思うんです。  たとえば、よくあることですけれども、いろんなものをつくったり注文する場合に、本当はいい業者を選定して特命をする方が効率的で安いわけですね。そうすると変な結びつきがあるというので、政府関係は入札をたてまえにしている。しかし、入札だから不正はないということをよくおっしゃいますけれども、天下周知の事実で、あれは不正がないという隠れみので、入札の裏で談合がもう半ば公然と行われているということはみんな知っていることなんですね。そういう中でやっているわけですから、変なことに巻き込まれないようにするためには、そういう点のやっぱり綱紀をきちんとする。同時に、おかしなことをやった業者は、先ほど同僚委員からの質問にありましたけれども、きちっと切る。結局、適正にやってもうけるのはいいけれども、おかしなことをやったんでは取引が外されるぞということをきちんとやる。その二つを守っていけばかなり事態は改善されるんではないかと私は思うわけですけれども、今後そういうふうに対処されますか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) ただいま、先ほど来申し上げましているとおりに、解明中でございますから十分お答えしにくい点もございますけれども、御意見のほどは十分に今後の参考にさしていただきたいと思っております。

和田春生民社党

○和田春生君 いままでの質問で、大臣として出席されているお二人には答えにくいようなことや失礼なことも申し上げたかと思うんですけれども、これは起きた不正の徹底的究明ということが非常に大事でありますが、それを究明できるような、同時にまたそういうことを起こさないような制度並びに運用と取り組みというものが必要だと思います。それがなければ、また三度、四度同じことを繰り返す。それでは非常に困るわけですから、私がいま質問の中で述べた意見等についても意のあるところは十分にくみ取っていただきまして、政府・与党の幹部として善処を特に要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 私は、法務、自治両大臣並びに関係当局に対して二、三の質問をしたいと思います。  最初に刑事局長に伺いたいんですが、ロッキード問題に続いてグラマン・ダグラスの事件の進展に関して私は関心を持ってきておりましたが、特にその中心人物と見られる日商岩井の元副社長の海部氏の行動あるいは人物について注目をしてまいりました。最近彼は逮捕されて、ただいま取り調べ中だと思いますが、その取り調べは順調に進んでおりますかどうか、おっしゃれるだけの範囲内で結構でございますけれども、伺いたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 順調かどうかというのは何かの基準を置いて見きわめないといけないわけですが、大変大ざっぱな言い方で恐縮でございますが、予定した程度の進捗ぶりで進んでおるようでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 次には、法務大臣に伺いたいと思います。  大臣は、五十一年二月十九日に三木内閣の閣議の口頭了解でロッキード問題閣僚連絡協議会を設け、同年の十一月十二日に右協議会の名で「ロッキード事件再発防止のための対策について」というのを発表したことを御存じですね。その中の「一」として「贈収賄罪の規定の整備」というところで四項目挙がっておりまするが、その一つは、「周旋第三者収賄罪の新設」、「収賄罪の法定刑の引き上げ」、「贈賄罪に関する国民の国外犯規定の新設」、「賄賂罪の推定規定の新設」とございましたが、これは法務省所管ですね。  そこで伺いたいのは、この防止対策というのは福田内閣あるいは現在の大平内閣に引き継がれているんでしょうか。あるいは三木内閣のこれはおしまいころでございましたので内閣がかわってそのままになってしまったのかどうかということも伺いたいのですが、それとはまた別に、法務省としてはこの五十一年以後これらの問題を取り上げておいでになるかどうか。それはどこまで進展しているかどうかということを伺いたいと思います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) ただいまお示しになりました三木内閣時代の再発防止対策、ずいぶんいろいろな項目が掲げられております。それが全部が全部実行されているわけでもありませんけれども、しかし実行できるものは実行しよう、こういうことで、若干のものはもう実現しようというところまで来ておるわけです。現に贈収賄罪の刑の引き上げ、これは時効期間に関係するわけでありますね。これは改正の法律案を国会に提出いたしておるわけであります。国会の方でまだ可決になりませんで継続審議中でございますが、現に審議を願っておるという状況であります。  それから、アメリカとの間の犯罪人引き渡しの関係で賄賂罪などもその中に入れよう、贈賄者も入れよう、こういうふうな条約の改正等、これも国会では決議になっておりまして、アメリカの上院でこれは審議をしている、こういう状況であります。それと、引き渡しのあれに関連した日本の中の法律は、これももうすでに日本の方では可決されてできておるわけであります。が、このごろは多国籍企業ですから、国際的に絡まる問題が多いですから、そういう種類のものの企業活動についてある規制を加える必要があると、これで国連の方で、御承知のように経済社会理事会でいま審議をしておるわけであります。日本からも、われわれの方からも参加をさしておりまして、なるべく早くこれが話がまとまって国際的に協力できるようになったらといま思っておるのでございます。  そのほか、われわれの分野でも、他の機会に申し上げましたけれども、企業についても、法であるいは行政監督で縛り上げるというだけでなしに、むしろ企業自体が自分で間違ったことをしないように自己監査を強化するとかそういうこともしたいと、こういうので、これは商法の改正になります。これはまだ具体的に案をつくって出しておるわけじゃありませんけれども、何とか早くできぬものかというようなことも検討しております。  しかし、どう考えましても法律だけで解決ができる問題ではありませんし、それから行政監督の上でももっと徹底してやるようにしなければいかぬという面もあると思います。国会の方で行政監督というふうな形で見ていただかなければならぬ面もあると思っておりますが、その上にやっぱり、これは市川先生だから格別申し上げるわけでもありませんが、政治の倫理化ですね、選挙の倫理化を含めて、こういうことが広範にみんなが国民総挙げ式に発展をしないことには、法律や行政監督だけではどうも行き届かぬと私は思うんです。そういう意味で、これからの問題ですけれども、再発防止、政府全体としても広い範囲でこの問題を見直して、またよりよい対策を見出すようにしてもらいたいと、遠からぬ時期にそういうことを政府として取り上げてもらいたいと、こういうふうにいま思っておる状況でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 法務大臣が再発防止についていろいろ考えておいでになることを伺ってうれしいんですが、ひとつぜひそれらが早い機会に実現できますようにお骨折りを願いたいと思います。  次は自治大臣に対して伺いたいんですが、いま私が法務大臣に申し上げましたロッキード事件の再発防止対策のその(二)として、「ロッキード事件再発防止のための対策として今後検討すべき事項について」というのがあります。その中で「政治資金の規制のあり方」が掲げられているわけですが、これは五十年の政治資金規正法が改正になった後ですね、五十一年ですから。五十一年ですが、一つは「政治献金について個人献金中心の方向での改善」とあり、二番目は「政治家個人の収支の明確化」が掲げられておりますが、自治省としては、この二項目の検討をその後お続けになっているかどうか。まだ結論は出てないようですが、どこまで進んでいるか、その経過をちょっと伺いたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 再発防止のいろんな柱があるわけでございますが、その中のやはり一つの柱は政治資金関係であろうと考えております。したがって、現在の政治資金規正法をどのような内容に改正をするかという問題、自治省としては当然検討をしておるわけでございますが、御案内のように、五年目に法の運用の実態を踏まえて再検討すると、こういうことになっておりますので、その時期を目標に現在各方面の意見を聞きながら検討をいたしております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 続いて自治大臣に伺いたいんですが、五十年に改正になって五十一年の一月一日から現行法は施行されておりますね。ところが現行の政治資金規正法では、二十二条の五で、外国人と外国法人等から政治献金を受けることは禁止されておりますね。ところが旧法では、選挙に関しては禁止されているけれども、いわゆる政治献金については触れていない、禁止されていない。ですから、外国人、外国の法人等から多額の政治献金をもらっても、期間が五十一年までの間ならば罪にはならないというか、ということになるわけだと思いますが、それを大臣からもう一遍確認していただきたいと思うんです。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のとおり、旧法のもとにおいては選挙に関する以外の政治献金は、これは法律上認められておったわけでございますから、当然これは罪にはならないわけでございます。これは御指摘のとおりでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 そこで、法務省の刑事局長にちょっと伺いたいんですが、ロッキード事件から今度のグラマン・ダグラス事件も、大体これは四十七年から五十年までに起こったことですね。そうしますると、この金の授受、政府高官への金の授受、その間に莫大な金額が動いているわけですけれども、それが賄賂なら罪になりますけれども、もし政治献金ということであれば問題になりませんね。その点を刑事局長からちょっと伺いたい。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 御指摘のとおりでございまして、そのほかに外国為替管理法違反という問題がございますが、御質問のとおりでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 そこで法務大臣にまたお伺いしたいんですが、賄賂なら罪になる、政治献金なら罪にならない、この区別がちっともはっきりしないんですね、どこまでが賄賂でどこからが政治献金か。その一例としてといいますか、ちょっとお名前を挙げて悪いかもしれませんけれども、公になっておりますから申し上げれば、田中角榮さんは二十三年十二月十三日に百万円石炭国管で賄賂をもらったとして逮捕され、二十五年四月には有罪として懲役六カ月執行猶予二年という判決があった。ところが、二十六年の六月の控訴審で、百万円は田中さんの後援会越山会への政治献金であったと、こういうことで無罪になっているわけですね。それで国民の間では、現在田中さんはロッキード事件で五億円の賄賂をもらったと裁判中であるようですが、結局はやはり政治献金として無罪となって、そして田中さんはまた内閣総理大臣に復活することを夢見ておいでになるようなんですが、そういうことが実現するんではないかと国民の間ではうわさをしております。これは国民の政治家に対する不信とそれから裁判に対しての国民の不信にもつながるわけであって、非常に重大な問題だと考えております。法務大臣はこのことをどういうふうにお考えになっておりますか、お考えを伺いたい。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 賄賂と政治献金との分界という非常に微妙なきわどい問題があるわけでありますね。これは実に大きな問題でもあるけれども、むずかしい問題であるわけで、御承知のとおりであります。何しろ選挙に金がかかるという実態があるんですね。ここから変わってくればいいんですけれども、そこが根源になり、政治献金が必要であるというようなことになり、それから、個人献金だけで済むかと言えばそれでも追っつかぬ、企業献金もどうももらわなければ実際にはやっていけないというようなことになり、そういうようなわけで、政治献金というものをもうすっぱりなくしてしまえばきれいさっぱりですけれども、なかなか政治献金をもうなくしてしまうというわけにいかぬ実態があるわけですね。ところが、これとさつきの賄賂との限界がはっきりせぬ。一番これは私は難問だと思うんですよ。ですから空想だけから言えば、選挙にどうしたら金がかからぬようになるか、まあいろんなことが、ちょっと、案は実現できるできぬを別にすれば浮かぶんですけれども、そうすれば、政治献金などはとっても厳しく、企業献金なんというのはまあいわば一切禁ずる、あるいは少なくとも政党以外には禁ずるというようなことだってもうできるようになる。その前提というか、根源があるものですから、だから実際担ぎ出して議論してみてもどこかわけがわからぬようなことになって、きっぱりした結論が生まれないというようなことになるんじゃないか。市川先生の選挙みたいにみんながなってしまえばもうこれで何をか言わんですけれども、ほかはそういかぬものですから一番難問だと、問題だとは思いますけれども、思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 大臣のおっしゃるように難問だとは思いますけれども、難問だから仕方がない仕方がないというわけでこういう状態が続いている。いや政治献金というものを合法化して、それは幾らもらってもいい、まあ制限をちょっとつけたんですけれども、あの制限はむしろ前よりも高いぐらいの制限をつけて大っぴらに合法化されたということに私は問題があるんで、だからさっき私が申し上げましたように、五十一年の十一月にロッキード事件再発防止のところで、いわゆる政治献金について、個人献金にする、あるいは政治家個人の収支についても何らかの規制をするということも出ていたわけですし、あるいは、さっき前の委員の方の御質問のときに出ておりましたけれども、現在の政治資金規正法の中で、この法律が五年たったらさらに再検討するということが規定されておりますけれども、その再検討をする責任はこれは自治省におありになるわけで、さっきの私の質問に対していろいろ検討をしていると大臣のお話でしたけれども、やはりロッキード問題と続いて、あのときの決定も私は含んで五年の結果でもってしていただきたい、審議していただきたい。ですから、その点の自治大臣の決意といいましょうか、を伺いたいと思います。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 事柄は政党及び政治家にとってきわめて重大な事柄でございますから、各党の意見も十分聴取しながら、自治省としてはあらゆる角度から十分な検討を続けてまいりたいと考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いま自治大臣から十分な検討をとおっしゃってくだすったんだけれども、本当は私はどうもそれが余り信用できないといいましょうか、結局何とかごまかす程度というか、あるいはそのまま過ごすというか、そういう危惧を多分に持っておるんです。だから、どうしても日本の現状の腐敗した選挙なり政治なりあるいはグラマン、こういう問題のつながりのところで私はやっぱり金の問題が重要なんだと思いますから、それは初めはちょっと苦しいかもしれないけれども、そこをやっぱり突破しなければ私は日本の政治の立て直しはできないんだと、むしろそういう信念を持っている。私に質問させないようにちゃんとひとつやっていただきたいことをお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

二木謙吾自由民主党・自由国民会議

○委員長(二木謙吾君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十四分散会

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