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87回国会参議院1979/05/30

公害対策及び環境保全特別委員会 第5号

発言数
136
登壇者
15
会派数
3
開催日
1979/05/30

会議録

戸叶武日本社会党

○委員長(戸叶武君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る五月十日、長田裕二君が委員を辞任され、その補欠として三浦八水君が選任されました。     —————————————

戸叶武日本社会党

○委員長(戸叶武君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。  この際、上村環境庁長官から、パリで開催された経済協力開発機構閣僚レベル環境委員会に関する件及びアセスメント法案の環境影響評価法案の取り扱いについて報告を聴取いたします。上村環境庁長官。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) まず最初に、OECD環境委員会第二回閣僚レベル会議の概要につきまして御報告申し上げます。  私は、五月七日及び八日、パリのOECD本部で行われましたOECD環境委員会第二回閣僚レベル会議に政府を代表して出席いたしました。この会議におきましては、米国のコストル環境保護庁長官が議長を、私のほか、西ドイツ、オーストリア及びスウェーデンの環境担当大臣が副議長を務め、会議の運営に当たりました。  この会議は、昭和四十九年に開催されました第一回閣僚レベル環境委員会に続く第二回目の会議でございまして、現在及び将来の厳しい経済社会情勢及び加盟各国の今日までの環境政策の経験を踏んまえ、今後の環境政策のあり方について「変化しつつある経済情勢の下における環境政策の展開」をテーマに討議を行いました。  会議においては、まず各国の環境の状況に関する報告が行われた後、今後の環境政策のあり方について討論を行い「予見的環境政策に関する宣言」が採択されました。これは将来の環境政策の方向に関し環境面の重要な影響を有する可能性のあるすべての経済的社会的分野におけるあらゆる決定の早期の段階で環境的考慮が組み入れられることを確保するよう努力すること、次に、環境政策を他の分野の諸政策と一体化するためのより効果的な制度上の手段、経済上の手段及びその他の手段を追求し、またこれを行うに際しましては土地利用計画並びに環境に対し大きな影響を有する化学品、エネルギー及びその他の分野に優先度を置くことなど計十項目を政府として宣言したものであります。  さらに、会議においては四つの勧告が合意されました。勧告の概要は次のとおりでございます  第一の「環境の状況に関する勧告」においては、環境政策の発展のため環境の状況に関する科学的知見、情報等の改善のための努力を強化すべきことなどを勧告しております。  第二の「環境と観光に関する勧告」においては、観光開発政策の早い段階で環境への配慮を加えるべきこと等を勧告しております。  第三の「環境に重要な影響を与える事業の評価に関する勧告」においては、環境に与える影響を事前に評価することが環境政策の不可欠の要素であり、このための能力が過去に比べ増大していることにかんがみ、各国により多様な法律的、制度的、行政的枠組みを有していることを認識しつつ、環境に重要な影響を与える事業の企画、政策決定過程に対し環境面からの配慮を組み込むべきこと等を勧告いたしております。  第四の「石炭と環境に関する勧告」においては、石炭の生産と使用の拡大という趨勢にかんがみ、総合的環境エネルギー政策を達成するため計画と政策の立案の段階から有効な環境対策を開発、改善すべきこと等を勧告しております。  今回の会議で採択された「予見的環境政策に関する宣言」及び四つの勧告は、加盟各国及びOECDの従来からの努力や成果を適切に反映したものであり、わが国の政策の基本的方向とも一致するものであると考えておりますが、さらにこれらにつき十分検討し、環境政策の充実、強化に努めてまいる所存でございます。  次に、環境影響評価法案の件につき御報告を申し上げます。  今国会に提出を予定した環境影響評価法案につきましては、関係省庁及び与党政務調査会と協議検討を進めてまいりましたが、なお調整を終えておりません。残された会期を考慮すれば今会期中に調査を遂げることはむずかしい状況であると判断いたしまして今国会への提出を見送らざるを得ない状態にある。しかし、さきに「環境影響評価制度のあり方について」の中央公害対策審議会の答申もあり、今後も引き続き鋭意検討を重ね、一層の努力を払う考えであるという発言を四月二十七日の閣議で私がいたしたわけでございます。  と申しますのは、実は環境庁としましてはこの法案につきまして、提出予定法案といたしまして何とかこの調整ができ次第御審議を賜るべく国会へ提出いたしたいという考えのもとにいろいろと調整その他を進めておったわけでございます。そしてこの提出予定法案につきまして、予算関連法案以外のものについては三月十六日をめどに提出してほしいという政府側の大体の了解もありましたので、その前にと思いましたが、なかなか調整がはかどらなかった。それで閣議の方にその三月十六日を経過しても何とか調整を進めていきたいからその期間は多少延びることを了承願いたいというふうに話しておきまして、そうしてその後もずっと検討をさしていただいたわけであります。  そうしたところが、この今国会の会期その他、余すところの会期などを考えますというと、次第次第に物理的な、時期的な制限というものも考えなくちゃならぬということで、いろいろと政府内の調整あるいは与党の環境部会の方の先生方へもいろいろとお話を申し上げておったわけですが、四月二十五日に党の環境部会としましてもまだ検討をしていく必要があるという御見解であり、私もOECDへ行く日も切迫してまいっており、こういう情勢でございましたので四月二十七日の閣議において発言をいたしました。そうして、まだ調整が未調整の部分が残っておる、そういうわけで、今国会物理的にどうしても時間的に余裕がなくなってきておるので見送らざるを得ないという状態になった。しかし昭和五十年十二月に中公審に「環境影響評価制度のあり方について」諮問が出されております。その答申が本年の四月十日に提出されました。答申が行われたわけです。そういう関係もございまして、多くのいろんな御意見がその答申の中に含まれております。ですから、それをよく踏んまえてそして鋭意検討を引き続いてひとつ進めていきたいと思います。こういう趣旨でございまして、先ほど申し上げましたような表現で閣議に御報告をした、こういう経過でございます。

戸叶武日本社会党

○委員長(戸叶武君) 以上で報告の聴取を終わります。  これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私は、本日、最近の環境行政の立場からいきまして幾つか問題を指摘をしなければならぬと思うんですが、とりわけ最近の環境庁の姿勢の問題としまして、昨年のN02の基準緩和、さらには公害健康被害者の方々の環境庁に対する長官への要請を制限をしたり、あるいは会わなかったり、あるいはまた自然環境を守る諸団体とのいろんな要望の受付の問題等についても、当初の環境庁の姿勢に見られないきわめて官僚的といいますか、誠意をくみ取ろうとしないこういう姿勢、とりわけまた最近では、いま長官が後段で報告のありましたような期待をするアセスメント法に対するところの取り扱いをめぐって、何回か法案提出を約束をしながら見送らざるを得ないという問題、あるいはまた公害健康被害補償法の指定地域を再び解除を前提にして見直そうとする問題、これは数えれば切りのないほど後退が相続いておるわけであります。  これは前山田長官の際にも御指摘を申し上げ、国民の期待にこたえ得る環境庁にという立場でいろいろと指摘をし、その立場に立って奮起を促してきたわけでありますが、残念ながらいまだその後退の道はますます後退をひどくしていくという状況でありますから、むしろ今日段階として環境庁が設置をされておることの意味からいきましてもなくなったっていいんじゃないか、こういう意見が今日関係者の中で大変強くなってきておる。まことに残念なことだと思うんです。  そういう立場でいろんな点につきながら今日の環境行政のあり方について御意見を申し上げ、なおかつ考え方を示してもらいたいというふうに思うわけでありますが、本日は時間のいろんな関係上問題を三点にしぼってお伺いをしたいと思っておるわけです。  その一つは、南アルプススーパー林道のこれまた最近新聞等におきましてもいろいろと問題が指摘をされておるわけでありますから、この南アスーパー林道に関する考え方。二つには、これまたワシントン条約についてきょうも政府の見解が一部新聞によって報道されておりますから、取り組もうとしている方向づけはある意味では理解をしないわけではありませんが、さらに日本がこのワシントン条約に関して関与をしてきた実績の上に立ってその責任の立場から一体今日段階どう見解をお持ちであるか、これからどう進めようとしておるか、こうした観点について二点目の問題としては承っておきたいと思います。そうしてさらに、いま長官が二点国で御報告になりましたアセスメント法に対するところの今後の方針等を中心にして質問をいたしていきたいというふうに思いますが、まず第一に、長官、環境庁がその役割りを果たさないから、もうそういう環境庁は頼れるところでないからなくなったっていいんじゃないかという世論に対して長官としてはどういうふうにお答えになるのか、その基本姿勢をまず第一にお伺いをしたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 実は私昨年の暮れに環行庁長官を拝命した際に、いろいろとそういう御意見などを申される団体あるいは方々がございました。で、いま委員が指摘されたようないろいろなことを申されておられました。  私は、いろいろ役所へ入って検討をしておるが役所の人らも真剣に取っ組んでおるのだ、しかし時代のいろいろな移り変わりというものもあるだろうし、また国民のニードというものも相当多様化してきておる、それに対して何となくそれを満たさないという動きがいまのような言葉に反映されてくるのじゃないか、環境というものについてはこれは国民の健康なり、それをはぐくむところの自然環境の保全というものは崇高な使命である、そしてそのこと自体ということは重要なことである、しかし現実に日本の環境庁の扱っておる行政というものについていろいろな意見があるということになれば、これは大いに反省して謙虚にやっていくべきだ、こういうことを申し上げたわけです、要は。  と申しますのは、委員も御承知のように環境庁が発足した昭和四十六年を見ますと、四十二年に公害対策基本法というものが成立した、そしてその公害というものを中心に環境庁というものが国民の合意でできたことは間違いない。けれどもそのときの公害というものについては、いわば企業公害というものを中心に、いわば加害者と被害者が歴然と対立した様相というもので進んできた。そして日本も昭和三十五年から四十五年へかけて高度経済成長政策をとった。そしてほかのことに考えが及ばなかった点もあるかもわからぬが、経済復興一点ばりの点があった。だから国内的には公害たれ流しと言い、国際的に見れば要するに公害輸出国みたいに言われてきた。そういう反省のもとにできてきた。  ところが、その後この五十一年のOECDの日本の環境政策のレビューを検討してみましてもそういう危機的な状態は脱した、私そう思うんです。たとえば水俣病にしてもイタイイタイ病にしてもいろいろなその当時の公害というものに対する、いまはまだ十分にこれを何とかしなければならなぬ状態にありますけれども、企業家自身もあんなふうになったらチッソみたいになってしまうというわけで企業自身にも反省ができてきた。  こういうことでこの前たとえば水質関係で見ましても産業関係の公害と生活公害は半々ぐらいに東京湾や何かなっておる。こういうふうに公害自身につきましても十分対応しなければならぬけれども、複雑化しそして対応というものが非常に複雑化しておる。  それから、自然の環境の保全にしても、きわめて国土は小さい、そこへもってきて人口はふえてくる、住むところの地域は少ない。そこに豊かさというものを特に経済的なりそういうものを追求しようとすればどうしても開発行為というものが要望される。けれども、それに対する自然環境というものについてはどう保全するか、そこに複雑な問題が出てくる。そこへもってきて経済的な多少のゆとりを持ってまいるというと、国民のニードというものは多様化して住関係を中心としたアメニティーの問題が一面に出てきた。この問題は昭和五十一年のOECDの日本の環境政策のレビューにはっきりそのときにはいっておるわけですね。そういうものが全部一遍に出てきた。  だから、大きく見れば一つの転換期における環境政策はどうあるべきかというようないろいろな問題が入ってきておるだろう、そういうことに環境庁としてみんな一生懸命に取り組んでおるけれども、後追いになりいろいろな問題があるんじゃないか、だからそういうようないま委員のおっしゃるような声が出てくる。だからこれは謙虚にわれわれは受けとめて、そして環境政策なりこういうものが重要視されるということは世界的に言われておることなんです。今度私どもがOECDの環境委員会の閣僚レベルに行ってもそれは当然視しておるという状態になっておる。そうしてわれわれは大いにその点の声というものを真摯に受けとめてやってきた、こういう姿勢でございます。  それで、後からいろいろ御質問が起きると思いますけれども、いまのような声がいろいろあるということも承知しておりますので、私どもはそれについて何としても前向きな一歩でも環境政策というものを充実、発展させにゃならぬ、こういう考え方で進んでおるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、重ねてお聞きをしますが、前の委員会のときに秦野委員の方から環境庁の設置法をめぐりまして環境庁の性格が各省庁の調整役の範囲を出てはいかぬじゃないか、こういう御指摘がございました。これに対しては長官は異論をお持ちのようでありました、そのときの答弁としては。やはり調整にも調整の質的な問題があると思うんです。各省庁間で意見の食い違いがある。その食い違いを国民に負託をされた環境庁の任務からどういう方向づけで調整をしていくのか、これはきわめて大きな課題だと思うんです。それを抜きにして、ただ足して二で割って、あるいはまた自然にそれぞれの省庁間がお互い話し合いの中で一つの合意点といいますか、いわゆる全体を均衡化をしてしまって、言うてみますとそういう場合に価値のない場合が比較的多く発生をする。こういう形の調整の仕方もあるだろうと思うんですね。  私は、環境庁の場合に環境保全の立場、人の健康と命を守る立場から、それぞれの省庁の意見の違いというものをむしろ環境庁がこうあるべきじゃないかということを指し示しながら調整を図って、そうして環境行政を推進をしていくという基本に立たなければならぬと思う。残念ながら今日の段階は逆に省庁の意見の方が強くて、環境庁が前に行ってないじゃないか、ここにきわめて大きな不信感というものが生まれてきておると思うのです。  いま長官の答弁をお聞きをいたしましても、一時はこれはもう大変な事態であったからこれを取り戻すために必死に取り組んだ、こういうふうに言われておる。じゃ、その当時の環境汚染の状況と今日的な汚染の状況とどう変化をしてきておるのだろう。私は、一貫して筋が脈々と続いておりますのはこの自然環境がどう破壊をされ、あるいは汚染をされていくかという課題は明らかに人間社会に必要なものではありましょうが、企業活動との関係なんです。そうしますと、この企業活動とのかかわりの中で明らかに私どもが心要とするものを求めてはおるものの、それに便乗しながら実はこの問題がもとになっておりますから、形は変えましてもはっきり言えば今日段階では集中的に出ておったいわゆる公害源が拡散をしているという立場に見ざるを得ません。質的には私は一緒であります。  で、そのことをきちっと据えながら、私は方針を貫いていけるようなそういう考え方というもの、これがやはり必要なんではないんだろうか。環境庁の人事に言及するわけではありませんが、少なくとも私指摘をしましたのは、環境庁の中で一生懸命にその課題にこたえてがんばろうとしている若い人々がおりまして、そういう人たちは社会的にも大変大切だということで、これはマスコミ関係の方々からも評価をされているきわめていい部分があるんですね。ところが、残念ながらもう環境庁におってもどうも私の筋道は立てにくいのじゃないかというような形であきらめまして、他の省庁に変わってしまおうと、こういう形が傾向として出てくる。残念なことです。  私は、むしろ積極的に環境行政を進めようとする熱意のある若い人々がその働きがい、任務というものを明確に遂行できるような姿勢というものを私は長官を初め環境庁の幹部にこぞって示してもらわなきゃならぬ、こたえてもらわなきゃならぬ、こういうふうに思うのです。この辺はきわめて私は外にはあらわれないかもしれませんけれども、基本になるところじゃないか、こう思うのです。ぜひひとつそういう立場で長官が筆頭になってそういう姿勢を伸ばしていってもらいたい、こう期待を申し上げておきたいと思います。  そこで、本論に入りますが、この南アスーパー林道でありますが、これは林野庁、それから森林開発公団、お見えになっておりますね。ずいぶんこのスーパー林道は古い歴史を持っています。出発点はちょうど日本の高度経済成長の動きが活発化をしようとしている、こういう時期から始まっておるわけでありますから、その当時の林道計画、何のためにこの林道が必要かというこの課題と、そして今日の社会情勢の中で計画をされた林道の価値、こういうものは大きく変化をしてきているんじゃないんだろうか、第一にそういうふうに思うのですが、その辺は当初のこの林道計画の目的と計画、さらにその概要、そういう立場から今日それを見直してみた場合、果たしてその所期の目的というものは生きておるんだろうかどうだろうか、今後も活用が保障されるんだろうかどうだろうか、こういう立場からお考えを述べてもらいたい、こう思うわけです。

山田喜一郎林野庁林政部林政課長

○説明員(山田喜一郎君) ただいまの南アルプススーパー林道の開設の目的、それから計画につきましてのお尋ねでございますが、この林道は、御承知のように森林公団法に基づきまして、地勢などの地理的な条件が劣悪で森林資源の開発が十分に行われていない地域、そういう地域につきまして林業の振興、これを図りますとともに林業以外の産業振興あるいは地域振興等にも寄与するという目的で開設を計画されたわけでございます。  ただいま先生から御指摘がございましたように、この計画がなされまして工事が実施されましてからすでに十三年を経過しているわけでございます。しかしながら、私どもといたしましてはこの間の経済的あるいは社会的な環境の変化にもかかわりませず、先ほど申し上げました林業の振興、林業生産の増大といったものに資するということ、それから林業以外の産業の振興にも寄与するというようなこと、さらには先ほど申し上げました地域振興等にも寄与するというこの林道開発目的にいささかの変わりもないというふうに現段階では考えているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 林野庁ですが、そうしますと、この南ア林道の計画地域での林業のたとえば生産増大に該当をするというものについてどういうふうに見ておるんでしょうか。  いま説明がありましたように、森林開発公団、これは公団法の中に明らかに林道というものはこういうものでなければならぬ、こういう形で仕事をしていきますよという定めがございますね。その定めから見て私は南ア林道計画そのもの自体にきわめてむずかしいこじつけがあったんじゃないかというふうに評価をせざるを得ないんですが、その辺の価値判断、これをどうごらんになっていますか。

山田喜一郎林野庁林政部林政課長

○説明員(山田喜一郎君) ただいま御指摘がございました点でございますが、この林道開発まだ全部貫通しておるわけではないわけでございますが、これが完成することによりまして、この林道を通じます資材の搬入あるいは木材の搬出、さらには森林のいろんな管理等に必要な現場への到達、これが容易になる。そういうことで森林施業が集約化されまして管理の充実が図られるというようなこと、また労働力の面につきましても、その移動が広域的に可能になるというようなこと、またそこにおきまする木材市場の選択、これも可能になるというようなこと、さらにはこれは重要な点だと思いますが、治山事業の円滑な実施、これも可能になってこようかというふうに考えるわけでございます。  何せまだ事業が完成してないわけでございますが、これが完成した暁にはこのような効果が期待されるというふうに私ども考えておる次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 まあそれ以上の答え方がむずかしいんでしょうけれどもね。資材の搬入搬出、言うならば森林を手入れをするための機材を指すんだろうと思いますね、多くは。さらには治山事業のための機材搬入搬出であろうと思います。  私は南アの地域的条件、それから国立公園指定の関係、さらに私自身が目でながめて見まして、むしろ森林資源としては木材そのものを資源的に見る、こういう地域ではなくて、日本の社会のそれぞれの生活に必要な、むしろ一番もとになっております水源ですね。いわゆる水源を保続をしていくという立場の価値、このことがきわめて重要な地域ではないんだろうか、むしろ。あそこの海抜の高さからいきましても、そこに生えておる、植生をしておる木材を中心にしました林産物でそれの価値を求めるという地域ではなかろう、こういうふうに第一は思うんです。  そうなりますと、たとえば搬入搬出というのは具体的に何があるんだろう、私は余りそのことについて期待をかけるべき筋のものではなかろう、しかも地域が国立公園として世界に誇り国がそれを指定をするという地域であるとするならば、機材を積んだトラックやその他がその国立公園内を走り回るなんというのは、かえってぶざまな話でありまして、私はそんな筋合いのものじゃなかろうと思います。  さらにまた管理あるいは治山の面からと、こういう説明がありました。管理、治山というのならこれは人が行うのであります。機械が勝手に行うわけではありません。人の配置の問題であります。むしろ北沢峠に私は監視所の一つも設置をして、あるいはそこへ行くまでの路程の中に私は山小屋の一つも建てて、そこに常時監視態勢をとれるだけの人の配置をしていく、むしろその方が治山、管理の面からいったら適切なんじゃないのか。何で道が必要なのかという話になります。車の通らなきゃならぬ道が必要なのか。この辺もいまの説明ではきわめて矛盾を感じるんです。  しこも、労働力の移動と言いますけれども、山梨から長野に抜けますのにはその道を通らなくたってりっぱな道ができているんじゃありませんか、今日。ここに道が開通をしまして、冬季は積雪で通れない、夏季でしか通れない、こういうような話になってきたときに、一体この道の価値というのは労働力の移動の問題からいってどうなるんでしょうか。しかもここへ行くまでの過程の中で労働力が豊富に存在をして、それがこの道がなければ行き詰まってしまうという条件なんでしょう。私はそういう条件はこの林道に関する限りについては余りない、むしろここは自然のままに残して、そしてやっていくということの方がよかったのではないのか。  しかし、まあ今日まで着工してきた経緯がありますから、このことはいまになってとめた方が災いを浅くするのか深くするのか、この辺の考え方の問題も出てまいりましょうし、真剣に検討せざるを得ない、こういう結論になろうと思いますけれども、きょうもテレビをけさながめておりましたら、他のところでも林道設置をめぐってその可否が大変な論議になっている、賛否分かれましてね。少なくとも国土をどういうふうにやっていくかについては国民の合意ということがまず第一であります。だれも国土を勝手になぶれる資格の者はないんであります。しかも、そういう立場から論議を尽くして、果たしてそれが今日の社会目的から見ていいのかどうか、こういう形を一つ一つ丁寧に検討していくという姿勢がなければならぬと思います。私はこの南ア林道は明らかな失敗だと思いますよ、そういう意味合いから見て。  これは後ほど質問の中でも触れていきますが、少なくとも自然環境保全審議会が数回にわたって審議をされている。その結果、今日時点でこの計画が出てくるとするならば、だれも賛成をしないという結論になります。しかし今日段階もうすでに計画が着工されて進められておるから、それでもなおかつとめろという意見と、ここまで来たんだからしようがないじゃないか、こういう意見の賛否が分かれておるんであります。私はそれほど問題なものを計画をしたという体験をこれからの林道を設置をしていく立場の中でどう生かしていくのか、これがきわめて問題だと思うんですね。  実はその意味に触れましていま質問をしているわけでありますから、これはあった方がよかろうという立場の答弁では少し私としてもこれは答弁にならない、再答弁を求めるしかない、こういうふうに思います。

山田喜一郎林野庁林政部林政課長

○説明員(山田喜一郎君) 先生ただいま御指摘の点でございますが、この南アルプススーパー林道の受益地の関係でございますけれども、水源涵養的な機能も非常に大きいものがあるわけでございます。しかしながら、この水源涵養機能の維持のためには、これはたとえばそのままの形で置くのが望ましいような特別保護地区の場合等は別といたしまして、やはり適度の森林管理をいたしまして、いわゆる公益的機能の発揮をいたしますためには、それなりの適正な森林施業が必要かと存じます。また森林林業にはあわせまして経済的な機能も存するわけでございます。その辺これを放置するということではなく、両機能が調和するような形で森林管理をする、あるいは森林の施業を行うということが必要じゃないかというふうに考えられるのでございます。  それから、林業労働力の移動の点につきましてもお話がございましたが、かつてのような山泊形態、山に寝泊まりをして作業を行うというような時代から、現段階ではかなり変わっておりまして、通勤による作業形態がほとんどになっております。そういうことで林業労働力の減少も最近はやや下げどまりとはいいますものの三十万人前後、また高齢化の傾向も著しいわけでございます。そういうような中で、その労働力の円滑な供給というようなことを考えますときに、やはり最近の森林施業におきましては林道の果たす役割りはますます高まっているような気がいたすわけでございます。  それからまた、国民の合意の問題が御指摘がございましたが、この辺につきましては私ども過去のいろんな経緯にかんがみまして十分配慮し、また関係行政機関等とも協議をしつつ、また意思疎通を十分密にした上で所期の効果が上がるように努力したいと考えておる次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 完成見通しはいまどうなんですか。それから完成をした後この道路というものはどういう形になるんでしょうか。どこが管理責任者になるんですか。

山田喜一郎林野庁林政部林政課長

○説明員(山田喜一郎君) この道路の完成見通しの問題でございますが、北沢峠部分の開設につきまして環境庁自然保護局長からの文書が出されました。これは昨年の八月二十五日のことでございます。この文書に示されました留意事項、これを踏まえまして所要の設計変更を行ったわけでございます。公団の施工能力等から考えまして、現在のところ五十四年度中には完成するものというふうに見通しておるわけでございます。  それからその次に、管理の問題につきましてのお尋ねがございました。このことにつきましては昭和四十年に森林開発公団法の一部を改正する法律案に対します附帯決議、衆議院農林水産委員会でございますが、この中で「地方公共団体等を中心に運営管理する方法によること。」というふうに決議されているわけでございます。この趣旨に即しまして、これまですでに完成いたしました路線につきましてもすべてこの方式によりまして地方公共団体等で維持管理を行っているわけでございます。この南アルプススーパー林道の今後の管理につきましては、まだ工事完了前でございますので、確定的に申し上げる段階ではございませんが、他のスーパー林道と同様に完了後は地方公共団体に移笹することになろうかと考えております。  なお、具体的な管理先でございますが、関係県等とも十分に相談をしつつ対処してまいりたい、かように考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 環境庁が自然保護局長の名前で森林開発公団あてに、五十三年八月二十五日、環白保許第一二六〇号で指示をしているわけですが、この別添の中に「南アルプススーパー林道の交通規制」というものが取り上げられておりますね。  この中に、まず第一点でありますが、「シーズン中は、山梨県側の旧野呂川林道終点付近から長野県側の国立公園外の適切な場所までの区間は、乗入れを禁止するものとする。」と、こうなっておるんですが、この「シーズン中」というのは一体いつからいつまでを指すのか。そうして「シーズン中」というのはいつからいつまでという期間について、山梨あるいは長野の側できちっと合意がいっておるんだろうかどうだろうか。  さらにまた、この3の項の中に「夜間及び異常気象時においては、原則として総ての車両の通行を禁止するものとする。」、こうなっているんですが、この「夜間」というのはシーズン中大体何時から何時までを夜間というふうに指しておるのか。それから「異常気象時」というのは、何を基準にして異常気象というのか。この辺について説明を願いたい。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 第一点の「シーズン中」の解釈でございますが、私どもは大体夏あるいはもみじの季節、要するにマイカーなどがたくさん来る季節、これがシーズン中であるというふうに考えておりますが、この解釈につきましてはまず実態を把握することが先決であろうということで、現在地元県に依頼いたしまして、ことし交通量の調査をいたすことになっております。そのデータを拝見いたしました上で、地元とよく相談した上でいつからいつまでと、すなわちシーズン中の解釈というものを決めてまいりたいというふうに考えております。  お尋ねの第二点の「夜間」でございますが、常識的に日没から日出といいますか、日の出までが夜間であろうかとは思っておりますが、これも要するに安全対策という趣旨でございますので、そういう観点から合理的な時間帯というものを決めていったらいいのではなかろうかというふうに考えております。  それから「異常気象時」についてでございますが、実は現在も旧野呂川林道につきましては、私正確な数字は覚えておりませんが、たしか時間当たり三十ミリじゃなかったかと思いますが、一時間三十ミリを超える雨が降った場合にはいまの野呂川林道でも交通をとめております、車両交通を。この南アスーパーは野呂川林道よりももっと上の方にございますし、地盤が安定するまでにはなお相当な年月もかかると思いますので、野呂川林道よりはもう少し厳しい方がいいのではないかと思いますけれども、この辺も専門的な見地からするいろいろな御意見があろうかと思いますので、そういう御意見を参考にしながら林野庁、公団及び地元地方公共団体などと年内に詰めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 重ねて聞きますが、そうしますと自然環境を保全をするという立場の交通規制ではなくて、安全を確保するという立場の交通規制なんですか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 私の説明が夜間と異常気象時のところに少しウエートがかかってそういう印象を与えたとすれば訂正させていただきたいと思いますが、シーズン中の交通規制ということは、要するにあの道路を観光道路にしては困る、観光道路にすれば自然環境の保全上万全を期しがたい、こういうことでございまして、何よりも重点になるものは自然環境の保全でございます。  なお、夜間につきましても、実は夜間の交通規制はケース・バイ・ケースでやるのが場合によっては適切かもしれませんけれども、車を入れない状態にしておく方がさらに厳しいやり方であり、自然環境の保全上も夜間は入れないということにした方がいいのではないかと判断した次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 どうもよくわからぬのですが、どちらが主なのか、いまの答弁からいきますと。  さらに、前の答弁であなた冒頭言われましたのは、シーズンの問題に絡みまして実態がつかめていない。いつがいわゆる人が集まってくるのか実態がつかめていない。つかめていないということはいつつかもうとするんですか。結果的には開通後に、道路を開通をしてみて人がどれだけ来るだろうかということになるんじゃないですか。その立場を踏まえながら観光道路にはしたくないと片方では言っている。そういうことがありますか。  確かにこの南ア連峰は登山地域としてきわめて昔からの名だたるところです。これは大変魅力のあるところですね。したがって、登山のシーズンになれば人がどんどん押しかけてくることは明らかです。山が深いんですから秋になれば紅葉の時期なんです。これまた美しい景色ですから当然人が集まってきます。そういう状況に即応して実態把握をして、それがスムーズに通れるようにという話は明らかにこれは観光。それ以外に何かありますか。そういうことになるんじゃありませんか。  さらにまた、いま言及をされませんでしたけれども、じゃ、車はこの千四百メートルの地域にあります広河原あたり、今日まで車はそこでストップですね。それから先の北沢峠まで通すんですか。自家用車あるいは観光用のバスその他の車は一体どうなるんですか。私は自然環境を保全をするという立場ならその辺の対策というものは明確になるべきだと思う。人がどれだけ集まってくるかの問題じゃないでしょう。確かに幅員四・六の計画を三・五にした、こういう経過は環境庁の姿勢で指示をしているんですから。ところが四・六の幅員から三・五にしたことによって、そのことと自動車の規制の問題とは一体どういう関連になるんですか。  きわめてこれは苦労をして、環境庁は本来なら自然環境を保全をするという立場から見て好ましくないけれどもという立場があって、私はこれは環境保全局長が苦労された結果だろうとは思うんですが、なおかつ、今日この交通規制一つとらえてみましても私は幾つかの問題点があって、そういう問題点が全然解明されないままに長野県、山梨県のいろんな条件受けとめましたよと環境庁長官の指示に対して同意が出てきて、そして工事は進行している。じゃ、いつからいつまでというシーズンの問題についても、いまだに調整が進んでない。あるいはどういうふうに規制をするかについても、その規制の具体策はない。一体どちらが中心なのかという話になってみましても、これまたあいまいだ。これじゃ、今日まで大変この問題は論議をされてきているはずなんですが、結果、中心は何一つ詰まってないということになると思うんですがね。  こんなことで、たとえばいまあくまでもこの道路開通には反対だと言って反対を叫んでおる一部の方々に自信を持って、あるいはその人たちと考え方について調整をし得るそれだけのなにがありますか、説得力が。私はもう少しきちっとしてもらいたいと思うんですよ。  これは林野庁の問題もありましょう。本来なら林道の価値のないものを林道だと言う。ここにも問題がありますよ。環境庁も一たんそのことについて相談に乗り、方針が出て、その方針に基づいて開発公団が作業していると言うんなら、きちっとした責任を持ってその辺を明らかにすべきじゃないんでしょうか。あと進行させるかどうかの問題はともかくとしまして、それだけは私は明確にすべきであろうと思いますが、いかがでしょうか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 私の御説明が不十分だったんではないかと思っておりますが、私どもはこの文書によりまして大筋はきちっと決めてあるというふうに考えております。  要するに鳳凰三山とか北岳とかというところに登山者が多数行く時期が正確に何月の何日ごろから何月の何日ごろまであろうか、こういうことを把握したい、その辺がバックデータとなるということは一つでございまして、それを山梨県などに依頼して現在調べている。裏を返せば、マイカーなどが来るおそれのないときにまでマイカー規制をやりなさいというようなことは地元に条件といたしませんということでありまして、私どもはあくまでも自然環境の保全という見地から、あの広河原から上のところは観光道路にはしない、したがって観光バスは通すべきではないと考えますし、地元以外のマイカーも上げるべきではないと考える、その規制をやる期間はいつからいつまでが一番合理的であるか、それは客観的なデータに基づいて、あるいは新しいデータに基づいて開通までに決めようではないか、こういうことを申し出て、公団側及び地元公共団体側が了承をされた、こういう次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 少しはっきりしてきたようですが、私はいま計画をされましていま問題になっているということなら、いまの答弁はすっきりするんですよ、まだ。しかし、もとになっております野呂川林道の建設というのは二十七年に始まっていますね。しかも四十年には、先ほど説明がありましたように公団法の一部改正によって林道の問題が出てきて、そのときにはもうこの構想は出ておったわけですね。  そうしますと、今日何年たっているんですか。その長い期間を経ておりながらいまだに実態の把握、いつからいつごろぐらいまで人が来るのか、車がどの程度になっているのかつかめないということの方が不思議じゃないんですか。山梨県側あるいは長野県側にそれを要請してますとは言うものの、そんな不思議な話はこの世の中に通用しませんよ。幾ら気の長い六十年計画、百年計画を要する森林計画でありましても、それに伴うような名前のついているスーパー林道ですが、それにしましても私はちょっとうかつじゃないんでしょうかというふうに言わざるを得ませんよ。そういう説明が時間経過を抜きにしてされるんでしたら、それはああそうですかと一たんは引き下がりますよ。私は、そこに行政として相談がかかったものはこういうふうな方向でいいですよと出したままの無責任さというのはそこにあるんじゃないだろうか。  それから、もう一つ聞きますが、この交通規制について要請をしたこの別添というものは、たとえば公団の側から公団法に基づいて地方の機関に移されたときに、道路管理者が新しく変更されたときに、これはそのままきちっと受け継いでいかれるという保証はあるんでしょうか、ないんでしょうか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) この具体的な内容を決めます場合には、両県にも地元市町村にも入っていただきまして、全員の間で合意するという形をとるつもりでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうすると、合意をしたものは文書でまとめて、それはどういうふうな名称になり、どういうふうな法的効果があるかは知りませんが、後にそのことが一つの制約になって守られていくんだと、そういうふうな性格のものにしてお残しになるつもりなんですか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) お説のとおりやりたいと私ども考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 やりたいというのは希望でありまして、やりたいけれどもそうならなかったという例がたくさんあるんです。いかがですか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) これは条件つきの許可でございますから、本来条件つき許可をするときにはぎりぎり議論いたしますればそのようなこともあり得るわけでございますけれども、その辺は私どもと地方公共団体との間の信頼関係というもので、裏切られるようなことはないというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私はそういう御答弁ではちょっと困るんですわ。  これは同じ環境庁の立場からいきますと、大石長官のときにこれは中止命令が出ているわけですね。命令じゃありませんが、これは中止しろと。ないんですか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 新聞などの報道では大石長官が中止を命令したようなものがあったそうでございますが、しさいに調べてみましたところ、そのような事実はございません。大石長官が中止をしろと言われたのは、たとえば尾瀬とかあるいはビーナスラインとか、こういうところでございまして、ここは林野庁及び公団側がそのような社会的な情勢といいますか、そういうものに顧みられて自発的に工事をとめられたところでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いまになるとそういう話になりますが、その当時の状況はいろいろ現地で問題があって、現地に出向かれて判断をした結果なんでしょう。それは長官が差しとめたかどうかということは、事実関係として残ってくるんじゃありませんか。公団が自主的にと言いますが、自主的にやれるんならなぜそういう機会を選ぶんですか。筋道が少しおかしくなってくるんじゃありませんか。説明がわかりませんよ、それじゃ。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) この南アルプススーパー林道の問題が非常に大きな問題になりましたのは、すでに御承知のとおり初期の工事のやり方は自然環境の保全上かなり無神経なものがあった、それが自然保護に非常に熱心な方々をいたく刺激した、こういう事実がございます。そこで、そういうようなことも含めてそれまでのやり方を反省して中止をしよう、これから先をどういうふうにするかは改めて検討しよう、こういうふうになったように聞いております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いろいろと苦しい面がありましょうが、環境庁としては「行政の一貫性」なんといって新聞には出ているんです。一貫性を固執をしたと言っている。むしろ一貫性がないのが環境庁の話になってくるわけでして、それはともあれ、この道路がきわめて問題があって、しかもまだこれから整理をして確定をしていかなきゃならぬ幾つかの要素がある。したがってこれは詰め切ってもらう。詰め切った場合に後に後顧の憂いの残らないように対処をしてもらう。このことだけはきっちりひとつ姿勢の問題として要望にこたえてもらいたい、こういうふうに考えます。  それから問題は、これが地方公共団体に移管をしていきますと、これの維持管理は当然道路管理者が負うことになりますね。いまこの維持管理の問題についていろいろ聞いてみますと、四十九年から五十二年まで、これは公団として今日までここへ具体的にかけてきた維持管理費といいますか、そういう形は平均をした割合がメートル当たり二百五十円、五十三年度はこれがぐんと下がって百十七円になるし、まあまあ今日の地方交付税、この道路の関係から言って大丈夫だろう、こういうようなお話があるんですが、この辺は本当に大丈夫なんでしょうかね。

山田喜一郎林野庁林政部林政課長

○説明員(山田喜一郎君) 公団から地方公共団体等に移管された後の維持管理費の問題でございますが、私ども現段階におきましてはこれを適正に行い得るものというふうに考えております。  それは先生先ほどちょっとお触れになりましたが、いままでの公団の維持管理の実態でございますが、メーター当たり年間四十九年度から五十二年度まで約三百五十円、それから五十三年度は約百十七円というようなことから見まして、通常の場合、林道一般の維持修繕費、これは地方交付税の基準財政需要額の算出基礎では、これは四メーター以上の幅員でございますが、メーター当たり二百二十円になっております。これで賄い得る範囲内のものではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、五十三年度百十七円になって、大体それから余り上がってくることはなかろう、こういうわけで、さらに一般的に二百二十円出ているんだから、その中でやれるんじゃなかろうか、こういう御意見ですが、これはもう明らかに六五%補助ですね、六五%。したがって六五%補助ということは、この枠内でやれれば実質的に一〇〇%になるんでしょうが、しかし少なくとも精いっぱいやっていこうとすれば、当然持ち出しがそれぞれの関係に出てまいりますね。  しかも、いま全国的に類似のケースといいますか、そういう意味で私例をとりますと、河川管理なんか一体どうなっておるだろうか。これはよその県は例に出すと困りますから、私のところから明確に言いますと、三重県なんかの河川管理は管理費をもてあましておる。そして災害でも来てもらった方が、いわゆる激特予算を当てにしながら維持管理をやっていこうなんという、そういう考え方になりかねないんですね。しかも、このスーパー林道等は地形的な問題、地質の問題、それから気象条件の問題、こうした関係から言ってきわめて劣悪なところですね。融雪の問題があるだろうし、あるいは豪雨の問題があるだろうし、大変いろんな条件が悪く整っているんです。  そうなってまいりますと、一般のところの地方交付税のままで、最近の五十三年度はよかったからといってそれで維持管理費は大丈夫だろう、こういう話には、ちょっと私はストレートにああそうですかという話になりません。結局長野なり山梨なりというのが大きなお荷物をちょうだいしたことになるんじゃないのか、結果として。こういう心配が依然として消えません。  その辺はたとえばいろんな事態で維持管理費が重なってきたときに、マイナスになるときに、これを援助をする体制というものは保証いただけるんでしょうか。これが一つです。  さらにまた、この公団法とのかかわりがありますが、該当する地方公共団体がそんなお荷物になるようなところなら直接国が管理をしてもらいたい、われわれがいただくのはいやだ、こういうふうな結論が出てきたとしたら一体取り扱いはどうなるんでしょうか。この辺ひとつ明確にしていただけませんか。

山田喜一郎林野庁林政部林政課長

○説明員(山田喜一郎君) ただいま先生から御指摘のありました林道の維持管理費の問題のうち六五%の補助率の問題でございますが、これは林道の災害復旧事業に関しまして農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、これに基づきます国庫補助が奥地幹線林道の場合——当該スーパー林道につきましては該当するわけでございますが、六五%になっているわけでございます。  それからまた、これもちょっとお話がございましたが、甚大な災害が発生しました場合には、いわゆる激甚法によります国庫補助率のかさ上げが行われているわけでございます。さらに災害復旧事業につきましては地方債が認められておりまして、その充当率でございますが、当年債八〇%、それから過年債につきまして七〇%となっているわけでございます。  しかしながら、移管後の地方公共団体等の負担の問題につきましては、御指摘の趣旨も十分体しましてその後の維持管理の状況なりを見定めました上で、要すれば当該地方公共団体等とも十分に意思疎通を図りまして、適切な対応をしてまいりたい、かように考えております。  それから、該当する地方公共団体等が国にその管理をせよというようなお話があった場合にどうかというようなことでございますが、このことにつきましては先ほど私御答弁申し上げたわけですが、十分関係の県、それから地元の村等とも協議をいたしまして、円滑にこれが進むように意思疎通を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 まあ円滑にとか万全な対策とか手段とか、こういうふうに言われますけれども、私はそれはないと思うんです。したがって、もう事前に私はそういうものをきちっと詰め切る機会というものをやって、できる限り明確にする、このことが第一だろうと思うんです。私としては大変言いづらいことなんですが、いままでこの論議を重ねてきました結果、なおかつこの工事は許可をされていますからむずかしいと思いますが、その話し合いをまず先行させるまで工事凍結を提案をしておきたいと思います。ほかにもいろいろ問題ありますよ。  次に、ワシントン条約の関係について移っていきたいと思います、大分時間が経過をしましたので。  ワシントン条約に関連をいたしまして、七八年度の鳥類の羽毛、これは原料等を含みますが、それから剥製、剥皮、それから動物等の皮革あるいはその製品、象牙あるいは象牙製品、べっこうあるいはべっこう製品、それから飼育用の鳥やけだもの、こうしたものの日本への外国からの持ち込み状況、これをまず外務、通産、大蔵からお聞きをしたいんです。ただ、大蔵は当初出席を御要請をいたしましたが、資料を手元へいただきまして、これ以上の統計がないということですから、これはきょうは出席を求めませんでした。したがって、外務、通産——外務の方は、これは点数は無理だろうと思います。後でお聞きをしますが、通産ですね。いまのこの輸入状況について御説明いただけませんか。

高瀬和夫通商産業省生活産業局文化用品課長

○説明員(高瀬和夫君) ただいま御指摘のございました鳥類の羽毛の剥製、剥皮あるいは動物等の皮革とその製品、象牙、べっこう等の輸入の状況でございますが、まず鳥類の羽毛の剥製、剥皮でございます。一九七六暦年におきまして四十三億三千二百万円、一九七七年におきまして五十六億六千万円、一九七八年におきまして六十八億七千四百万円となっております。  次に、動物等の皮革とその製品でございます。千五百六十八億一千万円、一九七七年一千五百九十三億四千二百万円、一九七八年一千七百十七億八百万円という数字でございます。  それから象牙でございますが、一九七六年四十一億二千三百万円、一九七七年三十三億八千九百万円、一九七八年六十億九千七百万円となっております。  最後にべっこうでございますが、一九七六年八億九千九百万円、七七年九億一千万円、七八年八億六千五百万円、これはいずれも通関統計の数字でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これは円でお示しになっていますが、たとえば非常にむずかしいものでしょうが、商品等については点数での統計はございませんか。一品一点というような形での統計はありませんか。

高瀬和夫通商産業省生活産業局文化用品課長

○説明員(高瀬和夫君) 通関統計ではほかに数量表示がございまして、トン数による統計が出ております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 実は「自然保護」という、毎月出ているんですが、これの中に、たとえば「ワシントン条約の批准を急げ」という文章の中にこういう記事があるんです。「また昨年の税関統計に上る輸入状況をみると、鳥の羽毛の剥製・剥皮四六八万点、皮革とその製品一二七万点、象牙とその製品二九万点、ベッコウなど一五万点、飼育用鳥獣一一二万点」、こうなっているんですね。そうすると、どこから引用されたのか。いまのお話からいきますと、これは通関統計から拾った、こうなっているんですが、そうすると、片方、こういう公然とお出しになっている本なんですが、これでこういう点数が出てきて、これはどこから入手をされるというふうに推定されますか。

高瀬和夫通商産業省生活産業局文化用品課長

○説明員(高瀬和夫君) 実は私、生活産業局の文化用品課長という職務についておりまして、皮革その他いわゆる所管物資についてはある程度の統計的な問題についても把握はしておるわけでございますが、ただいまのような点についてはその方の専門にお聞きいただかなければちょっとわからないんじゃないかと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 ひとつお願いをしたいんですが、あなたからぜひ担当の方に言っていただいて、資料がいただければ非常にありがたいんですがね。  実は、先ほど御答弁いただきましたたとえば金額で表示されますと、御案内のように金額というのは一点につき何円かという平均でもあれば大体想定がつくんですが、それも出ませんね。しかも円相場が常時動いておる。したがって、この金額の増減でもって質、量が増加をしているのかあるいは減少しているのか、この動きがさっぱりつかめないわけですね。これでは私は正確ないわゆる政策審議というのが不可能だろうと思うんです。だから、そういう意味合いで政策審議ができるような根拠数字、これをぜひひとつつかんでもらいたい、こういうふうに思うんです。

高瀬和夫通商産業省生活産業局文化用品課長

○説明員(高瀬和夫君) 私どもで所管しておりますべっこうと爬虫類の関係についてトン数でそれでは御説明申し上げたいと思うんですが、まずべっこうでございます。一九七四年の輸入トン数が三十四トンでございます。七五年が三十六トン、六年が四十一トン、七年が四十四トン、七八年が四十一トンとなっております。  それから、次に爬虫類の中のワニ、トカゲ、カメ等でございます。まずワニ皮の輸入トン数、一九七四年が二十三トン、七五年が四十六トン、七六年が二十七トン、七七年が七十六トン、七八年が百二トンとなっております。これはワニのなめす前の皮でございます。それから、なめした後のいわゆるレザーと呼んでおりますが、ワニ革の方について申し上げますと、七四年が十三トン、七五年が十八トン、七六年が十四トン、七七年が十二トン、七八年が十二トンでございます。  次に、トカゲでございますが、これもなめす前の状態のもの、トカゲ皮が七四年が百四十四トン、七五年が百四十二トン、七六年が百十四トン、七七年が九十六トン、七八年が百四十トンとなっております。それから、なめされたトカゲ革、これは七四年が十九トン、七五年が六トン、七六年が七トン、七七年が四トン、七八年が五トンとなっております。  あとカメ、ヘビ等については省略させていただきます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これは環境庁に注文をつけるのですが、少なくともこれは環境庁が中心になられておるというふうに思うのですが、ワシントン条約の中身の問題。当然国際的に問題になりまして、しかもこれで言うI類、II類の関係ですね。そういうものについては当然日本に流れてくるのがどういう状況になっているだろうか、これは把握をしなけりゃ、先ほども私触れましたように判断が大変むずかしくなるわけですね。  当然これは現在批准をしておりませんから国内的に整備をされてない。整備をされていないことはわかるのですが、少なくとも世界の関心があり、しかも日本が呼びかけの一員になって加わってきて、そうしてまだ未批准だ、こうなっているわけですから、その経過からながめていって、それに対する関心からも関係の大蔵省あたりには明らかにわかるような統計の仕方、こういうものは環境庁が要請をされて行うべきじゃないんでしょうか。  相当私はこの資料の問題でいろいろ御注文をつけながら話をしましたが、いまの制度からいきますと、冒頭示されましたように、税関の方では金額しかわからない。しかも種類的には相当多くの種類が一つにまとめられている。それでいいことになっているんですね。これじゃ肝心の日本へはワシントン条約に関連をして一体どうなのかという実態すらもこれはなかなかっかみにくいのじゃありませんか。ぜひひとつこれはそれこそ環境庁がそういうものについて関係の省に協力を求める、こういう姿勢があっていいと思うのですが、どうでしょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 坂倉委員のおっしゃるとおりなんです。  それで、実は私ども今度の会議に出ておりましても、たとえば野生鳥獣の問題につきまして、日本の国内におると何でもないように感じますけれども、非常にそれに関心を持っているという姿勢自身が日本の国のイメージというものを非常によくするのですね。ですから、実態以上に日本は経済だけというようなことでむしろ誤解を招いておるような点もありはせぬか、そしてもっとよくやれば経済摩擦やらその他のものも回避できやせぬかと思うような感じを持っておるわけです。これは委員もきっと御同感だと思います。それで、もちろん人類共有の財産である貴重な野生動植物の保護ということは、これは非常に必要なことであります。  それで、実は昭和四十八年、一九七三年に調印されておりまして、批准がこんなにおくれておるということは本当に私実際申しわけないと思っております。それで今国会においてぜひこの早期批准をというわけで、自然保護局長も一生懸命になりましたし、それから外務省もそのような考え方なんですよ、実際は。ところがいま通産省がおっしゃるように業界との間の問題、これは自分の生活に関連してまいりますから相当御熱心な御陳情やいろんなことがあることは想像されるんです。それにしてはぼくらも、いま坂倉委員が御指摘のようにもっと早くこういうものはどのくらいの世界全体の生産量、それがどういうふうに日本へ輸入されておるかへ世評だけはどうも非常に悪い印象を日本が受けておることは間違いないですね、この問題については。しかも、批准しておる国は先進国としては限られておりますからね。  いま御質問を承っておって、ひしひしと感じておりますが、それで昨日も衆議院の公環特で御指摘がございまして、それで外務省の方としては時間的にどうにもまだ今国会は提案できぬじゃないかというようなことがございまして、それから新聞も報道したわけです。それで、この窓口は御承知のように外務省ですけれども、環境庁はもちろんこれに実質的に大きな関心と責任を持たなくちゃなりませんので、それで私は前からも思っておりましたけれども、野性の鳥獣保護関係につきまして専門家の方に集まってもらいまして、国内にもトキの問題もございますし、それからヤマネコの問題、一面起きておるんです。国際的にもこの問題がありますから真剣に取り組みます、こういうことを昨日も申し上げたんですが、いまの委員の御指摘のような点はよく踏んまえまして、一生懸命にやっていきたい、こういうふうに思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 後でお聞きをしようと思いましたことも含めて長官の方で御答弁がありましたから、その辺は割愛をいたしますが、問題はそういうふうに努力をされて成果を生むためには相当むずかしい過程をあるいは課題を克服をしなきゃならぬ、こういうことになるわけですね。  そこで、せっかく通産来ていただいておりますのでお聞きをしますけれども、ともかくいま一番大きな問題になっておりますのがべっこう関係ですね。それで先ほどお聞きをしましたように、円でいきましても、あるいはトン数でいきましても、これは必ずしもそのものずばりじゃありませんけれども、増加傾向になっておることは事実なんですね。そうしますと、これが世界的に問題になって、なおかつ増加傾向をたどっているということは、いま長官が御心配されているそのものずばりだと思うんです。当然これは業界との話の中で、これは生活をしていく一つの権利の問題があるわけですから、それが他にどういうふうに誘導されていくかというのはきわめて重要な課題なんですね。これは当然業界とそれの指導に当たっておられるところが一番大きな責任を持たなきゃならぬと思う。  そういう誘導の対策というのは一体今日どうなっているんだろうか。そのことが業者との間で方向の確認と同時に、そういう誘導していく手続の問題なり、それぞれがやっぱり準備をして取り組んでいかなきゃならぬ、こういうことになるわけですから、一番肝心なことじゃないかというふうに思いますが、その対策等をお聞かせをいただきたいと思います。

高瀬和夫通商産業省生活産業局文化用品課長

○説明員(高瀬和夫君) いま先生御指摘になりましたのはべっこうでございますが、もう一つ今度のワシントン条約の批准にかかわりましていわゆる業界の問題として大きな問題になってきておりますのは爬虫類、まあべっこうといいますかウミガメも入るわけですけれども、その他皮をなめす原材料としてのワニ、トカゲ、ウミガメ等の皮もあるわけでございますが、まずべっこう関係については、四十八年にワシントン条約の調印が行われました同じ年に海外に調査団を派遣いたしまして、タイマイの布存状況、あるいは養殖の可能性等についても調べていただいたわけでございますが、ただ、残念ながら業界のまとまりがきわめて悪く、さらにその調査結果を生かして前向きの対策をとるというまでには至らなかったわけでございますが、今回の批准の具体化といいますか、こういったた動きから、従来まとまりの悪かった業界も何とか一致団結して前向きに取り組まなきゃいけないという気運の盛り上がりを見せつつございまして、われわれとしてもそういった業界が自主的にこれからタイマイの減少、絶滅を防ぐべく取り組むという場合には積極的なバックアップを図ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  一方、その他なめしの原材料としての爬虫類と申しますか、これについては、署名時におきましてはかなり養殖もので手当てが可能であるというふうな判断もあったわけでございますが、その後種々の国際会議を通じて養殖の定義そのものがきわめて厳格なものに変わってまいりまして、業界が考えていたような養殖では商取引が認められないという事態認識も出てまいりまして、業界が騒ぎ始めたという経緯もあるわけでございます。ワニについてはもうすでにタイを初め幾つかの国でかなり大規模な養殖事業をやっております。それから、なめしの原材料としてのウミガメについても、アオウミガメその他諸外国で養殖事業をかなり活発にやっておりますし、日本でも一、二試験的な養殖をやっている地域もあるようでございます。  さらにそういった日本が今後とも余り国際的な非難を受けないような形でどういうふうに取り組めるかという点について、さらに調査団等の派遣等を通じましてこれから追求してまいりたいと思っておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これも大変問題があるわけですけれども、ややもするとこれ人情的とでも申しましょうか、日本だけではありませんが、日本は特にその傾向が強いんですけど、物が少なくなってくると価値が出てくるから、だから少なくなるということによってよけい自分の手に入れておきたい、確保したい、こういうことが働いて、そして特にこれ象牙なんかの統計もここにも出ていますけれども、規制が加わるだろうという話が出てからよけい輸入が多くなるというような傾向は私は残念ながら事実だろうと思いますね。  だから、それだけに私はその辺の調整を政府がきっちりしないと、それこそ諸外国との交流において、日本は一体何だというそしりを免れない。結果はその部門では仮に我が通っても他の部門でやはり悪影響が出てくる。まさに東京サミットあたりにまでそれらの問題が影響してくるということに相なるわけでありますから、ぜひひとつこの条約が早く批准をされると同時に、国内関係の法の整備、同時にそれに伴って生計を営んできた方々が自信を持って営む業についての新しい方途というものを見つけ出せるような、こういう指導というものを責任を持って樹立をしてもらいたい、こういうふうに要望を申し上げておきたいし、さらに外務省の方それから環境庁の方、どうでしょうか。見通しというのは具体的には先ほども少しお話がありましたが、いつになったらできるということになりましょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) それでは外務省から先に言われておりましたから、外務省の方からお答えをされるようです。

小西芳三外務省国際連合局企画調整課長

○説明員(小西芳三君) ただいま先生のお話の中にすでに出ておるのでございますが、私ども今度の通常国会を目指しまして作業を続けてまいりまして、その作業の過程におきまして一つは国内法の整備の関係、これにつきましてはほとんど関係省庁間の了解がついておりまして、作業が終わっているという状況にかなり前からなっております。  それから、もう一つの問題が業界の関係者の利害の問題と、このワシントン条約に入るに際しまして対外的に日本のその入り方が問題なくできるかという点をめぐっての調整の問題でございますが、この点につきましては時間をかけておったわけですが、かなりギャップが縮まっておりまして、少なくとも私どもの考え方では現在一つの土俵の上で話し合いが進みつつあるというところまでは来たというふうに考えております。  そこで、今度の通常国会に出すということが私どもの目標であったわけですけれども、時間的にちょっと無理であるということでございますが、外務省の考え方といたしましては、次の通常国会においてはこれは必ず承認を求めるように、それまでにはすべての準備作業を終えるということでやっていきたいというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 きのうの衆議院でもそのような御答弁されたわけですね。ことしは臨時国会があるとすればそれに間に合うことになるんでしょうか。あるいは次期通常国会ということなんでしょうか。

小西芳三外務省国際連合局企画調整課長

○説明員(小西芳三君) きのうの発言の中で臨時国会に出す可能性のことも触れまして、私どもの考えでは現在作業が進行中でございますから、これを打ち切るということはございませんで、むしろ先ほど申し上げましたようにだんだん話し合いを詰める環境というのはよくなってきておりますので、今後の作業はむしろ加速的に行う、したがって作業に中断はございません。したがいまして、もし仮に臨時国会ということがございますれば、時期的に間に合えばそれに出すということも可能かというふうに思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 アセスのような形にならないようにぜひひとつやってもらいたいと思います。  それじゃ、次にアセスの関係ですが、これは長官の方から相当詳しく御報告がございました。しかし、長官の御報告によりますと、一番中心的なところはやはりぼかされておるのじゃないのか、率直に申し上げて、こう思います。  私どもがながめておりまして、一番私としてこんなことでいいのかというふうに思われることは、実は与党の環境部会が開かれておりまして、結果的にこの与党の環境部会の結論が、これが急所を握っちゃっている。環境庁がどう言おうと、他の省庁がどう言おうと、これは環境部会が急所を握っちゃって、ここの了解がないと進まないというのが正直なところじゃないんでしょうか。そうしますと、一体その辺の環境部会での取りつけというのはどういう位置づけになるんでしょうか、この国会との関係において。大変聞きにくいことを聞きますけれども。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 別段秘密なことでもございませんから率直に申し上げてまいります。  委員も御承知のように、議院内閣制を現在とっておりますし、現在の内閣は与党内閣であることに間違いはございません。それで、政府としましても法案を提出する際に与党の政審、政調、総務会の議を経まして、その後閣議決定が行われておるのがいままでの一つの仕組みみたいになっておることは御承知のとおりだと思います。  それで、昨年の五月十八日かと思いますが、御承知のように、もうすでにこの文書はずっと何回も御質疑がありましてお手元にいっておるかと思いますが、与党の政調会の御方針が打ち出されておるわけです。その骨子はいろいろありますが、要約しますれば、環境影響評価制度を確立することは党の既定方針である、しかし現在のところ法制化は時期尚早である、しかし今後検討していく、こういうような趣旨でいろいろ書いてありますが、そういうふうでした。  それで、私は昨年の十二月に環境庁長官を拝命するとともに、環境庁が従来とっておりまする法制化の線、それから全体の流れ、いろいろなものを感じまして、とにかく法制化を進めていくということはとるべき処置であろうというふうに思いましたので、河本政調会長にお目にかかりました。そして、この時期尚早ということは何年何年という時期的なことを言うのでなくて、そして政府間なりあるいは党あるいは関係団体との間の意見調整がまだできていないという意味と解釈し、そして鋭意党と政府が一体をなして検討をすべきであると書いてあるからそういうふうで進めていいかということをお話を申し上げました。そして、よろしいということで御了承をいただきました。それで、私はそういう解釈のもとに環境庁の事務当局に各関係省庁並びに党との間あるいは各団体の間の調整を一層進めさせるということを命じたわけです。  そして、一方私も、いま御指摘のように、ちょっと歯切れのいい答弁がどうしてもできなかったのは、今国会に出せるかとかどうとかということをいつも言われたんですが、この点は今国会に出せるとは一度も申し上げませんでした。そういう意味で、そのいまのことがお話があると思いますが、いきさつがいろいろございますから。それで、とにかく調整ができればすぐ出さにゃなりませんから、提出予定法案のリストに載せていただくことにしたわけです。そしてそれが三月十六日というのが大体の予定の日でございましたのでやったところが、だんだん日が迫ってくる。ですから、環境庁としましてもいまだ発表したことがございません科学指針を発表いたしました。それから、法案につきましても、骨子だけでなくて、とにかく草案は全部提出をしたわけです。  それで、党の方も、党と政府が一体をなして検討すべきであるという趣旨でございまするので、環境部会では本当に御熱心に御検討をされました。いろいろの御意見を出し、これはまあ当然のことだと思います。いろいろ委員の方々がその立場立場でどんどん御意見をされるということは当然でございます。が、環境庁としましては私どもが考えておる、またいろいろないままでの集積は全部提出をいたしてきた、こういうことなんです。  ところが、三月十六日にもまだどうも話がつきませんもので、それで閣議の方へ、政府の方へは三月十六日にはいま一生懸命で調整を進めておるけれども、どうも三月十六日には間に合いませんから少し延ばしてほしいということで期間の延長の了承を得まして、そしてその後いろいろとお話しを申し上げたりいろいろし、党の方としましても御熱心にやられておったんですが、四月二十五日に部会としましてもまだ引き続いて検討する必要があるということで、そこへもってきて私の方もOECDの五年目の閣僚会議があるということになる、とにかく国会のお許しを得まして海外へ行くという状態になる。そうしますというとそのままにしておくわけにいきませんので、その四月二十七日に、先ほど御報告申し上げましたように、閣議で発言をいたしましたということです。  そして、四月十日に中公審のアセスに関する御答申があったわけでございます。そのとき会長ももっと早くできればよかったんですということを私に言われました。けれども、なかなかいろいろと御議論があってできなかった。が、とにかく三年有半かかって、そして有識者の方々が御検討されたわけだからこの内容についてはよく尊重してやってほしいというごあいさつでした。私の方は、もちろん皆様方に御諮問申し上げて御答申を得た貴重な御意見でございますから鋭意これを尊重してやってまいりましょうという次第だったんです。  それで、そういうことがございまするので、四月二十七日の閣議の席も、その答申も出たことであるから鋭意引き続いてこれを検討していくということを申し上げたというわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これは長い経緯があるだけに、いままでの本委員会での答弁の中では、たとえば通産は通産で検討をしている、あるいは国土庁は国土庁で国土の有効利用の観点からアセスのあり方について検討しているとか、あるいは建設、運輸それぞれの事業の立場からアセスに対するところのそれぞれの考え方がいろいろと検討される、こうした問題が答弁にもありましたし、指摘もあったわけです。  きょうは、そこで各関係のところお越しをいただいているわけでありますので、おおむね昨年の場合に各省の大方の合意は取りつけたという話はありましたが、なおかつそれが整理をされてない点もあって、与党の環境部会で問題が決まらなかったというふうにわれわれは推定せざるを得ません。そういう観点からそれぞれ運輸、建設、国土、通産、いままでの検討結果、あるいはこれからの省の考え方、こうしたものについてひとつ順番にお答えをいただきたいと思います。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) 環境影響評価を実施するという点のこの重要性と申しますか、そういう点につきましてはこれはかねてから通産省としても深く認識しております。そういった意味で電力を中心にしまして省議決定というような形式をとりまして電源立地につきましては環境影響評価という作業をしてまいったわけでございます。  私どもこの環境影響評価法案の取り扱い等につきまして環境庁等といろいろと検討してまいったわけでございますが、一つの問題点は環境庁との間のいろいろな具体的なやりとりはこれは各省庁との間の議論でございますから、余り詳細に申し上げますことは私ども遠慮させていただきたいと思いますが、重要なポイントはやはり環境影響評価という仕事自身がまだ新しいものでございますから、その影響評価のやり方なりあるいは項目なりあるいはそのいろいろな技術結果が出てきた場合の評価をどうするかといったようなことが一つの重要なポイントでございまして、こういった点につきまして環境庁等ともよく協議をしてまいったわけでございます。  通産省としましても今後ともこの環境影響評価の作業と申しますか、現在は電力が中心でございますが、そういったような経験を蓄積していくとともに予測手法等につきましてもひとつ世間のコンセンサスを得るようなそういったような技術開発を進めてまいりたいと思っております。  この制度の問題につきましては、今後とも日本の国情に適した実効ある環境影響評価の制度の確立をするということで環境庁等とも慎重に検討してまいりたいと思っております。

伊藤寛一国土庁計画・調整局総務課長

○説明員(伊藤寛一君) お答えいたします。  まず基本的な認識でございますが、御案内のように昭和五十二年十一月に策定されました三全総におきましては「自然的、社会的、歴史的条件に沿って、居住環境を総合的、計画的に整備する」というのを基本的目標と掲げております。「その際、公害の防止及び自然環境の保全について適切な考慮を払い、各種の施策の実施は、地域の環境保全の観点から受容可能な範囲内において行われる必要がある。」というのが基本的な認識でございまして、三全総はこういう立場に立っておるわけでございます。また個別事業計画の具体化に当たりましては「住民の意向を反映するとともに、適切な環境影響評価等を実施することとし、環境影響評価の技術手法の開発を促進するとともに、効果的な環境影響評価を実施するための制度等の体制の整備を図る必要がある。」というように三全総ではしております。  お尋ねの法制化の問題でございますけれども、国土庁としましてはこのような考え方に立ちまして、各種の開発事業等が良好な人間居住の総合的環境の形成に資するよう実効性のある環境影響評価制度が実現することが望ましいと考えております。従来からこのような方向で法制化に対応しておりますが、今後とも同様の考え方に立ちまして対処するという考えでございます。

佐々木建成通商産業省生活産業局文化用品課長

○説明員(佐々木建成君) お答え申し上げます。  環境影響評価制度につきましては、運輸省といたしましてもいろんな運輸関係の公共施設を抱えておりますので、公害の未然防止を図るという観点から大きな関心を有しておるところでございます。それで整備五線であるとか、港湾であるとか、あるいは埋め立てであるとか、飛行場であるとか、そういったものにつきましてすでにいろいろ実績を積み重ねてきておるところでございます。  法制化の問題につきましては、運輸省といたしましては基本的には賛成でございまして、前向きに取り組むべき問題であろうと考えております。そのような考え方で従来も環境庁といろいろ相談をしてきておりますし、また今後もそういうような方向でまいりたいと思っております。

岩本章雄建設省計画局環境管理官

○説明員(岩本章雄君) お答え申し上げます。  環境アセスメントの法制化についてでございますけれども、建設省としましては前向きに対処していきたいというふうに考えておりますが、ただ、建設省の所管事業の執行が無用に混乱したり停滞したりするととのないようにという面からの合理的で現実的なものであるということは必要であるというふうに考えておりますし、また既存の制度との間の調整も十分に図られるべきである、そういうふうに考えております。  それと、一方建設省は昨年から事務次官通達によりまして環境影響評価を進めておりますが、今後ともその面につきましての実績を積み重ね、知見、経験を増していきたい、そういうふうに考えております。  以上でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 一応各省が法制化を前提にしての、まあ余りすきっとした答弁はなかったようですけれども、まあまあ足並みはそろっているというふうに理解して間違いはなさそうでございますね。  そうしますと、問題はやはり長官から先ほどお話がありましたように、法制化なのか、制度自体が問題なのか、ここがやはり各省として法制化の問題なんですが、与党の政務調査会あるいは環境部会、それぞれの結論、それから文書になっている書きっぷり、その辺から見ますと、きわめて問題が残されているし、まだ結論が出てない、こう受けとめざるを得ないわけですね。ここが一番そうするといま法案提出ができない、まあ苦労されているところだというふうに一面ではわかるのですが、ポイントになっている。これを早く片づけてもらわないことには法案の中身がいいかどうかの問題以外のところなんですよ、これ。  同時にこの委員会の中でも特に秦野先生の方から話がありましたですね。法制化は関係がない、むしろそれは地方自治体に任せるべきであろう、こういう一つの考え方がございますね。ところが行政の一貫性の問題からいけば、山田長官のときには北海道あるいは東京都、あるいは私どもの出身であります三重県でも検討が始められておりましたが、各地方自治体がばらばらにそういう条例をつくられたのではそれは逆に環境行政として困るのじゃないか、こういう意味でストップをかけられておりますね。  そうした立場からいきましたときに、一体今日的に環境庁としては法制化の問題と制度の問題というものはどういうふうに整理をしてお考えなのか、今後の方針を含めてもう一度きちっとしてくれませんか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 実は大きな一つのかわりといいますか事実としましては、中公審の答申が出てきたということですね。これはいままでかつてなかったやつです。こういうことがあります。  それから、環境庁としましての法制化の線というのがいま委員も御指摘ございましたし、それからこの前NHKの世論調査の結果を見ましても私どものところへ各知事さんとか、市長会なんかから来る陳情なんか見ましても、何か統一したルール、国民が全部統一したルールをつくってほしいという希望は強いんですね。内容はこれがこうだというところまで入っておりません。けれども、御要望の趣旨としては現段階として国民の全体に統一した一つのルールなりそういうものをやる、これが法制化だということだと思います。ですからそういう意味で法制化をやっていく段階じゃないか、こういうふうに環境庁は考えておるわけでございます。  そうして、実際の点につきましてはいままで従来の法案のときには答申出ておりませんので、答申という問題も新しく組み入れてあります。それから党の方もいろいろ御検討されておりますから、そういう点も考えて、そして法制化の路線を進めていこう、こういう考えなんです。  それから、OECDの今度のときにも、予見的環境政策の宣言の中にも入っておりまするが、それから勧告の中にも入っておりますが、これ世界的にもなかなかむずかしい問題が御承知のようにございまして、表現が法制化とそれから制度化と、それから行政的な枠組みを認識しつつというような微妙な表現になっておることは委員御承知のとおりだと思います。それで、ただこの議長団、要するに議長国副議長国、そこの線は法制化に入っておる。ただ日本だけがそこでなっていないということです。けれども二十四カ国の中にはこれは法制化していないいろいろなレベルの方々がある、こういう実情なんです、いきさつは、現状は。  それで、従来のいろいろな環境庁がとってきた態度、それから世論、それからいろいろなものを検討し趨勢を見て法制化の線というものは妥当であろうということで、ずっと私は就任以来その線について努力をしてきておる、こういうことです。そこへ今度は答申が出てきた、こういう事実でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 長官の環境庁の方針という立場ではわかりました。  ただ、説明の中で答申が出てきてから、したがって法制化の方向というのはより明確になったのだ、こういうお話の中身になるわけなんです。ところが、いただいております資料は五月十八日の自由民主党政務調査会の結論なんですね。五月十八日——これは五十三年ですね。だから間違いないということですか。  そうすると、四月二十五日、これが一番新しいわけですね。そうすると四月二十五日は少し変化はしていますが、これも「実効ある制度の確立」、こうなっていますね、「実効ある制度の確立」。「実効ある制度」というのはいまの長官の説明でいけばそれは法制化なんだ、こうなるんですが、そういうふうに受けとめていいんですか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) そこはこれは党の方の御見解ですから、いろんな御意見がいっぱい出ておるのをおまとめになっておると思うんです。ですが、環境庁としましてはいま言ったような線で鋭意努力を進めていく、こういうことでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 何遍か論議を繰り返してきましただけに少しのひっかかりが大変気になるんです、正直に申し上げましてね。本来これは森下先生お見えですから森下先生にお聞きをした方がより具体的になるんでしょうけれども、これはなんですから、努力をされているところはよくわかっているんですが、わかっているだけに、この辺はぜひひとつ長官が環境部会の部会長とも十分にいまの姿勢で話をして合意をしてもらって、ぜひともまとめ上げてもらいたい。  今度は従来と違いまして、長官言われるように答申が出ているわけでありますから、今度は答申との、審議会との経緯の問題が絡んでまいります。しかも、ここで何回かそのことを繰り返してきたいきさつがございますから、ぜひひとつ期待を裏切らない、こういうことを要望をいたし、再度それにこたえていただく長官の決意表明、繰り返し繰り返しで恐縮でありますけれども、私どもも繰り返し繰り返し申し上げてきて裏切り続けられてまいりましたので、ぜひひとつそれを払拭をしていただくように、もう一度御足労ですが御答弁をいただいて私は終わりたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 御質問されておられる趣旨はよく承知をいたしております。なお環境庁の姿勢というものにつきまして、方針というものにつきまして率直に申し上げておるわけです。ただ、御承知のように法案をつくっていく際には、なかなか調整も要りますし、党の方とのいろんな御検討も要るという仕組みになっておりますので、その点はひとつよろしくお願いをいたしたい。

馬場富公明党

○馬場富君 先ほど長官が御報告もなされましたが、OECDの閣僚会議に出席されて、これに対して一応の一般的な報告がなされましたが、この会議に出席されての長官の率直な御感想を一言承りたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 私は出席いたして非常によかったと、こう思いました。  と申しますのは、実は先ほど内容、時期、経過、いろんなことにつきましては御報告を申し上げましたので省かしていただきますが、会議は五月七日と八日と二日間ございましたが、こちらは副議長の立場にもございましたので、議長のアメリカの担当大臣であるコストル氏に、私はどういうふうに会議を運営するのか、いろんな問題点その他についてあらかじめお話ししておいた方がいいと思いまして、会見を申し込みました。ところが、コストル議長の方は、いや、わしの方から行くと言って、スタッフを三名ばかり連れまして、そして私のホテルへ見えまして、こちらも随行した幹部の方もそこへ立ち会いましたが、率直にすぐ、いずれ話が出るのは原子力のスリーマイル島の事故だろうと思うから専門家を連れてきたとかなんとかいうようなことから、きわめて問題点をぼんぼんとすぐ出されてきた。で、日本政府としてはどう考えておるかとか、いろんな率直な意見交換というものが会議の席上でなくてできるという感じですね。それ以外に、いろいろアメリカの方では化学品の公害というものについて関心を持っておる、というのは、あれは国境を離れてずうっと出ていくわけだからとかというような率直なことを言っておられました。そういう意味で、私もとにかく会議の席上じゃございませんけれども率直にいろいろ申し上げた。こういうことで、形式的でなくてはだで触れ合うという機会を得ました。  それから、会議の席上につきましては先ほど申し上げましたような経過、それから内容でございました。その間に私三回演説をいたしております。日本の環境政策、そういうものの現在までの経過ということです。それとともに、最終的にはいま各国もそうであろうが日本も当初の公害問題というものについて形態も複雑化してきた、自然環境保全というものもいろんな大きな問題点を含んできた、そこへもってきてアメニティーの問題が出てきた、ですから少なくとも世界的にこういうものを統合した、全部含めたような環境保全というような理念とか哲学というものを検討してはどうかという発言を私はいたしたわけでございます、もちろん経過的には。それから予見的環境政策のときにこちらが演説をやり、それから勧告のときに一度演説し、計三回演説をやっております。それは会議の席上なんです。  けれども、会議の席上外に毎朝、ちょうど国会の議運みたいなかっこう、あるいは委員会の理事会みたいなかっこうにもなるかと思いますが、議長国と副議長国が集まりまして、どういう問題を中心にどういう討議の方針でというようなことの話し合いがありました。私もその席へ出てそこでも発言をするというような経過を見ますというと、全体の流れとしまして、環境問題という問題についてはいろんな問題よりも優先度をもってやっていくべきだということは、とにかく多く論ずるまでもなく、OECDというのは加盟国二十四カ国入っておりますが、大体先進国の国々の会合になっておりますので、おおよその点のコンセンサスというものはできておるようですね。そういう感じを得ました。そして率直な意見の交換ができる。  それから、それ以外に食事どきがございまして、ただ食事をするというだけでなくて、その間にいろんな各国との意見交換、事情というようなものの話し合いができるということで、非常に環境問題という問題は国内だけでなくて国際的に協力をしていきませんというと真の成果というものは上がらない。たとえば欧州や何かで、オランダや何かが言っておりますが、大気汚染でも、自分のところの大気汚染は西ドイツから入ってきておる、イギリスから入ってくるというように言い、それから一つの河川問題でも上流の国と中流の国と下流の国が違うということになると、上流の国が汚染するやつが今度はその下流の方の飲料水やなんかにも影響するというような、なるほどインターナショナルな要素が非常に多いというような感じとか、いろんな各国々の特殊性というものがある。だから、先ほどいろいろ指摘されましたが、日本にも日本の風土に合った環境政策というものも当然あってしかるべきだという感じも得ましたし、それから国際的にも協力しなければならぬという問題も得て、そして私は非常に成果があったというふうに思っております。  先ほど御報告の中に入れましたが、宣言、勧告がございますが、これは大体日本の従来の方針と大きな相違を来しておるとは思いません。ですから、一層これを検討して日本の環境政策の充実強化を図りたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 続きまして、先ほど指針とか勧告の四項目については御説明がございましたが、特に今回緊急課題としていわゆる環境保護政策と経済成長、そして生活水準の向上と生活の質の維持のこの二つの要求の調整が一つは論議の焦点だったというように聞いておりますが、この点について長官はどのように理解されますか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 題が変化する経済の、日本でもそうでございますが、その変化する経済のもとにおいての環境政策の展望というのが主たるテーマでございます。先進国ですから、日本と同じように一つの高度経済成長政策をやっていまのいわゆる低成長へ入っていった、こういう変化変動の際に環境政策というものはどうあるべきだ、経済がずっと低成長なりそういうふうに変化したときに環境政策というものの要するに重要度が減るということはあり得ないんだ、依然としてこういうものは重視していくべきだ、こういうふうな状態です、大きな流れは。  それから、その他につきましては、私ども環境の、何といいますか、経済と環境政策の問題につきましては論議がありましたし、それから宣言、勧告の中にも趣旨が流れておりますが、その考え方は、経済の成長というものと環境政策の発展、推進というものは矛盾するものじゃない、それはお互いに補完し補強するものである、表現もそうなっておりますが、そういう思想です。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、特にこの緊急課題の論議については長官も発言なさったと思うわけですが、特に環境保護政策と経済成長については最もやはりその焦点が日本には大きい関係がある。かつては公害日本と、やはり経済成長についても大きい指針を出しておる。こういう点について非常に諸外国の関心が私はあったと思うんですね。そういう点について長官はいかなる発言をなさったか、ちょっとお聞かせ願いたい。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) それは日本の環境政策の現況のときに触れました。その線は、日本の公害問題の発生時における危機的な状態は一応脱していったという認識、しかしその後いろんな公害問題その他というものも起きてきておる、複雑多様化しておるというような論旨の進め方でございます。  それで、そのことはなぜかと申しますというと、五十一年にOECDが日本の環境政策のレビューを発表しておりますことは委員も御承知のとおりです。それはそういうふうに言っておるわけです。要するに、御承知のように、日本の環境庁が発足をするに際しましても、公害対策基本法というものが大きな柱になり、自然環境保全の法律が大きな柱になっておるのは御承知のとおりです。その公害対策基本法の発生時を見ましても、企業公害というもの、爆発的な公害というものが起きてきた危機的な状態、そういうものは一応静まってきておる。もちろんあと水俣病や何かずっと引いておりますけれども、その発生の関係で。こういう表現を申し上げておるわけです。これの線は大体OECDの日本の環境政策のレビュー、その線に沿って発表しておる、こういうわけです。

馬場富公明党

○馬場富君 そこのところはよくわかりますが、その点やはりそういう日本の公害問題は前進的方向にある、だが、なおかつ日本の公害に悩まされている実情というのは長官は報告なさったかどうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) それは複雑な状態になっておりますということで報告しておるわけです。そうして、それには真剣に取り組んでいかにゃならない、こういうことなんです。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、諸外国は先ほど話したように非常に関心を持っておる。そういう点で長官の発言がここらあたり非常にぼくはポイントだったと思うのですが、各国の反応はどんな状況でございましたか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 反応といって一々あれでございません。各国が一応自分のところの国の状況を皆演説したわけでございますので、反応ということはございませんが、ここで申し上げるのはちょっといかがかと思いますが、私の演説に対しましてコストル議長は日本の報告はすばらしかったということを、みんなに言っておるわけではなくて、それだけ、これは議事録に出ておるでしょうから、これは別段かえってここで申し上げるのはおかしいのでございますが、そういう状態でございます。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、ここでもう一つの論議の基礎となっておるのがやはりOECDの環境白書である、こう思うわけです。この内容についてはどうでしょうか。

正田泰央環境庁長官官房長

○政府委員(正田泰央君) いま先生のおっしゃった件は俗に環境白書と言われておりますが、今度の第二回の閣僚レベル会議におきまして討議の参考資料という形で事前に各国に提出されたものでございまして、いわば加盟各国の環境の状況等についての資料ということでございます。これはOECDの事務局の責任で取りまとめたものでございまして、公表されたものでございますが、これは最終結論のプレスコミュニケの第二パラグラフと第四パラグラフに要約をされておりまして、大ざっぱにながめたものでございまして、いわば全般的、平均的な中身を書いたものでございまして、個々の国あるいは個々の地方との状況とは全く関係ございません。これは十年間の状況を取りまとめたものでございますが、いわば世界で初めてで、国連などでは項目別に発表しておりますが、そういう性質のものでございます。  大略日本のレビューの方向とも一致しておりますのでありますが、内容といたしましては何項目かに分かれておりまして、特に状況については、まず水につきましては淡水域、先生御案内のようにヨーロッパ大陸その他水の問題多うございまして、日本のように海水の問題よりも淡水域問題が非常に熱心な討議対象になっております。淡水域の水質汚濁は全般的に見て改善されておる、しかしながら多くの湖沼においては富栄養化が進行している。  二番目といたしましては大気でございますが、硫黄酸化物及び浮遊粒子状物質による都市大気汚染は改善されつつあるものの窒素酸化物については排出量は増加傾向にあり、光化学オキシダントによる大気汚染が依然問題である、こういうことでございます。  三番目は、土地利用につきましては人口増大、産業開発等に伴い都市環境の悪化、良好な農用地の減少等がもたらされている。これに対しまして各国では国立公園の拡大とか特別保護区の指定等を推進している。  四番目といたしまして、自然保護につきましては各国とも自然公園の指定等が進み、自然環境の保全が拡大した一方、一部の野生生物については過剰の狩猟、採取の問題があるほか、その生存環境の悪化、有害化学物質による影響も問題となっている例がある。  五番自といたしまして、化学物質につきましてはDDT、BHC、及び水銀化合物のような、いわば短期に影響のあるものでございますが、そういった一部の難分解性の化学物質による汚染につきまして対策が実施されている、そしてその成果も上がっている、しかしながらより広い範囲の化学物質、日本でいきましても新規の化学物質などでございますが、そういったものについても対策を行うことが必要である、及び化学物質の長期的影響、長い間低濃度で暴露されているという、そういった長期的影響についても配慮していくべきである、そういう認識が高まっているという指摘でございます。  最後に、騒音については、騒音低減のための今日までの各国政府の努力にもかかわらず騒音の問題は広域化する傾向がある、また多くの人々の日常の生活を営む上で深刻な問題となっている。  概要以上のとおりでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 この環境白書の中で、特に原子力発電の高温排水の問題、あるいは農薬、殺虫剤の問題、あるいは化学洗剤によるいわば新規汚染の中で、これがやはり発がん物質の発見などに問題が起こっておることが一つは提起されて、これについての論議がなされたということでございますが、この対策に対する検討をどのようになされておったか、長官の方が御存じならば御説明願いたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 詳細なことにつきましては係の者に説明させます。

正田泰央環境庁長官官房長

○政府委員(正田泰央君) いま御指摘の点につきましては、従来ともOECDが局長レベル、課長レベル、その他の専門家レベルで重構造的にやっておりますので、そういったものを中心にして議論をしております。で、今回の場合も特に御指摘の化学物質等につきましてはいろいろな議論が出ておりますが、閣僚レベル会議でございますので、個々の技術的な問題についての討議、そういったものはこの段階では行われておりませんでした。

馬場富公明党

○馬場富君 じゃ、もう一つ、この白書の中での一つの柱となっております最近のOECD関係の騒音公害について、自動車あるいは航空機等の急激な騒音公害の悪化の点についての対策で各国の論議がどのようになったか、その点もあわせて説明願いたいと思います。

正田泰央環境庁長官官房長

○政府委員(正田泰央君) 騒音問題につきましても先ほど申し上げましたようなレベルの問題で、個々の技術的な問題とか、あるいはそれに対する対策といった問題については発言がございません。しかし、各大臣のステートメント、現状に関するステートメントでありますとか、あるいは今後の予見的政策の討議の中身において、非常に重要な問題である、また各国がいろいろやっているがなかなか十分に成果が上がっていない、こういう分野の問題であるので加盟各国は一層この問題の分野について活発に協力をしていこうと、こういう合意は行われました。

馬場富公明党

○馬場富君 それでは次に、このOECDの参加国の中でアセスメントが法制化されておるという、また法制化に近い方法がとられておるという国がございますが、その国の名前と、そしてその国の経済成長率とをちょっとあわせて御説明願いたいと思います。

上村一環境庁企画調整局長

○政府委員(上村一君) OECDでつくられましたザ ステート オブ ザ エンバイロンメント、いわゆるOECD全体の環境臼杵とも言うべき性格のものでございますが、その中に書かれました記述によりますと、環境影響評価に関する法律を制定済みの国といたしまして、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、西ドイツ、アイルランドが挙げられておりまして、スウェーデンにつきましては注がついて、行政的手続として環境影響評価が利用されているというふうな書き方になっておるわけでございますが、これ自身何と申しますか、どういう認識でまとめられたものか、これはOECDの事務局自身がまとめられたものでございまして、わが国における環境影響評価制度を確立するという観点からそのそれぞれの国の立法を見てまいりますと、さきに出されました中央公害対策審議会の答申で挙げられております国々、まあ三つのタイプに分けておりますけれども、一つはアメリカとかスウェーデンとか、オーストラリアとかフランス、そこでは環境影響評価のための一般的な根拠法というのが設けられておる。それからニュージーランドとカナダでは閣議決定等の一般的な行政措置によっておる。西ドイツでは閣議決定によるほか既存の個別法の活用、あるいはイギリスでは既存の個別法の活用でやっておるというふうな資料がございまして、必ずしもOECDのこのリポートとぴったりしないのでございますけれども、細かい資料を見てまいりますと、たとえば連邦制をとっている国で、州で法律がある場合には法律ありにマルをつけておるような国もあるわけでございまして、一概にこうだということはなかなか言いにくいんじゃないかというふうに思うわけでございます。  それから、したがいましていま挙げました国々についての経済成長率、いま手元に資料がございませんので、もしお許しをいただければ後刻お届けするということでいかがでございましょうか。

馬場富公明党

○馬場富君 いま資料の方はいただきましたから、成長率の方は。   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕  それによりますと、もう多いところでアメリカの成長率が四ですね。少ないところでもう二台、二から三が多いようですね。そういう中で、一番この中で多いのは五・六の成長率を示しておる日本なんですね。そういう点で、今回のOECDの論議の中でもそういう点が一つはこれは日本が反省すべきことだし、各国間からも経済成長率が一番日本は高い、そして低い国がアセスメントをやっておる、そういうような状況からして、この会議の中でもそういう日本のことについての論議が何かあったんではないかと、こういうふうに考えるわけですが、この点はどうでしょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 別段その点はございませんでした。あるいは、実は大きな流れとしましては、御承知のように経済の成長がずっと下がっていっても環境政策というものは下げるべきでない、重要度は依然として重要度があるんだぞということなんですね、いきさつは。ですから各国におきましても、いま御指摘のように日本はもう急成長やりましたから下がり方もひどかったことは確かでございましょうけれどもが、どこの先進国も石油ショック以来あるいはいろいろなことでずっと経済が変化しつつあることは間違いない。その中でも環境政策というものは依然としてこれを重視していくべきだ、こういう主張のことでございまして、日本がどうというような議論はございませんでした。

馬場富公明党

○馬場富君 じゃ、そこで、OECDとの論議の中で出た意見の中で、報道等によりますれば成長率が三%の成長率だとして八五年時点では環境汚染度は現在の二〇%増になるという結局試算があるというんですね。それで、これに対して環境対策によって生ずる物価上昇というのは〇・一ないし〇・三という程度に低いものであると。一方OECD諸国の環境保護対策費をGNPに対してこれを見てみると、一ないし二%となってくる。額にしてやはり三ないし五%の高率を占めておる。こういう論議があって、こうしたことからやはり環境対策は被害が生じてからよりも事前に対策を実施した方がはるかにコスト安であるし、そういう点では各国ともに先行投資型の対策を強く認識したという点について各国の意見が強くこれに共鳴をしておるんだというふうに言われておるわけですけれども、日本の代表である長官としてはどのようにお考えになりましたか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 確かにそういう考え方が大勢を占めておりました。  日本の場合、この前も私記者会見その他でもちょっと申し上げたのですが、締めくくりをしたときに、議長が世界各国の記者の方に共同記者会見やられたのです。私にも立ち合ってくれと言いますから私も立ち合いました。そのときに最初に質問があったのはいま言ったような考え方です。最初に予見的環境政策、最初にやったコストと後の締めくくりのコストというものを計算した統計があるのかという質問が議長にありました。すると、議長はグローバルにずっと計算した統計はないけれども個々にはありますというわけで三つばかり事例を挙げまして、そして言いました、三つばかり。具体的事例を挙げた。そしてその先には、これはいささか後の方は大体損害賠償なり復元なりいろいろなやつですから相当金額は出ます、先にやってないんですから推定になります、先にやったとすれば。けれどもが少なくとも想像以上の少ないコストであっただろう、先にやっておれば。こういうことです。  これは日本で言えば水俣やなんか考えられますわね。要はいろいろなこと。ただ日本の場合にちょっと注意しなければならぬことは、ただコスト計算だけで言うと金がなければ患者救済なりその他切り捨てるのか、こういうふうにかえってそういう誤解があってはいけませんから、そのいろいろな説明の仕方というものについては注意をして申し上げることが必要だと思いますが、現実にいま言ったようなコスト計算というものはございました。  そして、先にやっておけば問題にならぬほど少ないはずだ、後だったらこんなに膨大だと三つの事例を具体的に挙げたわけです。ですから、いま御指摘のようなものの考え方というのは議長が取りまとめた意味での記者会見ですから、そうだと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 長官としてはこの考え方にどうなんですか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 私帰ってまいりまして、そしてそれをお話したときに、これは長官、説明をするときに気をつけて発言される方がいいんじゃなかかと、その話。というのは、日本の風土の場合に短絡的に言うと、何か計算ずくでやっていくということになると、かえって国民に対してその真情が伝わらないといかぬから気をつけて言うべきだ、しかしそういう計算も一つの資料としてなさる方がいいじゃないか、こういうような御意見が多くございました。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、特に先ほど上長官がおっしゃいましたが、経済成長と環境対策は両立し得るという基本理念に立っての討議がなされた、その結果、先ほども長官から御報告いただいたように、理事会の四項目の勧告となった、こういうふうに聞いておりますが、その点どうでしょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) そうだと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、これは理事会の勧告の中のポイントは、やはり何といっても環境アセスメントの法制化の義務づけというのが非常に日本にとっては、それからいままでの論議の中から言っても中心となってくるんじゃないか。各国はそれについてはこのアセスメント法制化を行いながら、経済成長率が低くても行っておる。そういう点についてはこの義務づけというのは、やはり日本のためというか、日本にとっては最も適切な勧告であると私は受けとめるべきじゃないか、こう思いますが、長官どうでしょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 日本だけを対象にした勧告ではないと思います。と思いますが、とにかく委員も御承知のように勧告というやつは法律的拘束はございませんけれどもが、みんなが寄って合意したのでございますから、これを尊重して、そうして遂行していくという当然の責任がある、こういうふうに思っております。ただ、日本を対象としてというあれではございません。全部の国に対して言っておるわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 長官、それは私も日本を対象にしてというよりは、やはりその勧告の状況下で一番身をもって受けなければいかぬのが日本の環境じゃないか、結局成長率も高いし、そういう点について公害等の問題についても問題点は相当残っておる、そういう点でやはりアセスメント法もない、こういうことからいってこの勧告は日本が一番真剣に受けとめるべきではないか、こういうことを言ったわけですよ。日本だけにくれたということでなくて。  そこで長官、当時の記者会見の中でこういうふうにおっしゃっています。「日本における法案の国会提出は今年も日程上の問題で断念したが、国内でもアセスメントの法制化が必要だとの認識はコンセンサスとしてある。このOECD勧告で、長年環境行政当局が努力している法制化の方針が勇気づけられたものと考える」、こういう力強い発言をなさっておりますが、どうですか、この点についてやはり今後も強力な前向きな姿勢でお取り組みになるかどうか、その点です。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) その姿勢は再三各委員からの御質問の際に率直に申し上げておるとおりでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 次に、先ほど法律ではないと言われましたが、やはり先進国がこういうふうにお互いに会議を持ち、OECD会議というのは前回よりも今回は非常に前進的な意見も出され効果があったというふうに私どもも聞いておるわけです。そういう点について、これを持ち帰った各国がこれを実行に移すかどうかというところにあると思うのです。先ほど長官は法律でないから拘束性がないと言われたが、私はそういうものではなくて、お互いに先進国が協議し合って、こうすることが各国のためにも地球のためにもいいことじゃないか、こういう合意し合ったことについて、私は国際信用上もこれは実行に移すという考え方に立たなければこの会議の意味がなくなってくると思うのです。  そういう点について、重ねてアセスメント法案ともにこの勧告並びに指針等で述べられておる点についての実行について長官のお考えを聞かしていただきたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 御趣旨は私もそのとおりだと思います。とにかく日本に対してだけの勧告じゃございませんが、日本もその中に入っておりますし、先ほど申し上げましたように勧告は御承知のとおり法律的拘束という意味のものではございませんけれどもが、みんなが寄って話をした結果でございますから、それを忠実に遂行し、より一歩でも日本の環境政策というものが充実強化されることをやるということは当然だ、こういうふうに受けとめて前進をさせたい、こう思っております。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、特に先ほどの方も御質問なさっておりましたが、ここで改めてそういういろんな観点に立って、いろんな客観情勢はございましょうけれども、やはり環境行政の中心者である長官が、あれほど国民が待望しいろんなコンセンサス等もできておるという状況の中で、当局は一部の問題点についてこれが法制化されぬということはまことに残念なことだと私は思うのです。そのためにも、やはりこれに対するひとつ長官の見通しはどのように考えているのか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 私は、三年有半たって、そしてあれだけの有識者が中公審として御答申されておるのですから、これが最近出ておる。これはいままでかつてないことであります。しかも実は審議会が答申したということに対して政府の受けとめ方というやつはまた別な今後の問題もあるわけですから、より一層私は熱意を持って前進をさせたい、こういうふうに思っております。

馬場富公明党

○馬場富君 それから次は、日本の先日閣議決定されました環境白書について一、二点質問したいと思います。  非常に今度の白書についていろんな声がございます。特に今度の白書のいろんな言葉等につきましても、現状については全体として「改善の傾向」にあるとか、あるいは環境行政については五十三年度は「進展の年であった。」というような非常に全体として楽観的な点が目立つわけでございますが、この点についての長官としての御答弁をお願いしたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 実は環境白書が出て、その後各新聞で論説をずっとお書きになっておられるのを全部私は一応目を通させていただきました。受けておる感じと申しますのは、いま言ったように、ちょっと楽観してやせぬかというような御指摘もあったこともたしかであります。それからアメニティーや何かにずっと触れているということについては国民的にだれも異存はないではないか、こういうような趣旨とかいろんなニュアンスの差はございましたが、いま御指摘のようなことがあったことは間違いございません。  で、私その点についていろいろ白書を検討してまいりましたが、表現上どうも多少そう受けとめられやすい表現もあるかもわかりません。たとえば白書の二十三ページを見ますと、「昭和五十三年度は環境行政にとって大きな進展の年であった。」、これを引用されて論説や何かあったところもございます。けれどもが、何かこれを自画自賛しておるような感じをお受けになったんじゃないかなというふうに思ったんですが、これをずっと見てまいりますというと、御承知のように環境白書というのはその年の行政的な経過、たどりというものを中心に白書として出されておるものですね。ですから見ておるその文書の表現はちょっとあれですが、ずっと見ますというと、その五十三年度にあったいろいろ行われた行政的なことが書かれておる、こういう感じがあるんですね、要は。ですから比較的客観的に記述をされておる。  それからもう一カ所、これは一ページのところでございますが、「総じて改善の傾向を維持しているといえよう。」と、ずっと進んでおるようなこういう表現がございますが、しかしその後に「個々の汚染因子について見ると、その改善状況が必ずしも満足ではないものもあり、公害対策の分野においてもなお一層の努力が必要とされている現状にある。」というふうに表現の一、二についてそれだけ取り出しますというと、ちょっと考えさせられる点があるかもわかりませんが、全体の記述としては客観的な記述のような感じを私は持っておるわけです。  けれどもが、いまのような御指摘のようなことが各紙の論説や何かにもずっと出ておることはございますので、私どもとしましてはよくその点は反省をしまして、そしてより一層環境政策が前進充実することを心がけていきたい、こう思っております。

馬場富公明党

○馬場富君 だから、白書でございますから、ちょうど長官も公害白書の中にあなたも在任なさったし、前長官もいらっしゃった。私もこの公害委員会の一員としてここに立ったわけですが、やはりずっとこの一年間を振り返ってみまして日本のやっぱり環境行政は質の上から言っても厳しいそのものだったんじゃなかったか。よしんばあのアセスメントにしても四回の提案がやはり流れるほど厳しかったし、ここに書かれておる「環境政策の進展」の中の具体例なんかを見ましても、確かに水質関係の法律の改正の例なんかは一つの前進かもわかりませんが、水俣病の認定促進法の制定あるいはNO2の環境基準の改正、環境アセスメント、こういうのが「環境政策の進展」の中の実例に挙げられておりますけれども、この四点が挙げられておりますけれども、環境アセスメントについても法制化はいま申し上げたような現状でございますし、NO2については基準の緩和で内容そのものは全然変わっておりませんし、それから水俣病認定についても、私は後から御質問申し上げますけれども、法制化はされたものの、かなりやはり患者間にこれを受けるという側に立っての厳しい不信感が持たれております。  こういうような状況からいたしまして私どもがいま指摘しておる点、また各方面からも指摘されておる点というのは、そういうところに環境政策の進展が果たしてあるのかどうかという点での私は甘さがあるんじゃないかという点をいま言っておるわけですが、どうでしょうか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) この水俣の関係については一生懸命でやらなきゃならぬ、それからその他のものについての重要度ということは、これは依然として一生懸命にやるという姿勢だと思うんです。ただ「進展」と言うんですから、やったことが全部うまくいっておるというふうなイメージというんですか印象を与えておるような表現、そこら辺にありはせぬかど思うが、これをずっと見ますと、客観的にこれを全部見ますと、私はきわめて客観的に記述してあるような気がするんですよ。  ただ、いま訴訟にもなっておるんですから、NO2の問題は。そいつがさつきの条項のところにありますから、だからこれ、あれをしたからそれでなおかつ後ろ向きか前進かというようなイメージを与えたのかと思いますが、そうでないんですね。これは私のときにやったわけじゃございませんですが、もちろん行政の一貫化ですから、ずっと私がその後検討した結果、それは御承知のように公害対策基本法第九条の三項ですか、常に科学的な判断を主力にして検討しなければならぬという規定がございますね。それによって当時中公審に諮問をされ、ストレートにはNO2の答申ではございませんが、よく検討するというとそれも含んだところの答申がされておる。その答申に基づいてやった。こういうふうですから、ですから、これは結果的にはそれはもちろん緩んだようなかっこうになっておるんですが、法律の使命から言えば、趣旨から言えば、私はもっとこの点については国民全体の方に御理解を賜るようにしていった方がいいじゃないか、今後、要は。そのかわり悪かったらすぐ科学的な判断でというふうに持っていった方が私は公害対策というもののある程度の国民に対する御理解ができてくるんじゃないか、こういうふうに思うんです。  けれどもが、しかしNO2の問題は大きな論議の的になっておることは、訴訟まで起きておるんですからそれはそうでしょうけれどもが、環境庁がその当時とった態度というものはそういういま私が申し上げたような態度であったようでございますので、よろしくひとつ御理解を賜りたいと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 この点を論議すると非常にまた各項目ごとに時間がありませんので、この点については長官はそういうお考えですけれども、先ほど何点か申し上げましたように、国民の中に、特にやはり公審関係の方々には厳しい状況にあるということ、それからどこの一つの紙面を見てみても環境行政の後退という言葉があれほど大きくマスコミの中にも論じられておるということ、そこらあたりに環境行政のあなた方が反省がなかったならば私は大きな誤りだと思っていま指摘しておるわけでございますので、その点、安易な気持ちで進展がなされた、こういうふうに見てもらっては国民は大変迷惑をするわけでございますので、よろしくお願いしたいと思っております。  次に、水俣病について去る三月二十八日に熊本地域において水俣病第二次訴訟の判決が出されましたが、この点につきまして長官はこの判決についてどのようにお考えになっていますか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) あの判決があった直後に原告団の方々がお見えになりまして、そうしていろいろと御意見なり、それから私も応答したことがございます。それからその日に参議院でございましたか、予算委員会の緊急に私お呼び出しがあって質問を受けまして、御答弁をしました。  そのときの答弁を申し上げますと、まだ判決を見ておりませんけれどもが、水俣病というものにつきましては非常に幅の広い、それで深みを持っておるものです、ですから公害の原点とも考えられる性質のものである、また世界的にもそれは問題になっておる、こういうことと、それからいままでの経過から見ますというと、どうも行政が後追いになっておる状態にも感じられる、ですから私どもは非常に謙虚な態度でこの問題に臨まにゃならぬ、そういう際にはあらゆる資料、御意見、そういうものもよく参考にしなきゃならぬ、で、そういう意味から言うと裁判、要するに司法判断というものは大きな一つの資料であり判断である、で、これは民事の判断、裁判ですから、御承知のように当事者しか既判力を持たないわけです、国が入っておるわけじゃありません、けれどもが、いまのような姿勢から言うならば、判決というものにつきまして私どもは謙虚に検討していかなきゃなりませんと、こういう前提のもとに、まだ判決を全然見ておりませんのでその点をよく考えて、そうしてというようなことをこちらの予算委員会では御答弁申し上げたと思います。   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕  それから、原告団の方につきましては、これは座談的に出ておりましたが、申し上げてみますと、まだ判決を見ておりませんけれどもが、判断条件、要するに水俣病原に対する判断条件というものに触れておるのか触れてないのか、要はまだ見てないからわからぬ、直に触れておるとすればどういうふうに触れておるのか、これも検討しなきゃなりません、あるいはその運営というような問題、たとえば判断条件というものは全然そのままで、しかしいろいろな運営や何かの問題について何か触れておるような、参考になるようなことがあるかどうか、これはまだ見ておりませんからよく検討して、そうして何にしましても私どもはそういう科学的知識を持っておりませんから、認定業務をされる方は専門家のお医者さん、だからそういう専門家の方々に判決の内容はこうこうこうですというようなことを率直に申し上げて、そうして御相談したいものですと、こういうお話を申し上げたわけであります。  その後ずっと日がたちまして、判決の方の分析、検討をやったわけです。そうすると、水俣病に対する判断条件というものについては、裁判は、判決は大体その線に沿って審理、裁判をされておると思われる。ですから判断条件というものそれ自身についていまどうこうということをいまこちらが検討するという状態ではない。しかし同じ判断条件であって、しかも一回棄却されておって、あの判断の判決時におきましては数年という経過はたっておりますが、とにかく棄却されたのが水俣病と認定されておる事実は確かにある。ですから、その間についてどういうふうないきさつになっておるのか。こういうことを、たとえば判決の中にもありますが、一定の経過が過ぎることによって症状が顕著化してくるという状態があるかもわかりませんね。あるいは経過することによって治癒の状態になってくるかもわからぬ。いろいろなそういうわれわれが端的に考えられるのは、一回棄却されたとき、それよりも範囲が広く具体的な人について認定をされておるという結果、こういうことも真剣に検討しながら、そうして専門家にそれを率直にひとつ御相談をかけてみよう、こういう態度でございます。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、この判決においては、いま長官の言われた中にもありましたが、認定審査会で水俣病ではないという決定が出た人たちが今度の裁判では水俣病であるという扱いで被告のチッソに対して慰謝料の支払いを命ぜられたということになるわけですね。そういう点についていままでの県の審査による認定とこの人たちの関係はどう扱っていくのか御説明願いたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 細かい問題につきましてはこれはまた部長の方から御説明をさせますが、考え方の基本は、とにかくあの裁判につきましてはまだそれは確定はしておりません。それからいま言ったように、御承知のように裁判というやつは具体的な問題についての想定、それで判断しておるだけでございますから、しかし環境庁としての姿勢は、これだけの深いそれから広い問題を含んでおる水俣病であるから、どこからでも教訓となるべきものは摂取しようという姿勢なんですから、そうすれば司法判断というものは大きな資料であるという意味で取り組んでおるわけなんです。  ですから、いまの具体的にたとえば熊本県なり鹿児島県なりいろいろあるでしょう、新潟県。この認定委員会という専門家の方がいろいろおやりになっておられるわけでございますし、その方々も裁判というものをきっと参照されておると思います、いろいろいきさつ。が、私はいま申し上げましたように、判断条件そのものにつきましては、判決をずっと見ましても、これは裁判はその線に沿っていっておるというふうに思います。が、結果はそういうふうに分かれておりますから、それをよく分析して、専門家にひとつ率直にこういうふうになっておるというふうなことを申し上げて御相談してみようと、こういうふうに思っております。  あとは部長からお話しします。

馬場富公明党

○馬場富君 じゃ、専門家等にひとつ検討の結果、そういう審査上もやはり水俣病であるという、そういう認定に立たれたときには、そういう点についての現在の審査基準とか、あるいはかつて出されました昨年七月の次官通達等については、そういう場合には見直される考えがあるかどうか、お尋ねいたします。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) いま言ったように、判断条件というのはこれは御承知のように専門家、学識経験者、水俣病に対する学識経験者の経験、知見というものが集積されてずっときたものですね。そしてそれが整理されておる。これは御承知のとおりなんです。ですから、いわばそれに対する専門的に知識のない者がぱっとつくったという問題でなくて、そういう専門家が経験と知識を全部集めたやつの長年の集積ができておる、こういうものであります。ですから、私どもは当然これは尊重しなければならぬ。けれどもが、裁判がそれにどういう判断しておるか、これもひとつ先ほど申したように頭に入れにゃならぬ。そういうわけでこの判決書をずっと検討していくと、そうするというと、その判断条件というものの線に沿いまして大体裁判というものは審理、裁判されておるというふうに私ども考えますから、いまその線について、判断条件のその線につきましてどうこうという考えは持っておりません。  ただ、そうでありながら結果がこういうふうになっておるということなんですね。そういう問題につきましていまずっと検討しまして、その内容その他について専門家に率直に御報告をし、御意見を聞こう、こういう考えであります。

馬場富公明党

○馬場富君 専門家に御意見を聞かれることは結構ですが、そういう場合にいまの判決の結果を認定上もよしとする者がやはり専門家あたりからも出てきた場合には、いままでの次官通達だとかそういう点についての食い違いも私は出てくるんじゃないか、そういう点についてはどのようにひとつされるのかといま聞いておるわけですよ。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) これがなかなか何年間もやっておる裁判でございまして、判決書も膨大になっておるわけです。けれども、こちらも非常に重要なことだと思います問題を一人一人について知見やいろいろなものを分析しておるわけです。その結果によりますと、大体判断条件の線に沿って審理、御判断されておる、こう思うんです、要は。  ですから、ただぼくらの方でちょっとはっきりわかりかねるのが、その線に沿っておるという判断のもとにやっておって結果が棄却されているやつが認められておる。ただその間には数年という期間がありますからね。たとえばそのときに結果がぱっと違うというならこれははっきりしますけれども、年限がずっとたっておりますから、これが科学的にどうなのかというようないろんなことについてひとつ御相談してみようと、こういうことを申し上げておるわけです。

馬場富公明党

○馬場富君 じゃ、この点についてはひとつ前向きで検討するということなんですか、結果的には。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 判断条件についてですか。——いまの私が申し上げるのは、水俣病というものについてこの前も国会からこの認定業務の促進関係についての法案もあるんですよ。その趣旨をよく私ども体してやっていくわけですから、何としてでも法案の趣旨に沿うようにやっていかにゃいかぬ。それかといって水俣病というものの過去いろんな深さ、広さというものを考えますれば、あらゆるところで教訓になるものは摂取しようとするそういう姿勢のもとに裁判も扱っている、対象にしておる、こういうことなんです。ですから、そういう意味から言えば一歩でも前進させようという姿勢であるということです。  しかし、判断条件そのものについていま見直すかどうかということは、これは裁判はこれを判断をしておりませんから、いま裁判によってこれを直ちに見直すというわけじゃない、こういうことです。しかしながら、結果はいま言ったように棄却されたのが一方認められておるというものがありますから、だからそれをいま分析しながら専門家にその経過を御報告しながら御意見を承る、こういう考えなんです。

馬場富公明党

○馬場富君 それでは、今回判決を受けられた方は慰謝料等も受けられるわけですから、そういう点については県の審査会の認定というのはどういうように判断されるんですか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) これは委員も御承知だと思いますが、一つの紛争が生じた場合、これの最終的な決断というものは司法で決まるわけですね、司法判断。こういう憲法上の組織になっておるんだから、日本は。ただしこの判決はまだ未確定なんですから、確定しておりません。ですから普通ならば確定してから検討しますというのが本当かもわかりません。けれどもが、環境庁としての水俣病に対する姿勢というものは確定するとかせぬとかそういう意味でなくて、少しでも教訓になるところは全部組み入れて、そして少しでもその対策に前進、万遺憾なきを期したいという姿勢だけなんです。  ですから、理論的に言えばいまの判決はまだ未確定なんですから、どういうふうになるのか。けれどもが、国民の間、まあ国家間でもそうでしょうが、紛争が起きた場合にどこで判断をするかということになれば司法判断が最終的ということになる。それでお訴えになられたわけですから。いま未確定ですからどうなるかわかりませんけれどもが、これが確定し、そして認定関係のものと違うということになれば、それに関する限り、当事者に関する限り既判力を持ちますから、それはその司法裁判の方が優先すると思います。

馬場富公明党

○馬場富君 それでは、確定したならばさきに水俣病ではないとしたそういう県の審査基準や、あるいは結局次官通達というのは見直すということになりますか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) いま裁判が、先ほど申し上げましたように、裁判を検討してみて……

馬場富公明党

○馬場富君 いや、確定したんだよ、確定した場合だよ。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) それは仮定論ですからいま何とも言えませんよ。仮定論です、いまは。  ただ、私どもはそれが確定しようが確定しまいが、あらゆる判断なり、そういういろんなものを水俣病対策というものについて少しでも教訓を得られるというものならば、確定するとかせぬとか、そういう形式論でなくて、われわれが参考になるものは吸収しようということを言っておるわけですよ。いまただ形式的に法律論なればそうだということで、私どもはそんな確定するとかせぬとか、そういうことでなくて、あらゆるそういうものについて教訓になるものをやっていかなきゃならぬ、何となれば水俣病というものはそれほど深く広いという非常にむずかしい問題だから、こういう姿勢を申し上げておるだけです。

馬場富公明党

○馬場富君 長官、それはおかしいですよ。水俣病認定患者の審査会では水俣病患者でないということを認定したわけですよ、これは。今度の判決で明らかに患者だとみなされて慰謝料が支払わされるということですよ。だから、このことでいま私論議しておるんですよ。  環境庁としてこれに対して今後どういうふうにやっていくかは別としまして、それじゃ、こういう判決に対して水俣病患者としてそういう法的に認められたような場合に、それじゃ県の審査基準というのは、いままでこれを水俣病ではないといった基準というのはどうなるんだ、また先般の次官通知というのはどうなるんだということを聞いておるんです、私は。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 馬場委員ね、ぼくと議論をし合っているという意味で申し上げておるわけじゃございませんからね。  いまの判決が出ておるのをずっと検討してみますと、判断条件というもの——政府環境庁とある。その線に沿って御判断をされておる、事実認定をされておるというふうに解釈される、ぼくらの方で検討すると。——いいですか。それはこっちの考えじゃなくて検討しておる。しかしそこで私どもが教訓を得なきゃならぬのは、いま御指摘のように一応再審の申し立てもございますわね。第一回の認定に対する再審の申し立てもいろいろあるんですから、同じように、一回で決まるわけじゃないですから、道が開けておる。ですから、少なくとも一応棄却されたという事実のある中で判決によっては水俣病として認定されておるということがある。この点からわれわれは教訓を得なきゃならぬじゃないか、要は。ところが、同じときに一方認定では棄却した、判決は同時刻にこれを認めたというなら、これはまた理論ははっきりするわけですが、数年間ここにたっておるわけですから、訴訟が、判決が、要は。そうするというと、時の経過によって、これは判決の中にも触れておりますけれども、時の経過によって、そのときよりも症状は顕著化する場合もある、あるいは治癒する場合もあるかもわからない、こういうことも触れております。そういう専門的ないろんな問題も起きてきておる。  だから、よく裁判や何かを詳細に分析しながら、私どもは少しでもこの水俣病対策というものについて教訓を得、そして患者の声ということもよく聞いていかにゃいけませんですから、当然。だからそういうような資料にする意味において専門家にそいつを諮っていこう、こういうことを申し上げておるわけなんです。

馬場富公明党

○馬場富君 それでは、いま長官の説明でいくと、その段階だ、だが判決はなされておる、これが確定したときにはそれがもちろん優先されて一切のもののやはり優先権があると先ほどもおっしゃいましたが、そう理解してよろしゅうございますか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) これは決して議論をするわけじゃございませんから、ただ客観的なことを申し上げるわけだし、私も多少その方面の職域にあったものですからこんなことを申すわけなんです、要は。  私言うのは、たとえばその判決が確定しましても、法律的に言いますればその当時者しか拘束力を持たないんです。それが民事裁判のそいつの原理原則なんです、法律論の、要は。その中には国は入っておりませんから、国は拘束をされるという性質のものじゃないんですよ、確定したからと言って。けれどもが、私が言うのは、そんな確定するとか、拘束力があるとかないとか、そういう意味じゃございませんと。要するに判決というものは司法の一つの判断である、大きな。ですから、これだけ水俣病というものが深く広いような状態であるときには、あらゆるいろんな意見なりそういうものの判断というものを謙虚に受け入れて、そして一歩でも前進させるような意味で取り組んでおりますということを申し上げておるわけなんですよ。ですから、確定したならばそいつが全部優先して全部を拘束するなんて、そんなわけじゃありません。それは当時者関係を狗束するだけであります。

馬場富公明党

○馬場富君 だから、私もその判決を受けた十二名の方のことについて言っておるんですよ。それをあらゆる人に適用するとは言ってないんです。その人たちは判決を受けて、慰謝料も受け、患者としての認定の同じ条件を得るわけですから、そういう点については、これは当然この人たちは、いま長官は時間の問題をおっしゃっていますけれども、実際時間の問題等ではこれは云々できるものじゃないと思うんです。一たんやはりこれはだめだと言ったやつを判決によってこういう決定されたわけになりますから、そういう点について十二名の人についてのことだけに私はいま限定して質問をしておるわけです。これがあらゆる人に及ぶということでなくて、やはりそういう人たちが結局そういう判決を受けた場合、当然やはり先ほどの論議から言っても、この人たちが結局判決がやはり優先されていくという、長官も言っていらっしゃいますから、これはやはり環境庁としてもこれを理解する以外ないんじゃないかということじゃないですか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) それはいまの当事者関係、これはもうお説のとおりです。

馬場富公明党

○馬場富君 では、いまそういう判決等も一つは貴重な意見として検討の中でこれから専門家とともに考えていくということでございますが、もう一点は、他に却下された患者の人たちの問題等や、あるいは結局再審査または未申請死亡患者のそうした人たちの調査とか救済等については、この問題等についてはいまの判決とどういうふうに長官はお考えになりますか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 私案は率直に申し上げまして二つの問題が非常に頭にあるわけです。というのは、どういうふうに患者の救済をよくやっていくか、これは当然のことだと思うんです、一つの使命。けれども、それは科学的な判断にまたなければこれは処理のしようがないんですね、要は。これが一つありますね。  それから一方、国会でもたとえば認定業務促進の法律がありますね。それによって環境庁自身も直属の今度は審査会をつくりますね、いままでできていないやつを、いま。いままでは地方でやっておったわけです。ですから患者の方々が一番よく知っておるでしょうから、ですから、そのニードというものをどういうふうに受け入れていくか、そこをどうするかということなんですね、一方。ですから、いまあそこで棄却された人はどうするんだ、ほかの人はどうするんだということになるでしょう。  そういうことにつきまして私は専門家の方々に、こういう判決が出てこういうふうだ、私どもが疑問に思うのは、どうも検討したところが判断条件はそのまま遵守されておるようだけれども、結果が素人判断で見ても一回棄却したものがこうして認められておるというのはだれが見てもちょっと不審に思うのだから、何か専門的にこれは考えられる点があるのかどうか、裁判や何かにはこういうような点があるからということを率直にひとつ専門家の方へお話をして、そしてこちらとしては専門家の方々の御納得と理解と協力がなければできないのですからね、こいつはなかなか。それとともに、国としても法律として認定業務促進ということになると思う、それから訴訟としても国は相手にはなっておりませんけれども不作為の判決があった、こういうような問題がありますのでということも率直に申し上げながら、そして水俣病対策というものを一層ひとつ前進させたいというのが真情でございます。

馬場富公明党

○馬場富君 最後に、これは話は全然違いますが、伊勢湾の赤潮のことについて一問最後に質問いたします。  五十三年度は、伊勢湾の赤潮については七十二件の二百四十四日間の長期間にわたっての赤潮が発生したわけです。今年ももう二月から三月、四月、五月とずっと連続的に赤潮が発生しておりますが、実は御存じのように総量規制が設けられることになっておるわけですけれども、やはりこの赤潮のいわゆる原因というのは富栄養化の問題でございますので、そういう点についてはもっとやはり瀬戸内海法等の問題のような対策というのを一つは考えていかなければ、これはどうしようもならぬ問題があるのではないか。そういう点についてのひとつ当局の御説明を願いたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) これは馬場委員も一番よく知っておられますし、それから坂倉委員も御存じだと思うのです。私も委員と御一緒のところですから目で見ておりますし、あの三河湾付近からの赤潮から、それから三重県も出ている。これは何とかしなければいかぬということなんです。  それで、大体水質汚濁防止法が昨年六月にできまして、ちょうど一年間猶予期間がございまして、この六月十二日に実施することになる予定です。これはぎりぎりです。それで、東京湾をこの前視察して、この指定が大体東京湾、伊勢湾、それから瀬戸内海というふうに三つ指定する状態ですね。ところが、きのう衆議院の公環特では琵琶湖を指定せいと、琵琶湖をということです。ですから、いまのところ三つでもなかなかえらいことだから、とにかく早急にそれなら琵琶湖をひとつ検討を申し上げてみましょうということになっておりますけれども、あそこも赤潮が出ておる。  それで、大ざっぱに見て水質の環境基準を達成したのを一〇として見て、大ざっぱに言って東京湾が六点、それから瀬戸内海が七点、伊勢湾が四点ですか。こういうふうに、まあ大ざっぱですよ。非常にきわめて大ざっぱなものですが、そういうようなことを考えても、これはどうしても伊勢湾は何とかせなきゃならない、こういうふうに思っております。  それから、関係の県から早急に視察に私に来てくれという要請ですが、国会がこういうふうになっておりますから、国会が終わらないというとちょっとと、そう申し上げております。  それから、赤潮に対しましてはいろいろ国立公害研究所におきましてこれのメカニズムその他のものを鋭意検討してやっております。これは富栄養化、大体燐とか窒素、そういうもののあれであろうが、そういうメカニズムにつきましてはいま鋭意検討しておるというところでございます。  馬場委員もきっと自分の毎日見ておられるところでしょうからよくわかる。私も地元ですから責めつけられておりますので、一生懸命やりたいと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 その点について、伊勢湾周辺を私もこの前視察したときに、長官はできれば近い機会にこの調査をしたい、あの伊勢湾の、特に三河湾の。その点についての考えをひとつ御説明願いたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) いま申し上げましたように、総量規制ですね。総量規制はいまずっと、六月十二日にはもう実施しますから、ずっと進んでおります。  この問題につきましては担当の局長から。

馬場道夫環境庁水質保全局長

○政府委員(馬場道夫君) それじゃ、総量規制の関係でございますが、ただいま長官からお答え申し上げましたように、六月十二日が施行でございます。  そこで、私どものいままでのあれを若干申し上げますと、総量規制に関連をいたしまして総量規制の負荷量の基準でございますけれども、あるいはそれの測定方法等につきまして中央公害対策審議会にお諮りをいたしまして三月の下旬に答申をいただいております。それに基づきまして関係の政令、府令あるいは環境庁告示等の準備を終えまして、すでに全部告示を公布をしたところでございます。  それから、水域あるいは関係地域の指定。関係地域と申しますのは、いわゆる臨海県だけではなくて上流県も含めるということでございますが、これは東京湾につきましては埼玉県、それから伊勢湾につきましては岐阜県、それから瀬戸内海は京都府と奈良県でございますが、それの指定も終わっております。  そこで、残りますのが総量削減の基本方針でございます。これは五十九年を目標にいたしまして、どの程度削減をするかということを海域別に、各発生源別に、あるいは府県ごとに削減目標量を定めまして割り当てるわけでございます。それを現在各県当局と詰めておる段階でございます。早急にその辺の成案を得まして円滑な実施に移したいというように考えておるわけでございます。  なお、この総量規制は直接はCODのカットを目的とするものでございますが、CODカットに伴いましていわゆる赤潮等の原因になります燐あるいは窒素につきましても、水質によって若干違いますが二割から四割ぐらいはこれで削減できるというようないままでの調査もございます。それにさらにいろいろな赤潮対策なりあるいは富栄養化対策も別途充実強化をいたしておるつもりでございます。  そういうものを総合的に運用することによりまして赤潮なり富栄養化対策の一層の充実を期してまいりたいと考えておるわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 長官は環境庁として伊勢湾等の調査はいつごろなされる予定ですか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) もう早く早く視察をしてくれと言って県庁や何かから来ておるんですよ。けれども、国会がこういう状態でまだ審議がずっと続いておりますので、国会が終わりまして、そして都合がついたらなるべく早い時期にお邪魔をいたしますと、こういうふうに申し上げてあるわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 終わります。

戸叶武日本社会党

○委員長(戸叶武君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四十三分散会

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