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87回国会参議院1979/05/28

決算委員会 第4号

発言数
349
登壇者
49
会派数
8
開催日
1979/05/28

会議録

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る三月二十二日、相沢武彦君が委員を辞任され、その補欠として黒柳明君が選任せられました。  また、三月二十九日、柄谷道一君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君が選任せられました。     —————————————

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  和泉照雄君の一時委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、理事に和泉照雄君を指名いたします。     —————————————

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 次に、昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件、昭和五十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件、昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書外一件、昭和五十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上九件を一括して議題といたします。  まず、これらの説明を聴取いたします。金子大蔵大臣。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) ただいま議題となりました昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件並びに昭和五十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和五十二年度一般会計予備費につきましては、その予算額は二千六百二十億円であり、こうのうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和五十二年四月二十八日から同年十二月十六日までの間において使用を決定いたしました金額は千百二十八億四千八百二十三万円余であり、すでに第八十四回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和五十三年一月三十一日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は三百四十四億四千五十六万円余であります。  その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業に必要な経費等の八件、その他の経費として国民健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等の十八件であります。  次に、昭和五十二年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は二兆六千五百五十七億五千百五十六万円余であり、このうち、昭和五十二年九月二十日から同年十二月二十日までの間において使用を決定いたしました金額は一千六百九十五億四千九百七十一万円余であり、すでに第八十四回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和五十三年二月二十一日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は八百十九億九千二百五十四万円余であります。  その内訳は、食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における調整勘定へ繰り入れに必要な経費、自動車損害賠償責任再保険特別会計保険勘定における再保険金及び保険金の不足を補うために必要な経費等六特別会計の十件であります。  次に、昭和五十二年度特別会計予算総則第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和五十二年五月二十七日から同年十二月十三日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は三百二十四億八千五百七十九万円であり、すでに第八十四回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和五十三年三月三日から同年三月三十日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は三百四十六億五千七百五十五万円余であります。  その内訳は、郵便貯金特別会計における支払い利子に必要な経費の増額、国立学校特別会計における医療費等に必要な経費の増額等四特別会計の五件であります。  次に、昭和五十三年度一般会計予備費につきましては、その当初予算額は三千億円でありましたが、補正予算(第1号)により、四百五十億円を修正減少いたしましたので、改予算額は二千五百五十億円となっております。  このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和五十三年四月十八日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は一千三百四十五億一千九百三十五万円余であります。  その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業に必要な経費等の十八件、その他の経費として、サケ・マス漁業の減船に伴う漁業者の救済に必要な経費等の三十一件であります。  次に、昭和五十三年度各特別会計予備費につきましては、その当初予算総額は二兆九千六百二十八億八千三百三万円余でありましたが、補正予算(特第1号)により、百二十八億四千六十五万円余を修正減少いたしましたので、改予算額は二兆九千五百億四千二百三十七万円余となっております。  このうち、昭和五十三年九月一日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました金額は六百四十六億五千八百十九万円余であります。  その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における自主流通米流通促進奨励金の交付に必要な経費等七特別会計の九件であります。  次に、昭和五十三年度特別会計予算総則第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和五十三年六月二十三日から同年十二月十五日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は百七十一億四千四百九万円であります。  その内訳は、食糧管理特別会計国内麦管理勘定における国内麦の買い入れ増加に伴い必要な経費の増額等七特別会計の十四件であります。  以上が、昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件並びに昭和五十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。  次に、昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書外一件及び昭和五十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和五十二年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は八百億円であり、このうち、昭和五十二年発生河川等災害復旧事業費補助等三件につきまして、昭和五十三年三月三日の閣議の決定を経て、総額九十八億六千二百万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。  次に、昭和五十二年度特別会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度総額は六百億円であり、このうち、空港整備特別会計における新東京国際空港空港用管制施設復旧整備等二件につきまして、昭和五十三年三月二十九日の閣議の決定を経て、総額九千八百二十八万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。  次に、昭和五十三年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は一千億円であり、このうち、迎賓館施設の整備につきまして、昭和五十三年十一月十七日の閣議の決定を経て、総額四億三千四百三十一万円余の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。  以上が、昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書外一件及び昭和五十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の報告に関する件の概要であります。     —————————————

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 次に、昭和五十年度決算外二件及びただいま説明を聴取いたしました予備費関係等九件を便宜一括して議題といたします。  この際、国有林野内の河川敷地について、渡辺農林水産大臣及び渡海建設大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。渡辺農林水産大臣。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 昨年三月十七日、本委員会において、委員長から農林水産省及び建設省の統一見解の提出を求められました国有林野内の河川敷地の件につきましては、関係省庁にも諮って鋭意検討を重ねました結果、次のとおり見解の一致を見ましたので御報告を申し上げます。  一 河川法上の河川管理者が行う管理は、専ら同法に基づく規制、工事等を内容とするものであって、財産の適正管理を目的とする国有財産法の財産管理とは、その内容を異にするものである。  二 したがって、河川敷地についても、国有財産の適正管理という見地から国有財産法上どの種類の財産とすべきかを検討の上、国有林野として一体的管理を行うことが適当であると認められる場合に、河川法による河川としての性格を変えることなく、これを国有財産法上の企業用財産として管理することはあり得る。  三 企業用財産である河川敷地が企業用財産として不要になった場合に、これを普通財産とした上で売却・交換することは法的に可能であると考える。  四 国有林野内の河川の敷地のうち河川工事の施行に必要なもの等については、両省協議の上農林水産省から建設省へ所管換をする。  今後とも両省におきましては、さらに密接な連携を図り、水資源の涵養、治山、治水等の一層の推進に努める所存であります。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 渡海建設大臣。

渡海元三郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(渡海元三郎君) 国有林野内の河川の敷地につきましての建設省及び農林水産省の統一見解は、ただいま農林水産大臣から報告があったとおりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) ただいま両大臣から御発言がありましたように、河川の敷地の管理について、農林水産、建設両省の統一見解が発表せられましたことは、本委員会を代表して、満足の意を表明いたしたいと存じます。  国有林野内における河川の敷地が、国有財産として、どの省の所管に属すべきかという問題は、明治十四年、内務省から農商務省が分離独立して以来今日に至るまでの懸案事項であり、農林水産、建設両省の見解に対立のありましたことは、去る昭和五十三年三月十七日の本委員会における関西電力黒部川第四発電所に関する小山一平委員の質疑に絡んで、はからずも表面化したのであります。  当時の茜ケ久保委員長から両省に対し、統一見解を提示することを求められたのでありますが、事は国有財産法、国有林野法、河川法等の法令の統一的解釈を必要とするのみならず、これと長年にわたる行政の積み重ねとの乖離をいかにすべきかという問題とも関連するため、容易に一致点を見出すことができないまま推移してまいった経緯もありまして、今日まで決着がつかなかったのであります。  今回、内閣法制局も加わって、関係諸法令の解釈に両省が歩み寄り、今後の国有林野内における河川敷地の管理については、ただいまの報告の線に沿って運営せられることになったのであります。  ここで、委員長として、念のため、両省に確認するという意味で質疑を行いたいと存じます。  まず、第一項及び第二項の問題でありますが、両大臣の御説明によりますと、国有林野内を流れている流水及びその敷地について、新たに、建設大臣ないし都道府県知事が、河川法に基づいて一級ないし二級河川の指定をした場合においては、その河川敷は、当然には国有財産法にいう公共用財産となるものではなく、依然として企業用財産ないし普通財産としての性格を持ち続けるものであるとも理解せられるのでありますが、ただ、その場合においても、建設大臣が河川法上の河川の管理権を有する関係上、国有林野の管理者たる農林水産大臣が、河川法第二十三条、第二十六条及び第二十七条に掲げる行為等を行わんとする場合には、あらかじめ同法第九十五条により建設大臣ないし都道府県知事と協議することを要するものと考えられますが、いかがですか。  次に、第三項の問題でありますが、農林水産省が、国有林野をダム工事に必要なもの等として、国以外の者に処分しようとする場合において、当該国有林野に現状河川敷地が含まれるときは、当該河川敷地の処分について、あらかじめ建設省と協議することとなると思いますが、いかがですか。  以上、二点についてお尋ねをいたします。

渡辺美智雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 第一項、第二項及び第三項の問題につきましては、いずれも御質問のとおりであります。

渡海元三郎自由民主党建設大臣

○国務大臣(渡海元三郎君) 第一項、第二項並びに第三項の御質問につきましては、いずれも委員長御質問のとおりでございます。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) それでは、これより決算外二件、締めくくり総括質疑第一回及び予備費関係等九件の質疑を行います。  質疑のある方は、順次御発言を願います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 昨年の九月に環境庁に対して、皇居周辺のマラソンコースにクラブハウスをつくるという希望が多いがという質問をいたしました。当時環境庁長官は、国民のコンセンサスが得られないので許可をしかねていると、こういう答弁でございました。一体国民のコンセンサスというのはどの程度のことを言うのか、ひとつ、その範囲について御説明をお願いいたしたいと思います。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 国民的なコンセンサスと申しますのは、国民の大多数の方々から御納得をいただくということでございまして、いわば常識に即して判断していかなければならないと考えますが、本件に関しましては、仮に脱衣室の建設を始めるというような場合に反対のための抗議行動が起きるということであれば、それはいまだコンセンサスが得られているのではなかろうというふうに考えます。それが第一点でございます。  それから、第二点といたしましては、皇居の周辺はいろいろな方面から建築物を建てさせてほしいという御要望がございます。たとえば、武道館は小道場がなければ本来の機能をなかなか発揮できないから小道場の増設を認めてもらいたいとか、あるいは、日曜祭日には自転車振興会が自転車を無料で乗れるように毎週取り計らってくださっておりますが、あの自転車置き場をつくることとしたいので、皇居外苑にしかるべき土地を見つけて許可をしてもらいたいとか、こういうような話がございますが、こういうものすべてにつきまして御要望に応じていけば、国民公園という実体がなくなっていくわけでございます。本件につきましては、御承知のとおり、閣議決定におきまして、もう建築物は認めないと、こういうことにもなっておりますが、その辺の考え方も一つの要件になろうかと考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 御説明では、国民のコンセンサスというのは、反対があればコンセンサスを得られないというふうな答弁と承ってよろしゅうございますか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 初めに申し上げましたように、一人でも反対があったらやらないというようなことまで申し上げているわけではございません。大多数の方々が御納得いただくというようなことであれば、一応コンセンサスが得られたということになろうかと思いますが、それだけではなくて、国民公園としてどういうふうにあそこを維持していくかという考え方についても、多くの方々の御納得というものは必要ではなかろうかというふうに考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 実は、前回の御質問を申し上げてから、いろんな話が逆に入ってまいります。一つは、もうすでに五十二年の十二月段階で、一応は環境庁はオーケーを出すというふうな新聞報道もございます。それから五十三年の二月、一九七八年の二月にマラソンマガジンという雑誌、これはマラソン関係では非常に大きい権威のある雑誌ですが、お待たせいたしました、皇居にクラブハウス実現、というふうな記事を載せておりまして、当時の感触としては、おおよそもうこの問題については、決定寸前まで行っていたというような背景があったようでございます。それが突如として中止になったということの裏には、何かございませんか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) ただいまおっしゃいました新聞などの報道は、いずれも間違いでございます。私ども、初めから本件は閣議了解事項もあり、きわめて実現のむずかしい問題であるということで取り組んできたものでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 閣議了解事項の建築物というのは、どの程度のものを言いますか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 私ども分類いたしております中では、たとえば記念碑的なものは含まれませんが、いわゆる工作物以上のものはすべて建築物というふうに考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 仮設建築物はどうなりますか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 何らかの一時的な使用を目的とする仮設であれば、それはケース・バイ・ケースで認めておりますが、恒久的なものはその建築物の中に入ってまいります。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 取り外し可能な、プレハブ程度のもの、そういったものは閣議了解事項の建築物に入りますか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 先ほども申し上げましたように、その使用目的のいかんによって異なってくるわけでございまして、たとえば、現在、凱旋堀、桜田堀の水位が著しく低下しているためにポンプアップをするというようなことをやっておりますし、そのために電気を引いてくるというような工事もやっております。その関係で、プレハブ的なものが必要であれば、暫時、一時的な使用期間ということを条件として認めることはありますが、それ以外の、いわゆる目的が恒久的なものは、これはたとえプレハブであっても建築物になると判断いたしております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そうしますと、いまの御説明を聞いていると、国民的なコンセンサスのあるないにかかわらず、だめだということなんでしょう、いまのお話は。そうじゃないんですか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 国民的なコンセンサスがある、すなわち、閣議におきましてもそれだけはやむを得ない、そして先ほど申しましたように、それ以外の建築物について御要望があった場合にそれをはっきりお断りできると、こういうような条件が整えば別でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 ちょっと長官にお願いいたしますが、一体国民的なコンセンサスというのは閣議決定を言うのですか、どうなんです。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 丸谷委員、いろいろと御質疑がございましたが、いまの御質問に対しまして自然保護局長が御答弁しておりますが、このときは昨年の八月ごろのことでございまして、私もこれは注意深く就任後検討いたしました。またいろいろと御要望もありますので、一体どのくらいの利用度を持っているんだろうかということで、その調査を私、させました。そうすると、非常に利用されております。  で、この最近の利用度を見ますというと、五十四年五月十二日、土曜日でございますが、男女総計で二千三百六十一人。男が二千百八十、女が百八十一。その翌日の五月十三日の日曜日は総計千八十六人。男が九百七十、女が百十六。五月二十一日は総計千六百十七人。男が千四百六十九、女が百四十八と、こういうふうな数字を一回出させております。私、あそこをずっと見まして、外人の方も大部分おられるからというわけで、外人はどのくらい入っているかということで見ましたら、土曜日に外人の方が二十五人、日曜日が五十六人、月曜日が十七人ということです。このことはなぜかというと、熱心な御質問があった際でございますので、私どもも真剣に考えていく必要があるだろう、こういうわけで実は……

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 ちょっと、議事進行。簡単に。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) ちょっとまだ……。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) ええ、簡略にです。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 質問に答えていないんです。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) いやいや、必要度のことで御質問をされておると思いましたから、こちらの姿勢を申し上げておる意味で申し上げております。  で、なるほどいろんなこれの御陳情というのもある。利用度、そう思いまして、それで保護局長によく検討する方がいいんじゃないかということを申したのです。ところが、その結果をいま局長が申し上げておるわけです。コンセンサスという問題につきまして、これは前の大臣がそういうふうにおっしゃっておるようですね、これを答弁。ですから私が就任後これをずっと検討しておる経過をいま申し上げておるわけです。  それはコンセンサス、非常にむずかしい問題、どういう点で考えられておるかということを私は部内でも聞いておるわけです。そうするというと、いま局長が申し上げておりまするように、相当反対的な御陳情もあるようですね、いきさつは。ですから、そういうことをも考慮しながら、国民の大多数がこれを合意されていくという状態もコンセンサスというふうに見ておる。これは一般の抽象論でございましょうが、その背後には、結局、まだコンセンサスというような——いろいろな反対意見とか御陳情もあるようですね。それも含めて、一方、閣議了解というのは、新しい建築物については、これは今後は原則として認めていかない趣旨が書いてあります。けれども、要は、閣議了解でございますから、一つの大きないろんなことが変わってくれば、私ども大臣としましても政治的にこれを申し上げなければならぬ場合がある、変わってくれば。ですから、いま言ったように、いろんな情勢を検討して、そして慎重にひとつ前向きに検討していこうというのが現在の状態でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 大臣、私はきわめて端的に、国民のコンセンサスというのは閣議決定とどういう関係なんだと。いまの局長の答弁によりますと、国民のコンセンサスと一方で言っているけれども、一方では閣議の決定事項があるからだめなんだということを言っておる。私は、だから閣議の決定事項がなければだめなのか、国民のおおよそのコンセンサスが得られればいいのか、ここのところを二者択一的に大臣にひとつ御答弁をお願いしたいと思います。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) ごもっともな御質問だと思うんです。ですから、私、前の大臣がこういう発言をされておるのを見て、その当時は四十七年からの閣議了解があるんですから、閣議了解のある上でこの御発言をされておるんですから、それを私はそんたくしまして、そして実際上の実情もぼくも見ておこうというわけで、調査をさせたり、それからいろいろ聞いておるわけです。ですから、閣議了解があって原則としてだめというなら、コンセンサスも何もそういうことを論議する必要はないじゃないかという御質問はごもっともでございます。けれども、前の大臣がそうおっしゃっておられるのをそんたくして、そういう国民的な合意がずっと出てくるということになれば、あるいは閣議の問題につきましても御発言をされるんじゃなかろうかと、こういうふうに私は受け取りまして、そしてみんなが無理のない状態でいき得るということになれば私は考えていくべきじゃないかと、こういう意味で申し上げておるわけです。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そこで、昨年の前大臣の答弁を受けて、いま全国的に署名運動が進んでおります。大臣、一体この署名がどのくらい全国的にとれたらコンセンサスというふうなことで再考の基準になりましょうか。みんなそれだけ集めると言っていますので、きょうの大臣の言うだけ。ひとつ。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) これはなかなかむずかしい御質問でございまして、とにかく何名ならばどうということはちょっとこうあれでございますが、要は、閣議了解が行われたというのは、特殊的に国民公国というものの趣旨、あそこの特殊性というものを加味されて了解ができておると思うんですよ、普通の場所と違うから。そういうのと、それから国民の要するに常識的に大多数がコンセンサスを得たというようなものを判断しながら、ひとつ、御要望の趣旨はよくわかりますから、検討を進めていきたいと、こう思っておるのが私の真情でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 大臣、普通の場所と違うという感覚、いいですか、これに大きな一つは問題があるんです。あれは環境庁が所管する公園でしょう。どういうふうに違うんですか。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 私は、違うということは、閣議了解が四十七年に新しい建築物をしないというようにされたということは、他と違うんじゃないですか。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 わかりました。そういう意味で違うというのであれば私も納得するんでございますが、しばしばあの場所は聖域だと、外苑の公園地帯は。こういうことを言う人たちもおるわけなんです。で、前回も、まさか長官が皇居前の公園地帯を聖域だとはお考えになっていないと思いましたけれども、そういうふうに誤解して発表する方もおりますので、あえて確認をした次第でございます。そうでないと、たとえば公園地帯、スーパー林道その他、相当の反対があっても許可しているという実例があるんですから、全く全体の許可がなければというふうなことにはならない行政実例がありますし、法のもとの平等の原則から言いましても、同じような考え方を持っていかなければならぬのじゃないかと思うわけです。ところが、実際には、もうすでに三千七百キロも走りながら、北方領土の返還運動といまのこの皇居の署名運動、全国を走りながら回っている人もいるんです。非常に大きな反響で、各地で新聞にもそのことが出ております。そういう反面、一方で明らかに右翼——とその人は自称しているんですから——と目される人たちが皇居のクラブハウス建設に反対していると、こんなに大きく私の前のふれに対しても実は新聞で報道してくれました。この中で私を左翼テロの牙城づくりのけしからぬ議員だというようなことを言っているので、私はこの新聞社に電話で、何を言うかと、一つには、いま皇居の周りで脱衣場が欲しいと言っている人たちは大体もう六十過ぎのお年寄りの方たちで、死ぬまでに一遍お天子様の住んでいる皇居の周りを走りたいと、こういうむしろ皇室尊崇の念であの周りを走りたいと考えている人たちなんだよと。それからまた私自身に対しても、南朝以来の十津川の忠臣の家系であるわが丸谷家を知らぬのかと。いやどうもお見それしましたということになりましたけれども、私は皇居否定の立場で質問するんでなくて、むしろそういう素朴な国民感情で皇居の周りと触れ合いたいという人たちを排除する、そのことの方が、国民から皇室を切り離すことになるんでないかと、こういうふうに実はそのときも電話で早速文句を言いましたけれども、どうも環境庁聞いておりますと、反対反対と言うけれども、実際にわれわれの調べたところで、そういう聖域というふうな物の考え方で反対をしている人以外の反対の話を、この半年間、体連だとかいろんなところを聞きましたが、ほとんどないんです。一体反対しているのはだれなんですか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) ただいまお話しされました方々が中心でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そうすると、右翼の人たちが反対したら何百人の署名を集めても国民のコンセンサスは得られないと、こういうふうな判断を環境庁はするんですか。じゃ、スーパー林道やなんかもそういうことになりますか。

金子太郎環境庁自然保護局長

○政府委員(金子太郎君) 私が初めから申し上げておりますように、仮に更衣室をつくる工事を始めるような場合に抗議行動などが起きるような状態というのは好ましくない、そういうことを冒してまでつくるべきものであるかどうか、私どもはにわかに結論は出せない、こういうことを申し上げているわけでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 この問題につきましては、さらに署名が集まった段階でもう一遍長官にお願いもいたしますが、素朴な国民感情の、皇居の周りでマラソンをするのを一生の思い出にして死んでいきたいと、こういうお年寄りを中心にしたそういう考え方が全国的に非常にあると。これは東京の人にはわからないんです。北海道だとか九州だとか、遠いところほどそういう希望があると、こういうものが素直にかなえられるような場所づくり、このことについてはひとつさらに御検討を願いたい。決していま一部の右翼の人たちが言うように、左翼暴力集団の牙城にするためなんというふうな、そんな意図で運動している者はさらさらいないということの認識を深めていただきたいと思います。最後にひとつ。

上村千一郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(上村千一郎君) 御質疑の趣旨は決して誤解して受けとめておるわけではございません。一層検討させていただきたいと思います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 次に、総括ですから、大体この一年間に質問した中の未解決の問題ということで、厚生省、薬事法の関係について御質問申し上げます。  昨年の九月の二十七日に、薬務局長の通達を中心にして薬事法の問題の質問をいたしました。そのとき薬務局長から、いろいろ答弁しておりますけれども、最後に、これは四十六年の薬務局長通達、「四十六年当時の判断が永久不変に変わりないものだというふうには私どもは考えておりません。先生の御指摘のような点も含めまして、一方でこのようないわば医薬品類似の健康食品の規制というようなことはどうしても必要なことでもございますので、十分に検討を重ねてまいりたいと、かように考えております。」と、その後どうですか、十分にどのような検討をされましたか。御報告願いたいと思います。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。  私がお答え申し上げました趣旨は、医薬品というのは、一般人の理解といたしましては、政府の製造承認あるいは製造許可にかかわるものでございまして、国民大衆といたしましては、その医薬品の有効性、安全性に対するところの信頼感が先立つものでございます。また、先生御承知のとおりに、サリドマイドあるいはスモン等の事件は、さような製造承認にかかわる医薬品に対する国民大衆の信頼感ということについての行政上の責任を政府が痛感したからこそ、この解決について政府が行政責任をとったんだという経緯がございます。  このような意味からいたしますれば、一般大衆に、医薬品と紛らわしい、比薬品としての誤認を与えるような表示あるいは広告というようなものについて、政府として責任を持って取り締まらざるを得ないという事情が一方にございます。ここから先生御指摘のようないろいろなむずかしい問題が生じているわけでございます。  一方、たとえば栄養の関係から申しますと、わが方の公衆衛生局に栄養課という課がございまして、ここで現在までのところ、いわゆる健康食品あるいは栄養強化の観点の食品、これについての取り扱いについて鋭意検討いたしているところでございます。これについては、食品の観点からのいわば検討が粘力的に現在公衆衛生局で進められているところでございまして、私どもは、公衆衛生局におけるこの種の特殊な食品についての取り扱いということを十分勘案しながら、薬事法上の取り扱いというものについて十分な検討を重ねてまいりたい。現在のところ具体的な結論は出ておりませんけれども、公衆衛生局と薬務局と連携をいたしまして、この問題のいわば適切かつ円満な解決策を講じてまいりたい、かように考えておるところでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 適切かつ円満なというお話でございますが、実は私たちが問題にいたしましたのは、四十六年通達を問題にしているんです。あれではいかぬじゃないか。あの質問の後、私のところにも全国からいろんな事案が続々持ち込まれました。その多さに実はびっくりしたんです。あのときも申し上げましたけれども、たとえば、こういう要するに通達ですわね。「形状及び用法用量が医薬品的であるもの。なお、形状が明らかに医薬品的とみなされる場合は、用法用量の如何にかかわらず医薬品の範囲とする。」と、こう判定基準の中に。そうして都道府県の衛生部の方は、おおよそこの局長通達を金科玉条にして、これに合わせてそれは薬事法違反だというふうな判定をするものですから、至るところでそういう問題が出ております。しかし、実際には薬事法の中でそういう食品衛生法でもって許可したものを、形状あるいは用法用量、こういうことを中心にして薬事法違反というふうな局長通達を出すこと自体に問題があるんじゃないですか。問題ないですか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 率直に申し上げまして、現在非常にブーム状態になっておりますところの健康食品あるいは自然食品とか特殊栄養食品的なものについての取り扱いについて、現在の行政的な対応が事態の発展に対して完全に対応し切れているかどうかということについては、私としては疑問を持っております。ただ、薬務行政の立場からいたしますと、実は先生御指摘の通達でございますが、昨年の先生の御質問の後に、東京高裁におきましてこれについての判断が示されておりまして、この薬務局長通達に基づきますところの薬事法の適用取り締まりについては、実は、一般通常人の理解においてという言葉におきまして、東京高等裁判所が全面的にこの薬事法上の取り締まりを肯定をいたしておるところでございます。このこと自身が、もちろん薬事法の解釈運用の問題がございまして、先生御指摘のように、いわゆる健康食品あるいは自然食品等の問題についてのいわば対処の判断を示しているわけではございません。しかしながら、薬事法の解釈運用上、一般通常人の理解において医薬品と紛らわしいもの、誤解を受けるようなものについては、形状等に照らして薬事法による取り締まりを行うということは全面的に東京高裁の是認を受けているところでございまして、私どもは、さような薬事法上の取り扱い問題とそれとは別個の問題といたしまして、先生の御指摘のような、いわば健康食品あるいは自然食品等に対する行政的ないわば対処というものをいかがすべきかという問題は一つの行政的な重大な課題であろうと、かように考えておるところでございます。この点については御理解を賜りたいというふうに存じます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 東京高裁の判決も非常に、何といいますか、違法行為、それから医薬品と全く同じような形のいわゆる一般常識の問題をとらえたことだと思うんです。  ところが、都道府県においてはもう明らかに食品的なものについてまで、その都道府県衛生部の判断によっては薬事法違反だと、こういう摘発が現在続けられております。たとえば警察当局の方で大体この種問題を摘発する場合に、必ず都道府県の衛生部に文書で照会をしておるようでございます。これは、違反だというふうなことの専門的な問題になるのでそういう慎重な取り扱いをするんだと思いますが、その上でやっておる。ですから、警察当局の摘発そのものよりも、それを違反だというふうに認定した衛生部、あるいは、厚生省のこれは通達に基づいてですから、というふうなことが私は非常に問題になってくるんじゃないか、こう思うわけです。  たとえば形状の問題、ここで、形状でもって医薬品と見まがうようなものはといま言いましたね。ここにたくさんあるんです。これ、いいですか、局長。どれが医薬品で、どれが清涼飲料水だかわかりますか、そっちから見て。わかりますか、これ。わかりますか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 先生御承知のとおりに、たとえば大正製薬のリポビタンDが医薬品であり、オロナミンCが清涼飲料水であるというふうなことがございます。したがいまして、ドリンク剤と清涼飲料水のいわばボーダーラインと申しますか、そこのところの区別が確かに非常につきにくいものであるということは私も率直に認めざるを得ません。ただし、法律上の取り締まりといたしましては、清涼飲料水につきましては一切医薬品としての効能効果を標榜することは取り締まられているわけでございまして、そこの薬事法上の取り締まりにつきましては、われわれとしては厳格にこれを行っているつもりでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 あなた、四十六年に、いいですか。「形状が明らかに医薬品的とみなされる場合は、用法用量の如何にかかわらず医薬品の範囲とする。」ということから取り締まらなきゃならぬでしょう、これ。大手がやれば何でもないんですか。これわかりますか。明らかにあれでしょう。そうすると、この通達は間違っているということですね。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 私はその種の、何と申しますか、びん詰めになっているところの液体が医薬品的な形状であると申し上げたわけではございません。主として医薬品的形状ということが問題になりますのは、恐らく先生前回御指摘のございました、たとえばカプセル剤といったようなものが問題になろうかと思うわけでございます。そのカプセル剤につきましては、先生御承知のとおりに、たとえば高級調味料とか、あるいは非常に飛び離れたようなことを申し上げてあるいはお怒りを買うかもしれませんが、たとえば宇宙食まがいのもの、つまり栄養を非常に集約をいたしまして人体に吸収させるというふうな場合にカプセル剤があり得るわけでございまして、そのようなことを私は実は念頭に置いて申し上げたわけでございまして、びん詰めの液体が外見上医薬品だということを申し上げたつもりはございません。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 局長、あなたの念頭にあることで申し上げているというんですが、薬事法というのは違反した場合に刑罰法規がある。そうすると、こういう場合にだめだというのは例示規定が必要で、局長通達で取り締まるということはこれはちょっと問題でないんですか、どうなんです。みんなこれによって取り締まっているんですよ。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) その点は前回も先生に御答弁申し上げたわけでございますが、その裁判所の判断にもございますように、いわば一般人の理解において医薬品としての誤認を与えるものということが基本でございます。ところが、一般人の理解において医薬品としての誤認を与えそうなものということは、これは食品というものの形態変化も一方にございます。食品の形状の変化というふうな流動的な要素がございますために、その時点、その時点のいわば判断が流動的であるということは私も確かに認めざるを得ないわけでございます。これはそのようなことが一体法規上の取り締まりとして、画一性を持つべき法規上の取り締まりとして、何と申しますか、最善のものであるかどうかということについては、私どもといたしましてもそれが最善のものだというふうに判断をいたしているわけでもございませんが、実際問題として、国民大衆が医薬品としての認識を持ちやすいような形態のものが、それが医薬品と誤認されたままで一般人の口に入るというようなことにつきましては、私どもとしては責任を持って取り締まらざるを得ないという、われわれとしてのいわば非常につらい立場について御理解を賜りたいと思うわけでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 つらい立場はよくわかるんですよ。わかるんですが、たとえばカプセルならだめだとか、そういう場合には、国民にわかるように、こういうものは医薬品類似の形状だからだめですよという明示規定がなかったらわからないでしょう。わからないやつを後から薬事法違反だと。というのは、薬事法違反で全体の食品までかぶせるような現行法規にも問題があると思います。そこに一番の根本的な問題はあるんですが、ただ、この薬務局長通達によって都道府県はみんなやっているわけですから、これをこのままやられたら大変だとあなた思いませんか、こんなばかなことが。あなたいま私の考え方においてとかなんとか言うが、法律にはそんなものはないでしょう。特に刑法罰を伴うものについてはもっとはっきりした明示規定がなくてどうしてやれるんですか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 実は医薬品の範囲、医薬品というのはどういうものを医薬品というかということは非常にむずかしい問題でございまして、実は現在の薬事法を起案いたしましたときに、私、法制局の主査参事官として、医薬品の定義が決まらなきゃ薬事法はできないんじゃないかということで、それで、たしか二日か三日ぐらいその定義を書くのに苦労したことがあるんですが、結局医薬品が食品とは違うと、それは先生御存じのとおり、食品衛生法の中で、食品からは医薬品は除くとなっております。その肝心の医薬品の範囲が定まらなければ規制、取り締まりの態様が違ってくるわけでございますから、それでまずその医薬品の定義を考えなさいということでずいぶん苦労いたしました。その結果できましたのが現行の薬事法の二条の第一項でございまして、結局私がそのとき考えましたのは、医薬品というのは有効でなきゃいかぬことは当然、有効無害じゃなきゃいかぬわけなんですが、無効無害であってもこれはやっぱり取り締まらなきゃ、国民としては、それが薬として市場に出回ったんでは、そういう有効無害の本当の有効な薬を使う機会を、何といいますか、失って、無効無害のものを飲んじゃうわけですから、あるいは服用することになりますから、それじゃ困るんで、その辺が非常にむずかしいんですね。非常にむずかしいんで、そうすると、メリケン粉だって、普通の薬のような形態で市販されますと、国民はこれはやっぱり効くんじゃないかと思ってそれを服用して、それで有効無害の本来の医薬品を使用する機会を失うというか、間違っちゃうわけなんですから、その辺が非常にむずかしいですね。そこで……

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 簡単にひとつお願いします。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 簡単に長官。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) はい。  そこで、無効無害ではやっぱりいけないんで、何か効能効果があると書けばこれは国民が困るわけなんですから、一般大衆が、消費者が困るわけですから、それは薬事法で取り締まらなければいけないと。それから、形態から見まして普通の薬と医薬品と間違えるような形状であっては困るというようなこともあると思うんです。  それを含めまして、結局医薬品という薬事法の取り締まりの対象というのは、御存じのように、ここまでという非常に厳しいきちっとした厳格には書けなかったわけなんですけれども、幸い、先ほど御指摘の高等裁判所の判例がありまして、これは非常に消費者の利益のことも考え、またいまの薬事法の本来の趣旨、目的に沿うような定義を書いてくださったんだと思って、私は非常にいい判決だというふうに考えておるわけでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 実はいま質問しない方から長々と約十分、これは私の持ち時間から引いてもらわないと、こういうことじゃとてもじゃないけど持ち時間が足りなくなるので、ひとつ委員長、御配慮願いたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) はい、よく考慮します。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 実は大臣、いま局長から、医薬品の範囲というのは大変むずかしいということを言っておるんですが、医薬品と食品との区別だけは、薬事法が大改正をした昭和三十六年、薬務局長から各都道府県に通達として出ているんです、「医薬品等の定義に関する事項」というのが。いいですか、大臣、これよく覚えてください。この通達が出て、ここではっきり医薬品というのは医薬品として許可したものをいうということが出ているわけですよ。それから、食品等についてはここで除くと書いてないのは、食品衛生法の方に同様規定があるから——旧法にあったんです。「旧法第二条第四項第三号の「(食品を除く。)」及び同項第四号の「前各号に掲げるものの構成の一部として使用されているもの」の規定が削除されたが、これはいずれも解釈上当然のことと考えられたためであって、この規定の削除によって医薬品の範囲が従来と変わるものではない」と、いいですか。ですから、医薬品の定義はまことにむずかしいということはおかしいんです。医薬品の定義はここでちゃんと昭和三十六年に薬務局長通達で出しているんですよ、食品は入らないということが。  ですから、その後、今度は昭和四十三年の十月に、福岡県の衛生部長から照会のあったカネミサラダオイル、これについて、このカネミサラダオイルがその表示文中に、血管内のコレステロールを除く特性を最高に持っていますから高血圧の予防に最高ですという、こういう表示をしているんです。これは薬事法にひっかからないかという照会が当時福岡県から出ているのに対しては、薬務局長は、こういう表示で取り締まらないんだから——全部読むと長くなりますから簡略に言いますと、これは薬事法違反にならないということを回答しているんです。一体これどういうことだと思います。  私が問題にしたいのは、こういう大企業のやつなら何にも言わないし、カネミ油のようなものについても、当時はこれだけの表示をしたのは薬事法違反でないと言っているんです。その反面、一方では局長通達、それから、その後の問題点の中でいま裁判で争われているものの中にも、形状が明らかに医薬品的であるから——これは県の衛生部の担当官が裁判所でもってそういう証言をしているのがあるんです。また、形状、仕様等を言えばこれはもう医薬品を販売したことになりますと。それはどこからそういう根拠が出るんだと言うと、薬務局長の四十六年通達ですと。いま現に争われているんです。高麗人参酒というのが徳山の裁判所で争われています。  しかし、もっとこういう混乱はひどいんです。北海道の札幌中央警察署が薬事法で挙げたサンクロレラ、これは宣伝した文章が薬事法違反だということで挙げているんです。そして挙げておいて、恐らくこれも衛生部とは相談したんでしょう。挙げておいて、なおかつこれは裁判しないんです、そのままずっと。サンクロレラの社長さんは、むしろ薬事法のいまの問題たくさんあるんだから、最高裁までこの問題は争ってはっきりするところはしたいから公訴に持ち込んでくれと言ってもなかなかならないでいるんですよ。こういう状態で非常に混乱しているということを、ひとつ大臣、いかがお考えですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) いま丸谷委員からの御質問の中で、たまたま例示で挙げられましたカネミのサラダオイルですか、これは回答を見てみますと、効能及び効果の表現方法に行き過ぎがあることも事実であり、好ましくないので改めるよう指導されたいという回答が出ております。これは事実問題としてそういうことになっております。  ただ、一般的な問題として、御指摘のように、現在、現行薬事法とあるいは食品衛生行政との接点部分についていろいろな問題点があることを私もよく承知をいたしております。私ども、これは衆議院の社会労働委員会の場におきましてもいろいろな論議が従来からございまして、むしろ、たとえば健康食品とかあるいは自然食品とかというものについての定義を定めることが先ではないかとか、あるいは、たとえば公正取引委員会の公正競争規約を適用することによって何らかの方法が考えられないかとか、また、薬事法自体でもっと明確な回答が出せないものかとか、実はいろんな議論をしてまいりました。  率直に、御指摘のような問題点があることを私は決して否定をいたしません。厚生省自身としてもそうした矛盾点に問題を感じまして、昨年度、新形態食品、まあ剤型等でいろいろなものが最近出ております新形態食品につきましての実態調査を行い、本年度も番卒料関係について同様の調査を実施をしていこうとしておりますのは、この作業の過程で、健康食品とか自然食品とかいうものの定義を決めようとしてみたらこれは非常にむずかしくなってしまったわけです。こうした問題点について国として考慮をしなければならぬ部分があることを私ども承知をいたしておりますし、それに対しての努力を今後も続けていくということをまず申し上げたいと思います。  ただ、現実行政の上で、いま局長が申しましたように、接点部分につきましてなかなか苦労しておるところもありますので、問題を御指摘いただきましたものにつきましても今後できるだけの努力をして考えてまいりたい、そのように思います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 大臣、そこが問題なんです。いいですか。カネミの場合には、好ましくないから直しなさいという行政指導をやっているんですよ、ああいう大会社だと。そうしておいて、ほかの方は直ちにもう薬事法違反でもってこの通達でどんどん挙げているんです。こういう不公平が行われていいんですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) それは丸谷さん大変御無理な話でありまして、カネミの事件は四十三年であります。局長通達は四十六年であります。こうしたカネミのライスオイルあるいはその他類似の問題が発生しました結果、四十六年に局長通達を明らかにしたものでありまして、その以前のものが四十六年の通達によって取り締まられていないからといっておしかりを受けるのは、ちょっとこれは御無理ではないでしょうか。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それで、たとえばサンクロレラのこういうような文書を出しただけで、効能効果と書いたからといって薬事法違反でもって摘発しているんです。いいですか、大臣。それから言えば、当然やらなきゃならない、もう枚挙にいとまないくらいあるんですが、そのうちでごく最近のやつを言いますと、二十五日の朝日新聞に、「麦ごはんがいい」という大きな広告が出ています。それから昨日も、朝鮮ニンジンについての効能効果がたくさん出ています。これらについては、要するに、物を売ろうとしないのであれば云々というようなことを言っておりますけれども、これは明らかに、資料も差し上げますということで、これは麦を一生懸命売るというあれなんです。一歩譲って、お米屋さんが麦を売るときにこの朝日新聞にくるんで持たしてやったらこれ違反になるかならないか、どうなんです。一方では、サンクロレラのような問題のときには、薬効を表示したから違反だといって挙げているんです。  その間にちょっと法務大臣に聞きますが、法務大臣、これ、札幌中央警察署で挙げたサンクロレラの事件がなぜ裁判にならないんです。本人の方は公訴してくれと言って、たくさん内容証明のようなものをあちこち出しているんですが、ならないというんですよ。これはどういうわけなんでしょう。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) お尋ねの事件は、札幌中央警察から札幌地検に送致されております中山秀雄ほか二名に係る薬事法違反の事件と思いますが、近く処理する予定でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 近く処理するって、これ何年かかっているんですか、問題が起きてから。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 札幌地方検察庁が受理をいたしましてほぼ一年でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 同じような事例で、高麗人参酒の徳山裁判所のなんかの場合に、きわめて早く対応してどんどん裁判に持ち込んでいる。その地方地方によって、もうきわめて薬務局長通達というのは拡大解釈されたり縮小解釈されたりしておるんです。それで、一体こういう問題について、先ほどもちょっと御答弁がありましたけれど、栄養改善法という中で当然取り締まらなきゃならないものを、全部薬事法の網をかぶせて薬事法で取り締まっているということについて、公衆衛生局の方は所管を侵されているという抗議はしないんですか。

田中明夫厚生省公衆衛生局長

○政府委員(田中明夫君) 栄養改善法におきましては、「販売に供する食品につき、栄養成分の補給ができる旨の標示又は乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用等の特別の用途に適する旨を表示をしようとする者は、厚生大臣の許可を受けなければならない。」ということでございまして、われわれが栄養改善法において対象といたしておりますものは食品でございます。しかも、医師が、病者等の治療の一環といたしまして、たとえば低カロリーの食品というようなものが適するというような場合に、食品の方にも医者の指示が必要であるというような規定を設けているわけでございまして、薬事法の取り締まりの対象となります薬品というものとわれわれの方が対象としております特殊栄養食品というものの間には、まあ薬品とそれから食品の差があるわけでございまして、私どもの方では栄養改善法で規定しております特殊栄養食品につきまして取り扱っておるわけでございまして、その間に特に相反するということはないと考えております。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 丸谷君、時間がもう……。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 時間がありませんのでこれでやめますが、昨年から問題になっていて、検討するということが、明らかに法的に薬事法一本で取り締まることには無理があるということを認めながら、このことを積極的に進めないで全国各地に異常な混乱を起こしていることは、私は行政の怠慢だと思います。したがって、薬事法の二条で健康食品等のすべてを網をかけて取り締まるということが無理なことはもう明らかなことでございますし、栄養改善法との兼ね合いの問題もあります。これは大臣、ひとつまたの機会に、私はこの問題をもっと掘り下げて御質問申し上げたいと思いますので、ただいま指摘したような問題についてももっと積極的に取り組んで、いたずらに薬事法違反、薬事法違反というふうなことで摘発行政だけが先行することのないよう。それらの事案を聞いてみると、保健所その他が行政指導でもって注意をすれば何でもなかったような事案もたくさんあるんです。そういう行政指導をしないで、いまの薬務局長のきわめてあいまいな明示規定のないことでどんどん国民を摘発していくというふうなことは、時によってはもう何でも取り締まれるんですから、形状あるいは効能、一方では取り締まらないし、一方では同じ問題を取り締まっているんです。そういうことがもうたくさんありますので、下手をするともうこれは大変なことなんで、十分その点大臣考慮して、これらの四十六年薬務局長通達ですべての薬事法違反を取り締まるというばかなことを速やかに訂正して、ただいま法制局長官からも話のありましたように、やはりもう一つ、そういう規制をする法律なり、公取委の規制を早急につくるように、それぞれ関係所管庁の努力を要望いたしまして質問を終わります。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに現行の、これは薬事法の立場から言えば、薬まがいのものを取り締まらなければならないという性格が一方に完全にあるわけでありますが、それだけで対応し切れない問題があることは私も承知をいたしておりますと先ほど申し上げました。今後なお検討してまいりたい、そのように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 最初に防衛庁長官にお伺いをしたいと思います。  長官、この九日に防衛懇話会で発言をされておりますね。その発言の中で、E2Cの予算解除の問題の発言につきましては、議院運営委員会で申し開きをされたようでありますので、この点あえて追及するつもりはありません。  さて、その防衛懇話会で発言された中でもう一つ重要なことを述べられていると私は思うわけですが、それは例の北方四島に対しまして、ソビエト軍の防衛装備の問題に関連をしまして、防衛政策の裏づけのない外交政策は意味がないというふうに私は長官の発言を受けとめているわけですが、そういうふうに理解をして間違いありませんか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) ただいま御指摘ございました五月の九日の防衛懇話会におきます私の発言の趣旨は、防衛力だけで国の安全が保てないことは言うまでもございませんが、しかしまた、全く防衛力を欠きましても国の安全は保障されません。したがいまして、防衛、外交、政治、経済等々の各分野を組み合わせました総合的な施策によって初めて国の安全が確保されるということを言わんとしたものでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 まあ当然、総合的な安全保障対策というものが内外あって初めてそのことは言えると思うわけですが、国民の間では、長官の発言を非常に奇異の目をもってながめているわけです。  特に私はお伺いをしたいと思いますのは、領土問題というのは、単に北方四島のみならず、尖閣諸島の問題がありますし、さらには例の竹島問題もあるわけです。いままで防衛計画は、当初の計画から見ますと相当巨大なものになっていることは当然でありまして、私が特にお伺いをしたいと思いますのは、竹島の帰属の問題につきまして長い間国会の中でも議論をされているわけです。防衛計画も、それとは直接関係ありませんけれども、全体的に強化をされているわけですが、その竹島の返還といいますか、帰属の問題について、いままで強化してまいりました防衛力というものがほとんど機能していないのじゃないかという説もあるわけです。これは当然日本の外交の政策立場としては平和外交をとっているわけですから、頭からけんかをして帰属をきちっとするつもりはないでしょうし、またわれわれもありませんけれども、長官の、防衛政策の裏づけのない外交政策は意味がないということだけを取り上げてみますと、それでは、竹島というふうな問題について、どれほどの防衛力が整備をされるならば帰属の問題について解決がされるのかと、これは素朴な国民の疑問だというふうに思うわけです。その点についていかがでしょう。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 私のこの外交と防衛のあり方につきまして申しましたのは、先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、ただ、領土の帰属の問題につきましては、それぞれ外交的な手段をもちまして進められておるわけでございまして、そのことにつきまして私は直接触れたものではございません。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 長官の真意はそこにあるとするならば、あえてこれ以上指摘をするつもりはございませんけれども、非常に重要な時期でありますので、発言については十分に御注意をいただきたいというふうに思います。  それから、仄聞するところによりますと、防衛庁長官は近く韓国に視察に参るというふうなことが報道されておるわけですが、この点はいかがでしょうか。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) 私は、この朝鮮半島の平和と安定がわが国の安全にとりましてきわめて大きな意味を持っているということは十分認識しておる次第でございまして、そして私が韓国に参りましてその関係者とお目にかかるということは、そうした観点からして意義のあることとは思っておりますが、ただ、具体的にはまだそのような計画はございません。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 もう一度お伺いをしますけれども、その点についてのお尋ねでありますが、最近新聞でも、日、米、韓、その安全保障体制というふうなものが内外で議論をされておりますね。それからいまも指摘があったように、朝鮮半島の平和と統一のためには何らかの日本としての態度表明も必要だろうというふうに思います。もう一方では、例の金大中事件の問題がそのまま続いているわけでありまして、こういう際に防衛庁長官が韓国に行くということは、きわめて重要な問題を残すことにもなるというふうに私は思います。しかし、しばしばこういうことがあるんですね。国会ではまだ予定がないというようなことをしばしば言いながら、翌月には訪問をするとか、翌週には出発をするというふうなことがあるわけですが、くどいようですけれども、計画は本当にないんですね。

山下元利自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山下元利君) この問題につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、具体的な計画はございません。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 それじゃ、防衛庁長官の方はそれでよろしゅうございます。  大蔵大臣にお伺いをするわけですが、いま昭和五十年度の決算をやっておるわけですね。それからきょう御説明がありましたように、五十二年、五十三年の予備費の支出承認ということであります。そこで、五十年度の決算の方で特徴的なことをお伺いをしたいと思うんです。  私は、各省庁の決算につきまして、非常にそれぞれ不用額が多いということをいままで指摘をしてまいりました。それぞれ各省庁も十分に理解をしておられると思いますが、さてそこで、五十年度の決算書を見てみますと、目未定の科目が——科目という言い方が適切かどうかわかりませんが、目未定というままで、なおかつ決算を見ますと全額不用になっている省庁がありますね。件数は少ないわけですが、大蔵省にもありますし、それから特徴的に多いのは総理府になっているわけです。これは予算配賦の際に目が決まらないのはしようがないと、これは財政法でも決められているわけですから、そのことは理解をしますが、挙げました目が全部不用額で処理をされているというのは、私は特徴的な現象ではないかというふうに思いますが、大臣、その点いかがですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) ただいま御指摘のとおり、決算の結果で見ますと、目が決まらないまま執行に至らなかったという経費がございます。御指摘のように、特に目立ちますのは総理府の関係。総理府は、御承知のように、公共事業の関係につきましていわば総合調整的な機能を持っております国土庁といったような官庁がまたございます。それからまたいろいろな科学技術関係の試験研究等につきまして、これまた全体の調整的機能を持っております科学技術庁といったような役所がございます。それからまた、環境問題につきましても環境庁というような役所がございまして、私ども予算を組みます場合には、それらのそれぞれのいわば総合調整官庁が持っております機能に着目をいたしまして、公共事業関係につきましてはいろいろな調整費、それからまた試験研究の関係につきましてもいろいろな調整費を予算に計上しているわけでございます。  で、これらの幾つかの調整費につきましては、先生御承知のとおりかと存じますが、やはり予算の執行の段階におきまして関係省庁と十分内容を詰めた上で具体的な執行の中身を固めていくということは最も適当であるわけでございますが、そういう執行の過程におきまして、残念ながら具体的な必要を生じないまま執行に至らなかった、あるいは最も効率的な使用目的、具体的な使途を詰めるまでに至らずに執行に至らなかったというようなケースがあるわけでございますが、そういう経費につきましては、御指摘のように、執行に至らないわけであったわけでございますから、目の細分にも至らずに決算を見たという事情にあるわけでございます。こういう経費の性格から申しまして、ある程度やむを得ない事情があるというようなことも御理解をいただきたいと存じます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 大臣、いまのやりとりでおわかりのとおりですが、問題は私は二つ残っていると思うんです。  予算配賦の際に目が未定で何億という金を計上しているわけです。で、全額不用にしているわけです。全額不用ですよ。そうしますと、目未定で全額不用にするならば、まあある意味で言えば、即刻金を使う予定がなかったもの、あるいはまあ性格によれば予見しがたい事態に備えるという気持ちもあったかもしれません。そうしますと、予算編成上の立場から言えば、目未定で全額不用額にするようなものは、これは年度の途中で予備費を——予備費の中から執行をしていくという、そういう判断があっていいのではないかというふうに私は一つは思います。その点について、これは政策上の問題ですから大臣からお答えをいただく。  それからもう一つ、財政法の附則第一条の二の二の項を見てみますと、予算の執行までには目を確定をしなきゃならない、こうなっているわけですね。予算の執行が終わり、決算もすでに五十年度は終わっているわけです。で、予算の執行という立場から言いますと、目未定ということで残すことのよしあしが財政法上問題が生まれるのではないかと私は考えます。  その二つについて態度をひとつ明らかにしてもらいたい。  これは大臣のお答えが——前段の力は政策の話ですから、ぜひひとつ大臣に。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 技術的な問題がちょっと絡んでおりますので、前もって政府委員から御答弁させます。必要によりまして私が申し上げます。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) 法律的な側面もございますので、前に私から御説明をさしていただきたいと存じます。  ただいま御指摘になりました第一点は、先ほど申しましたいろいろな調整費のたぐいについて、あるいは最初から歳出予算にそういう形で組むことなく、いわば予備費から支出をするというようなやり方が事柄の実態に即しているのではないかというような御指摘だったかと存じます。これも申し上げるまでもなく、予備費は、財政法に書いてございますように、あくまで予見しがたい予算の不足に充てるためにお認めをいただいているものでございますのに対しまして、先ほど来申し上げておりますいろいろな調整費は、予算編成の時点におきまして目の細分をするまでには具体的には内容は必ずしも詰まっていないけれども、それぞれ、国会で御議決をいただきます項、項の単位で明らかに使用の目的と申しますか、使途を明示をいたしまして、それからその項につきましての金額も明示をいたしまして、この範囲内でこういう使用目的のために歳出予算としてお認めをいただきたい、こういう性質のものとして予算に計上さしていただいているわけでございます。ですから、予備費とは違いまして、やはり予算編成時点から使用の目的は明らかにされている、その点で予備費とは性格が違うわけでございますので、このような性質を持っております経費につきまして、最初から、事柄の使用の目的も国会にも御説明をしないまま予備費で使用し、そういう需要にこたえていくというのは、やはり私どもといたしましてはいかがなものであろうかと、こういうふうに考えるわけでございます。  それから第二点の、財政法の附則第一条の二についての御指摘でございます。御指摘のとおり、附則第一条の二、それの第二項におきましては、「前項の規定により目の区分をしないで配賦した場合においては、各省各庁の長は、当該項に係る歳出予算の執行の時までに、大蔵大臣の承認を経て、目の区分をしなければならない。」というふうに書いてあるわけでございます。第一項にございますように、予算を組みます場合には、目の区分までなかなか区分をすることがむずかしいという経費があることは先ほど来御説明したところでございますが、そういう経費につきましても、やはり執行に当たりましては当然のことながら目に区分をすることは必要であるわけでございます。そこで、この財政法の附則も、歳出予算の執行のときまでに大蔵大臣の承認を経て目の区分をしなければならないというふうに明示をしているわけでございます。私ども、先ほど来申しましたいろいろな調整費につきましても、執行に当たりましては、すべて執行が決まりました時点では目にきちんと区分をいたしまして実施をいたしているわけでございますが、先ほど申しましたように、年度中に結局執行しないで終わる経費が種々ございます。それが決算書上は一括をいたしまして目未定の経費というような形で整理をされているわけでございます。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 第一点につきましては、いま政府委員からお答えしましたような事情で目未定経費ということで計上しておったわけでございますが、これを全然使用しないでそのまま残すというようなことは、これは異例でございます。今後予算編成に当たって、ぜひひとつそういうことのないように十分関係省庁の指導に努めますとともに、過去の不用額なんかをよく見きわめまして、いま御指摘のことのないように努力してまいりたいと考えます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 それから五十年度の決算書の中に、特徴的に目の新設の多い官庁があるわけですね。これは農林省に農林本省試験研究機関というのがあるわけですが、歳出予算を決めるときにはゼロで出発をする、年度の途中で必要が起きましたので目を新設をして、金がありませんから、他から転用をして予算の執行を行う。で、農林省の場合には、なおかつそれでも不用額をそれぞれ出しているわけです。これを見てみますと、昭和四十八年、昭和四十九年、五十年、五十一年、総じてこういう取り扱いをしているのは農林省が非常に多いんです。また、それを大蔵省も認めてきたわけですね。この傾向についてどういうふうにお考えですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) 御指摘のように、年度途中で目の新設を行うケースが農林水産省に数としてかなり多うございます。これは先生も御承知のとおりかと存じますけれども、ある意味で農林省、なかんずく農林省に設置をされてございます農林水産技術会議というものの性格にも絡む問題かと存じます。  御承知のように農林省は、約二十であったかと思いますが、二十に上るいろいろな専門的な試験研究機関を持っているわけでございますが、とかく試験研究機関は、専門的な試験研究をいたすわけでございますから、ややもすれば、何と申しますか、木を見て森を見ないというような弊にも陥りやすいという点がつとに指摘をされていたわけでございますが、そういうような弊害を除去しながら、やはり農林省全体としてその時点、その時点での農林水産行政の大筋を踏まえながら、全体として二十にも上る試験研究機関が有機的に連絡を保ちながら一元的に試験研究も管理していくと、そのためにどうしても農林水産技術会議というようなものが必要だということで生まれた経緯があるように承知をいたしておりますが、そういう誕生の歴史から、経緯からいたしましても、やはり農林水産技術会議という機構がたくさんの試験研究機関を全体として一元的に有機的に統合的な管理をしていくということがやはり実態的にどうしても必要でございますし、そういう趣旨に沿いまして農林水産省も毎年努力をされているわけでございます。  そこで、この農林水産技術会議には、たくさんにわたります試験研究機関の試験研究費を一括して農林水産技術会議に予算計上いたしまして、年度に入りまして、執行に当たりまして、一括計上された試験研究費を二十余に上るいろいろな試験研究機関に配分をして、有効な使い方をしていくというようなやり方をしているわけでございます。そういうような試験研究の推進の仕方をいたしております関係上、どうしても当初予算には農林水産技術会議に一括をして計上しておいて、そこで執行の段階で各試験研究機関にこれを移用をしていくというやり方になるわけでございます。そこで、こういう移用につきましては、やはり国会の御審議との関係もございますから、当初の予算総則におきまして、これこれの試験研究機関のこういう経費には移用をすることができるということをお示しをして国会の御審議もいただいているわけでございます。  そういうことでございますので、今度具体的に配分を受けます段階で、各試験研究機関にそれのいわば受け皿になります目がない場合には、どうしてもこれはその時点で目の新設をして対処をしなければならないと、こういうような筋道にならざるを得ないわけでございます。  こういうような事情から、特に農林水産省、農林水産技術会議の試験研究費の関係で目の新設が多いという結果になっているわけでございますが、先ほど来申しました試験研究の進め方との関係でやむを得ない事情があるというふうに御理解をいただきたいと存じます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 ある部分ではちゃんとあらかじめ予算が配賦をされておりますね。ところが、ある部分では大部分を移用で賄っている。しかし、この試験研究なり調査というものはあらかじめわかるわけですよ。したがって、一定のものを歳出予算に、当初予算に挙げておくべきではないか。この農林水産技術会議の振興費に最初全部プールしておいてやるというのは非常に安易な金の使い方ではないかというふうに私ども思うわけです。私は、予算に必要なものは計上してしかるべきだというふうに思います。プールをしておいた金をいかに使うかということで腐心をするような予算の執行の仕方では、これは国民の血税をむだに使っているというふうに言わざるを得ないというふうに思います。これは意見の分かれるところでありますけれども、今後、五十一年以降、こういうものについて十分に改善がされるものと私は期待をします。しかし、意見としては私の意見と大蔵省の意見は対立しておりますので、その部分は保留をしておきます。  それから、最後に大臣に、大蔵省関係で一つだけ私注文を申し上げておきますが、過去の決算書を一応私も調べてみました。各省庁とも、当初予算に比べて金がないので予備費を立てる、そのほかに移流用の金を持ってくる、これはまあやむを得ないと思うんです。ところが、残した不用額が莫大なものが過去あったわけですね。その点、会計検査院から指摘をされたのではないかと思いますが、相当減ってきました。私の五十年度の決算書で調べる中で一つだけ目を引いたのは大蔵省であります。大蔵省の税務調査の関係につきましては、移用を行いながら予備費を使いましたけれども、なおかつ多額の不用額を残したという件が一件残っているわけです。まあ国の金庫番として、あるいは各省庁の金の使い方を十分管理監督しなければならない大蔵省が、そういう点で問題を残しておくということはよくないと思うんです。大臣もお気づきだと思いますけれども、これは次からは面していただかなければならぬというふうに思います。これはあえて答弁は必要としませんが、十分にその点これから検討をしていただきたいというふうに申し上げておきます。  あとは金大中事件の問題ですから、後刻に譲りたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まず、行管庁長官にお尋ねしたいと思うんですが、五十年の十一月二十五日付で、行政管理庁が二十七県、百六十九市町村の実態調査に基づいて、文部、厚生両省に対して、「幼児の保育及び教育に関する行政監察結果に基づく勧告」、こういうのが出されていますね。内容は、両省が保育所、幼稚園、この需要にこたえて年次計画で整備を進めておるが、整合性がない、不統一である、不均衡に進められておる、その意味で乳幼児と家庭の立場にこたえていない、しかし、保育、幼児教育の観点から、この整合性を保った整備が必要であり、今後は連携調整を図って進めなければならない、そのため懇談会等を設けてやったらどうか、ごくかいつまんで言えばそういう勧告だと思うんですが、すでに三年間たっておるわけですね。一体整合性を持って進められたのかどうか、まずお聞きしたいと思います。

金井元彦自由民主党・自由国民会議行政管理庁長官

○国務大臣(金井元彦君) いま御指摘がありましたように、五十年の十一月に勧告をいたしました。それに基づきまして、両省が協議をいたしまして、十五人の学識経験者から成るところの懇談会を設置いたしまして、そこで研究を重ねておられるのが現状でございます。ただいままでに八回の会合を持って検討をしておられますけれども、御承知のように、これは多年にわたるかなりむずかしい問題でありますので、なかなか結論を出すに至っておりませんけれども、しかし、何らかのやはり結論を出そうということで努力をしておられます。まあ私どもの観測といたしましては、本年じゅうぐらいに、協議会としての、懇談会としての何らかのものが出されるのでなかろうかと、かように想像をいたしておるわけでございます。これはやはりほうっておきますと、双方が双方の考え方で事態を進めていくと、そして不整合というものは現地において起こってくると、こういうことになりますので、私どもは、たえずこれはやはり両省が接触を保って、どういう話し合いになるかは別といたしまして、そこに何らかのやはり調整点を見出していくということをぜひやってもらいたいと、かような強い希望を持っておる次第であります。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 文部大臣と厚生大臣いかがですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いま行管長官のお話しのとおり、これを何とか調整いたしたいと、私も思っております。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 御承知のように、幼稚園の目的とするものと、保育所というものが追求をしております目的との間には差異がございます。そしてその中で、実態の運用上、いろいろな問題点が起きておることに行政監察の結果御指摘を受け、勧告をいただき、現在、両省協議を進めておるところでありますので、その中から生まれた結論に従ってまいりたいと考えておりますが、現実には、保育に対する国民の要望というものは非常に強い。ますます強くなっておる傾向もあるわけでありまして、これらの適正配置等につきましては、都道府県段階においても十分御検討の上、配置を決めていただきたいものと、そのように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは行管庁長官、あなた、ことしじゅうに結論を期待しておると。どういう結論を期待しておるのか。乳幼児、家庭の立場に立つ整合性でなきゃならぬと、こう言っとるんですが、その具体的なものはどういうふうに考えておるんですか。

金井元彦自由民主党・自由国民会議行政管理庁長官

○国務大臣(金井元彦君) 私どもの方でこういう結論をというものは持っておりません。これは多年にわたるかなり本質的な問題を含んでおりますので、これはやはりそれぞれの専門家の意見というふうなものを十分尊重しながら結論を出すべきものでなかろうかと。私どもの方が軽々にこういう結論をということはちょっと申し上げにくい。しかしながら、これをほうっておいて、あちらこちらで非常に困る事態が生じるということはできるだけ避けて、何らかの調整点を見出すようにしてもらいたいと、かような気持ちでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 言うならば、両省のなわ張り争いみたいな整備計画じゃなくて、端的に言うならば、乳幼児と家庭ですね、そういった立場に立ってつくっていかなきゃならぬのだと、それが長官のいま言った意味だと私は思うのですけれども、そこで文部大臣にお聞きしますがね。いまあなたの答弁は、行管長官の言ったような方向で解決していきたいと、こういうお話があったんですが、あの資料を見ますと、市町村で幼稚園のない市町村が六百八十二市町村と、これを文部省は五十七年度までに整備をしていくんだと、整備ということはそこに幼稚園をつくっていくんだと、こういう計画を持っておるようですが、これはいまの行管長官の考え方と照らし合わせてみて、どういうふうにいま進められておるんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 御指摘のように、まだ幼稚園のない市町村が相当あるわけでございますが、私どもの幼稚園整備計画というのは、昭和四十七年度を起点として五十七年度の当初までに、希望する四、五歳児の全員が幼稚園就園できるように、幼稚園の整備計画を図ってまいりたいということでやってきておりまして、この計画は、現実問題として幼稚園の普及度合いが町村によって大分ばらばらでございますから、一律にどの年度は全市町村が何%と、こういうような言い方はしていないわけでございますが、現在までの進行状況を見ますと、全国的に見ますと、五十三年度で五歳児の幼稚園就園率は六五%というところへ来ておりますので、これはほぼ計画どおりでございまして、四歳児が若干計画を下回って現在六〇%ぐらいであったかと思います。  なお、最終的にどのくらいの就園率を考えておるかということでございますが、四歳児も五歳児も、ごく大ざっぱに申しますと、全幼児数の七〇%を幼稚園にと、そして残りの者を保育所あるいは身体障害者等で通園できない者というふうな考え方に立っておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まあ逆に言えば、行管長官が言うように、両省の話し合いはまだまとまっていないと、今年度中に期待すると。しかし、文部省の方は、従来の方針に基づいて五十七年初期までに幼稚園をつくっていかなきゃならぬと、こういうことで推められておると、こういうふうに私は受け取ったわけですが、そこで、この二つの省の整備計画が、各地で現実にはこの三年間に大変なトラブルを起こしておるわけですね。下手をすると、いまの文部省の説明からいきますと、六百八十二市町村に全部またこれ波及する、そういう状態にあると。  で、ちょっと事務局、これ配ってくれませんか。——いまお配りしますが、岩手県の三陸町というところで、この問題が大変な騒動になって、いまなおもめておるわけです。これはまあ三つの全国紙、河北新報などで再々にわたって報ぜられてきておりますから、関係省庁については御存じのことと思うんですが、簡単に説明しますと、三陸町は人口一万の二千三百世帯、半農半漁の過疎の町ですが、この町は幼児保育として四十年以来全町保育を目標に強化してきた。現在五カ所に保育所が設置されて、希望者は全員入所しておるわけです。町は昨年三月の定例議会でも、この方針を堅持して全町保育をさらに充実すると、こういうことを強調し、予算化をしておるわけでありますが、三年前に保育料の引き上げに対して、町民の中から最高一万程度、一〇%減額の運動が起こって、町長に対してこれは要求を突きつけておったわけですが、これに対する回答として、突如昨年の八月に、幼稚園をつくると、こういう事態を公表して、九月議会に三幼稚園の設置を提起したわけです。二百名定員、一億五千万円の予算でつくると。十二月議会ではこの設置条例ほか関係条例を可決をしまして、そして一気にこの四月に仮園舎で開園と、こういうことになったわけです。これは先ほど申し上げたように、半農半漁という土地柄もあって、お年寄りの人も大変いろいろな意味で働かなきゃならぬ、こういうことから、町民の全体の意向としては保育所が一番町に合っておると、こういうことから猛烈な反対が起こって、十二月の議会には有権者の六五%の皆さんが幼稚園の設置に反対してその署名、請願をやった。にもかかわらず議会はこれを議決した。そうしてそれだけではなくて、さらに三月議会に向けて幼稚園の設置条例の破棄を求める直接請求を行った。これも有効で成立したのでありますが、議会はこれを否決して、そうして三月に県の認可を得て幼稚園強行ということになったわけです。  こういう経緯はいま皆さんのお手元に差し上げた新聞でもごらんのとおりだと思うんですけれども、現状はどうなっておるかといいますと、二百名の定数で募集したのでありますが、開設幼稚園については、もともと保育園で足りておったわけですから、したがって、六十四名しか応募者がない。極端なところは、二百名の定員は八十、八十、四十という三つの園舎でありますが、その八十の園舎の二つについてはわずかに十四名と十六名しか応募者がなかった。これからもないわけです。こういうのが実態なんですね。  そこで、内容を調べてみますといろいろな問題がある。で、私はきょうは法制局長官も来ておりますから、この際ひとつ問題の前に見解を聞いておきたいと思うんですが、地教行法二十九条という法律条文がございますね。この中身を見ると、地方教育行政の組織及び運営に関する法律二十九条の正しい解釈という意味合いですが、いわゆる自治体の長が教育に関する事務、予算などの条例案件を議会に付する場合には、議案作成段階で教育委員会の意見を聞かなければならない、こういう条文です。このことは、教育二法成立の際にこの法律ができたわけですが、言うなら教育委員会の独立性、自主権というものを保障する、こういうのがねらいだと思うんですが、法制局長の見解をまずお尋ねしておきたいと思うんです。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) お答えを申し上げますが、御指摘の地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十九条に、一定の場合には地方公共団体の長は教育委員会の意見を聞かなければならないと書いてございます。これは、この条文がどうしてこういうことを書いているかという趣旨をそんたくいたしますると、やはりその地方における教育については、教育委員会が少なくとも公立の学校の組織通常については専門家であって、しかもその自主性を尊重しなければならないというような観点から、地方公共団体の長が独自にたとえば条例を提案するとか予算を決めるというのじゃなくて、やはりその専門家であり独立性を持っておる委員会の意見をまず聞いて、それをよくそしゃくして、その上で長の責任において事を決めなさいという趣旨であろうと思います。  ただ、申し上げるのは、一言「きかなければならない。」と書いてあるわけでございまして、教育委員会の見解に拘束されるというふうにはとても読めないわけでございまして、教育委員会の意見をよく聞いて、そしてその教育委員会がおっしゃる趣旨、理由等をよく十分にそしゃくして、それを判断の基礎にして、そして公共団体の長がその責任で決めなさいということであろうというふうに解釈するわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 結果的に法制局長官のそしゃくをするという意味が不明確ですがね。教育委員会が反対した場合はどうなるんですか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 地方公共団体の長が教育委員会の意見を聞いた、ところが教育委員会が反対をしたと。で、反対をすれば教育委員会のその意見に拘束されて長はもう何にもできないというのではこれはまた非常に困るわけなんでして、反対があれば反対の理由をよくそしゃくして、こういう理由で反対であるということであればその反対の理由もよく考えて、それも判断の要素の中に入れて、そして長の責任において条例案を議会に出すなり予算を決めるなり、それはやはり最終的に法律的な責任は長に属すると、こう読まざるを得ないというふうに考えるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで、ここの場合はどういう実態になっておったかということです。関係条例の議決が十二月議会でやられたわけですが、その前に、九月二十一日の教育委員会でこの問題を議論しておるわけです。教育委員会の議事録をとって調べますと、とてもじゃないけれども準備期間が間に合わない、しかもこの趣旨徹底が町民の中に行き届いてない、したがって、そういった五つの条件が先決である、こういう内容の決定をしておるわけです。さらに十一月の二十五日の第六回の教育委員会では、やはり幼稚園の設置については一方的に進められている、そのために住民の反対運動が盛んになってきておる、これは大変なことになると、したがって、これは原点に戻って考え直す必要がある、これを満場一致で決めて町長に申し入れておるわけです。ところが、いま申し上げましたように、六五%の署名運動も町議会に請願という形で出されておる、反対という意味でですね。それを十二月十五日に一方的に議会で議決しておる。そうして設置条例は十二月の二十五日に教育委員会に追認を求めておる。しかし、そのほかの、たとえば入園料もしくは授業料の徴収に関する条例、関連する条例案がございますが、こういったものについては、これは教育委員会に諮ってない。相談をしてない、協議をしてない、教育委員会に。こういった事例が出てきておる。  しかも、その設置条例については、余りにも粗雑だったものだから場所を間違えてしまって、そうしてこの場所変更の、間違えたというよりも、場所については、今度はそこの設置されるところの剣道クラブなりが反対したもんですから、一部改正の条例をまた三月に出しておる。そういうむちゃくちゃなやり方で決めてきておるわけですね。そういうものも法制局長官はやむを得ないという立場ですか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 具体的な事案の処理がどうであったか、あるいはそれが法令違反であるかどうかというようなことを私がここで申し上げる立場ではございません。ただ、教育委員会が反対した、あるいは町民の方が、何割かの人が反対したと、それにもかかわらず設置条例をつくったと、これは一体どうかというふうなお尋ねであれば、一般論として申し上げれば、それは地方公共団体が条例でお決めになれば、それはもうそれこそ地方自治の本旨でございまして、国がそんな条例は無効ではないかとか、そういうようなことを言うようなことをやっちゃやっぱりいけないわけだろうと思います。  それから、いまおっしゃいました設置の場所が当初の予定と違ったところへつくったとかいうようなことも、これもしかし法律的には当該市町村が自主的に判断すべきことであって、国の方で、これは場所が違ったんだからおかしいではないかというようなことを、差し出がましいことを国の方から——これは地方自治法に例の、あれはありますよ、違法な処分があれば助言、勧告をするというような制度はございますけれども、これは、しかし法律的な意味における拘束力があるわけじゃないんでございまして、これは当該地方公共団体が独自にお決めになって、それが本当に困ることをやったとすれば、当該地方公共団体の長なり、あるいは議会の次の選挙の機会に住民の批判を受けるであろうということを期待をしてこれは地方に任せるというのが、これがいまの地方自治の本旨を尊重するというわが国の法制の原則でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 文部大臣、いかがですか。こういった決定をやられておる内容については、主管省としてどういうふうにとらえていますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 恐縮ですけれども、大臣が御答弁申し上げる前に、私どもの伺っておる経緯をちょっと申し上げさせていただきたいと思うんですけれども、九月の二十何日かに教育委員会があって、ただいま先生御指摘のように、この問題が教育委員会の議題になったということでございますが、確かに教育委員会の中で時期尚早という議論もあったけれども、しかし、町当局なり関係議員等の熱意もあり、これを前に進める。その場合に設置単位はどうするかとか、あるいは幼保の教育内容の調整をどうするかとか、あるいは一般住民に対するもっと趣旨の理解、徹底を図る必要があるのじゃないかというような議論もあったというふうに聞くわけでございますので、そういう経緯を踏まえながら十二月の条例案の制定というところに来たようでございますので、なお、今日までその一部に反対のあることは私ども十分承知いたしておりますので、岩手県を通じましてそれらの辺の理解の徹底を図るように指導しておるところでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いま九月の委員会の問題を取り上げたけれども、十一月二十五日の委員会はどうとらえていますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 十一月の委員会についても、やはり時期尚早というようなことがあったようでございますが、ただ、これらの点につきましては、先生も御承知と思いますけれども、三陸町に幼稚園をつくるということのために、早くから、夏ごろから教育委員会当局がほかの町に行って幼稚園の設置状況を見てくるとか、あるいは町当局が部落ごとに説明会を開いて趣旨徹底を図ってくるとか、あるいは町の当局者と教育長が県へ出向いていって協力を要請するとか、いろんな面の活動を総合しますと、やはり十分慎重でなければならないという態度は一方にございますけれども、一方で、各般の状況を見ながらこれを進めていこうという意図があったんではないかというふうに理解しておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 時間がないですから、そこまであなたの方で強弁するなら、それでは、学校教育法による設置基準というのが定められておりますね。その幼稚園の設置基準によれば、公立学校については基準が細かく決められておるわけですが、特に十条では、園具、教具をそろえなければ認めない、こういう基準が定められておるし、運動場その他のいろんな面積とか、いろいろ細かくございますね。ところが、三月二十四日に教育委員会は認可をしておるわけですね。そのときの教具はこれなんですよ。ちょっとこれ文部大臣に見せてください。——これは材木屋に行って切れ端をもらってつくった教具ですけれども、それは教具になりますか、大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) どうもこれ、教具というようなものじゃないんじゃないかと私も思うんですけれどもね。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それだけじゃない。運動場についても、これは運動場はできていませんよね。これ写真見せましょう。——それが運動場ですか。と認定になりますか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) 御指摘のとおり不十分ではありますけれども、これは仮校舎ですから、まあ私はやむを得ないんじゃないかと思うんですがね。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まあ遊具は、それは遊具じゃないと、運動場は仮校舎だからやむを得ないと、こういう言い方なんですが、そういう状況の中で認可をしておるわけです。これは学校教育法に言うところの認可の措置が正しい認可なのか、瑕疵ある認可なのか、どうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 公立の幼稚園の設置は県の教育委員会が認可をすることになっておるわけですが、幼稚園についてどれだけの校地、施設を持ち、設備を持つかという基準を定める意味は、それを確保することによって幼稚園教育の水準の維持を図るということでございます。一方、公立幼稚園の設置というのは、一般的に言いますならば、前の年、本件の場合もそうですけれども、議会で設置の条例を決め、あるいは次の年度の予算に必要な予算を計上するという段階を踏んで、一方県教育委員会に認可の申請をすると。そこで、県の教育委員会としては、町当局が四月の初め幼稚園の開設予定時期までにあらゆる条件がきちんと整備されるということをいつも予想し得るというものではないわけでございます。そこで、文部省の指導としても、しかしながら一定の期日にぜひ開園をしたいというような場合には、その開園後速やかに施設設備等が整備されるという保障がある限りにおいてはこれを認可するということもあり得る。また、そうすることが現実に利益になるというような判断もございますので、当三陸町の場合も、いま言ったようなことで、なるほど四月の初めは直ちに予算執行するわけにはまいりませんから、仮校舎で不十分な設備ということもございましょうけれども、運営が開始されましたならばできるだけ早急に基準に合わせて整備を図るようにという指導をしておるわけでございまして、これは三陸町に限らず、一般的に公立幼稚園の新設等の場合にはそのような指導をする場合もあるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いま差し上げた新聞の四ページ目ですか、あなたのところはこれではいかぬということで、基準が満たされてない開園だということで指示をしたんでしょうが。ですから県教委は大あわてでこういう記事が出るんでしょう。いま私は三陸町の問題で質問しておるんですけれども、そういう一般論にすりかえるんじゃなくて、この事実は一体どうするんだと。あなた方が現実にやっておるからこういうことで新聞に報道されておるわけでしょう。ですから、その時点で文部省としても基準を満たしていないということがわかっておったんでしょうが。そんないい加減な答弁しなさんな。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) ちょっといま担当の者にも聞きましたけれども、要するに公立幼稚園を市町村が設置する場合に、認可権者は県の教育委員会であり、基準に合っているか合っていないかという具体的判断は県の教育委員会がするわけでございまして、本件の場合は、岩手県の教育委員会が、実態を見てこれは開園を認めるに足るという判断をしたわけでございましょうから、私どもはその判断を尊重してこれを認めていくという態度でまいったわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうなれば、地教行法四十八条はどういう意味を持つんですか。あれは、こういった言うなら指導上適切でないとか、認可に問題があるとか、こういう重大な問題に対して文部省は指導、助言をするんじゃないんですか。何のためにあの条文があるんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 確かに四十八条には文部大臣の指導、助言の任務が書いてあるわけでございます。したがいまして、いまのようなケースにつきましては、一次的にはあくまでも県の教育委員会が判断をするわけであり、私どもは現時点では県の判断というものを尊重しておるということでございますが、今後また、本日御指摘がございましたから、それは事情を聞くことはいたしますけれども、その報告を聞いた上でまた考えてまいりたい、かように思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これはいま差し上げたように、もう去年の八月から大問題になっておるわけです。そして三陸町では、いわゆる文部省の整備計画に基づく幼稚園づくりというのが、町を挙げて、この新聞に出ておるように町長リコール運動にまで発展しようとしておるわけですね。こういう内容のものであるだけに、しかもそのためにいま十七名の保母さんの首切りまで出ておるわけです。こういう実態であるだけに、私はきょうの委員会にこれを取り上げたわけです。文部省の計画では、まだ六百八十二の市町村にできていないからそこにまた乗り出そうというさっきの報告もあるからこの問題を出したわけですが、しかし、いまのような答弁では私はやっぱり納得できない。やっぱり現実にこれだけの、言うならば教育二法を改正をして、そしてわざわざ地教行法の二十九条を設けられて教育委員会の独自性というものが尊重されるということが明記されておる。その条文を踏みにじって議会で議決するという事態、さらにまた学校教育法に基づくところの設置基準を満たしていないという、文部大臣がそれを遊具とは認められぬという、そういった内容を認可していく。そういった実態にあるにもかかわらず、文部省自体が四十八条に基づくところの指導、助言をやらない。こういうことでやられていったんでは地元はたまったもんじゃない。大臣、どうですか、文部大臣。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) よく文部省としては実態を調査いたしたいと思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは自治大臣、両省がけんかやるのはいいかもしれぬですよ。しかし、被害を受けるのは自治体ですね、こういう問題で。三陸町はその典型なんですけれども。あなたは自治分権ということを非常に高らかに唱えて、地方の時代ということを言っておる。けれども、こういう実態の中では地方も何もあったもんじゃない。自治大臣として一体どういうふうにこの問題をとらえますか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) 幼稚園と保育所の問題は、御承知のように非常に長い歴史を持つなかなかむずかしい問題であることはもう御承知のとおりでございます。それぞれの異なる目的を持ち、また実際の機能も違う面も当然これはあるわけでございます。しかしながら、これは同じ内閣が推し進めておる、実施しておる政策でございますから、この二つの政策を進めていく上に、先ほど行管長官からも発言がございましたように、やはり整合性が私はもうなければならぬと考えるわけであります。これが全然ばらばらで、そして現地においていろいろな矛盾やトラブルを起こすということでは、これは御指摘のように、これを受ける地方自治体というものが大変迷惑をするわけでございますから、せっかく行管の方でもそういう点に着目して勧告も出されておるわけでございますから、両省との間で、この政策の推進に当たっては十分ひとつ意思の疎通を図り、整合性があるようなそういう行政指導をしていただきたいと考える次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで、文部大臣、この問題でいま自治大臣も地方自治という立場からの意見をいただいたんですが、この幼稚園の建設に伴う国庫補助が千三百万あるわけですね。この補助申請が今月末までに出ておるはずです、おたくの方に。これはひとつこういった——いまあなたは調査を直ちにするということだけれども、こういった実態の中では恐らく私は認めぬと思うんですが、この問題について現地の問題解決の一つの手がかりになる性格も帯びておりますから、したがって、あなたとしては、この紛争解決をするという前提でなければこの補助金については認められないと、こういう立場に立った意味で先ほど申し上げた調査をするというふうにとってよろしいですか。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(内藤誉三郎君) いろいろ私も聞いてみたんですけれども、県の教育委員会の方は、いまいろんないきさつはあったんですけれども、とにかく最終的には地方の意見に賛成しておりますんで、いまおっしゃるように、これから補助金申請が来ると思いますので、その場合にはよく、先ほど申しましたように、どういう実態か実態を十分調査して、慎重に配慮したいと思っています。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 わかりました。これはやっぱり自治大臣の方も、あわせて、自治体の問題ですから、何か人ごとみたいな考えじゃなくて、具体的な現実の問題としてやはり問題解決に乗り出していく、こういう姿勢をひとつ確認しておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

澁谷直藏自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(澁谷直藏君) これは言うまでもなく、三陸町自体がその責任と判断で処置すべきもの、基本的にはそういうことだと考えますが、しかし、これは自治省としても全然人ごとだというようなことで傍観しておるものではございません。先般のお話もございましたので、私どもとしても、この問題の実態について調査を進めてまいりまして実態を承知いたしておりますので、文部省ともひとつ協議をして、円満な事態の解決に自治省としても協力をしてまいりたいと考えます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 最後になりますが、厚生大臣にお尋ねしておきたいと思うのですが、問題は、このことが起こって、現実にいまおる保母さんに首切りが出ておるわけですね。五十四年度の実態を見ると、いわゆる保母さんの——幼稚園の方に開設で六十四名行きましたけれども、しかし実態数から見るとそう減っていないんですね、三百六、七十名ですから。ですから、この問題は保育園の方にも波及すると思わなかったのですが、現実にはここに十七名の首切り問題が出てきた。これについてはやっぱり厚生省としてもさらに掘り起こして、保育園を充実していくという方向で私はおられるのではないかと思うのですが、少なくともこのことによって首切りが起こらないような指導、それについて厚生大臣としての見解を承っておきたいのが一つ。  それから、この問題が派生した一番大きな問題は何かと言えば、保育単価が高い。現行の場合には五万五千二百四十円が最高になっていますね。三陸町の場合には三万四千三百円が最高になっておる。ここに非常に住民の不満が出ておるわけでして、これの引き下げの署名運動が起こっておるわけですが、保育単価の見直しについては、衆議院の段階で、厚生大臣も検討しなきゃならぬだろうという答弁もしておるのですが、早急にこの問題を検討していただいて、これに対する適正な方向指導というものをやられていただきたいと思うのですが、そういう点に対する御意見もあわしてお聞きしておきたいと思うのです。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点の御指摘でありました、こうした問題から派生する人員整理のような問題、これはわれわれとして好ましくないことであることは間違いがありません。ことに、円満に運営をされておれば何らトラブルがなく子供たちの福祉のためにも十分働き得る環境であったものが、行政の混乱のあおりを受けて子供たちの生活にもひびを入れる、また職員の首切りというような問題を起こすということは決してわれわれとして望むところではありませんので、そうした考え方で私どもも対応したいと思います。  ただ、実は第二点の保育料の減免の問題につきましては、ことしも私どもは見直しの努力はいたしますけれども、基本的に、いわゆる教育という観点からの、学校教育法で定められております幼稚園での授業料のあり方とその性格を異にする部分があることは委員もよく御承知のとおりでありまして、たとえば、生活保護世帯あるいは市町村民税の非課税世帯に対する全額公費負担というような分とはうらはらに、やはり一定以上の所得のおありになる方につきましてはその所得に応じた御負担を願うということは、私は保育所というものの性格上ある程度容認されてしかるべきものと存じます。ただ、その負担区分その他について、なお今後とも、年々の経済動向の推移等を見ながら工夫をこらしていく必要があることは御指摘のとおりでありまして、そうした観点から今後も見直しの作業は続けてまいりたい、そのように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 終わります。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 午前の審査はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。    午後零時四十七分休憩      —————・—————    午後二時二十一分開会

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、一般消費税のことについてお尋ねいたします。  国民から強い反対の声が高まっている一般消費税について、大平総理は、去る五月の六日、ロサンゼルスでの記者会見で、財政再建は逃れられない問題である、来年度早目に導入したい旨を改めて強調したと、新聞はこのように報じておるようでございますが、一般国民諸団体、消費者諸団体、中小企業諸団体、流通団体、商工会議所、財界など、国民各界各層がなぜ強い反対をするのか、その理由について、大蔵大臣の認識をお伺いしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 御承知のとおり、まだ消費税の中身を国民の皆様に御理解いただく段階に至っておりません。私どもは準備ができ次第、あらゆる機関を通じ、会合を通じ、そんなに厄介な税の制度でないことを御理解いただくように極力努力してまいるつもりでございまするけれども、まだ十分そこら辺のPRが行き届きませんで、むしろ中身がわからないままに一種の危惧の念を持って反対の声が高まってきておるというのが現段階ではないかと思います。そういう点につきましては、私どもも早急にひとつ中身を詰めて御理解、御協力をお願いしようと、こういう気持ちでおる次第でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 この一般消費税の問題は、景気の回復、物価の安定、財政の再建が大きな課題になっておるわけでございますが、政府は安易に一般消費税を導入しようとしておられます。これが政府の言うとおりに、物価の上昇につながり、また国民の負担の増大にもなって、民間自体の景気回復に必ず逆効果を生ずるということは明らかであると思います。したがって、一般消費税はやめるべきであると思います。現在は国民生活に活力を与えて、民間の自力回復を図る時期と思うのでございますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。  特にまた、六月発表予定の新経済社会七カ年計画に一般消費税導入を前提としていることは、政府自身が一般消費税導入は国民的合意の形成が不可欠の前提と言っておりますけれども、国民の声を無視した態度ではないかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 御承知のとおり、ことし十五兆二千億の国債を発行する予定になっておりまするけれども、なかなか消化が進んでおりません、順調に。こういう状況で、去年十一兆、ことし十五兆、さらに来年度十五兆あるいは十六兆というような調子で国債を増発することは不可能と考えます。  特にことしは、予算編成の当初と違いまして、大分景気にも明るさを加えてまいりました。予算編成以来六カ月でございますが、すっかりさま変わりいたしまして、どうやら民間の自力回復力がはっきりといたしてまいったわけでございますので、年度末には六十兆になんなんとする国債の累積額が出てまいりますし、いまにしてこの財政の立て直しを図りませんと、今日までは石油ショック以来ずっと財政が犠牲になって経済の回復を目指して努力してまいったわけでございまするけれども、もうここら辺でひとつ財政のバランスをとれるように、これは一遍に一年こっきりで財政のバランスをとれるとは私ども思っておりませんけれども、その基礎づくりだけはしっかりやっていかなければいかぬと考えておる次第でございます。そういう意味で、明年度におきましては、歳出歳入の全般にわたって洗い直しをやって、少しでも公債の発行を減らせるような方向に持っていくことが、日本経済を安定成長路線に結びつけるゆえんじゃなかろうかと、こういう気持ちでおるわけでございます。  もちろん、御指摘のとおり、一般消費税を導入いたしますると、仮に——税率はまだ決まっておりませんから、仮定の数字とお聞きいただきたいのでございますが、五%の税率で課税いたしますると、二・五%ぐらい消費者物価にはね返るという計算が出ておりますが、これは一遍こっきりのことでございまして、仮に財政膨張によって赤字国債を乱発して、インフレマインドが高まってまいりますようなことになりまするとこれは大変なことになりますので、ぜひひとつ私どもとしては、明年度なるべく早い機会にこういう税の導入をすることもお考えいただき、御理解を賜れればと考えておる次第でございます。  もちろん、経済全般に及ぼす影響はどうなるかと申しますると、それは所得税や法人税の税率を上げましても、歳入として入ってきた税金はそのまま民間に放出するわけでございまするが、財政全般を考えれば、そう経済の発展を阻害する要因にはなるまい。税金としてちょうだいしたものを社会福祉その他にばらまくわけでございまするから、全体としての経済の運営には大きな影響はないというふうに私どもは考えておる次第でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私どもはかねがね、財政の健全化の緊急課題として、不公平税制の徹底的是正、二つ目は徹底した行政改革の実施、三つ目に国、地方公共団体間の行財政の見直しと効率的な運用、これを提唱しておるわけでございますが、財政再建には、これをまず前提として実施をして、しかる後これで不足をしたのでこうこうしたいという、そういうことであれば国民の合意は得られるのじゃないかと、私はこのように思うのでございますが、これだけの努力がいまの政府では私は非常に不徹底ではないかと、そういう状態で一般消費税の導入はその考え方は安易ではないかと思うのでございますが、再度大臣の御見解を伺わしていただきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(金子一平君) 和泉さんのおっしゃるとおりでございまして、何分にも新しい税金のことでございますから、いままでの直接税中心の租税制度に根本的な変革を加えて、消費税にある程度ウエートを置くような税制にはいままで日本人はなれておりませんから、やはりそれなりの私は国民に理解をいただき、また御納得をいただける必要があると思うんでございます。特にいまお話のございましたような、従来の税制にもう一度メスを入れて見直しをやるべきじゃないかといろいろいま御提言をいただいております。たとえば富裕税でございますとか、再評価税でございますとか、あるいは特別措置のさらに大きな見直しをやれというような御提言もいただいております。それは十分見直しをやらせるつもりですが、こういう税にはこういう問題があることはひとつまた事務当局から、政府委員からお答えをさせますけれども、とにかく大きな財源を安定的に毎年繰り返して得られるような税制というものはなかなか実は見つからないんです。いろんなそういうものあるいは従来の所得税、法人税の税率の見直し、その他いろんなことをやってみても、なおかつ十分の財源を得るためには、一般消費税と申しますか、そういうものを検討する必要があるんじゃないかと私どもは考えておる次第でございます。  それから歳出面のカットでございますけれども、これも当然やらなきゃいかぬことでございまして、ことし若干の歳出の見直しもやりましたけれども、明年度にはさらに現在の歳出構造を根本から見直して、これには三Kも当然含まれますが、できるところからひとつ手をつけて合理化をやり、改善を加えるという措置をとりたいと思いまして、実は五月、つい先般、一週間ぐらい前から大蔵省から各省にお願いをいたしまして、五十五年度の予算編成の準備作業を五月から七月にかけてやるような方針でいま御協力をいただいておる段階であることを申し上げておきたいと思うのでございます。  いろいろ予算委員会、大蔵委員会等を通じて御提言のありました税制の見直し等につきましては、政府委員が参っておりますから、よろしければちょっと簡単にお答えさしたいと思うんですが、いかがございましょうか、よろしゅうございましょうか。

福田幸弘大蔵大臣官房審議官

○政府委員(福田幸弘君) 御指摘の不公平税制と言われるものの整理の問題が新税の導入に関連して出てまいるわけでありますが、このいわゆる不公平という言葉が一つ問題ではございますけれども、やはり政策税制、ある政策のために税を使うということにつきましては、その目的に対してそれが適合性があるか、またそれが有効でなくなっておるかというようなことから常時見直すという姿勢は今後とも大事だろうと思っています。ただ、これにつきましては、従来から相当力を入れて整理をやってきておりまして、五十四年度、今年度は平年度約二千九百億近い金額になる相当な検討をいたした結果になっております。また項目から見ましても、ここ四年間、約七五%に近い廃止ないしは合理化をいたしております。この辺は今後とも続けますが、それなりの努力をいたしておるということの御認識をいただきたいと思いますし、また不公平と言われる言葉の中に、たとえば企業会計上の引当金等が含まれるとか、また法人税と所得税との調整に関する支払い配当の損金とか、受け取り配当の問題とか、いろいろその種のものはこれは不公平ではございませんので、その辺から何兆出るというふうな考え方はちょっとおかしいとわれわれは思っております。したがって、政策的な税制の見直しということを今後とも続けますが、それにはおのずから限度がございますし、税収面からはもう限られた数字になっておるというふうに考えます。  あといろいろな点の御提案をいただいておりますが、第一点の利子配当——これはちょっと私の方で整理しました公明党御提案の中の大きな項目は、一つは利子配当所得の課税強化でございます。これについてはもっともでございまして、われわれこれにつきましては検討中でございまして、五十五年度税制改正時までに結論を得べく現在内容の詰めをいたしておるということでございます。総合課税の方向ということで、これはその具体案を得るということに問題がしぼられておるわけであります。  その次に、給与所得控除の頭打ちの復活でございますけれども、これはそれなりのやはり理由がございまして、給与所得である以上は働いておるわけでございますから、給与所得が多くなりましても、やはりそれなりの費用の増加があるということと、ほかの資産性所得との比較でいきますと、やはりそれなりの努力の対価といいますか、費用を見てあげるということも必要でございますので、これは頭打ちを直ちにさらにまた復活するということがいいかどうかは、その所得の性格から見てどうかというふうに考えるわけであります。  それから有価証券取引税の御提案がございます。この引き上げでございますが、これは五十三年度に五割方上げておりますし、流通税でございますので、経済への影響及び税の性格からも限度があるということで、有価証券取引税の引き上げというのもやはりこれ自体税収面もしくは税の性格からなかなか問題がある。  それから退職給与引当金の縮小の問題は、先ほどのように、これは引当金でございますので、これ自体は会計上これは人を雇っておる以上はもうけなければ企業計算できませんし、この辺の繰り入れ率につきましてもそれなりの理由を持っておりますので、この辺もやはり制度的な制約があるという気がいたします。  それから価格変動準備金は今回大幅な改正をいたしまして、経過期間を持ちながらこれを縮小するという方向で整理をいたしておりますので、御評価をいただきたいという気がいたします。  それから金融保険業の貸し倒れ金の縮小でございますけれども、これは四十七年には千分の十五でございましたのが、これは五十二年度に千分の八から千分の五、十五から千分の五というところまで引き下がっておりますので、これなりにやはり相当な無理を金融機関にいたしております。その金融機関はまた民間企業の融資をいたしておるわけでありますから、その辺おのずからまたこの限度があり、精いっぱいであるという感じがいたします。  しかし、御趣旨に沿ってそれ以外の富裕税等につきましても、先ほど大臣の御答弁がございましたが、執行面でいろいろ問題がございます。その辺の執行上の問題を含めまして、資産課税の強化等が具体的にできるかどうか、これはやはり新税と直ちに関連はございませんが、税制の全体的な視野から検討を続けたいと、そう考えております。  以上でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、サラ金の問題についてお尋ねをいたしますが、まず警察庁の方にお尋ねをします。  警察庁は昨年の一月から八月までサラ金の被害実態調査をされて、さらに本年も一月から三月までの被害実態調査を実施されているようでありますが、昨年とことしとの比較についての御所見があったらお述べいただきたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) サラ金の被害につきましては、一つは昨年十一月に金融関係事犯の取り締まり月間というのをやりまして、そのときに検挙、送致しました高金利の違反が二百七十件ございました。これは大部分がサラ金の業者と思われるわけですが、それの被害者、借り受け人ですが、三千五百四十一人について比較したのがございます。それを覚ますと、特徴としまして、一つは借り受け人の職業別、これは全体の二八%が会社員ということで一番多いという実情にございます。その次、主婦二〇・三%ということで、会社員と主婦が大体三分の二ということでございまして、それから年齢別に見ますと、四十歳代が全体の三三・六%と一番多いわけでございます。三十代、四十代で大体三分の二を占めているというデータが出てまいりました。また、借り受けの理由別で見ますと、生活費のための借り受けが全体の三一・七%と一番多いわけですが、営業資金が二一・六%、それからギャンブルというのが一六%ございました。さらに、レジャーが一一・六%ということで、ギャンブルとレジャーを合わせますと二七・六%。これは生活費に次いで第二位という状態になっております。借り受けの金額につきましては、全体の五一%が十万円以上五十万円未満ということで、一番多いわけでございますが、五十万円米満で考えますと、全体の八二・八%となっておるわけでございます。  これが昨年十一月にやりました検挙事例からのデータでございますが、同じように最近の傾向というふうなことで、ことしの一月から四月までの間のデータもございますが、余り内容的に詳細な数字を持ち合わせておりません。とりあえず同じ月間で比べてみますと、ここ二、三年の傾向としましては、一つは年齢別に見ると、五十歳代の割合がやや高いかなという程度で、最近は余り変化は見られておりません。それから、職業別で見ますと、主婦の被害というのが毎年少しずつ減っております。その反面、中小企業者の割合が次第に高くなりつつあるという傾向が見られます。また、借り受けの理由別では、生活費というのが毎年減っておりまして、営業資金、特にギャンブルの割合というものが増加する傾向が見られます。また、借り受け金額別では、十万円以上五十万円未満の占める割合というものが、特に五十三年の月間をやりましたときに、若干目立ったということがございまして、ここ二、三年の傾向としては、大体以上のとおりでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 大蔵省は今国会にサラ金の規制法を出して、そして法の網をかぶせようと、こういうふうに決意されたようでございますけれども、現状はなかなか部内の調整に手間取っておるようで、議員立法に依存をしておるというような姿勢がありありと見えるようでございますけれども、いま報告もありましたとおり、警察庁の方の報告では依然としてサラ金の被告は絶えないわけでございますけれども、これにどういうようなふうに対処されるつもりか、そしてまた、最近、自民党の議員立法で案が出ておるようでございますが、最高裁判所の判決と対立するようなグレーゾーン規定の採用についての御見解をお聞かせ願いたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○政府委員(徳田博美君) サラ金問題につきましては、いまお話も出ましたように、非常に社会的に大きな問題でございますので、これに対しては厳しい規制を行うことが必要だと考えているわけでございます。ただ、この問題は大蔵省だけではございませんで、関連する省庁が多いわけでございます。総理府、警察庁、経済企画庁、法務省、自治省等があるわけでございますので、この六省庁の間で連絡会議を行っているわけでございまして、今国会において、サラ金を含めて、貸金業問題に対して立法措置を講じて規制を強化する必要性があるということにつきましては、意見が一致しているわけでございます。  この方向でいろいろ事務的な検討を進めているわけでございまして、その問題点は大体三つにしぼられているわけでございます。  一つは、現在サラ金業が出資等の取締法に基づきまして、届け出制ということになっておりますが、これは事実上野放しに近い状態でございます。これに対しまして、登録制をとりまして、一定の無資格者は排除するということによって、いままでに対しまして約百八十度の転換をするということを考えているわけでございます。  二番目は行為規制でございます。いまサラ金問題が社会的にいろいろ取り上げられておりますのは、それが非常に暴力による取り立てであるとか、あるいは虚偽の、あるいは人をだますような広告をしているというような問題があるわけでございますが、このようなことに対しまして、暴力その他、相手を威迫するような行為による規制を厳しく取り締まるとともに、実際に貸し出しを行う金利について店頭に掲示し、あるいは計算書を交付し、また返済を受けたときには領収書を交付するというように、行為面ではっきり規制をしていくという問題が第二番目でございます。  第三番目は、金利の規制の問題でございます。現在、出資等の取締法によりますと、一〇九・五%を超えるものは罰則の適用ということになっているわけでございますが、これに対しまして、これを大幅に引き下げるということによって、現在の高金利問題の解決の一端としたいということを考えているわけでございます。  このような諸点について、いまいろいろ事務的に詰めているわけでございますが、同時に各方面におきましても、このサラ金問題の規制につきましていろいろな案が提出されているわけでございまして、このようなものを勘案しながら、何らかの形で今国会において立法が行われ、そして貸金業の規制が行われるということをわれわれは期待し、また、そのように努力しているわけでございます。  それから、二番目に御指摘のグレーゾーンの問題でございますが、これは法務省の所管ではございますが、大蔵省としての考えを述べさしていただきますと、現在、出資等の取締法によりまして罰則の適用を受ける、罰則をもって強制する最高限度が一〇九・五%になっているわけでございます。同時に利息制限法がございまして、利息制限法の場合には、元本十万円未満のものは年二〇%という線が引かれておりまして、これを超えるものは裁判上無効となっているわけでございます。したがって、二〇%を超え、一〇九・五%までの間は、これは刑事罰の適用にはならないけれども、裁判上無効であるというようないわゆるグレーゾーンという形になっているわけでございます。現在、出資等取締法であるとか、あるいは自主規制法がございますが、貸金業に関しまして、そういう取り締まりであるとか、あるいは借り手の保護に関する規定が必ずしも整備されていないわけでございまして、現在においては、このようなグレーゾーンという存在は、それなりにそのようなことになっているわけでございますけれども、今後、現在各方面でいろいろ議論されておりますように、あるいはいま申し上げましたように、貸金業に対しまして、借り手保護の立場からいろいろな規制を強化いたしまして、登録制をとり、また貸出金利の最高限、罰則の適用最高限を仮に半分なら半分に下げ、店頭に金利を明示し、また計算書も交付し、また受け取った場合の受取証も交付して、それを罰則で強制するということになりますと、任意に支払った利息についてまで当然裁判上無効になるということがそのような制度になじむのかどうかという問題があるわけでございまして、この点については検討を要するのではないかと、このように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は厚生省に移りますが、昨年の九月の二十七日に当委員会で問題にしました特別養護老人ホーム建設における不正について、会計検査院は昨年末に約十日間調査をされたようでございますが、その検査結果と、それからおとりになった措置についてお聞かせを願いたいと思います。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) お答えいたします。  先生お申し越しのヨロン園としらゆりの園でございますが、昨年の十二月の四日から七日まで、調査官三名をもちまして、関係当局の協力を得ながら検査を実施いたしたわけでございます。検査の対象は、社会福祉整備事業の実施と経緯でございます。その結果でございますが、先生御指摘のような事態がヨロン園につきまして見受けられました。  その内容を簡単に申し上げますと、建築工事の実際の支払い代金が一億四千万円でありますのに、これよりも三千万円高い一億七千万円で工事に付したという、事実と相違する事業実績報告をいたしておったわけでございます。そこで、いろいろと検討いたしました結果、この場合、実際の支払い金額に基づきまして、社会福祉事業振興会の業務方法書に定められております貸付限度額を計算いたしますと、千八百六十万円が貸し付けの限度を超えていることになったわけでございます。そこで繰り上げ償還の要があると、このように判断いたしまして、五十四年の三月に厚生省並びに社会福祉事業振興会に対しまして質問を発し、その見解を求めたところでございます。これに対しまして、当局におかれましては、この遺憾な事態を認められまして、所要の是正の処置を講ずる、このような回答に接したわけでございます。  以上でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 厚生省にお尋ねをしますが、会計検査院の検査結果、措置について、厚生省の方はどのような措置をおとりになったか、お答え願いたいと思います。

岡光序治厚生省社会局施設課長

○説明員(岡光序治君) 厚生省といたしましては、ただいま会計検査院から御報告ありましたとおりの結果に基づきまして、関係県である鹿児島県とそれから貸し付けのもとでありますところの社会福祉事業振興会をそれぞれ指導したところでございます。  まず、振興会の関係につきましては、五十四年の、ことしの三月一日付をもちまして、このヨロン園を運営いたしますところの社会福祉法人光与会、その理事長に対しまして、三月三十一日までにその繰り上げ償還額千八百六十万円を直ちに繰り上げるように、こういう指示をしたところでございます。  また、こういうケースがほかにいろいろ出てはやっぱり問題になりますので、将来に向けまして、こういう事態の発生をできるだけ防ごうではないかということで、社会福祉事業振興会の融資をする際の事務の方針につきまして、できるだけそういった面での厳重な調査をするような、そういう内容の充実も図っております。  県につきましては、こういったケースにつきまして、一つは、その資金計画はどういうふうになっているか、特に自己資金の保有状況について審査を強化をしていただけないだろうか、それからまた、仕事が仕上がって、つまりその補助事業の竣工状況につきましても厳重にチェックをしてほしい、それから事業完了報告書が上がってきた場合に、関係帳簿と十分照らし合わせて、補助対象にしている中身と事業完了の中身とがきちっと合っているかどうか、そういう照合をするように、かつまた、この当該の法人につきまして適切な指導をするようにお願いをしたところでございます。  それからまた、一般論といたしまして、こういったケースが鹿児島県のほかに出ては困りますので、特に自己資金の保有の問題につきまして、全国の部長会議とか、関係の課長会議を開く機会がございましたので、その際に、こういった問題の厳重なチェック、それから適切な指導、こういうことを徹底するように、重ねて指示をしたところでございます。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 大変蒸しますので、上着を取っていただいて結構ですから。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私が当委員会で指摘をしましたのは、いまお話しのヨロン園としらゆりの園でございましたが、ヨロン園だけは大体究明されたようでございますけれども、同じ建設会社がつくって、同じような状態で工事をして、そしてこの情報を内部の告発でいろいろ提供された、同じようなやり方の情報であったわけでございますが、要するに、一方の方は一億七千万という虚偽の申請をして、実際は一億四千万、一方の方も一億七千二百万であるのに上乗せをして申請をしておったという、同じようなケースでございますが、どうして——大体一年ぐらいしか違わない、しかも一方の方は時期的には早い方でございますが、一カ所だけ究明ができて、一カ所だけがなぜ究明ができなかったか、その理由についてお答え願いたいと思います。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) 黒潮会のしらゆりの園でございますが、先ほど申しましたヨロン園と同じようなメンバーで、ヨロン園に引き続きまして同じような検査態度で調査をいたしたわけでございます。その結果、特に問題になるというような事態はなかったという報告に接しているわけでございますが、報告によりますと、先生いまおっしゃいましたように、新築工事の業者が同じ業者でございましたので、特に注意して見たと。しかしながら、黒潮会の請負に対します支払い状況を見ますと、すべて銀行振り込みになっておりまして、しかも同会の、黒潮会の現金出納簿等の帳簿につきましても非常に整理されておりまして、特に疑問はなかったという報告に接しております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私が現地に行かれた方々のお話を聞いた中では、園の方はなるほどそういうふうに後から整理をされたかどうかわかりませんけれども、そういうような状態になっておったけれども、建設会社の方はそういう園の状態と照合する書類がほとんどなかった、倒産間際であったので、伝票とか領収書つづりの一部しかなくて、契約書とかあるいは決算書類はなかった、それから作業日誌も改ざんをされておるような状態であった、会計を依頼をされていた会社に聞いたところが、会社がでたらめで調べようがなかったというような返答が返ってきたと、こういうようなことで、対象にする一方の方がしっかりしてなかったので、どうも調べようがなかったと、こういうようなことを聞かされたんですが、そこらあたりはいかがですか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) 私、いま報告申し上げた以上のことを聞いていないわけでございますが、確かにこの事業は、先ほどのヨロン園と違いまして、ヨロン園の場合は国庫補助金と社会福祉事業振興会の貸付金というものが主体でございますが、しらゆりの園の方はほとんどが自転車振興会の方の融資でございますか、補助でございますか、それと、いま申し上げました社会福祉事業振興会並びに自己資金でございます。したがって、検査といたしましては、原則としては私たちの検査は社会福祉事業振興会にとどまるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、そういった点はございましたけれども、ヨロン園と同じように相当突っ込んで関係当局の協力を得てやったわけでございますが、現場に行きました者の報告は、結局は疑問はなかったということでございました。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私はあなたの方の行かれた方々のいろんな報告を交えながらいま申し上げたわけで、これはもう事実でございますし、また私自身も、現地におきまして建設会社菅原建設のいろんな資料を二十梱包近く資料として提供をした、そういう立場からしますと、かえってヨロン園の方よりはしらゆりの園の方が資料は私は多かったような感じがするわけでございます。  そこで通産省の方にお尋ねをいたしますが、国庫補助の事業で、会計検査院の方がそういう指摘ができたのに、私たちとしては感じとしてやはり何となく監査体制が——会計検査院というのはもうそのものずばりでございますが、通産省の方は自転車振興会が貸しておるわけでございます。そういうところの監査の体制が甘いんじゃなかろうかというような感じもするわけでございますが、そこらあたりはどういう感触をお持ちでしょうか。

堀田俊彦通商産業省機械情報産業局車両課長

○説明員(堀田俊彦君) 本件につきましては、昨年九月御指摘を受けまして、日本自転車振興会が昨年のうちに二回にわたりまして現地調査を行っております。その結果、日本自転車振興会の報告によりますと、まず施設の設置者でございます社会福祉法人黒潮会につきましては、建設関係書類、支払い関係証拠書類等、すべて完備しておりまして、不正の事実はございませんでした。また、そのときに御指摘がございました、工事に手抜きがあったのではないかという点につきましても、現地に赴きまして現物を検査いたしました結果、そういう事実はないということが確認されております。  他方、しらゆりの園の建設を請負った建設会社側でございますが、これにつきましても鹿児島県庁等の御協力を得まして、日本自転車振興会の職員が調査をいたしました。この会社がその時点ではすでに倒産をしておったという調査上の困難性がそもそもございました上に、ただいまもお話がございましたように、会計処理が必ずしもきちんと行われていなかったということもございまして、不正があったという事実を確認することはできませんでした。  しらゆりの園につきましては、ただいま申し上げましたように昨年じゅうに現地に職員を派遣しまして二回も調査を行っておりますけれども、一般に日本自転車振興会の補助金の監査体制というのはかねてより強化を図っておりまして、現在では補助金確定のために行う実地調査に加えまして、確定後二年後に必要がある際に行うまた監査という二重チェックの方式をとっておりまして、今後もこの方式によりまして、補助金が最も適切に利用されるように取り計らってまいりたいと存じております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 巷間、自転車振興会、民間のそういう補助金等は、やはりお金の、収益金の性格が性格であるだけに、社会福祉というところに、そういうことに出すことによってその性格をカバーするというようなことで、やはり監査が甘いのではないかと、巷間そういうふうなことを批判する人たちが多いわけでございますので、いま課長がおっしゃったことが杞憂であればいいわけでございますけれども、私はこの事件に関しては、何となく書類を後から改ざんをされたような感じもいたしますし、また現に会計検査院の方に差し出した値引きのヨロン園の方の書類も、後からの話でございますけれども、後から書いたものをそのように差し出したというような経過もあったようでございますので、やはりそういうようなところをしっかり押さえて監査をされるように強く要望して次に進みます。  ところで、社会福祉事業振興会は、このヨロン園という園に対して三千万円の減額をさした、そういうような園に対してどのような措置をとられたんですか。

岡光序治厚生省社会局施設課長

○説明員(岡光序治君) 先ほど検査院の方からもお話がありましたが、その三千万円の値引きの結果をいろいろ振興会が貸しますところの補助要綱に基づきまして計算し直しますと、一千八百六十万円の貸し過ぎということになりましたので、その結果に基づきまして、本年三月一日付をもちまして、月末までに繰り上げ償還をするように通知をしたわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 それは返りましたか。

岡光序治厚生省社会局施設課長

○説明員(岡光序治君) いまのところまだ入っておりません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 その応じない理由はなんでしょう。

岡光序治厚生省社会局施設課長

○説明員(岡光序治君) 基本的に申し上げますと、補助対象事業に対するこの法人施設長の考え方が違っておるというんでしょうか。といいますのは、私どもは、社会福祉事業をやりますときのこの振興会からの貸し付けにつきましては、本体工事と、それから付帯工事及び初度調弁費と、こういうふうなものを補助対象事業にするわけでございます。ところが、実際に施設を建てる際にはそういった事業費に伴うところの付帯経費がもろもろございます。たとえば現地に出かけていって調査をするとか、あるいは不動産の鑑定をしてもらうとか、そのほかもろもろの連絡をしなければならぬ、そういうふうな付帯的な経費がかかるわけでございます。この問題になっております法人の理事長さんの考えは、こういった付帯的な経費も含めて全体を考えるべきではないか、自分が実際にかかったお金は補助対象にしてもらっている金よりもずいぶん上回っておると、したがって、三千万円値引きしてもらった分はそういった付帯的な経費の方に充てたと、ちっとも自分はそういう意味で、何というんでしょうか、間違ったことをしておらない、つまり施設を新築するためにがかった経費に充てたんだと、こういう御主張なわけでございます。  私どもはこれに対しましては、あくまでも工事費に対して補助をするのであると、そういう考え方で計算をしておるわけでございますし、また具体的に貸し付けを受け付ける際に、添付資料といたしましてどういう経費を補助対象にするかという計算をしておるわけでありますし、また施設の側からそれを出していただくわけでございますが、その事業実施計画書の中にも、どれだけが工事費であって、その工事費に対して幾らを貸し付けると、こういうふうな文書をつくり、相手方にも了承をいただいた上でやっておると、こういう仕組みにしておるわけでございます。  そういう意味で、繰り上げ償還につきまして相手方理事長さんにいろいろ御主張があるわけですが、その主張するところは受け入れがたいということで、私ども当該理事長さんとお話し合いをしておるところでございます。事務的には四月の十八日付をもちまして繰り上げ償還の督促を行っておるという実情でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 大臣にお尋ねしますが、いろいろといま課長が答弁なさったですが、借りるときは約款がありますから、それをよくごらんになってお借りになっておると思うんですが、こういうようなことが指摘をされますといろいろ理屈をつけて応じないという。しかも新聞社等には、おれが商行為としてやっておることに第三者がそういうことを文句言うとはけしからぬというようなこと等もおっしゃっておるようで、もう私たちとしては、非常に反省の色がないと、こういうふうに思うんですが、大臣はこの問題をどのようにとらえ、認識していらっしゃいますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 具体的にそこまで細かい状況を伺いますまで、それほどその理事長さんという方がユニークな主張をしておられるという点までは実は存じませんでした。私どもとすれば、社会福祉事業振興会の貸し付け事業などについて当初提出していただく事業計画などに変更が生じた場合には、これがいかなる理由による変更でありましても、当然その貸し付けを受けた社会福祉法人から事業変更届けの提出を義務づけておるわけでありますから、このケースなどは当然変更届けが提出されるべきケースであったと思います。それだけに、いまのようなお話を伺っておりますと、これが履行されておらないということ自体、まず私どもは非常に遺憾であると言わざるを得ません。ですから、現在その繰り上げ償還の措置を命じておるわけでありますけれども、仮にこのまま償還が行われないという事態であれば、社会福祉事業振興会と法人との間の金銭消費貸借特約条項に基づいて連帯保証人に対して債務履行を通告する、同時に担保権の執行をするといった事態も考えざるを得ないと思います。  ただ、一般的に申しまして、いま私は和泉さんのお話の中で非常に重大なポイントだと思いますのは、理事長さんが理事長さんとしていろいろな御主張になることは結構でありますけれども、およそ社会福祉事業というものに携わる方々の中から、自分はこれを営利目的でやっているんだ、営利行為としてやっているんだというようなお話が出るということはそれ自体が論外でありまして、そういう考え方で福祉事業をやっていただきたくないという気持ちが率直にいたします。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いま大臣がおっしゃったとおり、私は非常に重要な問題ではないかと思います。  そこで、社会福祉法人の設立のときに、これはチェックすべき重大な問題ではないか、こういうふうに思うわけでございます。過去に——現在でもそうでございますけれども、大多数の方々は、社会に奉仕しよう、弱い人たちを何とかお助けしようというような、そういうような気持ちで社会福祉に携わっておられる方が非常に多うございますけれども、最近は福祉産業という、福祉をもうけるための手段と考えておる人がだんだん出てきたような感じがしてならないわけでございます。要するに、企業主義の方々が福祉の方に手を伸ばす。事実私の知っておる方の、弁護士さんでございますが、その方のところにサラ金をやっておる人が来て、特老はもうかりますよ、先生の名前を出してもらえば弁護士さんだから一発です、私たちも協力しますが、というようなことを言ってきた人がおるぐらい、非常に福祉産業的な考え方をしておる人が中にはちらほら出てきておる。こういうことで、やはり福祉法人の設立のときに私はチェックすべきではないか。理事長になる人の職業とか人柄とか、そういうことのチェックが県段階でしっかりなされないからこういうことになるんじゃないか、こういうふうに思えてならないんですが、御所見はいかがでしょう。

吉江恵昭厚生省社会局庶務課長

○説明員(吉江恵昭君) お答えします。  ただいま先生御指摘のとおりのことがややもすれば言われておるというようなことも存じ上げておりますし、社会福祉事業の性格からして、人格が高潔で社会福祉の増進に情熱を持っておる方にこの経営をしていただかなきゃいかぬということもこれは事実でございます。それで、従前からもそのような観点に立って、昭和三十九年以来、社会福祉法人の設立について一定の基準を設けてまいりましたが、最近ややもすればそういう傾向もこれ見られるということもございまして、実を申しますと、ことしの五月十六日付をもちまして従前の通達の手直しをし、社会福祉事業設立の際の資金計画あるいは役員の資質その他について一層厳正に審査してまいるように、チェックしてまいるように処置したところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 厚生省の昭和五十三年度の社会福祉施設の調査の結果によりますと、老人福祉施設は二千七百五十五カ所で、五十三年度設置されたところは八十五カ所のようでございますが、充足率は一〇四・八%という満杯の状態でございます。  そこで、先ほども申し上げましたが、中にはまだ自分の資産を投入をして、一つの準公務員的な立場になって措置費で自分の老後を保障をしてもらおうというような考え方も、企業的な考え方のほかにまたあるということも御指摘をしておきたいのでございますが、このような満杯の状態になりますと、特老はますます必要性があって建設の設置の申請が多くなると思うんでございますが、何か対策をお考えになっておるところはないんでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) いま和泉さんが御指摘になりましたようなケースがあることは私も存じておりますし、もっとひどいケースでありますと、宗教法人が特別養護老人ホームを経営いたしまして、自分のところの特別養護老人ホームに入るならば、自分のところで亡くなった場合永代供養をするというので、永代供養料と称して別金を取り上げておるようなケースもありまして、そういう状況が現実にあることは私も承知をいたしております。  ただ、ここで私どもが本当にその点を非常に苦慮しておるわけでありますけれども、いま御指摘のように、そうした福祉事業というものと営利事業とを混同するというよりも、むしろ福祉事業という看板に隠れて営利事業を行おうとする人たちが一部に確かにあることは事実でありますけれども、同時に、本当に自分の私財をなげうって、足りない資金を使いながら何とかして福祉事業を営もうとしておる方々がたくさんあることも事実また一方の実態であります。そうなりますと、こういう問題を余りしゃくし定規に線を引いてしまうことによって、本当に善意で、自分の資金は乏しいけれども、それでも何とかして福祉事業を営もう——それは特別養護老人ホームばかりではありません、精神薄弱者の授産施設等でもそうでありますが、非常に乏しい財源ではあるけれども、何とかしてそういう問題に取り組みたいという方々を逆に締め出してしまうこともこれは問題であります。それだけに、言葉の上で厳正にと言うことは非常に楽なことでありますし、厳しくして安全率を本当に一〇〇%とるようにしていけば非常にそれは安全なものにはなりましょうけれども、それによって善意の人々を押し出してしまう危険性もあるわけでありまして、要は、私は県にしましてもまた国の立場におきましても、法人認可時における審査というものについて、基本線は持ちながら、そこの中に厳正な中にも情味を加えながらの弾力的な運用で対処していくというごと以外に、こうした問題に線引きをするということはなかなかむずかしいことだというのが実感であります。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 特に私が指摘した離島あたりは、小さい町村で特老をつくるということになりますと、一部事務組合という方式を考えていただいた方が、こういう不正がああいうような目の届かないところで起こる公算は非常に少ないんじゃないか、こういうことを考えるわけです。きのうまた、たまたま新聞を読んでおりましたら、厚生大臣も非常に頭が痛い問題が新聞に出ておったようでございますが、福岡県で特老をめぐって非常に権力を持った方々が相争うというようなことが載っておりましたが、将来、非常に充足率が高いということでございますので、こういう問題がいろいろ起こってくるんじゃないかと思いますが、その一部事務組合の問題と、そういうことに対処する御見解をひとつ聞かしてください。

橋本龍太郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは特別養護老人ホームばかりではなく、福祉施設全体についての問題でありますが、たとえば午前中御指摘を受けておりました保育所等におきましても、わが国の実情においてはなおその整備を急がれておるというのが実態であります。それだけに関係者としては、一生懸命熱意の余りいろいろな陳情をなさる場合もありましょうし、また大変無理な操作をされる場合もあろうと思いますが、私どもとしては、あくまでも県から国の方へ申請の出てまいります、その県としての優先順位というものを中心に考えていかなければならないと考えております。  ただ、いま御指摘になりました、社会福祉法人という形にこだわらず、一部事務組合による方式はどうだという御提案につきましては、確かに私どもも十分参考にし得る御意見だと思います。具体的にはそれぞれの地域社会の御意向というもので決すべきものではありましょうが、その場合において一部事務組合という方式を排除する必要は毛頭ない、私もそのように考えます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 では労働省の方、これもさきの決算委員会で問題にしたところでございますが、宮崎県下の公益法人弘潤会のクリーニング工場で、県から身体障害者に支給される、一人当たり六万円余りの訓練手当をピンはねをして、県から十人分約四百万円も横領したという事実が昨年明らかとなっておるようでございますが、そこで県は当法人に対して、訓練委託を取り消す行政処分をとったやに聞いておりますが、その後どのようになっているのか、説明をしてもらいたいと思います。特に横領という問題がありますので、これはどのように処理をされたのか。

田淵孝輔労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(田淵孝輔君) 先生御指摘のように、弘潤会におきましては、昭和五十三年に五人の精神薄弱者について職場適応訓練を行いましたが、これらの者に渡るべき訓練手当の総額約二百十一万円のうち、各人から総額約九十九万八千円を着服しておりました。また、さかのぼって昭和五十二年には、五人のやはり精神薄弱者につきまして職場適応訓練を行い、この場合にも訓練手当総額約百八十九万円のうち、各人から総額約四十九万四千円を着服しておりました。  このため、宮崎公共職業安定所におきましては、昭和五十三年十一月三十九日、弘潤会に対しまして、着服額を各人に、当該精神薄弱者に返還するよう指導いたしまして、弘潤会は同月末日この指導に従って返還したと称しております。なお、着服につきまして、刑事事件としては起訴猶予として処理されている、こういうふうに聞いております。  なお、このような事実があったことから、その後弘潤会に対しましては、職場訓練手当は公共職業安定所としては委託をしておりません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 最後にお尋ねをしますが、身体障害者の雇用問題、これは労働省等も非常に鋭意努力してなかなか改善をされない問題でございますが、決算委員会でも警告決議として取り上げられておる重要な国民的な課題だと思います。  そこで行管庁にお尋ねをしますが、身障者の雇用についての行政監察は、当然中央計画監察の調査対象として実施すべきだと思いますが、この中央計画監察の調査対象としてやられたことがあるかどうか。やっていないとすれば、今後いつやるおつもりなのか、お答え願いたいと思います。

佐倉尚行政管理庁行政監察局長

○政府委員(佐倉尚君) ただいまお話しの身体障害者の雇用の問題、これにつきまして現在までに中央計画監察で実施したことはいままでございません。それで問題としましていろいろな問題があるということは承知しております。また、五十一年に身体障害者の雇用促進法等が改正されております。こういう事実を踏まえまして、本年度の監察予定計画にも実は入っておりませんので、明年度以降雇用問題等を行政監察する際には、参考にして勉強して研究していきたいと思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 以上で一応終わります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 田中官房長官、きょうもお忙しいところをお越しくださいましたそうですので、冒頭に御質問申し上げたいと思います。  五月の二十四日、衆議院で航空機特別委員会が開かれておりまして、ここで松野頼三民の証人尋問が行われておりますが、このとき、海部と松野氏のつき合いの発端というのは、中村長芳氏と田中六助氏が日商岩井の依頼で防衛庁長官の松野氏を海部に会わせた、こういう有森メモの質疑に対しまして、松野頼三民はそっちの方が後だと、こういうふうに、否定はされておりません。しかし、長官はその事実はない、こういうことを強く否定なさっていらっしゃるということを新聞で拝見いたしておりますけれども、そういう事実は本当にございませんのでしょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) そういう事実はありません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、松野さんが偽証なさったということでございますね。  では次にまいりますが、岸さんの秘書の中村長芳氏はよく御存じでございましょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) よく知っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 長官は、海部氏を岸さんに紹介した事実はない、こういうふうに前におっしゃいましたけれども、海部氏を中村長芳氏に御紹介なさったということはございませんでしょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) ありません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、海部氏と中村氏と長官の三人を含めた会合などを持たれるか、あるいはそういう会合に御出席なさったことがございますでしょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) 全くありません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、同じこの証人喚問の日でございますが、二十四日に、新海部メモと言われるものに関連をいたしまして、防衛庁のいわゆる海原元官房長追い落としは松野頼三、岸先生、増田、田中六助の合作劇というようにお名前が出ております。「尚、今回の件に関し松野、六助、増田氏には多少挨拶したいと思ひます」、こういうふうに書かれてございます。私は長官が告訴をなさっていらっしゃるということは承知をいたしております。長官、新聞でも御否定でございますが、本当にこういう事実はございませんでしたでしょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) あなたは国政調査権のもとでそういう質問をしておりますが、私も官房長官を離れまして一議員として申し上げますが、告訴するということにつきましては重大なことでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 ということは、本当にそんな事実はなかったというふうに受け取らせていただいたらよろしゅうございますんでしょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) あなたも国会議員でございますから、常識的に御判断ください。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では常識的に判断をさせていただきまして、そういう事実はないというふうにお答えだということでさらに質問を続けさせていただきます。  長官は告訴をなさっていらっしゃいますけれども、新聞で拝見をいたしますと、このメモを流布した人を告訴なさっていらっしゃいますが、なぜ書いた本人を告訴なさらないんでしょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) 書いた御本人がわかるなら非常に問題は簡単でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 これは法務省の伊藤刑事局長が、二十五日午後の参議院航空機輸入調査特別委員会で、検察出局の調べでは、あれは海部が書いたものだということで、海部の自筆によることを認めたというふうになっておりますので、書かれたのは海部さんだというふうに思いますが、海部さんをなぜ告訴なさらないのでございましょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) 私も伊藤局長のそういう言葉は知っておりますが、あなた自身、あのメモをよくごらんください。果たしてそうかどうか、きわめて疑問な節があるでしょう。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 書いたのが海部さん、しかし中身ははったりが多い。はったりの多いことを書かれたらより告訴をなさるのが至当だというふうに私は思いますが、長官、いかがでございましょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) 私があなたに言っているのは、あの前後の文字、中の文字、よくお調べの上御検討くださいということを言っているんです。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は筆跡鑑定などできません。しかし、筆跡鑑定でほとんど海部さんが書いたのだと、こういうふうに言われております。  では次に続けます。長官の政治団体——ちょっと待ってくださいね。ここにいま、私が先ほど申し上げましたように、このメモには、「今回の件に関し松野、六助、増田氏には多少挨拶したいと思います。」と、こう書かれてあるわけです。そこで、これに関連してですが、長官の政治団体の六宏会、ここには日商岩井からの政治献金を受け取ってなさいますけれども、昭和四十一年でございますね、これは二十二万円です。そしてこのメモの時期に一致する昭和四十二年、一挙に二百二十六万円です。一挙に十倍以上になっている。これが昭和四十三年になりますと六十二万円、そして四十四年になりますと全くゼロと、こういうふうになるんです。余りにも合致し過ぎると私は思うわけなんですけれども、なぜ昭和四十二年、このメモの時期と一致するときに一挙に十倍以上になっているんでしょうか。この理由は何でございましょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) あなたはまあ国政調査権というものの立場からいろんなことを聞くんでしょうが、まず海部メモのことから申しますが、あなたもほとんど海部が書いたというふうに、ほとんどという言葉をつけていますね。いまつけましたよ、あなたはほとんどと。ほとんどと全部——海部メモというのはどういうことになるんですか。それが私の疑問ですが、まあそれは別といたしまして、金銭の話でございますが、ちょうど四十二年の一月に選挙があったと思います。私はこの前もあなたに申し上げましたように、私の団体というのは松永忍というのがずっと十何年来現在に至るまで経理をやっておりまして、政治資金届けのものは、入ったものをそのまま法律に——それは必ずしも書かぬでもよかったというところもございますが、全部書いておりまして、そのときは選挙があっております。それで応分の処理あるいは金銭を各後援団体に頼みに行ったと思います。私はそういうことは、そのとき幾らもらったのか、そういうことさえ覚えておらないのが真相でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、いまの御答弁は、そのときに選挙があったから一挙に十倍になったと、こういうふうに受け取らせていただいてよろしゅうございますか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) あなたの自由です。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) ちょっといまの答弁わかりませんでしたが……。あなたの自由とおっしゃったのですか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) そうです。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 そんな御答弁というのは私はないと思うのです。こういう事実がありますからね、これはどういうことでございましょうかということをお伺いすれば、選挙とかいろいろおっしゃったので、だから、選挙だからこういうふうに一挙に十倍以上になりましたのですねと、そう受け取らせていただいてよろしゅうございますでしょうかと、私、確認を申し上げているんです。私の自由で受け取るというような問題ではないと思います。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 田中長官、お気持ちはわかりますが、余り感情的にならずに答えられたらいかがでしょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) いま申し上げましたように、私の後援団体の応援の資金、あるいは寄付にいたしましても、会費にいたしましても、すべて私はそれは当初のことは知っておりますが、全部松永忍という経理の責任者が応分の金をお願いに行くことだけにいたしておりまして、私がそのときお礼申し上げなければいけないという場合は私がお礼を申し上げますし、全部が全部、私は覚えているわけではございません。ただ、そのときに選挙があって、それだけ金が要ったと思うのです。それをそれぞれの、日商岩井だけじゃなくて、あちらこちらにお願いに行った、その額がそういうふうになったのであって、安武議員の考えることは、航空機——第三の海部メモと言われるものと一致しているからということでしょうが、それは私は全く関知しないことで、そういうふうに解釈するならばどうぞと、御自由ですという意味です。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、長官もはっきりとなぜこのときに一挙に十倍になったかということをお覚えでないようでございますので、私は御調査いただきまして後で御報告いただけたらと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) 調査をするといいましても、いま私が申し上げているとおりの以外は何も調査してもしようがないでしょう。私自身、何を調査するんですか。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、なぜこの時期に一挙に十倍になったんでしょうかと言ったら、選挙その他でというふうな御答弁だけですので、それでは私納得できないわけなんです。ですから、御調査をいただいた方が私が疑惑を持たなくてよいんじゃございませんですか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) あなたの疑惑が解消しないからといって、私自身もわからないものはしようがないでしょう。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 政治資金をもらってこういうふうに一挙に十倍以上になったことが全然おわかりにならないということで承っておきましょう。  そうしたら、次へまたまいりますけれども、私は、長官はすべて否定なさっていらっしゃいます。しかし、松野頼三氏の証言、それから新海部メモ、有森証言、全部長官のお名前が出てまいります。これを否定なさっていらっしゃるのは長官だけでございます。私は昨年の十二月の二十一日に、この決算委員会で長官に御質問を申し上げました。そのとき私は、「ダグラス社が日本への軍用機の売り込みに当たりまして日商岩井を代理店としていることは御存じでございましょうか」、こうお伺いいたしましたら、大臣は、「知りません」、このように御答弁なさっていらっしゃいます。私はとんでもないことだと思います。ダグラスの問題が起きて、すでに国会でもこの問題が大きく論議をされております。その時期に、内閣の番頭たる官房長官があの時期に、日商岩井がダグラスの代理店だということを知らないと簡単に否定なさる、このことこそ私は全く不思議この上もないというふうに思います。しかも、四十一年から政治献金を長官は日商岩井からもらってなさいます。四十一年から四十九年、この日商岩井の政治献金を見てみますと、長官の千四百六十三万円、これは国民協会よりも多くて一番多いわけなんです。こういうふうに事件の徹底解明を言明している内閣の官房長官が、まことに不思議な否定答弁をなさっていらっしゃる。私は、何でも否定をなさればよいという態度ではなかろうかというふうに思うわけですけれども、私はやはり国民の疑惑に真剣にお答えになるべきだというふうに思いますが、長官いかがでございましょうか。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) あなたはどういう考えか知りませんが、私が申して、しかも神明に誓って少しも疑いのないのは、日商からもらっている金を全部政治資金規正法によって届けているじゃないですか。それ以上何を私は弁明しますか。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 なぜそんなに初めからずっと怒りっ放しでお怒りになるんでしょうか。私、ただお伺いいたしているだけでございます。そして、去年の十二月二十一日という時期には、国民すべてがダグラス社が日本への軍用機の売り込みに当たっては日商岩井を代理店としているということは周知の事実でございます。しかし、官房長官が御存じないということに私は大変不思議だと、そんなことで徹底解明がおできになるんですか、おかしいじゃないですか、こういうことをお伺いいたしております。

田中六助自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(田中六助君) こういうのが議題になった時点は、もちろん日商がそういう会社と関係があるということは表明されておりますので私も知ります。しかし、その政治資金をもらった当時、おまえは知っておったかということなんでしょう。当時は私は知りませんでしたという話をしているんじゃないですか。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 そんなお伺いのいたし方はいたしておりません、私は。ダグラス社が日本への軍用機の売り込みに当たりまして日商岩井を代理店としていることは御存じでございましょうかと、こういうことしかお伺いいたしておりません。そして、その当日は、朝からの論議の中ではこのことがもう問題になっているということは、これはもう周知の事実でございます。ですから、私はそういう御答弁をなさる長官はますますおかしいというふうに思わざるを得ないわけでございますが、長官もお忙しゅうございましょうし、私は長官への御質問、これで打ち切らせていただきます。  次に、私は機種選定の問題に移らせていただきます。やはり松野氏の証言に関係をいたしますけれども、松野氏は二十四日の衆議院航空機特別委員会の証人喚問で増田甲子七委員の質問にお答えになりまして、全然在任中は機種の内容、種類は問題になっていない、こう証言なさっていらっしゃいます。で、海原元官房長は、新大臣に対する事務当局の御進講のときに、松野氏がT38については、T38は要らない、あれは伊藤忠じゃないか、あれはだめだ、こういう趣旨の発言をしたのでみんなびっくりした、こういうふうに語っておられます。  防衛庁にお伺いいたしますけれども、いわゆる御進講のとき松野氏がこういう発言をしたのは事実でございましょうか。そして、この御進講のときに出席したのはだれとだれなんでしょうか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 何分にも古いお話でございまして、そのときの関係者というのはもう退職しておりません人ばかりでございまして、その長官室でどういう発言があったかということはわからないということでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それでは、私は至急に確認をしていただきまして、そういうことがあったのかなかったのかということを確認して当委員会に御報告願いとうございます。  で、防衛長官は、機種を決定する権限を私は当時は持っていたはずだと思うんです。この点をお伺いいたします。そして、松野氏の次の次の防衛庁長官だった増田甲子七氏は、昭和四十三年十月二十二日の衆議院の内閣委員会の中で、第二次FXの機種選定につきまして、「これはやはり行政処分的に、行政行為である。防衛庁長官のなし得る行政行為である」、こういうふうに御答弁なさっていらっしゃいます。また、同じ年の十一月十二日の衆議院の内閣委員会では、「それをしも選び得ないということになると、もう防衛庁長官は何も長官ではない。官庁にあらず、単なるタイピストみたいなものである」、こうまでおっしゃっておられます。で、在任中機種を最終的に決定しなかったとしても、このような権限を持つ長官が、T38はだめだ、こういう発言をなさるということは、その後の機種の選定に重大な影響を私は与えると思います。で、T38を排除したのは、同じノースロップの伊藤忠のF5を第二次FXで排除する思惑に基づくものだと言われております。で、航空機疑獄解明の上で重要な意味があるわけなんです。防衛庁は私は責任を持って事実を明らかにすべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。

原徹防衛庁防衛局長

○政府委員(原徹君) 私もまあ調べてみたわけでございますが、T38の問題につきましては、これは当時超音速の練習機がなくて、そのために目標機として、104は超音速の飛行機でございますが、そのパイロットを訓練するのに超音速の目標機が要るのではないかと、そういうことで、これは四十年度の予算に——だから予算を要求いたしましたのは三十九年になるわけでございますが、T38という飛行機を二機、これは運用試験ということで大蔵省に要求いたしておりますが、それが要求が認められなかったという事実がございます。  それから、それでは練習機はどうなったかと申しますと、これは三次防の大綱で超音速の練習機を開発しようということになりましたのと、その三次防の主要項目におきまして、しかし開発するにいたしましても相当時間がかかるということで、これを主要項目におきましては、「国内開発を行なうとともに、当面の操縦士教育のために、別途検討の上、必要な措置を講ずる。」と、こういうふうになっております。このようになっておりますということは、これはいろいろ検討するわけでございますから、その一つのものとして外国機の導入もその段階で含まれているということでございます。しかし、結果といたしましては、国内開発が順調に進みましたためにこれは外国機の導入は見送られたと、あるいはそのいろいろ検討した結果、後ででございますが、そのつなぎというのはやめにすると、そういうことになったのでございます。  調べた限りではそういうことでございまして、どうもT38は練習機でございまして、確かにその練習機、超音速の練習機が必要だということはありまして、それは結局T2という練習機を開発することで解決がついている問題だと思います。私ども調べた限りはただいま申し述べたとおりでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 時間の関係がございますので質問に端的にお答えいただきたいんです。  当時は、私は、防衛庁長官は機種を決定する権限を持っていたはずだということを一つお伺いしております。これはございますね。  それから、やはり先ほどのような御発言というのはやはり今後の機種選定に重大な影響を与えるというふうなことで私は御質問申し上げたわけなんです。ですから、航空機疑獄の解明の上でも重要な意味を持つので私は再調査を御要求申し上げます。  それで、時間が大変ございませんので、次の件についてお伺いいたしますけれども、伊藤刑事局長にお伺いいたします。  二十五日の参議院の航空機特別委員会で、海原追放、空幕長人事への松野氏の関与につきまして、あると自信を持っては言えないと、いろいろあると答えておきたいと、こういうふうな御答弁をなさったようでございますけれども、このような御答弁でございましたか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 大体そういう答弁をしました。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では防衛庁にお伺いいたします。  松野氏が衆議院の航空機特別委員会での御証言で、空幕長、海幕長とも在任二年、陸幕長は一年半と、こう言っておられますけれども、これは事実でございましょうか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(夏目晴雄君) 当時の天野陸幕長の在任期間は一年三カ月余り、西村海幕長の在任期間は一年八カ月余り、浦空幕長の在任期間は二年ちょっということでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 松野氏の証言と少し違っているようでございます。  そこで防衛庁にお伺いいたしますけれども、このとき空幕長の後任者というのは、前任者である浦茂氏の先輩に当たる牟田弘国氏が就任しておりますけれども、こういうふうに、後任者に先輩が当たるというふうな前例があるんでしょうか。これが一点でございます。  それから、三幕僚長が一斉に交代した例があるんでございましょうか。この二つにお答えくださいませ。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(夏目晴雄君) まず、三幕僚長が同時に交代した例はこの四十一年の例でございます。  それからもう一つは、牟田空幕長が就任したというのは先輩になるのではないかと、こういうことでございますが、私ども、確かに自衛官の人事につきましては期別管理を一つの原則にしておりますけれども、年齢とかあるいはそのときの従来の補職あるいはその人柄、そういうものを総合して勘案しておりますので、そういうことも間々あることはあるのではないかというふうに考えられます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 あるとしたらいつでございますか。

夏目晴雄防衛庁人事教育局長

○政府委員(夏目晴雄君) たとえば大学卒業の年次が逆になった例としましては、初代の陸幕長林陸将の後に筒井陸将が幕僚長になっておりますが、これは大学の卒業年次が二年間逆転しているというふうなケースがございました。それから同期が続いた例としましても、陸幕長に天野さんから吉江さんへの例、あるいは栗栖さんから高品さんへの例というふうなことがございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私はいまの御答弁の中で、三幕僚長が一斉に交代した例というのはないということ、それから、いまの例で間々あることだとおっしゃいましたけれども、同期が続いたというのは、これは別でございましょう。だから、最初のときに一度というふうなことで、私は実に事態がはっきりしてきたというふうに思うわけです。やはり人事の介入があったのではなかろうかという疑いが濃厚じゃなかろうかというふうに考えております。  そこで刑事局長にお伺いいたしますけれども、新海部メモにつきまして、二十五日の参議院の航特委で、記載内容をすべて事実と判断するのはどんなものか、しかし、海部がメモに書いたような考えを持っていたことを信じざるを得ない、政治家にそういう力があると信じてアクションを起こしていたとも思う、こういうふうな御答弁をなさっていらしゃいますけれども、この新海部メモのうち、「これは松野頼三、岸先生、増田、田中六助の合作劇であり」、こういう部分がありますけれども、これは事実でございましょうか。この部分全部が事実でないとしても、一部事実を含んでいるのでしょうか。事実でないところを、あるとすれば明らかにしていただきとうございます。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 事実という言葉の使い方がむずかしゅうございますが、海部が書きましたときに、海部の主観的認識とも異なる部分といたしましては、「松野」という名前以外の固有名詞は書いた当時の海部の認識とも違うようでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 書いたときの海部の認識と違うと、こういう御答弁でございますか、ちょっと聞こえなかったので……。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) もう一回申し上げます。  海部が第三海部メモと言われますものを書きましたときに、彼特有のはったりをかませておるわけでございます。そのはったりに当たる部分は、「松野」という方のお名前以外の名前、これは海部が勝手にはったりとしてて書いたものというふうに認めております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、SEC報告が指摘をいたしました、ダグラス社が日本への航空機の売り込みに関連しまして支払った百八十万ドルの販売手数料の問題についてお伺いいたしとうございます。  十五日の東京地検の特捜部の捜査内容によりますと、米側の非公開資料等を中心に捜査したけれども、犯罪の事実は突きとめられなかったということでございます。この犯罪事実を突きとめられなかった理由の中に、職務権限とかあるいは時効などのいわゆる壁によって突きとめられなかったという意味も含まれているのでございましょうか、その点をお伺いいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 正確を期しますために一点明らかにしていただきたいんですが、どの百八十万ドルでございましょう。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 ダグラス社が日本への売り込みに関連した分ですよ、百八十万ドル。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 実はダグラス社から、世上といいますか、国会の御論議で百八十万ドルと言われておるものに二つございまして、その一つは民間航空機の販売手数料の百八十万ドル。それからもう一つは、F4ファントムに関する百八十万ドルとも言われ二百万ドル近くとも言われておるものと、両方あるわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 民間の分です。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) SECの資料に出ておりますこの百八十万ドルにつきましては、先ほど安武委員は地検の発表で犯罪の存在が突きとめられなかったという発表があったようにおっしゃいましたが、そうではございませんで、この流れは解明できたけれども、犯罪の容疑が何ら認められなかったというふうに申し上げておるわけでございます。分けて申しますと、そのうちの百四十万ドルは東亜国内航空で購入しましたDC9、それから日本航空が購入しましたDC10の関係で三井物産にそれぞれ小切手で正規に入金いたしておりまして、正当に帳簿に受け入れられて処理をしておりまして、疑いの生ずる余地はございません。その余の四十三万一千ドル、これにつきましても日商岩井に正規に帳簿に入っておりまして、疑いの介入する余地がございません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 SECは、この百八十万ドルのコミッションの一部が政府高官とかあるいは航空機会社の役員に支払われた可能性が濃いということで連邦地方裁判所に告発をしておりますけれども、この点につきましてSECの担当官がわが党の訪米調査団に対しまして、SECの報告書が指摘した百八十万ドルについては告発状の第十二項に該当する。すなわちこれらの金が、読み上げてみますと、十二項といいますのは、「一九六九年以降、MDC等は、MDCの外国における商取引の獲得及びまたは維持との関連で、直接又は間接に、少なくとも合計約七三〇万ドルをコミッション料として支払い、支払うようにさせたが、これらの支払いは、企図された目的のために実際になされたか、あるいは、得られたサービスが支払われた額に見合つたものであつたかを確認するのに十分な会計上の手続や監督を経ずしてなされたものである。実際、MDCは、これらコミッションの一部が政府関係者及びまたは航空会社職員に対し流れたかもしれないということを知っていたかまたは知るべきであった」、こういうふうに指摘をしておりますけれども、捜査当局はこういう点を踏まえて捜査に当たられましたでしょうか、その点をお伺いいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまのお尋ねは前提が間違っておるんじゃないかと思います。この百八十万ドルの一部が政府高官に流れた疑いがあるというような記載は一切ないはずでございます。要するにこの金が最終需要者に秘匿されておった、いわゆる裏口銭であったという趣旨のことがあればあるわけでございますけれども、ただいま御指摘のような話は出ておらないと思います。ただ、共産党の調査団の方が行かれてどういうことをお聞きになったかは私は論評する立場にございません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それでは運輸省にお伺いいたします。  日航は直接取引の中で、商社の介在の余地がない、こういうことを再三言明いたしております。しかし、747だけでなくて、DC10の導入に当たりましてもコミッションが流れております。これでは商社が介在したことと同じようなことになってしまいます。口ではその分は全く別物だ、こう言ったところで、結果としてはその分だけ高い買い物をさせられたことになります。日航自身、導入機種で政界からの圧力を受けている。こういうことから励ましても、全日空同様、日航の依頼を受けて三井物産が政界にいわゆるあいさつをした疑いも出てくる、こういうことになります。この点について運輸省としては私は調査をしていただきたいと思うんです。また今後、商社のコミッションの生じないように真剣に検討すべきでないかと思いますけれども、運輸大臣、いかがでございましょうか。

森山欽司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(森山欽司君) 日本航空は、昭和三十年以来航空機メーカーと直接取引をしておる、商社介入の余地はないということを私も朝田社長から再三にわたって聞いております。しかし、今回の問題の経過について、また訪米議員団の現地における調査の結果、たとえばボーイング社等からある程度の金が、これは日本航空ではありませんが、商社の方に出ているというような話も聞きましたものですから、君は知っていて知らないというようなことを言っているのかというふうに強くただしましたところ、朝田社長は、顔を赤くして、そういう事実はないということを私に話がございました。  そこで、日本航空の航空機購入に関し、運輸大臣といたしまして私は、航空機メーカーとそれに関連すると言われる商社との関係がどのようなことになっているかということにつきまして、日本航空に対しまして、ダグラス社及びボーイング社のそれぞれについてその実態を正確に把握するように指示をいたしました。これを受けて日本航空の文書照会をいたしたわけであります。その結果、ダグラス社からは四月十七日、ボーイング社からは四月五日にそれぞれ回答が届いた旨の報告を受けております。これらの報告によりますと、まずダグラス社につきましては、三井物産は日本航空による航空機購入契約の当事者となったことはない、かつ、日本航空とのいかなる商談にもダグラス社を代理したことはない、これが第一点であります。  第二点は、三井物産からは、日本の習慣、経済、産業、社会及び文化に関する分析、日本政府の航空政策に関する分析、日本経済及び市場の動向についての情報提供、技術・資料・マニュアル類等の翻訳について援助を受けてきているが、この援助には、ダグラス社が日本航空以外のお客さんと交渉する場合に同席してもらうことを含んでいたということであります。  それから三番目に、これらの援助に対しダグラス社は、日本航空へ販売した航空機を含め、日本で販売したすべての民間航空機について物産にコミッションを支払ってきたということを明らかにいたしております。  また、ボーイング社につきましても、ダグラス社とほぼ同様の回答が届いております。  以上のように、今回のダグラス社及びボーイング社からの詳細な回答がありまして、それによって、日本航空は昭和三十年ごろ以降一貫してメーカーと直接交渉をして契約を締結する方式をとっておって、商社は一切介入していないとの日本航空のかねてからの説明は間違いのないものと考えることができると思いますが、ともかくこのような実態が明らかになりました以上、せっかく直接交渉をして契約をしている民間航空会社関係が、知らぬ間に今回のごとき何かめんどうな問題に巻き込まれることは困ることでございますから、日本航空に対しましては、買い手側として最善の努力を払うのは当然のことでありまして、運輸省としてもそのような方向で航空会社の指導に当たってまいりたいと、そういうふうに考えております。  ただ、商社関係に支払った経費があるからその分だけ直接取引があれば安くなるんだろうというお考えは、それほどそう短絡的に商取引は進むことではないようでございます。仮に商社関係にそういう支払いをしなくなったらその分だけ安くなるかどうかは、これは私は取引の実情から見て別問題ではないかと、そういうふうに考えます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 最後の大臣の御答弁ですけれども、やはり私はコミッションが流れるという中で賄賂を生じるという危険性というのは大きくあると思うんです。ですから、やはりこういうことを生じないように運輸省としても検討をしていただきたいということを申し添えまして、時間ですのでこれで質問を終わらせていただきます。

三治重信民社党

○三治重信君 大蔵大臣に御質問をします。  五十年度から不況対策として公共事業が最重点的に行われて、非常に予算が膨張しているわけなんですが、この中で一番大きな問題は、やはり当時問題になったのは土地代が二割もかかっているんじゃないかと、そしてそれがうまくいけばまだ公共事業による景気回復もできるんだろうけれども、それがうまくいかなければ、工事が繰り延べになれば、景気回復にそれほど、政府が言うほどうまく公共事業による不況対策にはならぬじゃないかというような議論が当時たくさんあったわけなんです。まあしかしそれにもかかわらず、非常に政府としてはそれ以降ずっと、今年もそうでございますが、公共事業一点張りと言っていいぐらい不況対策として公共事業の拡大施行をやっているわけなんですが、ついに公共事業ばっかしじゃなくて、その裏金としての国債が非常に最近暴落もすると、こういう問題もあり、その公共事業について今後、いままでのような大蔵省の方も非常なインフレ懸念が出てきたところにおいて、公共事業の、さらにいままでと同じような考え方はお持ちになっていないだろうと思いますけれども、ここでひとつ最近の傾向から見ると非常な土地代の値上がりというものが行われております。したがって、さらに公共事業を従来どおりのようにふやさぬにしても、今後公共事業をやっていく場合に、この土地の問題というのはさらに政府が非常に大きな困難にぶつかることであろうかと思う。  その点を大蔵大臣に聞こうといって質問しようと思ったら、土地政策や土地の問題は大蔵大臣じゃないんだと、こういうようなことからいろいろやって、この際時間もないから、そういう問題については大蔵大臣の答弁は求めないことにしたわけなんですけれども、やはり大蔵大臣、本当の予算を執行していく上で、国債をこれほど出して、国債が売れなくなったと。しかもいろいろ公共事業は、今度は不況対策としてじゃなくても公共事業としていろいろ事業をやる必要があると、こういうふうに見ていった場合に、土地政策、土地を国が買い上げるという政策について私は再検討する時代じゃないか。新しく立法というんですか、土地の所有権を移さず地主は地主のままにして、国が公共事業その他において必要な場合にはきちんと借り入れることができる措置、また借り入れの手段について、その地主の補償措置とか、こういうものをやはり大蔵大臣が先頭を切って予算の使用節約上、土地政策——土地政策といいますか、全体の土地政策はとにかくとして、国が公共事業をやっていく上、またその他国が全体的に土地を使用する上において、やはり政府と地方公共団体も含めれば、政府の予算による土地の買い上げというものは一番大きな予算になって、民間のいわゆる不動産会社が東になってかかってもなかなかそれだけのものの需要が出ないぐらいの大きな需要だと思うわけなんです。  そういうものについてひとつやはり土地政策という場合に、これはまたほかの大臣にはいろんなことでまた別の機会にやりますけれども、せっかく質問を思い立ったのですから、ここでちょっとイントロダクションに、そういう問題もひとつ大蔵省がやはりイニシアチブをとらぬと、各省は土地の借り入れ政策なんというのはなおさらめんどうくさいことなんだから、なかなか立法なんというものは考えない。予算節約からいくと、こういう問題を大蔵大臣がぼくは考えるべき問題だと思うんです。きょうは時間がないからその議論には入りませんが、ひとつぜひ考えておいていただきたい、考えていくべきだという要望をしておきます。  そこで、まず最初の年に当たる五十年度の公共事業のそういう繰り越しというものが、五十年度から逐次いままでよりか多くなっていると思っておりますが、その後の、五十年度を含めて公共事業の繰り越しというものが予算の執行上どういうふうになっているか、お知らせ願いたいと思います。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) ただいま御指摘の公共事業の繰り越し、いわゆる繰り越しの状況でございますが、五十年度から申し上げたいと存じます。これは一般会計のいわゆる公共事業関係費というグルーピングでとらえたものでございますが、最終的ないわば決算の時点での歳出予算現額に対しまして繰り越された繰越額との比率で申し上げてみますと、五十年度が四・〇五%、五十一年度が三・三四%、それから五十二年度が二・八八%という、比率といたしましては、五十年度以降むしろ率といたしましては低下をいたしてございます。  もちろん歳出予算現額が、御指摘のように、年々の公共事業関係費の増額によりまして分母自体が年々増額になってございますので、繰り越されました金額の絶対額で見ますとこれはほぼ横ばいと申しますか、五十年度で申し上げますと約千四百八十二億円、それから五十一年度は金額も低下をいたしておりまして千三百五十九億円、五十二年度が千四百七十八億円、まあ大体金額で横ばいで、歳出予算現額に対します比率で申しますと、どちらかと言えば低下の傾向に相なっているということでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 まあそういうことだと、それほど土地の購入難ということではなさそうなんですが、またひとつこの問題は、そういう土地政策との関連でまたさらに別の機会にひとつお願いすることにしまして、次に国債の管理政策についてお尋ねをします。  ついせんだって五月七日に決定されたという七項目、決定されたということではあるいはないかもわかりませんが、この中で、ことに事務的なことであろうかと思いますけれども、国債整理基金特別会計の金を動員して、年内に一兆円をめどに、市場の長期国債年利六・一%の一番暴落をした原動力の国債を買うということが入っておるんですけれども、こういう国債整理基金特別会計というのは、従来ここに入れられる資金で償還を毎年していくのをやって、一兆円からの余裕金というのはどういう理由でできるか。償還はやめてこっちへ使うと、こういう——それにしても、償還をすれば、国債を買い上げる——国債の種類によって全部が全部同じように価格が下がったわけではないとかなんとかいう理由かもわかりませんが、その点の理由をちょっとまず先にお願いいたします。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 三治委員御指摘のとおりに、国債整理基金特別会計法の法律の目的から申しますと、「国債整理基金ハ国債ノ償還発行ニ関スル費途ニ使用スルモノトス」ということになっております。そういう意味におきましては、国債整理基金に積み立てられた金額というものは、将来の償還財源であるべきことには間違いございません。  しからば、なぜこのような多額の金が積み立てられるかということでございますが、昭和四十一年に、大量と申しますか、戦後初めて本格的な国債を発行するに際しまして、この償還制度をどうするかということが議論になりまして、その際に設けられたのがいわゆる定率繰り入れ制度という制度が設けられたわけでございます。国債につきましては、おおむね六十年間でこれを償還するということで前年度期首の国債残高の一・六%を年々積み入れる、こうすることによって六十年間で国債が完全に償還できるという計算をいたしてその積み立てをいたしておりますのが現状でございます。  この積立金、年として定率繰り入れによる積立金の残高が昭和五十三年度末で約一兆四千億円になっております。この一兆四千億円という積立金というものがどういうふうに運用されているかという運用面に着目いたしますと、これはやはり整理基金にとって大事な資金でございますし、これからなるべく運用益を上げて将来の国債財源、償還財源に資する必要がございます。そういう意味におきましては、この一兆四千億円につきましては、政府短期証券あるいは長期国債で現在運用をいたしております。国債整理基金の法律によりますと、次のように規定されております。「国債整理基金ハ国債ヲ以テ保有シ又ハ資金運用部ニ預託シ之ヲ運用スルコトヲ得」と規定されております。そういう意味におきましては、この一兆四千億円余の残高が、今後昭和五十六年、七年と年次が進みますにつれまして、私どもの推計では、先般本院の予算委員会にも御提出いたしました国債償還の年次計画の予測によりますと、ピーク時におきましては、五兆五千億円程度このお金がたまることになります。しかし、いずれにいたしましても、それらの国債は将来国債の償還財源に当てられるわけでございますが、その償還財源に当てられるまで、その運用としてこれを国債で保有するということが認められております。そういう意味におきましては、この整理基金の有利運用という目的で市中から国債を買い入れる、それが反射的な効果といたしまして現在の国債市場に対して好影響を及ぼすということでございますので、先般の七項目ではそのようなことを決定したわけでございます。  しかし、いずれにいたしましても、いずれの日かはこれは償還財源として全額出ていくことが予想されますので、その時点におきまして余りにも多額の国債を保有しておるということになりますと、この国債をどこで換価をして償還財源に充てるのかという問題がございますので、国債整理基金が市中から購入し得る国債の金額の総額についてはおのずから限度があろうと存じます。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、六十年で償還するという原則は立ててあるんだが、何かそこで積み立ててばかりいて、その発行して期限が来たやつの償還という、この中で償還というものは、期限が来たものの償還はどういうふうな基準で償還をするんですか。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 建設公債の例で申しますと、現在六十年で償還を予定いたしておりますので、償還期限が到来いたしますと、六分の一を現金償還をいたしまして、六分の五は借りかえ債の発行によって現金を取得し償還をする規定になっております。その意味におきまして、国債整理基金法やあるいは国債に関する法律に基づきまして、国債整理基金が借りかえ債の発行をするという権限を、法律的にも予算的にもお認めをいただいております。そういう意味におきましては、償還財源というものは、満期が到来いたしました国債の六分の一現金償還、六分の五借りかえ債発行による償還という形をとっております。  ただし、現在国債の中で建設公債以外に御承知のように特例公債が発行されておりますが、特例公債につきましては国債整理基金による借りかえ債の発行が認められておりません。そういう意味におきましては、特例公債につきましては、現在の法律のもとでは、満期が到来すれば全額これを現金で償還するということになっております。  そういう意味におきまして、私が先ほど申し上げましたように、本来六十年償還でございますれば次々と定率繰り入れの償還財源引当金が累積をしてまいりますけれども、昭和五十年から特例公債を発行いたしまして、この最初の満期が十年後の六十年に到達いたします。そのほか別途、昨年一兆円の中期国債を特例債で発行いたしておりますので、早いものは昭和五十六年、七年に償還期限が到来する特例公債もございます。これらの償還の計画を全部組み込みまして提出いたしましたのが本院に提出いたしました償還見通しの表でございまして、それによりましても、昭和五十六年、七年——昭和五十九年には五兆五千億の償還財源の積立金が累積をいたすことになっておりまして、昭和六十年からこれが漸増してゼロになるということでございますので、昭和五十九年までの間は、ある程度国債整理基金が国債でこれを運用しておっても、さしあたりの償還財源に支障は起きないと、こういうことでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 まことに法律をよく見りゃわかることかもわかりませんが、せっかくのことですからお答え願いたいんですが、そうすると、赤字国債のやつは、国債整理基金の中には、法には何にも書いてないと、こういうことに理解していいわけですか。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 赤字国債の償還財源につきましても現在定率繰り入れの規定がございまして、赤字国債、建設国債を含めまして前年度期首残高の一・六%を整理基金に償還財源として繰り入れることにいたしております。  しかしながら、先ほど来御説明いたしておりますように、建設公債については国債整理基金で借りかえ債の発行が認められておりますが、特例債についてはそれが認められておりません関係上、先ほど申しましたように、五兆五千億も累積してまいりますものを、特例公債の満期が到来すると次々にこれを取り崩さなくてはならない。そういう意味におきましては、国債整理基金についての償還財源が将来不足をする時期が必ずや到来する、そのためには一般会計からの繰り入れが必要である、こういう予測も含めまして衆参両院に償還見通し計画表を提出している次第でございます。

三治重信民社党

○三治重信君 そうすると、まあその中で、そういう非常にきれいごとというか、法律どおりにはどうもいきそうもないような気がするんだけれども、まあそれはまた別に後にしまして、ここで、長期国債が今年非常に売れ残りになる、ことに去年出したものが非常に下がったために、ことしは十兆八千五百億円のやつを、何と申しますか、一兆円資金運用部で引き受けていくと。それからまあ私募債の形式ということでなっておるんですが、この間の発表のやつからいくというと、資金運用部で一兆円で、あと最終的には七兆四千四百億円ぐらいにするんだということが解説に書いてあるわけですが、私募債でそうすると二兆円近く予定していると。そうすると、この私募債というのは、どういうところでどういう人が買うのか、私募債というのは具体的にどういうところに買わせようとしておられるのか、二兆円でいいのかどうか。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) お答えいたします前提といたしまして、市中が引き受ける予定の十年の利付国債につきまして運用部が一兆これを肩がわりして引き受ける。そういたしました後、いま三治委員御指摘のように、七兆四千億円程度が十年利付国債になるといたしますと、二兆円ばかりが何らかほかの形に変化するわけでございますけれども、いまそのほかの形に変化する方法といたしまして三つ考えております。  一つは、十年というものが長過ぎるので、長期債ではあるけれども、六年ないし七年という期間短縮をした国債に振りかえる方法、それからもう一つは、現在二兆七千億中期債として市中で公募いたしておりますが、これを拡大する方法、それからその残余がもしあれば私募債という形で振りかえる方法ということでございますので、私募債で二兆ということを予定しているわけではございませんで、私募債につきましては、今後の交渉次第でございますが、できるだけの金額という意味しか持っておりません。  そこで御質問の、どこに、どういうふうに引き受けさせるかということでございますが、私募債につきましてもいろいろの長短の別がございます。たとえば年金資金でございますとか、そういう信託資金というような、当初から長期に引き当てを予定した資金というものがございます。これらにつきましては、現在の国債の期限の十年を超えまして十五年あるいは二十年という長い私募形式による国債の募集も可能かと存じます。しかし、それは資金が限られておりますので、金額が。そういう意味では、現行の国債引受シ団のメンバーでございます通常の金融機関に私募形式で引き受けてもらうことも考え得る。その年限というものは、十年のいまの公募のと申しますか、市場性のある国債にかえて、市場性のない私募債という形で十年のものあるいは七年のものも考え得るのではないかということで検討を進めております。いずれにいたしましても、まだ最終的な結論は得ておりませんけれども、先般五月七日の七項目の決定後、現在国債引受シ団の幹事とそれらの点について協議を進めておるところでございます。

三治重信民社党

○三治重信君 そうしますと、この七項目のが、検討事項で今後のその国債の全体の管理に役立てようというわけなんですが、ひとつ具体的に、五十三年度のこの予算上の国債を出すやつをどれぐらい、いまの見込み、いまのところだとトータルで発行しないで済む金額と、それからもう一つは、新聞の報道によると、銀行が、何というか国債の暴落、低下によって評価額を何か低価法から原価法に大蔵省が変えろと言っている点が、それは大変なことだと、こう言う。まあいずれにしても、低価法でやると千八百億からの赤字を、損を銀行が負担すると。まあ経理でそれを落とすと急激に利益が減るということも問題になってくるんですが、こういうふうに、非常に国債を今後大変にやった場合に、またこの資金の過剰流動性から非常に土地や物に金が流れていくというのは、こういう債券が非常に値段が下がって信用がないからどうしてもそっちへ、土地や変なところに、物にいく。  それから、もう少しく政府、ことに大蔵省は、債券の価格維持をもっとしっかりやらぬといかぬと思うのですが、ことに国債については、これから資金需要が出た場合に、売って処理せぬでも、それはもっと日銀が保証してでも、国債についての還元融資ですか、それを担保にしてのやつについてもっとまだ基本的な考え方を——国債を持っている人については銀行が九〇%とかなんかまで確実に融資の担保に、適格担保にせいと。それについてのやつは日銀がさらに再担保してもいいとかいうような、担保物件としての価値をもっとやると、国債がそう下がらぬで、また過剰流動性についてのやつでも担保物件の問題が非常にあるかと思うんですが、その点の見解と、評価の問題。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 最初の、国債をどれくらい五十三年度発行しないで済むかという第一点でございますが、五十三年度の発行予定の国債のうち、約六千百億円を現在出納整理期間発行ということで繰り延べておりまして、いまだに発行いたしておりません。しかしながら、これが発行しないで済むかどうかは、税収額が確定し一般会計予算の最終的決算のめどがつくまでははっきりいたしておりませんが、私の感じでは恐らくこの六千百十億というものは全額発行しないで済む見込みというふうに感じております。  それから二番目の、国債の価格の問題でございますけれども、お説のとおりに、やはり国債を含めました債券というものに対して相当の信頼性がないと、いろいろ公社債あるいは直接金融市場に混乱が起きてまいりますので、私どもは公社債市場の安定的維持については十分配意をしてまいりたいと存じております。しかしながら、たとえ国債でございましても、いたずらにこの価格支持政策をとるということは金融の自主性を曲げることでございますし、ひいてはこれは将来のインフレにつながる非常に危険な措置でございますので、国債価格支持という形を積極的に打ち出すとか、国債価格支持のために介入をするということは厳に慎むべきであろうと存じております。  ただしかし、中央銀行による金融調節の及ぶ範囲内におきまして、国債価格を中心とする債券市場の価格安定のためにある程度の買い出動をするということは、これは一般投資者保護のための必要なことと存じておりますので、その限度において適切な運営をしてまいりたいと存じております。  それから三番目の、国債適格担保と申しますか、国債を担保にしての金融制度の道でございますが、これは現在も開かれております。担保掛け目といたしましても国債は一番優良物件でございますし、また、個人の方がお持ちの国債につきましても、国債担保で個人に対する金融の道も開かれております。ただ、担保の掛け目と申しますか、担保として提供する国債につきましては、それは時価を中心といたしますので、そういう意味におきましては、国債の価格が著しく下落した場合には担保価値がそれだけ減るという問題がございますので、いずれにしても国債価格の安定的維持、金融の自主性に逆らわない限度においての維持は図ってまいりたいと存じております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 防衛施設庁長官見えておりますね。  それじゃ私初めに、米軍の演習についてお尋ねいたしたいと思います。  例の五月二日に金武で起こりました破片弾事件、その破片は間違いなく米軍のものであるということは相手も認めておるわけです。しかし、その時刻で演習をしていないので、それは米軍が打ち込んだとは思っていないと、こういうおかしな回答をしておられるんですが、それに対して実際の調査をすると、こういうことだったはずですが、その調査の結果はどうなっておりますか。

玉木清司防衛施設庁長官

○政府委員(玉木清司君) 御指摘のように、五月二日の伊芸サービスエリアに落下してまいりました砲弾破片は、よく調べてみましたところ、米軍使用の八インチ砲弾の下の方のリング部分であるということが判明しております。また、これにつきまして、現地米軍と那覇防衛施設局長、それから私どもと在日米軍司全部、この間におきまして事実の確認を求め、五月四日には、合同委員会におきましても日本政府としてこれを要求したわけでございますが、その結果米軍が通報してまいりましたのは、ただいま先生御指摘のように、当該時間に発射しておる砲はないということでございます。砲が発射されていなければ砲弾の破片が飛ぶわけはないわけでございますが、しかし、現実にそのサービスエリアに八インチの砲弾の破片が飛来してまいっておるのでございますから、住民の不安にこたえるためにも、防衛施設局としましては精いっぱいの調査を続けておるわけでございます。今日ただいまの段階で、防衛施設庁が行いました調査の結論を明確に申し上げるまでの段階に至っておりません。  ただしかし、私どもが継続してまいりましたこの間の調査の中間的な印象として申し上げますと、米軍の当日の演習による砲弾の破片が飛来してきたに違いないと断定いたしますのには大変無理がある。したがって、米軍の主張につきましても、客観的に言いましてある程度うなずけるところがあるという段階にございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 非常に日本政府側が私はアメリカに必要以上に遠慮をしておられるんじゃないか、こう思われてなりません。もうこの事件が起こってから、五月二日ですから、約一カ月になんなんとしております。しかも、相手も八ミリ砲弾の破片であるということを認めておる。そして、現地の警察もこれは間違いがないということを一応個人的に聞く場合、私も現場へ行って見ました。調査しました。それを今日まで結論が出ないということは一体どういうわけなんですか。その調査の経過を、もっと簡単でいいですから、そんなに複雑怪奇なものではないと私思います。いかがですか。

玉木清司防衛施設庁長官

○政府委員(玉木清司君) 大変たくさんの事実について私ども調査をしておるわけでございますが、端的にその代表的なことをつかまえまして申し上げますと、仮に米軍の発射時間の通報が必ずしも正確でないかもしれないという仮説の上に立ちましてやってみましたが、私どもの調査の態度としては、住民の不安を除去し、住民側に立ってこの事件の事実を解明しようという立場でこれを遂行してまいりましたのですが、八インチの八百八十グラムの重さのある破片と九十グラムの重さのある破片とが同じ場所に飛んできておるという事実を、これを両方とも八インチの弾であるということに前提をいたしますと、この二つが飛んでくることができる条件というのはきわめて限定されております。と申しますのは、少なくても二百メートルくらいの範囲内において爆破しておらなければいけません。しかし、当日二百メートル範囲内において爆破しておったとすれば、恐らく人間の耳が相当被害を受ける程度の音響がありましたでありましょうし、また、明瞭に八インチの弾痕がその周辺で発見されなければなりません。そういう前提に立ってみますと、私どもも米軍も、この周辺の弾痕の捜査に相当の精力を使いましたが、今日に至りましても弾痕がありません。それから、大破片と小破片が同時に落下してきておるという前提に立ちますと、そういう前提の範囲というのは、小破片が飛んでくる範囲というのは非常に狭くなってまいりますので、ますますそういう仮説がおかしくなってまいります。  そういうような状態でございますので、私どもとしましては、今日なお調査を継続しておりますが、米軍の演習による砲弾の破片が飛んできたというふうに前提することは、考えることは相当無理があるというふうに考えておるところでございます。なお、このほかにもたくさんの事実関係がございますが、一番代表的なものにつきまして申し上げた次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 この事件が結論が出ない前に、また去る十四日ですか、に照明弾の破片がその近くに落ちておりますね。このように、次から次と連鎖反応的に後を絶たないわけなんです。そこの食堂の主がその爆破音を現に目撃して、バリバリと音がして、その音の後にドシンと落ちた。その生き証人もおるんですよ、私聞いたんですが。そういうことからして、本当に結論を出してやろうという熱意があるならば、私は政府は政府としても解明は十分出されるものと、こう思うわけなんです。  ところで、次から次と後を絶たない。この抜本的な解決はどういうことがこのようなことの抜本的な解決策だとお考えですか。

玉木清司防衛施設庁長官

○政府委員(玉木清司君) 御指摘の目撃者が爆破を見たというお言葉がございましたが、目撃者は爆発しておるのを見ておりません。目撃者が申しますのは、五、六発続いて大きな音がしたということでございまして、その音が至近弾であるならばもっと顕著な状況を示すはずであるというふうに私どもは考えておるところでございます。  なお御質問の、どうすればこの打ち続きます事故が防げるかということでございますが、抜本的にどうすればということにつきまして、極端なことを私ども考えるわけにはまいりませんので、演習の遂行に当たりまして、人為的に起こるものは人為的に防ぐことができると確信しておりますので、安全対策をさらに十二分に講じておくということ以外にないんではなかろうかと存じております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの問題で、私もある意見を申し上げたいと思いますのは、それも一つ検討してもらいたい。  これは抜本的には、狭い沖繩であのような実弾演習をばりばりやられるところに無理があるわけなんですが、そういうことからしますと、ずばり申し上げますならば基地の撤去以外にはないということになりますが、その次善の策として、その演習をやる大砲を打ち込む砲座の位置の変更。なぜそう言うかと申しますと、いまに始まったことじゃない。これはもう時間がありませんから申し上げませんが、昭和二十九年以来、この伊芸という部落に落ちた砲弾破片によるさまざまな被害状況、これがちょうど五月十四日までに夜間照明弾が四十四回同じ部落に落ちております。これをひとつお上げしますから。——この事実はいかなる人も否定することはできない。この事実を踏まえて対策を講ずるのならば、その砲座を移動する以外にない、撤去する以外にはない。これ以外ないということを私強く申し上げておきたいと思います。それからもう一つ、夜間演習で米軍が——これは沖繩で、恐らく本土でも初めてだろうと思うのですが、従来は基地内における演習は、これはもう向こうの自由でしょう。これは皆さんも認めておられるでしょう。ところが、基地の外、日本人の生活しておる、いわゆる公道を平気で行軍をしておるという、このことは許さるべきことではないと思うわけなんです。これに対する見解を承りたい。

玉木清司防衛施設庁長官

○政府委員(玉木清司君) 一つの対策として、次善の策として、事故を防止するために現在の砲座を撤去してはどうかという御提案でございますが、どうすれば事故が防げるかということにつきまして、年々お考えいただいております先生のお気持ちとしてよく理解ができるところでございますけれども、砲座と申しますのは、そこに砲を据える場所でございまして、そこから着弾地点に弾を撃つわけでございます。したがいまして、砲座を変更するということ自体が、射撃の仕方から見まして大きな影響を与える問題ではございませんので、要するに事故は着弾後の破片の飛散、音響の伝播の仕方、こういうところにございまして、それを防ぐためには、やはり射撃全体の問題について考えなければならぬだろうと思います。御指摘のとおり、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブ、いずれも大変たくさんの演習をしておりますが、それにしては十分な大きさではないんではないかという考え方もあるかもしれませんけれども、しかし、現在の装備の状態から申しまして、工夫をこらしてやらなければならない演習をやるということを、もっとともっと真剣にやってまいりますならば、私どもは現在の広さの中におきまして演習の仕方というものを十二分に安全を考慮したやり方に高めていくということによりまして、総合的な効果が出るのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  なお、夜間、基地外の使用につきまして御指摘ございましたが、これは恐らく海兵隊員の夜間の路上行軍のことを御指摘ではないかと思いますが、路上の問題につきましては私どもも新聞報道等によって承知した程度でございまして、道路の使用についての是非につきましては、周り住民の睡眠を妨げるというような点におきましては必ずしも推奨すべき問題ではなくて、できるならば静ひつな状態を乱してもらいたくないというふうには考えるのでございますが、さてどうすればいいかということになりますと、道路の管理をしておるところの見解を伺って指導してまいりたいと思っておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 警察庁いらっしゃいますか。  この民間道路上の行軍というのは、これは警察庁の領分になりますので申し上げますが、現地の警察でも、道路両方に、左右に分かれて百名、二百名、あるいはある新聞は八百名の夜間行軍も報じておりますが、これは当然道路使用許可証が必要ですね。無断で行軍しておる。ところが、それを責めましたら、いや、道路使用許可証なんか要らない、通告でいいんだ、しかもその通告も口頭でいいんだと、こういう思い上がったことを言うておるわけなんです。そして、そのことを強く責めて、それから長官にあれしましたら、全くばかにした、このごろの石油節約のため、ガソリン節約のためにそこを通ったのであろうという、こういう全く県民をばかにしたような、こういう横柄な態度をとっておるのですね。それで石川署の近くの名護署は、今後そういうことをやったらもう隊長初め検挙する。こう言っておりますが、それに対しての警察庁の御見解と、そうして規則を守らせるように、ひとつ徹底さしていただきたいということを申し入れて、一応私の質問を終わります、時間ですので。

杉原正警察庁交通局長

○政府委員(杉原正君) お答えをいたします。  米軍の道路での通行方法等につきまして、特別の規定がない限りは日本国の法令の適用があるわけでございます。今度の場合の行軍につきましては、通常の道路交通法に定められております行列の場合の通行方法によるほか、その行為が一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態あるいは方法の場合には、道路交通法上の手続が必要であるというふうに考えております。今後やはり交通の安全と円滑という観点から、いかなるものがこの道路交通法の手続というものが必要であるかというふうなことの細部の点についていろんなそごを来さないように、しっかりと協議をしておく必要があるということで現地を指導しているわけでございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 通産大臣はさまざまな国際会議でお疲れのところ恐縮です。  最初に、三井グループがイランのバンダルシャプールで建設中の例の問題の大型プロジェクト、油化プラントの問題を、ぜひこれはこの際に決算委員会の質疑の中で伺っておきたい。  まあ口の悪いさまざまな専門家は、この大型油化プラントの問題については、もうこれ企業の枠じゃない、かけの領域だと、ここまで極言をする人がふえている、しかも専門家筋で。で、その三井物産の八尋新社長は、五月中旬ぐらいからさまざまな記者会見とか、座談会等でかなり大胆なことを言っていらっしゃいますね。たとえば、ナショナルプロジェクトについては政府側の了承を得られることを確信していると。なかなかこういうむずかしい問題について断定的な日本語は使えないと思うんだが、こういうことを言っていらっしゃるんですね。それで、江崎通産大臣としては、いままさにこの段階では、油化プラント問題の国家事業化についてどんな判断をお持ちでしょうか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) イランの石油化学プロジェクトにつきましては、私どもも日本とイランとの友好親善という見地から言いますると、これは大変大きく貢献しておるプラントであるという評価をしております。それから、このプラントはすでに八五%まででき上がっておりまして、もうあとわずかというところであのイランの紛争が起こったわけであります。したがいまして、和田大使が先ごろ帰国をして、私どもにも親しく報告されたところによりますると、イラン政府側としても、特にバザルガン首相は国営石油公社の総裁であったという経緯などもありまして、わが国の石油事情にも非常に明るい人でありまするが、日本のこの化学プロジェクトの完成を何よりも重要視しておる。また同時に、今後日本の技術、日本の開発協力、こういった面に大きく期待をしたい。特に、この石油化学プロジェクトの完成を早期要望するものである、こういうふうに言っておられるわけであります。  もとより、この建設については民間企業ベースで話が始まったものでありまするから、民間企業が十分責任を持つということは当然であります。国家としては、日本とイランとの友好関係を今後保持していくという点、また現実に、石油生産を再開されたその第一船はわが日本に向けて発送せられたというような点などから考慮いたしましても、エネルギー源のないわが国としては、イランとの友好親韓という基本的な方針も踏まえながら、今後、この化学プロジェクトの完成に向けて協力体制はとっていきたいというふうに考えております。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 一般論とか、エネルギーとナショナルセキュリティー、これは一般論はわかりますよ。日本・イラン友好関係、結構でしょう。それについて異論を差しはさむつもりは毛頭ないんですよ。だけども、私も今度の連休に、ちょうどペルシャ湾をはさんで南側の例のアブダビ、ドバイのあるアラブ首長国連邦の招きでちょっと一週間ばかり駆け足でべっ見をしてまいりました。オタイバ石油大臣にも会って二時間ばかり話を聞きました。その印象を含めて言いますと、やはり政情は恒久的に不安である。それともう一つは、山下さんもたしか今度向こうへ行かれて、向こう側との話を終え、イラン側も追加投資をする、日本側は、海外経済協力基金という、言ってみれば納税者の方の御負担ですね、できれば五百億程度のものを出資してもらいたいというふうな、これが八軒さんのオーバーな観測気球で済めばいいですよ。そうじゃなくて、現実にその方向に進んでくるというふうなことになると、これは通産大臣によく申し上げておかねばならないしというつもりで私は伺うんだけれども、三井グループないし新しい枠組みで何十社かの広い、まさにナショナルプロジェクトと言ってもそうおかしくないようなフレームをつくって通産側にアプローチをしてくると思いますが、すでに新規の計画とか、あるいは新しいコスト計算を踏まえたデータ、こういうものはもう提出されておりますか。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) お尋ねの点は、私どもも真剣に考えておるところであります。それは協力といい、また輸銀融資といい、すべてこれは国民の税金が基礎になっておるわけでありまするから、そう簡単には考えておりません。さっき三井関係の責任者がどういう表現をしましたか——これは御承知のように、いまは中東情報というものは半分は正確で半分は当たらないとか、いろんな情報屋の希望的観測とか、そういうものまでを含んで情報が入り乱れておるという情勢は、もう現地に即して御理解いただけておるものと思います。そういう場面でありまするだけに、どういう表現をしたのか、私も直接的にこの三井の人の意見を聞いたわけではありませんが、私ども通産省側が承知しておるところでは、現地にいま山下専務ですか、今度、いまのICDCの責任者に擬せられておる山下専務が現地に渡って、実情を踏まえながら工事の再開の問題、また不足資金の問題、そういった点について詳細の打ち合わせをしておる段階であると、このように聞いておる次第であります。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 これは念を押す意味で、また差し迫ってくればそれぞれの委員会での当然鋭い論議を呼ぶと思うのだけれども、やはりいやしくもナショナルプロジェクトをエネルギーの安定供給というふうな名目でもって実行されようとする大きな意図はわかるけれども、国民の一人として。しかし、事はやはり血税の対象であるということから、三井グループが、企業側が盛んにプロパガンダをしているような意味合いで、たとえば七月から遅くとも工事を再開したいとかいうふうなアドバルーンに、もちろん江崎さんほどの実力大臣が惑わされるはずはないとしても、やはり慎重の上にも慎重であっていただきたい。私企業の失敗と判断の誤りのツケを納税者にゆだねる。山一証券の再来じゃあるまいし、そんなことが許されるはずはないという前提で申し上げている。やはり大学の先生にも二、三会ってみたけれども、結局、もしもナショナルプロジェクト化するというふうなことになると、三井グループはいわば禁治産者になって、その扱いになって——扱いですよ、それで三井物産が消滅するんだと、この部分では。三井通産が生まれるのだというふうないわゆる批判の対象にならないような明確な措置を、ぜひ江崎通産行政の中では位置づけていただきたいと思いますが、それについての大臣の御答弁をいただいて次に進みたいと思います。

江崎真澄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(江崎真澄君) 私、まことにごもっともな御意見だというふうに思います。私どももまだ具体的な御相談をいただいておりませんので、具体的な御相談があれば、これはやはり国会の皆様方にも十分御了解のいただけるような形、すなわちそれは国民にも理解していただける形で協力をする、これはやっぱり必要なことだというふうに思います。  ただ問題なのは、和田大使の言葉ばかりでなく、いろいろな情報を通じて伝わってまいりまするこのイラン側の政府の態度として、この政権が安定度がどの程度かという批評はこの機会に申し上げることは穏当でないと思います。少なくとも現政権がこのプロジェクトを最重要視し、しかも一日も速やかな再開を願っておるということ、しかもこのプロジェクトそのものが日本に対する大きな期待であり、また同時に日本にイラン現政府が抱いておる親近感の基礎をなしておるものである。これは度外視できないと思います。そういう面も十分考慮に入れながら御納得のいくような形で現実的な対処をしてまいりたいというふうに考えます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 きょうのこの段階までの、江崎通産大臣の御答弁で、私はこの段階までの取り組み方はわかりました。  今度は古井法務大臣に伺っておきたいことが一つ、二つあります。  古井法務大臣は、昨年の七月に刊行された月刊文芸春秋で「岸信介研究 権力への野望」という特集がありまして、その百七ページをずっと拝見しているとこんな表現がありました。これは言うまでもなく古井大臣の御発言ですよ。「岸さんがなにをたくらんどるかだ。国際的にもインドネシアに行ったり、韓国、台湾だけじゃないよ。大きな幅で動いてる。僕は岸さんについて心配してるんだ」、そうして真ん中にしかるべき表現があって、「岸さんだよ、火元は。」という表現があるんですよね。これは無責任な観測記事じゃなくて、古井法務大臣のクレジットをちゃんと入れてインタビューをしたとしかと書きとめてあるんですね。するとこの表現について、まあかつては野におられた、昨年は。しかし、まあこれもずいぶん早いときの取材らしいから。いまはまさに大平政権の枢要な法相の地位を座していらっしゃる、守っていらっしゃる。したがって、お立場が全く違ったことはわかりますよ。この表現の鋭さ、的確さ、またこのとらえ方、私は全く同感なんですよ。古井さんのこのときの発言といまの御心境とどうなんです。どういうように変わったんですか。同じですか、御認識は。どうでしょう。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) いま何か去年のある雑誌の記事を引用になってのお尋ねでありますが、まあ言葉どおりそのとおりのことを言ったかどうかは覚えませんけれども、また書いたもんじゃありませんし、雑誌社が編集したもんですから。けれども、当時多分大筋は似たようなことを言ったんだと思いますね。まあそういうふうに私は当時そんなふうな、何というか見方というか、をしておったように思うんです。  で、きょうはどうだと、こういうお話で、きょうははなはだ窮屈な宮仕えでございまして、すぐ問題を起こしてしかられてしまうというのがきょうの立場でございますので困ってしまうんですけれども、まあとにもかくにも人間の考えというものはそう風が吹いたから変わる、波のように右だ左だ、揺れ動くものではないだろうと。これはしかし一般論を申し上げるんで、そういうものじゃないかしらんと思っております。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 なかなか言葉を選んで、日本語と日本語のすき間をくぐり抜けていらっしゃるからお気持ちはよくわかります。しかし、風が吹いても変わるもんじゃないところがいかにも古井さんらしいと思います。  これは私自身も加わったんですけれども、今年の五月六日刊行のサンデー毎日、週刊誌ですが——で、岸信介シンポジウムというのをやったんですが、そのときに作家の澤地久枝氏と古井法務大臣の対談の個所がちょっと引用されました。テープを聞かされたんですけれども、こういう表現です。「軍備というものはお上が買うもんですから、幾ら高くたって、いわば買うもんだ。まあ、いわば死の商人、死の政治家っていうような、性格になってくるんじゃないですか。」と、これは古井さんの紛れもないやわらかみのあるいい日本語で、味わいの深い語法で語られていた個所です。この「死の商人」とか「死の政治家」ですね。もちろん、岸信介氏も松野頼三氏もまだ伊藤刑事局長を初めとする司直の線上に、まあ贈収賄の対象で浮かんだわけでもなく、むしろ検察の外側のようないま扱いになっているんだが、古井法務大臣の言うこの「死の政治家」——商人じゃないにしてもですよ、こういう中には岸信介さんや松野頼三さんは入っているんですか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) これは抽象的な観念を言ったんでありますから、だれがそれに該当するか、これはまあごらんになった方々が判断をしていただくしかないことで、どなたがそうなる、こうなると、多分そのときは言ってなかったんじゃないかと思うんですけれども、きょうもそのとおりでありますので、御判断はめいめいでお願いしたいと思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 私非常によくその言い方はわかりますがね。いろんなロッキード・スキャンダルのときにもさまざまな造語がなされた。今度はさびしいなと思っていたら巨悪というのがようやく、どこから出てきたのかわかりませんがね、巨悪。この巨悪の中には、きょう証人台に立たれた方、松野さんですね、それから岸信介さんは御認識の中に入っているんですか、どうでしょう。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) まあ政治家として見ればどっちも大物ですから、これが悪であれば今度は巨悪になるかもしらぬと思うんですが、大物政治家であることは尊敬をしながら、私は正直にそう思うんで、いいか悪いかは今度は次の話になってしまうんでありますから、そういう辺でお受け取り願いたいと思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 法務大臣に対する御質問としてはこれが最後ですがね。どうですか、きょう松野さん終わっちゃいましたね、ちょっと見るいとまがなかったが。松野さんは終わった、岸さんに対する喚問がどうなるか、まさに国会の問題です。伊藤刑事局長にはいまから伺おうと思うけれども、どうです、この段階で古井法務大臣、一般的な指揮権というのはあなたの掌中にあるんだが、事件がここまで来た、検察は一応ああいう宣言を出された、開始宣言から幕引き宣言まであわただしかった。この段階で、まあ充足感というふうなものはとても法務大臣としてもお持ちになれないんじゃないだろうか。むなしさを感ずるお立場ではさらさらない。しかし、何ともやり切れない思いはあなたの胸中に去来しているんじゃありませんか、いかがでしょう。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 私というより国民の間には、何か割り切れぬものが、検察の結未についてはですね、判り切れぬものが残ったんじゃないかというふうに私は思うんです。検察の方は精いっぱい実はやったつもりです、本当に。けれども、何さま法の枠内の仕事をしておるものですから、こいつを飛び越えてどうするわけにもいくものじゃありませんし、ああいう結果になったんですが、しかしまた、それについては別に政治的に抑えるとか、あるいは政治勢力がこれに介入したとかいう事実はありませんし、結果的にああなっちゃったわけなんです。これを評価するのに、さあ何か割り切れぬなと思う方が国民の間にはあるんじゃないかしらんと、まあ私はひそかにそう実は思うんで、そこでよけいなことになりますけれども、きょうこの段階で申すのではありません。当初から私は、この発端以来、国民はこの出てきたダグラスだ、グラマンだ、この問題につきまして、国民は法律のことを知っておって罪人捜しをせいとか、そんな小さいことを言っていないと思うんですよ。そういうことを抜きにして、大きく考えてこの出来事に対して何か不満を持つというか、割り切れぬという気持ちを持っておったんで、いわば政治的なあるいは道義的な立場から見ておったんじゃないかと思うんです。それに対しては、法律で捜した始末だけじゃこたえられぬことはあたりまえです、これは。国民はそういうまた法律を知っておって言っているんじゃないと思うんです。まあちょうどウォーターゲート事件みたいなもので、あれは法律論でやっているんじゃないんです。ああいうことがいいかという政治問題なんですね、アメリカでは。日本では法律論が多過ぎる、政治論が少なくて。そこは国会こそ広い立場で論議されるのがお務めじゃないだろうか。まあそういうことをちょっと言い過ぎて国会でもしかられました、おまえよけいなことを国会に対して言うといって。しかし、私は正直にそう思うんですよ。きょう国民はどう見ているかと、これ。検察に対する不満が多いか、国会に対する不満が多いかですね。これは私はどうこう意見は言いません。これは国民のつまり冷静な批判というものは批判として謙虚に受け止めなきゃならぬ点があるんじゃないだろうか、きょうはそういうことになってきているんじゃないだろうかと思いますが、間違っておるかもしれません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 確かに幾ら法務大臣——いや法務大臣だからお答えにくいでしょう。これは決算委員会の総括でもあるらしくて、大平総理もお見えになるようですから、やはり意見をぜひ聞いてみたいと思います。  伊藤刑事局長に具体的な問題を幾つか時間が参るまで伺っておきたいことがあります。  去る二十五日の参議院の航特で、伊藤局長の答弁をずっと見てみますと、松野氏の五億円の使途はこの場合確かに検察の向こう側にあるというふうな表現がちらっとありました、伊藤局長の答弁の中に。しかし、当局として基本的に松野氏の金の出の部分、資産形成についてはお調べになったことございますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) おのずから知れた部分は知れておりますが、積極的に調べていないと思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 四十二年が工作開始の時期、工作依頼の時期、四十六年は成功の時期という認定が伊藤局長の答弁でなされています。まあ積極的にはお調べにならなかったそうですが、私自身の調査によりますと、松野氏並びに松野氏一族は、まさに伊藤局長が言われたこの時期に、四十二年から四十六年、場合によって四十八年まで続きますが、集中的にマンションや土地を購入しております。  たとえば、四十二年十月三日は港区南麻布五の十二の十二、土地三百三十五平方メートル取得。四十三年九月には港区白金台四の十八の四、土地九十五平方メートルと、そうして二階建ての建物取得。四十三年十二月十日、港区南麻布五の十二の十二に敷地二百坪の別邸新築。四十四年六月二十五日、すぐ国会のそば、霞が関三の六の十四に九階建ての三久ビルを新築、建設。この土地は本来大蔵省の国有財産、大蔵省管理の国有地であったものであります。四十五年には港区元麻布一の三の三十七に二DKのマンション。さらに日商岩井白金台マンションに四宝を松野氏一族で合計一億円で購入。四十六年の十二月二十七日には、松野氏の関係した松園不動産が熊本市熊本一の二一五の土地四万一千三百二十二平方メートルを日商岩井に転売。さらにこの時期の打ちどめとしては、四十七年六月二十六日、松野氏関連の熊本企業開発が熊本空港南側の山林並びに田畑二百ヘクタールを買収しています。  この挙げたデータは、私が手元に持っているデータの一部分にすぎませんけれども、こうした経過だけから見ましても、まさに松野氏の——きょうも言ったそうですが、四ないし五億円、四、五億円といった残りのこの金の使途、出の部分は、まさに私は一種の資産形成ではないかという印象をおのれみずからがぬぐえないのです。伊藤局長はずばりと成功報酬と性格づけをされている。私ももちろんそうであろうと思う。問題は、手に入ってからどう使ったかという問題も、やはり積極的にとか消極的の問題ではなくて、やはりこれまかり間違ったら松野氏が偽証に問われるかどうかを分岐する重要な私はポイントであろうと思うので、これはぜひとも捜査当局としては積極的になっていただいて調べていただきたいと私は思うんですけれども、伊藤局長、どうでしょう。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 検察当局が犯罪として訴追をいたしましたのは、二百三十八万ドルに関する海部氏の偽証と、それから二百三十八万ドルの後始末の一器末端の四十五万ドルの交互計算関係の文書偽造と、こういうことでございまして、二百三十八万ドルがどういうわけで事務所経費などという妙な形で入ったかということを調べるためにそのよって来るゆえんを追い求めていきますと、松野氏に五億円行っておる、それの穴埋めであったということがわかってきたわけでございまして、そういう意味において、ただいま訴追しております事実に関する限り、検察当局として捜査権を及ぼし得ますのは、五億円という金が松野氏に確かに渡っておるというところまででございます。  それから先、松野氏がその金をどういうふうに使われたかということは、具体的な犯罪容疑と相去ることやや遠くなりまして、それを根掘り葉掘り調べることは、その間に特段の犯罪の嫌疑があれば別でございますけれども、そこまで及ぼすということになりますと、検察権行使の限界の向こう側になる、こういうことでございまして、ただいまお挙げになりましたいろんな資産、これもそういうことがあるということは所要の捜査の付随物として判明しておる部分が多うございますけれども、それと五億円との結びつきを根掘り葉掘り調べるということは検察権行使の限界を超えますので、その点はお約束いたしかねます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 最後に一問よろしいでしょうか。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) どうぞ。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 時間が早くも参ったようですから、じゃ全部はしょります。  国税とそれから伊藤局長に一つだけ伺っておきたい。  伊藤答弁の中にあったことですが、日商岩井の複雑な経理操作という表現があって、これはこれほど複雑であれば、財経本部が関与しなければできないとされていますけれども、それでは日商本社側に対する外為法の適用というのは一体どうなるのか、外為法違反容疑の適用というのは専門的な観点からしてどうなるのかが一つ。  さらに、国税に対しましては、松野氏の五億円がたとえば複雑な捜査の末出てきたたとえば簿外資金と確定ができた場合に、税法上、税務上どのような措置が一体可能なのかあるいは不可能なのか、日商側と本人についてそれを知りたいのと、磯邊さんはもう間もなく他にポジションを求められる時期になっておるようですが、そうなると、長官在任中にひとつこの調査が完了できるというめどをお持ちかどうかだけを伺って質問を終わりたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 日商がいろんな金の操作をいたしましてたとえば五億円を捻出いたしましたり、あるいはその五億円を松野氏にお渡しをしたりした間においては、確かに外為法違反に触れる点があるようでございます。しかしながら、この二百三十八万ドルの関係におきましては、時効の向こう側にあるという意味においてあえて論ずることをしなかったわけでございます。  一方、ボーイング社からの百五万ドルと言われますものにつきましては、その最後のしっぽの、複雑な経理操作の一番しっぽが交互計算という形で昭和五十一年以降に入り込んでまいりましたので、外為法違反ということで海部外を起訴しておるわけでございます。  そういう事情でございます。

藤仲貞一国税庁直税部長

○政府委員(藤仲貞一君) お答え申し上げます。  五億円の点につきましては、二十五日に本院の航特委におきまして国税庁長官が御答弁申し上げておりますとおり、恐らく五億円は日商岩井側におきまして簿外で捻出されたもので、いわゆる使途不明金として税務上否認されておるか、あるいは会社側でこれを使途を明らかにしないで、自己加算して申告したものであろうというぐあいに私どもは想像をいたしております。  それからそのときにまた長官が答弁しておるところでございますが、この五億円につきましては、御案内かと思いますが、国税通則法七十条の課税の除斥期間という規定がございます関係から、私どもとしましては、現段階で税務上の措置は残念ながら取り得ない、こういう状況でございます。  それから見直し調査をいつ終わるか、こういうお尋ねがございました。長官在任中に終わるかどうかということでございますが、一部長が長官の人事について知るはずはございませんし、また、このようなことは私どもが組織として行うべきことでございます。ただ私ども、これからいろいろ報道されております事実であるとか、今後の公判において明らかにされるような事実なども参考としながら早急に見直し調査を行いたいと思ってはおりますが、この段階で終了の時期について申し上げることはできませんので、御了承をいただきたいと存じます。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 速記を起こして。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 金大中氏拉致事件に関係してお伺いします。  最初に、法務大臣。実は先日、寺田委員が外務委員会におきまして質問をしております。それは、金大中氏拉致事件に関連しまして、アメリカ国務省から極秘電報が次々に発表されているわけですが、それが刑事訴訟法三百二十三条二号または三号の証拠物として証拠能力があるかどうか、こういう御指摘をしたわけですが、その際、官房審議官の方では、その記載内容に証拠能力があるかどうかは、刑訴法第三百三十一条第一項第三号によりますので、もっと事実をよく調べたい、こういう意味の回答、見解が表明されたわけです。  外務省は一昨日も極秘電報を公開をしております。これはすでに御案内のとおり、非常に重要な中身でありますが、たとえば事件が起きたのは昭和四十八年の八月の八日、電報は八月の十日、十一日が金大中氏が韓国の自宅で発見されたと、そういう微妙な時期でありますが、その微妙な時期の十日の公電が発表されているわけです。これらは証拠能力が十分あるものというふうに私どもは考えますけれども、法務大臣、その点まず最初にお伺いをしておきます。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 訴訟法上の問題でございますので、私からお答え申し上げます。  ただいまも御指摘がございましたように、過日の外務委員会におきまして、刑事担当の官房審議官が、刑事事件の公判審理におきます証拠資料の証拠能力一般につきまして一般論をお答えいたしましたところ、一部報道におきまして、証拠能力を肯定したとかというような報道がなされまして、意外に思っておるところでございます。  そこで、あえて御説明申し上げますと、証拠能力と申しますのは、具体的な刑事事件が公判で審理されます場合に、その当該事件の公訴事実あるいは立証の趣旨等に関連いたしましてその有無が問題になってくる、きわめて刑事訴訟法上特有の概念でございます。したがいまして、そういう場面が存在いたしません今日、一般的な問題として証拠能力の有無を論ずるということは不可能なことでございまして、また意味がないことだというふうに考えております。  で、仮に金大中氏拉致事件に関しまして刑事事件が公判に係属した場合を想定いたしましてあえてお答えをいたすといたしますと、先般来問題になっております電文の内容、これらは刑事訴訟法上伝聞証拠になるわけでございまして、そういう意味で原則として証拠能力はないと、こういうふうなお答えになろうかと思います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 いまの点で外務大臣にお伺いしますが、いまは法律的な見地から法務省の見解が出されたわけですが、政治論として、日本の立場から言えば、公権力が介入をしたのではないかという意味で、当初日本政府は韓国政府に対して金東雲一等書記官の指絞ありといって注文をつけた立場にあるわけです。あくまでも第一義的に解決しなければならないのは日本国政府にあると、そういう立場で、続々と発表されておりますアメリカの公電につきまして、外務大臣の立場としてどういうふうにお考えですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) アメリカの本件に関する公電に対しては、直ちに百数十点の資料の入手を要請し、すでに入手をし、なおこれは、捜査上、捜査当局にも伝達をしてございます。  なお、その後、この資料の検討及び韓国、アメリカ政府に照会しておりますが、いまのところ、アメリカ政府は、日韓問題は日韓問題であって、介入せずという基本方針をそのまま続けてノーコメント、韓国の方は、そういう会談をやった記録はない、元外務大臣も記憶がないと、こう言っているというところでありまして、これによって一つの参考資料が出たとは考えまするが、これによって主権の行使を侵害されたという証拠がいまの段階で出てきたとは考えておりません。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 このアメリカの国務省から続々発表されております公電というものは、国民の目から見ますと、また外国からあるいはアメリカから発表されたと、日本政府は何をしているかという厳しい指摘があるわけですね。先ほども指摘をしましたように、まず日本が第一義的に解決しなければならない立場にあるわけですから、アメリカの公電というものを単なる公電発表というふうにとらえるのは、第三者ならばともかくとして、日本政府としてはとるべき態度ではないのではないだろうかと。少なくとも、公権力が介入をしたということを積極的に証明していくのは日本政府の立場にあるわけですから、いずれの証拠であろうが、あるいはいずれの国の発表のものであろうが、その真偽を十分にただしていくというのが日本政府の立場ではないかと思うんですが、非常に私は消極的であることについて不満でしようがないんです。  さてそこで、衆参両院で本事件についての見直しを行うべきであるというふうに本会議でも質問をしました。その見直しの野党の意見に対しまして、外務大臣の現在の御心境はいかがですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 本会議で総理がお答えになったとおりでありまして、現段階において政治的決着を見直すということは慎重にやるべきであるという考え方でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 新聞報道を含めて、大平総理大臣、あるいは外務大臣の答弁を要約をしてみますと、政治決着というのは、もろもろのことを含んで政治決着をしたのだから、軽々にこれを見直すべきものではないというふうに言われております。  さて、その軽々に見直すべきではないという意味について、あるいは政治決着の意義について少し確かめておきたいというふうに思います。  韓国側から公権力が介入をしたという新たな証拠が出ない限り、日本政府は動かない、あるいは見直しをしないという態度ですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 政治決着をつけた場合に、日韓首脳者の間で四カ条の条件がついております。その一つの中には、今後捜査は続けると、こういう合意があるわけで、日本の捜査当局は捜査を続けているわけであります。  なお、政府が一貫して言ってまいりましたのは、その結果主権の侵害がされたという事実が明白になれば見直しをすると、こう言っているわけでありまして、その方針に従って、ただいま言われたような見解をとっているわけであります。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 そうしますと、まあ捜査は日韓両方とも継続をすると、これは一般論としてはわかるわけですが、公権力が介入をしたのではないかと、日本側は当初注文をつけたわけですね。韓国側は、いやそんなことはありませんと。韓国側にしてみれば、政治決着というのはあくまでも決着済みであって、積極的に捜査をするというふうなことはとうてい考えられないと私は思うわけであります。したがって、新しい事実が韓国側から証拠として提出をされるということも、これも皆無、絶無だというふうに思うわけです。そうしますと、捜査はこれから続け、あるいはその事実があるかどうかということを明らかにするのは、日本政府あるいはまあ日本が積極的にやる以外に方法がないわけですね。その意味では、日本側の捜査はもう事実上打ち切られている状況にあるわけですから、いかに政治決着で四つの条件を付したといいましても、これはほとんど用をなさない、空洞化された四条件ではないかというふうに私どもは理解をいたしますが、いかがですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 韓国側がまあどうこうするということは私は発電はいたしませんが、少なくとも韓国側はいまのままの方が都合がいいことは当然であります。日本側は、今度の米国の公電によって一つの参考が出てきたわけでありますから、これをもとにして鋭意分析、照会、資料の収集と努力を続ける所存でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 アメリカの公電を十分に調べて、韓国側に確認をすると。先ほども大臣から答弁がありましたように、韓国側の方では会った記憶もないし、その記録も残っていないと、こういうふうに、真実は一つであるにもかかわらず、こういう状況になっているわけですね。  そこで、私は時間が限られておりますので、少しいやな質問ですけれども、事実を解明するために四つほど問題を聞いておきたいと思うのです。  先ほど私が申し上げましたように、政治決着というのはいろいろのことを含んでやっているんだから、軽々に見直しをしないという、その軽々に見直しをしないという意義ですけれども、事実関係がどうあったか、十分に解明がされないですね。されないままに政治決着という意味で日本はその主張を引っ込めたわけですね。引っ込めたわけです。一たん引っ込めた主張ですから、いまさら問題を持ち込むということになりますとあえて日韓関係を破壊をしてしまうと、そういうふうな関係になってしまうのはうまくないということで、いかなることがあろうとも、これ以上荒立てをしないというふうに、政治決着の意義あるいは軽々に見直しをしないという意義を受け取る人もあるわけですけれども、この点はいかがですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いかなる事実が明白になろうとも、政治決着の見直しをしないという方針ではございません。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 第一次決着、これは昭和四十八年の十一月二日、韓国側が日本に来まして陳謝をしている、これが第一次決着。それから第二次決着が昭和五十年の七月であったわけです。いろいろ証拠が、ずうっとこういうふうに第三国から発表をされているわけですが、大平総理並びに外務大臣の見直し論というのは非常に消極的です。ですから、考え方によりますと、政治決着の歴史的な経過から見まして、その性格、意義というものは非常に変わってきた。もっと端的に言いますと、第二次政治決着のときには見直しをいたしますよと、日本の国民感情をある程度考えて見直しというものが言われた。いよいよ問題が起きてきますと、そう軽々に見直しはできませんというふうに態度が変ってきている。見直しを行うというのはその当時の国民感情を反映したものであって、本当に見直しを行うかどうかわからないというのが国民の素朴な疑惑です。ペテンにかけたのではないかというのが最近の新聞世論、論調の大勢を占めているわけです。この点について、外務大臣、どういうふうにお考えですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 見直しをしないというのではなくて、本件に関する現段階、かつて米国の大使、在外大使館から国務長官に打った電報の内容だけでは軽々に見直しはまだできないと、こういう意味であります。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 そうしますと、これほど国内を沸かし、あるいは国際的にも大きく政治問題、社会問題になった問題ですけれども、韓国側が具体的な捜査あるいは事実を提出をしないということになれば、もっぱら日本政府がやらなきゃならぬわけでしょう。われわれ日本国民としては、あるいは当初日本政府の態度としては、確かに韓国側の公権力の介入があったということで注文をつけ、抗議をしたわけです。それにいたしましては、日本政府として新たな証拠が発見できるような捜査を継続しているとも思われないし、またそういう報道も聞いていないし、またそういう発表も聞いていないわけです。  これは、法務省と外務省両方ですが、金大中事件の政治決着の見直しのためにいかなる捜査を具体的に進められていますか。また、その過程でどういう新しい事実が起きてきたでしょうか。あるいはアメリカの国務竹の発表を丹念にもう一度調査をされたと思うんですけれども、その結果どういう変化が生まれたのか。その二つの問題について、両方の大臣からお伺いしたいと思います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) この問題は二度にわたって外交的に決着をつけた、お話しのとおりでありますが、その当時もいろんな事実があり、いろいろな意見もあったんですけれども、公権力が介入したという確たる事実まで確認できないというようなことでもあり、政治的にもこれはけりをつけようということで政治決着をしたのだと私は思うのであります。そこで、しかしながら、いかに友好国でありましても、公権力がよその国の主権を侵害するなんということは重大なことですから、新しい事実がここにあらわれてきて、確認されますれば、もう一遍見直しをするということはこれはあたりまえの道理だと思うのであります。  ただ、新しい事実がここにあらわれたかどうか、新しい証拠というか、あらわれたかどうか。問題はアメリカ側からの資料だと思うんでありますが、そこで、外務省の方におかれて、これは外務大臣の御答弁もありましょうが、これを綿密に、そこに何かの手がかりがあるか、何かの事実があそこにあらわれてくるか、いま検討しておられる状況のようでありまして、きょうの問題としては、まずもってそこに新しいものが生まれてくるかどうか、十分にこれは検討していただいて、そこからだと思うのであります。事柄は申すまでもなく重大きわまる、外交的にも見直しなんということになると重大なことです、これは。それから、国内の政治の上でも、このように大きな問題になっておる。見直しをするかせぬか、これは実に重大な問題ですからして、ですからいま新しい資料について、これは本当に十分に検討されるのは、また慎重に検討されるのはあたりまえだと思うので、これを見ました上で、われわれの関係でも新たな捜査を始める必要があることなら始めると、これが実際のきょうの処理の行き方じゃないかと思っております。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いま法務大臣から発言されたとおりでありますが、わが外務省としては、捜査当局が捜査進展ができまするよう、さらに、まだ文書があるのか資料があるのか、あるいは米国ではノーコメント、韓国は記憶がないと言っておりますが、当事者に対する照会等、いろいろ真相究明のために努力をする方針でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私も金大中氏事件について、若干重複するところがあるかもしれませんが、大事な問題でございますから、外務大臣にお尋ねをいたします。  昭和四十八年の八月八日、在日中の金大中氏を拉致して韓国に連行したのは韓国のCIAであると各方面で言われてきたことは周知のとおりでございますが、この事件について真相の究明が十分なされないままに、昭和四十八年十一月二日、当時の金韓国首相が来日して、当時の田中総理に遺憾の意を表明したことで第一次政治決着がつけられ、その後、韓国の捜査当局の捜査結果などを踏まえ、昭和五十年七月二十四日、当時の宮澤外相が訪韓、韓国側は金大中氏事件について、わが国に対して最善を尽くしたとして、この問題はこれで決着したことを日韓両国政府が確認した第二次政治決着が行われております。これら二次にわたる政治決着の内容は、第一が、本事件に関する韓国首相のわが国首相に対する陳謝、二番目が、本事件には金東雲在日韓国大使館一等群記官が個人的に関与して、韓国権力の介入はなかった。三番目は、金東雲一等書記官に対する処分は行政処分と、このように理解をしておりますけれども、この点をまず外務大臣に確認しておきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) そのとおりでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 金大中氏事件の政治決着は、その事実認識において、権力の介入を否定している点で、各方面で言われている権力介入論と正面から対立をしているのは御承知のとおりでございますが、各方面の論議は後で触れるとして、当時の政府は、第一次政治決着後、その見直しについて原則的立場を表明して、次のように述べております。「いま警察当局からも御答弁がありましたとおり、両国の捜査は今後も続けられるわけでございまして、今回の事件の性質がそういうものでない、つまり主権侵害にかかわるというような質的な転換がこの捜査の過程で出てくるようなことがございますならば、これはあらためて新たな問題として韓国側に提起しなければならぬという立場は留保いたしてあります。」。この発言は、第一次政治決着が犯人不明のままつけられた不完全なものであることを証明したものであると同時に、第二次政治決着についても、当然この姿勢は引き継がれていると考えられますが、外務大臣の御見解をお伺いします。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 金大中事件については、わが国で捜査の結果、金東雲書記官が犯行に加担した容疑濃厚となりましたが、韓国側の公権力の行使を裏づける確証を得られぬままとなったことはおっしゃるとおりであります。このような状況において、昭和四十八年十一月に、韓国側は金鍾泌国務総理をわが国に派遣をし、日本政府と国民に対し陳謝をし、同時に、大統領の親書をもってわが国民に陳謝の意を表明をしております。その後、当時の政府は、韓国の以上のような態度を評価をして、日韓友好関係の維持という大局的見地に立って、四カ条の条件をつけて政治的決着をつけたわけであります。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 では次にお尋ねをしますのは、一九七五年一月十日付の在韓国米大使館発の米国務長官あての電文の真実性についてでございますが、すでに金大中氏事件に関する米国の公電百四十二通が公表されておりますが、まず政府は、これらの資料の価値をどのように認識しておられるか。まずこれが第一点。  このうち、「日韓関係」と題して、一九七五年一月十日、スナイダー氏名で米国務長官あてに打電された電文によりますと、当時の金東祚外相はスナイダー氏に、金大中氏拉致に責任のある在日韓国CIA要員の金東雲は韓国CIAから静かに解任をされることになっていると述べたことになっておりますが、さらに、本件情報はくれぐれも内密に願いたい旨をつけ加えられております。このような内密扱いの事務処理は、韓国側としては通常外交記録としてはとらないのではないか、このように推定をされるわけでありますが、外務大臣はこのことをどのように認識をしておられるか、お伺いしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 米国が発表しました公電のうち、韓国在駐の米大使館から国務長官に打った電報、このものは事実であると考えております。その中の内容につきましては、照会いたしましたところ、先ほど言ったとおり、米国はノーコメント、当事者のスナイダーも一切答えない。韓国側は、このような会談は必ず記録があるが、記録がない。さらに金東に聞いたところ、記憶がない、こういうことでありまして、いまのところ、さらにこの検討、分析、真相解明を図るための努力をしているところであります。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いま申し上げた、内密の取り扱いをしておられるわけでございますから、そういう記録がないとおっしゃるのは私は当然ではないか、こういうように思うわけで、このスナイダー氏に対して内密に願いたいということは相当な私は信憑性があるのじゃないか、こういうように思います。そういうことから、この米国の公電は真実性があるんじゃないか。韓国の当時の外相がそういうような反論をされても真実性があるんじゃないかと思うんですが、さらに外務大臣の御見解をお伺いします。  それからもう一点、金東雲氏が解任をされたということは確認をされておるかどうか。また、確認をしていないとすれば確認をとるべきではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) この電文の内容についてはさらに検討し、照会する必要があると思って、鋭意努力をいたします。  金東雲氏がこれに参加をしたということは容疑濃厚でありまして、指紋等出てきたことは当時の発表にもあるとおりでありますけれども、その後韓国からは、取り調べた結果その証拠が上がらなかったと、こういうことで、公務員としての地位を喪失をさした旨通報があったわけであります。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 解任の確認はおとりになりましたでしょうか。

柳谷謙介外務省アジア局長

○政府委員(柳谷謙介君) 御案内の一九七五年七月二十二日の韓国政府の口上書におきまして、金東雲の公務員としての地位を喪失させた旨通報してきております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 じゃ、確認をされたわけですね。

柳谷謙介外務省アジア局長

○政府委員(柳谷謙介君) この口上書は公式の外交文書でございますから、確認されたものでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、一九七三年八月二十一日付の在韓国米大使館発の米国務長官あての電文の信実性についてお伺いをしますが、「第二十八回国連総会における朝鮮問題」と題する一九七三年八月二十一日付の米国の公電によると、ハビブ氏は、本省御承知のとおり、韓国内外における不満分子に対するいやがらせにおけると同様、金大中氏事件においても韓国CIAが関与していることを示す新聞報道は基本的に正しいとの判断を示しています。これは単に一個人の判断にとどまるものではなく、当時の田中伊三次法相も、政府高官からの情報により同様の認識を持っていたと見られる発言を行っておられます。これは毎日新聞の五十四年の五月十九日の記事でございます。レイナード元米国務省韓国部長も同趣旨の発言を行っているなど、一般的認識の裏づけがあるわけでございますが、ハビブ氏の判断の信実性についてどのように評価をしておられるか、外務大臣にお伺いをいたします。  それから二点目は、金大中氏事件が韓国CIAによって行われたと発言をしている各界の人の意見聴取などを初め、事態究明の努力を外務省はいかに進める所存であるのか、外務大臣にお伺いをして私の質問を終わります。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) レイナード氏等が米国で発言した発言その他については、そのたびごとに関係者に照会してきておりますが、明快な答弁は得られません。  なお、御指摘の米側電報については、その内容にかんがみ、当方としては当事者である米韓両国に対し照会を行いましたが、その結果は先ほど申し上げたとおりでありまして、この電報についてはいわゆる伝聞となっていることもあり、現段階でこの電報のみをもって韓国側の公権力の行使があったと断定することは適当でないと考えまするが、捜査当局の意見も聴しつつなおさらに慎重に努力をする所存でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私、公電の内容についてお伺いを申し上げます。外務省と警察庁にお伺いいたしとうございます。  公電の内容につきましては、これはうそか本当か二つに一つしかございません。それを明確にしなければならないと思いますけれども、そのために、七五年の一月九日、当時のスナイダー駐韓米大使とそれから金東祚韓国外相との会談記録を、米政府とかあるいはスナイダー氏より提供されるように、捜査上の措置も含めまして要請すべきだと、こういうふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。

柳谷謙介外務省アジア局長

○政府委員(柳谷謙介君) 御指摘のとおり、この公電が、いまの御質問では、真実か否かという点を確かめなければならないとおっしゃったわけでございます。ただ、これは何分にも、アメリカの出先から本国へ打たれた公電でございまして、日本政府として、これを見ただけでこれについての評価を下すことはできません。したがいまして、できるだけ事情——この電報の公開に関連して私どもも承知したいというところから、この公電が公開されました直後から今日に至る間、何回かにわたりまして、米韓両国の政府に対して、この公電の評価とかその他事情の説明を求めたわけでございますけれども、これに対する米国政府及び韓国政府の反応は、先ほど大臣から御紹介したとおりでございます。今後もさらに検討も加え、捜査当局の御意見も伺いまして、必要に応じてさらに事情を確かめることができれば確かめたいという気持ちは持っております。その確かめる努力の中には、状況によりましてはこの当事者たるスナイダー氏とか金東祚氏に、それぞれの政府を通ずるなり、あるいは必要と認められれば直接の方法なりで、接触を試みる努力も含み得ると考えておる次第でございます。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○説明員(柴田善憲君) 御指摘のスナイダー報告を含めまして、今回米国務省が公開されました文書につきましては、現在外務省におかれて全体的な検討、調査等を進められておるところでございますが、警察といたしましては、その結果を踏まえまして捜査的観点からいろいろ検討してまいりたい、このように考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それでは外務省と捜査当局の突き回し合いです。私は、アメリカにメモがあるかもわからない、こういうふうに思うわけです。ですから、やはり捜査当局が必要であるがということでスナイダー氏などに要請しようというふうな外務省の見解でございますから、私はやはり早急にこういうものは要請していただかなければならないと、そういうふうに思いますがいかがでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○説明員(柴田善憲君) 私どもといたしましては、現在外務省で行っておられますすべての文書のいろんな関係の総合的な検討調査の結果をお待ちしておるという段階でございます。その結果を踏まえてから検討をさしていただきたい、このように考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 金大中氏事件に関連いたしまして、アメリカの国務省が保管している情報とか電報というのは二百四十数点と言われております。公表された百四十三点以外のアメリカにある百余点の資料の提供、これも至急に求めるべきではないかというのが第一点です。  それからまた、ある新聞が独自に入手した事件当時の駐韓米大使ハビブ氏からロジャーズ国務長官にあてた公電を報道しておりますけれども、それを見ますと、SRFにあらゆる情報を探らせたところ、KCIAこそ犯人であることを示すのっぴきならぬ証拠が出てきた、こういうふうにされております。これらの資料も私は当然含まれているものと思いますけれども、あわせて提供を求めるべきでないかというふうに思います。これが第二点です。  それからさらに、スナイダー、ハビブ両氏に、捜査上の措置も含めまして事情を聞けるように協力を要請すべきではないか、これらを外務省にぜひとも要求すべきだと思いますが、いかがでしょうか。——捜査当局に聞いてるんです、私。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) ただいま入手しております以外の資料、まだ多分にあると言われております資料、それから当時者であるスナイダー、それから韓国の金元外務大臣等についてもさらに照会をし、真相究明の努力をまず外務省がやることは当然であると考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 捜査当局に要請するようにといって聞いたんですけれども、外務大臣がお答えくださいましたので、時間がないので、じゃ次に急ぎますけれども、これは捜査当局に聞きます。  昨年の二月の二十一日の参議院の外務委員会で、私どもの党の立木洋議員が、金大中氏が自由になって、本人の意思で日本に来たいというような場合、いろいろ事情を聞くなどの協力を求めたいと考えているのか、こういう御質問をいたしております。それに対しまして、協力を求めるということは事件の解明のために必要なことと考えており、求めたいというふうに考えている、こういう御答弁がございますが、これはいまも変わりはないのかということが第一点です。  それから、現在金大中氏の身柄は、当時と違いまして、一応自由になっておりますけれども、外務省を通じて、御本人に日本に来るようにということを要請される意思はおありでございましょうか。お答えいただきます。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○説明員(柴田善憲君) 第一点の御質問の方は、現在もそういう点につきましては変わりございません。  金大中氏からの事情聴取のために来日を要請してはどうかという点につきましては、事情聴取のために来日を要請いたしますためには、当然韓国側の承諾が必要でございますが、従来の経緯にもかんがみまして、韓国側の承諾を得ることは大変むずかしいのではないかと考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 韓国側の了解以前の問題として、捜査当局としては外務省を通じてそういうことを要請される意思はおありかどうかと、こういう御質問を申し上げております。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○説明員(柴田善憲君) やはり要請いたします際には、その要請の実現の可能性というようなところまで踏まえて要請しなければいけないのではないかと思うわけでございます。そういう意味で、事情聴取のためにお願いいたしましても、まず必要になります韓国側の承諾は大変むずかしいのではないだろうか、こういうことでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それじゃ、意思をお持ちかどうかという私の質問にお答えいただいたことにはならないと思います。  外務大臣にお伺いいたします。  外務大臣も、昨年の先ほどの委員会の中で、金大中氏が自由になったならば来日を求めるというぐらいなことは当然行うべきだと思いますがと、こういう質問に対しまして、「仮定の事実でありますが、そのような場合には、捜査当局と相談して、捜査当局の要求によって行います」、こういうふうにお答えでございますけれども、現在はもう仮定の段階ではございません。しかし、その点変わりはございませんでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 仰せのとおりであります。変わりはありません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、捜査当局と相談をなさって、金大中氏の事情聴取のための来日を求めてくださると、こういうふうに受けとってよろしゅうございますね。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) よく相談いたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 実現できるように強力にやっていただきたいと思います。  そこで、次に移ります。  田中伊三次当時の法務大臣が、いわゆるKCIA犯行という第六感発言をなさっておられますけれども、これは実は根拠があるのだということを昨年来盛んにおっしゃっておられるわけです。私は、昨年の十二月の二十一日の当委員会でも、捜査当局に対しまして、この点について田中氏から事情を聞いたのかとお尋ねをいたしました。所轄の警察が会って話を聞いたけれども、第六感の範囲であったと、こういう当時は御答弁でございました。しかし、五月の十八日、新聞社のインタビューに答えて、田中氏は、KCIAによる金大中氏拉致を伝えに来た某高官に対して、「そんな話をオレにするな。帰りは大臣室にある便所の横の入り口から出た方がよい」と言って帰したと、こういうことまで言われております。  法務省にお聞きいたしますけれども、大臣室というのは当時から二階にあったのかどうなのか。また、この便所の横の出口を出るとどこへ通じることになっているのか。人目に触れずに庁舎外に出られるようになっているのか。そういうことであれば、法務省としては、法務省以外の高官というふうに考えていらっしゃるのかどうか。このことをお伺いいたします。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 当時から大臣室はいまの場所にございました。二階でございます。大臣室の隣の便所の階段をおりますと一階の廊下に出ます。一階の廊下を歩いていきますと玄関に出ます。  以上でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 しかし、ここまで詳しく言われているということは、私に御答弁なさった第六感だということではなくって、これは明らかに第一感から第五感までの範疇に属する問題だと思います。それで、私はやはりこういう問題を解明しようと思えば、事情聴取をして某高官の線を通じてこの糸を手繰っていくということを考えるのがあたりまえじゃなかろうかというふうに思うんです。私は、これは法務省以外から訪ねてこられた政府側の高官じゃなかろうかというふうにも思うんですけれども、捜査当局としては、警察庁としてはそんなことはわざわざ田中氏に尋ねなくっても警察では周知の事実なのか、こういうふうに認識なさっていらっしゃるんでしょうか。

柴田善憲警察庁警備局参事官

○説明員(柴田善憲君) 田中法相の御発言につきましては、警察といたしましては、事件発生当時の現職の法務大臣でいらっしゃったわけでございますから、おっしゃるような重大なそのようなことを御存じであれば、当然その時点でお知らせいただけたものと、このように考えておるわけでございます。  そこで、警察はこのような見解に立ちまして、田中元法相から事情聴取といったような措置はとっておらないわけでございますが、ただ、先生の出身地の警察の幹部がお目にかかりました際に、念のために報道された内容についていろいろお尋ねしたことはございます。そのときの先生の話では、第六感発言云々は根拠があるということは否定をされておったわけでございます。また、御指摘の某高官のことを含めまして伺ったわけですが、捜査の手がかりとなるようなことは何も得られなかったわけでございまして、警察として当然知っておるというような事柄では全くないわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 委員長にお願いいたします。  私は、捜査当局がいまおっしゃるような姿勢であれば、やはり国会としては、田中伊三次氏にこの当委員会の理事会においでいただいて、そして事情をいろいろとお聞かせいただけたらと、こういうふうに思うわけです。  それからいま一つお願いがございます。それは当時の高橋警察庁長官が、高野山における警察官友の会の夏期講座で発言なさっていらっしゃるKCIAの犯行であるというふうな御発言というのは、この時期になってくれば非常に重要です。ですから私は、当委員会に当時の高橋警察庁長官の証人喚問をお願いいたしとうございます。お取り計らい願います。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) ただいまの安武君の御要求ですね、よく理事会で協議して決定することにいたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では私は最後に、時間がありませんので、古井法務大臣にお伺いいたします。  私、いまこそ政治決着を見直す必要に迫られている時期だというふうに思います。公電の持つ重要性というのはもう申し上げるまでもないと思いますけれども、こういう政治決着を見直す重大な新事態にいまなっていると思うんです。第三国である米国ですらKCIAの犯行を認めている。ところが、被害当事国が、歴然とした事実が山積されている、それにもかかわらず、こういういま捜査当局、外務大臣にお伺いいたしましたけれども、KCIAの犯行であると、韓国の公権力が介入した事件であるということを認めるのにちゅうちょなさっていらっしゃる。私は、古井法務大臣は法の番人でございます。こういう日本の歴史に汚点が残るようなこんな事件については、勇気を持ってやはり真実を追求するという立場で政治決着の見直しをどうしてもやられるべきだ、いまこそ正々堂々とこういうことを主張なさるべきだ、こういう時期だというふうに思いますけれども、いかがお考えでございましょうか。  御見解を伺いまして私の質問を終わります。

古井喜實自由民主党法務大臣

○国務大臣(古井喜實君) 事柄は重大でありまして、という意味は、他国の公権力が日本の国内に介入する、公権力がですね。これはきわめて重大なことでありますから、そういうことがはっきりわかってくる、はっきりした証拠があらわれるといたしますれば、これはもうおっしゃるように、筋道を正す意味において、日本の主権を守るためにも重大に考えなきゃならぬことだと思うのでありますが、その前に、とにもかくにも、繰り返すまでもなく、二度もああいうふうに外交的な決着をつけた事実があるのでありますね。見直しというのはこれを覆すということなんですね。これは外交上も重大なことでありますから、ですから、そういうことを考えますなら、本当に新しい事実について新しい証拠が得られるかどうかということをもう綿密にこれは検討しなきゃいかぬ。それにつきまして、いまアメリカサイドからの資料を手に入れて、またないところはもっと取り寄せて外務省で検討しておられるわけですね、あのとおりに。十分これは検討してもらわなきゃならぬ。そこに何らかのものがあらわれてきますれば、今度は次の段にこれは進むというわけでありますが、事柄が大事ですから、きょうはやはり外務省に検討を十分していただく、そこから始めるべきであるし、そうなっておるわけでありますから、それを十分しないでおって次の段に手を出すなどということは、これはこの重大問題に取り組む姿勢でないと私は思いますので、これは順序を踏んでやっぱりやっていくべきだと、そういうふうに思いますので御了承願いたいと思うのであります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 外務大臣にお尋ねいたしますが、時間がございませんので簡単に申し上げたいと思います。  第二次世界大戦で沖繩が祖国から切り離された昭和二十七年の四月二十八日、この日を琉球処分の口だと歴史的には県民はとらえておるわけであります。そのヤルタ会談から、あるいは連合軍の動き、終戦処理の国内の動き、最近発表されたこの秘密メモ、ここに持っておりますが、こう読んで見ますと、読めば読むほど憤りを感じ、そしてやりきれない気持ちでいっぱいであるのでありますが、きょうはそのことは抜きにいたしまして、放棄請求権のことについてお聞きしたいと思います。  この対日平和条約の中には、沖繩の県民にかかわる一切の権利が放棄されておると十九条にうたわれておるわけなんです。ところが、一方的にその権利は放棄するとうたわれておるが、今度は国民の立場から、日本政府がそれをどう責任を持ってどのようにすると、こういうことについては、返還協定の四条にも請求権を放棄されておると、それから対日平和条約の十九条にも請求権は放棄されておると。これはどうお考えでしょうか、このことについて大臣。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 事実間違いないように、事務当局からお答えをさせます。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○政府委員(中島敏次郎君) お尋ねは、平和条約第十九条におけるところの戦争請求権の放棄の問題と、それから沖繩の返還協定におけるところの請求権の処理の問題とであろうと理解いたしますが、講和前の請求権の問題につきましては、先生御指摘のように、桑港条約第十九条の(a)がこれを取り扱っているわけでございます。これは当時平和条約の御審議の際にも、また沖繩返還協定の御審議の際にも、いろいろ当院で御論議がございましたけれども、日本がいわば敗戦国として、平和を回復するための講和条約において、戦勝国との間に、戦争から生じた請求権の問題は一切これを片づけて平和の回復を遂げるというのが他の国際先例にも照らしていたし方ないところであると。請求権にまつわる法律関係を平和回復に当たって一括明確にしておくと、こういうことで行われた処理でございます。  その後、講和発効後の沖繩におきますところのアメリカの施政から生じましたもろもろの請求権の問題に関しましては、御承知のとおり、沖繩の返還に当たりまして返還交渉を行い、その際にいろいろの請求権について、それぞれの事案についてアメリカ側と議論を行いまして、返還協定の第四条に、アメリカの施政期間中にアメリカの法令で認められるものについては、その後アメリカが引き続きその請求権をプロセスすると、請求権の処理を行うと。それから、復元補償の問題についても、四条三項で、アメリカ側をして適当な見舞い金の処理を行わせるということを合意せしめまして、それ以外の請求権の問題については四条一項でこれを放棄した、そういう処理を行ったわけでございまして、当時のそれぞれ置かれた状況にかんがみまして、私どもといたしましては、アメリカとの関係で最も妥当な処理を行ったものではないかというふうに考えております。もちろん、戦争が終わりました状況でございますから、それなりの敗戦国としての立場があるということも事実、そのとおりでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私があえてそう聞きますのは、同じ敗戦の立場にあったイタリーですね、イタリー平和条約と比較してみたんです。ところが、沖繩の場合には、詳しいことを申し上げられませんが、戦略的立場から沖繩をどうするかということが検討されている。そこにはれつきとした百万沖繩県民が、人間が存在しておるということは考慮に入れられておらぬのではないか、対日平和条約の中で。  たとえばイタリーの平和条約七十六条で向こうも一切の請求権を放棄しております。ところが、同じ条の二項に、放棄したその一切の責任は国が負うということを明記されておるんですよ。明記されておる。そして、実際にどのようにその責任を負うたかといいますと、私が調査した資料によりますと、一九六三年十二月三十一日までに一千一百二十八億九千八百十八万三百五十六リラ——イタリーの貨幣ですね、これだけちゃんと連合軍に放棄した請求権のその代償として国が責任を持って、いまから、昭和三十八年ですから十六年前に処理されておるんです。  ところが、私の結論は、そうだのに、現地沖繩側から請求件数十二万三千八百七十九件、請求額一千一百七十二億三千三百六十五万八千三百五円、これだけまだかまだかと、こう絶えず要望しておりますが、これは開発庁の事務処理になりますので、それが現時点でどのように処理されつつあるか、これをお聞きしまして私の質問を終わります。

稲葉哲沖繩開発庁総務局参事官

○説明員(稲葉哲君) 先生御承知のとおり、昭和五十二年八月までに沖繩返還協定放棄請求権補償推進協議会等から要請がございました請求事案のうち、漁業関係につきましては、昭和五十三年度から三年間ということでもって処理中でございます。それを除きます御指摘のございました残り十三項目十二万件、約一千七億円になりますが、これにつきましては、現在関係省庁を煩わしまして、基本的な処理方針の検討作業を進めているところでございます。これらの事案のほとんどは戦後三十年近い年月を経過いたしておりまして、私どものこれまでの調査によりましても、ほとんどの事案につきまして証処資料が乏しいとかいうことから、その被害の実態把握が非常に困難である。また、アメリカによります施政権下中の既措置の事案も請求の中に少なからず含まれているというようなことがございまして、要請のございました十三項目のそれぞれにつきまして、公平な解決を図る上になお解明しなければならない問題点が少なからず残されているわけでございます。  私どもといたしましては、今後の検討作業を一層推進いたしまして、でき得ますれば五十五年度にはこれらの要請の一部につきましてその処理を図るということを目途といたしまして、可能な限りの努力をいたしてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 一言大臣に……

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) それじゃ簡単に。もう時間が過ぎていますよ。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 済みません。  大臣に一言お願いがございます。  第一点は、先ほど私、失礼なといいますか、琉球処分とか非常に差別という、こういう印象をこれからも受けるわけでありますが、どうかそういうことではなしに、早くこの請求権を処理してもらうよう、一層のひとつ一蓮托生の御努力をお願いいたしたいということと、第二点は、日米合同委員会において、これ先ほどの、防衛施設庁に沖繩の軍事演習から起こるいろいろなさまざまの事件がありますが、これを一つ、お一人とされまして、日米合同委員会の中でぜひこの問題をうまく処理するように、行き過ぎがないようにということを強く申し入れてもらいたいということと、それから最後に、この前予算委員会で、例のヘビ皮、ニシキヘビの問題ですね、あれを慎重に検討する、こういう御回答をいただいたんですが、その結果がどうなったでありましょうか。聞いておりませんので、お伺いいたしまして終わります。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 請求権をめぐる問題は開発庁で鋭意努力をいたしております。わが外務省も一緒になって努力を続ける所存でございます。  なお、沖繩に砲弾の鉄片が落下したという事件は、直ちにその日に照会をし、これに対する対応の処置を申し入れ、強く交渉し、現在も実弾射撃を中止しているわけでありまして、日米合同委員会については、そういうことは申し入れてございますが、今後も努力をいたします。  なお、ヘビの皮の問題でありますが、おわびをしておきますが、事務当局が質問された喜屋武先生に連絡をしてなかった、報告してなかったという点をおわびを申します。  これは予算委員会で質問をされたわけでありますが、沖繩のヘビ皮は、ワシントン条約、批准いたしましたこれには入っていない、輸入禁止の対象となるヘビではないということが判明しました。御報告がおくれましたことを深くおわびをいたします。  以上でございます。

寺田熊雄日本社会党

○委員長(寺田熊雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  次回の委員会は明後三十日午後二時に開会し、締めくくり総括質疑第二回を行うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十八分散会

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