決算委員会 第1号
- 発言数
- 390 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/02/14
会議録
○委員長(寺田熊雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二月二十六日、吉田正雄君及び小野明君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君及び佐藤三吾君が選任されました。 また、昨十三日、喜屋武眞榮君及び安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君及び和田静夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 次に、理事の辞任及び補欠選任の件についてお諮りいたします。 田代富士男君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に和泉照雄君を指名いたします。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十年度決算外二件の審査及び国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 次に、昭和五十年度決算外二件を議題といたします。 本日は、自治省及び総理府のうち警察庁、北海道開発庁と、それに関係する公営企業金融公庫、北海道東北開発公庫の決算について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 質疑通告のない柴田公営企業金融公庫総裁及び谷川北海道東北開発公庫総裁は退席していただいて結構です。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 旧調布の飛行場についてまずお尋ねをいたします。 これは現在行政機構上、運輸省の東京航空局調布空港事務所が事実上管理をしておると理解しておりますが、それで間違いありませんか。
○政府委員(永井浩君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 調布市西町一千六十というところに調布空港事務所が設置されております。よろしいですね。
○政府委員(永井浩君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 五十三年度版の職員録を見ますと、調布空港事務所には三橋昇良空港長、吉永次郎先任航空管制官、野田昌孝管理課長、江連利之運用課長が配属されています。異動があったかもしれませんが、職制は変わっていないと思いますが、いかがですか。
○政府委員(永井浩君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 運輸省職員は何名配属されていますか。
○政府委員(永井浩君) 現在事務所長以下十六名でございます。
○和田静夫君 行政機構上こういうような職制の配属は、東京航空局内では稚内空港事務所、三沢空港事務所、釧路空港事務所にほぼ匹敵していると思います。空港事務所としては最も小さいものでありますが、行政機構上はこれははっきり存在をしている。 そこで、運輸省設置法五十五条の六を見ますと、「運輸大臣は、局務の一部を分掌させるため、所要の地に、空港事務所その他の地方機関を設置することができる。その名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は、運輸省令で定める」、こうされております。 この省令の旧調布飛行場にかかわる部分、ちょっと読み上げていただきたいんです。
○政府委員(永井浩君) 空港事務所等組織規則の別表第一に「調布空港事務所」という項がございまして、位置は調布市、管轄区域は「東京都のうち八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、田無市、保谷市、福生市、清瀬市、狛江市、東久留米市、東大和市、武蔵村山市、稲城市、多摩市、秋川市及び西多摩郡」と、こうなっております。
○和田静夫君 ところで、この航空法上飛行場は一種から三種に分けられておりますね。しかし、旧調布飛行場は航空法上の飛行場ではありません。運輸省は、予算においては調布場外離着陸場という名称で呼んでおられる。そうすると、場外離着陸場というのはどういう法律、どういう政令、どういう省令に基づいているんですかね。
○政府委員(永井浩君) 調布飛行場は航空法上飛行場の設置の手続がなされておりません。これは地元との調整その他未調整でございますので、いわゆる航空法上の飛行場ではございません。しかし、同じく航空法の七十九条におきまして、ただし書きでございますが、飛行場でなくても運輸大臣が許可をした場合には飛行機が離発着できると、こういう規定がございまして、その七十九条ただし書きに基づいて飛行機が離発着できると、そういう場所というふうに考えております。
○和田静夫君 場外離着陸場の設置を定めた法律というのはありますか。いまの七十九条ただし書きを指しているわけですか。
○政府委員(永井浩君) 場外離発着場の設置というような制度、規定はございません。
○和田静夫君 そうしますと、予算においては調布場外離着陸場という形であるが、法律上には場外離着陸場の設置というものは存在しないと。そうすると、調布空港事務所というのは行政機構上及び予算上まあ存在をしている。そうすると、いわゆる場外離着陸場ではないところに予算をつけて、いわゆる法的根拠がないところに予算をつけて、そして空港が設置をされるという筋合いですね。ここのところは、行管庁、いかがなんですか。
○説明員(坂本佶三君) 行政管理庁におきまして運輸省を担当しております管理官の坂本でございます。 先ほど御質問ございましたが、私どもといたしましては、現実にここに飛行機の離発着があるわけでございまして、やはりそれ相応の危険性も伴う、そういう実態もございまして、それで先ほどその実態につきましては、運輸省の航空局の次長が、そういう航空法に基づきます許可を得て離発着が行われていると、そういう説明でございました。そういう実情がございますので、われわれとしましてはやはり事務所を置く必要があると、こういうふうに判断しておるわけでございます。
○和田静夫君 あなたは非常に重要な発言をしているんで、私はこれからここの実態を自治体との関係で明らかにするわけですが、あなた、実情を知ってこれは認めているということですな、いま。そこのところだけもう一遍答弁してください。
○説明員(坂本佶三君) 私どもといたしましては、小型航空機の離発着は非常に多いと、特にいろいろな飛行機との関係がございまして非常に錯綜しておるというふうに聞いております。
○和田静夫君 一言でいいですよ。法律的な背景がなくても実態がそこに存在をするということを、あなたはお認めになったならば予算をつけていくという立場、そこの機構を認めていく立場、行管庁というのはそういうことですか。
○説明員(坂本佶三君) 先ほど、私としてはそういう法律的な状況につきましては、ちょっといま先ほど永井次長のお話でもって初めてわかったわけでございますけれども、航空法第七十九条のただし書きに基づきまして現実に許可が行われていると、こういうことでございますので、われわれとしましてはそういうふうなことで根拠があると、こういうふうに理解するわけでございます。
○和田静夫君 いや、それでいいわけですね。
○説明員(坂本佶三君) はい。
○和田静夫君 あなたがそれなら、私はここのところをもう一遍明確に、場外離着陸場については法律的な裏づけがない。
○説明員(坂本佶三君) いえ、先ほど永井次長、実は私ですね……
○委員長(寺田熊雄君) ちょっと、両方とも委員長のあれを求めてから発言しないと問答みたいになっちゃうから。
○和田静夫君 はっきりしてもらいたいのは、あなたと何も運輸省の立場は違ったっていいわけですから、行管庁は、運輸省の機構その他というものをずっと洗ってみてここの部分に疑義を感じたことはありませんか。いま私が言ったように、七十九条ただし書きの部分よりも、場外離着陸場として予算上あれされている、それについては法律的な場外離着陸場という裏づけはない、そこのところだけでいいですよ、そこのところだけ。それはあなたの方で調査をされることにはならぬですか。
○説明員(坂本佶三君) どうも失礼いたしました。 私、先ほど永井航空局の次長がおっしゃいましたが、航空法七十九条ただし書きに基づきまして許可を受けて離発着が行われると、こういう実情があるとわれわれ考えておるわけでございますが、先ほど私ども予算要求、実はまあ定員とか予算要求ございまして、その際に増員する、あるいはしないというふうな問題があるわけでございますけれども、そういう場合に、そういう実情は先生お話しのように相当いろいろ輻輳しておると、こういうふうに聞いておると、こういう状況でございます。
○和田静夫君 それは行管庁としてはお調べになったことはないと。これからの論議を聞いておってもらえばいいんで、あなたの前提は彼の答弁を前提にされているから、その答弁を覆す意味での論議をしますから、あなたの方はそれを聞いておってもらって、誤っておれば過ちとして認めるということになりますね。答弁は要らない。ずっと聞いておってください。 ところで、この旧調布飛行場の沿革と法的関係、所轄関係、ちょっとお話しください。
○政府委員(永井浩君) 飛行場の沿革でございますけれども、昭和十六年に逓信大臣が調布飛行場の設置を共用飛行場として行いました。その後、戦後連合軍に接収されまして米軍の管理下に置かれたわけでございますが、逐次部分返還が行われまして、四十九年に至りましていわゆる調布基地の全面解除が行われたわけでございます。その間におきまして、三十年に一部解除が行われましてから民間の小型航空機の使用が開始されまして現在に至っているわけでございます。
○和田静夫君 それは一番最初のところは間違いありませんか、昭和十六年というところが。
○政府委員(永井浩君) 昭和十六年の三月に逓信大臣が東京府と相談をいたしまして設置を許可しておる、こういう記録になっております。
○和田静夫君 昭和十五年、陸軍省との関係はありませんか。
○政府委員(永井浩君) その前に、昭和十五年に調布飛行場設置に関する協定書というのがございまして、その際に陸軍省、逓信省、それから東京府という三者でもって協定が結ばれております。
○和田静夫君 そこのところが問題です。 そこで、昭和四十七年のこの返還に当たって、運輸省は東京都に対して、飛行場の暫定使用につき協力を要請をした、東京都はこの要請を受けて三年以内のうちに代替空港を選定をして、そうして移転するなどの条件をつけて暫定使用やむなしという結論を出した。それが四十七年の四月三日でありますが、この事実関係に間違いはありませんね。
○政府委員(永井浩君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 そこで、代替空港を選定することを条件に空港使用が容認をされたわけでありますが、この間、かわりの飛行場探しというのは具体的に進みましたか。
○政府委員(永井浩君) 当時代替空港の選定の作業をやったようでございますけれども、これにかわる適当な代替空港用地はなかった、このように聞いております。
○和田静夫君 もしやったと言われるのなら、どういうふうにやったかちょっと説明してください。私の方はやったと思っていないんですがね。
○政府委員(永井浩君) ただいま手元に資料がございませんので、また後ほど御報告さしていただきます。
○和田静夫君 いまの答弁だと、結局はかわりの空港は初めから可能性がない。それで暫定使用そのものがこうずっと続く。これはもう私は自治体と運輸省との間におけるところのまさに信義違反という感じがするんです、今日までずっと放置されている状態というのは。たくさんの住民から投書が来て、この問題をやろうというふうに考えたんですがね。自治体との関係のこの暫定使用の約束、それを運輸省というのはどういうふうな性格のものだとお考えになっていますか。
○政府委員(永井浩君) 調布空港の敷地は都有地が大部分でございますので、当然地権者とそれを使用する立場との関係がまず第一だと思います。 それからそのほか、法律上の問題ではございませんが、空港の所在公共団体と空港管理者というのは常に地域社会に調和できるようにというふうに私ども努めておりますが、そういった立場での都と国という問題もあろうかと思います。
○和田静夫君 厳密に言いますと、運輸省がかわりの空港探しを怠るということがすでに私は暫定使用の約束に反し、効力を失うことになるのではないか、こういうふうに考えているんです。それは一応おくとしても、昭和五十年三月に暫定使用の期限は過ぎたわけですね。ということは、運輸省は自治体としての東京都に無断で都有地を離着陸場として使っていることになる。これはそういうことですね。
○政府委員(永井浩君) 五十年の三月に協定が切れたのは事実でございますけれども、その前一月に、東京都に対しまして引き続き継続使用について要請をいたしております。したがって、都との関係で全然無断というわけではございませんで、一応私どもの方の気持ちは都に伝えたわけでございます。
○和田静夫君 いや、しかしいわゆる暫定使用の期限というものが切れるから協議に入ろうとした。しかしながら、使ってもらわれちゃ困るという側はそれは使ってもらっちゃ困る、こういう形でもって協議が成り立たない。成り立たない状態の上で、土地の所有権者の承諾なしに、今日法律的形の上で言ってみれば土地を使用しているという事実関係は生まれている、そういうことですね。
○政府委員(永井浩君) 確かに法律的あるいは契約上、そういった関係が都と国との間におきまして切れたのは事実でございますが、その当時私どもが継続使用を要請しておりますし、いろいろ種々アプローチをしておりますので、その点全くの無断使用とは考えていないわけでございます。
○和田静夫君 いや、あなたの方は考えていなくたって、片方の方は無断使用だと考えているんだから、したがって、私が正確に言ったとおり、いまの段階は、いまの状態というのは、土地の所有権者の承諾なしにその土地を使用しているという事実だけは存在をしている、これはいいんでしょう。
○政府委員(永井浩君) その後五十二年に至りまして都とのいろいろ話し合いが持たれまして、都の方としては、縮小してこれを継続使用を認めるというような考え方もお持ちのようでございますので、必ずしも全くの無断使用とは私どもは考えていないわけでございます。
○和田静夫君 しかしながら、暫定使用の約束の期限というものは明確に切れて、そしてその継続性についてのいわゆる協議が相調わない状態でもって——まあ後ほど言いますが、いろいろの関係の人が使うという形になっている。あなたの方は使用料も払っていないわけですから、そういう事実というのは明確に存在をする、これは間違いありませんね。それは事実存在するんだから、間違いないんじゃないですか。何も抗弁する必要ないでしょう。
○政府委員(永井浩君) 客観的に外見的にだけ見ると、先生のおっしゃるとおりかと思います。
○和田静夫君 ところで、調布場外離着陸場の、運輸省が管理して以降の年度別使用状況、ちょっと教えてもらえますか。いま出なければ、後で資料でもらいますけれども。
○政府委員(永井浩君) とりあえず五十三年の一月から十二月までの一カ年の着陸回数を申し上げますと一万九千六回でございます。それ以前のはちょっと手元に数字を持っておりませんが、おおむねこの程度の数字だと思います。
○和田静夫君 じゃ、以前の管理されてからのやつ、資料で下さい、後で。 きのうこの調布飛行場常駐機数調書という資料をあなたのところからいただきました。一々言葉じりをとらえるつもりはありませんが、運輸省は調布場外離着陸場と言う。これはあなたの方でつけられた名前ですからね。御自分で命名されたこの名前は大変気に召さないのかしらぬが、そういう名前を使わずに、調布飛行場常駐機数調書なんというような名前で来たんですが、この使用会社名ごとの常駐機数を見てみますと、アジア航測が四、有馬航空五、川崎航空三、共立航空撮影五、国際航空輸送六、水産航空一、大洋航空七、中央航空十、東邦航空七、日本フライングサービス二十一、東日本航空二、阪急航空二、本田航空二、東洋航空二、こうなっていますね。これはこのままでよろしいですか。
○政府委員(永井浩君) お示しのとおりでございます。
○和田静夫君 こうなっていますから、これらについて当然東京都の承認を受けるべきだと思うんですが、これは自治体の了解を得ている会社ですか。もし得ていないとすれば、いま読み上げた会社のうちのどれが了解を得ているわけですか。
○政府委員(永井浩君) いずれも東京都の承認その他の関係ございません。
○和田静夫君 本当ですか、それ。承認受けていますか、これ。
○政府委員(永井浩君) いや、受けておりません。
○和田静夫君 あ、全部受けていないんですか。
○政府委員(永井浩君) はい。
○和田静夫君 私が調査した結果では、東邦航空と新日本整備会社だけは受けているというふうに調査をしましたがな。それもないわけですかね。
○政府委員(永井浩君) 航空関係の関係、つまり飛行機をそこへ置くとかあるいは着陸するというような関係では、地権者たる都とは何ら関係ないわけでございまして、そのほかに、たとえば別途都有地を使用するとかあるいは都の仕事を引き受けるというようなケースがあるかもしれませんが、その辺は私どもも把握できない状態でございます。
○和田静夫君 自治大臣、自治体との関係の合意でもって暫定的に使用を開始した以上、自治体との間の合意、了解は守られるべきですね。——お休みになっていらっしゃるがな。だめですよ大臣、あなた寝ていて局長に答弁させるなんというのは。
○委員長(寺田熊雄君) ちょっと局長、委員長は許可していませんよ、質問者は大臣が答弁してほしいと言っている。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御質問の点は、そのとおりだと考えております。
○和田静夫君 ところで、この離着陸その他空港施設の利用について、使用料等を徴収していると思うんですが、昭和四十七年の運輸省管理開始以来、年度ごとの徴収額、ちょっと教えていただけますか。
○政府委員(永井浩君) 五十二年度を申し上げますと、着陸料が八百三十八万三千円、それから夜間照明料百七万九千円、それから停留料、これは飛行機をとめておく経費でございますが、六百五十二万四千円となっております。五十一年度は、同じく着陸料三百七十六万六千円、夜間照明料五千円、停留料五百九万九千円となっております。
○和田静夫君 これは四十七年以降のやつ、後で資料で下さい。
○政府委員(永井浩君) はい。
○和田静夫君 委員長、よろしいですか。さっきからの資料のやつはいいですか。
○委員長(寺田熊雄君) 資料を求められるわけですか。次長いかがですか。
○政府委員(永井浩君) 提出いたします。
○和田静夫君 運輸省は都の所有地を事実上管理し使用している。それにもかかわらず、都に、使用料といいますかね、借地料といいますか、これは支払っていませんね、いかがでしょう。
○政府委員(永井浩君) 支払っておりません。
○和田静夫君 法制局に伺いますが、昭和十五年の協定書、陸軍省、逓信省、東京府ですね、この協定書は、その後米軍が使用するということになりましたから、そしてその後、内閣調達庁、それから防衛施設庁の管理という事実関係が続いたわけですからね。こういう事実によって事情が変更したものと考えられますね。この事情変更についてどうお考えになりますか。
○政府委員(茂串俊君) ただいま問題になっております調布飛行場の問題につきましては、私ども従来全く話を伺っておりません。したがいまして、いま御指摘の三者協定なるものも、全く内容を見ておりませんし、その後の事情もつぶさにまだ伺っておりません関係で、この場で、事情変更があったかどうか、あるいはまたその協定自体の効力がどうなっているかということにつきましてお答えを申し上げることができないわけでございまして、その点御了承願いたいと思います。
○和田静夫君 そこのところは質問通告してあって非常に重要なところなんですがね。これは昭和十五年の協定書が陸軍省と逓信省と東京府の関係でできていた。その後米軍が管理をすることになる、占領することになる。引き続いて内閣の調達庁が、そして今日防衛施設庁の管理という事実。それから運輸省ということになっていますね。こうなってきますと、昭和十五年における協定書というのは明確に事情変更しているでしょう。事実関係で内閣法制局に求めるのがあれならば、ちょっと法律問題で……。 自治大臣に伺いますが、戦前の官選の東京府長官時代の陸軍省——これはすでに存在をしないのでありますが、及び逓信省との協定というのは、国と自治体との財政負担関係について、地方財政法第二条第二項の考え方に私は基づいていないと思うんですね。地方財政法第二条第二項は、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」と明確であります。これはもう財政局長もいらっしゃることでありますからこれは明確であります。この理念というのは、新憲法、地方自治法の精神に基づいて御存じのとおり規定をされています。そして、かつこれは実現をされるべきものとされているのであります。ここは自治大臣よろしいですね。
○国務大臣(澁谷直藏君) そのとおりだと考えます。
○和田静夫君 そこで法制局、いまのことでも明らかでしょう。新憲法、地方自治法施行によって、昭和十五年の協定は背景に大きな事情変更があったと考えるのは当然じゃありませんか。
○政府委員(茂串俊君) 確かに、御指摘のように大きな事情変更があったことは間違いないと思います。ただ、それが果たしてその三者協定の効力にどのような影響を与えるかということまでは、先ほど申し上げたようなことで、申しわけございませんけれども、お答えしかねますので御了承願いたいと思います。
○和田静夫君 これはお答えしかねるのじゃとても話にならないので、法制局長官はどこに行っていらっしゃいますか、きょうは。これは長官にでも来てもらって答弁してもらわなければならぬ。 いま言ったように、新憲法、地方自治法施行によって、明確に、昭和十五年の今日存在をしない陸軍省を含んでの協定などというものは事情変更していることは明らかじゃありませんか。それはもう明らかですね。そう理解しておいてよろしいですね。まあ自治大臣が御答弁になったのですから、自治大臣の答弁を否定をするのは、法制局長官が来てやられるのなら話は別ですがね。あなたはここでそれを否定をされますか。
○政府委員(茂串俊君) 事情変更があったことにつきましては、先ほどの答弁でも申し上げましたように、これは大きな変更があったということ、これはもう間違いございません。
○和田静夫君 はい、そこで結構です。 そこで、事情が変更をしている。かつ戦後の地方自治の精神に反した疑いのある協定でもって自治体に無断かつ無料で自治体の所有地を使用することが認められるはずはない。この点は自治大臣としても、自治省としても、都及び運輸省に事情を聞いて改善の労をとられるべきだと思うんですが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘の点につきましては、私もとにかく古い協定でございますので、大きな事情の変更のあったことはこれはもうだれが見ても明らかでございますし、私は運輸省とも十分話し合いをいたしまして改善するように努力したいと考えます。
○和田静夫君 そこで、防衛施設庁は、あなたのところで管理をされていた時代には都に使用料を支払っていらっしゃいましたね。
○政府委員(多田欣二君) 支払っておりました。
○和田静夫君 だから運輸省、法制局も含んでですが、あなたの前に管理しておったところはちゃんと支払っておったわけですからね。そこのところは記憶しておいてください。その防衛施設庁が支払われておったときの名目及び年度ごとの金額、算定の根拠を教えていただきたいのですが、いま出なければ後で資料でいただきますが。
○政府委員(多田欣二君) 私どもが自治体からいわゆる固有財産を借ります場合に、一応使用許可という手続で借りておるわけです。これは通常の契約とは違いまして、たとえば東京都なら東京都が、その条例、その他に基づきまして私どもに使用を許可する、その際に使用料につきましても都側で計算をいたしまして、これだけの使用料で使用を許可するということにしていただいて使わしていただいておると。したがいまして私どもは都から示されました使用料を都に納付をする、こういう形になっておるわけでございます。
○和田静夫君 大蔵省、こういうふうに、同じ施設なのに防衛施設庁は使用料を支払われる、運輸省は支払わない。こうした予算査定が、所管が違うとはいえ、なぜ生じてそれをだれも疑わないのでしょうかね。予算査定の根拠を教えてもらいたいのですが。
○説明員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねでございますが、本件につきましては、私どもの立場では、先ほどお話にもございましたように、運輸省が都の方に使用料を支払っておられない。予算要求としても要求がないわけでございます。したがいまして、事実として予算に計上はいたしておりません。 ただ、いままでの御議論を伺っておりますと、いろいろな経緯があるようでございます。この点はさらにまた運輸省から十分お話を伺い、御相談してまいりたいとは存じますが、従来の経緯あるいは五十四年度予算の問題といたしましては、予算に計上されていないことは事実でございます。
○和田静夫君 そこで大蔵省、その関連ですが、調布場外離着陸場は、空港整備計画の一環としまして空港整備事業費が毎年計上されているようであります。その額、算定の根拠を教えていただきたいのですが。
○政府委員(永井浩君) 調布飛行場の予算につきましては、その補修維持に必要な最小限度の予算を計上しておりまして、現在御審議をいただいております五十四年度予算案では、管制塔が非常に老朽いたしておりますので、これを改修いたしたいということで二億二千七百六十万円を要求いたしております。
○和田静夫君 この空港整備事業費の調布場外離着陸場に関する部分ですが、この部分の予算使用状況、未使用額を教えてください。
○政府委員(永井浩君) 経年度の資料は手元にございませんが、五十三年度予算で申し上げますと、実は滑走路が非常に傷んでおりますので、滑走路の補修をいたしたいということで約七千万円を計上しておったわけでございますが、都あるいは地元との調整がつかず、現在は未使用でございます。
○和田静夫君 とにかく私はもう暫定使用期間中の使用料というのは都に支払うべきであろう、これは運輸省、そうお思いになるでしょう。
○政府委員(永井浩君) 過去のいろいろな経緯あるいは都としても返還してもらいたいといういろんな立場等もあったわけで、特に地代の請求あるいは支払いは行われていなかったわけでございますが、私どもとしては円満に、都あるいは周辺市との調整がつけば前向きに検討したいと、このように考えております。
○和田静夫君 防衛庁、ところで、海上自衛隊機が調布場外離着陸場を使用されていますが、この利用状況を説明してください。
○説明員(田中守男君) 海上自衛隊は、現在B65型航空機を二十九機保有しておりますが、その航空機の定期修理の際に、修理担当会社が調布の新日本航空整備株式会社でございまして、そこに搬入及び搬出するとき、それから試験飛行をいたしますが、その際に使用しているのみで、常時使用してはおりません。
○和田静夫君 そういうときにはあれですか、自治体の了解は得られているわけですか。
○説明員(田中守男君) 運輸省は公共用飛行場に準じて管理をしておられますので、そのコントロールのもとに使用させていただいているという状況でございます。
○和田静夫君 そうすると、自治体との関係は接触なしということですか。
○説明員(田中守男君) ありません。
○和田静夫君 これは私は、やっぱり自治体、特に防衛庁のそれぞれの機が自治体に対して無断で使用をするということにはならないと思うんですが、’そこのところはどうなりますか。
○説明員(田中守男君) これにつきましては、運輸省と東京都の間で御調整があればそれに従うつもりでおります。
○和田静夫君 空港施設使用料というのは支払っていらっしゃいますか。
○説明員(田中守男君) 支払っておりません。
○和田静夫君 そうしますと、海上自衛隊機も自治体に対しては無断、無料使用ということになる。ここのところはやっぱり改めなきゃならぬ、修理で使うときですね。さっきからの論議からいけばそうなりますね、これは。
○説明員(田中守男君) 私どもは、修理のために新日本航空整備株式会社の工場に搬入するために持っていくものでございまして、自衛隊としてそこで飛行機を使用しているものではございませんので、先ほどのようにお答え申し上げた次第です。
○和田静夫君 いわゆる都有地にあるところの飛行場に、あなたのところは飛行機は離着陸に使わずに、そこを使っているところの修理会社のところへ、飛行機をそれじゃどうして、担いでいくの。整備にいくんだから故障しているんだからそれじゃ自動車で運んでいくの。飛行場使わないの、結局は。
○説明員(田中守男君) 着陸料等の使用料につきましては、公共用飛行場に準じまして、運輸省からいわゆる公用のために使用される航空機として着陸料は免除されておりますので、支払っておらないわけでございます。 なお、土地使用料等につきましては、これは先ほど申し上げましたように、運輸省と東京都の調整があれば、われわれはその方向で納めることも含めて検討したいと思います。
○和田静夫君 私の方は、とにかく、少なくとも防衛庁は自治体との関係においてもう少し直接的に協議をする、そういうことをやる必要があるのではないだろうか、そういうふうに私は考えます。そこのところを検討してもらえばいいんですがね。特に私は防衛庁なるがゆえにもっと慎重でなけりゃならぬと思うんです。海上自衛隊機が修理のためにやってきていますというふうには付近住民は思っていませんからね。その辺のところは、やっぱり防衛庁が置かれているところの立場というようなものも十分勘案をされながら慎重であるべきだ、そういうふうに意見を述べておきます。 総じてもう一遍運輸省に述べておきますが、先ほど自治大臣から答弁がありましたように、これはもう明確に、地方財政法の二条の二項との関連においてあなた方がやっていることは無法な行為である。したがって、そこはもう改善のために最大限の努力をされる、改善される、こういうことでよろしいですね。
○政府委員(永井浩君) 基本的には先ほど自治大臣からのお答えの線に沿って、私ども関係各省と相談いたしまして善処したいと思っております。
○和田静夫君 そうしますと、各省の関係は結構です。各省の関係といいましても、国土庁など、田園都市論争で質問を要求している省は別としまして。 この地方債協会、これは仮称なようでありますが、設置をされる予定だと聞いているんですが、これは現在どのようになっているわけですか。
○政府委員(森岡敞君) 御承知のように、地方財政の諸般の状況から地方債の発行がかなり多額に上ってまいりました。ことに政府資金や公営企業金融公庫資金以外のいわゆる民間資金の調達に依存する度合いがかなり強まってきております。三千を超える各府県市町村が民間資金の調達をいたします際に、基本的に金融市場の状況、あるいは他の地方公共団体の地方債発行の条件等につきまして、情報が必ずしも十分に行き渡っていないということから、まあ端的に申しますと、不利な条件で起債の発行をするというふうな事例が間々見受けられるわけでございます。そのようなことから、関係府県なり市町村の方でもっと情報を収集して整理をしてもらいたい。それを行き渡るようにしてもらいたい。同時にまた、地方債の発行につきまして研究なり調査をいたしたいというふうなことから、そういういまお示しのような地方債協会というふうな団体をつくって、そこで情報収集を的確にやってもらいたいという意見が出てまいりました。私どもも、これは現在の情勢を考えますと必要なことだと思いますので、それに協力してまいりたいということで、いま鋭意その団体の設立につきまして関係地方団体と相談しながら準備を進めていると、こういう状態でございます。
○和田静夫君 そうしますと局長、これ協会設置の目的は大体わかりましたが、事業形態ですね。これは財団法人、社団法人、それから財団法人ならば寄付行為に必要な資金の提供予定者だとか、そういう事業内容というようなものは煮詰まっているわけですか。
○政府委員(森岡敞君) いまいろいろ準備を進めておる段階でございますが、概括的に申しますと、まず第一は、業務内容といたしましては地方債の情報の整備、これが第一でございます。 第二は、地方債に関する調査研究、たとえば国債につきましても、長期国債の売れ行きが非常に思わしくないというようなことから、短期国債の発行もいろいろ検討されております。そういう面も、地方債におきましても銘柄の多様化というふうな問題もございますし、あるいは地域住民の直接の消化ということも考えてまいりたいと、そういうふうなことから調査研究をやっていきたい。 それから第三番目に、地方債関係の職員の研修なぞもやってまいりたい。以上三点が業務内容でございます。 経費につきましては、地方公共団体のいわば共同の協会でございますので、基本的には地方公共団体のそれぞれの応分の負担によりまして必要な経費を賄ってまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 財団法人ですか。
○政府委員(森岡敞君) 公益法人として設立いたしたいと考えております。
○和田静夫君 そうすると、公益法人でありますから、設置については主務官庁すなわち自治大臣の認可が必要だと、そういうことですかね。
○政府委員(森岡敞君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 私は別の機会にもっと突っ込んだ論議をしたいと思います、まあ論議する機会があるかどうかは別として。 地方自治法二百四十五条ですが、自治大臣の技術的助言に関する規定があるわけですね。また、自治省の設置法の十二条の十一号では、財務事務に関する報告の徴収、調査、助言に関する規定がある。で、これは埼玉銀行の例の金利問題があったからの発想が一つだろうと思うんですが、本来ああいうやつは自治省そのものが助言をしてそして誤りのないように努力されなければならない事項ではないかというふうに私は考えるんですよ。どうもいま局長が言われるようなことで公益法人をつくって云々ということには短絡しないんじゃないだろうか。で、そうした問題を契機に——契機でなければ別ですが、ああいう問題を契機にしてこういう発想が生まれたというのであったならばこれは筋違いではないだろうか。現在休眠法人をずっと廃止をする時代的要請があるわけですからね。この辺はどう考えておいたらいいですか。
○政府委員(森岡敞君) 私どもも、自治省の地方公共団体に対する財政に関する指導、援助という自治法の規定に基づきます事務、これはもう私どもの本来の使命でございますが、ただ、率直に申しまして、地方債課という課でやっておりますけれども、職員数も非常に限られておりますし、どちらかと申しますと地方債の許可に追いまくられておるというふうな実態でございます。端的に申しまして、こういうふうな情報の体系的整理あるいは研修、調査研究という面が率直に申しましておくれておるということは否めないと思います。で、三千を超える地方公共団体、それぞれみずからの権能に基づきまして起債をしておるわけでございますので、共同してそういう面についての研究なり情報収集を行うということは、私は非常に意義もありますし、また自治省の足らざるところを補っていただくという面におきまして有意義だと思うのでございます。 御指摘の休眠法人の整理の問題はいま課題になっておりますが、私どは、これはもう休眠法人どころではございませんで、大変活発な活動をして地方公共団体の財政の適切な運営に資することができると、かように考えておる次第でございますので、御理解を賜りたいと思います。
○和田静夫君 大臣、いまの財政局長の答弁だと、大変善意に私は解釈しまして、そうすると、こういうものをつくっていくと、自治法二百三十条の精神というものはちゃんと生まれてきますと、起債は首長がやっぱり自由に判断をしてやっていくんですと、もう政府は干渉いたしませんと、二百五十条なんというものは必要でなくなりますと、ただし書きの部分は。そこまでずっと展望されてやられると、こういうことになりましょうか。
○政府委員(森岡敞君) いまの問題は起債の許可制度を改めてはどうかという御趣旨だと思いますが、起債の許可制度につきましては、私どもは、常々申しておりますように、基本的に民間の資金需要それから公共の資金需要との調整という問題が総括的にございますし、また個々の地方公共団体に政府資金なり民間資金を適切に配分していくという必要もございますから、やはり当分の間はなお許可制度は続けていく必要があろうと。 しかし、ここで地方債協会というような形で考えておりますのは、先ほども申しましたように、地方債の発行につきましてできるだけひとつ的確な情報を地方公共団体が自分自身のものとして獲得できる、それによりまして金利の情勢に応じて適切な起債発行ができて不利な状況にならないと、こういうことを期したいということでございますので、許可制度の問題とは区分して私どもとしては考えておる次第でございます。
○和田静夫君 そうしますと、大臣、いま財政局長から陳情があったように、地方債課というのは人間が足りないと、で情報活動が十分じゃありませんというのなら、もう少し大胆に地方債課の定数増の要求ぐらい大臣やられたらどうですか。外に法人を求めるというよりもその方がいいんじゃないですかね。自治体が自治体同士で自由に何かをつくるというんなら話は別ですよ。
○国務大臣(澁谷直藏君) この地方債協会の設立の問題については、私まだ十分説明を聞いておりません。ただ、和田さん御案内のように、最近、国債はもちろんでございますが、地方債の発行額も非常に巨額になってきております。したがって、これの消化をどうするかということは、これは地方財政の運営の上から考えても非常に大きな問題になってきておるのは言うまでもございません。したがって、そういったいままでなかった新しい事態が起きてきておるわけでございまして、地方自治体といっても、大は東京から小さな市町村まで三千を超えておるわけでございますから、それぞれの自治体がそういった公債というようなものについての十分な知識を持っているということも考えられないわけでございまして、そういう点を考えますと、地方債課の人が足りないなら増員したらどうかという御指摘もこれはもう考え方としては当然のことでございますけれども、一応それと切り離しても、私はいま考えておる地方債協会というようなものは、むしろ自治体の要請にこたえるものではないかという感じをいたしております。
○和田静夫君 これでちょっともう一つだけ。さっき私が言った、発想の根源には、いままあ非常にきれいないろいろ出ていますが、結局埼玉銀行のあのことが発想にありますか。
○政府委員(森岡敞君) 埼玉銀行が東京都におきまして非常に安い金利で起債を引き受け、地元の埼玉県においては高金子で引き受けたと、それも一つの私どもとしては問題点だと思っております。しかしそれだけではございません。そういうふうな事態が生ずるということが、基本的に、やっぱり各地方公共団体を通じまして情報が十分行き渡っていないというところにもう基本的な問題があると思いますので、いま大臣から申し上げましたように、地方債の発行がこれだけ多額になってまいりますと、公債管理という問題も含めまして、本当に地方債についての適切な情報収集なり指導というものをやっていきたいという基本的な考えでございます。
○和田静夫君 まあ私は先ほど意見を述べましたから、私の意見は私の意見でありますから、なお別の機会にこの問題は論議をいたしたいと思います。 最後に田園都市問題についてでありますが、これは自由民主党の総裁争いのさなかに総裁候補であった現大平総理が田園都市構想を打ち出されました。時の権力者の言ということもありましょうが、一方、何事にも控え目であると、みずから調整役にとどまるんだと言っていらっしゃる大平さんが積極的な発言をされたばかりじゃなくて、かなりテレビ等では熱っぽく語られたわけですね。その田園都市構想は今日広く国民の注目を集めていることは間違いありません。ジャーナリズムも連日取り上げている。国会でも衆議院予算委員会で論戦がある。しかも、今日までのところ総理の田園都市構想というのは実態がない。御本人もまあ実態がないことを述べていらっしゃいますがね。いたずらに全国自治体に混迷を与えているという状況が、大臣本当のところだろうと思うんですよ。で、高度経済成長期が安定成長に移行をして国民の価値観が多様化をした。中央集権政治から地域主義的な分権思想、一九八〇年代へかけて地方の時代だというような言い方がずっとされてくる。田園都市構想という政治選択は、けだし国民の関心をもう呼び集めるにはかっこうの看板であることは間違いがなかった。しかし、総理が言われた田園都市構想に関する発言が、こういうような国民的状況を意識をされて、総裁選挙を勝ち抜くために利用をされた単なるスローガンであったということになりますと、私ははなはだ国民にとって迷惑な話である、私はもちろんそういうふうには信じたくはありませんが。 そこで、この機会に田園都市構想をめぐって若干真意をただしたいんですが、もっとも真意といっても御当人がいないわけでありますから、一応自治省の考え方をただすと。きょうの各省の考え方を聞いて、予算委員会で大平さんにじかに田園都市問題の論戦を私やろうと思って準備はしていますが、まず第一に、総理の私的諮問機関である田園都市構想研究グループ、これはどういう人で構成されて、何を諮問されて、いつごろまでに意見なり答申をまとめられるのか、総理府。
○説明員(照山正夫君) ただいまの先生御指摘の総理の私的諮問機関とおっしゃいましたのは、総理が総理としての仕事をなさっていく上で参考となる意見を徴するための勉強会でございます。
○和田静夫君 メンバーは。
○説明員(照山正夫君) メンバーはグループによりまして違いますが、学者の先生方を大体十名ぐらい、あと行政機関の実務で経験学識あるという人たち数名で構成してございます。 それから、特別の諮問という形ではございませんで、それぞれ発足をいたしまして勉強をするという形で、実際上勉強は田園都市構想につきましては始まっているという状況でございます。
○和田静夫君 メンバーなどは後で資料をもらえますか。
○説明員(照山正夫君) はい、提出いたします。
○委員長(寺田熊雄君) その資料はこちらへですか。
○和田静夫君 はい。委員長のところへ届けてもらって……。
○委員長(寺田熊雄君) それじゃ、提出されますね。
○説明員(照山正夫君) お答えします。 名簿を、では委員長の方に差し上げたいと存じます。
○和田静夫君 そこで、自治省にお聞きをしますが、「田園都市構想の具体的推進について」、サブタイトルとして「地方自治体の創意とイニシアティブによる新しい地域社会の形成」という資料を出されています。自治省は田園都市に対する基本的考え方として二つの点を挙げられている。第一は「都市と農村の一体的整備」。第二は「地方自治体の創意による施策の展開」。第一の点については、「都市のもつ恵まれた都市機能を周辺農山漁村の住民が享受でき、同時に豊かな農山漁村が都市を支えるような都市と農山漁村を一体とした望ましい空間を創る。このため、中心都市の雇用機会、教育、医療、文化等都市機能の集積を高め、同時に周辺農山漁村の生産、生活環境の整備を促進し、」云々となっている。 この都市と農村を一体として整備するという考え方は、これはいまに始まったことではありません。昭和三十六年の第一次全総計画の際の新産都市構想でもそうでありましたし、それから新全総、昭和四十四年の際の広域市町村圏、そして三全総の定住圏構想においても同じことを繰り返してこられました。経済の高度成長期、次いでその反省期、そして安定成長期、それぞれの構想の経済的背景は違いますが、この目標としているところは私は変わらなかったと思うんですね。 たとえば広域市町村圏について言いますと、その振興整備措置要綱の中で、「都市および周辺農山漁村地域を一体とする日常社会生活圏を場とする新しい地域の振興整備に関する施策の展開」が必要であると力説された。それを実現する仕組みとしては広域市町村圏を設定することになっている。そして、いろいろ問題はありましたが、現在では三百二十九圏域が指定されている。しかも、その広域市町村圏は大都市周辺地域とか沖縄県を除いて全国をカバーし、かつ日本の有力都市が皆その広域市町村圏の中心都市となった。全国のほとんどの有力都市がこの周辺の農山漁村と一体となって広域的地域振興整備計画を立てて実施しているという状況になっているんですね。 そこで問題となるのは、都市と周辺の農山漁村が一体となって生きがいのある日常生活圏の整備を全国的に実施しているというそういう中で、同じような考え方に立った田園都市構想というのはこれとどういうかかわり合いを持つんだろうかということであります。田園都市構想といっても、既存の都市や生活圏のほかに何かを考えようということではないはずであります。すると、既存の広域生活圏域に対してどこをどうするのか、あるいはその一部を取り上げて何かを行うというのか、あるいはまた田園と都市を結びつけた田園都市というのは何であるのかが問題になると思うんですね。自治省の基本方針を見ましてもね、別にこれは新味がないんですよ、大臣。私たちは長くこれ論議に参加させてきてもらった、地方行政委員会では。どこをどうするのか、またその選択の基準となるこの田園都市という概念というものが何なのか、はっきりしないんですね。ここを自治省と国土庁、きょうちょっとはっきりさせていただけませんか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のように、この田園都市構想というものの底に流れておる基本的な考え方は決して新しいものではないと思います。しかし、高い都市機能とそれから田園の持つ自然環境というものを調和した一つの生活空間をつくりたい、つくるべきだという考え方に対しては、これはもう多くの国民はぜひそういうものをつくってほしいと、こういうふうに考えておるだろうと思うのです。 それで、私は自治省の立場で考えておるわけでございますが、御指摘のように全国広域市町村圏、大体二百三十近いネットワークのようなもので日本全国カバーしておるわけですね。それで、田園都市構想という総理の構想には、御承知のようにそういった都市と田園が調和のとれた人口二十万ないし三十万のそういった一つの区域をつくりたい、都市をつくりたいと、こういう考え方であるわけでございますから、そういった基準で、この全国をカバーしておる広域市町村圏の中から、それに最も適当である、ふさわしいような地区を選別をいたしまして、そこに国、地方一体になっていろいろな施策を集中的に行っていく、こういうことではないかというふうに、まあ私は考えておるわけであります。
○説明員(白井和徳君) 国土庁でございます。 ただいま自治大臣のお答えに基本的には尽きると思っております。で、われわれは総理の田園都市構想は、今後の日本の進むべき方向について自由かつ幅広い立場で国づくり、社会づくりの基本的理念を展開したものであるというふうに理解しておりまして、具体的には、三余総におきまして、いわゆるその田園都市構想の目指す地域づくりに当たりまして、いわゆるその基盤を計画的に整備するという役割りを三全総が担っているんだということで、この三全総に基づく定住圏整備を促進することによりまして田園都市構想の具体化に大きく貢献し得るんではないか、かように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 実は、私の方がちょっと時間がないものですから急ぎますが、新広域市町村圏計画というのは、これは行政局長どんな考え方があるんですか。
○政府委員(柳沢長治君) 新広域市町村計画は、従来の広域市町村計画が定住構想を進める場合の受けざらとして十分かどうかと考えた場合に、広域ネットワークであるとか事務の共同処理事業に傾斜しておるということでございますので、総合的な地域づくりをするような、そして定住構想の受けざらにふさわしいようなものにしたいということで新しい計画をつくらせると、こういうことにしたわけでございます。
○和田静夫君 これは予算なんかもあれですか、財政措置は。
○政府委員(柳沢長治君) 計画の策定費ですね、これに一部補助をいたします。
○和田静夫君 少し見解を述べさせてもらいますが、現在、十五の新産都市と五つの工業整備特別地域が指定をされている。国の助成等を受けて整備計画が進行して今日に至っている。これは昭和三十七年及び三十八年の法律に基づいている。それぞれ地区指定がなされたわけですが、この新産都市は池田内閣の所得倍増計画及びそれに基づいて策定された全国総合開発計画に示された工業の地方分散のための地域開発政策を具体化したものである。これはもう周知のところですね。 この新産都市は既存の工業地域における集積のマイナスというものを除去をして、かつ経済の拡大に伴う設備投資需要に対処しようとしたものであった。その高度成長期という時代の特色が新産業都市という名称にもあらわれたというふうにわれわれは見ましたが、しかし、その新産業都市建設の意図するところは、大都市の過密の弊害を除去するとともに、新しい開発地域を人と自然及び都市と農村との調和のとれたものにしようとするところにあった。たとえば岡山県の南地区新産業都市建設基本計画、これは昭和三十九年十二月二十五日、政府が承認したものでありますが、その中にはこう書いてあるんですね。「工業開発に伴なう工業生産の増大、人口の流入、物資の流動等の急激な発展に対応するため、建設基本方針に基づき、地区全体の秩序ある土地の利用を計画して工場用地、住宅用地、公園緑地、農地等を合理的に配置するとともに総合的な都市機能を充実させるため、産業基盤整備に偏することなく、生活環境施設、教育施設、文化施設等の整備をはじめとする社会開発にも留意して、「太陽と緑と空間」のある人間尊重の都市づくりを行なうものとする。」と書いている。つまり、名前は新産業都市でありますが、その実態は、大平さん流に言えばまさに田園都市づくりそのものだと言えると思うんです。 一体、田園都市構想といま読み上げたような新産業都市づくりの構想とどう違うんでしょうかね。新産業都市は工業開発に重点を置いていると言えますが、田園都市といえども雇用の場づくりを重要視せざるを得ないはずであります。したがって、この両者に基本的な考え方の違いがあるとは思えない。自治省としてはこの点をどうお考えなのか。田園都市構想の概念をはっきりさせるためには、ここのところをひとつ御意見を承っておきたい。 それから、続けますが、ちょっと恐縮ですが、私はこの地域政策には大きく分けて総合開発施策と個別施策があると思っています。すなわち一定圏域を範囲としまして総合的に開発政策を推進する、そういう施策と、特定地域の状況に応じて、雇用とかあるいは特定不況業種の救済を図るなどの政策を推進する施策。 そこで総合開発政策というのは、文字どおりあらゆる施策を総合的に計画をして実施するものでありますから、総合開発計画でありながら対象区域が異なるということは、同じレベルの施策としては本来あってはならないと思うんですね。ところが新産都市は、旧全総、いわゆる第一次全国総合開発計画に基づく総合開発計画である。それから広域市町村圏は新全総、すなわち第二次全総計画に基づく総合開発計画である。ともに総合開発計画であり、都市と農山漁村を一体にした地域づくり、都市づくりを目的とするものであるから、新産業都市の設定されている区域では、本来両者を一本化して、必要があったならば新産区域の、あるいは広域市町村圏区域の見直しを行って、そしてその間の区域がまちまちにならないのが本来望ましい姿であったと私は思うんです。ところが、新産都市は法律に基づいてかつ審議会等の議を経て政府の承認したものである。ところが一方、広域市町村圏は、これは自治省の側にとっては不幸にして、市町村連合法案をめぐる私との論争を通じて廃案にしましたから、法律はでき上がらなかったから、したがって、自治省の行政措置でこれは実施されていくというようなこともあるでしょうが、法的には手続や重みがその意味では違ってきているはずです。新産都市はすでに広域市町村圏に比べて六、七年も先行している。そうすると、いろいろ問題があるかもしれませんが、高度成長から、その後反省期という時代の転換を迎え、それゆえに全総計画自体が見直される必要が生じたわけであって、新産都市も新しい時代の要請の中で衣がえしてもよかったはずであります。 実はわが国の総合地域開発政策というのは、いろいろ考えてみても、古いものを古いまま、別の言い方をすれば各省のなわ張りをそのままにしてその上に新しいものを次々とつけ加える。しかも各省別々に予算獲得に奔走する。地方自治体の側からすると、新規施策をどう受けとめたらよいのかという混乱が生じていることはもう明確です。新産都市、広域市町村圏、地方生活圏、その上に定住圏、そして今度は田園都市と、追いかけるように国の施策が先行するわけでありますが、この際政府としても十分反省をされる必要があると思うんですね。 広島県の宮澤知事は、地域づくりの構想は早く一本化し、政府の窓口を一本化することが先決だと。私、宮澤さんと行政局長時代ずいぶん地方行政委員会で論争をしましたし、その前にお書きになったいろいろな本も読ましていただいて、ある部分において、いわゆる地域主義という部分においては大変共通する部分がありました。その人がいま知事になって政府に向かってこういう発言をされているわけですね。そして政府施策が多様化することは御免だと、こう自治省事務次官までいった人がいま知事になってはっきり物を言われているわけですから。特色ある地域づくりは地方における発想と行動の多様化、そのことが必要だとまで言い切っていらっしゃいますよ、彼は。ここのところね、自治大臣の所見を承っておきたいと思う。私は自治大臣と総理大臣の所見が違うことを実は期待をして、予算委員会の準備のためのあなたの答弁でございますので……。 以上二点、ひとつ。
○国務大臣(澁谷直藏君) 最初の、新産都市と田園都市が一体どこが違うんだ、こういう御質問でございますが、これは私は、新産都市を立案し、計画をして推進したときの時代の背景の差と言っていいんじゃないかと思うんです。何といっても、日本が高度経済成長が軌道に乗り出して、経済の拡大拡大という形で進んでいったときに考え出された構想が新産都市でございますから、どうしても、自然との調和というようなことを一応文句ではうたっておりますけれども、何といっても中心は工業開発、それの受けざらをどうつくるか、こういうことに重点が置かれておったことは、これはもう客観的に否めないと思うんです。それが漸次行き詰まって、いろんな公害も出てきた、時代の背景が大きく変わってきた、こういうことだと思うんです。そういう客観的に時代の背景が変わってきたというものに対応して、今度は工業開発、産業、そういったものに傾斜するのではなくて、やはりみずみずしい自然の環境というものも、それにむしろ重点を置いて、新産都市の工業傾斜を、むしろこれを修正するといいますか、見直します、こういったような発想で打ち出されたのが田園都市構想ではないかと私は考えておるわけであります。 それから、二番目の御指摘の広島の知事の発言等も引用されてお話がございましたが、私は和田さんの考え方と全く同じく考えておるのです。政府はこれは一つでございますから、それが各省ごとに、やれ広域市町村圏だ、定住圏だ、生活圏だ、それぞれ各省が思い思いのことを言って、それを全国の地方自治団体に押しつけるような行政のやり方がもしあるとすれば、こんな迷惑なことはないわけでありますから、こういった各省ばらばらのいわゆるセクショナリズムの悪弊というものは、これは私ども本当に努力して排除しなければならない非常に大事なことだと私は考えておるのです。 そこで、私は特にこの田園都市構想、いまや真剣に取り組んでおるわけでございますが、これを推進するに当たって大事なことが私は二つあると考えております。一つは、この田園都市構想を具体化する主体、中心はあくまでも地方であると、これが一つでございます。それから第二番目は、それを具体化するについては、当然政府各省の指導、協力というものがなければなりませんから、その場合に、御指摘のように、各省がばらばらに指導をするというようなやり方は、これは断固として改めなければならぬ。この二つを私は特に大事な点だと考えておるわけであります。
○委員長(寺田熊雄君) 午前の審査はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ————◇————— 午後零時五十四分開会 〔理事野口忠夫君委員長席に着く〕
○理事(野口忠夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十年度決算外二件を議題とし、自治省及び総理府のうち警察庁、北海道開発庁と、それに関係する公営企業金融公庫、北海道東北開発公庫の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○佐藤三吾君 まず、時間の関係もございますから、官房長官にお尋ねしたいと思います。 特殊法人の役員の選考が五十二年十二月二十三日に閣議決定されておりますが、この常勤役員の場合は、事前に官房長官と協議をして、総裁の選任は、協議の後、閣議口頭了解となっておる、これに相違ないと思うんですが、また選考基準については民間人の登用など五点を定めておりますが、その中で強く国民の批判が集中しておりました特殊法人の間のたらい回し人事、これは原則としてしない、高齢者の起用は原則として六十五歳、ただし、総裁、理事長の場合は七十歳までと、役員の長期留任は、避けることを原則として六年、特別の事情がある場合には八年となっておる、そういうふうにこの了解事項ではなされておるわけでありますが、そのなされた経緯、そしてなされた内容、これについてまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 佐藤委員御指摘の特殊法人の役員の人事につきましては、いま御指摘のとおり、天下りとか、たらい回し、それから高齢者などの問題について、国会はもちろんでございますが、いろいろな民間部門でもいろいろ論議をされ、批判もあったところでございますので、政府は、行政改革の一部としてその人事運用を通じまして特殊法人の業務の効率化の推進をするという立場から、内閣官房で見直しを行いまして、御指摘の昭和五十二年の十二月二十三日に閣議決定したわけでございます。 この内容につきましては、佐藤委員すでに御指摘のように、数項目に分かれております。ただ、この閣議決定につきましても、冒頭に、公庫、公団などの特殊法人の役員の選考に当たりましては広く各界有識者の中から適任者を選ぶということになっておりますので、この点を私どもも頭に置いて閣議決定のこの決定事項について特殊法人の役員の選考に当たっては十分考えて配慮しておるところでございます。
○佐藤三吾君 これは第八十国会の中でもずいぶん予算委員会で議論になっておりますね。で、その際の総理の——当時の福田総理ですが、この答弁を見ますと、言うならば、たらい回しの実例などの出された中で、たとえば二回、三回、四回と、こういうたらい回しということはよくないので、この際ひとつ早急に協議をして、そして国民の批判を受けないようなそういう措置をとりたいということが総理大臣の答弁にもなっておるわけですが、大体その中身として、たとえば役員の長期留任はこれを避けることとし、原則としておおむね六年を限度とすると、総裁または副総裁の場合には原則として八年とする、こういう内容なり、さらにまた年齢制限の問題について原則として六十五歳と。しかし、どうしても特別の事情がある場合に限って七十歳と、こういう表現がなされておるんですが、この中身は一体どういう意味を持つんですか。
○国務大臣(田中六助君) この中身は、すでに御指摘のように、役員の長期留任、そういうものを避けたいという気持ちからこういう年齢制限をしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 いや、その長期留任の中身として、たとえば六年というのは、当時のやりとりを読んでみますと、いわゆる公社公団の総裁なり副総裁というものを、一つのポストというか、そういう中で六年というんじゃなくて、通算して六年と、こういうように読める節もあるんです。そこら辺が、六年、八年の年限というのは、通算して八年を指すのか、一つのポストが六年という意味か、どういう意味なのか。
○国務大臣(田中六助君) これは通算という意味でございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、昨日任命しました、これは名前を出して恐縮なんですが、公営企業金融公庫総裁の柴田さんの例をとりますと、四十五年七月に本州四国連絡橋公団の副総裁に就任している。そうしてずっとそのまま五十一年の十一月に阪神高速道路公団の理事長就任、今回公営企業金融公庫の総裁、通算しますと八年七カ月になるというふうに私は確認しておるんですが、それに相違ありませんか。
○国務大臣(澁谷直藏君) そのとおりでございます。
○佐藤三吾君 その前任者の鈴木さんの場合が、これが四十二年七月の十七日、日本万博協会事務総長、四十六年の五月に首都圏の高速道路公団理事長、五十三年の一月が公営企業金融公庫総裁と、こうなっておるんですが、それも確認できますか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のとおりでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、官房長官、これは閣議決定に反する人事と、そういうふうに理解していいんですか。
○国務大臣(田中六助君) これは一応たてまえ、原則としてのことでございまして、先ほどから申しましたように、適任者というような、閣議決定にも適任者を人選するということ、それからもう 一つは、必ずしも例外を全く認めないという趣旨のものではないということを御認識いただきたいわけでございます。
○佐藤三吾君 例外人事であると、そういうふうにとっていいんですか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 今回公営企業金融公庫総裁に任命いたしました柴田氏の場合は、ただいま御指摘の閣議決定の線から言うと例外ということに当たるわけであります。 この例外という人事をどうしてやったかという事情を主管大臣として私から御説明を申し上げたいと思うのでございますが、御承知のように、公営企業金融公庫はその貸し出しの規模も一兆円を超えるようになりました。規模だけではなくて、その実際の業務の内容も、地方の行財政の非常に深い関係を持つようになってきておることは佐藤委員ももう御承知のとおりでございます。したがって、この公庫の総裁としてその責任を全うしていくという適任者は、そうだれでも勤まるというポストではないわけでございます。それで今回の人事は、昨年、当時公営企業金融公庫総裁であった細郷氏が、急遽辞任をいたしまして横浜の市長選に立候補したのも御承知のとおりでございます。もちろん任期途中だったわけですが。その後任として鈴木俊一氏を任命したわけでございますが、その鈴木氏が今回また東京都知事選の候補者として立候補が決まりまして辞任をされたわけでございます。一年ばかりの短期間の間に、いま申し上げたような事情で二人の公庫総裁が辞任をしたということは全くこれは異例のことでございます。私といたしましても、この後任人事についてどのような人を選考すべきであるかということをあらゆる角度から慎重に検討をしたわけでございますが、いま申し上げたように、非常に大きな地方行財政にかかわり合いを持つこの公庫の総裁としてだれが一番適当であるかということを中心に選考をしたわけでございますが、そういう角度から見ますると、柴田氏の場合は自治省の財政局長、事務次官等も歴任をしておられるわけでございまして、その手腕、力量、経歴、そういった点から考えて、柴田氏が一番適当であると、かような結論に達しまして、その観点から、あえて、閣議の決定の例外になるわけでございますが、ぜひひとつ柴田氏を採用していただきたいと、こういうことで内閣官房の方にもお願いを申し上げまして御了解を得て発令をしたと、こういう事情でございます。
○佐藤三吾君 いま自治大臣から例外人事の理由を聞いたわけですけれども、しかし官房長官、私がいま指摘したように、柴田さんだけじゃなくて、その前の鈴木さんも同じことですわね。あなたは、この閣議決定の内容を見ると、いわゆる事前に官房長官と協議をしてと、こうなっていますね。もともとこういう事前に協議をするということをわざわざこの中に入れて、そうして事後閣議で口頭了解をしなけりゃならぬという、そういう二重三重の枠をはめた理由というのは、いわゆる例外事項が多くて、それまでにたくさんの渡り鳥みたいな形でこの人事がやられておる、これではいけないから、そこをひとつ規制してきちっとしょうということが八十国会における福田総理の答弁であり、それを受けたいわゆる私は閣議決定事項だと思うのですが、違いますか。
○国務大臣(田中六助君) 慎重に、渡り鳥人事と言われるようなことがないように慎重に対処しなければならないという趣旨でございますと思います。
○佐藤三吾君 であるなら、この場合に、二期連続例外をやっていくと。一体官房長官としてはどういう判断をしてこれを了承したのか、いかがですか。
○国務大臣(田中六助君) 事前に協議ということがまさしく行われまして、種々澁谷自治大臣とも、その他の関係者の方々とも御相談申し上げたわけでございます。 ところが、いま澁谷自治大臣が申し上げておりましたように、この公庫の性格上、それから現在の情勢、そういうようなものを分析しまして、なかなか適任者が見つからなかったわけでございます。それで、特定の人が二人か残りまして、いろいろ人選に苦慮をいたしましたが、結局、この特例に沿った人事、結果的にはそういうふうになったわけでございます。
○佐藤三吾君 何か話がわからぬですね。 こういう例外人事というのは何件ございますか。
○説明員(栗林貞一君) この閣議決定の例外としての特殊法人の役員から他の特殊法人の役員になっているという方は、五十四年一月一日現在で三十六人というふうに私ども把握しております。
○佐藤三吾君 三十六人といえば、もう実際、例外人事オンパレードと、そういうふうにとっていいですな。
○説明員(栗林貞一君) 現在の特殊法人の常勤役員総数は七百九十七人でございますので、三十六人と申しますのは四・五%に当たります。私どもは、まさに原則に対する例外ということで考えております。
○佐藤三吾君 これは、例外というのは主に総裁、理事長クラスが多いんだと私は想像するんですが、その数は大体どのくらいですか。
○説明員(栗林貞一君) いま正確に数を計算しておりませんが、先生おっしゃいますように、総裁、副総裁あるいは理事長、副理事長といった方が相当数占めておることは事実でございます。
○佐藤三吾君 大体何ぼですか。
○説明員(栗林貞一君) 大体二十名程度でございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、理事長、総裁のクラスのほとんどが例外事項と、そう見ていいですね、あなたの数字から言うなら。
○説明員(栗林貞一君) これにつきましても、現在特殊法人は百十一ございますので、そのうち二十名程度ということになるかと思います。
○佐藤三吾君 官房長官、いまお聞きのとおりですが、閣議決定をやった背景というのは、先ほども言ったように、福田総理の言葉を引用するならば、ごもっともな御指摘で、よく実情を調査いたしまして、国民に納得していただけるような対策を講じたい、そういうことでこの閣議決定というのがやられておると私は思うんです。そういう閣議決定から見ますと、それを例外という措置でもう次々に破っていく。恐らくこの閣議決定の内容を見て国民は納得しておると思うんですね、それはそれなりに不足もあると思うんですが。しかし、いま自治大臣が言ったように、なかなか適任者がない。適任者というのは、何も官僚の古手を持ってこいということには書いてない。そうでしょう。ここに、第一項に挙げておるのは、「特殊法人の業務内容を勘案し、民間からの登用を積極的に推進する」というのが第一項なんだ。広く人材を求めるというところにポイントが置かれておる。そういう面で、適任者がないのかどうなのかということになると、私は自治大臣の答弁というものには承服しがたい。そういう観点から見ると、今回のような例外人事が次々にやられるということになりますと、これは率直に言ってこの閣議決定などというのはもうなきがごときで、まさに国民に、何というんですか、擬装というんですか、カモフラージュするための一つの手段にすぎない、そういうふうに私はとらざるを得ないと思うんですけれども、官房長官はその責任者として一体どういうお考え方を持っておるのか、聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(田中六助君) 先ほど自治大臣が申し上げましたように、この金融公庫は昭和五十四年度においてすでに貸付規模が一兆円を超えておる、そういう一つの重要性と、それからこの公庫は各種の公庫でもトップクラスにある上、どうしてもこれは地方行財政に経験の豊かな人、そういうような観点に立たざるを得なかったわけでございまして、そういうことを考えますと、今回の総裁が非常に適任であるという結論に達したわけでございます。
○佐藤三吾君 時間がございませんから、これ以後はまた予算委員会の中で追及してまいりたいと思いますが、しかし、官房長官そう言ってみても、あなたがオウムのように同じようなことを繰り返してみても、閣議決定の趣旨から言えば、これはもうまさに趣旨に沿っていない、そういう人事であり、しかもそれが今度初めて行われたというのなら、私はあなたのそういうさっきの答弁というものは理解できる部分もございますけれども、しかし、鈴木さんがそうであって、その後の柴田さんがまたそうである、こういうことになるし、いま聞きますと百人近いうち約二十名、五分の一は例外人事だと、こうなりますと、あなたの言う答弁というものはきわめて白々しい答弁としか私には聞こえない。この問題についてあなた自身、今後どういうふうに処理していくのか、あなたの見解をひとつ聞いておいて、予算委員会に問題を残しておきたいと思うんです。
○国務大臣(田中六助君) 佐藤委員御指摘のように、やはり閣議決定というものは非常に重要でございますし、強い趣旨を述べておるわけでございますので、できるだけこの線に沿っていこうという腹構えではございます。
○佐藤三吾君 官房長官結構です。 それでは警察庁、一月二十六日の大阪の三菱銀行で発生した強殺人質事件の問題についてお聞きしたいと思うんですが、これは梅川の逮捕、射殺ということで一応解決はしました。しかし、警察官二名、行員二名が射殺されるなど、きわめて凶悪な事件であったと私は思うんですが、ところが、その凶悪な事件の凶器が警察が許可した散弾銃であると、これは大変重大なことだと思うんですが、国家公安委員長としてどのように考えておるか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 今回の大阪における三菱銀行支店における事件は、犯罪の歴史から見ても非常にまれに見る凶悪な犯罪でございます。しかも御指摘のように、その凶器に使われた散弾銃が合法的に所持を許可された銃であったということはもう御指摘のとおりでございまして、私はこの事件は私どもに重大な反省を求めておる事件ではないかと、かように考えております。したがいまして、私どもといたしましては、現在の法のたてまえ、あり方というものがこのままでいいのかどうか、また、この法のもとで行われておりまする許可の基準の運営、それに手落ちはないのか、まあこういった点についてあらゆる角度から真剣な検討を加えて、正すべきものは正す、修正すべきものは修正すると、こういう方向で現在真剣な検討を続けておるところでございます。
○佐藤三吾君 現在猟銃の所持者が六十万、銃が七十三万七千ですか、そういう猟銃が許可されておるわけですが、その許可基準が銃刀法の第五条一項によってやられておると。その六号の場合には、条文はちょっと読みませんが、非常に警察の裁量にかかっておる、そういうのが趣旨だと思うんですが、いまの大臣の答弁を聞きますと、法のあり方なり運営のあり方なり、そういった問題を含めて検討しておるというわけです。その第五条一項六号のこの認定基準というのは、やはり何らかの形であの条文から見れば定められてなきやならぬと私は思うんですが、どういう内容になっておるのか。そうしてこの六号の基準によるものが全国的にばらつきがあるのかどうなのか、警察によって、府県によって。そういう実態なのかどうなのか。とりわけ大阪の場合は一体どうなのか。それから、この五年間の中で、いわゆる許可した銃砲によるところの事件というのは一体どうなっているのか、その中で六号の該当者というものは一体どうなっているのか、その点についてひとつお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(塩飽得郎君) 銃刀法の五条一項六号の規定によりますと、これは欠格事項ということで書いてございますが、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」には許可しないということに規定されているわけでございますが、この所持許可の運用の指針でありますとか解釈でありますとかあるいは取り扱いの要領などにつきましては、必要に応じまして通達なりあるいは会議の指示によって指示をしておるところでございます。 この五条あるいはこの所持許可の基準としましては、特にこの六号の要件が大変概括的な規定になっておりますので、都道府県公安委員会の判断に著しい不均衡が生じることのないように、たとえば大阪とあるいは東京で違うとか、そういうようなことのありませんように、一応の判断基準になるような事項については都道府県警察に示してございます。 それから、その基準の内容についてでございますが、いわゆる内部的な基準としましては、たとえば短気であるとかあるいは激情的な性格で粗暴な行為を行いやすい者、あるいは酒癖が悪く酔うと狂暴性を帯びる者、あるいは暴力団の構成員である者、また家族間に紛争が絶えない者、また暴力的犯罪を行った前歴のある者、こういった者などで、素行であるとか行状、生活環境などを総合的に検討して判断しておるわけでございますが、現在あるいは将来においてその鉄砲を使用する犯罪に走る危険性が客観的に認められる者、こういった者を銃刀法の五条一項六号に該当する者として運用をすることにしておるわけでございます。 それから、この銃刀法による犯罪の件数ということでございますけれども、散弾銃につきましては、昨年、五十三年一年間で大体七十六人ですか、事件が起きております。そのうちその所持許可を持っておる者が五十四人、持っていない者が二十二人というふうな数字になっております。
○佐藤三吾君 梅川が許可されたのが四十八年ですね。その四十八年に大阪で猟銃殺人事件が起こって、そして犯人沢田何がしという者が全然関係のない人を撃ち殺したということで、いま被害者の遺族から、国家賠償というか、府に対する賠償請求の裁判が行われていますね。この沢田の被害者の訴状を見ると、これもやはり少年時代に窃盗傷害事件があって検挙されておる。そして平素、いまあなたがおっしゃったように、六号に該当するような日常的に粗暴な振る舞い、酒癖が悪い、こういう実態にあると。にもかかわらず大阪府はこれに対して許可をした。その許可の調査が非常にずさんであると。たとえばこの申請当時、住居の前のアパートに両親がおっておるのに同居者はないとか、また、本籍照会したところがその素行は良好であると、特に不良など悪い事項なしとか、こういう問題を出しておるのは警察の怠慢であると、こういうことでいま三千万の損害賠償請求がやられておるわけですが、これもやはり見ると、四十七年の六月に申請して八月に許可になっておる。梅川の場合は四十八年の五月に申請して七月に許可になっておると。いずれも二カ月程度、一体この——これが言うなら五条の、いまあなたがおっしゃった六号の事項に基づいて慎重に調査をした、その結果許可したんだということになるのかどうなのか。特に梅川の場合には、その二カ月の間に八回にわたって説得したと言うけれども、一体どういう内容、日程で説得をしたのか。そういった点も含めて、資料があればひとつ御報告願いたいと思います。
○政府委員(塩飽得郎君) 許可に至るまでのその調査の内容と申しますか、その辺につきましては、特に犯罪の前歴を有する者などの取り扱いについては慎重にやっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、特に暴力的な不法行為の前歴がある者については、前歴の内容であるとか、あるいは犯罪、罪質、情状の軽重を勘案するとか、いろんな点で調査をするわけでございますが、梅川の件につきましても、実際に申請を受けましたのが四十八年の五月二十九日でございまして、二カ月後に許可をしておるわけでございますが、その間、梅川につきまして前歴と申しますか、少年時代のそういった問題であるとか、あるいは生活環境であるとか、そういうふうなものを慎重に検討しておるわけでございます。ただ、あらゆる手段を尽くして調べてみましたけれども、この五条六号に言うように、生命あるいは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由があるというふうなところまで判断がつかなかったというふうなことで許可をしたということでございます。
○佐藤三吾君 これは当然、その調査の中には少年時代の事件に対する調査も行われたと思うんですが、法務省、梅川が十五歳のときに強盗殺人という凶悪事件を起こして少年院に送られておる。これは特別少年院ですね。一度脱走して特別少年院に入れられておるようですが、そのときの状況と、あわせて特別少年院を出たのが大体一年六カ月ぐらいで出ておるんですね。ところが、少年院法を見ると、心身に著しい故障はないが、犯罪的傾向の進んだ者については、十六歳から二十三歳までと、こういうことになっておるのが一年六カ月で出ておる。この点がいわゆる十二条に基づく矯正目的を達したと認められたのだろうと思うんですが、少年院時代の内容とあわせて、退院を認めた理由について矯正局長なり保護局長からひとつ聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(石原一彦君) 佐藤委員御指摘のとおり、梅川は当時十五歳の少年でございました。御指摘の少年院法の定めによりまして、当初、中等少年院に入りましたが、脱走がございまして、その後、特別少年院に入ったのでございます。 ただいま御指摘の少年院法の医療少年院に入れる要件は、いわば精神薄弱者あるいは精神分裂症というような方を対象とするものでございまして、この梅川の場合にはそれほどに至っておりませんでした。したがいまして、二十歳になれば退院をしなければならないというふうに法律では決められているのでございます。 ところで、十五歳のときに入りまして二十歳まで入れるというのは長きに失するわけでございますが、本人は合計いたしまして五百六日と記憶いたしますが、少年院に入っております。その間、いろいろな問題点に対する処遇を重点的に行いました。概略申し上げますと、情操面が欠けておりましたので、情操面の陶冶をしたという点が一つございます。それから次には、興奮する能度が見られましたので、それを鎮静するためのいろいろな処遇が行われております。大きなところだけ申し上げますが、その次は家族関係の調整でございまして、すでに新聞にも出ておりますのでここで申し上げますが、この非行を契機に両親が復縁いたしましたし、父親との関係もそれまで悪かったのでございますが、関係が好転するというような立場がございました。矯正教育の目的は達したということで仮退院の申請をいたしまして、その結果、地方更生保護委員会において仮退院が認められたのでございます。その後における非行がなかったという観点から見ますれば、私どもといたしましては、矯正並びに保護の関係では良好であったと認められます。 なお、期間が五百六日では少ないのではないかという御指摘でございました。もし、現在かような事件が起きて少年院に入ったならばどのぐらいになるかという点から考えますと、恐らく二年近くは入れていたであろうというふうに思われます。これも十分なる審査をしなければわからないことでございますし、少年院に入ってからの態度等によるのでございますが、現在から見ますれば、確かに短かったという御指摘は当たっていると思います。ただ、当時は九千人余り少年院に入っておりますいわゆる過剰収容時代でございまして、現在の約三倍でございますが、当時から見ますと五百六日というのは平均よりも長い期間となっておることを申し添えておきたいと思います。
○佐藤三吾君 当時、梅川を鑑別した梅崎さんという人が新聞に逮捕と同時に書かれておるんです。その内容を見ると、ちゃんと今日を予想しておるんですね。鑑別結果の通知書というのを出されておりますが、それを読むと、「精神医学的診断で異常、脳波所見でも異常となっており「同情、あわれみ、良心などの情性が欠如し、行動は反社会的、非論理的で罪に対する改俊の情が薄い」」「性格異常のため、犯行は残酷非道で、日常行動面でも変質的行動がうかがわれる」、こういう意見書を出していますね。これらを前提としてのいまの答弁ですか。
○政府委員(石原一彦君) ただいま御指摘のものは、鑑別結果通知書といいます鑑別所の技官が裁判所に出すべき書類の内容であろうと思われます。なお、鑑別結果通知書は私どもの方には残っておりませんで、裁判所の記録に入っておりまして、それをごらんになりましてただいまお読み上げのような記事になったものとわれわれは考えております。 ところで、鑑別結果通知書に言います鑑別の結果と申しますのは、家庭裁判所における審判に資するため、あるいは少年院、あるいは保護観察になった場合の処遇の指針を出すものでございまして、必ずしも将来にわたるもの、特に成年になった二十歳を越え現在まで十四年間たっておりますが、十四年先のことまでも書いているものではございません。しかしながら、少年院における少年の処遇の指針とはいたしまして、ただいま御指摘のような点を十分考えて処遇に努力いたしました結果、院内成績がよいということで仮退院になったものでございます。
○佐藤三吾君 法務省はわかりました。結構です。 いま法務省の答弁もありますが、こういった内容を含めて調査をして、その上で妥当であると、こういうことで許可したわけですか。
○政府委員(塩飽得郎君) 梅川の少年院時代の問題につきましては、実は大阪で許可をするときに犯歴の調査をやったわけでございまして、その際氏名照会をやりましたところ、三十八年の九月十八日に窃盗事件が一つあった。それから、三十八年の十二月二十三日に強盗殺人事件を犯したということで少年院に送致になったということは把握できたわけでございますが、その少年院の中で一体どういうふうな少年として判定されたかということについては実は承知をしていないわけでございまして、と申しますのは、鑑別所等で作成されます報告書というものが、その頒布先がどうも限定されているようでございます。通常警察で銃砲の許可事務を担当いたします者が、普通はこれを見る機会はむずかしかったというふうに思われます。事実、大阪府警でもこの報告は承知しておりません。この前歴等の調査につきましては、少年時代のこともよく調べるということには指導はしておりますけれども、検察庁でありますとか、裁判所あるいは矯正機関での記録の内容について照会するとかあるいは閲覧するとかいう方法があるわけですが、特に少年事件の場合は、審判でありますとか鑑別の内容が、少年の保護以外のこと、たとえば今回の銃刀法の許可の問題、そういったときの危険性の判断に用いることが少年の保護という立場からどうであろうかという問題もございます。そういった意味から、当時の梅川の少年時代のこういった性格その他の問題については、大阪府警が許可を判断したときには耳に入っていなかったというのが実情でございます。
○佐藤三吾君 もう時間がありませんから、もう少し掘り下げてみたいと思ったのですが。先ほどのあなたの報告の中で、いわゆる六号の該当者が昨年だけで事件、散弾銃の事故、七十六人中五十四名含まれておると、こういう報告がありましたですね、説明がありましたですね。そういう点から見ると、三十三年の二月十一日の参議院の地方行政委員会で銃刀法の制定に当たっての議論があるわけですね。その際に、わが党の松澤先生といま現在の副議長をやっている加瀬先生がこの六号の見解をただして議論をしておる。それを見ると、当時の中川刑事部長の答弁としては、六号を忠実に、生命、身体、公共の安全を守る相当な理由を事実をもって証明すれば不許可にすることができると、また、そのことによって仮に裁判を受けても負けないと、こういう答弁をしておるわけです。たとえばかつて暴行、傷害、殺人の犯罪があって、今後もその点が見受けられると判断すれば十分対抗できると、こういう答弁をしておる。ところが猟銃を許可した。これは新聞情報でありますが、大阪の保安の担当者は、六号の点については限界がある、もし相手に裁判でやられたら許可しないと負けると、したがってわれわれとしては許可せざるを得なかったと、こう言っておる。この点について一体どういうふうに理解をしておるのか、説明していただきたいと思いますが。
○政府委員(塩飽得郎君) 許可をするときに、先ほども申し上げましたように、本人が六号に該当するかどうかという点について、たとえば粗暴な行為をやるとか、あるいは暴力的な不法行為を過去に犯したとか、いろいろなデータ、そういったものを集めて判断をするわけでございまして、ただ大阪の場合につきましては、当時、そういった積極的にこれは持たしてはならないというふうに判断するだけのデータが出てこなかったと。過去に、少年時代に強殺をやったと、それ以後十年余りたっているわけでございますが、それ以外にはほとんど、いろいろ調べたけれども反社会性といいますか、こういった六号に該当すると積極的に認定するような材料が見つからなかったということで、本人に一応説得もしたようでございますけれども、許可をしてしまったということでございまして、しかしながら、この結果から見まして、梅川のようなこういった重大な犯罪を犯した者に許可を出してしまってああいう結果になったということはきわめて遺憾でありまして、これからはそういうことのないようになおよく審査その他を厳しくしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、さっき大臣が説明した、この事件を契機にひとつ六号を中心に強化してまいりたいと、法のたてまえからさらにまた運営の実態から強化してまいりたい、こういった強化の内容というのはどこに置いておるんですか。
○政府委員(塩飽得郎君) とりあえずは大臣からの御指示もございまして、現在許可に係っておる、申請の出ておりますもののうち過去に前歴のある者、これについては許可を停止いたしましてなおよく検討するように指示をしております。 そのほか、今後の問題といたしまして審査の内容でございますが、さらに申請者が本当にその銃を必要とする事情があるのかどうかとか、あるいはまた調査の方法あるいは調査の期間などが十分であるのかどうか、また許可の基準に該当するかどうかという判定の方法自体がいままでのままでよいかどうかとか、いろいろ検討する項目があるわけでございます。またさらには、梅川のような例から徴しましても、凶悪犯の前歴のある者についてはその前歴だけで許可を与えないというふうなことが可能であるかどうかとか、いろいろな面で今後の方針を考える上で検討をしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 だとすれば、いまあなたの説明をまともに受ければ、結果的には梅川に許可した、それから沢田に許可した、そのことは警察としては五条一項の六号の解釈は適正でなかった、そういうふうな判断の上に立ってその適正化に乗り出したと、こう理解していいですか。
○政府委員(塩飽得郎君) 梅川の問題につきましては、当時の大阪府警の許可に当たってのいろいろな調査状況その他からしてまあやむを得ない面もあったように思いますが、しかしながら、結果からしてあのような重大な事件が発生しております以上、今後は許可をしてならないわけでございます。そういった気持ちで十分に検討してまいりたいと考えております。
○佐藤三吾君 それからもう一つお聞きしておきたいんですが、先ほどの御説明によると、銃砲による傷害事件の昨年一年間ですか、この一年間の中で七十六人があって、五十四人が許可所持者だという話もございましたが、一説によると、正規に登録された猟銃で年間二百丁程度が行方不明になっておる、こういう話があるわけでありますが、これについては一体どういう状況なのか、あればひとつお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(塩飽得郎君) 数字の点につきましてはいま手元にちょっと数字が見当たりませんが、正規に許可された銃があるいは盗難に遭うとかあるいはどこかで置き忘れるとかいうふうなことで、行方がわからなくなるということはございます。
○佐藤三吾君 どの程度あるんですか。
○政府委員(塩飽得郎君) 昨年の十二月末の状況でございますけれども、全国で所在がいわゆる不明になった銃が千三百三十二丁ございます。
○佐藤三吾君 もう時間ございませんからこれで終わりますが、いまお聞きのとおりに、大臣、まだ時間があれば私も詳しく聞きたかったわけですが、やはり銃砲に伴う昨年一年だけで事件が七十六人中五十四人と、しかも昨年の十二月結果で、銃がわからなくなった、こういった事例が千三百超えると、そういうものが、私は、今回のこの梅川事件を引き起こした一番大きな一つ要素になるんじゃないかと思うんです。そういった意味で、この問題については、大臣が、さっき二点の確認の上で、ひとつ厳重にその運用を図っていくということを言われましたけれども、いま言った点も含めて、ひとつ再びこういう事件が起こらないためにも厳正な運用を図っていくということをぜひひとつお願いしておきたいと思います。 以上です。
○国務大臣(澁谷直藏君) 佐藤委員と全く同感でございまして、とにかくその散弾銃だけでも七十万丁を超えるものが所持を許可されておると。それでただいまの質疑応答の中で出ましたように、一年間で一千丁以上も行方不明になっておると、こういう状態でございますから、そういった許可の基準を厳しくしていくということは当然の方向だと考えておりますけれども、それだけで果たして十分なのかどうか、正当に許可した銃というものの管理が、一体現在のたてまえのままで一体いいのかどうか、こういったことまで掘り下げて、私は真剣な検討をしてまいりたいと、かように考えております。
○長谷川信君 まず、自治大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、一昨年暮れに、運輸省の政策審議会が開かれまして、国鉄の再建問題についていろいろ答申をなされたわけであります。で、その答申が一昨年の十二月二十九日、閣議了解をされまして、いろいろいま話題を呼んでいるわけでありますが、その国鉄再建問題の中に、ローカル線の廃止問題がうたわれておるわけであります。これまあ閣議決定あるいはその小委員会の内容がつまびらかに国民に披瀝をされておりませんので、若干ざわめきが、いまそれぞれの地域に起きております。私は新潟県でございますが、新潟県におきましても六本、七本のローカル線があるわけでありますが、その六本、七本というのは、いま申し上げましたように八千人未満——何かその基準がございまして、八千人未満のものについては廃止の対象にすると。その種のものが六本かそこらあるわけであります。それぞれの地域が非常なざわめきをいま感じておる。 これは大臣御案内のとおり、戦後の国政の根幹をなすものは、おくれておるところを引き上げて、全体をよくするという、これは一面定住圏構想でありあるいは第三次総合開発計画であり、田園都市構想である、この国策——国策というか、政府の一貫する政策にローカル線廃止問題は全く相反する、何といいますか事柄であるわけでございますが、御案内のとおり、いま日本の国で一番重要な政策と申しますと、わずか東京周辺の〇・五%のところに約二〇%近い人間が住んでおる。そして、その逆に、東北あるいは北海道あるいは北陸その他の地域の過疎現象がきわめて深刻に起きておる。いまの国策というか、政策の中で、過疎過密の応対策、これがいま国政の根幹であると同時に、大臣御所管の地方自治政策の基本でなければならない。そういう意味で、私はこのローカル線廃止云々の提案が、まさに政府の考えておる国策に逆行せる事柄であるというふうに承知をして、若干心配もいたし、また反論も申し上げたいと思っておったわけでございますが、この問題につきまして、まず自治大臣の御見解を承りたいと思うわけであります。
○国務大臣(澁谷直藏君) 国鉄の問題は、御案内のように、これは財政的に見ると完全に破産状態にあるわけでございます。したがって、この破産状態にある国鉄をどう再建するかということは、これは国政の上で一つの大きな問題であることは言うまでもございません。 それでこの間、ただいま御指摘のありましたローカル線廃止の問題は、その国鉄再建のいろいろな問題があるわけですが、その中の大きな柱の一つにローカル線の問題がございます。大体年間二千六、七百億円の赤字が出ておるわけでございまして、この問題をやはり解決しないことには、国鉄の再建はこれはもう軌道に乗らないわけでございます。そのために、運輸省だと思いますが、小委員会をつくって、このローカル線をどうするかという問題をいろいろと真剣に検討したわけでございますが、その結論として一つのまとまった考え方が出てまいりまして、私の承知している範囲内では、これは私の所管ではございませんからあるいは誤りがあるかもしれませんが、私の承知している限りでは、バスに代替できる路線はバスに切りかえていくということが一つですね。それからバスにはどうしても切りかえができないという路線については、第三セクター方式というんでしょうか、民間の経営者も含めて、地元とも十分協議した上で、これからどういう経営でやっていくかということを結論を出して、その出された結論に従って運営していくという、こういう二つの考え方が根幹になっているように私は承知いたしております。 そこで、自治省としてはこの特に後半の、地元の関係団体といえば当然これは地方自治体が一番中心になりますから、そういった地方の自治体その他の関係者とも十分協議した上で、どういう運営の方式がいいのかという結論を出していくということでございますから、その面で自治省としては大きな関心を持っておるわけでございます。ただ、ただいまのところはいま言ったような考え方が提案されておるというところでございまして、これから一体それをどういう手順で、どういう方式で具体化していくかということについては全く問題はこれからでございます。 現状は大体そういうことでございます。
○長谷川信君 国鉄の赤字そのものに対するいろいろ見解があるわけでございますが、私鉄でありますと、レールをまず敷いちゃって、それで両側の土地を買って、団地をつくって、デパートをつくって、ショッピングをつくって、総合的に何々株式会社はかなりの利潤を上げたということにいま相なっているわけであります。私は、国鉄の肩を持つわけではございませんが、国鉄はレールを敷いて、後その種のことは一切できないことになっておる。したがって、ある程度の赤字というものは、ことに過疎地域、ローカル線等についての赤字というものは、これはある程度必須条件だと思う。必須条件だと思いますし、いまの北海道にしてもあるいは東北にしても、それぞれのその地域の繁栄というものは、まさに国鉄の、何といいますか、レールネットワークの発展と同時に地域の開発がなされておったということも、これは否めない事実だと思うんです。 だから、そのローカル線問題も、さっき大臣おっしゃったように、バスにかえればいいという話もございますが、これはバスといっても朝晩だけは物すごく込むんですよ、バスにしましても。で、残念ながら、昼間はもう九時ごろから三時ごろまではほとんどがらあきのバスが走っておる。朝晩込むというのは、通勤者と登校の学生、子供で込むわけでございますので、まあバスといっても、それほど簡単にパスに転換できるというふうなものでは——私ども現場におりますとそういう感じがいたすわけであります。まあ第三セクター、いろんなお考えもあるようでございますが、この種のものは、やはり園都市構想——総理の言っていらっしゃる田園都市構想あるいは定住圏あるいは前の三全総計画に相照らしても、やはり軽々にやってもらってはこれはもういろいろ困る問題が惹起をするわけでございますので、自治大臣、特に僻地、山村の御担当でもございますので、その辺は十分配慮をしていただいて、軽々にこの種の問題をいろいろ措置していただかないように私から御要望も申し上げておきたいと思いますが、重ねて御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 長谷川さん、私もあなたの県の隣の県の出身でしてね。この間の祭日のときに会津に行ってきたんですよ。そうしたら直ちに陳情を、いまのそのローカル線廃止の、これでは困るという陳情を受けましてね。ですから、御指摘のように、これを軽々に廃止するなんていうことはとうていもうできるものでもございませんし、やる上にはとにかく十分な配慮をして、それからまた地元の了解も十分得た上でやることは、これはもう絶対必要な条件でございまして、私自身はあなたと同じような考え方で、あくまでもこれは慎重に、十分それに対する対策を準備した上で実行すべきであると、かように考えております。
○長谷川信君 運輸省、来ていらっしゃると思いますが、いま自治大臣が、その種の問題は断じて軽々なる措置をしては相ならぬという、まことに明快な御答弁があったわけであります。このおたくからいただいたローカル線廃止云々のこの書類を見ましても、よく読むとそれはある程度私どもも理解ができるんです。ところが、これは一般国民の間には、これは何にも、何といいますか、配布をしていないし、ただ新聞で、こんなはやらぬやつは片っ端からやめるぞというふうな書き方しかやっていないので、さっき申し上げたように、それぞれの地域でざわめきが起きておる。これはやっぱり運輸省としてもある程度責任を持ってもらいたいというような感じで、正しいことをやっぱり国民に周知徹底をしていただかなければならない。そういう面で運輸省の御担当からひとつお聞かせを賜りたいし、御答弁をいただきたいと思っております。
○説明員(丹羽晟君) お答え申し上げます。 国鉄のローカル線の問題につきましては、一昨年の暮れに閣議了解がございまして、国鉄財政再建の基本方針というものを定めました。その中で国鉄は、自分で自立経営する分野とそうでない分野ということを分けまして、それでその自立経営が困難な方の、効率性の非常に悪い分野については——閣議了解の中の文章を読ましていただきますと、「他の輸送機関との関連において効率的な輸送体系を形成するための施策を強力に講ずるとともに、国鉄経営上の負担の限界を超えると認められる構造的欠損について、国民経済的観点を考慮して、公的助成を含む所要の対策を講ずる」、こういう形でございます。それで一般的に申し上げまして、国鉄のローカル線につきましては、国鉄が当然経営努力をいろいろいたしまして、合理化その他のことを一生懸命やった上で経費をできるだけ少なくするというような形で物事を考えていくべき問題だと思いますが、国鉄自身が一生懸命やって、ぎりぎりやってもなおかつ鉄道で輸送するほどの輸送人員が少ない、そういう路線をローカル線という形で理解しておりますが、そういう分野につきましては、先ほど私が閣議了解を御紹介しました、そういう考え方で対処していかなければならないものだと考えております。 それで、先ほど来の御指摘にございますように、先月の二十四日に運輸政策審議会の委員を中心とします国鉄地方交通線問題小委員会というその小委員会の最終報告が出されまして、それでその中で、ローカル線の問題につきましてどういうふうにすべきであるかという報告が運輸大臣あてに出されております。それで、私どもその報告の線に沿いまして、具体的な、どういうような実施をするかということについていま検討をしておりますが、まだその成案を得ておりませんが、その報告の中に触れられている考え方をちょっと御紹介いたしたいと思います。 その報告では、まずそのローカル線の問題につきましては、先ほどお話が出ましたように、五十二年度決算で二千四百億——まあこれ、助成を受けて二千四百億でございますが、助成の前で考えますと約二千六百億の赤字が出ているわけでございます。それで、そういうようなところでございますから、何らかの対策をとらなければならないのですが、いままでローカル線問題につきましてはいろいろ経緯がございまして、それほど対策がうまくいっているということではない。それはなぜかと言えば、地元の皆様との意思疎通を欠いたり、それからローカル線について対策をとるときに、公共輸送サービスを維持するという観点が抜けていたから、そこが一番問題であったのではなかろうか。したがって、今回の報告では、その点をともかく重点に考えてローカル線対策ということをしなければならない、まあそういうことが中心でございまして、したがいまして、国鉄のローカル線につきまして、国民経済的な視野から見まして、地域における輸送を担当する者としては、鉄道の方がいいのか、バスの方がいいのか、どちらの方が効率的かという議論をして、それで先ほどの、ローカル線というのはもともと国鉄が経営努力しても赤字が出るところでございますので、その中でそういうふるい分けをいたしまして、それで、鉄道の方がまだ赤字が少ない、そういうふうに認められるものについては国鉄にそのまま残しておいて、それで国鉄が経営するのがよかろう、それから、バスの方がやはり赤字が少ないと考えられる路線につきましては、できるだけバス輸送なり何なりに転換していくというようなことがいいんではなかろうか。 ただその場合に、先ほど最初に申し上げましたように、地元の皆様に考え方をできるだけ御理解いただくような形で物事を進めなければならないので、それはその地元で協議会を開いていただいて、そこで皆様の知恵を集めていただいて、その結論を出した形で、パス輸送なり、または鉄道輸送がどうしても必要だというお考えであれば、その地元の第三セクターなり何なりの形で鉄道輸送を維持していく、そういう考え方から成り立っております。 それでそのうち、先ほど先生おっしゃいました、バスに直ちに転換できない、たとえばラッシュ時の混雑度が高い、そういうような路線につきましては、やはりその報告の中では、それは直ちにパスへ転換するということはむずかしいだろうから、そういう状態が解消するまでは少なくとも国鉄がそのまま維持していけばいいではないか、こんなようなことを報告では触れております。 大体報告の中身は御紹介いたしましたが、そのようなことでございますので、その地域における輸送力は確保するということは基本線として考えております。
○長谷川信君 ある程度理解もしたわけでございますが、運輸省、まああなたの方で国鉄を掌握されているわけでございますが、国鉄の赤字の中で、いまのローカル線のような、お客がないから赤字が出たという赤字が当然あるわけです。それからもう一つは、一般世間で言われておるように、若干いろいろな面で合理化をしたらもっと経費が安く済むんじゃないか、いわば総理の言われておるような安上がりの国鉄というものを考えればかなりこれはまだ減るだろうと、まあいろいろな見方があるわけです。私はそれらの幾つかの見方の中で、ローカル線というか、僻地といいますか、何といいますか、この種のローカル線の赤字については、これは率直に申し上げて国鉄の罪ではありませんよ、これは赤字の要因は。これは運輸省のせいでもないし——全部が全部とは申し上げませんが、これは当然。いまだって赤字だといったら、日本じゅうの鉄道は、一日本の新幹線を除いては、ほとんどとんとんかあるいは赤字になっておるでしょう。私のところの上越線の「とき」などは結構はやっておりますが、報告は赤字でありますという報告を私ども受けておる。 だから、したがって、この種のものの赤字については、運輸省としては、これはやっぱり地域に転嫁をするというふうな考え方は私はやめていただきたいと思うのです。これはやっぱり大蔵省なり、あるいは高度の政治的な判断で、いま三全総計画をやり、田園都市計画をやり、定住圏構想をやっているこの日本の国策というものを、国政、政策というものを大転換しようというさなかでありますから、これは高度の政治判断で処理をすべき問題であって、ただ差し引き勘定が足りないからこんなものはやめてしまえなどという議論は、私どもとしては賛成するわけにはまいらない。その辺運輸省、もうきょうは、あなたは課長だからそういう政治的な高度の答弁ができるかどうかわかりませんが、たとえ課長でも次官になったぐらいな気持ちで答弁をして、何といいますか、きちっとしたひとつ御答弁をいただきたいというふうに考えております。
○説明員(丹羽晟君) お答え申し上げます。 いま先生御指摘の三全総とか、そういう国全体の計画というのがございますが、その中で、三全総で定住圏構想というような形が出ておりますが、そこの交通についての考え方というのを若干私なりに理解いたしますと、その交通につきましては、いろいろな考え方が書いてあるわけでございますが、基本的には地域の特性に応じたきめ細かな交通政策をとるという考えでございます。それで、それにつきましては、具体的に同じ三全総の中で、「輸送密度の低い地域にあっては、地域の実情に応じた新しい交通体系の整備を図ることとし、鉄道輸送からバス輸送等道路輸送への切換えを検討するとともに」、代替の交通手段の検討を進める、そして「交通におけるナショナル・ミニマムの確保に努める」、こういった考え方が打ち出されております。 それで、国鉄のこのローカル線の問題につきましても、やはり地域ごとの実情に合ったそのきめ細かな交通政策をとる、つまり交通手段を選ぶ、そういうのはやはり協議会のような場で地域ごとに選んでいただくというようなことになるのではないかと思っております。 したがいまして、この小委員会の報告の内容につきましては、いま先生御指摘のような、国の全体の考え方の中の一環として位置づけることができるのではないかと考えております。
○長谷川信君 運輸省、お帰りいただいて結構であります。 それでは次、文部省。 文部省にお尋ねする前に大臣の御見解を承りたいと思いますが、これは問題はささいと言えばささいでありますし、大きいと言えば大きいと思うのでありますが、大臣も豪雪地域の御出身でいらっしゃいますのでよく御理解をいただいていると思いますが、豪雪地域の小中学校の建築基準の問題であります。これは御案内のとおり、ことしは雪が少ないからちょっとこういう質問が適切であるかどうか、なんでございますが、ふだんなら、大臣のところも私どものところも、大体十二月から三月いっぱい、あるいは四月半ばごろまで、まさに冷蔵庫の中に暮らしておらなければならない。これは東京やこの暖かいところで考えてもわからないような大変な実態であることは御案内のとおりであります。したがって、小中学校の子供も半年近くは、いわば運動はすべて屋内体操場に頼らざるを得ない。まあ、それはおまえらはスキーやればいいじゃないかとおっしゃいましても、これはスキーなどはそんなに毎日できるような状態でもないし、それは大臣一番御存じだと思いますが、実際それほどの運動量にはならないのですよ。 ちなみに例を申し上げますと、小学校の一学級から十三学級しかないところは、温暖地と文部省の補助金がほとんど〇・五%しか違わない、補助金でなくて基準。五百三十二平米が温暖地の小学校の基準でございますが、この積雪寒冷豪雪地帯が五百六十平米でありまして、その差はわずか〇・五%であります。ところが、それぞれのその町村におきましては、大体最低で二〇%、最高で八〇%ぐらい大きくつくっているのです。とてもこれじゃ、子供が半年も押し込められたんじゃ大変だからというので、しかも大臣御案内のとおり、なしなしの金を使って、本当に豪雪地域の予算の苦しい中、子供のために金を出して、ひどいところは八〇%、約倍の規模のものをつくっている。これが市町村の財政をかなり圧迫していることは当然でございますが、幾ら圧迫されても子供のためだということで敢然としてつくっておる。 ところが、この十三学級という基準が、一学級から十三学級までの基準、このクラスが多くなるとだんだん条件がよくなっているのですよ。これは大臣、御参考までに申し上げますが、地元の例で恐縮でございますが、新潟県の北魚沼郡というのがございますが、これは小学校の数が二十四。二十四のうち十四学級以上が四つ、十三学級以下が二十なんです。南魚沼が全部で二十七小学校がございまして、十三学級以下が二十五で、十四学級以上が二つしかない。それから中魚沼、これも同じことでございますが、二十三のうち二十二が十三学級以下で、十四学級以上は一つしかない。この魚沼三郡を合わせましても、小学校が七十四ございまして、六十七が十三学級以下であります。十四学級以上というものは七しかない。したがって、二十学級、三十学級、四十学級のものがかなり恩典があったとしても、それは現場ではほとんど適用されておらないということ、ほとんど適用されておらない。 これは何年もそれぞれの地域がそれぞれの県を通じて文部省に陳情いたしておりますが、なかなか色よい返事をいまだいただいておらない。これは、繰り返しになりますが、これから政策を転換して田園都市構想をつくろうというふうな時期に、この種の措置というものは私は余りやはり当を得ないことではないかと思うんです。文部省は、ことしの予算はもう決まったことではございますが、当然これはひとつ考えていただかなければならない。 なお、御担当の自治大臣、御理解をいただけたとは思いますが、こういう状況だとやっぱり過疎現象が進みますよ、何と言っても。子供を満足に教育できなければ親が定住するわけがございません。定住圏構想だとか田園都市構想だとか、りっぱなことを演説でやっておっても、実態がこんな状態では、私は定住圏構想といえども、あるいは総理のおっしゃっておる田園都市構想といっても、あるいは絵にかいたもちとは申し上げませんが、若干その憂えがあるような感じがしないわけでもありません。 この種の問題、自治大臣の方からひとつ文部省にでもお話しをいただいて、五十五年度から当然これは是正すべきであるというふうな強い御指導をいただければ大変私どもありがたいと思っておりますが、大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 自治省という立場から文部省の施策についてどうこうということもこれは少し差し控えたいと思いますけれども、御質問の趣旨は私はよく理解できます。文部省は文部省の立場で、豪雪地帯に対しては普通の地域とは違った補助率のかさ上げ等も行って努力はされているわけでございますから、ただ、その努力の仕方がまだ足りないと、こういう御指摘だと思うんです。確かに数字等をいま拝見しまして、もう少しやはり手厚くすべきじゃないかなという、率直に私そういう感じがいたします。ですから、自治省としてやる分野ももちろんあるわけでございますから、そういう分野につきましてはひとつ精いっぱい努力をしてまいりたいと、かように考えます。
○長谷川信君 いま自治大臣から御理解ある御答弁をいただいたわけではございますが、担当文部省おいでになっておりますが、これはやっぱり是正していただかなきやならぬと思いますよ。これはもう本当に、幾ら皆さんのところでうまく書かれても、十三学級以下のところが九〇%なんだから。また、そんなことを、これは二十四学級にしたらもっと金をやると言っても、それはあの山の中の、沢が幾つも、七つも八つも分かれているところを統合などということは、これは現場を見れば一目瞭然のことです。それだからといって、それはおまえら少ないのはそこへ住んでいるんだからしようがないよなんて言えば、それで鉄道もとめた、学校もだめだなんと言えば、定住圏構想なんというのは絵にかいたもちですっ飛んでしまう。これは、文部省もひとつその辺は真剣に考えて、五十五年度で十分適正な応対をいたしますというふうな御説明をいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(横瀬庄次君) 小中学校の屋内運動場の補助基準の改定につきましては、実はこの数年間に三度ほどやっておりまして、最初は昭和四十九年に、いま御指摘の小規模の小中学校の屋内運動場につきまして、これは球技、ボールの運動でございますが、球技が教育課程に取り入れられましたものですから、これができるようにということで、非常に小さい規模のものもすべてできるようにというような基準改定を行ったわけでございます。 それから、昭和五十年には、それをさらに全般的に拡大をいたしまして、そして、昭和五十二年に、特に積雪寒冷地におきます学校につきまして、冬季間グラウンドが使用できないという、そういう地域的な事情を考慮いたしまして、冬季間に体育がすべて屋内運動場で行い得るように三〇%ほどの基準改定を行ったわけでございます。 そこで、小規模校についての積雪寒冷地にある屋体につきましては、この冬季間にすべて屋内運動場で行い得るような考え方といたしまして、授業時間に一度に生徒が何組ぐらいこう使うことになるかというようなことを基準にいたしまして計算したものでございますので、小学校十三学級以下という小規模校につきましては、回転が一回で大体おさまるというような実態がございますものですから、その寒冷地における特例というものをそれほど強く出せなかったというような実情がございます。 こういうふうに、小規模校、それから積雪寒冷地の所在校というような形で重点的に一応改善をしてまいりましたものでございますので、現行基準といたしましては、教育活動に差し支えない程度のものにはなっているというふうに理解するわけでございまして、したがいまして、これをさらに改定するということはなかなかむずかしいところがあるわけでございます。 ただ、いま先生御指摘ございましたように、実際に該当の市町村が建築をしております屋内運動場の状況とか、あるいは実際問題として教育現場でどういうふうに運用されているかというようなことにつきまして、いろいろ問題があるというような指摘を、特に積雪寒冷地の地方自治体からいろいろな声が出ておりますので、これらについては十分実態を調査いたしまして、御指摘の点につきましては、今後の課題ではございますけれども十分に研究さしていただきたい、こういうふうに考えております。
○長谷川信君 余り気に入った答弁ではないようでございますが、本当に金のない、きわめて予算の逼迫をした山村、僻地の町村が、文部省の二百われた基準の倍のもの、八〇%増しのものをつくっているのですよ。何もそれは不必要なものをつくっているわけじゃございません。それは子供が運動できないというか、場所が足りないので、本当にない金をもう振りしぼってつくっているわけだから、それはあなたは、計算してみたら交代すればできるなんて、現場をよくひとつあなたごらんになってください、それは。そんななまやさしいあれじゃないですよ。あの金のない山の中の連中がなしなしの金を振りしぼってつくる以上、これは涙ぐましい必要性の上に立ってのことです。これは文部省からも、本当に冗談じゃございませんがね、もう一月、二月の一ことしは雪がなくてちょっと残念だけれども、豪雪のど真ん中のときひとつ一遍ごらんいただいて、こんな——必要のないものを、東京や大阪ならまだしも、何も金が一銭もない市町村が八〇%も超過負担をやってつくるということは、まさに、これは必要に迫られたこと、その辺はやっぱり生の行政をやっていただかなければ。まあほかがございますので、お帰りいただいて結構であります。 建設省、ちょっと雪の問題ばっかり重ねて恐縮でございますが、かなりいろいろ御勉強いただいて、雪の予算をどんどんどんどんつけていただいておるわけでございますが、私ども現場におりまして、いままでのパターンで、昨年一千万のものがことしは一千百万、一千二百万というふうな、一〇%から二〇%アップくらい、毎年そういうパターンで来ているわけであります。十年前と比べたら、あなたが御担当、私も何回かあなたの御説明を聞いたのでございますが、全く隔世の感があるくらい雪害の対策は進んでいるとは思う。進んでいるとは思いますが、最近のいわば政府の政策の転換におけるところの田園都市構想とか三全総とか定住圏構想をやるにしては、これはまだまだいまのような状態では、さっき申し上げたように、率直に申し上げてまだなかなかこれはできない。 たとえば、自分のところの例だけ引き合いにして恐縮でございますが、新潟県は人口がいま約二百四十万でございますが、水資源はまさに日本一ですよ。もう大変な水資源がある。そうして発電量はこれまた日本一です。地下ガスは全国の九〇%を占めておる。働き手は五〇%県外に出ておる。これだけ条件がそろっておっても県民所得は三年前まで全国三十番目、今度少し上がって二十五、六番目まで上がったようでございますが、これだけ資源があってもそれが使えない。電気はみんな東京へ送っている。この暖房だって半分くらい新潟県の電気ですよ。こんなところで自慢しちゃ恐縮でありますが、ガスだって全国生産の九〇%を新潟県が出しておる。そのうちの大半は東京にパイプで送っている。人間だって半分送っている。これはちょっと何かそういう意味では、三全総、田園都市計画というのは私ども断じてこれは行っていただかなければならない。それらの計画を実施するには、雪害の予算がいままでのパターンでは、これはやっぱり若干私ども心もとないような気がいたさないわけでもございません。 そのうちの一つに道路がございますが、まず、何といってもやっぱりこれは道路の拡幅をやっていただかなきやならない。いま建設省でおやりになっておる道路の除雪をする、排雪をする、あるいは融雪をする。まあ二種類、三種類の手当てで本当にやっていただいてはおりますが、依然として二月あるいは一月の豪雪時においては相当混乱を起こしておる。それから、枝線がやっぱりうまくできておらない、こういうことで、道路構造令——私は専門ではございませんが、道路構造令の第八条ですか、道路の幅員は積雪等々を勘案——まあ正確な文章ではございませんが、それらの積雪条件を勘案をして幅員を定めるということが書いてあるわけでございますが、融雪、消雪、排雪だけではもう、車がこれだけふえた今日、なかなかこれがうまくいっておらないというか、満足の状態ではないので、道路構造令にあるような豪雪地域における道路はやっぱり若干幅員を広くして、国県道、将来市町村道も含めて設計あるいは実施をすべきであるというふうな物の考え方に少し転換をしていかなきゃならない、その種のことについて建設省、御専用の御見解を承っておきたいと思います。
○説明員(渡辺修自君) ただいま先生から御指摘ございましたように、道路構造令八条におきましては、積雪地帯におきましては除雲の状況を勘案して幅員を決めろと、こういう規定があるわけでございます。もちろん除雪をいたしますにつきましては、その積雪の深さでございますとか、地形であるとか、沿道の状況とか、それから除雪そのもののやり方等によりましてその辺が変わってくるわけでございますが、一般的には、除雪のその作業をするための余裕幅、それから作業いたしました結果、路側に雪をためておかなければいけないわけでございますから、その堆雪の余裕幅と私どもは申しておりますが、そういう幅が必要になるわけでございます。道路構造令の運用につきましては、そういう意味の部内資料でございますが、解説をつくっておりまして、現実にもそのような道路をつくっておるわけでございます。ただ残念ながら、まだ国道あるいは高速自動車国道等の一部でございまして、先生の御指摘のように、まだ全面的にそういうふうに改良するところまではいっていないわけでございますが、今後その辺は十分考慮いたしまして道路の整備を図ってまいりたいと考えております。
○長谷川信君 まあできるだけ前向きでひとつ御検討をいただきたいと思います。時間がないのでよろしゅうございます。 次に、大臣またお聞かせを賜りたいと思いますが、先ほども社会党の和田先生からお話がございましたが、何といいますか、いま過疎対策というか、政策の中でいろんな看板がたくさん出ておる。たとえば国土庁はモデル定住圏構想を発表いたしておりますし、おたくの自治省は新広域市町村圏、それから建設省が地方生活圏ですか、なお総理は田園都市計画、前福田内閣は第三次総合開発計画ということで、これは別に私どもどうこう言うわけじゃございませんが、ばらばらでやるよりも一つのものでぱっと打ち出した方が強くなるんじゃないか。新聞を見るたびに名前が変わっておったのでは、これはどうも余りいただけた話ではないと思うのでありますが、これはどこが中心になってその種のものをおやりになるのか私どもわかりませんが、できれば自治省でその種のものをいろいろ横の連絡をとられまして、やはり看板は一つにして打ち出された方が、これはさっき和田先生のお話、私賛成だと思うんです。これから特にこの種の政策が国策の基本であり、地方自治の根幹であるということでございますので、自治大臣、その辺御見解と御指導を賜りたいと思っております。
○国務大臣(澁谷直藏君) 最近盛んに言われる地方の時代、まさに日本の歴史の流れはそういう方向で動いていると思います。そういう中で、田園都市構想というのはまさに日本のこれからの歴史の流れの方向に沿った一つの政策の象徴的なものだと考えております。それだけにこれがうまくできるかできないか、その与える影響は非常に大きいと考えておりまして、御指摘のようにそれぞれ違った看板が幾つも出ておるわけです。これではもう国民の側から見ますと、実際これは理解できないわけですね。正直言って国民は本当に困っているだろうと思うんです。ですから、政府としては目指するところは一緒なんですから、とにかく一緒になって相談をして、そして考え方をまとめて一本にして、そして地方がやりやすいような形でこれを実行していくと、わかりやすく言うとそういうことだと思うんです。そういうことで関係の役所が十六あるんですよ、十六省庁。ですから、これがもうばらばらで、おれがおれがとやられたんでは国民はたまったもんじゃないんで、私は特に各省ばらばらの行政というものでは国民が困っちゃう。ですから、関係省庁が多いのはこれはやむを得ませんから、関係する役所は全部集まって相談をして考え方を一本にして、そして国民が受け取りやすいような形で実行するようにということを強く主張しております。幸いに関係省庁会議も何回もことしになってからやっておりまして、いま私が申し上げたような基本的な考え方で各省意思統一ができました。完全にお互いに相談をしてまとまった形で一本でやっていこう、こういう方向でせっかくいま努力をしておりますので、お答え申し上げておきます。
○長谷川信君 前向きの御答弁をいただきまして、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次、大蔵省にお聞きを申し上げたいのは、雑損控除という税制がございますが、これは当時雑損控除、豪雪だか雪害だか、雪害の雑損控除制度ができたとき、まさにそれぞれ地域においては拍手喝采をした、私どもも拍手をした覚えがあるんです、ああ、いいことをやっていただいたなということで。ところが、この雑損控除の税制ができてから今日まで、私の知る範囲では、恐らく全国で申し出が、極端に言えば一件もないのではないか。雑損控除といって、ほかの雑損控除は別でありますよ。雪に対する雑損控除は、せっかく大蔵省であれだけまあ国税庁も含めて大変な御努力をいただいたわけではございますが、残念ながら国民から一件も申請申告がない。税制を定めて一人もそれに応対する形が出てこないというのは、国民が悪いのか、あるいはPRが足りないのか、税制が悪いのか、その辺のことは定かではございませんが、いま隣にいらっしゃる降矢先生、山形県だって恐らく一件も出ていないと言ってらっしゃる、私のところの新潟県も、正確に調査をしたわけではございませんが、少なくともほとんどゼロに近い数字だと承知をしております。新潟、山形で出ておらなければ、ほかからそれほどたくさん出ているということは考えられない。これはあなた方御調査になればわかると思いますが、この種のものは、せっかくつくった税制でありますから、国民からお使いをいただかなきやならない。 そういう意味で雑損控除、いま十分の一ということで規制をされておりますが、これをそれじゃひとつ勉強して二十分の一にするとか、私ども最も好ましい方法はやっぱり所得税減税というふうな形で、豪雪地域の、まあ特豪地帯でもいいですよ。積雪地域なんというと全国四分の三も入りますので、特に豪雪地域でもよろしゅうございます。これは皆さん二、三カ月暮らしていただければ一遍で理解ができますが、全くこれはもう冷蔵庫の中でもって生活しておるということなんです。しかも、そこから出るところの資源は、さっき申し上げたように、ほとんど表日本というか東京に送られているわけでございますが、おまえらはその後はこういう生活をして、おまえらは雪の中で大した恩典もないところで冷たくなって住んでおるというふうな——そういう言い回し方は少し極端だとは思いますが、私どもひがみ根性で申し上げれば、若干そのようなことが感じられないわけでもない。したがって、せっかくつくられた税制で、極端に申し上げれば、まあ正確な数字はさておいて、ほとんど申し出がないというこの実態を大蔵省はどのように考えていらっしゃいますか。国税庁も来ていらっしゃると思いますが、その辺のことをお聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(小野博義君) お答え申し上げます。 雪害に限らず、災害とか盗難とか横領によって住宅や家財に損害を受けた場合、いま先生がおっしゃいましたように、その損害額が所得の一〇%を超える場合には、所得税法の雑損控除という制度がございまして、先ほど先生もおっしゃいましたように、雪おろしの費用とかあるいは雪よけの費用というものも、この雑損控除の中に取り込むということにしておるわけでございます。まあ国税庁といたしましては、その雑損控除につきまして、その損害の発生原因別に申告件数の統計というのをとっておりませんので、ただいまの御質問に対して、一体どの程度出ているかということについては正確なお答えを申し上げられないわけでございますけれども、おっしゃいましたように、かなり件数は少ないだろうというふうに考えております。 ただ、私どもといたしましては、いろいろな機会を通じまして適正な課税を図るための施策を講じているわけでございますけれども、雑損控除など、納税者にとって税額上有利になる制度のPRには十分意を用いているところでございまして、税を知る週間であるとかあるいは確定申告期等を通じまして、ポスターとかあるいはパンフレットとかあるいはテレビその他広報媒体を通じて、そのPRには十分力を尽くしているということでございます。
○長谷川信君 これは税制を始められてから何年たちますか、ちょっとお聞かせいただきたい。
○説明員(矢澤富太郎君) 雑損控除ができましたのは昭和二十五年でございますから、二十八年たちます。
○長谷川信君 私もちょっと不勉強でわからなかったのでありますが、できてまだ三年か四年くらいだと思った。まあそのくらいなら事によったらがまんしなきゃならぬかなあとも思いましたが、いまの御説明を聞きますと、創設をされてから二十八年ということ、二十八年間たって、私の言葉がもし間違っておらなければ全国一件も申告がないということは、これはやっぱり大蔵省も国税庁も真剣に考えていただかなきやならない。そんな例がございますか、二十八年間も税制をつくって、まああなたからの例もございましたが、ほとんど申し出がないということは、これはやっぱり担当省としては当然相半お考えいただかなきやならぬ問題だと思う。これは所得税減税に踏み切るか、あるいは雑損控除の率を上げるか、何らかの方法で国民から御理解をいただくようなことを大蔵省、国税庁は考えるべきであると思いますが、その辺の御見解を承っておきたい。
○説明員(矢澤富太郎君) ただいま、昭和二十五年にできまして二十八年ぐらいたつと申し上げましたのは、雑損控除ができてからそれだけ時間がたつと、ちょっと言葉が足りなかったわけでございます。 それで、いま先生御指摘のお話は、その雑損控除の対象といたしまして、当初は、数年前であったと思いますが、雪おろしの費用を入れたわけでございます。それで、一昨年の豪雪の際に、豪雪地帯の特別控除を設けるべしであるというような御要望が大変強うございました。これに対しましては、なかなか税制をもってしては地域の個別的な事情には対処し得ないという税制独特の問題がございまして、豪雪控除は、これはもう税制の考え方にはなじまないという考え方から、何か現行の税制の中でそういった御要望にこたえ得るものはないだろうかというところでいろいろ検討いたしました結果、雪おろし費用のほかに、建物の外周の雪かきの費用、それからその雪を捨てる費用、こういったものも、いまの法律、政令をよく読むと雑損控除の対象になるようだという解釈をいたしまして、運用上、国税庁で通達を出しまして雑損控除の対象に加えたわけでございます。したがいまして、雪の除雪あるいは雪かき、雪捨て、そういった費用がその雑損控除の対象になりましたのは、御指摘のとおり数年前からのことでございます。 ところで、問題の足切りの限度でございますが、そもそも雑損控除制度は、御承知のように火災、風水害といった災害でございます。あるいは盗難、横領といった損失、こういった損失をこうむりますと、当然その災害を受けた方は、税を負担する力と申しますか、担税力が損なわれるわけでございまして、税制上しんしゃくしてしかるべきだという考え方でできているものでございます。ただ、日常私ども生活をしておりますと、ある程度の災害、災難はその生活に伴って不可避のものでございますので、金額的にも、ある程度のものはそれはまあ御自分で負担していただくべき筋合いのものではないかということで足切りの限度ができております。この足切りの限度がいわばボーダーラインでございまして、そこを超した災害につきましては、担税力が損なわれたものを救済するという趣旨から、所得から控除するという制度になっておりまして、これが一〇%ということで定められているわけでございます。 そこで、御要望は、この一〇%をたとえば五%とかいうことに下げたらどうかという御要望でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、この雑損控除の制度、しかも足切りの一〇%というのは昭和二十五年以来の割合でございます。したがいまして、それなりに社会経済に定着しているという面もございますので、私どもいろいろ検討はしているわけでございますが、これを引き下げるということは非常に困難であるというのがただいまの考え方でございます。
○長谷川信君 ちょっと時間がないので御答弁要りませんが、なぜその申告がないかという中の一つに、雪掘りというのは、大臣きっと御存じだと思いますが、何といいますかな、こう人を頼んできて、いま大体一万円ですよ、一日。それで酒を一升飲まして、それでそれを書いて、何のたれべえに一万円渡したなんて、税務署に、まあ言えないと言っちゃ悪いのですけれども、そんな慣習、習慣になっておらないのです。それは雪掘りに十日も行けば十万円だから、当然所得に——そんなことやるならおれ行かないよということになるのですよ。頭を下げて、おまえ税務署にも言わないし、酒の一升もやるから来てくれということで除雪をやっているので、そんな、あなた方のお考えになっているようなことでやる、そんな申告はできるわけはない。きょうは時間がないから、大蔵省の方もかたくなな御答弁でございますので、いずれ機会を改めてこの問題についてまた御質問いたします。 なお、自治省関係で二、三お聞きをしたいのでありますが、時間がなくなりましたので、大臣に一つだけお伺いいたしておきます。 例の地方自治体病院ですか、これまあいろいろ見方はございますが、いま二千六百億も赤字が出ておることは御存じのとおりであります。この赤字の要因も、幾つか不良貸付がたまったとか、企業の努力が不足をしておって出た面も若干あるかと思いますが、しかし、その大半は僻地であり、離島であり、山間であり、まあその種のところの病院で、よい施設をして、そしてよい医者を使って、これじゃあもう赤字が出るのはむしろあたりまえ。そのかわり医療関係の地方自治の確立というものは、私はある程度これはやっぱりりっぱにでき上ったと思う。この種のまあ二千何百億、膨大もない赤字がいま出ているわけでございますが、これは四、五年前、何回かいろいろ整理もいたしていただいたようでございますが、いままたここで、ある面ではこの辺でまた検討すべき時期に来ているやに思いますが、この辺、御担当大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御案内のように、かつては不良債務のたな上げを確かにやりましたわけですが、その後やはりこの問題は非常にまあ大きな問題でもございますので、自治省は自治省の立場で、交付税なんかでもずいぶんめんどうを見てきておりまするし、それから診療報酬も御案内のように何回も引き上げが行われておるし、また厚生省としては厚生省のサイドで、いろいろな項目について国庫補助制度も新設をしてまいりました。それから当然病院の経営の努力というものもかなりこれは見るべきものがあるわけでございまして、そういったものが全部こう積み重ねられまして、自治体病院全体の経営は一時から比べますと相当改善されてきておると、こういうふうに考えます。もちろんこれで全部問題がもうなくなったというわけにはまいりませんわけでございますが、いま申し上げたように、いろんな角度からの病院の改善の努力が行われてきておりまして、それが逐次実を結びつつあるわけでございますので、私どもといたしましては、引き続き関係省庁とも十分連絡をとりながら経営改善のための側面からの援助を精いっぱいやっていきたいと。そういうことでしばらくひとつ模様を見させていただきたいと、かように考えます。
○和泉照雄君 私は、澁谷自治大臣にまずお尋ねをいたしますが、一月二十三日の新聞報道によりますと、去る一月二十二日の夜の臨時閣議で、総理の施政方針演説の草稿のうちで、財政再建はいまや国民的緊急の課題であり、各方面、あらゆる角度からの論議を期待すると、こういう趣旨の表現に対して自治大臣は、「これは内閣の無責任姿勢だ」と、「財政再建は国民の問題ではない。まさに内閣の問題だ。国民的課題だと言い、論議を期待すると言いながら、実は増税による再建を考えているのではないか。ならば政府は率先して公務員の数や機構を削るという姿勢を打ち出すことが先決ではないか。民間企業は減量経営をしているのに国も地方も公務員は親方日の丸的態度だ。自らを正さないで、国民にツケを回す姿勢は納得できない」と、このように強い調子で再考をお求めになったということが報道されておりますが、その結果、草稿が大幅に書きかえられたということでございますが、歴代内閣にも余り例のないことであり、これが事実とすれば勇気のある発言であると思っております。 すなわち、地方財政の再建というのは内閣の責任であり、公務員の数やあるいは機構を削ることが先決だとおっしゃっておられることはきわめて私は重要な問題を含んだ発言と思われますが、大臣のそのときの御心境、今後の地方自治に取り組む自治大臣の決意、姿勢について御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 新聞の報道は少しオーバーに報道しておりますけれども、まああれに近い事実があったわけでございます。 御案内のように、総理の施政方針演説は閣議で決定するわけでございまして、われわれ閣僚として、同じ内閣、一つの同じ運命を背負っているわけでございますから、その代表として総理が国民に自分の施政方針を訴えるという大事な場面でございますから、私は一国務大臣として私の考えておる点を率直に総理に申し上げたと、こういうことでございます。 私が申し上げるまでもなく、国の財政、とにかく異常な状態になっておることはもう言うまでもございません。国ほどではないにしても、地方財政もまたいままでに例を見ない大きな借金を抱えて非常にいま苦心しておるというごとも事実でございます。したがって、この国、地方両方を通じての財政再建をやり遂げていくということは、これはもう内閣の大きな中心的な課題だと、こういうふうに私は考えておるわけです。 それで政府は、これは自民党も含めてでございますが、五十四年度の予算編成を通じて、どうしても五十五毎度には一般消費税の導入をやはり踏み切らざるを得ないと、こういう結論に到達しておるわけですね。一般消費税の導入というのは言うまでもなく国民に増税をお願いするということであります。でありますから、私は国民に増税をお願いしなくちゃならぬという状況にあるわけでございますから、政府としてはみずからのあり方というものにまずやはりメスを入れなくちゃならぬ、これはもう当然の私は論理だと思うのです。ですから、私は自治大臣就任以来、地方自治体に対しても、長い高度経済成長が続いたわけですから、その間は毎年毎年税はもう自然増収、自然増収ということで予想以上に税が入ってきたわけでございますから、そういうのが十数年も続いたという中で、国も地方も相当なやはりぜい肉と私は言っておるのですが、そういうものがついておると私は見ておるのです。したがって、国民に増税をお願いしょうと言う以上は、この長い高度経済成長を通じてついてしまったぜい肉というものがないのか、むだはないのか、そういった点についてまず政府がえりを正して取り組むべきである、こういう私の平素考えておることをそのまま率直に申し上げたと、こういうことでございます。
○和泉照雄君 一般消費税の問題等についてはまたいろいろと論議がございますが、やはり政府自体がそういう減量をやるということは、いま大臣がおっしゃったとおりきわめて大事なことだろうと、こういうふうに思います。 次は、地方財政の問題についてお尋ねをいたしますが、最近の地方財政は依然として厳しい状況下にあることは御承知のとおりでございますが、地方公共団体がみずからで解決するにはおのずから限度があることも御承知のとおりでございます。現行の地方行財政の制度においては全般的な見直しが必要な、そういう根本的な改革をしなければならないという要求する声も強いのは御承知のとおりでございますが、中でも超過負担の問題は地方自治制度創立以来の問題でございます。この解消について政府の見通しと解消計画案があれば伺いたいと思います。 わが党としては、先般超過負担の完全な解消を図るために、国と地方公共団体の代表から成る地方超過負担調査会を設置すべきことを提案をしておりますが、これらに対する御所見もあわせてお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘の地方超過負担の問題は非常に大きな問題です。そこで、政府もこの問題についてはここ数年来真剣に取り組んで、超過負担の解消に向かって努力を重ねてまいっております。数字については政府委員から申し上げますが、ことしもその負担の解消の方向に向かってかなりの改善の努力をいたしました。今後ともやらなければなりません。私どもはそういう姿勢で今後とも引き続きこの問題の解決に向かって努力をしてまいります。 あと、数字につきましては財政局長から申し上げます。
○政府委員(森岡敞君) いま大臣から申し上げましたように、超過負担の解消は地方財政にとってきわめて大きな課題でございますので、昭和四十三年度から——十年余前でございますが、鋭意関係省庁及び大蔵省と協議をいたしまして超過負担の解消に努めてまいりました。四十三年度から五十三年度までの間に、事業費ベースで大体八千億円強の超過負担の解消を行ってきております。ただ、その間に物価の騰貴もありますし、それからまた施設の整備水準の向上を求める地域の要望も非常に強いわけでございますので、私どももこれで十分とは考えておりません。五十四年度も相応の超過負担解消を行いましたが、今後とも引き続いてやってまいりたい。 具体的な手法といたしましては、関係省庁及び大蔵省と共同で実態を調査いたしまして、その調査いたしましたものについて適切な解消策を講ずるという措置を講じております。なお同時に、地方六団体におきましても超過負担解消の特別委員会が設けられておりますので、私どもはその特別委員会に十分政府の考え方も説明し、また要望も承るということで、非常に密接に連絡をとりながらやっております。したがいまして、いま御指摘のございました国と地方を通じます特別の調査会というものを設けませんでも、十分な意思疎通ができるものというふうに考えておる次第でございます。
○和泉照雄君 超過負担の問題は、いまいろいろと御答弁がございましたが、昭和五十年度末における地方公共団体の超過負担の累計総額ということになりますと約六千三百億円に上る、こういうふうに言われておりますが、五十一年度予算においては事業費ベースで百四十六億円、五十二年度予算で事業費ベースで四百九十五億円程度の解消がなされております。また、昭和五十三年度では、事業費ベースで九百三十億円と非常に高くなっております。これもこの総額からするとまさにスズメの涙でございますが、年々物価の上昇を考えますと、焼け石に水というような感じがなきにしもあらずでございますが、過去に残されたこのような膨大な超過負担額の累計をどう解消しようとされるのか。 五十三年度は先ほど申し上げた九百三十億でございましたけれども、今度は一転落ちまして、五百二十九億と四百億も落ちておるわけでございます。こういうようなことから見ますと、並み大抵な努力では解消はできないと思いますが、政府としてはどのような解消計画案、たとえて言いますと五カ年計画、やはり年次計画をもって解消していこうという計画性をお持ちでなければ、なかなかこの累積赤字の超過負担は解消ができないのではないか、こういうふうに思うのでございます。また今後、地方財政が悪化するということを考えてみますと、この措置は非常に大事ではないかと思いますが、これについての御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のとおりに考えております。地方財政が非常に窮屈になってきておるわけでございますから、それに超過負担が大きくかぶさるというような状態はこれは極力避けなければなりません。ただいまお答えいたしましたように、政府としてはこの点十分もう自覚をしておるわけであります。そこで、歴年、毎年精いっぱいの努力をしておるわけでございますが、御指摘のように、これで全部問題が解決したというところまでは至っておりません。したがって、今後はひとつ何カ年計画というような目標を定めて計画的に取り組んだらどうかという御提案は、私は貴重な提案だと考えます。十分ひとつそういった御意見も参考にして、この超過負担の解消に今後さらに一層の努力をしてまいる決意でございます。
○和泉照雄君 では次に、地方自治体の財政悪化の模様についてお尋ねいたしますが、この地方自治体の財政の悪化は、御承知のとおり、非常に深刻なものがございます。 たとえて言いますと、大阪府下の堺市では、昭和五十二年度の累積赤字は六十八億八千五百万円で、赤字は日本一であります。また、同じ府下の高槻市では、五十二年度末の地方債の残高は五百八十二億六千七百万円で、公債費の比率は二八・八%で全国一で、全国唯一の起債制限団体になっておることは御承知のとおりでございます。両市とも最近になって人口が急増している都市でございます。この人口ラッシュが財政赤字の一因となっていることは事実であると思いますが、しかし一方では、堺市の職員給与が、国家公務員との給与を比較したラスパイレス指数一二八・四%で、全国で七番目で給与が高いということでございます。また、高槻市では、歳出に占める人件費比率は最近四年間に一八・四%から二二・六%に上昇して、給与水準が非常に高いようであります。 このように、財政悪化の事情については給与が高いという批判が一部ではあるわけでございますが、両市では、なぜこれほど財政が悪化したのか。いろいろ理由があると思いますが、その理由と、給与が高いという批判について、自治省の見解を承りたいと思います。 さらにまた、自治省はこのラスパイレス指数をどのような面に活用をしておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 堺市と高槻市の財政悪化の状況はいま御指摘のとおりでございます。私ども大変心配いたしております。 その原因は、これまた御質問の中にございましたように、人口急増によりましていろいろな施設の整備を急速にやらなければならないという投資面での問題もございますが、しかし、給与費が高過ぎるということが大きな要因になっていることは否定できないと思います。私どもは、給与費の水準を考えます場合に、いま御指摘のラスパイレス指数を物差しとして評価、批判をしてまいっておるわけでございます。両市につきましては、それぞれ、堺市は一二八・四、高槻市は一二八・九ということで、全国の中でも非常な高水準に達しております。 その水準の是正につきまして、両市に対し、大阪府を通じまして強力に是正方をいままで指導してきております。堺市におきましては五十年四月一日で一三五・二という、これは大変な水準でございます。その後努力が重ねられまして、いま一三八・四になっており、また高槻市につきましては、五十年四月一日で一三八という水準でございましたが、一二八・九というところまで一応努力が続けられておりますけれども、しかし、それでもなお現段階のラスパイレス指数水準が高いということは私どもも重々承知いたしております。私どもといたしましては、今後、両市の財政健全化を図りますための基本の一つはやはりこの給与費の問題であると考えますので、これにつきまして引き続き強く是正方を求めてまいりたい、かように考えております。
○和泉照雄君 また、この堺市と高槻市の給与が闘いという理由の一つには、いわゆる渡りの制度が進んでいるとも言われておりますが、また、反面にこの給与が高いという世間の批判をかわすために、本来は危険、不快、困難な仕事に従事する職員だけに支払いをされております特殊勤務手当、これが裏給与として一般職員にも一律に支払われている自治体がかなりあるようでございます。高槻市あるいは堺市もそのようなことを言われておるようでございますが、自治省としてはこの渡りの問題と裏給与の特殊勤務手当が裏給与として支払いをされておるということについての実態把握はどのようにされて、またこれが対策はどのように講じようとしておられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(砂子田隆君) ただいま御指摘がありましたように、地方公共団体の中には、一部の団体におきましてお話しのような特殊勤務手当の支給ということにつきまして、実際は支給すべきでない職務の特殊性というものを加味しないで実は支給をしておるという団体がございます。私たちはそういうものを見まして、少なくとも不適切なものについては支給をしないように従前から指導をいたしておるところでございます。特に御指摘がございました衛星都市につきましても、その決算状況から見ますと特殊勤務手当が出ておるように見受けられます。この問題につきましては、私たちの方も、手当の支給について十分根拠があるものについては、それなりの妥当性を認めておりますが、それ以外のものにつきましては、少なくとも検討を要するものだということで指導をしてまいっております。 地方公務員の給与一般につきましても、御指摘のような渡りの問題もございまして、これはすでに全国的に行われておったものでありますけれども、昭和五十年以来、給与の改善について相当の指導をしてまいりました結果、最近は幾分はよくなっておりますが、まだ大部分の団体におきまして渡りをやっているというのはまことに遺憾なことだと思っております。そういうことも含めながら、今後とも給与適正化について、国の基準に示すような制度違反がないように、今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。
○和泉照雄君 自治省からいただいた資料の中で、指定都市の給与費と特殊勤務手当の計数をいただいておりますけれども、相当な高率な裏給与が支給されておるようでございますが、地方財政が悪化している今日、このような違法的な給与が支払われているということは、国民としてはこれは納得できかねることではないか、このように思うわけでございます。自治省としては、この問題についてどのような改善措置をとっておられるのか、また、どれほど改善の措置が進んでおるのか、また、今後、百万都市以外の、政令都市以外の都市にもこのような調査、改善を前提とした調査をされるつもりがあるのか、そこらあたりをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(砂子田隆君) 特殊勤務の手当制度につきましては、従来から、先ほど申し上げましたように、適正な支給についての指導を進めてまいっております。しかし、やはりいまお話のありましたように、政令都市におきましてはなお問題があるように思われます。先生のところに資料をお渡しをしておりますが、これをごらんいただいてもわかりますように、札幌でありますとか京都でありますとか大阪でありますとかというのは、全国平均から見ましても大変多い割合で特殊勤務手当が支出されておりますことは事実でございます。これにつきまして、私たちの方も指導いたしました結果、若干ではありますが、下がっております。政令市全体で、五十一年度で六・四%ぐらいの支出割合でございましたが、五十二年度の決算で見てみますと、大体六・〇ぐらいまで下がってはきておりますが、なお私たちの方といたしましては、この中にやはり不適当な支出がされておるというのがあるようにかいま見ております。今後とも私たちの方といたしましては、これの実態把握をすることに努めるとともに、調査もいたしておりますので、その調査結果を見ながら、制度本来の趣旨に適合するように今後とも強力に指導していきたいというふうに思っております。
○和泉照雄君 百万都市以外もおやりになる、そういう計画はありますか。
○政府委員(砂子田隆君) 全体的に市町村を含めて調査をいたすつもりでおります。
○和泉照雄君 じゃ次は、地方公務員の定年制度の問題についてお尋ねをしますが、財政健全化の一つとして、地方公務員の定年制が考えられているわけでございますが、二月五日の新聞によりますと、自治省は地方公務員に定年制を導入する方針を決めて、具体的な検討を開始したと、こういうような報道がなされておるようでございます。内容としては、地方公務員法を改正をして、同法に、各地方団体は定年制を条例で定めることができるという規定を設け、定年を何歳にするかは各地方自治団体に任せると、このように新聞には掲載をされておるようでございますが、自治省としては、新聞報道どおり定年制の方針を決定をされたのかどうか。また、定年制導入に対する考え方等をお聞かせ願いたいと思います。また、定年年齢に対しては、幾つぐらいが適当と思われるのか、また、その根拠についてお知らせを願いたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 定年制の導入については、私は導入すべきものだと考えております。ただし、ただいま御指摘のございました新聞の報道は、これは事実ではございません。そこまでの具体的な決定はいたしておりません。私としましては、国家公務員と並行して同時に定年制の導入を行いたいと、かように考えておりまして、国、政府の方でもそういう考え方で現在準備を進めておりますので、私の方は、そういった準備はもう国よりもかなり進んでおりますから、国の準備ができ上がれば、いつでもこれに即応して同時に提案できる、こういう体制でございますので、基本的には導入すべきものだと考え、そうしてまた、やる時期は国と一緒にやる、こういうことを考えております。
○和泉照雄君 その新聞報道の中では、ことしの夏の人事院勧告の中で、国の段階でそういうような定年制のことが導入をされるので、自治省の方もそれに同調してやるんだというような理由づけがなされておるようでございますが、いま自治大臣のお話からしますと、国より先行して地方公務員の方は準備ができておるように私は聞いたのですが、そうであるとすれば、その概要ですか、まだ発表できないとは思いますけれども、大体の年齢の枠組みとか、お考えの大枠を示していただければお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御承知のように、地方公務員の給与条件というものは、国家公務員に準ずるというのが現行法制の基本的なたてまえでございます。したがいまして、この定年制についても、自治大臣としては、国の一つの基本方針が決まった場合にこれに準じて決めることが一番適当ではないか、こういうふうに考えております。したがって、その定年制の年齢を何歳にするか、その他の具体的な内容については、国の方がまだ決まっておりませんので、私どもの方としては、考え方は持っておりますけれども、ここで公表することは差し控えたいと存じます。
○和泉照雄君 次は、警察の方に地方自治体の汚職について若干お尋ねをいたしたいと思います。 区議会とか、あるいは議長借金で雲隠れと、こういう見出しで大々的に報道がされた事件に象徴されておりますように、最近自治体の首長、あるいは助役、市町村議員による汚職事件がかなり多く摘発されておるようでございますが、この摘発の実態を詳細にひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(砂子田隆君) 最近、地方公務員の汚職が発生しておりますことは、まことに遺憾なことだと存じております。現在、昭和五十二年度中に発覚いたしました汚職事件に関しましての状況の調査ができておりますので、御報告をいたしたいと存じます。 発覚いたしました団体は百二十二でございます。都道府県で申しますと十九、市町村で百二、公社等で一でございます。件数で申し上げますと百四十三件でございます。収賄八十九件、横領四十五件、その他九件でございます。職員数は二百三十二人、特別職四十七人、一般職は百八十五人でございます。以上でございます。
○和泉照雄君 摘発の実態によりますと、昨年に比較しますと非常に件数も多いし、また収賄の金額も倍ぐらいに近い三億五千万を超えておるとこのように報道されておるようでございますが、特に沖縄の平良市長の三千五百万円を最高に、特に特徴がありますのは、政治活動資金を目当てにした汚職が非常に増加しているようでございます。汚職のほとんどが河川改修、漁港の整備、下水路、ごみ、屎尿処理場、学校の建設等の土木建設事業の入札、指名、請負等、従来と同じパターンで発生しておることは論をまちませんが、このような自治体の汚職が多発している事態に対して、その背景と今後の再発防止についての御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(砂子田隆君) 汚職事件が発生しておりますことは、先ほど申し上げましたように、まことに遺憾だと存じます。 しかし、これはやはり公務員の一人一人が公務員の意識の確立に徹底を欠くというところに根本的な原因があるというふうに私たちは理解をいたしております。そのためにも、業務のチェックの不備でありますとか、監督でありますとか、そういうことを強化をしていくべきだというふうに考えております。このために、随時にわたりまして、総務部長の会議なり、あるいは人事課長、地方課長の会議等を招集いたしながら、汚職の根絶、これが住民の信頼を失う最大の根底の問題でありますから、そういうことのないように十分指導してくれるようにということを、私どもの方から常々申し上げているところでもございます。
○和泉照雄君 警察庁の方、お答え願いたいと思います。
○政府委員(小林朴君) 私どもで汚職事件を検挙しておるわけでございますが、私どもは検挙を通じまして、このような犯罪がないように自覚を促すということをやりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、私どもから見まして、やはりこの汚職が出る要件と申しますか、そういう背景には、非常にまあ一人の人に権力が——権力といいますか、まあ仕事の責任が集中しておるというような場合が多いように思うわけでございます。できるだけチェック・アンド・バランスというような形で仕事を分けて、そうして不正が発生しないように相互に注意をし合うというような仕組みが非常にいいんではないかというふうに思うわけでございます。
○和泉照雄君 警察の方にお伺いしますが、すでに新聞で報道になっております千葉県の東葛飾郡の沼南町の公共事業の汚職事件について、概要と、現在に至る経過をお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(小林朴君) 御指摘の事件は、沼南町が昭和五十一年に発注をいたしました中央公民館建設工事に関しまして、同町長が、その工事の設計監理を請け負った設計事務所の代表取締役から、その請負契約に関しまして有利、便宜な取り計らいをしてもらったそのお礼として、昭和五十二年の三月ごろに現金百万円の供与を受けたということで、昨年十二月の四日にこの贈賄者、収賄者両名を逮捕いたしました。以後捜査を進めておりまして、現在収賄の被疑者が二名、贈賄の被疑者が四名という者を逮捕いたしておるわけでございます。 なお、本件は目下捜査中でございまして、詳細につきましてはここで申し上げることを差し控えさしていただきたいというふうに思うわけでございます。
○和泉照雄君 汚職の舞台になっているのは、先ほども申し上げましたとおり、土建工事にかかわるものが全体の半数を超えているようでございます。長く続いているこの不況で激しくなっている公共事業の受注競争が、この汚職の根を一層拡大しているようでございますが、この点について、自治省としてはこの対策等、こういうような公共事業が非常に拡大して、それに受注競争でこういうことが起こるということについての考え方といいますか、その対策についても含めて御答弁願いたいと思います。
○政府委員(砂子田隆君) 地方公共団体におきます公共事業の発注に当たりましては、いやしくも不正でありますとか、汚職ということが行われるということはあってはならないことでございます。そのためには、先ほど申し上げましたように、そういう仕事に携わる公務員一人一人がやはり住民の奉仕者であるという自覚を持つことが大変大事でございますし、職務の執行に当たりましても過ちを犯さないように心がけるということが大変大事でございます。さらに公共事業の問題につきましては、見積もりでありますとか、入札でありますとか、その他の契約事務でありますとか、会計の経理というのが、法令の定めるとおりに執行されるということが大変大事であろうと思います。自治省といたしましては、かねてからこのような見地に立ちまして、公共事業の発注等の権限が公共団体の内部において適正に配分されているということが大変大事だということからの指導をいたしております。地方公務員の綱紀の粛正を維持しますことは、常々、先ほども申し上げましたように、周知徹底を図ってまいったところでございまして、今後ともいやしくもこういうことが起きないように十分に指導してまいりたいと思います。
○和泉照雄君 やはり、そういういろんな問題がありましても、地方公務員のモラルといいますか、厳然たる姿勢があれば、こういう問題はある程度防遏できるんじゃないか。最近、いろんな公共事業の問題等で口を入れたりいろいろされることを私たちもとかく耳にしておりますけれども、そういうようなことがこの問題の一番大きな原因になるんじゃないか、こういうふうに思いますので、そこらあたりも指摘されて、ひとつしっかり注意をしていただきたいと、このように思うわけでございます。 この賄賂に使った金の使途が、いろいろ遊興費に使うということよりは、最近は政治活動に使うという傾向が非常に首長さんの選挙にまつわって多いようでございますが、水道工事汚職でつかまった千葉県の和田町長は、六百万円の金額をそっくり選挙資金に使ったと、このように言われております。もう御承知のとおり地方統一選挙も目の前でございますが、今回の地方統一選挙に当たって、事前運動のチェックとか、選挙違反の摘発、政治資金規正法の適用等について、厳然たる態度でお臨みになっていかなければならないと私は思いますが、この辺についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(澁谷直藏君) 御指摘のとおりに考えております。そういう厳然たる方針で臨むという、この姿勢で臨んでおりまして、すでにこの統一選挙を前にして、いわゆる事前運動が相当苛烈になってきております。そこで、私が国家公安委員長という立場で答弁申し上げておるわけでございますが、全国の都道府県警察を通じて、件数は政府委員の方から申し上げますが、相当厳しい警告、事前運動の取り締まりをすでにやっております。私は、御指摘のように、この大事な選挙が買収とか何かと、そういったことで汚染されることのないように、これの摘発に対してはあくまでも峻厳な態度で臨んでまいる決意でございます。
○和泉照雄君 やはり、そういうような買収選挙というようなことをきちっと取り締まりをされないで、金は使いほうだいというようなことになりますと、やはりそういうようなところに資金源を求めるということで、地方自治体の汚職ということが広く拡大していくわけでございますから、その点は、いま自治大臣がおっしゃったとおり、厳然たる厳しい態度で今回臨んでいただきたいと特に要望しておきます。 次は暴力団関係について質問をいたしますが、昨今、新聞等で報道される暴力団同士による抗争で、ピストル等が乱射をされ、また日本刀による争いが後を絶たない。しかも、市街地等で一般住民の居住区域内で行われるなどして、法治国家としては本当に恥ずかしい、法治国家を無視したような暴力団の横行に対して、警察の取り締まりは手ぬるいのではないか、こういうような批判が起きておりますけれども、その取り締まり状況について、どのようなことをおやりになっておるのか、警察当局にお伺いをいたします。
○政府委員(小林朴君) 警察といたしましては、暴力団の組織を何とか根絶したいという目標のもとに、暴力団関係者の犯罪を大量に検挙をするということ、それから資金源を何とか押さえたいという問題、それから拳銃等武器の摘発を徹底をするというような三本柱で、警察の総力を挙げまして取り締まりを推進しておるところでございますが、昨年におきましても、御指摘のような、七月に山口組の田岡組長が拳銃で狙撃される、それに関連をいたしまして一連の報復行為が発生するというようなことで、大変国民の皆さん方に脅威を与えたわけでございます。そういうようなこともございまして、特別な集中取り締まりを実施をいたしました。その結果、昨年におきましては、最近十五年間の中で最高の検挙になったわけでございますが、五万八千七百五十人という暴力団員を検挙をいたしまして、大体百四十団体が壊滅、解散するというようなことになったわけでございます。私どもこれで十分だとは思っておりませんけれども、相当の成果を挙げておるというふうに評価をしておるわけでございますが、今後さらに引き続きまして取り締まりを徹底したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 最近の暴力団の抗争の状態というのは、武装の点からいきますと、自衛隊、その次は警察、その次は暴力団と、こういうように国民が非常に恐れるような状態に急速に武装化されてきておるようでございますが、密輸のピストルとかそういうものが非常に多いと思いますけれども、対抗してここらあたりの対策をおとりになっておると思いますが、そういうようなことは、密輸のルートの解明とか、あるいはそれを防止する対策をどういうふうにお持ちなのかをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(小林朴君) 私は一番多いのは密輸であろうと思うわけでございます。そのほかに若干基地から流れるものとかいうようなものがあろうかと思うわけでございますが、現在東南アジアの各国から密輸される、特にタイ方面では、こちらから何と申しますか、武器を集める者が行っておりまして、そういう者が、輸入するいろんな品物の中に隠してそうして輸入をしてくるというようなケースが多いわけでございます。通関の際に、通常持ち込むものであれば相当検査も厳重になるわけでございますが、貨物として入ってくる分野というものはなかなかすべて徹底をするというわけにはまいらないというようなことで、何十丁とかためて入ってくるようなケースがございまして、私どもは海外の、駐在員もそうでございますが、海外の警察と連絡をとりつつ、そういう情報を交換をいたしましてチェックをしていくというようなことをやっておるわけでございます。昨年は、ちょっと時期を忘れましたが、八月ごろの夏の時期に、アメリカの麻薬その他の取り締まりを担当する人方が、これは東南アジアに大分出ておられるわけでございますが、そういう方との会合等を持ちまして情報交換するというようなことをやっておるような次第でございます。
○和泉照雄君 暴力団の抗争の中には、勢力争い、その中にはボスに対する上納金といいますか、組の組長あたりに対する上納金ということが問題になっておるようでございますが、それをお聞きする前に、まず、最近の暴力団の広域化ということについてはどのような傾向にあるのか、それを警察はどのように把握をしていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(小林朴君) 全国の警察で把握しておる全暴力団の数でございますが、約二千五百団体、十万八千人ということになっておりますが、そのうちで約千九百団体、六万三千人という数が広域暴力団の系列下にございます。暴力団の団体数の約八割、構成員の約六割という状況でございます。 このような広域暴力団に対しましては、一都道府県警察による取り締まりでは十分効果を上げることができませんので、たとえば、現在実施をまだ続けておるわけでございますが、山口組の集中的な取り締まり、あるいは関東におきましては稲川組という組がございますが、その集中取り締まりというように、目的をしぼりまして目標を立てまして、各都道府県の警察が緊密に連絡をとりながら総合的に取り締まりをするというようなことをやっておるわけでございます。対立抗争等が起きまして集中的に取り締まりをやっておるわけでございますが、これをやっていけばやっていくほど小さな組が大きな組の傘下に入っていくというようなことが皮肉にも出てまいりまして、広域化ということがそういうところから出ておるのではないかというふうに思うわけでございます。
○和泉照雄君 次は、上納金の制度みたいなものについてお尋ねしますが、暴力団員の上納金と言われる組長に納める金員についてはどのような仕組みになっているのか。また、これは国税庁の方にお聞きしますが、税制上問題点はあるのかないのか、対策は講じられているのかどうか。また、暴力団員の日常の生計などはどのような方法で立てているのか、暴力団の個人個人の生活実態について警察当局はどう把握して監視をしておられるのか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(小林朴君) 暴力団の上納金につきましては、組の運営費、あるいは暴力団同士の交際費、あるいは会費の名目等で、月々に一定の額をいわゆる上納金として下部団体あるいは配下の組員から吸い上げておる団体が多く見られるわけでございます。これは各団体によりましてそれぞれいろんな形態をとっておりまして、ここで一概に言うことはできないわけでございますが、そういうものによって組を運営するということをやっておるわけでございます。 暴力団の日常生活実態ということでございますが、私どもは、やはり人権面というものがございまして、暴力団員であっても日常の行動をしょっちゅう監視しておるというわけにはまいらないわけでございますけれども、犯罪捜査の過程におきまして、暴力団員というものがどういうような生活をしておるのかということをそういう捜査を通じて把握をするように努めておるわけでございます。今後もそういう意味では実態をつかみたいというふうに考えておりますけれども、いずれにしましても、彼らは、正業よりは楽な生活ができるというところに暴力団から足を洗わない一つの問題点があるのではないかというふうに思うわけでございます。 暴力団がやっておる資金源ということを考えてみますと、覚せい剤の売買でございますとか、あるいはのみ行為でございますとか、あるいは恐喝によって金を巻き上げる、あるいは賭博によってそういうふうに収入を得るというようなことが相当あるわけでございまして、それが、何と申しますか、勤労しなくても自分の生活を維持するのに十分なものであるというようなことが、逆に言えば足を洗わない一つの理由になるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 最近またいろいろ問題になりましたサラ金の問題とか、そういうところにも入り込んでおるような話も聞いておりますし、あるいは骨材の砂とか砂利とか、そういう採取にもそういうような人たちが入り込んでおる、こういうことを聞いておりますが、そこらあたりはいかがですか。
○政府委員(小林朴君) いま詳しい資料は持っておりませんが、サラ金の関係でやっておる暴力団が相当おるようでございます。また、そういう砂利の採取だとか、いろんな土木関係の事業にも入り込んでまいりまして、一時は公共事業の中にも暴力団が入り込んで、入札等につきまして暴力をふるうというような問題もあったやに聞いておりますけれども、いずれにいたしましても、彼らは、金になることであれば何でもやっていくというような性格を持っておるわけでございますので、そういう点では、警察の暴力団取り締まりというものは、生活実態と申しますか、そういう金をもうけるというか、金を得るための目先が非常に暴力団はきくわけでございますので、そういう点を十分監視をしてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(小野博義君) お答え申し上げます。 先ほどの上納金の問題でございますが、税法上は、その所得の発生原因が何であるかを問わず、その所得が発生すれば課税の対象としているわけでございますので、御質問のいわゆる上納金につきましても、その実態を必ずしも正確に把握しているとは申し上げられない状況でございますけれども、その態様によりまして、恐らく事業所得または雑所得となる場合が多いと考えられるわけでございます。いずれにしましても、それにより所得が発生したということが確認できますればそれが課税の対象となるわけでございますが、ただ遺憾ながら、暴力団の所得と言われるものにつきましては、一般事案に比べまして、先生御案内のように、課税の端緒を把握することが非常に困難であるとか、あるいは調査に協力を得ることが困難であるとか、そういったような問題があって把握することが非常にむずかしいというものが多いわけでございます。また、一般事案に比べますと、所得計算上も、必要経費の認定等特別なむずかしさがあるということを御理解願いたいと存じます。
○和泉照雄君 暴力団が使用しているピストルの中で、改造拳銃が非常に多く含まれていると、このように言われておりますが、一昨年銃刀法改正の際に、モデルガンの規制については厳しく改正されましたわけですが、最近摘発される改造拳銃とモデルガンの規制との関係については、警察はどのような実態把握をしていらっしゃるかどうか。それからこの改正前に、すでに市井に出回っているであろう改造可能なモデルガンについての実態調査をされたことがあるかどうか、その辺のところをお答え願いたいと思います。
○政府委員(塩飽得郎君) 改造拳銃あるいはモデルガンの問題でございますが、とりあえず銃刀法関係の取り締まりということで、昨年一年間で銃刀法違反で検挙した状況につきましては、銃砲関係で、拳銃等を千三百五十三件、千二百七十人、押収した数が千三百八十一丁となっておりまして、そのほか猟銃等が二千九百二十九件、二千三百人、押収数が一千九百六十一丁、その他の銃砲が百三十八件、百三人、押収数が九十五丁、総数にいたしまして四千四百二十件余りを検挙しておるわけでございますが、モデル拳銃を改造いたしまして、金属製の弾丸を発射するような機能を鮮たすようにしましたいわゆる改造拳銃の押収の数につきましては、昭和五十三年末の押収数を見ますと五百九十一丁でございます。これは昭和五十二年末と比べますと三八・六%減っております。それから改造拳銃の押収先を見ますと、そのうち八九・五%というものが暴力団からの押収という数字になっております。 改造拳銃の押収が大幅に減りましたのは、御指摘のとおり、五十二年の法改正によりまして、金属製モデルガンに対する改造の防止措置の義務づけ、こういったことがありましたために、取り締まりが強化したということによるものと見られるわけであります。今後この種の規制が軌通に乗るに従いまして、さらに減少するのではないかと考えておる次第でございます。 また、モデルガンの実態といたしましては、銃刀法改正後に製造販売されましたモデルガンのうち、模擬銃器に該当するものは現在までのところ見当たらないという状況になっております。 問題は、モデルガンが規制される前に出回りましたモデルガンの数でございますが、そのあたりにつきましては、正確に把握することがむずかしいわけでございまして、当時、年間の販売総数が恐らく五十万丁ぐらいであったろうというふうに推定しております。これらの銃が平均して二、三年ぐらいは所持されるというふうに推定されますので、現在所持されている数はおよそ百五十万丁前後ではないかというふうに推定しているわけでございます。したがいまして、あるいは人の数にいたしまして推定しますと、三十万から四十万人ぐらいの人が持っているんではないか。ただ、これらのモデルガンにつきましては、そのほとんどが材質が亜鉛合金ということで、耐久性がございません。また、手入れがよくないと急速にもろくなるとか、あるいは持って遊ぶ期間がそう長くないというふうなことから、年々これからは減っていくであろうというふうに推定している次第でございます。
○和泉照雄君 暴力問題の最後に、日本赤軍の問題について若干お尋ねをしますが、この日本赤軍と名乗る国際的暴力組織対策の重要な問題でございますが、一部の情報によりますと、成田空港問題を契機に国内への潜入説もあるようでございます。また、ダッカ・ハイジャック作戦に勝利をした直後に日本赤軍は、天皇制打倒、天皇制と密着している財界二百人へのテロ攻撃を表明しておることは御承知のとおりと思いますが、先進国首脳会議を目前に控えた現在、非常にこの日本赤軍の動きは注視しなければならないと、このように思うわけでございますが、この過激派対策に対する警察の見解はどのような御見解で、また対策はどういうふうな対策をおとりになっておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(鈴木貞敏君) 仰せのとおり、日本赤軍につきましては、治安問題としても私たち最大の関心を持ち、これについてはいろいろ日々新たな気持ちで当たっているわけでございますけれども、これに対する基本方針としましては、もういまさら申し上げるまでもございませんが、これら日本赤軍を含めた極左暴力集団の違法行為に対しましては、断じてこれを許さないという基本的な方針によりまして従来ともいろいろ厳正な取り締まりをやってきているわけでございますが、今後ともさらに厳正、徹底した取り締まり検挙に努めてまいりたいと、こういうふうな気持ちでおります。 具体的には、まあいま仰せのような日本赤軍、いろいろ動きが——何せ海外に約二十名がいるというふうなことでございますので、これがどういうもくろみで、仰せの東京サミットというふうなものをねらいまして日本逆上陸とか、いろいろのことが言われるわけでございますが、やはり最大の関心事でございまして、何としてもこの日本赤軍による凶悪事件は未然に防止しなくちゃならぬというふうなことで、実は国際的な広がりの中で外国の各捜査機関、そういったところとも情報交換を密にいたしまして、国際的な協力のもとで日本赤軍の暴力行為、凶悪なる違法事件というものを未然に絶っていくというふうな面で日々努力しているところでございます。 東京サミットというものが未曽有の会議でございますので、警察としましては、これが安全かっまた要人の警護、警備という面につきましてはいささかもひとつそごのないように、実はただいま、以前よりいろいろの点で努力しているというふうなところでございます。
○和泉照雄君 最後の質問に入りますが、猟銃の所持ということに関連をして二、三お尋ねをします。 狩猟の解禁になりますと、必ずと言っていいほど猟銃の暴発による事故もしくは誤射による事故等が報道されておりますが、このことは猟銃の所持許可を与える際に、猟銃操作に対する基本的知識を十分承知させていないことにも原因があるのではないかと、このように思われます。たとえて申し上げますと、自動車運転免許を交付する場合にはいろいろな試験を行います。ですから、銃砲等の所持許可にも技能検定試験を大変厳しくする必要があると私は思うのでございますが、この点についての御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(塩飽得郎君) 御指摘の技能の検定の問題、あるいは許可基準を厳しくする問題に絡みましてですが、昨年行われました銃刀法の改正によりまして、この技能の検定制度というものが取り入れられております。昨年の十二月一日から、新しく猟銃の所持の許可を受ける者は猟銃の射撃あるいは操作につきまして公安委員会の行う技能検定に合格するか、または教習射撃場に行きましてこういった技能について教習を受けまして、技能を修了したという証明書の交付を受けた場合でなければ許可をしてはならないということで許可の基準を厳しくしておりまして、事故防止その他に努めておるわけでございます。したがいまして、御指摘の件につきましては、以前よりはこの改正によりまして前進するものであろうというふうに考えております。
○和泉照雄君 非常に簡単な操作ミスによる事故というのが解禁になりますと非常に多いということが私が設問した一つの大きな理由でございますが、公安委員会でそのような技能検定をした後に許可をするということになりますと、そのそこでの検定というのが私は問題ではないかと思います。アメリカと日本は異なりまして、銃砲等の所持というのは国民的な所持禁止ということが私は合意ではないかと、こういうふうなことから、やはりそういうふうな所持禁止という国民的な合意の中で一部にそういう許可をするということになりますと、やはり厳しくこれは規制をすることが当然ではないか。いろんな問題が起こっておりますので、そういう点も含めてどのようなお考えなのか。いまそういうふうに公安委員会でやっておるからだんだん減っておるからいいとおっしゃいますけれども、私は減っておるんじゃなくて、余りにも単純なミスによるそういうような暴発とか誤射というのが多過ぎるので、そういうようなことは厳しくすべきであるという、そういうふうな考え方を持っておるんですが、どうでしょうか。
○政府委員(塩飽得郎君) 御指摘のとおり、公安委員会でやります検定にいたしましても、その辺の中身というものが問題になろうかと思いますので、そこら辺のどういったふうなことでやるかということにつきましては、今後ともなお十分、少しでも技能が向上するようなやり方で検討してまいりたいと思いますし、また、そのほか教習射撃場におきます教習につきましても、やはり同じようにその内容というもので少しでも向上を図るように努めたいと考えております。 さらに、銃を持っている人につきましても、銃の定期検査でありますとか、あるいはその他講習会、あるいはまたそういった猟友会等の組織を通じまして、技能教習あるいは知識の普及というふうな点にも大いに努めてまいりたいというふうに考えております。
○和泉照雄君 猟銃等の所持許可の有効期限というのは昨年の改正で三年となっておりますけれども、この三年間における銃砲等の安全保管の状況等についてはどのような方法で確認をされるおつもりなんですか。
○政府委員(塩飽得郎君) 現行の許可期間三年間の安全保管のチェックの体制の問題でございますが、猟銃等の保管場所がそれぞれの個人の住宅内である場合が多いわけですが、現行法上は立入検査の規定はございません。したがいまして、公安委員会は必要な報告を求めるということができるにとどまっているわけでございます。 そこで、保管の適正を図るためにはどうしても猟銃を所持する人個人個人の自覚にまつところが多いわけでありますが、法令上の規制を担保するという意味で、許可申請の段階では、まずその保管庫でありますとか、その置き場所に関する資料というものを提出してもらうということを強く指導することをまず第一といたしまして、そのほか、先ほど申し上げました猟銃等の講習会あるいは猟銃等の検査の機会に、安全な保管についての指導でありますとか、確認を求めるといったこともやっております。また、そのほか安全の広報につきましても努力をしているところでございます。
○和泉照雄君 現在猟銃の所持許可を受けて猟銃を所持していながら、実際にはなかなか使用しないいわゆる眠り銃、このようにして保管をされているものが相当数あると思われます。この眠り銃について、実態について調査をされたことがあるかどうか、調査結果がありましたら伺わせていただきたいと思います。 この眠り銃の中には、自宅の応接間等の壁の飾り物同様に置かれているものもあるように聞いておりますし、私も実際見たことがございます。こういう眠り銃が持ち出されて暴力団等に流れて不祥事件を起こしたり、そういう事例もあるように聞いておりますが、眠り銃対策としては警察当局の考えはどのようなものをお持ちか、調査結果とあわせてお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(塩飽得郎君) 眠り銃といいますと、特別の理由がなくて許可の目的に従って使われていない状態というものが相当長く続いているものを言うと思いますが、これは従来必ずしも十分把握されていなかった向きもございます。ただ、昨年銃刀法を改正いたしましたので、それを機会に、たとえば猟銃の所持許可証に、この猟銃用の火薬類等の譲り受け許可証と、それから狩猟免許を受けた場合に交付を受けます猟銃の火薬類の無許可の譲り受け票、こういったものもあわせて持たせることにしております。また、標的射撃がございますので、射撃場で火薬の譲り受け許可証の実包の消費数量というものの確認を、記載を受けるというふうに指導をしております。 そういったことで、銃の使用実績というものを十分把握できるように努めているわけでありますが、さらに今後としましては、まず申請のあった段階で、実際にその目的にかなった使用をするのかどうかとか、あるいは猟銃等の一斉検査、許可の更新等の機会を通じまして、その使っている状況というものを十分に調べまして、万が一眠り銃である場合には、当該猟銃を他人に譲り渡すか廃棄するかというふうなことで指導をしてまいりたいと考えております。 なお、昭和五十二年一年間でございますが、眠り銃として譲渡あるいは廃棄を指導いたしまして処分しました猟銃等の総数は約二万四千丁余りになっております。このうち、譲り渡したりあるいは廃棄したというのがおよそ半々近くになっておりますので、これからもこういった措置をとることによりまして適正な使用ということにも心がけたいと考えております。
○和泉照雄君 昨年の法改正によりまして猟銃保管の委託ができるようになっておりますが、これはもう所持許可を受けたものは良好な状態で保管をしなけりゃならないことは当然のことでございますが、猟銃保管の委託、こういう委託ができるようになったわけでございますが、この委託の実態を調査されたことがございますか。
○政府委員(塩飽得郎君) 改正後間もないためもありまして、まだその点は調査をしておりません。
○和泉照雄君 そこで、猟銃等の保管について私はここで三点ほどお尋ねいたします。 現在、わが国におきましては、銃砲等を所持するということは、先ほど申し上げましたとおり原則的に禁止されております。たとえ自衛隊、警察といえども、所持の原則的禁止の範囲内に入るものと考えていいのではないかと考えます。 そこで、まず第一点に、民間人が所持許可をされた猟銃等は、狩猟等は解禁期間があり、一年じゅう解禁というのは数少なく、また毎日クレー射撃に出かける人も数少ないのではないかと思われます。そこで、猟銃等は、国または地方団体等が保管設備をつくり、有料で強制保管をさせて、使用するときに持ち出させ、使用後はまたその設備に保管をさせ、民間の住居内には猟銃等は置かないことにすれば、暴力団等による不祥事件はもとより、猟銃による事故等の防止に大変役立つと思われますが、この点についてお伺いをしたいと思います。 第二点は、銃砲等の所持禁止の原則は、たとえ警察官であっても適用されるものであるということは言うまでもないと思いますが、警察官の場合は銃刀法第三条第一項により所持禁止が解かれているのでありますが、昨今新聞等で報道されました若い警察官によるピストル事故等を見ますときに、警察官のピストル携帯にも一考を要するのではないかと、このようなことを言う人もいるようでございます。 現在の交番勤務の警察官の年齢は、十九歳から二十五歳までが三八・九%、二十五歳から三十歳までが三六・五%、三十歳から四十歳が二〇%、四十歳から五十歳が二・一%、五十歳以上は二・五%というふうになっております。すなわち三十歳以下が圧倒的に多いのであります。警察官がパトロール中必ずしも常に拳銃を携帯しなければならないとも思われないので、全体の問題として、警察官の拳銃携帯について再考をする時期にあると言っている人もおるようでありますが、この点についての御見解をお聞かせ願いたいと思います。 第三点として、先ごろの大阪における猟銃銀行強盗事件は数多くの犠牲者を出し、痛ましい限りでございましたが、このことは、犯人が猟銃所持許可を得ていた問題については、法の精神を十分検討し、改めて猟銃等の所持許可を与える場合については再検討する必要があろうかと思いますが、私がここで問題にしたいのは、銀行等の金融機関窓口の、建物の構造でございます。外部からの侵入に対しては大変堅固につくられておりますが、一たん強盗等が中に入り込んで立てこもった場合には逮捕しがたい構造であります。警察当局としては何らかの方法を常時用意できるように改造させるべきだと思いますが、この点含めて三点、御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(塩飽得郎君) まず第一点の銃の保管の問題でございますが、御指摘のように、現在民間の保管ということになっております。これを国あるいは公共的な施設に保管するという御意見でございますが、確かに御指摘のような措置をとりますことにつきましては、盗難でありますとか事故防止に関して大変大きな効果があると思われるわけでございます。ただ、実際に銃砲類を公共の機関が管理することが可能であろうか。七十万丁以上もあるわけでございまして、そういった問題を考えますと、果たして実現する可能性があるかどうか、きわめてむずかしい問題が一つあるように思います。 それからまた、所持者にとりましても相当に厳しい規制ということになります。また反面、一たん設備から持ち出された場合には公の機関の監視下に入るという余地はないわけでございまして、先般の事件にかんがみましても、不法行為を防止するという観点からは、なおこういった保管の問題につきましても絡めていろいろと検討する必要があろうかと考えておる次第でございます。 それから、警察官の拳銃の所持の問題でございますが、これは警察法の六十七条の規定がございまして、一般的に小型武器の所持を認められているわけでございます。拳銃の携帯につきましては国家公安委員会規則がございまして、原則として制服警察官に限るということになっております。また、制服勤務の場合でも、実際の仕事をする場合、たとえば交通の取り締まりでありますとか、雑踏警備に従事する場合などには携帯させないことにしております。そういったことで、実際の勤務の中身に即した携帯を認めているわけでございまして、その限りにおいては、拳銃を携帯しておりますのはそのほとんどが外勤警察官、これは御指摘のとおりでございます。ただ、外勤警察官の任務としましては、パトロールでありますとか職務質問を初めとしまして、各種の事件、事故の処理、また犯人の制圧、逮捕等の初動措置を行うわけでございまして、この種任務の遂行につきましては、単独あるいは少人数で昼夜を問わず絶え間のない危険にさらされているものであります。したがいまして、勤務中は常に拳銃を携帯させることとしまして、具体的な事態に応じて適切に使わせるのが制度の趣旨にかなった合理的な運用であるというふうに考えております。ただ、使用並びに取り扱いにつきましては、警職法によるほか、公安委員会規則もございますので、詳細な規定があります。日常的な教養、訓練を行いまして、不適切な使用事案の絶無を期しているところでございます。 それから、三番目の銀行の防犯上の問題でございますが、従来は銀行の防犯につきましては、これまでは主に侵入を防止するという考え方から、金融機関の構造でありますとか、設備などについて防犯上の指導を行ってきたわけでございます。たとえば出入口の施錠であるとかあるいは警報装置、あるいは窓をどうするかとか、そういったことでございますが、今回の事件を契機といたしまして、この種事案の未然防止と、さらに事件が発生した後の早期鎮圧という立場から、構造、設備のあり方についてもう一度見直しを行いまして、関係方面とも協議しながら防護体制の万全を期してまいりたいと考えております。
○沓脱タケ子君 それでは、私、きょうは政治資金、特に企業献金についてお聞きをしたいと思っております。 最初に、自治省にお伺いをしたいんですけれども、いま問題になっております日商岩井の政治献金ですね、これについて、昭和四十三年から五十二年までの十年間にわたる政治献金先ですね、これをひとつおっしゃっていただけませんか。
○政府委員(大橋茂二郎君) お答えいたします。 お答えいたします前に御了解願いたいのは、自治省はただいま日商岩井という特定の寄付者がどういう政治献金をしているかということの報告を受けておりませんで、政治団体から収支報告を受けて、その政治団体の報告の中から調べると、こういう仕組みでございます。したがいまして、ただいまお答えしますのは、自治大臣所管の政治団体が昭和四十三年から五十二年の間についてどういう寄付があったかということを官報に公表いたしますので、それによって調べ得たということでございます。 それを総額で申し上げますと、大体二十五団体で、一億二千三百九十四万九千円でございます。
○沓脱タケ子君 官房長官がちょっとおくれるらしいんですね。 それで、それじゃ先に入りますが、日商岩井から二十五の政治団体に一億二千余りの政治献金が企業献金としてやられているということです。私はちょっと少し角度を変えてお伺いをしたいんですが、日商岩井は昭和四十八年から五十二年までに六十四億六千万円の申告漏れがあるということが明らかになっております。しかも、これが使途不明金として問題になっているわけです。 そこで、国税庁にお聞きをしたいんですが、日商岩井の申告漏れ金額は幾らであって、その後修正追徴税をお取りになっておられると思いますが、その金額は幾らかということですね。多分、公示されていると思いますから御発表いただけるのじゃないかと思います。
○政府委員(西野襄一君) 日商岩井の修正申告の状況でございますけれども、四十七年十月から四十八年三月期までの分につきましては、当初の申告が七十九億七千百万円でございます。修正申告の額は百二十億八千九百万円となっております。次に、四十八年九月まででございますが、当初申告が三十億五千七百万円、修正申告が二十九億三千五百万円となっております。次に、四十八年十月から四十九年三月まででございますが、当初申告が九十二億五千四百万円、修正申告が九十七億一千六百万円となっております。次に、四十九年四月から四十九年九月まででございますが、当初申告が三十三億三千四百万円、修正申告が三十四億六千四百万円となっております。それから五十年四月から五十一年三月でございますが、当初申告が百二十二億二千百万円、修正申告が百三十四億八千百万円。次に、五十一年四月から五十二年三月まででございますが、当初申告が百十二億四千四百万円、修正申告が百十七億三千七百万円となっております。 いま申し上げました当初申告、合計いたしますと四百七十億八千百万円になります。それから修正申告、申し上げたのを合計いたしますと五百三十四億二千二百万円となります。差し引きが六十三億四千百万円と、こういう数字でございます。
○沓脱タケ子君 その約六十四億というのが、これは使途不明金という形で追徴をされたわけですか。
○政府委員(西野襄一君) ただいま申し上げましたのは、日商岩井から修正申告という形で出された所得金額でございまして、これにつきましては税務上のいろんな期間損益の問題でございますとか、そういったふうな点、また、当初の会社の申告、当初申告の段階におきましては漏れておりました所得などにつきまして、その後調査をされまして修正として出されたものでございますとか、また税務側の調査がございまして、その調査を踏まえまして修正された額でございますとか、そういったふうな所得の漏れ全体がここに入っておりますので、ただいま先生のおっしゃいました使途不明金が幾らであるかというのはこの数字ではうかがえない、こういうことでございます。
○沓脱タケ子君 いまの御説明で修正申告をされたということで六十四億なんですがね。これはもし調査をしなかったら、その分は脱税になるおそれがあったわけですね、実際上は。
○政府委員(西野襄一君) 修正申告でございますので、会社の方が、会社側の再調査によりまして申告漏れがあったというようなことから自主的に申告されるものもこの中にはあるわけでございます。また、税務側の調査によりまして、その調査で漏れがあったということを踏まえまして会社の方から自主的に修正されてくると、そういうものも含まれております。
○沓脱タケ子君 会社が自主的に修正申告したという姿にはなっておるというふうに言われますが、しかし、この六十四億の中には、いわゆるボーイング747SRの売り込みに係る代理店手数料の五十五万ドル、それからソウルの地下鉄車両からの六十二万五千ドル、これが含まれているというふうに言われているわけですが、そういうことはどうなんです。
○政府委員(西野襄一君) そういったふうな額もこの中に含まれているわけでございます。
○沓脱タケ子君 そういうものが含まれているんですね。で、自発的に修正申告を会社がやったと、こういうお話なんだけれども、五十二年末にアメリカの国税庁、IRSからボーイング社の747SR機売り込み手数料の調査を依頼をされて、国税庁が見直し調査をして五十五万ドルの使途不明金を発見したというように言われていますね。号したら、アメリカからそういう依頼がなければ、この分はわからなかったんじゃないか、わからなかったら脱税になってしまうのではないかといろことなんですよ。そういう点では、私はきわめて悪質じゃないかと思うんですよ。だって、アメリカから調査依頼があったから調査をした、そういう機会に全部出てきたのかどうか知りませんけれどもね。姿としては修正申告ということで自主的におやりになっておられるようですけれども、しかし、その間にはアメリカからの調査依頼があった、アメリカ国税庁ですね。アメリカの国税庁から調査してくれと言われて調査して五十五万ドルの使途不明金が明らかになったということで、それが所得になったんでしょう。だから非常に悪暫だと思うんですけれども、私は従来の、当初の申告ではいわゆる所得になっていなかった分が、そういうふうにアメリカの調査とも関連をいたしまして、使途不明金であったんだから当然課税の対象にするんだということになって修正申告されかということになれば、これはきわめて悪質ですよ。一般の国民はこんなことで済まないですからね。本来こういうものについては、当然、そういった使途不明金というのは非常に問題だと思っているわけですが、国税庁としてはそういう点の、使途不明金の解明についてはやっておられるんですか。
○政府委員(西野襄一君) 使途不明金の点でございますけれども、この使途不明金と言われておりますのは、企業がいろいろな事情からこの使途を明らかにしたがらないという支出金でございまして、このいわゆる使途不明金につきましては、私どもやはり課税の公平を図るという観点から申しまして、実際に所得を得た方に課税するという税法のたてまえから考えまして、何とかしてこの真実の所得者を確認したい、こういうふうに努力をいたしておるわけでございますけれども、しかし、会社の方でその内容を明らかにされないということになりますと、そういったふうな点でその金の行方がわかりません。そうなりますと、私どもといたしましてはその使途不明金についてはやはりこれを損金として認めるわけにはまいりませんというようなことから、これを否認をいたしまして法人税を課するという処理をいたしております。
○沓脱タケ子君 それで国税庁は、使った先をどうしても言わない、納税者が言わない、日商岩井なら日商岩井が言わない、それなら損金にはできないから税金を払えということで、税金取ったらしまいということなんでしょうが、これは少なくともそういった点の調査については国税犯則取締法等を適用して、これは査察でも何でもやるべきだと思うんですよね。そういうことはおやりにならないですか。
○政府委員(西野襄一君) 使途不明金につきましては、先ほど申しましたような内容のものでございますので、使途が明らかではない、しかし、それが隠されていたというようなところから重加算税を課しておるわけでございますけれども、他方、この使途不明金について査察調査を行うべきではないかというお話でございますが、査察調査と申しますのは、もう先生御案内のとおりでございまして、通脱犯の告発ということを目的といたしまして強制調査権を発動して行うものでございます。したがいまして、やはりその捕脱の内容というものを立証できるだけの証拠を収集いたしませんとそこに踏み切るわけにはまいらないと、こういうふうなことでございまして、現段階におきましてはそういったふうな見通しを持つに至っていないということでございます。
○沓脱タケ子君 私は特にこの点についてなぜ申し上げるかと言いますと、たとえばロッキード公判で全日空の若狭が、政治家にあいさつに行くのは一般的な慣習だと、それから、全日空にボーイング機を売り込んだ際に日商岩井が政治家にあいさつをしたと部下から聞いていると、これはちゃんと宣誓して言うている証言ですよ。言われている。つまり疑惑の焦点になっている点が出てきている。公判廷で証言されている。特に私はこういった使途不明金について追及、解明しなければならないであろうと思いますのは、若狭が同じく証言で、大体政治家には一年に、一回百万ぐらいを盆暮れにあいさつに持っていくのは大ぜいの政治家に持っていくんだと、それ以外に領収書ももらえねような金は年に四、五千万円は要るんやということを言うてるんでしょう。つまり、使途不明金と言われている中には、政治家に渡ると言われる黒い金が入っているということが十分に考えられるんですよ。だからこそ使途の解明、使途不明金の解明というのは必要だという点を強く申し上げている。特に疑惑の焦点になっているからですよ。すべてやりなさいと言うてないんですよ。こういうふうな形になってきたら当然使途不明金の追及というのは厳密に、厳格にやるべきだということを申し上げているんで、これは法務省の御見解、国税庁の御見解を、もう一度くどいようですけれどもお伺いをしたい。
○政府委員(西野襄一君) 使途不明金の調査に対しますわれわれの考え方につきましては、当初に申し上げましたように、私どもやはり実際に金が渡った使途、いわゆる真実の所得者に対して課税したいというのが私どもの念願でございまして、したがいまして、私どもといたしましては、あらゆる情報を収集いたしまして、そういったふうな適正な課税に今後とも努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○沓脱タケ子君 それじゃ法務省にもお伺いをしたいと思いますので、もう一遍申し上げますが、全日空の若狭の証言で言えば、裏金は四、五千万は要るんだ、それで政治家には年に二回百万ぐらいずつは数多くあいさつに持っていってるんだと、こう言うてるんですね。ところで、私驚いたのは、これは「全日本空輸の政治団体への寄附状況」というのを昭和四十三年から五十二年まで実は官報の記載の資料をちょうだいした。ところが、それを見たら四十四年なんというのは一万ですわ。それから最近で見ますと、五十年度は百万、四十九年は百六十一万というようなことですよね。届けられている金額というのはそういう些少なものです。ところが、社長が、年に二回、百万ぐらいずつは多くの政治家にあいさつに持っていく。さらにもっと領収書のもらえない裏金は四、五千万は要るんやというふうに言われている。そんなものは行き先は言いたくないということで使途不明金というかっこうになるじゃないですか。だから重大だというふうに申し上げている。 法務省の刑事局長は、衆議院の予算委員会等でも、金の動きに絡んで何か不正があるかないかということを解明するんだということをお述べになっておられますが、日商岩井から二十五団体への、政治団体への献金についても、こういった立場では関心を払って御調査をなさっていらっしゃるのかどうか、その点についてお聞きをしたい。
○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまのお尋ねの前提になりました若狭証言に若干誤解があると思いますので、その点まず御訂正申し上げたいと思いますが、若狭証言は結局途中でしり切れトンボになって終わっておりますが、よく読んでみますと、政治家に、あるいは政治団体に献金したり、盆暮れに贈ったりする金の総計が年間四、五千万円であるということを言っておるわけで、その中には領収証の取れないものもございますと、こういうことを言っておりますから、その領収証の取れないものが四、五千万円になるというふうには言っておらないわけで、領収証を取っているものが多いのかもしれません。その辺は証言がしり切れトンボですからわかりません。 それはそれといたしまして、私どもの方は、使途がわからない金ということでは何とも手のつけようがないわけでございまして、どうも犯罪に関係があるんじゃないかという金が見つかりますれば、あくまでその行き先をはっきりして、そしてそれが犯罪になれば犯罪として徹底的に究明していくと、こういう立場でございます。そういう観点からしますと、まずもって先ほど来御指摘の、自治省の方へ届け出られており、かつ会社の帳簿にも載っておるというようなものにつきましては、これはまあ犯罪として扱うべき限りではないと思います。先ほど国税庁から御答弁がございましたけれども、たとえば御指摘の、ボーイングからの五十五万ドルと、こういういわゆる使途不明金、これについては一応の関心を持たざるを得ないところでございまして、衆議院でも御答弁申しましたように、検察当局は一応その内容を吟味いたしまして、時効等の関係もありまして犯罪として立件するに至っていないわけでございますが、衆議院でもこの点をめぐっていろいろ御論議がありまして、その中には十分傾聴に値する御論議もございますので、その都度検察当局にも連絡しております。したがいまして、検察当局としても、新たな事情が明らかになりますれば当然究明をすべきものだと、こういう態度でおるわけでございます。
○沓脱タケ子君 伊藤刑事局長、政治資金にも正式に届け出をし、帳簿にも会社には載っておるということになれば犯罪ではないというふうにおっしゃっておられるんですがね。現行法ではそういうことになろうと思いますけれども、しかし、全部届け出たら全然犯罪と関係がないかどうかというと必ずしもそうではなくて、企業献金というものの性格上、企業が献金する以上、当然企業の利益のために公権力、あるいは行政を曲げるなり、あるいは企業のために利益誘導をするなりという、何らかの期待を持ってやっているわけですから、これは関心を持たないというわけにいかぬと思うんですね。特に、わが党の内藤議員が訪米調査のときにも、日商岩井の幹部が言ったという話を聞いてきておられますけれども、日本では大体政治家に賄賂を渡すのは当然だと、政治家に金を握らせたら商社として思いどおりのことができるんだということを公然と言っておるというふうな状況でございますから、私は届け出をされている先ほどの二十五団体、計一億二千万余りの日商岩井の政治献金についても、大いに関心を払うべきではないかと思いますが、重ねて伊藤刑事局長にお聞きをしたい。
○政府委員(伊藤榮樹君) きわめて正確に言葉を選んで申し上げるといたしますと、先ほどの私の答弁は若干舌足らずでございまして、もちろん会社の帳簿についており、かつ政治資金として届け出られておりましても、これが賄賂性を帯びておるということであれば賄賂罪を構成するわけでございまして、現にそのような事実について政治家が有罪になった例もあるわけでございます。したがいまして、私は一般論として、ある会社が幾つかの政治団体に献金をしておると、その事実だけをつかまえて片っ端から調べていくというようなことは検察としては行き過ぎであろうと思いますけれども、具体的な犯罪の容疑が生じたような関係の会社あるいは個人につきまして、必要があればその限度で調べていくと、これはまあ当然のことであろうと思います。
○沓脱タケ子君 それでは、お待たせをしておりますので、官房長官にお伺いをしたいと思います。 昨年の十二月二十一日の決算委員会で、わが党の安武議員から質問を申し上げました東京六宏会のことでございますが、当日田中官房長官は、いろいろと安武議員がお聞きをいたしましたのに対して、調査をして報告をするということでお答えをいただいております。 で、報告書をいただいて実は拝見をいたしましたが、これは全く安武議員が御指摘を申し上げた数字をそのまま並べられているだけで、あのときに安武議員からお聞きをいたしましたことについては何ら御説明がないんでよくわからない。そこでちょっとお聞きをしたいと思います。 その前に自治省にお聞きをしたいんですけれども、旧政治資金規正法では、献金者の氏名は寄付金だけで、会費の方は献金者の氏名は必要なかったと思うんですが、どうですか。
○政府委員(大橋茂二郎君) 御指摘のとおりでございます。
○沓脱タケ子君 そうしますと、前回安武議員の質疑に対して田中長官は、三万から五万の会費をもらっているとおっしゃっておられましたが、これはですから、会費は一括計上されているということになるので、金額明示をされているというのは寄付金だけなんですね。その辺、これ以外に、だから、明示をされている金額以外に会費をおもらいになっていたということになるんですね。それは、長官にちょっとお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 沓脱委員にお答えいたします。 東京六宏会というのは代表がございまして、それで経理担当もいて、事務所があるわけですが、この前のときに、何か赤旗の方から私のところの代表の松永忍という者に電話があって、早急に、日商岩井からの寄付金、まあ会費も含めてでしょう、それを報告しろということだったようです。私は何らそれ、相談を受けてなかったんですが、二回ほど急ぐようにというようなことで、五時幾らが締め切りだというようなことだったようです。それで本人は非常にあわを食って——本人も実は新聞記者出身なんです、松永君。それで、締め切りとかなんとか言われますと、やっぱり私も新聞記者出身ですが、つい赤旗ということを忘れておりましてね、すぐ答えるというようなことで、といって帳簿がすぐあるわけじゃなし、何か手元のもので二百三十何方とかいうふうに答えたんだそうです。 それが、まあ私もここに呼ばれましてはかんとその数字を言われまして、本当は面食らったわけです。それで、まあ質問される方は調べておったわけですね。それで、そことの数字が合わなかったんですが、私もここで委員長から資料を提出するようにと言われましたので、早速帰って調べて、まあ昔のことでございますので、帳簿もないわけです。それで、私は松永代表にはいつも、きちんと入ったものは届けるようにということを言っておりましたし、自治省に届ける場合、私自身がそれをチェックして自分の印鑑を押して、というシステムにはなっていませんし、長い間、まあ非常にラフといえばラフかもわかりませんが、収入と支出というものがある程度わかっておればいいという見解で十何年まいっておりまして、自分でチェックして自治省に届けたことは正直に申しましてないわけです。 それで、まあ正直に届けておけということは、いまあなたのおっしゃる会費と寄付というものはもう一切寄付として届けろというふうに、最初スタートするときに決めておりましたので、会費も寄付金も一緒に寄付金として届けておったというふうに考えております。したがって、資料を提出しろといってもありませんので、正直にそのまま法規に従って自治省に届けておりますので、官報に載っておるそれを御報告したと思います。
○沓脱タケ子君 いや、いただいた資料には、日商岩井から東京六宏会への寄付というふうにお書きをいただいているんですが、それだけではちょっとよくわからなかったものですから、長官が前回の御答弁では、会費として二万から五万ぐらいの会費をもらっているとおっしゃっておられたので、私どもは、だから旧政治資金規正法では会費はわざわざ載せる必要もないということがもう自明の理ですから、だからその会費以外にこれだけ寄付金をおもらいになっていたのかなと、何もお書きになっていないですからね。それで、いまのお話によると、会費も寄付金も一緒に記載をしているんだということは一つわかりました。 それからもう一つの方ですね。これは安武議員が直接御調査になったんですけれども、日商岩井からの政治資金の控えは幾らかというて調べたら、長官の秘書さんが二百六十三万円と控えには載っていると。ところが、自治省への届け出ではその期間では千百七十九万だということを申し上げたら、なぜそうなっているのかわからないということだったということで再調査をしていただくということになっていた。で、再調査をなさって、この提出された千百七十九万というのが正確なんだということでございますね。
○国務大臣(田中六助君) そういうことです。
○沓脱タケ子君 で、田中長官は、衆議院の集中審議の御答弁で、盆暮れに五十万から百万の寄付を受けているということを稲葉議員に言っておられるんですが、これはやっぱり私は重大なことだと思うんですよ。と言いますのは、先ほどもちょっと触れましたが、全日空の若狭のロッキード公判での証言で、政治家に一回百万ずつ年二回盆暮れのあいさつをするのはこれはちゃんともう慣習なんだと、だからわざわざ賄賂を贈る必要もないということが言われているわけですよね。で、そういう贈っている側から言うたらそういう性格の金だというわけですから、日商から贈られて、まあ言うたら千百七十九万という莫大な政治献金を田中長官が贈られているということは、日商岩井から期待するところがあってのことだというふうになりますよね。 で、私はその点、これは大平内閣の大番頭である官房長官の田中長官に特にだからお聞きをしたいと思いますが、その期間の日商岩井からの政治献金を見てみますと、国民協会——自民党の政治資金の窓口であると言われる国民協会は、その期間に一千万なんですよ。長官はその同じ期間には千百七十九万なんですね。国民協会よりもたくさんおもらいになっておる。だから、その点では日商岩井からは企業として大いに期待するところがあったのではないかというふうに思われますが、いかがでしょう。
○国務大臣(田中六助君) 五、六年の間に千幾らになっておるわけでしょうが、先ほど申し上げましたように、スタートのときの会費が二万からスタートしたと思います。最後は幾らになったか、これも実は定かではないんですが、十五万ぐらいになったんじゃないかと思いますけど、盆暮れに五十万とか百万とかもらっておったということを代表者の松永から聞いておりますし、それから、それをもらっておったから日商がいろんなことをおまえに期待しておったろうと、その裏には、おまえもそれに応じたんじゃあるまいかというような沓脱議員のお考えもあるかもしれませんが、先ほども申し上げましたように、松永代表は毎月要るときは、まあ日商だけじゃなくて、私の後援会の会員というのは二十数社ございます。そこにあっちこっちもらいに行ったり、あるいはもらえないときもあるでしょう。そういうようなことでやってきておるということでございますので、私はあなたがおっしゃるように、日商岩井が何か期待しているということをおっしゃっておりますけれども、私はこの件を頼むというようなことも言われておりませんし、日商岩井との関係は、衆議院でも申し上げましたが、私の恩人が数代前の社長の西川さんという人を私に紹介してくださいまして、それは私の恩人がただ西川さんだけを紹介したんじゃなくて、実は私が新聞記者出身でございますし、おまえは金のあれはないだろうということで十数社の社長を集めてもらったんです。それからスタートしておりまして自動的にずっと来ておりまして、何らそこで、どの会社からどれを頼まれるというようなことは私としては身に覚えのないことで、あなたが御推測なさればこれは勝手でございますけれども、ずっと長い聞そういうふうにして続いてきておるわけです。
○沓脱タケ子君 いや、私は推測をしていないんです。企業が企業献金をする場合には、これは本来、公権力を何らかの形で企業利益に従属をさせたいという期待がなければ金を出さないというのが企業の本質なんですよ、本来。だから、大いに期待をするところがあったんじゃないかというふうに思われますよということを申し上げたのは、これは大平内閣の大番頭、官房長官だから申し上げている。それで、日商岩井との前からの御関係等については、衆議院でおっしゃっておられることについても私存じ上げております。 そこで、ちょっと具体的に前回の安武議員に対する御質疑との関係で伺っておきたいと思いますが、きょうも証人にお見えになっておられます日商岩井の海部副社長ですね。あの方との御関係についてはどうかということを前回ただされたことについて、安武議員に答えて、パーティーで会った程度だとおっしゃっておられますが、海部副社長の問題についてはいろんなところにいろんなことが書かれておりまして、たまたま私この「諸君」という雑誌の海部八郎の研究というところを見ましたら、ここではこういうふうに言われているんですよ。「海部は自社の推すダグラスF4EJの売り込みを有利に運ぶために田中六助代議士を介して岸信介元総理に働きかけ、」というのがあるんですね。それから、これは東京新聞だったですかな、「日本地下帝国」というところにも、「田中氏の証言「海部氏は知っている。親友の安倍晋太郎に紹介した」」、まあ安倍晋太郎さんは岸さんの娘さんのお婿さんだということですが、そういうことだとか、あるいはこれにも書かれておりますが、LNGの問題では「「田中六助代議士を介して田中角榮元首相に接近し、田中さんの決断によって輸銀資金の使用が決まり、契約にこぎつけた」」というようなことが記載をされておる。また、きょう証人に来ておられます有森氏が、元日商の航空機部課長代理で海部さんと一緒に仕事をなさった方だそうですけれども、有森さんのこれは数年前に言っておられることの証言によりますと——証言というのか、テープがあるんだそうですけれども、テープがあるということを私も現認いたしましたが、「海部氏はアメリカから帰ってきて、政治に近づかないと仕事ができないという考え方を持っていた。池田内閣全盛時代だから、秘書官グループに近づき、当時池田さんの秘書官だった田中六助氏と親しくなり、私も海部氏の後ろについて田中氏のところへ行ったり、一緒に酒を飲みに行ったりした。その紹介で」岸事務所に接近したというようなことが言われております。 これ、一つずつお聞きをしたいわけですけれども、時間がありませんが、こういうことは事実なのかどうか。有森さんのその証言については長官は知らない、会ったことはないというふうに新聞紙上ではコメントされておりますが、事実関係はどうなんですか。私は、そうでないというんだったら抗議をなさるとか、それこそ官房長官のお立場から言えば、疑惑に巻き込まれるようなことが事実でないんなら名誉棄損でお訴えになる法的措置をおとりになるとか、何とかあってもいいと思うんだけれども、そういうことも聞いておりませんが、これらの雑誌や新聞等に報道されていること、こういうことは事実なのかどうか。こういうことが流布されるということになれば、これは田中長官は日商岩井と政界とのパイプ役だと言われてもしようないんですよ。その辺はっきりしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田中六助君) 岸さんに紹介を海部さんにした、端的に言えばそういうことですね。それから、田中角榮さんに私が海部さんを紹介したと、まず二つのことですが、私はそれを実はある人に読まされております。しかし、岸さんに私が紹介した事実はありません。岸さんに聞いた方がいいと思います。それからまた、田中角榮さんに私が海部さんを紹介したという事実もございません。 それから、有森さんというのをいま私はテレビで、実はここに来る前に——有森さんを実は見たかったわけです。で、テレビを見ておりましたけど記憶にないんです。めがねをかけ直したのかなと思って、どうなんだろうな、あのめがねをとったらどういう顔かなということを実は秘書官あたりにも聞いてみたんです。それで、私は全く記憶にありません。 それで、いろいろ雑誌とかいろんなことを書いておりますけど、私は、相手側の、そういうのを書くならばなぜ私に、私は新聞記者出身でございますので、いまの新聞記者の人のビヘービアというのは私は知りませんけど、一つのことを書くときには必ず相手の人にどうですかというふうに聞いたものなんです。それがいつもそういうふうに一方的に書きなぐりをされるわけですね。それで、あなたはそんならすぐ法的措置をとって抗議したらどうかと言いますけど、あらゆるところに書かれておりますし、私は本当はいまこういう立場になければいろんなことを言いたいし、したいんです。しかし、みごとにそういうことが展開していっているわけですね。 それから、安倍晋太郎君も迷惑でしょう、大方。私の親友であることは間違いありません。しかし、こういうことをどんどんどんどん言われていって、私はこれはどういうことだろうと。それから、有森君が、いまからテレビでわかるわけですが、どういうふうにぼくのことを言うんだろうと、そういう興味も持って、この委員会に呼ばれておりますので、実はそれを見たかったんですけど、録画しておけということを頼んでおりますけど。 そういうふうなことを一々私があなたのおっしゃるように抗議をしていってどうということを、私はまあそういうことはすべきじゃないといういま考えを持っておりますし、私が正直に法規にのっとって、私の東京六宏会の代表である松永君に、少しも、まあいろいろ指弾されることのないように、寄付もそれから会費もともに寄付金として政治資金規正法にのっとって届けておきなさいということをずっと言い続けて、本人もそのとおりしてきたことがいまいろんなことを言われて、これは何だというふうに言われることの方が、私はソクラテスの弁明じゃないですけど、一つの容疑であって、それが真実が何かわからぬのに、わからぬからしたがってこれは犯罪者だというふうな決めつけ方をされる、この二十世紀の後半のこういう事態というものを本当は非常に心外に思っているんです。私は、あなたが私の新聞記者時代のことを調べればわかりますけれども、一つのニュースには、七カ所の者から聞いてそしてそれを書けというふうに言われまして、私は三十八特だね賞、社長賞をもらった男なんです。それで、自分のニュースソースというようなことにそんなあいまいな、相手のことを書くのに、しかもそれが非常にその人の政治生命とか大事なことにかかわるというのに、何らそういうこともせずにぼんぼんぼんぼん書きなぐるいまのマスメディアに対しては、私は正直に申しますと心から非常に不信感を持っておるんですが、あなたの疑問も当然かもわかりません。しかし、私自身も本当にいやな思いをしているんです。
○沓脱タケ子君 有森さんがいま証言をしておられまして、共同通信との八時間に及ぶインタビューについては、そういうことがあったということをお認めになったようでございます。参考に申し上げておきます。で、共同通信のインタビューの長官の関係部分については証言を差し控えさせていただきたいということで言っておられないようでございます。 時間もありませんので、その点についてやりとりをしておりますと時間がかかりますので、最後に、岸事務所へ紹介をしたとかせぬとかという問題が一つは問題になっておりますが、そのことについて幾つか私お聞きをしたいと思っていましたが、時間がありませんので、いま航空機疑獄の焦点の人になっておられる、いわゆる岸信介氏との関係ですね、これがどうなのかということです。 これについてもいろいろ言われていますよ。たとえば、選挙のときには、親分であった池田さんよりも岸さんから金をもらったなどという記事も私拝見をしております。個人的にはよく御承知なんですね。これはお仲人さんだということも個人的なお立場ではそうだということなんですが、そういう点でやっぱりはっきりされた方がいいと思いますのは、そういうことがいろいろ言われておるんですから、岸信介氏から選挙その他でお金を受け取ったことがあるのかどうか、その点だけはっきりしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) そこにも大きな間違いがあるんです。私の仲人は岸信介先生じゃないんです。私の仲人は日本冷蔵の、いま亡くなりましたけれども、副社長の中谷由路という人なんです。だから、一つ一つ、私は何ということをみんなが言うんだろうというふうに思っておりますけど。 それから、選挙のことで岸さんから選挙資金をもらったんじゃないかと。私は正直に申して、莫大な金はもらっておりませんけど、岸さんから、二回目のときでしょう、五十万もらいました。それを岸さんは私だけにくれたんじゃないと思うんです。そういうことを何かいろんなことを結びつけていくわけですけど、私は、いっか何か書く機会でもあったら自分のことを含めて書きたいという気がいたしております。
○沓脱タケ子君 いま五十万というお話が出たんですが、それじゃ、昭和四十七年の十月五日に岸信介氏の信友会から二百万円の調査費をもらっておられますけれども、これは御存じですか。
○国務大臣(田中六助君) 私は全く記憶にありません。
○沓脱タケ子君 これは一遍お調べになっていただいてもいいんですが、自治省の資料の写しなんですね。これは三年分の公示をして、三年分だけが公表されておりますから、四十七年ですからいまは公表されてないんですね。ちょうどロッキード疑獄のころに私ども議員団の調査をした中にあるんですが、信友会から昭和四十七年の十月の五日、二百万円、田中六助という支出金の中に出ているんです。これは非常にたくさんの方々にお金が二百万、三百万、百万と出ているんですが、全部読み上げてもよろしいけれども、出ているんですが、派閥の関係から言うたら長官はお一人なんですね。そういう関係があるんですが、御存じなかったらこれは一遍調査をしていただいたらいいと思うんです。調査費ですから、何を御調査になってどういう報告をされたのかということが当然また出てくるわけでございますので、その辺は、全然御記憶にないのでございましたらひとつ。きのう私念のために自治省でお伺いをいたしましたが、公表をしている分ではありませんけれども、倉庫の中には多分あるだろうということでございますから、御調査になって記憶を呼び起こしていただいて、そうして、調査費という名目でもらっておいででございますから、何を調査をしてどういう御報告になったのかということを、本委員会に恐れ入りますが御報告をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(田中六助君) それは何年ですか。
○沓脱タケ子君 四十七年。
○国務大臣(田中六助君) 調査費として向こうが私にくれたから、どういうことを調査してどういう報告をしたかというようなことは、あなた、私に非常に無理を言っているわけです。というのは、私はさっきから言っておりますように、それは全く記憶にないんですし、別にその調査費で——調査をしろといった金で、それを調査を何かして報告したんじゃあるまいかと、それを報告しろというようなことを言われましても、全くそういうことを覚えてもいないし、何を調査しますか。
○沓脱タケ子君 いや、そう言って怒られてもしようがないんですよ。自治省の公表資料に、たまたま信友会の支出一覧表の明細の中に、これは写したとおりみんなあるんですよ。これは私どもつくったものでも何でもないですよ。自治省へ行ってたまたま写してきた。ロッキード疑獄のときだから、三年間の分が公表されていたから、たまたまそれを全部写していた、その関係のものを。それに出ているから、もらっておられますねということをお聞きしているんで、御存じないということであれば事実と違うかもわかりませんから。しかし、そのことがわからないですよ、ちゃんと書いてあるんだから。だから、そんなことはないとおっしゃるんなら、ひとつ一遍、自治省ではまだ資料は倉庫にあるとおっしゃっておられますから、御調査をいただいたら結構だと思うんですけれども、そのことがなければ、正式に記載されて公表されていることですから、そのことはまかり通るということになりますよ。その点ははっきりなさる方がよろしいんじゃないですか。
○国務大臣(田中六助君) 一応調べてみます。
○沓脱タケ子君 時間がありませんので、それはぜひやはり官房長官というお立場でございますから、いろいろと言われるということの疑惑を晴らしていくためにも、第一、国会、衆参両院の国会決議を踏まえて全面的に解明をしなければならないお立場の方でございますから、どうかそういう点では、あなたに関するもろもろの問題については、疑惑の点は晴らされるように御努力をなさっていただきたいと思います。 最後に、自治大臣にお伺いをいたしますが、いま私が若干、これは時間がありませんから十分解明できませんでしたけれども、政治資金、特に企業献金、これが政治の腐敗を生んでおる。企業が政治家に政治献金をするということは、明らかに、政治献金によって公権力や行政の方針や政策を曲げさせても自分たちの企業の利益を生むために使うという、これはもう貫かれておりますよ。そういう企業献金がずっと一連のあの政治腐敗には絡んできているわけです。そのことが国民に対し、国民の中に政治の疑惑を非常に深くしているわけですから、今度の航空機疑獄だって全くどれもこれも企業献金が深く絡んでいる。そこで、少なくともこれは政治資金にちゃんと報告をしているかどうかという問題もありますから、まあ広く言えばいろいろ問題はありますけれども、少なくとも政治資金規制法の中に、これは企業献金を禁止するべきだというふうに明記をして、政治腐敗をなくしていくという基礎をつくり上げていくということが何よりも大事だというふうに思うんです。次から次と出てくるわけですから、国民は何としても再発防止をやりたいという願いを持っています。再発防止の一つの重要な柱というのは企業献金の禁止だと思うんですよ。そういう点で、政治資金規正法を改正して企業献金を禁止するというお考えがないのかどうか、最後に大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(澁谷直藏君) 企業献金につきましては、ただいまのような御意見もあることは十分承知をいたしております。また一面、企業献金が、現憲法のもとにおいてこれは合法的なものであるという最高裁の判決が出ておることも沓脱さん御承知だと思います。したがって、これを禁止するかどうかというのは立法論で当然あるわけでございますが、私は政治団体が企業献金に余りにも過度に依存しておるという状態は決して好ましいものと思っておりません。しかしながら、いま直ちに企業献金を禁止していいかどうかということになりますと、私は現在の日本の政治の状況から言ってこれは非常に困難なことであって、簡単に結論を出せる問題ではないと。御承知のように、現行政治資金規正法は、五年後に制度全般について見直すという附則がついてございますので、その機会に各方面の意見を十分承って結論を出したいと考えております。
○三治重信君 大分遅くなってお疲れのところですが、一つだけ警察庁に聞いておきたいと思っておった質問でございますので、ひとつごしんぼう願いたいと思います。 昨年、道路交通法の一部を改正する法律が通って、十二月からこれが適用になったわけなんですが、その結果、ときどき新聞にも出、またそれに国会でもずっとあちこちで質問になってきているところでございますが、交通事故防止のためにとられた七十五条の積載制限違反に対する取り締まり、これによって非常に昨年の年末滞貨が出、それから運賃が上がる。ちょうどそれと前後して、ことに土建関係の資材の値上がりが非常に問題になってきたところでございます。警察の方では、これは三月に通して、その前から、できれば数年前から計画をされて、こういう交通事故防止の観点からこの規定が施行されたんですが、たまたま不況の中にあるけれども、昨年の年末から急に公共事業の拡張によっての資材の値上がり等も重なったと思うんですけれども、それがここに一点に集中したような表現になり、私もトラック業界等、もう少ししっかりその原因を調べようと思っておったんですが、今日までまだよう細かいことや彼らの心情までは調べておりませんが、どうもやはりこれを機会に——トラック業界でこの運ぶ品物の業種によってその業種の経営者側の心理状態も違うようなんですけれども、いわゆる過積みをやっていた業者、業界から見ると、この際警察の、取り締まり当局の取り締まりによって一挙に従来の低運賃を改正をしていこうという便乗組も相当あるように思うのと、それから問題は、各府県のそういうトラック業界が、一部各県の中のところもあるし、ずっと長距離のトラックもあるし、そういうようなものについて、どういうふうな警察が配慮を行って今日この取り締まりが行われているか、それをひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(杉原正君) お答えをいたします。 過積載という問題が、道路交通の安全というものを考える際に非常にやはり大きな問題であるというふうなことでございまして、昨年の道交法の改正におきましても、この過積載というのはやはり構造的な違反といいますか、過積をしたいドライバーはいないんで、やはりこの過積載というふうなものの助長は、いわゆるおおむね車の使用者とか荷主によって過積載というのは助長をされておるという状況があるので、これについては、その取り締まりの問題もさることながら、抜本的、総合的な対策を早く講じて過積というものをなくしていくべきだという国会の附帯決議等もあったわけでございます。従来、やはり見ておりますと、これは現場を預かっていろいろ事件捜査をこの過積から入ってまいりますし、また、従来もこの過積につきまして使用者の下命とか容認とかという罪があるものですから、そういう捜査の過程でいろいろ聞いておりますと、やはり料金その他の関係で、どちらかといいますとトラック業界というのは弱い立場、荷主との関係じゃ非常に弱い立場にありますので、過積をせざるを得ないような運賃体系の中に閉じ込められるというふうなダンピングみたいなものがある。ですから、過積をせざるを得ないような環境は少なくとも直さないと、この過積載というものはなくならないということでございます。 で、昨年の十二月から改正道交法が施行になりましたが、過積載そのものというのはずっと以前から、過積載の取り締まりは年間十二、三万件こうやってきております。それから、下命容認の罪というのは、昭和四十二年に創設をされました。十数年にわたって運用をしてきております。去年の十二月から新たに出てきましたのは、先ほど先生も御指摘になりましたように、下命容認を行ってそれを数回、今度のあれでは三回ということになっております。三回も下命容認で過積載をやったという事犯について車の使用禁止ができるということになったわけでございます。実はこの使用禁止というのはまだ一件も適用しておりませんけれども、この改正道交法でそういうふうな法体制になったということで、業界も大変に自粛をされて今日きておるわけでございまして、大体違反の率も従来の運用の実績から見ますと、三分の一に減っておる。それから同じ過積をやっておっても、従来たとえば十割とわれわれ言っておりますが、十割以上、いわゆる最大積載量の倍以上積んで走るような車が非常に少なくなったというふうな状況が出てきておるわけでございます。 なお、御質問のありましたこの過積載の取り締まりそのものはその十二月、別に過積載の罰金が上がったり、点数が上がったりということではありませんで、過積載は従来と同じような考え方で取り締まりをいたしておるわけでございまして、過積載の取り締まりを強化をしておるということではございません。ただ、そういう法体制になったものですから、非常に業界が自粛をされているということでございます。また、取り締まりのやり方が全国で区々になってはいけませんので、これは一月も全国の交通部長会議をやりまして、この過積の問題について全国の斉一が図られるような指示をやりましたし、これがまた徹底するような形で現在指導をいたしておるというのが実態でございます。
○三治重信君 この改正されたからには、過積みによる交通事故というものについて、交通事故が出た場合に、倍積んでいたときの交通事故が非常に多いとか、二割とか五割というふうな、従来トラックの事故の中で過積みによる交通事故というのは何割ぐらいあるか、まずその程度ですね。ことにこの過積みの程度による交通事故の割合がわかったらちょっと教えてもらいたい。
○政府委員(杉原正君) 細かい数字を申し上げて恐縮でございますが、昨年の一年間の例をちょっと申し上げますと、死亡事故について申し上げますと、昨年一年間で死亡事故の件数というのは八千三百十一件でございます。そのうちで貨物自動車が第一原因になった死亡事故というのが二千六百五十一件でございます。約三二%を占めるわけでございますが、このうちで、トラックの中にライトバンと軽がございますが、ちょっとこれを除いたものを見ますと、千九百九十二件がいわゆるトラックが第一原因になったその死亡事故でございます。そのうちで過積載が絡んでおると思われるものが百九十九件、ちょうど一〇%になるわけで、一割が過積であるということでございます。これを重量別に、その超過の状態別にこの行九十九件を見ますと、十割を超えておるものが八件、それから十割から五割が四十六件、他が五割以下ということでございます。
○三治重信君 運輸省、どうも聞くと、トラックでそんな、三割や三割なら普通のことで、倍ぐらい積んでもいま車は、運輸省その四トントラックとか八トントラックとかいうのは全然、そういう何といいますか、車の機能から言って問題はほとんどないように非常に性能がよくなっているのだと、こういうようなことを二、三聞いているんですけれども、そのいままでの、一番初めの四トントラック、八トントラックとか十二トントラック、そういう積載を決めたときの同じエンジンの容量とか単体の大きさとかいうものと、その後、機能、能率が同じ基準でも、同じ容量のccのやつでも、それからまた車体でもバネの機能やブレーキがよくなって、少々の過積みには全然そういうものは機能はむしろよくなっていると、こういうふうなことを聞くんですが、その点は運輸省として、もしもそうならば、もう少し、同じ四トントラックでもそれは六トンなら六トン積んでもいいような基準の改正とか、こういうような問題についてはどう考えておられるか。すなわち、同じ四トンなり六トンなりやっていながら、幾らでも四トンのは六トン積んでも八トン積んでもほとんどもう運転者が全然危険を感じない。しかし、これは四トンに規制されている、六トンに規制されているがために警察に取り締まられる、何でこう積んでも全然運転手に関係ないのにどうして取り締まられるんだと、こういうような疑問を持つことになりはせぬか。その点が、運輸省の方で、こういう何トン積みという規定した基準についての改正あるいはトラックの性能ですね、性能の進歩に対して規定をどういうふうに考えておられるのか。
○説明員(丹羽一夫君) お答えいたします。 そのトラックのいわゆる性能向上というものと積載量の関係でございますが、まずトラックの最大積載量というのは、実際に車検のときに、新しい車ができたときに最大積載量というものを算定いたしますが、道路運送車両保安基準におきましては、その車がそれぞれの部品を含めて、すべての強度また公害の問題を含めまして最大に積載できる限度というものを決めてまいります。 したがって、先生御指摘の、たとえば四トンとか六トンというようなところには決して壁があるわけじゃございません。しかしながら、その車の部品というものは実際に倍積んでも壊れなかったじゃないかというような御指摘もございますが、実際に車を設計してまいります場合には、やはり走行しますときに、平たんなしかも舗装された道だけ走るわけじゃございませんので、路面のでこぼこによって、いわゆるインパクトといいますか、衝撃を受けるというような場合に対する荷重変動、それから、急ブレーキをかけたりしますとやはり車体にひずみがまいります、そういうような場合だとか、それから、上り坂だとか下り坂のときでのいわゆる車のひずみというようなもの、各種の部品のそれぞれの安全性というものを総合的に勘案しまして、その車が持つ最大の積載量を与えるというようなことでございます。 したがって、各車体なり部品なりの強度、またはタイヤのあたりの強度は、一定の基準はあって、そのどれぐらい運ぼうかと思うその基準に当たりまして、そこから、安全率としましてどの程度の安全性、余裕を持たせるか、というようなことから出てまいるわけでございまして、四トン積みの車が八トンを積めるじゃないかというようなことは実際にはございませんで、もしそういうふうな使い方をされますと、運転手さんはそういうことをお感じにならないというような御指摘ございましたが、実際には、過積載いたしますと、ブレーキ距離は、たとえば試算してみますと、五割増しで運転した場合、たとえば十トン積みのものに十五トン積むというような五割増しの運転をした場合には、空走距離とか、いろいろな条件がございますが、少なくとも二割から三割はブレーキ距離が伸びる。それから、はなはだしい場合は、いわゆる倍も積む、三倍も積むというような場合には、このブレーキ距離というものは約二倍になってまいります。したがって、適正な車間距離をもって、これだけでいけると思ったとしても、高速道路あたりで百キロで走っていますと、ブレーキが効くまでの間の空走時分というのが、本当にコンマ一秒とか二秒とか、そういう短い時間だとしても、何十メトールも空走いたします。したがって、あっという間に前の車に追いつく。それから、ブレーキがかかってからでも、ブレーキの効き率というのが三割も、はなはだしい場合は半分にも低下するというな場合もございますので、前の車と接触するというようなことで、ブレーキ距離が延びてまいります。それから、たくさん積みますと、いわゆる軸のバランスというものが、前後軸の軸のバランスが崩れてまいります。したがって、後ろの方に荷重がよけいかかって前輪が浮くような場合はハンドルがふらふらする。それから前の方に荷重がよけいかかった場合は、今度はハンドルが逆に重くなる。事故を避けようと思った場合でもハンドルの操作がおかしくなるということで、走行安定性が悪化します。それからさらに、過積載を反復継続しておりますと、その車体のいわゆるひずみといいますか、車体の疲労強度、経年変化というようなものがございまして、極端に部品の寿命というものが低下してまいります。そういうことによって思いもよらないところに亀裂が入るというようなことで、いわゆる大きな事故につながるということがございます。 したがって、実際に運転者の方々にお聞きしましても、過積載したときの状態というものは危険と背中合わせで走っているというような運転手さんが、私たちの耳に入ってくるところにはすごく多い。実際に過積載しても何でもないじゃないか、というような話を言われますのは、どちらかというと、直接ハンドルを持たれる人よりも、荷主であるとか、それからそれを運転させている人には、うちの車は出ていってちゃんと帰ってきたからいいじゃないか、というような話は一方ではございますが、実際の車の使用状態というようなものを考えてみますと、定積載のときに比べまして、過積載したときは、安全上また公害上の問題——公害の問題あたりですと、最近のジーゼルエンジンで、坂道で真っ黒な煙を吐いてジーゼルトラックが走るという場合がございます。これは公害上からも決して望ましい状態ではございません。過積載しますと、エンジンがどうしても無理して動きますので、過熱はいたしますし、排気ガスは悪くなるということで、沿道の大気汚染というような問題も惹起いたしますし、それから、過積載してある場合のスタートのときの力というものは、同じエンジンでございますので無理な運転をするということで、スタートの流れ、交通の流れというものを阻害するような、ゆっくりしかスタートできないというような結果を招きまして、一方ではまたそういう交通渋滞なり、円滑な交通の流れというようなものにも波及するというようなことがございまして、その車の設計されているぎりぎりの、しかも最大の積載量を各車に与えるようにしております。 つけ加えて申し上げますと、車両総重量というものがございまして、車体とそれから積み荷を全部入れました車両総重量は、最高を二十トンで抑えております。保安基準で二十トンで抑えておりまして、これは一般的な車は、それ以上のことは特別な理由がある場合以外は許可しないというような形になっておりまして、分割不可能なような大きな物をどうしても運ばなければならぬというような場合には基準を緩和するということで、基準緩和措置というようなものは別途講ずる処置はしてありますが、それは全国どこでも走れるというんじゃなしに、そのものが走るにちようどふさわしい道路があって、しかも交通上の問題がないということで、警察当局また道路管理者の特別な許可なり承認を得て走るような車というのはこれは別途ございますことをつけ加えさしていただきます。
○三治重信君 澁谷自治大臣、特にお願いをしておきますが、これは非常に品物によって、米なんかはわりあいに米穀管理の方から余り過積みが行われてないみたいで、土建なんというのが非常に行われている。それから鉄鋼とか、容量が少なくて、ちょっと見たのじゃそんなに容量がわからぬのがえらい過積みが行われる。それが過積みが一斉に取り締まられると、それによってみんな運賃が変わってきちゃって、運賃が変わるばかりじゃなくて、非常に供給がショートされてそして不当な高価格になる、こういうふうなことが言われているわけなんですが、これはやはり何といっても強力なのが、この交通取り締まりがあるからそういう現象が起きてきているわけです。しかし、これは交通取り締まりでやるからにはこれは継続してやられていかないといかぬのと、それからもう一つは、やはりこういうことを口実に過度に急に物価の値上がりや物資の交流を妨げないように、これは関係省庁みんな呼んだらどうかという御意見もあったけれども、私の質問時間、もうこれちょっと聞いただけで終わっちゃうものだから、そんなに関係者は呼ばなかったんですけれども、ひとつぜひ今度は、単に安全ばかりでなくて、いまからいわゆる物価の値上げの問題や経済転換に非常に影響を及ぼすところが多い。 それから、こういうことをやっていくと、この現象によっていわゆる交通体系の再検討でも非常に問題や新しい見方が出てくると思うんです。現にこれをやってから、国鉄が貨物の本数を減らした、そこへ貨物の依頼がふえてきて、一週で今度は国鉄の方の輸送もいっぱいになって積み残しが出てきたというようなのも出ておりますし、その実態は私は細かくまではよう調べておりませんけれども、これは非常にこれをずっとやっていくと恐慌になる、それをまた途中でやめちゃうとまた過積みが行われる、そうすると結局正直者がばかをみる。こういうことになって、トラック業界の本当に協力——私は少しは反抗するところがあるのかと思ったら、非常に協力的である。それはいまおっしゃったように、いままでいわゆる犠牲者のいじめられた業種が多いものだから、この際ここでひとつ自分たちの正当な運賃をもらおうということなんで、これはこういうことは非常にいいことだと思うんですよ。だから、そういうものを経済官庁や運賃の方とも警察の方が主導的に話していただいて、そしてこの貨物輸送の適正化やなんかのためにも利用していただくために、これは本当に長期的な、単に取り締まりが、交通安全だけでなくて、非常な輸送の価格体系や輸送量の変動にも非常に微妙に関係してくることをひとつぜひ統括してやっていただきたいと思いますが、その御決意をお願いして質問を終わります。
○国務大臣(澁谷直藏君) いまいろいろとお話がございました過積載の問題は、単なる交通取り締まりという問題にはとどまらないので、物資の流通、価格、そういった問題にも深い関係のある問題だということを各方面から話を聞いております。したがって、ただいま御要望もございましたように、運輸省初め関係各省とも実は寄り寄り相談しているんです。十分協議をいたしまして適切な対応策を考えてまいりたいと思います。
○秦豊君 いま衆議院の方では集中的な証人喚問が行われていまして、有森國雄氏とのやりとりの中で少し中断騒ぎがあったようだが、先般の衆議院の集中審議、それからきょうの証人喚問を通じて、いわゆる海部メモの存在ということが一つの鋭い焦点になっていると私は思うんです。まあ俗に言う海部メモはこれなんだけれども、たとえばそれをめぐってさらに当局側のお考えを、改めて決算委員会の場で確かめておきたいと思います。 そこで、仮にこの海部メモに一種の真実性とリアリティーがあって、たとえばここに言われているデュッセルドルフのドレスナー銀行の場合の口座番号であれば、「No.13−189029」という口座番号、そしてもう一つは、たとえばジュネーブのスイス連邦銀行の口座名であれば、「569.524.B.K」というふうな口座番号が、仮にそれに真実性とリアリティーがありとし、またこの事件の解明にどうしても必要だという判断に当局が立った場合には、実際にそれを、西ドイツ政府なりスイス政府なりに対してそれを求めるという可能性ですね、これはおありなんですか。つまり、司法共助というふうな司法取り決めを結ばなければにっちもさっちもいかないのか、どういう方法があり得るのか、それをすでに調査されたことはあるのかないのか、この辺からまず伺っていきましょう。
○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまの御質問はこの非常に生々しい問題について具体的な事実関係を前提として、かつ二重の仮定をお置きになっての御質問でございますので、何ともお答えをすることができないわけです。
○秦豊君 それが一番典型的な答弁です。しかし、調べるつもりがあるのかないのかについて、つまり、集中審議におきましてもね、局長、この真偽を確かめてくれという野党間のまさに最大公約数的な要望になっている。いいえ調べませんという立場は当局はとれないわけだ。一つ一つつぶしていかなきゃならない。なるほど、この二重の仮定には立っていても、たとえば、やがて澁谷大臣にも伺おうと思うが、政治家の政治資金を解明しようと思い、いわゆるグラマン・ダグラス問題の真相に一日でも迫ろうと思った場合の当局の基本姿勢としては、一つ一つ念のために洗っていくという姿勢があって当然でしょう。二つの私の質問の場合には、もちろん確認するすべがないから、一国会議員として、だから二つの仮定を置かざるを得ないけれども、当局にはさまざまなつながりが列国の司法当局とおありなんだから、こういう政治家のいわゆる海外口座について調査をする、そのつもりをお持ちなのかどうかについてはまずどうなんですか。仮定の問題じゃないですよ。
○政府委員(伊藤榮樹君) 私ども検察当局の立場といたしましては、犯罪の嫌疑がある場合にこれの証拠を集めかつ犯人を発見するための捜査活動をするわけでして、世上いわゆる疑惑があるというようなことでは捜査権の発動はできないわけでございます。そういうことを検察当局がどんどんやるということになれば、極端に言えば検察ファッショということにつながるわけでございまして、そういう意味できわめて一般的、抽象的にお答えすれば、いろんな外国にございます銀行預金口座というものがわが国内における犯罪捜査の上でどうしても必要であるということになれば、できる限りの措置をとるべきであるということは当然でございます。
○秦豊君 少しわかってきた。つまり、必要であると認定された段階からは、さまざまやるべき方法はあるというふうに理解していいですね、当然。
○政府委員(伊藤榮樹君) もちろん、外国のことでございますから、しさいに見れば限界が幾つもあるかと思いますが、努力する方法は幾つもあると思います。
○秦豊君 それは伊藤さんによればまた仮定が積み重なるというふうにこの辺をしかめられるかもしれないが、仮に局長、それは日米間の今度の膨大な未公開資料一万五千点というふうな司法共助というふうなかっこうをとるのか、もっと部分的な細かい手続になるのか、その辺はどうでしょう。
○政府委員(伊藤榮樹君) アメリカのことはもう司法取り決めがありますからさておきまして、その余の国のことを仮定の問題、一般論として申し上げますと、やはり相手国との間にその具体的な問題を取り上げまして、いわゆる相互主義の保証をして向こうに協力をしてもらう、これがまず第一の手段であろうと思います。 それからもう一つの方法としては、これはその次に考えられることでありますけれども、その事実を知る人について裁判所経由で嘱託尋問をする。これも相互主義の保証の上で交渉をする、こういう方法が考えられる思います。
○秦豊君 少しずつわかってまいりますが、これ以上この件についての仮定は蓄積しません。 そこで、ちょっとこれは具体的な問題を伺いたいのですが、先日の国会でのやりとりの中で、日商岩井に対して国税当局は、747SRジャンボジェットの導入に際してコミッション三億一千五百万円、そのうち一億六千五百万円は使途不明金であった。したがって、当然磯邊さんとしては重加算税という措置をおとりになった。当然ですね。明快な措置である。そうしてその国税当局と日商との関連においては一応これは終わった。終わっていますね。しかし、捜査当局としてはこの一億数千万に上る金の流れについてこの時点で関心をお持ちなのかどうか。あるいはもっと突っ込んで、関心どころか、すでに調査ないし捜査に着手されているのかどうか。あるいは仮に着手されているとすれば——また仮が入りますがね、どのような事実関係が明らかになったのか、なっていないのか、この辺いかがでしょう。
○政府委員(伊藤榮樹君) これは衆議院の予算委員会でもお答えいたしましたが、この問題については検察当局としてはすでに一応の吟味を行いましたところでございます。時効等の関係もございまして、直ちに犯罪として立件し捜査をするまでの判断には至らなかったわけでございますが、その後、国税当局の調べの内容も次第に深まったものが公表されましたし、それから国会における御論議もいろいろなされまして、いろいろな材料が出ております。それらについては検察当局も関心を持っておりまして、それらの事情の積み重ね、あるいは新しい事情の発覚と申しますか、そういうものがあれば所要の措置をとることになるんじゃないかと、こう思っております。
○秦豊君 澁谷大臣、政治と金、日本の政治とアメリカの産軍複合体、多国籍企業。私も先般一週間ばかりあわただしくワシントンとロスアンゼルスを調査訪問いたしました。旅行しましたけれども、やはりアメリカの議会には一種の自浄能力、みずから清める能力というものが、したたかな能力が存在する、実在する。そしておのれの恥部に対して容赦なくメスをふるっていく、焦点は何か。やっぱり政治家とモラルであり、金である、先般来同僚議員も質問しておったようであるが、そうしますと、伊藤刑事局長の領分であれば、ある段階になれば海外口座をも調べる方法はあるんだというところまで答弁をいただいた。それで政治資金を管掌していらっしゃる澁谷大臣としては、ということは、大前提として外為法違反の容疑、政治資金規正法違反の容疑等々が考えられます、あとはまあ包括一罪という解釈はあるが。というのはすでに答弁に出ているんですね。ならば、当然その一部門である政治資金について、やはりここまで疑惑が積み重なったら、国内であろうが国外であろうが、自治省としてもやはりもっと突っ込んだ調査をしなければならないという場合には、当然捜査当局に要請をし、あるいは捜査当局とともにより突っ込んだ調査をされるという基本的な態度はお持ちなんでしょうね。
○国務大臣(澁谷直藏君) 自治省は政治資金を所管する省ではありますけれども、現在の法体制は、政治資金の一々の具体的な内容について自治省が立ち入って調査をする、その真相まで明らかにするという権限までは与えられておらないのでございます。これでいいのかどうかという問題は残ると思います。
○秦豊君 いまのざる法と言われているあの法の体系の中では、あなたの答弁がその限界だと思います。 そこで、ちょっと問題を変えますけれども、この司法共助ですね、局長。これは私、きょうも全会一致で先ほどの本会議で可決されたばかりなんだが、これはあくまで「航空機輸入問題に関する決議案」というタイトルであり、ダグラス・グラマン問題のという前提がついていますのでね。しかし、たとえばロッキード事件のさなかで全日空の若狭、藤原両被告が公判廷においてさまざまな尋問を受けた中で、新しい機種を採用する場合政治家にごあいさつをする慣習が生まれてきたのは私たちが先鞭をつけたわけではない、ボーイング727採用のときからであると、これはもうちゃんと記録に証言で採用されている、これは。このことは、昭和四十年七月、一九六五年の日本航空が導入したボーイング727取得、これを指していると思います。そこで、私たちの第三者、部外者の素人考えでは、司法共助をせっかくあれして、十一項目の例のロッキードを踏まえてさらに拡大解釈するというのであれば、当然私はSECに、今月の二十五日に改めて資料が出てくるボーイングの関係資料を司法共助の中に包括するのかと思ったんですよ、実は。ところが入っていない。ところが、ロッキード事件で、つまり裏からあぶり出せば当然日航善玉説はとれなくなるかもしれない際どいところにあると。なぜ司法共助の対象からボーイングが除外されたのか、その辺まずどうでしょう。
○政府委員(伊藤榮樹君) ボーイングの問題についても、今度のダグラス、グラマンのような日本に関する犯罪の伏在の疑いというようようなものがございますれば、当然必要に応じて司法取り決めをするわけでございますが、ちょうど昨年の暮れのダグラス、ことしの正月のグラマン、これに相当するSECの資料の公表というものは昨年の七月に行われたわけでございます。その公表資料には日本関係について全く触れるところがなかったわけでございます。したがいまして、わが検察当局も、このボーイング問題についてSECに資料を求めて捜査を行うという必然的な何というか必要がございませんので、やっておらないわけでございます。で、ただいま御指摘の、間もなく出されるであろう最終報告の中にまた何らかの指摘がございますれば、検察当局の意向によりまして同じような手続をすることになると、こういう可能性ももちろんあるわけでございます。
○秦豊君 それから、ちょっと全然変わった観点のようだが結びついていくんですけれども、これは局長いかがでしょう。つまり、捜査当局は例のロッキードスキャンダル摘発のときに、日商の亡くなられた島田三敬氏から、何回かはわかりません、日時は特定できませんけれども、事情聴取をされたことはありましたか。
○政府委員(伊藤榮樹君) ございます。
○秦豊君 それは本当は島田氏に聞くべきでなくて、ベストの状態としては、いままさにきょうも午後やってこられた海部八郎氏に本当は事情聴取をしたかった。しかし海部氏は、まあ長期にわたるか何か知らぬが、海外出張を口実にしてついに出頭に応じなかった。ベターの選択として島田三敬氏を参考人として呼んだと。これが実相ですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) どうもその辺の捜査の運び方については、私も細かい報告は受けておりませんし、仮に報告を受けていてもちょっとお答えできない範囲だと思います。
○秦豊君 それはそうかもしれませんね。 では、島田さんをあの時期になぜあなた方が参考人として呼ぶ必要があったのか。それもデリケート過ぎる質問ですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 島田さんにつきましては、現実にロッキード公判におきましても、全日空ルート、丸紅ルート両方で検察官調書の証拠調べ請求をしまして、被告人側の不同意によりまして証人尋問に切りかえて証言していただいておるわけでございます。もちろん冒頭陳述記載事項の立証上不可欠であるということで御証言いただいたわけでございます。 で、何のために必要であったかという点は、長くなりますので簡単に申し上げますと、やはり一つの問題点として、大庭社長から若狭社長への交代時期におきます各社の航空機の売り込み合戦、この中からロッキードのトライスター選択の結論が出てくるわけでございまして、その一連の関係の立証の必要上そういう措置をとったようでございます。
○秦豊君 今後のためにこれは伺っておきます、短い時間ではとても詰まりませんから。 こういう点はお差し支えない範囲で御答弁をいただければ、今後の小さなステップになると思いますが、アメリカ側の嘱託尋問調書の中に、F4ファントムに絡んだ幾つかの裏づけ資料、裏づけというよりは資料そのものがあったのかどうか。その資料というのは、ロッキード事件のあの司法共助のルートを通じて皆さんの手に、捜査当局の手に入っていた資料なのかどうか。その点はいかがですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 嘱託尋問調書は、御承知のように、昨年児玉、小佐野ルートで証拠調べがございまして、これは部分的なものでございますが、本日から今度は丸紅ルートで証拠調べが始まっております、ただいままで証拠調べがなされました範囲におきましては、F4ファントムに関連する部分はないようでございます。
○秦豊君 それから、すでにこのことは有森國雄氏の先ほどの証言におきまして、日商を何か退社された直後ぐらいからロッキード社のコンサルタントであったということをみずから立証されています。 そこで伺うんですけれども、ロッキード事件のさなかでこういう事実をつかんでいらっしゃるかどうかを今後のために伺っておきますが、この有森氏はクラッター氏と、某月某日という以外にこれは申し上げようがない、特定できませんけれども、ヒルトンホテルで一定の資料を手渡した。もちろん当時私たちはそのことのその情報を非常にいぶかしげに思ったんだけれども、いまになってみると、有森氏がすでにロ社のコンサルタントであったから、それは一種のペイに対する当然のビジネスであったかもしれない。だから、いまにしてみれば不思議ではないんだが、当時は非常に奇異に感じた。その資料というものが、実はこのロッキード事件で、たとえばロッキードの東京支社関係の捜査、あるいはワシントンの司法共助を通ずるルートで、この有森氏がクラッター氏に渡した一定の資料、その資料は必ず今回の日商絡みのグラマン・ダグラス関係の究明に有用であると思われる資料がそのときすでにアメリカ側に渡り、アメリカ側から東京に渡ったという一つの印象を持っているんですが、局長こういう事実はいかがですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) 三つに分けてお答えいたします。 これまでのロッキード公判において、御指摘のようなものが証拠として提出されたことはございません。 次に、国内捜査におきましてそういうようなものが検察当局の手に入ったという報告は受けておりません。 それから第三に、司法取り決めで何が来たかということは、司法取り決め自体によりましてお答えができないわけでございます。
○秦豊君 局長ね、これはちょっとこれからの話だからあれかもしれませんが、ちょっと解釈を伺っておきたいことがあるんです。それはハリー・カーン氏と日商岩井とのいわゆる密約と言われているんだが、すでに破り捨てられた契約または破棄された契約とぼくら呼んでいますが、これは私の一定の解釈ですが、一種の成功報酬なんだから、E2Cホークアイが日本に導入された場合の補用部品等のコミッションはこれには含まれないのではないかと、これは私の解釈なんですが、それを専門家の見地から言うとどうなりますか。
○政府委員(伊藤榮樹君) そのただいま御指摘の、破棄された密約の内容というものが公にされておりませんので、したがって、公になっていないものの解釈ということも私としてできませんので御了承願います。
○秦豊君 それでは時間がない、切迫しているようですから、ちょっとこの島田三敬氏自殺の問題のことも、今後の解明の手がかりのために伺っておきたいんですが、この段階で、当局は島田氏自殺の動機というのをどのように結論づけられているんでしょう。何があの人を追い詰めた。もちろんそのファクトとしてあるいはインパクトのパワーとしてはさまざまなものが複雑に絡み合ったというのが常識的でしょう。しかしこの段階で、二月一日からかなりな時間を経過したこの段階で、当局は島田氏自殺の動機をどのように結論づけておられるのか、まだ結論に至っていないのか、この点はまずどうでしょう。
○政府委員(伊藤榮樹君) まずお断り申し上げたいのは、検察当局は島田さんがお亡くなりになりました動機を確定する立場にないということでございます。きわめて常識的に考えますれば、今回の事件が遠因か近因か知りませんが、動機の一つになっておるであろうということは推測にかたくないわけでございますが、いずれにいたしましても、御本人が亡くなっておられます今日、はっきりしたことは認定できない、だれもできないんじゃないかと思います。
○秦豊君 遺書が九通だったのか十通だったのか、その点はいかがですか。
○政府委員(伊藤榮樹君) その点はあるいは警察の方からお答えいただくのが正確かもしれませんが、私が聞いておるところでは、何か十人にあてて九通というふうに聞いております。間違っておれば警察の方で御訂正になると思います。
○政府委員(小林朴君) 九通でございます。
○秦豊君 そこでこの宗像さん、担当検事ですね、宗像検事への例の分厚い遺書ですね。もちろんその内容は知る立場にありません、私たちは。しかし、その遺書の内容、述べられた事実関係そのものは、六回に及んだ島田氏に対する一種の事情聴取を補えるほどの内容であったのか、あるいは分量は多かったけれども、今後の厚く閉ざされたかに見える島田氏の死による捜査の壁の方が厚かったのか、あるいはやっぱり宗像さんからたとえば小林さんが報告を受けられて一種の手がかりになるような内容のものであったのか、その点ぐらいはいかがですか。
○政府委員(小林朴君) この九通の遺書は、いずれも名あて人がはっきりいたしておりまして厳封されておったわけでございますから、名あて人にそれぞれ渡したということでございます。あとは内容は承知いたしません。
○秦豊君 親友の馬場氏あてに二通の遺書があったというふうに私は調べたんだけれども、その二通の内容はおたくとしては知り得たわけでしょう。いかがですか。
○政府委員(小林朴君) これは馬場さんには、その個人あてのものと馬場様と書いてあるものと二通あったということは聞いておりますが、内容はもう一切私どもは存じません。
○秦豊君 それでは、この内容が解明の一つの手がかりになるのではないかと、私どもは、事件をいろいろと追い続けているあなた方とは全く違った分野で追っている一人としては、やはりかなりなかぎがこの馬場さんあての遺書——馬場氏か馬場様かそれは別として、あり得たのではないかという、私のこれは印象だけ申し上げておきます。 そこで一月三十日から一月三十一日に至る島田氏の行動が、大変時間の空白が多くて、連鎖、つながった鎖にならない、ブランクの面が余りにも多いんですが、捜査当局としてはすでに、たとえば一例を挙げれば、一月三十日、一たん入社、しかし裏口から出る、役員会に出席せず、名古屋に行くと言って名古屋支社に行っていないというふうな空白の時間とかあいまいさ。三十日から死の直前に至る行動というのは完全に埋められているわけですか、参考のために。
○政府委員(小林朴君) 私どもは、島田常務が亡くなられた当時におきましてはそれが自殺によるものか他殺によるものかという面からの判断をいたしておりまして、他殺であればこれはもうもちろん犯罪でございますので、当然私どもが調べなきゃならない。しかし、自殺の場合はそういうことまで調べる必要はないという限りにおきまして、関係者からいろいろと事情を聞いたということでございます。したがいまして、いつどうしたという行動もそういう判断の面からのものしか存じません。
○秦豊君 そろそろ時間になるようですから最後にいたしますけれども、一月三十一日、自殺前日に朝日新聞記者二名が島田氏にインタビューをした。海部氏が同席をしたその内容は、たとえば島田氏個人に絡まる数千万円の使途不明金という内容であったのか、日商岩井という株式会社総体に絡むいわゆる使途不明金、工作資金に類するものであったのか、その辺はつかんでいらっしゃるのか、つかんでいらっしゃらないのかが一つ。 それから、まさに小林さんが最後におっしゃった、原因を突き詰めるためにとおっしゃった例の島田氏の司法解剖ですけれども、これは異例と言えるものか、ごくありふれた手続の厳密さを期したためなのか、あるいは七階の彼の最後までいた居室の中に口紅その他の反応があり、一人ではどうもその数時間を過ごさなかったという疑いがあったためにとられた司法解剖という措置なのか、その辺、差し支えない範囲でお答えいただきたい。
○政府委員(小林朴君) 最初の問題につきましては警察としては内容を存じません。 それから、御本人の自他殺等の問題につきまして司法解剖に付したのがどういう理由かということでございますが、これは手続上念を入れたということでございまして、もし場合によっては犯罪に起因するというようなことになってはいけないというために、要するにその疑いのあるものという形で一応司法解剖をいたしまして念を入れたということでございます。
○秦豊君 いたしかたなく終わります。
○理事(野口忠夫君) 他に御発言もないようですから、自治省及び総理府のうち警察庁、北海道開発庁と、それに関係する公営企業金融公庫、北海道東北開発公庫の決算についてはこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十七分散会 ————◇—————