外務委員会 第1号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/12/23
会議録
○委員長(菅野儀作君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十二日、徳永正利君、三善信二君、小野明君及び矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として竹内潔君、熊谷弘君、川村清一君及び相沢武彦君がそれぞれ選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(菅野儀作君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、国際情勢等に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(菅野儀作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(菅野儀作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(菅野儀作君) この際、志賀外務政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。志賀外務政務次官。
○政府委員(志賀節君) 私がこのたび外務政務次官を拝命いたしました志賀節でございます。 大変外務行政につきましては深い関心を有しておりましたものの委員会等に在籍したことがございません。したがいまして諸先生の御指導、御鞭撻よろしきを得て、この大任を大過なく過ごさせていただきたいと考えております。 私は、御承知のとおり、岩手県の選出でございますが、外務政務次官としてはかつて参議院から川村松助議員が出ておられました。そういう御縁もありまして、この参議院の外務委員会にはことのほか親しい気持ちを個人的に持っておるものでございます。どうかよろしくお願いをしたいと思います。 また、園田外務大臣と、私、政務次官といたしまして表裏一体をなして日本外交の推進に当たる決意でございます。重ね重ね諸先生の御指導、御鞭撻をお願いいたしまして、一言ごあいさつにかえさしていただきます。ありがとうございました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(菅野儀作君) 次に、北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件、両件を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。園田外務大臣。
○国務大臣(園田直君) ただいま議題となりました北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件の二件につきまして、提案理由を御説明いたします。この二件は、それぞれ別個の案件ではありますが、経緯上も内容的にも互いに密接な関係にありますので、一括して御説明いたします。 昨年五月二十七日にモスコーで署名された北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定及び昨年八月四日に東京で署名された日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間は、同年十二月十六日にモスコーで署名された二つの議定書によりそれぞれ延長されました。この有効期間は、ともに本年十二月三十一日に満了することになっておりますので、政府は、ソビエト社会主義共和国連邦政府との間にこの二つの協定の有効期間をさらに延長する目的でそれぞれの議定書を締結するため、本年十一月十八日以来東京において交渉を行いました結果、本年十二月十五日に東京において、わが方本大臣と先方ポリャンスキー駐日ソ連大使との間でこの二つの議定書の署名を行った次第であります。 この二つの議定書は、いずれも二ヵ条から成っており、それぞれ右に述べました協定の有効期間を明年十二月三十一日まで延長すること、両政府の代表者は明後年以降の問題に関して明年十一月十五日までに会合し協議することなどを定めております。 この二つの議定書の締結により、一方では、わが国漁船がソビエト社会主義共和国連邦の沖合水域において引き続き明年末まで操業することが確保されることとなり、他方では、わが国は、ソビエト社会主義共和国連邦の漁船が明年においてもわが国の漁業水域においてわが国の法令に従って操業することを認めることとなります。なお、漁獲割り当てなどの実体的事項につきましては、ソビエト社会主義共和国連邦の沖合水域におけるわが方の漁獲についての沿岸国として先方の立場にはきわめて厳しいものがあり、政府は先方と鋭意折衝を行いましたが、明年のわが方漁獲割当量として七十五万トンが定められました。他方、ソビエト社会主義共和国連邦に対する明年の漁獲割当量としては、六十五万トンを定めた次第であります。 この二つの議定書の締結は、互いに相まって、両国の二百海里水域における漁業に関する両国の間の円滑な秩序を確保するものであると考えております。 よって、ここに、これらの議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(菅野儀作君) 以上で説明は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○戸叶武君 私は、園田外務大臣の重任を心から祝福いたします。それは世界の中の日本の外交のあり方を決定づける上において、外交方針には高い見識とその一貫性が重要であると確信するからであります。 現在、日本における外交において最も必要なのはみずからの主体性を確立することであります。それとともに、相手あっての外交ですから、相手国の立場を深く理解し、寛容の精神をもってお互いの調整を図らなければならない、こう考えております。 そこで、きょうは、第一に、けさの新聞で報ぜられた隣国韓国における受難の政治家金大中氏の釈放に関していかなる御見解を持たれるか、外務大臣から御答弁を願います。
○国務大臣(園田直君) わが国としては、金大中氏の拘束問題は基本的には韓国の国内問題であるという方針をとってまいりましたが、過去の経緯、人権等の問題から、再三にわたり関心を表明してきたわけであります。今回、釈放の措置を韓国がとられましたことは、これは歓迎をするものであります。 なお、釈放された後、どのような取り扱いを受けるか、関心を持って見守りたいと考えます。
○戸叶武君 新聞等の報ずるところによりましても、韓国の朴政権が、自国における経済が充実し、また日中平和友好条約あるいは米中国交正常化が行われるというような形で、アジア全体の新情勢がデタントの方向へとうとうとして流れてきた。これに乗りおくれては大変というので、遅まきながら心境に大きな変化を来してこのような挙に出たというふうに伝えております。 韓国のがんこな政治体制のもとにおいても、このような世界の潮流に対応するというような変化が起きているときに、世界を覆うているいろいろなかたくなな形の政治体制の中にも、人間を尊重し自由をもっと発揚させ、その中に濶達な政治体制をつくろうという動きが活発に動いてくるのではないかと思いますが、園田外務大臣はいかようにこれを見通しておられますか。
○国務大臣(園田直君) これは他国のことでございまするから、現職の私がとかく言うわけにはまいりませんけれども、いま戸叶先生が言われたように、隣国が国際の必然性に向かって前進されることは歓迎をし、これを期待するものでございます。
○戸叶武君 いま韓国の新しい一つの動きとともに、けさはテレビでもって米ソ間におけるところの第二次戦略兵器制限交渉も基本的な合意に達したという知らせがあります。これまた喜ばしいことと思いますが、詳細にはどのように伝えられておるか、外務大臣から直接お話を聞きたいと思います。
○国務大臣(園田直君) まだ正式の電報その他は入っておりません。しかし、情報その他によりますると、新聞等で報道されていますとおり、今回は実質的な合意ができたということのようでありますから、これまた、今後紆余曲折はありましょうけれども、喜ばしいことであると考えております。
○戸叶武君 この問題は世界から大きな関心を持たれておったのでありますが、この問題をめぐって米ソ両国とも、国内においてすらまだ悲観、楽観論が渦巻いております。しかし、大局的見地から米ソ両国首脳者が軍縮に誠意を示し、デタントの方向に向かって足を踏み出したということは結構なことだと思います。 園田外相は、これに対応して、日本の外交姿勢をどのような方向に方向づけていくつもりですか。
○国務大臣(園田直君) SALTの前進はいまおっしゃったとおりでございまして、こういうもろもろの現象を見詰めつつ、いろいろ徴候的には一進一退あると存じまするが、世界の各国が平和に向かって前進しているということは間違いないことであって、わが平和に徹するという基本方針に確信を持つものであります。 今後とも、慎重に、御指導を賜りつつ、その方向に邁進したいと考えております。
○戸叶武君 園田外相は、八月十二日に日中平和友好条約に調印をした際にも、また十月十八日に承認がなされた前後におきましても、日中問題の次には日ソ関係の調整に入らなければならないということを断言しております。日ソ問題はなかなかむずかしい問題であり、中ソの長い間の対立の中にあって、日本と中国との平和友好条約の締結、一月一日にはアメリカとの米中国交正常化が軌道に乗る模様でありますが、そういうことを踏まえて、ソ連側では、日本・中国及び中国・アメリカ、この日中米三国間にソ連包囲の策が講ぜられているんじゃないかというような疑心暗鬼が生まれているのも事実であります。ソ連共産党の長老であるスースロフ氏は、なかなか見識のある人物でありますが、政府の側の代表者よりも共産党の長老としての立場から、この憂いを率直にわが党の飛鳥田委員長にも語っている模様であります。 このような強い警戒心の中において日ソ国交調整を進めていくということは、なかなか困難な事業と思います。日本の外交の基本的な姿勢は、北方領土の問題の解決なしには日ソ平和条約は締結できないという基本的姿勢は明確であります。しかしながら、この上に立って、この基本姿勢を貫くとしても、刻々に起きているところの経済関係や日ソ関係の幾つかの問題に対して、かたくなに領土問題だけにしぼって日ソ関係の調整を図らないわけにはいかないと思うのであります。それに対して、すでに外務大臣は衆議院の外務委員会においても柔軟な姿勢を示しておりますが、具体的に述べれば、どのような手順において今後日ソの国交調整を行おうとするか、それを具体的にお示しを願いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) わが国が平和に徹した外交、平和を追求する外交を進める上に、わが国として重大な問題は、米ソの対立と中ソの対立であります。 わが国が中国と友好条約を締結をいたしました。米国は中国と正常化をいたしました。特にわが国の友好条約というものがアジアの中ソの対立を激化するという方向に運用されるならば、これは悲しむべきことであって、少なくとも日中友好条約はアジアの平和を、そして緊張緩和をする方向に前進しなければならぬことは申すまでもないことであります。そういう意味において、日ソの外交をどう進めていくかということがきわめて大事な問題であることは御発言のとおりでございます。 そこで、私は、委員会においても、それから先般国連総会の際、日中友好条約締結後初めてグロムイコ外務大臣と一時間半会談をいたしました。その際、私が話し合いました要旨を申し上げますと、まず第一にグロムイコ外務大臣から日中友好条約についての意見があり、私はこれについて理解を求めるために発言をし、十分間ぐらいでこれはこれでよそう、今後日本がソ連に対して友好関係を真に進めていくかどうかということをわれわれは見守るという趣旨の発言がございました。 そこで、私は、日ソの問題はなかなか領土問題その他があってむつかしい問題があるけれども、正月に私が訪問した際、飛行場で別れしなに、あなたは私に、いろいろむつかしい問題があるが、何回も会って話し合うと問題が解決していくよと肩をたたかれた、その一言を私は忘れない。日中友好条約で日中関係がボルテージが上がっているが、わが方はしばしば言明したとおり、ソ連との関係を進めていって、そして拡大均衡、ソ連とも中国以上に仲がいいんだ、こういうことを実行で示したい、こういう趣旨のもとに向こうから善隣友好条約の話が出てまいりました。 そこで、私は、これに対して次のような趣旨のお答えをいたしました。 平和条約案、善隣友好協力条約案、これはいままでは、御承知のとおりに、あなたの方は書類は突っ返さないが受け付けない。私の方も突っ返さないが受け付けないということできました。しかし、われわれは決してかたくなにこれを拒否しているものではございません。今後、もう一遍、日ソは何回も会ってテーブルに着く、あるいはテーブル外、あるいは日本の各政党の方々の御協力も得、国民の支持も得て、この関係を進めていきたいと思う。 そこで心構えを言うと、いま出されておる善隣協力条約案には賛成するわけにはまいりません。しかし、平和条約あるいは善隣協力条約、こういうものは話し合いが進んで、そして領土問題についても誠意を示され、前向きということがわかれば、その前提のもとに方法は幾らでもあると思う。それは両方別個にやる方法もあれば、同時に審議する方法もある。ここで方法を決めるわけではありませんが、私の心構えとしては、日ソの間で相互理解をもっと深め、もっと話し合いをして、お互いに誠意が通ずれば方法はきわめて弾力的に、私はかたくなに拒否するということではないということを御理解を願いたい。なおまた、あなたの方ではおっしゃらぬけれども、経済協力その他の問題についてもお互いに要望する点があるわけであるから、こういう点についてもゆっくり話し合いましょう、こういう趣旨のことを話して会談を終わったわけであります。 その会談で申し上げたとおり、私は、ソ連に対する日本の外交の基本方針は変わりませんけれども、やり方としては経済問題にしてもあるいは平和条約あるいは善隣協力条約にしてももう一遍話し合って、しかも、それはかたくななことではなくて、もう少し弾力性のある心構えで前進をしたいと考えております。
○戸叶武君 この日ソ国交調整と取り組むのには、与野党とも慎重な態度が必要だと私は考えております。外交、防衛の問題は国の運命を決定し、国の安危を決する問題でありますから、責任ある政党は軽率に言動はできないのはあたりまえのことであります。しかしながら、外交権を持つ政府と国民世論を背景にして相互理解を深めていかなけりゃならないと考えている野党との間には、物の考え方に若干の相違があるのはやむを得ないのであります。 しかしながら、この日ソ平和条約締結への道は領土問題をまたいでは問題が片づかないことは明らかな問題でありまして、領土問題に対する外交上の見解というものは、第一次世界大戦におけるベルサイユ講和会議と、この第二次世界戦争後における平和条約のあり方においては、共通な流れもあるが、大きな質的な変化を来しておると思うのであります。 一九一五年、連合国の軍事謀略によってイタリアをドイツ、オーストリアと同盟から切り離して連合国に加担させようとしたときのロンドン軍事秘密協定も、ベルサイユ講和会議においては、民主主義を守るためにあえていままで外国のトラブルに関与しなかったアメリカの青年を率いて海を渡ったものとして、このような不明朗な他国の主権を侵して領土を奪い去るというような秘密協定には応ずることができないと言ってウッドロー・ウィルソンがこれを否認したのであります。あすこに新しい時代の国際法の理念というものが躍動しておる。だからこそ第二次世界戦争に当たっても、世界の世論を背景としなければ戦争終結への道を歩むことは困難だという考え方から、米英はアトランチック・チャーターにおいて、あれほどかたく他国の領土を侵略しない、奪わないということを声明としておるのであります。 にもかかわらず、この戦争が非常にむずかしい段階になったとき、一九四五年二月十一日に、ソ連を抱き込むために、ヤルタにおいてルーズベルト、チャーチル、スターリン三巨頭の秘密会談が行われ、戦時中の軍事謀略的な秘密協定がヤルタ協定の名によってなされたのであります。戦時中にはこのような出来事は間々あるのであります。しかしながら、次の平和条約の条件にはならないのであります。 これをこの締結国が責任を持って解消し、新たなる世界秩序を目指して、次の平和を保障し得る条件を具備して平和条約を結ぶのが道理であります。道理引っ込んで無理が通っておったのでは世界の秩序というものはできないのであります。 サンフランシスコにおける平和条約にわれわれが野党として反対したのも、一方的な形における条約においては不完全である、敗戦国なるがゆえに主張すべきことも主張できないような場にわれわれは連なるべきでなく、不平等条約をやがて世界の理性を取り戻したときに変えてもらわなきゃならないという悲願がそこに秘められておったからであります。アメリカもイギリスもソ連もこのことは百も承知だと思います。しかし、理想はそうであっても、現実はゆがんでおって、なかなか簡単にいかない。アメリカ、イギリスは過去のこととして当たりさわりがあるから黙して語らず。吉田全権にも圧力を加えて、日本の北方領土の放棄を促したようなてんまつもあるのであります。吉田さんは敗戦国の全権としてこれに屈したかもしれませんが、日本の主権者である国民はこのような不平等条約、不道理には屈しておらないのであります。 そこに問題のわれわれの基点があるのでありまして、一九六四年四月七日に社会党使節団としてソ連に招かれたときも、私は、社会党自体としては早期平和条約を結んで、それによって北方領土の返還というものを求めようというような、早期平和条約にウエートを置いたような説明をされる方もあるけれども、それは誤解を招いてはいけないと思いまして、ソ連と日本との国家性格は違うんだ。ソ連はプロレタリア独裁の国であって、共産党がソ連の運命を決することができるが、日本の主権者は人民である、国民である。国民の合意を得られないで、民主的国家における政党がソ連共産党と共同声明を発しても、それによって何らの権威も生まれてこない。やはり国民は、最終的には、最悪の場合でも歯舞、色丹だけでなく、国後、択捉までの返還なしには平和条約へは一歩も足を踏み出さないであろう、出せないであろう。社会党は全千島返還というものの上に立っているのだという点を力説して、当時、ミコヤンさんから「ニエ」と言ってどやしつけられたが、ニエなら帰ると言って、私は、日本の国民の声を直に伝達するのが野党の責任である、そういう意味においてミコヤンさんと取っ組んだのであります。 その間に調整に入ったのが今回飛鳥田さんとお話ししたスースロフ氏です。スースロフ氏は二位とか三位とか新聞は伝えておりますが、ソ連の共産党の中に生き残った最高の知性人であり思慮の深い人だと思います。政府の人を、今度、要人は出さずに自分が日本に言うべきことは言い、飛鳥田さんもまた日本の国民の訴えんとすることは訴えて、いろいろ若干勇み足もあったようですが、そんなことは私は問わない、やはり率直に問題をぶっつけたと思うんです。お互いにぶっつけ合ってその上に立って理解を深めていくのが外交でございまして、その点は、園田君は自民党の中でも感心な人で、ことしの一月には行って言いづらいことをずばっと言って、日中平和友好条約をこのような精神でやるんだ、返事はお聞きいたしませんというだけの伝言を伝えてさっさと帰ってきたあのやり方なんかやはり剣道の極意に達していないとなかなかやれないことだと思いますが、その土性骨を持っている園田さんですが、かたいだけが能ではない。やはり園田さんはかたいところもあれば、やわらかいところもあるようですが、硬軟両様を縦横に使って、ソ連にはソ連の立場がある、領土問題はソ連ほどいろいろな、罪深いと言っちゃあれですが、無理に無理を重ねた国はないので、日本を立てればこちらが立たぬ、こちら立てればあちらが立たぬという非常にむずかしい一つの中に巻き込まれていると思います。 別にソ連のことを配慮する必要はありませんから、われわれの主張はやる。しかし、それでもって日ソ関係を全部黒に塗ってしまってはいけない、どこかに光を見出さなきゃならない。それが今度の漁業関係の交渉においてもソ連が日本のごきげんをとるというのでなくて、十分日本人の漁民の苦悩、食糧問題、漁業問題に対しての苦悩をくみ取って、イシコフさんのような人は日本人がサンマやイワシを粗末にしてフィッシュミールにしたりほかの魚のえさにしてしまうが、ソ連では各人がこれを大切に大衆魚を食べていますというようなことの配慮まで行って、日本の欲するスケトウダラに便宜を図ったり、なかなかデリカシーを持った外交がそこにほのめいております。険しい面は険しいけれども、やはりお互いの立場を理解し合ってお互いの心の交流というものをもっと進めないと、とげとげしい中に硬直していくとシベリアの氷の中に閉ざされて死んでいったマンモスのように化石になってしまう危険性があります。これはソ連に対する皮肉でなく、日本に対しても言い得る一つの言葉じゃないかと思います。 この漁業問題をきっかけとして、これと日ソ平和条約とは別個な問題であり、善隣関係の条約とも別個な問題でありますが、これらのけじめをどのように園田さんは受けとめておりますか。
○国務大臣(園田直君) ただいま十分注意をして御意見を伺っておりましたが、御発言のとおりでありまして、ただ一本やりに友好関係、友好関係と言うだけではなかなか進展はいたしません。そこでお互いに相互理解を深めて、お互いに協調の精神でお互いが必要とするものを見詰めながら弾力的に友好関係は進めていくべきであるという考え方は御発言のとおりでございます。
○戸叶武君 そこで飛鳥田さんが全千島返還を主張したのは、社会党が内部的に二島返還、四島返還などという議論をされる方もありますが、その段階はもう過ぎ去って、昭和四十八年の国会における決議においては四島返還が決議されておるのでありまして、この議会民主主義の国においては、この国会決議というものは尊重されなけりゃならないことは当然であります。これは最悪な場合においての各党の合意でありますが、われわれとしては日本固有の領土全部の返還を求めるという悲願は捨てておらないのであります。 サンフランシスコ講和条約における保守党の敗戦国の全権としてのいろんな間違いはそれなりに私たちは間違いは間違いとしながらも、その苦悩はくみ取ってやるだけのことはやぶさかではありません。しかし、今日は過去の問題の糾弾よりも明日をどうするかの問題でございます。それにはやはり個々の問題、漁業の問題あるいはシベリアその他に眠っているところの資源の開発に対する協力の問題、技術経済協力の協力は、ソ連だけは除いて、ほかの国とはやるがというようなゆがんだ形は許されないと思うのであります。そういう形において、やはり私はソ連に対する偏見はあるところまで捨てていかなければならない。 アメリカとソ連とあれほど仲たがいをした国ですらも、中国とアメリカが手を握った段階において、急激にSALTの第二次制限に対する合意にまで達するというようなのは、音をたててデタントの方向へ世界の潮流は流れていることを意味するのであります。もはやダレスの封じ込め政策的な旧体制の外交は許されないのであります。日本には左にも右にもまだちょんまげを落とさない連中がおりますけれども、戦争や暴力革命によって先進国における改革はなされないということは常識になっております。そういうときに憲法に高く掲げ、国連憲章でも高く掲げている精神を日中平和友好条約の中に堂々と日本が表明したのは、日本も反省し、中国もお互いに感情はあるけれども、それを乗り越えて、相手国を変えるのには自分たちが変われば相手国も変わるという悲願を込めて明日に期待を持って歩もうという誓いがあの中には私は流れておると思うんです。 ヨーロッパにおける十字軍以後におけるいわゆるルネッサンスの時代、宗教革命の時代、名前はいいけれども、血なまぐさい戦争によってヨーロッパは彩られて進歩、発展を阻害したことがあるが、アジアがいま浮き上がるためには、ヨーロッパのあの暗黒時代を持たないで、立ちおくれているアジア、中近東その他の発展途上国の人々に戦争や武力革命の幻想を抱くことよりも、もっと相互理解の上に立って平和共存体制を具体的に確立しなければならないという外交の躍動を日本が率先してこれをやらなければならないというのが日本の憲法であり、日中平和友好条約の中に織り込んだ私は精神だと思います。 ソ連と中国との間には感情的なわだかまりもある、それは否定できない、しかし、それを乗り越える見識と勇気なしには世界の平和共存体制はできないということを、かつてダレスが支配したアメリカにおいても、また、かたくななスターリンが支配を行ったソ連においても、私は大きななだれとなってデタントの方向へ潮流が流れてきていると思うのであります。どうぞこの潮流を無視しないで、日本が原爆の洗礼を受けたのは日本だけでたくさんだ、民族全体が十字架にかけられたキリスト以上の悲願を抱いて、再び日本のようなみじめな目にいかなる国民をもさせたくないというこの悲願を外交の中に躍動させていってこそ初めて日本は世界の心をかち得るんだと思いますが、その精神で、余り物にだけ、物も大切ですが、心をかち取るところの外交というものをいま推進することが世界の救いになるんじゃないかと思いますが、これは園田さんに対しては釈迦に説法かもしれませんが、私も社会党の中じゃお釈迦さんの方の社会党に近い方ですから、どうぞひとつそれに対する御心境を述べていただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) いま御発言を十分かみしめて御指導を受けておるところでありますが、友好条約に先立って鄧小平副主席と私の会談は、いまおっしゃったような友好条約の案文ではなくて、今後われわれが進むべき政治の問題について会談をしたところでございます。副主席もそのように言っておられます。 なおまた、米ソの対決とわれわれは呼んでおりますけれども、その米国、ソ連の間でもSALTの交渉ばかりでなく、両国が対決をする中東問題その他についても、自分のやらんとすることを内々理解をしてもらおうという努力を両国ではやっておるようでありますし、両国の首脳者が今日においては抑止力による平和という平和を追求して努力をしておることは間違いないことだと存じます。 なおまた、中ソも対決をしておりますが、一部の貿易はやっておりまするし、話はまとまりませんでしたが、鉄道協定などの話し合いもしているということで、おっしゃるとおりの方向に世の中は進んでおる、また進めなければならぬ、こう思って、ただいまの御指導は十分守って今後外交を進めていきたいと考えます。
○戸叶武君 漁業の問題に触れたいと思いますが、専門家の北海道の川村さんがおりますから、川村さんの方にその内容ある質問はしてもらうことにいたしまして私ははしょって、ひとつ園田さんにお願いしておきたいのでありますが、私は米ソ両強大国を除いての国々は、アメリカとソ連さえ変わってくれれば世界もよくなるんだがなあという、口には出さないが、悲願を持っておったと思いますが、このごろ急に夢から覚めたがごとくみずからの責任を感じて、アメリカもソ連も想像できないような変わり目に来ておると思います。 それはアメリカやソ連は大きな力を持っております、軍事力その他においても。しかし、世界から孤立してしまう危険性を指導者たちはしみじみと感じてきたのじゃないかと思います。人間は社会的動物でありますし、いかなる強力な国家といえども、孤立した形においては世界において存在は許されないということを私はわかってきたのではないかと思うんです。力のある者ほどわかりにくくなって、総身に知恵が回りかねるものですが、やはりソ連やアメリカには相当聡明な人がいて、こういうような変化に対応しようという気構えが出てきていると思います。 私は、日中平和友好条約の問題でいつも涙が流れるのは、周恩来さんが生きている間にこの問題は片づけたかった。一九六〇年北京において三たび私は二時間ずつ六時間も周恩来さんに廖承志君とともに説かれた。しかし、人の命には限りがある。周恩来さんが亡くなってもこの精神を継承した鄧小平さんの捨て身の政治力によって、園田君もこれに呼応して歴史的な条約の締結の運びになったのですが、ソ連においてフルシチョフをしてスターリン批判をなさしめたあの歴史的な共産党大会における黒幕は、レーニン研究所の所長であり、レーニン大学の学長であって、レーニン以後においてマルクス・レーニン主義の最高の権威者と言われたスースロフ氏が、老練の政治家ミコヤンと組んで、ひとりよがりの独走的な政治家を抑えていかなければソ連がめちゃくちゃになるんじゃないか。スターリンを倒すとともに調子に乗り過ぎたフルシチョフも抑えていったところにロシア革命の秘史の中において珍しい私は人物だと思います。 自分も、手柄じゃなくて、どろをかぶって、後進の人たちに革命の伝統をもっと健やかな形において伸ばしてもらいたいという悲願が側々として彼らの胸中には流れていると思うのであります。いまの自分でない明日のソ連のことが――大きな過ちを犯すと歴史的な革命の意義を失うという世界の動きに対応するにしても、取り乱した形をしてはいけない、なめられてはいけないという感じで、かたくなと思われるような一つの心配を秘しているのだと思うのですが、私は亡き周恩来の生きている間に日中平和友好条約を結びたかったという気持ちと同じように、ソ連の生んだ珍しい知性人、教養と見識と歴史の年輪を刻み上げてきたこのスースロフ氏の生きている間に、一番、二番を争っているんではない、自分を捨てて祖国の前途に、世界から侮られることなく融和を保っていこうというこの気持ちをくみ取って、惻隠の情を持って地下三千尺の心をくみ取るというだけの情があって初めて人を動かすことができるんだと思います。 園田さんは剣道の達人であるし、気合いだけじゃなく、なかなか心のこもった方であります。鄧小平さんすらとも相通ずる気合いを発したのですから、もう一息です。どうぞそういう意味において、息の長いスースロフ氏ともざっくばらんな会談をやって、日本と中国、中国とアメリカ、日本とアメリカ、日本とソ連、この日本、アメリカ、中国、ソ連、四つの間にわだかまるものがあっては真の平和共存体制がアジア・太平洋にはできがたい面もあるのであります。その濃淡はあるでしょうが、各国の立場もあるでしょうから一気にはいかないにしても、ソ連のいままでの偏見を打ち砕いて――打ち砕くと言うと激し過ぎれば解かして、雪解けをさせて、そうして私は心の温まるようなおのおのの国々が世界に貢献できるような機会を日本がつくり上げたとするならば、日本は本当の意味において世界の平和共存体勢確立の先駆的な役割りをしたということになると思います。このことは夢じゃありません、現実において可能性があるんです。不可能と思われることを可能ならしめるところにかなうの意義があるんで、私は「戸叶」ですから「十」ぐらいは「かなう」と思ってうぬぼれておりますが、どうぞそう意味において、ひとつ日本の外交というものをいままでのマンネリなマキアベリズム的な、古代史的な権謀術策を粉砕して、もっと二十一世紀への道はかくあらなければならないという方向づけをこの一、二年にやらないと世界が滅びる危険性があるんで、予言者の声が私の耳にがんがんとして響いてくるんです。 とりあえずは、この漁業の問題あたりから――魚心あれば水心で、やはりそこに何らかの一つの具体的な事実を通じて新しい潮流を私は見出すんじゃないかと思いますから、そういう問題をおろそかにしないで、一つ一つ手がたく日ソ関係のむずかしい解決への道を切り開いていただかれんことをお願いし、漁業の問題においては現地で苦悩を続けている川村さんから、私は川村さんに対して安心できるような回答を――渡辺農林大臣もときどき暴走しますが、大臣を二回ぐらいやるとずいぶん落ちつきを取り戻すと思いますから、ひとつ何にも恐れない方だというので有名な方ですが、どうぞソ連に対してもこわがらない程度でひとつひねっていただかれんことを、ひねりの名人として御努力のほどを期待し、私の質問は、園田さんから一言簡単でも御回答を願って、結ぶことにいたします。
○国務大臣(園田直君) 日本の外交の課題は、具体的に言えば、米ソの対決を緩和、共存の方向へ、ソ連と中国の対立を緩和、共存の方向へ持っていくことがきわめて大事なことである、こういうように考えております。 御発言の趣旨を踏まえつつ、皆様方の御指導と御援助を賜りつつ、何とかして日ソ友好の糸口をつかみたいと努力をする決意でございます。
○川村清一君 今国会に承認を求められております日ソ、ソ日漁業協定は五十二年に実行された協定の延長でありますので、基本的には問題はございませんが、若干変更された協定に付属する「議定書に関連する当局間の書簡」の内容については問題がありますので、その点についてまず疑義をただしたいと思います。 第一に申し上げたいのは、日ソ漁業交渉に当たって日本側が最初に提案したソ連二百海里内における日本側の漁獲量でありますが、これは九十八万トン、本年度の割当量八十五万トンに比べて十三万トン増。これに対してソ連側が提案してまいりましたものは、日本の二百海里内における漁獲量は、昨年同様、六十五万トンであったわけであります。で日本側の要求九十八万トンが最終的には七十五万トンと昨年に比べて十万トン減、こういうかっこうになりました。ソ連側の最初の要求六十五万トン、これは終始これでまいりまして結局決まったわけであります。 日本側の七十五万トンの決定までの間には九十八万トンからまるでバナナのたたき売りのようにだんだんだんだん下がっていって最終的には七十五万トンといったようなところに落ちついたわけでありますが、私から見るというと、日本側の態度というものはきわめて不見識であったんではないか。これは昨年からソ連側が強く主張しておった等量主義というものはいまや国際間漁業においてはある程度一つの大勢になっておる、この大勢というものに対する認識がきわめて薄い、日本側の見通しというものはまず甘かった、一口に言えばそういうことになるだろうと私は思うんでありますが、この点につきましては、今年度のサケ・マスの漁獲量決定に当たっての日ソ交渉の段階においても私は指摘しておるのでありますが、こういったような交渉のやり方、こういうものについて政府は現在どんなような見解を持っておられるか、それをまずお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(森整治君) 今回の交渉におきまして、当初九十八万トンという数字をわが方が提示いたしまして、向こうが六十五万トン、それから結果として七十五万トンと六十五万トンに落ちついたということは御指摘のとおりでございますが、当初、やり方といたしまして相互にそれぞれの一応要求を出し合って、それに対して答えをするというやり方でどうだという、そういうルールを決めたわけでございます。 そこで、いま先生御指摘の、向こうは等量主義でくることはわかっておるではないかというふうに御指摘ございましたけれども、私ども、今回、向こうのソ連側が等量主義ということで昨年のような、何といいますか、非常に思想的な問題を振りかざしてこうしてきたというふうには考えておりません。ただ、結果的に、御指摘のように、スケトウダラが少ないから、おまえのところは九十八万トンという要求に対しまして六十五万トンしかやれないという回答が来たわけでございます。主義ということは今回は言っておりませんでした。ただ結果論といたしますと、どうも六十五という数字は同じだから、等量主義と言わない、等量ではないかと言われればそのとおりでございますけれども、そういうやり方で始めたものでございますから、何といいますか、相手の出方がどういうふうになってくるかということは最初非常に探りにくかったわけでございます。したがいまして、わが方としては業界の各種の要望がございますから、それを集計いたしまして九十八万トンという要求を当初出したという経過でございました。
○川村清一君 私はその経過を言っているのであって、今年度八十五万トン、それを九十八万トンとこっちが出した、向こうは今年どおり六十五万トンと出してきた、それが最終的には七十五万トンにいきましたが、その段階で九十八万トンが、それじゃことしの八十五万トン、八十万トン、七十五万トン、七十万トンというようにバナナのたたき売りのようなかっこうでだんだんこっちが下げていったというのはみっともないじゃないか、見識がないじゃないかということを申し上げているんです。 それから、いま国際漁業、遠洋漁業が、これはソ連だけを言っているのではない、対アメリカ、対カナダ、どこの国であったって漁獲量がふえていくなんということは考えられないでしょう、だんだん減っていく、一遍にはゼロにならぬが、じり貧になっていく、遠洋漁業がそういうような状態になっておるんだ。その認識の上に立つがゆえに、それじゃ遠洋漁業にかわって、日本列島の周辺二百海里、わが国の二百海里水域の漁業というものをどうやっていくか、このわが国の二百海里水域の漁業によって日本の漁業をやっていかなければならないんではないかというのが政府の見解でしょう、われわれもそう思っている。その世界の大勢というものを見通せないという甘さを私は指摘しておるんです。 その次に申し上げますが、最終的には七十五万トンになった、しかし、向こうは七十万トンを固持してなかなか譲らなかった、そして最後に五万トンふやした、これは評価します。しかし、この五万トンふやすためにどういうことをなしたか、こちらの方は操業水域においても、あるいは漁業方法においても余りにも大きな譲歩をしたではありませんか。このことは沿岸漁民に対して大変な犠牲を強いたことになったんです。いわゆる五万トンふやした代償として沿岸漁民に大きな迷惑をかけるようになった。これを政府はどう説明するか、こういうことを伺いたい。 もっと具体的に内容を申し上げるならば、ソ連側に対して新たに北海道の東海域における中層トロール、まき網あるいはサンマの棒受け、これを昨年まで禁止しておった十一月、十二月、これを操業を許した、つまり昨年の禁止を解除したということであります。長官は御存じかどうかしらぬが、知らぬはずがないですな、十月で日本のまき網漁業は禁止されるんだ。いいですか、十月いっぱいで日本のまき網漁業は禁止される。十一月以降は日本のまき網が実施できないんだ、この海域では。それをソ連に対して十一月のまき網の実施を解除したということはこれはどういうことなんですか。 さらに申し上げますが、一十月でまき網をやめた日本の漁業はそれじゃ十一月以降何をやるか、まき網にかわって、いわゆる太平洋の小型鮭鱒ですね、サケ・マス漁業の裏作として二十トンクラスの小型漁船がここでサンマの棒受け漁業をやるんだ。それから沿岸の零細漁民はこの月になりますというと、この海域でババガレイの刺し網を行うんです。そうすると日本のいわゆる二十トンクラスの小さなサンマ棒受け漁業と沿岸のカレイの刺し網漁業のこの漁場にソ連の中層トロールあるいはまき網、そうしてソ連のサンマの棒受け漁業、これが皆入り込んでくるんだ。その限定された海域の中に、日本のこういう小さな漁業を行っておるその水域に、ソ連の大型のサンマ棒受け、まき網、中層トロール、これが競合するかっこうになるでしょう。そうでなくとも、この後でまた申し上げますが、韓国の大型漁船、三千トンあるいは五千トンクラスのトロールがこの海域に入り込んできて、そうしてこの韓国漁船によって大被害受けていることは御存じのはずです。 こういったようなことによって日本の沿岸の漁民に大きな犠牲を与え、その代償として五万トン増量した。これは私は了解できないんだ。五万トンふやしたことを反対しているんじゃない、これは評価しますよ。評価するけれども、その代償が余りにも大きかったじゃないか。北海道の沿岸漁民はいま大変な騒ぎをしているんですよ、この漁民の声をどう受けとめるか。私に言わせれば沿岸漁民の犠牲において五万トンふやしたとしか言い得ない。これをどう解釈し、どう説明するか、政府の説明をしかと承りたい。
○政府委員(森整治君) 今回の交渉に当たりまして、いま先生がおっしゃいましたように、当初は日本の割り当ては六十五万トンだという回答を出してきたわけですが、その後七十万トンまでいきましてから、五万トンあと乗せるのに非常に苦労をしたことは事実でございます。 ただ、私どもの基本的な考え方といたしましては、二年続きました北洋の減船は今回はもう絶対に避けたいという基本方針でできるだけ割り当てを確保する、そういたしますと、どうしても七十五万トンの割当量は確保せねばならないということになるわけでございまして、あと全体といたしまして、向こう側が非常に固執しておりました着底トロールを禁止するという問題、これをひっ提げてのソ連側の相互の水域の開放なり、あるいは操業の規制の緩和措置、そういうことを求めてきていたわけでございます。そういう中で、全体といたしまして、七十万トンから七十五万トンと申しますよりも、総漁獲割当量と操業水域の開放の問題それから操業規制の問題全体ですね、パッケージで向こうもセットをするということで、結局、最終的な段階で七十五万トンというのが決まり、操業水域も決まり、操業規制問題も決まったというのが実際の経過でございます。 私どもといたしましては、先生の御指摘はございましたけれども、全体として着底トロールの禁止を引っ込めさせる、それからわが方は樺太の南の海域の水域を獲得する、それからタコの漁場を確保する。そのかわりと言ってはあれですが、引きかえに、向こうが言っておりましたいまの先生の御指摘の操業の規制緩和を行ったわけでございます。 そこで、いま先生がおっしゃいました十一月から十二月のまき網の操業につきまして、日本漁船に認めていないのにソ連船に認めるのはおかしいではないかという御指摘が一つございました。この問題につきましては、確かに形態としてはそういう形態になっておりますけれども、これはまき網につきましてはオッタートロールの禁止水域の内につきまして十一月、それから外につきましては十一月、十二月を追加的に認めることとしたわけでございますけれども、まき網は、これは釈迦に説法でございますけれども、漁法からいたしまして日本の刺し網なりはえなわとの間で余り問題を起こす心配はないのではないかという判断をしたということが一つございます。それからもう一つ、ソ連が非常に固執しておりましたのはマイワシなりサバでございました。そのためにまき網をするということでございますけれども、御承知のように、十一月になりますとマイワシなりサバの漁場が南下をいたしまして本州沖に漁場が形成されるというのが通例でございます。そういうことで、まき網を認めましてもそう大きな影響はないのではないかという判断をしたこともございます。 このことは交渉の過程で向こう側も、この時期において非常に海況がよくない、要するにしけが多くて余り出漁できないかもしれない、ただ、ソ連の船はわりに大型だから一回試験的に操業してみたいという話がございました。うそか本当かは別にいたしまして、私どももよくそういう事情は承知の上でおったわけでございますが、そういうたっての主張であるということで、まあ影響度からするとさしたるものではないのではないかという判断をいたしたということでございます。 それからもう一つ、後段の方で先生御指摘のありましたサンマ棒受け網もございますが、これにつきましては、十月、十一月の二ヵ月間に操業を認めたということでございます。これにつきましても、サンマの棒受けの漁法というのは漁具被害をもたらすという問題には漁法からして余り問題ないというふうに判断をいたしたということと、従来からこの時期にサンマ棒受け網が多数操業をしておる、わが国のですね、それからカレイの刺し網も操業をしている、そういうことで余りトラブルが起こってないということから、カレイの刺し網なりと漁場の競合を引き起こす可能性は少ないのではなかろうかという判断をいたしたわけでございます。 しかし、先生が御指摘のような不安なりを沿岸の漁民で抱いておるということは私どももよく理解をし承知をしておりますので、今後こういう操業を行わせるに当たりましては、私どもといたしましても取り締まりを厳重にいたしまして、トラブルが発生しないように特に注意をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。その点、さらに念には念を入れて十分事の起こらないように注意をしてまいりたい。また、一応操業協定ということも結ばれておるわけでございますから、その点を特にソ連側にも注意してもらうように、重ねて、この際、われわれもよく連絡を密にして支障のないようにしたいというふうに思っておるわけでございます。 総括して申し上げまして、沿岸漁民の犠牲というふうな……
○川村清一君 あなたの答弁を聞いていたら、質問する時間がなくなっちゃう。
○政府委員(森整治君) 私が申し上げたいことは、沿岸漁民に全然被害がない――被害というか影響がないというふうには申し上げませんけれども、極力、ない方向で事を解決したつもりでございます。
○川村清一君 いや、あなたのそんな答弁じゃ了解できないですよ。しかし、それで議論している時間がないから、いずれまた農林水産委員会あたりで議論をしますが、そんなことじゃだめですよ。 それで、冒頭あなたがおっしゃったように、七十五万トンにしなければことしもまた減船しなければならない、その辺が一番の本音じゃないですか。やはり減船するというと、また政府は減船補償をしなければならない、財政負担が出てくるといったようなことが一つの本音じゃないですか。 それじゃそこをちょっとお尋ねしますが、ことしの七十五万トンの内訳を見ますよ。そうすると、日本の一番欲しいのはスケトウです、確かに。スケトウはことし、七八年は三十四万五千トン、これが三十万トンに減ったんですよ。それからカレイが三万トンが二万トンに減った。メヌケが二万二千トンが一万四千七百トンに減った。マダラが四万四千七百トンが三万トンに減った。そうすると、要するにあなたのおっしゃっている減船の対象は何かというと、これは底びきですよ、機船底びきの船です。底びき船の漁獲対象魚種はいま私が申し上げました底魚ですよ。底魚が全部減ったんだ。七十五万トンになって、底魚がずっと減っちゃった。一番欲しいスケソウが三十四万五千トンが三十万トンに減った。それでしかし総体で七十五万トン。七十五万トンにすれば減船はないんだと、こうおっしゃっておる。それじゃこの底魚をとる底びきが何隻いるかというと、九十六万トン型が現在三十八隻いますよ。百二十四トン型が百二十三隻います。合計百六十一隻の底びきがいるわけです、かき回しとそれからオッターを入れて。この百六十一隻の底びき船、これがとる対象魚種はいま申し上げたこの魚種ですよ。この底魚が減っておるにもかかわらず、仮に七十五万トンになっても減船する必要がないと、それじゃ減船する必要がなく、百六十一隻でこの減った分を操業していって底びきの企業経営が成り立つのか、ペイするのかどうか、これ計算しましたか、どうですか、心配ないですか。それでこの百六十一隻でやるというんでしょう、問題はないのか。
○政府委員(森整治君) 今回のいま御指摘の問題は、まさに底魚が主として減らされておることはそのとおりでございます。交渉の経過から申しましても、スケトウを初めとする底魚資源につきまして、資源的に問題だからそれを削減するということで六十五万トンという数字を提示してきたことからいたしましても、交渉の割り当ての圧力がそこにかかってきたということはそのとおりでございます。 そこで、今回の減船を回避するという方針でいろいろ行われましたけれども、いま先生御指摘の沖底船の場合には漁獲量が本年の一八%減ということになっておりまして、三十六万六千トンというふうになっております。この減量につきましては、水域別の配分に当たりまして、水域ごとに出漁船の魚種別の依存率と本年の割当量の達成状況を十分考慮いたしまして、経営に大きな影響を与えないよう措置したつもりでございまして、割当量の減によります減船の問題は起こらないというふうに判断をいたしたわけでございます。このことは、先生御承知のように、交渉につきましては、顧問団とよく協議をしながら最終的な決定に当たっておるわけでございまして、その点については、一応、そういう団体側の意見も聞きながら決定をしたということでございます。
○川村清一君 そんなわけのわからないような答弁をしておったって了解できないですよ。 いま沿岸と底びきとが北海道の海域においてどういうようなトラブルを起こしているかあなたは御存じだと思うんです。われわれが心配しておったところがもう出てきているんですよ。北洋からUターンしてきた沖底が北海道の沿岸、もうひどいのになるというと禁止ラインを突破して中へ入ってきて、そうして沿岸といろいろトラブルを起こしておる。資源論から言ってこれは大変なことなんですよ。私は、底びきを減船すると、またいろんな問題が出てくることは重々承知してこんなことを申し上げているんだが、乗組員のいろんな問題も出てくる、労働問題も出てくる、したがって避けたいという気持ちは十分ある。あるけれども、いま長官がそんなことをおっしゃったって、現に対象の底魚の漁獲量がぐうんと減っているのに、それをとる船の数が何にも変わらない、それで減船の必要がないと。減船の必要がないというならば、これは経営がペイするということなんです。それじゃことしはスケトウが三十四万五千トン、来年よりも四万五千トン多いわけですから、ことしの底びきをやった企業は大もうけしているはずでしょう。大もうけどころか困っているんだ。ことしの量でも少なくて困っているんだ。困っているから、沿岸の方にどんどんどんどん入ってきておるんでしょう、これが実態でしょう。それが総漁獲量がどうんと減って、船の数が同じで、それで経営が成り立つという、そんな計算はどこから出てくる。しかし、減船をやったら政府が大変困るからなんでしょう。そういう議論ではだめですよ、これもまたいずれやります。きょうは時間がないからできないんです。 そこで最後に、一番困っているのは韓国船対策、これは新任の農林水産大臣は前大臣から引き継がれていると思うんですが、私は鈴木善幸大臣のときにこれを質問いたしまして、鈴木さんは、絶対、少なくともオッタートロール禁止ライン、底びき禁止ラインの中に韓国漁船は入れないということを確約しているんですよ。ところが、一向に今日なおこれが解決していない。北海道の周辺、日本海からオホーツク海から太平洋岸、この漁民はこのために泣いているんだ。二、三日前も漁民大会を開いて、そして決議電報を私のところによこしておるんだ、これが実態なんだ。いつになったらこれが解決するか。 だからして、解決しないなら、なぜ二百海里というあの法律を韓国に適用しないのか。日本海をなぜあけておくのか。日本海二百海里法という法律をつくったじゃありませんか。これはソ連に適用されるから、ソ連からはこの損害はいまは受けてない。韓国は十二海里の外はこれは公海である、公海は漁業が自由であるということで、オッター禁止ラインも底びき禁止ラインもそんなものは無視して、どんどんどんどん沿岸に入り込んできて、そして被害を与えているのが実態でしょう。一体、いつになったらこの問題を解決する気だ、二百海里法をなぜ適用しないのだ、これをはっきり申し上げまして、時間がないから私の質問を終わります。御答弁だけ下さい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 答弁する前に、一言ごあいさつを申し上げます。 今回、農林水産大臣を拝命しました渡辺美智雄でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ただいまの御質問でございますが、まことに重大な問題でありまして、ちゃんともちろん引き継ぎを受けておるわけであります。いままでも再三韓国に当たりましては御趣旨のようなことで交渉をやってきたわけでございますが、決着がついておらないというのも事実であります。しかしながら、これについては専門家同士でもう少し実務の話し合いをつけようということで、もうことしというわけにもいかないので、明年早々一月中に両水産庁間で実務的な詰めを民間とともにやっていきたい、かように考えております。 なお、この漁業の水域法適用問題につきましては、これは韓国の水域で日本の漁船の漁業をしておる実情、西日本側に与える影響等も考慮をしながら、まず解決つければもういいわけですから、解決つかない場合は、そういうものも考慮をしながら慎重に検討をすべき問題である、かように考えております。
○川村清一君 三年たっている、三年。
○相沢武彦君 日ソ漁業交渉について、外務省並びに農林水産省に質問いたします。 最初に日ソ漁業協定の長期安定化の問題でありますけれども、今回も、ソ連側からは、国連の海洋法会議の結論が出るまでは応ずるわけにはいかないというふうに突っぱねられたんですが、わが国の漁業の立場から考えますと、早期に長期協定へ移行させることは重要課題になっているわけなんですが、今回の交渉において、この長期協定の交渉がどういう経緯をたどったのか、また今後の見通しについて、外務省と農林水産省、それぞれから御答弁いただきたい。
○政府委員(宮澤泰君) ただいま御指摘のように、私ども交渉に当たります者といたしまして、日ソ間の操業の安定化を図るためにこの長期化を提案いたしたわけでございます。その理由といたしましては、苦労してこしらえました二つの協定を運用いたしましてすでに二年目を終わろうとしているところでございまして、その間、紆余曲折はございましたが、比較的安定的な操業を行なうことができたということ、したがいまして今後とも操業の安定を図るために、少なくともこの同じ協定を一定期間長期にわたって維持したい、あるいは一定期間の後に自動延長の方向にしたい、こういうことをソ連側に当初提案をいたしたわけでございます。 これに対しまして、ソ連側は、ただいま相沢委員御指摘のとおり、これに反対いたします理由として、一つには海洋法会議がいまだ結論を出していないということ、さらには、この二百海里法の基礎になりましたソ連の最高会議幹部会令がこれは暫定措置として二百海里というものをしいているものである、したがってソ連の国内的な法体系から考えて、このような暫定法に基づいて国際的な長期協定を結ぶことはできない。これは昨年も同じ立場を述べておったわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、このようなソ連がみずからの法律的な立場からこれを長期化することはできない、あるいは自動延長ができないという立場でございましたので、大分長い間折衝いたしました結果、それでは私どもといたしましては一年ずつでも操業が続けられていれば最小限の要求は満たされるという考えから、とりあえず来年一年の延長に合意いたしましたわけで、その来年以降、すなわち一九八〇年以降の取り扱いにつきましては、来年の十一月十五日までに会合をして協議をする、このような取り決めをいたしたわけでございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いままでの外務省の答弁は私もそのとおりだと、かように考えております。われわれとしては実態規制問題への影響というものも考えまして、こちらの主張は主張としてがんばっておりますが、平行線ですから、まあやむを得ず一年延長ということに同意をしたわけでございます。
○相沢武彦君 結局、従来の主張で平行線をたどったままで終わって、まことに残念なんです。 次に、漁獲量の問題でお尋ねしておきたいと思いますが、来年のわが国に対する漁獲量の割り当てですけれども、底魚を中心に七万六千トン、それにイカナゴ二万一千トンを加えまして、ことしの割当量より十万トン減少ということで決まったんですが、十万トンといいますと、これは相当な影響が出てくると思うんですけれども、関係業界に与える影響については農林水産省としてはどういうように判断しているんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いまの御指摘のとおり、本年の八十五万トンから十万トン少ない七十五万トンになった。ソ連側の当初の提案よりも十万トンの上積みを行うことは、こちらはまあできたと。そういうようなことで魚種別にもスケソウダラというものを上積みをしたということ、さらには着底トロールの禁止を回避できたということ、そういうことから減船という不幸な事態を何とか避けることができた、こういう点を全体的に考えまして、まあ影響がないとは申し上げられませんが、さして大きな影響なく済むのでないか、かように考えております。
○相沢武彦君 新聞報道によりますと、これは恐らく関係漁民から取材をされて書いているんだと思うんですけれども、ことしの漁獲割当量のうち実際にソ連の二百海里内での水揚げ量というのは六、七〇%程度ではないか、こういうことなんですけれども、水産庁としては今年度の実績漁獲量というものをどの程度に見られているんでしょうか。これは見込みも含めて、ひとつ明確な数字を示していただきたい。
○政府委員(恩田幸雄君) 本年の八十五万トンにつきましては、それぞれの海域でいろいろな魚種をとっておるわけでございますが、その報告につきましては、各情報を提供する団体ごとにまとめてソ連に通報しているわけでございます。 私どもの方でまだ最近の数字の集計ができておりませんので的確なことは申し上げられないわけでございますけれども、従来わかっている点では、オホーツク海のイバラガニあるいは日本海のエビなどはすでにほぼ完全に漁獲しておるようでございますが、二丈岩のイカナゴ、毛ガニ、こういうものにつきましては本年は資源状態並びに海況がきわめて低いという状況で、余り達成率はよくないものと考えております。なお、スケトウダラにつきましては十一月、十二月が成魚期でございます、特にいわゆる卵を持った抱卵のスケソウの時期でございます、その時期に相当漁獲を上げるということで、各漁船はいまがんばってとっているような状況でございます。 大体、以上のような状況で、詳しい具体的な数字はちょっといまの段階では出すことはできないと思います。
○相沢武彦君 正確な数字の総まとめはなかなか発表できないようなんですが、いま大臣おっしゃったように、余り大きな影響はないというふうにおっしゃっているんですけども、関係漁民たちへの影響はかなり大きなものがあるんですよ。 この二百海里内の操業水域の問題点なんですけども、今回の交渉の特徴として、日ソ双方で漁獲水域の拡大、それから操業規制の緩和を図ったわけなんですけども、日本側が強調したのは、ソ連水域の第二、第三の水域の延長、それから第四、第六、第七水域の要求のうち、実現したのが二丈岩西側の第四水域と東樺太の第六水域の二ヵ所だけなんですね。この程度の水域拡大で本当にこの漁獲割当量の七十五万トン、これが一〇〇%消化できるという見通しが立っているんでしょうか、いかがですか。
○政府委員(恩田幸雄君) 御存じのとおり、魚につきましては年ごとによる変動がきわめて大きいわけでございまして、あるいは基本的にはそういう意味である魚種がその年に悪ければどうしてもとり残しを出さざるを得ないというのが漁業についての特性だと思っております。 私どもは、確かに御指摘のとおり、今回区域が拡大いたしましたのは東樺太の南の方と、それから二丈岩の西のタコの漁場でございます。そのほかに、私どもといたしましては、従来の漁業の実績あるいは割り当ての消化状況等を勘案いたしまして、海区別に魚種を適宜割り振りいたしまして、十分とれるような配慮を今回いたしておりますので、そういう意味では明年の七十五万トンというものは相当達成できるものだと考えております。ただ、先ほども申し上げましたように、魚種ごとの年による変動というもの、これがございますので、その点だけはお含みおきいただきたいと考えております。
○相沢武彦君 当然、魚種ごとに、年次ごとに豊漁、不漁があるというのはこれは当然のことなんですけども、その点は十分考慮した上でやっぱり交渉しなきやならない問題なんですよね。 それから北転船や沖合い底びき、それから底刺し、はえなわの各業界における漁業経営の内容についてなんですけども、非常に各方面から心配がされているわけなんです。来年、七十五万トンの確保で一応の減船は避けられたということなんですけれども、ことしから見れば十万トン減少しているわけですし、操業水域は、いま申しましたように、ごく一部の拡大しかできてない。そして減船しないわけですから操業漁船数は同じということですね。そうしますと、この漁業経営の採算という点から考えまして、本当に経営が成り立つのかどうか、この点について水産庁としてはかなり甘い観測を立てているんじゃないかと思うんですけども、その辺はどうですか。
○政府委員(恩田幸雄君) 先ほど申し上げましたように、漁獲割当量については十万トンの減になっておりますが、それぞれ沖合い底びきなり北転船につきまして確かに若干の減少はございますが、その中で、先ほども申し上げましたように、海区別に魚種別の割り当てを十分配慮してございますので、従来の状況よりはとりやすい状態になっている。したがいまして、量は減っておりますが、実質的にはそれほど経営が悪化しないで済むのではないかというふうに私どもは考えております。
○相沢武彦君 特にスケソウ、それからカレイ、マダラ類ですね、この魚種関係は相当深刻なものがあると思うんですよ。もう少し掌握をしっかりしてほしいと思うんです。 それから、先ほど川村委員が触れられておりましたけども、遠洋漁業で採算割れの漁船がどうしても沿岸へ戻ってきて、沿岸漁業と沖合い漁業との競合が出てくる。当然トラブルが、以前もありましたけども、来年あたりはまた相当心配な事態が起きるんではないかと思うんですけども、こういった各業界ごとの調整についてきちんといくのかどうか。また、これまで行われたようなトラブルが今後絶対起こらないというように水産庁として新たな対応、これをとられる準備はできているのでしょうか。
○政府委員(恩田幸雄君) 私どもは基本的には沖合い、遠洋に出ておりました船が沿岸にUターンすることはできるだけ避けるということで従来減船等をやってきたわけでございます。それで、現在のところ、Uターンによって特に沿岸でのトラブルが日本の沖底船との間でふえたということは余り聞いてはおりません。ただ、今後とも、やはり沿岸漁業と沖合い底びき網漁業との間にはいろいろなトラブルが発生することも考えられますので、従来から禁止期間あるいはオッタートロールの禁止区域等を設けましてトラブルが起こらないようにしておりますし、さらに漁場で細かい具体的な漁場の利用を調整するためには漁業者間で自主的に操業協定も結ばれておりますので、今後、これらが円満に操業できるように関係漁業者を指導してまいりたいと思いますし、さらに私どもとしても必要な取り締まりあるいは指導、これを関係の都道府県とともにさらに強化してまいりたいと考えておる次第でございます。
○相沢武彦君 スケソウ漁業の水揚げ減少は、これはもう当然加工原料不足につながるわけでして、そこでスケソウの輸入問題、これが起きてくるわけなんですが、スケソウについては日ソ共同漁業事業、これを積極的に推進すべきだという意見が出てきていますが、今後の課題として、このスケソウの輸入や共同事業に対する考え方、また計画の内容について現在どの程度検討されているのか、差し支えない範囲でここで明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(森整治君) スケソウダラにつきましては、すり身に加工されまして練り製品に供されるという、練り製品の主要な原料ということでございますけれども、すり身の需給が、先生御承知のように、一時漁獲割り当てが削減されるということで非常に混乱をいたしましたけれども、結果的には、すり身の製品の歩どまりを上げるとか、あるいはホッケ等のすり身を使うとかということによりまして供給がある程度確保されると同時に、かまぼこの消費が停滞するというようなことで、需給が緩和傾向にあったわけでございます。しかし、最近ようやっと一応価格に戻りが出てきているという状況でございまして、そういう意味からしまして、本年度も一応加工原料のスケソウダラにつきましては、本年度新たに加工枠というのは設定をいたしましたけれども、現在までのところ輸入が行われていないというふうに聞いておるわけでございます。しかし、主要な加工原料でございますから、スケトウダラの輸入問題については、今後、需給の状況を見ながら慎重に対応してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 あと、後段で共同事業についてのお話がございました。これにつきましては、一部地域から強い要望が出されておることは承知をいたしておるわけでございます。ただ、スケトウダラの共同事業につきましては、私ども非常に問題が一つ大きくあるというふうに考えております。そのことは、御承知のように、これだけ日ソの漁業の協定上のクォータといたしましてスケトウダラをめぐりまして相当な議論をわれわれとしても闘わしておるし、本来の協定でスケトウダラの漁獲割り当てを獲得するべくいろんな努力をしているわけでございます。その中で、地域が違うとはいえ、共同事業でこういう一種の、ある程度の代償を払う形でのスケトウダラを共同事業で行うということが、一体、北海道漁民の感情にも合うのかどうか、その辺が――一部の業界としては確かにそういう主張はあるんですけれども、全体としてどんなものであろうかという一種の不安感を私ども持っておるわけでございます。ただ、さはさりながら、やっぱり地域が違ってそれが確実に事業が行われるということであれば、分離して考えられるということも考えられないわけではないわけでございまして、その点につきましては今後十分に検討をさしていただきたいというふうに考えております。 ただ、従来の共同事業そのものがまだ地について操業開始がされたわけではございませんので、いままでの御承知のように取り上げられております五件の共同事業を早く先に、もしやるならば、軌道に乗せて、その後でいまの御指摘の案件については、出てまいります段階で十分に検討してみたいというふうに思っておるわけでございます。
○相沢武彦君 ソ連側が、一体、どういうような内容、条件をつけてくるのか、それによっても違うでしょうし、また、それからいま御心配のように北海道の人たちがどういう見解を持っているのか、合意が取りつけられるのかどうか、いまのところ全底連もコメントは避けているようですけれども、その辺よく連携をとられて慎重にひとつ対処していただきたいと思います。 それから、ソ日漁業関係なんですが、今回の妥結内容によって一番ショックを受けているのは、言うまでもなく北海道沿岸漁業関係者なんです。交渉の最終段階で、わずか五万トンの割当量を日本側が確保するために、道東沖のオッタートロール禁止ラインでソ連の漁船の操業を認めてしまったということは、これは譲歩の限界を越えているんじゃないかというように北海道沿岸漁業者は非常に憤慨をしているわけですが、やはりこれはどう考えても北海道沿岸漁民の犠牲の上に妥結された漁獲量の確保ではなかったかと思うんです。 そこで三点お尋ねしますけれども、一番目は、特にサンマ漁に見られるように沿岸漁業と沖合い漁業の競合調整の問題を今後どうするつもりなのか。それから二番目が、超大型の何千トンもあるソ連漁船が加わりますと、当然、操業上のトラブルが発生するんですけれども、この危険性は大だと見なければなりませんが、絶対に事故は起こさないということで、これに対する対応策を考えられるのかどうか。それから先ほども川村委員から指摘されたように、従来も韓国漁船が入ってきて大変な被害を受けているんですが、このソ連船への漁場開放でさらに韓国船の数が増大しないのかどうか、この点の心配はないのかどうか。以上、三点についてひとつ明快な御答弁をいただきたい。
○政府委員(森整治君) サンマの漁業の問題でございますが、サンマにつきましては、ソ連の方は大体四島周辺で相当漁獲をしているようでございます。で、わが国の二百海里内でソ連の実績を求めたところ十一月末現在で四百トンという報告でございます、ソ連側からの報告が。非常にわが国に依存しているのが少ない。それから今回の向こうの六十五万トンの中の要求といたしまして、サンマは二万トンから一万トンに減らしてきているわけでございます。これは当初からそういう意向を示しておったわけでございます。したがいまして、一応、サンマの棒受けを認めるということにつきまして、実際的にそうソ連が大いに中身について考えているかどうかというのはよくわからないわけでございますが、いずれにいたしましてもサンマ漁の漁法は棒受けでございますから、わが国の沿岸の刺し網なり、はえなわの漁業の操業と、また漁具の被害等についてはそう大きな問題は生じないのではなかろうかという判断をいたしておるわけでございます。しかし、新しいことでございますから、これには、先ほど川村先生に私お答えいたしましたように、厳重な取り締まり体制はとりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、ソ連の船が大型であって、それがこう入ってきて、またがってのような事故が発生するおそれはないのかという御質問だと思います。これにつきましては、トロールの禁止区域内のまき網なり棒受け網の操業の問題、トロール禁止外でもまき網がございますが、これについては漁法上そう問題を起こすことはないということを先ほど申し上げたわけでございますが、なおトロールにつきましても、十一月から十二月の操業を中層トロールをトロールの禁止区域外で認めたわけでございます。これにつきましては、わが国の沖合いの底びき網の操業が行われておるということと、ソ連の着底トロールもすでにやっておるわけでございますから、そういう意味での被害があるかということになりますと、余りそういう意味での被害の報告は受けておらないわけでございます。実績からしまして、そう問題を起こしてないというふうに思っておるわけでございます。 また、ソ連の要求しておりますのは、サバなりイワシなりマイワシをともかく四十五万トン欲しいということを非常に固執しておったわけでございますけれども、この漁法からしますと、マイワシなりサバをとるということになりましょうが、十一月の上旬以降は魚群は南下するというのが通例でございます。向こうも交渉の過程では試験的にやってみたいという主張をしておりましたから、そう大きな影響が出てくるというふうには考えておらなかったわけでございます。しかし、くどく繰り返して申すようでございますけれども、いろいろ操業協定ができているとはいえ、新しい操業を期間的にも認めるということでございますから、なお私どもとしては取り締まり体制を厳重にして、そういうことが起こらないようにしたいというふうに考えておるわけでございます。 最後に、ソ連船が入ってくることを認めることによって韓国の漁船がさらに入ってくるということ、隻数が増加するようなことを誘発するのではなかろうかという御質問だったと思います。この問題につきましては、今回、ソ連漁船に対しまして一応操業を認めておりますのは、オッタートロールの例の禁止区域内につきましてはサンマの棒受け網を十月、十一月に認めるということと、まき網の漁期を一ヵ月延長することを認める、十一月まで延長することを認めるということでございまして、わが国のトロール禁止区域内には一歩も向こうのトロール船は入れないという態度を堅持しておるわけでございます。トロールの操業は、現行どうり、周年禁止をいたす体制をとっておるわけでございます。このことについては相当やり合いをやりまして、絶対に入れさせないということでがんばったわけでございまして、そのとおりになっておるということでございますから、いま起こっております問題は、主として韓国船がわが国の沿岸と沖合いが守っておりますトロールのその禁止区域内に入ってくるということによっていろいろトラブルが発生しておるわけでございます。われわれもこれはぜひやめさせたいということで、先ほどからいろいろ御質疑を受けておりますように、鋭意努力をしておる問題でございますから、直接これとの関係はないのではなかろうかというふうに考えております。むしろ韓国船の問題につきましては、ともかくトロールの禁止ラインは守ってもらう、逆に言えば、ここから出ていってもらうということを基本的な方針として折衝を続けたいというふうに思っておるわけでございます。
○相沢武彦君 先ほども質問が出ていましたけれども、サンマ漁の時期なんですけれども、十月から十一月にかけて十勝沖のサンマ漁の盛漁期と言われているんですけれども、どうしてこの時期を認めたのか。 それから二点目は、沿岸漁業ではこの海域で刺し網漁業を操業しているところへどうしてソ連船の棒受け網船を認めてしまったのか、その理由を明らかにしてほしいと思うんです。 それから第三点目、ソ連への対象魚種のうちマイワシとサバ、これを一括して四十五万トン認めてしまったんですけれども、なぜ別枠にして今後に備えなかったんでしょうか、何かこれは交換条件があったんですか、その点ひとつはっきりしてください。
○政府委員(恩田幸雄君) サンマ棒受けにつきましては、従来、ソ連漁船はほとんどが四島水域で漁獲しているわけでございます。先ほど長官からも申し上げたように、ほとんどわが方の水域ではやっていなかったということと、それからさらに今回割当量を二万トンから一万トンに減らしているわけでございます。それともう一つは、いわゆる沿岸の刺し網なり、はえなわ等の漁業調整の問題、これらとの調整で余りわが国の方のサンマ漁業にそれほど大きな影響はないであろうという判断からこれを認めたものでございまして、この点は必要があれば、先ほどのお話のように、取り締まり体制で十分守っていきたいと思います。 まき網につきましては、従来国内的には十月で禁止しておったわけでございますが、これはあくまでも国内の、特に釧路を中心とした地帯の水揚げが、十一月操業することによってほかの沿岸漁業、あるいは盛期を迎えます底びき網漁業との価格の競合関係が出てくるということから、従来国内船については十一月を認めてなかったわけでございます。わが方といたしましては、今回、そういう流通上の問題のない問題については、これは影響のない範囲において認めたということが現状でございます。
○政府委員(森整治君) マイワシとサバの割り当てをなぜやめちゃったかということでございますが、これはことしの割り当てでは一緒になっているわけでございます。それで、いろいろな交渉上の問題もございましたが、一つの理由といたしましては、両方分けた方が資源の管理上よろしいということは当然主張できるわけでございまして、そういう意味で持ち出したわけでございますが、逆に申しますと、マイワシとサバというのは向こうのまき網なり、中層トロールでも一緒に入ってきてしまうということで非常に分けにくい魚種であるということもまた他方言えるわけでございます。そういうことで、交渉の過程で両方パッケージでずっといろいろ要求を出し合いながら整理をしてきたわけでございますので、この点はそういう意味から相互の主張を調整をするという過程で原案に戻した、原案といいますか、ことしの状況に戻したということでございます。
○相沢武彦君 この操業海域でソ連船、それから韓国船などの外国漁船による漁具被害、これは過去五年間で一億以上の金額になっているんですけれども、しかも解決法はこれは民間で処理しなきゃならぬということですね。関係漁民の感情からすれば、ソ連のサンマ船の操業許可でさらにそういう事故がふえるんじゃないか、被害がふえるんじゃないかという脅威を感ずるのは当然だと思うんですけれども、先ほどから余り漁獲には心配ない、またトラブルもないように体制を講ずるんだというんですけれども、新たに監視船でもふやす用意をされるんですか。北海道の方としては相当またこれ新しい被害が起きるだろうということを想定して監視船等もふやさなきゃならぬ、こういう考え方なんですけれども、全部北海道庁に任せきりで水産庁としては従来どおりなんですか、それとも何隻かふやすという予定でもあるんですか。
○政府委員(森整治君) 明確に隻数をふやすというふうにいま決めているわけではございませんが、現に韓国船の問題が非常に先鋭化しておるということで、私どもとしましても用船で監視船をふやして配置をしているという実情でございまして、そういうものの運営のやり方等によって十分時期的な調整を行いながら、いまのような問題を解決していきたいというふうに考えております。必要によりましては増隻も考えて差し支えないものだろうと思います。
○相沢武彦君 そういうトラブルや事故が発生してから用意するんじゃもう間に合わないんでして、特に、これから相当被害が大きくなると思うんですよ。だからその被害が大きくならないように、やっぱり監視船をふやすとか、そういう万全の体制を事前に整えてほしいと思うんです。 それから、不幸にして被害が発生した場合、これも従来まで何回も要求したんですけれども、国の責任ある解決方法、これは前進したんでしょうか。
○政府委員(森整治君) ソ連船と韓国船とあるわけでございますが、ソ連船の方は操業協定ができてから相当激減をしておるわけでございまして、問題は、それ以前に起こった処理の問題が非常に大きな問題になっておるということは御承知のとおりだと思います。 それから韓国船の被害につきましては、四月の十二日に民間同士で基本的な協定が結ばれまして、それまでに千二百件、四億四千万円ということで整理をしておるわけでございます。それ以後につきましては、若干件数が減りまして、七十件で三千万円が残っておるということでございます。そこで被害の処理につきましては、民間団体、日本側は大日本水産会、韓国側は北洋漁業振興会でございますが、それぞれの北海道の委員会を設けましてこれの処理に当たるということで合意に達しまして、これに基づきまして、五月下旬、被害処理に関する基本事項について合意がなされたわけでございまして、今後、これによりまして漁船、漁具等の具体的な事故の処理はこの両委員会を通じて行われるということになっておるわけでございます。 それから、先ほど一番先に申しました四月の十二日までの千二百件、四億四千万円の問題につきましては、九月に民間レベルで話し合いを行いまして、相当具体的な金額、数千万円と申し上げますが、数千万円の話まできたのでございますけれども、なお問題の解決を見るに至らず、次回の話し合いで解決が図られるということになっておりまして、両国の水産庁でその指導に当たって処理をしていこうということになっておるわけでございます。 いずれにいたしましても、この種の問題というのは、一応、公海の上におきます加害者、被害者ということの問題と理解をいたしておるわけでございます。まあそう理解せざるを得ないわけでございます、いろいろ問題はございましょうが。そこで、民事問題であるということで、民間団体の話し合いでいろいろルールをつくってこれを解決していくということを行っておるわけでございます。しかし、韓国の問題にしろソ連の問題にしろ、最終的に片がついてない、具体的には片がついてない問題でございますので、とりあえずの救済措置といたしましては、私ども特別の融資を行いまして、沿岸漁民に対する特別の救済措置を講じておるというのが現状でございます。
○相沢武彦君 いろいろおっしゃるんだけれども、結局は、なかなか解決しないで被害を受けた漁民が泣き寝入りしているというのが現状なんですね。それで、渡辺大臣、前から言っているんですけれども、特に韓国漁船との問題は二百海里を適用するまでの間はどうしてもこういうトラブルが起き、また事故も起きるわけですから、外国漁船による被害救済制度というものを国としても考えて、ぜひつくるべきであると思うということを訴えてありますので、ひとつ大臣も前向きに取り組んでいただけるように要求いたします。これは御答弁は結構です。 次に、日本近海の各種魚種資源の問題に触れていきたいんですが、国としての本格的な資源調査は去年からようやく始められただかりだと思います。この資源量や再生産の量というのは現在コンピューターで二百海里魚台帳ということで作成中だというんですが、外国船にとらせる余裕分量というものはその根拠がまだ確立されてないんじゃないかと思うんですけれども、サンマ、イワシ、サバなど今回認めた対象魚種は十分な科学的資料に基づいて決断されたんですか、どうなんですか。
○政府委員(恩田幸雄君) わが国の周辺水域におきます魚族の資源状況の把握につきましては、戦後から相当な年月をかけてやっておったわけでございますが、やはり数量的な把握という問題が若干おくれている傾向にあったものですから、それを数量的に把握するために五十二年度から特に予算をつけていただきまして、いま先生のおっしゃった魚台帳をつくっているわけでございます。ただ、それの数字の結果はまだ端的には出てきておりませんが、私どもが戦後すぐからやってまいりました多くの蓄積から申し上げまして、現在のマイワシなりサバなりサンマなりの資源の状況についてちょっと御説明いたしたいと思います。 現在、ソ連に割り当てをしております海域におりますマイワシにしてもサバにしても、これは房総以南に産卵場を有しておりまして、大体、常磐から道東沖まで広範な海域を回遊する魚族でございます。特に、マイワシにつきましては、近年環境条件がきわめて良好な経緯もございまして、昭和四十一年にはその地域のマイワシは約九千トンを割っておったわけでございますが、最近は百二十万トン程度まで急速に資源が拡大してきておる、こういうような魚種でございますので、現在なお高水準でその後の年級群あるいは産卵量も続いておりますので、この増加傾向については今後数年続くものだと考えております。 次に、サバでございますが、これは現在のいろいろな調査によりますと、産卵親魚につきましても五十二年、五十三年の魚獲量が近年高い水準にございますし、さらに産卵量の調査その他から見ても、現在の段階では当分の間この水準が続くものであろうというふうに考えておる次第でございます。 なお、サンマにつきましても、年によって相当な豊漁、不漁がございますが、これもやはり発生時の環境のいかんが一番影響しているわけでございまして、特に最近その資源状態が悪いということではございません状態でございます。さらに、今年は、特にサンマにつきましてはソ連への割り当てを一万トン減らしているような状況でございます。
○相沢武彦君 サンマ資源調査を初め、ソ連の場合、太平洋漁業海洋学研究所、ここで観測船二十隻以上も持っていますね。それで非常に科学的調査が充実しているんですけれども、日本のサンマ資源予測に必要なデータというのは、結局、このソ連の調査結果というものを一部借りてきているんだと、こういうふうに聞いているんですけれども、どうですか。
○政府委員(恩田幸雄君) ソ連の太平洋漁業海洋学研究所でやっております調査は、特にサンマの産卵調査につきましては、きわめて広範囲に採卵その他の調査を実施しておることは事実でございます。私どもの方は、やはり従来から産卵場として主として使われていた水域については私どもも産卵の調査をやっているわけでございます。それ以外にも、いろいろな体長組成とかその他生態的な調査も十分やっております。それでこれにつきましては、従来からサバと同様に、毎年一回、日ソそれぞれの双方で両方の学者が集まりまして資源の状況についてのシンポジウムを開いております。そのような際に、確かにソ連からそういうデータの公表がありまして、それも私どもが一部利用さしてもらっていることは事実でございますが、私どもが出しましたいろいろな資料をソ連側としては非常に利用しているということも事実でございまして、特にわが国がおくれているとは思ってはおりません。ただ、私どもとしてはさらにそういう調査を拡大していきたいということは考えております。
○相沢武彦君 渡辺大臣ね、漁業関係のこの資源調査なんですけれども、日本はソ連に追いつき、追い越されてしまう現状じゃないかと思うんですよ、このままではね。結局、今後の漁業交渉においてもいまのままではいつもソ連側の調査資料によって攻められっ放し、ソ連側のペースに引きずられてしまうということは非常に心配なんですけれども、二百海里水域内の漁業資源調査にもっともっと日本も人と資材、予算をつぎ込んで抜本的な改革を図って充実すべきだと思うんですが、そういう取り組みで大臣のひとつ決意を述べてください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 二百海里の世界じゅうの本格的な実施、こういうことになってまいりますと、日本でも現在一千万トンからの魚を消費しているわけですから、かなりの私は影響があるんじゃないかと思い非常に心配をしておるんです。したがいまして、これは日本の二百海里水域はもちろんのこと、世界じゅうの二百海里の問題についても、日本は先進国なんですから、あらゆる意味で二百海里の漁業外交というものを展開をしてもらわなきゃなりません。しかし、やはりデータもなければ困るというようなこともございますので、これらにつきましては、いろんな研究所がいいのか、現在の形でこれを充実する方がいいのか、いずれにいたしましてもそれは充実するような方向で取り組んでまいりたいと、かように考えます。
○相沢武彦君 今回、イシコフさんが健康上の理由でこちらへ来られなかったということで、来年の北洋公海でのサケ・マス漁や貝殻島のコンブ漁の再開問題については余り閣僚間での突っ込んだ話し合いができなかったと聞いているんですけれども、今回の交渉で貝殻島のコンブ漁についてソ連側の考え方がどういうふうになっているのか、もしつかんでおりましたら、来年以降の見通しについても含めてひとつ述べてください。
○政府委員(森整治君) 御承知のように、四月に中川前農林大臣とイシコフ漁業相との間でこの話が始まりまして、大日本水産会が七月にほぼ合意に向こう側と達したということでございますが、現実には再開に至らなかったということでございます。 これにつきましては、今回も交渉の時間はなかったのでございますが、日ソ、ソ日の交渉の後、私とクドリャフツェフ次官との間でも要請をいたしました。その後、渡辺農林水産大臣とクドリャフツェフ次官が会われたときに、この問題の早期解決を申し入れをいたしまして、クドリャフツェフ次官からイシコフ漁業相にその旨確実に伝えて善処をいたしますという話になっておるわけでございます。そこで、この問題につきましては一日も早く、コンブ漁は大体六月の十日以降が時期でございますから、それまでには全部片がつくように、私どもとしてはさらに強力に実現の方向で作業をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○相沢武彦君 最後に、今回、予備交渉のあった漁業委員会についてお尋ねしておきたいんですが、来春、第一回の委員会開催の予定だと聞いているんですけれども、日ソ共同事業の内容について、その内容がどの程度具体化するのかお尋ねしたいと思うんです。また、あわせて、来年の北洋サケ・マス漁獲量の見通し、それからサケ・マス共同人工増殖事業、これについてどうなっていますか。
○政府委員(森整治君) 日ソ漁業委員会の問題でございますが、今回、東京でともかくやろうではないかという姿勢でいろいろ話し合いをしたのでございますけれども、そういうわけにまいりませんで、冒頭に、今回の日ソ、ソ日の交渉の前半に予備的な話を宮澤団長とクドリャフツェフ次官との間でしていただきました。そこで国別の委員の構成なり審議事項につきましての意見の交換を行いましたが、実際には第一回の会議という問題につきましての開会のスケジュール等は、今後、外交ルートを通じて話し合いをして早急に開いてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 それから北洋のサケ・マスでございますが、この問題も、今回、特に話を公式にしたことはございません。しかし、私どもの伝統的な沖取りの漁業でございますので、あるいはソ連の考え方は変わっていないかとも思いますけれども、私どもといたしましては、ともかくことしの四万二千五百トン、これも相当な犠牲を払って減船をして耐えてきている割り当ての数字でございますから、何としてでもこのラインはまた守ってまいりたいということで決意を固めておるわけでございますが、いずれにいたしましても、来春、この問題の話し合いを行わなければなるまいというふうに思っておるわけでございます。 それからサケ・マスの共同事業についてのお話がございましたけれども、この問題につきましては、御承知のとおり、今春の日ソ協力協定の交渉の場におきまして、日本がとっておるサケ・マスがほとんどソ連のサケ・マスであるということ、それから、そういうソ連のサケ・マスの資源の維持、増大のためにはソ連も経費を支出しておる、そういう意味で、それを一種一部補てんをするという意味も兼ねまして十七億六千万円という数字で、機械なり設備の提供を日本側でしてほしいという話が出てきたわけでございます。これに対しまして、わが方といたしましても、北洋のサケ・マス漁業を維持、継続していく上でそういう協力も必要であろう、また日ソの知見の交換の一環としても、その位置づけが考えられるのではないかということでソ連側の要請を快く受けるということにいたしたわけでございまして、今後、こういう問題をどういうふうにしていくか、一応、一年限りの話ということで話はまとまっており、これをいま実行に移しておる段階でございますけれども、この問題につきましては、やはり十七億六千万円というのは相当な金額でございまして、そういう大きな金額であるということと、やはりもう一つは、そうは言うもののサケ・マス資源や実際の漁業を維持、継続していく上には有効的な話であるということも考え合わせながら、今後、その他いろんな情勢もございましょうが、事情を勘案しながら慎重に対処をしてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○相沢武彦君 今回の交渉で十万トン漁獲量が減少した、それでも一番恐れていた漁船の減船が一応避けられたわけで、その点は業者にとっては一応の救いになったと思うんですけれども、今回の交渉にしても一年間の暫定協定ですね。今後、ますます漁業交渉は漁獲量というものが厳しく攻められると思うんです。そのたびに減船したり失業者を出したりして問題を起こすことをいつまでも繰り返しているわけにはいかないと思うんですね。そこで日本の水域内で安定した操業の条件をつくるということがこれからの日本の水産政策に課せられた重大な問題だと思うんです。 そこで、大臣、最後に、わが国経済水域全般の資源管理の上に立って、今後の日本の水産業というものはいかにあるべきかというビジョン、それからそれに必要な施策というものを早急に講じられて、漁業者の今後の失業の不安のないようにしていく、その決意をひとつ最後にお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、先ほど申し上げたとおり、二百海里本格実施の時代に入ってくると、なかなか困難、厳しい状況だと。しかし、一千万トンの漁獲が仮に二割も減るというようなことになれば、大変なこれは国内のたん白資源を失うことになるわけです。その重大さというものを、私はよく言うんだけれども、仮に精肉にして百万トン減るということになれば、もう豚肉で賄うのには八百万トンのえさが要だし、それをこしらえるのにはもう三百万ヘクタールとか二百数十万ヘクタールの農地が要だと、それくらい重要な私は問題だとこう思っておるんです。 したがいまして、やはりこの水産問題というのは食糧の確保という点で非常に重要でありますから、これは先ほど言った漁業外交ももちろんあるし、それから資源の調査をするということも大切だし、また、沿岸のいろいろな魚礁をつくって魚を集めるようにするとか、栽培漁業をやるとか、水質をもっと規制をしていただいて魚が上ってこれるようにするとか、放流をするとか、そういうふうなことを全部ひっくるめて総合的に大きな柱を立てていきたい、かように考えております。
○委員長(菅野儀作君) 午後一時三十分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十二分開会
○委員長(菅野儀作君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、秦野章君が委員を辞任され、その補欠として田代由紀男君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(菅野儀作君) 休憩前に引き続き、北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件、両件を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○立木洋君 この協定についてお尋ねする前に、最近アジアでいろいろな動きがありますので、その点について若干お尋ねをしたいと思います。 米中が国交正常化したということがアジアの状況にどういう影響をもたらすのか、その点について大臣の御見解をまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) アジア情勢の動向に大きな影響を持っておる米国、中国が正常化したことはアジアの平和と繁栄のために歓迎すべきことだと考えております。しかし、とは申しますものの、なお一部のアジアの諸国やあるいはその他の国々では、米中国交正常化を基本的には歓迎をしておるものの、ベトナム及びソ連のこれに対する反応に懸念があることは、これは当然推察をいたします。 ソ連の方は、ブレジネフ書記長が大統領に親書を送ってこれを歓迎し、喜ぶという趣旨の親書を送っておりますが、また一方、社会党の訪ソ議員団に対しては、相当懸念の点を大きく表明していること等からも考えまして、今後の米中のあり方については、少なくともアジアの平和と安定を乱したりあるいはアジアの緊張を激化するような方向にはいかないように期待し、かつまた、そのようなことでわれわれも日本における立場から努力をすべきであると考えておりますが、ベトナム及びソ連の反応については、ベトナムはちょうど私が外務大臣と会談中にこのことが発表されまして、ソ連とその後話はしておりませんが、この反応については慎重に見守る必要があるとは考えておりますが、両国ともこの件は冷静にただいまのところ受けとめておると判断をいたしております。
○立木洋君 この米中国交正常化の問題について、中国側がどういう見解を発表されておるかということは大臣先刻御承知のことだろうと思いますが、中国側の見解については大臣はどういうふうな認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 中国側と直接このことでまだ話を聞く機会はございませんけれども、やはりこの米国と中国の正常化についてはまだ話が完全に煮詰まってない点もいささかあるかもわからぬし、かつまた日本の友好条約同様、上海共同声明に基づいて覇権、反覇権の問題が書いてありますが、これをどのように中国がやるか、こういうことは関心を持って見ているところでございます。
○立木洋君 華国鋒首相がこの点に関する記者会見を行った中で、当然米中正常化が長い間の希望であったという歓迎の言葉が述べられておるわけですが、その中の一部に、この覇権条項に関する問題については、これは大小の覇権主義に反対するアジアと世界の闘争に寄与するものと確信するということが述べられていますし、また「人民日報」では、この点に関して、大覇権主義に反対するのに有利であるし、小覇権主義に反対するのにも有利であるという趣旨の見解が表明されておりますが、この点に関しては大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 私は、先ほども申し述べた発言の中にその意思を含めてございますけれども、少なくとも米中正常化がソ連に対抗するものであったとか、あるいはその他の国に対抗するものであるとか、さらに進んで飛躍をして米中日のソ連に対する包囲網であるとか、こういうことについての懸念はわれわれも米国も解消すべきであって、そういう方向に進んではならぬし、進ましてはならぬと考えております。
○立木洋君 この事態は今後慎重に見守らなければならない面があるという趣旨のお話でありますが、日中平和友好条約の審議の際に、大臣は、アジアの平和は米中ソの抑止力の均衡による平和というのが現状であるということを述べられております。今回のこの米中国交正常化の実現によってアジアの情勢はこの抑止力の均衡に変化をもたらしたのかどうなのか、あるいは全くもたらさないのかどうなのか、その点の判断はいかがでしょう。
○国務大臣(園田直君) 私が過去において発言した中で、米中ソの均衡ということは申し述べてないと記憶いたしますが、さらに速記録を後で調査をいたします。 私は、日本の立場から、アジアの平和で問題なのは米ソの対立とそれから中ソの対立である、こういう趣旨のことを申し述べたと思っておりますが、もう一遍速記録をよく見てみます。
○立木洋君 十月十四日の衆議院の外務委員会で述べられております。
○国務大臣(園田直君) よく速記録を拝見してみます。もしあったとすれば、私の言った意味は、米中ソの三角的な関係ではなくて、米ソの対決、中ソの対立と、こういうふうに分けて考えるべきだと思っております。今度の米中の正常化によって、私は、米ソの均衡による平和というか、力の均衡ということに、さしたる影響はない、このように判断いたしております。
○立木洋君 さしたるというのはどういうL3。
○国務大臣(園田直君) 先ほど言われたとおりに、中国はこれでいろいろ自分の考えた理由でありましょうけれども、それは印象的な一つのムードは出てくるかもわかりませんが、私はそれによって力の均衡が破れたり強くなったり、そういうことではないと、これはソ連の実力、中国の現段階における力、こういうことから考えます。
○立木洋君 日中平和友好条約が締結された後、鄧小平副首相は、この覇権の問題に関して言うならば、日本政府がどのように言おうと、あるいは考えようと、これはソ連に対して向けられたものであるという趣旨の発言がありました。今回のこの米中国交正常化の問題に関しても、いま私が指摘しましたように、大小の覇権主義国の反対するのにも有利であると、中国がどこを大と言いどこを小と言っているかということはもう言わなくてもおわかりだろうと思うのですが、こういうふうなことを中国側の主張から考えてみますと、ある意味では、いわゆるインドシナの情勢に対して何らかのはね返りがあるんではないか、または中国が今後の対外政策の上でこういう状況を踏まえた何らかの緊張を強めるような行為に出る懸念はないだろうかどうだろうか、この点は外務省の内部でもいろいろ検討されているようでありますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 御承知のごとく、外交はいろいろ手段、方法、方針がありますけれども、煮詰めていくと、それぞれ国の立場から出てくるわけであります。覇権、反覇権ということを言うことからいいましても、日本は、中国とソ連は隣国の重要な国でありますから、したがって友好条約の中に、わが国の、それぞれ、外交方針を拘束されるものではなくて自由であるという一項はその点を明確にしておいたわけであります。 米国は距離的にも離れておりますし、立場もやや違いますから、その点は共同声明の中には明確になっておるかどうかは私は存じませんけれども、そういう立場の相違はあると思います。しかし、これによってベトナムに対する問題、その他の問題が、私は力関係からいってもその他からいっても、さほどベトナムが驚くほど影響はない。現にベトナムの外務大臣はきわめて平静にこれに対して対応しておりました。
○立木洋君 ちょっと話は変わりますけど、この間のやっぱり日中平和友好条約のときに私もお尋ねしましたし、ほかの議員からもお尋ねした件に関して、これはどうしても一言御回答を願っておかなければならないわけですが、中国側の内政干渉にかかわる問題に関して私がお尋ねした件について、大臣は、この問題に関しては「真剣に私はこの話は中国に話をするつもりでございます。」という御回答をいただいておりましたし、また、当時の総理大臣であった福田首相からも「この点はこの条約のかなめでございまするから、篤とお話をいたすつもりでございます。」ということが述べられて、その後、鄧小平副首相が日本に見えたわけですね。この中で、そういう問題についてお話し合いされたのかどうなのか、なさったとしたら、どういうふうなお話し合いをされたのか、あるいはもしかその機会に話ができなかったら、その後中国側に何らかの意味でそういう趣旨のことをお伝えになったのかどうなのか、その点についての御回答をいただいておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) これは北京の友好条約交渉の際、私から特に具体的な例をとらえて、言葉だけではなくて、内政不干渉ということはきわめて大事である、ただ言葉を並べるだけではなくて、いままでは往々にしてそうとられる点があったということは具体的に申し上げてあります。
○立木洋君 いや、この日中平和友好条約の審議の後、鄧小平副首相が来たときに、お話し合いになりましたかどうですか。
○国務大臣(園田直君) 鄧小平副主席訪日の際には、そのような問題は話しておりません。
○立木洋君 さっき大臣は慎重に見守らなければならない側面があるという趣旨のことも言われましたけれども、私としても、やっぱり日中平和友好条約の審議の際に意見を述べましたし、今度の米中国交正常化の問題について中国側が先ほど述べたような見解をとっておるということを考えた場合に、大臣が再々繰り返して言われていましたように、日本としては中ソの対立に巻き込まれるようなことはすべきではない、と同時に、そういう緊張緩和を促進するという立場をとるべきだということを強調されてきたと思うんですね。そういう観点から見るならば、今度の米中正常化の後も踏まえて、いわゆるそういう事態には巻き込まれない、やっぱり自主的な外交に徹していく、そういう意味では、内政干渉にわたるような問題についてももう一度明確にさしておくということが私は必要ではないだろうかと思うんですが、そういう点を踏まえて、今後、中国側との交渉の際に対応していくお考えがおありになるかどうか、その点についての御答弁をいただきたい。
○国務大臣(園田直君) ソ連に対する日本の立場については、明確に中国と違う点をしばしばの会談でこれら表明いたしております。それから、そういうソ連に対する立場が違うということは、鄧小平副主席が来られたときの総理との第二回会談でこれはちゃんと言ってあります。
○立木洋君 また少し話は飛びますけれども、この間の新聞報道で、一月には大臣が訪米される予定がおありになるかのような報道がありましたが、お行きになりますか。
○国務大臣(園田直君) これはまだ全く未定の問題でございます。国会の審議再開あるいは政府演説等の日程等もわかりませんので、その上で判断すべきことでございますが、いまのところはなかなか行く機会がないんじゃないか、こう思っております。
○立木洋君 今度の米中国交正常化の問題に関連して、衆議院の外務委員会等でも、極東の問題で台湾地域を含むかどうかという問題について大臣が見解を述べられた。そういう必要がなくなってきたんではないだろうかという趣旨のお話があったですね。あれはもちろん極東の範囲というのは、極東及びその周辺地域からも台湾は当然含まないということなんでしょうかどうか。それからもう一つは、そういう大臣の発言に関して、アメリカの方では、あれは国務省の声明が発表されたとか、いろいろな形での表現がありましたけれども、アメリカ側としては消極的な受けとめ方をしておるという新聞の報道がありましたけれども、大臣の発言に関して。こういう問題に関して大臣自身がもう一度その点をどういうふうに御確認なさるのか、はっきりさしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 台湾地域に関する私の委員会における発言は、新聞の報道はやや真意をそのまま伝えておりません。 私が申し上げたことは、米中正常化で一番問題になったのは、台湾地域をめぐる取り扱いの問題が一番問題になったのではないか。最後に残ったのは、武力解放するかしないか、それから台湾の今後の問題等について意見が最後まであったのではなかろうか。しかし、出された共同声明及び一方的に出したアメリカの声明、この声明に対して中国側が否定をしていない。かつまた一方的な声明を出すことはどうも話し合いの上に出されたような感じが私はいたします。そういうことからすると、台湾地域に日米安保条約第六条を発動されるというような台湾地域をめぐって紛争が起こり得ることはほとんどなくなった、こう解釈をいたします。ただし、この安保条約の第六条の該当地域をどうやるかこうやるかということは、紛争はほとんどなくなったと思うものの、米国、中国の正常化の話し合いが実際にどうなっているのか、米国の意向も聞かなきゃならぬし、それから日本もまた中国の話も聞いてみなければ、一方的な話で動けるわけではございません。その結果、一年間は米台条約はあるわけでありますから、この問題はありません。この一年が終わった後、どうやるのか。これは一に米国と日本が相談の上決めるべきことだと思いますと、こういう答弁を私はいたしております。 なお、これに対して米国が声明、談話、特別異例の措置をとったかということは、米国に対し、国務省に対して正式に照会をいたしました。米国では談話、声明等は出していない、特別異例の措置をとってはおりませんと。邦人記者団及びその後かかってきた新聞記者の電話に対して応答したと。その応答した趣旨は、日本の外務大臣が何と答弁をされたか、そのテキストの全文を持ってないからここでどうこう言うわけにはまいらぬけれども、多分日本の外務大臣が発言されたのは、台湾地域において紛争が起こる可能性がなくなったという意味のことを言われたのではなかろうか、それならば自分たちも同意である、こういうような趣旨でございまして、特別の談話や声明は出しておりません。
○立木洋君 この問題はもう少し突っ込んでお尋ねしたい点もあるんですが、もう時間がありませんから先に進ましていただきます。 先般、ベトナムの外務大臣と会談をなされた。この会談をどういうふうに評価なさっておられるのか。それから、あの会談の中で、新聞の報道によりますと、外務大臣は、日本としてもベトナムが東南アジアの平和と安定に貢献することが明らかになるなら応分の協力もできるが、そうでない場合は日本の協力も抑制せざるを得ないというふうに大臣が発言されたというふうに新聞で報道されていますが、それは事実ですかどうですか、その二点。
○国務大臣(園田直君) そのとおりでございます。
○立木洋君 評価の方は、会談についての。
○国務大臣(園田直君) この会談は、両方の外務大臣並びに両国がお互いに理解を深め、お互いの立場をよくわかったという点で、かつまた最後には、立場は違うし、いろいろ方法も違うだろうが、問題はアジアの平和に貢献するかどうかということだけは意見を一致をしたいということで、それはそのとおりであるということで、なおまた今後のベトナムの復興についても向こうもある程度のめどをつけたし、私の方も今後の腹案ができたと、こう考えております。
○立木洋君 今後のベトナム側の態度によって日本の側としても協力の問題は考えざるを得ないというふうにお述べになった根拠は一体どういう点から出てきているんでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 当初――これは誤解がないように少し詳しく申し上げたいと思いますが、ベトナムに対する経済援助は、ベトナムが自主独立の線をいくかどうか、いわゆるソ連一辺倒に傾斜するかどうかということで、私が何か言うのではなかろうかと予測をされておったわけであります。しかし、私は現職の外務大臣であって、日本の外交方針からいっても、政治形態あるいは相手の方針にかかわらず外交を進めていくことでありますから、相手の国がどこの国と交際しょうと、どこの国とどうしようと、こういうことでわが国の方針が変わるべき筋合いのものではありません。特に日ソ友好関係は何とかして進めていきたいと考えている今日、私がベトナムに対してソ連一辺倒なら援助しない、毅然としてやるなら援助するなどということは言える筋合いのものではございません。理論的にも成り立ちません。 そこで、その点については私はこう言っております。ベトナムの外務大臣に言ったことの要旨を申し上げますと、あなたの方がコメコンに入った、続いてソビエトと条約を結んだ、したがってけしからぬ、こういうことが各所で言われておるが、私はそのようには思いません、そのような悪意な解釈はいたしません。現に日本は米国と条約を結び、そしてそれを基軸とし、一方、中国とは友好条約を結んでいる、だからけしからぬと言われる言い分が不当であると同様、あなたの方も私はそれは理解をいたします。おのおのの国には環境があり、立場が違うわけであります。率直に言って日本はアメリカの側に立ち、あなたはソ連の側に立っておられることは事実であります。これはそれぞれの立場でありますが、ただ、問題は、われわれの側から言えば、日本がアメリカの側に立って、そしてその力をもってアジアを撹乱しようとか、アジアの安定を妨害しようとかということであれば間違いである。あなたの方も、ソ連と提携されることによってアジアの平和を撹乱しようということならば、これはけしからぬと思う。だから、両国ともおのおの立場は違うけれども、その立場を利用してアジアの平和を守っていくという方向に行くならば、日本がアメリカの側に立ち、あなたがソ連の側に立つということは、今日の情勢では私は妥当だと思うということを言っております。 そこで私が言いましたのは、一年前、福田総理とASEAN諸国を訪問し、ASEANの首脳者と会談をいたしました。そのときに、ベトナムの戦災復興については日本は応分の協力をしたい、こういうことに対して、ASEAN各国の首脳者、特にベトナムの隣接国であるシンガポール、マレー、タイ、こういう国々から、日本がどのようなかっこうであろうとも援助をされる、その援助が間接的なベトナムの力となってわれわれに脅威を与えることは非常に困る。こういう話がありましたから、その点は十分考慮して援助をいたしますということであったが、その後、御承知のごとく日本は応分の経済協力をやっているわけであります。 ところが、その後、ベトナムとカンボジアの問題で、正直に言ってASEANの国々は非常な不安を感じておる。ベトナム統一戦線のときには、これは同一民族の統一であったから別として、今度はカンボジアは同一民族じゃありません。兵力を持ってカンボジアを統一するということはされてはいないけれども、国境に兵力を集結をし、そしてゲリラの拠点をつくり、現政権打倒をし、一方には政権をつくる、逐次ベトナム新政権をつくるというふうに、なし崩しにインドシナ半島の統一を考えているのではなかろうかというのがASEANの国々の非常な不安であります。それはひいては自分たちの国にかかってくることではないかと思う。こう言ったら、向こうの方では、いやASEANの国々は総理が回ってよく理解を深めております、カンボジアとの関係はこうでありますという話がありましたから、そうであるならば、それも言葉だけではなくて、今後の実行や、さらにASEANをベトナムの総理が回った後、ソ連との条約等のこともあったから、さらに理解を深めるために努力されることを望む、こう言ったら、向こうは今後十分努力をいたしましょうと。そこでASEANの国々の不安が増大してくれば、この経済協力というものもブレーキがかかってくる、なかなかやりにくくなる、こういう趣旨のことを申し上げたわけであります。 今度の会談でも、事務当局士の相談で予定された経済援助の額はちゃん決まったわけであります。それに上積みをして、プロジェクトの話が四百億――数百億のあれがありましたが、これは向こうでもまだ計画ができておりませんし、こちらもまたやるとすれば明年度の予算では間に合わぬわけでありますから、今後十分検討し、情勢を見てやりましょう。お米の方は事務当局では十万トンでぎりぎりでございましたが、外務大臣と私との話し合いによって、外務大臣もまた立場がありましょうからということで五万トン増加をしたわけであります。
○立木洋君 大臣のお話を聞いておると、自主的に前向きにおやりになっているように聞こえますけれども、若干事実的な点を見てみますと、八月でしたか、中国との交渉の際に、鄧小平氏からベトナムに援助なんかするのは、あれは金をむだに使うようなものだというふうな話があったということは大臣からも聞きましたし、それから最近のアメリカの状況を見てみますと、いわゆる援助は拒否していますね、ベトナムに対する援助は。それからアメリカとベトナムとの国交正常化が進むかに見えたが、しかし、最近ではまた条件をつけてきていますね、アメリカ側が。こういうやっぱり一連の動きがある。 それから前回のヒエン・ベトナム外務次官が来たときのいわゆる協力の内容等々と見てみますと、今回での話し合いというのは、やはりどうしても日本の政府の立場が後退したんではないだろうかというふうに考えざるを得ない。とすると、そういうような一連の最近の中国の動きやアメリカの動き等と勘案して、大臣が一番きらいな従属という言葉を私は使いませんが、そういうものにおもねるような、そういう姿勢がやっぱり客観的に見ると出てきているのではないかというふうにどうしても言わざるを得ないのですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(園田直君) これは全く誤解でありまして、次官が来たときと、外務大臣が来たときは経済援助の数字においても若干お米などの問題で増加をいたしておりますから、後退はいたしておりません。 なお、中国とはベトナム援助については真っ向から対立しているわけでありまして、私は、その理由として、日本はアジアの一角で中ソの対立が火を噴くようなことがあってはならぬ、こういう一点からベトナム援助をするということははっきり言っております。 米国との関係は、これはベトナムの外務大臣からも感謝しているという言葉がありましたが、私の方は、以前からベトナムと米国の正常化に仲介の労をとっておるわけであります。当初は日本が仲介なんかとってもだめだと言われたこともありますけれども、この前、国連に参りましたときにも、米国から頼まれベトナムから頼まれて仲介の労をとっておるわけでありますが、いまのところ、ベトナムの方は出しておった条件を撤回して白紙だと、米国の方はどうもベトナム戦線撤退以来国民感情もこれあってまだまだ慎重に進めるということでありまして、そこで、最後には、ベトナムの外務大臣に、あなたの方の立場もよくわかる、米国の本心もおれはよく知っている、だが、今後ベトナム・米国の正常化を進められるつもりか、進められるつもりならば、日本はこれに対してさらに仲介の努力を惜しまない、したがって今後緊密に連絡を願いたい、こういうことで会談を終わっておりますから、努力だけはしているわけでありますから、御了解を願いたいと存じます。
○立木洋君 ことしベオグラードで非同盟諸国外相会議が開かれ、そこで宣言が採択されておりますが、大臣はお読みになっているだろうと思いますけれども、この際、ちょっと重要な点もあるのでお聞き取りいただきたいんですが、「発展途上国に政治的圧力を加えたり、その政策や内政問題に介入したりするために、援助計画、とりわけ財政援助を利用したり、国際金融機関における力を利用したりする若干の先進国の政策に対してますます大きな懸念をもって注目するとともに、それらの政策を非難する」という部分があります。 前回、国連の非常任理事国ですか、の選挙の際に、発展途上国との今後のあり方というのはよく考えてみなければならないという反省の弁を大臣も述べられたわけですが、だからベトナムとの関係というのは、先ほど私も言いましたように、いわゆる大国間の思惑だとかというものにかかわることなく、やはり日本とベトナムとの歴史的な関係、かつて日本の軍国主義の時代にベトナムに侵略した、そういう経緯もありますし、また、アメリカがベトナムに介入した時代のいきさつもあるわけですし、ですから本当にベトナムと日本とが国家的にも国民の間でも友好関係が発展できるような、問題は、大国の動向いかんにかかわりなく、自主的に積極的に進めていくということが私は非常に重要な点だろうと思うんです。このことを重ねて御要望したいと思いますが、よろしいですか。
○国務大臣(園田直君) その点は、ベトナム外務大臣との間にも具体的に話し合いました。私は、大国の方針あるいは戦略上の見地から、これに追随することは断じてありません。やはりベトナムと日本との関係、私はこれを日本には権利と義務が両方ある、こう言っております。ベトナムの外務大臣もありがたいとこう言っておりましたが、そういう観点で進めてまいりますから、これは中国が反対しようとどうしようと、とにかく関係はありません。
○立木洋君 最近、いろいろアジアでたくさん問題が起こりますので短い時間でいろいろお尋ねしなければならないんですが、あの金大中氏の問題ですね、これは釈放されるということは大変喜ばしいことでありますが、しかし、私は、振り返ってみるならば、この問題というのはただよかっただけでは済まない問題があるだろうと思うんです。 これはもう時間がありませんから端的に申しますが、原状回復ということが一つの大きな問題にもされておったわけですが、金大中氏が釈放されて自由になった場合に、日本の政府としては金大中氏を日本に招請するようなお考えがおありでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 私は、この発表を聞いた外務大臣として、しばしば委員会で申し上げておりますとおり、金大中氏拘束の問題は基本的には韓国の国内問題であるということを言ってきておりますが、実際には、過去の経緯、それから人権等の立場から再三にわたって意見表示を行い、微力ながら努力をしてまいりました。そこで釈放を歓迎すると。しかし、今後、どのような取り扱いを国内で受けるのか、あるいはその後どのようなことになるのか、これはまだ発表になっただけでありますからわかりませんので、その後の取り扱いについては注意をもって見守っておる、こういう話をしておりましたが、全くそのとおりでありまして、今後のあり方がどうなるのか見守っていきたいと考えております。
○立木洋君 この問題は重大な事件であって、根本的には解明されていないんですね、政治的な決着であいまいにされていますから。 警察当局の話によりますと、金大中氏が日本に来るようなことがあるならば、警察としてはいろいろと事情をお尋ねしたいということをはっきりと当委員会でも先般述べられておるわけですが、いま大臣は日本側から招請するかどうかということについては推移を見ないとわからないということですが、もしか来れるようになって本人も来たいというふうな趣旨になれば、これは日本政府は何ら問題ないでしょうね。
○国務大臣(園田直君) そういうことになり、本人の意思によって日本に来られるということであれば、それは拒否する理由はないと存じます。
○立木洋君 まだたくさんお尋ねしたいんですが、時間がありませんので、本協定についても若干お尋ねしておきたいと思うんです。 先ほど来同僚議員からもいろいろ指摘がありましたけれども、韓国の漁船による被害の問題、これは予算委員会でもお尋ねしましたが、これはやはりなくなっていないし、現在まで相当な被害が出てきておるわけですが、四十八年以降の被害総額と被害件数はどれくらいになっておりますか。
○政府委員(森整治君) 四月十二日で一応切っておりますが、これは民間の漁業取り決めができたわけでございますので、そこで切りますと千二百四十件の四億四千万円、これは当庁の報告でございますが。それから取り決められた日以後の件数は七十件で三千万円、合わせて四億七千万円ということになっています。
○立木洋君 大変なものになっておりますし、現地においては漁民の方々がこのことを非常に苦慮されている、大きな問題になっているわけですが、ことしの五月に行われたこの民間協定ですね、この内容では「被害処理ルールについて」と「安全操業ルールについて」というものがありますが、このルールによって今後被害が大量に抑えられる可能性があり得るというふうにお考えなのかどうなのか、いかがでしょうか。
○政府委員(森整治君) 被害処理のルールが一つできたことと、それから安全操業のルールができたことと二つございまして、確かに前よりも非常に改善されたと私どもは見ております。ただ、問題は、まだ安全操業ルールにつきまして若干両論併記というような問題、特に深夜操業、要するに夜間操業がございまして、それについて意見が合わないという状況でございますから、若干問題はございますけれども、一応、そういう意味での被害処理なり安全操業ルールについての基本的な話し合いは確立したというふうに見ておるわけでございます。
○立木洋君 水産庁長官、大分改善されたとか、若干問題があるとかということじゃないですよ、おたくの方からいただいた被害の件数から言ったら。四十八年以降、ことしの五十三年四月十二日前日までのあれですね、これは民間協定が結ばれる前までの件数と被害総額、それから民間協定、漁業取り決めが行われた後の被害件数と被害総額、これは月別にずっと計算して割ってみますと、余り減ってないですよ。 それから、大体この民間協定なるものについても資料をいただいて見せていただいたんですが、たとえばこの安全操業ルールの「定置性漁具の設置の際の標識の付設」というふうなことがどれだけ被害を少なくし得るかどうか、あるいは被害の処理ルールについても「被害が発生した場合は」「双方が事故内容を確認し」となっていますが、事故がないように監視し、届けることになっている監督官は、韓国の側ではたったの一人だというわけじゃないですか、これではきわめて私は不十分だと思いますね。これは日ソ間で取り決められた漁業操業協定の内容から見ても段違いの差がありますよ。 だから、いま若干の問題だとか、好転しつつあるみたいなお話では、長官、これはだれも納得しないですよ、第一漁民の方々自身も。これはやっぱり根本的にもっと考え直さないと、この韓国漁船による漁民の被害という問題は減少しないと思う。この点は基本的にきわめて強く対策をお考えいただきたいと思うんですが、渡辺大臣おいでになっておるので一言見解を賜りたいんですがね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは午前中からたびたびお話しいたしておりますように、来年早々、両水産庁間でこれを詰めるということになっておりますから、まず、その経過を見てからどうするかということを決めたい、こう思っております。
○立木洋君 この問題は中川さんのときにも要求しまして、努力しますというお話だったんですけれども、大分長引いていますし、それからこの被害件数というのは相当な金額になっているんですけれども、この補償の問題は午前中もちょっと問題になりましたけれども、これは政府の方として何らかの対策を考えるというお考えはございませんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは一応賠償請求をするという形になっておりますから、いまのところ政府の補償ということは考えておりません。そのかわり融資その他のものによって経営に支障のないように取り計らっておるわけです。
○立木洋君 さっき同僚議員も尋ねたわけですが、この救済制度の確立、それから北海道の方であれしますと、北海道では、韓国より被害補償金が入った場合に返済してもらうということを条件で肩がわりの融資をやっておるというふうなこともあるんですけれども、こういうふうな点については、この救済制度の問題や肩がわりの融資なんかについては政府としてはお考えになるつもりはございませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現在のところ、融資につきましても利子補給を道庁も出していただいて実質上無利子というようなものに近い形になっておりまして、五年間という年限もございますので、その間に賠償の問題を片づけるという考えを現在持っておるわけです。
○立木洋君 この問題というのは非常に大変な問題ですから、真剣にひとつ御努力いただきたいと思うんです。 それと関連して、日ソの関係ですね、これは先ほどもお話が出たわけですが、いままでわが国のトロールを禁止した区域内でトロール漁を一部解禁したといいますか、認めたということから漁民が大変心配を持っておる、そういう心配をしておる気持ちはわかるし、いわゆるトラブルだとか、いろいろな事故みたいなことが起こらないように最小限にそういうことに対する対策を立てて抑えていきたいという趣旨のお話があったんですが、その点の努力と同時に、日ソ漁業操業協定が締結される前からの被害総額と、それから締結されてからも、若干減りましたけれども、やっぱり被害がある。これについては損害賠償のための請求処理委員会が双方で設けられていますが、いままで解決した件数は何件ですか。
○政府委員(森整治君) 東京で審議をいたしましてモスクワに送る、東京で審査をしておるのが三百五十七件でございます。モスクワの委員会には四十三件送りましたけれども、まだ一号、二号議案も結論が出てないということでございます。
○立木洋君 漁業協定の損害賠償の問題に関しては、操業協定を審議した際にも問題になりまして、非常に不十分で問題の処理に長時間かかるんではないかという懸念が表明されておったわけですが、今日に至るも請求処理委員会で解決したのはゼロである、長官、そうでしょう、解決したのはゼロである。これは私は問題だと思うんですよ。 あの委員会の審議の際でも、時間が長くかかるようなことをしないようにということを重ねていろいろな議員からも指摘があった点だと思うんですが、それがいまだにゼロであるというふうなことになれば、実際に被害を受けたら漁民が泣き寝入りだと、いつ処理されるかわからないということにもならざるを得ない。ですから、今回の問題も日ソ漁業交渉の最後の段階で、いわゆるこれは日ソ交渉ではなくて日日交渉だみたいなことが新聞で報道されるような事態が出てくるわけですよ。これはもっと政治的に責任を持った立場でこの問題を積極的に推進していくということが私は非常に重要だろうと思うのですね。そういう事故を起こさないようにするための万全の措置と同時に、事故が起こった場合には早急にそれを解決し、処理していくということを全力を尽くして努力していただきたいということを最後に御要望したいわけですが、渡辺大臣の御見解を賜って私の質問は終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御趣旨のような考え方で私どもはやってまいります。
○和田春生君 きょうは、一つは日ソ、ソ日の問題、もう一つは鯨の問題、さらにもう一つは、余った時間で米中国交正常化と極東の範囲、とりわけ台湾地域に関する問題についてお伺いをいたしたいと思います。 本会議を控えて非常に制約をされている時間でございますから、端的にお答えを願いたいと思うんですが、まず三つのうちの最初の日ソ、ソ日協定についてお伺いをいたします。 先ほど来、同僚各委員の質問に対する政府の御答弁を伺っておりますと、大変うまくいったというような楽観的印象が強いんです。御答弁の主な点を言えば、減船なしということになった。五十三年度程度の漁獲は確保できる見通しだからよかった。また、日本側の漁船の操業水域や魚種別割り当てでも十分注意したので、五十三年に比べるとかえって魚がとりやすくなったと思う。あるいは日本沿岸におけるソ連漁船の操業に対しての譲歩についても実質的にはほとんど影響がなく、監視等を強化することによってうまくいくように思う。要約すれば、そういう印象が非常に強かったわけです。 そこで、農林水産大臣に最初にお伺いするんですが、今度の日ソ、ソ日の協定は、いま私が言ったように、よかったと、まあまあだったというふうにお考えなんですか、それともいろいろまずい点があったとお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は決して満足のいったものであるとは思っておりません。おりませんが、何といっても向こうは強硬に突っ張るし、こっちも要求を出しておって平行線で一ヵ月近くやっておって、これ以上延ばせばまた来年と、直ちにいろんな問題で支障を来す、そういうようなことを総合的に考えまして、こちらの主張も入れてもらったし、部分的には認めざるを得ないと、もうこれは交渉決裂かどうかという瀬戸際ですから、そういうような点で妥結をしたものでございます。
○和田春生君 この交渉は大体が日切れ協定に関する問題ですし、ソ連側が三年、五年、十年と長期的安定協定を結ぶ意図が現在のところないということは交渉の初めからわかり切ったことなんです。一年ごとの問題をせっぱ詰まってやっているわけですから、いまの農水大臣のお答えは必ずしも私の質問に的確にお答えになっていないと思うんです、それは初めからわかっておったことなんですね。 そこで、これは水産庁長官にお伺いしたいんですが、いろいろなことがあったけれども、こっちの言い分も聞いてもらって、向こうの言い分にも若干譲る点はあったけれども、まあ何とかあの線に落ちつけたというんですが、それならなぜ、当初、ソ連水域内の日本船の漁獲量九十八万トンという数字を持ち出したんですか。
○政府委員(森整治君) 先生御承知のように、日本側のいろんな漁業の積み上げになっておるわけでございます。各種の十三の形態に分かれる漁業の集まりでございます。それぞれかつていろいろ漁場を削減された歴史を持っておりまして、それについての執着と申しますか、復活要求といいますか、そういう希望というのは非常に熾烈にわれわれのところへ参っておりまして、北海道庁を初め関係各市町村長も集まって相当な要求をわれわれ受けておったわけでございます。それは何はともあれわれわれが抑えるということも非常に不可能なもので、できるだけそれは不自然なものは御遠慮を願いましたけれども、やっぱりやむを得ないと判断したものは出したというのが九十八万トンの真相でございます。
○和田春生君 そういたしますと、復活要求をしたと。ところが結果的には五十三年よりも十万トン削られた。大変まずい結果に終わったということになるんではないでしょうか。それとも国内の調整がめんどうだから、一応ソ連の方に数字をそろえて要求をしておいて、ソ連側との交渉でどうにもうまくいかなかったからがまんしろというふうに、外交を内部調整の手段に使うつもりであったんですか、どちらでしょうか。
○政府委員(森整治君) やはりいろいろ折衝事でございますから、私どもの希望がなかなか通じなかったということは言えると思います。しかし、七十五万トンに落ちついたということは、まあそれ以上下がれないということでわれわれもがんばった、最低のラインであったというふうに思っております。
○和田春生君 午前中来、同僚の委員の皆さんからも質問がありましたけれども、しばしば七十五万トンを確保するために、あるいは五万トンを上積みするために代償が払われたという言葉が使われている。今度の日ソ漁業交渉で、日本側が払った代償というのは、一体、何と何と何であるというふうに思っておりますか。
○政府委員(森整治君) まあ代償といいますか、相互にそれぞれ、日本も着底トロールの禁止は撤回させましたし、タコの漁場を獲得いたしましたし、操業水域を一部開かせたわけでございます。向こう側は、操業に関します一部規制の緩和、要するに十一月なり十二月の操業あるいはL3
○和田春生君 日本側の代償は何だと言うのです、日本側が払った代償は何かと聞いている。
○政府委員(森整治君) 日本側の代償は、先ほど私が申しました、いまの操業水域の規制の緩和ということでございます。
○和田春生君 それは北洋関係ですね、沖底なんかについては今度は減船がなかった。漁獲量がどうなるかはこれからやってみなくちゃわからぬことですが、いまの払ったという代償は沿岸漁業の関係ですね。出かけていって魚をとってくる方と、その払わされた代償というのは別の業種ですね、確認してよろしいですね。わからぬですか、そのことは。
○政府委員(森整治君) 沿岸――どこまで沿岸かということでございますが、まあサンマの棒受け網を沿岸という考え方もございますから。ですけれども、大別すれば、沖合いの底びきなり、北転船の漁場の問題と沿岸漁業の操業水域にソ連船が入ってくる、こういう問題との関係に相なろうかと思います。
○和田春生君 日ソ交渉のおしまいの方で調印かと思われたけれども、調印に至らず、大分いろいろと苦労した。それは日本とソ連の間ではなくて、日本の国内の関係者との調整に手間取ったからである、こういうことが伝えられておりますが、そのとおりですか。
○政府委員(森整治君) 交渉の経過から申しますと、両方それぞれの要求を出し合いまして、そこで譲れないということを言っておったわけでございまして、両方の要求を合わせる、妥結する場合に、いま御指摘の北海道の沿岸漁民代表との調整に手間を取った、時間をかけたということは事実でございます。
○和田春生君 こういうやりとりをしたのには理由がないわけではありません。 ここには前外務大臣の鳩山先生もいらっしゃいます、中川農林大臣はおられませんけれども。この問題について、私は、かねてからこういう事態が来るから十分備えるように適切な対処方策を考えておかなくてはいかぬということを再三指摘し続けてきたわけです。その都度、お説のとおりでございます、十分対処したいと思いますと答えながら、私の何度かにわたる質問には全く政府は上のそらできて何もやっていなかったということですね。 で、ここに議事録、これは昨年の十二月二十日ですが、本委員会で園田外務大臣もいらっしゃる席上でお伺いした内容です。一々読むことは省略いたしますが、要旨こういうことを私は申し上げてあるんです。 日本の自主的な二百海里の内外を含めての漁業の開発ということを主にして、その補完的なものとして他国の二百海里内で魚をとらせろと、それはお互いのバーターであり、あるいは取引であるというところに持っていくことが必要なんだ。そうしたことでいま目の前のことにすぐ役立つわけではないけれども、三年、四年、五年という見通しの中でそういう方策を打ち出していきなさい。そうした意味で水産政策というものは一つの転換期に来ている。いま政府のやっていることは従来の後追い的なことが多い。その転換を早くやればやるほど沿岸漁民、沖合い漁業あるいは遠洋を含めて、その調整というものもやりやすいわけであるし、お互いの共存を図っていくという国内措置もいろいろ手が打てるのではないか、ぜひそういうことをお考え願いたい、こう言っているんです。政府は承知しましたと言っている。 私のこの質問したことについて、そして今度の日ソ漁業交渉で起きた問題について農林水産省当局はどういう準備と手を打ってきましたか、この機会にしかとお伺いをしておきたい。
○政府委員(森整治君) 先生の御指摘の問題につきましては、要するにわが二百海里というものをもっと充実させて見直しをしながら、その生産力を高めていくということを指摘されておるというふうに思いますが……
○和田春生君 違う、違う。まだわかってない。後の方が大事なんです、私のいま指摘したことは。後で言ったことの方が大事なんです。
○政府委員(森整治君) いろいろな二百海里時代に入ってからの問題で、やはり時間がかかるということが一つ。私が申し上げたいことは、沿岸の見直しにつきましては相当なやっぱり時間がかかるということがあろうというふうに思います。それからもう一つは、やはり遠洋漁場の確保ということをいろいろ考えておるわけでございますけれども、漁種的な相違というのもあろうかと思います。国内の沿岸の開発の問題漁場の確保と沿岸の確保、両方図っていく必要があろうかというふうに考えているわけでございます。
○和田春生君 そんなのんきなことを言っておってはだめですよ。 また、来年の暮れにこの交渉が行われるわけです。いいですか、そうすると、ことしは日本が七十五万トン、ソ連に対して六十五万トンになった。ソ連がイーブンできますよということを私は三年前から指摘してきた、必ずそうきますよと。等量主義なんという言葉を使うかどうかは別として、そういうことはちゃんとソ連の意図として出ているではないか、それに備えておけということを言ってきたわけですね。去年八十五万トンと六十五万トン、ことしは七十五万トンと六十五万トンにきたんです。 具体的にお伺いします。 来年、もしソ連が等量ということを持ち出してきた場合に、六十五万トン・六十五万トンにするとすれば、わが国にとってマイナスです。いいですか、今度はソ連に七十五万トンとらせる、そのことによって日本の七十五万トンの実績を確保しようとすれば、日本の沿岸漁業で十万トン分の代償を払わなければいかぬ、これマイナス。七十五万トン・七十五万トンのイーブンに持っていってもマイナス、六十五万トン・六十五万トンのイーブンになってもマイナス、そういう交渉を来年の秋から迫られる。どういう方針で臨みますか。
○政府委員(森整治君) 別に詭弁を使うわけではございませんけれども、今回の交渉で等量主義ということは使わない、先生もおっしゃいましたけれども、結果的にそういう数字が出てきたことは間違いございませんが、必ず来年等量にするとか、あるいはそういうふうに私どもは決まった話ではない。 逆に言いますと、先生おっしゃいましたけれども、七十五万トンをソ連がこの次要求してくるのか、六十五万トン、ことしみたいでいいと言ってくるのか。ことし実は非常に変わった態度で出てきたわけでございまして、それは要するに割当量の中の問題としまして、実績がとりやすいような魚種別のクォータなり、操業の水域の規制緩和を求めてきたということでございますから、私が申し上げたいのは、割当量にこだわるのか実績にこだわるのかということからすれば、むしろ実績が進むような方向でソ連側は話も出してくるのではないだろうか、ことしのやり方なり考え方からすれば。そういうふうに一応私どもは考えておるわけでございます。
○和田春生君 それを詭弁と言うのです。一遍、ここで私が取り上げて質問した議事録を取り寄せて全部読んでもらいたいと思う。 私は、必ずソ連はその方向でくるということをずっと前から指摘しておったんです。それに対して、政府は、そういうことはまことに不思議な考え方でありますとか、そうはこないと思いますとか、日本の実績を主張して利益を守るようにがんばりますとか、必ずしもそういう考えではないと思いますと言い続けてきたんです。私の言ったとおりにきたんだ、いま。かけしてもいいですよ、来年。結局、そこで追い込まれる。わかり切っているんですよ、それは。それが二百海里時代なんです。その二百海里時代ということを明確に根本的に認識していないからいつも後手後手で追い込まれているわけでしょう。 この問題についていまさらいいとか悪いとか言っても、できた協定ですから否定するわけにいきません。また一生懸命御努力をされた外務大臣あるいは農林水産大臣初め政府の努力を私は否定するものではないのです。あなた方一生懸命やった。一生懸命やる根本の態度が日本政府は間違っている。二百海里時代というものはどういうものかという認識が足りないのですよ。いろいろな形で影響してくる。玉突きで言えばツークッション、スリークッション、場合によっては変化球があるわけです。ニュージーランドの問題だって畜産品の問題のかたきを魚でとられようとしたわけでしょう、いろいろな問題が出てくるわけです。だから、それを目の前だけ見ておっちゃいけないわけです。 日本と韓国の問題でも、なぜ韓国があれだけ出てくるか。それは韓国が他の国の二百海里で締め出されてきて、結局、日本が二百海里を適用していないというところにやってきているわけです。ソ連がどんどんやってくるというのも、おおように構えておれないという状況が北海で出てきた、アメリカとの関係において出てきた。世界各国の二百海里時代にソ連自体もある程度追い込まれてきていますから、それを日本の方へ持ってくる。いろいろな関係があるのです。だから、まず日本は日本の二百海里内というものを主体にするという水産政策をかっちり立てる、構造政策を進めていく転換期に来ているんだ。その補完的なものとして、よそでとらしてもらいましょうという形になっていって初めてバーゲニングパワーが出てくる、それをやりなさいということも私は言ってきた。何にもやってないじゃないですか。そういう形で過ぎてくるんなら国会で審議することは意味ないんだ。既成事実をつくったから君たちのめ、断ったらどうせ困るんじゃないか、幾らかでも魚をとらしてもらえればありがたいんじゃないかと、そういうことになるのです。 この点、農水大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は何もやらないということはないと思いますね。先ほど長官が言ったように、確かにこれは魚を二百海里の中でふやす方法というのは時間がかかります。去年言われても恐らく、私は去年のことは知りませんが、去年の予算には間に合わなかったんだと思います。したがって、ことし五十四年度の予算要求という点からいたしましても、特に沿岸漁業の振興という点について、魚礁を初め、あるいは栽培漁業、そういうようなものに力をうんと入れていこうという予算要求もやっておりますから、これを満足と言われるかどうかわかりませんが、できるだけ、やはり御趣旨は全くそのとおりなので、沿岸漁業というものを振興させるようにやっていかなければ、人の魚ばかり当てにしたって困るわけですから、そのような趣旨で今後やってまいりたい、かように思っております。
○和田春生君 私は水産関係に関心を持つ者の一人として、そうした意味では政府のやっていることを非難攻撃するんじゃないんです。ずいぶん前向きに建設的に物を言ってきたつもりなんですね。馬耳東風と言っては言い過ぎかもわからぬけれども、その場限りで聞き流しですわな、それはもうここ数年来の経過を見ればよくわかるんです。そういうことでは実際困ると思うんですね。 いま言ったように時間がかかることなんですから、すぐやったって相当時間がかかるわけでしょう。じゃ三年前からそういう方向性を出してきておって、将来はこういうふうに持っていくんだから皆さん協力してくれよと言えば将来の展望がある。そういうものなしで、その場その場で後追いの施策をとろうとしていく。漁業補償というものは絶対必要ですよ、それはやらなくちゃいけません。転廃船を余儀なくされればそれに補償はしっかりしてやらなくちゃいかぬ。いかぬけれども、これはどちらかというと後向きの財政支出なんですね。それだけのお金をもっと前向きに将来に向かって使うことをなぜ考えないんでしょうか、私はそのことを強く言いたいわけです。韓国の問題でもそうです。それはもう北海道の沿岸漁民の諸君が韓国船の操業に対して非常に憤慨をしている。一〇〇%その気持ちはわかりますよ、私。何とかしてあげなくちゃいかぬ。ところが韓国との関係において、日本は韓国に二百海里を適用していないわけでしょう。そうすると、領海十二海里の外は韓国との関係においては日本の二百海里じゃないんです、公海なんです。だから韓国側としては、そこで何をしても勝手ほうだいとは言わないにしても、日本側から規制されるいわれはないというのは、これは筋が通っている、それなりに。そこで、もし北海道の沿岸漁民の希望に沿って、十二海里の領海以外における、あるいは場合によったら入ってくるということはいまではないでしょうが、そういうものに対して何らかの規制をしようとすると、二百海里の適用という問題を考えざるを得ない。そのはね返りが来るとすれば北海道に来るんじゃないんです、以西漁業に来るんです、今度は。いいですか、これ国内対国内の問題なんです。 ですから、遠洋あるいは沖合い、それと沿岸、あるいは以西と北海道、以東、いろんな兼ね合いがありますから、やはりその点を総合的に調整するという基本方針を持っておって、ここではマイナスを食うが、全体としてはこういうことになる、こういうことに対してはこういうふうに転換をさして、こういう道をあなた方につけてやるということをわれわれは考えておるんだから、その点で協力をしてほしいというような根本方針を立てていかないと、いつまでたってもその場その場でやっていきますし、ソ連も恐らくそういう日本の態勢を見れば、やはりこれは一つの交渉のカードに持っておかなくちゃいけませんから、一年一年でやってくる可能性は強いと思いますよ。そういう点、ひとつぜひ新任大臣になった機会にがっちりやっていただきたいと思いますね、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御説十分拝聴いたしておりますから、これは貴重な意見として今後の行政に役立てたいと思います。
○和田春生君 それでは、この問題につきましてはこの程度にいたしまして、鯨の問題についてお伺いいたしたいと思います。 これは協定ではありませんから、ここで承認を求める案件ではございませんが、大変重要な問題です。とりわけ本件については園田外務大臣にも大変力を入れていただきまして、水産庁もいろいろがんばったと思いますが、ごらんのような結果になったわけです。これは非常に厳しいところに追い込まれました。 今度のIWCの特別会議で決まった割り当て枠で、日本の捕鯨関係ではどこにどういう影響が出るというふうに考えておられますか、端的でよろしいです。
○政府委員(森整治君) 三千八百頭、これを日ソで分ける、そのうちの雌の混獲の許容限度が一一・五%以内ということでございまして、いろいろ問題はございますが、一つは、その雌の混獲率が非常に低いということでございましてL3
○和田春生君 中身はいいんですよ。どこにどういう具体的な影響が日本の捕鯨業で出てくるかということを聞いておる。
○政府委員(森整治君) 一つは、母船式の捕鯨についてでございますが、東と西の分け方という問題がございますけれども、一応、今後の日ソの話し合いの結果のいかんによりましては、操業によって違うわけでございますけれども、操業の態様を合理化するということによりまして、現状規模そのものを維持できるかどうかは別にいたしまして、現状規模程度の操業は一応可能なのではないか。 それからもう一つ、基地式の大型の捕鯨の漁業につきましては、ぎりぎりいっぱいの操業規模で、減船は避けたいというふうにいま努力中でございます。
○和田春生君 しかし、総枠で二千数百頭減って、六割ぐらいに減って減船も避けられる、何とか従来どおりの操業は続けられるというのは、どこか鯨の隠し玉でもあるんですか。
○政府委員(森整治君) 隠し玉ということではございませんで、七八年の捕獲枠が六千四百四十四頭でございましたけれども、実績は四千五百五十五頭でございます。その実績に対して今回の数字を見ますと一七%の減少。この一七%の減少は、確かに、先生御指摘のように、大きいものではございますけれども、ともかくいま詰めております段階で、いろいろ基地式の方々と相談をしておりますが、ともかく操業規模をこれで切るということは何とかして避けられないものかというぎりぎりの線でございますけれども、そういう話をいましているわけでございます。
○和田春生君 雄・雌にかかわりなくとってもいいというなら、やりやすいけれども、御承知のように、雄と雌の識別はなかなかむつかしい。それが二%というふうに従来の捕獲割合を大きく削減されている。それだけ技術的に捕鯨のやり方は大変むつかしくなると思うんです。結局、割り当て枠だけではなくて、そういういろいろな要素が絡んでいるんだな。したがって減船は避けられる、まずまずなんという甘い見方でいると、とんでもないことになる。これに対してやはり適切な手を打ってやらないと、政治的な結果、被害を受けるわけですから、非常に現場乗組員は困る。それは特に要望しておきたいと思う。 それからもう一つは、関連してお伺いしますが、これは外務省とも密接に関係のあることなんですけれども、何とか国際世論を回避してある程度の捕獲頭数を確保することに役立った一つは、IWC非加盟国からの輸入を規制するという日本政府の表明が捕鯨に反対をする国際世論を緩和する上に大変役立ったということは事実だと思います。これは外務大臣にも特にそういう点については御配慮を願ったことは御承知のとおりであります。ところが、私どもの調べた実績によると、その後、非加盟国からの鯨肉の輸入がどんどんふえている。いいですか、時間がないですから数字は言わなくてもいい、私のところにみんなありますから、細かい数字は。これ、一体、主な輸入はどういう業者がやっておるんですか。
○政府委員(森整治君) 直接水産会社というのもございますが、主として水産会社なり需要者の委託を受けた商社というふうに私どもは把握をいたしております。
○和田春生君 名前を言いにくければ言わなくてもよろしいわけですが、水産庁でわかっていると思うのです。規制のためにどういう手段をとりましたか。国際的な約束事を実行するために政府が適切な行政指導をすれば、こういうばかげたことになるはずがない。その非加盟国の中でも、アウトサイダーとしてかなりはでにIWCの枠外で鯨をとっている国からの輸入がふえている。どういう手を打ちましたか。
○政府委員(森整治君) まず、現在、非加盟国でございますが、一つこういう問題がございます。韓国、スペイン、ペルーの三国につきましては近く加盟が予定をされております。そのシェアが六七%ございますから、形式的には非加盟国でございますけれども、一応、そういう国からの輸入がある。それ以外で、私どもも問題と思う国からの輸入もございます。この問題につきましては、せっかくIWCで決議も行われ、本年も実は決議をされたわけでございまして、これにつきましては、先生御指摘のように、もう少し私どももさらに一段と指導を強化するなり、もしそれで不可能なら法的な措置によってでもその実効を確保するということに努力いたしたいというふうに思います。先生の御指摘の問題については十分今後気をつけたいと思います。
○和田春生君 国際的にはっきり約束して、それを相手側が好感して受けとめて、反対の主張をやわらげてくれたというものを事実関係で裏切るようなことをやらしてはいけませんよ。政府が言った以上、それは断固たる措置をとらなくちゃいかぬ。近く加盟するであろう国から輸入したから問題がないなんというのは、これはもう詭弁もはなはだしいんですね。 こういうことをもし続けていくんなら、私は何のためにIWCに加盟しているのかということを問いたいんです。日本はIWCに加盟をして、国際的な枠の中でだんだん手足を縛られている。そうしてアウトサイダーから鯨をどんどん輸入するぐらいなら、いっそのことIWCから脱退して、日本もアウトサイダーで鯨をとりまくったらいいじゃないですか。その方がよっぽどいいんです、正直で、はっきりして。それが国際競争上ぐあいが悪いというんなら、IWCに加盟している以上、非加盟国からは一切のそういう輸入は禁止するということにしなければ筋が通らぬ。どちらですか、これはひとつ大臣からお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ともかく日本は一応先進国になっておりますし、日本だけが鯨をとるためにIWCから脱退だという極端なことも現実の問題として、いろいろな外交上の損得の問題もございますし、慣例上の問題もございましょうしするので、私は直ちに脱退というようなことはできない。やはりこれらの非加盟国に話し合いによって一刻も早く加入していただくという方向で、同じ土俵の中に入ってもらうという努力をすることがやっぱり常識的な動き方ではないだろうか、かように考えております。 それから、非加盟国から買っちゃってけしからぬと言うけれども、買っちゃったものは実はどうしようもない話でございますが、何かうまい工夫を、もし非加盟国が残ってどんどん売り込んでくるというような場合は、まして水産会社が裏からひもを引いているなんてなったらこれは大変な問題ですから、そういうところも点検をしながら、それは十分にもう少し調べて、非加盟国からの輸入はさせないような方向で行政指導をやりたい、こう思っております。
○和田春生君 これは非常に大事な問題でして、そういう国際機関に参加をしているわけですから、その国際秩序を守るということのためには、非加盟国に対してはやっぱり厳しい姿勢で臨んでいくということがあって日本の主張が通ると思うんですね。日本の業者がそれを目先の利益だけにとらわれて輸入をすると、一つは国際的な不信を増大する、日本に対する手かせ足かせを強めていく、そして自分で自分の足を食うわけです。共同捕鯨がつぶれるという形になれば、共同出資した日本の水産会社はみんなだめなんです。つながっている商社その他にしてもそうでしょう。だから目先の利益につられてそういうことをするんじゃないように、国際関係の強いところではやはり政府としてきちんとした姿勢で臨んでもらう。同時に、非加盟国に対しても加盟しなさい、一緒にやろう、そうでなければ、あなたのところから鯨を買うわけにいかぬよということをきちんとやっていただきたい、このことを特にお願いをいたしておきたいと思います。 それで残された時間もあとそうありませんけれども、一つだけお伺いをいたしたいと思うのですが、新聞で報道されました米中正常化で、日米安保条約の第六条、これに関する極東の範囲について質が変わったという趣旨のことを外務大臣がお答えになっております。衆議院の外務委員会でお答えになっている中身につきまして、私はその場に居合わせたわけではございませんが、新聞報道その他、聞くところによりますと、米台相互防衛援助条約の破棄によって極東の範囲に台湾を含める必要はなくなったと認める。しかし、直ちに日米安保条約そのものを手直しをすることではないが、そういう点についてはアメリカと十分話し合いたい、こういう趣旨のことを外務大臣がお述べになっているというふうに伺っているんですが、そうした理解で間違いございませんでしょうか。
○国務大臣(園田直君) いまのおっしゃったような発言は、私の発言した事実とはいささか違っておる。日米安保条約が変質をした、これは確かに言っております。その変質は米中正常化によって変質したとは言っておりません。 これは発効以来十数年の間に、当初は、この日米安保条約というものはややもすると大陸侵攻いう方向で、その一翼を日本が担当させられるのではないかという懸念がなきにしもあらず。そこで、私は、御承知のごとく、最初の安保条約、行政協定には脱党して反対投票をしたわけであります。その後、国際情勢の必然性、変化、特にベトナムから米軍が下がった、韓国の地上軍も撤退した、こういう事実は冷戦から均衡による平和ということに変わってきたと。そこで、いまや日米安保条約を基軸とするということは、これは日米安保条約を基軸にして平和共存の社会に向かって前進をするというように変質をしたと、ここで切れております。 それから次に、米中正常化については、安保条約の変質とは全然関係なしに答えております。これについては、米中正常化によった共同声明、それから一方的なアメリカの声明、これに対して中国が否定をしてない。アメリカが一方的な声明を出すことに内々は了承しておった気配がある。こういうことからすると、台湾地域をめぐって米中正常化、最後までもめておった特に中国の武力解放、あるいは米国の兵器の供与という点が一番問題になったんじゃなかろうかと想像いたしますが、この経緯からして推察をすると、台湾地域において紛争がほとんどなくなったと想像をいたしますと、ここまでは正確に答えております。ほとんどと言ったのは、中国から台湾地域に対する攻撃という可能性がなくなったけれども、そのほかの要素は幾らか残っておるわけであります。そういうことによって台湾海峡その他に対する問題が出てくるわけであります。ほとんどなくなったと思うと。 したがって、その結果、一年間は米台条約破棄はないわけでありますから、この問題はありませんが、一年後に、第六条の該当する地域から台湾地域が外されるかどうかということは、当事者である中国の意見を参考に聞いてみる必要がございます、アメリカの意見も聞いてみる必要があります。そうして、この正常化の実質上の合意がどういうふうになっているか、こういうことも聞いた上、時期が来たならば相談すべき問題である、こう言っているわけでありまして、しかも、それを早急にどうこうするということは、これは一面には台湾地域の住民の方々の動揺ということもあることでありますから、これは時期を見て、そういうことは話し合いをしなければなりませんけれども、大体順序としては、中国の意向も聞き、アメリカの意向も聞き、その上で必要があればアメリカと日本が相談すべきことだ、こういうことでございます。
○和田春生君 いまの御説明の範囲内においては、外務大臣の御趣旨はよくわかったわけです。 しかし、そうなってまいりますと次の疑問が出てまいりますのは、日米安保条約の第六条には、御承知のように「極東」という文字が条約条文としてはっきり使っておられるわけです。そうすると、日本政府の考え方として、この極東ということは、一体、その地理的な概念であるのか、地政学的な概念であるのか、それとも戦略的な概念であるのか、どういうところでとらえられておるんでしょうか。これは事務当局で結構です。
○政府委員(中島敏次郎君) ただいまのお尋ねでございますが、先生よく御承知のとおり、安保国会におきまして、多大の御論議の末、政府がつくりました政府の統一見解によりますれば、明らかにこれは別に地理学上正確に固定された地域ではないということを言っております。極東の概念そのものは、条約そのものに書いてあるとおりに、日米両国が「共通の関心をもつているのは、極東における国際の平和及び安全の維持ということである。この意味で実際問題として両国共通の関心の的となる極東の区域は、この条約に関する限り、在日米軍が日本の施設及び区域を使用して武力攻撃に対する防衛に寄与しうる区域である。」そういう考え方で、その区域は実際上どういうことかと言えば、大体においてフィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって、韓国及び台湾の地域を含む、こういう考え方でできております。
○和田春生君 地理的な概念であるとするならば、その解釈が変わったり動いたりするのはおかしいことになる。地政学的な概念であるとすれば、グローバルな意味での国際情勢というものがいろいろな意味で影響をすると思いますが、いまの説明をそのまま受け取ると、これは戦略的な概念、まあ一口で言えばそういう意味合いが強いように思いますね。 そこで問題なのは、米中が正常化をすれば、しかもこれまでのいきさつから見て、両方のまた声明や発言、対応などを見て、外務大臣のおっしゃるとおり、中国が直ちに台湾の武力解放に乗り出すとか、そこで紛争が起こるという可能性は当面考えられないと、そのとおりだと思います。ところが、一方で、アメリカは、米華相互防衛条約を破棄しながらも、第七艦隊は相変わらず台湾海峡並びに台湾水域に配置をする、そういう意思であるというふうにわれわれは聞いているわけです。なぜかという問題だと思う。 時間もございませんので端的に申し上げますと、私は、ことしになってから台湾の中華民国の責任ある高官の口からこういう話を聞いたのです。日中の次は米中だと、こういうふうに言われております。仮に、その際にアメリカが米華相互防衛条約を破棄したという形になれば、幾らアメリカが台湾におけるプレゼンスを続けると言っても、軍事的に直接の発言権はなくなるのです。そうした空白に、もしソ連艦隊が南下をしてきて、ある日忽然と高雄とか澎湖島とかにソ連の原子力潜水艦が姿を浮かべるという形になったらどうなるんでしょうかという話です。あなた方はそれを欲するのか、こういうふうに問い返したことについて、絶対そういうことは欲しない、共産主義国とは、いかなる国といえども、われわれは手を結ばないというのが原則であるけれども、そうなったときにわれわれは対抗できないではないですか、それが台湾周辺地域における重大な紛争に発展した場合に、日本の南方航路、日本の南方の安全というものはどうなるんでしょうか、その辺までも検討する必要があるのではないかという意味のことを、これは私が直接聞いているんです。 これはあるかないかわかりません。しかし、戦略的な立場に立てば、これはあり得る一つの問題として、それは万一であるか、千分の一であるかもしらないけれども、考えるべき点なんです。そうなりますと、米中が正常化したから台湾地域が紛争の対象になるということは万々あるまいという形にはならないのであって、もう一方の中ソ対立の当事国のソ連との関係において、日本の安全上、台湾地域というものは大変重要な戦略的地位を持っている。しかもソ連は常に南下をしようという軍事的、政治的な意図を持っていることは疑いを入れないところだと思います。そういう点がありますので、特にこの安保条約並びに極東の範囲とか台湾地域の安全については、日本政府としても十分慎重な配慮と、あちらこちらを見回した上で私は対処をしていただかぬと、思わざるそれが波紋を描くことになるのではないか、こういう懸念がありますので、その点、私の意見を申し上げまして、最後に外務大臣の所見を承りたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 私は和田委員の意見に反対ではございません。したがって私が台湾地域に「ほとんど」という言葉を入れたのは、そういう意味でございます。
○和田春生君 終わります。
○委員長(菅野儀作君) 他に御発言もないようですから、質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(菅野儀作君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、日本国の地先沖合におけ千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(菅野儀作君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(菅野儀作君) 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時九分散会 ―――――・―――――