科学技術振興対策特別委員会 第11号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/05/25
会議録
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、後藤正夫君が委員を辞任され、その補欠として上條勝久君が選任されました。 —————————————
○委員長(塩出啓典君) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○松前達郎君 ただいまの法案に関連して、日本のエネルギー問題というのは恐らく一番重要な問題じゃないかというふうに思うわけですから、いろいろなエネルギーの将来の展望ですとか、そういうものを踏まえた上でエネルギー開発そのものも進めていかなきゃいけない、こういうことであろうと思いますので、関連しまして幾つかの質問をさしていただきたいと思うのです。 まず最初に、わが国のエネルギー需給の見通しというのがかつてエネルギー調査会から出ておるわけでございます。大分時間がそれから経過をいたしておりまして、実は昨年の本会議で、このエネルギー需給見通しについて修正をする、たとえば経済成長率がその予測のほど上昇していないから、そういった面も踏まえた上での需給見通しを修正したらどうだろうかということを私自身質問をいたしたわけなんですが、昨年の九月ごろにはその結果がまとまるんだという答弁がたしかあったような気がする。ところが一向にそれが出て来ない。そこで、エネルギー需給見通しについて、かつて行った見通しを修正するという作業を現在進めておられるのかどうか。これは通産の方にお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生御指摘の総合エネルギー調査会でつくりましたエネルギー長期暫定見通しと申しますのは、五十二年の六月に策定したものでございます。したがいまして、先生がおっしゃいますようにもう二年経過しておりまして、その二年の間にいろいろな問題が起こったわけでございます。御案内のとおり、イランの問題があり、それからこのたびのようなスリーマイルアイランドのような事故による原子力開発の、何と申しますか、推進に対しての若干の停滞というようなムードもございますし、一方需要の方からまいりますと、オイルショック以来、産業構造の変革とそれからまた軽量経営と申しますか、そういう意味での長期安定路線というのが次第にしかれてまいりまして、従来のような非常に高速な需要増加というのが見込まれなくなってまいってきております。そういう意味で、需要もそれから供給状況も大分変わってまいりましたので、そういう意味では先生おっしゃいますように、将来の見通しについて大分見込み違いといいますか、そういうものがあるのではないかと、こういう点は御指摘のとおりだと思います。ただし、この計画によっていろんな海外とのいわゆる油の契約、それからウランの契約等々ございまして、単に需要が変わったので変えられるかどうかということはまたむずかしいことでもありますし、また特に供給力の方の予想ということになりますと、これまたいま油の問題非常に不安定な状況でございますので、どういう時期に見直すということが日本の国のエネルギーの計画を立てる上で大事なことかということで、いまその辺の詰めをやっておる次第でございまして、実質的に単なる数量のいわゆる計算のし直しというようなことではとどまらないのではないかと、こう考えておりまして、非常に慎重に構えておるというのが実態でございます。
○松前達郎君 まあ、この見通しに基づいていろいろと議論が行われますね。たとえばその需給暫定見通しという表があらゆるところに、パンフレットなんかに出てくる。しかも、いまおっしゃったようにこれは非常に古い、五十二年の時点である。ですから、これはときどき変化があったときに中の修正をしていっても構わないと思うんですけれども、やはりこういう重要な将来の問題に関するエネルギー見通しというのは、常に予測なり何なり入れて修正をしていかないと、これが基本になって議論になっていくんですから、その点をやはり今後やっていただきたいと、こういうふうに思うんです。 それと、石油の供給の問題なんですけれども、これについても供給がどうなるかわからないから、この石油のところの欄に供給される石油量を入れられないということではなくて、これは積極的に石油の多様化といいますか、輸入する相手国の多様化とか、そういうものを含めて、努力をする目標として置かれているはずなので、わからないというんでしたら、この六十五年度の促進ケースなんというのは全然出てくるわけがない。ですから、恐らく努力目標であろうと思うんで、まあそれもやはり供給の相手の国際情勢の変化が激しいからこういう予測表ができないんだということではなくて、努力目標としてこれを設定されてこういう表を修正されていった方がいいんじゃないかと、かように思うわけなんです。これがなかなか出てこなかったものですから、この前の通産から五十二年度の実績はいただきましたけれども、まあ大体この下回った実績でございますね、そういうことで今後の見通しとして非常に重要な基礎になるんじゃないか、かように思うものですから御質問を申し上げたわけでございます。 それから、いますぐわれわれがエネルギー問題に対してできることですね、たとえば核融合とか、そういうふうな将来の問題はいますぐとてもじゃない、話になりませんけれども、いますぐできる問題として省エネルギーという問題がある。これについては最近議論をされておるところなんですけれども、省エネルギーというとエネルギーのセーブである、節約であるというふうに見ますと、これはエネルギーを新エネルギーとして解釈されないという、そういう分野から、省エネルギーというと非常に消極的な取り扱いを受けてしまうわけなんですが、私は省エネルギーというのが新エネルギー源と全く同じ評価をされるものであるというふうに解釈をしたいと思うんです。そこで、この省エネルギーに対しての強力な施策というのがなかなか出てこない。これも去年の本会議で質問をいたしましたときに、法案を考えるというお答えがあったと思うんですが、それについても、その中身を拝見しますと余り強力でないような感じを持つわけです。たとえば日本人というのはエネルギーの節約とかそういうものに対して余り興味を持っていない、関心を持っていないとよく言われる。そういう意味でショック療法が必要だとか、いろんなことをよく言われるわけですけれども、そんなことをしなくても、やはり法律あるいはその他の方面で省エネルギーというのをもっと強力に推進したらどうなんだろうかと、こういうふうに考えておるわけなんです。もうちょこちょこ新聞などにも出てきますけれども、たとえば愛知県あたりは信号機の明るさを半分に減らすだけで、三千機ぐらいあるそうですが、相当のエネルギーの節約になるとか、まあいろいろ努力を各地でやろうとしている。こういった努力をやはりこれからわれわれもやっていかなきゃならないんじゃないか、こういうふうに思うものですから、これに対する今後の強力な施策というものが考えられておるのかどうか、その点をひとつお願いいたしたい。
○政府委員(児玉勝臣君) 省エネルギーにつきましては、先生のおっしゃいますとおり、従来のような節約と、まあ二宮金次郎的な節約という意味じゃなくて、エネルギーを効率的に使うと、そういう意味では省資源というのは、一方ではエネルギーを生み出すという意味で新しいエネルギー源であるという先生のおっしゃること、全く同感でございます。通産省といたしましても、工場、事業場におきますエネルギーの使用の合理化とか、それから住宅及び建築物の建築に当たっての省エネルギー構造化、それから自動車その他のエネルギー消費機器のエネルギー消費効率の向上ということを図ることを主な内容といたしますエネルギーの使用の合理化に関する法律案というのを本国会に提出いたしまして、ただいま参議院で御審議いただいておるところでございます。そういう法律ができましたところで、さらに工場、建築物、機械器具というようなものの高効率化につきまして強力に指導していきたいと、こう考えております。 従来からも金融、税制上の助成措置をいたしておりまして、そういうことでは五十四年度には日本開発銀行では百九十億、それから中小企業金融公庫では五十億のいわゆる融資そういうものを考えておりますし、さらに税制におきましても、省エネルギー設備投資について国税、地方税ともにこの税制の優遇措置をしておるわけでございます。 先ほど先生おっしゃいますように、省エネルギーといいますか、エネルギーを節約させる、エネルギーを少なくするというふうになってまいりますと、一つはいま私たちがやっておりますキャンペーンということと、今度は国がやはり先駆けてやるといいますか、指導的な立場で国民運動を盛り立てていくという意味での法律の問題と、それからそれに伴うキャンペーン、やっぱり国民全体がその気になっていただきませんとこの問題はしり抜けになってしまいますので、そういう問題が一つ。それから、さらに問題が深刻化してまいりますと、これは価格調整によって需給をもう少しタイトにするということも考えられます。最後には法的制限、そういうことでいろいろな段階がございますが、まだ十分に国民の理解を得れば節約なり省エネルギーということができる段階でございますので、ただいまのところはその省エネルギー法の成立を目指して国民運動を続ける。そして、IEAなんかでは五%の省エネルギーということも言われておりますので、そういう国際的な環境の中でも十分にこたえられるようにしたいと、こう考えております。
○松前達郎君 まあ意気込みはいつもすばらしい意気込みをお持ちなんですけれども、どうもその結果となって出てくるのが骨抜きみたいなことになるのが通例ですから、その点やはり強力な施策を講ずる必要があるのではないか、かように思うわけです。これは細かいことかもしれませんけれども、もう十分御承知かもしれませんが、たとえば照明を少し暗くするとか、そういうことであっても、これはちりも積もれば山となるということなんで、私は夜なんか街を歩いていると、自動車がヘッドライトをつけて走っているんですね。しかも、その横にはナトリウムランプでごうごうと照らしている。外国の都市へ行くと、恐らくヘッドライトをつけて走っている自動車はないと思いますね。そういうむだとかいろいろまだあるんです。やることはたくさんあるんじゃないか。こういう問題を総合的にやはり検討をして強力に推進する何らかの機関あるいは会議その他が必要なんじゃないか、こういうふうに私感じておるんですが、そういう意味も含めてひとつ強力な施策を今後推進していただきたい、かように思っておるわけです。 産業構造の転換についても全くそれと同じ意味で、最近になるとまたアルミ産業がえらく盛り返してきたというふうなうわさも聞くわけなんですが、たとえばアルミなんていうのは電解製錬ですから、溶融塩電解に使う電力というものは莫大なものである。こういうものもやはり将来外国でやってもらって地金で買えばいいんですから、そういったようなものも含めて全体的な検討を総合的にやっていただくということが必要なんじゃないか。これは私はすぐできることだというふうに思うものですから、そういう意味で御質問申し上げたわけなんです。 それと、いまの省エネルギー、に関連して、諸外国では一体どういう施策、政治的な面での施策を進めているのか。たとえば通産でやっておられるサンシャイン計画とか、そういうものでも、太陽熱の利用というものもございますが、イギリスあたりでは、太陽熱の利用を各個人の家庭に応用した場合に政府が補助金を出すとか、ちらっとそういうことを聞いたことがあるのですが、そういうものも含めて、諸外国における省エネルギーの政治的な対策はどういうふうな状況にあるのか、それをちょっとお知らせいただきたい。
○政府委員(児玉勝臣君) 最近のIEAの話題になりました、五%のエネルギーというか、石油節約の対策の問題で話題に出ましたことを御紹介いたしたいと思いますが、各国ともいろいろキャラクターが違いますので、その施策がおのおのいろいろ変わっております。たとえて申しますと、アメリカでまいりますと、産業部門では大口石油需要家に対する天然ガスへの燃料転換を要請しております。それから民生部門に対しては暖房温度の引き下げの呼びかけで、これは一八・三度以下にしようという呼びかけでございます。それから輸送部門におきましては、自動車の速度制限、五十五マイル以下にするということ、不要なドライブの自粛ということを言っております。 それから西ドイツにおきましては、石油高価格政策、要するに価格を高めようということをやっております。それから硫黄分を含む原油の使用許可の拡大。民生部門におきましては、これも暖房温度の引き下げということをやっております。それから輸送部門におきましては、省エネルギー型自動車エンジンの開発、自動車の共同使用促進、ガソリンの節約というようなことを五月十六日に閣議決定しておるようでございます。 それからイギリスにおきましては、まず北海油田の増産をする。それから産業部門におきましては石炭火力の拡大をする。それから輸送部門におきましては、省エネルギー型の自動車の運転の方法を徹底するというようでございます。そういうようなこと。 オランダでは、中央政府及び地方公共団体における節約の実施。産業部門では重質油の使用促進、環境規制の緩和、天然ガスの利用。民生部門においては国民に対する節約のキャンペーン。輸送部門におきましては週末のガソリンスタンドの閉店時間の繰り上げ。 そういうようなことをおのおの各国でやっておるわけでございます。
○松前達郎君 各国それぞれ努力をしている姿をいまお話しいただいたわけなんですけれども、やはりわれわれとしても、日本こそ一番エネルギーのない国で経済成長している国としては、やはりこれらの面は相当重要な問題じゃないかというふうに思うわけなんです。原子力の問題が石油にかわるものだということで推進をされておるわけなんですが、省エネルギーだとか、あるいはその他のエネルギー、これは余り効果のないものは別として、開発できるものは精いっぱいやって、それで仕方がなければ原子力に頼らざるを得ないということでなければ、恐らく国民の納得が得られないんじゃなかろうか。経済ペースから言って、ただ原子力エネルギーが安価であり、集中的に電力を生産できるからというだけで原子力推進ということになりますと、なかなかその点が理解が得られない面があるのじゃないかと私は思うものですから、まずすぐできる省エネルギーから強力にやっていくということ。 それから第二番目には、まだ未開発のエネルギーがあるはずである。日本の場合、水力発電なんというものは昔から、特に最初のうちは水力発電に頼っていた時代があったわけなんですけれども、これにしましても、現在資源エネルギー庁の方で昭和六十年までに五百九十一カ所、八百九十万キロワットの開発を計画されたということを聞いておりますけれども、こういう開発も促進をし、さらに恐らくまだ未開発のところが半分ぐらい残っているんじゃないか。揚水発電というのは、これはほかの発電のエネルギーをそのままためておくだけですから、新しいエネルギー源としてプラスになる面ではございませんけれども、そういった未開発の部分を、これは規模は小さいかもしれませんが、積極的にこれを開発していかなければならないのじゃないか。水力に関しては、これは輸入する燃料とは違いまして、われわれ日本が持っている独自のエネルギー源でありますので、将来この開発も急いでやっていく必要があるだろう。 で、この開発について、さっき申し上げました五百九十一カ所、八百九十万キロワットというのを聞いているのですが、これらについて実際に現在それの計画がどの程度推進されているか、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(児玉勝臣君) 水力の開発につきましては、ただいま先生おっしゃいますように、大規模かつ経済的な電源開発地点はほとんど開発され尽くしたわけでございますけれども、しかしながら水力というのは結局国産エネルギーということで、油のエネルギーと相対的な経済評価だけでは済まないのではないかということでいま見直しをされてきておるわけでございます。したがいまして、今年度の電源開発計画の中にも三十二地点、約八百万キロワットの開発ということを計画しておりまして、これが今年度に着工するということで計画を立てておる次第でございます。——失礼しました。工事中も含めましてただいま申し上げました。現在工事中のものと、それから新規にこれからやるものと合わせまして八百万キロということでございます。さらに、今年度電源開発調整審議会にかけまして実施したいと思っておりますのが約十九地点、二百六万キロワット。ただし、この中には揚水のものが約百万キロございますので、実質一般水力としてエネルギーをやるものとしては百万キロ未満でございますけれども、そういうことで少しずつスクラップ・アンド・ビルドを兼ねまして水力の活用というのを図っていきたいと、こう考えております。
○松前達郎君 水力に関しても今後小さいようなところまで含めて——余り細かいのは別としまして、ある程度の規模が期待できるものを今後開発していく必要があるのじゃないかと思うのです。 私はそのデータで、このデータがどういうデータか、これは個人の「開発を急ごう水力発電」というパンフレットを私いただいたことがあるのです。これは電力会社関係の方なんですが、「今後開発が可能と考え得る水力発電所は、地点数二千三百五十五発電力総計が(三千百四十四万キロワット)」。これはデータですから、恐らく計算上のデータでしょう。こういうふうなことも言われておるわけなんで、やはりこれから水力の方も積極的にやっていかなければいけない、かように思うのです。それと、地熱というとまた物笑いになるかもしれませんけれども、五万キロワットぐらいのものしか日本にはまだできていないわけですから、余りプラスにならないと一蹴される方もおりますけれども、しかしこれも将来各地で積算していきますとある程度電力としては量が出てくるわけですね。この地熱についても最近の新聞などによりますと、たとえば造船関係の会社が外国にどんどんいま地熱のプラントを輸出している、そういうふうな報道があるわけなんですけれども、恐らく日本で使っているよりよけい輸出しているのじゃないか、地熱のプラントをですね。こういうふうに私は思うのです。これについても、プラスアルファかもしれませんが、やはり開発の努力を進めなければいけないのじゃないか。 まだたくさんあります。たとえば潮汐ですとか——まあ潮汐はなかなか大変でしょうが、あと国際会議あたりでよく問題になるのが、特に開発途上国あたりではバイオマスの問題ですね。バイオマスをエネルギーとして使うという問題これについても相当力を入れている。たとえばインドですとか、ああいう国においては相当の力を入れようとしている。こういったものも全体を含めてやはりわれわれは努力をしてみなきゃいけないのではないか。そしてそれらの努力をした上で、どうしても足らなければ原子力に頼らざるを得ないというんでしたら、これは話が通るんではなかろうか、かように私思っておるわけなんです。 そこで、いま申し上げたような水力を除いたその他のエネルギー源として開発を今後積極的にしていこうというエネルギー源というのはどういうのがあって、どういう計画でやっていかれるのか、それについて簡単で結構ですからお答えいただきたいと思います。
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいました新エネルギー源として考えられておりますのは、一つは高効率も新エネルギー源と考えさしていただきますと、高効率ガスタービンによりまして現在の火力発電所の効率を飛躍的に高めようということでいまムーンライト計画でやっております。これが最も近時点で非常に役に立つのではないかと考えております。 それからさらにサンシャイン計画の中では、風力とか、それから波力発電の問題としては科学技術庁の方で山形県の沖合いでただいま実際に波力発電の実験をやっていらっしゃいますが、そういうような成果も実は私たち非常に関心を持って見ております。 それからソーラーハウスのようなもの、これも非常に小地域といいますか、団地の中でのエネルギーのバランス、要するにローカルエネルギーバランスの上ではソーラーハウスというのもまた実用化されていくんではないかと、こう思います。 したがいまして、エネルギーの最終需要に対してどういうような供給の仕方がいいのかということの見直しによりまして、単に電力をつくるということではなくて、電力から熱を出す、動力を出すということばかりを考えることじゃなくて、最終需要に最も密接な身近なエネルギーとの変換ということも考えなきゃいけないのではないか。それから燃料電池もいま電力界としては非常に関心を持っております。これも原料から直ちに電気を起こすという意味では、ローカル火力の代用としてどの程度の効用があるのかというのを考えなきゃいかぬし、さらに都市ガスとのいわゆるコンビネーションということも考えられるではないか、こう考えております。そういう意味で、サンシャイン計画プラスサンシャイン計画よりももっと実用的な身近な問題をいろいろ考えておることは考えておるわけでございます。
○松前達郎君 そういったあらゆる面の努力を通じながら今後エネルギー問題を考えていかなきゃいけない、努力を続けていかなきゃいかぬと思うんです。 そこで原子力の方に入りますが、いまの核原料物質、核燃料物質の法案に関連して、原子力といいますと、必ず核拡散とか、そういうふうな問題とのかかわりが出てくるわけなんです。最近では特に安全問題そういうものも含めていろいろと論議がされるようになってまいりました。多少機械とかそういうものを過信したんではなかろうか、たとえばアメリカあたりの国会の報告を見ても、スリーマイルの事故そのものは人為的事故ではなかったという報告もされておるようであります。計器を過信するとそういうふうな結果になるんじゃないかと、そういうふうな結論だと私は思うんですけれども、原子力発電所における計器類の信頼度というものですね、こういうものもやはり相当厳重にチェックをしてみなきゃいけないのではないか、そういうふうに思うんです。ですから、やはり何といっても将来非常に人間に相当大きな影響を与えるであろう放射線を持つ材料を取り扱うわけです。しかもその中ではその材料の使い方いかんによっては原爆その他にも使えるという非常に危険である面もあるわけです。そういう意味で非常にわれわれの全世界的に見た人類の生存の問題と大きなかかわり合いが出てくる、こういうふうな基本的な問題点を原子力開発というのは持っているわけです。 ここで、スリーマイルのさっき申し上げたミスの問題、事故の問題というのは別の機会にするにしましても、核拡散について最近いろいろの問題が出てきておりますね。これは外務省の方にお伺いしたいんですが、たとえばパキスタンの核開発問題というのがございましたですね。これも恐らくパキスタンそのものは濃縮工場をつくるんだという目的で、それをちゃんと表明しておいて工場をつくったんじゃない、各国からたとえば遠心分離機とか、そういうものをばらばらに買ってきて自分のところでビルドアップしたんだと私は思うんですけれども、アメリカがそれについて非常に神経をとがらしている。しかもパキスタンというところはそんなに原子力発電所があるわけじゃないんですから、これは恐らく核兵器の開発につながっていくはずである、そういうことでアメリカの方はたしか経済援助を打ち切ったと思うんです。恐らく日本にもその要請が来たんじゃないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○説明員(金子熊夫君) パキスタンの件でございますが、アメリカ政府のパキスタンのこの問題に対します態度あるいは方針といったものにつきましては、私ども必ずしも存じておるわけじゃございませんけれども、先生ただいま御指摘ございましたように、アメリカ政府はつとに独自のルートによりまして、パキスタンにおけるこのような状況についての情報を入手いたしまして、それに基づきましてアメリカの対外経済援助法の中に、言うところのいわゆるサイミントン条項というのがございまして、この条項を発動いたしましてパキスタンに対する経済援助を停止したわけでございます。これは四月六日にアメリカ国務省が正式に発表しておりまして、私どもはそれを承知いたしております。 パキスタンにおける遠心分離の濃縮工場の件でございますけれども、これは先生御指摘ございましたように、パキスタンの核開発の状況からいたしますと、これはどうも原子力の平和利用のものではないのではないのだろうかという疑いがございまして、アメリカ政府はそれに踏み切ったわけでございまして、私どもはアメリカ政府がそのような措置をとるにつきましては、十分な確証があった上でのことであろうと思うわけでございます。しかしながら、日本政府に対しまして、同様に対パキスタン経済援助をやめろというようなことは申しておりませんで、そのような事実はございません。これは先般外務委員会で園田外務大臣がそのように申しておりますけれども、先方がわが国政府に対しまして、お前のところも経済援助をやめろというようなことを申し入れている事実はございません。
○松前達郎君 わが国の場合は初めから原子力の利用というのは平和利用に限るということで徹底してやってきているわけです。そういう意味からいくと、やはりこういった問題というのは大変重要な問題じゃないか。将来たとえば再処理が動き出した場合にプルトニウムができるわけです。そうなってきますと、恐らく日本が何らかのそういった主導権といいますか、平和利用に関する主導権というものを発揮しなけりゃならない時代が来るんじゃなかろうか、できたプルトニウムをどうやって保存するとかいろいろな問題も含めて、国内に保存するのか、あるいらある人によればプルトニウム銀行をつくるとか、いろんな案もあるようですけれども、そういうふうなことも含めて考えますと、やはりこういった問題は非常に重要である、特に開発をしますと、当然それに伴って技術というものが成熟をしていきますから、その技術の成熟の結果できる製品というものが海外に流出をしていけば、当然このパキスタンのように、これはスイスの二つの会社から輸入されたと書いてありますが、そういったようなことも考えられる、責任があるんじゃないかと、こういう気がしたものですからいま御質問をしたわけなんですが、これと同じように、日本の周辺国でも相当原子力開発が行われておるわけですね。ある国では、ある特定地域に対してフランス人は入れるけれども、日本人は絶対に視察に行っても入れないという国もあるわけです。その国はCANDU炉を入れておりますから大体どの国かおわかりだと思いますけれども、この辺も何やっているんだか非常に心配になる。特に平和利用というものを徹底してその基本で打ち出しているわが国と違うその他の国々がいまのように、核兵器の開発というのはそんなめんどうくさいことじゃないのです、そういう意味で安易にそういう核兵器開発をやられたんでは大変なことになるという気がするわけなんです。そういう面でこれから外交関係の中における原子力との関連、原子力協定等は非常に大きな、意味を持ってくるんじゃないかと、こういうふうに思うわけなんです。たとえばカナダとの原子力協定について、みなし事項というのもありますけれども、これらについても、わが国で開発したものが関連があるとなると、全部その協定のみなし事項の中に包含されてしまうんじゃなかろうか。材料の問題からいろいろな細かい問題に至るまでそういったみなしの条項の対象となり得るということもありますし、非常にこの辺は神経を使って今後進めていかなきゃならない問題じゃなかろうかと、こういうふうに思っておるわけです。 そういう状況の中で、これから再処理の工場を設置しようということの法案が出てきておるわけなんですが、この再処理についても非常にたくさんの問題をまだ抱えているんじゃないかと思うんです。再処理の国際的な分野でどういうふうなプラントがどういうふうな生産をしているかということは前にお伺いしましたから、きょうは繰り返してお伺いいたしませんが、私がまだちょっと疑問に思っているのは、なぜ民間でやらなきゃいけないかという明確な理由がどうも見当たらない。先ほど申し上げたように、核の拡散の問題等も含めて非常に国際的に注目をされるような事業なわけです。ですから、そういう面も含めて考えたときに、どうしても民間でやらなきゃならないという理由が一体どこにあるのか、それがまだ私自身のみ込めてないものですから、その点をひとつはっきりとお答えいただきたいと思います。
○政府委員(山野正登君) わが国におきましては、先生御承知のとおり私企業体制というのが基本になっておるわけでございます。そういう意味で、再処理事業というのは広い意味で電力という公益事業の一環というふうに私どもは考えているわけでございますが、この私企業形態で運営されております電力事業の一環としましてこの再処理事業というのも民営で行うのが妥当であるというふうに考えているわけでございます。いろいろほかの業種を見ましても、民営でやるのが何らかの事情でとてもむずかしいといったふうな場合に限って国家ないしは国家関係機関でもってやっておるわけでございまして、それ以外のものは、できるだけ技術面、資金面あるいは人材面等民間の活力をできるだけ活用するという意味におきましても民営形態でやる方が望ましいと考えております。このことは一にわが国のみならず、電力事業が民営で行われておりますアメリカとかあるいは西独といったふうな国々におきましても同じような方向で考えられておるわけでございますので、今後とも第二再処理工場以降はぜひ民営の経営体で進めたいというふうに考えている次第でございます。
○松前達郎君 ある程度技術が確立されたものであれば、これは民営でもそれは差し支えないんじゃないかと思うのですが、どうもその辺が、再処理技術は果たして確立されたのかどうかという問題が参考人のこの前の御意見にもありましたし、私はまだ十分確立されてないと。と言いますのは、高レベルの放射性廃棄物の固化の問題だとか、あるいは環境放出低減技術、恐らくこれはガスの問題だと思いますが、こういう問題もまだ研究開発を進めなければいけない段階にあると、パンフレットなどにはちゃんと明記をされておるその中で、民営で果たしてできるものかどうか。できると言っても、かっこうだけはできるかもしれませんが、安全にその操業が行われるものかどうかという問題が私まだ疑問があるものですから、民間で行う理由というものがまだはっきりのみ込めないわけなんです。この前も参考人がおっしゃいましたけれども、たとえば、現在やっている再処理工場の規模ですね、ただ六倍とか七倍に拡大するだけではだめなんだという御意見もあるわけです。これは臨界の問題として御意見があったわけなんですが、そういういろいろな問題がまだ山積をしているんじゃなかろうか。十何年後に操業が始まるというので将来の問題かもしれませんが、相当行き先の技術の開発も含めて、十分大丈夫だという見通しで恐らく十何年後ということを打ち出されたんだと思うのですけれども、その確認がまだされてない段階で急いでこれをやる必要もないんじゃなかろうか、もうちょっと技術開発が自信を持った成果を得る段階でこれをやられたらどうか、こういう気もするわけでございます。そういう意味で、再処理技術はもうすでにある程度見通しがついたのかどうか。これは輸入技術もあるかもしれませんが、その点をひとつお伺いします。
○政府委員(山野正登君) 再処理技術につきましては、現在採用されております方法というのは湿式ピューレックス法と呼ばれる方式でございますが、これにつきましては、すでに諸外国におきまして過去二十年間の実績のある技術でございまして、欧米におきまして現在商業技術として採用されておるものでございますし、アメリカは現在核不拡散上の問題から商業ベースでの再処理事業というものは中止いたしておりますが、同じ技術によって現在フランス、西独等においては稼働いたしておるわけでございます。 わが国におきましては、動燃におきましてフランスのサンゴバン社から技術導入をいたしまして、東海に実証工場をつくったものでございまして、すでに確立された技術として導入したものではございますが、何分にもわが国におきましては初めての技術でございますので、できるだけフランスから導入しましたこの技術をよく消化して自分のものにするようにする努力、かつまた将来に向けての各種の改善の技術、また先生が御指摘になりましたように第二再処理工場に技術を移転するに際しまして、スケールアップ等を含めたもろもろの問題についての技術開発といったふうなものもあわせ行っておるわけでございまして、この動燃工場の建設並びに運転を通じまして、先ほど申し上げました実用化されておる再処理技術というものがわが国に定着し得るというふうに考えておるわけでございまして、将来民営で行います再処理工場と申しますのは、この動燃に確立されました技術をできるだけスムーズに移転いたしまして、このための手だてというのも別途いろいろ考えておるわけでございますが、実際に工場建設に着手いたします数年後までにはしっかりした計画あるいは設計といったふうなものは十分にできるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○松前達郎君 将来の問題として、数年後にその技術がしっかりしたものができるであろうという予測のもとにやられることになると思うのですけれども、その辺がどうもなかなかのみ込めない面があるのです。 しかし、その他の面で、民間で再処理工場を建設するという、その工場の建設期間と、いま考えておられる操業開始時期というのは、一体いつごろになるのであろうか、それについてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(山野正登君) 第二再処理工場の建設の計画につきましては、いま電気事業連合会の準備組織であらましのデッサンをしておる段階でございますが、過去その組織が検討しました成果というものを見てみますと、大体建設に着手いたしまして——建設着手と申しますのは、具体的な候補地点の調査に入りまして以降、大体十三年ぐらいで運転開始に持ち込み得るといったふうな計画になっております。したがいまして、ただいまから具体的な準備作業に入ったといたしますと、大体昭和六十五年前後には運転開始に持ち込み得るというふうに考えております。
○松前達郎君 そうしますと、この法案の条項にあるんですけれども、再処理の事業を行おうとするものは内閣総理大臣の指定を受けるために申請をしなきゃいけない、こういうふうにあるわけです。申請書の内容にはどういうことが記載されるかというと、「工場又は事業所の名称及び所在地」というのがあるわけです。所在地を決めてから申請しなきゃいけない、こういうことなんで、もしかこれをやることになった場合に、真っ先にやらなきゃいけないのは所在地を決めることじゃないか、こういうふうに思うんですが、いまのプログラムからいきますと、もうすでにある程度所在地を決めてないと、いまおっしゃったようなスケジュールで進まないんじゃないかという気もするんです。所在地を決めるのに相当時間がかかるんじゃないかと私は思うんです。この前もちょっとその点は同僚議員からお伺いしていると思いますが、その点いかがでございますか。
○政府委員(山野正登君) 具体的な候補地点の選定と申しますのは、先ほど申し上げましたように、この法案が成立しまして再処理会社が結成されました後から着手するわけでございますので、決まりますのはそれ以降になるわけでございます。実際には三、四年かかるかと考えております。 〔委員長退席、理事藤原房雄君着席〕 先生がいま御指摘になりましたこの規制法との関係でございますが、規制法に基づく安全審査の申請をいたしますのは五年目ぐらいを考えておるわけでございまして、当然それまでには具体的な立地地点を決め、その具体的な立地地点に基づく基本設計を終了して安全審査を申請するという運びになろうかと考えております。
○松前達郎君 その再処理工場を建てる地点というのが、やはり一番重要な問題として今後上がってくるんじゃないかと思うんです。 そこで、今度法案の中に入っていきますが、この法案を見てみますと、ちょっとまだ理解できないというか、はっきりわからないところがございますが、これは何条になりますか、四十四条の二項の四ですか、「再処理施設の位置、構造及び設備並びに再処理の方法」というところがあるわけなんですが、これと対応するものとして、四十四条の二の第三項、ここには、それぞれ内閣総理大臣が承認をする場合においての意見を聞かなければいけない。すなわち「原子力安全委員会の意見を聴き、これを尊重してしなければならない。」、こういうふうなこととの関連があるわけなんですが、その中に再処理の方法が入ってないような気がするのですが、その点いかがですか。「内閣総理大臣は、前条第一項の指定又は同条第三項の承認をする場合においては、あらかじめ、第一項第一号、第二号及び第三号に規定する基準の適用」これは原子力委員会。さらに技術的能力の部分については、「及び第四号に規定する基準の適用については原子力安全委員会の意見を聴き、これを尊重してしなければならない。」こういうふうにあるのですが、その処分について、処分の問題、再処理の方法については、これはどうなんですか、意見を聞くことにやっぱりなっているんでしょうか。
○政府委員(牧村信之君) 再処理事業者が再処理事業の指定を受けようといたしますと、今回の法律改正をお認めいただきますと、二項の規定に基づいて再処理事業の指定の申請を内閣総理大臣に提出されるわけでございます。その際に、先生御指摘の四十四条の二項にございます申請事項を記載したものが提出されるわけでございます。これに基づきまして、先生御指摘の安全審査が処理の方法ということに関連いたしまして行われるわけでございます。 まず、「再処理を行う使用済燃料の種類及び再処理能力」並びに「再処理施設の位置、構造及び設備並びに再処理の方法」、これに加えまして「再処理施設の工事計画」というようなものが出されておりますので、それを行政庁がまず審査いたしまして、そのうち技術的能力並びに再処理施設の位置、構造及び設備が災害の防止上支障ないかということにつきまして安全委員会の安全審査にかかるという形になっておるところでございます。
○松前達郎君 そうしますと、ちょっと私の持っている資料で、ページで言った方が早いかもしれません。違う資料だとページが変わっているかもしれませんが、第四十四条の二の四に「再処理施設の位置、構造及び設備が使用済燃料、使用済燃料から分離された物又はこれらによって汚染された物による災害の防止上支障がないものであること。」こういう条項があるわけですね。それと第四十四条第二項六には、これは対応するかどうかちょっとよくわかりませんが、「処分の方法」が書いてあるわけです。六に「使用済燃料から分離された核燃料物質の処分の方法」、それがこっちに入っていて、この四の方には「分離された物」とは入っていますが、「処分の方法」が入っていない。その点はいかがですか。
○政府委員(牧村信之君) ただいま若干説明が不足しておりまして申しわけございませんでしたが、 〔理事藤原房雄君退席、委員長着席〕 確かに「使用済燃料から分離された核燃料物質の処分の方法」の記載したものが申請書にくるわけでございます。そこで、これの中身といたしましては、再処理によって使用済み燃料から当然プルトニウム並びに残存ウランが出されるわけでございまして、事業者がそれをどういうふうに処分することを考えているかということを内容に記載させるわけでございます。そこで、主としてこの点につきまして、安全委員会並びに原子力委員会がどういうふうな関与をするかという御指摘でございますが、審査に当たりましては、まず一番重要なことは、こういうような処分の考え方が平和利用の目的にかなったことを考えておるかどうかということが現実的には一番重要な問題であると私ども考えておるわけでございます。したがいまして、その大部分のことは原子力委員会におきまして、この事業者が指定を受けて考えておりますこの処分の方法についての考え方について、平和の目的に限ってそれを利用していくあるいは処分していくという考え方を持っておるか、これを原子力委員会が審査することになろうかと思います。当然そういうことでございますので、保障措置の問題あるいは核物質の防護の問題等も、この件に関連いたしまして指定に当たりましての原子力委員会の審査が行われることになると考えておるところでございます。
○松前達郎君 そうしますと、いまおっしゃったことは、処分の方法等も含めて原子力委員会もしくは原子力安全委員会の意見を聞くということに解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(牧村信之君) はい。
○松前達郎君 それともう一つ、これはちょっと読んでいて、ごろが合わないと思うのですが、「これを尊重してしなければいけない。」というのは、どうも日本語的にうまくないんじゃないかと思いますが、これは文章上の問題ですからここでは申し上げません。 その再処理の問題の中で、私いま処分の問題と盛んに申し上げたのは、やはり最終処分の問題というのが大切な問題じゃなかろうかと、原子力平和利用、そしてその中でこれをエネルギー生産に使うということ、そこまではいろいろと一生懸命考えるんですが、それじゃその最終的に出た廃棄物ですとか、そういったものを一体どう処分するかという問題、これをやはり確立をしていかなきゃいけないんじゃなかろうか。これまたいろいろ国際会議等でも論議されているんじゃないかと思うんですが、この最終処分の方法について現時点で技術的な確証を持った技術あるいはその方法があるのかどうか、その点ひとつ。
○政府委員(山野正登君) 御指摘の高レベル廃棄物の処理処分の問題、大変大事な問題でございますが、わが国としましては、昭和五十一年に原子力委員会が定めました基本方針がございまして、その基本方針にのっとって進めておるわけでございますが、基本的な方向としましては、この高レベルの廃棄物につきましてこれを固化処理をする、ガラス固化技術によりまして固化処理をしまして、これを最終的には地層に処分をするというふうな方向で現在対処しようとしておるわけでございますが、この方向につきましては欧米の各国とも大体同じような方向で考えておるわけでございまして、研究開発の進展の度合いにつきましてはいろいろ差異はございますが、最も進んでおりますのはフランスでございまして、フランスの場合は、固化処理につきましてはすでに工学試験規模でのホット試験、つまり実用規模でのホット試験というのを現在実施中でございます。今後このホット試験の結果に基づきまして実証工場をつくっていくといったふうな運びになるのではないかというふうに考えております。 それから、同じくフランスで、処分につきましては、花崗岩層について地層の調査あるいはサンプルの熱的特性等の試験を行うといったふうなことをやっておるようでございまして、先ほども申し上げました基本的方向というのは、このフランスを含め欧米各国同じ方向で努力をしており、かつ現在、申し上げましたように、フランス等におきましては相当技術開発も進んでおりまして、十分に技術的な見通しはあるというふうに考えているわけでございます。 わが国の場合、もう一度振り返って考えますと、大まかに申し上げまして今後十年ぐらいのうちに固化処理技術についての実証を行い、また処分につきましては今後三年ないし五年ぐらいの間に方向づけをしまして、昭和六十年代にはこの処分技術の実証をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○松前達郎君 この処分の問題も将来の開発にまつというような感じになるわけなんですけれども、これもやはりいやおうなしにやっていくと、どうせこういった原子力開発をやっていけばそういう廃棄物が出るんですから、これをどう処分するかというのは初めからもう懸案として出ていた問題なんですね。これについてもやっぱりもっと積極的な研究開発を急いでやるべきじゃなかろうか。恐らくこの時点でまた大きな問題が出てくるはずなんで、技術のいわゆる何というんですか、ペーパープランだけじゃなくて、やっぱり確証をしておかなきゃいけない、こういうふうに私思うんで、その点をいま質問したわけなんですが、廃棄物と同時にプルトニウムもできるわけです。「再処理施設が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと。」、まあ施設は平和の目的以外に利用されないということはわかりますが、でき上がったプルトニウムはどうなるんだろうかという問題が出てくるわけです。再処理後の核物質が厳重かつ安全に保管されることに対しての保障というものですね、これについて法律案の中にはそこまでは一盛り込まれていないわけなんですけれども、再処理工場ができれば当然この問題が出てくるので、その点はいかがでしょうか。これは核ジャックとかいろんなことも考えられますけれども、特にプルトニウム、こういうものをどういうふうにして保管しておくのか。また同時に、その時点で新しい新型の炉が開発されてそれに用いるんだとか、そういうタイムスケジュールが——現在の増殖炉その他の開発も行われているわけですから——あって、それに使っていくのか、その辺の問題は一体どうお考えになっているかです。
○政府委員(山野正登君) まず私の方から利用計画という側面からの御答弁を申し上げますが、わが国で再処理事業を行うというのは、かねがね申し上げておりますように、ウラン資源を最大限に有効活用しよう、つまりプルトニウムというものの利用を図らないと、国内にウラン資源のないわが国としては原子力の平和利用というものを進めるわけにまいらないという事情によるものでございますので、裏を返しますれば、今後再処理事業から出てまいりましたプルトニウムというものは最大限にこれを活用していくということでございます。今後このプルトニウムを活用する炉としましては、ただいま動燃におきまして開発中の高速増殖炉への利用というのを私ども本命に考えておるわけでございまして、大体今世紀末あるいは遅くとも二〇一〇年ぐらいまでにこの高速増殖炉の実用化を図ってこれに投入してまいりたいと考えているわけでございますが、この高速増殖炉の実用化の遅い早いによりましては、別途あわせて開発をしております新型転換炉ATRへの利用というものも考えざるを得ないわけでございます。また、さらにこれに加えまして軽水炉へのプルトニウムリサイクル、いわゆるプルサーマルという形での活用も考えなければならないわけでございますが、私どもが現在ある前提を置きまして試算しております結果によりますと、大体今世紀中は研究開発用の高速増殖炉あるいは新型転換炉といったふうなものに加えまして、もし高速増殖炉の実用化がおくれました場合には、相当数の新型転換炉並びに軽水炉にプルトニウムを利用するという形で考えますと、昭和六十五年あるいは今世紀末の昭和七十五年という時点をとって考えますと、大体大まかに申し上げまして、プルトニウムの需給はバランスし得る。つまり、使い残りがたくさんあって倉庫に多量のプルトニウムが眠ってしまうといったふうな形にはならないだろうというふうに考えておるわけでございます。これは、利用面から今後プルトニウムの需給はどうなるかということを申し上げましたわけでございますが、その量が少ないとはいえ、わずかながら貯蔵されたものと申しますのは、これは別途事業者の格段の注意に加えまして、規制法で厳重に管理をしていくというふうなことになるわけでございます。
○松前達郎君 そうしますと、いまのATR、FBRが開発されて燃料を装入する時期にちょうど再処理工場の生産が合致するという御計画である。実際ATR、FBRの進捗状況というのは現実的にはどうなんですか、最初の計画どおりに進んでおるんですか。
○政府委員(山野正登君) ただいま申し上げましたプルトニウムの需給バランスは、単に第二再処理工場から出てまいりますプルトニウムのみならず、すでに運転に入っております動燃の再処理工場並びに従来イギリス、フランスに役務委託をいたしております再処理等から出てまいりますプルトニウムすべてを含めて申し上げておるわけでございます。 したがいまして、昭和六十五年ぐらいまでに出てまいりますプルトニウム、つまり動燃の再処理工場と海外委託分から出てまいりますプルトニウムというのは、これは高速増殖炉並びに新型転換炉及び軽水炉への利用等、すべて研究開発用に使われることになろうかと思います。昭和六十五年前後に第二再処理工場が運転開始に入りまして以降、この第二再処理工場から出てまいりますものを含めたプルトニウムというのは、これは軽水炉への実利用あるいは、先ほど例示的に申し上げました、ATRが実用化されております場合にはATRへの実利用並びに高速増殖炉の実用前段階のものへの利用といったふうなことになろうかと思います。
○松前達郎君 ATR、FBRの開発が順調にいってということをお伺いしたんですけれども、最初の計画と開発の進行——現在まだ計画だけのものもありますけれども、それについて計画並びに建設、実験関係も含めて順調に進んでいるのかどうかをお伺いしたがったんです。
○政府委員(山野正登君) そもそもから申し上げますと、正直に申し上げまして、高速増殖炉と新型転換炉の開発計画というのは大幅におくれております。私どもとしましては、これ以上おくらせないように鋭意努力をしておるわけでございまして、高速増殖炉について申し上げますと、まず実験炉の「常陽」は、昭和五十二年に臨界に達したわけでございまして、現在おかげさまで成功裏に運転を続けておるわけでございます。これに続きます原型炉の「もんじゅ」につきましては、昭和六十年ないし六十一年ごろの運転開始ということを目標に現在諸準備を進めておるわけでございまして、そういう意味におきましては、現在高速増殖炉の開発は順調に進められておると言えるかと思います。 それから新型転換炉の方につきましては、これも原型炉「ふげん」が現在順調に運転を続けておるわけでございまして、私どもとしましては、将来この高速増殖炉実用化の時期いかんによっては、新型転換炉を実用化する必要があるわけでございますので、それに備えまして、現在運転中の「ふげん」の運転実績といったふうなものも参考にしながら、実証炉の設計、詳細設計というものの準備を進めておるという運びになっておるわけでございまして、このまままいりますれば、昭和六十五年、つまり第二再処理工場が運転開始をします時点以降ぐらいには新型転換炉の実用化というのは図れるのではないかというふうに考えております。 もう一度まとめて申し上げますと、一番最初にこの両計画がスタートしました時点の計画からは大幅にずれておりますけれども、現在の開発状況というのは順調に進んでおると、こういうことかと存じます。
○松前達郎君 結論的には最初考えた計画どおり進んでいないと。その点と、それからやはり再処理工場の建設についても、立地の問題とかいろいろな問題で、恐らく相当問題がまだ今後残ってくるのじゃないか。なかなかこれも十何年先に建設されるかどうかもちょっと見当がつかないような気もするのです。しかし、先ほど冒頭に申し上げましたように、ただ安易に経済コストの面からだけ考えて、あるいは集中的に電力生産ができるという面で原子力発電が一番手っ取り早いんだというふうな考え方は私は余りいただけない。先ほど申し上げたように、あらゆる努力を多様化を図っていく時代ではなかろうかと、こういうふうに考えるわけなんです。 特にその中で、これは私の個人的な考えなんですから、果たしてその考えが適当であるかどうかわからないのですが、最近いろんな情報を集めてみますと、人体への放射線の影響というのが、被爆したその線量でもって論議をされておるのですけれども、線量ももちろん重要であると思いますが、それ以外にガス状のものですね、ガス状の放射性物質、これがどうもくせ者じゃないか。これは専門の放射線医学関係の人とも今度いろいろと話し合ってみなければいけないと思うのですが、ただ線量だけで決める以外の何かファクターがどうもありそうだと。たとえば、これは報道によれば、アメリカのニューヨーク州で放射性廃棄物処理場から放射線がリークするという問題があった、そしてその付近にがんの発生が報道されておるわけです。これも、ただその辺がちょっと多いというだけじゃなくて、十倍の発生率だと。これについても、ただ単に放射線がリークをしてということだけではなくて、何かガス的なものが体の中に吸い込まれて、それが影響をしているんじゃなかろうかと私は推察をいたしているんです。がん発生が必ずしも全部ではないんですが、そういった人体への影響に対する放射性ガスとの関連という問題これはやはり今後大いに検討していかなければならないのじゃないか。原研あたりでもこういった問題をテーマとして取り上げて、やはり衆知を集めて検討する必要があるんじゃないかと私は思っておるわけなんです。この再処理工場の場合も、放射性廃棄物の中にガス状の廃棄物があるのかどうか、その点をちょっとお伺いします。
○政府委員(山野正登君) ガス状の廃棄物もございます。
○松前達郎君 そうしますと、そのガスの廃棄物というのはどういう姿で排出されるのか。
○政府委員(牧村信之君) 再処理工場から出てまいりますガス状は、ただいま原子力局長がお答えしたクリプトン、キセノンあるいはヨードがその大部分であると思います。これらのものはガスの廃棄の処理場に参りましてある一定期間貯留されまして、減衰を待って、規定値の濃度以下にコントロールいたしまして大気に放出されるわけでございます。その大部分であるクリプトン、キセノン、場合によりましては若干のトリチウムと申しますか、あるいは水の蒸気、こういうものも含まれようかと思いますが、これらの核種は、先生先ほどの御指摘ではございますが、べータ線を出す核種でございまして、比較的人体への被曝というものは少ないものとされておるわけでございますけれども、現在動燃事業団におきましてはこの捕集を徹底的にやろうではないかという技術開発計画が進められておりまして、クリプトン、キセノンの除去ということを近く——施設が現在建設中でございます。これらの施設が完成いたしますと、現在の規制値よりもさらに低下し得るものというふうに考えておるところでございます。
○松前達郎君 確かにそのガス状のものをある程度蓄積して、放射線の強さといいますか、量といいますか、それが少なくなってから出すというのは一つの手段ですけれども、私が考えたのはそういうことじゃなくて、ただ数値が少なくなったから外へ出すという問題ではなくて、人体への影響というのは数値と余り関係のない何らかの作用があるんじゃないかという——これは個人の予測ですが——したわけなんで、その点はまたいずれ各方面とも打ち合わせしていきたいと思うんです。 そこで、この規制法に関しては、規制法といいますか、いまの、現在の法律に関してはそのぐらいにいたしまして、これは民間企業が第二工場を建設するということですからそれとの関連があるんですが、原子力基本法の中に公開の原則があるわけです。原子力基本法の第二条に「その成果を公開し、」というのがあるわけです。これについて、「成果」というのは一体どういうふうに解釈されておるか。これは民間企業がやる場合には当然憲法の財産権の問題もあって、企業秘密という問題が関連してくるんですね。そういう意味でいまお伺いするわけですが、まず最初に、その「成果」というのは一体どういうふうに解釈されておられますか。
○政府委員(山野正登君) 研究開発の活動を考えますと、その研究開発活動の途中経過におけるものではなくて、最終の研究開発の成果、そのような意味ではないかと考えております。
○松前達郎君 そうしますと、最終的なものだということですね、開発の状況の途中の段階のいろんな情報ではないということをおっしゃったわけなんですが、この場合たとえば企業秘密との関連ですね、企業秘密であるから公開できないと、これは恐らく民間企業がやれば当然そういう問題が起きてくるわけなんです。その点について、やはり企業秘密であればこの場合も公開をしなくてもいいと解釈されておるのかどうか。
○政府委員(山野正登君) この「成果の公開」という規定のゆえんを考えてみますと、まず一つは原子力開発利用をするに当たりましてその平和利用を担保しようということと、あわせて研究開発の成果の公開によりまして広くこの成果の活用を図ろうと、両用の目的が背後にあるというふうに考えられますが、そういう意味で、できるだけこの成果というものは制限なく公開することが望ましいというのが私はやはり大原則であろうかと思いますが、別途、財産権の保護という意味で先生御指摘の商業機密というものも尊重しなければならない、そういうことで、この商業機密の保護という問題と公開の原則との調和点というのはやはり探し求めなければならないわけでございますが、その際に商業機密の美名に隠れて不必要に非公開にするといったふうなことは厳に慎むべきであると考えておりますし、現在基本法で規定されておりますのは、これは政府機関のみならず民間も等しく守るべき原子力開発利用上の大原則ということで決められておるわけでございますので、民間企業におきましても十分にこの精神にのっとって活動してもらえると思いますが、別途私どもも十分な指導をしたいと、こういうふうに考えております。
○松前達郎君 あと二つほどお伺いして終わりにしたいと思いますが、その一つは西ドイツのゴルレーベンの再処理工場の建設計画を西ドイツは延期をしましたが、これはいろんな理由があると思うんですが、新聞報道を見ていると、以前に伺いましたわが国におけるいま計画されております民間での第二再処理工場の建設に関する費用とこのゴルレーベソの再処理工場の規模はそんなに変わらないと思うんですが、新聞で見ました建設費用と相当の開きがあるんで、その辺がどうなっているのかよく私にはわからないんですけれども、このゴルレーベンの建設予定であった再処理工場の計画延期についてそちらの方に何か情報が入っておりますですか。なぜ延期したか、それから建設費用が大幅に違うのがちょっと理解できないんですけれども、その点。
○政府委員(山野正登君) まず、第一点のこの建設費の方でございますが、わが方で計画しております第二再処理工場は、従来申し上げておりますように、大体現在価格で四千億円ないし五千億円程度の資金が必要でございましょうと御説明申し上げておりますが、ゴルレーベンのプロジェクトの概要によりましても、大体規模としましては第二再処理工場と同規模、年間千四百トンばかりの再処理を予定いたしておるようでございますが、これの建設費はこれは現在価格であろうかと思いますが、大体四千四百億円という数字が私どもの手元にございます。ただ、これに将来の借り入れに伴う利子でございますとかインフレ等、将来この費用をエスカレーションを入れまして展開しまして合算した合計というのは一兆円を超える数字も別途ございますので、これは両用の数字が出ておるようでございます。一兆円を超える数字をごらんになる方は、これは非常にわが国の計画に比べれば過大ではないかといったふうな御印象もあろうかと思いますが、いま申し上げましたような算定の基礎の違いに基づくものでございますので、私どもの理解では規模も建設費もほぼわが方のものと似通ったプロジェクトであるというふうに理解いたしております。 それからゴルレーベン計画が延期された理由でございますが、これは私どもが入手いたしております情報によりますと、一つの理由は、予定いたしておりますニーダーザクセン州の州内における地元住民の合意がまだ得られていないということ、それから政治的な前提条件が満たされていないと、そういったふうな表現を州の首相はいたしておりますが、この二つの理由を挙げまして、再処理施設の建設計画については当面州としては認可しない方針を打ち出したと、このように承知いたしております。
○松前達郎君 じゃ最後になりますが、先ほどちょっと外務省にお伺いしたことなんですが、周辺国における核開発というのが、わが国が原子力を平和利用だと言って、一生懸命こう平和、平和と言いながらやっている中で、周辺の方はどうもそんなことを考えないらしいんですね。原子炉も導入していく、そしてその結果プルトニウムもできてくる、しかもそれを核兵器として利用するおそれがあると、こういうふうな問題が最近出てきておるわけです。さっき外務省には国の名前を挙げませんでしたけれども、たとえば韓国の太田と書いているところに、あるいはそういった再処理施設その他があるんじゃないかと私は思うんですが、フランス人には立ち入らせても日本人には見せないというふうな地域があるというのを聞いておるんですけれども、恐らくこういう問題が今後各国で出てくるんじゃないか、そうすると、極東地域における核管理国という立場に日本が置かれてくるんじゃなかろうか、この再処理問題を推進するんだとすればそういった面まで考えておかなきゃいけない問題じゃないかと思うんです。隣の国のことなんですが、韓国までは非常に近いです。もう飛行機だと一つ飛びで行ける。この韓国における核開発に関連した情報というのを入手されておりますか。これは科技庁の方で入手されておるかどうか、それをお伺いしたがったんです。
○政府委員(山野正登君) 韓国における原子力発電所の建設状況といったふうな情報は私ども持っておりますが、ただいま先生御指摘のような情報というのは持っていないわけでございます。 で、私一般論として申し上げたいと思うのでございますが、御指摘のように、平和利用を進めるに際しまして核不拡散の確保ということはきわめて重要な問題でございまして、これは各国々の自覚にまつことに加えまして、やはり各種の国際的な枠組みによります規制の努力によっても確保しなければならないというふうに考えておるわけでございます。 先生御承知のように、昭和四十九年のインドの核爆発実験以降、たとえばロンドン協議でございますとか、あるいはPP条約の起草のための委員会でございますとか、あるいはNPT見直しの会議であるとか、さらに最近におきましてはINFCEの努力といったふうな各種の不拡散の努力というのが国際的に行われておるわけでございまして、そういった場にわが国も積極的に参加しまして、できるだけ平和利用を損なわない、しかも不拡散は十分に担保する、そういった技術的な制度的な枠組みといったふうなものをつくり上げて、先生御指摘のような不拡散というものを確保しなければならないというふうに考えております。
○松前達郎君 これで終わります。
○委員長(塩出啓典君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩をいたします。 午前十一時三十三分休憩 —————・————— 午後一時三十三分開会
○委員長(塩出啓典君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤原房雄君 この法案の審議も大分審議の時間が重なってまいりまして、私もその都度いろんな問題について政府の見解を問いただしてまいったわけでありますが、御存じのとおり、東京サミットを中心といたしまして、エネルギー問題というのは非常に重要な問題としてここでも討議をされるだろうという、国際問題として非常に大きなウェートを占める今日、日に日にいろんな問題が提起されておる。またアメリカにおきますスリーマイル島事故、これをめぐりまして原子力に対しますいろんな角度からの論議、また諸外国におきましても、原子力発電をめぐりましてのいろんな問題が起きているようでございます。そういうことですから、議題になっておりますこの法案の審議、これから外れるつもりはないのでありますが、同じ原子力に関連する問題として最初に若干御質問をいたしたいと思うのであります。 これはもう以前にも同僚議員からも一部お話にございましたので深く追及するつもりもございませんし、また後日改めてしかるべき方にただしたいと思っておりますが、最初に大臣にお聞きしておきたいと思うんでありますが、原子力発電をめぐりましての原子力エネルギーの問題につきましては、これはもう長々申し上げるまでもなく、日本の国というのは資源からいきましても技術的に言いましても、また国際間の問題にいたしましても、日本独自でこれが突っ走るということはできませんで、特に国際関係にありましては日本とアメリカとの協定もございまして、そういう制約の中でこれは進められるということであります。こういうことで、過日、大平総理大臣もアメリカへ参りましてカーター大統領とのお話もあったわけでありますが、私どもは、やはり自主的な技術開発、そしてまた日本の国の資源のない現状からいたしまして、原子力の利用というものはどうしても必要だということについての私どもそれなりの認識はいたしているわけでありますが、やはり国際的な協定といいますか、特にアメリカとの中でのこういう制約なりいろいろな中で考えなきゃならぬということで、このたび大平総理大臣がアメリカへ参りまして、いろいろな問題を話し合ったと思うんでありますけれども、率直なところ閣僚の一員として、アメリカへ行ったいろいろないきさつ等については十分大臣も御承知のことと思うんでありますけれども、日本のこういう現状については十分な理解を示すという、まあ抽象的な言葉では新聞等では報じられておりますけれども、その間のことについてはどのようにお聞きになっていらっしゃるのか、その間のことをひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(山野正登君) 先般、大平総理が訪米されました際に、日米両首脳がいろいろお話し合いになりました中に原子力問題もあったわけでございますが、この際は一般論といたしまして、原子力の平和利用を進めるに当たって核不拡散強化ということもあわせ行おうと。つまり、平和利用と不拡散の強化、両方の道を相ともに進めていこうといったふうな共通の認識が確認されたということでございまして、今般は両国首脳の会談でございますので各論には入りませんので、そういう大きな姿勢と申しますかスタンスと申しますか、そういったふうなことが確認された。あわせてスリーマイルアイランドの関係もあるわけでございますが、原子炉の安全性と信頼性を高めるための共同研究もさらに今後一層拡大していこうという点についても意見の一致を見たといったふうなことになっておるわけでございます。 したがいまして、先生が御指摘のように、今後わが国が東海再処理工場を運転するにしましても、また先々再処理を含めいろいろな原子力活動を進めるにつきましては、核不拡散という観点から、日米協定上、米側といろいろ協議をする場があるわけでございますが、そういう際に、先ほど申し上げました日米両国首脳の基本的な認識というものに基づいて私どもはこれから処してまいると、そういうふうなことになろうかと考えております。
○藤原房雄君 この共通の認識の上に立って、これはトップレベルの方のことでありますから、そこから事務レベルのいろんなお話し合いが進むんだろうと思います。今後の推移というのは、私どもの審議するこの法案については非常に影響の大きい問題でございますので、今後どういう手順で事務レベルでの話し合いというのは進められていくのか、この間の手順とか、スケジュールといいますか、お述べいただきたいと思います。
○政府委員(山野正登君) 日米間におきましては、絶えず情報の交換等をしまして理解を深めております。これは原子力問題に限定してみましても、本年に入りまして以降もしばしば事務レベルで先方の担当者が日本に参りました際、あるいはわが方の担当の者が米国を訪問しました際、あらゆる機会を通じて意思の疎通を図り、相互の理解を深めておるというふうな状況にあるわけでございます。 具体的に申し上げますと、一つは、まずこれからやるべきことは、東海の再処理工場の第三年目以降の運転についての日米の協議でございますが、これも早急に協議を始めまして、ただいまの一昨年共同決定をいたしましたところによれば本年の九月までの運転ということについて合意を見ておるわけでございますので、それ以降のことにつきましてもできるだけ早い機会に合意に達したいというふうに考えております。 それから、これは日米間に限ったことではございませんが、日米両国が参加しまして、INFCEの場におきまして、この再処理問題というのは第四作業部会で扱っておりまして、その場でもいろいろ両国を含めて鋭意検討しておるところでございまして、この成果というのは来年の二月に出てまいります。 そこで、INFCEの結果というのは、これは条約でも何でもないんで別段参加国をしばるものではございませんけれども、しかし世界の五十数カ国が参加して出す結論でございますから、今後日米間においても非常に大きな影響を及ぼすであろうということで、われわれとしましてはできるだけ日本の基本的な姿勢が反映できるように努力をしておるところでございますし、また現在の見通しでは十分に反映できると思っております。 そこで、そういったふうなことを背景にして、今後この第二再処理工場をつくること自体については別段米側の了解を得る必要はないのでございますが、しかし、また先々、たとえば現行の日米原子力協定がそのままいくとすれば、いずれ再処理をしますときには米原産のものについては米側とまた共同決定をするといったふうなことも遠い将来必要となるわけでございますので、そういったことに常日ごろから米側と意思疎通を図って理解を深めていきたい、このように考えておるわけでございます。
○藤原房雄君 いまお話ございましたINFCEの部会でのことについて報道されておりますが、これは今後それぞれ手続を経て、来年の二月ですか、総会までにということでありますが、今回の第四部会での決定というのは、わが国の立場から見ますと非常に結論としてもいいというか、こちらの主張が通ったようなことになるわけであります。そういう国が多かったわけですけれども、しかしアメリカの基本的な立場というのはやっぱり相当厳しい立場の主張があったというふうに言われておるわけであります。今回のINFCEの部会での討議、これらのものを通しまして、今後の見通しというのはなかなかむずかしいのかもしれませんけれども、現在の部会に対しての科技庁としての評価なり今後の努力といいますか、さらにまた国際的な日本の立場を貫くということでの決意といいますか、その間のことについてお伺いします。
○政府委員(山野正登君) INFCEの各作業部会の報告というのは、先生がいまおっしゃいましたように今月の末までにまとめまして、これを技術調整委員会というところに提出いたします。それで技術調整委員会で各部会の報告書を検討しまして、いろいろまたコメントをつけて差し戻す。その結果各部会がまたファイナルな報告をまとめまして、これを技術調整委員会に出し、技術調整委員会は来年二月の最終総会を目指して技術調整委員会としての報告をまとめていく、こういったふうな運びになっているわけでございます。 ただいま第四作業部会が今月末にまとめるべき草案というものにつきまして、実は今月の中旬、ウイーンにおきまして第四作業部会が開かれたわけでございますが、その案によりますと、これは残念ながら事前に公にするわけには国際信義上まいらないわけでございますが、非常に私どもに関心の深いポイントだけを二、三申し上げますと、一つは再処理とかプルトニウム利用をする基礎的な技術というのはもうすでに確立されておる。それから再処理を行う場合には経済性の観点からも、また核不拡散の観点からも、できるだけ大規模の工場の方がよろしい。それからまたウラン資源のない国、ちょうどわが国のような国でございますが、こういう国で、かつほかの代替案がないという場合にはウラン資源を有効利用するという観点から再処理をしてプルトニウムをリサイクルするというのは大変重要なオプションであろう、そういったふうなことが盛り込まれておりまして、そういう意味で、先生のおっしゃいますわが国の主張を貫く努力というのは相当満足すべき形で実を結んでおるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 ただ私どもは、これに加えまして、今後とも米側がINFCEのスタートの時点で主張しておりました核不拡散の強化という点については全く共鳴をしておるわけでございますので、INFCEが済みましても、さらにポストINFCEと申しますか、引き続いての国際的な努力の場におきまして、先ほど申し上げましたような内容の平和利用というものを進めていく一方、米側を含めて国際的に不拡散の努力というものは引き続き行っていかなければならぬというふうに考えております。 以上でございます。
○藤原房雄君 いま全貌についてはいろいろな事情があるようでございますが、挙げられた点についてはまことに日本の国にとってはありがたいといいますか、日本の国の今日までの主張が、努力があらわれたといいますか、日本の国にとっては非常に有利なことだろうと思いますが、冒頭に申し上げましたように、日本の国といえばこれは資源のない国で、いずれにしましても日本独自でできるものというのはございませんから、そういう観点からいいますと、国際協調というものも、また諸外国に対する理解を深めるということも、これは非常に重要なことでございまして、今後も一層日本の立場といいますか、この問題に対しての理解を深める努力をしなければならないだろうと思います。しかし、このたびのいろんな討議の中で、原爆製造への転換を防ぐ保障措置さえ安全であればということがあるわけでありますが、日本の国の国民としましては確かに原爆被爆国としての厳しい環境の中にあるわけでありますが、諸外国に対しましても、この日本人の心情というものをよりまた認識させるということとともに、私どもまたその理解を深めさせる努力もあわせてしなければならないだろうと思います。そういうことで、ひとつ今後の推移を見守ってまいりたいと思いますし、関係当局のまた御努力を賜りたいと思うわけでありますが、さて、今度東京サミットにおきましてもエネルギー問題というのは相当大きな問題になる、議題になるということがいろいろ言われておるわけでありますが、日本とアメリカとが日米科学技術協力協定というものを結んで今後の科学技術についての推進をしていこうということについて調印をしたということでありますが、これは直接核融合とかそういうものも入るんでしょうから、今後の推移についてはあれでありますが、これも非常に大事なことだろうと思います。で、ここでは核融合とか石炭の転換問題とかそのほか諸種のエネルギー問題について、技術的なことについて研究協力ですか、こういうことを進めていこうということなんだろうと私どもは思うのですけれども、これは担当はどこなのか詳しいことはわかりませんが、こういうことで科学技術の振興ということにアメリカとの協力協定を結びながら今後進めていく、また先ほどのお話にありましたのはスリーマイルの事故、こういうことについてより一層協力し合って技術的な面について開発していこうと、そういうことだろうと思います。いずれにしましても、自主技術の開発とともに、それぞれの国々の秀でたものを取り入れ、そしてまた共同研究をしていくということは非常に大事なことだろうと思うんであります。 そこで私は、今後の科学技術のあり方等について、まず最初に日米科学技術協力協定のことについて大筋、簡単で結構ですが、こういうことで進めていく考えだということをちょっとお述べいただきたいと思います。
○政府委員(山野正登君) 新しいエネルギーの研究開発に関する日米科学技術協力協定でございますが、これは協力の分野としましては、先生がいま指摘されました核融合、石炭液化、これに加えまして光合成、地熱エネルギー、高エネルギー物理、そういったふうなものが含まれておるわけでございます。 このうち、核融合と石炭液化というものを優先するということでございまして、私の所掌いたしております範囲で申し上げますと、核融合につきましては、わが方は原研、先方はエネルギー省の委託を受けておりますゼネラルアトミックという会社が中心になりまして、ダブレットIIIというものについての研究を進めていくわけでございます。今後十年間に約十億ドル程度のものが全体で見込まれるわけでございまして、必要であれば今後とも引き続きこの研究協力を当初の十年が済みました後も継続していこう、そのようなもくろみでスタートしたわけでございまして、恐らく今後は単にエネルギー分野に限定されませんで、幅広い科学技術についての協力といったふうなものも期待し得るというふうに考えております。
○藤原房雄君 それから、報ずるところによりますと、科学技術庁が担当だと思いますが、緊急冷却装置のことについて共同実験、これについてアメリカ、西ドイツ、こういうところと共同で実験をし、そしていろいろ進めていこうと、こういうことも言われておるわけですが、私どもは新聞に報ぜられるところしかよく理解しておらないのでありますが、いずれにしましても、こういうことで、わが国はわが国の自主的な技術開発ということで進める一方では、国際協調といいますか、協力関係を深く結んでいくということは非常に大事なことだろうと思いますし、また共通のその国々の問題であるわけでありますから、共同実験といいますか、こういう問題の推進というものも大事だと思います。 私はこういう何点か申し上げましたが、原子力は安全なんだということで今日まできたわけでありますが、しかしその神話が崩れ去ったといいますか、原子力にも事故が伴うということで、アメリカで起きた事故ではあったのでありますが、非常に大きな反省の材料と、そしてまた今後に対する真剣な見直し、また検討、研究、こういうものが強く叫ばれておるわけでございまして、アメリカ等におきましては非常に厳しいことが言われ、またスイス、諸外国におきましても原子力問題につきましては住民の方々の強い反対運動とともに、厳しい制約が加えられつつあるという現況であります。 それで私は、これからの科学技術の推進に当たりまして、やっぱり来年度の予算というのは非常に厳しいように言われておりますけれども、これはやっぱり今日の時点を踏まえて考えますと、科学技術の研究開発の推進というものが住民に対しての非常な安心感を与えるという面からいいましても、やっぱり相当な努力をしなければなりませんし、またお金もかけなければならぬだろう、こういうことで来年の厳しい予算、各省庁でいまそれぞれ御検討なさっているんだろうと思いますけれども、これはどうしても大臣に現時点のこの厳しい状況ということを踏まえていただきまして、この安全性確保ということを中心としまして相当な御努力をいただかなきゃならぬと私は思うんですけれども、大臣はそれなりの御決意のもとに現在検討し、そしてまた省庁に対しての強い御発言をなさる決意であろうと私は思いますけれども、その何十倍かもまた張り切っていただかなければいかぬと私は思うんですが、こういう諸情勢の中、いろんな問題になった最近のこの情勢の中で明年の予算を目指して大臣の決意なり、またお考えをちょっと伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(金子岩三君) 大変な御激励を受けてありがとうございました。 原子力行政につきましては、アメリカの事故以来大変な打撃を受けておるのが現況でございますけれども、科学技術庁の仕事全体としてはいままでの予算が他の省庁と比較しまして非常に少ない予算で今日までこの役所は仕事をしておったという認識を私ははっきり持っておりますので、ことしの七月、八月から始まる概算要求には思い切って計画を立てて、五十五年度は緊縮財政をとろうとして大蔵省は大変厳しい態勢で臨んでおります。それは、いままでわりと潤沢な予算を持って仕事をしておったところは前年度対比ゼロで結構だろうと思いますけれども、この科学技術庁関係の予算を見ますと、やはり一般の民間が七五%もいわゆる研究費を使って国が二五%しか持っていないということは、これは世界の先進国の中でずば抜けて一番予算を少なく持って仕事をしておる現況なんでございますから、少なくともここ二、三年のうちに他の国々とバランスのとれた、いわゆる一般の研究開発費を二分の一はやはり国費で賄うべきだと、こういう考え方に立って七、八月の概算要求には思い切った要求をいたしたいと、このように考えております。
○藤原房雄君 大臣の力強い決意のほどがわかりましたが、しかし壁は厚いですからひとつしっかりやっていただきたいと思います。 戦後、日本の復興のために何が大事かと言ってもエネルギーが大事だということで石炭産業に傾斜産業といいますか、石炭に集中してやった時代がございました。戦後復興のためのいろいろな施策はあったわけでありますけれども、それは時代の中で確かに石炭産業というものを柱として、エネルギー産業を中心として日本の復興の計画を立ててそれを推進したということは確かに誤りではなかったと私は思います。そのことだけでなくていろいろな要因もあるかもしれませんけれども、産業界としましてはそういう道を歩んで来たわけであります。いま大きくふくれ上がりました日本の産業、省エネルギーということも当然私どもは真剣に考えていかなきゃなりませんし、それなりの対策を講じなきゃならないことは、また立法府として真剣に取り組んでいかなきゃならないことは当然考えておりますけれども、しかし、これから建設しようとする原子力発電所もございますが、現在稼働している原子力発電所があるわけでありまして、その原子力発電所に事故が起きるということでありまして、これがアメリカでイギリスでフランスでドイツで、諸外国の技術を導入しておるだけにそれぞれの国々での問題が即日本の国の不安となってはね返ってくる、こういうことでありますから、やはり自主開発のために相当ひとつこの予算と研究開発に力を注ぎ、そうしてまた問題になりましたことについてはやはり最大の努力を払って、新しい技術の開発の中から二度と同じ轍を踏まない、事故を起こさない、こういうことでやっていけるような基礎的なまたその対応するだけの研究機関というものは、まあ現在これは原研や動燃事業団とかいろいろな形のものはあるわけですけれども、内容のより充実、そしてまたいろいろな諸問題に対応できる諸施設と陣容、こういうものも真剣になって取り組まなきゃならない時点に来たのではないか、私はそういうことを痛感するわけでございまして、前年対比で何%とかという日本のこういう予算の組み方とか、そしてまた来年度については伸び率がどうか、科学技術庁につきましては確かに本年度も他省庁から見ますと伸び率は大きいということでありますけれども、いま国際的にエネルギー問題が大きな問題となって、いずれの部門を見ましても日本の国には資源のないという現状の中で、この膨大なエネルギーを確保するためにはやっぱり技術の開発ということが最優先さるべきであり、そのことのためには国も全力を尽くさなきゃならないと、こういう考え方に立っておるわけであります。 そういうことで、いま大臣からお話ございましたが、今度の予算につきましてはもっとひとつ基本的な、基礎的なことを中心として、それから今後の安全対策につきましても、当委員会でもいろいろなことが論議されましたが、それは相当な技術者の必要とする監視体制とか定期検査、そのほかの検査項目、検査要員、機器そういうものに対しての要求というものでありまして、これは安全性確保という上から最優先されなきやならないことでありますので、今日までの日本の高度成長の中でいろいろなひずみといいますか、いろいろな問題があったろうと思いますけれども、まあ、何はさておいても科学技術の振興対策が最優先さるべきだと、このように私は思うのでありますけれども、大臣の所見を伺っておきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(金子岩三君) 先ほども私の現在の考え方を申し上げましたが、いろいろ資源のない国、特にエネルギー資源がないんでございまして、科学技術の力によってわが国は世界の列強に伍していくほかに道はないと、このように私は考えております。したがって、エネルギーの代替についてもやはり原子力発電を、もちろん大前提が絶対無事故、絶対安全性の確立というような体制を整えていきながら原子力発電の大きな飛躍を図らなければほかに道がないと、このように考えております。 したがって、原子力の研究開発についても——私は昨日、筑波の研究学園都市をちょっと視察いたしました。金属機材の研究所をのぞいてみまして、これが原子力発電の機器をつくるいわゆる材料だという説明を受けまして、その材質をいろいろあらゆる角度から顕微鏡で見て、将来これにひびが入るとかあるいは折損が出るとかいう憂いのある物をどんどん排除して、よりいい物をつくろうとして研究しておるのを見てきたんでございますが、私はやっぱりあれを見ましても、日本はもっと研究費に金をかけて、諸外国に頼って諸外国の物を入れるということは、もうこの辺で全部国産品に切りかえていくべきではないかと、やはり自分の国の力、自分の国の責任において原子力発電の一〇〇%の機器を提供して、いわゆる自立体制を整えるべきではないかというようなことを痛感してまいりました。それにはいま申されましたとおり、監視体制に人が要るということも当然でございますけれども、やっぱり研究員も足りないんじゃないでしょうか。私はそういう感じをしてまいりました。したがって、下邨審議官を連れていっていましたから、ひとつ人が足りないなら遠慮なく申し入れてくれと、研究に完璧を期するのには私はやはり人材、その人材の数も必要じゃないかということを痛感いたしましたので、そういうことも研究所長に話をしてまいったわけでございます。 そのようにして、やはり自主開発を原子力にせよ宇宙開発、衛星にしましても、やっぱり七〇%はいわゆる輸入機器によって組み立てられておるわけでございますから、こういうものもやはりその逆に七〇%までは国産品で組み立てるという体制に早く持っていくべきだと、このように痛感いたしております。 したがって、御指摘のとおり、何はさておいてやっぱり予算が物を言うわけでございまして、金がなけりゃ何もできないわけです。金があって初めて飛躍もできるわけでございますから、そういう面では御指摘のとおりの予算面で大いに五十五年度の予算編成にはひとつ努力を続けたいと、このように考えております。
○藤原房雄君 いま大臣のお話にございましたように、私どもあそこに視察に参りますと、大臣のおっしゃるように人が足りない、それからまた予算がないために古い機器を使っておるというところが非常に多いわけでございまして、大臣のおっしゃるとおりですよ。その眼で見てきたんですから、それを改善するためにぜひ御努力いただきたいと思います。 その面については以上で終わりたいと思いますが、ところで、大飯原発のことについて一応結論が出たようでございますね。一応原子力安全委員会の措置の文書もいただきました。しかし、通産省から大飯原発の改善指示というのが出ておりますね。これはどういう性質のものなのか。今後の運転再開についてはこういうことをこうするという、どのぐらいの期間があってこれらのものがなされるものなのか、今回出された改善指示のことについて、一項目一項目詳しい説明は要らないのですけれども、およそこういう性質のものであって、こういうことを意図したということを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃられましたように、大飯発電所の管理体制の再点検につきましては、五月十九日の原子力安全委員会におきまして、その内容について処置は妥当であるということを結論づけていただいたわけでございまして、それに基づきまして、通産省といたしましては関西電力に対しまして管理体制の再点検の中で特にこの点について留意する点を指摘しております。 内容は、全体で七項目にわたるわけでございますけれども、第一は運転員に対する保安教育訓練の強化をすること。それから第二が異常時における運転操作については指揮命令系統をより明確にすること。第三が日常巡視点検の重要性の周知徹底を講ずる。それから第四に運転中の非常用炉心冷却設備等の保修については、その保修を行うこと等についてあらかじめ通産省に連絡をするということであります。それから五番目に非常時の連絡体制の整備充実ということで、これを地方自治体に対しても連絡を密にすることということが内容になっております。それから第六番目が原子炉の停止時の処置ということで、原子炉が停止した場合に、その原因がどういうことになっておるのかということを詰めた上で、所長の承認を受けてから原子炉を動かすようにするということであります。それから七番目は、保安規定への明記ということで、従来保安規定には大綱が決められておりまして、細かい点については運転要領の方に任されておったわけでございますけれども、安全上非常に重要な問題については保安規定のいわゆる法的な定めの中に入れるということで格上げをいたしました。それが大体六項目ございます。 そういうことで七項目ございますが、特に運転員に対する保安教育という点で、これは安全委員会からも特に御指摘をいただきまして、私たちとしても一番最重点として考えております。内容といたしましては、運転当直長、それから運転副当直長というような監督者の責任、権限というのは非常に大きいわけでございますので、それの管理能力ということを特に重点を置くということでございます。そういうことで再訓練、それから再教育ということの強化の徹底を図ることが大事であるということでありますし、またもう一つは運転直内のチームワークが非常に重要でございますので、訓練センターとか、それから模擬訓練とかいうことによりましてそのチームワークの機能が十分発揮できることを確認するということを主眼にしております。 それから運転員の資質の維持向上ということでございまして、これはいろいろな意味もございます。待遇をよくするという意味もありますし、また運転員に採用するときのいろいろなテストという問題もありますし、資格という問題もあろうかと思います。そういう問題もあわせまして、これは社内の問題として考えるという意味でありますが、これは国家的な制度として考えるかどうかということはまた別の問題として考えたいと思いますが、とりあえず社内において十分な資質の向上ということが維持できるようにするということでございます。 簡単でございますけれども、一応概略申し上げました。
○藤原房雄君 私ども原子力発電所のございます市町村に参りましていろいろのお話をしますと、また当委員会でもいろいろな話があるわけですが、故障と事故ということですね。これは住民から言うと、大きな故障と見られるようなことがあっても、それは事故というような——事故と故障ということの定義づけというのはいろいろな方々の立場によってお話があるようでございますが、事故というのはどっちかというと故障より大きいわけですし、それなりの影響力もあるわけです。ほかの機器ですと、その機器の故障ということによって生ずる影響というもの、これは相当高圧高温の場合ですと別ですけれども、原子力発電所の場合については、特に故障と事故というものを明確にいたしませんと、報告ということについて——過日以来この委員会でもどんな小さいことについても全部報告をさせるようにしておるのだということでありますけれども、住民からすると、往々にして相当時間が遅くなってから、後になってから知らされるということで、そんなことがあったのか、そういうことで、絶えず小さいことでも報告を受け取る。特に地方自治体の責任者の方々ですと、それなりの心構えと言いますか、あるのですけれども、ある日あるとき過去の話を言われたということになりますと非常にショックを受ける。企業の中には公開の原則とは言いながらやはりわれわれに話をしないようなことがあるのではないか。こういうことで今回の大飯原発の検査をしていろいろなことを改善することになった、保安教育を中心としてということのようでありますけれども、これはこれで結構でありますが、一般的に原子力発電所等における故障と事故ということについて寸これは科技庁か通産省かどっちになるのかわかりませんが、どういうように定義づけして考えていらっしゃるのか。これはきちんと線を引くというのはむずかしいのかもしれませんけれども、一応の考え方を承っておきたい。
○政府委員(児玉勝臣君) 通産省といたしましては、これは電気事故報告規則というのがございまして、それで従来電気事故のすべての事項を報告させるということにいたしておりますが、はっきり明文にした省令というかっこうにはなっておりませんけれども、私たちがいままでやってまいりましたのは、一つは事故というのは被害があるもの。要するに人的、それから主要工作物の被害、その機能が失われることでありますけれども、それからたとえば停電ということで電気が供給できない。大まかにいきまして、人々のいわゆる感電死傷事故、主要工作物損壊、供給支障、その三つが大きくいきまして事故と私たちは言っておったわけでございます。それ以外のものにつきましては、これは故障でございまして、故障につきましては、その都度の報告は要らない、月報も要らない。月々のトラブルのいわゆる集計したものを年に一回集計して提出させる。そういうようなことで事故の集計、それから故障の集計ということはいままでやってきたわけでございます。 しかしながら原子力の問題につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたように、周辺の方に対するコンセンサスを得るためにも、原子炉の内部においてどういうことが行われているかということが十分わかるようにしなければならないという趣旨からいきまして、従来のような範疇の分け方ではなく、小さなトリプルにおきましてもそれを公表するというような立場をとってきておるわけでございます。したがいまして、ほかの電気工作物の事故、故障という範疇とまた違った取り扱いをしておるというのが現実でございます。
○政府委員(牧村信之君) 障害防止法におきましては、事故、故障という概念につきましての余り定義がございませんで、いわゆる事故報告と言われておりますのは「報告の徴収」というところにございまして、その中で一応届け出なければならない異常な事態につきましては、まず第一点は、核燃料物質が盗まれた場合とか所在不明の事態が生じたとき。それから「原子炉施設の故障」——ここで故障という言葉が使われております。ただし、その故障が軽微なものは除かれておりまして——というよう場合があったとき報告する義務があるということです。それから「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物」、したがいまして、放射性廃棄物あるいは放射性物質等が異常に漏洩したときでございます。それから第四点は、従事者にそのような放射性物質等によって汚染されたものによりまして被曝を与えたとき。その被曝を与えたときと申しますのは、許容される被曝量、これは告示で定められておりますが、それ以上超えたとき、あるいは超えるおそれがあるとき、このときに報告の義務が課せられております。また、その他といたしまして、前各号のほかに、原子炉施設に関し「人の障害が発生し、又は発生するおそれがあるとき。」これは放射線障害以外の工事等で人が死んだり、あるいはその障害が発生するおそれがあると、そういうようなとき。この五項目につきまして炉規制法において定められておるわけでございます。 しかしながら、その運用は、法律による報告は当然それに該当するものはとっておりますが、通産省と同様に、軽微なものにあっても最近におきましては報告を受け公表していくというたてまえで進めておるわけでございます。
○藤原房雄君 通産省の方の事故については、まず電気工作物等についての物の考え方は、放射能を持つ原子力発電所とは違った面で、厳しいといいますか、はっきりしない。それはそれなりで今日まできて大きな支障はなかったのかもしれませんけれども、いま後から御説明がございましたように、原子力発電所については何と言っても安全性ということが第一になるわけでありますから、安全性に何らかの意味で関係が出てくるということになりますれば、やっぱりこれは故障の概念といいますか、そういうことになるのだろうと思います。これは相当な知識のある方々ですと、それが人的にどれだけの影響のあるものかということについての判断はつくのかもしれませんけれども、そういう点で周辺住民の人たちは機械の故障という、実際には事故と言い得ないようなことについてもやっぱり何かあったのではないかというそれなりの危惧というものは持つんだろうと思います。 また、企業によっては、こういう問題についてはいままでもしばしば指摘されておりましたように、安全性に何らかの意味で関係があるということで、事故と言わざるを得ないようなことも故障ということで報告の義務がないという形で済まされたものがないとは言えないのではないかと思います。今日までも原子力発電所におきましていろんな問題が起きて、報告が後になってからきたとか、それは報告するほどの大きな事故ではございませんというようなことであったのですけれども、実際はそうではなかったというような、こういうことがしばしば当委員会でも指摘されてきたわけでありますけれども、こういう原子力行政の中で一つの大きな画期的な住民に対しての安全性に対する眼を開かせるような事故があり、そういう時点に立って考えてみますと、この事故と故障ということについてももう少しひとつ明確にして、そして電力会社においても、やっぱり住民対策としてこういう問題についても相当神経を使うといいますか、きちっとしたものを、信頼の置けるような形で進めていかれるようにしなければならないんじゃないかと思います。 それと、今度は、原子力発電所のございます町村に参りまして二、三の方とお話ししますと、やっぱりいま当面することとして一番心配しているのは防災対策です。当委員会でもいろいろな議論がありましたから私も長い話をするつもりもないんですけれども、国の方から何らの指示がないということで、これを自分たちでつくるといいましても、ほかの防災と同じには考えられないわけで、基本的な物の考え方があって初めて私どもも着手することができるけれども、現在のところは手がつけられない——つけられないといいますか、地方自治体の力では原子力発電所を中心にしての防災体制というものをつくるほどの能力といいますか、判断といいますか、やはり基本的なものも定まらなければできないというのが現状のようです。 これは科技庁ですか、最近、周辺防災対策専門部会等でいろいろ検討されていらっしゃるようでありますけれども、これもきょう言ってあしたというわけにはいかないでしょう。しかし、いろいろな段階を経て決められるものから決めて、当面する問題として、こういう体制をひとつ早急に確立することが住民としては望んでおることのように私は感じたわけであります。地方自治体の当事者も、そしてまた住民の方々も、いざという時にはどうすればいいのかということに対する非常な危惧を抱いておるようであります。せっかくこの会合が開かれたようでありますので、そこでいろいろ討議されたことや、また今後の見通し等、お伺いしておきたいと思うのであります。
○政府委員(牧村信之君) 専門部会の審議の中身を御説明する前に、すでにあるいは先生御存じかと思いますが、原子力の防災対策は、従来から災害対策基本法に基づきましてこれを対処していこうというのが政府の方針でございまして、原子力発電所を設置しておるすべての県に、この基本法に基づきまして原子力災害についての防災の基本計画が定められておるわけでございます。したがいまして、骨組みといたしましてはすでにでき上がっておるところでございます。しかしながら、スリーマイルアイランドの事故の経緯等から見まして、果たして現在県がお持ちであるものが順調に機能し得るかどうかというところに地方公共団体の方々等に非常に危惧の念を持たれておることは事実でございます。そこで、関係省庁が集まりまして、当面とるべき措置をまず早急に政府としても実施し、その体制をとって、地方公共団体の多くが万一の事故のときに行う災害対策に対して支援をする体制を確立しようということで、約五項目につきまして現在関係各省庁が鋭意検討しておるところでございます。 そのうち最も中心となります通産省並びに科学技術庁の原案につきましてはほとんどもうでき上がっておりまして、その対応策につきましては順次関係市町村に、私どもが当面とるべき措置はこういうふうに考えておるということを御連絡し、また地元都道府県が持っております防災計画とすり合わせをするということをこれから逐次、できるだけ早く進めてまいりたいと思っておるところでございます。 そういうようなことで、当面直ちにワーカブルなものになり得るようにできるだけしておきまして、その上で安全委員会の方の専門部会につきましては、さらにこれらの防災計画が万一の事故が起きたときに有効に動くようないろいろな技術指針等につきまして専門家を集めて御審議をお願いするという二段構えで進んでおります。 安全委員会の専門部会は、そのようなことでやや中長期にわたりますが、審議はできるだけ急いで行っていただくという方針で、私どもいまのねらいといたしましては六カ月ぐらいを審議目標にいたしまして、その間真ん中辺でできれば中間報告を出し、必要なものは直ちに防災計画の方にも反映していくというふうなことで機動的にその審議を進めまして、さらに政府が行いますあるいは地方公共団体が行います万一の際の防災対策に反映してまいりたいというような考え方でいま検討を進めておるところでございます。
○藤原房雄君 災害対策基本法ですか、これにのっとって基本的なことについてはできているはずなんですけれども、いま局長のお話しの中にあったかどうか、実際は機能するだけのものではないことは事実でして、それだけに今回のこういう問題が起きた、それはいろいろな経過があったろうと思いますし、いろんな事情があったろうと思うんですけれども、こういうアメリカにおける事故というものは対岸の火ではないということになりますと、これじゃいかぬぞということで真剣に検討してみますと、実際は何をどうしたらいいかということについての明確な指針なり、そしてまた、いままで事業所におきましても実際そういう訓練をやっているところ——まあやったといたしましても形だけというようなことで、どうしても不安というものは高まっているのは事実でありまして、防災計画整備といいますか、これを現実的なものにしていく、そしてまた、いままでこれは発展過程の中でいろんな経緯があるわけでありますけれども、やっぱり津波も何十年に一遍来ると同じように、原発の事故なんというのは、あることを予測することはならないのかもしれませんけれども、あってはならないことではありますけれども、やっぱりそういう体制、このことについては過日委員会でもいろいろ申し上げましたから繰り返す気持ちもないんですけれども、現実に地元に行きますと、そういう具体的な問題についての、これは原子力以外の防災の問題と比較しますと、余りにも専門的ないろんな問題が絡んでまいりますので、できていないといいますか、はっきりしていないのが現状です。ですから、今度の大飯の発電所の再開に当たりましては、地元からも、やっぱりこういう避難計画を初めといたしまして防災問題についてきちっとしないと、なかなか住民に理解を求めることはむずかしいということが言われているようでありますけれども、ぜひひとつ部会におきますいろんなこと、今日まで決まっている基本的なことを初めとしまして、いままで非常におくれていることでありますから、これはなされることはひとつ早急になすとして、今後新しく決めなければならないことについては早急にひとつ決めていただいて、住民対策といいますか、住民に対しての十分なコンセンサスの得られるような体制づくりをしていくことが大事じゃないかと思います。 また、原子力発電所についてはいまいろんな角度から論議されているわけでありますが、再処理工場、実際東海に再処理工場があるわけでありますが、今度計画をされているものはその七倍ということでありますけれども、どこに建設するに当たりましても、再処理工場というのは、これは確かに機構的には原子力発電所とは違うとはいいながら、放射能ということになりますと再処理工場はもっと高レベルのものがあるわけでありますから、そういうことで、住民対策として避難計画を初めとしましての防災計画、こういうものも十分に検討しなければならぬ。これはきょうあすということでないのかもしれませんけれども、こういう原発、原子力を取り扱うところにはそれぞれの対策が講じられているだろうと思いますけれども、再処理工場についても十分な配慮がなければならないと思いますが、こういうこともあわせて今後の検討をどういうふうに進めていらっしゃるのかという現状、それから部会のことについてはいまお話ございましたが、今後のことについてそれぞれにひとつ検討していかなければならないことだと思うのでありますが、どうでしょうか。
○政府委員(牧村信之君) 現在各都道府県、原子力施設並びに再処理を持っております茨城県東海村等も同様でございますけれども、先生が御指摘になりました点につきましての防災対策の計画はすでにあるわけでございます。その中には、住民の退避に関しましても、常々住民の方がどの地区にどれだけいらっしゃるかというようなことの調査を含めた基礎的なことを県並びに市町村が確認しておくというようなことで、もし万一の事故がありましたときに退避をするということが可能なような一つの骨組みは実はできておるわけでございます。また、そういうような事故が起きましたときに、どのくらいの被曝を受けるおそれがあるときは退避するという基準も一応できておるわけでございます。スリーマイルアイランドの事故でアメリカがサイト周辺五マイルの住民を、特に妊産婦、幼児について避難をさせた現実が出てきたわけでございます。それは非常に低い線量の被曝、約百ミリレムという通常レントゲン写真を撮ると同じぐらいの量の被曝であると言われておるわけでございますけれども、そのような非常に低い線量で退避するのがいいかどうかの議論はこれからいろいろ出てくるかもしれませんが、現在日本が決めておりますのは二十五ラドという集積線量でございます。そういうものを考えますと、諸外国の例等も比較いたしますと、それでは若干高過ぎるかもしれないと、しかもこれ集積線量でございますので、ある時期にどのくらいの線量があったときに避難を開始したらいいのかどうかというような問題につきまして、直ちに結論が出ないと、こういうような問題は先ほど申し上げました専門部会でいろいろ議論していただいて、その結論を防災対策に組み込んでいこうということを考えておるわけでございます。 そうしますと、そういうものがないときに、いまの状態でどうしたらいいかということでございますので、そこで政府が当面とるべき措置というものを考えた五つの点を若干御説明さしていただきたいと思うのでございますが、まず事故が起きたときに直ちに市町村あるいは科学技術庁、原子力発電所の場合は当然通産省に、事故が起きたという緊急の連絡体制を、現在あるわけでございますけれども、さらに徹底いたしまして、それを関係者間で周知徹底を図るということをはっきりする。ただいま私、科学技術庁と通産省と言いましたけれども、そのほかにいろんな関係各省がございます。それも含めて国との間の連絡、これを完全なものに周知徹底を図っておこうということでございます。また、それの回線等につきましては、できるだけ多数確保できるようにしようではないかということをいま検討中でございます。 それから、事故が起きますと当然現地に災害対策本部等がつくられるわけでございますけれども、中央におきましても、原子力安全委員会を中心といたしまして関係各省並びに専門家が集まって緊急に何か起きたときに対する処置を助言できるような緊急技術助言体制を整備しようではないかということでこういうものをつくりまして、地方公共団体あるいは場合によりましては関係各省に適切な助言、協力を行えるような組織をつくろうということを決めたわけでございます。このことにつきましては、原子力安全委員会がもうすでに人選等も始めておりまして、大体の構想ができ上がっております。 それから、三番目といたしまして、事故が万一起きましたときには当然関係地方公共団体が対策本部をつくって必要な措置をとるわけでございますが、先生御指摘のように、放射線という特殊なものでございますので、地方公共団体の方のみでは適確な措置がとれないおそれがございます。そこで、国としてはまず原子炉の事故の拡大を防止するという観点からの専門家の派遣を、これは原子力発電所の場合には通産省が中心になりまして派遣して、できるだけ外に放射線を出さないような措置をとらせる助言組織をつくることにいたしております。 それからもう一点は、残念なことに外に出た放射線に対して住民をどういうふうにしていただくか、こういうことについての、屋内に待機していてほしいとか、あるいは場合によってはこの間の人は退避してほしいとか、あるいは除染をどうするかとか、モニタリングをどうするかとかいうような技術的な問題について助言できる専門家の派遣を、現在すでに体制はあるのでございますが、それをさらに拡充強化するということをいま盛んにやっておりまして、これもほぼ原案ができたところでございます。 それからその次には、当然放射性物質が外に出ますので、従来平常時のモニタリングというのは都道府県がやっておるわけでございますけれども、緊急時の際のモニタリングという別の活動が適確に行われる必要がございます。このことにつきましても、先ほど申し上げたと同じように、科学技術庁並びに原子力研究所あるいは近隣の原子力施設の方々の協力を得まして要員を確保し、また機器を持ち込みましてモニタリングを行う、こういう動員体制を整備する、これも現在の体制の中で、不完全ではございますがあるのでございますが、それを強化、整備するということを現在検討中でございます。もうほとんどその原案はできたところでございます。 それから五番目に、このような放射線の障害が出たときに当然いろいろな措置が行われる際の医療ということも非常に重要でございますので、こういう現地で行う医療体制をさらに確認しておこうということでございます。この医療体制につきましても、各都道府県では災害対策基本法に基づいて大体できておるわけでございますが、これも放射線というものが加わりますので、中央からは科学技術庁の放医研を中心としたお医者さん並びに技術者、看護婦というような派遣チームをすでに組んでおりまして、緊急時にはその方々にいらしていただく。また現地では日赤等のお力を借りて有機的な連携をとる、そういうような有機的連携をとれるように体制を再確認しようではないかというようなことで作業を進めておる次第でございます。それで、そういうような原案を今月じゅうにつくろうと思ってわれわれ努力しておりまして、六月早々には各省庁等が集まって、大体確定いたしました上で関係市町村といろいろ連絡を取り合って、地元のこれに対する対応のすり合わせをしていきたいと、このように考えておるところでございます。
○藤原房雄君 いま詳しくいろいろ御説明がございました。大体当委員会におきましてもいろんな審議がありましてぼくらも理解をしておるところでありますが、先ほど来局長のお話の中にありますように、こういうことはできているのであります、できているのでありますというお話でございますが、災害対策基本法にのっとってのものについては本来あるべきでありますし、また形はできておるのかもしれませんけれども、現実的な機能が——さっきお話にもありましたけれども——してないのは当然でありまして、当然というか、実態でございまして、私どもそういう点で、そしていろいろお話を聞きますと、やっぱり専門的な知識が要るということや、それやこれやで、いま当面できることはすぐ手をつけたらいいのかもしれませんけれども、いまお話にもございましたように特殊なものがあるということで、それらのものをかみ合わせた総合的なものをきちっとしたいと、そういうことだと思うんです。まあ来月中にはということでありますから、早急にひとつしていただきたいと思います。これは災害対策基本法にのっとったものとして総合的なものを確立するということでありますから、こういう体制の確立やその具体的な問題についての推進というのは、これは国土庁になるわけですか。
○政府委員(牧村信之君) 法律的に国土庁が総合調整するお役目をお持ちでございまして、そこの中に防災会議というのがございます。防災会議の中に各省庁が集まっていろいろなことを協議する場が設けられておりまして、私が申し上げました科学技術庁では現在すでに決定したものもございますが、こういうのをその場に持ち出しまして、当然関係各省とすり合わせしておかなければなりませんので、そういう場に持ち上げて政府全体が同じ考えで万一のときに対処するようなことに持っていきたい、六月中にもそういう体制に持っていきたいと考えておるところでございます。
○藤原房雄君 中央防災会議が中心となって、各省庁との調整は国土庁でやりますけれども、この中央防災会議がかなめとなって各省庁のそれぞれの専門の立場の方々に集まっていただいて企画というか、全体像をつくり上げ、そしてそれを県に指示をするといいますか、県の防災会議にかけて、それと各県ごとの、また市町村は市町村ごとの、この場合は県はというのは必要ないですか——地方自治体ですね、そういうことで中央防災会議また県、中央、こういうふうな形で中央防災会議で決めたものが実施の形でいくと、こういうことになるわけですね。 当面することとしまして、非常に大事なことなので再度伺ったわけでございますが、アメリカにおきましても、避難計画がなければ原発の運転は許さないというほど最近は厳しいそういう意見もずいぶん出ておりまして、そういうことが議論されておる。また、スイスにおきましては、今後原発の問題については連邦議会の承認を必要とするとか、非常に原発に対しての必要性の上からの論議、これはいろいろなことが言われるわけでありますけれども、原発の持つほかのエネルギー源とは違った特殊性の中で安全性確保という上から非常に厳しい眼で見られているということでございまして、それだけに今回のことを中心としまして万全の体制といいますか、こういう安全性の上において一つも欠けることのないような体制づくりをしっかりやっていきたいものだと、こういう祈りといいますか、そういう気持ちで申し上げたわけであります。 再処理問題については、先ほどもいろんな話の中でお話し申し上げたわけでありますが、きょうはもう時間もございませんので、また過日来ずっといろんな問題については申し述べてまいりましたので、きょうは二、三点だけちょっと申し上げておきたいと思いますが、それは、再処理工場から出る放射性廃棄物の処理処分の問題がいままでの質疑の中でちょっと抜けておったと思いますので、この問題についてちょっと触れていきたいと思うんであります。 きょう午前中にも同僚委員から質問がございまして、高レベル廃棄物の取り扱い、そしてまた今後のこの処理処分についての技術開発のスケジュール、こういう問題についていろいろお尋ねがあったようでございますが、フランス等においてはガラス固化処理問題についても相当進んでおるようにも私どもは聞いておるわけでありますが、私どもが東海を視察いたしましたときにも、相当いろいろな角度から研究開発を進めているようでありますが、何といいましても、高レベル廃棄物の処理ということは再処理工場にとりましては一つの大きな問題で、この開発がどういうように進んでいくか、開発が進められるかという、処理が本当にいつの時点でどうなるのかというのが最大の関心事であるわけでありますが、現在の日本の研究の現状、そしてまた諸外国のものとの比較等、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(山野正登君) わが国におきます高レベル廃棄物処理処分の研究開発の現状でございますが、これは動燃を中心といたしまして原研を初め国立試験研究機関が協力をして進めておるわけでございます。 まず、処理について申し上げますと、動燃におきましては五十二年から実規模の装置でガラス固化のコールド試験を実施しておるという状況でございます。これは実規模、工学試験規模とも申しますが、一日に溶融能力百リッター程度の規模のものでございまして、これに実廃液ではない違うものを使った試験をするということでございます。本件につきましては五十四年度の予算で約四億三千万ばかりが計上してございます。 それから、将来の見通しとしましては、五十七年度から実験室規模でガラス固化のホット試験を開始しようということを考えておりまして、そのための高レベル放射性物質の研究施設というものを現在建設に取りかかっております。本件についての五十四年度の予算が三十三億三千万ばかりございます。 それから、原研の方におきます処理の研究状況でございますが、これはガラス固化体の安全性の試験につきまして、模擬固化体を使ってコールド試験を実施しておるということでございまして、五十四年度の予算が千六百万円ということになっております。 さらに、同じく原研におきまして五十七年度から実験室規模で実廃液のガラス固化体を使っての安全性試験ということを行いますために、廃棄物の安全試験施設というのを建設すべく準備中でございます。これは現在安全審査中でございますが、これが五十四年度の予算で十億二千万円余を計上しております。 それから処分の方につきましては、動燃におきましてわが国における処分に適した地層についての調査というのを文献調査を進めておりまして、本年度の予算額が六千六百万円でございます。また、原研におきましても処分等の安全評価手法について調査研究を進めておりまして、このための本年度の予算というのが約二千三百万円ということになっております。 まあこういったふうなのがわが国の研究開発の現状でございますが、先生が御指摘のように、このガラス固化技術開発の手順としまして、最初実験室規模でコールド試験をして、後、このコールド試験の規模を工学試験規模に大きくする、また別途同じく、規模は大きくしないけれども実験室規模でホットな試験をするといったふうな中間段階を経まして、最後に工学試験規模でのホット試験というものに移るわけでございますが、わが国の場合はこの第一段階と中間段階の間ぐらいの段階にあるわけでございますが、一番進んでおりますフランスというのは、最終の工学試験規模のホット試験といったふうなところに入っておるわけでございまして、私どもも今後とも鋭意進めていかなければならないというふうに把握をいたしております。
○藤原房雄君 これも将来に対して研究開発が進められるわけでありますので、現状はお伺いいたしました。まあ今後の固化技術、ただいま工学貯蔵の技術開発、こういうものが諸外国もそれなりに進んでいくでしょうし、わが国も進められていくだろうと思います。そういう技術開発については、そういう期待を持った話しかできないわけであります。現時点では、さらに大きくこの開発が進められるだろうという、こういう期待の話が主になるだろうと思うんです。 私はここで申し上げたいのは、当初この法案の審議に当たりまして、民営化ということに道を開くというのが今度の法案の大きな中心課題になっているわけでありますが、ほかの産業ならば民間の活力、こういうものも十分に生かすという上において、また日本の現在の経済体制の中でそれなりの理解はするわけであります。だからといって、この原子力再処理工場については全部国営にしてしまえなんということを言っているわけじゃないんですけれども、こういう廃棄物の処理処分、この技術的なことについてはいまお話しございましたが、これの処理処分の責任体制ということを考えますと、これは民営に任せて——当然処理については再処理業者である民営であれば民営の会社が行うことになるわけでしょう。そしてまた、その経費等についても現時点ではまだはかり得ない、この研究開発に依存する面もあるわけでありますけれども、こういう処理処分の責任体制というのは一体どういうふうになるのか。それから、これが発電コストに相当な——高レベルのものについては厳重な処理をいたしませんとならないということですと経費がかかるということから、発電コストに影響を及ぼすのではないか、こういうように、心配といいますか、こういうことも考えなきゃならないと思うんでありますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(山野正登君) 廃棄物処理処分を民営でどこまで責任が持てるかという問題でございますが、これはやはり、廃棄物の処理処分も再処理事業の一環でございますので、基本的には民間が責任を持って行うべきことだと考えるべきであろうかと思うのでございますが、この処分だけは相当長期にわたる安全管理が必要であるというふうな事情もございまして、昭和五十一年十月に原子力委員会が定めております廃棄物対策の基本方針の中で、「処分については、長期にわたる安全管理が必要であること等から、国が責任を負うこととし、必要な経費については、発生者負担の原則によることとする。」といったふうなことが定められておりまして、再処理事業民営化の中でこの処分の部分だけは国が責任を持ってやる、ただ、発生した経費というものは、これは発生者負担の原則によって高レベル廃棄物の発生者が負担する、そういったふうな原則が打ち出されておるわけでございまして、この部分だけが例外になっておるわけでございます。
○藤原房雄君 まあ処分管理まで民営に任せるということはできないだろうと思います。しかし経費は持てということで、なかなかここらがむずかしいところだと思うんです。要するに、廃棄物の管理とか処理処分——法律の上で再処理業者というのはどういう位置づけになるのかということなんです。いま、この処理処分については国が、というお話がございましたけれども、法的な上からいうと、再処理業者というのは民営ということになりまして、そうするとこれは、法律の上からどういう位置づけ、立場になってこういう問題について当たるようなことになるのか、この法律上の面についての御説明をいただきたいと思うんです。
○政府委員(山野正登君) 私の記憶では、規制法の上では、再処理ということの定義の中には廃棄物の処理処分といったふうなことは含まれていなかったかと思いますが、しかし、再処理業者というのは当然その事業活動の一環として廃棄物の処理といったふうなことはするわけでございますので、規制法におきましては廃棄物の廃棄ということで法律の対象になるように措置されておるというふうに記憶いたしております。
○藤原房雄君 再処理事業の範囲という——廃棄物の貯蔵ですね、再処理事業と、こういうわけでありますから、いまお話がございましたけれども、その再処理事業の中に貯蔵というものも含まれるという、そういう考え方の上に立っていらっしゃるわけですね。——いや、いらっしゃるというより、再処理事業というものの範囲、これが明確になりませんとこの案の法的な問題が明確にならぬじゃないかと思うんですけれども、再処理事業というものを今度のこの法案の改正の中で民営に移管するということで、私ども一番関心を持っておることでありますが、再処理事業という、この範疇といいますか範囲といいますか、この問題についてちょっと御説明いただきたい。
○政府委員(牧村信之君) ただいま原子力局長からは、再処理の定義というものの中には廃棄物の処理処分は含まれないという趣旨の御説明をいたしておるわけでございますが、再処理事業の規制の中には当然高レベルの廃棄物の処理処分も再処理に付随する事業といたしまして再処理事業の規制対象に含まれておるわけでございます。そこで、使用済み燃料、使用済み燃料から分離されるもの、またはこれらによって汚染されたものの運搬であるとか貯蔵であるとか廃棄というものは当然規制をされているわけでございます。しかしながら現状は、先ほども先生の御指摘のように、高レベルの永久処分と申しますか、これについての技術開発がまだ完成していないということで、現状の規制法におきましては施設内に高レベルの廃棄物を貯蔵するということまでしかできないような仕組みにしてございます。したがいまして、今後研究開発が進み、十分処分ができるようになりますと、この辺の規定をその技術基準等を定めて行っていくということになるわけでございますが、この処分につきましては、先ほど原子力局長も御説明いたしましたように、その管理は国が行うという原則を原子力委員会の方でお立てでございますので、その行い得る時点に十分その辺のことを加味した規制方法を考えていかなければいけない問題と考えておるわけでございます。 ちなみに、東海村におきます再処理工場におきまして出てまいります高レベルの廃棄物につきましても、先ほどの技術進展によりますと、ガラス固化をするのにもなお十年はかかるわけでございますけれども、通常ガラス固化をいたしますのにも、技術が完成したといたしましても数年程度は廃液の液のまま冷却する、またガラス固化いたしましてもステンレスのキャニスターというようなものに入れて冷却しながら貯蔵する、そういうような冷却が相当進んだ段階で処分が行われるということに技術的にはなろうかと思うのでございます。したがいまして、われわれといたしまして、この民間の再処理事業が十数年先に運転を再開されましても、処分が実際に行われるというのは恐らく二十年以上先のことではなかろうかということを考えますと、この動燃事業団の再処理工場の技術開発並びに規制の実績、こういうものを踏まえまして、最終的には国がいかに管理して持っていけばいいかということを十分議論する時間はあろうかと、研究開発をいまの時点では一生懸命やるのが一番重要であると、このように考えられるところでございます。
○佐藤昭夫君 それでは、私も法案に先立ちまして、五月十九日の原子力安全委員会が行いました大飯原発1号機に関する通産の解析及び措置は妥当であるという結論を出された、この問題を、まずいろいろな角度から質問いたしたいと思います。 まずお尋ねをいたしますのは、安全委員会として、通産省から行われました報告を検討した体制というか、仕組みというのか、この点でちょっとお尋ねをしますが、説明を受けておる範囲では、発電炉部会というのが炉安審の中にある。この発電炉部会の若干名の、六人ほどの方を中心にして、問題の大飯発電解析グループ検討会というここが作業グループになって、そしてこの発電炉部会、ここへ報告をされ、検討をされ、炉安審へ上がり、炉安審から安全委員会の審議にかかっていると、こういう仕組みになっているわけであります。ところで、この発電炉部会の部会長、同時に炉安審の会長、いずれもその責任者が東大の三島教授、ところがこの三島教授は、この審査を行った時点では渡米中で日本にいなかったということで、いずれも、会長代理の名前によるこの報告書が出されておるというこのことも、果たして三島教授の帰国を待って、本当に国民が注目をしておる大飯原発1号機は大丈夫なのかというこの問題について、名実ともに慎重に安全委員会としての審査をやったんだということについて、この実態を知れば、こういうやり方について新たなまた不信を持つんじゃないかというふうに思うんですが、その点についての見解はどうですか。
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘のように、原子炉安全専門審査会の会長は三島先生でございます。また、発電炉部会という常設の部会がございますが、この発電炉部会の部会長も三島さんにお願いしておるところでございます。そこで、当然いろいろな、会長が海外にお出かけになるというようなことあるいは会議に御出席いただけないような際、これは制度といたしまして副会長を置いておるところでございます。そこで審査会の方の副会長には原研の研究者の方でございますが村主先生、それから発電炉部会の部会長代理には竹越さんという方をお願いいたしておりまして、会長がいらっしゃらないときにも随時審議が進められるような体制をとっておるところでございます。 そこで、今回の審議にあたりましても、たまたま一時期三島先生が国外に御出張の時期でございました。したがいまして、ある期間、村主先生に今後の審査をお頼みになりまして国外に御出張なさったということは事実でございます。しかしながら、そういうようなこともあらかじめおもんぱかって審査会の運営基準というのは定められておりまして、その基準に従って、今回の大飯のECCSにかかわります解析の審査も行われたということでございますので、私どもとしては、先生御指摘ではございますけれども、慎重に審議していただき、十分な御結論を得たというふうに判断しておるところでございます。
○佐藤昭夫君 審査会なり部会が、会長不在の場合には会長代理が責任を持つという仕組みになっているというのは、どこの組織だってそういうことを決めておるというのはあたりまえの話です。私が言っておるのは、なぜことさら、国民がこれだけ注目をしておるこの問題の審査をやる時期に、そういう時期に結論を出したのかということを、それは本当に妥当な方法として国民は見るであろうかということを問題にしているわけでありますけれども、三島先生はもうアメリカから——アメリカかどこか知りませんけれども、帰国されたんですか。
○政府委員(牧村信之君) この大飯原発に関しまして、発電炉部会が開催されたのは前後五回でございます。この審議の際に部会長がいらっしゃらなかったのは五回のうち二回でございます。したがいまして、全部の期間いらっしゃらなかったわけではございません。
○佐藤昭夫君 結論を出すときにはいなかったんです。
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘のように、部会での最終結論を出しましたときには三島先生は海外に御出張でございました。それで、その後お帰りになりまして、また別の御用件でいま海外出張中でございます。
○佐藤昭夫君 いつお帰りになったんですか。
○政府委員(牧村信之君) 十八日の部会のときには御出席なさっておられます。
○佐藤昭夫君 そうしますと、わずかの日取りの違いですね。そんなに十日も二十日も帰国を待っておってずいぶんの日数が経過をする、そういう点で作業上の困難が生まれるというわけじゃない。十八日には三島先生は帰国をなさるんですから、ということで、いまの説明では、私は国民がこれだけ注目をしておる問題について、本当に名実ともに責任を持った審査を安全委員会としてやったんだということになっているだろうかということで、私は依然として疑問が残ります。 もう一つの点ですが、この発電炉部会の結論が炉安審へ回されていって、そこでオーケーということになってまいりますが、実はこの炉安審の会長代理をなさっていたのが村主さん、発電炉部会の会長代理をなさっているのが竹越さん、この村主さんも竹越さんも安全性解析の作業グループ、六人の中のともにメンバーです。そうしますと、一番最初のこの基礎作業をやった安全性解析のグループの人が、報告を受けてよろしいという責任者、その人が今度はまた上の炉安審へ行ってそこの責任者、こういうことで、本当に自分もよろしという結論を出したんですから、その報告を受けてよろしと言うに決まっているでしょう、自分がそういう結論を出した当の本人なんですから。ということで、 〔委員長退席、理事藤原房雄君着席〕 これまた本当に国民の側から見て、念入りな安全解析についての検討がやられたんだろうかというふうに疑問を持つと思います。しかもこの運営上聞きますと、炉安審というのは大きく発電炉部会と研究炉部会があって、発電炉にかかわる問題は発電炉部会がオーケーということになれば、炉安審全体会議にかけなくても、炉安審会長がオーケーと言ったらそれで炉安審としてオーケーになるんだという運営になっていると言うんですが、この炉安審会長代理がほかならぬ村主さん、そもそも一番最初に安全性解析の作業グループの一員であった。こういう点で、私はこれは本当に責任を持った念入りの審査がやられたというふうには国民は見ないと思うのですが、どうですか。
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘のとおり、発電炉部会の部会長は会長みずから部会長をなさっておりまして、その発電炉部会の部会長代理は竹越先生でございます。それから、全体の審査会の会長の代理は村主先生がやっておる。したがって、この発電炉部会には、村主先生、竹越先生、場合によりますと部会長がいらっしゃれば三島先生と、この御三方がおられることも事実でございます。そこで、ECCSの検討グループを、ワーキンググループをつくりました中に村主先生、竹越先生がいらっしゃったわけでございます。しかし、ワーキンググループの結論を発電炉部会で審議いたしますときにはその他の先生方がいらっしゃるわけでございます。で、この部会の運営あるいは審査会の運営と申しますのは、いろいろ議論を尽くしまして、いままで過去長い経験から全員の一致を得て結論を出すということをたてまえにしておるわけでございます。したがいまして、竹越さんがワーキンググループにいまして部会の結論を決めるということで、独断的に自分がやられたことだからというような運営はしていないつもりでございます。従来から皆さんに、部会ヘワーキンググループから上がりますと、その部会の参画してない方によく自分たちの考えを御説明し、議論をしていただいて、その上で部会長なり部会長代理がこれで決めてよろしいかということをお諮りした上で最終的に結論を出すという運営をいたしておりますので、先生の御指摘ではございますけれども、決してそのような運営をしていないわけでございますので、私どもとしては十分な御審議をいただけたというふうに考えておるところでございます。
○佐藤昭夫君 まあ、いろいろ苦しい言いわけをなさっていますけれども、私、二つの角度から安全委員会として審査検討なさったこの組織上の仕組みについて問題を指摘をしているわけですけれども、これは国民の側が疑問を持つ、いまのような御説明をなさっても依然としてこの疑問は残る問題だと思うんです。大臣も頭振っておられますけれども同感でしょう。 次の問題ですけれども、この五月十九日の安全委員会の結論をもって近々大飯1号機の運転再開が行われるであろうというふうに新聞は報道をしておるわけですけれども、まず通産省、お尋ねをしますが、通産省としては運転再開のめどをいつごろに想定をしているんですか。
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいましたように、大飯の発電所に関します安全解析並びに保安管理体制の再点検につきましては、五月の十九日の安全委員会におきまして、その処置が妥当であるという御結論を得たわけでございます。そこで、通産省といたしましては関西電力に指摘事項を通達いたしております。それが今週の月曜日に通達いたしておりまして、それで所要の手続の要るもの、たとえば保安規定の改正というようなものは、これは認可事項でございますので、その変更認可申請が提出されております。それの審査を現在実施中でございます。 一方、この安全委員会の結論についての御説明というのを現在現地において科学技術庁と、それから通産省の係官も入れまして実施しておりますので、そういうことで、現地におきます説明会が終わりましたところで大飯発電所の再開ということを考えておりまして、いまのところ通産省としては、その現地におきます説明会が終わることを待っておるわけでございまして、あらかじめ何日にというようなことは考えておりません。
○佐藤昭夫君 それで、通産省、科技庁それぞれにお尋ねをいたしますけれども、私は、まだあと幾つかの見地から運転再開を軽率に急ぐべきではないという立場からきょうこの質問をしているんだということは、もう言うまでもないことなんですが、通産省、科技庁、もしも運転再開を——まあ行政的には通産省直接の問題でありますけれども、許可をするというところへ事が運ぶためには、あとどんなことを手だて、措置として必要なことが残っているか。まあ細かいことはいいですよ、大きなこと。いま現地での説明とおっしゃいましたけれども、それはどこを対象にしてやる説明なのかということの内容を含めまして、通産、科技庁それぞれ、運転再開というところへ持っていこうとすれば、あとこういうことが手だて、措置として必要だということで何を考えておられるのか。
○政府委員(牧村信之君) 科学技術庁の立場をまず御説明さしていただきます。 科学技術庁は安全委員会の事務局として、通産から出された総点検の結果並びにECCSに関する解析についての通産省の考えは妥当である——もちろんこの中には委員会から御注文を出して、通産省がまた追加していただいたものもあるわけでございますが、そういうような措置について妥当であるということを申し上げたわけでございますので、行政的には私どもはそれで終わりだと考えております。今後の再開問題というのは通産省が御判断なさる問題であろうかと思います。 ただ一点、地元の県から実は前々から、安全委員会がどういうふうな御判断をされたか、その中身につきまして聞かしてほしいという御要請が強くあったわけでございます。そこで、昨日並びに本日、県並びに直接の設置しております大飯町に対しまして、安全委員会の事務局として、審査会の先生もお出しいただきまして、安全委員会が行った解析結果並びに総点検におきまして安全委員会が考えたことを御説明しておるところでございます。しかし、それは先ほども申しました立場から言えば、その安全委員会の考え方を、行ったことだけを御説明しておるというのが私どものポジションでございます。 ただもう一点地方自治体の方から、これは福井だけではございませんで、防災対策をできるだけ充実してほしいという御要請がございますので、この観点からは、科学技術庁は放射線の障害に関する問題を一部所掌しておる観点から、先ほど来御説明いたしました当面とるべき政府の措置につきましてもあわせて御説明しておるというところでございます。
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま安全局長からお話がありましたように、説明会につきましてはおのおのの立場が違いますが、同じような場におきまして、各地域において説明をしております。本日はたしか大飯町においてやっておると思いますが、それまでのスケジュールについては、これはもう地元との打ち合わせどおりということでございますが、これから先の段取りにつきましては、地元とはまだ接触しておりませんので、この説明会が終わった後逐次地元の御要請に従ってわれわれのできることがありましたらできるだけやりたいと、こう考えております。
○佐藤昭夫君 いまの御答弁との関係でさらに突っ込んでお尋ねしますけれども、地元の説明ということで、科技庁も通産省もかかる結論に達したこの経緯についての説明をするということをやっていくんだということですが、もうすでに始めているということですけれども、これはかつての原子力基本法等改正のあの際にも、あの問題としては新しい原子力諸施設をつくる場合ということではありますけれども、しかしできるだけ原子力行政を住民合意のもとに進めるという上で公開ヒヤリングのようなものをできるだけやっていきたいというのが今回の法改正の趣旨なんだということを当時政府側が何回となく力説をされておったという経緯がありますけれども、自治体当局に対する説明だけじゃなくて、今後もこれで果たして大丈夫だろうかということで大きな不安を感じておられる地元住民の方々に直接出向いて必要な説明を求められれば説明をすると、こういうことは、私は実は後からも触れますが、私ども共産党としてはこの月曜、火曜と二日間大飯町を初め現地調査に行ってまいりました。そうした中でも住民の運動組織がつくられておるんですが、それらの方々から、科技庁にもぜひ直接安全委員会として出向いて、安全委員会の見解を聞くように申し入れもしているんだというお話も耳にしたわけでありますけれども、そういうことのあるなしにかかわらず、求められれば積極的に出向いて、安全委員会としても通産省としても、住民の皆さん方に直接話をするという、この意思はあるのかどうかという問題が一つです。 それから防災計画にかかわって科技庁の方からは、さっき藤原委員の質問にお答えになっておった内容のことを指しておられるんだと思いますね、当面の方針というのは。このことについての私の意見なり質問点はちょっと後でしますので、それはさておきます。 通産省の方からは防災計画の問題については、運転再開へもし持っていくという場合、当面考えなくちゃならぬ項目としてはお挙げにならなかったんですけれども、通産省としてはそういうことは知ったこっちゃないと、防災問題はわが省は知ったことではないというお考えなのかどうかということです。
○政府委員(児玉勝臣君) 通産省といたしましても原子力の災害の問題につきましては通産省の災害業務計画によりまして当然その対応策を考えておるわけでございまして、 〔理事藤原房雄君退席、委員長着席〕 通産省の役目といたしましては、原子力発電所のいわゆる災害の防遏ということを第一にいたしまして、そこへ専門家を送り込み、さらにそれにこの事故の経緯といいますか、この事故がいかなる状況において終息するかというような見通しの問題それからどれくらいの廃棄物が出るであろうからということの予想の問題、そういう問題等々を早急にいたしまして、それで地域の防災体制のために非常に敏速にかつ正確な情報を提供するということが任務であろうと思います。また周辺の放射線の監視ステーションもみんな持っておりますので、そういうところからの情報ということも適確に市町村に報告し、そういう状況の把握ということに大いなる協力をしなければいけないというふうに考えております。 そういうことで、防災に関しましては、まだまだ通産省としてのいま考えているのが十分であるかどうか、また各省との連携におきまして問題がありましたら、それについて大いに協力していきたいと、こう考えております。
○佐藤昭夫君 それからついでに、現地説明に当たって住民に求められれば直接話をする意思があるのか。
○政府委員(児玉勝臣君) 現地の説明につきましては、これは現地のいわゆる市町村、それから県とよく相談いたしまして、そういうことが実際の説明の上で非常に有効なことであるということであれば、われわれも喜んで説明に伺いたいと、こう思っております。
○政府委員(牧村信之君) 私どもの役割りは、放射線による障害の防止という観点からの防災の基本法に基づく関係各省との調整を含めて考えておるわけでございまして、特にわれわれの所掌が地域防災計画を有効に働かせるために非常に重要な役割りをするところであるという認識を持っておりまして、ただいま通産省は事故の拡大防止あるいはその情報の適確な伝達というようなことをやっていただくことは当然であると思いますし、われわれはそれを受けて専門家を現地に派遣いたしまして、市町村あるいは県が行う防災業務を支援するという体制をいま刻々つくりつつあるわけでございます。 実は福井県につきましては十三日に県の方から御要請がございまして……
○佐藤昭夫君 科技庁が考えておられる防災の問題は後から聞きますから。 私聞いているのは、住民と直接話をなさいますかと、安全委員会が出向いて、来てくれということになったら。
○政府委員(牧村信之君) それじゃ、防災につきましては県に通産省と同道しましてすでにいろいろ御説明を開始したということでございます。 なお、安全委員会の今回の立場でございますが、安全委員会が直接出向いて、安全委員会がこうしたということをお話しするのは、安全委員会の先生方のお気持ちは、かえって宣伝になるということを非常に危惧されております。したがいまして、今回県から御要請がございましたけれども、安全委員みずからお出ましになるのはお断りになりました。しかし事務局であるわれわれ、並びに審査会の先生にお願いできて御承知いただければ、審査会の先生にいらしていただけという御指示のもとに、県の御要請を受けて本日、昨日の説明会に臨んでおるというのが立場でございます。
○佐藤昭夫君 安全委員会が直接出向くという点については先例になるからということですけれども、これが例になって後もこう広がっていったらというのをおそれておるということでしょう。そういう意味を言われたんでしょう。
○政府委員(牧村信之君) 安全の宣伝というふうに受け取られるのを非常に危惧されておられるということを申し上げたつもりでございます。安全だからやれというふうにとられるのをおそれておる、そういうお立場を堅持したいというのが安全委員会のお立場でございます。
○佐藤昭夫君 それは詭弁というものであって、とにかく安全でありますという結論をお出しになったんでしょう。そのことについて通産省は通産省、安全委員会は安全委員会としてのそういう結論に達した経過についてもいろいろ聞きたいということであれば、進んで出向くという姿勢をとってしかるべきである。宣伝という言葉を使われていますけれども、私は心の中で思っておられるのは、これか先例——私言いましたけれども、これが先例になって今後何かあったらすぐ出てこいということの例になったら困るということをむしろ本心は考えておられるんじゃないか。安全委員会には常勤の安全委員もいらっしゃるわけですから、やはりぜひとも出向いていろいろひとつ質問に答えてくれという求めがあった場合には積極的に出向くという基本的姿勢をとってしかるべきだと思うんです。ぜひこれは局長、安全委員会の方へお伝えください。 もう一つお尋ねをしますが、運転再開をめぐって現地住民の中になお不安がぬぐえないということで反対の意思が非常に強いんですけれども、政府は住民の皆さん方の意思をどの程度にいまとらえていますか。どっちでもいいから答えてください、通産でも科技庁でも。
○政府委員(牧村信之君) 安全委員会は、今回の米国の事故というものを非常に重大な原子力発電において世界でも初めての事故で、非常に大きな外部に影響を与えた事故であるということで、非常に大きな問題としてとらえておるわけでございまして、そのためにいろいろ直ちに専門家を現地に派遣する、アメリカに派遣する、あるいはそのための検討の部会を設ける等々をやり、日本の原子力発電所等に対して総点検を命じておる、指示しておるというふうなことで、非常に大きな問題としてとらえておるわけでございます。しかしそういう点について今後も慎重に検討をいたしまして、わが国の安全規制にぜひこれを他山の石として、貴重な経験として日本の原子力発電等の安全の確保に役立てたいというのが基本の姿勢でございます。 そこで、先ほど先生がおっしゃられましたが、原子力発電所の再開という問題になりますと、それは先生おっしゃいますように地元の皆さんのお考えの中にいろいろ幅の広いお考えがあるわけでございます。安全委員会が出向いて説明するのがかえって宣伝になるというのは、安全委員会としてばこの問題を科学技術的に結論を出していくという立場を堅持したいがために、委員会がこういう大飯のような場合に結論を出したときに、委員の先生方が出かけていくということそれはイコール宣伝にとられると、今後の安全委員会の純科学技術的にいろいろ判断したいというその行為に対していろいろ差しさわりが出てくることを将来おもんぱかっておられると私は推測しておるわけでございます。あわせて補足させていただきます。
○佐藤昭夫君 私の質問に何にもお答えになっていない。さっきの答弁のもう一つ敷衍をされたというにすぎないんで、そう言われましても私はそれは詭弁だと、やはり運転の再開に近々持っていこうというふうに考えておる通産省の態度を認知されたわけですから、どういう科学的根拠で認知をしたのかということについて、求めがあればその説明のために積極的に出向こうと、そういう姿勢をとられてしかるべきではないかというふうに思うんです。 通産省にお尋ねをしますが、さっき私が後段で聞いておるこの質問ですけれども、現地の住民の皆さん方の運転再開をめぐる世論、これをどういうふうに把握をされていますか。もう大体納得してもらえるだろうというふうに考えておられますか。
○政府委員(児玉勝臣君) 私たちとしては県の世論といいますか、地元の方々がどういうような御意向を持っていらっしゃるかということにつきましては、これは県を通じ、また町を通じて話を聞いている状況でございまして、私たち自身がじかにその対応に当たっているということでもございませんのでよくわかりませんが、しかし、ただいま実施しております説明会におきまして、県並びに町の要するに指導的立場の方々に対して相当な御理解を得られるのではないかと、こういうふうにわれわれ期待しておりますし、そういう指導者の方々の御理解によって県民、町民の御理解もさらに深まるのではないか、こう期待しておる次第でございます。
○佐藤昭夫君 ですから、この行政を進められるに当たって住民の皆さん方の世論をどういうふうに的確につかんでいくかということで、いまの御答弁というのは、そういう絶えず住民合意のもとに行政を進めていくという見地から、そのことに十分な考慮を払ってないということのあらわれだと私は思うんです。福井県には通産省の出先もあるでしょう、福井新聞というローカル新聞も出ています。私が現地調査に行ったときの新聞にも載っているんですけれども、大飯の原子力発電所の近くに大飯町、高浜町、それから小浜市、大きくこの三つの市、町がありますね。一番人口の多い小浜市でどうですか、有権者の半数に近い反対署名がわずか一週間ぐらいの取り組みで、要するに原子力安全委員会がこういう結論を出しそうだということで、まあ安全委員会はその名のごとく慎重な検討をやってもらえるというふうに思っておったらどうもそうでなさそうだ、事は重大だということで、きわめて短期間の間に大飯原発の軽率な運転再開に反対をする署名運動が一週間ぐらいの間に有権者の半数に近い形でいまずっと集まっているんですよ。このことは福井新聞にも載っているんです。なぜそういうことに対して考慮を払わないんですか。このことを知っていますか。そういう運動が起こっているということを知っていますか。
○政府委員(児玉勝臣君) そういう運動が起こっていることは存じております。しかしながら、私たちといたしましては、一つの行政組織としては国家行政とそれから地方の行政との結びつきということでの仕事の進め方をしておるわけでございまして、地方行政機関がそういう運動に対してどういう対応をするか、それに対してわれわれがどういうふうな、また地方行政機関からのいろんなサゼスチョンによってわれわれもできることがあればやるということで、すべて県、町と相談の上進めていくというのがたてまえではないか、こう考えております。
○佐藤昭夫君 そういうしゃくし定規の言い方をなさっているから、いままでさまざまな原子力行政についての事がうまくいかなかったんじゃないですか。だからこそ、この公開ヒヤリングというようなものもどんどんできるだけやって、そしてできるだけ住民合意の行政を、直接住民との話し合いをしてそういう行政をやっていくんだということをあなたたちみずからが言われてきた。ところが、いまこういう事態になって、いろいろ住民の皆さんが何を考えているかということは自治体を通して聞きますという、こういう官僚的な答弁を繰り返しておったのでは決して事はうまく進みません。もっとそういうことに深く注意を払って、どうやって住民の皆さん方との合意をつくっていくかという積極的努力をやってもらわなくてはいかぬんです。 五月十九日の安全委員会としての結論を出された際に吹田委員長談話というものが出されておりますけれども、この中に末尾で、「近くスリーマイルアイランドの事故の調査団の中間報告を出すことになるでしょう」ということが触れられておったんじゃないかというふうに思いますけれども、いつごろ出ますか。
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘のとおり、米国の事故の経過及び処理の実態について、その表現は、現段階でまとめようとしておりますのは、米国原子力発電所事故調査特別委員会というのを安全委員会につくっておりますが、そこのメンバーの方が事故発生以来現地へ、アメリカに行きまして、いろいろな調査をしてきておりますので、その調査を踏まえて御議論もしておる、その中間段階の報告を近く出すということでございまして、いまの運びで順調にまいりますと次の月曜日、二十八日にその中間報告が安全委員会に報告されます。で、直ちにこれを公表していろいろな関係の方面の御検討に供したいというふうに考えておるところでございます。したがいまして、この段階では安全委員会が審議をするということを待たずに、この中間報告は発表するつもりでございます。
○佐藤昭夫君 しからば聞くんですけれども、来週の月曜日あたりにこの中間報告が出せると、まあその中間報告にどれだけの内容が盛られるかということは私は存じませんけれども、しかし少なくとも事故が起こってもう約六十日ですね、この間いろいろ入手をした情報、その中から得られる教訓、こういうことが一定程度盛られた報告だと思いますけれども、これに基づいてこの教訓をわが国の原子力発電にどういうふうに生かしていくかということについて、なぜその討論を経た上で大飯原発1号炉の問題についての結論を出さないんですか。大飯原発1号炉の問題の結論を事急いで、せっかくあとわずかにして、アメリカの事故調査団の特別委員会の中間報告が出るということが目の前に来ておるのに、そうしてそのことについての検討をやろうと思えばやれる素材が一定程度できるというのになぜ急ぐんですか。 長官、お尋ねをします。この原子力委員会、まあ長官ば安全委員会には直接加わってはおいでになりませんけれども、しかし、事わが国の原子力行政をどう進めるかという点については最高責任者だと思いますが、私が言っていますように、もう日わずかにしてアメリカの事故調査の中間報告が出ると、これを見てどういう教訓をわが国の原子力発電に生かしたらいいのかということを検討をした上で、なぜこの大飯の問題についての結論としないんですか。なぜ大飯の部門だけ早く結論を急ぐんですか。長官の見解を聞きたいんです。
○国務大臣(金子岩三君) 安全委員会の結論が十九日に出されまして、これはもう全く学問的な結論を出しておりますので、ただその学問的な結論を通産に連絡いたしまして、その先は通産省の方でお考えになって、どこまで慎重の上にも慎重を期すのか、いわゆる地元の理解と了解をどこまでおとりになるのかといったようなことは、すべて通産省でおやりになっていただくことでありまして、私が余りここで先走ったお話を申し上げることはどうかと思います。 ただ言えることは、私が原子力行政に慎重であり過ぎるという批判を私はずいぶん受けておりますけれども、やはり慎重であることが将来のわが国の原子力の開発に大きなプラスであるという私は考え方に立って今日まで慎重な態度をとり続けてまいっておるのでございます。その点は佐藤先生も十分御理解いただいておると思うのでございます。 以上をもちましてお答えにかえたいと思います。
○佐藤昭夫君 確かに原子力発電の問題というのは専門的科学的知識、これを必要とする分野ではありますけれども、しかし、これだけ国民的に注目をされておるこの問題について、いつどういう形で結論を出すかということは政治問題だと思います。技術の問題だけではないと思うんです。そういうことで長官も御理解をされている、しかし、なかなか言いにくいからいまのような答弁をなさったんだと思いますけれども、いまお聞きをすれば、もう来週の初めにアメリカの事故の調査団報告が出るというのに、なぜ急いだのかということについては私はどうしても納得ができません。 だが、もう大分時間も推移しましたので話を進めます。今度は安全委員会の検討なさった内容の問題でもう少しお聞きをいたしますけれども、私は何回か当委員会で、大飯の1号炉というのはUHIというのが特別についていますから安全だと言われる言い方に対して、いや原子力研究所でROSAHの実験がやられて、危険だという報告が出ているというこの問題をめぐって、この委員会でも何回か取り上げてまいりました。先日の九日の委員会で児玉審議官は、原研の実験はROSAの炉体そのものが小さいということ、「そういうことを補足した意味で三菱重工で大きなものでのモデルの実験をやったわけでありまして、そのときに実際水が入ることを確認しておるわけであります。」というふうに、これはもう議事録に書いていますけれども、そういう答弁をなさっているわけです。そもそも三菱の実験の結果というのは、最初の大飯にUHIを取りつける許可申請の申請書に、関電側から添付書もつけてこの許可の申請に当たって、関電が三菱に委託をしてやったこの研究なんですね。ですから、原研の研究が出た、規模が小さいから不十分だから、新たに三菱に委託をしてその実験結果を取り入れて安全審査会としてのオーケーという判定をしたと、こういう事の経緯ではないわけですね、まずこの事の経緯をはっきりしてください。
○政府委員(児玉勝臣君) その原研の実験とそれからこの三菱重工におきます高砂工場での実験との因果関係というのは、私ちょっとよく存じ上げないわけでございますが、いずれにしろ大飯にUHIを設けるということについての工学試験をやるということについては、これは当初から計画されたことであろうと、こう考えております。したがいまして、その実験の結果を安全審査の添付書類として提出し、その内容について審査を受けたと、こういうふうに理解しております。
○佐藤昭夫君 しかし、この問題は事実経過としてやはり重大だと思うんですよ。原研からの報告が出ておったと、しかし、その不十分さを補う代替物として三菱の研究を求めて、そうしてこれの方が一層信頼度が高いということで安全審査オーケーという結論を出していったといういままでの話の流れでありますから、しかし時間的経過というのはそういうことではありませんよということで申し上げておるわけです。 そういうふうにいたしますと、もう一回繰り返すわけですけれども、原研の試験の結果というのは大きく二つの問題を提起をしておる。一つは「上部ヘッドにおける流体の混合はそれほど完全ではなく、熱的に大きな非平衡状態が生じ得る。」という問題。それから二つ目には「蒸気または二相流体中への冷水の注入は激しい凝縮減圧効果を持ち、それが一次系各部の流動のパターンを変化させる事がある。」という、こういう本質的な二つの大きな問題を提起をしている。これは実験装置の大小の問題ではない、本質的な問題だということを原研レポートは提起をし、しかも、前回言いましたように、原研の公的出版物であります「原子力安全性研究の現状」一九七六年版でも、「UHI注入水の持つ凝縮減圧効果が少なくともROSAII試験においては炉心冷却に有害であったことは確実である。」という書き方をしているということで、果たしてこの原研のレポート、この指摘が安全審査においてどういうふうに扱われたのかと、さっきの私の言っています三菱との関係の時間的経過も含めてですよ。というのは、三菱のやつが先にあって、科学技術庁が委託をした原子力研究所の公式の研究レポートの中でこういうことが指摘をされておるという、この問題が安全審査によってどう取り扱われたのかということを、ポイントだけでいいですからもう一遍はっきりしてください。この私が言っています二つの大きな点がどうか。
○政府委員(牧村信之君) 当時の審査を科学技術庁が担当しておりましたので、私の方から簡単に御説明いたします。 ただ、時間の経過として三菱重工の高砂研究所の実験結果がまず先にあるわけでございます。それを踏まえまして、大飯に設けられるUHIの性能等につきまして、それを確認するために原研で模擬装置をつくって実験をした。その実験の結果をこの安全解析をするコードの信頼性に反映したというのが話の大筋でございます。 そこで、先生御指摘のように、このROSAの関電の研究で安全審査が終了するまでに行われた研究の一部に、液体の混合状態あるいは蒸気または二相流体中の冷水の注入に当たりまして凝縮減圧効果が出て水が要するによく入らないというような実験結果が出ておることも事実でございます。しかし、この原研の報告書にもございますように、原研の模擬装置がダウンカマが狭いというような条件の違いも出てきておるわけでございまして、実際の原子炉との模擬の仕方がそれほど完全ではなかったということは原研の報告書の中にも言っておりまして、その最終の結論のところには、実際の炉にこれを直ちに当てはめるのはきわめて問題があるということも指摘しておることも事実でございます。しかしながら、この原研の実験データをこの解析に使っておりますサターンというコードで解析しますと、そのような原研の実験に使ったようなディメンジョンの状態では確かに入りにくいという解析データも得られておるということがあるわけでございます。そういう観点から、この安全審査に使いましたコードが実際の原子炉の挙動を十分模擬できるという点に効果があったというのが安全審査の審査会の報告を受けて出した結論でございます。 それから、その後の点を少し補足させていただきたいと思いますが、原子力研究所ではその後もいろいろな条件を変えましてこのROSA計画というのをやっております。その計画では、たとえばUHIの入る圧力がうまく入らなかったのは七十五気圧のときがその問題が出たわけでございますが、その後八十四気圧あるいは百気圧近い注入圧でやったときの実験等がいろいろ審査の後にも行われておるわけでございます。そういうような問題も加味いたしまして、安全審査会にはこのECCS検討会というのを審査会の中に設けまして、引き続きそういうデータを常時入手して検討を加えてきたわけでございます。また、外国のウエスチングハウスにおきましても各種の実験がその後も行われておったわけでございます。そういうものを踏まえて、日本と米国の間で取り結んでおります規制情報交換会議の場で、両者の専門家が何度も集まりましてこの問題を議論しております。その最終的な結論が出まして、ECCSを、UHIを作動する圧力についてもう少し高い方がよろしいという解析結果も出てまいりまして、その後この大飯のUHIにつきましては設置の変更の許可が出されまして、審査時に八十四キロの圧力で注入するということになっておりましたが、それを引き上げまして九十八キロという注入圧に変更するなどの変更もいたしましてUHIが有効に働くようにさらに万全の措置をとったというのが、この原研の結果を活用しつつ安全審査に反映していきました経緯でございます。
○佐藤昭夫君 いろいろ言われましたけれども、しかし依然としてUHIの安全性の問題については問題が解決をされていないというふうに指摘をされる専門家というのもかなりあるのです。たとえば、三菱重工の実験というのは、計算結果において想定される事故現象の一部分だけを分離をして取り出して実験を行ったというものだと。私も資料としていただきまして、それを見てそういう感を強くするわけですけれども、大きく三つの問題点がある。一つは、事故現象の初めから終わりまでの一貫した現象がとらえられていない。それから、UHIの冷水を注入した総合的実験がいまだ行われていない段階で総合実験と照合することにより信頼性を確認すべき計算コードを用いて実験条件を決めている、等々ですね。こういう問題が指摘をされているわけですけれども、時間の関係でまたこれだけできよう問答を繰り返すというわけにはまいらぬわけですけれども、UHI安全性をめぐる問題について、別に政治的な思惑も何にもなく、本当に大丈夫かということについて意見を出しておられる専門家の方々と一遍何かの形で議論をやる、そういう場をつくる気持ちはありませんか。
○政府委員(牧村信之君) UHIにつきましての安全委員会の考え方は、ただいま申し上げたようなことで十分安全であるということでございますので、そういうような御指摘を受ければ安全委員会としては、そういう御指摘にはいつでもフィードバックして大丈夫かという議論はしておるところでございますけれども、ただいまの先生の御指摘につきましては帰りまして相談してみたいと考えます。
○佐藤昭夫君 話を進めますが、今回の大飯原発の想定事故の安全解析、これについて、使用をした解析コードは、いわゆる前回の質問のあれで修正マーベルといいますか、それを使ったんだということでありますけれども、これが安全の保障をされる妥当なコードかどうかということについて、安全委員会はこの修正マーベルが妥当なコードかどうかということの検討はどういうふうにして実証したんですか。
○政府委員(牧村信之君) この点に対しまして一番重要なところでございましたので、通産省にいろいろな傍証のデータを安全委員会としてもお願いしたところでございます。そこのそのデータと申しますのは、通産省が原子炉を建設し試運転等を始めるときに、あるいは定期検査等におきましていろいろな負荷遮断試験等を行っております。こういうときに原子炉がどういう応答をするかというデータがいろいろ蓄積されておるわけでございます。そのデータと今回解析をやりました大飯についてのデータがあるわけでございますので、そのデータを突き合わせてみるというようなことを通産省がまず行ったわけでございます。安全委員会としては、その点で今回の事故解析を行いますに当たりまして十分使えるコードであるという考え方をとっておりますが、さらに安全委員会は万全を期するためにWREMコードというコードを原研が持っておりますので、原子力研究所にも通産が行ったと同じような事故シークェンスで解析を依頼いたしました。値はコードが違いますので全く同じではございませんけれども、出てきた答えは定性的には通産が行いましたのとほとんど同じ結論を得たわけでございます。こういうものを踏まえまして安全審査会の先生はこのマーベルコードにおける通産の解析は信頼してよろしいという御判断をおとりになったというふうに伺っておるところでございます。
○佐藤昭夫君 念を入れるために原研に修正マーベルの妥当性のチェックを依頼したということでありますが、ところでこの原研チェックで「UHIの作動については、解析時間が非常に長くかかることから、蒸気発生器のU字管内に水位モデルを採用せず、UHIを無視して解析を行った。」ということが電気新聞の五月二十三日号、電気新聞にECCS問題大飯解析のシリーズを載せていますが、そのナンバー(4)、この電気新聞五月二十三日号にこういうことを書いているというのは御承知ですか。
○政府委員(牧村信之君) 原研で行いましたのは、解析結果をさらに万全にするためにUHIが入った場合と入らない場合を二種類をやったというふうなことでございまして、むしろチェックを厳重にするために解析をやったわけでございます。
○佐藤昭夫君 それはよく承知の上で聞いているんですが、電気新聞の記事は御存じですか。
○政府委員(牧村信之君) 私自身、電気新聞の記事は知りません。
○佐藤昭夫君 これはちょっと話の中でこれを提起をしたわけですけれども、急な話でありますから、一遍電気新聞をよくごらんになって、電気新聞に相当の、何回か連載記事の中の一こまとしてかなり専門的立場からそういうことを書いておるという問題でありますので、よく検討していただきたいというふうに思うんです。 これもいままで触れておりますけれども、このUHIの安全性の問題についてはまだ本当に実証性が確認をされてないんじゃないか。アメリカでもセミスケールのUHI実験MOD3というのをやっているんですけれども、これの結果が出るのは来年の四月ですね。ですから、国際的にもまだ実証性が本当に確立をされておるという問題ではないだろうというふうに私は思うんです。ぜひさらに一層の検討を加えてもらう必要があると思います。 時間がありませんので、話を進めますけれども、大飯原発の現に行われております運転管理体制の問題でちょっとお尋ねいたします。 さっきも言いましたように、私も含めて共産党としては五月の二十一、二十二と現地調査に行ってまいりました。いろいろ発電所の実際を目で見、また、関電の責任者からもいろんな説明を聞いてきたわけであります。果たしてこれで安全だろうかという運転管理体制についてずいぶんはだ寒い感じがしたんです。 それで、一例として聞くんでありますが、これは通産省になりますか、発電所の中央制御盤がありますね、この中央制御盤パネルの監視要員というのは何人ぐらいか、それから中央制御盤のメーターは幾つぐらいあるのか、それから手で動かす手動バルブが幾つぐらいあるか、どういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(児玉勝臣君) 制御室におりますのは一直、当直長、副当直長、それから操作員が大体まあ四名か、また三名ということで、大体五、六名がそれに対応しておるというふうに存じております。 それで、いまおっしゃいましたようなたとえば計器とか、それからリレー表示盤等々幾つあるかというのはちょっと私もわかりませんが、非常にたくさんあるのは間違いないわけでありまして、数はちょっとわかりません。 それから操作すべきバルブというのは、これはバルブ全体といたしましては一次系で五千五百程度ございますけれども、しかし、それは制御盤で実際に動かしますのは緊急時に操作の必要なものとか、それから流量調節が必要なものとか、それから放射性の高い場所にあるものとか、そういうふうなものが自動操作というふうに考えてやっておりまして、それ以外に電気的なまた開閉装置というものも同時にございますので、確かに先生おっしゃるように相当な数の操作用の弁——弁といいますか、操作用のいわゆる弁と、それから電気的なスイッチといいますか、開閉器というものが存在しておるというわけでございます。
○佐藤昭夫君 大臣、大飯の原発に限りませんけれども、大臣になられましてから原子力発電所の制御室をごらんになったことがありますか。
○国務大臣(金子岩三君) 私はありません。
○佐藤昭夫君 いま児玉審議官のああいう御答弁ですけれども、私どもが直接聞いてきた話はこういう話なんです。とにかく制御盤には手で動かすバルブが一万ぐらいあるというのです。それからメーターというのは、数は確かめませんけれども、とにかくもうずいぶんたくさんある。監視要員は正副責任者プラス三ないし四。五、六人と、こういま児玉さんは言われました。関西電力から通産省への報告はそういう報告になっているかしらぬけれども、私たちが聞いてきたのは監視要員は二人と聞いたのです。二人の人間で一万からある手動バルブを預っている。そうしてそのメーターというものは数限りなくある。こういう状況で、果たしてすわというときに安全管理体制が全うされるかということで本当にはだ寒い感じがしたんです。 通産省、この大飯の原発をもし再開するかどうかということにも絡んで、安全解析に続いて、多少この保安規定についての見直しの指導をなさっている模様ですね。この問題を検討されていますか。
○政府委員(児玉勝臣君) 大飯につきましては、現地に監査チームを送りまして、そこで十分実態の監査はしております。それから運転におきましては、運転員との懇談会も実際やりまして、いろいろ運転員からの意見も聞いてきたわけでございますし、また実際の運転チームをPWRの訓練センターに一チーム呼びまして、そこで実際の平常時運転をまずさせまして、それからその後異常時運転の対応というのを実際にさせております。 そういう監査結果から、特に人員が足りないというように私たちは検査官から聞いておりませんので、その辺は十分いいのではないかと私は思っております。
○佐藤昭夫君 ですから、そういう立ち入り検査をなさった検査官の報告がそういう報告になっている。しかし、本当に自分の目で確かめた立ち入り検査になっているだろうか。現にいま制御盤の監視要員、私ども直接聞いてきた話とかなり食い違いがあります。ということで、本当に名前だけは立ち入り検査、こうなっていますけれども、本当に安全を確保するという立場からの入念な点検になっておるかどうか。私は大いに疑問を感ずるのです。もう一遍よく実情を調べて念入りななにをやっていただきたいというふうに思います。 話を進めます。原発事故に際しての防災計画について幾つかお尋ねをいたしますが、先ほども藤原委員の質問もありましたので、重複する部分を避けますけれども、いずれにしましても五月二十一日に、これは新聞報道によれば、周辺防災対策専門部会の初会合をなさった。二回目は六月の初め、七月の中ごろに可能なテーマについてはまとめを出すという新聞報道になっておりますけれども、事故発生以来六十日たっています。この防災対策の問題については、一番最初に参議院で取り上げられたのは、四月の初旬のごく初めの予算委員会で問題になって、総理からも、直ちに必要な体制を検討いたしますという答弁があって、私も何回か前の委員会でこの問題について、長官の方からも鋭意督励をして急ぎますという話であったんですけれども、これが五月二十一日初会合ということで、もういろいろ理由は言われるでしょう、各省庁にまたがっておる作業でありまして——何やらかんやら言われると思いますけれども、どうしたってこれは余りにも迅速性に欠ける作業のテンポだというふうに思わざるを得ないわけです。 そこで、そのことを前置きとしながらお尋ねをしますが、この専門部会は何をテーマに検討をやるんですか。
○政府委員(牧村信之君) 検討テーマに入ります前に、政府が当面とるべき措置をまず先に決めたということに時間を費したことを、言いわけではございませんけれどもあれでございます。 それから安全委員会に何を御議論願うかということについて事務局と安全委員会の間でいろいろ御議論いただいた結果、四月の二十三日に部会を決めると、それから初会合を先生御指摘のようにこの二十一日に開いたということでございますが、その間いろいろ、どういうことを御議論いただくかというような中身のことを議論しておったと、それから二十一日に延びましたのは、やはり専門部会をつくりますと、従来の専門部会とは違いまして地方の防災計画等との関係で非常に幅広い人をお願いしなければいけないというようなことから、先生方の御承諾あるいは発令手続等にも時間がかかったことは事実でございます。 それから審議の中身で、これから審議しようということにこの前の第一回の会議で御議論いただきましたことは、防災計画をあらかじめ定めておく地域の範囲を全国的にどう考えたらいいか、あるいは防災対策を発動するのに、いまある目安線量というものが必ずしもワーカブルではないために、これをもっとワーカブルにするための基準というものについて御議論いただくと、それからモニタリングを万一の事故が起きましたときにどういうふうにやったらいいか、その測定値等の技術的な基準、あるいはモニタリングを強化するに当たりましてのどの辺の線量になったときに行ったらいいかというような問題等、主として技術的な問題につきまして早急に御審議をお願いするということで、今後精力的に御審議をお願いするようにしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○佐藤昭夫君 ただいまのお話ですと、検討事項の一番根本の問題が抜けているんじゃないか。と申しますのは、これも何回か前の委員会で少し触れましたけれども、例の一九五九年に科学技術庁が原産会議に、原子力発電所に事故が起こったときの被害想定評価、これを委託をしてそれの報告が出された、相当詳細な報告であります。これは十六・六万キロワットの原子力発電所、そこで最大級の事故が起こった場合ということでのいろいろな被害がどう試算をされたかということをいろいろやっているわけですね、こういう一応のひな形もある。さて防災計画をいろいろつくる上で、大きな事故が起こった場合にどこまで一体放射能が拡散をしていくかということについてのそういう想定をやらずにして、一体そういう場合に備えて、そのときにはどういう緊急出動体制をとるか、緊急避難体制をとるか、援助体制をとるかということのプランが立てようがないでしょう。この問題の検討をやるんですか、重大事故発生の場合の事故想定評価を、この被害想定を。
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘の原子力産業会議が行いました事故想定と申しますのは、その調査の目的が賠償法というものを考える場合の基礎資料にならないかということで調査したものと私どもは理解しておるわけでございます。 で、防災対策を実施する場合に当たりましても、原子力発電所が事故を起こしまして、どのような放射線がどういうふうに出てくるかということを想定してのいろいろな検討が当然必要ではございますけれども、その事故の想定の仕方につきましてはいろいろ技術的にこれから御議論をいただかなければならないところでございます。原子炉が、圧力容器の中に燃料があり、格納容器がその周りにあり、いろいろな防護措置がとられておる、その上に万々一の事故が起き放射線が外に流れるときに、一番住民の災害を防ぐという措置をとるのに、こういう手法の——線量であるとか、対処をするケースを考えるかというのは、これはいろいろな問題点があるところではございます。 この問題につきましては、外国でもいろいろ防災対策というのが考えられておりまして、現在詳細な各国の調査も進めつつ、外国の状況も踏まえて専門部会でいろいろ御議論いただくことにしておるところでございます。したがいまして、先生がおっしゃるような、直にそういう事故をまず想定してということになるかどうかは、これから専門家の先生方のいろいろ御議論を踏まえてやっていかなければいけないことだというふうに考えておるところでございます。
○佐藤昭夫君 最後に言われたような、そんなおかしな論法が通りますか、防災計画、防災方針を立てるという場合に。とにかく最大規模から始まって中規模、小規模、いろんなケースを想定しながら、こういう場合にどういうふうに放射能被害が起こるのかというものをまず試算をして、それに基づいてそれぞれのグレードの事故に対してどういう防災的対応をするかということがそこから出てくるというのはもう至極当然な話でしょう。地震の場合だって同じじゃないですか。震度何ほの、それに対してどうするかという、当然こういう対応があるわけでしょう。ですから、どうしたってこの問題をはっきりしなかったら本当の防災計画というものにはならない。 かつてこの原産会議の報告が、まあいわば闇に葬られたというのは、余りにも賠償額が大きい、ごっつい数字になってくるから、これが公にされたんでは、一つは、国民世論の上で、原子力発電所は安全だ、安全だというふうに言うてきた、これに対して大きな国民不安が起こるという問題と、賠償額がもうでかでかなり過ぎるというここの二つの政治的配慮からこれがこのまま葬られてきたといういきさつがありますけれども、しかし、原産会議が行ったこの試算について、手法上のいろいろ見直しをやらにゃならぬという問題があるんだったらあってもいいですよ。いずれにしたってこの問題を取り上げなさいよ。ぜひともこの問題を取り上げて、これを基礎に据えて、どうやって防災計画をつくるかということが検討されてしかるべきじゃないですか、どうですか。
○政府委員(牧村信之君) 私どものいまの立場は、防災計画をあらかじめ立てておくべき地域の範囲であるとか、防災対策を発動するかどうかを判断する基準、この問題にかかわる問題を、先生が御指摘なさっていることは十分承知するわけでございます。そのアプローチの仕方において、先生のおっしゃるような方面からアプローチしたらいいのかどうかということについて、私が専門部会をそのようにリードをするということをただいま申し上げる立場にはない。お集まり願った先生方あるいは安全委員会の先生方にいろいろ御議論していただきまして、その場でこう決まった方針と申しますか、結論を得ていただきたいといま私は思っておるところでございます。
○佐藤昭夫君 実はこの問題は、長官、衆議院の災害対策特別委員会で、わが党の山原議員からもこの問題を提起をいたしまして、国土庁長官が、原産会議からこういう報告が出ておるということは実は初耳だということで、それはいずれにしたって今後の防災対策を考える上で検討しなくちゃならぬ重要資料になるということで、ぜひ検討素材にさせていただきますということを国土庁長官は答弁なさっているわけです。そういう意味で、この手法上の多少の見直しをやらんならぬならやるんで、こういうふうにやるんですということを——あのままでは信用できませんというネガティブだけなことを言っているのじゃなくて、こういうふうにこの評価をやるんだという積極方針を、そんなこと言うんだったら出してもらうという形で、いずれにしても、想定をされる被害をどういうふうに試算評価をするかという、ここをはっきりさせなんだら、本当に安心できる防災計画にはならぬわけです。事故と言ったってこの程度の事故しか起こらぬだろうという、ここから出発をして議論をやっておったんではということで、国土庁長官もそういうことを言っていますから、科技庁長官、どういう形でこれの検討をやるかということはよくひとつ政府部内でぜひ検討していただく。いずれにしても、これを至急に検討課題に取り上げるということでやってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(金子岩三君) 御趣旨はよく私も理解できます。御趣旨に沿えるよう、ひとつ検討いたしたいと思います。
○佐藤昭夫君 それからもう一つ。防災専門部会が発足をした新聞記事と関連をいたしまして、これからいろいろなことを検討して、七月の中旬ごろに何かの結論を目指すということで、必要なものは来年度の予算との関係で、概算編成までに予算措置の必要なものについてはいろいろなリストアップをするというようなことが新聞に出ているんですけれども、しかし長官どうでしょうか、来年度予算を待ってということではなくて、当面直ちに必要な防災上の手だてですね、私も現地調査に行きまして大飯の町長や小浜の市長さんに会って話をしてまいりましたけれども、自治体独自で防災対策を講じようと思っても予算がない、それから権限がないんです。たとえば緊急避難命令を出そうと思ったって、いま町長、市長では緊急避難命令を出す権限がないわけです。あるいは地元にある原発が危ないというときに、とめてくれということを指示するそういう権限も通産省しかないという、いろいろな問題が含まれているわけです。いずれにしてもそういう問題はいろいろ検討をするにいたしましても、当面最低必要なことについて、来年度予算を待たず、予算が要るという問題については予備費を使うとかあるいは五十四年度予算の若干の補正——更正予算ですね、これを組まんならぬということであれば、その更正予算を組むとかいう方法を使ってでも五十四年度に予算上措置すべきものは措置するということで、ひとつ急速に防災対策の問題について手当てをする、手だてをする、この点について大臣にお願いをしたいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(金子岩三君) 概算要求を七、八月にして、その予算が執行されると、ちょうどいまから一年の空白ができるわけでございますが、その間に防災対策の基本的な方針が立ちまして、いま当面緊急な災害として取り上げなければならないような事態が発生したならば、もう当然それは何らかの形でひとつ財源措置はいたしたい、それはまた可能である、このように考えております。
○佐藤昭夫君 それからもう一つ。牧村局長が言っておられます当面の措置についての藤原さんが御質問なさったことで、当面の措置としてこんなことを考えているんだと、いま自治体とそのことで相談をやっているんだという御説明がありました。このことが載りました新聞の報道記事に、いわゆる防災対策発動の基準の目安として、大体八キロ以内の地域、これは現在の福井県の地域防災計画でも大体八キロというようなことを念頭に置いておるし、アメリカのスリーマイルアイランドの原発事故でも八キロ、五マイルが学校の閉鎖、妊産婦や児童の避難などの勧告が出た目安になっておったということで、この八キロというのが出ていますけれども、このことを当面の防災対策発動の目安に考えておられるんですか。
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘の点については、福井県からどのくらいの範囲という点につきましての国の考え方なりをぜひ示してほしいという御注文があったわけでございますが、私どもは先生ただいまおっしゃいましたような八キロを当面考えておいていただいたならばいいんではないかということで、その理由としてはスリーマイルアイランドの例、それから、現に福井県がお持ちの範囲が八キロであったということでございます。この範囲についての妥当性につきましては、これから全国的の問題として原子力安全委員会の専門部会の方でも御議論をいただくわけでございますが、さらに、その程度が適当であろうと考えました根拠といたしましては、アメリカの例、あるいはスイスの例では六キロ、スウェーデンでは五ないし十キロ、西独では……
○佐藤昭夫君 もういいです。ちょっと時間がありませんから、結構です。
○政府委員(牧村信之君) 外国の例も一応頭に置きつつ、わりあいいいところにあるということも事実でございます。
○佐藤昭夫君 大体当面の目安として考えておると。まあ、しかし、これから専門部会で、それで妥当かどうか検討するんだというふうにおっしゃっていますけれども、私は「当面の目安として」、とんでもないと思うのです。外国の例があるか知りませんけれども、大体外国も含めて、いま全世界が原発は安全だという考えで、起こるはずはないけれども、もしも、ということで、非常に少な目のそういう考え方になっている。さっきから言っています、大臣、一遍実物をよくごらんください、原産報告のあそこに出てまいりますけれども、十六・六キロワットですから、現在のこの百キロワットを超す大型原子力発電所になれば、もう出力——したがっていろいろな被害、単純なあれでも七倍になるということでお聞きをいただきたいのですけれども、二十五キロ以内で致死、被曝者が死ぬ。六十四キロ以内では障害が起こる。百六十キロ以内では緊急立ち退きをしなければならない。二百キロ以内では農業、漁業の制限、戸外活動の制限、立ち退きが必要。この立ち退きの百六十キロというのはどれくらいか。大飯原発、ここを中心点にしまして百六十キロの円を書きますと、四国、それから伊勢湾、能登半島、これをずうっと包む、こういう円になるのです。百六十キロというと。琵琶湖もすっぽり入る。こういう事故が起こるかもわからない。そういう場合には一体どうするのかという問題として実は検討しなくちゃならぬのだという問題だと思います。 いろいろ質問をいたしました。大飯原発のそもそも最初の安全審査が不安がある。それから今度のアメリカ事故を想定、仮想をしての安全解析についても心配がある。それから安全委員会が行った安全チェックのこれの体制についても、私、冒頭言ったようにいろいろ問題があるじゃないか。防災計画についても、いまお考えになっておるようなことでは住民の不安はぬぐい切れませんよという、いろんな角度からいろいろ申し上げたわけです。 それで、実はもうあと一言で済みますので、大臣もいらっしゃいますから、理事会で御協議をいただくことになろうと思いますけれども、扱いは御協議いただくことになろうと思いますけれども、大飯原子力発電所の運転再開に関する決議案を私ども共産党としてはつくりたい、できればこの委員会の名前によってつくりたいということで、共産党としての提案をしようと思っておりますけれども、もう簡単でありますから、この文章をさって読ましていただきます。 三月二十八日アメリカのスリーマイル島原子 力発電二号機で発生した事故の重大性にかんが み、政府は次の諸点についての措置を講ずべき である。 一、関西電力の大飯原子力発電一号機の安全解 析についての原子力安全委員会の「判定」は、 各方面からその不十分さがきびしく指摘されて いる。よって政府および原子力安全委員会は、 安全解析の見直しをおこなうこと。 一、スリーマイル島原子力発電二号機の事故の 全容の把握および解明を急ぎ、得られた情報は 逐一国会に報告し公表するとともに、広く学者、 専門家、自治体関係者等の意見も求めてわが国 の原子力発電の安全性を総点検すること 一、事故後六〇日も経て原子力安全委員会の原 子力発電所等周辺防災対策専門部会の初会合が 開かれ、迅速性に欠けることは極めて遺憾であ り、原子力発電の被害評価を早急に試算すると ともに、それにもとづいた具体的で実行性のあ る防災計画、地域避難計画を国の予算措置もふ くめて策定すること 一、具体的な地域防災計画すらない大飯町なら びに周辺住民の不安は深刻であり、大飯原子力 発電一号機の運転再開については、住民の同意 を前提に慎重な態度をとること よって政府は、以上の諸措置を講じないまま、 大飯原子力発電一号機の運転再開を実施すべき ではない。 右決議する。という案でございます。 時間が超過をいたしましたけれども、法案に入れないままですが、これで終わります。
○中村利次君 外務大臣と通産大臣が出席をされた国際エネルギー機関の閣僚理事会も先日終わったばかりでありますが、非常にエネルギー問題、深刻な受け取り方をこのIEAの閣僚理事会でもしているようでありますし、来月の末、東京で開かれます先進国首脳会議でも、このエネルギー問題は重要議題の一つ、最重要議題として取り上げられるということでありますから、この問題についても質問をいたしますけれども、その前に、先日私どもはアメリカのスリーマイルアイランドの事故、それから大飯1号の停止、安全チェック、それから大飯の運転再開等について民社党として原子力安全委員会及び関係大臣に申し入れをいたしました。本委員会でも私は申し上げたんですけれども、安全チェックをやるのに大飯1号をとめたのは、私に言わせると、その必要なかったんではないか、定検までは運転を続けたままで安全チェックはできたはずである。これはアメリカの規制委員会の勧告等も引き合いに出してそういうことを主張するといいますか、質問もしております。それから同時に、そのときに申し上げましたのは、安全委員会が停止をして安全チェックすることを決めた、通産省がそれを受けて通産省の指導によって関西電力は大飯1号を停止をした。このことが、私は国民の皆さんも原子力発電の開発に反対をする人たちも、安全委員会も政府も本当にこの安全についてはまともに取り組んで、大飯1号にしても停止をして解析をするという、そういう安全については非常に慎重な姿勢をとっておるんだから、この政府の姿勢に対してわれわれもやっぱりそれに対応をしようという、そういうものが生まれるんだったら私は必要としてこれはもう大いに賛成をします。しかし、私はそうじゃありませんよということをここで言ったはずです。一般国民の皆さんは、やっぱりこれはスリーマイルアイランドのああいう事故があって、大飯もとめなければ安全上問題があったんだという受け取り方をしゃいませんか。それから、反対をする人たちは、それ見てみろ、安全上問題があるからとめたんだと、こういう言い方をしていますよ。これはしていますよ。そして解析の結果、運転再開よろしいということになっても、どうですか、実力で阻止すると言っているじゃないですか。たとえば、成田空港はいま日本の空の窓口としてもう開港以来一年ちょっとたちましたけれども、あそこも開港するには実力で阻止した反対派を排除をして開港しましたね。原子力船「むつ」が佐世保に入港して修理をすることが決まった。入港するときにどうでしたか。数十隻のボートで実力阻止をする反対派の人たちを押し切って排除をして、あそこへ無事原子力船「むつ」は入港したわけです。ここで原子力船「むつ」は非常に例として近々しいですが、空港は余り例には向かないかもしれませんけれども、いま何かで空港を一時的にも閉鎖してごらんなさい。再開するときには必ずまた成田空港反対の人たちは実力阻止をすると思いますよ。あるいは原子力船「むつ」が何かの都合であそこから出て、またもう一回佐世保に入るということになれば実力阻止をする、そんなものです。おわかりになったかどうか知らないけれども、私はそのことを言っているんですよ、決して反対をする人たちが政府の姿勢をほめやしません。そして運転再開に当たってはまた激しく攻撃が加わることは間違いないと言ったんだが、全くそのとおりで、実力阻止をするとおっしゃっておりますけれども、運転再開に至るいきさつと、それから実力阻止をするんだと言っている人たちに対する対応はどうなさるのか、これをまず伺いたいと思います。
○政府委員(児玉勝臣君) とまる一番最初のきっかけというのは、御案内のとおりに、アメリカにおきます加圧器の逃がし弁が開いたまま閉まらない、そういうときにはECCSの投入時期がおくれるのではないかという疑いが持たれましたNRCの勧告から端を発したわけでございまして、そういうことに対する対応の一つとして大飯についてはどうかということで、そういう検討が四月十二日、十三日にかけて安全委員会においていろいろ御審議いただいたわけでございます。その際、NRCの言い分によりますと、圧力を監視していて、それで圧力が低くなったときには手動でもって運転をとめるというふうなことでどうかという話がございました。しかし安全委員会も私たちも後で納得したわけでございますけれども、やはりヒューマンクレジットというのはそう確度高く期待すべきものではないということについてはお説ごもっともでもありますので、そういう緊急事態の問題について、人に過大な負担をかけるというのは適切でないという判断もございました。しかし、そういう過大な負担をかけるまでもなく自動的にとまるであろうということで私たちも実は説明したわけでございますが、残念ながら、輸入機械ということもありまして、その辺の計算、いわゆる科学技術的なデータが不足しておりまして、十分安全委員会を説得することができなかったということが実態でございまして、そういうことで安全委員会においてもまだ疑問視されているような事態がなお続くということはいかがなものかということで、非常にハイレベルの決断をここでお願いして認めたといういきさつでございます。 そこで、いまから考えますと、NRCがB&Wの発電所七カ所に対して現在停止さして点検さしておりますけれども、これもみんなとめないと点検ができない問題であるのでとめたと。そういう辺で、とめるに至るはっきりした理由という問題を持ってやっていることから考えますと、やはり運転したままできた計算だったのかもしれません。しかし、当時の一つの国家的な雰囲気といいますか、そういう情勢の中ではやはりそういうハイレベルの決断というのも間違ってはいないのではないか、こういうふうに私は考えております。 それから実力阻止の問題でございますが、そういうことはいろいろ新聞には書かれておりますけれども、私たちとしてはそういうような強引な運転再開というのはやはり原子力の平和利用そのものを大きく傷つけるものでもあろうと思いますので、なるべくそういう問題は避けていかなければならないし、また、そういうものについてはある程度のやはり納得といいますか、一つの社会的なルールにのっとってやはり事を進めなければいけないのではないかと思います。そういう意味では、急がば回れのたとえのようなこともあるかもしれません。そういうことは相手を見て、それから市町村、県の意見を聞きまして対処したいと、こう考えております。
○中村利次君 現地の実態を私は政府がどれほど承知をされておるのか、これはやっぱり実際にそこで対応をし具体的に運転の再開をするのは事業者だと思うんです。事業者ということは、そこで働いている第一線の人たちなんですよ。もう電力はけしからぬと言われたって、一般の人たちは委託集金、委託検針も関西なら関西電力と総称をして言うわけです。ですから、そこで働いている現場の人たちが矢面に立って、それこそもう塗炭の苦しみを味わわなければならない。本当に何でこんないやったらしい思いをしなきゃならぬかということは現場で働いている人たちはみんなが持っていますよ。ですから、私は停止をする以外安全チェックの方法がないというもう絶対的なものがあれば、これは当然です。また何回も繰り返しますけれども、やっぱりより以上に、より以上にという安全性の追求をもう無限にやっていこうとしてとめたことに対して、一般の、あるいは反対派の人といえどもやっぱり評価をしてもらえるというんだったら大いにこれは価値があります。しかし、私に言わせるとそうじゃない。まあ、こういうことを言っては非常に矢礼だと思います、恐縮ですけれども、そういうばかげたことはもうこれからは余りおやりにならない方がいいんじゃないかということをいままでも言ってきたつもりです。まあ、これはくどくど言ったってしょうがございませんから……。 そこで、IEAの閣僚理事会で三月の一日、二日にもいろんなことを決めたわけでありますけれども、これは日本のエネルギー対策、それから石油節約の具体策と非常に変わりがある。ひいては、石油に肩がわりをするものは何だと言ったら、いま何と言ったって、どなたがどんなことをおっしゃっても、千三百万キロ近く、千二百八十万キロばかり営業運転に入っておる原子力、それから石炭、当面あるいは中期的に変わり得るものはこういうもの以外にはない。そうなりますと、これはやっぱり再処理問題を含めて原子力を無視したエネルギー対策はもうあり得ないわけであります。その前提として、この間の二十一、二十二でしたか、IEAの閣僚理事会でどういうことが決まったか、新聞報道は読んでおりますけれども、改めてお伺いをいたします。
○政府委員(児玉勝臣君) IEAの閣僚理事会が開催されまして、そこにおきますコミュニケを入手いたしまして内容を見ますと、一つは、参加各国は短期的な石油市場を分析した結果、石油市場が一層厳しさを増すだろう、それがさらに一九八〇年まで続くという見通しを立てたのが第一でございます。したがいまして、約五%の節約措置を一層強化しようということでございます。 それから、主なものだけ選びますが、スポット市場を含む石油市場構造の分析と言っておりますが、これは平たく言いますと、スポット市場の中で融通されます油の買いあさりをやめようということであります。要するに、石油の価格を無用に刺激して高価格にすることを防止するという意味でございます。それからさらに、省エネルギー政策を推進することによりましてエネルギー需要の弾性値を低下させるとともに、省エネルギーの重要性を啓蒙するため本年十月国際省エネルギー月間を設けるということを決めております。それからさらに、石炭政策の原則というのを採択いたしまして、石炭の開発利用拡大を進めるということであります。さらには、安全性を配慮し、その情報を十分国民に伝達しつつ原子力開発計画を促進するということを決めております。それから、エネルギー研究開発、特に実用化に重点を置きまして十分な財源と人材を投入する。またこの分野での国際協力を進めるということと、それから産油国と非産油国、発展途上国とのエネルギー分野での協調を図ろう。そういうようなコミュニケが発表されております。 そういうことからいきまして、わが国においても五%の節約をさらに強化しなきゃいかぬということ。それから、石油のマーケットを乱すような買いあさりを石油業界としては改めなければならないということ。それから、省エネルギー月間として十月に行いますので、そういうことに合わせて日本の国でも国民運動として十分発揮しなければいけない。それから石炭の開発利用、そういうようなことがやはり国際社会の中におきましても認められましたので、日本の国としてもさらに拡大して政策を進めなきゃいかぬと、こう思っております。
○中村利次君 ありがとうございました。これはやっぱり容易でないと思います。 それで、通産大臣もアメリカに対しては言うべきことは言われたようでありますけれども、いま審議官のお答えの中にもございましたスポット価格が、伝えられるところによりますと三十ドルあるいは三十五ドルという、全くこれは本当に気違い値段といいますか、異常な価格がついたということが伝えられておりますけれども、三十五ドルというのは本当ですか。
○政府委員(児玉勝臣君) ちょっと私、不明にしてその辺の値段のことはよくわかりませんが、非常に高くなったということは聞いております。
○中村利次君 三十ドルというのはあるんですよね。
○政府委員(児玉勝臣君) はい。
○中村利次君 そうなりますと、私はもう非常に心配しますのは、私がいつも言っているのは、量で五%ぐらい日本が本当に輸入が減ってしまったら、どう言えばいいんでしょうね、これはやりようによってはパニック状態に陥る危険性があるわけでありますけれども、むしろ量の問題よりも価格の問題が大変心配だ。これは下手まごつくと狂乱物価に、悪質インフレになるわけでありますから。 それから、国際エネルギー機関の閣僚理事会で三月に石油の五%節約を決めたばかりで、それができないで、スポット価格をたとえば三十ドルあるいは三十五ドルという気違い相場をつけるような事態を招いた。それから今年度五%節約を実現しようという再確認をしたけれども、アメリカも日本もどうもやっぱり達成できそうにない。そうなりますと、三十ドル、三十五ドルという相場のついたスポット価格が、長期契約の価格もとにかく二十ドル、二十五ドル、三十ドルというぐあいに、比較的短期間に大変な値上がりをするんではないか。これはいろいろ異論があるかもしれませんけれども、私どもに言わせると、日本列島改造論、日本列島は改造しなきゃならない、改造論は賛成だけれども、あの田中さんの改造論によって、地価なんというのは一般庶民なんかがはるか手の届かないところにあれよあれよという間に上がってしまった。これが下がってくるかというと、一回つけた気違い相場というものは下がりませんな。また最近値上がりぎみである。石油価格だってスポット価格がつけた値段なんというものは、決してまた十ドル台に下がるんではなくて、むしろ三十ドル、三十五ドルに向かって長期契約の価格がウナギ登りに上がっていく危険性が多分にある。それにはやっぱり答えとして石油の節約が達成できるのかどうかが大変な要素になると思うんです。そういう意味からしますと、エネルギー問題は理屈以上に実態はきわめて深刻であるということになりますと、これから先はやっぱり原子力に絡んでくるんですけれども、何ですか、昭和六十年までに石油火力を四百万キロしかふやさないんだと、これはIEAの決めに合わして石油火力というのは建設をダウンするんだと、こういうことだったと思いますけれども、そのとおりでよろしいですか。
○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃいますように、五十三年度末が六千八十一万キロワットでございますけれども、六十年度末では六千四百八十五万キロワットということで、約四百万キロワットの増加ということでございます。これは先生おっしゃいますように重油専焼火力を原則として建設しないということから始まっております。
○中村利次君 そうしますと、五十三年度の実績から六十年度に七年間ありますね。それで、石油火力四百万キロといいますと石油以外の発電所を一とうなりますか、私の下手な暗算でも、石油火力以外の発電所を大体年間七、八百万キロですか、そうすると、七、七、五千万キロぐらいになるんですか。その分は何で補充されることになりますか。
○政府委員(児玉勝臣君) 当初石油でふやそうとしていた分につきましては、これは石炭に大きく転化しております。それから、さらにLNGというところにも転化しているわけでございます。石炭火力につきましては、五十三年度末四百四十万キロワットでございますけれども、六十年度には九百九十五万キロワットということで倍増させようと思っております。それからLNGにつきましても、五十三年度末一千三百三十五万キロワットでございますが、それを三千三百九十五万キロワットということにいたしたいと思っております。したがいましてシェアといたしましては、石油火力については現在五一・七%のシェアでございますが、それが昭和六十年度には三六・二%というシェアになります。したがいまして、そういうことでその分はLNGとそれから石炭並びに原子力でそれを補完するというふうに考えております。原子力につきましては、現在一〇・八%のシェアでございますが、六十年度には一六・七%と、約三千万キロワットの開発として考えておりますが、そういうことで石油のいわゆるシェアの低下分につきましては石炭、LNG、原子力でそれを補うというふうに考えております。
○中村利次君 エネルギーの長期需給の暫定見通し、昭和五十二年の六月に発表されたものを改定をされるはずでありますから、そこでより具体的な裏づけのある計画を聞かしていただけると思いますけれども、しかしエネルギー需給部会あるいは電力審議会の需給部会等でもいろいろな計算もあるようでありますけれども、まあ仮に五%台の実質経済成長。それから、これは物価の動向なんかが私は本当に石油価格の問題で悪性インフレに襲われやしないかという心配が多分にあるわけでありますけれども、しかしそういうものをかなり無視して計算をしましても、年間の電力の開発というものはかなりのものをやっていかなければ、国民生活を安定させ雇用不安を解消しながら経済を堅実に運営をしていくことにはならぬわけですね。そうなりますと、うんとダウンをしまして、年間平均五、六百万キロの開発と仮にそこまでダウンをして考えましても、どうなんですか、これは四千万キロ近い開発をしなきゃならない。先ほど言われたLNGあるいは石炭火力、これはもうかなり思い切った肩がわりをなさるわけでありますけれども、しかし原子力ももうこれからじゃ間に合いそうにないんですが、かなりの負担を原子力にもかけませんと、大体実質経済成長五%程度に見て弾性値をどれくらいに見るかということは、これはありますけれども、しかし私は産業活動が雇用不安をだんだん解消しつつ産業活動が健全になっていくということになりますと、オイルショックのそれこそ大ショックで、がたがたと産業活動がきたことによる弾性値ほど低い弾性値を私は期待するのは無理だと思うのですね。そうなりますと、かなりこれは深刻に、日本のエネルギーバランスというものはLNG、原子力にかけてもかなり心配される。 それからもう一つは石炭。これは何回繰り返しても同じですけれども、石炭は大事なエネルギー源でありますだけに、当面石炭火力発電所なんかに、いわゆる原子力でなかなか計画どおりにいかないものを石炭に転化する、石油の分を石炭に転化する、液化天然ガスの計画の足らない分を石炭に転化するということになりますと、これは私は受け入れ体制の港湾、船腹、向こうの港湾輸送体制、そういういうものだけではなくて、環境に与える影響という意味からも大変心配なんです。ですからそういう点、これはこれからの政府の取り組み課題、私どもの取り組み課題でございますけれども、こういうことを申し上げるとお答えが非常にされにくいと思いますけれども、原子力の役割り、石炭はできるだけ目先はひとつ大事に温存をしていただきたいと思いますが、これはどうか。それからLNGも私はいま順調にしてもそれほど楽観はできないと思います。こういう問題を含めて私は非常に深刻な見方しかできないんですけれども、いかがでしょう。
○政府委員(児玉勝臣君) 先生、石炭それからLNGの開発について非常に将来を危惧されておりますが、私たちも決して楽観しているわけじゃございません。たとえば石炭の立地の問題につきましても、もはや瀬戸内の立地というのは非常に困難視されておりますし、それからLNGにつきましても、LNGタンカーが瀬戸内海に入ってくることについては非常に抵抗があるように聞いておりますし、そういう意味からいきますと、これからできます火力発電所はまず瀬戸内にはできないというのが、はっきりいえば言えるかっこうになってしまいます。 そういうことで、非常に立地港湾的に恵まれている瀬戸内地域がまず落ちますと、あとは非常に不便なところに、需要地点から非常に遠隔地に求めなきゃならぬということが問題になりまして、これはまさに原子力の立地と非常に似たような態様になってまいります。そういう点で、立地一つとりましてもなかなか問題が大変であるということが一つ。 それから、LNGにつきましても、これも、日本の国の中においてはこれは無公害良質燃料ということにはなりますけれども、供給先のプロジェクトいかんによりましては、やはり非常に中近東に片寄るとかいうようなことでの、供給安定化についてはなかなかまた問題があるわけでございます。 そういう点で、何しろ、LNGにしろ石炭にしろ相手のある問題でございますので、そう日本のぺースによって進むとはちょっと考えられないわけであります。特に最近の海外の、何といいますか、各国のいわゆるポジションというのは、要するに、一つにエネルギーの節約と、第二に自国産のエネルギーを温存すると、そういうことが大きい流れになっておりますので、日本の国の都合で、LNGとか石炭とか、そう軽々に輸出してくれるということ自身が非常に甘い想定であると言わざるを得ないのかもしれないのであります。
○中村利次君 ありがとうございました。 これはぜひ、エネルギー対策なんてものは本当に実現可能、裏づけのある対策を着実に計画を立て、それを実行していかなきゃならないことでありますから、忍術や奇術で解決のできることでございませんので、こういう深刻な課題ですから、ひとつ着実な計画を立てて実行に移していただきたい。これは政府の課題であり、また国民課題として私どもが取り組まなきゃならない、避けて通れない課題だと思いますから、そういう対策を強く要望します。 最後に、原子力の開発を進めていくとすれば再処理問題はこれも避けて通れない課題でございますか、カナダとの原子力協定の改正も、インド——あるいは午前中の質問等を伺っていましても、やっぱりあちらこちらでいわゆる核不拡散の上で問題があるような事態、事象等があって、特にカナダとの原子力協定の改正はインドを大変に強く意識したものがあるようでありますけれども、結局今度は、平和利用であっても爆発は一切これを認めない。プルトニウムは、何か工事用の、あるいはダムをつくるとかその他の有効な手段であってもこれは認めないということにこのカナダとの改正はなっておるはずですけれども、このプルトニウムの、何というんですか、管理——核ジャック対策等を含めて、民間再処理に対するいろいろな不安の御意見等も私は耳にいたします。あっちでもこっちでも、これは何も国会の議論の中で出てくるだけではなくて、そういうことを耳にいたします。私は海外の電気事業、日本の電気事業、これは全く体制が違うと思いますから、この間の参考人の意見等を徴しましても、これは電気事業のみではなくて民間の力を結集をして、関係産業界の力も結集をしてやろうということでありますから、民間再処理ということに私はそれほどの不安も持ちませんけれども、しかし、そういう核ジャック対策等を含めプルトニウムの管理体制等について、やっぱりかなりこれは不安があるぞという意見も耳にいたしますけれども、そういう点の対策はどうお考えでしょう。これを聞いて、もうきょうは質問を終わります。
○政府委員(牧村信之君) わが国は、先生も御存じのように、原子力の開発は平和利用に限ってやっておるわけでございます。しかも、その担保を厳重に監視する原子力委員会が常にそれを監視しておるところでございます。それから規制的には、すでに御存じのように先般規制法の改正が行われまして、NPTに基づくIAEAの保障措置を受ける措置の改正をお願いし、御承認をいただいたところでございます。したがいまして、わが国の核燃料物質、特にプルトニウムにつきましても、いつ、どこに、どういうふうにあるかということにつきましての検証を国がし得る形になっておるわけでございます。したがいまして、再処理が民間により行われた場合にも、常にわが国の国による査察並びにIAEAによるその国の査察の検証というのが行われることになっておりまして、いささかも平和利用の目的以外に使われることがないことが国際的にも認められておるところでございます。また、今回の法改正によりまして再処理の規制の強化をお願いしておりますが、その中に再処理施設の使用計画の届け出の義務づけ等も行っておりまして、ここにおきましてできましたプルトニウム等をどういうふうに貯蔵するか、あるいは出荷するかというようなことを定期的に届け出させまして、チェックできるようなシステムをさらに強化してございますので、プルトニウムに対する平和利用のチェックというものはわが国の規制業務の中で十分査察等を行いましてできるようになり、またその結果がIAEAにおきます国際査察にも反映していくということで、国内並びに外国に対してもそのようなおそれを抱かすようなことのおそれは全くないような法体制になし得るものと考えておるところでございます。 また、もう一点の心配は盗取盗難、いわゆる核ジャックでございますけれども、この点につきましても、現在私どもといたしましては施設の保安規定の中に必要な事項を盛り込まして、ほぼ国際的な水準の防護の措置がとられておるところでございますが、現在国際的にはIAEAにおきまして核不拡散との関連におきます防護措置の国際協力協定の審議が進んでおるところでございます。近くその成案が出る見通しでもございますが、そういう点でも国際的にもこの問題に協力しつつ、今後ともプルトニウムが他の目的に使用されないというあかしを日本みずからがやり、またそれを国際的にも信用を受けて進めていくというふうな体制を逐次強化してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○中村利次君 はい、ありがとうございました。
○委員長(塩出啓典君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時三十分散会