運輸委員会国鉄問題に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1979/05/30
会議録
○小委員長(安田隆明君) ただいまから運輸委員会国鉄問題に関する小委員会を開会いたします。 まず、小委員の異動について御報告いたします。 本日、欠員中の小委員の補欠として穐山篤君が選任されました。 また、本日、太田淳夫君が小委員を辞任され、その補欠として三木忠雄君が選任されました。 —————————————
○小委員長(安田隆明君) 国鉄の財政再建等に関する件を議題といたします。 この際、運輸政務次官及び日本国有鉄道総裁から発言を求められておりますので、順次これを許します。林運輸政務次官。
○政府委員(林大幹君) 本日は、国鉄の再建に関する当面の課題について御討議をいただき、いろいろ御意見を伺う機会を得ましたことを感謝いたします。 まず国鉄の輸送の現況について御説明申し上げます。 国鉄をめぐる輸送環境は非常に厳しいものがあります。たとえば、国内旅客輸送に占める国鉄のシェアを人キロで見ますと、昭和三十五年度には五一%であったものが、四十年度には、四五%、五十二年度には二八%となっています。貨物輸送においても国鉄のシェアは、トンキロで三十五年度には四〇%であったものが、四十年度には三一%、五十二年度には一一%と著しく低下しております。このように国鉄は、国内輸送におけるかつての独占的な交通機関から一競争交通機関へと性格を変えてきております。 これを都市間旅客輸送について見ますと、東京−大阪間においては、国鉄の輸送量が減少を続けている反面、航空、自動車の輸送量が伸びております。東京−大阪間よりさらに遠距離の東京−札幌間などは、航空のシェアが圧倒的に大きく、国鉄はわずか数%のシェアを占めるにすぎません。このように特に中長距離の輸送区間においては国鉄の競争力が弱まり、シェアは低下し続けております。 以上のような厳しい輸送環境のもとで、国鉄の経営状態は深刻な状態になっております。国鉄は三十九年度に単年度で赤字になって以来赤字額は増加を続け、四十六年度には償却前で赤字となり、石油ショック以後急激に赤字額が増大しております。この結果、助成前の実質欠損額は、五十二年度は九千九百二十五億円となっております。また、五十三年度補正予算では、同じく実質で一兆一千二百八十二億円、五十四年度予算では一兆一千九百八十二億円の欠損を見込んでいます。また、累積欠損額で見ますと、五十年度までの累積欠損は、三兆一千六百十億円となっており、このうち二兆五千四百四億円に上る過去債務については、いわゆるたな上げ措置を講じましたが、五十四年度末における累積欠損額は六兆一千五百四十二億円に達するとともに、長期債務残高は十二兆七千七十三億円に及ぶものと見込まれています。 このような危機的な国鉄経営の現状を打開し、その再建を達成するためには、国鉄の業務全般について抜本的な対策を講じていく必要があります。このため、政府としては、すでに御承知のように、五十二年十二月二十九日「日本国有鉄道の再建の基本方針」を閣議了解しております。 この基本方針においては、「国鉄自身の徹底した経営改善」、「適時適切な運賃改定」及び「国の行財政上の支援」を三本柱として、五十三年度及び五十四年度中に所要の対策を確立し、五十五年度以降には健全経営を回復し、五十年代に収支均衡を達成することを目標としております。 まず、「国鉄自身の徹底した経営改善」については、国鉄は、五十二年四月に策定した経営改善計画に基づき、業務運営全般について、設備の改良、作業方式の改善等により経営の効率化を進めるとともに、特に赤字要因の中心的課題である貨物の合理化については、五十三年十月の全面的なダイヤ改正において、列車本数の削減、貨物駅の廃止等大幅な合理化を進める等、不採算部門における計画的な経営改善の措置を講じているところであります。その結果、五十四年度予算においては、予算定員五千人を削減するなどの合理化に努めているところであります。 しかし、再建の基本方針にのっとり国鉄の再建を実現するためには、さらに徹底的な経営改善が不可欠であり、これが、他の再建の大前提とならなければならないものと考えております。 そのような観点から、昭和五十四年度において要員合理化をも含めた経営改善計画の全面的見直しを行い、大量の退職者が発生する昭和五十年代を通じて要員の合理化を推進し、退職者の後補充を極力抑制する等により徹底した経営改善が行われるよう指導していく所存であります。 このため、遅くとも六月中には、経営改善計画の全面的見直しについての国鉄としての具体的な案を運輸省に提出するよう国鉄に指示しておりますが、具体的な合理化内容については、たとえば設備投資の抑制、新幹線に並行する在来線の夜行列車のあり方の再検討、低利用地等の資産の積極的処分等、従来からの惰性に流れず、抜本的な見直しを行うよう求めております。このような検討の結果提出された国鉄としての案について、運輸省として適切な調整を行った上、八月末に取りまとめる昭和五十五年度概算要求に盛り込み、来年度予算に反映させたいと考えております。 次に、国鉄の収支が少なくとも現在以上に悪化することを防止するため、物価等の上昇による経費の増加見込み額を超えない範囲で適時適切に運賃改定を実施することとされています。 このような基本方針の考え方及び運賃法の趣旨に基づき、五十四年度国鉄予算においては、当初の要求段階で四月一日実施により千九百億円の増収を見込んでおりましたが、物価、国民生活の安定、他の公共料金の改定の動向等に配慮し、改定時期を約五十日おくらせた五月二十日実施とし、運輸審議会の答申に基づき、通学定期の割引率是正については、申請案の三・五%を二%に修正した上実施したところであり、これにより本年度千六百十一億円の増収を見込んでおります。 しかし、輸送需要の動向、他の交通機関との競争関係等から見て、従来と同じような方式による運賃改定は限界に近づきつつあり、今後の運賃改定において所要の成果を期するためには、改定の内容について運賃制度のあり方を含め、再検討を行うことが必要であろうと考えております。 最後に、「国の行財政上の支援」については、さきに述べたこの経営改善計画の見直しを前提として徹底した経営改善を行ってもなおその経営負担の限界を超えると認められる、いわゆる構造的欠損に対する公的助成を含む所要の対策に関し、やはり国鉄としての考え方を六月までに明らかにし、これを踏まえて、昭和五十五年度の予算に反映させることとしているほか、国鉄がその経営を改善し、健全経営を維持していくための所要の行財政上の支援を行うこととしております。 この構造的欠損のうち代表的な事項である国鉄ローカル線対策については、去る一月二十四日に運輸政策審議会の国鉄地方交通線問題小委員会の報告がまとめられておりますが、現在、この報告の趣旨に沿って所要の措置を検討しているところであり、本年度においても、業務運営の合理化等、当面可能な措置を講じていきたいと考えております。 なお、鉄道建設公団が建設する国鉄新線についても営業中のローカル線に対する措置に準じ所要の措置を講ずることとしておりますが、当面、本年度予算による工事の進め方について再検討を行っているところであり、これに関し現在関係道府県知事の意見を徴している次第であります。 以上、国鉄再建の当面の課題について御説明申し上げましたが、その中心となるべきものは、何といっても国鉄自身の徹底した経営改善努力であります。そのためには、まず、経営の危機的状況に対する役職員の認識を徹底することが肝要であるとともに、再建の基本方針にもあるとおり、速やかに労使関係の正常化を図り、相互の十分な理解のもとに相協力し、全力を挙げて再建に取り組む体制を確立する必要があります。このため、運輸大臣としては、当局側だけでなく、各組合の代表者とも懇談し、再建に対する協力、違法ストの自粛を求めるとともに、国鉄監査委員会の監査委員の一人として労働組合の代表を任命する用意があることを提案しております。 いずれにいたしましても、委員の皆様方を初め、関係各位と十分御相談申し上げながら、五十四年度中にその他の具体的な対策を確立し、基本方針にのっとり、五十年代中に収支均衡の回復を達成し得るよう最善の努力を尽くしてまいる所存でありますので、何とぞ御理解と御支援を賜りたいと存じます。
○説明員(高木文雄君) 国鉄再建に関する小委員会をお開きいただきまして、いろいろ御審議をいただき、御批判をいただく機会が参りましたことは大変ありがたいことでございまして、心から感謝をいたします。 私どもの再建につきましては、先生方よく御存じの五十二年十二月の閣議了解によりまして、今年中に再建の基本方針を私どもが作成をするということになっております。私どもの本年の仕事はこの基本方針に述べられておりますとおりに、再建のめどを立てることであるというふうに考えております。この基本方針におきます財政再建の仕組みは、まず第一に現在以上の赤字の増大を防止するために、毎年の経費増分については運賃改定によって賄ってもよろしいと言われておることでございます。五月二十日からこの新しい仕組みによる第二回目の運賃改定をさせていただいたばかりでございますが、この運賃改定につきましては、今回も国会を初めとして運輸審議会や物価政策安定会議あるいは私どもの私的な諮問機関でございますところの運賃問題懇談会など、いろいろな場において御意見を賜りました。 こうした御意見を賜っておりますことを通じまして特に感じましたことば、運賃改定を行う前に再建のめどをもっと国民の前に明らかにするということが先ではないかという御意見であるとか、国鉄自身の努力がまことに不十分ではないかといった御批判が非常に強いということをいまさらながら深く感じ入った次第でございます。さればこそ、再建のめどを本年中にはっきりとつけるということの必要性が大きいということを痛感した次第でございまして、何とか来月、六月中をめどとして策定することでただいま鋭意努力をいたしております。 運賃の改定に関連して賜りましたもう一つの御指摘の点は、このように毎年運賃改定をすればますますいわゆる国鉄離れが進むということになるのではないかということでございます。今回の改定では、普通旅客運賃につきまして従来の二地帯別の賃率を三地帯別にするというなど、まあ私どもなりに工夫をしているわけでございますけれども、現行の運賃制度のもとではもうすでに増収を期待しても限界があるのではないかということが強く言われておりますし、私どもとしてもそうした気持ちを次第次第に持っております。そこで、いまの運賃の立て方、仕組みということについてさらに研究を深める必要があるということでございまして、現在私どもの内部におきましてそうした点を研究をいたしております。 いずれにいたしましても、国鉄を一つの事業として考えます場合に、収入の確保は基本的な課題であるわけでございます。こうした厳しい条件になってまいりましたということについては、私ども自身非常に憂慮、心配をいたしておるところでございます。 第二番目に、現にある赤字についてどうするかということでございますが、これは増収や近代化、合理化などを内容とするところの企業努力と国の行財政上の援助により解消を図るのだということが、いわゆる再建の基本方針で定められておることはよく御承知のとおりでございます。そのうちの私どもの努力につきましては、たとえば「いい日旅立ち」といったキャンペーン運動や貨物増送運動あるいは関連事業の拡大などいろいろ増収のための努力はいたしておるわけでございます。また、近代化ないし合理化につきましても、昨年十月二日からのダイヤ改正で、国鉄始まって以来の大規模な貨物輸送力の削減を行いました。しかし、こうした増収運動にいたしましても、近代化、合理化にいたしましても、現状のような状態のままでいいということでは決してございません。五十年代収支均衡のために、今後ますますこれまでいたしてまいりました以上の努力をしなければならないのは当然でございます。ただ、現在抱えている八千億を超える赤字のすべてを国鉄の自己努力だけで解消するということは、率直に申し上げてきわめて困難、あるいはほとんど不可能に近いということでございまして、この点を閣議了解におきましてもお認めいただいて、国鉄経営上の負担の限界を超えると認められる構造的欠損について、国民経済的観点を考慮して公的助成を含む所要の対策を講ずるということを明記していただいております。問題は、この国鉄経営上の負担の限界を超えるというのはどういうものかということでございまして、目下、運輸省御当局とも御相談しつつ、その内容について鋭意検討中でございますけれども、いずれにしましても国鉄の責任はここまでという範囲を明確にしていただいた上で、その部分についての努力を新しい経営計画に織り込み再建に邁進したいと考えております。 次に、構造的な問題の一つと考えられておりますローカル線の問題でございますけれども、本年一月、運輸政策審議会の国鉄地方交通線問題小委員会の御報告が提出されました。これはローカル線の問題が、国鉄の経営上の問題としてのみ取り上げるのではなかなかむずかしい点が多いというところから、国民経済的視点から、地域の足を確保するという配慮を加えつつ御議論をいただいた結論であると理解をいたしております。この問題につきましては、地域の方々の御関心ははなはだ深いものがございますし、なお、各様の意見が展開されると考えられるわけでございますが、国鉄といたしましても真剣にこのことに取り組みますとともに、従来以上に具体的取り組みが進められ、問題の解決に向かって一歩一歩進んでいくような御議論を期待しているわけでございます。 今後、国鉄の再建を進めていく前提となりますことは、いろんな意味で国民の皆様方の御支援をいただくこと、そして私どもとしてはそのために運送の安定を一段と進める、そしてサービスの改善を図ることだというふうに考えております。と同時に、輸送の効率を維持しながらコストの低減に努力をいたします。この再建の道を着実に進めてまいりますためには、何と申しましても労使関係の改善を図り、労使の間で信頼関係を築き上げて、全社を挙げて進むということのほかにないと思っておるわけでございますが、国会を初めとして広く国民各位、各層、各地域から御支援をいただき、御助言を賜りますよう切にお願いする次第でございます。 ありがとうございました。
○小委員長(安田隆明君) これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○青木薪次君 国鉄経営の悪化という問題については、これはもう国民ひとしく心配いたしておりますし、また、国鉄のいわゆる国民経済に与える役割りというもの、国鉄を一体どう評価するかという問題に私は尽きると思うのでありますが、いままでいろいろと政府も、国鉄当局も、あるいはまたわれわれ国会議員もいろんな提言をし、いろんな知恵を出し合ってまいったわけでありますが、何としてもやはり行政が後追い的性格になるということについては、これはもう否めない事実であったと考えておるところであります。したがいまして、この問題については順次質問をいたしてまいりたいと思っておりますが、先般行いました運賃値上げ、いわゆる名目で八・八%、実質八%という値上げの問題については、従来にないいろんな問題を示唆いたしていると思うのであります。五月二十日に実施されたわけでありますが、すでに十日たちました。このことについて、ひとつ実績についてどうか、総裁にお伺いいたしたいと思います。
○説明員(吉武秀夫君) 五月二十日に運賃を改定いたしまして、その後まだ一週間ほどしかたっておりませんので、確定したことはなかなか申し上げにくいわけでございますが、旅客につきましては、やはり従前と同じように運賃改定の十日ぐらい前から徐々に先買いがございまして、その結果、かなり前に予定収入よりもふえております。その二十日が過ぎましてそれから一週間の経過を見ますと、その分がかなり逆に落ち込むという結果を来しておりますが、現在のところは、いままでの傾向からいたしますと五十一年あるいは五十三年のときと比べましてややそういった先買いの傾向というのは少ないのではないかということであります。しかし相当な先買いがあったことは確かであります。 それから貨物につきましても、先送りという現象が幾らかございまして、その結果、一部線区で多少の輸送力が逼迫いたしましたが、それに対していろいろ手当てはしたわけでございますが、運賃改定をいたしましてからは、その分が落ち込んだというよりは、いまの景気の実勢とか、そういうものを反映しましてやや落ち込みが低くて、当初の予定ぐらいのところの収入を上げておるんではないかという感じでございます。
○青木薪次君 ことしの運賃値上げによる国鉄の再建のあり方というものについて、いま各方面からの有識者のいろんな意見の中ですでに限界じゃないかというように言われているわけでありますが、この点について総裁はどんなふうにお考えになっていますか。
○説明員(高木文雄君) 今回の改定は、一言で申しまして遠距離は余り値上げ幅を大きくできないということでございまして、それは主として飛行機との関係から言いまして、最近のお客様の動向から言いまして、とても長距離のものについて値上げはできない。またもろもろの料金の改定もかなり限界という感じでございましたので、料金の改定も見送ったわけでございます。その結果、大変申しわけないわけでございますけれども、どうしても近距離のところへ重みがかかったという結果になっております。こうした案をつくりました段階におきましてもかなり、私はまだ経験浅いわけでございますけれども、いままでのときの経験と比較いたしますと、いわば限界に近づきつつあるなという感じを深くいたしたわけでございます。 今後の問題につきましては、いろいろな経済事情その他によってまた変わってくるとは思いますけれども、一段と、その何といいますか、仮に名目的に改定をしてもなかなかそれが実収につながらないというような危険性といいますか、そういうことを予測されるわけであります。ただ、余りにも現在持っております赤字が大きくて、それを消すためにいろいろ努力もしなければなりませんし、御援助もいただかなきゃならぬわけでございますので、何といいますか、運賃改定をあきらめるといいますか、断念するといいますか、そういうことは、また現実問題としてなかなか、全体の再建のためを考えますとそういう態度をとるわけにもいかないのではないかと。したがって、今後の問題は、現行の全国的な均一運賃制度というようなものに多少手を加える必要があるのではないかというようなことを考えながら、一層いわば芸の細かいやり方をしていかなきゃならぬのではなかろうかという感じを持っております。まだ今般の改定をお認めいただいたばかりでございますので、必ずしも考え方がまとまりませんけれども、一般的に言われておりますように、非常にむずかしい雰囲気ができてきたということを痛感をいたしております。
○青木薪次君 総裁は、非常にむずかしいけれども値上げをしないわけにはいかないだろうと、こういう御答弁だと思います。運輸大臣は、経済情勢が変わったり他の交通機関の運賃が大幅に上がれば別だが、国鉄はもう値上げできる情勢でない、私鉄の値上げは後二年行われないから国鉄も実施するわけにはいかないだろう、五十五年度の概算要求には値上げを盛り込まないつもり、と述べたのであります。で、鉄監局長にお伺いいたしたいと思うんでありますけれども、この運輸大臣の発言を確認されますか。
○政府委員(山上孝史君) いま御指摘の問題につきましては、私、その当時の閣議後の記者会見に立ち会っておりませんで、その後、関係のクラブ方から運輸大臣の発言の真意は何かということを説明しろということがございましたので、私、運輸大臣にその後その真意を確認したわけでございます。その結果のことを申し上げますと、国鉄の運賃改定につきましては、再建の基本方針にのっとりまして、三本柱の一本の柱として、今後ともこれ以上の収支の悪化をすることを防止するためにはやはり必要であることについては、いま運輸大臣がそれをそうでないということを申し上げたわけでないと、ただ、今後とも国鉄の運賃改定を考える場合には従来と同じような方式で、それで安易に運賃改定を考えても所期の実効はおさめられないと、したがって、今後運賃改定につきましてはそういうむずかしい問題点があるから、そこら辺のことについてはよく知恵を出していく必要があると、こういう趣旨のことを運輸大臣としては閣議後の記者会見で述べたものであると、このように確認しております。したがって、私といたしましても、いま先生御指摘のその記事そのものについて、私、承知しておりませんが、私はそのように理解しております。
○青木薪次君 大蔵省は依然として、いま山上鉄監局長のおっしゃったように、国鉄財政再建の三本柱というものについて、経営合理化と公的助成とそれから利用者の適正負担というようなことを言っているわけでありますが、受益者負担ということが一概に否定できないにしても、国鉄運賃体系が、いまやっておられるように、総裁もいま答弁がありましたが、取れるところから取るということから考えてまいりますと、いただきました資料によっても、航空機はもう一律にずっと賃率を掛けているわけであります。国鉄の場合には初乗り八十円を百円にすることを含めて、いま国鉄のもうかっていると言われている、たとえば東海道新幹線を初めといたしまして、東海道本線はまあこのごろ赤字になっているわけでありますが、国電区間とか高崎線とかそういったとらの子へいわゆるしわ寄せをして、ここをあえて私はいじめていると言うんでありまするけれども、そういう方式を実はとっているわけであります。ですから、この大臣の発言というものは私は全くこの分野においては本当に理解できるというように考えているわけでありますが、ここで、運輸省の考えとそして国鉄総裁の考え方というものがこれがある意味では違ってきている、責任者同士が違ってきているわけでありますが、この点をどういうように理解したらいいのか、私は、やはり運賃値上げだけに頼るという方式というものがどうしても前に出やすいわけでありますが、この点をひとつもう一度御答弁を願いたい。きょうは大臣がいませんから、政務次官、ひとつこの問題に答弁してくれますか。
○政府委員(林大幹君) この表現といいますか、ニュアンスといいますか、その受け取り方が若干あるかもしれませんけれども、いま青木先生の御質問でございますけれども、私は、運輸省側も、国鉄側も、運賃に対する態度としては、そう基本的に違っておるというようには実は理解していなかったわけでございます。特に、いま国鉄が当面しております再建をどうするかという、この大きな課題に取り組みながら、また今度日常の経営の中で運賃というものも考えていかなきゃならないということになっておりますと、どうしても運賃改定ということは利用者の負担ということになりますので、利用者の負担によって国鉄の再建の道を切り開くということだけでは、非常にこれは考え方としては妥当でありませんので、やはり国鉄自身が自分自身で徹底した経営改善の努力をするということも大きなこれは柱になっておりまするし、また、そういう中で国鉄自身の経営改善の自身の努力の範囲を超える部分、つまり俗に言う構造的欠損と言われるような部分について公的助成をどうみるかというようなものも大きな柱になっておりまして、そうしてまた、そのときの公共料金あるいは諸般の物価状況なども勘案して適切な運賃の改定も行ってそうしてこの問題の解決の一つの大きな柱にするという、この三つの柱ということについては、私は運輸省も国鉄としてもそう大きな食い違いはないと実は考えておるわけでございます。
○青木薪次君 ここに明確に、先ほど申し上げましたように、五十五年度の概算要求には値上げを盛り込まないつもりだということですよ。政務次官は、いま国鉄と運輸省との考え方に違いはないと言ったけれども、これは天と地の違いが実はあるんですよ。こういう問題をやっぱり避けて通るわけにいかないということでありますけれども、じゃ具体的に、昭和五十二年の十二月に運賃法の改正をやって法定緩和をしたわけですね。これはいわゆる経費増を見込む程度にしようじゃないかということにしたわけです。この経費増というものについては何がありますか。鉄監局長からお答え願いたい。
○政府委員(山上孝史君) 国鉄の物件費、人件費等経費につきまして物価等変動率でその上昇率を計算し、その結果の金額だと承知しております。したがいまして、繰り返しになりますが、人件費、物件費等経費の総額、これに対しまして物価等変動率を掛けたものと、このように理解しております。
○青木薪次君 昭和五十四年度の減価償却費等について、これが三千六百五十七億。それからこれは一般純損失、特定退職手当純損失、いろいろあるわけでありますが、これが八千九百九十八億円に合計してなっているわけでありますが、これは減価償却を中心として運賃改定の対象経費としてこれは見ていいのかどうなのか、ちょっとお伺いしたい。
○政府委員(山上孝史君) 運賃法による改定の限度額の計算の経費の中には入っておりません。
○青木薪次君 いま国鉄は、このもらった資料にもありますけれども、四十五歳から五十五歳までの間に約二十一万人の職員を抱えている。四十二万余の職員の中の半分をこの四十五歳から五十五歳までの間に抱えている。そうすると、それらの人が、後で申し上げますけれども、おやめになる場合に退職年金等、あるいはまた退職金等の欠損が出てくるわけでありますが、これは運賃改定の対象になりますか。
○政府委員(山上孝史君) いま御指摘の退職金につきましては、運賃の改定の限度額の計算の基礎になる経費の中に入っております。
○青木薪次君 年金は、年金……。
○政府委員(山上孝史君) 退職金の問題と同じでございます。入っております。
○青木薪次君 そういたしますと、これは鉄監局長、莫大な経費対象項目になるわけですよ。あなたは物件費、人件費ということを言われました。私どももそのことについては確かに議論した覚えがあります。しかし、それは本当のごく小部分の関係というように実は見ているわけでありますから、それを充てていくと、それをどれくらいの経費を弁済できるかという議論の問題はあったにいたしましても、これは大変な問題になってくるのじゃないか。昭和五十三年でしたか——五十一年、二年だったかちょっと忘れましたけれども、五〇%の運賃改定、実質三七%の運賃改定をしたわけでありますがね、そういう解釈とあなたの解釈は同じだというように考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(山上孝史君) まことに申しわけございません。いまの先生の御質問につきましてちょっと正確に理解できなかったものでございますので、もう一度お願いいたしたいと思います。
○青木薪次君 運賃改定する場合には、いわゆる経費増というものが見込まれるわけですね。その経費増の対象というものについては、これはあなたのおっしゃったように人件費、物件費、いわゆる簡単な軽易な支出増というものを償うものでなきゃならぬということを私どもは議論をいたしてきたわけです。ですから、今度いまいろいろ議論しておりますように、名目八・八、実質八%というようなことがあってはならぬです。これは名目と実質は同じでなきやならぬですよ。これはちゃんと会議録を見てもらえばわかるんですけれども。それを今日、二%か三%の場合はそういうことがあるかもしれぬ。しかし、そういうことについて百歩譲ったにいたしましても、いまあなたが対象項目に含まれると言われるところの、たとえば減価償却あるいはまた年金、退職金というものまで経費対象増として、その運賃改定の費用弁済のためのいわゆる支出増として対象項目に加えられるということになれば、これは大変なことで、先般、三、四年前に上げた五〇%の値上げというものと同じ思想だということを私は言っているわけです。
○説明員(高木文雄君) いまの点、御指摘の点が非常に大きな問題であると考えております。で、現在のたてまえでは、先ほど運輸省鉄監局長から御答弁がありましたけれども、ちょっと一点誤解があったんじゃないかと思いますが、償却費も計算の基礎に入るということになっておりますし、それから年金に関する国鉄の負担、年金そのものではなくて年金のための国鉄自身の負担、つまり従業員自身の掛金に見合うもの、あるいはいわゆる追加費用と言われるもの、それも計算の基礎に入ります。退職金も計算の基礎に入りますということでございます。これはしかし、いわゆる法令上の限度額という意味、限度額の計算においてそれが入るという意味でございまして、さればそれを限度額であれば、その限度額一ぱい常に上げることが適当かどうかというようなことについては問題があるわけでございまして、限度額の計算の問題と実際どういう経費のどの部分の増加を見合いにしてお願いをするかというのは、一応別の問題として考えていくべきものと思っております。ただ、五十三年の改定並びにことしの改定のときにはかなり限度額に近い改定をさしていただいたわけでございます。 そこで、今後の問題といたしましては、限度額は限度額といたしましても、一体それをどこまで頭に置いてそういう計算をすべきかということなんですけれども、その場合にやはり構造的欠損と言われるものがどういうものかということについての、政府部内はもちろんでございますけれども、広く一般の方々の御理解を求めていく。そして、構造的欠損と言われるようなものをベースにして改定を考えるというのではいささか問題が起こってくるんじゃないかというようなことがあるわけでございます。今後とも私どもはやはりある程度の改定を続けさしていただかねばならぬと思っておりますけれども、その場合の思想としましては、法律の限度額がどうかということは別にいたしまして、現実問題としてはそうした構造的なものに見合うような経費という部分についてどう評価していったらいいかということについては、これから今回の再建の基本方針の立て方と関連をいたしまして詰めていかなきゃならぬ点であるというふうに考えております。
○政府委員(山上孝史君) 先ほど、私、減価償却費につきまして、改定限度の算定の基礎の経費には入らないと、こうお答え申し上げましたが、それは間違いでございまして、減価償却費も計算の基礎になる対象経費の中に含まれております。おわびをいたします。 それから、いま総裁が申し上げました年金あるいは退職金につきましては、これは先ほど私からお答え申し上げたとおりでございます。 それから、先生、先ほど御指摘の、来年度の概算要求には運賃改定を見込むことはできないだろうと大臣が発言したということにつきまして、私の理解を申し上げたいと思います。 これにつきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、大臣の真意をその直後に確かめたところが、これは再建の基本方針、これを着実に実施する以外に国鉄再建の道はない、したがって運賃改定についても、いま運賃改定はもうこれを断念するということではないが、従来の方式による改定というのは安易に考えても所期の目的は達成できないという趣旨でございますので、六月いっぱいに国鉄から、要員の合理化を中心とした経営改善計画の全面的な見直しについてのお考えをいただきます。それを運輸省としても関係方面と相談をし調整をいたしまして、それで来年度の概算要求をどうするかという中身を詰めるわけでございます。その詰めの段階におきまして、その一環として、来年度運賃改定による歳入増を国鉄の予算で見込むかどうかについて結論を得たいということでございまして、いまの段階からそれは見込まないという大臣の結論を申し上げたわけではなくて、それについてはその検討の結果で決めたい、しかしなかなかこれはむずかしい問題だ、こういう感じを大臣は述べたというように私は理解しております。
○青木薪次君 そうしますと、両責任者の答弁でございますけれども、たとえば減価償却費はこれも含まれている、あるいはまた退職金または年金等についても対象に含まれているということになりますと、そのことが理論的法律的に運賃改定の対象経費に繰り入れられても違法ではないということを言った場合に、いま資料をいただきましたけれども、これによりますと運輸収入が二兆五千億になっていますね。それから支出が三兆八千億、何と一・五倍です。そういう考え方からするならば、じゃ仮にこのごろ物価が相当、一年間卸売物価二二%、これが消費者物価に響くだろうということで、これ響かないと仮定しても最低五%は上がると思うのでありますけれども、この場合の運賃改定は何%になりますか。
○政府委員(山上孝史君) いまの先生御指摘の前提で考えますと、五%というのが物価等変動率ということになれば、いま先生御指摘のような金額、それが計算上の基礎になりますので、その経費に五%を掛けた金額、これが限度になるということだと思います。
○青木薪次君 形を変えて、退職者が先ほど四十五歳から五十五歳までに二十一万人いるということを申し上げたわけでありますけれども、この退職者は今後六十年ごろまでの間に毎年何万人やめると仮定してよろしゅうございますか。
○説明員(加賀山朝雄君) 現在のところ六十年までに、想定の仕方が若干むずかしい点がございますが、若年で退職いたす者もあるものでございますから、いまの段階では大体十三万から四万人ぐらいの人数になるのではないかと考えております。
○青木薪次君 そうしますと、十三万五千人が五十四年を含む六十年までとすると六年間でございますね。
○説明員(加賀山朝雄君) そのとおりでございます。
○青木薪次君 そういたしますと、十三万五千と仮定いたしますと、それを六で割ると二万数千人ということになるわけでありますけれども、この点について、その対策について、退職金、年金というものについては相当莫大な金が要るというようになると思うのでありますけれども、この点はどうお考えになっていますか。
○説明員(加賀山朝雄君) 今後のいわゆる給与ベースの上がり方その他の想定の仕方によって変わってまいりますが、仮に五%ぐらいの上昇というようなことを仮定いたしまして考えれば、退職金が六十年ごろには大体五千億ぐらいになっていくのではないかというふうに考えております。
○青木薪次君 これもやはり再建の問題については相当厳しい条件だと言わなければならぬと思うのです。私はこの点について避けて通るわけにはいかないというように考えているわけでありますけれども、——大蔵省お見えになりましたね。小粥主計官にお伺いいたしたいと思うのでありますが、大蔵省は、何としても国鉄財政再建の三本柱として経営合理化、公的助成、利用者の適正負担ということをうたっているわけでありまするけれども、国鉄の運賃体系が、いまも議論したのですけれども、この近郷のいわゆるもうかっているところ、新幹線、高崎線とか、こういったいわばこの付近の利用者に相当な負担を実は強いているわけです。このためにこれらの人が国鉄離れを生じたときの国鉄の受ける打撃というものは、はかり知ることができない状態になってしまうということになりますと、先ほどから運輸大臣はもう来年の予算には運賃値上げの費用を見込まないということまで言っているわけでありますけれども、大蔵当局としてはどんなふうにお考えになっていますか。
○説明員(小粥正巳君) 運賃改定の問題でございますけれども、これはただいま先生から御指摘がございましたように、現在、国鉄再建の基本的な考え方をとりまとめられました基本方針に、年々の経費の増加額の範囲内で収支をこれ以上悪化させないような運賃改定を行うべきである、こういう方針がうたわれておりまして、私ども基本的にはその点は現在なお変わっていない考え方であろうと思っております。ただ、先生がただいま御指摘されましたように、昨年あるいは今年度の運賃改定の結果、たとえば特に東京周辺で民鉄との対比でいろいろ運賃の格差が生ずる、そういう区間が現実にかなり出ていることも事実でございます。そういう意味で、従来のようなパターンでの運賃改定には確かになかなかむずかしい問題が出てきているということは御指摘のとおりであろうかと考えております。 したがいまして、今後の運賃改定を考えます場合には、この辺は、改めて運賃体系のあり方を含めまして、先生ただいま御指摘の利用者の適正負担を求めながら、しかしその求め方にもいろいろな工夫があってしかるべきであろうと考えております。その点は、もとより運輸省あるいは特に当事者であります国鉄の内部で非常に真剣な御検討が行われているというふうに私どもも伺っているわけでございます。したがいまして、今後、先ほど申し上げましたように、やはり利用者の適正な負担を求めていく、その意味で、収支をできるだけこれ以上悪化させないという範囲内での運賃改定はなお考えていかなければいけないと、私ども基本方針の考え方どおりに思っているわけでございますけれども、申し上げましたような、その内容につきましてはいろいろな工夫がなされてしかるべきであろうと考えておりますし、そのような問題につきまして私ども財政当局の立場からも今後いろいろ御相談をさしていただく、こんなふうに考えております。
○青木薪次君 運賃改定に対して知恵を出し合っていくと、それから経費を弁済するものであるというような考え方というものはもう今日なかなか限界があるし、ある意味では不可能に近いというように私たちは考えているわけです。もちろん、この資料によりましても、旅客輸送における国鉄対航空機のシェアの比較なんかを見ましても、東京−広島とか東京−大阪とかですね、東京−仙台とかというものはまあいいにしても、東京−鹿児島とか東京−札幌とか東京−四国とかというものについては、運賃値上げしたらもうお客さんは逃げてしまうというところだと思うんです。それから、長距離逓減制をこの運賃の中でうたっておりまするけれども、いま近距離といえどもこれ以上負担を背負わすことになったら、私はなかなか運賃改定という中における収入なんというものは将来だんだん望むべくもない、この近距離においても国鉄離れが到来するというように憂慮を実はいたしているわけでありますが、大蔵省はどういうように運賃の改定等の問題について考えておられるのか、もう一度お伺いしたいと思います。
○説明員(小粥正巳君) 基本的には先ほどお答え申し上げましたように、先生御指摘のようないろいろむずかしい問題が現に出てきていることは確かに御指摘のとおりかと存じますけれども、ただ国鉄の運賃体系も、もちろん料金も含めましてあるいは現在の運賃体系制度のあり方、この辺をもう一度見直すことが当然必要であろうかと考えます。その中で、先ほど申し上げました再建の基本方針にうたわれているような利用者の適正負担の求め方について、改めて関係者間で検討がなされて、いろいろな角度からの知恵を出すという余地は私はまだあろうかと考えております。 それから、これもただいまお話がございましたように、国鉄運賃が他の交通機関との間で相対的に競争力を持つかどうか、こういう問題でもございますから、これはある意味では一般的な交通手段の、それぞれの交通手段につきましての運賃のあり方、それが今後どのように動いていくか、その問題とも関連するところであろうかと考えます。したがいまして、最後のお尋ねに、私どもから具体的にいま申し上げるべき構想はございませんけれども、基本的には先生の御指摘のような問題点、現象が出ていることは十分私ども認識しておりますけれども、なお関係者間で、さらに体系全体の見直しを含めて、やはり基本方針に沿った物の考え方で進んでまいりたいと、私どもはやはりそういうふうに考えておるわけでございます。
○青木薪次君 主計官、余りよくわかんないですがね。気持ちはわかるんですよ、気持ちはわかるけれども、余りよくわからない。ということは何かといったら、運賃値上げはやらなきゃいけない、何かほかにいい方法はないのかということを大蔵省の立場として国鉄に求めると、それは公的助成は余りやりたくないからだということにも実は通じていると思うんです。 そこで、運賃問題はもっと詰めていきたいんでありますけれども、なかなか時間もございませんので、この構造的欠損という問題についてちょっと申し上げたいと思うんでありますが、昭和四十四年以来、国鉄の再建というものは、先ほども言ってきたんですけれども、経営努力あるいはまた利用者負担、財政援助、この三本柱だということが確認されてきたと思うんです。で、なかなかうまくいかない。そこで、五十二年十二月に、総裁の意見陳述として再建の基本方向というものが与野党である意味では合意されて、十二月の閣議了解なる再建の基本方針という形で、国鉄の経営努力の及びがたい構造的欠損という問題について解決することが不可欠であるということが、国会でもまた政府や国鉄でも確認されて今日に至っていると思うんであります。具体的に構造的欠損というものについて、運輸省はどんなふうに理解されておられますか。
○政府委員(山上孝史君) 先生御指摘の構造的欠損、これは「再建の基本方針」にあるその言葉からの御指摘だと思います。この問題につきましては、私どもといたしましては六月いっぱいに国鉄から、先ほども申し上げましたが、経営改善計画の全面的な見直し、これについての国鉄の考え方をいただいて、それに対して調整を加えてまいりたいと思うのでありますが、それのいわばうらはらといたしまして、この徹底した経営改善を前提といたしまして、国鉄の手にはどうしても負えないというような欠損、これが構造的欠損だと思いますが、これを中心としたものにつきまして今後これに対する公的助成、これをどうするかということを政府の間で詰めまして、それで概算要求にこれを反映させたいと、かように考えております。いままでのところ構造的欠損の典型的な事柄としては、私どもとしては地方ローカル線の問題、あるいは地方の過疎バスの問題、あるいは退職金の問題、あるいは先生御指摘の年金問題のうち国鉄が負担するうちのどの部分までか、やはり構造的な要因に基づくものであるのかもしれないというようなことで、各項目につきましていま私どもも詰めておりますが、まず国鉄に経営改善計画の全面的な見直しの一環としてといいますか、うらはらとしてそれをお考え願って、それで私どもと調整をさせていただくと、このように考えております。
○青木薪次君 いま鉄監局長から国鉄の手に負えないものとして地方ローカル線の問題、過疎バスの問題、退職金の問題、年金負担の問題というように言われたんでありますけれども、ほかに公共負担の問題とかあるいはまた利子の問題ですね、利子の問題とかそのほかまだあると思うんでありますけれども、それらの点についてはどうでしょう。
○政府委員(山上孝史君) 公共負担の問題につきましては、先生も御承知のように、現在国鉄運賃法に基づく定期券の割引率で、たとえば学生定期につきましては五割、六割の割引率が法定されておりますが、それを上回る分につきまして、大体六百億以上あるわけでございます。そのようなものにつきまして一体これを国鉄自身が、現在、逐次定期券の割引率の是正も行っておりますが、そのほかに国からの公的な何らかの助成が要るかどうかという点につきまして、先ほど来申し上げておりますが、この経営改善計画の全面的な見直しに関連いたしまして私どもといたしましても検討いたしたいと考えております。ただ、その結果、仮に何らかの公的助成の対象にすべきであるという結論が出たといたしましても、それが一体いわゆる構造的欠損の事柄であるからそうなったのか、そこら辺につきましてはこれからさらに詰めてまいりたいと思います。と申しますのは、たとえば学生定期の割引率につきましても、国鉄の運賃法の法定の割引率との関係はいま申し上げたとおりでございますが、たとえば同じ地域における民営鉄道につきまして、やはり一部におきましては、特に大都市におきまして、国鉄の現在の学生定期の割引率よりも割引率の高いところもございます。そのようなこともございますので、これを事柄として構造的欠損の事柄であると、このように直ちに割り切れるかどうかを中心として、今後さらに検討し、詰めてまいりたいと思っております。
○青木薪次君 地方ローカル線の問題とか、過疎バスの問題とか、退職金、年金の負担分ということを言われたわけでありますけれども、それぞれこれらは局長から構造的欠損だということなんでありますけれども、では対策をどうするかという問題について、所信をちょっと明らかにしてもらいたい、こう思うんです。
○説明員(高木文雄君) 実はいまそうした部分について、どこまで助成をしていただくかというその区分け作業をやっておるところでございまして、いろいろ作業に基づいていま運輸省にも御連絡をいたしておるところでございますが、両者の間でそれぞれいま担当者間で議論されております。で、そうしたものを含めて来月いっぱいには大筋の見当をつけたいというふうな考えでございまして、たとえば通学定期に絡む公共負担の問題にいたしましても、あるいは退職金や年金の問題にいたしましても、どこまでが当然私ども自体が負担をしてそしてそれをお客様にお願いをする部分になるのか、どこから先はとてもそれはわれわれが負担してお客様にお願いできない部分かということで、年金とか退職金とかいいましても全部がどっちだというわけでないので、どの企業におきましてもやはり年金負担はあるわけでございますし、退職金負担もあるわけでございます。ただ私どもの場合は非常にその辺は異常になっておりますので、その異常部分は何ともならぬということでございます。その異常部分と世間一般の部分との境目をどこに引くかということでございまして、項目としては、先ほど来お話出ておりますような項目でございますが、その項目のうちの異常性部分と、当然企業経営である以上われわれ自身が負担してそしてコストに織り込むべき部分の線をどこへ引くかということでございまして、それを感想をお尋ねでございますが、申しわけございませんけれども、現在時点ではまだ、それがまさに再建の基本計画を立てる中心課題でございますので、まだ結論に至っていないということで御了解いただきたいと思います。
○青木薪次君 四、五年同じような議論をしてきているけれども、なかなか遅々として、冒頭申し上げたように、行政がなかなかこの問題について詰めたがらないという点について非常に遺憾に思うわけであります。昭和五十二年の十二月二十九日閣議了解による「日本国有鉄道の再建の基本方針」というものについては、これは今日も生きておりますね。
○説明員(高木文雄君) 当然でございます。生きております。
○青木薪次君 運輸省も確認しますか。
○政府委員(山上孝史君) 当然に、非常に活発に生きておると、このように思っております。
○青木薪次君 活発に生きておるとするならば、今日この資料に、いまもらったのでありますけれども、三ぺ−ジ目の「累積赤字の処置」の項に、「収支均衡時点までに累積される赤字については、国鉄の経営努力、債務の棚上げ等により解消を図る。」ということが載っているわけでありますけれども、これはよろしゅうございますね。
○政府委員(山上孝史君) はい、承知しております。
○青木薪次君 収支均衡時点においてというようには書いてないんですけれども、これも確認してよろしゅうございますね。
○政府委員(山上孝史君) この再建の基本方針におきましては、収支均衡時点までに累積される赤字については適当な時点において債務のたな上げ等により解消を図ると、このように私は理解しております。
○青木薪次君 これは日本語の文法上の問題ですから、頭のいい鉄監局長は——これを書きかえていまちょっとおかしなことを言ったんですけれども、収支均衡時点においてといったようなことをちょっと言ったんですが、そう書いてないんです、どう考えても。私どもが教わったように読みますと、収支均衡時点までにというように頭から書いてありますからね、大蔵省、そういうように理解してよろしゅうございますね。閣議了解です。
○説明員(小粥正巳君) ただいま先生から御指摘のございました再建の基本方針の中で「累積赤字の処理」の表現でございますが、「収支均衡時点までに累積される赤字については、国鉄の経営努力、債務の棚上げ等により解消を図る。」、こういう表現でございます。私どもこの問題は、「収支均衡時点までに累積される赤字」、つまり収支均衡が達成されるある時点までに累積される赤字の処理については、これは後段の「国鉄の経営努力」がまず前提されまして、「債務の棚上げ」ということも一つの有力な方法として、この点はいつ行われるかという問題につきましてはここでは特に明示をされておりません。したがいまして、先ほど鉄監局長からもお答えがございましたように、収支均衡時点までに関係者間で一つの解決策としての債務たな上げ問題につきましても十分検討がなされるべきであろう、こういうふうに理解をしております。
○青木薪次君 そういたしますと、大蔵省それから運輸省、国鉄当局、三者の間において、収支均衡時点までに国鉄の経営努力、そうして債務のたな上げということで解消を図るということでありますから、たとえば昭和五十一年にやられたが、二兆五千四百億というものについて、これを利子補給の形で漸減を図っていくということに実はなったわけですね。いま、この資料によりますと、今日繰り越し欠損が莫大な数字になっているわけであります、三兆六千百四十一億円ですか。そこで、長期債務残高が二兆五千四百億円を除きまして十兆千六百七十二億というものがあるわけでありますが、これを前回やったような形でもうやるべき時期に来ていると実は思っているわけです。この点について、鉄監局長、いかがでございますか。
○政府委員(山上孝史君) 先ほど来お答え申し上げておりますが、国鉄自体の経営改善計画の全面的な見直し、それと関連づけての今後国鉄に対しての公的助成をどうするかということを検討し、来年度の概算要求に反映させる作業の過程におきましてよく関係の向きと相談をして、そういう点につきましても検討の対象にしたいと考えております。
○青木薪次君 大蔵省はいかがですか、いま鉄監局長の言われたことについて確認をされますか。
○説明員(小粥正巳君) ただいま鉄監局長から御答弁がございましたように、まず、現在御検討が行われております国鉄の改めて見直されている経営改善計画が運輸省内において十分御検討されまして、その中で今後の展望といたしまして、収支均衡のめどがいずれの時点でどのような形でつけられるか、それとの関連で、先ほど申し上げましたように、この点債務のたな上げというのは、先生御指摘のように過去にも行われております。この問題に対処する一つの方法であることは言うまでもございません。しかしこれはまた同時に、これがいつどのような形で行われるべきかということは、恐縮でございますが、現在の国の財政状況が大変な危機的状況にございます。国の財政状況の問題とも密接に関連をするわけでございます。そういう意味で、私どももこの点は先ほど来お答え申し上げておりますように、いつの時点であるいはこれを前の方向に準じて行うべきかどうか、その点については、現在まだ全く、私どもはもちろん、関係者間でも十分詰めた議論はまだなされておりません。先ほど申し上げましたように、今後の経営改善計画の見直し、収支均衡のめどがいつどのような形でつきますか、それとの関連で十分慎重に検討さしていただきたいと、こういうことでございます。
○青木薪次君 その辺の話になってきますと、ちょっとさっきの話と少し語気が弱くなってしまうんですね。 いま申し上げましたように、累積赤字の処理、主計官が読まれたね、これは収支均衡時点までに累積される赤字については、国鉄の経営努力、債務のたな上げ等により解消を図るということでありまして、これはここに書いてある限りにおいては二本の柱の一つなんです。国鉄経営努力もあるでしょう。そういう中でいまのところまだ先はわからない。わかっていることはここで先ほどから詰めてまいりましたように、収支均衡時点までにというように考えておりますけれども、これを議論いたしましてまいりましたのは、昭和五十年代にというように言われてきたわけでありますけれども、この点は、鉄監局長、確認をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(山上孝史君) 私どもといたしましては、この再建の基本方針、これを着実に実行する以外に道がないと考えておりますので、この再建の基本方針によりますと、五十年代中に収支均衡を何とか実現するようにということを目標とされておりますので、そのように私どもとしては考えております。
○青木薪次君 公共負担の関係等につきましては、通学定期が昭和五十四年一月の末と五十四年の五月二十日ですね、立て続けに割引率が引き下げられているんです。おまけに運賃値上げもあったわけです。通学定期は一年前の昭和五十三年五月と比べて何%値上げになったかですね、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(山上孝史君) 今回の、すなわち五月二十日からの改定の実施によりまして通学定期の割引率は平均いたしまして七八・八%になりました。すなわち二%の是正でございます。それから五十四年の一月の時点における割引率是正の中身は八〇・八%、いま申し上げましたように八〇・八%でございます。それから五十三年の七月時点の割引率は八一・八%でございました。すなわち五十四年一月からの是正は一%ということでございます。
○青木薪次君 文部省見えていますか。——是正というような名目で通学生徒や学生について高負担にどんどんなっているわけですね。文教政策上この問題についてどういうように考えておられるか、文部省はその方は関係ないんだと、こう思っているのか、将来何としてもこれは公的負担という問題も考えていくというように考えていらっしゃるのか、その点ちょっとお聞きいたしたいと思います。
○説明員(石井久夫君) 通学定期の問題につきましては、私どもかねがね運輸省におかれて御配慮いただくようにお願いしているところでございます。今回の値上げの際にも、格段の御配慮をいただくように事務次官名をもってお願いしているところでございます。ただ今回も、また前回も割引率の是正ということで三%ないし二%の引き下げがなされているわけでございますけど、この点につきましては、できるだけ現状を維持していただく方が学生に対する負担の影響ということから見ましても望ましいことではありますが、国鉄の経営の状況ということからかんがみまして、ある程度は利用者が負担するということもやむを得ないのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。 公共負担の問題につきましては、これは長い歴史を持っているわけでございますし、通学割引制度が長い歴史を持っておりますし、また先ほど鉄監局長さんからお話しいただきましたように、国鉄だけでなくて、民営鉄道、その他交通機関においても実施されているわけでございます。文部省といたしましては、こういう問題につきましては、割引制度全体の問題として運輸省御当局において御対処を願いたいというふうに考えているわけでございます。 将来、また利用者の負担との関係におきまして、経済的に困難な学生に対する影響ということから見た場合には、奨学制度の充実、その他通学上の援助等の対策をもって考えるべきだというふうに考えているわけでございます。
○青木薪次君 これだけ議論されているけれども、赤字であることも知っている、しかし運輸省でやれと、こういう文部省の態度でありますけれども、余り真剣になってはいないようですね。 来年は割引率どうするのか、鉄監局長、いまの文部省の発言についてどうお考えになっておりますか、その二点をお伺いします。
○政府委員(山上孝史君) 国鉄の公共割引制度につきましては、再建の基本方針でも「健全経営の回復」の項の中の「経営負担の軽減」の冒頭に「運賃上の割引制度を全般的に見直す」ということが指摘されております。私どもといたしましては、国鉄経営の危機的状況にかんがみまして、また七十八国会における衆参両運輸委員会の附帯決議でも御指摘がございました、そういうことを踏まえまして、この運賃上の割引制度の全面的な見直しを、やはり六月の国鉄の経営改善計画の全面的な見直しに関連いたしまして、これにつきましても検討し、詰めてまいりたいと考えております。 なお、国鉄再建の見地から実は昨年六月に、先生も御承知だと思いますが、関係閣僚の閣僚会議というのを開いていただきまして、その後関係省庁間で、いろいろ事務当局同士で検討を続けてまいっておりますが、何分長年定着した制度でございますので、いろんな壁が厚くてまだこれを打開するにつきましてはほど遠いという感じを持っております。 しかしながら、国鉄経営の危機的状況にかんがみまして、再建の基本方針にのっとって一体これを今後いかにしていくかということを、六月の経営改善計画の見直し、またそれを私どもとしていろいろ御相談をいただいて調整をする段階で、今後どうするかを決めてまいりたいと考えております。
○穐山篤君 最初に総裁にお伺いをするわけですが、まあ一昨年から法定主義の緩和、投資条項の法律の改正というふうに、議論としては大いに運輸委員会でけんけんがくがくやったわけです。で、まあその結果、その二つとも政府提案どおりに法律の改正が行われたわけですが、法律が改正をされたからいよいよこれで国鉄も胸を張って仕事をやっていくことができるというふうに当時はお考えになったと思うんですが、いまの御心境はいかがですか。
○説明員(高木文雄君) 法律を改正していただきましたので、まあ私どもがこの程度まではお願いできるんじゃないかという改定はやらしていただいたというふうに感じております。しかしもともと、だんだんこの輸送事情が変わってきておりまして、飛行機なり自動車なりの発達が非常に早いわけでございますので、運賃だけで再建ができるということは考えられないわけでございます。何といいますか、一つの限界というものがまあ当然あるわけでございます。制度は変えていただきましたけれども、そうだからといって幾らでも値上げできるというふうには当時から考えていたわけではないわけでございますが、いよいよその限界と申しますか、そういうものが現実の問題として私どもの目の前の問題になりつつあると、きわめて現実的な、切迫した問題になりつつあるということについては、やはり最近においてより痛切に感じているところでございます。
○穐山篤君 さて、そこで、まあ六月いっぱいに来年度の予算編成及び再建計画の見直しを運輸省に出すというお約束になっておりますね。まあそのうらはらの問題として、例の構造的赤字の問題というのはどういうふうに前提を置くか、あるいはどういうふうに解決をするかということが、まあ来年度の予算編成あるいは再建計画の見直しに重大なかかわり合いがあるわけです。率直に申し上げて、この前の運輸委員会で構造的欠損というのはまあ五つないし六つぐらい項目を一応羅列をしましたね。これはもうお互いが確認できる項目です。しかし、それをなお詰めて、本当にこれが構造的な部分かあるいは国鉄の自助努力の部分かということを仕分けをしなきやならぬと、こういうふうになっているはずですが、まあ退職金にしろ、年金、国鉄バス、地方交通線、公共負担、借入金の利子、まあこれらの項目の中で、一例ですけれども、地方交通線を構造的な赤字要因だと、こういうふうに一応決めつけてみたものの、じゃ全部をそれを運輸省、言いかえてみれば税金で見るかどうか、半分しか見ないぞ、理屈はわかるけど半分しか見ないぞという前提条件の置き方もあると思うんですね。そんなふうなことを考えてみると、率直に申し上げて、国鉄側が運輸省に出そうとしている案の方向というものがわれわれにはよくわからないんです。今度の国会は六月十四日で一応会期が終わるわけでありますので、国鉄当局側が運輸省に出します案というのは多分六月のごく下旬になる。そうなりますと、きょうの小委員会がある意味では公式にそれらを議論をする、審議をする委員会になるような気がするわけです。 そこで国鉄がいま作業をしている中で、何が問題なのか、あるいはこういう点をこういうふうに国会で整理をしてもらえるならば作業がしやすいというふうな問題点があるはずだと思うんですね。いきなり運輸省に案を持っていって、頭から全部たたかれるという心配もあるだろうし、遠慮すれば国鉄の自助努力というものが非常にかさにかかってくるというふうな関係になるわけです。ざっくばらんに申し上げて、どういう方向で案をつくろうとしているのか、その考え方の中心ですね、柱というものを明らかにしてもらいたい。
○説明員(高木文雄君) 基本的には、この一月に出されました運輸政策審議会の小委員会からの御答申というのが、地方交通線問題とどう取り組むかというときの一つの指針となっていいのではないかと、われわれの立場からはそう思っております。しかし問題は、そこへどういう手順を経て、地域の方々の合意も得ながらたどりつくかというのが、実は非常にむずかしいわけでございまして、一方、六月までに再建の具体的案を示さなければならないということから見まして、とうてい現状において六月までにそうした点を明らかにすることは時間的にも不可能でございますし、また実際問題としてもこれは大問題でございますので、そう簡単に結論を導き出すことができない現状でございます。 そこで、私どもといたしましては、現在の赤字の中で、われわれの努力によってまだ赤字を減らし得る部分があるんじゃないか。たとえば一日余り多くの本数が走っていないような地域についてのいまの運行のやり方というのは、反省を要する点があるんじゃないかというようなことをいま考えまして、一線、一線についてそういう検討をしなければならぬというふうに思っております。したがって基本方針の中におきましては、ある程度、バス転換をするとかなんとかいうことは別にして、現状においても詰め得る限界はどこまでか、赤字を減らし得る限界はどこまでかということは概略お示しできるのではないかというふうに思っております。 それからもう一点は、先ほど来、国鉄の運賃水準が大変高いというお話がございますけれども、地方ローカル線のような場合には、私鉄との競争関係はございませんが、バスその他の交通手段と並行している場合が非常に多いわけでございますけれども、その場合についてみますと、かなり私どもの方が運賃が極端に安いという問題もございますので、そうした地域において何か運賃制度上考えられないかということも検討の一つに入れておるわけでございます。で、それで積み重ねましてもなおかつ残りますものにつきましては、本来は時間をかけた上で他の輸送手段に切りかえることを考えさしていただきたいわけでございますけれども、いまそれをあからさまにいたしますことについては、余りにも問題が多過ぎるといいますか、刺激が強過ぎるということも考えられますので、そうした部分をこの六月の段階でどういうふうにまあ再建計画の上に表現するかということは大変むずかしい、ややテクニカルな問題でございますけれども、技術的にむずかしい問題だと思っております。もちろん助成金についても、五十四年度から大変金額をふやしていただきましたけれども、なおこれだけで十分だとは言い切れないわけでございまして、この辺についてもある種の検討を再建計画の中に盛り込んでまいりたいというふうに考えております。
○穐山篤君 いまの総裁のお話によると、六月中にはお示しができるだろうというふうに言われているわけですが、たとえばいまの地方交通線の取り扱い一つとりましても、手続の上から言えば法律の改正をしなきゃならない。廃止をする、あるいは第三セクターに任せるにしましても与野党とも問題をみんな持っているわけですね。場合によればことし、来年、来年は間違いなく参議院の選挙がある。なかなか政治的にはむずかしい時期でありますね。そうなりますと、地方交通線をそのままにしておきますと二千数百億円、三千億近い赤字は来年もまた出るわけです。議論としては、これは構造的な赤字の部分が地方交通線には含まれているという議論はずっと続いていましても、現実に二、三千億円の赤字は毎年、また来年も再来年も積み重なっていく。ですから、この見直し、再建計画というものについて一定の条件をつけなければ職員はもはや働く意欲がなくなってしまうのではないかという心配を私はするわけであります。まあいまのところ詰められませんからそれはやむを得ないと思いますが。 さて、そこで運輸省と総裁と両方にお伺いしますが、私はいつかの運輸委員会で八千三百三十九億円、五十二年度の決算の赤字ですね、これを正面から取り上げて、構造的赤字部分とそうでないものを概算で分けていただきたいというお話をしたわけですが、その当時はきめの細かいお話が得られなかった。いまでもまだ詰められないと思いますよ。ただ、将来的なことを考えるとしまして、構造的な赤字部分の一定部分については見ざるを得ないだろう、これは政府も言明しているわけです、どのぐらいが一定かよくわかりませんけれども一。運輸省が計算をしております一定の部分を、仮に計算で八千三百三十九億円を分けた場合に、当然幾ばくかのものは国が見るわけですから、国鉄の努力する部分というのは少なくなる。言いかえてみれば運輸水準を下げることが理屈の上で可能になってくるわけですね、可能になるわけです。そういう点については運輸省も国鉄側も計算をしたことがありますか。
○政府委員(山上孝史君) 先生御指摘のいわゆる構造的欠損、それが国鉄の欠損の中でどの部分に相当するかということにつきましては、これは当事者である国鉄にまずその点の分析をしていただきまして、それで私どもにお示しを願う、こういうことでお願いをしております。 なお、この構造的欠損につきまして、いま先生御指摘の八千数百億、これの損失の分析ということでございますが、これも先ほど来申し上げておりますが、その前に、損益勘定には一般会計からの助成の受け入れがございます。したがいまして、そういう純損失の分析につきましては、やはり助成前の姿でそれを正確に分析していただき、さらにその場合に国鉄自身やはり徹底した経営改善というものが前提にあって、その結果の分析でなければならないだろうと、このように私どもは考えておりますが、これは当事者である国鉄にその詳細の分析をお願いしているわけでございます。
○説明員(加賀山朝雄君) 先ほど来総裁からも御説明いたしましたように、構造的なものがどのぐらいあるかという計量化については鋭意作業しておるところでございまして、現在の段階でそれがどのぐらいあるということを申し上げかねる状態でございます。ただ、先生御指摘のように、構造的な問題について何らかの手当てがなされたら運賃に直接響くかどうかというお尋ねでございますが、現実に八千億の赤字を抱えておりまして、そのうちにある部分が構造的で手当てをされましても、依然として赤字がまだ残った状態にあるわけです。それを企業努力によって解消するという問題が絡んでまいりまして、したがいましてそれが手当てされたから運賃にどう響くかというような計算はやったことはございません。
○穐山篤君 それは具体的に数字が出てきたときになお議論をしたいと思います。 先ほどからも言われておりますように、国鉄自身徹底した経営改善をする、これもきめ細かく線区別に列車別に見る、これは当然なさなければならない事柄だろうと思うんですが、しかし私は、その努力は当然していただくわけですが、財政的な分野から見てそういう努力が何千億も節約になったりあるいは増収になるということを期待をするのは非常にむずかしいと思うんですね。よくブルートレインを削減をすると、こういうお話がありますが、夜中に列車が仮に十本走っているやつを八本にしましても、人間を、職員をそうべらぼうに減らすということは技術的に不可能な話です。ですから、努力はお願いをしなきやならぬと思いますが、財政的に経理的に大きく期待をすることは非常に無理だというふうに私は考えます。 さてそこで、収支のバランスを合わせるという点から言えば、これから余り投資をしない、工事経費もかけないということならばある程度考えられますけれども、サービスの向上、それから安全輸送という見地から言えば、一定の投資はやらざるを得ないと思いますね。それから現に投資不足であります三級線ないしは四級線の部分についても投資をせざるを得ないということになりますと、増収を徹底的に図る道を考えるか、その投資をしない方法を考えるか、これは理屈になりませんけれども、現実的なことにはならぬと思いますが、収支のバランスだけで言えばそういうことになる。しかしまた、結果として安全輸送に重大な影響を及ぼすんじゃないかという心配をするわけです。 そこで、もう少し要員の問題についてお伺いをしますが、要員の削減を図れ、経費の節約をする、省力化をするというのは理屈としてよくわかりますが、国鉄の場合には背景にやや特殊事情がありまして、先ほども議論されておりましたように、年配者を早くやめさせればさせるほど退職金とそれから共済組合の経理に重大な影響を与えるわけです。共済組合は五年単位で見ておりますけれども、昭和五十五年度までは何とかなりそうですけれども、後は完全にパンクですよね。ですからこの矛盾をどう解決するかということも来年度の再建計画の見直しの中には重要な問題として考えなきゃならぬと思います。総裁並びに鉄監局長に人減らしの問題と国鉄の財政及び共済組合の経理との関係をどういうふうに理解をされているのか、その点はっきりしていただきたいと思いますす。
○説明員(高木文雄君) まあ自己努力による立て直しというのは、結局は増収を図ることと何とか経費を切り詰めること以外にはないわけでございます。で、経費を切り詰める場合にやはりどうしても人件費が一番ウエートが高いと。したがって、いまお触れになりましたように要員の問題に触れざるを得ない。さりとて輸送は続けていかなきゃなりませんから、輸送を続けながら輸送の型を少しずつ変更することによって少ない人数で従来どおり動かすということを基本に置かなければならないと思っております。その結果というお話ございますけれども、いま考えておりますのは、仮に要員を減らすといたしましても、その減らす便法というものは、現在の老齢者で退職していく皆さんの数と比べますとやはりやめる人の数の方が大変多いわけでございますので、特に、何かプレッシャーをかけてやめる人が——この要員の数の問題と現実に何人やめるかということは別の問題であることは先生よく御承知のとおりでありまして、現実にやめる人の数をふやすべくプレッシャーをかけるということにはならないわけでございます。したがいまして、再建計画でどのように要員計画を立てるかとかいうこととは関係なく、年金の負担はどうしてもふえてまいりますし、退職金の負担もふえてまいるわけでございます。そこで、このいままで払っておりますところの年金なり退職金なりの負担部分と、今後急激に増加するであろう退職金、年金の部分とを総合いたしました上で、幾らぐらいまでのところがいわば通常の負担と見らるべきかと。民間におきましても、あるいは他の政府機関等におきましても、退職金あるいは年金の負担はあるわけでございますから、他に比べても私どもの方だけが特別に異常であるという部分はどの部分かということを明らかにしなければならない。その明らかにすることは構造的——前々からそこらが非常に漠然としておりましたものを今回ぜひとも明らかにしたい。そして、その部分については何とか、どういう形でか、われわれの手では何ともなりませんので助けていただきたい。これは直ちに財政負担につながるかどうかわかりませんが、何ら私どもとしては何とも始末がつかないのがこのぐらいございますということを再建計画の中で申し上げたいと思います。それはいま特別に全体としての要員減を図るとかということと関係なく、むしろ今日の私どもが持っております職員構成、年齢別構成あるいは地域別構成といったところから自然に生まれてくる問題でございますので、能率経営の問題とは別の問題としてやはり処理をすべくお願いをいたしたいというふうに考えております。
○政府委員(山上孝史君) 国鉄の再建のためには、やはり何といいましても経営改善の徹底、これが一番の大前提になると思います。またそのためには、今後十年間で二十万人自然退職者が出るという国鉄の現状を考えまして、この後補充を極力抑制するという基本的な方向以外に道はないと思うのでございます。しかし、その反射的な面といたしまして、先生も御指摘のように、この十年間で二十万人やめるということは、共済組合の年金の財政について見ますと、現在五十二年度における成熟度といいますのが、先生も御承知のように六〇・八%、百人で約六十一人の退職者に対しての年金を現在の職員が負担しているわけでございます。それがこのままで十年経過いたしますと、当時の職員の数が仮に現在と同じだという想定で計算をいたしましても優に一〇〇%を上回ると、一一〇%以上になるかと思います。百人の職員で百人以上の者を養うということになるかと思います。ということで、この国鉄の共済年金の財政につきましては、ほかの例に比べまして、たとえば電電で言いますと、五十二年度で一四・四%、専売が三八・五%、国家公務員が二〇%というような現状と比較をいたしますと、国鉄のこの年金財政は非常に異常なかっこうを示していると思います。この点につきまして、一体どう対処すべきであるかということは、さらに国鉄とよく相談をして詰めてまいりたいと思います。
○穐山篤君 最後に一問だけ。 例のあの投資開発の事業の問題ですが、いろんなことを計画をされ、あるいは実施をされています。非常に意欲的で結構だと思うんですが、財政的に見てここから上がります収益、これは概算で結構です、この収益は借金の利子の何%ぐらいに充てる、充てるつもりと言っては語弊がありますが、かせぎ出そうと、たとえばこの五年間の間に借金の利子の半分ぐらいは毎年毎年かせぎ出していきたいという計画であるのか、あるいは利子の三分の一ぐらいはこの開発事業の方から生み出さなきゃならないというふうにお考えか、大ざっぱなことで結構ですが。
○説明員(高木文雄君) いま関連事業をいろいろ一生懸命やっておりますけれども、ほんのまだ緒についたばかりでございまして、どっちかと言うと余りそういうことは十分やっておりませんでしたのを、いよいよ少し積極的に取り組めということでやっておるわけでございますので、まあいままでとは大変姿勢が変わったという意味で、いろいろやっているなという御批判は受けてはおりますけれども、しかし数字的には知れたものでございます。現在関連事業収入というのは四百億弱しかないわけでございます。どんなにがんばりましても年率七、八十億とかいうベースぐらいにしかなかなか広げられない、また、余りあわててやりましてもいろいろ弊害を生ずる、あるいはまた武士の商法になってしまうという危険がありますので、意欲としては大いに広げたい気持ちはあるんですけれども、さりとてなかなかあわててできないということでいくと、まあ年率せいぜい百億弱ぐらいの程度しかこれふやしていけないんではないか、そうすると五十年代末で何とかそのいま四百億前後のものを千億ぐらいまでは持っていきたいというふうに考えているわけでございます。これは利子の大きさと比べてどうだと言われますと、利子の方は五千億を超えておるわけでございますので、その支払い利子の大きさとそれから関連事業収入による利益というものとは、この比較オーダーとしてちょっとまだ現時点では半分までやりましたとか、三分の一までやりましたとかというところまではなかなかいけない現状でございます。
○三木忠雄君 きょうは時間が限られておりますから、私も最小限の問題だけの指摘にとどめておきたいと思いますが、何回か小委員会を開いていただいて、この小委員会でいろいろ具体的な問題を詰めて、そして国鉄の再建をなさなければならない私たちも責任の一端を感じているわけです。昭和四十三年に国鉄の財政再建推進会議から意見書が提出されて以来ちょうど十年間たったわけです。しかしながら、まだ再建の大きなめどというか、あるいはいろんな過去の経緯を調べてみれば、あるいは私もその審議に加わってまいったわけでありますけれども、実際に国会の強い抵抗で、野党の抵抗で運賃が値上げできないから再建計画は全部だめになったと、こういうような言い逃れで、今日まであるいは逃れてきた場面もなきにしもあらずだったと思うんです。しかし、いまはもう正直言って国会は歯どめがなくなった。もう国鉄の経営努力と、そして政府の助成、これ以外にあと国民の運賃負担は法定制緩和という問題で具体的にもう解決をしているわけです。運賃の問題は後でちょっと詰めますけれども、こういう問題を考えますと、五十五年度の健全経営を目指すというこの問題は、もうこの六月あるいは八月の概算要求で具体的なレールに乗って、五十九年末までには完全に赤字が解消し、健全経営ができるんだという線に、だれしも納得できる線を生み出さなければ私はならないと、こう思うんです。したがって、この再建計画の基本方向を私たちもいろんな面で議論をしてきました。まあ大筋の基本方向は閣議で了解をいろいろされているわけでありますけれども、これから国鉄が出される経営の改善計画、あるいは八月の財政援助等の問題を考えたときに、この基本方向を具体的に詰めた数字まで閣議了解なりあるいは法律ではっきりと縛って、この財政再建を明確にできる歯どめをかけるのかどうかという点について、まず運輸省から聞いておきたいんです。
○政府委員(山上孝史君) 再建の基本方針、これを着実に実行する以外に国鉄再建の道はないという大前提につきましては、先ほど来申し上げております。で、この実行といたしまして、来年度の予算要求に間に合わせるように、まず国鉄におきまして経営改善計画なり、あるいは構造的欠損についての対応ぶりなり、それをまず考えていただきまして、それで私どもそれを調整をさしていただくということで、その作業の過程におきまして、先生御指摘のような手続といいますか、手法といいますか、そういったことは一体どういう手法をとるのが一番適切であるかということにつきましても検討して詰めてまいりたいと、かように存じております。
○三木忠雄君 そうしますと、法律なりあるいは具体的な閣議了解なり、そういう形で歯どめをかけて、だれもが納得する線ですね、たとえば国鉄の経営改善努力と言っても、合理化にも、あるいは国鉄側にしてみれば私は限界があると思うんです。政府の財政援助も、これはいま財政危機だからと言われてみれば、結論的にはちびってくるような感じになってくると思うんですね。そうなると、五十五年度以降に健全経営を目指すといっても、また絵にかいたもちになるんじゃないか、いままでの再建計画と同じ問題で、今度国会の歯どめはなくなったけれども、だれからも追及をされない、ただ国民を欺瞞するような再建計画で私は終わるんじゃないか。それを防ぐために、やはり歯どめをかける法律なり、あるいは具体的な閣議了解なり財政援助をしっかりさせるための、まあこれから論議しますけれども、構造欠損等についての歯どめを洗い直して、この項目にこれだけのものはするんだという明確な歯どめをかけた再建計画を改めてつくるのかですね、そういう点についてはいかがですか。
○政府委員(山上孝史君) 再建計画につきましては、この五十二年十二月の再建の基本方針、これの実行として考えてまいりたいということでございます。 なお、法律を要するか、あるいは閣議決定が適切か、そこら辺につきましてはさらに詰めさしていただきたいと思います。
○三木忠雄君 まあきょうはそこにとどめておきますけれども、私は何らかの形でわれわれも見て納得のできる線を、やはり閣議了解なり法律なりをしっかりさしてつくってもらいたいと思うんです。 で、大蔵省に伺いますけれども、この予算をゼロベース予算で始めると、この中にあって来年度の予算で三Kを見直すと、こういうことが論じられているわけでありますけれども、省内でこの三Kの一つの国鉄に対してゼロ予算の問題としてどういう観点でとらえようとしているのか、その点についての基本的な考え方だけお伺いします。
○説明員(小粥正巳君) ただいまお尋ねの来年度予算のあり方につきましての省内の検討でございますが、まあ実はただいま日本の財政の置かれております危機的な状況、これにつきましてはもう十分御案内のことでございますので、私から改めてくどく申し上げませんが、これは現在国際的に見ましても、わが国の財政状況は今後の経済運営を安定的に行うという点から考えましても、本当にどうにもならないと表現をすべきような状況でございます。 そこで、来年度予算につきましては、従来でございますと各省庁から概算要求をいたしまして、これに基づきまして秋以降予算内容の検討を行うわけでございますが、今年度は特にこういう財政の危機的状況というやや異常な環境のもとで、例年よりかなり早めに来年度予算の問題点を各省中と、つまり政府部内であらかじめ検討を始めたい、こういうことで実は最近閣議で大蔵大臣から各省庁にお願いをいたしまして、現在検討をさせていただいております。 その内容をきわめて簡単に申し上げますと、歳出の徹底的な効率化という見地から、あらゆる歳出項目を基礎から見直してみたい。もちろんこれは財政当局だけの作業でございません。要求各省庁と財政当局との間で各項目が前年度の予算と同額と、こういう原則に立って、一体どんな問題があるのか、あるいはどうしても前年同額では処理できない経費については、その他にどのような財源の捻出方法あるいは合理化方法があるのか、これをお互いに真剣に五月の段階から検討していきたいと、こういうことで基本的には各省の御理解をいただきまして、現在そういう検討作業をサマーレビューなる名のもとに進めているところでございます。 その中身は、ただいま先生が御指摘なさいましたいわゆるゼロベース予算の考え方と申しますか、経費項目につきまして基礎からお互いに洗い直してみよう、その必要性をもう一度見直してみようと、まあこういう考え方、これはまさに先生のおっしゃいましたゼロベース予算の思想のもとに立った検討と、こういうふうに御了解いただければと思います。 そこで、その中でいわゆる三Kと申しておりますが、特にその中の大きな項目でございます国鉄問題、国鉄についての財政助成問題も、この見直し作業ももちろん例外ではございませんで、ある意味で特に運輸省予算にとりましては最大の問題としてこれから両省間でお互いに検討をしていきましょうと、こういうことでいま勉強を始めているところでございます。 ただ、この国鉄問題につきましては、すでに先ほどから御議論がございましたように、運輸省、国鉄、それぞれの内部で非常に真剣な経営改善計画見直し作業が現在行われております。近く国鉄側から運輸省に基本的な見直しを行った上での改善計画が提出される、そのように伺っておりますので、私どもといたしましては、まず第一義的には当事者でございます国鉄の徹底的に見直された経営改善計画の内容、そして運輸省のそれに対する検討、御調整、その過程で私どもも問題点に必要に応じて参加をさせていただきながら、前提として申し上げました五十五年度予算の基本的な見直し作業の中で、もう一度この国鉄問題も掘り下げて検討をさしていただきたい。その中で来年度予算への展望を、これはもう言うまでもございません、財政当局だけの考え方で処理できることではございませんもので、関係者間で十分にいまから時間をかけて検討を続けていく、そういう考え方でございます。
○三木忠雄君 そうしますと、国鉄から六月なりに経営改善計画が出ますね、それから運輸省と詰めます。このゼロベース予算というのは、いま確かに大蔵省当局から言えば助成をやっているという見解かもしれませんけれども、これはいろいろ項目を洗い直して、どうしても構造的な欠損あるいは国鉄だけの努力でできないと、こうなった場合の助成額は、対前年度何%というような考え方の予算あるいは助成の考え方ではないという、こういう見解でよろしいわけですか。
○説明員(小粥正巳君) 来年度の予算の基本的な考え方は申し上げましたとおりで、国鉄助成問題もその中で考えてまいりたい、こういうふうに申し上げたわけでございます。で、原則は先ほど申し上げましたように、あらゆる項目について前年度同額と、こういう考え方で見直してみるというところが基本でございます。見直しの結果、どのような姿になるか、これはもちろん見直しの過程におきまして、それから、それぞれの経費の性格によりまして、もちろん一律ではないと思います。したがいまして、具体的に国鉄助成問題につきましていま先生お尋ねのように、これをどんなふうに扱うのか、これはもういまの段階で私ども財政当局といたしまして、具体的な枠なり率なり、そういうもので律しようと考えているわけではございません。ただ、来年度予算——繰り返し申し上げますが、国鉄の財政危機も大変でございますが、国の財政状況も本当に大変な危機でございます。国鉄助成問題もそれと切り離してはとうてい考えられませんので、そのような環境の中で全体の予算の見直し作業の重要な一環として考えております。しかし、その具体的内容は、これは恐縮でございますが、これから国鉄御当局から運輸省に提出されるその内容には私どもも必要に応じて十分議論の中に加わらしていただきたい、一緒に検討さしていただきたい、そういうことでございます。
○三木忠雄君 そうしますと、具体的に運賃の値上げの問題、それから国鉄の経営努力、それから構造的な欠損を含めた財政援助、この三本には変わりはないわけでありますけれども、この運賃の値上げは先ほども同僚議員からいろいろ議論されましたけれども、まあ限界じゃないか、あるいは上げられないと、今年度の予算は組まないとか、大臣の答弁等はいろいろあったんですけれども、私は法定制緩和の論議のときに、やはり対象経費の問題が必ずこれは問題になってくるぞということを私はあの当時に大きく指摘をしておいたわけです。これはもう避けて通れない問題だろうと思うんです。したがって、この運賃の値上げの限界を、確かに先ほど国鉄総裁の答弁で限度額と実施項目とは違うんだという、こういう答弁をされておりますけれども、果たしてそれで大蔵当局がのめるかどうかという問題も私はあると思うんですね。少なくとも本年度であれば千九百億は必ず増収をしてもらいたいということをもととして予算を組んでいるわけですね。今後その対象経費、いろいろこう分解してきますと、構造的欠損の分が処理されなければ、対象経費はますます大きくなってくると思うんですね。そうすれば物価上昇率限度じゃなしに、あるいは一〇%、一五%と、年々歳々この限度額を上げなきゃならないと、法的にはですよ。そうなった場合に、法的に許される範囲内で大蔵省は増収見込みを運輸省なり国鉄に要求をしてくると、たとえばですね。そうした場合に、果たして国鉄の経営ができるかどうか。それだけの運賃の増収が果たして値上げ幅を見た場合にできるかどうか。あるいは国鉄がより以上疲弊してしまうんじゃないかという危惧をわれわれは抱くわけです。したがって、その場合のこの対象経費の洗い直しというものを、何年に一回明確にするとかいう問題を考えなければならないんじゃないかという点を、私は強く前回の法定制緩和の審議のときに論議をしたわけです。これはいま現実に大きな問題になってきているわけですね。三兆六千億の累積赤字のこの問題が、やはり利払いとして二千五百億とか三千億の利払いをしなければならない。それが経費の中に含まれてくるわけですね。こういう問題が処理されなければ、やはり限度額というものは二けたになってくるんじゃないか、値上げの限度額というのは二けたに上ってくるんじゃないか。そうなると、もう国鉄が実質上運営できなくなるんじゃないか、私鉄や他の交通機関と比べた場合に、これはもう上げることが不可能になってしまうんじゃないか。そうなった場合、この国鉄収支の悪化の問題、あるいは財政援助ができないというこういう問題になったときに、果たしてどういう道を選んでいくのかという、この点が私は非常に大きな議論になってくる、運賃の値上げの一つの問題を考えた場合に。この点についての運輸省あるいは大蔵省の見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(山上孝史君) 先生御指摘のように、運賃改定の限度額、それの計算の基礎になります経費につきまして、たとえばいまも御指摘のような支払い利子の増高等全部含めまして、この計算基礎になる経費そのものにつきまして、国鉄としては徹底した合理化のもとにその節減を図るということは大前提であると思います。たとえば、その経費の中でも先ほど御指摘がありましたが、減価償却費あるいは設備投資に対する支払い利子、たとえば支払い利子につきましては、国鉄全体で八千三百億以上あるわけでございますが、その中で設備投資に対するものが四千億ぐらいだと思います。そのような支払い利子の負担増等、これを極力少なくするという努力が必要かと思います。このためには、たとえば今後の設備投資につきまして従来どおりのような、いわば公共事業費の伸びを横ににらんで、それでその設備投資の増額を図るというような安易な考え方では対処すべきではないと、たとえばそのように思います。 いずれにいたしましても、その計算の基礎になります経費そのもの、それについて極力その増高を防ぐということが先決だと思います。
○説明員(小粥正巳君) 運賃改定についてのお尋ねでございますが、これは先ほど来御議論がございましたように、私ども財政当局といたしましても、国鉄再建の基本方針の中の重要な要素、柱である。今後も収支の悪化をこれ以上来さないように、可能な限り運賃改定の方向というものはやはり検討されていかなければいけない、これは私どもそのように考えております。 ただ、先生御指摘の経費の内容についてのお話でございますが、これはただいま鉄監局長から御答弁がございましたように、私どもも経費の増加自体の可能な限りの圧縮、これがまず第一ということ、これはもう私どもそのとおりに考えております。 それからもう一つは、これもお話がございましたけれども、現在の法律制度のたてまえは、経費の増加額がいわば運賃改定の限度でございます。運賃改定につきましては基本方針を引くまでもございませんけれども、あくまでも国鉄の主体的な経営判断、これが前提でございまして、そのもとに輸送需要の動向、他の交通機関との関係等を十分に考慮しながら、適時適切な改定を行う、こういうふうにされておりますので、先生の御指摘の点も確かに考慮すべき問題だと思いますけれども、現在の法制度の枠内で国鉄が適切に御判断されるべきことであり、基本的な方向としては、私ども収支のこれ以上の悪化を、利用者の適正な負担ということで可能な限りそこを抑制していただくという点は私どもも全く変わってございませんが、その点は決して私どもが要求をするということではございませんで、あくまで国鉄の適切な経営判断がまず前提である、こんなふうに考えております。
○三木忠雄君 そうしますと、この八月の概算要求、来年度の運賃値上げという問題が当面大きな問題になってくるわけですね。そうしますと、対象経費の中にやはり構造的欠損という問題の洗い直しはこれからの項目の中でいろいろ整理するにしましても、過去のたとえば累積債務のたな上げの問題ですね、先ほども同僚議員から述べられましたけれども、これをいつの時点でするかによって運賃の値上げ幅の限度額がまた違ってくると思うんですね。したがって、これは今回のこの基本方向に見直した再建計画、この六月あるいは七月、八月等で対策を講ずるときに、債務のたな上げという問題は運賃の値上げとの絡み、あるいはその他の経営計画との絡みの中でこれは問題にして処理をするという考え方でいいのかどうかですね、これは鉄監局長どうですか。
○政府委員(山上孝史君) 再建の基本方針に基づいて来年度以降再建の軌道に乗せるというための作業を急いでいるわけでございますが、その作業の一環といたしまして、やはり再建の基本方針も五十年代中に何とか収支均衡に持っていきたいという考え方でございますので、現在、国の予算は単年度主義でございますが、単に五十五年度だけを考えるのじゃなくて、その一応参考といいますか、前提としては五十年代中にどうなるかということを考えながら五十五年度の概算要求をしたいと、こう考えております。 したがいまして、先生御指摘のその後の累積欠損のたな上げ等の処理につきましては、その一環としてどうするのが一番適切かということを検討してまいりたいと思います。
○三木忠雄君 これは、こればかり詰められませんけれども、これはやはり一つの私は大きな、今後たとえば来年たな上げしなければまた八千億なり九千億上積みされてくるわけですね。こういう点を計算しますと、やはり運賃値上げの問題とこの構造欠損分、特にこの累積赤字のたな上げの問題等は運賃値上げ幅に非常に大きな影響を持ってくると、そのことの算定基準がやはり増収計画と絡んできますと、国鉄のやはり利用度というものに非常に大きな影響を及ぼしてくるんじゃないかということを私は非常に危惧をするわけです。 したがって、この点は今後の運賃の値上げあるいは再建計画のこの基本方向の見直しのときに一つの大きな課題として、できれば私は五十四年度に一遍整理をして、それから五十五年度の収支均衝のために打つべき手をどうするかということを考えていくのが妥当じゃないかということを私は強く意見を申し上げておきたいと思うんです。 設備投資の話が出ましたので、ついでに設備投資の問題の方を先にちょっと話をしておきたいと思うんですけれども、きょうの新聞等でも報道されておりますように、新経済七カ年計画で国鉄等に設備投資を要求するのが十一兆円と、こういうふうに私は聞いているわけです。こういう点を考えますと、十一兆円の経済計画の中で果たして国鉄がそれだけの財源を調達し、設備投資をしていけるだけのものが——まあこれは国鉄当局に失礼な話ですけれども、いまあるかどうかということですね。さらにそういう設備投資を借金でいろいろやっていきながら、さらに累積を重ねていくようなやり方が果たして可能かどうかという問題について、政府のこの七カ年計画というのは余りにも絵にかいたもちじゃないかということを私は指摘をしておきたい。その財源関係を明確に国鉄の再建とにらみ合わした上で、たとえば十一兆円を明確に確保するというのであれば、手当てをしっかりするというのであればこれはまた別問題だと思うんですね。そこらの問題はどういうふうに設備投資に対する政府の考え方は持っているのか、その点を聞いておきたいと思うんです。
○政府委員(山上孝史君) 現在の国鉄の財政危機というもとにおきましては、先生おっしゃるような過大な設備投資による資本費の負担の増大は、当然に新たな赤字増の要因となるわけでございます。したがいまして、今後の国鉄の設備投資につきましては、投資採算を考慮して、これも再建の基本方針に指摘をされておりますが、投資採算を考慮して慎重に検討した上、具体的な投資の決定をしていくということがぜひとも必要であるかと思います。要するに、基本的には投資が過大にならないようにしていかなければならない。たとえば一兆円投資をいたしますと、これはまあ概算でございますが、七百億前後の利払いが後年度直ちに出てくるわけです。それからまた償却費が四百億ばかりふえていくということでございます。 このような観点から、国鉄の経営改善計画の全面的な見直しに当たりましては、今後の設備投資のあり方につきまして、これまでにない厳しい態度で十分検討するということが必要かと思います。
○三木忠雄君 具体的に言いますと、この間運輸大臣が、東北、上越新幹線で三千億赤字が出ると言うんですね。現に五十六年——何年開業になるか、これは大体五十六年なら五十六年から開業すると、仮定ですね。五十六年から開業しますと、三千億の赤字が出るわけですね。この三千億が今度は実際の赤字に変わってくるわけでしょう。こう考えた場合に、三千億の赤字が出てくる分を、果たしていままでの赤字に財政援助して、八千九百億なら八千九百億の赤字に三千億を上乗せしますと一兆二千億ですね、いまの財政援助してですよ。それで一兆二千億という形になってきますと、果たしてこの三千億を入れた再建計画にするのか、三千億は別途の会計でいろいろ処理するのか、再建計画の中に、基本方向を見出すときに。この点はどういう考え方に立っているのかどうかですね。
○説明員(高木文雄君) ただいま私どもの手元で運輸省といいますか、政府へお出しする計画を立てておるわけでございますけれども、第一次的には、簡単に言いますと、八千億の単年度欠損をどうやって今後消すようにするかということを中心に作業をいたしております。前々からどうやって単年度収支を償うかということが運賃法改定、いわゆる緩和法案の御審議のときにも中心のテーマとして取り組まれておった関係から、そういう作業手順にしておるわけでございますけれども、だんだん東北、上越新幹線の開業時期が近づいてまいりました。いろいろな関係で東北、上越新幹線の建設費が当初考えておりましたよりもふえる傾向にあるということが一つと、それから最近に至りまして、と申しますのは五十一年からでございますけれども、旅客の伸びがなくなった——旅客収入の伸び、旅客の輸送人員の伸びがなくなった。特に東北地区につきましては、道路の整備に伴いまして、現在のところ東北線なり常磐線なり、あるいは奥羽線なりのお客さんの伸びぐあいがここに至りまして非常にダウンしてきたわけでございます。その両方の要素から、前に考えておりましたのと比べて、どうも経営見通しが少し悲観的に見ざるを得ないのじゃないかという考え方を持っておるわけでございます。 では、それは一体どのぐらいの負担というか、赤字になるかということはまだちょっと予測がつきません。ただ、問題が大変大きくなってきたぞという感じを持っているわけでございまして、三千億というのは償却費と利子とで、開業になりますと、いままで建設仮勘定で経理しておりますものが損益勘定の方へ振りかわってくるということで、八千億の問題だけを取り扱ってその処理がうまくいったということでは済まないのではないかということでございますが、さりとて三千億赤字がふえるというわけではないわけでございまして、たまたま利子と償却の額がほぼ三千億前後になるということでございまして、もちろんそういうやや暗い状況にあるとはいえ、お客さんの誘発効果はありますでしょうし、それからいろいろな設備がよくなっておりますだけに何とか人手を少なくして運営することもできますでしょうし、そっくり三千億がそのまま東北、上越の開業に伴って赤になってくるというわけではないわけでございますが、しかしなかなかオーダーの大きい問題がほかにあるよということでございまして、恐らくこの六月の段階でこれを織り込んでということはちょっと時間的にも技術的にも困難ではなかろうか。ただ、別にそういう問題がございますよということを皆さんに知っておいていただく必要があるのではなかろうか。それをどうするかとか、それを再建の基本方針との観点でどう調整するかという問題は、これはちょっと時間的に後へずらしていただかざるを得ないのではないかなというふうに考えております。現在まだ最終的にどういう列車ダイヤでどういうふうに車を走らすかとか、あるいは在来線の方の特急とか急行、東北、上越についての特急、急行は今度ある程度減らすことになるわけでございますけれども、そうしたことについてダイヤの計画もまだ十分詰まっておりませんので、どうもこの六月の段階でそこまで織り込むということは、ちょっと、事実上余りにも不安定要素を持ち過ぎているということで見送らざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○三木忠雄君 これは総裁、余りおとなしい返事をしておったら後でまた大変な問題になってくると私は思うんですよ。これははっきりしておかなければまずいと思いますよ。私は運賃法定制緩和のときに必ずこれは赤字で出てくるんだ、上越、東北新幹線のこの経営経費分ぐらいは、赤字になる本当の部分ぐらいはやはりたな上げして何か手をつけなければ、これはもう再建計画の中に入らないと、こういうことを私が申したのは、議事録にはっきり残っているはずだと思うんです。それで新しい新幹線はもう国鉄の努力じゃなしに、国がどうしてもやりたければ国の財源でしっかりやりなさいということを私はあのときに明確に提唱したはずなんです。このいま三千億という問題は、これは国鉄再建計画にとって私は非常に大きなガンになってくると思うんです。これが赤字になるからまた合理化をやりなさい、働かないからこうだといって、やりやすいところだけにしわ寄せして、あと言葉を濁していくようなやり方であっては、これは五十九年にまた赤字を解消できませんよ、健全経営。確かに総裁の言う六月までには掌握しきれないといういろいろな問題があるかもわかりませんよ。しかしその問題は、新幹線の特別勘定とか何かいろいろな形にして、この八千九百億なら八千九百億の単年度出ているこれを解消するための基本方向とみなすんだと、こういう観点で処理していきませんと、正直言って働いている人はやりがいがないですよ。あるいはわれわれ協力して、赤字財政、赤字国鉄と言われない方向に国会でも何度か論議を進めて何とかできないかと思っているのにまたふえてくる、こういうことではこれは話にならないんじゃないかと、こう思うんです。それが一点。 それからやはりこれから通勤新線というものを大都市では要求していくと思うんですよ。大都市に住んでいる人は、もう運賃値上げばかりで、一番取りやすいところから取られているわけですよ。この上越新幹線をつくるため、あるいは東北新幹線のためにやはり通勤新線をつくるわけですね。あるいは千葉から、あるいは大阪とか、そういう通勤新線をこれからつくらなけりゃならない問題点が、私も中央線で毎日乗っているからよくわかるんですよ。立川−三鷹間を複々線にしなきゃならない。しかしいまの国鉄の財源で、投資効果から考えた場合には、国鉄は本来は正直言ってやりたくないでしょう、赤字の中にまた赤字を生むんですから。しかしその通勤対策としてやはり財政援助的な見直しができないかどうか、あるいはせめて地下鉄並みの財政援助はできないかどうか。こういう問題について運輸省、大蔵当局はどう考えているか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(山上孝史君) いま最初の御指摘の東北新幹線の工事経費につきましては、現在の補助制度では先生も御承知かと思いますが、工事費補助金、これで三分五厘までの利子補給をしているわけでございます。 それから、二番目に御指摘の通勤新線等を含めました大都市の交通施設の整備の問題、これにつきましては、先生も御承知だと思いますが、五十二年から大都市交通施設整備費補助という制度をつくっていただきまして、大都市圏の通勤通学輸送にかかわる基礎施設部分の工事費につきまして、三〇%の補助を行うことにしております。さらにその補助の対象外七〇%の分につきましては、この工事費の補助といたしまして三分五厘との差額の利子補給、これの適用があるわけでございます。このようなことで五十二年度からは相当整備をされた助成という制度が新設されたわけでございます。
○三木忠雄君 整備をされたことは、私たちも指摘をしまして少しはなったと思うんですけれども、これからやはりやらなきゃならない通勤新線の金額から考えたら——これはきょうは具体的な細かな数字は論議するつもりはありません、また別途に設備投資として、できれば小委員会で項目を設けてひとつ洗い直せれば、私は数字を挙げて具体的に詰めた方がいいと思うんですけれども、やはり地下鉄が何ですか、七〇%ぐらいの補助ですか、地下を通っているからといういろんな理由があるわけですね。だけれども上に出ているところもあるわけですよ。そういう点を考えますと、やはり競争条件を同じにするという、あるいは国民の要請によってそういう工事をやらされるという問題については、これは助成対象を対等にしなければやはり競争にはならぬのじゃないか。またそこまでしなければ、まあ住民の要望を担って工事をやろうという国鉄の設備投資意欲は出てこないんじゃないかという点を私は考えるわけです。この点はやっぱり、きょうここで決断しろと言ったって鉄監局長はできる問題じゃないと思いますけれども、私はこれは考え直さなければ、やはり大都市の通勤あるいは大都市交通の問題が非常に大きな問題になってくるんじゃないかということを懸念をするわけです。 それからもう一点はCD線、これもやはりいま三百二億ぐらいの公団の借入金でやっているわけです。AB線は地方ローカル線と一緒にいろいろ整理するようになっておりますけれども、こういう大都市のCD線の建設等の問題、公団の借入金等の問題も、やはりこれがどういう形で整理をされるかというようなことも私は考えなきゃならないんじゃないか。そういう一括した設備投資の問題のあり方あるいは助成のあり方、こういう問題を明確にしておきませんと、これからの投資についても、やはりいろいろ大きな問題点を残しながら絶えず赤字を解消しようとして努力をしている問題が、かえって雪だるま式にふえていくんじゃないかという懸念を持っているわけです。しかしながら、やはり私は安全投資であるとかあるいは設備投資は絶えず続けなきゃならない問題点ではなかろうかと思います。こういう点のやはりきめ細かい洗い直し、これはやる必要があるんじゃないか。基本方向を見直すときに、検討するときにやるべき筋合いのものじゃないかということをつけ加えておきたいと思うんです。
○政府委員(山上孝史君) さらに検討さしていただきますが、現状について申し上げますと、CD線につきましても、昭和五十二年度から大都市交通施設運営費補助金といたしまして、国鉄が鉄建公団に支払う借り受け料、これの三〇%を補助することにしております。なお地下鉄の補助との比較が御指摘になりましたけれども、これにつきましては一つの問題点といたしましては、地下鉄の場合には七〇%に対する補助でございますが、国がそれの半分、残る半分は関係の地方公共団体が負担するということでございます。ところが、国鉄の施設整備費補助につきましては国だけが負担する、こういう相違がございますので、それが一つの大きな問題点として残っているわけでございます。
○三木忠雄君 その設備投資の問題はよく検討していただきたいと思うんです。 それから構造的欠損の問題について、きょうは項目を一つ一つ詰めるわけにいきませんけれども、たとえば先ほど同僚議員からも項目は指摘をされておりましたけれども、公共負担を含めあるいは過去債務等の見直し、これを含めて六項目の問題、これは運輸省と国鉄の間では構造的欠損の項目として合致しているんですか。もう一度確認しておきます。
○政府委員(山上孝史君) 最終的には国鉄から具体的な考え方をいただいて、それで調整いたしたいと思いますが、いままでの事務的段階におきましては、いわゆる構造的欠損の事柄として、構造的欠損マターといいますか、それといたしましては、おおむね考え方は一致しておりますが、ただ、たとえば先ほど御指摘がありました公共負担について、いわゆる構造的欠損のマターとして考えるのかどうかとか、あるいは過去債務につきましてすべてを構造的欠損と考えるのかどうかとか、そういう二、三の事柄につきまして、まだ事務的に見解は一致していないという点も残されております。今後これは詰めたいと思います。
○三木忠雄君 そうしますと、この六項目、これから具体的に、項目ではあらましの項目が上がっておりますけれども、数字的なあるいはやり方等については、これは恐らく国鉄と運輸省の間にいろいろ議論があると思うんです。それから大蔵省の見解、またいろんな問題点があると思うんですね。これはまあ最大の山場になってくるんじゃないかと思うんです。で、先ほど同僚議員からも言われておりましたけれども、やはり私はここであからさまに構造的欠損と項目が合致すれば、その数字は明確に出して、たとえば八千九百億なら八千九百億の数字を、われわれの前でもいいです、どこでもいいです、出していただいて、そして構造的欠損の分はもうこれは完全にやるんだ、そして国鉄の努力する分はこれだけだ、このためには合理化しなさい、あるいは働く労働者にもこれだけ協力してくれ、運賃の面についてはこの面は限度額はこうだと、この三方をはっきり国民の前に示し、みんなが協力できる体制をつくらなければ、私は再建計画は軌道に乗らないと思うんですね。 そういう点で、やはりこの構造的欠損の問題一つを取り上げてみて、特に地方交通線の問題、私は残念ながら今国会に地方交通線の具体的な法律案が出てきて、今年度でローカル線の問題はけりがつくという感じを私は実は持っておったんです。これが延びたために、また構造的欠損の中の一部分が累積赤字としてふえてくるわけですね。一年間——運輸省ばかり責めませんけれども、これは地域住民にもいろんな要望もあるでしょうし、自治省側の強い意見もある、政治的ないろんな配慮もあったと思うんですよ。しかし、それがどこに問題点があったにしても、受ける国鉄側にしてみれば、これは処理が遅くなったために赤字が積み重なるわけですね。これはどこかに問題点があると思うんですよ。したがって、こういう問題があったときに、もうこの構造的欠損、それから国鉄の努力分、国民の運賃負担分と、あらましの数字が出ればそこを努力をして、この構造的欠損の分については国鉄の経営から離れるんだと、そのかわり合理化はこの程度国鉄は働く職員には協力してくれと、こういう面を明確にしなかったら、私は結局この一部の構造的欠損の方をあいまいにしておいて、合理化は、二十万人やめるから十万人だけ減らせればいいんだという、こういう説得の仕方だけでは、私は労働者にも説得力を欠くと思うんですよ。私はこの際、国鉄の働く労働者にも協力してもらわなきゃこの再建計画はできないと思うんです。 したがって、まあ職員局長に聞きたいんですけれども、働く労働者についても私は職務評価をはっきりすべきだと、そしてこの経営危機の中で明確に、働く者にも——何か投書が行って、三時間しか働かない、それが全部国鉄の従業員だというような悪いイメージを与えているようなやり方は、まじめな労働者に対しては私はかわいそうだと思うんですよ。まじめに再建に取り組んでいる労働者は働きがいがなくなってくると思うんですね。こういう点について、やっぱり職務評価は明確にする、そして構造的欠損の分についてはこれは国が完全に手を打つんだと、こういう点を明確にしなければいつまでたっても私はどうにもならないと思うんです。 したがって、いま地方交通線の問題、鉄監局長にもう一遍念を押しておきたいんですけれども、来年、法律をたとえばつくったとしますね。これは政治的ないろんな問題があるでしょう、いろんな反対もあるでしょう。これはたとえば、地方交通線の問題が来年解決できなかったとした場合、これはもう国鉄の三千億の赤字から切り離して別途になるんだという考え方で再建計画を軌道に乗せて、その分はどっかで構造的欠損としてたな上げしながら穴埋めしていくんだというやり方を明確にしなけりゃ、合理化する方だけは徹底的に合理化していき、運賃だけは徹底的に決めていき、構造的欠損だけは逃げていくというやり方であったら、これはつじつまが合わない再建計画になってくると思うんですよ。この点、私は地方交通線の整理の問題一つをとってみても、これは構造的欠損として片づけてもらって、国鉄の経理から別個に切り離すんだというくらいの考え方を持ったらどうかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(山上孝史君) 地方交通線問題につきましては、いわゆる構造的欠損のマターの典型的なものだと思います。そこで、御承知の運輸政策審議会の小委員会の最終報告もいただいておりますので、目下その趣旨に沿って具体的対策をどうするかということを検討中でございます。何分地元住民等にも影響するところが大きく、いろんな問題をはらんでおりますので、関係の向きとよく御相談をして、具体策を早く詰めたいと考えております。 なお、構造的欠損につきましては、これは国鉄に、まず当事者である国鉄に過去の欠損、これを詳細に分析をしていただきまして、それで構造的欠損のマターについて、それぞれどれだけの欠損を生じているかということを明確にしていただくということでお願いしております。 ただ、その前提といたしまして、まず第一は、やはり損益計算上損益勘定への助成金、この受け入れ前の生の姿の欠損、これを分析していただくということ。それからなお、現在までの経営のやり方で、その結果、結果的に出た欠損ということでなくて、やはり六月に考えていただきます経営改善計画の全面的な見直し、これによってそれを前提として、それでその結果やはりこういう欠損がこの構造的欠損のマターについて生ずるんだというようなことでないと、やはり国民も納得できないのではないかと思います。そのようなこと、私どもとして気づいた点は国鉄によくお話をして、それで国鉄に具体的な分析の作業をお願いしておる次第でございます。
○三木忠雄君 そういう意味で、私は地方交通線等の問題も構造的な欠損等の問題も含めて、やはり陸上特別会計というものはつくるべきじゃないかと、こういう考え方に立っているわけです。その後財源の問題、自動車からとるとかというので、去年はいろいろもめたわけでありますけれども、たとえば、地方交通線や地方の過疎バスですね、こういう問題でも補助はいま政府から受けているわけですよ。しかし、過疎バス一つとってみても、まあ県や市の補助は国鉄にはないわけですね。ところが、私鉄のバスには国もあれば県もあれば市もあるわけですね。そういう点でやっぱり同じ並行バスをとっても助成制度がアンバランスなんですね。これは金額的には微々たるものでしょう。したがって、そういうものを洗い直して、どうしてもそういう地方交通線の整理がおくれた地域の財政援助的な問題として特別会計をつくるとか、あるいは過疎バスの対策の補助金を特別会計に繰り入れるとか、そういうところから私は一つ一つ財源を積み上げていくということが大事じゃないかと思うんです。あるいはこの新幹線で出てくる三千億——二千億になるか三千億になるかわかりませんけれども、こういう赤字の問題等も、やはり別会計の処理の仕方をしながら、当面出ているこの八千九百億の収支を構造的欠損、あるいは運賃あるいは人員の縮減、こういう点で処理をしていくという方途をとらなければ、これはざっくばらんに言って、ことしこれができなければ永久に国鉄の赤字はもうこれは絶対に解消しないとこう私は思うんです。四十三年からずっと再建計画、何回か何回か見直してきて、いずれへいったって丸の円を描いてぐるぐるぐるぐる回っているだけで、いつもできませんよという再建計画に私は終わるんじゃないかということを考えるわけでございますので、そういう点、残念ながら六月のこの国鉄の経営改善、私たちは見るわけにはいかないわけですよ。国会もまあ小委員会をまた開いていただいて、具体的なことを詰めたいとは思いますけれども、そういう一つ一つの項目をやはりわかりやすい形で、そうして国民の納得のいくような、やはり経営改善あるいは運賃あるいは構造欠損の処理という問題をやっていただきたいということを強く私は要望しておきたいと思う。 以上、何項目か挙げましたけれども、特に国鉄当局に最後にお願いしておきたいんです。この構造欠損の部分はいま鉄監局長からもいろいろ意見がありましたけれども、実際六項目なら六項目の構造欠損、たとえば五十年なら五十年、五十二年なら五十二年で構造欠損の項目は金額別にまだいま出ないものですか。そして国鉄の努力すべきものはこれだけだ、構造欠損とみなされるものはこれだけだという、先ほど穐山議員からも、前の法定制緩和のときにも意見が出たわけですよ。それを出していただいて私たちの資料として提供していただければ幸いだと、こう思うのですけれども、その点を伺って私の質問を終わりたいと思うのです。
○説明員(高木文雄君) たとえばローカル線ならローカル線につきまして幾ら赤字があるかということは、これはもういつも明らかになっておるわけでございますけれども、問題は、赤字のうち幾らは、私どもがもう少し少ない人で運営していけば減るじゃないかという部分が何百億かあると。それから、バス路線に切りかえることによってある程度コストが減りますから、バスになりましても赤字は赤字でございますけれどもコストは減りますから、その対象になり得るものがどのぐらいあるかというようなことは、現状でこうなっておりますよということは申し上げられると思うのでございますけれども、どうもちょっとそこが非常にデリケートなのは、こういうふうに切りかえてコストを減らしてやってまいりますと申しましても、これから相当線区別に検討してみなければならない。抽象的にはわかっておりましてもなかなか、線区別にダイヤをこう組みかえるとかああ組みかえるとかいうことを頭に置きながら、あるいは、経費は減りますけれどもそのためには多少追加設備投資が必要だというような問題もありますので、線区ごとにつくらなければならないものでございますから、漠然たる感じでは何百億かは減らせるのじゃないかと思っておりますけれども、どうもそれを現状においてどの部分を幾ら減らすということはなかなか出せないわけでございまして、六項目の中には、そういうものを出せるものもありますし、いまのローカル線のように非常に出しにくいものもあるわけでございます。 また、退職金や年金の問題になりますと、まさにそれをどこまでわれわれが負担し得ない部分と線を引くかというところがいま作業の中心になっておりますので、そういう意味で、現状でこういう項目はありますけれども、そのうち何千億、何百億までがわれわれの手の及ばぬところでございますというのをいままさにつくっているわけでございますので、そういう意味で御勘弁いただきたいと思う次第でございます。
○内藤功君 きょうは国鉄小委員会の実質的な審議の日としては最初の日であると思うのです。一昨年、昭和五十二年、一九七七年の秋の臨時国会に運賃法定制緩知法案が出されたとき、私は、この法案は国会の長年保有をしてきた審議権というものを奪い去るものだ。それから二番目には、戦後約三十年にわたって物価値上げの一つの歯どめの役目を果たしてきた法定制を取り去るということは物価騰貴の一つの引き金になるものである。三番目は、こういうふうに運賃の法定制を緩和することは現状で国鉄の財政にプラスにならない、経営にプラスにならない。むしろ安易な値上げというものを助長をして、値上げに安易に頼るようになって、国鉄自身の努力、政府の助成の努力というものを二の次三の次にされてしまうという危険を指摘をして、強く反対をいたしました。いろいろな経過を経てこの法案が成立をした。その後現状を見ておると、そのときの心配どおりになってきているという感じがぬぐい得ない。先ほどからの質疑、答弁を聞いていてもなおさらその感を深くいたします。したがって、私は、本来運賃法定制をもう一遍昭和五十二年秋の臨時国会の当時の線に戻すべきであるという基本的な考えを持っているのでありますが、当面はこの国鉄小委員会を適時適切に開かなくちゃいけない。運賃の値上げばっかり適時適切にやると言っているが、こういう調査委員会も頻繁にやはり開いていくべきだということを、まず強く重ねてここで私の考えを述べて、質問に入りたいと思います。 それでまず具体的な質問から入りますが、先日私が報道によって聞いたところによると、片道百キロから三百キロの近距離について往復割引制度の導入をやる、こういうふうに言っておりますが、この実施はどういうふうにやられるのですか。
○説明員(吉武秀夫君) 百キロから三百キロまでの割引制度につきましては、運賃の改定の際の認可のときに大臣から御指示がありまして、それで現在その中身についてどういうふうにやるかということを検討しておる最中であります。考え方は、営業努力の一環として、旅客の利用の増進等増収確保という観点からきめの細かい営業対策をやろうという前提で、そういう御指示がありましたので、そういう範囲でいまどういうところが適切であるかということを勉強しておる最中でありますので、ちょっと確定的なところはまだでき上がっておりません。
○内藤功君 この調査小委員会はそう頻繁に開かれる委員会ではありませんから、できるだけここで答えていただきたいと思うのです。 まず、聞くところによると、特急、急行の停車駅間の運賃に限って実施を考えているというふうに伝えられますが、そういう方向なのかどうか。これはそれに限らないで、百キロから三百キロというふうに限るのであれば、特急、急行がとまろうがとまるまいがすべての駅間で実施をするなら実施をするというふうにすべきものだろうと思うのですが、どういう検討になっているかをお話し願いたい。
○説明員(吉武秀夫君) 百一キロから三百キロまでの往復の割引という考え方は、ただいま申し上げましたように、きめの細かい営業増進の努力という観点から増収効果を上げるということでありますので、いろいろそのやり方があると思いますが、しかしそういう前提で考えますと、やはりかなり流動がある主要駅間というような形になると思います。したがって特急、急行が特にとまるとかとまらぬとかということは別にいたしましても、おおむねそういった主要区間という相互でありませんと増収効果という点にいかがかと思いますので、そういったような中で考えております。それで、割引ということでありますので、百キロから三百キロまでがいままでと違って第一地帯としてかなり上がったということからくるものといたしましても、その大多数の区間につきまして割引をすると言えば、その百キロから三百キロまでを第一地帯にし、三百一キロから六百キロを第二地帯にしたという効果が相当削減されますので、一ヵ所、一カ所われわれとしては中身を見ましてそういう形でやっていきたいということで、そんなに大きな区間にはならぬであろうというような感じでございます。
○内藤功君 きめの細かい対策として準備をしている、ならばいま私の言った特急停車駅、急行停車駅というようなことにこだわらないで、ひとつ十分な検討をしてもらいたいと思います。特にこれは公正妥当というのが運賃法の一条にも定められておる原則であります。これをやっぱりしっかりわきまえてすべてやることが大事ですが、この点についても要望をしておきたいと思うんです。 次に、総裁にお伺いいたしますが、五月の九日に交通特別委で私の質問した問題について、当然この日に総裁がおられれば総裁にお聞きするべき質問だったんですが、御不在でございましたのできょう聞きたいと思います。 国鉄が昭和四十一年以降四十六年までに合計四十両のディーゼル機関車DD五四、金額にしまして約三十億円近くの買い物をいたしました。この問題で、国鉄としてもこのDD五四が本来耐用年数は十八年でありますのに平均で七年四カ月しか使用しない、四十両のすべてを昨年の十二月までに廃棄処分にした、いま一両だけ物理的には残っていますけれども、あと全部スクラップになってしまった、このことを質問の中で認められたんであります。このDD五四の欠陥は、結局エンジンと変速器にあって、修繕しても直らない、そのために故障、休車が続発するという元来欠陥車であったということが明らかになったと思うんです。総裁として、こういう今日赤字財政が云々される国鉄で三十億近くの車両に対する投資が結果的にむだになったという点について、どういうふうに国鉄としての責任をお感じになっているか。また、これに対する基本的な対策をどのようにあれ以来講じられたのであるかという点を伺いたいと思うんです。
○説明員(高木文雄君) 新しく車両なりその他の技術を導入する場合に、どういうふうにチェックをして入れるべきかというのは、率直に申しまして非常にむずかしい問題でございまして、私どももまた別のいろんなものを新しくしていかなきゃならぬというときに、大変しょっちゅう悩まされておる問題でございます。御存じのように、ディーゼル機関車は、私も本件の問題が起こってから勉強したわけでございますけれども、大変ほかの電気機関車あるいは電車に比べてわが国の技術がおくれておったということも関連して発生したものではありますけれども、しかし現実に、いずれにしましても大変な金額の損害を国鉄会計に与え、結果として赤字の一要素をなしており、そしてまた、これをいずれは見ていただかなきゃならぬということになるということを考えますと、非常に改めて問題の重要さを感ずるわけでございますし、何とかこうしたことを起こさないようにとなかなか言い切れない、また、新しい物を入れなくちゃならぬこともいろいろありますのですが、何とかそれは今後類似のことの起こらないように努めるということが、この際私の果たすべきことではないかと思っております。 そこで、当面の方法としましては、私どもも一生懸命事情を調べますけれども、やや第三者的な方に見ていただいた方がいいという意味で監査委員長にお願いをいたしまして、監査委員会が中心になって、そう時間をかけても仕方がありませんけれども、数カ月の間にいろいろ関係者等から事情を聴取するなりして事情を調べていただきまして、今後こういうことを起こさぬための一つの教訓をここから学び取りたいというふうに考えております。
○内藤功君 いま監査委員会の話が出たんですが、私がそのとき指摘したように、当時導入したときの監査委員長はメーカーの前の社長だったんです。欠陥車両をつくったメーカーの前社長、現相談役が監査委員長なんだから、これはもう世間から見て徹底究明がやれるわけがないですね、やれるわけがない。ですから、私はそのときも大臣に申し上げたんですけれども、監査委員会に調査を命ずる、これは結構です。それは結構ですが、この際、人選、構成、それから権限の強化、たとえば取引上密接な関係がある企業へは監査委員会が立ち入り検査ができるとかというような権限の強化あるいは国会への監査委員会の報告の義務づけ、こういったいろんな抜本的な監査委員会強化の対策、それから監査委員会の徹底的な民主化の対策が必要だと思うんですが、総裁のお考えを伺いたい。
○説明員(高木文雄君) 監査委員会は国鉄に置かれてはおりますけれども、やや独立的な性格を持っておるわけでございまして、委員の任免も運輸大臣が行っておられるわけでございますので、私がいろいろ申し上げるのもいささかどうかと思いますけれども、しかし方向として、そういういま御指摘の方向はかねがね指摘を受けているところでもございますし、運輸省でもそういうお考えのもとに運営をしておられるというふうに思っておるわけでございます。したがって、今後の問題としてはいろいろ運輸省に御意見がおありになろうかと思いますし、私どもとしてそれをいま御指摘のような方向でお進めになることを運輸省でお考えになる場合に、私どもとして特に何か異論を申し上げるということではないわけでございます。
○内藤功君 政務次官に伺いますが、お聞きになっていると思いますが、この問題で大臣は、メーカーの役員が監査委員長になっている、特にメーカーの役員でその問題の車両がつくられたその会社の代表が監査委員長になっているというふうなことは好ましいことじゃないという答弁をしておるわけですよ。そこで、いま具体的に総裁には聞いた。総裁は運輸省がやられることには異論は言わない、こう言っておるんです。政務次官としてのお考え、これを伺いたいと思うんですよ。監査委員会の徹底的な民主化、さらに権限強化についていかがですか。
○政府委員(山上孝史君) DD五四の問題につきましては、いま高木総裁からお答え申し上げましたように、国鉄の監査委員会におきまして独自にいろいろ調査をされるということを伺いました。それは結構なことであると私どもは考えております。運輸省といたしましては、国鉄の監査委員会の調査の結果、これを待ちまして適切な措置を講じたいと考えております。 なお、監査委員会は、先ほど高木総裁もお答え申し上げましたが、国鉄法の中にありますが、委員及び委員長は運輸大臣の任命でございます。なお、国鉄法の二十条にも監査委員は、「物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であって日本国有鉄道と取引上密接な利害関係を有するもの又はそれらの者が法人であるときはその役員」は欠格であるということでございまして、当時の監査委員長につきましても、先生御指摘のような前の御経歴はあったかと思いますが、この欠格事由には該当していなかったと承知しております。なお現在この件につきまして調査をしようとされておる国鉄の監査委員会の監査委員長は、当時の方ではございません。
○内藤功君 再びこういうようなことがあってはならぬということで、その欠格事由そのものに当たらなくても、それに近いものだってあるわけですから、これは人選においてはやはり厳正を期してもらわなければ困るんですね。このままでいい、法律で規定があるからいいということには私はならぬと思うんです。その意味で重ねてこの点で念を押しておきたいと思います。ただ欠格事由に当たらないからというだけじゃなくて、人選には厳正、公平かつ民主的な立場で臨むということにこれは伺ってよろしいですか。
○政府委員(林大幹君) 先生の御意見のとおりでよろしいと思います。大臣が好ましくないという発言をなさったということについて、私も大変不勉強で、実はいままで存じなかったのでありますけれども、仮に好ましくないと大臣が発言しておられたとすれば、私は大臣の言葉を歓迎します。
○内藤功君 それから、さらにその問題について、これも先日聞いたんですが、総裁に伺います。 エンジン変速機のメーカーである三菱重工の方に対して、国鉄として損害賠償の請求をされるお考えがないかどうかという問題です。これはいわば国鉄はユーザーであって三菱重工はメーカーなんです。メーカーからユーザーがきずのある品物を買わされた、手っとり早い話が、そういう場合に損害賠償の要求も何にもしないで、国会では追及されて、内部で監査委員会が動きます、しかし、メーカーにはこれは何にもしないということは、これは取引上の世界ではあり得ないことだ、あり得べからざることだ。損害賠償の請求をしなければ、それでは損害がないということになるのか、品物にはきずがないということになるのか、それを認めたことになるのかということになりまして、運賃値上げなどを要求している赤字の国鉄としては、これはやるべきことをやったことにならぬと思うんです。労働組合のビラ張りにも損害賠償の裁判を起こしているような状況でしょう。これは黙っているわけにいかない。一体これは損害賠償の請求するのかどうかという問題ですね、その検討はしないのかどうかという問題です。これはいかがですか。
○説明員(高木文雄君) 本件につきましては、品物にそもそも本来的な瑕疵があったかどうかということなんでございますが、当時の事情をいろいろ聞きますと、非常にそういう変速機なり何なりに故障が多いということで、それを直さなきゃいかぬということで、メーカーにそれを瑕疵をただすべく要求したわけでございます。メーカーはそれに応じましていろいろ工夫もしたようでございますし、それからもとのパテントを持っております、パテントといいますか、ノーハウといいますか、を持っておりますドイツの会社の技師に何遍も日本にその後来てもらって、それをどうやって直すかということで一生懸命やったようでございますが、どうも結果としては、ドイツでは堂々とそれが動いておる、故障もなく動いておる。またほかの国でもかなりの国でその方式を採用して動いておる。ところが日本ではうまくいかない。その理由はどこかというとやはり日本のレール、鉄道の地形、地質の特殊性からいって非常に車両の変速機その他の部分に、つまり何といいますか、圧力がかかるといいますか、そこにしょっちゅう作動する関係で起こったんではないかということのようでございます。 そこで損害賠償の問題でございますけれども、やはり契約に基づいてそれに瑕疵がある、その瑕疵がメーカー側のどこか落ち度があるということであれば当然要求しなければならぬわけでございますけれども、どうもいままで調べましたところではその車両が日本のように山坂が多かったり、駅間距離が短かかったりするところにはやはり向かないのだという結果であったとしますと、メーカーの責任を問うことはできないのではないか、つまりそういうことについての適応性の調査が不十分であったということは言えるわけでございますけれども、それをメーカーに帰することはできないんじゃないかというのが現在の判断でございます。私どももあらゆる場合に、故意なり過失なりを通じてそういう損失を受けました場合には、賠償を求めることはかなりこまごまとやっておりますので、そっちの方の担当の者にも調べさしてはおりますけれども、どうも瑕疵を生じたことについての、メーカーのいわば責任を追及するに足るだけの過失というものがなかなか指摘できないという状況で、いまのところは賠償を要求することは無理だなというふうに考えております。
○内藤功君 これは細かい議論はきょうは避けますが、故意過失のいわゆる不法行為責任を問えということを言っているんじゃない、いわゆる民法なり商法なりにいう瑕疵担保の責任ですね、これを問うわけですから、故意とか過失とかいう主観的な要素の問題ではないんです。そういう取引上の責任を問うという検討はやはり当然されてしかるべきです。非常に私はいまの御議論は消極面があるので、これは国鉄でも損害賠償訴訟を担当する専門の法務のセクションもあるし、まあ総裁御自身も私はそれなりのもちろん御知識はお持ちだと思うけれども、専門のセクションにやっぱりこれは命じて、監査委員会が調査中なんですから、その結論を待ちながらそれも検討すると、損害賠償要求も研究し検討するということでないとこれはいかぬと思います。初めからこれはむずかしい、過失がないとあきらめるということはできないと思いますが、いかがですか。
○説明員(高木文雄君) その点はまさに御指摘のとおりでございますので、私も気にしておるわけでございます。で、そういう法律的角度からの検討もいたさせます。ただ、いままで聞いたところではどうもなかなかそこまで結びつかないのじゃないかというふうに報告を受けておるという意味で申し上げたわけでございまして、そのまま放置するということではなくて、そこは詰めた議論をさせたいと思います。
○内藤功君 では次に、これはいわゆる国鉄の財政破綻の問題、同僚議員からもいろいろ質疑がなされました。私はいわゆる国鉄の借金政策の問題についてお伺いしたいと思います。 国鉄の財政破綻の大きな要因が、これまで取り続けてきた借金依存の政策にあるということは今日非常に数字的にもはっきりしてきていると思うんですね。国鉄当局から数字の資料もいただきましたが、昭和五十年度末の長期債務残高は六兆七千七百九十三億円に達して事実上の破産状態ということで、五十一年度にはこのうち二兆五千四百四億円をたな上げをしました。しかしわずか二年後の五十二年度末には再び六兆八千八百六十六億円に達し、これが五十四年度末にはどうかというと十兆一千億円にも達する見込みだと言われております。この四年間の増加額、増加見込みも含めた増加額という意味ですが、これは五兆九千億円になりますが、このうちの四兆円、五兆九千億のうちの四兆円、すなわち約七割が工事費への投入分、つまり設備投資資金のための借金という、こういう計算になると思いますが、これは鉄監局長いかがですか。
○説明員(加賀山朝雄君) いま御指摘の数字は、借金の残高のふえ方はそのとおりでございます。工事費の数字が、ちょっといま正確に手元にございませんが、およその数字としてはその程度の額に達するかと思います。
○内藤功君 このために支払われた利子の数字を見ますと、私の調べたところ、国鉄からの数字なども聞きまして調べたところでは、五十一年度が三千百六十億円、五十二度年が四千十九億円、五十三年度が四千八百二十九億円、五十四年度が五千五百七十億円というふうに急激に増加をしておりまして、これを今度は国鉄全体の赤字額の中で利息の占める割合を計算して見ると、五十一年度が三五%、五十二年が四八%だったところが、五十三年度に六〇%、五十四年度は六八%という数字になってきております。約七割。借金に依存する政策が国鉄財政を大きく圧迫している。このことはもう数字できわめて明らかだと思うんです。この点についての、いま私の言った数字的な割合、これはいかがですか。
○説明員(加賀山朝雄君) 先生の利子の実額につきましては、そのとおりでございます。
○内藤功君 こういうふうにいままで取り続けてきた借金依存政策というようなものが国鉄財政を圧迫している私は最大の要因の一つだと思うわけでありますが、ここにメスが入れられてその転換がなされない限り、本当の意味の国鉄再建は私は不可能だと、こう言わざるを得ないと思うんです。政府も最近ようやく整備新幹線の五線については、これはもう工事費の全額を国の負担にすると、こういうふうに改められたようですが、このこと自体がいままでの借金財政の事実上の破綻を認めたことに私はほかならないと思うんですが、かような認識でよろしいですか。
○政府委員(山上孝史君) 国鉄財政の破綻の原因はいろいろありますが、やはり中でも設備投資が相当に後年度負担をかけていると、これが大きな要因であるということは先生の御指摘のとおりだと思います。
○内藤功君 私どもの党は一昨年の十二月に国鉄再建に関する見解を発表し、その前の年、七六年にも国鉄政策を発表して詳しく立て直しの方途を示しておるところであります。時間の関係でこの内容に触れる余裕がありませんが……。 次に私の方で伺いたいのは、国鉄総裁、きょうの冒頭の同僚議員の質問に対して、運賃値上げについては、今後の運賃値上げはこれはできないんじゃないかという質問に対して、限界に近づいていると、こういう答弁をされております。この限界に近づいているという国鉄総裁のきょうのこの場でお話しになった趣旨について、さらに詳しくあなたの考えを聞きたい。
○説明員(高木文雄君) 現状で申しますと、国鉄の運賃システムは全国均一運賃制度になっております。そこで、しばしば御指摘を受けますように、東京、大阪といった大都市におきますところの運賃水準は、私鉄と比べると私どもの方が高いという現象が、それもかなり差があるという現象がこのごろ出てきております。で、必ずしも全部の私鉄が競争関係にあるわけではございませんけれども、しかし競争関係にある並行路線のような場合には、お客さんがどうしても私どもの方は減るということになる可能性もありますし、それから減る減らぬにかかわらず、水準の問題としていろいろ問題がある。公共的使命を果たすべきものとして余りにも差が大きいというのは非常に問題があるというふうに考えます。そういう現象をとらえてみまして、また飛行機との関係等を考えてみましても、これは余りにも遠距離の場合には飛行機の方がコストが安いのは当然でございますから、いま原価主義を前提としてもろもろの運賃制度がとられている場合には自然のことと思いますけれども、必ずしもそう長距離でない場合にも飛行機との差が余り多くないということから見ましても、これは問題があるということは言えると思います。それでは、しかし全く不可能かといいますと、むしろ国鉄の方がまだ安いという地域あるいは場合はあるわけでございまして、ローカル線の問題などをいろいろ議論いたします場合でも、いろんな反対論が出てまいりますけれども、やはり国鉄の方が運賃が安い、それをやめられては困るということでしばしば言われますのでございますけれども、そのことは、地域によりましてはむしろ私どもの方がまだまだ安いということがあるわけでございまして、そういう意味から申しまして限界に頭をぶつけたというところまではいってないのではないか、そういう意味で限界に近づいておるというふうに申し上げたわけでございます。
○内藤功君 いまあなたの答弁の中でも、限界に本当に近づいているということの深刻な意味が非常ににじみ出ているように思うんですね。 そこで、これはもう私どもが一昨年の運賃法定制緩和法案のときに、あの審議のときに、いろんな角度からそういうふうになるぞというとおりに私はなりつつあると思うんですよ。私は最後に、運賃法定制緩和をやりましたけれども、二年近くの動きを見て、一体国鉄の再建の方向、収支相償うというところまでははるかに遠いとしても、こういうふうによくなってきましたと、二年前に比べて運賃自由化、法定制緩和してごうよくなりましたと、あるいはこういうふうに皆さん明るい曙光の方向に動き出しましたというところがありますか。たとえば田村運輸大臣、緩和法をつくったときの運輸大臣田村さんはこう言っている。運賃オンリーの依存政策から、運賃を一歩後へ下げて、運賃を一歩後へ下げて、まず国鉄の経営努力を一番前面に出す、それでも国鉄が負担すべき限界を超えておるものについては国も大いに負担する、そしてその後に運賃というものを、値上げを後の方に下げるんだ、こういう説明です。これは五十二年十一月二十二日の運輸委員会で、たまたまこれは私の質問に対して答えておるわけですね。ところが、実際は運賃の値上げが前面に出て、あとの二つはもう逆にいまだに後勁に追いやられているというのが私の率直な印象ですよ。総裁なりあるいは運輸省なり、どういう点がこの二年間に、国民はこれだけ一年間に四回値上げさせられて、こういうところはよくなったというものがありますか。事故はどんどん相次いでいる、職員のサービスはよくない。毎日のように新聞紙に、「声」欄、投書欄に出てきて、中心は国鉄職員に対するいろんな不満ですよ。それは国鉄職員個人をぼくは責めるわけじゃないけれども、国鉄職員というのは窓口になっているものだから、その人にいくわけですね。それは国鉄全体に対する厳しい批判です。サービスはよくならない、事故は相次ぐ、特に値上げのときは関東地方では十日間ぐらいずっと事故が毎朝続いたじゃありませんか。少しもいいところないですよ。運賃の自由化法以後どこがよくなったのか、どこがよくなっているのか。それはこれだということは言えますか。どこがよくなったんです。目に見えるところはどこなんです。
○説明員(高木文雄君) いろいろ職員の応接の問題とか、そういう点で従来から改善されてないじゃないかという御批判は、私どもも甘んじて受けなければならないわけでございます。その点は非常に残念に思っております。 で、どこがよくなったかということでございますが、率直に申しまして、二年ぐらい前から今日までそれじゃ何をしたかということになるわけでございますが、私どもとしましては、当面、貨物が大変赤字であるということから、昭和五十一年以来いろいろ努力をいたしまして、貨物を中心に全体としての能率を上げる努力をいたしました。大変時間がかかり過ぎた感がいたしますが、昨年の十月にダイヤの組みかえを行いました。それによりまして、職員数にしまして大体一割ぐらいのいわば減量経営を行うことができたわけでございます。そのはね返りといいますか、結果としまして、五十四年度の予算では、今度は予算上定員上五千人の定員を落としておるわけでございます。この五千人というのは、金額に直しますと二百億ぐらいにしかならないわけでございます。ですから、私どもも決してこういう席で肩を張ってこういうふうにやっておりますということを申し上げるに足るだけのものではございません。しかし、過去、戦後だけとってみましても、旅客につきましても、貨物につきましても、要するに列車をふやすということをやってきたわけでございまして、今回初めて大規模に列車を減らすということをいたしたわけでございますので、その意味ではかなりいままでのトレンドの上から言えば違う方向のことができたつもりでおります。そこで、こういう方向で今後進めていくことについてはずみをつけることができたということでございまして、この方向をずっと進めてまいりまして、いかにしてコストを減らすといいますか、減量経営をやるかということの一里塚に達することができたかなというふうに思っております。私自身もいささかどうも物事の進みぐあいが、テンポが必ずしも皆様の御期待に沿い得るものではないということをみずから認めておりますけれども、まあしかし、そういう方向に歩み出したということについては、私は今後の再建への努力、その中の企業自体の努力への道筋がいささかでもつき得たというふうに考えておるわけでございまして、そのことが国民の皆様の御期待からはかけ離れているかもしれませんけれども、そうしたことではないかと思っております。 なお、事故があるというお話ではございます。事故は確かにございますのですけれども、昨年一年間の運行状況を見ますと、まあ事故による運転阻害件数あるいは事故による運転遅延時分というようなものは、全国的に統計をとっておりますと、年々改善の方向に向いております。これは、一つには数年前から設備の取りかえに従来よりは投資をしてきたことと、職員の気持ちがいささかながら緊張に向かいつつあるということではないかと思います。しかし、さりとて少しよくなりましたというだけではまだ望ましい水準にはなっていないわけでございますから、方向がよくなりつつあるということでございまして、これで目的までいったというところにはまだはなはだ遠いということは十分承知しております。しかし、ほかにもありますけれども、そうした面で方向はいい方向といいますか、御叱正を賜らぬでも済むような方向に向かって歩んでおるということだけは言わしていただけるんじゃないかと思っております。
○内藤功君 最後に、一年間に四回の値上げの攻勢を受けて、三年前は三十円で行けたところが百円になっている。これは、庶民の実感としては十円でも二十円でもやっぱり安く乗りたい、なるべく財布から金を出したくない、いまそういう状況ですよ。物価も上がってきてますしね。そういう中で——それは役所の中では何かやっているでしょう。しかし、そのことと一年間四回値上げを受けている国民の感情というものとはいまの御答弁聞いてもこれはぴったり合わないなと思うのです。というのは、私はここに五月二十九日の朝日新聞の投書欄に載った飯岡さんという詩人、東京都、四十七歳、これを持ってきているんですけれども、全部は読みませんが、要するに、小田原から新幹線に乗った、小田急で行けば五百五十円で済むところ、四倍の二千二百円払って時間を金で買ったつもりで東京へ向かった、ところが、四十二、三分で到着するはずの東京駅に着くまでに一時間半かかった、九時半から十一時まで。そうしてふんまんやる方ないので、子供じみたやり方だけど改札で特急券出さなかった、提示を求められたので逆に抗議した、そのやりとりの中で先方が言った言葉は、あんたあたりに何もできはしないということを言われたというのです。その一言は、こういうふうに値上げを四回も食らっていて、この日も小田急で帰ればいいところを新幹線で二千二百円払ってやって、しかもポイント故障だということについてもごくごく義務的なアナウンスしかないというものが積み重なってこういうやりとりになったと思うのですけれども、この飯岡さんという投書者は、おまえがほえたところで国鉄は蚊に刺されたほどにも感じないのだということであろう、こういう国鉄は巨象のごとく倒れるだろうと、こう厳しく糾弾している。これはこれだけの言葉が出ているのはよほどのことだと思うのです。私はこれがやはりいまの庶民の感覚で、高木さんがいまそれなりにオフィスの中で努力している、これもやりました、あれもやりましたというお話はそれなりに承りますけれども、まだここのところで余りにも隔たりがあるんですよ。ですから、値上げはそろばんだけでいくものじゃなくて、値上げ分を払う国民の気持ちにならなければこれは失敗しますと私は思います。 最後に総裁にお聞きしたいことは、そういう観点で私は年来サービス問題をここで強調しているのですが、その一つとして、身体障害者の方、視力障害者の方の点字ブロックの問題を幾度か取り上げてやりました。これも時間がないから省略しますが、この間、東京地裁で高田馬場駅事件の判決があった。国鉄の過失を認めた判決なんです。ところが、控訴するなといういろいろな御意見もあったが、結局控訴した。これからまた何年か苦しい法廷闘争を原告はやらなければならぬと思うんですよ。私はここでいまさら取り下げろと言ったって、あなた方の答えはわかっているから、これは要求だけにしておきますが、一体どうなんですか、控訴はしても、控訴をしたということと——あの一審判決の中に書いてあった国鉄の駅員の方のホームにおける監視義務だとか、それから点字ブロックを完備するとか、こういう判決の精神というか、あの底にあるもの、やっぱり裁判官があの判決は何日か徹夜して書いたと思うんですよ。そういう裁判所の書いた精神、これは控訴をしている、していないとにかかわらず、これは国鉄の運営の中に生かしていくということがなければいかぬと思うのですね。いま控訴中だから、この判決に書いてあることはこれはもう無視するということであってはならぬと思うのです。そこらあたりの総裁のお考え方を最後に伺っておきたいと思うのです。
○説明員(高木文雄君) 営造物管理の過失責任についてもいろいろ問題がございます。そしていろいろと訴訟も起きておるわけでございます。しかし、何分にも人命に影響を与えるということは絶対に許されないわけでございますから、そういうことを起こさせないように、いろいろできる限りの対策はとってまいらねばならぬと思っております。当委員会におきましても、しばしばそういう身障者の問題について御指摘を受けておりまして、まあ金とのにらみ合いもございますけれども、少しずつではございますけれどもそっちの方向に向かって、誘導ブロックにしましても、あるいは身障者用のエレベーターにいたしましても、また車で乗れるような車両に改造することにいたしましても、やってはおります。ただ、あるいはその進め方が遅いという御批判はあろうかと思いますが、そのことは国鉄が赤字でありましても、ないがしろにすることはできないわけでございまして、今後とも進めてまいりたいというふうに思います。
○柳澤錬造君 国鉄の再建のために何をしなきゃならぬかということを中心に幾つかお聞きをしてまいりたいと思うんです。 最初に、総裁の方にお聞きをしたいんですが、五十二年の十二月にあの運賃法定制緩和法案が成立をしたんですが、あの法案に賛成のときに私は、ぜひともこのローカル線についてチェックをしていただきたいということを要望申し上げたんです。それは、三つに区分をして検討してほしい。三つの区分というのは、いわゆる多少赤字になろうが黒字になろうが、そのローカル線がかなりの国民の利用に供されているもの、それから二つ目には、これは北海道なんかへ行って見てきたんですが、他にかわりの足がないところです。で、そういうところは収支係数が幾らになろうともそれは国がその穴を埋めてでもこれは走らせなくちゃならないところです。それから三つ目には、かなりの赤字を出しながらそれに並行してバスがたくさん走っている、バスが一日二百二十往復をしているところに汽車を一往復走らせているというふうなところがあるんだけれど、なんでそういうところを走らせるかということになるんで、そういう三つに区分をして、そしてどういう対策をとるのかということについてぜひやっていただきたいという要望を申し上げたんですが、そのお答えをきょうは聞きたいんです。
○説明員(高木文雄君) 先生が五十二年十二月に御指摘になりましたお考え方と、運輸政策審議会の小委員会がつくられました御答申とは、細部はとにかくとして、大筋においては同じ線の上にある考え方ではないかと思います。私どもも、事務的な立場で、政治的なことを別にして考えますと、運輸政策審議会の小委員会の御答申の線で取り組んでいってはどうかというふうに考えておるわけでございまして、その意味では先生の御意見と違いがないのではないかというふうに考えております。 ただ問題は、対策の方向はそういうところにあるといたしましても、これを具体的にどういうふうにして進めていくかと、バスと代替し得る地域についてはレールをやめてバスでもよろしいではないかと申し上げたいわけでございますけれども、しかし、それをわれわれがわれわれの都合だけでそういうふうに言っておるように受け取られますと物事は進まなくなりますので、やはり各地域の方々に各地域の問題としてどうお考えいただけるかということを御討議いただいた中から、御討議の結果で、そのかわり、たとえばこういうことをせいとかああいうことをせいとかいう御要請もありましょうから、そういうことを伺いながら進めていくべきではなかろうかと思っておるわけでございますが、まだそこの、どういうふうにしてそういう手順に入っていくかというところまで到達いたしておりませんことをまあ私どもとしても残念に思っておるわけでございまして、ぜひ今後とも運輸省とも御相談して、そういう方向で何とか問題のせめて入り口に取りつけないものかというふうに思っております。
○柳澤錬造君 総裁、そうすると、この小委員会がお出しになったのは拝見はしているわけなんだけれども、私がお聞きをしたいのは、これだけの膨大な赤字を抱えてあっぷあっぷをしている国鉄が、みずからの知恵と努力でもって、経営の責任ある者として、こういう改革をしたいというものはお出しにならなかったんですか。
○説明員(高木文雄君) まあローカル線問題については、前々から私の方の諮問委員会なりなんなりから、何らかの形で対策に取り組まないことには国鉄の経営全体の負担になりますよという指摘はしばしばあるわけでございまして、そうしたことを背景として運輸政策審議会の小委員会でもそれをお取り上げいただいて、運輸省で政策審議会に諮問をされた。そしてそれがそういう形になって出てきたわけでございます。ただ、私どもも十年来いろいろ取り組んで、ほんのわずかの線でございますけれども廃止したという経験を持っておりますが、どうもそれが多少役人的というか、一方的な都合でやや押し切ったというような感じを皆様から受けておりますので、いままでのやり方を別のやり方で進めていかないことにはとてもうまくいかないだろうと考えておるわけですが、それにつきましても、場合によりますと法律をつくっていただかなければならぬような点もありますし、ということで運輸省にもお願いしているわけでございますけれども、まだどうももう一つ全体としてそういうことの案をつくって国会に御審議を求めるには、その前にいろいろやるべきことがあるではないかということで、いま足踏み状態になっておるわけです。私どもとしては、何とかそういう所要の法律を出していただけるような雰囲気づくりを何らかの方法でやっていきたいと思っておりますけれども、ほかの再建問題といった仕事の方にいささか追われている感じでございまして、いまずばりこういうことをこういうところへお願いするというところまでは至ってないわけでございます。
○柳澤錬造君 じゃ総裁、重ねて聞いていきたいんですが、そこら辺が大事なポイントになるんだけれども、これは運輸省の方が諮問をして、小委員会で出されて、この答申が出てきた。で、何とかこの点早いところ法改正も多少必要だと思うんだけれども、それをやっていただきたいと思っている。そうすると、これには国鉄側としては御意見、御発言は何もないということで判断してよろしいんですか。
○説明員(高木文雄君) これは重要な政策問題でございますしいたしますので、やはり主体としては、運輸省の方で具体的にどういうふうな法律をつくるか、あるいはどういう手順でやっていくかということを政府の各機関と御相談の上でお決めいただいて、そして国会で御審議願うということが必要ではないかと思いますが、私どもとしては、現状ではなかなか私どもだけの力で、そして現行もろもろの制度の中でその御答申の線に沿って私どもだけでやっていくということは、現実問題としてほとんど不可能に近いという考え方でございまして、そういう意味で、やはり政府にお願いをしなきゃならぬ。で、いろいろ手順その他をつくっていただいて、それに基づいて私どもが今度は個別の問題について地元その他と御相談しながら進めていくという手順になるのではないかというふうに考えております。
○柳澤錬造君 私が知りたいのは、今日の国鉄を再建するについて、その経営に携わっている国鉄の当事者として、どういう再建プランをつくるか、こういう点についてはこういう改革をしたい、この点については私たちの手には負えないから国でめんどう見てもらいたいとか、いろいろとあると思うのです。それをおつくりになって、それを運輸省の方に出して、運輸省の方がそれを判断する。運輸省が判断するについてはなかなか、なんだから、ひとつ小委員会を持って、いろいろ第三者といいますか、そういう一般国民の代表という立場でそういう各界の人たちが入ってやってもらおうか、そういうものじゃないかと思うのですよ。そのかわり、こうやって出てきたら少々なことがあっても、それはああだのこうだの言わないで、それは極端な言い方をすれば、ここへかけてそれで国会の場で審議をしていただいて、そして早いとこ軌道に乗っけていって再建に当たるというものだと思うので、その辺についてのお考え方、これは総裁とそれから次官もいらっしゃるので両方の方にお聞きをしたいのです。
○説明員(高木文雄君) 現実問題として、たとえばこの線はバスに切りかえてもいけるのではないか、確かに御不便は少しふえますかもしれませんけれども、しかし、資源配分という点からいって、道路にもお金をかける、鉄道でも赤字を出していくというのはまことにまずいことなんだから、ここはレールの方からバスの方に切りかえた方がよろしいのではないか、そして、もちろん当然その結果として国鉄の経営にもプラスになる、したがって経営者としてぜひお願いしたいということでございますけれども、いまのところ長年の鉄道に対する地域の方々の感触としては、それは国鉄は公共的使命を果たすべきものなんだから、おまえの方の都合で勝手にやめるということはだめだといって反対をされた場合に、事実問題として、私どもが御同意を得られない場合に押し切るということができるような雰囲気にないと私も考えておるわけでございまして、その意味でやはりその辺についての何といいますか、国民の合意を得たい、そのためには、いろいろ法律の形式その他で御審議を願いたい、私もそう考えておるわけでございますが、ですが、それは非常に問題が問題だけにまだそういう雰囲気になっていないということで、今日の段階では決してそれをやらないということではないのでございますけれども、まだ、何といいますか、雰囲気ができてきていないということで、ことしは法律案という形にはならなかったわけでございます。私どもの立場ではぜひ一日も早くそういう手順に入っていただきたいというふうに希望はいたしております。
○政府委員(山上孝史君) 国鉄の地方交通線問題小委員会の審議におきましては、私どもと同様に国鉄からもオブザーバーとしての立場で参加をしていただいております。そういうことで、事実上国鉄ともいろいろすり合わせをしながら、この小委員会の御審議をお願いしたという経緯がございます。なお小委員会の最終報告につきましては、地域住民へのいろいろ影響があることでもあり、この最終報告の趣旨に沿って目下慎重に検討中ということでございます。 なお、実は一応事務当局としては、今国会に必要な法案を一応出したいということで提出予定法案、これは政府限りのことでございますが、それに当初載せていただいておりました。ところが、大臣の判断といたしまして、この地方交通線対策は再建の基本方針にもあるとおり、避けては通れない道ではありますが、しかし再建の基本方針にもありますように、何といいましても国鉄の再建につきましては、国鉄自身の徹底した経営の改善ということが大前提である、したがいまして、経営改善というものをまず前提として地方交通線対策も考えるべきであるということで、今国会への提出予定法案は撤回をしたわけでございます。しかしながら、これは避けては通れない道でありますので、できるだけ早い機会に具体的な対策を詰めまして、それで必要な法案等また御審議をお願いすることになるかと思います。 なお、先生より最初御指摘がありました五十二年十二月八日の先生の御提案につきましては、私も速記録を読ましていただきました。当時の政府委員からもお答え申し上げておりますが、私も先生の御提案を拝見いたしますと、小委員会の最終報告、これは三分類いたしましてそれぞれ措置をすべきであるというこの三分類に、先生の御提案の御趣旨が基本的には生きていると、このように私は理解しております。
○政府委員(林大幹君) ただいまの柳澤先生の御質問でございますが、あらましにつきましては鉄監局長から説明したとおりでありますが、御案内のように、国鉄の線全体の四〇何%というのが地方線でございまして、この問題は非常に大事でありますとともに、これをそのような形で取りかかるときには、どうしても地方公共団体の協力も得なければできない面が多々ございますので、実は今国会にぜひ間に合うように準備をいたしまして諸先生の御審議をいただきたいと、こういうつもりで取り組んでおりましたが、非常に事が重大でもございましたので慎重にさらに内部を詰めまして、できるだけ早い機会に先生方の御審議をお願いしたいということで、今国会の提出は見送らさせていただきましたが、柳澤先生が昭和五十二年十二月八日の先生の御質疑の内容についての三つの分類については、ただいま鉄監局長、また総裁の方からもお話ございましたように、ほぼ先生のお考えに大体において私は類似した形で政府側の案もいま詰められているというように理解しております。
○柳澤錬造君 ほぼ含まれているというような見方でいいんですけれども、ちょっとこれを見て、私、気になるのは、私が三つに分類といって第二分類に入るのを収支係数が八〇〇になろうが一〇〇〇になろうが、そこをなくしたら他に足がない、そういうところはもうそれは全部私から言うならば各線ごとに計算して出てくるのですから、一〇〇%もう国で見てもらいなさいということなんですよ。これは少し経済性だけで判断をして、どうも採算上これはなんだ、じゃあここはもう第三セクターをつくって何とかするとかという形で、その辺がちょっと違う点があるけれども、まあ何とかして再建をしたいという点ですから、そういう目的は同じだと思うのです。 ただ、総裁それから次官、運輸省の方の皆さん方にお考えいただきたい点は、私は根本的にといいますか、基本的には国鉄の再建のために本気になってやる気があるのかどうなのかということですね。民間なら、これはこの前運輸大臣はもう破産会社だと言ったんだけれども、もうとうに破産してつぶれてなくなっちゃっている。どんなにサボっていようが何をしていようとつぶれないというところが、私に言わせたら、皆さん方もつい、まあいいやまあいいや、反対だと言うから何とかということになっちゃう。反対するからしようがないじゃないかといって、そのたんびに赤字が累積をしていく。じゃあその赤字をだれが埋めるんですか。結局国民の税金でしょう。そうすると、その人たちはあなた方は反対を言われるのはわかるけれども、じゃああなた方のために日本国民全部が何がしかのお金をこうやって負担をしてもらっているということはお考えいただかなくちゃいけませんですということを言って、そしてその地元の人たちのための意見も入れながらどうするかということを私はそういうローカル線一本一本についてやっていかなければならない。だからさっきも言うとおり、北海道のところなんか行ってみますと、あの収支係数が八〇〇幾らだと。そんなもの八〇〇であろうが何であろうが、逆にそこはきちんと汽車を走らせてその赤字分は全部国が見るという、そういう政策が私はとられるべきだと思うのです。 ですから、こればかり言っていても、時間があと十分しかないですから、二番目に聞いていきたいことは、減価償却、いろいろあるのだけれども、まず営業収入の中で人件費の占める割合、昭和三十年代というのは、大体ここ調べてみて五四%前後、多少のなにはありますけれども、四十年代も前半のころはまだ六四%前後ぐらいにいるんです。四十年代の後半、特に四十九年以降から急速に赤字がふえてくるんですね。その辺について国鉄として具体的にどういう対策をとられたのかということなんです。
○説明員(高木文雄君) まさにおっしゃるとおりでございまして、収入と人件費で見ましても大変人件費率が高いということになっております。四十九年からそうなったということは、オイルショック、狂乱物価という後の五十年の春の賃金改定率が全国的に高かった。そのときに、民間の場合にはかなり早い対応を示されて、当時から、そのころから減量経営に入られたんだと思います。ところが私どもの方は、先生も御存じのマル生後遺症というような問題があって、経営側の足腰が極度に弱っておったときでございました。そのことのために、世の中一般と同じようにそうした減量経営の努力を欠いておったということが非常に大きいと思います。同時に、いまから考えてみますと、ちょうど五十年ぐらいから旅客収入の伸びが落ちてきております。岡山から博多への新幹線の開業というようなことがございまして、どうにかむしろ収入をふやし得るのじゃないかといった期待をした時代に、不況の影響もあったかもしれませんが、逆に旅客収入が落ち始めたということでございました。それをわれわれが気がつくのがいささか遅かったということを言われてもいたし方ないわけでございます。いま、それを追っかけて何とかして減量経営に向かって進まなければならぬと思っております。また、ちょうどそのときに、せっかく国会で一遍御承認をいただきまして値上げをすることになったわけでございますが、狂乱物価といったような関係から半年、運賃改定時期が改めて法律が出されて延ばさざるを得ない状態になったといったようなことが重なった結果、四十九年ないし五十年のところで非常に極度に経営が悪くなった。これは人件費率でいまお話しになりましたけれども、経営全体としてもそこでひどく悪くなったわけでございまして、いまそこを、もう五年もたっておりまして大変遅いわけでございますが、それを直すことに全力を尽くすことが当面どうしても必要だというふうに考えております。
○柳澤錬造君 オイルショックで狂乱物価、大幅ベア、これは確かに全体的にそういうなには出たのですが、そこで総裁、私が聞きたいのの大事なポイントというのは、四十九年から悪化して、ここにもあるように五十年は人件費の割合が九六%、これが最悪だと。その後もいまずっと八五%ぐらいに来ている。ところが民間の私鉄の方は、多少のところは出たけれども、国鉄のようにならないで大体横ばいで来ているのですね。ですから、その辺が、減量経営を民間はやられたけれども国鉄は間に合わなかったとかという御発言なんですけれども、私が一番気になる、お聞きをしたいのは、その辺の取り組みのポイントなんですね。少なくとも一年たったらもうその前の年の数字が出てきてわかるわけでしょう。じゃこれに対してどういう手を打ってこの悪化をしていくのを食いとめなくちゃならないか、そのために何をしようか、さあみんな知恵を出せと言って、そこでもって幹部の皆さん方おやりにならなくちゃいけなかったんですから、それが実際におやりになられたのかならないのか、どうも私たちが見ている限りではあんまりしなかったような状態でずうっと来たような感じがするので、結局民間との違いが出てきてしまった。だから民間の場合には、別に生産性運動をやりているわけでもないんだけれども、民間の私鉄というものはそれほど人件費の割合が上がってきてない。何で国鉄だけがそうやって上がってしまうか。そういう段階に立って民間と比較しても、あの監査報告書でも、監査委員会が私鉄との比較で国鉄の生産性が悪いということは数字を挙げてあのとおり出されているのですけれども、恐らく総裁もいまの生産性がよろしくないということはおわかりになっていると思う。生産性向上運動と取り組んで何とかしてそういうものの改善改革をするという、そういうお考えはいまどうなんですか。
○説明員(高木文雄君) いま数字を見ますと、私鉄の方はちょうどそのころから相当強く減量経営に努力をしたということが残っております。それに比べて、その時点での国鉄の努力は不十分であったということははっきり言えると思います。それに気がついて何をやったかというと、先ほど内藤委員のお尋ねにもお答えいたしましたように、とりあえず貨物を中心にしていま減量経営を始めたところでございまして、その程度もそれから幅も大変なまぬるいというおしかりを受けるだろうと思います。しかし、方向としては、大変また時間がおくれておりますけれども、私鉄の後を追うというか、そういう方向に歩んでおるということがお認めいただけるのじゃないかと思います。ただ、その場合に非常に不幸なことは、ここ数年に至りまして退職金負担とか年金負担とかいうものが急激にふえてまいりまして、人件費率がなかなか下がらないという理由の一つに、逆に人件費の中の退職金部分、年金部分の実額が急激にふえてきておるわけでございまして、そういう面で非常につらいところに追い込まれております。運賃の改定でおしかりは受けましたけれども、まあまあ相当収入も上がってまいりました関係もあって、それからまたベースアップがだんだんマイルドなものになってきたこともあって、人件費率はだんだん下がりつつあるわけでございますけれども、下がりつつあると言いながらなおかつ思ったほど下がってこないというのは、人件費の中の現に働いている人のためのものでない、やめる人あるいはやめた人のための人件費がふえてきておるということで、しかもその増高傾向は今後も減らないということで、非常に再建がむずかしいということであろうかと思っております。
○柳澤錬造君 生産性向上運動は……。
○説明員(高木文雄君) 生産性は、当然絶えず向上する努力はしなくちゃならぬわけでございます。ただ、それが若干組合間の問題に当局側が首を突っ込む結果になったということが大変問題をややこしくしてしまったことではないかと思います。過去の思い出、歴史がありますので余り生産性向上という言葉は使っておりませんけれども、しかしあらゆる方法で現場を中心にしていまいろいろな教育に努力をいたしておりますけれども、それに対する職員諸君の対応としては、入り口でだめだというようなことはもうないわけでございまして、その効果は徐々に出てくるのじゃないかというふうに確信をいたしております。
○柳澤錬造君 時間がもう参りましたので終わりますが、別に私は生産性向上運動と銘打って何かやれと言っているのじゃないのです。大変おくれている国鉄を立て直すには、そこに大きな一つのかぎがあるので申し上げているのです。いま総裁から具体的にいろいろやっているというお話もありましたので、これはきょうはよろしいですから、後ほどその点についてどういうことをやって、それでその成果がどの程度というようなことはまるあいいですから、いまどういう取り組みをしているかという、それを御提示をいただきたいと思うことを申し上げて終わります。
○小委員長(安田隆明君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時十一分散会